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平成26年  2月 定例会(第1回) 03月05日−02号




平成26年  2月 定例会(第1回) − 03月05日−02号









平成26年  2月 定例会(第1回)



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△議事日程(第二号)



                平成二十六年三月五日(水)午前十時開議

 第一 議第一号から議第八十六号まで

 第二 請願第三十三号から請願第三十七号まで

 第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第一号から議第八十六号まで

 一 日程第二 請願第三十三号から請願第三十七号まで

 一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十五人

      一番   山田 優君

      二番   道家康生君

      三番   水野吉近君

      五番   国枝慎太郎君

      六番   高木貴行君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   大須賀志津香君

     十一番   野村美穂君

     十二番   太田維久君

     十三番   田中勝士君

     十四番   加藤大博君

     十五番   酒向 薫君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   村上孝志君

    二十一番   川上哲也君

    二十二番   林 幸広君

    二十三番   水野正敏君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十七番   平岩正光君

    二十八番   佐藤武彦君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   森 正弘君

    三十三番   小川恒雄君

    三十四番   村下貴夫君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         志村隆雄

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   武井孝彦

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    古田幹雄

 同    課長補佐    中畑竜憲

 同    係長      清水尚仁

 同    主査      今西 淳

 同    主査      酒井弘貴



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          高原 剛君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        塚中和巳君

 秘書広報統括監      若宮克行君

 危機管理統括監      石原佳洋君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       秦 康之君

 健康福祉部長       川出達恭君

 商工労働部長       宗宮康浩君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         正村洋一郎君

 県土整備部長       山本 馨君

 都市建築部長       高木善幸君

 清流の国づくり局長    高木敏彦君

 観光交流推進局長     河合孝憲君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        竹内浩司君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    増田好則君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



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△三月五日午前十時開議



○議長(渡辺真君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(渡辺真君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第三十三号 国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願書ほか四件の請願書を受理しました。

 職員に関する条例に対する意見について

 人事委員会委員長から、平成二十六年二月二十七日付をもって、議第三十四号 岐阜県職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例については、異議がない旨の回答がありました。

 岐阜県教育委員会の職務権限の特例に関する条例に対する意見について、教育委員会委員長から、平成二十六年三月三日付をもって議第三十一号 岐阜県教育委員会の職務権限の特例に関する条例については、異議がない旨の回答がありました。

 岐阜県事務処理の特例に関する条例に対する意見について、教育委員会委員長から、平成二十六年三月三日付をもって議第三十九号 岐阜県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例については、異議がない旨の回答がありました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、お手元に配付のとおり、平成二十六年二月二十八日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により、定期監査の結果について、並びに平成二十六年二月二十八日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により、財政的援助団体等監査の結果について二件、並びに平成二十六年二月二十八日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により、出納検査の結果について報告がありました。



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○議長(渡辺真君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(渡辺真君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十四番 早川捷也君。

    〔四十四番 早川捷也君登壇〕(拍手)



◆四十四番(早川捷也君) おはようございます。

 議長から発言のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表して、まず初めに知事にお伺いをいたします。

 知事は、ことしは「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」の元年であると新年の抱負でも語られ、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックや東海環状自動車道の全線開通などを本県発展の起爆剤にするため、二〇二〇年の岐阜県の未来づくりに向けた本格的な取り組みを進めるスタートの年として位置づけられました。まさに二〇二〇年は岐阜県にとって大きな節目であり、また二〇二七年にはリニア中央新幹線の開業を迎えることになりますが、これらの起爆剤となり得るためには、それに向けた布石をいかに打っていくかが重要であります。

 「岐阜県長期構想の中間見直し」の策定を初め、「岐阜県成長・雇用戦略」「リニア活用戦略」「岐阜県緊急輸送道路ネットワーク整備計画」「第二次岐阜県教育ビジョン」など、各種計画やビジョンなどが策定されております。これらは岐阜県が目指す姿を示すものでなくてはなりません。そして、その姿の実現のための具体的な対策が盛り込まれた新年度予算案が、今定例会に提出されたところであります。

 そこで、私は、大局的な観点から今後の県政運営に対する知事のお考えをお聞きいたします。知事には、我が岐阜県の将来像をどのように描き、その実現のために何が必要だと考えているかなど、さきの提案説明で語られなかった思いや考えを十二分に答弁をしていただき、県民に理解を求めていただきたいと思います。知事の思いを語るには一時間では足りないかもしれませんが、具体的にわかりやすく御答弁をいただきたいと思います。

 それでは初めに、攻めの県政のかなめとなる財源の確保についてお伺いします。

 これまで本県においては、古田県政一期、二期目の八年間を通して財政再建への取り組みを進めてきた結果、構造的な財源不足の解消にめどが立ったところであります。

 こうした中、知事は、ことしは前向きに未来志向で攻めの県政を進めていきたいとのコメントを新聞で報道されていましたが、本県が今やらなくてはならないさまざまな課題に積極的に対応していくためには、地方交付税を初めとした地方財源を確実に確保していくことが重要であり、本県のように地方税に恵まれない財政力の低い自治体にとって、地方財政制度は重要課題であります。

 昨年決定された平成二十六年度の地方財政対策では、地方交付税や地方税などの一般財源総額は、昨年度を上回る六十・四兆円が確保されたところでありますが、地方にとって不可欠な地方公務員給与費の復元や社会保障の充実分などの財政需要が反映されたものであり、地方の安定的な財政運営の確保という観点からすれば、いわば当然の結果であります。

 また、我が国の経済は、アベノミクスにより緩やかな回復基調にあるものの、地方の経済環境は依然として厳しい状況にあり、こうした中で地方交付税においては別枠加算が三千八百億円削減されるなど、対前年比一・〇%減の十六・九兆円となったほか、地方財政計画の歳出特別枠も削減されたことは残念というほかありません。そもそも、国を挙げて地方分権の推進を掲げておきながら、これを実現するためには国と地方間の税財源の配分のあり方を抜本的に見直し、地方が自由に使える財源を拡充することが不可欠でありますが、別枠加算であるとか、特別枠などにより、その場その場をしのいでいることが問題であります。

 今後の地方財政議論では、地方交付税の交付団体と不交付団体の財政格差を拡大させる消費税率一〇%への引き上げが固まれば、新たな税収格差是正策の検討が行われます。これによって税収が豊かな自治体の財源が奪われることになれば、東京都などの猛反発は必至の情勢であり、自治体においても厳しい議論が行われることになります。

 また、決着が持ち越しとなっている別枠加算の取り扱いのほか、消費税率一〇%への引き上げ時に廃止となる自動車取得税や自動車税の見直しでは、その代替税財源が大きな焦点であり、これからがまさに正念場であります。

 このように本県を初めとした多くの地方自治体の財政状況は、地方財政制度の動向や、国の財政状況等の影響を受けることは避けられず、またその動向は不確定なものであります。しかし、地方を取り巻くさまざまな課題への対応は、財源がないということで先送りが許される状況ではなく、地方みずからが地方の役割を果たすため、その財源をしっかりと確保していかなければなりません。

 そこで、知事にお伺いします。

 これまで国は赤字国債に頼り、そして同様に、地方財政の運営においても借り入れや一時的な財政措置でしのいできましたが、消費税率が引き上げされるまさに今が、地方財政制度の再構築を図る絶好の契機であります。全国知事会など、今まで以上に地方が一致団結し、攻めの姿勢で強力に挑んでいかなければならないと考えますが、知事は地方財政制度はどうあるべきかと考え、これに向けどのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。

 そして、何といってもみずからの責任と権限で主体性と自立の質的向上を図ることが必要であり、そのためにはみずからが財源を確保することが重要であります。本県では、今後予定されている消費税率一〇%への引き上げにより、地方消費税が二百数十億円の増収が見込まれ、これにより社会保障関係経費の自然増に当面の財源手当てができるとしていますが、中期的な財政見通しにおいては、本県の税収見込みをしっかりと検証した上で、これを反映することが重要であります。言うまでもなく、県税収入は、経済動向等の不確定要素の影響を受けるものでありますが、本県においては、これまでにも企業誘致を初め、税源涵養につながる産業施策などを積極的に取り組んできたところであり、その費用対効果を検証することが次につながるものであります。そこで、これまでの税源涵養策が県税収入にどれだけの効果をもたらしているのか、またこれを踏まえて今後の県税収入をどのように見込んでおられるのかを知事にお伺いいたします。

 そして最後に、国における地方財政制度の見直しや経済情勢の動向など、不確定要素が多々あるものの、今後の県政を推進するに当たって、その土台となる本県財政の将来をどのように見通しておられるのかを知事にお伺いしまして、ここで分割をします。



○議長(渡辺真君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 質問は簡潔に、答弁は具体的にわかりやすくという新しいスタイルの御質問でございます。できる限り私どもの考えを述べるようにという、親心ということで、大変ありがたく感じておりますが、どういう形になりますか、しっかりと御答弁させていただきます。

 まず、今回の予算編成、ちょうど就任以来十回目、十年目ということになるわけでございます。この十年間を振り返ってみますと、大きく二つの方向で力を注いできたのではないかというふうに思っております。一つは、今御質問いただきましたことにも関連いたしますが、財政再建との闘いということでございます。もう一つが、この財政再建と闘いながらも、限られた財源の中でいかに積極的な県政、未来志向の県政を展開するかということでございました。この十年間は、この二つを両にらみで県政に当たってきたのではないかと、こんなふうに思っておる次第でございます。

 前者につきましては、まずは県民の皆様に県財政の危機的な状況、実態を十分理解をしていただくことと、そして広く御協力をお願いすることを旨として取り組んでまいりました。おかげさまをもちまして、最悪の事態からは脱出できたというふうに感じております。

 後者につきましては、やみくもに巨額の予算を投入するのではなく、岐阜県固有の強みや魅力を県民を挙げて十分に生かしていくことを心がけてまいりました。日本の真ん真ん中にあるという地の利、自然や地域文化などの豊かな地域資源、ここぞというときには信じられないほどの力を発揮する県民性、これらが私なりに感じております岐阜県の強み、魅力でございます。こうした強みや魅力をしっかりと見据えて、岐阜県のアイデンティティー、岐阜県民であることの誇りを確固たるものにし、県民の皆様とこれを共有していくことが、この十年間の一貫した課題でございました。それが、例えば「全国植樹祭」「全国豊かな海づくり大会」「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」という皇室三大地方行幸啓行事の開催、そしてその成果を生かした「清流の国ぎふづくり」へとつながってきておるんではないかというふうに思っております。その意味で、来年度の予算は、まさに「清流の国ぎふづくりに向けた本格的な予算」と言うことができるのではないかと思います。

 それではまず、財政に関していただきました御質問にお答えさせていただきます。

 まず、当初、このまま放置すればとめどもなく増加し続ける県債残高、あるいは公債費について、どのように歯どめをかけるかというところから出発をいたしました。そして、その上で、財政再建に腐心した十年間でございました。県債残高を減少に転じさせるための県債発行の抑制を初め、定員削減などによる人件費の縮減など、歳入歳出両面においてさまざまな対策を講じてまいりました。中でも、行財政改革アクションプランにおきましては、職員の給与抑制、県単独福祉医療費助成制度などの補助金のカットに加え、少年自然の家の廃止を初めとする公の施設の見直しや外郭団体の見直しなど、県民の皆様を初め、市町村や各種団体、職員の皆様の御理解と御協力を得るよう努めながら、多額の財源不足の解消を図ってきたところでございます。その結果、ここに来てようやく県財政の健全化にも一定のめどがつきつつあるという状況になったわけでございます。

 他方で、県の財政は、地方交付税を初めとする国の地方財政制度の動向の影響を大きく受けております。このため、県の自己努力はもちろんでありますが、これに加えて、国において地方の財政基盤をしっかりと支える地方財政制度を構築していただくことが不可欠であります。この点につきましては平成二十六年度の地方財政対策において地方の地域経済の活性化に一定の配慮がなされ、平成二十五年度の水準を一・〇%上回る地方一般財源総額が確保されております。しかしながら、今後の安定的な一般財源総額の確保といった観点から、大きく二つの課題があると思っております。

 一点目は今後の地方交付税制度のあり方、特に臨時財政対策債の取り扱いでございます。平成十三年度以降、地方の財源不足が急増しております。この財源不足は国における一般会計からの特例加算と、地方の肩がわり借金としての臨時財政対策債発行とで折半して賄われているというのが現状でございます。しかしながら、国の予算の四割程度が赤字国債で賄われていることを考えますと、将来にわたって引き続き国の財政措置が地方に対して確実に行われるのかどうか、大いに懸念されるところでございます。現時点では、臨時財政対策債の元利償還金相当額につきましては、毎年度、その全額が基準財政需要額に算入され、財源手当てされておるということでございます。しかしながら、当該年度の財源不足を賄うための臨時財政対策債の発行に加え、過去の臨時財政対策債の元利償還金を臨時財政対策債の新たな発行で補うという結果になっておりまして、一向に臨時財政対策債の残高が減少しない、そういう悪循環に陥っておるわけでございます。

 このような現在の制度は、財政の持続可能性の観点から、大いに問題がございます。本来行われるべき地方交付税の法定率の見直しや臨時財政対策債の廃止など、国において地方交付税制度の抜本的な改革に取り組んでいただく必要があるというふうに考えております。

 二点目は、地方財政計画におけます歳出特別枠の取り扱いでございます。リーマンショック後に緊急的に設けられた歳出特別枠一・五兆円につきましては、平成二十六年度の地方財政対策の議論の中で三千億円の削減がなされたところでございます。国においては、臨時特別枠は緊急的、政策的に地方交付税を増額するためのものであり、地方の実際の需要を積み上げたものではないといったような議論をする向きもございます。しかしながら、リーマンショック前の平成二十年度と、今度の平成二十六年度の地方財政計画の歳出を比較してみますと、歳出特別枠を含めても実質的にほぼ同水準になっておるわけでございます。したがいまして、我々地方にとりましては、歳出特別枠によって、県民への基礎的なサービスがようやく支えられているというのが実態でございます。こうした状況を踏まえ、歳出特別枠とされているものにつきましては、継続とか廃止とかいった議論ではなく、地方にとって今や恒常的に必要な歳出として、しっかりと地方財政計画に盛り込んでいただく必要があるのではないかというふうに考えております。

 次に、これまでの自主財源確保の取り組みの効果と、今後の県税収入の見通しについてお答えを申し上げます。

 県の財政にとりましては、今申し上げましたように、国の地方財政制度が大きな影響を及ぼすわけでございますが、同時に、県税収入等の安定した自主財源を確保することが重要であることは言うまでもございません。そして、自主財源確保のためには、県内諸産業の振興、企業誘致などを通じて、地域経済の活性化を図っていくことが重要でございます。このような考えから、これまで道路ネットワークの整備、企業誘致の促進、国内外をターゲットとした観光誘客、農林業の支援などさまざまな施策を実施してまいりました。

 例えば、道路ネットワーク整備の効果は、建設投資による直接的な経済効果にとどまらず、整備後においては交流人口の増加、利便性の向上による市場開拓や企業進出が期待できるなど、広範囲・長期間に及ぶものでございます。その最も顕著な例が、東海環状自動車道東回りルートの開通でございます。開通直後の平成十七年度の本県における工場立地件数は、前年度に比べて一気に三・四倍、立地面積では一気に五倍の増加となったわけでございます。しかも、その後も企業立地補助金制度の拡充、積極的な企業誘致活動と相まって、全国的に見ても非常に高い水準で推移しておるということでございます。

 観光の面について見ますと、本県が全国に誇る観光資源を見つけ出し、磨き上げるという「岐阜の宝ものプロジェクト」を平成十九年度からスタートしております。また、海外に向けては、「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」を平成二十年度から展開してまいりました。平成二十四年の観光消費額は、前年に比べ三・七%の増加、とりわけ外国人宿泊客数につきましては前年比九四・〇%増と、急増いたしております。さらに平成二十五年第三・四半期までの状況では、前年同期比で五五・六%増と、伸びでは全国第六位のペースで拡大をしてきております。これらはこれまでの本県の観光戦略の成果のあらわれではないかというふうに考えております。

 また、農業分野では、「飛騨牛」や「富有柿」を初めとする本県の誇る農産物の販路を、大消費地である首都圏はもとより海外にも拡大するなど、攻めの農業の展開に努めてきております。

 林業分野でも、大型の製材工場や合板工場、木質バイオマス発電施設などの整備を促進したり、公共施設における県産材の利用促進を図るなど、木材需要を生み出し、「伐って利用する」という循環型の林業の推進に取り組んできております。

 このような地域経済の活性化に向けた取り組みは、岐阜県の税収につながってくるものと考えております。影響の一端を企業立地補助金を例にとって申し上げますと、直接的な税収効果としては、平成十八年度から二十四年度の七年間に補助金百五十三億円の交付を受け、工場等を新設した企業六十九社からは、総額で二百九十五億円の税収がございました。このうち本県に新規に進出した企業十八社からは、六十五億円の税収がもたらされております。また、人口一人当たりの法人二税の税収に目を向けますと、全国平均を百とした場合の本県の法人二税の税収は、東海環状自動車道の開通直後である平成十八年度の七一・四から平成二十四年度は七八・七と七・三ポイントの改善が見られました。税収としては全国水準にはまだまだ及ばないわけでございますが、東海四県の中でこの期間に改善が見られたのは岐阜県のみであったわけでございます。

 今後も県税収入につきましては、景気の変動もございますし、国の税制改正がいろいろと議論され、またこれが大きく影響することが予想されますので、必ずしも確たることを申し上げることはできませんが、引き続き成長・雇用戦略の推進など、地域経済の活性化を通じ税収増を図るよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、今後の財政見通しについてお答えを申し上げます。

 本県の財政状況は、先ほども申し上げましたように徐々に好転しつつあります。平成二十六年度当初予算の内容を見ましても、歳出面ではこれまでの県債発行の抑制や総定員数の削減などの取り組みによりまして、人件費や公債費といった義務的経費について、平成二十五年度当初予算と比べ大きく減少させることができております。特に公債費につきましては、平成二十一年度をピークに五年連続で減少してきております。また、その他の歳出につきましても、必要な政策課題に対応しつつも、事業の必要性、効率性といった観点から見直しを行うなど、引き続き歳出の効率化に努めてきております。

 他方で歳入面では、県税収入は消費税率の引き上げによる地方消費税の増収、企業業績の回復などを背景とした法人二税の増収などにより、リーマンショック前にはまだ至っていないものの、相当程度回復してきております。

 こうした中で、新たな借金である県債発行につきましても抑制基調を続けております。この結果、臨時財政対策債を除いた県債発行残高は、平成二十五年度に平成十一年度以来十四年ぶりに一兆円を下回り、平成二十六年度末にはさらに九千五百億円を下回ることが見込まれております。また、平成二十五年度決算でようやく起債許可団体の基準である一八%を下回ることになった実質公債費比率は、平成二十六年度決算ではさらに下がり、一五・四%となるというふうに試算をしております。

 このように平成二十六年度当初予算におきましては、社会保障関係経費の自然増に対応し、重要な政策課題に対しても積極的な取り組みを行いつつ、引き続き健全化の方向に向かっているということが言えるのではないかと思っております。さらに、平成二十七年度以降の財政状況につきましても、以上申し上げましたトレンドは、当面向こう数年間は大きく変わるものではないというふうに考えております。今後とも行財政改革の取り組みを継続することに加え、県債発行の抑制など節度ある財政運営に配慮することにより、何とか持続可能な財政運営を行っていけるのではないかというふうに考えております。

 ただし、地方一般財源総額を初めとする地方財政制度の動向、社会保障関係経費の自然増、さらには社会資本の老朽化への対応など、中期的な財政のリスクは残っておるわけでございまして、今後の財政運営に当たりましては、これらのリスク要因を十分に認識しながら進めていくことが当然でございます。以上でございます。



○議長(渡辺真君) 四十四番 早川捷也君。

    〔四十四番 早川捷也君登壇〕



◆四十四番(早川捷也君) 大変わかりやすく、ありがとうございました。

 次に、「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」についてをお伺いいたします。

 昨年一月に三選を果たされた古田知事は、「清流の国ぎふ」づくりを掲げ、県民とともに将来の岐阜県について議論し行動する中で、さまざまな「清流の国ぎふ」を見つけていきたいと語られました。確かに、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会などの開催を通して培った県民の地域への誇りや愛情を未来の岐阜県づくりにつなげていこうというコンセプトは、大きな広がりと可能性を期待させるものでありますが、それが目指すビジョンは抽象的な感があり、一知半解というのが多くの意見であったと思います。

 本格的なスタートとなる今年度は、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機に取り組んだ県産農産物の地域ブランドの育成や、各市町村等が行う地域・スポーツ振興の取り組みなどが進められ、また二十九にわたる国際・全国規模のスポーツ大会が県内で開催されるなど、その成果は少しずつ着実に形としてあらわれ、進展しています。しかし、「清流の国ぎふ」づくりをさらに発展させていくためには、目指す姿や取り組みをもっと具体的に示していくことが必要であります。

 昨年九月、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることが決定し、日本中が歓喜に沸きました。また、その経済波及効果は二十兆円規模に上るものと試算もされておりますが、地方においては、その波及効果にとどめることなく、地域が躍進していく大きなチャンスとして取り組んでいかなければなりません。

 とりわけ本県においては、二〇二〇年には東海環状自動車道の全線開通が予定されるなど、まさに本県にとって節目の年であります。知事は、二〇二〇年を本県の節目として位置づけ、これに向けた具体的な進展を図るとした「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」を打ち出されたところでありますが、二〇二〇年を本県の節目とした以上、その将来像とロードマップをしっかりと示し、県民と共有した上で一丸となって進めていくことが「みんなが主役の清流の国づくり」につながるものであります。そこで、本県の新たな未来づくり元年として位置づけ、新年度から本格的にスタートを切ることになりますが、いま一度「清流の国ぎふ」づくりとは何なのか。そして、新たに始まる「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」はその中でどのように位置づけ、進めていかれるのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、岐阜県の将来像を踏まえた新年度予算等における考えについてお伺いします。

 まず長期構想中間見直しの三本柱の一つ、成長雇用戦略関連であります。

 我が国の経済は、アベノミクスにより景気回復感が漂っていますが、原材料の高騰や調達コスト高が利益を押し下げた企業も多く、特に中小企業ほど回復の実感がないとしており、今後についても消費税増税の影響に対する懸念から、先行きを不安視している企業の多いのが実態であります。また、雇用に関しては、総務省の労働力調査によりますと、派遣社員やパートなどの非正規雇用者は、昨年一年間の平均で一千九百六万人となり、雇用者に占める割合も三六・六%と過去最高を記録し、働く人の三人に一人以上が非正規雇用であります。逆に正規雇用は、昨年一年間で約四十万人も減少しているというのが実態であります。本県においても、昨年一年間の有効求人倍率は一・〇八倍と四年連続で上昇しているものの、新規求人に占める正社員求人の割合は三九・七%と一昨年より〇・七%の減少となり、依然厳しい状況が続いております。

 こうした中で、岐阜県成長・雇用戦略においては、航空宇宙産業を初めとした六分野を本県の成長産業、あるいは基幹産業として位置づけ、また、雇用分野においては、若者や女性、障がい者など、誰もが活躍できる場の創出や安定した雇用の確保に取り組むこととしております。そして、知事は、これらの目標を設定しながら政策議論を進め、四月から即実行に移すと意欲的でありますが、戦略を実行していく上においては、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要とその反動減、景気の下振れリスクなどを踏まえ、経済成長の底上げとなる実効性のある対策を打ち出していく必要があります。本県の経済を支えているのは、中小企業者や小規模事業者、そして労働者であります。さらには、県民ひとしく実感として感じてもらうことが成長戦略であります。国による画一的な対策に乗りかかるのみではなく、地域の実態を踏まえた本県ならではの対策を県民と一体となって粘り強く進めていくことが、本県経済を真に成長に導くものであります。

 また、農林水産業においても厳しい状況が生じております。急激な円安など為替相場の変動により燃料や肥料等の価格が高騰するなど、生産コスト増が経営を圧迫しております。とりわけ農業においては、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPP交渉の動向や減反政策の見直しなど、我が国は今まさに農業の大転換期、農政の大転換期を迎えており、現場では期待する一方、新たな政策が零細農家の切り捨てにならないのか、不安や懸念を抱いております。農業は、我が国にとって根源的な産業であり、将来にわたって維持、持続されていかなければなりません。それと同時に、国際化や少子・高齢化などを踏まえ、農業を成長産業に育てていくことが行政の責務であります。

 林業においても同様であります。長期的に低迷している林業の現状を踏まえ、国は「農林水産業・地域の活力創造プラン」において、林業を成長産業に育てる方針を打ち出していますが、森林面積が全国第五位を誇る本県は、可能性としての力を持ちながらも、木材の生産量は平成二十八年目標値五十万立方メートルとしている中、現状を見ますと、平成二十四年度実績ベースで三十六万三千立方メートルとなっており、目標値の達成には一層の努力が必要であります。そうした中、地域に根差し、文化や環境などにさまざまな役割を担っている農林水産業を成長に導くことは、本県の成長につながるものと言っても過言ではありません。

 次に、安全・安心な社会づくりも大きな課題であります。

 東日本大震災は、改めて県民の安全な暮らしを確保することの重要性を再認識する契機となり、近年多発する短時間集中豪雨や将来起こり得る南海トラフ巨大地震、直下型大地震の発生に備えた安全な生活基盤や地域づくりは最重要課題であります。

 本県では、昨年の二月に「南海トラフ巨大地震等被害想定調査結果」を発表しましたが、これによりますと、これまでの内閣府が想定したよりも被害が大きくなるという結果であり、活断層による内陸型地震においては、直下型特有の強い揺れにより、甚大な被害が発生することも明らかになったところであります。本県においては、こうした想定を踏まえ、引き続き県民の防災意識を高めるなど、災害への備えが整った地域づくりを進めるとともに、社会資本の安全性を高めることが求められていますが、財政的制約などがある中で、社会資本の老朽化への対応、さらには新たな緊急輸送道路ネットワークに基づく整備を進めていかなければなりません。

 また、県が管理する施設においては、建設後五十年を経過する施設の割合は、十年後には十五メートル以上の橋梁数は全体の約二七%、トンネル数は約一九%、大規模河川構造物にあっては、四十年を経過する施設が全体の約三六%と見込まれ、さらに十年が経過した二十年後には施設の半数近くが高齢化を迎えることになります。そして、建設業における人材不足、特に若者離れが喫緊の課題となっております。公共事業の減少により離職者が増加したことに加え、就労条件の悪化により若者の就業者数が減少していることが主な要因とされております。総務省の労働力調査によりますと、建設業の就業者数は、ピークであった一九九七年の約六百八十五万人から二〇一三年では約百八十六万人も減少しており、社会資本整備や老朽化対策などが滞るおそれも指摘されておるところであります。

 次に、健康福祉分野であります。

 本県の二〇一〇年の合計特殊出生率は一・四八であり、今後下げどまり傾向が見込まれるものの、親となる若い世代の実数が減少しているため、たとえ出生率が上昇しても出生数は大きく増加しない一方で、平均寿命は一貫して伸び続けており、ますます少子・高齢化が顕著になってきております。県の推計によりますと、ピークとなる二〇二〇年の六十五歳以上の高齢者数は、二〇一〇年と比較し九万人増の約五十九万人となる見込みであります。また、厚生労働省の国民生活基礎調査を見ますと、この二十年近くで世帯状況は大きくさま変わりしており、かつて多くの家族で見られた子供夫婦と同居は半減し、高齢者のみの世帯は五割近くまでふえております。これは、世界のどこの国もこれまで経験したことがない超高齢社会の到来であります。

 こうした社会の到来に向け、本県では地域で安心して暮らせる体制づくりに向け、さまざまな対策を積極的に進めてきたところでありますが、特別養護老人ホームの不足、介護人材の育成・確保、健康づくり、そして医療など、まだまだ多くの課題が山積しているのが現状であります。近年では、住みなれ、愛着のある自宅で在宅介護を受けながら暮らしている高齢者がふえており、その充実が求められております。これは介護だけではなく医療においても同様であり、高齢化に伴い長期にわたる治療や療養を必要とする患者の増加が見込まれております。また、障がい者の方が安心して暮らせる地域づくりにおいては、希望が丘学園や障がい者総合相談センターを含めた岐阜市鷺山地区の再整備や特別支援学校の整備など、ハード対策が進められているところでありますが、今後はハードとソフトの一体的な取り組みにより、障がい児者に対する支援施策の充実が求められております。さらに、スポーツを通じた社会参加を促進していくことも必要であります。

 そして、本格的なスタートを切った「清流の国ぎふ」づくりにおいては、スポーツ振興、地域の魅力づくり支援、あるいは清流環境の保全といった取り組みを進めるとともに、広く県民の意見を反映するための県民会議を設置し、さまざまな意見を交わしてきたところであります。また、「清流の国ぎふ」の理念を示す「清流の国ぎふ憲章」を次世代のメッセージとして発表したところであります。

 るる申し上げましたが、本県では中期的な財政見通しを初め、昨今の社会情勢の変化に伴う新たな課題等に対応していくため、岐阜県長期構想の中間見直しを行い、二〇一八年度の本県の姿に向け、その方向性を示して本議会に提出されたところであります。この中で、新たな成長・雇用戦略の展開、確かな安全・安心の社会づくり、そして「清流の国ぎふ」づくりを三本柱とし、本県の未来づくりを進めることにしていますが、長期構想の見直しは、それを政策や予算に反映させ、着実に実行へと移していかなければなりません。そして、まさにこれからがその真価を問われることになります。

 そこで知事にお伺いします。知事は、この三本柱の現状と課題をどのように認識し、それぞれの分野における将来の岐阜県の姿をどのように描いておられるのでしょうか。そして、そのあるべき姿の実現に向け、中・長期的に取り組むもの、そして今足元にある課題は何で、今手を打たなければならない対策は何であると考え、次の一手にどのようにつなげていこうとしておられるのかをお伺いします。こうした思いや考えが、当初予算案や組織再編などに込められていると思いますが、知事にはこれらについて大いに語っていただきたいと思います。

 次に、教育関係についてお尋ねします。

 本議会に第二次となる県教育ビジョンが提出されたところであります。このビジョンは、平成二十年に策定された岐阜県教育ビジョンの基本的な方向性は継承しつつも、昨今の社会や教育をめぐる新たな課題に対応し、今後取り組むべき具体的な施策を明らかにするものであります。

 教育をめぐる課題は、近年ますます複雑・多様化しており、子供たちを取り巻く教育環境の変化に迅速かつ的確に対応していく必要があります。しかし、国の来年度予算案における公立小・中学校の教職員定数は、少子化による学級減による減少分を超えて削減され、初めて純減となる厳しいものであります。これを受け、文部科学省は、三十六人以上学級の解消や、いじめ対応、英語、道徳の指導体制強化などで、二〇二〇年度までに三万三千五百人の増員を盛り込んでいた「教師力・学校力向上七か年戦略」の実施が困難になったとの判断により、これを見直す方針を示したところであります。

 言うまでもなく、教員の数だけで教育の一層の充実を図られるものではありませんが、教育には教員の力が不可欠であり、これがどのような影響を及ぼすことになるのか、今後の動向を注視していく必要があります。また、本県においても、障がいのある幼児・児童・生徒が、地域の中で力強く生きていくことを目指して策定された「子どもかがやきプラン」に基づき特別支援学校の整備や職業教育の充実を図っているところですが、今後は特別支援教育における人材の育成や確保が課題となってきております。こうした中、第二次教育ビジョンにおいては、確かな学力の育成と多様なニーズに対応した教育の推進を初め五つの基本目標を定め、教育施策を計画的かつ総合的に展開していくとされておりますが、特に今後五年間において重点的な取り組みを進める三つの重点政策の課題については、どのように取り組み、五年後にはどのような姿を描いているのか、議論を深めることも必要であります。

 そこで教育長にお伺いします。現在の第二次岐阜県教育ビジョンが本議会に提出されていますが、岐阜県教育における現状と課題をどのように認識し、基本目標とする五つの分野における将来の岐阜県の姿をどのように描いておられるのでしょうか。そして、その姿の実現に向け、中・長期的に取り組むもの、そして来年度において早急に取り組むべき課題にどのように取り組まれるのか、新規事業を初めとした具体的な取り組みについて、わかりやすく語っていただきたいと思います。

 最後に、警察関係であります。

 我が国の昨年一年間の刑法犯認知件数は、前年と比べて六万一千三百七十三件の減となる百三十二万七百四十八件で、十一年連続で減少していることが先ごろの警察庁のまとめでわかりました。中でも、殺人事件は戦後初めてとなる一千件を下回り、窃盗犯においても五万四千百三十八件減となる九十八万六千三百九件でありました。しかし、一方では、社会的弱者である高齢者が対象となる振り込め詐欺や、被害の多くが女性となっている事件、そして放火などが増加しております。また、刑法犯の検挙数は九・九%減の三十九万四千百六十九件、検挙人数は八・五%減の二十六万二千五百五十四人となっており、検挙率は三割を下回っているという実態でありました。

 平成二十四年度に内閣府が実施した治安に対する「特別世論調査」によりますと、国民の約八割が最近の治安は悪くなったと感じており、国民の治安に対する不安は認知件数だけでははかれず、その犯罪が生活により身近なところで発生していると言えるのではないでしょうか。また、本県においても、今年度の県政世論調査によりますと、「犯罪に遭ったことがある」と「巻き込まれる危険を感じたことがある」の合計は前回から一・一ポイント増加しており、特に力を入れてほしいと思っている県の施策については、「防犯・交通事故対策」が三八・三%と最も高く、前回調査の一四・八%から大きく伸びており、警察に対する期待の大きさがうかがえます。

 そこで警察本部長にお伺いいたします。力強く県民の信頼に応え、安全・安心な岐阜県に向け、県警察においては本県の現状をどのように認識し、何が課題であると考えておられるのでしょうか。そして、来年度はどこに重点を置いて取り組んでいかれるのか、新規事業や組織の見直しなど具体的な取り組みについてわかりやすく語っていただきたいと思います。

 以上で私の質問は終わりますが、私たちが愛するふるさと岐阜県では、今後ますます進展する少子・高齢化への対応などさまざまな課題を抱える一方で、希望と誇りの持てるふるさとの実現を可能とする、またとないチャンスが目前にあります。しかし、こうした来年度からのさまざまな分野における新たな取り組みが、県のトップである知事のビジョンが示されない中で、断片的に新聞報道がされておりました。しかも、それが私ども議会に予定議案として提出される以前から、これが出ておるわけです。これにより、県民も私ども議員も報道されている個別事業については、端緒は知り得るものの、これからの岐阜県をどのようにしたいという古田県政の姿がわかりづらいと思うのは、私一人だけではないと思います。今回の提案説明は、私の質問通告を踏まえ控え目に語られたものと理解しておりますが、昨年までの提案説明を振り返っても、必ずしもこうした知事の思いが、議会に、県民に十分伝わっているとは思えないのであります。このような状況で審議を行い、取り組みが進められることは、県民にとっても、県民を代表している私たち議員も本意ではございません。

 こうした思いから、今回、私はあえてこうした形式で質問をさせていただきましたが、知事には我々議員に、そして県民に向け、これからの古田県政を十分理解されるように大いに語っていただきたいと思います。こうした私の思いを最後に伝え、質問を終わります。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(渡辺真君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 二番目のくくりとして、県政の大きな方向につきまして幾つか御質問をいただきました。答弁するよりも語れということでございました。

 私は常々、大きな時代の流れがどのようなものであるかと、そして日本という国の中の岐阜県として何をなすべきかと、そして市町村、県、国という行政組織の中で岐阜県の役割は何かと、県民、家庭、地域、企業、NPOなどに対して県政はどのようにかかわっていくべきかと、こういったことを考えながら政策を議論してまいっております。

 まず、人口減少及び少子・高齢化の急速な進行は今やオールジャパンの大きな課題であります。本県は、既に五年前に「人口減少時代の挑戦」とのサブタイトルを掲げて、岐阜県長期構想を策定し、これに真正面から取り組んできておるわけでございます。この課題に即効薬はないわけでありまして、長期的・持続的・包括的な対策を粘り強く進めていくということが不可欠でございます。

 次に、来週の火曜日、十一日は、東日本大震災発生から三年目に当たるわけでございます。追悼式に私も参列しようと思っておりますが、さらには南海トラフ巨大地震の可能性も大きな話題になっておるわけでございます。平時における危機管理体制の構築、いざというときの危機管理の遂行は今や行政のトッププライオリティーでございます。本県では、昨年度、原子力災害を念頭に置いた詳細な放射性物質拡散シミュレーションをいち早く実施するなど、市町村と一緒になった取り組みを鋭意進めてきておるわけでございます。

 また、グローバリゼーションはいや応なく進んできております。空港も、あるいは海も港もないハンデを克服して、内陸県としてこれにどう挑戦していくか、また、逆に、グローバリゼーションの時代だからこそ、地域ならではの独自の魅力を輝かすことができるということにどのように向かっていくのか、グローバル時代は同時に地域の魅力づくりの時代でもあります。

 一方で、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の大成功やソチオリンピックでの日本勢の活躍、そして新生FC岐阜への期待に見られるようなスポーツへの関心の高まりは力強いフォローの風であります。この追い風の勢いを県政にどう反映していくのかをまとめたものが、「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」でございます。

 そこでまず、「清流の国ぎふ」づくり及び「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」についてお答えを申し上げます。

 御指摘がありましたとおり、平成二十五年度は、大変盛り上がった一昨年の「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」の成果をどう継承、発展させていくかと。そして、これを岐阜県の未来づくりにどうつないでいくかということで、「清流の国ぎふ」を地域づくりのキーワードとして掲げ、さまざまな取り組みをスタートしたところでございます。

 他方で、県民の皆さんの「清流の国ぎふ」づくりの思いをお聞かせいただきながら、県民一丸となって取り組みを進めようということで、各界の代表者にお集まりいただきまして、「清流の国ぎふ」づくり推進県民会議がスタートしたところでございます。精力的な御議論をいただいております。この会議を通じて、「清流の国ぎふ」づくりの中身を固めていく中で、まずは「清流の国ぎふ」の基本理念を明らかにすべきではないかという議論になりまして、先般、清流の国ぎふ憲章を策定していただいたところでございます。

 御案内のこととは思いますが、改めてこの憲章の内容といいますか、特色を御紹介させていただきたいと思っております。

 まず「清流」につきましては、前文において、「本県の自然、歴史、伝統、文化、匠の技のみならず、人と人とのつながりを育むとともに、人の心に恵みを与える、いわば「心の清流」として我々の心の中にも脈々と流れ、安らぎや心の豊かさをもたらし、さらに新たな技術や伝統、文化など、未来創造の源になっている」というふうに記しておるわけでございます。そして、「自然と人のつながり、また世代を超えたつながりの中で、百年、二百年先の岐阜県の未来を築いていこう」との決意がここに述べられておるわけでございます。

 その上で本文では、「知」知る、「創」創る、「伝」伝える、「ち、そう、でん」という三つのキーワードのもとで、「清流がもたらした自然、歴史、伝統、文化、技を知り、学びます」「ふるさとの宝物を磨き活かし、新たな創造と発信に努めます」「清流の恵みを新たな世代へと守り伝えます」という表現で、岐阜県民の決意とも言えるものをあらわしておるわけでございます。この憲章によって、我々が目指すべき「清流の国ぎふ」の基本理念や取り組み姿勢が明らかになり、岐阜県のアイデンティティー、岐阜県民であることの誇りがしっかりと示されているのではないかというふうに思っております。その上で、「「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」の推進」「スポーツ・健康づくりの推進」「市町村による「わがまち清流の国づくり」への支援」「「清流」環境の保全」「地域を支え、未来を担う人づくり」、この五つの政策を進めるということにしておるわけでございます。

 このうち、お尋ねのありました「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」について、もう少し詳しく申し上げたいと思っております。

 御案内のとおり、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるわけでございます。さらにこの年は、本県にとりましては東海環状自動車道の全線開通という、本県の将来を展望する上で大きな節目を迎えるわけでございます。

 また、それまでの間にも、例えば二〇一五年には全国育樹祭の開催、北陸新幹線の長野−金沢間の開業、二〇一六年には全国レクリエーション大会の岐阜開催など、主要な行事や出来事が予定されております。こうしたことから、二〇二〇年を本県の未来づくりのターゲット・節目として位置づけ、それに向けて取り組むべき道行きを「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」と名づけて取りまとめたわけでございます。

 まず、スポーツの振興でございますが、第一に、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアを東京オリンピック・パラリンピックのための本格的な高地トレーニング合宿地として、国内外のアスリートに活用していただくことであります。オリンピック・パラリンピックの関係者はもとより、実業団や大学チームなどへの誘致PR、必要な施設の整備、充実などに地元市町村等と連携をして取り組んでまいります。

 ところで、郡上市の高鷲で二〇〇八年、二〇〇九年と二年連続でスノーボードのワールドカップが開催されました。これにより、高鷲はスノーボードの我が国におけるメッカとなり、今回のソチオリンピック、スノーボード競技ハーフパイプ男子銅メダルの平岡選手や、女子五位の岡田選手がこの高鷲で技を磨いたことから、「高鷲育ち」ということで話題になっております。今、高鷲はスキー客でごった返しております。次はぜひ、内外の選手に飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアで実力をつけていただき、「御嶽育ち」として大活躍をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

 第二に競技力の強化でありますが、昨年秋の東京国体でも岐阜県選手団は天皇杯五位、皇后杯三位、障害者スポーツ大会においても七十八個のメダル獲得と、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の勢いそのままにすばらしい成果をおさめております。また、今回のソチパラリンピックのスキークロスカントリー競技に、県勢として初めて岩本啓吾選手が出場いたします。こうした成果を継続、発展させ、さらなる競技力の向上を図り、東京オリンピック・パラリンピックへは、ぜひとも多くの岐阜県選手に出場していただきたいと考えております。そのため、東京オリンピック・パラリンピックへの出場が期待できる選手や、東京オリンピック・パラリンピックを目指す若手アスリートなど、トップアスリートの発掘、育成に力を入れていきたいというふうに考えております。

 スポーツ振興の第三は、スポーツコミッションの新設であります。

 飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアのほか、海津市でも、長良川国際レガッタコースによる海外からのボート競技の合宿誘致を目指しております。また、先ほど申し上げましたように、今回のソチオリンピックにより、郡上市のスキー場への関心も高まっております。今後、東京オリンピック・パラリンピックも含め、各種競技の合宿や大会を県内各地で受け入れていくことが可能ではないかと考えております。このため本年四月から、県庁内に新設する清流の国推進部のスポーツ推進課内にスポーツコミッションを設置し、県内への合宿誘致、国際レベル・全国レベルのスポーツ競技会の誘致に力を入れてまいりたいというふうに考えております。

 次に、こうしたスポーツ振興やスポーツを通じた交流人口の拡大などを生かした観光誘客を進めてまいります。

 まず、県営四公園に加え、関ケ原古戦場など、県内の主要観光地において、ハード・ソフトの両面から誘客強化を図るとともに、本年のJR高山本線全線開通八十周年、来年春の北陸新幹線開業などの機会を捉え、JR東海などの交通事業者、あるいは近隣県とも連携をし、旅行商品の造成、PRイベントを大きく展開してまいります。あわせて二〇二七年のリニア中央新幹線の開業を見据えた取り組みも進めてまいります。

 また、二〇一五年の秋に開催いたします第三十九回全国育樹祭に向け、実行委員会の設立やお手入れ会場の整備など、開催準備を着実に進めてまいります。二〇一六年開催の第七十回全国レクリエーション大会岐阜大会に向けても、本年秋にプレイベントを開催するとともに、子供から大人まで幅広く対象とした講習会を全県的に開催するなど、レクリエーションの普及を図りながら開催機運を盛り上げてまいります。

 さらには、東海環状自動車道の全線開通など、交通インフラの充実を展望しながら、成長分野の企業立地にも大いに取り組んでまいります。このため、成長分野を対象とした企業立地補助金の限度額を五億円から十億円へ引き上げるとともに、不動産取得税の減免をパッケージにした新たな企業立地支援策を創設してまいります。

 以上、「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」について御説明を申し上げました。

 次に、中・長期的な政策の方向と当面の対策としての新年度予算につきまして、御答弁させていただきます。

 まず、今年度は、県の中・長期的な政策の方向性を定めた向こう十年間の「岐阜県長期構想」の計画期間の中間年度に当たるわけでございます。このため、その見直しを昨年度から二年間かけて行ってまいりました。

 これまでこの構想に基づいて進めてきた五年間の取り組みの効果を検証し、これまでの取り組みが十分とは言えなかった課題、あるいは順調に進展し、次のステップに進むべき課題など、各分野ごとに精査をいたしました。この結果を今後五年の政策に生かしてまいりたいというふうに考えております。同時に、五年前の策定時には想定していなかった社会情勢等の変化、例えば東日本大震災を踏まえた危機管理体制の問題、原子力防災対策、アベノミクスの展開による経済情勢の変化などを踏まえて見直しを行っております。

 その結果、今議会にもお出ししておりますが、今後五年間の政策の大きな方向性として、県内産業の活性化のための「新たな「成長・雇用戦略」の展開」、災害に対する危機管理などを確実なものとしていくための「確かな安全・安心の社会づくり」、そして、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会で培われた「清流の国ぎふ」への誇りと愛着を生かした「「清流の国ぎふ」づくり」、この三つの柱を掲げた次第でございます。この三つについて、それぞれ目標とすべき五年後の絵姿を示しております。

 例えば、成長・雇用分野では、「成長産業の育成や強化が図られ、さらなる企業誘致が進み、新たな雇用が生まれるとともに、若者、女性、障がい者や高齢者などが生き生きと活躍している活力あふれる社会」といった表現でありますとか、医療・福祉分野では、「医療関係者と福祉の関係者が連携し合って、在宅医療や在宅介護を支え、ふえ続ける高齢者に対して切れ目のない医療・福祉サービスを提供する社会」といったようなことでございます。こうしたことを示した上で、その絵姿の実現に向けた政策、あるいは具体的な数値目標を提示しておるわけでございます。

 そこで、来年度予算は、以上申し上げましたような長期構想の中間見直し後の初年度予算として位置づけることができるわけでございます。

 それでは、政策の方向性の三本柱に沿って、各分野における来年度予算編成の考え方を申し上げたいと思います。

 まず第一の柱は、「清流の国ぎふ」づくりでございます。

 先ほど、「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」についてはるる申し上げましたが、このほかに「ぎふ清流国体・清流大会」で培われたふるさとへの愛着や誇り、県民挙げての地域づくり、スポーツ健康づくりへの取り組み、清流を守る意識などを一過性のものとせず、未来の岐阜県づくりへと大きく発展させてまいりたいという思いで、今般、取り組むべき政策を打ち出しておるわけでございます。これらの中核となるのが、四月一日からスタートする「清流の国づくり推進部」ということでございます。

 ここで、「二〇二〇プロジェクト」として先ほど御説明したもの以外の施策についても申し上げたいと思っております。

 まず、「スポーツ・健康づくり」でありますが、国体を経て、県下に根づいた一流アスリートや、県内クラブチームなどによるスポーツ教室の開催、県民スポーツ大会、県障がい者スポーツ大会、さらにはレクリエーションフェスティバルなどを一体的に実施する「秋のスポーツフェア」の開催などを進めてまいりたいと思っております。

 また、今年度から市町村が行う地域の魅力向上のための取り組みへの支援を行っております。例えば、先日開催されました「ニッポン全国鍋合戦」において見事日本一の鍋奉行に輝かれました白川村の取り組みにも、私どもとして助成をしたところでございます。今後とも特色あるこうした地域の活性化への支援を加速化してまいりたいと思っております。

 さらに「清流環境」保全のため、水源林の保全・整備や公有地化、「環境保全モデル林」などの里山林の整備・活用を進めてまいります。また、これまで複数の部局にまたがっておりました水資源の保全・活用に加え、地下水の保全といった新たな課題にも対応していくため、「水資源課」を設置いたしまして、一元的に水問題に取り組んでまいります。

 このほか、再生可能エネルギーの導入促進の観点から、農業用水を活用した小水力発電設備の整備、木質バイオマス発電施設に燃料を供給するチップ加工施設の整備を支援してまいります。

 「地域を支え、未来を担う人づくり」としましては、第二次教育ビジョンに基づくグローバル教育などの充実のほか、子育て支援を初めとする少子化対策を一体的に進めてまいります。少子・高齢化、人口減少が進行する中で、喫緊の課題であります少子化対策につきましては、これまで環境生活部と健康福祉部に分かれて進めておりました少子化対策と子育て支援、ワーク・ライフ・バランスの推進、こうした課題を一体化しまして、結婚から子育てに至る各ライフステージに応じて切れ目なく施策を実施するために、健康福祉部に「子ども・女性局」を新設するということにしております。

 具体的には、子育て支援のため、「「四つのゼロ」プロジェクト」と言っておりますが、「保育所待機児童ゼロ」「病児・病後児保育施設未設置市町村ゼロ」「放課後児童クラブ未設置小学校区ゼロ」「ファミリーサポート未実施市町村ゼロ」といったプロジェクトを推進してまいります。また、非婚化・晩婚化への対応として、民間事業者を活用した婚活イベントの充実や、市町村の結婚相談所のネットワーク化など、結婚支援の仕組みを強化してまいります。さらには、平成二十七年度中に再開予定の未来会館を、次世代の文化芸術の担い手育成や、新たな文化を創造していく県民参加型の拠点、さらには障がい者の文化芸術活動の拠点として位置づけてまいりたいと思っております。

 次に第二の柱であります「新たな「成長・雇用戦略」の展開」でございます。

 このところ、県経済は全体としては回復傾向にございますが、中小企業に至るまでその景気を実感できるよう、さらに対策を進めていく必要がございます。今般、議会に御提案しております二百八十億円余の補正予算もこの景気対策の効果を期待したものでございます。また、新たな県経済の牽引車となる今後成長の見込まれる産業の育成・強化にも取り組んでいく必要がございます。こうした問題意識に立った上で、昨年夏以来、「岐阜県成長・雇用戦略意見交換会」、あるいは「岐阜県農林水産業活性化協議会」などを通じまして、政策を練り上げてきたわけでございます。

 まず第一に、「「岐阜県成長・雇用戦略」の実行」でございます。

 本県にとって、振興すべき成長分野という観点から、航空宇宙、医療福祉機器、食料品、医薬品、次世代エネルギー、さらにこれに観光を加えまして、六分野について向こう五年程度をめどに目標を掲げ、この目標達成に向けて必要な県の支援策を打ち出したところでございます。

 成長産業の集積、拡大をまず目指すということで、先ほども御紹介した新たな企業立地支援、新分野への中小企業の参入を後押しするための新しい制度融資メニュー、あるいは県独自の低利の設備貸与制度といったものを創設することにしております。また、中小企業の新分野への挑戦を促すための新商品・新技術の開発支援、中小企業の販路開拓を支援するため、海外主要都市でのアンテナショップ開設、商談会・見本市への出展支援などを進めてまいります。

 特に、航空宇宙分野につきましては、三分の一のコストカット、二分の一の納期カットによる競争力強化といった課題を目指しております。また、中小企業の新規参入を支援するため、材料調達から設計、生産、検査に至る一貫生産体制の構築、これをワンシップセットと言っておりますが、こうしたことに対する補助制度を創設いたしました。同時に、これら一貫生産体制を担う人材育成の強化、海外での商談に対する支援などを実施してまいります。

 医療福祉機器分野につきましては、例えば自動停止機能つき車椅子型電動ビークル、車椅子からの移動がしやすい椅子など、利用者の立場に立った福祉・生活支援機器を産学官連携により開発してまいります。また、新規参入を目指す中小企業の認証取得経費に対する補助制度も創設いたします。

 次世代エネルギーの分野につきましては、エネルギー関連産業の創出や、県内企業の市場参入を推進するための産学官コンソーシアムを設立してまいります。これによって関連企業の製品開発、人材交流を支援していくこととしております。

 次に観光産業でございますが、二〇二〇年には観光消費の経済波及効果額を現在の三千七百億円から五千億円とすることを目指し、プロジェクトを進めてまいります。特に、伸び悩んでおります観光客の滞在日数、あるいは一人当たりの観光消費額を大きくふやしていく必要があるわけでございます。こうしたことのため、先ほども申し上げました県内主要観光地の再整備、北陸新幹線開業を生かした広域観光誘客はもとより、国内三大都市圏ごとに旅行商品の企画・販売の促進、メディアに対するPR活動など戦略的に展開してまいります。海外誘客では、新たにアジアではベトナム、フィリピンの市場開拓に着手いたします。また、日本の食文化に関心が深いフランスでの誘客PRを大きく展開してまいります。これまで発掘・育成してまいりました「岐阜の宝もの」などの観光資源に関しましても、その魅力をつなぎ、広域的な滞在周遊型観光を進めてまいりたいと思っております。

 雇用についてでございますが、人口減少化におきましては、労働力人口が大きく減少していくことが見込まれ、働き手の不足が深刻化してまいります。こうした中で、若者、女性、高齢者、障がい者など、あらゆる人たちが働き手として活躍できる環境づくりをしていくことが重要でございます。

 このため、働く意欲のある若者が県内企業で活躍できるよう、必要な知識やスキルの習得に対する支援を行うとともに、五百人規模で非正規社員の処遇改善、正規社員化を進めてまいりたいと思っております。また、県内企業で働く女性のキャリアアップや女性企業家のビジネス拡大を支援するとともに、経験豊かな高齢者の活用や障がい者の就労支援など、誰もが活躍できる場を創出してまいります。

 これらの就労支援を総合的に行うため、新たに商工労働部に「総合就労促進担当次長」を設置いたします。特に、今後増加が予想される特別支援学校の卒業生の就労支援につきましては、これまで商工労働部、健康福祉部、教育委員会において個別に対策を講じておりましたことから、今般、この担当次長のもとで一元的に支援を進めてまいりたいと思っております。

 農業につきましては、担い手の高齢化、就農人口の減少が急速に進んでおり、新規就農者の育成のための新たな支援が必要となっております。また、TPP協定交渉が行われる中で減反政策の見直しなど、国の農業政策の大きな転換期を迎えるなど、本県農業の構造改革は待ったなしの状況にございます。このため、足腰の強い産地づくりを進めるため、トマト、飛騨牛、鮎の全国ナンバーワンブランド構築を目指し、品質向上、生産量増加の技術開発に取り組むとともに、新技術の導入や出荷作業の共同化など産地の構造改革への支援を進めてまいります。

 「攻めの農業の展開」といたしましては、来年度の新たな取り組みとして、フランスやイスラム圏を新たなターゲットとした海外への販路拡大への取り組みを支援してまいります。さらには、名古屋市内にアンテナショップを開設し、六次産業化による新たなビジネスの創出を支援してまいります。

 また、農地の有効利用や農業経営の効率化を進めるため、「農地中間管理機構」の活動を支援し、農地の集積、集約化を加速させてまいります。これら農地を活用し、担い手を確保するため、「担い手育成プロジェクト一〇〇〇」として三年間で一千人の新規就農者育成を目指し、海津市に冬春トマトの研修施設「岐阜県就農支援センター」を開設するほか、就農希望者の研修を実施するなど、総合的な担い手対策を進めてまいります。

 林業につきましては、「植えて育てる」から「伐って利用する」という持続的な林業運営を確立する「生きた森林づくり」を進めてまいります。

 県産材の安定供給と需要拡大を進めるために、これまで「森の合板工場」の整備等を進めてまいりましたが、さらなる需要拡大のため、大型製材工場など木材加工施設や、木質バイオマス発電施設の整備を促進するとともに、公共施設等における県産材の活用を促進してまいります。また、これら施設などへの木材の安定供給に向けた生産体制を強化する必要があり、路網整備に加え、急傾斜地が多い本県の特性を踏まえ、架線を利用した効率的な木材生産システムの開発を進めてまいります。具体的には、森林研究所に新たに「森林技術開発支援センター」を設置し、これを核にコンソーシアムを立ち上げ、産学官の連携により架線による集材技術、木材乾燥に関する新たな技術の開発・普及を進めてまいります。また、世界有数のドイツのロッテンブルク大学と森林文化アカデミーとの連携を進め、先進的な林業技術の導入を図ってまいります。

 加えて、北陸新幹線やリニア中央新幹線開業などを見据え、本県の産業振興や観光交流を進めるためには、ネットワークインフラの整備が不可欠でございます。このため、二〇二〇年度の全線開通を目指して、東海環状自動車道西回り区間及びインターチェンジアクセス道路の整備を進めるとともに、東海北陸自動車道白鳥−飛騨清見インターチェンジ間の四車線化を促進してまいります。また、リニア中央新幹線岐阜県駅へのアクセス道路として、濃飛横断自動車道の整備を進めるとともに、新設する「リニア推進室」を中心に、「リニア活用戦略」を踏まえた地域づくりを進めてまいります。

 最後に第三の柱であります「確かな安全・安心の社会づくり」でございます。

 いかなる時代であれ、県民の皆さんの安全・安心を確保することは、県が行うべき政策の根幹でございます。いつ起こるかわからない地震に対する備えや食品表示問題など、県民の皆さんが目の前に抱えている課題に対しては、迅速に手を打っていくことが必要でございます。

 加えて、人口減少、少子・高齢化といった、日々の暮らしの中では気づきにくいけれども、将来大きな問題になるであろう課題に対しましても、今から手を打っていく必要があるわけでございます。特に、今後十年間は七十五歳以上の高齢者の急増期でございます。これに伴い、医療・介護サービスを提供する人材不足や施設の不足が大いに懸念されるわけでございます。また、二十年後には、橋梁やトンネルなどの半数近くが高齢化を迎える、いわばハードの高齢化時代を迎えるなど、社会資本の維持管理をいかに進めていくかも課題でございます。

 こうした問題意識に立って、まず第一は、医療と福祉の充実と連携であります。高齢化の進展とともに増大する在宅医療・在宅看護のニーズに対応するためには、医療・福祉それぞれの施策を別々に進めるだけでは十分ではなく、在宅における医療と介護の連携強化が必要でございます。このため、医師、歯科医師、看護師などの医療分野、及びケアマネジャーやヘルパーなどの介護分野の専門職が、それぞれに連携して在宅医療を提供する多職種連携のチームを県内の地域医師会ごとに構築する取り組みを進めてまいります。

 また、利用者の生活リズムに合わせたケアを提供する短時間巡回型訪問介護の普及も図ってまいります。また、平成二十七年度の供用開始を目指し、県立希望が丘学園や、岐阜希望が丘特別支援学校の再整備を進めるとともに、ハード整備に合わせて障がい児者医療に従事する人材の育成・確保等のソフト対策にも取り組んでまいります。

 長年の課題であり、これまでも取り組んでまいりました医療人材不足の問題でございますが、これを解消するため岐阜大学の地域枠を含め、三十五名分の医学生への修学資金の貸し付けを継続してまいります。なお、今年度末、この三月末には第一期の修学資金を与えた卒業生、医師二十九名が県内の地域医療に従事するという見込みでございます。今後はこの貸し付けを受けた学生が順次卒業し、県内で地域医療に貢献していただけるものと考えております。

 さらに、平成二十七年度供用開始を目指して、岐阜県総合医療センターに小児医療センターの整備を進めるとともに、岐大病院を中心とする「GEMITSプロジェクト」を初めとする救急医療体制の充実、がん対策の推進など、地域医療の充実を図ってまいります。

 また、福祉分野における基盤整備として、特別養護老人ホームとして一千六十三床分の施設整備を支援するほか、岐阜市鷺山地区において、身体、知的、精神、発達障がいに対応する四つの県の相談機関を集約した「障がい者総合相談センター」を、平成二十七年四月の供用開始に向け、整備をしてまいります。

 また、資格を持ちながら、子育てなどにより離職された方を対象とした再就職の相談や育児休暇の取得促進など、介護の現場における就業環境改善の取り組みを支援し、介護人材の育成・確保と定着を図ってまいります。

 第二は、強靭な危機管理体制の構築であります。

 東日本大震災の教訓を踏まえ、将来発生が危惧されている南海トラフ巨大地震等、想定外の超広域災害に備えた取り組みをさらに進めていく必要があります。このため、情報収集、伝達システムのかなめとなる次期防災情報通信システムの整備のほか、広域防災拠点などの強靭化を進めるとともに、防災ヘリ「若鮎?号」の更新を行ってまいります。災害対策の中枢拠点としての機能が求められる県庁舎につきましても、その建てかえに向けた検討を進める中で、防災の観点から必要な機能の検討も進めてまいります。

 また、県民一人一人が防災意識を高めるため、発災時のとっさの行動を重視した防災訓練や、家族を重点ターゲットとした防災フェアの開催など、災害から命を守る県民運動を広く展開してまいります。

 さらに、災害時における緊急輸送を確保するため、本年度末に策定する緊急輸送道路ネットワーク整備計画に基づき、道路拡幅や橋梁の耐震対策など重点的に実施するほか、住宅や大規模建築物の耐震化を促進してまいります。

 また、昨年度公表いたしました放射性物質拡散シミュレーションの結果を踏まえ、一週間程度の期間内に避難が円滑に行われるよう、避難方法に関するシミュレーションを実施いたします。

 県民の安全な暮らしを確保するためには、安全な社会インフラを維持することも行政の重要な役割でございます。社会資本の老朽化による事故の未然防止のため、施設の特徴を踏まえた計画的な維持管理を進めるとともに、ICTを活用した高度情報システムを活用した社会資本の維持管理にも取り組んでまいります。

 昨年十月には、メニューと異なる食材が使用されていた問題が全国で顕在化いたしました。飲食店等におけるメニュー表示の適正化を進めるための監視や指導を強化し、食の安全・安心を確保してまいります。

 以上、御質問いただきました項目につきまして、日ごろ私が県政を進める上で考えておりますことを含めて述べさせていただきました。御配慮に感謝いたしまして、私の答弁を終わらせていただきます。



○議長(渡辺真君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 本県教育の現状と課題及び第二次岐阜県教育ビジョンにおける今後の取り組みについて御質問いただきました。

 本県の教育全般にわたる基本指針として初めて策定した現行の岐阜県教育ビジョンにおきましては、基本理念や目指すべき方向性を定め、その実現に向けてさまざまな施策に取り組み、本県教育の推進を図ってまいりました。

 しかしながら、人口減少や経済情勢、雇用環境の変化に加え、グローバル化、情報化の一層の進展など、社会環境が変化している中で、生きる力の基盤となる子供たちの学力や体力の向上、いじめ問題や不登校児童・生徒への迅速な対応、増加する特別支援教育を必要とする子供たちへの対応など、教育をめぐる課題はますます複雑化・多様化しており、それらの課題に的確に対応するための新たな取り組みが求められています。

 このような状況の中、本県の教育を一層強力に推進していくための新たな指針としまして、「第二次岐阜県教育ビジョン」を策定いたしました。

 第二次教育ビジョンでは、本県教育の基本理念であります「高い志とグローバルな視野を持って自分の夢に挑戦し、地域の発展のために行動できる地域社会人の育成」を目指すとともに、「ふるさと岐阜への誇りと愛着を持ち続けながら、清く、優しく、たくましく生きていこうとする心」として、「清流スピリット」の育成にも努めてまいります。また、学力の定着や道徳性の涵養、豊かな人間性の醸成など、「時代を超えて変わらない価値あるテーマ」につきましては、引き続き大切に取り組んでいくこととし、グローバル化や情報化に対応した教育など、時代の変化に柔軟に対応していくべきテーマも取り入れ、今後推進すべき教育施策を計画的かつ総合的に展開してまいります。

 次に、基本理念の実現に向けた五つの方向性に沿って、第二次教育ビジョンに盛り込んだ主要施策の概要を御説明申し上げます。

 最初に、基本目標一「確かな学力の育成と多様なニーズに対応した教育の推進」についてであります。

 平成二十六年度から五年間を、グローバル人材育成に向けた教育の重点強化期間として位置づけて、「グローバル社会で活躍できる人材の育成」に取り組んでまいります。具体的には、岐阜県の自然・歴史・文化等をテーマとした英語副教材の作成、英語スピーチコンテストの開催、海外インターンシップ体験など、外国語を通じた実践的なコミュニケーション能力の向上を図ってまいります。また、「確かな学力の育成」としまして、小・中・高等学校を通じて、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着と、それらを活用する思考力・判断力・表現力の育成、及び学ぶ意欲の向上に努めてまいります。

 次に、「特別支援教育の充実」としまして、増加しております障がいのある子供たち一人一人の多様なニーズに対応するため、特別支援教育に携わる教職員の専門性の向上に力を入れてまいります。さらに、岐阜希望が丘特別支援学校、岐阜南部地域における特別支援学校など、特別支援学校の整備を進めてまいります。

 次に、基本目標二「豊かな心と健やかな体を育む教育の推進」であります。

 まず、「ふるさと教育・環境教育・体験活動の推進」としまして、児童・生徒が身近にある自然・歴史・文化・産業等について地域の方とかかわりながら学ぶことで、ふるさと岐阜への誇りと愛着の心を育むふるさと教育の一層の推進を図ってまいります。

 次に、「健康・体力づくりの推進」としまして、「チャレンジスポーツinぎふ」等の取り組みを活用し、運動機会の充実を図るほか、高等学校や社会人指導者を派遣するなど、運動部活動の活性化を進めてまいります。

 また、子供たちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、栄養教諭を中心とした食育の推進を図ってまいります。

 さらに、「いじめ等の問題行動や不登校への対応と教育相談体制の充実」としまして、いじめの未然防止と早期発見・早期対応に重点を置いた体制整備を図ってまいります。また、県総合教育センターに不登校やひきこもりとなっている高校生等を対象とした適応指導教室を新たに設け、社会的自立に向けた支援を行ってまいります。

 次に、基本目標三「魅力ある教職員の育成と安全・安心な教育環境づくりの推進」であります。

 まず、「教職員の資質能力の向上と体罰・不祥事の根絶」としまして、「教育は人なり」、学校教育の成否は教職員の指導にかかっているという考えのもと、指導力のある教職員の育成に努めてまいります。具体的には、小学校の初任者を指導力のある教諭が担任する学級の副担任として配属することで、教科指導や学級経営などの実践的な指導力の育成に向けた初任者研修の充実を図ってまいります。また、管理職を対象とした組織マネジメント能力向上を図る研修や、学校事故を初め危機管理全般への対応の能力を高めるためのリスクマネジメント研修を行ってまいります。さらに、体罰、不祥事根絶に向けた取り組みとしまして、怒りの感情と上手につき合い、自分の気持ちをコントロールするアンガーマネジメント研修など、教職員研修の充実を図ってまいります。

 次に、「安全・安心な学校づくりと危機管理体制の充実」としまして、災害時に主体的に判断・行動できる高校生防災リーダーを育成するとともに、小・中学校におきましても、保護者や地域住民等と連携した災害図上訓練など、より実践的な防災教育の推進を図ってまいります。

 また、岐阜県版食物アレルギー対応マニュアルを作成するなど、全ての教職員が食物アレルギーに対する正しい知識と対処法を身につけることにより、学校における総合的な食物アレルギー対策を進めてまいります。

 次に、基本目標四「学校・家庭・地域の連携による教育コミュニティーづくりの推進」であります。

 まず、「家庭の教育力の向上」としまして、小・中学校等において、保護者が子育てなどを学ぶ「家庭教育学級」の一層の推進を図るとともに、企業や事業所において社員研修等の場を活用し、家庭教育について学ぶ「企業内家庭教育研修」の開催を支援するなど、家庭教育の充実に努めてまいります。

 次に、「地域の教育力の向上」としまして、地域の方々の参画を得ながら、子供たちにさまざまな体験活動の機会を提供する「放課後子ども教室」等の推進を図るなど、地域人材を活用したさまざまな取り組みを進めてまいります。

 最後に、基本目標五「生涯にわたる学習・文化・スポーツの推進」についてであります。

 まず「文化活動の推進」としまして、高等学校総合文化祭及び特別支援学校文化祭の開催などを通して、学校における文化活動の活性化に努めてまいります。

 次に、「文化財の保存・活用の推進」としまして、文化財の保存・活用を図るため、国・県指定文化財の保存修理への支援を行ってまいります。また、民俗芸能の後継者育成を図るため、保存団体が行う伝承教室の開催などを支援してまいります。

 以上、述べてまいりました基本目標五つに加え、今回の第二次教育ビジョンでは、今後五年間において個別・重点的な取り組みを進める課題を取り上げ、三つの重点政策として位置づけております。

 まず、「学力向上を核とした小・中学校教育の改善」についてであります。

 これまでも、習熟度別少人数指導など、個に応じたきめ細かな指導を実施し、一定の効果を上げております。しかし、特に小学校において知識や技能の習得・活用の両面に課題があること、また学習意欲が高まっていないことなどの課題があることから、小学校段階から教科の専門性を重視した授業を実施するなど、学力向上を核とした取り組みを推進してまいります。

 次に、「中・長期的な将来を見据えた高等学校の改革」であります。

 生徒数の減少により、将来的に学校規模が縮小する中で、各高等学校の教育水準の向上や、教育の機会均等などを図ることで、子供たちがそれぞれの夢の実現に向かって挑戦できる環境を提供することが必要となります。そのため、来年度、「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会」を立ち上げ、全県的な視野に立った適正な学校規模、併設型中高一貫教育校や「探求科」などの新しい学科等の設置、学びの再チャレンジに配慮した高校などについて検討し、魅力ある高校づくりのための「高校活性化計画」の策定を進めてまいります。

 最後に、「卒業後を見据えた特別支援学校の充実」であります。

 障がいのある子供たちが地域で就労するため、より専門的な職業教育の導入が求められております。そのため、軽度知的障がいのある生徒の社会的・職業的自立能力を伸ばし、一人一人の適正や希望に応じた進路を実現するために、岐阜城北高校旧藍川校舎を利活用し、平成二十九年四月開校を目指して、高等特別支援学校の整備を進めてまいります。

 以上、申し上げてまいりました「第二次岐阜県教育ビジョン」につきまして、来年度以降、その周知に努めるとともに、いかに魂を入れ、実行していくかが問われるわけでございますが、「清流の国ぎふ」のあしたを開く子供たちの幸せを最優先に考え、市町村や関係機関と連携を図りながら、各教育施策の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。



○議長(渡辺真君) 警察本部長 竹内浩司君。

    〔警察本部長 竹内浩司君登壇〕



◎警察本部長(竹内浩司君) 県下の治安情勢の現状を踏まえ、特に治安情勢の変化に着目した県警察の今後の課題への取り組みについてお答えいたします。

 岐阜県においては、刑法犯認知件数が過去最高であった平成十四年から総じて減少を続けておりまして、平成二十二年以降は半数以下を維持しているなど、数値上の安全は一定の改善を見ているところであります。しかし、刑法犯検挙件数・人員はともに減少しているほか、罪種別に見ても、昨年は県民の身近な生活に不安や脅威を与える強姦事件や強盗事件、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺事件が増加しております。また、交通事故死者数も二年連続で増加するなど、県政世論調査の結果に見られるように、県民の体感治安の確保にはいまだ道半ばであると言えます。

 岐阜県は、地域社会が一体となって安全・安心な地域環境を維持してきましたが、時代の変化とともに治安情勢は大きくさま変わりしつつあります。まず、岐阜県という地域社会が好むと好まざるとにかかわらず影響を受ける外部的要因として、「国際化の進展」と、「インターネットの社会基盤としての定着」に伴う影響が挙げられます。一方、岐阜県の地域社会、それ自体が抱える内部的要因として、「地域社会や家庭が持っていた問題解決能力の低下」や、「少子・高齢化社会の急速な進展」の問題があります。こうした問題意識を踏まえ、特に次の三点が県警察として重点的に取り組む課題であると考えております。

 その一つ目が、「国際犯罪対策の推進」であります。

 昨今、外国人の不法入国・不法滞在を目的とする在留カード等の偽造や偽装結婚のあっせん、盗難自動車や金属類を解体、不正輸出する「ヤード」と呼ばれる解体作業所など、犯罪を助長し、またはこれを容易にする基盤があらゆる分野で構築されており、国際犯罪組織がこれを利用するなど、治安に対する重大な脅威となっております。こうした情勢を受け、岐阜県では、昨年第一回定例議会において、「使用済金属類営業に関する条例」が成立し、昨年の十月一日から施行されているところであります。

 県警察では、この条例の効果的な運用に取り組んでいるところではありますが、この春には、さらに取り組みを推し進めるべく国際犯罪捜査に主軸を置いた部門の体制を強化し、国際組織犯罪を助長する基盤の実態解明や、不法滞在者対策等の徹底を図ることとしております。

 二つ目は、「サイバー空間における脅威への対処」であります。

 今やサイバー空間は生活や経済活動に不可欠な社会基盤となっており、その空間には都道府県や国境は存在しません。こうした特徴が各種犯罪に悪用され、昨年は、全国で被害が急増したインターネットバンキングによる不正送金事件でも県内の金融機関がその対象となったほか、インターネットを利用した犯行予告や、ウイルス供用事件、違法情報・有害情報の掲載など、その脅威はますます増大しています。

 また、情報通信技術が浸透した現代社会では、電力、ガス、水道等の生活基盤も情報システムにより支えられているところであり、これらが一たびサイバー攻撃を受ければ重大な影響をもたらすことになります。県警察では、本年度は前年度に引き続き、警察官の増員分をサイバー犯罪対策係に配置して、取り締まり体制を強化するとともに、積極的な取り締まりの推進に努めることとしております。

 また、サイバー攻撃に対処するためには、社会全体で対処していくことが重要であります。県警察では、県内自治体、社会基盤事業者などとの協議会を設立し、専門家等の知見の活用を図りながら、被害の未然防止、発生時における的確な対処など、官民が連携した対策を推進しているところであります。

 三つ目は、「子供・女性・高齢者の犯罪被害防止対策の推進」であります。

 この取り組みの一つは、「人身安全関連事案の対象体制の強化」であります。他県では、ストーカー殺人事件の発生を見ているところ、本県ではまだ最悪の事態には発展していませんが、昨年、本県で認知したDV事案につきましては、前年比プラス二百五十四件の七百十九件、ストーカー事案は、前年比プラス百二件の三百七十一件であり、この数が年々増加しているところであります。

 このように、特に女性の安全が脅かされているところであります。県警察では、ストーカー・DVなど、男女間の恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案、行方不明事案、児童・高齢者・障がい者虐待事案など、人身の安全を早急に確保する必要の認められる事案を「人身安全関連事案」と総称していますが、この種事案の危険性は、普通の生活を送っていた人が、自己のコントロールができない状態となって凶悪な行為に及んでしまう点でありまして、さらにエスカレートすると、その被害者、対象者はもとより、対象者の親族等の生命をも脅かす重大な事態となるおそれが大きいところであります。

 県警察としましては、被害者からの相談の受理と同時に危険性を判断して、被害者や親族等の安全確保のために、人の生命を守ることを最優先に各種法令の積極的適用による行為者の検挙のほか、緊急通報装置、ビデオカメラ等の活用、自治体等関係機関との連携による被害者保護措置などを実施するなど、的確な判断と対処に努めているところであります。

 三つ目の取り組みの二番目は、「高齢者の犯罪被害防止対策の推進」であります。

 急速な高齢化は、治安へもさまざまな影響を及ぼしておりまして、県下の刑法犯認知件数における高齢者被害の割合は、一昨年が一〇・八%であったのが、昨年は一二・七%と増加傾向にあります。特に、特殊詐欺被害については、昨年県下で二百十一件の被害を認知し、被害総額が過去最悪の十一億円を上回っておりまして、また被害者のうち高齢者が約六割を占め、中には繰り返して被害に遭ったり、振り込め詐欺というものが存在していることを知りながら被害に遭う例も見られます。

 県警察では、従来から高齢者に対する交通安全教育などを実施しておりますが、このような機会をさらに生かすなどして、高齢者へのタイムリーな情報発信と注意喚起を積極的に推進するとともに、特殊詐欺被害阻止の最後のとりでである金融機関窓口での積極的な声かけによる被害防止を図るため、金融機関の窓口職員を対象とした研修会の開催にも取り組んでいるところであります。

 以上、申し上げましたのは、治安をめぐる環境の変化に伴う新しい課題でありまして、県警察におきましては、暴力団対策、交通死亡事故抑止対策、災害対策等も今申し上げました課題と等しく重要な課題であることを加えて申し上げます。

 これら課題への取り組みを進めるためには、警察の活動だけではなく、社会全体が一体となった取り組みが重要であります。幸い岐阜県には、安全・安心なまちづくり活動を高く評価され、内閣総理大臣表彰を受賞した団体を初めとする多くのボランティア団体が地域の安全のために活発に活動しておられるところでありまして、県警察では、これら団体との情報交換、緊密な連携を推進してまいります。

 岐阜県警察の基本指針である「安全・安心なふるさと岐阜県づくり」を実現するためには、県警察職員一人一人が県民の期待と信頼とは何なのかを理解し、県民の声なき声を聞き取る耳を持ち、それぞれの立場で最善を尽くすことが重要であります。岐阜県警察職員が一丸となって堅実な業務運営を着実に積み重ね、県民の安全・安心の確保を目指し、努力してまいります。



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○議長(渡辺真君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十七分休憩



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△午後零時五十分再開



○副議長(村下貴夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(村下貴夫君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。六番 高木貴行君。

    〔六番 高木貴行君登壇〕(拍手)



◆六番(高木貴行君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表して、今回は四分割して質問をさせていただきたいと思いますが、午前中の早川県議の質問と重複する部分もありますが、私なりの視点で質問も具体的に、答弁も具体的にお願いをしたいと思います。

 さて、私自身、政治・行政にかかわるようになり八年目となりますが、この間、地元に限らず、県内全体の多くの課題や問題に対して向き合ってくる中で常に感じていることは、それらの根本的な原因は、人口減少、少子・高齢社会における弊害ではないかということであります。当然ながら、本県においても、長期にわたりこの傾向は変わらず、現在、約二百五万人の県民が二〇四〇年には約百五十八万人になるとの見込みであることは、おおむね正確な数字ではないかと思います。人口減少、少子・高齢化にメリットはあるのでしょうか。私は、日本の適正な人口と人口構造についてはまだ知識を深めておりませんが、現行の制度を包括的に考えるとデメリットの方が大きいように感じてなりません。私は、少子・高齢化社会が与える大きな影響は、次の四つに分けられると思います。

 まず一つ目は、「生産年齢人口の減少により生産性や購買力の低下、経済への影響」です。二つ目は、「担い手が不足する労働への影響」です。高齢社会に伴い、今まで以上に看護・介護人材が求められる中、ものづくりの産業人材、農林業者など各分野で労働者不足に陥ってきます。三つ目は、「年金、医療・介護など、社会保障制度への影響」であります。特に、年金制度は現役世代が高齢社会の年金を負担する賦課方式であり、これらの数字を見れば、今後の制度維持には厳しい現実が待ち受けております。最後の四つ目は、社会・地域への影響です。人口減少で過疎化が進み、地域社会の核となっていた学校が統廃合されたり、地域活動が減ること、住民間の人間関係が希薄になったりすることが懸念されます。県は、着実に進行している人口減少社会を起因とするこれらの影響も十分に考慮して、今後の県政運営をしていかなければならないと私は思います。

 そこで今回は、人口減少・高齢社会を軸として、代表質問をさせていただきます。

 まず、岐阜県の平成二十六年度一般会計当初予算案を見てみますと、前年対比一%、金額ベースで七十五億円増の七千五百三十八億円が計上されており、二年連続の増額予算を計上されております。増額の割合は一%と多くないものの、二年連続で増額が可能となったということは、職員が一丸となって行財政改革に取り組んだ結果、構造的な財政不足は改善され、ようやく本県の財政状況にも少しだけ明るい兆しが見えてきたと言えるのではないでしょうか。

 知事は、年頭の記者会見で、「東京オリンピック・パラリンピック開催の二〇二〇年を一つの節目と捉え、未来志向で県政に取り組んでいきたい」と今年の抱負を述べられました。また、「二〇二〇年までには、全国育樹祭、東海北陸自動車道の四車線化、東海環状自動車道西回りルートの開通など、県の魅力発信のためのネットワーク、インフラ整備など大きなプロジェクトが次々と進んでおります。新年度は、「二〇二〇プロジェクト」の初年度でもあり、「攻めの県政」として、具体的な対策を盛り込みたい」と述べられました。とはいえ、先ほど本県の財政状況について、明るい兆しが見えてきたとは申し上げましたが、依然として厳しい状態が続いていることは変わりなく、県債残高は一兆四千六百八十二億円もあり、県民一人当たりに換算すると約七十万円もの借金が残っているのが現状であります。

 そのような中において、新年度におきましては、二〇二〇プロジェクトに関するもの以外にも、防災、経済、雇用、環境、福祉、医療、教育など取り組むべき課題は山積みでありますが、知事には手腕を発揮していただき、優先順位をつけていかなければならないと思います。人口減少、少子・高齢社会を見据え、スクラップ・アンド・ビルドにより、限られた財源で最大限の効果を出せるよう、めり張りのある予算編成を行うことが大変重要であります。

 また、県は予算編成において、少しでも県単独の予算の負担を減らすために、国の交付金や補助金などをできる限りうまく活用するなど、工夫することも重要であると考えます。そこで、二点知事にお伺いをいたします。

 まず一点目、平成二十六年度の当初予算の策定に当たっては、何を最優先で取り組むべき県政の重要課題として捉え、厳しい財政状況の中、どのようなポイントに重点を置いて編成されたのでしょうか。二点目は、県として、国の予算を県予算にどのように活用していかれるのでしょうか。

 ここで、一回目の分割を終わります。



○副議長(村下貴夫君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、予算編成の考え方についてお答え申し上げます。

 午前中の答弁と重なるところがございますが、御趣旨に沿ってお答えしたいと思っております。

 本県の財政状況は、これまでの行財政改革の取り組みによりまして、健全化に一定のめどがつきつつあるわけでありますが、引き続き社会保障関係経費の自然増、老朽化した社会資本への対応といったさまざまな課題を抱えておりまして、持続的な財政運営の確立というのが重要な課題になっております。

 他方で、長期構想の中間見直しで、三つの柱立てで整理いたしました将来を見据えた政策課題には積極的に対応する必要があります。平成二十六年度予算では、財政規律に配慮しながら、めり張りを効かせた予算編成を行ったということでございます。言ってみれば、節度とめり張りというのがキーワードでございます。

 そこで、優先的に重点を置いておりますことについては、三つに整理しておりますが、第一が「「清流の国ぎふ」づくり」ということで、「「清流の国ぎふ二〇二〇プロジェクト」元年」ということで、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアの活用、スポーツコミッションの設置、全国規模あるいは世界規模の競技会の誘致活動の展開、わがまち「清流の国づくり」への応援、これにより市町村が行う地域の魅力向上のための取り組みを支援すること、地域活性化とスポーツの振興を一体的に進めるということで考えているわけでございます。

 また、地域を支え、未来を担う人づくりということで、保育所待機児童ゼロプロジェクト、ワーク・ライフ・バランスの推進といったような少子化対策にも積極的に取り組んでまいりたいと思いますし、高校教育において、午前中も議論がございましたが、英語教育の充実、全国水準の質の高い授業を実施するスーパーグローバル・ハイスクールの推進といったことを通じて、国際社会で活躍できる人材を育成してまいりたいと思っております。また、岐阜県の豊かな清流環境を維持するため、水源林の保全、里山林の整備などによる恵みの森づくりにも重点的に取り組んでまいります。こうした取り組みを、先般策定されました「清流の国ぎふ憲章」にのっとり、皆様と心を一つにして進めていきたいということでございます。

 第二の柱が、「新たな「成長・雇用戦略」の展開」ということでございます。

 地域経済のより一層の活性化を図るために企業立地支援策の拡充、航空宇宙産業など、今後成長が見込まれる産業の競争力強化のための補助制度の創設などを盛り込んでおります。また、地域の魅力を高め、観光を基幹産業とするため、関ケ原古戦場や恵那市岩村など、主要観光地において市町村が取り組む施設整備などを支援するほか、三大都市圏、諸外国からの観光誘客拡大に向けたさらなるPR強化に取り組んでまいりたいと思っております。

 雇用分野につきましては、一千人規模の雇用の創出と、五百人規模の非正規社員の処遇改善を目指して、若者、女性の資格取得、スキルアップを支援するほか、障がい者の方の一般就労に向けた支援体制の強化など、誰もが活躍できる雇用の場の創出に努めてまいりたいということでございます。

 農業分野におきましては、県産農産物の輸出拡大を図るほか、「岐阜県就農支援センター」を開設し、新規就農者の育成・支援に取り組むなど、未来につながる農業づくりを推進してまいります。また、生きた森林づくりを推進するため、ドイツの先進的な林業技術を導入し、人材育成に取り組むほか、木材加工流通施設の整備に対して支援を行ってまいります。

 このほか東海環状西回り区間の整備促進など、成長・雇用戦略の基盤となるネットワークインフラの整備にも積極的に取り組んでまいります。

 第三の柱が、「確かな安全・安心の社会づくり」ということでございます。

 医療と福祉の連携強化を図るほか、強靭な危機管理体制の構築、食の安全・安心の確保など、県民の皆様が安全・安心に暮らせる社会づくりを進めてまいります。

 医療、福祉の充実・連携では、医療・介護などさまざまな職種が連携した在宅医療体制の構築、緊急搬送、救急医療体制の確保・充実、障がい者総合相談センターの整備による障がい者の方の相談窓口の一元化などを行っていく予定であります。

 強靭な危機管理体制の構築としては、防災ヘリコプター「若鮎?号」の更新、次期防災情報通信システムの三層一体での整備に加えまして、緊急輸送道路の整備や建物の耐震化の支援などにより、安心できる社会インフラを確保してまいります。

 また、先般問題となりました食品表示の問題につきまして、メニュー表示の監視・指導の強化を行うほか、食品異物分析機器の整備による食の安全の確保など、暮らしの安全・安心の確保にも積極的に取り組んでまいります。

 国の予算の活用についてお尋ねがございました。

 本県における国の予算の活用としては、いろんな例があるんですが、例えば公共事業など積極的に国の予算の獲得を行っているもの、それから基金事業のように配分された予算をルールに従って活用するもの、さらには亜炭鉱廃坑跡地の予防対策のように、制度自体を本県から提案をし、要望し、その結果実現したところを活用するというもの、いろいろとございます。今般、国は消費税引き上げの際の景気下振れリスクに対応するとともに、現在の景気回復を持続的な経済成長につなげていくという考えに立って、産業の競争力強化、地域経済に配慮した防災・減災、社会資本の老朽化対策、女性、若者の雇用の支援などを柱とした五・五兆円の補正予算を編成し、二月六日に成立をしております。

 これを受けて、本県の補正予算では、国補正予算に対応する事業として、百四十七億円の国庫支出金を活用して、総額二百九億円の予算を計上しておるわけございます。このうち防災・減災対策といたしましては、公共事業や県有施設の耐震補強工事九十八億円のうち、半分程度となる四十三億円の国庫支出金を活用しております。また、新たに積み立てる農地中間管理事業等推進基金を初め、緊急雇用創出臨時特例基金など八つの基金につきまして、国庫支出金を財源に総額六十二億円の積み立てを行うこととしております。

 さらに、本県みずからが提案、実現しました亜炭鉱廃坑跡の陥没予防対策として、岐阜県産業経済振興センターに四十四億円の基金を造成いたしますが、その財源としても、そのうち四十億円が国庫支出金ということでございます。

 平成二十六年度当初予算におきましては、全体として国庫支出金を七百六十八億円活用するということになっておりまして、このほかに、あらかじめ国庫支出金を原資に積み立てた基金からの繰入金ということで、二百二十四億円を活用するということでございまして、あわせて九百九十二億円ということでございます。国庫資金を活用した例を申し上げますと、主なものとしては、公共事業で二百十三億円、社会保障関係経費で七十五億円ということでございます。

 それから、新しい取り組みへの国庫資金の活用という例といたしましては、農業の六次産業化を進めるために事業者が行う商品開発、販路開拓の支援、県立高等学校において、国際的に活躍できる人材を早期育成するための授業の実践、少子化問題についての意識を高めるためのセミナーの開催などが上げられます。

 また、基金を財源に実施する事業としては、地域医療再生基金を活用した小児療育体制の整備、農業の競争力向上のために農地の集積を進める「農地中間管理機構」の整備、一千人規模の雇用創出を図る緊急雇用創出事業の展開と、こういったものが上げられます。

 今後とも、本県の抱える諸問題の対応につながるものであるかどうかをしっかりと見きわめながら、有益な財源確保といった観点から国の予算を活用してまいりたいと思います。



○副議長(村下貴夫君) 六番 高木貴行君。

    〔六番 高木貴行君登壇〕



◆六番(高木貴行君) 次に、生産年齢人口減少に伴う人手、担い手不足について、またそれらが社会・経済に及ぼす影響、そして県としての対応について各部にお尋ねをいたします。

 まず、看護・介護人材対策についてお伺いをします。

 一九四九年に生まれた最後の団塊世代が今年六十五歳になります。総人口に占める高齢者の割合は一段と高まり、日本人が長寿になったことは喜ばしいことでありますが、それは医療・介護サービスを旺盛に消費する層が劇的にふえることを意味すると感じております。その中において、年金、医療・介護等の社会保障制度そのものについては、若い世代として持続可能な制度変更は必要不可欠であると感じておりますが、それと同様にサービスを提供し、それらを支えている人材、担い手においても大きな課題であります。

 二〇二五年、あと十一年後には団塊世代が一斉に後期高齢者になり、七十五歳以上の人口が全体の一八%を超えるようになります。いわゆる二〇二五年問題であります。厚生労働省の試算では、二〇二五年には介護、看護職は二百万人必要となり、現在でも看護師不足は大きな問題である中、今後さらに看護、介護人材の不足が顕著化してまいります。

 県は、岐阜市、多治見市、下呂市に県立衛生専門学校等を有していますが、これらの学校が県の看護人材の育成・確保する上で非常に重要な役割を果たしていると考えます。しかも、各地域にあることで、親元を離れて県外等の学校に行く必要がなく、各地域に人材を供給でき、人口流出防止という点でも効果的だと思います。

 そこでまず一点目、県立衛生専門学校等の今後のあり方についてお伺いをいたします。

 県内の病院で看護師の不足が懸念されている中、県立衛生専門学校等の定員をふやすなどして、県内に定着する看護師を早い段階から確保することが重要であります。また、生徒に快適な学習環境を提供するため、これらの三校の施設・設備面や学習の充実など、修学環境面での改善等も検討していく必要があると思いますが、県としてどうお考えか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 二点目として、看護師のニーズはますます高まる中、今から対策をとらなければ、将来的にさらに看護師不足に陥ることが避けられないと思います。今後、県として、看護師や准看護師をどのように育成をし、医療の高度化等に対応できる優秀な人材を確保していくのか。また、准看護師の必要性について、さまざまな関係機関からさまざまな意見がありますが、県としてどう考えるのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 三点目、超高齢社会に向かう中で、看護師同様、介護人材のニーズも高まっていますが、ハードな仕事の割に合わない給料や福利厚生等のため、県内においても看護師の離職率が一〇%である中、介護人材においては離職率が一六%を超えているともお聞きしました。加えて、最近の若者は勤務条件がよくなければ働きたくないという傾向が見られる中、何か対策をとらなければ、深刻な人材不足になることが容易に想像ができます。県として、今後、介護人材をどのように育成をし、優秀な人材を確保していくか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 次に、中小企業の海外展開への支援についてお尋ねをいたします。

 人口減少により、消費の低迷につながることは明白であり、国内市場の規模の縮小は避けられません。

 片や世界の人口は年々ふえ続けております。本年二〇一四年の世界人口は約七十一億人でありますが、二〇二五年には八十億人までふえるとも予測されております。先日二月二十四日、日本経済新聞によれば、世界の二〇二〇年の消費支出予想では、新興国を中心に消費支出が伸び続けており、日本や欧州など先進国の多くが一〇%以下の成長にとどまる一方、中国が五〇%の伸びを示すなどアジアの成長が際立つほかにも、ロシアやトルコ等高成長が期待できる国が各地域に存在してきております。消費支出の伸びは人口の伸びとも比例しており、引き続き人口減の日本としては、消費市場の存在感は相対的に低下するものと見られ、日本企業はより広域な事業展開が重視され、海外展開の成否が各社の運命を握るものと考えられます。また、情報社会において、ネットの活用はビジネスではなくてはならないものとなっております。

 本県においても、平成二十一年に楽天株式会社と連携協定を締結し、県内企業のITを活用した販路・受発注の拡大、県産品及び農産物等の販路拡大などを積極的に推進をしてまいりました。私もITを活用した販路拡大に関しては、店舗を持つリスクや、移動などのコストを考えると大変効率的であると感じております。しかしながら、特に中小零細企業では海外市場へのアクセスがなく、せっかく高品質の製品があっても、独自で開拓するのは困難であると思います。県として、これまでも中小零細企業に対する海外展開への支援を実施しておりますが、例えば楽天のようなサイト、アリババ等との提携など海外展開の支援としてITを活用した戦略も含め、今後どのような方向性で中小企業の海外展開への支援強化を図っていくのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。

 次に、農業政策についてお伺いをいたします。

 TPP交渉参加により、日本の農業を取り巻く環境が大きく変わろうとしております。

 現在のところ、政府は農家の暮らしを守るため、米、麦などの農産物五項目については、関税撤廃の例外にする方針であります。しかし、先般シンガポールでの交渉においても合意には至らず、関税撤廃を認めないとするアメリカの断固とした主張により日本は譲歩を迫られるなど、非常に厳しい状況に置かれております。私は、TPP交渉の先行きが不透明な中、海外から安い作物に屈しない強い日本の農業をつくっていく必要があると考えます。その一つの方法として、一次産業に携わる農業者が、二次産業の加工や三次産業の流通にもかかわる六次産業化が大きく注目をされております。六次産業化の狙いは農家を多角化し、収益率を高めることにありますが、行政は、六次産業化に関心のある農家を支援していく必要があると考えます。

 そのような中、平成二十二年十二月には、国はいわゆる「六次産業化・地産地消法」を制定しました。この法律により、国から事業の認定を受ければ、農業者は農業改良資金の特例の適用、六次産業化プランナーによる定期的なフォローなど、メリットを受けられます。平成二十五年十月末時点で、岐阜県内では五十二件が事業認定を受けているそうですが、これらが優良事例として他の農業従事者の参考になることを期待しております。

 一部の調査では、六次産業化に取り組んだ農業者の方のうち、約七割が以前よりも収入がふえたということですが、私は、ビジネスとして定着するまでにはある程度時間が必要ですので、中・長期的な支援が必要だと考えます。国任せではなく、県としても独自で農業者に何らかの支援を行っていくべきだと考えます。恐らく多くの農業者は、興味はあっても、誰に相談していくのかわからないため、なかなか一歩を踏み出せない人もいるのではないでしょうか。

 そこで、農政部長にお伺いをいたします。

 来年度以降、六次産業化に関心のある県内農業者に対しどのような支援を行っていかれるのか、お伺いをいたします。

 続きまして、担い手に関してお伺いをいたします。

 本県の農業者は少なく、全産業に占める割合はたった数%にすぎません。しかも高齢化も進み、このまま担い手不足が続けば耕作放棄地がふえる一方で、本県の農業生産量も減少し続けていくことでしょう。一般的に、農業は他業者に比べ年収は高くなく、毎年安定した収入が得られにくい職業と言われております。気象の状況で、せっかく育てた作物を廃棄せざるを得なくなった気の毒な農家の方のニュースをよく聞きます。しかし、このまま担い手不足の問題を放置してもいいのでしょうか。日本とは逆に、アフリカの国々等では人口がふえ続けており、将来的に人口増加に食料生産量が追いつかず、食料不足が起きることが懸念されます。食料の多くを外国からの輸入に依存する日本に与える影響ははかり知れません。

 先ほど取り上げましたように、介護等一部の業種では人材不足が深刻になってきております。少子化が進展する中、人材を取り合う時代が来るのは遠くないと思います。農業においても、早いうちから担い手育成のための対策を講じることが肝要であります。

 私は、特に若者に対して農業の楽しさを教えたり、農業に関心を持たせたりするような取り組みを実施していくことが大切であると考えます。県では既に、ある程度は担い手育成の対策はされておりますが、来年度以降、どう強化されるか、農政部長にお伺いをいたします。

 次に、県土整備の現状と課題について、お伺いをいたします。

 政府は昨年末に、中央自動車道笹子トンネル事故を教訓にインフラ老朽化対策の検討を進め、「インフラ長寿命化基本計画」を決定いたしました。国、自治体、民間の全インフラを対象に戦略的な維持、管理、更新を推進し、二〇二〇年には全てに健全性を確保、二〇三〇年には、老朽化による重大事故ゼロを目指すようであります。さらに基本計画の柱の一つに、人口減少社会を見据えた施設の集約化とともに、不要と判断した場合は、廃止・撤去を検討する方針を示しました。そんな中、公共施設が老朽化し、使えなくなっても解体費を賄えず、放置している自治体が多くなってきていることから、総務省においても、二〇一四年から撤去する費用を調達する地方債の発行を認める方針も打ち出しております。

 東日本大震災を経験してインフラ整備、健全な維持管理の重要性は十分理解しておりますが、片や人口が減る中において、社会資本整備の増加は将来にとって大きな不安要素にもなり得ます。岐阜県では、平成二十四年四月の時点で、道路延長四千百九十七キロ、橋梁四千三百四十一橋、トンネル百七十三カ所という全国トップレベルの膨大な道路施設を管理しなければなりません。道路等をつくった後には永遠に維持・管理に費用がかかり、年数がたてば老朽化対策などを行わなければなりません。

 私は、決して公共事業を否定しているものではありません。むしろその重要性を一番理解しているとともに、有事の際や維持管理のために御尽力をいただいている地元の事業者さんへの継続的な仕事の発注や人口構造が変わる中、いち早く利便性を考え、整備していくべきである社会資本整備を積極的に応援をしております。しかし、建設と維持のバランスが崩れることによって、結果として将来世代に負担だけを強いることになることが考えられるからこそ、今からさまざまな想定をし、議論を尽くしていかなければなりません。国の方針でもありますが、今後はつくることばかりではなく、スクラップ・アンド・ビルド、廃止・撤去も含めて考えていくべきであります。

 そこで、県土整備部長に三点お伺いをいたします。

 一点目、県内各地で道路の老朽化が進む中、維持管理の費用は現在はおおむね横ばいでありますが、今後は年々増加する傾向になると考えます。場合によっては、不要の道路を廃止する選択肢もあるのではないでしょうか。一方で、新しく道路を建設することも必要でありますが、今後、県内の多大な道路施設の維持管理についてどうお考えでしょうか。

 東日本大震災後、復興関連の事業を皮切りに、公共事業・民間事業の工事が増加してきております。しかし、これらが全てよいわけではなく、一方では建設関連への就業者は減ってきており、円安の影響から資材、燃料の値上がりもあり、建設コストの上昇も招いているのが現状であります。また、全国的に公共事業の入札不調が見られ、他県では、待機児童問題が急がれる保育所の開園や病院などの整備にもおくれが出ているともお聞きしておりますが、本県の状況はどうでしょうか。

 そこで二点目は、本県の入札不調の現状と、新年度に予算化されている公共事業において、確実に着工するための対策をお尋ねいたします。さらに、労働環境の厳しい現状では、先ほども申し上げました建設関係への就業者数は減ってきており、担い手不足が否めません。

 三点目としては、今後の少子化によりさらに人材不足が懸念される中、今後どのように建設業の担い手の確保、人材育成を行っていくのか、お尋ねをいたします。

 ここで、二回目の分割を終わらせていただきます。



○副議長(村下貴夫君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 看護、介護人材対策について、三点御質問いただきました。

 初めに、県立衛生専門学校等の今後のあり方についてお答えします。

 県立衛生専門学校等の今年度の入学状況は、三校合わせて定員二百名に対し五百六十五名が受験、入学者は百九十一名で若干定員を下回っております。これは、大学の看護学科への入学による辞退があったためと考えており、大学における看護学科の新設が続くことから、定員の確保が課題であると考えております。このため、授業料の安さや県立病院での実習が可能であること、看護師国家試験の合格率が高いこと等の魅力を一層PRして、定員の確保に努めてまいります。また、修学環境の改善については、トイレや空調の改修工事等を順次実施しており、実習環境についても、今年度新たに雇用した教員の活用によるさらなる充実を図っております。

 次に、看護師・准看護師の育成及び確保についてお答えします。

 県内には現在、看護師養成所が十七校、准看護師養成所は九校あり、一学年当たり九百七十人の看護師、三百六十五人の准看護師を育成しています。平成二十六年度には二つの大学で新たに看護学科が開設されるため、看護師育成数は百六十人増加して、一学年当たり一千百三十人となります。県としては育成数の増加や離職防止、認定看護師制度の推進、再就業支援により、今後とも育成・確保に努めてまいります。なお、准看護師については定員を上回る受験者があること、県内就業看護職員数の約三割は准看護師である状況を踏まえ、今後とも必要であると考えております。

 最後に、今後の介護人材の育成及び確保についてお答えします。

 介護職員の育成及び確保には三つの施策が重要であると考えております。

 一つ目は、離職防止につながる処遇改善です。賃金水準の改善に直接つながる介護報酬の増額について毎年国へ要望を行うほか、産休・育休代替職員の人件費補助を実施しております。また、職員の負担軽減につながる介護ロボットの導入について現在実証実験を行っており、今後、導入促進を図りたいと考えております。

 二つ目は、介護職が職業として選択される環境づくりです。介護福祉士を目指す学生への修学資金の無利子貸し付けや、働きながらヘルパー資格が取れる介護雇用プログラムを継続するほか、小・中学生の親子を対象とした職場見学バスツアーや、中学生以上の職場体験などによる啓発に取り組んでまいります。

 三つ目は、スキルアップを図る仕組みづくりです。経験年数や習熟度に応じた研修や、原則医師や看護師しかできない、たん吸引技術習得に向けた支援などにより、介護職員の資質とモチベーションの向上につながる施策を今後も行ってまいります。



○副議長(村下貴夫君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) 中小企業の海外展開への支援についてお答えいたします。

 海外展開に当たり、ITを活用する手法は、企業の事業スタイルや商品特性などに応じて柔軟に取引先を探し出す有効な手法の一つであり、アリババのような海外企業とのマッチングを可能にするインターネットサイトは、既に幾つかの県内企業でも活用されていると承知をしております。しかしながら、こうした手法を活用したとしても、企業には魅力的な商品の提案、相手との信頼関係の構築、円滑な貿易実務など、海外展開のための総合的な能力が求められます。

 そこで県では、ITやインターネット活用を進める一方で、海外デザイナーと連携した商品の開発支援や、貿易実務講座の開催などの人材育成支援を行う基礎固め、海外見本市への出展支援や海外バイヤーを招聘した商談会の開催などによる実践の後押し、世界十都市のアンテナショップ構築によるパートナー拠点づくりの三つの視点から、県内企業の海外展開のステップに応じたきめ細かい支援を今後も行ってまいりたいと考えております。



○副議長(村下貴夫君) 農政部長 平工孝義君。

    〔農政部長 平工孝義君登壇〕



◎農政部長(平工孝義君) 農業政策について二点御質問をいただきました。

 まず初めに、六次産業化に関心のある農業者への支援についてお答えします。

 農業者が六次産業化に取り組むためには、加工や流通販売に関する基礎的な知識が必要です。このため県では、六次産業化に取り組もうとしている農業者を対象に、商品開発や、衛生管理などのノウハウや、先進的な取り組み事例を学ぶセミナーなどを開催しています。また、今年度設置した六次産業化サポートセンターから専門家を派遣し、具体的な事業計画の策定を支援しています。今後はこうした取り組みに加えて、農業者が気軽に相談できるよう、各地域の農林事務所に相談窓口を設置するとともに、六次産業化サポートセンターの専門家を増員し、農業者に対しきめ細かな対応ができる体制を整備します。さらに、六次産業化の支援制度に関する説明会や、スキル向上のための各種研修会を圏域ごとに開催するなど、支援を強化してまいります。

 次に、農業の担い手育成に向けた取り組みの強化についてお答えします。

 新たな農業の担い手を育成するためには、まずより多くの方に農業の楽しさややりがいに触れ、興味を持っていただくことが大切です。その上で、知識や技術が習得できるきめ細かな研修制度や、地域全体で新規就農者を支援する体制の整備が重要と考えています。このため来年度は、農業の初歩的な知識を教える夜間ゼミにおいて、座学に加え、新たに野菜づくりなどの農作業も体験していただくことにしています。

 また、この四月には海津市に「岐阜県就農支援センター」を新設し、冬春トマトの実践研修をすることにより、即戦力となる農業者を育成してまいります。さらに、就農後も専業農家や指導農業士などから経営や生活面などのアドバイスが気軽に受けられるよう、勉強会や懇談会などを実施し、地域の農業者のネットワークづくりを進めてまいります。



○副議長(村下貴夫君) 県土整備部長 山本 馨君。

    〔県土整備部長 山本 馨君登壇〕



◎県土整備部長(山本馨君) 初めに、県管理道路の維持管理についてお答えいたします。

 本県が管理する橋梁やトンネルなどの道路施設は全国的に見ても大変多く、高度成長期以降に集中的に整備したこれらの道路施設が、今後急速に高齢化していくことから、維持管理費の増大が懸念されております。このため、予防保全的な考え方を導入した橋梁や舗装の長寿命化計画や、社会的なリスクも考慮した「社会資本メンテナンスプラン」を既に策定したところですが、さらにトンネルや道路附属施設を含め、全ての道路施設を包括した「岐阜県道路施設維持管理指針」を今年度取りまとめたところです。

 今後はこの指針に基づき、橋梁やトンネルなどの道路施設を定期的に点検し、維持・修繕を実施することにより施設の長寿命化を図るとともに、コストの縮減や予算の平準化にも取り組み、引き続き道路の適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、公共事業の入札不調の現状と対策についてお答えいたします。

 本年度の建設工事における入札不調は、平成二十六年一月末時点で六十二件発生しており、発生率は四・〇%と昨年度の一・三%から大幅に増加しております。業種別では、建築工事で一六・二%と特に高くなっております。入札不調となった工事については、入札参加資格要件の緩和や積算内容の見直しによりおおむね契約に至っており、現在のところ、県発注工事において県民生活への影響は出ていない状況です。入札不調の原因としては、配置する技術者や労働者、資機材の不足のほか、労務単価や資材単価が上昇傾向にあることなどが考えられます。このため、主任技術者の配置要件の緩和や、発注時期の平準化に取り組むとともに、適正な工事価格となるよう労務単価を前倒しで改定したほか、主要資材の単価も随時改定するなど、さまざまな対策に取り組んでいるところです。今後も、地域の建設業の実情に十分配慮しながら、公共事業の確実な執行に努めてまいります。

 最後に、建設業の担い手不足についてお答えいたします。

 建設業の就業者数が減少する中、建設業の担い手不足を解消するためには、将来にわたり希望や誇りの持てる建設業となることが重要であると考えております。そのためには、まずは中・長期にわたる安定的な公共事業予算の確保が重要であり、さらに建設業者の適正な利潤の確保や魅力ある労働環境の整備なども必要であると考えております。こうした考え方のもと、適正な労務・資材単価の設定や発注時期の平準化などに努めているほか、工業高校生や進路指導に当たる教員を対象に現場見学会を開催するなど、建設業の魅力発信にも取り組んでいるところです。

 今後はこれらの取り組みに加え、今般、新たに創設された地域人づくり事業を積極的に活用し、若年労働者や女性労働者の雇用拡大や、既雇用者の処遇改善のための方策を検討するなど、建設業の人材確保や育成策の充実を図ってまいりたいと考えております。



○副議長(村下貴夫君) 六番 高木貴行君。

    〔六番 高木貴行君登壇〕



◆六番(高木貴行君) 続きまして、安全・安心な新しい社会づくりに向けて、各部の対応について質問をさせていただきます。

 最初に子育て支援に関してお伺いをいたします。

 私は、政策課題の原因が人口減少、少子・高齢社会であると感じ、少子化対策を議員としてのライフワークとしてきております。その中において、少子化の原因である未婚・晩婚への対応と、子供を産み育てやすい環境の整備は両輪で進めていくことがベストであり、急がば回れではありませんが、少子化の対策こそが今後の地域のあり方を変えるものと言えます。

 そこで、再三少子化対策や子育て支援対策の課題について議会の一般質問で取り上げてまいりました。現在、子育て支援策やDV対策において、環境生活部の少子化対策課、男女参画青少年課、健康福祉部の子ども家庭課で二部にまたがっていましたが、来年度からは子ども・女性局を設置し、一貫して少子化・子育て支援策に取り組まれることになったと伺いました。これまでも、二つの部で連携されてきたとは思いますが、やはり部長が違っては考えも違い、施策の立案や実施の迅速性においても問題があったのではないかと思います。また、県民の目から見ても、一つの局内で、ワンストップで支援が得られることで利便性も向上すると思いますので、私はこの設置を歓迎したいと思います。

 私は常々、少子化対策と子育て支援策は一体となって取り組むべきだと主張してきました。これまでは、どちらかと言えば、子育てに優しい社会づくりを充実させる政策に重点が置かれてきたと思いますが、局が設置されることにより、これまでに困難であった新しい取り組みも可能になるのではないでしょうか。また、共働き世帯がふえる中、安定した将来設計を描く中で、より多くの子供を産んでいただけるよう、「子育てしながら働き続けることができる環境づくり」や、「晩婚化・非婚化対策としての結婚を希望する人への支援」などに重きを置いた施策に取り組んでいくことも必要ではないでしょうか。

 そこで知事にお伺いをいたします。

 来年度から健康福祉部内に子ども・女性局を設置することにより、県民にとってどのようなメリットがあるとお考えでしょうか。また、局設置の初年度として、どのような方向性で少子化対策や子育て支援に取り組むのか、特に、私のライフワークである少子化対策について、具体的な事業も交えてお答えをお願いいたします。

 続きまして、病児・病後児保育への県の支援についてお尋ねをいたします。

 病児・病後児保育とは、おおむね十歳未満の病気中または病気回復期の子供を対象に、保護者が勤務等の都合により家庭で保育を行うことができない場合にかわって保育を行うサービスであります。事業主体は各市町村で、病院や保育所等の専用スペースで保育士・看護師の専門スタッフによって保育が行われます。利用可能時間は施設によって異なりますが、おおむね平日の八時から午後六時までで、一日当たり二千円程度の利用料金がかかります。

 この病児・病後児保育は、平成十九年度から本格的に始まったもので、比較的新しい保育サービスであるため、まだまだこのようなサービスを知らない保護者の方も多いのではないかと思います。そのようなこともあり、県内各施設の延べ利用人数を年間で平均すると一日一名程度だそうですが、子供の病気には季節変動があり、当日の朝に予約をキャンセルする利用者も少なくないなど、不安定な利用状況の中で保育士・看護師を配置する必要があり、運営がなかなか難しい事業ではないかと考えます。そのため、国・県から運営経費を補助しているわけですが、現在の補助制度が施設の利用人数に応じて補助額がふえていく仕組みとなっているため、ある程度の利用人数が確保されるまでの間は、市町村によって、運営経費とは別に数十万円から数百万円程度の追加負担が発生している状況だとお聞きしております。

 今後、担い手不足において、女性の活躍も一つの鍵となってくると思います。特に、第一子出産を機に働く女性の約六割が離職をする中、本県においても、県内企業等においては、管理的職業従事者に占める女性の割合が全国最低レベルにあるとも聞いております。そのような状況において、県としても保護者、とりわけ女性が育児をしながら働き続けるために重要なサービスだということで充実を図ってきた結果、現在三十四市町でサービスが提供される状態となっていますが、各施設の利用者がふえれば、経営的にも安定すると思いますので、まずこのようなサービスがあることを、育児をしながら働いている方だけでなく、企業の人事担当者にも知ってもらうよう、県は市町村と連携しながら、病児・病後児保育サービスの普及啓発に力を入れていただきたいと思います。

 さて、現在、岐阜県内で病児・病後児保育サービスが提供されているのは三十四市町ということですが、幾つかの課題があると考えております。

 まず、未実施の市町村が依然として八市町村あるほか、サービスを実施していても、みずからの区域内に施設を持たない市町が十五市町あり、また、みずからの市町の区域内で実施している十九市町のうち、六市町には病児を対象とした施設がありません。さらには、地域的に見ても、東濃圏域は病後児のみで病児を対象としている市がないなど、取り組みにばらつきが見られます。病児保育は、預かったお子さんの病気のぐあいが急変することも考えられることから、県内の病児保育施設の大半は病院に併設しているか、病院に隣接する福祉施設に設置しております。このため、病児保育の実施に当たっては、地域の医師会を初めとする医療機関の理解と協力が必要でありますが、小児科医の不足もあり、難しい現状の地域もあるのではないかと推測されます。

 現在、平成二十七年四月には本格実施が予想されております「子ども・子育て支援新制度」の準備のため、市町村が実施する保育サービスに関するニーズ調査の中で病児保育のニーズも把握できるので、病児保育のニーズが高いにもかかわらず、まだ実施していない市町村は、ぜひ病児保育の実施を前向きに検討していただきたいと思います。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 県としては、子育てをしながら働き続けることができる環境づくりを目指しておられますが、それを実現するためには、県内どこに住んでいても、病児保育サービスが受けられる体制を整備する必要があると思います。市町村の取り組みに任せるだけでなく、県としても対策を強化する必要があると考えますが、御所見を伺います。

 次に、リニア推進に向けた諸課題について、お伺いをいたします。

 二〇二〇年の東京オリンピックに対しても、多くの夢と期待を抱く我が岐阜県であり、「二〇二〇プロジェクト」がスタートしていきますが、その七年後の二〇二七年には、東京−名古屋間でリニア中央新幹線が開業する運びとなり、こちらも現実的にスケジュールが確定してきたことによって、具体的な取り組みが示されてきております。

 リニア中央新幹線に対しても、我々は夢や期待を描くとともに、JR東海という民間企業の事業であるにもかかわらず、国家的にリニアの影響は大きく、経済はもちろんのこと、人口の移動定住、各地域の文化や産業、行政区のあり方までもがかかわってくるものだと理解をしております。今から十三年後と遠いようで近いリニア中央新幹線について引き続き岐阜県としても議論・検討を進めていく中において、今回は私なりに大きな視点で三点、お尋ねをいたします。

 まず一点目ですが、リニア建設段階の工事、経済効果最大の享受と残土の活用についてですが、二〇二七年度の開通に向けて、何よりも工事が着工されていくこととなります。一部の報道では、今夏に工事の段取りが始まり、来年度以降に本格的な工事が始まっていく中、建設段階での経済効果は一兆九千百十億円とも試算されており、中部車両基地、リニア建設段階で岐阜県への経済効果の最大限の享受は非常に重要であると考えます。JR東海が公表した環境影響評価準備書によれば、県内ルートの約八八%が地下であり、建設発生土が岐阜県内だけでも一千二百八十万立米であると予測されています。捨てれば土でありますが、さまざまな公共事業で生かすことも可能であり、資源の乏しい我が国においても有効的に活用していくべきであります。

 また、中津川の中間駅を含めて通るルートは岐阜県東濃地域であり、地場産業では窯業も盛んに営まれております。地場産業の現状は依然厳しい中、近年では原料の粘土の確保にも苦労をしております。工事着工がカウントダウンされる中、粘土が発生をしたら考えるというわけではなく、計画段階において、残土の活用も含めて、粘土が採取された場合において議論を進めていくべきでありますが、岐阜県としてどのようにお考えでしょうか、都市建築部長にお尋ねをいたします。

 次に、岐阜県リニア中央新幹線活用戦略(案)を見させていただきますと、いろんな視点からデータが算出されるとともに、着工から開業までの効果も具体的な数字で示されております。ただ気になる点は、ほとんどが岐阜県内にとって効果的、前向きなことばかりが記載されていますが、リニアが開通するころは今以上に人口減が進み、人材が大都市に流出してしまうなど、マイナスな一面も十分に懸念されると考えます。悲観的なことを言い、足を引っ張りたいのではなく、現在考えられるメリット・デメリットをしっかり把握し、メリットに対しては最大限にその恩恵をどう享受していくのか、デメリットに対しては最小限に抑えていくのか、政策を講じていくべきであります。

 また、東京を除いては、中間駅同士、人口減少社会においてパイの奪い合いになることも想像できます。神奈川県、山梨県、長野県、そして愛知県など、政策次第では現段階でお示しされている数字自体も全く変わってくることとなります。

 ちょうど昨日、名古屋市議会では、名古屋市の高速道路から名古屋の駅に直結できる、リニア中央新幹線を見据えて直結できる名古屋高速の改良の提案が出されました。他県でも地域の発展に全力を注いでくる中、連携することも必要でありますが、他県の取り組みの状況を理解し、その中で岐阜県としての政策・対策を講じていくべきであります。現時点でどのようなデメリットを想定し、他県との関係も踏まえ、県としてどう対応するのか、都市建築部長にお尋ねをいたします。

 三点目でありますが、「新首都を東京から東濃へ」の言葉は、約二十年ほど前ごろからいつの間にか私の記憶に刻まれていた言葉であります。

 実は現在も、私の地元多治見市市之倉町の実家の近辺には「新首都を東京から東濃へ」への看板が掲げられております。首都機能移転の話は、浮上したり消えたりしておりますが、二〇一一年の東日本大震災を契機に議論が再燃しております。そのような中において、現在のリニア中央新幹線開通の議論が始まり、当県としても開通にあわせて、この首都機能の分担を引き寄せていくこととなっております。

 岐阜県は地理的に国の中心であり、交通ネットワークも東西南北に主要な幹線が通っております。また、リニアの中間駅である東濃地域は地盤・岩盤が大変かたく、ここ近年では大企業がリスク分散も考え、工場や研修所を移転してきております。私もぜひ首都機能を、全部ではなくとも、今後のリスク分散も含め、本県の発展に対しても設置していただけるように働きかけていくべきであると考えます。

 そのような考えの中、首都機能の分担を要望するならば、当然ながら我が岐阜県としての機能も、または一部の機能を東濃地域に設置していくべきと考えるのは私だけでしょうか。その場所がよいと薦めるのであれば、まずは我々がそこに行くべきでありますし、リニア中央新幹線を活用したまちづくりにおいて県庁移転は大きな起爆剤となります。

 知事自身もよく東京に出張されておりますが、何かあれば国への要望、会議が行われております。例えば県庁が東濃にあり、リニアが開通していれば直通で三十四分、各駅停車でも五十八分と一時間以内で東京に到着できるわけであります。どうでしょうか、知事、便利だと思いますが。ちょうど平成二十五年度三月補正予算並びに平成二十六年度当初予算に三十億円ずつ県有施設整備基金へ積立金を計上されました。ぜひ、活用戦略に記載しているのならば、県庁の移転も視野に入れていくべきでありますし、岐阜県が広域的に発展をし、さらにリニア開通を確実に成功の道へ導くためにも前向きな議論をお願いしたいと思います。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 リニアが開通することで、ある意味、東濃が県の窓口になると思います。首都機能の移転の話も全くないわけではないと思います。県は現在、県庁舎の建てかえを検討し、予算化もしており、リニアを中心としたまちづくりを推進していることから、県庁の建てかえの検討にあっては、私が今申し上げたことも含めて議論をしていただきたいと思いますが、どう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

 次に、警察行政について、二点お尋ねをいたします。

 人口減少、高齢社会において地域の治安維持を考えると、警察行政の役割は今まで以上に大きなものであると感じております。当然ながら、少子化の影響で警察官の数が減り、今後は交番等、警察署を現在の状態で維持していくことは困難であると考えますし、さらに交番、警察署の老朽化、耐震の問題など、懸念材料として上げられます。

 片やそのような現状が考えられる中、地元住民としても、自治体としても、治安維持の確保を考えると交番等の統廃合、再編成に対しては不安があります。イギリスなどでは、地域の治安を維持するために、警察業務の一部を民間の警備会社に委託するケースもあるようですが、そのような対策では、地域ごとに治安のレベルに差ができたり、その時々の予算状況によって委託ができなくなる場合もあるので、大変厳しいと思います。少子化が進む中、また厳しい財政状況が続く中で、交番等の数を減らしていくことはやむを得ないかもしれませんが、そのことによって治安が悪化し、県民の安心・安全が脅かされることはあってはならないことであります。

 そこで一点目、人口減少社会を見据え、今後岐阜県警として、現状と同じレベルの治安を維持しつつ、どのように交番等の統廃合、再編を進めるつもりなのか、警察本部長にお尋ねをいたします。

 次に、サイバー犯罪についてお尋ねをいたします。

 PCの開発、スマートフォン等の普及により、サイバー犯罪に巻き込まれる県民は急増していると感じております。岐阜県としても、電子調達システムにより物品を調達するとともに、県が推進するネットショッピングなど、これまで人と人とが会い、物を動かしていたものが、現在ではパソコンやスマートフォンでの取引・決済ができるようになってきております。特に、近年では物の取引だけでなく、金融面において積極的に電子商取引の傾向になりつつあると思います。とはいえ、今後さらに技術の進歩、発展、スマートフォンの普及により、不正な電子商取引、サイバー犯罪はふえ、しっかりとした対策をとらなければ深刻な事件に巻き込まれる可能性もあると思います。

 また、これらの普及により、犯罪というか人を傷つける情報の発信も多発しております。私も利用しておりますが、スマートフォンのLINEを御存じでしょうか。先日もこのLINEのいじめにより子供が自殺をしているような関係のニュースも聞いておりますし、復讐ポルノなど他人への誹謗中傷も簡単にできるようになってきております。これらのことも考え、今後、岐阜県としてはサイバー犯罪への対応をとらなければなりません。

 そこで二点目、最近のサイバー犯罪の現状と今後の岐阜県警の対策について、警察本部長にお尋ねをいたします。

 ここで、三回目の分割を終わらせていただきます。



○副議長(村下貴夫君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうには、二点御質問がございました。

 まず少子化対策でございますが、現在、環境生活部では少子化対策の企画立案・調整、それからワーク・ライフ・バランスの推進を担う男女共同参画、こういったことを中心に仕事をしております。

 一方、健康福祉部のほうでは、保育所等への支援を担う子育て支援部門を担っているわけでありまして、今回の組織改正でこれらを一体化して、健康福祉部内に「子ども・女性局」を設置するということでございまして、これによって一段と実効性のある政策ができるんではないかと思っております。

 まず第一に、ライフステージに応じて切れ目なく対策を講じていくということでございます。非婚化・晩婚化対策を新たな柱に位置づけ、学生期から就職、結婚、子育て期に至るまで、一つの局で一貫した少子化対策を講じてまいります。具体的な事業として、人生の早い時期におけるみずからの結婚、妊娠、出産等の人生設計を考える機会を提供するライフプラン教育の実施、民間のノウハウを活用した魅力ある婚活イベントの企画、市町村の区域を越えた広域的なマッチング機会の提供などの結婚支援、またその後の子育て支援策を切れ目なく実施し、より一層少子化対策を充実してまいります。

 二番目に、複数の部にまたがって所管していた事務を一元的に束ねることで、県民あるいは市町村から見て、ワンストップのわかりやすい取り組みが可能になるということでございます。午前中にもお話をしましたが、保育所待機児童ゼロ、病児・病後児保育未実施市町村ゼロ、放課後児童クラブ未実施小学校区ゼロ、ファミリーサポートセンター未実施市町村ゼロと「四つのゼロプロジェクト」を進めてまいりますが、今回の子ども・女性局設置によって全てのプロジェクトの窓口が一つにまとまるということでございます。未実施市町村に対して、一体的な後押しが可能になるんではないかということでございます。

 第三に、企画部門と実施部門が一元化されるということで、政策の実効を高めることができるんではないかということでございます。

 今般、社会保障・税の一体改革ということで、消費税率引き上げに伴う増収分を財源として、社会保障四経費の一つとして少子化の分野を強化するということになったわけでありますが、この財源を使って、計画的に子育て支援体制の充実を図る「子ども・子育て支援新制度」がスタートいたしますが、これまでですと、計画は環境生活部、実施は主に健康福祉部というふうになっておったわけでございますが、平成二十七年度からの本格施行に向け、一つの局で一貫して実施していくということかと思います。

 さて、もう一つが県庁舎の移転問題でございます。リニア活用戦略をずうっと平成二十三年来議論してまいりましたが、初めて出てきた御議論でございます。

 現在の県庁舎でありますが、御案内のように築四十八年ということで、大規模な災害発生時・震災発生時に中枢拠点として十分対応ができないんではないかということが懸念されるわけでございまして、この建てかえに備えて、平成二十五年度三月補正と二十六度当初予算、それぞれ三十億円ずつ基金への積み立てを行うということにしたわけでございます。最近、県庁舎を建てかえた他県の例を見ますと、建設費は四、五百億円程度、建設費の半分程度をあらかじめ基金に積み立てて、そして物事を始めていくということでございます。また、建てかえの進め方としては、まず県内部で考え方を整理し、有識者によって構成される委員会等に諮った上で建てかえを決定すると。その後、基本構想の策定、設計、工事というのが他県の通常の姿でございます。

 本県としても、まずは来年度、管財課に県庁舎再整備企画監を設置しまして、庁内に関係課の職員による研究組織を立ち上げてまいります。その上で、新庁舎の機能、規模の考え方、建設までのプロセス、あるいは危機管理上の課題などについて、最近建てかえた県などの状況調査を行うとともに、有識者の御意見も伺ってまいりたいと考えております。もちろん、議会の皆様の御意見も十分伺うこととしております。

 新庁舎のあり方の検討に当たりましては、中枢となる防災拠点として果たすべき役割、業務執行上必要となる面積、維持管理も含めた全体コストの縮減、環境への配慮等々、さまざまな観点から議論を進めていくことになるんではないかというふうに思っております。

 御指摘の県庁の機能一部移転ということがございますが、既に振興局を初め各現地機関が各地域においてその役割を果たしておるわけでありまして、必要に応じて現地機関の強化というのも一つの選択肢であろうかと思っております。

 それから、県庁全体の移転ということになりますと、県警本部庁舎が平成十八年に竣工いたしておりまして、これとの連携をどう考えるかとか、あるいは建設用地の確保の問題、さらには地方自治法上、県庁舎の位置を変更するに当たっては、県民・住民の利用に最も便利となるよう考慮すべきであるというような規定もございまして、別にまだ決めてかかっているわけではありませんけれども、前後の状況を見てみますと、恐らくは現在の、この所在地を基本として検討を進めていくことが適当ではないかなあと、こんな感じでございますが、ぜひ自由闊達に御議論をいただければと思っております。

 一方で、リニア中央新幹線の岐阜県駅が中津川市にできるということは、地域にとりましても、また県にとりましても大きなチャンスでございます。そういうことで、リニア中央新幹線活用戦略研究会で戦略を今まとめつつあるわけでございますが、その一貫として御指摘のあった首都機能移転ということも当然視野に入れながら、国、他県、あるいはJRともいろいろと議論をフォローしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。



○副議長(村下貴夫君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 病児・病後児保育への県の支援についてお答えします。

 子育てしながら働き続けることができる環境づくりの一環として、病児・病後児保育を推進してきておりますが、いまだ実施していない市町村があること、病後児保育しか実施していない市町があることなど、その取り組みにはばらつきが見られ、県内どこに住んでいても同様のサービスを受けることができる体制とはなっていないと認識しております。

 いまだ実施していない、あるいは病後児保育のみを実施している市町村においては、運営ノウハウがないこと、地元医師会等関係機関の協力が得られていないこと、さらには、特に利用人数の少ない施設では運営費が過大となること等の課題があると考えております。県としましては、これらの課題の解決に向け、一つ一つ丁寧に支援を行うことにより、県内四十二市町村において、病児・病後児保育が実施できるよう努力してまいります。



○副議長(村下貴夫君) 都市建築部長 高木善幸君。

    〔都市建築部長 高木善幸君登壇〕



◎都市建築部長(高木善幸君) リニア推進に向けた諸課題について、二点御質問をいただきました。

 まず、建設発生土の活用についてお答えします。

 リニア中央新幹線の建設に伴い県内で発生する土の量は、昨年九月にJR東海が公表した環境影響評価準備書で約一千二百八十万立方メートルと示されました。この発生土について、JR東海ではリニア中央新幹線事業で利用するほか、公共事業などへの活用を想定し、県に対してあっせんの協力を求めています。

 県としては、多くの発生土を処理するためには公共事業だけでなく、民間事業等での活用も検討することが重要であると考えています。このため、建設発生土の有効活用等に向けた情報交換や連絡調整を行うことを目的に、沿線市町、国及び県の現地機関、JR東海、地元の民間団体から成るリニア中央新幹線建設発生土活用連絡調整会議を先月設置したところです。今後はこの会議において、建設発生土の具体的な発生時期や量、場所等の情報を関係者と共有しながら、その活用について幅広く検討を進めてまいります。

 次に、リニア開業で想定されるデメリットへの対処についてお答えします。

 リニア中央新幹線の開業は人の交流を活発にし、岐阜県発展の大きな起爆剤となることが期待される一方で、何も対策を講じなければ単なる観光客の通過点となることや、大都市への人材や買い物客の流出などのストロー現象のほか、本県と同様に中間駅が設置される他県との間の地域間競争の中で埋没してしまうことなどが懸念されます。

 こうしたことも踏まえ、「リニア活用戦略(案)」では、観光振興・まちづくり、産業振興、基盤整備の三分野での取り組みを取りまとめたところです。具体的には、リニア岐阜県駅を中心とする東西、南北への新たな観光軸の展開や、他県と連携した観光商品の造成、観光誘客と連携した移住・定住人口の拡大、企業誘致や行政中枢機能のバックアップ施設の誘致、さらに濃飛横断自動車道を初めとするアクセス道路の着実な整備を進めていくこととしております。

 今後は、リニア活用戦略を踏まえ、市町村や関係団体と連携し、リニア開業効果が県内全域に最大限波及するよう取り組んでまいります。



○副議長(村下貴夫君) 警察本部長 竹内浩司君。

    〔警察本部長 竹内浩司君登壇〕



◎警察本部長(竹内浩司君) 交番等の統廃合、再編に伴う治安維持についてお答えします。

 交番・駐在所の役割は、管轄する区域におけるパトロール、巡回連絡、事件・事故等への対応はもとより、住民からの要望に応える活動を行うなど、地域の生活安全センターとして重要な役割を果たしております。

 この役割を十分発揮し、地域における良好な治安を確保していくためには、勤務員や交番相談員など配置された人員を最大限効果的に活用できる体制が必要であります。こうしたことから、交番・駐在所の配置については、管轄区域内の治安情勢、業務負担の状況等を総合的に判断し、地域住民の要望も踏まえながら、常にその見直しを実施しております。平成十六年当時、県下に百十一の交番と百二十六の駐在所が配置されておりましたが、現在は、八十七の交番と百三十七の駐在所に再編整備を図ったところであります。

 今後とも、良好な治安の確保が警察における最も重要な責務であることを念頭に、社会環境や治安情勢の変化に対応しながら交番・駐在所機能の強化を図り、治安の維持に努めてまいります。

 続きまして、最近のサイバー犯罪の現状と、今後の対策についてお答えします。

 議員御指摘のとおり、インターネットが国民生活に必要不可欠なインフラとして定着し、さらにスマートフォンの利用者が急速に増加している一方、他人のID・パスワードを不正に入手して、情報を盗み取るなどの不正アクセス事犯や遠隔操作が可能となるウイルスを使用した事犯など、サイバー空間における犯罪も増加しており、国民生活に新たな脅威が生じつつあります。

 特に昨年は、インターネットバンキングに係る不正送金事犯が急増しておりまして、全国において一千三百十五件、被害総額約十四億六百万円と過去最大の被害が発生するなど、サイバー犯罪の手口は非常に速いスピードで高度化・巧妙化している状況にあります。

 県警では、こうしたサイバー犯罪に対して総合力を発揮した取り締まりや、犯罪の未然防止を図るために、体制の強化、装備資機材の充実に努めるとともに、県民に対する違法、有害情報の通報の呼びかけ、インターネットプロバイダ防犯連絡協議会の開催による関係業界との情報共有、インターネットやスマートフォン利用時の情報セキュリティー対策の広報啓発活動等を推進しているところであります。

 今後とも、サイバー犯罪等の取り締まりを強化するとともに、企業、ボランティアとの積極的な情報交換、犯罪抑止のための各種施策を推進し、サイバー空間の安全・安心の確保に努めてまいります。



○副議長(村下貴夫君) 六番 高木貴行君。

    〔六番 高木貴行君登壇〕



◆六番(高木貴行君) 知事、県庁の移転の話、本当にありがとうございました。また、いろいろ私なりに考えて、提案をさせていただきたいと思っております。

 さて次に、岐阜県の将来を担う人材の育成に関し、各部にお伺いをいたします。

 少し話は変わり、身内の恥をさらすようでありますが、実は本年の多治見市の成人式では、大変大きく荒れました。

 私と山本県議は壇上の一番前に座っていたのですが、後ろからビールの入った缶ビールが投げ込まれたり、成人が壇上に上がり、多治見市のマスコットキャラクター「うながっぱ」を蹴り飛ばしたり、マイクを取り上げ奇声を上げたりと、本当に悲しく、見苦しい現状がありました。私と山本県議は必死に成人を制止しようとして頑張り、また危うく乱闘になりそうでありましたが、そこは本当に大人としての対応をとらせていただきました。報道でもありましたが、業務威力妨害により結果的として七人の成人が検挙をされ、彼らの人生において大きな汚点をつけることとなりました。

 事件後、彼らの学校生活の状況を聞くこともふえてくる中、中学校のころより問題行動もあったという話も聞きました。しかし、当時の学校では、その状況を厳しく指導することができなかった。結果的にかもしれませんが、できていなかったことによって、成人として今回検挙されることとなったのではないかと感じております。私は今回の事件で感じたことは、彼らのこれまでの人生の中で、誰かが責任を持ち向き合うことができていたのならば、こんなことにはならなかったのではないか、もちろん親の責任も大きなものでありますが、学校においても未成年の段階で厳しい指導を行っていれば、成人になってもこんなことにはならなかったのではないかと思っております。

 そのことを考えながら、教育長に、一点目は教育ビジョンに関して質問をさせていただきます。

 県教育委員会は、教育の理念や方向性を明らかにし、その実現に向けた教育施策を総合的かつ計画的に推進するための指針として、平成二十年十二月に第一次教育ビジョンを策定されました。このビジョンが指針となり、平成二十一年度から平成二十五年度までの五年間、さまざまな施策を展開しながら、岐阜県教育を推進し、「地域社会人」の育成を目指してこられました。この教育ビジョンには、幼児教育、いじめ問題への対応、特別支援教育、家庭教育、スポーツ・文化振興など、教育全般の基本方針や取り組むべき施策が幅広く網羅されておりますが、五年間を経て順調に前進し、成果を出した施策もあれば、そうでないものもあったと思われます。

 第一次教育ビジョンの施策の取り組み状況については、外部有識者等をメンバーに入れた委員会を設置し、そこで毎年、施策の推進状況や目標の達成状況を明らかにした上で管理してきたということでありますが、議論の場では、数多くの課題が出てきたのではないでしょうか。

 今議会において、来年度から五年間の岐阜県教育の指針となる第二次教育ビジョンが報告されておりますが、第一次教育ビジョンと比べ、取り組むべき施策については程度の違いはあると思いますが、幾らかの進展があり、前進した内容になっているべきだと私は考えます。五年もの時を経て、もし同じ内容が繰り返されているようでは、十分に点検・評価をされてきたのか疑問が残ります。

 そこで教育長にお伺いをします。

 第一次教育ビジョンを指針として、五年間、さまざまな施策を推進されてきましたが、それによりどのような課題が浮き彫りになったのか、具体的にお答えをお願いいたします。また、それらの課題を第二次教育ビジョンの策定にどう活用し、取り組む主な施策に反映をされたのか、あわせてお伺いをいたします。

 二点目は、教育委員会制度の見直しについて質問をさせていただきます。

 現在の教育委員会制度は、戦後、アメリカの影響を受け創設されたものでありますが、現在まで見直しの議論がされてまいりました。現行制度は、教育はその内容が中立・公正であることが極めて重要であることから、個人的な価値判断や特定の党派の影響から政治的中立性を確保することや、専門家のみが担うのではなく、広く地域住民の参加を踏まえて行われていくことが必要など、地域住民の意向を反映することが趣旨となっております。

 しかしながら、非常勤の教育委員から成る合議体がトップにあることや、教育委員長と教育長との関係がわかりにくい、権限と責任の所在が不明確である点や、教育委員は十分な情報を持たず、教育委員会自体は、事務局案を追認するだけで実質的な意思決定を行っていない点などの課題が指摘されています。

 地方教育行政制度は、昭和二十三年に設立されて以来、たびたび見直しがされてきました。先月には、教育委員会制度の見直しを検討している自民党の委員会は、教育委員長と教育長を一体化したポストを設けることや、自治体の長の権限をより強化する内容等の改革案を議論されました。改革案では、教育委員会を教職員の人事や教科書の採択などを決める執行機関と位置づけ、政治的中立性を確保する一方、教育委員長と教育長を一体化したポストを設けた上で、首長に任命や罷免の権限を持たせ、責任の所在を明確にするとしております。また、首長が主宰する会議の設置を法律で義務づけ、この会議で教育に関する方針を策定するほか、法令違反や学校での事故など重大な事案が発生したときに、首長が教育委員会に必要な措置を要求できるようにするなど、首長の権限をより強化する内容となっております。さらに、文部科学大臣が教育委員会に対して是正の要求や指示を出せる要件を緩和して、国の関与を強めることも盛り込んでおります。

 もし、この改革案どおりの制度改正がなされるのであるならば、現行よりは責任の所在が明確になることは明らかでありますが、教育委員会の権限は弱まり、場合によっては、時々の政権や首長の意向が強く反映される可能性もあり、教育の中立性が危うくなるのではないかという危惧する声も聞かれております。

 そこで現在、政府で進められている教育委員会制度の見直しにより、首長の権限が強化されることや、国の関与が強まることに対してどうお考えか、教育長の所見をお伺いいたします。

 次に、スポーツ振興についてお伺いをいたします。

 先日のソチオリンピックでは、日本として八つのメダルを獲得するとともに、大きな感動と力をいただきました。特に私が感動したのは、「レジェンド葛西選手」の活躍であります。今回、七回目の冬季オリンピック出場もさることながら、多くの苦難を乗り越えての今回の出場であり、四十歳を超えてなお一線級の成績を上げられることから、「レジェンド」と国内外から称される選手であります。私ももうすぐ三十六歳になりますが、二〇二〇年、四十二歳、東京オリンピック出場に向けて、現役復帰を考えるきっかけをいただきました。私自身スポーツばかでありますが、片やスポーツの可能性を感じている一人であります。

 オリンピックは平和の祭典と言われるように、スポーツには国境や争いはなく、また子供の教育、我々の健康、地域の活性化や経済への影響、気持ちの高揚など大変多くの可能性を秘めております。そのことを考えても、岐阜県としてスポーツ振興へ力を入れていくことに大賛成であります。また、東京オリンピックで岐阜県出身の選手が活躍をしたり、メダルを獲得するシーンを見たいものであります。

 その中において、新年度からは清流の国推進部の編成であります。教育委員会からスポーツ振興部門を知事部局へ移管し、知事部局でスポーツ振興に対する政策を行っていくということであります。

 そこで一点目、教育委員会という枠組みを超え、今後は、今まで以上にスポーツ振興に力を入れていただけるものと感じておりますが、部の編成をすることによるスポーツ振興に対するメリットは何か。また、リオデジャネイロや東京オリンピックで活躍できるトップアスリートを育成するため、新年度はどのような事業に具体的に取り組まれるのか、教育長にお尋ねをいたします。

 次にスポーツ振興、トップアスリートヘの育成の土台は、子供たちへのスポーツが取り組める環境の整備であり、そのことを考えると、義務教育課程における学校の部活動の推進であります。とはいえ、少子化の影響により、単一の学校において部活動として成り立たせることが難しくなってきている現状もあれば、岐阜県として推進してきました地域型総合スポーツクラブの振興、また保護者が運営主体となって部活動を補完する目的から立ち上げた保護者クラブとしての活動状況もあり、部活動への役割がしっかりと担えているかが疑問であります。

 また、今回清流の国推進部ヘスポーツ振興部門が移管することをお聞きしたとき、スポーツ全般と考えていたものですから、私自身は、部活動の管理・管轄も推進部に行くものであると思っておりましたが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律により、学校の部活動は教育委員会からは外せない旨の説明を受けました。

 そこで二点、部活動と保護者クラブ、総合型スポーツクラブの現状及びトップアスリートの育成につながる部活動の強化について、清流の国推進部と教育委員会がどのように連携・協力していくのか、今後の方向性を教育長にお尋ねをいたします。

 最後にFC岐阜の現状と今後の支援について、お伺いをいたします。

 三月二日、J2リーグの二〇一四年シーズンが開幕をいたしました。我がFC岐阜においても、ホーム開幕戦カマタマーレ讃岐と戦い、三対一で勝利するとともに、観客数も過去三番目となる一万一千人の入場者となり、内容は少しばかり物足りないものでありましたが、大変大きく盛り上がったと思います。

 今年一月に、元日本代表十番であるラモス氏がFC岐阜の監督になると報道があってから、県内のみならず全国的にこのFC岐阜が注目を集めるようになっております。所属をしていた私としても大変うれしいことでありますし、若干余談ではありますが、実は友人であり、私と大学で寝食をともにしたディフェンダーの木谷公亮選手が昨年の補強、今年度の新加入で来ていただけたことは個人的にも大変うれしく、今後さらにチームの活躍を期待している一人であります。

 しかし、昨年の報道を思い出してみると、現在の華やかしい報道とは裏腹に、昨年までのFC岐阜の成績、財務内容はかなり厳しい状況であったことも事実であります。私の意見ですが、本当に現在こうしてFC岐阜が運営できていることは、知事自身の思いとリーダシップのおかげであります。確かに一昨年の「ぎふ清流国体・清流大会」など、スポーツ振興を推し進めている中において、県内唯一のプロスポーツチームが解散・消滅などを引き起こしてはいけないことは理解できますが、そのようなことを考えても、知事自身がいろんな場所に動き、足を運んでくれ、チームヘの思いが強いということは本当に感じてなりません。

 そんなFC岐阜ですが、私が知る限りでは、昨年末の状況で資本金二億九千百五十万円で、筆頭株主は個人持株会を除くと、それぞれ二千万を出資している岐阜県と岐阜市であると理解をしております。また、現在社長には元県職員の薫田さんが就任をしていただき、さらに岐阜県の商業流通課からは職員を派遣し、ナンバー二、ナンバー四、岐阜市からは職員を派遣していただき、ナンバー三、ナンバー五を担っていただいているとお聞きをし、正直、岐阜県、岐阜市の第三セクターかと思うような組織となっております。とはいえ、持続的にチーム運営をしていき、J1昇格に向けて道筋を描いていくプロセスにおいて、これ以上行政サイドが手を差し伸べていくことは避けていくべきでありますし、今後はいち早く民間として独立していくべきであると感じております。そのためにも、まずはFC岐阜の現状を把握するとともに、今後のビジョンを共有していくべきであります。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 現在のFC岐阜の財務状況、組織の運営状況、また株主の構成、昨年までの債務超過の現状の道筋はどうなっているのでしょうか。FC岐阜は民間のことというような意見もありますが、私は、大株主が岐阜県で、職員の中核を占めているのが県関係者であれば、しっかりと情報公開をしていかなければならないと思います。また、知事が思い描くビジョン、今後の運営のあり方、県としての支援の方向性についてもお尋ねをいたします。

 以上で、質問を終わらせていただきますが、今回は、人口減少、少子・高齢社会においてさまざまな問題を私なりの観点で質問をさせていただきました。誠意ある御答弁をいただいておりますが、引き続き県行政においてもこの人口減少、高齢社会について前向きに議論を進めていっていただきたいと思っております。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(村下貴夫君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうには、FC岐阜についての御質問がございました。

 三月二日の初戦、私も観戦しておりましたけれども、「新生FC岐阜」と呼ぶにふさわしいスタートであったかなと思っております。

 FC岐阜は、二〇〇一年に社会人チームとして誕生いたしまして、県のリーグ、東海社会人リーグ二部、一部、そして、二〇〇七年にはJFLにと、さらにそこからわずか一年でJ2へと、とんとん拍子で昇格してプロチームになったということでございます。瞬く間にプロチームに昇格したことにより、財務体質が非常に脆弱なまま運営されてきており、特に平成二十四年四月には、Jリーグから予算管理団体に指定され、大変厳しい経営状況にありました。しかしながら、県内経済団体の皆様の御協力などにより、県内外の企業から財政支援をいただき、何とか経営危機を乗り切ってきたという経緯がございます。

 今シーズンにつきましては、既に多くのスポンサー企業の支援をいただけることになっております。また、これまでの累積債務につきましても、関係者の御協力により、解消のめどが立ったというふうに伺っております。また、岐阜車体工業株式会社の星野鉄夫代表取締役会長をトップとして、県内の財界、自治体、スポーツ団体等の参加による後援会が先ごろ設立されました。まさにオール岐阜としてのサポート体制ができたということでございます。

 県としては、これまで出資を初め職員の派遣、長良川競技場の使用料の免除、職員の後援会加入の働きかけなど、さまざまな形で支援を行ってまいりました。また、これに呼応する形で、県下の全市町村が出資をするとともに、ホームゲームには市町村の日を設けるなど、全県的な支援も行われております。

 FC岐阜は、地域貢献活動の回数ではJリーグではナンバー一と高い評価を受けております。青少年あるいは地域のスポーツ振興という観点から、官民挙げて、オール岐阜で支援していくことが望ましいというふうに考えております。

 第二戦は三月九日十六時からカターレ富山戦でございます。お誘い合わせの上、よろしく応援をお願いいたします。



○副議長(村下貴夫君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 四点御質問をいただきました。

 初めに、第一次教育ビジョンの検証及び課題の施策への反映についてお答えします。

 岐阜県教育ビジョンの計画期間におきましては、少人数教育の推進によるきめ細かな学習指導や各地域における特別支援学校の整備に加え、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機としたスポーツの振興などの施策を着実に進めてきたところです。その一方で、障がいのある生徒への職業教育やグローバル化に対応した能力の育成、いじめ・体罰への迅速な対応など、的確に対応すべき課題もあると考えております。

 そうした課題に対応するため、第二次教育ビジョンでは、職業自立に必要な力を高めるための専門教科を学ぶ高等特別支援学校の整備、外国語を通じた実践的なコミュニケーション能力の向上、いじめの未然防止と早期発見・早期対応に重点を置いた体制整備など、時代の変化に対応していく必要があるテーマを盛り込み、今後推進すべき教育施策を明らかにしております。また、基礎学力の定着や豊かな人間性の育成、ふるさとを愛する気持ちの醸成など、時代を超えて変わらないテーマについても、引き続き取り組んでまいります。

 次に、教育委員会制度の見直しに関する所見についてお答えします。

 教育委員会制度の改革については、現在、政府・与党で協議がされているところですが、今回の改革案は、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、教育委員長と教育長との責任関係が必ずしも明瞭でないことへの対応、あるいは、いじめ問題など緊急時への迅速な対応などを目的としていると承知しています。

 そのため、改革案では教育委員長と教育長を一体化した新たな責任者「新教育長」を設置することとされています。また、首長が重大な事案発生時に教育委員会に措置要求する制度が設けられるほか、首長が主宰する「総合教育会議」を新たに設置し、首長、教育長、教育委員等により、教育に関する大綱的な方針などを協議、調整することとされています。首長、「総合教育会議」、「新教育長」、教育委員会の役割と責任がどうなるかという論点が残されてはおりますが、これまでも知事と政策協議などを通じ、さまざまな教育課題について議論を深めてまいりましたので、新しい制度になりましても、これまでと同様の議論ができることを期待しております。また、国の関与の強化についても示されておりますが、地方の教育現場での自主性・自律性を大切にしていただきたいと考えております。

 次に、スポーツ部門の移管によるスポーツ振興についてお答えします。

 今回のスポーツ関係部門の知事部局への移管により、地域振興を所管している関係部局とのかかわりが一層深まり、これまで以上に地域に根差したスポーツの推進が期待できると考えております。具体的には、トップアスリートを地域のスポーツ教室や行事に活用し、スポーツを通した地域づくりやジュニア世代の育成を進めることができます。また、地元からの支援も得やすくなり、成年選手の競技環境が改善されるなどの効果が考えられます。

 さらには、従来から知事部局で所管されている「高齢者スポーツ」と「障がい者スポーツ」についても、競技スポーツや生涯スポーツとの連携が円滑に行われるものと期待しております。なお、主な選手強化事業については、「ぎふ清流国体」で活躍した優秀な選手による次世代のトップアスリートの育成、国内トップリーグに参戦している地域クラブヘの活動支援等を来年度も引き続き行う予定です。

 また、新たに二〇二〇年東京オリンピックにおいて、岐阜県ゆかりの選手が一人でも多く活躍できるよう、出場が期待できる選手に対し、強化活動に係る経費を助成する事業を計画しています。

 最後に、部活動及びクラブ活動の現状と清流の国推進部との連携、協力についてお答えします。

 部活動は、学校教育活動の一環として位置づけられ、本県でも多くの生徒が運動部に加入し、スポーツの楽しさや喜びを味わいながら、より高い技術の取得や記録に挑戦しています。県内の中学校においては、スポーツに取り組む環境の整備のために、部活動において社会人指導者を活用したり、保護者クラブや総合型地域スポーツクラブと連携したりして、活動時間の確保や技術指導の充実を図ることにより、成果を上げてきております。

 今後、県教育委員会としましては、清流の国推進部と全国で活躍が期待される選手やチームなどの情報を常に共有するとともに、選手強化にかかわる事業について、生徒や指導する教職員が参加しやすい環境づくりをするなど、十分な連携を図ってまいりたいと考えております。



○副議長(村下貴夫君) 二十五番 野島征夫君。

    〔二十五番 野島征夫登壇〕(拍手)



◆二十五番(野島征夫君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 今回は、先ほどの早川先生による代表質問を受け、知事さんより詳細にわたり丁寧な御答弁をいただきましたが、私どもは、今議会においてさらに議論を深めてまいりたいと考えております。

 そこで、今議会に提案されている新年度予算、条例の一部改正に関連して、企画経済部会を代表して、県の組織機構について、スポーツコミッションについて、IAMASについて、観光の基幹産業化について、農業用水を活用した小水力発電施設の整備事業についての五項目について、順次質問をさせていただきます。

 まず最初に、県の組織機構についてお伺いいたします。

 地方自治体では、新しい年度がスタートするたびに組織が再編・変更されます。首長がある政策目標を持って事業を推進するため、共通の目標を立て、互いに協力し事をなそうと動き出した場合、そこにはもう組織が生まれています。

 職員のモチベーションを向上させるには、その時代に適した組織と人事が必要であります。組織は、結局は人間そのものであり、組織体制が人事、つまり優秀な人材を適材適所に配置することにより、目標が達成されるのです。

 本県においても、リーダー、つまり知事さんの判断により、過去、組織の再編・変更が適宜実施され、政策の遂行に大きな成果を上げられました。私は、より柔軟な考え方で思い切ってその時代に合ったやり方で組織体制と人事を行うことが重要で、これが行政改革につながると思います。これは、県政運営においても基本的かつ重要なことだと思っています。

 私は、平成十二年ころだったかと思いますが、岐阜県主催の自治トップセミナーで、今でも作家活動を続けてみえる小説家の堂門冬二さんの講演を聞く機会を得ることができました。テーマは、たしか自治体の組織体制についてだったと思っています。苦労の中から生まれた、実感のこもったお話だったと記憶いたしております。

 先生は講演の中で、歴史上、政治の大きな流れが三つあること、つまり奈良時代、天皇が国を治める朝廷政治、鎌倉時代から江戸時代まで武士が国を治める幕藩政治、明治になって民が国を治める民主政治であると申されました。反面、いつの時代においても役所の組織体制は全く変わらず、たとえ変わっても、時代の流れの中でもとへ戻っていることが多いとおっしゃいました。

 それは、役所には全てのことを担当する庶務係、民より税を徴収する徴収係、人々を貧困、病から守り助ける民生係、河川の氾濫、洪水を防ぐ土木係、人を育て、若い人材を発掘する教育係、人々の争い事をおさめる兵事係、この六つの奉行、いわば係が古今東西基本であるとのことでした。現代に置きかえれば、国、県及び市町村も、総務、税務、民生、土木、教育、警察部門として、奈良時代より現代まで実に一千三百年ほど、役所が行うその行政組織体は何ら変わることなく続いており、不思議なことに、なぜか今もって継承・発展しているのです。

 岐阜県においては時代の流れによって、過去ではプロジェクトチーム、調整監等、部局横断的に事業を推進する部署が設置された経緯が何度かあるが、気がついてみると結局もとに戻ってしまったケースが多いように見受けられます。

 これは、役所の組織が縦割りであるからだと思う。私は、役所においては部局横断はうまくいかない、またうまくいくはずがない、どだい無理なことだと見ている。役所は元来縦割りの組織であり、部局横断な判断と運用ができるのは、知事、両副知事、部長さんまでであるのではないか。

 また、現在のような企画、観光、福祉、健康、環境という行政分野が役所の中にできたのも、自治体の中では歴史的に見ればごく最近のことであり、これだけ世の中が大きく発展、複雑多様化し、行政もまた一人一人の価値観に基づいて対応しなければならない時代であり、それに的確に対応していくという組織には、これらをどう整合し、どう統合するのか、それが現代の新しい行政組織だと思います。今の時代をしっかりと見定め、認識し、その時代に合った組織体制を構築し、県民の信頼と、未来のある、期待の持てる施策の遂行に万全を期すことが行政の果たすべき役割だと思います。

 そこで、本県の組織体制が、一、県政運営の最高責任者である知事さんの目指す短・中・長期の目標を達し得る組織体制となっているのかどうか。二、本県の行政組織が国と県と市町村との一体的連携が取れているかどうか。三、既に目的・役割・任務を終えた不用、不急の組織体となっていないかどうか。四、試験・研究・開発機関を集中しているが、表面上で原課との整合性が取れているかどうか。私には技術的、専門的に見ても、原課へ一元化したほうがよいと考えるがいかがか。五、県民、県職員にとって、新しい時代に即した希望と意欲の持てる組織体となっているかどうか。六、本県の行政組織体制が全体的にバランスの取れた、また各部局の整合性、一元化、能率的、効率的な組織体制がとれているかどうかなど、いろいろな検討事項があると思います。

 私は、行政組織を制定、改正すること、職員人事については首長の専権事項であることはよく理解しておりますが、本県の望ましい行政組織機構のあり方について考えてみると、県は県下最大の余りにも巨大な組織であるので、知事部局のみならず教育委員会、警察本部についても、今の時代に即して若い人の価値観をキャッチし、分析、認識し、かつ改革の識論を常に行っていく必要があると思います。

 ついては、ぎふ清流国体推進局がそうであったように、県民と知事さんの共通政策課題、つまり「清流の国ぎふ」づくりに取り組むため、新年度において県組織を大幅に改編され、清流の国推進部が新設されます。また、県民の安心・安全、防災対策を達成するために、危機管理部門を知事直轄から外し、危機管理部とされます。

 そこで、こうした組織の再編の狙いについて、知事さんにお伺いいたします。

 次に、スポーツコミッションによる各種競技等の誘致への取り組みについてお伺いいたします。

 日本には、プロ野球、Jリーグ、大相撲、柔道など、国際的に高い評価を受け、日本独自の文化となった「観る」スポーツが存在します。また、豊かな自然環境や美しい四季を利用したスキー、ゴルフ、サイクリング、さらには「ぎふ清流ハーフマラソン」に代表される市民マラソンなどの「する」スポーツが存在します。そのほかにも、長良川でのラフティングや、北アルプスなどでの登山など、アウトドアスポーツは岐阜県においての観光振興において極めて高い潜在力を持っています。

 くしくも、先日閉幕したロシア・ソチでのオリンピック冬季競技大会では、私の地元である郡上市の高鷲スノーパークを拠点として研さんを積まれたハーフパイプ男子の平岡 卓選手が銅メダル、女子の岡田良菜選手が五位に輝きました。三月七日に開幕するパラリンピック冬季大会においては、飛騨神岡高校の岩本選手がクロスカントリーで出場されるとのことであります。

 平岡選手は、二〇〇八年に開催されたスノーボードワールドカップ郡上大会では前走者を務められたとのことであり、当時よりスノーボード競技に必要な規定に合ったハーフパイプが郡上市高鷲スノーパークにおいて整えられ、国内外より多くの若きアスリートたちが集まり、せっせと研さんされたたまものであると思います。

 これらのスポーツ資源について、「観る」「する」ための旅行そのものや、周辺地域観光に加え、広く国際競技大会の誘致、開催、合宿の招致までをも包有した豊かな旅行スタイルの創造を目指すスポーツツーリズムが推進されています。そして、スポーツツーリズムという新たな潮流を踏まえ、スポーツイベントの誘致や、スポーツ観光の振興などを通じて、地域の活性化を図ることを目的とするのがスポーツコミッションであると考えています。

 さきに触れました、二〇〇八年二月と二〇〇九年一月に開催されたスノーボードワールドカップ郡上大会誘致の目的・効果として、当時、県にも大変な御尽力をいただきましたが、誘致実行委員会では、世界の人たちを招待し、青少年が世界のトップレベルのわざを目の当たりにすることは、彼らの持つあらゆる分野の潜在能力が発揮される絶好の機会となり、夢と希望を持った地域の活性化を図ることが期待できること、岐阜県・郡上市の自然、歴史・伝統文化を世界にアピールできること、そして本大会が成功裏に終了したならば、大会終了後も世界各地から、特にアジアを中心に観光誘客が見込まれ、あらゆる分野での経済波及効果が期待できることを目的とするとしています。すばらしいですね。自画自賛かもしれませんが、スポーツツーリズム、スポーツコミッションの萌芽が岐阜県においても芽生えていたのではないかと考える次第であります。

 現在は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、スポーツに関する取り組みは全国的に広まってきています。また、次の韓国での平昌冬季オリンピックは、四年後の二〇一八年に迫っております。本県には、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアなど、合宿地としても最適な拠点を有しています。ウィンタースポーツでは、前述の競技規定に合ったハーフパイプが郡上市高鷲スノーパークに整っております。「スポーツ立県」を目指す本県としては、これらを存分に活用し、スポーツを通じた交流人口拡大等によって地域活性化を図っていく必要があると考えます。

 こうした流れの中で、障がい者スポーツも含めた各種競技の誘致に対して、県としてどのように取り組まれるのか、清流の国づくり局長さんにお伺いいたします。

 次に、IAMASの移転を契機とした産業振興についてお伺いいたします。

 県は、産業、教育、福祉等あらゆる分野が情報化された暮らしよい岐阜県の実現を目指して、ソフトピアジャパンプロジェクトを推進しておられます。この中核拠点として整備されたのが、大垣市にありますソフトピアジャパンと、今回の質問で取り上げますIAMASこと情報科学芸術大学院大学であります。

 IAMASは、先端的技術と芸術的創造との融合を理念に掲げ、新しい文化を発信する教育機関として、また情報社会の中での新しい表現者の養成拠点として、県立の専修学校の「国際情報科学芸術アカデミー」が平成八年に、「情報科学芸術大学院大学」が平成十三年に開学したところであります。以来、メディア文化・産業の草分け的な存在として、この分野の第一線で活躍する人材を数多く輩出するとともに、教授陣や学生、卒業生の取り組みが国内外の権威ある賞を数多く受賞するなど、国内は言うに及ばず、世界的にも高い評価を得ているとのことであります。

 また、平成二十三年度末に、県の行財政改革アクションプランにより、歳出削減の一環としてアカデミーは閉校となりましたが、その一部機能を大学院大学へ統合する形で再編が行われました。さらに、同時期に知事さんは校舎の耐震化対策、ソフトピアジャパンの機能強化対策、県の住宅供給公社の経営安定化などの複数の問題を一挙に解決すべく、ワークショップ24の県有化とともに、IAMASの移転を御英断され、この四月からソフトピアジャパン地区での大学運営が開始されるところであります。

 これまで教育の質を維持しつつ、多くの課題を解決に導いたことについては大いに評価したいところであります。その一方で、IAMASの卒業生の就職先として期待されているソフトピアジャパン進出企業を初め、県内企業への就職が低調であるなど、県内においてはIAMASのすぐれた知的資源が十分に生かされていないのではないかとの意見が聞かれるところであります。

 そこで、商工労働部長さんにお伺いいたします。IAMASがこの四月からソフトピアジャパン地区へ移転しますが、この移転を単なる物理的な移転に終わらせるのではなく、これを契機にソフトピアジャパン地区に集積したIT企業と連携するなどの取り組みが必要と考えますが、IAMASの移転を契機とした産業振興にどう取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、観光の基幹産業化についてお伺いします。

 平成十九年七月に「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」を制定して以来、県では地元関係者と連携を図りながら、新たな観光資源を掘り起こし、磨き上げる岐阜の宝もの認定プロジェクトや、国内外に対し観光・食・モノを一体的に売り込むプロジェクトなどを行い、また平成二十一年四月には、観光交流推進局を設置し、本県の観光振興に積極的に取り組んでこられました。この成果が観光入込客の増加、観光消費の増大などにつながっているものと思います。県におかれましては、その効果を検証し、次の五年、十年を目指して新たな戦略を構築する必要があると考えます。

 元観光庁長官の溝畑氏によると、観光は地域経済活性化の点で言えば、各地域の取り組みにより地域独自の資産・資源を掘り起こし、それに付加価値を加えブランド化し、全国、世界に通用するコンテンツに醸成し、地域外から人・モノ・金を集めることで、地域にとって持続可能な社会をつくる「総合的戦略産業」であるとのことです。

 岐阜県は、前述の「岐阜の宝もの」認定プロジェクトで地域独自の資源の掘り起こし、ブランド化されました。国内外への売り込みとしては、市町村や観光関係事業者、大手宿泊旅行予約サイト等と連携して、さまざまな切り口で誘客プロモーションを展開されており、また海外に対しても、いち早くASEAN諸国を重要ターゲットに位置づけ、古田知事さんの積極的なトップセールスを展開されるなど、独自の戦略に基づく取り組みが奏功し、平成二十四年の外国人宿泊数は対前年比で九四%増と、全国の四三%増を大きく上回っています。

 このように、本県の観光振興に向けこれまでも一生懸命取り組んでいただいたと考えているが、我が国の人口減少が今後も進んでいく中、地域経済を支えていくためには、観光交流を進め、地域消費を高めていくことは大切であり、県にはこれまで以上に積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 六年後の二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、世界中から我が国への関心が集中する。さらにこの年は東海環状自動車道西回りルートが全線開通する年でもあります。また、四年後の韓国平昌冬季オリンピックについても隣国での開催であり、本県にとってまたとない機会を迎えるのではないでしょうか。

 県でも、こうした機会を生かしながら本県の産業振興を図るため、「岐阜県成長・雇用戦略」を今年度末に策定し、積極的に取り組んでいかれるようですが、戦略の大きな柱には「観光の基幹産業化」を位置づけ、二〇二〇年における観光消費の経済波及効果額を、直近の三千七百億円から五千億円に拡大することを目標に掲げておみえになります。私は、本県の歴史、文化的資源を生かした魅力ある観光地づくりと、観光誘客を推進するには、何と言っても市町村の積極的なやる気がポイントであると考えているが、県下の各市町村においては、新年度、観光を重点施策として取り組むところが多いように見受けられます。

 そこで、二〇二〇年における観光消費の経済波及効果額五千億円を目指して、県は新年度、どういった施策に重点的に取り組んでいかれるのか。「国内誘客」「海外誘客」「観光地づくり」の三点について、観光交流推進局長さんにお伺いいたします。

 最後に、中山間地域の一層の活性化を図る上で重要と考えております農業用水を活用した小水力発電事業の取り組み状況と、発電規模の見込み及び売電収益の活用についてもお伺いいたします。

 先月十日、中津川市において、農業用水を活用した小水力発電所として、東海三県の県施工では初となる「加子母清流発電所」が発電を開始されました。完成式の模様は新聞やテレビでも報道され、小水力発電に対する関心の高さがうかがい知れます。「加子母清流発電所」の最大出力は二百二十キロワットで、年間の発電電力量は一般家庭四百世帯分に匹敵し、売電して得られた収益は、地域の用排水路など土地改良施設の維持管理費や、農業集落排水施設など農村振興施設の電気代に充てられると聞いており、農村地域の活性化につながっていくことが期待されています。

 私の地元郡上市においても、石徹白地区で県による小水力発電施設の整備が現在進められていますが、県の事業が着手される以前にも、小規模ながら地元住民がみずから小水力発電施設を設置しており、発電により得られた電力を活用することで、休眠していた農産物加工所の再稼働を実現させております。また、このような取り組みは全国的にも珍しいことから、全国各地からの視察が相次ぐなど地域再生の足がかりとなっています。

 私は、中山間地域の活性化のためには、地域が主体となって不利な条件を克服し、地域再生に真剣に取り組むことが重要であり、クリーンエネルギーの宝庫である中山間地域における小水力発電の導入は、地域活性化の起爆剤になるとの持論を持っており、石徹白の事例はそのよき見本であると思っております。

 一方で、小水力発電は水利権の取得が必要であることから、太陽光発電などに比べ取り組み件数が非常に少ない状況にあります。しかし、昨年十二月に河川法の一部が改正され、既存の農業用水路で行う小水力発電について新たな水利権の取得を必要とせず、河川管理者への登録のみで発電事業を行える登録制度が導入されたことから、申請から着工までの期間が大幅に短縮され、発電事業に参入しやすい環境が整ってきております。

 このような状況もあって、平成二十六年度の県の当初予算を見ましても、農業用水を活用した小水力発電施設の整備推進は主要事業として掲げられており、予算についても今年度の約二倍ほど計上してあり、小水力発電の普及促進に対する県の強い姿勢を感じているところであります。

 そこで、農政部長さんにお伺いいたします。現在の小水力発電事業の取り組み状況及び発電規模の見込みはどうなっているのか。また、中山間地域の不利な条件を克服するためにも、この貴重な収入については地域の農業振興や地域の活性化を促すために活用すべきと考えますが、県の事業制度において、売電収益の充て先をどのように考えているのかお伺いいたします。

 以上、五項目についてお伺いをさせていただきました。

 執行部の皆様におかれましては、積極的な答弁のほどをよろしくお願い申し上げるものであります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(村下貴夫君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 県の組織機構の見直しでございますが、御指摘がありましたように、その時々のニーズに応じた政策課題にしっかりと対応できる組織、効率的な組織を構築することは大変重要であるというふうに考えております。

 振り返ってみますと、私の就任当時の県の組織でございますが、非常に少人数の所属に細分化されておりまして、また部と局の責任の所在もはっきりしないといったような問題も指摘されておりました。このため、平成十八年度に県政総点検の結果を踏まえて、政策本位の組織、県民にわかりやすい組織ということを目指して思い切った見直しを行ったわけでございます。その後も、時々の政策課題に対応して、幾つかの改革を行ってまいりました。

 今回の平成二十六年度におきましては、政策の三本柱を中心とした重要な政策課題にしっかりと対応できるよう、かつ、わかりやすさ、効率性にも配慮して、思い切った見直しを行うこととしているところでございます。

 その主なところでは、まず来年度予算は「清流の国ぎふづくりの本格予算」ということでございます。そうした中で「清流の国ぎふ憲章」に示される基本理念を踏まえて、各局の行うさまざまな政策を方向性を示して束ね、組み立てていきたいというふうに考えております。

 このため、これまで総合企画部が行ってきた政策立案、あるいは各部局の施策のとりまとめなどの総合調整機能の役割を、新たに設置する「清流の国推進部」で行うこととしております。また、この清流の国推進部には「スポーツ推進課」を新設し、競技力の強化を初めとするスポーツ振興と、スポーツイベントの県内誘致などによる地域振興を一体化した取り組みを進めてまいります。

 また、現在知事直轄の一部門である危機管理部門を「危機管理部」として独立させることにいたしました。危機管理を担う部署は、平成十八年度の組織改革で知事直轄とし、その後、危機管理副統括監の二名体制化など強化を図ってまいりました。これまでに、さまざまな危機管理事案の経験を重ねる中で体制も整ってきたことから、部として、より効率的で県民の皆さんにわかりやすい組織としたものでございます。

 次に、福祉の分野では、少子・高齢化、人口減少が急速に進展する中で、未来を担う次世代の育成、非婚化、晩婚化の急速な進行などへの対応を強化するため、これまで環境生活部と健康福祉部に分かれていた少子化対策と子育て支援を一体化し、健康福祉部に「子ども・女性局」を新設いたします。これにより、結婚から子育てに至る各ライフステージに応じて、切れ目なく施策を実施してまいります。

 商工労働の分野では、岐阜県版成長・雇用戦賂に基づいて、若者、女性、障がい者などの就労支援について、健康福祉部、教育委員会と連携し、統括するため、商工労働部に「総合就労促進担当次長」を新設します。また、今後成長の見込まれる航空宇宙、医療福祉機器分野などの育成・強化に集中的に取り組むため、「新産業振興課」を設置いたします。

 また、水資源の持続的な利用と保全の両立を目指して、これまで複数の部局にまたがっていた水資源の業務を統合し、都市建築部に水資源課を設置いたします。このほか、新たな業務に対応して、全国育樹祭推進事務局、リニア推進室などを新設いたします。

 行政課題が一層高度化、複雑化している中で、今後も時々の政策課題に効果的、効率的に対応できる組織を構築してまいりたいと考えております。



○副議長(村下貴夫君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) IAMASの移転を契機といたしました産業振興についてお答えいたします。

 IAMASの移転を契機に、ソフトピアジャパン進出企業を初めとする県内企業とIAMAS、さらに、その両者を取り持つ公益財団法人ソフトピアジャパン三者による産学官連携をこれまで以上に促進し、新たな相乗効果を生み出していくことが重要だと考えております。

 このため、今年度、ソフトピアジャパン進出企業、IAMAS、公益財団法人ソフトピアジャパンなどで構成する懇談会を開催し、IAMASの取り組みを紹介した上で、事業連携の可能性や、IAMAS卒業生の県内就職を念頭に置いた人材育成のあり方などについて意見交換を行ってまいりました。こうした成果を踏まえ、来年度は連携の相談窓口となる、仮称でございますが、「イノベーション創出支援室」をソフトピアジャパン内に設置することといたしました。

 この支援室が中心となって、情報、芸術分野のみならず、モノづくりや医療などの分野においても、IAMASの知的資源と県内企業のニーズをマッチングし、新商品、新サービスの共同開発、商品化につなげていく事業を実施してまいりたいと考えております。



○副議長(村下貴夫君) 農政部長 平工孝義君。

    〔農政部長 平工孝義君登壇〕



◎農政部長(平工孝義君) 農業用水を活用した小水力発電事業の取り組み状況と、発電規模の見込み及び売電収益の活用についてお答えします。



 平成二十三、二十四年度に小水力発電可能地調査を実施し、現在、採算性の高い二十七地区について順次事業化を進めております。

 この地区の全てが発電を開始した場合は、最大出力約二千キロワットで、発電電力量は、一般家庭約三千世帯の年間電力量を賄える規模となります。また、売電収益の充当先については、国の補助事業では、土地改良施設の維持管理費や、農業集落排水施設などの電気代に限定されていますが、県では独自に売電収益を学校や役場などの電気代や、農産物加工などの農村活性化につながる活動費にも充当できる制度を設けております。

 平成二十六年度からは、ライスセンターなど営農施設の電気代への充当や、草刈り、除雪、軽微な道路補修といった農村集落の生活環境維持に必要な活動費など、売電収益をより幅広く活用できる制度を創設することとしており、小水力発電事業による中山間地域の農業振興や活性化を支援してまいります。



○副議長(村下貴夫君) 清流の国づくり局長 高木敏彦君。

    〔清流の国づくり局長 高木敏彦君登壇〕



◎清流の国づくり局長(高木敏彦君) スポーツコミッションによる誘致の取り組みについてお答えします。

 スポーツ大会や合宿の誘致は、交流人口の拡大、選手や観客へのおもてなしを通じたまちづくりなど、地域の活性化にとって大変重要であると考えております。

 このため、スポーツコミッション担当部署を本年四月より新設するとともに、大会誘致費用や合宿費用への補助制度を創設し、障がい者スポーツも含めた国際・全国レベルの大会誘致や合宿誘致に本格的に取り組んでまいります。

 現在、既にスポーツツーリズム全国連絡協議会や障害者スポーツ競技団体協議会に参画させていただき、主催者と大会誘致の協議を始めており、今年度以上の誘致を目指してまいります。

 また、合宿誘致につきましても、関係市町村などと連携して、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアや郡上市のスキー場などにおきまして、県内の受け入れ体制の整備を進めるとともに、スポーツコンベンションの商談会への出展、実業団、大学チームなどへの個別の誘致なども積極的に展開してまいります。



○副議長(村下貴夫君) 観光交流推進局長 河合孝憲君。

    〔観光交流推進局長 河合孝憲君登壇〕



◎観光交流推進局長(河合孝憲君) 「観光の基幹産業化」につきまして、三点御質問がございました。

 まず「国内誘客」につきましては、北陸新幹線の金沢延伸や高山本線全線開通八十周年を機に、とりわけ交通事業者と連携し、三大都市圏へのプロモーションを強化してまいります。具体的には、北陸新幹線を見据えた首都圏から飛騨地域への入り込み客拡大に向け、飛騨三市一村と共同で、JR各社との協力によるPRや、新たな商品造成に取り組むとともに、石川、富山、長野の各県とも連携してPR活動を展開いたします。

 また、沿線の十市町とともに、高山本線八十周年記念キャンペーンを展開し、特に関西圏、中京圏からの誘客を図ると同時に、さらにNEXCO各杜とも連携したPR活動に取り組み、今後の新東名高速道路の豊田東ジャンクションへの延伸や、東海環状自動車道の全線開通に向けた誘客活動の足がかりとしてまいりたいと考えております。

 次に、「海外誘客」につきましては、重点市場であるシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアにおいて、引き続き旅行博への参加、現地メディアや旅行代理店の招聘などに取り組むとともに、今後さらなる経済成長が見込まれ、かつ中部国際空港に直行便が就航しているベトナム、フィリピンからの誘客に着手をいたします。

 また、今後一層増加する個人旅行客を誘致するため、欧州での観光PRにも取り組んでまいります。来年度は、欧州の文化の中心地であり、これまで積極的に交流プログラムを進めてまいりましたフランスにおいて、現地でのプロモーション活動を行うとともに、インターネット旅行サイトと連携した誘客活動を展開いたします。

 さらに、昇龍道プロジェクトなど隣県とも連携し、台湾、香港、中国、韓国といった国々や、クルーズ船からの誘客などにも引き続き取り組んでまいります。

 最後に、「観光地づくり」についてお答えいたします。

 県内の観光地づくりとしましては、まずは本県の観光入り込み客数の約一割を占める県営四公園について、近年、入り込みが低迷していることから、誘客に向けた取り組みの強化を図ることとしております。

 また、リニア中央新幹線や東海環状自動車道西回りの整備など、交通インフラの将来的な充実を見据え、世界的にも知名度が高い関ケ原古戦場や、「明日の宝もの」にも認定した岩村城下町や明知鉄道といった恵那山麓エリアのブラッシュアップに重点的に取り組むなど、地域の特色ある観光資源の魅力向上と、さらなる情報発信に一層努めてまいります。



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○副議長(村下貴夫君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。

 午後三時八分散会



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