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平成 3年  6月 定例会(第3回) 07月02日−02号




平成 3年  6月 定例会(第3回) − 07月02日−02号









平成 3年  6月 定例会(第3回)





△議事日程



             平成三年七月二日(火)午前十時開議

 第 一  議第五十号から議第五十七号まで

 第 二  請願第一号及び請願第二号

 第 三  一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一  日程第一  議第五十号から議第五十七号まで

 一  日程第二  請願第一号及び請願第二号

 一  日程第三  一般質問



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△出席議員             五十二人



 一番    小川昭夫君

 二番    尾藤義昭君

 三番    早川捷也君

 五番    玉田和浩君

 六番    加藤一夫君

 七番    伊佐地金嗣君

 八番    中村 慈君

 九番    菅沼 武君

 十番    平野恭弘君

 十一番   岡田 脩君

 十二番   河合正智君

 十三番   近松武弘君

 十四番   渡辺儀造君

 十五番   高井節夫君

 十六番   水野正夫君

 十七番   岩井豊太郎君

 十八番   渡辺信行君

 十九番   小川 豊君

 二十番   安藤通廣君

 二十一番  伊藤延秀君

 二十二番  小山興治君

 二十三番  山田 桂君

 二十四番  森  真君

 二十五番  山下運平君

 二十六番  山口三男君

 二十七番  山田忠雄君

 二十八番  宮嶋和弘君

 二十九番  杉山友一君

 三十番   白橋国弘君

 三十一番  田口淳二君

 三十二番  片桐義之君

 三十三番  馬渕武臣君

 三十四番  竹ノ内信三君

 三十五番  加藤利徳君

 三十六番  殿地 昇君

 三十七番  中本貞実君

 三十八番  高田藤市君

 三十九番  松野幸昭君

 四十番   坂 志郎君

 四十一番  笠原潤一君

 四十三番  岩崎昭弥君

 四十四番  新藤秀逸君

 四十五番  古川利雄君

 四十六番  今井田清君

 四十七番  浅野庄一君

 四十八番  猫田 孝君

 四十九番  船戸行雄君

 五十番   酒井公雄君

 五十一番  木村 建君

 五十二番  青山正吾君

 五十三番  米野義久君

 五十四番  松永清蔵君



         …………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         上水流則雄

 事務局次長        小川康治

 議事調査課長       幸脇 弘

 議事調査課総括課長補佐  浅井善己

 議事調査課長補佐     高橋壽郎

 議事調査課長補佐     別宮英夫

 議事調査課長補佐     福田照行

 議事調査課長補佐     田中長雄

     主査       多田信幸

     主査       国枝義弘

     主査       阿部 繁

     主任       田辺敬雄

     主事       向井俊貴



         …………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事             梶原 拓君

 副知事            秋本敏文君

 出納長            土屋文男君

 総務部長           永倉八郎君

 知事室長兼総務部次長     青木栄治君

 イベント推進局長兼総務部次長 岩垣儀一君

 総務部次長          高井正文君

 企画部長           山田賢一君

 企画部次長          細井日出男君

 民生部長           桑田宜典君

 民生部次長          吉田雅美君

 衛生環境部長         井口恒男君

 衛生環境部次長        鈴木正美君

 商工労働部長         交告正彦君

 商工労働部次長        毛利秋生君

 商工労働部次長        服部和良君

 農政部長           竹山清之助君

 農政部次長          太田淳一君

 林政部長           伊藤邦昭君

 林政部次長          坪井寿一君

 土木部長           山岸俊之君

 土木部都市住宅局長      城原 徹君

 土木部次長          小森喜代三君

 土木部次長兼都市住宅局次長  岡安賢二君

 開発企業局長         藤田幸也君

 開発企業局次長        久保田信司君

 副出納長兼出納事務局長    戸田 正君

 選挙管理委員会委員長     宮川晴男君

 人事委員会事務局長      木下昭治君

 代表監査委員         飯田正樹君

 監査委員事務局長       山田正義君

 地方労働委員会事務局長    菊谷光重君

 教育委員会委員長       渡辺 孝君

 教育長            篠田幸雄君

 教育次長           竹中寿一君

 教育委員会管理部長      廣瀬 寛君

 警察本部長          林 則清君

 警察本部総務室長       河野幹雄君







△七月二日午前十時十二分開議



○議長(浅野庄一君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(浅野庄一君) 諸般の報告をいたします。

 議会運営委員会の委員長、副委員長の互選の結果、委員長に酒井公雄君、副委員長に新藤秀逸君がそれぞれ選任された旨の報告がありました。その他の報告は、書記に朗読させます。

   (書記朗読)

 請願の受理について

 請願第一号 消費税を廃止するまでの間食料品等生活必需品を完全非課税にする意見書の議決についてほか一件の請願を受理しました。

 職員に関する条例の改正について

 人事委員会委員長から、六月二十五日付をもって、議第五十号 岐阜県職員退隠料給与条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例ほか二件については、適当と認める旨の報告がありました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、六月二十八日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により、出納検査の結果について報告がありました。



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○議長(浅野庄一君) 日程第一及び日程第二を一括議題といたします。



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○議長(浅野庄一君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案の質疑を行います。

 発言の通告がありますので順次発言を許します。四十五番 古川利雄君。

   〔四十五番 古川利雄君登壇〕(拍手)



◆四十五番(古川利雄君) 発言のお許しを得ましたので、県政自民クラブを代表いたしまして、当面する県政の諸問題について、順次お尋ねをいたします。

 質問に先立ちまして、まず、長崎県雲仙の大災害について、一言お見舞いを申し上げたいと存じます。

 百九十八年ぶりに噴火した長崎県の雲仙普賢岳では、たび重なる火砕流による悲惨な犠牲者と家屋の流失など甚大な被害をもたらし、今もなお活発な火山活動が続いており、地域住民の方々の不安はいかばかりと胸の痛む思いであります。天災とはいえ、一日も早い火山活動の終息を祈るとともに、国、県を初め地元関係機関の協力のもと、被災地の早期復興と被災者の生活の確保が図られるよう懇願するものであります。

 いま一つは、先般、平成十年の冬季オリンピック開催を見事獲得されました長野県に対し、隣県としてお喜びを申し上げる次第であります。

 この開催地決定は、中部圏の発展にとって大きなインパクトを与えるものであり、地元長野県の長年にわたる粘り強い努力に対し深く敬意を表するものであります。今後開催に向けて幾多の困難があるとは思いますが、所期の目的を達成し大成功をおさめられるよう祈念し、質問に入らせていただきます。

 まず、県税収入の見込みについてお伺いをいたします。

 最近の経済情勢は、全体としては堅調に推移し、昭和六十一年末以降五十五カ月間続き、戦後最長のいざなぎ景気に匹敵する景気拡大基調を呈しているところであります。これを需要面で見ますと、外需は依然として減少傾向にあるものの、内需は個人消費が引き続き堅調であるとともに、民間の設備投資は湾岸戦争の終結後再び活発化し、二枚腰のような強さを見せ、安定的な成長を持続できる可能性があると言われております。しかしながら、昨年来の株安、高金利に加え、法人税における最近の企業収益の悪化傾向、アメリカを初め先進各国の経済環境など不透明感も強く、これらがさらに岐阜県経済に及ぼす影響も予測しがたいところであります。このような経済情勢下において、平成二年度の県税最終決算額はどの程度になるのか、また、平成三年度の県税予算額は確保できるのか、総務部長にお尋ねをいたします。

 次に、消費税の見直しに伴う県の対応についてお尋ねをいたします。

 消費税につきましては、御承知のとおり平成元年に制度がスタートしたところでありますが、法律施行後も国民の関心が高く、いろいろな見直し論議が展開されてきたところであります。このような世論を踏まえ、国会におきましては、税制問題等に関する両院合同協議会において消費税の見直しが進められ、先般、与野党合意のもと、消費税に関する緊急措置として消費税の見直し案がまとめられ、これをもとにして、国会では、去る五月八日、消費税法の一部を改正する法律案が全会一致で可決、平成三年十月一日から施行することになったところであります。この見直しの柱は、一、非課税範囲の見直し、二、簡易課税制度の見直し、三、限界控除制度の見直し、四、中間申告・納付制度の見直しとなっております。

 さて、この法律改正に伴い県の対応等が必要と思われるのは、非課税範囲の見直しに伴う使用料及び手数料などの消費税転嫁の問題、課税とされている使用料等への転嫁の実施であります。本県におきましては、御承知のとおり、使用料、手数料には消費税の転嫁を実施しないまま今日に至っているところでありまして、全国都道府県におきましても、本県のように使用料、手数料に消費税を転嫁していない県は数県のみとなっているようであります。本県は、もともと平成元年第一回定例県議会で消費税転嫁料金の改正条例を可決しており、施行日を規則委任としていたところであり、本県が現在まで転嫁されなかった主な理由は、国の消費税の見直しの論議の行方を見守ることとしていたところであろうと存じます。今回の消費税見直しを受け、県においては、今議会に、使用料、手数料への消費税転嫁を改正法にあわせ十月一日から施行するため、関係条例の改正案を提出されましたのは、こうした消費税転嫁の条件が整ったものと判断されたものと存じます。この際、今回の使用料、手数料への消費税転嫁に対する知事の基本的な考え方をお尋ねするものであります。

 また、今回の見直し法に係る使用料等への影響額と、消費税を全面転嫁することに伴う増収額、元年度以降転嫁を見送ってきたことによる影響額について、総務部長にあわせてお尋ねをいたします。

 次に、岐阜県の将来構想についてお尋ねをいたします。

 現在、本県には、基本構想として、昭和五十九年に策定された第四次総合計画及びそれをベースとする第三期実施計画が進行中であり、それぞれ夢おこし県政のもとで着実に実行に移されております。しかしながら、これらの計画は、いずれも九〇年代半ばまでにはその使命を終えることになるため、知事は、既に本会議において、岐阜県の将来構想として、ウエルカム二十一プラン構想、さらには岐阜二十一世紀ビジョンの策定について言及しておられますし、いずれ第四次総合計画の後を受けて第五次総合計画ということになろうかと思っております。今日、日本及び岐阜県を取り巻く社会、経済、政治環境は変化し、その振幅も大きく、諸環境の将来予測が極めて難解な状況になっております。そこで、私は、このような中で将来構想の策定に当たって留意すべき四つの項目について指摘しておきたいと思います。

 一つ目は、国際化の急激な進展であります。日本は今や世界有数の経済力を有するに至り、世界じゅうの一員としての行動様式が求められ、常に海外への影響あるいはその反応に無関心ではいられない状況になってきておるということでございます。広くは、地球環境問題などの地球規模の課題に対する国際的要請が高まってくるというような新たな対応を迫られておるところであります。二つ目は、技術革新の進展及びそれに伴う産業構造の転換であります。我が国の産業は、先進諸国の不況をしり目に経済の持続的拡大を享受し、極めて好調な状況であります。これらの繁栄の要因は、エレクトロニクスやバイオ、新素材といった技術革新に負うところ極めて大きく、産業体質のハイテク・ハイタッチ化が急激に進展しております。将来の技術革新は、さらに高度化、多様化し、無尽蔵に近い可能性を秘め、それゆえ産業構造の転換がどのように進むのか不確実な要素をも内蔵しているところであります。三つ目は、人々の価値観の多様化であります。近年の豊かな経済的環境を反映して、あらゆる世代にわたり人々の価値観が多様化し、そのライフスタイルも大きく変化しております。物の豊かさがある程度満たされ、各個人が何が本当の豊かさなのかを問う時代になり、個人個人による選択の時代が今後も進むものと予測されます。四つ目は、高齢化社会の到来ということであります。最新の人口推計によれば、日本の人口は二〇一〇年ごろをピークに減少に転じ、老年人口比率も二〇一〇年には約二一%にまで高まるなど、急速なテンポで高齢化が進むものと予測されています。こういった現象が、社会、経済構造に与える影響は極めて大きく、この点についても的確な政策が求められるのであります。

 さて、岐阜県の将来構想がどうあるべきかという問題であります。今まで申し述べたことを勘案しながら、私なりに若干意見を述べたいと思います。

 将来構想の策定に当たってまず留意すべきは、複雑多岐にわたる二十一世紀への流れをいかにとらえるかということでございます。大きな時代の流れを正確にとらえ、それを将来構想策定の基本とすることが肝要ではないかと、同時に、時代の流れの行き着く先を見定め、将来のあるべき姿を想定し、そこに至るにはどうすべきかという発想が大切なのではないかと思うのであります。単に現在からの積み上げではなく、二十一世紀の夢を想定し、その夢に向かって邁進するという目的指向型の考え方です。次に、将来構想には十分な柔軟性を持たせるべきであるという点であります。さきにも述べたとおり、二十一世紀への過程は、変化に富んだ、しかも振幅の大きなものであり、これら社会経済の進展に的確に対応するためには、決して硬直的なものではなく、柔軟性を十分に持ったものでなければならないと思うのであります。さらに、将来構想が県民福祉の向上を目指すものである以上、常に県民の意思を基本とする姿勢を堅持することが大前提であるということであります。そのためには、構想の策定段階から県民の意見を反映するための組織を整備し、意見を集約するための努力が肝要であります。そして、いま一つその構想が県民にわかりやすく、かつ親しみの持てるものでなくてはなりません。易しく手軽に、かつ明確に夢の文集といった体裁でつくってみるのも一つの方法ではないかと思うのであります。

 以上、岐阜県の将来構想を策定するに当たっての私の意見を申し述べましたが、ウエルカム二十一プラン構想、岐阜二十一世紀ビジョン、さらには来るべき第五次総合計画等の将来構想を策定する上で、その基本理念のあり方及びその具体像について、知事の御所見をお伺いをいたします。

 続いて、本県のリゾート整備についてお尋ねをいたします。

 昭和六十二年に、総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法が制定され、これを契機として全国的にリゾート開発ブームが起こっているところであります。ところが、このリゾート法により既に全国三十都道府県が基本構想の承認を受け事業が進められておりまするが、各種の問題が発生し、必ずしも円滑に進捗している状況にはないと聞いております。このリゾート法は、事業者に対する税の減免措置が講じられることを最大のメリットとしておりますが、反面、県及び市町村並びに地域住民に対してはさまざまな問題が提起されている実情であります。

 まず最初に、リゾート法ではその開発を一県一地域十五万ヘクタールの地域に限定しており、県内の特定地域のみを対象としていること、第二に、リゾート法の指定により土地の買い占め等による地価の高騰が発生していること、第三に、全国各地の計画は、ゴルフ場、スキー場、マリーナ、ホテル建設などが重点事業であるため、自然破壊や環境汚染が発生し、これらに対し十分な対応がおくれていること、第四に、リゾート法は民間主導のため事業者側の採算性に重点が置かれ、地域振興は二の次に取り扱われやすいこと、第五に、これらの施設整備に付随して、水質の悪化、交通渋滞など地域の生活環境への悪影響が心配されていること、第六に、リゾート産業の立地に伴い、税収を上回る上下水道、道路等の公共投資の必要となる場合があり得ること、このように多くの問題が含まれております。これは、リゾート法が期待する地域経済の発展への寄与とは必ずしも整合しない実態ではなかろうかと少なからず心配をいたすものであります。

 今まで申しました状況を見ますと、現在、全国的にブームになっているリゾート開発も大きな反省の時期に来ているのではないかと考えるものであります。本県は、リゾート法による事業計画は現在進めていないと聞いておりますが、全国的なこれら背景の中で、地域経済の活性化施策として、また、今後、労働時間の短縮、余暇時間の増大などによりリゾート整備は緊急かつ重要な施策であると認識をしております。そこで、岐阜県がどのような方向で今後リゾート整備を進めていかれるのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、国際化に伴う振興方策についてお尋ねをいたします。

 さきにも申しましたように、急激な国際化の進展に伴い、国際的な相互依存関係の深まりの中で、今後諸外国との相互理解を一層深めていく必要があると言われております。このような国際的な相互理解を深めるためには、国際会議を初めとする国際的なイベントを実施し、あわせて地域との交流を図ることが大変効果的であります。従来、国際会議等の国際的なイベントは大都市地域で行われることが多いのでありますが、日本の伝統的な文化、人情等が残っている本県のような地域において実施することが、真の日本の姿を世界の人々に理解してもらえることになるものと考えるのであります。そこで、このようなふるさと型国際交流を推進するための根幹的な施設として国立の国際会議場を誘致するとともに、あわせて多目的ホール等を組み合わせた国際交流拠点を整備し、地域の振興を図っていくべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いするものであります。

 次に、観光対策についてお尋ねをいたします。

 観光の振興は、地域の活性化並びに地域における産業に極めて大きな波及効果をもたらすものであります。このため、県下各市町村におかれましては、官民一体となって新たな観光資源の発掘、整備に取り組む一方、地域のイメージアップを図るためにも、そのPR等諸事業に懸命な努力が払われているところであります。今後ともますます多様化する観光ニーズに対処するため、あらゆる機会をとらえてその対応を考えていくことが重要であると思うのであります。

 さて、仄聞するところによりますると、来年のNHK大河ドラマが「信長」に決定し、織田信長に最も深いかかわりのある岐阜市においては、いち早く現地ロケのオープンセット建設に名のりを上げ、このほど誘致に成功した旨の報道がされたところであります。ドラマの舞台となります地域にとりましては、この放映を通じて全国にその名を知らしめる絶好の機会であり、極めて大きな波及効果があるものと考えるのであります。本県でも、既に「国盗り物語」「春日局」等の放映で大きな反響があったことは御承知のとおりであります。昭和六十三年の大河ドラマ「武田信玄」では、山梨県において大幅な観光客の伸びを初め三百五十億円にも上る経済波及効果があったと承っているのであります。今回の「信長」の放映は、現地ロケの中心となる岐阜市のみならず広く県全体のイメージアップ、地域の活性化にもつながるものと考えるもので、県としても必要な支援措置を講ずるべきではないかと思いますが、これに対する知事のお考えを承りたいと存じます。

 次に、保育需要の多様化対策について、民生部長にお尋ねをいたします。

 先日、厚生省が発表しました人口動態統計によりますと、一人の女性が生涯に産む子供の数、いわゆる合計特殊出生率は、平成二年は一・五三人であり、戦後最低だった平成元年の一・五七人をさらに下回る結果となっております。さらに最も悲観的な推計によりますと、五年後の平成八年には一・三五人まで落ち込む見込みとなっております。このような我が国における出生率の低下傾向は、将来我が国の経済、社会面において労働力の不足や社会保障面での負担増などさまざまな影響を及ぼすことが懸念されており、各方面でその対策が講じられているところでありますが、子供を安心して産み育てられる環境づくりの効果的な方策を見出し推進することが緊急の課題となっております。

 かつては大部分の家庭において祖父母が同居し、また婦人の就労機会もそれほど多くはなかったため、子供の養育は、家庭や地域が十分その機能を果たしてきたわけでありますが、現在は、夫婦と子供だけの家庭、いわゆる核家族が増加する一方、婦人の就労機会もふえるとともに、その就労形態も多様化し、子供を取り巻く環境は大きく変化しております。私は、子育ては基本的にはそれぞれの家庭の役割であると思っておりますが、一方では、来るべき超高齢化社会の担い手を育てるという社会的側面を持っておるわけであります。子供が育つ最も大切な時期は小学校就学までの乳幼児期であり、この大切な時期における家庭教育を補完し子供の健全な育成を図るための社会制度として、とりわけ保育所制度は重要な役割を果たしてきております。家庭や地域の養育機能の弱体化が言われる中で、県民の保育需要は、乳児保育、保育時間の延長、緊急時における一時的保育等多様化しております。そこで、県としてはどのような支援対策を考えておられるのかお尋ねをいたします。

 次に、保健、医療の推進についてお尋ねをいたします。

 我が国における保健、医療の供給状況は、病院数、ベッド数、医療従事者数など各種の指標を量的な観点から見ますと、欧米先進国に比べほぼ同等のレベルに到達し、順調に医療などの供給体制が図られてきていると思われますが、一方において、病院、ベッド数などが地域的に偏在していること、医療施設相互間の機能分担といいますか、病院間あるいは病院と開業医の連携など体制のシステム化が未確立であることが指摘されております。また、医療技術の進歩は、医療の高度化、専門化をもたらし、急速な人口構造の高齢化、成人病の増加などによります疾病構造の変化、さらには人々の健康への意識の高まりなど、保健、医療を取り巻く環境は大きく変化し、新たな対応が必要となっているところであります。これらの問題解決の手段の一つとして、昭和六十年十二月、医療法の改正が行われ、都道府県ごとに地域の特性を踏まえ、医療計画の作成が医療法の上で義務づけられたところであります。地域における保健、医療の諸サービスについても、従来からの量的確保を効果的に推進しながら、より良質なサービスの供給を目指したものへと変換していくことが求められておるものであります。

 人生八十年時代を迎えていますが、人々がその生涯を健康に生き、死ぬまで活動的であり続けることの実現が、保健、医療の最終的テーマかと存じます。しかるに現在幾つかの指摘があります。一、医療の高度化、専門化は、全人的な治療、健康の保持管理に欠けている、二、大病院指向が高い、三、平均入院日数は一般的に欧米に比べて長く、高度な医療資源の集積である病院が必ずしも効率的に活用されていない、四、医療技術者、とりわけ看護職員の不足状況、五、高齢社会に向かって、医療、保健、福祉のサービスが効果的に展開されていない、六、人口の高齢化はその速度が早いことが特徴で、また寝たきり老人が多いなどの指摘があります。そこで、衛生環境部長にお尋ねをいたします。

 さきに発表されました岐阜県保健医療計画、これは、県の保健、医療に関する基本的な計画であると認識いたしておりますが、県民の保健、医療に関するニーズは多様化しております。地域地域の実情に応じて、従来にとらわれることなく、柔軟な発想のもときめ細かな施策の実施、展開が必要と考えるものでありますが、今後どのように地域の保健、医療を推進されようとしているのかお伺いをいたします。

 次に、日東あられ株式会社の問題についてお伺いをいたします。

 米菓、もち製造の国内最大手の一つで、県下有数の優良企業と言われておりました日東あられ株式会社が、五月二十三日、岐阜地方裁判所に会社更生手続開始の申し立てをいたしました。新聞報道によりますと、同社の負債総額は約五百七十億円と言われ、県下では過去最大規模のものであります。同社は、揖斐郡内に本社及び本社工場など六つの生産拠点を有し、関連会社及びその取引企業も多数に上る同郡内では最大の企業で、また、その従業員は揖斐郡の住民を主体に千五百人を超えております。このように同社の地域経済に占めるウエートは大きく、同社は地域経済の担い手と言っても過言ではなく、地域住民の日常生活に与える影響も極めて大きいものがあり、我が党といたしましても重大な関心を持っているところであります。かかる事態に対し、県におかれましては早速日東あられ対策連絡会議を設置され、関連倒産防止対策、離職者対策、操業継続についての協力要請等について対処してこられたところであります。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 まず、今回の事態をどのように認識され、今後どのように対処しようとしておられるのか、また、日東あられ株式会社との関係において、知事を中傷するような怪文書が一部に流されているようですが、このような事実があるのかどうかお伺いをいたします。

 次に、商工労働部長にお尋ねをいたします。

 このような事態発生以来、関連倒産防止対策、離職者対策等について県として具体的にどのように対処されているのか、また、従業員の社内預金が約六億七千万円に上り、その保全が懸念されておりますが、社内預金制度に対する管理、監督状況はどのようになっているのか、以上、二点についてお尋ねをいたします。

 次に、農業関係の二点について、農政部長にお尋ねをいたします。

 まず第一点は、米の輸入自由化についてであります。

 ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉は三月に決着を見ず、ただいま再継続中であります。その大きな山場は、この七月に開催されます先進国七カ国サミットであるとのことであり、我々はこの会議の成り行きを注目して見ていかねばなりません。振り返ってみますと、日本の農業の国際化は、我が国が昭和三十年、関税と貿易に関する一般協定、いわゆるガットに加盟したときから始まり、その後、大きな節目ごとに国内農業は大きく揺れ動いたところであります。過去三十年の節目を振り返ってみますと、農産物の自由化は、まさに日本の経済的地位の向上と深くかかわっていることがうかがえます。その結果、昭和三十七年四月に、我が国の農林水産物の輸入制限品目は百三品目あったものが、平成四年には、米を初めとする十三品目を残すのみであります。ちなみに、平成元年には二百八十九億ドル、日本円に換算しまして約四千五十億円の世界最大の食糧輸入国となっております。

 国におきましては、米のような我が国の基礎的食糧については、食糧安全保障などの観点から、必要な生産を維持できるようガット交渉の場で輸入自由化反対を主張しているようであります。しかしながら、新聞やテレビ等の報道によりますと、米のミニマム・アクセスやむなしの論調が最近とみに目立ち始めておりますし、また、一部の政治家や経済界の間からも、これに類似した意見が出ているのも事実であります。この米までが国内で輸入自由化やむなしという声が高まっているということは、生産調整三〇%を強いられている現下の農民にとりまして憤りと稲作の経営に先行き不安感を高めるばかりであります。このような観点から、今直ちに米の一部自由化を許すことは、本県の農家経済はもちろんのこと、農村地域経済に大きな影響を及ぼすことが予想されるところであります。米の輸入自由化の機運には賛意を表するわけにはまいりません。

 我が県議会におきましても、既に昭和六十三年十月、平成二年七月の二回にわたり、米が国民の主食であるだけでなく、我が国農業の根幹をなすとの観点から米の輸入自由化阻止を採択し、国に向けて意見書を提出するなど、我が県議会としての意思表示をしているところであります。るる申し上げてきた米輸入自由化という外的要因には、断固して我が国の主張をすべきであると考える次第でありますが、今や内外価格差の拡大や高齢化など我が県の米生産をめぐる問題が顕在化してきているのも事実であり、昨年十月に策定されましたぎふ二十一世紀農業ビジョンに示しているとおり、米を初めとする土地利用型農業の体質強化を図ることが急務であります。このことがひいては外国産米に対抗できる我が県稲作の生きる道であると思うのであります。

 そこで、農政部長にお尋ねをいたします。

 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける米の自由化交渉はどのような方向に動いているのか、また、米の輸入自由化問題を県はどのように考えるのか、さらには、今後我が県の米の生産構造をどのように変えていこうとされているのか、その所見をお伺いをいたします。

 次に、五・四凍霜害についてであります。

 去る五月四日から五日にかけての季節外れの冷え込みは、可茂地域や恵那地域を初め県下各地域で茶、桑などに甚大な被害を発生させましたことは御案内のとおりであります。中でも、五月四日の早朝の冷え込みは、新聞報道によりますと、可茂地域の山間部では、平年を十度以上も下回る零下三度を記録し、茶、桑の新芽が凍ったほどの厳しい冷え込みであったとのことであります。その結果、被害の範囲は県下五十七市町村にも及び、被害額は、茶の九億五千万円、桑の九千八百万円を初め、果樹、野菜などを合わせて総額で約十一億八百万円にも達し、ここ十数年で最も大きな被害規模となったところであります。幸い、県では、既に茶、桑の樹勢回復のための緊急対策として一千百二十万六千円の助成措置を講ぜられるなど、その迅速な対応に対し深く敬意を表するものであります。

 しかしながら、災害はその発生を未然に防ぐための対策が最も肝要であります。今回の災害におきましても、特に、お茶には、防霜ファンあるいはスプリンクラーの設置など、凍霜害に対する未然防止を講じていた農家は、被害の程度を最小限にとどめることができたと聞き及んでおります。県では、飛騨・美濃特産銘柄向上対策事業等既存の事業で順次その対策を講じてこられたところでありますが、いまだ凍霜災害防止施設の設置をしないまま自然の成り行きに任せた茶園等が多くあると聞いております。お茶と養蚕は中山間地域における農家の重要な所得源でもあります。春先の変化の激しい気象条件に一喜一憂することなく農家が安心して農業経営を営める条件づくりが肝要であると考える次第であります。また、本県の茶は、中山間地域という冷涼な気候を生かして生産されているため、味、香りともにすぐれ、全国でもその名声を高めるなど、岐阜の特産物としてのブランドの地位を確立しつつあります。ブランドの確立は、安定した量、すぐれた質が不可欠の要因であります。その意味におきましても、凍霜害未然防止対策の促進が急務であると思いますが、農政部長はどのような防止対策を講じていこうとされているのか、その御所見をお伺いをいたします。

 次に、治山事業の推進についてお尋ねをいたします。

 本県は、県土の八二%を森林が占めており、古来から、山を守り山を治めることが村や町を守る治山治水の原点であるとして、森林との深いかかわりの中で人々の生活が営まれてきました。御承知のごとく、森林は、木材の供給のみならず、水源の涵養、国土の保全、生活環境の保全などの公益的機能を有しており、今後ともその諸機能が高度に発揮されることが肝要であります。また、世界的に見ても、地球的規模での環境問題が国際的な関心事となっており、特に二酸化炭素等の増加に伴う地球温暖化の懸念とその関連から、多くの国際会議において、熱帯林の減少、森林の利用、保全など森林に関する決議がなされ、森林の重要性に対する認識が深まってきております。しかしながら、林業の採算性の低下や林業従事者の高齢化などさまざまな条件が重なって森林の管理が十分行われているとは言えない状況にあります。森林の持つ公益的な働きに悪影響をももたらしております。このような状況下において安全で潤いのある緑豊かな県土を建設するためには、治山事業が根幹事業であると言えます。本県では、連年にわたり大変な災害を受けたところでありますが、昨年の豪雨災害においては、養老郡上石津町川西地区で発生した森林の崩壊による大量の土砂を治山堰堤が食いとめ住民の安全を守った事例など県内各地で治山事業の効果が示されており、改めて治山事業の重要性と治山施設や荒廃森林の緊急かつ計画的な整備の必要性を痛感しているところであります。

 そこで、お尋ねをいたします。一つ、安全で潤いのある緑豊かな県土を建設するため、基本的にどのような治山対策を進めていかれるのか、二つ、本年度で終期が来る第七次治山事業五箇年計画の本県の進捗状況はどのようになっているのか、三つ、平成四年度以降の治山事業についての国の考え方、また県は国に対してどのような働きかけをするのか、以上三点について、林政部長にお尋ねをいたします。

 次に、新高速三道の整備促進についてお尋ねをいたします。

 全国第七位の広大な面積を擁する本県にとって、県土の均衡ある発展と開発を図るためには、高規格幹線道路網の整備促進が重要かつ不可欠であると考えております。本県に関する高規格幹線道路とは、既に完成をしている名神高速道路、中央自動車道を初め、県土を南北に貫き岐阜地域と飛騨地域を直結し県土の一体的開発に貢献する東海北陸自動車道が、また本県南部には、東濃、岐阜、西濃の各地域を環状に結び、各地域の都市を連帯化することによって地域の総合的発展に寄与する東海環状自動車道が、さらに北部飛騨地域には、安房峠、油坂峠で既に事業が着手され、中部内陸地域の一体的総合開発に極めて重要な中部縦貫自動車道の建設がそれぞれ進められているところであります。これらの高規格幹線道路の建設は、沿線の市町村はもとより県内全域の活性化と発展の根幹をなすものであり、これらの完成は全県民が待望するところであります。そこで、私は、東海北陸、東海環状、中部縦貫自動車道、すなわち新高速三道の事業促進を強力に要望するとともに、整備状況、調査の進捗状況並びに事業促進に対する土木部長の考え方をお伺いをいたします。

 次に、二十一世紀に向けての河川づくりについてお尋ねをいたします。

 我が県は、地形、気象等の自然条件に加え、近年における都市化の急速な進展等の社会的条件から、災害が起こりやすい環境となっております。本県では、こうした災害の脅威から県民生活及び社会経済の基盤を守ることを県政の基本とし、安心して住める岐阜県づくりのため、第七次にわたる治水事業五箇年計画に基づいて河川改修やダムの建設等の事業の推進を図り相当の効果を上げてきており、その多大な努力に対し深く感謝をしております。しかしながら、その整備水準は依然として低い状況にあり、大災害が毎年のように発生するなど極めて憂慮される状況であります。最近では、揖斐、東濃地方を中心とした平成元年の災害、また、昨年九月の西濃地方を襲った台風十九号により牧田川と杭瀬川の背割堤が破堤するなど甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。

 また、近年、岐阜市、大垣市等の都市地域においては、人口、資産の集中、中枢管理機能等の集積傾向が著しくなってきております。このため、一たび大洪水が起こると県民の経済社会活動を麻痺させる等、予想のつかない異常な事態発生のおそれがあります。また、都市地域における良好な住宅、宅地の供給は緊急の課題となっており、宅地開発に際しては一般に治水対策が不可欠であり、治水対策をあわせて実施することで宅地として利用可能となる地域が多く存在しております。しかし、治水施設の整備のおくれから、良好な住宅、宅地の供給が十分とは言えない状況であります。このため、本格的な高齢化社会を迎える二十一世紀までの投資余力のある十年間は残された貴重な期間であり、この間に治水事業の早急な整備水準の向上とともに、さまざまな災害の形態に対応し得る万全な体制を整備する必要があると思っております。ついては、平成四年度を初年度とする第八次治水事業五箇年計画の策定について、土木部長の所見をお伺いをいたします。

 また、近年においては、国民の治水事業に対するニーズも高度化、多様化してきていることから、活力ある地域づくりや潤いと触れ合いのある水辺環境の形成、自然環境の保全にも配慮した治水事業の実施等、新たな課題にも取り組む必要があると思います。そういった意味で、二十一世紀に向けて安全で潤いと活力に満ちた地域づくりを推進するための諸方策を総合的に検討する長良川ビジョン研究会が昨年発足したことは、夢おこし県政を着実に推進するものとして敬意を表したいと思います。また、河川を中心とした流域のビジョンの構築ということですが、これは全国でも余り類のない画期的な構想でもあり、本県における二十一世紀に向けての河川づくりの基本的な方向を示すものとして県民こぞって注目しているところであります。ついては、この長良川ビジョンへの取り組みについて、知事の所見をお伺いをいたします。

 次に、長良川河口堰の建設促進について、私の所見を申し上げます。

 長良川は、宝暦治水の大工事、明治の木曽三川分流工事等の過去における大きな河川改修が行われたにもかかわらず、自然を多く残している川として今日に至っておりますことは御承知のとおりでございます。その長良川の清流は岐阜県の顔であり大きな誇りであります。今の時期となると、鵜飼や花火を初め、川遊び、魚釣りなど最も親しみやすい川となりますが、反面、長良川の代表的な洪水は、六月から九月の台風時期における降雨が原因となっております。昭和五十一年の長良川破堤による安八水害、平成元年九月の豪雨災害、さらに、平成二年九月の台風十九号による災害が記憶に新しいところでございますが、毎年出水期の今ごろを迎えますと、流域住民の方々は洪水に対する不安はいかばかりかとお察しをする次第であります。河口堰建設事業は、こうした住民の生命と財産を守ることを第一とし、昭和六十三年に本体工事が着工され、平成七年の完成を目指して着々と進んでおりますことは御案内のとおりであります。これに携わる方々の御苦労に対し敬意を表する次第であります。しかしながら、マスコミ等によれば、中央の方では、河口堰建設に至る背景とその目的を御理解いただけない方々が建設中止の法案を国会に提出する方針を明らかにしたとか、また、一部の自然保護団体等による河口堰建設反対運動が今なお行われております。河口堰の建設は、先ほども申し上げましたように、長良川流域の皆さんの命を守るものであります。自然も大切であります。また、その自然を大切にしながら人間の生命と財産を守ることが先決であります。したがいまして、私は、この建設事業を日本の重要プロジェクトとして位置づけ集中投資を図り、一日でも早く完成し流域住民の方々の洪水に対する不安を取り除き、安全な生活が営めるよう、関係当局に強く要望するものであります。

 次に、河口堰建設事業に対する最近の動きに関して、若干私の感ずるところを述べてみたいと存じます。

 まず、私たちの住んでいるところ、先人たちが安全で快適な文化生活を営むため、自然との共存と調和に努めながら築き上げてきたものであることは、今さら申し上げるまでもなく万人共通の認識ではないかと思います。自然を守ること、環境を保護することは言うまでもありません。今、国においては、自然環境への影響についての追加調査が実施されていることは御承知のとおりであります。また、我々は、二十一世紀の伊勢湾を取り巻く状況を見ますとき、中部新国際空港、東海環状自動車道等の大型プロジェクトの推進など地域社会の発展に努めることも当然の任務であることを、河口堰反対運動を展開しておられる方々に再認識をしていただきたいと存じます。一方、建設を進められておる関係者におかれましては、河口堰の建設の目的がなぜいまだに一部の方々に正しく理解されていないかをいま一度御検討され、建設事業の積極的PRを図っていただきたいと願うものであります。河口堰の建設促進につきましては、知事を初め関係者に御尽力をいただいているところでございますが、長良川流域住民の一日でも早い安全な生活を確保するため、河口堰の早期完成に向けて関係御当局のなお一層の御努力をお願いいたす次第であります。知事の御所見をお伺いをしたいと存じます。

 次に、生徒の個性を伸ばす高校教育の充実についてお尋ねをいたします。

 本県における高校進学率は、平成二年度においては九五・五%であり、高校は中学校卒業者のほとんどが学ぶ国民的な教育機関となっており、生徒の能力、適性、関心なども大変多様なものとなっております。このような状況のもと、この四月に、中央教育審議会から文部大臣に「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」という答申が出されました。今回の答申では、高校教育について、生徒や社会の変化に対応し生徒の個性を伸ばす観点からさまざまな施策の提言が行われております。具体的には、新たに普通科と職業科を総合したような学科を設けること、職業科の再編成を行うこと、単位制高校など新しいタイプの高校の設置を奨励すること、単位制の活用を図るなどの提言がなされております。このほか、高校入試の改善や生涯学習の振興などにも提言は及んでおりますが、このたびの答申は、新しい時代に対応する教育を充実していくための基本的な方向を示すものであると私は受けとめておるのでございます。また、平成元年三月には高校の学習指導要領の改定が行われ、各学校においては新しい教育内容が平成六年度から順次実施されることになっております。新指導要領の改定の基本方針として、心豊かな人間の育成、自己教育力の育成、文化と伝統の尊重と国際理解の推進及び基礎・基本の重視と個性を生かす教育の充実の四点が挙げられており、生徒の多様化に応じて個性を伸ばす弾力的な教育ができるようになっております。今後、中央教育審議会の答申や新しい指導要領の趣旨を踏まえ生徒の個性を伸ばす高校教育の充実を図るためにどのような施策を考えておられるのか、教育長に御所見をお伺いをいたします。

 次に、暴力団対策について、警察本部長にお尋ねをいたします。

 最近の暴力団情勢にかんがみ、さきの県議会において、暴力団の反社会的行為を規制する立法措置に関する意見書を採択し、県議会議長から関係当局へ提出されたところでありますが、そのかいあってかさきの第百二十回通常国会におきまして暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律が成立し、近く施行される運びとなりましたことはまことに喜ばしい限りであります。ひとつこの法律を十分に活用され、県民が暴力団の被害で泣くことのないよう、県警のさらに徹底した暴力団取り締まりの推進を望むところであります。

 そこで、質問の一つは、最近の暴力団の傾向として、風俗営業者等からの用心棒代の徴収や交通事故の示談、債権の取り立て、地上げ、あるいはゴルフ場等の大規模土地開発など県民の日常生活や経済取引の場にまで深く介入し不当な利益を得ていると伺っております。また、このような暴力団の資金稼ぎは、組織の威力を盾にして、商取引の形をとるなど法すれすれの極めて知能暴力的で巧妙な方法で行われると伺っておりますが、現在、暴力団のこれらの行為が県民に与える不安と被害は相当深刻なものと考えられます。そこで、このような暴力団の県民生活への不当介入といいますか、被害の実態についてお尋ねをいたします。

 二つ目は、このたび成立をいたしました新法の目的の一つは、このように法すれすれの必ずしも犯罪として取り上げられない暴力団の活動から国民、県民を守ることにあると理解しておりますが、警察は新法の施行に当たってどのように対処していかれるのか、その所信をお伺いをいたします。

 次に、交通事故防止対策について、企画部長、土木部長、警察本部長にお尋ねをいたします。

 昨年、県下において交通事故により二百七十二名のとうとい命が失われ、本年も昨年と同様に推移し、まさに第二次交通戦争の真っただ中というまことに憂うべき状況であります。日本一住みよいふるさとづくりを目指す本県といたしましては、本年度も交通安全のため多くの予算措置を講じておられるところでありますが、現下の交通情勢を見るとき、さらに力を入れて取り組む必要があると考えるのであります。そこで、私といたしましては、交通死亡事故が薄暮から深夜にかけて多発し、中でも交通弱者が被害に遭う事故や深夜暴走運転に起因して起こる事故が全体の約六〇%を占めており、こうした事故は、今後生活形態の夜型化、経済活動の活発化に伴いさらに多発するものと考えることから、夜間の交通事故を防止するため、次の三点の対策を強力に推進する必要があると考えるのであります。

 その第一は、夜間でも見やすい交通環境づくりについてであります。

 具体的に申しますと、道路標識や道路標示を夜間でも見やすいように整備したり、道路照明を充実するといった交通環境づくりを行うことが必要と考えるのであります。交通安全施設の整備につきましては、関係機関がそれぞれの立場から努力をされており、その一つとして、夜間、センターラインなどがよく見えるように高輝度路面標示を導入して効果を上げているとうかがっております。夜間でも見やすい交通環境づくりのため、今後どのような整備を進めていくお考えなのか、土木部長及び警察本部長にお伺いをいたします。

 第二は、暴走させない運転マナーの確立についてであります。

 夜間事故の特徴として、深夜の速度の出し過ぎ、特に若者の暴走運転による事故が多いと伺っておりますが、このような悪質、危険な運転や基本的ルールを無視するドライバーに対しては、厳しい取り締まりを実施して運転マナーの確立を図ることが必要であると思います。夜間、特に深夜における取り締まりにはおのずから警察官の動員量についても限界があると思いますので、パトカー等の機動力や取り締まりの資器材を充実し、効率的に取り締まることが必要であると考えます。警察本部長のお考えをお伺いをいたします。

 第三は、交通安全夜光運動の推進についてでありますが、これは、昭和五十八年の岐阜県交通安全対策協議会が決定をいたしました。夜出歩くときには反射材、これを身につけて歩くことによって運転者及び自転車利用者が発見しやすいということでございまして、それによって夜間の事故防止を図ることができるということでございまして、この件につきまして、企画部長並びに警察本部長にお伺いをいたします。

 以上をもちまして代表質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。

   (拍手)



○議長(浅野庄一君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) まず、消費税につきましてお答えいたします。

 消費税につきましては、平成元年四月の発足以来二年余が経過いたしましたが、その間、御案内のとおり、国におきましては種々論議が展開されてまいりました。県では、そのような状況であったことなどから、使用料、手数料への消費税転嫁を原則として見送ってきたところでございますが、今回、国会におきまして全会一致で消費税法の一部改正法案が可決されたところでございます。また、使用料、手数料に係る経費は利用者に御負担いただく性格のものであることや、国が消費税の適正な転嫁を指導していることなど総合的に判断いたしまして、このたびの消費税法の一部改正法が十月一日に施行されることにあわせまして使用料等に関する消費税の転嫁を実施することとしたところでございます。議員各位を初め県民の皆様の御理解を賜りたいと考えております。

 それから、岐阜県の将来構想についてのお尋ねがございました。

 お説のとおり、時代が大きく変わりつつあります。時代の変化を見越して将来像を適切に描くことが肝要でございまして、このために二十一世ビジョンづくりを進めているところでございます。この二十一世紀ビジョンは、夢おこし県政を通じまして県民総参加の中で実施してまいりたいと考えております。すなわち、夢投票やガヤガヤ会議等で県民の皆様からいただきました夢を基礎に進めていくほか、構想をまとめる段階で県議会を初め県民各層の御意見をお聞きしてまいりたいと考えております。県民の皆様の夢を分析いたしますと、四八・三%という圧倒的な多くの夢のグループが、レジャー、リゾート、イベント、スポーツ、観光等のグループでございます。

 また、昨年七月、八月に実施いたしました県政世論調査におきましても、二四・六%の方が暮らしの力点をレジャーに置いておられまして、これも第一位を占めておるわけでございます。相対的に県民の皆様方は生活を楽しむという方向に転換されておられるように思うわけでございます。御指摘のように、価値観がどんどん変わっていく時代でもございます。二十一世紀型の生活文化というものを目指すことが必要であろうと考えるわけでございます。言葉をかえますと、ゆとりを楽しむということでもあろうかと思うわけでございますが、同時に、そのゆとりを生む源ゆとりの源泉づくりも並行して進める必要があろうと思うわけでございます。この二つを通じての共通の課題が触れ合いということでございまして、人と自然、人と人との触れ合い、そういうことであろうかと思います。触れ合いを通じまして、喜び、感動、情報、そして人間愛が生まれてくるということでもございます。言葉をかえますと、共に生きるという共生ということが究極的なテーマになってくるというふうに認識をしているわけでございます。このような観点からいたしまして、おおむね二〇一〇年代の日本一住みよいふるさと岐阜県の姿を描いてまいりたいと考えております。

 第一に、ゆとりを楽しめる岐阜県にしなければならないと思います。それには、美しい岐阜県でなければならない。花の都ぎふづくりを進めておりますが、まず、自然の花で岐阜県をいっぱいにする、そして自然保護をさらに進めていく、生活環境も向上する、さらには芸術も盛んにする、美しい心を育てる、そういうところまで発展することが望ましいと思います。そして温かい岐阜県づくりということでございます。生きがい福祉ということを申し上げておるわけでございますが、人それぞれに個性の花を咲かせるということが大切でございます。健康で生きがいを持って生活できるようにすることでございます。また、人と人との触れ合いを通じまして人間愛が育つような環境づくりをしていくことでございます。三つ目が、おもしろい岐阜県にしなければならないということでございます。これからは遊びの要素というものが必要でございます。全県リゾート基地構想、これがそれに当たるわけでございまして、こうした構想を進めまして地域文化の花も咲かせたいと、こういうことでございます。

 次に、このゆとりを生む源泉づくりでございますが、それには便利な岐阜県にしなければならないというふうに思います。御質問にもございましたが、新高速三道新しい高速交通体系を整備しなければなりません。そして県内一時間交通圏に持っていく必要がございます。さらにまた、リニア中央新幹線によりまして大都市圏と結ぶということも必要でございますし、中部新国際空港を早く整備いたしまして世界と直結するということも必要でございます。そして、人と人との交流の花を咲かせるということでございます。次に、豊かな岐阜県にしなければならない。これは当然でございますが、新産業おこしということでございます。地場産業の付加価値を高めるということが第一でございますが、同時に、新七大産業と言っております既存産業の体質転換、あるいは新しい企業の導入によりまして二十一世紀型の新しい産業を育てると、こういうことでもございます。そして三番目に、安らかな岐阜県づくりでございまして、安心の社会基盤づくりということでございます。具体的には、治山治水あるいは交通安全あるいは住宅対策、こうしたことで安心の花を咲かせると、こういうことが必要になってくると思います。

 これは一つの考え方でございますが、いずれにいたしましても、ビジョンの策定に当たりましては、県議会を初め県民各層の御意見を踏まえながら進めまして、平成三年度内には策定を終りたいというふうに思うわけでございます。この二十一世紀ビジョンへのつなぎといたしまして、今世紀最後の十年間、二〇〇〇年までの十年間につきまして夢そだてカレンダーといったようなものを策定いたしまして、ウエルカム二十一プランを進めたいと考えております。そこには、これから実施したい事業、実現したい目標等を記載する考えでございます。これも策定に当たりましては、県議会を初め県民各層の意見を踏まえながら進めまして、平成三年中に策定をいたしたいと考えておるわけでございます。この二十一世紀ビジョン及びウエルカム二十一プランを具体的に実行いたします場合には、当然に県の予算等にのせる必要がございます。その前提といたしまして、県の総合計画や実施計画に盛り込まなければいけないわけでございまして、現行の第四次総合計画は平成七年度が最後ということになっておるわけでございます。現在の第三期実施計画は、この第四次総合計画の総仕上げといたしたいと考えておるわけでございます。そして、平成四年度には第五次総合計画といった新しい計画の策定に入ってまいりたいと考えております。

 次に、リゾートの整備についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のとおり全国的にリゾート開発が盛んでございますが、いろんな問題が提起されていることは御案内のとおりでございます。これら国内各地の諸問題を参考にしながら本県のリゾートのあり方を考えてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。まず、県民大衆がどのような御意向であるかということでございます。夢投票の結果を分析いたしますと、一位は、レジャー、リゾート等、全体の四八・三%を占めております。これは先ほど申し上げたとおりでございます。特に人と人との触れ合いのための明るく楽しい時間と空間づくりに県民の願いが集中しているわけでございます。また、県民世論調査も先ほど申し上げましたとおりでございまして、このような県民ニーズを背景といたしまして、リゾート構想は、生活を楽しむ二十一世紀型生活文化の先取りというふうに認識して、これからは生活重視型行政の一環として進めてまいりたいと考えております。これからの県政は、ゆとりを楽しみながらゆとりを生み出す源泉づくりを進めるということが基本になろうかというふうに考えております。リゾート構想は、御指摘のような他地域の問題点を踏まえまして、岐阜県らしさのある、いわば岐阜県方式ともいうべき考え方で進めてまいりたいというふうに思います。そのため五つの原則を基本に考えておるわけでございます。

 第一は、地元主義ということでございまして、まずは地域住民にとって快適な、そして地元に喜ばれるような環境を創出するということでございます。そうすれば、このことが他の地域の人にとっても大きな魅力になってくるということでございます。いつも申し上げておりますが、論語にございますような「近き者説べば遠き者来らん」と、こういう考え方で進めてまいりたいということでございます。二番目が、全県リゾート基地という考え方でございます。特定の一部地域のみがリゾート基地だということではなくて、全県を対象にリゾート基地構想を進めたいと考えております。各地それぞれ岐阜県の場合は魅力的なリゾート資源を秘めておるわけでございます。その開発を進めてまいりたいと思っております。三番目は、質の高いリゾートというものを目指したいと思います。岐阜県は海のない内陸県でございまして、リゾート基地には収容能力の限界がございます。そこで、地域の自然、文化などを大切にして量より質を追求する必要があろうかと思うわけでございます。特に県土の八二%が山林でございます。この山林を守りながら活用するというリゾート構想、具体的にはグリーンフロント構想というものを現在研究しておるところでございます。四番目に、長期的な展望で進めたいということでございます。リゾートは一時の流行を追うと失敗するということでもございます。拙速は避けなければならないと思います。時代の変化を見きわめながら長期的に時代の変化に耐え得るようなリゾート整備を進めたいと考えております。最後に、県民総参加ということでございますが、「みんなで考え、みんなで実行、みんなが幸せ」という夢おこしの思想をもとに、リゾート基地構想につきましても進めてまいりたいというふうに思うわけでございます。なお、岐阜県らしい特色をどう出すかということがこれからの課題でございます。地の利を活用するということが大切でございまして、人口重心その他、岐阜県は日本のど真ん中でございます。その地の利をどう活用するか。それから、地質その他日本で一番古い土地でございます。その地の利をどう活用するかということでございます。さらにまた、飛山濃水という美しい自然の利もございます。そこに花の都ぎふというような形でさらに大きな付加価値をつけるということによりまして、日本で最も美しい県にするという可能性があるわけでございます。そういう環境の中で、花、音楽、スポーツを楽しむ二十一世紀生活文化をつくり上げていきたいということでございます。花、音楽、スポーツという三本柱を常に申し上げておりますが、これは二十一世紀生活文化の先取りの代表例として、この三本柱を申し上げているということでございます。

 それから、国際化に伴う振興方策についてでございます。

 お説のとおり、地域振興を図っていくためには国際化を進めるべきだと、全くそのことに同感でございます。県といたしましても、従来から、世界と直結するという考えのもとに、国際農業フォーラム、国際魚道会議、世界の一流ふれあいシリーズ等を行ってまいりました。今年度も、ワールドミュージック&ライトフェステバル岐阜91、環太平洋世界航空宇宙会議等の全国的、国際的に注目されている国際的なイベントやコンベンションを計画いたしております。東京一極集中が大きな社会問題となっております今日、国際会議につきましても、大都市だけでなく個性豊かな歴史と伝統を有する地域でより多く開催されるべきであるというふうに考えます。特に、中部新国際空港やリニア中央新幹線、あるいは新高速三道の整備によりまして二十一世紀には名実ともに日本の中心となる岐阜県で多くの国際会議を開催することは、まことに大きな意義があると考えておるものでございます。御質問の国立の国際会議場の誘致や県立多目的ホールの整備につきまして、飛騨地域から強い要望を受けているところでございます。県といたしましても、要望を踏まえまして今後飛騨地域を念頭に置いて国への要望等をしてまいりたいと考えております。

 次に、観光対策についてでございます。

 岐阜県には信長及び信長を取り巻く人物のゆかりの地がたくさんございます。ただいま調査いたしましたところ、県内で信長ゆかりの地というものが四十市町村あるわけでございます。こういうNHK大河ドラマ「信長」を契機に、岐阜県を観光客の入り込み等に売り込んでまいりたいというふうに思うわけでございます。このことは、岐阜市のみならず広く県全体の知名度の向上とか地域の活性化に役立つものと考えます。岐阜市が中心となって行うオープンセットなどの設置等に対しましても、御質問にございましたように、県議会とも御相談しながら支援をしてまいりたいと考えております。また、観光キャンペーンのやり方につきましては、新しい最も効果的な方法を検討しておるところでございます。

 次に、日東あられの問題でございます。

 今回の事態は一企業の問題ではございますが、私どもといたしましては、西濃地域全体の経済社会問題として認識しておる次第でございます。本社及び六工場が揖斐郡内に立地をしておる、さらに従業員千五百十四人中県内従業員千二百三十四人、八一・五%ということでもございます。特に揖斐郡内の従業員が千百十三人ということ、七三・五%を占めているということでもございます。また、地域の工業出荷額に占める同社のシェアが非常に高いということ、また、こうした過疎地域におきまして就労の場が提供されてきたというようなことから、地域全体の問題と認識しておるわけでございます。このために、庁内に日東あられ対策連絡会議を設置いたしましてこれまで対策を講じてきたところでございます。まずは関連倒産防止対策に力を入れてまいりました。また、離職者対策についても配慮してまいりましたし、関係省庁、主要金融機関、主要取引企業、関係市町村、関係団体等に対しまして、操業の継続につきましての協力、そして従業員対策につきましての要請をしてまいりました。保全管理人及び岐阜地方裁判所に対しまして再建及び従業員の保護措置につきまして要請をしてまいりました。また、岐阜労働基準局に対しましても、従業員の保護措置につきまして適切な監督指導を要請してきたところでございます。今後の会社の操業の継続につきましては、現在、裁判所で財務内容等につきまして調査中でございます、また、裁判所が調査結果等を踏まえ会社更生手続開始の可否を決定するということでもございます。今しばらくは推移を見守る必要がございますが、今後も適時適切な対応してまいりたいと考えております。

 それから、御指摘の怪文書、ビラの件でございますが、明るい県政をつくる会という実体不明の団体の名で、日東あられ株式会社より毎月私に顧問料が支払われていた旨の内容の文書が県庁周辺、揖斐川町役場などに深夜ひそかにまかれておりました。私個人はもとより、私の後援会を含め金銭を受け取ったという事実はございません。念のため、私あるいは私の後援会名義のもとに顧問料が支払われた事実があるかどうか会社の責任者に確認したところでございますが、そのような事実もないと明言されておられます。以上のように全くの事実無根でございますが、どのような目的でこのような中傷がなされているのか、いずれ事実関係が明らかになるものと考えております。

 それから、二十一世紀に向けての河川づくりについてでございます。

 長良川ビジョン研究会は、清流を守り自然との共生を図りながら二十一世紀に向け安全で活力と潤いに満ちた長良川づくりを推進するということを目的に、平成二年七月に全庁的な組織として発足したものでございまして、本年三月の中間報告におきまして一応の取りまとめをいたしました。治水利水、河川環境、流域活性化の各検討項目を集約いたしまして、西暦二〇〇〇年、今世紀末における中間目標を設定したところでございます。それによりますと、第一に、長良川下流部のしゅんせつを早期に完了させること等による安心して住める長良川づくりをするということでございます。第二に、下水道の整備等総合的な水質保全対策を推進する日本一の清流づくりを目指すということでございます。第三に、アユ、サツキマスは約五割増し、モクズガニは約三割増しを目指すこれは漁獲量でございますがそうした目標の淡水魚の王国づくりをしていくということでございます。第四に、長良川下流域において約二十ヘクタールの野鳥の生息に好ましい環境の創出を目指す人と野鳥との触れ合いづくりをしていくということでございます。第五に、延べ約十キロメートルの触れ合いの水辺の整備を目指す自然豊かな触れ合いの水辺づくり、以上の五項目でございます。本年度は、大衆に開かれた長良川ビジョンづくりを目指しまして、地域住民の生の声を聞く懇談会や、鵜飼の鵜匠さん、釣りの愛好家、水防関係者、河川愛護の実践者、学識経験者等の意見を聞く懇談会を予定いたしております。このように、長良川ビジョンは、行政だけでなく地域住民や専門家の意見を交えて開かれたビジョンとしていきたいと考えております。このような流域ぐるみの取り組みは全国にも例がございません。画期的な試みだと考えております。今後、長良川で得られました成果を他の河川にも逐次生かしていく考えでございまして、県民の皆様の御理解、御協力をお願いしたいと存じます。

 長良川河口堰の建設についてでございます。

 長良川河口堰建設事業は、現在計画どおり順調に進められております。この事業は、御案内のとおりでございますが、岐阜市を含めた下流六十万県民の生命と財産を守るために下流部のしゅんせつを可能にするものでございまして、一日も早い完成が望まれております。去る六月中旬に、命をかけて水防活動に携わっておられる水防団長さんの方々が県庁に河口堰の早期完成の要望においでになりました。その際の話でございますが、昨年九月の台風十九号による出水の折、水防団の方々、大変苦労されましたが、岐阜市におきましても非常に危険な箇所があったという切実なお話をお聞きいたしました。そして、とにかく早くしゅんせつをしてくれ、そのために河口堰を早くつくってくれ、こういうような強い御要望でございました。私どもも、今後、専門的にも梅雨前線豪雨あるいは台風時に異常な降雨が続きますれば極めて危険な状態になると予測されておりますので、今後とも事業の早期完成に努力してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。岐阜県といたしましては、第一に、県民の生命、財産、第二に、高須輪中の農地、第三に、長良川の自然保護、これらの三つを守るという立場に立ちまして、関係機関に諸条件をつけましてそして事業の促進を要請しておるところでございます。御指摘のとおり、堰建設の目的等を正しく理解していただくために広報の強化ということが極めて重要でございます。建設省、水資源公団にもこれまでも申し上げてまいりましたけれどもさらに強く要請いたしますとともに、県といたしましてもなお一層努力してまいりたいと存じておる次第でございます。



○議長(浅野庄一君) 総務部長 永倉八郎君。

   〔総務部長 永倉八郎君登壇〕



◎総務部長(永倉八郎君) 平成二年度におけます県税収入の決算見込み額と、三年度の県税収入の予算額の確保の状況、見通しにつきましてお答えをいたします。

 平成二年度の県税決算額につきましては現在精査中でありますが、県税の中で大宗を占める法人二税につきましては、証券市況の低迷、金利の上昇や自由化の進展によって金融、証券業が大幅に減益になったこと等により、前年度に比べまして九七・〇%となっております。これに対しまして利子割県民税は、預金金利の上昇や満期を迎えた高金利の定額貯金の払い戻しが集中したことなどによりまして、前年度に比べ二三一・五%と高い伸びを示しており、また、軽油引取税につきましても、平成元年十月からの消費地課税等の制度改正に伴う増収から、前年度に比べ一一四・八%と高い伸びを示しております。その他の税目につきましてもほぼ順調に推移いたしまして、県税総計は二千二百八十四億円余で、前年度決算比一〇七・七%となり、最終予算額二千二百五十五億円に対して二十九億円余りの増収となる見込みであります。

 次に、平成三年度の県税収入見通しでありますが、まだ年度も三カ月を経過したばかりでございまして的確な把握は困難でありますが、最新データである五月末現在調定状況を見ますと、前年に比べ一〇二・五%と厳しい状況となっております。このうち、景気に一番左右されやすい法人二税につきましては、年間の二割程度の調定ではありますが、五月末の調定済み額は対前年比一〇〇・二%となっており、楽観を許さない状況であると思っております。以上の状況から、現時点ではその確保はできるものと考えておりますが、今後においては、昨日、公定歩合が〇・五%引き下げられましたことに伴う景気動向等を踏まえ、その推移につきましては十分に注意を払ってまいらねばならぬと、このように考えております。

 それから次に、消費税に関係いたしまして、三点のお尋ねにお答えをいたします。

 第一点目の消費税の見直しに係る使用料等の影響額でございますが、今回の見直しで非課税とされた県関係の使用料等は、住宅家賃、入学金、助産費用等でありまして、これらの非課税化によりまして、平年度で約四千六百万円が軽減されることになります。

 次に、二点目の今回消費税転嫁に伴う使用料等の額につきましては、主なものは発電水利使用料の八千百万円でございますが、これらを含めまして年間およそ一億三千四百万円になるものと考えております。

 また、第三点目の元年度以降消費税の転嫁を見送ってきたことによる影響額につきましては、二年半で五億三千七百万円程度になるものと考えております。



○議長(浅野庄一君) 企画部長 山田賢一君。

   〔企画部長 山田賢一君登壇〕



◎企画部長(山田賢一君) 交通事故防止対策についてお答えをいたします。

 県におきましては、現在、四季の交通安全運動のほか、交通安全愛のひと声運動、交通マナーアップぎふキャンペーン、家庭の交通安全リーダーの推進、さらには、マグネットシートやステッカーによる啓発など各種の交通安全運動を官民一体となって展開をしておるところであります。また、昨年から新たに交通事故防止対策委員会を設置をいたしまして、総合的な交通事故防止対策に努めてまいったわけであります。その結果、死者数は、六月三十日現在で百一人、前年同時期に比べますと二十人の減少を見たところでございます。しかしながら、議員御指摘のとおり、夜間における交通弱者の被害が目立っているところであります。このため、自転車を初め身の回りの物につけることができます夜光反射テープを普及させる、いわゆるピカピカ作戦を実施いたしますとともに、特に高齢交通弱者の死亡事故が多い大垣市並びに羽島市におきまして、百九十人のシルバーリーダーが高齢者のいる世帯を訪問するモデル事業などを実施することにいたしております。今後とも、関係機関、団体と一体となって夜光反射材を身につけていただく夜光運動を推進してまいる所存でありますので、県民の皆様方の格別な御理解と御協力をお願いいたしたいと考えておるところであります。



○議長(浅野庄一君) 民生部長 桑田宜典君。

   〔民生部長 桑田宜典君登壇〕



◎民生部長(桑田宜典君) 保育事業の多様化対策についてお答えをいたします。

 保育所につきましては、措置児童に対する保育という本来の業務に加え、広く地域の人たちの就労と育児の両立支援のため、乳児保育、延長保育などの保育事業の多様化に対応し、その機能を発揮することが求められてきております。このため、県におきましては、国の特別保育事業の活用を図るとともに、必要に応じ県単独で助成することによりその促進を図っているところでございます。

 まず、乳児保育に当たりましては、乳児の生命の安全の保障及び心身の健やかな発達の保障という観点から、できるだけ家庭で育てられることが望ましいと言われており、その一つの方策として、さきの通常国会で成立しました育児休業等に関する法律の効果が期待されておりますが、この法律によってもなお乳児保育の需要はあると思われますので、乳児担当保母を県の定める補助基準により配置した場合には、県単独で助成することによりさらに普及拡大を図っていきたいと考えております。

 次に、延長保育につきましては、民間保育所において保育時間が九時間を超えるものについて、県単独で助成することによりその推進を図ってきたところでありますが、今年度から国において保育時間を午後十時ごろまで延長するとともに、夕食を給与する、いわゆる長時間保育サービス事業が創設されましたので、その需要の動向を見きわめつつ市町村において積極的に対応していただくよう指導してまいりたいと考えております。

 また、障害児保育につきましても、保育所の性質上、集団保育が可能で日々通所できる障害児に限られますが、県単独で補助対象児の拡大を図っております。

 このほか、地域に開かれた社会資源として保育所の持っている子育ての専門的機能を地域のために活用することが求められるようになってきているため、地域保育センター活動事業の一つとして、従来は行われていなかった断続的な保育や、緊急一時的な保育を必要とする乳幼児を保育所に受け入れて保育する一時的保育事業を推進するとともに、今年度から、新たに国において保育所を退所後間もない小学一年程度の児童についても受け入れを行う小学校低学年齢児受け入れ事業が設けられましたので、その普及に努め、放課後の安定した生活の確保と健全な育成を図っていきたいと考えております。

 以上の諸施策を推進することによりまして保育需要の多様化に対応するとともに、子育てしやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 衛生環境部長 井口恒男君。

   〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕



◎衛生環境部長(井口恒男君) 地域保健医療の推進につきましてお答えいたします。

 安心して暮らせる岐阜県づくりにとりまして、この地域の保健医療の推進は最も重要な課題の一つであると考えておるところでございます。県といたしましては、平成二年度におきまして岐阜県保健医療計画を作成したところでありますが、さらに地域の実情に応じたきめ細かな施策を着実に実施、推進する必要があるということから、県下五ブロックでございますが、この五ブロックの二次医療圏ごとに地域計画を作成するということで、現在作成中でございます。

 保健医療計画に基づく事業は、今年度におきましては、看護婦確保対策を初め、成人病予防対策、心の健康づくり等精神保健対策、保健所等情報システム、県立病院の医療総合情報化のほか、医療、保健、福祉の連携のためのプランづくりなどに積極的に取り組んでいるところでございます。

 地域の保健医療の推進につきましては、地域の人々の理解と市町村及び医師会等の関係団体の積極的な参加が不可欠であるということから、今後とも関係の皆様方と一体となりまして県民の健康水準の向上に積極的に対応していきたいと考えておるところでございます。



○議長(浅野庄一君) 商工労働部長 交告正彦君。

   〔商工労働部長 交告正彦君登壇〕



◎商工労働部長(交告正彦君) 日東あられの問題についてお答えいたします。

 まず、関連倒産防止対策についてでありますが、事態発生後直ちに県単独の関連倒産防止資金融資制度を適用することといたしましたほか、関連中小企業者が信用保証協会から一般枠とは別枠で保証が受けられます国の倒産関連特例保証制度の早期発動を国に対し要請いたしまして、六月十一日に通産大臣の指定がなされ、適用されることとなりました。このほか、政府系金融機関であります中小企業金融公庫と国民金融公庫によります中小企業倒産対策貸付制度、中小企業事業団の中小企業倒産防止共済制度がございますので、これら各種の関連倒産防止制度の活用について、市町村、商工会議所、商工会等を通じまして周知徹底を図っているところでございます。

 次に、離職者対策についてでありますが、事態発生以来、大垣公共職業安定所揖斐出張所におきまして相談受け付け態勢を整え対応してまいりましたが、離職者も増加してまいりましたので、六月十七日に日東あられ株式会社離職者職業相談コーナーを設けますとともに、他の職業安定所等からの職員の応援も含め離職者対策に万全を期しているところであります。具体的には、離職者につきまして早期求職申し込みを指導いたしますとともに、雇用保険の給付手続を行う一方、揖斐出張所管内の求人開拓はもとより、揖斐郡の隣接地域の求人確保にも努めまして、早期再就職の促進を図ることといたしております。

 また、社内預金制度につきましては、労働基準法等関係法令におきまして労使協定の締結、貯蓄金管理規程の作成、保全措置等を講ずることが規定されており、労働基準監督署長に対しまして貯蓄金の管理に関する協定の届け出、及び毎年一年間の社内預金の管理状況について報告することが使用者に義務づけられております。また、保全措置につきましては、賃金の支払の確保等に関する法律により、金融機関の保証契約、信託契約、質権または抵当権の設定、預金保全委員会の設置の四つの方式が定められております。日東あられ株式会社につきましては、貯蓄金管理協定届あるいは管理状況報告が所轄の大垣労働基準監督署長に提出されておりまして、制度上は法令上必要な要件を充足していると聞いておりますが、保全の方法として採用しておりました預金保全委員会は有効に機能していなかったようであります。現在、同社の債権債務関係は保全管理人の管理下に置かれており、関係者によってその事実関係の確認が行われている段階でありまして、保全措置の状況につきましては明確になっておりません。いずれにいたしましても、社内預金制度は、その指導監督が国の労働基準監督機関の所管になっておりますので、県といたしましても、岐阜労働基準局に対し適切な指導監督を要請しているところであります。今後とも岐阜労働基準局と密接な連携を図ってまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 農政部長 竹山清之助君。

   〔農政部長 竹山清之助君登壇〕



◎農政部長(竹山清之助君) まず、米の輸入自由化についてお答えをいたします。

 御質問第一点のガット・ウルグアイ・ラウンドにおける米の自由化交渉の行方についてであります。

 この農業交渉は、本年二月に再開されまして事務レベルで協議が進められてきましたが、六月二十四日にドンケル・ガット事務局長から交渉の選択項目を示した、いわゆるオプションペーパーが関係国に提示をされました。この中には、我が国が主張している食糧安全保障の項目も含まれており、今後はこのペーパーを踏まえて論議が行われる見通しであります。

 御質問第二点の米の輸入自由化に対する考え方についてでありますが、議員御指摘のとおり、たとえ一部の自由化であっても、稲作農家はもちろんのこと地域経済にも重大な影響を及ぼすことが懸念されます。したがいまして、県といたしましては、さきに全国知事会等が行った米の市場開放阻止に関する緊急要望と歩調を合わせ国に対して要望してまいります。

 御質問第三点の米の生産構造の改善に対する考え方についてでありますが、米を初めとする土地利用型農業の生産コストの低減は本県農業の緊急の課題でありまして、大区画圃場整備などの農業生産基盤の整備を進めるとともに、農地の貸し借り、農作業の受委託等農地の利用集積を強力に推進し、二十一世紀農業ビジョンに掲げておりますスケールメリットを生かした生産性の高い企業マインド農家あるいは生産組織の育成に努めてまいります。

 次に、五・四凍霜害対策についてお答えをいたします。

 今回の凍霜害は、中山間地域の重要な所得源であります茶、養蚕を中心に近年にない大きな被害の発生を見ました。これに対し、県におきましては、御承知のように、茶、桑の樹勢回復等の緊急対策を講じ、被災農家の再生産の支援をいたしたところであります。しかしながら、こうした災害は、未然の防止対策が重要であることは議員御指摘のとおりであります。県といたしましては、防霜施設の整備を計画的に進めてまいりましたが、今回の凍霜害において実証されましたように防霜施設の効果は大きいものがあり、早期に設置面積を拡大することが必要であります。したがいまして、凍霜害の未然防止対策として、さらに防霜施設の整備促進を図るよう検討してまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 林政部長 伊藤邦昭君。

   〔林政部長 伊藤邦昭君登壇〕



◎林政部長(伊藤邦昭君) 治山事業の推進についてお答えいたします。

 第一点目の治山対策の基本的方向につきましては、平成三年度から平成十二年度まで十カ年の林政の基本的方向を定めた岐阜県森林・林業・林産業・山村基本計画に掲げてありますように、一、県土の安全性の向上、二、水源涵養機能の拡充強化、三、森林による良好な生活環境の保全形成を基本理念として、森林の有する公益的機能の高度発揮を目指して各種治山事業を推進してまいりたいと思います。

 二点目の本年度で終期を迎える第七次治山事業五箇年計画の本県における進捗状況でありますが、全体計画事業費四百五十三億円に対して、本年度末の実績見込みは四百八十一億円となっております。進捗率で一〇六%となり、国全体の進捗率一〇四%を二ポイント上回る見通しであります。

 第三点目の平成四年度以降の治山事業につきましては、昨年十一月に国において治山問題検討会が設置され、本年五月に、一、山地災害危険地区対策の拡充、二、水源地域の森林整備の拡充、三、生活環境等の保全、創出、四、森林の総合利用対象地の創出を骨子とする報告が出され、この報告をもとに第八次の五箇年計画の検討、策定が現在進められていると聞いております。県といたしましては、治山事業の重要性にかんがみ、国に対し第八次治山事業五箇年計画において積極的な投資規模が確保されるよう強く働きかけてまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 土木部長 山岸俊之君。

   〔土木部長 山岸俊之君登壇〕



◎土木部長(山岸俊之君) 新高速三道の整備状況、調査の進捗状況につきましてお答えいたします。

 まず、東海北陸自動車道でございますが、既に全線の整備計画が決定しておりまして、現在、川島町、美並村地内において本格的に工事が実施されております。その他の区間につきましても用地買収を進めますとともに、調査、設計協議等が実施されております。

 次に、東海環状自動車道でございますが、元年度事業着手されました関市土岐市間につきましては本格的に用地買収に入りまして、これに必要な設計協議等が進められております。また、いわゆる西回りルートにつきましては、西濃、岐阜両地域の将来にとりまして重要な影響を及ぼすことを踏まえまして、本自動車道の地域活用調査等を実施いたしまして、ルートの調査、計画の推進に努力しているところでございます。

 また、中部縦貫自動車道につきましては、平成元年十月に安房トンネルの本坑に着手されるとともに、既に一部供用を開始しました油坂峠道路につきましても整備が進められ、さらに高山市周辺につきましても本道路の都市計画決定手続が進められております。県といたしましては、事業促進には用地買収の推進が第一と考えておりまして、東海北陸自動車道事務所の拡充強化とともに、事務所を八幡町へ移転したところでございます。また、東海環状自動車道事務所を新たに美濃加茂市に設置いたしまして組織体制の強化を図るとともに、各自動車道のアクセス道路につきましてもそれぞれ整備に努力しているところでございます。

 次に、二十一世紀に向けての河川づくりに関連しまして、第八次治水事業五箇年計画についてお答えいたします。

 国及び県では、七次にわたる治水事業五箇年計画に基づきまして治水事業を推進してまいったところでございます。しかし、議員御指摘のとおり十分とは言えない状況でございまして、全国の治水事業の整備状況は、平成元年度末で、大河川六〇%、中小河川三一%という状況でございます。このため、建設省では、平成四年度を初年度とする第八次治水事業五箇年計画の策定に鋭意取り組んでいると聞いております。その基本的な方向は、安全で活力のある社会を支える根幹的治水事業の推進、それから、快適な生活、美しい地域づくりを支える治水事業の推進でございます。一方、本県におきましては、平成二年度末で中小河川の整備率は二五・七%という低い状況でございます。平成元年の九・七豪雨、台風二十二号、昨年九月の台風十九号等、年平均に直しますと千八百カ所、九十億円余りの災害を毎年こうむっておる状況でございます。このため、県といたしましては、第八次治水事業五箇年計画の治水投資規模の大幅な拡大に努力してまいりたいと思っております。

 次に、夜間でも見やすい交通環境づくりについてでございます。

 交通安全施設の整備につきましては、道路管理者として、道路照明や視線誘導施設の充実とか夜間の降雨等にすぐれた反射性を発揮する区画線などを導入しておりますが、かねてからその整備に努めておるところでございます。今後ともこれらの整備を一層進めていきますとともに、事故多発地点には発光式の標識を導入するなどしまして、夜間における交通環境の整備を進めてまいります。



○議長(浅野庄一君) 教育長 篠田幸雄君。

   〔教育長 篠田幸雄君登壇〕



◎教育長(篠田幸雄君) 生徒の個性を伸ばす高校教育についてお答えいたします。

 現在、高校への進学率は九五%にも達し、入学してくる生徒は非常に多様化してきております。これら多様な生徒の個性を伸ばすためにも、高等学校教育を多様化、弾力化することが何よりも肝要であると考えております。県教育委員会といたしましても、かねてから普通科高校におけるコースの設置やコンピューターの整備を一層進めるとともに、職業高校についても、本年度、例えば県立岐阜商業高校の国際コミュニケーション科、可児工業高校の環境システムコースを初め、九校に学科やコースを新設するなどその充実を図ってまいったところであります。

 また、学力検査に偏ることなく、生徒の多様な個性を多面的に評価するため、現在、昭和六十三年度に導入した推薦入学制度を見直し、その分野、推薦人員枠の拡大を検討しております。さらに、高校教育の個性化、多様化を進めるための新しい試みとして、単位制高校の開設に向けて調査研究を進めております。今後とも、中教審答申や新学習指導要領の趣旨を踏まえ、高校教育の多様化、個性化のための施策をより一層進め、生徒の個性を伸ばす高校教育の充実に努力してまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 警察本部長 林 則清君。

   〔警察本部長 林 則清君登壇〕



◎警察本部長(林則清君) まず、暴力団対策に関する御質問についてお答えいたします。

 御質問の第一点は暴力団による被害の実態についてでございますが、暴力団の不当な資金獲得活動は近年非常に多様化、巧妙化いたしておりまして、想像以上に一般市民、県民の日常生活や経済取引の場へ介入しておるというのが現状でございます。昨年、県警では県民各層からこの種被害の相談を四百件近く受理いたしておりますが、これは十年前に比べますと約二・四倍の増加ということでございます。相談内容等から見ますと、一番多いのが交通事故等の示談に介入するというものでございまして、全体の約四〇%を占めております。次に、金銭貸借でありますとか、あるいは債権等の取り立て、あるいは売買代金等に絡むというものが約三〇%、その他では、不動産問題、手形、あるいは企業倒産等に絡むものが多いというのが実態でございます。また、広範囲にわたって被害が潜在化していると思われますものに風俗営業者等のみかじめ料被害がございます。今年、大垣市内の風俗営業店等を対象とした暴力団のみかじめ料の取り立てのアンケート調査を行いましたところ、暴力団から何らかの形で金銭を要求されたことがあるという店は約八〇%を占め、そのうち約七七%の店が要求どおりの金銭の支払いに応じたというふうに回答されております。ただいま申し上げました数字は警察に寄せられました相談でありますとか、あるいは事件検挙、あるいはアンケート調査の結果によって把握した数字でございますが、これはまさに氷山の一角であるというふうに認識しておりまして、表へ出ないところでの県民の被害の実態というものは非常に深刻な状況にあるものというふうに受けとめております。

 次に、御質問の第二点目についてお答えいたします。

 このたび成立いたしました新法では、一定の手続を経て指定をいたしました暴力団、その暴力団に所属する暴力団員の行う特定行為、例えば交通事故の示談への介入でありますとか債権取り立て、みかじめ料要求行為といったような特定の不当な金品要求行為等を法的に規制をするとともに、少年に対する当該暴力団への加入勧誘の禁止、暴力団同士の対立抗争の際における組事務所の使用制限といったようなことが新たに規定されております。さらにまた、暴力団員による不当行為の防止及び被害の救済というようなことを目的といたしまして、各都道府県ごとに暴力団追放運動推進センターといったようなものを指定し、暴力団排除の中核的活動を推進するということになっております。本法の成立により、従来犯罪として取り上げることのできなかった暴力団の被害でありますとか脅威から県民を守るための、いわば新しい武器が与えられたわけであります。県警といたしましては、本法の成立を機に、従来からの取り締まりはもとより、本法を積極的に活用し、総力を挙げて暴力団取り締まりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。また、新法をより実効あらしめるためには、県民総ぐるみの暴力排除活動を強化し、暴力団の具体的な被害や脅威に対して県民が直ちに必要な通報や相談ができる土壌と仕組みをさらに整備、強化することが不可欠でございますので、今後とも、行政機関あるいは民間諸団体と連携、協力をいたしまして、総合的な暴力団対策を推進してまいる所存でございます。

 次に、交通事故防止対策についてでありますが、御質問第一点目であります夜間でも見やすい交通環境づくりについてお答えいたします。

 夜間の交通事故を防止するため、夜間でも見えやすい交通安全施設の整備というものに配意をいたしておるところでありますが、その一つといたしまして、本年、センターラインがよく見えるよう高輝度路面標示を設置いたしましたところ、交通事故が減少するといった顕著な効果が出ておりますので、今後も事故多発路線を重点にこれを設置するほか、灯火式の大型標識を整備するなど、夜間でも見やすい交通環境づくりを鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、第二点目の御質問であります暴走させない運転マナーの確立についてお答えいたします。

 夜間には、著しい速度違反や若者の暴走運転に起因して発生する交通事故が、先ほどもありましたように大変目立っておりますので、夜間取り締まりの強化が今一層必要であるというふうに考えております。しかし、夜間取り締まりを継続的に実施するには、議員の御指摘にもありましたように、警察官の動員量といったものにもおのずから限界がありますので、今後の夜間取り締まりは、従来の人海戦術的な取り締まりから科学的資器材を活用した取り締まりにその重点を移行すべく、速度違反自動取り締まり装置等の資器材を順次整備してまいりたいというふうに考えております。

 第三点目の御質問であります交通安全夜光運動の推進についてでありますが、本運動は、夜間の交通事故防止に非常に効果があるというふうに考えられますので、県、市町村と連携をしながら、警察といたしましても、警察官の夜間の街頭活動において、実際の歩行者あるいは自転車運転者の方々に対し個々に徹底を図るなど、この運動を強力に推進してまいりたいというふうに考えております。



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○議長(浅野庄一君) しばらく休憩いたします。



△午後零時二十三分休憩



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△午後一時二十六分再開



○副議長(笠原潤一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(笠原潤一君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(笠原潤一君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(笠原潤一君) 引き続き一般質問並びに議案の質疑を行います。二十三番 山田 桂君。

   〔二十三番 山田 桂君登壇〕(拍手)



◆二十三番(山田桂君) 社会党議員団を代表いたしまして、日東あられ問題を初め四つの項目についてお尋ねをしたいと思います。

 まず、日東あられ倒産事件について、知事と商工労働部長に伺いたいと思います。

 この事件の特徴は、一、米菓業界全国第二位、県内の最優良企業の名をほしいままにしてまいりました会社の突如とした会社更生法申請でありましたこと、二、負債五百億円以上の倒産事件がかつてありませんでした本県で、負債六百億、従業員千五百人、会社決算報告書によりますと、売上高三百九十六億円、県民総生産が約四兆円でありますので、その一%を占め、そして揖斐郡内の製造品出荷額の二二%を占めるという大きな倒産事件でありましたこと、したがって影響が極めて大きいこと、三つには、超優良企業、実は長期巨額の粉飾決算によって世間を欺いたものであったことなど、事件が引き起こした社会不安は言いようもなく大きく激しいものでございました。今日、県民や関係者の関心は、会社更生法適用の可否、操業維持の可能性、雇用の確保、賃金など労務債権を初めとして各種債権の保全など、その立場による直接利害にとどまらず、広く社会経済全般の関心を高めているのであります。県は、いち早く翌五月二十四日、知事を座長とする日東あられ対策連絡協議会を庁内に設置して情報収集に当たるとともに、政府、関係省庁や保全管理人に対して、関連倒産防止策、操業の維持、離職者対策、労務債権の保全などを申し入れ、加えて金融機関や主要債権者にも協力の申し入れをされた由報告を受けました。私ども日本社会党岐阜県本部でも対策特別委員会を設置し、国会調査団の派遣要請をしてまいりましたが、その願いは、操業の維持や再建、混乱の回避について党としても全力を挙げたいとするものでございました。

 さて、再建、操業の維持を初めとする具体的な課題を私どもが判断する場合、必須のことは、実態を明らかにしそれに対応する道を見出すことでございますが、今日、地方裁判所や保全管理人は、経営や財産の実数について調査中であり、実態が明らかになるのは七月以降に持ち越されると伝えられております。そこで、私は、大蔵省を初め政府関係の機関を経て入手をいたしました資料や若干の関係者提供の資料に加えまして、報道なども含めながら、実像を描きながら県当局の判断や方針についてお尋ねをしたいと思います。

 まず、粉飾決算と会社更生法適用の展望についてでございます。

 一、巨額の粉飾決算は、十年近い以前からなされていたと伝えられております。商法や同法特例法、あるいは証券取引法、公認会計士法など一連の規制法がございますが、その定めにもかかわらず驚くべき粉飾の内容が明るみに出ました。まず売上高。一九九〇年三月期、有価証券報告書の売上高報告額は三百六十六億円でありますが、一九九一年六月十七日、会社更生法適用申請後、大口債権者を集めて会社が配付をいたしました資料では百九十二億円でしかございません。何と倍額近い売り上げの粉飾がなされております。次に、在庫でございますが、商品、製品、原材料、仕掛品、貯蔵品など、いわゆる在庫量は同じく、先ほど挙げた日にちと同じ日取りで九十九億九千五百八十五万円とありましたものが、わずかに二十八億八千五百八十八万円に激減をするのであります。これまた粉飾科目であり、実態は二八%しかなかったという数字であります。次に、有価証券保有高でございますが、同じく百三十八億三百三十五万円がたった八億百七十六万円でしかありませんでした。百三十億円が消えているわけであります。これまた巨大な粉飾科目であります。結果、税引き前の当期純利益は十億六百四十二万円と表示されておりましたのが、実は赤字三百四十二億円と訂正をされております。おかしなことには、利益の粉飾計上の結果、納税額が法人税、住民税などで九〇年三月期、六億三千八百十四万円納税されているわけでございますが、これまた先ほど申し上げたように、当然にゼロでなければなりません。そして、この納税額を過去五年間拾ってみますと、約二十億円に達する仮装納税になっているわけであります。このような粉飾決算はほかに類例を見ない大胆な内容であるとともに、株式会社の社会的責任を無視した犯罪と言わなければなりません。これらの虚偽報告は、やがて法によって民事上も刑事上も追及されることになるでありましょうが、ここでは粉飾の実態を明らかにするにとどめるものであります。

 さて、六月二十七日、我が社会党国会調査団の団長 大木正吾衆議院議員の質問に答えまして、会社側は、岡崎社長を初め資金運用担当の常務や経理部長など役員各氏が、これら巨額、長期の粉飾決算について、全員が全く知りませんでした、関与しておりませんでしたと口をそろえました。私どもはこの応答の中に、企業経営者としての気概や責任感を見出すことができませんでした。おそらく法的追及をおもんぱかって関与を否認されたものとみなさざるを得ませんが、そこに私どもは粉飾決算という違法行為をあえて犯したことと同質の体質を指摘せざるを得ないのであります。なお、私どもの調査では、既に四、五年前から、会社の中、従業員の間でどうもおかしいといううわさ話が流れており、会社は危ないのではないかというささやきがあったと証言を聞きました。事実は決して優良会社ではなくて、破綻の日があり得ることを既に心配をしていたという声を聞いたのであります。また、私のところへ資料を提供されましたある債権者のその社内での討議でございますが、日東あられが危険であり、取引の縮小または撤収、手形決裁期間の短縮など何らかの危険回避が必要であるということを討議した社内経営会議の資料を私に見せていただきました。従業員や取引会社でさえも薄々危険信号を感じているのに、社長や経理部長が何一つ知らず、青天のへきれきと申し立てることは許されないことでないでしょうか。

 次に重要なことは、会社更生法を適用という新しい条件のもとに新しい経営者を迎えての再建の展望を持つという大筋のテーマについてであります。その場合、債務の実態を明らかにすることが何よりも必要であろうと考えます。会社債務の中心は、六月十七日提出の貸借対照表によりますと、流動負債中、短期借入金が三百二十九億二千三百万円、支払手形が四十四億六千七百万円、固定負債中、長期借入金百十億五千六百万円、社債三十一億二千六百万円など、負債合計五百七十億六千百万円であります。これを債権者別に分類をいたしますと、金融機関の債権が四百二十九億六千八百万円、一般債権は、私の手元に提供されました三千万円以上の大口債権者分だけでも九十億円に達しており、小口債権を含めますと百億を超えることになりますことから、前述負債合計五百七十億円に大体符合してくると思います。会社の説明によります資産総額が約二百七十五億円でありますので、金融債権だけでこの資産を上回ってしまうことになるわけですね。金融債権だけで四百二十八億あるというわけですから。この場合、固定資産の中の土地につきましては、おそらく簿価によっている可能性がありますので、再評価の含みが若干あろうと思われます。しかし、金融債権だけで資産を完全に上回ってしまうという損益勘定になっているわけですので、会社更生法適用の実態を考えてみますと、債権者の同意取りつけが前提でございますので、もしもそのほとんどが根抵当権を設定し安全率を留保しての貸し付けである金融債権の優位性が主張されていきますならば、一般債権の保全率あるいは配分率は完全にゼロになると言わなければなりません。会社更生法適用の場合も、抵当権のある金融債権は元本を保証され、一般債権は残り財産の配分が原則でございます。しかし、それでは金融債権と一般債権との間に余りにも大きな格差が生じ、社会公正の原理に反すると言わなければなりません。かつ一般債権者の同意の可能性が大変おぼつかなくなると言うべきでありましょう。

 このように、再建や更生法適用のもくろみに当たりまして、融資銀行団の協力が何よりも先決となってくるわけであります。先日の我が党国会調査団のヒアリングに参加をされました金融機関の大垣共立銀行、十六銀行、東海銀行、第一勧業銀行などの代表者は、次のように述べています。「いや、私どもの金融債権の中にも完全に保全されていないものがあります。実は担保なしで金融がされている額が相当数あるわけでして、これも私どもにとりまして大変な驚きです。一般の顧客に対して銀行がすることではありませんから。それから、各行がおのおの別々に対応しており、銀行間の協議は一切やっていない」という答弁であります。しかし、それでは困るわけでありまして、今後の展望のポイントであろうと思うのであります。なお、付言をいたしますと、大垣共立銀行や十六銀行など中核銀行は役員を日東へ派遣しておりまして、今回の事件に十分な責任をお持ちであろうと考えるのであります。ある銀行派遣役員は、資金運用担当重役として有価証券報告書に報告をされている方でもあるわけであります。

 次に、会社の決算書を見ますと、一九九〇年三月期に第三者割当の増資が十億円なされております。同じく一九九〇年九月、スイスフラン建ての社債が発行されておりまして、第一勧銀がこれを受託してスイスの機関投資家がこれを購入いたしました。昨年の九月、会社がどんな実態にあったかは、今回の粉飾決算の暴露によって明らかでありますから、まさにぬれ手にアワ、詐欺行為に近いと言わざるを得ないのであります。国際的な信用失墜につながる悪質な行為と指弾されるべきであろうと思います。

 次に、一体どうしてこんな巨大な欠損が累積したのか。一つには、御多分に漏れず株の売買というバブルの破綻があろうと思います。いま一つは、売り上げ二百億円以下の米菓業、粗利益二十億円程度の会社が新工場を一挙に三つも建てたりというような向こう見ずな資本投下の圧迫が、あるいは役員貸付金が常時二十億円にも及ぶというような公私混同や放漫などが積み重なって生じていると言うべきであります。加えて、今日では赤字経営に迫られまして設備近代化を怠るなど、係数は省略いたしますが放漫経営が重なり、それを隠すための粉飾決算を重ねてきた、その経過であります。今、本業さえも不振の状況の中で、従業員や関係者の動揺が大きく、一日も早く再建方針の確立を望む声が大きいのであります。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 県は、操業継続、すなわち会社更生法適用の方向で保全管理人や、先ほどの知事の発言によりますと裁判所に対するお願いもしたとありました。あるいは、政府、各省庁、金融機関、大口債権者などに協力を要請したと報道されておりますが、その場合、私が先ほど申し上げました金融債権と一般債権の格差が大きく、金融機関の再建のための協力が、関係者の同意を前提とするこの会社更生法適用の場合にまず先決でなかろうかと思うのであります。かぎは融資銀行団の協調にあります。知事の操業継続への基本方針、その前提としての金融機関への協力要請について、決意を伺いたいと思います。

 次に、商工労働部長に伺います。

 一、関連倒産防止策が各種金融によって用意をされております。その金利は、国の場合、国民金融公庫が七・七%、中小企業金融公庫が同じく七・七、県の制度も保証料込みで六・七七%であります。高金利時代でございますので、制度金融としてはこんなものだという判断があると思うんですけれども、私どもの考える制度金融としては決して安くない金利でなかろうかと思うのであります。検討はできないものかお伺いしたいと思います。

 二つ目、労務債権の保全につきましては、賃金を初め退職金など優先債権として取り扱われることになっております。しかし、事態が長期化する中、既に六月分賃金の七五%支払いなど問題が発生をしております。今後レイオフなどの事態もあり得るわけでございまして、休業補償を含めた労務債権の保全に今後の段階でも慎重に対処していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 三つ目、退職金は、生保会社を保険者とする適格年金制度に加入をしていらっしゃいます。しかし、もし現在全員が退職をされる場合、その必要原資は十七億円と伺いました。全員解雇の場合には二十二億円と伺いました。現在、この加入年金の資金運用財産は六億六千万円でしかございません。任意退職の場合の十七億円に比べましても配分率は十七分の六・六イコール三八%の原資しかありません。この場合、支払い義務は一体どうなるのか、この点についてもお聞きしたいと思います。

 四つ目、社内預金について。同社の社内預金は、五月二十三日現在六億七千万円と伝えられておりまして、従業員の汗の結晶であります。ところが、貸借対照表によりますと、九〇年三月三十一日、六億四千万円と報告されております。有価証券報告書の報告ですね。それから、先ほど申し上げた六月に入ってからの貸借対照表では五億七十一万円と報告をされております。資料によって金額が全くばらばらでございまして、私どもにもその金額の特定ができません。一体、神聖な社内預金額は幾らなのか調査をされましたでしょうか。加えまして、これらはすべて会社の運用資金に使用され全く保全されておりません。現在の法的取り扱いは一般債権にすぎないと言われております。極端に言えば、これは全額帳消しの危険さえもあります。これは何としても保全をしなければなりません。賃金の支払の確保などに関する法律、昭和五十一年施行によりますと、その保全のために金融機関の保証あるいは信託、質権設定などの方法が定められ、ただ、その方法の一つとして労使対等の保全委員会方式が許されております。この会社では、労働基準局に対してこの方式を届け出ておりますが、保全委員会は開催されたことがなく、すべては会社の任意の運用がなされて運転資金となっておりました。

 そこで、一つには、社内預金保全のため緊急に賃金の支払の確保などに関する法律第四条に定める貯蓄金保全に係る労働基準局長の保全命令が必要であろうと考えます。保全命令を要請するなど、県として必要な策を講ずる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。二、今日、社内預金は全国で四万の事業所で実施をされ、その預金残高は三兆二千億円に及ぶと言われております。県内にも七百六十四事業所がこれを行っており、預金者数は二万八千七百九十四人で、総預金高が二百一億千九百万円あります。うち、前に述べました保全方式のうち信託や金融機関保証など第三者保証をとっているものは百二十二事業所だけであります。他の六百四十二事業所はすべて社内保全委員会によりましてやっておりまして、金融制度としては根本的な検討が必要だと考えるのでありますが、現実は現実ですね。ですから、これは制度的にも、例えば商工労働部では労働行政の指導が随分行われているわけでありますので、そういう行政の指導の中でも問題にしていかなければいかぬのではないでしょうか。もともとこの賃確法というのは、昭和四十年に発生をいたしました山陽特殊鋼倒産事件など、企業倒産の教訓から、社内預金を守るための立法として行われたものでありますが、今日実態はかくのごとしであります。県下の該当事業所に対する県の指導をどうするか、所見を伺いたいと思います。

 次に、知事に伺います。

 日東あられ株式会社が岐阜県へ寄附した実績が相当大きいのであります。拾ってみますと、ぎふ中部未来博のふるさと日本一広場五千五百万円、メモリアルセンターのモニュメント 勝利の門に五千万円、計一億五百万円が大きな二つであります。その他細かいのがいろいろあると思いますか、ここからは省略をいたします。これらの寄附は、県政への協賛としてなされた施設寄附でございますが、そして、当時、他の多くの寄附行為と並びまして企業の善意として評価をされたものであったと思います。しかし、今日、いずれにせよ多くの犠牲を強いる事態となりました。こんな事態の中で県の道義的責任をどう表明するかが問われることになると思うんです。知事の所見を伺いたいと思います。日東あられ関係は以上です。

 二つ目は、米について、農政部長に伺いたいと思います。

 一、自由化について。今日、日本政府は、あるいは与党自民党は、既にその部分自由化やむなしの腹と読まざるを得ません。それは、既に国内世論調整は終わったという発言に象徴をされております。政策は変わらず米の市場開放は日本の農業を破壊し、国民の食糧についての安全保障を欠くとしてラッパを吹いておりますのは一人農林水産省だけという私どもの印象であります。ロンドン・サミットやウルグアイ・ラウンド、いつ日本政府が本音を吐くか、Xデーは近づいていると言わなければなりません。大変残念なことであります。報道によりますと、海部首相の考え方は、ミニマム・アクセス、つまり部分開放、最初は五%から一〇%へ、やがて三〇%程度までの輸入枠によって、アメリカの攻撃をかわすというもののようであります。昨日は全国の農協全中の五万人集会が東京で開かれ、この情勢に危機を訴えられております。そこで、私ども岐阜県政の立場からも、差し迫った課題として米を考えなければならないと考えます。私は次のように考えます。

 食糧、特に基幹食糧である穀物の自給は、国家、民族の生存を規律する固有の権利であり責任であります。今日、日本の穀物自給率は三〇%であります。それは、昭和三十五年八五%でありましたことと比べ、今日の市場開放度がいかに大きいかわかるのであります。これは世界先進国に例を見ない大胆な食糧政策の放棄であると言わなければなりません。そしてその自給率は、カロリーベースに直しまして四八%であります。食糧の半分が供給できていないのが現在の日本であります。日本は今世界一の食糧市場開放度にあるわけであります。日米貿易摩擦があります。アメリカは、対日本、年間五百億ドルの赤字貿易であります。自動車や電機を中心に日本の工業製品が怒濤のようにアメリカに上陸しています。これに見返っているのはアメリカの食糧であり、穀物自給率三〇%、逆に言いますと輸入率が七〇%でありますから、七〇%が開放され、そしてその中心はアメリカから入っているわけであります。それでもなおスパークする貿易矛盾には、私は、率直に言って、工業製品を含む貿易全体のバランスを日本国が考える必要があると言わざるを得ません。米市場だけを論ずるベースは正しくないと思います。三〇%の部分自由化、ミニマム・アクセスは既にアメリカの先制攻撃にさらされています。アメリカの要求は全面開放、完全化であります。日本の米の自給率が三〇%今開放されたといたしますと、穀物自給率は二〇%に下がるんですよね。日本は必要な穀物の二〇%しか生産できない国に下がってしまうわけであります。今、減反が、生産調整が行われておりまして、一千万トンの生産に抑えられています。千三百万トンの生産能力が一千万トンに抑えられております。これを三百万トンさらに減らす、結局減反率は全体として五〇%近いものになるわけであります。まさに日本の米づくりの崩壊を意味すると思います。決して自由化や部分開放を譲ってはなりません。改めて米を守る決意を農政部長に伺いたいのであります。

 二番目、日本の米の課題は、その生産性の向上でなければなりません。そのための技術論は多いのですが、大別して単収の増加と生産費の合理化であります。私は、重ねてこの二つの課題についてこの本会議でも強調をしてまいりました。本日は絞って二つのテーマについてお尋ねをしたいと思います。

 その一は、増収のための生育ステージの変更、つまり、早植えの普及についてであります。

 岐阜県の平たん部での六月中旬田植えは、いわゆる悪天候型であります。梅雨だとか台風だとか秋雨前線型であります。特に日射カロリーを必要とする出穂前後五十日間のカロリー確保のためには、八月一日から十日までの出穂が必要であり、田植えが四月下旬から五月初旬に変わらなければなりません。この単純明快な理論は、既に昭和三十年代から日本の米づくりの基礎理論でありました。当時の農林省がそれを指導をいたしました。日本の単収は今五百キログラムから六百キログラムでありますが、岐阜県のそれは四百三十キログラムでしかありません。全国最低水準にありますことから脱却するために、この早植えステージの普及が先決であります。

 さて、繰り返したその議論の実績はどうでしょうか。一つには、平たん部全体の普及率の年次別水準について申し上げますと、昭和六十二年四・六%、六十三年八・三%、平成元年一三・八%、平成二年一六・八%、同三年一八・五%であります。当初順調に伸びておりましたものが、ここ一、二年若干鈍化していると言えると思います。二つには、市町村、市郡別に格差が大きく、今日早植え率が高いところは、一位の不破郡五一・八%、過半数に及びました。揖斐郡の四六・三%、岐阜市の三四・一%、武儀郡の二九・六%、山県郡の二一・九%、海津郡の二〇・四%などが高いところにあります。低いところは、羽島市の〇%、羽島郡の〇%、各務原市の〇・二%、美濃市の五・六%などが著しい例であります。そしてこの部分が全体の普及率向上を押し下げているのであります。この差は、地理や風土的条件によるのではなく、専ら行政や農協の姿勢や思想の差によっていると申し上げます。県は、たしか早植え推進協議会を今年つくると当初予算説明でお聞きをしたと思っております。鋭意努力をしようとする意味でも計画をされていると思いますが、取り組みの現状についてお聞きをしたいと思います。

 その二、いわゆる米づくりの中で話題になります技術論としての日間温度較差論について伺いたいと思います。

 岐阜県の米づくりの特徴、単収が少ないことにつきまして、農業技術者がひとしく口をそろえて言われるのがこの日間温度較差論であります。つまり、濃尾平野の夏の気候は高温で、特に夜間も熱帯夜である、最低温度二十五度Cを下回らない夜が多い、動物に限らず植物、稲でも寝苦しさがあり、夜間の代謝量が多くて、せっかく昼間高温日射カロリーによりまして合成をしたでん粉質を夜間消耗をしなければならない、これに比べて北陸地方などは昼は暑く夜涼しく、光合成と代謝のバランスがよく、収量が多くなる、こういう理論であります。岐阜県の単収が低いことは一つの宿命であるという言い方につながると思います。いかにももっともらしい響きがございますが、県の農業技術者はすべてこの理論に立って来ております。ずばり私はこの理論に長らく疑問を持ってまいりました。そしてこの疑問に答えてくれたのは、たった一人、元岐阜県農総研の野原さんという部長さんだけでした。稲の生育を支配するのは日照であり日射カロリーであって、光合成をいかに多く確保するかが問題である、前述の日間温度較差論や夜間代謝量の問題は科学的根拠を持っていない、または、持っていたとしても微々たる要素にすぎないという考え方を持っておられました。

 さて、この論争を帰結するため、論証を申し上げたいと思います。

 ちょっと高いお金を出して仕入れてまいったんですが、(資料を示す)このペラペラの本が一冊千円しまして、これを何十冊買いますとウン万円ということになりましてね。さて、この岐阜地方気象台及び富山地方気象台あるいは同じく気象協会などが発行をしております気象月報という月刊誌がございます。これによりまして温度を照合してみたいと思います。八月について、その最高温度、最低温度の較差について見てみたいと思いますが、これは日計でございますので、これを省略いたしまして、月刊平均値で申し上げてみたいと思います。岐阜市の場合は、まず最高温度が平均三十三・五度Cであり、富山市の場合は三十・五度Cであります。昨年は大変猛暑でございましたので、岐阜市の温度も非常に高く出ております。しかし、昼間の温度が高いことはプラスの条件でありますので、そんなに問題ではありません。肝心なのは夜間の最低温度であります。つまり、夜間温度が高くて寝苦しくて、夜間代謝量が多くてでん粉質を消耗してしまう、だから収量が蓄積できない、この理論ですね。岐阜市の場合、最低温度は平均二十四・七度Cでありました。富山市の場合でそれが二十三・三度C、その較差は一・四度Cであります。夜間の温度は一度しか違わないんですね。ほとんど差がないことが実証できるのであります。あるいは日間の温度較差はともに七度ないし八度でございまして、特に差異がございません。なお、気象統計上もう一つの特徴を拾わなければなりませんが、日照時間でありますね。これは古くから伝わっているんですが、岐阜県は全国最大の日照時間の県でございます。以上申し上げたように、岐阜県の風土は米づくりの条件でむしろすぐれているとはいえ劣っていないことがわかるわけであります。このテーマにつきまして私が農政部に検討を依頼してから十分な時間が経過がいたしました。基本的な問題点として、部長からその結果を伺いたいと思います。

 次に、人口問題について、企画部長や衛生環境部長、教育長などに聞きたいと思います。

 ここで申し上げる人口問題というのは出生率のことであります。今日日本は高齢化社会を迎え、それは、長寿社会に入り平均寿命が世界一となったことや、出生率が低下をして、労働力人口、つまり十五歳から六十五歳の人口と老齢人口比が三対一以上になることによりまして、年金や医療、福祉の負担額が重圧となることなどが指摘をされております。例えば厚生年金保険料は、二〇二〇年には現行の二倍、月収の三一・五%になると政府機関が発表しています。同じく二〇一〇年には、国民年金は一人月額現行九千円が一万六千円になると政府試算であります。一九九〇年、日本の国勢調査人口は、十四歳以下の年少人口が一八・六%、十五歳から六十五歳までの労働力人口が六九・四%、六十五歳以上の高齢人口が一一・九%でありましたが、これはおのおの、二〇二五年には一六・四%、六〇・二%、二三・四%、つまり一九九〇年の国勢調査に比べまして年少人口は二%減ります。労働力人口が同じく九・数%減ります。高齢人口は一一・五%程度ふえてまいります。

 あるいは日本における人口千人当たりの出生率が戦前から昭和二十四年まで三十人台でございました。昭和二十九年までは二十人台でございました。それが昭和三十年以降の下降線が、今日平成元年には十・二人になりました。人口千人に対して子供は十人しか生まれません。そしてそれは大正九年三十六・二人生まれていた実績に対しまして四分の一に出生が減りました。これは世界で最低であります。アメリカは十五・四、ソ連は二十・〇、カナダが十四・八、フランスが十四・一人でありますので、それに比べますと日本の十・二というのはいかにも危険な数字であることがわかるのであります。今日の社会風潮は明らかな寡産時代、晩婚時代となりました。女性一人が生涯に生む出生数、つまり合計特殊出生率は、午前中も出ましたが今日一・五三人であります。夫婦二人で生涯に一・五人しか産めない、これが今日の実態であります。人口を平準化させ人口を維持するための特殊出生率は二・一人だと言われております。二・一に対して一・五三ですから、いかにこれが問題かわかると思います。

 一方、現代流の価値観は、物質的な配分率が子供の数が少ないほどに多くなる、健全で幸せな子供の未来のためにも一人の方がいい、あるいは産みたくても共稼ぎの条件や育児の手間、居住環境などの制約が多くて、せいぜい一人っ子が限度であるなどさまざまな考え方や背景につながっております。こうして特殊出生率一・五三はさらに低下を続けるでありましょう。まさにゆゆしき時代であります。これは、国家、民族の活力、生産力や経済の基盤の本質に迫る課題と言うべきであります。科学技術の進歩やあるいは長寿に伴いまして労働力年代が長期化するなど若干のプラス効果を算入するといたしましても、なお二十一世紀の日本にとって人口問題は最大の弱点になることが明らかであります。一国の繁栄の限度は一世紀、つまり百年だと言われております。日本もまた二十一世紀の初頭活力を失い、世紀の半ばにして衰退をするのでありましょうか。政府もこのことに対しまして検討を始められたと報ぜられておりますが、これは、単に国家計画的な課題にとどまらず、地方、あるいは私ども国民一人ひとり、あるいは家庭の哲学の問題としてもとらえなければならない問題だと考えるのであります。教育や社会制度の問題としてもお尋ねをしたいと思うのであります。

 そこで、質問の一、まず企画部長に。

 国家計画であれ、地方計画であれ、計画要因の根底には人口の問題があります。過日、総理大臣の諮問機関、経済審議会の分科会、略称二〇一〇年委員会が日本経済の長期展望報告書を発表されて、「二〇一〇年への選択」というのであります。その報告書の要旨は、日本の人口構成が、老齢人口比率が現在の一二%から二一%まで高まることから、労働力人口が大きく減少し、これに環境や資源、エネルギーの制約も加わって、二〇〇〇年代の実質経済成長率は二%台、場合によっては一%台の半ばまで減速をするという予測を立てておられます。一%、二%の経済成長率は、いわゆる失速経済でありまして、この報告によれば、日本にとって二十一世紀は決して輝かしいものではなく、不況の時代であり、その重要な原因が人口問題であると政府の諮問委員会が諮問をしているのであります。地方、つまり岐阜県の長期計画を担当されるあなた方の中での人口問題の認識、問題意識について、特に岐阜県の場合は高齢人口比率が全国水準より若干高い状況にある中で見解を承りたいと思うものであります。

 問いの二は、教育長に対してであります。

 この問題を学校教育の中でテーマとして求めることは必要であろうと思います。高校教科書などがそれをどうとらえているか。実は文明が高まるほどに出産率が落ちる、そしてその文明がやがて衰退をする、そういう循環が歴史にあると思うんですね。したがって、それは価値観や哲学の問題であろうことから、人口問題をどう教えていくかというのは大きな問題であろうと思います。教科書を見る限りでは、健全な家庭、あるいは家族計画、そして避妊や受胎調節などというストーリーが見えます。私流に言わせれば、前述の社会的テーマについて真正面から触れずに小乗的な健全さの教育にとどまっていると思うんです。むしろ子供を中心とする家庭生活や、あるいは国家、社会の活力としての結びつけ、そういう大乗的な見地が教育方針の中に必要でなかろうかと私は考えます。私自身の経験をお話しして恐縮ですけども、私は、中学校で受けた人文地理の講義の中で先生が教えたことを今も鮮やかに記憶をしていることがあります。それは、世界各国の出生率に触れ、当時出生率が最低でありましたフランスについて、フランス文明はやがて危機に陥るであろうというふうに講義をされました。教育の中での人口問題の思想について、あなたの所見を伺いたいと思うものであります。

 同じく衛生環境部長に伺いたいと思います。

 今日、保健所などでの行政の実態は、母子保健、避妊、優生保護などについてのテーマは比較的はっきりしております。しかし、出産が持つ積極的な意義といいますか、社会政策的な観点での出産率や家族計画には全くと言っていいほど触れられておりません。人口問題についてのあなたの哲学はどうでしょうか。今後の行政の中で占めるべき人口政策について、保健衛生の観点からお尋ねをしたいと思うのであります。(発言する者あり)いや、このテーマは、人口問題が国家的テーマであると同時に、県や市町村でも、そして私ども家庭や個人にとっても大切なテーマだと考えて伺っているわけでございます。

 さて、最後でございますが、立木トラストにつきまして、林政部長にお尋ねをいたしたいと思います。

 昨年九月定例会、私はゴルフ場をめぐりまして発生している立木トラストについて、それを開発の妨げとなる権利を有するものとしてみなすかどうか質問をいたしました。答弁は留保されまして、国へ照会がなされました。つまり、行政実例になろうと思うんですけれども、照会がなされたわけです。これに対しまして林野庁の回答が数日前にあったと連絡を受けました。そこで、これは全国のトラスト理論にかかわる重要な行政実例となると考えられますので、確認のために改めてお尋ねをいたしたいと思います。

 立木に関する法律明治四十二年法律第二十二号、大変古い法律ですが、この第二条は、立木をその土地と分離した財産権とみなす旨明記しております。加えて判例は、所有権登記のほかに、名札を掲げるなどいわゆる明認方法によって所有権が表示されることを許しております。ゴルフ場など開発行為に際しまして立木が承諾書を必要とする対象権利者に入るかどうかという質問であります。さて、林野庁の回答は、個別事案ごとに判断を要するが、トラスト対象木を残置山林にすることにより開発行為を行わなければ、開発行為の妨げとなる権利を有する者に該当しないという答えであります。(発言する者あり)いや、これは、口で言うとちょっとはっきりしませんが、文章的にははっきりしているわけでありまして、つまり、立木がそこにある場合、そこを残置森林にそのまま残す、つまり木をそのまま残して設計する場合には、開発行為が行われないわけですから妨げとならないので、承諾書をとるべき権利者だという扱いをする必要がない、そういう当然な回答なんですよね。さて、これを当然の反語として読むと、例えばゴルフ場のコースやグリーン、フェアウエーなどに立木が設計上ある場合、これは妨げとなるので、その場合は立木の権利者の承諾書をとらなけければいけませんと読まざるを得ません。日本語はそういう文脈になるわけですね。

  さて、立木トラストというのは、今全国でその方法論的にもあるいは法律論的にも焦点に立っている問題ですので、そしてこの林野庁回答は全国に示される行政実例でもあろうと思いますので、今申し上げたように、その立木が開発行為の対象にならない場合はそれはよろしいけれども、開発の対象になる、つまり切らなければどうにもならないというような場合には承諾書を有する権利者であると、こういう解釈に読まざるを得ないこの林野庁回答について、私が今申し上げたように、反語としてそれが開発行為の対象になる場合には承諾書をとらなければいけないという解釈であるかどうか伺っておきたいと思う次第であります。質問、以上でございます。大変ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(笠原潤一君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) 日東あられの問題につきましてお答えいたします。

 会社の操業を継続することが従業員を初め関係者及び地域社会への影響が最も少なくて済むと、こういうことから、これが最良の方策であるとの認識を持っておるわけでございます。議員御指摘のように、このためには金融機関の協力が不可欠でございます。こうした認識のもとに、主要金融機関を初め関係機関等に対しまして操業継続についての協力要請を既に行ってきたところでございます。現在は裁判所において財務内容等の調査が進められている段階でございます。したがって再建の方向も示されていませんので、今しばらくは推移を見守る必要がございますが、今後適時適切な対応をしてまいりたいと考えております。

 それから、日東あられ株式会社から、県内主要企業としての立場から他の主要企業と並んで未来博やメモリアルセンターの整備に御協力をいただきました。両方で一億五百万円相当の施設の協力をいただきました。その時点におきましては、県として同社がこうした深刻な事態にあることは全く承知していなかったわけでございます。このたび会社更生手続開始の申し立てを行ったと聞いたときには全く信じられない思いでございました。日東あられの問題につきましては、操業継続など、ただいま申し上げました考え方で引き続き努力してまいりたいと考えております。



○副議長(笠原潤一君) 企画部長 山田賢一君。

   〔企画部長 山田賢一君登壇〕



◎企画部長(山田賢一君) 人口問題についてお答えいたします。

 まず最初に、岐阜県の総人口でございますが、岐阜県の人口につきましては、第四次総合計画の第三期実施計画におきまして、平成七年度には二百十一万人、これは平成二年対比四万四千人が増加すると見込んでおるところであります。現在、同様な推移を示しております。なお、長期的には、昭和六十二年に厚生省が予測した推計値がございます。これは資料が古うございますが、六十年国調をもとにいたしまして六十二年に推計をし、適宜見直している数字であります。これによりますと、二〇一五年までは総人口は増加する傾向にありますけれども、二〇〇〇年以降につきましては、議員御指摘のように、高齢者の増加によりまして生産年齢人口が減少するというふうに推計が行われているわけであります。本県も同じような傾向で推移をするというふうに考えておりますし、第四次総合計画の第三期実施計画におきましても、私どもは、一九九五年、平成七年の老年人口比一五・三%、生産年齢人口比が六七・六%と、こういうふうに見込んでおるところであります。

 また、平成二年の合計特殊出生率、お話がございましたが、この暫定値でありますけれども一・五四でございまして、昭和六十年の一・八一と比べますと低下傾向にあるというふうに言えます。また、社会移動につきましては、昭和六十年から平成二年までの五年間で二千七百四十六人の減少となっておりまして、将来の人口は楽観を許さない状況にあるというふうに認識をいたしております。いずれにいたしましても、人口は県土活性化の基礎でございまして、夢おこし県政の推進によりまして若者に夢と魅力のある県土づくりを積極的に推進し、若者の県外流出の防止等に努めてまいりたいというふうに考えております。さらに今後作業を進めてまいります県の将来構想におきましても、このことを念頭に置きながら作業を進めてまいるつもりでおります。



○副議長(笠原潤一君) 衛生環境部長 井口恒男君。

   〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕



◎衛生環境部長(井口恒男君) 人口問題につきましてお答えいたします。

 この人口問題についてのお前の考え方はどうかということでございますが、まず、この人口問題の対応でございますけれども、これは、高齢化の社会に入ってくるというようなことで、高齢化社会に対する中高年者の健康管理の課題が一つあろうかと思います。健康で長生きしていつまでも社会に貢献できるような健康管理という面で、ここのところの充実強化が必要じゃなかろうかと思います。

 もう一点の出生の向上策ということがあるわけでございますが、この次代を背負う子供たちにつきまして、我々としましては、健康で生まれ育成されると、そういうような環境づくりが最も重要ではないかというふうに考えておるところでございます。従来より、母性の保護や健全な児童の育成を目指しました妊産婦、乳幼児に対する保健指導、健康診査、医療対策等を行っておるところでございますが、今後もこれを充実強化したいというふうに考えております。また、今後さらに母子保健の施策としまして、中学生、高校生を対象にしました乳幼児と触れ合う場づくりをしまして、父親のあり方、母親のあり方というような、そういうような場をつくるための体験学習というものをやっていきたいというふうに思ってます。これらは、出生率の向上にもつながるのではないかと考えておるところでございます。



○副議長(笠原潤一君) 商工労働部長 交告正彦君。

   〔商工労働部長 交告正彦君登壇〕



◎商工労働部長(交告正彦君) 日東あられの問題についてお答えいたします。

 まず、関連倒産防止資金の金利についてでありますが、今回この融資制度を適用するに当たりまして、貸し付け条件等について検討したところであります。当資金は、利用者が置かれている立場を考慮し、その金利を既に一般的な制度資金であります経営安定資金より〇・四%低く設定しておりますし、保証料につきましても通常のものより低くなっております。また、保証料を加えた利用者の実質負担につきましても、近県の制度と比較しまして平均的なレベルとなっておりまして、この金利は、現在の金利情勢から見まして妥当なものと考えております。御理解をいただきたいと思います。

 次に、賃金等労務債権の保全につきましては、監督官庁である岐阜労働基準局に対し適切な指導を要請するとともに、保全管理人に対しましても、操業の継続とあわせ従業員の賃金等の確保について要請をいたしております。

 なお、退職金につきましては、議員御指摘のとおり、昭和五十六年から適格退職年金制度に加入しており、現在、約六億六千万円が生命保険会社において保全されていると聞いておりますが、残余の支払い義務があるかどうかは県において判断できる問題ではなく、今後監督官庁である労働省等において検討されるものと考えております。

 次に、社内預金についてお答えをいたします。

 会社側の説明によりますと、五月二十三日現在の社内預金の額は約六億七千万円であります。県といたしましては、社内預金が従業員の権利に係る重要な債権であることから、岐阜労働基準局に対しまして適切な指導を既に要請してきたところでありますが、今後とも保全命令を含むより効果的な指導監督を要請してまいりたいと思います。

 また、県内の社内預金の保全方法の現状は、岐阜労働基準局の説明によりますと議員御指摘のとおりであります。今後社内預金の適切な保全措置につきましては、七月から岐阜労働基準局において社内預金実施事業所に対する特別監督が実施されると聞いておりますので、県といたしましても、社内預金制度が適切に実施されるよう岐阜労働基準局等監督機関と十分に連携をとりながら、労働教育等の機会を活用して啓発してまいりたいというふうに考えております。



○副議長(笠原潤一君) 農政部長 竹山清之助君。

   〔農政部長 竹山清之助君登壇〕



◎農政部長(竹山清之助君) 米の自由化、生産性などについてお答えをいたします。

 御質問第一点の米の輸入自由化につきましてでありますが、先ほど古川議員の御質問にもお答えをいたしましたとおり、米の輸入自由化により農家経済のみならず地域経済にも大きな影響を及ぼすことが予想されますので、県といたしましては、国に対し米の市場開放阻止を要望してまいります。

 第二点の水稲早植え栽培の今後の推進についてであります。

 本県の平たん地域における早植え栽培は、現在、四千五百ヘクタール、水稲作付面積の一八・五%で実施されております。県といたしましては、現行の水利条件のもと等で可能な早植え栽培の目標面積を六千ヘクタールに定め、これが早期実現を図るため、今年度より新たに水稲早植え栽培推進事業を実施しているところであります。早植え栽培は、集落の合意の形成がまずもって重要なことであります。したがいまして、この事業で水稲早植え栽培推進会議や集落座談会等を開催するなど、市町村、農業団体と一体となって推進してまいる所存であります。

 第三点の水稲の収量と日中温度較差、日照時間の関係についてであります。

 近県の新潟県、福井県及び富山県のコシヒカリと本県の早植え栽培コシヒカリとの出穂期前後の気象条件を比較いたしましたところ、日中温度較差より日照時間が収量に大きく関与するものと思われます。いずれにいたしましても、水稲の早植え栽培は、豊富な日照の活用、地力窒素の有効利用及び気象災害の回避等により増収が期待できますので、今後も推進をしてまいる所存であります。



○副議長(笠原潤一君) 林政部長 伊藤邦昭君。

   〔林政部長 伊藤邦昭君登壇〕



◎林政部長(伊藤邦昭君) 立木トラストについてお答えします。

 議員御質問の森林法第十条の二による林地開発における立木トラストの取り扱いについての林野庁の見解は、次のとおりであります。

 立木トラストは法的に確立した概念ではなく、立木をめぐる権利関係はいろいろな形態が考えられるものであり、開発行為をしようとする者がその土地の所有権者である場合、その土地の賃借権者である場合等により異なりますので、個別事案ごとに判断することとしております。したがいまして、御質問のトラスト立木が残置森林以外に存在する場合についても、個々の事例ごとに林野庁の指導を受けながら対処してまいりたいと存じます。



○副議長(笠原潤一君) 教育長 篠田幸雄君。

   〔教育長 篠田幸雄君登壇〕



◎教育長(篠田幸雄君) 学校における社会的視点からの人口問題についてお答えいたします。

 出生率の低下の問題を初め人口問題につきましては、すべての国民がそれぞれの立場で考えなければならない重要な課題だと認識しております。このため、学校でも、例えば中学校では地理的分野、公民的分野において、総人口、人口分布の地域的特色など、また、高校の現代社会あるいは地理において、人口に関するさまざまな問題点について多面的に考えさせることとしております。御指摘の将来の人口についての分析や動態予測につきましても、高校の現代社会ですべての教科書が取り上げてこの問題について考えさせるよう配慮しております。県教育委員会といたしましても、事柄の重要性にかんがみまして、児童生徒が発達段階に応じてこの問題について考えることができるよう、教育課程講習会の実施、教育研究会に対する助言などを通して今後とも指導を続けてまいりたいと考えております。



○副議長(笠原潤一君) 二十三番 山田 桂君。

   〔二十三番 山田 桂君登壇〕



◆二十三番(山田桂君) 一点だけ再質問をいたします。それは林政部長の答弁です。

 私、お聞きしておりまして、答弁の文脈がどうも整理されていないような感じを受けて、大変失礼なことを言うんですが、もう少し文脈を整理してきちって言っていただきたいと思うんですね。つまり、林野庁の回答、それはここにあるんですよね。(資料を示す)その中で次のように述べているんですよ。「トラスト対象木を残置森林にすることにより、開発行為を行わなければ、開発行為の妨げとなる権利を有する者には該当しない」、こう言っておるんです。その意味は、立ち木トラストが残置森林以外のコースだとかグリーンだとかフェアウエーに存在する場合は、当然に開発行為を行わなければなりませんので、したがって、その場合には開発行為の妨げとなる権利を有する者に該当すると、当然に日本語は読めるわけです。要するに、設計上その立木をそのままにしておきますよという場合には、その木の財産権をそのまま存置させるわけですので、それはいいわけです。ただ切らなければいけないというような、そういう設計場所にその樹木がある場合には、当然に妨げになるわけだから、これは承諾印が要る権利者ですよということをここで述べているんですよ。ここには文章上の整理はきちっとなされておりますし、文脈上の文理もきちっとなされているんですよ。ただ明文でないものですから、したがって私は、残存森林に残る場合は開発行為者でない、それはよかろうと。しかし、そうでない場合は、つまり障害になって切らなくてはいけないような場合には、当然に承諾書の対象ですよと、こういうふうに読みかえることができますねと確認を求めただけなんですよね。そのことに対してそれはそうだというふうにお答えいただくんなら、それは極めて簡単に意味がわかるわけでございまして、その点、再度答弁を求めたいと思います。

 蛇足ながら申し上げますが、私、運動としてのトラストには理論的なものを超えた欲求があろうと思うんですね。しかし、ここでは私どもは、理論をあるいは行政の指針を明確にさせることによりまして事態の混乱を防いでいかなければいけない、そういう立場を共通に持っていると思いますので、シビアにひとつ御答弁をいただくようにお願いをいたします。以上です。



○副議長(笠原潤一君) 林政部長 伊藤邦昭君。

   〔林政部長 伊藤邦昭君登壇〕



◎林政部長(伊藤邦昭君) 開発案件には、御承知のようにさまざまな形態、事例が考えられます。林野庁の指導にも、当面、個々の事例ごとに慎重に対処してまいりたいということでございますので、先ほどお答えいたしましたとおり、個別案件ごとに協議しながら対処してまいりたいと考えております。



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○副議長(笠原潤一君) しばらく休憩いたします。



△午後二時四十四分休憩



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△午後三時十二分再開



○議長(浅野庄一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(浅野庄一君) 引き続き一般質問並びに議案の質疑を行います。十番 平野恭弘君。

  〔十番 平野恭弘君登壇〕(拍手)



◆十番(平野恭弘君) 発言の機会を与えていただきましたので、医療問題を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 質問に先立ちまして、先輩の先生方並びに知事さんを初め執行部の皆様方には、今後御指導、御鞭撻を心からお願いする次第でございます。

 先日、厚生省は、昨年の国勢調査などをもとに二十一世紀の人口動態を予測した日本の将来における人口推計を発表しました。予測の柱として、毎年の人口動態調査により計算される女性の生涯平均出産数があります。合計特殊出生率とも言いますが、それによりますと、戦後最低であった平成元年の一・五七を平成二年はさらに下回る一・五三と発表されています。統計学者によりますと、二・一を割るとその国の人口は減少し国力が衰えていくと言われております。数年前まではこの女性の生涯平均出産数の減少のカーブも緩やかであったため、六十五歳以上の老年人口が十四歳以下の子供の人口を上回るという老若逆転の状態も二十一世紀に入ってからと推測されていました。しかし、一・五三という数字から、一九九八年、冬季オリンピックが長野で開かれる七年後に老若逆転現象が起こると予測しました。そして、二〇一九年には四人に一人が六十五歳以上、二〇四五年には三・六人に一人が六十五歳以上の老人という超高齢化社会が、世界で類を見ない早さで到来するとされております。

 このような高齢化社会の到来は、まず第一に、保健、医療の面に大きな影響を与えるということは疑う余地もございません。高齢化による疾病構造の変化、治療の複雑化、医学技術の進歩、国民の健康に対する意識の高まり、そして家族構成の変化が大きな影響を与えます。昭和三十五年には一世帯当たりの平均人数が四・五四人であったのが、昭和六十年には三・二三人と、家族構成も非常に少なく、核家族化と並行し高齢化に伴う一人暮らしの増加など家庭機能が昔と異なり変化しております。さらに、女性の社会への進出に加えて、土地、建築費等の問題から、家で病人を看護、介護できる十分なスペースを確保できないなどの問題が生じてきております。人間は一遍は死ぬんですが、昔は家で、そして畳の上で死ぬ、これが日本人の通常の姿でございました。しかし、今家の畳の上で死ねるのはごく限られた、それも裕福な人のみというのが現在の状態でございます。このような状態で寝たきりあるいはぼけ老人を抱えた家族の負担は大きな問題となっております。家では看護できない人に対して、厚生省は今在宅医療に非常に力を入れておりますが、現実には今までのこの問題が大きな壁になっているのも現実でございます。

 在宅訪問歯科診療について。岐阜県の歯科医師会の協力のもとに、モデル地域として恵那で行われておりますが、歯科医での在宅医療は殊に特殊でございます。まず第一回目に予診として患者さんの家へお伺いし、そしてその病状によって第二回目に治療ができるわけでございます。というのは、いろいろの病状によってそれだけやはり要る器具とか器械、あるいは薬なども違うわけです。そして第二回目に患者さんのお宅で治療するに当たっても、やはり在宅でございますと、やはり頭など固定の問題がございます。それに対して必ず一人は固定をする、そして治療に当たりますと唾液なんかが出ますので、それを吸引する人、そしてまた、歯科医師に加えてスイッチなんかを押す方とかいろいろそういう補助者が要るわけでございます。大変な人数が要る割に、また時間も非常に長くかかります。そんな割にしては非常に医療費も少ないわけでございまして、そういった報酬の低さに比べて今は歯科医師の奉仕の精神に頼っているのが現状でございます。これからますます寝たきりの歯科治療の需要が予想されますが、県レベルでの補助を期待するものです。ちなみに東京の杉並区では、自治体の協力によってすばらしい成績を上げていることもつけ加えさせていただきます。

 このように、保健、医療を取り巻く環境が大変変わっております。それに対応する医療従事者の業務も複雑になってきておりますが、今回は看護の業務について問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 医学、医術の進歩、医療の高度化に伴い看護の業務は複雑化しております。特に重症な患者さんを治療する特別な部屋であるICU、これは集中治療室とも言いますが、また、重い心疾患の患者さんを治療する特別な部屋CCU、これは一般に心臓集中治療室とも言いますが、ここでは治療が個々によって非常に異なり、複雑で一刻を争うといった機会がほとんどでございます。そんな理由から、二十四時間体制、三交代をしているのが常でございます。CCU、ICUでは、二十四時間看護婦さんは患者さんのそばに張りついておりまして、症状の変化に伴って治療しなければならなく、ひとときも目を離すことのできない緊張状態の持続という非常に厳しい業務をしておるわけでございます。このICU、CCUには、患者さんを管理あるいは観察し治療する多くの医療器械があり、また、いろいろな薬剤も使用されております。これらの医療機器、薬剤、そして病気に対する専門的な知識が要求されます。医学の進歩により看護の専門的知識の要求される分野は、ICU、CCUに限らず、人工透析、その他多方面にわたっております。

 また、医療機器の発展も目覚ましく、この医療機器を取り扱う上において、管理、補修など工学的知識等、長年の知識の蓄積が必要となります。こういった場合、女子では、結婚とかあるいは出産等によりちょうど脂の乗り切ったころにリタイアして家庭に引き込むという傾向にあります。このような傾向から、永続性のある男子の看護士が望まれる次第でございます。しかし、現在、看護士の養成校はなく、また看護士への門は非常に狭く、その対策が望まれる次第でございます。病院でも診療所でも同じですが、一人の患者さんを中心にいろいろな医療関係の職種の方がいろいろな仕事を医師を中心にして、医師の指示のもとにチーム医療を行っていると言って差し支えがございません。そんな中にあって、看護婦さんは患者さんに一番身近な人であり、また接する機会も多く、患者さんの療養生活上の情報に一番詳しいわけです。患者さんの治療に当たって、いろいろな検査及び治療をする場合のクッション役というか、調整を図るという仕事の分野も広がっております。例えば胃カメラを飲むとか、あるいはレントゲンを撮るとか、あるいは心電図をとる場合に非常に患者さんが不安に思っている場合があります。そういった場合の慰め役、また技師とのクッション役の役を果たしているのも現状でございます。

 以上のように、医療技術者の技術等の発展に伴い、看護の需要が増大したその上に、厚生省は、高齢化社会への対応として、平成元年の暮れに高齢者保健福祉推進十カ年戦略を立てました。そして、これからの高齢化社会に向かって二十一世紀までにはこれだけの老人保健福祉のことをやらなければならないという、いわゆるゴールド・プランが発表されましたが、これに伴い、また看護の需要が増大するという状態になってきております。このゴールド・プランによりますと、まず第一に、デイ・サービスセンター、全国で一万カ所が予定されております。また、在宅介護センター、全国でこれも一万カ所を整備することになっております。特別養護老人ホーム、全国で二十四万床を整備する計画がございます。また、老人保健施設は全国で二十八万床を整備することになっております。また、寝たきり老人ゼロ作戦等があります。これらのことから、非常に多くの看護婦さんを必要とします。老人保健施設、そして特別養護老人ホームの違いを説明していただきたいと思います。

 病院とは言うまでもなく、病状の悪化を防ぐための治療をするところであり、医療を受ける場所でございます。それに対して特別養護老人ホームは家庭と同じで、家庭にかわって介護を受けながら生活を送る場所です。老人保健施設はちょうどその中間にある施設で、医療と日常生活サービスの両方を総合的に受けることのできる施設です。また、見方を変えてみますと、病院と家庭の中間にあって、病院で入院治療を終えた人がここでリハビリをしたり療養したり家庭に復帰するための準備を行う施設でありまして、中間施設とも言われるゆえんで、通過施設としてこれからの高齢化社会に非常に大切な施設でございますが、そのほとんどが民間のものであり、現在の地価、建築費の高騰等で全国的にゴールド・プランにはほど遠いものがあります。先日、私どもも厚生委員会での美濃、関、そして飛騨方面への視察をさせていただいた折、この地方での老人保健施設がなかったように思われます。この今後の計画についてお尋ねしたいと思います。

 このように、看護婦不足を来す幾多の要因がある中で、本県における看護婦の就業状況について平成二年度末の調査結果を見ますと、看護婦、看護士も含みまして四千八百五十二人、准看護婦、准看護士も含みまして五千五十四人で、合計九千九百六人でございます。病院、診療所において、調査日現在不足している看護婦数は合わせて千四百八十一人に達しており、ほとんどの施設において看護職員の不足に直面しているのが現状でございます。病院における夜勤体制で、三交代をとっているところは全体の二七%でありますが、そのうち一カ月の平均夜勤回数は九回以上が大多数を占めており、また、週休二日制については、何らかの形で体制を整えているところは四〇%にすぎません。国においては、週休二日制の完全実施を目指しており、育児休業制度の積極的推進や、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールド・プラン等の策定により、看護婦の需要増を打ち出しています。今後、本県においても、看護婦の需要を検討するに当たっては、現在の不足数に加えてこれらの必要数も見込んでいかなければなりません。

 このように看護婦の絶対数の不足は明らかであります。この不足に対して、まず第一に、看護婦養成機関をふやすこと並びに現在の養成機関の定員枠を拡大することが挙げられます。第二に、未就業の有資格者の再就業の促進、そして、今就業している看護婦の離職を防ぐことが大切です。看護婦養成に関して、平成二年度の看護関係統計資料によりますと、国公立の看護婦養成施設は六百五十五で、全体の四二・三%を占めておりまして、養成人数は三九・四%でございます。これらの国公立で養成された看護婦は、地域医療の最前線であります民間の一般病院、そして有床診療所、無床診療所には就職しないのが一般です。このため、地域医師会は、地域の看護婦不足に対応するために、みずからの力で国民医療の健全なる発展という見地に立って医師会立看護学校を運営し、数十万という看護職員を供給してきました。国公立の学校とは異なりまして、医師会立の学校は、最近こそ補助金が交付されるようになりましたが、これまでは、医師会員の協力により校舎の建築から設備等すべてに出資しなければなりませんでした。運営に関しては、看護婦等養成所運営補助金、都道府県よりの補助金、市区町村よりの補助金、その他の補助金等があるものの、入学金、授業料、負担金、協力費等、生徒の所属する医療機関の負担が大きく、さらに学校に携わる医師会運営関係者、その他の人々の犠牲的な協力によって運営されているのが現状でございます。

 看護婦養成の問題に対して、日本医師会医療関係者対策委員会は、医師会立看護婦・准看護婦学校養成所の運営についてのアンケート調査を平成三年一月に行い、問題点を探り、その解決の糸口を見出すべく集計いたしました。調査対象は、医師会立の三年課程六校、二年課程八十七校、准看護婦学校は三百十七校で、計四百十校に二十五の設問で行われました。時間の関係上要約しますと、想像されたごとく、医師会員の献身的な協力によって学校運営がなされていることは明白であります。また、学校運営経費に対する人件費の占める割合が六〇から八〇%であり、今後人件費の占める割合は低下することなく漸増することは間違いないと推測されます。各校はこの対策に苦慮すると思われます。実習施設への謝金は意外に少ないところが多いけれども、民間での実習病院確保には設備そのほか大きな問題があり、公的機関の開放が強く望まれます。入学金、協力金、授業料等、生徒及び生徒の所属する医療機関の負担は極めて大きく、受益者負担にも限度が生ずると思われます。本県での看護婦養成施設は、平成元年度、看護婦養成課程は十二校五百八十名、准看護婦養成課程はほとんどこれが医師会立でございますが、高校の衛生看護科を含んで十四校五百八十五名であり、需要を満たすには十分とは言えず、看護学校の増設または定員増を図らなければならない状態でございます。本来なれば看護婦の養成は自治体の義務といっても差し支えありませんが、民間での看護学校の生徒一人に対する補助金は年間約五万円で、他の学校、例えば短大の十五万円、大学は三十万円、医大生に至りますと一人で二千万円とも言われております。現実に本県でも、自治医大の生徒に一人約四千万円以上かけているのが現状でございます。これらに対して看護婦学校の生徒に対する補助金は非常という言葉が使えるほど低いものですが、補助金の増額の要請はもっともと思われます。

 再就職促進について。未就業、いわゆる在宅有資格者の再就業を促進するためには、家庭においては、育児、そして家族の理解、職場では、勤務体制、労働条件を考えねばなりません。過去にやめた大きな理由の一つが結婚、第二に出産が挙げられていますが、再就業に当たっては、一番問題な点は育児のことでございます。二十四時間体制のとれる保育所が望ましい条件でありますが、せめて昼間の勤務ができる保育所が望まれます。勤務条件も大切な要因の一つでございます。特に夜勤は八回未満が望まれまして、八回以上になりますと、夫婦のすれ違いといった問題が生じることをその理由として挙げられております。再就職先を選ぶ理由に通勤に便利なところを希望していることから、再就業の促進にはナースバンクの充実が大切な問題であることがうかがわれます。また、再就業希望者でパートを望む人が多く、その中で年収百万円以下を条件にする人があります。この年収百万円を超えますと税金の面で不利になることが挙げられますが、考える余地のある問題ではないかと思われます。

 看護婦不足に対する対策の大きな課題に、看護婦の定着という問題が挙げられます。再就職希望者の意識調査から考え、看護婦の定着には、夜勤回数の軽減、勤務条件の緩和等の改善が第一に挙げられます。次いで給与の問題が取上げられます。夜勤については、日本看護協会の実態調査によりますと、一カ月平均九回でありましたが、また、岐阜県においても一カ月平均九・一回以上が四八%もあるのが現状です。これをやはり八回以下にすることが望ましいと思われます。

 最近、看護婦さんの給料が低いと言われており、この大きな原因として診療報酬の問題が最大の要因を示すと言っても過言ではございません。といいますのは、外来、手術、医療機器管理に対する看護業務が診療報酬の上で評価がされてなく、心理的看護に対しても評価がなされていないのが現状であります。給料において公的病院は人事院勧告によって毎年一定のベースアップに保証され給与も高く、賞与または退職金の保証もされているのに比べ、民間の病院や診療所は、人件費のアップしただけの診療報酬の改定もなく、また補助金もない現状では、公的病院並みの支給が不可能と言っていい状態でございます。また、自治体病院でも最近では人件費の支出に占める割合が五〇%以上のところが多く、赤字の病院が多数であります。しかし、公的病院は赤字でも一般会計から補助され心配はないが、民間では人件費が五〇%を超えますと経営が成り立たないのが現状でございます。

 現在の診療報酬は、低医療費対策の上に予防や看護については一部を除き認めていないと言っても過言ではございません。先日、歯科診療についてNHKで取り上げられましたが、例えば義歯総入れ歯のことなんですが、この点数が千五百八十点、いわゆる一万五千八百円で、保険診療で全部合わせても一万七千円でございます。ゴルフでも一番安いクラブでも知れたものと考えていただくと理解していただけると思います。また、後の治療に至っても、一回二十二点、二百二十円でございます。例えば、皆さん方が歯医者さんへ行っていすに座られますけれども、一日二十五人が平均としますと、大体償却費が三百円です。一回座らせるたびに八十円のマイナスでございます。時間等考えますと大変な低医療費政策と言っても過言でございません。こういった面から、診療報酬の中で看護婦さんの人件費、また、歯科での人件費等を明確にし、年々人件費のアップ分の診療報酬の改定、あるいはスライド制の導入をするよう、県の行政当局も中央へ働きかけていただくことを希望いたします。

 厚生省は、高齢化社会の到来に対し、看護婦を中心としたマンパワー確保に関する看護婦確保の観点から、看護職のイメージアップをねらったキャンペーンとして、国民一人ひとりが看護について理解し、明るい看護のイメージづくりを展開するということを目的に看護の日を制定し、当県でも盛大に記念式典が行われました。ただ、当日のメーンイベントの一つであるキャンドルサービスで看護婦のみに日が当たり、准看護婦は参加しておらなかった点に今後心配りをお願いしたいと思います。

 看護婦業務には、高度な技術、知識が要求される場合もあり、またそれほど高度な技術、知識を必要としない場合もあります。ここで、看護業務を高度な判断力が必要とされる業務、中程度の判断が必要とされる業務、資格がなくてもできる業務の三段階に分け、医療現場で要求される看護の質または量を考えなければならないと思われ、それぞれの場所でのエキスパートを養成するといった再教育の場が必要であるとともに、医療を受ける患者さんは、痛み、苦しみ、悩みといった心の病を持った人々でございます。その人々の気持ちになることが一番大切であり、看護の基本でもあります。人間理解につながる学習を継続していくことができるようにすることも大切でございます。ここに、看護についての生涯教育の場が必要であることを痛感いたしております。いずれにいたしましても、高齢化社会を迎えた今日、岐阜県民一人ひとりが安心して必要なときに十分な看護が受けられるような日本一住みよい岐阜の町づくりを目指し、岐阜県が看護の先進県になることを期待いたします。以上でございます。

   (拍手)



○議長(浅野庄一君) 衛生環境部長 井口恒男君。

   〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕



◎衛生環境部長(井口恒男君) 看護問題等、三点ほどの御質問をいただきました。

 まず、看護関係でございます。

 議員御指摘のとおり、高齢者保健福祉推進十カ年戦略の策定や看護職員の労働条件改善に伴いまして、看護マンパワー対策につきましては緊急課題ということになっております。このため、まず、看護士を含みます看護職員養成校の増設あるいは定員枠の拡大ということが、看護マンパワーの確保の上で有効かつ重要な方策であると考えておるところであります。平成四年度以降におきまして数校の民間看護婦等養成施設の新設計画があるわけでございますが、積極的にその設置認可、施設整備における国庫補助の獲得等につきまして支援してまいりたいと思っております。

 また、民間の看護職員養成校の運営費に対する助成の拡大についてでございますが、県におきましては、国庫補助事業以外にも県単独補助制度を創設しておるところでございます。補助額につきましては、その経営状況を勘案の上検討してまいりたいと考えております。

 また、新規卒業者の県内定着を促進するため、看護学生の就学資金の貸与につきましても、国の補助制度の活用や県単独制度の充実を進めているところでございます。さらに、乳幼児を抱えております看護婦等が安心して勤務できるよう、国庫補助制度の対象にならない小規模の院内保育事業に対しまして、県単独助成制度を今年度より創設しておるところでございます。

 県といたしましては、このような各種の対策を講じておるところでございますが、今後ともナースバンクの充実、あるいは看護のイメージアップ、あるいは病院実習等につきましても御指摘いただいたわけでございますので、関係の方々の御意見もいただきながら、中長期的な看護職員の確保養成対策の中で取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、在宅訪問歯科診療についてでございますが、県では、平成二年度から行っております巡回歯科保健サービス事業の中で、寝たきり老人訪問歯科診療等モデル事業ということで、恵那市、蛭川村及び恵南地区をモデルとしまして、原則といたしまして六十五歳以上の老人を対象に歯科診療や歯科保健指導等を行っておるところでございます。このモデル事業の成果を踏まえまして、このような寝たきり者を対象としました在宅訪問歯科診療に関する対策を検討してまいりたいと考えております。

 次に、飛騨地方の老人保健施設ということでございますが、老人保健施設につきましては、昭和六十二年に老人保健法の改正によりスタートしたものでありまして、この性格といいますか機能につきましては、議員の御説明のようでございます。本県では、昭和六十三年度より現在までに六施設が整備されたところでございます。整備方針としましては、おおむね広域市町村圏ごとに必要定員を考慮しながら、平成十二年までにはおおよそ五千五百床を整備するということにしております。飛騨地域におきましても、地元関係者と十分協議を進めながら、今後の整備を進めてまいりたいと考えております。

 最後に、パートの人たちの税制上の問題とか医療費の改定の問題につきましては、国や関係機関の動向を見ながら対応してまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 十三番 近松武弘君。

   〔十三番 近松武弘君登壇〕(拍手)



◆十三番(近松武弘君) 民社党を代表して質問させていただきます。

 最初に、育児休業法について、商工労働部長、民生部長にお尋ねをいたします。

 民間企業の労働者を対象にした育児休業法が、本年五月八日、国会で成立いたしました。そして、来年四月一日より施行されることになっております。この育児休業法は、子供が満一歳になるまで男女どちらでも育児のために勤めを休むことができるというものでございます。これまでは、公務員である女性教員、看護婦、保母を対象とした育児休業法があっただけでございます。今回成立しました育児休業法の骨子は、一、労働者は、事業主に申し出ることにより育児休業することができる、二、事業主の義務として、事業主は、労働者から休業申し出があったときには拒むことができない、三、解雇の制限として、事業主は、労働者が育児休業の申し出をし、または育児休業をしたことを理由として労働者を解雇することはできない、四、育児休業に関する定めの周知措置として、事業主は、育児休業中における待遇や育児休業後における賃金、配置、その他の労働時間等についてあらかじめ定めておき、労働者に周知させるよう努めなければならない、五、勤務時間の短縮等の措置として、事業主は、一歳未満の子供がいても育児休業しない者については、労働者の申し出に基づく勤務時間の短縮などの措置を講じなければならない、六、育児休業法の指針として、労働大臣は、事業主が講ずべき措置についての指針を定めて公表する等々が育児休業法の骨子であります。しかし、この法律の施行に当たりましては、暫定措置として、従業員三十人以下の事業所には、適用が三年間、平成七年三月三十一日まで猶予されています。

 さて、この育児休業法では、育児休業中の賃金保証、違反した事業者に対する罰則規定、職場復帰後の昇格、昇進での不利益な取り扱いの禁止等、実効制確保のための措置は見送られています。最も育児休業の先進国でありますスウェーデンでも、一九七四年に制度ができた当時は無給であったとのことです。しかし、三年後の改定で、国民保険法に両親手当などを設け賃金の九割保障等に踏み切り、また、時間短縮勤務も併用できる制度も導入しました。その結果、一九八九年では、七歳以下の子供を持つ女性の就業率は八七%にも上昇したと言われております。さらに、出生率も、こればかりの影響ではございませんが二・〇二%まで上向いてきたことが報道されています。

 六月七日、厚生省人口問題研究所が発表した日本の将来人口推計によりますと、先ほどから出ておりますように、出生率は、八九年に一・五七人となり史上最低を記録したばかりなのに、すぐ翌年の九〇年にはさらに下がって一・五三人となっています。また、これから七年後の一九九八年には、六十五歳以上の老齢人口が十四歳以下の子供人口を上回る老若逆転現象になると予測いたしております。労働省の職業安定業務統計によりますと、平成元年度の新規求人数は月平均で五十二万人、前年に比べ一〇・五%増となり、年々増加傾向にございます。一方、新規求人、求職者は月平均で約三十二万人で、前年に比べ八・五%減となり、こちらは年々減少傾向にあります。このような求人、求職状況から、平成元年度の新規求人倍率は一・六九倍となり、昭和五十年以降最高の水準となっています。まさに労働力不足を如実にあらわしていると思うのであります。

 女子の職業能力を生かし正社員として企業にとどめておくことは、個々の企業にとってのみならず日本経済全体にとっても不可欠になってきているのです。また、女子の労働者の増加の背景として、労働力不足のほかに女性の生活環境や意識等の変化があります。例えば、長寿化に伴い、女性のライフサイクルの変化、晩婚化の進行、家事負担の軽減、女性の高学歴化と就業意識の変化によるものでございます。そこで、新たな労働力の担い手としても、また、女性のライフサイクル等の変化に対応していくためにも、女性が生き生きと働けるための環境づくりが急務の課題となってきました。育児休業制度、保育施設等の整備、充実、女子再雇用制度、介護休業制度、母性健康管理対策の推進等々につきましてもまさに緒についたばかりでございます。このため、女性の働き方を考えるに当たっては、特に、出産、育児にある女性が就業を中断することなく働き続けるための環境づくりが今強く望まれてきているのでございます。

 さて、そこで、次の点について、商工労働部長にお尋ねをいたします。

 一、二十一世紀は高齢化社会、女性の時代と言われております。これは、高齢者や女性が社会の中で極めて重要な役割を果たす時代の到来を意味していると思うのでございます。そのためには、高齢者や女性がやりがいを持ち生き生きと働ける環境づくりが重要でございます。育児休業法は、このような時代の要請にこたえていくための先導的役割を果たす制度の一つであると思うのでございます。活力ある産業を目指すためにも、また、女性の安心して働き続けたいという願いに対しても、育児休業法を大きく育てていかなければならないと思います。県は、女性の雇用問題、すなわち雇用環境、雇用条件、女性の労働意識等についてどのように考え対処しておられるのか、また、育児休業法の意義、役割等についてどのように考えておられるのか、御所見もあわせてお尋ねをいたします。

 二、育児休業法の施行は、来年四月一日からでございます。期間もそんなに長くありません、施行までに準備しなければならないことも大変多くあるようです。一部大企業では導入されていたところもありますが、一般企業にはなじみも薄く、県の広報啓発活動は急務であり、極めて重要であります。どのような考え方でどのように進めようとされているのか、また、県下において施行の対象となる三十人以上を雇用している事業所と三年間適用を猶予される三十人以下の事業所は幾つあるのか。

 三、育児休業法の法案内容を見てみますと、大枠はつくったが、肝心かなめのところについてはまだこれから検討という部分がかなりたくさんございます。例えば、第八条で、事業主は、育児休業中における待遇、育児休業後における賃金、配置、その他の労働条件を労働者に明示し周知させる措置をとらなければならないとなっています。これは、具体的には、来年四月一日施行に間に合うように、賃金ベース、退職金、昇給、昇進、復帰後の配置、勤務時間の短縮等、事業主の責任において就業規則や労働協約で明らかにして周知できるようにしておかなければならないということでございます。さらに、第十二条には、労働大臣は、事業主がとるべき措置について、適切かつ有効な実施を図るための指針、労働省令を定め公表するとなっています。この指針が公表されないことには、事業主はもちろんのこと、労使協議等で具体的内容を検討することはできないと思います。公表はいつごろになるのか、公表がおくれれば準備不足のまま施行となる心配があります。県はどのような考え方で取り組んでおられるのか。

 次の点については、民生部長にお尋ねいたします。

 育児休業法の矛盾として既に問題となっているのが、第二子が生まれて育児休暇をとると第一子は保育園をやめなければならないということでございます。児童福祉法によりますと、保育園は、親が共稼ぎなどで面倒を見ることができない子供を受け入れる施設と定められているからでございます。親が育児休業をとって家にいれば上の子供は育てられるはずというのが理由でございます。もう一つの背景としては、保育園でかかる費用の一部を国や県、市町村が負担しているという財政上の理由がございます。厚生省は、親が保育休業中でも定員に余裕があれば保育単価の全額を徴収する私的契約児童として通うことを認めるとしていますが、しかし、私的契約児童として預かってもらうにしても、育児休業中は収入が確保されていないのに保育料が上がるのは負担が大きくなるわけであります。育児休業法が成立しより多くの人が休暇をとれるようになると大きな問題になると思うのでございます。県においては既に一部公務員を対象として実施されている中で、現在どのように運用しているのか、また、今後どのような考え方で対処されようとしているのか、以上、お尋ねをいたします。

 次に、高齢者福祉十カ年ゴールド・プランにおけるマンパワー対策と寝たきり老人ゼロ作戦について、衛生環境部長と民生部長にお尋ねいたします。

 我が国では、二十一世紀に国民の四人に一人が六十五歳以上になると予測されております。この高齢化社会を国民が健康で明るく活力のある長寿社会にすることを目的として作成されたのが高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールド・プランでございます。平成二年度をスタートとし、平成十一年度までに、特に、公的な福祉、公的な保健の分野で緊急に整備すべき公共サービスの基盤整備を進めようとするものでございます。その基本的な考え方は、高齢者が住みなれた自分の家で生活できるようにということで、在宅福祉を緊急に整備することを第一の柱としています。また、第二の柱としているのは、寝たきり老人ゼロ作戦の展開でございます。これは従来ない発想の戦略であるようです。例えば寝たきりにどう対処していくかということから一歩も二歩も踏み込んで、寝たきり老人をつくらないという発想です。

 さて、この十カ年戦略ゴールド・プランの中身についてでありますが、七つの柱から成っております。その代表的なものは、一、在宅福祉推進十カ年事業であります。これは、全国どの地域でも気軽に利用できるように在宅福祉サービスを飛躍的に拡充し、高齢者や介護者が安心して過ごせるように、在宅福祉三本柱と言われております先ほどお話に出ましたホームヘルパー十万人体制、ショートステイ五万床、デイ・サービス一万カ所等、それぞれ思い切った緊急整備をしようとするものでございます。第二の柱が寝たきり老人ゼロ作戦の展開でございます。そして第四の柱が施設対策推進十カ年事業でございます。これは、要介護老人、身体障害者等が待つことなくいつでも施設利用ができるように福祉施設を大幅に拡充しようとするものでございます。その緊急整備目標は、平成十一年度までに特別養護老人ホーム二十四万人体制、老人保健施設二十八万床、ケアハウス十万人等々でございます。

 さて、十カ年戦略の七つの柱のうちの一つでございます寝たきり老人ゼロ作戦についてであります。

 我が国では、これまでお年寄りになると何割かの人は寝たきりになるのはやむを得ないという考え方がございました。しかし、寝たきりはなくすることができるという考え方でございます。お年寄りの生活を考えた場合、寝たきりというのは最低の状態であるという考え方でございます。よく話に出ます広島県の御調町、ここは、人口八千五百人、六十五歳以上二〇%の町でございます。ここでは、保健、福祉、医療の連携を推し進め、地域ケアを充実するため、昭和五十四年から公立総合病院を中核として訪問看護事業が始められました。スタートした当時は、家族や患者が訪問看護を拒否したり、指導事項を守らないという患者側の問題点や、医師会との連携不足等、病院側の問題点もあったようですが、ホームヘルパーや保健所、福祉事務所の協力のもとに、事業は昭和五十七年から軌道に乗り始め、その結果、昭和五十七年に五十人いた在宅寝たきり老人は、五年後の昭和六十二年には十五人まで減少させたとのことでございます。こうした取り組みを全国で展開しようとするのが寝たきり老人ゼロ作戦でございます。寝たきり老人は現在全国で約六十万人おられます。また、西暦二〇〇〇年には約百万人に達すると見込まれております。寝たきり予防対策は、健康、医療、福祉各分野の人材面、施設面など総合的な施設が必要であるのです。

 寝たきり老人の国際比較で見てみますと、我が国には寝たきり老人が多数存在しているのに、欧米、特に北欧やイギリスでは在宅の寝たきり老人は存在しないとの報道がございます。東京都老人総合研究所の研究室長である七田恵子さんは、スウェーデン、デンマークには寝たきり老人はいなかったと言っておられます。また、老人の専門医療を考える会の松田鉄夫さんも、オランダ、イタリア、イギリスを回り、在宅の寝たきり老人を探したが見当たらなかったと言っておられます。次に、施設に入っている寝たきり老人の国際比較では、昭和六十二年度、我が国では、特別養護老人ホームへの入所者及び病院への長期入院患者を合わせた寝たきり状態の老人が三三・八%となっています。スウェーデンでは寝たきり老人は四・二%、アメリカでは六・五%、デンマークでは四・五%となっています。これらをあわせて比較すると、欧米では五%前後であるのに比べて日本は三三・八%であり、数倍の高さでございます。イギリスでは、ここ二十年間人口の老齢化にもかかわらず寝たきり老人は着実に減少しているようです。いろいろの対策がとられたとのことですが、中でも、精神病者に対し、隔離主義をやめて地域で支援するコミュニティー・ケアの考え方を強力に推進した効果が大きいのではないかと見られています。スウェーデンでも同様、一九七〇年代半ばまでは各施設とも多くの寝たきり老人を抱えていたようですが、一九七九年以降、自立支援型長期ケア施設への変更が打ち出され、それまでの長期療養病棟の看護内容を大きく変えたとのことです。最も大きな転換は、従来の医療看護が患者の疾病のみに注目していたのに対し、むしろ患者の残された健康な部分、すなわち残存能力に注目し、それを最大限活性化するということに重点を置くという一大転換を図ったとのことでございます。このように、欧米諸国では、過去二十年余りの間に起きた患者の人権運動の広がり、それに呼応した医療、福祉従事者の意識の変化、地域ケア・システム等の充実が、障害老人のケアにも影響を与え、寝たきり老人の大幅減少につながったと推測されているのでございます。

 さて、そこで、次の点について質問をいたします。

 一、本県におけるゴールド・プランの展開も、国の目標を基本に、それぞれの項目ごとに目標値が設定され推進されているところでございます。施設はお金があればできますが、問題は、マンパワー、人の問題でございます。マンパワーの問題がこの十カ年戦略達成の一番の課題でございます。厚生省でも、事務次官を本部長とする対策本部を設けていますが、妙案はないようでございます。もちろんこのような仕事に携わる人々の待遇改善、身分、給与、研修も重要なことです。また、有資格者だけでは到底対応していけないと思います。みんなが自分のこととしてとらえる、また、サービスを与えている人が今度は受け手に回る可能性が極めて高い領域でございます。パートのヘルパー、ボランティア活動、県民のすべての人が何らかの形でお互いに助け合っていけるようなネットワークづくりも大切です。国から出てくる施策を待っていては追いつかぬと思います。まさに地方が先端という考え方で知恵を出していかなければならないと思います。マンパワーの確保にどのように取り組んでおられるのか、また、取り組んでいこうとされているのか。

 二、十カ年戦略は、福祉、保健、医療の縦割り行政ではなく、一体化してやっていこうとする取り組みでございます。寝たきり老人ゼロ作戦は、まさに福祉、保健、医療の一体化をどうやってやるかという格好のテーマであると思います。民生部と衛生環境部が昨年と本年の二カ年で、福祉保健医療総合推進プランの調査研究に取りかかっているということでございます。どのような考え方でどのようなところに重点を置いて検討されているのか、そして作業は順調に進んでいるのか。

 次に、寝たきり老人ゼロ作戦の展開について質問いたします。

 一、寝たきり老人の発生を防ぐには、何よりもまず寝たきり老人はなくすることができるということを認識することが必要であります。そのためには、寝たきり予防に向けた積極的な啓発活動が必要であります。どのような啓発活動をしていこうとされているのか、二、寝たきりの原因となる病気やけがの発生予防のためには、寝たきり老人発生の主要因である脳卒中、骨粗鬆症予防のための健康教育、健康診査、健康相談についてどのように進めようとされているのか、三、心身機能の低下を来しやすいという老人には、残存能力の維持向上のための適切なリハビリテーションが極めて重要でございます。施設等におけるリハビリテーションの普及について、どのように進めようとされているのか、また、老人保健施設等での実情はどのようになっているのか、四、適切なサービスを円滑に提供するための情報網の整備として、脳卒中情報システムの整備が急がれています。県の実情はどのようなぐあいになっているのか、そしてどのように充実していこうとされているのか、以上、御質問をいたします。

 最後に、夢おこし県政について、知事にお尋ねいたします。

 夢おこし県政がスタートしことしで三年目を迎え、いよいよ夢おこし県政も本番を迎え、夢そだての段階に入っています。これまで比較的地味であった岐阜県を何とか売り出そうと懸命に努力されていることについて敬意を表するものでございます。しかし、夢おこし県政の全体構想、真のねらい、進め方についてよく理解できない部分があるのでございます。たしかに夢が現実を先導するということがございます。知事は、夢提案、県民世論調査によればということですが、華やかな夢にスポットを当て過ぎではないかと思うのでございます。なぜ夢そだての中心テーマに花と音楽とスポーツが浮かび上がってきたのでしょうか。今、夢おこし県政の推進として大きくクローズアップされているのは、花と音楽とスポーツを中心とした触れ合い広場づくりと花の都ぎふづくりでございます。しかし、これを夢おこし県政の目指すところという考え方で、県民総参加による夢そだてのテーマに絞るにはどうかと思うのでございます。夢おこし県政について私の理解不足かもしれませんが、率直に申し上げまして、真のねらいと申しますか、目指すべきところが県民に十分理解されないのではないかと思えて仕方がないのでございます。夢おこし県政が目指しているところは、日本一住みよいふるさと岐阜づくりでございます。そのために、最初の目標づくり自体から県民参加を求めていこう、そして日本一住みよいふるさととは何かということについても、県民全体で考えることからスタートしていこうという考え方で進められているのでございます。こうした考え方や進め方は極めて重要であると思います。

 さて、県民総参加の旗印のもとに夢投票が行われ、その結果、五万八千の夢が集まりました。そしてこの五万八千件の夢をコンピューターで分析し、二十一世紀を目指した県民共通の目標づくりを求められたのでございます。しかし、なぜ夢おこし県政推進の三本柱として花と音楽とスポーツが絞られてきたのでしょうか。その経過を見てみますと、五万八千件の夢提案をコンピューターで分析した結果、トップに出てきたのが緑、木、花という自然あるいは環境という問題でございました。二番目に位置するのが、触れ合いとかイベント、スポーツ、人と人、人と自然が温かく触れ合う、すなわち共生ともに生きるということであった。このように、自然、環境、共生ということが県民の最大公約数であり、これは、期せずして二十一世紀の地球環境問題にもつながる共生という大きなテーマと一致するものであるととらえられたのであると思います。そこから、夢提案による未来への県民の共通理想像は共生ということに絞られたとのことでございます。共生とは触れ合いを深め合うということであり、その触れ合いを深めていく代表的なものが花と音楽とスポーツであると考えられたと思うのでございます。そこで、この触れ合いの広場づくりが夢そだての中心的テーマになり、今、その触れ合い広場の中核となる舞台づくりが行われているのではないでしょうか。美濃加茂市に予定されている平成記念緑のふれ愛広場、大垣市のソフトピア・ジャパン、県庁近くに予定されているふれあいセンター、飛騨の匠をテーマにしたテーマパーク等々であります。また、花の都ぎふづくりもそうであります。そして、こうした触れ合いの広場を舞台にして、生きがい福祉、新しい産業を興していこうとされているのでございます。これが今取り組まれている夢おこし県政推進の中心的課題ではないでしょうか。

 さて、夢おこし県政についてもう一度原点に戻ってみますと、夢おこし県政とは、二十一世紀に向かって県民総参加によって理想の県土づくりを目指して、新しい知恵と活力を創造しようとする県政であります。そして、二十一世紀の夢として掲げ目指しているところは、日本一住みよいふるさと岐阜づくりでございます。夢おこし県政の最大のねらいであり目標であるこの日本一の住みよさづくりについてのビジョン、イメージ、目標等について深く追求されたのでしょうか。私は、まずこの点について徹底した検討が必要に思うのでございます。夢おこし県政の目指すゴールはどこなのか、まずこれを明確にすることが大切であると思うのでございます。実際に、住みよさとは何か、豊かさとは何かということについては案外あいまいでございます。

 先日六月二十一日、第三次行革審の中にある豊かな暮らし部会から、本当の豊かさを目指してという中間報告が発表されております。その中で、真の豊かさとは何か、また豊かな暮らしをつくり上げていく目標は何か等について突っ込んだ検討がなされています。そして、豊かな暮らしの実現に向けての考え方、ビジョン、目標が明らかにされています。夢おこし県政が日本一住みよいふるさとづくりを目指した取り組みならば、行革審が豊かさについて突っ込んだ検討をしたような取り組みが必要であると思うのでございます。こうした検討から生まれてきた日本一住みよいふるさとづくりのゴールはここだ、共通目標はこれだと県民に親しく共感的理解が得られるようなビジョンづくり、目標づくりが必要であると思うのでございます。それが明確になっていないから、夢おこし県政についての進め方、ねらい、核心部分がよくわからないのでございます。

 さて、そこで、次の点について、知事にお尋ねをいたします。

 今、夢そだての具体的テーマは花と音楽とスポーツを三本柱とした触れ合い広場づくりであると思うのでございます。これは、夢おこし県政が目指している目標の一部であると思うのでございますが、知事はどのように考えておられるのか。

 二、県民から寄せられた五万八千余件は、コンピューターで分析すると共通の目標は共生であり触れ合いである、したがって二十一世紀を目指した県民の共通の理想像は共生であると判断されたことはよいにしましても、触れ合い、認め合い、支え合いとして花と音楽とスポーツに絞るのはいかがなものかと思うのでございます。なぜか夢おこし県政イコール花と音楽とスポーツ、花の都ぎふづくりと思えてしまうのでございます。共生ということをもっと深く追求することによって、もっと違った活動も浮かび上がってくると思うのでございます。知事の御所見をお尋ねいたします。

 三、日本一住みよいふるさととは一体どのように考えたらよいのでしょうか。そのビジョンや目標についていろいろな角度から追求し、県民が共感的理解のできるものとしていかなければならないと思います。日本一住みよいふるさとづくりの共通目標、共通の理想像は、来るべき二十一世紀を洞察し、社会の進歩に大きくこたえていく将来ビジョンであること、将来ビジョンにふさわしい条件として、これまでも提言しました、一、人々の共通のテーマであること、人々の思いが凝縮されているもの、二、人々の知恵やエネルギーが結集されないと達成できない大胆で野心的なものであること、そして何よりも大切なことは、大衆のだれもがイメージできるような簡潔明瞭なものであること、このような将来ビジョンや目標づくりも含めて今検討されているのがウエルカム二十一プラン構想、二十一世紀ビジョンの作成であるのか、そうであるとするならば、もっとピッチを上げるべきではないかと思うのでございます。

 四、二十一世紀を目指した日本一住みよいふるさと岐阜づくりのビッグ目標としてどんなものが考えられるのでしょうか。これは一例ですが、例えば安全の夢という安全の象徴的な目標として交通事故死ゼロ目標は大変よいテーマの一つではないかと思うのでございます。二十一世紀までに岐阜県の交通事故死をゼロにするという大挑戦でございます。これは、道路整備はもちろんのこと、あらゆる安全対策、環境整備が必要でございます。もちろんちょっとやそっとではできません。そんな夢みたいなことができるはずがないじゃないかというテーマかもしれません。しかし、本当は現代社会の中で最も切実な問題ではないでしょうか。岐阜県の交通事故死がゼロになったということになれば、もちろん日本一どころか世界一安全な町となるのです。湾岸戦争は一月十五日に始まり二月二十八日に終結いたしました。四十五日間の戦争でございます。多国籍軍の兵士は六十八万人、文字どおり陸、海、空による戦いでございました。この間の多国籍軍の死亡者は百四十二人で、日当たり三・三人です。我が国の平成二年度の交通事故死は一万三百二十七人です。日当たりにすると約三十人、一日当たりの死亡者は、何と湾岸戦争の十倍でございます。まさに交通戦争真っただ中にあると言っても過言でないと思います。交通安全に携わっておられる人々から見れば、交通事故死ゼロ目標がいかに困難なものであるか御存じのことと思います。しかし、達成すればすごいことであると思います。私は、このような県民の最も切実な問題で、しかも県民総参加で知恵と総力を結集しないと達成できないような大胆なテーマに挑戦したらどうかと思うのでございます。目標は簡単明瞭でございますが、しかし、やることは至難の技でございます。そのかわり実現したら大変なことでございます。

 国でも、先ほど申し上げましたように、西暦二〇〇〇年までに百万人になるであろう寝たきり老人をゼロにしようという大目標を掲げて動き出しました。しかもゴールド・プランを見てみますと非常にわかりやすいわけでございます。私は、こうしたわかりやすく、しかも県民が切実に願い奮い立つようなテーマが、各分野、各部ごとに一つや二つは必ずあると思うのでございます。そういうテーマを夢おこし県政で発掘し、思い切った挑戦をしていただきたいと思うのでございます。県民が切実に求めているのは、暮らしの中でもっと基盤的な整備ではないかと思うのでございます。知事は、ウエルカム二十一構想、二十一世紀ビジョンのねらいや目標についてどのように考えておられるのか、御所見をお尋ね申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(浅野庄一君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) 夢おこし県政の目標は、お話にございましたように、すなわち日本一住みよいふるさとづくりでございます。その姿は二十一世紀ビジョンの中に盛り込まれていくということでございまして、二十一世紀ビジョンはただいま策定作業中でございます。おそくとも今年度内には策定をいたしたいというふうに考えております。そのことをまず御理解をいただきたいと思います。

 日本一住みよいふるさととは何かということでございますが、これは時と所と人によって違うわけでございます。そういう意味におきまして、現在の二百万県民のお考えがどこにあるかということが当然に出発点になるべきであろうというふうに考えております。夢投票によりますと、県民の願いの第一位は、レジャー、リゾート、イベント等々のグループでございまして、言うなれば人と人との触れ合いに関するものであろうというふうに推測されます。これが四八・三%。第二位は自然に関するものが二二・〇%、第三位は交通網の整備一三・二%ということになっております。それから、さきにも申し上げましたが、昨年度実施いたしました県政世論調査によりますと、県民の暮らしの力点を置くところは何かということでございますが、第一位がレジャー二四・六%、第二位が住生活一七・二%、第三位が教育、教養一一・四%ということになっております。従来上位にございました貯蓄は第四位に下がっておるわけでございます。以上のようなことを考えますと、県民の皆様は、生活を楽しむという方向に大きな関心が向けられていっているというふうにうかがわれるわけでございます。共生という言葉が出てまいりましたが、経済優先の時代は、共生でなく競争ということでございます。ゆとりができ心の時代になりますと、ともに生きる、共存共生の時代でもあろうと、かように思うわけでございます。これらの県民ニーズからいたしまして、このゆとりを楽しむことを優先しながら、ゆとりの源、源泉づくりをしていくということが夢おこし県政の方向であろうというふうに考えております。言いかえますと、二十一世紀型の生活文化を先取りをしていくということが夢おこし県政の目標でもあろうというふうに思うわけでございます。

 そこで、このゆとりを楽しむ環境づくりといたしましては、美しい岐阜県であり、温かい岐阜県であり、おもしろい岐阜県でなければならない。今挙げられている課題といたしまして、花の都だとか生きがい福祉だか、あるいは全県リゾート基地構想だとか、そういうものがございます。それぞれ今後二十一世紀ビジョンの中で具体的に目標づくりをしてまいりたい。それから、ゆとりを生む源、源泉づくりという面でございますが、このためには便利な岐阜県でなければいけない、豊かな岐阜県でなければいけない、さらには安らかな岐阜県でなければならないということでございまして、新高速三道だとか県内一時間交通圏、あるいは新産業おこし、新七大産業、安心の社会基盤づくりと、こうしたことが課題でございまして、これも二十一世紀ビジョンの中で明らかにしていくことであろうというふうに思うわけでございます。一応の考えでございますが、以上六項目が日本一住みよいふるさとづくりの基本になるのではないかなと思うわけでございますが、この生活を楽しむという、そのことを優先させるということは大勢であろうというふうに思うわけでございます。そのことが、先ほどお話に出ましたように、寝たきり老人、痴呆性老人、そういう方を防止するという高齢化社会の対策にも資するということでもございます。そういう意味から、生活を楽しむという生活文化の先取りの象徴として、花と音楽とスポーツと、この三本柱を提唱しておるわけでございます。これが夢おこし県政のすべてであるということではないわけでございます。

 いずれにいたしましても、この夢投票の結果などをこれから二十一世紀ビジョンに反映してまいるわけでございますが、県議会はもちろんでございますが、各界各層の御意見を聞きながら進めてまいりたいと思っておるわけでございます。二十一世紀ビジョンへの、言うなれば橋渡しといたしまして、今世紀最後の十年間、西暦二〇〇〇年までの夢そだてカレンダーといったものをつくりまして、ウエルカム二十一プランを進めてまいりたいと、かように考えております。これまた県議会を初め各界各層の御意見を聞きながら進めてまいりますが、この中には二十一世紀の夢ももちろんでございますが、昨年の県政世論調査におきまして、県政への要望事項として一位から三位まで高い順位を占めております福祉、道路、公園、下水道、これらの生活基盤に係る当面の課題、これに重点を置いていく必要があろうと、かように考えておるわけでございます。これらのビジョンとかあるいはプランをまとめる上で、御提案のように、県民にわかりやすい具体的な目標づくりをしていくということは必要なことでございます。御相談しながらこのことも進めてまいりたいと考えております。



○議長(浅野庄一君) 民生部長 桑田宜典君。

   〔民生部長 桑田宜典君登壇〕



◎民生部長(桑田宜典君) まず、育児休業等に関する法律の施行に伴う保育についてお答えをいたします。

 御質問第一点の、昭和五十一年四月に施行されました義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の保育休業に関する法律の本県におきます運用状況でございますけれども、育児休業中の女子が養育します児童につきましては、特別の事情のない限り保育所への入所措置の対象とならないことになっております。そこで、育児休業前に既に保育所へ入所していた児童につきまして、多くの市町村では、個別に保育に欠けるかどうかを判定するとともに、保育に欠けないと判定した児童につきましても、定員に余裕がある限り私的契約児として引き続きその保育所へ通所させることができますために、私的契約児として入所しているというのが現況でございます。

 次に、来年四月から施行されます育児休業等に関する法律の運用についての考え方についてでございますけれども、既に保育所に入所していた児童につきましては、保育に欠けるかどうかについて個別に調査をしまして、一律に私的契約児とすることがないよう指導するとともに、措置児とすることのできない場合におきましても、定員に余裕がある限り私的契約児として入所させるよう、労働省令の施行など国の動向を見きわめながら、市町村を指導することによりまして保育の継続性を維持するよう努めてまいりたいと、かように考えております。

 次に、高齢者福祉十カ年ゴールド・プランにおけますマンパワー対策についてお答えをいたします。

 人口の四人に一人が高齢者という二十一世紀の本格的な高齢化社会に対応するため、国におきましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールド・プランでございますけれども、これを策定いたしまして、昨年度から推進しておるところでございます。県におきましても、具体的には、第四次総合計画第三期実施計画におきまして、本県の家庭の機能の強さなどを考慮しながら、在宅福祉対策三本柱を初め、特別養護老人ホームなどの整備を進め、二十一世紀に向けて全国水準の確保を目指すことといたしております。これからの福祉は、議員の御質問にもありましたように、特定の専門的な技術者だけでなく県民すべてがお互いに助け合っていくシステムが極めて大切となっております。何と申しましても、この推進のかぎとなるのはホームヘルパーや施設職員などマンパワーの確保でございます。このため、県では、昨年度から、グループ単位で相互に助け合いができるよう老後安心ふれあいクラブ事業の推進を初め、本年度、専門養成機関及び研修体制のあり方などについて調査研究することとし、現在その準備を進めているところでございます。

 また、福祉に情熱と意欲を持った人材がみずからの希望に応じた福祉サービスに携わることができるよう、本年度、多治見市に新たに福祉人材バンクを設置するとともに、ホームヘルパーの研修のあり方についても、従来の三百六十時間研修に加えまして、九十時間研修あるいは四十時間研修など弾力的な運営方法の導入を図ることといたしております。既に県下の全市町村に設置されております高齢者サービス調整チームの機能強化を初め、在宅看護支援センターの増設、チーム方式によりますホームヘルプサービスなどにより、福祉、保健などの専門的なマンパワーの力を結集していくことといたしております。

 また、一方、民間におきましては、環太平洋地域の施設との交流の動きが出てまいりました。具体的に申し上げますと、オーストラリアの老人病院あるいはナーシングホームと本県の特別養護老人ホームの友好提携及び施設職員の交流であります。このことは、お互いに介護技術の交流を図ることとともに、一定期間その地域で生活することによりましてお互いの国の文化等を肌で体験し学ぼうとするものでございます。これは、職員の確保あるいは施設への定着などのために大いに意義があることであると考えております。先鞭をつけられた施設の責任者に敬意を表するとともに、今後とも積極的に推奨してまいりたいと考えております。

 以上申し上げました諸施策を積極的に推進いたしましてマンパワーの開発や育成に努めるとともに、身分、給与などの待遇改善につきましても、国の動向を見ながら、二十一世紀を展望したマンパワー対策を図っていくことといたしております。



○議長(浅野庄一君) 衛生環境部長 井口恒男君。

   〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕



◎衛生環境部長(井口恒男君) 高齢者福祉十カ年ゴールド・プラン関連の御質問にお答え申し上げます。

 福祉保健医療総合推進プランの調査研究でございますが、昨年度、県、市町村の関係機関、ホームヘルパー、保健婦、県立病院の医療従事者等へのアンケート調査を実施しておるわけでございますが、そこで問題点を抽出したところでございます。今年度はその提出されました問題点の中で、民生と衛生両部局の連携を図る上での組織上の課題やモデル事業の実施等について、重点的に検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、寝たきり老人ゼロ作戦の展開でございますが、この寝たきり老人のかなりの部分は予防できるということは議員御指摘のとおりでございます。寝たきりの主要原因であります脳卒中、骨粗鬆症等の疾患の予防とか、発症後の早期からの機能訓練あるいはリハビリテーションでございますが、これらの開始によりましてかなりの寝たきりは予防できるということでございます。これらの対策につきましては、昭和五十七年、老人保健法が制定され、各市町村におきまして、健康診査、健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等が行われておるところでございます。これらの事業は年々充実されているところでございますが、今後もこれらの保健事業の強化を進めるほかに、食生活の改善指導、高血圧者等ハイリスク者の対策、機能訓練などのリハビリテーションの充実、現在、飛騨、郡上地域で行っております脳卒中発症者の早期対応のための脳卒中情報システム事業の拡大充実等を推進していきたいと考えております。

 また、この寝たきり老人ゼロ作戦の上で老人保健施設の役割は重要でございます。その整備を今後とも進めていきたいと考えておるところでございます。



○議長(浅野庄一君) 商工労働部長 交告正彦君。

   〔商工労働部長 交告正彦君登壇〕



◎商工労働部長(交告正彦君) 育児休業法についてお答えいたします。

 まず、女性の雇用問題についての考え方、対応でございますが、議員御指摘のとおり、女性にとって働きやすい環境をつくることは、女性が自己の能力を有効に生かし生きがいある人生を送るためにも、さらには地域産業の発展の上からも重要であると認識いたしております。県では、女性の働きやすい環境づくりに資するため、今年度、県内事業所で働く女子労働者の意識や処遇の実態を把握するための調査を実施するとともに、働く女性を支援するための法律や制度等を紹介したガイドブックを作成配布し、関係者の理解を深めていただくよう啓発することといたしております。

 また、育児休業法の意義、役割についてでありますが、女性が職場で働き続けながら安心して子供を産み育てることができるような働きやすい環境づくりを進めることは、労働者の福祉増進の観点はもとより、我が国経済社会の発展のためにも重要なことであり、今回の法制化は意義あるものと考えております。

 次に、育児休業法の施行に向けての県の対応についてお答えいたします。

 育児休業法の施行機関は労働省の婦人少年室であり、県には助言、指導、勧告等の権限はございませんが、県といたしましても、働く婦人の福祉の向上を図るという見地から、啓発資料の配布、各種セミナーの活用等を通じ制度の普及啓発に努めてまいりたいと考えております

 また、育児休業法の対象となる事業所は、県下で約六万一千事業所、うち育児休業法の適用が三年間猶予されます従業員三十人以下の事業所は約五万八千事業所と推定いたしております。

 次に、育児休業法に基づく労働大臣の指針の公表についてでありますが、労働省では、十月が育児休業制度普及促進月間でありますので、その前に内容を明らかにしたいとのことであります。また、この月間を通じて大々的に啓発をするということでありますので、県といたしましても、岐阜婦人少年室と密接な連携を図りながら、法施行に向けて普及啓発に努めてまいりたいと考えております。



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○議長(浅野庄一君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 本日はこれをもって散会いたします。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。



△午後四時五十分散会



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