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平成24年 12月 定例会(第5回) 12月14日−04号




平成24年 12月 定例会(第5回) − 12月14日−04号









平成24年 12月 定例会(第5回)



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△議事日程(第四号)



              平成二十四年十二月十四日(金)午前十時開議

 第一 議第百二十六号から議第百六十五号まで

 第二 請願第二十四号及び請願第二十五号

 第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第百二十六号から議第百六十五号まで

 一 日程第二 請願第二十四号及び請願第二十五号

 一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   道家康生君

      二番   水野吉近君

      三番   国枝慎太郎君

      五番   高木貴行君

      六番   野村美穂君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   大須賀志津香君

     十一番   太田維久君

     十二番   村上孝志君

     十三番   田中勝士君

     十四番   加藤大博君

     十五番   酒向 薫君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   川上哲也君

    二十一番   林 幸広君

    二十二番   伊藤秀光君

    二十三番   水野正敏君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十七番   平岩正光君

    二十八番   佐藤武彦君

    二十九番   森 正弘君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   小川恒雄君

    三十三番   村下貴夫君

    三十四番   大野泰正君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         志村隆雄

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   武井孝彦

  同    課長補佐   城戸脇研一

  同    課長補佐   梅本雅史

  同    課長補佐   溝口智久

  同    課長補佐   古田幹雄

  同    主査     中村 隆

  同    主査     安居裕司



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          渕上俊則君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        塚中和巳君

 秘書広報統括監      若宮克行君

 危機管理統括監      石原佳洋君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       秦 康之君

 健康福祉部長       川出達恭君

 商工労働部長       宗宮康浩君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         正村洋一郎君

 県土整備部長       金森吉信君

 都市建築部長       山本 馨君

 ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        太田 誠君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    増田好則君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



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△十二月十四日午前九時五十九分開議



○議長(駒田誠君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(駒田誠君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(駒田誠君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十番 渡辺嘉山君。

    〔三十番 渡辺嘉山君登壇〕(拍手)



◆三十番(渡辺嘉山君) おはようございます。

 ただいま議長より発言のお許しをいただきました。

 本日は、大きく二点について質問させていただきます。

 まず初めに、中小零細企業への支援についてお尋ねします。

 民間調査会社であります帝国データバンク岐阜支店がまとめた、本年十月の県内企業倒産集計によりますと、県内における負債額一千万円以上の倒産件数が十三件、負債総額は二十六億八千六百万円となっており、倒産件数については六カ月連続で前年同月を下回っております。

 しかしながら、倒産の規模を見てみますと、十三件のうち負債額一億円未満の小規模倒産が七件、また従業員の数で見てみますと、従業員数十人未満の企業が十一件、全体の約九割と企業倒産の小口化が数字の上でも顕著にあらわれております。

 さらに、県内企業における倒産の要因を見てみますと、全ての企業の倒産の要因が、販売不振などを主たる要因とした不況型倒産ということであり、県内の中小零細企業が依然として、いかに厳しい状況にさらされているのか、数字の上からも明らかであります。

 このように、県内の中小零細企業の方々は、日々非常に厳しい状況に置かれているわけですが、そこにさらに追い打ちをかけておりますのが、最近の日中関係の悪化であります。もともと欧州不況と円高の影響や国内市場の縮小などにより、県内における中小零細企業の受注が低迷していたところに、日中関係が悪化。中国で日本製品の不買運動が広がり、日本製品の通関が厳格化されました。新聞報道によりますと、受注の落ち込みは前年に比べ、七割も減少しているとのことであり、「二〇〇八年のリーマンショックのころよりもひどい状況にある」という経営者の声が聞こえてまいります。

 また、財務省が発表しております貿易統計によりますと、名古屋税関を通じた中国向けの輸出額が、本年三月の時点では二千五十九億円だったものが、七カ月後の十月には一千六百三十七億円と、約二割も減少したとのことであり、日中関係の悪化が中国向けの輸出に及ぼした影響は大変大きなものがあります。近年、中国は日本の最大の貿易相手国となっており、一昨年の中国への輸出額は十年前の四倍である十三兆円にも達しております。そのうち、県内製造業における輸出額は約九百三十七億円に達しており、さきの答弁でも中国との間の関係の悪化について触れられましたが、中国に対する輸出額の激減は、受注が中心の県内中小零細企業に非常に大きな影響を及ぼしていると考えられます。

 また、経済誌を読みますと、中国国内の経済の悪化による影響も唱えられております。中国関連については、年明け、現地を訪問し実態の調査を予定しておりますので、この観点では次回質問させていただきたいと思います。

 さて、言うまでもなく本県におけるものづくりの現場を下支えしているのは、数多くの中小零細企業とそこで働く労働者の皆さんであります。県民に身近な存在である県としては、県民の目線で現場の状況を的確に把握しながら、受注が中心とならざるを得ない中小零細企業の実情に合った販売力の強化や販路の開拓、また受注金額の適正化などの支援策を講じていくべきであると考えます。

 そこで、県内の中小零細企業に対し、販売力の強化や販路の開拓など、経営改善に向けどのような支援を行っているのか。特にものづくりの現場をどのように評価しているのかを踏まえてお答えください。また、支援を行う中で見えてきた課題についてどう認識し、それを踏まえ、今後の支援の方向性についてどのようにお考えか、商工労働部長にお尋ねいたします。

 また、県では、今回の補正予算において、ソニーイーエムシーエス株式会社美濃加茂サイトの閉鎖により影響を受ける下請業者や周辺事業者の資金繰りを支援するため、「小規模事業資金」や「経済変動対策資金」の融資枠の拡大などに対応されております。県内全域において、中小零細企業の資金繰りは依然として厳しい状況が続いており、資金需要が高まる年の瀬を前に、中小零細企業への資金繰り対策をさらに強化していくことは非常に重要であると考えます。

 先日、岐阜県と岐阜市の各信用保証協会より、平成二十五年度予算等の要望を受けました。世界景気の減速や円高の影響等により、厳しい経営環境にある中小企業の金融円滑化の取り組み、とりわけ東日本大震災からの復旧・復興対策や、中小企業金融円滑化法の来年三月までの最終延長を踏まえた取り組み等のためにも、予算等の確保をお願いしたいとのことでした。そこで、県の融資制度です。この制度は、中小零細企業にとってまさしく頼みの綱と言うべき制度であり、金融機関の円滑な融資がなければ、不況にあえぐ中小零細企業を救うことは決してできません。

 そこで、県内の中小零細企業の年末に向けた資金繰りの現状についてどのように認識しているのか。また、それを踏まえて、どのような資金繰り対策を講じていかれるのか、商工労働部長にお尋ねいたします。

 次に、中小企業金融円滑化法の期限切れによる中小零細企業への影響と対策についてお尋ねします。

 皆さんも御存じのとおり、この法律は、中小企業などの借り手から借金の返済の猶予や利子の軽減などの要請があった場合、金融機関にその要請に応じる努力義務を課すというものであり、平成二十一年十二月に施行されました。当初は、平成二十三年三月までの時限立法でしたが、経済環境の改善が見られなかったため、これまで二回、期限が延長されてきました。そして、いよいよ来年三月末に期限切れを迎えることとなりました。この法律については、競争力のない企業が条件緩和の繰り返しにより延命しているという指摘はあるものの、中小零細企業の倒産件数の減少に非常に大きな効果を発揮してきたことも事実であります。

 帝国データバンク岐阜支店がまとめた本年四月から九月までの県内企業倒産件数を見ても、前年度の同期間に比べ、倒産件数が約二三%も減少しており、円滑化法の効果だと言われております。また、金融庁の調査でも、金融機関における円滑化法への対応状況は、貸付条件の変更等の実行率が九割を超えるとされております。

 今の予定では、そのような円滑化法が来年三月末で期限切れとなるわけですが、この法律が期限切れとなることにより、金融機関が従来認めていた返済の猶予などについて認めなくなり、中小零細企業の資金繰りが一層苦しくなるのではないかと懸念されております。事実、金融機関からは「円滑化法の期限切れ後、他の金融機関と足並みをそろえて返済の軽減をすることが難しくなるかもしれない。そのため、今後倒産件数がふえる可能性は否定できない」などといった声が上がっております。

 さらに、企業の返済が滞ると金融機関から保証協会に提出される事故報告書について、県の信用保証協会が本年九月に受け付けた件数が前年同月に比べ約三四%増加、また金額についても同様に約一五%増加し、三カ月連続で前年を上回ったというような新聞報道もあり、このような返済能力に問題を抱えている企業がふえてきていることも非常に懸念されるところであります。そのような中、他県においては、県内に本店や支店を持つ金融機関などに、中小企業に対する円滑な資金供給と経営改善支援を引き続き行うよう、要請しているところも出てきております。

 また、先ほども少し触れましたが、本県の信用保証協会も円滑化法の期限切れを見据え、中小企業の再生支援を図る「岐阜企業力強化連携会議」を県内の金融機関や行政機関などと結成し、県内経済団体などと共同で経営支援策をまとめたパンフレットをつくり、その利用を呼びかけているとのことでありますが、県内の中小零細企業の経営環境は依然厳しい状態が続いており、円滑化法の期限切れにより、金融機関の貸し渋りが再燃し、倒産件数が急増するのではないかと非常に危惧しているところでございます。

 また、内閣府、金融庁、中小企業庁による中小企業の経営支援のための政策として、「金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮」等を施策として実施するとしておりますが、現実にはどうなるか、地域の金融機関によるコンサルティングがどの程度までできるのか、不安を覚えるものであります。

 そこで、中小企業金融円滑化法の期限切れによる、県内の中小零細企業への影響についてどのように認識しているのか。また金融機関への働きかけなど、どのような対策を講じていかれるのか、商工労働部長にお尋ねします。

 先ほども申し上げたとおり、本県におけるものづくりの現場を下支えしているのは、数多くの中小零細企業とそこで働く労働者の皆さんであります。そのような方々が安心して日々暮らせるよう、県におかれては、中小零細企業の実情を十分に踏まえた施策を積極的に推進していただきますようお願いし、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) まず中小零細企業への支援に関しまして、経営改善に向けた支援の現状と課題に対する認識、今後の支援の方向性についてお答えいたします。

 中小企業が経営改善を図るためには、たとえ規模の小さいものづくり企業であっても、消費者のニーズ、購買意欲を的確に捉えた新たな商品をみずから開発し、新たな取引先や販路を開拓することにより、取引先に左右される下請から脱却していく必要がございます。そして、厳しい経営環境下においても、みずから価格決定権を持ち、稼ぐ体質へと転換を図っていくことが不可欠と考えております。

 このため、県では、首都圏・名古屋圏の店舗、さらには海外の販売拠点と連携した県産品のテストマーケティングの実施、感度の高いバイヤーなどが集まる展示会への出展支援、ネットショップ事業への参入支援など、多面的な取り組みを進めているところでございます。

 また、こうした取り組みを進める中で、中小企業の経営者みずからが、事業を変革する意識を持たない限り成功には至らないことも明らかとなっており、どのようにこの意識改革を促すのかが課題となっております。

 このため、これまでビジネスの改革に意欲のある経営者同士が相互に刺激を受け、成長のきっかけを得られる仕組みをつくるため、「岐阜モノづくりネットワーク」や「ぎふネットショップマスターズ倶楽部」などの組織づくりを進めてまいりました。今後も、こうした息の長い支援を地道に続けていくことが必要であると考えております。

 次に、年末に向けた資金繰りの現状と対策についてお答えいたします。

 平成二十四年度の県制度融資の状況は、本年十月末までの新規融資実績が前年同月比で五九・六%、全体で約二百五億円となっており、中小企業の資金需要は年々縮小しております。この背景には、景気の低迷による前向きな投資の減少や中小企業金融円滑化法による貸付条件の変更などがあると考えております。

 しかし、例年、年末から年度末にかけましては、賞与の支払いや年末年始の仕入れなどの資金、支払い手形、買掛金などの決済資金の調達のため、需要が高まることが見込まれます。

 このため、県といたしましては、県内中小企業者の経営の安定化を図るため、金融機関や県信用保証協会に対して、融資の申し込みに柔軟に対応するよう引き続き要請してまいります。

 最後に、中小企業金融円滑化法の期限切れによる、中小零細企業への影響と対策についてお答えいたします。

 中小企業金融円滑化法の施行から三年が経過し、本県においても、平成二十四年三月末時点で、約十一万件余の貸付条件の変更が行われております。法の期限到来後における金融機関の対応が不安視されておりますが、県内金融機関に対するヒアリングでは、引き続き柔軟な対応を行う旨、お聞きしております。また、国においても、金融機関に対する検査・監督指針の中で、引き続き貸付条件の変更や円滑な資金供給に努めるべきとの姿勢を示しております。

 こうした状況にはございますが、県といたしましては、県内中小企業の動向を注視しつつ、必要な資金が行き渡るよう、関係機関と連携し、機動的かつ柔軟な対応に努めてまいります。

 一方、経営改善が進まないまま、返済猶予のみで事業を継続しているのみでは、いずれ資金繰りが苦しくなり、倒産するケースが増加することも懸念されます。このため、県といたしましては、この九月に、県内金融機関、信用保証協会、国、県、再生支援団体などによって設置されました「岐阜企業力強化連携会議」を通じ、中小企業の経営改善、再生につきましても、十分支援してまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 十三番 田中勝士君。

    〔十三番 田中勝士君登壇〕(拍手)



◆十三番(田中勝士君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、今回は大きく三項目について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず初めは、エネルギー政策についてお尋ねします。

 今回の県議会は総選挙の真っただ中に開催されています。TPP参加の是非や消費税など多くの争点があるわけですが、中でも国民の関心が高いのが脱原発の問題です。

 ある政党が配っているビラを見てみると、次のように書かれていました。「全ての原発が廃炉となる脱原発への道のりを定めます。原発にかわって再生可能エネルギーを普及させるエネルギーの大転換で、地域産業を育成し雇用を拡大させます。昨年に脱原発を決めたドイツでは、既に五兆円規模の産業と三十八万人の雇用が生まれ、地域が活性化しています」。このビラに書かれているように、ドイツは昨年、二〇二二年までに全ての原発を停止させることを決めました。しかし、これは一朝一夕に決められたものではありません。

 ドイツ国内では、一九八〇年代から地球温暖化防止施策が国民の合意となっていました。どの党派も積極的に環境やエネルギー問題に取り組んでおり、火力発電を極力減らし、再生可能エネルギーへの転換を促進してきました。そこに環境保護を旗印にした緑の党が生まれ、支持をふやし、国会に議席を獲得して政権に参画し、影響を及ぼすまでになったわけです。一九九八年、EUの電力自由化指令を受け入れ、当時は今の日本と同じ地域独占の形態であった電力会社を発電・送電・売電の会社に分割、電力の完全自由化を果たしました。二〇〇〇年には、既に再生可能エネルギーの長期固定価格買取法を成立させています。そして、二〇一〇年九月、ドイツ政府は新しいエネルギー戦略を決議しました。ここでは、脱化石、脱原子力の方針が打ち出され、二〇五〇年までの国が進むべきロードマップが明確にうたわれています。既にこの中では原子力発電の使用期限は二〇三五年前後と定められていました。そして昨年、福島第一原発の事故を受け、脱原発の期限をこのエネルギー戦略よりさらに短縮し、二〇二二年と前倒ししたわけです。

 このように、ドイツの脱原発は、三十年以上の長い時間をかけて形成された国民的合意のもと、今後数十年にわたるロードマップに沿って決定されたものです。こうした過程を経て、再生可能エネルギーが総電力需要の二〇%を占めるまでになり、先ほど御紹介させていただいた「五兆円規模の産業」も「三十八万人の雇用」もこの流れの中で生み出されてきたものです。

 こうしたドイツの事例からもわかるように、脱原発の問題は、国民的議論の積み重ねもなしに二者択一的に結論を出すべき問題ではありません。私たち日本人は、まずこのことを学ばなくてはなりません。そして、地方行政を預かる立場としては、こうした議論に振り回されることなく、我が国のエネルギー政策の行方を見きわめながら、やるべきことをしっかりとやっていく、こうした姿勢が求められています。

 昨年の六月議会でも、私はこのエネルギーの問題について取り上げさせていただきました。福島第一原発事故の後、我が国のエネルギー政策が再構築されていく中で、地方はどのようにかかわっていくのかという質問でした。このとき、知事からは大変明快な答弁をいただきました。つまり、二つの観点を上げていただき、一つは、住民生活の安全・安心を預かる立場から、原子力発電所の安全確保に万全を期していくということ。皆さんも御承知のとおり、昨年から今年にかけて原子力防災対策の推進については着実に取り組んでいただいており、目に見える形で体制の整備も進んでいます。二つ目は、エネルギー利用者の立場に立って、県内各主体における電力・エネルギー消費量をできる限り削減し、需要サイドからエネルギーの安定供給に寄与する役割を果たすということでした。そこで、今回の質問では、このエネルギー消費量の削減の問題について取り上げたいと思います。

 今後の我が国のエネルギー問題を展望したとき、昨今の流れを見てみると、原子力発電に対する依存は確実に減少していくでしょう。また、温室効果ガスの排出や価格の高騰、資源の枯渇など化石燃料の抱える問題を考えると、原発で削減した分全てを火力発電で補うわけにもいかないでしょう。

 その一方で、再生可能エネルギーに対する取り組みは始まったばかりで、我が国のエネルギーを支える柱の一つに成長するにはまだ時間がかかります。とすると、議論はいずれエネルギー消費量の削減の問題に行き着きます。これは前回の質問の際にも指摘させていただきましたが、つまり現在のエネルギー消費は維持できないという前提に立った上で、それでも回るような経済構造をいかにしてつくるのかといった問題、つまり省エネ推進の問題です。

 先ほど、ドイツのエネルギー政策について紹介させていただきましたが、ここでも最も重要視されているのが省エネの推進です。この点について少し詳しく説明させていただくと、ドイツ政府が決議したエネルギー戦略の中では、「全エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を六〇%まで高める」、あるいは「全電力消費に占める再生可能エネルギーの割合を八〇%まで高める」といった目標が定めてあります。そして、その実現のための前提条件として、二〇五〇年までにエネルギー消費量を二〇〇八年の半分のレベルまで削減する。それには毎年二・一%の省エネが必要であり、この省エネが社会で実現できなければ、これらの目標値はいずれも達成できないとされています。つまり、ドイツが脱化石・脱原発を掲げて挑戦しているエネルギー政策の大転換が成功するか否かは、これから約四十年にわたり年間二・一%の省エネを実現できるかどうかにかかっているわけです。

 岐阜県では「次世代エネルギービジョン」が策定されており、もちろん省エネ対策の推進もこの中で示されています。つまり、現在、国において進められている各種施策の実施と期待される削減効果を前提に、本県におけるエネルギー消費特性に応じた二〇三〇年までの省エネ対策の効果が推計されているわけです。

 そこで一点目の質問です。

 今後、知事は、岐阜県の省エネ対策をどのように進めていこうとお考えでしょうか。また、対策推進に当たり、こうした推計結果などをどのように活用していかれるのでしょうか。古田知事の答弁をお願いいたします。

 社会のエネルギー消費の約六割は、熱エネルギーとして消費されていると言われています。先ほどから御紹介しているドイツでは、数ある対策の中で、建物における熱消費を削減することが最も費用対効果にすぐれるという見識で各界の意見が一致しており、省エネリフォームの推進をその柱に据えています。我が国でも、ようやくこうした取り組みが始まり、一定の断熱性能や省エネ基準を満たす建築物に対し、減税や容積率の緩和など優遇措置を認める制度がこの九月に創設され、今議会でも、これに関係する条例案が提案されています。

 こうした状況を鑑みると、私は特に高断熱住宅の普及を図っていくことが重要ではないかと考えています。岐阜県では、県独自の取り組みとしてベストミックスによる次世代エネルギーインフラのモデルを提示し、その普及促進を目的とする五つのモデルプロジェクトが実施されていますが、この中の家庭モデル、つまりグリーニー岐阜の調査結果からもわかるとおり、徹底した省エネ設計の住宅のエネルギー消費は一般住宅の二分の一まで削減できることが実証されています。

 県としては、こうした高断熱住宅普及についての調査・研究をさらに進める必要があると考えます。例えば平野部と山間部ではどうなのか。新築とリフォームではどうなのか。構造的に有利なもの、不利なものは何か。戸建てと集合住宅ではどうなのか。そして、最も重要なのが、経済性がどうなのかということです。いかにエネルギー消費にすぐれていても、採算がとれないものは普及しません。イニシャルコストが高くても、電力や石油など将来のエネルギー価格の上昇分を勘案すれば、長期的には有利だということを実証する必要があるわけです。つまり、経済的合理性の追求とその実証、そして普及宣伝です。

 そこで、二点目の質問です。

 今、提案させてもらったような高断熱住宅の調査・研究・普及促進に関する取り組みは、県でも十分に実施できる内容だと思います。また、エネルギー消費量の削減という観点から見ても、必要かつ有効だと思います。こうした取り組みの推進についてどのように考えているのか、古田知事の考えをお聞かせください。

 今回の質問では、ドイツの事例を中心に紹介させていただきました。こうした問題については、高山市出身で、現在はドイツに在住されている環境・エネルギー問題が専門のジャーナリスト村上敦さんにレクチャーしていただきました。先日も、林政部主催のシンポジウムに講師として参加するため来日されていました。同じ岐阜県人でこうした専門知識を有する人材がいるのは心強い限りです。

 現在、ドイツは、電気料金の高騰の問題など多くの困難に直面しています。ドイツは果たして成功をするのか。国民の民主主義への信頼と強い自治への意識に支えられたこの果敢な挑戦に対し、今、世界中が注目しています。

 続いて、水源地域保全条例についてお尋ねします。

 先日、水源地域保全条例の素案が公表されました。現在はパブリックコメントが実施されており、三月議会に提案、四月施行の予定で進められています。素案の内容を簡単に紹介すると、以下のとおりです。四点に要約します。一、森林など水源地域の土地取引について事前届け出制を導入する。二、水源地域は、上水道などの取水地と周辺を対象に、県が市町村や外部審議会の意見を聞いて指定する。三、地域内の土地の売り主は、売買の三十日前までに、県に契約の当事者や場所、利用目的などを届け出る。四、無届けや虚偽の届け出をした場合などは、五万円以下の過料を科すことができる。こうした事前届け出制を定めた条例は、北海道とほか三県が制定していますが、行政処分である過料を規定するのは岐阜県が初めてとのことで、届け出の徹底に向けてより強い姿勢が示されています。この条例により、売買情報を把握し、土地所有者に適正な土地利用を助言できる制度が新しくつくられるわけで、水源地域の保全という意味では大きな前進だと言えます。

 しかし、今回の条例制定は、私たちが本来の目的と考える「水資源を狙った外国資本の森林買収を防ぐ」という意味においては、残念ながらほとんど効果がないと言わざるを得ません。以前、知事が議会答弁の中で触れられていたように、一定の牽制効果はあるかもしれませんが、そもそも土地取引そのものを規制する法律がない以上、土地の買収を条例で縛るというのには無理があります。

 そこで、今回私は、この条例とあわせて水そのもの、つまり地下水を採取する権利に規制をかけるもう一つの条例を制定することを提案したいと思います。私たちの目的は水資源を守ることです。仮に外国人に森林を買収されたとしても、その土地から水を採取することができなければ、水資源は守れます。また、逆の立場から言えば、水を採取することができない土地を買収しても、何の意味もなさないというわけです。つまり、今回の条例とあわせて指定された水源地で地下水をくみ上げる場合は知事の許可を要するといった内容の条例を制定し、さらに規則によって量的規制を定めるなどの措置をとれば、かなりの効果が期待できます。

 ここで、参考になりそうな事例を二件、それぞれ簡単に紹介したいと思います。いずれも県内の事例です。

 まず山県市環境保全条例です。五点に要約して説明します。一、目的。地下水源の枯渇、地盤沈下、水質汚濁を防ぐなど、地下水の保全と利用の適正化を図る。二、規制区域。地下水の採取を規制する区域は、市長が規則で定める。三、採取の許可。規制区域において、井戸の設置や変更をしようとする者は、市長の許可を受けなければならない。四、中止命令。市長は、許可を受けないで地下水採取を行っている事業者に対し、その中止を命ずることができる。五、報告及び立入調査。市長は、地下水採取を行っている者から報告を求めることができる。また、立入調査ができると、このようになっています。

 もう一つは、高山市水源保全に関する条例です。これは、高山市国府町地域の水源の汚染防止と保全を目的として制定されたもので、指定された水源保全地域で一定規模以上の井戸を掘ろうとする者は、市長の許可を得なくてはならない内容になっています。こうした事例を参考にしながら工夫をすれば、より実効性のある条例をつくることができるのではないでしょうか。

 そこで知事にお尋ねします。

 今、提案したような条例の制定について、ぜひ御検討願えないでしょうか。さきの六月議会の際、県政自民クラブの洞口先生も御指摘されていたように、外国資本の買収から我が国の水資源を守ることは、まさに国家の安全保障の問題です。そして、岐阜県がこの問題に対する有効な対策を全国に先駆けて打ち出すことができれば、まさに清流の国の名にふさわしい役目を果たしたと言えるでしょう。知事の前向きな答弁をお願いいたします。

 最後に、安心・安全まちづくりボランティアの支援について質問いたします。

 笠松町立松枝小学校は、県庁から車で約十五分ほどのところにあります。この学校の校区では、登下校の時間になると鮮やかな色のジャンパーやベストを着た地域のお年寄りが大勢街頭に立たれます。「松枝ふれあいたい」の皆さんです。この松枝ふれあいたいは、平成十七年に発足し、現在は約六十名のメンバーで活動しています。登下校時に学校周辺だけでなく、交差点や横断歩道など危険箇所に立って、子供たちの交通安全の見守り活動をしています。恐らく皆さん方の地元にも、こうした活動をされているボランティアの方が大勢みえるのではないでしょうか。

 先日、この松枝ふれあいたいの代表の方から相談を受けました。活動資金が不足しているので、何かいい助成制度はないかとのことでした。まず初めに、私は環境生活部の地域安全室に問い合わせをしました。活動資金を助成する制度はないとの答えでした。次に、教育委員会の学校体育安全係に聞いてみました。こちらもこうした制度はないとのことでした。たしか民間にそんな制度があったかもと担当者の方に探していただき、ニッセイ財団−−これは日本生命が設立した公益財団法人です−−が行っている「生き生きシニア活動顕彰」という事業を紹介していただきました。窓口は環境生活部の男女参画青少年課でした。

 まずここで第一に申し上げたいのは、こうした事業、県で実施しているものや、今回のような民間が行っていて県が窓口になっているものなどいろいろあると思いますが、探すのが非常に大変です。恐らく私が県議会議員でなかったら、もっと苦労をしているはずです。例えば今回の事例では、「高齢者の活動をサポートする」「登下校時の安全を守る」「交通安全に寄与している」など、いろいろなアプローチの仕方があるわけですが、いずれの手法をとっても、求めている事業を見つけることができるような何かよい仕組みはできないものでしょうか。ぜひ一度検討していただきたいと思います。これは古田知事に要望として申し上げておきます。

 今回申請させていただいたニッセイ財団の事業、助成額は五万円で来年の夏までお金はもらえないのですが、御相談いただいた方は大変喜んでくれました。自分たちの活動が県に認めてもらえたことがうれしかったようです。

 古田知事は、前回の選挙の際、安心・安全ボランティアの登録数を平成二十四年度までに三百九十団体にふやし、支援・育成することをマニフェストの中で掲げられていました。現時点での登録団体数は三百八十七団体と伸びており、目標は順調に達成されようとしています。もちろんこの松枝ふれあいたいも登録されています。しかし、この中身を見てみると、休眠している団体もかなりあり、登録はしたものの活動の継続をしていくのはなかなか難しいようです。先日の人づくり対策特別委員会で配布された資料を見ても、こうした活動の課題・問題として、担い手不足や活動するに当たっての財源不足などが挙げられていました。

 そこで質問ですが、今後はこうした団体の日常活動に対する支援を充実すべきと思いますが、いかがでしょうか。例えば、助成金制度の創設や現在は登録時のみに行っているユニフォームの支給をもっと拡大するなどです。また、ユニフォームですが、現在は蛍光グリーンのベストが配られていますが、このデザインを工夫するというのも一つの方法です。それぞれの活動に携わっている方々が、やりがいと誇りを持って生き生きと取り組めるように工夫の余地は幾らでもあると思います。環境生活部長の答弁をお願いします。

 今回の質問は以上です。それぞれ簡潔かつ明快な答弁をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) ドイツのエネルギー戦略から岐阜県の次世代エネルギービジョンに触れていただいた上での、省エネルギー対策の御質問ということでございますが、この岐阜県の次世代エネルギービジョン、ちょうど昨年の東日本大震災とほぼ時期を同じくして発表したものでございますけれども、改めて申し上げますと、この次世代エネルギービジョンの三つの視点、その第一に、私どもは大前提として「省エネルギー対策の推進」を掲げておるということであります。その上で、「複数のエネルギー・技術のベストミックス」、そして三番目の視点として「コストメリットを重視したエネルギー技術の導入」と、これも省エネ技術もまさに同じ考え方で、コストメリットを重視するということで論じておるわけでございますが、こうした考え方を十分に御理解、御評価いただいていることは私どもとしては大変ありがたいことでありますが、その上で省エネルギー対策の進め方についてお答えを申し上げたいと思っております。

 日本におけるエネルギー消費の実態を見ますと、産業部門のエネルギー消費量は増加していない一方で、家庭を含む民生部門におけるエネルギー消費が顕著に増加しております。第一次オイルショックの一九七三年に比べても、二・五倍ということでございます。こうした実態から、私ども岐阜県としては、特に家庭における省エネルギー対策を重点的に進めることとしております。次世代エネルギービジョンにおきましては、その実施を通じて、二〇三〇年の岐阜県の家庭におけるエネルギー使用量は、何も対策をとらない場合に比べまして、二一・六%削減できるというふうに推計をしておるところでございます。

 具体的な取り組みとしては、各家庭において、一般的な節電を行うだけではなく、LED照明、省エネルギー効果がすぐれているトップランナー製品、電気自動車・プラグインハイブリッド等の次世代自動車を普及していくことが必要でございます。こうした商品につきましては、今後の成長・拡大が期待できることから、既に民間の動きが大きく進みつつあるということでございます。

 一方、住宅そのもののエネルギー対策は、削減されるエネルギー量が多いにもかかわらず家電や自動車に比べますと常識が十分に進んでいないという状況にございます。このため、県としては、窓ガラスの二重化、あるいは三重化や、壁・床の断熱化などを施した高断熱住宅の普及に重点的に取り組む必要があるというふうに考えておるわけでございます。

 しかし、これらの対策の推進に当たりましては、まずは県民の皆様に、省エネルギー対策にかかる費用や、電気・ガスなどの料金削減の見通し、初期投資回収に要する期間などを踏まえて、具体的な省エネ効果を理解していただき、そして対策に取り組んでいく意識を高めていただくと、こういう必要があるわけでございます。このため、県としては、省エネルギー対策の費用対効果がわかるような省エネシミュレーションシステムの構築を進めておりますし、また具体的な省エネ対策と効果をお示しできる県独自のガイドラインを、今年度末を目途に取りまとめることにしております。そして、こうした成果を、県の「省エネ・新エネ推進会議」を通じて、県民の皆様やら企業、団体に広くお伝えするとともに、県民向けシンポジウムや各種講演会等でアピールしてまいりたいというふうに考えております。

 次に、その中でもひとつの肝になります高断熱住宅についてでございますが、今申し上げましたように、その普及促進は県として重点的に取り組むべき分野であるというふうに考えております。御指摘にもありましたように、既に一昨年度から家庭モデルとしてグリーニー岐阜においての実証実験を進めてまいりました。その結果、従来の家庭に比べ、消費するエネルギー量が半分まで削減できるということがわかっております。冷房では約三割、暖房では三分の二の削減が実現しておるということでございます。

 こうした高断熱化住宅を普及していくためには、新築や改築に当たり、住宅の施工・設計を行う工務店や住宅メーカーから顧客に対して、高断熱住宅への転換によってどの程度電気やガスなどの料金が削減され、初期投資の回収につながるかをしっかりと説明をし、具体的な施工の方法を提案していただくということが必要でございます。このため、県としては、「次世代住宅普及促進協議会」というものを年度内に立ち上げまして、学識経験者の御意見も踏まえ、御指摘の論点も含めて調査・研究を進めながら、高断熱住宅など次世代住宅に対する県内の工務店やハウスメーカーの理解を深めていただく活動を進めていきたいというふうに考えております。

 さらに、省エネ対策や次世代エネルギーインフラ導入を提案できる人材の育成ということも重要でございまして、このため、高断熱住宅のさまざまな効果を知っていただくための講座、省エネルギー改修や次世代エネルギーインフラの施工技術を学ぶ講座といったものも開催していきたいと思っています。

 次に、水源地域保全条例に関して御質問がございました。

 御案内のように、平成二十二年に県庁内に「森林・水資源保全対策研究会」を立ち上げまして、いろいろと研究・検討をしてまいりました。こうした結果やら議会からの提案もございまして、現在、三月議会で条例案を上程する方向で作業を進めておるところでございます。

 この条例案は、御指摘もありましたように土地の売買の事前届け出を義務づけるもので、虚偽の届け出をした者等に対し過料規定を設けるなど、水源地域を保全するために、他の県の例に比してより強い姿勢を示そうとしておるわけでございます。また、これに加え、森林・環境税を活用して、水源林の公有化を支援することもうたっていきたいというふうに考えておるわけであります。

 一方、地下水の取水制限についていろいろと御指摘がございました。地下水は、そもそも法令による規制がない限りは、その所有権は土地所有者に帰属するということで、土地の所有者は自由にくみ上げることが可能となっております。その結果として、従来から地下水を生活用水として使っている地域の住民もおられますし、工業用水として利用している場合もあるわけでございます。

 しかしながら、地下水の取水は地盤沈下の原因となるなど住民生活への影響が大きいことから、取水を一定程度規制すべきであるという考え方も当然あるわけであります。実際、西濃圏域の市町におきましては、地盤沈下防止の観点から、地下水の利用につきまして「西濃地区地下水利用対策協義会」というものを連携して設置いたしまして、揚水量の自主規制を行っておられます。また、議員御指摘のように、山県市は地下水源の枯渇などを防ぐために水道水源の規制を行っておりますし、高山市は水源の汚染防止と保全目的ということで水源保全地域を規制しておるわけでございます。このように地下水の取水につきましては、活用方法や従来からの慣習など、地域や市町村それぞれに事情がございます。また、取水規制につきましても、水道水の水源保全、地盤沈下防止、あるいは水源地域の保全など、地域の実情に応じてさまざまな目的があるわけでございます。地域によっては、かなりデリケートな問題もあるかもしれないわけでございます。

 したがいまして、水の利用をめぐって県内の実情がどうなっているか、水の利用やその規制に関して地元の市町村がどのように考えているか、規制する場合にはその内容、手法、期待される効果などについて、どういった問題があるか、他県ではどのような対策が検討されているか、あるいは国の法制度との関係をどう整理するか等々、広範囲にわたって研究する必要があるのではないかというふうに思っております。このため、まずは庁内に研究会を立ち上げまして、早急に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 あと、ボランティア活動支援のための情報提供の仕組みについては、要望として承らせていただきます。



○議長(駒田誠君) 環境生活部長 秦 康之君。

    〔環境生活部長 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部長(秦康之君) 安全・安心まちづくりボランティアの支援につきましてお答えいたします。

 平成十四年に、刑法犯認知件数がピークに達したことを背景といたしまして、県では、地域の自主的な防犯活動を促進するため、平成十五年に防犯ボランティアに対する活動物品の提供等の支援をパイロット的に開始をいたしております。その後、こうした取り組みが市町村に広がり、現在、二十九の市町村におきまして、ジャンパーの支給や活動費の助成等が行われております。また、その他の市町村におきましても、地域の実情に応じてPTAや自治会等が支援している状況にございます。今後は、こうした情報を市町村間で共有できるよう連絡会議を設置し、自主的な防犯ボランティア活動が一層促進されるよう働きかけてまいりたいと考えております。

 また、ユニフォームにつきましては、過去に寄附金などをもとに地域安全のシンボルマーク入りで通年利用が可能なベストを一括購入しております。新規に活動を始める団体に対して交付をしてきたところでございますけれども、長年の活動により使用に支障を来す場合もあるかと思います。今後は、交換に応じるなど柔軟に対応してまいります。

 なお、このような地域密着型のボランティア団体に対しましては、公益法人や民間団体も助成金を含め支援制度を設けております。今後は、こうした防犯ボランティア団体の活動支援につながる情報を一元化し、団体向けに年三回発行しております「安全・安心まちづくり情報」やホームページなどで提供してまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 八番 長屋光征君。

    〔八番 長屋光征君登壇〕(拍手)



◆八番(長屋光征君) おはようございます。本日も元気いっぱい質問をさせていただきたいと思います。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、順次質問をさせていただきたいと思いますが、その前に一言冒頭での発言をお許しいただきたいと思います。

 九月議会において、私はiPS細胞の研究の質問をさせていただきましたが、その後、山中伸弥教授のノーベル賞受賞、その山中伸弥教授のグループと共同研究をしていた岐阜大学大学院医学系研究学科の手塚建一准教授のグループの研究が国際歯科研究学会とアメリカ歯科研究学会の賞を受賞されるといううれしいニュースが飛び込んでまいりました。本県の大学で、新たに世界で注目される研究が行われていることを改めて御報告させていただきますとともに、今後、さらに研究が進み、再生医療の進歩と同時に、本県の産業・経済へという方向へも波及していってほしいと大きな期待を寄せるものであります。

 さて、今回の私の質問は大きく三つの分野について順次質問をさせていただきたいと思いますが、一つ目は福祉避難所についてです。

 福祉避難所は、高齢者や障がい者、妊産婦や乳幼児、病弱者など避難生活で特別な配慮を必要とする人が対象でありますが、さきの震災においても、障がい者が周囲への配慮から避難所に入れないことや、乳幼児が避難所に入れないなど問題があったと聞きます。私が昨年、県政自民クラブの三期の先輩方と被災地に伺った折にも、乳幼児の授乳場所やおむつをかえる場所がなく、ボランティアの方が自分の事務所の一角をお貸したところ、支援物資がもらえないなどの問題が起きたというお話を伺いました。

 そこで、まず健康福祉部長にお尋ねします。

 現在、本県においても福祉避難所が数多く指定されていると思いますが、その福祉避難所の現状と、東日本大震災を踏まえた福祉避難所指定の課題をどのように認識をされているか、お伺いをしたいと思います。

 先ごろ、私は特別支援学校に通う児童・生徒の親さんたちのアンケートの結果を拝見し、その中で、心配される項目の中に、「災害時の避難場所のことが心配である」との結果を目にしました。自閉症などの発達障がいの子供たちは、集団の中で過ごすことが苦手でパニックを起こしやすく、災害時に健常者と同じ避難所で生活することは、双方にストレスがかかるため不安を募らせている保護者も多いと聞きます。本日は議場配布資料として、昨年三月二十二日に朝日新聞に掲載をされた、東日本大震災の現場で実際にあった自閉症のお子さんがいる被災家族の現場での苦悩が書かれている記事を配布させていただいております。(資料を示す)

 現在、本県の特別支援学校は県内に十七校あり、約二千百人の生徒が通学していて、その子供たちはさまざまな障がいを抱え、中にはアレルギー体質の子供もいるようですが、もし大きな災害が発生し、多くの被災者が出た場合に、ほかの被災者と一緒に共同生活ができるでしょうか。理想論を言えば、何の問題もなく、全ての人たちが平等に避難生活を送ることができればいいのですが、極限状態の中での生活は他人を気遣うことも難しいと思います。

 そこで、私はせっかく県内に十七校も特別支援学校があるのであれば、市町村と県が連携し、福祉避難所として指定をしたらどうかと思います。特別支援学校であれば、そもそもが障がいのあるお子さんたちが通う施設としての一定の機能を持っているため、そこに通う生徒はもちろん、さまざまな障がいがある皆さんも利用することができ、体育館や校舎、運動場を有効活用すれば、大きな福祉避難所としての機能を果たすことができると思います。特別支援学校に通う生徒さんは、遠方から通う子供たちもいるため、強制的にそこに集めるのではなく、選択枠をつくってあげることにより、日ごろ生活している学校での避難所生活を選択することもできるため、保護者の皆さんにとっても安心できると思うからであります。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 現在、市立の特別支援学校として各務原市が福祉避難所として指定をされておりますが、今後、本県の特別支援学校を県が率先して市町村に働きかけ、福祉避難所として活用するような取り組みが必要ではないかと考えますが、教育長の御所見をお尋ねいたします。特別支援学校に通われている皆さん以外にも、さまざまな障がいや一般の被災者と共同生活が難しいさまざまな事情を持った皆さんが安心して避難ができる場所を確保するためにも御検討を賜りますようお願いを申し上げます。

 次に、大きく二点目として、認定看護師養成に係る助成制度の拡充についてお尋ねします。昨年の十二月議会の一般質問でも、看護職員の待遇改善について質問をさせていただきましたが、今回は、看護職員の資質向上に向けた取り組みについて質問をさせていただきたいと思います。

 昨年の一般質問以来、私は看護連盟の役員の皆さんや青年部の皆さんと、夜間看護の現場視察や意見交換を多くさせていたただきました。夜間看護の現場視察では、看護師の皆さんが使命感のもと、患者さんの命を守るため、患者さんが病院で安心して過ごすことができるようにと、昼夜を問わず働く姿を拝見させていただきました。薬物事故などの患者さんが搬送されてくるかもしれない救命救急の看護師の皆さんは、危険手当もなく、自分の命より患者さんの命を守るために身を挺して働き、ICUではいつ患者さんの容体の変化が起きるかわからない中で働いてみえる看護師さんの姿は、まさにナイチンゲールのようでした。意見交換では看護師の生の声を聞かせていただき、自分が休みをとることによってローテーションが変わるため休みをなかなかとれない現状や、新しい知識を覚えるための時間がないことなど多くの生の声を聞かせていただくことができました。そうした中で、今回の質問では看護職員の資質向上について、中でも認定看護師育成支援制度についてお聞きしたいと思います。

 認定看護師とは、認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践できる者をいい、その役割は看護現場において実践・指導・相談の三つの役割を果たすことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることに貢献する者とされています。その条件は、まず日本国の保健師、助産師及び看護師のいずれかの免許を有しており、実務経験五年以上、うち三年以上は認定看護分野の経験が必要であり、それらを満たした上で認定看護師教育機関にて、認定看護分野に応じた六カ月、六百時間以上にも及ぶ認定看護師教育課程を修了し、認定審査に合格すると認定証が交付され、認定看護師として登録されるとされており、分野はさまざまあり、救急看護やがん化学療法看護、新生児集中ケアなど二十一分野あります。ちなみに、看護師のキャリアアップに欠かせないのが専門看護師と認定看護師の資格ですが、どちらも日本看護協会で認定される資格であります。

 両者の違いは、専門看護師は、複雑かつ困難な看護問題を抱えている個人や家族、集団に高い水準の看護ケアを効率よく提供するために、特定の専門看護分野の知識やスキルを高めて保健や医療、福祉の発展に貢献したり看護学の向上を図る仕事で、看護系大学大学院修士課程修了者であることが必要です。認定看護師は、特定の分野で熟練した看護技術や知識を用い、高いレベルでの看護実践を行い、現場での看護の質の向上を図るもので、専門学校卒業後、前述の実務経験を積めばなることができます。例えば専門看護師はがん看護と大きな一くくりで専門看護をするのに対して、認定看護師はがん看護の中の疼痛看護、化学療法など、より特定化された分野に対しての資格になっています。

 先ほど述べたように、現場の看護師の皆さんは、強い使命感とともに向学の精神をお持ちであり、本県でも認定看護師の資格を習得される方もふえてきたと聞きます。県内で全ての認定課程を受講できれば一番よいのですが、本県には受講する機関もないため、自分の習得したい認定看護師の資格を取るために、北は北海道から南は九州まで行かなければいけません。資格の取得には、御本人の強い意思とともに、多額の旅費や授業料が必要になります。先ほども言いましたが、六カ月の研修が必要であり、その間は仕事ができないため給与はカットとなります。例えば、月収三十万円の看護師の方なら百八十万円の収入減となる一方で、最大で約二百五十万円の自己負担があるということで認定看護師を目指す上で高いハードルとなっています。

 本県ではこうした認定看護師の育成を支援する事業がありますが、これは病院側が認定看護師になろうとする方に授業料等の補助をしている場合に、県はその病院に対して補助を行うものであり、認定看護師になろうとする個人を助成する形となっていません。病院側に認定看護師を目指す方を経済的に援助するメニューがないと、県の助成は受けられないこと、あるいは現在は病院にお勤めでない看護師の方、いわゆる潜在看護師には助成の手が届かないということで、この制度を利用しにくいとの御意見も聞いております。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねします。

 今後、現場の看護師がこの制度を利用しやすくしていく制度の改正をしていくお考えはあるのか、また潜在看護師の方、すなわち一九九二年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づき設置された潜在看護師復職支援機関である「ナースセンター」に登録している潜在看護師の皆さんは利用できないため、現場復帰を目指す潜在看護師の皆さんのキャリアアップの観点、看護師不足を補う観点からも、ナースーセンターに登録している方も利用できるような制度の強化・拡大はできないのか、以上二点についてお尋ねします。本県の看護の現場を支える一人でも多くの看護職員の資質向上をすることが、本県にとっても大きな財産になると思いますので、ぜひ前向きに御検討をお願いします。

 最後に、三点目の質問として、山岳救助隊についての質問をさせていただきたいと思います。

 この問題については、私ども県政自民クラブの高殿県議が、六月定例議会において事故防止、山岳遭難防止対策協議会に対する支援政策の観点から御質問をされましたが、私は今回少し踏み込んで、装備品に対する県の助成について御質問をさせていただきたいと思います。

 私は今年、総務委員会の視察や、國島高山市長や山岳救助隊の皆さんの県要望に同席をさせていただき、県庁から一番遠いであろう民間救助隊の皆さんのさまざまなお声を聞かせていただきました。近年では、ウオーキングやジョギングと同じように登山もブームであり、年々登山客の数もふえ、年齢層もさまざまであります。しかし、ウオーキングやジョギングと違い、登山は自然を相手に楽しむものであるため、その分危険もつきまといます。急な天候の変化に全ての登山者が対応できれば何も問題はありませんが、ベテランの登山者でも自然の猛威の前になすすべもなく命を落としてしまうこともあります。そんな登山者の安全を絶えず守ってくれるのが、山岳救助隊の皆さんです。

 山岳救助隊においては、皆さんさまざまな装備品が必要であるのは言うまでもありませんが、近年では本県の財政不足もあり、行財政改革アクションプランの影響で活動費が年々削減され、持ち出しで活動しなければならないこともあると聞きます。確かに民間の救助隊の皆さんは使命感を持って活動をしているわけですが、例えば遭難者と隊員とをつなぐ救助用ロープ、本日議場に持ち込ませていただいたのは登山者用の補助ロープですが、本来なら、実際の現場で使用される救助用ロープをごらんいただけるとよかったんですが、高額のため補助ロープとさせていただきました。救助用ロープは、安いものでも五十メートルで一万二千円以上します。この高額なロープも、一度使用したものは次の救助時には使えません。なぜかというと、一度使ったロープは見た目には問題がなくても、どこかに傷が入っていたりすると、次に使ったときにそこから切れてしまうということもあり、まさに命をつなぐ道具ということで、新しいものに変えなければいけないということであります。三千メートル級の山では夏山の装備と冬山の装備それぞれが違い、冬山の装備になるとブーツだけでも数万円し、上下ウエアをそろえると大きな金額になるため、新しい隊員さんを確保するときのネックにもなりかねません。全ての登山者が啓発チラシやルールを守り、救助の必要がなければ問題はありませんが、あくまでも個人の楽しみとして登山をされる方の楽しみを奪うこともできず、しかし遭難者が発生した場合は、直ちに出動をしなければいけない隊員の皆さんの日々の努力には、ただただ頭が下がる思いであり、本当に感謝をしなければいけません。そして、こうした山岳救助隊の皆さんが安全に救助活動を行っていただく上でも、先ほど申し上げましたような装備品の充実ということが必要だと考えます。

 そこで、山岳救助隊の活動に必要となる装備品に対する助成の拡充についてどのようにお考えか、警察本部長にお尋ねします。

 今回の質問は、今年一年間で私がお会いした皆様の意見であり、現場で働き、現場で命をかけるさまざまな世代の思いであります。現場の思いが伝わる県政になることを願いつつ、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 初めに、県内の福祉避難所の現状と課題についてお答えします。

 福祉避難所は、既存の高齢者施設や障害者施設といった、トイレや風呂の設備がバリアフリー化されている施設を中心に指定されており、平成二十四年九月末時点において、県内の三十一市町村で三百九十五カ所となっております。

 課題としては、これらの施設の多くが定員を満たした状態で運営されており、ロビーなどのオープンスペースだけでは受け入れに限界があることや、指定をふやそうとしても、こうした福祉施設は市街地から離れている場合が多く、避難所として適さないことなどがあります。東日本大震災では、福祉避難所が不足したということがありますので、県としては、既存の避難所である体育館や公民館などの施設を障がい者、高齢者向けに一部改築したり、ポータブルトイレ、おむつ、育児用品、簡易スロープ、プライバシーに配慮できる間仕切り等を備蓄するなどして、必要に応じ福祉避難所としても利用することが可能となるよう市町村に対して働きかけてまいります。また、このような施設整備、備品購入について助成が受けられるよう国に対しても働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、認定看護師養成に係る助成制度の拡充について、二点御質問いただきました。

 初めに、利用しやすくするための制度改正についてお答えします。

 認定看護師資格の取得に当たっては、研修を受講するための多額の旅費や居住費等が必要となるため、それが負担となって認定看護師の養成の妨げになる場合があります。したがって、助成の対象経費を受講料だけではなく旅費などにも拡大することや、助成限度額の引き上げについて、今後検討してまいります。

 なお、県の助成は、病院が質の高い看護サービスを必要とする分野での認定看護師の養成・育成を支援するものであり、看護師個人ではなく、病院に対して助成することが適当であると考えております。病院に対しては、認定看護師の資格取得支援に一層積極的に取り組まれるよう働きかけてまいります。

 次に、潜在看護師への制度適用についてお答えします。

 ナースセンターに登録している潜在看護師に対する制度の適用につきましては、県内病院での再就業が内定し、認定看護師として勤務することが確実であると見込める場合には、助成の対象に加えることを検討してまいります。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 県立特別支援学校の福祉避難所活用への取り組みについてお答えいたします。

 福祉避難所は、一般の避難所とは異なり、専門的なケアが必要な災害時要援護者を保護するためにバリアフリー化され、看護・介助に適した環境設備や、マンパワーを有する施設の中から各市町村が指定されるものと認識しております。

 現在、県立の特別支援学校十七校のうち九校が、緊急時における体育館の開放などを柱とした覚書を市町村との間で交わし、一般避難所として指定されているところですが、肢体不自由や重複障がいのある児童・生徒を対象とした特別支援学校においては、バリアフリー化されているため、施設面において福祉避難所として一定の機能を有していると考えられます。したがって、市町村が地域防災計画に基づいて、域内の県立特別支援学校を福祉避難所として指定することを検討される場合には、各校の教育施設としての実情を勘案しつつ、活用が可能な施設などについて必要な情報を提供してまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 山岳救助隊の活動に必要となる装備品に対する助成の拡充についてお尋ねをいただきました。

 山岳遭難が発生した場合に、県警察としては、航空隊のヘリコプターと警察署員を中心に組織している山岳警備隊が出動して対処をしておりますが、広範な捜索エリアをカバーしたり遭難者を確実に救助するためには、山岳の事情に通じている民間の山岳救助隊との連携が必要不可欠でございまして、特に北アルプスにおいては、伝統を有する北飛山岳救助隊に常に警察と共同して救助活動に従事していただいているところでございます。

 民間の山岳救助隊に対する財政支援につきましては、各地区に組織されている山岳遭難対策協議会に対して補助金を交付しておりまして、その中から協議会傘下にある山岳救助隊の装備品に対する助成も賄われているという現状でございますが、議員の御指摘にもありましたように、近年、必ずしも十分とは言えない状態であると認識をしております。

 山岳救助におきましては、遭難者を救助するのみならず、救助隊員の二次被害を防止するためにも装備品は重要でございまして、最近、特に北アルプスにおける遭難が増加している状況に鑑みましても、装備品の充実を図るべきものと考えております。六月の県議会において、高殿議員からの御質問にもお答えをしたところでございますが、当県では、岐阜県山岳遭難防止対策協議会が組織されております。この県遭対協は、県警のみならず、県、関係市町村、県山岳連盟、地区遭対協といったメンバーで構成される横断的な組織でございます。県警察といたしましては、装備品に対する助成を初めとする各地区の遭対協に対する財政的支援の問題、こういったことも含めて、遭対協の機能充実と山岳救助隊のさらなる支援のための施策について、これら関係機関とも協議して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕(拍手)



◆五番(高木貴行君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い発言をさせていただきますが、三日目ですので、各先生方が質問していただきましたことと重複する項目もありますが、私なりの視点で質問させていただきたいと思います。

 まずは、中小企業の再生支援と高度化事業についてであります。

 御存じのとおり、日本は、先進国がいまだかつて経験したことがないスピードで人口減少、少子・高齢社会が進んでおります。人口が減れば消費も減ることは明確であり、内需拡大にも限界があると感じております。片や外需では、為替の問題や今回の日中関係の悪化、TPP参加・不参加など、自国のみで解決できない要因が多く、コントロールが大変難しい状況であります。何が有効な経済対策なのか非常に判断が難しい状況にある近年でありますが、私なりに多くの企業や産業を見て感じていることは、ちゃんと進化、発展している企業や産業はその時代時代の変化に対応し、ニーズを把握し続けているから現代も生き残っているんだと思っております。ダーウィンの進化論と似ておりますが、事実、時代の流れを読む、変化に対応することが生き残るすべであります。そのことを考えると、我々行政としても、政策も今までどおりの支援だけでなく、時代に合った、また変化に対応した、経験したことがない政策を打っていくべきであります。

 少し話は変わりますが、先日、産業振興・まちづくり対策特別委員会で商店街再振興の成功事例である香川県高松市の高松丸亀町商店街への視察に行ってまいりました。全国各地にある商店街同様、丸亀町商店街も歴史ある商店街ではありますが、バブル崩壊後どんどん人通りは少なくなるとともに、追い打ちをかけるように郊外には大型のショッピングセンターの計画が次々と表面化し始めました。このまま放置すれば、競争社会で生き残ることができず衰退するという危機に直面したことによって、「百年先を見据えもっと抜本的な改革が必要である」と再開発事業がスタートいたしました。再開発委員会を発足し、他府県の商店街などの視察や調査を繰り返し、将来の丸亀町商店街のあり方について真剣に議論を重ねた結果、これまでどおりの振興策ではなく、地域に、時代に合った対応を行わなければならないという結論に至りました。

 そこで、古い現行制度の中で苦しみながらも、丸亀町商店街においては、土地の所有権と使用権の分離というスキームであり、都市計画としての位置づけを明確にし、土地の権利調整を行うという全国的にはまだ珍しい都市再開発法に基づく市街地再開発事業の導入や、独立行政法人中小企業基盤整備機構が都道府県と一体になって診断、助言や貸し付けなどを行う高度化事業などを実施してまいりました。これ以上は詳しくは御説明いたしませんが、これら今までどおりの政策・スキームではなく、地域と時代に合った振興策、経済への対策を打ち出していった結果、現在の丸亀町商店街の基盤ができ上がったそうです。

 私としては、県は中小零細企業に対して、今までどおりの振興策中心だけでなく、平成二十年十二月議会でもお尋ねいたしましたが、大きな傷を負う前に、早い段階で次なるチャレンジができる体制づくりをしていく、破産や廃業に対して、行政の政策としてさらに支援していくべきと考えております。特に、先ほど渡辺嘉山議員からの質問でもあったとおり、金融円滑化法が来年三月末に期限が切れるということもあり、今後の運営が大変厳しい状況に陥る企業も出てくることが予測されます。連鎖倒産など、大きな問題になる前に対応するためにも、廃業に対する支援策をもっと具体的に講じる必要があると思っております。

 そこで、商工労働部長に二点お尋ねいたします。

 一点目は、県が取り組んでいる中小企業再生支援の現状と今後の取り組みについて。特に、高齢社会への対応も含め、廃業支援、事業承継などの点に対しても重点的にお答えください。二点目は、県が行った高度化事業の中で、集積区域整備事業、商店街整備等支援事業、共同施設事業についての現状と取り組み、また成功例や失敗例など具体的に各事業についてお答えください。

 二点目、県内企業の海外進出への支援についてであります。

 何度も申し上げますが、人口が減れば消費も減るとともに、少子・高齢社会では今後の産業の担い手不足にも直面することは明白であります。インターネットの普及などグローバル社会では、県内中小企業も海外戦略、海外連携を考えていくことは当然のことであります。しかし、県内企業では、というか全国を見ても、日本の経済を支えているのは中小零細企業であります。特に、岐阜県では九九%以上が中小零細企業で占められており、大企業と違いコストや人材なども含め、海外戦略は大変大きなリスクを伴うとともに、何も知らない中で行うことによって、成果へつなげるための時間も長くなると考えます。大変厳しいことを理解しながらも、グローバル社会において、また日本の現状を考えると、海外へ進出し、活路を見出さなければならないわけであり、岐阜県としても少しでもスムーズに、早く成果が出せるようにサポート・支援をしていかなければならないという認識だと思います。そのため、現在、岐阜県では岐阜県産業経済振興センターと協力し、「海外展開スタートアップサポート事業」を行っていただいております。

 この事業は、近年国内市場が縮小する中、急速な経済成長が進んでいるアジア等に向けた海外市場展開の必要性が高まってきております。そのため、公益財団法人 岐阜県産業経済振興センターが、案件に応じた専門家を海外での交渉等に同行させ、現地でサポートをし、県内中小企業の海外展開をより強力にきめ細かく支援することを目的としており、私も以前からこのような県内中小企業の海外展開を支援する取り組みを行うべきと、県にも提案をしてきております。

 そこで、商工労働部長に二点お尋ねをいたします。

 一点目は、県が取り組んでいる県内企業の海外進出への支援策とその実績についてお答えを願います。また、日中関係の悪化により、相談内容の変化、県内企業への影響・対策をあわせてお答えください。二点目は、県内中小企業が国際的な競争の中で生き残るためには、海外での業務がこなせる人材の育成、海外派遣への支援が必要と考えます。岐阜県では、昨年と本年において、緊急雇用の基金を利用して、グローバルな産業人材育成を行ってきましたが、取り組み状況と成果についてお答えを願います。また、予算の精査はしなければなりませんが、今後もグローバルな人材は非常に大切だと思っております。来年度への取り組みやお考えもお尋ねをいたします。

 次に、キャリア支援教育についてお尋ねをいたします。

 先般、長引く円高や日中関係悪化が製造業のリストラの引き金となり求職者がふえたことにより、十月の県内の有効求人倍率は〇・九四倍と、二カ月連続で一倍を下回ったと岐阜労働局から発表がありました。そんな中で、先月の二十七日、厚生労働省からは、平成二十五年三月高等学校卒業予定者の九月末現在における就職内定状況について発表がありました。それによると、全国の就職内定率は、前年同期比〇・五ポイント減の四一%であり、過去七番目に低い水準でありました。また、岐阜県内の就職内定率は、前年同期比〇・七ポイント減の統計を始めた平成四年度以降最も低い四四・四%でありました。バブル崩壊以降、経済の先行き不透明感、グローバル化に伴う競争の激化、ICT化に伴う定型業務の減少、高校生に人気の高い製造業の求人減少による雇用のミスマッチや人材育成投資の減少等から、若者の失業率は上昇し、新卒の就職率は低迷しております。このように、若年層の雇用を取り巻く環境の厳しい状況が続く中、より一層の就職支援やキャリア教育が必要であると考えます。

 そこで、教育長にお尋ねをいたします。

 教育委員会として、今回の就職内定状況についてどう考えているか。また、若年層の雇用を取り巻く環境が厳しい状況の中、高校生の就職支援及びキャリア教育について、今後どのように取り組んでいくか、お答えを願います。

 最後に、公共事業の今後についてであります。

 まずは、先日起き、突然九名のとうとい命が失われました中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故について、私からもお悔やみを申し上げるとともに、御冥福をお祈りいたします。

 今回の崩落事故により、再度我々は社会資本整備である公共事業のあり方について考え直さなければならないと感じたのは私だけではないと思います。そこで、今回、私なりに公共事業についてお尋ねをいたします。

 まず、社会資本整備の継続事業並びに新規事業についてであります。

 今年六月の県民クラブの代表質問でも社会資本整備についてお尋ねをしましたが、何年かかるかわからない、何十年かかるかわからない事業を何本も行うのではなく、現下の財政が大変厳しい中、予算を削らず選択と集中を行うべきではないか。人口が減少する中、今後は、これまで高度経済成長期に急速に整備した社会資本について、補修をして維持管理をしていく必要があること。また、未来に負担を残さないためにも、平成十九年三月に定めた県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想の見直しを行ったらどうかという質問をさせていただきました。

 現在、岐阜県では、公共事業で四十八カ所の道路事業を進め、そのうち五カ所は休止状態であり、進捗率は約五五%、県単事業では百六十一カ所、約五八%の進捗状況であるとお聞きをいたしました。社会資本整備の必要性は私自身も理解している一人でありますが、今後の人口減少を見据え、整備に対しても経済同様時代の変化に対応していくべきであると考えます。

 例えば現在の公共・県単事業を合わせ二百九カ所の路線がありますが、計画から現在まで、既に二十年以上経過している事業もあります。岐阜県では、既に長期構想の名のもと、「人口減少時代への挑戦」といってしっかりとデータ分析を行って、理論的に政策を実行する準備をしてきております。そこにも出ているように、今後二十年から三十年後には明確に人口が減少し、高齢者がふえるわけであり、そのことを考えると、社会資本整備自体も完成したときにはB/C−−費用便益分析−−は明らかに低下していると考えます。

 片や、地域のライフスタイルの変化により、昔計画した道路ではなく、現在、また今後人口がふえる地域や、社会資本整備の必要性が求められる場所も出てきております。例えば、私の地元多治見市では慢性的な渋滞が問題になっており、その解消に向けて、山本議員が市議会議員時代より提言をしていただいております(仮称)平和太平線の延長、橋梁の建設をお願いしておりますが、新規事業の規制によりまだまだ議論の段階であります。

 何度も申し上げますが、人口が減少する中、今後はこれまで高度経済成長期に急速に整備した社会資本について補修をし、維持管理をしていく必要があります。その財源も捻出していかなければならないということでありますので、特に先般のトンネル事故で感じられるように、施設の老朽化も進んでおり、朽ちるインフラにより我々の生活に危険が忍び寄ってきておりますので、建設費よりも維持管理費にいま一度目を向けていくべきだとも感じております。もちろん県でも、平成十年度より公共事業の効率的な執行と透明性の一層の向上を図っていくため、岐阜県が所管する公共事業の再評価を行い、必要に応じて事業の見直しや今後の対応方針の検討を行うとき、県民の代表として、第三者の立場から意見を述べる「岐阜県事業評価監視委員会」を設置し、計画された道路事業などの公共事業については五年に一度、事業の継続の可否、あるいは完成後の事業効果を判断しているということであります。ただし、現段階ではこの事業評価で休止を決めた道路はあるものの、廃止となった道路はないとお聞きをしております。

 結論的に私が何を言いたいかといえば、社会資本整備の必要性は感じているものの、予算が限られ、ライフスタイルが変わっている中、柔軟に道路整備も行っていくべきであると考えるとともに、維持管理費にしっかりと目を向けていくべきであり、そう考えると、求められている新規の事業を推し進めるためにも、選択と集中を行い、事業評価で廃止路線があっても当然なのではないでしょうか。

 そこで、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 一点目は、県が現在計画している道路、公共、県単の二百九カ所の完成までの残りの事業費と完成時期の見通し、また今後の道路計画全体の見直し方針についてお尋ねをいたします。二点目は、岐阜県としての道路のB/Cの算出方法の考え方と、計画が休止・廃止に至る基準及び当初計画や十年前、二十年前と大きく数値が違っている路線についてお答えを願います。

 先日、三十年分の道路建設費の推移を見させていただきました。三十年前、昭和五十七年度、私が五十三年生まれですから四年後ですね、の公共・県単合わせた道路建設事業費は約三百七十三億円であり、昨年の平成二十三年度の約百六十六億円の倍以上でありました。ちなみに、ピーク時であるのは平成十年度、約八百四十三億円と現在の約五倍の事業費が投入できておりました。現在の予算規模とは明らかに違う予算レベルで建設されておりましたし、その予算を当てにして計画した道路事業においては、当初の計画どおり進んでいない事業もあると思います。長年、今より数倍の道路予算によって建設された道路の維持管理費を、現在の予算規模で捻出していくことも大変ではないかとも考えております。当然県ではそれらのことも勘案し、道路事業の見直し、評価をしていただいているとは思います。そこで、三点目は、岐阜県事業評価監視委員会の運営方法、現在の取り組み状況についてお答えを願います。四点目は、道路インフラの老朽化が進んでいる中、道路維持費は増加すると思いますが、その安全対策及び維持管理費に対する考え方と予算確保についてお尋ねをいたします。

 また、これも六月の代表質問において、歩道橋等道路施設や路線名へのネーミングライツを積極的に導入等をし、民間資金を活用した収入確保等の検討をお願いしましたし、前回の定例議会の一般質問においても郷議員からも高架下などの用地の利用促進などの質問がありました。五点目には、道路用地として買収した、現在未利用地になっている土地を短期間でも駐車場等に活用し、県収入の確保に努めてはいかがか、御所見をお尋ねいたします。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) 四点の質問にお答えいたします。

 まず、中小企業再生等支援事業の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。

 経営に苦しむ中小企業の再生・廃業を支援する中小企業再生等支援事業は、平成二十一年度の事業開始以後、事業再生が一件、事業清算が九件、事業継続の提示が三十八件となっております。利用された方からは、「診断を受けることができて助かった」といった声をいただいており、一定の役割を果たすことができているものと考えております。

 他方、中小企業を取り巻く環境を見ますと、景気の減速、中小企業金融円滑化法の期限到来、経営者の高齢化などから、事業の整理・廃業を含め、経営支援を必要とする中小零細企業の増加が懸念されます。また、事業の清算に至る場合でも、企業の持つ有用な経営資源を無駄にしないために、円滑な事業承継が必要とされるケースもふえるものと予想しております。

 こうした中で、経営改善や事業承継、事業整理なども含めた再生への取り組みは極めて重要であると認識しており、今後とも金融機関、信用保証協会、再生支援団体、国から受託して事業承継の支援をしている商工会議所などとの連携を図りつつ、資金繰り支援を含めた総合的な支援を行ってまいりたいと考えております。

 次に、中小企業高度化事業についてお答えいたします。

 中小企業高度化事業は、近年、景気の低迷、設備投資意欲の減退などにより、全国的に貸し付けが減少しており、本県においても、平成三年度をピークに減少が続いております。このうち、集積区域整備事業などの現状を見ますと、工業団地において、共同受電などによるコストの低減や、団地内企業取引の増加などの高度化事業のメリットが生かされており、先進事例として取り上げられているところもございます。こうした団地では、最近、取引先からの受注増加に対応するための設備の高度化や施設の老朽化に対応するため、新たに高度化資金の利用を検討する例も出てきております。

 一方、商店街整備等支援事業や労働施設事業を利用した商店街や共同店舗につきましては、事業開始後の競合店の進出や売り上げの減少によって、経営が悪化していることが課題となっております。このような経営状況が悪化している事業体に対しては、中小企業診断士を派遣し、売り上げの増大や経費の削減等を実現するための経営改善計画の策定を指導しており、今後も継続的に支援を行ってまいりたいと考えております。

 次に、県内企業の海外進出への支援に関し、海外進出支援策とその実績及び日中関係悪化の影響と対策についてお答えいたします。

 企業の海外展開支援につきましては、岐阜県産業経済振興センターと連携し、セミナー、展示会出展、個別相談、貿易実務研修など多彩な事業を実施しております。特に、今年度は海外ビジネスの場や機会を提供する事業に重点を置いた支援を行っており、シンガポールやアメリカなど海外におけるマーケティング拠点の構築に加え、産業経済振興センターに海外担当のコーディネーターを新たに配置し、部材産業の海外企業とのマッチングなどを強化しております。その実績といたしましては、十一月末現在、海外展開支援事業全体で延べ約四百七十の企業や団体に御活用をいただいております。

 また、日中関係の悪化による影響につきましては、県産業経済振興センターへの企業相談を見ましても、相談案件が著しく増加するといった変化は起こっておりませんが、県が毎月実施しております県内中小企業へのヒアリング調査によりますと、特に自動車関連企業から、日本車不買運動により受注減、売り上げ減等の影響が出ているとの声が聞かれており、さらに中国経済自体の減速に伴う影響も顕著になり始めていることから、中国経済の動向には引き続き注視してまいりたいと考えております。

 最後に、海外派遣人材育成事業についてお答えいたします。

 昨年度、緊急雇用創出基金事業として実施いたしました「海外ビジネス人材育成事業」では、県内企業の現場におけるOJT−−オン・ザ・ジョブ・トレーニング−−のほか、海外において四カ月間の語学研修と、二カ月間のビジネス研修を行い、語学力を有する海外ビジネス人材として活躍できる人材を育成することを目指して実施いたしました。この結果、事業参加した十一名のうち、七名の就職につながり、うち五名が県内で就職しております。また、OJT先に就職した求職者の一人につきましては、現在、海外営業担当として意欲的に取り組んでいるという報告を就職先企業から聞いております。

 本年度の「グローバル産業人材育成事業」もほぼ同様の内容で実施しており、現在、県内中小企業で雇用されている五名が海外などで研修を受けておられます。県としては、こうした海外で活躍できる人材の育成は重要であると考えておりますので、この二年間の事業を総括した上で、今後の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 公共事業の今後について五点御質問いただきました。

 初めに、道路の予定総額、完成見通し、見直し方針についてお答えします。

 県内では、公共、県単独事業合わせて二百九カ所の道路事業を実施していますが、平成二十五年度以降の残事業費は約千三百億円で、仮に今後も現在の道路投資額が維持できるとすれば、約十年で完成することになります。

 しかしながら、一方で全体の三割、五十七カ所で休止している上、開始以来二十年以上経過している箇所や、毎年の投資額に比べ、事業規模が大きく、あるいは用地取得が難航しているなどの理由により、完成のめどが立たない箇所もあります。また、今後は新たに東海環状自動車道アクセス道路やリニア中央新幹線、緊急輸送道路等防災関連の事業も必要となるため、新規事業をどのように取り込むかが課題です。

 県としましては、現在、選択と集中によりプロジェクト関連や数年先に完成が見込まれる箇所に優先して投資し、三年間で一部供用も含め、濃飛横断自動車道ささゆりトンネルや国道二百四十八号関バイパスなど八十九カ所で供用を図ったところです。今後は、重点化とともに、関係自治体の御意見もお伺いしながら、工区の縮小や工法の変更などを検討して事業費の縮減を図り、継続事業の早期完成、休止箇所の再開、新規箇所の事業化に努めていきたいと考えています。また、あわせて公共事業の予算確保について、国等関係機関に対し強く要請してまいります。

 次に、道路のB/Cについてお答えします。

 費用対効果分析、いわゆるB/Cは、道路が開通した場合の効果である走行時間短縮、走行経費減少及び交通事故減少を便益とみなし、道路整備と維持管理に係る費用で除したもので算定し、これが一を超えれば投資効果があると判断される指標です。

 計画の休止・廃止のうち、休止につきましては、現在実施している事業の完成時期や交通量、他事業との関連性などから判断して、緊急性が低いものを地元協議した上で休止工区としています。また、廃止につきましては、費用対効果分析や社会情勢の変化などから、継続が適当でないと考えられる事業を岐阜県事業評価監視委員会に諮った上で県が決定するものですが、これまでのところ道路事業において廃止箇所はありません。

 なお、費用対効果分析につきましては、この指標が策定されたのは平成十年度で、当初計画と現在の数値が比較できる路線は濃飛横断自動車道など八路線です。この中で数値の変化の大きいものは、国道三百六十三号柿野バイパスで、一・九から一・一に減少していますが、この原因は計画交通量が減少したこと、環境対策に追加費用を要したことなどです。

 次に、岐阜県事業評価監視委員会についてお答えします。

 事業評価監視委員会は、公共事業の実施過程の客観性及び透明性の一層の向上を図るため、平成十年に設置され、事業開始から五年が経過した事業について、県の対応方針案について審議を行い、不適切な点、または改善すべき点があると認めたときは、知事に対して意見の具申を行うこととされています。委員会は、県内の実情を理解し、公平な立場にある学識経験者や有識者など十二名で構成され、事業箇所ごとに、費用対効果分析、社会経済情勢の変化、事業の進捗状況、コスト縮減や代替案の可能性などの観点で事業の妥当性を判断されています。

 道路事業の再評価につきましては、平成二十三年度までに五十六件の審議がなされ、いずれも事業継続とされていますが、「一層のコスト縮減に努めること」「早期供用を図ること」など、有益な意見が出されています。今後も、委員会で審議される意見を最大限尊重し、事業の効率化に努めてまいります。

 次に、道路インフラの安全対策及び維持管理についてお答えします。

 県が管理する橋梁やトンネルなどの道路施設は全国的に見ても大変多く、今後急速に高齢化します。また、今月二日には中央自動車道笹子トンネルで天井板の落下事故が発生し、県では、現在管理する全てのトンネルで緊急点検を実施したところですが、今後こうした施設が高齢化していく中でも、老朽化を防ぐため、適切な維持管理を行うことは大変重要であると認識しています。

 このため、県としましては、公共事業費が大幅に減少する中でも、道路の維持管理予算は五年間で四〇%程度増額し必要額を確保するとともに、損傷が軽微な時点で速やかに補修するアセットマネジメントを導入し、平成十六年度に舗装修繕最適化計画を、平成二十一年度に橋梁長寿命化修繕計画を策定しました。さらには、本年九月には社会的なリスクも加えたメンテナンスプランを策定し、これに基づく維持管理に取り組んでいるところです。また、平成二十年度から岐阜大学と共同でメンテナンスエキスパート養成講座を立ち上げ、これまでに産官合わせて百七十名の補修技術者を育成しました。今後も、維持管理予算の確保、適切な補修計画、さらには人材育成により安全・安心な道路管理に努めてまいります。

 最後に、未利用地の活用についてお答えします。

 道路予定区域の未利用地を暫定的に駐車場や広場、公園等に有効活用することは、平成二十一年の国土交通省道路局長通達により可能となりましたが、一方では、土地の形状、管理の形態、関係市町村や周辺住民の意向等にも配慮する必要があります。

 県としましては、道路用地を確保している土地については、できるだけ早期に供用できるよう予算面、一連区間の用地取得等に最大限努力しているところですが、暫定的な利用として関係者の御理解が得られれば、駐車場、公園等の利用を検討することもできると考えています。

 また、現在継続中、あるいは完成した事業で、周辺の土地利用の状況変化により不用となった道路用地については、積極的に売却を行うこととしており、この五年間で二千六百平方メートルを売却し、三千三百万円の収入を得ています。今後も、引き続き不用となった土地については積極的に売却し、また暫定的な利用も検討しながら歳入確保につなげてまいります。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 高校生の就職内定状況、就職支援及びキャリア教育についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、岐阜県内の高等学校における平成二十五年三月卒業予定者の九月末時点での就職内定率は、統計をとり始めた平成四年度以降最も低い四四・四%という結果であり、大変厳しい状況と捉えております。そのため、就職指導員の高等学校への配置、経済団体に対する求人要請や合同企業説明会などを行い、各高等学校においても、内定していない生徒への面接指導、ハローワークと連携した就職相談や求人先の開拓を行うなど、就職を希望する高校生が一人でも多く職につけるよう、全力で支援しているところです。

 また、このような就職支援とあわせて、社会に出ていく生徒たちに対して、日々の学習に目的意識を持って取り組ませ、自立した社会人・職業人として基礎となる能力や態度を育てていくことも重要な課題です。そのため、高等学校においては、生徒や地域の実態に即し、高等学校の学習内容やコミュニケーション能力等を確実に身につけさせるとともに、学校外の専門人材や施設も積極的に活用し、社会や職業についての理解を深め、実践的な技能を習得する学習機会を充実させるなど、学校の教育活動全体を通じ、キャリア教育を一層推進してまいります。



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○議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時五十八分休憩



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△午後一時再開



○副議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十二番 伊藤秀光君。

    〔二十二番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆二十二番(伊藤秀光君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく二点についてお伺いをいたします。

 まず初めに、神戸町の山王まつりに活用する麻、大麻の確保対策についてお伺いをいたします。

 議場にも配布させていただきましたように、神戸町の山王まつりは、神戸町内の日吉神社の例祭です。(資料を示す)その上、県の重要無形民俗文化財として約千年の歴史を持つ、通称「火祭り」とも言われている勇壮な祭りであります。毎年、五月四日の午前零時に、無数のたいまつに照らされた参道を七つのみこしを男衆の担ぎ手が交代しながら激走する「朝渡御」がメーンの神事です。私も、若いときに激走するみこしの担ぎ手として入れかわったことがあります。今、思い出しても、激走するみこしの中に、どのように他の担ぎ手と体を入れかえたのか思い出せないぐらい、それほどすごい神事の祭りです。今でも、私はその勇壮な祭りを見に、毎年のように出かけますが、多くの人でにぎわっています。はっぴ姿やさらし姿にたいまつを持つ若者の「ウンニョイ」というかけ声が深夜まで響き、帰りは深夜二時を過ぎることもあります。

 さて、この神事、祭りに欠かせないのがみこしを守る火、たいまつです。このたいまつは、大麻草の茎を束にしてつくられていますが、その大麻草は歴代の氏子らが県から免許を受けて栽培をしています。ところが、議場に配布させていただきましたように、そのみこしを守る重要なたいまつとしての大麻草が無断採取され、県が氏子らに栽培自粛を要請したとの新聞報道が今年の四月から五月にかけてありました。例年、大麻草は、三月末に種をまき、八月に収穫、皮や葉を処理して乾燥させるわけですが、今年は県の要請に従い自粛し、今年と来年の祭りは昨年の収穫分を半分ずつ使用することにしたそうです。そのため、氏子会では、今年五月から代替材料候補として試験的にケナフの栽培を開始し、九月に刈り取り・乾燥、そして十月十一日には、町内十区の区長さんが集まって、さまざまな材料のたいまつを持ち寄って実験したそうです。結果的に、来年の例祭では、大麻草とケナフをまぜてたいまつをつくることに決定したそうです。ただし、ケナフについては、肥料、水の管理と、モグラ、根切り虫対策などの栽培時の管理の難しさと、そして何よりも「火が弱い」「大麻草のたいまつより重くなる」など、たいまつに適さない点も多いので困ってみえます。

 この日吉神社は、二〇一七年には御鎮座千二百年を迎える由緒ある神社です。山王まつりは約千年も続いています。我々の代で祭りの火を消すわけにはいかないと、中村正孝氏子総代会会長は話してみえます。確かに大麻草には、その主成分であるテトラヒドロカンナビノール、通称THCにより、乾燥した大麻草の葉などを切り込んでタバコなどにまぜて大量に喫煙すれば、個人差はあるものの、幻覚状態になってくるようです。しかし、これまで栽培されてきた大麻草は、毎年、保健所で検査を受けており、THCの濃度も確認され、安全も確認もされているから栽培が許されてきたと思います。濃度が高ければ、盗難に遭う遭わない以前に栽培できないわけですから、盗難に遭ったことだけが直ちに自粛につながり、千年の伝統行事をなくすることは、これまで延々と受け継いできた先人の努力を無駄にすることになります。何か答えの出し方が拙速で、説明責任が果たされていないような気がします。

 そこで、まず初めに、自粛に至った経緯について、健康福祉部長にお伺いをしたいと思います。

 さて、大麻草について少し調べてみますと、中央アジアを原産とし、アサ科アサ属の一年草です。茎は直立し、種まきから九十日目には二メートルから三メートルになる成長の早い植物として知られています。

 日本人と麻のかかわりは古く、福井県の鳥浜貝塚から縄文時代草創期、約一万年前の麻の糸が見つかっています。また、ほかにも縄文時代前期、約五千五百年前には麻縄や麻の織物などが出土しており、この当時、日本には麻が自生していたこと、そして人々がそれを利用していたことがよくわかります。戦前では、全国各地で栽培され、果実は食用に、また茎からは強靱な繊維がとれることから、今でも糸や網の原料として、特に漁網、釣り糸に使用されます。また、合掌づくりのカヤぶきの屋根の材料にも「オガラ」という名前で使われています。神道では、麻は神様の印であり、汚れを払う神聖な植物とされています。そうしたことから、神社の鈴を鳴らす鈴縄、横綱のしめ縄、そして結納のひもなどに使用されるのも無縁ではないと思います。つまり、山王まつりのたいまつは、ただ燃えればいいということではなく、麻を使うことに意義があるのです。

 ちなみに、麻に関する全国の割合は、平成十八年度で麻の栽培面積は、第一位が栃木県の八五%、第二位が岐阜県の五%。繊維採取量は、第一位が栃木県で五五%、第二位が岐阜県で三九%です。栽培者数の第一位は栃木県で四一%、第二位が岐阜県で二一%です。このように、栃木県では圧倒的に多くの大麻草が栽培されていることがわかります。その経緯について調べてみますと、栃木県では、かつて大麻草の盗難を防ぐために昼夜を問わず監視していたが、農家の負担が大きいことから、栃木県農業試験場鹿沼分場にて大麻草の無毒化の研究が進められ、昭和五十七年に「とちぎしろ」という名前で品種登録が出願され、昭和五十九年までに栃木県の大麻草は全て無毒の「とちぎしろ」に転換されたとのことです。その結果、一層普及していったとのことです。先日も、神戸町の大麻草栽培許可を受けている関係者の方々から、栃木県が栽培している無毒の種を譲り受けることや大麻草の管理体制の状況を聞きたいとの依頼があり、関係者二名と私とで栃木県庁を訪問し、いろいろと教えをいただいてきました。その結果、再来年のための麻の作付はどうしていくかというヒントが幾つか見つかりました。そこで、大麻草栽培の免許の件とあわせて、以下四点について健康福祉部長にお伺いをいたします。

 まず一点は、再来年の祭りのための作付が来年三月に迫っています。大麻草栽培者の免許は一年で切れます。既に十二月に入っており、来年の更新が心配です。更新はできるのでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、種子についてですが、現在、氏子さんの手持ちの種を再度厳格に検査していただくか、栃木県に対して無毒の種の譲り受けを要請してもらうかのいずれかだと思いますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。

 三点目には、議場にお配りしましたように、栃木県の管理体制のように、岐阜県でも同様の永続的に安心して無毒大麻草を栽培できる体制をつくるべきだと思いますが、どのようにお考えか、お聞かせください。

 四点目には、大麻草の栽培は現在関係区長会で行われています。数年ごとに区長さんも交代するわけで、そうしたときに、県としても大麻草栽培についての知織や管理等の講習会の実施も必要かと思います。どのようにお考えか、お聞かせください。

 このように、厳しい管理に置かれている大麻草ですが、かつて日本では神事や麻織物として盛んに栽培されてきましたが、戦後間もない占領下の昭和二十三年に大麻取締法が施行され、現在に至っています。関係者からいただいた、船井総研の船井幸雄著の「悪法大麻取締法の真実」という本には、OECD加盟三十カ国のうち栽培していないのは五カ国、許可制などのように抑制しているのは日本とアメリカの二カ国で、そのほかイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなど二十三カ国は栽培を推進しています。アメリカでも、州法では既に十三州で非犯罪化という措置がとられています。その上、この法律を廃棄すれば、十兆から三十兆円の経済効果が期待できるとも書かれてありました。不況下のときだけに、何か割り切れない気持ちでいっぱいです。

 今回、この質問を通して、麻、大麻草についていろいろと勉強させていただきました。安全性はもちろんですが、千年も続く伝統行事を絶やさないためにも、それぞれ前向きな御答弁をお願いいたします。

 さて、次に森林文化アカデミーの海外研修制度についてお伺いをします。

 この質問に際し、岐阜県と長野県の若者、そして私自身の海外研修について、議場に資料を配布させていただきました。引き続き、目を通していただきたいと思います。

 岐阜県は、今年度で三十四回目を迎える農業高校生海外実習派遣団九名を、七月十八日から八月八日まで二十二日間にわたってブラジルとオランダに派遣されました。この事業の目的は、ブラジルやオランダの農業の実情や日系農業移住者及び日系農業企業のすぐれた実践的経営内容を学び、広い視野に立って積極的に農業に取り組む農業後継者の育成に資するためです。これまでの三十三回にわたる派遣者数は三百三十九名を数え、派遣生のうち、県知事から委嘱される県指導農業士四名、青年農業士九名など、県内各地域で農業経営のリーダーとして活躍してみえます。

 この派遣事業には、現地ブラジルの県人会の山田会長を中心とする県人会の皆様の並々ならぬ御努力も忘れてはなりません。

 思い出してみますと、四年前、二〇〇八年には、日本にとってブラジル移民百周年、岐阜県にとってブラジル岐阜県人会創立七十周年、また岐阜県人ブラジル移住九十五周年ということもあり、古田知事、玉田議長初め多くの県議団がお祝いに駆けつけました。私自身も松村議員とともにサンパウロを訪問し、その際、山田会長には大変お世話になりました。特に、農業高校生海外実習派遣団の二〇〇六年の第二十九回から三十回、三十一回の三年三回にわたって派遣団がお世話になった西村俊治さんに一言お礼を言いたく、お会いできるチャンスをつくっていただき、感謝しております。

 西村さんは、御夫妻で農機具の修理を手作業で始めてから、現在では三千人の従業員を雇う農機具製造メーカーのジャクト社の創始者であり、西村農工高校のほか五つの小・中学校の創立者でもあります。

 そこで、サンパウロから北へ六百キロ、車で八時間もかかるポンペイアという町へ、県農業高校生の受け入れのお礼に伺ったのですが、研修や交流のための工場や学校を案内してくださり、その上、お土産や御自宅で大歓迎をしていただき感謝しております。翌朝は、コーヒー園での自社製造のコーヒー豆の摘み取り機によるデモンストレーションも見せていただきました。当時九十七歳でもお元気でしたが、二年前にお亡くなりになられたようです。心より御冥福をお祈りいたします。

 さて、早いもので、あれから四年が過ぎ、来年には岐阜県人ブラジル移住百周年を迎えます。チャンスがあればまた訪問し、五年ぶりとなる山田会長を初め、引き続いて受け入れに御協力いただいている方に感謝の言葉を伝えたいと思っています。

 このように、農業高校生の三十四年にわたる海外研修の実績はすばらしいと思いますが、一方、林業について調べてみますと、本県では、林業について学ぶ学校は美濃市にある森林文化アカデミーだと思います。林業を学ぶ生徒は、こうした海外研修のチャンスはありません。私は、以前この学校を視察し、木質バイオマスの勉強をさせていただきました。当時は、木質バイオマス研究の第一人者で現筑波大学名誉教授の熊崎 実さんが学長さんのときでした。その熊崎先生に御紹介いただき、オーストリア・グラーツ市在住のモニカさんのおかげで、今年七月に田中議員とともにオーストリアの木質バイオマスを活用したエネルギー政策の現場を視察することができました。特に、NHKでも放送されました、南部地方でハンガリー国境に近い町ギュッシングを視察し、その近郊にあるスチーム村のバァーンハド村長さんからいろいろと説明を受けました。

 このギュッシング村は、一九八〇年代オーストリア一の貧しい村でしたが、政府の地域振興プロジェクトで新しいエネルギーの供給に着手して以来、村にはヨーロッパ再生可能エネルギー研究所もでき、五十の新しい企業も入り、千百人の雇用が生まれ、発展を続けています。そのため、連日のように世界各地から視察が相次いでいます。私たちが視察したときも、偶然にも長野県林業大学校の生徒二十名ぐらいが来て勉強していました。同行された長野県林業大学校の中村学長さんの話では、これまで四年連続四回、生徒が二年間積み立てをしてオーストリアに研修に来ているとのことです。その内容は、低コストの木材生産システム、木質バイオマスなど再生可能エネルギーの利用、グリーンツーリズムと森林利用、小規模森林所有者と森林組合や林務官の役割、急傾斜における林道整備、チロル地方における自然災害防止対策などを学んでいるとのことで、大変すばらしいことだと思いました。

 さて、私はこれまで述べてきましたように、同じ県内の農業高校生が三十四年間にわたってブラジル、オランダに派遣されていること、またお隣の長野県では、同じ林業を学ぶ若者がオーストリアへ派遣されていることを知って、本県で林業を学ぶ若者にも同じような海外研修の体験をさせてあげられないものかと痛感をいたしました。同じようなチャンスを与えてあげることができれば、彼らにとって大きな夢と希望になり、そして技術力の向上にもつながり、必ずや岐阜県林業を支える担い手に成長してくれるものと思いますが、どのようにお考えか、林政部長にお伺いして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 神戸山王まつりに活用する麻の確保対策について、五点御質問いただきました。

 初めに、大麻草の栽培自粛要請に至る経緯についてお答えします。

 大麻草を栽培するには、大麻取締法により知事の免許を受けることが義務づけられています。当県では、申請された栽培の目的が伝統的な祭事等、社会的、文化的に重要であると認められる場合に限り免許を与えており、栽培する場所において、必要な盗難防止対策を講ずるよう指導しているところでございます。

 神戸町における山王まつりに使用する大麻の栽培行為については、これまでと同様に、平成二十四年一月一日付で一年間の栽培免許を行っております。そうした中、三月一日に当該大麻が盗難に遭った事実が発覚したため、県としましては、盗難を防げなかったこと及び今回の盗難が少年による犯罪であったことを重視し、社会的に与える影響を考慮して、今年の栽培の自粛をお願いしましたところ、地元の皆様からの同意が得られたものです。

 次に、大麻草栽培に係る来年の免許更新についてお答えします。

 来年の免許については、申請に基づき免許する方針ですが、立入禁止看板の設置、柵等による立入禁止措置、巡回パトロールの強化等により、盗難防止対策をさらに充実するよう指導してまいります。また、県において毎年実施している大麻成分の濃度検査は今後も継続し、毒性が低い大麻のみが栽培されていることを確認してまいります。

 次に、来年使用する種の検査等についてお答えします。

 今年は大麻を栽培していないことから、来年使用する種は昨年採取したものです。種の採取から時間がたっていますので発芽率の低下は懸念されますが、昨年の種も検査の完了した毒性の低い大麻から採取したものであり、量的にも十分あることから、新たに種を検査したり、栃木県から種を譲渡していただいたりすることは考えておりません。

 次に、本県における永続的で安全な無毒大麻草の管理体制の確立についてお答えします。

 当県は、栃木県に比べて栽培面積が小さいので、栽培者ごとの大麻成分の濃度検査を行うことが可能です。毒性が低いと確認できた大麻の種を次年度に用いるという方法で、無毒大麻「とちぎしろ」と同程度に毒性を低く維持できておりますので、今後も同様に進めてまいりたいと考えています。

 最後に、安全な大麻草栽培に向けた知識、管理等の講習会等の開催についてお答えします。

 免許に際しては、毎年、法規制や薬物乱用の状況及び盗難防止対策等、適切に栽培・管理していただくための説明会を行っておりますが、今後は講習会という形で、免許を受けている方に限らず、対象地区の皆様にも広く参加を促し、啓発指導してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 林政部長 正村洋一郎君。

    〔林政部長 正村洋一郎君登壇〕



◎林政部長(正村洋一郎君) 森林文化アカデミーにおける海外研修についてお答えします。

 森林文化アカデミーでは、これまでも林業や木造建築などをテーマに定め、希望する学生が参加する選択科目としてヨーロッパなどへの海外研修を開催してきましたが、ここ数年は選択する学生が減少したため、国内研修に切りかえて実施しているのが現状です。

 しかしながら、海外の先進地の知識・技術に直接触れることは学生にとって大いに刺激となり、見識を広げる上でもよい機会であることから、先般もオーストリアの林業関係の教育者をアカデミーに招き、学生との意見交換会を開催するなど、海外との交流に努めているところです。今後とも、他県の林業大学校の状況や学生のニーズ等を踏まえた上で、海外研修のあり方も含め、海外の関係者から直接学べる機会をつくり出すよう検討してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 三十三番 村下貴夫君。

    〔三十三番 村下貴夫君登壇〕(拍手)



◆三十三番(村下貴夫君) 今定例会最終の質問者であります村下でございます。議長のお許しが出ましたので、通告により質問をいたします。しばらくおつき合いいただきますように、お願いしたいと思います。

 養老鉄道に対する県の支援について、住宅の耐震化推進と宅地の液状化対策についての二点質問をいたします。

 初めに、養老鉄道に対する県の支援について質問いたします。

 地方の鉄道や路線バスのほとんどが赤字に苦しみ、存亡の危機にさらされています。国土交通省の資料によれば、全国の地方鉄道の経常損益は約八〇%の事業者が赤字経営で、その赤字を沿線市町村が支援する構図が続いており、また路線バスについても全国の事業者の約七五%が赤字で、経営は厳しい状況にあります。鉄道は、橋梁やトンネルを含めた長大な線路設備や駅舎、信号設備、車両などのインフラをみずから維持しており、一旦廃止されれば、前例から見ても、鉄道として復活させることはほぼ不可能と思われます。また、廃止による利用者のバスへの転換率は五割にも満たない事例もあり、この低い転換率では、代替バスを運行する事業者もいずれ経営難に陥り、バス路線さえも廃止されることになりかねません。

 西濃地域を南北に縦断し、北は揖斐川町、南は三重県の桑名市までを結ぶ養老鉄道は、全線の路程五十七・五キロメートル、二十七駅で運行されていますが、前身の近鉄養老線の運営時から路線収支での赤字が続いています。二〇〇七年十月には近鉄養老線の運営を分離し、線路施設や車両の所有管理を近鉄が行い、車両の運行を新たに子会社として設立した養老鉄道株式会社が行う上下分離方式による運営に転換し、養老鉄道として、経費の削減、運賃の値上げ等による収支の改善が図られているところであります。

 養老鉄道では、定期利用者以外の輸送人員を確保し、収入増を図るためのアイデアとして、沿線市町と連携して、養老のヒョウタンや大垣の升など沿線の名産品などをモチーフにした記念切符の販売や、沿線市町のイベントと連携した花火大会やウオーキングなど集客の取り組みに努め、一定の効果を上げられております。また、沿線市町による駅前広場の整備や住民参加による駅施設の補修なども積極的に行われていると伺っています。こうした地元の取り組みもあり、平成二十一年度には「岐阜の宝もの認定プロジェクト」において「じまんの原石」として選定されるなど、鉄道自体が地域の資源として認識されているところであります。その結果として、分離前の平成十八年度には十三億円近くあった経常損失が、平成二十年度及び二十一年度には九億円を下回るなど、一時的に大きく収支が改善されたわけですが、養老鉄道と沿線市町の努力にもかかわらず、輸送人員は減少し続け、平成二十三年度は平成十九年度より百四十万人少ない六百三十万人となり、利用者数の減少とともに赤字が再び増大し、平成二十二年度及び二十三年度は九億円超の経常損失となっています。養老鉄道においても、安全運行に支障のない範囲で駅業務の省力化を行うなど、引き続き経費削減に努めておられますが、赤字からの脱却は容易ではなく、厳しさが増しているのが現状であります。

 ここで、養老鉄道の輸送人員の内訳を見てみますと、年間延べ約六百三十万人のうち、七八%に当たる約四百九十万人が通勤・通学定期の利用者となっており、試算しますと、これは平日一日当たり延べ二万人近くの方が朝夕の短い時間帯に集中して利用されており、このことは養老鉄道が通勤・通学や、自動車を運転しない高齢者等の日常生活の足としていかに欠かせないもの、日常生活密着路線であるかを示しています。大型バスでも定員は七十人程度であり、一度に輸送できる人員数に限りのある自動車交通だけで、朝夕の鉄道利用者数に匹敵する輸送能力を確保することは、現状では困難と思われます。

 このように、住民の足の確保に加えて、種々の社会効果や、何よりも年間延べ六百三十万人という多くの方に利用されているという事実、地域資源としての鉄道の存在意義などを考えれば、養老鉄道は何としても守っていかなければならないものと考えます。そのためには、県や市町村、地元住民が一体となって支援を行うことが求められます。

 本県では、これまで沿線市町から活性化協議会の場において情報提供や助言を行っておりますが、地域で鉄道存続が真摯に検討され、住民レベルでの議論が盛り上がるためには、仮に養老鉄道が廃止された場合、地域にいかなる損失・影響が及ぶのかについてシミュレーションを行った結果を示し、身近で重大な問題であることを認識してもらう必要があると思います。こうした情報を共有した上で、地域が一体となって取り組んでいくことが望ましいと考えています。

 いずれにしても、地域に公共交通機関がなくなれば、学生や高齢者などの交通弱者は通学、通院、買い物などの日常生活が相当に不便になるばかりか、交流人口の減少による沿線地域の衰退も懸念されます。さらに、地域活性化、自動車利用の抑制による渋滞の軽減、CO2の削減、交通事故減少などの社会効果が失われるおそれがあります。

 養老鉄道に対する財政的支援については、沿線の市町が平成二十年度から三億円を上限に支援していますが、残りの六億円余の赤字は近鉄の負担となっており、近鉄の今後の動向次第では、鉄道の存続が危ぶまれることも考えられます。

 一方で、国や県では、現在、樽見鉄道、明知鉄道、長良川鉄道の第三セクター鉄道三社に対して、鉄道設備の更新改良や維持補修に対する補助が行われており、平成二十三年度には国と県を合わせて合計一億七千万円余が交付されていますが、同じ地方鉄道である養老鉄道は、上下分離方式のため、補助対象となる鉄道設備をみずから所有していないという理由で国や県の補助が行われていません。しかし、養老鉄道は、線路を所有・管理している近鉄に対して、平成二十三年度にはおよそ十億円の線路使用料を経費として支払っており、その負担が重く、多額の赤字で経営状況が厳しいことは第三セクター鉄道と何ら変わりはありません。国や県では、先ほど述べた理由等により、これまで養老鉄道に対する支援を行ってこなかったわけですが、私が申し上げた現状や課題、地域に及ぼす影響を考慮し、また沿線市町や地域住民の方々の努力を無にしないためにも、地域の鉄道を守るために、本県として従来の姿勢から一歩踏み込んだ支援を行うことが期待されています。

 このような中、本県においては、地方鉄道や路線バスなどの地域公共交通の確保について対応を検討するため、昨年度、「岐阜県地域公共交通協議会」が立ち上げられ、今年度には、今後の地域公共交通の支援方針を新たにまとめられたと伺っております。

 そこで知事にお尋ねします。協議会の取りまとめにおいて、養老鉄道を含む地方鉄道についてはどのような支援方針が出され、これを受けて、本県はどのような対応を考えているのか、お伺いします。

 次に、住宅の耐震化推進と宅地の液状化対策について、二点お尋ねします。

 一点目として、今後の木造住宅耐震化の推進方法について質問します。

 本年八月、東日本大震災同様の海溝型地震として、南海トラフで発生すると想定される巨大地震について、内閣府から新たな被害想定が発表されました。これによると、本県では約八千二百棟が全壊・焼失するという、これまでの想定をはるかに上回る内容となっています。また、本県は全国有数の活断層が密集した地域であり、明治二十四年の濃尾地震のような内陸型地震に対する備えも必要とされます。

 知事の提案説明においても、養老・桑名・四日市断層による地震後に、南海トラフ巨大地震が発生するという複合型の災害想定をされているとの説明がありました。私は、大自然が理不尽にも引き起こす震災の痛ましい被害から一人でも多くのとうとい命を守るためには、古い建物の耐震診断を行い、必要とされる耐震工事を行うべきであるとの考えから、平成十五年九月の初登壇以降、これまで延べ十一回にわたり、住宅の耐震化を積極的に進めていく必要があると訴えてきました。

 この間に、本県では、県内の全ての市町村において耐震補強の補助制度が設けられ、補助金額も他県と比較しても遜色のない、八十四万円を上限とする手厚い補助がなされています。また、この制度の周知のため、古い木造住宅の所有者を戸別訪問し、無料耐震診断などをPRする耐震啓発ローラー作戦を行い、補助制度の利用促進につなげています。こうしたPRや東日本大震災による県民意識の高まりなどから、昨年度の耐震補強工事の実績は、対前年度比一・二倍の二百三十一件となったとのことです。

 この耐震補強工事の推進について、本県では、平成十九年三月に策定した「岐阜県耐震改修促進計画」において、平成二十七年度までに住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化率を九〇%とすることを目標に掲げ、各施策に取り組んでいます。しかし、平成二十年時では、本県の耐震化率は全国平均七九%に対して七一%と、耐震化の進捗状況は十分ではなく、甚大な被害が想定される海溝型地震や内陸型地震に備えるには、今まで以上に積極的に耐震化を進めていく必要があると考えます。

 住宅の耐震化が、なかなか進まない理由としては、改修費の自己負担額が大きいことが挙げられます。過去三年間の補助実績による耐震補強工事にかかった平均費用は約二百三十万円で、そのうち八十四万円が補助されるとしても、百五十万円程度の自己負担額が必要となり、このことが、耐震診断を受けた方がなかなか工事に踏み切れない原因の一つとなっています。ちなみに実際の耐震補強工事では、屋根や内外装、内外壁、水回りなどのリフォーム工事とあわせて実施されることが多く、耐震工事以上に多額の工事費がかかります。このことから、リフォーム工事にも補助することができれば、耐震化を一層加速させることができると思われます。このため、耐震化を促進するために、リフォーム補助と耐震補助をあわせて支援する方向も検討すべきではないかと考えています。

 さて、本県においては、昨年、震災対策検証委員会を立ち上げられましたが、そこでは、耐震化に関する補助制度の見直しや「命を守る」ことを主眼とした多様な取り組みを推進すべきとの提言がなされています。

 そこで知事にお尋ねします。住宅の耐震化がなかなか進まない中、震災対策検証委員会の提言にもあるように、県民の命を守るための取り組みをより一層進めていく必要があると考えますが、今後、本県として住宅の耐震化をどのように進めていくのか、お伺いします。

 二点目として、宅地の液状化被害への対策について質問します。

 さきに申し述べたとおり、住宅の耐震化のための診断や補強工事には補助制度が設けられていますが、宅地の液状化対策に関しては、現時点では国においても制度が設けられておりません。しかし、液状化による深刻な被害が発生している地域もあります。東日本大震災では、千葉県浦安市の埋立地を初め広範囲にわたり宅地の液状化が発生し、住宅が傾くなどの被害が見られました。先ほど触れました南海トラフ巨大地震の被害想定においても、県内で約三千八百もの住宅が液状化により損壊すると推計されています。震源域の広い南海トラフ巨大地震は強い揺れが四分近く続くと見られ、県南西部の海抜ゼロメートル地帯を抱える海津市を中心に、幅広い範囲に被害が及ぶ可能性があります。

 液状化が引き起こす被害は、住宅の損壊、傾斜、不同沈下等はもとより、上下水道などのライフラインにも深刻な影響を及ぼします。特に住宅については、たとえ全壊に至らなくとも、傾いたり沈下した家を修復することは容易ではなく、また、一旦傾いた家は、傾斜による視覚障害や平衡感覚障害で目まいや吐き気などが生じ、住む人に悪影響を及ぼすため、長期間住み続けることは困難であると聞いています。

 そこで知事にお尋ねします。東日本大震災を契機に、こうした宅地の液状化被害についても対策の必要性が高まっています。本格的な対策は今後の課題と思われますが、本県としては今後どのようなスタンスで取り組んでいくのか、お伺いします。

 以上で私の質問を終わりますが、三日間にわたりまして数多くの議員の方が質問をいたしました。その中には、今すぐできるもの、また少し時間がかかるもの、中・長期にかかるものがそれぞれありますが、知事さんはいつも「難しい打球ほど一歩前へ踏み込んで捉えて取り組む」と、そのように言われております。実際の野球でも、一番基本は前に出て捕球する、これが鉄則でありまして、経験の浅い人でも前へ出て取ればうまく捕球して、うまく送球できるということでございます。大きな失敗はないということでありますので、知事さんのおっしゃるとおりであります。ですから、この三日間の質問にも難しいものはありますけど、大きな問題が起こる前にぜひ明確な答えをいただいて、県民のために一歩でも二歩でも前進できる回答をよろしくお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 甘言か辛口かはともかくとして、御答弁させていただきます。

 まず養老鉄道についてでございますが、御指摘がありましたとおり、地方の鉄道、あるいはバス事業者の経営は大変厳しいものとなっております。とりわけ鉄道は、保有する設備の更新改良、あるいは維持修繕に要する経費が大変大きく、今や事業者の努力だけでは運行を維持していくのは大変困難な状況にあるということも事実でございます。

 こうした中、県におきましては、鉄道の安全輸送の確保がまずもって重要であるという観点から、地方鉄道の車両や線路、踏切などの線路設備の更新改良や維持修繕を対象として、国や沿線市町と協調して補助を行ってきております。しかしながら、中小民鉄たる養老鉄道は、上下分離方式による運行方法を採用しておりますので、線路設備を近鉄から借りて運行しておるわけでございます。したがって、補助対象設備をみずから所有しておらず、これまでのところ県として支援を行ってきておりませんでした。

 今年六月に開催しました県の地域公共交通協議会では、「地域公共交通の軸となっている地方鉄道や広域路線バスが廃止されれば、地域間輸送が分断され、代替交通確保のためにこれまで以上の地元負担が発生する。県は、これを未然に防止するため、事業者をより一層支援することが必要である」という基本的な考え方を明らかにしておられます。そして、「特に第三セクター鉄道に加えて、中小民鉄の養老鉄道についても新たに支援すべきである」という方針が決まったところでございます。

 これを受けまして、私ども、この方針に沿うよういろいろと検討を進めてきておるところでございます。養老鉄道は、線路を所有する近鉄に対して支払う線路使用料の中で、線路設備の維持修繕経費相当額を実質的に負担しております。そこで、県としては、これを事業者がみずから執行する維持修繕の経費と同等のものとみなして、補助対象とする制度改正を行うことが適当ではないかというふうに考えております。こうした措置により、来年度から新たに養老鉄道についても支援を行ってまいります。

 次に、木造住宅の耐震化につきましては、これまでも補助の実施、あるいは普及啓発を行ってまいりましたが、先ほどお触れになりましたように、平成二十年では、本県は七一%の耐震化率と、全国の七九%を下回っておりますし、私ども平成二十三年の推計をやってみましたが、七七%程度ということでございまして、さらなる取り組みが必要であるという状況が続いておるわけでございます。

 なかなかこれが進まない理由としては、自己負担といった費用の問題がもちろんあるわけでございますが、このほかに、県民の皆さんの中には、耐震補強の必要性の意識が必ずしも高くない方もおられますし、例えば高齢者だけの世帯で家を引き継ぐ予定がないという方々もおられますし、あるいは将来建てかえの予定があるということでちゅうちょしておられる方もおられますし、県民個々の住まい方が多様であるとニーズも多様であるということでございます。耐震補強の支援に当たりましては、こうした事情を十分考慮しながら進めていく必要があるのではないかということでございます。

 それから、お触れになりました、昨年の東日本大震災を受けた震災対策検証委員会からの提言でございますが、やはりここでも耐震化に関する補助制度の見直しをうたっておるわけでございます。「命を守る」ための多様な取り組みを推進すべきであるということで御提言をいただいております。つまり、住宅が壊れないという観点ではなく、まずは県民の「命を守る」といった観点が重要であるということから、住宅の耐震補強の方法を県民が選択できるような、そういう補助制度に見直して、来年度より実施していってはどうかということでございます。具体的には、耐震補強の補助対象につきましては、耐震強度を示す評点をこれまで原則一・〇以上にする補強工事ということにしておりましたが、これを〇・七以上とする簡易補強であっても、建物はある程度損傷するかもしれませんが、倒壊は免れ、最低限命は守られるという研究があるわけでございます。こうしたことから、補助対象の評点が〇・七以上のものまで拡大をして、通常の耐震補強と、そして簡易補強とを選択できるように見直してはどうかということでございます。

 県下全体でこういった取り組みをするのは、全国で初めてということになろうかと思いますが、これによって、本格的な耐震補強を考えておられる方々もそうでありますが、住宅の使用予定年数、あるいは震度と被害の程度などを考慮して簡易な補強にとどめようとする方も含めて、幅広いニーズに対応できる制度になるのではないかということでございます。

 同時に、簡易補強は本格的な耐震補強に比べまして、平均で工事費が約七割、自己負担額は約百四十七万円から約八十一万円へと半分程度に軽減されますので、費用の点でも耐震補強に踏み切れない方々にとって後押しになるのではないかということでございます。

 また、御指摘のように、耐震補強工事とあわせてリフォーム工事が実施されるケースも多いことも事実でございます。これに対する支援のあり方についても、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。

 さらに、現在、県民の皆さんがみずから住所地、住宅の規模、耐震化に対する意向をインプットすることで、地震による住宅の損壊の程度や補強の効果などが確認できて、どのような補強方法をとるべきかを選択することができるような、そういったホームページ、パンフレットを今作成をしております。こういったことも活用しながら、今後とも普及啓発に努めてまいりたいというふうに思っております。

 最後に、宅地の液状化対策についての御質問でございます。

 県の南西部に液状化危険度の高い地域が分布しておるわけでございまして、住宅の耐震化とともに、防災対策上重要であることは十分認識しておるところでございます。

 現在、国においては、宅地の液状化判定方法の精度の向上、あるいは液状化被害の発生抑制に関する技術基準の検討を行っておられます。県では、現在、南海トラフの巨大地震と県内四つの活断層において地震が発生した場合の被害想定の見直し作業を来年一月を目途に進めておるところでございます。地震被害想定のうち、液状化危険度マップにつきましては、これまでも公開してきておるわけでございますが、今回の見直し作業の中で、より詳細なデータによる更新を行っておるということでございます。今後は、国の先ほど申し上げました検討の動向も注視しながら、まずは県民に液状化の危険性について十分認識していただくことが重要であるという観点から、市町村とも連携をいたしまして、近く完成する見直し後の液状化危険度マップを広く公開するとともに、対策の必要性や工法を紹介するなど、一層の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

 以上で、私の二期目の最後の議会答弁を終わらせていただく次第でございます。謹んで、そしてある種の感慨を持って御答弁をさせていただきました。ありがとうございました。



○副議長(矢島成剛君) これをもって一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。



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○副議長(矢島成剛君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(矢島成剛君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

 なお、審査は十二月十九日までに終了し、議長に報告願います。





△平成二十四年第五回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表





委員会名
付託案件


総務委員会
◯ 議第百二十六号のうち歳入予算補正及び地方債補正
◯ 議第百二十七号及び議第百二十八号
◯ 議第百六十四号
◯ 議第百六十五号のうち歳入予算補正及び地方債補正


企画経済委員会
◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係及び債務負担行為補正中企画経済委員会関係
◯ 議第百四十九号及び議第百五十号


企画経済委員会
◯ 議第百六十号


厚生環境委員会
◯ 議第百二十六号のうち債務負担行為補正中厚生環境委員会関係
◯ 議第百二十九号から議第百四十八号まで
◯ 議第百五十九号
◯ 請願第二十四号


農林委員会
◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中農林委員会関係及び繰越明許費中農林委員会関係
◯ 議第百五十一号
◯ 議第百六十五号のうち歳出予算補正中農林委員会関係及び繰越明許費補正中農林委員会関係


土木委員会
◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中土木委員会関係、繰越明許費中土木委員会関係及び債務負担行為補正中土木委員会関係
◯ 議第百五十二号
◯ 議第百五十四号から議第百五十八号まで
◯ 議第百六十一号
◯ 議第百六十五号のうち歳出予算補正中土木委員会関係及び繰越明許費補正中土木委員会関係


教育警察委員会
◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中教育警察委員会関係及び債務負担行為補正中教育警察委員会関係
◯ 議第百五十三号
◯ 議第百六十二号及び議第百六十三号
◯ 請願第二十五号





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○副議長(矢島成剛君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から十二月十九日までの五日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(矢島成剛君) 御異議なしと認めます。よって、明日から十二月十九日までの五日間、休会とすることに決定いたしました。



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○副議長(矢島成剛君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 十二月二十日は午前十時までに御参集願います。

 十二月二十日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後一時五十四分散会



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