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平成24年 12月 定例会(第5回) 12月12日−02号




平成24年 12月 定例会(第5回) − 12月12日−02号









平成24年 12月 定例会(第5回)



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△議事日程(第二号)



              平成二十四年十二月十二日(水)午前十時開議

 第一 議第百二十六号から議第百六十四号まで

 第二 議第百六十五号

 第三 請願第二十四号及び請願第二十五号

 第四 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第百二十六号から議第百六十四号まで

 一 日程第二 議第百六十五号

 一 日程第三 請願第二十四号及び請願第二十五号

 一 日程第四 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   道家康生君

      二番   水野吉近君

      三番   国枝慎太郎君

      五番   高木貴行君

      六番   野村美穂君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   大須賀志津香君

     十一番   太田維久君

     十二番   村上孝志君

     十三番   田中勝士君

     十四番   加藤大博君

     十五番   酒向 薫君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   川上哲也君

    二十一番   林 幸広君

    二十二番   伊藤秀光君

    二十三番   水野正敏君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十七番   平岩正光君

    二十八番   佐藤武彦君

    二十九番   森 正弘君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   小川恒雄君

    三十三番   村下貴夫君

    三十四番   大野泰正君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         志村隆雄

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   武井孝彦

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    河本哲治

 同    課長補佐    松本隆則

 同    課長補佐    古田幹雄

 同    主査      中村 隆

 同    主査      堀場一彦



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          渕上俊則君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        塚中和巳君

 秘書広報統括監      若宮克行君

 危機管理統括監      石原佳洋君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       秦 康之君

 健康福祉部長       川出達恭君

 商工労働部長       宗宮康浩君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         正村洋一郎君

 県土整備部長       金森吉信君

 都市建築部長       山本 馨君

 ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        太田 誠君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    増田好則君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



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△十二月十二日午前十時開議



○議長(駒田誠君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(駒田誠君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 議案の提出について

 知事から、本日付をもってお手元に配布のとおり、議第百六十五号 平成二十四年度岐阜県一般会計補正予算の議案の提出がありました。

 請願書の受理について

 請願第二十四号 妊婦健診と、ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防三ワクチンへの二〇一二年度と同水準の公費助成を国に求める意見書提出の請願ほか一件の請願書を受理しました。



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○議長(駒田誠君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(駒田誠君) 追加提出議案に対する知事の説明を求めます。知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 本日、追加提出いたしました議案につきまして御説明申し上げます。

 議第百六十五号は一般会計補正予算でございます。

 今般の国の予備費の使用に伴い、ゲリラ豪雨などへの対応や緊急輸送道路の整備、治山事業など防災対策を推進するとともに、農地・水利施設の整備などを実施するため、総額十九億円を計上するものであります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。



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○議長(駒田誠君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十三番 藤墳 守君。

    〔四十三番 藤墳 守君登壇〕(拍手)



◆四十三番(藤墳守君) おはようございます。

 議長より発言のお許しをいただききましたので、県政自民クラブを代表して、当面する県政の諸課題について、大きく分けて三つに分割して質問させていただきます。

 初めに、今後の県政運営に向けた知事の意気込みについてお尋ねいたします。

 古田知事は、平成二十一年の知事選挙において、県民の圧倒的多数の支持を得て二期目の当選を果たされました。以来、長期構想にも掲げられた本県の施策の方向性であります「安心して暮らせる岐阜県づくり」「ふるさと岐阜県の資源を活かした活力づくり」「誰もが活躍できるふるさと岐阜県づくり」「美しい自然と環境を守る「清流の国」づくり」「ふるさと岐阜県を未来につなぐ人づくり」を目指し、現場主義と対話重視の姿勢のもと、豊かな行政経験を生かし、また県議会との連携・協力にも気を配りながら、県政の推進に真摯に取り組んでこられました。

 この任期期間中には、全国豊かな海づくり大会、ぎふ清流国体・清流大会が、天皇・皇后両陛下、皇族方をお迎えして開催されたところであります。特にぎふ清流国体では、「輝け はばたけ だれもが主役」、そして「心をひとつに日本再生」を合い言葉に東日本大震災の被災地の方々を元気づける大会、さらに日本再生のシンボルとなる大会とすべく、県民総参加で、おもてなしの心を持って準備を進めてこられました。

 その結果、開会式当日は会場が観客で満席となるなど、大会を通して多くの観客を動員し、その力強い地元の人々の応援を受け、岐阜県選手団は見事、天皇杯・皇后杯を獲得したところであります。さらに、大会を通じて選手や監督等競技関係者間の交流、そして岐阜県民を初め多くの国民相互の交流が図られるなど、大きな盛り上がりのうちに、成功裏に終えることができました。これらの成果は、大会運営における古田知事の強力なリーダーシップのたまものであると考えるものであります。

 そして、何よりも知事が「清流の国づくり三部作」と表現した「全国植樹祭」「全国豊かな海づくり大会」そして今年の「ぎふ清流国体・清流大会」の三つの大きなイベントを通じて、ふるさと岐阜県を愛する心や県民相互のきずなが一層強固なものとして県民の間に育まれたことの意義は大変大きいものと考えられます。

 少子・高齢化に伴う人口減少社会にあって、地域力の向上が求められる中、今回育まれたふるさとを愛する心や地域のきずなはこの地域力を支える大きな原動力となり、将来にわたり県民・県政にとって何物にもかえがたい大きな財産になるものと思われます。そして、そうした財産を県民・県政に与えた古田知事の功績は筆舌に尽くしがたいものがあります。

 さらに県政全般について振り返りますと、東日本大震災を踏まえた防災対策を初め、福祉・医療対策等、県民が安心して暮らせるための施策や、高規格道路を初めとする交通インフラの整備や、商工業・農林業の振興等、県内産業の活力づくりのための施策、雇用対策や人材育成等の人づくりのための施策、さらには清流の国ぎふづくりといった環境問題への対処等、古田県政は限られた予算の中で的確かつ着実に成果を上げてこられました。

 しかしながら、その一方で、県政を進める上で大きな制約があったのも事実であります。財政状況が極めて厳しく、多額の財源不足が恒常化していたことから、平成二十一年度から今年度までの四年間は「緊急財政再建期間」と位置づけ、段階的に財政構造の転換を図るため、あらゆる角度から見直しすることとされました。

 さらに、平成二十二年度から今年度までの三年間は行財政改革アクションプランを策定し、構造的な財源不足を解消するための具体的な取り組みを定め、実施することとなりました。その結果、来年度以降は構造的な財源不足の解消や起債許可団体からの脱却が見込まれることとなったものの、この三年間は思うように県独自の施策を打ち出せないのは当然のこと、既存の政策・施策の見直しの結果、多くの県有施設の休廃止や補助事業の廃止・縮小等により、県民に多くの負担を強いることとなりました。

 また、県組織内部においても、各職員が持つ高い能力を前向きに発揮することができる機会に恵まれないこと等から、閉塞感や抑制基調の考え方が蔓延するといった大変不幸な状況にあったのではないかと考えるものであります。こうしたこともあり、古田県政には前向きな評価がなされる一方で、将来の岐阜県を見通した上で、県民が将来に対し、夢と希望を抱けるような独創的なビジョンを明確に示し、それを強力に発信しながら、県民とともに将来に向けた投資となるような施策に果敢に挑戦していくという点において、残念ながらまだ古田知事の力が十二分に発揮されていないとの評価もあります。

 本格的な人口減少時代を迎え、戦後長く続いてきた右肩上がりの時代におけるこれまでの常識や価値観が通用しない、いわば先の見えない社会情勢にあって、さまざまな課題が山積する今後の県政運営は困難をきわめるものと思われます。しかし、二期八年の間に県が抱える多様かつ困難な課題を解決していった古田知事の実績を踏まえれば、その手腕をもってすれば、今後の県政運営も盤石なものになると確信するものであります。

 行財政改革アクションプランの最終年度を迎え、持続的な財政運営の道筋が見え始めてきた今日、知事の持てる力を十二分に発揮することで、古田県政の独自性が打ち出せるこれからが、まさにその真価が問われるものになると考えております。

 そのためにも、活力に満ち、将来に希望を持てる岐阜県づくりを目指して、これまで築いてきた古田県政の成果をさらに発展・飛躍させていくべく、古田知事みずからが先頭に立って力強く歩を進めることが重要であります。

 先般、古田知事は、来年一月に実施される次期知事選に出馬することを表明されました。我々県政自民クラブといたしましても、知事の豊かな行政手腕とこれまでの実績を高く評価しており、今後は、これまでに増して一層県民の目線に立って、県民の声に謙虚に耳を傾けながら、強いリーダーシップを持って引き続き県政を担当されることを期待するものであります。

 そこで知事にお尋ねいたします。ぎふ清流国体・清流大会を終え、その成果をどのように総括し、それを踏まえて今後の県政にどのように反映させていくのか。さらに、知事就任期間中の県政を振り返って、どのような成果と課題があったと総括をしておられるのか。また、それを踏まえて、長期構想の中間見直しの内容も含め、今後の県政運営に向けてどのような意気込みと考え方を持って臨まれるのか、お尋ねをいたします。

 以上で、第一回目の質問とさせていただきます。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会についてでございますが、百万人を超える大交流の舞台となりました両大会も終了いたしまして、ほぼ二カ月がたったところでございます。いろいろ御挨拶に参上しておりますけれども、県内外の多くの方々から大変高い評価をいただいております。これは、選手の皆さんの活躍はもちろんでありますが、県民の皆さんの熱い御支援のおかげでありまして、まさに二百八万岐阜県民の底力を目の当たりにした次第でございます。これまで両大会に御支援、御協力いただきました皆様に対し、改めて厚く御礼を申し上げる次第でございます。

 さて、お尋ねいただきました両大会の成果と今後の県政への反映についてでございますが、まず第一に、両大会は「輝け はばたけ だれもが主役」の合い言葉のもと、県民総参加の大会運営を目指してまいりました。乗鞍岳からつないだ炬火リレーには約八千名、「こよみぶね」と「ギフとフラッグ」には約六千三百名、おもてなしメッセージカードの製作や開・閉会式の都道府県応援団には岐阜の四十五の小・中学校、民泊の実施には二百五十六の御家庭、ボランティアには延べ二万三千名の方々、さらに開・閉会式には一万八千名の出演者など、文字どおり県民総参加の大会とすることができました。

 いろいろと御意見をいただいておりますが、例えば、「市町村合併後、岐阜県民になったことを初めて実感できた」というような御意見、あるいは「障がいを持つ息子が炬火リレーに参加できたのは同伴してくださった近所の皆さんのおかげであり、大変感謝している」という話、あるいは「天皇・皇后両陛下の前で演技ができ、一生の思い出になった」といったような声をいただいております。まさに、県内全域にわたって、県民の皆さん一人一人がみずからの力でつくり上げ、長く記憶に残る大会になったものと考えております。この成果を今後の地域のきずなづくり、人づくりに生かすよう積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

 第二に、清流大会におきましては、情報支援や選手団に寄り添ってお世話をするサポートボランティアなどの業務に多くの皆さんに携わっていただきました。これは、障がいをお持ちの方に対する理解を一段と深める大変貴重な機会になったのではないかというふうに思っております。例えば、「段差がある場所に仮設でスロープを設置したことで車椅子にも円滑に対応できた」、あるいは「障がい者の皆さんの宿泊の受け入れで簡易のベッドや手すりなど仮設設備で対応した」と。これによって、「今後の本格的な受け入れに向けて自信がついた」といったような御意見もいただいております。こうした経験を生かし、今後の福祉のまちづくり、障がい者の皆さんのさらなる社会参加を促す施策へとつなげてまいりたいと思っております。

 第三に、両大会は、スポーツの振興という観点からも大変大きな成果を上げたと思っております。国体では、三千点超えによる天皇杯・皇后杯の獲得、清流大会では最高のメダル数の獲得と、それぞれにスポーツ競技会としても歴史的な成果を残しました。これは、学校や年代の垣根を越えた少年選手の強化、複数企業で選手を雇用し、クラブチームを支える、いわゆる岐阜方式での競技力向上策など、地道な取り組みが実を結んだものと考えております。そして、国体の開催を契機に結成されたクラブチームのうち、既に複数のチームが日本リーグへ参入するということも決定しておるところでございます。こうしたことを踏まえて、今後、競技スポーツや障がい者スポーツの一層の推進、スポーツ環境の整備、子供から高齢者まで生涯を通じてできるスポーツの推進、スポーツによる健康増進など、積極的に取り組んでまいります。

 県議会でも、スポーツの振興に関する条例の制定を今御検討中というふうに承知しております。今後、私どもとしても、この議論も踏まえながら、いわゆるポスト国体・ポスト大会の取り組みとして、希望と誇りに満ちた清流の国ぎふに向かって、ふるさと岐阜県を支える人づくりや人と人が支え合う仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

 次に、この八年間の県政を振り返っての成果と課題ということでございます。

 八年間を振り返ってみますと、まずは最初の一年で県政の総点検を行ったわけでございます。県民の皆様との対話の中で現場のニーズや課題を洗い出し、政策につなげてきたわけでありますが、地域医療対策、障がいのある子供たちへの支援、少子化対策、多文化共生、生きた森林づくりといった政策は、こうした議論の中から生まれてきたものでございます。

 また、御嵩町の産業廃棄物処分場問題など多くの懸案事項に対し、関係者の皆様の御協力を得ながら、粘り強く一つ一つ丁寧に対応することで、解決に結びつけてまいりました。

 一方、県庁内の組織につきましては、秘書広報、危機管理を知事直轄に置き、各部に専任の部長を設置するなど、政策本位のわかりやすいスリムな組織に改革し、政策を効果的に推進する体制を整えてまいりました。また、不正資金問題への対応では、岐阜県政再生プログラムを策定し、公金支出情報の公開、岐阜県職員倫理憲章の制定などにより、職員倫理の徹底を図ったところでございます。

 次に取り組んだのが、過去に累積した地方債の償還、あるいは高齢化に伴う社会保障関係費の増加により悪化した県財政の再建でありました。特に、多額の財源不足が見込まれる危機的状況を打開し、将来への投資のための財源を確保するため、三年間の行財政改革アクションプランを策定し、県議会の皆様や県民の方々、そして県職員の御協力を得て、歳出削減、人件費の削減、歳入確保に取り組んでまいりました。その結果、ようやく財政再建のめどが立つところまで来たというふうに思っております。

 同時に、本格的な人口減少、急速な少子・高齢化など、大きな時代の変化を見据えた岐阜県長期構想を策定し、各般の政策を展開してまいりました。

 まず、「安心して暮らせる岐阜県」づくりとして、地域医療の充実・強化を図るため、医師・看護師確保、県立三病院の再整備、ドクターヘリなど、地域医療の拡充・強化に努めてまいりました。

 増加傾向にある障がいのあるお子さんたちへの支援としては、県内二十校を目標に特別支援学校の充実を図ってきておりまして、現在十七校まで整備が進んできておるところでございます。また、障がい児の療育拠点として希望が丘学園の再整備に着手するとともに、自閉症など発達障がい児の支援機関として「発達障がい支援センターのぞみ」を設置し、総合的な支援を行ってまいりました。

 また、たび重なる自然災害への対応では、平成二十二年の七・一五豪雨災害を受け、短期的・局所的豪雨災害についても激甚災害の対象となるよう、国の指定基準の見直しを実現いたしました。あわせて、避難マニュアルの作成支援や県管理道路アンダーパスの冠水表示板の設置など、防災対策を充実したところでございます。さらに、河川改修やダムの整備などの治水対策を推進してきておりまして、例えば今年九月の洪水では、大谷川洗堰の嵩上げや、徳山ダム・横山ダムの防災操作により、あと五センチのところで浸水被害を防止することができました。

 東日本大震災に対しましては、四千人を超える規模の人的支援や物的支援、県内避難者へのきめ細かな対応に加え、将来の東海・東南海・南海三連動地震に対処すべく、防災計画の見直し、住宅や緊急輸送道路の耐震化といった対策を進めてきたところでございます。

 また、原子力災害対策では、いち早く原子力事業者との情報連絡体制を構築したほか、県内五圏域へのモニタリングポストの設置、県独自の放射性物質拡散シミュレーションの実施、安定ヨウ素剤や資機材の備蓄など、備えを強化してきております。

 次に、「活力ある岐阜県」に向けた取り組みでは、雇用創出、生活・就労支援、中小企業への金融支援などを集中的に実施してまいりました。特に雇用対策では、基金事業を通じて二万人の雇用を創出し、環境、エネルギー、観光などの成長分野や、福祉・医療、情報ビジネスといった求人ニーズの高い分野を中心に事業を実施してまいりました。さらに、海外販売やネット販売といった販路の開拓、航空機やスマートフォンアプリケーションソフト開発といった成長分野への参入支援にも取り組んでまいりました。

 また、地域の活力を支える東海環状自動車道、東海北陸自動車道などの交通ネットワークの整備に積極的に取り組んできております。

 これらの成果や、内陸部の強固な地盤といった強みを生かして企業誘致に取り組んだ結果、昨年の工場立地は前年比増加件数で全国第一位を達成し、今年も引き続き好調を維持しているところでございます。

 また、県民総参加で県内の豊かな地域資源を見つけ出し、磨き上げ、魅力を発信し、誇りの持てるふるさと岐阜県づくりにつなげるという飛騨・美濃じまん運動の展開を本格化いたしました。その上で、成長著しいアジア市場をターゲットに、トップセールスも行いつつ、岐阜県の観光、食、モノを一体化して売り込むことで、県産品の販路拡大と海外誘客促進を図ってまいりました。

 農林業振興におきましては、飛騨牛などブランド農産物の海外販売促進を初め、攻めの農業に取り組んだほか、震災による原発事故への対応として、県産農畜産物の放射線モニタリング検査を実施いたしました。また、新たな農業の担い手を育てるため、就農相談から営農定着までを一貫してサポートする体制を整えてまいりました。林業につきましては、国内最大級の内陸型合板工場の整備によって木材需要を創出するなど「生きた森林づくり」に取り組むとともに、身近な里山林の再生など、「恵みの森林づくり」を推進しているところでございます。こうした中、平成十八年五月の全国植樹祭、平成二十二年五月の全国豊かな海づくり大会に引き続き、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を開催し、森・川・海をつなぐ清流の国岐阜県の魅力を全国にアピールしたところでございます。

 以上のような成果の一方、岐阜県は現在、大きく三つの課題に直面しているというふうに考えております。一つ目は、いよいよ本格化する人口減少、少子・高齢化社会への対応でございます。二つ目は、リスク社会と言われる時代において、いまだ道半ばにある危機管理対策の充実など、安心して暮らせる社会づくりへの対応でございます。そして三つ目が、三大大会を通じて確立してきた岐阜県の魅力やアイデンティティーを本格的な「清流の国ぎふ」づくりにどう発展させていくかということでございます。

 こうした課題に直面しておりますけれども、岐阜県には今後発展を続けていくため、他の県にはない三つの大きな強みがあるというふうに認識しております。一つ目の強みは、豊かな自然や地域に根づいた伝統、文化、芸能などの恵まれた地域資源でございます。二つ目の強みは、国土の中央に位置し、人・モノのネットワークのかなめの位置にあるということでございます。そして、三つ目の強みとしては、国体あるいは清流大会でも存分に発揮されました県民の持つ底力、限りないポテンシャルでございます。もし、幸いにして三たび県民の皆様方から御支持をいただきますれば、こうした三つの強みを生かし、大きく以下の三つの政策に取り組んでまいりたいと考えております。第一に、「地域資源を活かした活力ある未来づくり」、第二に、「確かな安全・安心の社会づくり」、第三に、「本格的な「清流の国ぎふ」づくり」でございます。

 まず、足元の課題であります人口減少、高齢化社会に対応するためには、その地域にしかない資源や、他の地域と比較して優位な特性を生かしつつ、あらゆる知恵を絞り、全国、世界から所得を得、また県内に消費を呼び込むことが肝要であることから、地域資源を生かした活力ある未来づくりに取り組んでまいりたいと思っております。具体的には、医療、健康、航空機など、今後成長が見込まれる産業を育成するとともに、雇用の場の創出・確保などをパッケージとした「岐阜県版成長・雇用戦略」を実行いたします。あわせて、地域資源や人材を磨き、岐阜県のアイデンティティーである「清流」をキーワードとしてつなぎ、仮称でございますが「清流の国ぎふ観光回廊」と銘打って国内外に積極的にアピールするなど、観光・交流産業の基幹産業化を目指してまいります。それと同時に、農林業といった主要な産業の振興に取り組むとともに、豊かな自然を生かしたエネルギー政策、産業が発展していくための基礎となる基幹道路などネットワークインフラの整備にも取り組んでいきたいと考えております。

 二つ目の、確かな安全・安心の社会づくりのためにまず取り組むべきは、東日本大震災を教訓とした防災対策の完結であるというふうに考えております。今後、発生が危惧されております三連動地震において想定外が生じないように、地域防災計画の見直しを通じた強靭な危機管理体制の構築、原子力防災対策に取り組むとともに、耐震化や緊急輸送道路の整備に取り組んでまいります。また、医療と福祉につきましても、県総合医療センター・障がい児病棟の整備など、医療と介護が連携することによる、より切れ目のない医療福祉体制を構築してまいりたいと思っております。

 そして三つ目としては、三つの大会を成功に導いた岐阜県の潜在力を生かし、新たな清流文化の創造による「清流の国ぎふ」づくりを進めてまいりたいと考えております。具体的には、ふるさとへの誇りや豊かな心を持ち、地域を支える人づくりなどを進めるとともに、誰もが暮らしやすい地域づくり、多様な人材が活躍できる社会づくりに取り組んでまいります。また、スポーツを通じた健康づくり、障がい者に優しいまちづくりも含めましたスポーツを中心とする「スポーツ立県戦略」も推進してまいりたいと思っております。

 こうした政策につきましては、既に策定から三年余を経ました岐阜県長期構想の見直しに反映させてまいります。そして、県民の皆様とともに、内外大交流のかなめとなる地域づくり、日本のふるさとともいうべき魅力ある「清流の国ぎふ」づくりを目指してまいりたいと思っております。



○議長(駒田誠君) 四十三番 藤墳 守君。

    〔四十三番 藤墳 守君登壇〕



◆四十三番(藤墳守君) どうもありがとうございました。どうぞ夢のある県政を期待いたしております。

 次に、県の行財政運営に関しまして、四点お尋ねをいたします。

 初めに、今年度の県税収入の見通しと来年度の県税収入及び地方交付税の交付額についてお尋ねをいたします。

 国の概算要求では、平成二十五年度から平成二十七年度までの中期財政フレームにおいて、地方交付税を含めた一般財源総額について、平成二十四年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとされました。これを踏まえ、社会保障費の自然増に対応する地方財源の確保を含め、実質的に平成二十四年度の水準を下回らないよう六十兆円程度を確保し、地方交付税の実交付額は十七兆一千九百七十億円となる見通しであります。

 また、一括交付金につきましては、概算要求では総額七千九十二億円で、今年度比五%増となっているものの、特別重点要求枠の千十三億円を除くと一〇%の減となっておるのであります。一括交付金の今年度の状況を見ますと、交付金の規模がもとの国庫補助負担金の総額を下回ったため、継続事業すら十分に実施できない状況となりました。来年度も、総額で五%の増額が行われているものの不十分であり、今年度と同様、十分に事業が実施できないことが懸念されているところであります。また、公共事業を着実に実施できるよう、一括交付金とあわせて社会資本整備総合交付金や農山漁村地域整備交付金等の公共事業関係の交付金の総額において、少なくとも昨年度と同額以上を確保していくことが求められるものであります。

 一方、本県の財政状況について、前回定例会で知事は、「アクションプランを踏まえて好転しつつあり、平成二十五年度以降については、県債発行の抑制により公債費は毎年二十億円程度の減少が見込まれ、人件費も、定数削減、給与水準の低下により減少してきている。こうした結果、来年度以降はここ三年間のような多額の財源不足が生じるような事態にはならないと見込んでいる」と答弁しておられました。しかしながら、現在の県内の経済状況を見ますと、小売については緩やかな増加傾向があると言われておりますものの、景気動向は足踏み状態にあり、さらに生産は、自動車産業を中心にエコカー補助金終了による生産調整や中国向け輸出の低迷等により低下傾向にあります。雇用面では、製造業を中心に人員の過剰感が強まりつつあるなど、依然厳しい状況が続いております。

 また、県内企業の大多数を占める中小企業を取り巻く今後の環境を見ますと、特に製造業では円高の流れの中で、今後も大手メーカーは海外進出に拍車をかけることが予想されます。その上、地球温暖化対策税の実施に伴う負担増や、来年三月の中小企業金融円滑化法の期限到来による資金繰りの悪化が懸念されているところであります。さらに、対中関係の悪化が経済面に悪影響を及ぼす懸念も出てきているところであります。

 このように、今後の県内経済を見通す上で明るい材料に乏しく、一層、先行きが厳しくなることが予想されるものであります。このような経済見通しでは、来年度の県税収入も厳しい状況となることが懸念されるところであります。

 そこで総務部長にお尋ねいたします。県の予算編成の前提条件となる一般財源の歳入見通しについて、今年度の県税収入の見通しと来年度の県税収入及び地方交付税の交付額についてどのように見込んでおられるのか、お尋ねをいたします。

 次に、事務事業評価への取り組みについてお尋ねをいたします。

 今年度、行政管理課を知事直轄に設置されたところであります。これは、県の行政運営に関して県民等から寄せられる各種情報等を集約・仕分け・フォローアップし、部局横断的な対応を推進するとともに、県の事務事業について常に検証・指摘・提言を行い、県政全般にわたるきめ細かな見直しの推進を図ることを趣旨として行ったとのことでありました。

 そこで知事にお尋ねをいたします。今年度、行政管理課を知事直轄に設置されましたが、その意図を改めて質問いたしますとともに、この効果について現時点でどのように評価しておられるのか、お尋ねをいたします。

 前定例会で知事は、予算編成の透明度ランキング調査で評価の低かった事務事業評価の情報公開について、「各事業ごとの目標・成果を定量的に書いているかいないかということで減点をされたわけで、定量化するのは何も難しいことではないので、来年度予算編成に向けて、そうしたことも含めてさらに透明度を高める手法を検討していきたい」と答弁されております。各事業ごとの目標、成果を定量的に県民にわかりやすくして公表することは重要なことでありますが、それ以前の問題として、評価の方法について、事業主体である県が自己評価するだけでは不十分で、その評価内容に対して、第三者による点検や県民の意見が反映される仕組みづくりが必要ではないかと考えるものであります。さらに、評価結果を踏まえた事業の見直し、そして見直し結果の公表が求められているところであります。

 そこで総務部長にお尋ねをいたします。前回定例会での答弁を踏まえ、来年度予算編成過程において、事務事業の評価と公表の方法について改善を行うとのことでありましたが、具体的にどのように改善していかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、新年度予算編成の方針と中期的財政見通しについてお尋ねいたします。

 前回定例会において、新年度の予算編成について知事は、「中期的な財政見通しを示し、これを踏まえながら、歳出面では事務事業の見直し、将来の公債費負担を減らすための県債の抑制、歳入面では県税収入の確保、県有財産の売却など、引き続き歳出削減、歳入確保に不断に取り組んでいく」と答弁をされております。

 一方、知事は、知事選を控え、ひとまず骨格的予算の編成を行い、来年の六月県議会定例会に実質的な新年度予算を策定する意向との一部報道もありますが、県内の社会経済情勢を踏まえますと、県政が立ちどまる余裕は全くありません。四月当初から、絶え間なく新年度事業が行われることが重要であり、このため、今から新年度予算に対する知事の考え方を明らかにしておくことが求められていると思うものであります。新年度の予算は、今後の古田県政がどのような方向に向かい、どのように進んでいくのかを決める重要な予算となります。この厳しい経済情勢、財政状況の中、さまざまな県政の課題に向け、どのように対応していくのか、知事の手腕が問われるところであります。

 そこで知事にお尋ねをいたします。今後の県政運営に向けての考え方に照らし、新年度予算編成に際し、どのような方針を持って臨まれるのか、また中期的財政見通しはどのように見込んでおられるのか、お尋ねします。

 次に、職員の給与抑制の解除についてお尋ねをいたします。

 平成二十一年度から始まった職員の臨時的給与抑制も、今年度で四年目となります。現在の県職員の給与水準は、ラスパイレス指数で九四・五と、全国都道府県中、低い方から六番目であります。前回定例会において、知事は、「県の職員の臨時的給与抑制について、優先的に解除する方向で検討していきたい」と答弁をされておられました。

 一方、国においては、財務省が財政制度等審議会で、今年度のラスパイレス指数が一〇六・九程度となり、九年ぶりに地方公務員が国家公務員を逆転するとの数値を、本来の所管である総務省に先立って独自に算定し発表するなど、世論を誘導することで地方公務員の給与抑制を促すかのような動きが見られます。

 本県は、国に先駆けて給与抑制を既に過去四年間にわたり実施するなど、厳しい行財政改革を実施し、他の地方自治体においても同様な厳しい行財政改革の取り組みを行ってきたところであります。一方、国においては、ようやく今年度から給与抑制を始めるなど、行財政改革に対し、これまで不十分な対応を行ってきたにもかかわらす、あたかも地方が行財政改革を怠っていたかのような誤解を招く今回の国の動きは、容認し難いものであります。さらに県は二万四千余りの雇用を支える県内最大の事業所であります。また地方公務員給与の削減は、民間企業の賃金抑制につながるとの民間調査機関の調査結果もあることから、県経済の内需拡大の観点からも、優先的に抑制を解除することが求められるものと思うのであります。

 そこで知事に、来年度の職員の臨時的給与抑制の解除について、どのような予定を持っておられるのか、お尋ねをいたします。

 以上で、二点目の質問を終わります。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず第一に、行政管理課についての御質問にお答え申し上げます。

 この行政管理課は、県民の皆様などから寄せられる苦情、御意見を一元的に管理をすると同時に、職員からの意見や提案を把握し、これらを事務事業の改善につなぎ、適正な行政運営を確立していくということを役割としておるわけでございます。この役割を十分に発揮していくため、各部局からの独立性の強い知事直轄部門に設置したという次第でございます。

 本年四月から十月までに既に一千件を超える御意見等がございまして、それらを一つ一つ整理をし、必要に応じて所管部局に対応を求めるとともに、職員の勤務態度、あるいは県有施設や委託業務の管理など、全庁的に共有すべき課題を整理し、全庁的に注意喚起を行っておるということでございます。

 また、職員倫理月間であります七月を中心に、私や副知事などが現地機関へ赴きまして、主に若手の職員と意見交換を行っておるところでございますが、その際に上がった、例えば人手不足の問題、業務環境の問題などに関する意見につきましても、この行政管理課で整理をし、関係部局に対して提言という形で改善を促しております。

 さらに、行財政改革を不断に続けていくという考え方のもとで、個々の事業の費用対効果や必要性・効率性を再度点検し、廃止や経費縮減などの所要の見直しを行うよう各部局に指示をしております。この結果、本年度について約七億円程度の削減効果を見込んでおりますし、またこれらの結果を来年度予算の編成作業にも反映しているところでございます。

 このように、行政管理課は本年度スタートしたばかりでございますが、所期の効果を上げつつあるのではないかと。これによって、行政サービスの向上、あるいは県政に対する信頼向上につながってきつつあるのではないかと思っております。

 二番目に、新年度の予算編成の方針と中期の財政見通しについてでございます。

 御案内のように、本県の財政状況は徐々に好転しつつあるわけでございますが、経済状況が非常に不透明な中で、今後、毎年三十億円から五十億円の自然増が見込まれる社会保障関係経費への対応が必要であることなどから、来年度以降も引き続き持続的な財政運営に向けた取り組みを継続していくことが大きな課題でございます。このため、来年度の予算編成におきましても、事務事業の見直しをしっかりと予算に反映させることなどにより、引き続き節度ある財政運営に努めていきたいと考えております。同時に、厳しい財政状況のもとでも、重要な政策課題に対しては、着実に政策を推進していく必要がございます。

 一月の知事選を控えまして、二十五年度予算の全体を断定的に申し上げることにつきましては若干躊躇しておるところでございますが、先ほども申し上げましたとおり、幸いにして三たび県民の皆様から御支持をいただけましたら、来年度以降は、予算編成も含めて「地域資源を活かした活力ある未来づくり」「確かな安全・安心の社会づくり」「本格的な「清流の国ぎふ」づくり」の三つを柱とした政策に果敢に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、中期的な財政見通しにつきましては、平成二十五年度以降に、これまでの県債発行の抑制などにより毎年二十億円程度の公債費の減少を見込むことができるほか、定数削減などによる人件費の減少などによって、ここ三年間のような多額の財源不足が生じるような事態にはならないというふうに見ております。

 具体的な今後の内容につきましては、来年度予算編成と並行して作業を進めまして、来年度予算とあわせて、三年間の中期的な財政見通しをお示ししたいと考えておりますので、もう少しお時間をいただきたいということでございます。

 最後に、職員の臨時的給与抑制の解除についてでございます。

 ただいま申し上げましたとおり、これまで行財政改革アクションプランにおける取り組みの成果が着実にあらわれてきておるわけでございます。おかげさまで、持続的な財政運営の道筋が見え始めてきたということでございます。

 こうしたことから、職員の皆さんに、私としては大変不本意ながら御苦労をおかけしてきた職員給与の臨時的抑制につきましては、解除を前提として、来年度当初予算の編成作業を今進めているということでございます。



○議長(駒田誠君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) まず、今年度の県税収入の見通しについてお答えいたします。

 現時点における県税収入を前年度と比較いたしますと、円高等の影響を受けた法人二税が減収しているものの、今年度から県民税均等割の超過課税方式として導入されております清流の国ぎふ森林・環境税や、税制改正の影響などによりまして、個人県民税については増収となってございます。このような状況を踏まえますと、今年度の県税収入は、当初予算額の千九百五十億円と同程度の確保が可能な状況ではないかと現時点では見込んでおります。

 しかしながら、景気後退の懸念が高まっている現在の経済状況を踏まえますと、今後、消費関連の税目であります地方消費税や自動車取得税などが見込みよりも減収するおそれがあるほか、円高の進行や世界経済の減速により企業業績が下振れし、税収にマイナスの影響を与える可能性もまだございますので、引き続き景気動向を注視していきたいと考えております。

 次に、来年度の県税収入及び地方交付税の交付額の見込みでございます。

 来年度の県税収入の見込みにつきましては、平成二十四年度の最終的な税収見込みをもとに、企業への景気動向調査や政府経済見通し等を踏まえて算定してまいります。円高等が景気の先行きに与える影響や税制改正の動向などを見ながら、現在、作業を進めているところでございます。

 地方交付税につきましては、総務省の概算要求において、ほぼ今年度並みの十七兆一千九百七十億円となっておりますが、実際の予算額は今後の予算編成過程の中で決定され、その後、各都道府県への配分額が決まってくることになっております。このたびの衆議院の解散に伴い、国の予算編成作業のおくれが見込まれているため、引き続き国の動きを注視していきたいと考えております。

 次に、事務事業評価への取り組みについてお答えいたします。

 県では、広く県民の皆様に予算を知っていただく観点から、平成二十年から全ての事業の予算額と事業内容のホームページでの公開を始めております。また、平成二十三年度からは予算要求の段階から事業概要や要求額などを公開することとし、県民の皆様から寄せられた御意見、御質問と、その回答についてもホームページで公開しております。

 これらの取り組みの結果、全国市民オンブズマン連絡会議が本年八月に公表いたしました予算編成の透明度ランキングでは、全都道府県で第二位という評価をいただいたところでございます。他方で、この調査では各事業の目標や成果を定量的に示していない面があるという評価を受けたわけでございます。このため、平成二十五年度の予算編成に当たりましては、事業評価をよりわかりやすくするため、事業評価調書を新たに作成いたしまして、その中で、各事業の目標と現状、成果に関しまして定量的な指標で示すとともに、事業の必要性・効率性や、今後の課題等についても記載することとしたところでございます。

 これらの資料は、今後、ホームページで公開し、県民の皆様に幅広くお示しし、御意見を賜りたいというふうに考えております。



○議長(駒田誠君) 四十三番 藤墳 守君。

    〔四十三番 藤墳 守君登壇〕



◆四十三番(藤墳守君) 続いて質問をさせていただきます。

 知事の任期満了を間近に控えているとはいえ、県政は絶え間なく進んでいくものであり、立ちどまることはできないものであろうと思います。そこで、長期構想に掲げられた本県の施策の方向性である五つの各分野について、喫緊に解決していかなければならない問題について幾つか取り上げて、現時点の取り組み状況と今後の対応策を確認する意味で、それぞれ質問させていただきます。

 初めに、安心して暮らせるふるさと岐阜県づくりに関し、四点お尋ねをいたします。

 まず、放射線監視体制の現状と今後の原子力防災対策についてお尋ねをいたします。

 放射線監視体制について、本県では福島第一原発事故を踏まえ、従来、県内に一基であった固定式モニタリングポストを平成二十三年四月には三基の増設をし、その後、さらに六基を増設することで、県内で合計十基となりまして、現在、さらに一基を整備中であります。また可搬式放射線測定器が四台整備され、さらに今年度中に五台の整備が予定をされているところであります。

 大飯原発が再稼働した現在、放射性物質の拡散を伴う事故がいつでも発生し得る状況にあると言えます。また、県が作成した放射性物質拡散シミュレーションによりますと、事故発生時には西濃地方を中心に県内の多くの市町村が被曝することが予測されております。

 一方、モニタリングで得た情報の活用としては、十月、国は原子力発電所の重大事故に備えた自治体の防災計画の基準となる「原子力災害対策指針」を決定したところであります。この指針について、知事は「指針には避難・屋内退避の基準等、具体的な内容が示されておらず、県として地域防災計画を見直す上で必要となる情報が含まれていない」とされまして、「早急に具体的な基準を明確化するとともに、自治体の意見を尊重し、継続した見直しを行っていただきたい」とのコメントを発表されております。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 一つ目として、昨年度から放射線監視体制が強化されておりますが、この体制強化を踏まえた現時点での緊急時の放射線測定機器の運用体制はどのような状況にあるのか。また、今後、監視体制をどのようにしていかれるのか、お尋ねをいたします。

 二つ目として、県の放射性物質拡散シミュレーションや、十月に決定された国の原子力災害対策指針の内容を踏まえ、今後の原子力防災についてどのような対応策を講じていかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、高齢者認知症対策における人材の養成・確保と次期保健医療計画への位置づけについてお尋ねをいたします。

 今後、高齢者人口、特に後期高齢者人口が増加することが予想されていることから、認知症高齢者も増加していくものと思われます。

 本年八月に国が新たな推計値を発表しておりますが、それを受け、本県の認知症高齢者数の推計は、平成二十二年には約四万七千人であったものが、平成三十二年には約六万七千人に増加することが予測されております。このため、認知症予防対策が求められるとともに、認知症高齢者は特有の精神症状や問題行動があり、介護する側の家族にとっては多大な精神的、肉体的な負担が伴うことから、その支援策が求められるところであります。

 厚生労働省は、九月、平成二十九年度までに認知症の早期診断を行える全国の医療機関を現在の百七十三カ所から約五百カ所までふやすなどの目標を示した「認知症施策推進五カ年計画」を策定して、公表されたところであります。県におきましては、昨年度から地域における認知症の拠点医療機関として、認知症の診断、治療及び専門医療相談等を行う認知症疾患医療センターを圏域ごとに既存の医療機関を指定し、運営を委託しているところであります。

 一方、今年度、県では、本県の保健・医療の充実を図ることを目的とした疾病対策や医療提供体制の基本方針を定める次期保健医療計画の策定を行っているところであります。現行の保健医療計画には、認知症対策が位置づけられておりませんが、次期保健医療計画の骨子案によると、認知症を計画の対象に位置づけ、必要な対策を講じていくこととしております。

 そこで健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 認知症施策推進五カ年計画により、増加が見込まれる認知症の早期診断を行う医療機関や認知症患者ケアサービスの総合調整を担う地域ケア会議における人材の養成・確保、関係者の連携体制の整備が求められております。今後、県ではどのような方針を持って対応していかれるのか。また、現在、見直しを行っている次期保健医療計画において、高齢者認知症についてどのように位置づけようとされているのか、お尋ねをいたします。

 次に、治水対策としての河川管理施設・農業用施設整備についてお尋ねをいたします。

 九月に西濃地方を中心に発生した豪雨では、人的被害は幸いなかったものの、大垣市、垂井町、養老町の泥川沿いで水田の冠水、あるいは大垣市の牧田川での護岸決壊が発生したところであります。特に泥川につきましては、従来から河川と周辺の農業用施設の整備が行われてきたところでありますが、残念ながら、いまだに水田等の冠水が頻発しているところであります。

 また、七月に九州北部で発生した、「これまでに経験したことのないような大雨」と表現された記録的な集中豪雨では、複数の河川で堤防が決壊し、甚大な被害が発生したところであります。また、本県においても、一昨年、可児川で現況流下能力を大きく上回る流量が発生したことが原因で、人命が奪われる甚大な被害が発生するなど、治水対策の見直しが求められるところであります。このため、河川管理施設と農業用施設について、従来の整備計画を見直し、部局間で十分な連携をとりながら、それぞれが持つ機能を十分に発揮することで効果的な治水対策が図られることが、従来にも増して重要と考えるものであります。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 河川管理施設と農業用施設の整備を進め、一定の効果があらわれているものの、いまだに浸水が発生する地域が県内に残されております。このため、総合的な治水対策としての河川管理施設や農業用施設の整備が求められると考えますが、それに対する御所見をお伺いいたします。

 次に、急増する金属、貴金属、自動車等の盗難防止対策についてお尋ねをいたします。

 県下の刑法犯認知件数は、平成十四年をピークに八年連続して減少しておりましたが、平成二十三年に増加に転じたところであります。この増加要因として、空き巣、自動車盗難等の増加が挙げられるところでありますが、中でも、金属、貴金属、自動車などの盗難被害が顕著で、実際に消防ホースが盗まれ、消火活動にも支障を来したり、側溝のふたが盗まれ、通行者が側溝に落ちる危険にさらされるなど、市民生活に多大な影響を与えているところであります。

 また、自動車の盗難も激増し、その被害回復は十年前五〇%であったものが、わずか一八%程度にまで落ち込んでいるとのことであります。

 一方、金属等を取り巻く環境に目を向けてみますと、金属関係の需要の高まりにより、市場流通価格は高騰し、高値で取り引きされており、その状況を反映してか、最近では、新聞紙上で金属・貴金属の買い取りチラシをよく見かけます。また、平成三年の資源有効利用促進法の制定を初めとして、順次、容器包装、家電、自動車などのリサイクル法が制定され、リサイクルの動きが加速しておりますが、盗品の流通に関する規制がなく、盗品がリサイクル市場に容易に流通していると聞き及んでおります。

 また、これまであった金属くず営業条例が平成十二年に廃止されましたが、このことが盗品の流通を加速していると考えられ、貴金属などの中古品も古物でなく、溶解、再利用目的の資源として流通しているため、これらも古物営業の規制を受けず、問題点があると感じるところであります。

 さらには、県内に百余りのヤードと呼ばれる解体作業所があり、一部報道によりますと、高い壁のあるヤード等で人目につきにくいことから、盗まれた自動車など容易に解体され、海外に輸出されているとのことであります。しかも、このヤードには、自動車リサイクル法上の権限がないことから、警察官の立ち入りができないとのことであります。

 こうした状況の中で、県民は県警に対して、盗品の流通防止と早期被害回復のための対策を望んでいるところであります。

 そこで警察本部長にお尋ねをいたします。

 金属、貴金属、自動車の盗難被害が増加し、これらを取り巻く環境、法律にも幾つかの問題が散見される中、警察本部としてはどのように盗難防止対策を進めていかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、ふるさと岐阜県の資源を活かした活力づくりについて、三点お尋ねします。

 まず初めに、中国・韓国との関係悪化による県内産業への影響と対策についてお尋ねいたします。

 尖閣・竹島領土問題で中国・韓国との関係が悪化したことにより、県内産業への影響が懸念されているところであります。

 そもそも、これらの問題は、民主党政権の国家観の欠如、外交の基本姿勢の欠如が原因であり、こうした事態を招いた政府の責任は大きいものがあると思われます。十一月に公表されました、民間の信用調査機関が行った日中関係の悪化による日本企業への影響についての調査結果によりますと、中国との関係悪化について、企業の二九・六%が「悪影響」と回答をいたしております。業界別では製造業が最も多く、約四割が「影響を受けた」と回答しております。本県においても製造業が多いことから、県内産業に影響が及んでいることが推察されます。

 これまで、県は県内産業振興への支援策として、両国を初め海外における販路開拓やパートナーづくり等の県内企業の海外展開への支援、県内企業と海外企業との合弁事業を目指したビジネスマッチング等、海外におけるビジネス拡大の支援を展開してきたところでありますが、これらの支援策への影響が懸念されるところであります。

 また、本県の外国人観光客の割合は、延べ宿泊客数ベースで、中国が二一・三%、韓国が八・九%、台湾が二九・九%となっており、県内観光業への影響も大きくなるのではないかと推察されているところであります。さらに、県では、中国や韓国等のアジアを重点市場と位置づけ、海外誘客戦略を積極的に推進してきており、この戦略への影響も懸念されるところであります。

 そこで商工労働部長にお尋ねをいたします。

 今回の中国・韓国との関係の悪化によって、製造業や観光業等県内産業へどのような影響が生じてきているのか。また、県として今後どのような対策を講じていくのか、お尋ねをいたします。

 次に、森林経営計画の作成促進についてお尋ねいたします。

 国は、昨年、森林法を改正し、今年度より森林所有者、または森林経営の受託者が、面的なまとまりを持った森林の施業や保護の計画を作成することで、効率的で持続的な森林経営の確立を目指す森林経営計画制度をスタートさせたところであります。

 本県では、この制度に先駆けて、保育中心の森林整備から「伐って利用する」という本来の林業の復活に向けて、施業集約化や路網整備、木材生産等を行う「健全で豊かな森林づくりプロジェクト」を平成十九年度から十五カ所で実施しておりますが、これが森林経営計画制度のモデルとなったと伺っております。

 こうした中、森林経営計画の作成が、国の森林管理・環境保全直接支払制度における交付金の支払い条件であることから、県内での速やかな計画の作成が求められるところであります。

 そこで林政部長にお尋ねをいたします。

 今後、各地域の事情を踏まえ、森林経営計画の作成を促進していくことが重要と考えられますが、これに関してどのような課題があり、それを踏まえ、どのように対応していく方針なのか、お尋ねをいたします。

 次に、長年の懸案となっております名鉄高架事業への取り組みについてお尋ねをいたします。

 名鉄高架事業は、現在のJR高架事業とあわせ、昭和五十三年の岐阜都市計画地方審議会の答申に基づき、基本的な計画が打ち出されたところでありましたが、その後、事業の規模や緊急性から、現在のJR高架事業が先行する形で進められてきたものであります。そして、先送りとなっていた名鉄高架事業については、平成五年からようやく本格的な調査に着手し、平成九年には基本構想素案を策定、平成十一年には新規着工準備の採択がなされたものの、既に十年余が経過しているところであります。

 この間、協議や検討はされてまいりましたものの、大規模な事業であることから、県の公共事業予算が減少する中、事業自体は一向に進んでいない状況にあります。

 連続立体交差事業は、道路と鉄道との立体交差化による都市交通の円滑化を初め、まちづくり、都市の発展といった面においても極めて大きな効果が期待されるところであります。名鉄高架事業についても、あかずの踏切の解消や、これに伴う都市計画道路の整備により、大きな事業効果が期待できるものであり、進捗を図るべきと考えるところであります。

 そこで知事にお尋ねいたします。

 このように事業費が大きく、なかなか進まない状況の中、名鉄高架事業に対してどのように認識され、今後県としてどのように進めていかれようとされているのか、お尋ねをいたします。

 次に、誰もが活躍できるふるさと岐阜県づくりに関し、産業人材育成に対する考え方と今後の対応について、お尋ねをいたします。

 十月にソニーは、子会社のソニーイーエムシーエスの美濃加茂市の工場「美濃加茂サイト」を来年三月末で閉鎖すると発表されました。一部報道によりますと、この閉鎖により、正社員などソニーが直接雇用している八百四十人には、配置転換や早期退職制度の活用を促す一方、派遣会社からの従業員など約千八百五十人については契約が終了するなど、県内の雇用情勢に深刻な影響を及ぼしておるところであります。

 一方、前回定例会において、県内企業の海外進出が県内の雇用情勢に与える影響について、「海外進出をしている県内企業の動きを見ますと、海外では拡大する需要を積極的に取り込みつつ、県内では研究開発や高度な技術を要する製品の生産を行い、結果として県内雇用を維持しているところも多いことがわかっております」との商工労働部長の答弁があったところであります。

 県内の雇用情勢を安定維持させるためには、このような県内企業の動向を踏まえると、県民がより安定的な条件により雇用されるよう、高度で専門的な産業人材の育成・確保を図ることが求められるものと考えます。

 国は、高度かつ専門的な人材の育成や、技術力・技能の向上とその継承のため、来年度予算概算要求において、経済産業省では「ものづくりマイスター活用技術・技能継承促進事業」、厚生労働省では「若年技能者人材育成支援等事業」を新規事業として予算計上しております。県では、平成二十二年度に「岐阜県産業人材育成戦略」を策定し、この戦略に基づいた産業人材育成を推進しているところであります。

 そこで商工労働部長にお尋ねいたします。

 今後、県における産業人材育成施策の充実を図るため、業界や各企業のニーズを的確に捉えるとともに、国事業の活用や県内高等教育機関等との連携を図りながら、高度かつ専門的な人材の育成や、技術・技能の向上や継承等、企業の生産性向上に資する取り組みが求められると考えますが、県の産業人材育成に対する考え方と、県として今後どのように産業人材育成を実施していくのか、お尋ねをいたします。

 次に、美しい自然と環境を守る「清流の国」づくりに関し、有害鳥獣対策の今後の方針と担い手の確保について、お尋ねをいたします。

 ニホンジカやイノシシなどの有害鳥獣の増加により、農林業被害の拡大や自然生態系への影響が深刻になってきております。

 県では、昨年、岐阜県鳥獣被害対策本部を設置し、全庁的に鳥獣被害対策に取り組んでおられますが、県民からは、県が行う鳥獣害対策について、部局ごとに対策がばらばらとの意見も出されており、部局横断的な一貫性のある徹底した対策が求められるところであります。

 有害鳥獣については、被害を防止する目的で捕獲を行っているものの、増加数に対し、捕獲数が追いついておらず、その結果、例えばニホンジカは、平成十八年の捕獲頭数は四百十八であったものが、平成二十二年には一千七百七十六と大幅に増加したにもかかわらず、被害は拡大し続けております。さらに、有害鳥獣の捕獲を担う狩猟者が年々減少しており、具体的には県猟友会会員数は平成元年に四千二百七十六人であったものが、平成二十二年には二千二百七十人と約半数に減少するなど、その確保が急がれているところであります。

 一方、狩猟者登録の前提となる猟銃の所持許可について、過去に猟銃等による凶悪犯罪が発生したことから、この許可に係る手続について厳格な審査が行われるようになりました。このことも狩猟者減少の一因となっているとの意見もあります。

 そこで、まず環境生活部長にお尋ねをいたします。

 ニホンジカやイノシシなどの有害鳥獣の捕獲について、今後どのような方策を講じていかれるのか。また、有害鳥獣の捕獲を担う狩猟者の確保について、どのような対策を考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 次いで、警察本部長にお尋ねをいたします。有害鳥獣の増加に伴って狩猟者が不足している状況を踏まえ、猟銃所持許可の現状について、どのように認識しておられるのか。また、今後、何らかの対策を講じていく予定はないのか、お尋ねをいたします。

 続いて、ふるさと岐阜県を未来につなぐ人づくりに関し、二点お尋ねをいたします。

 初めに、少子化対策の現状と対応策についてお尋ねをいたします。

 我が国の合計特殊出生率は、昭和五十年には二・〇を下回り、平成十七年には過去最低の一・二六を記録いたしました。その後、微増傾向にあったものの、平成二十三年の出生率は一・三九であり、人口を維持する合計特殊出生率であります人口置換水準の二・〇七を下回っている状況にあり、結婚しない人や子供がいない夫婦が多い現状では、もはや人口減少は避けられない状況にあると言えます。

 人口減少は、国力の低下を招く深刻な問題であります。したがって、人口減少の進行を少しでも抑えるため、効果的な少子化対策を早急に講じていくことが重要であります。

 国におきましては、現在は児童手当となっておりますが、予算にして二兆円を超える子ども手当制度を創設し、少子化に歯どめをかけようとしましたが、その結果は合計特殊出生率にしてわずか〇・〇二程度上昇しただけであり、その費用対効果は極めて低いと言わざるを得ません。

 本県では、県の長期構想において、サブタイトルを「人口減少時代への挑戦」とし、少子・高齢化の進行等による人口減少が県内に与える影響に対して強い危機感や問題意識を持って、本県が重点的に取り組むべき施策として少子化対策を位置づけられております。

 また、本県の少子化対策については、平成十九年には「安心して子どもを生み育てることができる岐阜県づくり条例」を制定されました。また、同年から少子化対策に係る県の基本計画を策定し、例えば「ぎふっこカード」といった子育て家庭の支援を県が直接行うなど、さまざまな特徴的な取組を行ってきたところであります。

 しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、合計特殊出生率については条例が制定された平成十九年には一・三四であったものが、平成二十三年には一・四四と全国平均を上回っているものの、人口置換水準には及ばない状況であります。知事二期目終了を間近に控え、重要課題として取り組んできたこれまでの県の少子化対策について、総括を行う時期に来ているのではないかと考えるところであります。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 これまで、県において少子化対策を重要課題と位置づけ、さまざまな取り組みを行ってこられましたが、それを踏まえた現在の県内の少子化の状況に対し、どのような所見を持っておられるのか。また、今後の対応策についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 最後に、児童・生徒の問題行動やいじめ等の要因と対策についてお尋ねをいたします。

 前回定例会において、いじめ問題に関し、問題を起こす子供に対して指導、懲戒の基準を明確にし、毅然とした対応をとるなど、いじめをやめさせる取り組みについて、子供たちはもちろんのこと、保護者を初め地域住民や関係機関が一体となって強力に推進していくことを県議会として意見書で求めたところであります。

 九月に公表された平成二十三年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果によりますと、本県の公立小・中学校、高等学校における児童・生徒による暴力行為は、平成二十年度から二十二年度にかけては千三百五十八件から千二百六十八件と、わずかながらも減少傾向にありましたが、平成二十三年度は千四百四十一件と増加に転じ、三校種とも前年度と比較して増加しておるところであります。

 一方、特別支援学校を含めたいじめの認知件数は、平成十九年度の八千二百六十九件をピークに、平成二十三年度には二千九百三十件と大幅に減少しております。

 また、小・中学校の不登校児童・生徒数は、平成二十年度の二千五百六十二人から三年連続で減少してきております。平成二十三年度は二千百二十八人となっておりますが、一方、高等学校では、不登校・中途退学者の割合はほぼ横ばいの状態であると伺っております。

 そこで教育長にお尋ねをいたします。

 暴力行為、いじめ、不登校・中途退学に係る調査結果について、それらの要因をどのように認識しておられるのか。また、これらを踏まえ、どのような対策を講じているのか、お尋ねをいたします。

 明確な御答弁を御期待申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず放射線監視体制についてでございますが、現時点での放射線監視運用体制につきましては、県内五圏域に二カ所ずつ、合計十基のモニタリングポストで連続監視をいたしまして、リアルタイムでインターネットに公表しておるということでございます。

 さらに、緊急時には、状況に応じて影響の及ぶ地域を迅速かつ効果的に把握できるよう、今年度中に可搬型測定器九台を常備することとしております。今後の監視体制についてでございますが、県としては独自の放射性物質拡散シミュレーションにより、放射性物質の県内への主な流入ルートとして二つがあること、それ以外に気象条件によっては他の地域にも影響があらわれる可能性があることを把握いたしました。このため、第一に、現在整備中の揖斐川町坂内地区に加え、もう一つの流入ルートである関ケ原町付近にもモニタリングポストを今後追加整備してまいります。第二に、主な二つの流入ルート以外でも機動性のあるモニタリング体制を構築するため、可搬型測定器を今後さらに十一台追加整備し、合計二十台を配備してまいります。そして、これにあわせて、市町村を初め関係機関と連携・調整しながら、事故による岐阜県への影響度合いに応じた具体的なモニタリングのマニュアルづくりを進めるなど、実効性のある運用体制を確立してまいります。

 次に、今後の原子力防災対策についてでございますが、まず県のシミュレーション結果を踏まえまして、緊急時モニタリングの手法、安定ヨウ素剤の服用方法、避難の仕方などの対策を、現在見直し作業中の県地域防災計画に具体的に位置づけてまいりたいというふうに考えております。

 また、地域として、「UPZ範囲内の地域」「放射性ヨウ素による内部被曝を防ぐための対策が必要となる可能性のある地域」「一週間以内に避難が必要となる実効線量年間百ミリシーベルト以上となる可能性のある地域」あるいは「一カ月内に避難が必要となる年間二十ミリシーベルト以上となる可能性のある地域」等に場合分けをしまして、それぞれの地域に応じた対策をきめ細かくとってまいりたいというふうに考えております。

 また、この対策を講ずるに当たり必要となる資機材も、追加整備してまいります。

 モニタリング機器については先ほど申し上げたとおりでございますが、安定ヨウ素剤につきましては、IAEA(国際原子力機関)の安定ヨウ素剤服用基準の半分に当たる二十五ミリシーベルト以上となる可能性がある地域全域における四十歳未満人口の一・二倍の安定ヨウ素剤を確保してまいります。

 さらに、これらの対策が実際に原子力災害が起こった際に機能するよう、緊急時モニタリング、避難所の設営などの実動訓練を盛り込んだ原子力防災訓練を、来年三月を目途に実施してまいりたいと考えております。

 一方、国においては、十月末に原子力災害対策指針を決定したところでございますが、先ほどもお触れになっておられますように、避難の基準など具体的な内容が示されていないほか、UPZの範囲内の対策を中心に記述されているにとどまっているなど、本県がそのまま引用して地域防災計画を策定するための情報がまだまだ不足しておるわけでございます。

 そこで、先月、私が直接、原子力防災担当大臣、原子力規制庁長官などにお会いをし、原子力災害対策指針の内容の充実、特にUPZの外側の対策について要請してまいりました。国としても、本県の主張には理解を示され、検討したいということでございました。

 今後、国の指針等において対策が具体化された場合には、必要に応じて柔軟に原子力防災対策の見直しを行ってまいりますが、私どもとしては、国の指針の具体化を待つことなく、専門家の意見もお聞きし、国に先んじて必要な対策を次々と進めてまいりたいと考えております。

 次に、治水対策としての河川管理施設、農業用施設の整備でございます。

 岐阜県では、平成十一年からほぼ毎年のように、時間雨量五十ミリ、日雨量二百五十ミリを超える豪雨が発生して甚大な災害が発生してきております。特に中濃・東濃地域では、平成二十二年、二十三年と連続して、百三十年に一度と評価される短期的・局地的な集中豪雨による災害が発生しております。また、本年九月の西濃地域を中心とした豪雨では、平成十四年の洪水に匹敵する水位を大谷川や泥川で観測しております。これまでに整備してまいりました徳山ダム等による洪水調節、杭瀬川の河川改修、大谷川洗堰の嵩上げ、泥川水門や支川の排水機場の整備等により、何とか家屋への浸水被害は食いとめることができたわけでございますが、その一方で県道、あるいは広範囲の水田等が浸水しておるわけでございます。また、想定を超える降雨によってはさらなる被害の拡大も予想されるということでございます。

 こうしたことから、県といたしましては、頻発する短期的・局地的な集中豪雨に対応し、県民の安全・安心を守るために、河川整備計画の見直しや土地改良事業計画の立案を行い、これに基づき河川改修や排水路の改修、さらには排水機を整備するなど、農政部と県土整備部が連携した総合的な浸水対策を実施してまいりたいと思っております。

 次に、名鉄高架事業への取り組みでございます。

 この高架事業は、鉄道で分断された地域の一体的整備によるまちづくりの推進、あかずの踏切の解消による交通の円滑化と交通安全の確保という観点から、大変重要な事業だというふうに認識しているわけでございますが、御指摘のありましたような経緯の中で、平成十一年度に新規着工準備採択を受けて以降、事業の実施に向けた調査・検討を行ってきたものの、公共事業が年々縮小する中で、その事業規模が大きいこともありまして、現在まで着手の見通しが立たない状況でございます。

 御案内のとおりでありますが、こうした状況にはございますが、やはり名鉄高架事業はまちづくりを進める上でも大変に重要な事業であることから、早期に事業化のめどを立てていく必要があるのではないかというふうに考えております。

 そのための方法としまして、まずは計画区間であります二・九キロの中でも、特に事業効果の高い名鉄岐阜駅寄りの約一・五キロ区間を先行して整備することとしたいと考えております。この先行区間の事業整備によりまして、八カ所の踏切解消、都市計画道路栄町蔵前線の新設、岐阜駅那加線の拡幅、名鉄線の一部単線区間の複線化や線形改良、現加納駅と茶所駅の統合新駅設置による交通結節点機能強化といったさまざまな、しかも大きな事業効果が期待できるわけでございます。

 こうした考えに立ちまして、今後は、事業化に向けて関係機関との協議や地元との調整を進めるとともに、来年度より事業化のための具体的な調査に着手してまいりたいと考えております。

 最後に少子化対策でございます。

 御案内のように、平成十六年の合計特殊出生率が一・三一と過去最低でございましたし、対前年比〇・〇五ポイントの減少という全国最大の下げ幅であったということを受けまして、平成十七年度に推進本部、十八年度に条例制定、十九年度には基本計画の策定ということで、全庁を挙げて取り組んでまいりました。

 三つの方向でやっておりますが、第一に、「ともに大事にする仕事と家庭」という観点から、子育てをしながら安心して働き続けることができる環境づくりを目指して、病児・病後児保育や放課後児童クラブの設置促進など各種保育サービスの充実に努めてまいりました。

 次に、ワーク・ライフ・バランスの普及を図る子育て支援企業登録制度として、既に千四百七十九社に登録していただいておりますし、その中から他の模範となる取り組みを行う企業をエクセレント企業として認定をし、普及を図っているところでございます。加えて、イクメン育成のための父子手帳を作成いたしまして、母子手帳と一緒に全てのお父さんに配布しております。

 二番目に、「子育てにやさしい社会づくり」ということで、「ぎふっこカード」を全ての子育て家庭に配布し、県内三千を超える店舗に拡大するとともに、愛知県、三重県、そして富山県での利用も可能としております。また、平成二十二、二十三年度に「親子でお出かけ大作戦」と銘打ちまして、公共施設や商業施設を中心に、妊婦・乳幼児連れの駐車場や子供用トイレなど延べ五百七十八施設を整備しております。

 三番目に、「地域で支える子育て」ということで、保育士や保健師などの経験者、あるいは子育て支援に理解・熱意のある方を子育てマイスターとして現在千百八十三人登録しておりまして、市町村の子育て支援事業、地域の子育て支援NPO活動などで活躍をしていただいております。

 このように幅広く努力をしてきておりますけれども、この少子化対策はその性格上、取り組みの成果が簡単にはあらわれにくく、各般の対策を総合的かつ持続的に行っていく必要があるわけでございます。

 そうした中で、本年度の県政モニターを見てみますと、このアンケート調査では、子育てに優しい社会であると感じる人の割合が、平成十九年の二七%から今年度は五九%と、三十二ポイント大幅に増加しております。また、岐阜県での子育てに満足している人の割合も、平成十九年の六二%から七六%へと増加をしてきております。こうしたことから、総じて社会全体で子育てに取り組むという県民意識が醸成され、子育てに対する不安の軽減にもつながってきているのではないかというふうに思っております。

 合計特殊出生率につきましては、団塊ジュニアの出産の増加によりまして、平成二十三年では一・四四と、過去最低を記録した平成十六年の一・三一から増加をし、全国における順位も三十二位から二十四位へと上がってきておるわけでございます。

 今後の課題としては、まず働く女性から強く求められている保育サービスの充実を進めてまいります。例えば病児・病後児保育につきまして、単独市町村では対応が困難な場合に、他市町村の施設を活用することにより未実施市町村を解消するといったこと、あるいは放課後児童クラブにつきまして、運営方法の工夫の事例等について情報提供することによって、市町村全校区の設置に向けて取り組みの加速を図ってまいりたいと思っております。

 また、非婚化、晩婚化、あるいは非正規雇用の増大といったような新たな課題も出てきているわけでございます。このため、人生の早い時期で就労、結婚、出産、子育て等、人生設計を考える若者向けの教育、研修、講座といったものの実施、あるいは成長型、内需持続型産業の誘致・集積等による若者の雇用の確保定着など、教育政策と産業政策を一体的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 これまでは、どちらかといいますと子育て支援を中心とした対策をやってまいりました。今後、これに加えて、若者が家族や子供を持つことに積極的になることができるような対策といったところにも焦点を当てまして、現行の少子化対策計画の中間レビューを行いながら、強力に政策を進めてまいりたいと思っております。



○議長(駒田誠君) 環境生活部長 秦 康之君。

    〔環境生活部長 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部長(秦康之君) 有害鳥獣の捕獲に対する対策につきまして答弁いたします。

 県下では、イノシシやニホンジカの生息数が著しく増加をしておりますことから、まず狩猟につきましては、狩猟期間の一カ月延長や一日当たり捕獲頭数の制限緩和を行ったところであります。次に、有害鳥獣捕獲につきましては、捕獲助成金を前年度比二・三倍に増額するとともに許可期間の延長や捕獲頭数制限を廃止するなど、捕獲圧を高める措置を講じているところであります。

 こうした取り組みに加えまして、生態系を保全するため、ニホンジカの個体数調整を目的とした捕獲を新たに実施することといたしております。まず、今年度は郡上市と下呂市におきまして、年間千五百五十頭を目標に捕獲に取り組んでいるところでございます。さらに、被害が著しい農家と地域の狩猟者が協働して行う防護柵とわな設置による個体数調整のための新たな捕獲体制構築につきまして、モデル的な取り組みを検討しておるところであります。

 次に、担い手確保対策についてでございます。

 無料のわな免許講習会の開催や、若い世代が参入しやすいよう狩猟免許試験を土曜日に開催するなど、狩猟免許取得の促進に向けた取り組みを進めているところであります。これに加えまして、市町村職員をハンターとして養成する市町村への助成制度を今年度新たに創設いたしましたとともに、岐阜大学に設置をしております鳥獣対策研究部門におきまして、狩猟免許保持者を対象としたアンケート調査を実施し、捕獲従事者の確保や捕獲意欲の向上、持続的な捕獲体制の整備などについて調査・研究を進めております。その成果につきまして、今後の担い手確保対策に反映をしてまいります。



○議長(駒田誠君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 二点についてお答えいたします。

 初めに、高齢者認知症対策における人材の養成・確保、関係者との連携体制の整備についてお答えします。

 人材の養成・確保対策としては、高齢者認知症患者を日常的に診察するかかりつけ医の早期診断・早期治療への対応力の向上を目的とした研修を行っているほか、かかりつけ医を支援する認知症サポート医の養成や、高齢者認知症患者の介護を行う施設の代表者、管理者、介護の実践担当者のための研修を行っています。また、高齢者認知症患者の地域での日常生活を支える地域ケア会議を開催する地域包括支援センターの機能向上を図るため、先進事例を学ぶ研修会の開催や専門的なコーディネーターの派遣などを行って、介護施設、医療機関、民生委員、ボランティア団体など多くの職種の方々の連携を強化しております。今後は、これらの施策をさらに推進するとともに、県内七カ所に設置した地域における認知症の専門医療を行う拠点である認知症疾患医療センターを中心に、かかりつけ医との連携も進めてまいります。

 次に、次期保健医療計画における高齢者認知症の位置づけと対策についてお答えします。

 次期保健医療計画では、高齢者認知症患者が今後さらに増加することが見込まれていることから、高齢者認知症を重点的に取り組むべき疾患の一つと位置づけ、認知症患者は精神科病院や施設を利用せざるを得ないというこれまでの考え方を改めて、認知症患者ができる限り住みなれた地域で生活を継続できる医療提供体制を構築することを目指すこととしています。

 具体的な対策としては、認知症による生活機能障害の進行状況にあわせて、将来にわたって、どのような医療・介護サービスを受ければよいかを事前に示す標準的なサービス提供の流れを作成します。また、退院後に在宅で適切な治療・介護等が受けられるようにするため、地域包括支援センターを中心として、かかりつけの医療機関、薬局、介護サービス機関等が高齢者認知症患者個人の情報や治療経過を共有できるよう、それぞれの情報を一括して記載した手帳を導入し、連携してケアする体制の整備を進めてまいります。



○議長(駒田誠君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) まず、中国などとの関係悪化によります県内産業への影響と対策についてお答えいたします。

 県が毎月行っております県内中小企業百三十社へのヒアリング調査によりますと、特に自動車関連企業から、中国での日本車の不買運動により生産量が減少しているとの声が多く聞かれます。また、観光業におきましても、一部の宿泊施設において、中国人観光客のキャンセルが発生しているとの報告を受けております。

 しかし、県内企業の多くは、こうした影響を一時的なものと見ておりますが、領土問題もさることながら、中国経済自体の減速の影響のほうが大きいと見ております。実際に、一般機械や生産用機械などの企業では、領土問題が顕在化する数カ月前から中国への輸出減に伴う売り上げの減少が見られ始めており、中国経済の動向には今後引き続き注視が必要であると考えております。

 このように、県内企業の景況が海外の経済状況に左右される構造は、今後も続くものと考えておりますが、一方で、海外の伸び行く需要を取り込むことも不可欠であると認識しております。このため、中小企業が厳しい国際競争を勝ち抜くための武器となる技術力、商品力、サービス力の向上を図るため、研究開発や人材育成、海外も含めた販路開拓の強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、産業人材育成に対する考え方と今後の対応についてお答えいたします。

 産業人材育成を進めるに当たっては、特に今後大きな成長が見込まれる産業分野において、高度で専門的な人材を育成することが重要であると考えております。このため、県では、昨年開設いたしましたぎふ技術革新センターに、航空機・次世代自動車分野で注目される炭素繊維複合素材や高度医療機器などの研究開発に必要な最新の機器を備え、産学官共同研究を促進するほか、炭素繊維複合素材の成形加工に係る実習を開催することなどにより、先端材料を扱い、加工ができる技術を持った人材を育成しております。

 また、VRテクノセンターにおきましては、航空機の設計・製造に関する中核人材の育成事業を実施するほか、国際たくみアカデミー短期大学校における機械加工やメカトロニクスの実習などを通じ、技術・技能の向上や継承にも取り組んでいるところでございます。

 こうした事業の実施に当たりましては、大学や工業高等専門学校など県内人材育成機関により設立された岐阜県産業人材育成連携推進協議会におきまして、研修内容の情報交換や、互いのノウハウを活用した研修の計画などの調整を図っており、今後も引き続き同協議会構成員と連携の上、国事業の活用も検討しながら、産業人材の育成を進めてまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 林政部長 正村洋一郎君。

    〔林政部長 正村洋一郎君登壇〕



◎林政部長(正村洋一郎君) 森林経営計画の作成促進についてお答えします。

 森林経営計画は、今後の森林経営の基本となるもので、面的にまとまりのある区域を一体的に整備することを目的に作成する計画です。

 この森林経営計画を作成する上で、所有規模が小さく急峻な地形が多い本県では、森林所有者や境界が不明確であることや、効率的な路網整備や木材生産を計画できる人材が不足しているといった課題があります。

 このため、県では、県が保有する森林所有者などの情報提供や、境界の確認作業に必要な経費を助成するとともに、計画作成を担う人材として施業プランナーの養成研修を独自に開催しており、今年度末までに八十一名を養成する予定です。

 これらの取り組みに加え、各農林事務所に計画作成を支援するチームを設置するなど、地域単位できめ細かに対応していくことにより、今後五年間で県内の民有林の約三分の一に当たる二十万ヘクタールでの作成を目指してまいります。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 児童・生徒の問題行動やいじめ等の要因と対策についてお答えいたします。

 暴力行為やいじめについては、児童・生徒の規範意識の低下や人間関係づくりの未熟さ等が、また不登校・中途退学については、精神的な不安や学校生活への不適応、学習に対する目的意識の希薄さなどが要因として考えられますが、個別の案件ごとにさまざまな要因が複雑に絡み合っております。これらのことを踏まえ、スクールカウンセラー等の配置による教育相談体制の充実や、緊急時におけるサポートチームの派遣等により児童・生徒への支援を行っております。また、教職員用の手引を作成し、各学校で活用できるようにしたり、警察を初めとする関係機関と連携を図ったりするなど、早期発見・早期対応に向けた取り組みを進めております。

 さらに、これらの諸問題の解消に向けては、未然防止が一層重要であると考えております。そのためには、教職員や仲間とのかかわりの中で、全ての児童・生徒が自分は大切にされているという実感を持てるということが大切です。そして、地域や家庭とも連携し、人とかかわる喜びを感じる体験や人のために役立つと感じる場や機会を通して自尊感情を高め、児童・生徒一人一人に自立した社会人として生きていくことができる力を育てる指導の充実に努めてまいります。



○議長(駒田誠君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 二点の御質問をいただきました。

 まず、急増する金属、貴金属、自動車等の盗難防止対策についてお答えをいたします。

 県下の刑法犯認知件数は、平成十四年をピークに八年連続して減少してまいりましたが、昨年は二万五千二百三十件、前年比プラス二百十三件と、九年ぶりに増加に転じました。その主な要因としては、自動車盗、車上ねらい、空き巣などの手口の犯罪の増加がございました。中でも、金属、貴金属、自動車の被害の急増が目立ったところでございます。

 こうした状況に対して、県警察といたしましては、この種の犯罪に対する捜査強化はもとより、パトロール活動の強化、タイムリーな防犯情報の提供、より効果的な防犯対策の普及促進などに努めてきております。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、岐阜県金属くず営業に関する条例が平成十二年に廃止となりました。その後、金属等の価格の高騰、リサイクルの動き、ヤードと呼ばれる施設の出現などの社会経済情勢の変化に対して、既存の法律の仕組みでは盗難防止対策が十分でないと言える状況にございます。

 こうした情勢に対応するため、盗難に遭った金属、貴金属、自動車などの流通防止と、これらの速やかな発見などを目的とした県条例の制定が必要と考えておりまして、有識者の方々から課題や問題点について御意見をいただいたところでございます。今後は、このご意見をもとに広く県民の方々の御意見をも聞きながら、実態に即した有効な条例案を取りまとめて、この県議会にお諮りすることができるよう、早急に検討を進めるとともに、引き続き警察としての諸対策を推進し、一層安心して暮らせる岐阜県づくりに寄与してまいりたいと考えております。

 次に、猟銃所持許可の現状と対策についてお答えをいたします。

 本年十月末現在、県内の猟銃及び空気銃の所持許可数については、銃の数にして三千八百九十一丁、人数で千八百二十七人となっております。

 猟銃につきましては、議員の御指摘にもございましたが、全国的に許可猟銃を悪用した犯罪や、あるいは誤射事故が相次いでおりまして、当県でも、昨年二月に高山市で誤射によりハンターが片足を失われるという重傷を負った事例も発生したところでございます。

 こういったことから、最近では、平成二十年と二十二年に銃砲刀剣類所持等取締法、いわゆる銃刀法が改正されまして、許可要件や技能を確保するための教習等が強化されたところであります。

 県内の猟銃等所持者数の推移につきましては、これら二つの改正の前後を通じまして、一貫して減少を続けているところでございます。

 銃刀法の改正により、不許可とされた事例が増加しているという、そういった特徴は特に見当たらないわけでありますが、特徴点としては、第一に、現に使用されていない眠り銃と呼ばれる猟銃が返納される例や、高齢になったということを理由として、高齢者の方が自主的に返納される例が増加をしているということが挙げられます。第二に、新規の所持許可申請が大きく減少しているという点も見られるところでありまして、なかなか解釈は難しゅうございますが、そもそも狩猟や射撃競技に関心を持つ層が大きく減少しているようにも見受けられるところでございます。

 有害鳥獣駆除の必要性と重要性につきましては、警察としてももとより理解しているところでございまして、国の動きでございますが、本年九月二十八日には、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律が施行されまして、これに伴って、国家公安委員会では銃刀法の施行規則を改正いたしました。その中で、有害鳥獣駆除者の所持許可の更新について、教習等の負担を軽減するための措置が講じられたところでございます。

 なお、猟友会の会員数につきましては、わな猟の会員が増加し、平成二十三年には二千二百八十三人と若干ながら前年を上回ったと聞き及んでおります。

 警察といたしましては、猟銃による事件・事故の発生の防止のため、引き続き銃刀法の適正な運用に努めるとともに、有害鳥獣の駆除につきましては、関係機関・団体との連携をさらに強化してまいる所存でございます。



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○議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時五十三分休憩



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△午後零時五十九分再開



○副議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。

 十一番 太田維久君。

    〔十一番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆十一番(太田維久君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、県民クラブを代表して、大きく十一のテーマについて質問いたします。

 第四十六回衆議院議員選挙も終盤戦を迎えます。一方で、岐阜県政にとって当定例会はとても重要な議会です。来年度の当初予算編成作業の終盤に当たるだけでなく、緊急財政再建期間の四年間が間もなく終了すること、そして来月実施される任期満了に伴う岐阜県知事選挙を控えています。質問に際して、知事選挙に向けた公平さは意識しなければなりませんが、先月、三選立候補を表明されました古田知事のこれまでの二期八年を検証し、今後の県政運営についての考え方を確認する非常に重要な機会になります。

 この数年間、県政における最重要課題として知事が位置づけておられたぎふ清流国体・ぎふ清流大会が幕をおろしました。両大会は成功に終わったと言っていいでしょうが、その陰には、日夜研さんを続けた選手や監督など大会関係者、ボランティアの力があります。そして、県職員初め自治体の職員、教育委員会職員、警察職員も、寝食を忘れてこの一大イベントにかかわってきました。この場をおかりいたしまして、その労に感謝し、そして知事としてもねぎらいの言葉をいただければと思います。

 そこで知事にお尋ねしたいのは、国体後の岐阜県のあり方、ビジョンをどう描いているかということです。

 さきに古田知事は、知事選挙のマニフェストを出されました。内容に触れ過ぎると公正・公平に支障を来すおそれがあるので余り触れませんが、百二十四の取り組みを挙げ、国体でもうたった「清流の国づくり」の推進などが柱のようです。

 私どもが再度問いたいのは、具体的にどんな分野に特に力を入れたいのか、どんな姿の岐阜県をつくりたいと考えているのかということです。財源も限られ、マンパワー、職員の数も全国と比較すると少ないほうから数えたほうが早く、今の岐阜県の状況はあれもこれもやれる状況ではない。県民の多様なニーズの中から、何を選択し、何に力を入れていくのか、お答えください。

 また、今定例会で注目されるのは、来年度予算編成のあり方だと思います。

 行財政改革アクションプランに基づき、これまで二年と八カ月にわたって財政再建に取り組んできましたが、いよいよアクションプラン後となる平成二十五年度当初予算案の編成が進められています。アクションプランはおおむね順調に取り組まれ、今年度も早期の起債許可団体からの脱却を目指し、平成二十五年度当初予算における構造的な財源不足の解消を目指すということです。

 一方で、景気対策などから財政出動を促す声もあります。これまで財政再建を優先して、抑えなければならかった事業にようやく取り組んでもらえるのではと期待する声があるのは事実です。そうした声と、依然として厳しい財政状況との間で、適切な予算編成を行い、持続可能な財政運営を継続していけるように心がける必要があり、県債発行に頼り過ぎる財政運営は禁物であると思います。

 県債におきましては、平成二十一年度決算において実質公債費比率が一八%を超え、起債許可団体となりましたが、これまでの御説明によれば、アクションプランに基づき行財政改革を進めてきた結果、財政構造の見直しが進み、県債の発行を抑えることができているということです。今年九月にまとめられた行財政改革アクションプランの今年上半期までの取り組み実績報告によれば、平成二十五年度決算においては実質公債費比率は一八%を下回って、起債許可団体から脱却できる見通しとしています。

 そこで知事にお尋ねします。

 アクションプラン後の岐阜県の中期的な財政見通しはどうお考えでしょうか。また、現在策定の終盤となっている平成二十五年度当初予算案では、構造的な財源不足の解消はできる見込みなのでしょうか。そして、来年度以降の行財政改革の方針など、アクションプラン後の行財政改革のフォローをどうお考えなのでしょうか。

 続きまして、県政のマネジメントについてお尋ねをします。

 ぎふ清流国体・清流大会が終了し、十一月から通常の県政運営に戻す異動が少しずつ進められています。組織の大幅な見直しの機会が訪れています。同時に、地域主権改革の進展、新しい公共や公共の再生、公務員制度改革など、外的な要因からも組織の見直しは迫られています。

 そこで、以下三点についてお尋ねをします。

 まず県庁の組織改編です。

 前回の県民クラブ 野村県議の質問に対し、知事は、「県民生活の安心・安全の確保とか県民の身近な窓口の充実といった部署に」と答弁をしています。国体終了後の人事異動を見ますと、例えば以前から大変多忙と聞かされていた障害福祉課では、係を新設し、担当職員の増員をしています。逆に言えば、それまでが無理をかけていた人員配置であったわけです。県全体としても、残業は相変わらず多いようです。毎年度当初には何らかの人事異動がありますが、今回は国体終了ということもありますので、県庁内の事務事業の全体的な検証のもと、適切な人員配置によって一部の部署に極端な負担のかからない組織構成に十分な配慮をしていただきたいと思います。

 職員定数につきましては、地方分権・行財政改革特別委員会におきまして、一般行政職の人数を来年度以降も増員しないという考えを示されました。行財政改革の流れの中で、スリムな状態を保つ必要はありますが、行政ニーズには柔軟に対応するべきだと思います。

 職員給与については、これまでの知事の答弁で、「緊急財政再建期間終了後は優先的に回復する」ということでありました。一方、財務省は、さきの国家公務員の時限的な給与削減により、地方公務員の給与水準が国家公務員の給与水準を上回るとの試算を示しています。しかしながら、岐阜県職員の給与は全国自治体の中ではラスパイレス指数で四十二位、一方で今年四月の知事部局の職員数は四千百七人、十年前より二割少ない数です。昨年度の人口十万人当たりの一般行政部門の職員数は百九十六・一八人、政令指定都市を有する県を除けば全国で二番目に少なく、同規模人口県の中では最少です。既にかなりの合理化を進めていると言ってもよく、これ以上の人事的な合理化は、世間の公務員批判に悪乗りするものではあれ、県民サービスを低下させ、職員の繁忙感の増大と、モチベーションヘの悪影響を与えかねません。午前中の自民クラブ 藤墳議員に対する御答弁で、解除を前提としたと述べられましたが、必ず実行されることを要望いたします。

 分権改革の中で、自治体の権限が拡大する一方で、法的な責任も自治体は自主的に負わざるを得なくなっています。地域自主自立改革推進法、いわゆる一括法でさまざまな義務づけ・枠づけが緩和され、許認可権限も国から都道府県、市町村への移行が進んできました。それとともに、法律や条例に基づき、自治体がみずから考え、判断を下していくケースがふえていきます。地方議会においても、自主的な条例策定の動きはますます拡大し、議会本来の機能でありますが、議員提案条例もふえています。また、住民訴訟や住民監査請求も住民自治の制度の一つとして定着した感があります。自治体における法的判断、法的解釈の機能強化がますます重要になっています。

 幾つかの自治体では、職員として弁護士資格を持つ人材を採用しています。顧問的な弁護士に法的判断、法的解釈を委託するだけでなく、自治体の中に判断解釈ができる人材を取り込み、そこで得られた実績を積み重ねていくことを目指したものと聞いています。資格取得者は高額の報酬が必要ではないかという問題が出てきますが、全国の先駆的な例を見ますと、法曹改革によって弁護士資格を持つ人材がふえていることから、一般の行政職員との比較で余り大きな違いはないようです。

 弁護士を採用する以外にも、行政法や監査などに熟達した人材を組織の中に入れていくこと、あるいは現在の職員に対し、研修や資格取得の奨励、大学院などの専門研究機関で学んだ人材の活用など、拡大する自治に対応した専門性の高い人材確保や育成が求められていると思います。

 そこで、以下についてお尋ねをいたします。

 最初に、来年度に向けた県庁部局、出先機関の再編の方向はいかがでしょうか。そして、職員給与の回復について、改めて緊急財政再建期間終了後の対応と、給与や人員についての中期的な見通しはいかがでしょうか。以上二点は、知事にお尋ねします。

 そして、三点目は総務部長にお尋ねします。

 法務や行政手続、監査など、自治体の中に専門性の高い人材を確保することや、研修など人材を育成することについてはいかがお考えでしょうか。

 以上で、第一回目の質問を終えさせていただきます。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず答弁に入ります前に、議員からも御評価いただきましたぎふ清流国体・ぎふ清流大会の大成功についてでありますが、何といっても競技の関係者、あるいは競技運営を担った市町村、あるいは競技団体の方々はもちろんでありますが、救急、警備、交通、宿泊など各局面で御尽力いただいたスタッフ、ボランティアの方々、さらには声援を送っていただいた観客の皆さんなど、まさに県民総参加で取り組んだ成果であるというふうに考えております。こうした全ての関係者の御協力に心から感謝を申し上げたいと思っております。

 まさに県民総参加によるおもてなし、気配りなど、県民の底力、あるいは深まった地域のきずな、また県職員挙げての取り組みと、こういったことを一過性のものとせず、今後の県政に生かしてまいりたいというふうに考えております。

 そこで、今後の県政運営ということでございますが、今日ここで議員が御質問されたいろんなテーマを眺めてみますと、既に県政の課題は大変広範囲にわたっていると。どれとどれだけというふうにはなかなか言い難いものではないかと、改めて思うわけでございますが、本県には、午前中も申し上げましたが、こうした課題を乗り越えて発展し続けるための、他の自治体にはない三つの強みがあるのではないかというふうに思っております。一つ目は、清流に象徴される豊かな自然、地域に息づく文化・伝統・芸能などの恵まれた地域資源であります。二つ目が、日本の中心に位置し、高速道路、リニア中央新幹線などの交通の結節点、人・物のネットワークのかなめにあるという地の利でございます。三つ目が、先ほども申し上げました県民の底力、限りないポテンシャルということでございます。これら三つの強みを生かして今後の県政運営に取り組みたいというのが、まず基本的なところでございます。

 その方向として、まず第一に、地域資源を生かした活力ある未来づくりということでありますが、恵まれた地域資源を活用し、岐阜県の魅力を発信するということで、人口減少、少子・高齢化時代の中で圏域外から所得を呼び込み、県内経済を拡大させていくということが必要ではないかと思っております。そうしたことから、岐阜県版の成長・雇用戦略を実行してまいりたいと思っております。具体的には、航空機、高度医療機器など成長分野への参入支援、県内企業の特色ある商品の国内外への販路拡大、経済変動に相対的に強い医薬品・食料品関連産業の重点的な誘致、雇用の場の創出・確保、産業を支える人づくり、こういったことに取り組んでいきたいと思っております。

 また、観光・交流産業の基幹産業化を目指してまいりたいということでございます。

 これまで見つけ、磨いてきた岐阜の宝物などの地域資源をつないだ宿泊滞在型観光を本格的に展開し、仮称でございますが、「清流の国ぎふ観光回廊」ということで、国内外に積極的にアピールしてまいりたいと思っております。

 さらに、飛騨牛、富有柿などブランド農産物の生産拡大、多様な農業の担い手の育成・確保、環境を重視した恵みの森づくりなど農林畜産業の振興、そして本県の豊かな自然を生かしたエネルギー政策に取り組んでまいりたいと思っております。また、産業の発展の基盤となるインフラの整備も進めてまいります。

 次に、確かな安全・安心の社会づくりへの取り組みということでありますが、防災対策につきましては、超広域災害への備えとして、防災情報通信システムの整備、自助実践二百万人運動など防災意識の向上を図るほか、原子力防災対策を強化し、放射線のモニタリング体制の整備、安定ヨウ素剤や放射線測定機器の配置などの対策を進めてまいります。また、地域医療、福祉の充実という観点からは、医学生への修学資金貸し付けなどによる医師確保対策、地域医療の拠点となる下呂温泉病院の再整備、障がい児の増加に対応した総合的な療育拠点の整備などに取り組んでまいります。このほかにも、就業後総合サポートの充実といった障がいを持った方の就業の支援、あるいは長期インターンシップの実施による未就職者への支援などを進めてまいりたいと思っております。

 そして、三番目の大きな柱が、本格的な清流の国ぎふづくりということでございます。

 三大大会、植樹祭、海づくり大会、国体、あるいは清流大会の成果を生かして、これを今後の展開につなげていきたいということであります。このため、水源地域保全条例の制定、上下流域連携による環境保全活動の推進、鳥獣害対策、水教育、森林環境教育などを進めてまいりたいと思っております。

 それから、午前中も触れましたが、スポーツ立県戦略を確立し、地域に根差したスポーツの振興、地域スポーツクラブの支援に加えて、スポーツを通じた健康づくりなどにも取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 加えて、障がい者、高齢者、子育てをしながら働く意欲のある女性、外国籍県民など、あらゆる垣根を越えて全ての県民がつながり、生き生きと活躍できるような仕組みづくり、意識づくりに取り組んでまいりたいと思っております。

 こうした清流の国ぎふの基礎は人づくりであり、また清流文化の創造であるということを念頭に、政策を進めてまいります。

 その上で、先ほど御質問の中でどんな姿の岐阜県を思い描いているのかということですが、私としては二つのことを念頭に置いております。一つは、国内外の大交流の舞台、大交流の中核となる岐阜県、もう一つは、「日本のふるさと」と形容できるような魅力あふれる岐阜県ということでございます。こういったことを目指して政策を展開していきたいと思っております。

 次に、中期の財政見通しと今後の行財政改革でございます。

 まず中期的な財政の見通しでございますが、アクションプランによる取り組みを着実にこの三年間進めてきた結果、平成二十五年度以降は、県債発行の抑制などにより、毎年二十億円程度の公債費の減少が見込まれておりますし、定数削減などによる人件費の減少などによって、ここ三年間のような多額の財源不足が生じるような事態にはならないというふうに見込んでおります。したがいまして、平成二十五年度予算編成におきましては、構造的な財源不足はほぼ解消できるのではないかと思っております。

 しかしながら、他方で経済が停滞し、県税収入や地方交付税などの伸びが見込まれない中で、毎年三十億円から五十億円の自然増があります社会保障関係経費、あるいは防災・減災対策、少子・高齢化社会への対応など、今後もさまざまな政策課題に対応していかなければならないと思っております。したがって、来年度以降も持続可能な財政運営を続けるためには、中期的な財政見通しを踏まえながら、事務事業の見直しなどを通じて歳出を抑制し、節度ある県債の発行に努めるとともに、歳入面では、県税収入の確保や県有財産の売却を進めるなど、引き続き不断の行財政改革の取り組みを進めていきたいと考えております。今後、こうした来年度以降の行財政改革の取り組みの基本的な方針と中期的な財政見通しを、二十五年度当初予算編成とあわせて取りまとめ、お示しをしていきたいと思っております。

 次に、県庁の組織の再編ということでございます。

 さきの県議会でも申し上げましたが、ぎふ清流国体推進局の職員規模を段階的に今縮小しつつありまして、これまでに既に百名近くの職員を他部局に異動させております。具体的には、教員は教育現場へ復帰させておりますし、その他の職員につきましては、危機管理部門、あるいは健康福祉部門の組織の充実、土木事務所など県民に身近な現地機関の充実、リニア推進に向けた現地事務所の設置など、本県の直面する課題に適切に対応していくに当たって増員が必要な部署に配置をしておるということでございます。

 来年度の組織再編についてのお尋ねがございましたが、現時点では、ぎふ清流国体推進局の廃止はあるものの、本庁、現地機関ともに大きく再編が必要な状況にはないというふうに思っております。

 他方で、先ほど申し上げましたとおり、来年度以降につきましては、県民の皆様から御支持をいただけましたら、「地域資源を活かした活力ある未来づくり」「確かな安全・安心の社会づくり」「本格的な「清流の国ぎふ」づくり」の三つを柱にした政策に取り組んでいきたいと考えておりますので、来年度の組織や人員配置につきましても、これらの政策を着実に進めるために必要な体制づくりと、職員の最適配置を心がけてまいりたいと思っております。

 最後になりますが、来年度の職員の給与、あるいは給与、人員の中期的見通しということでお尋ねがございました。

 職員給与の臨時的抑制は、平成二十一年度から歳出削減の一環として行ってまいりましたが、アクションプランによる取り組みを進めてきた結果、持続的な財政運営の道筋が見えてきたということでございますので、午前中も申し上げましたように、職員の皆さんに大変不本意ながら御苦労をおかけしてきた、この給与の臨時的抑制につきましては、解除を前提として編成作業を進めているということでございます。

 次に、職員給与の中期的な見通しということでございますが、地方公務員給与は基本的に各自治体において、民間給与水準などを基にした人事委員会の勧告などを踏まえるとともに、議会でも御議論いただき、最終的には条例で定めるということでございます。したがって、地域経済の動向などによって影響が及んでくるということでございます。

 そういう中で、地方交付税等を圧縮するための手段として、地方公務員の給与を国と同様に引き下げるべきであるという意見があることは承知しておりますけれども、これは地方の独自性を否定するものであり、全国知事会からも、給与削減を実質的に強制することのないよう、国に対して申し入れを行っているところでございます。さらに、自治体の側としては、国に先んじて既にやるべきことはやっているという実態もあるわけでございます。

 また、人員の中期的な見通しでありますが、本県は、これまで行財政改革大綱、あるいは行財政改革アクションプランなどにより、いろいろと取り組んでまいりました。そして、組織見直しとあわせて職員数の削減も進めてまいりました。こうした努力の結果、本県は相当に効率的な行政組織になっているのではないかというふうに思っております。したがって、今後は、基本的には現在の職員規模のもとで、効率的な行政運営と行政サービスの質の向上を図っていきたいというふうに考えております。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 専門性の高い人材の育成・確保についてお答えいたします。

 地方自治体において行政を執行するに当たっては、議員御指摘の法律の分野はもちろん、福祉・情報といった分野などにおいても高い専門性が要求される場面が多々あり、専門性の高い人材の育成・確保は、組織力を向上する上で重要な課題であると認識しております。

 本県においても、まずは職員が日ごろの業務を通じて必要な専門知識を十分に得られるよう努めるとともに、税務や福祉などの分野では、所管部局による研修を実施しているほか、政策研究大学院大学や自治大学校などの専門コースに職員を派遣することによって専門知識が得られるようにしております。さらに、即戦力という観点では、防災や国際分野などで専門性にたけた民間経験者を採用しております。引き続き、質の高い県民サービスの提供を目指し、いろいろな方策を織りまぜながら、専門性の高い人材の育成・確保に努めてまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 十一番 太田維久君。

    〔十一番 太田維久君登壇〕



◆十一番(太田維久君) 御答弁ありがとうございました。

 ここからは、経済・雇用にかかわるテーマでお尋ねします。

 今年十月に公表されました美濃加茂市のソニーイーエムシーエス株式会社美濃加茂サイトの工場閉鎖は、県内における近年の工場撤退の中でも規模の大きなものです。従業員数は、非正規を含めて二千百六十名、県では地元美濃加茂市などと対応を急いでいますが、地域経済と暮らしに与える影響は懸念されます。

 岐阜県内では、二〇〇九年に大野町のパナソニック工場が撤退し、跡地利用もまだ決まっていません。企業撤退でなくても、安八町の旧三洋電機、現在のパナソニックの岐阜事業所も大幅な合理化が進んで、従業員も数を減らしています。事業所がなくなり雇用も減れば、従業員の暮らしも立ち行かなくなり、自治体にとっては税収の減少につながることは言うまでもありません。

 これまでも県議会でもたびたび取り上げられてきましたが、企業誘致のあり方が転機を迎えています。多額の補助金によって工場を誘致する亀山モデルも、景気の影響や国際競争力、生産拠点の変更などから時代に合わなくなりつつあります。

 そんな中、多くの自治体は、今後の誘致の対象として、いわゆるマザー工場、新製品の企画開発や研究所を有する工場をターゲットにしたいとの意向を示すようになりました。しかし、企業に聞きますと、高度な専門性を持つ技術者の子供の教育環境など、経済性以外の地域インフラの整備状況も考慮しているということです。マザー工場や研究所の誘致は補助金を用いるだけでなく、進出しやすい土壌整備を地域全体の政策として行う必要があります。幸い、岐阜県は津波のおそれがほとんどないことなど、自然災害のリスクの低さや、交通網の整備、電力供給のリスクが少ないことなどから、このところ工場誘致が進んでいますが、これを定着させるためにも継続的な政策がこれからも必要であるというふうに考えています。

 その一つとして、企業との平素のつき合い方も重要であると思います。

 経営戦略上、企業としては、撤退や閉鎖といったマイナスの情報が事前に漏れることを避けようとしますが、自治体としてはそのような兆候をできるだけ早く察知し、場合によっては早期の支援を検討する必要があると思います。ソニーイーエムシーエス株式会社については、二〇〇九年に干葉県香取市の工場を撤退させました。県内に事業所がある企業について、他県でのこうした情報から動向を探ることはできないのでしょうか。そして、もう一つ重要なことが、企業と県との交流を常に持ち続けることだと思います。景況判断の調査などで県の職員が企業訪問をしますが、ここはトップであられる知事みずから、より積極的に企業のトップと会われる機会をふやして、生の声を聞き取り続けてほしいと思います。御多忙のこととは思いますが、トップセールスの効果は必ずあるものだと思います。

 そこで知事にまずお尋ねをいたします。ソニーイーエムシーエス株式会社美濃加茂サイトの工場閉鎖に当たりまして、同サイトを含め、県ではこれまでどのように県内企業との交流に取り組まれ、また今後どのようにしていくおつもりなんでしょうか。また、今後の工場・事業所の誘致に関しまして、どのように取り組んでいくおつもりなんでしょうか。

 工場を初め大規模な事業所の誘致と定着に力を入れる一方で、新しいビジネスを起こすことに対する支援も求められています。ネット通販を含めた通販市場は拡大を続けており、公益社団法人日本通信販売協会がまとめた調査によりますと、ネット通販を含めた通信販売市場の売上高は、二〇〇二年に二兆六千三百億円だったものが、二〇一一年に五兆九百億円と、過去十年でおよそ二倍となっています。ネットビジネス、ネットショップは場所を選ばないことから、大都市でなくても経営ができ、一つの事業所単位では、ささやかですが、主婦のパートタイムの雇用などにも貢献できます。中央集中型でなく、地方分散型のビジネスモデルとしても期待できます。

 岐阜県でも、ここ数年ネットショップ支援に力を入れており、今年度もeコマースヘの参入支援と県内ネットショップの販路拡大、ぎふネットショップマスターズ倶楽部の運営など積極的な支援策に取り組んできた結果、岐阜県内の楽天市場内の流通総額は、二〇〇八年末のおよそ八十九億円から二〇一一年末の百四十億円と、約五十一億円の増、店舗数も二〇〇九年八月末の五百四十六店舗から二〇一一年末の七百九十二店舗と、二百四十六店舗の増と急成長しています。

 また、県では、新たな地場産商品の開発支援と国内販路の開拓促進として、今年度、県産品の商品価値伝達力の向上を支援する事業に取り組まれています。岐阜県は、多くのよい地場産品をつくるものの、下請体質が強く、市場の声を反映した商品開発にはたけていないという指摘がありました。特に首都圏などセンスの問われる巨大市場、あるいはグローバル市場においては、いいものを持っていても、その魅力を伝える力や、そうした市場の情報を県内のつくり手に反映させる力に欠けることが指摘されていました。そこで、この事業は研修生に売り手や消費者への商品価値を伝える手法を学んでもらい、企業に就職してもらうことで、企業の力を伸ばしてもらおうということでして、東京などで行われた実地研修を見ますと、ファッション関連の世界的なイベントで岐阜県のコーナーを設け、大手百貨店のバイヤーなどとのネットワークづくりなどに力を入れていました。そうした県内だけでは得られない経験や実績は、単に就職した企業だけで用いるのではなく、岐阜県産品の価値伝達のネットワークとして有効に活用し続けることが必要だと思います。

 そこで商工労働部長にお尋ねします。ネットショップの支援について、今後、県はどのように行っていくのでしょうか。また、商品の価値伝達力の向上について、今後、県はどのように取り組んでいこうとお考えでしょうか。

 雇用についても、一点触れたいと思います。

 今年、高年齢者雇用安定法が改正され、来年四月一日に施行されることになりました。特別支給の老齢厚生年金の定額部分について、支給開始年齢が六十五歳に引き上げられ、来年四月から報酬比例部分の引き上げが始まり、二〇二五年四月には支給開始年齢が六十五歳となります。これまでも高年齢者雇用安定法では、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかを実施することを企業に義務づけていましたが、個々の労働者の雇用を義務づけるものではなかったため、継続雇用制度を導入しているケースでは、希望する者を労使協定によって定める基準によって決めることができる制度になっていました。これでは、継続雇用されない労働者は、定年から年金支給開始までに収入の空白期間が生じてしまいます。

 こうした問題点を踏まえて、高年齢者雇用安定法が改正され、継続雇用の希望者を限定できる制度の廃止、義務違反の企業に対する公表規定の導入などを盛り込みました。雇用と年金支給開始年齢を確実に接続する狙いです。それでも、長年定着してきた五十歳代後半から六十歳の定年という制度が簡単に変わるとは思えず、ましてデフレ状態が長く続く中、人件費の回復は容易でないことから、高齢者の継続雇用は依然として大きな課題であると思われます。

 そこで、これも商工労働部長にお尋ねします。

 県として、県内の企業・事業所に対し、定年引き上げの働きかけを初めとする高齢者の継続雇用を促す取り組みはどのように行っているのでしょうか。

 次に、岐阜県におけるエネルギー政策についてお尋ねします。

 政府のエネルギー・環境会議は、今年九月、「革新的エネルギー・環境戦略」を策定しました。それによりますと、省エネルギー・再生可能エネルギーといったグリーンエネルギーを最大限に引き上げることを通じて原発依存度を減らし、化石燃料依存度も抑制することを基本方針とし、以下の三つの柱を掲げています。まず第一に、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」。二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。第二に、「グリーンエネルギー革命の実現」。消費者を含む多様な担い手が主役となる新しい仕組みを構築し、グリーン成長戦略を強力に推し進めるとともに、グリーンエネルギーがおのずからから普及拡大していくような社会システムヘの変革も進めていく。そして、グリーンエネルギーを社会の基盤エネルギーとして確立し、安定性の向上や地球環境の保全を図るとともに、新たな経済成長分野の出現を促していく。第三に、「エネルギーの安定供給」。第一、第二の柱を実現するためにも、エネルギーの安定供給の確保は極めて重要な課題であり、化石燃料などのエネルギーについても十分な電源を確保するとともに、熱的利用も含めた高度な効率化を図る。並行して、次世代エネルギー技術の研究開発を加速するとしています。

 これにはさまざまな評価がありますが、この革新的エネルギー・環境戦略はエネルギー政策の大転換となります。

 岐阜県におきましては、既に昨年三月、岐阜県次世代エネルギービジョンを策定し、二〇二〇年、二〇三〇年の時点において期待される理想的なエネルギー利用の姿を前提とした省エネルギー、新エネルギーの導入促進、次世代エネルギーインフラ本格導入への準備といった施策を示しています。こうした地域ごとの集積も、革新的エネルギー・環境戦略でうたった、原発に依存せず、化石燃料依存度も抑制しつつ、エネルギーが安定供給される社会を目指すものであるので、岐阜県としては今後も着実に次世代エネルギービジョンで示した政策が進められることを望みます。

 特に次世代エネルギーを担う技術関連では、蓄電池のうち、例えばリチウムイオン電池については、車載用のものはこの二年で二割ほど価格が下落しており、住宅用蓄電池でも価格低下に伴う普及促進が期待されるなど、このビジョンを後押しする状況も生じています。

 革新的エネルギー・環境戦略では、あらゆる政策資源を投入するとしています。コスト面での制約はありますが、先日も県営の阿多岐ダムと丹生川ダムで、中部電力が発電出力百九十キロワットと三百五十キロワット、それぞれ一般家庭で三百六十世帯分、五百八十世帯分を賄うだけの維持流量水力発電所を設けることで合意しました。水力に関しましては、このほかに農業用水を利用します小水力発電などもございます。全て合わせた量はまだ小さいのですが、水力は安定した電力を生み出せるので、ベースとなる発電施設として有用なものです。ほかにも、これまで力が入れられなかった、あるいは規制のため取り組まれることが少なかったエネルギーの可能性も模索すべきです。

 地熱発電については、我が国での潜在的な可能性量が非常に大きいとされながら、国立公園の規制によって開発が限られた場所でしか認められてきませんでした。これが今年三月、環境省の通知によって、地元との合意や自然環境への影響などによっては規制が緩和されました。地熱発電をめぐっては、ほかにも温泉の枯渇、湯量の低下、温度の低下といった懸念があり、温泉業界からの反対もあります。この点はしっかりとした対応をするべきですが、バイナリーサイクル発電のように温泉の枯渇の懸念が少ない方式もあります。国内では、九州、東北のみで大規模な設備が稼働している地熱発電ですが、県内でも調査・研究の余地があると思います。

 同様に、温室効果ガスも出さないエネルギー利用として、地中熱利用もあります。先日、岐阜市で地中熱利用をテーマとした研究会の会合がありましたが、そこでは、岐阜市は地下水の状態から地中熱の利用に適しているとの報告がありました。長良川がもたらす地下水とその移動の性質上、岐阜市の地下水は、夏場に大気より温度が低く、冬場に大気より温度が高いという状況であり、この温度差を空調などに利用できるとのことでした。家庭や事業所など、電気の需要者側で能動的に調整するためには、施設のスマート化も考慮することです。現在、電力システムの需給バランスは、主要な発電施設による調整によって行われていますが、変動の大きい再生可能エネルギーを電力システムに組み込むためには、さきに挙げた蓄電池のシステムに加え、需要者側が需要量を調整できるようにする必要があります。これについても、岐阜県次世代エネルギービジョンで盛り込まれているところであり、具体的な施策を進めることが求められるようになっています。

 そこで商工労働部長にお尋ねをします。

 昨年三月の岐阜県次世代エネルギービジョンの策定後、蓄電池の価格下降など、その間の変化を受けた政策の変化はどのようなものなのでしょうか。また、あらゆる政策資源を投入し、エネルギー利用の多角化を進めるために、岐阜県内においても地熱発電や地中熱利用の検討も必要と思いますが、どのように考え、課題にどう取り組むおつもりでしょうか。そして、エネルギーの需要側の調整機能であるスマートハウス、スマートオフィスといったものについて、県内におけるスマートハウス、スマートオフィスの普及促進策はどのようにお考えなのでしょうか。そして、県内で新設や改築される公共建築物のスマート化を進めてはいかがでしょうか。

 以上で、第二回目の質問とさせていただきます。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず経済、雇用対策ということで、ソニーイーエムシーエス株式会社美濃加茂サイトを含めた県内企業との交流の現状と今後の取り組みということで、お答えを申し上げます。

 これまで、ソニーイーエムシーエス株式会社美濃加茂サイトには、定期的に県の幹部等が訪問しておりまして、情報交換を行ってきております。例えば昨年六月にも、同社側から、新たな事業展開を図るための必要な研究開発に関する支援制度のお尋ねとか、あるいは大学等の共同研究の進め方についてのお問い合わせとか、そういったこともいただいておりまして、県の側からは、国の研究開発支援事業、あるいは岐阜大学との共同研究事業を御紹介するなど、機会を通じて支援にも努めてきたところでございます。

 そういう中で、閉鎖について発表当日に初めて聞き及ぶに至ったということでございまして、今回の影響の大きさから見ましても大変遺憾であると同時に、残念なことに思っております。

 御指摘がありましたように、県内に進出した企業に根づいていただくためには、各企業のニーズを常時把握し、それに応じてきめ細かく支援をしていくということが必要でございます。このため、職員が年間二百社ほど県内企業訪問を実施しておりまして、事業環境の状況とか、行政への要望なども伺っておりますし、地元市や商工会議所を中心に進出企業との交流会の開催もやっておりまして、これに対する支援も私どもとしてやらせていただいておるわけであります。

 また、私自身も、機会を見て、県内工場の訪問でありますとか、あるいは幹部の方々との意見交換でありますとか、さらには毎年、本県に工場を立地する首都圏の企業の幹部等を岐阜県関係企業等交流会という格好でお招きをして、生の声を伺うなど、いろいろと機会を活用して努力をしているところでございます。今後ともこうした取り組みを継続・強化していくほかに、私自身を含めて、より積極的に企業との交流に努める中で、迅速に企業のニーズを把握する、それだけではなしに、撤退・縮小といった情報も早期に把握してまいりたいと思っております。そして、適時・適切な支援、あるいは地域インフラの整備といったような対応にもつなげてまいりたいと思っております。

 次に、今後の工場・事業所の誘致についての考え方ということでございます。

 既に何度も申し上げておりますが、全国的に工場立地が大変低迷している中で、本県においては好調を維持しているということでございますが、その要因は、すぐれた交通アクセス、豊かな水、大都市圏への近接性といったようなことで、魅力のある地域であるということでございます。また、昨年の東日本大震災以降、自然災害に対する安全性の高さを立地の条件として重視する企業がふえてきておりまして、内陸部にあり、かつ強固な地盤を有しており、そしてまた将来起こり得る東海・東南海・南海の三連動地震においても、沿岸部に比べて影響が少ない本県の工場用地というのは、大変高い評価を受けておるわけでございます。私どもとしては、この企業誘致活動において、こうした強みを最大限アピールすると同時に、震災後、工場の拠点体制を見直す企業がふえていることに着目いたしまして、三大都市圏の企業一千八百社を訪問して、新設・移転需要の発掘に努めているところでございます。

 また、人口減少下で市場が縮小する中で成長が期待できる医薬品製造業、景気変動の影響の比較的少ない食料品製造業など幅広い業種を対象に、誘致活動を進めております。さらには、研究・研修施設、テストコース、物流拠点施設などの誘致にも積極的に取り組んでいるところでございます。しかしながら、景気、それから歴史的な円高、国際競争の激化、エネルギーの安定供給、コスト等々、産業の国内立地をめぐる環境には大変厳しいものがございます。

 こうした中で、本県としては、今後も、現在までの実績に甘んじることなく、私自身も先頭に立って、引き続き積極的な企業誘致に取り組んでまいりたいと思っております。



○副議長(矢島成剛君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) 経済、雇用政策について三点、エネルギー政策について四点の質問にお答えいたします。

 まず、ネットショップの支援についてお答えいたします。

 ネットショップの振興は、当初、出店数自体の拡大を目的に取り組んでまいりましたが、出店者との対話を重ねる中で、ネットで売り上げを伸ばすには相当の努力が必要である一方、孤独で相談相手が少なく、挫折していく方が多いということがわかりました。このため、売り上げ向上には、お互いに支え合える仲間をつくることが不可欠と考え、県内ネットショップの交流組織である「ぎふネットショップマスターズ倶楽部」を立ち上げるとともに、ネットショップ運営を学ぶ勉強会などを開催してきたところでございます。

 この倶楽部には、現在、約三百三十社が参加しておりますが、当初の名刺交換程度の交流から、今年度は、これを常時相互に相談できる関係に高めることを目的に、約半年にわたる少人数制勉強会などを開催し、その結果、独自に合宿が行われるなどの動きも見られるようになってきました。今後は、こうした意欲ある店舗を中心に、県内ネットショップをリードする中核グループをつくるとともに、事業は彼らみずからが企画・実施し、それを県が支援するような仕組みを整え、県内店舗の売り上げ増加につなげてまいりたいと考えております。

 次に、商品価値伝達力の向上についてお答えいたします。

 県内ものづくり企業が下請的な体質を脱し、消費者に支持される利益率の高い商品を販売していくためには、売れる商品を開発することに加え、商品の魅力を消費者に伝える商品価値伝達力を高めていく必要がございます。そのためには、ものづくり企業が消費者と接し、そのニーズを直接把握することが必要と考えております。

 このため、県では、首都圏や名古屋地域において複数のセレクトショップと連携し、県産品のテストマーケティングを行い、企業が小売店や消費者と直接コミュニケーションをとれる機会をつくる取り組みを進めてまいりました。こうした事業に対し、今年度は延べ七十社の御参加をいただき、それをきっかけに自社のカタログの内容を抜本的に見直す意欲的な企業も出てまいりました。県といたしましては、今後もセレクトショップや百貨店、市場開拓に効果のある見本市の運営事業者、地域産業プロデューサーなど実力のある民間流通事業者との協力関係を築き、消費者のニーズをつかむことができる場を幅広く提供してまいります。

 また、マーケティングに関するセミナーの開催や、企業やデザイナーなどが集って情報交換を行う場づくりなどを通じ、消費者の目線を獲得するための意識改革にも取り組んでまいります。

 次に、高齢者の継続雇用を促す取り組みについてお答えいたします。

 今回の法改正により、継続雇用制度を導入している企業については、原則希望者全員を継続雇用することが義務づけられましたが、これを確実に実施していくためには、改正内容を企業に周知し、理解していただくことが重要でございます。

 現在は、労働局が中心となり、県内五圏域における事業主を対象とした説明会開催のほか、セミナーの開催や個別相談の実施、広報チラシの配布などが実施されております。県といたしましても、今後、県のホームページやメールマガジン、広報紙を通じ、広く周知を図ることとしているほか、県の経営者協会や県中小企業団体中央会などと連携し、県内企業の経営者が集まる機会を捉えて、具体的な内容の説明などを行ってまいりたいと考えております。

 次に、岐阜県次世代エネルギービジョン策定後の政策についてお答えいたします。

 平成二十三年三月に策定いたしました岐阜県次世代エネルギービジョンは、三つの視点「省エネルギー対策の推進」「複数のエネルギー・技術のベストミックス」「コストメリットを重視したエネルギー技術の導入」に基づき、二〇三〇年までの二十年間のロードマップを提示するとともに、二〇一五年までの五年間の具体的な施策を提示しております。

 現在、我々が把握している限りでは、市場に出回っております燃料電池や住宅向け蓄電池や太陽光発電設備などの価格低下は、エネルギービジョンで想定したロードマップに比較的近いものでございます。このため、当分の間、現ビジョンの内容を見直すことは予定しておりませんが、大幅な技術革新、市場価格の変動などに注視しながら、ビジョンに掲げた施策を展開してまいります。

 次に、地熱発電及び地中熱利用についてお答えいたします。

 岐阜県内におきましても、地中の熱を有効活用する動きが活発化しており、地熱発電については多くの温泉を抱える飛騨地域、地中熱利用については長良川の伏流水に恵まれる岐阜地域など、それぞれポテンシャルが高い地域において、民間事業者が中心となり、具体的な調査・検討、有効性を確認する実証実験など、導入に向けた取り組みが行われているところでございます。

 しかし、地熱発電は、的確な熱源の選定、大規模開発に対する地元同意、メリットの地元還元の方法などの課題がございます。また、地中熱利用につきましては、初期導入コストの高さや高性能化が進んでいない技術的な課題などのほか、地中熱に対する認知度がまだ低いという課題もございます。そのため、県といたしましては、産学官連携による岐阜温泉科学研究会や岐阜地中熱利用研究会などに積極的に参加し、地熱発電や地中熱利用に関する調査・研究の情報交換、普及啓発に向けた連携などを行っているところでございます。

 次に、スマートハウス及びスマートオフィスの普及促進策についてお答えいたします。

 県では、家庭や小規模事務所などにおける次世代エネルギーインフラの有効性を確認するための実証を、平成二十二年度から行っております。その一つが、岐阜市にありますグリーニー岐阜であり、昨年度実施した実証の結果、平均的な一戸建て住宅に比べ、年間で三十六万円のコストメリットが得られることがわかっております。今年度は、日常の生活を通じた実際の効果を検証するため、県民の皆様の御協力をいただき、県内五カ所の民間住宅などにおいて実証を行っているところでございます。今後は、これらの実証データや家庭などのエネルギー調査から得られるランニングコスト等の経済性を検証し、その周知を図ることにより、住宅や小規模事業所における次世代エネルギーインフラの導入を図ってまいります。

 最後に、公共建築物のスマート化についてお答えいたします。

 今申し上げましたとおり、次世代エネルギーインフラにつきましては、エネルギー供給と需要のバランスがとりやすい家庭などの小規模施設への導入が適していることがわかっております。一方、エネルギー需要量が大きい公共建築物においては、次世代エネルギーインフラよりは、省エネルギーを目的としたビルエネルギー管理システム、いわゆるベムス(BEMS)の導入が適していると考えております。ベムスは、エネルギー利用の無駄を少なくするための見える化や、各種設備の運転方法の適正化など、ビル全体のエネルギー使用状況の最適化を図るものでございます。県におきましても、その効果を検証するために、現在モデル事業を進めているところでございますが、ベムスは大規模な設備改修を行うことなく省エネルギー化を見込むことができることから、県内の公共建築物の新設、あるいは改築にあわせた導入の促進に向けて取り組んでまいります。



○副議長(矢島成剛君) 十一番 太田維久君。

    〔十一番 太田維久君登壇〕



◆十一番(太田維久君) 御答弁ありがとうございます。

 続きまして、基盤整備及び施設整備について大きくお尋ねしたいと思います。

 まず、リニア中央新幹線の開業を見据えた基盤整備事業についてお尋ねをします。

 県内の全市町村と経済団体等によるリニア中央新幹線活用戦略研究会において、リニア中央新幹線の効果を全県に波及させるための取り組みが検討されています。リニア中央新幹線というと、中間駅の設置される中津川市や東濃、あるいは飛騨南部の利便性向上と経済波及効果が注目されますが、影響は全県に及び、特に岐阜市などは名古屋駅へのアクセスのよさを生かした経済波及効果や再開発、中心市街地の活性化の可能性が期待できます。例えば岐阜駅から東京のターミナルとなる品川駅に向かう場合、乗継の時間を除けばわずか一時間と、利便性は著しく向上します。これをチャンスと捉え、経済波及効果や生活の利便性向上をさらに広めるには、岐阜駅を核とした都市基盤の再整備が必要になります。

 事業化されながら事業費がないため、長年とまったままになっている名鉄名古屋本線の高架化事業は、岐阜駅を核とした都市道路網の整備につながるとともに、高架化によってこの一帯の再開発が進むことも期待されます。

 午前中の自民クラブ、藤墳議員の御質問に対する御答弁で具体的に述べられていますが、名鉄高架事業は地元岐阜市から強く推進を求める声が上がっていることから、私どももお尋ねするとともに、着実な推進を求めたいと思います。

 一方、国道二十一号で平面区間となっている岐阜市の茜部本郷交差点付近から西側の部分について、連続立体化によって交通の結節点としての役割が高まる岐阜駅へのアクセス改善も期待されます。財政状況が大幅に改善する見通しのない中、これら総事業費が百億円単位の大型事業は、県財政への負担を考えても短期間で実現するものではありません。二〇二七年リニア中央新幹線開業を一つの目標にして、年度当たりの事業経費を抑えるとともに平準化し、財政への負担を軽くしながら着実に事業を進めていくことが必要です。このため、名鉄高架化事業と国道二十一号連続立体化事業は、そろそろ少しずつ着手しなければならないと考えます。

 そこで都市建築部長にお尋ねします。

 リニア中央新幹線の開業による経済効果を県内に波及させるため、名鉄高架事業及び岐阜駅周辺の整備について、県としてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 また、県土整備部長にお尋ねをいたします。岐阜駅のアクセス改善のみならず、リニア中央新幹線の開業によってさらなる発展が見込まれる、名古屋市などと岐阜県中心市街地とのネットワーク強化に欠くことのできない岐阜市内の国道二十一号の立体化について、現在の状況と、県として今後の整備についてどのようにお考えなのでしょうか。

 次に、県有施設の管理運営についてお尋ねします。

 休館していた岐阜市内にある未来会館の利活用について、ようやく進展が見られるとの報道がありました。行財政改革アクションプランに従って、昨年四月から休館していた未来会館について、県運転教育センターの運転免許の更新や再交付などの手続、講習などを行う機能を入居させる方針ということです。二〇一四年度以降から供用を開始し、あわせて未来会館の中にある長良川ホールを中心に文化施設としての活用もするというふうに伝えられています。

 未来会館をめぐっては、民間に利活用を公募したにもかかわらず応募がなく、結局、県が引き取る形となった観はありますが、文化的な機能も残しながら複合的施設として再開するならば、存続を求めていた方々も、経緯はともかくとして納得されるのではないかと思います。

 しかしながら、ほかの公共施設の機能をまとめ一層の行財政改革に資するという観点が、未来会館を休館する時点で考慮されなかったと思われることは、残念な思いがあります。これまでつくってきた公共施設の維持管理にも費用が事欠く財政状況の中、今後、施設の休止・廃止に伴って、機能をまとめて効率的に公共施設を運用していくことがさらに必要となります。

 未来会館は築十八年、まだ老朽化とは言えませんが、老朽化が進んだ施設、大規模な補修が必要な施設もあります。岐阜市との財団法人で運営されている産業会館は築四十二年、平成二十六年度までは岐阜市と共同管理を行い、二十七年度以降のあり方については引き続き協議検討していくとされています。

 この県庁本庁舎自身も築四十六年で、去年六月の岩花議員の御質問に対し、知事も緊急財政再建期間終了後の建てかえに係る財源の検討を述べられていました。本当に建てかえということになれば、巨額の財源を必要とするだけに、そろそろ具体的な検討を始め、県民の皆様からも意見を求める時期に差しかかっていると言えるでしょう。

 経済が順調に成長し、税収もふえる時代でしたら、施設を新設して事業を行い、維持や補修、建てかえて事業を拡げていくことも可能でした。その施設が行政機関の縦割りで管理運営されていても、支障も起きなかったと思われます。しかし、限られた財源で県民の多様化するニーズに応えていかねばならない時代になりました。機能に注目して、機能を統合することで施設も統合する、あるいは一つの施設に複数の機能を持たせるなど、施設の管理運営の縦割りを排する必要に迫られているというふうにも思われます。

 そこで総務部長にお尋ねします。

 未来会館について、再開に向けてどのようにお考えになっているのでしょうか。また、未来会館以外にも、今後のあり方を検討していく施設はあるのでしょうか。そして、築四十六年となる県庁舎について、建てかえや大規模な補修など、これからどのように検討していくおつもりでしょうか。そして、他県の事例を見ますと、組織の縦割りを排して、公共建築物をうまく運営管理している事例もありますが、岐阜県の場合、施設の有効活用についてどのようにお考えになっているのでしょうか。

 以上で、三回目の質問とさせていただきます。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 県有施設の管理運営について、三点御質問をいただきました。

 まず、未来会館を初めとする県有施設の見直しについてお答えいたします。

 これまで、未来会館については、休止を決定してから二度にわたって公募を行うなど、民間による活用に向け検討を重ねてまいりましたが、残念ながら実現には至りませんでした。このため、改めて県として最小限のコストでの活用策を再検討いたしました。具体的には、老朽化した県有施設を建てかえるかわりに未来会館を活用することによって、全体としてコストの削減を図ることができないか、長良川ホールを文化・教育施設として今まで以上に有効に活用できないかといった点について、二度にわたり外部有識者の検討会議を開催するとともに、県民の方々から県庁ホームページなどを通じて御意見をいただきながら検討を進めてまいりました。これらの検討の結果、岐阜市三田洞にあります運転教育センターについては、老朽化し、耐震性が不十分であるため、安全性確保の観点から早急に建てかえが必要であること、免許交付や講習などの一部機能の移転により面積的にも対応できること、未来会館に移転することにより、建てかえた場合よりもコスト削減が可能となるとともに、利用者である多数の県民の方々の利便性が高まることなどから、これを未来会館に移転することが最も適当ではないかという結論に至りました。同時に、長良川ホールについても、文化団体や地元などからの提言や御意見に対応し、県民の文化・教育施設とし、子供たちや若者、障がい者に発表の機会を提供するなど、休止前よりも一層有効に活用されるよう努めてまいりたいと考えております。今後、このような方針を基本として、必要な改修を実施した上で、平成二十六年度中の供用開始に向けて努力してまいりたいと考えております。

 このほかの県有施設につきましても行財政改革アクションプランに基づき必要な見直しを着実に実施してまいりましたが、残された課題につきましても、例えば各務原市にありますアネックス・テクノ2のあいたスペースは、これまでのところ企業の誘致に至っておりませんが、企業誘致に限定せず、その他の活用方法なども含め、幅広く入居を検討するなど、取り組みを進めていきたいと考えております。

 次に、県庁舎の建てかえについてお答えいたします。

 県庁舎は、昭和四十一年二月に竣工し、現在築四十六年と、建築してから相当の年数が経過しております。昨年、外壁の全面的な補修を実施するなど、優先順位をつけて改修を進めてまいりましたが、全体としての老朽化も進み、空調や電気設備など、早期に取りかえが必要な設備機器類も数多く存在しております。また、一定の耐震性はございますが、大規模な地震が発生した場合、建物自体の損傷や設備機器類の破損により、県庁舎が災害対策の中枢拠点として機能できないことも想定されております。いつまでもこのような状況を続けていくことはできませんので、今後、県庁舎として必要とされる機能と規模、さらには維持管理費の節減といったことも含め、総合的に建てかえについて検討するとともに、建てかえのために必要な基金への積み立てについても具体的に検討してまいりたいと考えております。

 次に、県有施設の有効活用についてお答えします。

 県有施設の中には、社会情勢の変化により、建設当時と比べて使い方が変わり、空きスペースが生じているものもございます。他方で、今後、老朽化により建てかえの検討が必要な施設も多々存在しております。県有施設は、その目的により基本的には各部局が管理しておりますが、各部局の事業の用に供することがなくなった場合には、総務部が各部局に対して利用可能性を照会し、未来会館の例のように、部局横断的な利用調整を図ることとしております。また、施設の建てかえや移転に当たっては、財政的な面も含め、総務部で総合的な調整を行っております。今後も引き続き県有施設の有効活用に着実に取り組んでまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 国道二十一号の立体化についてお答えします。

 岐阜市内における国道二十一号の立体化は、地域高規格道路岐阜南部横断ハイウェイの一部として国により計画されているもので、これにより岐阜市、大垣市、各務原市等都市間の連携が強化され、産業振興や観光交流、また防災面でも大きな効果が発揮されるものと考えています。

 立体化は、現在芋島から茜部本郷までの六キロメートル間が完成していますが、それより西側の長良川に至る五キロメートル間は平面交通であり、朝夕を中心に交通が集中し、激しい渋滞が発生していることに加え、県下でも有数の交通事故多発区間であることが課題となっています。また、本地区は大型店舗が多数進出しているため、まちづくりと道路の立体化をどのように整合させるか等についても検討する必要があります。このため、現在国において、この区間の事業着手に向け、道路利用者や地域住民を対象としたアンケート調査や立体道路の構造設計等が行われているところです。県としましては、本事業は岐阜市を初めとする沿線自治体からの要望も強いことから、引き続きこの区間の早期事業着手について、国に対し強く働きかけてまいります。



○副議長(矢島成剛君) 都市建築部長 山本 馨君。

    〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) 名鉄高架事業及び岐阜駅周辺の整備についてお答えいたします。

 リニア中央新幹線の開業に伴い、本県から首都圏への所要時間が大幅に短縮されることから、県内産業の首都圏での新たなビジネス展開や本県への企業誘致など、大きな経済効果が期待されます。特に岐阜駅周辺は名古屋駅へのアクセス性にすぐれており、名古屋駅からリニアを利用すれば首都圏まで約一時間程度という優位性を生かした新たな事業所等の立地需要が見込まれます。また、JR高架事業を契機として周辺のまちづくりが進んだように、名鉄高架事業を行うことによって、駅周辺の整備・開発にもさらに弾みがつくものと思われます。こうしたこともあり、これまで着手の見通しが立っていなかった名鉄高架事業については、まずは特に事業効果の高い名鉄岐阜駅寄りの約一・五キロメートルの区間を先行して整備することとしたところです。

 今後は、リニア中央新幹線の開業も念頭に置きつつ、名鉄高架事業の早期事業化を図るとともに、現在計画されている再開発事業を初め、岐阜駅周辺のまちづくりがより一層進むよう、岐阜市とも連携しながら取り組んでまいります。



○副議長(矢島成剛君) 十一番 太田維久君。

    〔十一番 太田維久君登壇〕



◆十一番(太田維久君) ここからは、県民生活に密接なテーマについて、大きく五つのテーマについてまとめてお聞きします。

 まず社会保障についてです。

 何度も取り上げていますが、地域医療再生計画に盛り込まれた事業について、進捗状況をお尋ねします。

 先日、療育の拠点である岐阜市鷺山の県立希望が丘学園の再整備方針が公表されました。重症心身障がい児への対応をより高めるほか、発達障がいについても診療・相談の中核的機能を高めるということです。また、今年度中には、岐阜県総合医療センターの新しい障がい児病棟の基本設計が固まると思われます。こちらでも、重症心身障がい児への医療的ケアができるようにするほか、センター本館には県内で初めてのPICU(小児集中治療室)を新設します。

 療育に関係するところでは、重症心身障がい児者の一時預かりをする医療施設などへの上乗せベッド代についても改めて触れます。

 このテーマは、私も六月の定例会で質問しましたし、十月の定例会では山本議員も質問されました。県議会でも、こうした強く求める議論があり、一部の新聞報道で来年度から導入を検討するとされていました。実施の仕方についても、埼玉県で取り組まれているような特定の病院を対象とするのか、それとも広い面積の岐阜県という事情を考え、地域の拠点となる施設を対象とするのかで利用者の利便性は大変異なってきます。重症心身障がい児者の家族としては切実な問題でもあるので、今回も確認をしたく思います。

 さて、着実に施設・機能面での整備が進んでいますが、繰り返し指摘したいことは、療育を担う人材の確保・育成です。小児救急の分野では、大人に使うのとは異なる医療器具を使用するだけでなく、小児の治療に習熟した医師・看護師が必要であることは以前にも御指摘しました。小児神経や小児精神といった分野の医師は全国的にも数は少なく、看護師不足と言われる中、子供の療育に精通した看護師を確保・育成することも一朝一夕に進むものではありません。他県の先進的な施設などで研修を積むなどして、希望が丘学園の再整備と岐阜県総合医療センターの障がい児病棟がともに完成する三年後に向けて、計画的に人材育成を進める必要があります。重点政策として、小児救急と療育の充実を目指すのですから、県として責任を持った確保策が求められます。

 そこで健康福祉部長にお尋ねをします。

 県内の小児救急と療育の拠点施設として期待されている総合医療センターの障がい児病棟と新希望が丘学園の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。特に総合医療センターにおけるPICU(小児集中治療室)の整備状況はどのような状況になっているんでしょうか。また、重症心身障がい児者を一時預かりする医療施設などに対するベッド代の上乗せ補助について、どのような形で導入をしていくのでしょうか。また、地域医療再生計画に盛り込まれた療育の充実に対応するための看護人材の確保は、どのように進められるのでしょうか。

 続いて、がん対策の推進です。

 働いている世代のがんは、治療費自体の負担のみならず、一旦退職して、治療後の再就職が困難だったりと、経済的な負担が指摘されています。岐阜県でも、平成二十二年にがん対策基本条例を制定しましたが、その後、制定された大阪府や沖縄県の条例では、がん患者の経済的な損失を軽減することを求めた条項が記されています。例えば、事業所に対して、従業員ががんに罹患した場合、該当する従業員が安心して治療し、または療養することができることや、従業員の家族ががんに罹患した場合においても、該当する従業員が安心して家族を看護することができるようにすることなどとしています。また、子供や若者のがんについての理解を深めることや、精神的ケアの体制整備、そして子供のうちからがんについての理解を深める必要性も新たにうたわれています。

 精神的ケアの面でも期待されているのが、がんのピアサポーター事業です。岐阜県でも、昨年度からがんのピアサポーター育成事業を行ってきました。

 がんを経験した、あるいは家族ががんにかかったことのある人たちが、その経験を生かし、傾聴、患者の声に耳を傾け、アドバイスをする取り組みを県内の医療機関で実施し始めています。しかし、まだ活躍する場が限られており、せめてがん診療拠点病院ではもっとピアサポーターが活動できるように望みたいと思います。

 そこで、これも健康福祉部長にお尋ねをします。

 がん患者の雇用や再就職にかかわる支援、あるいは事業所への啓発活動などの課題があると思いますが、県として、これらの点にどのように取り組んでいくのでしょうか。また、がん患者サロンなど相談支援についての県の取組の現状と、今後、がんピアサポーターの活動についてどのように取り組んでいくのでしょうか。

 続きまして、清流の国ぎふ森林・環境税についてお尋ねをします。

 前回、九月の定例会でも県政自民クラブ、そして私たち県民クラブの代表質問でそれぞれ取り上げられた森林・環境税ですが、県民の間にその趣旨と、これを用いた事業について、どの程度の理解が進んでいるのでしょうか。

 十月に県庁前広場で行われました「森と木とのふれあいフェア二〇一二」で、清流の国ぎふ森林・環境税についてアンケートが行われました。このうち、県内在住者からの回答百五十八件を見ますと、森林・環境税について「知っている」「聞いていたが内容は知らない」「聞いたことがない」の三つの回答で、それぞれおおよそ三分の一ずつになっていました。もちろん一〇〇%の理解というのは理想的なことでありますが、依然としてPRに課題があるというふうに言えそうです。先行して森林環境税を導入している県でも、導入する際にパブリックコメントなどで寄せられた意見では、大半でPRの充実を求める声が上がっています。

 私が考えるところ、森林・環境税の課題としては、PRのほかにも事業評価と県民意見の反映が挙げられます。前回の野村県議の質問にもありましたが、森林・環境税を使った事業をチェックする事業評価委員会の役割をどう考えるかという課題です。

 二〇〇七年から実施された神奈川県の水源環境保全再生県民税は、岐阜県と同様に水環境保全も目的にしています。特筆すべきは、この税を使って行われる施策の評価や審査を、最終的には県民会議という形で行っている点です。この県民会議は有識者委員だけでなく、水環境にかかわる団体からの委員、そして県民から選ばれた公募委員と、それぞれ十人ずつで構成されます。多様な県民が参加して、森林環境税を通じて税とその使い道を考えるという、新たな自治のあり方もつくり出しています。岐阜県では、事業評価委員会に公募委員は含まれていませんが、委員を拡大して審査を行うだけでなく、一層の議論の場にするなど、県民参加の度合いをより強めることを提案したいと思います。そして、事業評価については県民にわかりやすく、適切に今後の事業に反映できることを望みます。

 森林・環境税については、課題ばかりではありません。環境が保全されたということ以外の効果も期待されています。

 高知県が二〇〇三年から始めた森林環境税は、全国でも先駆的な取り組みです。五年たって、事業の評価や県民意見の集約を行ったところ、森林環境税を使って森林整備が進んだといった直接的な効果のほかにも、森林ボランティア団体が急増したなど、県民の環境保全意識の高まりと捉えられるものもあったということです。こうした効果は、岐阜県でも期待したいところです。

 そこで林政部長にお尋ねします。

 森林・環境税の事業評価について、さらに県民意見を反映させることについてはいかがお考えでしょうか。また、事業評価をどのようにして今後の事業に反映させていくのでしょうか。そして、森林・環境税を設け、これを財源とした事業を行ったことで、環境保全意識の高まりにつながることは既にあらわれているのでしょうか。

 続きまして、防災対策についてお尋ねをします。

 さまざまな災害にかかわる情報を迅速に得ることは、行政にとっても、住民にとっても極めて重要なことです。被災の状況や物資の情報、それに要支援者についての情報など、誰でもどこでもわかりやすく知ることが求められるのは、東日本大震災でも実感したことです。そのための重要なツールとして、インターネット上のGIS(地図情報システム)に脚光が当てられています。

 今年二月、財団法人 消防科学総合センターなどが主催する第十六回防災まちづくり大賞で、岐阜市本荘地区の本荘まちづくり協議会が取り組んでいる災害時要救助者支援活動が消防庁長官賞を受賞しました。この取り組みの中でもGISは活用されています。まちづくり協議会の委員が、地域内の地理や高齢者、障がい者など災害弱者の緊急連絡先などの情報を調べ、パソコンの地図に入れて災害時防災マップをつくりました。こうしてでき上がった地図情報システムを活用して、地元の本荘自治会連合会では、今年十月、避難訓練も行っています。要援護者の避難の状況を地図情報システムによって、誰にでもわかるようにしてスムーズな避難につなげられることを目指しました。このように、県内でも地図情報システムの防災利用が自治会単位で先行的に取り組まれています。

 災害時にネットの利用ができるのかという懸念はあります。停電や光ファイバーなどの通信網の断線が起きるおそれですが、この点では、東日本大震災などの教訓から、ライフライン企業も対策を進めています。例えばNTTドコモは、停電時に使うバッテリーを増設したり、携帯電話基地局に設置するエントランス無線という装置を人が背負える程度に小型化して、災害発生時に迅速に復旧できるような備えに取り組んでいます。災害時にネット利用ができるようなインフラ整備が進められ、ネット上の地図情報システムを使う環境も整ってきています。

 システムを新たに一からつくり出すことは困難です。そこで私が提唱したいのは、財団法人 防災科学研究所で取り組まれている「eコミュニティー・プラットフォーム」というシステムの活用です。これは、国や自治体が発行するハザードマップなどの地図情報を国際標準形式でネットに読み込み、災害時に重要な防災施設や医療施設、備蓄倉庫、要救助者情報、被災情報などを自由に地図に書き込むことができます。インターネットでこれらの地図情報にアクセスすることができるので、災害対策本部でも、避難所でも、災害発生現場でも同じ情報を得ることができます。このシステムは、防災利用だけでなく、ふだんはさまざまな行政情報を取り込み地図情報として利活用ができます。防災科学研究所では、このシステムを東日本大震災の際に宮城県内で活用した経験を持っていて、自治体向けにシステムの無償の利用ができるようにしているということです。

 GIS(地図情報システム)の防災利用は、実は岐阜県で十年以上前に試験的に取り組まれています。県としても、かねてから関心を持って取り組んでいることだと聞いています。

 この間に、インターネットのさらなる高度化、パソコンの普及、先ほども触れた災害時のバックアップ体制も進んできました。GIS(地図情報システム)は、災害に関する情報を迅速に得る上で極めて有効なツールであり、各市町村や各地域などでも広く活用されることが望ましいと考えています。

 そこで危機管理統括監にお尋ねをします。

 災害対策の一層の強化のため、県が旗振り役となり、GIS(地図情報システム)の防災利用を広く働きかけていくべきと考えていますが、いかがお考えでしょうか。

 そして、次に教育について一点お尋ねします。重く困難な、いじめの問題です。

 大津市で、中学二年生の男子生徒がみずから命を絶った事件、この事件がずさんな教育委員会の対応とともに広く報道されると、過去に報じられたいじめに関する事件が再び取り上げられました。一九九四年の愛知県西尾市の中学生がみずから命を絶った事件、二〇〇〇年の名古屋市の五千万円恐喝事件、二〇〇七年神戸市の事件は、いわゆる学校裏サイトがかかわっていたことでも注目されました。こうして思い返してみると、暗たんたる気持ちになります。

 いじめについては、社会学的分析やいじめる側の精神的・医学的分析などもされていますが、間違いないのは、いじめが個人の尊厳を傷つける、許すことのできない人権問題であるということです。そして、職場のパワーハラスメントのように、これが子供たちだけでなく、社会全般に存在し、対処に迫られていることも申し添えます。

 可児市で、小・中学校でのいじめを防止するため、市や学校、保護者などの責務を明確にした「子どものいじめ防止に関する条例」が制定される動きもありました。この条例の趣旨のように、いじめは社会全体で対処する問題でもあります。

 先月、文部科学省の緊急調査が発表されました。新聞などで指摘されたのは、把握されたいじめのうち、解決されたのは五六・七%と、岐阜県は全国最低であったということです。県教育委員会では「解決されたと判断する尺度が都道府県で異なる。岐阜県は継続的な支援を大切にしている」と理由を説明しています。それにも増して注目すべきは、学校の指導体制であると思います。いじめや暴力行為などの対応基準を公表して、保護者らに理解と協力を求める取り組みを行っているところは、小学校、特別支援校でともに全国平均を下回り、「指導上困難な課題を抱える」と答えた市町村教育委員会は全国平均よりも高いという実態だということです。いじめがあることを明らかにすることは、外面的な学校の評価という点ではプラスにならないのかもしれませんが、対処できない、対処が遅いというのでは意味がありません。

 文部科学省では、いじめ問題に対する総合的な方針をまとめました。生命や身体にかかわりかねない重大な案件については、国が教育委員会を直接指導・助言する姿勢を打ち出しました。また、いじめの情報を学校が隠す懸念については、的確に対応した学校や教員を評価するよう求めています。また、いじめを理由にした出席停止という強い措置も活用するということです。こうした指導の強化によっていじめをなくすことができるのか、注目されます。

 そこで教育長にお尋ねをします。

 今回の緊急調査を受け、岐阜県ではどのような課題が浮かび上がり、それに対して県教育委員会としてどのように対応しようとしているのでしょうか。また、緊急調査の結果を見ると、特別支援学校においてもいじめが発生しているということですが、特別支援学校でのいじめ対応や解消について課題になっていることは、どのようなことなのでしょうか。

 最後に、私たちの暮らしに忍び寄る犯罪の抑止についてお尋ねをします。

 今日、ほとんどの人たちにとって、インターネットは生活の中で欠かすことのできないものになっています。

 今年、インターネットを介して他人のパソコンを遠隔操作するウイルスを使って遠隔操作し、殺人や襲撃などの犯罪予告をするという事件が衝撃をもって伝えられました。一連の犯罪予告は、東京、大阪、福岡、愛知、三重と多くの地域にかかわり、まさにサイバー犯罪がボーダーレスであることを実感させるとともに、いつ誰がそうした犯罪に巻き込まれかねない恐ろしさも感じさせます。

 警察庁のデータによると、全国の今年上半期のサイバー犯罪の検挙件数は三千二百六十八件で、前年同期比七百五十五件の増加、比率にして実に三〇%もふえています。この中では、ネットワークを利用した犯罪が二千九百三十件と大半を占め、それ自体も前年同期比で二四%もふえています。犯罪が現実の世界からサイバーな空間に移行しつつあると言えます。

 同様に、生活にかかわる犯罪で、特殊詐欺の被害の広がりにも警鐘を鳴らす必要があります。

 「特殊詐欺」という言葉はまだなじみがないと思われますが、いわゆる振り込め詐欺もこの中に含まれ、ほかに振り込め類似詐欺をあわせたものです。振り込め類似詐欺というのは、金融商品取引詐欺、ギャンブル必勝法情報提供詐欺、異性との交際あっせん詐欺などの手口です。振り込め詐欺自体は、平成十六年に全国で二万五千六百件余りの認知件数があり、被害額も約二百八十四億円と甚大な被害がありましたが、その後、警察による対策や社会全体で犯罪を防ごうという啓発活動などにより減少傾向となり、昨年には六千三百件余りとなりました。しかし、被害額については逆に三十億円近くふえて、百十一億余りとなっております。また、振り込め類似詐欺については、昨年は全国で九百八十三件の認知件数があり、被害額は約七十七億円でありましたが、今年は十月末までに、昨年の年間の被害を大きく上回る一千八百六十六件の認知件数があり、被害額は約百六十四億円となっています。振り込め類似詐欺の手口の中では、特に金融商品取引を名目にした詐欺が被害のほとんどを占めており、認知件数では一千五百九十五件、被害額は百五十一億円余りです。

 このような金融商品取引名目の詐欺については、被害者がだまされていることに気づくのがおくれ、継続してだまされて、被害額が増大していることが予想されます。人の弱みや欲望につけ込む詐欺の横行にストップをかけるために、インターネットを介した犯罪の防止とともに、県民の防犯意識を醸成するための対策を強化する必要があります。

 こうしたインターネットを介した犯罪、あるいは特殊詐欺は、地域を選ばず、全国化、グローバル化するおそれがあります。したがって、岐阜県警察としても、関係機関と連携を図り、総合的な対策を講じていく必要があると考えています。

 そこで警察本部長にお尋ねをします。

 インターネットが県民の生活に密着したものとなりつつある現在において、広域的かつ巧妙化が進むインターネットを介した犯罪について、担当部門の強化など、対策についてどのようにお考えでしょうか。また、従来の振り込め詐欺に加え、金融商品の取引詐欺などの振り込め類似詐欺の被害も増加傾向にある中、こうした特殊詐欺について、関係機関との連携を含め、どのように取り組まれていくのでしょうか。

 以上で、県民クラブを代表しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 危機管理統括監 石原佳洋君。

    〔危機管理統括監 石原佳洋君登壇〕



◎危機管理統括監(石原佳洋君) GISの防災利用についてお答えいたします。

 県のGISの活用といたしましては、「県域統合型GISぎふシステム」により、活断層の位置や避難所マップなどを既に公開しており、また道路や河川等、災害時の現場情報を迅速に把握する防災リポートチャンネルという仕組みをGIS上で活用するよう進めているところです。

 他方、市町村や地域のGIS活用といたしましては、本荘まちづくり協議会の取り組みのように、危険箇所や避難所の位置などの防災情報を新たにeコミュニティー・プラットフォームなどを活用して広く公開していくことなどが考えられます。

 また、ディグと呼ばれる災害図上訓練においても、通常、紙面上に記入している危険箇所等をGIS上に反映させることで、訓練参加者だけでなく地域の多くの方々と共有することができ、またデータを追加、修正することで情報を充実させるなど、地域防災力の向上に大変有益であると考えております。

 こうしたことから、今後、市町村担当者研修や、消防職員、教職員などの方々が参加する指導者養成研修の機会などを捉え、防災対策のGIS利用を市町村などに積極的に働きかけてまいります。



○副議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 社会保障について、大きく二項目について御質問をいただきました。

 一項目めとして、地域医療再生計画に盛り込まれた事業の進捗状況について、三点御質問をいただきました。

 初めに、総合医療センター障がい児病棟と新希望が丘学園の進捗状況についてお答えします。

 総合医療センターの障がい児病棟につきましては、平成二十二年度に県が実施した重症心身障がい児者の実態調査や、地域の医療機関、福祉施設の関係者からの御意見も踏まえて、地方独立行政法人である同センターが事業主体となり、現在、設計を進めております。今後は、平成二十五年度半ばに工事に着手し、平成二十七年度中の供用開始を目指しております。関連して、同センターの本館に設置するPICUにつきましては、今年度中に施設の改修と設備整備を行って六床分を確保し、当初は二床から運用を開始する予定です。

 次に、新希望が丘学園につきましては、利用者アンケートや関係団体の御要望をもとに、医師、看護師、訓練職員などさまざまな関係者が参加して、新施設の内容について検討を進めてまいりました。その結果、新施設では病室を五十三床として受け入れ人数を約二十名分拡大するほか、多くの利用が見込まれる発達障がい児のための専用診察室や親子病室を新たに設けることといたしました。今後は、平成二十五年度末に工事に着手し、平成二十七年九月の供用開始を目指しております。

 次に、重症心身障がい児者の短期入所受け入れに伴う報酬の差額補助についてお答えします。

 現在、医療機関に新たに短期入所事業へ乗り出してもらうためのインセンティブや制度設計について、医療機関の御意見も伺いながら総合的に検討している段階であり、この差額補助も重要な検討要素であると考えております。特に対象としては、濃厚な医療的ケアが必要な超重症児者及び準超重症児者の受け入れが可能な医療型短期入所事業所を中心に検討しております。

 本年度、県では、重症心身障がい児者の看護や介護に対応できる人材育成研修を実施するとともに、新たに短期入所の受け入れに取り組む事業所に対する基盤整備補助事業を行っておりますが、今後、短期入所の受け入れが拡大するよう、これらの施策に加えて、この差額補助制度の導入について検討してまいります。

 次に、療育の充実に対応するための看護人材の確保についてお答えします。

 県では、障がい児者の看護に精通した看護師を育成するため、県内医療機関の看護師や看護学生を対象に、希望が丘学園、総合医療センター及び長良医療センターの看護師を講師としたセミナーを本年五月に開催しました。その結果、百七十四名の参加者の七割以上から、障がい児者看護への理解が深まったという評価をいただいております。また、地域の障がい福祉サービス事業所の看護師や介護職員を対象に、障がい児者支援の知識や技術に関する研修会を順次開催しており、これまでに五会場で合計四百四十六名の参加をいただいております。

 今後も、こうした機会を一層充実していく必要があると考えており、来年度以降は、重症心身障がい児の医療的ケアや発達障がい児の療育といった分野ごとに高い専門性を持った看護師を育成するよう、県内拠点病院間での交流研修や、他県の専門機関への派遣研修などを実施してまいります。その上で、県内や名古屋市等で開催される就職ガイダンスでの新施設のリーフレットの配布や、看護師養成機関への訪問等を通じて、平成二十七年度の供用開始に向けた総合医療センター及び希望が丘学園の看護師確保に取り組んでまいります。

 次に、二項目めとして、がん対策の推進について二点御質問をいただきました。

 初めに、がん患者の就労支援に対する県の認識についてお答えします。

 毎年多くの方ががんに新たに罹患されていますが、がん医療の進歩により、治療でコントロールができる病気となってきております。定期的な治療と投薬により、希望を持って日常生活を続けられる方が増加しており、がんとともに生きられる時代になってきたと認識しています。

 しかしながら、国の調査によれば、がんに罹患された勤労者の約三四%が依願退職、または解雇されたと報告されており、がん患者が経済的に自立してよりよく生きられるよう、差別を受けることなく働き続けられる環境が必要であると考えております。そのため、県においては、職場におけるがん患者への理解を深める取り組みについて、県内の事業所等へ働きかけ、働く意欲のあるがん患者が安心して働き続けられる環境づくりに努力してまいります。

 次に、がん患者への相談支援に対する県の取り組み状況についてお答えします。

 がん患者への相談支援の取り組みとしては、県内七カ所全てのがん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置して、がんに関する正しい認識を深めてもらうための情報を提供するとともに、専任の相談員がさまざまながんに関する相談に応じています。また、これらの拠点病院には、がん患者やその家族が集まって、心の悩みや体験を語り合う場であるがん患者サロンも設置されています。そのうち六病院では、六人の専門相談員が、がんピアサポーターとしてみずからの体験を生かし、一人年間二百件程度の相談に対応し、がんに関する学習会を一病院当たり年四回程度開催しています。

 悩みを抱えるがん患者は、今後も増加することが見込まれるため、県では、昨年度より県内のNPOと協働して、がんピアサポーター養成研修を実施しており、これまでに三十二名の方が研修を修了されました。今後はサポーターの養成を一層進めるとともに、病院等におけるピアサポート活動に対する医療従事者の理解を深め、活動の場を広げていきたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 林政部長 正村洋一郎君。

    〔林政部長 正村洋一郎君登壇〕



◎林政部長(正村洋一郎君) 清流の国ぎふ森林・環境税の事業評価と環境保全意識の高まりについてお答えします。

 森林・環境税の事業評価委員会には、森林や環境の各分野の県民会議の代表者にも委員となっていただいており、それぞれの県民会議で出された意見を、その委員を通じて評価に反映させていく仕組みとしております。また、県民の方々へのアンケート調査の実施や、県ホームページでの意見募集など、県民の皆様からの御意見を評価に反映させながら、より効果的な事業が実施できるよう努めてまいります。

 今年度の事業については、来年六月の委員会で効果や継続性について検証することとしており、結果については速やかに公表し、直ちに反映できるものは二十五年度事業から反映させてまいります。

 次に、環境保全意識の高まりについては、NPOなどの実施主体から、「環境保全活動に対する支援はありがたい」という声が多数寄せられたり、来年度に向けて新たな活動組織が立ち上がるなど、森林・環境税による支援が、草の根的な活動の活性化や組織化に寄与しているものと考えております。

 なお、森林・環境税のPRについては、今後とも、県民の皆様を対象とした成果報告会の開催や活動事例集の作成など、さまざまな機会を通じてより一層努めてまいります。



○副議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) いじめの問題について、二点御質問をいただきました。

 まず、緊急調査により明らかになった課題とその対応についてお答えいたします。

 今回の緊急調査では、全国の教育委員会や学校におけるいじめの問題に関する取り組み等について、調査結果が取りまとめられました。その中で、本県では、全ての学校でアンケート調査等によるいじめの実態把握や速やかな教育委員会への報告が徹底され、警察等の関係機関との連携についても、全国と比べ積極的に取り組まれており、総じて、いじめの問題に対してきめ細かく、丁寧に取り組んでいる状況がうかがえます。

 一方、「域内の学校で、いじめの問題について指導上困難な課題を抱える学校があった」と回答した市町村教育委員会の割合は、全国平均より高い数値となっております。また、学校の取り組みについても、例えば、実態把握に効果的な無記名アンケート調査やいじめに特化した校内研修、いじめの対応方針等について保護者や地域に公表し、理解と協力を得る取り組みが十分ではないなどの課題が明らかになってきたところです。

 これらの課題を踏まえ、教職員の研修会等、さまざまな機会を捉えて、学校や市町村教育委員会に対して具体的な取り組みの改善が図れるよう指導してまいります。

 なお、いじめが解消している割合につきましては、全国で最も低い数値になっておりますが、これは各学校で簡単に解消したと判断せず、児童・生徒や保護者の気持ちに寄り添い、継続的に支援していることのあらわれであると捉えております。また、ネットによるいじめや家庭との連携等、いじめへの対応が多様化・複雑化していることが、いじめの解消を困難にしていることの背景にあると考えられます。

 今後も、いじめの解消の課題を抱える学校があることを真摯に受けとめ、指導主事による指導・助言や、スクールカウンセラー等の活用による教育相談の充実、緊急サポートチームの派遣等により、いじめが確実に解消されるための支援に一層努めてまいります。

 次に、特別支援学校におけるいじめ問題についてお答えいたします。

 県内十九校の特別支援学校について調査を行った結果、いじめの認知件数は十二件でした。特別支援学校でのいじめは、高等部の軽度知的障がいのある生徒間で起きることが多く、今回の調査でも同様の結果でした。知的障がいのある生徒については、みずから周囲に訴えることが困難であることが多く、事実関係の確認が難しいことが課題となっております。そこで、教員がふだんから児童・生徒の様子をよく観察するとともに、保護者と十分連携をとり合いながら、正確な状況を把握し、早期に問題の解決が図れるよう、引き続き指導してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) サイバー犯罪対策と、特殊詐欺対策の二点についてお尋ねがありました。

 まず、サイバー犯罪対策についてお答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、インターネットが国民生活や経済活動に不可欠なものとして定着する一方で、違法情報の氾濫でありますとか、あるいは不正アクセス事犯、ネットワーク利用犯罪等のサイバー犯罪に対する不安は増大していると考えられます。

 こうした状況に対応するため、県警察といたしましては、これまでに民間から専門技術者二名を警察官として中途採用したほか、本年四月には警察官七名の増員によりサイバー犯罪捜査部門の体制を強化するとともに、サイバー技能研修などを行って捜査官の育成に努め、サイバー犯罪捜査部門の強化を図っているところでございます。

 また、サイバー犯罪の抑止対策として、ウイルス対策やフィッシング対策、あるいはフィルタリングの導入等の広報啓発に努めているほか、サイバーパトロールによる情報収集を初め、サイバー一一〇番等による相談、インターネットホットラインセンターからの違法情報の通報など、あらゆる機会を利用して多角的な捜査情報の入手に努め、関係する都道府県警察とも連携して積極的な取り締まりに努めているところでございます。今後とも、サイバー犯罪対策の一層の充実強化を図って、県民の不安の除去に努めてまいる所存でございます。

 次に、特殊詐欺対策についてお答えします。

 御質問にもありましたように、特殊詐欺と申しますのは、俺々詐欺を初めとする振り込め詐欺と、それから金融商品取引メーカーなどの振り込め類似詐欺、この二種類の概念を総称するもので、全体として電話などの通信手段を使って、非対面型で敢行される組織的な詐欺、こういう対応のものを指す概念でございます。

 県下の振り込め詐欺の認知件数は、今年十一月末現在六十六件で、昨年より二十六件減少しているものの、被害額は約六千万円ふえて約一億七千万円となっております。他方、金融商品の取引名目での詐欺を初めとする振り込め類似詐欺は、認知件数、被害額とも昨年を大きく上回り、十一月末までに七十二件の認知、被害額は約六億六千万円に上っております。

 このように、本年十一月末までに県警察が認知しただけで、合わせて特殊詐欺全体で八億円以上の被害が発生している状況にございまして、県警察では被害防止対策と検挙の両面から特殊詐欺対策を推進しているところでございます。

 まず、被害防止対策につきましては、安全・安心メールなど各種広報媒体を活用した情報発信を行っておりますが、これに加え、今年一月から三月までコールセンターを設置して、被害に遭う可能性がある世帯へ直接電話をさせていただいて注意喚起を実施したところ、一定の効果が認められましたことから、十月から再び安全・安心コールセンターを開設いたしまして、来年三月まで、特殊詐欺の現状や手口などを幅広く周知し、県民の防犯意識の醸成に努めているところでございます。

 また、県の消費者相談センターとの情報の共有でありますとか、あるいは知事部局との連携いたしまして、消費者行政活性化基金を活用したラジオ番組やコマーシャル放送、啓発物などによる広報活動を行っているほか、金融機関におきましては窓口における積極的な声かけによる被害の未然防止と犯罪利用口座の即時凍結など、関係する機関・団体・企業と連携し、官民一体となった総合的な被害防止対策を推進しているところでございます。

 検挙面では、犯行組織の拠点が首都圏に多いわけでありますけれども、首都圏に全国警察とともに、当県からも捜査員を常駐させて集中捜査を実施しているほか、いわゆる「だまされたふり作戦」という形で、被害者の方の協力をいただいて、被疑者の現行犯的検挙、あるいは預金口座の不正取得など特殊詐欺を助長する犯罪の取り締まりについても強化しているところでございます。

 今後も引き続き、特殊詐欺とその周辺犯罪の取り締まりを進めるとともに、効果的な被害防止対策を推進してまいる所存でございます。



○副議長(矢島成剛君) 十四番 加藤大博君。

    〔十四番 加藤大博君登壇〕(拍手)



◆十四番(加藤大博君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく二項目について質問させていただきます。

 初めに、緊急輸送道路の機能維持のための対策についてお尋ねいたします。

 今月二日、中央自動車道笹子トンネル内において、重さ一トンを超えるコンクリート製の天井板が突然崩落するという事故が発生しました。本来は利用者の利便性に寄与すべき公共インフラが、九人ものとうとい命を奪ってしまったことは大変痛ましい悲劇であり、亡くなられた九名の方の御冥福と、事故に遭遇された方々の一日も早い御回復を心からお祈りいたします。そして、二度とこのようなことを起こさないためにも、老朽化したインフラの維持・更新が急務であることを改めて感じております。

 県では、早速、事故の翌日から県管理道路にあるトンネル百七十二カ所の緊急点検に取りかかったとのことです。この中には、事故が発生した笹子トンネルと同じ構造のものはないとのことですが、今回の事故は、トンネルや橋梁といった道路構造物全般が抱える老朽化という問題点を顕在化させたものと思います。

 また、今回のトンネル事故による通行どめにより、物流や交通への影響が出ております。配送・運行ルートの変更によるおくれや、高速バスツアーのキャンセルなどが報じられていますが、年末に向けて人や物の動きが活発になる中、通行どめが長引くようであれば、日々の生活にも目に見えた影響が徐々に及んでくる可能性があります。

 今回の事故の教訓は、第一に、老朽化した社会資本を今後どうやって適正に維持・更新していくのかという点にあろうかと思いますが、別の観点から見れば、平時には多大な便益を提供しているトンネルや橋梁といった道路構造物が、いざ損壊した際には、道路のネットワーク機能を阻害する「ネック点」となる危険性を改めて浮き彫りにしました。そして、道路ネットワークが正常に機能する前提で立てられた計画においては、常にこの危険性を念頭に置くべきであり、特に大規模災害発生時など非常時への対策にあっては、あらゆる可能性を織り込んでおくことが必要であると考えます。

 本県では、阪神・淡路大震災を受け、平成八年九月に「岐阜県緊急輸送道路ネットワーク計画」を策定しております。この計画は、県の地域防災計画や地震防災緊急事業五カ年計画など、防災対策上重要な計画策定の基礎となるべきもので、策定後においても、防災拠点や道路網の変更、あるいは市町村合併など事後の変化に応じた見直しを適宜行っております。この緊急輸送道路ネットワーク計画においては、各道路がそれぞれ担う機能に応じて、広域の緊急輸送を担う高速自動車道などの「第一次」から、地区内の緊急輸送を担う「第三次」まで三つに分類がなされています。

 次のような緊急時における道路の重要性を痛感する機会がありました。今年八月、県議会土木委員会の視察において、国土交通省東北地方整備局を訪問し、さきの東日本大震災発生後に復旧・復興の陣頭指揮をとられた徳山日出男局長からいろいろと貴重なお話を伺ったのですが、その際、印象に残ったことは、被災後、直ちに立案された「くしの歯作戦」というものです。東北の太平洋沿岸部を結ぶ道路は軒並み通行不能となり、救助や支援を待つ多くの被災地が孤立しました。このような中、徳山局長が最優先したことは、人命救助部隊や医療チームをいち早く被災地に投入するため、車両が通行できるルートを確保することであり、このための対策が「くしの歯作戦」でした。比較的被害の少ない東北内陸部を南北に縦断する基幹道路から沿岸部へ向かって、まるでくしの歯が延びるように横軸となる国道の機能を回復していく作戦です。まさに、「命の道」を確保するための壮絶で過酷な作業であったとのことですが、震災翌日の三月十二日には十一ルートが切り開かれ、救急車や警察、自衛隊などの緊急車両が通行可能となったとのことです。東日本大震災がもたらした貴重な教訓であり、防災・減災のための公共インフラ整備の必要性が見直された契機となったのではないでしょうか。

 本県においても、大規模災害発生時には、道路を初めとする公共インフラが大きな役割を果たすものと思われ、緊急輸送道路が命をつなぐネットワークとして機能することを期待するものでありますが、さきにも述べましたとおり、トンネルや橋梁などが損壊した場合、ネットワークそのものが寸断される危険性があります。私の地元のような中山間地域にあっては、もともと防災拠点から物理的に離れていることが多い上に、たった一本の道路、たった一カ所のトンネルや橋梁の損壊により、いとも簡単に孤立集落となってしまう危険性が高いと言えます。緊急輸送道路が非常時におけるネットワークとしての機能を十分に発揮するためには、こういったネック点に転ずる可能性のある箇所をあらかじめ把握し、必要な対策を講じる、あるいは代替ルートを確保するなどの対策が必要ではないかと思います。

 また、今年八月に内閣府から南海トラフ巨大地震による被害想定が発表され、最悪の条件が重なった場合とはいえ、従来よりも大規模な被害が想定されています。一方、活断層による内陸型地震では、この南海トラフ巨大地震を上回る被害が想定されています。現在、県では独自の被害想定調査を行っておりますが、こういったさまざまな被害想定をもとに、緊急輸送道路も適宜見直しを行っていく必要があると思われます。

 そこで、以下二点につき知事にお尋ねいたします。

 本県の緊急輸送道路において、ネットワーク機能を寸断するおそれのある、いわゆるネック点に転じる可能性のある箇所について把握をしているのか。また、把握された箇所についてどのような対策を講じているのでしょうか。

 次に、県独自の地震被害想定等も踏まえ、現在、緊急輸送道路の見直しを行っているとのことですが、具体的にどのような視点で見直しを行い、その結果を踏まえて、どのような取り組みを重点的に行う方針であるのか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、中山間地域における農業・農村振興についてお尋ねいたします。

 日本の農業は、一九六〇年ごろまで、地域の特性を踏まえながら水田稲作と畑作とをうまく組み合わせ、自給的食料生産を基盤としながらも、時には一部の商品作物を販売するなどして成立してきました。実際、一九五〇年当時、農業就業者数は全就業者数の四五%を占め、日本の農業人口は歴史上最大となっており、一九六〇年においても農業就業者は全就業者数の三〇%を占め、この時期までは、農業が最も重要な就業機会であり、日本の社会基盤を支える産業として、まさに農業が中心となる農業社会であったと言えます。こうした農業を中心とした農業社会は、日本においては弥生時代からこの一九六〇年ごろまでの約二千年間にわたり続いてきたと言えます。

 当然、現代の私たちの生活や文化にも農業・農村は深くかかわっており、例えば年中行事の多くは農業と強く結びついたものとなっています。また、日本の原風景や伝統文化など日本人的価値観のよりどころとして、多くの人は農村の姿を思い描くはずです。

 日本の国土は約七割が森林であり、この岐阜県においては県土の八割が森林です。つまり日本、そして岐阜県における農業・農村とは、主に中山間地域であったと言えます。しかし、現代の中山間地域は、そこで行われる農業とともに、日本人的価値観のよりどころや国土保全の象徴としての役割を期待されながらも、疲弊しています。

 中山間地域における農業と農村振興の諸課題は、改めて申し上げるまでもなく多岐多様であると同時に、それぞれの事象が密接に関連しています。当然、国や県、そして市町村によってさまざまな施策が実施され、成功事例も示されていますが、結果として中山間地域の農業と地域を取り巻く環境は変化しているとは言いがたく、厳しいと言わざるを得ません。

 では、どうしてなかなか結果に結びつかないのか。その理由の一つとして、この質問の中でも多用する「中山間地域」という表現がキーワードの一つではないかと考えます。一言に中山間地域といっても、その表現は本当に多くのさまざまな地域を内包しています。それぞれの地域が抱える課題とその程度、また地域を育んできた自然環境、歴史は全く違うものであり、ある程度の定性化はできても、公式に当てはめれば回答が得られるような定量化は困難です。中山間地域と言ってしまえば簡単で便利ですが、三十代・男性・日本人、もっと分かりやすく言えば岐阜県議会議員という集団を一くくりで取り扱えないことと同じであると言えます。同時に国や県が実施する施策の多くは、財源の問題や効率の観点から、ある程度定性化された代表的な事例に対応するものや、他地域での成功事例の引用であったりするために、結果として支援を必要とする当該地域の実情にそぐわないということが考えられます。

 現在の岐阜県農政は、ぎふ農業・農村基本計画で示された五つの基本方針に沿って進められています。一つ目が「売れる農畜産物づくり」、二つ目が「戦略的な流通・販売」、三つ目が「多様な担い手の育成・確保」、四つ目が「魅力ある農村づくり」、五つ目が「県民みんなで育む農業・農村」であります。当然この基本方針に基づく施策によって大きな成果を上げる地域もありますが、同時に、どうしてもうまくいかない地域も出てきます。これらの基本方針を、少し悲観的ではありますが、とある高齢化と過疎化が進む中山間地域Aに当てはめて考えてみたいと思います。

 一つ目と二つ目の方針が目指す農業は、いわゆる強い農業、攻めの農業であると思います。TPP参加に対する議論がなされるたびに、日本の農業の方向性を示す言葉としても使われますが、TPP参加の是非にかかわらず、この中山間地域Aの農業は衰退していくと考えられます。その主な原因は、国際競争力の高い輸入農産物との競合ではなく、過疎化と高齢化による農業を支える人材の不足です。それを補うために、集落営農組織の設立や他業種からの農業進出、新規就農者の育成などを柱とする三つ目の方針である「多様な担い手の育成・確保」が必要となります。

 しかし、設立された集落営農組織も多くが六十代・七十代を中心とする構成であり、他業種からの農業進出も、現在の経済状況の中、本業に課題を抱えるなど多くの課題があり、また新規就農者の確保も十分とは言えません。こうした状況が今後も続けば、十数年先には、耕作放棄地や荒れた里山など美しいとは言いがたい農村風景ができ上がることが予想されます。四つ目の方針「魅力ある農村づくり」は、農地や地域環境が適切に維持管理されていることが前提だと思われるので、そのためには、それをみんなで維持管理する仕組みが必要です。五つ目の方針「県民みんなで育む農業・農村」は、キャッチフレーズとしてはわかりやすいのですが、交流先を選ぶ選択権が都市部にある以上、ある程度の条件整備が必要だと考えられます。

 この中山間地域Aは近隣の中核市から一時間以上かかり、道路を初めとするインフラの整備も十分と言える環境ではないとすれば、都市部との人口交流も思うように拡大できなかったと推測できます。結果、とある中山間地域Aは緩やかに衰退していくことになるでしょう。

 さきに述べたように、全ての中山間地域がこのような例に当てはまるわけではありません。国や県の方針・施策をてこに大きな成果を上げている地域も存在し、そうした成功事例に続こうと努力をしている地域も多くあると感じます。しかし、残念ながら、先ほど挙げた例のように、結果に結びつかない地域が存在することも事実です。

 こうした政策についていけない、またそぐわない地域を切り捨てていくことは簡単です。しかし、岐阜県においては、中山間地域が占める耕地面積は四七%に上り、そうした地域の資源を有効に活用し、また適正に維持管理していくことは大きな課題であると考えます。そのためには、現在、そうした地域で農業や農村振興に携わっている人々が、みずからが推進する施策の方向性や地域の将来のあり方を主体的に考え、取り組んでいく必要があり、同時に地域に寄り添うサポート体制の構築や、自然環境や特性を踏まえながら、オーダーメード的な施策の提案や要望に応えることのできる仕組みの必要性を感じます。

 そこで、次の二点について農政部長にお尋ねをいたします。

 まず、岐阜県の自然環境条件や地域特性を踏まえ、いわゆる攻めの農業、強い農業が困難なエリアにおける農業・農村振興のために県が進める施策についてどのような考え方を持っているのか。また、その実績はどのようになっているのか、お尋ねいたします。

 次に、施策の実効性を高めるためには、ぎふ農業・農村基本計画に基づく施策実現に向けた事業を単に創設することや、他地域の成功事例を単純に当てはめるのではなく、地域が真に望む施策や、自然環境条件や地域特性を踏まえた施策を提案・推進する中で、地域の農業関係者に当該施策の先にどのような未来が開けていくのかを示し、同時に農村地域の将来についてみずから考えるモチベーションを与える必要があると思いますが、そのためにどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。

 日本社会の急速な工業化の陰で、かつての豊かな農村環境は変貌し、ある意味、画一的なものになり、それに対応できないものは消滅していくという過程を現在もたどっているとするのであれば、そこから脱却していかなくてはなりません。生物は、その多様性が進化の可能性を担保しています。中山間地域における農村のあり方は、日本の原風景であると同時に、地域の特色を色濃く発揮する多様性そのものです。それを維持していくことは、五十年、百年先の岐阜県、そして日本の活力ある未来につながるものと信じ、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 緊急輸送道路の機能維持のための対策ということで、二点御質問がございました。

 まず、県内の緊急輸送道路のうち県が管理する道路は千五百四十五キロメートルございますが、その中で、地震など災害発生時にネットワーク機能を寸断するおそれのある箇所としては、一つは、汎用製品が使用できず復旧に時間を要する十五メートル以上の橋梁、それからもう一つは落石の危険箇所ということであります。

 これに対しましては、順次、今防災対策を進めているところでありますが、進捗状況としては、橋梁につきましては五百九十九橋完了しておりまして、進捗率約九〇%ということでございます。一方、落石危険箇所につきましては、四百四十一カ所完了しておりまして、この進捗率は九七%ということでございます。

 次に、緊急輸送道路の見直し方針と整備方針ということでございますが、災害時に緊急輸送道路を確保することは、防災対策上極めて重要でございます。したがって指定の妥当性、あるいは緊急輸送道路上の脆弱性等については常時チェックをしていかなければいけないというふうに考えております。特に、近い将来、南海トラフ巨大地震、あるいは内陸直下型地震の発生が懸念されておりますので、今回改めて今年度中に緊急輸送道路の見直しを行うということでございます。

 この見直しの視点は二つございます。第一の観点は、防災拠点そのものの見直しということでございまして、超広域災害に備え、輸送力の高い自衛隊の大型ヘリコプターが活用できるヘリポート、県の広域防災拠点、道の駅など防災拠点指定の追加と見直しを図ってまいります。

 二つ目は、緊急輸送道路の多重性・代替性の確保ということでございます。近く公表を予定しております県独自の地震被害想定を踏まえまして、一つの緊急輸送道路が寸断した場合でも、近くの代替的な道路を確保するということで考えていきたいと思っております。

 これらの作業につきましては、国土交通省、警察、自衛隊等の関係機関で構成する協議会を一月に開催する予定でございます。これらの意見を十分踏まえながら総合的に検討し、年度末までに緊急輸送道路の指定の見直しを行ってまいります。

 さらに、その次の段階として、見直した緊急輸送道路ネットワークのどこを重点的に整備をするか、手を加えていくかということで検討を進めてまいります。

 具体的には、第一にエリアを絞り込むということでございまして、県独自の被害想定調査において、大規模被害が予測される最大震度六弱以上となるエリア、あるいは液状化危険度が高いエリアを優先的に整備をいたします。

 第二に、整備ポイントの絞り込みということでございます。道路の拡幅化対策、橋梁の耐震対策、落石危険箇所対策、さらに沿道の建築物耐震化を重点的に実施をいたします。

 以上の考え方に基づきまして、来年度早期に全体の整備計画の策定に至るということで考えております。



○副議長(矢島成剛君) 農政部長 平工孝義君。

    〔農政部長 平工孝義君登壇〕



◎農政部長(平工孝義君) 中山間地域における農業・農村振興について、二点御質問をいただきました。

 まず初めに、振興施策の考え方と実績についてお答えします。

 中山間地域の農業・農村を将来にわたり守っていくためには、まずは担い手を育て、立ちおくれた農業生産基盤を整備することが重要であると考えており、現在、地域の状況に応じたソフト・ハード両面からの総合的な対策を進めているところです。

 具体的な実績といたしましては、近い将来、担い手が不在となるおそれがある四地域において、県職員で構成する集落営農組織化支援チームが農地の保全活動などを支援してまいりました。その結果、本年七月に本巣市根尾能郷集落では六戸の農家による集落営農組織が設立され、地域ぐるみで農地を守る取り組みが始まったところであります。また、白川町下佐見室山集落では、岐阜大学の学生と一緒になった大豆やタラの木の栽培などを通じて、農業者みずからが集落を活性化していこうという機運が高まっております。さらに、郡上から恵那に至る美濃東部区域の総合整備事業では、農道整備や農用地造成が行われ、新たにユズや茶の団地が形成されたほか、交通の利便性が高まり、農村の生活の向上も図られております。

 次に、地域の将来を農業者みずからが考えていくための取り組みについてお答えします。

 農村地域の将来展望を描き、実現するためには、農業者がみんなで考え、実行していくことが基本ですが、そのきっかけとなる動機づけが重要と考えております。

 先ほど述べました「集落営農組織化支援チーム」や、鳥獣害を防ぐための鳥獣被害対策チームのように、県職員が積極的に地域に出向くことにより、住民同士が団結し、集落の活性化に取り組もうとする意識が芽生え始めているという事例があります。このため、農業者の自主性を高めるための動機づけとして、行政が地域の課題解決に向け、地域に入り、農業者と一緒になって考えることは有効な手段と考えております。

 現在、農業者が話し合って地域農業の未来図を描く「人・農地プラン」の作成を進めていますが、リーダーが不在で自主的に話し合いが進まない地域においては、県や市町村など関係機関が集落に出向き、地域の将来を農業者みずから考える話し合いの場づくりや、地域の中心となる人材の掘り起こしなどを進めております。

 今後も、こうした取り組みを継続・拡大し、地域との連携を密にしながら、農業者の自主性が高まるようサポートしてまいります。



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○副議長(矢島成剛君) 以上をもって本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後三時九分散会



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