議事ロックス -地方議会議事録検索-


岐阜県 岐阜県

平成24年  6月 定例会(第3回) 06月28日−03号




平成24年  6月 定例会(第3回) − 06月28日−03号









平成24年  6月 定例会(第3回)





……………………………………………………………………………………………





△議事日程(第三号)



              平成二十四年六月二十八日(木)午前十時開議

 第一 議第九十一号から議第百三号まで

 第二 請願第十七号から請願第二十号まで

 第三 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第九十一号から議第百三号まで

 一 日程第二 請願第十七号から請願第二十号まで

 一 日程第三 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△出席議員 四十六人



      一番   道家康生君

      二番   水野吉近君

      三番   国枝慎太郎君

      五番   高木貴行君

      六番   野村美穂君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   大須賀志津香君

     十一番   太田維久君

     十二番   村上孝志君

     十三番   田中勝士君

     十四番   加藤大博君

     十五番   酒向 薫君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   川上哲也君

    二十一番   林 幸広君

    二十二番   伊藤秀光君

    二十三番   水野正敏君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十七番   平岩正光君

    二十八番   佐藤武彦君

    二十九番   森 正弘君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   小川恒雄君

    三十三番   村下貴夫君

    三十四番   大野泰正君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君



……………………………………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         志村隆雄

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   武井孝彦

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    梅本雅史

 同    課長補佐    河本哲治

 同    課長補佐    溝口智久

 同    課長補佐    古田幹雄

 同    主査      中村 隆

 同    主査      安居裕司

 同    主査      堀場一彦



……………………………………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          渕上俊則君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        塚中和巳君

 危機管理統括監      若宮克行君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       秦 康之君

 健康福祉部長       川出達恭君

 商工労働部長       宗宮康浩君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         正村洋一郎君

 県土整備部長       金森吉信君

 都市建築部長       山本 馨君

 ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        太田 誠君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    増田好則君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



……………………………………………………………………………………………





△六月二十八日午前十時開議



○議長(駒田誠君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。二番 水野吉近君。

    〔二番 水野吉近君登壇〕(拍手)



◆二番(水野吉近君) 皆さん、おはようございます。議長よりお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表し、大きく四点にわたって質問をさせていただきます。

 初めに、県内社会資本の維持管理についてお伺いします。

 公明党は、道路や橋などの社会資本の老朽化対策により、災害に強い国づくりを推進するとともに、長期にわたるデフレが続く日本経済を再生させるため、十年間で百兆円の集中投資を行う「防災・減災ニューディール政策」を打ち出しています。一九六〇年代の高度経済成長期から、道路や橋梁、上下水道などの社会資本の整備は急速に進みました。高度経済成長期に建築されたものは、現在、建築後五十年を迎え、老朽化が進んでいます。東日本大震災以来、日本列島は地震活動期に入っており、首都直下型地震や東海・東南海・南海地震の発生が懸念される中で、防災性向上の観点から、社会資本の老朽化対策は急務の課題と言えます。災害が起きる前に、老朽化した社会資本への公共投資を集中的に短期間で行うことによって全国で防災機能の向上を図ることができるとともに、このことが社会全体に需要を生み、雇用が創出され、長引くデフレと急激な円高により、極めて厳しい状況が続いている日本経済を再生させることができるという二つの効果を生む政策として、さきの三党合意でもその実現を強く求めたものです。

 さて、全国の社会資本の老朽化の現況に目を向けてみると、国土交通省が平成二十一年四月にまとめた「橋梁現況調査」によれば、十五メートル以上の橋梁は全国で約十五万五千橋あり、そのうち建築後五十年以上経過しているものは約一万三千橋で全体の八%ですが、十年後には約四万橋で二六%となり、二十年後には約八万橋で五三%に急増するとして、経年劣化による損傷が多発する危険を指摘しています。また、その影響として、別の調査では、地方公共団体が管理する長さ十五メートル以上の橋梁で、損傷・劣化により通行どめになっているものが、平成二十年四月には百二十一橋であったものが、平成二十三年四月には百七十二橋で約一・四倍に増加。また、通行規制を行っているものは、同じく三年間で約六百八十橋から千百二十九橋で約一・七倍に増加したとの報告もあります。これに歯どめをかける施策として、道路橋の定期的な点検により早期に損傷を発見し、事故やかけかえ、大規模な補修に至る前に、対策を実施する予防保全の推進が行われています。

 では、本県の状況はどうなっているのでしょうか。本県が管理する主要な道路構造物の施設量は、全国トップクラスの規模となっています。例えば十五メートル以上の橋梁では千六百十九カ所で全国第二位、延長は十万五千五百二十二メートルで全国第五位、トンネルは百七十一カ所で第六位、延長は九万六千七百二十三メートルで全国第一位などです。また、県が管理する千六百十九カ所の橋梁で、建築後五十年以上経過しているものは一〇%ですが、十年後には二三%となり、二十年後には四三%に急増するとされています。トンネルでは、建築後五十年以上経過しているものは一二%ですが、十年後には二〇%となり、二十年後には三二%となっています。本県における老朽化事例としては、一九六九年に建設された各務原市の愛岐大橋が三十年後の一九九九年に支柱の一部に重大な破断が見つかり、二週間にわたって通行不能になっています。ふだん、当たり前のように利用している道路橋が長期にわたり通行どめになれば、日常生活に悪影響を及ぼすばかりか、経済活動にも打撃を受けます。

 そこで県土整備部長にお伺いします。県が管理する十五メートル以上の橋梁は、どのような定期点検がなされ、点検実施率はどれだけか。また、実施された定期点検の結果をどう分析し、どのような判断基準で計画的な補修工事を行うのか、答弁をお願いします。

 また、本県では、土木事務所等の技術職員数が年々減少し、施設の適正な維持管理や災害時の緊急初動対応に影響が出ることが懸念されています。総務省が平成二十二年にまとめた地方公共団体の定員管理調査によれば、道路管理延長十キロメートル当たりの土木技術職員数は、岐阜県は〇・九七人で最下位の四十七位となっています。参考までに、全国一位は、東京都の七・〇一人で約七倍の差があります。本県の土木技術職員の推移を見ても、平成十四年から平成二十四年の十年間で百二十七人減少し、二四%も減っています。

 そこで県土整備部長にお伺いします。土木事務所等の技術職員数が減少する中、どのように道路橋の老朽化を早期発見し、適正な維持管理を行っているかを、答弁お願いします。

 また、社会資本の適正な維持管理をする場合、地域の建設業者の存在は欠かせないと思います。地域の建設業者は地元に精通しており、災害対応、除雪、インフラの維持管理等、地域社会の維持に重要な役割を担っています。しかし、現下の不況や事業の採算性の低下により、地域の建設業者の企業体力の低下や企業の小規模化が進んできており、一定の労働者や機械の確保が必要となる地域維持事業ができる企業が減少し、このままでは最低限の維持管理等まで困難となる地域が生じかねません。

 こうした中、政府は、国土交通省が昨年六月にまとめた「建設産業の再生と発展のための方策二〇一一」を踏まえ、地域維持型契約方式の導入を提唱しました。地域維持型契約方式とは、地域の建設業の再生に向けた取り組みの一環で、地域を支える担い手がいなくなってしまうことに対する強い危機感がその背景にあります。この方式は、災害対応や除雪、インフラの維持管理など、地域の維持に不可欠な事業について、複数の工種・工区をまとめたり、複数年の契約単位で発注するもので、大きな利益が見込めず、担い手が不足する現状を打開するための措置と言えます。また、担い手育成の観点から、地域維持型建設共同企業体、いわゆる地域JV制度を創設。地域維持事業を地域の建設業が連携して請け負うことができる仕組みとなっており、国土交通省が昨年十二月に具体的な運用方法を都道府県などに通知しています。

 しかし、同省が四十七都道府県と十九政令市を対象に、本年三月五日時点で実施した調査によると、全体の八割以上の自治体が地域維持型契約方式を活用していないことが明らかになりました。今後、地域の維持管理が持続的に行われるようにするためには、担い手である建設企業の体制確保に有効な地域維持型契約方式の活用が期待されます。この点については、本年三月議会で、県政自民クラブの酒向議員が質問をされており、県土整備部長は、考えられるメリットやデメリットを挙げた上で、今後、有識者の意見を伺って検討するとの答弁をされています。そこで、改めて県土整備部長にお伺いします。国土交通省からは、他の都道府県の地域維持型契約方式の活用事例が紹介されています。これらを踏まえ、本県の社会資本の計画的な補修工事の発注に際し、モデルケースとして地域維持型契約方式を採用し、実際に有効な方式であるのか検討を始めるべきであると考えますが、御所見をお聞かせください。

 次に、県の社会資本の維持管理予算に目を向けてみたいと思います。

 適時適切な維持管理のおくれは、かえってコストの増大につながり、壊れたら直す対症療法的修繕から、損傷が軽微なうちに対策をする予防保全的修繕により、トータルコストの縮減と長寿命化を図ることが可能であり、この考え方がアセットマネジメントであります。一方で、予防保全的修繕により、費用の削減は図られるものの、今後、社会資本の老朽化率が増加し、着実に維持管理予算が増大することは必須となります。

 そこで、知事に二点お伺いします。

 一点目、限られた予算の中で、これからの社会基盤施設の整備、維持管理をするに当たっては、県民の意識やニーズを反映することや、社会的重要性を考慮したアセットマネジメントが求められると思います。現在、道路施設に関し、県が先進的に取り組んでいる(仮称)社会資本メンテナンスプランの概要と期待効果、さらには、今後の運用方針についてお伺いします。

 二点目、これまでも知事は、厳しい財政状況にあって、県民の生命と財産を守る災害対策予算の確保に努力されてきたと評価しますが、東海地震の発生率が八八%と予想される中、今後の道路橋の維持管理予算を前倒し、あるいは重点配分する必要があると思いますが、御所見をお聞かせください。

 県内社会資本の維持管理に関する質問は以上です。御答弁をお願い申し上げます。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 私のほうには、二点質問がございました。まず、社会資本メンテナンスプランについてでございます。

 御案内のように、県は大変多くの道路施設を維持管理しておりまして、今後、急速にこれらが高齢化し、補修に要する経費が増大してまいるわけでございます。そこで、御指摘にもありましたように、予防保全という考えを取り入れたアセットマネジメントの導入ということで、平成十六年度に舗装修繕最適化計画、平成二十一年度には橋梁長寿命化修繕計画といったものを策定いたしまして、現在、これに基づきまして、計画的な補修工事を実施しているという状況でございます。しかしながら、財政状況が大変厳しい中、この予防保全の考え方だけでは、今後、より一層進む施設の高齢化になかなか対応できなくなることが懸念されておるわけでございます。

 そこで、道路利用者の視点に立ち、舗装や橋梁の損傷に加え、斜面からの落石も考慮し、通行規制や孤立集落の発生などによる社会的な影響をリスクとして評価し、リスクが大きい区間から優先的に補修をするという社会資本メンテナンスプランの案を本年三月に策定したところでございます。これによりまして、限られた財源を、リスクが大きく効果の高い箇所から優先的に投入するということが可能になるわけでございます。

 このプランは、全国的に見ても、新しい取り組みでございまして、現在、六月十五日から七月十七日までの間でパブリックコメントを実施しておるところでございます。これらの意見も参考にしながら、今後八月末を目途に、社会資本メンテナンスプランを岐阜県として策定をし、これに基づいて、道路施設のきめ細かな維持管理に努めてまいりたいと考えております。

 次に、道路橋の維持管理予算についてでございます。

 近い将来、発生が懸念されます大規模地震、あるいは近年頻発しております短期的・局地的な集中豪雨に対応するため、現在、防災対策に重点的に取り組んでおるわけでございます。特に橋梁につきましては、万一被災した場合に復旧に多大な時間を要するということ、あるいは中山間地では道路が寸断されると集落が孤立するなど、大きな社会的影響が発生するといったことから、耐震対策は極めて重要であるというふうに考えております。

 昨年三月十一日に発生しました東日本大震災で生じたさまざまな被害・災害を検証する震災対策検証委員会を、昨年いち早く立ち上げさせていただきました。具体的な百十項目の提言を受けておりますが、これに基づきまして、既に補正予算等を活用いたしまして、緊急輸送路の橋梁の耐震対策、橋梁補修など、必要な事業を現在きめ細かく実施しておるところでございます。本年度予算につきましても、引き続き橋梁の耐震対策等の予算額を前年度に比べ約一・四倍に増額するということなど、重点的な予算配分に努め、推進しているところです。これによりまして、耐震対策が終わっていない二百七十二橋のうち緊急輸送道路に指定されている六十八橋すべてについて、平成二十七年度までには完了するという予定でございます。さらに、これ以外の孤立集落につながる道路や交通量の多い道路の橋梁の耐震対策につきましても、優先度を明らかにしながら、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。

 他方で、こうした対策と同時に、東海環状自動車道など県の未来を支える幹線ネットワークの重点整備も行っていかなければならないわけでございます。限りある財源の中でどのように予算を配分するかということは、大変難しい課題でございますが、道路予算全体としてバランスのとれた整備ができるよう、今後の財政状況を見ながら検討してまいりたいと思います。



○議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 社会資本の維持管理について、三点御質問をいただきました。

 初めに、橋梁の点検と計画的な補修工事についてお答えします。

 県が管理する長さ十五メートル以上の橋梁は千六百十九橋あり、職員による道路パトロールにあわせた日常点検と橋梁専門家による五年に一回の定期点検を実施しています。定期点検は、平成十三年度から実施しており、橋梁の下部工やけた、床版、塗装等のひび割れやさび等の損傷の程度を調査するもので、平成二十年度までに千六百十九橋すべての点検を終了しています。現在、二回目の点検を実施中であり、昨年度までに八百九十四橋の点検が終了し、点検実施率は五五%です。このような定期点検の結果をデータとして蓄積し、橋梁ごとに、コンクリートのひび割れや剥離、鋼材のさび、支承の変状など、劣化の進みぐあいから、橋梁の健全度を五段階で評価し、補修開始時期の目安としている健全度三を下回る時期を予測し、その前に補修工事を行うものです。このような取り組みにより、損傷が軽微なうちに補修工事を行い、コストの縮減と橋梁の長寿命化を図ってまいります。

 次に、技術職員が減少する中での適正な維持管理についてお答えします。

 県の土木技術職員数は、近年、団塊世代の大量退職に伴い大幅に減少しており、現在四百一名で、十年前に比べ百二十七名減少しています。土木技術職員が減少する中、橋梁などの道路施設の劣化情報をいち早く把握し、適切に補修するためには、県民の皆様の幅広い情報提供と、土木職員の補修に関する技術力の向上が必要であると考えています。

 このため、県では、平成八年度から、道路利用者から情報提供していただくロードサポーター制度を設け、また平成二十一年度からは、地域の方々に道路施設の点検と情報提供をしていただく社会基盤メンテナンスサポーター制度を設けています。社会基盤メンテナンスサポーターは、これまでに五百七十五名の方に委嘱し、橋梁の段差や舗装の劣化等、本年五月までの通報件数は四百六十九件で、損傷の早期発見、早期補修に努めています。また、補修に関する技術力を高めるために、平成二十年度から、県と岐阜大学が連携し、社会基盤メンテナンスエキスパート養成講座を設け、これまでに行政、建設業界等、合わせて百十九名の技術者を養成したところです。今後も、幅広く情報収集を行うとともに、技術力の向上も図りながら、適正な道路施設の維持管理に努めてまいります。

 最後に、地域維持型契約方式についてお答えします。

 地域維持型契約方式は、道路・河川など複数の事業をまとめたり契約期間を複数年とするなどの特徴を持った契約制度で、地域の建設業者が今後も存続し、社会資本の維持管理が持続的に行われることを目的としたものです。県としましては、現在、地域の建設業者が大変厳しい経営環境に直面していることから、こうした地域維持型の契約方式を採用することも必要であると考えています。

 しかしながら、地域維持型契約方式には、人員や機械等の効率的な運用や、施工体制の安定的な確保、共同企業体の役割など、その効果について検証すべき課題も考えられます。このため、今年度、特定の地区を対象に、道路維持修繕業務、除雪業務、河川維持修繕業務、砂防維持修繕業務などの複数の業務を包括的に一つの契約対象とし、また実施主体を数社程度の共同企業体とする新たな入札契約方式の試行を行いたいと考えています。この試行において、課題の抽出や対応策の検討を行い、また関係者の御意見もお伺いしつつ、地域維持型契約方式の本格導入について検討してまいります。



○議長(駒田誠君) 二番 水野吉近君。

    〔二番 水野吉近君登壇〕



◆二番(水野吉近君) それでは次に、学校施設(避難所)の非構造部材の耐震化についてお伺いします。

 東日本大震災では、学校施設に甚大な被害が発生し、被害状況を見ると、建物の柱や、はりといった構造体だけではなく、天井や照明器具、外壁、内壁、バスケットゴールなどの、いわゆる非構造部材が崩落し、避難所として使用できないばかりか、児童・生徒がけがをする事故まで発生しました。また、東京都内の多目的ホールでは、地震によって天井が落下し、二人が死亡するという悲惨な事故も起こっています。学校は、人の命を守るとともに、地域の防災拠点であり、発災時は避難拠点となる地域の重要施設であることから、建物はもとより、天井などの非構造部材についても早急に耐震化し、防災拠点としての機能充実を急ぐべきであります。

 このため、公明党は、本年五月十八日、文部科学大臣に、学校施設の非構造部材の耐震対策に対する緊急提言を行い、本年度に非構造部材の耐震点検をすべて完了させるよう強く要請しました。文部科学省の調査によると、被災地の岩手、宮城、福島三県を除く全国の公立小・中学校の柱や、はり等の構造体の耐震化率は、二〇一一年四月一日時点では八〇・三%となり、今年度末には約九〇%にまで達する見込みですが、非構造部材については、耐震工事どころか、点検自体がおくれている現状です。

 財政難が続く自治体にとっては、非構造部材の耐震化は後回しになりがちです。その原因の一つに、非構造部材の耐震点検にかかる費用の問題があります。これを支援する制度として、文部科学省には、学校施設環境改善交付金という助成制度があります。しかし、この制度は、耐震診断を行い、補強工事が必要と判断され、実際に工事が行われた場合にのみ補助されるため、自治体が耐震診断を実施した結果、補強の必要がないと判断された場合は、診断にかかった費用は自治体負担になってしまうという問題があり、これが、自治体が非構造部材の耐震点検に二の足を踏む要因になっているという指摘があるのです。

 そこで、文部科学省は、六月八日、都道府県教育委員会に対し、「公立学校施設の非構造部材の点検に係る財政支援」という文書を出し、国土交通省の社会資本整備総合交付金を、市町村の建築・住宅部局と連携をとって、うまく活用すれば、非構造部材の耐震診断費用だけでも交付金の対象となる、この点を県教育委員会から各市町村教育委員会に周知し、耐震化を促進するよう通知されました。

 しかし、この制度だけでは十分とは言えず、要望に十分こたえられるだけの国の予算を確保することや、市町村が取り組みやすい補助制度を創設することなど、問題は残されていると思いますが、本県においても、発災時に避難所となることが多い学校施設の防災機能を強化することは急務であり、一日も早く非構造部材の耐震化も完了することを望むものであります。

 そこで教育長にお伺いします。本県の公立小・中学校及び県立高校の非構造部材の耐震点検及び耐震改修はどのような状況なのか、また非構造部材の耐震点検に関する国の財政支援の活用や、点検・改修の促進について、市町村にどのように指導されるのか、御答弁をお願いします。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校施設の非構造部材の耐震化についてお答えいたします。

 まず、県立学校における非構造部材についての定期点検はすべての学校で実施しており、補強が必要な箇所については、その都度、対策を講じてきております。一方、市町村立小・中学校では、昨年度末における点検の実施率は対前年比二〇ポイント増の六二・六%となっております。しかし、その対策の実施率は二九・四%にとどまっており、建物の耐震化率八七・三%に比べ、おくれている状況にあります。

 議員からも御紹介がございましたが、学校施設の耐震関連事業に対しては、文部科学省の補助制度に加え、国土交通省による支援も新たに講じられております。県としましては、これまでも各市町村に対して、支援制度の周知や関連情報の提供、個別相談にも応じてきておりますが、今後も、これらの支援制度の活用などにより、非構造部材の耐震化も含めた防災機能強化対策を進めていただくよう、積極的に働きかけてまいります。さらに、財政状況が厳しい折、これら事業への取り組みが困難な市町村もあり、補助率の引き上げや地方財政措置の充実等について、さまざまな機会をとらえ、これまで以上に強く国に要望してまいります。



○議長(駒田誠君) 二番 水野吉近君。

    〔二番 水野吉近君登壇〕



◆二番(水野吉近君) 次に、災害廃棄物、いわゆる震災瓦れき処理対策についてお伺いします。

 東日本大震災で発生した瓦れきの広域処理問題で、新たな課題となっている不燃物の受け入れを岩手県から求められたことを受け、知事は六月六日の定例記者会見で見解を発表されました。混合可燃物の処理が進む見通しの中、知事は土砂のまじった不燃物を復興事業で再利用するという国の方針に触れ、将来、資材として使われる予定のものを持ってくることに疑問を呈されています。また、県外にある最終処分場から、瓦れきの焼却灰受け入れを拒否されていることから、最終処分場の問題がクリアできなければ困難だとし、国が進める広域処理の交渉が一段落する七月末までの状況を見守る考えを示されています。

 また、知事は、六月十五日、宮城県多賀城市の災害等廃棄物中間処理場を視察しておられ、菊地健次郎同市長と面談されたと伺っています。被災地での災害廃棄物の処理が進み、広域処理が必要な量の見通しは、五月の発表時で、当初より四割減少し、受け入れる必要性が低くなったり、国の動向が不透明なこともあり、知事の見解には一定の理解はできるものの、今回の一連の動きの中で、県民からは不安の声も多く聞こえます。

 それは、「実際に東海地震が起こったとき、東日本大震災以上の災害瓦れきが発生することは容易に想像できる。津波の被害が考えにくい岐阜県は、静岡県、愛知県、三重県を襲う津波によって発生する震災瓦れきを、近隣県として受け入れなければいけない立場にある。県内に最終処分場がないことが瓦れき受け入れの大きな支障になっている現状に対し、今後どう対応するのか」という声です。岐阜県として、今回の震災瓦れきの広域処理問題の課題と、迫りくる東海地震への対応策を明確にし、県民に示して、安心していただくことは重要な責務であると考えます。

 そこで知事にお伺いします。県内に最終処分場がないことが、岐阜県の震災瓦れき受け入れの大きな支障となっているのが現状ですが、今後三十年以内に東海地震が発生する確率は八八%となる中、県内及び隣県から広域かつ大量に発生する震災瓦れき処理の問題について、知事が被災地を訪問された感想や東日本大震災の教訓を踏まえ、東海地震に対し、どのように対応すべきとお考えでしょうか、御所見をお伺いします。

 また、環境生活部長にお伺いします。県の地震防災行動計画の中には、震災廃棄物、いわゆる震災瓦れきの処理対策が位置づけられていますが、広域発生する震災瓦れき処理について、市町村とどのように連携し、対応していくのかについて御答弁をお願いします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 瓦れきの問題について御質問がございました。

 東日本大震災におきましては、大量の瓦れきが発生いたしまして、その一部は県外での広域処理に頼らざるを得ないという状況でございまして、東海地震等におきましても同様に、大量に発生する瓦れきの処理が大きな課題になるというふうに認識をしておるところでございます。

 災害廃棄物の処理につきましては、まずは各市町村での対応が基本となるわけでありますが、被害が大規模かつ広範囲に及んで市町村での対応が困難な場合には、県内市町村間の融通、民間施設の活用など、できるだけ県内で処理ができるように、県としては調整に乗り出すということになります。それでも処理できなければ県を越えた広域処理ということになりますが、この場合でも、まずは近隣県にお願いをするというのが基本だと考えております。

 東日本大震災の例でもわかりますように、大規模災害時には、最終処分場の確保が課題となります。この最終処分場につきましては、市町村ごとに事情の違いもありますし、スラグは自前の処理場に埋め立てられるが、飛灰は県外に依存しているといった状況もありまして、万全というわけではございません。このため、市町村に対しましては、長期的観点を持って、最終処分場の処理施設の整備を図ったり、県外の最終処分業者との委託契約の内容を確認し、大規模災害時においても処理が確保できるよう、あらかじめ準備しておくよう働きかけてまいりたいと思っております。

 また、市町村のみで対応が困難な場合には、県として、災害廃棄物の処理について、県内市町村、民間事業者との調整、国、近隣県との調整等について役割を果たしてまいります。国においても、大規模災害発生時の災害廃棄物処理に関する中部圏での広域的な連携体制について検討が始まったところでございます。県も、この枠組みに積極的に参加してまいりたいというふうに考えております。



○議長(駒田誠君) 環境生活部長 秦 康之君。

    〔環境生活部長 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部長(秦康之君) 地震防災行動計画に基づく対応についてお答えいたします。

 県は、市町村に対し、瓦れき発生量の予測、必要な仮置き場の設置、分別収集の方法、処理ルートの確保、周辺市町村や県との相互協力体制などにつきまして、災害廃棄物処理計画をあらかじめ策定するよう依頼をしておるところでございます。昨年度末で、三十二市町村が計画を策定済みであり、未策定市町村に対しましては計画策定状況のヒアリングを実施し、今年度中にすべての市町村での策定を目標としておるところでございます。

 また、市町村単独での処理が困難な場合に備えまして、平成十九年に策定いたしました岐阜県市町村災害廃棄物広域処理計画を見直しまして、収集車両や処理施設の融通などに関する市町村間の調整に加えまして、民間事業者、国、近隣県への応援要請や調整等につきまして、計画に位置づけてまいります。

 さらに、県をまたぐ広域的な連携体制につきましては、東日本大震災を教訓とし、現在、中部地方環境事務所が中心になって、各県及び政令市も参加し、大規模仮置き場の候補地や連絡体制の整備等について、検討を進めているところでございます。今後も、国における震災廃棄物対策指針の見直し状況等を踏まえ、地震防災行動計画に基づき、各市町村や関係県などとの連携を図りながら、震災廃棄物処理対策に努めてまいります。



○議長(駒田誠君) 二番 水野吉近君。

    〔二番 水野吉近君登壇〕



◆二番(水野吉近君) 次に、介護保険制度改定に係る定期巡回・随時対応サービスについてお伺いします。

 本年四月、診療報酬と介護報酬が同時改定されました。これまで、診療報酬は二年に一度改定され、介護報酬は三年に一度改定されるため、今回は六年に一度の同時改定となり、診療報酬は全体で〇・〇〇四%プラス、介護報酬は一・二%プラスとなっています。

 介護報酬改定のポイントである介護職員の処遇改善については、これまで介護職員処遇改善交付金により一万五千円の給与アップが実施されてきましたが、この交付金は本年三月末で終了となり、かわりに本年度から介護報酬に介護職員処遇改善加算が設けられることとなり、サービスごとに設定された処遇改善加算率を所定の報酬単価に掛けて、その分が上乗せされることになります。全額公費の交付金で賄われていた介護職員の処遇改善は、今後、介護報酬として組み込まれることとなりますが、今後も介護職員の処遇が維持されるようになることは、介護人材確保の意味からもまずはよかったと思います。

 もう一つの改定のポイントは、医療と介護の連携を強化し、在宅療養を推進することにあります。日本の高齢者は今後もふえ続け、団塊の世代が七十五歳を迎える二〇二五年には、六十五歳以上の人口はおよそ三分の一である三千六百万人を超える見込みで、今後、病院などでは、すべての患者を受け入れることは難しくなります。そのため、介護では、在宅の要介護者の生活を支えるため、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスが創設されました。このサービスは、これまで全国平均で一日一回弱であった訪問介護を、必要に応じて、日中・夜間を通じて、看護師やヘルパーが複数回訪問することにより、要介護者が住みなれた居宅で暮らし続けられるようにするのが目的です。また、老人保健施設で、介護予防のためリハビリを積極的に行った事業者に報酬を加算し、要介護者を在宅に戻すほど報酬を手厚くするようにしています。

 医療では、こうした二十四時間対応のサービスに呼応する形で在宅医療を充実させるため、夜間や緊急時の往診の報酬を引き上げたり、夜間や早朝に看護師が訪問した場合、これまでは診療報酬の加算がなかったが、今回の改定で加算されることになりました。高齢者が自宅で医療・介護を安心して受けられるようになれば、入院期間も短縮され、結果的に医師や看護師の負担も軽減されることになります。在宅医療や介護の推進には、定期巡回・随時対応サービスの成否が大きなかぎを握っていると言えます。

 ただ、定期巡回・随時対応サービスの課題も山積しています。例えば、サービスの地域間格差の問題があります。要介護者を訪問する際、都市部では人が密集しているため、効率的に巡回できますが、利用者が点在している地方の過疎地などでは移動時間がかかり過ぎ、迅速な対応は容易ではないという問題があります。

 また、訪問看護師や介護職員の人材確保も緊急課題です。二〇二五年には、要介護者に対応するために現在の二倍の介護人材が必要というデータもありますし、訪問看護の充実には訪問看護ステーションの拡充がポイントになりますが、労働条件は厳しく、訪問看護師を希望する人が少ないのが現状です。訪問看護ステーションは現行制度で常勤換算で最低二・五人の看護職員が必要と規定されていますが、もし一人でも開業できれば、子育てなどで家庭に入った潜在看護師五十五万人を発掘できる可能性があるとの推計もあります。せっかく二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスが創設されても、それを支える人材が集まらなくては、制度は絵にかいたもちになってしまいます。

 そこで、健康福祉部長にお伺いします。

 厚生労働省の調査によると、四月から導入された二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスを本年度中に実施するのは、全国千五百六十六自治体のうち百八十九自治体と、約一二%にとどまっていることが明らかになっています。都道府県別に見ると、大阪府が二十一でトップ、以下、東京都が二十、埼玉、千葉、神奈川の各県がそれぞれ十と続きますが、岐阜県では、二十四時間対応可能な定期巡回・随時対応サービスの提供はどの程度進んでいるのでしょうか。また、私は、まずは比較的効率的に巡回できるとされる都市部を中心に、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスの拡充を図るべきと考えます。今回の介護報酬改定を受け、今後、市町村との連携を強化し、どのように取り組まれるのか、お伺いします。

 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 介護保険制度改正に係る定期巡回・随時対応サービスについてお答えします。

 定期巡回・随時対応サービスは、自治体が事業所を指定し、その事業所がサービスを提供するというものでありますが、今年四月から同サービスについて指定しているのは、大垣市指定の一事業者のみであります。なお、このほか、平成二十五年度までに事業所の指定を目指している自治体は八団体にとどまっております。

 このサービスの実施については、月単位の定額報酬であるため、訪問回数が多いほど採算割れにつながるおそれがあることや、二十四時間体制のオペレーターを設置するのが難しいこと、オペレーターの資格要件が厳しいことなどの課題があり、効率的に実施できると見込まれる都市部においても、こうした課題の克服が容易でないため、実施事業者が伸び悩んでいるものと考えております。このため、まずは今年度介護保険の対象となった、二十四時間対応でもオペレーターの設置までは求められていない身体介護二十分未満のサービスを活用した短時間巡回型の訪問介護の普及に取り組み、あわせて、二十四時間訪問サービスに関する課題の解決に向け、関係者の意見をお聞きしながら、必要に応じて要件緩和等を国に対して要望していきたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 二十五番 野島征夫君。

    〔二十五番 野島征夫君登壇〕(拍手)



◆二十五番(野島征夫君) 私は、県政自民クラブの野島征夫です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、今回は大規模プロジェクトの事業化に伴う交通体系の整備等について、既設道路等の維持補修及び安全対策について、本県の教育行政の推進について、大きく三項目について順次質問をさせていただきます。

 まず最初に、大規模プロジェクトの事業化に伴う交通体系の整備等についてお伺いいたします。

 中部七県に囲まれた内陸県である岐阜県は、日本のまん真ん中に位置し、太平洋側と日本海側の二つの国土軸をつなぐ交通の要衝にあります。太平洋側では、本年四月に新東名高速道路の一部が開通し、日本海側では、北陸新幹線の整備が進められており、金沢−敦賀間の着工方針が決定されたところであります。さらに、岐阜県東部を横断するリニア中央新幹線については、平成二十三年六月、JR東海が概略ルートと駅位置の候補地を公表し、本県では中津川市西部が中間駅の候補地とされ、また総合車両所についても、同じく中津川市への設置が明らかにされました。計画では、着工はわずか二年後の平成二十六年、また東京−名古屋間の開業目標は十五年後の平成三十九年とされており、開業までの期間は決して長くはありません。

 このようなリニア中央新幹線、北陸新幹線という、岐阜県に直接あるいは間接的に関連する二つの国家的な大規模プロジェクトの効果を将来の本県の発展に着実に結びつけていくためには、本県に与えるメリット・デメリットを勘案した上での計画づくりが求められます。特にリニア中央新幹線については、駅を核とした計画的なまちづくりの推進や、駅の機能、利便性を高めるためのアクセス道路の整備が重要であると思われます。本県では、新高速三道の整備を初めとした県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想に基づく道路整備を進めており、東海環状自動車道西回りルートの大垣西インターチェンジから養老ジャンクション間については、ぎふ清流国体開催までの供用を目標に工事が進められております。

 また、東海北陸自動車道については、約六割の区間がいまだ暫定二車線で供用されていることから、交通事故や渋滞が頻発しております。東海・東南海・南海地震などの大規模災害発生時には、緊急輸送道路や代替迂回道路などの命をつなぐ道としての役割も担うことから、抜本的な対策としての四車線化が強く望まれています。このような中、本年四月に、白鳥インター−飛騨清見インター間で四十・九キロメートルの四車線化事業について、総事業費八百九十億円を中日本高速道路が全額負担の上で行われることが決定されました。これは、知事さんを初め関係機関並びに議会の皆様の力強い支援、後押しのたまものであり、長年にわたり粘り強く要望してきた成果であります。地元といたしまして、改めて関係各位に深く感謝申し上げる次第であります。ありがとうございました。

 この四車線化工事は近く着工され、六年後の平成三十年度末に完成予定とのことです。太平洋側の中部国際空港、名古屋港と、日本海側の富山空港、伏木富山港を結ぶ幹線が強化されることは、いわば環太平洋、環日本海が結ばれ、東アジア、大陸ロシアという大規模経済圏へ至る重要なアクセス機能を備えるものです。これらのインフラ整備に伴い、岐阜県と沿線地域がさらなる連携と競争を深め、広域的な観光交流と物流強化、企業立地の促進と地場産業の振興が図られ、世界を視野に入れた活動が高まっていくことが期待されています。このような中、本県としては、今後、相次いで実現化するプロジェクトの効果を十二分に享受するため、個別のインフラ整備を有機的に関連させ、総合的に体系化した交通プランを定めることが肝要であると思います。

 そこで、以下の三点についてお伺いいたします。

 まず一点目、リニア中央新幹線の建設に伴い、駅を核としたまちづくり、並びに駅を拠点に県内各地を結ぶ鉄道、バス、道路ネットワーク構想の構築について、どのような体制で検討され、その結果はいつ、どのように示される予定であるのか、都市建築部長さんにお伺いいたします。

 次に、リニア中央新幹線や北陸新幹線といった大規模プロジェクトを前提とした将来の交通体系、特に基幹的な道路整備については、本県の置かれた現状を踏まえた上で、長期的・総合的な計画を定める必要があると思われるが、本県における検討状況はどうなっているのか、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 三点目、長引く建設投資減少の影響もあり、県内建設業界の経営環境は、依然として厳しい状況が続いております。このため、近く着工される東海北陸自動車道の四車線化工事の発注に際しては、県内企業の活用に配慮されるよう、県として事業主体である中日本高速道路株式会社へ強く働きかけていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。県土整備部長さんにお伺いいたします。

 次に、さきに質問をされた水野先生と重複する部分があるかもしれませんが、お許しをいただきまして、既設道路等の維持補修及び安全対策についてお伺いいたします。

 大規模プロジェクトに対応した新たなインフラ整備が必要となる一方で、既設の道路、橋梁、トンネル等の維持管理、補修の必要性も高まっております。過去において、将来への投資として整備されてきた道路等の公共インフラは、決して今この時点の県民だけのものではなく、将来の県民へも引き継いでいかなければなりません。また、高齢者や児童といった、いわゆる交通弱者が被害者となる痛ましい交通事故が多発していることからも、県民が安全に道路を利用できるよう、施設としての安全性の維持・向上が求められるところであります。このためには、適切な時期、タイミングで工事等を行う必要があると思われます。

 しかし、高度成長期に建設された社会資本が今後一斉に老朽化することが予想される中、限られた予算の範囲内で求められるすべての工事を行うことは困難であり、必然的に選択と集中の考え方により、限られた予算の中で最大の効果が得られる対策を講じなければならないと思われます。

 そこで、以下二点につき、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 一点目、今後、増大することが予想される道路・橋梁・トンネル等の維持補修工事について、補修を要する箇所や業務量をどのような方法で把握しておられるのか、また把握された箇所について、いかなる基準、優先順位により工事を行っていくのか、お伺いいたします。

 二点目、既存の道路改築工事として、交通安全の観点から要望が多いのが歩道の設置です。本議会において、県独自の歩道設置基準を定める条例案が提出されており、今後の改築工事が進むことが期待されますが、すべての要望にこたえて整備することは困難であると思われます。そこで、市街地、都市部郊外、山間部などのさまざまな要望に対して、どのような事項を考慮・検討して整備を進めていくのか、また今後、歩道整備に関する事業拡充の予定はあるのか、お伺いいたします。

 最後に、県の教育行政の推進についてお伺いいたします。

 いつの時代においても、リーダーや指導者と呼ばれる方は、社会経済発展の基礎はそれを構成する人にこそあるとの認識に立ち、教育、人材育成を重視してきました。私も、人づくりなくして岐阜県の、ひいては社会全体の発展はあり得ないと考え、県議会において、過去三回、教育に関連する一般質問を行ってきました。特別支援教育の充実や環境教育の推進、さらには今どきの子供たちについて、私自身の経験をもとに、私なりの視点でお伺いしてまいりました。

 それを通じて見えてきましたのは、本県教育行政の長い歴史と伝統から生まれた先人の偉業であり、時代や社会のニーズに応じ、かつ地域社会の実情を踏まえた確かな人間形成の道を開く教育方針が確立されていることであります。私自身の記憶を重ねてみましても、昭和四十年前後の高度成長期に、若者たちが都市部へ流出し、農山村の過疎化が進み、残された大人たちは地域の将来を案じていました。このような時代にあっては、ふるさとを深く理解し、そのよさを認識し、一人でも多くの若者がふるさとに残るよう、愛郷心をはぐくむふるさと教育が推進されました。昭和五十年代には、障がい児を持つ親と教育関係者の努力により、各学校に特殊学級が開設されました。その後、岐阜県は、平成十八年三月、障がいのある子供たちの教育の充実のため、「子どもかがやきプラン」を策定し、平成二十一年の改定を経て、特別支援教育が推進されています。

 そのほか、現代社会の課題に対した取り組みが時宜をとらえて実施されてきました。高齢化の進展を背景に、子供たちと高齢者との触れ合いを通じ、福祉の心を育てる福祉教育が行われました。環境問題や地域コミュニティーの崩壊など、経済優先による高度成長期のゆがみが顕在化すると、美しいふるさと、豊かな自然環境、生活環境を守る意識が高まり、環境教育が導入されました。また、近年の異常気象、台風や集中豪雨により、全国各地で痛ましい災害が続出しております。東日本大震災の教訓に学び、東海・東南海・南海地震などの大規模災害に備えるためにも、防災教育の必要性が高まっています。

 こういった時代の変化に対応した新しい教育を推進するための指針として、本県では、平成二十年十二月に、「岐阜県教育ビジョン」を策定されました。そこでは、目指す人間像を、高い志とグローバルな視野を持って夢に挑戦し、家庭・地域・職場で豊かな人間関係を築き、地域社会の一員として考え行動できる地域社会人と定め、本県教育の基本理念としているところです。このように、時代背景や社会情勢など、教育を取り巻く環境の変化に伴い、当然ながら新たな課題が発生するため、これらの課題に的確に対応しなければなりません。

 今の世の中で何が大切で何が必要か、この生活危機、経済危機、蔓延している閉塞感をどうとらえ、どう乗り切るか、私は安心・安全な社会をどうつくっていくのか、持続可能な活力ある地域社会を未来に向けて、どう構築していくのか、この二点にあるように感じています。大所高所より英知を結集し、取り組む必要があると思います。そして、今の教育現場にも、このことが求められることではないでしょうか。

 そこで、以下三点、教育長さんにお伺いいたします。

 一点目、平成二十五年度をもって、現行の「岐阜県教育ビジョン」の計画期間が終了します。「第二次岐阜県教育ビジョン」の策定に当たっての基本的な考え方、また「第二次明日の岐阜県教育を考える県民委員会」を設置されると聞いておりますが、当該委員会の役割、委員の構成、策定までのプロセスについて、現段階の状況についてお伺いいたします。

 二点目、防災教育について、児童・生徒の災害への対応能力を養うという事業の目的は、まことに時宜にかなったものであります。今年度から、県下で十六校を指定し、実践研究を行うとのことですが、私は、防災教育は県下すべての児童・生徒に必要であると思います。今回の実践研究を踏まえ、防災教育を全県的に徹底するため、どのような方法をお考えか、お伺いいたします。

 三点目、就職に関し、専門知識を有するキャリアカウンセラーが、東海地域で初めて普通科高校を中心に配置されることとなりました。就職を希望する生徒の適性等に応じ個別相談を行うということで、私もこの事業を高く評価しています。しかし、今年度の配置対象は十五校、予算額は三百八十八万八千円、単純に一校当たり二十六万円となります。考え方はよいとしても、いかにも予算が少ないと思いますが、今後、拡充の予定はあるのでしょうか否か。

 さて、平成二十四年度の教育委員会関係の当初予算額は千六百六十五億円で、一般会計の約二二%を占め、そのうちの人件費の割合は九三・二%であり、教育行政の推進がいかに人にかかっているかを示しております。これまで私が申し上げてきた教育施策も、行財政改革アクションプランによる給与抑制のもと、日々教育現場で頑張ってみえる教職員により支えられているものです。

 知事さんは、さきの平成二十四年第一回定例会において、現在の臨時的給与抑制については、平成二十五年度以降、優先的に解除したいと答弁されました。現場の教職員が希望を持って未来の人づくりに粉骨砕身努力できるよう、必ずこの言葉を守っていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 四点、御質問をいただきました。

 初めに、基幹的道路の整備計画についてお答えします。

 リニア中央新幹線や北陸新幹線、さらに東海道新幹線の岐阜羽島駅の駅間と主要都市や観光地を結ぶ広域基幹道路ネットワークの構築は、中部圏の産業振興や観光交流、地域経済の発展に大いに寄与するものであると考えています。このネットワークを形成する幹線道路としては、東海環状自動車道、東海北陸自動車道、中部縦貫自動車道、濃飛横断自動車道があり、これらの道路は、平成十九年三月に策定した県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想の中でも主要な道路と位置づけています。現在の進捗状況は、整備延長で換算すると五八%で、道路予算の約四割を投入して重点的に整備を進めているところです。

 今後の進め方として、長期的には、すべて高規格道路等でネットワークを完成させる必要があると考えています。しかしながら、当面は、駅の開業時期や財政状況等も勘案し、まずはミッシングリンクの解消、四車線化による機能強化、さらには現道を最大限に活用し、部分的な線形改良やバイパス建設等、多様な整備手法により、コスト縮減も図りながら、道路ネットワークの早期確保に努めてまいります。

 次に、東海北陸自動車道の四車線化工事における県内企業の活用についてお答えします。

 東海北陸自動車道の四車線化事業につきましては、渋滞対策や安全対策の面から、また地域の雇用確保など、経済対策としても大変有効であることから、県は事業許可にあわせ、国や事業主体である中日本高速道路株式会社に対し、四車線化事業の早期完成と、本事業で発注する工事において県内企業や県産品を活用するよう求めたところです。中日本高速道路株式会社では、平成二十二年十月に入札契約制度の改革を行い、技術力のある地域企業が競争入札に参加しやすくするため、比較的小規模な工事において施工地域に本店を有することを参加要件にするなど、一定の取り組みがなされてきたところです。

 今回の工事区間には、十一本のトンネルと、二十七橋の長大橋といった大規模な構造物が多いと聞いておりますが、県としましては、今後とも、国や中日本高速道路株式会社に対し、県内企業の参入機会が確保されるよう、適切な発注規模の設定を求めるほか、共同企業体や下請などによる県内企業の積極的な活用を強く要請してまいります。

 次に、維持補修工事の実施手法についてお答えします。

 道路施設において、定期的に点検や補修を要するものとして、橋梁と舗装が挙げられます。本県における橋梁は四千三百四十橋ありますが、そのうち、災害時に復旧に時間を要する長さ十五メートル以上の橋梁は千六百十九橋で、平成十三年度から、橋梁専門家による五年に一回の定期点検を行い、コンクリートのひび割れや鋼材のさび等を調査し、橋梁の劣化状態を把握しています。舗装については、管理延長四千百七十一キロメートルのうち、二車線以上の二千六百六十キロメートルについて、平成十六年度から、毎年、職員がひび割れやわだち掘れ等を調査し、舗装の劣化状態を把握しています。これらの点検結果をデータベースとして蓄積し、アセットマネジメントの考え方を導入した橋梁長寿命化修繕計画や舗装修繕最適化計画を策定し、損傷が軽微なうちに補修工事を実施しています。さらには、通行規制など、道路の損傷によって生じる社会的な影響をリスクとして評価し、リスクが大きい区間から優先的に補修する社会資本メンテナンスプランの案を本年三月に策定し、現在パブリックコメントを実施しております。今後、これらの意見を参考にしながら、このプランに基づき、補修工事を実施してまいります。

 最後に、歩道の整備についてお答えします。

 県管理道路における歩道の整備状況は三五%で、全国平均の四〇%と比較して低く、さらに近年では、駅周辺や通学路における歩道整備の要望が大変多くなっている状況です。このため、県では、平成二〇年度に人口が集中し、歩行者事故の発生率が高い岐阜市加納西など十一地区をあんしん歩行エリアに指定し、五・九キロメートル区間について、歩道整備などの安全対策を重点的に進めているところです。平成二十三年度までに、四キロメートルの整備が完了し、進捗率は六八%です。

 さらに、本年四月以降、京都府や千葉県などで、登下校中の児童が被害者となる交通事故が発生したことを受け、現在、教育委員会及び公安委員会等と連携し、通学路について、歩道や防護さくの有無などの緊急点検を行い、危険箇所の把握に努めているところです。通学路における歩道の整備率は六四%ですが、今後、この点検結果に基づき、事業拡充について検討してまいります。なお、その際には、今議会に上程している岐阜県県道の構造の技術的基準に関する条例案にある歩道幅員を、これまでの二メートル以上から一・五メートルまで縮小できる規定についても必要に応じて適用してまいります。



○議長(駒田誠君) 都市建築部長 山本 馨君。

    〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) リニア中央新幹線建設に伴うまちづくり等についてお答えいたします。

 県では、昨年九月に、県内全市町村や経済団体等をメンバーとするリニア中央新幹線活用戦略研究会を設置し、産業振興、観光振興・まちづくり、基盤整備の三つの部会において、リニア開業効果を県内に広く波及させていくための具体的な施策について検討を進めております。

 この中で、リニア駅の位置につきましては、今後、リニアを生かした地域づくりを進めていく上で、在来線との乗り継ぎ利便性が重要であることから、「在来線既存駅である美乃坂本駅に併設、もしくはできる限り近接して設置すべき」との意見を取りまとめ、本年四月に、県期成同盟会を通じて、JR東海に対し、要望を行ったところです。今後とも、当研究会が主体となり、地元市町に設置された検討委員会などとも連携するとともに、県民の皆様の御意見もお聞きしながら、リニアの着工前となる平成二十五年度末を目途に、活用戦略を取りまとめてまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教育行政の推進について、三点の御質問をいただきました。

 まず、一点目の「第二次岐阜県教育ビジョン」の策定について、お答えいたします。

 「岐阜県教育ビジョン」は、平成二十年に、岐阜県教育の将来を見据えて、総合的かつ計画的な教育施策の推進を図るために策定した五年間の計画でございます。平成二十六年度を始期とする次期ビジョンにつきましては、現行ビジョンの成果と課題を踏まえつつ、社会経済情勢の変化や東日本大震災が改めて提起した諸問題など、教育を取り巻く課題の整理と、それへの対応策や県民の教育に対する期待、国の動向なども考慮し、策定する必要があると考えております。現段階におきましては、教育に関する各種データの検証や問題点の整理、重点課題の洗い出しを進めており、今後は、その分野に精通した方々に、未来志向的な議論をしていただく場を設け、検討してまいりたいと考えております。また、教育現場や地域へ出向くなど、児童・生徒や保護者を初めとする幅広い県民の声にも十分配慮しながら、次期「岐阜県教育ビジョン」を策定してまいります。

 次に、二点目の防災教育についてお答えいたします。

 自然災害等の危険に際して、みずからの命を守り抜くため、児童・生徒一人一人が主体的に行動する態度を身につけていくことは大変重要なことと考えております。そこで、県教育委員会といたしましては、今年度から、小学校七校、中学校三校、高校二校、特別支援学校四校を防災教育推進校として指定し、学校の種別や、地域で想定される災害の種類に応じた実践的な研究を進めております。例えば、土砂災害を想定している郡上市の郡上東中学校区の小・中学校において、地域の災害の歴史を調べて安全マップを作成するほか、西和良小学校では、学校の体育館で段ボールハウスでの宿泊や炊き出しなどを行う防災キャンプを実施いたします。また、特別支援学校では、障がいの特性に応じ、地域の方々と連携した避難のあり方を研究するなど、一人一人の防災に関する知識・技能向上のための訓練を重ねてまいります。

 今後は、これら推進校の取り組みを、県内の各学校が今現在行っている防災教育にいち早く活用できるよう、随時情報提供してまいります。また、来年度には、推進校の実践発表会を開催するとともに、これらの研究をまとめた防災の手引を作成する予定です。さらには、その手引を活用した講習会を地区ごとに実施するなど、防災教育を一層充実させるよう取り組んでまいります。

 最後に、三点目の県立高等学校におけるキャリアカウンセラーの配置について、お答えいたします。

 高等学校における就職支援については、教育委員会の重点施策に位置づけるなど、大変重要な課題と考えております。そのため、今年度、試験的に就職希望者の多い普通科高校を中心に、キャリアカウンセラーを配置する事業を立ち上げましたが、より効果的な支援のあり方について検討を重ね、来年度は施策を一層充実させ、就職支援をしてまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 十二番 村上孝志君。

    〔十二番 村上孝志君登壇〕(拍手)



◆十二番(村上孝志君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、質問させていただきます。

 平成二十四年、県政運営の基本方針第一は、安全な暮らしを守る防災体制の強化であります。そこで、今回は、県民の安心・安全の面から、身近でホットな課題を三点にわたって、私なりの視点から質問をさせていただきます。

 沖縄では梅雨明けが宣言されました。しかし、今、西日本は、梅雨の真っただ中でございます。この季節には、毎年のように全国各地で土砂災害が発生しており、私たちの暮らしに大きな被害を与えております。そこで、まず第一点目として、土砂災害警戒区域の指定についてお尋ねいたします。

 土砂災害警戒区域とは、土砂災害防止法に基づき、急傾斜地の崩壊や土石流、地すべりの危険箇所を現地調査して、都道府県知事が指定する区域のことであります。指定区域は、災害のおそれのある範囲である警戒区域、イエローゾーンと、土砂の直撃で建物が破壊され、住民に被害が及ぶおそれのある特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに色分けされており、指定後は約五年ごとに現地の改変状況を調査し、必要に応じて指定区域を見直すこととなっております。

 そのような土砂災害警戒区域の指定に関し、県はこのほど、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定について、二年後の二〇一四年度末までに完了を目指す方針を固めました。これは、土石流で三人の方が亡くなられた一昨年の七・一五豪雨災害の教訓を踏まえた対応であるとお聞きしております。県の方針決定により、県内三十四市町村にある土砂災害危険箇所など一万四千七百四十六カ所の指定対象箇所のうち、急傾斜地の崩壊、いわゆるがけ崩れや土石流の危険性がある区域一万四千六百四十一カ所については二〇一三年度末までに、また地すべりの危険性がある区域百五カ所については二〇一四年度末までにそれぞれ指定の完了を目指すということになっております。

 警戒区域として指定を受けた場合、その区域を抱える市町村は、あらかじめ地域防災計画に、土砂災害を防ぐための情報収集や伝達、避難勧告などの発令基準や対象区域など警戒避難体制を定めることが義務づけられるとともに、避難所などを掲載したハザードマップを作成し、地域の住民に配布することが義務づけられます。つまり、警戒区域の指定により、住民に危険箇所があらかじめ周知され、住民の安全な避難に向けたソフト対策が進む効果が期待できるものであります。

 しかしながら、この警戒区域の指定について、課題がないわけではありません。県では、急傾斜地の崩壊や土石流の基礎調査の完了目標を一年前倒しして、昨年度までに予算措置を行っております。また、警戒区域の指定についても、昨年度末までに五千二百八十九カ所を指定しておりますが、指定対象箇所全体に対する割合は三五・九%と、決して高くないのが現状です。地図などで確認された県内の土砂災害危険箇所は一万三千八十三カ所、それに対する割合は四〇・四%であり、全国平均の四九・二%を下回り、四十七都道府県では低いほうから二十番目というのが現状です。このことについて、県も、予算に限りがある中、過去に土砂災害のあったところの調査や指定を優先させてきたと説明しており、市町村によって、警戒区域の指定率や住民説明会の進捗状況にばらつきがあることは認めております。さらに、新聞報道によりますと、三月末時点で、県内で全対象地域へのハザードマップ配布を完了した市町村は、養老町、垂井町、富加町、御嵩町の四町、一部地域への配布も関ケ原町、七宗町、八百津町の三町にとどまっており、なかなかソフト対策が進んでいないのも現状です。

 また、県では、警戒区域の指定に関し、県内各地で住民説明会を精力的に開催しておりますが、地域の住民からは、以前、特別警戒区域の指定を受け、完成した擁壁が国の基準値改正により満たさなくなってしまった。そのため、立ち退きやほかの場所で建てかえざるを得なくなったが、そもそも建てかえの責任は基準値を変えた国にあり、移転や建てかえに必要な費用について個人に負担を求めるのは筋違いではないかとか、土砂災害警戒区域の指定により土地の価値が失われてしまう。価値が失われた場合、固定資産税を減免すべきではないかといった不安と不信の声が聞かれます。

 今後、県は、二〇一四年度の警戒区域の指定完了に向けて、住民説明会等の機会を通じ、警戒区域の指定によるソフト面での効果等を住民に対し説明していくことと思いますが、警戒区域の指定が地域住民の命を守り、危険箇所の周知や伝承、そして土砂災害等緊急時に備えた重要な施策であることや、仮に移転が必要になった場合であっても、国の住宅・建物安全ストック形成事業等の移転に関する支援制度の活用の余地があることなどについて、住民の皆様に対し十分に説明を尽くすことにより、住民の皆様の誤解や不安を取り除き、警戒区域の指定に関する理解を深めていただくことが大切であると思われます。

 そこで県土整備部長にお尋ねいたします。

 一点目として、二〇一四年度の土砂災害警戒区域の指定完了に向け、具体的なスケジュールについてお尋ねします。二点目として、警戒区域の指定には、地域住民への十分な説明と地域住民の理解が不可欠であると思います。警戒区域の指定について、地域住民の十分な理解を得るために、県として、今後どのように取り組んでいくお考えか、お尋ねいたします。

 次に、リニア中央新幹線建設計画に対する地域住民の不安解消に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 先ほども質問がございました。既に御承知のとおり、リニア中央新幹線は磁力で車両を浮かせて走る超高速のリニアモーターカーです。最高時速五百キロで、東京−名古屋間を最短四十分、東京−大阪間を六十七分で結ぶ計画で、まず東京−名古屋間を二〇二七年の開業に対し、今努力しているところであります。また、二〇四五年の全線開通を目指しております。

 リニア中央新幹線については、昨年六月に、環境影響評価方法書により、中津川市西部に中間駅である岐阜県駅と車両基地が設置されることが明らかとなり、十一月には、JR東海が中間駅の建設費の全額について自己負担をする方針に変換したことにより、建設に向けた動きが加速してまいりました。

 一方、昨年五月には、県、市町村、経済界等の有識者により構成される「リニア中央新幹線地域づくり研究会」が、開業後の目指す姿やリニアを活用した施策展開の方向性を「リニア基本戦略」として取りまとめたところであります。今後は、リニア新幹線を活用した観光交流人口の拡大や地域産業の活性化、移住・定住の推進など、リニアを活用した地域づくりに向けた具体的な施策について、検討が進められていくことと思います。

 また、二〇一四年度の建設着工に向けて、知事は、建設主体であるJR東海に対し、駅が建設される中津川市のほか、多治見、土岐、瑞浪、恵那、可児の各市と可児郡御嵩町からの意見を受け、環境影響評価(アセスメント)調査について、三十四項目からなる意見書を手渡しております。そのうちの三十三項目については、準備書に記載することとし、その意見を付して、県の地域特性に留意し、適切なアセスメントをしてほしいと求められました。今後は、それに基づき、JR東海により環境影響評価準備書の作成などの準備が進められていくことになります。

 そのような中、今月十三日、中津川市で、中部地方で初めてとなる住民説明会が開催されました。ちなみに、沿線地域全体では山梨県に次いで二カ所目とのことでございます。この説明会には、公募による地域住民や周辺都市の人たち約五百人が出席し、リニア中央新幹線の建設主体であるJR東海から、県内における路線の概要や環境影響評価などについて説明が行われました。当日は、私も地域住民の一人として出席させていただきましたが、限られた時間の中で十四人が発言し、小規模な説明会の開催を求める声や、騒音や振動、そして土壌汚染といった環境への影響を懸念する声が多く聞かれました。

 ここで、どのような声が聞かれたのか、幾つか紹介をさせていただきます。

 まず、騒音や振動については、「県内のルート予定地には、一万人が住む住宅団地がある。これは可児市の住宅団地のことでございますが、その騒音や振動による環境評価をどのようにするのか、安全性を提示してほしい」という声が上がりました。また、土壌汚染といった環境への影響については、東海環状自動車道のトンネル工事の掘削土の野積み処分場から雨水で重金属が溶け出し、周辺の河川や水田が汚染された事例を挙げながら、「ルート予定地沿線では、有害物質による環境汚染が起こるおそれがある。そのため、十分な調査と対処が必要である」といった意見や、「ルート予定地には、希少種のシデコブシやハナノキの群落があり、建設による水環境の変化などの影響が心配される。また、元東濃鉱山のウラン鉱脈もあり、トンネル掘削でウランを含む岩石が排出され、放射能汚染を招くおそれがある」など、環境への影響について懸念する声が数多く聞かれました。そのような意見に対し、JR東海からは、「発生が見込まれる磁界の予測値は国際的なガイドラインを下回っており、人体や日常生活に影響を与えることはない」、「土砂はできるだけ事業で使い、残土が残った場合は独自の処理場を設けたい」。さらに、「掘削による有害土の処分について、使える土は使い、有害土は処分場をつくって対処する」などの回答がなされましたが、出席した方々は、リニア中央新幹線の建設について大きな期待を抱く反面、環境面などについて、不安と危惧を抱いているように私は感じました。

 当然ながら、私自身、これまでも期成同盟会の総会や勉強会などに幾度も参加させていただいており、リニア中央新幹線がもたらす観光交流人口の拡大など、地域に与える効果などについて大きな期待をしております。しかしながら、地域住民の皆様が環境への影響などについて不安と危惧を抱いているのも事実であります。地域住民の皆様の不安や危惧を取り除き、県民みんなで、リニア中央新幹線の早期完成を待ち望みたいという思いから、都市建築部長にお尋ねをいたします。

 リニア中央新幹線について、地域住民の不安と危惧を丁寧に取り除いていくために、その効果について理解をしていただくことが重要であると考えます。そのために、県として、今後どのように建設主体であるJR東海に対し、交渉や働きかけを行っていくのか、お考えをお尋ねいたします。

 最後に、安全・安心な地域づくりについてお尋ねいたします。

 近年、少子・高齢化の進展による地域の担い手の減少や高齢化、さらには地域における人と人とのつながりの希薄化などにより、地域で支え合う機能や、地域みずからが課題を解決する能力の低下など、地域コミュニティーの弱体化が指摘されております。県が県内市町村に対して行った自治会の課題に関するアンケートで、県内市町村のうち、二十七の市町村、割合にすると約六割の市町村が、自治会の役員などの後継者不足や高齢化を課題としてとらえていることが明らかになりました。また、市町村によっては、未加入世帯の増加も課題としてとらえており、自治会加入率の四十二市町村平均が約八五%である中、三つの市が七〇%を下回っているとのことであります。さらに、パンフレットの配布など、自治会加入率向上に向けた対策を行っている市町村は全体の約四割、連合自治会においては全体の約二割という結果も明らかになり、自治会の加入率の向上に向けた対応も不十分であるという実態が明らかになりました。

 これまで、地域の自治会は、地域住民が支え合う仕組みづくりや、高齢者等の社会的孤立を生まない地域のきずなづくりといった役割を果たしてきました。急速な高齢化で見守りが必要な対象者が増加している現状において、その役割は非常に大きいものがあり、安心・安全な地域づくりを進めていく上で、自治会の機能強化は不可欠であります。県においては、アンケートの結果を分析し、自治会加入率の向上等、自治会の機能強化に向けた施策をぜひ展開していただきたいと思います。

 また、安全・安心な地域づくりについて、地域の諸問題を考えたとき、空き家の増加も大きな問題と言えます。限界集落などの過疎地だけではなくて、高齢化などの理由により、自分の子供の家や福祉施設などに住民が移っている首都圏や関西のベッドタウンなど、都市部でも空き家の増加は目立っております。二〇〇八年の調査では、空き家の戸数は全国で七百五十七万戸に上り、過去十年間で百八十万戸増加しております。そのため、全国各地では、家屋の崩壊や犯罪への利用、放火の発生などの問題が起きており、空き家対策条例などの対策を講じる自治体も出ております。

 また、最近、地域における犯罪抑止策として脚光を浴びているものに、防犯カメラ、監視カメラがあります。近年、車上ねらいや殺人事件等の犯罪、そして高齢化による行方不明者事案なども増加しております。私は、その防止・解決策として威力を発揮するのが、銀行、コンビニのATMなどに設置されている防犯カメラ、監視カメラだと思います。しかし、こうしたカメラの設置は、プライバシーなどの問題から、地域住民がみずから取り組んでいくものでありますが、安全・安心な地域づくりとしても有効な取り組みだと思いますので、県としましても、その設置増強に対し、積極的に支援していただきたいと思います。

 さて、私の地元である可児市に若葉台という大規模な住宅団地があります。この若葉台地区は、可児市内で最初に開発された丘陵地の大規模団地で、名古屋地域への通勤圏内でもあり、昭和四十年代にできた一戸建て住宅団地でございます。団地内には、今も約三千二百人が居住しておりますが、分譲から約四十年が経過した今、子供世代の転出などで高齢化率は三七%に達し、市の平均である二〇・五%と比べて突出しております。現在、見守りや生活支援のニーズの高いひとり暮らしの高齢者は百二世帯、さらに七十五歳以上の高齢者のみの世帯も百一世帯あり、合わせると総世帯千三百三十世帯の一五%を占めております。

 このように、急速に高齢化が進んでいる若葉台地区が、住民同士で支え合っていくことの大切さが地域の共通認識となっており、熱意と意気込みが感じられる、地域の関係団体が連合組織を結成し、各団体が活動の担い手となるリーダーの育成や輩出を積極的に行っているなどの理由により、県から「地域の絆づくり重点推進モデル地域」の指定を受けました。今回のモデル地域の指定は、急速な高齢化が進む中、地域のきずなづくりに対し、積極的に取り組んできた地域の皆様の御努力が評価されたことであり、同じ地域に住む者として、非常にうれしく思います。今後、買い物代行や家具の移動など、日常生活での支援を受けたい高齢者等を中心に、地域の住民がボランティアで助け合う「地域支え合いセンター」の設置など、地域住民組織と県や市町村が一体となって地域のきずなづくりを総合的・重点的に推進していくことになりますが、急速な高齢化が進む住宅団地における支え合い活動のモデルとなることを期待しております。

 そこで、環境生活部長にお尋ねいたします。

 一点目として、地域の絆づくり重点推進モデル地域に対し、県は、今後どのような支援を行っていくお考えか、わかりやすくお答えください。二点目として、モデル地域での取り組みについて、今後どのように県内各地へ普及させていくお考えか、お尋ねいたします。

 以上、大きく三点について質問してまいりました。執行部の前向きな御答弁を期待し、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 環境生活部長 秦 康之君。

    〔環境生活部長 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部長(秦康之君) 地域の絆づくりモデル事業に関しまして、二点御質問をいただきました。

 まず一点目、モデル地域に対する県の支援につきましてお答えいたします。

 県としては、可児市や関係機関と連携しながら、四つの観点から支援を行ってまいります。まず一つ目でございますが、住民組織が進める支え合いの体制づくりの支援でございます。可児市若葉台では、住民によるボランティア活動の拠点となる地域支え合いセンターの設置や、高齢者をスーパーや病院に送迎するための車両の購入などに助成し、支援してまいります。二つ目といたしまして、地域の課題解決を支援する地域いきいきサポート事業がございます。例えば防災の分野では、災害時における避難所設営の訓練を行いたいけれども、どうやればいいのかといったような場合に、防災の専門家や先進地域のリーダー、県職員などで編成いたしますサポートチームを派遣し、専門的なアドバイスを行います。三つ目でございますけれども、孤立する人をつくらないための支援がございます。地域で孤立し、支援が必要な人を早期に発見し、福祉などの関係機関につなげる「絆コーディネーター」を養成するため、自治会、福祉関係者などを対象に、実践的な研修会を開催いたします。さらに四つ目として、地域のさまざまな活動を支える担い手を発掘し育成するため、企業などで働く現役世代やリタイアした団塊の世代などを対象に、地域活動への参加のきっかけづくりとなる体験型の出前講座を開催します。こうした四つの事業を通じまして、モデル地域のきずなづくりを総合的に支援してまいります。

 次に二点目、モデル地域の取り組みの県内の普及についてお答えいたします。

 今年度、モデル地域に指定しました可児市若葉台は、急速な高齢化が進む戸建て住宅団地のモデルでございます。モデル地域の取り組みの県内への普及に向けましては、モデル事業の成果の検証を行い、課題を抽出し、改善策を検討した上で、県内各地にございます住宅団地の自治会の皆さんや地域の福祉関係者、市町村職員にお集まりいただき、成果報告会を開催するほか、県ホームページなどを活用して、モデル地域の取り組みを広く情報発信してまいります。さらに、モデル地域の取り組みを新たに導入したいという地域に対しましては、可児市若葉台のリーダーやキーパーソンをアドバイザーとして派遣し、きめ細かく継続的に支援していく手法も検討してまいりたいと考えております。

 こうした取り組みにより、住宅団地におけるきずなづくりのモデルとして、県内各地への普及を図ってまいります。



○議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 土砂災害警戒区域の指定について、二点御質問をいただきました。

 初めに、土砂災害警戒区域の指定に向けたスケジュールについてお答えします。

 県内における土砂災害警戒区域の指定箇所数は、急傾斜地の崩壊の危険区域で八千二百六十二カ所、土石流の警戒区域で六千三百七十九カ所、地すべりの警戒区域で百五カ所、合わせて一万四千七百四十六カ所を予定しています。このうち、現在の指定状況は、平成十八年度から平成二十三年度までに五千二百八十九カ所、三六%の指定を完了したところです。残る九千四百五十七カ所のうち、六月時点で千四百七十九カ所については既に地元説明会を終了しており、今後、市町村長の意見をお聞きした上で指定してまいります。

 さらに、今年度末までに四千百カ所の指定を追加し、これまでと合わせて一万八百六十八カ所、率にして七四%の指定を行う予定です。残る三千八百七十八カ所につきましては、平成二十五年度、二十六年度の二カ年で行うものとし、平成二十六年度までにはすべて指定を完了するよう努めてまいります。

 次に、地域住民の理解を得るための取り組みについてお答えします。

 土砂災害警戒区域の指定に際しては、これまで二十六市町村で延べ五百一回の説明会を開催し、一万一千六百人の方に参加いただいております。説明会では、住民みずから危険な箇所を知ることの重要性や指定の必要性の意見が出される一方で、一部地域では、地価の下落による財産権の侵害、観光地のイメージダウン等の意見や、住宅移転や建てかえに対する補助金等の要望が出され、指定に対する理解を得られない場合もあります。

 現在、県では、土砂災害警戒区域の指定の地元説明会に当たっては、自治会等の小規模な単位で開催することや、土砂災害の発生の仕組みや恐ろしさ、現地の地形状況について、映像やGIS等を活用してわかりやすく説明することに心がけているところです。

 県としましては、今後とも、土砂災害警戒区域の指定は人命を守る極めて重要な情報であることや、住宅移転に関する支援制度などを住民の皆様に粘り強く丁寧に説明し、警戒区域の指定に関する理解を深めていただくことに努めてまいります。また、土砂災害警戒区域の指定後も、市町村と連携し、住民の皆様が土砂災害への備えを自主的に行えるよう、住民参加型ワークショップへ積極的に参加し、ハザードマップ作成を支援してまいります。



○議長(駒田誠君) 都市建築部長 山本 馨君。

    〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) リニア中央新幹線に関する取り組みについてお答えいたします。

 リニア中央新幹線は、本県の発展にとって必要不可欠な交通基盤であると考えており、建設の推進に当たっては、環境面での影響など、沿線地域の住民の不安解消が重要であると考えております。このため、JR東海に対し、本年二月、環境影響評価方法書に対する三十四項目にわたる知事意見を提出いたしました。また、この四月には、県期成同盟会より、ルートの絞り込みに当たっては環境保全等に配慮するとともに、沿線自治体の意向を十分反映するよう申し入れを行いました。六月には、JR東海と県期成同盟会の共催により、中央新幹線計画及び環境影響評価に関する住民説明会も開催したところです。

 一方、リニア中央新幹線の開業効果について、県民の皆様に御理解いただくことも重要であると考えており、県内全市町村等で構成するリニア中央新幹線活用戦略研究会によるシンポジウムの開催等を通じて、県民の皆様への周知にも努めてまいります。

 県といたしましては、今後とも、沿線地域の住民の不安を解消するため、さまざまな機会をとらえて、JR東海に対し、きめ細かく説明するよう申し入れを行うなど、丁寧に対応してまいりたいと考えております。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十四分休憩



……………………………………………………………………………………………





△午後零時五十九分再開



○副議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) それでは、日本共産党を代表いたしまして、順次質問をいたします。

 最初に、消費税の増税について、知事にお尋ねします。

 国会では、消費税増税をめぐって、民主、自民、公明が談合である三党合意をもって、おととい二十六日に衆議院本会議で強行採決をいたしました。民主党は、国民と約束した国民の生活第一としていた子ども手当、年金の充実、後期高齢者医療の廃止などの公約は三党合意でことごとく撤回し、さらに国民と約束していない消費税増税、これは任期中は増税しないと言いながら、その増税に命までかけるという信じがたい野田内閣のやり方であります。消費増税一〇%への引き上げで、国内全体で十三・五兆円の負担増、大和総研の試算では、夫婦と小学生の子供二人の標準世帯で、年収三百万円の世帯では十万七千円、年収五百万円の世帯では十六万八千円の負担増と計算しています。給料や年金が目減りする中で、生活には大打撃です。みんなで負担してもらうと言いますが、もうこれ以上は負担できないという声が満ち満ちております。国民の六割は増税に反対です。

 そもそも消費税は、低所得者に重い負担を強いる逆進性の強いものです。負担能力があるところから払ってもらうという税の原則に反しています。消費税の最大の欠陥は、消費者から預かったはずの税金を事業者がかわりに納めるという前提です。ゆえに間接税と呼ばれますが、預かったものをそのまま納めるという単純な構図にはいきません。例えば、ある会社が二千万円で仕入れをした。払った消費税は五%なので、百万円で合計二千百万円ということになります。ところが、売り上げは一千万円しかなかった。その消費税も五十万しかないので、この場合、売り上げで預かった消費税五十万円から、仕入れで払った消費税百万円、その差額が五十万円。このマイナス五十万円はどうなるのか。預かっていないと幾ら主張しても、これはチャラにはなりません。たとえ赤字でも身銭を切って支払うわけです。これが消費税の根本的欠陥です。

 一方で、製品に全部転嫁できる大企業は痛くもかゆくもなく、それどころか、輸出企業には、海外では消費税が取れないからという消費税の戻し税というのがあります。全体で年間二兆五千億円、元静岡大学教授、税理士の湖東京至氏によると、トヨタ、ソニー、日産自動車、東芝、キャノンの上位五社だけで、二〇一〇年度五千八百五十一億円、トヨタだけでも二千二百四十六億円です。これが消費税一〇%となれば、約倍の四千五百億円が戻ってきます。返す返すも庶民にとって不公平な税制であり、財界言いなりでの消費税率引き上げには断固反対であります。

 私ども日本共産党は、消費税に頼らずとも、財源はあるという具体的な提案をしています。それは、どこにあるかといいますと、あるんですよ。まず、無駄遣いを徹底的にやめると言ったんだけれども、使いもしない戦闘機や軍艦を買っているでしょう。それから、思いやり予算もそのまま。それと、富裕層にまず払っていただく、こういうところで、ざっと二十兆円ぐらいは出てきます。その後、経済成長が起こるということを提案しておるわけです。

 前回も、消費税増税すべきでないという立場でお尋ねしましたが、知事は社会保障の安定財源が確保できると、増税を認める答弁でありました。これまでも、消費税は福祉のためと言いながら全然そうはなっていなくて、国民の社会保障への自己負担はふえるばかりです。今回、引き上げられる消費税分五%、十三・五兆円のうち、新たな社会保障充実に使われるのは二・七兆円、五%のうち、たった一%です。残り四%は既存の社会保障費の財源と、消費税が置きかわるだけということもはっきりしています。

 さらに、岐阜県にとって必ずマイナスの影響があるはずです。例えば、県立病院の経営に与える影響ですが、全国自治体病院協議会、九百二十六病院が加盟していますが、今年七月に行った緊急調査で、二〇一〇年に負担した消費税、損税は、一病院当たり、平均で一億二千四百万円、同協議会は五百床以上の病院では、年間三億円以上もの負担となって、病院経営を圧迫していると報告しています。医療費は、消費税非課税扱いではありますが、医薬品や医療機器、給食材料などすべての仕入れに消費税がかかり、収入は診療報酬で決められていて、実質的に病院は仕入れに対する最終消費者として自己負担せざるを得ない立場です。

 次に、交通事業者への影響ですが、昨年十二月の政府税制調査会において、国交省が提出した乗り合いバスに対する消費税の影響という意見では、利用者の大幅な逸走−−お客さんが逃げるということですけれども−−が懸念されるため、運賃値上げによる消費税の転嫁は事実上困難と言っています。現在でも、人口減や過疎化で大変厳しい経営の中、当然であります。もし料金値上げをすれば、ますます乗客減になり、赤字路線をふやしてしまう。そうなると撤退かという話になり、ますます公共交通の役割が果たせないという悪循環になります。まずは、自動車に乗らず、あるいは乗ることができない、バスなどの公共機関を使っている乗客に大打撃なので、これは避けるべきです。そして、交通事業者にとっても大変深刻で、経営努力といっても、今でもぎりぎりであり、料金に転嫁せざるを得ないが、それでも乗客が減り、また赤字がふえるかもしれない。そうなれば、現在行われている国や県からの補助制度などでの財政支援もふえることになります。三者にとって、いずれもマイナスです。

 また、消費税は、再来年度に八%、その翌年に一〇%への引き上げを実施すると言いますが、庶民にとっての死活問題は、中小零細業者、地場産業への影響です。先ほど、預かれない税を無理やり取られる消費税制の欠陥を申し上げました。中小企業庁が商工会議所など四団体に依頼した調査では、消費税の転嫁について、二〇一一年と、そしてもし今後一〇%になったらどうなるかという調査をしていますが、売り上げ三千万以下の事業所では、今でも六一%が転嫁できていないというのが、一〇%になったら六六・七%が転嫁できないに、三千万円以上二億円以下では五〇%から五六・七%、二億円以上売り上げている企業でも、現在三五%から四四%が転嫁できないと答えています。

 政府答弁では、「消費税を転嫁する環境をつくる」と盛んに言っていますが、零細業者や小売業が単純にあと五%の値上げをすれば、お客が来なくなるか、仕事が逃げる。また、下請などは、消費税を上乗せた請求をすれば、発注元から手間賃のほうで安くして、これまでどおり同じ額でやってくれと頼まれる。これでは、商売が続けられないと悲鳴が上がるのは当然です。

 県内の具体例ですが、配管業を営んでいる自営業の方で、家族が三人、従業員も三人、何とか雇用し続けていて、売り上げが三千六百五十万円なので消費税がかかってきます。収支決算では二百五万円の赤字でした。ところが、消費税は六十七万八千円、商売上必要な車の更新もできずにいます。この先、消費税率が倍になれば百三十五万円の負担です。新車一台買える額です。これ以上の負担増となれば、従業員を解雇するか、廃業しかないというところに追い込まれています。

 消費税とは、このように県民の営業・雇用を壊し、ひいては県税収入が減収につながる悪税だと思います。知事は、これら税率引き上げによるマイナス影響に対して、先ほど紹介した具体的な分野、また県税収入への影響も含めてどのような認識を持っておられるのか。また、それを踏まえて、消費税について、今からでも増税中止を申し入れるべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 消費税率の引き上げに伴う影響について、御指摘がありました具体例に基づいて、まずお答え申し上げます。

 県立病院につきましては、増加する消費税負担が診療報酬で手当てされるのかという懸念がございます。この点について、一連の議論の中で、国は、設備投資額が大きい病院の負担増を考慮した上で、診療報酬の引き上げ等で対応するというふうにしておられるわけでございます。

 次に、交通事業者につきましては、これまでの消費税率の引き上げと同様に、消費税分を反映する運賃改定が行われることが恐らく基本になるのではないかというふうに思うわけでございますが、この結果としての収支への影響も懸念されるわけでございます。この点につきましては、地域の足としての交通機関に対してどのような影響がもたらされるのか、十分状況を注視し、必要な対応を行ってまいりたいということでございます。

 また、中小企業等におきましては、特に価格転嫁の問題が大きく懸念されておるわけでございますが、これまた一連の議論の中で、国においては、消費者や事業者への広報や、消費税の転嫁の要請を一方的に拒否するなどの不公正な取引の取り締まり・監視強化など、必要な措置を講ずるというふうにしておられるところでございます。

 一方、県税収入への影響でございますが、直接的には、地方消費税の増収として二百数十億円が見込まれるところでございます。同時に、消費税率の引き上げの影響を初めとする景気動向、消費税関連法案で見直すとされております自動車取得税等の制度改正などによる影響を受けることも考えられるわけでございますが、これらについては、現時点で具体的な影響額を見込むことは困難でございます。

 今般の消費税率の引き上げにつきましては、社会保障制度を支える世代が減少する中で、また財政リスクへの市場の懸念が高まる中で、財政問題への対応は先送りにできない課題であるというふうに認識しておるわけでございます。その意味で、国民全体で幅広く負担をする消費税を社会保障の安定財源とすることは重要な取り組みであるというふうに考えております。しかしながら、今般の社会保障と税の一体改革の議論の中で、果たして社会保障改革について十分な議論が行われたのか、また国として徹底した歳出削減や行政改革が行われたのか、大いに疑問があるところでございます。したがいまして、改革の具体的な将来像について、今後、早急に国民的な議論を深めていくことを国に求めてまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) 続いて、原発問題に関連してお尋ねします。

 まず、大飯原発を含む再稼働問題です。

 原発問題の一番の根本問題は、政府がレベル七という最悪の福島第一原発の事故があったにもかかわらず、今後は原発に依存しないという方向にしっかり転換できていない、こういう決断ができていないということです。それがあって、初めて節電や新しいエネルギー開発への知恵も意欲もわき、政策も出るというものです。しかし、情けないかな、日本の原発事故を受け、ほかの国では脱原発を表明するところもあるのに、日本政府はどうしても原発にしがみついています。野田首相は、国民生活を盾にとって、関西電力大飯原発三・四号機の再稼働を表明しました。再開の理由の一つは電力不足ですが、そもそも国民の命を危険にさらす原発再稼働をてんびんにかけることが間違いです。今も、三・一一で福島原発からの避難区域におられた被災者の皆さんが避難生活を強いられて故郷に戻れないという現状の中で、事故の検証もない中、よく再稼働と言えたというふうに思います。

 この間も、原子力安全委員会の斑目委員長に原発メーカーから三百万円の研究資金が渡っていたとか、大飯町の議員の関連会社が関電の印刷業務を請け負っていたとか、責任をとって辞任したはずの東電の役員は、八人もが関連会社に平然と天下っている、こういう報道もありました。原発の利権に群がる、いわゆる利益共同体の壁が全く破られていないところに問題があります。

 大体、再稼働の判断には全く根拠がありません。五月に北海道電力の泊原発が停止しても、決定的な危機は訪れていません。関電は、この夏、一五%の電力不足、原発再稼働で一〇%で済むと計算していますが、これは大口契約者との需給調整にある需要削減を考えていない。揚水発電の過小評価、周辺電力会社からの融通を過小評価しており、民間の環境NPOやニッセイ基礎研究所は、夏の需給見通しで、電力は不足しないと推計しています。日本総合研究所は、具体的に供給量を増大させている東電から百万キロワットの融通を受けること、その他の電力会社から夜間電力七十万キロワットを融通することで揚水発電能力を高め、電力不足は回避可能だと報告しています。また、新聞各紙の世論調査では、「再稼働がなくても、電気使用が制限された場合でも我慢できる」が七七%(毎日新聞)、「不便があってもよい」六〇%(日経)という結果を見ても、既に国民は原発頼みの政策を見放していることがわかります。二十三日には、原発再稼働中止を求めて、首相官邸前に四万五千人が集結しました。毎週金曜日にこの集まりはやられているそうです。

 また、野田首相も細野担当大臣も安全性を確認したと言いますが、地震対策も従来の前提が次々と覆って、大飯原発周辺にある複数の活断層が連動したら、関電の想定を超える揺れが襲ってくるという計算結果もあります。また、大飯原発敷地内には断層が存在すると指摘する学者もおります。防波堤のかさ上げは二〇一四年三月が完成予定ですが、福島の津波は想定より九・五メートル高かったというだけで、その数字を上乗せただけです。また、条件とした安全対策も、免震事務棟やフィルタつきベントは四年後につくる予定でよいともされています。とても安全とは言えず、再稼働判断には根拠がありません。結局、また原発事故の元凶であった安全神話の復活にほかなりません。

 この間、我が岐阜県議会も、さきの五月臨時議会で大飯原発再稼働への慎重対応を求める意見書を提出しましたし、ほかにも岐阜市、恵那市、関市、大垣市、下呂市などの議会が意見書を上げています。岐阜県が設置した震災対策検証委員会の原子力分科会専門部会での中間報告が出され、それを踏まえて、知事も先般二十二日に、枝野、細野両大臣に要望に行かれています。三月に、市民団体が行った風船マップを示して、風下県の立場を強調されたようですし、原子力災害対策措置法の改正案には、防災対策を重点的にするべき地域とされるUPZに岐阜県も含まれます。であるなら、肝心なことは、幾重もの対策をもっともっととってくれと要求するより、まず原発の再稼働はすべきでない、原発依存のエネルギー政策は転換すべきということを申し入れるべきだと思います。改めて、政府の再稼働判断について知事の見解を伺います。

 続いて、瑞浪の超深地層研究所についてお尋ねします。

 政府が原発に依存し、動かし続ける限り、核廃棄物は排出されます。核燃料のリサイクルといっても、プルサーマルや高速増殖炉「もんじゅ」も原発以上に技術的に未熟で大変危険です。再利用しても、なお廃棄物も出てきます。先日、それまでふぐあいで動いていなかった青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で高レベル放射性廃液のガラス固化体製造試験を再開したと、日本原燃が発表しました。原発再稼働とあわせて、核の最終処分の具体化が進む可能性があるというふうに私は懸念をいたします。六ケ所村の貯蔵能力は三千トンですけれども、現在二千八百五十九万トンで、ほぼ満杯になっております。特定放射性廃棄物の最終処分について定められている基準は、地下三百メートル以上であります。

 そうなると、だれもが一番現実味がある最有力候補は、現在、地中三百五十メートルを掘り進めている北海道の幌延町、さらに五百メートル掘っている岐阜県瑞浪市だと考えるでしょう。ただし、幌延町は、処分場への高レベル放射性廃棄物の持ち込み拒否条例をつくっていて法的根拠を持っておりますが、岐阜県には条例がありません。ただ、岐阜県には、平成七年に、当時の機構、瑞浪市、土岐市、岐阜県が覚書として、ここは研究のみで、高レベル放射性廃棄物の持ち込み処分は行わないというふうに申し合わせた四者協定があります。仮に、この研究施設がそのまま処分場にならなくても、周囲の土地については何の覚書も申し合わせもないのです。岐阜の地層で研究したデータを、九州や四国など、とんでもなく遠いところに当てはめられるのかは甚だ疑問です。この際、知事にお尋ねしておきますが、現在の超深地層研究所が最終処分場にならないことは、これは協定に基づいてもちろんですけれども、岐阜県内のどこでも高レベル廃棄物の最終処分場はつくらせないということでよろしいでしょうか。

 超深地層研究所は、平成七年から研究が開始されました。当時の動燃−−動力炉・核燃料開発事業団が作成した超深地層研究計画書によりますと、地層科学研究はおおむね二十年のスケジュールだというふうに書いてあります。おおむねということですけれども、あと三年で二十年、平成二十七年を迎えます。これを一区切りとして研究所は閉鎖をしてもらい、県民への安心を保障すべきだと思います。岐阜県の役割は、この間二十年間の研究成果でいいんじゃないでしょうか。

 また、先日、原子力安全委員会が、核燃料サイクル政策にかかわって、原発依存度と使用済み核燃料の処分に関する報告書というのを出しました。その中には、例えば原発依存が一五%なら、再処理と直接処理を行うというような提案がなされています。これまで、瑞浪の研究対象は、再処理済みのガラス固化体であって、直接処分となれば、量も重さも大きさも全く違ってきます。こうした研究テーマが追加されることも懸念するわけですが、少なくとも新たな研究テーマは受け入れないということも明言していただけますでしょうか。

 そして、地元 瑞浪市は、原発研究の所在市交付金を年間約五億円、また周辺市町村もそれぞれ電源立地交付金を受けていて、これが一般会計に入るわけですから、そう簡単に翌年からゼロというわけにいかない事情もあるとは思います。ですから、国において、段階的解決策を図るなどの配慮が必要だと思います。それも踏まえて、瑞浪市など周辺の地元自治体や国とも協議していただきたいと思います。いずれにしても、平成二十七年までにそれほど時間はありません。今後、どのような方向で協議されるのか、お尋ねをいたします。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、政府の大飯原発再稼働の判断についてのお尋ねでございます。

 原子力発電所の再稼働につきましては、何といっても安全性を第一に検討を進めるべきであるというふうに考えております。この安全性という点で、六月八日に行われました総理の記者会見では、今回の再稼働の安全判断基準は暫定的なものであるというふうに言っておられますし、また今後の規制の刷新についても言及しておられます。さらには、国の中・長期的なエネルギー政策についても、八月を目途に策定することになっているという話でございました。こういった点を考えますと、今回の判断は結論を急いだ感が否めないというふうに感じております。

 これまで国は、原発再稼働に関しまして、行政指導、政治判断を繰り返してきておりますが、本来、原子力発電所の再稼働については、まず福島第一原発事故の徹底検証を踏まえ、法とルールにのっとり、新たな安全規制機関のもとで、厳格な安全基準に基づいて慎重に判断されるべきものであるというふうに考えております。

 岐阜県としては、議員もお触れになりましたが、専門部会を設置いたしまして、政府の判断基準などについていろいろと御検討いただき、先週、中間的な意見報告があったところでございます。こうした専門部会の意見、あるいはこれまでの県議会、県内市町村議会等々の御意見を踏まえながら、先週、枝野大臣、細野大臣に対して、大垣市長、揖斐川町長とともに直接訪問し、原発再稼働に係る安全確保について緊急要望を実施したところでございます。今後とも、安全性を第一に、大飯原発の再稼働のみならず、今後の原発再稼働につきましても、国に対し、積極的に意見を表明してまいりたいと考えております。

 次に、瑞浪の超深地層研究所についてでございますが、三点お尋ねがございました。

 まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の問題でございますが、これに関しては、県として、処分場をこの研究所敷地のみならず、県内に受け入れる考えはないということは常々申し上げているところでございます。現在も、これまでの考えに全く変わりはありませんし、今後もこの方針を変更することはないということでございます。

 次に、瑞浪超深地層研究所の研究テーマでございますが、この研究所におきましては、使用済み核燃料の再処理後に発生する高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の地層処分に関して、その研究開発の基盤となる地層科学研究を進めるというふうに認識しております。このことは、平成七年十二月に、旧動燃が作成した超深地層研究所計画においても、研究所の位置づけとして明確にされているところでございます。一方、お話のありました使用済み核燃料の直接処分につきましては、今般、六月二十一日に原子力委員会が政府のエネルギー・環境会議に提示した「核燃料サイクル政策の選択肢」というものの中で触れられておるわけでございますが、国の政策として決定されたものではありませんし、今後のこの取り扱いも明らかではない状況でございます。

 いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたとおり、瑞浪超深地層研究所の研究目的はあくまでもガラス固化体の地層処分に関する基盤研究を前提としており、これと異なる研究の実施は想定されておりません。

 それから三番目でございますが、今後のこの研究所の方向性でございます。

 今、申し上げました平成七年の超深地層研究所計画によりますと、研究所での地層科学研究では、地下一千メートル程度までの地質環境を研究対象としております。全体の研究期間は二十年程度というふうにされておりますが、研究計画の内容は、必要に応じ、見直ししていくということも触れられております。また、この旧動燃が独立行政法人になりまして、原子力機構ということで、五年ごとに主務大臣から示される中期目標に従って中期計画を策定して事業を進めると、こういう形になっておりまして、現在の中期計画の終期は平成二十六年度末ということになっております。それ以降の研究計画はまだ決まっていないという状況でございます。

 研究所では、現在、地下五百メートル程度まで掘り進んで研究が行われているという状況でございまして、今後の研究計画に関する国の見通しにつきましては、資源エネルギー庁では、「深度五百メートルより深い場所での研究を行う必要が生じた場合などには、研究期間を延長することも検討すべきと考えている、研究期間の延長が必要な状況に至った場合には、地元自治体と相談したいと考えている」というふうに言ってきております。

 県としては、研究期間の延長が必要となった場合には、まず国から地元に相談があるものと理解しておるわけでございます。そして、そのような相談があった場合には、地元市とも協議しつつ、延長後の研究計画が本来の目的に合致したものであるかどうか、県や市との四者協定に反するものではないか等について、十分チェックしてまいります。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) 三点目に、未来会館の今後についてお尋ねします。

 未来会館は、アクションプランによって、昨年四月から閉鎖となっています。この間、二度の民間利用公募で、次の事業者が決まらないという事態です。会館休止に当たっては、県は岐阜市内で幾つでも代替施設があるんだから、ここが使えなくても大丈夫と説明してきました。しかし、この間、私は、元利用者であったいろんな団体の人から不都合や苦労を聞いております。今議会に長良川スポーツプラザの条例改正が出ていますが、これももとはといえば、未来会館を使えなくなった団体が近隣のスポーツプラザを使用するケースがふえて、今回、宿泊以外でも会議室が使えるというふうな条例改正になったわけです。この対応はよかったと思いますけれども、ほかにもリトミック教室や地元自治会の年中行事、毎年団体の通常総会を行っていた団体など、未来会館閉鎖によって大変不便だという声を聞いています。

 そこで総務部長にお尋ねしますが、一点目、本当に県が未来会館を休止しても、代替施設に困るような事態はなかったんでしょうか。この間、未来会館を存続するみんなの会からの要望にもあるように、元利用者へのアンケート調査を行って会館を休止した影響を分析すべきだと思いますが、いかがでしょうか。もともと未来会館は、文化芸術振興の拠点でありました。文化芸術という分野でもうけが出るものではありません。独立採算は無理です。

 そこで二点目に、県としても、県の機関としての利用を模索しているようではありますけれども、県有の公的施設として再開すべきだと思いますが、その御判断をしていただけるのかどうか。

 三点目に、今後の会館の利活用の検討として、存続を求める会の提案にあるように、関係者や県民も加えた検討会を設置してはどうでしょうか、あわせてお答えください。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 未来会館についての御質問に対して、まとめてお答えさせていただきます。

 未来会館は、行財政改革アクションプランの一環として、平成二十三年四月より休止しているところでございますが、休止による御不便を感じている方もいらっしゃることは認識しております。しかしながら、未来会館につきましては、代替可能な類似施設の状況といった理由のほかにも、利用実績、年間二億円に及ぶ維持管理費用、安全管理上不可欠な設備の大規模修繕の必要性など、さまざまな角度から検討し、休止せざるを得ないと判断したものでございます。

 その後、二度にわたって利活用の公募をいたしましたが、採択には至ってございません。しかしながら、休止の状態のままにしておくことは好ましいことではないと考えておりますので、できる限り早期に施設を利用するために、現在、県有施設としての活用をすることも含めて、検討を進めているところでございます。検討に当たりましては、未来会館の立地場所にふさわしい形での活用といった点や、多くの県民の皆様に利用していただくことができないかといった点についても考慮しているところでございます。

 また、アンケート調査や検討の場の設置についても御提案をいただきました。県民の皆様からの御意見を伺うことは重要であると認識しております。それを、具体的に、どのような形で行うかといった点については、今後、検討させていただきたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) 次に、ゾーン三〇の取り組みについてお尋ねします。

 この間、通学路における児童の事故が多発して、警察庁交通局交通規制課長以下三課長名で、教育委員会や道路管理者との緊急点検をするようにと通達もありました。そして、昨年九月二十日に、警察庁交通局長から、「ゾーン三〇の推進について」という通達が県警にあったと思います。その中で、平成二十三年三月の中央安全対策会議決定であるコミュニティーゾーン対策が必ずしも全国的な普及が進んでいない。改めて、ゾーン三〇の推進を図るというふうに言っております。

 ゾーン三〇というのは、一定の町の中のエリアを決めて、そこの中では、車の時速は三十キロ以内にすると。そして、さまざまな道路対策を行って歩行者、自転車を守ろうというもので、国庫補助制度もありますので、積極的に進めていただきたいと思います。

 なぜ三十キロなのかということですが、社団法人の交通工学研究所によれば、車が歩行者と衝突した場合、時速三十キロなら致死率が五%、四十キロになると二五%、さらに五十キロ出していると七〇%近くの方が亡くなるという結果を踏まえてのことだというふうに思います。また、これは六月十七日現在のものですけれども、岐阜県の交通死亡事故の日報によりますと、自動車運転中の事故で亡くなられた方が二十二名に対して歩行者十七名、自転車七名、合わせて二十四名となっておって、歩行者、自転車の死亡事故犠牲者の割合が多いこともわかります。身を守るものがない歩行者、自転車ですから、車のほうを規制して命を守ることは必然であります。

 以下、県警本部長にお尋ねします。本県におけるゾーン三〇の必要性・重要性の認識をどうお持ちでしょうか。二点目、整備目標である四十七カ所というのがさっきの通知に書いてあったんですが、これをどのように達成していくのか。三つ目に、指定するだけでは目的には沿えないと思います。実効ある対策を、市町村等と連携し、どのように取り組んでいかれるのか、お答えください。



○副議長(矢島成剛君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) ゾーン三〇の取り組みについて三点お尋ねがありました。

 まずゾーン三〇の必要性・重要性ということでございます。従来から、生活道路の交通安全対策につきましては、歩行者等の安全確保のための諸対策を実施してきたところでございますけれども、ゾーン三〇はゾーン内の最高速度を三十キロメートルの区域規制にすると。それとともに、路側帯の設置や拡幅などを行うという対策を、従来にも増して、より柔軟に、より積極的に進めようとするものでございます。今春、集団登校中の小学生が死傷する交通事故が全国で相次いで発生いたしましたけれども、このような事故を防止するためにも、生活道路における安全対策が重要であり、当県としても、ゾーン三〇の対策を推進していく必要があるものと認識をしております。

 次に、設定目標の四十七カ所をどのように達成していくのかということについて、お答えをいたします。ゾーン三〇の整備については、自動車の通行よりも、歩行者、自転車の安全が優先されるべき生活道路が集積している地区で、地域住民の同意が得られるところをゾーンとして設定することとしております。本年度は、岐阜市、各務原市、山県市において六カ所を整備する予定でございまして、今後、平成二十八年度までの五カ年計画で県下に四十七カ所を整備する方針としております。

 最後に、実効ある対策を市町村等と連携し、どのように取り組んでいくのかについてお答えを申し上げます。

 ゾーン三〇を実効性のある形で設定していくためには、まずもって、その地域の住民の方々の理解と協力は不可欠でございまして、そのための働きかけを推進するとともに、ゾーン三〇においては、自動車の速度の抑制と歩行者等の保護をより確実なものとしていく必要がございますので、道路管理者とも緊密な連携を図り、歩道の設置、カラー舗装、あるいは各種の路面標示、さらには路面を盛り上げる形で速度抑制を図るハンプですとか、車線幅の狭窄、それから車線を、いわば蛇行させるシケインといった物理デバイスの設置といったハード面の対策も推進してまいりたいと考えているところでございます。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) 最後に、化学物質過敏症についてお尋ねします。

 化学物質過敏症、以下過敏症と言います。空気や食べ物を通じて、体内に取り込まれた微量な化学物質によって引き起こされる非アレルギー症状を呈する病状を言います。推計では、日本全国の過敏症の方は約百万人と言われています。これまでは、有機燐系の農薬やシックハウスで知られるホルムアルデヒドなどが有名でしたが、実はこのほかにも過敏症を起こす原因は実にさまざまで、シロアリ駆除剤、除草剤、建物の塗料、害虫の消毒薬など、また日常生活の中でも抗菌剤、抗カビ剤、化学ぞうきん、合成洗剤など、非常に物があふれているということです。過敏症の方々は、日常の中で気をつけてはいても、こうした物質に接することでじんま疹や頭痛、目まい、吐き気などの症状が起きて、重度の呼吸困難や全身けいれん、意識消失など、重篤な状態に陥ることもあります。患者の皆さんは、このような健康被害に加え、全体からいえば非常に少数派でありますので、医師ですら、なかなか正しい知識がなく、診断してもらえないとか、周囲の無理解に苦しんでおられるのが現状です。

 国際的な基準づくりや、農水省、厚労省による取り扱いの通知なども進みつつありますが、県では、この平成二十年四月から県有施設における病害虫等防除に関する基本方針を示しておられます。施行から四年が経過し、この間の取り組み状況や方針の徹底はどの程度なされているのか、総務部長にお聞きします。

 化学物質は、国が認める薬剤ばかりでなく、法的規制はまだまだされていないけれども、多様なものがあります。その最たるものが香料です。香水、整髪料、洗剤、柔軟剤などですが、その成分は企業秘密とされ、公開されていません。こうした製品で過敏症の症状を起こす場合もあります。消費者庁の国民生活センターのホームページには、柔軟剤、芳香剤などで健康被害が出たという声も寄せられています。最近の傾向としては、香りを殊さら強調するような製品がふえ、コマーシャルも多くなっています。しかし、その陰には、香料によって苦しむ人がいることを忘れずに、生活の中でつき合っていくことが大事です。

 NHKが、昨年六月の岐阜の「ほっとイブニング」、また六月七日の「あさイチ」という番組でも取り上げました。まずは、世間の皆さんに化学物質過敏症のことをもっと知っていただきたいというふうに思います。先ほど紹介した番組でも、日ごろ、個人の嗜好として使っている香水や整髪料、アロマなども過敏症を引き起こすということも紹介していました。このポスターは、会の方がつくられたものです。(資料を示す)楽しむ人がおられるけれども、苦しむ人がいるというものです。そして、岐阜県が福祉部で、各施設に通知をいただいたときに皆さんのお手元にお配りしている、こうした過敏症について、できれば施設に張ってくださいということを紹介されているものもあります。

 そこで健康福祉部長に、抵抗力の弱い方がおられる病院などの医療機関、福祉施設を初め不特定の人が出入りする公的施設に、啓発の意味でポスターや通知など呼びかけをしていただきたいと思いますが、その取り組みについてお尋ねをいたします。また、学齢期の子供たちは、まだ成長期で、早期対応すれば、今後、重症にならずに済むと思われますし、ごく少数でありますが、非常に大変な過敏症をお持ちのお子さんも学校に通っているというふうに思います。学校現場での過敏症対策は重要なことだと考えますが、学校を初めとする教育施設に対する対応について教育長にお尋ねして、一分二十秒を残して一回目を終わります。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 県有施設における病害虫等防除に関する基本方針につきましてお答え申し上げます。

 本県では、県民の健康被害防止の観点から、県有施設の管理に際して、できる限り薬剤を使用しないこととし、やむを得ず使用する場合には必要最小限にとどめるとともに、周辺環境にも十分配慮することを盛り込みました防除に関する基本方針を平成二十年三月に策定しております。この基本方針につきましては、各県有施設の管理担当者へ通知するだけではなく、この基本方針を盛り込みました業者への委託業務仕様書や防除マニュアルを作成し、説明会の開催等により周知徹底を図っております。また、県有施設における薬剤の使用状況の調査についても実施しているところでございます。

 このような取り組みによりまして、この基本方針は、おおむね適正に運用されていると考えておりますが、今後も引き続き、異動時期をとらえた関係職員への周知や県有施設の薬剤使用の現状把握等に努めてまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 医療施設等における香料等に対する過敏症への配慮に関する啓発についてお答えします。

 香水や整髪料、柔軟剤などに含まれる香料は、化学物質過敏症の方にとっては苦痛に感じられ、頭痛や目まい、のどの痛みなど、健康被害を誘発する要因となることがあります。医療機関や介護事業所は、体調不良の方が利用されることが多いため、そういった方への配慮が特に必要な施設であります。このため、医療従事者や利用者の方に化学物質過敏症の方も訪れることを御理解いただき、病院や診療所においては、香水や整髪料などの過度の使用を控えていただくよう、御協力を呼びかける文書の掲示などについて、先般、県医師会や県病院協会に依頼したところです。

 また、介護事業所に対しては、関係団体での講演や県が主催する説明会等において化学物質過敏症の方への理解と配慮について説明するとともに、県のホームページにより周知しております。そのほか、県有の公的施設における化学物質過敏症の方への理解と配慮を呼びかける文書の掲示についても、既に関係機関に依頼いたしました。今後とも、ポスターを掲示するなど、化学物質過敏症への理解と配慮に関する啓発を行ってまいります。



○副議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校施設における化学物質過敏症対策についてお答えいたします。

 各学校におきましては、毎年の保健調査で、食物アレルギーなどと同様に、化学物質に対して過敏な反応を示す児童・生徒を把握しております。これらの児童・生徒には、塗料や芳香剤、消臭剤のほか、香水や整髪料などにも反応して、頭痛や目まい、皮膚のかゆみなどの症状が見受けられます。このため、対象となる児童・生徒が在籍する学校におきましては、室内の換気をするだけでなく、床ワックスの使用をやめたり、トイレに芳香剤や消臭剤を置かないようにしたりして、原因となる物質を取り除くなどの対応に努めております。

 県教育委員会といたしましては、県内すべての学校や教育施設に香料等の使用自粛を呼びかけるポスターを掲示するなど、化学物質過敏症への理解を深め、対応に配慮するよう働きかけてきたところです。今後も、学校や保護者、地域の学校関係者の化学物質過敏症に対する認識を一層深め、症状を有する児童・生徒への個別対応が充実するよう、養護教諭及び保健主事を対象とした研修会で啓発してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) それぞれ御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 順次、再質問をさせていただきます。

 まず消費税ですけれども、ちょっと知事は両論併記的といいますか、国から消費税分で県は二百億円入ってくる。しかし、景気動向については、懸念されることもあるけれども、具体的に見込むことが困難とおっしゃっている。私はやっぱりこの目先の二百億が欲しくて、岐阜県の経済をどん底に落とすようなことはやってはいかんと思うんですね。平成十九年の商業統計ですけれども、平成十六年と比べて、事業所数でいくとマイナス七・六%ということです。従業者数も三・二%の減ということです。こういう傾向がどんどん強まるのではないかと思います。

 それから、これは我が党の独自の計算ですけれども、今、現行消費税率五%のうち一%が地方消費税として納められているということで、岐阜県が地方消費税をもらっている分を倍、一〇%として、そうしたらどうなるかという試算をしたところ、千九百三十億円もの影響が出るのではないか、東京では一兆円ぐらいというようなことを試算しておりますけれども、こういう大幅な県民の懐からお金が持っていかれる、ひいては税収が減ってしまうということに、私はもっと真剣に、ここのところを見ていくべきだと思います。今の時点では、具体的に見込むことは困難とおっしゃったけれども、これはぜひ追求してほしいんです。岐阜県における消費税率アップの影響、私は上げるべきではないと思っていますけれども、はっきりしていることは、国から二百億来るんだということだけでしょう、今の答弁だと。マイナスのところを、もうちょっと追求して、具体的な数字でもって分析・調査、こういう指示を出してもらいたい。いかがでしょうか。そうしないと、消費税に対する対応なんて、本当にできない。やられるがままみたいになっちゃいますので、知事にお尋ねします。

 それで、私どもは消費税に頼らない道があるという、こういうリーフレット(資料を示す)さっき一回目にちょっと持ってくるのを忘れましたが、ちゃんと持ち込み許可をとっておりますけれども、こういうのがありますので、ぜひ参考にしてほしい。

 原発問題ですけれども、エネルギー政策は国でお決めになることだというか、そういうところからは、私は非常に前進だと思います。この前、直接行かれて、十項目の原子力発電所の安全確保に関する緊急要望というのも、岐阜県として出しておられる。ただ、今、安全性は暫定的で確定していない、エネルギー政策も八月だと。その結論を急いだということは、今、この時点では安全性は未確認であります。そうなったら、この要望書には、再稼働すべきでないということが一言も書いてない。いろいろともっともなことが書いてありますよ。中身を見ると、ストレステストの二次調査をちゃんとやれとか、SPEEDIの拡散予想図をしっかり出せとか、当然のことです。だけど、だから再稼働すべきでないというところまで言及してほしかったですね。

 知事にもう一回聞きますが、この要望書、国から返事が来るとはちょっと思えないですけれども、大体、この十項目の要望の行く末を見きわめた時点で、もう一度、再稼働すべきでない、こういうことを、知事なりに考えて意思表明してほしい、いかがでしょうか。

 それから、超深地層研究所、これは県内に受け入れるつもりはない、処分場はつくらせない。本当に、私は拍手ですね、そういう意思表示を今県知事から聞けたということは。ただ、じゃあ知事がかわったらどうするんやろうというふうに思うの、心配なの。だから、古田知事がかわられても岐阜県民が未来永劫安心だというために、これはぜひ条例をつくってほしい、岐阜県の。岐阜県内どこにも処分場はつくらせないという条例、核廃棄物は持ち込ませないという条例ですね。前も聞いたとき、だめと言われた。一歩下がるわけではないけれども、であれば、平成七年に結んでいる協定書、ここでも、当時の事業団ですけれども、研究所については、研究所についてはと、こういうふうになるんです。持ち込むことや使用することは一切ないし、処分場にしない。「研究所については」と、これが交わされた協定書なんです。この「研究所については」の文言を「岐阜県内においては」と、こういうふうに修正する交渉をしてもらいたい。条例をつくるか、協定書を新しく組み直すか、どちらかだと思います。いかがですか。

 それから、ガラス固化以外はだめということなんで、これは了解しておきたいというふうに思いますね。

 それから、千メートルも掘ってどうするんやと思いますよ。千メートルでだめや、どんどんもっと掘るとか、温泉じゃないんだから、もう切りをつけたらどうでしょうね。

 それで、今のお答えで、私はおおむね二十年といったで二十七年かと思っていたら、中期計画では二十六年末だと言われる。それなら、なおさらチャンスじゃないですか。向こうは延長も考えていると言うけれども、この二十六年度末をもって、もうエネルギー政策は転換をする。そして核のごみは、こんな埋めてあとは知らんぷりするなんてことはやらないということを言ってもらいたいですね、このチャンスに。先日、日本学術会議というところでも、もう核のごみの地層処分は無理だと言っていますよ。十万年、どうやったって、そんな埋めちゃって大丈夫なんて言えない。だから、十分監視をして見ていくということしか今のところないんじゃないかというふうに思います。二十六年末に向けた知事の姿勢をもう一度お尋ねしておきます。

 総務部長、未来会館ですが、一歩前進だと思います。民間に丸投げしちゃおうという考え方を、県でも使うと言われました。ただ、今の答弁では、この間の特別委員会では、県の施設で古くなったところを引っ越してというか、代替みたいなふうに使おうというようなことをおっしゃっているのに、せっかく本会議の答弁で何かちょっと後退している気がします。あそこまで、特別委員会で具体的におっしゃったということは、私は何か当てがあるのかなというふうに察するんですけれども、そうした具体的な県有施設で未来会館に使えるような当てがあるのかどうか。それから、なるべく早くとおっしゃったけれども、これはめどをつけていただきたい。今年じゅうなのか、今年度中なのか、具体的に答えていただきたいと思います。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 幾つか再質問がございました。

 まず消費税増税でございますが、別に目先の二百億に目がくらんでおるわけではありませんで、先ほど申し上げましたように、日本全体を眺めて、例えば今年度予算、九十兆円の予算のうちの四十四兆円が借金であると。少子化がどんどん進む、人口減少が進むという中で、社会保障制度がもたないと。かつ日本の国債が、今のところは低金利で推移しておりますけれども、急速に外国人の持ち比率がふえてきておるということで、国際的な信認が一たび損ねたらどういうことになるかと。そういった大きな流れを考えてみますと、やはり持続的な社会保障制度をどう追求していくかということは、まさに今取り組むべき課題でありますし、その財源論として、消費税というのが一つの選択肢であるということについて申し上げておるわけでございます。

 岐阜県にとりましても、毎年、これから三十億から五十億、何の財源の当てもなく、自動的に、社会保障費が膨れ上がっていくということで、財政はもたないわけでありまして、そういった意味で、目先の二百億に目がくらんでおるわけではないということだけは、重ねて申し上げておきます。ただ、いろんな意味で、この消費税増税の影響がいろんなところに出てくると思いますので、そういったことにつきましては、慎重に、丁寧に見定めていきたいというふうに思っております。

 それから、国への先般の要望でございますが、風下の岐阜県に対する情報提供については、直ちに国としては了解をしていただきまして、先般も職員がオフサイトセンターに行ったところでございますし、今、あらゆる大飯原発での警報が鳴ったとか、あれが起こった、これが起こったということは、直ちに岐阜県のほうにも連絡が入るということになっておりまして、県から特に西濃中心に、市町村に直ちに流しておるという体制になっております。

 あと、UPZの弾力化ということで、機械的に同心円だけではないですよと、風下ということを考えてくれということを申し上げましたが、こういったこと。それから、新しい法に基づいてこれからつくる安全基準等々については、権限が新しくできる原子力規制委員会に移りますので、あらかじめ経産相なり、あるいは原発担当大臣のほうで、すべてをコミットはできないけれども、岐阜県の考え方は十分承知したので、これはきっちり新しい原子力規制委員会に伝えるというふうにおっしゃっておられましたし、私自身も、新しい規制委員会ができれば、また機会を見て、繰り返し物を申していきたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。そういう中で、岐阜県の専門部会とも相談しながら、疑問な点については、次々と質問するなり、意見を申し上げていきたいと、こういうのが私のポジションでございます。

 知事がかわったら困るというお話がございましたが、この問題は既にいろいろと発言が積み重ねられてきておるわけでありまして、平成十年に当時の科学技術庁長官が、「地元が処分場を受け入れる意思がないことを表明されている状況においては、岐阜県内が高レベル放射性廃棄物の処分場になることはない」と文書でいただいておりまして、これは科学技術庁が文科省になり、次に何になろうが、国の方針としてしっかりと引き継いでいきたいと思っておりますし、また最終処分に関する法律が平成十二年にできておりますが、ここでも「知事及び市町村長の意見を聞き、十分に尊重する」という文言が入っておりますし、当時の資源エネルギー庁長官も国会で、「地元の意に反したことをやるつもりは全くない」とこういうこともおっしゃっておられますので、そしてまた、私もこの議会で再三再四発言しておるわけでございますので、そういったことの一つ一つは、個人ではなくて、組織の判断として積み重ねてきておりますので、現時点で、あえて条例をというところまでは今考えておらないということでございます。

 それから、一千メートルも掘ってどうするんやというお話がございましたが、もともと一千メートル掘るという計画で始まったわけでございまして、現在五百メートルまで来ているということでございます。地層の地質環境の研究ということで、私も詳細は必ずしもわかりませんが、この五百メートルで足りているのか足りていないのか、今後どうするのか。これは、この二十六年度末に向けて国のほうでまず検討がなされ、ある程度考え方が整理できれば私どものほうに相談があると思いますので、その説明を伺いながら、瑞浪市、土岐市とも御相談をしながら判断をしていきたいというふうに思っております。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 未来会館の関係で、二点再質問をいただきました。

 まず、県有施設としての活用についての具体的な内容がどうなっているのかという御質問でございますが、現時点では、先ほど申し上げましたとおり、県有施設として活用することも含めて検討を進めている段階でございます。県有施設の中には、近い将来、建てかえをしなければいけないものもございます。こういったものについては、未来会館を活用することによってコスト面でのメリットがあるというものもあるのではないかということで、現段階では、そういった県有施設の中でどのようなことができるのか、あらゆる選択肢について検討している状況でございます。

 二点目、具体的なめどをという話でございました。しかしながら、今、申し上げましたとおり、現段階ではまだあらゆる選択肢を検討しているところでございますので、議員先生おっしゃられましたように、なるべく早くということには、当然、同じ問題意識でございますけれども、現段階では具体的なめどは申し上げることは難しいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 十番 大須賀志津香君。

    〔十番 大須賀志津香君登壇〕



◆十番(大須賀志津香君) 一点だけ、原発ですけど、どこまで行っても知事の答弁は安全対策なんです。対策をもっともっとじゃなくて、再稼働そのものを今ゴーと言うんですか、待ったなんですか、はっきりしてください。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) この場でるる答弁申し上げておりますが、今回の判断については、いろいろと私としては不満な点が多々ございますが、政府の決定だということで、それを踏まえて、先般も不満な点を申し上げ、また将来の安全委員会の体制についても意見を申し上げてきたわけでございますから、そういったラインでしっかりと主張していきたいということでございます。



○副議長(矢島成剛君) 九番 高殿 尚君。

    〔九番 高殿 尚君登壇〕(拍手)



◆九番(高殿尚君) 議長のお許しをいただきましたので、私からは一点二項目、近年、さらに多発する登山者の遭難における山岳救助、遭難防止に対する県の取り組みについてお尋ねいたします。

 岐阜県が有する北アルプスを舞台に繰り広げられる映画「岳」が公開され、昨今の山ガールと呼ばれる若い女性の登山ブームもあり、これまで以上に幅広い、初心者から熟練された登山者まで多くの方に北アルプスを訪れていただきました。平成二十三年だけを見ても、登山届による岐阜県側からは一万三千八百三十二パーティー、三万二千三百十一人の登山者があり、このうち、単独登山者は昨年比五百四十六名増の五千六百九十四名となっています。

 しかし、昨年は、それに比例して、遭難事故も多発し、昭和三十四年以来、北アルプス連峰における登山者の遭難事故防止を図るとともに、警察の行う遭難者の救助活動を支援している岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会がかかわった山岳遭難事故の発生件数は過去最高を記録し、発生件数五十一件、遭難者六十一名となっており、うち五名の方がお亡くなりになっております。さらに記憶に新しいところの今年の五月の連休では、急変した天候、下界は春でも山頂は一瞬で吹雪の冬山と化し、ベテランの登山家たちのとうとい命が奪われました。心から御冥福をお祈りいたします。

 事故を報道するメディアのテレビや新聞では、事故に対する画像や記事が紙面の多くを埋めましたが、地元山岳救助隊の救助に対する記述はほんの数行程度であります。まして、救助されれば美談だが、死亡事故になると、命をかけて現場に向かった救助隊の活動は報道すらされません。

 昨年の五十一件の遭難発生件数のうち、年齢別に見ると、二十代から三十代は全体の二六・二%、四十代から七十代以降が七三・八%となっております。また、登山者を県別に見ると、岐阜県の方はわずか二件、いずれも足を負傷し、自力歩行が困難になった方であり、それ以外の四十九件は県外からの登山客であります。

 今度は、遭難救助の角度から見ますと、延べ日数で六十三日、延べ活動人数は、救助隊が百十二名、警備隊、いわゆる警察の方が四百二十三名となっております。また、遭難防止のために、日ごろから穂高岳山荘を拠点として、パトロールや登山指導が行われており、さらには遭難防止活動に当たる方々は、救助隊が延べ二百九名、県警警備隊が延べ三百六十一名であります。次に、遭難救助のためにヘリコプターが活用された件数を見てみますと、五十一件の遭難のうち二十七件と、五二・九%の出動となっております。

 ところで、一回のヘリコプターの遭難救助には一体どれぐらいの費用がかかるか御存じでしょうか。警察ヘリは警察法に基づいて、防災ヘリは消防組織法に基づいて人命救助に当たっており、運航経費、人件費はすべて税金で賄われております。公共ヘリが出払っている場合は民間ヘリが活用されておりますが、有料であります。民間ヘリの金額は一時間当たり約八十七万円であり、離陸後、三時間かかれば約二百六十万円となります。

 近年、地元奥飛騨温泉郷では、さまざまな要因で観光客の減少で御苦労をされておりますが、登山客の宿泊割合も少なくありません。何とか山の安全を期し、安心してこの地に来られる登山家たちに感動を与えたいとの思いから、北アルプス山岳遭難対策協議会を立ち上げて既に五十年余り。地元自治体はもとより、観光協会、商工会、バス・タクシーの運輸関連、山荘を有する旅館関連から漁協、お寺まで、分担金を出し合い、安心・安全の登山や遭難救助活動に貴重な浄財を捻出していただいております。岐阜県からも、昨年度は人件費を含む六百万四千円もの補助金を支出いただき、訓練費、警備活動費、装備品充実等に充当しておりますが、平成十五年度の七百三十一万二千円から見ると百三十万八千円の減少となっております。命や救助に対して値段をつけるようなことをするつもりはないと言われていますが、山の安全、命のとうとさを考え、みずからの命をかけ、いっときでも早く遭難者を救出に向かう山岳救助隊の皆様の装具は、夏山と冬山とでは大きく違い、さらにはロープ一本も救助方法で異なるなど、これまで多くの自己負担でやってみえます。

 先日の叙勲で、長年の山岳救助隊長として救助活動に御尽力された内野政光氏が、四月二十九日付で発表された二〇一二年春の叙勲において瑞宝単光章を受章され、地元救助隊の誇りであるとお聞きしました。救助活動への使命感と命のとうとさを、言葉ではなく、その背中で隊員に伝え続けた内野さんの孫、匠君、当時小学校六年生が「心の救助隊」と題し、第五十八回社会を明るくする運動作文コンテストにおいて、最優秀賞である法務大臣表彰を受賞しました。その一部を紹介し、最後に質問をさせていただきます。

 「僕のじいちゃんは山岳救助隊の隊長でした。今も、頼まれると救助に出かけます。残念ながら、その日の救助は間に合わず、遭難した方は亡くなったそうです。おじいちゃんは、命のあるうちに助けたかったと思います。その悔しい気持ちが伝わって、つらい気持ちになりました。冬山は、ヘリコプターの視界が閉ざされ、救助は歩いて捜すしかありません。僕には、自分の危険を冒してまで人を助けに行こうとする気持ちがわかりません。何でそこまでして助けるのと聞くと、地元の山に登りに来た人が遭難したら、地元の救助隊が駆けつける。それが地元の誇り、知らん顔はできん。救助隊が命がけでも救える命は本当に少し。じいちゃんは冷たくなった遺体を背負って、何度も山から下山したという。じいちゃんの助けようとした命は重かっただろうな」。匠君はさらに、「山には山の救助隊があるように、心にも救助隊が必要なのかもしれない。心の救助隊には、いつもで、だれでも、どこでもなれると思います。僕も、じいちゃんのように、救助隊に入りたいと思うけど、心の救助隊でもありたい。皆さん、心が疲れてきたら北アルプスに来てください。西穂高のてっぺんまで登り、風に吹かれたときの気持ちは最高です」。

 以上のように、匠君の作文からは、奥飛騨、岐阜県にとどまらず、もはや日本の宝である北アルプスの自慢、おじいちゃんや山岳救助隊の人命救助への強い誇り、そしてあこがれ、心に響き、教育の題材にしてほしいくらいの立派な内容です。

 そこで、二点お尋ねいたします。

 まず、県外登山者が遭難するケースが多い状況を踏まえて、全国から集まる登山者に対する遭難事故防止対策や啓発活動はどのように行われているか、危機管理統括監にお尋ねいたします。

 次に、警察山岳警備隊を初め、地元山岳救助隊の皆様がまさに命をかけ、その使命感で救助に当たっている現況を踏まえ、また年々高齢化する隊員の後継者育成、充実、安全の確保のためにも予算の充実は必要と考えますが、今後の県山岳遭難防止対策協議会に対してどのような支援を行っていくか、警察本部長にお尋ねいたします。

 改めて申し上げますが、日本の屋根、北アルプス、霊峰白山等を有する岐阜県は、まさに山の国、そしてその山々は日本の宝であります。山を愛して岐阜県を訪れる観光客が安心して登山ができ、山を愛する地元の方々が最善を尽くされて山を守り、命を守り抜くためにも、ぜひ前向きな答弁をお願い申し上げながら、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 危機管理統括監 若宮克行君。

    〔危機管理統括監 若宮克行君登壇〕



◎危機管理統括監(若宮克行君) 県外登山者に対する山岳遭難防止対策についてお答えいたします。

 県内における遭難者のうち、県外の方は例年八割から九割を占めており、県外の登山者向けの遭難防止対策に力を入れていくことが大変重要であると考えております。このため、余裕を持った登山計画づくりや十分な装備を準備することなどを記載したガイドブックを作成し、東京、大阪、名古屋の登山ツアー事業者七社、並びに愛知県内のスポーツ用品店約三十店舗にも送付し、登山を計画されている方々への啓発をお願いしております。

 また、今年度の新たな取り組みとして、首都圏の登山者向けに、来月上旬、東京都内の登山用品店におきまして、富山、長野、岐阜の各県及び各警察本部が合同で啓発活動を実施する予定です。その際の啓発資材として、北アルプス全域を網羅し、登山道、危険箇所、主要施設などを表示した登山マップを、三県合同で新たに作成したところです。今後とも、現地における遭難防止対策として、登山口や地元路線バス車内での安全登山の啓発、登山届ポストの設置などを進めるとともに、こうした県外の登山者向けの事前の対策についても充実・強化してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 御質問にもありましたように、北アルプスを初めとする美しい山々と、これを守る地元の皆様の活動は、岐阜県の誇りであるというふうに認識をしております。

 お尋ねの岐阜県山岳遭難防止対策協議会でございますが、これは県遭対協という略称でございますけれども、昭和四十二年に発足した組織でございます。その構成は、知事が名誉会長、副知事が会長に就任されておられまして、以下、県、県警、関係市町村、県山岳連盟、地区の遭対協、こういったメンバーで構成される県下横断的な組織でございますが、近年においては、その事務局は県警本部に置かれて、補助金も県警予算を通じて支出されているところでございます。

 県警といたしましては、県遭対協の構成員として、地元の山岳救助隊と連携しての救助活動はもちろんでございますが、ただいま危機管理統括監の答弁された内容以外にも、山岳警備隊が地区遭対協と連携して、遭難防止のためのパトロールや指導啓発等の各種活動に取り組んでいるところでございます。

 北飛山岳救助隊を初めとする地元の山岳救助隊は、県警の山岳警備隊にとって不可欠のパートナーという状況でございまして、現に、この五月の連休中に涸沢岳で発生した遭難事故におきましても、視界がきかない夜間、しかも猛吹雪の中で、両隊が連携して救助活動を行って、六人パーティーのうち五名の方を救助することができたところでございます。山を熟知した地元救助隊のサポートがなければ、県警だけでは非常に厳しかったであろうという報告を受けてございます。

 御指摘のように、山岳救助については、出動回数も急増する中で、地元の山岳救助隊の活動を維持・強化することは重要でございまして、そのための予算の充実にも配意していく必要があるものと考えております。県警としては、県遭対協の機能充実と地元の山岳救助隊の支援のための施策について、財政面の支援も含めて、いかに推進していくのが効果的か、関係機関とも協議して積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。



○副議長(矢島成剛君) 三十一番 伊藤正博君。

    〔三十一番 伊藤正博登壇〕(拍手)



◆三十一番(伊藤正博君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、本日、私は大きく二点についてお伺いをいたします。

 まず最初は、県内労働力の確保とキャリア教育の見直し、充実という視点で、商工労働部長と教育長にお尋ねをしてまいります。

 長引く景気低迷の中で、新規卒業者の働く場、希望する仕事につくことが難しい社会情勢にございます。お手持ちに、資料として配布させていただきました新聞記事にもありますように、(資料を示す)約二年前の二〇一〇年春に大学、専門学校あるいは高校を卒業した人のうち、就職できなかったり、就職から三年以内に退職する人の割合が、大学・専門学校で五二%、高校で六八%になると政府、内閣府が公表した推計で明らかになりました。大学生らは二人に一人、高校生は三人に二人は就職できなかったり、早期退職するという驚くべき数値であります。

 一方、これもその裏面に配布させていただいております資料になりますけれども、岐阜労働局の調査によりますと、新規学卒者の在職期間別の離職率の推移を示してございます。一番下の黒いところが一年目に離職する率、真ん中のグレーのところが二年目の離職率、一番上の白いところが三年目の離職率となっております。この資料を見ますと、離職者の割合は近年減少傾向にはありますが、二十二年卒の学生の離職率を見ますと、再び増加に転じたのはないかとも思われるわけでもあります。なお、この資料については、就職できた人だけを対象に見ておりますので、実際に職についていない若者というのはさらに多いわけであります。岐阜県内のここ二、三年の大学・短大・専門学校・高校卒業者の就職内定率は、年によって多少の変動はあるものの、大学で九〇から九三%、短大・専門学校で九二%から九四%、高校で九九%前後となっておりますので、希望する会社か職種か、あるいは雇用形態は別としても、新卒卒業者のうち、就職希望者のそのほとんどが何らかの職業に就職できたということが数字上は言えるわけであります。

 こうした中で、この資料にありますように、就職をして二年、三年の間に離職する若者が、全体の三割ほどにも上るという事実が存在しているということであります。こうしたことは、若者たちが、自分が考えていた仕事と現実のギャップのはざまでいろいろ考えて判断したものと思われますけれども、若者たちが自分の将来を見据えて、仕事あるいは職業というものに対して、しっかりと考えていけるような取り組みが大切であります。この現状をしっかり分析し、どのような原因であるのか、どのような対策をとるべきか考えていかなければなりません。

 一方、本県では、二十一年度から三十年度までの十年間、長期構想の中で、県内産業の労働力不足が深刻化すると指摘をいたしております。二十数年後の二〇三五年の県の労働人口は約三十一万人減少すると予測しております。少子化がさらに進み、団塊の世代が大量に退職をし、さらに若者が仕事を求めて年間四千人規模で県外流出している現状をしっかり分析をし、若者が県内で働きたいと思える地域づくりと、ふるさとへの誇りと愛情を育てる政策が求められております。

 先日も、県経営者協会が、来年、二〇一三年三月に高校卒業予定者で就職を希望している学校の進路指導担当者を集めての高校求人懇談会を開催したとの新聞記事がありました。その記事によれば、来年、高校卒業予定者で就職を希望しているのは、今年よりふえて四千五百人以上になると予想しているとのことであります。一方、企業側は、新卒者よりも即戦力を求める傾向にあるという記事であります。経済の見通しが不透明なため、採用予定数がいまだ未定という企業もあるとしております。学校側は、何とか年内に希望者全員に内定をとらせたいという内容でありました。

 企業が求める人材は、これからより一層即戦力となる人材を必要としますが、高校生や大学生の中には、まだまだ大企業志向が強くあります。県内のほとんどが中小企業である現状の中での必要とする人材と若者の働くことに対する意識のギャップは、そう簡単には埋まりそうにもありません。将来も有望な県内中小企業、県内産業の人材確保は緊急の課題であると考えます。

 一方、中学や高校におけるキャリア教育の現状と将来の方針という視点でお尋ねをしてまいりたいと思います。

 ここ数年、中学や高校においても、自分の能力、適性や将来の目標に向けて、働くことのおもしろさや職業観の醸成を図るため、それぞれ地域に密着したさまざまなキャリア教育が各学校で行われていると承知いたしております。しかし、今の若者は、職場や社会が近づくにつれて目標を見失う傾向にあると、ある民間会社の調査結果は示しております。小・中学校時代、高校二年生、あるいは大学入学後の三段階で調査した結果、自分にどのような能力・適性があるか知っているのか、あるいは将来についてはっきりとした目標がある、また希望する職業があるという問いに対し、それぞれについて数値が下がっているという現実をどう受けとめて若者の教育を行うかという視点は、大変重要であります。

 午前の野島議員の質問でも触れられましたけれども、今年二十四年度に岐阜県は就職指導緊急サポート事業として、就職に関する専門知識を持ったキャリアカウンセラーを普通科高校を中心に配置し、生徒や保護者との懇談、就職指導を支援する事業をスタートさせました。県内各地域十三校にさまざまな経験や資格を持った十一名を配置しているということであります。ぜひ就職指導に生かしていただきたい、このように思います。

 また、現在、県内の公立高校は、平成十六年から十九年にかけて、少子化に伴い、高校再編成で高校数は減少し、現在六十六校となりましたが、このうち、普通科を持つ学校が四十校で六〇%、商業科を持つ学校が十二校で一八%、工業科を持つ学校八校で一二%の比率であります。

 将来、県内への新たな企業誘致を図る上でも、今ある産業発展を図る上でも、人材確保は欠かすことができません。今の子供たちがさまざまな職業を選択し、できれば地元で働き、生きる力をつける教育が重要であります。普通科から大学に進学する傾向が強い今の世の中において、大学に入っても、目的意識が弱い今の子供たちに県内で働く意義や喜びを感じ取れる教育、特にキャリア教育が重要であると考えるわけであります。そこで、より一層、商工労働部と県教育委員会との連携強化が重要であります。

 これまで、いろいろ申し上げてきましたけれども、雇用のミスマッチを少しでも解消する施策を考え、取り組んでいくことが重要であります。県内産業界の労働力不足が深刻化する中で、その労働力を確保する人材育成は、何度も申し上げますけれども、欠かすことができません。そのためには、産業政策を推し進める商工労働部と、人材育成を行う県教育委員会の役割と連携を明確にして、それぞれ取り組む必要があると思います。

 そこで、質問事項としては、これから申し上げます六点について、それぞれ商工労働部長と教育長にお尋ねをいたします。

 まず、商工労働部長には、一点目として、先ほどの資料にありますとおり、就職後間もない若者の離職率が高いわけでありますが、その要因はどのようにお考えなのか。二点目は、県内産業振興のための労働者確保対策はどのように考えておみえになるのか。そして、三点目は、将来の県内人材確保のために、県教育委員会との連携はどのように考え、どのように取り組もうとされているのか。以上、三点についてお尋ねをいたします。

 そして、教育長には、一点目として、中学校及び高等学校におけるキャリア教育の現状と今後の方針はどのように考えておみえになるのか、お尋ねをいたします。二点目は、県内の公立高校における専門学科のあり方や役割について、将来の方針も含めて、どのように考えておみえになるのか、お尋ねをいたします。そして、最後三点目は、キャリア教育を推進していく上で、商工労働部との連携に関してどのようにお考えなのか。以上、それぞれ六点について、商工労働部長、教育長にお尋ねをいたします。

 次に、これもお手元にパンフレットを配布させていただきましたけれども、(資料を示す)今年十月に愛知県で開催される国際航空宇宙展についてお聞きをいたします。

 国際航空宇宙展とは、数年に一度、日本各地で行われる航空宇宙分野の国際展示会であります。主催は一般社団法人の日本航空宇宙工業会で、これまで十二回開催されてきました。当初は、国際航空宇宙ショーとして開催されてきましたけれども、第八回からは屋内開催の展示方式となっており、二十九年前、この岐阜県で開催されて以来の飛行場を活用しての屋内・屋外の展示会となるようであります。今年のこの国際航空宇宙展は、航空宇宙分野におけるアジア最大の国際展示会であります。一九六六年以来、数年置きのペースで継続的に開催され、回を追うごとに、その国際性が増してきております。

 今から二十九年前、一九八三年十月下旬から十一月初めにかけて、私の地元 各務原市の航空自衛隊岐阜基地で行われました第七回の国際航空宇宙展以来の各種航空機のデモフライトも行う非常に意義あるエアショーとして期待されているところであります。二十九年前の岐阜基地で行われたエアショーは、七カ国の参加国、参加団体数は百十団体、期間中の来場者は四十三万人を超えるというすばらしいものであったと、今でも鮮明に記憶をいたしております。

 そして、いよいよ今年、ぎふ清流国体の閉会式が行われる十月九日から十月十四日までの六日間、愛知県のポートメッセなごやと中部国際空港セントレアで行われるわけであります。参加国は二十二カ国以上、参加団体は四年前の横浜開催を上回る五百二十九社・団体を予定しているようであります。エアショーの目玉の一つとしては、実機による展示はもちろんのこと、各種機体のデモフライトもあります。最終日の十月十四日には、ぎふ清流国体の総合開会式にも花を添えることが決まっております航空自衛隊のT−4ブルーインパルスの展示飛行も行われるようであります。セントレア空港でブルーインパルスの飛行が見られるとして、関係者、航空ファンの注目も集めているところであります。そのほか、地上展示として、世界の主要旅客機が五機程度、日本の自衛隊機十機以上、日本で活躍する航空機が十機以上、世界の実用ヘリコプターが八機程度、そして各種航空機の飛行展示(デモフライト)が八機種程度予定されているようで、これからの岐阜県の産業の柱の一つでもあります航空機産業の将来を占う意味においても、大変意義ある大イベントであると考えるところであります。

 そこで、商工労働部長に次の二点についてお尋ねをいたします。

 一点目は、この国際航空宇宙展に県内企業も十五社ほど出展予定と聞いておりますけれども、岐阜県としての取り組みと、支援内容はどのようなものなのか、お聞きをいたします。二点目は、このエアショー開催を契機として、今後の県内航空宇宙産業活性化に向けた県としての考え方、取り組みはどのようなものなのか。以上、二点について、お尋ねをいたします。

 それぞれについて前向きな御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(矢島成剛君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) まず、県内産業の労働力確保とキャリア教育について、三点の質問がございました。

 一点目の、新規学卒者の離職率の高さの原因についてお答えします。

 議員から御紹介のありました新規学卒者の離職率の高さにつきましては、一九九〇年代後半以降、本県のみならず、全国的にもほぼ同様の傾向にあり、我が国全体の問題であると認識しております。この原因につきまして、少し前の調査になりますが、平成十九年九月、厚生労働省の要請により、労働政策研究・研修機構が実施されました若年離職者への調査によりますと、「仕事のストレスが大きいこと」が四三%と最も多く、続きまして「給与が不満」「労働時間が長い」「職場の人間関係がつらい」など、働く環境の問題が上位に挙げられております。また、「経営者や経営理念と自分が合わない」ことや、「採用条件と職場の条件が違った」というように、就職先企業についての理解不足も原因の一つとされております。

 なお、離職率は、景気の低迷期には改善し、回復期には悪化する傾向が見られますが、雇用情勢は、平成二十一年以降回復しつつあることから、これまで改善傾向にあった離職率が再び悪化に転ずる可能性があると考えております。

 次に、県内産業振興のための労働者確保策についてお答えいたします。

 県内産業の雇用の現状を見ますと、特に若い人材の採用意欲を持つ中小企業が少なからず見られる一方で、思うように人材を確保できないという声も上がっております。その背景といたしましては、高学歴化に伴い、若者の大企業志向、事務職志向が強まり、製造業の多い本県の中小企業が就職先としての選択肢としてとらえられていないことなどが考えられます。こうした中で、県内中小企業への就職を促進するためには、高い技術や商品力、職場の楽しさ、経営者の人柄など、中小企業の魅力を若者に伝えていく必要があると考えております。そのため、県では、卒業一年前の大学生や高校生に実際の中小企業の現場を知ってもらうための中小企業魅力発見バスツアーや、中小企業の経営トップみずからがブースに座り、新規学卒者への社風などを説明する社長出席合同企業説明会など、さまざまな中小企業の魅力をアピールする事業を実施しております。また、産学官連携によるインターンシップにも積極的に取り組み、若者の中小企業に対する理解が深まるよう努めているところでございます。

 次に、教育委員会との連携についてお答えいたします。

 中小企業の魅力を若者に伝えていくためには、先ほど申しました就職の際の働きかけだけではなく、子供のころから物づくりや商売の現場に触れ、働く魅力を感じていただくことが必要であると考えております。こうしたことから、商工労働部といたしても、県教育委員会、市町村教育委員会の協力を得ながら、教育段階別の取り組みを行っております。まず、小・中学生に対しては、身近な企業や商店などの協力を得て、実際の現場で、物づくりや販売などの職業体験を行う「とびだせ! あゆっ子プロジェクト」を実施しており、今年度は約三百名の小・中学生が参加する予定となっております。また、高校生向けには、熟練技能を有する企業の技術者などを学校に派遣し、物づくりの現場で必要な実践的なスキルを学ぶ「社会人講師出前講座」などに取り組んでいるところでございます。

 さらに、商工労働部と県内の専門高校との連携事例といたしましては、商業高校の生徒がネットショップの運営スキルを学ぶ「ぎふネットショップハイスクール」や、ファミリーマートとの連携により、弁当などの商品開発を行う「ファミマ商品開発学校」の取り組みもございます。また、こうした連携がきっかけとなり、県立岐阜商業高校と商工労働部が共同で、県内中小企業の社長によるリレー講義を実施するなどの取り組みも実現しているところでございます。今後とも、教育委員会と連携し、事業を進めてまいりたいと考えております。

 次に、国際航空宇宙展に関しまして、二点の質問にお答えいたします。

 まず、岐阜県の取り組みと支援内容でございますが、本年十月九日から、ポートメッセなごやや中部国際空港を会場に開催されます第十三回国際航空宇宙展は、その六日間の会期のうち、四日間が商談やビジネスのための情報交換を目的としたトレードデーになっておりまして、本県では、各務原市と共同で出展するブースを、航空宇宙分野に意欲のある県内企業に提供することとしております。出展企業につきましては、取引先の拡大を目指す航空機部品製造企業や、新規参入を目指すプラスチック製品製造企業など、県内企業五社を公募により既に選定しており、その出展ブースでは、各社の製品や技術を御紹介いただくほか、商談コーナーも設ける予定でございます。このほかに、航空機向け軽量強化部材に関する産学官共同研究や航空機人材育成など、現在、県が進めております航空宇宙産業振興施策を紹介したいと考えております。

 最後に、県内航空宇宙産業の活性化についてお答えいたします。

 航空宇宙産業は、今後の成長が期待される一方で、地元中小企業の新規参入が難しいという課題を抱えております。その要因といたしましては、生産管理や品質保証に対する高い能力が中小企業にも求められることに加え、大手機体メーカーと下請中小企業の受発注関係が強固であることなどが挙げられております。こうしたことから、県内航空宇宙産業の活性化を図るためには、中小企業が生産管理や品質保証に耐え得る独自の技術力を磨くとともに、国内外の新たな市場をみずから獲得していく必要があると考えております。このため、本県といたしましては、昨年オープンいたしました「ぎふ技術革新センター」を活用した技術支援に引き続き取り組むとともに、このたびの展示会を通して、航空宇宙分野における県内中小企業の新規受注獲得や新規参入を促進してまいります。さらに、今回の出展を契機に、海外へ出向いての商談等が必要となった場合には、現地交渉に専門家が同行する「海外展開スタートアップサポート事業」を活用してフォローアップを行いたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 県内産業の労働力確保とキャリア教育について、三点の御質問をいただきました。

 まず一点目、中学校及び高等学校におけるキャリア教育についてお答えいたします。

 中学校においては、県内すべての学校で、地元企業の協力を得て職場体験を実施するなど、体験を通じて社会におけるみずからの役割や将来の生き方、働き方等について考えることができるように取り組んでおります。また、高等学校においては、中学校での指導を踏まえ、インターンシップなど就業にかかわる体験的な学習や、社会人講師など外部の教育力を活用した教育活動を通して、望ましい勤労観・職業観を生徒みずから形成・確立できるように努めております。

 なお、専門学科に比べ、進学を希望する者の多い普通科においては、ホームルーム活動や総合的な学習の時間、今年度から新たに立ち上げたキャリアカウンセラーの配置事業などを活用して、主体的に進路を選択するために必要な能力や態度を身につけさせる指導、とりわけ進学する意義を明確にすることや、将来の職業生活に向けた基礎的な知識・技能に関する学習の充実を図っております。今後とも、中学校、高等学校ともに、生徒が自己の適性や可能性を理解し、働くことの意義や、学校の学習内容と将来の生活とのつながりが実感できるよう、地域や産業界、関係機関と密接な連携を図り、生徒の発達段階に応じたキャリア教育を充実させてまいります。

 二点目、公立高校における専門学科のあり方についてお答えいたします。

 職業に関する専門学科は、これまで幅広い分野で産業、社会を支える人材を輩出してまいりました。今後も、経済社会の変化に対応し、職業人として必要とされる力を身につけた人材を育成するとともに、地域や産業社会の発展に貢献するため、引き続き重要な役割を果たすことが求められています。このため、職業の多様化や産業技術の高度化に対応した職業教育の充実が必要であり、地域との連携を一層深め、地域の産業、社会において、どのような人材が求められているかを把握し、実践的な教育や外部人材の協力を得た教育活動を充実する必要があります。本県では、将来の岐阜県産業を担う人材を育成するため、「飛び出せスーパー専門高校生推進事業」や、長期間の企業実習により地域と連携しながら専門教科を生かした学習活動を充実させ、次代のすぐれた産業人の育成を図っております。

 なお、専門学科を含めた高等学校のあり方は、次期「教育ビジョン」の中でも重点課題の一つと考えております。教育内容や定員等も含め、専門学科のあり方につきましては、地域や県内企業等のニーズ、少子化による影響、高等学校卒業後の進路の実態などを考慮に入れながら、長期的な視点に立って検討してまいります。

 三点目、商工労働部との連携についてお答えいたします。

 教育委員会では、「岐阜県教育ビジョン」にも掲げるように、将来の岐阜県産業を担う人材を育てるという観点からも、地域社会の一員として考え行動できる「地域社会人」の育成ができるように取り組んでおります。そのため、地元産業や地域社会との連携を通した実践的教育、外部人材を活用した授業等を充実させ、生徒の実践力や社会への適応能力等の育成を図るとともに、地元産業や地域社会への理解と貢献の意識を高めさせるよう努めており、商工労働部との連携は欠かせないものと考えております。今後、次期「教育ビジョン」の策定に当たっても、商工労働部とタイアップしたキャリア教育推進のための施策を充実させるなど、岐阜県の将来を担う人材の育成に努めてまいります。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(矢島成剛君) しばらく休憩いたします。



△午後二時五十分休憩



……………………………………………………………………………………………





△午後三時十五分再開



○議長(駒田誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(駒田誠君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。一番 道家康生君。

    〔一番 道家康生登壇〕(拍手)



◆一番(道家康生君) それでは、議長に発言のお許しをいただきました。本日、ラストでありますけれども、質問させていただきたいと思います。

 まず初めに、県営水道の水道料金についてであります。この問題につきましては、特に東濃・可茂の議会議員の皆様方が常々議論をされているというふうにお聞きをいたしております。私がそんなところに意見を申し上げても、なかなか不勉強な点があって、逆に邪魔になるかなあと、こんなふうに思うわけでありますけれども、邪魔せんようにやらせてもらいますので、頑張って取り組んでいきたいなあと、こんなふうに思っています。

 御案内のとおり、これは昭和五十一年から供用開始をいたしまして、特に名古屋圏域のほう、愛知県、あちらのほうと水利権のいろんな競争が発生をいたしております。岐阜県のほうは、この水利権に関する最初の水道事業の歴史が非常に浅いということで、何とかこの水利権の容量をどんと取ろうということで、この岐阜県におきましては、四つのダムを百三十三億円という巨額な負担金をもって設置をする。そういったことによりまして、たとえ少しでも水をこちら側に優先度を上げようと、こんな施策がスタートでありました。

 そして、この水道事業というのは、皆さん御承知のとおり、装置産業、施設産業という言葉がありますけれども、簡単に水がたまっておるだけでは事業は成り立ちません。そういうことで、例えばポンプ場を設置する、浄水場を設置する、管路を布設するということで、これら一連の装置の経費が三百五十六億円かかっておるということでありまして、何よりもすばらしいと思いますのが、この事業を取り組んで、この管の布設がわずか五年ですべての延長を、まずこの工事を完成させたという点であります。ただ、心配なのは、今昭和五十一年からおおよそ四十年弱という状況でありますので、反面、管路の寿命を考えますと、そろそろ限界が来ておる。しかしながら、今の予算措置の状況でいきますと、行政側もいろいろお考えになっておるようでありますけれども、多分八十年ぐらいかかるんじゃないかというようなことが言われております。

 その中で、もう一つの大きな問題で、この水道料金が極めて高い。これは、清流国体・清流大会で代表されますように、私どものこの岐阜県というのは山紫水明でありまして、何と言いましても水というのはすばらしい、こんな環境が整っておるという割に、この東濃と可茂の地域の水道企業会計におきましては、その水の単価というものが、岐阜市ですと同じように長良川から伏流水でやっておりますけれども、こういったものと単価を比較しますと、三倍以上の差が開いております。この点を、御当地のそれぞれの議員さんは、もっと安くならんかということが議論されておるわけなんです。

 私は、この問題につきましては、やはり大変率の悪いところでやっておりますので、経費がかかることは仕方がないという点につきましては理解を示すものでありますけれども、非常に私が不思議やなあと思いますのが、平成二年から二十数年間、全く単価というものが見直しが図られておらんということなんですよ。私が中学校のときに、今から大分前ですけど、マクドナルドのハンバーガーが一つ買うと二百八十円か三百円ぐらいしておったんですよ。そうしたら、平成の競争原理が働いたときに、百円バーガーというのが出た瞬間に、今、マクドナルドのハンバーガーというやつは、大体一つ二百円弱で買えるようになったんですね。何らかの形で一石を投じなあかんと私は思っておるんですよ。

 三倍から開いているということは、二百十万県民に対して同じ岐阜県の行政サービスをそれぞれ共有していただくときに、やはりもっともっと研究していかないかん問題だろうと、私はそんなふうに思っております。

 この経営状況を、規模はそれぞれありますが、何をもって同規模かということは言えませんけれども、有収水量と言いまして、一年間にどれだけ水を配水するか。これは岐阜市と同じでありまして五千万トンであります。同格の自治体が、四十七都道府県のうち二十三の県営の企業体があるわけでありますけれども、ほぼ近いところ、四千万トンから六千万トンぐらいのところを五つぐらい並べますと、その中での毎年度の会計年度から出る余剰金は、この数年十六億円程度を推移しておりますので、そうなると結構頑張っておるなと思っています。そして、ほかと比較いたしましても、極めて優秀な状況であります。しかし、さきの質問にもありましたけれども、単年度の決算を見ただけではこれは一概には言えませんので、いずれにいたしましても、これが多いか少ないか、この金銭の多寡についてはここでは議論を差し控えさせていただこうと、こんなふうに思っています。

 この水道事業の一番私が懸念をいたしておりますのは、一般の水道企業会計と違いまして、上から下のほうまで水をポンプで圧送をするんであろうと思っていますけれども、エリアが七市四町という状況になっておるんですけれども、それが背骨がぼんと通っておって、あと枝葉が出ておるという、そんなような水道事業なんですよ。一般的な水道事業というのは、網目のようになっていますので、何が違うかというと、その背骨がばんと破綻をいたしますと、そこから圧送がきかんということであります。この観点から、先ほどの老朽管の布設をどんどんし直していくということも大事でありますけれども、ぼこんと切れてしまったら、そこから送り出すことができんわけでありますので、今、進めておりますけれども、バイパスを早く設置しないかんと私は思います。

 そんな中で、この余剰金を使って単価を下げてはどうやという、こんな議論もあるわけでありますけれども、私はこの余剰金というのは、やはり建設コストのほうに改めて投入していかないかんということでありますので、私の思いとしては、このものに関しては建設の将来の基金にしていくべきであろうと、そんな考えであります。

 問題は企業会計でありますので、単体でお金をもうけなさい、採算を合わせなさいということでありますので、岐阜県の一般会計の中からお金を繰り出して助成してあげるということは禁止をされております。そうなってくると、給水戸数をふやすのか、工業用水としてお使いいただく事業所をふやすのかという点で、今、県もいろんな工業団地を設置しておるということで、ある程度の基礎というのはできてくるかなあと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、人口がどんどん減ってまいります。そして、経済はどんどんと萎縮をしていくわけでありますので、もうそろそろ大きな転換をしていかなくてはならないと思っています。

 そこで、私は思うんですけれども、今までの議会のやりとりを大変浅い経験の中で読ませていただいておりましても、一向に安くなるというような答弁が得られません。そんな中で、例えばバイパス化をどんどんするということは、これは安定供給するため、不測の事態を回避するためにやるわけでありますので、バイパス化をこれから進めていくときには、地元市町村の負担金を取るべきやと私は思っています。

 これはなぜかというと、例えば各務原市でやっております公共下水道、これはやるときに、全部、その共益するそれらの自治体からみんな負担金を取っておるわけなんですよ。だから、こんなことは考えたらどうやなと言ったら、そんなこと考えたことないということでありますので、僕は考えるべきやと思います。

 そして、基本的に、受益というものは七つの市と四つの町でありますので、最初のスタートラインの基盤整備は、先ほど申し上げましたように、既に県がダムを四つつくって、そしてそれぞれの設備をして、もうでき上がっておるわけなんですね。であるならこの段階で手を放して、一部事務組合に切りかえるという判断も私は必要であろうと、こんなような思いでおるわけであります。

 料金が下がらない、この感覚的な部分はなぜかというと、基本的に、基礎自治体が市民や町民の皆様方の意見を吸収するわけなんですよ。県というのは、その中間マージンを食らっておるところでありますが、そこまでなかなか届きません。そういうことでありますので、住環境をふだんから御確認をいただく、この基礎自治体にこれをゆだねることによって、市民感情、町民の思いというものが、より直結して、この事業に反映されるだろうというふうに思っています。そんなことで、この辺は、ぜひとも考えていかないかんのではないかなあと、こんなふうに思っているところであります。

 現在、このダムのほうも、日量の計画水量を実際どれだけ使っておるかというと、六〇%しか使っておらんと、こんな状況でありますので、これから地方のそれぞれの基礎自治体がお考えいただける施設であります。ダムは県がやる、そして今やっておる企業会計は一部事務組合にする、こんな勇気を持った御判断も必要ではないかなあと、こんなふうに私は思うところであります。

 そこで、都市建築部長にお尋ねをいたしたいと思います。間違えないように、読み上げたいと思います。

 県営水道の基本料金単価、使用料金単価が高値で固定化をしております。結果として、県内における水道料金に地域の格差が大きく生じておるわけでありますけれども、この認識についてお答えをいただきたいと思います。

 第二点目、水道料金の地域間格差についてでありますけれども、これを解消するために、当然ながら、県民の負担を軽減するために、水道料金の値下げについて真剣にそろそろ議論をすべきではないかと思いますけれども、水道料金の値下げに対するお考えをお尋ねいたしたいなと、こんなふうに思っています。

 続きまして、県立の学校用地の県有化について御質問させていただきたいと思っています。

 今、議場の皆様方、そして行政関係者の皆様方のお手元のほうには、もうちょっとカラー刷りでやると見やすいんですけれども、平成二十三年度の用地を有料でお借りしておる部分の一覧表を御配布いたしております。これをちょっとごらんになっていただきたいと思っております。いつものとおり、パネルをつくってまいりましたので、こちらはフルカラーであります。(資料を示す)

 まず、県内にはさまざまな学校があるわけなんですよ。学校というのは、教育というのはそもそも百年で考えていけと、こんなことをよく言うわけでありますので、もっともっとここに対する物の考え方や措置というものは手厚くなってもいいと私は思っております。その中で、この表は何を意味しておるかということでありますけれども、例えば一番から八番まで、これがお金を出してお借りしておるんですよ。お借りしておるやつを全部出しました。

 そこで、ここの目的は何かというと、要はお金を出して借りておるわけなんですね。その出し方が、そもそも学校は県で買ったほうがいいと思っています。しかし、今現在、借りておるものに関しては、まずあるものとして議論を進めます。

 この表の中に、太くなっておるところを注目していただきたいんですね、枠を太くしてあるところ。何をここで申し上げたいかといいますと、県が自分の土地を行政に貸す場合、そして民間に貸す場合ということで、貸し出しの算定基準というやつをルールとして持っています。それは何かというと、真ん中のほうでありますけれども、一番の岐阜農林高等学校の最初の「四五六九六」というやつですね、この四角い枠。これが、要は本来行政同士貸すときには、この値段で普通は貸したり借りたりするという基準が算定してある。にもかかわらず、実質、岐阜県は揖斐川町から六万九千六百七十一円、わずかかもわかりませんけれども、一・五倍以上の金で借りておるわけなんですよ。

 もうちょっと緩やかなやつは、六番の坂下ですか、これが九十六万円で本来は借りるというふうに、また貸すというふうに県は算定基準を持っておる。にもかかわらず百二十六万円も出しておるということです。要は、これは一・三倍以上の金を出しておる。もっとひどいやつは、この真ん中の不破高校、これは九十六万円でやりとりをしようという算定基準を持っておる。にもかかわらず四百十万円ということは、四倍以上ということですよ。僕は、教育のことに関してお金の多寡をやりたくないわけですわ、こんな話を。だから、県有化するべきやと私は思っています。

 こういったものを一つ取り上げさせていただきましても、例えばこれは譲って、民間の場合は、ある程度経済的な、そんなことを思っても、多少は高く出してやってもいいと思っています。事実、算定基準も、民間に貸すときは、固定資産税とか路線価に対する五%で貸せばいいという算定基準を持っていますので、この辺は緩やかな判断をすればいいと思っておるんですけれども、とかく行政同士が、ましてや教育に関するものを金でやりとりするということは、もうそろそろいいかげんに考えたらいいことないかなと思っています。そんな意味で、この辺について、ぜひとも県有化することを議論すべきやと思っています。

 昨日の議会の中でも、売却できるものは売却していきたい、遊休地の扱いであります。県内に台帳で約九十弱の土地があるそうであります。それを売却すると、台帳目録の中では三十五、六ぐらい出てくるであろう。そう簡単に売れると思っていませんけれども、そういったものを、やはり処分することは処分することで努力していただく。しかし、学校とか教育に関するやつは勇気を持って買っていくべきという私はスタンスであります。

 参考までに、これは歴史がありますので、そのことに関して私は触れませんけれども、例えば、これはちょっと岐阜市が多いんだけど、伊奈波中学校とか、明郷中学とか、例えば北方のほうの中学校、これは無償でやりとりしておるんですよ。やっぱり、これが教育に関しては当たり前やと思っています。そういったことで、この辺に関して県有化すべきという点もこれから考えていくべきではないかなと思っています。

 それで、教育長にお尋ねをしたいと思います。

 県立の学校用地の借り上げ料について、どのような基準、考え方に基づいて設定をしているのかという点についてお尋ねをしたいと思います。

 二点目、先ほど申し上げましたように、教育という最も公益的な用途で使用するということでありますので、基礎自治体からの借地に係る借り上げ料は無料であるべきと私は考えます。また、先ほどの用地を借りておる部分に関しては、将来的には県が買い上げることがいいのではないかというふうに思っております。そんな中で、県立学校用地の県有化についてどのようにお考えか、お尋ねをしたいと思います。

 次の質問に入らせていただきたいと思います。

 特別支援学校の諸課題についてであります。

 特に、この一年間、県議会議員として、この議場の中でいろんな質疑を聞かせていただいておりますと、こうした社会的弱者といいますか、本当に私どもも大変な思いをされてみえる、こんな方に対する質疑が毎回のように取り上げられております。私も同じように思っておるわけでありまして、特に今の岐阜県の状況を考えますと、高等部の生徒数というのはこの十年間でおよそ六百二、三十人だったものが倍になりまして、およそ千百五十人というような状況であります。これは、まだまだふえていくのではないかというような担当者のお話でありました。

 そして、そうした関係者がふえていくという状況の中にありながら、今、岐阜県の「子どもかがやきプラン」という、ある程度の年度を切って計画をするプランの中では、この高等部の特別支援学校の建設については、まだずっと先の平成三十年度に一つの目途として建設をしようということが記されております。この点につきましては、今四十七都道府県ある中で、二十四の都道府県が既に設置をしておる。そして、その数も、もう六十を超えるという状況の中で、我が岐阜県は少なくともこの五年間は着手をされないというような、この計画に、やはりもう少しエネルギーをかけるべきだろうと私は思っております。そんな中で、ぜひとも早うつくったんでくんさらんかなと、こんなような思いがあるわけでありますけれども、お尋ねを申し上げたいと思います。教育長であります。高等特別支援学校の整備について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねを申し上げたいと思います。

 第二点目であります。

 これは、皆さん方の手元には配布を申し上げておりませんけれども、(資料を示す)いろんな御父兄さんからお話をお聞きいたしますと、子供がだんだん大きくなってくると、自分の手でも負えないくらい、やっぱり子供でありますので運動量が非常に激しくなってくる。そして、自分のうちに、例えばおじいさん、おばあさんがおった場合に、小さいころであったら任せることができたけれども、その運動量の高さから、とてもついていけないというような中で、本当に御苦労されてみえるわけであります。

 実質は、例えば熱が出た、けがをした場合は当然でありますけれども、そういった場合に、すぐ学校から呼び出しがある。学校もそれは当然であろうと私は思っています。そんな中で、今現在、大体千五百人ぐらいの教職員等を含めて、県内の特別支援学校にそれぞれの職員が配属されております。教職員というのは、やっぱり資格が要ります。栄養職員についても資格がありますので、この辺は今回は除外をさせていただくといたしましても、残りのおよそ百五、六十人の職員についてであります。

 このグラフというものは、この緑色のこちら側にあるやつ、二五%以上でありますけれども、これが一般の県職員の採用となっています。そして、反対のこちら側の赤い丸になっておるやつ、これは学校独自で採用する職員、いろいろあります。用務員であったり、調理師であったり、介護員であったり、添乗員、いろんな職種があるわけでありますけれども、この中のいずれかを、そういったお子さんをお持ちの父兄さん、そういった方を積極的に採用してやるということができないのかということを質問させていただきたいと思っています。

 いろんな事情をお聞きいたしますと、もうただ単純に、私どもが頑張って支援策を考えていかないかんというふうに言うだけで終わってしまうというのが現状ではないかと思っています。そんな中で、できればこういったところも、アウトソーシングではありませんけれども、そういった皆さん方の働く場として、もっと窓口を緩めていただけるとありがたいなと思っています。そんなことで、こういった点について、どのようにお考えになるか、教育長にお尋ねを申し上げたいと思います。

 最後に、県と市の連携についてであります。

 私は、市議会議員を四期務めさせてもらいました。まだまだ不勉強でありますけれども、過去の歴史からいきますと、岐阜市と岐阜県が二つ、今はやりで二重行政なんていう言葉がありますけれども、それに照らして言うつもりは全くありません。しかしながら、本来、県がやるべき、例えば保健所、こういったものは、岐阜市は中核市以前の一般市のときから持っています。例えば、先ほどの清流長良川にかかっております金華橋、これは県道と県道を結ぶ橋であります。道路機能でありますが、これは県がすべきでありますけれども、仲が悪かったもんで、市がつくったということですね。

 例えば市岐商と県岐商の問題、もともと市岐商がつくっておって、何くそ負けるかということで県がついてきたという話。こんなことで、今になって改めて議論がありますけれども、もうちょっとあんばいよういかんかと私は思っているところであります。

 それで、先般、質問させていただきました。大変古い南警察署、岐阜羽島警察署、この辺をそろそろやらんと、犯罪事案、そして一般の皆さん方がどきっとするような刑法犯の認知件数が二倍に膨れ上がっておるということを考えると、早くやってくんさいと、こんな話を本部長に御質問させていただいて、近い将来、その計画に入れたいということをいただいておりまして感謝を申し上げておりますけれども、たまたま市議会議員の先生に、同じように、岐阜市にある南消防署も建て直さんならんのやで、一遍議会で質問してやれというお話であります。そうしたら、その中で、あれも建て直さなあかんとなったんです。

 そこで、これから人口がどえらい減ってきます。ちょうど南警察署は県内で一番交通量の多い二十一号を持っております。そして、そのすぐ西側には、南北に岐阜羽島線を有しておる非常に有効な土地でありますので、これを合同庁舎にしてはどうかというふうに私は思います。合同庁舎にすると、警察に特別にお入りいただかんならん事案と合流してはいかんということはありますけど、これは実務的に区別できると思っています。

 そんなことで、どんどん人口が減っていって、そういったことに対するお金をつけることが難しい時代になってまいります。そんな時代になりますので、そんなことを一度御検討してみてはどうかなというふうに、本部長に御質問したいなと思っています。きっと、本部長がまた東京のほうにお帰りになられたころに建つんかなあと、こんなふうに思っていますけれども、できるだけ将来を見通したような政策が、より一層この岐阜県で推進されることを心から要望を申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 都市建築部長 山本 馨君。

    〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) 初めに、水道料金の地域間格差に対する認識についてお答えいたします。

 水道料金は、水道事業者ごとに建設費や維持管理費など必要な経費を、受益者である水道利用者の負担により賄うことを基本に設定するものです。したがって、事業者ごとに水源の確保や施設建設費などの違いにより給水コストが異なり、水道料金に差異が生じております。

 県営水道の供給区域である東濃・可茂地域は、地形的に地下水源に恵まれないため、ダムに頼らないと水源が確保できず、また浄水場や多くの送水施設が必要となり、地下水を水源としている地域に比べて料金が高くなっております。一方、県営水道として広域的に水道事業を行うことにより、それぞれの市町が単独で水源開発や施設整備をした場合に比べ、コストを低く抑えることが可能となっているといった側面もあります。

 以上のように、水道事業をめぐる条件により、水道料金は地域によって異なることとならざるを得ないものと考えております。

 次に、料金の値下げについてお答えいたします。

 県営水道では、平成二年以降、三年ごとに長期収支計画を見直し、それに基づき水道料金を設定しており、次の料金設定時期は平成二十六年度からを予定しております。これまで、給水区域を拡大する中にあっても、職員の効率的な配置や業務の民間委託等により人件費の大幅な圧縮を図るとともに、施設の延命化を行うなどの経営努力をしてきております。一方では、今後、景気低迷や給水人口の減少、一人当たりの水使用量の低下により、給水量が減少していくことが予測されます。また、供用開始後三十五年以上を経過し、老朽化した管路の更新や東日本大震災を踏まえた施設の防災・減災対策などに膨大な投資をしなければならず、こうした経費を賄うための適正な料金を設定していくことが必要となります。

 県営水道の料金につきましては、引き続きコスト削減に努めるとともに、中・長期的な視点に立って、将来の水道利用者に過度な負担とならないよう、受水市町とともに協議しながら適切に定めていきたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 初めに、県立学校用地の県有化についてお答えいたします。

 学校用地は、学校教育における生徒の活動の場として、また学校施設の維持管理上、必要な敷地を県有地で確保することが望ましいと考えております。しかしながら、一部の県立学校においては、必要な学校用地を確保するために、市町村、個人等と土地賃貸借契約を締結し、賃借料を支払っております。その賃借料は、県の公有財産貸付料算定要領による算定額を基準としておりますが、土地賃貸借契約は私法上の契約でもあることから、毎年契約先との交渉を重ね、合意した契約額となっております。また、県立学校用地の県有化ということについては、個々の契約事情を踏まえながら、学校建設事業計画の中で検討してまいります。

 次に、特別支援学校の諸問題についてお答えいたします。

 現在、軽度の知的障がいのある生徒を対象とした高等部単独の特別支援学校は、ここ十年余りの間にふえており、議員御指摘のように、全国で六十校余りになっております。本県におきましては、「子どもかがやきプラン」に基づき、平成三十年度までに岐阜圏域にセンター校を、さらには各圏域にも同様な機能を整備することとしており、現在、候補地を含めた整備計画の検討を進めているところでございます。また、教育内容につきましては、最近の雇用情勢の変化により、製造業のみならず、サービス業への就労にもつながるよう、現在、研究開発校を指定し、具体的な指導内容の作成に取り組んでおります。

 今後も、子どもかがやきプラン推進委員会や保護者等関係団体の意見を伺いながら、できるだけ早期に開校できるよう努めてまいります。また、議員御指摘のとおり、県立特別支援学校の各学校で雇用されている職員は、スクールバスの添乗員や炊事員などで現在百名ほど雇用し、業務を行っているところでございます。これらの職種につきましては、今まではハローワーク等を利用しながら雇用しておりましたが、今後一層、特別支援学校の保護者を含め広く県民に周知を図りながら、職員の採用を行ってまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 岐阜県岐阜南警察署と岐阜市消防本部岐阜南消防署との合同庁舎化についてお尋ねがございました。

 警察と消防とは、歴史的には戦前の内務省のもとで消防が警察の一部門であった経緯はございますけれども、当時から機能としては別のものでありましたし、戦後の制度改正によって、基本的に警察は都道府県の機関、消防は市町村の機関と位置づけられ、その後、半世紀余りを経て、それぞれに独自の発展を遂げてきておりますので、今日においては、重複する部分はほとんどないと言っても過言ではないかと思っております。

 全国的に見ても、また諸外国を見ましても、警察と消防とが合同庁舎に入っているというような例は、私自身は確認して承知をしておりませんで、いささか想像しがたい面もございます。また、御指摘でございますので、その点で合同庁舎化を改めて考慮したといたしましても、現行法のもとでは県と市の予算は全く別のものでございまして、財産管理も別個であるため、結局は何らかの形で庁舎を区分して建設せざるを得ないという面がございます。また、双方の機能に重複部分がほとんど見られないということを前提にしますと、敷地にしても、今の南署の敷地では到底賄えず、改めて広大な敷地の手当てを要し、庁舎の設計もかえって複雑化するというようなことが予想されます。

 したがって、あまたの困難が予想されるところでありまして、合同庁舎化のメリット、御指摘のように、人口減少を見据えた財政支出の削減につながるかどうかというところは疑問なしとしないところでございます。

 もっとも、災害対策とか火災事故の発生時等、警察と消防とは常に緊密に連携して対処しているところでございますので、県警察といたしましては、その合同庁舎化は別といたしましても、今後ともさらなる連携強化に努めてまいりたいと考えておりますし、また御指摘にありましたように、警察施設の耐震化等の整備も鋭意進めてまいりたいと思っております。



○議長(駒田誠君) 一番 道家康生君。

    〔一番 道家康生登壇〕



◆一番(道家康生君) それぞれ御答弁いただきました。ありがとうございました。本当に、心温まる御答弁で、感謝を申し上げたいと思っています。

 ただ、一点だけ、どうしてもそごがありますので、先ほどの質問の中にも入れましたけれども、具体的に踏み込んで聞いてみたいと思います。

 水道料金が地域の状況によって異なることは仕方がないという認識であるということは、十分にわかりました。わかりましたというよりも、だれでも当たり前のことだと思っています。それはよしといたしましても、そろそろ本当に考えていかないかんという思いの中で質問をさせていただいたわけでありますけれども、例えば先ほど私はダムの部分は県でやれ、そして実務のほうに関しては一部事務組合というものを考えてはどうやというまず一点の、参考になるかどうかわかりませんけれども、思いを述べさせていただきました。

 そしてもう一点は、負担金を取って、これからバイパスをどんどん強化していく、そういったことを考えてはどうかということを先ほど申し上げましたけれども、この二点について、担当部長はどのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。



○議長(駒田誠君) 都市建築部長 山本 馨君。

    〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) 初めに、一部事務組合への移譲についてお答えいたします。

 県営水道の一部事務組合への移譲につきましては、平成十六年度から二十年度にかけまして、市町の水道事業との統合一元化も含めまして関係する市町とともに検討を行ってまいりましたが、料金や施設規模の違い、また簡易水道を含めた経営状況の違い等、各市町において状況がかなり異なっており、これらを統合するには問題が非常に多く、時期尚早であるという結論になったところでございます。一部事務組合への移譲につきましては、長期的観点に立ちまして将来的に検討していくべき課題であるというふうに考えております。

 また、市町村からの負担金につきましては、水道料金につきましては受益者である利用者から徴収するというのが原則でございますので、そういった考え方に基づいてやってまいりたいというふうに考えております。



……………………………………………………………………………………………





○議長(駒田誠君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は、午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は、おって配布いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。



△午後三時五十三分散会



……………………………………………………………………………………………