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平成24年  6月 定例会(第3回) 06月27日−02号




平成24年  6月 定例会(第3回) − 06月27日−02号









平成24年  6月 定例会(第3回)



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△議事日程(第二号)



              平成二十四年六月二十七日(水)午前十時開議

 第一 議第九十一号から議第百三号まで

 第二 請願第十七号から請願第二十号まで

 第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第九十一号から議第百三号まで

 一 日程第二 請願第十七号から請願第二十号まで

 一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   道家康生君

      二番   水野吉近君

      三番   国枝慎太郎君

      五番   高木貴行君

      六番   野村美穂君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   大須賀志津香君

     十一番   太田維久君

     十二番   村上孝志君

     十三番   田中勝士君

     十四番   加藤大博君

     十五番   酒向 薫君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   川上哲也君

    二十一番   林 幸広君

    二十二番   伊藤秀光君

    二十三番   水野正敏君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十七番   平岩正光君

    二十八番   佐藤武彦君

    二十九番   森 正弘君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   小川恒雄君

    三十三番   村下貴夫君

    三十四番   大野泰正君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         志村隆雄

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   武井孝彦

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    梅本雅史

 同    課長補佐    河本哲治

 同    課長補佐    溝口智久

 同    課長補佐    松本隆則

 同    課長補佐    古田幹雄

 同    主査      中村 隆

 同    主査      堀場一彦



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          渕上俊則君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        塚中和巳君

 危機管理統括監      若宮克行君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       秦 康之君

 健康福祉部長       川出達恭君

 商工労働部長       宗宮康浩君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         正村洋一郎君

 県土整備部長       金森吉信君

 都市建築部長       山本 馨君

 ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

 観光交流推進局長     古田菜穂子君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        太田 誠君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    増田好則君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



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△六月二十七日午前九時五十九分開議



○議長(駒田誠君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(駒田誠君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第十七号 消費税の増税に反対する意見書の提出を求める請願ほか三件の請願書を受理しました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、お手元に配布のとおり、平成二十四年六月二十六日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告がありました。

 以上であります。



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○議長(駒田誠君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(駒田誠君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕(拍手)



◆三十七番(洞口博君) 皆さん、おはようございます。

 まず、県政自民クラブを代表して質問をいたします。

 最初に、本年九月、十月に迫ってきました「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」の開催に向けてお伺いをいたします。

 いよいよ最初に行われます国体まで百日を切りました。大会の開催準備も最終段階となった現時点におきまして、各分野において残された課題が幾つかあると思います。これらの解決に向け、知事みずからが先頭に立ち、炬火リレー走者として活躍した前回の第二十回岐阜国体や、成功をおさめた経済産業省時代の愛・地球博での責任者としての経験を生かして、課題解決の方針を明確にし、的確に対応することで両大会を成功裏に終えることを期待するものであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。大会の開催準備が最終段階に入った今、両大会の大成功に向けた意気込みをお聞かせいただきたいと思います。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。新しい方式でございますので、よろしくお願いいたします。

 まず、国体・清流大会の大成功に向けた意気込みということでございますが、残り九十四日ということでございます。いよいよ正真正銘のカウントダウンが始まっているというふうに思っておるわけでございます。

 先週のぎふ清流国体・ぎふ清流大会実行委員会、それから百日前キャラバン出発式でございますが、議員の皆様におかれましては、おそろいのユニホームで御出席をいただくなど、大変気合いを入れていただいておったということで、ありがたく感じたところでございます。

 さて、主だった準備状況でございますが、まず国体の総合開会式には、幼稚園児から高齢者に至るまで幅広い年齢層の方々、あるいは障がいをお持ちの方々など、八千五百人の皆さんに出演していただくということになっておりまして、現在、本番に向けて熱心に練習に取り組んでいただいておるということでございます。

 また、競技会運営、あるいはコミュニケーション支援などのために、約六千人の方々にボランティア登録をしていただいておりまして、研修を通じてマナー、その他いろいろと学んでいただいておるということでございます。

 それから、開会式などに使用します「清流こよみぶね」、これは巨大な舟をあしらったあんどんでございますが、また市町村ごとのお宝を描いた旗「ギフとフラッグ」の制作に当たりましては、延べ五千八百人の県民の皆さんに和紙や布の張りつけなどに御参加をいただきまして、国体を身近に感じていただいておるということでございます。

 いよいよ来月半ば、十六日に乗鞍岳で炬火の採火が行われます。その後、全市町村を一筆書きでつなぐ炬火リレーが始まるわけでございまして、これに参加される方が五千人ということでございまして、ふるさとへの思いをのせて炬火をつないでいただきたいというふうに考えております。

 また、長良川競技場に新たに鳳凰、不死鳥をイメージした炬火台もつくることになっておりますが、着々と整備が進んでおりまして、ごらんいただく日も近いのではないかというふうに思っております。

 一方で、国体に参加する選手・役員などの宿泊先が岐阜市を中心に不足しておるという課題もございます。私自身も、個別に宿泊施設、ホテル、旅館等を訪問させていただきまして、客室のさらなる提供をお願いするなど、県内での宿泊先の確保に全力を挙げておるところでございます。

 また、私自身、時間の許す限り、選手・監督などの激励に出かけておりますけれども、天皇杯、皇后杯を目指して、それぞれ一段と熱のこもった練習が進んでおります。

 今後は、総合リハーサルの開催など、まさに本番さながらの準備を進めてまいりますが、残された限られた日数を一日一日無駄にせず、怠りなく準備を進めてまいりたい、そして両大会を成功に持っていければというふうに思っておる次第でございます。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、岐阜県行財政改革アクションプラン後の財政運営についてお伺いいたします。

 平成二十二年度から実施してきた行財政改革アクションプランも、今年度で最終年度となります。起債許可団体からの脱却を目指し、持続可能な財政基盤を確立することは、極めて重要な課題であります。しかし、単なる削減、廃止をもってよしとするのではなく、本県の将来を見据え、活力ある地域経済、新たな課題に対応できる体制や、施策の構築を目指して取り組むことが求められるものであります。

 県の事業や、県が設置した施設、団体については、当然のことながら開始当初はどれも相応の目的があったはずであります。それに反しての行き過ぎた削減や縮小があってはならないと考えます。

 知事は、この四月、改めて事務事業の見直しを行うとともに、中期の財政見通しの検討と長期構想の中間見直しを内容とした、事業、財政、政策の各方面からのアクションプラン後の対応について検討の必要性を言及されました。私は、この見直し作業に当たっては、対象となる事業や施設の利害関係者への十分な説明や意見聴取など、これまで以上に丁寧に行う必要があると思います。そして、真に必要なものはもとの水準に戻すとか、そうでないものは廃止とするなど、一層のめり張りをつけることが重要であると考えます。

 一方、昨年の東日本大震災での被害の状況と、その後のなかなか進まない復興の状況を見ますと、近年の公共事業費の縮減がもたらした損失は、余りにも大きかったと思われます。これまでの効率性、経済合理性一辺倒、財政収支の改善のためなら、国民の生命・財産をも犠牲にするといった、行き過ぎた財政均衡主義に基づく考え方から、公共事業が悪者扱いされていることを見直す時期に来ているのではないかと考えます。

 この財政均衡主義については、これまで多くの国民が支持する中にあり、また本県も厳しい財政状況にあったこともあり、国と同様、公共事業に対して手控えがあったのではないかと思います。

 すべての事業について費用対効果を精査する等、慎重に進めることは当然であります。しかし、行財政改革アクションプラン以後の財政見通しに明るい兆しが見えてきた今、大胆に公共事業を中心に積極的財政政策にかじを切ることで、「豊かなふるさと岐阜県づくり」を目指すことが求められるのではないかと考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。来年度以降の財政運営の方向性について、各事業の費用対効果を精査しながら、見直しを行いつつも、公共事業を中心に、経済波及効果の高い県事業を積極的に実施するなど、積極的財政政策に転換していくことが有効と考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 また、今後実施される事務事業の見直しに当たっては、従来にも増して十分に県民の意見を反映させることが重要と考えますが、これについて今後どのように対応していかれるのか、あわせてお伺いをいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 来年度以降の財政運営についてのお尋ねでございます。

 平成二十二年度以降、御案内の行財政改革アクションプランの取り組みを着実に進めてきたわけでございますが、その結果として、平成二十五年度以降は多額の財源不足が生じるような事態は回避できるんではないかというふうに見ておりますし、持続的な財政運営の道筋が見え始めてきたというふうに考えております。

 他方で、歳入面では、経済環境の悪化、あるいは国の財政状況が厳しい中で、税収、あるいは地方交付税の伸びが停滞しております。また、歳出面では、社会保障関係経費の自然増が毎年三十億円から五十億円見込まれるといったような財政逼迫要因に加えまして、いまだ具体的な姿が明らかになっていない社会保障制度改革の影響、あるいは臨時財政対策債の増加による将来的な影響といったことも懸念されるところでございます。

 来年度以降の財政運営につきましては、こうした状況を見きわめながら、今後、中期の財政見通しを作成する中で具体的な内容を検討してまいりたいというふうに考えております。

 その際、財政の健全化だけではなく、県政の諸課題に対して適切に対応していくことが重要であるということはもちろんでございます。既に本年度予算におきまして、安全な暮らしを守る防災体制の強化といった防災関係予算につきましては、対前年度比三五%増ということで振り向けておりますし、国の補助を活用し実施する公共事業につきましては六年ぶりに、そして単独で実施する公共事業につきましては、昨年度に引き続き予算を増額しておる次第でございます。

 今後、引き続き事業の必要性・効率性といった観点から見直しを行う中で、今後の財政見通しを踏まえながら、行財政改革アクションプランで、例えば補助率の引き下げを行った県単福祉医療費補助金など、県民の安全・安心に直結する事業につきましては、優先的に戻してまいりたいというふうに考えております。

 また、見直しに当たりましては、県政モニター制度により県民ニーズを把握するなど、広く県民の意見を聞くとともに、対象なる事業や施設の関係者から十分に意見をお聞きし、丁寧に御説明もし、また理解を得ながら進めてまいりたいと思っております。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、国と地方の権限、財源に係る諸問題について、四点お伺いいたします。

 まず最初に、国の地域主権改革に対する評価についてお伺いをいたします。

 政府は、地域のことは地域みずから決めるという目的で地域主権改革に取り組み、これまでに国と地方の協議の場の法制化や、国庫補助負担金の一括交付金化、義務づけ・枠づけの見直し等を行ってきたところであります。

 しかしながら、一括交付金については、交付金の規模がもとの国庫補助負担金の総額を下回ったため、継続事業すら十分に実施できない状況となり、また厳格な手続が求められる補助金適正化法の対象とされているなど、運用面においても課題が多く、地方の自由度の拡大という観点からは、まだまだ不十分な状況にあります。

 また、義務づけ・枠づけの見直しについても、福祉施設等の職員数や居室の床面積など、地方が創意工夫を生かすべき主要部分のほとんどが国の定める従うべき基準に適合しなければならないということがあり、事実上は、義務づけ・枠づけが残されているのが現状であります。

 さらに、国の出先機関の原則廃止については、アクションプランが閣議決定されたものの、その後、直轄道路・直轄河川やハローワークの地方移管に向けた本格的な議論は、全くと言っていいほど進んでおりません。

 また、国の出先機関の事務をブロック単位で地方に移管するための法案の議論も進められましたが、その内容は、国の関与を色濃く残すこととなっております。

 政府は、本年夏までにこれまでの取り組みの成果を踏まえた「地域主権推進大綱」を策定することとしておりますが、このような状況で改革の当初の目的を達せられるのか、甚だ疑問であります。

 そこで、知事にお伺いいたします。国の地域主権改革の取り組みについて、これまでの過程に対する評価と、その評価を踏まえた今後の対応についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

 二点目、緊急防災対策に係る財源についてお伺いいたします。

 国は、東日本大震災からの復興を図ることを目的に、全国の地方自治体が緊急に実施する防災施策に要する費用の財源を確保するため、臨時の措置として個人住民税の均等割の標準税率の引き上げを行うことを趣旨とした復興財源確保法を昨年成立させました。この内容は、平成二十六年より平成三十五年までの十年間、県税及び市町村税に五百円を上乗せし、事業予算を捻出するようになっております。

 県税は、毎年五億円、十年で五十億円ほどになります。これに対して防災対策は、平成二十三年度から平成二十七年度にかけて行うこととなっております。したがって、防災事業は、予算の先食いをしながら行っていくことになります。

 そこで、総務部長にお伺いいたします。この事業に係る来年度からの予算計上は、どのように行われるのでしょうか。また、予算先食いによって不都合は起きないのでしょうか、お伺いをいたします。

 三点目、国直轄事業の地方負担金についてお伺いいたします。

 政府は、平成二十二年度に直轄事業負担金の抜本的な見直しに向けた工程を示し、維持管理費の負担金については、平成二十三年度から全廃といたしました。残った負担金についても、平成二十五年度までには現行の直轄事業負担金制度の廃止を行うこととなっております。

 国直轄事業負担金の廃止は、これまで地方が裁量権を持つために強く求めてきたものであります。しかし、私は以前、その一方で国直轄事業負担金が廃止されることにより、公共事業に係る国の財源が縮小することは避けられず、それに伴って、本県の国道二十一号、四十一号など、国が管理する国道の維持管理レベルが低下することが危惧されるところであると懸念を申し上げました。

 国の公共事業予算は、平成二十二年度当初予算において一八・三%、さらに二十三年度には五・一%がそれぞれ削減され、維持工事の負担金が全廃されたことの見返りではないかと勘ぐってしまうところであります。

 今後、さらに建設費負担金も全廃にしていく工程が示されております。このことが原因で公共事業費がさらに削減されるならば、東海環状西回り路線を初め、国道建設工事の進捗に多大な影響を及ぼすことが懸念されます。また、直轄事業の地方負担金の廃止に伴って、直轄事業が国の方針だけで決定され、県の意見を挟む余地がなくなるようなことも懸念をされます。

 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。国直轄事業負担金制度改革が進められていますが、これに伴って、県内の国直轄道路事業の改良・新設工事の進捗状況や、県と国との連携状況に変化がないか、さらに今後、どのように対応していこうとしておられるのか、お伺いをいたします。

 四点目、公立高校授業料無償化に伴う影響についてお伺いいたします。

 公立高校の授業料が無償化され、二年がたちました。政府は、この制度の成果として、経済的理由での高校中退者が前年度より三六%強減少したとしております。しかし、経済的支援のみを期待するのであれば、所得の多い家庭の子供の授業料までを対象とする必要があるのか、甚だ疑問であります。

 さて、この制度は、授業料無償化のための財源は、国から公立高等学校授業料不徴収交付金という交付金の形で県へ支出されます。この交付金の各都道府県への交付額は、公立高等学校基礎授業料月額掛ける十二カ月、そして基準日の生徒の数掛ける調整率という計算式で算定されます。この計算式にある調整率は、国が一律に定めているものであります。これは、各都道府県が生徒の保護者の経済的理由等により授業料を減免している実績をとらえ、相当額を減じるために設定されているものであります。しかしながら、各都道府県で授業料減免の実績はまるきり異なるため、調整率により減額された金額と減免の実績額に差額が生じることから、財源不足が生じ、結果として都道府県に財政負担を強いているのであります。

 本県の場合、平成二十一年度の授業料収入相当額は約五十一億円あり、このうち減免率は三%であります。これが実績です。このため、授業料収入としては、その九七%、約四十九億円を確保しておりました。

 しかし、授業料不徴収交付金では、調整率が全国一律の八八・五%に設定されたため、緩和措置がなくなる平成二十六年度には、交付金収入として約四十五億円しか収入がなくなります。結果、その八・五%分の約四億円は県費を持ち出すことになります。

 そこで、教育長にお伺いいたします。高校授業料無償化導入以降、県内の公立高校の就学状況はどのような状況にあり、これについてどのように評価しておられるのか、お伺いをいたします。

 また、全国一律とされている調整率によって、本県においてはどのような影響が出てきているのか、現状と今後の対応についてあわせてお伺いをいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、私のほうからは、国の地域主権改革に対する評価について申し上げたいと思います。

 御案内のように、民主党政権は「官主導から政治主導へ」「中央集権から地域主権へ」という二大看板を掲げたわけでございますが、私どもとしては、地域主権改革も政治主導で一気に進むのではないかと大いに期待しておったわけでございます。

 こうした中で、国と地方の協議の場が法制化されまして、子ども手当の取り扱い、あるいは社会保障と税の一体改革案の策定に向けて国と地方ががっぷり四つに組んで議論できたということは一歩前進であるというふうに考えておりますが、各論部分を眺めてみますと、本質的なところでは大きく変化したとは到底言えないわけでありまして、まだまだ歩みは重いというふうに感じておるわけでございます。

 そこで、各論について幾つか申し上げますと、まず一括交付金でございますが、平成二十四年度の対象事業が前年度の九事業から十八事業に拡大され、それにあわせて予算額も前年度の五千百二十億円から八千三百二十九億円に拡大されておりまして、一定の進化はあったということができるわけでございますが、必要な総額の確保でありますとか、依然として補助金等適正化法の対象とされていることを初めとして、そもそも本格的な税財源の移譲を求めております私どもの立場からしますと、引き続き大胆な進化が必要であるというふうに考えております。

 次に、義務づけ・枠づけの見直しでございますが、その約六割が国が決めた従うべき基準に適合しなさいということでございまして、地方の判断と責任において実施するという観点からは、甚だ不十分であるということでございます。

 ただ、こうした中ではございますが、本県では可能な範囲内で地域の実情に応じた基準の設定等に努めておるわけでございまして、例えば今議会に条例案をお出ししておりますけれども、歩行者の安全を確保するため、今まで歩道を設置できなかった区間にも歩道を設置しやすくするといったようなことなど、本県独自の道路構造基準を設ける方向で今お出しをしておるということでございます。

 また、国の出先機関の原則廃止の問題もお触れになっておられましたが、これにつきましては、基礎自治体に加え、与党内からも慎重意見が今相次いでおりまして、今国会の法案提出について政府・与党で調整が続いております。

 現在、検討のたたき台になっております法案の中身を見てみますと、希望する広域連合を受け皿として、かつその広域連合の区域が国の出先機関の区域をすべてカバーすることを求められているということでございますし、移譲事務が一部にとどまっているということ、あるいは一たん移譲された事務に対する国の許認可、勧告などなど、国の関与が色濃く残っておるといったようなことから、国の出先機関の原則廃止という方針から見ましても、また地域主権の観点から見ましても、問題が非常に多いというふうに感じておるわけでございます。

 これらの点は、知事会からも政府に申し入れるところでございますが、この法案をめぐる政府の動向などを踏まえながら、県内の市町村とも十分協議をしながら、慎重に議論を深めていきたいというふうに考えております。



○議長(駒田誠君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 緊急防災対策の財源についてお答えいたします。

 東日本大震災を踏まえて、被災地以外の地域においても早期に対応が必要な防災事業を実施するため、国が補正予算で緊急防災・減災事業を計上するとともに、地方負担については、地方税の臨時特例に関する法律による臨時増税などで賄われることとされました。

 この仕組みでは、御指摘のとおり、事業を早期に実施する一方で、臨時増税による税収は、今後十年間にわたって計上されるため、税収が入ってくるまでの財源を手当てする地方債として緊急防災・減災事業債が創設され、事業を行う際に、地方負担の全額をこの地方債によって賄った上で、その後の元利償還金を臨時増税による税収で賄うこととされております。このため、本県でも緊急防災・減災事業として、平成二十三年度十二月補正予算で約二十五億円、平成二十四年度当初予算で約三十億円を計上し、事業を実施しているところでございますが、御指摘のような不都合が生じることはございません。

 早期、かつ円滑に防災対策を行うためにも、引き続き今回の仕組みを活用して、防災・減災対策の推進に努めてまいります。



○議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 国直轄道路事業の地方負担金についてお答えします。

 県内における国直轄道路事業の改築、新設の事業費につきましては、維持管理負担金の廃止前の平成二十一、二十二年度の事業費と廃止後の平成二十三、二十四年度の年平均事業費を比較しますと、廃止前の三百七十一億円に対し、廃止後は三百八十八億円で、金額にして十七億円、率にして四・六%増となっています。

 この要因として、本県の場合、東海環状自動車道西回り区間が国の大都市圏環状道路の整備に位置づけられ、平成三十二年度までの完成に向けて重点的に事業費が配分されていることや、国道十九号恵中拡幅、国道四十一号高山国府バイパスなどの重要な事業がここ数年で完成が見込まれ、必要な事業費が配分されているものと考えています。

 また、県と国との連携につきましては、年二回、知事と中部地方整備局長が面談し、直轄事業の内容や進捗状況について詳細な説明を受けているところです。

 しかしながら、一方では、今後、東海環状自動車道西回り区間等国事業の進捗に伴う県負担金の大幅な増額は、大きな課題であると認識しています。

 このため、今後とも、国事業の説明の場等で県の関心事項について意見を述べるとともに、直轄事業負担金の軽減、廃止についても、引き続き強く要請してまいります。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 公立高校授業料無償化に伴う影響についてお答えいたします。

 公立高校授業料無償化制度は、平成二十二年度から導入されましたが、経済的理由による公立高校の中途退学者数は、平成二十一年度が九名、平成二十二年度が十二名でした。また、高校中途退学者の県内公立高校への再入学及び編入学者数は、平成二十一年度が四十六名、平成二十二年度が四十五名であり、本県においては、いずれも授業料無償化の導入に伴う就学状況に大きな変化は見られませんでした。

 次に、全国一律の調整率による影響についてお答えいたします。

 国が定めた調整率は、これまで各地方自治体で実施してきた授業料減免の実態が十分に考慮されていない状況にあります。本県の場合、全国的にも低い減免率であったにもかかわらず、調整率は全国一律とされていることから、公立高校授業料無償化制度の導入以降、議員御指摘のとおり、新たな財政負担が生じております。

 このため、県といたしましては、国に対し、公立高校授業料無償化に伴う財源を全額国庫負担として措置されるよう、全国知事会及び全国教育長協議会等を通じて要望しておりますが、今後もあらゆる機会を通じて働きかけてまいります。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、社会保障関連施策について、三点お伺いをいたします。

 最初に、社会保障・税一体改革の財政面の影響についてお伺いをいたします。

 きのう、衆議院では社会保障・税一体改革の財源となります消費税の税率の引き上げが議決をされました。この社会保障と税の一体改革の目的は、財政の健全化と社会保障の充実・安定化という、一見すると相反するものを同時に達成しようとするものであります。

 今回示された改革案では、二〇一五年十月には消費税率を一〇%まで引き上げることとしております。政府の説明によりますと、引き上げ幅五%のうち四%は、高齢化の進展に伴う費用増加への対応と基礎年金国庫負担分二分の一の実現のための費用といった社会保障の安定化に資するものであります。真に社会保障の充実に資するものとしては、残りの一%相当額である二・七兆円だけであります。改革案に示された社会保障の充実に資する項目を実現するには三・八兆円を要するとされており、約一・一兆円が不足することになります。この不足分については、従来制度の重点化・効率化により賄うとしております。

 しかしながら、この重点化・効率化項目の実施は、例えば医療分野における平均在院日数の適正化など、国民の負担を伴うものが多くあります。したがって、今の政府の動向を見る限り、すべてを確実に実施できるとは到底思えないのであります。

 また、社会保障の充実に資する分野となる子育て、医療介護、就労促進等に係る事業については、その多くを県などの地方が担っておりますが、政府が重点化・効率化を十分にできないことから財源不足が生じ、その結果、地方にしわ寄せが来ることが懸念されます。

 そこで、知事にお伺いいたします。社会保障・税一体改革が進められることで本県への財政面での影響について、また今後、懸念されることはないのか。さらに、今後の対応方針についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

 二点目、老老介護対策と今後の高齢者介護・支援体制のあり方についてお伺いいたします。

 昨年、国民生活基礎調査で老老介護が増加していることが公表されました。七十五歳以上の要介護者がいる世帯のうち、同居の家族の中で主に介護をしている方が七十五歳以上である世帯が二五・五%と、過去最高になったということです。六十五歳以上の要介護者がいる世帯のうち、同居の家族の中で主に介護をしている方が六十五歳以上である世帯が四五・九%、同様に、団塊世代である六十歳代では六二・七%となっております。また、同居家族が介護している世帯は六四・一%に上り、このうち七割は女性がほとんど終日介護しているようであります。

 厚生労働省は、「次回の調査では団塊の世代が六十五歳を超えており、老老介護世帯はさらに増加している」と予想をしております。

 一方、居宅介護サービスの利用状況は、要介護者がいる六十五歳以上の高齢者世帯で二〇・六%の世帯が利用しなかったということです。その理由として、「家族で何とかやっていける」、「他人を家に入れたくない」といった答えがありましたが、利用者負担が払えないというのが本音ではなかろうかという思いがします。介護サービスの利用をちゅうちょした結果、心身の状態が悪化し、十分な介護が受けられず亡くなる人もいます。さらに、介護サービスを利用せず、年老いた奥さんが一人で夫を介護していて、奥さんのほうが先に亡くなるという痛ましい事件も聞かれます。年金だけで生活している老夫婦のせつない思いが伝わってくるような気がいたします。

 我が国は少子・高齢化時代を迎え、ますます高齢者世帯は増加していきます。政府の推計では、平成三十七年には世帯主が六十五歳以上の世帯が約一千九百万世帯に及び、その七割がひとり暮らしか高齢夫婦世帯になると言っております。

 今後、若者が減少することが予測されることから、高齢者の面倒を見る人材の確保が困難になってきます。このため、高齢者の介護・支援について、効果的で効率的な体制の整備が求められるのではないかと考えます。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。本県における老老介護世帯が抱える問題点と対応策について、また少子・高齢化に伴って高齢者介護・支援に携わる人材の不足が予測されますが、その状況を踏まえた今後の高齢者の介護・支援体制のあり方についての御所見をお伺いいたします。

 三点目、児童虐待への対応についてお伺いいたします。

 厚生労働省によりますと、全国の児童相談所が平成二十二年度に受けた虐待相談の件数は五万六千三百八十四件で、集計を開始した平成二年度から二十年連続で増加し、過去最多を更新したことがわかりました。

 さらに、この数値は東日本大震災で被災した福島県を除いたものであり、前年と比較して大幅な増となっております。都道府県では、大阪府が七千六百四十六件で一位、次いで神奈川県が七千四百六十六件となっております。岐阜県は六百七十二件で、二十四位であります。

 さて、平成十一年度の虐待相談件数は、全国で約一万件でありました。それが十年ほどで五倍にふえております。岐阜県においても同様に五倍にふえており、異常なふえ方であると思います。

 また、現在、児童虐待の相談については、県内五カ所にある子ども相談センターで実施しているとのことですが、相談件数の増加に伴って、現在の体制で対応できるか、懸念されます。

 そこで、まず健康福祉部長にお伺いいたします。増加し続けている児童虐待相談に対して、県としてはどのような対応をとっているのか。また、今後どのような方針のもとに施策を展開していくつもりなのか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、教育長に、児童虐待を防ぐために教育現場ではどのような注意を払っているのか、お伺いをいたします。

 最後に、警察本部長に、警察と教育現場、県当局との連携はどのようになされているのか、お伺いいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 社会保障・税一体改革の財政面への影響ということでお答え申し上げます。

 社会保障制度を支える世代が減少していく中で、社会保障制度の維持・充実を図るためには、制度改革と必要な財源の確保は避けられない課題であるということでございます。

 現在、国会で審議されております消費税関連法案では、全国知事会が中心となって地方の社会保障財源の充実に向けて国と調整を行った結果、地方消費税と地方交付税財源としての消費税分と合わせて、地方配分の割合が現行の二・一八%から三・七二%に引き上げられることとされております。その結果、本県への影響を試算してみますと、地方消費税について二百数十億円の増収が見込まれるわけでございます。

 しかしながら、一体改革とされた社会保障制度改革につきましては、議論はいまだ十分進んでおらない状況でございます。地方の財政負担が大きい医療制度・介護保険制度についても、改革の具体的な姿が明らかとなっておらず、地方の負担の行方も不透明であります。

 本県の社会保障関係経費は、現状のままで推移しますと、高齢化社会の進展により、毎年三十億円から五十億円程度増加することが見込まれております。したがいまして、法案のスケジュールどおり増税されたといたしましても、平成三十年度ごろには社会保障関係経費の増加分が地方消費税の増収額を上回るということが見込まれるわけでございます。

 こうしたことから見ましても、安全・安心の基盤となる社会保障制度を持続可能なものとすることは、国民にとっての重要な課題でございます。そのためには、国が社会保障の将来像をしっかりと示し、負担と給付のあり方について国民的な議論を行うことが重要でございます。

 このような観点から、国に対しましては、これまでもさまざまな要望を行ってきておりますが、今後も社会保障制度改革全体の具体的な内容を早期に明らかにすることに加えて、地方負担に対する財源措置が確実に行われるよう、全国知事会とも連携しながら働きかけてまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 老老介護対策と今後の高齢者介護、支援体制のあり方について、二点御質問がございました。

 初めに、本県における老老介護世帯が抱える問題点と対応策についてお答えします。

 本県におきましても、全国の状況と同様に老老介護世帯が増加しており、その負担軽減を図っていくことは大きな課題であると認識しております。

 本県の介護サービス利用の特徴としましては、通所、短期入所の利用が比較的多く、訪問介護の利用が少ないということが挙げられますが、要介護認定者一人当たりの訪問介護事業所数が全国に比べて、より少ないという状況ではありませんので、訪問介護の利用が少ないのは、家族でできることは家族でする、外部の人は家に入れたくないといった気持ちがあることも理由の一つではないかと考えております。

 こうした自立の気持ちが無理につながって不幸な事態をもたらすことのないよう、県としましては、訪問介護のより効率的、効果的な利用を図るため、訪問介護事業者やケアマネジャー等の関係者との連携を進めるとともに、適正な利用の普及・PRに努めてまいります。

 次に、介護人材の不足を踏まえた今後の高齢者の介護・支援体制のあり方についてお答えします。

 介護人材の育成・確保につきましては、これまでも失業者等を介護現場で雇用し、介護福祉士等の資格を取得してもらうプログラムの実施や、介護福祉士の資格取得を目指す学生に対する修学資金の貸し付け、産休・育休を取得する職員の代替職員の確保支援などに取り組んでおり、できる限りの確保に努めております。

 また、限られた介護人材で効率的に介護保険サービスを提供するため、介護サービス付きの高齢者向け住宅の供給を促進するとともに、短時間巡回型の訪問介護の普及等により在宅介護サービスの充実を図り、あわせて特別養護老人ホーム等の施設整備も進めてまいります。

 さらに、高齢者世帯の孤立化を防ぎ、住みなれた地域で安心して生活していただくために、新聞や牛乳の配達員など各家庭を訪問する方々による通報システムの構築、配食・買い物支援といった生活支援サービスの実施、地域見守り隊の活動支援など、地域全体で高齢者を見守る体制の整備を進め、地域における包括的なケアシステムの構築を目指してまいります。

 次に、増加する児童虐待相談への対応及び今後の施策方針についてお答えします。

 児童虐待相談の増加に対応するため、従来から児童福祉司や児童心理司の段階的な増員や、経験の長いOBの活用により人員を増強するとともに、研修等を通じて職員の専門性の向上を図るなど、相談を受ける体制を充実させてまいりました。さらに、昨年度は二十四時間虐待通報ダイヤルを開設して、いつでも相談を受け付ける体制を整えたところであります。

 また、県民の皆様にとって一番身近な相談窓口である市町村の担当職員を対象に研修や指導を行うなど、市町村相談窓口の強化にも努めております。

 児童虐待を深刻化させないためには、何よりも早期発見・早期対応、適切な保護を行うことが肝要でありますので、虐待を発見したときにはちゅうちょなく通告していただけるよう、今後も相談体制のさらなる充実を図るとともに、重点的な啓発活動を実施する等、市町村や学校、警察などの関係機関と連携を密にして進めてまいります。



○議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 児童虐待への教育現場での対応についてお答えいたします。

 各学校においては、学級担任や養護教諭を初めとする全教職員が児童・生徒の小さな変化も見逃さないよう、日常的な観察に努めております。

 具体的には、何かでたたかれたような跡や傷が不自然にあったり、おびえたような目つきや表情を見せたりするなどの異変に細心の注意を払っております。

 また、日ごろより家庭との信頼関係を築くために、保護者と面談を持ったり、家庭訪問を行ったりしております。その際、子育てに対する保護者の不安や子供への接し方などにも気を配り、虐待につながる兆候の早期発見に努めております。

 なお、虐待を受けたと思われる児童・生徒を発見したときには、直ちに関係教職員で情報を共有し、速やかに通告できるよう、市町村関係課、子ども相談センター、警察等との連携を図っております。

 県教育委員会としましては、今後も関係機関と連携を図りながら、各学校において児童虐待の防止に迅速かつ組織的に対応できるよう取り組んでまいります。

 このような取り組みを進めようとしている中で、先日、教員が児童福祉法違反で逮捕されるなど、最近の教員の不祥事につきまして、深くおわび申し上げます。



○議長(駒田誠君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 児童虐待に関する教育現場、県当局との連携についてお答えをいたします。

 警察といたしましては、児童虐待事案については、子ども相談センター、学校等の関係機関と連携を図りながら、その対応に当たっているところでございます。

 具体的には、学校からの通報も含めて警察において認知をいたしました児童虐待の容疑事案につきましては、およそそのすべてを子ども相談センターに通告するとともに、対象児童が通う学校にも児童の状況確認を依頼するなど、互いに情報を共有しながら児童・生徒の安全確保に向けた対応に努めているところでございます。

 また、子ども相談センターへ通告した事案につきましては、その後のセンターにおける措置、すなわち一時保護、在宅での指導といった措置の状況、あるいは一時保護の解除、施設入所といった状況の変化について情報共有を図っているところでございまして、その状況に応じ、子ども相談センターにおいて児童の安全確認や一時保護を行う際に、児童虐待の防止等に関する法律第十条の規定に基づく援助要請を受けた場合には、警察として必要な援助を行っているところでございます。

 県警察といたしましては、今後とも、児童・生徒の安全確保を最優先に、関係機関と連携を密に適切な対応に努めてまいる所存でございます。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、国を愛する心、国の領土を守る心の醸成についてお伺いをいたします。

 いわく人権、いわく自由、いわく平和等々、これが戦後教育の根本理念でありました。そして、この主張は、日本国憲法とそれに基づく教育基本法にあります。

 道徳教育についてデュルケームは、道徳の基礎にある心性を「道徳性」と名づけ、その要素として「集団への愛着」「規律の精神」「意思の自律」の三つを挙げ、これらの要素を養うのが道徳教育であると主張しました。デュルケームの言う道徳教育は、その根源に国家、国民があり、人が社会の一員として生きる、個と集団のつながりを教示しています。

 さて、近年、隣国の目に余る行動があります。平成二十二年に発生した尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件、これは中国漁船が日本の領海を侵犯し、海上保安庁は公務執行妨害で船長を逮捕したが、政府は中国側の圧力に屈し、船長を処分保留のまま釈放したというもの、ロシアの現職大統領が北方領土を訪問し、対日戦勝記念日を制定したというもの、韓国が竹島の領有権を主張したというもの、すべて領土の話であります。しかも、我が国の領土を侵犯するものです。

 しかし、残念ながら、現政府は手をこまねいているだけで、我が国の領土を守る真剣さが伝わってまいりません。せめて次の世代には、領土というもの、領土の重要性をしっかりと教えていく必要があると考えます。

 日本JCの調査によりますと、全国の高校生に北方四島、日本海、東シナ海の地図を提示して国境をかかせましたら、北方領土の国境の正解は、四百人のうち五十九人であったといいます。また、全問正解は七人しかいなかったとのことであります。

 自国の領土やその歴史を正しく知ることは、国民として当然のことであり、教育でそれを教えるのは国家の責任であります。しかし、教える側にも問題があります。一つ例を紹介しますと、文部科学省が所管する社団法人 日本図書館協会が全国の図書館に推奨する子供向けの絵本「国旗の絵本」に、北方領土をロシア領と色分けした地図が掲載をされておりました。指摘をされまして、発行側は訂正をしました。しかし、その言いわけが、「問題提起するためにやった」というわけのわからないことを言う。子供が読む本であります。間違った知識、しかも国家に重要な意味のあることを問題提起などと言いわけしかしない、危険きわまりない大人がいるのも非常に情けない思いがします。

 一九五七年に国防会議と閣議で決定されました国防の基本方針の序文では、「国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときは、これを排除し、もって民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守ることにある」となっております。

 本年三月に内閣府から、自衛隊・防衛問題に対する世論調査が発表されました。それによりますと、自衛隊・防衛問題に関心がないと答えた人が半数に上ります。内閣府では、「今回は、東日本大震災で自衛隊の活躍を見たから半数になったのだろう、いつもは六割に達する」との報道であります。関心のない理由については、「自衛隊や防衛問題がわからないから」が半数、「自分の生活に関係ないから」が三割もの人がいます。

 さて、平成十六年に「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」、いわゆる「国民保護法」が施行されました。本県でも、この法律に基づき「岐阜県国民保護計画」が策定されておりますが、この計画によりますと、県の責務は、「武力攻撃事態等において県民の協力を得つつ、他の機関と連携協力し、みずから国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施し、その区域において関係機関が実施する国民保護措置を総合的に推進する」こととなっております。

 しかし、国民の自国の領土についての関心が低く、また自衛隊や防衛問題の関心が低い状況で、有事の際に、県民の協力を得て国民の保護措置を的確かつ迅速に行うことなど、到底不可能ではないかと懸念されるのであります。

 自国を愛する心、自国の領土を守る心の醸成は、本来、国の責務と考えますが、近年の領海・領土侵犯に対する政府の対応を見る限り、不可能と感じます。

 本年四月、石原東京都知事がワシントンにおいて尖閣諸島を東京都が購入するという表明をされました。その後、都が購入資金等の寄附を募ったところ、現時点で既に十二億円以上が集まっているとのことで、ようやく国民が関心を示し始めたのかなという思いはいたします。

 国民に国を愛する意識、国の領土を守る意識について考えさせる、よいきっかけを与えたものと思いますが、余りにもふがいない政府の態度に対し、業を煮やした石原都知事独特の政府への叱責であると思います。

 国を愛する心、国の領土を守る心を醸成することは国の責務でありますが、現政府にその期待が持てない現状では、地方みずからが行動を起こすべきではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いいたします。知事として県民の国を愛する心、国の領土を守る心の醸成についてどのように取り組まれるのか。また、国を愛する心、国の領土を守る心についてどのように考えておみえなのか、御所見をお伺いいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) デュルケームの道徳論の御紹介がございました。大学時代の社会学以来でございまして、まことにありがとうございました。

 さて、御指摘にもございましたけれども、防衛、外交、これは一義的には国の責任という課題ではありますけれども、御紹介いただきました国民保護法におきましては、明確に地方公共団体の責務も記されておるわけでございまして、私ども県や市町村もおさおさ怠ってはいけないということは申すまでもないわけでございます。

 こうした姿勢の根幹となるのが、自分が生まれ育った国や地域に誇りを持ち、愛することであるというふうに考えておる次第でございます。私自身、役人生活を長く送ってまいりましたけれども、特に国際交渉の場における国益をかけたつばぜり合いを目の当たりにし、交渉者の自国を守る気概を肌で感じてきた次第でございます。と同時に、その国益は、自国さえよければいいという閉ざされた国益ではなく、国際社会において共存共栄を進めていくために、お互いの自国を愛する心を尊重し、理解した上での開かれた国益でなければならないということもあわせて痛感した次第でございます。

 こうした思いもありまして、私は着任以来、「ふるさと教育」ということを掲げてまいった次第でございます。「ふるさとを愛する心」は、すなわち「日本を愛する心」につながるということでございます。

 現在、毎年十一月の第一週から第二週を「岐阜県ふるさと教育週間」に設定しております。各学校においてふるさと教育を重点的にこの時期に実施されておりますけれども、こうした地域学習等を通じまして、未来を担う子供たちの「ふるさとを愛する心」、そして「日本を愛する心」をはぐくんでいきたいというふうに考えておる次第でございます。

 御指摘のとおり、我が国を取り巻く国際環境が一段と厳しさを増している今日、私ども自身が国やふるさとの思いを改めてみずからにしっかりと問いかけていくことが必要だというふうに考えております。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、県の産業振興策について三点お伺いをいたします。

 最初に、県内の経済情勢についてお伺いいたします。

 ここ連日、ギリシャの財政危機に端を発した欧州債務危機、いわゆるユーロ危機に関する報道がなされております。このユーロ危機は、第二のリーマンショックとなるおそれもあると懸念されており、その成り行きが心配されるところであります。

 本県の経済も、これまでリーマンショック、東日本大震災やタイの洪水といった自然災害などに大きく影響を受けてきたところであり、現在もなお長引く円高や原油高など、経済への懸念材料があり、さらにこのユーロ危機による国内経済の悪化に伴う悪影響も、今後、懸念されるところであります。

 一方、これまで我が国の主力産業の一つとされてきた家電業界が、中国、韓国のメーカーの台頭などにより、軒並み未曾有の業績不振に陥っており、海外への工場移転、国内工場の操業停止、従業員の削減など、厳しいリストラの実施を余儀なくされているとの報道がされております。

 また、自動車業界も、これからの需要が見込まれる新興国での販売がヨーロッパやアジアの自動車業界に押され、苦戦しているとのことであります。

 このように、我が国が圧倒的に優位にあるとされてきた電機、自動車などの製造業が、ことごとくその優位性を失いつつあります。

 本県においても、電機、自動車関連の製造業は数多くあり、その経営状況は、県や市町村などの地元自治体の税収を初め、地域の雇用にも大きな影響を与えることが懸念されます。

 そこで、知事にお伺いいたします。県内の経済情勢について現時点でどのような状況にあると認識をしておられるのか、お伺いをいたします。

 二点目、TPP参加による県経済への影響についてお伺いいたします。

 本年二月、TPPの初の日米事前協議で、米国側が「日本は全品目をテーブルにのせる用意がなければ参加させない」と発言し、外務省幹部が「その用意がある」と答えていたことがわかったとの報道がありました。

 これまで我が県議会では、TPPに関しては、一昨年の十二月と昨年の十二月に、国民的な議論を行い、広く国民的な合意形成を得た上で判断すること等を求める旨の意見書を国に提出しております。それにもかかわらず、国民的な十分な議論も、また政権与党内ですら合意形成もなされていない中でのことであります。今回の報道が事実であるならば、まさしく政府の暴挙であると言わざるを得ません。

 さて、TPP参加については、内閣府は、参加により我が国経済全体でGDPが三・二兆円上がるといい、経済産業省は、不参加の場合は自動車等三業種で十・五兆円も下がると言っております。

 一方で農林水産省は、米・小麦等農産物十九品目で直ちに関税を撤廃し、何らの対策も講じない場合、GDPが七・九兆円下がるといい、さらに食糧の自給率は一四%まで下がるというなど、まちまちに試算をされているところであります。

 私は、アジア太平洋地域における経済連携については、TPPによらなくても、APECやASEAN、ASEAN+3、ASEAN+6といった枠組みでも可能であると思っております。また、この五月には、日中韓FTA交渉を年内に開始することで三カ国首脳が合意したところでもあります。また、アメリカとも従来からのつながりを一層強くしていくことで対応可能であり、なぜTPPにこだわるのか、理解に苦しみます。

 なぜ、経済規模の小さい国同士が始めたTPPにアメリカが参加をしてきたのか、それは、アメリカが参加して新たに金融サービスと投資の自由化を言い出してきたことに、アメリカの意図がかい間見えるような気がします。

 我が国では、反対派は総じて農家がつぶれるとか、農業が大打撃を受けるなど、農業に焦点を当て論じていますが、TPP協定交渉の作業部会は二十四もあり、農業はその一分野にすぎません。

 アメリカの参加の目的は、農業以外にもあると思われます。我が国が一部農産物に高い関税をかけていますので、農産物の輸出が目につきますが、アメリカが主張する金融サービスと投資の自由化の対象は、我が国の農業共済や医療、保険、金融、証券、また郵便貯金や年金、入札参加も含まれております。アメリカは、これらの分野に規制撤廃や制度の見直しを求めてくるものと思います。

 一九八五年のプラザ合意から始まって九〇年代の日米構造協議など、ここ三十年ほどの日米交渉が進められる中で、結局、我が国はアメリカの国益のため、彼らの個人主義的、能力主義的、金融中心の資本主義の社会システムに巻き込まれていったように思います。

 その一方で、我が国の国益については、この十数年の我が国の名目成長率がゼロに近いことを考え合わせますと、何も生まなかったと考えるべきであります。

 このような日米関係の中にあっては、TPPに参加をすることで、これまでと同様、我が国の国益とは無関係に、全面自由化、市場開放、競争力強化といった名目でアメリカ主導のルールづくりに巻き込まれていくのではないでしょうか。

 以上を考え合わせますと、国益を踏まえ、何をとり、何を守るかの国民的議論がいまだ深まっていない状況でTPPへ参加することは非常に危険であり、拙速な交渉参加はやめるべきだと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。TPPに関し、県内の各業界の意見はどのようなものがあるのか、お伺いをいたします。

 三点目、今後の県の産業振興策についてお伺いいたします。

 申し上げてまいりましたように、本県の経済は、リーマンショックやユーロ危機、タイの洪水、原油高、円高、さらにTPPと、国際的な経済情勢、政治情勢に左右され続けております。今後、何らの手も打たれず、こうしたグローバル・ジャングル経済の中に岐阜県の中小企業がさらされ続けることになれば、地域経済の将来はさらに厳しいものになることは間違いありません。

 そこで、知事にお伺いをいたします。産業振興を進めていく上で、グローバル化にどのように対処していこうと考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、国のエネルギー政策の評価と電力需給対策による県内産業、県民生活への影響についてをお伺いいたします。

 政府は、今月、立地自治体である福井県及びおおい町の同意と周辺自治体とされる関西広域連合の理解が得られたと判断し、大飯原発三号機、四号機の再稼働を行うことを決定しました。

 この大飯原発の再稼働については、我が県議会として五月の臨時会において、「原発の安全性や再稼働の必要性について丁寧な説明を行う等、立地自治体を初め周辺自治体も含めた自治体関係者や住民の理解を十分に得ることを求める意見書」を全会一致でもって可決し、国に提出しました。しかし、残念ながら、政府からはいまだ何の説明もありません。甚だ遺憾なことであります。

 一方で、政府は、どこを原発の周辺自治体とするかといった方針の決定や明確な説明もないまま、大飯原発からの距離が本県よりも遠方にある自治体も含む関西広域連合の会合に、細野原発事故担当大臣がみずから出席して説明することで周辺自治体の理解を得たとの判断を行ったものであります。この広域連合の構成自治体は、関西電力管内の電力消費地であることから、再稼働がなければ、この夏一五%の節電を行わなければならないとされている状況下にあり、住民の日常生活、産業への影響を考慮すれば、安全よりも需給対策を優先せざるを得ず、客観的な判断を行う状況になかったと思います。

 このような政府の対応は、稚拙で不誠実なものと言わざるを得ず、原子力政策に対する岐阜県民を初めとする国民の信頼は、ますます損なわれたものと思います。

 一方、先月、電力需給に関する検討会及びエネルギー環境会議において決定された、この地域を所管する中部電力に五%の節電を求める等とした電力需給対策については、原発がすべて停止していることを前提に策定されたものであります。

 先日、今回の大飯原発の再稼働により、政府は、この地域の節電目標を五%から四%に緩和することを決定しました。今後も大飯原発の稼働状況に応じ、さらに緩和するものとしているものの、いずれにせよ、このような節電対策は、国の経済や国民生活に少なからずダメージを与えるものであります。

 そもそも今年の夏の電力不足は、早い時期から予測をされていたことで、政府の迅速な対応が求められていたにもかかわらず、原発問題の処理を含めたエネルギー政策の再構築の作業は、遅々として進んでおりません。

 原子力の安全規制を担う原子力規制委員会は、福島原発から一年三カ月もたって、ようやくその設置法が成立したところであります。

 さらに、国のエネルギー政策の今後のあり方を定めるエネルギー基本計画の見直し作業が昨年十月から経済産業省の諮問機関である総合資源エネルギー調査会において行われているものの、いまだ取りまとめるまでには至っておりません。

 そこで、知事にお伺いいたします。原発問題への対応を初め、エネルギー政策に係るこれまでの政府の対応についてどのように評価してみえるのか。また、今後、県としてどのように対応していくのか、お伺いをいたします。

 また、今年の夏のこの地域における電力需給状況は、どのような見通しとなるのか。その結果、今後、県民の生活や県内産業にどのような影響が出てくると考えてみえるのか。さらに、それに対して県としてどのように対応していかれるのか、あわせてお伺いいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 五点、御質問がございました。

 まず、県内の経済情勢についてでございますが、私ども毎月、中小企業等約百三十社からの聞き取りを行っておりますし、また最近の統計データもあわせて分析しておりますが、最近の県経済につきましては、東日本大震災やタイの洪水による影響を脱ししつつあり、緩やかな持ち直しの動きが続いているということでございます。

 特に年明け以降は、製造業を中心に回復の動きが広がりつつあり、消費・雇用ともに上向く傾向にございます。業種別に見ますと、まず製造業では、自動車関連産業においてエコカー需要の増大から受注量や出荷量が増加しており、当面は好調な状況を維持できる見込みとの声も上がっております。

 個人消費も緩やかな増加傾向が続いておりまして、特に大型小売店舗での販売額は、対前年比でプラスを維持しておる状況でございます。

 東日本大震災で大きく落ち込んだ観光面につきましても、個人のインターネット予約が好調なことから、おおむね震災前の水準を確保できておりますし、また海外誘客につきましても、アジアを中心に回復の動きが出てきております。

 雇用の面でも、製造業を中心に人手不足感が出始めておりまして、有効求人倍率も、回復の目安となる一倍に近づきつつあるということでございます。

 こういった全体的な状況ではございますが、個別の企業におきましては、国内外での厳しい競争による商品単価の下落、取引先からのコストダウン要請、原材料価格の高騰等により、売り上げの増大が利益の増大につながっていないという状況が見られておりまして、景気の回復を実感するにはほど遠い状況にあるというふうに見ております。

 加えて、欧州の信用不安、円高、原油、液化天然ガスの高騰など、景気の下振れリスクも大変多く存在しておるわけでございまして、県内経済の先行きは予断を許さないものと考えております。

 次に、TPPについてでございます。

 私ども、これまで折に触れ、県内の各業界の方々から御意見を伺ってきております。おおむねの傾向を申し上げますと、商工関係の方々におかれましては、製造業を中心に賛成意見が多数を占め、関税撤廃により価格競争力が生じ、輸出増を期待するといった意見をお聞きしております。

 他方、農業関係者は、TPPに参加した場合、海外から安価な農産物が流入し、県内の農業生産の大幅減少や、それに伴う農村機能の崩壊をもたらすとして反対の立場でございます。

 また、林業関係者も、同じく外材の輸入拡大による木材生産の減少、森林機能への影響から反対との意見を出されております。

 さらに、医師会、歯科医師会、薬剤師会など医療関係者は、公的医療保険制度の崩壊や、営利企業の医療参入に対する懸念から反対の立場を表明しておられるということでございます。

 日本は、資源の乏しい島国でありますし、また人口減少による国内市場の縮小が見込まれることから、引き続き開かれた国として世界の成長センターであるアジア・太平洋地域のダイナミズムを取り込み、ともに成長していくというのが我が国の基本的な戦略であるというふうに考えております。

 そこで問題は、TPPがこうした戦略の一環として位置づけられ得るのかどうかと、あるいは関係業界のさまざまな御意見、懸念に十分にこたえていけるのかどうかといったことが今後重要になるのではないかというふうに考えております。

 政府においては、現在、関係国との事前協議の段階だということでございます。この協議に当たりましては、最大限我が国の国益にかなうよう、徹底した情報収集や分析を行うとともに、協議の進捗状況、我が国にとっての具体的なメリット・デメリット、身近な生活への影響などの情報を国民にわかりやすい形で、迅速かつ多面的に提供いただくことが必要であるというふうに考えております。

 次に、グローバル化への対応でございます。

 経済に国境はないというふうに言われておりますが、最近の例を見ましても、未曾有の経済危機でありましたリーマンショック、その後の円高、欧州信用不安、中国のインフレなどに、県経済はその都度大きく左右されてきております。こうした動きはもはや一国ではコントロールができなくなっておりまして、県内中小企業が世界経済に左右される状況は今後も続いていくものと考えております。

 しかし、他方で、成長の源泉が海外にあることも事実でございます。例えば、リーマンショック後、本県経済が回復してまいりましたのは、アジアを中心とする海外に向けた製造業の輸出が拡大してきたからでございます。また、県内への旺盛な企業立地も、輸出を中心とする機械関連の製造業に支えられてまいりました。

 加えて今後、人口減少に伴って国内市場の縮小が進むことを考えますと、本県産業の振興を図るためには、成長が見込まれるアジアなど海外市場への展開に取り組む中小企業を積極的に支援し、海外需要を取り込む必要があるというふうに考えております。そのためには、何よりも国際競争に打ち勝つだけの技術力、商品力を高める必要がございます。

 例えば、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区が現在指定されてきておりますが、これを活用して、規制緩和、税制・財政・金融支援などの環境整備を進めていくことも重要であるというふうに考えております。

 また、機械部品等の製造業の海外展開に向けましても、言語や商慣習、法制度、国民性や文化の違いに合わせた対応が必要であるということでございまして、今年度から海外事業に詳しい専門家を現地交渉、商談に同行・指導してもらう「海外展開スタートアップ・サポート事業」にも取り組んでおるところでございます。

 さらに、地場産品の販路拡大に向けましては、海外の小売店舗と県が連携してマーケティング行う「ギフ・マーケティング・ブランチ事業」をシンガポール、上海、パリで進めております。このうち、シンガポールでは、昨年十月、今年二月の二度にわたって「Feel Gifu キャンペーン」と題したプロモーションを展開しております。それにあわせて、現地のセレクトショップにおいて県産品のテストマーケティングを実施いたしております。今年度は、さらにニューヨーク、ドーハにも拠点を拡大する準備を進めているところでございます。

 次に、国のエネルギー政策の評価及び県の対応ということでございます。

 まず、基本的なスタンスとしてエネルギーの安定的な供給の確保は、国の安全保障にもかかわる問題であり、国が責任を持って対応すべき基幹的な政策の一つであるというふうに考えております。

 一方、地方自治体の役割は、利用者の立場に立って、県内各主体における電力・エネルギー消費量の節約を図り、需要サイドから安定供給に寄与する役割を担うということがございます。同時に、地域特性を踏まえた再生可能エネルギーの活用を図りながら、みずからのエネルギー需要をできる限り多く賄うということも大きな役割でございます。こうしたことから、本県としても、さまざまな省エネ対策に加え、次世代エネルギーインフラの構築・普及に努めているところでございます。

 その上で国のエネルギー政策への対応を見ますと、まず関西電力大飯原子力発電所の再稼働につきましては、決定に至るプロセスについて法的な枠組みの裏づけがなく、行政指導、政治判断といった超法規的措置を繰り返してきているというふうに感じております。

 このため、県としては、全国の原子力発電所の再稼働を判断するに当たり、まず福島第一原子力発電所の事故検証を十分踏まえ、新たな安全規制の体制を早急に確立し、法とルールにのっとって、十分な安全を確認の上で判断することを強く国に求めてきたところでございます。

 さらに、先日、枝野大臣、細野大臣を直接訪問いたしまして、原子力施設からおおむね三十キロとされている緊急時防護措置準備区域、いわゆるUPZの範囲について、相当な影響が予想される地方自治体が対象となるよう弾力的に運用することや、大飯原発の再起動後の状況に関するオフサイトセンター及び資源エネルギー庁から岐阜県の情報提供など十項目を要望してまいりました。おおむね前向きの返事をいただいたところでございますが、引き続き新たな原子力規制委員会設立に向けての動き、新たな安全基準設定への動きについて県として注視をしてまいりたい、また必要な意見も申し上げてまいりたいと思っております。

 一方、東京電力福島第一原発の事故の反省に基づくエネルギー政策の見直しということでございますが、中・長期的に原子力への依存度をできる限り引き下げると同時に、新たなエネルギーミックスを実現することを目的として、エネルギー基本計画の策定事業が現在政府において行われておるわけでございます。

 本計画の大きな方向については理解できるわけでございますが、八月を目途に決定するというふうにされておるわけでございます。こうした経済活動、国民生活の根幹にかかわる重要な政策が菅前首相によるエネルギー基本計画の全面的な見直し発言があった昨年五月以降、一年以上も白紙のままであるということは大変遺憾に思っておる次第でございます。本計画につきましても、速やかな取りまとめを行い、国民的な合意を得るよう、引き続き国に対して求めてまいりたいということでございます。

 次に、県内における電力の需給状況でございます。

 この夏の中部電力管内におきます電力需給状況につきましては、新しい発電所の営業開始、あるいは既存の火力発電所の定期点検の繰り延べなどにより、安定供給の目安である供給予備率八%が確保できる見通しとなっております。しかし、猛暑による需要量の増加、老朽化した火力発電所のトラブル等による供給力低下のおそれもございますので、不安要因もいささか残っておるということも事実でございます。

 一方、節電の見通しでございますが、本年五月、県民及び産業界に対して緊急アンケートを実施したところでございますが、照明のLED化など既に定着済みの省エネ対策に加え、無理なく実施できる節電対策を昨年並みに実施すれば、三・六%の節電効果が見込めるということでございます。これに中部電力と事業者の契約に基づく計画調整等の効果をあわせますと、全体で四・九%の節電を見込むことができるということでございます。

 こうした状況をもとに、岐阜県省エネ・新エネ推進会議、学識経験者も含めまして、ここで御議論をいただいておりますが、その結果を踏まえて、岐阜県における節電目標を猛暑だった一昨年に比べて五%以上というふうにしております。この目標達成のための節電対策は、不要照明の消灯や空調温度の適正設定など、無理のない範囲で節電を徹底いただくということでございます。

 県としては、この目標実現に向け、さまざまな手段による広報活動を行うとともに、毎日、県のホームページ上でピーク電力や削減効果の実績などを公表し、県民の皆様の節電意識を高めてまいりたいと思っております。

 なお、大飯原発の再稼動に伴い、中部電力管内の節電目標が五%から四%に引き下げられたところでございますが、県としての節電目標は五%以上というレベルで、そのまま達成に努めることとしております。また、県庁自身といたしましても、昨年同様、一昨年比二〇%の節電目標の達成を目指し、積極的な節電に努めることとしております。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 次に、水源を守るための森林売買の規制に係る整備についてお伺いいたします。

 近年、外国資本が森・水源をねらっているという報道がなされております。林野庁によりますと、既に外国資本による森林の取得面積は、平成十八年から平成二十二年で一道四県の四十件、約六百二十ヘクタールに及んでいるということであります。しかも、この数字は氷山の一角にすぎなく、一ヘクタール未満の面積であれば届け出る必要がないので、実態は把握できていないのが現状であると言えます。

 昨年、国はようやく森林法を改正して、すべての所有権の移転について事後届け出を義務づけましたが、これでは甚だ不十分であると言えます。

 外国資本による森林の取得の背景の一つに、中国の深刻な水不足状況があると思われます。高知工科大学の村上雅博教授によりますと、中国は、北部は渇水になっており、南部は水道整備が十分でないまま経済だけが発展したため、汚くて使えない。そのため水の確保に奔走しているとのことであります。

 世界では、漢口、アムダリア川、インダス川、ドウロ川、ナイル川等々で水紛争が起きております。水を守るために、水源地、森林を守ることが重要であると考えます。外国人による水源地の買収は、国家安全保障上、ゆゆしき問題となってくると思います。

 ところが、我が国ほど外国人が規制なく土地を所有できる国は、世界的にも異例であります。用途規制も甘く、所有者は、森林の伐採も温泉や井戸の採掘も基本的には自由であります。土地所有者は、地下水を幾らでもくみ上げる権利があります。表流水のように河川法で制限されたり、他人から水利権を主張されることもありません。

 平成二十二年、自民党は地下水取得に関し、議員立法として規制法案を出しましたが、残念ながら継続審議となったままであります。農地の権利移転は、地元の農業委員会で厳しく審査され、許可が必要とされますが、民有林地については自由に売買されます。非常に危険な状態であると思います。

 そこで、林政部長にお伺いいたします。県内において水源の確保等、森林の公益的機能維持の観点から、その保全が求められる森林はどの程度あるのか。また、昨年二月の本会議定例会で我が党の玉田議員の質問におきまして、その時点では外国資本による県内の森林買収はないとの答弁でありましたが、その後、そのような事例はないのか、お伺いをいたします。

 私は、森林売買に関してさらなる規制が必要と考えますが、国の遅々として進まない状況を考えますと、県独自の仕組みづくりを進める以外ないような気がいたします。

 国の動きにしびれを切らした北海道では、本年の三月に水源地売買の監視を強化する条例を成立させました。しかし、内容は、水源地周辺で土地を売買する場合、売り主が契約の三カ月前に道に届け出る事前届け出制で、売買に対して直接的な規制がされておりません。道というのは北海道です。道によると、これ以上の規制は難しいということらしいですが、これでは余り効果が出てこないように思います。

 さて、本県では、平成二十二年に森林・水資源保全対策研究会を設置し、外国資本による水源地・森林の買収に関する調査・研究等を進めていると伺っております。

 そこで、知事にお伺いいたします。外国資本による水源地・森林の買収に係る法制度上の課題と、この課題を踏まえた県の対応策についてお伺いをいたします。また、条例制定も視野に入れたさらなる規制の強化が必要と考えますが、これについての御所見をあわせてお伺いをいたします。



○議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 御指摘の点、木の国・山の国、そして清流の国として、岐阜県にとりましては大変重要な課題であるというふうに思っております。

 森林法の一部改正がこの四月から施行されておりますが、幾つかの点で規制が強化されております。

 まず、情報の把握という面では、すべての森林について所有権移転後の市町村長への届け出が義務づけされていると。これにより、森林所有者の把握は可能になったわけでございます。さらに、森林の適正管理という面では、無届け伐採に対する中止命令、あるいは伐採後の植林命令も可能になってきております。

 しかしながら、事前に売買等の情報を把握することはできませんし、また保安林以外の森林につきましては、一ヘクタール以下の小規模な開発に対する規制もないという課題が残っております。

 また、森林は、外国資本も含めだれでも取得することが可能であり、取引そのものを規制する法律がないというのが現状でございます。

 こうした中で、この四月以降、北海道、埼玉県、群馬県におきまして、水源地域内の森林を売買する場合、事前に知事への届け出を義務づける条例が制定されております。これらの条例は、取引そのものを規制するわけでありませんが、また違反者に対しては勧告や氏名の公表にとどまっておりますけれども、取引を事前に把握することで、外国資本による森林買収に対し、一定の牽制効果はあるんではないかというふうに思っております。

 県では、庁内にこの問題に関する研究会を設置いたしまして、情報収集と対応策の検討を行うとともに、必要な制度整備を行うよう、国に対して働きかけを行ってきております。本県の主張は、今般の森林法改正にも一部反映されておるわけです。

 また、県自身といたしましては、買収を抑制し、水源林を守るためには、市町村と協力して、保安林への指定を極力促進すること、そしてその指定が困難な場合には、市町村による公有林化を図ることが必要であるというふうに考えておりまして、今般導入されました森林・環境税を活用した支援制度を創設したところでございます。

 今後とも、市町村と密接な連携のもと、研究会による情報収集を進めながら、県として条例の制定について検討してまいりたいというふうに考えております。また、国に対しては、水源林の取得や利用を一段と強力に規制するための法整備を早急に図るよう求めてまいりたいと思っております。



○議長(駒田誠君) 林政部長 正村洋一郎君。

    〔林政部長 正村洋一郎君登壇〕



◎林政部長(正村洋一郎君) まず、水源林として保全が求められている森林についてお答えいたします。

 昨年度改正されました森林法により、市町村が策定する森林整備計画において水源林として保全すべき森林を位置づけることとなり、県では水道の取水口周辺の森林や水源涵養保安林などを位置づけるよう、市町村に助言していたところです。その結果、これまでのところ、県下の民有林面積の約三割に当たる二十一万三千ヘクタールが保全すべき水源林として位置づけられております。

 なお、外国資本による県内の森林買収の事例については、市町村や森林組合に対し、森林買収の動きがある場合は、直ちに報告をいただくこととしておりますが、これまでのところ報告は入っておりません。



○議長(駒田誠君) 三十七番 洞口 博君。

    〔三十七番 洞口 博君登壇〕



◆三十七番(洞口博君) 出たり入ったりも、これで最後になるかと思います。

 次に、警察行政について二点、お伺いをいたします。

 最初に、信号機の老朽化等に伴う交通安全施設等整備のあり方についてお伺いをいたします。

 昨年、警察庁は、「人口増加が鈍化してきたから、これまでのように信号機を大量に新設する必要はない」、「交通量にも配慮しながら、必要性の低くなった信号機は撤去するとともに、新たに必要性の生じた交差点には新設するなど、めり張りのある施策が必要だ」として、必要性が低くなった信号機の撤去を検討するよう、都道府県警に指示をしたと報道されました。

 これまで、交通安全のため信号機の新設と更新をしてきましたが、財政難で老朽化する全国二十万基の更新が進まず、このままでは半分の信号機を撤去せざるを得ないということであります。

 警察庁によりますと、経年劣化を考慮し、十九年経過したものを更新対象としていますが、すべてを更新するためには毎年五・三%を更新する必要があるものの、平成二十年からこの三年間は平均が二・六%と半分で、このままでは将来的には五一%、おおむね半数を撤去しなければならないとしております。

 信号機の制御機と灯器は、ほとんどが都道府県の単独予算と国の補助金であり、信号柱は、すべて都道府県の単独予算で賄われております。平成になってからの交通安全施設の事業費は、都道府県予算も合わせ平成五年から十年が一千四百億円程度であったものに対し、昨年度は六百六十五億円と半分以下になっております。そこで、今回の警察庁の指示になったということであります。

 しかし、本県では、少子・高齢化の進行に伴って、高齢者の関与する交通死亡事故がふえてきており、さらに、ここ最近は、全国で集団登校中の児童・生徒を巻き込んだ事件が立て続けに発生し、社会問題となるなど、高齢者、子供が被害に遭う事故がふえてきております。

 単に人口が減少した、財政が厳しいからといって安易に信号機の設置・運用を見直すのではなく、むしろ、これからは少子・高齢化を見据え、自転車や歩行者、いわゆる交通弱者に配慮した交通安全施設等の整備が求められてくると考えます。

 そこで、警察本部長にお伺いいたします。老朽化が進む既設信号機の更新状況及び今後の対策について、また信号機の設置及び撤去については、地域住民、自治体、道路管理者等の意見が考慮されているのか、お伺いいたします。

 最後になりました。下呂市長選における候補者支援依頼問題についてお伺いをいたします。

 去る四月十五日に行われた下呂市長選挙に際し、前田武志前国土交通大臣は、地元の民主党の衆議院議員であります山田良司議員の要請に応じ、特定の候補者への支援を求める文書に、みずから署名し、下呂建設業協会と下呂温泉旅館協同組合の理事長に郵送していたとのことであります。その文書は、大臣室で署名され、四月二日の消印で送られたということでありますが、この日は選挙の告示前でございます。しかも、送付の際は大臣の名刺を同封し、国土交通省の公用封筒が使われたとのことであります。

 さらに、この文書には、その候補者が下呂市長選挙に立候補予定であることが明記され、私の年来の同志として、実力は折り紙つき、御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたしますと書いてあったとのことであります。これは明らかに選挙運動であり、事前運動と地位利用による選挙運動を禁じた公職選挙法第百二十九条と第百三十六条の二に抵触する行為であると思います。

 地元の建設業や旅館業の関係者の方々からしますと、当時、現職の国土交通大臣から特定候補を応援するよう依頼されれば相当大きな圧力を感じるはずであります。もし、現職を応援して当選するようなことがあれば、下呂市内での国が実施する公共事業や観光事業が減らされるのではないか、あるいは大臣が応援する候補がもしかして当選するようなことがあったら、応援しなかったことで市が実施する事業に参加できなくなるのではないかと、自分たちの生活の糧である公共事業や観光事業に大きな影響があるのではないかと心配をされたと思います。地元の方々にとりましては死活問題でありまして、相当悩まれたのではないかと思います。

 そこで、警察本部長にお伺いいたします。この件に関しては、現在、市民団体から公職選挙法違反容疑で告発状が東京地検特捜部に提出され、受理されているとのことでありますが、地元の警察本部としてはどのような対応をとっているのか。お答えづらいと思いますが、お答えいただける範囲で、できるだけ詳細に御答弁をお願いいたしたいと思います。

 これで、私の質問は全部終わりました。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 信号機の老朽化等に伴う交通安全施設等の整備のあり方について、二点お尋ねをいただきました。

 既設信号機の更新状況及び今後の対策についてお答えをしたいと思います。

 信号機は、信号柱、そして制御機、信号灯器、大別しますとこの三つの部分から構成されておりまして、その整備財源は、御質問の中にもございましたが、一部に国からの補助金、交付金が充当されておりますけれども、県予算において賄われているところでございます。

 信号機の数でございますが、部分ごとに申しますと、平成二十三年度末で県下には信号柱一万五千三百三十本、制御機三千二百二十五基、信号灯器三万八千五百四十六基が整備されているところでございます。なお、一般に信号機の設置数というときには、今申しました制御機の数をもって信号機の設置数としているところでございます。

 それぞれの耐用年数について申しますと、信号柱のうち、コンクリート製のものについてはおおむね四十二年、鋼管製のものについてはおおむね五十年、そして制御機と信号灯器についてはおおむね十九年とされております。

 県下の保有数のうち、耐用年数が経過しているものの数について申しますと、平成二十三年度末でコンクリート製信号柱七百七本、これは全体の四・六%の数でございます。制御機で百五十一基、同じく四・七%、信号灯器三千七百五十三基、同じく九・七%ございまして、二十四年度においても予算の活用を通じて更新に努力をしているところでございます。

 本年度が経過しまして二十四年度末の見込み数ということで申しますと、今年度の更新残とさらに新規で発生する更新分がございますので、この差し引きをいたしますと、二十四年度末ではコンクリート製信号柱で八百八十六本、制御機で八十八基、信号灯器三千六百八基の更新が必要となるものと見込まれます。

 さらに、将来的なもので過去の設置状況等を勘案いたしますと、以降更新時期を迎える信号機は逐年増加いたしまして、特に信号柱については更新対象が急増すると見込まれるところでございます。

 御質問の中にもございましたが、確かに本年度と同じ予算水準であったのでは老朽化信号機の更新需要を満たすことができず、現有の数の信号機を維持することが将来的には困難になるおそれもあると考えられるところでございます。

 また、特に信号柱につきましては、倒壊事故のおそれをなくすためにも早急に更新を進める必要があると認識しておりまして、現在、その対策等を早急に検討しているところでございます。

 次に、信号機の設置及び撤去についてお答えをいたします。

 信号機につきましては、道路交通の安全と円滑を確保するため、必要な箇所に設置をしているものでございまして、警察庁においても「必要のある信号機を撤去せよ」という指示を出しているわけではございません。県警察といたしましては、交通事故発生のおそれ、道路交通の状況等の交通実態に基づきまして、地域住民、そして市町村等の自治体、道路管理者といった関係の方々からの要望も十分に踏まえつつ、厳しい財政事情の中ではございますが、必要な信号機の新設と老朽化した信号機の更新等、交通安全施設の整備に引き続き鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、下呂市長選における候補者支援依頼問題についてのお尋ねがございました。

 まず、東京地検特捜部の捜査については、これは県警察としてはお答えする立場にはございませんので、この点は御理解をいただきたいと思います。

 県警察の対応でございますけれども、まさにお尋ねの内容につきましては個別具体的な事案の捜査にかかわる事項でございますので、大変恐縮ではございますが、捜査をしているか否かを含めお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

 ただ、一般論として申し上げますと、県警察といたしましては、犯罪の容疑情報を入手した場合には、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、しかるべく捜査に着手をいたしまして、法と証拠に基づいて適切に対処することといたしております。



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○議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十四分休憩



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△午後一時再開



○副議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕(拍手)



◆五番(高木貴行君) 矢島副議長のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表して、私なりの視点で県政に質問をさせていただきます。

 まずその前に、政治・行政に対する私の思いをお話しさせていただきます。

 昔もこの議場でお話をさせていただきましたが、政治に、政策に正解はなく、一〇〇%国民、県民、市民から賛同を得ることができないのではないかということが政治であり、政策であると感じております。前回は雨で例えましたが、現在の日本の世論を見ていれば、それは明白であり、消費税に対しても、原発に対しても、また午前の洞口先生の質問でもありましたTPPに対しても、賛成、反対と立場が違えば考え方が違い、それらを反映していくことの難しさが露呈されております。

 また、考え方の違いには、過去の経緯や正確な現状が知られていない、伝わっていないことも挙げられるのではないでしょうか。特に最近ではマスコミの報道の影響もあり、情報の共有化ができておらず、正確な情報が伝わっていない中で有権者の判断を仰いでいるということが大いに見受けられます。今回は、そういう視点についても質問を行わせていただきたいと思います。

 国では、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の借金が二〇一一年度末時点で九百五十九兆九千五百三億円となり、過去最大を更新したと発表がありました。大震災の復興費に充てる復興債の増加が響き、前年度末に比べて三十五兆五千九百七億円増加、さらに二〇一二年度末には新規国債の発行などが影響して一千兆円の大台を突破すると見込んでおります。一国民として心配なのは、平成二十四年度の国の一般会計、歳出約九十・三兆円のうち、税収で賄っているのが半分以下の四十二・三兆円であり、そのほかは借金で賄うことになり、引き続き国の借金増加が懸念されます。

 片や、日本には多額の借金はあるものの、まだまだ多額の資産も蓄えており、流動性の高い金融資産だけでも約四百五十兆円あり、国がつぶれるという悲観論での増税話ではなく、この資産があるうちに長期的な構造改革を進めていくべきであるとの意見も聞かれております。

 このような話の中、私自身は、再度岐阜県の現状を正確に把握し、県民の皆様に情報をお示しする中で今後の県政運営の方向性を説明し、お示ししていくべきであると思います。

 現在、地方行政では、総務省より新地方公会計制度導入が義務づけられております。一昔前の地方公会計制度は、歳入歳出予算の実績を明らかにし、財政上の責任を明確にすることを目的として設計されていることから、予算の執行や現金収支の把握に適したものとなっていましたが、その反面、これまでに資産がどの程度形成されていて、その財源の内訳がどのようになっているのかについての情報が不十分であると指摘されていました。現金主義に基づく公会計制度において現金支出以外に発生している行政コスト、これは会社でいう減価償却費などを把握することができません。

 そこで、総務省では、それらの問題点を補うために、発生主義の活用及び複式簿記の考え方、これは企業会計的手法の導入を図り、新地方公会計制度研究会報告書において示した会計モデルを活用して、公会計の整備の推進に取り組むこととなりました。その際、各地方公共団体に対して、地方公共団体単体及び関係する団体の決算を連結した財務書類四表を整備し、公表することとなりました。

 民間企業でも損益計算書は単年度の通知表であり、貸借対照表はこれまでのすべての通知表であると例えられ、損益計算書を見て単年度だけよくても、貸借対照表を見れば会社のすべてがわかるようになっております。

 そこで、県のホームページにも掲載されております岐阜県の財政状況及び財務諸表の概要をもとに質問をさせていただきます。

 平成二十四年度では、確かに県債の発行残高は一兆四千二百六十一億円でありますが、現状で把握されている岐阜県としての負債、また本当の岐阜県の姿を把握するべきであると考えると、投資等、流動資産などの債務返済の財源、さらには現在現金化できそうな固定資産の評価はどうなっているのでしょうか。

 また、少し話は変わりますが、今後、岐阜県として土地などの固定資産を余り保有していくべきでないと思っております。県有未使用資産は、コストがかかってもプラスを生み出しません。購入した価格など、いろいろ要素はあると思いますが、民間を含めて効率的に利用していただけるところがあれば積極的に活用していただくべきでありますし、民間活用ともなれば固定資産税や事業税などの税金も入ってきます。

 次に、平成二十二年度の岐阜県の貸借対照表の分析を読みますと、世代間負担の観点から資産形成に係る将来の世代とこれまでの負担割合を見ると、将来の世代には県債等一兆七千五百五十九億円の負担が、これまでの世代の純資産は五千九百六十一億円の資産を大きく上回ると出ております。

 また、財源の調達とその使途を示すことで、行政サービスに伴う負担の内容や、現役世代とこれまでの世代の負担配分を明らかにした普通会計純資産変動計算書において一千九億円のコスト超過と説明されております。このコスト超過分とは、主に行政コストを税収等で賄えないために臨時財政対策債が発行されていることを示しているとお聞きしており、経常費用である行政コストを賄うためにも県債残高はふえ続け、将来世代の負担が増加しております。世代間格差の是正をどう行い、どう考えていくかということは大きな問題点となっております。

 各世代間への予算配分数値を厳密に計算することは困難と考えますが、今年度見直しを行っている人口減少社会に対応した岐阜県長期構想においても、世代間格差の是正の観点を取り入れていくべきであると思います。

 そこで、知事に四点、総務部長に一点、お伺いをいたします。

 一点目は、知事は、よく「平成二十五年度当初予算では構造的な財源不足額の解消を目指す」と話しておりましたが、構造的な財源不足とは、何をもって構造的であり、具体的にはどのような数字であれば構造的な財源不足解消と判断するのでしょうか。

 二点目は、先ほど述べました普通会計純資産変動計算書において、コスト超過の現状を改善し、将来世代の負担を軽減されるべく、構造的な財源不足を解消する指針とし、行財政改革アクションプランに取り組んでいくとされておりますが、経常費用である行政コストでさえ臨時財政対策債という県債で賄われ、これが累増してきております。今後、この臨時財政対策債にどう対応されていくのか、お尋ねをいたします。

 三点目は、将来世代の負担となる県の債務が多額であるという世代間格差の是正をどう行っていくのか。また、今後、予算編成方針において世代間格差是正を基本方針とすることはどうでしょうか。

 四点目に、確認の意味で質問をさせていただきますが、本年度終了後、アクションプラン策定時に行った補助金の見直しのうち、アクションプラン終了後に優先的に戻すことを考えている補助金及び先送りしている大きな事業について、三年目を迎えた行財政改革アクションプランの進捗状況を踏まえてお答えをお願いいたします。

 五点目には、県が保有する売却可能な未利用財産の現状と活用方針について総務部長にお尋ねをいたします。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 岐阜県の財政状況につきまして、四点お答え申し上げます。

 まず、構造的な財源不足とは何を指すのかというお尋ねでございます。

 行財政改革アクションプランの策定時におきましては、三位一体改革、あるいはリーマンショック後の経済停滞による地方交付税、県税収入の減税が見込まれる中で、過去に発行した県債の元利払いであります公債費の増加などにより、毎年三百億円前後の多額の財源不足に陥るということでありまして、予算編成に大いに支障を来す状況にございました。加えて、平成二十一年度決算から起債許可団体ということになりまして、ここからの早期脱却が必要となりました。

 このように、財源不足が多額かつ継続的に生ずると見込まれる状況を行財政改革アクションプランでは構造的な財源不足というふうに位置づけて、その改善を目指してきたところでございます。

 平成二十二年度以降、この取り組みを着実に進めてきた結果、徐々に県の財政状況は好転しつつございます。

 平成二十五年度以降の財政運営におきましては、政策課題を踏まえながら、歳出予算のめり張りをつけながら、やりくりをすることによって予算編成を行うことができる状況になるというふうに見込んでおります。そういったことから、ただいま申し上げました意味での構造的な財源不足は解消されることになるんではないかというふうに考えております。

 次に、臨時財政対策債についてでございます。

 この臨時財政対策債は、地方財政計画の財源不足を補うための地方債でございまして、御案内のように、後年度、その元利償還金相当額が全額、地方交付税の基準財政需要額に算入されることになっております。交付税のかわりとして発行する、いわば国から「強いられた借金」とも言うべき性格を有するものでございます。

 この仕組みは平成十三年度に導入され、導入当初の発行額は少額でございましたが、特に平成二十一年度以降は急激に増加しております。平成二十二年度から三年連続で、岐阜県にとりましては通常の県債の発行額を上回るに至っておるということでございます。

 国の財政事情が大変厳しい中におきましては、将来的な償還額の増加に対して、引き続き国の財源措置が確実に行われるかどうかということについて懸念がございます。また、臨時財政対策債は、国による財源措置がなされるとはいえ、借金であることには変わりはないわけでございます。

 このように臨時財政対策債が増加していることを受けて、これまでも国に対して私どもとしては、「臨時財政対策債の発行額の縮減」、「償還財源の確実な確保」、さらには「中期的な展望のもと、地方交付税の法定税率の見直しを含めた抜本的見直しを検討すること」を要望してきております。

 今後も、全国知事会の場なども活用して、国に制度の見直しを強く働きかけていきたいというふうに考えております。

 次に、県の債務の世代間格差是正についてのお尋ねでございました。

 まず、県債は、建物や道路を整備する際に、その恩恵を受ける将来世代にも公平に負担していただくという観点もあって発行するものでございます。

 しかしながら、今後、人口減少が進むことも踏まえ、財政規模に応じた適正な公債費水準のもとで持続可能な財政運営を進めていく必要があるわけでございます。このため、過度な県債発行は控え、県債残高の縮減に努めることが引き続き必要であるというふうに考えております。

 まずは当面の課題である起債許可団体からの脱却を目指して、アクションプランを進めながら取り組んでまいりました。その結果、平成二十五年度の決算において起債許可団体から脱却できる見通しを持つに至ったところでございます。

 今後、中期的な県財政の見通しを見定めながら、来年度以降の財政運営を検討するに当たっても、御指摘の趣旨も踏まえて、将来世代にいたずらに負担を先送りすることのないよう、考え方を整理していきたいというふうに考えております。

 四番目に、アクションプラン終了後に優先的に戻すことを考えている補助金、あるいは先送りしている大きな事業についてのお尋ねでございます。

 先ほども触れさせていただきましたようなアクションプランによる進捗や、今後の財政見通しを見据えつつ、補助金につきましては、県単の福祉医療費補助金など、県民の安全・安心に直結する真に必要な事業については、優先的に戻してまいりたいというふうに考えております。

 また、事業に要する費用が大変大きいため、県内の防災情報通信システム整備でありますとか総合庁舎の耐震化工事などにおきましては、既存システムの寿命延長、工事の部分的な着手などによってこれまで対応してまいりましたが、今後、財政の状況を見きわめながら、その本格的な実施についても検討していきたいというふうに考えております。



○副議長(矢島成剛君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 県が保有する売却可能な未利用財産の現状と活用方針についてお答えいたします。

 県が保有する未利用財産のうち売却可能なものは、現在のところ、土地・建物合わせて四十八件、台帳価格として約三十八億円でございます。

 県で利用する予定のない、このような財産につきましては、まずは地元市町村と協議し、有効活用の可能性を検討していただき、その可能性のないものについては、民間に売却する方針としております。

 平成二十二年度から取り組んでいる行財政改革アクションプランにおきましても、歳入確保対策の一つとして順次売却することとしております。これまでに二十件、十二億二千万円余を売却したところでございます。

 今後も、活用予定のない財産につきましては、売却を進めてまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) 次に移りますが、社会保障と税の一体改革法案等が、昨日、国の衆議院で可決をされました。野田総理は、「厳しい財政状況のもとで社会保障を持続可能なものにするために、この改革をなし遂げていかなければならない」「まだ大丈夫だと言いながら、問題の先送りを続けていいのか、いつまでも子供や孫の世代にツケを回していいのか。こうした現状を踏まえて、しっかりとこの国会中に結論を得なければいけない」と主張し、この法案の成立に政治生命をかけるとしてきました。

 私は、この時期に社会保障と税の一体改革を進めることは、今後、長期にわたって高齢化への対応を進めていかなければならない日本にとっても大変有意義なことであったと思いますが、片や、地方議員としても、一国民としても、さらなる抜本的な年金・医療改革等にもっと踏み込むべきであったとも感じております。

 日本は、言わずと知れた急速な少子・高齢社会、人口減少に突入しております。また、景気の低迷もあって、先ほど述べましたが、国家財政の歳出は約九十兆円にもかかわらず、税収は半分以下の四十二兆円強しかありません。現行の社会保障制度において社会保障給付費は年々伸びており、二〇一〇年には年間百兆円まで膨れ上がっており、その半分を年金が占めております。

 ここで問題なのが、急速な少子・高齢化社会、人口減少の中、現役世代が高齢者の受給を負担する年金制度である賦課方式とともに、その財源の内訳であります。百兆円のうち、地方負担として国から地方への交付税を含むと、国の社会保障負担は三十兆円を既に超えております。国の税収が四十二兆円で、そのうち三十兆円は社会保障関係費に消えており、さらに現行制度のままであれば今後も毎年確実にふえ続け、財政負担は、ますます厳しくなることが目に見えております。

 現在の改革で示されている消費税だけでは、いずれ支えることはできなくなります。また、制度不信により、二〇一〇年の国民年金保険料の不払いが二年連続で四〇%を超えてきており、悪循環が指摘をされております。私も含め多くの方々が感じているように、今回の社会保障国民会議での議論に含みを持たせているものの、社会保障改革は十分なものとは言えません。社会保障制度のあり方についてどのような将来像を描き、それを踏まえ、どこまでを受益者が負担し、どこまでを政府が保障するかなど、どのような政権となろうが持続可能な制度にしていくための議論を進めていくことが必要であると考えます。

 消費税は、今後、八%、一〇%と段階的に引き上げていく方向性が出ております。仮に平成二十六年四月に消費税が八%となったとしても、それまでの県の予算策定や社会保障に関する各種総合計画の策定を中心として大きな影響があると思います。

 そこで、三点知事にお尋ねをいたします。

 一点目に、知事の消費税率引き上げに対する認識と県内への影響について、例えば、過去ですが、消費税が三%、五%と現在まで段階的に上がってきたときの県内への経済的影響など、過去の経験も踏まえてお尋ねをいたします。

 二点目は、岐阜県のトップとして現行の社会保障制度へのお考えをお尋ねいたします。特に現行では賦課方式であり、年金制度に対して本当に将来このままでよいと思われますでしょうか。例えば、知事のお孫さんの時代まで現在の制度が運営できていると感じられているのか、その観点についてもお尋ねをいたします。

 三点目に、社会保障・税の一体改革の及ぼす岐阜県政への影響はどのようなものがあると考えられているのか。それを踏まえ、今後、岐阜県としてどのように対応していかれるおつもりなのかもお尋ねをいたします。

 次に、現在の社会保障関連で問題となっております生活保護受給の件でお尋ねをいたします。

 先日発表されましたが、生活保護受給者が二百十万人を超え、生活保護関連のニュースも数多くなってきているように感じております。生活保護に対して世間でこれほど関心が出てきて問題になる原因としては、私が考えるに三点あると思います。

 一点は、先ほどの社会保障関係費が年々ふえ続けている中で、このままの制度で本当に大丈夫なのかという点です。二点目は、働けるのに働かない方への受給や、最低賃金を上回る生活保護費への批判。三点目は、収入があるのに、また資産があるのに受給を受けている不正受給の増加が挙げられます。

 社会保障の定義は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対して、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする制度であるとのことです。

 理念自体は賛同いたしますが、現行制度では目的を公平に遂行することが難しくなってきているのではないでしょうか。そのためにも、先ほど社会保障全体の議論同様、制度そのものの抜本的な見直しを含め、我々国民もある一定の社会保障を受けるためにも、個々の情報をしっかりとお示しすること、例えば歳入庁なるもののもとでの管理を行わなければならないと感じております。

 また、働けるけど、仕事がないから生活保護を受給している方々には、行政サイドとしてもチェックも兼ねて何らかの負担をお願いしていくべきであると思います。これは例え話でありますが、給付期間は、仕事探しの時間以外は不正チェック等を踏まえて行政スタッフとして働いていただくなど、方法はさまざまであります。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねをいたします。近年の県内生活保護受給者の受給についてと不正受給の状況及びその防止対策をお尋ねいたします。

 さらには、現行制度改正を含めて、岐阜県として国に対して見直し、改善を求めるべきと認識している点を、現場サイドの考えで結構ですのでお答えをお願いいたします。

 次ですが、国の出先機関改革を含む地域主権についてお尋ねをいたします。

 地域主権・地方分権が叫ばれ、国においても取り組まれておりますが、先日の国会では、国土交通省の地方整備局、経済産業省の経済産業局、環境省の地方環境事務所の三つを対象とした地方に業務を移管する「出先機関の一部を地方に移管する出先改革の法案」の提出が断念をされるなど、その歩みは遅いと言わざるを得ません。

 さらに、地域主権に関する最近の議論において言葉や概念の混同・混用が見られ、議論に一部そごが見られるのではないかというふうに感じているのは私だけでしょうか。

 地域主権改革の歩みが遅い原因の一つとして、本当の意味で地方自治というものを理解し、地域主権の議論を行っている者が国にも地方にも非常に少ないことが挙げられるのではないでしょうか。最近の国政や地方政治において主張されている地域主権とは、その大半が権限や財源を国から地方へ移譲することを目指す、いわゆる「団体自治」の議論に主眼が置かれており、その移譲された権限や財源を住民がいかに統治していくかという「住民自治」の考えがすっぽり抜け落ちているというふうに思います。つまり、地域主権改革の議論において求められる基本的な概念である住民自治の考え方が、国・地方、そして住民においても共有されていないと私は考えるわけであります。

 そのため、いつまでも権限と財源の綱引きの議論や、自治体の枠組みの議論ばかりが先行してしまっており、そして住民自治という地方自治の基本を忘れた官僚や国会議員は、地方は信頼できないとばかりに、自分たちの既得権益の確保に走り、また地方側も自分たちの都合のよい権限・財源だけを要求し、その一方で責任を引き取ろうとしません。まさに、住民にとって地方自治とは何かという視点をおざなりにされていると考えます。

 なぜ昔から道州制、地域主権、地方分権、国の出先機関廃止などの住民の統治機構のあり方を議論しなければならないのか、その理由をいま一度考え、改革の原点に戻るべきであります。

 現在の統治機構における問題としては、「中央集権の行き詰まりの打開」、「二重行政・縦割り行政に起因する国と地方の非効率・非能率な事務、さらには責任の所在の不明確さの解消」、「多額の財政の長期債務残高を抱える中で国と地方の政治・行政の抜本的な効率化」、「都道府県や市町村間の格差解消」、「急速に進んでいる少子・高齢社会に即した制度設計」などの問題が既に提起されております。

 現行のままでよければ、このような問題提起はなされません。一方で、もちろん改革を行ったからといってバラ色の行政運営ができる約束があるわけではありません。しかし、このままの現状では立ち行かなくなることが目に見えているからこその改革議論が現在なされていると思います。

 少し前の話ですが、知事は、記者会見で広域連合について「広域連合というのは地方自治法に認められた制度でありますけれども、広域連合の議会があり、代表者がおり、それから広域連合特有の予算を編成するということになるので、かえって手続や意思決定がより重層的になるというか、重たくならないかという議論もあります。知事会で議論をしますと、今、制度がそうなっているから、それを活用するということでありますけれども、この広域連合という仕組みは、手続的に非常に重たい、手間暇かかる仕組みになるものですから、もうちょっと皆さん、柔軟にやりたいという思いはあるんです」とお話をされております。私自身も、その意見には大変もっともであると感じております。現行の国・県・市町村の三重行政ではなく、広域連合を含めた四重行政では、手続を含めて住民にとっては、むしろ直接自治が後退してしまうのでないかと懸念をしております。

 一方、先月一日の愛知・岐阜・三重三県と名古屋市の首長会議で、国の出先機関廃止後に業務の受け皿となる広域連合の設置に向けた協議がスタートしております。

 また、全国市長会では、現行のままの地方主権改革については反対しており、全国知事会と意見が食い違っている部分があります。当然、市長会でも大都市と小都市では大きなギャップがあり、意見が食い違っていることもあるかと思います。

 そこで、知事に二点お尋ねをいたします。

 国の出先機関改革について、これまで地方側はどのように検討し、何を国に要請してきたのか、また国の対応について地方側としてはどのような評価をしているのか、お答えをお願いいたします。

 二点目の質問としては、国と地方のあり方という点で、一部道州制導入に向けた議論も行われておりますが、住民の統治機構及び権限、財源に係る国と地方とのあり方についての知事の基本的な考え方を踏まえて、今後、県としてどのように対応していくのか。

 さらに、知事は、知事自身、国の官僚、また現在は地方自治体のトップである知事を経験されており、今後の地域主権の手段として現行の都道府県を大きくしていく方向がよいのか、はたまた広域連合等での運営がよいのか、日本全体への制度設計と大都市ではない岐阜県としての最適となる方法をお尋ねいたします。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、社会保障と税の一体改革についてでございます。

 消費税率引き上げに対する認識と県内への影響ということで御質問がございました。この消費税率の今般の引き上げにつきましては、議員も御指摘になっておられますが、社会保障制度を支える世代が減少していく中で、また財政リスクへの市場の懸念が高まる中で、財政問題への対応は国として先送りができないという課題だというふうに考えております。

 このため、国民全体で幅広く負担をする消費税を社会保障の安定財源とするということは重要な取り組みであるというふうに考えておりますが、同時に、今般の一体改革論議において社会保障改革について十分な議論が行われたのか、また国として徹底した歳出削減や行政改革が行われたのか、疑問のあるところでございます。

 したがって、改革の具体的な将来像について、今後、早急に国民的な議論を深めていくことを国に求めたいというふうに考えております。

 消費税率引き上げによる県内経済への影響でございますが、前回の消費税率の引き上げがありました平成九年度の経済状況を見てみますと、全国的に景気が停滞しておりまして、岐阜県におきましても、実質経済成長率がマイナス二・二%ということでございました。この年には、国内証券会社や銀行の破綻、株価下落、信用収縮といった連鎖が生じておりますし、さらには、アジア通貨危機などが重なっております。

 こういったことによる景気後退への影響が大きかったわけでありますが、同時に、消費税率の引き上げの前に住宅や自動車などの高額な耐久消費財を中心とした駆け込みの消費が発生し、その反動が生じたという問題もありました。また、売り上げが減ることを懸念した企業が販売価格を据え置き、増税額を価格に転嫁できなかったといったことも指摘されております。

 こういったことから見まして、今回の消費税率の引き上げ、仮に行われるといたしましても、同様の影響がいろいろと懸念されるところでございます。

 これに対して国は、消費税率引き上げ時期について、いわゆる経済条項といいますか、経済状況を踏まえるとした上で、駆け込み需要の大きい住宅について影響を平準化する措置を検討するとともに、転嫁を適正に行うための対応を十分に行うというふうに言っておられるわけであります。

 本県といたしましても、仮にそのようなことが起こった場合には、消費税率引き上げまでの間に適正な措置が講じられるよう国に積極的に働きかけるとともに、県としても、事業者、消費者への相談窓口の設置、広報など、必要な対応をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 二番目に、現行の社会保障制度、特に年金制度についてのお尋ねがございました。

 ただいま申し上げましたとおり、年金制度を初めとして、制度改革と必要な財源の確保は避けて通ることができない課題でございます。昭和三十六年の国民年金制度創設から約五十年が経過しております。少子・高齢化の進展による生産年齢人口の減少、社会経済の状況の変化などによる非正規労働者の増加、国民年金保険料の未納率の上昇といったことなど、現在の年金制度はさまざまな課題を抱えております。

 その中で、低所得の年金受給者に対する加算などの年金機能の強化でありますとか、被用者年金の一元化など現行制度の見直しを図るということでありますとか、あるいは最低保障年金制度の導入など、いろいろと新たな年金制度の創設に関して議論が行われているところでございます。

 こうした制度の見直しに当たっては、基本的には将来的な人口構造を見据えながら、安定した持続可能な制度をつくっていくことが必要でございます。そのために、現行の賦課方式がよいのか、あるいは積立方式がよいのか、それぞれに課題や議論のあるところでございます。特に現行の賦課方式について言いますと、例えば少子・高齢化が急速に進展する状況下のもとでは、支給水準を維持しようとすれば、現役世代の負担が大幅に高くならざるを得ないという問題があるわけでございます。

 今後の公的年金制度の具体的なあり方につきましては、国民会議での議論にゆだねるということになっておりますが、社会保障関係費が増加していく中、給付と財源のバランスに配慮しながら、持続可能で安定した運営が確保されるような制度設計となるよう、その動向を注視してまいりたいというふうに考えております。

 次に、社会保障・税一体改革の県政への影響ということでございます。

 午前中も同様の御質問をいただいておりますが、一体改革関連法案が成立しました場合に当県への影響としては、地方消費税については二百数十億円の増収になるということが見込まれるわけでございます。

 他方で、社会保障制度改革につきましては、地方の財政負担が大きい医療制度、あるいは介護保険制度を初めとして改革の具体的な姿が明らかとなっていないものが多いわけでございまして、この社会保障制度改革による本県への影響については、現時点では明確にお示しできない状況にございます。

 本県の社会保障関係経費は、このままでも高齢化社会の進展により急増することが見込まれるわけでございます。法案のスケジュールどおりに増税されたとしましても、平成三十年度ごろには社会保障関係経費の増加額が地方消費税の増収額を上回るという可能性があるわけでございます。

 安全・安心の基盤となる社会保障制度を持続可能なものとすることは、国民にとって重要な課題でございます。このため、全国知事会とも連携しながら、社会保障制度改革全体の将来像について、そして地方負担がふえる場合には、所要の財源措置について国に対してしっかりと働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 次に、地域主権について二点御質問がございました。

 まず、国の出先機関改革でございますが、地方側のこれまでの対応についてということでございますが、地方側としても決して一色ではございませんで、反応はさまざまでございます。

 平成二十一年九月に、御案内のように、国の出先機関の原則廃止をマニフェストに掲げた民主党政権が誕生したわけでございます。これに対して、既に関西、中国、四国、九州では、それぞれブロック知事会におきまして国の出先機関を受け入れるための広域連合などの受け皿機関設立の意思決定を行っておりまして、現在、これをもとに国と協議を進めておられるということでございます。

 一方、中部圏知事会議におきましては、国の出先機関の大半の事務は、現行の県、あるいは政令市体制で受け入れが可能であるということ、あるいは中部圏は国の出先機関の管轄エリアが一様ではございませんので、多数のエリアの異なる広域連合を中部圏に次々とつくっていかなければならないといったような問題点を整理したところでございます。

 そして川端総務大臣などに対しまして、国の出先機関の受け皿は、広域連合に限定することなく多様な受け入れ体制を選択できる制度とするべきではないかと、あるいは管轄エリアに対する弾力的な対応について検討するべきではないかといったような提言をしておるところでございます。

 さらに、東海三県と名古屋市の枠組みでも検討会を設置いたしまして、五月二十九日に第一回の検討会を開催しております。

 また、本件は市町村にも大変影響が大きいわけでございますので、県内地方六団体の代表者による会合、あるいは県の市長会、あるいは町村会との会合の場においても、るる意見交換を行ってきておるところでございます。

 午前中にも申し上げましたが、現在、政府・与党で検討されております案を見てみますと、出先機関の受け皿は特定広域連合に限定されておると、しかも、その区域は、国の出先機関のすべての管轄エリアをカバーすることが基本とされているということ、また出先機関からの移譲事務は一部にとどまるということは、ミニ出先機関が残存するという案になっておりますし、また移譲したはずの事務につきましても、許認可、勧告等々、国の関与が色濃く残っておるということで、この法案は、出先機関の原則廃止という民主党の方針から見ても、また地域主権という観点から見ても、大変問題が多いんではなかというふうに思っております。

 今後、本県としては、政府・与党での議論、あるいは他ブロックの動向、あるいは中部圏、あるいは東海圏との連携、県内市町村との連携を図りながら、慎重に議論を進めていくべきではないかと思っております。

 最後に、統治機構の御議論がございました。

 御案内のように、我が国の統治機構は、明治以来、国・都道府県・市町村の三層構造を基本にしておりまして、戦後になりまして広域連合、あるいは一部事務組合といったような各団体の連合体が認められております。さらには、政令指定都市、中核市、特例市など、市を人口に応じて区分する制度もつくられてきておるわけでございます。あわせて、国も各地域に出先機関を設置するという構造になっておるわけでございます。

 そういう中で、昨今、例えば道州制の導入を求める声でありますとか、中京都、大阪都など、政令指定都市も含めた大都市問題に係る改革案の提起などさまざまな議論が出てきております。政府でも、地方制度調査会において大都市制度のあり方を中心に議論がなされております。

 この統治機構のあり方につきましては、国は外交、防衛、通貨政策等々、国家的見地からの役割に特化をし、それ以外は思い切って地方に権限・財源を移譲するなど、国と地方の役割分担を再整理した上で、それを実現する手段としてどのような統治機構がベストであるかといったようなアプローチが必要ではないかというふうに思っております。

 これまでのところ、ややもすると道州制の議論も含めまして、統治機構の見直し、それ自体が目的化されかねない議論も見受けられるところでございます。統治機構は、あくまでも手段でありまして、大切な視点としては、地方自治、地域主権を進めていく中で、住民の声が的確に、かつ正確に行政に伝わり、しかも、行政の側でもその声を政策に反映することができる仕組みにするとともに、スリムでわかりやすい制度とするということであろうかと思っております。そうした観点から、統治機構のあり方を議論していくことが重要であると考えております。

 さらに、現行の都道府県の規模についても問題提起されておられますが、私としては、現行の都道府県体制においても運用面で十分に工夫すれば、県域を超える広域的かつ具体的な政策課題について対応できるんではないかというふうに思っております。

 そういう観点から、本県としてはこれまでも、例えば観光、産業振興、防災、ドクターヘリの運航、山岳遭難への対応といった県境を越える広域的な分野につきまして、隣接県と、さらには鹿児島県との知事協議などを通じて積極的かつ密接に連携を図りながら対応しておるというところでございます。



○副議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 川出達恭君。

    〔健康福祉部長 川出達恭君登壇〕



◎健康福祉部長(川出達恭君) 生活保護受給について二点御質問がございました。

 初めに、県内の生活保護受給者の状況及び不正受給の状況についてお答えします。

 県内の生活保護受給者数は、平成二十四年三月分では八千九百七十七世帯、一万一千五百七十二人で、千人当たり受給者数は五・六人となっております。同時期の全国の千人当たり受給者数は十六・五人となり、千人当たり受給者を比較しますと、岐阜県は全国の約三分の一と低い水準にあります。

 県内の生活保護の不正受給は、平成二十二年度においては百二件、六千八万一千八百二十七円発生しております。これは平成二十二年度の県内の生活保護費の〇・三四%に当たり、全国の〇・三九%を下回っております。

 不正受給対策としましては、保護申請者に対し、資産や収入について正確に申告するよう指導するとともに、金融機関や雇用先など関係先への調査を実施しております。

 保護開始後においては生活保護受給者の収入の状況を把握する課税調査や、生活状況等を把握するための訪問調査を定期的に実施しており、不正受給の多くはこれらの調査で発見されております。

 次に、国に見直し、改善を求めるべき点についてお答えします。

 生活保護制度の目的である最低限度の生活の保障と自立の助長のためには、受給者が就職し、自分で生活できるようにすることが重要と考えております。そのためには、まず受給者の就労支援を継続・強化するため、十分な就労支援員を今後とも配置できるよう、国による財政措置がなされる必要があると考えております。

 また、現行の生活保護制度では、受給者が就労により賃金を得た場合でもその賃金分は生活保護費から削減されてしまうことから、就労収入についてはある程度の積み立てができるよう制度改正し、就労に対するインセンティブの強化を図ることが必要と考えております。そして不正受給の防止のために十分な調査が実施できるよう、調査権限の拡大が必要と考えております。

 県としましては、以上三つの点についての見直し、改善を国に対して要望してまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) 次は原発についてお尋ねをいたします。

 六月十六日に政府は、大飯原発の再起動について最終的な決断をいたしました。東日本大震災から福島第一原発事故をめぐる災害を皆がどう感じ、反省しているのでしょうか。

 大飯原発再稼動は、本県にとってリスクはあるものの、直接的にはメリットは何もない状況であります。知事の記者会見でもお話のとおり、地元への説明とは一体どこまでを地元ととらえるべきであるとお考えでしょうか。電力を供給していただいている地域を地元と考えるのか、はたまた距離で考えていくべきなのでしょうか。

 私自身も専門的知識を持ち合わせているわけではありませんが、その科学的根拠、再起動までの手順について甚だ疑問を持つ部分もございます。電力の安定供給、県内中小企業からのコスト面などの要請など、立場によって原子力に対しての見解が変わってくることも大変難しい問題であるとも感じております。

 そもそも原子力、放射能について本当に理解している方が少ないというのが問題であり、原子力、原発、放射能に対して我々の不安が日増しに広がっていることの原因は、全く目に見えなく、どう体に被害が出てくるか、はかり知れないからだと考えます。

 岐阜県では原子力防災対策を強化するとして、昨年五月に設置された震災対策検証委員会に原子力分科会を設け、同年十一月からは平時における原子力防災対策や、災害発生時の初動体制への助言・指導を目的とする岐阜県原子力防災対策専門委員四名を就任させております。

 また、新たにこの四月からは原子力防災室を設置し、対応の強化を図り、専門家の見識を経て、岐阜県独自の考えをまとめようとしているともお聞きしております。

 ちょうど先週の二十一日には専門部会の意見をまとめられ、これを含め、知事は早速、各大臣に対して要望を行っていただきました。

 そこで、知事に二点お尋ねをしたいます。

 私は、岐阜県は、若狭湾の多くの原発に近く、また風下にあり、十分地元と言ってよい地域と考えておりますが、今回の政府の大飯原発再稼働判断について岐阜県の見解はいかがでしょうか。また、原発に囲まれている本県でありますが、知事としてはどこまでを地元として考えていくべきなのでしょうか。

 二点目は、現在、中部電力管内では原発の再稼動の話は大きなものとはなっておりませんが、既に再稼動の必要性をはっきりと発言をする他県の知事もみえる中、今後、大飯原発以外の再稼働が順番に判断されていくと予測されます。その際に、例えば、今後化石燃料の高騰の結果、電気料の値上げ等により経済界を含め原発再稼動についての要請があった場合、岐阜県として原発再稼動に対してどんなことがあっても反対、または賛成とのお考えがあるのか。なければ、賛否を表明する場合、ある程度の独自調査等に基づく判断基準の策定を急ぐべきであると考えますが、岐阜県のお考えはいかがでしょうか。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 三点御質問がございました。

 まず、政府の大飯原発再稼動の判断についてでございますが、本来、原子力発電所の再稼動に当たりましては、安全性を第一として、まず福島第一原発事故の徹底検証を踏まえ、法とルールにのっとり、新たな安全規制機関のもとで厳格な安全基準に基づいて慎重に判断されるべきものであるというふうに考えております。これに対して政府は、定期点検後の稼動停止、昨年七月のストレステストの実施決定、本年四月の再起動に当たっての安全性に関する判断基準の決定など、次々と行政指導、政治判断を繰り返してきております。

 今回の大飯原発再稼動の決定につきましても、総理の発言では、判断基準を暫定的なものとしつつ、今後の規制の刷新についても言及しておられます。また、中長期的なエネルギー政策についても、八月めどの策定というふうにおっしゃっておられるわけであります。そうしたことから見て今回の判断は、暫定的な安全基準のもとで行われたものであり、結論を急いだ感は否めないというふうに感じております。

 次に、原発再稼動に係る地元の考え方でございます。

 まず、法律上定められていない地元の範囲ということでございまして、政府では、立地自治体に限るのか、あるいは影響を受ける近隣自治体を含むのか、さらには日本全国が地元なのかなどなど、さまざまな議論がございました。これに対して自治体からも、百キロの範囲であるとか、被害地元といったような主張もなされて混乱が見られております。

 一方、従来の原子力災害対策特別措置法では、原発立地市町村と県境を接するか否かという観点から、本県は関係隣接都道府県に位置づけられておりませんでした。そのため、昨年来、原発からの距離と風向き、地形などによりどのような影響を受けるかという観点から、これを見直すよう、国に再三にわたって要請してきたところでございます。

 先週二十日に成立しました、この原子力災害対策特別措置法の改正法では、我々の主張の趣旨をおおむね取り入れていただいておりまして、原子力発電所からおおむね三十キロ以内の範囲を緊急時防護措置準備区域、いわゆるUPZとして、これを含む県が関係周辺都道府県として位置づけられたわけであります。この改正法が施行されますと、本県は、敦賀・美浜原発について法的根拠に基づき事業者から通報を受け、また事業者の防災業務計画の協議を受け、さらには立入検査を行うことなどが認められることになるわけであります。

 また、大飯原発につきましては、本県は五十八キロという位置にあるわけでありますが、北西の風向きから県民に大きな不安があることも事実でございます。このため、本県の原子力分科会専門部会の場におきまして、原子力安全・保安院から直接説明を受け、さらには、その後、専門部会委員や県からの質問に対して保安院から回答を受けるなど、意見交換を進めてきたところでございます。

 先週には、この専門部会の提言を踏まえて、大垣市長、揖斐川町長とともに、関係大臣に対しまして緊急要望を行ってまいりました。この再稼動に関する安全確保について、風下の県として大飯原発の再稼動後の情報提供、あるいはUPZの弾力的運用などをお願いしてまいりました。

 その結果、国・県双方の窓口を定めて情報を定時、定期的に提供していただくことや、オフサイトセンターに当県職員が随時出向いて、現地の状況の説明を受けることができようになったところでございます。

 次に、今後の原発再稼動に係る県の判断基準ということでございますが、今後、政府は個々の原発の再稼動について、丁寧に個別に安全性を判断していくというふうにしておられます。そこでは政府及び国会の事故調査・検証委員会の結論をしっかりと踏まえて、法に基づき新たに設置される原子力規制委員会が定める新しい安全基準に基づき、法とルールにのっとって安全性が厳格に審査されるべきであるというふうに私どもは考えております。

 本県としては、こうした政府の審査基準、判断に対して、本県の原子力分科会専門部会での専門的・科学的な議論や、県内市町村、あるいは県民の皆さんの意見も踏まえながら、必要に応じ原子力規制委員会に対して意見を申し上げていきたいというふうに考えております。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) ぎふ清流国体・清流大会並びにFC岐阜についてお尋ねをいたします。

 国体開催まで残すところ百日を切り、あと九十四日であり、四十七年ぶりの地元開催、さらに私自身にとっても人生で初めての地元での国体、障害者大会であり、大変気持ちが高ぶってきております。

 今回のぎふ清流国体・清流大会の意義、目的、それに成功の定義とは、東日本大震災を踏まえ、震災を契機にできた岐阜県と東北とのつながり、きずなを復興のメッセージとして全国へ発信し、本大会を被災地を元気づける大会、さらには日本再生のシンボルとなる大会にしていきたいとの強い思いなどもありますが、とはいえ、やはり本当の意味で大会成功とは、最終結果として岐阜県として天皇杯、皇后杯の獲得であるのではないでしょうか。合い言葉は「輝け はばたけ だれもが主役」であり、大会にかかわるすべての人々がきらきらと輝き、夢と感動を分かち合い、ともに未来をつくる国体にしていくことでありますが、選手を中心として国体が動き、選手のパフォーマンスで花が添えられていくことは間違いないと思います。

 しかし、先日、新聞報道でも明らかにされましたが、ぎふ清流国体へ出場する選手・監督の宿泊施設が岐阜市内を中心に大幅に不足していることが問題となっております。宿泊環境は、選挙のパフォーマンスに影響することは明らかでありますし、宿泊施設の場所によっては、当日、試合会場への移動の問題なども挙げられてきます。また、勝ち進めば連泊をしなければならなくなりますが、そのたびに毎日宿泊施設をかわることも、選手の立場から考えると避けたいことであります。

 そこで、県政自民クラブの代表質問でも知事に対して成功に向けた意気込みをお聞きしておりますが、私は少し視点を変え、選手の立場から三点質問をさせていただきます。

 まず一点は、昨年の山口国体では、天皇杯四位、皇后杯三位であり、ぎふ清流国体での天皇杯、皇后杯獲得に希望が持てると感じております。そこで、現在までの選手強化の準備状況と天皇杯、皇后杯獲得の見通しを知事にお尋ねいたします。

 また、今後、選手・監督、さらには九月二十九日の開会式を中心に多くの関係者が岐阜県に来場していただきますが、やはり関係スタッフよりも、当然ながら選手・監督を中心とした方々に優先して環境のよい宿泊施設の配分をお願いするとともに、宿泊施設によっては、例えばホテルで個室の部屋の選手やチーム、旅館で大部屋利用の選手やチーム、民泊での選手やチームがあると思いますが、宿泊環境によって選手のパフォーマンスが変わってくることも挙げられます。

 二点目の質問としては、岐阜圏域の選手・監督の宿泊施設の不足がなぜ開会四カ月前においてもこのような事態になっているのか、その原因及び対策と見通しについて、ぎふ清流国体推進局長にお尋ねをいたします。

 三点目の質問としては、宿泊に関する国体参加選手間の公平を期するための対策についても、ぎふ清流国体推進局長にお尋ねをいたします。

 次に、FC岐阜についてお尋ねをいたします。

 先ほど申し上げましたが、半世紀に一度の地元開催のぎふ清流国体・清流大会の本年、世界でもロンドンオリンピックなど、スポーツに対して大変心が踊るニュースが多いのですが、残念ながら、先日、FC岐阜が財政危機にあり、運転資金不足になる状況が発覚いたしました。一昨季は何とか初めて単年度黒字を出せたものの、昨季には七千百万円の赤字を計上し、債務超過は一億四千万に達したほか、累積赤字は四億二千四百万円にもふえ、Jリーグからも経営改善指導を受けるとともに、予算管理団体に指定されてしまいました。こんなになってしまった経緯はさまざまあるでしょうが、根本はFC岐阜自体の法人としての経営力不足であり、知事のお言葉どおり、幹部の経営責任は重大であると感じております。

 しかし、先ほども言いましたが、本年は国体イヤーであり、県内唯一のプロチームの消滅は、同じスポーツイベントとしては寂しい話であるとともに、私自身も二シーズンではありますが、FC岐阜の選手としてプレーをさせていただき、地域リーグからJリーグに上がるときの苦労、またJリーグの魅力は捨てがたいものであります。現在は、知事を含めてトップセールスに力を貸していただいており、大変感謝をしておりますが、片や岐阜県は、FC岐阜の筆頭株主であるとともに、過去から職員を派遣しております。FC岐阜の財務状況は大変厳しい状況であることが、今まで知事の耳に入っていなかったのでしょうか。

 そこで、知事に二点お尋ねをいたします。

 筆頭株主であるとともに、職員を二名も配置していたにもかかわらず、なぜFC岐阜の財務状況がこんな事態になるまで県として積極的に対応を行えなかったのでしょうか。

 また、先週、FC岐阜に対して民間コンサルタントの財務状況分析の中間報告が行われたそうですが、その状況と今後の県の対応についてお尋ねをいたします。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、ぎふ清流国体・清流大会の選手強化の現状と天皇杯、皇后杯獲得の見通しということでございます。

 県では平成十七年に競技力向上対策本部を設置いたしまして、競技力の向上に全力で取り組んでまいりました。その結果が昨年の山口国体であり、また今年の冬季大会であったわけでございます。

 この選手強化におきましては、成年選手では優秀選手の確保に努めるとともに、全国トップクラスのチームとの合同練習の実施、遠征合宿を行うなどの強化策を進めてきております。また、団体競技につきましては、大垣ミナモソフトボールクラブなど新たな地域クラブを設立し、計画的に強化を図ってまいりました。

 一方、少年選手では、清流国体開催時の出場世代をターゲットエイジと名づけまして、早期に発掘し、育成・強化を図ってまいりました。

 また、バレーボールなど団体競技においては、選抜チームとして学校間の垣根を除いたチームづくりを進めるなどして全体のレベルアップを図ってまいりました。

 その結果として、今年三月に開催されました全国高校選抜大会では、例年三十前後の入賞数が四十七と大幅にふえておりまして、少年強化の芽が花開いてきたものと認識しております。

 なお、ライバル県の状況を見ますと、開催県に次いで五年連続二位となっている東京都が来年開催に向けて例年以上に強化を進めております。また、愛知県は、本県が東海地区予選に出場しないため、本大会への出場種目を大幅にふやすと思われるわけでございます。愛知県は、ちなみに昨年の山口大会では、山口、東京に次いで第三位でございました。こうしたことから、両県は昨年以上の成績を上げることが予想されるわけでありまして、この両県を上回るということは容易なことじゃないということでございまして、決して油断できる状況ではないというふうに認識しておるわけでございます。

 各競技団体の強化も佳境に入ってきておりまして、私も時間が許す限り激励に参上しておりますが、この関係者の、あるいは選手の熱気や意気込みについては十分手ごたえを感じておりますけれども、これから三カ月間の練習が最終的には成績に大きく影響するんではないかということでございます。

 冬季大会同様、本大会におきましても、多くの県民の皆さんから選手の力となる大声援を送っていただいて、悲願の天皇杯、皇后杯の獲得につなげたらと思っております。

 それから、FC岐阜について二点御質問がございました。

 まず、このFC岐阜は平成十八年にわずか二百万円の資本金で設立されておりまして、十分なスポンサーを確保しないまま、平成二十年にJ2に昇格できたと、こういうことでございます。

 当時、県内唯一のプロスポーツチームでありますし、地域貢献活動への期待も大変高まる中で、脆弱な経営基盤のままJリーグ入りしたということについては、もちろん県としても十分認識しておったわけでございます。このため、県民挙げての支援体制の構築に取り組むとともに、市町村、民間と協調し、県も応分の負担をするということで、出資、あるいは職員の派遣、長良川競技場の使用料免除等々、できる限りの支援を行ってまいりました。加えて、財務状況に対する指導や助言も随時行ってきたところでございます。

 他方で、あくまでFC岐阜は自立的な経営をなすべき株式会社でございまして、県として具体的な業務改善の細部にわたって直接関与するには、おのずから限界があったことも事実であります。その結果として、御承知のとおり、今年四月にJリーグから予算管理団体に指定されたということでございまして、私どもとしては、この時点で危機感を持って、急遽、財界からの財政的支援を含めたオール岐阜での支援策について検討する場を設けさせていただいて、今、動きが始まったところということでございます。

 このFC岐阜の財務状況と今後の対応という御質問がございましたが、民間コンサルタントの調査によりますと、確度の高い収入見通しのないままチーム強化のために必要な支出を計画し、それに合わせた予算を立てていると、あるいは限られた売上高の範囲内でコストを管理する経営が行われていないこと、さらには売上高として認識された数字を確実に達成していくための具体的な計画が立案されていないという指摘があったと、まず出があって、入りは後回であったということでございます。

 その結果、この七月末においては資金ショートのおそれがあること、そして今年一年間を通じて約一億五千万円の資金が不足するという見通しが示されたところでございます。

 FC岐阜にはオール岐阜での幅広い協力を得るよう、今後努力をすると同時に、コストの削減、収益の向上を図り、ガバナンス体制を再構築していただく必要がございます。

 県といたしましては、今回のような経済界に対する支援の働きかけを初め、ファンクラブや後援会の加入、ホームゲームの観戦を職員や関係者に呼びかけるとともに、県や市町村が持つネットワークを活用した地域後援会の組織強化への協力などを行い、オール岐阜で支援の輪を広げていけるよう努力をしてまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) ぎふ清流国体推進局長 武藤鉄弘君。

    〔ぎふ清流国体推進局長 武藤鉄弘君登壇〕



◎ぎふ清流国体推進局長(武藤鉄弘君) 国体の宿泊関係で二点御質問がございましたので、順次お答えします。

 ぎふ清流国体におけます宿泊施設の確保につきましては、国民体育大会宿泊要項に基づき、競技会場市町内の旅館・ホテルを最優先に、練習日を含めおおむね六日間以上の連泊を提供いただくことや、食事を必ず提供いただく条件で要請を行ってまいりました。

 しかしながら、通常料金と異なるより安価な料金設定、夕食が提供できない宿舎の食事場所の確保、連泊で提供をいただいても、試合の結果によっては敗退したチームが予定より早く帰るなどの国体特有の諸課題もあり、現状では岐阜圏域を中心に十分確保できていない状況であります。

 このため、県では五月三十一日に宿舎不足が特に著しい岐阜市内の宿泊施設を対象に宿泊施設経営者懇談会を開催し、知事、岐阜市長から直接経営者の方に、さらなる客室提供の要請を行ったところであります。その後、各宿泊施設からの協力もあり、延べ五千人分余の客室の提供を受けたところでございます。

 今後とも、できる限り県内に宿泊していただけるよう、引き続き客室確保に努めてまいります。

 次に、宿泊選手間の公平対策についてお答えします。

 国体参加選手の宿舎につきましては、原則として競技会場市町内のホテルや旅館や民泊を利用し、宿泊施設が足りない場合には、近隣市町の宿泊施設で対応することとしております。

 今後、具体的な配宿に当たっては、選手のコンディションに配慮し、宿舎から競技会場や練習会場までの移動時間をこれまで通例となっております六十分以内とすることや、競技別、あるいは種目別にできる限り類似の旅館やホテルに配宿すること、また民泊においては、同一競技の同一種目のすべてを民泊で対応するということで選手間の公平を期すこととしております。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) 次に、社会資本整備の方針について私なりに御提案をさせていただきます。

 これも以前、議場で申し上げましたが、公共事業、道路建設に対して私の主観でありますが、開通して余り効果がない、また無駄な事業、もっと先にやらなければいけない事業も一部ではあるのではないかと感じる反面、道路整備により災害発生時など集落の孤立対策を初め、緊急時の輸送路の確保など、そこに暮らす人々に安心・安全を与え、また人や物が行き交う地域経済の発展を支える活力を生む効果などがあると思います。

 であるならば、何年かかるかわからない、何十年かかるかわからない事業を何本も行うのではなく、現下の財政が大変厳しい状況の中、もっと選択と集中を行うべきではないかと感じております。道路というのは完成して開通しなければ何も効果がないわけで、今納めている税金が形としてあらわれ、生活の利便性や経済効果を納税者である県民が早期に実感できることが大切だと感じております。

 しかしながら、将来的には人口が減少することが予測されており、またこれまで高度成長経済期に急速に整備した社会資本について補修を要する時期が迫ってきており、今後、これらに要する費用が増大し、それに伴って維持管理費が膨れ上がっていくことは明白であります。このため、選択と集中、さらには未来に負担を残さない県土整備計画の見直しを行っていただきたいと思います。

 岐阜県では、平成十九年三月に「県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想」を策定し、現在もそれに沿って毎年度の事業が行われておりますが、策定後、ちょうど五年が経過いたしました。残念ながら、予算措置を含め当初の計画どおりには進んでおらず、さらには、昨年発生いたしました東日本大震災での災害対策の見直し、またリニア中央新幹線等の県内駅の決定など、これらの状況を踏まえますと、県内道路整備網の見直しが必要になってくるのではないでしょうか。

 また次に、昨年五月にPFI法が改正されました。この改正では賃貸住宅や船舶・航空機等がPFIの対象施設に追加されるとともに、従来は国・地方自治体の発意、主導により実施してきたPFI事業を、民間事業者でもPFI事業を計画し、行政に提案できるものとした民間事業者による実施方針策定の提案制度、本来、公共施設の所有者である国や自治体が責任を持って行わなければならない施設の運営を民間事業者に物権として開放する、公共施設等運営権に係る制度などが創設され、従来よりPFI制度を導入しやすい条件が整いつつあります。

 本県では、これまでPFIの手法を用いた事例としてはJR岐阜駅のアクティブGなどがありますが、今後も厳しい財政状況が見込まれる中にあって、この法改正を契機に、公共施設、インフラ整備等についても民間資金をさらに積極的に活用していくことを検討することが求められると考えます。

 さらに、歩道橋等道路施設や路線名へのネーミングライツを積極的に導入する等して、民間資金を活用した収入確保策を積極的に検討するべきだと考えます。

 そこで、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 一点目は、「県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想」を初め県内道路網の整備計画を、今回、リニア中央新幹線の中間駅の決定や、昨年の東日本大震災を踏まえて見直す予定はないのか、お尋ねをいたします。

 二点目は、今後、公共施設の整備や運営に当たってネーミングライツやPFIなど民間資金の活用を検討するべきだと考えますが、他県でも導入されております歩道橋のネーミングライツについての御所見をお尋ねいたします。

 次に、雇用対策並びに産業政策についてお尋ねをいたします。

 皆さんの記憶にも新しいと思いますが、二〇〇八年九月に起きましたリーマンショック以後、日本経済のみならず、世界的に大打撃を受けております。私自身も、もともと金融機関に所属していたこともあり、株価を経済指標として常に見ておりましたが、当時、平成二十年九月十二日には日経平均株価が一万二千二百十四円で引けた後、それから一カ月半後の十月二十八日には取引時間中に六千円台まで突入するという、安値をつけるまで下落をいたしました。株価下落とは経済の停滞を意味し、会社の資産、価値の下落をあらわすこととなり、結果、雇用の失業状況が厳しくなりました。

 各地域での対応はもちろんのこと、国でもこのリーマンショックを受けて大きな政策が打ち出され、緊急雇用創出基金事業、ふるさと雇用再生基金事業などがスタートされております。平成二十年には本県では約三千万円の基金を使っての事業がスタートし、百八十四人の雇用を創出いたしました。その後も五年間で合計二百九十四億円、雇用人数は二万一千八百八十三人の雇用の創出をするとともに、結果的にはとてつもなく多くの人数ではないものの、正規雇用者も着実にふえてきておるとお聞きしております。有効求人倍率のデータでもその効果があらわれており、平成二十一年度には一たん〇・六を切っていたものが、現在では〇・九九と大きく回復をしてきております。しかし、残念なことですが、この基金事業も現段階では本年で終了予定となっております。本県の雇用政策にも少なからず影響を及ぼすと感じており、今までの成果、反省、効果などをしっかりと検証し、それを生かしていくべきであります。

 そこで、商工労働部長に二点お尋ねをいたします。

 これまでの緊急雇用基金事業において雇用確保につながり大変効果が認められた事業、また国の基金事業が終了した後にも県独自で継続を考えている事業について具体的にお答えをお願いいたします。

 また、これだけ社会情勢、世界情勢、さらに我々の生活スタイルが変化してきた中で、岐阜県としての産業構造も変化してきていると思います。昔は、繊維、陶磁器、木工・家具、金属・刃物、紙、プラスチックの七大産業でありましたが、現在では、健康、福祉、環境、交流、文化、教育、ハイテクの新七大産業とも言われておりますが、今後、長い目で見て岐阜県において中心的な産業として成長が期待でき、雇用が確保できると考えている産業と産業支援政策について具体的にお答えをお願いいたします。



○副議長(矢島成剛君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) まず、緊急雇用創出基金事業についてお答えいたします。

 本基金を活用した事業は、ふるさと雇用再生特別基金事業とあわせますと平成二十年度から二十四年度の五年分で二千七百八十六件に及んでおりまして、雇用創出人数は二万一千八百八十三人となっております。

 本基金は、つなぎ雇用の創出を目的とする緊急雇用事業及び重点分野雇用創出事業と、継続性のある安定的な雇用の創出を目指す地域人材育成事業に分かれておりますが、現時点での雇用効果を判断する観点から地域人材育成事業の状況を見てみますと、平成二十二・二十三年度に雇用されました二千八十九人のうち、五七・四%に当たる千二百人が同じ職場で継続雇用となり、うち七百三十二人が正規雇用となりました。

 主な事業を挙げますと、例えば「看護職員等就労支援研修事業」では、看護師資格を有しながら育児等により就業していない潜在看護師九十九人を雇用し、そのうち約九〇%に当たる八十九人が事業終了後に再就業いたしました。また、「若年者雇用推進事業」では、学卒後三年程度の未就業者六十人を雇用し、約九〇%に当たる五十三人が研修先等に就業しております。

 県といたしましては、こうした安定的な雇用創出の効果がある事業は継続をしたいと考えておりますが、財政的な制約も大きいことから、本基金の延長・増額につきまして国に対し要望しているところでございます。

 次に、今後成長が期待できる産業とその支援策についてお答えいたします。

 国内外の動きを見てみますと、まず国内では高齢者が増大し、医療、介護の需要が大きく高まり、その関連産業の発展が予想されます。

 また、海外では、途上国を中心に人口が大きく増加し、人・物の交流や、消費財の市場が大きく拡大する一方、環境意識の高まりなどから新エネルギー関連産業の拡大が見込まれます。

 しかし、こうした流れがそのまま岐阜県の新たな成長産業になるわけではなく、新たな産業は、種火となります中小企業が存在し、みずからの本業をベースに、新商品や新事業、新技術の開発に挑戦する中で起こるものであると考えております。そういった点でいえば、例えば航空機産業や医療機器、医薬品などは、本県中小企業が有するものづくりの技術を生かして成長と雇用の創出が期待できる分野と見込んでおり、県といたしましても、積極的にその分野の人材育成や技術開発の支援を行っているところでございます。

 一方、これ以外にも新分野で成長している中小企業が多いことから、異業種交流の場づくりや新商品や新技術の開発支援などを進め、新事業への挑戦を後押しする中で、岐阜県に合った新たな成長分野を育成してまいりたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 社会資本整備について二点御質問をいただきました。

 初めに、県内道路網の整備計画の見直しについてお答えします。

 中津川市西部にリニア中央新幹線の中間駅が設置されることとなり、企業活動や観光を中心に人や物の交流が大いに活発化することが予想されます。県では、昨年九月に産学官によるリニア中央新幹線活用戦略研究会を立ち上げ、駅周辺やアクセス道路の整備について検討を進めているところです。

 また、昨年三月に発生した東日本大震災を踏まえ、震災対策検証委員会から百十項目にわたる提言をいただきました。このうち、道路整備に関しては緊急輸送道路の耐震補強や孤立集落に至る道路の防災対策等で、五十五路線、八十四カ所で整備を進めているところです。

 県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想は、平成十九年三月に策定し、現在の進捗状況は七六%です。この構想にはリニア関連の広域的な道路ネットワークや緊急輸送道路の防災対策等も含まれているため、現在、この構想を見直す状況にはないと考えています。しかしながら、今回の震災を受けて新たに生じた孤立集落の防災対策等の事業については、地域自主戦略交付金や全国防災予算も活用しながら着実に進めてまいります。

 次に、歩道橋のネーミングライツ導入についてお答えします。

 県では、県有施設の愛称を命名する権利を売却し、民間資金を活用して持続可能な施設の運営と施設サービスの維持・向上を図るため、行財政改革アクションプランの歳入確保対策の一環としてネーミングライツ導入を掲げ、平成二十三年度から「ふれあい福寿会館」「ヒマラヤアリーナ」の二つの施設について命名権料の収入を得ております。

 歩道橋への導入については、全国的に見ると平成二十二年から行われており、これまでに大阪府、大阪市、愛知県、名古屋市の四府県市で実施されています。その他の都道府県及び政令市合わせて六十二自治体の導入状況は、検討中が六自治体、それ以外の五十六自治体は、導入予定がない状況です。

 歩道橋へのネーミングライツ導入に当たっては、県収入が増加する一方、歩道橋の名称とはいうものの企業広告的な表示となることから、道路交通の安全性、屋外広告物として、美観、景観への配慮等の課題が考えられます。

 県としましては、これらの課題について関係機関と協議し、地元自治体の意向等も尊重しながら、導入について検討してまいります。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) 次ですが、教育関連についてお尋ねをいたします。

 子供の教育については十人十色といいますか、百人百様の考えがあるとともに、家庭、地域、学校によっても子供にとって何が正解か、永遠のテーマであると感じております。しかし、子供への教育は、国家の根底をつくる大切なプロセスであり、教育の方向性によって今後の国のあり方が変わってくることともなります。そういう意味でも、正解がないからといって責任の所在をあいまいにすることなく、学校、家庭、地域がしっかりと責任を持ち、子供たちとともに成長していくことが必要であると思います。

 その意味でも、今回は学校行政について、四点教育長にお尋ねをいたします。

 一点目は、現在の中学三年生が受験をする平成二十五年度からの高校入試制度の変更について、過去の制度の導入の経緯と反省、さらには新制度のメリットとデメリットについてお尋ねをいたします。

 次に、「大人が変われば子供が変わる、子供が変われば未来が変わる」との名言があります。子供に対しての影響力があるのは、一番は当然御両親であり、家族であると思いますが、子供にとって学校の先生の影響は、成長過程において重要なものであるとも感じております。

 しかし、近年、ニュースで目にするのは、教職員の不祥事であるとともに、休職者数の増加であります。不祥事については、何も教職員だけではないのではないかと思いますが、やはり世間的に公務員であり、子供の教育者であることの重要性からマスコミ報道でも取り扱われることだと思いますが、裏を返せば聖職者であることの必要性が求められているのだと感じております。

 そこで、教員の質というものが大変重要になってまいります。私は、これらの問題に対して、採用方法の抜本的な見直し並びに採用後の資質向上への取り組みが重要であると感じております。まずは現行の試験では、たった三日間での一次のペーパーテスト、二次の面接でありますが、この試験で本当に人間性まで見定めることができるのでしょうか。

 何度も申し上げますが、子供たちは日本の宝であります。日本の根幹をなす人材でありますし、しかし、その子供たちを教える教育自体が不十分であれば、日本全体がむしばまれていくことは明らかであります。残念ながら、公務員である身分で採用してしまえば、もし資質が不十分であったといっても首を切ることはできませんし、逆に本人自体も、せっかく採用されたのだからと、苦しくてもこのまましがみつくことを選択し、結果、精神的に病んでいくということも考えられます。そこで、教員の見きわめをしっかりと行っていくことが大切だと思います。

 ここで、皆さんのお手元に、本日、資料を配らせていただきました。(資料を示す)一ページ、二ページ目の部分は、私が教育委員会にお願いをしてつくっていただきましたが、まずは見ていただきたいのですが、やはり教職者の休職者数、これは既卒と新卒ではどう考えても新卒のほうが全体的に多くなってきておりますし、過去の罰則を受けている職員の皆さん方に対しても、新卒の皆さん方がウエートを大変占めております。

 そこで、二点目の質問としては、私自身は採用について、最低三年講師を行った後、これは何年でもいいんですが、一応まずは講師を行った後に採用するなどの対策をとるべきではないかと考えております。採用試験において講師等の経験を条件に課すことを含めてお考えをお尋ねいたします。

 三点目においては、この次、三枚目、四枚目を見ていただきたいと思いますが、休職者数もそうですし、この処分を受けた皆さん方においてもそうですが、年々休職者数もふえてきております。今後の教員の質の向上が、これらのデータを見ても、私は必要不可欠だと感じております。三点目には、近年の不祥事の発生に対しても、今後の教員の資質向上に対して具体的な取り組みもお答えを願いたいと思います。

 最後に、学生に対する岐阜県奨学金制度の現状についてお尋ねをいたします。

 家にお金がないから進学をやめる、昔のドラマの話ではなく、現在でもこのようなことが起きております。景気の低迷は、子供たちへの教育環境にも影響していることは否定できません。岐阜県としても岐阜県奨学金制度を設け、できる限りの支援を行っていただいていると思います。片や、先ほど申し上げましたとおり、リーマンショック以後、大変な景気低迷により、社会人となり、現在返済を行っていただいている、その奨学金利用者にとっても苦しくなり、滞納がふえてきているともお聞きしております。

 そこで、四点目は、現在の岐阜県奨学金制度の滞納の現状と解消に向けた今後の対策についてお尋ねをいたします。



○副議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教育について四点の御質問がございました。

 まず一点目の、平成二十五年度入試からの高校入試制度変更のメリット及びデメリットについてお答えいたします。

 旧制度は、すべての学校で特色化選抜と一般選抜を実施し、受験生を多様な観点から多面的に評価することなどを目的として導入したものです。この制度については、長期にわたる入試期間が受験生に過度の心理的負担を強いていることや、中学校や高校の日常の教育活動に影響を及ぼしている点が課題として顕在化してまいりました。

 新制度では、二月と三月に実施していた入試を三月に統一的に実施するため、受験生は目標を明確にして、中学校での学習に落ちついて取り組むことができるようになると考えております。なお、旧制度には受験生を学校独自の検査によって多面的に評価できるという利点がありました。この利点を継承するため、必要な場合には独自の検査を実施して、部活動の実績など限定的な要件について評価できる制度といたしました。

 来春の新制度の実施に当たっては、中学二・三年生にリーフレットを配布したほか、すべての中学校と高校を対象に学区別の説明会を開くなどして周知に努めております。今後も継続的に評価し、新たな課題が生じた場合には、幅広く意見を聞き、必要な改善を図ってまいります。

 次に二点目の、教員採用試験における基準についてお答えいたします。

 念のため資料について申し上げますが、議員御提示の表、一枚目でございますが、例えば平成二十三年度に休職した二十代から五十代まで百三十一名を、採用時にさかのぼって、採用時点で新卒であったか既卒であったかをあらわした資料であります。休職などの原因をその教員が採用当時に新卒であったか講師経験者であったかということに求めることには若干の無理があり、採用後の教員として、また一社会人としての経験に起因すると判断するのが妥当ではないかと考えております。

 そこで、議員御指摘のような講師としての経験を採用の条件に課すことについてでございますけれども、これは法的な制約もあり、困難であると考えております。しかし、現行の制度におきましても、前年度の一次試験に合格した講師に対して試験の一部を免除するなど、講師としての経験も反映されるような措置をとっております。その結果、本年度採用者の中では講師経験者が約六割を占めております。

 今後とも、採用試験のあり方については、絶えず検討を行い、一人でも多くの優秀な人材を確保できるよう努めてまいります。

 三点目の、教員の資質向上の取り組みについてお答えいたします。

 一連の教職員の不祥事を受けて、教職員が常にみずからを厳しく律し、職責の重要性を自覚して職務を遂行するよう、改めて指導を徹底してまいります。

 これまでも会議や研修など、あらゆる機会を通じて校長初め管理職に周知を図り、各学校において研修の機会を持つなど取り組んでまいりましたが、今後は、不祥事の根絶に向け、県教育委員会として具体的な対応策を盛り込んだ校内研修用の資料を作成し、県下すべての学校で歩調を合わせて教員の研修を実施するなど、なお一層、服務規律の徹底を図ってまいりたいと考えております。

 また、県教育委員会が実施する経験年数や職務に応じた研修の中でも教員としての使命や責任の重さについて自覚を深めるとともに、人間性や社会性を高めることができるよう、研修内容をさらに充実させてまいります。

 最後に四点目の、岐阜県奨学金制度の現状と今後の対策についてお答えいたします。

 教育委員会では、経済的な理由により修学が困難な生徒に対して修学の機会を確保することを目的として、要件を満たす申請者全員に対して奨学金を貸与しております。

 一方、返還方法につきましては、貸与終了後、半年間の据置期間を置いた後、年二回、十年間での返還となりますが、一部繰り上げ返還が行われる場合もあります。

 また、返還状況といたしましては、昨今の景気低迷による経済的理由や返還意識の欠如、モラルの低下などにより滞納額は年々増加傾向にあり、平成二十三年度末時点で約七千八百万円となっております。

 このため、滞納対策として、滞納者本人に対する文書での督促はもちろんのこと、平成十九年度からは滞納者本人や連帯保証人への電話督促といった対策も講じており、その結果として、毎年度二百万円程度返還いただいております。

 しかしながら、滞納額が年々増加している現状も踏まえまして、現在の返還方法である納入通知書による払い込みに加え、返還者の利便性をより高めるため、口座振替制度の導入等についても検討を進めており、今後とも引き続き滞納解消に努めてまいります。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) 次ですが、交通対策についてお尋ねをいたします。

 今年の交通事故死亡者数は、全国では対前年比減少しておりますが、最近、新聞やニュースで子供や高齢者の交通事故が目につくようになってきました。特に今年四月の京都の亀岡市で起きた無免許の少年が通学路に突っ込み、保護者、児童の計三人が死亡、また祇園でも容疑者を含めて八人の死亡の事故が発生し、胸を痛めております。

 県内においては、本年に入り交通死亡事故が多発傾向にあり、前年に対する増加率が全国ワーストワンとなり、三月三十日には知事から交通死亡事故多発県内警報が発せられるなど、交通事故情勢は大変厳しい状況が続いていると聞いております。

 急速に進行している高齢化社会において、事故による高齢者への被害、また高齢者による事故が増加すると思われ、さらなる安全対策の強化が必要と考えます。

 そこで、警察本部長にお尋ねをいたします。本県の今年の交通死亡事故の現状と、現在取り組んでいる高齢者がかかわる交通安全対策及び子供たちの通学路の交通安全対策についてお尋ねをいたします。

 自動車事故も多発するとともに、前回の議会でも御質問がありましたが、近年の自転車ブームの傾向もあり、自転車の違反や事故等が発生していると思います。これは私自身の疑問でありますが、自転車の違反は自動車免許の点数に反映されるのでしょうかという疑問がありました。よく友人とも話しているんですが、お酒を飲んでから自転車に乗ると飲酒運転で捕まるよと言われたことがあります。それは自動車の免許ルールと同等なんでしょうか。自転車でも、酒酔い運転の場合は自動車と同様の罰則があるのですが、いわゆる酒気帯び運転では違いがあるなど、個々具体的には違いがあるとお聞きをしました。

 また、先日、小学生の「わたしの主張大会」で御提案があったんですが、自動車の免許を持っていない人、また子供や学生さんが自転車の違反を起こしたらボランティアを強制するべきであるとの御提案がありましたが、自転車にも自動車同様、厳しい対応が必要であると思います。県独自で罰則を設けることは困難であると思いますが、国での法改正も含めて県として提案していくべきであると感じます。

 そこで、警察本部長に二点お尋ねいたします。

 自動車の交通取り締まり同様、自転車に対しても厳しい対応が必要であると考えますが、取り締まり方針についてお答えをお願いします。

 二点目には、自転車の安全対策を進めていく中で自転車の交通ルールを周知することは大切ですが、まだまだ県民に十分周知されていないように感じます。自転車のルールを含めて交通安全教育をどのように進めていくのか、お考えをお願いいたします。



○副議長(矢島成剛君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 交通対策について三点のお尋ねがございました。

 まず、交通死亡事故の状況につきましては、昨年、当県におきましては年間死者数が百二人と、昭和二十七年以来最少となりましたが、議員御指摘のとおり、本年に入りましてからは一転して多発傾向を示しておりまして、昨日現在、県内の死者数は五十六人と、前年比でプラス十七人という厳しい状況が続いております。

 死亡事故の特徴といたしましては、高齢者の死者が三十六人と死者数の約六四%を占めているほか、飲酒運転が関係する事故、それからシートベルト非着用者の死亡、こういったものが目立っている状況でございます。

 高齢者の交通安全対策についてでありますが、高齢者がかかわる事故の原因を見ますと、高齢者の方に基本的なルール違反が見られる場合も少なくないという状況がありまして、このため、安全に道路を通行するための知識、技能を習得していただくことを目的として「高齢者交通安全大学校」や、あるいは運転者については「シルバー・ドライビング・スクール」、こういったものを開催するなど、各種の交通安全教育を推進しているところでございます。

 また、夜間外出時における反射材の着用促進、高齢者の御自宅への家庭訪問といった普及啓発活動にも取り組んでいるところでございます。

 次に、通学路の交通安全対策についてお答えをいたします。

 県警察といたしましては、児童・生徒の登下校時の交通安全対策について、道路管理者、あるいは学校といった関係者との連携を図りながら、道路における安全点検を初めとして交通規制の実施、交通安全施設の整備、交通指導取り締まり等の対策を推進しているところでございます。

 特に、これも御指摘がありました本年四月二十三日に京都府で発生しました通学中の児童多数が死傷する事故の発生を受けて、関係機関と連携して県下の通学路の緊急安全点検を実施しているところでございまして、またそれとあわせて通学時間帯における交通の指導取り締まりを強化しているという状況でございます。

 次のお尋ねは、自転車の指導取り締まりについてでございます。

 道路交通法におきましては、自転車は車両として位置づけられておりまして、基本的な点で申しますと、自動車の通行ルールと同じルールが適用されるわけでございます。これまで警察としては、自転車利用者が多い駅周辺などを重点といたしまして、自転車の街頭指導強化日を設定するなどして指導に努めてきたところでございます。

 取り締まりにつきましては、違反の態様にも応じますが、口頭での指導、あるいは警告書を手渡しての指導、こういったものをしておりますけれども、中でも特に繰り返し違反を行うといった悪質な違反者、あるいは酒酔い運転などの交通に危険を生じさせた違反者、それからいわゆるピストというものがございますが、これに代表されるブレーキを装着していない危険な自転車、こういったものについては検挙措置をもって臨むこととしております。本年に入りまして、ブレーキが装着されていない自転車を運転した事案二件を検挙しているところでございますけれども、今後とも積極的な指導、取り締まりを推進してまいります。

 最後に、自転車の通行方法に関するルールの周知と安全教育の進め方についてお答えいたします。

 歩行者と自転車双方の安全な通行を確保するためには、道路交通法に基づく通行ルールについて道路を利用するすべての方に周知徹底をしていくことが重要であり、警察としてもあらゆる機会をとらえて啓発活動を推進しているところでございます。

 具体的には、児童・生徒に対しては学校等と連携して模擬コースを使っての自転車教室、あるいはスタントマン等の実践を交えた交通事故の疑似体験教室、さらには学校における自転車運転免許制度の支援、こういった施策を講じておりますし、また一般の方に対しましては、関係の機関・団体と連携を図りながら、運転免許証の更新時講習等における運転者教育、あるいは先ほども申しましたが、高齢者交通安全大学校等における自転車教室、こういったものを進めまして、幼児から高齢者に至るまで、あらゆる交通安全教育の場を活用して今後ともルールの周知を図っていきたいと考えております。



○副議長(矢島成剛君) 五番 高木貴行君。

    〔五番 高木貴行君登壇〕



◆五番(高木貴行君) では、再質問をさせていただきます。

 知事、申しわけございません、一点だけ再質問をさせていただきたいんですが、長期構想というか、世代間格差の部分で、私自身もその予算配分数値を厳密に計算することというのは大変困難だと思います。ただ、先ほど知事のお答えの中で全体的な大きな社会資本整備とかを将来世代に残していかないとか、そういう意味の世代間格差というのはよくわかりましたけれども、私は今後の全体的な予算の中で、長期的な中で見ると、ある程度の生産年齢人口までとか、高齢者に対する毎年の年度の予算に対しても、大まかで結構なんですが、ある程度予算的な部分を格差として、子供に対してもある程度公平に予算をつけていくということも考えていくべきではないのかなと、大きな指針としてですね、ということを思っておりますので、その点についても少しお答えを願いたいなというふうに思っております。

 もう一点は教育長にお話をさせていただきたいと思いますが、先ほど前段で教育長は、最初の休職者数という部分のお話をしていただきました。これは、私、教育委員会にこういうものはあるのかと聞いたときに、今からこういうデータをつくりますといって、約一週間ぐらいかかりました。要するに、今までこの休職者に対して新卒や既卒という部分を余り考えてはいなかったというか、データ的にしっかり把握をしていなかったということを私はずうっと追及をしてきました。

 私は、確かに教育長がおっしゃられることもありますし、子供の教育についての正解は何もないと思いますが、とはいうものの教員というものは、例えば行政職員と違って向き不向きや、人に対する場所、また事務的な部分とか、技術とか、そういうことではなく、必ず教育者は子供に対して対応していかなければいけない場所なんですね。だからこそ、少しでも我々としては、その教育者の資質、また採用段階でも可能性が高い、要するによい人材を採れるような可能性が高い方法を模索していくことが私は大事だと思っております。

 先ほどの答弁でありましたが、もう既に現在の制度で六割以上が講師を経験している既卒者だよということを考えると、逆の見方を皆さんしてください。新卒のほうが人数は少ないのに、休職者や問題を起こしている人たちが多いわけです。確率論的には多くなっているわけですよね。こういうところを、やっぱりもうちょっと真摯に検討をしていかなければいけないです。

 先ほど洞口先生の話で、高校無償化のときに文科省に対して要請をしていくと言っていましたが、じゃあ私は、今の採用試験は、文科省が決めている法律の中でやっているとおっしゃいましたけれども、この法律が、それじゃあいいのかと。岐阜県の教育委員会としては、既卒を本当は採りたいんだけれども、法律の中だから採れないよというのであれば、しっかりそのような意味も踏まえて、国のほうに対して意見を伝えているのかというところも一つ私は疑問に思っております。

 また、この三枚目、四枚目ですね、休職者数が年代にどんどんふえてきております。採るところで全然そういうことが違う、既卒だろうが新卒だろうが同じ教育委員会に長年いるというところを主張されるのであれば、研修制度の抜本的な見直しを行わなければいけないのではないでしょうか。

 私は、四十代、五十代、ここの年代別の研修制度とかということを全くやっていないと言っています。こういうところも含めて、本当に抜本的に考えていらっしゃるのかというところも含めて、私は再度質問をさせていただきたいと思います。



○副議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私への再質問でございますけれども、これからポストアクションプランということで、長期構想の見直し、これもちょうど五年目にかかりますので、思い切って見直しをしようと思っておりますし、それにあわせて中期の財政のあり方といったことについても検討していきたいと思っております。

 そういう中で世代間のバランスといいますか、公平という話がございましたが、私の言葉で言えば、まさに未来づくり予算というのを、あるいは未来づくりの政策をどう構築していくかということですから、そういう意識を持ってこれから見直しに当たっていきたいと思いますし、人づくり、少子化対策というのはその大きな柱になるんではないかと思っております。



○副議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 再質問に対しましてお答えさせていただきます。

 先生の御趣旨は、教育者としての資質を見きわめるときに実務経験、例えば講師経験のようなものを重視するということは非常に大事ではないのかというような御趣旨だというふうに私は解釈させていただきました。そのことはよくわかるんですけれども、採用条件に講師経験三年者の人を優先するというようなことは、先ほど現行の法律に照らして非常に難しいというふうにお答えさせていただきましたけれども、地方公務員法の二十二条の第六項に、「臨時的任用は正式任用に際していかなる優先権を与えるものではない」という項目があるわけです。先生がおっしゃるように、教師としてある程度実務経験を三年ぐらい課すことが本当に必要であるということであるならば、教師としての基礎資格としての免許法を改正していただいて、その中で現在の教育実習だけではなくて、プラス何とかするというようなことを免許法の中でやっていただくというのが筋だと思うんです。先生のおっしゃるようなことは、県の施策として今やれることではないというふうに私は考えております。

 研修制度についても、先ほど先生がおっしゃられた点でございます。十二年目とかということでやっておりますが、年数が上がってくるに従って、そういう制度が今までなかったということは事実でございます。ただ、現在、免許更新制度によりまして十年ごとの研修というのが課せられてきております。その中の内容に、先生がおっしゃるような不祥事を根絶するようなものというのは必ずしも入っておりません。

 それから、教育委員会がいろいろな意味でデータ不足ではないかというような御指摘は、確かにそのとおりだというふうに受けとめております。今回の不祥事の多発につきましても、何が原因かということにつきまして、不祥事の分類別に、飲酒運転だとか、情報漏えいだとか、さまざまなものごとに、現在、分析を進めているところでございますので、そういうものをもとにしながら、各年代でどのような研修が大事かということを引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。



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○副議長(矢島成剛君) しばらく休憩いたします。



△午後二時五十六分休憩



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△午後三時二十五分再開



○議長(駒田誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(駒田誠君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(駒田誠君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○議長(駒田誠君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十二番 伊藤秀光君。

    〔二十二番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆二十二番(伊藤秀光君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく二点についてお伺いをいたします。

 まず初めに、観光行政の推進についてお伺いいたします。

 私は、今、NHKの朝の連続テレビドラマ「梅ちゃん先生」をよく見ます。戦後の焼け野原のもと、女医を目指してたくましく生きる梅子を通して、かつての日本人の家族のきずな、地域のきずなが凝縮されているからです。また、自分自身の幼いころの厳しい父親中心の食卓や家族風景が重なって、とても懐かしく思えるからです。そんな戦後の厳しい環境の中で、私たち日本人は持ち前の勤勉さと努力によって世界第二位の経済大国まで成長してきました。

 ここで、これまでの日本経済発展の営みを少し振り返ってみますと、一九六〇年代から始まった高度経済成長は、「鉄は国家なり」と言われたように、重厚長大の産業が日本を引っ張り、実質ベースで年率一〇%の成長を遂げ、東京オリンピック、大阪万博と、夢多い時代でした。しかし、二度にわたるオイルショックを通じ、企業の猛烈な合理化、省エネルギーへの投資、技術革新により、高い石油価格にも耐えられる高付加価値生産が日本の産業の主役になり、「重厚長大から軽薄短小へ」が当時の流行の言葉にすらなりました。

 その後、一九八五年、プラザ合意を契機に急速な円高が生じ、一たんは円高不況に陥りましたが、またも日本企業は円高不況を乗り越え、バブル経済を生みました。しかし、一九九一年二月を山としてバブル経済が崩壊し、今日まで「失われた二十年」と言われるほど、日本経済は長期停滞にあえいでいます。かつて日本の国際競争力は世界第一位でしたが、今や二十二位まで落ちています。今後、日本はどのように成長戦略をとっていったらいいのでしょうか。

 こうした中、新たな産業として、それぞれの地域の自然・文化・歴史的遺産などの文化財を活用した観光産業への関心が高まってきました。既に国では、平成十八年十二月に観光立国推進基本法が成立、平成十九年六月には観光立国推進基本計画が閣議決定され、その中で、「平成二十二年までに訪日外国人旅行者を七百三十三万人から一千万人に、日本人の海外旅行者を一千七百五十三万人から二千万人に」とし、観光立国の実現が二十一世紀の我が国の経済社会の発展に不可欠な国家的課題とされました。また、観光行政の責任を有する組織を明確化するため、平成二十年十月一日に観光庁が発足しました。そして平成二十二年六月に閣議決定された「新成長戦略〜元気な日本復活のシナリオ〜」にも、観光立国・地域活性化戦略、そしてアジア経済戦略が含まれています。ただ、東日本大震災の影響もあり、目標は達成されていません。それどころか、日本の外国人訪問客数は大震災の前の平成二十二年で約八百六十一万人で、これはアジア諸国の中でも、中国、マレーシア、香港、タイ、マカオ、シンガポール、韓国よりも少なく、順位では世界三十位となっています。

 本県も古田知事就任以来、飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトとして、五回にわたって成長著しい香港、上海、シンガポール、マレーシア、タイと訪問し、本県の飛騨牛や農産物など積極的な販路拡大、そして観光客の誘致を図ってきました。私も二回にわたって同行しましたが、平成二十一年にはシンガポールの国際旅行見本市に初出展、今年二月にもシンガポールを訪問し、経済開発庁の高官との面談、地元最大のマスコミへのPR、地元旅行会社との連携、メーンストリートのオーチャード通りでは日本の魅力を紹介するキャンペーンが行われましたが、中でもひときわ大きなスペースで「GIFU」の展示がされており、多方面にわたって観光客の誘客にも努力されてこられました。

 そこで、観光交流推進局長にお伺いいたします。これまで三年にわたって成長著しいアジアに対して行った本県の観光誘客PRがどのような成果を上げてきたのか、また今後に向けての課題についてどのようにお考えか、お聞かせください。

 次に、今年二月二十三日、私は名古屋で開かれました中京日本香港協会の総会に出席をしてきました。その際、中部運輸局の甲斐局長のあいさつの中で、中部圏の観光キャンペーンとして「昇龍道」という言葉を初めて耳にしました。昇龍道とは、能登半島を龍の頭に見立てて、東海北陸自動車道からセントレア空港までの南北の軸を龍の姿に重ねてイメージしたものです。くしくも、今年は日中国交正常化四十周年で、かつたつ年でもあり、その上、中国系の多い東南アジアでは龍はとても縁起がいいということです。既に新聞発表もされていますが、今年三月九日には昇龍道プロジェクト推進協議会が発会、東日本大震災により、福島の原発事故も相まって、なかなか観光客が戻らない欧米からの旅行者に比べ、回復基調にある台湾、中国からの旅行客を主体に、三年後に外国人旅行者の宿泊数を倍増させることを目指しています。

 また、四月九日の中経連と県との懇談会では、古田知事は「観光を基幹産業にしたい」とし、中経連の三田会長も「昇龍道に取り組んでいきたい」と新聞報道されています。もう既に中部運輸局企画観光部主催の昇龍道プロジェクト招請事業も第一弾が二月に台湾から、第二弾も二月に香港から、第三弾が三月に中国からと、それぞれ実施されています。本県としても、県土の中央を貫く東海北陸自動車道沿線には多くの観光地もあり、ぜひこのプロジェクトを有効に活用すべきだと考えます。

 そこで、観光交流推進局長に、このプロジェクトへのこれまでの経過と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

 次に、私の地元大垣・西濃地域は、どちらかというと自動車産業、IT産業のものづくりの産業が盛んな地域でありますが、海外に生産拠点を多く持つ会社もあり、今後の円高状況によってはますます海外へシフトも高まりかねません。そして、ソフトピアジャパンを中心に、IT、アプリケーション開発といった情報産業も盛んになりつつありますが、ハード・ソフト両面での産業力の強化を図りつつも、これまで述べてきました観光産業への取り組みも進めていくべきだと思います。

 先日も大垣市文化財保護協会の四十周年記念式典にて、祖母が大垣生まれの映画監督、篠田正浩さんの講演を聞く機会がありました。大垣は京都と関東の文化の合流点と言われ、特に歌舞伎や浄瑠璃でも知られる青墓宿の小栗判官と照手姫の伝承の話や、今年の大河ドラマ「平清盛」にも登場する後白河法皇が編さんした梁塵秘抄を通して、法皇が青墓の遊女から今様という現在の歌謡曲の指導を受ける話など、話は尽きないほど美濃の国の古い歴史についてお話を伺いました。

 また、大垣は俳聖、松尾芭蕉が奥の細道の旅を終えた地であり、「むすびの地」と呼ばれています。(資料を示す)議場に資料を配付させていただきましたように、今年四月八日には奥の細道むすびの地記念館もオープンし、奥の細道の足跡を三D画面で楽しめる「芭蕉館」、大垣の文化、歴史、芸術を築き上げた幕末の先賢たちの偉業を紹介する「先賢館」、そして大垣藩家老の小原鉄心の別荘で市指定文化財である「無何有荘」も移設されました。ここでは幕末に木戸孝允や佐久間象山など多くの志士が集まり、天下国家を論じました。ぜひ一度、芭蕉記念館にお越しいただきたいと思います。

 また、同じく議場に資料を配付させていただきましたが(資料を示す)、毎年五月の第二土・日の大垣まつりも、今年は七十年ぶりに山車十三輌が勢ぞろいし、こちらも大勢の観光客でにぎわいました。

 ほかにも、西濃地方には歴史的文化遺産も多く点在しています。天下分け目の関ケ原の古戦場跡、あと五年で元号発布千三百年を迎える養老、西国三十三霊場の谷汲山華厳寺、海津市平田町のお千代保稲荷、日本一の貯水量の徳山ダムなどなど、枚挙にいとまがありません。

 議場に配付しました大垣市観光協会発行の「水都旅(スイトリップ)」には西濃一帯の観光ルートが紹介されていますが、県としても広域行政という観点から、西濃地域の観光拠点をより広域的に進めていく必要があると考えます。

 そこで、観光交流推進局長にお伺いをします。点在する観光拠点を点から線につなぎ、観光誘客に積極的に取り組むべきだと思いますが、どのようにお考えか、お聞かせください。

 次に、東海環状自動車道西回りルートの企業誘致についてお伺いをします。

 このテーマにつきましては、昨年、一昨年とこれまで同僚議員より質問がありましたが、いよいよ西回りルートの大垣西インターチェンジと養老ジャンクションの五・七キロがぎふ清流国体開催を控えた九月には開通となることもあり、改めて地元議員としてもお伺いする次第です。

 さて、私は初当選の平成十五年と二期目の平成十九年、県議会土木委員会の県内視察で中濃・東濃地域を訪問したときに、企業誘致のための工業団地が活発に造成されていることに驚きました。造成してもなかなか売れないときには、その金利返済等で税金の無駄遣いと批判を受けるわけですが、平成十七年三月、東海環状自動車道東回りルートの開通に伴い、一気に造成された工業団地は買われ、工場が建ち、また自治体、民間を含めてさらなる分譲が始まるという、トヨタ効果もあってか、勢いはすごいものと感じました。その結果、平成二十二年十二月末時点で、県・市町村・民間を含めて二十一の工業団地の造成がされ、その開発面積は六百四十四ヘクタールに及びます。進出企業数百十七社、そのうち操業している製造業の企業は五十六社、その県税収入は、平成十七年度以降二十九億六千七百万円、雇用創出五千二百五十八人、東回りが開通した前年の二千三百九十四人の約二・二倍に増加しています。その上、働く人たちからの市県民税も入ってくるわけです。

 反面、これまでに県が実施した二つの県営工業団地の総事業費は二百七十五億一千万円ですが、これは県土地開発公社が金融機関から融資を受け、土地を造成し、それを企業に分譲して投資資金を回収しており、直接的な県費投入はありません、結局、県として支出した金額は、東回り沿線の工業団地に立地した企業に対して交付した岐阜県企業立地促進事業補助金の約四十六億円と、工業団地造成において団地内道路、共有緑地などを整えるため、県が市町村に交付した岐阜県周辺基盤整備事業補助金の約二十億円の、計六十六億円のみです。

 東回りの開通は、まさに岐阜県にとりまして、国に支払う直轄負担金さえなければ打ち出の小槌のような感じさえします。

 本県の企業誘致の状況は、今年三月に経済産業省から発表された平成二十三年の工場立地動向調査において全国的に低迷する中、工場立地の増加件数は、前年比で全国第一位、また立地件数では全国第四位、立地面積では全国五位であり、これらは確認できた昭和四十九年以降、最高の順位となりました。まことに喜ばしい限りです。

 いよいよ次は西回りと、期待を抱くのは私ばかりではないと思います。本県では、既に平成二十年十一月に東海環状自動車道西回り沿線地域づくり連携推進会議を立ち上げ、いろいろな角度で検討されているようですが、これまで述べましたような、県・市町村・民間による工業団地の造成が東回りほど活発でないような気がしています。あと八年後の二〇二〇年には全線開通と聞いています。三重県ともつながり、いろいろな意味で工業団地の造成、企業誘致を活発に行ってほしいところです。

 そこで、商工労働部長にお伺いをします。これまでの進捗を含めて、西回りルートにおける工業団地の造成、企業誘致は、今後どのように進めようとされているのか、お聞かせください。

 最後に、観光行政で大切なことは、おもてなしの心、つまり人づくりです。それは物づくりにも当てはまります。

 私は先日、そんなことを教えてくれた一冊の本に出会いました。それは、京セラの創始者でJALを見事に再建した稲盛和夫氏の著書「人生の王道」という本です。その本の冒頭に、「かつて日本の社会の至るところに上質な人間がいました。たとえ経済的に豊かでなくても高邁に振舞い、上にこびず、下には謙虚に接し、自己主張することもなく、他によかれかしと思いやる、そんな美徳を持った日本人がたくさんいました。日本の企業がそのような上質な人間に支えられていたからこそ、今日の日本経済の発展があるのだと思います」と書かれてあります。本論では西郷南洲の遺訓集を一つ一つひもときながら、上質な日本人のあり方を語ってみえます。ひょっとしたら、失われた二十年も、各界・各層のリーダーに上質な日本人が少なくなってきたことも一因かもしれません。

 私自身も、県政の一端を県民から負託されている一人として、上質な日本人になるべく、日々努力を惜しまず、その責任を果たさなければと、改めてこの本を読んで教えられた次第であります。

 以上、通告に従い、観光行政の推進についてと西回りルートの企業誘致についてお伺いをいたしました。執行部の誠意ある答弁を期待し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(駒田誠君) 商工労働部長 宗宮康浩君。

    〔商工労働部長 宗宮康浩君登壇〕



◎商工労働部長(宗宮康浩君) 東海環状西回り沿線の工業団地造成、企業誘致についてお答えいたします。

 西回り沿線におきましても、東回りと同様、活発な企業の立地が期待されておりますが、西回り沿線は優良農地が大半を占めており、工場用地への転用が難しく、現在、分譲または計画されている工場用地は、東回りの三割に満たない、約百八十五ヘクタールにとどまっております。

 また、東回り開通時には、沿線のトヨタ自動車のジャスト・イン・タイム圏内に入ったことから、その関連企業が多数岐阜県に進出していただきましたが、西回り沿線にはトヨタのようなすそ野の広い企業の集積がないという課題もございます。

 県では、こうした状況を打破するため、沿線市町と連携し、造成が比較的容易な小規模面積の用地開発やオーダーメード型の用地開発を積極的に進めるほか、最近、企業からの引き合いがふえております建物つきの工場跡地や遊休地などの活用に向け、情報収集を強化しているところでございます。

 また、西回り沿線の強みである豊富な水源を売りにして食品関連企業の誘致を図るほか、愛知県西部や三重県北部の企業の建てかえ・集約移転需要の取り込みや、地元企業の工場拡張支援などにも注力してまいりたいと考えております。



○議長(駒田誠君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

    〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) 三点御質問をいただきました。

 一点目の重点市場であるアジアに対する誘客PRの成果としましては、例えば中国大手女性誌の特集で冬に訪れたい世界の十大観光地の第四位に白川郷が選ばれるなど、中国における岐阜の旅の認知度が確実に向上してきております。

 また、シンガポール、マレーシアなどでは、航空会社のエア・アジアグループを初めとした各国の大手訪日旅行会社による岐阜県へのツアー商品の販売が進み、中でもシンガポールからの観光客数は平成十九年の千六十三人から、平成二十二年には五千二百四十八人と、全国平均の一・一九倍を大きく上回る四・九三倍の伸び率となるなど、着実な手ごたえを感じております。

 今後の課題としましては、震災後の風評被害対策はもちろんのこと、急速に進む個人旅行化やリピーター対策のため、県内での交通手段の確保や観光地でのおもてなしなど、外国人旅行者のニーズに的確、かつきめ細かく対応していくことが必要であると考えております。

 現在、JR東海やNEXCO中日本と連携したフリーパスなど、新たな外国人個人旅行客向け商品の造成・販売を行っておりますが、さらにこれまで丁寧に培ってきた現地旅行会社などとの人的ネットワークを最大限に活用し、岐阜の宝ものなどの新たな魅力を組み入れた商品造成など、引き続き官民一体となって外国人観光客の拡大に取り組んでまいります。

 二点目の昇龍道プロジェクトにつきましては、本年三月、中部運輸局の主導により、中部北陸九県の官民による昇龍道プロジェクト推進協議会が発足し、本県とともに県内の多くの市町村、観光事業者などが当協議会に参画して具体的な活動について協議するなど、中華圏からの誘客に向けた機運が大いに盛り上がっております。

 来月には当協議会による初めての中国への訪問団派遣も計画されており、本県といたしましては、このプロジェクトに参画し、最大限効果的に活用しながら、岐阜県の自然、食、温泉など豊かで高品質な魅力を大いに発信し、より多くの観光客を獲得していこうと考えております。

 最後に、西濃地域の広域観光につきましては、水都大垣はもとより、養老の滝、天下分け目の決戦の地関ケ原、明日の宝ものに認定された赤坂宿、じまんの原石であるお千代保稲荷や垂井宿など、個性的な観光資源を多数有し、広域観光を進める上でポテンシャルが高いと考えております。

 これまでも、例えば大垣舟下りの観光商品化や、大垣水都トレインの運行実現をJR東海へ働きかけるなど、個々の観光地の魅力を高める支援を行うと同時に、こうした資源をつないだ広域観光を進めるため、昨年度は西美濃観光キャンペーン隊を結成し、西濃地域の観光地や特産品の一体的なPRや、他県の方が西濃地域をめぐるモニターツアーを計三十八回実施し、延べ千三百人の参加者に御意見を伺うなど、魅力的な広域周遊観光コースの造成に向けた取り組みを行ってきたところです。

 今後、大垣市を初め関係市町で構成する西美濃・北伊勢観光サミットや、揖斐川町、大野町、池田町、本巣市で構成する西美濃夢源回廊協議会などとも連携し、引き続き西濃地域の広域観光の取り組みを支援してまいりたいと考えております。



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○議長(駒田誠君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後三時五十三分散会



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