議事ロックス -地方議会議事録検索-


岐阜県 岐阜県

平成24年  2月 定例会(第1回) 03月07日−02号




平成24年  2月 定例会(第1回) − 03月07日−02号









平成24年  2月 定例会(第1回)



……………………………………………………………………………………………





△議事日程(第二号)



                平成二十四年三月七日(水)午前十時開議

 第一 議第一号から議第八十四号まで

 第二 請願第十四号から請願第十六号まで

 第三 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第一号から議第八十四号まで

 一 日程第二 請願第十四号から請願第十六号まで

 一 日程第三 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△出席議員 四十五人



      一番   道家康生君

      二番   水野吉近君

      三番   国枝慎太郎君

      五番   高木貴行君

      六番   野村美穂君

      七番   郷 明夫君

      八番   長屋光征君

      九番   高殿 尚君

      十番   加藤大博君

     十一番   酒向 薫君

     十二番   大須賀志津香君

     十三番   太田維久君

     十四番   村上孝志君

     十五番   田中勝士君

     十六番   山本勝敏君

     十七番   松岡正人君

     十八番   篠田 徹君

     十九番   小原 尚君

     二十番   水野正敏君

    二十一番   川上哲也君

    二十二番   林 幸広君

    二十三番   伊藤秀光君

    二十四番   脇坂洋二君

    二十五番   野島征夫君

    二十六番   松村多美夫君

    二十八番   佐藤武彦君

    二十九番   森 正弘君

     三十番   渡辺嘉山君

    三十一番   伊藤正博君

    三十二番   小川恒雄君

    三十三番   村下貴夫君

    三十四番   大野泰正君

    三十五番   矢島成剛君

    三十六番   足立勝利君

    三十七番   洞口 博君

    三十八番   渡辺 真君

    三十九番   岩花正樹君

     四十番   平野恭弘君

    四十一番   駒田 誠君

    四十三番   藤墳 守君

    四十四番   早川捷也君

    四十五番   玉田和浩君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君





△欠席議員 一人



    二十七番   平岩正光君



……………………………………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         島田 清

 総務課長         伊藤治美

 議事調査課長       北川幹根

 議事調査課総括管理監   笠原真実

 同    課長補佐    篠田雄一朗

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    古田幹雄

 同    課長補佐    水野昭人

 同    課長補佐    梅本雅史

 同    主査      辻 洋介

 同    主査      堀場一彦



……………………………………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          渕上俊則君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        渡辺 厚君

 秘書広報統括監      宗宮康浩君

 危機管理統括監      若宮克行君

 総務部長         彦谷直克君

 総合企画部長       安福正寿君

 環境生活部長       坂 正光君

 健康福祉部長       近田和彦君

 商工労働部長       江崎禎英君

 農政部長         平工孝義君

 林政部長         森  勝君

 県土整備部長       金森吉信君

 都市建築部長       山本 馨君

 ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

 観光交流推進局長     古田菜穂子君

 環境生活部次長(環境担当)

              秦 康之君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        太田 誠君

 代表監査委員       鵜飼 誠君

 人事委員会事務局長    片桐卓朗君

 労働委員会事務局長    市橋正樹君



……………………………………………………………………………………………



 三月七日午前十時開議



○議長(藤墳守君) ただいまから本日の会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○議長(藤墳守君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第十四号 集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の創設についての請願ほか二件の請願書を受理しました。

 職員に関する条例に対する意見について

 人事委員会委員長から、平成二十四年三月一日付をもって、お手元に配布のとおり、議第三十一号、議第三十二号及び議第三十五号について、次の回答がありました。

 議第三十一号 岐阜県職員の自己啓発等休業に関する条例については、異議ありません。

 議第三十二号 岐阜県職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例等の一部を改正する条例については、異議ありません。

 議第三十五号 岐阜県職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例については、本委員会としては、本県の厳しい財政状況は理解できるものの、給料の月額の減額措置を継続することはまことに残念であり、職員の士気や生活に影響を及ぼすことが憂慮されることから、できるだけ早期に減額措置が解消され、本委員会の給与勧告に基づく本来の適正な給与水準が確保されるよう強く望むものであります。

 岐阜県事務処理の特例に関する条例に対する意見について

 教育委員会委員長から、平成二十四年三月一日付をもって、議第三十八号 岐阜県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例については、異議がない旨の回答がありました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、お手元に配布のとおり、平成二十四年二月二十九日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により定期監査の結果について、並びに平成二十四年二月二十九日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により財政的援助団体等監査の結果について二件、並びに平成二十四年二月二十九日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により行政監査の結果について二件、並びに平成二十四年二月二十九日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告がありました。



……………………………………………………………………………………………





○議長(藤墳守君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



……………………………………………………………………………………………





○議長(藤墳守君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十一番 駒田 誠君。

    〔四十一番 駒田 誠君登壇〕(拍手)



◆四十一番(駒田誠君) おはようございます。

 議長のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表し、知事及び関係部局長に所信を承りたいと存じます。

 ところで、この時期における質問といえば、当然として新年度予算編成に係るものが第一でありますが、準備するに当たり、大変な戸惑いを感じました。というのは、国の先行きがますます見えない。国民からは、江戸時代の「ええじゃないか、ええじゃないか」運動が起きそうであり、落ち着かない気持ちからでしょうか。また、どんな国をつくっていくのかが定まっていないのではと思わせる政党による政権運営で、政策はあっちへ行ったりこっちへ行ったりで国民は戸惑うばかりで、どなたかが言っていましたが、「ほっとけない」という気持ちが醸成されるからでしょうか。政治への信頼が低下し、政治が何もやってくれないという悲壮感から、独裁や強権を期待する空気が芽生えているような気がしてなりません。戦後、確実に築いてきた議会制民主主義が崩壊しそうであります。こんなときこそ、知事のリーダーシップと、しっかりとした議会の役割が重要に考えます。そんな状態での質問となりました。これからの質問に対する答弁も大変かと考えますが、精いっぱいの答弁を期待いたします。

 それでは、まず最初に、平成二十四年度の県政の基本方針及び平成二十四年度当初予算案についてお尋ねします。

 平成二十四年度は、古田県政がスタートしてから二期八年目となる、いわば締めくくりの年であり、その当初予算はこれまでの総仕上げとも言える重要なものです。

 一方、古田県政がスタートして以来、知事はあまりよいことがなかったなあとお感じなのではないかと思います。こんなはずではとお思いではないかと感じます。しかし、気を強くして、皇室三大行事の全国植樹祭、全国海づくり大会、そして来る「ぎふ清流国体・清流大会」に臨んでおられることと思います。

 さて、民主党政権による三度目の当初予算編成となる平成二十四年度政府予算案を見ますと、一般会計の歳出総額は九十・三兆円と六年ぶりに前年を下回ったように見えますが、基礎年金の国庫負担不足分約二兆六千億円を一般会計に計上しない交付国債で賄うという、いわば粉飾を行っており、実質的には過去最大規模を更新、歳入面で国債発行額が税収を大きく上回るという異常な状態が続いており、極めて不健全で、将来に禍根を残すものと憂慮されてなりません。

 一方で、今国会における諸課題の中でも、最も重い問題は消費税の問題であります。消費税を上げなければ国家財政は破綻する、反対すればどのような事態になるか覚悟しろと言わんばかりの物言いであり、品格も何もあったものではありません。

 地方分権についても、国の出先機関改革において地方が強く求めたハローワークの移管に対しては、実質的にゼロ回答。国の直轄道路や直轄河川についても、財源に関する具体的な制度の枠組み、移管の時期等が明確にされておらず、今後、地方移管が進展するとは到底思えません。結果、地方分権については全く期待外れであると言えます。

 このように、今後、国政はどのように進むのか全く予測不能であり、現状は混迷をきわめています。現政権に対する国民の信頼は地に落ち、機能停止状態であります。しかし、そうした状況にあっても、岐阜県においては、知事を中心に全職員が一丸となって、県政の発展、県民生活の向上のために着実に邁進していかれることを期待します。議会としても、さまざまな案件に対して審議を尽くし、役割を十二分に果たしていきたいと考えております。

 県の平成二十四年度当初予算編成に対する我が会派からの要望事項に対し、知事からは、九十一項目すべてについて推進するとの回答がありました。私どもとしては、公共事業費、とりわけ県単枠予算の状況を見て、了承する方針に至ったところでありますが、まずは今回の予算の特色等について知事にお尋ねいたします。

 平成二十四年度当初予算案は、どのような特徴を持った予算とされたのか、また、どのような方針のもとで、何に重点を置いて策定されたのか、御答弁をお願いします。

 また、県税収入と地方交付税はどのように見込まれているのか。そして、臨時財政対策債等を含めた一般財源総額はどの程度確保できる見通しにあるのか、あわせて総務部長にお伺いします。

 ところで、県の予算に関して、我が会派の代表質問においては、六月議会以来、一括交付金の問題を繰り返し取り上げてまいりました。一括交付金が、本当の意味で地方の自由度を拡大し、地方財源の充実に資する制度となるのかどうか。また、県としては、どのように説明責任を果たしながら有効活用していくのか、そうしたことをしっかりと注視していかなければならないと考えております。

 平成二十四年度政府予算案における一括交付金は、対象事業が拡大された上、新たに政令市へも導入されることになりました。都道府県に対する交付金としては、全国ベースの総額で五千五百十五億円、対前年比一五・六%増となっておりますが、このうち九百九十二億円は対象事業の拡大による増加分であり、従来からの分は五・二%の減額となっております。

 一方で、政府は、平成二十四年度の一括交付金に関しては、地方自治体の予算編成に支障を来さない時期には交付額が明らかになるようにするとしておきながら、現在に至っても交付額が明確に把握できないとするならば、それはゆゆしい問題であります。このままでは、県の予算が成立した後に、県の見込み額を下回る額が示されてくるといった、今年度と同じ事態が起こることも予想されます。

 そこで知事にお尋ねいたします。平成二十四年度の一括交付金に関する政府の対応について、どのようにお考えか。また、県の当初予算においては、どのような基準、優先順位に基づいて一括交付金を活用することとしているのか。加えて、国から示される交付額が歳入見込み額と異なる際には、どのように対応されるお考えか、御答弁をお願いいたします。

 次に、行財政改革アクションプランについてお尋ねします。

 平成二十四年度をもって行財政改革アクションプランは最終年度となりますが、平成二十四年度予算及び県政運営の基本方針では、アクションプランの総仕上げとして、平成二十四年度に見込まれる財源不足二百八十億円を解消するための財源対策が示され、アクションプランの初年度である平成二十二年度からの三カ年の累計で八百六十億円の財源対策を実施するとされております。行財政改革アクションプランは、財政再生団体への転落を回避するとともに、平成二十五年度当初予算までの間に、段階的に構造的な財源不足を解消することを第一の命題としつつ、同時に県民生活への配慮や未来の岐阜県を見据えた政策の展開という課題に取り組むことを基本的な考え方として掲げ、取り組まれてきたものであります。そうした中で、知事が優先的に戻すとしている職員給与の削減のほか、市町村向け補助金のカットや公の施設の廃止、県単事業の削減など、県民生活のさまざまな面で負担と我慢を強いてきたことは否定できません。

 本県財政は、公債費、人件費のほか、社会保障関係経費の増加などを背景に、アクションプランの後の平成二十五年度以降も依然として厳しさが続いていくことが見込まれますので、一層効果的、効率的な予算とすべく工夫していく必要があると思われます。

 しかしながら、厳しい財政状況の中にあっても、個人や民間では対応できない部分があるとすれば、そうした部分は行政の責任として実施していかなければならないことは言うまでもありません。

 そこで知事にお尋ねいたします。来年度当初予算に盛り込まれている対策を含め、行財政改革アクションプランによる取り組み全体を総括する観点から、アクションプランの基本的な考え方に照らし、どのような点で評価でき、どのような点で反省すべきであったとお考えか。加えて、平成二十五年度以降の県財政の見通しはどのようなものか。そして、新たな行財政改革の方針について、どのように示していかれるおつもりなのか、お伺いします。

 次に、社会資本整備についてお尋ねいたします。

 これまで、社会資本整備は無駄の象徴と言われ続け、民主党が政権交代を訴えた政治スローガンも「コンクリートから人へ」というものでありました。しかしながら、東日本大震災を契機に、人の命を第一に優先するならば、必要な社会資本はつくらなければならないという常識が国民各層に広く意識されるようになったことは改めて申し上げるまでもありません。このことは、現政権が八ツ場ダム建設事業を再開せざるを得なかったという現実が典型的に物語っています。

 そうした中、岐阜県だけでなく、中部圏全体にとっても重要な広域ネットワークである東海環状自動車道の(仮称)大垣西インターチェンジから(仮称)養老ジャンクションまでの五・七キロが、ぎふ清流国体が開催される時期までに開通する見通しとなったことは大変喜ばしいことであります。今後、東海環状自動車道の残りの未供用区間及び中部縦貫自動車道における未整備区間の解消と、東海北陸自動車道の四車線化についても、できるだけ早期に実現させなければなりません。

 ところで、社会資本整備に関して昨年決まった重要なこととして、リニア中央新幹線中間駅の県内「中津川市西部」への設置があります。知事は、この中間駅について、「中津川から飛騨、そして下呂へつながる広域観光の起点にしたい」と発言されておられます。中間駅が中津川市と決まったからには、リニアの開通効果を県内各地へ波及させていくための基盤整備、特に道路整備をいかに進めるのかが極めて重要な課題となります。とりわけ、飛騨・下呂方面への波及効果を重視する観点からは、濃飛横断自動車道がその基軸を担うことは疑いの余地がありません。

 そこで知事にお尋ねします。リニア中央新幹線の効果を最大限に生かすための道路整備について、どのように推進されるのか。特に、東京−名古屋間が開通する二〇二七年までには濃飛横断自動車道の全線開通が期待されるところでありますが、全線開通に向けた整備方針はどのようなものでしょうか、お伺いいたします。

 私は、濃飛横断自動車道について、一昨年の十二月議会でも同趣旨の質問をいたしました。前回は下呂地域の悲願ということを理由に質問しましたが、今回は岐阜県全体にとって不可欠な課題であるとの確信を持ってお尋ねするものであります。ぜひ前向きな答弁をお願いいたします。

 次に、社会資本の戦略的な維持管理についてお尋ねします。

 今後、高度経済成長期のころに大量に整備された社会資本が一斉に老朽化し、膨大な維持管理費が発生すると予想されております。国土交通省の推計によれば、投資総額を二〇一〇年度の水準に据え置いたとしても、二〇三七年度以降には維持管理と更新費が投資総額を上回るようになり、それ以後は新設投資はおろか、更新できない社会資本が相当量発生すると見込まれております。そのため、社会資本を適切に管理していく手法である「アセットマネジメント」、日本語では資産の適正管理と訳すそうですが、そうした手法の導入が求められております。

 アセットマネジメントとは、例えば軽微なうちに補修工事を繰り返すことによって施設を長持ちさせ、更新投資を含めたトータルのコストを最小限にとめようとする手法のことです。また、施設が大きく壊れるような場合の復旧には大手建設業者の出番となりますが、小修繕を繰り返すことは、地域の中小建設業者の役割が高まることになります。したがって、アセットマネジメントは、地域経済を維持・活性化する観点からも、地方自治体が積極的に取り組むべき課題です。

 中山間地を広く抱える岐阜県において、道路等の社会資本は、県民の利便性と安全・安心の確保、観光等地域経済を支える上で極めて重要であり、将来にわたって社会資本の新設と維持管理を両立させていくことは政治・行政に課せられた重要な課題であります。

 そこで知事にお尋ねします。アセットマネジメントの重要性についてどのように認識しておられるのか、また、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

 社会資本整備に関する三つ目の質問として、災害に強い県土づくりについてお尋ねします。

 昨年秋の台風災害や、一昨年夏の可児、御嵩を中心とした豪雨災害に見るように、異常気象とも思えるほど大雨による災害がふえてきているように感じられます。また、岐阜県東部にある阿寺断層帯、このうち北部に延びる萩原断層で大規模地震の発生確率が高まっていると指摘されていることに加えて、東海・東南海・南海地震に関連する「南海トラフ」での想定震源域が従来の二倍の範囲に広げられるなど、地震防災に対する備えについても一層の対策強化が求められております。

 平成二十四年度政府予算案では、従来の公共事業関係費に加えて、東日本大震災特別会計における全国防災対策費として二千八百億円余りの公共事業関係費が別枠で計上されており、地方財政計画においても全国的に緊急に実施する防災・減災事業として所要の財政措置が行われます。こうした中で、県の来年度の公共事業予算は、公共枠は五百九十二億円で平成十三年度以来十一年度ぶりの増額、また県単枠は二百十億円と二年連続の増額となっているところです。

 そこで、災害に強い県土づくりに向けて、特に風水害への対応及び地震防災の観点から、平成二十四年度において具体的にどのような事業を重点的に実施するのか、県土整備部長にお伺いします。

 次に、消防防災体制の充実・強化について、三点お尋ねいたします。

 まず一点目は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、いわゆる「スピーディ(SPEEDI)」の活用方針についてであります。

 福島第一原子力発電所事故を踏まえ、原子力災害時の「緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)」の距離の目安が、従来の八ないし十キロからおおむね三十キロへと拡大されたことに伴い、SPEEDIのネットワークシステムから情報が得られる対象自治体に岐阜県が含まれることになりました。来年度予算案には、SPEEDI端末の設置費用が計上されております。

 SPEEDIは、原子力発電所などから大量の放射性物質が放出、またはそのおそれがあるという緊急事態に、放射性物質の大気中濃度など周辺環境への影響を迅速に予測するためのシステムです。

 しかしながら、福島第一原発事故では、事故後十日以上たってから初めて一部の計算結果が公表されたにすぎませんでした。昨年末の政府の事故調査・検証委員会による中間報告では、避難指示が出された際にSPEEDIが活用されなかったことが問題視され、災害対策本部、保安院には情報公表する発想がなかったなど、運用上の問題点が指摘されております。こうした指摘は国に対してのものですが、SPEEDI端末を整備する岐阜県としても、事故調査・検証委員会の指摘を踏まえて、SPEEDI情報を県の防災対策に有効に活用していく必要があると考えます。

 そこで、SPEEDI情報を県の原子力防災対策にどのように生かしていくのか、また国に対し、運用面等で改善を求めていくことはないのか、危機管理統括監にお伺いします。

 続いて二点目は、避難所の現状と対策についてお尋ねします。

 東日本大震災では、約百カ所もの避難所が被災し、避難していた多くの人が犠牲になるという事態が生じました。東日本大震災の場合は津波によるものでしたが、こうした教訓を踏まえ、県の震災対策検証委員会報告書では、県内の避難所について総点検を実施する必要があるとの提言がなされました。

 これを受けて、県では、昨年十一月、市町村が指定する避難所に対して総点検を行ったとのことですが、例えば下呂市の状況を見てみますと、避難所の収容人員は十分なようですが、施設の多くに耐震性の心配があるとか、一定期間の滞在を強いられた場合の生活環境、例えばトイレの数などが十分でないといった状況があるようです。

 そこで、総点検を行った結果、県内の避難所についてどのような課題があると考えているのか、また市町村への支援など、どのような対策を講じていくのか、危機管理統括監にお伺いします。

 消防防災に関する三点目として、消防救急無線のデジタル化への対応についてお尋ねします。

 昨年七月にテレビのアナログ放送が終わり、地上デジタル放送に移行したことは記憶に新しいところですが、消防救急無線についても、平成二十八年五月末を期限としてアナログ方式からデジタル方式への移行が義務づけられております。各市町村では、多額の経費をかけて移行しなければなりませんので、国では補助金や地方債などの支援制度を設けているようですが、県内の進捗状況を見ますと、今年度末でようやく二つの消防本部が移行を済ませられるという状況です。今後四年間のうちに、残る県内の二十消防本部が一斉に移行しなければなりませんが、他の都道府県の状況も本県と大差ないものと思われますので、国の支援を受けようとしても、すべての市町村が十分な財源の確保ができるのか、心配されるところであります。また、市町村からは、国の支援だけでなく、県に対しても何らかの支援が期待されております。

 そこで、県としては、消防救急デジタル無線の整備について、どのような役割を担っているのか、また今後どのように市町村を支援していくのか、危機管理統括監にお伺いします。

 次に、東日本大震災からの復興において、最大の障害となっている瓦れき処理の問題についてお尋ねいたします。

 岩手、宮城及び福島の三県で生じた災害瓦れきは約二千三百万トンと推計されており、この量は、宮城県では約十九年分、岩手県では約十一年分とされるほどの膨大なものであります。

 阪神・淡路大震災では、瓦れき処理に約三年を要したとのことです。これに対し、東日本大震災の発生から、この週末で一年が経過しようとしておりますが、現在の処理量は全体の五%にとどまり、遅々として進んでおりません。もはや、被災自治体のみですべての処理を行うことは不可能な状況であると考えられております。

 瓦れき処理をおくらせている最大の原因は、言うまでもなく放射性物質に汚染されているのではないかという不安です。

 政府は、昨年八月、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン」を策定し、災害廃棄物を被災地以外の自治体で焼却や埋め立てを行う広域処理を推進し、平成二十六年三月までには処理を終了するとの方針を示しております。しかしながら、瓦れきの受け入れや処理の基準、方法などについて、国民の不安が払拭されるほど十分な説明が尽くされているとはいえず、受け入れを求められている市町村も地域住民に説明できないという事態が生じております。

 そこで知事にお尋ねします。災害瓦れき処理の問題は、事態を深刻化させている放射性物質汚染問題、すなわち原子力政策を推進してきた国の責任において解決すべき問題であります。そして、知事は、かねてから災害瓦れきの受け入れについては、市町村の判断を尊重するとの考えを示しておられます。現在、政府は、全国の市町村、そして国民に対し、直接説明を行っていくとの姿勢を示しつつあるようですが、県として、この問題にどのようにかかわっていくのか、知事の答弁を求めます。

 次に、健康政策の充実についてお尋ねします。

 私は、政治姿勢の一つとして、「弱い人に力を」ということを大事にしております。知事におかれては、財政厳しき折にもかかわらず、福祉や教育の面で、特に医療政策や特別支援学校の充実など、「弱い人に力を」という姿勢で臨まれており、評価するものであります。

 一方で、健康政策についてはいかがでしょうか。昨年は、知事も思いがけない事故で、健康のありがたさやバリアフリーの重要性をお感じになったことと思います。私は、高齢化が進み、医療費の増大が避けられない中で、健康政策、とりわけ未病対策、病気にならないための対策が重要と思っております。

 現在、岐阜県は清流の国づくりを進めています。清流の姿は、健康な県民の姿に通じます。おいしい水、おいしい空気、おいしい食に通じます。まさに、清流の国づくりは健康の国づくりに通じるものです。

 平成十八年の全国植樹祭は、下呂市萩原町の南飛騨健康道場で開催されました。式典会場跡地には「皇樹の杜」が設置され、近くにボーイスカウト公認のキャンプ場が開設されております。また、飛騨川温泉しみずの湯では温水プールを使った健康づくりが進められておりますし、株式会社ツムラの風間会長が世界一と言われた薬草の森と薬草園があります。私は、このように健康づくりに最適な環境に恵まれた地で健康保養地構想が広がっていくことを期待しましたが、状況は皆さん御存じのとおりであり、健康政策の難しさを痛感している次第であります。

 健康は、すべての国民、県民の希望ということにとどまらず、人口減少社会が現実のものとなって、少子・高齢化の中で持続可能な社会を築いていくための、政治・行政に課せられた大きな課題でもあります。

 私は、古田知事が就任されて間もない平成十七年の六月議会で、知事の健康観についてお尋ねしました。それから五年を経た一昨年の十二月議会でも同様の質問をし、知事からは、「健康は心がけているが、多忙で実践できない」といったお答えをいただきました。私が、知事の健康観をお聞きするのは、健康というものを客観的に見て、しっかりとした考え方を持たなければ、県民の健康を守るための良い政策はつくれないとの思いがあるからです。

 就任時五十代であった知事も、今では六十代の半ばになられました。代表質問という機会でもありますので、やはり今回も知事の健康観を含めてお尋ねします。知事御自身の健康に対する見方や考え方にも変化があるものと思いますが、それはどのようなものでしょうか。そして、清流の国づくりの一環として、健康政策の一層の充実が必要ではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 あわせて、健康政策の中でも、病気にならないための予防対策については、どのように推進していくのか、健康福祉部長にお伺いします。

 次に、地域医療体制の充実についてお尋ねします。

 昨年十二月に三次医療圏に係る地域医療再生計画が決定され、一昨年に策定された二次医療圏に係る計画とあわせて、県内地域医療に関する新たな計画が整う形となりました。これらの計画には、医師や看護師の確保を初め、医療と福祉の連携、救急医療、災害医療など、対応すべき多くの課題が多方面にわたって盛り込まれております。本日は、その中の県立下呂温泉病院の再整備と、医療と福祉の連携の柱である小児医療・障がい児療育の拠点整備についてお尋ねします。

 県立下呂温泉病院は、飛騨地域の中核病院として、また、僻地医療の拠点病院として大きな役割を果たしてきましたが、前回の全体改築工事から四十年を経過し、老朽化・狭隘化が顕著となっておりましたところ、今議会には再整備に向けた用地取得に係る議案が、加えて来年度当初予算には病院整備に要する経費が盛り込まれております。

 県土地開発公社による用地造成は本年二月に完了し、アクセス道路となる市道は今月下旬に完成予定であります。また、先月二日には建築工事の入札公告が行われており、今議会の議決を得れば、いよいよ新病棟は着工の運びとなります。県を初め関係者の御努力に感謝する次第であります。

 一方で、昨年は一時的とはいえ、産婦人科が休診せざるを得ない状況になるなど、病院経営を取り巻く環境は依然厳しい状況にあります。地方独立行政法人になったとはいえ、県立病院であることには変わりはありません。ハード面のみならず、ソフト面においても県の協力・努力が必要であります。

 そこで、県立下呂温泉病院について、県はどのような役割を期待し、また、それを実現するための支援策についてどのように考えているのか、健康福祉部長にお伺いします。

 また、新たな地域医療再生計画では、障がい児のための病院兼入所施設である希望が丘学園の老朽化した施設を移転新築して、機能の充実を図ることになっております。加えて、周産期医療と小児医療の拠点である岐阜県総合医療センターに新たな病棟を整備して、障がい児医療分野を含めた総合的な子供のための医療の拠点として機能強化を図ることとしております。この二つの施設が拠点となって子供の成長を支えていくことが期待されるところでありますが、具体的にどのような機能を持った施設として整備するのか、また、どのように整備を進めていくのか、健康福祉部長にお伺いします。

 次に、県民生活の安全・安心の観点から、二点お尋ねいたします。

 まず一点目は、消費者行政の充実についてであります。

 昨今の度重なる食中毒事件や消費者事故の発生、原子力発電所事故による放射性物質汚染への不安などから、国全体として消費者意識、生活者意識が高まっております。また、高齢者などの生活弱者をターゲットにした詐欺行為など、犯罪による被害も依然深刻な状態が続いております。そうした実情を踏まえて、平成二十四年度政府予算案では、地方消費者行政活性化基金を増額するとともに、基金の活用範囲を広げ、地方自治体による取り組みに加えて、民間団体による活動も支援するなど、地方消費者行政に対する施策の充実が図られることとなっております。

 そこで、本県においても消費者行政の充実・強化が期待されるところですが、県等に寄せられる消費生活相談や消費者問題の発生状況から、最近の傾向としてどのような特徴がうかがえるのか、また、県としてどのように施策の充実を図るのか、環境生活部長にお伺いします。

 県民生活の安全・安心に関する二点目として、サイバー犯罪への対応についてお尋ねします。

 昨今、インターネットは県民生活や社会経済活動にとって不可欠なものとなっていますが、反面、いかがわしいメールやインターネット上での違法あるいは有害な情報、企業などへの不正アクセス行為や出会い系サイトなどを介した子供たちへの性的被害など、IT社会の健全な発展の裏の側面として、県民生活に対する重大な脅威となる事案が多数発生しております。このため、県警察の新たな課題としてサイバー犯罪の取り締まり強化が必要と考えるところですが、県警察では七人の増員が行われ、この増員分はまさにサイバー犯罪の取り締まり体制の強化に充てられると伺っております。

 また、サイバー犯罪への対応に関しては、警察の体制強化に加えて、民間のノウハウを活用することが有効とされています。例えば隣の愛知県警では、パソコンやインターネットに詳しい大学生百人以上をサイバーボランティアとして任命して、違法サイトや犯罪につながりそうな情報などを監視し、通報してもらったり、子供たちへのサイバー犯罪防止教育にも携わってもらおうという取り組みを行っているところです。

 そこで、県警察では、具体的にどのようにしてサイバー犯罪の取り締まりを強化し、IT社会における県民の安全・安心を確保していかれるのか、警察本部長にお伺いします。

 次に、岐阜県らしいエネルギー政策の推進という観点からお尋ねします。

 福島第一原発事故以来、我が国のエネルギー政策は抜本的な見直しが求められているところであります。

 私は、昨年の六月議会で、原子力発電所の安全性について知事に質問いたしましたが、その際にも指摘したとおり、原子力の本質的な問題は、原子力による発電から燃えかすの処理までの全体を見渡しながら、あえてその事実に目をつぶり、日本の原子力政策を「トイレなきマンション」の状態に陥れてしまったことにあると考えています。我が国のエネルギー政策がどのような方向に進んでいくのかは、今後の議論を待つよりほかはありませんが、いわゆる再生可能エネルギーへと大きく傾斜していかざるを得ないことは間違いありません。

 県では、次世代エネルギービジョンに基づいて独自の施策を推進しているところでありますが、本年七月には再生可能エネルギー特別措置法に基づく全量買い取り制度がスタートしますので、なお一層の推進が図られるべきであります。そうした中で、私は岐阜県ならではの豊かな水資源と森林資源を活用した岐阜県らしいエネルギー政策の推進が特に重要と考えておりますので、今回、小水力発電と木質系バイオマスエネルギーの普及促進についてお尋ねします。

 農業水利施設を活用した小水力発電の導入については、さきの十二月議会において、我が会派の野島議員の質問に対し、農政部長から、「三カ所の施設整備を目標に掲げ、本年度、中津川市において発電施設の実施設計に着手した。また、導入可能地調査の結果を踏まえて、平成二十七年度までにさらに二カ所で整備を進める」との答弁があったところですが、新年度予算ではそれを上回る十カ所の調査費が計上されており、県として意欲的に普及促進に取り組む姿勢のあらわれと思っております。

 ところで、小水力発電の導入促進のためには、水利権の調整に加えて、農林水産省の国庫補助制度などを活用する場合には、発電した電力を周辺地域の農業農村振興に資する施設の範囲内でしか利用できないといった国の制度面での課題があります。こうした国の制度に関しては、これまでにも県と富山県が共同で制度改正を求めるなどしているところです。

 一方で、普及の障害になっているのは、制度上の問題以外に技術的な課題があります。小水力発電は技術的に発展途上にあり、技術の標準化が十分でないために、用水路の形状などに応じた設計や施工が必要で、初期投資がかさむという課題があります。今後の我が国のエネルギー政策において、小水力発電の重要性を明確に位置づけていくためには、なお一層の実証と技術開発が必要です。農林水産省の平成二十四年度予算では、民間企業による低コスト設備開発に対する支援策を講じるなど、国としても技術的な課題解決に向けて取り組むこととしております。

 そこで農政部長にお尋ねします。岐阜県は、水力発電に利用可能な包蔵水力が全国第一位の県です。国の取り組みの成果を待つだけではなく、独自に積極的に技術的な課題の克服に向けて努力すべきではないでしょうか。小水力発電の普及促進に向けて、今後、さらにどのように取り組むのか、お伺いします。

 続いて、木質系バイオマスエネルギーの普及促進についてお尋ねします。

 私は、かねてから、木質系バイオマスエネルギーは本県の森林資源の有効活用、森林・林業活性化の観点から極めて重要であり、積極的に推進すべきであると考えております。そして、県に対しても具体的な提案をしてきているところであります。例えば、ペレットストーブを一般家庭に普及させるためには、最大のネックである設置コストを引き下げるために、住宅建築の段階から導入促進が図られるような支援策が効果的であります。ぜひ具体的な施策として実現していただくよう努力してもらいたいと考えております。

 木質系バイオマスエネルギーについては、国の第三次補正予算で延長された森林整備加速化・林業再生基金を活用することも可能であると聞いておりますし、新設される森林・環境税の活用という面でも重要な課題です。また、この後にも質問いたしますが、新たな岐阜県森林づくり基本計画を推進する観点からも、積極的な推進が期待されるところであります。

 そこで林政部長にお尋ねします。木質系バイオマスエネルギーの普及促進について、どのような施策に重点を置いて実施されるのか、お伺いします。

 次に、観光振興についてお尋ねします。

 県はこれまで、「岐阜の宝もの」を初めとした新たな魅力の発掘や、既存の観光地を含めた観光資源のブラッシュアップなど、とりわけ岐阜の魅力づくりとPRに努めてこられました。私の地元でも、「下呂温泉 花火物語」の開催など県の施策に呼応した取り組みを行ってきたところであります。また、昨年は、東日本大震災と原発事故による風評被害を受け、その影響からの回復に向けて、官民挙げて努力いただきました。今では、前年以上の観光客の回復を見ることができたと承知しております。今後も、ぎふ清流国体・清流大会に向けた、より積極的な誘客活動の展開などにより、観光客数の一層の増加を期待するところであります。

 一方、来年度、県の観光所管課が総合企画部から商工労働部へ移ります。このことは、観光振興の主たる政策目的が、「県のPR」から「産業振興」へと軸足を移していくという意義を示すものです。実際のところ、観光産業に携わる者が本当の意味で期待するのは、観光客が実際に観光地に訪れて宿泊し、消費を行い、地域にお金を落としていってくれる、そのような取り組みを積極的に展開することだと思います。

 そこで、こうした観光関係事業者の期待にこたえる取り組みについて、今後、どのように展開されるのか、観光交流推進局長にお伺いします。

 次に、水田農業の振興についてお尋ねします。

 環太平洋経済連携協定(TPP)への参加交渉を見据えて定められた政府の農地集積目標は、平地で二十から三十ヘクタール、中山間地域で十から二十ヘクタールの規模の経営体が大宗を占める構造を目指すというものであります。これに対し、現状は、岐阜県の場合、平均で一・〇九ヘクタール、経営体の約八割が一ヘクタール未満という状況です。現在、農林水産省は、市町村が集落ごとに地域農業マスタープランを作成するよう呼びかけています。この地域農業マスタープランは、地域の中心となる経営体を定め、そこへ農地を集積すること、中心となる経営体とそれ以外の農業者を含めた地域農業のあり方を定めるというものです。

 先日の日本農業新聞に、岩手県花巻市笹間地区の農家らが、みずから策定した水田農業再生ビジョンを実践に移すという記事がありました。同地区の水田の八割を二〇一六年度までに三十ヘクタール規模の四十経営体に集約して、コスト削減と担い手の育成を進めるというものです。手順としては、七十四人いる認定農業者の平均耕作面積を現在の八・五ヘクタールから三年後には十ヘクタールに、さらに五年後には十五ヘクタールとした上で、二戸を一まとまりとした三十ヘクタールの経営体をつくるといったものです。国のマスタープランの先駆けとなる事例ですが、これが岐阜県に当てはまるとは思えません。岐阜県のように零メートルから三千メートル以上の高低差のある地域では、おのおのの地域特性に応じた多様な目標を持って水田を維持していかなければなりません。そうした実情の中で、国が目標とするような水田農業のあり方をどのように描き、実施していけばよいのでしょうか。

 限界集落と言われる地域が増加しています。耕作放棄地も増加しています。山間地に水田も存在しないような状態で、果たして国土保全が果たせるのでしょうか。やる気のある農家を伸ばそうとする政策が望ましいことは確かですが、農業、特に水田の持つ公益的な側面がないがしろにされてしまっているのではないかと危惧されてなりません。

 福井県立大学前学長の祖田 修先生は「アグリ・ミニマム」という概念を訴えておられます。農業には、効率化を求めようにも、土地の条件など努力では越えられない壁がある。そのため、一つの気候風土や文化を共有する国や地域には、そこで守るべき農業の最低限があるという考え方です。祖田先生は、国が掲げるべき最低限として食料自給率五〇%を主張しています。国の目標として国民的な合意を得ようとするならば、食料自給率というものはわかりやすいかもしれませんが、岐阜県としてアグリ・ミニマムを定めようとするなら、どのようなものになるのでしょうか。私は、その一つとして、県土を守る観点から、最低限どの程度の水田を維持していくのかということがあるのではないかと考えています。そのアグリ・ミニアムに照らして、効率化や市場原理では守れない部分に対しては、公益的観点から施策を講じていく必要が生じるはずです。

 私は、国が全国一律で進めようとしている農地集約政策は、中山間地が多くを占める岐阜県の特質からして適さないと考えています。そこで、国の政策は政策としながら、利用できることは利用し、国の政策の不備を補う観点から、岐阜県独自の政策として、中山間地における水田農業をどのように維持し、振興していかれるのか、農政部長にお尋ねします。

 次に、「岐阜県森林づくり基本計画」についてお尋ねします。

 平成十八年度に策定した岐阜県森林づくり基本計画が今月末をもって終了することに伴い、今議会に新たな基本計画が議案として上程されております。

 私の地元、下呂市では、現在の基本計画に位置づけられている低コスト林業を推進するため、平成二十二年に下呂市森林集約化協議会というものを立ち上げました。この協議会はただの話し合いの場ではなく、森林組合を初め、建設業者や市役所などの関係機関から人材を集めて、所有者の異なる森林の境界線の明確化や森林を集約化するための実施計画の策定、また施業に不可欠な路網の整備など、そうした実際の仕事を担う組織として機能し、一定の成果を得てきたところです。

 一方、現在の基本計画の策定から五年を経過いたしました。環境意識は、世界規模で一層の高まりを見せております。また、資源不足も世界的に深刻化し、歴史的な円高も続いております。国内事情を見ても、大震災の発生や、木材自給率五〇%という目標を掲げる国の森林・林業再生プランが始動するなど、森林・林業を取り巻く情勢は大きく変化してきております。そうした中で、間伐などの整備が必要な森林はいまだ多く残されています。加えて、人家に近い里山が手つかずの状態で放置されている状況が、新たな環境問題として取り上げられております。

 そこで林政部長にお尋ねします。県としては、これまでの施策をどのように評価し、どのような形で新たな基本計画へ反映させているのか。また、新たな基本計画に基づいて取り組む、特に重要な施策は何か。森林・環境税をどのように活用していくのかという点も含め、御答弁をお願いします。

 次に、今求められる道徳教育のあり方という観点からお尋ねします。

 東日本大震災の発生は、第二次大戦後から続く日本人の生き方、そして日本社会のあり方について見直しを迫っていると考える方が多くあります。私もその一人です。これまで「戦後何年」と言ってきたのと同じように、これからは「震災後何年」あるいは「災後何年」と言ったらどうかと主張する識者もおられます。私も、今年は「震災後二年」を迎えるととらえたいと思っております。

 「震災後二年」から、私たち日本人はどう生きるのかということを考えるとき、戦後教育の中で遠慮がちに取り組まれてきた道徳教育、言いかえれば当たり前の人間教育を復活すべきではないかとの思いを強くします。

 戦後、一九五〇年代になって、理性ある社会人を育てるためとして学校教育に道徳が取り入れられましたが、高度経済成長期の大量生産・大量消費・大量廃棄に邁進する世相の中で、物に対する感謝の念、父母への孝行心、年長者への敬老心も薄れていったように思います。また、教育現場においても、基本的なしつけや善悪の判断、思いやりや譲り合いの精神など、道徳的な価値を教えることについて及び腰になっているのではないかと感じられてなりません。

 さまざまな場面で指摘されている子供たちの規範意識の低下は、地域・家庭・学校のそれぞれにおいて基本的な価値を伝えてこなかった結果ですが、道徳における学校教育の役割は極めて大きいものがあります。道徳は、単なるルールや決まりとして教え込むのではなく、道徳の創造的側面を重視して指導していく必要があるからです。話し合い活動などを通じて他者の価値を発見し、自分の価値に目覚めたりしながら、友達と自分自身、双方の人格に対する尊厳を理解する手がかりを得ていくことが必要だからです。

 東日本大震災の被災者の方々が示してくれた苦難の中での倫理規範や、震災を通じて多くの国民が再認識した家族の大切さや助け合いのとうとさ、これらは「震災後一年」に私たち日本国民全体が共有できた価値観です。そして「震災後二年」では、そうした価値観を教育という場で生かしていくことが重要ではないでしょうか。

 また、私は、人生をどう生きていったらよいのだろうかと思った時期、御存じの方が多いと思いますが、「論語」の「子曰く吾十有五にして学に志し」で始まる言葉に深い印象を受けました。人生の節目、節目の目標を端的に表現した「論語」の中でも有名な一節ですが、二千五百年も前の「論語」が、現在の人間の生き方を示しているとも言えます。論語塾がブームとも言われています。注目され始めているのは、人としての規範意識を取り戻していこうというあらわれかもしれません。人としての正しい生き方を知るには、偉人の生き方や古典に学ぶのが一番です。古典中の古典「論語」も大いに参考になると考えます。

 そこで教育長にお尋ねします。現在の子供たちの規範意識の低下についてどのように感じておられるのか、また、学校教育における道徳教育の実情と今後の方針についてお伺いします。

 次に、冬季大会を終え、国体の本大会及びぎふ清流大会に向けてお尋ねいたします。

 一月に国体の幕あけとなるスケート競技会がクリスタルパーク恵那スケート場で、そして二月には高山市内の三つの会場でスキー競技会が開催されました。私も、スキー競技会の開始式に出席しましたが、会場の高山市民文化会館は、全国からお越しになった選手や役員の皆さんで満員で、大変な盛り上がりであったと直に感じてまいりました。

 大会期間中には、岐阜県選手団の活躍が連日報道され、冬季大会全体の成績では、天皇杯が昨年を六つ上回る三位という好成績を上げ、秋の本大会に向けてさい先のよいスタートを切った形となりました。また、各競技会場には非常に大勢の方が来場されて盛り上がったともお聞きしておりますし、地域の皆さんの御協力や、小・中学校の生徒の皆さんによる応援など、地元を挙げたさまざまな取り組みが行われ、大変好評であったとも伺っています。

 そこで知事にお尋ねします。冬季大会の結果についてどのように評価されているのか、また、その成果を本大会及びぎふ清流大会に向けて、どのように生かしていかれるのか、お伺いします。

 最後の質問として、国体の後に何が残り、何を残すのかという観点から、知事にお尋ねします。

 知事は、国体の開催について、全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会を経て、清流の国づくり三部作のクライマックスとおっしゃっております。国体を一過性のイベントに終わらせることなく、県の発展にいかにつなげていくのか。国体の後に何が残り、何を残すのかということは、国体の開催以上に国体に向けての重要な命題であったように思います。

 知事は、年頭の記者会見などで、「ぎふ清流国体」と「ぎふ清流大会」、この両大会を通じて得られた財産を未来に向けてどう発展させていくかが重要であること、そして長期構想の見直し案を用意して、それを県民とともに検証し、未来づくりを展望していきたいと発言しておられます。

 そこで、本日の最後の質問をいたします。国体の後に何が残り、何を残すのかという観点から、今後の県政をどのように推進していかれるお考えなのか、知事の答弁を求めます。

 通告を行った質問は以上であります。

 今週末の日曜日、東日本大震災から一年を迎えます。改めてお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りしますとともに、御遺族の皆様には心からのお悔やみを申し上げます。

 平成二十四年度は、岐阜県にとって極めて重要な節目の年であります。そして、岐阜県が活力ある元気な地域であることは、震災からの復興に対する支援にもつながるものであります。知事には、ぜひ将来を見据えた大きな戦略のもとで、果敢にチャレンジしていっていただきたいと願っております。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(藤墳守君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 大変多岐にわたって御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。

 まず、平成二十四年度の当初予算の特色あるいは重点といったことでございます。

 この当初予算、御案内のように最終年度となる行財政アクションプランの取り組みをしっかりと進めるという側面と同時に、県が直面している新しい政策課題に的確に対応していくと、この二つを基本的な考え方として編成をさせていただいております。

 県政運営の基本方針としては、「安全・活力・安心の「清流の国ぎふ」づくり」ということを掲げまして、これを実現するための六つの柱を重点として取り組んでおります。

 第一は、安全な暮らしを守る防災体制の強化ということでございます。

 昨年夏に震災対策検証委員会から百十項目にわたる御提言をいただき、順次取り組んでおるわけでございますが、来年度におきましてもさらにその取り組みを徹底して進めていくということ。そしてまた、局地的集中豪雨災害への対策もあわせて実施してまいりたいということでございます。

 第二は、経済情勢の激変に対応する産業・雇用の構築ということでございます。

 円高の影響を受ける中小企業への積極的な支援はもちろんでございますが、むしろ円高を生かした海外での事業展開、あるいは高い利益が期待される高品質な商品・サービスの提供に対する支援など、いわゆる攻めの対策にも取り組んでまいりたいと思っております。

 第三は、支え合い、未来につながる岐阜県づくりということでございます。

 障がいのある方への支援の充実、あるいは地域医療や介護を支える人材の確保といったことを図ってまいりたいと思いますし、また地域住民が支え合い、社会的孤立を生まないよう、地域のきずなづくりを進めるための地域コミュニティーの再生策にも取り組んでまいりたいと思っております。さらには、将来を見据えた子供を産み育てやすい社会環境の整備、未来につながる社会基盤の整備、未来を担う人づくりを推進してまいります。

 第四は、「清流の国ぎふ」づくりでございます。

 本県の恵まれた自然環境を将来にわたり享受できるよう、森林を守って生かす恵みの森林づくりを進めるとともに、木材を切って活用する生きた森林づくりを推進いたしたいと思っております。また、農業の分野におきましても、農村の生活環境を守る魅力ある農村づくりに取り組むとともに、海外や国内における競争力を高めるための強い農業づくりを展開してまいります。

 第五は、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催でございます。

 両大会の幕あけとして、既に冬季大会が開催されたところでございますが、この勢いを秋につなぎ、「清流の国ぎふ」づくりの集大成として、県民の皆様を初め全国から集う大会関係者、来場者の心に残り、満足していただける大会となるよう全力を尽くしてまいります。

 そして、最後は行財政改革アクションプランの総仕上げとして、引き続き歳入確保対策、歳出削減、人件費削減を着実に実施し、平成二十五年度以降の持続的な財政運営を目指してまいります。

 次に、一括交付金、正式名称としては地域自主戦略交付金と言っておりますが、これについて三点御質問がございました。

 国の対応をどう見るかということがまず第一点でございますが、二十四年度のこの交付金につきましては、今年度の九事業から新たに七事業が追加されまして、合計十六事業が実施可能ということでございます。これに伴いまして、予算額につきましても、沖縄分を除きまして都道府県分の交付金として六千七百五十四億円と、今年度の四千七百七十二億円と比べて大幅に増額されておるということでございます。この交付金六千七百五十四億円のうち、今年度の対象事業に対応するいわゆる既存分と言っておりますが、これにつきましては、対前年度比五・二%減の四千五百二十三億円でございます。ただ、他の地方向け投資補助金・交付金の削減率が六・六%になっておりますので、これと比較すれば、一括交付金分のカット率については一定の配慮がなされておると、こういうことになるんではないかと思います。

 また、手続面では、昨年度は制度創設の年ということで、大変国の作業がおくれまして、県の当初予算編成の時点におきましては、この交付金の具体的な配分基準、対象事業が全く明らかにされておらなかったわけでございます。これに対して、私どもとしては改善を強く要求してきたわけでございますが、来年度分につきましては、この一月上旬に、国から既存分と新規・拡充分などの区分ごとの予算額、伸び率あるいは新規・拡充分の対象事業の要件につきまして、おおよその目安となる情報提供が行われてきております。このため、これをもとに対象事業を特定した上で、県への配分額をある程度見込むことが可能となっておりまして、私ども今回の平成二十四年度当初予算におきまして、交付金の総額及び対象事業ごとの交付金額を計上させていただいておるということでございます。

 以上申し上げましたように、交付金の政府予算案につきましては、一定の進展あるいは一定の配慮が見られるものと評価できるわけでございます。しかしながら、この交付金制度は、いまだ発展途上の制度でございます。対象事業・要件のさらなる拡大と、それに伴う予算総額の増額、内閣府への事務の一元化、補助金適正化法の適用除外など、課題もまだまだ多く残されておりまして、これらの点につきましては、引き続き国に対して強く働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。

 次に、この交付金の活用に当たっての基準、優先順位ということで御質問がございました。

 この地域自主戦略交付金は、各省庁が所管する既存補助金のうち十六事業についてのみ、各都道府県が交付限度額の中で、使い道を融通できるという制度でございまして、地方に自由度があるといっても、この十六事業の中での融通ということで、かなり限られた制度であるということでございます。こうした限られた範囲内ではございますが、東日本大震災、あるいは本県において毎年のように発生いたします局地的集中豪雨の被害を踏まえた防災対策、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機とした地域のさらなる発展や活性化につながる社会資本整備といった県の重要な政策課題に関連する事業に重点的に活用するというふうに考えております。来年度の岐阜県への交付額は約八十四億円を見込んでおりまして、防災対策にはその約六割に当たる約五十二億円、国体を契機とした地域の活性化につながる社会資本整備には約三割に当たる約二十二億円を活用いたしたいというふうに思っております。そのほか、現在交付金で行っております継続事業などについて、事業の進捗状況を踏まえながら、活用していきたいということでございます。

 また、具体的な事業実施箇所の選定に当たりましては、来年度に事業完了する箇所などの継続事業を優先しながら、新規箇所にも着手していくということで考えております。

 次に、実際の交付額が我々の見込み額と異なった場合にどうするのかということでございますが、今申し上げましたように、ある程度国のほうから大きな方向づけをいただいておりますので、基本的に大きな狂いはないんではないかというふうに思ってはおりますが、仮に本県への交付額が当初予算を下回ることとなった場合につきましては、執行上の工夫を行いながら、できる限り予定していた事業の執行に支障が生じないように努力をしていきたいということでございます。

 ただ、そうは言いましても、執行に支障を来すような大幅な減額があった場合には、補正予算での減額も含めて、議会の皆様とも御相談しながら対応していきたいと思っております。

 逆に、交付額が見込みを上回った場合につきましても、必要に応じ補正予算に計上し、御説明をさせていただくということになろうかと思います。

 次に、行財政改革アクションプランにつきまして、二点お尋ねがございました。

 まず、この取り組みの評価でございますが、このアクションプラン、県財政が多額の財源不足を抱え、危機的な状況にあったことを踏まえまして、平成二十一年度末に策定をさせていただいております。「平成二十二年度からの三年間に見込まれる財源不足を、歳出削減や人件費の抑制等により解消すること」ということと、「持続可能な財政基盤を確立し、平成二十五年度当初予算における構造的な財源不足を解消すること」と、この二つの目的を掲げて取り組みを進めてきておるわけでございます。

 まず、各年度に見込まれた財源不足の解消につきましては、各般の対策を着実に進めた結果、三年間で八百六十億円の財源不足を解消し、何とか予算編成を行うことができたというふうに思っております。

 一方、構造的な財源不足の解消につきましても、県債発行の抑制あるいは定員の削減等の取り組みを続けてまいりました結果、平成二十五年度以降は、この三年間のように、放置すれば毎年約三百億円もの多額の財源不足が生じるというような深刻な事態には陥らないのではないかというふうに見込んでおりまして、そういう意味では、将来への道筋が見え始めてきておるというふうに思っております。

 なお、実質公債費比率につきましても、平成二十五年度決算では一八%を下回り、起債許可団体から脱却できる見通しでございます。

 一方で、このアクションプランの実行に伴いまして、県民の皆様やら各方面の関係者の方々、さらには県職員に大変負担をおかけしたわけでございます。アクションプラン期間中であっても、県民生活への配慮、未来の岐阜県を見据えた政策の展開には意を用いてきたところではございますが、例えば福祉・医療分野であっても、県単福祉医療費補助金につきましては、緊急避難的に補助率のカットをお願いしております。同時に、危機的な状況にあった財政の建て直しに向けて、県民や関係者の方々、県の職員に御理解をいただいていることにつきまして、大変心苦しく、また改めて感謝を申し上げる次第でございます。

 次に、二十五年度以降の県財政の見通しでございます。

 先ほど申し上げましたが、将来への道筋が見え始めたというふうに思っておるところでございますが、例えば、アクションプラン以前の平成二十一年度と平成二十四年度の歳出構造を比較いたしますと、人件費は定員削減の効果あるいは給与改定などによりまして、臨時的給与抑制分を除きましても七十六億円減少しておりますし、公債費につきましても県債発行の抑制等によりまして八十六億円減少しておるということでございます。今後につきましても、公債費は毎年二十億円程度の減少が見込まれるところでございます。また、平成二十四年度は、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催経費が約八十億円ございましたが、こうした一時的な経費もなくなっていくわけでございます。とはいえ、他方で、社会保障関係経費は毎年三十ないし五十億円程度増加していくわけでございますし、また平成二十五年度以降、臨時的給与抑制は優先的に解除したいと考えておりまして、これにより五十億円程度、歳出が増加する見込みでございますし、市町村への福祉関係補助金の中にも、もとの姿に戻す必要があるものも含まれておりまして、こういったことに伴う歳出増もございます。

 以上のようなことでございますが、ざっと見渡して、平成二十五年度以降の財政運営につきましては、先ほども申し上げましたように、平成二十一年度末のような多額の財源不足が生ずるというところは乗り越えてきているのではないかというふうに思っております。

 一方、平成二十五年度以降の予算を展望するに当たりましては、歳入面におきましては経済環境の悪化、極めて厳しい国の財政状況、それから消費税論議の動向などの変動する要因が大変多いわけでございまして、これらの動向を注視していく必要があるわけでございます。

 また、歳出面におきましても、いわゆる一体改革の対象として議論されております社会保障関係経費がどうなるのか、あるいは耐震化、防災情報通信システム整備などの防災対策、老朽化が進む社会基盤の維持補修など増嵩する経費も精査していく必要があるということでございます。

 以上を踏まえながら、平成二十四年度中のしかるべき時期に、平成二十五年度以降、向こう三年間の新たな中期の財政運営の見通しをどのような形で策定できるか、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

 次に、リニアの関連で、その効果を生かすための道路整備、特に濃飛横断自動車道の整備方針についてお答え申し上げます。

 中津川市西部にリニア中央新幹線の中間駅、そして総合車両所が設置されることになりまして、今後、観光、企業活動を中心に、人やモノの交流が大いに活発化することが予想されるわけでございます。このため、昨年秋から、産学官によるリニア中央新幹線活用戦略研究会を立ち上げさせていただいておりますが、ここでは産業振興、そして観光振興・まちづくり、基盤整備、この三つの観点からこの中央新幹線の活用を検討していただいております。とりわけリニア駅を広域的に活用していくためには、国道十九号瑞浪恵那道路や濃飛横断自動車等の広域的な交通を担う道路が重要であるというふうに考えておりまして、現在その検討を進めておるところでございます。

 このうち濃飛横断自動車道につきましては、郡上地域から下呂地域を経由して東濃地域へ至る約八十キロメートルの県が実施しております地域高規格道路でございます。現在、郡上市の和良町から下呂市保井戸地区内約八キロメートルを整備区間に指定をして、事業を実施しているところでございます。中でも、県管理道路で最長となる四・九キロメートルの(仮称)金山下呂トンネルは、本年九月に開催のぎふ清流国体までの供用を目指しておるところでございます。また、郡上市八幡町から和良町までの区間につきましては、早期に道路ネットワークを確保するため、現在の国道二百五十六号を活用することが重要であると考えておりまして、昨年度、一部区間の改良工事に着手したところでございます。下呂から中津川間につきましては、今後、研究会での御議論も踏まえながら、現在の国道二百五十七号を活用しながら、現道が活用できないリニア駅周辺部は、新たな道路の整備について検討をしていく必要があるというふうに考えております。

 以上申し上げましたとおり、濃飛横断自動車道につきましては、財政状況を勘案しながら着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、アセットマネジメントの御指摘がございました。

 県が維持管理しております道路は大変多うございまして、道路延長では全国十一位の四千百七十一キロメートル、トンネルで言いますと全国第六位の百七十一カ所、長さ十五メートル以上の橋梁は全国第二位の千六百十九橋ということでございます。この道路橋の高齢化の状況で見てみますと、高齢化の目安とされる架設後五十年を経過したものは、現在約一割の百六十九橋でございますが、十年後にはこれが二割の三百六十七橋、二十年後には四割以上の六百九十二橋ということで、今後急速に補修に要する経費が増大してまいります。

 そこで、本県では、損傷が軽微な時点で速やかに補修し、ライフサイクルコストの低減を図るアセットマネジメント、御指摘のあったものでございますが、これは大変重要であるというふうに考えておるわけでございます。既に舗装修繕最適化計画、あるいは橋梁長寿命化修繕計画といったものを策定いたしまして、これに基づいて計画的な補修工事を行わせていただいております。これによりまして、舗装と橋梁の今後五十年間のトータルコストでございますが、合わせて二千六百三十五億円かかると見込まれるものを、千七百七十七億円と八百五十八億円の縮減が可能になると。これは、年平均に換算いたしますと毎年十七億円のコスト縮減が可能になるというふうに試算をしておるところでございます。

 また、道路施設の適切な管理には、補修に関する高度な技術力と損傷箇所の早期発見が欠かせないわけでございます。このため、平成二十年度から県と岐阜大学が連携をいたしまして、高度な補修技術を有する社会基盤メンテナンスエキスパート養成講座を設けておりまして、これまでに百十九名の方がこの講座を出ております。また、平成二十一年度からは、地域の方々のボランティア活動として、道路施設の劣化情報をいち早く提供していただく社会基盤メンテナンスサポーター制度を設けております。これまで、既に五百九十八名の方に委嘱をしておりますが、本年二月までの通報件数四百二十五件ということで、損傷の早期発見・早期補修に努めておるところでございます。さらには、通行規制など道路の損傷によって生じる社会的な影響をリスクというふうに評価をいたしまして、このリスクが大きい区間から優先的に補修をするということでの社会資本メンテナンスプランを今年度中に策定をする方針でございます。その上で、来年度から一部の地域で、その方針に沿った試行を行ってまいりたいということでございます。

 このような、ハード・ソフトの両面にわたる幅広い取り組みを通じまして、道路施設の安全・安心の確保に努めてまいりたいということでございます。

 次に、東日本大震災で発生いたしました災害廃棄物の広域処理に関する御質問がございました。

 御案内のように、本県におきましては、昨年四月の環境省の調査によりますと、十二市六組合から受け入れ可能という回答がございました。しかし、その後、東電福島第一原発の事故により、放射性物質により汚染されたものがあるということで、その安全性について多くの住民から不安の声が寄せられております。このため、昨年十月の同じ環境省の再調査におきましては、受け入れを検討していると回答した自治体は県内には全くないという状況になっております。国のほうとしては、岩手県や宮城県の瓦れきの早期処理のためには、広域処理が必要であるというふうに考えておられるものと理解しておるわけでございますが、その受け入れにつきましては、あくまで処理施設を有する市町村の判断が尊重されるべきものでございます。したがいまして、地域住民の不安を払拭するため、まずは国、環境省から広域処理の基本方針、あるいは具体的な処理方法、特に安全性の確保について十分に御説明いただくとともに、これに対して処理施設を有する市町村側の状況、あるいはお考えをしっかりとお聞きすることが不可欠でございます。県といたしましては、その橋渡し役として、市町村へ国の先行事例や実証データ情報を提供するとともに、国による市町村を対象とした説明会等の早期開催を促してまいりたいというふうに考えております。

 次に、健康観と健康政策ということでございます。

 昨年の私のけがによりまして、多くの方々に御迷惑をおかけいたしまして、改めて健康で元気に活動できるありがたさを身にしみて感じておるところでございます。

 御指摘にありましたように、年とともに身体能力も低下する中で、毎日少しずつでも体を動かすように意識し、疲れているときは無理をせず休養すること、ストレスをため込み過ぎないことで、小まめにこれを発散・解消していくということが大切であると考えておりまして、できるところから少しずつ実践するよう努めておるところでございます。

 県民の皆様の健康づくりという点では、高齢化の進行、生活環境の変化、食事等生活習慣の乱れということからさまざまな問題が出てきております。県としては、「ヘルスプランぎふ21」、そして「岐阜県食育推進基本計画」に基づきまして、生涯を通じた健康づくりを支援するということでやっておるわけでございます。

 この最初のヘルスプランぎふ21でございますが、自分の健康は自分で守り・つくるということを基本に、生活習慣病の予防に重点を置いておるところでございます。特にメタボリックシンドロームに着目した対策ということでございます。この五年間で、自分が健康であると感じている人の割合が八〇%から八二%へ、それから壮年期における死亡率の減少につきましては一〇・六%から八・三%へと、若干ながら改善が見られております。さらに、重点目標としております心疾患による壮年期死亡率の減少の一〇%低下という目標は、既に達成しております。

 二つ目の岐阜県食育推進基本計画におきましては、「子どもから始めるぎふの食育」というスローガンのもとで、生涯にわたって健全な食生活を送ることができるよう取り組んでおるところでございます。これに基づく調査では、子供の朝食欠食率がかなり改善してきておりますが、他方、二十代及び三十代の男性は、およそ三割の方が朝食をとっていないということがわかってきておりますし、単独世帯が増加しているため、高齢者の低栄養といった課題も明らかになってきております。

 次期計画案につきましては、現在、パブリックコメントを終了した段階でございますが、こうした課題を踏まえて、食習慣に課題の多い青年期層への食育の強化、食育の対象に高齢者を追加するなどの見直しを行ってまいります。

 また、今年はぎふ清流国体・ぎふ清流大会が開催される国体イヤーでございます。国体競技を通じて得られる感動、レクリエーションスポーツ行事の楽しさ、ミナモダンス、ミナモ体操の普及などを県民の健康づくりに役立ててまいりたいというふうに考えております。このため、国体を通じた県民のスポーツへの参加や健康づくりに積極的に取り組み、国体終了後におきましても、県民総参加の健康づくり運動として継承していきたいというふうに考えております。

 最後に、国体に関して二点御質問がございました。

 まず、冬季大会の評価、そしてこれを本大会、あるいは清流大会にどう生かすかということでございます。

 御指摘にもございましたように、この幕あけを飾る冬季大会、大変順調にスタートが切れたということで、高く評価をしていいんではないかというふうに思っております。

 まず競技会運営につきましては、全国の選手を迎え入れ、最高のコンディションで競技をしていただくために、市町村や競技団体の方々がコース整備に力を尽くされた結果、スケート競技会の整氷状況、スキー競技会のコースコンディションが大変行き届き、選手の方々からは高い評価を得ております。特にスキー競技会のジャンプ種目では、雪不足に見舞われながらも、自衛隊の協力も得て、連日、ジャンプ台のコース整備をしていただいた結果、滞りなく競技会の開催ができたということでございます。こうした多くの方々の支えがあってこそ、冬季大会が成功したものというふうに考えております。

 次に、開始式につきましては、会場に立ち見席が出るなど非常に多くの参加がございましたし、恵那市、高山市の地域色豊かな演技、地元自慢の紹介、そして、中でも幼稚園児によるミナモダンスの披露や小・中学生による歓迎のぼり旗は会場を大変和やかにし、非常に心温まる取り組みになったというふうに感じております。

 また、地元のおもてなしにつきましては、小・中・高校生を初め、非常に多くの市民の皆様が応援観戦に会場を訪れたり、ミナモの雪像などで歓迎していただいたりしました。さらには、地元の食材を使った鍋料理を振る舞うなど、地元の熱意、心配りが大会の大きな盛り上げにつながったものと評価しております。その結果、競技会には、スケート競技会四日間で約三万人、スキー競技会には三つの会場を合わせて四日間で約三万五千人もの来場者がございました。競技団体の方々からは、「これほどに盛大な冬季大会はかつてなかったのではないか」という声も寄せられております。

 最後に、岐阜県選手団の競技成績につきましても、冬季大会全競技終了時点で、北海道、長野県に続いて、天皇杯・皇后杯ともに過去最高の三位となっておりまして、大会前の目標を上回る結果でございました。

 県といたしましては、この冬季大会での競技会の円滑な運営、地域の熱意あるおもてなしなどの魅力発信といったすばらしい成果は、本大会にも積極的に生かしてまいりたいと思っております。

 その一方で、課題となりました会場までの少ない道路案内標識、あるいはシャトルバス乗車への長い待ち時間などの課題につきましても、改めて再検討した上で、市町村やボランティアなど関係者の皆さんと情報を共有し、本大会に臨みたいというふうに考えております。

 加えて、JR東海や名鉄の駅舎、国道や高速道路では、歓迎のぼり旗、横断幕の設置などにより盛り上げに大変御協力をいただいたところでありまして、関係者に改めて感謝を申し上げたいと思っております。この秋、県下全域で開催される本大会、引き続き開催されるぎふ清流大会におきましても、さらなる御協力をお願いしてまいりたいと思っております。

 最後に、国体後に何が残り、何を残すかという観点からの御質問がございました。

 まさにおっしゃるとおり、国体を一過性の行事に終わらせることなく、その開催を財産としてつなぐために、私どもとしては三つの視点を中心に今取り組んでおるところでございます。

 まず第一が、スポーツの振興ということでございます。

 本県は「スポーツ王国・ぎふ」を推進するため、生涯スポーツの振興、競技スポーツの振興などに取り組んでおるところでございます。この国体開催によりまして、例えば馬術、弓道、カヌー、なぎなたといった、これまで必ずしもなかった競技の拠点として、高校・大学の運動部や地域のクラブチームが新たに創部されております。こうしたスポーツ活動のすそ野の広がり、あるいは優秀な選手を間近で目にする機会に恵まれることにより、競技力の向上などが大いに期待されます。また、先ほども御答弁申し上げましたとおり、県民総参加の健康づくり運動へとつないでいきたいというふうに思っているところでございます。

 二つ目の視点が、きずなづくり、地域づくりでございます。

 国体は「輝け はばたけ だれもが主役」を合い言葉にし、県民総参加でつくる大会を目指しておるわけでございます。個人及び地域が主体的に大会にかかわり、積極的に提案し、行動していただく経験が国体の盛り上げの原動力となるとともに、人々の間に新たなきずなを生み、今後の地域づくりにつながるものと考えております。先ほど申し上げましたけれども、高校生の皆さんには歓迎のぼり旗を作成していただいておりますし、運営ボランティアにも約五百名の学生・生徒の皆様にも登録していただいております。こうした経験は、将来を担う若い世代にとっては大きな財産になるのではないかというふうに思っております。

 また、冬季大会では、地域団体による自主的なおもてなし活動が大きな感動をもたらしております。これを契機に、県内各地域で本大会に向けた自主的な活動が新たに発足してきておりまして、これは今後の地域コミュニティーの再生につながっていくものと期待しておるところでございます。

 さらには、競技会場を初め大会参加者が期間中に利用する施設につきまして、トイレを障がい者用に改修したり、スロープを設置するなど、バリアフリーの環境整備をしっかりと促進してまいりたいと思っております。そして、こうした取り組みを、今後の「福祉のまちづくり」、「障がい者に優しいまちづくり」に広く生かしてまいりたいと思います。

 さらに、国体は延べ八十万人を超える方々がおいでになることから、岐阜県の魅力的な農林水産物や工芸品を初めとした県産品、観光資源など大いにアピールしていきたいと考えておるところでございます。これが三点目の魅力づくりということでございます。

 これまでに飛騨・美濃じまん運動、あるいは飛騨・美濃すぐれものの認定、加えて、ぽろたんや霜降り豚など新たな農畜産物の開発にも取り組んできたところでございますし、ITを活用し開発した「ミナモアプリケーションソフト」につきましては、大会開催時のPRや活用はもちろんのことでありますが、大会終了後の活用についても考えてまいりたいと思っております。

 さらに、まちのにぎわいづくりという観点から見ますと、国体後の人の呼べるまちづくりを視野に入れた取り組みも進めていく必要があると考えております。

 加えてマスコットキャラクターのミナモでありますが、県民で「ミナモ」を知らない人はいないというほど浸透してきておりまして、国体終了後も、このミナモには「清流の国ぎふ」のシンボルとして一役も二役も活躍してもらいたいというふうに考えております。

 以上、申し上げました考え・視点に立ちまして国体の準備を進めてきておるわけでございますが、今後とも県民総参加を旨として取り組む中で、引き続き国体の後に何が残り、何を残すのかについて大いに議論し、実行していきたいと考えております。そして、国体開催によって得られたこの財産を大いに生かしながら、岐阜県の未来づくりに取り組んでまいりたいと考えております。



○議長(藤墳守君) 危機管理統括監 若宮克行君。

    〔危機管理統括監 若宮克行君登壇〕



◎危機管理統括監(若宮克行君) 消防防災に関して、三点質問がございました。

 まず、SPEEDIの活用方針についてでございますが、昨年末の福島原発政府事故調査・検証委員会の中間報告では、事故当初からSPEEDIを使用した放射能影響予測計算は行われており、この計算結果が提供されていれば、自治体は適切な避難経路や方向を選択することができたであろうと分析されております。県としては、緊急時に原子力防災対策を講ずる上で、SPEEDIがもたらす情報は有効であると認識しております。

 県では、このSPEEDI端末を設置することにより、国による計算結果を速やかに知ることが可能となります。緊急時には、この情報を県民の皆様に速やかに提供してまいります。

 また、昨年構築した専門家からの助言体制に基づき、原子力や医療分野の専門家から助言を得るための基本情報として活用し、初動期における必要な対策に生かしてまいりたいと考えております。

 なお、国に対しては、SPEEDI計算結果を事故当初から公開するとの方針の徹底、並びに計算結果等の国民にわかりやすい説明を求めてまいります。

 次に、避難所の現状と対策についてお答えいたします。

 避難所総点検では、特に耐震性の確保、設備の充実、運営確保の三つの課題が明らかになったところです。

 一点目の耐震性の確保については、県内二千六百九の避難所の耐震化率は六〇・三%であり、引き続き耐震化の促進が必要です。

 また、二点目の設備の充実では、簡易トイレや停電時の発動発電機の備蓄率がともに八%台と低く、良好な生活環境を確保するために備蓄の充実が必要です。

 さらに、三点目の避難所運営については、運営マニュアルがすべての避難所に配備されている市町村は四市、避難所運営訓練の実績があるのは十七市町にとどまっています。こうした課題に対し、県は市町村に対し、避難所となる公共施設の耐震化の財源を措置する緊急防災・減災事業債の積極的活用を助言するとともに、来年度、市町村振興補助金の重点政策推進事業に防災を位置づけ、設備の充実に対し支援をしてまいります。

 また、避難所運営については、昨年十一月、東日本大震災の教訓を生かした避難所ガイドラインをお示ししたところですが、来年度新たに市町村職員を対象とした避難所運営の研修を実施し、マニュアルの配備や住民参加の運営訓練を促進してまいります。

 次に、消防救急無線のデジタル化への対応についてお答えします。

 このデジタル化については移行期限が定められていることから、計画的かつ速やかに推進すべきものと認識しております。このため、県では、この移行が計画的に進むよう、消防本部ごとに基本計画から運用開始までの計画について協議を重ね、このたび県全体の計画として取りまとめたところです。この協議の過程において、県の通信の専門職員により技術的助言を行うとともに、各消防本部が計画する電波エリアの設定に係る東海総合通信局との調整にこの専門職員を同席させるなど、市町村計画の作成に積極的にかかわってきているところです。

 また、デジタル方式への移行には、市町村に多くの経費負担がかかることから、県としては、国の財政支援の動向を市町村に速やかに情報提供し、引き続き、より有利な財源の活用を助言するとともに、国に対しては、予算の増額や支援制度の拡充など支援の強化について要望してまいります。



○議長(藤墳守君) 総務部長 彦谷直克君。

    〔総務部長 彦谷直克君登壇〕



◎総務部長(彦谷直克君) 県税収入、地方交付税及び一般財源総額の見込みについてお答えいたします。

 まず、平成二十四年度の県税収入は、前年度当初予算を四十五億円、二・四%上回る千九百五十億円と見込んでおります。これは、年少扶養控除の廃止や清流の国ぎふ森林・環境税導入に伴う個人県民税の増収などが見込まれるためでございます。

 地方交付税につきましては、総務省から示された算定基準をベースに推計し、千七百五十四億円と、前年度当初予算より十四億円の減を見込んでおります。

 臨時財政対策債につきましても同様に推計し、六百七十億円を見込んでおり、これらを含めた一般財源総額としましては約五千四十九億円と、前年度を二・四%上回る水準となっております。



○議長(藤墳守君) 環境生活部長 坂 正光君。

    〔環境生活部長 坂 正光君登壇〕



◎環境生活部長(坂正光君) 消費者行政についてお答えします。

 まず、県の消費生活相談窓口に寄せられました相談の傾向でありますが、ここ数年、全体の相談件数が減少する中で、六十五歳以上の高齢者からの相談は相変わらず多く、一方で相談者の低年齢化も見受けられるところであります。

 昨年度の相談内容でありますが、全体では有料情報サイト関係が最も多い状況の中で、高齢者では未公開株の勧誘等投資に関するものが最も多く、契約・購入金額の平均は十年前の約二倍に達しております。中学生以下では、有料情報サイトに関するものが約九割を占めているところであります。

 施策につきましては、消費者被害の防止として、消費者教育・啓発、悪質な事業者への指導の徹底が非常に重要となりますことから、消費者教育としては、特に高齢者向けに老人クラブの会合などでの寸劇方式によるわかりやすい出前講座を開催したり、民生委員など地域で高齢者を見守る方々への研修に力を入れることとしております。また、低年齢化への対応としましては、県教育委員会と連携し、児童・生徒を対象とした副読本を作成して、若年層への教育を充実させたいと考えております。

 また、啓発としましては、悪質商法の注意喚起などを行う啓発として、タウン誌やバス広告、チラシの配布などを行っております。

 また、さらに悪質事業者への対応としまして、国や警察等関係機関と連携し、文書による行政指導等を早期にかつ積極的に行うとともに、必要に応じて行政処分を行うなど、被害の未然防止に努めてまいります。



○議長(藤墳守君) 健康福祉部長 近田和彦君。

    〔健康福祉部長 近田和彦君登壇〕



◎健康福祉部長(近田和彦君) 三点お尋ねをいただきました。

 まず、病気にならないための予防対策についてお答えをいたします。

 県内では、半数以上の方ががん、心疾患及び脳血管疾患のいわゆる生活習慣病を原因として亡くなられています。これら生活習慣病は、生活習慣を改善することにより予防できるものであることから、県では、特に食生活に重点を置いた発症予防に取り組んでおります。例えば、各保険者が実施する特定健康診査について、医療保険者等と連携し、市町村や企業等で保健指導を行う保健師や管理栄養士を対象にした研修会を開催するとともに、働き盛り世代に対する食育として従業員給食への栄養管理指導や、食事バランスガイド等を普及するための出前講座等を企業等の職場給食に働きかけて実施をしております。さらに、保健・医療分野の関係者で構成される「ヘルスプランぎふ21」推進会議を設置し、がん検診受診率の向上や、糖尿病予備群対策など、計画推進に当たっての課題について議論し、関係機関と連携しながら、県民の総合的な健康づくりに努めているところです。今後とも、これらの取り組みを通じ、予防対策を推進してまいります。

 次に、県立下呂温泉病院に期待する役割等についてお答えをいたします。

 県立下呂温泉病院には、引き続き、主として高度急性期医療や回復期医療を担う南飛騨地域の拠点病院としての役割を期待しております。特に高度急性期医療については、新病院にヘリポートを設置することで、ドクターヘリの積極的な活用を含めた二次救急医療の充実を図り、さらに、より重症な患者を三次救急の病院へ速やかに転送するなど、あらゆる急性期医療への対応を可能にしたいと考えております。また、下呂温泉病院の診療エリアには過疎地が多いことから、僻地医療の拠点として、診療所等への医師派遣機能を担うことも必要です。

 こうした役割を実現するため、救急医療や僻地医療などの不採算な医療分野について、運営費負担金による財政支援を行うとともに、南飛騨地域の拠点病院として必要な医師を確保するため、岐阜大学医学部や関係する病院、開業医への働きかけ、自治医科大学卒業医師や岐阜県医学生修学資金貸付者の活用など、必要な対策を講じてまいります。

 最後に、小児医療、障がい児療育の拠点施設の整備についてお答えをいたします。

 希望が丘学園の再整備につきましては、障がい児を医療と福祉の両面から支援する施設としての機能を強化するため、障がいの重度化に対応した医療設備の充実、発達障がい児専用の診察室や訓練室等の新設、在宅の障がい児や保護者のための相談や交流スペースの確保などを進めてまいります。

 これにあわせて、岐阜県総合医療センターにおいては、子供のための医療を総合的に提供する体制を構築することとしております。具体的には、小児集中治療室を新設し、重篤な小児救急患者の受け入れ体制を強化するとともに、新たな病棟を整備し、小児科の診察室の拡充や重症心身障がい児のための入所病床を新設をしてまいります。

 今後は、両施設が一体となって、子供のための医療の拠点としての機能を発揮できるよう、いずれも二十七年度中の供用開始を目指してまいります。



○議長(藤墳守君) 農政部長 平工孝義君。

    〔農政部長 平工孝義君登壇〕



◎農政部長(平工孝義君) 私には、二点御質問いただきました。

 まず初めに、小水力発電の普及促進についてお答えします。

 農業水利施設を活用した小水力発電の普及に向けては、初期投資が大きくなることが導入の支障となっているため、県といたしましても、コスト縮減に向けた発電施設の汎用化や長寿命化といった技術面での検討が不可欠と考えております。このため、県、岐阜大学、小水力発電に取り組むNPO、発電設備の製造企業等で構成する技術検討会を新たに立ち上げ、先進事例や新技術の調査分析を行い、コスト縮減につながる技術的課題の解決に取り組んでまいります。

 また、本年度実施している導入可能地調査で得られた流量・落差等から可能な発電規模を試算し、最適な発電施設などを選定するための簡易なソフトを作成し、県土地改良事業団体連合会が中心となって設立された岐阜県農業用水利活用小水力発電推進協議会と連携して、市町村や土地改良区の小水力発電の導入を支援してまいります。

 さらに、水利権の取得手続の簡素化や、電力供給範囲の制約の緩和につきましては、コスト縮減にもつながることから、引き続き国に対し要望してまいります。

 次に、中山間地域における水田農業の維持・振興についてお答えします。

 中山間地域の水田農業を将来にわたって守っていくためには、中核的な担い手の確保が不可欠であることから、就農から営農定着までを一貫してサポートする地域就農支援協議会の設置を進め、国の施策等も活用しながら、地域ぐるみで新たな担い手の育成と担い手への農地集積に取り組んでいるところでございます。

 しかしながら、中山間地域の中には生産基盤条件が悪く、過疎化・高齢化が著しく進行しているために、将来にわたって担い手が見込めない集落も多く存在しております。このような集落では、住民が共同で農地を守っていくことが有効であるため、現在、県職員で組織する集落営農組織化支援チームを派遣しているところでございますが、平成二十四年度からは、集落営農の組織化に加え、農業機械の共同利用、都市住民と連携した農地保全などの活動を幅広く支援するモデル的な取り組みも実施してまいります。さらに、水田を活用した付加価値の高い農業を進めることも必要であることから、普及指導員が中心となって、中山間地域の冷涼な気候を生かした収益性の高い野菜などを組み合わせる経営の複合化や、農産物の付加価値を高める六次産業化を促進してまいります。



○議長(藤墳守君) 林政部長 森  勝君。

    〔林政部長 森  勝君登壇〕



◎林政部長(森勝君) 二点の御質問をいただいております。

 最初に、木質系バイオマスエネルギーの普及促進について、お答えいたします。

 本県の豊富な森林資源をエネルギーとして利用するため、原料となる木材の生産コストを下げることを目的に、間伐した木材を作業道上に集め、用途に合わせて仕分けし、まとめて搬出する仕組みを普及してまいります。また、一部地域で始まっています、森林所有者がみずから森林内に残った木材を搬出し、ペレット製造業者等に販売する活動に対して、森林・環境税を活用して支援していきたいと考えております。

 一方、利用施設の拡大については、これまでの温泉施設等へのペレットボイラーの導入支援に加え、今後は森林・環境税を活用して、PR効果の高い学校等の公共施設へのペレットストーブの導入を促進していきたいと考えております。さらに、一般家庭へのペレットストーブの導入を図るため、建築関係者も含めた研究会を設け、普及促進に取り組んでまいります。

 次に、岐阜県森林づくり基本計画に関して、現計画に対するこれまでの施策の評価と新たな計画への反映、また今後取り組む重点施策についてお答えいたします。

 県では、基本計画に基づき、木を切って利用する「生きた森林づくり」を進めてまいりました。具体的には、スギやヒノキの人工林を対象に事業地をまとめ、作業道を整備し、大型林業機械を導入し、低コストで木材生産ができる仕組みを普及してまいりました。さらに、需要拡大のため年間十万立方メートルの木材を加工する合板工場も整備してまいりました。こうした取り組みにより、ここ五年間で木材生産コストは県平均で約三割削減でき、生産量は七万立方メートル程度の増加が見込まれています。

 しかし、需要に応じて安定的・計画的に木材を生産・加工・供給する体制は十分とは言えません。一方、県民からは、災害防止、水源の涵養、生物多様性の確保など環境への配慮が強く望まれております。こうした状況を踏まえ、新たな基本計画では、自立できる林業を目指す「生きた森林づくり」に加え、新たに環境に重点を置いた「恵みの森林づくり」に取り組みたいと考えています。

 具体的には、「生きた森林づくり」については、木材の安定的・計画的な生産の基礎となる森林経営計画の策定を平成二十八年度までに民有林の約三割に当たる二十万ヘクタールの森林において進めてまいります。さらに、ぎふ性能表示材の出荷量を現在の五倍に当たる五万立方メートルを目指し、木材の生産から流通・加工・供給までの連携を強化するとともに、木材乾燥施設の整備を進めてまいります。

 一方、「恵みの森林づくり」については、森林・環境税を活用し、里山林や奥山林の整備を進めてまいります。具体的には、里山林の整備を拡大するため、県において、県下五カ所程度の環境保全モデル林を指定・整備し、その成果を県下に広めるとともに、市町村やNPO団体等が行います里山林整備を支援してまいります。さらに、奥山の水源林等については、水源涵養機能の維持増進に必要な森林整備に対して支援してまいります。



○議長(藤墳守君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 災害に強い県土づくりについてお答えします。

 初めに風水害への対応につきましては、近年、頻発する短期的・局地的豪雨に対して、総合的な治水対策や地域住民の早期避難活動の支援に重点を置いてまいります。具体的には、長良川、可児川など三十八カ所で築堤工や河道掘削工事を実施してまいります。また、下呂市の宮地大洞谷など三十四カ所で砂防堰堤の建設を進めてまいります。さらに、ソフト対策として、新たに地すべり危険箇所の基礎調査に着手するとともに、土砂災害警戒情報や県管理道路の規制情報のメール配信システムを構築してまいります。

 次に、地震防災への対応につきましては、昨年の東日本大震災を受けた岐阜県震災対策検証委員会の提言を踏まえ、緊急輸送道路や災害時に孤立することが予想される集落への交通の確保対策に重点を置いてまいります。具体的には、国道二百五十七号の加子母大橋など二十橋で落橋防止や橋脚の補強を実施するとともに、主要地方道高山清見線の高山市清見地内など二十九カ所で落石対策工事を実施してまいります。

 このような、ハード対策とソフト対策を効果的に組み合わせ、風水害や震災に強い、安全・安心な県土づくりに努めてまいります。



○議長(藤墳守君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

    〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) 観光振興についてお答えいたします。

 これまで、国内外から選ばれる岐阜県になるための土台づくりとして、地域と連携し、観光資源の発掘・育成、新しい岐阜の旅の再構築やPRなどを行ってまいりましたが、今後は、さらに観光が岐阜県の基幹産業の一つとなることを目指して、宿泊観光客、観光消費額の拡大に向けた取り組みを重点的に行ってまいります。

 このため、国内外の旅行会社や各種メディアを岐阜県に招聘し、新しい岐阜の旅体験や商談会を開催し、観光客により長く滞在して楽しんでいただける魅力ある宿泊滞在型観光商品の具体的な造成と販売に直結した取組みを進めてまいります。

 さらには、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を新たな観光商品を全国に発信する絶好の機会として活用するとともに、昨年も積極的に展開した大都市圏を初めとする観光PRキャラバンの実施や、年々観光客の利用が拡大している大手旅行インターネットサイトと連携した宿泊誘導キャンペーンを年間を通じて展開いたします。



○議長(藤墳守君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 道徳教育に関して二点の御質問がございました。

 初めに、子供たちの規範意識の低下についてお答えいたします。

 子供たちの規範意識の低下につきましては、さまざまな方面から指摘がなされており、学校教育においても、あらゆる機会をとらえて継続的に取り組んでいかなければならない課題であると考えております。また、「子は親を映す鏡」という言葉もあるように、子供たちの規範意識は大人の振る舞いから大きな影響を受けることも事実でありますので、規範意識の低下は、家庭・地域・学校という子供たちが育っていく環境全体の課題であるととらえております。

 このたびの大震災以後、多くの国民が、規範意識の大切さ、家族や人と人とのつながりの大切さ、思いやりの精神のとうとさを再認識しました。こうした意識の高まりを機に、学校における取り組みのみならず、大人が子供の範となるよう努力するとともに、学校・家庭・地域が連携し、社会全体で子供たちに規範意識や思いやりの心を育てることが重要であると考えております。

 次に、学校における道徳教育の実情と今後の方針についてお答えいたします。

 道徳教育は、学校の教育活動全体で計画的に行っております。特に「うそをつかない」、「他人に暴力をふるわない、他人の嫌がることはしない」など、「してはならないこと」や「進んであいさつする」、「他人のため、みんなのために働く」、「人には親切にし思いやりある行動をする」など、「するとよいこと・すべきこと」は日常生活の中でその意義を理解させるとともに、繰り返し指導しております。

 このような指導をもとに、小・中学校では、道徳の時間において、話し合いなどを通じて子供たち相互の多様な感じ方や考え方に触れられるようにしております。そして、人としてよりよい生き方に結びつく道徳的価値のすばらしさを感じ、進んで実践しようとする意欲が育つよう指導しております。

 また、小・中学校、高等学校での指導に当たっては、「論語」はもちろん、郷土の先人や偉人、東日本大震災の中で見られた人としてのあり方・生き方を取り上げた教材など積極的に活用しております。

 今後も、学校教育における取り組みと、現在行っております一家庭一ボランティア運動の充実を図り、家庭、地域と学校が連携した道徳教育を一層推進してまいります。



○議長(藤墳守君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) サイバー犯罪への対応について御質問をいただきました。

 近年、インターネットが国民生活や社会経済活動に不可欠な社会基盤として定着する一方で、違法情報の掲載により国民生活を脅かす犯罪が多発しているほか、政府機関や民間事業者がサイバー攻撃を受ける事案の発生など、国の安全保障にも影響を及ぼしかねない問題も顕在化し、サイバー空間の脅威は増大しているという状況にございます。

 このような情勢の中、県警察といたしましては、議員御指摘のとおり、平成二十四年度に予定される警察官の増員分をすべて警察本部のサイバー犯罪対策係に配置して体制を強化するとともに、部内では、サイバー空間の脅威に対する総合対策委員会を設置して各部門の連携強化を図り、組織的な不正アクセス事犯、コンピューターウイルス供用事犯、ファイル共有ソフトによる児童ポルノ頒布事犯や著作権侵害事犯といった犯罪の取り締まりを強力に推進することとしております。

 また、議員御指摘の民間のノウハウの活用につきましては、ボランティアを初め、民間との連携を強化して、サイバーパトロールや各種相談等を通じた違法情報・有害情報の実態の把握や、サイト管理者に対する有害情報の削除要請などを行い、サイバー犯罪の抑止を図ってまいります。

 重要インフラを有する行政機関や企業に対しては、情報セキュリティーに関する知識を普及し、自主的な取り組みの促進を図ってまいります。また、児童や生徒に対しては、その健全育成を図るため、携帯電話事業者、あるいは教育委員会、学校などと連携してサイバーセキュリティーカレッジを開催し、フィルタリングの普及等を図ってまいります。

 以上申し上げましたように、県警察といたしましては、サイバー犯罪について総合的な対策を強化して、県民の安全・安心の確保に努めてまいる所存であります。



……………………………………………………………………………………………





○議長(藤墳守君) しばらく休憩いたします。



△午後零時休憩



……………………………………………………………………………………………





△午後一時再開



○副議長(足立勝利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(足立勝利君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長したいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(足立勝利君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



……………………………………………………………………………………………



○副議長(足立勝利君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十番 渡辺嘉山君。

    〔三十番 渡辺嘉山君登壇〕(拍手)



◆三十番(渡辺嘉山君) ただいま、議長より発言のお許しをいただきました。本日は、県民クラブを代表し、大きく六項目について質問させていただきます。

 まず初めに、平成二十四年度当初予算についてお尋ねします。

 岐阜県の平成二十四年度一般会計当初予算案では、対前年度当初比〇・五%減の七千四百二十四億円が計上されており、十一年連続のマイナス予算となっています。ただ、昨年度の当初予算が対前年比五・六%減だったことからすると、今年は十一年連続のマイナス予算とはいえ、減り幅はかなり少なくなりましたし、平成二十五年度決算では、実質公債費比率が一八%を下回って、起債許可団体を脱却する見込みという話も聞こえてきますので、県財政にも多少は明るい兆しが見え始めているのかなと思っています。

 そのような中、特別会計が対前年比約二〇%増加していること、総予算では若干の増額になっていること、また、民生費・衛生費・健康福祉関係の予算が減っているが、県民が県政に期待している地域医療や高齢者福祉の施策に支障はないのか、なぜ、よいのかと気にかかるところです。

 さて、この当初予算は、「安全・活力・安心の清流の国ぎふづくり」を県政運営の基本方針とし、「安全な暮らしを守る防災体制の強化」、「経済情勢の激変に対応する産業・雇用の構築」、「支え合い、未来につながる岐阜県づくり」、「清流の国ぎふづくり」、「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催」の五本柱を掲げて各種政策を実行していこうとするものであります。県債残高も相変わらずふえ続け、苦しい県財政の運営が続いているところではありますが、この平成二十四年、二〇一二年は行財政改革アクションプランの総仕上げの年でもあり、古田知事が就任されてから二期目の締めくくりに当たる年でもありますので、そろそろ県財政も上向きにしていかなくてはいけませんし、県財政が苦しいことを過去の人のせいにしてばかりいてもいけないのではないかとも思います。

 そこで、このように注目された平成二十四年度予算の編成に込められた知事の思いと、今後の県財政の見通しについて、知事にお伺いします。

 次に、当初予算の五本柱の最初に掲げる「安全な暮らしを守る防災体制の強化」とも関連する県民の安全・安心に関してお尋ねします。

 当初予算では、安全な暮らしを守る防災体制の強化に関する主な政策として土砂災害や集中豪雨災害への対策が掲げられており、過去の災害発生履歴などの基礎調査、通信手段を確保するための県防災情報通信システムの更新、また、放射能対策として、福井の原発事故に備えた放射線測定器の配備などが掲げられているところです。

 ところで、災害といえば、今年は豪雪災害が全国各地で起きていることがしばしば話題になりました。民主党本部も豪雪災害対策本部を立ち上げ、各県連と共同し対策を進めているところです。

 幸い、この岐阜県においては、全国ニュースで大々的に紹介されたような事例はないという認識ですが、局地的には大雪に見舞われているところもあると聞いていますので、岐阜県においても除雪等きちんと対応していただいているのか、気になるところです。

 平成二十年九月議会において、防災及び迅速な災害復旧という観点を踏まえ、建設業者へどのような支援策を講じておられるのか、質問をさせていただきましたが、「建設業者が本業に軸足を置きつつ、経営多角化を進める取り組みを今後とも支援してまいります」という答弁にとどまりました。

 そこで県土整備部長にお伺いします。岐阜県における今季の雪、特に大雪の状況はどうなのか、除雪作業をお願いしている建設業界との連携はどうなっているのか、それに対してどのような対策をされ、今後どのように進めていかれるのか、お答えください。

 続いて、県民の安全・安心に関して二点お尋ねします。

 県警本部におきましても、安全な暮らしを守る防災体制の強化については、放射能測定装置の設置のほか、防災拠点機能を確保するための発電装置の設置、緊急交通路を確保するための停電時にも作動する信号機の設置など、さまざまな取り組みを実施していくとお聞きしています。防災に限らず、県民の安全・安心を確保するためには警察の役割は大変重要であり、警察官の皆様には、日ごろから各地域で県民の安全・安心の確保のため、早朝から深夜まで二十四時間体制で取り組んでいただいていることに心から感謝申し上げます。

 さて、私は今年一年間、教育警察委員会に所属させていただき、さまざまな警察行政を見させていただきました。多くのすばらしい警察活動を見させていただく反面、寂しく思ったこともありました。それは、警察署そのものです。

 新しくなった警察署、私の地元の岐阜北警察署を見させていただき、確かに新しく機能的なのかもしれませんが、必要最低限の設備しかないという印象を持ちました。イメージとしては、犯罪者を取り調べたり、留置しておくための箱という印象です。

 警察署には、加害者だけでなく、被害者や一般の方も事情聴取などの際には訪れるわけですが、この狭さでプライバシーが確保できるのだろうか、あるいは取調室みたいな部屋ばかりで、一般市民はどこの部屋でどのように警察官に接するのだろうか、警察署に訪れた際の雨よけはできるのだろうかというようなことを感じたところです。

 また、オウム真理教の関係者が逮捕された際など、警察署は大きなニュースの舞台になることもよくあるわけですが、そういうことが起きたとき、マスコミ対応等どうなるのだろう、中が狭くて、来客の方に迷惑をかけてしまうのではないかという印象を持ちました。

 警察署や交番では、県民の安全・安心を確保するために、日々、警察官の方々が危険と向かい合いながら働く職場であります。警察官の士気を高めるためにも、また、県民の皆さんにも気軽に相談、訪問できる環境であってほしいと思っています。そこで、警察署や交番には、古くなった建物も多く、県都岐阜市の中署や南署もいずれ建てかえなければいけないと思いますが、これからの計画についてどのような考え、方針で進めようとされているのか、警察本部長にお尋ねします。

 県民の安全・安心を確保するためには、箱の話だけではなく、現場で日々活躍されてみえる警察官の方々の質の確保も欠かせないところです。例えば今年の正月、特別指名手配されている本人が目の前に出頭してきた警視庁の対応のようなことがあってはいけませんし、また、大変なことだとは思いますが、容疑者に対する取り調べや拘留についても、慎重に行うことが求められます。先輩警察官がそれまで培ってきた知識や経験を、若手に指導しながら業務を進めてきましたが、団塊の世代と言われる多くの皆さんが六十歳という定年を迎え、新しい警察官がこれから増加していくとお聞きしています。そのような中で、岐阜県警におかれましては、警察力の維持・向上に努め、県民の信頼確保にも努めていかなくてはいけないものと考えます。県民に信頼される警察官を育成し、警察力の維持・向上に努めるために、県警本部として、警察官の資質向上についてどのように取り組まれているのか、警察本部長にお尋ねします。

 次に、ヘリコプターによる山岳救助活動についてお尋ねいたします。

 近年、ますます登山ブームになっており、登山者は増加傾向にあります。それに伴い、山における遭難も増加傾向となり、遭難の発生状況は過去最多で、その中でも三千メートル級の山々が連なる、いわゆる北アルプスにおける遭難が多くなっているところです。北アルプスのような三千メートル級の山岳での救助活動はヘリコプターが主となるわけですが、こうした山岳での救助活動は、強風による乱気流や視界を遮るガスの発生、迫る岩壁など、過酷な環境の中、非常に危険を伴うものであります。昨年、県内の山岳遭難事故八十五件のうち四十五件がヘリコプターによる救助だということですが、今後もヘリコプターの出動は増加するものと思われます。

 こうした山岳救助は警察航空隊が行っているわけですが、警察航空隊におかれては、これまでにも北アルプス等の危険な現場で多くの遭難者を救助した実績があり、岐阜県警の航空隊員の技術の高さと、遭難者を必ず助けるとの使命感の強さに心から敬意を申し上げるところです。

 そうした中、今年に入って間もない一月三日、北アルプス奥穂高岳のジャンダルムにおける遭難者三名の救助活動中に遭難者が救助隊員と接触して滑落し、負傷したとの報道がありました。平成二十一年九月に発生した若鮎?号の墜落事故以来、北アルプスでの救助活動は原則県警において行う、また県と県警との連携の強化が課題となっているとも聞いております。一月三日の救助の様子は新聞報道でしかわかりませんが、非常に困難な現場での救助で、救助された方の「感謝の一言です」が真実だと思っています。

 そこで、一月三日の今回の滑落事故における救助活動はどのような状況であり、本件における県と県警との連携はどうであったのか、また、今後の県と県警との連携についてはどのように考えているのか、警察本部長にお伺いします。

 次に、東日本大震災被災地の瓦れき処理についてお伺いします。

 午前中、駒田先生の質問に知事は既に答弁されましたが、通告どおりお伺いしたいと思います。

 あの三月十一日から、もうすぐ一年がたちます。私たちは、そのときを今日のように議場で迎えたわけですが、この議場が大きく揺れ、何か想像もできないことが起きたのではないかと感じたことを思い出します。その後のテレビ報道における、津波で流される家々、ぶつかり合って砕ける様子など、現実の出来事とは思えないものであり、ただごとではないと恐怖を実感したものです。

 そうした状況で、県民クラブの有志などとともに、昨年六月に被災地へ炊き出しボランティアに行ってきたわけですが、二階建ての建物よりもうず高く積まれた瓦れきの山が延々と続く光景は、忘れることができません。こうした被災地において、今まさに復興の真っ最中だと伺っているところですが、瓦れきの山については、いまだに私がボランティアをさせていただいた当時のままだとも聞いています。今後もこの状態が続くということになりますと、火災の発生が危ぶまれますし、既に起きているとも聞いています。岐阜市においても、椿洞の火災が記憶に新しいところで、他人事ではありません。

 こうした瓦れきについては、各自治体における受け入れが遅々として進まないため、結局そのままになっているとのことです。処理が行える施設を有する自治体の協力が、大震災からの早期復旧、被災地に対する広域的な協力という大きな役割を果たすものと考えております。安全性が確保された瓦れき処理については、各自治体に理解を求めていく必要があるところですが、そのためにも、県が指導的役割を果たし、方向性を示していくべきところと考えますが、いかがでしょうか。

 さきの大震災については、一地方で起きた災害ではなく、我々が住む日本で起きた災害であり、当然助け合っていかなくてはいけないのではないでしょうか。東北以外で広域処理が実現しているのは東京都のみで、岐阜県内に、受け入れを表明している自治体はなく、判断をゆだねられた市町村も困惑していると思われます。

 しかし、最近では、遅々として進まない事態を打開しようと、受け入れを目指す三県五市による「みんなの力でがれき処理プロジェクト」が設立されるなどの動きも見られるところです。知事には、ぜひ受け入れへの協力を要請するなど指導的な役割を発揮していただければと思います。この問題については、岐阜県が先進的に取り組んでいくという意気込みを全国に発信していただければと思うところであります。そこで、被災地の瓦れき処理について、県としてどのような役割を果たすべきと考えているか、知事にお伺いします。

 これまでお話ししたとおり、この問題については、日本国全体で考えていかなくてはならない問題です。国においても、ようやく本腰を入れて解決策を見出そうとしているところで、各地で被災地の災害廃棄物処理に向けた説明会を開催し始めました。このことについては、先日の民主党岐阜県連からの協力要請に対して、古田知事からは積極的に対応したいという、すばらしい、大変心強い回答をいただいたところです。この問題は待ったなしの問題ですので、今月中に実現するぐらいのスピードで説明会の早期開催を実現したいところです。

 また、説明会に限らず、県におかれては、国との連携を強化していただけたらと思っています。

 瓦れき処理における国の対応について、例えば「自治体任せにするのではなく、もっと国は指導的役割を発揮してほしい」といったような声もあるようですが、そうした現場から発信される要望や要請をどんどん国に行い、地方の声を届けていただきたいと思っております。そこで、被災地の瓦れき処理について、県は国とどのように協力・連携していこうと考えているか、知事にお伺いします。

 次に、当初予算の五本柱の一つ「経済情勢の激変に対応する産業・雇用の構築」とも関連する産業・雇用についてお尋ねします。

 当初予算では、経済情勢の激変に対応する産業・雇用の構築に関する主な政策として、県内企業が海外展開する際に、国際ビジネスの専門家が現地交渉等に同行して支援する「海外展開のスタートアップ支援」、県内の道の駅への「次世代エネルギーインフラの導入」などが掲げられていますが、海外展開については、生産拠点ではなく、販路・受注拡大に関するものであれば大賛成であります。また、商工労働部は七課から十課に再編され、産業技術課が新設されるなど、産業に関する施策は充実していくものと思われます。

 しかし、私の身近にいる中小・小規模企業の方々のお話、現場の声を伺っておりますと、海外展開したいなどという景気のいい話はほとんど聞こえてこず、相変わらず苦しい苦しい、端的には仕事がない、単価が安くてもうからない、設備資金どころか運転資金が足りないという話ばかりであり、景気が回復しているとはなかなか実感しにくいところであります。中小・小規模企業の方には、まだまだ我慢のときが続くのではないかと考えているところです。

 そんな中で、中小企業に関する県の新年度予算案を見ますと、金融支援については、今年度とほぼ同額であり、減額傾向に歯どめがかかったという見方もあるかもしれませんが、昨年度から今年度にかけて何十%も減った後だということは、来年度も昨年度と比べるとかなり減ったままということになります。

 このことについてどう考えるのかは昨年お聞きしたところでありますが、「運転資金を確保する環境は整っているはずだが、景気の先行き不透明感から新たな投資が手控えられていることが原因であり、実際のところ、県内の中小・小規模企業の方々からは、お金より仕事が欲しいといった声の方が多いため、資金繰り対策ばかりでなく、それ以外の中小企業支援策の必要性を感じている」との答弁をいただいたところです。私としては、中小企業支援の中心は資金繰り対策と思っていたところですが、それ以外の対策により景気が回復し、県内の中小零細企業の方々が安心して暮らせる日々が来るのであれば、それにこしたことはないわけです。受注が中心の県内の中小企業に対して、有効な政策が実行されることを願っております。そこで、必ずしも資金繰り対策ばかりではないとされる中小企業支援策について、何に力点を置いて実行していかれるのか、商工労働部長にお伺いします。

 続いて、求職者への支援に関してお尋ねします。

 求職者への支援については、県だけでなく、国においても公共職業安定所、ハローワークで職業紹介を行っているところです。ただし、ハローワークにおいては、求職者から相談を受けても内容を全く記録しないケースが全国的に普通のことで、総務省の調査によると、約七〇%のハローワークにおいて相談内容を記録していない、つまり次回以降の職業紹介に活用できない状態とのことです。また、こうした求職者に対して義務的、形式的な対応を行っていると思われるハローワークを通じた就職率は約三〇%程度と低迷しているとも聞いており、求職者への支援については、県の役割がますます期待されるところです。就職支援については、住民にとって、国よりも身近な地方公共団体である県が積極的に行うべきものと考えています。身近な地方公共団体として、きめ細かな就職支援を実施していただければと思います。

 県民クラブの就職支援関係の要望に対しても、「推進します」との回答をいただいているところであり、より一層の取り組みをお願いするものです。

 しかし、県における求職者への支援については、人材チャレンジセンター、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業などの就職支援事業の予算が減額されており、不安な面もあります。しかし、求職者が何を求めているのかを分析した上で、有効な施策を実施していただければ、少ない予算であっても効果的な支援ができるものと思われます。そこで、求職者に対してどのような支援をしていかれるのか、商工労働部長にお伺いします。

 次に、就労支援に関連し、キャリア教育についてお尋ねします。

 若年労働者の早期離職率やニート・フリーター数は高い水準で推移しているわけですが、学校教育から社会・職業への円滑な移行に大きな課題があると考えられているところで、中・長期的な視点から、子供や若年者の社会的・職業的自立に向けたキャリア教育、職業教育の推進が求められているところです。実践的なキャリア教育、職業教育を充実し、教育段階から将来の社会人を養成することが求められていると考えるところです。そこで、学生を対象にしたキャリア教育について、どのように実践的な取り組みをしていかれるのか、商工労働部長にお伺いします。

 そもそも、日本において「キャリア教育」という文言が公的に登場し、その必要性が提唱されたのは、平成十一年の「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」に関する中央教育審議会の答申においてであります。この審議会の答申では、「キャリア教育を小学校段階から発達段階に応じて実施する必要がある」とし、さらに「キャリア教育の実施に当たっては家庭・地域と連携し、体験的な学習を重視するとともに、各学校ごとに目的を設定し教育課程に位置づけて計画的に行う必要がある」と提言しています。

 また、キャリア教育は「一人一人の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育」と定義されており、こうした教育の効果が発揮されれば、みずからの力で生き方を選択していくことができるようになり、就労も促進されていくと考えられています。

 私は、今年度、教育警察委員会に所属させていただき、県立高校、主に実業高校におけるキャリア教育のすばらしい取り組みを見させていただいたところですが、生徒の生き生きとした目が非常に印象的でした。

 今春に卒業予定で就職を希望している高校生の昨年十二月末時点の就職内定率は、全国的には二年連続で前年同期を上回っており、キャリア教育によるところもあると考えられています。

 このように、キャリア教育は非常に重要なものでありますが、大学あるいは高校に限らず、答申にもありますとおり、小学校から積極的に行っていただければと思うところであります。そこで、キャリア教育に対する考え方と、小・中・高においての取り組みについて、教育長にお伺いします。

 キャリア教育は就労に関する非常に重要な事業でありますが、県内の新規高等学校卒業者、特に普通科高校卒業者の就職も非常に厳しくなっているところでもあり、キャリア教育以外にも、教育委員会には就労支援に関する事業を行うことが期待されるところです。高等学校における就職支援に関する取り組みについても、教育長にお伺いします。

 次に、国体に関連してお尋ねします。

 ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催については、当初予算の五本柱の一つとしても掲げられているわけですが、いよいよ平成二十四年、開催年を迎えました。

 本年においては、一月二十日に「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会県民総決起大会」が開催されるとともに、同日に「岐阜県議会国体応援団」の結団式も行われ、その後、恵那市において一月二十八日から三十一日にかけての四日間と、高山市において二月十四日から十七日にかけての四日間の延べ八日間、ぎふ清流国体の冬季大会が行われました。

 この冬季大会では、スケート競技が開催された恵那市においては天皇杯六位、皇后杯五位、スキー競技が開催された高山市においては天皇杯五位、皇后杯四位、両開催分を合わせた順位は現在、天皇杯、皇后杯ともに、スキー大国である北海道、長野に次いで三位ということで、県内の選手には大変頑張っていただき、よいスタートを切ったところであります。

 また、冬季大会におきましては、全国各地からはるばる岐阜までおいでいただいた選手たちに対する数々のおもてなしも行われました。その幾つかを御紹介させていただきますと、スケート競技の会場となった恵那市においては、会場内で市内十三地域の特産を一堂に集めたグルメ祭りを自治会連合会や地域協議会、地域団体などの協力により開催し、選手たちに楽しんでいただきました。クロスカントリー、スペシャルジャンプなどの会場となった高山市朝日町においては、全国から集う人々を温かく迎え、真心のこもったおもてなしを行うとともに、楽しくいつまでも心に残るスポーツの祭典となるようにとの願いを込めて、自治会や老人クラブなどを中心に結成された「ぎふ清流国体あさひ協力隊」によりミナモの雪像がつくられ、選手たちを出迎えました。また、ジャイアントスラロームの会場となった高山市丹生川町においては、自治会を初め、農業、商工観光、地域、福祉、社会教育などの分野から六十三もの団体が参加して設立された「冬季国体丹生川みなもり会」が、ミナモ雪像のほか、メッセージ入りミナモ折り紙、中学校生徒による応援のぼり旗などを制作したり、同町特産のすくなカボチャを使ったスープを振る舞ったりしました。このような取り組みにより、地元の方々も大会の盛り上げに一役買い、全国から来た選手等にも大変好評で、すばらしい大会だったと聞いているところで、ひとまず冬季国体は成功のうちに終了したものと思われます。

 これから、本大会に向けて、「ぎふ清流マラソン」、「百日前イベント」などのイベントでのPR等や、「ミナモナビ」、「ミナモカメラ」、「絵合せミナモ」の三本から成る「ミナモアプリ」による発信等により、国体に向けた機運はますます高まり、必ずや成功するものと確信しておりますが、このようなぎふ清流国体の開催年におけるぎふ清流国体に向けた意気込み、決意について、知事にお伺いします。

 冬季大会において、地域におけるすばらしいおもてなし活動が行われたのは先ほどお話しさせていただいたとおりですが、県においては、地域ぐるみのおもてなし活動の一層の推進を図るため、国体を契機とした地域のきずなづくりをしていくために、自治会、老人クラブ、女性団体等の地域団体の方々などを対象に、冬季大会の会場周辺などで行われるおもてなし活動を見学し、地元関係者と交流していただく「ぎふ清流国体冬季大会おもてなし見学バスツアー」を実施されました。近年は、地域における人と人とのきずな・つながりが希薄化しつつある中で、高齢者が家族や地域社会とのつながりを失い、地域の中で孤立し、生活上の不安や困難を抱えるといった問題や、生活困窮者が人知れず孤立死していたといった問題も生じているわけですが、地域のきずなづくりは大きな課題であり、これからますます重要になっていくものと思われます。

 私の地元でも、地元で行われる国体をぜひ成功させようと有志が集まり、進め方はともかく、その趣旨には賛同し、大須賀議員、水野議員、長屋議員、私、そして市会議員も党派を超え協力し「長良川もてなし隊」を立ち上げ、多額の資金を使ったイベント盛りだくさんということではなく、地域活動として、地域のきずなによる力で盛り上げようと活動を進めているところです。国体での地域におけるおもてなし活動等を踏まえ、今後、失われつつある地域のきずなを取り戻すために、どのように取り組んでいくのか、環境生活部長にお伺いします。

 さて、今まで主にぎふ清流国体に関するお話をさせていただきましたが、予算の五本柱の表題にありますとおり、ぎふ清流大会も見逃してはいけません。ぎふ清流大会は、第十二回全国障害者スポーツ大会であります。

 この大会は、障がいのある方が競技を通してスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障がいに対する理解を深め、障がいのある方の社会参加の推進に寄与することを目的とした障がい者スポーツの祭典です。このぎふ清流大会を成功させることももちろん大事なことではありますが、それにとどまらず、障がいに対する理解を深めることや、障がいのある方の社会参加の推進を積極的に行っていくことを願うものでありますし、また、障がいのある方の暮らしやすい環境を整備することも大事であります。そこで、ぎふ清流大会においてどのように障がいに対する理解を深め、障がいのある方の参加を促していくのか、ぎふ清流国体推進局長にお伺いします。

 また、県において、この大会を通じ、障がいのある方に対する福祉の取り組みをどのように行っていくのか、健康福祉部長にお伺いします。

 現在、岐阜県では、このように国体に取り組んでいるわけですが、その中で、大変心配している点があります。それは、輸送交通に関してです。

 県内の各地で会場を設置して大会を行うということは、理念としては大変すばらしいことなのですが、会場になる地域にしてみますと、地域によっては、ふだんは大きくてもせいぜい郡大会程度の規模の利用であり、県大会も実施したことがないという会場が、突如として全国大会の会場になるということになります。岐阜市には、開会式や閉会式の会場ともなる岐阜メモリアルセンター長良川競技場があり、ここは全県規模や全国規模の大会がふだんから数多く行われている場所でありますが、大会の開始・終了あたりの時間帯はどうしても交通が混雑になります。大規模な大会やイベントが常に行われているという前提で都市計画がなされていると思われるメモリアルセンターの周辺でさえこのような状況ですので、そうではない、いわゆるまちの普通の体育館が全国会場になったらどうなってしまうのだろうかという懸念を持っています。そこで、ぎふ清流国体及びぎふ清流大会における輸送交通における課題と対策について、ぎふ清流国体推進局長にお伺いします。

 ところで、先ほど少し紹介させていただきました、国体では開会式や閉会式にも使用される岐阜県の顔とも言える岐阜メモリアルセンター長良川競技場については、「世界イベント村ぎふ」を構成する一施設であります。「世界イベント村ぎふ」とは、「スポーツ、文化、産業のイベントやコンベンションが歩いて行ける距離のエリア内で同時に開催できる世界にも例のない大型複合施設の集積群」と言われており、高機能・マルチユースの施設のエネルギーが一つになり、その新しい交流の舞台から情報の共有、共通の目的を持つ連帯感が生まれるところとされています。このような「世界イベント村ぎふ」という考え方については、過去にはよく使われていたと思いますが、岐阜市の関係で時々聞くものの、岐阜県の関係では最近全く聞きません。しかし、ある程度のまとまった地域が一体となってイベント等を行っていく、あるいはある程度のまとまった地域のイベント施設が互いに連携してイベント等を行っていくということは、岐阜を盛り上げていく上では大事なことであると私は考えています。

 さて、「世界イベント村ぎふ」については、国体云々に限らず、大きな大会やイベントがある際には交通が混雑いたします。つまり、世界にも例のない大型複合施設の集積群で恒常的に交通が混雑しているという、住民にとっては大変不便で厳しい状況にあると言えます。「世界イベント村ぎふ」周辺の交通事情については、道路が狭いという構造的な問題についても解決してほしいところではありますが、いろいろな方に伺いますと、県の所有する土地の一部である駐車場が封鎖されており、送迎等のために停車しているタクシーや車が道路にあふれざるを得ない、こんな状態になったときですら駐車場は開放されない、このことが交通渋滞を招いている大きな原因の一つであるという話をお聞きしました。特にメモリアルセンターの東側の第三駐車場においては、長良川国際会議場との位置関係からも渋滞解消には最適な場所と考えられますが、メモリアルセンター以外の利用者は高額の使用料を支払わなければ使用することはできないとのことです。しかし、メモリアルセンターが世界にも例のない「世界イベント村ぎふ」の中核的な施設であることを考えると、メモリアルセンターの駐車場はメモリアルセンターの利用者以外には厳しい制限がされているということについて非常に違和感があり、私としては運用の改善を求めるものであります。

 「世界イベント村ぎふ」のエリア内にある施設については、他のエリア内の施設がイベントを開催する際には、一時停車場として駐車場を無料開放するぐらいの計らいが欲しいものだと思っているところです。そこで、最も大きな課題であると思われるメモリアルセンターの駐車場の運用について、どのように考え、改善していくおつもりなのか、教育長にお伺いします。

 次に、教育関係で、大きく三点質問させていただきます。

 まず、教員の資質向上について伺います。

 岐阜県教育委員会によりますと、少し長いので要約して紹介しますが、「岐阜県の学校教育は、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童・生徒の育成を期して進め、学校・家庭・地域社会が一体となった開かれた学校づくりや、個性を伸ばす教育の充実によって活力のある児童・生徒の姿が多く見られるようになってきた。その一方で、社会の急激な変化等に伴い、児童・生徒の自立のおくれや問題行動の多様化、学習意欲や体力の低下など、さまざまな問題が生じており、各学校においては、健やかな体の育成を基盤として、自他の生命を尊重する心や規範意識を養うなど心の教育の充実を図るとともに、児童・生徒一人ひとりに確かな学力が身につくようにすることが求められている」とあります。

 このような状況の中で、県の教育委員会は、「一人ひとりに生きる力を育む指導をする」、「学校の教育目標の具現に徹する学校経営をする」、この二つを学校教育の方針として教育を進めておられます。このような教育委員会の取り組みは大変すばらしいことだと思いますが、こうした取り組みを進めていく上では、教育現場で、実際に児童・生徒の教育を行う教員の資質が欠かせません。

 ただ、教育現場での実態を見てみますと、講師が非常に多いという印象を持ちます。その多くを占める常勤講師について見てみますと、県内の小・中学校、高校、特別支援学校の教員に占める常勤講師の割合が約一二%、特別支援学校のみで見てみると、約三〇%とのことであります。これには、「団塊世代教員の大量退職でできた穴の一定数を講師で埋めることにより、年齢により偏りのある教員の構成のバランスをとる」、「特別支援学校の教員の志願者は横ばいであるが、児童・生徒はどんどんふえている」等の理由があることは理解していますが、仮に講師であっても、質の確保をし、資質の向上をすることは非常に重要なことであります。これは、講師がよくないという話をしているのではなく、教員のより一層の資質の向上が求められるということです。そこで、県の教育委員会では、現在の状況を踏まえ、教員の資質についてどのように考え、どのように向上に取り組むのか、教育長にお伺いします。

 次に、高校の定員について伺います。

 県の教育委員会においては、現在、高等学校入学者選抜制度、いわゆる入試の改善を進めているところであり、来年度、平成二十五年の入試から新制度を導入する予定であると伺っています。

 現在の入試制度は、平成十四年度の入試から導入されていますが、導入時には、「点数絶対主義ではなく、各学校ごとに一層多様な尺度で選抜を進めるべきである」、あるいは「すべての生徒に平等に、すべての高校を対象として複数の受験機会を与えるべきである」という考えが主流となったため、すべての学校において特色化選抜を導入し、一般選抜とあわせて実施することになり、現在に至っています。しかし、導入して十年ほど経過した今日において、現在の入試に対する意見を伺いますと、「特色化選抜で不合格となって一般選抜を受験することになる生徒が、心理的な負担感や劣等感を強く抱くことになってしまう」、「入試期間が長過ぎる」、「入試制度は本来シンプルであるのがよい」など否定的な意見が多くなってきたため、改善することになりました。

 改善内容の主な点は、特色化選抜と一般選抜を一つに集約して一本化するという内容で、一日目に全学校・全学科で県内統一の方法で選抜し、二日目に一部の学校・学科では学校ごとに独自の方法で選抜を実施するということです。

 以上が、今回の入試制度の改善に関して言われているところですが、今回の改善において、ほかに見過ごしてはいけない点があります。それは、学区制の緩和についてです。

 特色化選抜と一般選抜を一つに集約するということに隠れて余り話題にはなっていませんが、学区の緩和、具体的には普通科においても隣接学区を受験することができるようになるということで、これにより隣接学区、例えば西濃の生徒が岐阜の高校を受験できることになります。これは、受験生の選択肢が広がるのでよいというのが一般的な考え方だと伺っています。確かにそうした側面はあると思いますが、生徒が一部の高校に集中しないか、都市部へ流れるのではないか。具体的には、郡部の高校の定員割れがますます加速するのではないかという懸念もあります。そこで、隣接学区を受験できることによって生徒の流れがどのようになると考えているのか。また、そうした状況を踏まえて、今後の高校の定員のあり方についてどのように考えていくのか、教育長にお伺いします。

 次に、武道の必修化について伺います。

 この武道の授業については、昨年岩花先生が質問されましたが、今回はその安全対策についてお尋ねいたします。

 平成二十四年度から全国的に武道の授業が必修化になり、岐阜県においては、柔道が二十三校、剣道が百六十四校、相撲が八校で、来年度、保健体育の授業として実施されると聞いているところです。

 そもそも武道については、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という教育の目標が教育基本法に定められたことを受け、武技・武術などから発生した我が国固有の文化でありますこの武道が必修化されたものです。

 また、対人運動でもある武道は、相手の動きに応じて基本動作や基本となるわざを身につけ、相手を攻撃したり、相手のわざを防御したりすることによって勝敗を競い合う楽しさや喜びを味わう運動でもあり、武道に積極的に取り込むことを通して武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視する運動であるとされています。このような武道の学習を通して歴史や文化を体験し、礼を学ぶことによって他人を思いやる心や感謝の心、そして日本の伝統的な行動規範を身につけることが期待されるわけですが、安全面からの不安も保護者等の関係者からは多く聞かれるところです。

 武道の中でも、特に柔道につきましては、安全面からの不安を多く聞くところであり、部活動も含めて、近年、我が国の中学や高校で多くの死傷者が出ているところです。柔道を学んだ方にお聞きしますと、とにかく受け身が基本であり、受け身を覚えるまでは次の立ちわざや寝わざに移るべきではないとのことであり、岐阜県の教育現場でもぜひこのことは徹底していただき、場合によっては柔道の授業はすべて受け身でもよい、それぐらいの気持ちで、安全な授業を実施していただきたいと思います。

 また、武道については、指導者の確保も重要な問題であります。特に柔道につきましては、二十三校で実施するとのことで、二十三人程度は柔道を本格的に学んだ体育教員がいるのかもしれませんが、学校の規模や教員配置の状況によっては、柔道を本格的に学んだ体育教員が配置されないこともあり得、つけ焼刃的に柔道を学んだだけで生徒に柔道を教える教員が出てくる可能性も否定できません。そこで、柔道も含めた武道の授業における安全面での対策をどのように講じ、指導者の育成はどのように行い、どの程度のレベルになったのか、教育長にお尋ねします。

 昨年の岩花先生の質問には、「警察官OBや地域の社会人指導者の協力を得るよう、各学校に働きかける」と答弁されましたが、そんなことでよいのでしょうか。先ほどから話していますとおり、柔道は大変危険なスポーツであり、その授業においてはきちんとこのことを理解した上で実施してほしいところであります。そこで、専門指導者の確保について今後どのような対応を考えているか、教育長にお尋ねします。

 最後に、笠松競馬について知事にお尋ねします。

 笠松競馬についは、いろいろなことがありますが、調教師、騎手、厩務員、従事員、組合職員等、ここで働くすべての人が、賞金、手当、給与の大幅なカットなど血のにじむようなコストダウンを行いながら、ぎりぎりのところで必死で頑張っているところで、私も機会あるごとにそのことを訴え、知事にお伺いしているところです。

 今年度においても、一昨年に一たんは消滅したかと思われた岐南町のボートピア問題が再燃し、試練として立ちはだかったわけですが、知事から「笠松競馬構成団体の長といたしましては、ボートピアの設置は現状では笠松競馬にとって好ましいものではない」、つまり「賛同しかねる」という明確な答弁をいただきました。その効果であると思いますが、岐南町議会においても請願が不採択となり、この問題を乗り越えることができました。しかし、この話は、笠松競馬に決定的な打撃を与える外的要因を回避できたというだけにすぎず、これによって笠松競馬の売り上げが上がるというものではありません。結局のところ、笠松競馬の売り上げは、経営者でもある管理者がいかに売り上げを伸ばす策を実行できるかにかかっているわけです。

 前回登壇したときの予告どおり、本日は、このような視点から知事に伺いたいと思います。

 笠松競馬については、毎年、この時期になりますと、今年度の決算の見込みはどうか、来年度の見通しはどうかということが話題になり、私も大変気にするところです。今年度においても、荒尾競馬の廃止、名古屋競馬が廃止を含め検討され始めたりと、地方競馬を取り巻く状況は大変厳しいものとなっております。

 そのような状況の中で、笠松競馬については、今年度、二〇一一年度の決算においては、馬券発売額は昨年度を下回る見込みであるとのことですが、経費の削減に努めたことで何とか単年度収支の赤字は回避できそうであるとお聞きしており、今年度のこの状況には、ひとまずほっとしているところです。また、今年の十月からは、日本中央競馬会のインターネット投票会員に対する笠松競馬の馬券の販売も始まる予定であり、来年度についても歳入増が見込めるといった明るい話もあります。賞金・手当のカットは来年度も継続されそうで、まだまだ予断を許さない状況ではありますが、長い間、悲鳴ばかりが聞こえてきた笠松競馬にも、ようやく明るい話題が出るようになり始めており、ここは頑張りどころだと思っております。

 県におかれては、払い戻し率の引き下げや地方競馬活性化事業の延長など、笠松競馬の収支の改善に関する動きをしていただいているところで、感謝申し上げます。こうした県の動きには感謝するところではありますが、明るい話題も出てきている笠松競馬においては、支出の抑制ばかりではなく、売り上げを伸ばす策も実行したいところです。競馬の売り上げとは馬券を売ること、購入者に買っていただくということですので、馬券を買う人の立場、視点に立った策を講じることが必要と考えます。

 友人たちもよく言っていることで、私も笠松競馬に訪れると感ずることでありますが、中央競馬と比べ、夏は暑く、冬は寒いということです。特に冬場においては、天井から電気ストーブをつけるなど、何も対策をしていないとは申し上げませんが、どちらかといえば頭より足元を温めてほしいと思う人は少数ではないと思います。また、馬券売場は吹きさらしになっているところが多く、密閉するまではいかないまでも、簡易のつい立てやカーテンを設置するだけでも違うのではないか、寒さ対策になると思っています。また、臨場感あふれる大画面も欲しいところです。笠松競馬においては、小さなテレビ、モニターはたくさんありますが、大画面が全くなく、馬券を買う人の視点からすると、特に他場の馬券を購入する意欲がわきづらいという面があります。他場の馬券販売については、今後、今以上に重要になっていくことも考えられることから、大画面の設置も必要と思っています。

 購入者の視点という意味では、強い馬づくりということも重要なわけですが、オグリキャップほどではないにせよ、ラブミーチャンという中央競馬の重賞でも互角に戦える強い馬が出現するなど、少ない賞金・手当の中で現場はよく頑張っておられます。

 今述べさせていただいたようなことは、ほんの一例といいますか、私が感じていることにすぎませんが、県におかれては、ほかにもいろいろなことを考えておられ、策を実行していかれるものと信じています。そこで、来年度以降の笠松競馬の展望について、売り上げを伸ばしていくために、県としては何を考えているのかも含め、知事にお伺いします。

 笠松競馬を取り巻く環境は、わずかかもしれませんが、上向いているものと思われます。また、これからさらに上向けていかなくてはなりません。知事の前向きな答弁をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうに四点お尋ねがございました。

 まず、来年度の当初予算及び今後の県財政の見通しについてでございます。

 一部、午前中と重なるところがあろうかと思いますが、平成二十四年度予算は行財政改革アクションプランの最終年度の予算ということでございますが、約二百八十億円の財源不足を、歳出削減、人件費削減、そして歳入確保対策により何とか補い、同時に県政の諸課題にも対応し、厳しい財政事情にあっても、県政全般に目配りをしたバランスのとれた予算編成を心がけてきたところでございます。

 そうした中でも、とりわけ未曾有の大災害となった東日本大震災などを踏まえて取り組む緊急輸送道路の橋梁耐震対策、災害医療救護体制の構築などの防災・減災対策、円高の影響を受ける中小企業への積極的な支援はもちろんのこと、円高を生かした海外での事業展開や高い利益が期待される高品質な商品・サービスの提供に対する支援など、激変する経済情勢に対応した活力ある産業・雇用の構築、そしてぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催を通じた岐阜県のさらなる発展といった、県民の関心が高い重要な課題には、的確に対応したいと考えたところでございます。

 議員のほうから御懸念をいただきました民生費及び衛生費の六十八億円の減少ということでございますが、これは国補正予算関連の基金を活用した施設整備が終了したこと、あるいは介護職員の処遇改善事業が介護保険制度の中で対応されることになったことなどによる国補正予算関連の基金事業の減少、さらには下呂温泉病院建てかえのための用地購入費が来年度は不要となること等々ございまして、こうした要因を除きますと、むしろ民生費、衛生費は約三十二億円の増加ということでございます。内容的に見ましても、希望が丘学園の再整備、岐阜県総合医療センターの障がい児病棟の整備に取り組むとともに、医療や介護を支える人材の育成・確保、障がいのある方への支援、地域医療の充実などに取り組んでおるところでございます。

 なお、特別会計の予算額も約二〇%増加しておりますけれども、これは公債管理特別会計におきまして、過去に発行した県債の借りかえが増加するということによるものでございます。

 また、今後の県財政の見通しにつきましては、これまで三年間、行財政改革アクションプランの取り組みを進めてきた結果、平成二十五年度以降は、ここ三年間のような多額の財源不足が生じるということにはならないだろうというふうに見込んでおります。将来への道筋が見え始めたというところでございます。今後、歳入見込み、歳出のあり方をさらに精査をいたしまして、来年度のしかるべき時期に、平成二十五年度以降三カ年の新たな中期の財政運営の見通しをどのように策定できるか、検討してまいりたいということでございます。

 それから、被災地の瓦れき処理の問題でございますが、これはほぼ同じ御質問でございますので、午前中の答弁と重複いたしますが、岩手県、宮城県の瓦れきの早期処理のためには、国として広域処理が必要であるというふうに考えておられるというふうに理解しておりますけれども、その受け入れにつきましては、あくまでも処理施設を有する市町村の判断が尊重されるべきものであるということでございます。しかしながら、現在、県下の市町村におきましては、受け入れを検討している市町村はないという状況にございます。これは、現時点では、安全基準、安全性の確保を初め、全体の具体的処理スキームが十分明らかにされていないということによるのではないかというふうに見ております。したがいまして、住民の不安が払拭されるよう、まずは国から広域処理の基本方針、具体的処理方法、特に安全性の確保について十分に御説明いただくとともに、これに対して、処理施設を有する市町村側の状況やお考えをしっかりとお聞きすることが不可欠でございます。県といたしましては、国と市町村の橋渡し役として、処理施設を有する市町村へ先行事例や実証データ情報を提供するとともに、国による市町村を対象とした説明会等の早期開催を促してまいりたいというふうに考えております。

 次に、清流国体への意気込み、決意ということでお尋ねがございました。

 まさに本年、国体イヤーが始まったところでございます。前回開催されました昭和四十年国体、これは県内二十の市町村で三十一競技が開催されております。これに対しまして、今回のぎふ清流国体は、冬季大会も含めまして正式競技三十九競技、公開競技二競技、デモンストレーションとしてのスポーツ行事三十二行事、ぎふ清流大会では正式競技十三競技、オープン競技三競技ということで、県内全四十二市町村で八十九の競技が開催されるということでございまして、前回に比べますとかなり大規模な大会運営ということになるわけでございます。

 午前中の答弁でも申し上げましたけれども、冬季大会の結果といたしましては、円滑な競技会の運営、会場の盛り上がり、県選手団の活躍、いずれをとりましても多くの県民・市民の手により大成功をおさめ、すばらしいスタートが切れたというふうに考えております。私も、県選手団の激励式、競技会の開始式に出席するとともに、競技会場にも赴きまして感動と喜びを多くの観客の皆さんとともに感じたところでございます。この冬季大会の好評価を本大会に積極的に生かすとともに、県内各地から、両大会の開催を機にきずなづくりや地域づくり、地域振興につなげたいという声も湧き上がっております。

 また、海外からもいろんな声がございまして、先般、タイのバンコクを訪問させていただきましたが、タイの岐阜県人会の方から、ふるさと岐阜で開催される国体に赴き、ともに応援することで、きずなをもう一度見直したいというお話もございましたし、それから香港、南カリフォルニアの県人会の方からも、はせ参じたいというお話しもいただいております。同様のお話は、関西の県人会からもお聞きしておりまして、国体の開会式に御案内を申し上げた上で、しっかりとしたおもてなしをしたいというふうに考えております。そのほかに、友好関係にあります中国の江西省からは太極拳演舞訪問団にお越しいただき、大会を盛り上げていただく予定になっております。

 県といたしましては、県民総参加、天皇杯・皇后杯の獲得などの目的・目標を達成することはもちろんでありますが、農政、林政、観光などのあらゆる分野で両大会の開催を契機とした地域づくり、地域振興を進めるとともに、岐阜県民のきずなづくり、岐阜県出身者とのきずなの再発見を進めていきたいと思っております。そして、六年前の全国植樹祭、一昨年の全国豊かな海づくり大会を通じて推進してまいりました「清流の国ぎふ」づくりの集大成として、何としても両大会を成功させ、岐阜の未来づくりにつなげてまいりたいと考えております。あわせて、東日本大震災を踏まえ、日本再生のシンボルとなるような大会にしてまいりたいと思っております。

 最後に、笠松競馬の来年度以降の展望についてお答えを申し上げます。

 まず、今年度収支でございますが、馬券発売額が昨年度を二億円程度下回り、過去最低の百九億円程度になるのではないかというふうに見込んでおりますが、競馬関係者の大変な御努力、御協力の結果、単年度収支では何とか収支均衡を保てるのではないかということでございます。しかしながら、実質収支では約一億円に近い赤字ということでございまして、大変厳しい状況に依然としてあるわけでございます。これを踏まえた上での、来年以降の見通しでございますけれども、楽観できない危機的な状況は何ら変わっていないというふうに認識をしております。

 ただ、こうした中にも、議員も言及されましたが、若干の明るい兆しも見えてきておるということでございます。

 その一つが競馬法の改正でございまして、御案内のように的中者への払戻金の率の引き下げ、地方競馬活性化事業の延長といったことを行うための改正法案が、今国会に提出されております。この追い風を生かして、売上向上対策として、地方競馬活性化事業により本場等で馬券を買いやすい環境を整えていきたいというふうに考えておるところでございます。こういう観点からは、今年度も、本場やシアター恵那などのモニターを見やすい液晶デジタルに交換いたしましたり、あるいは短時間で馬券を購入できる券売機を導入するということもやっておりますし、冬場の寒さ対策として、本場の馬券売り場の一部ではございますが、プラスチック製の遮熱カーテンを設置するなど、馬券発売額の増加につなげるための整備を行ったところでございます。また、レースの魅力を高めるためには、競走馬が走りやすい馬場環境を整える必要があることから、十三年ぶりの馬場改修や、トラクターの更新も実施しておりますが、今後も、財政状況を勘案しながら、できる限りの対策を講じてまいりたいというふうに考えております。

 もう一つの明るい兆しは、十月からJRAのインターネット会員への地方競馬の馬券販売が始まるということでございます。これがどの程度の売上増加につながるかは、ふたをあけてみないと正直わからないわけでございますが、新たな笠松競馬ファンの獲得につながるものと、私としても大きな期待を寄せておるところでございます。

 本場等での馬券発売額が一貫して減少していく中で全体の売り上げを伸ばしていくためには、このJRAとの提携、あるいは他の競馬場とのネットワーク、インターネットなどの活用を拡大することがかぎになるのではないかというふうに思っております。既に、今年度から名古屋競馬場と年末年始の開催日程の調整を行っておりますし、川崎競馬場での笠松競馬の馬券販売も始めておるところでございます。今後も、こうした他場との連携をさらに強化してまいりたいと思っております。

 また、インターネットでの売り上げが過去三年間で三七%も増加しておるということでございますので、魅力あるホームページの構築などインターネット戦略を強化し、笠松競馬をこういった点からも積極的にアピールをしていきたいというふうに考えております。こうした売上向上対策により新たな展望を開き、笠松競馬存続、さらには発展のために全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。



○副議長(足立勝利君) 環境生活部長 坂 正光君。

    〔環境生活部長 坂 正光君登壇〕



◎環境生活部長(坂正光君) 地域のきずなの再生について御質問がありましたので、お答えさせていただきます。

 国体の成功に向けて心を一つに協力し合い、おもてなし活動に取り組むことは、県民の皆さんの地域でのつながりをはぐくみ、住民同士が支え合う地域コミュニティーの再生につながるものと考えております。御紹介もありましたように、冬季大会を機に、県内各地でおもてなし活動がさらに広がっていくよう、おもてなし見学バスツアーを開催したところであります。

 バスツアーの参加者からは、「秋の本大会に向けて士気が高まった」との声や、「今後もおもてなし活動に取り組む地域同士で交流できる機会があるとよい」といった御意見をいただいたところであります。今後、秋の本大会に向けて、県内各地で国体のおもてなし活動に取り組む皆さんの交流・ネットワークづくりに役立つ意見交換会の開催や、活動のきっかけづくりや充実に向け、国体推進局とも連携し、県ホームページ等において、おもてなしの先進的な活動事例を広く紹介する取り組みを行ってまいります。

 また、国体後もそうした地域の盛り上がり、経験、つながりが地域の支え合い活動へと発展するよう、地域からの相談に応じるほか、コーディネーターの養成などの人材育成や活動の支えとなるアドバイザーやサポートチームの派遣など、地域のニーズに応じた支援を行ってまいります。



○副議長(足立勝利君) 健康福祉部長 近田和彦君。

    〔健康福祉部長 近田和彦君登壇〕



◎健康福祉部長(近田和彦君) ぎふ清流大会を通じた障がい福祉の取り組みについてお答えをいたします。

 まず、障がい者の方々の社会参加の機会をふやすため、ふだん外出が難しい重度障がい児・者とその家族を国体や大会の会場に招待し、選手の応援や交流ができるよう支援いたします。また、国体・大会に向けた授産製品による土産品の企画開発、共同販売を支援することにより、そのブランド化や商品力の強化を図り、就労支援事業所等を利用する障がい者の工賃アップにつなげてまいりたいと考えております。

 一方、清流大会を障がい者に優しい福祉のまちづくりの契機とするため、既にバリアフリー対策を実施している競技施設に加え、大会参加者が期間中に利用する施設について、会場地市町に補助金を交付し、バリアフリー環境の整備を促進してまいります。具体的には、障がい者用トイレヘの改修、スロープの設置、視覚や聴覚に障がいのある方のための情報支援機器の導入などを図る予定です。整備に際しましては、障がい者団体や競技関係者の御意見を伺い、大会終了後においても、障がい者スポーツの振興や社会参加に資するよう配慮してまいります。

 また、選手団にできる限り快適に宿泊していただくため、入浴や就寝時に活用できるシャワーチェアや浴室用マットなどの補助用具を宿泊施設に配布することとしております。これらの用具は、大会後、宿泊施設で引き続き活用していただきます。

 さらに、大会において活用できるよう、障がい福祉団体が実施するリフトつき大型バスの導入促進事業に対しても支援をしてまいります。

 いずれの事業も、大会終了後も活用され、障がい者に優しいまちづくりに寄与することを目指してまいります。



○副議長(足立勝利君) 商工労働部長 江崎禎英君。

    〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) 私には、産業・雇用問題について三点の御質問をいただきました。

 最初に、中小企業支援策についてお答えをいたします。

 県制度融資における資金繰り対策の中心であります経済変動対策資金の融資実績につきましては、東日本大震災後の一時的な増加を除き、リーマンショック後、一貫して減少しております。

 この背景としましては、人口減少や経済活動のグローバル化に伴い、従来型の取引形態では売上拡大が見込めない中で、運転資金を確保しながら景気低迷期をしのぐという手法が必ずしも効果的ではなくなっているという事情があるものと考えております。こうした状況下では、中小企業みずからが商品の魅力を消費者に伝えるなど販売力を高め、新たな販路を開拓するとともに、消費者の購買意欲を引き出す商品開発力、さらには他社に負けない技術力などの「稼ぐ力」を強化していく以外に事業の維持・拡大を図ることは難しく、県としてはこの点に政策の力点を置いております。具体的には、商品PR力の強化を念頭に置いたインターネット販売の支援を初め、商品力・販売力の向上に向けて、首都圏や名古屋圏のセレクトショップと連携したテストマーケティングやワークショップを行ってまいります。

 また、技術力の強化に向けて、大手メーカーとの共同開発に向けた新技術勉強会の開催、さらには海外マーケティングの拠点づくりなどにも力を入れてまいります。

 次に、求職者支援についてお答えをいたします。

 県では、若年者、中高年齢者、女性、さらには障がいをお持ちの方など、すべての求職者がその能力を生かして働くことができる社会を実現するため、人材チャレンジセンターや求職者総合支援センターなどにおいてキャリアカウンセリングを実施するなど、ハローワークに比べましてきめ細かく継続的な就労支援を行っております。この結果、人材チャレンジセンターでは、本年一月末現在の就職決定率が七割以上という結果も出ているところであります。来年度は、引き続き人材チャレンジセンターにおきまして、若者や女性を中心とした求職者支援を行うほか、ジョブステーションを新たに設置し、生活安定と就職に関する相談などに加え、県独自の求人開拓や職業訓練受講者への支援についての機能強化も図ってまいります。

 また、御指摘の緊急雇用創出基金事業につきましては、基金残高の制約から予算規模は縮小しますが、実践的な人材育成プログラムを組み合わせた地域人材育成事業を重点的に展開することによりまして、安定的な雇用確保に努めてまいります。

 さらに、職業訓練につきましては、新たな訓練コースを設定し、四百名以上の定員枠を増加するなど、求職者の再就職支援に関する取り組みを強化することとしております。

 最後に、キャリア教育についてお答えをいたします。

 若年者層に対します就職支援を行うに当たりましては、就職先として地域の中小企業よりも都市部の大企業を望む傾向が根強いということに加えまして、あいさつを初めとするコミュニケーション能力が低いことや、職業意識・職業観の未熟さといった課題が指摘されているところでございます。とりわけ、職業意識や職業観といった問題は一朝一夕に身につくものではなく、子供のころから物づくりやサービスの現場を身近に感じ、その魅力に触れることにより、働くことへの理解・意欲を高めることが必要です。特に議員も触れておられましたが、子供の発達段階に応じて継続的・計画的に社会に触れる機会を提供することで、幅広い職業観を養うことが重要であると考えております。具体的な取り組みとしましては、小・中学生を対象に身近な地域の商店街や町工場の協力を得まして職業体験を行う地域資源活用型職業観醸成事業を実施いたします。さらに、「社会人養成塾」キャリア教育実践事業といたしまして、高校生には、社会人講師を派遣し、熟練技能者のわざを学ぶ機会などを提供するとともに、大学一・二年生を対象に、より実践的な就業体験を行う一カ月以上の長期インターンシップを実施する取り組みも進めてまいります。以上です。



○副議長(足立勝利君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 雪対策についてお答えします。

 この冬の雪の状況につきましては、郡上地域、飛騨地域などでは平年並みとなっていますが、関ケ原観測所における二月末時点の累加降雪深は四百二センチメートルを記録するなど、特に西濃山間部では平年に比べ二・三倍と大雪になっています。

 除雪業務につきましては、今年度は地域の建設業者など四百八十二社に委託していますが、休日・夜間を問わない厳しい作業環境から、受託業者は昨年度と比較して十一社減少したため、既存業者の除雪範囲を拡大して対応しているところです。しかしながら、除雪業者が減少すると、道路交通の確保がおくれ、産業活動や県民生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。このため、県としましては、平成二十年度から産学官で構成する除雪研究会を立ち上げ、除雪作業の効率化や実際に要する除雪経費などを検討し、これまでに除雪情報の自動配信、作業員の待機料や試運転費の計上、総合評価における加点など、地域の建設業者が継続的に除雪作業を実施できるよう改善してまいりました。さらに、今年度から新たに降雪量の少ない県南部地域において、除雪機械の固定経費の一部を積算に盛り込んだところです。今後も、地域の建設業者が継続的に除雪作業を行えるような措置を講じ、県民の安全、安心の確保に努めてまいります。



○副議長(足立勝利君) ぎふ清流国体推進局長 武藤鉄弘君。

    〔ぎふ清流国体推進局長 武藤鉄弘君登壇〕



◎ぎふ清流国体推進局長(武藤鉄弘君) 国体・障がい者スポーツ大会に関し、二点の質問をいただきました。

 最初に、ぎふ清流大会を通じた障がいに対する理解の促進と障がいのある方の大会への参加促進についてお答えします。

 選手として積極的に参加いただくとともに、国体・大会を通じ、できるだけ多くの障がい者の方に参加いただけるよう、現在、開会式や閉会式における演技やアナウンサーとしての出演や運営を支えるボランティアとしての参加のほか、おもてなしコーナーにおける授産製品の販売の準備なども進めております。また、障がい者の方がスポーツに取り組む姿から勇気や希望を持っていただけるよう、できるだけ多くの方に開・閉会式の観覧や競技観戦をしていただけるよう、関係者に働きかけを行っているところでございます。

 あわせて、障害者スポーツ大会を安全で円滑に開催するため、各県選手団をサポートするボランティア、競技運営を担う競技団体や高校生など計八千人を超える方々に御協力をいただくほか、福祉教育をテーマとした授業の中で、小学生による全参加選手への応援メッセージカードの制作、あるいは高校生による歓迎のぼり旗の制作を行っているところでございます。また、国体・大会を広くPRするイベントなどにおきまして、障がい者スポーツを体験する機会や障がい者競技の紹介を積極的に行っていくこととしております。こうした活動や取り組みを通じ、障がいに対する理解と障がいのある方の大会への参加促進を図ってまいります。

 次に、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会における輸送交通についてお答えします。

 九月二十九日から十月十五日の国体・障害者スポーツ大会開催期間中は、県内外から約八十万人の交流人口が見込まれることや、周辺道路が狭い会場もあることから、各競技会場周辺においては交通混雑が予想されます。とりわけ、岐阜メモリアルセンターで開催する九月二十九日の国体総合開会式には四万人、十月十三日の障害者スポーツ大会の開会式には三万人を超える参集が見込まれます。したがいまして、早朝から相当混雑するのではないかということを想定しております。また、ロンドンオリンピックや全国高校野球選手権大会の結果によりましては、さらに混雑する競技会場もあると思われます。このため、県民の皆様に対して早目に交通混雑の予測や交通規制の情報提供を行うこと、公共交通機関の利用促進やマイカー自粛のお願いを広報すること、開催期間中の会場周辺の道路情報をリアルタイムで提供すること、会場近郊に臨時の駐車場を確保して、パーク・アンド・バスライド方式を採用することで交通総量を抑制してまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、県民の皆様の御理解と御協力を得て、交通混雑を緩和してまいりたいと考えております。



○副議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 六点の御質問がございました。

 最初に、キャリア教育に対する考え方と学校における取り組みについてお答えいたします。

 キャリア教育とは、児童・生徒一人一人が社会の一員としての役割を果たすとともに、変化の激しい時代の中で自立して生きていくために必要な能力や態度を育てる教育であり、各学校段階で児童・生徒の成長過程に応じた取り組みが必要であると考えております。

 本県においては、小学校では、工場や消防署等の職場見学などの学習を行い、働くことの大切さや苦労が理解できるようにしております。中学校では、すべての生徒が職場体験学習を行っており、勤労のとうとさや意義を理解し、将来の職業を考えるきっかけとしております。また、高等学校では、社会人による職業に関する出前講座やインターンシップなどを通じて、自分の力を発揮して社会に貢献できる勤労観・職業観を身につける機会を設けております。さらに、新年度には、普通科高校を中心に、進路選択に関する支援の専門家であるキャリアカウンセラーを配置する事業を新たに実施する予定としております。

 今後も、地域や企業の協力を得ながら、児童・生徒の社会的・職業的自立を重視したキャリア教育を一層進めてまいります。

 次に、高等学校における就職状況及び就職支援策についてお答えいたします。

 高校生の就職状況につきましては、東日本大震災の影響もあり、経済の先行きが不透明なことから、大変心配しておりましたが、本県では、昨年末の高校生の就職内定率は前年度に比べ一・二ポイント上昇し、全国平均を約十ポイント上回る九〇・一%となりました。これも、各学校がきめ細かい進路指導に努めた結果であるとともに、県教育委員会と関係諸機関が連携して実施した県内経済団体への求人要請、県内企業約八十社が参加する合同説明会の開催、就職未内定者に対する早期からの就職相談体制の整備等の支援策が功を奏したのではないかと考えております。また、今年度は、企業訪問による求人開拓や生徒の面接指導を行う就職指導員を昨年度の五名から十四名に増員し、就職希望者の多い県立高校に配置いたしました。とりわけ普通科高校や定時制高校では、顕著な成果があらわれております。今後も、このような取り組みを通して、一人でも多くの高校生が希望する進路に進めるよう積極的な支援に努めてまいります。

 続きまして、岐阜メモリアルセンター駐車場の運用についてお答えいたします。

 岐阜メモリアルセンター内には、現在、第三駐車場を含め四カ所、五百九十六台分の有料駐車場を設置しており、利用料金等につきましては、岐阜県都市公園条例に規定し、センター利用の有無に関係なく御利用いただいているところです。第三駐車場につきましては、一台ごとに料金をいただくのではなく、イベント主催者等に対して駐車場全体を一括で貸し出しており、主にセンターで開催される各種イベントのスタッフの駐車場や、またシャトルバス発着場などとして御利用いただいております。

 センター周辺の交通混雑については、周辺施設も含めた大規模イベント開催時の開始時や終了時に発生することがあり、県といたしましては、路線バスの増便やシャトルバスの運行を実施するとともに、イベント主催者を通じて公共交通機関の利用を呼びかけるなど、交通混雑の解消に取り組んでいるところでございます。交通混雑解消への取り組みは、近隣住民の方々への配慮はもとより、センター等を御利用いただいた皆様が気持ちよく帰途についていただくためにも必要であり、駐車場の運用見直しについても、周辺施設の御意見も伺いながら検討していきたいと考えております。

 次に、教員の資質向上について、特に常勤講師に焦点を絞ってお答えいたします。

 正規教員と同様に、常勤講師についても質の確保と資質の向上を目指していくことは大切なことであると考えております。そのため、岐阜県総合教育センターや各教育事務所において研修を実施しておりますが、勤務校においても校内研修の充実を図っております。特に経験の浅い講師には、児童・生徒の気持ちをつかみ、わかりやすい授業ができるよう、初任者と同様、教頭や教務主任などが指導教員となり指導しております。これからも、ベテラン教員などが子供に対する接し方や学級をまとめていく手順を丁寧に指導したり、日々の授業を参観し、授業の進め方を教えたりする体制づくりを進めてまいります。

 次に、高等学校入学者選抜の学区と定員についてお答えいたします。

 入学者選抜における出願可能な学区につきましては、学校選択幅の拡大を図るため、平成十四年度から特色化選抜の普通科において隣接学区からの出願を認め、平成二十二年度からその募集人員の上限を二〇%から五〇%にいたしました。そうした中、例えば岐阜学区では、入学定員に占める隣接学区からの出願者の割合は二%から三%の間で推移しており、募集人員の増加による大きな変化は見られません。そのため、新制度実施後も、現在よりも大幅に増加することはないであろうと予想しておりますが、今後の入学定員については、生徒の志望動向をより一層注視しながら適正に設定することが重要であり、市町村単位の中学校卒業予定者数の増減をもとに、高校や学科の適正配置という観点を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

 最後に、中学校における武道の必修化についてお答えいたします。

 学習指導要領の改訂により、中学校では男女とも必ず武道を履修することになり、来年度、柔道を実施する予定の中学校は全百八十七校中二十三校、そのうち二十一校につきましてはこれまでも柔道の授業を行っている状況でございます。

 県教育委員会では、武道必修化に向けて、安全確保の必要性を踏まえ、平成二十一年度から武道の指導者講習を計画的に実施してきたところです。柔道の講習会では、相手を尊重する精神を十分理解させ、互いの安全に配慮して活動させることを重視し、生徒の安全を最優先にした受け身や投げわざの指導方法を研修してきました。このような状況から、県内の体育教員については安全に配慮した指導ができるレベルに達しているものと考えております。

 なお、安全対策の徹底を図るため、現在、岐阜県柔道協会の協力を得ながら指導資料を作成しており、今月中に中学校及び高等学校に送付する予定でおります。また、専門指導者の確保につきましては、学校が希望する場合に速やかに紹介できるよう、岐阜県柔道協会と検討を進めているところでございます。



○副議長(足立勝利君) 警察本部長 太田 誠君。

    〔警察本部長 太田 誠君登壇〕



◎警察本部長(太田誠君) 私には、三点の御質問をいただきました。

 まず、警察施設の改築についてお答えをいたします。

 当県の警察施設は、警察署二十二、本部施設十八の合計四十の大型施設のほか、二百二十四の交番・駐在所を有しておりますが、昭和三十八年建設の運転免許試験場、昭和四十二年建設の高山警察署を初め、築後四十年以上経過する警察署がこれから毎年のように増加していくことが見込まれ、交番・駐在所にあっても、現時点で三十二カ所が既に耐用年数を超過しており、これもまた今後さらに増加が見込まれるなど老朽化が進んでいる状況にございます。また、警察官の増員等により狭隘化が顕著な施設も見られます。

 さらに、耐震性能の面では、九警察署の十棟、本部施設は三施設四棟、合わせて十二施設十四棟が耐震性能が欠如しているという判定を受けておりまして、震災発生時の警察機能を維持するため、警察署によっては市や町の耐震性のある施設を一時借用する協定を締結しているところもあるという状況にございます。

 議員御指摘の岐阜北警察署につきましては、非常に厳しい財政状況の中、耐震性能と、それから留置施設などの警察特有の特殊設備について、まず確保した上で、必要最小限の執務室等の床面積を確保すべく、やりくりに努めて設計したという事情があることは否めず、建設の予算単価は一平方メートル当たり二十四万七千円と、同規模のほかの県で最近建設された複数の警察署と比較しましても、三割以上低価格での建設となっているため、議員御指摘のような印象を受けられたものと考えております。

 今後の警察施設整備の課題といたしましては、まず防災拠点としての機能の確保が上げられます。耐震性能はもとより、東日本大震災の教訓に照らしても、住民の一時避難場所や応援派遣される警察部隊の活動拠点として利用できる施設が必要でございます。この際、御指摘のように、来庁される一般市民の方々に適切に対応できる設備も考慮する必要があると考えております。

 また、冒頭申し上げましたように、改築を要する施設が今後急激に増加することから、各年度にできるだけ平準化して改築が適切なペースで進むよう配意するとともに、建物については長寿命で、維持コストの低い施設を建設して、トータルコストの節減にも努めなければならないと考えているところでございます。

 県警察としては、こうした点を踏まえ、財政状況も考慮しつつ、警察施設の整備計画について適切な見直しを図り、計画的な整備に取り組んでまいる所存であります。

 次に、警察官の資質の向上についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、県警察では大量退職に伴う世代交代が進み、毎年多くの若手警察官が現場に配属されておりますが、警察力を強化していくためにも、これら若手警察官の執行力強化を重要な課題として取り組んでいるところです。特に、現場において実践経験を積ませて鍛えていくことが極めて重要と考えておりまして、新たに採用した警察官については、県警察学校での基礎的な教育訓練の後、一線警察署に配置いたしますが、その一人一人に経験豊富なベテラン中堅警察官を指導員として充て、マンツーマン指導による実習を行っているところでございます。さらに、実習終了後も、職務質問の現場を想定した訓練など実戦的訓練を繰り返して行い、執行力の一層の強化に努めております。

 また、ベテラン捜査員と若手警察官をペアにして勤務させる制度の運用や、捜査経験豊富な退職警察官を再任用して、若手警察官の間近で学ばせるなど、これまで培われてきた捜査技能の伝承にも配意しているところでございます。

 今後とも、教育訓練を一層充実・強化して、警察官の資質向上に努め、県民の期待と信頼にこたえる県警察の構築に向け、努力してまいる所存でございます。

 最後に、ヘリコプターによる山岳救助活動についてお答えをいたします。

 お尋ねの事案につきましては、本年一月三日、北アルプスのジャンダルムの標高二千八百五十メーター付近で三人のパーティーが動けなくなったとの救助要請を受け、県警航空隊が出動したものでございます。当時、県警ヘリは整備中であったため、県と連絡をとり合った上で、県防災ヘリ若鮎?号を使用いたしました。現地は、気象条件が非常に悪く、機会をうかがいつつ、わずかな機会をとらえて二人を救助した後、三人目の救助にかかった折、突然下降気流とガスが発生してまいりましたので、その危険を回避するため、一時救助を中断せざるを得なくなりました。この際、ホイストでつり上げていた隊員が遭難者の方と接触したため、滑落という事態に至りましたが、直ちに再度救助を行って収容し、無事帰投したものであります。

 遭難された方は、自力歩行されるなど非常に元気な状態でありましたけれども、その後、打撲や切り傷といった負傷が判明したため、救助時の状況を県警としてつぶさに精査いたしました結果、航空事故に当たる可能性があると判断に至りましたので、その時点で直ちに県及び関係機関へ報告・連絡をいたしました。結果的に、今回の事案ではヘリの機体に異常がなく、遭難者も大事に至らず救助することができて感謝の言葉をちょうだいし、また国土交通省からも、これは航空事故には該当しないという回答をいただいているところでございます。

 しかしながら、いかに厳しく困難な状況下で活動するとはいえ、このような事案を再発させないことが極めて重要でございまして、県警察としては、救助技術や装備のさらなる向上に努めるとともに、また県との連携という点についても、より一層迅速かつきめ細かな情報交換に配意してまいりたいと考えております。



○副議長(足立勝利君) 七番 郷 明夫君。

    〔七番 郷 明夫君登壇〕(拍手)



◆七番(郷明夫君) 議長から発言の機会をいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。

 今回、私は過疎地域の地域振興について、県執行部の基本方針を中心にお聞きをいたします。

 過疎地域とは、「産業が少ない」、「安価かつ短時間で都市との間を結ぶ交通網がない」、「若者が地域外に流出し、人口が急激かつ大幅に減少している」、「地方税収が少なく財政力が弱い」などの地域のことをいい、国が過疎法に基づき指定をしているものでございます。県内では、岐阜県南部、東部の都市部と本巣市、旧八幡町、旧大和町、旧白鳥町、旧国府町、旧高山市などを除く十四市町村が過疎地域に指定されています。県内の過疎地域は、面積で県の五六%を占めていますが、人口では八%を占めるにすぎません。また、六十五歳以上の高齢者の割合については、県全体の二四%を大幅に上回る三四%となっています。

 過疎地域では、過疎化の進展により、商店の衰退、医師のいない地域の出現、小学校の廃校、市町村合併による役場支所機能の縮小も起因して、地域社会のコミュニティー機能が低下し、住民が一定の生活水準を維持することが困難になった、いわゆる「限界集落」と呼ばれる地域も出てきております。

 ところで、過疎地域は平野の外縁部から山間地を含む中山間地と重なっていることが多く、過疎地域が持つ多面的、公益的な機能を重視する必要がございます。それは、洪水の防止、土砂流失防止などの県土の保全、自然環境や水源の涵養保全、自然景観・生態系の保全、食料や木材の安定供給、森林の二酸化炭素吸収による地球温暖化防止などの機能でございます。

 このように、過疎地域の果たす役割、また機能は大きいことから、国では昭和四十五年に過疎地域対策緊急措置法を施行し、昭和五十五年には過疎地域振興特別措置法を、そして平成二年には過疎地域活性化特別措置法をそれぞれ施行してきたところでございます。平成十二年に過疎地域自立促進特別措置法を施行し、平成二十一年度までの十年間の対策について、県及び市町村による過疎地域自立促進計画に基づいて続けられてきたものでございます。

 さらに、平成二十二年四月一日には、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律が施行されました。失効期限が平成二十七年度までの六年間延長されるとともに、過疎対策事業債の使い道については、従来の生活基盤の整備といったハード事業の施策に加え、地域医療や交通手段の確保、集落の維持活性化など、ソフト事業への拡充及び対象施設の追加がなされたところでございます。

 このように、現在まで約四十年以上にわたり、各種の過疎化解消対策が講じられてきております。

 過疎地域では、「施設整備に対する国補助率のかさ上げ」、「過疎地域自立促進のための地方交付税で手当てする有利な地方債の発行」、「都道府県代行による基幹的な市町村道、農道、林道、公共下水道の整備」などが実施され、平成二十三年度では国による二千九百億円の地方債計画に対し、県内では四十八億円が許可または同意される見込みとなっております。

 しかしながら、過疎地域の現状は、公共施設などのハード事業の整備も、道路などの整備もまだまだ不十分で、上水道・下水道の普及率も低く、情報通信施設、医療施設など生活の基本的な施設で、都市部に比べ依然大きな格差が残されている状況にあります。さらに、地方財政の悪化や一段の少子・高齢化の進展に伴いまして、また道路など国の公共事業の抑制も加わり、過疎化は一層進展している状況でございます。

 例えば社会基盤の整備状況を見てみますと、私の住む山県市の北部、旧美山町全体が過疎地域に指定されておりますが、美山地区の谷合・葛原地区では、唯一の生活道路である国道四百十八号は過疎地域対策緊急措置法が制定された昭和四十五年以降、旧根尾村境の一部区間一・七キロメートルが二車線に改良されたほかは、局所的に部分改良がなされたにすぎません。特に地域住民の大半の方が住んでおられる集落区間六・八キロメートルについては、この四十数年間、災害復旧事業、除雪等の維持管理防災事業を除いて道路改良投資はないという状況でございます。

 産業の分野では、御承知の方もおられると思いますが、美山北部地域は地場産の杉材を多く産出する地域でございます。したがって、製材所も多く、葛原地区だけでも三十数軒ありましたが、木材市況の低迷もあり、現在は数軒となって、大きく減少しております。現存している製材所も、市場価格の安い外国産輸入木材などの製材、インターネットによる多品種少量の全国からの注文による製材で何とか操業を続けている状況であります。このように過疎地域におけるケーブルテレビ、インターネットなどの情報通信基盤の整備強化も、小規模零細な企業の経営には欠かすことができないものとなっております。しかし、現状はNTT回線を利用したADSLしか利用できない状況です。その上、時間帯によっては回線が込み合い、インターネットヘのアクセスは極めて遅く、悪いという状況となっております。

 そのほか、過疎地域で最近新たに加わった課題は、野生鳥獣による被害の急増であります。山県市のニホンジカの捕獲頭数を見てみますと、平成十五年にゼロ頭だったものが、何と平成二十三年には百二十八頭と急増しております。特に山県市北部の地域では、住民の家、屋敷周りの畑に毎晩出没いたしますニホンジカにより、地域のお年寄りが丹精込めて育てられた大根、ホウレンソウ、白菜が食い荒らされているということでございます。さく・フェンスで畑を囲って住民の方も防衛しておりますが、シカは楽々とその上を飛び越え、畑に侵入しているという状況です。

 鳥獣被害額としては多くはありませんが、鳥獣被害は地域住民の方の耕作意欲の減少につながり、新たな耕作放棄地の増加につながっています。地域住民の定住の気持ちがだんだんと失せていくことが心配です。

 むろん地元では、猟友会の猟師ハンターに依頼し、捕獲をしていますが、ハンターの高齢化、銃管理の厳格化、免許更新時での射撃技術訓練の追加などにより、近年、ハンターは著しく減少をしております。実際、被害のあったこの地域では、地元にハンターは一人もおられません。そのため、隣の地区からハンターに来てもらっていますが、そのハンターを含めても美山地区には二名ほど、実際に現地で捕獲ができるハンターがいるのみといった状況です。しかも、実際、シカの銃による捕獲は、シカの動きが極めて機敏で、捕獲の確率が非常に低いと聞いております。

 さらに深刻な新たな課題として、シカに寄生するヤマビルが、シカの里山への頻繁な侵入に伴って、里山林を中心に急速に生息域を広げているということでございます。ヤマビルは体長二、三センチの陸生のヒルで、湿った沢筋を好み、入山者の足などに忍び込み、人が気づかないうちに血を吸う厄介な代物です。場所によっては、人家近くの里山にヤマビルが多く生息し、山にも入れないといった地区も出ています。

 また、急速にふえているのが猿による被害です。実際、山県市の北部地域等では、三、四十頭の群れで早朝から畑にあらわれ、あっという間に栗園が全滅したところも出ています。植えたばかりのタマネギも全部引き抜かれたそうです。カボチャ、スイカ、トウモロコシなどは、もう畑に植えないという人まで出てきている状況です。猿の捕獲は、学習能力など知能が高いことから困難で、猟師でも猿には捕獲をためらう人もあり、捕獲する人は極めて少なく、市町村も打つ手がありません。

 獣の里山への侵入の背景には、奥山の頂上まで人工植林をしたこと、里山の手入れの管理水準が低下したこと、過疎地域である中山間地域での人口の減少、ハンターの減少などがあると考えます。シカ・猿など市町村の境界を越えて広域に移動・活動する獣による被害防止は、市町村単位で取り組むことが困難な事柄です。

 そういう中で、県の過疎計画の事業実績でございますが、平成十二年度から平成二十一年度にわたる十年間で千八百四億円が投資されてきております。平成十二年度と平成二十一年度を比較しますと、総額で二百六十億円が百十億円と半減する中で、項目別では農業振興十六億円が八億円に、町村道四億円が二億円に、林道三十六億円が二十九億円に、国道百九億円が四十五億円に、県道六十五億円が八億円になどとなっています。

 この十年間で、住民の生活に最も身近な町村道投資額は二十九億円にすぎず、電気通信施設投資も三十五億円、生活環境整備投資も百二十一億円、医者のない地区の対策としては三億円と、非常に少ない状況でございます。

 このような中、岐阜県においては、昨年の十二月末、六十五歳以上の高齢者が住民の半数以上に達した県内過疎地域の全集落を含む百五十集落を対象に、買い物や通院、除雪などの生活実態調査に乗り出すとの発表がありました。調査は、各世帯にアンケートを実施するとのことですが、依然として整備が進んでいない国道・県道などの基本的な社会交通基盤の整備を中心に、これらの整備に歩調を合わせた産業振興施策により、地域に安定した雇用の場を確保し、地域に住民が定住できる環境づくりを期待しているものでございます。地域資源を発掘し、それを生かした観光開発により、交流人口の増加を図る施策も重要でございます。

 過疎対策については、私は次のような提案も考えております。

 岐阜県みずから、「民間業者委託でなく、県職員自身によるリーダーシップで、過疎市町村職員を交えた他県などにおける過疎対策の先進事例を視察・調査研究」する。また、「過疎地域の住民とひざを突き合わせたワークショップの開催を通じて地域課題を正しく理解し、過疎解消方策を提案する豊富な専門的知識を有する県職員人材の育成・確保」、「地域に根差したNPOなどの民間団体の育成・活用」、「過疎市町村に土地利用規制、自然環境保護施策などの分野で、迅速果断の対応ができるように、県から市町村への大幅な権限移譲の促進」、「県単道路改良事業における一〇%市町村負担金など、基盤整備における県建設事業負担金制度の廃止・縮減、財政力の弱い市町村に対する県独自による財政支援」など、新しい取り組みも研究する必要があると考えております。

 ところで、来年度から森林・環境税も導入されることになっています。森林の環境を守るためには、まず過疎地域に住民の方が定住し、住民の方が主役になって地域活動をすることが基本であり、不可欠だと思います。奥山林における間伐等の森林施業をすることも大切ですが、それにはまず、先ほども述べましたように、地域住民の方が地域に安心して定住できるよう、例えば集落周辺で山際を二、三十メートル幅の里山の木の間伐による里山緩衝帯を整備し、有害鳥獣の里山への侵入抑制を図るなど、身近な生活環境を整備することを優先すべきと考えます。

 このように、市町村の過疎化の進展を防止する地域の住民に身近な施策について、森林・環境税の活用も過疎対策事業に加えて今後検討すべきと考えます。

 そこで、以下執行部に答弁を求めます。

 まず、総合企画部長にお尋ねいたします。県は、今まで四十年間余り、過疎地域の活性化に向け、農業分野における産業振興施策、農林道、町村道、国・県道などの整備を初め、各種の振興施策を実施してまいりましたが、依然として過疎化が進展している現状において、これまで実施してきた過疎地域における施策について、どのような投資効果があり、またどのような課題があるとお考えでしょうか。

 また、平成二十二年度の過疎法の改正を受け、今後二十七年度まで、県として過疎地域の解消のため、どのように有効な施策を打ち出そうとお考えか、今後における基本的な方針についてお尋ねをいたします。

 次に、全国の野生鳥獣による農林業被害額は約二百億円で推移し、岐阜県においても、過疎市町村を中心に年間五億円弱の野生鳥獣被害が発生しております。そのような中、市町村の境界を越えて移動する猿、シカなどの野生鳥獣による被害防止については、県が広域的に取り組む必要があると考えておりますので、イノシシ、猿、シカなどの野生鳥獣の生息状況をどのように把握しているのか。また、生息状況はどのように推移しているのか。そして、野生鳥獣による被害防止のため、今後、鳥獣保護と鳥獣捕獲の施策をどうバランスをとりながら推進していこうとお考えか、これについては環境生活部環境担当次長にお尋ねいたします。

 次に、農政部長には、過疎地域における耕作放棄地はどのような状況にあるのか、また過疎地域の人口が減少していく中で、耕作放棄地の解消に向けた取り組みについて、どのようにお考えかをお尋ねいたします。

 最後に、過疎地域における道路の整備はどのような状況であるのか。また、今後、整備のおくれている県が管理する国道及び県道について、どのような方針のもとに整備を促進していくお考えか。そして、財政力が弱い過疎市町村に課している県建設事業費負担金について廃止または縮減するお考えはあるのか、県土整備部長にお尋ねいたします。

 以上、過疎化が一段と進んでいる現状を県民の皆様に認識していただくことが重要と考え、過疎地域の地域振興について、県財政非常に厳しい折ではありますが、質問をさせていただきました。誠意ある県執行部の御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(足立勝利君) 総合企画部長 安福正寿君。

    〔総合企画部長 安福正寿君登壇〕



◎総合企画部長(安福正寿君) 二点御質問をいただきました。

 まずは過疎対策の成果と課題についてお答えをいたします。

 本県の過疎地域においては、市町村が実施する過疎債を活用したハード事業を中心に、総合的な対策が行われた結果、道路や水洗化など生活に欠かせない施設の整備が進んでまいりました。具体の成果の例として、七宗町における昭和四十五年度と平成二十年度との水準の比較を申し上げますと、道路改良率では一四・〇%から四六・一%へ、水洗化率では一九・三%から七六・一%へと上昇しております。このような施設整備を引き続き推進していくことが必要であると考えていますが、今後は、医師の確保や交通手段の確保、あるいは農林地の維持管理や除雪など、生活環境を維持していくためのソフト面の対策も重要ではないかと考えています。

 続きまして、県の過疎地域振興の基本的な方針についてお答えをいたします。

 今後の過疎地域の振興策として、県といたしましては、特に地域住民の皆さんの意欲と持続的な取り組みを促進するための人的支援に着目し、若手職員による「ふるさと応援チーム」や「地域がんばり隊」の派遣など、地域外からの人材の導入や移住・定住による担い手の確保に引き続き努めてまいります。加えて、今年度から過疎地域の集落の実態調査に着手し、地域ごとに実情の異なるさまざまな課題を洗い出し、それに対応したきめ細かな対策を検討していくこととしております。

 今後も、過疎地域の振興に向けては、現場に直接出向き、地域住民や地域で活躍する民間の方々、地域に身近な市町村とともにその対策を検討し、必要な支援については、部局横断的に取り組んでまいりたいと考えております。



○副議長(足立勝利君) 農政部長 平工孝義君。

    〔農政部長 平工孝義君登壇〕



◎農政部長(平工孝義君) 過疎地域における耕作放棄地の現状と解消に向けた取り組みについてお答えします。

 過疎地域の耕作放棄地は、二〇一〇年の農林業センサスによりますと、県内に三千三百三十八ヘクタールあり、農地に占める割合は県平均九%に対して過疎地域は一二%と高いことから、過疎地域における耕作放棄地の解消と発生防止は急務の課題でございます。このため、まず耕作放棄地の解消を図るためには、担い手の確保が不可欠であることから、集落営農の組織化を初め、集落住民が共同で農地を守る取り組みを支援しております。また、本年度、県農業会議に企業向けの相談窓口を設置し、新たな担い手となる企業等のさらなる参入促進に取り組んでまいります。

 次に、耕作放棄地の発生防止といたしましては、耕作者の意欲低下につながる鳥獣害の防止が重要であり、現在、重点支援地区において実証中の「猪鹿無猿柵」など、岐阜県型対策モデルの効果を検証し、来年度から県下全域への普及を図ることとしております。また、中山間地域等直接支払交付金などを活用した農道や農業用水路の草刈り、泥上げ等、地域ぐるみで農地を守る取り組みを促進してまいります。

 このほか、毎年十一月に「農地イキイキ再生週間」を設け、市町村やNPO、企業等と連携して耕作放棄地の再生に取り組むなど、地域の実態に即したきめ細かな耕作放棄地対策を進めてまいります。



○副議長(足立勝利君) 県土整備部長 金森吉信君。

    〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 過疎地域の道路整備について、三点御質問をいただきました。

 初めに、道路整備の状況についてお答えします。

 過疎地域においては、公共交通機関が脆弱であることから、道路は生活の利便性向上、都市との交流、流通の拡大等に必要な極めて重要な社会基盤です。過疎地域において、県が管理する国道・県道の延長は、平成二十三年で、県全体の四千二百四キロメートルに対し千五百八十九キロメートルで、約三八%となっています。また、二車線以上の改良率は、県内平均の六四%に対し五五%と、一〇%程度低い状況となっています。

 次に、過疎地域における国道及び県道の整備方針についてお答えします。

 県内の道路整備につきましては、財政状況が大変厳しい中、費用対効果を勘案しつつ、三つの観点、すなわち県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワークの整備、東海環状自動車道等、県の主要プロジェクトに関連するアクセス道路の整備、孤立集落や雨量規制区間を解消する道路の整備に重点を置いて進めています。

 過疎地域においては、日常生活を営む上で道路が極めて重要であり、これらの地域の方々からも、休止となっている工区の再開をお願いしたい、高齢化が進んでいるため少しでも早く救急車が迎えに来れるように整備してほしいといった切実な御意見をいただいております。このため、県としましては、コスト縮減につながり早期に効果が発現できる手法、具体的には一・五車線的道路改良や防災工事に合わせた部分的な拡幅工事、待避所の設置などの手法を積極的に取り入れて、過疎地域の道路整備にもきめ細かな対応に努めてまいりたいと考えています。

 最後に、建設事業負担金についてお答えします。

 道路事業に係る建設事業負担金は、道路法に基づき議会の議決を経て、受益を受けている市町村から事業費の一部を負担していただくもので、全国的にも二十一県が市町村負担金制度を設けています。本県では、県が単独で実施する道路改良事業等について、対象市町村に事業内容を丁寧に説明し、事業費の五%から一五%の範囲で負担していただいております。負担額は、平成二十三年度では全体で五億七千万円ですが、このうち、過疎地域のある十三市町村から三億三千万円を見込んでおり、道路事業の貴重な財源となっています。この市町村負担金については、平成二十一年七月の全国知事会において、国の直轄事業負担金制度の改革の趣旨を踏まえ同様に見直すこととなっており、本県でも平成二十二年度から建設事業の事務費に係る負担金を廃止しています。

 現在、直轄事業負担金制度改革の議論が進んでいないこともあり、直ちに市町村負担金を廃止・縮減できる状況にはありませんが、今後の改革の進みぐあいや他県の動向等を注視しながら検討してまいります。



○副議長(足立勝利君) 環境生活部次長環境担当 秦 康之君。

    〔環境生活部次長環境担当 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部次長環境担当(秦康之君) 野生鳥獣の生息状況と被害防止についてお答えいたします。

 野生鳥獣の生息状況につきましては、農業団体、林業団体等に対するアンケート調査、狩猟者の目撃情報や捕獲情報等をもとに、生息分布や増減トレンド等を把握しております。特にニホンジカにつきましては、今年度新たに県下を五キロ四方メッシュに区分した中から七十メッシュを選定し、ふんの密度調査を行い、生息数推計の精度を上げるなど、より詳細な状況把握に努めております。

 近年は、イノシシとニホンジカの生息分布が拡大するとともに、個体数も増加傾向で推移しております。特にニホンジカは、有害捕獲頭数がここ数年で四倍以上と大変ふえている状況でございます。

 次に、野生鳥獣被害の防止策といたしまして、特定鳥獣保護管理計画によりその保護を図りつつも、特に増加が著しいイノシシとニホンジカにつきましては、捕獲を促進するため、狩猟期間の延長や捕獲頭数制限の緩和を行っているほか、来年度予算に計上させていただいておりまずけれども、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル等の有害捕獲に対する市町村への財政支援を拡充してまいります。

 また、捕獲だけでなく、森林・環境税を活用した里山の整備など生息地の管理や、効果的な防護さくの設置など、被害を防ぐための対策について、市町村とも連携し、部局横断的に取り組んでまいりたいと思います。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(足立勝利君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後三時七分散会



……………………………………………………………………………………………