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平成22年 11月 定例会(第5回) 12月10日−05号




平成22年 11月 定例会(第5回) − 12月10日−05号









平成22年 11月 定例会(第5回)





△議事日程(第五号)



               平成二十二年十二月十日(金)午前十時開議

第一 議第百二十一号、議第百二十四号から議第百四十六号まで及び議第百四十八号から議第百五十号まで

第二 請願第六十五号から請願第六十七号まで

第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百二十一号、議第百二十四号から議第百四十六号まで及び議第百四十八号から議第百五十号まで

一 日程第二 請願第六十五号から請願第六十七号まで

一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十四人



      一番   大須賀志津香君

      二番   高木貴行君

      三番   野村美穂君

      五番   太田維久君

      六番   田中勝士君

      七番   村上孝志君

      八番   加藤大博君

      九番   酒向 薫君

      十番   山本勝敏君

     十一番   松岡正人君

     十二番   川上哲也君

     十三番   林 幸広君

     十四番   伊藤秀光君

     十五番   篠田 徹君

     十六番   小原 尚君

     十七番   水野正敏君

     十八番   横山善道君

     十九番   脇坂洋二君

     二十番   野島征夫君

    二十一番   松村多美夫君

    二十二番   渡辺嘉山君

    二十三番   伊藤正博君

    二十四番   高橋昌夫君

    二十五番   平岩正光君

    二十六番   佐藤武彦君

    二十七番   森 正弘君

    二十八番   小川恒雄君

    二十九番   村下貴夫君

    三十一番   岩花正樹君

    三十二番   野村保夫君

    三十三番   大野泰正君

    三十四番   矢島成剛君

    三十五番   足立勝利君

    三十六番   洞口 博君

    三十七番   渡辺 真君

    三十八番   駒田 誠君

    三十九番   藤墳 守君

    四十一番   安田謙三君

    四十三番   早川捷也君

    四十四番   玉田和浩君

    四十五番   中村 慈君

    四十六番   岩井豊太郎君

    四十七番   渡辺信行君

    四十八番   猫田 孝君





△欠席議員 一人



     四十番   平野恭弘君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



  事務局長         島田 清

  総務課長         山田季成

  議事調査課長       服部 敬

  議事調査課総括管理監   笠原真実

  同    課長補佐    所 雄治

  同    課長補佐    田中公治

  同    課長補佐    梅本雅史

  同    課長補佐    松本隆則

  同    課長補佐    篠田雄一朗

  同    主査      安居裕司



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△説明のため出席した者の職氏名



  知事           古田 肇君

  副知事          西藤公司君

  副知事          上手繁雄君

  会計管理者        佐藤道夫君

  危機管理統括監      若宮克行君

  総務部長兼秘書広報統括監 宗宮康浩君

  総合企画部長       後藤弘之君

  環境生活部長       坂 正光君

  健康福祉部長       近田和彦君

  商工労働部長       江崎禎英君

  農政部長         馬場秀一郎君

  林政部長         森  勝君

  県土整備部長       金森吉信君

  都市建築部長       山本 馨君

  ぎふ清流国体推進局長   武藤鉄弘君

  観光交流推進局長     古田菜穂子君

  環境生活部次長(環境担当)

               秦 康之君

  健康福祉部次長(医療・保健担当)

               平山宏史君

  教育長          松川禮子君

  警察本部長        瀧澤裕昭君

  代表監査委員       帆刈信一君

  人事委員会事務局長    片桐卓朗君

  労働委員会事務局長    河内宏彦君



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△十二月十日午前十時開議



○議長(安田謙三君) 皆さん、おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(安田謙三君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(安田謙三君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十六番 小原 尚君。

   〔十六番 小原 尚君登壇〕(拍手)



◆十六番(小原尚君) おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。

 十月二十日午前九時ごろ、可児郡御嵩町顔戸の住宅地で、東西約六十五メートル、南北約七十六メートルにわたり、地面が最大で深さ約三メートル陥没し、住宅五棟と納屋一棟が傾くなどの被害が発生しました。御嵩町は、五世帯十七人に避難指示を出し、その後、別の四世帯七人に避難勧告を出しました。翌二十一日には、経済産業省中部経済産業局から亜炭廃坑に起因する特定鉱害として認定を受けました。なお、今回陥没のあった場所は、三年前の平成十九年九月に発生した大規模な地盤陥没現場から西へわずか三十メートルの場所でありますが、亜炭廃坑に起因する地盤陥没で複数の被災者が出たのは、御嵩町において今回が初めてであります。被災されました皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 さて、私は、事故発生から五時間後、二十日午後二時に現地視察に参りました。現地の状況は、大きな地震の後のようで、家は傾き、ブロック塀も崩れ落ち、隣接した道路も大きく沈んでアスファルトが割れ、茶色の土がむき出しになり、その中に水道管が見えるありさまでした。ヘルメットをかぶり規制区域内に入れていただき、すさまじい被害の様子をカメラにおさめてまいりました。そのときに自分の立っていた道路が翌日には陥没をして、大きな穴があいたと後日聞きましたが、もしも現地視察のときに陥没が起こっていたら大変なことになっていたと思うと、改めて地盤陥没の恐ろしさを実感いたしました。

 三年前の大規模な陥没事故の直後の平成十九年十月五日の定例会で、私が、「平成十三年度末までは、時限立法である臨時石炭鉱害復旧法があることで、どんなに大きな鉱害が発生しても復旧費用だけは保証されていた。しかし、時限立法が切れてからは国及び県の負担により特定鉱害復旧事業等基金約五億円を造成し、その運用益により復旧事業を実施しているが、大地震発生時などにより多くの被害が発生した場合、果たして運用益で対応が可能なのか」という質問をさせていただいたところ、当時の産業労働部長から、「基金総額約四億九千万円の根拠は、平成十四年度に現在の基金制度が創設された際、国から、平成七年度から十一年度の五年間の復旧事業費の実績や想定外の事業への対応を考慮した年間の復旧費と管理費が示され、その合計額を年間総事業費として基金の運用益で賄うよう、同じく国が示した利回りを用いて必要な資本額を算定したものである。平成十四年度に基金制度が発足し、五年以上経過しているが、今までに発生した陥没の復旧事業費についてこれまでの運用益の範囲内で対応しており、現時点で造成額について適切であると判断している。また、大地震の発生時など、通常より多くの被害が発生し、運用益では復旧事業費に不足を生じる場合は、国の承認を得た上で基金を取り崩し、事業費に充てることになる」という御答弁をいただきました。しかしながら、今回の陥没事故により多額の基金の取り崩しが懸念される現状を見る限り、基金の算定見込みが甘かったのではないかと思わざるを得ません。

 御嵩町によりますと、今回発生した大規模な陥没事故の復旧には約一億五千万円から二億円の費用がかかるとのことであり、心配したとおり、財源として基金の取り崩しが避けられない状況であります。現行の基金は約五億円の原資しかないため、今後大規模な陥没事故が発生した場合、基金が枯渇することは明らかであります。基金の拡充については、既に県及び御嵩町において国に対して要望をされておりますが、基金を長期安定的に存続できるよう、引き続き国に対して強く要望していかれることを希望いたします。

 さて、亜炭は、さきの大戦中、石炭の代用品として国策に沿って乱掘され、戦後の復興期は、陶磁器や繊維などの産業の重要なエネルギー源として貢献してまいりました。御嵩町において、その生産量は日本一であったとのことです。しかし、昭和三十年代後半のエネルギー革命により、石油にその座を奪われ、衰退し、昭和四十三年には完全に閉山されました。それから半世紀がたとうとしておりますが、御嵩町内には劣化が進む坑道が、今も網の目のように残り、時折、地表沈下や陥没が起きております。推定では、御嵩町民一万八千人強が暮らす居住地の約六割に亜炭廃坑による地下空洞があると言われており、そこには常に陥没のおそれが潜んでおります。

 しかし、現行の特定鉱害復旧事業制度は、公共事業による現状回復の原則が厳格に適用されており、被害に遭った住民が移転を望む場合に工事代金で支払うことや、避難時の仮住居の費用を、現行の工事開始後ではなく被害発生時から支給するなどの被害者の立場に立った対応について、一切認めないものとなっております。亜炭廃坑の陥没被害者の負担を少しでも軽減するためにも、家屋等に損害を受けた被害者の立場に立った対応ができるよう、制度の運用を見直すことが必要であると強く感じております。

 また、明治二十四年、七千二百七十三名という多くの犠牲者を出し、福井県や滋賀県にも被害を及ぼした濃尾地震から間もなく百二十年になりますが、幸いそれ以降、御嵩町は大きな地震に見舞われておりません。そして、濃尾地震のときには、今のような亜炭廃坑は存在していませんでした。しかし、今後近い将来において、東海地震や東南海・南海地震の発生が予想される中、専門家からは、亜炭廃坑の内部では支柱の劣化が進んでおり、東海地震が発生すれば広域的に地盤沈下が発生する可能性もあるとの指摘がされております。また、以前御嵩町が依頼した早稲田大学による調査・研究では、震度五強の地震発生で町内百五十三カ所の陥没と十九件の水道管被害が予想されるという報告があったと聞いております。

 このような中、平成十七年三月に開通した東海環状自動車道東回りルート建設の際には、国において、御嵩町比衣から可児市柿田までの幅五十から八十メートル、長さ一・五キロメートルの区間について、約四十億円という多額の陥没対策費を計上し、地下空洞の充てん工事が行われました。このことは、地下に空洞がある場所における高速道路等の重量構造物の建設には事前調査等安全のための対策を講じなければならず、そうでない地域にあっては必要のない多額の費用をかけてでも、危険回避のために充てんをやらなくてはならないことを物語っております。

 現行の制度は、被害発生後の対応が基本となっており、平成十九年より避難所の地下調査だけは基金から五千万円を限度に取り崩してできるようになったものの、地下空洞の充てんといった予防対策の実施は事実上困難な状況にあります。全国各地にも亜炭廃坑があり、御嵩町だけ特別扱いをすることはできないと言われておりますけれども、住民の居住スペースの六割以上、場所によっては八割以上が亜炭廃坑上にある御嵩町の場合、最善策は充てんによりすべての地下空洞を埋め戻すことであり、これを最終目標とすべきであると考えます。しかしながら、町内を張りめぐらされた坑道をすべて充てんするためには莫大な費用がかかるため、現実的な対応として、まずは避難所や小・中学校を初めとする教育施設、病院等の公共施設に対する地下空洞の充てんによる予防対策ができるよう、県として強く国に働きかけることが必要であると思います。

 そこで、商工労働部長に次の二点についてお伺いいたします。

 一点目に、被害者の負担を軽減するため、家屋等に損害を受けた被害者の立場に立った柔軟な対応ができるよう、特定鉱害復旧事業制度の運用の見直しが必要であると思います。制度の運用の見直しについて、県としてどのようにお考えか、お伺いをいたします。

 二点目に、避難所や小・中学校を初めとする教育施設、病院等の公共施設に対する地下空洞の充てんなど、抜本的な予防対策が必要であると思います。そのためにも、県として速やかな予防対策事業が行われるよう、強く国への働きかけが必要となりますが、どのようにお考えか、お尋ねいたします。

 最後に、いまだ避難生活を余儀なくされている被災者の皆様の一日も早い御帰宅がかないますようお祈りをし、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(安田謙三君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) 亜炭廃坑に起因する陥没事故について、二点お尋ねをいただきました。

 まず、制度の見直しについてお答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、現行の特定鉱害復旧事業制度は、公共事業による原状回復の原則が厳格に適用されており、今回のように家屋などが被害を受けた場合にも、被害前の状況に復旧することだけしか認められておりません。このため、例えば復旧に際して、被害を受けた方が追加費用をみずから負担して、より安全性の高い家屋への改築を行うことは認められておりません。さらには、この際、別の安全な土地に移転して家屋の新築を行おうとする場合には、そもそも本制度の適用を受けることができないなど、被害者の救済という観点からは問題の多い制度となっております。県としましては、本制度は被害者の立場に立った柔軟な運用が必要であるとの考えに立ち、公共事業による原状回復のほか、金銭の支払いによる補償といった選択肢も可能になるよう、国に対し、強く働きかけを行っているところでございます。

 次に、予防的な充てん措置についてお答えをいたします。

 こちらも議員御指摘のとおり、公共機関の予防的な充てん措置については、県として大変重要であると考えております。このため、県におきましては、国に対し、避難所、学校、病院等、市町村長が重要と認めます公共施設の所在地、または危険地域について亜炭廃坑の存在が確認された場合に、充てんなど抜本的な地盤対策事業の実施ができるよう、繰り返し要望してきているところでございます。

 なお、こうした予防措置に向けた対応につきましては、平成十八年に、市町村地域防災計画で定めます避難所について、基金を活用した調査事業が認められたところですが、充てん措置については全く対象となっておらず、基金原資の拡充も含め、引き続き国に対し要望活動を行ってまいりたいと考えております。



○議長(安田謙三君) 五番 太田維久君。

   〔五番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆五番(太田維久君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い御質問をさせていただきます。

 今回は、大きく三つの項目についてお尋ねします。

 急速な高齢化で、介護をめぐる政策も新たな課題に直面するようになっています。今年六十五歳以上の高齢者人口は二千八百七十四万人、総人口に占める比率は二二・五%、高齢者人口は数年以内に三千万人を超え、十五年後の平成三十七年には三千四百七十三万人、総人口に占める比率は二八・七%と見込まれています。十五歳から六十四歳までの人口に対する六十五歳以上の人口の比率、すなわち老年人口指数を見ますと、今年は三五・二、これが十五年後の平成三十七年には四八・〇と、ほぼ二人に一人の割合で高齢者を支えることになります。

 介護や医療などに係る経費をだれがどの程度負担するのかという大きな課題、急増する高齢者人口に対応できるサービス基盤を整備するという課題、そして介護人材の確保や在宅での介護のあり方など、介護の担い手のあり方といった、さまざまな難題が待ち構えています。現在、そうした難題が姿を見せ始めていることから、国も自治体も、実情、そして将来展望の把握と対策を考える段階に立たされています。

 今議会の質問では、こうした観点を踏まえ、まず二つの項目、介護と障がい者福祉の課題についてお尋ねをします。

 最初に、高齢者が高齢者を介護する老老介護について、とりわけ、認知症の症状がある人が認知症の方を介護するという認認介護についてお尋ねをします。

 高齢社会の進展で、高齢者がやはり高齢者の配偶者を介護することだけでなく、高齢者がその親、兄弟姉妹を介護することも一般的になってきました。その中で、家族のだれかが介護が必要な状態になり、介護者が心や体の疲労、将来への絶望に駆られて殺人や無理心中へと至る悲惨な事例が相次いでいます。愛知県西尾市では今年二月、介護に疲れたとして八十三歳の夫が七十九歳になる寝たきりの妻の首を絞めるという事件が起きました。また、岡山県倉敷市では、八十四歳の寝たきりの妻と七十七歳の夫がともに死亡しているのをホームヘルパーが見つけるという、介護疲れによる心中と見られるような事件が起きています。介護をめぐる悲惨な事件が後を絶たない中で、今述べたような老老介護にかかわる事件もたびたび伝えられるようになっていることは大変痛ましいことです。

 こうした老老介護について実態調査をしたところ、大変憂慮する事態が明らかになりました。全国水準よりも高齢化が進む山口県での調査です。山口県地方自治研究センターでは、今年、連合山口の組合員及び県内の居宅介護支援事業所と訪問介護事業所のケアマネジャーにアンケートを行い、老老介護の実態を調査しました。その結果、冒頭に述べた認知症の症状がある人が認知症の方を介護するという認認介護という状況の広がりが見えてきたんです。回答のあった在宅介護の五千七百人余りの介護状況をまとめたところ、老老介護が千四百三人で二四・五%、その中で二人とも認知症であるという回答は百四十六人で、老老介護と答えた中の一〇・四%が認認介護だったということでした。山口県地方自治研究センターでは、この数値をもとに県内全体の認認介護の数を推計したところ、実に千家族以上がそうした該当をする可能性があるとのことでした。認知症の高齢者もふえている現状からすれば、全国的に相当数が認認介護の状況にあると考えられます。

 実際、認認介護をめぐる事件も報じられています。十分な介護ができなくなるだけでなく、介護を受ける方も意識せずに虐待してしまった。認知症が進み、近所づき合いが少なくなって、外から介護を受けている状況がわからない。あるいは、栄養がとれているのか、火事などを起こしたりしないかなど、認認介護をめぐる心配や課題は多くあります。しかし、プライバシーの壁であったり、そうした家族を支える介護ヘルパーの人材不足などから、状況はまだ不明瞭なままです。

 認認介護の場合、物を言わずに事態は深刻化していきます。そして急速な高齢化の中で、この状況はますますふえていくと思われます。岐阜県としても、一刻も早い実態の把握と、少しでも事態を改善できる施策が求められるのではないでしょうか。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねをします。岐阜県内における高齢者の親を高齢者となる子が介護をする老老介護、さらには認知症の症状のある人が認知症の方を介護するという認認介護の状況把握はどうなっているのでしょうか。そして、どのように支援策を講ずればいいのでしょうか、お考えをお聞かせください。

 続きまして、重症心身障がいのある方を支える施設についてお尋ねをします。この質問でも、支援する方の高齢化という課題を踏まえております。

 質問の中で触れる重症心身障がいについて御説明しますと、重度の肢体不自由と重度の知的障がいとをあわせ持った状態ということです。具体的な病名で言うとさまざまでして、脳性麻痺、病気や事故による脳の損傷、あるいは先天的な障がいなどによるものです。統計によりますと、該当する方は全国で三万八千人ほどいらっしゃるということです。その中でも、特に症状の重い方の中には、身体の自由だけでなく意思を伝えることも難しく、座ることはできる、あるいは寝たきりで常に介護あるいは看護が必要な方も多くいらっしゃいます。

 重症心身障がいの方への対策は、歴史的に見ると、障がいの種類ごとの施策の中で大きく欠けていた部分でありました。そこへ大きな進歩をもたらしたのが、一昨年、伊藤秀光議員が一般質問で御紹介されました重症重複障がい児の集団療養施設「近江学園」の取り組みでした。そして、重症心身障がいの場合、社会参加、社会復帰の可能性は現実には低いことから、成人後も対応できる施設の必要性が叫ばれ、障がいを持った方々が一貫して過ごせる施設が整備されてきました。ところが、現状でも入所・入院できる施設が足りず、施設での看護・介護を希望されても在宅で過ごさざるを得ない事例、あるいは家族を初めとする保護者が希望する施設に入れないという事例が多くあります。

 今回、このテーマで質問することになりましたのは、ある御相談がきっかけでした。岐阜市内の御年配の方から、子供が重症心身障がいということで、ほかの県の病院に入院しているけれども、岐阜市あるいは近辺の施設に転院できないだろうかということでした。こうした御相談は、ほかの皆様もお受けになられたことがあると思います。お子さんは、乳児期の病気が原因で、現在に至るまで寝たきりで過ごされています。親御さんは御高齢ですが、今も月に一度はお子さんの御面会に行っています。しかし、往復の費用もかかること、そして御自身の体力を考えると、いつまでこの遠距離の面会を続けられるかと悩んでおられました。そこで、何とか自分のお暮らしになる岐阜市か近辺の施設に転院させたいという御相談でした。岐阜市には、独立行政法人 国立病院機構長良医療センターがございます。特に症状の重い方を受け入れていまして、重症心身障がい対応の百四十床程度の病床は空きがないというのが実情です。県の子ども相談センターで入退院の受け付けを行っていますが、待機者の中から順次受け入れをしているという状況で、現実にすぐに転院ということは厳しいようです。

 相談を受けまして、県障害福祉課に問い合わせたところ、今年九月現在、岐阜県の方で重症心身障がいとして施設に入所・入院をしている方は百八十九人、そのうち長良医療センターに入院している方は百六人、それ以外の八十三人は県外の施設を利用されています。福井県内の病院が二十六人、滋賀県が十七人、石川県が十二人、愛知県が十人などということでした。

 今年の厚生環境常任委員会の県外視察では、佐賀県の社会福祉法人「整肢学園」を訪問しました。もとは肢体不自由のお子さんを支援する施設でしたが、重症心身障がいの方の支援や看護を行う取り組みも行うようになり、現在百四十床程度の重症心身障がい病床のうち、十七人の超重症と言われる方々が入院をされております。視察では病床にも伺いました。四肢、つまり手足すべて自由がきかず、寝たきりの方々のうち、気管切開などで人工呼吸器による呼吸管理を行っている方、年齢は幼児から、高い方で六十歳代の方もおられるということでした。施設の方からは、付き添う御家族の御負担のこと、また、預けたまま面会に訪れることもないというケースもあるということでした。それを聞くと、やりきれない思いに駆られる一方で、長い年月にわたって献身的な看護・介護をしなければならない御家族の御負担にも思いをはせました。しかし、その目の輝きに命の輝きを見、私たちが聞き取ることはできないかもしれませんが、その声にその方々の命の尊厳を聞き取るとき、この方々に対してこそ、政治とか行政は力添えをしなければならないという思いを強くするはずです。

 岐阜県での事例と同様に、佐賀県の整肢学園でも、入所を希望されるも空きがなく、県外の施設に入所する事例、また他県に住みながらもそこで空きがなく、たまたま整肢学園に空きがあって入所したという事例があるということでした。そう考えますと、重症心身障がいの方の施設入所・入院が都道府県を越えて行われているというのは、全国的な現象ではないでしょうか。そして、家族の御負担、とりわけ高齢となる親の御負担を考えると、今後はできる限り居住地に近い施設に入所・入院ができるよう、一層の施設整備が求められるのではないかと思います。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねをします。

 まず、岐阜県内において重症心身障がいの方の入所・入院施設が長良医療センターに限られている現状において、県外の施設の利用はやむを得ないことですが、子ども相談センターは、他県との調整をどのように進めておられるのでしょうか。そして、重症の心身障がいを持たれる方について、施設での入所・入院を保護者が希望されている方がどれだけいるのかの実態把握はどうなっているのでしょうか。

 また、県財政が大変厳しい中でありますが、今後、県内において、重症心身障がいの方のための施設整備をどのように進められるおつもりですか。まだまだ支援の手が望まれている分野です。佐賀県の整肢学園と同様の施設として、岐阜県でも県立希望が丘学園がございますが、希望が丘学園の整備計画も含めて御検討はあるのでしょうか。

 ちょうど、きのうまでが障害者基本法で定められました障害者週間です。障がいのある方の個人の尊厳が重んじられ、特に最も弱い立場にある方に一層の支援の力が寄せられることを願いまして、真摯な御答弁をお願いいたします。

 最後に、今年七月の豪雨災害を受けた災害対策についてお尋ねをします。

 この豪雨災害の傷跡はまだいえず、特に心の傷はいえがたいものがございます。改めてお見舞いを申し上げます。

 また、前回の定例会でも何人もの方から御質問もあり、有意義な御指摘や御提案がされてきました。今回の災害とその対応、反省点を多角的に検証した「七・一五豪雨災害検証委員会報告書」がまとめられておりますので、今後は、この報告書にまとめられている行動計画が市町村、地域に至るまで確実に進められていくことが期待されています。その一方で、再度となりますが、私なりの視点で課題を指摘したいと思います。

 一つは、避難勧告の判断についてです。

 近年、技術の進歩で、詳細な地域単位での気象予報や降雨の状況把握、雨の降りぐあいの状況把握ができるようになりました。以前に一般質問でも私は触れましたが、今年から市町村単位での気象警報・注意報が出されるようになっています。そして、気象庁のレーダー・降雨ナウキャストのシステムでは、六十分先までの十分ごとの雨量を一キロ四方の範囲で予測できるものが提供されております。そこで、こうした高度な技術がもたらす情報を防災担当者がどのように読み解いて、どのタイミングで避難勧告などの行動につなげるかが重要になります。今回、七月十五日の八百津町の土砂災害では、土砂災害警戒情報は午後六時に出されました。その後、午後八時四十分に、災害が発生した地域に町が避難勧告を出して間もなく土砂災害が起きています。このことを伝えました中日新聞の七月十七日の報道によりますと、町は、県が最近導入した、五キロ四方というきめ細かい地域単位で災害発生を予測する土砂災害警戒判定図を参考にしたということですが、土砂災害の発生を想定すれば、もっと早くに出されている、より広域の土砂災害警戒情報をもとに避難勧告を出すのが望ましいのではなかったかとも考えるところであります。

 国土交通省では現在、二百五十メートル四方という、さらに細かい範囲で降雨の観測ができるXバンド・マルチパラメーター・レーダー雨量情報のシステムを試験運用しています。避難勧告を発令する市町村にとっては、防災に充てる人員が少ないことが多く、実際に災害が起きたときには非常に厳しい状況になるだけに、平時からこうしたさまざまな高度な情報を読み解く訓練を重ねる必要があると思われます。

 次に、災害関連機関だけでなく、地域住民が災害が起きた場合を想定した備えを一層進めることも重要だと考えます。そのために有効な手段として力を入れていただきたいのが、DIG−−災害図上訓練−−を地域住民の参加で実施することです。DIGにつきましては、岐阜県でも平成十六年から実績があり、これまで一万七千人が参加をしているということです。七・一五豪雨災害検証委員会報告書におきましても、直ちに取り組む対策の「ハザードマップ活用促進の支援」という中でも、「地域単位で住民と具体的な情報の共有を進める災害図上訓練(DIG)」と挙げられ、県は、災害図上訓練(DIG)の指導者養成や、DIGの手引書の提供、DIGへの職員の派遣などの支援を行うなどとしています。

 DIGにつきましては、大規模な地震を想定したものだけでなく、豪雨災害のような風水害を想定した訓練も組み合わせることができます。また、学校において、児童・生徒にもDIGを体験してもらうことで、災害時に地域の危険箇所や避難経路、避難所、防災倉庫の位置などを把握することができ、災害弱者と言われる子供を含めた災害への備えとして非常に有効なものと考えます。ぜひとも通常の実体験型の防災訓練とともに、地域でもっとDIGを普及し、災害により強い地域づくりを目指すよう、県は市町村、地域を引っ張っていただきたいものです。

 そこで、危機管理統括監にお尋ねをします。避難勧告の発令に関して参考にするための気象情報が高度化していますが、県として市町村に対し、こうした情報を避難勧告の判断基準として的確に生かせる体制づくりを今後どのように指導していくおつもりでしょうか。そして、DIG−−災害図上訓練−−について、これからどのような方針で、どのようなスケジュールで普及を進めていくおつもりでしょうか。

 以上、大きく三項目にわたって御質問をいたしました。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(安田謙三君) 危機管理統括監 若宮克行君。

   〔危機管理統括監 若宮克行君登壇〕



◎危機管理統括監(若宮克行君) 災害の備えについて、二点御質問がございました。

 まず、防災情報を生かせる市町村の体制づくりについてお答えします。

 高度な防災情報を避難勧告等の判断基準に適切に活用していくためには、判断情報である降雨状況のほか、河川水位や土砂災害危険度のリアルタイム情報を的確に読み解き、市町村長に提供する職員を育成することが不可欠であります。そのため、県では今年度、市町村職員を対象に、気象台や中部地方整備局の協力を得て、二百五十メートル四方の雨量情報を一分間隔で表示するXバンド・マルチパラメーター・レーダー雨量情報などの見方や活用方法に関する研修会を開催したところですが、来年度以降も定期的に研修会を開催し、市町村職員の防災力の向上を図ってまいります。また、市町村に防災情報をモニタリングする専任の要員の配置や、短期的な豪雨に対応できる避難勧告等の判断体制の整備を指導してまいります。これらの対策を進めることにより、市町村の防災情報を活用するための体制づくりを一層進めてまいります。

 次に、災害図上訓練の普及についてお答えします。

 災害図上訓練は、住民が避難経路や地域のリスクを学ぶ上で大変有効な手段であります。県では、訓練の普及を進めるために、平成十六年度から訓練指導者の研修を毎年開催し、消防職団員や市町村職員、自主防災組織リーダーの方々などに受講していただき、九百四十八名の指導者を養成してまいりました。来年度以降も、新たな災害図上訓練指導者養成の研修を引き続き実施し、年間百名の養成を進めてまいります。また、七・一五豪雨災害検証結果を受け、水害や土砂災害を想定したハザードマップを活用した災害図上訓練の強化を図るために、既に研修を受けられた指導者の方々を対象に、スキルアップ研修を来年度から三年間で実施してまいります。これらの指導者養成により、各地域の自主防災組織や小・中学校あるいは企業において災害図上訓練が実施されるよう、市町村とも連携し普及を推進してまいります。



○議長(安田謙三君) 健康福祉部長 近田和彦君。

   〔健康福祉部長 近田和彦君登壇〕



◎健康福祉部長(近田和彦君) まず、いわゆる老老介護や認認介護の状況把握についてお答えをいたします。

 介護などの支援を必要とする高齢者の状況については、介護保険の保険者である市町村において三年に一回、介護保険事業計画を策定する際に把握・分析をしております。しかしながら、これまでの把握方法は、高齢者本人が希望するサービスを把握することが重視され、高齢者の身体・生活状況について客観的に把握する視点が不十分との指摘もあり、県といたしましても、老老介護や認認介護を含め、高齢者の実態をよりきめ細かく把握することが必要と考えております。このため、県では先月、高齢者の実態把握に活用できる調査項目の提供や、効果的な実態把握のあり方について意見交換を行う会議を県内五圏域で開催するなど、市町村における高齢者のより正確な実態把握への支援を始めたところです。県といたしましては、来年度行う次の県高齢者安心計画の策定に向け、引き続き市町村における実態把握調査の支援や圏域会議の開催により、県内高齢者の実態の的確な把握に努めてまいります。

 次に、老老介護や認認介護の支援策についてお答えをいたします。

 老老介護や認認介護の方々を支援するためには、こうした高齢者の方々の生活・身体状況に適したサービスや支援を提供するとともに、高齢者の方々がそれらのサービスなどを利用できるよう、地域の相談体制を充実させることが必要と考えます。このため、県では、在宅の要介護高齢者の生活を支えるために有効な二十分未満の短時間の訪問介護サービスの新設や、認知症高齢者が入居できるグループホームなどの整備に積極的に取り組んでおります。また、高齢者やその家族の相談に応じる地域包括支援センターの人材養成・確保の支援や、民生委員の活動の支援を行うとともに、認知症を理解し、認知症のある高齢者や家族の見守りを支援する認知症サポーターの養成にも努めております。来年度行う次の県高齢者安心計画の策定においては、市町村を通じて把握される高齢者の実態のきめ細かい分析を踏まえ、これらの支援の一層の充実を検討し、老老介護や認認介護の方々が安心して暮らせる体制づくりを盛り込んでまいります。

 次に、重症心身障がいの方々を支える施設について、三点お尋ねをいただきました。

 まず、県外施設利用に関する調整についてお答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、県内を初め全国的な重症心身障がい児施設の定員の不足により、県内の唯一の施設である長良医療センターに県外から三十名の方が入所されているのに対し、岐阜県からは八十三名の方が近隣八県の施設に入所をされています。こうした複数県にまたがる施設間での入所調整については、近隣県の施設の空き情報が本県の子ども相談センターに入った都度、県内の入所希望者の状況を総合的に判断し、緊急度の高い方から入所をしていただく仕組みとなっております。

 なお、施設への入所を希望しながら在宅で生活している方々に対しましては、医療費の助成や生活用具の給付、訪問サービスや短期入所の利用、余暇活動や介護のリフレッシュの機会の提供、個別の相談への対応など、各種制度や事業による支援策を講じているところでございます。

 次に、施設への入所希望等の実態把握についてお答えをいたします。

 重症心身障がいを持つ方々への支援を充実させていくため、現在、県では、在宅で生活中の方々とその保護者の現況や、各種サービスの利用希望に関する調査を進めております。具体的には、本年十月から、県下各地域に配置した重症心身障がい児者支援連携推進員が、重度の身体障がいと知的障がいをあわせ持つ方、約一千名を主たる対象に、聞き取りの方法により調査を実施しております。その中で、御本人の障がいの程度や家庭での医療的ケアの内容、将来の施設への入所希望や家族が介護できないときの短期入所への需要などについて伺っております。そのデータをもとに、地元の市町村や施設、医療機関にも協力を求めながら、今後の支援体制の充実を図ってまいります。

 次に、県内での施設整備の推進についてお答えをいたします。

 さきに申し上げましたとおり、現在、多くの方が県外の施設へ入所されており、今後とも施設や在宅での医療的ケアを一層充実させていく必要があると考えております。その中で、四肢と体幹の機能に障がいを有する肢体不自由児の施設である県立希望が丘学園は、県長期構想におきまして、平成三十年度までに老朽化した現在の施設を再整備する計画となっております。また、現在、国において肢体不自由児施設や重症心身障がい児施設も含めた施設体系の見直しが進められており、県といたしましても、障がい児のための新たな中核施設の役割について、具体的な検討に着手すべき時期にあると認識をいたしております。

 そこで、さきに述べました実態調査の結果や、引き続き重要な役割を果たしていただく必要のある長良医療センターとの連携なども踏まえながら、重症心身障がいを持つ方々のための施設整備のあり方について、今後検討を進めてまいります。



○議長(安田謙三君) 十五番 篠田 徹君。

   〔十五番 篠田 徹君登壇〕(拍手)



◆十五番(篠田徹君) ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。

 先般、私の自宅に、最近にしては珍しい「公衆電話」と表示された着電がありましたので応対したところ、見ず知らずの人からでした。どのような用件か尋ねますが、何か含んだような物言いではっきりしない電話でありました。いたずらかなと思い始めたとき、聞いたことのある名前を口にされたので注意深く尋ねたところ、その方は、実はホームレスであったそうですが、ある日、見知らぬ人から声をかけられ、こんな状況で生活しているのは大変だ、毎日ちゃんと食事ができるのか、病気になったら医療機関には行けるのかなどいろいろ聞かれ、最後に、信用していただけるのなら温かい食事と部屋を用意すると、その人物から言われたそうであります。その人物はそのときはそれで立ち去ったそうですが、後日再びあらわれ、熱心に話をされますので、この人に任せようと思い、ついていったそうであります。すると、市役所に連れていかれ、その人物は手なれた様子で職員と話をし、あれよあれよという間に生活保護手続が終わったそうであります。そして、あるアパートを紹介され、きょうからここで生活するようにと言われ、そこでの生活が始まったそうです。

 ここまでの話であれば、何とありがたい篤志家の美談で終わるのですが、その後の話を聞いて驚きました。それは、役所での手続が終わると同時に、「あなたの生活保護費はこちらで一切管理する。役所の方が訪ねてきても、そのことを言ってはいけない。また、働く意思を尋ねられたら、ぜひ一日も早く働きたいと言いなさい。しかし、決して本当に就労してはいけない。あなたが働いても今の生活保護費ほどはもらえないし、そうなったらアパートからは出ていってもらわなければならない。私は、善意のボランティアであなた方の支援をしている」と言われたそうであります。その方は、一日じゅう部屋にいて、何もしなくても月に十数万円のお金がもらえ、屋根のある部屋で生活ができるなら、こんなにありがたいことはない、神様のような人だと思ったと言われました。そうでしょう。部屋にいるだけで仕事はしなくてもよい、いや、仕事を探すふりだけしていればよい、一日好きなように過ごしていればよいと言われれば、そう思っても不思議ではないでしょう。それならば、なぜこの方は私に電話をかけてきたのでしょうか。不思議に思い、さらに話を聞くと、実は先ほども申し上げましたように、お金の管理といいますか、生活保護費の一切は一たん先方に入り、わずかな額だけが自分の自由になるのだと言われました。

 私は、これまで聞いたことがにわかには信じられず、本人と面談してお話を聞いてみたいと思い、なぜ私の電話番号がわかったのか、お役に立てることがあればぜひ力になりたいので、いつでもよいので、また今からでもよいのでお会いできないかと話しかけたところで電話は切れてしまいました。市内で公衆電話のあるところを考えたところ、市役所前にあるのを思い出しましたのですぐに向かいましたが、電話のあるじと思われる人と出会うことはできませんでした。再度連絡を下さらないか待っていますが、きょう現在までありません。もし、今回の質問をきっかけに、もう一度話をしてみようと思ってくだされば、ぜひご御連絡をお待ちいたしております。

 先ほどの話の続きに戻りますが、その後、市役所の担当課に行き、事のてんまつを説明し、お話を伺ったところ、確かに思い当たるところはあるとのことでした。そこで、詳しく聞かせていただけないかとお願いをしてみましたが、個人の情報にもかかわることでもあり、また行政における守秘義務もあり、そういう制限がある中で、一般論としてのお話をお聞きしましたが、昔の生活保護受給者には余り見かけられなかった若い勤労年齢者の受給者が意外に多いこと、また申し込みに来られるときに単独ではない場合が多いことなどを聞かせていただきました。その後、電話の人が言われたアパートに行ってみましたが、整然としていて人の気配が感じられず、入り口のところにある、標語と思われる言葉が掲げられているのがとても印象的でした。以降、幾度となく付近を訪ねてみますが、一度も人と出会ったことはありません。

 このことを機会に、県内のほかの市町村では似たような事案はないか調べましたところ、可児市で賃貸借契約書に記載のない費用を不当に徴収されたとして、市内の不動産会社「Bトレンド」管理のアパートに入居する外国人八人が、九月三十日、徴収された費用計五十三万円の支払いを同社に求める訴えを御嵩簡易裁判所に起こしたとする新聞記事を見つけました。原告らによると、Bトレンドは生活に苦しむ外国人に声をかけ、市内のアパートに入居させると同時に生活保護を申請させ、家賃などを徴収していたとのことです。

 貧困ビジネス、これをめぐる民事訴訟は県内では珍しいようですが、原告は可児市に住む三十八歳から五十七歳のフィリピン人とブラジル人の男女八名。訴状などによると、原告は四月から七月、B社と賃貸借契約を締結。B社の担当者とともに市役所に生活保護を申請し、生活保護受給が決まると、契約時に明示されなかった業務委託費月額一万五千五百円や、本来は市役所に支払うべき水道料金月額三千円などを請求され、きちんと支払わないと退去してもらうと言われた原告もいるとのことで、原告の弁護人によると、B社は生活に困ったら御連絡をとの趣旨を記した外国語のチラシを飲食店などで配布し、集まった外国人を対象に説明会を行い、入居を勧誘していたといいます。業務委託費などについては別の契約書を作成した可能性がありますが、弁護人は、条項を確認しないままサインさせられた、原告の意思を反映していない契約は無効としています。

 提訴後に可児市役所で開かれた記者会見で、原告のフィリピン人男性は、生活保護の申請を手伝ってくれてありがたかったが、不当な費用の支払いを毎月要求され許せないと憤りを募らせた。B社は、「訴状を見ておらずコメントできない」と、本年十月一日の新聞記事にありました。

 これは外国人に対しての事案でありますが、記事の中に出てくる「貧困ビジネス」と言われる言葉が全国的に注目を集めております。特に、大阪府で多くの貧困ビジネスを業としている者が暗躍していると報道されていますが、このような業者は、県内各地においてもホームレスなど貧困者がいるところ、それを食い物にするハイエナのような業者が存在し、先ほど、私に相談をされた方もこのような業者に搾取されているのではないかと危惧するところであります。

 この問題の難しいところは、やはり路上生活をしていた方にとって、住むところを与えてくれ、食事も与えてくれる、そして生活保護手続も全部やってくれるこれらの業者は、救いの神に思えるだろうということであります。しかし、実態は、支給された生活保護費を不当な請求により取り上げたり、就業支援など貧困から脱出するための支援などは一切行わず、それどころか搾取し続けるために仕事をさせないなど、非常に大きな問題も含んでおります。

 このような、あしき動機でもってホームレスなど貧困者に近づき、生活保護費を搾取する業者を野放しにさせないためにも、無料低額宿泊所などの設置に当たっては厳格な許可基準をつくるなど、対応が必要であると思います。現に大阪府では、本年十月二十七日に府議会において、大阪府被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例、これを可決成立し、二十三年二月一日をもって施行されることとなっており、法的な規制に取り組む自治体も出てきております。

 ひとしく安全・安心で、文化的な生活を過ごされますことは、岐阜県民すべての人々に望まれることであります。しかし、そうした中にあっても、やむにやまれぬ事情などによりどうしても本人たちの努力だけでは解決できないときには、行政などからの支援を受けながら、一日も早く再起を期する道筋を立てられるようにしなければなりません。こうした意味で、セーフティーネットとしての役割を果たす生活保護制度は大変重要なものでありますし、何よりも県民の皆様の支えによって成り立っているものであります。しかし、そうした県民の皆様の善意を逆手にとり、生活困窮者の弱みにつけ込んでこれを搾取するようなやからがいることも事実であります。

 そこで、健康福祉部長に次の二点についてお尋ねをいたします。こうしたいわゆる貧困ビジネスについて、岐阜県においてはどのような状況にあるのか、貧困ビジネスの現状認識についてお尋ねをいたします。また、貧困ビジネスの問題に対して、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、ものづくり産業における人材育成についてお尋ねいたします。

 厳しい状況の中にある雇用環境に打ちかつためには、それぞれ個人の特性を十二分に発揮すること、すなわちスキルを高め、自分をアピールし、それを社会の中で生かしていくことが求められています。そのことが、社会の一員としての生きがいややりがいとなるものであると思っております。

 職人さんを例に御紹介させていただきますと、「飛騨の匠」という言葉を皆さんは聞いたことがあると思います。歴史をさかのぼり、奈良時代、西暦六四五年、大化の改新により政治の仕組みが変わり、戸籍がつくられ、租・庸・調という租税制度が始まりました。当時の人々は、租税として米や織物などを納めたり、一定の期間、都での労役につかなければなりませんでした。しかし、当時の飛騨では、織物や都での労役を免除するかわりに、一里−−五十戸−−ごとに匠丁、今の大工さんのことですね、十人を差し出さなければならなかったそうであります。飛騨は山国ですから、豊かな森林があり、すぐれたきこりや大工さんが多くいましたので、奈良の都へ出かけて一年間、宮殿や大寺院を建てる仕事に従事していました。飛騨から出ていった飛騨の農民はとてもよく働き、すぐれた木工技術を持っていましたので、都の人はこの人たちを総じて「飛騨の匠」と呼んだそうであります。

 匠が都ヘ送られた平安時代末期までの期間はおよそ五百年、延べにして四万人の飛騨人が働いたそうであります。飛騨の匠が役目を終わって帰ると、都で体験した新しい文化を、ふるさとの国づくりのために生かしていました。後に飛騨の匠といえば名工の美称になり、長い伝統と培われた技術が脈々と受け継がれて、江戸時代の後期に花開いたのが高山の屋台です。高山祭の屋台は「動く陽明門」とも言われますように豪華けんらんなものであります。屋台は、外観の美しさだけでなく、引いたときに前後左右に揺れ動くところに風情があります。実は、最近わかったことでありますが、車輪の中心をわざと少しずらし、そのために揺れ動くのだそうであります。また、柱やほぞに遊びが設けてあり、このことが屋台を一層堅固にしています。狭い通りの中で方向転換しやすいように工夫され、戻し車がつってあります。これを下へおろすと、ジャッキの役をして四輪のうち二輪が持ち上がり、三輪として回転しやすくなるそうであります。屋台彫刻はわざを競い合った一位の一刀彫で、すぐれたものばかりです。屋台の木工、塗り、彫刻はすべて高山の職人によるものです。私の妻は高山市内で小学生まで過ごしましたので、今でも春と秋のお祭りの季節になると、昔の思い出話をしながら「行ってみたいね」と言いますが、なかなか訪ねることができないきょうこのごろであります。

 さて、このように、はるか奈良時代から綿々と受け継がれてきた匠のわざは、少しも色あせることなく、飛騨の基幹的地場産業である飛騨の家具づくりを初め、伝統的な一位一刀彫、飛騨春慶塗、工芸、クラフトなどなど、さまざまなものづくりの中に脈々と息づいています。そして、こうして受け継がれてきた匠のわざをさらに後世に伝え、残していくことが我々の使命であると感じております。そのためにも、こうした地場産業の振興とともに、やはり人材の育成というものが重要であると考えております。

 そのような中、先日うれしいニュースが飛び込んでまいりました。それは、本年十月二十二日から二十五日まで、神奈川県を主会場として行われた第四十八回技能五輪全国大会、今年度はこの大会に県内から十三名の選手が出場し、その中に、私の地元瑞穂市出身で、平成十九年に県立国際たくみアカデミー職業能力開発校住宅科を修了し、現在、瑞浪市の小倉左官店に勤務する牛丸和己君−−十九歳−−が、見事、左官職種で県勢初の金賞を受賞したほか、県立国際園芸アカデミー在学生の方を初め三名の方が敢闘賞を受賞するなど、大変明るい話題がありました。この技能五輪全国大会は、満二十三歳以下の国内青年技能者の技能レベルを競うことにより、青年技能者に努力目標を与え、身近に技能に触れる機会を提供するなど、広く技能尊重機運の醸成を図ることを目的に毎年開催されているものであります。先月二十五日の新聞に、左官部門で金賞を受賞した牛丸君たちが、受賞報告のために古田知事のもとを訪れたという記事が掲載されていました。牛丸君は、来年秋に英国ロンドンで開催される技能五輪国際大会への出場も決まっているとのことで、古田知事も「世界を目指す人材がアカデミーから出てうれしい」とコメントされていたのが印象的であります。私も、牛丸君の活躍には大変期待をいたしております。頑張ってください。

 さて、さきにも述べましたように、かつて豊かな森林に囲まれた飛騨の風土が「飛騨の匠」と称される技術者をはぐくんできました。そして時代は変わり、今や自動車に代表される輸送用機器、工作機械、電気機器などの金属機械産業から航空宇宙産業まで、まさにものづくり産業が本県の基幹的な産業となっております。そうした中で、飛騨の匠のDNAは脈々と生き続けていると思います。そして、こうしたものづくり産業で活躍する現代の匠を育成する上において重要な役割を果たしているものが、いわゆる職業訓練であると考えております。

 職業訓練施設は、県立の施設では、先ほど御紹介しました牛丸君が通っていた県立国際たくみアカデミーや、高山にある木工芸術スクールなどがあります。国際たくみアカデミーでは、製図技術や金属加工技術、水道・電気・空調などの設備システムなどのほか、建築技術を習得できるコースなどが設置され、また、木工芸術スクールでは、木工家具の製作やデザイン技術、そして木造建築技術などを学ぶことができ、まさに現代の飛騨の匠を養成しております。一方、県の施策の方向性は、今後新エネルギー、航空宇宙産業、あるいは医療や福祉といった成長が見込まれる分野での産業振興を進めようとしておられるところ、こうした産業分野における人材が当然必要になってくるものと思われます。また、新聞報道などでも厳しい雇用状況が取りざたされておりますが、未内定の既卒者といった若年者をターゲットに産業人材育成を行うことで、若者の就労促進にもつながるのではないでしょうか。

 そこで商工労働部長にお尋ねいたします。

 このように、これらの職業訓練施設は、本県のものづくり産業への人材供給を支えるための重要な役割を果たすものでありますが、新たな産業分野における人材ニーズや若年者の厳しい雇用環境も踏まえ、職業訓練施設の運営など、ものづくり産業の人材育成について、今後どのような方針で、どういったことに重点を置いて進めていこうと考えておみえになるのか、お尋ねをいたします。

 厳しい世相ではありますが、まじめに頑張る人たちが報われ、手を差し伸べなくてはならない人にはとりでとなるセーフティーネットが必要です。政治の不安定さが住民の戸惑いとならないように、岐阜県政においてはしっかり論議し、よりよい県政となるように努め、質問をさせていただきました。

 答弁から生まれる施策がよりよく機能して、初めて希望と誇りの持てる岐阜県になるものと思います。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(安田謙三君) 健康福祉部長 近田和彦君。

   〔健康福祉部長 近田和彦君登壇〕



◎健康福祉部長(近田和彦君) いわゆる貧困ビジネスに係る県内の状況についてお答えをいたします。

 生活保護費を不当に搾取する貧困ビジネスにつきましては、被保護者の生活を脅かし、自立を妨げるものであることから、県といたしましても厳正に対処しなければならないものと考えております。このため、生活保護行政を担う福祉事務所に対し、連絡会議や事務監査などにおいて的確な対処と情報の提供を依頼しているところでございます。これまでに、御質問にありました事案以外には特段の情報提供はございませんが、引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。

 次に、貧困ビジネスに係る県の対策についてお答えをいたします。

 県といたしましては、被保護者が貧困ビジネスに取り込まれないためには、被保護者の生活実態を把握することがまずは重要と考え、生活保護の窓口での確認に加え、ケースワーカーが定期的に訪問して状況を確認するよう、福祉事務所に対して指導・助言しているところであります。特に本年度からは、被保護者への定期的な訪問を事務監査の重点項目に加えております。その中で、住環境が著しく劣悪な施設や、施設の処遇が著しく不適切な状況を把握した場合などについては、引っ越し費用や敷金を支給することにより、他の適切な住居・施設への転居を促してまいります。また、貧困ビジネスの介入を防ぐためにも、就労能力のある方にはできるだけ自立していただくことが重要と考え、本年度には、県福祉事務所において被保護者の就職活動をサポートする就労支援員五名を増員するとともに、市福祉事務所における就労支援員設置費への補助を開始したところでございます。

 さらに、そもそも貧困ビジネスと言われるような業態はまさに全国的な問題であり、生活保護法や社会福祉法が時代に合っていないことが大きな原因と思われますので、県といたしましては、厚生労働省に対して貧困ビジネスを規制する制度の創設を要望しているところであります。それとあわせまして、大阪府が行う条例による規制の効果や影響などにつきましても検証を続けてまいりたいと考えております。



○議長(安田謙三君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) 私からは、ものづくり産業におけます人材育成についてお答えをいたします。

 まず、技能五輪全国大会におきまして、国際たくみアカデミーの卒業生であります牛丸和己さんが、岐阜県からは五年ぶりの快挙となります金賞を受賞されたことは、県としても大変喜ばしく、来年のロンドンでの国際大会での御活躍を期待しているところでございます。

 さて、ものづくり産業の人材育成につきましては、まず第一に現場の企業が求める即戦力を有する人材を育成することが重要であります。こうしたニーズに対応するため、国際たくみアカデミー及び木工芸術スクールにおきましては、学卒者や求職者の方々を対象としました就職に直結する職業訓練や、企業の在職者向けの各種の研修や訓練を実施しているところでございます。

 次に、ものづくりにおける技能・技術の高度化を進めるためには、岐阜大学や岐阜工業高等専門学校、東海職業能力開発大学校など、県内の産業人材育成機関が有する高度な人材育成機能を相互に活用し、現場のものづくり能力を強化していくことが不可欠と考えております。このため、昨年七月に、産学官の団体が連携しました岐阜県産業人材育成連携推進協議会を立ち上げまして、企業の若手技能者を対象とした技能研修や、熟練技能者を企業や高校に派遣する出前講座、さらには工場長など管理監督人材の養成講座を実施しており、今後も引き続き、こうした取り組みを強化してまいりたいと考えております。

 さらに、こうした取り組みに加えまして、航空宇宙など、今後成長が見込まれる新たな産業分野につきましては、新素材などの加工技術等に関する研究開発にあわせまして、高度な技術や最新の理論等を学ぶ研修事業の実施についても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。



○議長(安田謙三君) 八番 加藤大博君。

   〔八番 加藤大博君登壇〕(拍手)



◆八番(加藤大博君) ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきたいと思います。

 平成十九年に下呂市で開催された全国植樹祭に続き、本年六月には、再び天皇・皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、関市で全国豊かな海づくり大会が盛大に開催されました。申し上げるまでもなく、これらの行事は古田知事を初めとする県執行部、関係市町村・団体、また多くの県民の皆様のご協力のもと大成功をおさめ、岐阜県の豊かな自然とそのすばらしさを広く全国にアピールすることができました。このことは、私も県民の一人として大変誇らしく思い、またすばらしいことだと認識しております。

 県土の約八割を占める森林、そして長良川に代表される美しい河川と水。「飛山濃水」という言葉に代表される豊かな自然は、我々県民が他に誇ることのできる岐阜県の宝の一つであると思います。しかし、この豊かな自然をはぐくむ県土の実に五六%を、県内人口の一割にも満たない過疎地域の人々が支えているという現実に、この二つの行事を通じ、どれだけの県民の方々が目を向け、気をとめていただけたのか、私は大いに関心があります。

 そこでまず、本県の過疎化対策についてお尋ねをいたします。

 全国では、本年四月一日現在、千七百二十七の市町村が存在いたしますが、その四割を超える七百七十六市町村が、三月に成立いたしました過疎地域自立促進特別措置法に基づく過疎地域の指定を受けています。この七百七十六市町村の国の総人口に対する割合は一割弱、面積比は五七%と、くしくも岐阜県の傾向とほぼ一致します。広大な国土・県土をわずかな人口で守り支えていることに変わりはありません。

 多くの方々が実感しておられる少子・高齢化とは異なり、過疎化や、近年よく耳にする限界集落という言葉は、知識としてあっても余り現実感のない事柄なのかもしれません。

 参考までに申し上げますと、限界集落は、高知大学の大野 晃名誉教授が提唱した概念でありますが、六十五歳以上の人口比が五〇%以上の地域であり、高齢化が進み、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難となり、共同体の機能維持が限界に達している状態の地域とされています。最近では都市部においても、かつての新興住宅地であった地域で同じような現象が見られることもありますが、今回は、問題がより深刻な過疎地域を中心に話を進めさせていただきます。

 平成十八年度の国土交通省の調査では、過疎地域を抱える市町村に存在する集落は六万二千二百七十三集落とのことです。このうち七千八百七十八集落が限界集落に該当し、十年以内に消滅するおそれがあると予測される集落は四百二十三あるとされています。これに、いずれ消滅するおそれがあると見られる集落を合わせると、二千六百四十三の集落が今まさに存亡の危機に瀕しているとのことです。また、これ以前の調査などから、少なくとも既に全国で百九十一の集落が消滅したことが確認されています。一集落の消滅が、すぐさま市町村の存続に影響を与えるわけではありませんが、地域が担ってきた多面的・公益的な役割を一部であっても失うことは、大きな損失であると考えます。過疎地域は、多くの課題・問題を抱えているものの、人口が少ないがゆえ、これらの事柄について軽視されがちですが、過疎地域は豊かな自然や農地・森林などを有し、地球環境維持への貢献や国土の保全、水・食料・電力の供給などを通じて、この地域のみならず都市の生活や生産活動を支えるという公益的で大変重要な役割を担っており、国民生活にはなくてはならない存在であることも事実であります。

 この地域の自治体や、地域住民の主体的な取り組みが求められるのは当然のことでありますが、さまざまな面でハンディキャップを抱える過疎地域の振興に当たっては、国や県による正確な現状認識と、それに基づいた適切な支援が必要だと感じます。本県では、私の地元であります加茂郡を含む八市六町村が、過疎地域自立促進特別措置法によって過疎地域の指定を受けております。これを受け、県においても、過疎地域の自立促進を図るため県が行う対策の大綱である岐阜県過疎地域自立促進方針の策定を、この十月に行っていただいたところであります。それぞれの市町村が、地域の活性化のため、さまざまな努力を講じておられることは周知の事実であります。しかし、そのような取り組みにもかかわらず、少子・高齢化が進む本県にあっても、全国と同様に限界集落は増加する傾向にあるのではないかと思います。

 そこで観光交流推進局長にお尋ねいたします。県として、限界集落を初め、それぞれ過疎の指定を受けている地域の現状をどのように認識し、分析しておられるのか。あわせて、県としてどのような支援が必要と考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 次に、過疎地域における農業振興策に関連して、三点お尋ねいたします。

 まず、過疎地域における耕作放棄地についてお尋ねをいたします。

 本県における過疎地域の地形の状況は、可住地面積率は一〇%、農用地面積率は二%で、残りはおおむね森林で占められており、地形的に決して恵まれているとは言えません。そのようなことが一因となって過疎化しているのですが、こうした決して便利で住みやすいとは言えない地域で生活し、山を守り、田畑を耕す人々がおられるからこそ、美しい山、きれいな水が守られ、豊かな自然と多様な生態系が維持されているのです。

 過疎地域は、先ほども申しましたが、環境の保全、災害の防止などさまざまな役割を担い、下流域の都市部の生活をしっかりと支えています。また、過疎地域は伝統文化や伝統産業をしっかりと守り伝えている地域でもあります。公共事業費が大きく削減され、とかく費用対効果や事業効果が叫ばれる現状では、こうした地域に対する基盤整備については厳しい意見が多く寄せられるのが常であります。しかし、過疎地域が過去から現在にかけ、果たし続けている多面的・公益的な役割の重要性を正しく評価し、地域の将来に対するビジョンを県がしっかりと示すことは、当該地域に住み、生計を営む人々の安心と希望につながるものと信じます。

 県は、本県における農業の今後のあり方を示す「ぎふ農業・農村基本計画」を今年度中に策定されます。この計画の中で、過疎地域を初めとする農業にかかわる基盤整備の方針についても示される予定であり、その方針を踏まえ、具体的な施策が策定されると伺っております。執行部におかれましては、これらの基盤整備に係る施策を着実に推進されるよう強く要望するものであります。基盤整備に係るそれらの施策を着実に行っていくことが、過疎地域において深刻な問題となっている地域資源の荒廃、つまり耕作放棄地の増大や森林の荒廃、空き家の増加、ごみの不法投棄、獣害・病虫害等の発生など、さまざまな問題を解消することにつながるものと考えます。

 しかしながら、公共事業費が大きく削減される現状にあっては、効率的に基盤整備を進めることが重要であると考えます。そのためには、まず過疎地域の現状、特に当該地域において大きな課題となっている耕作放棄地の現状を把握することが必要であると思います。

 そこで農政部長にお尋ねいたします。現在、県内の過疎地域の耕作放棄地はどのような状況にあるのでしょうか。また、県として、その原因はどのように認識しておられるのでしょうか。さらに、それらを踏まえ、今後の対策はどのように講じていかれるのでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、過疎地域における集落営農に対する県のお考えについてお尋ねいたします。

 岐阜県にとって、農業は県内産業における大きな柱の一つであります。今後も重要な位置を占め続けるものと確信をしております。とりわけ、過疎地域にとっては林業、建設業と並ぶ基幹産業の一つであります。しかしながらそれらを取り巻く現状は厳しく、農業もまじめに取り組んでもなかなかもうけが出ないという状況が長く続いてきました。結果として、よりよい収入・条件を求め、都市部に地域を担うべき若者が流出し、現在のような過疎が進む原因の一つとなりました。自分の生まれ育ったふるさとにどれだけの愛着・愛情があったとしても、そこで生活していくためには、やはり地域でしっかりと生きていくことのできる生活基盤が必要です。

 このため、地域の人々が農業で生計を営むことができるよう、安定した経営基盤を確立し、同時に担い手不足解消の方策の一つとして集落営農が進められています。しかしながら、過疎地域の集落営農は、過疎化や高齢化が進む中、結果として担い手が急速に減少していく傾向にあり、現状のままでは、今後行き詰まっていくのではないかと思われます。

 そこで農政部長にお尋ねいたします。過疎地域における集落営農について、耕作地の維持だけでなく、盤石な経営基盤を確立させることで、今後とも地域を支える産業として成立させていくことが必要と感じますが、県としてはどのような考えで過疎地域における集落営農を進めていかれるのか、お尋ねいたします。

 最後に、過疎地域における農業の担い手育成についてお尋ねいたします。

 県では、農業を基幹産業の一つとして位置づけ、さまざまな施策を実行しておられますが、その一つにぎふクリーン農業の推進があります。これは従来の栽培に比べ、化学合成農薬・化学肥料の使用量をそれぞれ三〇%以上削減し、付加価値を高めるとともに、消費者に安心・安全な農作物を届けようというものです。この取り組みは、現在の多様化した消費者のニーズの中でも大きな位置を占める食の安心・安全を求める声に合致したものであり、今後も一層の取り組みが期待されます。そうした取り組みの中、今後はさらに上位の農業生産工程管理−−GAP−−にも取り組み、一層の付加価値の増大に努めていかれると伺っております。今後、将来にわたり安定した農業経営を行うには、経営基盤を強化するための農地集積に対する取り組みのほか、ぎふクリーン農業やGAPなど、付加価値を高める農産物の生産への取り組みが必要であると考えます。当事者である農業従事者の資質や努力が問われることは当然のことです。しかし、過疎地域においては小規模農家が多く、専門の知識を持った人材も決して多いとは言えません。このような状況において、消費者の多様なニーズに的確に対応し、厳格な生産管理を行っていくことは、過疎地域における農業経営の大きな負担となるのではないかと感じます。

 しかしながら、そうした課題を乗り越え、多くの人、とりわけ地域を担うべき若者にとって、農業が生活基盤を構築していく上で十分な魅力的な産業であると認識されれば、まさに地域を支えるべき基幹産業とすることができるのではないかと思います。そのためには、県を初めとするさまざまな関係機関がしっかりとしたサポートを行うことで、農家がより安心感を持って農業に従事することができる環境を整えていくことが重要と考えます。そうした取り組みの結果がより多くの成功事例につながり、過疎地域の問題解決の一助になるものと確信をしております。

 そこで農政部長にお尋ねいたします。過疎地域における農業の担い手育成に関して、農業に対する十分な知識を持たない新規就農者が参入しやすい仕組みや、新規・既存を問わず農業経営をサポート、指導していく仕組みが必要と考えますが、今後、県としてどのように進めていかれるのか、お尋ねいたします。

 以上、過疎地域の諸問題について質問をいたしましたが、全国的にも、また全県的にも人口が減少していく中で、過疎地域の問題を根本的に解決するのは大変なことであります。しかしながら、過疎地域の問題を解決するには、現状維持ではなく、新たな地域社会のあり方も同時に模索していくことが重要であると感じます。そうした中で、過疎地域が長年培ってきた多面的・公益的な役割をしっかりと再認識し、その地域に住む人々だけでなく、多くの方々が関心を持って考えていくことが必要ではないかと感じます。

 今回の質問に際し、参考といたしました国土交通省の調査の最終報告は、次のように結ばれています。

 「グローバル化が進み、地球の裏側で起こったことすら直ちに我々の生活に影響が出てくる時代である。ともすれば、国内の集落より地球の裏側に関心が向きがちであるが、同時に国内の一集落で起こっていることが将来の日本に与える影響についても関心を持つゆとりが必要なのではないだろうか。一度失われた集落はもとに戻らないことも肝に銘じ、国民的な関心を高めつつ、集落のあり方について検討を深めるべきである。」

 私も、この意見に深く同意するものであり、県民の皆様におかれましても広く集落への認識を持っていただきますよう心からお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

   (拍手)



○議長(安田謙三君) 農政部長 馬場秀一郎君。

   〔農政部長 馬場秀一郎君登壇〕



◎農政部長(馬場秀一郎君) 過疎地域における農業振興につきまして、三点御質問いただきました。

 まず最初に、耕作放棄地についてお答えを申し上げます。

 県内の耕作放棄地は、先日公表されました農林業センサス結果によりますと、五千四百九十一ヘクタールあり、そのうち三千三百三十九ヘクタールが過疎地域の市町村に所在し、五年前の調査と比較しまして六十五ヘクタール減少いたしております。また、耕作放棄地の発生原因につきましては、農家の高齢化や農産物価格の低迷、鳥獣被害などさまざまな要因によって営農が困難になったものと認識をいたしております。

 こうした中で、特に過疎地域において、県の雇用対策等を活用し、NPO法人による鳥獣被害の少ない山菜の栽培や、建設業者による地域特産物の作付など、農外企業等の参入による耕作放棄地の活用事例があり、こうした取り組みを今後一層促進してまいりたいと考えております。さらに、地域住民や企業等と連携し、農地再生の機運を盛り上げ、解消活動を促進する農地イキイキ再生運動の実施などにより、耕作放棄地の解消に努めてまいります。また、集落営農組織の育成や中山間地域の農地を守る中山間地域等直接支払制度の活用、鳥獣害の防止対策、さらには簡易な土地基盤整備などを総合的に推進し、耕作放棄地の発生防止にも努めてまいります。

 続きまして、集落営農についてお答え申し上げます。

 将来にわたり、地域の水田農業を継続するために、高齢農家や小規模農家なども含めた多くの農家が参加する集落営農組織の育成を進めているところでございます。しかし、過疎地域におきましては、高齢化の進行、人口の減少、また不利な営農条件等によりまして、集落営農を担う中心的な人材の確保が難しくなってきており、組織の維持・発展という面では、この人材の確保が最も重要であると認識をいたしております。このため、まず集落内での人材の発掘・育成、それが困難な場合には近隣集落からの人材の活用、あるいは地域外からの新たな人材の確保が必要であると考えております。県といたしましては、来年度は過疎地にモデル地区を数カ所設け、集落における合意形成を進めながら、営農組織の核となる人材の確保に努めてまいりたいと考えております。あわせまして、営農組織が安定した経営体となるよう、園芸作物や農産物加工等の導入により経営の多角化を進めてまいりたいと考えております。

 最後に、過疎地域におきます農業の担い手育成についてお答えを申し上げます。

 今お答えいたしました集落営農組織のほか、施設園芸など個別経営の担い手育成につきましては、例えば白川町では、地域の関係機関が密接な連携のもと、県の研修制度を活用し積極的に研修生を受け入れ、平成十六年度以降、六名の若い担い手が町外から新規に就農されました。県といたしましては、こうした成功事例を参考にしながら、今後は関係機関である市町村、農協、生産者と連携して、就農希望者の技術習得から農地・住居のあっせん、就農、定着までを一貫して地域で支援する体制を整備し、担い手の育成をしてまいりたいというふうに考えております。

 さらに、農業経営指導につきましては、普及指導員が市町村や農協と連携し、過疎地域の実情に合わせた栽培技術や経営面での個別指導を行うとともに、農産物の加工・販売など六次産業化を進め、担い手の皆さんが所得向上を図り、安定した農業経営を行えるようサポートしてまいります。



○議長(安田謙三君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

   〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) 本県の過疎化対策についてお答えします。

 過疎地域の現状については、人口減少や高齢化に伴い、農作業や買い物を初めとした日常生活に支障を来すなど、地域で暮らし続けることが困難になりつつあると認識しています。しかし、高齢化率が五割を超えていても、特産品開発や観光交流を進め、新たな移住者を受け入れている地域もあり、一概に高齢化率だけでは地域の元気の有無を判断できないのも事実です。

 県としましては、過疎地域の振興として、まず農林業などの担い手となり、生活の継続を可能とする地域づくりを行い、地域資源を活用した産業育成や移住・定住の推進を図ることとしており、そうした活動に意欲ある地域を集中的に支援することとしています。例えば郡上市明宝地区では、地域からの要請を受け、本年九月より若手県職員によるふるさと応援チームを派遣し、集落活動を支える人材の投入、温泉を中心とした新たな観光企画の開発など、集中的な支援を行っています。また、本年七月には揖斐川町を移住・定住モデルエリアに選定し、移住希望者向けの田舎暮らし体験プログラムを提供するなどの移住・定住対策を支援しております。今後も、地域の取り組みを積極的に支援し、過疎地域の振興につなげてまいります。



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○議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時三十三分休憩



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△午後零時四十九分再開



○副議長(渡辺真君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(渡辺真君) お諮りいたします。本日の会議をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(渡辺真君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(渡辺真君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十七番 水野正敏君。

   〔十七番 水野正敏君登壇〕(拍手)



◆十七番(水野正敏君) 県政自民クラブ所属の水野正敏でございます。

 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。

 今回は、国道十九号瑞浪恵那道路の道路整備促進について、この一点に絞って古田知事にお尋ねをしたいと思います。この問題については、一般質問の初日、県土整備部長の御答弁の中で一部触れていただいておりますけれども、事業推進に向けて極めて大切な時期を迎えておる、そんな認識のもと、岐阜県としての姿勢を知事御本人にお伺いをするものであります。

 なお、本議場へは、瑞浪、恵那両市長さんを初め、国道十九号 瑞浪恵那道路整備促進協議会並びに議員連盟の皆様方にも多数傍聴に駆けつけていただいております。そのことをお伝え申し上げながら、質問に入りたいと思います。

 先月十一月二十五日、東京日比谷公会堂において、安全・安心の道づくりを求める全国大会が開催され、私も参加をいたしました。この大会は、民主党政権下「コンクリートから人へ」の言葉どおり、平成二十二年度予算では公共事業費、対前年度比一八・三%の削減、さらに二十三年度予算編成過程においても一〇%以上の削減が予測されるという、余りにも厳しい道路関係予算の現状に大変な危機感を持った、道路整備促進期成同盟会全国協議会を初めとする道路関係四団体が主催をしたものであります。円安・デフレ不況下、厳しい雇用情勢、疲弊し続ける地方経済、今まさにこんなときだからこそ道路整備の必要性を強く訴え、同時に国会議員、関係省庁へ要望活動を展開する、そんな大会でありました。

 主催者の一人としてあいさつに立たれた石原東京都知事は、「それにしてもこの国はどうなるのか」、そんな言葉から始まり、普天間、尖閣、北方領土と続く日本の外交姿勢に触れ、「何が肝心か理解できない人間が今の日本を動かしている。このていたらくを見れば、いずれ日本は沈没してしまうだろう」と現政権を痛烈に批判した上で、「子ども手当も結構だが、多くは貯金に回っていると聞いている。投資しなければならないものの優先順位がわかっていないとしか言いようがない」と、現政権の政策に対し疑問を投げかけた上で、「東京は日本の心臓だ。心臓の血液がとまるようなことがあってはならない。これからも都市としての道路、社会資本の整備に努めていかなければならない。何とかなるだろうでは済まない時代が来た。こういう本末転倒の政治にみんなで危機感を持ってほしい。今まさに大きな声をそろえて頑張ろう」と、そう締めくくられたのであります。続いてあいさつに立たれた来賓も、意見発表を求められた地方の代表も、道路関係予算を削減し続ける国の方向性を憂慮し、これまでは社会保障関係費の伸びを公共事業費の削減で補ってきたけれども、もはやこれも限界に来た。このままでは、現道の維持・修繕すらままならない。国民にとって安心・安全な道路が守れるのかといった声や、平成十年をピークに今や当時の四〇%、五兆八千億円にまで落ち込んでしまった公共事業関係費、この現状がどれだけ地方を疲弊させているのか、今の政権はそれをわかっているのか、さらに続けて「公共事業を担う建設産業は全雇用の九%をつくり出し、GDPの六%を生み出している。地方における割合は当然もっと高いわけで、失業対策としての雇用調整助成金も緊急雇用対策事業も必要だけれども、いつまでも続けられるものではない。地方を元気にさせるためにも、将来の日本を支える社会資本を蓄積させるという点でも、ここは新たに国債を発行してでも、真に必要な公共事業、道路整備を進めていくべきだ」。そう、最近発刊された藤井 聡氏著の「公共事業が日本を救う」という本の内容を引用した発言も多くあったわけでございます。私自身、将来に備えた社会資本の整備の必要性、社会保障に係る費用と道路をつくるお金を同じ土俵で議論することの矛盾を改めて認識した大会でもございました。

 さらに、我が郷土岐阜県の道路整備の状況に目を向けてみたとき、地域からの要望の多くが道路整備に係るものという現実にもかかわらず、道路整備を含めた公共事業費は、平成十年度三千七百十三億円をピークに減少し続け、平成二十二年度当初予算の段階ではピーク時の三一%、千百六十億円まで落ち込んでいるのであります。現下の厳しい財政事情のもと、国の事業費が毎年削減されている現状ではやむを得ない現実かもしれませんが、それでも古田知事を初め執行部の皆さん方には、県民の安心・安全な暮らしを確保するための道路整備、岐阜県の将来を見据えて地域経済の持続的な発展に欠かすことのできない道路、社会資本の整備の必要性についてはこれからも十分御理解をいただき、一層の御努力をお願いするものであります。

 今の国と地方との関係を見れば、県としてできることの限界があります。ここはやはり声を大にして、国に対し、道路を含めた社会資本の整備の必要性を訴え続けていかなければならないと考えます。私ども議員は、こうして議会の壇上で、あるいは意見書という形で国に訴えていきますし、知事におかれましても、あらゆる機会、場面を通じて、地方の実情、国と地方のあるべき姿、関係についてメッセージを発し続けていただきたい、この点を御要望申し上げながら、きょうの本題の瑞浪恵那道路の件へと話を移してまいりたいと思います。

 国道十九号は、名古屋市内中心部から東濃地域、多治見、土岐、瑞浪、恵那、中津川の五市のほぼ中心部を貫き、木曽谷を抜けて長野県に至る延長約二百七十キロの国直轄国道であります。都市間交流、広域物流を支える大動脈であると同時に、東濃五市発展の生命線でもあります。東濃区間約五十四キロの整備状況については、平成二十四年度中の完成を目指して進められている恵那−中津川間の恵中拡幅が完成すれば、瑞浪−恵那間十二・五キロを除いて全線四車線化供用されることになるわけです。つまり、名古屋市熱田区の国道一号との結接点から名古屋市内中心部、春日井市を抜け、県境の内津峠を越えて多治見市から中津川市まで、今回質問させていただく瑞浪−恵那間十二・五キロだけが二車線のまま取り残されることになってしまうのであります。

 東濃五市は、国道十九号、中央自動車道、JR中央西線で結ばれ、名古屋経済圏の中で発展を遂げてまいりました。その後、東海環状自動車道東回りルートが開通するに至っては、東濃圏域にも大きな変革が生じてまいりました。大規模な工業団地が造成され、企業進出が進む中、中部圏域全体を視野に入れた地域経済の振興、活性化が最重要課題となってきております。これからは、今まで以上に東濃五市が一体感を深め、圏域全体として振興策を進めていかなければならない。そんな中で、国道十九号瑞浪恵那道路区間が、東濃を西部と東部に分断する最大の要因となっているのであります。名古屋から東濃圏域を見た場合、内津峠を越えた多治見市は県外、瑞浪から奥の恵那・中津川はさらに山奥、そんなイメージで見られているのであります。このことは、JR中央線のダイヤ編成、運行している電車の本数を見ても明らかなわけであります。多治見から中津川までの五市がさまざまな特色、歴史的な背景、自然環境を生かし、競争しながらも一つの圏域として発展し続けていくためにも、瑞浪恵那道路の整備が必要不可欠なわけであります。

 さらに、瑞浪恵那道路区間、瑞浪市釜戸町から恵那市武並町、長島町にかけての十二・五キロの現状に目を向けてみますと、この間は急勾配及び曲線部の多い二車線対面通行区間であります。交通死亡事故の多発、信号交差点を中心にして慢性的な渋滞、特に釜戸町地内においては、深夜の大型車混入率が八〇%を超え、その騒音レベルは受忍限度を超えています。また、この地域は狭小な谷地形に国道十九号、中央自動車道、JRと交通インフラが集中した地域でもあります。迂回路もないことから、一たん事故が起これば、長時間にわたって通行どめが続くなど、地域の住民生活や交通利用者に多大な損失を強いる状態が続いているのであります。

 さらに、恵那市武並町に目を向けてみますと、岐阜県クリスタルパーク恵那スケート場、本年第三期工事が完成した恵那テクノパーク工業団地がございます。いずれの施設も、瑞浪恵那道路ができることを想定しての立地であります。現状、スケート場までのアクセスは大変わかりづらい状態でありますし、工業団地へ進出されている企業からも、規模の拡大、新たな事業展開をしようにも交通アクセスが今のままでは限界だと、そんな声も聞くわけであります。

 瑞浪恵那道路は、瑞浪、恵那両市にとりましても、また釜戸町、武並町という地域にとっても長年の悲願であるわけであります。こうした状況下において、瑞浪恵那道路の整備に向けた動きは二十年以上に及ぶわけでございます。平成三年に瑞浪・恵那周辺地域整備研究会が設置され、都市計画決定に向けた準備作業に入る中、平成五年には第十一次道路整備五カ年計画に事業着手と位置づけられました。その後も、地元としての熱意を示さなければならない、そんなことから、平成八年には瑞浪、恵那両市議会において特別委員会が設置されました。さらには、商工会議所、JC、自治連合会等の各種団体を構成員とする瑞浪恵那道路整備促進期成同盟会が設立され、研究会の実施、国・県への要望等、事業促進に向けた活動を積極的に展開してこられました。

 この間、後方の議長席にお座りになっております渡辺 真副議長におかれましても、平成十五年、平成二十一年の二度にわたり、本議場で瑞浪恵那道路についての質問に立たれております。当時の議事録に目を通す中、平成十五年第三回定例会での質問に対する当時の建設管理局長の答弁は、「瑞浪恵那道路は、より活発な地域間の交流を実現する重要な道路として位置づけられています。しかしながら、国においては、今のところ東海環状自動車道東回りの建設に全力投球しておられ、その他の整備には十分手が回っていないのが現状です」と、以下続くわけですけれども、このような表現で答えられておりますように、当時の関係者は、瑞浪恵那道路が遅々として進まないのは東海環状が優先されているからだ。万博が始まるまでという出口が決められた事業にお金も人もすべてをつぎ込んでいる以上、やむを得んだろう、そんなことが共通した認識でもありました。間もなく東海環状東回りは完成し、愛知万博も終わったわけですが、その後、西回りや東海北陸自動車道の四車線化は大きくクローズアップされるものの、瑞浪恵那道路に関しては何ら進展がないまま月日だけが経過していく、そんな現状に私たちは大変な危機感を持ったのであります。

 平成二十一年に入り、県当局の御理解をいただく中で、当時の金子一義国土交通大臣を初め国交省に対し、あらゆる方面から事業の進展を強力に求めました。その結果、その年の五月、国土交通省より概略ルート、ルート帯が発表されるに至りました。地域の悲願達成に向けてようやく一歩前進したことは、関係者一同、安堵すると同時に、強力に後押しをしていただいた皆さん方に感謝を申し上げたところであります。その後、都市計画決定に必要な環境影響評価の手続については順調に進めておられると伺っておりますが、瑞浪恵那道路の整備を着実に進めていくため、今後どのように取り組んでいかれるのか、古田知事にお伺いをいたします。

 この秋、リニア中央新幹線のルートが、南アルプスを貫く直線ルートで事実上決着いたしました。二〇二七年、東京−名古屋間の営業運転開始に向けて、国家プロジェクトとも言うべき夢の一大事業がまた一歩前進しました。近いうちに、県内走行ルートも、一県一駅と言われている停車駅の場所も明らかになってくるだろうと思われます。自民クラブの代表質問で駒田先生もお尋ねになっておりましたけれども、リニア停車駅を核としたまちづくり、リニア効果を県下全域に波及させていくためにも、道路整備を含めたアクセスの強化は最重要課題であると思います。これまでの経緯からして、リニアは東濃圏域のどこかを東西に走り抜け、そしてどこかの地点に駅が設置されるわけであります。

 今回質問いたしました国道十九号瑞浪恵那道路区間は、東濃圏域のほぼど真ん中に位置しています。当該区間の整備は、リニアを生かすという観点からも、極めて重要な事業だと考えております。古田知事におかれましては、リニア停車駅へのアクセスという観点から、また前段で申し上げたとおり、地域経済が疲弊し、財政事情が厳しいときだからこそ、将来に向けた投資が必要である。この御認識をいただき、ぜひとも前向きな御答弁をいただくようお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(渡辺真君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 大変熱のこもった御質問をいただきました。

 社会資本整備の重要性につきましては私も意見を同じくしておりますし、またそのための予算について、私も同様に危機感を持っておるところでございます。

 そこで、瑞浪恵那道路の整備ということでございますが、既にるる御説明があったとおりでございますが、まずこの国道十九号、名古屋を起点として東濃を通過し長野市に至る延長二百七十キロメートルということで、東濃地域にとっては産業振興あるいは観光交流を担う大変重要な直轄国道であるというふうに認識をしておるわけでございます。県では、県土千七百キロメートル骨格幹線ネットワーク構想というのが私どもの枠組みになっておりますが、その一環として位置づけて、既に優先的に整備を国にお願いしてきているということでございます。それから、お触れになりましたように、リニア中央新幹線の駅が東濃地域に設置されますと、駅へのアクセス道路としてさらに重要な役割を担うというふうに認識しておるところでございます。

 しかしながら、瑞浪市土岐町から恵那市長島町間におきましては、片側一車線の対面通行ということでございまして、この区間の一日当たりの交通量約二万四千台というふうに承知しておりますし、また一日を通じて一時間当たり四百台の大型車の通行があって、平均速度も時速五十キロということで、一たび交通事故が発生いたしますと大変重大事故につながるということで、平成十七年から二十一年の五年間で合計十件の死亡事故が発生しておるということでございます。また、交通事故発生時には全面通行どめとなる可能性が大変高いわけでありまして、平成二十年度は年間四回、二十一年度は年間九回、上下線が通行どめになっておりまして、周辺道路に大渋滞が発生し、物流交通あるいは地域生活に大変大きな影響を及ぼしておるということも事実でございます。さらに、瑞浪市釜戸町、恵那市武並町等では、地域が分断されている上に、道路から民家までが近いということで、騒音あるいは地域の活性化にいろいろと問題を抱えておるという実情にございます。

 以上、るる申し上げましたように、交通事故、渋滞、地域の分断、騒音等々の問題を抜本的に解決するために、これまで、これもお触れになられましたように、瑞浪市や恵那市の市長さんを初めとして、地元の関係者の方々が大変熱心に議論をしてこられたわけでございます。この結果、十九号のバイパスとして十二・五キロメートルの瑞浪恵那道路が国土交通省により計画され、昨年五月に概略ルートが公表されるに至ったということでございます。県では、この概略ルートの公表を受けまして、都市計画決定に向けた手続を今鋭意進めておるところでございます。

 この路線は、延長が十キロメートルを超えますので、かつ四車線の国道ということでございますので、都市計画と同時に環境影響評価法に基づく手続も必要になるということでございます。このため、まず県としては、環境調査の手法等を定めた方法書を作成いたしまして、昨年十月から一カ月間の公告・縦覧、また学識経験者、専門家の意見聴取というものを経まして、本年六月にこの方法書を確定したということでございまして、現在、この環境影響評価の方法書に基づいて、水質、大気、騒音、動植物等の環境調査を実施しているということでございます。

 私といたしましては、これまでも国へのさまざまな提言活動、あるいは県選出の国会議員の先生方との意見交換の場等で、あらゆる機会を通じてこの瑞浪恵那道路整備の必要性について訴えてきております。直近で申し上げますと、十月二十八日に馬淵国土交通大臣に直接お目にかかりましたし、また十一月十八日には民主党の国会議員の先生方、十九日には自民党の国会議員の先生方に、それぞれこの瑞浪恵那道路整備促進を強く訴えさせていただいたところでございます。引き続き、この瑞浪恵那道路につきまして環境調査を進めてまいりますが、準備書あるいは評価書の作成など、都市計画決定に向けた手続を着実に、かつ可能な限り速やかに進めていきたいというふうに考えておるところでございます。また、国に対しましても、御指摘がありましたように、リニア停車駅のアクセスという観点からも、この道路の重要性がさらに強調されてしかるべきだということで、本道路の早期事業化を強く働きかけてまいりたいと、こんなふうに考えております。



○副議長(渡辺真君) 十二番 川上哲也君。

   〔十二番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆十二番(川上哲也君) 通告に従い、質問をさせていただきます。

 まず最初に、医療の充実と維持について質問をさせていただきます。

 今月初め、新聞報道で、出産を取り扱う産科医について、岐阜県の不足率は全国で最悪だという記事が載っておりました。この記事の中身を見てみますと、岐阜県内で分娩を取り扱う産科医は現在百三十一人で、不足率は一・二九倍、全国平均で考えますと一・一一倍である中、ワーストの不足率だということでありました。もちろん、こういったアンケートにつきましては、その質問、設問の仕方によって答えもまちまちでありますので、数字も変動するとは思いますが、いずれにいたしましても真摯に受けとめなければならない数字であると思っております。

 そしてもう一点考えなければならないポイントは、この記事の中にありましたが、産科医の不足率順位を見てみますと、ワースト一番が岐阜県、二番が島根県、三番が同率で青森県と沖縄県、五番も同率で福島県と徳島県、岐阜県以外のこのワースト五県は近くに東京とか、名古屋とか、大阪とか、そういった大都市がない五県でありました。また、医師全体の不足率についても、悪い方から一番が島根県、二番が岩手県、三番が青森県、四番が同率で岐阜県と福島県、六番が山形県、これについても岐阜県以外は近くに大都市がない地域であります。こういった順位を見てみましても、名古屋という大都市が近くにありながら、医師を引っ張ってくることができていない岐阜県のこれまでの医療整備に対する手法について、十分だったと言えるのかどうか再検討しなければならないと思います。ただ、現在につきましては、岐阜大学医学部の地域枠学生に対する奨学金支給、卒業後一定期間医師不足地域を含む県内勤務を条件として奨学金を支給し、二十二年度は、これまでの合計二百人がこの岐阜県内で勤務すると見込まれております。県財政が苦しい中、こういった事業を通して県内の医療を充実させようとする取り組みについては評価するものでありますが、その二十二年度である今年六月時点での調査結果は先ほどのとおりでありました。依然として不足率が高いというものでありました。

 それでは、医師が充足しない原因は何なのか。これは全国的な話となりますが、その理由には、医師の絶対数が不足、大学の医師派遣機能の低下、当直や報酬などの条件が医師の希望と不一致、立地が不利などであります。このうち、大学の医師派遣機能の低下につきましては、さまざまな地域で、里帰り出産や嫁いだ先の地域が産科医不足でその地域で出産できないなどの影響を引き起こしている大きな原因の一つともなっております。

 では、なぜ大学病院のように医師がいっぱいいるところでも医師不足が起きてしまっているのか。これは、もう御存じの方も多いと思いますが、二〇〇四年から始まった研修医制度もその要因となっておりまして、新人医師が勤務環境などの身分の改善を得た反面、研修先を自由に選べるようになった結果、研修医は都市部や症例を多く学ぶことができる大病院に集中することとなり、そういった傾向が最近は強くなっており、以前は労働力として研修医を多く抱えることができていた大学病院でさえ、研修医の勤務環境をかなり改善しなければ、医師の確保がままならないという声さえ聞かれる状態となってしまっております。もちろん、大学病院の診療科すべてで医師不足が起こっているわけではなく、科によっては医師数に余裕を持っているところもあります。ただ、全国的に絶対数が不足しております産科などは、大学病院の医師引き揚げ、つまり協力体制をとっている病院から医師を引き揚げてしまう、あるいは医師が不足をしたときにサポートとして送り込んでいた、そういった支援をやめてしまう、そういったことが現実として起こっております。そういったことの影響で、岐阜県内でも幾つかの病院が医師の不足する科に対する支援を打ち切られてしまい、診療科をやめざるを得ない状態になった、そういった現実も起こっております。

 岐阜大学は、岐阜県と連携して岐阜県内の医療充実に一生懸命やっていただいておりますが、これが他県の大学病院だったら、果たしてそれはどうなるのか。その大学が存在する地元を重視するという方針がその大学病院の方針となった場合に、例えば岐阜県に対しての医師の派遣、他県の病院への支援は打ち切られやすいこととなり、岐阜県内にもその影響が事実出ております。

 そこで、今後の対策についてでありますが、先ほど述べました研修医をいかにふやすかも非常に重要なポイントとなってくる。つまり、岐阜大学医学部の地域枠で奨学金を受けた学生以外の研修医がいかに岐阜県内の病院で研修を受けるか、そしてそれをいかに地域医療の充実へつなげるのか、そのための環境整備を岐阜県がいかに行うか、これもぜひ考えなければならない課題であると考えております。

 岐阜県内の研修医受け入れ実績を見てみましても、県の総合医療センターや岐阜市民病院、岐大附属病院、大垣市民病院などの都市部にある大きな病院は多いものの、飛騨地域の病院には非常に少ない状態となっております。つまり、医師の不足が深刻化している地域ほど研修医が集まりにくい。しかも、県総合医療センターや岐阜市民病院に研修医として勤務したドクターに対して、次は飛騨で勤務してほしいと言っても、なかなかそれは容易なことではありません。それができているのであれば、不足するということはなくなるはずでありますが、現実に診療科は減少してきているのが事実であります。研修医を集めることというのは、その後のその地域で勤務してもらうドクターを集める第一歩にもつながりやすいため、今まで以上に重要視していただきたいと考えております。

 そこで知事にお尋ねしますが、先ほど述べましたように、飛騨地域では研修医が集まりやすい施設が少ないことを初めとするさまざまな要因によって、医師不足が深刻化してきております。今後もその研修医制度が続くのであれば、地域ごとに研修医が集まりやすい拠点医療施設を整備、これはハード面の整備を意味しているのではなくて、研修環境を整える、そして勤務環境を整えることによる研修医確保が地域の医師不足解消にもつながると考えておりますが、研修医が集まりやすい仕組みづくりについてどう考えておられるのか、お答えを願います。

 次に、これも知事にお尋ねするものでありますが、今ある診療科を減らさない、医師が不足する状態を起こさない、そして不足していた状態から回復した場合は、その状態を維持する、守るということも重要であると考えております。例えばという例で挙げますと、里帰り出産や嫁いだ先の地域で出産ができないという状態となっておりました上に、研修医制度などによる大学病院の医師不足等が原因で病院を支援することができなくなったという事例がありました。もっと積極的に、強力に、地域病院の診療科を守ることに対して力を注げなかったのかと、残念に思っております。しかし、ありがたいことに、民間の医療法人が医師不足を救うためにクリニックをつくるなどして課題が解決されたとか、そういった事例も起こっております。しかし、こういった状態を維持していくためには、不足する診療科を守る、末永く頑張ってもらう、そして、例えば産科であれば、再びお産に関する不安を起こさなくてもいいように、行政側の協力・支援も必要であると考えておりますが、医師が不足する診療科、これは病院もクリニックも含めての話でありますが、医療を守るための対策、維持策をどのように考えておられるのか、知事、お答え願います。

 本来でありますと、先ほども申し上げましたが、病院の診療科がなくなる前に強力な支援をしていただきたかったと残念に思っておりますが、今後、積極的な対応を期待しております。

 続いて、これも医療関係の質問ですが、待望のドクターヘリも運航準備に入り、緊急搬送における安心度が高くなる。これは、飛騨地域に住む者にとっては非常にありがたいことであります。飛騨市の神岡から高山日赤病院へは約十分、岐阜県総合医療センターへも約三十分程度で到着するというようなテレビ放送もありました。しかし、ドクターヘリに課題がないわけではなくて、有視界飛行であるため、先日の質問でも出ておりましたが、その運航は明るい時間帯の悪天候ではない日に限られます。このため、ヘリが飛べないタイミングでの緊急搬送をどのように向上させるかについては、まだ課題が残されていることは確かであります。また、今後は、過疎地域の医療が縮小される中、これはあってはならないんですけど、縮小される中で、先日の一般質問にもありましたように、ドクターカー的な対応も進めていかなければならないと考えておりますが、残念ながら、飛騨では、現実としてある医師不足という課題によって、そのドクターカー的な運航もままならない、対応もできない状態となっております。

 この医師不足による地域間格差は本当に深刻であり、今後さらにその格差が広がらないかと懸念しておりますが、人口の少ない地域でも安心して暮らすことができるように、そのためにも緊急医療を含む環境整備、特に飛騨など、大病院から離れ、交通が不便なところが多い地域の医療を今後どのように充実させていくのか、健康福祉部医療・保健担当次長、お答えを願います。

 次に、高校教育について質問させていただきますが、少子社会が続く中、将来の高校教育についてもあらかじめ考えておかなければならない課題のうち、今回はクラス編制に関する課題で私学、私立高校の経営面も含めて質問をさせていただきます。

 今、飛騨学区には、特別支援学校を含めて公立高校が九校、私立高校が一校あります。今から十年さかのぼり、平成十二年度に中学三年生だった生徒は当時千九百二十五人、この年の飛騨学区の公立高校募集定員が千五百六十人だったのに対して、最終的な出願者数は千五百七十人でありました。このときの全体の倍率でいえば、約一・〇一倍でありました。これが、平成二十一年度、昨年中学三年生だった生徒は当時千六百十一人、九年間で約三百人のマイナスとなっております。それで、先ほどと同じように倍率はどうだったかといいますと、千三百二十人の募集に対して出願者数は千二百八十一人、全体の倍率は〇・九七倍。つまり、定員のマッチングさえうまくいけば、全員が合格できる状態となっております。

 それではということで、九年前と比較をいたしました。今度は九年後を比較しようということで、九年後の数字と比較してみますと、小学校一年生の現在の児童の数は飛騨学区内で千四百人程度でありまして、これまでの九年間で約三百人減ったと、さっき言いましたが、今後の九年間でさらに二百人以上の子供が少なくなるという予想がされております。これに加えて、人口の転入より転出の方が多い飛騨地域ですので、この減少数はもっと大きな数字となり、つまり単純計算すると、少なくとも今よりも五クラス以上減らさなきゃならないという計算になってまいります。

 それじゃあ、どの学校のどのクラスを減らすのか。これが重要なポイントでありますし、岐阜県内で私学を経営される皆さんも大きな不安を感じておられるようであります。個々の学校の経営が不健全であったり、教育自体が悪かったという原因で学校に対する評価が下がり、学校が経営困難に陥るのならば、それは学校側の責任であるとも言えますが、少子化に対応するための政策による影響で、壊滅と言うと極端かもしれませんが、危機に瀕することも十分に考えられます。九年先と言いますと遠い将来のように感じるかもしれませんが、中学に入った時点でこういった学科に行きたいと思う子供もいますので、早目に方向性を検討しておくことが必要であります。先ほど述べましたような急速な少子化、経済状況の悪化、自治体の私学助成カットなど、将来の不安要因は幾つもありますが、存立の基盤に最低限の入学者数を必要とする私立でありますので、この先、公立高校のクラス編制いかんによっては、非常に大きな影響を受けることも考えられます。以前は、飛騨地域でいいますと公立対私立の割合を八対二などとしていたようでありますが、この割合についても子供の数が多い時期はそれなりの意味があったと思いますが、少子化時代である今、固定的な感覚は危険なことを招くとも言えるものであります。

 さてここで、高校生一人当たりどのぐらいの県費が使われているかを見てみますと、公立高校の場合は年間一人約百万円、これに対し私学の場合は約三十万円であります。ということで、今後の進め方について考える中で重視しなければならない点を挙げてみますと、まず第一点目として、私立の経営に負担とならないような学級数の減少でなければならない。二点目として、県費の負担割合をふやさない形での学級数減少としなければならない。三点目として、生徒のニーズを重視した形での学級数減少としなければならないという三点が、大きなポイントになると考えておりますが、今後どのように、つまりどのような手法でニーズを確認し、どのように減少を進めていくのか。また、先ほどの三点を重視して進めていただけるのか否か、教育長、お答えを願います。

 ここで、公立高校の学級について、じゃあ公立高校も少人数化したらいいんじゃないかという意見もあるかもしれませんが、それを調べてみますと、法律の縛りがあるようですので、それは無理だとのことでありました。先ほどの三点をぜひ重視して対応していただきたいと思っております。

 最後に、雇用対策について質問させていただきますが、今年も全国の自殺者数が三万人を超える見込みとなっております。その自殺の原因として、失業などによる将来不安なども多いという報道がなされております。有効求人倍率も相変わらず低い数字で推移し、再就職をあきらめたという声さえも聞かれます。また、最近の窃盗や強盗犯の報道で、犯罪に至った理由の中に生活苦が多いというのも、雇用の悪化を物語っているものであると感じております。

 さて、一年さかのぼって昨年の高校三年生、つまり今年の春卒業した生徒の就職についてはどうだったかを思い出してみますと、昨年も厳しいものがありました。私の事務所の近くにあるお店の店長さんからも、高校の就職担当の先生が見えて、パートでもいいから募集を出してくれないかって頼まれたんですよというお話を伺ったほどでありました。そして今年、来春卒業する大学生や高校生の就職内定率についても、昨年以上に厳しい状況だということであります。東海地域全体としては、自動車関連産業などでの募集も多いようでありますが、高校の先生からは、東海地区の募集に対して、その東海地区の高校生だけが応募するのであればいいのだけれども、九州や東北地域の高校生がどんどん入り込んでいて、決して地元だから有利、就職しやすいという状況ではありませんというお話も伺っております。就職を進学に切りかえたという声、そして中には、生徒の親も雇用で不安を抱え、家計のことを考えると、就職を進学に切りかえることもできないという声を耳にすることさえあります。

 こうした中、卒業後数年間は新卒と同じ扱いで云々という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これを聞いて、単純に、そうか、卒業してから数年間は新卒と同じように企業も扱ってくれるのかと思ったら、これは大間違いであります。それはなぜか。答えは、大学生が就職のために卒業留年するというものもそのあらわれであって、卒業時の就職と卒業してからの就職では明らかに優位さが違うということであります。

 では、高校生の場合はどうなのかと考えてみますと、高校生の場合は就職留年ということはほとんど聞いたことがありませんし、県内の高校の中で、就職できなかった卒業生に対して、在校生と同じレベルでのサポート体制をとっている高校はどれほどあるのか。ほとんどない状態であります。つまり、卒業後数年間は新卒と同じ扱いと言ってはみても、その卒業生をだれが、あるいはどういった機関がある程度の責任を持ってサポートをするのか。情報一つとってみても、就職に関する情報が高校には行っていても、卒業者へは届かないということもあります。つまり、実際のところは、卒業してから数年間は新卒と同じ扱いという言葉とはほど遠い状況となることは、だれもが推測できるところであります。それじゃあどうするのか。高校卒業者のうち、雇用に至らなかった卒業生の中で就職を希望する生徒を登録し、高校の進路指導とも協力しながら就職に関する情報を提供し、県がバックアップする形で就職活動をサポートするシステムを、やはりこれは構築すべきだと考えております。これにつきましては、昨日も教育長から関連する御答弁がありましたが、どこが責任を持ってやるんだということが決まっているのかということも思っております。

 夢を抱き、希望を抱いて社会に船出するとはかけ離れた形での高校卒業となる生徒に対して、こういったシステムを構築し、県はこうバックアップしますよと言っていただく、少しでも希望が開けるような取り組みをしていただきたいと考えておりますが、こういったシステムの構築についてどう考えるか、ぜひやっていただきたいと思いますが、知事のお考えをお答え願います。

 以上、数点にわたり質問させていただきましたが、前向きな御答弁を期待し、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(渡辺真君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうから、医療関係で二点、そして雇用対策一点御質問がございました。いずれも御質問の趣旨に私も大変共感するものでありまして、喫緊の課題だという認識で今取り組んでおるところでございます。

 まず、最初の医療の充実・維持につきまして、一点目の研修医の確保ということでございますが、私どもの調査によりますと、平成十九年度から平成二十一年度に県内の臨床研修病院で研修を修了した医師の約七割が現在も県内で勤務をしておるということでございますので、多くの研修医を県内に集めることが、医師の県内における確保・定着のために有効だということがわかるわけでございます。

 そこで、研修医をどう確保するかということでございますが、質問の中でも触れておられましたが、まずやっておりますことは、医学生修学資金制度を平成二十年度に創設いたしまして、また岐阜大学医学部に岐阜県出身の医学生を確保するための地域枠を設定して入学定員の増員を図るということで、こういったことを通じまして、県内での臨床研修の実施と、一定期間を県内の公立病院で勤務するということをほぼ条件づけておるということが挙げられるわけでございます。それから、最近の取り組みでございますが、県内二十二の臨床研修病院による岐阜県臨床研修病院協議会といったものを立ち上げまして、県内外の医学生、岐阜県出身で県外に出ておられる医学生も含めてですが、岐阜県で臨床研修をやってもらえるような合同説明会というようなことも開催をしております。それから、研修医を受け入れる各臨床研修病院それぞれにおきましても、研修の指導体制の充実とか、研修条件の充実でありますとか、そういった改善を図りながら研修医の確保に努力をしていただいておるという点もございます。こういったことによりまして、平成二十二年度でございますが、過去最高の百七名の研修医を県内に受け入れることができたということでございます。ちなみに、平成二十一年度は八十九名でございました。

 これらに加えまして、本年九月からスタートしておりますが、岐阜大学医学部附属病院、県の総合医療センター、大垣市民病院、中濃厚生病院、県立多治見病院、高山赤十字病院等々、研修医が多く集まります県内の九つの病院の共同で医師育成・確保コンソーシアムというものを設立しておるわけでございます。このコンソーシアムにおきましては、構成病院が連携をして、極力魅力的な研修プログラムを提供していくということで、さらに県内での研修医の増加を目指そうということでございます。

 以上が、県内にできるだけ臨床研修医として残っていただくということについてのいろんな対策でございますが、こうして県内で臨床研修を受けた医師の方々に、今度は県内の医師不足地域で勤務してもらうための仕組みが次に必要になってくるわけでありまして、特にこの点では、今回設立したコンソーシアムは、構成病院が連携して研修医を育成するだけではなくて、研修医が多く集まる構成病院が医師を抱えるということをさらに超えて、構成病院の連携・協力の一環として、県内の他の病院へ医師を派遣し、県全体の医師不足の解消・改善を図っていくということを目的としておるわけでございます。

 飛騨地域を例にしますと、コンソーシアムの構成病院は高山赤十字病院でございますが、この高山赤十字病院は、今申し上げましたこのコンソーシアムの仕組みの中で、必要に応じて他の圏域のコンソーシアム構成病院から、卒業後三年目以降の後期研修医の派遣を受けるということもあり得ると思いますし、それから例えば飛騨圏域内の医療機関に後期研修医を派遣する、あるいは高山赤十字病院の勤務医を圏域内の医療機関に派遣するということも、このコンソーシアムのシステムの中でサポートしていこうということでございますので、こういったことが十分ワークしていくことを、今私どもとしては期待をしておるということでございます。

 ということでございますけれども、特にこのコンソーシアムはまだ立ち上げたばかりでございますので、その実効をよく見きわめながら、必要に応じ改善をしながら、所期の機能を十分発揮していけるように進めていきたいと思っております。

 二番目に、医師が不足する特定の分野の医療の維持についての、それに対する行政の支援という御質問がございました。

 このところ、県としては「連携」ということをキーワードに、いろんな医療機関の垣根をできるだけ取り外す、あるいは垣根を低くするということで、地域医療の確保ということに取り組んできておるわけでございますが、この象徴的なものとして、平成十九年に、岐阜大学、医師会、県内主要病院などの医療関係者、あるいは医療を受ける県民各層、あるいは自治体・市町村長等々、いろんな方々にお集まりいただいておりますが、岐阜県地域医療対策協議会というものを設置いたしまして、その手始めに地域医療確保のための行動計画ということで、かなり広範囲な連携アクションプランをつくったわけでございますが、これを順次実行してきておるということでございます。お触れになりましたドクターヘリもその一環で進めてきておるわけでございますが、例えば救急病院あるいは周産期医療など、県全体を視野に、不採算であっても政策的に進めていく必要がある分野につきましては、救命救急センター、周産期母子医療センターなどの拠点病院に対する支援、あるいはそれぞれの地域での医療連携体制の整備といったようなことを行ってきたわけでございます。救命救急医療に関して言いますと、休日・夜間に開業医の方々がこういった拠点病院に協力していくというのも、この連係プレーの中の一つの産物であったわけでございます。

 そこで、医師が不足する科の医療を守るための対策について御質問をいただいておるわけでございますが、診療科目ごとの医師の状況は地域によって大きく異なっておりますし、また医師の総数そのものも厳しい状況にあるということでございますから、どう対応していくか、それぞれ地域にいろんな事情があり、きめ細かに調整する必要があるということでありますが、そういう中で、まずは地域の病院、医師会、地元市町村、地域住民等々、関係者が連携・協力を進めつつどのような対策が可能かということについて、多面的に検討していただくことが重要ではないかと思っておりますし、またこうした地域ごとの課題、必要な対策をさらに圏域ごと、あるいは岐阜県全体の連携の場にフィードバックをしていくということも大事ではないかというふうに思っております。こういう連携の県内ネットワークづくりをしながら、県としてもそのネットワークの中で具体的な支援策を考え、実行していくという形に持っていければと思っておる次第でございます。

 三番目に、雇用対策でありますが、既卒未就労の生徒に対する支援ということでお尋ねがございました。

 御指摘のように、新規学卒者が安定した就職先も決まらないまま卒業を迎えるということにつきましては、御本人にとってキャリア形成の可能性を大きく損なうことはもちろんでありますが、岐阜県の未来づくりにとりましても大変大きな損失であるというふうに考えております。

 最近の、高等学校を卒業したけれども未就職のままという生徒数でありますが、大体四十人前後から五十人弱ということでこの四、五年推移してきております。例えば二十一年度でいきますと、四十八人の高校生が県内では未就職のまま卒業しているということでございます。一方で、高卒の就職者の数がこのところ激減しておりまして、この差はどこで埋めているかというと、結局、御指摘にもありましたように、就職をあきらめて進学をする、大学に行くということでそのギャップが埋まっている。結果として、未就職のまま高校を卒業した生徒の数は、不思議なことにといいますか、数字的にはほぼ横ばいというのが実情でございます。ただ、もう一つ注目しなきゃいけませんのは、新規学卒就職者の三年以内の離職率が非常に高いということでありまして、大卒では三割以上、高卒では四割程度ということでございまして、これまた雇用のミスマッチ、あるいは非正規雇用で働かざるを得ないというような最近の雇用動向といったような構造的な問題があるというふうに認識しておるわけでございます。

 こういった状況を踏まえて、本年九月から、私どもとしては国、県、それから経済団体、各高等学校などで構成します岐阜新卒者就職応援本部というものをスタートさせておりまして、高校卒業後も切れ目のない支援を行う体制を構築したところでございます。具体的には、学校を通じた生徒本人の申し込みによりまして、在学中からハローワークを交えた早期の職業相談を受けられるような仕組みを体系化すると。それから、万が一就職先が決まらないまま卒業した場合にも、切れ目のない就職支援が受けられるようにということで手当てをする仕組みになっております。

 さらに、ハローワークからは、県が設置しております人材チャレンジセンターに誘導するということで、これに伴って、同じく今年九月からでございますが、人材チャレンジセンターの中に新卒応援ハローワークというものを設けておりまして、生徒一人一人に担当がついてマンツーマンでのきめ細かな支援を行うという体制もスタートしたところでございます。加えて、この人材チャレンジセンターが設置されている岐阜市、多治見市のみならず、高山市におきましても週一回、関市におきましては月一回、専門性を持った就職相談員による出張相談も行っておりますし、それ以外につきましても、圏域別に合同企業説明会に就職相談員が出向いて相談を行うというようなことで、この人材チャレンジセンターをベースに、県下全域を視野に入れた活動を進めてきておるところでございます。こういったジンチャレの活用につきまして、各学校あるいは進路指導担当教員に対して積極的にこれからPRを行ってまいりたいと思っております。こういったことを通じまして、在校中からはもちろんでありますが、卒業後においても人材チャレンジセンター、ハローワークへの円滑な誘導がなされるよう徹底してまいりたいというふうに考えております。



○副議長(渡辺真君) 健康福祉部次長医療・保健担当 平山宏史君。

   〔健康福祉部次長医療・保健担当 平山宏史君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(平山宏史君) 過疎地域の医療の充実についてお答えいたします。

 県では、過疎地域の医療を確保するため、自治医科大学卒業医師を県職員として僻地診療所等へ派遣しております。また、僻地診療所をバックアップする地域の中核的な病院九カ所を僻地医療拠点病院に指定し、財政支援を行っているところですが、近年では、これらの病院においても医師が不足している状況です。このため、平成二十年度より、岐阜大学医学部の定員増と地域枠設定にあわせて、医学生修学資金制度を設定いたしました。さらに、本年度は、先ほど知事の答弁にもございましたように、これらの人材を県全体で育成していく中で、医師不足地域の病院へも医師を派遣する仕組みとして、岐阜県医師育成・確保コンソーシアムを設立したところです。

 また、平成十九年度より、岐阜大学医学部附属病院や県総合医療センターなど都市部の病院の研修医の方に、僻地を含む地域医療の重要性や医師のキャリア形成における必要性を認識していただくために、飛騨を初めとした地域の拠点病院や僻地診療所で、一カ月程度の現地研修を行う仕組みをつくり、これまでに百名以上の方に参加をいただいております。加えて、今年度中に運航予定のドクターヘリの導入につきましても、地域間格差是正のために有効な手段であると考えております。

 今後も、こうした取り組みを通じて、地域医療の確保・充実に努めてまいります。



○副議長(渡辺真君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 高校教育についてお答えいたします。

 県立高校の入学定員は、市町村単位の中学校卒業予定者数の増減をもとに、県内の私立高校の状況も踏まえながら、生徒のニーズに合わせて毎年決定しております。具体的には、高校ごとの入学者選抜における出願者数や、中学三年生の進路希望をニーズととらえて勘案しております。

 議員御説明のとおり、今後、県内の中学校卒業予定者数は、中・長期的には減少することが予想されており、こうした場合、学校の規模が縮小し、今ある学科が維持できなくなるなどの問題が生じるおそれがあります。このような中、公立高校においては農業教育、工業教育などの分野も含めて、県内どこにおいても生徒の多様なニーズを実現させていく必要があると認識しております。県教育委員会といたしましては、生徒減少期における高等学校の入学定員のあり方について、私立も含めた県内の高校や学科の適正な配置、多様な学びの選択肢の確保などといった観点を踏まえつつ、議員御指摘の点も含め、さらに私学関係者とも協議を重ねながら、今後の対応を検討してまいります。

 いずれにいたしましても、公立高校・私立高校ともにそれぞれの特色を打ち出し、一層魅力を高めることで、保護者や生徒に信頼される学校となることが重要であると考えております。



○副議長(渡辺真君) 七番 村上孝志君。

   〔七番 村上孝志君登壇〕(拍手)



◆七番(村上孝志君) 通告に従い、大きく五項目についてお伺いしてまいります。

 まず第一点目です。県教育の推進についてでございます。

 本県においては、教育を最重要課題の一つとして、二十一世紀を担う「地域社会人」の育成を目指す岐阜県教育ビジョンの施行二年目を迎えております。昨年度の進行状況を把握しながら、県民総参加で推進されているところであります。また、ここ数年の間に、教育関連三法の改正、新学習指導要領の告示と先行実施、教員免許状更新制度の開始など、教育を取り巻く環境は大きく変化しております。しかし、本県の深刻な財政状況にあっては、教育ビジョンを推進するための裏づけとなる予算の縮減を初め、昨年度に引き続き県費負担教員の給与支給抑制が実施され、教育に携わる者のモチベーションを維持・高揚することも難しい現状となっています、という内容の提言・要望書が、岐阜県小中学校校長会から二十二年度分として提出されております。

 そこで教育長にお伺いいたします。

 優秀な教員の確保と資質の向上についてであります。

 教育の成果は、教員の資質にゆだねられている部分が大きいと言っても過言ではありません。義務教育諸学校が抱える問題が複雑化、多様化していることに加え、学校教育が次代を担う青少年の人間育成の基本であることから、学校教育の水準の維持向上を図るためには、これまで以上に教員にすぐれた人材を確保する必要性があると思われます。

 教員の採用者割合を見てみますと、小学校では新卒が四割、社会人六割となっており、圧倒的に女性が多いようであります。また、中学では新卒三割、社会人七割となっております。近年、社会人の採用もふえ、さまざまな社会経験、人生経験を生かされ教職の道につかれる方がいることは大変喜ばしく、心強いことであります。また、新卒の方も、高い志を持ってこの職につかれ、若さやエネルギーに満ち満ちて、秘められた無限大の可能性をお持ちでしょう。

 しかし、明るい話題の一方で、近年、教育を取り巻く環境は激変しております。平成十八年に施行されたいわゆる行革推進法や、同年に閣議決定された「骨太の方針二〇〇六」により、昭和四十九年に優秀な教員採用のために制定された人材確保法による教員給与の優遇措置は縮減されました。実績や職務負担に応じて支給されている手当のうち、一部は充実が図られたものの、手当の多くは縮減され、結果、義務教育等教員特別手当の算定率は、平成二十年十二月までは三・八%でしたが、二十一年一月一日からは三・〇%、上限一万五千九百円となり、さらに二十二年一月一日から現在までは二・二%、一万一千七百円であり、二十三年一月一日からは、今議会で議第百二十三号として可決され、一・五%、八千円となります。行財政改革の一環で教員の給与抑制も進み、現場の士気にかかわってくることも懸念される現状があります。子供たち一人一人を大切にし、確かな学力、健やかな体、豊かな心の調和を大切にしたきめ細かな教育を推進するためには、現場の負担軽減ということも今後課題となってくるでしょう。適正な人材確保、適正な配置、地域人材を活用し、我が県の将来を担う一番の財産、子供たちの豊かな育ちを支援する施策を県として講じていく必要があります。まさに急務でございます。

 そこで第一点目の質問ですが、こうした状況の中、初任者研修の際の補充人員及び初任者指導の先生などの人員的状況についての現状及び今後の見通しなど、初任者への支援体制、また研修の機会という点においては、現職の方の経験年数に応じた研修の充実を図り、教員が自分自身の資質の向上に努められるよう、県としてどのように取り組んでみえるのでしょうか、お伺いいたします。

 また、子供たち一人一人の力を伸ばし、ひとしく力がつく教育の推進についてでございます。八日、おとといでございますけれども、朝刊各紙では、日本の学力改善とか、学力低下に歯どめとか、読解力改善などと一面記事が躍っておりました。平成十九年からすべての小・中学校において実施され、平成二十二年は抽出された二五・一%の学校で実施されている全国学力・学習状況調査によりますと、岐阜県は全国的には平均レベルにあるが、しかし約一割の生徒の学習内容の定着に課題があるとの結果が出ております。保護者の方にとっても、自分の子供がどのレベルにあるのか、地域や学校でいかなる差が生じているのかについてはとても関心があるところです。市町村の規模や財政状況等によって、教育環境や市町村教育委員会の支援体制に著しく違いが生じることは、ひいては子供たちや学校への支援に差が生じることにつながることが懸念されるところであります。子供たち一人一人の力を伸ばし、地域や学校によって差が生じないように、学校、市町村の状況に応じた県教育委員会の支援が必要であろうと思います。今後、地域や学校の教育環境や支援体制に差が生じないようにするためにはどのようにしていくのか、お伺いいたします。

 次に、すべての子供たちがひとしく安心して学べる教育環境づくりとして、特別支援教育を推進するための関係機関等との連携についてでございます。

 児童・生徒の能力や個性を最大限に伸ばしていくためには、一人一人の教育的ニーズに応じた支援を行うための支援体制の整備と、就学前における専門家や医療等の関係機関との連携を推進し、地域における特別支援教育を充実していく必要があると言われております。今後とも、より一層の特別支援学校のセンター的機能の充実による小学校、中学校への支援体制の推進と通級教室の充実が望まれております。

 特別な支援を必要とする児童・生徒に対する人的整備として、LD−−学習障がい−−、ADHD−−注意欠陥・多動性障がい−−、自閉症等、情緒的に不安定で学級集団に適応しにくい児童・生徒が一クラスに数名いると言われております。教師が、服薬の確認を行うこともまれではないとも聞きます。このような特別な支援を必要とする児童・生徒が通常学級において急増する傾向にあり、通常学級での一人の教師による指導には限界があります。よって、特別な支援を必要とする児童・生徒に対応するためには、さまざまな面での人的整備が必要で、例えば特別支援コーディネーター、スクールカウンセラー、スクール相談員、子どもと親の相談員等の一層の拡充が望まれます。

 最近ではインクルージョン、つまりインテグレーション−−統合−−の中でも「場の統合」を強調した言葉ですが、障がいのある子を通常の学級で学ばせ、障がいのある子を含んだ教育、学校の創造を目指し、障がい児との交流を通してこの時代に生きることの意味を考えさせていく必要があるという考え方から、保護者や児童・生徒のニーズに基づいての学校選択が進んでいるところでありますが、さまざまな障がいのある児童・生徒に対応できる職員が不足し、十分な対応ができない状態であることから、県では十五年度から十八年度までは、国の緊急雇用対策により県費特別支援アシスタント制度による支援を行ってきました。十九年度から、地方財政支援により各自治体が独自で施策を展開しているようであるが、十分な状態ではありません。障がいのある児童・生徒に対して、さらなる施策の充実を要望する声が多いがどうでしょうか。

 文部科学省は、十二月四日、小・中・高の校長の質を向上させるため、地域と連携した学校運営手法を学ぶための国の実施する研修の内容を大幅に変更する方針を決めました。新たな教育の再生のときが来たようでございます。

 二項目めです。公共交通施策の拡充についてお伺いいたします。

 樽見鉄道路線は、国鉄の分割民営化に伴い廃止対象路線となりましたが、通勤・通学者の足が失われることやセメント工場のセメントを年間三十万トン以上輸送していたことから、一九八四年十月、第三セクター鉄道としてスタートし、全国でも優良な第三セクター鉄道でした。しかし、バブル崩壊後はセメント輸送ががた減りし、客足もじり貧となり、平成六年度に赤字に転落し、本巣、大垣、瑞穂の三市と揖斐川、北方の二町の首長でつくる樽見鉄道連絡協議会が、平成十七年度から経営改善計画に基づき支援をしております。それでも近年の赤字は、年間約一億円の財政支援があっても一千万円から二千万円に上っていますし、もし支援が打ち切られれば廃線を迫られることになりかねません。ある首長からは、先が見えてしまった鉄道に支援するのはどうかという厳しい意見も出ていますが、住民の中でも鉄道は命綱という方や、ほとんどの家に車がある時代で、支援している税金を別のことに使うべきだと不要論を述べる方もあります。そうした中、十一月三十日新聞報道では、樽見鉄道連絡協議会が来年度一年間は財政支援を延長する方針を決めたそうです。

 また、昨年十月の台風十八号の被害で一部不通となっていた三重県のJR名松線について、JR東海は自治体の治山治水工事という維持管理の条件が整えば復旧すると述べております。最近でも、危険な踏切と認識しているにもかかわらず、踏切の遮断機や警報機を整備できずに小学生がはねられるという痛ましい事故も、長良川鉄道において発生しております。

 県では、平成二十一年度、鉄道では第三セクター三社に鉄道軌道近代化設備事業補助として四千四百六十三万円、地方鉄道再生計画支援事業費として六千六百十二万円、バス事業ではバス運行対策費補助金として六社に二億二千三百三十一万円、市町村バス交通総合化対策費補助金として三十四市町村に三億九千八百八十一万円補助しております。

 一方、国また県からの補助金を受けていない名鉄広見線では年間約二億円の赤字があり、本年度から御嵩町と可児市で年一億円支援しておりますが、路線存続を求める協議会は「乗って残そう広見線」を展開し、今春から利用促進事業として学校行事での利用や新規イベントによる誘客、定期券のモニター制などを打ち出し、平成二十二年度において年間六万三千八百四十人の純増を目標としていますが、厳しい状況です。

 私は、公共交通衰退の理由として、便利で手軽なマイカー時代の到来で、利用者の五〇から六〇%の顧客を喪失したこと、地方都市のスプロール化により交通渋滞が慢性化し、路線バスが定時性を喪失し、それが悪循環となり一層マイカーを増加させる結果となったこと、公共交通という事業はもうからなくても国民へ移動権を保障しなくてはならない事業でございますけれども、規制緩和により需給調整規制が撤廃され、公共交通事業に費用対効果の概念が持ち込まれ、採算の合わない路線やバス事業は路線廃止や事業の縮小、もしくは廃止が地方で加速してしまったことなどが原因だと私は考えております。

 そういった中、前原誠司前国土交通相は六月二十二日、交通政策のあり方などを定める交通基本法の制定に向けた基本方針を発表しました。国民が自由に移動する権利−−移動権−−の保障を柱として、人々の社会参加の機会を確保し、環境負荷の少ない交通体系の実現を目指しています。国交省は、平成二十三年の通常国会で法案を提出する方針だと言われています。内容的には、基本方針として「歩いて暮らせるまちに」と題して、国の支援措置は地域の自主性を尊重することを基本に充実・再構築が必要。国の補助制度を充実するとともに、可能な限り地域の協議会の自主的な取り組みに対して一括交付する仕組みへ。また、交通分野において、健常者が移動困難者を支え合う共助の視点を加え、国も地方も公助の内容を大幅に拡充すべきである。そして、大きな第二項目として、交通体系、まちづくり、乗り物が三位一体となった低炭素化の推進。第三項目として、地域の活力を引き出す交通網の充実、にぎわいのある町並みと幹線交通網の整備がポイントであるとしております。今後の方針として、公共交通の再生を地方でやるべきといっても、地方には財源がないという課題に対しては、交通基本法の成立で、高齢化の進む地方の住民の交通権を国庫補助などにより公共交通で保障する。全国バス系統の六九%が赤字路線となっており、また七〇%の企業が赤字であり、自己投資能力がないという問題に対しては、地方公共交通再生の切り札である公設民営を前提としております。エコ公共交通大国の実現のため、乗用車からバス・鉄道への転換を促進することにより、CO2を大幅に削減し、CO2二五%削減の目玉にといった内容になるようですが、法制定により状況が好転することを望むものであります。

 そこで都市建築部長へお尋ねします。国において準備が進められている交通基本法の制定について、県としてどのように考え、県及び市町村の財政が厳しい中、今後、県内の地域公共交通への支援についてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、三点目でございます。御嵩町医療廃棄物処分場計画についてでございます。

 土岐市の産業廃棄物処理業者が、御嵩町の前沢ダム隣接地の山中に医療系産業廃棄物の中間処理施設を整備する計画があるとの報道が十一月十一日にされました。業者は、十月十二日に計画を県中濃振興局へ提出、二十二年十一月二日には御嵩町に意見照会されております。

 計画によると、施設は既存の鉄骨建物約五百平方メートルを利用し、処理能力一日五十六立方メートルの中間処理施設を整備するということのようです。同町では、十五年ほど前、別の業者が別の場所で約四十ヘクタールの敷地に八十八万立方メートルの廃棄物を埋め立てる巨大な最終処分場建設計画がありましたが、住民投票などにより、今年の七月に県への申請を取り下げ、撤退しました。今回の計画の施設規模は、以前の計画より小規模ですが、建設予定地の建物の北側には貯水能力二百万トンの前沢ダムがあり、その水は御嵩町と可児市で農業用に利用されており、可児川を経由して木曽川に通じております。

 この事業計画の概要は、感染症病床、結核病床、手術室、緊急外来室、集中治療室及び検査室において排出された血液・血清・血漿などの血液等、また手術などによって摘出または排出された臓器や組織、使用後排出された注射器・点滴セット・手袋・血液バッグなどの医療器材、ガーゼ・脱脂綿・特定の感染症に係る紙おむつなどの衛生材料を、バッチ型第一種圧力容器の高圧缶にメディカルボックス入り感染性産業廃棄物を投入し、高温高圧蒸気滅菌装置で圧力二十五キログラム/平方センチメートルの飽和蒸気で三十分以上滅菌すると、加水分解作用により有機物はすべて粉状に分解されて排出し、注射針等の金属、ガラス、ゴムは分解されずに排出されます。排出された処理物は、燃料向き、また金属、ガラス、ゴム系に分けられてリサイクルされる予定とのことです。業者の説明によれば、排水は出ず、外に出るのは滅菌・脱臭した蒸気だけ。安全上、問題はないとしているようです。

 しかし、施設では焼却や埋め立てはしないため、計画の周知義務の対象は県の条例で半径二百メートル以内の土地利用者、住民に限られるということでございますけれども、二次感染の危険が伴わないか疑問がある。同じ業者から、土岐市の曽木にも医療廃棄物の中の中間処理施設建設の申請が上がっているが、どちらから事業を開始するのか不明。特に重要なのは、申請業者はこれまで、木くず、紙くず、ガラス等の焼却・破砕処理の実績だけで、医療廃棄物を取り扱ったことがないということで、不安が尽きません。今後、御嵩町は町民にこのような情報を積極的に公開すると言われておりますが、同時に環境基本条例に基づき環境審議会に諮問する予定であるとのことです。また、八日の御嵩町議会での質問に対し、渡辺町長は事業者、県に対し、公開質問状を提出するとの考えを示したようです。

 そこで環境生活部環境担当の次長にお伺いいたします。産業廃棄物の処理施設を設置し、運営していくに際し、設置を計画してから実際の処理に至るまでの手続についてお答え願います。

 次に、指定管理者制度について、平成二十三年四月からの花フェスタ記念公園の指定管理者選定手続の進捗状況と見通しについてお伺いいたします。

 公の施設の管理について、地方自治法の改正が平成十五年六月に公布され、県でも公の施設の見直しの中で、花フェスタ記念公園は平成十八年度から指定管理者による管理運営を行っていましたが、平成二十三年三月末の指定管理期間の満了に伴い、平成二十三年四月以降の指定管理者を募集しました。指定管理期間は平成二十三年四月一日からの五年間であり、公募期間は二十二年六月十一日から七月十五日までで、五団体からの応募がありました。二十二年八月九日に開催した外部有識者等十名から成る岐阜県指定管理者審査委員会において、花フェスタ記念公園の指定管理者の選定に係る評価項目十項目をもとに、申請団体から提出された事業・計画などについてヒアリング及び審査を行った結果、すぐれていると評価された応募団体は、可児造園協同組合・東濃建物管理共同企業体でした。その後、交渉権者として当企業体と協議を行い、候補者として決定し、今議会において指定管理者指定の議案が上程され、議決を経て管理者の指定を行い、来年四月から移管される予定でした。地元では、地元業者に決定し喜びと期待にあふれていましたが、今議会には花フェスタ記念公園の指定管理者指定の議案が上程されておりません。

 そこで都市建築部長にお伺いいたします。最近でもいろんな風評が飛んでおりますが、現在の進捗状況と、来年四月からの指定管理者指定の見通しについてどのようにお考えか、お聞かせください。

 指定管理者決定の制度的な問題についてお伺いいたします。

 指定管理者の候補者選定に当たっては、審査の透明性、客観性及び中立性を確保する観点から、すべて外部の方で構成される審査委員会において専門的見地から総合的に審査し、その審査結果を踏まえて候補者を決定されるはずでありますが、今議会で上程されている指定管理者に係る案件はほとんどが同じところを指定する十五件のみであり、この花フェスタ記念公園のほか、一般公募にかかわる四件が上程されていません。総務部長にお伺いいたしますが、何か制度的な問題があるのでしょうか。

 最後でございますが、御嵩町の落盤事故の根本的な解決の必要性についてお伺いいたします。

 この事案については、今議会でも既に小川、小原両先生が質問されております。

 私は、昨日、本会議終了後現地を訪れました。陥没は日に日に進行しているようで、道路わきの本当に近いところでも二メートルぐらいの沈下が見られます。小雨の寒い夕暮れどき、御婦人が使われなくなったいすとよしずを燃やしながら、早く何とかならないかな、とのつぶやきが心に残ります。

 県や町に拒否する権限はなく、国の採掘認可のもとで亜炭を掘ってできた結果であり、国は住民の生命を守るために、コンクリートによる地下充てんなど予防対策を進めるなど、特定鉱害復旧事業制度の運用見直しや、鉱害復旧基金の拡充、財源について責任を持つべきだとして、国主導での対応を、県知事や御嵩町長は、経済産業大臣を訪ね、要請しておられます。

 さらに、十一月三十日の岐阜新聞によりますと、旧日本軍の地下ごうが陥没して自宅が傾き、転居を余儀なくされたとして、東京都日野市の案件では、東京地裁立川支部によって国による地下ごうの占有責任を認定し、約三千四百九十万円の支払いを命じる判決が出されております。

 そこで、商工労働部長にお伺いいたします。今般の亜炭廃坑陥没により被害を受けた方の状況はどのようになっているのでしょうか。被害箇所の復旧状況はどのようになっているのか、復旧に要する費用及び期間をどのように見込んでおられるのか、お伺いいたします。

 また、平成二十年三月定例会での一般質問に対し、関係県と積極的に情報交換するとのことでしたが、どのような状況になっているのでしょうか。岐阜県と同じように、十一都道県含まれておりますが、そことの意見交換はどのようになっているんでしょうか。さらに、岐阜県独自の要請ではなく、連携し、共同で要請すれば効果もより上がると思いますが、お考えをお聞かせください。

 以上、大きく五点についてお伺いし、前向きな答弁を期待して質問を終わります。ちょうど三秒前でした。ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(渡辺真君) 総務部長兼秘書広報統括監 宗宮康浩君。

   〔総務部長兼秘書広報統括監 宗宮康浩君登壇〕



◎総務部長兼秘書広報統括監(宗宮康浩君) 指定管理者制度についてお答えいたします。

 指定管理者制度につきましては、今年度に次期指定管理者の選定に向けて公募を行いました花フェスタ記念公園、科学技術振興センター、先端科学技術体験センター、県民ふれあい会館、長良川スポーツプラザの五施設につきましては、十月までに指定管理者審査委員会を開催し、その審査結果を踏まえ、それぞれ県として優先交渉権者を決定いたしました。その後、所管部におきまして優先交渉権者との協議を行うなど、指定に向けた準備作業を進めているところでございます。

 同時に、この大幅な選定を契機といたしまして、これまでの選定手続に関して外部からも含めていろいろな御指摘をいただいております。このため、審査委員の選任のあり方、審査方法、優先交渉権者との協議のあり方など、選定手続全般にわたって再確認・再検討する作業を並行して進めているところでございます。これらの作業を速やかにかつきちんと行った上で、来年四月からの新たな指定管理者への移行が円滑に行えますよう手続を進めてまいります。



○副議長(渡辺真君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) 私には、亜炭廃坑による陥没被害についてお尋ねをいただきました。

 まず、被害を受けられた方々の状況につきましては、現在、五世帯十七名の方々が、御嵩町の教員住宅にあきがありましたので、これを活用する形で一時的に避難しておられますけれども、工事期間が長期にわたることが見込まれるため、別途に住居を確保するよう、現在準備を進めているところでございます。

 次に、被害の復旧につきましては、中部経済産業局より特定鉱害認定が行われたことを受けまして、御嵩町が被害を受けた家屋等の復旧工事に要する調査を進めているところでございます。現在は、ボーリング調査を含め、家屋、農地、公共施設の被害範囲・状況等の詳細調査を実施しており、今後、調査結果を踏まえ、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構−−NEDO−−の指導を受けながら、具体的な復旧工事の設計が行われる予定でございます。御嵩町の計画によりますと、本年度中に調査・設計を終え、来年度中に復旧工事を完了することとなっておるようでございます。

 復旧工事に要する経費につきましては、国及び県からの出資金を原資といたしまして、県産業経済振興センターに設定されております特定鉱害復旧事業等基金を活用することになっております。これまでの陥没被害の復旧費用につきましては、本基金の運用利息で賄われてきたところでございます。今回の被害に係る具体的な復旧費用は現在のところ明らかになっておりませんが、過去に例を見ない大規模な被害であり、多額の費用が見込まれることから、基金の取り崩しは避けられない見通しとなっております。このため、県としましては基金を長期安定的に存続できるよう、国に対し十分な資金の確保を強く要望しているところでございます。

 最後に、他県との連携についてお答えをいたします。

 亜炭や石炭の廃坑に起因する陥没被害の復旧に対しましては、同様の基金制度を有している地域は、本県のほかに全国に十一県ございます。これらの県とは、岐阜県が中心となりまして定期的に情報交換を行っておりまして、本年度も十一月上旬に本県が各県の最新状況を調査した上で、情報共有を行っておるところでございます。この結果によりますと、多くの県では、本県同様に現在も被害が継続しており、既に基金の取り崩しを行っているところもあるようですが、被害地の状況や基金の残高、今後の被害の見通しなどの違いから、課題解決に向けた対応には極めて大きな温度差がございます。現時点で具体的な国への要望活動を行っている自治体は、本県以外にはありません。

 しかしながら、復旧制度の拡充に向けましては、議員御指摘のとおり、関係県との連携・協調した国への要望も効果的であると考えられますことから、関係県への呼びかけを含め、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。



○副議長(渡辺真君) 都市建築部長 山本 馨君。

   〔都市建築部長 山本 馨君登壇〕



◎都市建築部長(山本馨君) 初めに、公共交通施策の拡充についてお答えいたします。

 県内の公共交通につきましては、中山間地の多い本県では、もともと鉄道やバスの路線網が不十分な上に、少子化や自動車の普及などに伴う利用者の減少により、さらに利便性が低下するという悪循環となっております。こうした状況の中、地域住民の移動手段を確保することは、県として取り組むべき重要な課題であり、引き続き交通事業者が担う広域的、幹線的な公共交通を支援するとともに、交通空白地等を運行する市町村バスに対して重点的に支援してまいりたいと考えております。さらに、地域に最適な公共交通ネットワークの形成を図るため、交通事業者や市町村など関係者による協議会を新たに設置し、地方鉄道、路線バス、市町村バスの機能分担、路線再編、活性化策等について検討してまいりたいと考えております。

 また、交通基本法につきましては、このような県の考えにも合致するところであり、早期の制定を期待するところでございます。県といたしましては、公共交通に対する支援を維持・拡充できるよう、十分な予算措置や地域の実情に応じた制度設計を今後とも国に要望してまいります。

 次に、花フェスタ記念公園の指定管理者の選定手続についてお答えいたします。

 花フェスタ記念公園の指定管理者は、現在、特定者指名により財団法人 花の都ぎふ花と緑の推進センターが行っておりますが、行財政改革アクションプランにおいて公募による指定管理者制度の導入の方針が示されたことを受け、その選定手続を進めているところです。具体的には、本年六月から七月にかけて公募を行い、五団体からの申請がありました。その後、八月には指定管理者審査委員会が開催され、審査の結果、優先交渉権者と次点が選ばれたところです。現在、指定管理者審査委員会の審査結果を踏まえつつ、公園の管理運営やバラの維持管理について、実施体制や実施能力の精査などの作業を進めているところであります。また、先ほど総務部長から答弁があったように、選定手続全般に関しましても、再確認の作業が進められているところであります。今後、これらの作業を経た上で、来年四月には円滑に業務が移行できるよう手続を進めてまいります。



○副議長(渡辺真君) 環境生活部次長環境担当 秦 康之君。

   〔環境生活部次長環境担当 秦 康之君登壇〕



◎環境生活部次長環境担当(秦康之君) 御嵩町の医療廃棄物処分場計画についてお答え申し上げます。

 廃棄物処理法において許可が必要とされる産業廃棄物処理施設を設置し、産業廃棄物の処理を業として行おうとする者は、まず処理施設の設置許可を取得し、施設設置後、使用前検査を受けた上で、産業廃棄物処理業の許可を受けなければなりません。以上が法に基づく手続ですが、これに加えまして、県ではこの法に基づく設置許可申請を行う前に、事業者が地域住民等との合意形成を図ることが大変重要であると考え、いわゆる手続条例を設けまして、今年度より施行しておるところでございます。

 この中で、事業者は、まず事業計画書を県に提出し、その後、周知計画書を提出します。県は、事業計画書については施設の構造、生活環境への影響等を、周知計画については周知地域の範囲、周知の方法等を審査し、必要な修正を指示します。また、この審査に際しては、市町村長の意見を聞くことといたしております。次に、事業者は周知計画に基づき広告を行い、三十日以上の縦覧や説明会を実施、その実施状況を県に報告いたします。周知地域内の居住者、農業・林業従事者等の関係住民は、周知された事業計画に対し、生活環境保全上の意見を提出することができ、事業者はその意見に対する見解を周知するなどにより、事業者と関係住民等が合意形成を図ります。なお、周辺地域の生活環境保全上の意見を有する者であれば、周知地域以外の住民であっても説明会への参加や意見書の提出はできることとなってございます。そして最後に、各手続の状況を確認した上で、県は手続終結の判断を行います。

 産業廃棄物処理施設の設置に当たっては、以上のような手続条例、廃棄物処理法の諸規定を適切に運用してまいります。また、設置後につきましても定期的に、あるいは随時に立入検査を行うなど、産業廃棄物処理が適正に行われるよう監視指導を行ってまいります。



○副議長(渡辺真君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 県教育の推進について三点御質問がございました。

 初めに、教員の資質の向上についてお答えいたします。

 教員の資質の向上を図るために、初任者を初めとして、すべての教員に対して経験年数に応じた研修を行っております。初任者研修においては、教員の基本的な資質・能力を養うために、校外の研修を二十五日間、校内の研修を百八十時間以上実施しております。校外の研修の際には、非常勤講師を配置して初任者の補充に当たらせており、校内の研修においても指導教員を配置してきめ細かい指導を行っております。また、初任者の校外研修の一つである宿泊研修を、今年度は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校合同で実施し、校種を超えた相互交流を行い、教員としての知見を広げました。来年度以降、初任者の増加が見込まれていますが、継続して充実した研修を行ってまいります。三年目、六年目、十二年目研修においては、経験年数に応じた教員の課題を克服するための研修を継続的に実施しております。さらに、個々の教員が自分の課題に応じて研修するための講座も多数開設しており、また各教育事務所においても、地域の学校の実情やニーズにこたえるよう工夫して研修を実施しております。今後も、教員が意欲的に継続して資質向上ができるよう努めてまいります。

 次に、子供たち一人一人の力を伸ばし、ひとしく力がつく教育の推進についてお答えいたします。

 義務教育としての学校教育の基本的な役割は、子供たち一人一人に基礎的、基本的な学力を確実に身につけさせることであり、このことはどの地域や学校においても同じように行われるべきものであると考えております。議員から御指摘がありましたように、本県においては、小・中学校とも基礎学力の定着に課題のある子供たちが一割程度いることが明らかになっており、現在、県教育委員会では、このような子供たちに対する指導の改善を市町村教育委員会及び学校と協力して推進しております。また、地域や学校の状況に応じた指導を充実させ、どの地域や学校においてもひとしく力がつくような教育を推進するために、教育事務所による市町村教育委員会や学校への支援に力を入れ、自主的な取り組みが進められるよう努めております。今後は、このような支援や、県全体のバランスや地域の実情を考慮した教員の配置に、より一層力を入れ、どの地域や学校においても一人一人の子供にひとしく力がつくよう取り組んでまいります。

 最後に、特別な支援を必要とする児童・生徒への対応についてお答えいたします。

 小・中学校に在籍するLD、ADHD等の特別な支援を必要とする児童・生徒のための人的支援といたしましては、市町村において特別支援教育支援員を九百十八名配置しております。県におきましても、市町村の要請に応じて配置する適応支援非常勤講師を昨年度から二十三名増員して、七十六名配置しております。また、LD、ADHD等の児童・生徒支援のための通級指導教室につきましては、二十六教室ふやし、四十一教室設置しております。現在、特別支援学校の整備を進めており、県内全域において各学校をサポートできる体制が整ってきております。その結果、各学校が行う研修会への講師の派遣や相談件数が増加しており、その件数は過去五年間で約二・九倍の一千五百六十九件に上っております。さらに、各学校において中心となる特別支援教育コーディネーターを指名するとともに、担任をサポートできるよう校内委員会を設置し、学校全体で組織的に取り組む体制を整えております。今後も、子どもかがやきプランに沿って市町村との連携も図りながら、特別支援教育の充実に努めてまいります。



○副議長(渡辺真君) 二十五番 平岩正光君。

   〔二十五番 平岩正光君登壇〕(拍手)



◆二十五番(平岩正光君) それでは、議長からお許しをいただきましたので、本日は二つの項目について質問をさせていただきます。

 猛暑が続いたこの暑い夏が過ぎ、短い秋を惜しむ間もなく、四季が過ぎるのは早いもので、いつの間にか師走を迎えております。岐阜県の山々も冬支度を急ぐかのように雪化粧を始めております。いよいよ本年最後の質問者となりました。どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、飛騨・美濃じまん運動推進における岐阜県ファンクラブの活用についてお尋ねいたします。

 我が国においては、リーマンショック以来、依然として景気の低迷が続いております。その解決の糸口となるかぎを握るのは、やはり地方が元気になることであり、その対策の一つとして、地域資源を生かした地域の活性化が地方再生につながるものと考えます。岐阜県においては、今後、本格的な人口減少社会に突入することが予想され、人口減少社会を見据えた対策の推進が急務となっております。景気の低迷とあわせて人口が減少していくという極めて厳しい状況の中ではありますが、清流の美しさを初めとするさまざまなすぐれた地域資源を持つ岐阜県の魅力を最大限に生かして、観光交流、交流居住の拡大、働く場の確保、移住・定住など、経済活動や人との交流により地域が元気になって、活力を高めていくための対策を推進していくことが必要であります。また、従来の観光地だけではなく、新たな地域の魅力を発見し、磨き上げて、点から線へ、線から面へと結び、さらに県内来訪者のニーズを的確にとらえ、一人でも多くの来県者の拡大を図り、地域経済の活性化に結びつけることが重要であると考えます。

 現在、岐阜県では、「知ってもらおう、見つけだそう、創りだそう ふるさとのじまん」を合い言葉に、県民一人一人が身近にあるさまざまな観光資源に光を当て、磨きをかけ、情報発信していく取り組みを通じて、観光産業を基幹産業に発展させ、飛騨・美濃の特性を生かした誇りの持てるふるさとづくりを進める飛騨・美濃じまん運動に取り組んでおられます。

 飛騨・美濃じまん運動は、岐阜の宝もの認定プロジェクト、飛騨・美濃じまん観光誘客プロジェクト、飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト、ふるさとの誇りづくりプロジェクト、まちづくり支援・移住定住推進プロジェクト、県産品ブランド力向上プロジェクトといった六つの推進プロジェクトにより、観光誘客、移住・定住、ブランド化による販売促進といった施策を総合的に推進する中で、岐阜県のアイデンティティーをつくり、岐阜県のブランディングを図るというものであり、既に実績の上がった事例もあると聞いております。

 しかしながら、全体的な数字が示す現状では、岐阜県の近年の観光動態は、観光客数は増加傾向が見られたものの、平成二十一年は前年をわずかではありますが下回るなど、頭打ちの傾向が見られます。宿泊客数は、平成十七年をピークに減少傾向が続き、観光消費額も伸び悩んでおります。さらに、ブランド総合研究所が、今年九月に全国の約三万四千人の消費者を対象に行った地域ブランド調査二〇一〇によると、岐阜県は魅力度ランキング三十九位、認知度ランキング三十二位、観光意欲度ランキング三十二位となっております。この現状の数字に対し、県では、岐阜県の魅力をうまく伝えられていない、魅力が知られていない、また観光意欲も低いのではないかと分析もされておられます。

 地域振興のための同様な施策は全国でも行われているものと考えられ、観光誘客や物産の販売促進などは、まさに全国で熾烈な競争が行われております。岐阜県の知名度アップを初め、消費につながる誘客を獲得するため、より一層飛騨・美濃じまん運動の推進を強化する必要性を痛感いたしております。岐阜県の認知度を今以上に高めていかなければ、地域間競争に打ちかつことはできないのではないでしょうか。これらの推進プロジェクトを進めるに当たり、全庁的な連携をとり、発信力を強化して、さらに推進されることを強く期待し、本日の質問として取り上げました。

 平成二十年十月二日の定例会において、私は、地域の活力を維持し、高めていくために必要な対策として、県内来訪者のニーズを的確にとらえ、岐阜県のファンをふやし、多様な交流人口の拡大を推進する中から、観光客の増加はもとより、リピーターや滞在型観光、さらに交流居住や移住・定住への可能性にもつながる地域経済活性化推進のための一つの方策として、私がおよそ二十年前に取り組んだ中津川ファンクラブ設立の経験を踏まえ、岐阜県ファンクラブの設立についてお尋ねしたところ、昨年度早速立ち上げていただきました。

 岐阜県ファンクラブの活用と推進に当たり、私の経験を再度お話しさせていただきますと、中津川ファンクラブでは、当初は市の広報紙や観光イベント情報などを有料で会員に発送しておりましたが、一方的な情報の提供にとどまることなく、会報誌を発行し、会員の投稿を呼びかけながら会員同士の交流の場を設けました。そこに歴史、自然、文化や食べ物などの情報が行き交い、それに応じた現状に即した生の情報を提供することにより、新たな観光や来訪の動機につながっていきました。そして、時にはこちらからアンケートのお願いや地域活性化のための御意見などを求めたところ、地元に住んでいる者ではなかなか気がつかない地域の魅力について、会員の居住地や経験からの比較、仕事を通じて持ち合わせている観点などからのアドバイスや御意見を寄せていただきました。

 私のこの経験はアナログ時代のものであり、ネット社会になってその情報量は格段に増加しております。今後の取り組み次第では、岐阜県ファンクラブにはさまざまな声が寄せられることと思います。その貴重な声をもとに、岐阜県に対する期待や来県動機につながるニーズはどこにあるのか、そのニーズに対して、他の県より、他の地域より、岐阜県はすばらしいと自慢し、売り込める魅力は何であるのか、その魅力をどのように提供できるのか。需要の的確な情報収集と提供による双方のマッチングが良好な関係になったとき、大きな成果に結びつくものと確信いたします。会員ニーズをつかみ、的確に情報発信することができるようになれば、多様な交流機会が生まれ、岐阜県の観光客誘致や観光消費額の増加につながり、通過型の観光から滞在型観光、さらには移住・定住の可能性も広がってまいります。また、これまで気がつかなかった視点からの御意見を参考に、県内各地のイメージアップや誇りの持てるふるさとづくりの推進への効果も大いに期待できるところであります。先ほど申し上げたとおり、六つの推進プロジェクトにより飛騨・美濃じまん運動が進められておりますが、これらの推進プロジェクトの緊密な連携のもとに、相手が何を求めているのかを情報として共有し、その対応をこれまで以上に強く発信していかなければ、これからの地域間競争に打ちかつことができません。

 そこで、観光交流推進局長にお尋ねいたします。岐阜県の認知度を高め、観光誘客と観光消費額拡大につながる飛騨・美濃じまん運動を推進する上で、岐阜県ファンクラブの活用による岐阜県に対するニーズの把握及び情報の発信は大変効果があるのではないかと考えます。この点を踏まえて、岐阜県ファンクラブについて、県として今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

 次に、地域資源を生かした観光推進と地域活性化についてお尋ねをいたします。

 飛騨・美濃じまん運動を具体的に推進するため、ふるさとのじまんを見つけ出し、磨きをかけ、全国に通用する本県の大きな観光資源となる岐阜の宝ものになるように育成・支援する岐阜の宝もの認定プロジェクトで、数多くの魅力ある地域資源の中から岐阜の宝ものや明日の宝もの、じまんの原石が発掘され、磨き上げられつつある事例が県内各所に見られるようになりました。

 ここで、岐阜の宝ものの認定を受けた東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋が、認定後、どのように意識とその活動を変化させていったのか、御紹介いたします。

 多くの魅力ある地域資源の中から、東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋が岐阜の宝ものの認定を受けたことは、地元関係者にとって大きな喜びであり、と同時に責任の重さを感じさせるものであったと聞いております。東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋に光を当てていただき、今後は、いわゆる観光の語源と言われるその光かがやくものを見ていただくために、単なる芝居好きが集まっての文化継承活動ではなく、飛騨・美濃じまん運動の趣旨に沿った観光推進や地域活性化にどのようにつなげていくのか。そのためには、みずから変わらなければいけないという強い意志を持って、地元関係者の方々は活動に取り組んでおられます。

 さて、今夏の猛暑の中、大野委員長を初めとする企画経済委員会の皆様が、中津川市福岡の常盤座に地歌舞伎と芝居小屋の体験型観光の視察に訪れました。中津川市地歌舞伎連絡協議会の市川会長から地歌舞伎の伝承の歴史などの説明を受けておられる間、委員会を代表して野村委員が中村津多七師匠から化粧をされました。興味深く委員の皆さんが見守る中、衣装とかつらをつけ、りりしい立派な歌舞伎役者の誕生に驚嘆の声が上がりました。その後、皆さんで簡単な振りつけを習い、舞台で実際に白浪五人男に扮してせりふや型を披露されました。二時間ほどの現地での体験に先立ち、委員の皆さんは、バスの中で地歌舞伎のビデオを見て勉強をして臨まれましたので、師匠も、初めてとは思えないせりふの言い回しや見えを切る決めのポーズの感のよさに、しきりに感心しておられました。時間の関係で全員の方に衣装をつけていただくことができませんでしたが、野村委員が扮した日本駄右衛門は、思わず「日本一」と大向こうから声をかけたくなるほどよくお似合いの変身ぶりでありました。これなら自分もやってみたいなと思われたのではないでしょうか、ほかの委員の方々もそのようなお顔で見ておられたようでございます。木々に囲まれた常盤座のあけ放した窓から入る心地よい涼しい風と、山合いの里の自然の美しさに日々の喧騒を忘れさせてくれるいやしの効果もあり、熱心に、また楽しく体験していただいたことに、市川会長も津多七師匠も体験型観光プログラムの開発に手ごたえを感じることができたと大変感謝されておりました。本当にありがとうございましたと申しておりました。

 その後も活動継続のため、後継者の育成とともに、いかに観光に結びつけ、自立に近づくための経済活動が展開できるのか、その命題に向かって活動しておられたところ、東濃歌舞伎中津川保存会の皆さんが飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト、上海万博「岐阜県の日」の観光プロモーションに参加し、岐阜県と地歌舞伎のPRに行きたいとみずから希望し、今般、その念願がかない、青砥稿花紅彩画「白浪五人男稲瀬川勢揃いの場」のせりふを岐阜自慢五人男に置きかえて、岐阜の自慢を思い切りアピールしてこられました。五人男がこの日のために用意した傘には、岐阜市出身のアーティスト 日比野克彦さんの御協力により、「木・火・土・金・水」の岐阜県の今回の上海万博企画コンセプトでもあります五行思想になぞらえた、この芝居のために特別にかいていただいた傘を使用しました。せりふの一部は中国語で演じ、次々と繰り出される木・火・土・金・水の五行思想に基づいて考えられた岐阜自慢が次々と繰り出され、その気迫あふれる熱演に、メディアや旅行関係者の前でのプレゼンや、上海万博日本館イベントステージの公演も好評でありました。公演の前後には写真撮影に応じるなど、岐阜のPRを懸命に努めておられました。東濃歌舞伎中津川保存会の市川会長は、地歌舞伎が海外にも受け入れられたことへの喜びとともに、岐阜の宝ものに認定していただいた感謝の気持ちをあらわしたかったと語り、岐阜の観光PRに少しでもお役に立てたのであれば大変うれしいと語っておられました。

 それでは、どのような内容の岐阜自慢であったのか、そのせりふの一部をここに御紹介いたしたいと思います。

 初めに、木にかかわりまするところの木の精霊、木の国日本駄右衛門から、「問われて名乗るもおこがましいが、国の歌にも唄われし、岐阜は木の国、山の国 伊勢神宮にも使われし、東濃桧、五木銘木 飛騨の匠はいにしえより、日本一と誉れも高く、奈良の都の造営や人を救いし仏の数々 絢爛豪華な高山祭、屋台を飾る彫刻は、麒麟に獅子に龍神唐子、その出来栄えの見事さは、生きて動き出すほどに 匠の技は現在も、テーブル・椅子や家具となり、森の叡智を引き継ぎなし 岐阜は木の国、日本一」。

 続いて、火にかかわる火の精霊、火の国小僧菊之助から、「さて、その次は日本のまん真ん中の美濃の国 天下に聞こえた美濃焼は、人も知ったる火の芸術、粋を極めた日本の茶の湯の文化を支えしもの 千利休が完成した茶の湯の道を引き継ぎし、古田織部は美濃の武将、大胆にして斬新な織部焼の美しさ 数千度になる炎をば、操る技は、その名さえ、美濃の陶磁器、日本一」。

 続きまして、土にかかわる土の精霊、土の国利平。「続いて次に控えしは、世の諺にもあるとおり、美濃を制するものは天下を制す 肥沃な濃尾のその土地に、育まれたる、お国自慢の品の数々 日本一の肉質と、誉れの高い飛騨牛に、甘くて大きい富有柿、地酒の銘酒は数知れず、白川・揖斐は銘茶の産地 数え上げれば切りがない 加えて自慢申すなら、我らの故郷(さと)の中津川、中山道の宿場町、銘菓と言えば栗きんとん、共に岐阜の宝もの 嘘かどうかは岐阜に来て、どうかためしてもらおうかい」。この後も、関の刃物は世界一と歌い上げた金の国十三郎、そして岐阜の清流を日本一と歌い上げた水の国力丸と続いてまいります。

 ただいまのせりふに登場しました岐阜自慢は既にメジャーなものでありますが、この岐阜自慢のせりふにかわる第二、第三の岐阜自慢にうたわれるような宝ものが育つように、岐阜の宝もの、明日の宝もの、じまんの原石のブラッシュアップと新たな魅力の発信ととともに、やる気のある人材の発掘につながる岐阜の宝もの認定プロジェクトについて、今後も大いに期待するところであります。

 今後は、明日の宝もの、じまんの原石などの岐阜の宝ものへの磨き上げや新たな魅力の発信とともに、例えば、なぜ岐阜県は地歌舞伎が盛んであったのか、地歌舞伎の伝承の由来やそのわけを求め、県内の地芝居小屋や歌舞伎公演をめぐり、地元の人からの聞き取りなどの研修旅行をするエクスカーションの提案や、体験型観光、起伏に富んだ岐阜県での田舎暮らし体験、グリーンツーリズムに産業観光、各地で盛んになった中山道宿場まつりや歴史に触れる古い町並みめぐり、高山、下呂温泉、白川郷、郡上踊り、馬籠宿などの既に知名度のある観光地や御当地グルメとの連携など、点から線、線から面への展開を図り、より経済効果の高い滞在型観光への取り組みへの進展も重要と考えます。

 そこで観光交流推進局長にお尋ねいたします。岐阜の宝もの認定プロジェクトの成功のかぎは、それぞれの地域にあるふるさとのじまんを全国に通用する観光資源に育てていこうという地元関係者のやる気を掘り起こし、それを観光推進と地域活性化につなげていくところにあると考えます。地元関係者のやる気をいかにして掘り起こしていくのかという点を踏まえて、岐阜の宝もの認定プロジェクトを県として今後どのように進めていくのか、お聞かせください。

 また、観光推進と地域活性化を図るため、ふるさとのじまんを活用した滞在型観光への取り組みが必要であると考えます。ふるさとのじまんを活用した滞在型観光の推進について、県として今後どのように進めていくのか、お聞かせください。

 質問項目は以上でありますが、最後に私の本日の質問に込めた思いを一言申し上げ、締めくくらせていただきます。

 岐阜は木の国、山の国 清流輝く我が故郷(さと)の 飛騨・美濃自慢の数々を 力あわせて磨いていけば岐阜の宝が百花繚乱 岐阜の魅力は日本一。

 県民の皆々様が明るい新年をお迎えになられることを祈念申し上げ、これをもちまして、本年最後の質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(渡辺真君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

   〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) 三点御質問いただきましたので、順次お答えいたします。

 初めに、岐阜県ファンクラブの活用についてお答えします。

 岐阜県ファンクラブにつきましては、飛騨・美濃じまん運動の重要な推進PRツールとして、本県ゆかりの方、関心の高い方を対象に昨年七月に立ち上げ、本年十一月末現在三百九十九名の登録をいただいております。県では、これまでアンケートやメールなどにより会員ニーズの把握を行っており、本年七月からは、会員から要望の多かった、会員証の提示で観光施設の割り引きなどが受けられる「ほっと岐阜おもてなし施設」のサービスを開始したところでございます。今後とも、インターネットを利用した定期的なアンケートを充実させ、個々のニーズ把握に努めてまいります。

 また、現在季節ごとの会報誌を作成し、県内外のしゅんなイベント、食や岐阜の宝ものなどの情報提供を行っておりますが、これからも観光誘客と観光消費額拡大につなげるため一層の魅力発信に努めるとともに、関係の皆様の御協力による特典サービスの充実などを進め、新たな岐阜県ファンの拡大に取り組んでまいります。

 次に、岐阜の宝もの認定プロジェクトについてお答えします。

 地域の皆様のやる気や熱意は、岐阜の宝もの認定の際、重要な認定要素でもあり、それを継続的な取り組みにつなげていくことの必要性は議員御指摘のとおりでございます。このため、大きく二つの視点からの支援を考えております。一つは、認定後のブラッシュアップを進めていく中で、地域に内在していた人や物、事などの新たな地域資源の魅力を創出し、それらにきちんとスポットを当てながら、地域活性化の取り組みにつながるやる気の掘り起こしを手助けしていくことです。二つ目は、地域のこうした取り組みが、例えば新たな観光商品として造成され、観光客の増加につながるなど、目に見える形での成果となり、外部からの評価も得ながら、持続可能で将来展望を志向できる自立したものへと発展させていくことです。

 このため、県内外に向け岐阜の宝ものなどの魅力を継続的にPRし、注目度を高めながら、岐阜の宝もの認定制度自体の価値や評価をさらに高めていくとともに、全国に誇れるブランド力のある観光地に育てていくため、有識者の派遣や財政支援を行うなど、地域とともに全力を挙げて取り組んでまいります。

 最後に、ふるさとのじまんを活用した滞在型観光の推進についてお答えします。

 観光の日帰り化が進む中、多様な観光資源を持つ本県ならではの特徴を生かし、いかに県内での滞在時間を拡大させていくかが大きな課題であります。このため、岐阜の宝ものなどふるさとのじまんを初めとした県内各地域の観光資源のブラッシュアップとともに、これらを活用して四季折々に変化する体験・参加型メニューや着地型旅行商品の造成などにより、滞在してこそ体験したいと感じられる魅力づくりや仕組みづくりを進めてまいります。さらに、今年五月に中津川市と下呂市で締結された観光連携協定のような相互のつながりの強化や、白川郷や飛騨高山など既に著名な観光資源との組み合わせなど、観光地間の連携やネットワーク化を図ってまいります。こうした広域的な展開により、めぐって泊まりたくなる観光地づくりを進めることで、県内に二日、三日と、より長期的に滞在し、楽しんでいただける岐阜県ならではの滞在型観光を進めてまいります。



○副議長(渡辺真君) これをもって、一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。



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○副議長(渡辺真君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(渡辺真君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

 なお、審査は十二月十五日までに終了し、議長に報告願います。





△平成二十二年第五回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表





委員会名
付託案件


総務委員会
◯ 議第百二十一号のうち歳入予算補正、債務負担行為補正中総務委員会関係及び地方債補正
◯ 議第百二十九号
◯ 議第百四十五号
◯ 議第百四十八号のうち歳入予算補正、歳出予算補正中総務委員会関係、繰越明許費補正中総務委員会関係及び地方債補正


企画経済委員会
◯ 議第百二十一号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係
◯ 議第百四十八号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係及び繰越明許費補正中企画経済委員会関係
◯ 議第百五十号
◯ 請願第六十六号


厚生環境委員会
◯ 議第百二十一号のうち債務負担行為補正中厚生環境委員会関係
◯ 議第百二十四号
◯ 議第百三十号から議第百四十二号まで
◯ 議第百四十八号のうち歳出予算補正中厚生環境委員会関係及び繰越明許費補正中厚生環境委員会関係
◯ 議第百四十九号


農林委員会
◯ 議第百二十一号のうち歳出予算補正中農林委員会関係及び繰越明許費中農林委員会関係
◯ 議第百四十八号のうち歳出予算補正中農林委員会関係、繰越明許費補正中農林委員会関係及び債務負担行為補正中農林委員会関係
◯ 請願第六十七号


土木委員会
◯ 議第百二十一号のうち歳出予算補正中土木委員会関係及び繰越明許費中土木委員会関係
◯ 議第百二十八号
◯ 議第百四十三号
◯ 議第百四十六号
◯ 議第百四十八号のうち歳出予算補正中土木委員会関係、繰越明許費補正中土木委員会関係及び債務負担行為補正中土木委員会関係


教育警察委員会
◯ 議第百二十五号から議第百二十七号まで
◯ 議第百四十四号
◯ 議第百四十八号のうち歳出予算補正中教育警察委員会関係及び繰越明許費補正中教育警察委員会関係
◯ 請願第六十五号





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○副議長(渡辺真君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から十二月十五日までの五日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(渡辺真君) 御異議なしと認めます。よって、明日から十二月十五日までの五日間、休会とすることに決定いたしました。



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○副議長(渡辺真君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。

 十二月十六日は午前十時までに御参集願います。

 十二月十六日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後三時七分散会



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