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岐阜県 岐阜県

平成21年 11月 定例会(第5回) 12月09日−03号




平成21年 11月 定例会(第5回) − 12月09日−03号









平成21年 11月 定例会(第5回)





△議事日程(第三号)



                   平成二十一年十二月九日(水)午前十時開議

第一 議第百五十六号、議第百五十七号、議第百六十号から議第百六十二号まで及び議第百六十四号から議第百七十七号まで

第二 請願第四十五号から請願第四十八号まで

第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百五十六号、議第百五十七号、議第百六十号から議第百六十二号まで及び議第百六十四号から議第百七十七号まで

一 日程第二 請願第四十五号から請願第四十八号まで

一 日程第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十四人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   酒向 薫君

   九番   山本勝敏君

   十番   松岡正人君

  十一番   篠田 徹君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   小原 尚君

  十七番   水野正敏君

  十八番   横山善道君

  十九番   脇坂洋二君

  二十番   野島征夫君

 二十一番   高橋昌夫君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   平岩正光君

 二十五番   佐藤武彦君

 二十六番   森 正弘君

 二十七番   小川恒雄君

 二十八番   村下貴夫君

 二十九番   大野泰正君

  三十番   矢島成剛君

 三十一番   岩花正樹君

 三十二番   野村保夫君

 三十三番   足立勝利君

 三十五番   洞口 博君

 三十六番   渡辺 真君

 三十七番   渡辺猛之君

 三十八番   駒田 誠君

 三十九番   藤墳 守君

  四十番   平野恭弘君

 四十一番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君





△欠席議員      一人



 四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          洞田律男

 総務課長          山田季成

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    小石明己

 同    課長補佐     所 雄治

 同    課長補佐     副島雅浩

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     野村義孝

 同    課長補佐     篠田雄一朗

 同    主査       桂川義彦

 同    主査       佐々木富公朗

 同    主査       横山幸司



            ………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           西藤公司君

 副知事           横井 篤君

 会計管理者         渡辺敬一君

 秘書広報統括監       齋藤 彰君

 危機管理統括監       河合正明君

 総務部長          武藤鉄弘君

 総合企画部長        上手繁雄君

 環境生活部長        古田常道君

 健康福祉部長        冨田成輝君

 商工労働部長        江崎禎英君

 農政部長          馬場秀一郎君

 林政部長          森  勝君

 県土整備部長        金森吉信君

 都市建築部長        藤山秀章君

 ぎふ清流国体推進局長    近藤 登君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         瀧澤裕昭君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     後藤弘之君

 労働委員会事務局長     河内宏彦君



            ………………………………………………………………





△十二月九日午前十時開議



○議長(早川捷也君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

   (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第四十五号 改正国籍法の厳格な制度運用を求める請願書ほか三件の請願書を受理しました。



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○議長(早川捷也君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(早川捷也君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十六番 渡辺 真君。

   〔三十六番 渡辺 真君登壇〕(拍手)



◆三十六番(渡辺真君) 皆さん、おはようございます。

 議長からお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表して、県政の諸課題について質問をさせていただきます。

 私は、今回、県政の重要な課題について、九の項目に絞って質問いたします。

 民主党政権が成立してから、約三カ月が経過をいたしました。現在、新政権は政権公約に基づいた政策立案と新年度の予算編成に取り組んでいます。間もなく結論が出されると思いますが、地方に十二分に配慮した結論となることを期待したいと思います。そして、同時に、新政権として、いまだ明確に示されていないあるべき国家像、将来像とその方向性を国民に示していただきたいと思います。それは、政治の最も基本的で大切な役割であり、責任であるからであります。

 さて、岐阜県政を取り巻く環境は非常に厳しく、大変難しい対応が求められております。その一つは、深刻な財源不足とその解消のための行財政改革であり、いま一つは、その行財政改革に対応した、また新政権による政策転換に対応した新年度の予算編成であります。

 今回の質問は、その予算編成と行財政改革を中心にして、さまざまな視点から、その課題と対策についてお尋ねするものであります。したがって、今回の質問は少しかた苦しい質問になるかと思います。したがって、冒頭に知事さん初め答弁者の皆さんにお願いがあります。大変厳しい情勢下、厳しいだけに県政には将来に向けての明るい希望が求められております。知事さん初め答弁者の皆さんには、あるべき県の姿に照らして、将来の岐阜県に明るい希望が感じられるような答弁をお願いしまして、質問に入らせていただきます。

 まず最初の質問は、平成二十二年度当初予算についてです。

 本県の中期的な財政試算によれば、今後も毎年三百億円程度の財源不足額が見込まれ、今後、毎年の予算編成において、この財源不足の解消を図っていかなければなりません。その道筋というものは、行財政改革の具体像の策定とともに明らかになってくると思いますが、いずれにしましても、多額の財源不足が生じている中で、新年度予算編成は大変厳しいものになることが予想されます。

 しかし、一方で、県内の喫緊の課題に対しては的確に対応していく必要があります。県内の経済情勢はいまだ低迷しており、また雇用情勢につきましても、例えば来春の県内高校卒業予定者の就職内定率が過去最低となっております。このような経済・雇用対策は県民生活に直結するものであり、厳しい財政状況の中にあってもしっかりと対応していく必要があります。

 知事は、今後の県政運営について、「厳しい経済状況への対応」「未来の岐阜県づくり」「県財政の再建」の三兎を追うと、これまで強く宣言されてきておりますが、その信念が揺るぎないのであれば、現在のこの苦境は確実に乗り越えられるものと期待しております。

 一方、国では、一般会計の総額で過去最大となる概算要求が示され、現在、年内の予算編成に向けた作業が進められているところですが、民主党のマニフェストに掲げた子ども手当の創設や高校授業料の実質無償化など、地方に対して少なからず影響を与えると思われる事業が盛り込まれております。また、その手法に対しては一部批判の声も聞かれる行政刷新会議の作業グループが実施しました事業仕分けでは、地方交付税が事業仕分けの対象とされ、制度の抜本的見直しとの判定が下されたほか、まちづくり交付金や下水道事業が地方移管とされるなど、地方に対して影響を及ぼす判定が多数出されております。さらに、事業仕分けに先立って実施された地方分権改革推進委員会による第四次勧告では、当面の課題として、地方交付税の総額確保並びに法定率の引き上げ、直轄事業負担金制度の廃止、暫定税率の廃止に際しての地方税源の確保など地方財政にとって極めて重要な提言が行われております。本県では、今まさに多額の財源不足の解消に向けた行財政改革に取り組もうとしているわけですが、事業仕分けや第四次勧告を受けての対応を含め、国の予算編成の行方によっては、県の予算編成、あるいは財源不足額に対して多大な影響が及ぶものと考えております。

 このように、現在は地方財政にとって極めて重要な時期にあり、県としましても、知事が先頭に立ち、地方財源の充実を国に対して強く訴えていただきたいと考えております。

 以上を踏まえて、知事にお尋ねします。県の新年度予算編成を進めるに際して、現在の県政の課題について、特に国の予算編成が本県の来年度予算編成に与える影響についてどのように考えておられるのか、お尋ねします。

 次に、県の財政の約五割を占める県税収入と地方交付税の見通しについてお尋ねします。

 最近公表された統計指標によりますと、一部に持ち直しの動きが見られるものの、経済・雇用情勢はまだまだ厳しい状況が続いております。企業業績が引き続き低迷しており、七月−九月期の法人企業統計によると、全産業の経常利益は前年同期比で三二・四%減と九期連続の減益となっており、また全国の十月の完全失業率は五・一%、有効求人倍率は〇・四四倍と、依然として厳しい雇用環境となっております。

 こうした状況の中で、二十一年度の県税予算については、九月補正において二十億円の減額をされていますが、来年度においても景気の大幅な改善は見込めないことから、県税収入については引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

 一方、地方交付税につきましては、総務省の概算要求におきまして、「三党連立政権合意、民主党マニフェストに基づき交付税率の引き上げを要求するとともに、事項要求を含め、地方交付税総額を一兆円以上増額する」とされております。疲弊した地方財政を回復させ、ひいては地域の活力を回復し、地域が自立していくためにも、地方で使途を自由に決められる生きたお金である地方交付税の増額、臨時財政対策債を含めた地方一般財源の増額をぜひとも実現させてほしいと考えております。

 そこで、総務部長さんにお尋ねします。来年度の県税収入をどの程度見込んでおられるのか。また、総務省の事項要求が実現した場合を含め、地方交付税についてはどの程度となると見込んでおられるのか。さらには、臨時財政対策債を含めた一般財源総額についてはどの程度確保されると見込んでおられるのか、お尋ねいたします。

 次に、行財政改革についてお尋ねします。

 本県の財政はこれまでになく非常に厳しい状況にあり、その健全化は本県の最も重要な課題であります。そのためには、行財政改革を何としても進めていかなければなりません。そのことを大前提として、以下、行財政改革を進めていく上での課題と対策についてお尋ねします。

 私が県議会議員に初当選した平成十一年度の本県の財政規模は、決算ベースで九千億円を上回っておりました。これは、バブル経済崩壊後の平成四年以降、国が経済対策として公共投資を中心に財政出動を拡大したことに呼応し、県でも公共投資をふやした結果であります。そうした中にあって、経常収支比率−この経常収支比率というのは一〇〇%を境に低い方がいいわけでありますけど−は七〇%台で推移し、全国でもトップクラスの財政の健全性を誇り、前知事は議会においてたびたびこのことについて答弁されておられたと記憶しております。

 私は、初当選後、最初の質問の機会をいただきました平成十一年第四回定例会において、県財政の中・長期の見通しについて質問いたしました。その中で、本県財政の健全さについて触れた後、しかしながら、私は、本県も近い将来には他県のように財政危機に陥る危険性が少なからずあると考えると将来の本県財政について懸念を示すとともに、国依存体質から脱却し、歳入歳出の構造改革を着実に今から進めていく必要がある旨の意見を述べさせていただきました。残念なことに、その後、その懸念が現実となってしまいました。その要因として、歳入面においては、三位一体改革による地方交付税の削減や急速な景気後退に伴う県税収入の減収などによる一般財源総額の減少、歳出面においては、これまで積極的に進めてきた公共投資に伴う公債費や高齢化の影響による社会保障関係経費の増嵩などにより、県の財政状況は急激に悪化したことなどが挙げられます。その結果、二十年度の経常収支比率は九九・一%と五年連続で過去最悪となっております。

 県では、平成十八年三月には、著しく増加した公債費−先ほど述べてまいりましたこの公債費というのは、過去の借金の元利償還金でありますが−を減少に転じさせることを最優先課題とした岐阜県行財政改革大綱を策定し、さらに二十一年三月には今後十年間の行財政改革の方向性をまとめた岐阜県行財政改革指針を策定するなど、立て続けに行財政改革の方針を打ち出し、取り組んできました。しかし、いろいろな対策を講じてきたにもかかわらず一向に県財政に明るい兆しが見られないということは、想像以上に厳しい財政状況に陥っていることのあらわれであります。そこで、本年度に入ってから、直ちに知事を本部長とする行財政改革推進本部を立ち上げ、議論を進めてきたと伺っていますが、現時点においても、その全体像を示すに至っておりません。

 前の議会において、藤墳 守議員が行財政改革を進めるに当たっての手順についてただした際、知事は、「各方面から御意見、御提案を一方でいただきながら、他方、並行して県の内部でも各部局との調整、あるいは財政フレームの精査を進めていくというふうに考えており、その上で十一月中をめどに、平成二十四年度までの向こう三年間の緊急財政再建期間における具体的な取り組み案を県としてお示しをしていきたい」と御答弁されております。

 一方、自民党県連では、先月初旬、二十二年度当初予算編成に向け、市町村や関係団体からのヒアリングを実施し、多くの意見を直接お聞きしました。一部を紹介しますと、「県民や市町村へのしわ寄せは慎重であるべき」「県はもっと自助努力をすべき」「しっかりした大綱を作成し県民に示してほしい」「県の現地機関の統廃合は慎重に進めるべき」「行革によって地域が衰退しないようにしてほしい」「住民が絶望しないようにしてほしい」「福祉の補助カットを認めることはできない」など、県の行財政改革の進め方、考え方に対して、かなり厳しい、切実な意見がありました。行財政改革の全体像が示されない状況にあって、市町村や関係団体への補助金を大幅に減らすという方針に対しては大きな不満があり、ほとんどが批判的な意見でありました。

 県内市町村の財政も大変厳しくなってきております。先ごろ県内四十二市町村の二十年度の決算概要が発表されましたが、県ほどは深刻でないものの、経常収支比率が軒並み上昇し、財政の硬直化が進んでおります。県の行財政改革により、市町村補助金の補助率削減などを行えば、市町村に対して大きな痛みを求めることになります。県財政と同様に市町村財政も大変厳しい中にあって、市町村財政の悪化や、それに伴い、住民に直結するサービスが極端に低下するのではないかと危惧しております。さらに、住民へのサービス低下は、その原因が国であれ、県であれ、住民に一番近い市町村がその責任を問われることになるということを県は十分認識する必要があります。

 また、行財政改革に伴い、県民にも多かれ少なかれ影響が及ぶことは避けることができず、一定の役割、負担をお願いすることも出てくると思いますが、県民生活に直接的な、あるいは深刻な影響を及ぼすことには、当然のことながら慎重であるべきです。「政治は弱い人のためにある」という言葉がありますが、特にみずからの努力ではその弱い立場から抜け出せない人、例えば障がいを持つ人たちへの補助金等福祉や医療にかかわる補助金の削減はできるだけ避けなければならないと思います。

 そして、このような大きな改革を進めるに当たっては、影響を受ける市町村や関係団体とは十分議論する必要があり、議論が不十分であればスケジュールをおくらせることもやむを得ないものと考えております。知事御自身もおっしゃっておられるように、スケジュールまずありきで、議論がなおざりにされるような乱暴なやり方は避けなければなりません。さらには、県民に対しても、行財政改革の影響を県に一方的に押しつけられたと思われてしまうことは避けなくてはならないと思います。そのためには、その具体化の過程において、現在の財政状況や行財政改革の内容、改革後の県の姿について県民へ説明し、意見を反映していくべきだと思います。

 こうしたこともあってか、知事は、先月十日の定例記者会見で、市町村や関係者との議論不足や、地方交付税が政府の行政刷新会議の事業仕分けの対象となるなど、県財政の前提が変わる可能性、不確実性が増したとして、具体的な取り組み案の公表を先送りする考えを示されたものと理解しております。

 そこで知事にお尋ねします。今年度早々に行財政改革推進本部を設置し、財源不足解消のための検討を進めてこられたと思いますが、市町村や関係団体との議論を含め、今後どのようなスケジュールで進めていくおつもりなのか。また、行財政改革に伴う市町村や関係団体への影響についてどのように考えておられるのか。さらに、具体像策定に向けた県民への説明、県民意見の反映について、どのように考えておられるのか、お尋ねします。

 また、行財政改革のこれまでの取り組みを見ますと、予算縮減が大きなテーマとなっております。財政の無駄を省くことは申すまでもなく必要なことですが、これまでも予算の縮減に努めてきた県の予算に無駄と言えるものは少なく、歳出削減は、まさに乾いたぞうきんを絞るがごとく厳しい内容となっているものと感じております。

 一方で、財政の基本である「入るを量りて出ずるを制す」の入るを量る歳入対策については、県としての具体像がなかなか見えてきません。私は、入るを量る対策は、文字どおり歳入を的確に見積もるということだけではなく、入るを多くする対策でなければならないと考えております。財政改革を進めるに当たって、歳出削減は痛みを伴うことから、歳出削減を議論する前に、まずは行財政改革のもう一方の柱である歳入確保対策を行い、改革に伴って生じる痛みを少しでも軽減させる必要があると思っております。無論、歳入は歳出以上に制度的に国に依存している部分が大きく、また各種の制約があり、一朝一夕に歳入を大幅にふやすことは難しいと思いますが、最大限の創意工夫と努力をもって歳入確保対策に取り組む姿勢を見せることが大切ではないでしょうか。

 そこで総務部長にお尋ねします。行財政改革の一環で検討が進められている歳入確保対策はどのようなものか、お尋ねします。

 次に、行財政改革の内容にも係る項目について、順次質問をします。

 最初に、職員の給与カットについてお尋ねします。

 知事は、去る十月二十二日、唐突に来年度の知事御自身の給与の三割をカットすると表明されました。これは、全国的に見ても、大阪府などと並んで最大のカット率ということであります。また、県職員の給与カットについても、今年度に引き続き来年度についてもお願いしていくという報道がされております。今年度実施された給与抑制については、どうしても生じてしまう財源不足を解消するための最終手段として実施されたとお聞きしておりますが、今回は厳しい行財政改革を進めていくためには、知事、そして県職員が率先して痛みを受ける必要があるとのお考えから、いち早く表明されたものと推察するところであります。私は、財源不足の解消のための帳じり合わせのような職員の給与カットは、あくまでも慎重であるべきだと考えております。まずは、歳入対策も含めて、考え得る行財政改革を実施するという基本姿勢を明確に示し、その上で、しわ寄せ、帳じり合わせではなく、各般にわたる行財政改革の一環として職員にも痛みを分かち合っていただくという姿勢であるべきです。

 そこで、知事にお尋ねします。平成二十二年度においては、どのような考え方で職員給与の抑制を求めようとしておられるのか、お尋ねします。また、やむを得ず職員給与をカットする場合には、職員の士気を低下させないためにもきちんと理解を得ることが不可欠であると思われますが、どのように考えておられるのか、あわせてお尋ねします。

 次に、職員新規採用の凍結についてお尋ねします。

 知事は、厳しい財政状況を踏まえて、これまでも職員定数を削減している中で、平成二十三年度から二年から三年程度、岐阜県として初めて、また、都道府県レベルでは極めてまれと思われる職員の新規採用凍結の方針を打ち出されました。これは、いわゆる一般行政職員のみを対象としているということですが、二年ないし三年という期間、新たな人材を県が配置できないということは、今後、県政運営上あるいは人事配置上、少なからず影響が出るのではないかと危惧しております。また、岐阜県職員を目指している大学生、高校生の就職の機会を奪うという面からは、極めて大きな問題ではないかと感じております。雇用情勢が悪化する中で、その改善に主導的な役割を果たさなければならない県みずからが採用を凍結することの重大性は、よくよく考えなければならないのではないかと思っております。

 そこで、知事にお尋ねします。新規採用職員の凍結について、今現在、その実施の是非も含めてどのように考えておられるのか、お尋ねします。

 次に、職員の経営感覚、金銭感覚についてお尋ねします。

 行財政改革、地方分権など大きな変化が県政を取り巻く中で、そうした変化に適応するためには、職員の意識改革が必要ではないかと考えております。これまで国・県を問わず、さまざまな場面で行政の無駄あるいは公金意識の欠如が指摘されてまいりましたが、県民の信頼を得るためにも、金銭感覚、経営感覚といったものを磨くことが必要となってきているのではないかと思っております。

 私自身、平成十一年四月に県議に就任して以来、県行政には経営感覚が欠けているとの考えから、バランスシートの導入を初めとしてさまざまな提案をさせていただきましたが、財源不足が深刻となっている今こそ、その必要性を痛感しております。職員の金銭感覚、経営感覚がより鋭くなったとき、それは税金に対する責任感と相まって、行財政改革あるいは地方分権を推進する確かな力となるものと考えております。また、県は地域経済の大きな担い手の一つでもあります。さきのように歳入を確保していくためにも、より大きな投資効果、税源涵養効果をもたらすよう、経営感覚を持って事務事業の一つ一つに取り組む必要があります。

 そこで、知事にお尋ねします。県職員の経営感覚、金銭感覚を養うために、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、振興局等現地機関の廃止・統合についてお尋ねします。

 知事は、行財政改革の一環として、県内五カ所にある振興局の廃止など、県の現地機関の統廃合について検討を進めるとされています。徹底した行財政改革の一環としてやむを得ないと思いますが、そうであっても行財政改革を進める上での意味なり、効果を十分に分析した上での議論が必要であると考えます。また、現地機関の廃止あるいは統合により、県民サービスが低下するようなことはできる限り避けなくてはなりません。

 自民党県連が実施した県予算編成に対する市町村要望聴取の際にも、現地機関の統廃合により地域が衰退するのではないかという不安の声をお聞きしました。地域にとって、県の現地機関は核のような存在であり、地域活力の一端を担っているという現状を十分に踏まえて、慎重に進めなければならないと思っております。

 そこで、知事にお伺いします。振興局等県の現地機関の廃止・統合の検討を進めるに当たって、どのような方針を持って臨まれるおつもりなのか。また、廃止・統合する場合には、それが県民サービスの低下を招くことのないよう、どのような対策を講じるおつもりなのか、お尋ねします。

 次に、地域産業の振興策についてお尋ねします。

 先ほども申し上げましたが、厳しい財政状況の中、財政の基本である「入るを量りて出ずるを制す」の入るを量るための施策がますます重要となってまいります。そこで、入るを量る施策の柱となる産業の振興策についてお尋ねします。

 産業は福祉の糧と言われますように、県が県民生活を守り、県民福祉の向上を図る上で必要な財源を生み出しているのは県内産業であります。企業活動を通じて生み出された付加価値は、企業にとっての利潤、働く人への賃金、そして国や県などへの税金となって配分され、それが消費や設備投資、あるいは国・県による公共投資を初めとした行政サービスを生み出すことによって、経済は循環しております。こうした経済の基本的な構造を考えますと、県内産業の振興が県政にとって極めて重要な役割の一つであることが改めて理解されます。したがって、昨年来の世界的な大不況にあって、現在、極めて厳しい状況にある県内中小企業については、自律的な回復過程に至るまでの間、県がしっかりした支援を続けることが必要であると考えております。

 私は、県として進めるべき産業政策には大きく二つあると考えております。一つは、疲弊している中小企業や地場産業を支援するための即効的な対策、もう一つは成長産業を育成するために取り組む中・長期的な対策であります。その二つをバランスよく進めるべきであります。

 さらに、施策の具体的な実施に際しては、補助金等による直接誘導的な施策と、企業等の自立的なビジネスの展開を支援するための環境整備的な施策をうまく組み合わせていくことが必要であると考えております。現在、人口減少が進む中で、産業政策をめぐる環境は大きな転換期を迎えております。経済成長は鈍化し、地域におけるマーケットは縮小過程に入っております。さらに、財政的に厳しい状況が見込まれる中では、かつてのように行政が大規模産業振興施設を建設し、産業誘導を行う手法をとることは、もはや困難となっております。

 そこで、景気低迷に加え、このように経済環境が大きく変化する中で、即効的あるいは中・長期的な観点を含め、今後どのような方針で地域産業の振興に取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねします。

 次に、今後の社会資本整備についてお尋ねします。

 本年十月二十六日に鳩山首相によって、「コンクリートから人へ」の政策転換が表明されました。この「コンクリートから人へ」という言い方は非常にわかりやすい言い方ですが、コンクリートか人かという二者択一的な政策判断は、非常に危ういものがあるという私見を申し上げた上で質問をいたします。

 現在、国において道路やダムなどの公共事業費を圧縮し、子ども手当、高校授業料の実質無償化などの事業予算をふやしていく検討がされております。その先駆けとも言える二十一年度補正予算の執行見直しでは、地方の実情、意見を踏まえることなく、東海北陸自動車道を含む全国六路線の四車線化事業が凍結されております。東海北陸自動車道の四車線化事業は、観光や物流に大きく寄与する円滑な交通の確保という効果以上に、安全性の向上という観点から必要な事業であり、その凍結は極めて遺憾に思うとともに、万が一重大な事故が発生した場合、凍結を決断した現政権の責任は極めて重いと考えております。一刻も早く凍結の方針を転換し、四車線化事業が進められることを切望いたします。また、木曽川水系連絡導水路事業を含む全国百四十三のダム事業の見直しも進められることとされており、県民の安心・安全が脅かされるのではないかと危惧をしております。

 さらに、国の二十二年度概算要求額が全体で九十五兆円を超え過去最大となる中で、国土交通省の公共事業関係費は一四・二%減の大幅削減要求とされるなど、今後の公共事業を取り巻く状況は一層厳しいものとなることが予想されます。しかし、このような厳しい状況にあっても、地域にとって必要不可欠な社会資本整備はきちんと進めていかなければなりません。

 社会資本の整備は、建設投資による直接的な効果だけではなく、交流人口の増加、時間・距離の短縮による利便性の向上や新しい市場の開拓などさまざまな波及効果が期待されるものです。そのため、先ほど申し上げましたが、バブル経済崩壊後の平成四年以降、国は経済対策として公共事業を中心に財政出動を拡大してきたのであり、岐阜県でもこれに呼応して積極的に公共投資を進めてきたのであります。

 一方で、それが県債残高を急増させる要因となり、財政の悪化に伴って公共投資の削減が進められてきました。特に、平成十八年度からは行財政改革大綱に基づき投資的経費を毎年度五%削減し、その結果、普通建設事業費の予算は、ピークであった平成十年度の三分の一程度にまで圧縮されております。その上で、来年度予算においてはさらなる削減に取り組む予定と聞いております。厳しい財政のもと、財政再建のためには投資的経費の削減は避けられませんが、知事もおっしゃっておられるとおり、必要な社会資本整備は進めていかなければなりません。そこで、社会資本整備を進めていく上で留意していただきたいと思うことを申し上げた上で、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 その一つは、予算の確保です。社会資本整備は県民の生活基盤にかかわることであり、将来の地域の発展、安全・安心の確保や雇用の維持・創出等のために必要な予算であります。予算が限られるのであれば、優先すべきものは何か、あるいは不要不急のものは何かをきちんと見きわめた上で所要額をしっかりと確保しなければならないと思っております。

 その優先順位を決めるとき、判断基準となるのが費用対効果ですが、二つ目は、その事業の費用対効果についてです。

 限られた予算を有効活用していくためには、費用対効果を見きわめることが必要となります。公共事業に期待される経済効果は大変大きく大切ですが、経済的効果のみで公共事業の必要性を議論することには違和感を覚えます。いわゆる生存権保障のため、過疎地域等での教育や医療を支えるために行う最低限の生活基盤の確保は公共事業が果たすべき重大な役割であり、費用対効果の効果については、単に経済的効果の多寡だけで判断されるべきものではないと考えております。今後、経済的効果だけで事業箇所を選定していった場合には、過疎地域など経済的効果の少ない小さい地域がますます取り残されることになります。地域間格差の拡大は何としても避けなければなりません。また、地域経済の疲弊や建設工事の減少で建設業者の廃業・倒産が相次いでおります。地域における災害発生時に、最前線で復旧作業を担う地元建設業者が疲弊した状態で、本当に地域を守ることができるのか、心配しております。

 以上を踏まえて、知事にお尋ねします。今後の社会資本整備、中でも道路など県土整備事業について、県として何に重点を置き、どのように進めようと考えておられるのか、お尋ねします。

 次に、東海環状自動車道西回り区間の整備についてお尋ねします。

 東海環状自動車道の西回り区間につきましては、沿線地域や岐阜県のみならず、東海地方全体の発展にとって欠くことのできない道路であり、一日も早く完成することが望まれます。しかし、二十二年度の国の公共事業予算の行方によっては、西回り区間の早期整備に対し、少なからず影響があるのではないかと懸念しております。特に、公共事業の大幅削減を受けて、二十二年度に整備を凍結する路線の候補に養老−北勢間約十八キロが上がっているとの新聞報道を受けて、先行きの不透明感が増しております。こうした状況を踏まえて、一層、早期整備に向けた国への働きかけを強めるとともに、県としても必要な予算の確保に最大限の努力をお願いしたいと思います。

 また、西回りの早期整備のためには、岐阜市御望山のルート問題を早急に解決する必要があります。御望山のルート問題については、平成六年のルート公表以来、これまで約十六年にわたり議論されており、これ以上議論を長引かせ、全線整備に影響を与えることは避けなければならないと考えております。県では、このルートの安全性について現在確認中であり、九月議会の藤墳議員の質問に対して、最終的な判断に向け検討を行っていると知事が御答弁されております。そこで、東海環状自動車道西回り区間の整備状況と今後の見通しはどうなっているのか。また、御望山ルートの安全性について、県の確認状況はどうなっているのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、木曽川水系連絡導水路事業についてお尋ねします。

 連絡導水路事業につきましては、昨年五月に徳山ダムの本格的な運用が開始され、いよいよダムに確保した水を利用できるという段階になって、名古屋市長による事業撤退発言、また、前原国土交通大臣によるダム事業の見直し発言など、事業を否定するような発言が相次いだわけであります。ダム等の水資源開発の施設は、関係者が議論を積み重ね、その上で合意形成を図り、あわせて法的な手続を経てようやく完成に至るという、非常に長い年月を要するものであります。連絡導水路事業につきましても、国と三県一市がさまざまな立場から議論を進めてきたものであり、愛知県や名古屋市では、木曽川水系における水資源開発基本計画、いわゆるフルプランにおいて、それぞれの立場から水の需要予測を行い、その結果確保した徳山ダムの水を活用するために必要な施設であります。名古屋市長の導水路事業からの撤退発言は、果たしてこうした経緯を十分に承知した上での御発言であるのか。また、国土交通大臣は、本年度の予算において新たな次の段階に入らないと、地方の声を聞くこともなく一方的に表明されましたが、これが民主党の進める地域主権の姿なのかと、強い怒りさえ感じております。

 連絡導水路事業は、さきの議会でも知事が御答弁されているとおり、これまで幾度となく渇水被害に苦しめられてきた可茂・東濃地域にとって大きな効果をもたらし、地元としても大きな期待を寄せている事業であります。これまでの経緯や地元の意見を十分に踏まえ、早期に事業着手されることを切望しているところです。そこで、国は政権交代以後、公共事業見直し発言を行い、政府予算案の提出時までに基本的な方針を明らかにするとしておりますが、県として導水路事業を今後どのように進めていくおつもりなのか、知事にお尋ねします。

 また、県土整備部長にお尋ねします。導水路事業による周辺環境に与える影響について、環境レポート案については、これも九月議会の藤墳議員の質問に対して内容を精査しているところと御答弁されておりますが、この環境レポート案について、現在の進捗状況と今後の進め方についてお尋ねをいたします。

 一時間の持ち時間の質問は初めてでありまして、随分長いなと感じておりますが、聞いていただく方はそれ以上に、そう感じておられると思います。あと三問ですので、引き続き御清聴をお願いいたします。

 次に、リニア中央新幹線についてお尋ねします。

 リニア中央新幹線については、二〇二五年の首都圏−中京圏間での営業運転開始を目指し、現在、全国新幹線鉄道整備法に基づき、輸送需要量など四項目の調査が進められております。本年十月十三日にJR東海が公表しました東京−大阪間のデータによりますと、最も短い南アルプスルートの場合では、路線の長さが四百三十八キロメートル、所要時間は六十七分、建設費用が八兆四千四百億円とされております。具体的なデータが示されたことで、いよいよ現実味を帯びてきたと感じております。今後、四項目の調査が速やかに完了し、次のステップであります整備計画が一日も早く決定されるよう強く願っております。

 さて、本県では、昭和五十三年に全国に先駆け、県や地元市町村等で構成するリニア中央新幹線建設促進岐阜県期成同盟会を立ち上げ、一貫して県内停車駅の設置を求めてまいりました。そうした中で、本年六月にJR東海の松本社長が、リニアの超高速性と地域振興の観点から一県一駅の設置が適切との考えを表明し、県内停車駅の実現に向けて大きく前進したと考えております。来年早々には、地元の商工会議所が中心となって、岐阜東濃駅の実現に向けた誘致組織を立ち上げられるとも聞いております。また、リニアを活用した地域づくりとして、市町村、経済界、観光団体等で組織するリニア中央新幹線地域づくり研究会が本年七月に発足し、リニアを核とした地域の発展に向けて、実りある検討が進められております。そこで、県内停車駅の実現あるいはリニアを活用した地域づくりについて、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、都市建築部長にお尋ねします。

 次に、リニア停車駅のアクセス道路として重要な国道十九号の整備についてお尋ねをいたします。

 リニアの停車駅を核とした地域の活性化を図るためには、そのアクセス道路の整備が重要となります。現在示されているルートを考えますと、国道十九号はアクセス道路として非常に重要な役割を担うものと考えられます。しかしながら、国道十九号の瑞浪−恵那間は二車線で急な坂やカーブも多く、死亡事故も多発しております。さらに、迂回路がないことから、一たん事故が発生すると交通が麻痺し、大混乱に陥る状況にあります。現在、瑞浪−恵那間においては、国土交通省により瑞浪恵那道路の都市計画決定に向けた調査が進められ、また多治見−瑞浪間については、県により東濃西部都市間連絡道路の整備が進められております。そのほか、東濃地域の重要な幹線道路については濃飛横断自動車道も整備が待たれるところでありますが、今回は瑞浪恵那道路及び東濃西部都市間連絡道路に絞ってお聞きします。リニアを核とした地域活性化のためには、これらの道路整備を着実に進める必要があると考えますが、現在の状況、今後の方針について、県土整備部長にお尋ねします。

 次に、米の戸別所得補償制度についてお尋ねします。

 新政権となって、国の農業政策は、戸別所得補償制度を柱に大きく転換されようとしております。農林水産省の二十二年度予算概算要求においても、米戸別所得補償モデル事業の予算が盛り込まれております。この米の戸別所得補償制度は、国の示す米の生産数量目標に即した生産を行った販売農家に対して、標準的な生産に要する費用と標準的な販売額の差を定額部分として交付することで生産費を補償し、農家の経営安定を図ろうという仕組みとされております。この制度の重要なポイントは、従来の全員参加を旨とする米の生産調整が選択性と大きく変わるというところにあります。これまで米の生産調整を推進するために実施されてきた転作助成金の制度は廃止されると思われ、国が進めてきた米政策は大きく変貌することとなります。

 このような農業政策の大きな転換が、実際に農業に携わる方への影響も十分考慮せず、また十分な議論なしに乱暴に進められてよいものか、甚だ疑問に感じざるを得ません。こうした制度の変更は、今後の土地利用型の農業経営を大きく左右するものであり、特に大規模水田農業経営者や集落営農組織等、これまで国の米政策に基づき地域の中核となって農業経営を進めてきた方々は、大きな不安を抱えております。米価が大幅に下落するのではないか、これまでと同じように地元農家の協力が得られ、経営規模が維持できるだろうかという声もお聞きします。私見ですが、我が国の農産物出荷額の約二割を占め、食料政策の根幹とも言える米の政策の転換は慎重に進めていただきたいと思います。そこで、いまだ詳細が示されない状況ではありますが、戸別所得補償制度について、岐阜県の農業にとって具体的にどのような課題、問題があり、それに対してどう対応されるのか、農政部長にお尋ねします。

 最後に、警察業務についてお尋ねします。

 昨今の我が国の治安情勢を見ますと、子供や女性が被害となる凶悪事件が多発しているほか、麻薬、覚せい剤等薬物汚染が若年層へ蔓延し、またサイバー犯罪は増加の一途をたどっております。

 本県では、刑法犯の認知件数は六年連続で減少し、昨年は十年ぶりに三万件を下回り、交通事故につきましても死者数は五十年ぶりに百五十人を切りました。本年に入っても、刑法犯の認知件数、交通事故死者数は減少傾向を示しておりますが、これらは県警が地道な活動を積み重ねた結果であるとともに、青色回転灯や防犯マップの作成、街頭指導など住民活動の効果によるものと考えております。

 一方で、各務原市における実父殺人事件、岐阜県北西部における連続不審火事件などの重大・凶悪事件が発生し、交通事故につきましても飲酒運転による交通死亡事故が増加しているなど、依然として県民生活の不安は払拭されておりません。治安の悪化に影響を与える要因としては、犯罪のグローバル化や国際化に加えて、地域社会の連帯感の希薄化、あるいは住民の規範意識が変化したことにより地域社会が持っていた犯罪を抑止する機能が低下したことを挙げることができるのではないかと考えております。さらに、昨年来のアメリカ発の世界同時不況により我が国の雇用環境は急激に悪化しておりますが、こうした状況が改善されない場合には、今後の治安情勢に重大な影響をもたらす可能性があります。

 そうした中で、岐阜県の警察官一人当たりの業務負担を見ますと、人口負担は六百十八人と負担の高い方から全国十三位、刑法犯の認知件数に対する負担は八・八件と同じく六位と依然として高い状況となっており、また、経験豊富な警察官が毎年多数退職されるとも伺っております。豊富な知識や技能を持った人材を退職によって一時に、しかも大量に失うことは、県警のみならず、県民生活の安全にとって大きな損失であり、今後の警察力の維持・強化に大きな課題であると懸念するところであります。

 このような状況下で、岐阜県では来年、第三十回全国豊かな海づくり大会、二十四年にはぎふ清流国体が開催されるなど大規模な警備対策が必要となってまいります。

 そこで、警察本部長にお尋ねします。警察本部長が着任され間もなく二カ月になろうとしておりますが、限られた体制、限られた予算の中で、県警が県民の安全・安心の確保を図るため、いかに警察業務に取り組まれるのか、新本部長としてのお考えをお尋ねします。

 以上、県政各般にわたり質問をさせていただきました。国政においても、県政においても先行き不透明な部分があり、決して視界が良好とは言えない状況にあることは承知しておりますが、そうした中にあっても、県民に、そして地域がみずからの問題として認識し、考えていただけるよう、県政の説明責任を十分に果たすべく、真摯に御答弁いただくことをお願いし、質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 御答弁申し上げます。

 議員からは多くの質問をいただきまして、少しかた苦しい質問ということでお話がありましたが、私もできるだけ丁寧にお答えしたいと思っておりますので、少しかた苦しいお答えになろうかと思いますが、御容赦をいただきたいと思っております。

 まず、新年度予算編成の考え方ということでございます。

 これは、まず基本的には、これから策定してまいります向こう三年間の行財政改革のアクションプランに沿った内容であるということが一つ。と同時に、さまざまな政策課題に積極的に取り組んでいくと、そういう内容のものでなければならないと思っておるところでございます。お尋ねの県政の諸課題への対応ということでございますが、何といっても喫緊の課題である経済・雇用対策、さまざまな対応をしておりますし、緊急雇用創出にも取り組んでおるわけでございますが、切れ目のない対策に最大限取り組んでいくと、これは続行していく必要があると思っておるわけでございます。

 また、長期構想に掲げる「確かな未来づくり」という観点から申し上げますと、来年度は恐らく大きく三つの柱になるんではないかということで今検討しておるところでございます。一つは、何といっても総合的な地域医療再生を初めとする県民生活の安全・安心、二つ目は、CO2の削減に向けたグリーン・ニューディール政策、あるいは全国豊かな海づくり大会を通じた環境保全といったような環境政策でございます。三番目が、健康、自然、あるいはエコ、エコロジーといったものに着目した新しい観光振興でありますとか、インターネット市場への新たな展開の支援でありますとか、東海環状自動車道西回り区間の整備等の基盤整備でありますとか、将来の活力づくりに向けた政策ということが挙げられるのではないかと思っております。こうした課題につきまして、厳しい財政状況の中にありましても、めり張りをつけた予算編成を行ってまいりたいというふうに考えております。

 一方、国の予算編成に伴う県予算編成の影響でございますが、まず民主党のマニフェスト実現に関する事業のうち、地方負担が議論されているものがございます。例えば子ども手当の創設、あるいは農家の戸別補償制度の創設ということでございます。子ども手当の創設について見ますと、仮に現行の児童手当と同じスキームになりました場合には、平年度ベースで県の追加負担が二百三十億ということになるわけでございまして、県財政は到底成り立たないという規模のものでございます。

 次に、地方財源に関するものといたしましては、地方交付税の総額確保でありますとか、あるいは暫定税率の廃止、さらにはこれとあわせて行われるとされる直轄事業負担金の廃止の問題があるわけでございます。地方交付税の総額確保につきましては、総務省からは事項要求ということで、交付税率の引き上げ、そして一兆一千億円の増額ということが要求されておるわけでございますが、既に財務大臣からは大変厳しい意見が出されておるところで、今後の大きな予算折衝マターでございます。また、暫定税率が廃止となりますと、県税にどういう影響があるかということでございますが、自動車取得税と軽油引取税、それから地方譲与税では地方揮発油譲与税の暫定税率分が減収になるわけでございまして、今年度の当初予算ベースで計算いたしますと、百八億円の減収ということでございます。

 一方で、これとの見合いという議論もございますが、直轄事業の維持管理負担金の廃止ということが今議論に上っております。これによって財政負担は減るわけでございますが、岐阜県の今年度の当初予算ベースで計算いたしますと、一般財源で三十八億円程度の減ということでございますから、支出が一方で三十八億円程度減るのに対して歳入が百八億円減るということでございますから、到底これも見合いにはならないというのが実態でございます。

 また、この直轄事業負担金の見直しに関連いたしまして、国土交通大臣からは、河川から取水する事業者が都道府県に払う流水占用料について国に戻していただくという議論が出ております。この流水占用料は、岐阜県にとりましては平成二十年度決算ベースで三十四億円の収入ということでございます。この問題は、御説明すると大変長くなるんですが、経緯的にも、そしてまた政策論的にも、これまでどおりの扱いが継続されるべきものであるということで、今、知事会とも連携しながら取り組んでいるところでございます。この問題は、岐阜県では全国で二番目に収入減少が多くなる、そういうテーマでございます。

 一方、新政権の事業仕分けでございますが、下水道事業、農業集落排水事業などが地方移管とされておりますし、知的クラスター創成事業、都市エリア産学官連携促進事業などが廃止でございます。また、医師確保、救急・周産期対策の補助金が縮減ということでございまして、本県にも大変大きな影響が及ぶことになるわけでございます。こうした状況につきまして、全国知事会におきましては、相当の危機感を持って今対応をしておるということでございます。戦略や行動方針を決定するための戦略会議を知事会の中に設けたり、あるいは新政権下で提起されている重要な政策課題について、知事会としての具体案をまとめるための九つのプロジェクトチームを設置しておりまして、情報収集・連携・分析等々をやっておるところでございますが、私自身もこの戦略会議のメンバーでもございますし、また、一括交付金プロジェクトチームのリーダーということで、いろんな機会に国に対して働きかけをしておるというところでございます。

 次に、行財政改革の進め方についてお答え申し上げます。

 御案内のように、本年四月に行財政改革推進本部を県内に立ち上げております。さらには、財源不足の解消に向けて、事業見直し、公の施設、外郭団体等々七つの分科会を設けまして、市町村や民間との役割分担、あるいは各事務事業実施の優先順位といったような観点から検討を行ってまいりました。九月に議論のたたき台となる分科会案をお示ししたところでございます。また、この間におきましても、市町村、関係団体、各方面の方々と折に触れて議論をさせていただいておるわけでございます。

 以来、このたたき台をベースに、行財政改革のための向こう三年間のアクションプランの策定に向けて、市長会、町村会、関係団体など多くの方々と意見交換を行ってきております。その内容から、与える影響が大変大きいこと、あるいは時間的な制約もあって、まだまだ十分議論が尽くされていないといったような御意見あるいは御批判も寄せられております。まさに歳出削減の難しさというものを肌で痛感をしておるというのが現状でございます。加えて、先ほど申し上げましたけれども、国の平成二十二年度予算編成に向けて、地方財政に大きな影響を与える課題が今議論中でございます。そういったことを考えますと、アクションプラン案の取りまとめにつきましては、もう少し時間をかけて、県議会を初め関係者の皆様と意見交換をするということ、そしてまた、国の予算編成の状況も見きわめていく必要があるということから、県の平成二十二年度予算編成作業と並行して進めていくことが適当ではないかというふうに考えておる次第でございます。

 次に、市町村や関係団体への影響ということでございますが、議員の御指摘にもありましたように、現下の大変厳しい財政状況の中にあって事務事業の見直しをしていくということで、ある程度の御負担をお願いせざるを得ないということは避けられないわけでございますが、これについてどこまで御理解が得られるかということについて、ぎりぎりのところまで引き続き議論を進めていかなければならないと、こんな状況でございます。と同時に、その影響を最小限とするための努力を行うことは当然でございまして、県有財産の売却、特定目的の基金の活用など、あらゆる歳入確保対策を検討しておるところでございますし、また、歳出予算の約三割を占める人件費につきまして、組織のスリム化を図り、職員数の削減を図るという自助努力に加えて、向こう三年間の給与抑制についても職員組合へ提案をさせていただいておるということでございます。

 次に、県民への説明に対するお尋ねがございました。

 これまでも、県議会での答弁、あるいは記者会見、あるいは各種会合、いろんな機会をとらえて御説明をさせていただいたり、意見交換をしておるところでございます。また、行政分野ごとの有識者による岐阜県行財政改革懇談会も開いておりますし、また、県幹部それぞれが、例えば商工会議所・商工会、福祉団体、観光協会、農業関係団体、建設業関係団体、青年会議所、NPO法人等々各種団体と直接の意見交換もしておりまして、これは既に延べ五百六十回にわたって議論をさせていただいております。また、県民の皆様の方からも多数メールやお手紙などもいただいておるところでございます。

 こういったことを通じて、「行財政改革はまずは県自身としてできることを最大限やるべきではないか」といったような県の自助努力を求める意見でありますとか、「県民の理解と共感を得ながら進めていく必要がある」、あるいは「事業の優先順位をどうつけたのかを明らかにしてほしい」、あるいは「行政として最低限実施しなければならないことはきちんとやれるような、めり張りのついた見直しをしてほしい」等々の御意見が寄せられておるわけでございます。今後、いただきました御意見をできる限り踏まえながら、行財政改革の全体像としてのアクションプラン案を策定するように努めてまいりますし、また、これをできる限り県民の皆様に御説明してまいりたいというふうに思っております。まさに県挙げての、あらゆる対策を動員した臥薪嘗胆のプランとならざるを得ないというふうに思っておるわけでございまして、県民の皆様あるいは議員の皆様の御理解をお願い申し上げる次第でございます。

 次に、各論として職員の給与カットの問題も御指摘がございました。

 まさにおっしゃったとおり、今後、毎年度約三百億円の財源不足が見込まれるわけでございまして、歳入・歳出のすべてにおいて、ありとあらゆる対策を考えていかなければならないわけでございます。今申し上げましたとおり、市町村、各種団体にもいろいろと御負担をお願いするべく事務事業の見直し、あるいは公の施設の見直しについて議論をしておるところでございます。

 そういう中で、職員の給与というものでございますが、まさに職員の生活の糧でございますし、それを抑制することにつきましては、おっしゃるとおり極力慎重でなければならないということは私も重々考えておるところでございます。ただ、人件費が歳出予算の約三割を占めておるということも考えますと、県職員みずからも負担を負っていくという努力が必要ではないかというふうにも考えるわけでございます。こうした観点から、このたび平成二十二年度から向こう三年間にわたって、私自身も含めて職員の皆さんにも給与抑制への協力をお願いしたという次第でございます。こうした提案につきましては、御指摘もございましたが、県の厳しい財政状況、ここに至った経緯あるいは今後の取り組みといったことについて、職員の皆さんにも十分御理解をいただかなければならないということでございます。そのため、この今回の御提案にあわせて私のメッセージ、あるいは思いを、教員・警察官も含めたすべての職員の皆さんにお伝えしておりますし、また先月には本庁初め八つの総合庁舎で行財政改革に対する説明会を開催いたしまして、職員の皆さんに御理解を求めているところでございます。既に職員の皆さんからもいろいろと御意見も伺っておりますし、今後職員組合と交渉していく過程で理解を得られるよう努力していきたいというふうに考えております。

 次に、職員の新規採用の凍結の問題でございます。

 まず、平成二十二年度の新規採用につきましては、当初予定どおりというふうに考えております。また、例年六百人程度採用しております教員、警察官、獣医師、保健所の職員といったところにつきましては、法令等により配置基準が定められているものもございまして、平成二十三年度以降にあっても引き続き採用を続けていくということでございます。そういたしますと、今般申し上げておりますことは、従来、毎年三十人程度予定しておりました事務職員、あるいは土木・農林などの技術職員の採用について、平成二十三年度以降二、三年間にわたって凍結も選択肢に入れて考えていかざるを得ないんではないかということでございます。これに対しましては、県民の皆様からも厳しい財政状況からすればやむを得ないのではないかという御意見もある一方で、雇用情勢が厳しい中で県が採用凍結を打ち出すのはいかがなものかと、あるいは岐阜県職員となることを目標に努力をしている若い人たちの希望を奪うのかといったような御意見もいただいております。私といたしましても、本件の重大性に思いをいたしつつ、大変悩んでいるところでございますが、厳しい財政状況のもとでの今後の選択肢として、御理解をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。

 次に、職員の経営感覚、金銭感覚についてお尋ねがございました。行政において金銭感覚ということでございますが、収入を最大限確保しながら、その限られた収入の範囲内でどのように県民サービスを効率的に提供していくかといったことについて、しっかりと思いをいたすということが、まさにこの経営感覚ではないかというふうに思っておりますし、現在のみならず将来も含めて「入るを量りて出ずるを制す」という財政規律も、まさにそういった観点から重要なことではないかと思っております。また、金銭感覚につきましては、予算を単なる数字としてではなく、実感のあるお金として、一円たりとも無駄にすることなく大切に使わせていただく意識、まさに公金意識ということではないかというふうに思っております。

 こうした経営感覚、金銭感覚につきまして、現在厳しい財政状況にある中であればこそ、職員一人ひとりが改めて基本に立ち返って問い直していくということが必要ではないかということでございます。このために、民間企業との合同研修でありますとか、実地体験型研修でありますとか、先輩職員からノウハウを継承する仕組みの導入でありますとか、いろいろな形で職員研修に工夫を凝らしておるところでございますし、また、職員ができるだけ若いうちに県税事務所を経験させるように人事異動で配慮をしたり、県税の徴収事務を実際に行う研修なども実施しておるところでございます。また、職員が本県の財政状況を正確に認識することも重要であるという観点から、財政課のスタッフが県内各地の職員に対してこうした説明もするよう、今、努力しておるところでございます。

 次に、振興局等現地機関の廃止・統合でございます。

 岐阜県の行財政改革指針では、職員の定員につきまして、平成二十四年四月一日までに二千四百人削減するというふうにしております。これによって、人口同規模県の中では最少の職員数を目指すということでございます。こうした厳しい定員削減を行う以上、県の組織につきましても、削減後の職員数に見合う体制となるよう見直していかざるを得ないということでございます。本庁につきましては、平成十八年度に大規模な組織の見直しを行っておりまして、今回は現地機関を中心に見直しを行うということを考えておるわけでございます。御案内のように、振興局、保健所、土木事務所等々、そういった主な現地機関でございますが、現在八種類六十六所属ございます。これらにつきまして、現在の体制を維持したままで定員削減だけを進めていきますと、管理職員数と一般職員数とのバランスが崩れ、極めて非効率的な組織になると。結果的に、県民サービスの低下は避けられないのではないかというふうに思うわけでございまして、こうした事態を回避し、少ない職員で県民サービスをできる限り低下させないということのためには、組織の統合により現地機関の数を減らし、統合後の機関に一定数の人員を確保するということが必要ではないかと思っておる次第でございます。

 この現地機関の再編に当たりましては、できる限り円滑に進めていく観点から、業務に類似性・関連性のある機関を統合していくことが望ましいのではないかというふうに思っております。例えば、保健や福祉など県民の皆様に直接サービスを提供する現地機関のグループ、あるいは基盤整備など事業を実施する現地機関のグループと、こういった二つの系統に統合していくというのも一つの考え方ではないかというふうに思っております。

 議員からは、現地機関は地域活力の一端を担っていると御指摘もいただきました。まさに、私もその見直しは地域に大きな影響を与えることが見込まれますので、市町村初め関係者の方々と丁寧に意見交換をしながら、検討を進めていきたいと思っております。

 次に、地域産業振興の方針についてお尋ねがございました。答えも議員がほとんどおっしゃっておられますので、そのとおりだと申し上げれば済むのかもしれませんが、まず何といっても即効的な支援が、この現下の厳しい経済・雇用情勢の中では不可欠であるということでございまして、企業経営を維持するための資金繰りと、そして効率的な事業運営を実施するための企業体質の改善と、この二つについて今きめ細かな対策を進めてきておるところでございます。

 特に、現在、新規融資実績でございますが、昨年度と比べますと少し落ちついてきてはおりますが、売り上げが回復しない零細企業の経営は大変厳しい状況にありまして、年末あるいは年度末の資金需要に備えるため、今議会において新規融資目標額の増額等をお願いしておるところでございます。

 それから、売り上げを回復させるための取り組みの一環として、今般、インターネット上の大規模ショッピングモールであります楽天との包括連携協定を締結しております。これは、成長市場であるオンラインショッピングを活用して従来とは異なる販路を開拓するということで、より顧客のニーズに合った商品・サービスを提供する取り組みを行っていくための環境整備でございます。既に成功例もございますし、こういった可能性について周知するためのセミナーを開催しておりますが、十一月に開催したところで約三百十社、三百六十三名の方が出席されまして、既に三十社がこのショッピングモールへの出店を決めておられます。私どもとしては、ホームページ開設などの費用について県制度融資を活用される場合に、信用保証料の全額を県が補てんするという制度を十二月一日からスタートさせていただいております。これは、いわば県内企業に新しい事業環境を提供することで新しい発展を促していくという、今後の産業政策の一つのあり方ではないかというふうに思っております。

 同時に、中・長期的な成長という観点からは、何といっても魅力ある商品・サービスを生み出していくことが必要でございまして、例えば県の産業経済振興センター内でデザインセンターがございますが、人間工学、科学データをもとにした商品デザイン開発を積極的にやっております。既に幾つかのヒット商品も生まれております。また、研究開発を通じて付加価値の高い商品サービスを生み出していくことも重要でありまして、こういった観点から、事業仕分けで廃止となりました知的クラスター創成事業、あるいは都市エリア産学官連携促進事業については、私どもにとりましては大変大切な政策手段であるというふうに思っておるわけでございます。また、中・長期的な観点から、県経済を支える新たな成長の牽引力をつくり出すということが必要でございまして、この点では特に将来成長が期待される電気自動車、太陽光発電、航空機などの分野を強化する必要がございますし、その関連企業を積極的に誘致するという努力も必要ではないかということでございまして、この面について岐阜県からの最先端の取り組みの発信、あるいはさまざまな優遇措置について進めていきたいと思っております。

 と同時に、県内総生産の七割は第三次産業でございます。この第三次産業をどう成長の牽引力としていくかということも大切でございます。その主な戦略の一つとして、観光交流を拡大し、サービス業などの売り上げを拡大していく必要があるのではないかというふうに思っております。そういった観点から、現在飛騨・美濃じまん運動を通じて地域資源を掘り起こし、魅力を拡大し、誘客拡大につなげるという取り組みを進めておりますが、重要なことは観光消費額をいかに増大させるかということでございまして、宿泊、土産品の売り上げ拡大等にも個別具体的に力を入れていきたいというふうに思っております。

 次に、県土整備事業の進め方についてお答えを申し上げます。

 この県土整備事業の重要性については、既に県議会で何度も申し上げておりますし、また、本県はいまだに道路改良率六七%、河川整備率五二%ということで、まだまだ整備されているとは言えない状況でございます。引き続き県政の重要な政策課題として着実に進めていく必要があるというのが基本的な認識でございます。しかしながら、そういう中で、現在、国や地方は大変厳しい財政状況にあるということでございまして、まさに御指摘のとおり優先順位を踏まえた重点的な整備を行っていく時期に来ているということでございます。

 私どもとしては、具体的には東海環状自動車道あるいは東海北陸自動車道など、県の未来を支える骨格幹線ネットワークの重点整備、ゲリラ豪雨あるいは大規模地震などから県民の命を守る防災対策、今後急速に老朽化が進む橋梁・トンネルなど社会資本の計画的な維持管理、こういったところに重点を置いていきたいというふうに考えておるところでございます。そうした観点に立ちながら、新規事業を一定程度抑制することや、継続箇所の重点化、国庫補助事業の二割程度の一時休止といったような絞り込みも行わざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。また同時に、人命に直結する救急医療のための道路や孤立集落対策、雨量規制区間の解消など地域のさまざまな課題を踏まえ、きめ細かな配慮を加えていくこともまた必要ではないかというふうに考えております。一方、河川砂防事業でございますが、近年災害が発生した箇所、災害が発生すると重大な被害の発生が予想される箇所のほか、老人福祉施設、児童福祉施設など災害時要援護者施設の防災対策を優先的にやっていきたいというふうに思っております。

 こうした中、十月中旬に発表されました来年度の国事業の概算要求でございますが、国土交通省の公共事業全体ではマイナス一四%ということで、大変厳しい状況でございます。県内事業の具体的内容につきましては、先般、中部地方整備局長から御説明いただいたところでございますが、県が最優先に整備を進めていただきたいと考えている東海環状自動車道、一般国道百五十六号岐阜東バイパス、一般国道四十一号高山国府バイパス等は県の要望に沿って要求がなされておりますが、他方で、要求がゼロから一億円ということで、最小限の事業実施にとどめるとされた箇所も七カ所あるわけでございます。

 また、不明な点も多くございまして、例えば河川事業につきましては、木曽川水系連絡導水路事業やダム事業の今後の方針が説明されておりません。一方では、十二月三日、国において今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が開催されておりまして、その中で平成二十三年度夏ごろをめどに提言をまとめるというスケジュールが示されております。ということは、来年度新たな段階に入ることができるのかどうか、大変不透明な状況になっておるわけでございます。加えて、本年度六月補正予算でお認めをいただきながら執行停止となりました東海北陸自動車道の四車線化につきましても、来年度当初予算の中で検討するというふうに国土交通大臣はおっしゃっておられましたが、いまだその帰趨も判然としないということでございます。

 私どもといたしましては、これまでも国への提案活動、あるいは県選出の国会議員の先生方との意見交換の場等々、あらゆる機会を通じて事業の必要性について訴えてきておるところでございます。中でも、東海北陸自動車道の四車線化につきましては、全線開通後、渋滞・交通事故も増加しておりますし、また、用地が既に買収済みでございまして、すぐに工事に着手できるということから、経済危機対策としても全国的に見て極めてわかりやすい事業ではないかということで、国に対して早期実施を訴えてきておるところでございます。と同時に、この公共事業予算をめぐっては、先ほども申し上げましたが、直轄事業負担金の廃止がどうなるか、暫定税率の廃止がどのような結論になるか、さらには高速道路の無料化はどう進めるのかと、こういった重要な課題について現在国において議論が行われておるところでございまして、こうした諸課題の帰趨も含めて、私どもとしては、公共事業予算の動向に十分注視しながら、また国に対しても強く訴えてまいりたいというふうに思っております。

 次に、各論として東海環状自動車道西回り区間の整備についてお尋ねがございました。

 いつもこれも申し上げておりますけれども、東海環状自動車道はまさにミッシングリンクとなっております西回り区間が整備されてこそ環状線としての機能が最大限発揮されるということで、厳しい財政状況のもとにおいても、一日も早く整備されることが必要であるというふうに考えているところでございます。このため、私どもといたしましても、あらゆる機会を通じて国や国会議員の方々にも訴えているところでございます。

 この西回り区間の整備方針でございますが、その延長が五十三キロと大変長く、莫大な事業費が必要であるということから、少しでも早期にその効果が発揮できるように、既存の高速道路と接続する養老ジャンクションや美濃関ジャンクションから順に、段階的な供用を図るよう事業を進めていく必要があるんではないかということでございます。今の整備状況でございますが、二年前に起工式が行われました養老ジャンクションから大垣西インターチェンジまでの区間において、今工事が最盛期を迎えております。高架橋の橋脚工事につきましては、全体百二十六基のうち約九割に当たる百十四基が発注済みでございますし、また上部工についても順次発注され、平成二十四年九月二十九日から開催するぎふ清流国体までの開通を目指して整備が進められているということでございます。これに続く、大垣西インターチェンジから大野神戸インターチェンジまでの区間と、高富インターチェンジから関広見インターチェンジまでの区間につきましては、近々用地買収に着手される見込みということでございます。先日、中部地方整備局長から説明のありました来年度の国土交通省の概算要求でございますが、この東海環状自動車道につきましては、平成二十一年度の当初予算との比較で三割増しとなる百三十億円程度の事業費が要求されておりまして、国交省としても最優先で取り組んでいただいておるというふうに認識しておるわけでございます。

 次に、この関連で岐阜市の御望山周辺のルート問題についてお尋ねがございました。まさに西回り区間の早期整備に向けて、早急に解決する必要があるというふうに認識しておるところでございます。現在、県としましては庁内に技術職員から成る勉強会を設置いたしまして、ルートの安全性について慎重に確認作業を進めておるところでございます。この確認作業としては、国土交通省が実施したボーリング調査などの地質調査結果、あるいは日本応用地質学会から派遣されたワーキンググループによりまとめられましたレポートについて詳しい説明を受けるとともに、トンネルや地盤工学の専門家から意見聴取を行っておるということでございます。これまでのところ、安全性について特に技術的な問題があるとは聞いておらないわけでございますが、この勉強会の最終的な確認内容がまとまったところで明らかにしてまいりたいと思っております。

 最後に、木曽川水系連絡導水路の今後の方針ということでございます。

 この事業につきましては、既に長年にわたって、かつ国、水資源機構、中部三県一市の間でさまざまな角度から検証を行い議論を重ね、合意形成に努めてきたわけでございます。特に可茂・東濃地区からの要望が強い渇水対策に関しましては、東濃地域に給水しております東濃用水は、取水制限を行った年が近年十年間で七年あったわけでございまして、この導水路の活用によって、十年間を通じほぼ取水制限は発生しなくなるといったような効果が見込まれているわけでございます。また、中部地方で大規模な渇水被害が発生した平成六年と同規模の異常渇水が発生した場合に、国土交通省のシミュレーションによりますと、徳山ダムを含むすべての木曽川水系のダム群を一体のものとして運用する水系総合運用という手法を用いれば、三五%以上の取水制限日数が八十一日から三日に減らすことができるというふうにも見込まれておるわけでございます。こうした必要性につきましては、前原国土交通大臣との面談を初め、あらゆる機会を通じて私としても訴えてきておるところでございます。

 これに対して、十月九日に前原国土交通大臣は、平成二十二年度における個別のダム・導水路事業の進め方に関する基本的な方針について、政府予算案の提出時までに明らかにするというふうに言っておられます。また、その後、十二月三日に国において、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が開催されておりまして、その中で国はできるだけダムに頼らない治水への政策を進めるという方針を発表しておられます。この有識者会議では、その方針に沿って平成二十二年の夏ごろに中間取りまとめとして、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸の検討、総合的な評価の考え方の整理、個別のダム・導水路の検証の進め方といったことをお示しすると。そして、最終的には平成二十三年度夏ごろを目途に提言をまとめるということでございます。このスケジュールを見ますと、個別の事業については早くても来年の夏ごろ、遅ければ再来年の夏ごろまでは、具体的な国の評価、判断が定まらず、なかなか前に進まないのではないかというふうに危惧されるところでございます。県といたしましては、これまでの経緯やら地元からの強い要望も踏まえまして、引き続き、あらゆる機会を通じて議論してまいりたいというふうに思っております。以上でございます。



○議長(早川捷也君) 総務部長 武藤鉄弘君。

   〔総務部長 武藤鉄弘君登壇〕



◎総務部長(武藤鉄弘君) 平成二十二年度当初予算関係で二点、行財政改革で一点の御質問をいただきました。

 最初に、来年度の税収見込みについてお答えします。

 最近の我が国の経済動向を見ますと、議員御指摘のとおり、昨年来企業収益の改善は見られず、雇用・所得環境が大きく悪化し、消費動向も低迷するなど深刻な状況になっております。本県経済につきましても、一部に下げどまりの動きが見られますが、同様の傾向を示しており、依然厳しい状況が続いております。

 こうした中、今年度の税収につきましては、九月補正において法人二税を二十億円減額しておりますけれども、補正後の予算であります二千七十億円の確保についても予断を許さない状況にございます。さらに下ぶれするのではないかという可能性も考えております。

 来年度の税収見込みでございますが、デフレや最近の急激な円高の進行を踏まえますと、企業収益の速やかな改善は期待できず、とても楽観視はできないという状況にあると考えております。加えまして、毎月勤労統計調査によりますと、個人所得が今年度減少傾向にあるということから、法人二税や個人県民税につきましても今年度を下回る見込みであります。あわせまして、自動車取得税や軽油引取税などの消費関連税目につきましても、景気低迷の中で非常に厳しい状況が見込まれます。以上の状況を勘案しますと、来年度の県税収入につきましては二千億円を下回る可能性があると考えております。また、現在、政府税制調査会におきましてさまざまな議論が行われておりますけれども、仮に自動車関係税の暫定税率が廃止された場合には、さらに百億円程度の減収となる可能性もあると考えております。

 次に、地方交付税及び一般財源総額の確保の見込みについてお答えします。

 去る十月には、総務省から地方財政収支の十月仮試算に基づく地方交付税の概算要求が示されました。その総額は、ほぼ今年度並みの十五兆七千七百億円余りとなっております。また、これとは別に一兆一千億円の事項要求もなされているところであります。しかしながら、この概算要求額は仮置きの計数として示されているものでありまして、現在、地方交付税も含め国の予算編成作業が進められておりますが、新政権の主要施策や事業仕分けの結果の反映など、国の予算編成に伴う地方財政への影響が明らかになっておりません。このように、地方財政収支の全体像が見通せない現時点におきまして、本県における来年度の地方交付税、さらには臨時財政対策債も含めた一般財源総額について見積もることは困難な状況となっております。なお、一兆一千億円の増額という事項要求が仮に認められた場合は、五十から六十億円程度の増額が見込めるのではないかと考えているところでございます。

 次に、行財政改革に係る歳入確保対策についてお答えします。

 現在、行財政改革の中で歳入確保策として検討しているものとしましては、特定目的基金の活用、県有施設へのネーミングライツの導入や広告の掲示、県有財産の売却、県税徴収対策、県庁などの駐車場有料化、県が作成する封筒・印刷物やホームページなどへの広告掲載、県有施設の入場料・各種使用料の見直しなどがございます。このうち、今年度につきましてはラピロス六本木、旧オリベ会館、旧県政資料館など十五物件の県有財産の売却で十七億円の収入を得たところでございます。また、広報紙などへの広告掲載につきましては、約九百万円の収入を見込んでおります。

 さらに、県税徴収対策としまして、滞納額の多い個人県民税、自動車税等につきまして、差し押さえなどにより徴収強化の徹底を図るとともに、市町村との連携による給与天引きの徹底、あるいはクレジットカードを利用したネット納税の導入などにより納税者の利便性向上にも努めているところでございます。議員も御指摘されましたが、県独自の歳入確保につきましてはいろいろな制約がございまして、まだ現在取り組んでおります対策も含めまして、創意工夫の中で歳入確保に努めてまいりたいと思っております。



○議長(早川捷也君) 農政部長 馬場秀一郎君。

   〔農政部長 馬場秀一郎君登壇〕



◎農政部長(馬場秀一郎君) 米の戸別所得補償保障制度導入に伴います課題・対応についてお答えをいたします。

 小規模農家が大半を占めます本県では、これまで農地の利用集積による経営規模の拡大や集落営農の組織化により水田農業の担い手の確保に努めてまいりましたが、広く販売農家を対象とします今回の制度の導入によりまして、農地の貸しはがしや、あるいは集落営農組織からの離脱などによる組織の脆弱化、あるいは新たな組織化・規模拡大への取り組みが阻害されることを最も懸念しているところでございます。

 また一方、本制度は、米の生産調整の実施を要件として、これまでなかった米に対する助成を新たに行うものであり、さらに全国一律単価での補償となることから、農地集積等の生産コストの低減に取り組む生産者ほどメリットをより多く受けられる仕組みとなっております。このため、農家の皆様にはこれらの点をよく説明し、理解していただくことが必要であると考えております。

 このほかにも、これまで地域の重点作物として推進、振興してきました麦・大豆・レンゲなどへの助成単価の低下による生産減退等が懸念されますが、いずれにいたしましても、現在、国において予算規模を含めて制度の内容が議論されているところであり、県といたしましては早期に決定されるよう働きかけますとともに、詳細が明らかになり次第、速やかに農家の皆様に制度の周知を図り、制度の円滑な導入に努めてまいりたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 二点御質問をいただきました。

 初めに、環境レポートについてお答えします。

 県では、副知事を会長とし、関係各部長をメンバーとする木曽川水系連絡導水路庁内連絡会議において、連絡導水路事業の環境影響検討の精査を行っております。まだ精査中の段階でありますが、本レポート案は、学識者からの意見なども踏まえた内容で、また水質や生態系への影響も含め広範囲にわたる環境影響検討及び評価がなされていると認識しております。また、県独自にもさまざまな立場の有識者十五名から御意見を伺い、特に水温・水質の評価結果については関心が高く、おのおのの専門分野の視点からの御指摘をいただいております。また、長良川への放水地点に関しては、具体的な位置が明らかにされないことから、今後、詳細設計を見て評価すべきであるとの御指摘があるなど、約五十項目の御意見をいただいております。県としましては、引き続き本レポート案の内容精査を行ってまいりますが、本事業は今年度中は次の段階には入らないとされ、また新しく国土交通省内に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を設置されるなど、今後、連絡導水路事業がどのように進んでいくか見きわめた後に、本レポート案に対する回答を示してまいりたいと考えております。

 次に、瑞浪恵那道路及び東濃西部都市間連絡道路の現在の状況及び今後の方針についてお答えします。

 これらの道路は、リニア中央新幹線の新駅が予定され、駅を拠点として観光・交流など地域活性化を目指す東濃地域にとって重要な道路であると認識しております。

 初めに、瑞浪恵那道路については、今年五月二十四日に国土交通省より概略ルートが発表され、県におきましても十一月三十日までに環境影響評価法に基づく方法書の公告縦覧手続が終了したところです。今後とも関係機関と連携し、都市計画決定に向けた環境影響評価の手続を進めてまいります。

 次に、東濃西部都市間連絡道路については、現在、県事業として四・二キロメートルのバイパス工事を行っており、県道土岐南多治見インター線より西側では、平成二十四年度の完成を目指し、切り土工事、擁壁工事などを進めております。また、東側では、県道土岐足助線までの間で用地買収を順次進めているところです。現在、県は大変厳しい財政状況にありますが、これまで以上にコスト縮減を図りながら着実に整備を進めてまいります。



○議長(早川捷也君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) リニア中央新幹線の停車駅の実現と地域づくりについてお答えいたします。

 議員が述べられましたように、リニアの停車駅に関しましては、本年六月にJR東海の社長が沿線都府県で構成します期成同盟会総会におきまして、一県一駅の設置が適切との考えを表明されました。近くJR東海等から国に提出されると報じられております四項目の調査報告におきまして、駅に関する事項がどのように盛り込まれるか期待したいと考えております。その上で、今度とも県期成同盟会を中心に、県内停車駅の実現に向けて要望してまいりたいと考えております。

 リニアを活用した地域づくりにつきましては、本年七月に地域づくり研究会を立ち上げ、検討を開始したところです。第一回研究会では、駅周辺地域だけでなく県全体の活性化として考えるべきであること、在来線や道路との連携が重要であるといった意見をいただいております。今後は、リニア開業により本県への移動時間が短縮される地域との交流人口の変化や経済効果などの予測を行い、さらに幅広く意見を伺いながら、目指す姿や課題について検討・整理し、本県の発展に向けたリニア活用戦略づくりにつなげていきたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 警察本部長 瀧澤裕昭君。

   〔警察本部長 瀧澤裕昭君登壇〕



◎警察本部長(瀧澤裕昭君) 警察業務への取り組みについてお答え申し上げます。

 県下の治安情勢は、刑法犯認知件数が六年連続して減少しておりますが、治安がよいとされた昭和六十年代の約二倍と高水準にあるなど、依然として厳しい状況にあります。県警察としましては、県民の負託にこたえるべく、基本指針として「安全・安心な岐阜県の実現」を掲げ、五つの重点目標、つまり、地域との連携による犯罪の抑止、県民が不安や脅威を感じる犯罪の検挙、安全で快適な交通の確立、災害・テロ等に備えた態勢の強化、警察力の強化に取り組んでおります。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、大量退職問題、連続する警備対策、警察官一人当たりの高い業務負担など、さまざまな課題に直面しており、今後とも治安情勢に対応した組織の見直しや効果的な人員配置、運用に努めるとともに、現場執行力強化のための人的・物的基盤の整備が不可欠であると考えております。

 まず、大量退職問題につきましては、優秀な人材の確保と若手警察官の早期育成に取り組んでおります。また、豊富な知識や技能を有する退職警察官を再任用して捜査技能・技術などを若手警察官に伝承しているほか、交番相談員やスクールサポーターなどの非常勤専門職として効果的な活用を図っておりますが、これらを引き続き推進してまいりたいと考えております。

 また、連続する警備対策につきましては、いずれの行事も岐阜県を挙げて取り組むべき重要なものでございます。県警察といたしましては、警備対策の万全を期するため既に所要の準備を進めておりますが、本番では必要に応じ、他県警察からも応援を得て対応するとともに、警備期間中における一般犯罪対策などについても、県民の安全・安心の確保を第一と考え、適切に対応する所存でございます。

 さらに、警察官の高い業務負担につきましては、岐阜県長期構想にも盛り込んでいただいておりますが、引き続き国に対して警察官の増員要望を行ってまいりたいと考えております。

 私は、人も組織も信用し、信頼をしていただけることが大切だと考えております。県警察にとっても、県民の皆様からの信頼が何より重要でございます。これまでどおり、岐阜県警察職員が一丸となって堅実な業務運営を行い、着実に実績を積み重ねてまいります。そして、社会の変化に柔軟に対応し、迅速かつ力強い執行力を有する組織をつくり、県民の安全・安心の確保を目指して努力してまいる所存でございますので、今後とも皆様方からの御支援を賜りますようお願いを申し上げます。



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○議長(早川捷也君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十九分休憩



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△午後一時再開



○副議長(駒田誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(駒田誠君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(駒田誠君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(駒田誠君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。六番 村上孝志君。

   〔六番 村上孝志君登壇〕(拍手)



◆六番(村上孝志君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、県民クラブを代表して十一項目にわたり質問させていただきます。三分の二ほどは、厳しい予算や行財政改革に関する質問であり、決して明るい話ではありませんが、いずれも重要な項目でありますので、御容赦いただきたいと思います。

 最初に、財政再建と来年度予算についてお尋ねいたします。

 今年度は、当初から本県の危機的な財政難に伴う財政再建、行財政改革についての報道が続いてきましたが、財政危機とは一体何を指すのか、具体的には一般にわかりづらいものがあります。改めて整理してみますと、財政危機の定義は、総務省より平成十九年度決算から発表されております地方公共団体の財政の健全化に関する法律、いわゆる財政健全化法に基づく健全化判断比率により、基準を超えた場合、財政健全化計画、財政再生計画の策定が義務づけられ、財政健全化団体、財政再生団体など、いわば自治体の破綻判定がなされるというものでございます。中でも、財政再生団体になれば、起債の制限など、予算編成や事業執行は国の監督下に置かれることになります。そうなりますと、教育・福祉などの県民サービスや道路や河川の改修、住宅・学校の整備などの必要なインフラ整備を見直しせざるを得なくなり、各種使用料、手数料の値上げなどの県民の負担増は免れません。この健全化比率は、具体的には実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の四つの指標を指しますが、特に引き合いに出される実質公債費比率とは、当該地方公共団体の一般会計などが負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模に対する比率であり、資金繰りの程度を示すものであると言われております。次に将来負担比率ですが、地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものを含め、当該地方公共団体の一般会計などが将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する比率であり、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示すものであります。

 これらの指標について、平成二十年度の決算分が十一月三十日に総務省より発表されました。それによりますと、岐阜県の実質公債費比率は一七・六%、将来負担比率は二四九・八%となっております。実質公債費比率が二五%を超えると財政健全化団体、三五%を超えると財政再生団体となりますので、今回、平成二十年度は何とかクリアしました。しかし、都道府県の実質公債費比率の平均値は一二・八%でありますので、県は一七・六%で全国では悪い方から五番目です。また、将来負担比率の全国の平均値は二一九・三%でありますが、県は二四九・八%となっております。このように、昨年度の決算はクリアできたものの、今年度、さらに来年度以降も危機的な状況は変わらず、毎年三百億円程度と見込まれる財源不足を埋めなくては、早期健全化どころか、一挙に財政再生団体に転落してしまう状況にあります。こうした大変厳しい状況下で、県では行財政改革に取り組み、財政再建を果たしていかなければなりません。知事は、構造的な改革が必要と言っておられますが、構造的とは具体的に一体どのようなものを構想しておみえでしょうか。

 一方、方策として一律三〇%のシーリングによる予算カット、県職員の給与を三年間カットするなどが挙げられておりますが、それらの数字の根拠はあいまいで、その効果、また全体の構成や実行手順などが明らかになっておらず、そこには自治体財政の将来像も見えてきません。具体的にどのような構造にするのか、自治体財政の将来像を示さないと具体的な解決策も見えてこないのではないかと思います。その都度、一律に削減を行うことや人件費で穴埋めをすることが構造的な改革ではないはずです。対症療法的な予算編成では、市町村を初め県民にも納得が得られないのではないでしょうか。そこで、来年度予算編成をどのように進められるのか、また今後の財政の将来像についてどうお考えか、知事にお伺いいたします。

 次に、行財政改革についてお尋ねいたします。

 先般、十一月二十七日に県民クラブとして知事に県の行財政改革についての緊急の申し入れを行ったところであります。行財政改革のあり方について三つの観点から質問させていただきたいと思います。

 第一に、その進め方です。

 知事は、二期目の知事選の際やその後の議会答弁の中で、何度も「行財政改革の推進、財政再建への取り組みに当たっては、県民及び県職の意見を十分反映させる」とおっしゃられ、行財政改革に組合の意見・提案を受け入れる仕組みづくりを提起されてきましたが、いまだになされていないように感じます。さらには、県民や市町村など関係団体への説明会の実施も不十分と思われ、意見を反映させるに足る機会に乏しく、とても十分な意見集約の場が開かれているとは思えません。職員組合が今年の八月に実施したアンケートで、「知事の行財政改革への取り組み姿勢を評価するか」という問いに対し、「評価する」と答えた組合員はわずか八・七%だったという結果も出ております。また、最近行われた行財政改革に関する職員説明会に出席した組合員のアンケートでは、「今年度から四年間の緊急財政再建期間内の具体的な再建策が理解できますか」との問いでは、「理解できない」との回答が五八・二%もあったと聞いております。市町村や県民の皆様に評価を得るには、知事みずからがもっと先頭に立って県民への説明責任を果たしていただきたいと思います。

 二つ目に、時期の問題です。

 知事は、国の予算が確定となっていないことを理由に、行財政改革アクションプランの策定がおくれていると説明されておりますが、国の予算の確定を待っていては遅過ぎるのではないでしょうか。といいますのも、これは県だけの問題ではなく、市町村などにも多大な影響があるからです。県の行財政改革推進本部の分科会案では、多くの事業で市町村への上乗せ補助のカットや補助率の引き下げが提示されております。例えば県からの補助率が二分の一から三分の一になっただけでも、それは市町村にとっては大変な影響があります。なぜなら、その分の財源を賄うためには、ほかの分野の事業を廃止したり、事業費を削減したりして賄わなければならないからです。県の方針が定まらなければ、市町村はさらに困ることになると思います。県が行財政改革アクションプランを策定する際の真の意義は、県としての政策の優先度を見直すことにあると思います。国の予算がつき次第、国の予算でできる事業と、たとえ国の予算がつかなくても県単独でもやっていかなきゃならない事業、そういった政策の峻別、準備こそが重要であり、それは国の動向にかかわらず作業を進める必要があると考えます。

 三つ目に、今後の対策についてでございます。

 行財政改革では、事業や施設の廃止・縮小ばかりが取り上げられておりますが、それでは今後どうしていくのかといった議論があまりなされていないように感じます。例えば社会教育施設などについて、市町村や民間への売却、譲渡などの案が挙がっているようでございますが、重要なのは、ただ施設を売却、譲渡するというのだけではなくて、どの主体がどう運営していくのが、地域にとってベストなのかということを議論すべきだと思います。幅広く県民に開かれた議論をすれば、市町村のみならず、NPOや民間事業者の中で、自分たちにその活用を任せてほしいと手を挙げるところもあるかもしれません。その際には、必ずしも単独の主体ではなく、コンソーシアム、いわゆる企業連合体などというような手もあるでしょう。それには、冒頭に述べた進め方の問題と関連しますが、県民参加での幅広い議論が必要だと思うわけであります。

 そこで、以上申し上げたような観点を踏まえ、知事みずからがリーダーシップをとり、先頭に立ってやっていかれる必要があると考えますが、今後の行財政改革の進め方について知事にお伺いいたします。

 次に、大型公共工事への対応方針についてお尋ねいたします。

 皆さん御承知のとおり、民主党政権になり、群馬県の八ッ場ダム本体工事の着手取りやめに代表されるように、ダム事業の見直しの動きが活発に進められ、ダムに頼らない河川整備への転換が検討されているところです。そんな中、前原国土交通大臣は、十月九日に全国で事業実施中の百四十三ダム事業のうち、平成二十一年度内に完成が見込まれているなどの七ダム事業を除く百三十六ダム事業を対象とした「平成二十一年度におけるダム事業の進め方などに関するコメント」を発表しました。その内容は、第一に、国及び水資源機構が実施している五十六のダム事業のうち、既存施設の機能向上を図っている、また行っている八事業を除く四十八事業については、今後、平成二十一年度内に、一、用地買収、二、生活再建工事、三、転流工工事、四、本体工事の各段階に新たに入らないこととし、新たな段階に入ることとなる工事の契約や用地の買収などは行わないこととしております。第二に、都道府県が実施している八十七のダム事業の平成二十一年度における事業の進め方、これは工事の発注も含めますけれども、これは各都道府県知事の御判断を尊重するとされております。第三に、平成二十二年度における百三十六の個別のダム事業の進め方に関する基本的な方針については、政府予算案の提出時までに明らかにするとのことでございます。以上の三点です。

 私は、このコメントにより、現在、全国で実施中のダム事業が順次見直されることになったと理解しております。

 第一の国及び水資源機構の直轄事業については、前回も我が県民クラブの林議員の質問などで知事の御見解はお聞きしておりますが、今後の進め方に関する判断は国土交通大臣が行われると考えています。

 ここで、問題となるのが、第二の道府県が実施している八十七ダム事業、いわゆる補助ダムと言われるものの取り扱いであります。本県で言いますと、具体的には丹生川ダム、大島ダム、内ヶ谷ダム、水無瀬生活貯水池がその対象となります。これらの事業の進め方に関する基本的な方針については、政府予算案の提出時までに明らかにするとされた一方で、県の判断を尊重するとされております。このため、補助ダムの事業自治体である県として、ただ国から補助が来るから実施するというようなことではなく、きちんとした考え方がなくてはいけないと思います。その際には、現政権が掲げる「コンクリートから人へ」の大原則のもと、本県でも大型公共事業工事について見直していくべきことは言うまでもありません。

 そこで、県としては今後、大型公共工事の中でも主な事業であるこれらダム事業について、どのような方針でもって臨んでいかれるのか、知事のお考えをお伺いしたいと思っています。

 続きまして、大型プロジェクト、海外戦略についてお尋ねいたします。

 知事は、この二期目の間に、冬季競技種目もあわせ開催する清流国体を初め、全国豊かな海づくり大会、APEC中小企業担当大臣会合など、次々と大型イベントを誘致、開催することを表明されております。この財政難の折でもあり、行財政改革の観点からその必要性、事業実施方法などについて十分に検討を行い、その説明責任を果たしていくべきだと思います。歳出削減、人員削減が求められ、各部局が必死に予算をやりくりし、それでも事業を縮小せざるを得ない中で、これらの事業といえども聖域として扱ってはならないと思います。また、このまま国体の開催準備を進めると、最終的に推進組織は百人程度の職員が必要となると予想され、国体関係の人件費もふえてくることとなります。そして、職員の総定数が削減される中にあって、ほかの部局の人員を削減して国体準備のために職員を配置しなければならないわけですから、より効率的な事務事業の遂行に努める必要がありますし、一方、人員を減らされた部局の事務に支障を来すようなことがあってはいけません。簡素な国体を目指すとされておりますが、果たしてどういう点で簡素化されているのか、さらにはこうした大型イベントは複数年、かつ多岐の分野にわたって予算が支出され準備が進められるため、全体で経費が一体どのくらいかかっているのか、県民に向けてしっかりと提示し、理解を求める必要があると思います。

 もちろん、財政に余裕のあるときならば、こうした大型イベントは数字やお金に換算できない効果もあり、ぜひにとも思います。しかし、今、県は未曾有の財政危機を迎えております。そうした中にあるからこそ、なおさらこうした大型イベントの開催が県政策の優先度に関してどういう位置づけにあるものなのか、知事は県民に対して説明する責任があります。また、それには一体どのぐらいの費用と効果を見込んでいるのか、具体的に県民の前に示す必要があると私は思います。

 次に、海外出張について目を向けてみますと、知事は就任以来、調査・交流を目的に海外出張を行っておられます。渡航経費、渡航期間も必要最小限でということで行っていらっしゃることは承知しております。それでも、随行者も含めると一回に数百万円の経費がかかっています。また、県産品のPRと観光客の誘致が目的とはいえ、その必要性や具体的な成果がはっきりしないとの指摘もあり、こうしたこともしっかりと説明していくべきです。今年も、この危機的な財政難の中、みんなが必死に行財政改革に取り組んでいる中で、先日も飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトのトップセールスという理由でタイと香港に行かれました。知事以外にも、夏には横井副知事が知事の名代でシンガポールに行かれました。一部県民からは、県はお金がないと言いながら、知事や副知事は海外に行く余裕があるのか、大型イベントを開催する余裕があるのかとの批判も上がっており、十分な理解を求めていくことがぜひとも必要です。

 また、県内の市町村には、一切の新規事業をストップしたり、職員の一般的な出張さえ控えるなど、涙ぐましい努力をされているところもあるとお聞きします。今度の行財政改革アクションプランでは、市町村や県民に対しても痛みを負担していただかなくてはならないこの非常事態のときに、県だけが今までどおり大型イベントや海外出張を行っているとの指摘にもこたえていかなきゃなりません。

 十一月一日の読売新聞では、今年度の海づくり大会の開催を打診された宮城県が財政事情を理由に辞退したため、東京で開催されたとの記事も目にしました。そこで、県もこれまで申し上げた批判、指摘にこたえるためにも、すべての大型プロジェクトや海外戦略について思い切った事業の規模縮小、簡素・簡略化、経費の節減を行うなど、見直しが必要ではないのでしょうか。その上で、事業の必要性、経費節減努力、事業の効果など、しっかりと説明責任を果たしていくべきではないかと考えます。行財政改革を進めなければならないということを十分に踏まえて、知事のお考えをお伺いいたします。

 続きまして、各種行政委員会、審議会委員などの報酬の見直しについてお尋ねいたします。

 今年度、緊急手段として実施されたはずの県職員の給与カットでありますが、来年度からもそれぞれの職階において、ほぼ今年度の倍に当たる率で、しかも三年間にわたり給与カットが実施されるということであります。岐阜県職員の給与水準は、ただでさえ全国最低水準であったのに、さらにカットされれば職員の生活にも影響が出てくることは必至であります。民間の経営者ならば、社員の給与をカットするのは最後の最後の手段であります。そして、まず経営者みずからがその責任を明確にしなければなりません。月収百万円以上の知事が三割カットといっても、手取りが二十万円ほどの中堅・若手職員のカットとは全然次元が違います。今後も、こんな調子でなし崩し的に職員の給与カット、ましてや人づくりのかなめである教員や治安維持の中心である警察官の給与抑制に及ぶのであれば、もはや県庁組織の維持、県政の維持は困難に陥るのではないかと大変危惧いたしております。

 一方、知事と同じ特別職であります各種の行政委員会の委員の報酬を調べてみますと、非常勤的な勤務実態にもかかわらず高額の報酬をもらっておられます。具体的には、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、公安委員会の各委員長は月額二十二万円、その他の委員は十九万円です。また、監査委員のうち、識見を有する者のうちから選任された委員は月額二十三万五千円、議会の議員から選任された委員は十五万五千円です。ほかにも、労働委員会委員のうち、会長は月額二十二万円、公益委員は十九万円、その他の委員は十七万円等々と条例で定められております。地方自治法上は行政委員会委員の報酬は、「その勤務日数に応じてこれを支給する」とあり、「ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない」とあります。つまり、本来は日額制を基本としているわけです。

 今年一月に、滋賀県が労働、収用、選挙管理委員会の各行政委員に月額報酬を支払っていることへの適否が争われた訴訟の判決で、大津地方裁判所は、勤務実態を前提とすれば地方自治法上の趣旨に反するとして月額報酬を違法と認定し、県に支出差しとめを命じております。この中で、条例で特別の定めができる例外と認めている点については、勤務実態が常勤職員と異ならない場合に限り、例外として勤務日数によらず報酬を支給できると判断されております。今まで、各自治体は横並びに、非常勤的な勤務実態にあるにもかかわらず各種行政委員会の委員の報酬を月額報酬としてきましたが、この危機的な財政難の中、こうした現状は見直すべき時期に来ているのではないでしょうか。現在、岐阜県ではこれら各委員の月額報酬をそれぞれ条例で七%カットの措置がなされていますが、もはや何%カットという問題ではなくて、日額制に切りかえるなど抜本的な改革が必要だと考えます。また、各種審議会委員の報酬は日額が基本となっていますが、この額についても見直していくべきではないかと考えます。そこで、各種委員会委員の報酬などを抜本的に見直すお考えはないか、知事のお考えをお伺いいたします。

 続きまして、適切な組織体制、人員配置についてお尋ねいたします。

 知事は、行財政改革の一環として、県内の振興局の廃止と土木事務所や農林事務所など現地機関の統廃合を検討していることを表明されました。

 振興局は、岐阜、西濃、中濃、東濃、飛騨の五カ所に設置され、その傘下には揖斐、中濃、恵那の三事務所があり、振興課、環境課、福祉課、産業労働課などから成っております。経費削減のためにはやむを得ないということでしょうが、地域主権の時代にあって、地域から県庁を遠ざけることは時代に逆行しているという意見もあります。地域に県職員がより密接にかかわるためには、現地機関に権限をおろし、むしろ現地機関を強化すべきだという考えもあります。また、総合庁舎全体を廃止するならまだしも、一部機能を残すというようなことであれば、なおさらその効率性にも疑問が残ります。しかし、私がここで一番指摘したいのは、この問題は次の質問でもお尋ねいたしますが、県の存在感、組織のあり方自体を検討した上でなければいけないということです。単なる効率化ゆえの現地機関の統廃合であってはいけないと思うのであります。

 また、同時に考えなきゃならないのが、適正な人員配置であります。県は、職員定数を病院・公益企業を除いて二〇一二年度までに二〇〇八年度比五百七十五人、一二・三%と大胆に削減し、そして新規採用者を抑制するとしています。しかし、新規採用者の急激な抑制はいびつな年齢構成を生み出す要因となり、職員の育成や将来の人事政策に悪影響を及ぼします。バランスのとれた年齢構成としなければならないと私は思います。また、県経済への影響もはかり知れないものがあると思います。行財政改革によって無駄な事務事業を見直しているにもかかわらず、県庁は不夜城とやゆされるように、今でも深夜にまで時間外勤務、つまり残業に及んでいる部署が多く見受けられます。この要因として、部署ごとの仕事の平準化がなされていないのではないか、つまり適切な人員配置がなされていないのではないかという疑問を持たざるを得ません。

 岐阜県では、安心して子どもを産み育てることができる岐阜県づくりを社会全体で進めるために、その取り組みの一つとして毎月「八」のつく日を「早く家庭に帰る日」としています。この取り組みは、時間外勤務抑制への意味も込められていると思いますが、逆にいえば、こうした日が特別に設定されなくてはならないほど時間外勤務が常態化しているあらわれではないかと思います。本来は、時間外勤務をすることは特別なことであって、知事を初め管理職の方々が職員が残業をしなくてもいいような適切な人員配置をしなくてはいけないはずです。ましてや、この危機的な財政難なのですから時間外勤務手当もばかにはなりません。残業をゼロにするような取り組みが必要です。忙しい部署、必要な部署には人員を増員して残業がないように努めていただきたいと思います。

 総務部は、各部署の仕事量をきちんと把握されておられるのでしょうか、一律に定数を削減するだけではなく、忙しい部署へは増員などの措置をとっておられるのでしょうか。これらの点も踏まえ、来年度に向けて現地機関のあり方を含め、組織体制、人員配置のあり方についてどうお考えか、総務部長にお伺いいたします。

 続きまして、県庁の組織風土改革、人材育成についてお尋ねいたします。

 岐阜県職員組合では、知事の行財政改革推進本部の分科会案に先立つ今年九月に、独自の行財政改革案である「岐阜県行財政リバイバルプラン二〇〇九」を知事に提言いたしました。こうした職員組合による行財政改革案の提言は、組合史上初めての試みであり、職員たちの本当にこの県をどうにかしなくてはならない、またどうにかしたいという危機感、そして熱い思いが伝わってきます。このプランは有志での取りまとめであり、職員全員の合意を得ているものではありませんが、少なくとも組織の論理には立たず、厳しい削減案を示していることが評価できると私は思っております。このプランで特徴的なのは、歳入確保、歳出抑制と並ぶ大きな改革の柱として風土改革、人材育成を掲げているところでございます。逆に、分科会案は事務事業の見直しにのみ力点が置かれ、組織風土の改善や人材の育成といったことに配慮されているとは感じられません。組織は人でございます。そして、人は城、人は石垣と言われます。人を大切にしない組織というのはあすが見えないということも一部では言われております。

 この数年、県は毎年のように定員を削減しております。その上、今年度からは給与カットも行ったため、職場は人的にも余裕がなくなり、殺伐としてしまう恐れがあります。現場は、まさに目いっぱいの状況に追い込まれ、仕事にも支障を来しているのではないかとも危惧しております。上司は部下を思い、育成し、部下は上司を敬う、そして職員同士が県民のための政策を活発に議論する、かつては当たり前だった風土も損なわれている面もあるのではないでしょうか。

 知事は、県庁という経営体のリーダーでもあります。単なる事務事業の執行者ということだけではなく、大勢の職員がやりがいを持って気持ちよく仕事ができ、その結果、組織としての成果が上がるようなリーダーシップを求められております。先ほども触れましたが、人件費削減ありきで新規採用をストップし、給与をカットすることだけが行財政改革に有効な方策であるとは思えません。新規採用を控えることは、人材の確保の面からももちろんですが、若者の雇用の機会を損なわせ、岐阜県への愛郷心をもそぐことになりはしないでしょうか。若者が地域に根差し、その活力をもって夢と希望のある社会を築いていく、このことが県としては望ましいことではないかと私は思うのです。そしてまた、まさに今その愛郷心を持って、よりよい岐阜県のため、県民のために働く職員がさらなるやる気、やりがいを持ち職務に当たることは、財政の厳しい今日、新しく夢のある目標も見出しにくい時代であるからこそ必要であり、その筆頭に立たれる知事が職員を思いやり、一丸となって苦しい今を乗り越えようという組織風土をおつくりにならなければというふうに私は思います。

 そこで、組織風土の改革や人材の育成について、具体的にこれまでどのような方策をとってこられたのか、その効果はどうであったのか、そして今後はどのような取り組みをされていくのか、そのお考えを知事にお伺いしたいと思います。

 続きまして、地域主権時代における県と市町村のあり方についてお伺いしてまいります。

 民主党は、マニフェストで国と地方自治体の関係を、従来の上下・主従の関係から、対等・協力関係に改める地域主権国家への転換を図ろうとしております。使い道が決められた地方自治体向けのひもつき補助金の廃止や国の直轄事業に対する地方の負担金の廃止、国の現地機関の原則廃止などにより、一括交付金制度が実現されれば各自治体が国から独立し、税金を有効に使い無駄をなくすなど、自己責任が問われることになります。これにより、都道府県と基礎的自治体との役割も大きく変化していくであろうと思われます。

 本県としても、財政難において事務事業を縮小せざるを得ない現在のこの状況を逆にチャンスととらえ、将来の県のあり方を検討し、積極的に市町村への権限移譲を推し進め、県に残すべき機能と役割を見定め、これからは逆にその視点についてのみ重点的に強化していく、そのような発想が必要ではないかとも考えております。

 また、先般、国においては事業仕分けが行われたところであります。地方自治体においても、静岡県では今年の十月末から十一月の初めにかけて、政策シンクタンク「構想日本」と協力して事業仕分けを実施されました。この静岡県の事業仕分けとは、第三者の観点から事業そのものの必要性や事業主体など、事業の本来のあり方を公開の場で議論し、事業ごとに「不要」「民間が実施すべき」「国が実施すべき」「市町村が実施すべき」「県で行うが改善が必要」「現行どおり継続実施」などの区分に判断していくというものであります。

 国の事業仕分けに対しては、性急な議論に対する批判も一部ではありますが、検討資料や審議の経過が公開されている点など評価するべき点も多いと考えます。岐阜県でも、平成十四年度に全国に先駆けて事業仕分けを行っていますが、当時よりこの事業仕分けの持つ意味は一層重要度を増しているということは言うまでもありません。今後、地域主権の推進に向けてこの事業仕分けの手法を取り入れていく必要があるかとも考えます。そこで、地域主権を一層進めていくためには、県と市町村のあり方が重要になってくると思いますが、この点についてどうお考えか、知事のお考えをお伺いいたします。

 続きまして、ここからは行財政改革関連ではない質問に入らせていただきます。

 初めに、経済・雇用対策についてお尋ねいたします。

 県では、昨年末からの世界的な大不況の中で、いち早く岐阜県緊急雇用対策本部、現在では岐阜県経済・雇用対策本部を立ち上げ、経済・雇用対策に取り組んでこられました。その内容は、大きく区分するならば、中小企業に対する支援、離職し生活に困っている県民に対する支援、人材が求められる分野の就労支援、景気回復期に備えた支援など多岐にわたっており、まさに総合的に対策に当たってこられました。その全部をここで紹介するわけにはいきませんが、少し、とりわけ雇用対策の面で幾つか御紹介させていただきます。

 まず、雇用創出に向けた取り組みとして、国の基金を活用し、地域における継続的な雇用の創出を図るふるさと雇用再生特別基金事業と、離職を余儀なくされた方に対し、次の雇用までのつなぎとして短期の雇用、就業機会を提供する緊急雇用創出基金事業を実施してこられました。特に最近では、離職者が急増すると懸念される年末年始に向けた緊急雇用対策として、中高年齢者の求職希望が強い分野から十六事業、具体的には、草刈りや剪定などの環境美化事業が八件、イベント補助や特産品の開拓などの地域活性化事業が七件、犯罪抑止パトロール一件を、地域のニーズを踏まえて選定し、十一月初旬から来年三月末まで、県内五圏域で五百人規模の雇用創出事業を実施されるなど、積極的に取り組んでおられます。

 また、離職者に対する相談体制、支援体制の充実化も取り組んでこられました。例えば、ハローワークと共同でJR岐阜駅アクティブG内に求職者総合支援センター「ジョブライフぎふ」を設置し、生活・就労相談から職業相談、職業紹介までワンストップで支援する体制を整備されてきました。また、出産や育児により休業した女性が円滑に再就職できるよう、県が独自で岐阜市のマーサ21内に再就職や職場復帰の相談窓口として「ママさん再就職応援コーナー」を開設されたほか、四十歳以上の中高年齢者の再就職を支援するため、従来の県人材チャレンジセンターに「中高年人材チャレンジセンター」を併設し、就職相談、職業紹介などをワンストップで行う体制を整備しておられます。こうした数々の取り組みは全国的に見ても評価できるものであり、県の一連の御努力に対し、まずもって敬意を表するところでございます。

 しかしながら、十月における本県の有効求人倍率は〇・五〇と依然として低迷しており、来春卒業予定の高卒内定率は五九・六%と、大きく落ち込んでおります。このように、景気が依然として盛り上がりに欠ける中、雇用が回復に向かうのにはなお相当の時間がかかるということが懸念され、当面の間は厳しい雇用情勢が続くのではないかと考えております。これらの事業が単発的では、やはり効果は限定的であり、今後、恒常的な雇用の創出に向けてどうつなげていくかが課題かと思います。こうした対策の効果をすぐに求めるのは酷な話かとも思いますが、しかし、これらの事業が本当に有効であるかという検証もまた必要であります。緊急対策は、あくまで緊急として、その後に目指す岐阜県の経済・雇用のあり方を意識した改革が、また政策が必要であると考えるところです。そこで、これまでの県の経済・雇用対策の成果と、今後はどのような経済・雇用政策を目指すのか、その方向性について知事にお伺いいたします。

 続きまして、さきの第四回定例会では、野島議員より人工透析患者の救済についての質問がありました。そこで、私は本年七月に臓器移植法が改正されたこともあり、臓器移植についてお伺いしたいと思います。

 先日報道されましたが、十一月二十三日に北海道の病院で、臓器移植法に基づき、脳死と判定された二十代の女性から国内では八十二例目の脳死臓器移植手術が実施されました。心臓は大阪大学医学部附属病院で五十代男性に、肺は東北大学病院で片方ずつ二人の五十代女性に、肝臓は名古屋大学医学部附属病院で六十代女性に、片方の腎臓は市立札幌病院で五十代男性に、もう片方の腎臓と膵臓は神戸大学医学部附属病院で五十代女性に、小腸は京都大学医学部附属病院で十代女性と、それぞれ移植により実に七名の方に「命の贈り物」をされたとの報道がございました。そこで、今回は臓器移植の中でも、特に腎臓移植についてお聞きしてまいります。

 社団法人 日本臓器移植ネットワークの資料によりますと、日本では約一万二千人が臓器移植ネットワークに登録し、脳死や心停止の人からの死体腎移植を待ってみえますが、提供は少なく、年間約千二百件の腎臓移植の約八割を生体移植に頼っているのが実情とのことでございます。透析と移植とは腎臓病医療の両輪と言われており、日本移植学会の資料によりますと、透析患者は全国で約二十七万人であり、毎年約一万人ずつのペースで増加しているそうで、年間の透析医療費は一兆三千五百億円にも上ると言われております。

 現在、日本では腎臓移植手術のほとんどが保険料で賄われ、移植手術を受けた人は、その後、免疫抑制剤を飲み続けなければなりませんが、移植後は日常生活に何の制約もなく社会復帰される方がほとんどとお聞きします。このような点からも、もっと患者やドナーに対し、臓器移植に対する適切で十分な情報提供が必要だと思うところです。

 現在、国内での腎臓移植の症例数は、日本臨床腎移植学会、日本移植学会の二〇〇八年実施症例集計報告によりますと、二〇〇八年の一年間で千二百一例であり、その内訳は、生体腎移植が九百九十一例、心停止下献腎移植百八十四例、脳死下献腎移植が二十六例となっております。ちなみに二〇〇七年と比較すると、全症例数では二十三例減少し、生体腎で四十六例の減少、心停止下献腎で二十一例の増加、脳死下献腎で二例の増加となっております。心停止下及び脳死下献腎が増加したにもかかわらず生体腎が減少しており、これが全症例数の減少に反映されていると思います。一方、心停止下、脳死下を合わせた全献腎は二百十例であり、初めて二百例を超えました。

 地域ブロック別症例数では、人口分布に比例して関東甲信越で最も多数の移植が行われ、続いて近畿、東海・北陸、中国・四国、九州・沖縄、北海道、東北という順です。東海・北陸ブロックでの移植件数は愛知県での症例数が百三十三例と最も多く、二〇〇七年と同様ブロック全体のほぼ七〇%を占めており、岐阜県では生体腎、献腎ともにわずかに減少しておりますが十四件という状況です。また、東海ブロックで移植の行われている施設で、多い順に名古屋第二赤十字病院が八十四例、社会保険病院中京が十五例、次いで岐阜大学病院が十四例、藤田保健衛生大学が十三例などとなっております。全国的には移植手術が一例も行われていない県もある中で、岐阜県内では唯一岐阜大学病院で実施されており心強いところでありますが、まだまだ臓器移植に対し正しい理解、啓蒙・普及が必要かと思います。そこで、岐阜県内での、その他の臓器移植の状況とドナー拡大の啓蒙・普及など、臓器移植に対する今後の対策について健康福祉部長にお伺いいたします。

 最後に、防災ヘリ墜落事故を踏まえた安全管理体制の見直しについてお尋ねいたします。

 去る九月十一日に、防災ヘリ「若鮎?」が高山市の北アルプス奥穂高岳付近で墜落し、操縦士、整備士、レスキュー隊員の三人の方が死亡した事故からおよそ三カ月が経過しました。御遺族の気持ちを察するに、まだまだ傷はいえないことと思いますが、とうとい犠牲を出したこの事故を教訓として、防災ヘリが安全に運航され、再び重要な任務が遂行されるよう、県としてしっかりとした体制で再発防止などに取り組んでいただきたいと願ってみえると思います。

 今回の事故について、県警との協議のあり方、あるいはその手順、関係者間の情報共有・提供のあり方、出場・中止の意思決定のあり方など、幾つかの点について検証すべき点があると九月議会で知事の答弁がありました。県においては、今後二度とこのような惨事が起こらないように組織全体の問題としてとらえ、再発防止に全力で取り組むために、知事と両副知事、関係部長ら計九人による県防災ヘリ若鮎?事故検証委員会を設置し、運航体制の検証を行うとともに、事故再発防止対策を検討してこられました。その結果、十一月二十四日に、新たな運航マニュアルが発表されたところであります。また、当面は民間委託をしている「若鮎?」の一機体制ですが、二機目を導入する方針であることも既に発表されております。

 防災ヘリは、災害時の救援、山火事発生時の消火活動、遭難者の捜索活動、患者の救急搬送など、県民の安全・安心を確保するため大変重要な役割を担っており、運航件数も年々ふえるばかりです。現在、「若鮎?」の耐空検査が終了し、隊員の訓練を実施した後に緊急運航を再開するとのことですが、防災ヘリは県民の生命・財産を守るものであり、県民の期待にこたえるため、できるだけ早期にヘリコプターの安全な運航体制を整え、活動を再開されることを望みます。

 そこで、事故の教訓を踏まえ、今回策定された新運航マニュアルについて、旧マニュアルと比較してどのような点を改善し、事故の再発防止のために新たな安全管理体制を構築されたのか、あわせて財政状況の厳しい現況でありますが、新たなヘリの導入計画について、以上二点について危機管理統括監にお伺いいたします。

 最後に、厳しい財政運営が続きますが、効率的な運営でこの難局を乗り切り、夢と希望の持てる岐阜県政実現のために祈念し、私の質問を終わらせていただきます。長時間にわたり御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 御答弁申し上げます。

 まず第一点、財政再建と来年度予算ということでございます。

 これまでも何度か御説明いたしておりますけれども、歳出面では公債費、社会保障関係費の増加、歳入面では三位一体改革に伴う一般財源総額の減少などにより財政収支のバランスが大きく崩れ、本県では多額の財源不足が生じております。構造的な改革というふうに私が言っておりますのは、この財源不足額を一回限りの各種積立基金の取り崩しや県有財産の売却などの対策で埋めるということではなく、歳入に見合った歳出を可能とする構造に転換することにより収支の均衡を図るということでございます。このため、このような観点からは、歳出面では事務事業の見直し縮減、職員の削減など、あるいは歳入面では企業誘致による税源涵養などが構造的な改革の手法ということになるわけでございます。

 また、財政再建と来年度予算編成をどのようなものとしていくかというお尋ねがございました。

 まず、来年度から平成二十四年度までの三年間において毎年三百億円程度の財源不足の発生が見込まれておるわけでありまして、御案内のように行財政改革推進本部、そして分科会ということで、たたき台の案を九月にお示しをしたということでございます。以来、この案をベースに、アクションプランの策定に向けて各方面と意見交換をしておるわけでございます。

 そういう中で、今後どういうふうにこのシナリオを構築していくかということでございますが、何といっても、この三百億円という巨額の財源不足額を、事務事業見直しを中心に構造的に一挙に解消するということになりますと、明らかに県民サービスの極端な低下を招いて県民生活にも大きな影響が生ずるということが予想されるわけでございまして、そういうことから、私どもとしては臨時的な対策もバランスよく活用しながら、三年間にわたって段階的に構造対策を進めていくと、こういうシナリオを考えておるわけでございます。

 具体的には、大きく三つの対策に分かれると思っております。その第一は、先ほど申し上げました構造的な改革となる事務事業の見直しということでございます。ここでは、公の施設、外郭団体を含めて県の事業を圧縮することはもちろんでございますが、各種の市町村補助金、団体補助金の縮減についても一律ではなく個別に検討を進めておるというのが現状でございます。二番目の対策は、歳出予算の約三割を占める人件費の削減ということでございます。構造的には職員定数の削減ということでございますが、あわせて臨時的な対策として職員給与の抑制を提案させていただいておるところでございます。三番目の対策は、臨時的な歳入確保対策でございまして、向こう三年間で活用できるものとして、県有財産の売却収入や特定目的のために積み立てた基金の活用について検討を進めております。こうした作業を経て、向こう三年間の緊急財政再建期間において、各年度ごとにこれらの対策をどのようにバランスさせながら構造的な改革を段階的に進めていくか、そのシナリオとしてのアクションプランを今取りまとめ作業をしておるところでございまして、いずれお示しをしたいというふうに考えております。

 午前中にも申し上げましたけれども、このアクションプランは県としてのあらゆる対策を総動員しての臥薪嘗胆のプランにならざるを得ないということでございまして、県民あるいは県議会の諸先生方の御理解をお願い申し上げる次第でございます。その上で、来年度予算につきましては、国の予算編成あるいは税制改正の動向を十分見きわめながら、基本的にはこのアクションプランの考えに沿って編成を進めていくということになろうかと思っております。

 さらに、県財政の将来像についてもお尋ねがございました。

 現在の地方税財政制度、あるいは国の予算が大きく変わらないという前提ではありますが、着実な人員削減による人件費の減少、公債費や事業費の縮小、さらには昨年のリーマン・ショックによって急激に落ち込んだ税収のある程度の持ち直しといったことを視野に、平成二十五年度には収支のバランスのとれた財政構造を見込むことができるようなシナリオを策定していく考えでございます。

 次に、行財政改革のあり方、進め方ということで幾つか御質問がございました。

 まず、県民への説明責任という御指摘をいただきました。私自身も、これまで本会議の場、記者会見、あるいは市長会、町村会、各種団体の会合行事、面談の機会あるいは有識者との懇談会など、あらゆる機会をとらえて御説明をさせていただいておるところでございますが、さらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 また、関係団体につきましては、午前中にも御答弁申し上げましたが、部局長、振興局長が中心となりまして、商工会議所・商工会、福祉関係団体、その他さまざまな団体・法人に対して、延べ五百六十回ほどお伺いをして意見交換をさせていただいておるということでございます。また、有識者から成る岐阜県行財政改革懇談会も開催させていただいております。いろいろと貴重な御意見をいただいておりますが、分科会案をお示しするタイミングが当初の予定よりもおくれたことによる時間的な制約などにより、まだまだ議論が十分進んでいないというふうに感じておりまして、今後アクションプラン案策定に向けてさらに努力をしていきたいというふうに考えております。

 それから、このアクションプランの策定時期についてのお尋ねがございましたが、先ほど申し上げましたように、三つの対策を中心に今鋭意検討をし、あるいは各種団体あるいは市長会、町村会とも議論をしておるところでございますし、また組合との交渉も今後あるわけでございます。他方で、午前中の答弁で申し上げましたけれども、国の平成二十二年度予算編成に向けて、地方財政に大変大きな影響を及ぼす不確定な課題がたくさんありまして、その帰趨を見きわめる必要があるというふうにも考えております。そういうことから、向こう三年間の行財政改革のアクションプランにつきましては、平成二十二年度予算編成作業と並行して取りまとめていくのが適当ではないかというふうに考えております。

 三点目の、公の施設あるいは事務事業の見直しについての御質問でございますが、これにつきましては現下の厳しい財政状況下であっても実施する必要があるかどうか、必要があっても県が主体となって実施する必要があるか、あるいは実施の優先度はどうか、県・市町村・民間との役割分担はどうかといったような観点から見直し、検討しておるところでございます。幅広く県民に開かれた議論をすべきであるという御指摘については私も同感でございまして、これまでもいろいろ意見交換しておりますけれども、さらに広く御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと思っております。

 三番目に、大型公共工事への対応方針、特に県が実施しているダム事業についてのお尋ねがございました。

 現在、県は国の補助を受けまして丹生川ダム、内ヶ谷ダム、大島ダム、水無瀬生活貯水池の四つのダム事業を実施しておるわけでございます。これらのダムは、下流域を災害から守る治水効果や河川環境を良好に保つ効果、加えて水道用水を安定的に供給する利水機能を持つ、いずれも地域にとっては重要なダムであるというのが県としての基本的な考え方でございます。丹生川ダムにつきましては、現在ダム本体工事が九割程度進んでおりまして、取水施設などを建設中でございます。平成二十四年出水期前の完成を予定しております。今年度末までの進捗率は、事業費ベースで七七%ということでございます。内ヶ谷ダムは、現在工事用道路とつけかえ林道を建設中でございまして、進捗率六九%。大島ダムと水無瀬生活貯水池は、現在までに水文調査、地質調査、環境調査を進めてきておりまして、進捗率は一五%、六%ということでございます。

 そこで、現在新政権によりまして、御指摘のありましたように方針が示されておりますが、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が立ち上げられまして、最終的に平成二十三年度夏ごろをめどに、できるだけダムによらない治水への政策を進めるということでございます。ここでさまざまな評価軸、方針が提言されると思うわけでございますが、この考え方は補助ダムにも適用されるのではないかと、あるいは国からの補助金にも適用されるのではないかというふうに見ておるわけでございます。国の補助金なしに県単独でこれらのダム事業を進めることは到底困難でございまして、私どもといたしましては、この有識者会議、国の動向を注視するとともに、地元の御意見も伺いながら、それぞれのダムの必要性、今後の進め方についてしっかりと議論してまいりたいというふうに考えております。

 次に、大型プロジェクト、海外戦略についてのお尋ねでございます。

 人口が減少する社会にありまして、地域の活力を向上させ未来づくりを行っていく上では、内外にわたる交流促進というものがかぎであるというふうに私は考えております。そのためには、本県の魅力をどう発見し、どう磨き、どう発信するか、さらにそれらをどう将来につなげていくかということが、大変重要であるというふうに考えております。幾つかのプロジェクトの御指摘がございましたが、これらにつきましてもこうした観点から進めてきておるつもりでございまして、単なる一過性のイベントという思いでやってきておるわけではございません。もちろん御指摘のように、こうしたプロジェクトにつきましてもできるだけ経費節減に努め、効率的・効果的に行っていくことが大切であるということも考えておるわけでございます。

 ぎふ清流国体の話がございましたが、これにつきましては、既存施設の活用、式典内容の見直しなどを進めておりまして、まさに簡素であっても質の高い国体を目指しておるということでございます。開催経費につきましては、たしか二年前の本会議で、私の方から他の開催県の例などを参考におおむね二百億円というふうに御答弁申し上げたわけでございますが、以後、施設整備における設計の見直し、大会運営費の近年開催県の八割程度への縮減といったことを進めてきておりまして、その結果として、現時点で申し上げられる数字としては、全体経費はおおむね百六十五億円まで抑制できるのではないかというふうに思っております。さらに今後、国庫補助金などの外部資金の導入を積極的に図り、極力県費負担の縮減に努めていきたいというふうに考えております。一方、県内企業の方々には、天皇杯・皇后杯の獲得に向けて、来年度の内定者も含めて現時点で四十二社百三十六人の有望選手を採用していただいておりまして、多大な御支援をいただいているということでございます。

 また、全国豊かな海づくり大会についても、必要最小限のコストによってその目的が達成されるよう経費節減し、創意工夫しながら県民総参加による手づくり感のある大会にしたいというふうに考えております。今、県内あるいは隣県に「回遊旗リレー」というのが回っておりますが、まさにこの回遊旗リレーというやり方も、そうした手づくり感のある大会ということの思いの一つのあらわれだというふうに御理解をいただきたいと思います。

 APEC中小企業大臣会合でございますが、これは二十一カ国地域の大臣初め多くの方々がおいでになる、岐阜県にとりましては過去最大の国際会議ということでございまして、APECとしてはさまざまな会合がございますが、中でも中小企業の交流、観光誘客など、交流の最も盛んにできる会合だという評価になっておるわけでございます。この会合の開催に直接必要となる経費は、すべて国の予算ということでございます。これによって、APECに参加するアジア太平洋地域の国と地域から大臣を初め多くの政府関係者、マスコミ関係者等々が岐阜においでになるわけでございまして、開催経費に加えて、移動費、飲食費、土産物の購入費など、もろもろの費消、その経済波及効果が期待されるという面もございます。開催地の岐阜といたしましては、歓迎行事、観光地視察、地元産品のPRなどに要する経費を考えていくわけでございますが、いかに効率よくPRできるかという点も含めて、市町村や各種経済団体、企業とも連携をしながら、県費としては必要最低限の経費となるよう抑制させてまいりたいということでございます。

 さらに、人口減少時代を迎え国内市場が縮小していく中で、経済成長著しいアジア地域への売り込み、あるいは観光誘客は、戦略的に取り組んでいく必要があるんではないかというふうに考えております。官民一体となったトップセールスは、その効果的なきっかけづくり、あるいは呼び水ということで行っているところでございます。もちろん厳しい財政状況の中にあるだけに、そのタイミング、場所、売り込み手法など十分精査し、これまた必要最小限のコストで最も効果の上がるように行っていく必要があるというふうに考えております。

 ちなみに、今回のミッションによりまして、香港では県産ミネラルウオーターや飛騨牛の販路の開拓・拡大、タイでは具体的な旅行商品の商談開始や成約など、手ごたえを感じておるわけでございます。また、今回参加された県議会議長初め議員の皆様方、あるいは市長、さらには農業、観光業関係団体の皆様方からは、「参加して非常によかった」「いいきっかけとして十分効果があった」「今後はみずから継続して取り組みたい」というような積極的な意見を伺っておるところでございます。

 次に、各種行政委員会、審議会委員等の報酬の見直しでございます。

 現在、本県に八つの行政委員会があるわけでございますが、これらの委員の方々は、高い専門性や識見に基づいてみずからの判断と責任において執行機関の意志決定に参加をし、場合によっては被告として訴訟の当事者となるというような重大な職責を担っていただいております。こういうことから、委員会への出席以外におきましても、執行機関としての活動は大変多岐にわたっておりまして、事案に応じて事務局との事前調整、連絡調整あるいは指示、あるいは日ごろから新たな判例の研究など、研さんにも努めていただくというようなことがございます。こうしたことから、これまでのところ行政委員会の委員に対する報酬につきましては、日額ではなく、多くの他県と同様に月額でお支払いしておるという事情にございます。一方、その中で内水面漁場管理委員会の委員につきましては、事案の発生により必要が生じた場合のみ委員会が開催されているという実態にかんがみて、日額でお払いをしておるということでございます。

 御指摘のありましたように、本年一月に大津地裁におきまして、月額報酬支払いを違法として支出差しとめを命ずる判決がございました。こういったことを考えますと、私ども岐阜県におきましても、改めて各委員会における実態をしっかりと精査した上で、適正な報酬のあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。その際、滋賀県の訴訟につきましては、現在、大阪高裁において控訴審の審理が進んでおりまして、その状況について注視してまいりますし、また、全国知事会でも同様の問題意識で見直しの検討が進んでおります。こうしたことも勘案しながら、今後検討を進めてまいります。

 また、審議会等の委員に対する報酬につきましても、これとあわせて他県の状況を見ながら精査をしたいというふうに思っております。

 次に、県庁の組織風土改革、人材育成についてのお尋ねでございます。

 人材の大切さということは、まさに御指摘のとおりでございまして、人あっての県庁、県政ということは全く同感でございます。この組織風土の改革、人材育成の取り組みといたしましては、平成十八年度に大規模な組織改革をする中で、政策本位の組織、わかりやすい組織、スリムな組織ということを基本方針として進めてまいりました。従来、少人数の所属に細分化されていた組織体制を改めて、一所属の職員数が大体二十名程度になるように再編をしながら、自由闊達な政策論議を促してきたということでございますし、また各課には総括管理監というものを配置いたしまして、職員にいろんな意味で目配りをし、やる気を引き出していくというかなめの役割をお願いしておるところでございます。

 また、平成十八年七月に発覚いたしました不正資金問題に対しては、同年九月に再生プログラムを取りまとめておりまして、不都合なことを表に出さないという組織体質の改革を明らかにし、取り組んできた次第でございます。また、昨年度策定いたしました岐阜県行財政改革の指針の中では、抜本的な事務事業の見直し等と並んで、新時代を担う職員の育成、公金意識の徹底といったような取り組みについてもお示しをしているところでございます。

 具体的な取り組みといたしましても、例えば若手職員を中心に現地機関の職員に対して、県の幹部職員が出かけていっていろいろな意見交換をする。あるいは昨年度行いましたような岐阜県の将来構想研究会による取り組み、まちづくり支援チームの地域への派遣など思い切って若い人に仕事を任せるということも進めてきております。また、最近では、この長期構想の理念、今後の県政の方向、課題等々につきまして、職員が学校に出向いて講義をするといったようなことも行われておりますし、インターネットショッピングモール「楽天市場」において「まち楽・岐阜」という県の地域情報を紹介するサイトがございますが、県職員が自分の足で集めた岐阜県のさまざまな魅力を紹介するブログの公開も始まっております。こうした取り組み自身、風土の改革、人材育成につながるものというふうに考えております。また、職員研修あるいは管理職員研修につきましても、そういった観点から改善、改革を進めてきておるところでございます。

 次に、市町村と県とのあり方ということでございます。

 人口減少、少子・高齢化の進行など、社会状況が変わっていく中で、地域社会の状況、住民ニーズを最も身近できめ細かく把握し得る基礎自治体ということで、市町村に対する住民の期待、あるいは市町村の果たすべき役割は大変大きくなっているんではないかというのが基本的な認識でございます。したがって、国から地方へという改革だけではなしに、都道府県から市町村へという改革の必要性も実感しておるところでございます。

 こういう考え方に基づきまして、いち早く、平成十八年十二月でございますが、私と県内市町村長との間で役割分担検討会議というものを設置いたしまして、平成二十年四月に権限移譲のあり方に関する報告書ということでまとめた次第でございます。この中で、役割分担の基本的な考え方として、「住民本位の視点に立脚した補完性の原理と、県と市町村は対等の立場であること」を明確にしておるわけでございます。この原則にのっとって、市町村に事務を優先的に配置すべきだということとしておりますが、その一方で、県の役割は三つ指摘をしております。第一に、県域全体を対象とするもの、二番目に、高度な技術、専門的な知識など各市町村が確保することが効率的でない要素を要する事務、三番目に市町村間の調整といったことでございます。さらには、消防防災、保健・医療、都市計画・まちづくり等十一分野につきましては、具体的な県と市町村の役割分担の方向性も示しておるわけでございます。

 こうした報告書の考え方に基づきまして、その後、県としても財政措置あるいは職員派遣といったことに取り組んできておりまして、今年の四月には四十五項目、来年四月には三十四項目が全市町村に移譲されるということでございますし、同一の権限が移譲されている市町村もあれば移譲されていない市町村もあるという状態、私どもはこれを「まだら状態」というふうに言っておりますが、その項目の七割を超える四百六十五項目について移譲団体が拡大をするということなど、まだら状態の解消に向けても着実に作業が進んでおるということでございます。

 また、この十月には全国的に見ても先進的な事例でございますが、旅券の発給事務の権限移譲を揖斐郡三町に対して行ったところでございます。結果、住民の皆様には大変好評だというふうに伺っておりまして、来年度は大垣市と白川町にも移譲するということを予定いたしております。こうした方向で引き続き努力していきたいと思っております。

 最後に、経済・雇用対策についてのこれまでの成果、今後の方向というお尋ねがございました。

 これまでの経済対策としましては、主として中小企業に対する金融及び経営改革の支援という方向と、もう一つは雇用の創出及び離職者の支援という雇用サイドの側面と両方から取り組んできたところでございます。特に、金融支援に関しましては、融資実績はこの十月までの累計では前年同月比一・五倍ということでございまして、特にその内容を見ますと、業況悪化の著しい製造業が大変多いということ、それから従業員五人以下の零細企業の利用が半数を占めておるということから見て、中小零細企業の資金繰り改善に対して一定の効果を上げているのではないかというふうに見ております。

 また、企業の経営改革の支援にも取り組んできておりまして、カイゼン・ムダ取りなどの生産性向上、社内の人材育成、新商品の開発といったことについてさまざまな助成制度を設け、これまでに七十六件、約一億二千万円の支援を行ってきておりまして、これも大変関係企業には御評価をいただいております。

 雇用対策につきましては、まずつなぎ雇用を創出する緊急雇用創出基金事業を実施しておりまして、特に製造業の生産労務に従事する方の大量の離職があったことに対応するため、こうした方々のニーズが高い作業系の仕事の創出に重点を置いてきたということでございます。また、今年の夏以降でございますが、中高年の再就職が厳しくなっているということから、十一月からは県がみずから中高年齢者をターゲットに五百人規模の雇用創出事業を一括発注するという取り組みもしてきております。加えて、この十月ごろから市町村が発注する事業の実施も本格化してきておりまして、ハローワークにおいて、緊急雇用の仕事がまとまって出てきているという声も聞かれるようになってきております。以上のような取り組みが、雇用の底支えに一定の役割を果たしているのではないかというふうに考えております。

 また、今後の恒常的な雇用の創出につなげるという観点からは、ふるさと雇用再生特別基金事業の企画・実施に取り組んできております。例えば、ソフトピアジャパンにおきましてiPhoneの体験拠点「ドリームコア・コレクティブ」というものを開設いたしておりまして、ここではアプリケーションの開発支援を行う「iPhone塾」の開催でありますとか、全国のiPhone関係技術者が定期的に集まることのできる「モバイル・カフェ」といったものを行っておりまして、今や全国のiPhone関係者の間では大変大きな話題になっております。また、JR岐阜駅のシティ・タワー43周辺では、「エキサイト43・ギフ」というテーマでさまざまな試みを実施しておりまして、雇用とにぎわいの創出を図っておるということでございます。

 以上申し上げました二つの基金事業を通じまして、十一月末までに三千四百二十人の雇用を創出しておりますし、年内に予定されております四千八百人分の雇用創出に至るということが見通されております。さらに、アクティブG内の「ジョブライフぎふ」では、生活支援の側面から、生活保護へのつなぎや住居のあっせんなども行っておりまして、先週末時点で延べ四千三百六十六名の利用者を見ております。

 今後の対策でございますが、何といっても企業の体力を強化し、さらには地域経済全体の底上げを図っていくということが大切でございます。その一つは、新たな新商品の開拓ということでございまして、その際に一つの方向としてビジネスモデルを転換し、消費者直結型の商品を取り扱い、高い利益率を確保していくといったことも重要でございます。その例として、先般、楽天との包括連携協定を締結いたしましたが、これはインターネットを活用した消費者への直接販売を目指す取り組みでございまして、実店舗の運営で必要な店舗の借り上げ費用、光熱水費、人件費、中間業者に支払うマージンなどを低く抑えながら、全国の市場、さらには海外の市場をも相手に商売ができるという利点があるわけでございます。

 二つ目は、研究開発や商品デザインの向上ということでございます。午前中にもお話し申し上げましたが、都市エリア産学官連携促進事業による高度医療機器の開発、あるいは知的クラスター創成事業による航空機等に用いる高機能部材の開発など、県内のものづくり産業の強みを生かした取り組みを今進めておるところでございます。また、県のデザインセンターにおきましては、既に陶磁器、家具などでヒット商品も生まれておりますが、商品デザイン開発の支援をやってきております。これをきっかけに、従来の下請生産から脱却をして、オリジナル商品を消費者に直接販売するビジネスへと転換をして、高い利益を上げておるという例もあらわれてきております。

 三つ目は、企業誘致を推進し、地域経済全体のパイを拡大するということでございます。今年に入り、設備投資計画の見直し、先送りといったようなことも出てきておりますが、それでも今年一−六月期の岐阜県の工場立地動向を見ますと、立地件数そのものは減少しておりますが、立地面積で見ますと前年同期を上回り、全国第四位ということで大幅に上昇しておるということでございます。さらに、新エネルギー関連など環境配慮型の産業では業績を大きく伸ばしており、将来的にも大きな成長が期待されることから、これらの分野を重要なターゲットとして全力で企業誘致に取り組んでおるということでございます。

 四つ目、最後でございますが、やはり観光交流を拡大し、観光消費額を増大させるということでございます。従来より、観光は即効性の高い産業というふうに位置づけられておりまして、観光消費をふやすための各般の取り組みをやっていこうということでございます。以上でございます。



○副議長(駒田誠君) 危機管理統括監 河合正明君。

   〔危機管理統括監 河合正明君登壇〕



◎危機管理統括監(河合正明君) 二点の御質問のうち、最初に新たな安全管理体制の構築についてお答えいたします。

 県では、防災ヘリ若鮎?事故検証委員会において、新たな安全管理対策の確立と運航体制の整備を図ったところであります。

 その主な内容としましては、次の四点でございます。一つ目は、運航管理要綱、緊急運航要領、緊急出場手続きマニュアルを、運航管理要綱、緊急運航マニュアルの二つに整理するとともに、新たに安全管理という観点から防災ヘリの運航にかかわる者の責任や安全に関する活動について、必要な事項を集約し明文化した安全管理要領を策定したこと。二つ目は、緊急出場及び活動中止の決定手順について明確化するとともに、リスク回避のための飛行前・経路上・現場においてチェックすべきリスクを明確化したこと。三つ目は、県警と業務が重なる捜索救助活動について、県と県警の間で申し合わせを締結したこと。この中では、第一報受信後に相互連絡し情報を共有すること、受信した機関が対応できないとき、または他方が対応した方が有効であると考えられるときなどに協議することやその手順、北アルプス・白山の局地については原則県警が対応することを決めております。四つ目は、安全管理体制の強化のための操縦士二人体制を確立するとともに、運航に関する防災航空隊長への助言等のための安全管理者を配置したことでございます。現在、この新たな安全管理体制のもとで「若鮎?」による訓練を実施しており、今月中旬以降の緊急運航再開を目指してまいります。

 次に、新たな防災ヘリの導入計画についてお答えいたします。

 防災ヘリの緊急運航については、新たな安全管理体制の構築を最優先としてきたところですが、一方で議員御指摘のとおり、防災ヘリは救急搬送活動や捜索救助活動などにおいて重要な役割を担っており、県民の安全・安心の確保のためには防災ヘリ二機体制が不可欠であると考えております。このため、現在、来年度当初予算での新たな防災ヘリ購入経費の計上に向け、搭載する装備品や財源手当てなどについて検討を行っているところでございます。新たな防災ヘリを購入する場合、納期については、他県の例によりますと発注から納入まで一年程度を要することから、平成二十二年度中の納入を目指してまいりたいと考えております。なお、運航のため必要となる操縦士、整備士の採用についてもあわせて行ってまいります。



○副議長(駒田誠君) 総務部長 武藤鉄弘君。

   〔総務部長 武藤鉄弘君登壇〕



◎総務部長(武藤鉄弘君) 適切な組織体制、人員配置についてお答えします。

 現在、主な現地機関は振興局、保健所、土木事務所など八種類六十六所属ございますが、定員削減を進める上におきまして現地機関の体制を維持したままでは管理職員数と一般職員数のバランスが崩れ、極めて非効率な組織となり、結果として県民サービスの低下は避けられません。こうした事態を回避するためには、組織に一定の人員を確保した上で、ある程度の統合も視野に入れていくことが必要だと考えております。しかしながら、その見直しに当たっては、議員御指摘のとおり、単なる効率化の観点ではなく、県民サービスの低下を最小限にとどめる、あるいは事務を効果的に実施するという観点から、関係者との協議も含め十分検討してまいりたいと思っております。

 次に、来年度に向けた人員配置についてでございますが、現在、総務部において各部局の業務量と執行体制のバランス、あるいは新たに発生する業務や事業終了などにより減少する業務の内容など、各部局の実情を調査いたしております。そうした情報を総合的に勘案して、適切な組織定数を策定してまいりたいと考えております。これまでも、そうした情報の中から、例えば児童虐待事案の増加に対応するため、定数削減を進めている中でありましたが子ども相談センターの職員を増員したというようなこともございます。また年度途中においても、新たな行政需要が発生した場合には、まずは各部局の中で応援体制をとっていただき、それでもなお対応が難しい場合には、県庁全体で増員など臨機応変に見直しを行っております。ちなみに、今年度におきましては新型インフルエンザや防災ヘリコプターの事故への対応に当たって、年度途中で部局を越えて増員を行ったところでございます。今後も、引き続き各部局の実情把握を通じ、より適切な人員配置となるよう努めてまいりたいと考えております。



○副議長(駒田誠君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 臓器移植の状況についてお答えいたします。

 臓器移植としましては、心臓や肺、腎臓などさまざまな臓器の移植が行われております。その中で、行政として把握できる移植数は脳死や心臓死の方からの移植でございまして、県内では腎臓と角膜の移植が実施されております。腎移植に関しましては、議員の御指摘のとおりでございますが、角膜移植は平成十九年度で十件、平成二十年度で九件、今年度は九月までに五件の移植が行われております。

 次に、ドナー拡大のための方策でございますが、まず少しでも多くの県民の皆様が臓器提供意思表示カードへの関心を高め、携帯していただきたいと考えております。このため、保健所や市町村でのカード配布に加え、県立高校や看護学校において臓器移植の講演を行ったり、企業やボランティアの方の御協力をいただき、広くカード配布を行うなどの取り組みを進めております。この秋から岐阜生花市場協同組合や県タクシー協会などが団体として御協力いただけることになり、感謝しております。また、医療機関において、臓器提供者となり得る方の御家族が臓器移植について理解を深めていただくことも重要であり、県内二十六名の方に病院内で説明に当たる臓器提供連絡調整員になっていただき、研修会や連絡会を実施して協力体制を整えているところでございます。



○副議長(駒田誠君) 二十五番 佐藤武彦君。

   〔二十五番 佐藤武彦君登壇〕(拍手)



◆二十五番(佐藤武彦君) それでは通告に従いまして、きょうは四点にわたりまして質問させていただきたいと思います。

 まず、柔軟で効率的な行政運営について行います。

 現在、政府においては行政の無駄についての議論が繰り広げられており、国民も大きな関心を寄せているところでありますが、これまでにも、その時々の無駄、省庁・組織の縦割りがゆえに発生してきた不効率な事業などについて議論がなされ、見直し等も行われてまいりました。例えば、下水処理に係る事業ですが、都市部では国土交通省による下水道事業、農村部などでは農林水産省による集落排水事業や厚生労働省による浄化槽事業というぐあいに、土地の用途指定の線引きにより担当省庁も事業も異なります。地域で一体的な整備をしたいのだけれども、土地の用途指定が異なるため別々の事業を行わなければならないという点で指摘されたことは皆さんも御承知のことだというふうに思いますし、このようないわゆる縦割りの弊害や不効率な事業の進められ方は、随分見直しがされてきたものと感じております。

 しかし、先日、県立高校の建てかえに際し、このような事例がございました。例として挙げました下水の話からは少し飛躍するかもしれませんが、県立高校の建てかえに際しまして、夏場の生徒のことを考えて、PTAの方が冷房を整備したいということでございました。現在、県立高校では冬場の暖房は整備されておりますが、夏場の冷房は認められておりません。今回の高校建てかえでも、暖房は整備されるわけですが、冷房は整備されないため、冷房の整備を望むPTAは、PTAの資金により冷房を整備したいと学校側に申し出たそうでございます。ただ、現在、冷房専用の空調設備というのはほとんどございません。このため、PTAが冷房を整備しようとするならば、当然冷暖房兼用の空調設備、つまりエアコンというものでございます。PTAは、この現状を学校へ説明をするわけですけれども、学校からは別々の設備として整備をしていくとの返事だったようです。同じ建物の中に暖房設備が二つもできてしまうということです。同じ教室の中に。この不効率さ、しかも整備計画の段階から冷房をという声があるのであれば、別々に整備する必要がどこにあるのかという疑問を感じてしまうのは私だけでしょうか。暖房は公費、冷房は私費であり、それぞれ財布が違うところからお金を持ち寄って空調設備を整備することになるわけで、このような前例はこれまでにもなかったかもしれませんし、会計上の問題などもあるかもしれません。しかし、一つの機械をつけた方がどれだけ効率的であるかは直感的には理解できるはずでございます。整備費用や維持経費の負担の仕方については、双方で協議をし、効率的に進めることがなぜできないのか、疑問でなりません。

 ここのところ県の財政状況は非常に厳しいため、経費を抑えるための検討や努力は積極的になされていると思います。その過程で当然無駄であるとか、効率的という点で議論もされておるというふうに思います。しかし、この例のように単純に県の持ち出し分が減らないもの、経費面での負担軽減がそれほど期待できないものであっても、利用者を初めとするいろいろな方からの声、意見に耳を傾け、積極的に効率的な整備手法により柔軟に対応していくことも大切なことであると考えられます。問いかけに対して、最初から規則だからできないとか、前例がないから不可能というのではなくて、何とかできないだろうか、またどのようにすればできるのかという、こういうごく当然の検討は当たり前のようになされることで、よくよく考えてみてほしいというふうに思っております。こういうごく当然な節約というのが民間企業では求められております。行政でも、私は同様なことであるというふうに思っております。ほんの一例にすぎませんが、こうした点、まだまだ県職員の意識改革や、またそれに対する実際の行動が必要ではないかと思いますがいかがでしょうか、総務部長にお尋ねをいたします。

 また、一例にさせていただきました高等学校のケースについてどのように考え、対応されるのか、教育長にお尋ねいたします。

 続きまして、企業誘致について話をします。

 一昨年のサブプライム問題に続いて、昨年九月のリーマン・ショック、そして今年の九月の政権交代による現政権の景気対策の対応不足などで、経済状況は激しさを増しております。大変悪化しております。先月、日本経済はデフレ状態にあると宣言され、加えて急激な円高の進行、日本経済はいまだかつて経験したことのないような状況に陥っています。ようやく昨日、二次補正予算が閣議決定をされたわけですけれども、どうも来年の初めには二番底がやってくる確率がかなり高いんじゃないかというふうに言われております。特に、岐阜県の位置するこの東海地方は、自動車関連産業、電機、金属、航空機産業と、輸出を中心に支えられた産業が集積しております。他地域よりも活発な経済活動、いわゆる好景気に沸いていました。ですから、その反動も大きく、今回の景気後退による影響は他の地域よりも大きいものがあります。税収も落ち込み、非正規社員の雇いどめ等、当県にとってもとても厳しいものがあります。平成二十一年上半期−一月から六月ですけれども−工場立地動向調査によりますと、全国の立地件数は前年同期比で八百二十四件から四百三十四件、四七・三%の減となり、ここ三十年で一番の落ち込みとなっております。立地面積でも、九百七十三ヘクタールが六百三十一ヘクタールへと三五・二%の減となっております。東海地方でも、立地件数は百六十六件が六十七件の五九・六%の減、立地面積は百九十二ヘクタールが九十九ヘクタール、これも四八・五%の減。さらに岐阜県においては、立地件数二十八件が十件、六四・三%の減で、全国十四番目の悪さでございます。ただ、先ほど知事が話をされましたように、立地面積においては三十一ヘクタールが三十三ヘクタールと六・五%増加となり、五ヘクタールを超えるような立地が多くあったと、たまたまなのかわかりませんが、また県サイドの努力の影響もあるかというふうに思いますけれども、いずれにしても企業誘致というのは厳しい中にあるというふうに思われます。

 県の三年間の緊急財政再建期間をにらんで示された行財政改革、いわゆる分科会案では、企業立地促進事業補助金が見直しの対象に挙げられました。企業立地を検討するときに企業側が最も重視する項目というのは、アンケート調査によりますと、本社等自社工場への近接性が一番、それから地価−土地の単価がどのぐらいあるかということですね。それから工業団地であるかどうか、市場への近接性などが上位となり、国・地方自治体の助成とか、地方自治体の誠意、積極性、迅速性などは下位になる傾向がありますが、下位になるといっても、国・地方自治体の助成を「最も重視」と答えた企業というのが百五十七社中五社、また地方自治体の誠意とか積極性とか迅速性を「最も重視」と答えたのは六社ということになり、必要性は私は十分あるというふうに思っております。それから、複数回答ということでアンケートをとりますと、何と行政からの助成が十一位から五位に上がってくるということになりまして、私は立地選択の中で重要な要素になっていると考えております。つまり、いろいろな条件を検討した上で、また検討する上で、補助金の存在は大きいと言えます。企業誘致課によると、現在進行中の立地検討案件が七十件ほどあり、とてもこれから三年間のうちにすべて立地が決定していくことは難しく、あわせて現在の景気動向からも、三年後もまだまだ検討案件が十分残ると考えているようです。ですから、補助金の見直しの影響はないというふうに思ってみえると思うんですけれども、私はいかに現在景気が悪くとも企業というのは常に進歩を目指し、スピード感を持って活動しています。その検討する時点は今かもしれません、あしたかもしれません、来年かもしれませんけれども、その検討する時点で補助金がないとなると、検討すらされない可能性があり、仮に補助金がない期間が三年であったとしても、そのブランクは、私はとても取り戻すことができるものではないというふうに思っております。

 今年度、知事は次世代エネルギーパーク構想の中で、燃料電池・太陽光発電・バッテリー等と電気自動車の組み合わせによる半独立型エネルギー供給システムを構築し、コスト低減やCO2の削減の効果の実証をするとのことであり、こういった再生可能なエネルギー還元の将来性を見据えてみえます。また、アメリカにおいては、この不況の中、景気刺激と環境対策をにらみ、オバマ大統領も提唱しているグリーン・ニューディール政策など、将来にわたり伸びの期待されるCO2削減効果のある環境関連産業は、今後の企業誘致対象にはうってつけのものと思います。また、先ほど話をしましたように、企業が最も重視する立地条件は本社等自社の工場の近くが挙げられています。まず第一に、何が何でも本県に最初に立地をしてもらわなあかんということが重要だというふうに思っております。

 そこで知事にお尋ねいたします。今後、発展が期待される環境及び電気自動車関連の産業を中心とした企業誘致について、補助金を含め幅広く支援をしていく必要があると思いますし、岐阜県は積極的にこの受け入れを推進していくという強いメッセージを発するべきだと思いますが、見解はいかがでしょうか。

 次に、既に県内に立地をしている企業のフォローアップについてお尋ねします。

 現在の不況下では、製造業を中心に減産や雇用調整が余儀なくされており、生産の余剰を抱えた多くの企業では、今後生産ラインの統合や縮小、工場の廃止などが検討されているのが現状ではないかと考えます。それらを最小限に防ぐためにも、企業側の課題の把握と関連情報の提供などはとても大切なことと考えます。検討が進み、廃止・移転などが決定してしまってからでは既に手おくれというふうに思います。そこで、現在県内に立地する企業に対してのフォローアップについて、商工労働部長にお尋ねいたします。

 三点目、長良川中上流域における治水対策ということでございます。

 本年は伊勢湾台風襲来五十周年に当たる年で、各地で防災、水害に対する訓練等が多く行われました。私の地元美濃市においても、九月に防災訓練が行われ、また伊勢湾台風を知らない世代へ被災から学んだ教訓、水害の恐ろしさや災害への備えなどを次世代に伝えるべく当時の被災の写真などの展示もあり、水害の恐ろしさを感じることができたと思います。

 以来五十年、災害のたびに繰り返して行われました対策により、その結果として当時とは比べものにならないほど整備がされてきました。今年の十月七日から八日にかけて、皆さん記憶にあると思いますけれども、ちょうど九月定例会の閉会日でありますけれども、東海地方に襲来した台風十八号も、当初は伊勢湾台風と同じような進路をたどることと、勢力も大型で非常に強いとあって、大変心配されましたが、進路がわずかに東の方へずれたため、大きな被害がなく過ぎました。しかし、今年の七月に関市内においてゲリラ豪雨がありました。時間当たり百ミリを超える、どのぐらいの雨か私もちょっと経験がないんですけれども、五十ミリでバケツをあけたぐらいというふうに言われますから、この百ミリを超える雨というのは相当なものと。最近はこういうことが多くなったというふうに思っております。今後、岐阜県の中央を流れる清流長良川においても、予想をはるかに上回るような事態も十分予想されます。そこで、長良川中上流域の治水対策についてお尋ねします。

 今から五年前、平成十六年の台風二十三号豪雨により大きな被害がありました。岐阜市では床上九十四戸、床下四十六戸、関市、床上百九十八戸、床下百三十三戸、美濃市、床上百八十七戸、床下百八十二戸、郡上市、床上百七十四戸、床下百二十一戸という甚大な浸水被害が発生しました。そこで、長良川床上浸水対策特別緊急事業による治水対策が平成十八年から二十二年にかけての五年間行われております。しかし、この対策は岐阜市の加野地区から美濃市笠神の区間において、床上百九十戸、床下九十七戸を対象とされています。美濃市以北においては、先ほど数字を挙げましたような被害があり、また県の施設でもある中濃総合庁舎の一帯とか、長良川と板取川の合流地点、立花トンネルというのがあるんですけれども、トンネルの中を水が流れたというようなすごい災害、また美濃市の曽代地区に曽代用水というのがあるんですけど、コンクリートの用水が浮くと、恐ろしいことなんですけれども、このような考えられないような被害がありました。そこで、この長良川床上浸水対策特別緊急事業によって美濃市以北の床上、床下浸水対策にどのような効果が期待できるのか、県土整備部長にお尋ねします。

 また、同時に、長良川中上流域における総合的な治水プランについては、長良川中上流域水害対策検討委員会において、県管理区間下流端から郡上市大和町地内の約六十四キロの区間において、長期的な展望のもとで段階的・重点的に整備を行い、河川の治水安全度の向上を図るとなっております。また、岐阜県は、新五流域総合治水対策プランにも中・長期的なビジョンが示されています。しかしながら、いずれの計画も今後三十年程度の中期目標と、それを超える長期目標というふうになっており、それではここに住む住民の人の不安は、私は増すばかりじゃないかなというふうに思います。水害の恐怖というものは、それを経験した者でないとわからないもので、というのは川の近くの人しかなかなかわからんということです。雨が降り水量が増してきて、またその色は茶色に染まり、刻々と水位が上昇し、今にも堤防が壊れるのではないかという恐怖に陥ります。夜になれば、やみの中で濁流の音だけが聞こえます。台風二十三号の豪雨被害から丸五年経過しましたが、いつまたこのような災害に見舞われるかわかりません。そこで、美濃市笠神以北で、この五年間に行われた対策はどんなものがあるのか、また今後、短期的にはどのような対策をされるのか、県土整備部長にお尋ねいたします。

 最後ですけれども、中学、高校におけるキャリア教育についてお尋ねをいたしたいと思います。

 日本経済が今大変な状態にあることは企業誘致のところでも触れましたが、そんな中、来春三月の新卒予定者の就職内定率、きょうの新聞にも日本高等学校教職員組合によるものが書いてありましたけれども、一九九三年調査開始以来の最大の落ち込みになったというふうにありました。岐阜労働局のまとめでは、十月の末時点での本県における高卒の就職率は七三・六%と、いろんな意味で頑張ってみえると思うんですけれども、それでも昨年同期と比べて九・一ポイント低下をしています。この大変な不景気の中で、九・一ポイントならそんなに大きな落ち込みではないと感じている人は多いのではないでしょうかね。しかしながら、実際には企業が高校生を欲しいよという求人数は、前年同期比、何と三千六百二十人減の四千百三十九人、四六・七%減少しています。その上、就職内定者数は二千七百三十七人で、これも九百五十九人減で前年同期比二五・九%の減となっています。要するに、会社からの求人が半分になり、内定者は四分の一も減ったということです。このことからも、希望する求人が少ないということと就職が厳しいということなどから、就職から進学に志望を変更した人が多いとも考えられます。非常に厳しい状況に私は変わりはないというふうに思っております。

 そこで教育長にお尋ねいたします。昨年に比べ、就職氷河期と言われる現状の認識と、就職活動の特別な支援について具体的にどう対処されているのか、またその結果、最終的に昨年のような内定率に三月末なるのかどうか、見通しをお尋ねいたします。

 次に、今日の状況として少子・高齢化社会の到来や産業・経済の構造的変化、雇用形態の多様化、流動化などを背景として、将来への不透明さが増幅するとともに、就職・進学を問わず、進路をめぐる環境は大きく変化をしており、いわゆるフリーターやニートが大きな社会問題となっています。このような状況の中、子供たちが生きる力を身につけ、明確な目標意識を持って日々の学業生活に取り組む姿勢や、激しい社会の変化に対応し、主体的に自己の進路を選択・決定できる能力、そしてしっかりとした勤労観、職業観を身につけ、それぞれ直面するであろうさまざまな課題に柔軟に、かつたくましく対応し、社会人、職業人として自立していくことができるようにするキャリア教育というものの推進が私は強く求められているというふうに思っております。

 皆さん、「七五三」というのは知っていますか。十一月に着物を着ていくお参りじゃないですよ。新卒の就職者の三年未満の離職率、中卒が七割、高卒が五割、大卒が三割という、この頭を取って「七五三」ということらしいんですけれども、就職希望者数が低下したその上に離職率がこんなに高くては、受け入れる立場の企業にとってはたまったものではありません。また、企業側にも景気が悪いということか、十代で社会に出た若い社員を育てるゆとりがなくなっているのが実情だというふうに聞いております。そういうことをかんがみますと、新卒の求人数はさらに減少が考えられます。その上、今の高校のキャリア形成や就職支援は不十分なため、生徒は目的意識が低いまま社会へ出るか、専門学校へとりあえず行くかというようなことが多いようにも思えます。県の教育ビジョンにありますキャリア教育の推進、産業教育の取り組みは、理念としてはすばらしいものがありますが、実際には、また具体的にはどのような取り組みがあるのでしょうか。

 岐阜県の全公立高校のうち、職業学科や総合学科で学ぶ生徒は四四%ぐらいと、全国平均と比べて多くなっています。将来の岐阜県の産業を担う人材の育成という観点から、またものづくり産業が盛んな岐阜県としては、手に職をつけることの重要性についての教育も必要ではないかというふうに思っております。また、多くの生徒が進学を考えている普通科にしても、将来は必ず働くことになることを思えば、キャリア教育の時間を多くとることは必要でありますし、またそれを教える先生の勉強も必要であるというふうに思っております。

 ここで教育長にお尋ねしますが、現在の小・中・高におけるキャリア教育の現状と取り組みについて、特にポイントとしているところをお聞かせください。

 以上、四点についてお尋ねをしましたが、日本社会においても、本県においても、社会構造の大きな転換期ではないかというふうに考えております。今までのような対応では、太陽が西に沈むがごとく、そのような状態になってしまうんじゃないかというふうに思われます。我々も含め、県職員の意識改革はとても大切なことであると思います。自分一人ぐらいならサボってもいいじゃないかとか、そういうような考えを捨て、一人ひとりが周囲の人と協力して、知恵を出し合って取り組んでいただけることを期待して、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私には一点、環境関連産業を中心とした今後の企業誘致ということで御質問がございました。

 まず、前提としての企業の設備投資の動向でございますが、昨年秋以来の世界的な不況に伴いまして、輸送用機械器具製造業、一般機械器具製造業などの業種を中心に、設備投資計画を見直したり、あるいは先送りするケースが増加しております。そうした中にありまして、新エネルギー関連など環境配慮型の産業は、石油価格の高騰や環境に対する世界的な関心の高まりを追い風に、新たな成長産業としてその業績を大きく伸ばそうという動きでございます。実際に設備投資の動向を見ましても、太陽光パネル、リチウムイオン電池製造メーカーなどが、国内あるいは海外におきまして生産拠点の拡大を積極的に進めているところでございます。こうした企業の誘致に向けては、各県とも補助金や税制面での優遇はもとより、工場用地の無償提供、電力供給の優遇など、激しい誘致競争を繰り広げているというのが実情でございます。本県といたしましても、こうした分野の企業をターゲットとして、全力で企業誘致に取り組んでいるところでございます。

 この誘致を効果的に推進するためには、従来型の補助金、税制優遇といったようなアプローチだけではなしに、他県との差別化を図るために、県として新エネルギー政策の積極的な展開を通じまして企業が設備投資を行うにふさわしい地域であるということを強くアピールしていくことが重要ではないかというふうに考えております。御指摘もいただきましたけれども、岐阜県では次世代のエネルギーインフラの姿を他県に先駆けて発信するということで、いわゆる次世代エネルギーパークの整備に取り組んでおるところでございます。燃料電池・太陽光発電・バッテリーと電気自動車の組み合わせによる半独立型のエネルギー供給システムを構築して、コストの低減、そしてまたCO2削減等の効果を実証、公開するという試みでございまして、これも今申し上げました流れの中で、私どもは考えておるわけでございます。

 また、この十月でございますが、岐阜県新エネルギー推進協議会を設置いたしております。ここでは、次世代のエネルギーインフラのあり方、具体的なモデルプロジェクトを検討しておりまして、電力、ガス、石油、電気機器メーカー、自動車会社等々、この環境関連分野に携わる企業の方々に多数御参加をいただいておるわけでございます。こうした協議会を初めといたしまして、さまざまな環境関連施策の取り組みを通じて培ったネットワークを通じて、この岐阜県が成長産業の集積地となるように積極的な働きかけを行ってまいりたいという思いでございます。私自身も、みずからの人脈を生かすことはもちろんでありますが、これまで以上に企業の経営首脳陣に対するトップセールスを行い、先頭に立って企業誘致の推進に努めてまいりたいということでございます。



○副議長(駒田誠君) 総務部長 武藤鉄弘君。

   〔総務部長 武藤鉄弘君登壇〕



◎総務部長(武藤鉄弘君) 県職員の意識改革についてお答えします。

 議員御指摘のような職員の意識改革の必要性につきましては、私も実は常日ごろから感じておりまして、私のところに来る職員に対しましては、機会あるごとに役所の前例や慣習にとらわれることなく県民目線で考えて、おかしいと思ったことや見直すべきと考えたことについては遠慮なく意見を言ってください、また、みんなで考えて改善していこうではないかというふうに話しているところでございます。もちろん、検討の結果としまして、やはり対応が困難ということもあろうと思いますけれども、まずはやってみよう、変えてみようという姿勢がなければ何も変わらないのではないかと思います。

 今年度から、研修の一環としまして、企業経営者などの講師を招き、県職員が外部からどのように見られているのかということにつきましても取り組み始めたところでございますが、こうした取り組みを通じまして、常に県民目線で物事を考え、行動に移すことができる職員を育てていきたいと考えております。



○副議長(駒田誠君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) 私からは、県内立地企業のフォローアップについてお答えをいたします。

 既に岐阜県内に立地しておられます企業へのフォローアップにつきましては、企業の県外への流出防止に加えまして、当該企業の生産施設の拡大、そして取引先などの関係企業の県内への進出を促すためにも大変重要であると考えております。このため、私自身も含めまして職員によります企業訪問を積極的に行いまして、事業活動の状況をお聞きするとともに、行政に対する要望などを幅広くお伺いし、極力その要望におこたえするように努めております。具体的には、従業員向けの研修の実施、そして従業員採用のための合同企業説明会の紹介、さらには工場拡張のための用地のあっせんを行っているところでございます。

 また、新たに進出していただきました企業に対するフォローアップも重要でございます。こうした企業が地域に根づいていただくためには、地域の既存企業との関係強化を行い、良好な事業環境をつくり出していくことが必要であると考えております。このため、進出企業と既存企業とのビジネスマッチングのための交流会を開催し、事業連携や新規取引の創出を促進するといった取り組みも進めているところでございます。この結果、実際に進出企業と地域の−治具の製造企業でございますけれども−新たな取引が始まったというケースも生まれつつあるところでございます。また、こうした取り組みを通じまして地元企業との定期的な交流、そして地域活動への参加が実現するなど、進出企業が地域の一員として着実に定着していただくことを目指して取り組んでいるところでございます。

 今後とも、岐阜県におけます企業活動がより安定的なものとなるよう、既存企業に対するきめ細かなフォローアップにも努めてまいりたいと考えております。以上でございます。



○副議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 長良川中上流域の治水対策について、二点御質問いただきました。

 初めに、長良川床上浸水対策特別緊急事業の効果についてお答えします。

 長良川では、平成十一年、十六年と近年続けて大規模な洪水が発生しています。特に、平成十六年十月の台風二十三号では、岐阜市から郡上市にかけて沿川の至るところで洪水はんらんし、大規模な浸水が発生しました。県としましては、この台風二十三号と同程度の洪水が発生した場合に、浸水被害を軽減するため、被害が甚大であった下流側の岐阜市加野地区から美濃市笠神地区までの間、約十二キロメートルを床上浸水対策特別緊急事業として平成十八年度に事業採択を受け、平成二十二年度までの五年間の予定で、河道掘削工、築堤工、護岸工などの河川改修工事を実施しております。この事業効果としましては、この区間で発生した床上浸水百九十戸を九戸へ、床下浸水九十七戸を九十戸まで軽減させることができます。特に、美濃市以北の事業効果といたしましては、美濃市笠神地区における床上浸水九戸、床下浸水八戸の計十七戸を、床下浸水九戸まで軽減させ、床上浸水はすべて解消させることができます。

 次に、美濃市笠神地区以北の対策についてお答えします。

 過去五年間で県が実施しました対策としては、台風二十三号の洪水発生直後の平成十六年十一月から、美濃市笠神地区から郡上市高鷲町までの区間において河川災害復旧事業や県単独河川改修事業を実施しました。具体的には、被災した護岸を修復するなどの災害復旧事業や洪水時に支障となる旧須原橋の橋脚の撤去、大量の堆積土砂の除去などです。特に河道に異常堆積した大規模な土砂は約十七万立方メートルありましたが、早期撤去及び砂利資源の有効活用を図るため、約十万立方メートルについては、近傍の砂利採取業者にも協力を求め、掘削・撤去を実施しました。また、今後の対策として、平成二十二年度から美濃市立花地区において広域河川改修事業を計画しており、築堤工や護岸工などの河川改修工事を進め、浸水被害の軽減に努めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 三点の御質問がございました。

 最初に、県立高校での柔軟で効率的な行政運営についてお答えいたします。

 議員が一例として示されました高等学校への冷暖房の整備を県とPTAが協力して進めることにつきましては、地方財政法上の制約がございます。一つは、県立学校の建設に係る経費について住民に負担を転嫁してはならないということであり、もう一つは、住民に対して経費の負担を求めてはいけないということ、すなわち、割当的寄附金の禁止でございます。こうした制約がある中、夏期休暇中の補習授業で普通教室に冷房を設置したいというPTAの御要望におこたえするためにどのような整備手法があるかについて、教育委員会として検討してまいりました。その結果、現在では機器をPTAの所有とし、県は校舎への設置を承認するとの手法でPTAの思いを実現できるように取り扱っているところでございます。このようなことから、普通教室には県が設置した暖房機器とPTAが設置したものが併存することになりますが、維持・更新経費や暖房効率を勘案すれば、この手法が現在のところ最善のものと考えております。

 次に、高校生の就職内定の状況と就職支援策についてお答えいたします。

 アメリカの金融危機に端を発した日本経済の景気悪化により、今年度の高等学校新卒者の就職内定状況は昨年度に比べて大変に厳しく、議員御指摘のとおり、十月末現在の就職内定率は七三・六%と、昨年同月比マイナス九・一ポイントとなりました。このような厳しい状況は当初から想定されましたので、県教育委員会としては、例年六月に行っている県内経済団体への求人確保の要請を五月に早めて実施し、八月にも県内経済団体の代表者を県庁に招き、知事、岐阜労働局長とともに、求人確保について重ねての要請を行いました。また、岐阜労働局、県などと共催して、合同企業説明会を開催するなどの対応をしてまいりました。

 各高等学校においては、卒業生の就職先企業を訪問して求人確保の依頼や、各ハローワークと連携して校長みずから企業を訪問して新規求人の開拓など、積極的な取り組みを行っております。そうした取り組みもあり、九月末には四九・九%であった就職内定率が、先ほども述べましたとおり、十月末には七三・六%となりました。しかしながら、依然として厳しい状況にあることから、一人でも多くの生徒が進路を実現でき、最終的に昨年度の就職内定率に近づけるよう、各高等学校の継続的な取り組みとともに、県教育委員会としても引き続き支援をしてまいります。

 次に、小中高におけるキャリア教育の現状と取り組みについてお答えいたします。

 本県のキャリア教育においては、学校での学習だけでなく、地元の企業などでの実体験によって児童・生徒が働くということを直接感じ、そのような体験を通じて将来の職業や生き方についての自覚が促されることを重視しております。県内すべての中学校では、地域における職場での体験学習に取り組んでおり、これにより生徒が働くということを実感し、将来の職業を考えるきっかけとなるようにしております。中学校でのこのような機会を土台として、高等学校ではインターンシップや地元企業の方との交流を通じて、働く意義や自分の進路を考える機会を設けております。

 さらに、専門高校では、社会の即戦力となる人材の育成が期待されております。そのため、例えば工業高校では地元の企業に出向いて実際に働く専門家から技術指導を受けたり、また商業高校では地元の企業や商工会議所と連携して、実際に物を仕入れて販売するという機会を設けたりして必要となる技能を習得するとともに、自分のつきたい職業への理解を深めるようにしております。今後も、子供たちが将来働くことにより社会に貢献できる立派な社会人となるよう、児童・生徒の発達の段階に応じたキャリア教育の充実に努めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 二十五番 佐藤武彦君。

   〔二十五番 佐藤武彦君登壇〕



◆二十五番(佐藤武彦君) すみません。休憩前で申しわけないです。

 先ほど、教育長が最善と言われたでしょう。最善じゃないと思うんですよ。教育長、今、学校の中のそういう決まりでは最善ということですけれども、お尋ねしたいんですけれども、これからそういうことを何とか変えていこうということを検討することを考えてみえませんか、どうですか。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) お答え申し上げます。

 先ほどお答えしたように、本来的に言えば、県立高校の施設整備については、冷房につきましてもそれが必要であるならば県がやるのが本来だと思います。これは、先回の議会でもお答えしたとおり、現下の財政状況の中では、冷房設備を県がやるということはできないというふうに考えております。

 こういう段階で、議員が御指摘になったような問題につきましては先ほど申し上げたような制約もあり、現在考えられるこれが最善の策というふうに考えておりますけれども、事情が変わればいろんな条件も考えるつもりはございますけれども、私としてもこれにかわるやり方があるということであるならば、逆に教えていただきたいというのが本音でございます。



            ………………………………………………………………





○副議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午後三時十八分休憩



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△午後三時四十分再開



○議長(早川捷也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十四番 伊藤秀光君。

   〔十四番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆十四番(伊藤秀光君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、大きく二点についてお伺いをいたします。

 初めに、今議会冒頭で知事が提案説明でも触れられました飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトについてお伺いいたします。このテーマは、先ほどの県民クラブの代表質問で村上先生も質問されました。私は、実際に現地へ行ってきた者としてお伺いをしたいと思います。

 このプロジェクトは、民間関係者との協働による岐阜県ブランディングを軸とした戦略的な海外誘客と県産品の輸出促進につなげることを目的として実施されたものであります。その一環として、八月二十八日から九月三日にかけてシンガポールで開かれました「NATAS Holidays 二〇〇九」−−国際旅行見本市−−への出展と、会場では岐阜県観光セミナー、商談会、交流会等が行われました。また、十一月十六日から二十日にかけて、香港では現地スーパーマーケットでの県産品の販売やレストランにおける飛騨牛のメニュー化記念レセプションなど、またバンコクでは在タイ日本国大使公邸での岐阜県レセプションや岐阜県観光セミナー、商談会、交流会などが行われました。

 私も、香港とタイに参加をさせていただきました。新聞報道でも詳しく紹介されており、その状況は御存じかと思いますが、実際に現地を訪問して感じたことは、県産品フェアが開催された大型ショッピングセンターの「一田YATA」、現地では通称「YATA」と呼ばれていますが、岐阜県フェアを行っている食料品売り場には、既に他県の多くの果物、和牛、野菜が所狭しと並んでいました。飛騨牛のしゃぶしゃぶのコーナーでは、知事みずからが売り場に立ち、配られたことから、お客様の関心も非常に高く、トップセールスの効果の高さ、重要性を感じました。この百貨店では、既に北海道、長野、愛知、和歌山も同様のフェアを行っているとのことであります。この岐阜県フェアでは、ほかにも安八町でとても肌ざわりのいいタオルをつくっておられる業者の方も参加をしてみえましたが、そのタオルは全部売り切れとなりました。

 また、川上先生の紹介で、松村先生と三人で「イオン香港」を視察いたしましたが、こちらも同様に他県産が数多くあり、青森のリンゴ、大分のナシ、福岡の富有柿、北海道のカボチャ、九州産のトマト、ナス、レタスなど野菜・果物のほかに、新潟のコシヒカリ、秋田のあきたこまち、千葉のコシヒカリなど日本米も並んでおり、他県の積極的な取り組み、努力の跡を感じた次第であります。同フロアでは、韓国食料品フェアも開催されていました。

 岐阜県の農産物を海外に売り込み、輸出の促進により生産増加を図り、また海外からの観光客の増加による県内観光地の活性化を図ることは、岐阜県を元気にするためにも、他県に負けないようもっと頑張る必要があると感じました。ちなみに、議場にその一部の写真を配布させていただきました。福岡県の富有柿は二個パックで二十六ドル、残念ですがその写真は入っておりませんが、韓国産の富有柿は三個で十・九ドルとなっていました。そのほか熊本産のメロンは一個九十五・九ドル、青森県産リンゴは一個十・九ドルでした。このドルは香港ドルで、一ドルで先月約十四円でした。

 こうした状況は、バンコクでも見ることができました。バンコク最大級のスーパー「サイアム・パラゴン」で初めて開いた県物産フェアでは、富有柿、イチゴ「濃姫」、岐阜トマト、高賀の森水の販売が行われましたが、同じモールの中で四度目となる新潟県の物産フェアが開催中であり、展示スペースも本県の三倍以上でありました。しかし、バンコク元知事や王室からの参加もいただいたこのフェアは、古田知事、早川議長、全農の大池会長などのトップセールスにより、タイ側にも強烈な印象を持ってもらうことができたのではと思っています。そして、香港、タイ、どちらのレセプションにも、地元の有力者、マスコミ、旅行業者等の多くの関係者が集まってみえ、改めてトップセールスの大切さを感じました。その上、両レセプション会場には、我が大垣市の誇る全国シェア八〇%の木製の升が並べられており、大変うれしく思いました。

 また、偶然にも今週の日曜日、つい先日のことですが、「報道2001」を見られた方も多いと思いますが、高山の英語で話すしにせ旅館のおかみの温かいもてなしの心と本県の進める海外戦略の紹介があり、特にバンコクでの取り組みとして、冬の高山への観光客誘致に向けた知事と高山市長のスピーチも放映されました。全国放送なだけにアピール度も高く、このめぐり合わせに不思議な縁を感じた次第です。

 さて、昨年に引き続いての訪問となった香港の佐藤総領事は、知事が最後に務められたODA局長の後任者であり、タイの小町日本大使は養老町の御出身でもあり、ともに力強い支援をいただきました。知事の持つ人的ネットワークや岐阜県との縁をフルに活用して、県産品の販売拡大と観光客誘客に努めるべきだと思います。新聞報道にもありますように、この交流の成功は今後の継続と工夫にあると書かれてありましたが、全く同感であります。

 そこで知事にお伺いをいたします。香港、タイで行った農産物や観光などのPR活動の成果はどのようなものであったのか。また、岐阜県ブランディングの構築を推進するのであれば、他県に負けないよう、より積極的に取り組むべきだと考えますが、今後、シンガポール、香港、タイのほかにもアジアへの販路拡大に向けた活動を続けていくつもりがあるのかをお伺いをいたします。

 幸い来年春から秋に開かれます上海万博にも、岐阜県もブースを出展されるとお聞きしていますが、躍進著しい中国において、岐阜県じまんの安全な農産物や観光資源をPRするには絶好の機会であると思います。そして、また来年秋にはAPECの中小企業担当大臣の会議が岐阜県で開催されます。アジア太平洋地域の政府要人が多く見えるこうした機会も、岐阜県をPRする絶好の機会ととらえていただき、取り組んでいただくようお願い申し上げます。

 次に、農業施策の振興について伺います。

 我が国の農業政策に大きく影響するWTO農業交渉が十一月三十日から十二月二日まで、スイスのジュネーブで百五十三カ国の閣僚が集まって開催され、赤松農相は、「地域の条件に合った多様な農業の共存が世界の食料安全保障のために必要」との基本理念と、日本の食料自給率が主要先進国中最低水準にあることを説明し、強靱で持続的な農業の生産体制を整備することが必要だと述べられました。しかし、来年二〇一〇年のドーハラウンドに向けて、日本の重要品目、つまり米七七八%、小麦二五二%、バター三六〇%など高関税で守られている品目については、全品目数の原則四%、最大六%という厳しい選択が迫られるものと思われます。

 私は、農業はその国の気候・風土、さらには伝統文化などに根差して発展してきたものであり、その上、国民の命を守るための自給率向上という観点から、また洪水防止、水源涵養などの多面的機能を有する点からも、農産物は工業製品とは異なり、国際的な機関でかんかんがくがくと議論することはなじまない気がしてなりません。また、日米FTAの推進は、多くの農業関係者から批判もあるところですが、国が進める自給率の向上とFTAの推進とは矛盾するところがあり、米やバターなどの関税を撤廃するようなことにでもなれば、多くの農家が農業を継続できない事態が発生し、その結果、食料自給率は大幅に下がり、農地が荒廃し、農地の持つ多面的機能も失われることになります。

 さらに、国内では行政刷新会議の事業仕分けにより農政関係についても厳しい判定がなされ、多くの事業において予算削減が懸念されています。本当に無駄なものなら廃止してもいいと思いますが、その事業を待ち望んでいる地域にとっては大きな打撃を受けることになり、農業の衰退にもつながりかねません。

 こうした大きな流れの中、本県では、ここに持ってまいりましたが(資料を示す)、平成十八年十二月にぎふ農業・農村振興ビジョンを策定し、鋭意努力し、取り組んでおられることと思います。平成二十二年までを対象期間として多岐にわたる目標値を設定し、既に四年を迎えようとしています。この本の巻頭言で古田知事は、「農業は、命の源である安全・安心な食料を生産するとともに、田園風景や豊かな自然を創造し、県民の皆さんに良好な生活環境を提供する根源的な産業である」と述べられていますが、全く同感であります。

 私は、農業の専門家ではありませんが、現場を見つつ、多くの人との出会いと学びから、これまでに何回となく質問をしてまいりました。命の観点からクリーン農業の充実、GM、つまり遺伝子組みかえ種子を使わないこと、そしてBSE発生時にはトレーサビリティーの充実、また環境面では農業の持つ多面的機能への環境直接支払いの提言、豊岡市のコウノトリとの共生のための冬期湛水施策、食育・食農教育の大切さ等々を質問してまいりました。今回は、このビジョンの基本理念である、県民の「食」と県土の「環境」を支える元気な農業・農村づくりを進めていかなければなりませんが、昨今の状況を見ると、WTO、FTAといったグローバルな圧力や政府の農業政策の方向性によっては、食料自給率はもちろん、食の安全も、農地の多面的機能の維持による県土の環境も支えられなくなることを危惧し、質問をさせていただきます。

 さて、このビジョンは、いよいよ来年度が最終の五年目となるわけですが、これまでの間にも、農業従事者の高齢化、担い手不足等々さまざまな情勢の変化があり、それぞれ推進すべき施策が目標に向けて順調に推移しているのかどうか気になるところであります。

 そこで農政部長にお尋ねします。このビジョンに掲げた目標数値に対し、総体的にどのような達成状況になっているのでしょうか、お聞かせください。

 次に、多岐にわたり作成されたビジョンの中から、特に関心のある項目、新規就農者対策、中山間地域への直接支払い制度、農地・水・環境保全対策、耕作放棄地対策の四項目についてお伺いをします。

 先日、大垣のホテルで偶然にも岐阜県農業を担う若手農業者の激励会に出会い、その熱気にとても感動しました。聞いてみますと、次代を担う若手農業者が意欲と希望を持って農業に取り組んでもらえるよう、岐阜県指導農業士連絡協議会が中心となって企画されたとのことでした。新規就農者の意見発表、先輩農業者からの激励の言葉など、とても温かい雰囲気の中で行われた、いい企画だと思いました。

 さて、先ほどのビジョンの中では、新規就農者数は、基準年である平成十六年度の年間四十人に対し、平成二十二年度の目標値は年間八十人となっています。目標年度が来年に迫っていますが、今、リーマン・ブラザーズの経営破綻以来、百年に一度と言われる経済不況が続く中、農業が注目されるようになってきました。テレビ・新聞等でもこぞって農業をテーマに取り上げています。

 私は、質問に際し図書室を訪れ、「強い農業をつくる」「儲かる農業」等、農業関係の書物が多いのにびっくりいたしました。まさに農業にチャンス到来であり、新規就労のチャンスとも感じました。私が読んだ本の中には、「今農業に求められているのは将来の農業を担う生産者をふやすことではなく、経営者を育てることだ」「行政はさまざまな支援を行っているが、就農してからの年間売り上げ、利益ではなく売り上げが、百万、二百万しかなく、志を持って就農した若者も離農していくパターンが少なくないことから、農業法人などが独立後のフォローアップまで含めた人材育成を行っている」とも書かれていました。

 また、「儲かる農業 「ど素人集団」の農業革命」、これがその本ですけれども(資料を示す)、著者の嶋崎秀樹さんは、皆様御承知のテレビ番組「カンブリア宮殿」にも出演された方ですが、菓子メーカーの営業マンから転身し、二〇〇〇年に農業生産法人 トップリバーを設立されました。そして、その年の売り上げ三千七百万円から八年後には十億九百万円を計上するほどの成長を遂げました。トップリバーの特徴は、市場出荷ではなく契約栽培がメイン、農地はすべてレンタル。生産部門のほかに営業部門を持つど素人を集めた農業生産法人であり、また社員の独立支援も行っており、社員が三年から六年で独立を果たせるようプログラムを組んでいるとのことです。嶋崎さんの農業にかける強い信念を感じました。

 本県でも、新規就農希望者に対し、「あすなろ農業塾」や「農業で夢再発見」などの各種研修を実施しているようですが、県財政が厳しい状況下ではありますが、農業を目指す若者が定着しやすいように、より効果的な施策の実施に努めていただくようお願いし、農政部長にお尋ねします。ビジョンに基づき取り組まれた結果、新規就農者はどのような状況になっているのか。また、その方に対して、農業を継続できるようどのような支援を行っているのかをお伺いいたします。

 次に、中山間地域の直接支払いについてお伺いします。

 日本の国土は、作業効率のいい耕地ばかりではなく、むしろ小さな田畑が点在する地域や中山間地域を抱える地域の方が多く、こうした地域では、農地を荒らしてはならないと、地元の担い手たちが利益度外視で米をつくったり景観作物を植えたりしていますが、抜本的な解決にはなっていません。森林の面積が約八割の本県でも状況は同じだと思います。中山間地域は、農業生産、自然環境保全、景観等さまざまな面において重要な地域ですが、耕作不利な条件から農業生産性が低く、農業所得・農業外所得ともに低い状態となっています。また、農村地域は高齢化が進んでいますが、特に中山間地域はさらに高齢化が進んでいます。このような耕地条件の悪さ、高齢化の進行に加え、担い手の不足、恵まれない就業機会、生活環境整備のおくれなどにより、中山間地域の農地では耕作放棄が深刻化しており、このまま放置すれば国全体にとっても大きな損失が生じることが懸念されています。

 中山間地域における農業生産の維持を図り、多面的機能を確保するため、二〇〇〇年に導入されたのが中山間地域等直接支払制度です。この制度は、直接支払いの対象となる農用地において、農業生産活動等を行う複数の農業者等が集落協定を締結し、実施することとなっています。中山間地域での高齢化が進む中、共同作業を支援するこの制度は非常に意義があるものだと思います。

 そこで農政部長にお尋ねいたします。ビジョンでは、平成十六年度の協定締結面積七千九百七十ヘクタールを、平成二十二年度には八千六百ヘクタールにするとの目標が掲げられていますが、現在の達成状況はどのようになっているのでしょうか。また、この制度は、今年度が最終年度と聞いておりますが、来年度以降の継続見込みについてあわせてお伺いをいたします。

 次に、農地・水・環境保全向上対策における営農活動支援についてお伺いをいたします。

 農地・水・環境保全向上対策事業は、平成十九年度に五年間を実施期間として創設された事業です。事業の内容としては、農地や農業用水路等の農村資源を地域ぐるみで守る取り組みを支援する共同活動支援と、この取り組みを行った上で、さらに農薬や化学肥料を五割以上削減した営農取り組みを行った場合に、取り組み農業者へ交付金を交付する営農活動支援の二つの事業により構成されています。以前にドイツや滋賀県の例を出し、農業が持つ環境保全機能への直接支払いを訴えたこともあり、このような支援制度が創設されたことを大変うれしく思いました。

 農薬や化学肥料を削減する取り組みにつきましては、岐阜県においては既に平成七年度から「ぎふクリーン農業三〇」として、農薬、化学肥料を通常の三〇%削減することで推進が図られてきましたが、営農活動支援につきましては、「ぎふクリーン農業三〇」をさらに五〇%にレベルアップを図るもので、大変有効な施策であると思います。

 私は、地域を挙げて環境保全活動や環境に優しい営農活動に取り組むことは、非常によいことだと思いますが、一方で、事務手続が煩雑だとの声も聞かれますので、このあたりの御配慮をお願いしながら、農政部長にお伺いをします。共同活動支援については、ビジョンの中で平成二十二年度の目標面積が三万ヘクタールとなっており、現在約二万二千ヘクタールの取り組み状況となっていると聞いていますが、営農活動支援につきましては何ヘクタールという目標値が明確ではないようです。現在どのような取り組み状況になっているのか、また、今後の推進についてはどのようにされていくのか、お伺いをいたします。

 次に、耕作放棄地対策についてお伺いをいたします。

 二〇〇五年の農業センサスによりますと、我が国の耕作放棄地面積は三十八万六千ヘクタールと、ほぼ埼玉県の面積に匹敵するほどであります。本県でも、二〇〇〇年から二〇〇五年の五年間で約一・九七倍、五千五百二十八ヘクタールとなっています。

 耕作放棄地の一般的な発生原因は、農村地域の過疎化や高齢化による担い手不足、農産物価格の低迷、生産調整による不作付などですが、先ほども申し上げましたように、特に中山間地域では営農条件の不利や高齢化の進行による農地管理・集落機能低下が加速しており、農地の適正な維持管理が困難となっています。耕作放棄地増加は、病害虫の温床や有害鳥獣の隠れ場所となるなど、近隣の農作物に被害を及ぼすだけでなく、その地域全体の活力にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。さらに、耕作放棄地の増加を放置しておくことは、さらなる耕作放棄地を生むという悪循環にもつながっていきます。耕作放棄地の解消への取り組みは、食料自給率の低下をとめ、農地の多面的機能の維持増進のためにも大切な課題だと思います。

 さて、先日、私はここに持ってまいりました(資料を示す)、「考え方、生かし方、防ぎ方 耕作放棄地活用ガイド」という本に出会いました。解消策の一つとして、「牛のすごい農地復元力」という見出しで、放牧なら稲作と同じ労力で十倍の農地管理ができると、農研機構の千田雅之さんのレポートが載っていました。そのほか、岩手県釜石市では、耕作放棄地を解消したい、農業を元気にしたい、地元産の玄そばが欲しいという願いから、行政と農家と食品加工業が知恵を出し合い連携したら、悩みの耕作放棄地がソバ畑としてよみがえり新規就労者まで誕生したことや、ほかにも三重県の熊野市での熊野市地域担い手育成総合支援協議会の活動など、さまざまな有効活動策が紹介されています。ぜひ参考にしていただければと思います。

 この問題につきましては、昨年、県政自民クラブを代表した駒田先生の質問に対し、農政部長より「昨年度中に各地域で取り組む耕作放棄地の実態調査や解消計画の策定を支援しており、今後は、県内各地域で協議会の設立を進め、解消計画に基づく耕作放棄地の再生利用や、牛放牧の拡大等により耕作放棄地の解消を進めていきたい」との答弁がなされました。その結果、現在各地域で耕作放棄地解消に向けたさまざまな取り組みがなされていると思いますが、その中で、対策として効果的と思われる事例はどのようなものがあるのか、農政部長にお伺いをいたします。

 また、先ほどのぎふ農業・農村振興ビジョンでは(資料を示す)、耕作放棄地の活用面積を、平成十六年度の年間三十一ヘクタールから平成二十二年度には年間七十ヘクタールにすると記載されていますが、これまでの達成状況と今後の方針について、農政部長にお伺いをします。

 最後に、今年ほど農業が見直された年はないと思います。元日からスタートした中日新聞の「農は国の本なり」は第五部まで計二十七回連載され、六月二十四日には農地法等の改正が公布され、一般企業の農業への参入が可能になりました。そして、八月七日からスタートした日経新聞の「ニッポンの農力」、先日の十一月二十八日、第三部まで十三回連載されました。私も、農は国の源だと思います。日本の農力、岐阜県の農力を生き返らせるためにも、本県の農業・農村振興ビジョンの着実な実行と次へのステップアップを望むものです。そして、その二つの目的達成にも、海外戦略は重要な課題だと思います。ぜひ知事初め、関係部長のリーダーシップをお願いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私に対しては、飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトについて二点御質問がございました。同一の出来事について、先ほどの御質問との落差の大きさに大変戸惑っておるところでございます。

 まず初めに、今回、香港及びタイをターゲットに実施いたしました海外セールスの成果についてお答え申し上げます。

 今回の香港、タイ訪問につきましては、早川議長、伊藤議員を初め議員各位、土野高山市長、農業関係者、観光関係者など総勢五十名を超える皆様の大変積極的かつ意欲的な御参加を得まして、まさに官民一体となって岐阜県を大いに売り込むいいきっかけとすることができたのではないかと思っております。

 香港につきましては、昨年十一月に実施しました飛騨牛等の売り込みのフォローアップを、タイにつきましては、新たな市場開拓を目的とし、現地において四季折々の自然や温泉、滝、雪などの観光資源とともに、農産物、工芸品など、本県の魅力を存分にPRしてまいりました。その結果、香港では、大型ショッピングモール「一田YATA」で、昨年に引き続き開催しました岐阜県産品フェアが大変好評で、今後も定期的に開催していきたいということでございました。また、安八のタオルに触れておられましたが、その売れ行きにも大変現地が驚いておりまして、岐阜タオル展をやりたいという御提案もございました。

 また、飛騨牛推奨店として三店目となるレストランを開拓したほか、食品流通大手の商社「四洲集団」から高賀の森水の大幅な販路拡大のお約束をいただくなど、県産品ビジネスの継続・拡大を図ることができました。この四洲集団の会長さんは、高賀の森水を香港一の水にしたいというところまでおっしゃっておられたわけでございます。

 一方、タイ・バンコクにおきましては、岐阜県フェアで農産物、特にイチゴ「濃姫」や富有柿が人気を博し、早速、同フェアの継続開催の御要請をいただいております。また、オープンしたばかりの最高級ホテル、センタラ・グランドの日本食レストランでは、岐阜県の観光情報を発信しつつ、飛騨牛のメニュー化を検討していただけることになりました。また、観光セミナー及び商談会には、予想を上回る百名以上の旅行業者やマスコミに御参加いただき、タイ旅行業協会会長からは、来年度の岐阜への観光客を二〇%アップすることを明言していただきました。さらに、商談会に参加いただいた現地の旅行業者から県内観光事業者に対し、タイの正月に当たる四月に高山を訪問する二百四十名のチャーター旅行や、郡上を訪問する年間を通したツアー造成など、多くの引き合いがあり、商談が開始された商品や、既に成約に至った商品も生まれていると伺っております。また、現地で伺いましたが、タイのバンコクから高山へのお客さん、四、五年前はゼロ、一昨年四千五百人、昨年は九千人ということで急増いたしております。また、私どものバンコクからの帰りの夜行便のフライトでございますが、七十名の高山行きのツアー客が乗っておりました。まさにそこにマーケットがあるとの印象を強くしたわけでございます。

 また、先日、海外に今回参加された方々から、改めてお話をお伺いする機会がございましたが、「現地へ行ってみて、岐阜県のさまざまな観光地や県産品の評価が高いことを改めて実感し誇りに思った」という声や、「セールスだけではなく、その背後にある伝統や文化などについても理解を得るよう努め、交流の始まりとして大変よかった」との感想が聞かれました。

 また、タイでは、県人会が今回の訪問を機会に再構築されたわけでございますし、また香港では、昨年秋の訪問以来、県人会が活動を再開しております。海外にあって、ふるさと岐阜に思いをいたしておられる方々が、本県の今後の活動への強力なサポートをしていただけるということになりましたのも、訪問の成果と言っていいんではないかというふうにも思っております。

 こうした現地での成果に加え、参加された県内の事業者の皆さんとの間に、改めてふるさと岐阜県のすばらしさを誇りに思う気持ちと、新たなる交流の礎となる確かな手ごたえを共有できたのではないかというふうに感じております。

 なお、「報道2001」に触れておられました。私もこの日曜日に拝見した次第でございます。この番組のコメンテーターのまとめの言葉として「観光は成長産業である」「岐阜にはリアルジャパンがある」というふうに締めくくられましたが、このことに私としては大変我が意を得た思いでございました。

 次に、今後の展開について、お答え申し上げます。

 国内市場が縮小傾向にある中で、海外市場の開拓は本県の活力を維持していくために必要不可欠な取り組みであり、中でも経済成長が著しいアジア地域は大変有望な市場と認識しております。一方で、議員御紹介のとおり、これらの市場へは既に他の県、国も積極的売り込みを展開しております。まさにグローバル競争でございます。この激しい競争に打ち勝ち、市場を開拓していくためには、これまで以上に官民が協働して観光・食・物を一体化させて売り込む、岐阜県ならではの戦略を効果的・効率的に展開する必要があり、何よりも本格参入のチャンスを切り開いた市場に対して、継続的に顔の見えるプロモーション活動を展開していくことが重要と考えております。そのため、引き続きアジアを主要ターゲットにして、民間事業者の皆様と連携し、これまでの取り組みのフォローアップを丁寧に進めていくと同時に、今後は、将来の有望市場と言われておりますマレーシアやインド、あるいは隣国でありながらまだまだ取り組みの余地のある韓国、中国、台湾などの市場開拓についても具体的戦略を検討してまいります。

 特に、来年開催される上海万博は、成長著しい中国の富裕層に対し、本県を直接アピールできる絶好の機会ととらえております。そこで、早い時期から中国のメディアにアプローチしつつ、十月末の万博出展参加とあわせて地元百貨店での県産品展示会の開催、見本市への出展参加などを展開し、多面的に岐阜県を売り込んでいきたいというふうに考えております。

 また、同じく十月に岐阜市において開催されますAPEC中小企業大臣会合におきましても、会議出席のために各国から来県される方々に対しまして本県の魅力に触れていただく機会を設けるなど、一連の取り組みを通じて、アジアにおける岐阜ブランドの確立を目指してまいります。

 以上、いろいろ申し上げましたが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、厳しい財政事情のもと、必要最小限のコストで最も効果が上がるように精査をしていかなければならないことはもちろんでございます。



○議長(早川捷也君) 農政部長 馬場秀一郎君。

   〔農政部長 馬場秀一郎君登壇〕



◎農政部長(馬場秀一郎君) 私の方には、農業振興施策につきまして五点の御質問をいただきました。順次お答えを申し上げたいというふうに思います。

 まず最初に、ぎふ農業・農村振興ビジョンの達成状況についてでございますけれども、本県農政の指針でございますぎふ農業・農村振興ビジョンは、平成十八年度に策定し、来年度が計画期間の最終年度となります。御質問にありました達成状況につきましては、最新の実績で評価を行った百八十一指標のうち目標を達成できた指標は九十二指標であり、達成率は五一%となっております。主要指標の中では、ぎふクリーン農業生産登録面積が達成率一三一%、農業集落排水施設等の整備率が一〇〇%、農林業・自然体験者数が三一二%と目標を大きく上回るものがある反面、認定農業者数は八一%、大区画圃場整備面積は六六%と目標が達成できていない状況となっております。これらの未達成な指標につきましては、達成できない要因を詳細に分析しますとともに、個別事業を検証し、目標達成に向けて関係機関と連携しながら、より効果的・効率的な施策の推進に努めてまいります。

 次に、ビジョンに掲げます重要施策につきまして、四点の御質問がございました。

 最初に新規就農者対策についてでございますけれども、平成二十年度の新規就農者数は六十三人であり、最近の十年間では初めて六十人を超え、就農希望者のレベルに応じた研修の実績などにより一定の成果が得られていると考えております。これらの就農者は、就農後も農業経験が浅く、営農資金が不足しているなどの課題がございます。このため、農業改良普及センターによる個別指導や研修会の開催等により技術面での支援を重点的に行うとともに、資金面においては無利子での貸し付けを行う就農支援資金のほか、本年度、国の補正予算により新たに創設された新規就農定着促進事業や県単の飛騨・美濃じまん農産物育成支援事業などの活用により、機械・施設の導入に対し支援を行っているところであります。今後も関係機関が一体となった支援体制の充実を図り、ビジョンに掲げます平成二十二年度の目標、新規就農者年間八十人に向けまして努力してまいります。

 次に、中山間地域への直接支払制度についてでございます。

 中山間地域等直接支払制度につきましては、制度の趣旨と実施効果が浸透し、平成二十一年度の見込みでは、協定締結面積八千五百六十五ヘクタールで、ビジョンに掲げます平成二十二年度目標八千六百ヘクタールに向け順調に推移しており、集落活動の活性化と耕作放棄地発生防止などに大きな効果を上げているところでございます。本制度につきましては、本年度で十年が経過し、第二期対策が終了しますが、実施市町村すべてが事業の効果を高く評価しており、また農業関係団体からも制度継続等の要望を受けているところでございます。県としましても、制度の継続とともに、小規模・高齢化集落でも取り組むことができるような新たな仕組みを国に要望しており、国の概算要求及び先般の事業仕分けの状況から、団地要件の緩和や高齢化農家が参加しやすい制度として継続することが見込まれております。

 次に、農地・水・環境保全向上対策についてでございますけれども、この農地・水・環境保全向上対策の営農活動支援の取り組み状況についてでございますが、初年度の平成十九年度は十四市町二十九地区で四百五十四ヘクタールの取り組みであったものが、本年度は十五市町三十二地区で六百十二ヘクタールでの取り組みが見込まれております。農薬・化学肥料の五〇%削減という要件があり、取り組み面積、取り組み地域はまだまだ限定的なものとなっておりますが、年々着実に拡大してきております。

 一方、収量や品質が不安定になることや事務手続が煩雑であることなどの課題もあり、今後は農業改良普及センター、市町村、関係団体が連携し、栽培技術や事務手続に対するサポート体制を一層強化し、さらなる取り組み面積の拡大に努め、県土の環境を守る営農活動が広く普及するよう、ぎふクリーン農業と一体となった推進を図ってまいります。

 最後に、耕作放棄地対策についてでございますけれども、耕作放棄地解消の取り組みといたしましては、農地再生活動の機運を盛り上げ、県民に広くPRするため、農業会議等と連携し、去る十一月六日から二十五日を「農地イキイキ再生週間」と命名し、県下九カ所で一斉に耕作放棄地を解消する活動を実施いたしました。この中には、農外企業参入による解消活動や獣害に強い薬草の植えつけなど、他地域のモデルとなる取り組みが行われたところでございます。平成二十年度の耕作放棄地解消面積は五十五ヘクタールとなっており、ビジョンに掲げます平成二十二年度目標の七十ヘクタールに向けて、今後は国の交付金等を活用し、市町村、農業団体等で構成する地域耕作放棄地対策協議会と連携した再生活動を進めるとともに、農外企業の参入などに取り組んでまいります。



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) お片づけの途中に大変異例でございますが、一点、答弁を申し忘れたことがございまして、異例ではございますが、お許しを得て申し上げさせていただきたいと思います。

 あるいは、お気づきの方もおられるかもしれませんが、今、傍聴席にシンガポールから二十五名の中学生の方々がおいでになっておられます。この方々は、きょう県庁訪問、そして県議会傍聴ということで、これから岐阜を見て回られるわけでございますが、きょうは岐阜市内、羽島市内でホームステイをされることになっております。実は、このシンガポールの中学生の方々の教育観光といいますか、教育旅行といいますか、これはこの九月の横井副知事のミッションの直接的な成果でございます。これも御報告させていただきたいと思います。

   (拍手)



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○議長(早川捷也君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は、午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時二十五分散会



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