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平成21年  6月 定例会(第3回) 07月03日−04号




平成21年  6月 定例会(第3回) − 07月03日−04号









平成21年  6月 定例会(第3回)





△議事日程(第四号)



                    平成二十一年七月三日(金)午前十時開議

第一 議第百五号から議第百二十六号まで

第二 請願第四十二号及び請願第四十三号

第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百五号から議第百二十六号まで

一 日程第二 請願第四十二号及び請願第四十三号

一 日程第三 一般質問



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△出席議員    四十六人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   酒向 薫君

   九番   山本勝敏君

   十番   松岡正人君

  十一番   篠田 徹君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   小原 尚君

  十七番   水野正敏君

  十八番   横山善道君

  十九番   脇坂洋二君

  二十番   野島征夫君

 二十一番   高橋昌夫君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   平岩正光君

 二十五番   佐藤武彦君

 二十六番   森 正弘君

 二十七番   小川恒雄君

 二十八番   村下貴夫君

 二十九番   大野泰正君

  三十番   矢島成剛君

 三十一番   岩花正樹君

 三十二番   野村保夫君

 三十三番   足立勝利君

 三十四番   笠原多見子君

 三十五番   洞口 博君

 三十六番   渡辺 真君

 三十七番   渡辺猛之君

 三十八番   駒田 誠君

 三十九番   藤墳 守君

  四十番   平野恭弘君

 四十一番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          洞田律男

 総務課長          山田季成

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    小石明己

 同    課長補佐     所 雄治

 同    課長補佐     副島雅浩

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     市橋 晃

 同    課長補佐     野村義孝

 同    課長補佐     篠田雄一朗

 同    主査       桂川義彦

 同    主査       横山幸司



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           西藤公司君

 副知事           横井 篤君

 会計管理者         渡辺敬一君

 秘書広報統括監       齋藤 彰君

 危機管理統括監       河合正明君

 総務部長          武藤鉄弘君

 総合企画部長        上手繁雄君

 環境生活部長        古田常道君

 健康福祉部長        冨田成輝君

 商工労働部長        江崎禎英君

 農政部長          馬場秀一郎君

 林政部長          森  勝君

 県土整備部長        金森吉信君

 都市建築部長        藤山秀章君

 ぎふ清流国体推進局長    近藤 登君

 観光交流推進局長      古田菜穂子君

 研究開発総括監       清水聖幸君

 農政部次長(全国豊かな海づくり大会担当)

               高木 等君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     後藤弘之君

 労働委員会事務局長     河内宏彦君



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△七月三日午前十時開議





○議長(早川捷也君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(早川捷也君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。九番 山本勝敏君。

   〔九番 山本勝敏君登壇〕(拍手)



◆九番(山本勝敏君) 皆さん、おはようございます。三日目のトップバッターと、大変いい時間帯をいただきました。ありがとうございます。

 今回は、三項目質問をさせていただきます。

 一項目めは、教員の人材確保、二項目めは、植物工場の普及、三項目めは、ぎふ清流国体・清流大会への取り組み、それぞれについてお伺いをいたします。

 一項目め、教員の人材確保について。

 教育の重要性は今さら語る必要はございませんが、日本人の心が病んでいる、子供たちが何か変わってきていると感じるのは、きっと私だけではないと思います。大げさではなく、日本の教育を今から変えていく必要がある。この先五十年かけてでも、百年かけてでも変えていく必要があると感じております。

 教育は、家庭教育、学校教育、そして地域での教育というふうに言われます。私自身も、二人の小学生の子供を持つ親として感じますのは、その中でも、学校教育ではなく、家庭での教育が一番大事だというふうに感じております。至らない点が多くございます。そして、親としての責任を日々感じております。

 教育の中では、私は家庭教育が一番大事だと思いますが、教育は幅が広うございます。今回はその家庭教育は置いておきまして、学校教育に絞って、その中でも教員の人材の確保に絞って御質問をしたいというふうに思います。

 まず、岐阜県内での教員の配置について、簡単に御説明をしたいと思います。

 教員が新たに採用されます。採用されますと、その教員は、自分の地元ではなく、ほかの地域にまずは配属をされます。例えば、岐阜市出身の、岐阜市が地元の方、教師になられますと、例えば東濃地域にまず配属をされ、東濃地域が地元の方は、最初は西濃地域に行かれたりすると、そんなぐあいになります。そして、経験を積んでこられますと、最後は自分の地元に帰ってくる。ですから、例えば東濃に行っていた岐阜の先生は、岐阜市に帰っていく。西濃に行かれていた東濃の教師は、東濃に帰っていくというようなぐあいです。

 そうしますと、各地域ごとに見てみますと、若手とベテランという言い方をしますと、若手の先生はその地域御出身ではなく、ほかの地域から来られた先生が大半です。そして、ベテランの先生がその地域出身の先生ということになります。これは、キャリアアップですとか、人事の交流とか、その先生の私生活などを考えたものだと思います。

 ここからが問題です。例えば東濃地域、ここは岐阜県の教員になる方が大変少ないようであります。これは、データとしては出しにくいんですが、県に聞いても、市に聞いても、現場の先生方に聞いても、間違いなく東濃地域は岐阜県の教員になられる方がどうも少ないと。そうしますと、どういうことが起こるか。先ほど言いましたように、ベテランの先生が地元です。そうすると、地元出身の先生がもともと少ないわけですから、ベテランの先生が少なくなります。東濃地域などではベテランの先生が少ないと。そうしますと、その分若手の先生をほかの地域から来てもらって、そして助けていただいているということになります。東濃ではベテランが少なくて、若手が比較的多くなる。逆に、岐阜市の方を見ますと、先生のなり手、岐阜県の教員になる方が多いそうです。そうしますと、逆のことが起こりまして、ベテランが多くなって若手が少なくなるということになります。

 このように、現状では、地域によってベテランの先生と若手の先生のバランスが違っているということです。東濃と岐阜の例でお話をいたしましたが、ほかの地域でもそれぞれ傾向がございます。決して東濃が悪くて岐阜がいいということではございません。それぞれメリットもあれば、デメリットもあるということです。ただ、できるだけベテランと若手のバランスが県下全体で平準化する必要を感じます。

 どうしてこういうことになるのか。東濃地域を初めとします愛知県に隣接した地域は、岐阜県の先生にならずに愛知県の先生になる方がどうも多いようであります。交通の便ですとか、そしてもともとの土地柄、そして教員の処遇の違いもあろうかと思います。岐阜県へ行かずに愛知県へ行ってしまう。

 もう一つは、もともと先生になろうという方が少ないのかもしれません。絶対量が少ないのかもしれません。いずれにいたしましても、東濃のような岐阜県の教員のなり手が少ないところというのは、結果的にベテランの先生が少なくなってしまう、それによって県下全体のバランスも崩れるということになります。

 では、どうすればいいのか。一つの考え方としては、岐阜県全体で満遍なく教師を採用すると。例えば、地域ごとに採用枠をつくるというようなことも考えられなくはないんですが、いろんな課題が多うございます。

 では、どうするのかということですが、二つです。

 一つには、先生になろうという学生を、絶対量をふやすということです。例えば、高校のときから教員を目指すための学科を新設するというようなことも一つ手かもしれません。そして二つ目は、先ほど言いましたように、愛知県のほうに、ほかの県に行かれてしまいますので、岐阜県の中の教員志望者の方はぜひ岐阜県の教員になってくれというような働きかけをすることだと思います。岐阜県で生まれ育って、岐阜県で働く、地元の子供たちのために働くと、そういう先生が今以上にふえていただけることを望んでおります。

 そこで、教育長に御質問をいたします。

 教員の人材確保について、県内の教員志望者をふやすこと、そして岐阜県で生まれ育った教員志望者には岐阜県の教員になっていただくことが重要だと思いますが、そのための取り組みについて、お考えをお伺いいたします。

 二項目め、植物工場の普及について。

 植物工場、ちょっと聞きなれない言葉ですが、植物工場なるものが、今日本国じゅうで約五十カ所ございます。植物というのは、野菜など食料となる植物。工場ですから、建物の中でその野菜、植物を栽培する、いわば農業の工業化ということです。建物の中で植物に光を当てる。蛍光灯ですとか、高圧ナトリウムとか、LEDとか、温度管理をする。空調の管理です。そして、栄養を与える、養液を供給する、いわゆる水耕栽培のようなことをするわけです。こうやって人工的に栽培環境を制御すると。季節を問わず連続的に生産をするということです。作物としては、レタスとかホウレンソウ、ミズナなどのいわゆる菜っぱものが今のところ中心です。トマトとかイチゴなどもあるようです。

 少し事例をお話しいたします。その五十カ所の中には、大手企業もありますし、中小企業もございます。大手企業ですと、キューピーですとかカゴメの関連会社などの食品メーカーもございますし、ゼネコンですとかエレクトロニクスメーカーなども参入をしております。中小企業ですと、十人前後の会社もございます。規模も数十坪という規模から何千坪という規模もございます。そして、空き店舗を利用したものもあれば、本格的な工場みたいなものもあります。やり方は大きく二種類です。人工の光だけを使う完全人工光型、そして太陽光と人工の光を両方使う太陽光併用型の二種類の方法があります。

 もう少し具体的に、一つ御紹介しますと、小さい規模の事例をお話ししますと、千葉県松戸市にある植物工場、ここは七人で会社を運営されています。商店街に近い三階建てのマンションの一階の店舗部分を活用されています。そこで、二十坪で、人工の光を使って、レタスとかサンチュなどを栽培されています。おもしろいのは、ここの場合、奥の二十坪で栽培をして、通り沿いの表の店舗でそのまま販売をしていると。生産と販売が一体化しているというところです。実は先日、私もこの現場を見がてら、レタスを買ってきました。食べました。おいしかったです。

 ここで、植物工場の特徴をまとめます。十点ございます。

 まず一点目、一年じゅう安定的に生産ができます。季節や天候に左右されません。二点目は、工業団地や商店街の空き店舗など、農地以外でも設置ができます。場所を選びません。既存の建物をそのまま利用もできます。三点目は、多段化で土地を効果的に利用できます。多段化とは、一般の露地栽培は当然平面的につくるわけですけど、植物工場の場合は、棚のようなところに何段も積んで、縦に栽培をすると。例えば、これは十段積みますと面積効率が五十倍になると、先ほどの松戸市の会社などではおっしゃっています。四点目、自動化や多毛作で、高い生産性が実現できます。レタスを年二十回収穫する、二十毛作というようなこともできます。五番目、形や大きさ、品質がそろうので、加工が容易です。六点目は、栄養素の含有量を高めることが可能です。例えば、レタスのミネラルとかビタミンC、通常の二倍から三倍と。ここも先ほどの松戸市の例であります。七点目は、無農薬で安全・安心な農産物の提供ができるます。建物の中ですから、害虫をシャットアウトすることができるわけです。場合によっては、洗わずに食べることもできます。八点目、作業の平準化が容易で、農業初心者の雇用が可能です。九点目は、周年雇用もできます。年じゅう仕事がある。十点目は、快適な環境です。高齢者や障がい者の就労が可能になります。

 当然、課題もございます。四つほど述べますと、一番はコストです。エネルギーコスト、そして設備投資。二番目は、栽培技術の問題。オランダが先進地ですが、今のところ日本ではまだオランダの生産性の半分ぐらいです。三点目は、栽培技術と施設管理の両方の技術が要る。それを両方あわせ持った人材は不足をしている。四点目は、生産できる品種や作物が限定をされている。確かに課題もございます。

 では、なぜ今、この植物工場なのかということを簡単にお話ししたいと思います。植物工場の意義を食料と農業の現状から考えますと、こういうことが言えます。

 一つ目、食料自給率。日本の食料自給率は四〇%、岐阜県は二五%。当然もっと上げていく必要があります。しかし、農地の問題もありますし、担い手、高齢化が進んでおります。そういう中にあって、植物工場は食料自給率向上の切り札になるのではないのかなあというふうに思います。農地は、先ほど言いました植物工場なら場所を選びません。担い手、これも植物工場なら、農業の初心者、高齢者、障がい者の方々の就労も可能になってくる。

 二つ目は、担い手の問題。もう少し詳しく言いますと、例えば、岐阜県農畜産公社への就農相談、農業につきたいという相談は、十九年度では百九十八件、二十年度で三百七十四件と倍増をしています。農業に関心がある人、農業を始めたい人が確実にふえています。しかし、就農に必要な知識や技術が十分でない方が多いようであります。ですから、実際に新規に就農をされた方は、ここ四、五年は五十名前後であります。農業の担い手になるのは大変難しい。ただ、この植物工場なら大丈夫ということです。もちろん、これが雇用の創出にもなり、地域経済の活性化にもつながってくる。

 三つ目は、食の安全です。昨年頻発しました食品偽装問題によりまして、食の安心・安全の関心が高まっています。そして、消費者の国産志向が高まっています。少々高くても、安全なら買おうという傾向が出てきております。植物工場なら、洗わずに食べられるくらいの安全管理が可能になってくる。健康志向も高まっています。植物工場なら、栄養たっぷりという栽培もできるわけです。

 このような背景から、今植物工場が注目をされてきております。注目をされてきておりますので、国も本腰を入れてきております。農林水産省と経済産業省による農商工連携研究会というものが昨年末に発足をいたしました。その研究会のもとに植物工場ワーキンググループが設置されまして、植物工場への支援策などが提言をされました。そして、今年度の国の補正予算では、九十六億円で植物工場普及・拡大総合対策が新規に採択をされています。内容としましては、農業者団体がつくる植物工場の施設・装置の二分の一補助ですとか、民間企業がつくる植物工場の施設・装置のリース物件価格の二分の一補助などであります。目標も設定されています。農水省の目標によりますと、今後三年間で生産コストを三割減らそうと。そして現在ある五十カ所を百五十カ所、三倍にしようという目標が立てられています。

 県レベルでも取り組んでいるところがあります。青森県、ここでは「あおもり農工ベストミックス新産業創出構想」というものに取り組み、既にその中で植物工場の推進を図っていらっしゃいます。一方、岐阜県ではこんな話を聞きます。岐阜県内のある鉄工所が、先ほどの松戸市の植物工場に視察に来られたと。お話を聞くと、どうも空きスペースの活用をお考えだったようだと。ある陶磁器メーカーでは、新しい事業として植物工場を検討したいという話もお聞きいたしました。

 それから、これはアイデアですが、タイルメーカーの工場で、植物、野菜を栽培したらどうかと。トンネル窯が、例えば四本あります。今景気が悪うございまして、そのうち例えば二本とまっています。とまっている部分のスペースを活用して、そこで野菜を育てます。隣で二本動いている、これは二十四時間動いていますので、その余熱を利用してこちらの野菜を育てたらどうかというようなアイデアをお話しされている方もいらっしゃいます。このように、県内の既存企業の新しい事業として、大いに可能性があると思います。

 そしてもう一つは、企業の誘致という観点でも、ぜひこの植物工場を視野に入れていただきたいと思います。自動車関連、今現在は新規立地は難しくなっている。それに対して、食料品ですとか医薬品関連は景気変動の影響を受けにくいので、まだ設備投資が好調であります。よって、企業誘致課では、食料品や医薬品関連などの企業誘致を重点的に推進するというふうに聞いております。重点分野として、その食料品の中の一角として、植物工場というものの誘致も考えていただきたいと。ちなみに植物工場でできた植物、野菜は、医薬品になっていく可能性もあり、今後そういうことも研究をされていくと。食料品と医薬品、その一角として植物工場の誘致も考えていただきたいと思います。

 まとめますと、県内でこの植物工場をぜひ普及させていただきたい。先ほど言いましたように、既に県内にある既存企業の新規事業として、それから県外からの誘致、そして農業団体の新しい取り組みとして、形はさまざまでしょうけど、いずれも意義深いと思います。食料自給率向上、食の安全、雇用の確保・創出、そして空きスペースの活用と、地域経済の活性化、そんな意味で意義が深いものだと思います。普及のために、まだ知られていない植物工場の宣伝をお願いしたいと思います。そして、実際の事業運営のためのサポートをお願いしたいと思います。

 実は、この植物工場は私にとっては十年ほど前から気になっていたテーマであります。機が熟しまして、きょう、こうやって質問できますことを本当にうれしく思います。

 そこで、研究開発総括監に質問をいたします。県内での植物工場の普及にどう取り組むか、お聞きいたします。

 三項目め、ぎふ清流国体・清流大会への取り組みについて。

 ぎふ清流国体とぎふ清流大会の開催が、来週、七月八日に正式に決定いたします。岐阜県での国民体育大会の開催は四十七年ぶり、実に半世紀に一度のビッグイベントです。また、ぎふ清流大会となります全国障害者スポーツ大会は、昭和四十年に国体を開催しました岐阜県で第一回が開催された全国身体障害者スポーツ大会と、平成十二年に岐阜県で最後の大会が開催されました全国知的障害者スポーツ大会が統合された大会です。関係団体の皆様におかれましては、大会の成功に向けて決意を新たにしておられることと思います。また、両大会への出場を目指しておられる選手の皆さんも、日夜練習に励んでおられることと思います。

 ところで、スポーツ界では、今年、大変うれしい話題がありました。一つは野球。WBC「侍ジャパン」が大会二連覇をして、日本全土が熱狂しました。もう一つは、サッカー日本代表。ワールドカップ南アフリカ大会最終予選で本大会出場を決めました。来年の今ごろは、サッカーワールドカップで日本じゅうが盛り上がっていることだろうと思います。

 このように、スポーツには人に夢と希望を与え、社会を明るくする力がございます。平成二十四年に開催されますこの二つの大会におきましても、岐阜県選手団が活躍し、県民の皆さんに希望や勇気を与え、岐阜県全体に大きな活力が生まれるものと期待をしております。そのためにも、岐阜県全体で両大会を大いに盛り上げて、合い言葉にありますように、だれもが主役となって大会を支えていく必要があると思います。

 さて、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会には、全国から合わせて約三万人の選手や監督が集まってくると聞いております。競技会に出場する選手に対し、安全で快適な環境を提供することが、準備を進める側にとって最も重要な点であると思います。

 例えば、一つには、競技会場となる施設の整備です。財政的な負担は大きいと思われますが、必要な整備は着実に進めることが必要だと思います。二つ目には、宿泊です。国体出場経験者の話をお聞きしますと、宿泊についての印象を口にされます。大会への出場とともに、開催地に宿泊した思い出が何年たっても記憶に残るようであります。大会への出場が、選手にとってすばらしい思い出になるように、また岐阜県に対する理解が少しでも深まるように、ぜひともすべての選手や監督に、岐阜県内に泊まっていただくための宿泊施設を確保する必要があると思います。当然、これが県内の地域経済の活性化につながってくると思います。

 開会式まで、あと三年余りです。そこで、二点お伺いをいたします。

 一点目は、開催の正式決定を機に、開催機運を一層高めていく必要があると思いますが、どのような取り組みをしていかれるのか、これは古田知事にお伺いをいたします。

 二点目は、具体的な開催準備として、競技施設の整備と宿泊施設の県内確保が重要な課題と考えます。これらの点について、どのように取り組んでいかれるのか、ぎふ清流国体推進局長にお伺いをいたします。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催機運の盛り上げということで、私に御質問をいただきました。この国体に関する御質問は今議会では初めてでございますので、御質問自体がこの盛り上げの一つのきっかけになるのではないかと思っております。

 また、お気づきの方もおられるかもしれませんが、きのうの岐阜新聞の素描に、私どものぎふ清流国体推進局長の近藤 登局長がコラムを書いておりまして、「開会式まであと三年二カ月。これまでとは一味違う斬新な大会を目指したい。国体の歴史を岐阜県から変える意気込みでいる」ということで、大変強い思いで頑張ってもらっております。これも機運の盛り上げでございます。また、私自身、個人的にもこの国体には格別の思いがございまして、大いに努力をしていきたいと思っておる次第でございます。

 さて、七月八日、来週でございますが、日本体育協会の理事会におきまして、この開催が正式決定ということになるわけでございます。県体育協会の田口義嘉壽会長、そして松川教育長、私と三人で、森協会長から決定書を受領に東京に行ってまいります。

 今回の決定にあわせまして、冬季競技のスキー、あるいは初の県内開催となりますスピードスケートも同時に正式決定となります。ほぼ完全な形で開催する国体ということになるわけでございますし、また、ぎふ清流大会の開催につきましても、同日決定されるわけでございます。今後、この二つの大会をあわせて開催機運を盛り上げていきたいというふうに思っております。この正式決定を契機として、準備をさらに加速するということで「輝け はばたけ だれもが主役」という合い言葉のとおり、県民全体が心を一つにして盛り上げていきたいと思っております。

 その節目である今年度は、この夏、二つのイベントを実施する予定でございます。

 まず来週でございますが、正式決定直後の七月十日には、「開催決定報告会〜はばたけ、未来へ〜」というものを開催いたしまして、市町村を初め国体関係者の結束を改めて固めたいというふうに考えております。

 これまで準備委員会ということでやってきましたが、いよいよ本格的な実行委員会へと拡充するわけでございます。また、会場地となりますすべての市町村に、会場地正式決定書をお手渡しすることになるわけでございます。

 さらには、「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会ソング」と、歌を発表させていただきます。この歌は、一般公募により百二十七作品の中から選ばれました「はばたけ、未来へ」というものでございます。歌は、アニメ映画の「となりのトトロ」の主題歌を歌っておられます井上あずみさん、もう一つは、NHKの体操のお兄さんとして大変知られております佐藤弘道さん、それぞれに歌っていただいておりまして、合い言葉の「輝け はばたけ だれもが主役」を強く印象づけ、明るくテンポのよい、そして清流のイメージが浮かぶ、皆様に親しんでいただけるような作品に仕上がっているのではないかということで、楽しみにしていただければと思っております。当日は、この井上あずみさんにも御出席いただき、また、全日本レベルでの技術を誇ります県立岐阜商業高等学校吹奏楽部、多治見少年少女合唱団の共演も計画をいたしております。

 さらに、八月二十八日でございますが、選手・監督を初めとして、国体にかかわる方々に大いに士気を高めるということで、岐阜メモリアルセンターにおきまして「開催決定記念総決起大会〜輝け二〇一二〜」というものを実施いたします。ここでは、国体の主力として活躍が期待される候補選手に多数集まっていただきまして、天皇杯・皇后杯獲得に向けた力強い決意表明をしていただこうというふうに考えております。

 また、「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会ソング」に合わせてだれもが気軽に踊れ、健康づくりに取り組めるような、ダンス、体操もあわせて発表させていただきます。発表に当たりましては、二百人を超える子供たちによるダンサーや、この体操を考案していただきましたNHKの、先ほど御紹介した体操のお兄さん、佐藤弘道さんに躍動感あふれるパフォーマンスを御披露していただこうと考えております。

 さらには、県民運動−−愛称「ミナモ運動」というふうに言っておりますが、おもてなし、スポーツ・健康、美しい清流と環境づくりと、この三つの分野から成る本格的な運動もスタートをしたいと。そのスタートの宣言をするということでございます。

 また、当日は、県を代表するアスリートであります高橋尚子さんにはビデオ出演を、勅使川原郁恵さんにはゲスト出演をお願いしておりまして、随所で応援メッセージなどを発信していただこうと思っております。

 さらには、民間事業者によるミナモを活用したグッズ製作も着々と進んでおりまして、これまでにミナモせんべい、木製升ストラップなど二十六の商品化が進んでおりますが、このような活動にもさらに参加を呼びかけ、盛り上げていきたいと思っております。

 きょう、私もミナモのピンバッジをつけてきておりますが、この会場に何人の方がつけておられるか存じませんが、これも機運盛り上げでございます。よろしくお願いしたいと思います。

 後でヤマリンのことは申し上げます。



○議長(早川捷也君) ぎふ清流国体推進局長 近藤 登君。

   〔ぎふ清流国体推進局長 近藤 登君登壇〕



◎ぎふ清流国体推進局長(近藤登君) 私の方に、二点御質問をいただきました。

 まず、競技施設の整備でございますが、ぎふ清流国体では、簡素であっても質の高い国体を目指すことにし、競技施設の整備に当たっては可能な限り既存施設の活用に努める、このことを基本方針としております。また、ぎふ清流大会では、国体で使用した会場施設を有効に活用することといたしております。

 会場地市町の施設整備に対する支援制度として、昨年度、ぎふ清流国体市町村競技施設整備費補助金を創設いたしまして競技施設整備を支援しているところであり、平成二十三年度から順次実施されるリハーサル大会の開催に支障がないよう、計画に沿って整備を進めております。施設整備に当たっては、国や民間の補助制度を最大限活用するとともに、競技基準をクリアするための最低限の改修にとどめるなど、県や市町の負担軽減に努めております。

 なお、県有施設につきましては、本年度から、岐阜メモリアルセンター長良川競技場の九レーン化、長良川テニスプラザのハードコート化、グリーンスタジアムの人工芝改修などに着手をいたします。

 次に、宿泊施設の県内確保でございます。

 昨年度行いました宿泊施設調査によりますと、県内の営業宿泊施設の定員は約七万人を超えておりまして、十分な定員と言えますが、宿泊施設がない会場地市町もございますし、開会式が行われる岐阜市、複数の競技が同時に行われる市町などでは、宿泊施設が不足することも懸念されます。選手・監督など大会参加者は、経済波及効果の面からも、会場市町内、または県内に宿泊していただくことを基本としておりますが、宿泊施設が不足する場合には、一般家庭に宿泊する民泊や、近隣市町村の宿泊施設を利用することにしております。特に、民泊は、土地柄や人情、食べ物を知っていただき、地域の方々との交流などにより、体験した選手や地域の方々からも高い評価を聞いております。このため、会場地市町に民泊検討の参考としていただくため、先週、昨年民泊を実施されました大分県中津市の担当者を講師に、民泊業務研修会を開催したところでございます。全国から訪れる選手・監督などを温かくお迎えし、心を込めたおもてなしができるよう、宿泊施設の確保対策について万全を期してまいります。



○議長(早川捷也君) 研究開発総括監 清水聖幸君。

   〔研究開発総括監 清水聖幸君登壇〕



◎研究開発総括監(清水聖幸君) 植物工場の普及について、お答えいたします。

 植物工場とは、季節や天候に左右されることなく、付加価値の高い農産物を安定供給するとともに、一年を通じて生産者の安定した収入と雇用が確保できる栽培システムです。国も今回の経済危機対策において、植物工場を、農業の底力を発揮し需要に結びつく、農商工連携の新たな切り口の生産振興施策の一つとして位置づけております。

 県内におきましては、農業者や食品関連企業によって植物工場が稼働されておりますが、技術的な問題から、レタスなど葉物野菜の生産にとどまっております。そのため、全国の野菜の半分以上を占め、また本県の主要品目であるトマトなどの果菜類の生産に応用できる植物工場を開発することができれば、本県の農業発展に大きく寄与できるものと期待されております。

 植物工場の普及にとって、栽培技術の確立と生産コスト削減が課題となっております。そのため、岐阜県農業技術センターでは、トマトなどを対象として、作物の生育状態を正確にモニタリングするとともに、その情報を施設内の温度、日射量、湿度、土壌水分量、養液量の栽培環境に反映して生育の進みぐあいをコントロールし、例えば高値の時期に出荷するという計画生産の可能な栽培システムの開発に取り組んでまいります。この研究成果により、植物工場の新設や空き工場の利活用、異業種からの新規参入が促進され、農業に活力を与えるとともに、雇用の創出効果にも期待できると考えております。

 また、広報についてでございますが、植物工場の情報、ノウハウ、研究成果につきましては、積極的にPRすることとし、農業者に対しては、農業改良普及センターと連携し、各種研究会の活動を通じて普及を図ってまいります。さらに、建設業、製造業、サービス業の方々から大変強い関心と要望、問い合わせをいただいております。そのため、商工会議所、工業会等の協力を得まして、シンポジウムを開催し、農業以外の業種の皆様にも広く普及を図ってまいります。

 さらに、議員御紹介のありました農林水産省の、現在公募中の補正による植物工場設置の二分の一補助事業についてでございますが、普及のためにまたとない施策でございます。そのため、これはかなりの競争率になると考えておりますので、設置希望者への情報提供、事業者の企画提案への支援、事業者とともに国の責任者・担当者との意見交換や要望活動など、きめ細かくサポートを行っておりますが、岐阜県の農業者・企業が採択され、より多くの植物工場が設置・稼働されるよう、これからも取り組んでまいります。



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教員の人材確保について、お答えいたします。

 岐阜県の教員採用選考試験の現状は、倍率において、小学校で四・三倍、中学校は四・九倍、高等学校が八・六倍で、全国的に見ても平均的な倍率となっており、また、本年度採用者における本県出身者の割合は約八割でした。

 県内の教員志願者をふやす取り組みとしては、採用担当者が直接県内外の大学に出向き、本県教員採用に関する説明会を行うとともに、一昨年度からは、各高等学校で教員志望の高校生に対し積極的に進路指導を行うなど、岐阜県の教員になる意欲を高める活動を行っております。加えて、他県に勤める本県出身の教員に対するUターン就職を促すために、教員採用試験の一部を免除したり、採用試験で優秀な成績をとりながらも採用に至らなかった受験生を、特任講師として任用するなどの取り組みを始めたところです。

 いずれにいたしましても、一人ひとりの教員が平素から使命感と情熱を持って、粘り強く児童・生徒の教育に当たっていくことが教員志願者をふやすことにつながっていくものと考えております。



○議長(早川捷也君) 十四番 伊藤秀光君。

   〔十四番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆十四番(伊藤秀光君) 皆さん、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく二点についてお伺いいたします。

 まず初めに、森林再生と森林資源の活用についてお伺いをいたします。

 岐阜県の森林面積は、八十六万六千ヘクタールと全国第五位であり、県土に占める森林の割合は約八二%と全国第二位で、まさに岐阜は木の国、山の国であります。この森林の再生なくして、岐阜らしさは生まれてこないと思います。来年開かれます「清流がつなぐ未来の海づくり」をテーマとした全国豊かな海づくり大会のキャラクターのヤマリンも、豊かな森から流れる清らかな水が豊かな海につながることを表現しています。

 さて、以前にもお話ししましたように、NHKの「プロジェクトX」で放送されました、日高の昆布を救うために親子三代五十年にわたって漁師たちが山に木を植え続け、森林を再生させ、昆布漁のできる海を取り戻した話は余りにも有名です。森は清流を通して海につながっているということです。その上、森林はその木材生産としての価値のみならず、多面的機能としての水源涵養、山地災害の防止、安らぎ・潤いのある生活空間、つまりいやしの価値もあります。こうした機能の価値を、林野庁では、国全体として年間約七十五兆円と算出しています。本県でも、その額年間約二兆三千二百億円と言われています。

 また、多面的な機能の一つであるCO2吸収源としての地球温暖化防止にも貢献しており、森林の環境価値を地球規模で評価する時代に入ってきたわけです。京都議定書でも、CO2森林吸収源として我が国では三・八%が認められていますが、それも間伐や下草刈りなど、適切な管理がなされてこそ可能であります。本県では、新緊急間伐推進五カ年計画に基づき、平成十七年より五カ年計画で七万四千ヘクタールの間伐を実施することとし、健全な森林づくりが進められてきていることは皆様御承知のとおりであります。

 私は昨年度、農林委員会に所属し、各地の山林で路網を整備し、高性能の林業機械で間伐、その間伐材を一定の長さにして搬出するという、これまでの伐り捨て間伐と違い、伐採から搬出までの一環した作業現場を見てきました。うっそうとした日の入らない森から、日差しが差し込む、青空が見える森へと変わっている様子をこの目で見て感動いたしました。

 そこで、林政部長にお伺いします。

 この計画は今年度で終了となりますが、五年間の取り組み実績とその成果について、まずお聞かせください。

 まだまだ地域によっては間伐がおくれている山が多いという話を耳にしますが、次年度以降はどのように対応していく予定でしょうか。あわせて林政部長にお伺いいたします。

 さて、本県では、平成十八年五月に下呂市において、天皇皇后両陛下をお招きして「ありがとう 未来へつなげ 森のめぐみ」をテーマに、未来を担う子供たちを中心に第五十七回全国植樹祭が開催されましたが、植えて育てる、伐って利用するという生きた森林づくりの考え方が全国に向けて発信されました。開催にあわせて岐阜県森林づくり基本条例が施行され、さらに、この条例に基づき平成十九年から二十三年の五カ年間を対象期間とした岐阜県森林づくり基本計画が策定され、その実施状況が毎年、報告書として出されます。これが初年度である十九年度の実施状況報告書です。(資料を示す)中には、実施状況、目標値の達成状況、新たな課題や平成二十年度以降への対応、そして県民の意見等きちんとまとめられてありますが、今年度はその折り返し年であります。目標値は多岐にわたりますが、報告書どおり進めば、すばらしい岐阜県の森林が育成されるものと期待をしています。

 さて、先日、NHKの「クローズアップ現代」を見ていましたら、高知県と地元企業との協働による間伐活動や、そこから出るバイオマスエネルギーの有効活用の状況が放映されていました。以前、県立森林文化アカデミーの学長をされていました木質バイオの権威、熊崎先生も筑波大学の名誉教授として出演されていました。見られた方も多いと思いますが、私は早速、詳しく知りたくて、先日、高知へ行ってきました。

 高知県は県土の八四%を森林に覆われた日本一の森林県であり、全国に先駆けて森林環境税や四万十川条例を制定しました。また、平成十七年度からスタートした協働の森づくり事業では、森林の再生と地域交流を促進するため、環境先進企業の皆様、市町村等、そして県との間で協働の森パートナーズ協定を締結して、手入れの行き届かない森林整備を行うとともに、企業と地域との交流を深め、地域振興を図る取り組みを始めました。これがそのパンフレットであります。(資料を示す)表紙には「人が森を助ける。森が人を助ける。協働の森 森の力 森の大きな力を再生するパートナーになってください」と書かれてあります。企業は、森林整備に要する費用を協賛金として支援し、社員や関係者が森林ボランティアとして直接森林整備にも参加するもので、市町村は協賛金を原資にした森林整備の推進と、企業が行う森林ボランティア活動の技術指導や交流事業などを企画実施し、県は事業全体の調整役として事業推進のサポートや、市町村と連携した広報活動を行っています。その結果、理解と関心を持ち、協賛していただける企業がふえ、平成二十一年三月現在で三十九社と協定を締結し、協賛金額も二億四千万円を突破するまでになったそうです。

 本県でも、企業との協働による森林づくりとして植林を中心にして取り組んでいただいておりますし、先ほどの報告書にも記載されていますが、企業訪問などを積極的に行っていただき、林業関係者、地元関係者とのきっかけづくりを促し、企業との協働による生きた森林づくりへの参加企業をふやしていただきたいと思います。

 そこで、林政部長にお伺いをします。

 今後とも、より多くの企業に参加していただけるよう一層の取り組みが必要ではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

 さて、高知県での調査の際に、担当者の方から「現代林業」七月号の本を紹介していただきました。初めて見る本の見出しには、「森林吸収量の商品化 カーボン・オフセット? カーボン・オフセットの実践」と書かれてありました。中を読みますと、「地方自治体のカーボン・オフセットを活かすポイント」「高知県の木質バイオマスを活用したカーボン・オフセット」そして「オフセットの資金でトキの森整備−−新潟県カーボン・オフセットモデル事業」などが見出しとして記載されていました。

 聞きなれない言葉ばかりなので、「カーボン・オフセット? カーボン・オフセットとは何か」という見出しの六月号も入手し、読んでみました。森林のCO2吸収源としての価値を生かすために編み出されたのがカーボン・オフセット。オフセットとは、相殺、補てん、帳消しにするという意味で、カーボン・オフセットは、京都議定書の仕組みとは別の仕組みであり、CO2吸収源である森林整備を行った所有者や団体に対して、支援をしたいという企業や個人がお金を出して支援をする。そして、そのかわりにクレジット、つまり認証された排出削減量、または吸収源の吸収量の単位を得ることと書かれてありました。例えば、ある企業がみずから掲げるCO2排出削減目標量のうち、努力しても足りない部分をそのクレジットで相殺して目標を達成するということです。つまり、CO2排出削減に取り組むことが企業の社会貢献−−通称CSR活動の一環となってきました。

 一方、山側では、林業をめぐる環境は非常に厳しく、補助事業を活用しても健全な林業経営に結びついていくには難しい状況であります。そこで、森林をCO2の吸収源として生かせる価値があるならば、それをお金にかえることはできないかという期待が持てます。

 このように、支援をしたい企業側、支援を受けたい山側という両者をつなぐのがカーボン・オフセットという場なのだとも書いてありました。こうしたことの実践はまだ緒についたばかりでありますが、具体的な例として、これまで述べてきましたように、テレビ、雑誌で紹介されたのが高知県です。高知県の協働の森の取り組みのもう一つの特徴は、参加した企業が間伐で発生するC材・D材をチップ化して、木質バイオマスエネルギーとして活用することによって、CO2が削減され、その削減量をクレジット化したことです。

 この制度は、昨年十一月十四日からスタートしたオフセットのクレジット化、通称J−VERと言います。環境省と林野庁では、J−VERについての説明会を全国九カ所で十回開催され、先日終えたところであります。私はその最後の説明会が開かれた東京に行ってきましたが、大変勉強になりました。十回目は、東京で二回目となり、しかも追加開催ということもあり、会場は超満員でした。講演の後には、環境省と林野庁の職員と企業や自治体関係者との個別相談会も行われました。なお、本県の県立森林文化アカデミーの熱心な学生さんも参加しており、頼もしく思いました。

 さて、先ほど申し上げた高知県のプロジェクトが、このJ−VERの第一号の申請として受理され、第三者機関の検証を受けるとともに、今まで未利用のまま切り捨てられていて、放置されていた間伐材や林地残材、つまり木質バイオマスとして活用できる資源に新たな価値が生まれて、山にお金が回っていくことによって森林整備が促進され、雇用の場の創出や山村地域の産業振興につながっていくことになります。

 以上のことから、林政部長にお尋ねします。

 これまでの取り組みに加え、カーボン・オフセットやJ−VERといった新しい制度も有効に活用していくことが、間伐推進、木質バイオマスエネルギーの利用促進につながるものと考えますが、今後、こうした観点から森林再生、森林資源の有効活用にどのように取り組まれるかをお聞かせください。

 次に、中山間地域の元気づくりについてお伺いをします。

 長野大学の大野先生が、一九九一年に中山間地域の過疎化集落に対して「限界集落」という概念を最初に提唱されてから、既に十八年になります。いわゆる限界集落とは、過疎化などで人口の五〇%が六十五歳以上の高齢者となり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことを指します。

 国土交通省が二〇〇六年四月に実施した過疎地域等における集落の状況に関するアンケート調査は、過疎地域を抱える国内の七百七十五市町村に対して、そこに所属する六万二千二百七十一集落の状況を調べたものです。六十五歳以上の高齢者が半数以上を占める集落が七千八百七十三集落、機能維持が困難となっている集落が二千九百十七集落、十年以内に消滅の可能性のある集落が四百二十二集落、いずれ消滅する可能性のある集落が二千二百十九集落、合わせて二千六百四十一集落が消滅の危機にあると報告されています。こうした問題は、前にも述べました森林再生の問題や、耕作放棄地の増大による農林水産物や水の供給の停滞、自然環境の悪化、そして長い間受け継がれてきた村の伝統・文化の継承にも影響を及ぼします。最近では限界集落という言葉がマイナスのイメージを持つため、京都府の綾部市が「水源の里」と言うなど、違う表現を使う市町村も多く出てきました。

 先日訪れました高知県では、森林再生と合わせて、もう一つのテーマとして中山間地域における活性化対策についてもお聞きをしてきました。高知県ではこの問題は既に深刻であり、集落機能の維持が困難と思われる集落として、九世帯以下の集落が中山間地域全体千八百六十四集落中百八十五集落、十から十九世帯の集落が三百四十一集落となっています。本県でも、近い将来には切実な問題となってくることが考えられます。

 高知県では、こうした課題解決のため、県民の立場に立った県職員による地域支援企画員制度が平成十五年に創設されました。初年度は、地域の元気応援団長七名を選び、十六年度は二十五カ所五十名、十七年度は三十カ所六十名を配置し、現在に至っています。その趣旨は、県が市町村と連携しながら、実際に職員が地域に入って住民の皆様と同じ目線で考え、住民の皆様とともに活動することを基本に、地域の自立につながるよう、それぞれの地域の実情や住民ニーズなどに応じた支援を展開するとしています。国においても、こうした状況を打開すべく、平成二十年四月二十四日、過疎問題懇談会より過疎地域等の集落対策についての四つの提言が出され、その一つとして集落支援員が設置されました。

 集落支援員とは、行政経験者、農業委員、それぞれの地区を担当する市町村職員などとともに連携し、集落を定期的に巡回し、生活状況、農地・森林の状況等の把握に努めるとあります。あとの三つは、集落の点検、住民との話し合い、集落対策の推進などをサポートすると記されてあります。平成二十年度の集落支援員の取り組み状況は、都道府県では十一府県、市町村では二十六道府県中六十六市町村となっています。その数は、専任の集落支援員として百九十九人、自治会長などの兼務の集落支援員として約二千人となっています。また、今年三月三十一日には、集落支援員をさらに一歩進めた地域おこし協力隊の推進について、総務省から通知が出されています。人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域力の維持・強化を図るためには、担い手となる人材の確保が特に重要な課題となっています。

 一方、最近では、豊かな自然環境や歴史・文化等に恵まれた地域で生活することや、地域社会へ貢献することについての意欲が、都市住民の若者に高まっています。そうした意欲ある都市住民の若者を地域社会の新たな担い手とするため、平成二十一年度は三百人程度、三年後に三千人規模を目指すとなっています。地域おこし協力隊員は、おおむね一年から三年、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全、監視等の地域協力活動を実施することになります。

 先日の新聞報道では、高山市高根町に東京のNPO法人から派遣された集落支援員が二名内定とあり、高山市も地域の元気づくりに一生懸命取り組んでみえると感心した次第であります。これは、「集落支援ハンドブック」という本ですが、(資料を示す)表紙には「「限界集落」なんて呼ばせない いまこそ、むらを守る、むらに学ぶ」と書かれてあります。示唆に富んだ内容であり、中山間地域で元気に頑張る村の話題がいっぱい載っていました。

 執筆者の一人の民俗研究家の結城登美雄さんは、長年にわたり農山漁村を訪ね歩いた感想を、こう述べられています。「過疎地・限界集落などと、一くくりに負の記号で片づけられがちな小さな村々も、実際に出かけていって人に会い、じっくりと話を聞けば、意外なほどに明るく元気で、かつ、たくましく暮らしていた。それどころか、村人が営んでいる暮らしの流儀、人生の哲学、人間への気遣いには、都市や企業社会では決して学ぶことのできない深いものがある」と。そして集落支援員には、「限界集落を村の落日の姿ととらえず、新しい始まりの場としてとらえてほしい」とも述べてみえます。また、限界集落の中で活発に活動しているNPO法人かみえちご山里ファン倶楽部の三浦絵里さんは、「限界集落という言葉があるけど、限界が来ているのはむしろ都会の方で、こういう場所にこそ、むしろ可能性があるんじゃないか」とも述べてみえます。

 お二人のこの言葉にはとても心打たれ、考えさせられます。ぜひ岐阜県にも多くの若者に来ていただき、集落の活性化、よき伝統や文化の継承に一役も二役もかっていただきたいと思います。

 そこで、総合企画部観光交流推進局長にお伺いをします。

 本県における中山間地域の元気づくりのための集落支援員及び地域おこし協力隊の状況と、今後、県の果たす役割はどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 また、昨年度策定した長期構想の中で、雪深い過疎地の冬期の生活を考え、冬期まちなか集住を促進することと書かれてありますが、今後どのように検討を進め、実現を図っていかれるのか、あわせてお伺いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 林政部長 森 勝君。

   〔林政部長 森 勝君登壇〕



◎林政部長(森勝君) 森林再生と森林資源の活用につきまして、三点の御質問がございました。順次お答えいたします。

 最初に、新緊急間伐推進五カ年計画の実績と成果及び今後の対応についてでございます。

 平成十七年度から実施しております新緊急間伐推進五カ年計画は、全体計画量七万四千ヘクタールに対し、平成二十年度末で約五万八千ヘクタールを実施することができました。最終年であります今年度は、残る約一万六千ヘクタールの間伐を見込んでおり、計画はおおむね達成できるものと考えております。

 現計画では、流木災害が発生しやすい森林や地域の水源地となっている森林で、間伐が手おくれとなっている森林において、優先的に間伐を実施してまいりました。その結果、計画策定時に間伐が必要とされた森林の約六割を整備することができ、災害に強い森林づくりを着実に進めることができたと考えております。

 次年度以降につきましては、現計画の成果と課題や、社会・経済状況の変化を踏まえ、今年度中に新たな計画を策定し、間伐を進めてまいりたいと考えております。

 次に、企業との協働による森林づくりの取り組みについてでございます。

 県では、企業との協働による森林づくりを進めるため、平成十九年度から企業への説明会の開催や戸別訪問、さらには活動候補地を有する市町村と企業との仲介等に取り組んでおります。その結果、現在、県内九カ所において、自動車部品メーカーなど九団体、構成員を含めると五十六社の企業・団体により森林づくり活動が進められています。こうした中、森林づくり活動により生じた二酸化炭素吸収量を企業の二酸化炭素排出量から相殺できるとする岐阜県地球環境保全のための森林づくり条例が昨年度制定され、森林づくり活動を進める九団体のうち二団体がこの制度による取り組みを始めています。今後は、従来からの取り組みに加え、こうした制度も広くPRしながら、より多くの企業に森林づくり活動への参加を進めてまいります。

 最後に、カーボン・オフセットの仕組みを活用した取り組みについてでございます。

 現在、県内においても、ボイラー等の燃料を重油から木質チップに転換する機運が高まっており、県といたしましても、森林資源の活用の視点から、こうした設備の導入などについて支援を行っているところでございます。

 議員から紹介のありましたカーボン・オフセットの仕組みを活用した制度、具体的には、化石燃料から木質系燃料に切りかえることにより削減される二酸化炭素の量に対し、環境面から社会貢献したい企業が資金提供する制度ですが、こういった動きが活発化すれば、木質バイオマス燃料の利用が促進されるとともに、原料となるチップなどの価格の安定化につながり、さらには森林整備促進にも貢献できるものと考えております。こうしたことから、県としましては、国の施策や制度の動向を注視しながら、先進事例の情報収集に努め、関係者への積極的な情報提供を行い、この制度の普及、定着を目指してまいります。



○議長(早川捷也君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

   〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) 中山間地域の元気づくりについて、二点御質問がございました。

 まず、集落支援員等の状況と、県の果たす役割についてお答えいたします。

 現在、本県では、議員からも御紹介のありました高山市以外での集落支援員の受け入れはございませんが、本年より二名の支援員が活動している高山市では、「外から若い人が来て活気が出た」ですとか、「若い支援員が世代間のつなぎとなりありがたい」などの好意的な声が寄せられております。一方、地域おこし協力隊は、制度創設間もないこともあり、現在受け入れているところはございません。

 これら制度は、地域の状況に応じた生活支援となることはもとより、都会からの若者の移住・定住にもつながるものであると認識しております。したがって、県としましては、市町村等への本制度の周知、全国的な動向についての情報提供を行うことなどを通じ、支援員等の受け入れ促進に力を入れてまいりたいと考えております。

 次に、冬期まちなか集住についてお答えいたします。

 冬期まちなか集住は、若い人が少ない過疎地域、とりわけ豪雪地域におけるひとり暮らしのお年寄りが、冬の間、比較的利便性の高い地域で共同生活を送ることにより、外出や雪おろしもできないような冬場の暮らしの不安を解消しようとするもので、過疎地域における生活支援モデルの一つであると考えております。

 現在、過疎地域における集落の状況調査を行っているところであり、今後、その結果を踏まえ、地元住民の皆さんの意見を伺いながら、さきに述べました集落支援員や地域おこし協力隊などとの連携を図りつつ、市町村との協議の場を設け、本年度中に構想を固めまして、具体的な取り組みに向け準備を進めてまいります。



○議長(早川捷也君) 三番 太田維久君。

   〔三番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆三番(太田維久君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、御質問いたします。

 今議会では、木曽川水系連絡導水路事業につきまして、さまざまな立場から活発な議論が行われており、知事初め執行部の皆様におきましては、推進、慎重、それぞれの御意見をともに重く受けとめまして、今後に反映をしていただければと思います。私は、行財政改革の視点と水需要、代替案、そして費用負担の点を考えまして、岐阜県にとっても、一たん事業を凍結し、関係県・市と国でしっかり再検討をすることが望ましいと論駁いたします。

 まず、行財政改革の視点です。今年三月に行財政改革指針が策定されました。この中では、もろもろの事業について優先順位をつけながら抜本的な見直しを行うとしており、特に重点的に行政資源を投入して取り組むのは、長期構想の重点プロジェクトに位置づけられた事務事業としています。ところが、木曽川水系連絡導水路事業は、長期構想重点プロジェクトの中には挙げられてはおりません。長期構想第五章、県が取り組む政策の方向性の中に「(五)異常渇水に備えた対策を進める」とあり、「◇ダムに確保された水資源を有効活用し、水の安定的な供給を図る」とだけ記載をされています。長期構想の策定の趣旨は、本格的な人口減少など時代の変化を真摯に受けとめ、これまでの政策を検証し、何に力を注ぐのか、県民の皆様に正しくお示しをすることのはずです。県の負担金二十九億七千万円、国の負担も合わせれば全体で八百九十億円もの巨額をかける事業ならば、なぜ長期構想の中に盛り込まれないのでしょうか。県債総額およそ一兆三千億円、県財政は危機的な状況です。公共事業、基盤整備にかける予算も減り続けています。すべてがよしとは思いませんが、道路網の整備の方が地域活性化、経済浮揚効果には有効であるでしょう。

 一方で、事務事業経費を切り詰め、職員の給与さえ抑制せざるを得ない状況にまで追い込まれている状況では、国が進めようとする事業であっても、必要性、緊急性を厳しく問い直す必要があると思います。長期構想に明記されていない事業、経済浮揚効果も乏しく代替案の余地が考えられる事業に、今、手をつけるためには十分に納得がいく説明が必要だと思います。

 今年五月、名古屋市の河村市長が、事業から撤退したいという方針を明らかにしました。これに対して、木曽川水系連絡導水路事業監理検討会で岐阜県を含む各県からは、「三県一市を初めとする関係者が連携・協力して進めてきた経緯を踏まえない」と意見が出たと報告をされています。名古屋市の正式な出方を待っている状況ですが、名古屋市だけが事業から抜けた場合、その分の事業費負担をだれがこうむるのかという点も真剣に考慮すべきだと考えます。

 私は、事業から岐阜県も撤退すべきという考えですが、名古屋市だけが事業から撤退して、岐阜県の負担がふえることにも、もちろんこれは反対です。仮に、名古屋市が撤退した後は、残った県と国との間で事業実施計画の協議と費用負担の同意が図られます。協議が成立しなかった場合、今までの事業実施計画は続けられず、規模を縮小した事業実施計画への変更もできなくなり、木曽川水系連絡導水路事業はとまるしかないと考えられます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 以前から御指摘をしていますが、連絡導水路事業が本格的に着手された場合、岐阜県の負担は最も多い年度で数億円にはなると考えられます。これほどの事業が、なぜ重点プロジェクトに盛り込まれていないのでしょうか。行財政改革指針で言う緊急財政再建期間の中で、どうしても進めなければならない事業なのでしょうか。行財政改革の方向性との整合性はどのように考えるのでしょうか。御見解をお尋ねします。

 また、仮定の話はしにくいのですが、近い将来、名古屋市の態度ははっきりすると思います。撤退を正式に表明する可能性もあるわけです。そのケースを踏まえ、岐阜県としては今後どのような態度、方針で協議に臨むのでしょうか。

 次に、河村市長は、事業から撤退を検討している理由として、農業用水が余っていると挙げています。これが本当かどうかは愛知県議会でも議論にはなったのですが、異常渇水時に農業用水に協力要請をするルールづくりは、導水路事業の代替案として検討に値すると考えます。たびたび触れられていますが、この八百九十億円という膨大な経費を費やすと言われる事業には、本当に代替案がないのか、改めて問わなければなりません。より経費をかけないで同等の渇水対策効果を上げられる方法があるならば、可茂・東濃地区の渇水対策を考えたい岐阜県としても、そちらを選択するべきでしょう。財政状況厳しい折、経費がかからない代替案がないか、まず真剣に考えてから事業の協議に入ることこそが、取るべき段取りであったと考えられます。

 木曽川の犬山頭首工から取水している濃尾用水は、毎秒五十一トンを水利権としています。この量は、名古屋市が持っている水利権、毎秒二十トンの倍以上です。愛知県の宮田用水、木津用水、そして岐阜県の羽島用水の三つの土地改良区が利用しています。報道によりますと、河村市長は異常渇水時の水の確保として、これらの農業用水に協力を求めることを検討しています。濃尾用水の土地改良区における水田面積の推移を、私の知人のコンサルタントが調査したのが資料一です。濃尾用水の地区の受益面積は、都市化による農地の宅地、工場、ショッピングセンターなどへの転換で著しく減っています。昭和四十二年に濃尾用水事業が完成してから平成十七年までのおよそ四十年間に、宮田用水で四六%の減少、木津用水で五八%の減少、羽島用水でも三九%の減少、全体でおよそ二万五百ヘクタールからおよそ八千六百ヘクタールへ、実に四八%も減少しているということです。もちろん単純に農業用水が半分しか要らなくなったというものではありません。宅地化で農地が点在するようになって、用水が末端まで行き渡りにくくなったなど、不便をしている農家もあることでしょう。しかし、濃尾用水全体で受益面積が半分になっているのに、四十年ほど前の水利権水量を絶対に確保しなければならないというのは疑問を持ちます。これは調査・検討を行う余地があることでしょう。異常渇水時に農業用水に協力を求めることは、土地改良区側もメリットがあるはずです。協力の見返りとして土地改良区に補償金を払うルールをつくれば、都市用水・工業用水を使う側ともにメリットは出てきます。財政負担という点では、自治体、国にもメリットがあると考えられます。

 統計的に木曽川水系も水資源の減少傾向は起きているようで、可茂・東濃地区で安定した水の供給を目指すのは当然のことです。しかし、今挙げたような農業用水に協力要請をするルールづくりなどについても、導水路事業を協議するとき、選択肢、代替案として関係者によく示して考えてもらう必要があったはずです。

 可茂・東濃の渇水対策について、知事がおとといの御答弁で触れられました。導水路事業には三つの役割があると御説明され、異常渇水時の河川環境対策、愛知県・名古屋市の水の確保、それに可茂・東濃の渇水対策と述べられました。国土交通省が示している費用負担割合、資料二について改めて申しますと、岐阜県は治水のためとして二十九億七千万円を負担するとなっています。ところが、私が個別に担当課から伺ったところでは、可茂・東濃の渇水対策として二十九億七千万円を負担すると理解しているとの御説明でした。この県の御見解と、国土交通省が示した費用負担割合の理由との間で食い違いがあると思うのです。このようなことをあえて持ち出すのは、財政から負担をするには、根拠や法的・制度的な裏づけが明確であって、県民の皆様に情報開示して、十分御説明をする必要があると考えるからです。導水路事業に関する一連の流れの中ではそうした点が欠けていて、理由の後づけと思われる点が散見されるということを指摘したいと思います。

 そこで、県土整備部長にお伺いします。

 異常渇水時に農業用水に協力要請をするルールづくりですが、導水路事業を取り組むに当たって、選択肢あるいは代替案として検討し、関係者に提示したことはあるのでしょうか。ないようでしたら、それはなぜでしょうか。

 また、今後、そうした代替案を岐阜県として、農林水産省、国土交通省などと諮るお考えはおありでしょうか。また費用負担の目的、理由について、県は可茂・東濃の渇水対策のため、国土交通省は治水のためとしていて、食い違いがあるようです。それはなぜでしょうか。どちらが正しいのでしょうか。御説明をお願いいたします。そして、国の水資源開発基本計画や、これまで進められてきた三県一市の協議の中で、導水路事業を可茂・東濃の渇水対策として位置づける考え方は、いつから、どのようにして浮かび上がったのでしょうか。

 また、大型公共事業について、財政負担費用と投資効果便益とをはかりにかけて、費用が便益を上回ると判断された場合、一たん立ちどまって検討することが当たり前になっています。可茂・東濃の渇水対策として費用負担をするようでしたら、費用対便益比はどのようなものになるのでしょうか。そうなると、国が示している河川環境対策の費用対便益比も変わってくるのでしょうか。

 水資源開発事業は莫大な経費と長い年月を要するもので、私たちはその恩恵に浴してきました。しかし、県の長期構想でも触れられているように、右肩上がりの成長の時代は去りました。人口減少時代を迎え、環境配慮から工場や家庭でも水の使用量は抑えられ、農地は宅地化や工場、ショッピングセンターなどに姿を変えています。かつては有効であると考えられていた大型事業を見直す時期に既に来ています。

 平成六年のような大渇水への対応が語られますが、「岐阜県史 通史編 続・現代 第四章」で述べられている平成六年渇水の教訓として、ダムに依存し過ぎの緩和、そして木曽川に設定された水利権、水利用ルールの再吟味、水源ダム枯渇後の河川自流水利用調整ルールといった調整運用面の対応、いわばソフト面の対応の必要性が挙げられているのです。

 今議会では、行財政改革にかかわる多くの議論も行われています。三県一市も、いずれも財政は厳しい状況ですから、財政への負担、水需要の実態を考慮して代替案を検討し、岐阜県としても、川辺川ダムをとめた熊本県、大戸川ダムをとめた大阪府や滋賀県などのように、国を地方から動かしていくべきとお訴えいたしまして、ひとまず質問を終わらせていただきたいと思います。御静聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 木曽川水系導水路事業につきまして、私に二点御質問がございました。

 まずこの導水路事業の緊急性、行財政改革との整合性という点でございます。

 この木曽三川をめぐりましては、これまでも利水・渇水対策及び治水のために、徳山ダムを初めとする国家プロジェクトが進められてきたわけであります。この連絡導水路事業につきましても、このプロジェクトの一つとして、国、水資源機構と三県一市との間で、その必要性についてさまざまな角度から検証を行い、議論を重ね、合意形成をしてまいりました。また、あわせて県の負担率は三・三%という点についても合意してまいりました。

 連絡導水路の役割につきましては、議員も触れられておられますが、三つの役割があるわけでございます。河川環境の改善、水道水・工業用水としての利水、そして可茂・東濃地域の渇水被害の低減ということでございますが、こうした役割を踏まえて、木曽川及び長良川沿川の自治体からも、連絡導水路事業の促進に関し大変強い御要望をいただいております。とりわけ、可茂・東濃地域におきましては、平成六年に過去に例のない大渇水に見舞われておりますし、この十年間で見ましても、取水制限のあった年は、可茂地域では六年、東濃地域では七年と頻発しておるわけでございます。こうした状況を目の当たりにいたしますと、導水路事業は必要な事業であるというふうに考えておる次第でございます。県では、平成二十四年までを緊急財政再建期間と位置づけておりますが、これは行財政改革をしっかりと推進しつつ、同時に県民生活の安全・安心、活力の向上などに必要な事業はしっかりと進めていくということでございます。

 以上申し上げましたことから、県といたしましては、連絡導水路事業につきましては着実に実施していくべきものと考えております。

 次に、名古屋市長の撤退表明についてお答え申し上げます。

 これまでも何度も御答弁申し上げておりますけれども、五月二十七日の木曽川水系連絡導水路事業監理検討会におきましては、名古屋市の方からは、市長個人として疑問を持ち、撤退を含めて検討したい旨表明したものであり、名古屋市として正式に導水路事業からの撤退を決めたものではないという説明が正式にございました。当県といたしましては、本導水路事業の必要性に関する考え方は変わらないということを明らかにしつつ、次のような三つの論点と考え方について、早急にコンセンサスを形成すべきであるという立場で協議に臨んでおるわけでございます。

 その三つの論点は、これもこれまで御紹介してまいりましたけれども、第一に、名古屋市は徳山ダムに確保した水を今後どうするのか。ダム本体の建設費や維持管理費については支払っていくのか。第二に、これまでの渇水時においては、三県一市は互譲の精神で互いに協力関係を持って乗り越えてきたわけでありますが、こうした協力関係を今後どのようにしていくのか。第三に、仮に名古屋市が撤退した場合、これに伴い名古屋市自身の負担はどうなるのか。いずれにしても、岐阜県としては負担増には応ずる用意がないということでございます。



○議長(早川捷也君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 木曽川水系連絡導水路事業に関し、四点御質問をいただきました。

 初めに、代替案についてお答えします。

 可茂・東濃地域においては、渇水時には農業用水にも協力をお願いしており、例えば、近年で最も大きな渇水被害をこうむった平成六年では、水道用水の最大取水制限率が三五%であるのに対し、農業用水は最大六五%、また平成七年は、水道用水の最大取水制限率が二五%であるのに対し、農業用水は最大五〇%の取水制限を関係者にお願いし、実施した実績があります。このように、渇水時には互譲の精神を持って、農業管理者も含め関係者間で調整をしておりますが、それでも取水制限を余儀なくされている状況であり、可茂・東濃地域の渇水対策として連絡導水路事業は必要であると考えております。

 次に、国と県が主張する事業目的に違いがあるとの点についてお答えします。

 国は連絡導水路事業の目的として、異常渇水時の河川環境対策を明示し、木曽川に最大毎秒十二立方メートルの緊急補給を行うとしております。異常渇水時に河川に水が足りなくなれば、木曽川上流のダムから水を補給しなければならない事態になりますが、その代替として、連絡導水路から木曽川へ水を導水することで上流ダムの貯水量が温存されます。これにより、利水者の取水制限を緩和することができます。したがいまして、連絡導水路事業の目的として、異常渇水時の河川環境対策を示す国と、可茂・東濃地域の渇水対策に役立つと考える県の主張に違いはありません。

 三点目に、可茂・東濃の渇水対策としての位置づけについてお答えします。

 名古屋市が上水道用として徳山ダムに確保した、当初計画の開発水量から毎秒三立方メートル分を返上したい旨申し入れた平成八年より、国及び三県一市の間で、これに伴い徳山ダムの規模を縮小することが適当か否かについて議論されました。その際、平成六年、七年と厳しい渇水を経験していたことから、名古屋市が返上した容量を異常渇水時の緊急補給水として活用する案が提示され、当県も、可茂・東濃地域の渇水対策になるためこれに同意し、平成十年に徳山ダムの計画変更が行われ、新たに渇水対策容量が位置づけられました。

 四点目に、可茂・東濃の渇水対策としての費用対便益についてお答えいたします。

 連絡導水路事業は国が推進する国家プロジェクトであり、事業全体の費用対便益は、国において約一・七と算定されております。当県は、この事業に対し三県一市とともに適切に費用分担を行うという立場であり、当県の負担は、全体事業費八百九十億円の三・三%である約三十億円でございます。

 また、可茂・東濃地域に限り同等の効果を発揮させるためには、木曽川上流に県独自で新たにダムを建設することが必要となり、膨大な事業費を要することが予想され、この事業への参画は適当なものであると判断いたしております。



○議長(早川捷也君) 三番 太田維久君。

   〔三番 太田維久君登壇〕



◆三番(太田維久君) 一点だけ再質問させてください。

 部長の御答弁の中でありますが、治水と利水にかかわる話、これは県と国との考え方に整合性があるということですけれども、そうなりますと、治水が異常渇水時の河川環境対策となり、それが河川流量の確保となり、それが渇水時に水を利用するわけですから水の利用となる、つまり利水になるという説明だと受けとめましたけれども、そうしますと治水と利水というものが全くつながってくるわけで、国の費用負担割合は治水と利水と、お手元の資料でも書いてありますけれども、はっきり分けて書いてあるんですが、これが何を理由にしているのか、あいまいになるのではないんでしょうか。

 そこで、県土整備部長に再度お聞きします。

 今述べられました解釈というのは、恐らく県と国とが整合性はあるということなんですが、県としての解釈なんでしょうか、それとも国土交通省の解釈なのでしょうか。また、それはどういった法令や制度、あるいは文書や通達で規定された解釈なのでしょうか。一点だけお伺いいたします。



○議長(早川捷也君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 渇水対策において、水を補給することが治水であるという解釈は、河川法で書いてございまして、これは河川法の目的に、河川の正常流量の機能の維持ということは河川の治水上の目的であるということで、根拠は河川法でございます。



○議長(早川捷也君) 七番 高木貴行君。

   〔七番 高木貴行君登壇〕(拍手)



◆七番(高木貴行君) 議長の発言のお許しをいただきましたので、昨日、野村美穂先生よりエールをいただきましたとおり、県議会唯一、三十代の私として、元気よく、またきょうそのために私の中で一番派手なネクタイをしてまいりましたので、よろしくお願いいたします。

 さて今回は、急がば回れの精神ではありませんが、今後、日本をしょって立つ子供たちの教育こそ問題解決の近道ではないかと感じ、教育に特化して質問をさせていただきたいと思います。

 まず皆様、今の教育、特に近来までのいわゆるゆとり教育について、どのように感じているでしょうか。国語辞典などによれば、ゆとりとは、物事に余裕があって窮屈でないこととありますが、では、ゆとり教育という言葉もかなり浸透しておりますが、子供にとってゆとりとは一体何なのでしょうか。

 一九七二年−−昭和四十七年−−日本教職員組合が学校五日制、ゆとりある教育の提起を始めたのがきっかけとして、順次、学習指導要領の改訂が行われてきました。学習内容・授業時数の削減、「ゆとりと充実を」「ゆとりと潤いを」をスローガンとするなど、一九九八年から一九九九年まで、学習指導要領の全部改正により、完全学校週五日制の実施、総合的な学習の時間の新設など、ゆとり教育の実質的な開始となってまいりました。

 さて、そのゆとり教育ですが、もちろんよい面もあったと思いますが、言葉が適切ではないかもしれません、この教育政策が、長い時の流れの中でかみ合わなくなった部分が、次第に目立ち始めたのではないでしょうか。そして、その部分の見直しにちゅうちょしてしまったのではないかと私は感じております。もちろん何を見て、何を評価基準として成功や失敗とするかは大変難しいとは思いますが、しかし二〇〇八年の中央教育審議会答申では、ゆとり教育による学力低下を認めることを初めとして、いじめ等の問題行動、不登校、中途退学、そして近年の若者の心身ともの弱体化につながっているのではないかと私は感じています。それらの責任が、すべて教育機関にあるとは私も考えておりませんが、現代の子供たちに与える影響としては、社会の情勢や周りの環境、地域の連携、さまざまな要因がある中、子供には本来、家庭教育が一番のウエートを占めていると私も思っております。ただ、逆にそれを前面に押し出すことは、行政として、教育委員会として、役割、また必要性を否定することにもなります。そこで、あえて行政、教育委員会の果たすべき役割について質問をしたいのです。

 現代の大人や子供も、心のゆとりは必要だと私も感じておりますが、しかし、そのためにも、現在の週五日制を昔のように土曜日の午前授業を復活してもいいのではないかとも考えております。本当に土曜日の授業をなくしたことが、子供たちのゆとりにつながったのでしょうか。土曜日の休みに、多くの子供たちが元気に外で仲間と遊んでいるのであれば、私も賛同はいたしますが、現実はどうなんでしょうか。社会の治安情勢が悪くなったことも原因の一つでしょう。今の子供たちは、外で遊ぶことはしないで塾や習い事、またテレビやテレビゲーム、パソコンに明け暮れている子供も多いのではないでしょうか。果たしてこれが目指していたゆとり教育なのでしょうか。

 違う視点から見てみると、「子供にゆとりを」の結果、大人にはゆとりがなくなってきているように感じられます。塾や習い事の送り迎え、部活や少年団といったスポーツ活動ですら、現場を見に行けば理解をしていただけると思いますが、今では子供以上に大人の参加人数が多く、一体だれのための活動なのかわからないぐらいです。さらに、塾や習い事には費用が発生いたします。現在の経済情勢の中では、家庭の懐ぐあいにもゆとりがなくなってきているのではないでしょうか。

 まだまだ皆様に考えていただきたいことがあります。本当に今の義務教育に満足していますか。今のままで十分だと感じておられますでしょうか。

 先日、文部科学省の報告書「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」に目を通したとき、今の学校教育について、私はある矛盾について考えに考え、悩みました。昨年八月に発表されたこの報告書では、実に小学生の四人に一人、中学生では二人に一人が塾に通っていると報告されております。皆さん、そして教育委員会の方々、さらにこの学習指導要領を決定しているお国のお偉いさんのお子さんは、塾に行っていないんでしょうか。執行部とのヒアリングの中で、岐阜県の教育を引っ張っている方々にもお聞きしましたが、ほとんどのお子様は塾に通っておりました。何か矛盾を感じませんでしょうか。

 何を私は言いたいかというと、日本の教育、また岐阜県の教育を考えている人たちでさえ、親の立場では今の教育に満足していなく、不安に感じるのではないかということです。審議会等では、ゆとりだ、授業時数を減らすなどと提言しておきながら、自分の子供には、不安だから塾に通わせていると考えてしまうのです。もちろん、学校は学問知識だけではなく人間教育としての場でもあり、この点が塾とは大きな違いであることは理解していますが、だからこそ余計矛盾を感じるのです。

 ただ、そうすると家庭の事情によって塾に通えないお子様はどうするのでしょうか。昨日、大須賀先生の質問の中で、子供の貧困が発生している現状を伝えていただきました。現在はまだその傾向にはないというふうに言うかもしれませんが、近い将来、親の収入の格差が子供の学力、知識の格差になってくるのではないでしょうか。(発言する者あり)もうなっておるかもしれません。そのことを危惧して、二〇一一年には小学校で、二〇一二年には中学校で、新学習指導要領が全面実施されることになっており、この内容はある意味、今までの教育を否定するかのような全く逆な部分も含んでおり、授業時数の増加を盛り込んでおります。

 ここで申し上げた内容は、今までの教育を全面否定しているかのように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。まずは県として実態をしっかりとつかみ、今までの考え方についてもう一度見詰め直し、よかったところはどんどん推し進めていただきたい。逆に、間違っていたと感じるところがあれば、素直に反省をして見直す、そうしないと私は前に進めないと感じております。

 じかに子供たちと接している現場の先生としては、今まで、ゆとりだ、授業時数を減らせと県の教育委員会から言われていたのに、文科省の新学習指導要領が出た途端、反省もなく、やっぱり授業をふやしますと言われれば、何か納得ができない。もちろん親御さんたちも納得できないのではないでしょうか。学習指導要領は国の文科省が決めたことなので、県はそれに従っただけというのであれば、県教育委員会の存在価値が極めて希薄になり、本当に子供たちの方向を見て今までやっていたのか、疑問に感じてしまいます。既に新学習指導要領の実施の内容は示されておりますが、これを契機に、ぜひ今までとは考え方を改めていただき、もし新学習指導要領の内容では岐阜県としては足りないと思われるのであれば、ぜひ思い切って、それを補うものとして、ちょうど初日に渡辺嘉山先生から発表がありました、大阪のように無料で授業をやるとか、岐阜県独自でつけ加えるなど、積極的な取り組みに期待をしております。

 そこで、まず教育長にお尋ねいたします。

 これまで、いわゆるゆとり教育について、県としては反省点をどうとらえ、今後の教育に生かしていかれるおつもりでしょうか。また、土曜日の半日授業の復活についてもあわせてお尋ねいたします。

 次に、教員の確保と資質向上についてお聞きいたします。

 今お話ししたとおり、学習指導要領の見直しや、学校あるいは教育の果たす役割への期待は、今後さらに大きくなってきております。そんな中、県の行革という流れの中で、学校現場の人員削減という現実が浮かび上がってきております。

 お聞きしたところ、本年度の岐阜県の教職員として、欠員補充の常勤講師千百三十八人、さらに育休や休職補充等の常勤講師を含む千八百人が正教員以外で賄われているとお聞きいたしました。正教員以外で千八百人もの講師の先生がおられるということにはさすがに驚きましたが、実は今回もっと驚いたことに、教育委員会所管で毎年百人弱の正教員が休職中である。しかも、その多くは精神的なものが原因ということです。毎年退職をされる方や復職をされる方が数十人おる中、常に百人弱の先生方が休まれている現状は、子供たちのことを考えれば、はいそうですかでは片づけられないのではないでしょうか。

 業務の多様化やモンスターペアレンツなど、教育現場を取り巻くさまざまな問題が指摘され、休職に至る原因も、そしてその対策も、簡単に一まとめにできるものではないのでしょう。また、行革という流れの中で厳しい人員配置に迫られ、そして何よりも、多様化する教育現場において質の高い教育が求め続けられています。それに加え、精神的にまいってしまう教員の多さを考えると、教育現場における管理職のマネージメントがいかに大切かと考えるのは、私だけではないと思います。民間企業でもそうです。管理職の役割とは、部下の能力を最大限に引き出すこと、またフォローすることだと感じています。その意味でも、管理職のマネージメント能力は大変重要になっています。

 そこで一点、必要な教員を確保することが最低限の条件整備でありますが、この行革の流れの中で、教員の確保についてどうお考えでしょうか。二点目、休職者の現状認識とその対策について。三点目、管理職のマネージメント能力を向上させるために、どのような取り組みを考えているか。この三つについても、教育長にお尋ねをいたします。

 さて、次ですが、昨年、教職員の民間企業への長期派遣を私自身御提案させていただきましたが、全く取り入れていただける気配はなさそうなので、今回は視点を変えて、違う御提案をさせていただきます。

 現場の中学校、高等学校に頻繁に足を運んでいると、現場からは、中学校と高等学校の連携が余りなされていないと感じてしまいます。もしかして、給料や待遇面の互いがあるかもしれませんが、高等学校の先生方は、言い方は悪いですが、中学校の先生を見下しているように感じ、中学校の先生はどこか高等学校の先生に遠慮をしておられるように感じます。

 また、こんなことも耳にします。高等学校の先生からは「入学してきた生徒の様子、態度が中学校の先生から聞いていたものと違う」とか、中学校の先生からは「卒業生が高等学校へ進学してから変わってしまった、なぜか理解できない。」もちろん中学校と高等学校では、授業の内容や学校生活における考え方は違うでしょう。しかし、現実にはこんな、いわば縦割りの弊害とも言うべき声も先生から聞こえてくるのです。

 先日、人事交流の実態を教育委員会にお聞きしたところ、管理職では、小学校・中学校から高等学校・特別支援学校へは六人、その反対の高等学校・特別支援学校から小学校・中学校には六人。一般教員では、中学校から高等学校は四人、そしてその反対は三人と情報提供がありました。結果として、全員で十九人です。一万人以上いる教員の中で、この交流は余りにも少な過ぎると私は感じます。

 そこで、教育長にお尋ねします。

 ぜひとも、教員の資質向上という意味でも、今後もっと多くの人員を交流させるお考えはないでしょうか。また先ほどの管理職についても、この人事交流を行った人材のみ管理職に昇進できる制度への見直しのお考えはないでしょうか。

 さて、次に子供について、私の考えと質問をさせていただきます。

 私は、皆様が御存じのとおり、結婚もしておりませんし、子供もおりません。しかし、現在でもサッカーを通じて大変多くの子供たちと接しております。その中で、子供たちに必要だと思うことは、文科省でもしきりに言っておりますが、考える力、生きる力、そして私は感謝だと思っております。

 しかし、現代の子供は余りにも環境に恵まれ、余りにも物が豊かにあり、そして周りの大人が気を使い過ぎ、本来大人が子供たちにやらせるべきことをやらせていない、そんな状況が思い浮かびますが、今の日本では、先ほど申し上げた三つのことを学ばせることは大変難しいことなのかもしれません。楽なこと、便利なこと、安いこと、速いこと、これらの価値観は、日本の社会が快適な生活を求めて、何十年もかかって実現してきたことですが、そのことが逆に、子供たちが多くの体験をして育つ環境をなくしてきたのではないでしょうか。少しは面倒でも、不便でも、高くても、時間がかかっても、本当に豊かな生活につながることは、意識的に子供たちにやらせる必要があると考えます。

 そこで、今回、過去にも何人かの先生から御紹介がありましたが、この難題を解決できるのではないかという大変すばらしい取り組みを御紹介いたします。

 皆様、「弁当の日」のことを御存じでしょうか。「弁当の日」と聞くと、最初にイメージするのが、親が弁当をつくり子供が学校で食べるという方も多いのではないでしょうか。しかし、ここで御紹介する「弁当の日」とは、平成十三年、香川県のとある小学校で始めた取り組みで、ふだん、小・中学校の生徒が学校で食べている給食のかわりに、児童・生徒が自分でつくったお弁当を持っていくという取り組みです。その特徴は、月に一度、学校に持っていく自分の弁当の献立づくりから調理、後片づけまで、すべてを自分でやるというもので、自立を促すため、親は手伝わないということが学校から念が押されたとのことです。子供がつくるにしても、必ず親との会話がふえるだろうし、そして子供は親に感謝し、親は子供の成長に気づくなどの期待がされております。これがそのときの様子をつづった本ですが、(資料を示す)私はこの本を読んで大変多くのことを学ぶことができましたし、大変多くの刺激を受けました。

 この本によると、当初この「弁当の日」に取り組むことは、はかり知れないほど大変な苦労があったそうですが、この取り組みを重ねるにしたがい、子供の成長はもちろん、子供たちを取り巻く環境も大きく変わってきたようです。八年前に始まったこの取り組みですが、各方面から高い評価を得ており、やり方や頻度はさまざまですが、現在では、小学校から大学まで、全国で三百校以上でこの「弁当の日」を取り入れ、実施しているとの報告もあります。本県においても、親子で弁当をつくるなどの取り組みも見受けられますが、残念ながら一部の小・中学校での取り組みのようです。

 そこで、私は、この「弁当の日」の積極的な取り組みを提案いたしたいと思っております。全国でこの取り組みが高く評価されている背景には、生徒・児童が自分で考えてお弁当をつくるという経験を通して、児童・生徒自身の成長につながるだけでなく、食育の観点や、家庭や地域にもよい影響が生まれてくるなどの利点があると思います。

 具体的には、自分で考えて実施しなければならないので、考える力、生きる力が養われる。食材をつくっていただいている農家、いつも料理をつくってくれている人に感謝できるようになる。できるだけ安全な食材を選びたくなり、そして国産の、できれば地元の食材を選びたくなり、食の安全・安心、食料自給率の問題も「弁当の日」が変えてくれるかもしれません。親子のふれあいの時間です。このふれあいの時間が一家団らんの食事の基礎にもつながるのではないでしょうか。たかが「弁当の日」、されど「弁当の日」、皆さんもいろんなところで広めてください。

 しかしその一方で、当然、心配や不安の声もあると思います。「子供に包丁やガスを使わせて大丈夫なのか。弁当を持ってこられない子供がいたらどうするのか」などなど、不安や心配、さらに、やらない理由を挙げようと思えば切りがありません。例えば、包丁やガスの使用は子供には危ないというのなら、一体いつなら大丈夫なのでしょうか。いつも危ない、危ないと言われ、そのまま大人となり、結果として家庭で料理をつくることもなくなり、外食・コンビニばかりに頼っていってしまう。栄養が偏った食生活へと、この悪循環は既にできつつあると私は思っております。

 少し余談ですが、先日のヒアリングの中で、一部児童・生徒にとって、唯一、栄養のバランスが保たれているのは学校の給食だということに大変驚きました。夏休みに入って、その給食を食べられないことで体調への影響が出てくるのだと。先日、全国学校給食コンテストで、私の地元多治見市の学校給食が全国大会で優勝したように、学校給食は大変栄養バランスが考えられた食事です。こうした変調を訴える児童・生徒の家庭の食事は、バランスが偏っているということです。義務教育を終えれば、給食を食べるわけにはいきません。この時期だからこそ、今から自分で栄養を考えながらつくっていく経験をするべきではないでしょうか。

 また、家庭の事情で弁当を持ってこられない子供がいたらどうするんだというお声も聞こえてきそうですが、私は、まずは実施することで、今まで見えなかった、気づかなかった部分も見えてくると考えます。家庭の事情で弁当をつくって持ってこられないということは、ふだんから家庭でしっかりとした食事ができていない、できない状況であると認識できるわけです。もう既に認識している子供がいるのであれば、少し朝早く、家庭科教室などで先生が見守る中、弁当をつくらせてあげるなど、何とでも手段はあると思います。

 先日の執行部の方との「弁当の日」についてのお話をしていたただいた折、価値ある取り組みとして御認識をしていただいておりましたが、導入については、各地域の特色や各学校の自主性を尊重しながら進めていく必要があるということでしたが、ここで、この本にも書いてあります。(資料を示す)「最近は、挫折させるのはかわいそうだから、初めから取り組みや行事そのものをやめようという間違った教育的配慮が蔓延しつつある。日本の教育界は、学校も保護者も憶病になっている現実がある。最も強いブレーキ役を果たすのは、事故のときだれが責任をとるのかとか、我が子が事故に遭うのは避けたいという懸念である。実施前に、時間をかけて協議をすればするほど大きく浮かび上がってくるのは、リスクの方だと予想される。失敗やリスクを心配する余り、石橋をたたいて渡るではなく、石橋をさんざんたたいたあげくに渡らないという現象が、子供たちが育っていく環境に多く見られるようになってきております」と、大変刺激的な内容でございました。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 本年度より、ちょうど栄養教諭八十人を配置したこともあり、岐阜県として、この「弁当の日」を実施する土台はできつつあると感じております。市町村の教育委員会の決定ではなく、県として、ぜひともリーダーシップをとっていただき、この「弁当の日」の政策を岐阜県じゅうで実施をしていただけないでしょうか。

 さて、今回、私なりに教育について質問をさせていただきました。教育には、民間企業のような数字であらわせる正解はありません。だからかもしれませんが、何か教育には、見えない、分厚く、重く、かたいよろいに覆われているように感じるのは私だけでしょうか。子供の教育は、一朝一夕では変えることも、変わることもできません。きょうの山本先生からの発言もあったとおり、もう変えなければいけない、変わらなければいけないのです、教育は。だから、常に慢心せず考えて実行していっていただきたい。

 最後に、私、これだけ今回教育について異常に熱くなってしまい、実は執行部とのやりとりの中でどなってしまいました。私もある意味ゆとり教育を受けた者で、すぐキレるという傾向が出てしまいました。大変申しわけなく思うとともに、本日、知事には答弁はございません。ぜひとも教育長、誠意ある御答弁を期待しつつ、私の質問にかえさせていただきます。

 皆様、本当に本日、御静聴ありがとうございました。以上です。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 六点御質問をいただきましたので、順次お答えさせていただきます。

 最初に、いわゆるゆとり教育と土曜日の授業の復活について、お答えいたします。

 現行の学習指導要領は、完全学校週五日制のもと、学校の教育内容を厳選することで児童・生徒がじっくり学習し、基礎・基本の確実な定着を図るとともに、みずから学び、みずから考える力などの育成を目指しております。本県におきましては、これまで繰り返し学習や体験的な学習等の充実により、児童・生徒の学ぶ意欲や基礎学力の向上に努め、一定の成果が見られます。しかしながら、その反面、授業時数の縮減が図られたことにより、自分で考え、まとめて論述するなどの学習活動が十分できなかったり、各教科と総合的な学習の時間との間のつながりが不十分であったなどの点を課題としてとらえております。

 そこで、県教育委員会といたしましては、今後、新学習指導要領の実施に当たり、教えるべきことはきちんと教える指導を引き続き大切にするとともに、仲間と議論し合う授業等の充実を通して、自分たちで課題を解決する力の育成に一層努めてまいります。

 また、県内すべての小・中学校においては、本年度、学習指導要領に標準として示されている年間総授業時数、あるいはそれを上回る時数で授業が計画されており、日々の授業の充実を通して児童一人ひとりが確実に学力が身につくよう、一層の指導改善に努めてまいります。

 土曜日につきましては、公立学校においては法令上休業日とされ、授業を実施することはできませんが、児童・生徒がみずから考え、主体的に判断し行動できる力の育成を目指し、学校・家庭及び地域社会が一層の連携を深め、豊かな体験活動の充実等に取り組んでまいります。

 二点目、教員の確保についてでございますが、教職員定数は標準法に基づき定められるものであり、本県の定数は一万七千五百二十人です。現在、知事部局同様、県教育委員会においても岐阜県行財政改革に取り組み、新規採用者数を抑制しておりますので、常勤講師を採用することで法令に定められた必要な教職員数を確保しているところです。常勤講師の採用に当たっては、面接等により人間性豊かで指導力を有する者を任用するとともに、採用後も本務教員同様に使命感や自信を持って教育に当たれるよう、総合教育センターや校内における研修を実施し、講師自身の資質・能力を向上させることにより、本県の教育水準を保っているところでございます。

 三点目、休職者の現状認識とその対策について、お答えいたします。

 昨年度の本県教員の休職者数は百三十三人で、全教員に占める割合は〇・九%でした。病気休職の原因としては、悪性新生物や脳血管疾患などの身体疾患が約四割、うつ病などの精神疾患が約六割であり、全国的にもほぼ同様な傾向にあります。

 また、教員のいわゆる心の病の対策については、本人が自己管理を適切に行うことが大切ですが、管理職による指導や助言も必要であることから、新任管理職を対象とした研修を実施したり、保健師による職場巡回相談や精神科医による面接相談を充実させるなど、教員のメンタルヘルスケアに努めております。

 四点目、管理職のマネージメント能力向上の取り組みについて、お答えいたします。

 学校の組織力を最大限発揮するには、校長を初めとする管理職のマネージメント能力の向上が不可欠と考えております。このため、平成十六年度から、新任の校長及び教頭研修に、学校組織マネージメント講座を実施しております。これは民間企業の組織マネージメントの手法を取り入れて学校で活用できるよう工夫したもので、教職員だれもが学校の教育目標を共有し、何でも言い合える風通しのよい組織の中で、一人ひとりがやりがいを感じることができる職場をつくろうとするものです。さらに、本年度からは管理職対象の講座に、学校のビジョンづくりと学校評価、コーチング、危機管理、学校情報管理等を加え、総合的に管理職のマネージメント能力を高めるようにしております。

 次に、人事交流についてお答えいたします。

 本県では、教員個人の教職経験の領域を広げるため、平成七年度より中・高の人事交流を始め、昨年度までに百二十人を超える教員が交流してきたところです。さらに、今後は交流の目的を従来の教員個人の研修にとどまらず、校種間における相互協力やさまざまな課題の解決へと拡大していきたいと考えております。

 今年度、一つの高校と三つの中学校との間で、複数の教員を交流させる新たな取り組みを始めたところです。このように、複数の教員が交流することにより、中・高の連携が一層スムーズになるとともに、相互の学校の活性化にもつながるものと考えており、今後も拡充してまいりたいと考えております。

 なお、管理職への登用については、優秀な人材を幅広く登用する必要があると考えており、人事交流経験者のみに限定することは考えておりません。

 最後に、「弁当の日」について、お答えいたします。

 議員が紹介された「弁当の日」という本は私も読み、弁当という素材を使って教育的効果をうまく引き出す取り組みであるとの感想を持ったところです。

 県内で「弁当の日」を実施している学校は、小学校で十七校、中学校で七校という状況にあります。ある小学校では、一・二年生は家の人と一緒につくる。三・四年生は家の人に手伝ってもらいながら、自分でできることはやる。五・六年生は買い物も料理も自分でやるという目標を立てて、取り組んでおります。

 各学校においては、「弁当の日」以外にも、食事を通したさまざまな取り組みが行われており、例えば、生徒みずからがメニューを考え、食材を購入し、夕食をつくって家族にごちそうするという取り組みをしている中学校もあります。このように、各学校や地域が創意工夫を凝らしてさまざまな取り組みを行うことは、大変有意義であると考えております。

 本来、県教育委員会の重要な役割は、法律で定められた基本的な教育環境を整備し、子供が県内のどの地域に住んでいても同じ水準の教育を受けることができるよう整えることであります。その意味では、教育環境の整備は全県一律の基準に基づき進められるものであります。一方、各地域が自主的・主体的に取り組む教育の施策は、地域の実情に応じた創意工夫が尊重されるものであり、こうしたことから「弁当の日」への対応は、取り組むべきかどうかも含め、学校ごと、あるいは地域ごとに検討されるものと考えます。

 県教育委員会といたしましては、こうした自主的な取り組みに対して、各地域の動きを尊重し、必要に応じて支援、助言や情報提供を行ってまいりたいと考えております。



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○議長(早川捷也君) しばらく休憩いたします。



△午後零時八分休憩



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△午後一時一分再開



○副議長(駒田誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(駒田誠君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(駒田誠君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。

            ………………………………………………………………





○副議長(駒田誠君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。八番 酒向 薫君。

   〔八番 酒向 薫君登壇〕(拍手)



◆八番(酒向薫君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、大きく三つの点について質問させていただきます。

 それに先立ちまして、きょうは私のデビュー戦でございます。直球一本にて質問をさせていただきます。知事初め当局の方につきましては、変化球、隠し球がなく堂々として答弁いただきますよう、ひとつ御配慮の方、よろしくお願い申し上げます。

 まず初めにでございますが、「第三十回全国豊かな海づくり大会〜ぎふ長良川大会〜」についてお尋ねをいたします。

 先ほど知事はミナモのほうを御紹介されましたが、こちらのヤマリンのほうが先でございまして、(バッジを示す)これは岐阜県が策定しました来年の大会に向けてのマスコットキャラクターでございます。私がこちらにつけておりますのは、(バッジを示す)これは関市が独自でつくりましたPR用のバッジでございます。これは昨年から関市民を中心につけておるというわけでございます。

 さて、来年、六月十二、十三と、私の地元であります刃物のまち関で、海のない県で初めて開催をされるわけでございます。今回の海づくり大会のテーマは「清流がつなぐ未来の海づくり」であり、森林づくりがきれいな川をつくり、環境保全や自然保護の大切さを訴えるとともに、子供たちが主役の大会として開催されます。先般のプレイベントにおいても、県下八つの小学校の児童が、その研究成果について発表をしてくれました。

 関市においては、昨年九月の開催地決定とともに、市民総参加によって成功させ、新しい関市づくりにつながることを目指し、九万五千人の市民の英知と力を結集して取り組んでいこうとしております。そして、第三十回全国豊かな海づくり大会関市推進協議会を設立し、現在、加盟団体・個人が百六十を超える規模となり、大多数の市民が何らかのかかわりを持つ形で市民一体となって取り組んできています。

 また、市民の自主性に重点を置き、新たな取り組みとして、この大会に係る費用の大半を市民・団体から浄財、すなわち寄附を募ることによって賄うという画期的な手法を取り入れております。現在、一千八百万ほどの寄附がございまして、当初の計画を上回っております。また、個人を中心に一口二千円で寄附をいただいておりますが、六千百以上に今なっておるということでございまして、これによりまして、寄附をいただいた方には、そろいのロゴマークの入ったポロシャツとタオルを差し上げております。これが今、製造がまだ間に合わないというような状況でございまして、まさに市民協働の機運が盛り上がりつつある状況であると言えます。

 そんな中、先般六月十三、十四日に、一年前プレイベントとして「ぎふ海づくりフェスタ」が開催されました。そこで、開催地である関市の尾藤市長は、このような全国レベルの大会を当市で行うことによって、関市を元気にし、市民のきずなを深める契機とともに、産・学・民・官が力を合わせて、個人、団体などから従前にとらわれない提案型の参加をいただくように努めてみえます。そして、今後さらなる啓蒙活動と趣旨の普及に努め、市民協働の機運をより一層高めていきたいと考えておられます。

 プレイベントは、梅雨どきにもかかわらず晴天に恵まれまして、二日間で当初予定をしていた三万人の二倍を超える六万人以上の方が出ていただきました。大変なにぎわいとなりまして、その様子はテレビ、ラジオ、新聞等の多くのメディアで報道がされまして、多くの方々が目にされたことと思います。市民にとりましても、この大会への機運が高まり、市民相互のきずなを強くすることにつながったのではないかというふうに思っております。このようなプレイベントは初めてのことであり、試行錯誤の中での開催であったと思います。県・市ともに本大会に向けて改善しなければいけない課題も多く見つかったのではないかと思います。

 このほかには、岐阜市と関市において、岐阜市が行ってみえます「たずさえの森」分収造林事業の調印式が行われ、岐阜市内の長良川の河川敷で、約三十年前の玉石が転がる河原の原風景の復活計画が進められるなど、自治体間の連携による相乗効果も広がりを見せております。

 何と申しましても、今大会の趣旨にあります水資源・水環境問題は、未来永劫、人類が取り組む課題でございます。過去から、そして将来にわたり清流岐阜県であるために、大会を単に一過性のイベントに終わらせず、豊かな海をはぐくみ、豊かな自然を守り継ぐための取り組みを継続していくべきだと考えます。

 そこで、まず知事にお伺いをいたします。

 一つに、先月、関市において一年前プレイベント「ぎふ海づくりフェスタ」が開催されました。来年の本大会の試行としての位置づけであると聞いておりますが、プレイベントで見えた課題やプレイベントを開催した感想をお伺いいたします。

 二つ目でございます。初めて河川を舞台に開催する海づくり大会に向けて、どのような特徴づけをし、どのように県内外にアピールしていくか、知事の思いをお聞きかせください。

 三つ目でございます。水資源・水環境問題は、未来永劫、人類が取り組む大きな課題であります。大会を一過性のものとしないために、大会後も引き続き県として取り組んでいただきたいと思います。その点につきまして、どのように取り組みについてのお考えがあるかをお伺いいたします。

 次に、農政部次長にお伺いいたします。

 県内各地において行われる関連行事の取り組みを含め、海づくり大会の概要についてお聞かせください。

 次に、二点目でございます。市町村の自立支援及び権限移譲についてお伺いをいたします。

 平成の大合併は、元利償還金の約七割が普通交付税で措置をされる合併特例債の発行や議員定数の特例など、手厚い支援策を盛り込んだ旧合併特例法に基づき、平成十一年四月にスタートいたしました。また、平成十七年四月施行の現行の合併特例法では、財政上の優遇措置が大幅に縮小されたものの、知事の権限を強化し、合併協議会設置を勧告できるようにするなど、合併促進策が講じられてきました。それによりまして、平成十一年三月末に全国で三千二百三十二あった市町村数は、現在千七百七十五となり、平成二十二年三月末までには千七百五十八になる見込みでございます。本県においては、平成十七年三月までの旧法の適用を受ける合併によって、九十九あった市町村は現在四十二市町村となりました。このように、小泉内閣において「地方にできることは地方に」を旗印に進められた地方分権の受け皿づくりという大義名分のもとで合併が加速されました。しかしその反面、地方交付税五・一兆円が削減されたことで、地方自治体の不安は今なお残っている状況でございます。

 こうした中で、このたび総理の諮問機関であります地方制度調査会は、平成十一年から国主導で推進してきた平成の大合併について、現行の合併特例法が期限を迎える来年三月末で打ち切るよう答申を行いました。答申では、行政の規模が大きくなった、保健や福祉などの専門職員の確保が可能になった等、合併の効果を認める一方で、周辺部が取り残されたのではないか、地域の伝統、文化の継承・発展が危うくなるのではないか等の懸念が現実化していることを指摘しております。全国的に見れば、北海道・東北の市町村は極めて合併に消極的であったほか、大都市圏においては合併を静観してという動きがございます。県下の市町村もさまざまでございまして、小さくても単独を選択したところ、合併を推進したが、住民投票等により合併を見送ったというようなところもあります。合併によりまして、税負担が軽減され、サービスが向上すると考えた住民の中には、その期待が裏切られたというような感じもあるわけでございます。また、旧町村部においては、百数十年の長い伝統・歴史が終止符を打ち、地名まで消えるということに対して、惜別の思いが残っているだけだという話もございます。

 そんな中、県内には全国から見て特筆される例が二例ございます。一つは、面積二千百七十七平方キロメートルと、大阪府や香川県の面積を上回る日本一大きな面積の高山市。もう一点は、岐阜県と長野県にまたがる越県合併をした中津川市でございます。このような状況の中で、旧市町村の垣根を取り外し、新市としての愛着が定着するにはまだまだ時間がかかります。平成の大合併は、最終的にはそれぞれの地域が選択したものでございます。仮に合併による弊害がある場合には、それを取り除き、地域一体を醸成することが合併自治体のみならず、そこに居住する住民にも課せられた義務であるはずです。そのためにも、住民が積極的に行政に参加をし、あるいは監視をしていくことが重要なことだと考えます。

 県においては、小規模市町村としての道を選択した自治体が住民サービスを引き続き維持していくために、福祉・保健分野等での県の事務補完を進めていくこと、また周辺市町村間での広域連携の推進を図ることなどが必要であると考えます。さらに、今定例会に上程されております事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例により、旅券発給事務を揖斐郡三町に権限移譲されます。地方分権社会の実現に向けて、県と市町村の役割を見直し、住民サービス及び利便性の向上を図ることが必要であると考えます。

 そこで、総合企画部長にお尋ねをいたします。

 政府の地方制度調査会から、平成の大合併も一区切りとする答申が出されたところでありますが、合併により行財政基盤の強化が図られ、自立に向けて着実に力をつけている自治体もあれば、小規模で財政基盤の弱い自治体が依然として多いのも事実でございます。答申では、これからのあり方として、自主的な合併に対する支援、周辺市町村との水平的な広域連携や都道府県による事務補完という垂直的な支援も提言をされてみえます。今後、検討される機関等の共同設置や都道府県の代行制度について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。

 また、合併などで行政体制が強化され、分権の受け皿として体制が整備されつつある市町村に対して、今後どのような権限移譲を推進していかれるのかをお尋ねいたします。

 最後に、公共工事における総合評価落札方式の見直しについてお尋ねをいたします。

 この質問は、我が自民党岐阜県連から既に知事のほうへ要望書が提出をされております。これに関連をしてございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 本県は、その県土の約八二%が森林に覆われ、多くの山々と河川を有する豊かな自然に恵まれています。反面、急峻な地形であるために、地震、台風、ゲリラ豪雨、大雪などの自然災害に対して脆弱であることも否定はできません。特に山間部においては、生活道路が一本しかない集落も多く、一たび地震や豪雨などによる災害が発生した場合には、陸の孤島、孤立集落となる地域が多く点在をいたしております。近年の地球温暖化によりまして、局所的なゲリラ豪雨が頻繁に起こっていることも大きな問題でございます。また、本県に最も影響が強いと考えられますのは、東南海地震でございます。これは、今後三十年の間に発生する可能性が約七〇%と言われております。まさに、私たち岐阜県民は、災害と隣り合わせにあると言っても過言ではございません。

 災害発生時の人命救助においては、一分一秒が生死を分けます。特に大地震などにより多くの被災者が一度に発生した場合には、警察や消防などの公的機関のみならず、地元の人たちが迅速に救援に取り組むことが重要でございます。その最も重要な担い手が、地元の建設業者でございます。新潟県中越地震、岩手・宮城内陸地震においても、地元建設業者の迅速な救助活動によりまして多くの命が救われました。これも、皆さん、まだまだ最近のことでよく御存じのことだと思います。そういう意味では、建設業は、地域貢献、社会貢献度の極めて高い業種でございます。また、産業別に見ますと、地域の根幹をなす産業であるという点に重きを置くわけでございます。

 しかし、その建設業者が存続の危機に今瀕しております。県下の建設業者は、ここ十年間、公共事業費の縮減などを背景として仕事の量が大きく減少し、全企業倒産のうちの三割はこの建設業界が占めていると言われております。大変疲弊し、氷河期に入った状態になっているわけでございます。これに拍車をかけるがのごとく、百年に一度と言われる現下の経済不況でございます。まさに建設業界は瀕死の状態でございます。申し上げるまでもなく、県民の生命・財産を災害から守ること、また災害が発生した場合には迅速に復旧活動に取り組むことは県の最大の責務である、このように断言いたします。しかし、災害復旧の重要な担い手である地元建設業者がこれだけ大きく疲弊した状態で、県は果たして県民の生命・財産を守るという責任を果たすことができるのでしょうか。

 山間部を基盤として活動している建設業者であれば、周辺の地理にもとても詳しく、迅速な救援活動が可能でございます。また、共助の精神で、継続中の仕事を後回しにしてでも災害復旧を優先していくという考え方、これは今までの実例としてもあるわけでございます。このように人命に関する社会貢献活動を行っている業界がほかにはあるでしょうか。それが市場原理で淘汰されていくというのは、それでよいのでしょうか。

 地元建設業者を再生させるという観点から、一般競争入札における事務所の所在地に関する条件については、基本的には各土木事務所が所管する工事の場所で所管地域の業者に依頼すべきものだと考えます。また、総合評価落札方式の内容については、加算点の付与の改善など、さらなる見直しが必要だと考えます。この方式は、価格のみの競争から脱却したことから大変よい方式だというふうに考えますが、そのうちの地域要件に関する配点のウエートが低く、地元への優先発注という本来の目的の効果があらわれておりません。いわゆる絵にかいたもちが、このやり方でございます。そういった意味からも、今すぐにこのやり方を見直し、改善すべき点だと考えます。

 そこで、地元への貢献度を適切に評価できる総合評価落札方式に改めていくことが極めて重要でございます。地元の業者が受注するチャンスを拡大することは、地域の経済、雇用のみならず、さきに述べましたとおり、地域の安全、県民の生命・財産を守るという観点からも大変重要と考えます。

 そこで、県土整備部長にお伺いをいたします。

 国の経済危機対策を有効に活用するため、県では平成二十一年度の公共事業の前倒し発注が行われるということでございますが、その効果が地元建設業者に十分に行き届いてはいないというふうに痛感をしております。地域経済の振興と地域雇用の担い手であり、また災害時の人命救助や速やかな災害復旧に欠くことのできない地元建設業者を存続・育成する観点から、一般競争入札の総合評価落札方式において、地域要件の配点ウエートを引き上げるなど、受注機会の確保につながる取り組みが必要であると考えます。県としては、こういった大変いい総合評価落札方式ではございますが、その改善する点は改めていただいて、見直しについてどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。

 以上で、私の第一回のデビュー戦はこれで終わりにさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) デビュー戦ということで、剛速球を投げられましたんで、私も真っすぐセンター方向へ打ち返したいと思っております。

 まず、全国豊かな海づくり大会について御質問がございました。私どもでは、馬場農政部長、それから海づくり大会担当次長の高木次長を初め、今、全力で取り組んでおるところでございます。

 先般のプレイベントでございますが、六月十三、十四日、約六万三千人の方々に参加をしていただきまして、大変盛大に開催することができました。とりわけ開催地の関市及び地元関市民の皆様、あるいは漁業協同組合を初め関係団体の全面的な御協力に、本当に感謝申し上げる次第でございます。また、早川県議会議長を初めとして多くの県議会議員の方々にもおいでいただきましたし、市町村長の皆様、関係各位にも、ありがたく御礼を申し上げる次第でございます。

 プレイベントでは、お話にもありましたマスコットキャラクター「ヤマリン」のお披露目があったわけでございます。今、私はこの「ヤマリン」をしてきたわけでございますが(バッジを示す)、議場の中にもしておられる方が散見されます。そしてそのお披露目の際に、全国植樹祭の「あすはちゃん」と、海づくり大会の「ヤマリン」と、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の「ミナモ」と、三つの三大皇室行事のキャラクター、ある人が名づけて、いわば「ぎふ清流ブラザーズ」、別の人は「ぎふ清流シスターズ」と言っておりますが、初めて勢ぞろいをするという大変印象的な場面もございました。また、木の国、山の国、水の国を歌った岐阜県民の歌を大合唱いたしまして、大変に盛り上がった次第でございます。加えて子供ならではのメッセージがあり、鵜飼など岐阜らしさを出すことができ、川が舞台の海づくり大会のイメージを多くの方に実感していただけたんではないかというふうに思っております。

 現在、いろいろと各方面から反省材料等々御意見を伺っておるところでございます。全体的には大変成功裏に終わったんではないかというふうに思っておりますが、反省すべき点も多々ございます。例えば、もっとしっかりとした時間管理が必要でないかということとか、あるいは式典行事の一部で、もう少しコンパクトにした方がいいんではないかとか、放流・歓迎行事につきましては、十分な暑さ対策を考えていく必要があるんではないかとか、そういった御指摘をいただいておりまして、これから一年間、よりよいものにしていきたいと、こんなふうに思っておるわけでございます。

 二番目の御質問で、本大会の特徴づけとアピールということでございました。

 三十回目という節目で、かつ全国で初めて川で開催されるという特徴を十分生かして、前例にとらわれないで、岐阜県ならではの創造性あふれる大会にしたいというふうに考えております。本県は、御案内のように多くの山があり、森林、水源、分水嶺、清流といったすばらしい環境がございますし、その川を支え、守り、そして川とともに暮らしてきた方々がおられ、水の恵みに恵まれた歴史・文化、治水・利水と、水に係る多面的なものを持った清流の国でございます。こうしたことを岐阜県のアイデンティティーとして、岐阜県らしさを大いに表現していきたいというふうに思っております。

 それから、大会の式典行事、放流・歓迎行事等々に加えまして、既に県内三十二の市町村が三十のサテライト会場を設けまして、それぞれ個性あふれるプログラムを今企画し、準備を進めておられるわけでございます。また、協賛行事も既に各地で始まっております。例えば先月には、土砂災害防止に関する啓発イベントであります「砂防フェアinかいづ」もございましたし、また先ごろ大垣市で、オランダ人技師デ・レーケにちなんだ「日蘭水シンポジウム二〇〇九inぎふ」というシンポジウムも開催されました。そして、あの伊勢湾台風が訪れた九月二十六日には、養老町において「伊勢湾台風五十年岐阜県防災フォーラム」も予定しております。さらには、県域を越えた上下流連携ということで、五月から東海三県一市の連携による「伊勢湾 森・川・海のクリーンアップ大作戦」といったものも行っております。また、先月には神通川水系の飛騨市で、富山県民と一緒に森づくりも行っております。さらには、明後日でございますが、関市において東海北陸自動車道全線開通一周年記念のイベントがございますが、そこでは富山県知事と私とで、高賀の森水と海洋の深層水の鏡割りと、水の鏡割りという試みをやってみようといったようなことも考えておる次第でございます。

 今大会では、こうした特色づけをした上で、森や川は水を通して海に、そして世界につながっているというメッセージを子供が主役となって発信をし、水環境の保全、水との共生を大いにアピールしていきたいということでございます。

 最後に、水資源・水環境について、大会後の取り組みについてお尋ねがございました。

 世界保健機関などによりますと、この地球上に存在する水資源のうち、我々人類が利用できるのは、わずかに〇・〇一%だということでございまして、安全な水を飲めない人口は八人に一人と、約九億人に達しているということでございます。これがさらに、地球温暖化、人口増加で水資源問題・水環境問題は深刻化するというふうに言われておるわけでございます。特に、我が国は平均降水量が世界の平均の二倍あるということで、水に恵まれた国のように見えるわけでございますが、実際は一人当たりの水資源量では世界平均の半分以下ということでございますし、この不足する水は、大量の水を使って生産される食料の輸入によって賄っているということでございまして、この輸入食料の生産に使われる、仮想水と言っておりますが、この量は、世界最大の六百二十七億トンと、これだけのものを日本は消費しているという推計もございます。こうした厳しい現実にも目を向けながら、本大会を契機として、身近な川から水資源・水環境について考えていきたいというふうに考えております。

 水に関する教育といいますか、「水育」といいますか、子供たちが水の大切さを学び、語り継ぐ「水の子ども会議」、あるいは関市で今度「魚つき保安林」を指定をいたしますが、これを契機とした森づくり、地域ぐるみでの水路清掃や草刈り、あるいは環境に優しい農業への取り組みなど、清流の国づくりを進めてまいりたいと思っております。そして、これは三年後のぎふ清流国体・ぎふ清流大会につながっていくと、こんなふうに思っております。



○副議長(駒田誠君) 総合企画部長 上手繁雄君。

   〔総合企画部長 上手繁雄君登壇〕



◎総合企画部長(上手繁雄君) まず、市町村の自立支援についてお答えをいたします。

 基礎自治体である市町村は、その役割を適切に果たすため、行財政基盤の充実・強化を図っていくことが求められており、これまでも一部事務組合や広域連合などの共同事務処理制度や、定住自立圏構想を初めとする広域的な地域活性化施策を活用しながら、効率的な行財政運営に努めてきたところでございます。

 こうした中、先般、地方制度調査会は、機関等の共同設置制度の拡充や、都道府県が市町村の事務の一部をかわって処理する制度創設について答申を行いました。市町村ごとに、その置かれている状況や課題が異なることから、この答申により事務処理の選択肢がふえることは望ましいことと考えております。県といたしましては、今後の法改正を踏まえまして、市町村とともに制度の活用を検討してまいりたいと考えております。

 次に、市町村への権限移譲についてお答えいたします。

 県と市町村では、権限移譲に係る基本的な考えについて議論を重ね、平成二十年四月、その結果を「権限移譲のあり方に関する報告書」として取りまとめました。その中で、県と市町村は地方分権型社会の実現に向け、住民に身近な事務は住民に最も身近な市町村が処理することが望ましいとの合意を得たところでございます。その後、この一年間で四百六十五項目の事務について移譲市町村を拡大いたしました。

 議員から御紹介のありました旅券発給事務の移譲につきましては、県の旅券窓口に出向かなくても、役場の窓口で手続が完了するなど、住民の皆様の利便性が飛躍的に高まるものであり、新たな権限移譲事務のモデルとすべく検討を重ねた結果、本年十月一日に揖斐郡三町に移譲することで合意したものです。県といたしましては、これをモデルとして得られた成果や問題点を整理し、他の市町村にも旅券発給事務の移譲を進めてまいりたいと考えております。

 また、他の分野につきましても、権限移譲が進むよう引き続き積極的に取り組んでまいります。



○副議長(駒田誠君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 総合評価落札方式の見直しについてお答えします。

 地域の建設業は、議員御指摘のとおり、災害復旧や地域の経済、雇用に重大な役割を担っていますが、現在大変厳しい状況にあると考えております。このため県では、一般競争入札の一部で、価格や技術力に加え、地域貢献も評価項目とする総合評価落札方式を平成十八年度から実施しており、今年度は一般競争入札の五〇%、二百件をめどに実施し、その拡充を図っています。

 現在、評価項目のうち地域要件は、地域内での営業拠点の有無、災害活動の実績、除雪業務の実績、県内業者への下請率等を設定し、その割合は全評価項目の約二五%と、全国平均の約一五%に比べ高い設定になっております。

 昨年度の総合評価落札方式による入札の実施結果は、土木一式工事で土木事務所管内建設業者の受注率が九六%となっており、おおむね地元建設業者が受注している状況ですが、今後もなお一層地域に根差し、地域に貢献している建設業者が適正価格で受注できる機会を確保するため、総合評価落札方式の拡充を図るとともに、地域要件についても関係業界や第三者委員会の御意見も十分に踏まえ、見直しを検討してまいります。



○副議長(駒田誠君) 農政部次長全国豊かな海づくり大会担当 高木 等君。

   〔農政部次長全国豊かな海づくり大会担当 高木 等君登壇〕



◎農政部次長全国豊かな海づくり大会担当(高木等君) 県内各地において行われる関連行事の取り組みを含め、ぎふ長良川大会の概要についてお答えします。

 ぎふ長良川大会は、来年六月十二日に岐阜市において歓迎レセプションが、六月十三日には関市において式典行事が、関市池尻の長良川河畔で放流・歓迎行事が開催されます。岐阜市、関市においては、地域の個性を生かし、にぎわいをつくり出すふれあい交流行事も行われます。さらに、これまでに三十二市町村がサテライト行事の企画を進めていただいており、行事全体では過去最大級となる十一万人を超える規模の大会となる見込みです。また、協賛行事につきましても、現在までに八十七件の行事を登録いただいております。

 今後、大会キャラクター「ヤマリン」を活用した広報キャンペーンを積極的に行うとともに、水系でつながる上下流県の子供たちが一緒に参加する「水の子ども会議」や、上下流をつなぐリレーなどの取り組みも進め、大会の盛り上げにつなげてまいりたいと考えております。



○副議長(駒田誠君) 六番 村上孝志君。

   〔六番 村上孝志君登壇〕(拍手)



◆六番(村上孝志君) 議長の発言の許可をいただきましたので、今回は行財政改革関連で、花フェスタ記念公園の運営と県立少年自然の家の存続についての二件と、地方分権関連で定住自立圏構想について、そして外国人子弟の教育問題の四点についてお伺いさせていただきます。

 この発言席から見回してみますと、この議場の最前列に十の議員席がございます。そうした中で、既にもう九名の議員が登壇されました。私が最前列では最後の登壇者となりますけれども、この議会も三日目を迎え、既に十六名の皆さん方が登壇してみえています。既に十六名の皆さんが登壇してみえているということでありますと、重複する事項も数多くございます。私の質問の中でも二つほど重複いたしますが、私なりの観点から質問させていただきたいと思います。

 まず、一点目の花フェスタ記念公園の運営についてでございます。

 古田知事は、さきの二期目の選挙の際、「定員削減などによる人件費の抑制、事業の重点化による一般行政経費の削減、外郭団体の合理化、県有財産の売却、債権徴収の強化などの方策を動員して財源を捻出し、今後四年間で財政構造を変え、持続可能な財政運営を確保します」と述べられ、当選されました。その結果、現在も行財政改革に努められているわけでございますが、私は、福祉を初め教育的な施設、図書館、美術館、また博物館などの事業、文化、スポーツなどのいわゆる人づくりに関係する施設は政治の原点であると考えております。もうかる事業は民間にやってもらえばいい。しかし、採算を度外視してでも人づくりに関する事業は公共でやるべきだと考えております。財政が厳しいからといって、おろそかにしてはいけない。そういった観点から、初めに二つの質問をさせていただきます。

 花フェスタ記念公園は、県費二百四十八億円を投じて整備された県営公園であります。県では、平成十六年七月から、幾つかの県営公園の管理運営に指定管理者制度を導入しています。花フェスタ記念公園は、平成十八年度から三年間の特定者指名により、財団法人 花の都ぎふ花と緑の推進センターを指定管理者とし、この四月には引き続き同推進センターが二年間指定管理者としての管理を行うことになりました。

 花の都ぎふ花と緑の推進センターは、公園管理運営事業と花の都ぎふ運動推進事業の二つの事業を行っております。花の都ぎふ花と緑の推進センターでは、花の都ぎふ運動の理念であります「日本一美しい岐阜県」を目指し、「花づくり」「花かざり」「人づくり」を三本の柱とした運動を継承し、政策総点検の結果を受けて、民間団体による事業・活動への援助や人材育成、活動の場の提供など、民間活動への支援を推進しております。こうした状況を踏まえ、この事業を進めるに当たっては、県、市町村、関係機関のほか、民間団体、ボランティア団体などとの連携を密にし、さらには積極的な事業推進に努めていくとの方針を示されております。

 管理運営事業としては、花フェスタ記念公園内バラ園の適正な維持管理業務、花フェスタ記念公園に設置された花の地球館・バラ園・花のミュージアム・プリンセスホール雅・茶室及び花ポッポなどの管理運営業務、花卉資材及びグッズなどの販売、花の情報サービスでありますが、県は、花の都ぎふ花と緑の推進センターは解散を視野に入れて検討しており、平成二十三年度以降の花フェスタ記念公園の管理運営について、この二年の間に地元・自治体双方が互いに納得できる方向で検討し、地元自治体または民間へ移行したいとの意向であるとお聞きいたしております。これは、これまで県職員も派遣し、補助金も投入してきたが、財政が厳しいから引き揚げて、後は地元自治体か民間事業者に運営してもらうという考えからでしょうか。しかし、財団を廃止して民間が運営することになれば、地元の可児市やボランティアなどから、今までのような協力は得られないのではないかと危惧いたしております。

 きのうも紹介がございましたが、可児市議会では山田市長が、「バラに特化した公園で独立採算を考えた発想はなじまない」と指摘されており、一般公募によって選定された指定管理者によるバラの維持・管理などに懸念を示され、「民間企業なら手を引かざるを得ない」と話されております。

 また、現在約七十名のボランティアの皆さんのほかにたくさんの事業者の協力もいただいておりますが、第三者による指定管理、あるいは民間になれば、協力を得られるのか懸念されるところでございます。

 さらに、民間に委託するならば、次のことも考慮する必要がございます。

 バラは、咲いた後の花摘みや枝の剪定・消毒など非常に手がかかり、維持費用もかかります。また、モロッコ王国との交流事業として、昨年十月五日にはモロッコロイヤルガーデンが開設され、同国大使をお招きし、記念式典も開催されたばかりでございます。今年三月二十日には、アンネのバラ園も再整備されました。園内には、県の迎賓館にかわるものとして、約四億円を投入して建設した茶室もあります。そこには、人間国宝級の方々からいただいた茶わんも数多く存在しております。

 また、同公園は昨年の入園者が四十九万人を数えました。県内には、有料でこのようにたくさんの入園者を集められるところはほかには余りありません。五月三十一日には、平成七年−−一九九五年−−四月の「花フェスタ'95」の開幕から、入園者が累計で八百万人に達したとの報道もございました。さらには、園内ボランティアの方の話によりますと、今年の「花フェスタ記念公園バラまつり」に訪れた顧客の声として、管理が行き届いている、草もよく取ってある、「どこが所有する公園ですか」との質問も多い、また口コミで来た方が非常に多いとのこともございます。また、昨年までバスツアーで来たが、今年は単独で見に来たという方も多うございます。「広い。すばらしかった」、そして「ほかのバラ園の比ではない。本物だ」などと賞賛の声をいただいているとのことでございます。最近の入園者の特徴として、十回以上訪れたリピーターが二一・七%であったり、六十歳代以上の方が四七・五%を占めたり、外国人の姿も目にするようになりました。以上から、この公園を経済性だけで考えていいのだろうかと思考するところでございます。

 平成二十年度の外部監査報告にありますように、同公園は、公共施設−−都市公園−−としての位置づけ、観光施設としての位置づけ、学術的・文化的施設としての位置づけ、農政施設としての位置づけのほかに、私は、まさに岐阜県が世界に誇れる施設であり、これからの時代に求められる潤いと安らぎを与える公園であると思っております。最近では、特に車いすやリハビリ目的と思われる方々の姿もよく目にします。官民一体となって運営していかなければならない財産だと考えております。背に腹はかえられないとはいえ、岐阜県が地域とともに一体となって地域力をもって守っていくべきだと考えております。

 そこで、都市建築部長にお伺いいたします。

 これまで岐阜県が多額の経費を注入し、約二十年をかけて地域とともに構築してきた世界一の同公園は、これからが評価をいただくときです。同公園を岐阜県の宝物として守っていくべきだと考えますが、今後の運営・管理をどうされるおつもりか、お聞かせください。

 次に、二点目でございます。県立少年自然の家についてお尋ねいたします。

 県内には現在、伊自良、関ケ原、土岐、御嶽の四カ所に、県立少年自然の家があります。東濃・可児・加茂地域では、自然体験や集団宿泊体験など体験学習の重要性が求められている中、安全で安価な体験施設として、土岐少年自然の家を活用しております。しかし、施設の安全面や施設の老朽化の理由で廃止などの見直しを検討している話が持ち上がっており、学校関係者や父兄の間から不安の声が出ております。今、少年自然の家が廃止された場合、一学年を収容できる規模の安全な宿泊施設はほかには見当たりません。特に、自然の宝庫で、小学校の児童が身近で集団宿泊を体験できる施設はほかにはなく、必然的に宿泊体験を中止せざるを得ません。これは、国や県の教育方針と相反することであります。県はどのように認識してみえるのでしょうか。また、選択と集中との観点から、新しい施設、あるいはそれにかわる代替施設はあるのでしょうか。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 県立少年自然の家について、今後どう対処されようとしておられるのか、お聞かせください。

 次に、定住自立圏構想についてお尋ねいたします。

 定住自立圏構想とは、中心市と周辺市町村が役割分担し、地域活性化をねらう総務省の施策でございます。都市部への人口流出防止のほか、一自治体でできることには限界がございますとの考えから、都市機能の集約・確保などを図ることを目的に、医療や福祉、公共交通、道路整備など、各分野で自治体同士や民間団体と連携するというものでございます。制度は本年度からの施行でありますが、美濃加茂市など全国二十四市が先行実施団体として協議を始めているとのことでございます。中心市には、昼間人口が夜間人口を上回るなどの条件がありますが、県内ではこの美濃加茂市や岐阜市、大垣市など五市が要件を満たしております。

 この定住自立圏の取り組みの一例として、従来から言われていたことでございますが、コミュニティーバスの相互利用と共同運行、道路下に埋設される上下水道の配管の相互利用、IT−−情報技術による医療のネットワーク化による地域医療の充実が期待されるほか、多文化共生での連携などがございます。

 財政面でも、中心市には四千万円、ほかの町村には一千万円の特別交付税が国から配分される予定であり、既存の補助制度でも優遇されることも期待されるほかに、コミュニティーバスの共同運行や多文化共生での連携も予想されるところでございます。

 定住自立圏の協定は、中心市と周辺市町村と一対一で締結され、メリットがなければ、一部市町村のみと圏域を構成する可能性もあります。合併が結婚だとしたら、定住自立圏は仕事のパートナーであり、一緒にできることをやっていくのが目的で、すべてが一緒になる合併とは全く違います。協定を締結するのにかぎとなるのは、連携分野をまとめた共生ビジョンの具体化でございます。前例がないだけに、互いの住民の意見を反映させたビジョン策定に向け、積極的に協議する必要があり、協定には各市町村議会の議決が必要で、各議会、住民を納得させられる具体性が何よりも求められます。

 地方自治体は今、いかに存続していくかが課題となっております。互いのメリットを生かし合うという定住自立圏が、今後の広域連携を考える上で、基礎自治体の指針になるのは間違いないと言われております。県内で唯一進められております美濃加茂市を中心とした定住自立圏は、行政の新しいシステムをつくり出すという意味で、県内のみならず、全国的にもモデルケースになると思われます。

 以前、知事も定住自立圏の評価として、「合併に直接つながるわけではないけれども、市町村が主体となって広域的な観点に立った問題解決、行政効率の向上を図る一つの方法である」と述べられました。

 そこで、総合企画部長にお伺いいたします。

 現在、美濃加茂市を中心に進められております定住自立圏構想は、現在どのような状況にあるのでしょうか。そして、定住自立圏構想を市町村が進める上で県として果たす役割は何でしょうか、お聞かせください。

 また、今回の国の補正予算において、定住自立圏全体の暮らしに必要な都市機能を確保するために民間企業などの事業を補助する定住自立圏等民間投資促進交付金が創設され、県がプログラムを策定し、国に提出するものとお聞きしましたが、今後どのように進められるのか、あわせてお聞かせください。

 最後に、外国人子弟の教育問題についてお尋ねいたします。

 外国籍の子供も日本の子供と同じように、日本の将来を背負う大切な若者です。外国籍の子供も日本の子供も、ともに一人ひとりを大切にし、心身ともに健やかにはぐくんでいきたいものでございます。私は、今日、日本で暮らしておられる方々は、各国の親善大使と同じで、将来、国際友好のかけ橋となり、最大の理解者になると信じております。岐阜県教育ビジョンでも、岐阜県に暮らす生活者であるとの基本認識に立って、多文化共生社会の実現を目指し、外国人児童・生徒の教育の充実に努めると述べられております。

 岐阜県では、西濃地域と可児・加茂地域に数多くの外国人が暮らしてみえますが、まず地元可児市の外国人児童・生徒に対する教育の取り組みについて御紹介したいと思います。

 可児市は、御存じのように、名古屋まで電車でおよそ一時間の通勤圏内にございます。市内には岐阜県最大の工業団地を有し、また近隣市には大手企業が立地しております。一九九〇年に入管法の改正で、日系二世・三世に定住者・永住者での査証が取れるようになりました。市では、平成十二年一月に国際化施策大綱を作成し、従来の外なる国際化から内なる国際化への方向転換を行い、可児市市民として外国人を受け入れる方針を出しました。ことしの四月現在では、外国人の人口は市全体の人口の六・八%を占めており、国籍別人口では、ブラジル人が四千四百八十七人と最も多く、外国人人口の六四・五%を占め、フィリピン千六百三十六人、中国三百三十二人、朝鮮・韓国二百七十一人、ペルー五十一人、ベトナム四十八人と続き、そのほかに二十六カ国の外国人が居住してみえます。外国人の人口の増加に伴い、可児市の公立の小・中学校で学ぶ外国人児童・生徒の数も平成十三年度ごろから急増しております。現在では、景気後退による影響を受けて、帰国退学者がやや増加したものの、四月一日現在でも三百四十二名の外国人児童・生徒が在籍しております。これは、市内の児童・生徒数の約四・〇%でございます。

 来日した直後の外国人の児童・生徒にとって、日本の学校で学び、生活することには多くの困難が伴います。かつては日本語がわからないということで、日本の学校生活になじめず不適応を起こしたり、自分のよさを発揮できずに自暴自棄になったり、学校をやめたりするようなケースもあり、総合的な新たな政策が必要となりました。これらの対応策として、可児市では、通訳サポーターの配置、教育相談体制の整備、初期指導教室「ばら教室KANI」の開設、教科指導として国際教室の充実など、平成十七年四月から総合的な外国人児童・生徒学習保障事業がスタートいたしました。

 外国人の子供たちが将来の夢や希望を大切にしながら学校で学習し、学ぶ力を身につけ卒業すること、そして高校への進学や、資格などを取得し、自立した社会人、ともに日本を築く職業人となっていくこと、また不就学ゼロを目指して、外国人児童・生徒の多い学校には国際教室が設置され、現在市内の小学校四校と中学校一校に合計十の教室がございます。「ばら教室KANI」の指導を引き継ぎ、日本語や教科、日本の生活習慣などの指導を初め、仲間関係や集団づくり、規範意識の指導を、形態・方法を工夫して指導されております。平成十七年度からは、日本語指導だけではなく、教科指導、特別活動などトータルとしての外国人児童・生徒の学習の場−−学級として位置づけられております。人的には、通訳サポーター七名と巡回指導員一名を市で雇用し、岐阜県からも適応巡回指導員として二名が配置されております。また、緊急時には、まちづくり推進課の通訳、三名の常駐が対応する体制となっております。

 国際教室を修了すると、次は日本の子供たちと同じ教室で授業を受けることになります。しかし、授業の内容などでわからない点が出てくることもございます。わからない点については個別に補助指導を行い、学校生活をフォローしているとのことでございます。

 これまで過去四年間の成果と今後の課題として、急激な外国人児童・生徒の増加に対して、それぞれの担当や学校現場が連携を図りながら適切に対応できている。その結果、外国人児童・生徒数は二倍を大きく超えてまいりましたけれども、市内の各学校が戸惑うことなく、安定した対応状況がとれている。外国人登録後、就学先が不明な児童・生徒に対しては、外国人児童・生徒コーディネーターなどが家庭訪問などを行っている。不就学の外国人児童・生徒は極めて少ないと思われる。「ばら教室KANI」を修了した児童・生徒は、初期指導の実施により学習に前向きに取り組み、学校生活への適応にも戸惑いがなく、安定した学校生活を送っている。そして特筆すべきは、修了した児童・生徒が在籍校を中途退学するケースはほとんどないということでございます。初期指導の実施により、学校や学級担任がスムーズに受け入れることができ、国際教室での指導へと引き継ぎ、指導上の負担も軽減されている。また、本人や保護者の日本の学校や教育への理解も図られ、言葉や文化の違いから生じる誤解などによるトラブルも減少している。

 以上、可児市の取り組み状況を御案内いたしました。

 二〇〇八年の十月十三日の地元新聞で、「外国人生徒の入学者選抜として、県教育委員会は、県立高校全日制一般選抜で、入学者定員とは別に外国人生徒を各校三人程度募集する。これまでは帰国生徒と外国人生徒を合わせて各校三人程度としておりましたが、これを改めた。内容は、試験科目として、国語、数学、英語と面接、小論文である。学科試験は日本人と同じ内容だが、加茂農林高や東濃高校など十二高校で三教科にかえて基礎的な日本語能力試験を実施する。これにより、これまでより門戸は広がったが、しかし日本の高校で学びたいと進学を希望する外国籍生徒の増加に対して、県立高校への厳しい出願資格が壁になっている」と掲載されておりました。

 出願資格は、入国後三年以内の者、つまり小学六年生までに来日した生徒は外国人生徒枠では出願できません。日本人と同じように受験する必要がある。日本語能力には個人差が大きい。特に漢字を含めた読み書きは大きな壁である。ある教師は、「来日が早くて資格がなく、進学をあきらめた子もいる」と柔軟な対応を求めております。

 県教育委員会の発表によれば、平成二十一度において外国人枠で合格した生徒は八人です。今年六月一日現在、可児市内の中学校には外国籍の生徒が百十四名在籍し、三年生では二十四名、そのうち日本語の指導が必要な生徒は十八人おります。来年度も多くの外国籍の生徒が進学を希望しております。

 高校進学を目指す外国人生徒のための進学サポートは、さまざまな場で設けられております。可児市の多文化共生センター「フレビア」では、義務教育の学歴を過ぎた六名の外国籍の子供たちが就学支援教室「希望」で、来春の公立高等学校入学者選抜の受験を目指して、支援員のサポートを受けながら毎日勉学に励んでおります。

 私は、この記事のように、外国人生徒も、その一人ひとりがかけがえのない岐阜県に暮らす生活者であるとの基本認識に立ち、多文化共生社会の実現を目指し、一人ひとりの希望に応じた進路の実現が図られるよう支援しなければならないし、学校や地域においても、外国人生徒と日本人生徒が互いを理解・尊重し合い、ともに生きていく資質や能力を育成するための教育活動を展開していく必要があると思います。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 このように県立高校への入学を目指して努力している外国人生徒に対して、高等学校入学者選抜の改善がどのように図られたのでしょうか。また、高校入学後の外国人生徒に対する学習支援などにはどのような配慮がなされているのか、お聞かせください。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 総合企画部長 上手繁雄君。

   〔総合企画部長 上手繁雄君登壇〕



◎総合企画部長(上手繁雄君) 定住自立圏構想についてお答えいたします。

 美濃加茂市は、本年三月に全国で十番目に中心市宣言を行い、加茂郡内七町村を対象に定住自立圏構想を進め、近く美濃加茂市と坂祝町が先行して定住自立圏形成協定の締結を行う予定であると伺っております。その後、他の六町村も条件が整い次第、協定を締結するものと思われます。

 定住自立圏に関する県の役割は、市町村に対する助言と情報の提供、国及び市町村間の調整であり、これまでも美濃加茂市と町村との協議の場の設定などを行ってまいりました。

 また、定住自立圏民間投資促進交付金につきましては、定住自立圏の形成に必要な医療や公共交通などへの民間資本の導入に対し、事業費のおおむね四〇%が国から交付されるものですが、その申請に際して県がプログラムを策定することとされております。具体的な事業につきましては、既に美濃加茂市と協議を開始しております。よりよいプログラムとなるよう、策定作業を進めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 花フェスタ記念公園の管理運営についてお答えいたします。

 当公園は、平成十年度から財団法人 花の都ぎふ花と緑の推進センターが管理運営を行っており、指定管理者制度を導入した平成十八年度から、当財団を指定管理者に特定者指名しております。当財団は、世界に誇れる七千品種のバラを有する貴重な公園を適正に維持管理し、バラの最盛期には開園時間を延長するなどサービスの向上に取り組み、利用者の皆様から高い評価を得ていると認識しております。また、公園の管理運営を通じて地域振興に貢献するなど、地元関係団体との良好な関係が構築されています。

 しかしながら、危機的な県の財政状況において、財団への人的・財政的な県の関与の縮減と指定管理料のさらなる削減を図る必要があると考えており、県民の貴重な財産である当公園を今後とも維持していくためには、より効率的な運営を行う必要があると考えております。

 現在、行財政改革指針に基づき公園の管理運営のあり方について検討しているところでありますけれども、公園の歴史的経緯、地域振興などを踏まえ、地元可児市の御意見を伺い、十分な調整を図って検討を進める所存であります。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) まず、県立少年自然の家についてお答えいたします。

 自然の中でのさまざまな体験活動や集団生活を通じて豊かな人間性や社会性をはぐくむことは、教育上重要なことであります。県教育委員会におきましては、教育ビジョンに示したふるさと教育の推進に当たって、地域の資源や人材を生かした地元ならではの創意工夫に基づく体験活動に着目すべきと考えております。また、県立の四つの少年自然の家については、開所から既に三十年以上が経過した施設もあり、大規模な改修とともに、施設によっては耐震補強やアスベストの除去も必要になってきているなどさまざまな課題を抱えております。

 なお、現在県内には百を超える公立あるいは民間の自然体験が可能な宿泊施設が整備されているほか、県内や隣県には、県立少年自然の家と同等の機能を有する規模の施設が複数あり、代替施設としての利用が可能であると考えております。このような状況も踏まえ、県立少年自然の家の今後のあり方について検討を進めているところであります。

 次に、外国人生徒の入学者選抜につきましては、この春の入学者選抜から、すべての県立高校において、外国人生徒の募集人員を、通常の入学定員とは別に、各校三人程度外国人生徒枠として設けました。また、ポルトガル語、中国語、英語に翻訳した入学者選抜要項を作成し、外国人の中学三年生全員へ配布するなど、その制度の周知を図ってまいりました。

 こうした改善と中学校における適切な進路指導により、この春、県内の中学校を卒業した外国人生徒で、公立高校への進学を希望した生徒のうち、八割を超える生徒がその進路を実現させています。

 なお、高校入学後の外国人生徒に対しては、学校生活への適応指導や日本語指導のため、外国人児童生徒適応指導員を派遣するなど人的支援を行うとともに、日本語を学ぶための教材を作成し、学びやすい環境づくりに努めております。

 今後も外国人生徒の高等学校への進学希望を踏まえ、県立高等学校における外国人生徒の受け入れ体制のあり方等についても検討を進めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 十二番 川上哲也君。

   〔十二番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆十二番(川上哲也君) 通告に従い、質問をさせていただきます。

 まず最初に、自死−−自殺−−対策について質問させていただきます。

 この「自死」という言葉についてですが、「自殺」といいますと「殺す」という文字を使うため、遺族の方から非常につらい言葉だという意見もあり、最近よく用いられる「自死」という言葉できょうは質問をさせていただきます。

 また、この自死対策につきましては、経済的な理由とか、そしてまた環境の変化、いろんな複合的な要因が絡んでいる問題であり、一つの対策でこれを解決することは当然できないと思います。きょうはその第一歩ということで質問をさせていただきたいと思います。

 本日の午前中の教育長の回答にも、教員の休職−−休んでみえる方のうち、その理由に六割がうつを初めとする精神疾患が挙げられているというようなことをおっしゃっておられました。本当にこの精神疾患対策、非常に大きな課題となってきております。

 先日、私の知人で、ふだんは非常に明るい方、自死遺族だということは全く想像できなかった方に対して、この自死問題を議会で取り上げようと思うという話をしたところ、こんなメールが届きました。

 「天井からぶら下がっている母親をおろすときの悲しさは忘れられないし、その予感を持っていたのに救ってやれなかった強烈な罪悪感、自己嫌悪感は今でも引きずっているんです。見ようによっては、つま先立ちで立っているような状態でしたけど、そこに広がる雰囲気、人が死んでいるという場の空気というものは、言いようのない恐さをはらんでいました。最初に見たときは驚愕以外の何物でもなく、ただただ必死で早く抱きしめてやりたい、息を吹き返してほしい、そんな思いでひもを首から外していました。「つらい、苦しい、怖い、楽になりたい、とにかく楽になりたい」、そう訴える母親。そして、もしかするとという予感もあった。でも、母親を救うことはできなかった。」

 他人では全く想像できないつらさであると思います。そしてさらに、その現場で行われた事情聴取の現場保存第一の言葉、つまり「なぜおろしたんだ」という言葉が、この遺族の悲しみを大きくさせたということも書いてありましたので、こういった現場での対応マニュアルについても必要性を感じております。

 さて、自死を防ぐその第一歩は、ヘルプメッセージを発すること、助けてくれと言えることなのかもしれません。しかし、この経済状態の中で、家族や親戚も精神的余裕がない場合もあり、助けてほしいと発しにくい、また助けてほしいと発することが逆に迷惑をかけるのかもしれないという気持ちになってしまう。うつ状態の場合は、さらにその感覚が強くなるのかもしれません。自死総数の九割以上が何らかの精神疾患を持ち、その大半は治療可能だっただろうという研究もありますが、自死前に精神科等に受診した割合は三割にも満たないと言われ、ヘルプメッセージの発信も受診もできずに亡くなった方がいかに多いかがよくわかります。

 先ほどの遺族の方が、こんなこともおっしゃってみえました。「自死を選んだ本人も、とても苦しかったと思います。そして、その自死を選んだ者には家族がいるんです。遺族も苦しみ続けなければなりません。全国で自死者が三万人いるということは、毎年十万人以上のつらい自死遺族がふえているということなんです。」岐阜県でも自死はふえ続け、今年も前年より増加しております。

 ということで、健康福祉部長に質問させていただきますが、岐阜県ではこれまで、この自死−−自殺−−対策については、電話をかけるなど自発的対策を必要とするものが中心でありました。しかし、自死された方の精神科受診率が低い、あるいはヘルプメッセージを発しにくい現状などからも、これらの効果は低いと考えられ、また自分がうつであるということを認識できないうちに重症化する例も少なくありません。今後は社会復帰できるような、あるいは社会生活を継続できるような軽い症状のうちにその状態を確認し、地域として対策を講じるためにも、自死防止に対して先進的に取り組んでみえる静岡県富士市のように、精神科とそれ以外の医師、カウンセラーなどのネットワークを各圏域ごとにつくり、自死の危険性がある方を見つけ、対応していくシステムを構築していくべきでありますが、いかがお考えでしょうか。

 また、簡単にうつの自己診断ができるセルフチェックシートを作成し、精神科以外の医療機関や社会福祉協議会、民生委員、心理カウンセラー、そして相談先となる税理士や弁護士事務所等に配布し、その危険性のある、あるいはちょっと様子が……と思われる方に渡してもらうことや、セルフチェックの携帯電話用ネットサイトのQRコードを県や市町村の広報紙面に掲載することなどで、軽い症状のうちに自分の状態を知っていただくこと、そして家族に知っていただき、自死を防ぐきっかけづくりを早目に行えるようにすべきと考えますが、これについてどうお考えか、以上二点についてお答えを願います。

 次に、飛騨特別支援学校日赤分校高等部設置について質問させていただきます。

 これにつきましては、この課題が「かがやきプラン」により五年以上先−−今から五年以上先となると非常に先でありますが−−その五年以上先ではありますが、改善されることにはほっとしているところであります。しかしながら、一年でも早く高等部を設置してほしいという願いは変わっておらず、どうかその声に少しでもおこたえいただきたいというふうに思っております。

 その日赤分校高等部設置の必要性についてでありますが、一点目としては、小学部・中学部九年間を日赤分校で過ごした子供たちの体調管理について、病弱というハンディーを持つ子供たちの体調を、先生方、そして看護師さんは、長い間に細かい点まで把握してくださっています。その先生や看護師さんと離れ、新しい環境で三年間過ごすということは、一部ゼロからのスタートとなる部分もあり、先生方は一生懸命対応してくださっていますが、ほかの障がいと違って病弱というものであるために、御家族の不安はなくならない状態であります。

 二点目として、病弱であるために、いざというときの対応についても考えておかなければなりません。以前とは違い、看護師さんが勤務しているため不安も減少しておりますが、子供の容体が急変するという危険性もあります。

 以前、心臓が弱いお子さんをこの日赤分校に通わせていた保護者の方が、こんなことを言ってみえました。「朝起きて、自分の子供が息をしていることを確認してから私たちの一日がスタートするんです」ということを言ってみえました。この特別支援学校の本校と日赤分校の距離、車でわずか十分程度でありますが、それがこの親御さんにとっては非常に長い距離に感じられていたということでありました。

 そこで教育長、「かがやきプラン」では、日赤分校に高等部が設置されるのは平成二十六年以降の実施になる見込みであり、これは特別支援学校を各地に設置することによって本校の受け入れ体制を広くし、それから日赤分校の高等部設置に臨むということでありますが、できるだけ早く高等部を設置してほしいという願いは変わっておりません。人員配置等のソフト対策で解決する部分も多いため、五年以上先と言わず、できる範囲は前進させるべきでありますが、高等部設置までの対応についてどのような改善を行うか、お答え願います。

 次に、私も医療に携わる一人でありますが、新型インフルエンザの対策について質問させていただきます。

 ついに国内でもタミフル耐性が出てしまったという気もしておりますが、さて、このインフルエンザウイルスについて調べてみますと、自分とそっくりのものを複製する能力が非常に低い、このためにエラーを発生させてしまう。コンピューターでいえば、バグが出てしまうようなものだという説明をされる方がありますが、そういったミスによっていろんな変異が起こってしまう。たまたまそれがタミフルに強いものになったり、人間間の感染が起こりやすいものになったり、そういった変異が起こってしまうようであります。言ってみれば、ポケモンとか仮面ライダーのように、自発的な意思で変身をするのではなくて、進化形になるのではなくて、たまたまミスでそうなってしまったと考えた方がよいとも言われております。

 それに対して、抗ウイルス薬のタミフルはどう効くのかといいますと、タミフルがウイルスを殺すのではなくて、タミフルが人の細胞の中に入る、その細胞の中から出て、またほかの細胞へ行く、その細胞から出るところをとめるのがタミフルの役割であって殺すものではないために、体じゅうに広がってからでは効きにくいという状態とあります。それが、今、タミフル耐性のウイルスが出てきてしまったということはどういうことかといいますと、ウイルスをタミフルが殺せなくなったのではなくて、細胞から出すところをとめられなくなった。つまり、次の細胞へ移ることをとめられなくなったということであります。そのほかに、じゃあリレンザがあるからいいじゃないかという話もありますが、リレンザというのも、またぜんそく発作の誘発をするという副作用があるために、なかなかこれも注意しながら使わなければならないという状態であります。

 ということで、秋以降の第二波対策についてでありますが、明らかに現在より家族にうつりやすい状態になること、タミフル耐性型の広がりも予想されますし、診察した医療機関、学校、職場などでも、かなり速いスピードで感染が広がると思われる上に、現在冬の時期で流行している国の中には、一般的に言われております致死率〇・四%というよりも、明らかに高い確率での死亡率をあらわしている国も出てきております。

 そこで、既に質問があった部分は省いて、以下健康福祉部長に質問させていただきますが、特に濃厚接触者となりやすい家族、医療機関、公共機関における予防的投与について、県としては一体どこまで行うのでしょうか。抗ウイルス薬を予防的に投与する場合、個人負担とか、公的負担とか、いろんな場合が考えられますが、どこで線引きをして抗ウイルス薬を配布するのか。

 また、ワクチンについては、これもワクチン製造での問題がありまして、新型インフルエンザウイルスを入れるのであれば、今、A型であるとソ連型と香港型というものがありますが、そのどちらかしか入れることができない、つまりどちらかを外さなければならないという製造面での問題。また、不足するだろうということが強く言われているのが検査キット。この検査キットの不足が予測されるための、とりあえずのタミフル処方やリレンザ処方、そして医療機関に新型インフルエンザ患者が受診した場合の予防的投与などにより使用量が急増することも考えられますが、おくれのない抗ウイルス薬配布対策についてどのようにお考えか、お答えを願います。

 次に、来年、全国豊かな海づくり大会が開催される岐阜県の清流を守るという観点で質問をさせていただきます。

 豊かな海をつくるために清流を守るんだということを全国発信する岐阜県であるからこそ、その源流も守らなければならない。しかし、課題も出てきております。

 例えば、水質基準のうちBOD、つまり生物化学的酸素要求量を例にとりますと、これは容積あたりの酸素要求量が基準となっておりまして、単位はミリグラムパーリットルが用いられております。このBOD、ごまかしも簡単でして、例えばBODが十である排水を五にしようと思えば、これは至って簡単。BOD十の排水に水を加えて倍量にすれば、BODは半分の五になりますので、それを倍量流せば、もとの排水すべてを流せることになります。

 では、BOD基準値内の排水であればすべて魚がすめるのか。答えはノーであります。一般的に魚がすめるBODの数値というのは、五ミリグラムパーリットル以下であると言われているのに対して、河川に対しては百六十ミリグラムパーリットル以下という排出基準もあります。つまり、単純計算しても、三十二倍以上に希釈しなければ魚はすめないということになります。これが水量の大きな河川に流されるのであれば、河川全体で見ると、その排水によるBODの影響は小さくなり、魚もすめる、アユもすめる川となるわけでありますが、これが源流域の水量の小さい川であるということになると、問題は違ってまいります。源流域においては河川の水量が小さいため、BODの高い排水を流した場合、またはBODを小さくした基準値内の排水であっても大量に排水した場合、これは先ほど言いましたように、薄めて大量に排出すれば全部流せるということになりますが、そういったことをした場合は、河川の流量がその排水の数値を下げ切れなくなり、そのことによって魚のすみにくい、あるいは魚のすめない川となってしまう危険性があります。

 全国的な目で見てみますと、下流域は魚もすむ河川であっても、その源流域にはBODの高い排水を大量に流している事業所があるため、河川の水質汚濁や、におい防止について、地元町内会が毎年改善要望を出しているという地域も既にあらわれてきております。

 そこで、知事にお尋ねします。

 仮に、県内の清流、これは日本海側へ流れる清流、太平洋側へ流れる清流、いろいろありますが、その清流の源流域にBODの高い排水を大量に流す、そんな事業所が進出してきた場合どうなるかといいますと、下流域ではほかの支流などからの水も加わるため、アユが平気で泳ぎ回っている河川であっても、その源流ではBOD基準値内の排水を大量に流すことによって魚がいなくなるなど、環境汚染が進んでしまいます。豊かな海づくり大会を初めて内陸県で行う岐阜県だからこそ、海を守るため、源流を守っているんだということを全国に発信するためにも、例えばBODであれば、単位容積あたりの基準だけではなく、水量が少ない源流域ですと、単位時間当たり総BOD排出量を定めるなど、源流を守ることができる基準をつくっていくことが必要であると考えております。

 今議会でも、知事は「海づくり大会では清流の国をPRする」という言葉を使われましたが、この清流を守る、源流を守る基準づくりについてどのようにお考えか、お答え願います。

 次に、長い間の懸案となっております消防団員の確保についてお尋ねします。

 私もまだ現役消防団員でありますが、私の所属する班には、五十歳を超え、かつ入団から三十年を超えた方も見え、その方には本当に申しわけなく思っております。消防団員の勧誘については一生懸命やっているのですが、現実は本当に厳しい状態であります。もちろん、すべての班がこのような状態なのではありませんが、全体的に見ると団員確保が難しくなってきていることは間違いありません。

 そういった中、十年後の目標として、現在の団員数を確保するということが長期構想にも明記してあります。現実問題として、この団員数確保がクリアできるか。現在の団員にそのまま残ってもらって、平均年齢がぐっと上がることを覚悟した上であれば、その数値は可能なのかもしれませんが、現在の平均年齢を維持したままでの団員数確保というのは、現在の岐阜県の対策では不可能だと言わざるを得ません。

 機能別消防団というものもあります。団員確保に困っている地域については、退団できる−−団員をやめることができる年齢も高くなってきておりますので、もちろん機能別消防団を設置するのも非常に難しい。また、事業所表彰制度についても、個人事業や零細企業が高い割合で団員を出しているのに、わざわざ団長推薦まで受けなければ表彰されないなどの矛盾点も多く、これらの効果についてはクエスチョンマークであります。

 消防団員数だけを維持しようとすれば、幽霊団員増加の危険性もあり、現在の経済状態では、民間企業で働く団員の中には、消防活動に力を入れることが原因で、会社内で不利益を受けそうになったという方もあり、民間の力だけではさらに厳しさを増すことも予想されます。

 そこで、県が真剣に消防団員の確保に取り組むのであれば、消防団に入ろうと思えるだけの具体的施策を示すか、あるいはそれがなければ、県職員みずからが団員となって施策策定までをつなぐのも一つの手でありますが、いずれにいたしましても、このまま手をこまねいていては消防団活動が崩壊する危険性すら出てきております。

 ということで、知事に質問させていただきますが、消防団の将来像と今後の対策についてどのように考えておられるのか、お答え願います。

 最後に、地域防災力向上について質問させていただきますが、よく、地域の防災力を高めるためには、家庭の防災力向上が基本とお話しさせていただくことがあります。自分と自分の家族が無事であれば、自分の家族を救助に来るその力をほかの家へ向けることができる。だから、地域防災力の向上の第一歩は、自分のうち、家庭内の防災力をアップすることだということであります。

 以前、小学校の総合学習で防災の授業をやらせていただいたことがあります。そのときの内容は、家庭内の災害図上訓練というものでありました。子供たちに、宿題で家の中の見取り図を書かせまして、もちろんこれは親子でやってもらいますが、その見取り図をもとに、大きな災害が発生したらどうなるかを考えてもらいます。すると、たんすやテレビが飛んでくる、本棚が倒れる、窓ガラスが割れる、そしてここに寝ているお父さんはけがをするとか、僕もけがをしてしまうとか、いろんな予想意見が出され、中には家族にどくろマークをつけている子もいました。その後、ではどうしたらそのけがを防ぐことができるんだろうかと考えてもらったところ、たんすを人の寝ていない部屋に移動させるとか、固定させる、窓ガラスにはフィルムを張るなど、さまざまな意見を発表してくれたんですが、問題はそこからになります。つまり、その考えたことをいかに実践に移すのか、それがなければ何にもなりません。大人対象の研修会で、家具の固定は大事と訴えましても、一年後に同じ会場で「家具の固定をしましたか」と尋ねると、ほとんどの手が挙がらなかったなんてことはよくあります。そのため、この授業ではこんなことをしてみました。

 この日は家族参観日だったもんですから、その授業の終わりに、「きょう、この授業を聞いてくださったお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、皆さんの前で子供たちが一生懸命考えてくれました。たんすの固定とか、窓ガラスのフィルム張りとか、一生懸命考えてくれましたが、子供たちの命を守るために、きょう帰ったら早速家具の固定とかそういったものに取り組んでくださる方」というふうに挙手を求めたんですが、ほとんどの手が挙がりませんでした。このときに子供たちがぱっと後ろを向いて、その子供たちの目が自分の目を見ていると思った瞬間に、その人から手が挙がってきました。つまり、子供たちに対して家具の固定をすることを約束したことになったわけですが、防災教育を行う場合、子供たちの感覚を間に挟んだほうが、その効果は非常に高いことがよくわかりました。

 そこで、危機管理統括監にお尋ねします。

 たんすの固定など防災に取り組む家庭をふやすためには、例えば夏休みの宿題で、家庭内の防災力向上、たんすの固定や窓ガラスのフィルム張りなどに家族で取り組む、そういった宿題を出すことによって防災に取り組む家庭数は飛躍的に多くなると考えております。親子でふれあう時間もふやせる、家庭内の防災力も向上するなど一石二鳥以上の取り組みを、ぜひ夏休みの宿題等で防災に取り組んでもらえるような施策を講じていただきたいと思っておりますが、これについていかがお考えでしょうか、お答えを願います。

 以上、前向きな回答を期待し、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 大変難しい問題を二点提起いただきまして、一つは河川の水質汚濁防止の問題でございます。

 御承知のとおり、河川への影響を最小限におさめるために守るべき基準としては、例えば工場・事業場の排水については、水質汚濁防止法に基づき濃度規制による排水基準が定められておるわけでございます。この場合、御指摘がありましたように、排出先河川の水量に対して排出水が多ければ河川の水質に影響を及ぼすということは否定できない事実でございます。

 そこで、議員御指摘の、いわば総排出量による規制といったことを導入するとすれば、水域ごとに河川の自浄能力を勘案して、当該水域が受け入れ可能な汚濁物質の総排出量を定め、この総排出量を流域の工場・事業場、あるいは家庭、農地といったところに割り当てていくというようなことが必要になってくるんではないかというふうに思うわけでございますが、特に源流域におきまして河川の水量は季節や天候による変動が大変大きいということで、この総排出量を数値で決めることもなかなか簡単ではないということもございますし、この総排出量を個々の工場・事業場に割り当てること自身、あるいはその後の工場・事業場の新設、増設、廃止等の状況に柔軟に対応して割り当てていくということもなかなか難しゅうございまして、そういう意味で、総排出量による規制というのは現実の対応としてはなかなか容易ではないというふうに思われるわけでございますが、にもかかわらず岐阜県として先駆的に取り組んではどうかというのが議員のせっかくの御提案でございます。いろんな角度からよく勉強させていただきたいというふうに思っております。

 一方、個別案件として問題となる事例が発生しました場合には、その案件に即して、例えば相手方との合意に基づく公害防止協定の締結でありますとか、あるいは合意ができなければ、公害紛争処理法に基づく公害審査会による調停などといったような対応もあるわけでございますし、また新たに環境に大きな影響を及ぼすような開発事業を行う場合には、御案内のように、環境アセスメントを実行して負荷を低減するということもやっておるわけでございます。したがいまして、議員の念頭に、どの地域のどういう具体的な案件がおありなのかということについても御提示いただければ、その案件に即して、こうした個別的なやり方も含めてご議論できるんではないかと、こんなふうに思っております。

 いずれにしましても、清流は岐阜県の自慢でございまして、これを大切にするということについては私も人後に落ちないつもりでございます。

 二番目が消防団員の確保の問題でございます。

 申すまでもなく、消防団は、自分たちのまちは自分たちで守るという精神で、いわば究極のボランティアということで、消火活動はもちろんでありますが、防災広報、あるいは行方不明者の捜索、大規模災害時における救助・救出など多岐にわたりまして、まさに地域の安全・安心を支えるかなめであるというふうに思っておるわけでございます。

 この消防団員の確保につきましては、一義的には市町村の事務でございますけれども、県といたしましても、この消防団活動が地域社会から理解され、感謝され、応援されるということが団員の皆さんのやりがいにつながる、そしてまた新たな団員の確保につながっていくという観点から、これまでも市町村と連携をしながら広報活動、あるいは各種の表彰などいろいろとやってきたところでございます。しかしながら、団員は減少の一途をたどっておりまして、平成二十年四月現在、県内の消防団員数は二万一千百九十九人と、十年前と比較しますと約七%、千四百八十一人減少ということでございます。このまま減少が続くことについて、大いに危惧されるわけでございます。このため、長期構想におきましては目標数値を設定いたしまして、人口十万人当たりの団員数を現行と同水準、一千六人とするというふうにしたところでございますが、このため今後の対策として、何と言っても危機感を市町村と共有しながら協力をし、確保対策に取り組んでいくということかと思っております。

 例えば、広く一般県民の皆さんに対しましては、本年度から向こう十年間で行うということで、防災啓発キャンペーン「自助実践二百万人運動」というものをスタートするわけでございますが、その中に消防団活動も織り込んで展開していくというのも一つのやり方かと思いますし、また伊勢湾台風五十周年で行う防災フォーラム、パネル展、あるいは集客力のある農業フェスティバル、いろいろなイベントの中でも、この消防といったものについてもっとPRを強化していきたいと思っております。

 また、企業の方々に対しましては、大手有力企業、あるいは商工会・商工会議所などの関係団体に、知事や市町村長も含めて、機会あるごとに加入協力を要請する、あるいは県や市町村の職員が直接企業を訪問して強く働きかけをするといったことについてもこれから強化していきたいというふうに思っております。

 また、地域防災に密接な関係を有します建設業につきましては、県の入札参加資格審査における経営審査の点数の中で、消防団の協力活動部分の配点を高めると、あるいは新たに団員数を加味するといったことも今考えておる次第でございます。さらには、これからの消防団を担う若者に対しましては、高校・大学を対象に避難訓練の機会などを活用して消防団活動を紹介していきたいと思っております。

 また、市町村との連携のために、消防団員確保対策協議会といったようなものを立ち上げまして、例えば機能別消防団というのはどういうものかと、どういう方を対象に、どんなふうに集めていくのかといったような方法についても、よく御説明していきたいと思っております。

 また、今後毎年、入団促進キャンペーン月間とでもいうような期間を設定いたしまして、その時期、強力かつ集中的にキャンペーンを推進していきたいというふうに思っております。

 なお、県職員の消防団入団のお話がございましたが、現在、県職員につきましては、新規採用職員研修の中で、消防学校での救出・救助や規律訓練を行って消防に対する理解促進に努めておりますし、また職員の消防団活動を職務専念義務免除の対象とするということでやらせていただいております。現時点では、県職員五十六名が消防団員として加入しておりますし、これまでに加入の経験のあるものを含めると四百七十人ということでございます。

 いずれにいたしましても、県・市町村がしっかりと連携をしながら消防団員の確保に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。



○副議長(駒田誠君) 危機管理統括監 河合正明君。

   〔危機管理統括監 河合正明君登壇〕



◎危機管理統括監(河合正明君) 地域防災力向上についてお答えいたします。

 県では、これまでに防災パンフレットの作成・配布、防災研修会への講師派遣、防災運動会開催の呼びかけなど、さまざまな方法で防災意識の向上に取り組んできたところでございます。地域防災力の向上には、県民の皆様が防災意識を持つだけでなく、実際にみずから災害に備えていただくことが重要でございます。このため、今年度から新たに、災害にみずから備えることで災害時の被害を減らすことを目的とした防災啓発キャンペーン「自助実践二百万人運動」を県内各地で展開することとしております。

 この具体策の一つとして、議員御提案の、親子でたんすの固定、窓ガラスのフィルム張りなどに取り組むことは有効な方法であると考えております。県では、教育委員会と連携し、夏休み期間中に実施した災害に備えた家庭での取り組みを広く募集することを予定しております。さらに、その優良事例を表彰することにより、より多くの方に取り組みを促し、家庭及び地域の防災力の向上につなげてまいりたいと考えております。



○副議長(駒田誠君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 自殺対策について二点お答えいたします。

 まず、ネットワークなど受け皿の構築でございますが、うつ病などの心の問題の相談窓口として、県精神保健福祉センターや保健所での相談窓口のほか、市町村や民間団体等が行う窓口があり、県では「心と命を守る相談窓口一覧」としてリーフレットを作成し、保健所、市町村、医療機関などを通じて県民の皆様に周知を図っております。

 議員も御指摘されましたが、うつ病の兆候に気づかれた方が、まず最初にかかりつけ医に相談されるケースも多いと思われます。このため、県では十九年度から、地域のかかりつけ医の方を対象として、うつ病の状態にある患者さんや、その家族から悩みを聞き取り、精神科医につないでいただくことを目的とした研修を実施しております。

 また、自殺を考えるに至るまでには、健康問題だけでなく、多重債務、失業、家庭や職場の問題など、さまざまな問題を抱えておられる方も多いのが現状でございます。このようなさまざまな原因に向き合っていくためには、行政機関や医療機関のみならず、福祉関係者、NPOやボランティア団体、弁護士など、多方面からのサポートも欠かせません。

 今後は、県内の各地において、このような多様な方々から成るサポートネットワークが構築されていきますよう、情報提供や会議の場の設定など積極的に取り組んでまいります。

 次に、自殺予防の早期対策についてお答えいたします。

 自殺を図った方の多くが、その直前にうつ病の状態にあったことを多くの専門家が指摘しており、うつ病の状態にあることに御本人や御家族がいかに早く気づき、治療につなげることができるかということが重要であると考えております。このため県では、御本人に早期に気づいていただくようにするための取り組みとして、県精神保健福祉センターのホームページにうつ病の説明をするとともに、みずからチェックができるよう「うつ病チェックシート」を掲載しております。議員の御提案も参考にさせていただき、チェックシートが不眠などのうつ病の兆候がある方により広く活用していただけるよう対策を検討してまいります。

 また、御本人がうつ病だと自覚していなかったり、体調の変化について相談しにくい状況もあることから、家族や職場といった周囲の方々に早く気づいていただくことも重要でございます。このため県では、県民の皆様に、うつ病とはどういう病気なのか、うつ病の症状はどういうものなのかなどについてお話をさせていただいたり、企業に職員が出向いて従業員の方のストレスチェックを行い、職場内の研修会や相談会を行うなどの取り組みを開催しております。

 今後、うつ病はだれもがなり得る病気であることを知っていただくよう、より効果的な啓発により県民の皆様への周知を図ってまいりたいと考えております。

 次に、新型インフルエンザ対策について二点お答えいたします。

 まず、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与についてでございますが、六月十九日に改定された運用指針の中で、国は、今後原則として、予防投与を中止するという方針を示しております。すなわち感染者の家族等の濃厚接触者に対する予防投与につきましては、現在は公的な負担で行っているところでありますが、今後は行わないということになります。

 また、基礎疾患を有する方など重症化が懸念される方については、引き続き予防投与を行うこととなりますが、これは医師の判断によって医療として行うものであり、費用は個人負担となります。

 また、医療機関における医師・看護師等が濃厚接触者となった場合でございますが、これも原則として公的な予防投与は行わないことになります。しかしながら、感染が拡大している状態において、発熱者を診察する医師等が不足する事態が想定される場合など社会機能の維持のために必要と判断される場合には、公的に負担を行うことも検討してまいりたいと考えております。

 次に、タミフル等抗インフルエンザ薬の市場への供給についてお答えいたします。

 県といたしましては、県内全体におけるタミフル等の抗インフルエンザ薬に不足がないか確認するため、県医薬品卸協同組合から、市場への供給可能な数量について毎日御報告をいただいております。その報告によりますと、現在まで県の医薬品卸市場において流通在庫が不足するという事態は生じておりません。しかしながら、個々の卸業者が保有する在庫量には偏りがあるなど、一部の医療機関や薬局にとって入手しづらい状況が生じておりましたので、個々の医療機関や薬局において入手に支障を来す場合には、県医師会や県薬剤師会を通じて県に御報告いただき、医薬品卸協同組合の御協力を得て供給を行っているところでございます。さらに、今後は在庫切れといった状況を生じさせないために、早目に御相談いただくよう徹底してまいります。

 今後、感染者が多数発生した場合には、県内に流通する抗インフルエンザ薬が全体として不足することも想定されます。流通状況について、県医薬品卸協同組合や各医療機関、薬局の御協力をいただきながら厳重に監視していくとともに、市場において不足が生じた場合には、県が備蓄しております抗インフルエンザウイルス薬を速やかに市場に提供することとしております。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 飛騨特別支援学校高山日赤分校高等部設置についてお答えいたします。

 飛騨特別支援学校高山日赤分校は、県内に六校ある病弱の児童・生徒を対象とした特別支援学校の一つで、現在、小学部と中学部の児童・生徒十三名が自宅から通学しています。学校においては、一人ひとりにきめ細かい配慮をした教育的支援を行い、中学部卒業生は、将来の社会的自立を目指し、飛騨地域の高等学校や飛騨特別支援学校本校高等部に進学等していきます。

 議員御指摘の高等部の設置につきましては、「子どもかがやきプラン」の中で、飛騨南部地域及び飛騨北部地域の特別支援学校の整備と知的障がいのある児童・生徒を対象とした飛騨特別支援学校の総合化にあわせて検討することとしております。

 高等部を設置するまでの間につきましては、現状の高山日赤分校で対応することは施設設備面から難しい面もありますが、臨時的な事情が生じた場合には、個別の事情をお聞きしながら対応を検討してまいります。



○副議長(駒田誠君) 三十四番 笠原多見子君。

   〔三十四番 笠原多見子君登壇〕(拍手)



◆三十四番(笠原多見子君) 通告に従いまして、三点について質問させていただきます。

 まず初めに、民間からの人材登用について御質問させていただきます。

 知事は、今年四月の人事異動において、観光交流推進局長に民間の女性を登用されました。三年前にも少子化担当次長に民間から女性の方を登用されました。民間の方を登用することは決して悪いことではございませんし、女性が行政の中でもっともっと活躍していただきたいと思います。

 しかしながら、県は、平成二十一年度から二十四年度までの四年間を緊急財政再建期間と位置づけ、段階的に財政構造の転換を図ることとし、その間、あらゆる角度から現在の財政構造を見直し、平成二十五年度当初予算では、構造的な財源不足の解消を目指すとしています。その財源不足解消の取り組みの一つに、県組織の見直し及び職員数の削減を挙げ、総定員は平成二十年四月一日を基準に、平成二十四年四月一日までに二千四百人削減するとしています。そして、本年度、三・五%から七%の給与カットが行われました。そんな折、民間からの人材登用、それも観光行政のスペシャリストでない方の登用であり、話に聞いたところでは、知事直接のたっての願いでアプローチされたと伺っております。

 県職員は、皆、公務員試験を受け、面接試験等を受けて県職員になっておられます。私が今、県職員になりたいなあと思ってもなれないわけです。前の少子化担当次長は、大学で専門家として少子化問題に取り組んでおられたと伺っておりましたが、民間から県幹部に登用され、どのような成果を上げられたのかよくわからないまま二年でおやめになられたそうです。そもそも短いスパンで取り組む課題ではないので、いたし方がないかなと思います。その一方で、生え抜きの多くの女性県職員は男性社会であった行政の場で、今日までさまざまな理不尽さやつらさを乗り越え頑張ってこられたことだと思います。そんな中で、民間からの人材登用は、よほどの理由があってのことでしょう。そして、この登用によってもたらされる効果と結果には検証が伴わなければならないと思います。それなしに、前回同様、民間からの登用には、職員や県民の理解が得られないと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 こうした民間からの人材登用は、いかなる基準で採用しているのでしょうか。外部に人材を求めなくとも、優秀な県職員をもっと活用すればいいのではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。

 一昨日、新局長さんみずから代表質問の答弁において、みずからの経歴を披瀝されておられましたが、私はそのようなことをお伺いしているのではございませんので、あしからずよろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 土地開発公社及び住宅供給公社の経営に関する認識と今後の対応について御質問させていただきます。

 行財政改革の観点については、これまでにも質問をさせていただいておりますが、今回は、先日総務省より全国の地方公共団体に通知がありました「第三セクター等の抜本的改革等に関する指針」を踏まえまして質問をさせていただきます。

 第三セクター等の改革については、「経済財政改革の基本方針二〇〇八」を受け、平成二十年度までに外部専門家等で構成される経営検討委員会といったものを設置し、評価検討を行うとともに、その検討結果を踏まえ平成二十一年度までに改革プランを策定するなど、集中的な取り組みを行うよう地方公共団体に要請されています。

 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の全面施行から五年間で第三セクター等の抜本的改革を集中的に行えるよう、平成二十一年度から二十五年度までの間の時限措置として、第三セクター等の整理または再生のために特に必要となる一定の経費を、議会の議決等の手続を経て地方債の対象とすることができる特例措置の創設を盛り込んだ地方交付税法等の一部を改正する法律が今年四月一日に施行されました。そして、去る六月二十三日には、現在第三セクター等が行っている事業の意義、採算性等について、改めて検討の上、事業継続の是非を判断し、債務調整を伴う処理を行う場合には法的整理等の活用を図るとともに、事業を継続する場合にあっても、最適な事業手法の選択、民間的経営手法の導入の検討を行うなど、第三セクター等改革推進債の活用も念頭に置きつつ、その存廃を含めた抜本的改革に集中的かつ積極的に取り組むことを求める「第三セクター等の抜本的改革等に関する指針」が今般総務省により策定され、通知されたわけであります。

 本指針における「第三セクター」とは、地方公共団体が出資、または出捐を行っている一般社団法人及び一般財団法人並びに会社法法人を言い、「地方公社」とは、地方住宅供給公社、地方道路公社及び土地開発公社を指すものであります。

 抜本的処理策の中でうたわれている採算性の判断に当たって言われていることは、私が現在までに一般質問に取り上げてきたすべての団体が該当すると思われます。そのうちの一つであります土地開発公社についての判断基準は、債務保証または損失補償を付した借入金によって取得された土地で、保有期間が五年以上であるものを保有しているもの、または保有している資産を時価評価等した場合に実質的に債務超過であると認められるものとあります。

 岐阜県土地開発公社は、平成十三年度から五期続いた損失計上が平成十八年度に黒字転換したものの、現在の財政状況は大変厳しい状況にあります。その主な原因は、公社本来の業務である公有地取得事業が大幅に減少していること、取得して五年以上経過してもなお県からの買い上げが滞っている、いわゆる塩漬けの土地を抱えていることに原因があると思われます。

 塩漬けの土地の主なものに、南飛騨国際健康保養地構想の中で「りはとぴあ」整備事業のため、平成十一年度までに取得した約九・八ヘクタールのうち、下呂交流会館用地として下呂市に売却された一部を除く八・九ヘクタールがあります。平成十二年度に「(仮称)南飛騨総合医療センター」整備事業として、県立下呂温泉病院の移転新築を含めた関連施設との一体的な整備事業計画に転換し、さらに十七年度に実施された政策総点検の結果、同病院の移転新築を中心に据えた整備事業計画として事業計画が変遷しました。そして、昨年十二月議会における知事答弁を受けて、病院内に基本計画策定委員会が設置され、基本計画に着手されたわけでありますが、新病院の規模等については、現在基本計画策定委員会で検討中であり、決定に至っていない状況だと伺っております。新病院の規模は現在より小さくなるものと想定され、整備面積は、県土地開発公社先行取得地の二分の一から三分の一程度と見込まれるとお聞きしております。

 当初、「りはとぴあ」には温泉病院と一緒にリハビリセンターをつくり、近くに患者さんがリハビリできるような公園を整備する予定であったと聞いております。すばらしい構想だったわけですが、県の財政状況が厳しい中での規模縮小は仕方がありません。しかしながら、困るのは土地開発公社です。県の要請を受けて取得した土地が二分の一以上その目的を果たせないまま放置され、現在も年間二百万円もの草刈りを含めた維持管理費がかかっています。残りの土地の有効利用も病院移転計画と並行して県に指針を示していただかないと、土地開発公社はなすすべもなく、残った土地の維持管理と銀行への利息払いに追われなければなりません。土地開発公社の経営圧迫は県がもたらしたものであり、ひいては県行政の圧迫になります。かといって、この土地の位置と形状及び現在の経済情勢を考えたとき、何かを誘致してくることは大変困難なことと思われます。

 そこで、例えば私案ですが、今、日本でも注目されつつある「エコビレッジ」などはいかがでしょうか。自然豊かな場所で自然エネルギーや自然の恵みを生かした住宅、家の周りには作物を育てる畑があるのが特徴です。現在、日本に存在するエコビレッジの形はさまざまですが、週末や休暇を生かした短期居住型を初め永住型もあります。これからの時代にふさわしく、そのニーズは高まっております。また、巨大施設を誘致するのではなく、個々人がお金を出して畑つき一軒家を購入するわけですから、県が巨額の投資をしなくても済むわけです。そして、県産材の活用をそれらの家に積極的に行っていくことは、さらにエコを推進することになると思います。御一考されてはいかがでしょうか。

 次に、住宅供給公社の件ですが、以前の質問でも、公社の経営を逼迫しているのはワークショップ24であることを御指摘申し上げましたが、知事は、ソフトピア全体で考えなければいけないということで「新IAMASビジョン」が策定されましたが、方向性はちっとも変わらないまま時はたち、公社の経営状況は悪化するばかりであります。この間、公社は土地開発公社と平成十三年三月に締結した土地売買契約を双方の合意により解除し、賃貸借契約に変更し、評価損による繰越欠損金から二億二千八百万円を減少させることにより経営体力を回復させ、債務超過の懸念を少なからず回避し、経営改善を図ったわけですが、依然厳しい状況であります。

 ワークショップ24は、ソピア・キャビンが十九年度から二年間以上にわたり休止のままであり、ソピア・フラッツは入居率七三%、技術開発室に至っては三六%にとどまっております。

 第三セクター等の抜本的改革等に関する指針の中では、「地方公共団体の長は、議会・住民に対し、抜本的処理策の検討に当たり、事業採択の経緯とこれまで実施した対策の内容とその効果、経営の責任、経営悪化の原因について明らかにするとともに、善管注意義務違反、不法行為責任等に係る損害賠償請求等の是非も検討の上、その旨明らかにする必要がある。また、会計処理・決算報告等が適正であったかどうかにも留意する必要がある」と述べられています。

 知事は、こうした公社の抱える問題に対して、きょうまで決断を先延ばししてこられましたが、いつまでも先延ばしにしているわけにはいかないと思います。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 土地開発公社及び住宅供給公社の経営に関する認識と今後の対応についてどうお考えか、御所見をお聞かせください。

 次に、今回の六月補正予算の中にある次世代エネルギーインフラ整備事業についてお尋ねいたします。

 国が、地球環境と調和した将来のエネルギーのあり方について国民の理解の増進を図るため、太陽光発電等の整備を備え、実際に見てさわることができる次世代エネルギーパークの整備を促進していることから、岐阜県は国の国庫補助金を使い、花フェスタ記念公園に一億六千万円かけて新エネルギーパークを整備されるとお聞きしましたが、なぜ花フェスタ記念公園なのかよくわかりません。

 花フェスタ記念公園は、もともと「花フェスタ'95」の成功を記念し、“Life With Flowers”四季が彩る「花飾り見本園」を整備コンセプトとし、花・自然を通して幅広い世代に対する教育と情報発信を行うことを目指し、「花の都ぎふ」づくりの中核拠点となるよう花の公園として整備されました。イギリスの英国王立バラ協会と協定を結び、バラの公園と親しまれてきたわけですが、ここ数年、指定管理者導入についてのありようがきちんと定まらない中、知事がモロッコの視察から帰ってこられた途端、この財政難の中、約三千万円のお金をかけて「モロッコロイヤルローズガーデン」なるものをつくり、今度は国庫補助金だからといって「次世代エネルギーパーク」なるものを整備しようとされています。国から来るお金であっても、そのもとは税金、国民ひいては県民のお金です。県は、花フェスタの基本コンセプトを大事にしていく考えがあるのかどうか疑問です。

 また、花フェスタが東海環状自動車道の可児御嵩インターチェンジから五分、年間五十万人が訪れることを主な設置理由に挙げておられますが、それなら河川環境楽園は高速道路からも一般道からも乗り入れができる最たる場所であり、年間来場者数は平成二十年度三百七十万人を超えています。さらに言うならば、名前に「環境」とまでついているので、こちらの方がふさわしいのではないでしょうか。なぜ花フェスタ記念公園なのでしょうか。同様に、もう一つの整備箇所が、東海北陸自動車道ひるがの高原サービスエリアに隣接する、株式会社アーカイブスの運営する「クックラひるがの」なのかもよくわかりません。

 次に、一台五百万円もする電気自動車を二台購入して、さらにその自動車の急速充電設備を六百八十万円かけて、一般向けではなく、この二台の自動車のみのために導入して高速道路を試乗してもらうということですが、燃費や車の性能を考えた場合、またPR効果をねらうのであれば、一般道を走らせる方が妥当だと思いますがいかがでしょうか。

 今回の提出議案の中に、特別会計として、プリウス二台を購入されるため五百万円が計上されておられますが、減税措置を待って、一般市民は希望してもなかなか車を購入できないようなときです。率直に言って、その電気自動車を公用車として使用した方がいいのではないでしょうか。

 そこで、商工労働部長にお伺いいたします。

 今、新エネルギーパークを整備する場所として、なぜ花フェスタ記念公園が選ばれたのでしょうか。また、電気自動車は具体的にどのように活用される予定なのでしょうか。わかりやすく具体的にお聞かせください。

 以上をもちまして質問を終了いたします。

   (拍手)



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○副議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午後三時十五分休憩



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△午後三時三十九分再開



○議長(早川捷也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。

 先ほどの三十四番 笠原多見子君の質問に対する答弁が残っておりますので、答弁を求めます。知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 御答弁申し上げます。

 まず、民間からの人材登用についてでございますが、県の組織を運営するに当たりましては、県職員で体制を組んでいくというのが基本でございまして、多くの優秀な県の職員がおられますことも十分承知しているところでございます。一方、特定問題への対応でありますとか、あるいは政策の新たな展開を図っていく場合に、これにふさわしい新しい発想・感覚、あるいは知識・経験、さらには人的ネットワークを持った人材がおられれば、適材適所の観点から外部からも登用することとしております。そのような観点で、これまで少子化対策、観光交流、情報化といった分野に登用し、県行政の推進に力を発揮していただいております。また、こうした方々の考え方や仕事の進め方などに触れて、ともに仕事をしていくということで、職員が大いに刺激を受け、発想を磨いていくことも期待しております。

 なお、特定の方についてお触れになられましたが、私としては、その方ならではのリーダーシップを発揮し、成果を上げていただいているというふうに思っております。

 次に、土地開発公社の問題と、それから住宅供給公社の問題でございますが、それぞれ分けて御答弁申し上げます。

 まず、土地開発公社でございますが、昭和四十八年に設立されまして、これまで関テクノハイランド、テクノプラザ等々工業団地の開発、あるいは東海環状自動車道、国道百五十六号岐阜東バイパスなどの用地の先行取得など事業を行ってきたわけでございます。いわば土地に関する専門家集団ということで、公有地の取得、工業団地の開発に豊富な知識と経験を持つ土地開発公社の果たす役割は大きく、昨年の「外郭団体に対する県関与の抜本的見直し」の中におきましても、さらなる経営健全化を図りつつ、今後とも県関与を継続し、存続させていくということにしております。

 現在の土地開発公社の経営状況は、公共事業の動向、景気の変動によりまして収支の変動を繰り返しておりますが、平成十八年度からは黒字基調ということでございます。また、過去の工業団地の売却益等により、平成二十年度末の決算では準備金を約七十七億円保有しております。ただし、自主開発した工業団地の販売が遅延することは経営の圧迫要因となりますため、適正な事業計画の立案、販売促進などに努める必要があるというふうに考えております。

 御指摘の「りはとぴあ」でございますが、これは平成八年から十年度にかけて取得したものでございますが、このいわゆる「りはとぴあ」整備事業用地につきましては、下呂温泉病院の移転用地として利用を予定しておるわけでございます。病院の整備につきましては、今年度基本計画を策定し、その中で病院の規模や敷地面積など、その内容を確定することとしております。現在のところ、用地の全部を利用する予定はなく、余剰地が出る見込みでありますが、この余剰地につきましては、地元・関係者とともに、その対応を検討してまいりたいと考えております。議員の御提案につきましても、一つの活用策として研究・検討させていただきたいというふうに考えております。

 次に、住宅供給公社でございます。

 昨年度末に策定いたしました岐阜県行財政改革指針では、外郭団体については、その役割をゼロベースから検討し、団体の統廃合を含めた抜本的見直しを実施し、極めて厳しい財政状況にある団体についてはあり方を検討するということにしておりますが、この指針の中では、住宅供給公社をこのあり方検討対象の外郭団体というふうに位置づけておるわけでございます。

 住宅供給公社は、県民への住宅・宅地供給、あるいは県の住宅施策に重要な役割を果たしてきたことは申し上げるまでもありませんが、しかしながら御指摘がありましたように、ワークショップ24の入居率の低下、住宅市場の成熟化による分譲地の売却不振などによりまして、住宅供給公社の経営は逼迫した状況にございます。公社自身も経営改善に向けた努力をしてまいりましたが、いまだ改善には至っておりません。

 このため、県におきましては、公社の現状について、各事業単位の収益など徹底的に分析を行いましたが、運転資金に不安を抱えているという現状にありますことから、昨年度は一億二千万円、今年度は六億円と、公社に対し単年度貸し付けを実行し、公社経営の安定化を図っているところでございます。しかしながら、この単年度貸し付けも応急的な措置でございまして、今後もさらに増加することが見込まれておりまして、本質的な解決策にはならず、大変難しい問題であるということを認識しております。

 今後、御指摘の総務省通知「第三セクター等の抜本的改革等に関する指針」の趣旨を踏まえ、また現在外部の方々の御意見も伺いながら、この住宅供給公社のあり方について検討しておるところでございまして、できれば年度内に今後の対応方針について御報告したいというふうに考えております。



○議長(早川捷也君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) まず、新エネルギーパークの設置場所についてお答えいたします。

 現在、岐阜県において計画しております新エネルギーパークでございますが、これは太陽光発電と燃料電池に蓄電池と電気自動車を加えた次世代のエネルギーインフラを整備し、エネルギーコストが大幅に削減される姿を実証し、広く県民の皆様にお示しするというものでございます。このため、その設置場所につきましては、より多くの方々に触れていただけるよう、集客力の高い施設を中心に検討してまいりました。加えて、本事業では、標高差のある高速道路を有するという本県の特徴を生かしまして、電気自動車の走行実証を兼ねた計画としておりますことから、高速道路への出入りにおける利便性も選定の要件としてまいりました。その上で、議員御指摘の河川環境楽園を初め全部で十カ所程度を候補に検討を進めてきたところでございます。

 その結果、河川環境楽園につきましては、国営公園、それから川島パーキングエリアとの複合施設であるため、高速道路や一般道から県営の都市公園区域への自動車の乗り入れや、生産した電力の供給に大きな制約があるということがわかりました。このほか、ほかの施設につきましても、現有の設備の状況、そして施設管理者との関係上、県が設備を設置することが困難な事情ということがございました。

 こうした検討の結果、集客力の高さ、高速道路からのアクセス、システムの実証性、設備導入の容易さ、環境との調和性などを勘案しまして、最終的に花フェスタ記念公園及びクックラひるがのを選定したものでございます。

 次に、電気自動車の具体的な活用方法についてお答えをいたします。

 電気自動車は、将来の自動車産業の牽引役になることが期待されておりまして、本県産業の中核であります自動車関連企業の新たな成長・拡大を図るためのかぎを握る技術でございます。このため、新エネルギーパークにおきましては、電気自動車を次世代エネルギーインフラの目玉となるツールと位置づけまして、積極的にその普及を図ってまいりたいと考えております。

 他方、現時点におきましては、汎用の電気自動車は、専ら行政機関や電力会社などの法人に限定して販売されておりますことから、より多くの方々に、見て、触れて、体験していただける形で導入することが適当であると考えております。このため、県として電気自動車を複数台導入いたしまして、二カ所の新エネルギーパークにおいて実際に活用するとともに試乗用に用いますほか、県下各地で開催されます産業フェア、そして環境フェアなどで大いに活用する予定でございまして、既に一部の市や町から問い合わせをいただいているところでございます。さらに、県庁内に急速充電器を設置いたしまして、公用車としても活用しますほか、議員の皆様方にも御試乗いただくなど、導入後はあらゆる機会をとらえて電気自動車の認知度に向上に努めてまいりたいと考えております。

 なお、県といたしまして、本事業を単に「新エネルギー」と銘打った公園をつくることではなく、新エネルギーに電気自動車を加えました最先端のコンセプトをいち早く世の中に打ち出すことで、景気回復期に新たな取り組みを模索しております自動車産業、そしてエネルギー産業に、岐阜県の存在を効果的にアピールすることも目的としております。財政的に厳しい状況であるがゆえに、こうした取り組みを岐阜県経済の活性化に向けた重要な布石とするべく努力してまいりたいと考えております。以上でございます。



○議長(早川捷也君) 四十番 平野恭弘君。

   〔四十番 平野恭弘君登壇〕(拍手)



◆四十番(平野恭弘君) 発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきたいと思います。

 今議会も私で最後なんですね。アンカーということなんですが、普通アンカーというと、陸上競技では速いのがアンカーを務めるんですね。格闘競技だと、こんなでかい強いのがアンカーを務めるんですが、幸い私は今年から後期高齢者医療を受けなければならないことになり、この中で最年長ということでアンカーに値するんじゃないかと思いますが、ただ誠意ある回答をぜひいただきたいと思い、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、農業問題についてお伺いしたいと思いますが、その前に、水田の有効活用について少し述べさせていただきたいと思います。

 去る一月十六日に、農林水産省が二〇一八年の世界の食料需給見通しを発表いたしました。これは、同省が新たに開発した世界食料需給モデルを使って、二〇〇六年を基準に、おおむね十年後の食料需給動向を予測したものでございます。これによりますと、食料消費量の伸びに生産量の増加が追いつかず、穀物の在庫率は、適正水準とされる一七から一八%を下回る一三%に落ち込み、その結果、穀物や大豆の価格は二〇〇六年に比し四割前後上昇すると予測されております。世界の食料需給は逼迫した状態が続き、予断を許さない状態にあり、この予測を踏まえ、今後の政策検討に当たることとしています。

 食料自給率の低い日本にとって、自給率向上は大変大きな問題であり、課題でございます。自給率向上には、まずは国内の水田を最大限利用することが第一歩ということで、国は「水田フル活用」と銘打って、本年当初、あるいは緊急経済対策において、自給率の低い大豆、麦、飼料作物や米粉用米、飼料用稲の生産拡大を推進する対策を手厚く実施しています。具体的には、大豆、麦などの自給率向上戦略作物を作付拡大した場合に、拡大面積に対して助成金を交付する水田等有効活用促進交付金、地域が一体となって流通の効率化、品質向上の取り組みを支援する需要即応型生産流通体制緊急整備事業などを強力に進めるようにしております。我がクラブの渡辺先生の代表質問にもありましたが、ぜひとも岐阜県の水田のフル活用について積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 こういった取り組みが進みますと、水田を活用し、生産・出荷された農産物を円滑に調整し、流通させていくことが今後はますます重要となってまいります。既に県下にはカントリーエレベーター、ライスセンター等多くの共同利用施設がありますが、その施設整備に対する支援についてお伺いしたいと思います。

 お聞きの皆さんがわかりやすいように、JAぎふの事例をお示ししながら質問をさせていただきます。

 平成二十年四月に、岐阜市・各務原市・羽島市・本巣郡・岐阜南・岐阜北の六JAが合併し、岐阜地域が一つの「JAぎふ」となりました。まず資料をごらんください。

 現在、JAぎふには、カントリーエレベーターが六施設、ライスセンターが九施設、合計十五施設が稼働しております。カントリーエレベーターは、米穀の乾燥・調製・保管・出荷と周年にわたり稼働していますが、ライスセンターは、稼働期間が米の収穫期に限定されております。現在、これらの施設の稼働期間や地域的な配置及び処理能力等を考慮し、六カ所のカントリーエレベーターの存続とライスセンターの統廃合が検討されております。最も古いカントリーエレベーターは昭和五十九年度、ライスセンターに至っては昭和四十三年度に設置されて、古く、老朽化も進行しております。円滑な稼働のために毎年の修理費も多額であることから、再整備が課題となっています。

 また、国は、おおむね十年後をめどに、食料自給率五〇%に引き上げる目標を掲げており、県においてもこれに呼応した施策が実施されていると思われます。そうした施策の一つとして、水田農業構造改革対策により、米の生産調整として麦の生産拡大がありますが、生産量の増加した麦を効率よく、かつ品質を均一に乾燥調製するためには、カントリーエレベーターで処理することが最適であります。しかし、米と同じ設備で麦の乾燥調整を行いますと、出荷米や農家保有米に麦が混入する可能性が非常に高くなります。出荷米に麦が混入いたしますと、購入者である米穀卸業者や小売店等の評価が著しく低下し、次回からの出荷が不可能となります。

 また、今申し上げましたように、麦の混入に加え、カメムシの被害による着色粒の混入による品質低下なども懸念されます。こうした不安を払拭し、学校給食を含めた消費者に対し、高品質な米の出荷を可能にするために、玄米色彩選別機の導入が最も効果的ではと考えています。

 さて、本県の重要な品目であります柿について見ますと、旧糸貫町、旧真正町、旧巣南町、岐阜市、そして大野町などの各産地に、それぞれ共同選果施設が設置されています。これらの選果施設についても、カントリーエレベーターやライスセンターと同様に、将来的には施設の統廃合が行われる可能性もありますが、既に導入されている設備は耐用年数を過ぎており、早急に整備する必要があるとも聞いております。特に、柿の品質を画像で判定するカメラ装置の更新が緊急の課題となっております。

 県では、本県産柿のさらなるブランド化を図るため、昨年五月に「岐阜柿ブランドづくり研究会」を立ち上げられ、新たな取り組みを始められたと伺っておりますが、減少しつつある生産量の回復への起爆剤となることを、生産者のみならず関係者の皆さんが期待しています。全国各地の消費地に向け出荷される岐阜の柿の品質を一層高めるため、共同選果施設の整備が喫緊の課題となっているとのことであります。

 そこで一点目として、組織の統廃合が進む中で、こうした事情はJAぎふのみならず、他地域のJAや組合等においても同様のことが起こってくると考えますが、県ではこうした共同利用施設の整備に対し、どのような支援が考えられるのか、農政部長にお伺いいたします。

 さて、国では、おおむね十年後に食料自給率を五〇%とすることを目標としており、米粉用、または飼料米等の新規需要米の振興を図る計画を示しております。特に米粉用米は十年後をめどに、現在の五十倍の五十万トンへの増産を目標にしております。現在、岐阜市内のJA産直店舗では、米粉を原料としたパンが販売されており、好評であります。私も食べてみましたが、もちもちとした食感があって、大変おいしいパンでございます。

 岐阜市内の水稲生産農家が収穫したもみをJAのカントリーエレベーターに持ち込み、ここで乾燥し、精米した後に、JA産直店舗内の製粉機で製粉し、少量のグルテンを加えてパン生地をつくるわけであります。このように、もみからパン生地まで、すべての工程において管理が徹底されており、安心して購入することができ、大変魅力的です。

 そこで二点目として、今後、需要の増加が見込まれる米粉について、県としてどのように普及推進を図られるのか、農政部長の御所見をお伺いいたします。

 さて、五月二十六日の新聞で、イチゴの新しい販売方法として、はかり売りの試験販売が行われ、非常に好評であったとの記事を見ましたが、イチゴの生産状況を見ますと、昭和五十六年度には、販売数量が五千百四十五トン、販売金額は約四十七億円であったものが、平成二十年度は、販売量は一千七百八十三トン、販売金額は約十五億円と減少しております。また、生産者数も年々減っており、その要因としては、生産者の高齢化、後継者不足、労働作業者収益の伸び悩み等で、ここ二、三年で数十名減少していると聞いております。

 こうした状況の中、全農岐阜は、岐阜県経済事業改革構想を踏まえて、岐阜県下JAグループ園芸事業実施具体策を策定し、JAグループが一体となって園芸農業の生産振興と生産者手取りの最大化を目指し、事業改築に取り組むことになっており、全農岐阜はイチゴ新規就農者研修事業に取り組むことになりました。

 資料をごらんいただきたいと思います。イチゴの生産振興を図るためには、新たな担い手として生産者を育成する必要があります。そのため、岐阜県を初め関係機関・団体と協議し、全農岐阜が施設を設置し、新規就農者の研修を実施することになり、二十年度には十三人の応募があり、うち四人が受講され、この六月には全員が就農されております。新聞でごらんの方もおありだと思います。

 研修者が一年の研修を経て、自立した農業経営を行うためには、必要な技術・知識を身につけることとともに、農地や施設・設備の確保を支援していくことも必要ではないかと考えます。

 そこで三点目として、一つの例として、イチゴに係る研修事業を紹介いたしましたが、新たな農業従事者の確保、そして食料自給率の向上、農業振興を図る上でも、新規就農に対する取り組みに県としても支援していく必要があると考えますが、この点について農政部長の御所見をお伺いいたします。

 次に、朝食欠食児童への対応についてお伺いいたします。

 朝食欠食児童への対応についてですが、国税庁の民間給与実態統計調査によりますと、民間企業で働く会社員やパート労働者の平成十九年分の平均給与は四百三十七万円で、前年に比べて二万円ほどふえ一昨年の額に戻ったものの、年収二百万円以下の人は前年に比べ九万五千人ふえ、平成十八年に続き一千万人を超え、一年を通じて勤務した給与所得者の二七%ほどになっております。また、年収三百万円以下の人の比率は、五年前の三四・九%から三八・六%と三・七%増加しております。年収三百万円以下の男性は二一・三%で、五年前に比べ三・五%増加しており、女性は六六・〇%で、五年前に比べて二・三%増加しております。これは、正規社員に比べ給与が少ないアルバイトや派遣社員など非正規雇用者の増加のあらわれではないでしょうか。今や全労働者の三人に一人が非正規労働者とも言われております。

 世界的な経済不況に日本も飲み込まれ、生活を維持するため、子供の教育費のために両親ともに早朝勤務とか夜勤に出る必要に迫られている人が多くあります。家計の急激な悪化は家庭環境を一変させ、子供の教育環境にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。その一つに食事の問題がございます。

 私がまだ子供だった戦前・戦後のころの数年間は食料不足の時代でありまして、六人兄弟で、本当にひもじい思いをして育ちました。来る日も来る日も雑炊、これは今のような料理屋で出るような、アユ雑炊とか、カキとか、そんな雑炊じゃなくて、大根とか、芋の葉っぱがいっぱいあって、何でも食えればいいというような雑炊でございます。味つけは塩がちょっと入っておるぐらいで、今ではとても食べれんのじゃないかと思います。また、すいとん、これは御存じかもしれませんけれども、うどん粉を固めてどぼんと落とすやつですが、それから芋、カボチャなど代用食で、白い御飯なんていうものはめったに食べられません。誕生日など特別な日に食べさせてもらえたぐらいです。

 私には一人妻がおりますが、女房の母親がいたんですが、終戦直後に女房の誕生日に白い御飯を炊いてやったそうです。そうしたら、喜んで食べておったんですが、女房にも姉がおるもんで、「おかわり」と茶わんを出したら、女房がくっとおかまを抱え込んでしまって「食わせん」と言ったそうです。そのころから、きついなとは思っておったんですが、今でも私も大変な思いをしておりまして、私は美濃病院に勤めておって、給料をもらって、全部そのころからそのまま渡しておったら、それから一遍もこの年になるまで小遣いをもらったことはございません。

 まあそんなことはさておいて、私には現在孫が四人いますが、私が味わった本当にひもじい思いを絶対させたくないと思っております。

 しかし、最近ある会合に出席させていただいた折、会合が始まる前の雑談で、ある小学校の校長先生の話を伺い、本当に驚きました。小学生が朝食を食べてこられなくて、また時には夕食も食べられずに、学校で倒れる児童がおるとのことです。また、早朝から親が仕事に行って不在となるため、子供の登校時間が不規則になってきたり、親が夜勤明けのために、子供の登校時に寝ていて、子供が登校できないこともあると話されております。格差社会という問題がクローズアップされていますが、こうした家庭環境の乱れも大きくなっているように感じると話されております。せめて、子供の成長にとって大切な食事には、格差による環境の差が入り込まないよう願うものでございます。

 そこで、一点目として教育長にお伺いいたしますが、食事をすることは人間にとって必要不可欠なものであり、ましてや成長段階にある児童には特に配慮しなければならないものと考えております。朝食をとることのできないと思われる児童に対してどのような対応をされているのでしょうか、お伺いいたします。

 二点目として、昨年十二月に策定されました岐阜県教育ビジョンでは、主な施策の目標水準として、子供の朝食欠食の割合を平成二十五年度にはゼロ%とする目標を立てています。健全な食生活を実践することは、心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと豊かに暮らすために重要なことであります。特に心身の成長期にある子供にとって、好ましい食習慣を身につけさせることや豊かな人間性をはぐくむことは、県民にとって大きな願いの一つであります。そこで、今後、子供たちの朝食欠食の割合ゼロ%の目標に向かってどのように取り組んでいかれる予定であるのか、お伺いいたします。

 以上で終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 農政部長 馬場秀一郎君。

   〔農政部長 馬場秀一郎登壇〕



◎農政部長(馬場秀一郎君) 農業につきまして三点の御質問をいただきました。順次お答えしたいと思います。

 まず最初に、共同利用施設の整備についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、米、麦、柿など、共同利用施設につきましては、農協合併に伴う再編整備の必要性や、既存施設の老朽化によるランニングコストの増大及び能力の低下などが顕著になってきております。県では、これまでも共同利用施設の整備を支援してまいりましたが、生産者の経営安定と競争力ある産地づくりを進めるためには、より高性能な共同利用施設の再整備を進める必要があると考えており、今後必要な施設の再整備につきましては、県の「飛騨・美濃じまん農産物育成支援事業」や、国の「強い農業づくり交付金」などを有効に活用して、高品質化や増産に対応できるよう支援してまいります。

 次に、米粉の普及推進についてお答えいたします。

 米粉は日本古来から親しまれてきた食品でありますが、近年の製粉技術の向上により、小麦粉の代替品としての新たな用途が加わり、米の消費拡大と食料自給率向上の切り札としての脚光を浴びてきております。また、この七月には、米粉等の利用を支援する新法「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が施行され、今後の米粉の需要拡大が大いに期待されるところでございます。

 しかしながら、現在、県産米粉を利用した食品の種類や流通量はまだまだ少ないことから、県といたしましては、需要拡大に対応するための米粉加工施設の整備支援や消費拡大に向けた学校給食への米粉パンの導入、新たな米粉食品の開発への支援などを行いますとともに、米粉加工業者などで構成する岐阜県産米粉普及推進ネットワークと連携しながら米粉食品のPR活動に取り組み、米粉の利用促進、普及に努めてまいります。

 最後に、新規就農に対する取り組みということでお答えいたします。

 本県の農業振興を図る上では、担い手の確保、とりわけ新規就農者の育成・確保が最も重要であり、そのためには農業技術の習得、初期投資資金の手当て、農地の確保などの課題を解決するための支援が不可欠であると考えております。技術につきましては、基本を学ぶ「農業で夢再発見研修」や、実践的な技術・経営ノウハウを学ぶ「あすなろ農業塾」などを実施し、技術の習得をサポートするとともに、就農後は農業改良普及センターによる重点的な技術指導を行っております。

 また、資金の手当てにつきましては、無利子で貸し付けを行う就農支援資金や、本年度、国の補正予算により新たに創設されました新規就農定着促進事業などの活用により支援しております。さらに、農地の確保につきましては、農業委員会などの関係機関が連携し、農地の仲介・あっせんなどを行っています。

 今後も関係機関が一体となった支援体制の充実を図り、新規就農者の育成・確保に努めてまいります。



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 一点目の朝食欠食児童への対応と、二点目の朝食欠食の割合ゼロ%を目指した取り組みについて、あわせてお答えさせていただきます。

 県の実態調査によりますと、一週間に一日でも朝食をとらない子供は、小学校では三・一%、中学校では六・八%となっております。その理由として、「時間がない」「食欲がない」を挙げている子供が、小学校では七三・七%、中学校では五七%を占めており、子供自身の生活習慣に起因していることがうかがえます。

 そこで、学校においては、朝食をとることの大切さについて指導するとともに、不規則な生活や、やせたいなどの理由で朝食欠食が日常化している子供に対しては個別指導を行っております。また、保護者に対しては、給食だよりの配布、給食試食会の開催などを通してその啓発を行うとともに、PTAと連携して「早寝、早起き、朝ごはん運動」を展開しております。

 県教育委員会といたしましては、栄養教諭を三名から八十名に増員し、食育全体の指導体制を強化する中で、教育ビジョンに示した朝食欠食の割合ゼロ%実現を目指してまいります。



○議長(早川捷也君) これをもって一般質問並びに議案に対する質疑を終結します。



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○議長(早川捷也君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査をすることにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(早川捷也君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

 なお、審査は七月八日までに終了し、議長に報告を願います。





△平成二十一年第三回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表





委員会名
付託案件


総務委員会
◯ 議第百五号のうち歳入予算補正、歳出予算補正中総務委員会関係及び地方債補正
◯ 議第百六号
◯ 議第百八号
◯ 議第百二十五号のうち歳入予算補正


企画経済委員会
◯ 議第百五号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係
◯ 議第百九号


厚生環境委員会
◯ 議第百五号のうち歳出予算補正中厚生環境委員会関係
◯ 議第百七号
◯ 議第百十号から議第百十六号まで
◯ 議第百二十五号のうち歳出予算補正
◯ 議第百二十六号
◯ 請願第四十二号及び請願第四十三号


農林委員会
◯ 議第百五号のうち歳出予算補正中農林委員会関係
◯ 議第百十七号
◯ 議第百二十四号


土木委員会
◯ 議第百五号のうち歳出予算補正中土木委員会関係
◯ 議第百十八号及び議第百十九号
◯ 議第百二十三号


教育警察委員会
◯ 議第百五号のうち歳出予算補正中教育警察委員会関係
◯ 議第百二十号から議第百二十二号まで





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○議長(早川捷也君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から七月八日までの五日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(早川捷也君) 御異議なしと認めます。よって、明日から七月八日までの五日間、休会とすることに決定いたしました。



            ………………………………………………………………





○議長(早川捷也君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 七月九日は午前十時までに御参集願います。

 七月九日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会します。



△午後四時二十八分散会



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