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平成21年  6月 定例会(第3回) 07月02日−03号




平成21年  6月 定例会(第3回) − 07月02日−03号









平成21年  6月 定例会(第3回)





△議事日程(第三号)



                    平成二十一年七月二日(木)午前十時開議

第一 議第百五号から議第百二十六号まで

第二 請願第四十二号及び請願第四十三号

第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百五号から議第百二十六号まで

一 日程第二 請願第四十二号及び請願第四十三号

一 日程第三 一般質問



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△出席議員    四十六人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   酒向 薫君

   九番   山本勝敏君

   十番   松岡正人君

  十一番   篠田 徹君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   小原 尚君

  十七番   水野正敏君

  十八番   横山善道君

  十九番   脇坂洋二君

  二十番   野島征夫君

 二十一番   高橋昌夫君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   平岩正光君

 二十五番   佐藤武彦君

 二十六番   森 正弘君

 二十七番   小川恒雄君

 二十八番   村下貴夫君

 二十九番   大野泰正君

  三十番   矢島成剛君

 三十一番   岩花正樹君

 三十二番   野村保夫君

 三十三番   足立勝利君

 三十四番   笠原多見子君

 三十五番   洞口 博君

 三十六番   渡辺 真君

 三十七番   渡辺猛之君

 三十八番   駒田 誠君

 三十九番   藤墳 守君

  四十番   平野恭弘君

 四十一番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          洞田律男

 総務課長          山田季成

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    小石明己

 同    課長補佐     所 雄治

 同    課長補佐     副島雅浩

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     市橋 晃

 同    課長補佐     篠田雄一朗

 同    主査       桂川義彦

 同    主査       佐々木富公朗



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           西藤公司君

 副知事           横井 篤君

 会計管理者         渡辺敬一君

 秘書広報統括監       齋藤 彰君

 危機管理統括監       河合正明君

 総務部長          武藤鉄弘君

 総合企画部長        上手繁雄君

 環境生活部長        古田常道君

 健康福祉部長        冨田成輝君

 商工労働部長        江崎禎英君

 農政部長          馬場秀一郎君

 林政部長          森  勝君

 県土整備部長        金森吉信君

 都市建築部長        藤山秀章君

 ぎふ清流国体推進局長    近藤 登君

 観光交流推進局長      古田菜穂子君

 研究開発総括監       清水聖幸君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     後藤弘之君

 労働委員会事務局長     河内宏彦君



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△七月二日午前十時開議





○議長(早川捷也君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(早川捷也君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十一番 岩花正樹君。

   〔三十一番 岩花正樹君登壇〕(拍手)



◆三十一番(岩花正樹君) 発言のお許しをいただきましたので、県議会公明党を代表いたしまして、七項目について質問をいたします。

 最初に、国の平成二十一年度補正予算にかかわる地方公共団体に設置される基金について、お尋ねをいたします。

 今議会に提出されました一般会計補正予算の規模は一千二十一億円であり、当初予算七千五百九十八億から六月補正後は八千六百十九億円となり、前年同期一三・〇%の増であり、補正予算の規模としては過去最大になるのであります。

 この補正予算の歳出の内訳は、一つ、基金への積み立てが四百九十億、一つ、国庫補助事業が三百六十七億、うち追加公共事業費が三百四十四億円、一つ、基金活用事業が百四億円、一つ、単独事業が六十億円となっており、この財源の内訳は、国庫補助金が七百五億円、基金繰入金が百三億円、県債が百九十七億円、しかし、このうち地域活性化・公共投資臨時交付金百七十五億円を基金に積み立てており、県の実質的な負担は二十二億円程度になる、その他が四億円となっているのであります。今回の国の平成二十一年度補正予算の経済危機対策において、地方公共団体に設置される基金は、上積み分を含め十五本、金額にして約二兆円に上り、今日まで例のない大規模な取り組みとなっているのであります。本県におきましては、この六月補正で新たに基金の積み立て七本を臨時特例基金条例として上程をされ、総額四百九十億円超の基金であり、現下の厳しい経済・雇用情勢の中で、何とか早く脱出できるよう、県民のために魅力ある地域づくり推進のため最大限活用してもらいたいのであります。また、県民の暮らしの安全・安心の確保を得る対策の中でも、新型インフルエンザへの不安軽減の対策も補正に含まれており、秋以降第二次発生が予測されており、そのためにも重要な補正予算であると思うのであります。

 そこで、今回の経済危機対策にかかわる地方公共団体に積まれる基金について、三点質問をいたします。

 一点目は、今回の国の補正予算にかかわる基金は上積み分を含めて十五本、金額にして約二兆円に上るのでありますが、本県では、新規基金が七本と上積み分五本をこの定例会に上程されているが、残りの基金についてはどのように考えられているのか。二点目、十五本の基金のうち、三年間の基金設置−−臨時財政措置が多いが、その後の財源確保等について国への提言はどのように考えられているのか。三点目、国の補正予算による本県の基金創設は、本県の厳しい財政的な状況から考えると、どのように思われるのか、以上三点、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、木曽川水系連絡導水路事業についてお尋ねをいたします。

 この事業は、揖斐川と木曽川を直径四メートル、全長四十三キロの地下トンネルで結び、徳山ダムの水を毎秒四トン、渇水時は毎秒二十トンを木曽川に放流する導水路計画であります。木曽川には愛知県と名古屋市の取水施設があり、都市用水への利用あるいは渇水時の木曽川・長良川の環境改善等が大きな目的であるため、実際には、徳山ダムが昨年五月に本格稼働と同時に導水路が完成していることが国土交通省の考え方であったのであります。水利権を持っている愛知県や名古屋市は木曽川に取水口を持っていることから、揖斐川に流れる徳山ダムの水では愛知県も名古屋市も何の意味もないのであります。このことから考えると、この導水路計画は早期に着手をすべきであったと思うのであります。しかし、徳山ダム事業実施計画認可以降三十年以上がたっており、その間の水需要が予測ほど伸びない状況が出てくるような時代になり、導水路建設の費用負担も、地元自治体からすればダム建設費に加え、さらに財政負担がふえてくることに大きな懸念が出てきたのであります。

 こんな中で、二〇〇七年には、国と東海三県と名古屋市が導水ルートや費用負担に合意をし、着工に向け動き始めたのであります。しかし、水質や水温の異なる揖斐川の水を長良川等へ放流することは、長良川等の河川環境の悪化等が指摘されており、本県も環境調査の結果が出るまでは慎重な構えを崩していないのであります。

 そんな中、名古屋市は、この導水路事業から撤退する方針を明らかにされたのであります。理由として、名古屋市の河村市長は、水需要がふえていないこと、また、今後もふえないことを挙げ、「一九七〇年代をピークに需要は減少している。さらに何百億円も投入し、導水路をつくる必要があるのか。渇水時には、節水や農業用水の活用など、市民の協力で乗り切れる」と説明、これら事業そのものの議論に火をつけることになったのであります。どちらにしても、名古屋市一自治体の長の考えではあるけれども、今までは東海地方の水に関して検討し、努力をしてきたことに関して、検討する余地もなく導水路計画から撤退宣言をされることについて、科学的根拠を出してもらいたいと思うものであります。

 当然のことでありますが、水は自然の恵みであり、幾ら大きなダムをつくっても、幾つもダムをつくっても、渇水の危機は一〇〇%なくならないのであります。我々は将来を見据えながら、しっかりと検討していかなければならないと思うのであります。今まで、この導水路事業は三県一市で議論してきたことであり、首長がかわったから、また水需要が減ってきたからと、何の話し合いもしない状況の中で勝手にほうり投げることはいかがなものかと思うのであります。また、この問題は、国の縦割り行政の大きな弊害があるのであり、農水省が管轄する農業用水や、国交省の河川との協力体制を組むこと等を今後詰めていく必要があると思うのであります。

 そこで知事にお伺いをいたします。この導水路事業について、今後どのように考えられ、どのように行動されていくのか、お伺いをいたします。

 私は、自身の思いとして、本県は森林県であり、水源地を持つ県であります。県民が一生懸命きれいな水を川下へ送り込めるよう努力しているのであります。徳山ダム建設にも大きな犠牲を強いられました。本県民の思いは、川下の皆様方にはわかってもらえないのか、私には不思議でなりません。何でもいいからきれいな水を流せ、そして、ごみは岐阜県で受け取れと言っているようです。古田知事さんには、県民の思いをしっかりと胸に抱いていただいて話し合いの場に立ってもらいたいと思うのであります。よろしくお願いをいたします。

 次に、新型インフルエンザ対策についてお尋ねをいたします。

 新型インフルエンザの国内感染者は千三百人を超え、県内でも感染者が確認をされたのであります。当初予定されていた強毒性ではなく、弱毒性であったのであります。発病したすべての患者さんは重症化することなく完治しているが、A(H1N1)ウイルスはパンデミック第二波として、この冬に現在よりも高病原性のインフルエンザに変化して日本に再来する可能性もあると思うのであります。また、他の季節性インフルエンザウイルス、さらに、最も恐れられているH5N1鳥インフルエンザウイルスと、豚や人に同時感染をすることで遺伝子の交雑−−組みかえが起きて、より病原性の高いウイルスが誕生する可能性もあり得るのであります。今回は、政府が強毒性を前提とした国内対策を実施したため、広い地域で学校休校やイベント自粛等を求められ、市民生活に多大な影響を与えたのであります。

 また、新型インフルエンザという未知のウイルスへの対応力が問われ、政府は海外の発生国や世界保健機関−−WHOからの情報収集・分析する必要に迫られ、国内対策への切りかえがおくれ、国内感染が広がるスピードと規模が政府や自治体の想像を超えていたことも混乱に拍車をかける要因になったのであります。今回の政府の計画では、感染が心配な人は自治体の発熱相談センターに電話で相談をし、病院に設けられる発熱外来を紹介してもらって受診することになっていたのであります。しかし、最初に患者が見つかった神戸市などは、政府計画に基づいて発熱外来を受け付けたのですが、すぐに受け入れ能力の限界に達し、手に負えなくなったのであります。それは、発熱外来では渡航歴の確認や簡易検査などに患者一人当たり十五分から二十分程度時間を要したため、一人の医師が一時間に診察できる患者は四人から五人で、四十人から五十人受診で十時間以上かかったのであります。この政府計画は、一般の病院は行かないでくださいという呼びかけに発熱外来はパンクしかけたのであり、国が求めた帰国者に対する追跡調査等で保健所も疲弊し切っていったのであります。そのため、感染が広がった兵庫・大阪の自治体は、重症者を除いて季節性インフルエンザと同様に一般医療機関で対応する態勢を国に認めるよう求めたのであります。この件に関してのアメリカの対応は、感染者の重症度を五段階に分けて対策を準備していたのであり、軽度の場合、学校関係に休校は求めないとし、重度の場合は休校を求めるといったきめ細かな対策をあらかじめ指針にまとめて公表していたのであります。本県においても、二十七名の感染者が確認をされ、感染された方々の一日も早い回復をお祈りするとともに、感染拡大の防止に全力を挙げて取り組んでいただきたいのであります。

 そんな中、県内で確認された感染者が居住する市町村からは、患者さんへの対応に大変苦慮していると聞いているのであります。それは、感染症法で、感染者の氏名や住所等の個人情報が県や保健所から伝えられないからであります。関ケ原町は、十六日夜、県より八歳の男児の感染が確認されたとの一報を受けたが、どこのだれだか知らされず、待機指示のみであったため、町として同居者の状況もわからず、何をやってよいのかわからない状態であったといい、各務原市の男性二名の感染者も同様のことであったのであり、具体的な拡大防止策がとれない状況であったのであります。担当者は、個人情報をむやみに公表するのは問題であるが、迅速な対応がとれるよう、ある程度は把握しておきたいと語っていたのであります。

 そこで、四点について質問いたします。

 一点目は、県は、厚生労働省が新型インフルエンザの国内対応をめぐる改定版運用指針を正式決定したことを受け、県のアクションプランを改訂する検討に入ったと聞き及んでおりますが、どのように改訂されるのか。二点目、新型インフルエンザの感染拡大場所として、多くの子供たちが集まる学校は注視しなければならないところであり、この件に関しての教育委員会との連携はどのようであるのか。三点目、今回の本県での患者発生について、市町村との連携が重要であると思いますが、一方で、感染者の人権やプライバシーを守っていくための情報管理をきちんと行っていくということも忘れてはならないと思います。その点を踏まえて、今後の市町村との連携について、どのように考えておられるのか。四点目、新型インフルエンザ医療保健福祉協議会は、現在八十七ある定点医療機関を二百十に拡大する強化サーベイランスを行う方針を答申、県は、これを受けて今秋までにリアルタイム感染症サーベイランスを稼働させたいと考えているとのことですが、どのような体制なのか。以上四点、一点目と二点目は危機管理統括監に、三点目と四点目については、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 次に、妊婦健診の公費助成の格差についてお尋ねをいたします。

 女性一人が生涯に生むと推定される子供の数に相当する合計特殊出生率は、〇八年は一・三七人と、前年を〇・〇三ポイント上回ったのであります。過去最低であった〇五年の一・二六人以来三年連続で上昇、〇八年の出生率は、二十代ではほぼ横ばいで、三十代で上昇し、全体を押し上げたのであります。しかし、人口を維持できる水準は二・〇八人で、人口減少傾向は変わらないのであります。そんな中、国は平成二十年度第二次補正で、妊婦健診費用の公費負担の拡充を図るため、妊婦健康診査臨時特例交付金事業を立ち上げたのであります。

 そもそも妊婦健診は、妊娠に伴う病気や流産・早産を防ぐため、妊娠してから一週から四週に一回の割で、妊婦の体重測定や尿検査、血液検査、おなかの中の胎児の状態を見る超音波検査など、医療保険が適用されないのであります。一回五千円から一万円程度が自己負担となっていたため、経済的に苦しい妊婦が、健診を受けないで腹痛を訴えて救急車を呼んだ際、未受診の妊婦はリスクが高く対応できないと、病院が受け入れを拒否することが大きな問題になったのであります。国は、このようなことから、少子化解消の一助として、また経済的な理由から健診を受けずに出産時に病院へ駆け込む飛び込み出産の防止にもつながることから、妊婦健康診査臨時特例交付金事業を実施し、望ましい健診回数を十四回、一人当たり十一万八千円相当とし、そのうち、地方財政措置されていない九回分の公費負担の充実をしたのであります。これを受けて、県では一月二十七日から岐阜県妊婦健康診査公費負担拡充交付金事業を開始したのであります。

 こんな中、報道機関によりますと、全国の市区町村に四月一日時点で実施状況を調査したところ、助成額の都道府県別の平均は八万五千七百五十九円で、最高が山口県の十一万一千百二十七円で、最低が大阪府の三万九千八百十三円であり、その差は二・八倍であったのであります。本県は七万八千七百七円で、平均以下でありました。市区町村別では、北海道初山別村が十五万円で最も高く、最も低かったのは大阪府守口市の一万二千五百円であり、助成額を明示していない市町村も五カ所あり、助成額を定めず全額負担する自治体もあったといいます。ともあれ、全国の市区町村の妊婦健診の考え方に大きな格差が生じているのであります。これら格差の理由の一つとして、国が示した標準的な検査項目の一部のみを公費負担とする自治体や、妊婦健診事業の財源のうち、地方財政措置をされる部分について、財政状況の厳しい市町村が別の用途に充てていることが格差の要因の一つではないかと思われているのであります。

 そこで、二点質問いたします。

 一点目、本県での市町村の妊婦健診助成の状況はどのようであるか。二点目、本県は全国都道府県平均額よりかなり低いが、これらについて、市町村への働きかけはどのようにされているのか、以上二点、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 次に、ふるさと納税制度についてお尋ねをいたします。

 平成二十年四月三十日に公布された地方税法等の一部を改正する法律により、個人住民税の寄附金制度が大幅に拡充されたのであります。これらは、ふるさと納税制度と言われ、出身地や財政支援をしたい都道府県、及び市町村に寄附をすると、五千円を超える部分について、個人住民税と所得税の一部が収入などに応じて控除される制度であります。導入されてちょうど一年余りが過ぎ、四十七都道府県の寄附受け付け件数が、昨年度は福井県や熊本県などで二百件を超えたのに対し、東京都は三件、愛知県は八件と、余りにもふるさと納税に対する格差があらわれてきたのであります。国は、地方と都市の財政格差是正をこの制度の一つのねらいとしたわけですが、やはり格差が鮮明になる結果となったのであり、各自治体の取り組み方にも大きく反映したものと考えられるのであります。

 ある報道機関が二〇〇八年度の都道府県受け付け分の寄附について調査をしたところ、県内全市町村分を一括して受け付けた鹿児島県が七百六十一件で第一位、二位が大阪府の五百五件、三位が福井県三百八十一件、四位が熊本県で二百七十八件、五位が埼玉県の二百三十六件が上位を占め、下位としては四十七位東京都三件、四十六位愛知県八件、四十五位福岡県十件、四十四位広島県十五件、四十三位静岡県十七件であり、都道府県の平均は百十件、結果的には地方出身者が故郷へ寄附をした例が多いと見られ、大都市は総じて低迷したのであります。首都圏内でトップテン入りをしたのは埼玉県が五位だけで、近畿圏では大阪府が二位、京都府が六位であったのであります。本県においては、県と県内の四十二市町村に寄せられた寄附は七百十六件で約三億千百四十六万円であり、本県及び県内市町村に寄附された皆様の思いをありがたく受けとめなければならないと思うのであります。しかし、都道府県別での寄附数は、本県は三十四件、金額で四百四十七万円であり、決していい方ではないのであります。また、県内市町村への寄附状況を見ると、高山市が百七十七件、次いで大垣市九十七件、安八町五十五件の順であったのであります。別に、これら報道によるふるさと納税として寄附された件数・金額で順位をつけて一喜一憂するものではないのですが、上位の都道府県・市町村はこのふるさと納税制度にそれなりの努力をされてきたのであります。例えば大阪府などは、一年間の寄附に対する金額の目標を明確にしたり、寄附獲得の知恵を絞っているところに努力をされているのであります。

 そこで質問をいたします。本県の財政が非常に厳しい状況の中で、今後、このふるさと納税を少しでもふやしていくことが必要であると思うのであります。また、この制度は、開始後一年を過ぎると制度の注目度が低くなってくると思うのですが、どのようなPR対策を講じられていくのか。「確かな明日の見えるふるさと岐阜県」構築のため、努力する必要があると思うのでありますが、総合企画部観光交流推進局長のお考えをお尋ねいたします。

 次に、さまざまな障がいのある児童・生徒に対しての教育の場について、お尋ねをいたします。

 学校教育法等の改正により、平成十九年四月から特別支援教育が法的に位置づけられたのであります。それは、障がいのある児童・生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援し、児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズを掌握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものであります。そして、知的なおくれのない発達障がいも含めて、特別な支援を必要とする児童・生徒が在籍するすべての学校において特別支援教育が実施されなければならないのであります。

 通常の学校においても、LD−−学習障害、ADHD−−注意欠陥・多動性障害、高機能自閉症等で学習や生活の面での特別な支援が必要な児童・生徒は全国に六・三%程度在籍していると見られているのであり、こうした児童・生徒の支援を行うため、従来は都道府県や市町村の独自予算で介助員や学習支援員などを配置していたのでありますが、特別支援教育が法的に位置づけられたことにより、障がいのある児童・生徒に対して、支援を行う者を特別支援教育支援員として、平成十九年度から地方財政措置が講じられたのであります。

 また、少子化が進む一方で、特別支援学校に通う児童・生徒の数も急増しているのであります。その背景としては、親の意識が変化してきていることが一因に挙げられているのであり、かつては多少無理をしてでも普通学校で学ばせたいという親が多かったのですが、近年は、専門知識を持つ教員が個々の特性に応じた支援をする特別支援学校で学ばせたいと考える傾向があると、上野一彦東京学芸大学名誉教授は指摘しているのであります。これについて、文科省は、特別支援学校の児童・生徒がふえた理由として、保護者に特別支援学校教育への理解が深まったと分析するが、裏を返せば、普通学校では障がい教育に満足できない親が多いということになるのであり、知的障がいが重くなく、普通学校で学べる子供でも、適切な支援、または学校への信頼感が得られないとして、特別支援学校を選択するケースがふえてきているのであります。

 そこで質問いたします。障がいの種類や程度も違う児童・生徒のため、本県での特別支援学校と特別支援教育支援員の考え方はどのようであるのか、教育長にお尋ねをいたします。

 最後に、小規模企業対策についてお尋ねをいたします。

 経済状況が大変厳しい中、本県の経済の中心である小規模企業に対しての対策は重要になってくるのであります。特に、財政基盤が脆弱なため、資金繰り対策は必要であり、その制度の拡充が経営に大きく影響を及ぼすと思われるのであります。

 我が国の小規模企業対策は、昭和三十五年に制定された商工会法や、中小企業支援法−−昭和三十八年度制定−−等により、経営改善普及事業を中心として講じられてきたのであります。そして、平成五年に成立した小規模事業者支援促進法において、従来の経理・税務等に関する支援策に加え、小規模事業者の集団を対象とした指導、情報提供等を含めた多面的な体系へと拡充されたのであります。

 一方、予算面から見るならば、国が都道府県に対して補助金を交付し、それを商工会議所と商工会に補助する形で継続されてきましたが、三位一体改革等によりこれら補助金が廃止され、地方の単独事業として、都道府県の裁量により予算措置がされるようになったのであります。国は、これら小規模企業対策をしっかりと位置づけており、今まで積み重ねてきた経営改善普及事業は、地域経済を下支えする小規模企業を支援するものとして、その重要性はより一層増してきているのであります。しかしながら、都道府県の予算額は、財政逼迫等の影響で商工会議所・商工会の予算を縮減してきているのであり、小規模企業対策は後退せざるを得ない状況になっているのであります。しかしながら、商工会議所・商工会等が、小規模企業が地域住民から期待される存在になっていくことに対して、経営支援サービスの一層の向上を図るよう指導することが地方自治体の大きな責務であり、小規模企業等への支援強化は地域経済社会の振興と安定をもたらすことであり、当然のことながら、小規模企業対策予算への十分かつ安定的な確保をすることが重要になってくると思うのであります。

 そんな中、平成二十一年四月には、経済産業省が、小規模企業の資金調達のための小規模事業者経営改善資金融資制度であるマル経融資に関して、今回大きく拡充されたのであります。それは、一つ、融資限度額を現行の一千万から一千五百万に引き上げる、二つ、返済期間については、運転資金が五年から七年、設備資金は七年から十年にそれぞれ延長、三つ、元本返済据置期間も、運転資金については六カ月を一年に、設備資金は六カ月を二年にそれぞれ延長するとの拡充内容であり、これら申し込みの要件としては、一つ、商工会議所・商工会等の経営指導を原則六カ月以上受けていること、二つ、所得税、法人税、事業税等の義務的納税額をすべて完納していること、三つ、最近一年以上事業を行っている商工業者であります。

 そこで質問いたします。このマル経融資制度について、小規模企業から、「対応が不親切だ」「親身になって相談に乗ってもらえない」といった声も聞こえてくるのです。また、この資金は、日本政策金融公庫が行う国の制度ではありますが、窓口が商工会・商工会議所であり、経営指導員の経営指導を受けていることが条件となっており、県は商工会・商工会議所に運営費の補助金を交付しているのであります。これらを踏まえ、県として現状のような厳しい経済情勢の中、マル経融資制度の適正な運用について、小規模企業の立場に立って国などに働きかけるなど、何らかの対応が必要と思いますが、商工労働部長の御所見をお尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、補正予算に関する基金についてお尋ねがございました。

 今回の国の経済危機対策補正予算におきましては、基金事業が全部で四十六、四・三兆円ございます。このうち地方関係の基金事業は十五基金、二・一兆円ということでございます。この地方向け十五基金のうち、広域連合向けである後期高齢者医療制度臨時特例基金を除きますと、都道府県に関しては十四の基金が対象となると、こういうことでございます。本県におきましては、昨日追加上程いたしました地域グリーンニューディール基金も含めまして、新規七本、拡充五本の十二本について対応しているということでございます。

 これらの基金事業の中には、事業の詳細がなかなか明らかにされず、限られた情報の中で大変編成に苦労したものがございました。しかしながら、今回の補正予算が経済危機対策であるということでございまして、ニーズに即して極力速やかに使っていこうということで、できる限り今回の補正予算に盛り込む作業をしてまいったわけでございます。結果的には、医療施設耐震化臨時特例基金、地域医療再生基金、この二つの基金については今回の補正予算計上は見送らせていただいたわけでございます。といいますのは、まず医療施設耐震化臨時特例基金につきましては、県がこの基金の事業計画を国に提出することになるわけでございますが、その計画を提出するに当たっては、民間を含めた医療機関側において二分の一の自己負担資金の調達、耐震強度の計測、工事の設計積算、こういったことをやっていただく必要があるわけでございまして、もう少し時間を要するということでございます。また、地域医療再生基金につきましては、都道府県が二次医療圏を対象に策定する地域医療再生計画を国に提出し、国の認定により必要な費用が都道府県へ交付されるという仕組みでございますが、県が十月までに計画を提出した後、さらに十一月の国での有識者による審議を経て決まると、こういうことでございますので、今回の補正予算には間に合わないということで見送らせていただいたわけでございます。今後、必要な計画の策定、協議などが整い次第、速やかに補正予算という形で、さらに計上させていただきたいと思っております。

 次に、基金設置期間終了後の財源確保についての御質問がございました。

 昨日も申し上げておりますが、この三月に、国の補正予算に先立ちまして政府主催の経済危機克服のための有識者会合というものがございました。都道府県知事としては宮崎、大阪、岐阜と、この組み合わせについてはいろんな感想があるようでございますが、三人の知事が招かれまして、いろいろと御提言をさせていただいたわけでございます。

 この機会に、御質問の点につきましても、私からは、既に昨年度の国の第二次補正予算で措置されました妊婦健診に対する公的負担の拡充といったことを例に挙げまして、基金終了後どうするのかという課題についても議論をさせていただきました。この基金は、国の交付金によって積み立てるものでございますが、来年度までの二年間ということになっております。このような国民生活にかかわりの深い重要な問題について、基金終了後は地方で身銭を切って御自由におやりなさいということでは済まないのではないかということ、あるいは基金終了後は、むしろ地方に任せるべきものは地方の財源をしっかり渡して、そして地方の創意工夫を尊重するということにできないかといったような地方税財源の改革も含めてこの問題を提言させていただきました。今回の補正予算におきましても、先ほどの妊婦健診と同様に、例えば介護職員の報酬改善、消費生活相談員の整備、高校生への授業料減免の補助といったテーマのように、三年間の対応で足りるということではなく、何らかの継続的な措置が必要なものがございます。これらにつきましては、具体的な例を挙げながら、これまでにも財務大臣、あるいは野田消費者担当大臣を初め、国への申し入れを行ってきておるところでございますが、いずれにいたしましても、今後ともあらゆる機会をとらえ、これらの問題が継続的な課題であるということを強く訴えてまいりたいと思っております。

 次に、国の補正予算による基金創設ということについての評価の御質問がございました。

 今回の国の補正予算による基金事業につきましては、雇用対策はもとより、子育て支援、介護、医療など多方面にわたる制度が新設・拡充され、本県におきましても、これらの基金を積極的に活用しておるということでございます。例えば保育サービスの充実、福祉・介護職員の報酬改善など、当初予算では手がつけられなかったようなものについても対応できることになったわけでございます。

 このように、今回の国の財源的な手当てにより、厳しい財政状況の中でも、経済・雇用対策とともに県民の皆様の安全・安心につながるような広範な対策を実施することができたということで評価するわけでございますが、さらには、一たん基金という形で積んで、単年度ではなく、一定期間活用できる道を開いていただいたという点でも評価できるのではないかというふうに思っております。

 次に、導水路事業についてのお尋ねでございました。

 御指摘もるるございましたように、岐阜県は上流水源県として豊かな森林を保全し、そこではぐくまれる豊かで清浄な水を海まで流すべく心を砕き、一方、下流域の皆様から御支援・御協力を得て水源地を守るための活動をしてきたわけでございます。古くから、三県一市は良好な協調・協力関係を保ってきたということでございます。特に昨年完成いたしました徳山ダムの建設に際しましては、旧徳山村の四百六十六全世帯移転という大きな犠牲を払い、揖斐の防人、濃尾の水がめとして、中部圏全体の発展のために努力をしてきたということでございます。また、過去幾度となく経験いたしました渇水時には、限りある水資源を互譲の精神で譲り合い、上下流で連携して乗り越えてまいったわけでございます。そうした経緯の中で、連絡導水路事業につきましても、国と水資源機構及び三県一市の間でその必要性についてさまざまな角度から検証を行い、議論を重ね、合意形成を進めてきたわけでございます。昨日も申し上げましたが、こういったことを考えますと、事前の連絡もなく突然表明された五月十五日の名古屋市長の撤退発言につきましては、大変驚き、また遺憾に感じておるということでございます。

 その後、当県から、名古屋市長の発言に関し、公式に説明を聞く場を早急に持つよう国・水資源機構に働きかけたわけでございます。その結果、五月二十七日に木曽川水系連絡導水路事業監理検討会が開催されました。この場において、本県の県土整備部長からは、上流水源県である岐阜県の清廉な水、豊かな自然、そしてそれを守る人々の努力、さらには全戸移転を強いられた旧徳山村村民の思いについても申し上げたところでございます。これに対し、名古屋市より述べられましたのは、市長個人が連絡導水路事業の必要性について疑問を持ち、撤退も含めて検討したい旨表明したものであり、名古屋市として正式に導水路事業からの撤退を決めたわけではない。また、名古屋市として、導水路事業に参画する必要性を改めて検討するため、できるだけ早い時期に公開の討論会を開催し、夏ごろを目途に名古屋市としての結論を出すとの説明のみでございました。

 また、同会議において、当県からは次のような論点と考え方を提起しております。これは、昨日申し上げましたことと重なる部分がございますが、第一に、名古屋市は徳山ダムに確保した水を今後どうするのか。ダム本体の建設費や維持管理費については支払っていくのか。第二に、これまでの渇水時においては、三県一市は互譲の精神で互いに協力関係を持って乗り越えてきたわけでありますが、こうした協力関係を今後どのようにしていくのか。第三に、仮に名古屋市が撤退した場合、これに伴い名古屋市自身が払うべき負担はどういうことになるのか。いずれにいたしましても、岐阜県としては、負担増には応ずる用意は全くないなどの論点を申し上げておるわけでございます。したがいまして、今後、名古屋市がどのような意思決定を行うのか、また当県が提起したこれらの論点を、国・水資源機構がどう整理するのか、次回以降の検討会において確認してまいりますとともに、その過程で、改めて上流県の思いや上下流の連携の重要性についても申し上げてまいりたいと思っております。



○議長(早川捷也君) 危機管理統括監 河合正明君。

   〔危機管理統括監 河合正明君登壇〕



◎危機管理統括監(河合正明君) 新型インフルエンザ対策に関しまして、二点お答えいたします。

 まずアクションプランの改訂についてお答えいたします。

 平成十七年十二月に策定した新型インフルエンザ対策行動計画が強毒性の鳥インフルエンザを想定したものであったことから、今回の新型インフルエンザへの取り組みとして、現在のアクションプランを五月一日に取りまとめ、その後、国の基本的対処方針の見直しを受け改訂を行ったところです。

 このたび、厚生労働省において、「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」の改定が六月十九日に行われ、二十六日の担当課長会議での説明を受け、これに見合う形で再度改訂を行うものでございます。運用指針改定の基本的な考え方としては、秋・冬に向けて、国内での患者数の大幅な増加が起こり得るという観点に立ちつつ、重症患者の救命を最優先とする医療提供体制の整備、基礎疾患を有する者などの感染防止対策の強化、感染拡大等の早期探知という三つの方向が示されています。具体的には、原則、患者には入院措置ではなく、外出を自粛し自宅で療養となったこと、すべての一般医療機関において、外来診療を行うこと、感染症指定医療機関以外においても入院を受け入れること、学校等の集団における患者の発生を早期に探知することとなっております。

 アクションプランの改訂に当たっては、とりわけ、医師会などとの協議が必要となるため、現在、その作業を進めているところでございます。今後、岐阜県新型インフルエンザ医療保健福祉協議会や市町村から意見を聞いた上で庁内各部局との調整を行い、早急にアクションプランの改訂を行ってまいります。

 次に、教育委員会との連携についてお答えいたします。

 新型インフルエンザ対策を進める上で、学校での集団感染拡大防止を図るためには、教育委員会との連携が不可欠であります。このため、教育長が新型インフルエンザ対策本部員会議の構成員となっているほか、事務レベルにおいても、アクションプラン作成・改訂時における検討、学校等での取り組み状況等についての確認、感染者発生時における学校休業要請の考え方に関する協議を行ったほか、さまざまな情報共有を行うなど常に密接な連携を図っているところでございます。本県においては、これまでのところ、小・中・高校の休業を行うような事案は発生しておりませんが、いつ発生しても迅速かつ的確に対応する必要があります。また、今回の厚生労働省の方針やアクションプランの変更に伴い、これまでにも増して教育委員会の協力が不可欠となることから、今後とも密接な連携を図ってまいります。



○議長(早川捷也君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 新型インフルエンザ対策についてお答えいたします。

 まず、市町村との連携ということでございますが、新型インフルエンザは、議員の御質問にもございましたように、感染症法に位置づけられた感染症であり、患者の人権の尊重や個人情報の保護について厳格に取り扱うこととされております。しかしながら、その一方で、県と市町村との関係において、感染防止対策上必要な情報については速やかに情報共有を図ることも重要であると認識しております。

 感染者が確認された場合には、これまでの事案の検証結果を踏まえ、検査を実施することが決まった時点、検査開始時点、検査結果が判明した時点、県の対応方針を決定した時点などにおいて、感染者の年齢や職業、性別、家族などの濃厚接触者の情報、勤務先や通学先の情報や学校の休業といった県の対応方針などについて、県と当該市町村との間で情報を共有することとしております。その場合でも、患者の氏名や住所など個人が特定される情報を取り扱う際には、厳格に管理を徹底するようにしております。今後とも適時適切な情報提供を行い、市町村との連携を図ってまいります。

 次に、リアルタイム感染症サーベイランスについてお答えいたします。

 今後、県内で新型インフルエンザの感染が拡大していく場合を想定し、客観的で正確な感染情報を収集・分析・公表すること、そして、その結果に基づいて感染の拡大を最小限に抑えるための対策を実行することが重要であると考えております。そのため、県では、この秋までにリアルタイム感染症サーベイランスシステムを構築し、県内二百十の医療機関からインフルエンザが疑われる疾患の発生状況について毎日報告していただくことにより、県内各地域における流行状況を迅速に把握する体制を整えることとしております。さらに、感染症情報センターを県庁内に新たに設置し、リアルタイム感染症サーベイランスで得られた情報に加えて、学校の休校等の情報や、ウイルスの変異等にかかわる情報などを収集・分析し、インターネット等を通じてわかりやすい形で県民の皆様へ迅速に提供してまいります。そして、これらのサーベイランス情報を踏まえて、医療提供体制の確認や、タミフルなど治療薬の適正配置等にも取り組んでまいります。

 次に、妊婦健診の公費助成額の格差についてお答えいたします。

 まず、市町村の妊婦健診助成の状況でございますが、県内すべての市町村で国が基準として示す年十四回の助成が行われております。また、県内市町村別の一人当たりの公費負担額は七万円台が三十一市町村、八万円台が五市町村、九万円台が三市町、十万円台が二市、十一万円台が一市となっており、七万円台から十一万円台まで、およそ四万円の幅のある状況となっております。

 次に、市町村への働きかけについてでございますが、妊婦の方への支援は、安心して妊娠・出産ができる体制を確保するということのみならず、未来に向けて健全な子供を産み育て、地域を活性化していくという視点にも立って、重要と考えております。県といたしましては、すべての妊婦の方に健康で安心して過ごしていただけるよう、これまで妊婦健診受診を勧奨するためのチラシやリーフレットを作成し、市町村を通じて妊婦の方に配布することで、妊婦健診の重要性について理解を求めてまいりました。また、今回国が行った妊婦健診の公費負担の状況に係る全国調査結果についても市町村に情報を提供し、岐阜県妊婦健康診査臨時特例基金の積極的な活用を促しております。今後とも、すべての妊婦の方に妊婦健診を受けていただけるよう啓発を進めるとともに、妊婦健診への助成充実について、各市町村に働きかけてまいりたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 商工労働部長 江崎禎英君。

   〔商工労働部長 江崎禎英君登壇〕



◎商工労働部長(江崎禎英君) いわゆるマル経融資制度の適正な運用について御質問がありましたので、お答えいたします。

 議員御指摘のマル経融資制度でございますが、これは半年の経営指導を前提とするものの、低利かつ無担保・無保証の融資制度でございまして、小規模企業に対する有効な支援策となっております。特に現在のような不況期にありましては、こうした融資制度は、企業の存続にとって重要な役割を果たすことが期待されます。

 しかしながら、こうした制度が、その本来の目的を達成するためには、商工会・商工会議所を通じた経営指導が適切に実施されることが重要であります。このため、県といたしましては、窓口となる商工会・商工会議所に対し、融資相談に際しましては経営実態を把握し、その特性や将来性を経営者とともに考えるなど、小規模企業の立場に立って支援するよう改めて指導してまいります。

 また、融資を実行する日本政策金融公庫に対しましても、県の中小企業金融懇談会への参加を求めるなど、マル経融資制度のより円滑な運用に取り組んでいただくよう申し入れを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。



○議長(早川捷也君) 観光交流推進局長 古田菜穂子君。

   〔観光交流推進局長 古田菜穂子君登壇〕



◎観光交流推進局長(古田菜穂子君) ふるさと納税についてお答えいたします。

 財政状況の厳しい折、ふるさと納税をふやすために、納税に対する仕組みのさらなる理解と、これまで以上のPRや、寄附しやすい環境づくりを進めているところです。PRにつきましては、東京、名古屋などの県人会や同窓会への働きかけを昨年以上に行うとともに、お盆や正月等の帰省客を対象に、高速道路のサービスエリアや駅などでのPRイベントの開催、職員研修での制度周知など積極的に行ってまいります。

 また、この六月より、東海三県で初めて、昨年、県議会から御提案のありましたクレジットカードによる受け付けを始めるとともに、寄附の使い道を選択できるメニューも引き続き設けるなど、寄附しやすい環境づくりに努めております。さらに、今月から、本県ゆかりの方や関心のある方を対象とした観光交流や移住・定住につなげるための岐阜県ファンクラブを立ち上げますが、この中でも、ふるさと納税について広く呼びかけるなど、これからもできるだけ多くの方々から、ふるさとへの思いとともに、毎年寄附をいただけるよう取り組んでまいります。



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 障がいの種類や程度の違う児童・生徒のための、特別支援学校と特別支援教育支援員についてお答えいたします。

 特別支援教育の対象となる子供に対しては、障がいの種類や程度に応じた特別な配慮のもとに教育を行う必要があります。教育の場としては、障がいにより、日常生活で頻繁に援助が必要な場合には特別支援学校があり、障がいは軽度であるものの、特別な援助が必要な場合には特別支援学級があります。また、おおむね通常学級で生活や学習が可能であるものの、一部で特別な指導を行う必要がある場合には、通級指導教室を利用するほか、通常学級での学習や生活をサポートする特別支援教育支援員を、市町村が必要に応じて配置しております。どのような特別支援教育を受けるかは、市町村教育委員会が、医師、保健師等の専門家から成る就学指導委員会の協議内容や保護者の意見を踏まえ、学校教育法施行令に示された就学基準に基づき決定しています。県教育委員会といたしましては、今後も市町村教育委員会と連携し、障がいのある子ども一人ひとりのニーズに応じた適切な支援が行われるよう努めてまいります。



○議長(早川捷也君) 三十番 矢島成剛君。

   〔三十番 矢島成剛君登壇〕(拍手)



◆三十番(矢島成剛君) お許しをいただきましたので、早速質問を始めさせていただきますが、まず、最初にGL21についてお尋ねをいたします。

 GL21といっても何のことかわからない方もおられるかもしれませんが、GLとはグリーンライフの略で、21は二十一世紀をあらわしています。二十一世紀を迎えようとしていた今から十一年前の平成九年に、岐阜県のセラミックス技術研究所が始めたプロジェクトの名前です。きょう、議場配布させていただきました資料の新聞記事にも書いてありますが、二十一世紀の環境を考えた生活に美濃焼業界も何か寄与できないかと考え、このプロジェクトでは、一度製品になったものを細かく砕いて、再度原料として使える技術に取り組んでこられました。その結果、技術的には一定の成果を得たというところまで進んだということであります。しかし、きょうお尋ねしたいのは、GL21についてというよりはむしろ、そのGL21プロジェクトの研究成果を社会に生かすために不要食器のリサイクルシステムの確立についてお尋ねをいたします。

 本論に入ります前に、前置きの話を少しいたします。

 先日、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、現下の経済状況、大変不況の中でも好調な企業を紹介しておりました。そのうちの一つが、岡山県に本社のある林原という会社であります。この会社は、トレハロースという糖を製造販売しております。砂糖と同じく甘く、しかしカロリーは六五%ということで、折からの健康ブームに乗って、現在フル稼働しているということでありました。この会社の特徴は、研究員へのノルマが一切ないということだそうです。研究員が何を研究しても、いつまで研究しても、いつまでにやらなければならないという期限もないということで、実はこのトレハロースができるきっかけは、土の中にいる細菌を研究していた研究員が、ジャガイモなどのたんぱく質を糖に分解する酵素を出す細菌を見つけたということによるとテレビでは言っておりました。何を研究してもよいとはうらやましい限りでありますが、自治体の研究所ではなかなかこうはいきません。何を研究しているのか、成果は出ているのか、そういうことがすぐ問われます。研究員にとっては、つらいところがあるかもしれません。私も以前、この会議場で一般質問で取り上げたことがございました。本県には、現在十二の研究機関があり、毎年二十億円ほどの予算を使っておるわけでございますが、研究成果として、一体どのくらいの特許料を得ているのかと聞いたことを覚えております。いささか性急過ぎた質問であったと反省をしております。特別に特許を取らなくても、地域の産業に少なからず貢献をしておっていただいていると、今は思っております。

 前置きはこれくらいにしまして、さて、このたび、先ほど申し上げましたように、多治見市にあります県の岐阜県セラミックス技術研究所で、地場産業にとって画期的な技術が開発されました。それは何かといいますと、リサイクルの技術であります。ちょうど一年前、昨年の洞爺湖サミットで取り上げられまして、世界じゅうから注目を浴びた、そのときの新聞記事の一部を資料として議場配布させていただきました。

 マル一ですが、全国紙でも取り上げられまして、皆様方も読まれた方もおられると思いますけれども、きょうは地元紙の記事を載せさせていただきました。それがGL21の成果であります。

 昨年の洞爺湖サミットのキーワードは「環境」ということでございました。県の研究所で、まさに時代に合った研究がなされたと言っていいと思います。資料マル一の昨年の新聞記事には、中段四段目から五段目、割れたり捨てられた陶磁器を七ミクロンの大きさまで粉砕・粉末化し、配合率二〇%で粘土などにまぜてつくると載っております。昨年の記事は二〇%でしたが、その横のマル二の資料、つい先週の新聞記事では、五〇%まぜても可能になったと出ております。この質問をしようと準備をしておりましたとき、タイミングよく発表をされました。

 さて、不要食器のリサイクルをして何がいいかといいますと、幾つかよいことがございます。四つ申し上げます。一つには、原料が節約できること。美濃焼業界には原料はまだまだありまして、百年ぐらいは十分にもつと、まだもつかもしれませんけれど、あるかもしれませんけれども、中にはない原料もありまして、中国とか東南アジアから既に輸入をしている原料もあります。五〇%再利用できるとなれば二倍長もちするわけで、長い目で見れば業界にとって大変いいことであります。

 二つ目には、CO2が削減できることが上げられます。研究の結果、一度高温で焼いた原料を五〇%まぜることによって、二回目はさほど温度を上げなくても十分焼けることがわかりました。一般に市場に出ている陶磁器、美濃焼で焼いているのは千三百度から千三百五十度で焼いているのが普通でありますけれども、この場合、原料にまぜて焼くと二回目は千百五十度でも十分同じようなものができるということがわかりました。温度を上げなくてできることによって、CO2が二〇%も削減できることがわかりました。温室効果ガスの削減のためにも大変役に立ちます。

 政府は、COP15の中期目標として、一五%削減をという目標を掲げました。目標を達成するには、国だけではなく、地方自治体、そして国民一人ひとりがそれに努めなければなりませんけれども、そのための予算として、昨日、グリーンニューディール基金への積み立てというような予算、追加提案がありましたが、まさにグッドタイミングであります。

 三つ目として、ごみの安定型処分場の延命ができるということであります。各市町では、ごみの処分場の確保に大変困っております。全国どこの市町もごみの減量化に取り組んでいると思いますが、埋め立てるのではなくて、リサイクルできるものはリサイクルに回そうと、先進的に陶磁器のリサイクルに取り組んでいる自治体が全国で八市町あります。資料に載せておきましたが、牛久市、所沢市、町田市、多摩市、八王子市、須坂市、生駒市、そして本県では垂井町でございます。本県の垂井町は環境への取り組みの意識が高く、三年前から取り組んでおられるそうです。これらの市町は、多治見、土岐、瑞浪の産地の工場へこれらの陶器を送ってきておられます。人口三万人の垂井町では、約年間に五トン送っておっていただきます。岐阜県じゅうでやるとなれば三百五十トン、安定型処分場が減量できる計算になります。

 四つ目には、家庭にある不要になった食器を処分することによって、新たに購買力がふえるのではないか、購買につながるのではないかということが考えられます。豊かな社会になった今、現在どこの家庭にも使わない食器がたくさん眠っていると思います。このGL21のプロジェクトが、多治見市内で二千件にアンケートをした結果がございまして、一家庭当たり三十七個の食器が不要であるという統計が出ております。そのほか、その調査では、もったいないのでしまってはあるが、しかるべく回収システムがあればそこへ出したいとの意見が多くあったとのことです。きょうの写真に載せておきました。(資料を示す)これは垂井町の回収現場の写真をお借りいたしました。写真は縮小してありますので、写真が小さいですけれども、よく見れば、やはり割れたものではなくて、まだ使えるものが入っているように思います。これらは不要になったものというふうに思われます。

 セラミックス技術研究所へもたくさんの問い合わせがあるということで、全国から来ているそうです。どこへ茶わんを送ったらいいかというようなことで、毎年二百件ぐらいあるわけでございますが、それらの方は意識が高くて、自分で善意で運送費を持って、セラ研の方へ送ってくるというようなことでございます。

 以上、申し上げましたように、不要食器のリサイクルを始めればいいことばかりで、好循環になります。国民・県民の環境への意識も高まってきております。「まぜればごみ、分ければ資源」という標語がありますが、まさにそのとおりで、一人ひとりの環境への意識を高め、循環型社会を構築しなければなりません。県内に美濃焼の主要産地を持つ岐阜県として、まして県の研究機関が開発した技術がある岐阜県としては、GL21プロジェクトを全県下に広めなくてはなりません。研究所の研究だけに終わらせてはなりません。二年前、地球温暖化防止対策の一つとして、県が中心となって県内の市町に働きかけ、全県でレジ袋有料化を推し進めたように、不要食器のリサイクル化を県が中心となってやるべきではないでしょうか。お尋ねをいたします。GL21の研究の経緯と現状、そしてリサイクルシステムの進みぐあいを、研究開発総括監にお尋ねします。また、不要食器のリサイクルシステムの本県での新たな構築については、環境生活部長にお尋ねをいたします。

 次に、陶磁器に関係して、学校給食の陶磁器製の食器の導入について、教育長にお尋ねをいたします。

 私は、今からはるか昔、昭和三十年代に小学校、中学校時代を過ごしました。当時の給食食器はアルマイトでございました。物のない時代でございましたので、それで十分であったわけでございますが、その後、猫の皿と一緒、犬食いになるというような批判も出まして、プラスチックの今の食器のように、底に高台があるプラスチックの食器に変わりました。しかし、プラスチックのうちのポリカーボネートは環境ホルモンが出るのではないか、ポリプロピレンは熱に弱くて、カレーなどの色がついてしまう欠点があるということがわかった。また、メラミンはホルムアルデヒドが入っているのではないかと言われるようになり、昨年の中国のギョウザの事件ではメラミンが混入しているというような新聞記事も出て、メラミンは本当に体に悪いものかどうか、私もよくわかりませんけれども、そのように嫌われる物質のように言われております。化学製品は、石油からつくられますのでたかだか百年の歴史しかありませんけれども、やはり日本人には縄文時代から伝わっております土器、土器を改良した陶磁器で食べるのが一番いいのではないかと思うのであります。

 給食用として、美濃焼業界も大変強度を増した食器を開発しております。普通の食器は、専門的になりますけど、圧力の単位がメガパスカルと言いますけれども、八十ぐらいで割れます。それが強化磁器として、倍ぐらいの百五十以上の強さを持った食器を強化磁器と認めておるわけでございますが、それの五割増しの二百三十ぐらいまでいける高強度磁器という食器も開発をされております。また、食器のうちでも、高強度磁器を回収して、既にエコマークをとって、リサイクルをしている会社もあるようでございます。全国的には陶磁製の食器を入れている学校が三〇%ぐらいではないかというふうに聞いておりますけれども、本県ではどうでありましょうか。はしと茶わんで御飯を食べる、そういう給食を既に実施している学校の評判と、陶磁器製の食器についての教育長のお考えをお尋ねするものでございます。

 二つ目として、無届け施設について県の対応はどうであるか、お尋ねをいたします。

 今年の三月に群馬県のある有料老人ホームで火災がありました。そこで入所者が十人お亡くなりになったということで、そのほかに、そこは無届けの施設であったということ。まして、そこの入所者のうちには東京都からの生活保護受給者が移ってこられて、十人のうち六人が生活保護受給者であったということで、大変世間の目を引いたわけでございます。東京都の自治体は、この施設が老人福祉法に基づく届けが出されている施設かどうか全くチェックせず、高齢者や要介護者を遠い他県に送り出していたということであります。都内の施設が不足でやむを得なかったとはいえ、高齢者を遠くの施設に追いやることは、何か現代版のうば捨て山を見ているようであります。この手の無届け施設は全国に六百ぐらいあると新聞に載っていましたが、本県ではどのような状況でありましょうか。

 群馬県では、最初−−ちょっと読みますね。「無届けなので老人福祉法の枠外にあり、指導の権限はない」といった、いかにも古い時代の役所らしいコメントを出し、後で知事が「もう少ししっかり対応をする必要があった」と訂正をしておりましたが、行政は無届け施設であろうとも、福祉施設であれば、そこでどのようなケアがなされているのか目を光らせておらなくてはなりません。この群馬県の無届けホームの火事を受けて、本県でも再度調査がなされたと思いますが、本県での無届け老人施設の数、指導内容、他県からの生活保護者の状況等、健康福祉部長にお尋ねします。

 また、平成十八年一月に長崎県大村市のグループホームで同じような火災があったわけですが、その後、小規模の福祉施設にもスプリンクラーや自動火災報知設備の設置が義務づけられました。消防関係の調査の結果を危機管理統括監にお尋ねをいたします。

 同じように、無届けのベビーホテルや幼児預かり所で幼児死亡事故が起きたニュースを、以前よく耳にいたしました。平成十四年に児童福祉法の一部が改正され、こうした小さな施設に対しても、認可外保育施設として届け出義務が導入されたということですが、認可外保育施設について本県の状況はどのようであるか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 問題のある無届け施設でもどこへでも、預けなければならない現実がございます。本来、行政はそういうところにも目を向けなければならないと思うのですが、今回は本県の現状をお尋ねするだけにとどめ、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 危機管理統括監 河合正明君。

   〔危機管理統括監 河合正明君登壇〕



◎危機管理統括監(河合正明君) 無届けの有料老人ホームの消防用設備の調査結果についてお答えいたします。

 県では、三月十九日に群馬県渋川市で入所者十名が犠牲になった火災の発生を受け、直ちに老人福祉法第二十九条による届け出が未届けである有料老人ホームを対象とした緊急調査を各消防本部に指示いたしました。各消防本部は、三月二十四日から四月三十日にかけ、県及び市町村の福祉、建築の担当部局と合同で立入調査を実施しました。調査の結果、未届けの有料老人ホーム十五施設のうち九施設において、誘導灯、自動火災報知設備、消火器の未設置や設置数の不足などの消防法令違反がありました。なお、スプリンクラー設備については、違反はありませんでした。違反があった施設に対しては、消防本部が重点的に違反是正を行っており、既に消火器について二施設で、自動火災報知設備について一施設で違反が解消され、また誘導灯については、現在六施設において設置の準備を行うなど、違反の解消に向けた取り組みが行われています。県におきましては、今後とも定期的に消防本部に対して是正状況の調査を行い、消防法令違反の早期解消に向けて消防本部を指導してまいります。



○議長(早川捷也君) 環境生活部長 古田常道君。

   〔環境生活部長 古田常道君登壇〕



◎環境生活部長(古田常道君) 不要食器のリサイクルシステムについてお答えいたします。

 一般廃棄物の処理は市町村の責務となっており、日ごろから県内市町村では家庭から出される廃棄物のリサイクルを進め、減量化に努めているところです。県としましても、廃棄物の減量化は重要な課題であると考えており、今年度はごみの減量を重点テーマとして、市町村や市民団体とともにごみの減量の普及啓発、実践活動を行い、ごみを減らす手法のモデル事例をつくり、県内他地域への普及を目指すごみ減量化推進事業に取り組んでおります。

 議員御指摘の不要食器のリサイクルについても、ごみ減量化の有効な方法であると考えております。県内でも、既に不要食器のリサイクルに取り組んでいる市町村もありますし、今後の取り組みを検討しているという市町村もあると聞いておりますので、県としましてもこれらの市町村とともに、不要食器の回収・選別方法、廃棄物処理法上の取り扱い等の課題を整理し、不要食器のリサイクルシステムが構築できるよう取り組んでまいりたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 無届けの有料老人ホームについてお答えいたします。

 県では、有料老人ホームでありながら無届けとなっている可能性がある三十七の施設について、消防や建築の担当部局と合同で立入点検を実施いたしました。この結果、十二の施設については有料老人ホームではないと判断いたしました。他の二十五施設のうち十七施設は有料老人ホームに当たると判断し、届け出を指導いたしました。うち、二施設から既に届け出を受理しており、他の十五施設も書類が整い次第、届け出される予定であります。残り八施設につきましては、入居契約の内容などを精査しており、今月中をめどに有料老人ホームに当たるかどうか判断してまいりたいと考えております。

 なお、有料老人ホームに当たると判断した施設には、他県の自治体から生活保護受給者を受け入れている施設や、生活環境が極めて劣悪な施設はございませんでした。また、未届けの施設に関する新たな情報提供があった場合には、直ちに現地調査を実施することとしておりますし、届け出が行われた施設についても、定期的に現地検査をしてまいります。

 次に、認可外保育施設の県内の状況についてお答えいたします。

 認可外保育施設も、児童福祉法において乳幼児の保育を目的にその設置が認められた施設であり、現在、県内の百六十四施設において約二千人の乳幼児が保育されております。児童福祉法上、認可外保育施設は、一日に保育する乳幼児が六人以上の施設について知事への届け出対象とされているところでございますが、本県では、平成十五年度に指導監督要綱を定め、一人でも乳幼児を保育しているすべての施設において、届け出を行っていただくよう指導しております。現在把握している施設については、すべて届け出をいただいているところでございます。今後とも、市町村や関係機関等の情報をもとに、認可外保育施設に対して適正に届け出を行っていただくよう指導してまいります。また、保育施設に勤務する職員に対する研修や定期的な立入調査を実施するなど、乳幼児の健やかな成長と、そのための環境が確保されるよう、施設の適正な運営の指導監督に努めてまいります。



○議長(早川捷也君) 研究開発総括監 清水聖幸君。

   〔研究開発総括監 清水聖幸君登壇〕



◎研究開発総括監(清水聖幸君) リサイクル食器における研究の経緯と現状についてお答えいたします。

 GL21とは、岐阜県セラミックス研究所の職員が全国で初めて提案したコンセプトであります。廃食器を回収し、その粉砕物を原料に配合して新たな食器に再生するという、循環型物づくりに共鳴した県内陶磁器メーカー、商社、自治体、合計四十一機関による研究開発、製造・販売のグループです。

 グループの研究成果であるリサイクル食器の売り上げは、平成十九年卸値で約二億円に上り、平成十二年に比べ八倍に増加しており、近年の消費者の環境意識の高まりから、今後も着実な需要の増加が見込まれております。これまで、平成十九年の環境大臣賞を含む八つの賞、昨年の洞爺湖サミットにおいて展示及び総理夫人主催のティータイムで使用されるなど注目を集めております。

 リサイクル食器の研究開発は、セラミックス研究所を中心に、平成九年度より継続して市場調査から原料再生、製造技術に至るまで一貫して行っております。さらに、平成二十年度からは文部科学省の大規模プロジェクトに採択され、これまで二〇%であった廃食器の配合率を七〇%に飛躍的に向上させるとともに、従来より百度、あるいは二百度低い温度で焼成することを目指して研究開発を進めております。この研究開発によってCO2排出量を削減し、環境負荷低減と低コスト化を目指してまいります。

 また、全国の教育関係者が多数集まる平成二十四年の国体を販路開拓の絶好の機会ととらえ、宿泊所でありますホテルや旅館等と連携しながら、リサイクル食器を岐阜県の環境調和型のブランド製品としてPRしてまいります。



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校給食への陶磁器製の器の導入状況についてお答えいたします。

 私も、議員と同じくアルマイト世代でございますが、現在、岐阜県内の学校給食で使用されている食器の素材としては陶磁器や強化磁器が最も多く、二百五十三校で使われ、全体の四二・五%を占め、全国平均を大きく上回っております。二番目に多いのがメラミン食器で、百四十六校、二四・五%でございます。陶磁器や強化磁器を使用する学校数は年々ふえており、十年前に比べ百二十六校の増加となっております。実際に陶磁器や強化磁器を使用している学校では、料理がおいしそうに見える、長年使用しても傷がつきにくく、気持ちよく食べられる、食器を大切に扱うようになったなどの声が上がっております。また、昨年度から本年度にかけて新築をいたしました四つの給食センターにおきましても、新たに強化磁器を使用しております。県教育委員会といたしましては、各食器の特性や県内の使用状況などの情報を各市町村教育委員会に提供し、子供たちがよりよい食環境で給食を食べることができるよう働きかけてまいります。



○議長(早川捷也君) 五番 田中勝士君。

   〔五番 田中勝士君登壇〕(拍手)



◆五番(田中勝士君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 今回は大きく二点、笠松競馬について、行財政改革についてです。

 まず、笠松競馬についてお尋ねします。

 この問題については、昨年の十二月に取り上げまして、それから約半年ぶりになります。昨日も我が会派の代表質問で渡辺議員が触れましたが、まずはこの間の経緯について簡単に説明させていただきます。

 前回、私が質問した時点において、笠松競馬の土地明け渡し訴訟の和解協議は、地代単価について、組合側、地主側双方の主張が折り合わず決裂寸前の状態でした。その一方で、原告地主側では訴訟からの離脱者が相次いでいました。しかし、今年二月四日の和解協議で原告側が歩み寄り、最大のハードルであった平成二十二年度までの地代について合意、和解に向けて大きく前進したわけです。関係者一同ほっと胸をなでおろしました。これは、何といっても競馬場存続のため、原告地主に対する訪問活動など、さまざまな形で力を尽くされた調騎会や厩務員の皆さんを初めとする関係者の努力のたまものです。ちなみに、このとき、当初八十六人いた原告地主は三十六人が訴訟を取り下げていて、十二月時点よりさらに減り、五十人になっていました。

 この二月の和解協議において、原告側が提示した条件は、一、訴訟に参加していない地主も含め、四組合の全地主を同一単価、坪当たり千二百円とする。二、全地主が本件訴訟に参加し、統一和解をする。三、平成二十三年度以降は、固定資産税評価額などの客観的基準に基づいて地代を算出するの三点でした。その後、今日まで三回の和解協議が重ねられてきましたが、統一和解の条件については訴訟外での和解を求める地主の声が強く、原告側にて断念され、和解の条件から外れました。そもそも訴訟からの離脱者が相次いでいる中での統一和解は、条件として無理があったと言えます。

 現在、平成二十三年度以降の地代の算出方法についてが最大の論点になっています。平成二十三年度時点の経営状況を見ながら、双方協議の上で決定すべきとする組合側に対し、原告側は客観的基準が必要として、双方の主張は平行線をたどっており、今また難しい局面になりつつあります。名古屋高裁は、次回期日の九月十一日までに新たな和解案を示し、組合側、原告側がそれぞれ検討した上、次回和解協議で回答することが決まっています。それぞれの代理人は、期日の前に事前協議する予定で、この話し合いが不調に終われば、次回結審する可能性があります。このように、和解協議もいよいよ最終局面を迎えつつありまして、双方には何としてでも和解成立に向けて歩み寄りをお願いしたいと思っております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 今回は大きく五項目について伺います。この中で、私が申し上げたいのは、競馬場をめぐる問題の改めて確認すべき事実と深刻な現実についてです。いずれも古田知事の答弁をお願いいたします。

 まず初めに、改めて確認すべき事実について申し上げます。これは二点ございまして、その一点目は、現在の笠松競馬の黒字は、賞金諸手当の削減、地代の固定資産税相当額への削減など、ほぼ限界と言える経費削減と、一定の手続、ルールにのっとって行われた地方競馬全国協会に納めるべき一号交付金の猶予、さらに公営企業金融公庫の起債の借りかえといった資金対策など、組合、競馬関係者など、競馬場に携わる人々が一丸となって生み出しているものであるということ。二点目は、売り上げについては、その落ち込みは一定の歯どめはかかったものの、例えば本場の売り上げは依然下がり続けており、経営については、今なお日々の状況を絶えず点検しながら判断すべき状況である。つまり、存続について楽観できないという事実は変わっていないということです。

 私は、地代をどの程度払えるのかという問題は、こうした経営状況や、さらには本日配布している事業シミュレーションなどを考慮し、競馬に携わる人々がいかにして痛みを分かち合うのかという議論の中で決めるべきものであり、決して計算式を当てはめればよいものではないと考えています。

 そこでお尋ねします。この問題については、現在、和解協議の中で話し合われていますが、今私が申し上げた点について、古田知事はどのように考えておられるのでしょうか、知事の考えをお聞かせください。

 大きく二項目めです。議場配布しております資料をごらんください。

 まず資料一、「田中試算A」というタイトルのものです。これは、私が独自に行いました笠松競馬場の事業シミュレーションです。この「試算A」は、売り上げを本年度予算と同じ百十六億円に設定して、毎年少しずつ上げていったものです。地代は坪単価千二百円に固定しています。恐らくこれは現在想定し得る一番厳しい条件です。次に資料二、「田中試算B」の方をごらんください。これは、現在想定する中で一番よい条件で計算したものです。売り上げは、ここ数年の売り上げを勘案して百二十億円に固定しています。そして、平成二十三年度以降の地代は現在と同じ水準に設定したものです。下から二段目の欄をごらんいただくと、どちらの試算でも実質単年度収支はずっとマイナスのままです。一番下の基金・繰越金については、「試算A」では四年経過後の平成二十五年度にはマイナスになります。一方の「試算B」でも、五年後の二十六年度には同じ状況になってしまいます。

 そこでお尋ねします。組合としても、同様のシミュレーションを行っていると聞いていますが、これとほぼ同様の結果になっていると思いますが、いかがでしょうか。

 大きく三項目めです。

 これを見てみると深刻な現実に気づきます。つまり、この試算は今回和解が成立して土地明け渡しという最悪の事態を脱したとしても、数年後には存続が厳しい状況になることを示しているわけです。これは、先ほども申し上げました、地方競馬全国協会一号交付金の特例分と通常分の納付−−これは合計で約一億円になります−−が、平成二十二年度から始まること。シアター恵那借換債の償還、これは毎年六千六百万円ですが、平成二十一年度からこれが始まることを要因としています。一号交付金の特例分の支払いは平成三十一年度まで、シアター恵那の償還は平成二十七年度までです。つまり、この期間を乗り切らなくては、笠松競馬の存続はないというわけです。

 そこでお尋ねします。私は、この深刻な現実に対し、交付金の問題、償還の問題、双方に今から再び手を打つ必要があると考えますが、これは可能でしょうか。そして、可能なら即行動に移すべきです。知事の御所見をお伺いします。

 大きく四項目めです。

 私は、先日の六月二十三日の和解協議で、地主側が若干強気の姿勢に転じたような印象を持っています。今回の協議に当たり、裁判所の求めに応じ、組合は事業シミュレーションを高裁に提出したと聞いています。先ほど御確認いただいたとおり、試算では四年から五年後に競馬場の基金がゼロになり、赤字になることを示しています。交付金と償還金による負担増は一億六千六百万円、地代を千二百円にした場合の負担増は三千七百万円です。仮に、私が原告側の立場でこの数字を見たとすると、こう考えます。「地代の改定は、競馬場存続における決定的な要因ではないのではないか。」私は、こうした認識を原告側に与えたのではないかと懸念しているわけです。

 そこでお尋ねします。昨日も、知事は、将来を見据えながら存続を前提に協議すると答弁されていましたが、和解成立のためには事業シミュレーションとあわせて、先ほど質問させていただいたような赤字転落を防ぐための方策をあわせて提示し、競馬場が存続し得るプロセスを示すべきだったと考えます。この点について、知事の考えはいかがでしょうか。

 五番目、競馬場存続の問題は、法改正も含め、中央・地方の競馬界を巻き込んだ業界再編成の議論が必要です。知事の考えをお聞かせください。

 いずれにせよ、関係者が争っている状況は、競馬場にとって好ましいことではありません。何としてでもこの和解を成立させ、関係者が一致団結できるよりよい環境づくりが必要です。地元では、調騎会の方たちが中心となって競馬にかかわるさまざまな個人・団体などに呼びかけ、一致団結して行動していこうと、笠松競馬振興協議会設立の動きもあります。競馬場存続に向けて、関係各位に対し、さらなる力添えをお願いいたしまして、笠松競馬に関する質問は終わらせていただきます。

 次に、行財政改革についてお尋ねします。

 さきの三月議会で、松村先生が財源不足の解消と持続可能な財政運営について質問された際、知事は財政の透明性を一層進めることが重要であると答えられました。また、全国でもトップクラスであった岐阜県財政がどうして危機的状況になってしまったのか、県として予測できなかったのかとの質問に対し、総務部長は、「財政の将来予測、特に後年度に大きな影響のある県債発行について、公債費や県債残高の中・長期の動きを議会や県民の皆様に目に見える形でしっかりと説明できなかったことが問題であったと考えている。改めて財政の現状や将来の見通しを明らかにしていくこと、すなわち財政の透明性がいかに重要であるか再認識している」と答弁されました。つまり、説明責任を果たすことが十分でなかったことを率直に認められたわけです。

 私は、透明性を持たせるとは、何をやるのか明確にする。そして、それはできたのか、その結果どうなったのか、それはできなかったのか、その理由は何かを明らかにする。さらには、今後の見通しなどについて率直に語る。例えば財政の問題であれば、その規模などを数値で具体的にわかりやすく説明することであると思っております。そこで、初めて危機感や問題意識が共有できるわけです。

 行革の問題については、「平成二十五年度当初予算で構造的な財産不足の解消を目指す。財政規模に応じ、適正な公債費水準のもと、持続可能な財政運営を行う」と、この二点を大きな目標とした新たな行革指針が本年三月に策定され、現在、九月中のアクションプラン取りまとめに向け、知事を本部長とする行革推進本部の各分科会で議論されています。今回は、この議論の内容をさらに深く掘り下げるとともに、先ほど申し上げました「透明性」をキーワードに、県民の皆さんにもわかりやすいように、行革の実態、行革後の将来像、行革の進め方について、より具体的にお尋ねしていきたいと思います。

 質問は大きく三項目です。いずれも答弁は知事にお願いいたします。

 それでは順次お尋ねします。

 知事は、平成十八年に策定した行財政改革大綱と今回の行財政改革指針の関係、また大綱期間を待たずに新たに指針を策定するに至った理由について、「大綱策定以降、投資的経費などの縮減により県債発行の抑制に努め、公債費に関しては平成二十一年度をピークに減少に転じさせるための一応の道筋はついた。しかし、本県は依然として危機的財政状況にあり、歳入に見合った歳出構造への転換が喫緊の課題であり、長期にわたって持続可能な財政運営を行うための財政規律が必要だ」と、その理由を説明されています。ここで最大の疑問は、なぜ岐阜県は依然として危機的財政状況にあるのかということではなく、なぜさらに厳しい深刻な事態になったのかという点です。平成二十二年度までの五年の大綱期間を待たずに、新たに指針を策定せざるを得なくなった理由は、まさにここにあるわけです。

 県議会の議事録をめくってみると、これは平成十八年六月議会の野村保夫先生の質問に対する部長の答弁ですが、「行財政改革大綱は、現在の財政状況をこのまま放置すると、県民生活向上のための事業に予算を振り分けることが極めて困難な危機的状況に陥るという現状認識に立って策定した。したがって、大綱に掲げた基本方針あるいは目標というものは、職員が一丸となって全力で取り組んで達成しなければならないものであると考えている。この問題を達成することで、大綱期間の後、明るい希望が直ちに開けるとまでは言い切れないが、少なくとも危機的な状況に陥ることは避けられるのではないかと考えている」とあります。少なくとも、この時点において県財政に対する危機意識はあったわけです。にもかかわらず、どうしてこのような事態に陥ったのでしょうか。私はこの点について、県民の皆さんに御理解いただくためには、今日までの行革の実態と問題点について、率直に語っていただかなくてはならないと考えております。そのためにも、行革大綱から新たな指針に移行するに当たって、大綱の評価と検証をきちんと行わなければなりません。

 お手元の資料三をごらんください。これは行財政改革大綱の四ページのコピーです。

 歳出・歳入対策として、合計一千四百億円の取り組み内容とおのおのの金額が記載されています。この中で、私たちがはっきりとわかるのは、積立基金の取り崩し二百億円程度とされていたものが、計画を大きく上回り、当時七百六十七億円あった基金が底をついてしまったということです。

 そこでお尋ねします。ここにある行革大綱には、具体的取り組みとして総人件費の縮減百七十億円、投資的経費の縮減五百億円、一般行政費の縮減三百三十億円、自主財源の確保二百億円と目標が掲げられておりますが、これはどの程度達成されたのでしょうか。知事の行財政改革大綱に対する総合的な評価、そして、なぜ財政がここまで深刻な事態になったのか、その理由についてとあわせてお尋ねいたします。

 大きく二項目めです。次は、財政再建達成後の本県財政の目指す姿についてお尋ねします。

 この問題に対して、知事は、まずこの四年間を緊急財政再建期間と位置づけ、その間に収支均衡を図る。そして、将来へ過度な負担を残さないため、持続可能な財政運営に向けて、財政規模に応じた適正な公債費水準とするための取り組みを重点的に進めていくとされています。そして、長期モデルケースあるいは判断の座標軸として、毎年八百億円程度の県債発行額と一千百億円程度の公債費償還を均衡のとれた姿として示されたわけです。また、適正な公債費水準については、一般財源の全体に占める公債費の割合が全国平均で二五%というのを本県に当てはめたと説明されています。この二五%という数字について、私はいささか疑問を感じています。なぜなら、全国四十七都道府県のうち十一府県で財政調整基金が枯渇しており、三十九道府県で職員の給与カットを実施しているという状況の中で、その平均値を使うというのが果たして適正であるのかどうかという思いがあるからです。

 そこでお尋ねします。知事が言われるような収支均衡が図られ、適正な公債費水準になったとき、県財政の全体像はどのような姿になっているのでしょうか。そのとき、人件費水準はどの程度になり、県単独の自由裁量経費はどの程度確保されるのでしょうか。できる限り具体的な答弁をお願いします。

 大きく三項目めです。ここでは、緊急財政再建期間における具体的取り組みについてお尋ねします。

 改めて申し上げるまでもございませんが、この問題の難しい点は、活用できる基金がない中、行革と来年度予算の財源対策を同時に進めていかなければならないところです。指針では、本年度からの四年間において、既に実行している対策の効果、今後の財源対策を加味しても、なお毎年三百億円を超える財源不足が生じるとされています。つまり、目前の課題としてこれを解消していかないと、来年度の予算編成すらできない状況にあるわけです。これに対して、知事は、事務事業の抜本的見直し、組織の見直し、総定員の二千四百人削減、外郭団体・公の施設の解散・廃止・売却などを視野に入れた見直しなど、歳出削減についてはできる限りの対策を行うとされています。また、歳入確保についても、県有財産の売却促進や債権管理の強化なども進めるとされています。

 そこで、これらの対策の進め方、考え方についてお尋ねします。

 一点目、行革推進本部の中には、外郭団体、公の施設、組織、情報システム、事業の見直し、予算編成等、歳入確保の七つの分科会を設置し、分野ごとに検討を進められているとのことですが、現在どういう観点、方法で検討が進められているのでしょうか。

 二点目、ここで挙げられた対策について、個別課題、個別事項ごとに見直しの適否を検討・調整する手法では、それぞれ利害関係者もおり、困難な状況が想定されます。行革の難しさはこうした点にもあるわけで、全体を眺めながら総合的な観点で取捨選択し、めり張りをつけながら検討・調整を進めていくことが必要であると思います。知事は、これら具体化に伴う困難さを克服するために、どのような工夫を行うつもりなのでしょうか。

 三点目、総定員の二千四百人削減について、具体的にお尋ねします。この二千四百人削減でどのくらいの対策額になるのでしょうか。

 資料四をごらんください。これは行革指針の五ページのコピーです。

 今回の計画二千四百人のうち千二百九十人は看護大学及び病院の地方独立法人化による減少数であり、これに対しては県の別負担が発生します。教育委員会関係では五百十一人削減とありますが、教職員定数は標準法で決まっており、正規教員の削減分は臨時採用の教員で補っていかなければなりません。少なくとも、二〇一六年まで児童・生徒数、学級数が変動しないと見込まれる中で、さらには特別支援学校の整備に伴う採用増などを勘案すると、ここでの対策額には限度があると言えます。私は、現実の対策額は知事部局の自然減程度ではないかと思っていますが、いかがでしょうか。

 四点目、次に、外郭団体、公の施設の見直しについて具体的にお聞きします。

 資料五をごらんください。これは「平成二十一年度以降の歳入・歳出対策」というタイトルの資料です。

 これは、先日の地方分権・行財政改革対策特別委員会で配布されたものですが、太い線で囲まれた枠の中に、「公の施設等、九十一カ所・四百五十八人・九十二億円」「外郭団体、三十五団体・百五十九人・三十九億円」と記載されています。ここにある人数は、それぞれの公の施設や外郭団体で働く人の数、金額はそれぞれに係る人件費や運営費など、いわゆるランニングコストを記載したものです。こうしたものについては、そこで働いている人の問題あるいはそれぞれの地域の問題などがありますので、より慎重な議論が必要なのは言うまでもないことですが、そうした前提に立った上でお尋ねします。仮にこれらがすべて廃止されたとしたら、どの程度の対策額になるのでしょうか。そこで働いている人を即解雇はできないでしょうし、事業によっては別の形で継続していかなくてはならないものもかなりあると思います。つまり、こうした数値の単純な合計額にはならないわけで、そういった点も勘案した上でお答えください。

 五点目、今議会では、一千二十一億円という県政史上最大規模の補正予算について審議されています。もちろん、これは第一には県内の経済危機対策として使うべきものですが、この中で来年度からの財源不足に対処できるものはあるのでしょうか。あるとすれば、それはどのくらいの規模でしょうか。

 現在、九月のアクションプランの取りまとめに向け、作業が進められているわけですが、今までお尋ねしてきたような厳しい現実を見ると、職員の給与カットを含め、知事は再び重大な決断を迫られるのではないか、私はこのように考えております。せめて基金が七百六十七億円あった大綱策定時から本格的な行革に取り組んでいれば、少しは事態は変わっていたかもしれません。行革より予算編成の財源対策を優先してきたことは、県として行うべき事業を進めていくという意味においては理解はできます。しかし、基金が底をつき、職員の給与をカットする事態になって、ようやく本格的な改革に取り組むというこの状況は、先ほど質問させていただいた笠松競馬とまさに同じ構図です。今から始める改革は痛みを伴うものであり、そこで働く人々に大変な苦労を強いるものであることを既に私たちは目にしています。県職員と関係者一丸となった強い思いと県民の理解を得らなければ、これを進めることはできません。

 以上、ここまでお尋ねした問題を踏まえた上で、解消すべき三百五十億円という財源不足の規模についてどのようにとらえているのかを含め、こうした現状に対する総合的な認識と、これからこの問題に取り組む思いを古田知事にお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 大きく二点についてお尋ねがございました。

 まず、笠松競馬についてでございます。

 笠松競馬の借地訴訟につきましては、昨年来、和解成立に向けて全力で努力してきた次第でございます。御指摘にもありましたが、その結果としてこの和解交渉における論点は、平成二十三年度以降の借地料単価の決定方法に絞られてきております。現下の大変厳しい経営状況から見ますと、御指摘にもありましたが、地代だけを取り出して一定の計算式を当てはめて決めるということは困難であると。経営状況を見ながら、存続を前提として競馬関係者が議論を重ね、決定していかざるを得ないというふうに私も考えておるところでございます。

 次に、「田中試算」というシミュレーション、そして競馬組合が和解協議に提出したシミュレーションについての確認の御質問がございました。

 競馬組合が六月二十三日の和解協議で提出いたしましたのは、三つのパターンでございます。一つ目は、今年度から馬券の売上額百十六億円が今後とも続くという、つまり今年度の落ち込みがそのままずっと続くというかなり厳しい見通し。それから、不況の中での落ち込みでしたから、来年度は若干回復をするということで、来年度以降は百十九億円で推移するということで計算をしたもの。それから三つ目は、段階的に少しずつ改善とするという期待を込めて想定したものでありまして、今年度は百十六億円、二十二年度が百十九億円、二十三年度が百二十二億円ということでございまして、「田中試算A・B」と微妙に前提条件が違っておりますが、結果として第一のシミュレーションでは、平成二十四年度に基金・繰越金がマイナスになります。第二、第三のシミュレーションでは、平成二十五年度に基金・繰越金がマイナスになるということでございます。

 次に、地方競馬全国協会一号交付金、シアター恵那借換債の再対応について御質問がございました。

 まず、一号交付金でございますが、平成十九年度の競馬法改正によりまして、交付金の猶予期間が三年から五年に延長されたことは御案内のとおりでありますが、この改正自身、私がかなり農水省に強く働きかけた結果であるというふうに思っておるわけでございますが、この猶予によって約三億二千万円の交付が二十一年度まで猶予されてきたということでございます。今後、二十二年度から十年間かけて約三千二百万円ずつ返していくということでございますが、現在の制度上、返済期間を三年間延長するということも可能でございまして、これを行えば単年度の返済額が約七百四十万円減るということでございます。

 しかしながら、五年間の猶予期間そのものの延長、あるいは延長した十三年間の返済期間のさらなる延長といったことについては、もちろん法改正が必要であるわけでございますが、実はこの猶予制度を活用しているのは、この岐阜県地方競馬組合のみというのが現状でございまして、この改めての改正につきましては、国の方も難色を示しておるというのが現状でございます。

 また、シアター恵那借換債でございますが、制度的には総務省の許可があれば再度借りかえをするということは可能であるわけでございますが、借りかえによって期間を延長することによって、当然のことながら単年度の返済負担を減らすことができるものの、新たに利子負担というものもかかってくるということになるわけでございます。また、この点について、総務省は慎重な姿勢というふうに承知をいたしております。

 以上、申し上げましたように、一号交付金の返済期間を三年間延長するということを除きますと、なかなか対応は簡単ではないというふうには認識しておるところでございます。

 次に、和解協議に提出したシミュレーションの受けとめ方について御質問がございました。

 これは、そもそも昨年十月に裁判所の求めにより提出したシミュレーションについて、今年五月に裁判所から新しいデータによる再提出の要求があったわけでございまして、平成二十年度の収支を決算数値に置きかえて、さらに現在の状況を考慮して見直したということでございます。このシミュレーションを現実に原告の方々がどう受けとめられたかは承知しておりませんけれども、今後、協議を続けていく上で、客観的な経営状況を裁判所及び原告によく理解していただくために提出したものでありまして、競馬存続に向け、関係者の議論を深める前提になるものというふうに私は考えております。

 なお、これまで随時行われてきた経営改善の努力、あるいは今後とろうとしていることにつきましては、昨日、渡辺議員からの御質問に対してるる申し上げたとおりでございます。

 最後に、地方競馬存続に向けた競馬法の改正、競馬界の再編という議論がございました。

 これらの問題につきましては、既に平成十二年度から十八年度の間にほぼ毎年、中央競馬・地方競馬の連携強化、交付金制度の見直しといったことについて、地方競馬の構成団体となっている道県の知事が連名で要望をしてきたところでございますし、また、私自身、岐阜県単独で交付金猶予期間の延長なども要望してきた次第でございます。その結果、中央競馬から国庫に出す納付金を地方競馬経営改善のために活用する競馬連携事業といったものも創設されておるわけでございますし、競馬法の改正による地全協交付金猶予制度の創設、さらにはその猶予期間の延長等といったことも行われたわけでございます。そうした意味で、今後とも関係の地方自治体間で十分協議を進めながら、国に対して積極的に働きかけてまいりたいと思っておりますし、私自身も機会をとらえ、笠松競馬の状況、笠松競馬の関係者が存続に向けてひたむきに努力をしておられる姿を国に対して十分説明をし、地方競馬のあり方について議論していきたいというふうに考えております。

 また、笠松競馬組合も参加しておりますが、全国公営競馬主催者協議会というものがございまして、この六月に交付金制度に関する検討会を設置いたしております。そこでは、赤字の場合の交付金の還付制度の創設、あるいは交付金の負担率の軽減といったことを国、地方競馬全国協会に対して統一的に要望していこうという議論をしておるところでございます。

 なお、競馬界の再編成というお話もございましたが、これは相手のあることでございまして、中央競馬は慎重な姿勢であるというふうに承知しておりますし、また折にふれて一部には、名古屋競馬との統合再編といったことをおっしゃられる向きもございますが、特にこれに呼応する動きは出てきていないというのが実情でございます。

 次に、行財政改革についてお答えを申し上げます。

 現時点で数値的にお示しできるものと、必ずしもそれが困難なものがございますことを御理解いただきたいと思いますし、また、これまで行財政改革大綱も含めまして、いずれかといえば、当議会では私の予算編成は財政至上主義に偏り過ぎていないかと、厳し過ぎるんではないかという御指摘をいただいたわけでございますが、本日は逆に、これまでの四年間は甘かったということを強くおっしゃっておられるわけでございまして、いろいろな議論のある中で、私どもとしても一つ一つ真剣に考えていかなければいけないと、こんなふうに思っておる次第でございます。

 まず、行財政改革大綱の総合的な評価ということでございますが、これも昨日の質問でもお答えしたところでございますけれども、歳入面で県税、地方交付税などの一般財源総額の増加が見込まれない中で、他方、歳出面では公債費、社会保障関係経費の増加が続くということの中で、これまで県債発行残高が一貫してふえ続けている。そして、その結果として公債費が増大しているという状況の中にあって、何とかまずこの公債費を平成二十二年度までに減少に転じさせたいということを最優先課題として、平成十八年度からこの大綱を実施してきたということでございます。

 取り組みとしては、具体的には歳出面で人件費、投資的経費、一般行政経費の縮減、歳入面では県税収入など自主財源の確保に努めてきたところでございますが、例えば人件費につきましては、本庁の組織改革、事務事業の見直しに伴う定員削減によりまして、この三年間の累計で百十八億円の縮減が図られたということでございます。また、投資的経費の抑制も行い、一般行政経費につきましてもおおむね五%から二〇%のマイナス・シーリングを設定して、継続した削減を行ってきておるところでございます。また、自主財源の確保につきましては、企業誘致、観光振興に加えて、未利用財産の処分、外郭団体の基金の活用などにも取り組んできたところでございます。こうした取り組み、全体として地方交付税の代替として認められている臨時財政対策債や減収補てん債を除きまして、県債発行の抑制に努めてきたわけでございますが、最優先課題である公債費に関しましては、平成二十一年度の千三百五十二億円、これをピークに二十二年度は千三百三十億円を下回るという見通しでございまして、そういう意味で、減少に転じさせるための一応の道筋はついたというふうに申し上げておるところでございます。

 しかしながら、後期高齢者医療制度の制度変更による大幅な県負担の増加など、予想を上回る社会保障関係経費の増加、あるいは地方交付税の減少といった要因、さらには昨年のアメリカのリーマン・ショックに端を発しました世界同時不況の影響により、県税収入の大幅な減収が見込まれるといったことから、現在の一段と厳しい財政状況に至っているということでございます。したがって、基金の取り崩しもせざるを得ない、あるいは断腸の思いで職員の給与カットもせざるを得ない、こうしたことにつきましては、前議会でも御説明させていただいた次第でございます。

 財政再建達成後の本財政の目指す姿ということでございますが、県財政につきまして、過去の県債発行あるいは国の三位一体等制度改革の影響などによりまして、構造的な財源不足が深刻化しているということはるる申し上げてきておりますし、またこのところ県税収入が減少してきたということで、歳入と歳出のバランスが大きく崩れておりまして、一定の前提を置いた試算ではございますが、今後も毎年三百億円を超える財源不足が続くということが見込まれておるわけでございます。もちろん予想外のことが起これば、またこの前提は変わってくるわけでございますが、この財源不足を歳出削減だけで一気に解消しようということになりますと、県民サービスの極端な低下につながるおそれがあるということで、歳入対策も含めて、今後四年かけて段階的に財政構造を見直そうと、これが行財政改革指針の基本的な考え方であるわけでございます。

 結果として、平成二十四年度末には収支がバランスをし、二十五年度以降は適正な公債費水準のもと、持続可能な財政運営を行っていきたいというふうに考えているわけでございますが、この持続的な財政運用のためには、県債の新規発行あるいは県債残高、公債費といったものをしっかりと管理していく必要があるということでございまして、このため行財政改革指針におきましては、一定の前提のもとでございますが、毎年八百億円程度の県債発行と一千百億円程度の公債費償還という姿を一つのモデルとしてあえてお示しをし、そして平成五十年度までの向こう三十年間の公債費と県債残高の推移をお示ししておるわけでございまして、仮にこの前提が甘いということになりますと、毎年八百億円程度ではなく、もっと県債発行を減らせということになりますと、それだけ財政がさらに厳しくなってくるということでございます。一つのモデルケースといいますか、座標軸としてお示しいたしておりますので、この座標軸をいろんな諸条件の変更の中で、どのように評価し、見詰めていくかということでお考えいただければと思う次第でございます。

 それから、財政再建達成後の単独自由裁量経費がどうなるか、人件費がどうなるか云々ということでございますが、人件費につきましては、今予定しております削減によってどの程度の削減が図れるかということは試算できるわけでございますが、私ども財政再建達成後の予算項目という観点から申し上げますと、まず今後義務的経費が増加し続けるということでございまして、この義務というのをどこまで担っていくのか、担わないのかという議論が必要になってまいりますし、国庫補助事業についても裏負担がございます。あるいは国の直轄事業負担金というのがあるわけでございますが、こうした国の予算、国の政策にどこまで対応していけるのかという議論もございます。そしてまた、御指摘のあった県単独の自由裁量経費がどの程度確保していけるのか、確保すべきなのかといったこともあるわけでございまして、こうしたことを毎年の予算編成の中でバランスよく検討していくということで、予算全体としての収支均衡を図っていくと、こういうことになるわけでございまして、あらかじめそれぞれの固まりについて一つ一つお示しをするというのは、現時点ではなかなか難しいということは御理解いただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、予算編成に知恵を絞り、工夫をしながら、まさに県民の安全・安心、基盤整備、県の活性化といったことについて懸命な努力をしていかなければいけないということでございます。

 三番目に、緊急財政再建期間における取り組みということでいろいろと御指摘がございました。現在、アクションプランを策定しておるところでございますので、このアクションプランが策定された暁に、また詳細な御議論をいただけると思うわけでございますが、現時点で申し上げられることについてお答えをさせていただきたいというふうに思います。

 まず、この指針、取り組みのあり方ということでございますが、私を本部長とする行財政改革本部を立ち上げまして、七つのテーマごとに課長をリーダーとする分科会を設けておりまして、今、議論を行ってもらっております。検討に当たりましては、例えば事業の見直しにつきましては、どうしても県が実施しなければならない事業なのか、当初想定した事業効果があらわれているかなどといった観点から見直し、さらには県が実施すべき事業であっても、長期構想に基づき優先順位を明確にして見直すといったような考え方によって作業を進めてもらっておるわけでございます。また、外郭団体、公の施設につきましては、そこで提供される個々の行政サービスに着目し、現在行っている行政サービスが真に必要かどうかといったことについて検討し、解散・廃止・休止などの思い切った対策も視野に入れながら見直していこうということでございますし、存続するものにつきましても、事業の見直しの考え方と整合性がとれるよう、歳出削減を図るということでございます。また、改革には当然困難が生ずるわけでございますが、丁寧な説明、丁寧な手順でめり張りを持った改革を進めていきたいというのが基本的な考え方でございます。そうしたことも含めて、さまざまな機会をとらえて、私自身も県内各地で、あるいは県内の各市町村長さんといろいろと忌憚のない意見交換を、今させていただいておるところでございます。

 また、人件費の削減でございますが、必要最小限の組織を維持するという前提での事務事業の見直しを行っておるわけでございますが、原則として、退職不補充による削減ということが中心になると思っております。なお、教員、警察官につきましては法令で定数が定めておるわけでございますので、一律削減というのはなかなか困難であるわけでございまして、知事部局の定数削減のウエートが高くなっていくということかと思っております。

 次に外郭団体、公の施設でございますが、仮にすべてを廃止すればざっと百三十億円程度の削減になるわけでございます。しかしながら、福祉施設など県としてやるべきものもあるわけでございまして、すべてを廃止というふうに考えているわけではございませんで、真に必要なものかどうか、分科会で今議論をさせていただいておるところでございます。

 それから、補正予算と財源対策との関係でございますが、まさに一義的には今回の補正予算は経済危機対策であって、後年度負担を減らすための赤字対策のための予算ではないということではございますが、さはさりながら、県民の皆様の安全・安心につながるものなどについて積極的に前倒しをしておりますので、結果として数十億程度の県の財政負担の軽減につながるというふうに見ております。

 また、財源不足の規模、それから今後の取り組み姿勢という総括的な御質問がございました。また繰り返しになるところもございますが、大綱に基づく対策として、これまで一般行政費のマイナス・シーリングによる削減、投資的経費の縮減に取り組んできたわけでございますが、一方でゲリラ豪雨による災害復旧、学校の耐震化、子どもかがやきプランによる特別支援学校の早期着工といった、その時々の新たな行政需要にも対応をさせていただいておるところでございます。

 また、社会保障関係経費も急速に予想以上に上昇し、また県税収入も大幅な減収が見込まれるということで、三百億円を超える財源不足が見込まれておると、こういうことでございます。したがいまして、今後四年間においてあらゆる施策を導入して、これを乗り越えていくということで、今、秋までということでアクションプランを練っておるところでございます。この緊急財政再建期間全体において、何をどのようにやっていくのかということについて、どこまで具体的に突き詰めていけるかというところが、今、私どもの課題でございます。

 なお、先ほど申し上げましたように、今回の補正予算で先行的、前倒し的なことをやっておりますが、まさに国の大型補正予算から使い勝手のよい交付金をいただいたということで、県の財政、当面何とか対応をしておるわけでありますが、こうしたことからわかりますように、県による取り組みだけでは大変厳しい部分があるということでございまして、全国知事会も財政破綻をテーマに議論をしておるというふうに申し上げましたが、まさに地方税財源の抜本的な見直しも求められるところであるというふうに思っております。県としても、最大限みずからの努力をするということは当然でございますが、あわせて国において効果的な思い切った地方財政対策を講じられるよう働きかけていくことも必要ではないかというふうに思っております。



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○議長(早川捷也君) しばらく休憩いたします。



△午後零時十五分休憩



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△午後一時再開



○副議長(駒田誠君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(駒田誠君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(駒田誠君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(駒田誠君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十六番 小原 尚君。

   〔十六番 小原 尚君登壇〕(拍手)



◆十六番(小原尚君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、今回、二点について質問をさせていただきます。

 初めに、花フェスタ記念公園についてお尋ねします。

 平成七年にオープンした花フェスタ記念公園は、八十・七ヘクタールの広大な敷地に約七千品種のバラが植栽されたバラ園を初め、企画展示や研修を行うことができる花のミュージアム、一年を通じて季節の花木を楽しめる大温室「花の地球館」、高さ地上四十五メートルの花のタワー、屋外イベントホール「プリンセスホール雅」、岐阜県の花卉を紹介する花トピアなど、特徴のある施設があります。昨年十月には、モロッコ王国との交流事業でモロッコロイヤルガーデンが整備され、同国大使をお招きしたところでもあります。また、本年三月二十日には、アンネのバラ園にてアンネ像の序幕式が開催されました。世界に誇ることができるバラの施設には年間四十九万人もの方が来場され、累計来場者数も八百万人を超えています。しかし、このように多くの方に来場し楽しんでいただける施設として成り立っているこの花フェスタ記念公園は、県や指定管理者である財団法人 花の都ぎふ花と緑の推進センターによる努力はもちろんのこと、開園当初から地元可児市と花フェスタを愛する多くのボランティアの方々に支えられているからであります。特にこの公園のシンボルであるバラについては、貴重な種類のものも多く、長年にわたり多くの方が手間をかけ、試行錯誤の後、適切な管理を確立してきました。また、この公園を利用した地元イベントもすっかり定着をし、参加する市民の皆さんからは、「花フェスタで行うからイベントが一層華やかになり、より多くの人に参加してもらえる」といった声も聞かれます。

 このように、花フェスタ記念公園は今や地元にとってなくてはならない公園となっています。現在、職員一名を派遣し、四分の一の用地を無償貸与している地元可児市でも、この公園の今後については非常に関心を持っており、市長も議会答弁の中で、今後、指定管理者制度により民間企業が公園を管理するようなことになれば、バラの維持管理について懸念を抱かざるを得ない状況となり、職員派遣で学んできたこと、各団体がボランティアで協力してきたことが無になってしまう。市も手を引かざるを得ないといった内容の発言もされています。これは、県、財団、そしてボランティアの皆さんとともに育ててきたバラは、単なる花ではなく、今や地元の誇り、地元の宝であり、公園は地元のシンボルであるという思いが市長にもあるからこそ、そのような発言をされたのではないかと思います。

 そこで都市建築部長にお伺いします。花フェスタ記念公園は、岐阜県行財政改革指針の中で事業の縮小・見直しを検討することとされています。しかしながら、長年にわたり地域とともにつくり上げたこの公園は、今や岐阜県が世界に誇ることのできる貴重な宝であり、これほどまでに地元から愛されている施設であることをしっかりと受けとめていただく中で、守り続けていかなければいけない財産であると考えますが、今後この公園をどのようにしていくつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

 次に、特別支援学校における就職支援についてお尋ねします。

 二〇〇八年の合計特殊出生率は、二〇〇七年から〇・〇三ポイント上昇し一・三七になったと、先月四日の新聞報道にありました。岐阜県は一・三五でございました。現在の人口維持に必要な合計特殊出生率は二・〇八であり、人口減少に歯どめがかかるにはほど遠い状況でありまして、こうした状況の中、ハンディキャップを持つ子供はふえています。

 特別支援学校、もしくは特別支援学級に在籍、または通級による指導を受ける児童・生徒の数も増加傾向にあり、義務教育段階における全就学者に占める割合は毎年〇・一%増加をし、過去十年で一・三%から二・二%に伸びています。それに伴い、特別支援学校高等部に在籍する生徒数も十年前と比べて約一・五倍になっています。その高等部卒業生の就職率は、平成十九年度の全国平均が約二五%であるのに対し岐阜県は三八%と高くなっています。しかし、三八%という数字に満足してはいけません。生徒や保護者の方々のことを考えると、就職希望者全員が就職できるようにすべきです。特に飛騨特別支援学校の就職率は四六・七%と、高くなっています。

 私は、平成十九年度の教育警察委員会の視察でこの飛騨特別支援学校を視察させていただいた、そのときの関係者のお話が非常に印象に残りました。それは、開校前から学校関係者、保護者、行政が一体となって生徒の卒業後のために一生懸命企業訪問を行い、受け入れ先を開拓したというものであります。そして、これから建設が予定されている地域では、早い段階から企業へのアプローチを行っていただくとよいというアドバイスもいただきました。私の地元可児・可茂地域では、待望の可茂地域特別支援学校が平成二十三年四月の開校に向け着々と準備が進められています。今こそ、中濃地域の関係者が一丸となって、企業へのアプローチをする時期であると考えます。

 現在、教育委員会では、子どもかがやきプランに基づき特別支援教育に積極的に取り組まれ、学校の整備も進められておりますが、学校が開校前の段階からそれぞれの地域で企業への積極的な働きかけが必要ではないかと考えております。

 そこで、一点目として教育長にお伺いします。高等部を卒業する生徒の就職率向上のため、どのような就労支援策をとっておられるのか、今後新設される学校への支援に対する準備も含めてお尋ねをします。

 ところで、皆さんは、大山泰弘さんという方が会長をされている日本理化学工業という会社を御存じでしょうか。神奈川県川崎市の多摩川が近くに流れる静かな環境にある会社で、テレビや雑誌・新聞などで取り上げられ、法政大学大学院政策創造研究科教授 坂本光司先生が書かれた「日本でいちばん大切にしたい会社」という本でも紹介されています。これがその本です(資料を示す)。チョークの製造で三〇%のシェアを誇る業界大手のメーカーで、今では従業員全体の約五割が重度知的障がい者、約二割が軽度知的障がい者、合わせて実に従業員の七割が知的障がい者という会社です。坂本教授が書かれた本や他の資料をもとに、この会社が障がい者の方を雇用するようになった経緯を少し説明させていただきます。

 まだ東京都大田区に会社があった昭和三十四年秋に、都立青鳥養護学校の先生が、来春三月に卒業する知的障がいのある十五歳の女子生徒二人を採用してほしいと飛び込みで訪問されたのが、障がい者雇用とかかわる最初のきっかけでした。当時専務であった大山会長は、悩みに悩んだといいます。雇う以上は、その子たちの一生を幸せなものにしてあげないといけない。しかし、今のこの会社にそれだけのことができるかどうか自信がなかったので、一たんは断ったそうです。ところが、その先生は何度も足を運び、最後に、「就職できなければ生徒は親と離れて地方の施設に入らなければなりません。そうなれば、一生働くことの喜び、幸せを知らずに人生を終えることになってしまいます。たとえ少しの間でも結構ですから、働く経験だけでもさせてもらえませんか」と、頭を地面にこすりつけるようにお願いをされたそうです。その姿に心を打たれた大山さんは、二週間だけ実習で預かることにしたそうです。

 二人の仕事は簡単なラベル張りでありましたが、はたから見ていても感心するくらい一心不乱に働いたそうです。十時の休み時間、お昼休み、三時の休み時間にも、毎日背中をたたいて「もうお昼休みだよ」「もうきょうは終わりだよ」と言われるまで、手をとめることはなかったそうです。現場には中年の女性が多く、みんな二人に対して、次第に自分の娘のような感情を抱くようになっていきます。やがて二週間が過ぎ、実習が終わったとき、大山専務は従業員全員に囲まれ、「専務、二人ともあんなに熱心にやってくれるんだから雇ってあげましょうよ。親子離れ離れになって施設に入るのもかわいそうだし、私たちがちゃんと面倒を見るから、できないところはみんなでカバーをするからどうか雇ってあげてください。これが私たちみんなのお願いです」と頼まれました。大山専務は社員みんなの心にこたえて、翌年四月に正社員として二人を採用したそうです。これが日本理化学工業の障がい者雇用のスタートとなりました。そして、学校の先生の熱意が実を結んだ瞬間でもありました。

 その先生の働きかけで、その後も一人、また一人と知的障がい者を受け入れていきましたが、大山さんには一つだけわからないことがありました。どう考えても、会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らした方が幸せなのではないかと思えたのです。なかなか言うことを聞いてくれず、ミスをしたときなどに、「施設に返すよ」と言うと、泣きながら嫌がる障がい者の気持ちが初めはわからなかったのですが、それを理解できたのは、疑問を投げかけ、それに答えていただいた禅寺の住職の言葉でした。住職は、「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされることの四つで、人に愛されること以外の三つは社会に出て働くことを通して初めて実現できる幸せなんです。だから、どんな障がい者の方でも働きたいという気持ちがあるんですよ。施設の中でのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく過ごすことが幸せではないんです。真の幸せは働くことなんです」とおっしゃったそうです。それは、大山さんにとって目からうろこが落ちるような考え方でした。これは働いている多くの人が忘れていることかもしれません。それを障がい者の方によって教えられたのです。人間にとって生きるとは、必要とされて働き、自分で稼いで自立をすることなんだということに気づいたそうです。そしてそれなら、そういう場を提供することこそこの会社にできることなのではないか、それがこの会社の存在価値であり、社会的使命なのではないかと考え、それ以来五十年間、積極的に障がい者を雇用し続けることになったのです。

 しかし、障がい者を受け入れた初めのころは、苦労の連続だったそうです。どうやって仕事を教えればいいのかもわからない状態でした。普通は、自分たちがつくった製造ラインに人間を合わせるのですが、大山さんはその子たちが精いっぱいの仕事ができるように、一人ひとりの状態に合わせて機械を変え、道具を変え、部品を変えていったのです。彼らにとって一番難しいのは、材料を識別し、必要な分量をはかって使うことです。チョークなのでさまざまな色があります。どのようにしたものかと思案し、この子たちは自宅から会社まで歩いてきたり、バスで来ることもあるけれど、少なくとも信号機のある道路を渡って会社に来ているということは、色を識別する能力があるのだから、それを利用しようと考えました。ラインに流す材料も、容器の色であらわせばいい。また、数字が読めない人は、はかりの目盛りが読めなくても使えるように必要な分量分のおもりをつくって、赤い容器の材料は赤いおもりではかって使う、青い容器の材料は青いおもりではかって使うというぐあいに、色合わせにしたら材料を間違わずに正しい分量で使用できるようになりました。そして、機械を何分動かすかということも、稼働時間をはかって砂時計をつくり、一目でわかるようにしました。スイッチを入れたら砂時計をひっくり返して、砂が全部落ちたら機械をとめるのだよと教えてやれば、そのとおりにやれるのです。一人ひとりと向き合う中で、何ができて何ができないのかということを少しずつ理解していき、彼らの理解力に応じて環境を整えていきました。それにより、品質のよいものを滞りなく量産できるようになりました。

 大山会長は、「知的障がい者も健常者と差がなく、生産性を上げることができる」と言い切ってみえます。その例として、この会社がビデオカセットの組み立てを請け負った際、健常者は一日で千個つくったそうです。重度の障がい者は、とても一人で千個をつくることはできません。そこで製造工程を五つに分け、一人はカバーをかぶせる、一人はねじをつけるなど、五人で分業制にしたそうです。その結果、障がい者五人で一日で五千個を組み立てていました。分業することによって健常者と同じ数をこなしたのです。

 今、企業には、障がい者の法定雇用率一・八%を達成することが義務づけられています。身体障がい者は昭和五十一年、知的障がい者は昭和六十二年になってようやく定められたものでありますが、法定雇用率を達成できない企業は納付金を徴収されます。四十七都道府県の法定雇用率達成企業は、平成十八年の数字で四二%ほどです。多くの企業が、障がい者を雇うよりも納付金を納める方を選んでいるということです。日本の六割の会社が納付金を払ってよしとしていると述べられています。心の時代、人間の時代、弱者の時代と言われる中で、実に六割の会社が障がい者雇用をためらっている。三月に卒業する障がい者の方々の中で、就職したいという方を分母に、実際に就職した方を分子にして計算すると三割程度で、有効求人倍率は〇・三倍、七割の方は働きたくても働けない、多くの企業が納付金の方が安上がりだと考えているからこの数字になるのでしょうと述べられています。

 大山会長は「実際に知的障がい者を雇ってみると、彼らは実に熱心に働き、定着率もいい。環境さえうまく整えてやれば健常者と変わらぬ貴重な戦力になる。大切なのは、個々の理解力の中で向いた仕事を与えること、そうすれば自分の仕事に誇りを持ち、毎日生き生きと働いてくれる」とおっしゃっています。

 以上のことからすると、重度障がい者は企業で働くことには無理がある、向いていないといった考えを持つ多くの企業は、大きな勘違い、思い込みをしているのではないでしょうか。

 そこで、二点目として教育長にお伺いをします。これまで特別支援学校では、個々の能力の把握や職業訓練等については行ってきてみえると思います。しかし、障がいの程度にかかわらず、より多くの地元企業、県内企業の方々に、障がいがある生徒でもできることがあることを知ってもらう。そして、そのできることを活用することにより、企業の大きな戦力となり得る可能性があることをPRすることに積極的に取り組むべきであると考えます。この点についてどのようなお考えがあるかをお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 花フェスタ記念公園についてお答えいたします。

 当公園は、平成七年度に開催された花フェスタ'95以来、「四季が彩る花飾り見本園」をコンセプトに、世界有数の花の拠点として、だれもが楽しめる公園づくりを行ってまいりました。特にバラは、七千品種を保有する世界一のバラ園として整備運営をしてきております。また、当公園は都市公園としての役割以外にも、地域の観光振興、学術的・文化的施設、花卉産業の振興など、さまざまな役割をあわせ持つ県と地域にとって大切な公園となっています。

 一方、県の財政は大変厳しい状況にあり、今後とも経費の削減を図る必要がありますが、地元可児市を初め多くの方々から大切な財産であるバラの管理をしっかり行うべきとの意見をいただいております。県としては、経費削減に努めながら、バラの管理水準を落とすことなく園内施設をできる限り有効に機能させ、より多くの方々に楽しんでいただきたいと思っており、効率的・効果的な施設の運営を図る必要があると考えております。このため、今後とも可児市や地元の方々にさまざまな形で御協力をいただきたいと考えております。また、公園管理のあり方につきましても、引き続き可児市の御意見を伺いながら検討してまいります。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 特別支援学校高等部における就労支援策についてお答えいたします。

 特別支援学校高等部を卒業する生徒の就職率を向上させるため、働く力の育成と働く場の拡大に取り組んでおります。

 働く力を育成するために、特別支援学校チャレンジ実習事業として、企業の中で長期間、継続的に行う企業内作業学習の開発に取り組み始めました。これにより、専門的な環境の中でさまざまな職種を体験することを通して、実践力や働く意欲を養っていきたいと考えています。また、「地域に貢献 働く力育成事業」として、知的障がい特別支援学校において地元企業の作業工程のノウハウを取り入れた新たな校内作業学習の開発に取りかかります。これにより、企業から直接技術指導を受けながら作業能力を高めていきたいと考えております。

 そして、働く場を拡大するために各学校に就労支援ネットワーク連携会議を設置し、ハローワークなど関係機関との連携のもと、多くの企業に企業内作業学習や職場実習の受け入れについて理解を求めていきます。平成二十三年度には可茂地域に特別支援学校を開校する予定であり、現在地元企業へ職場実習の依頼を行っているところですが、今後新設される各地域についても、開校準備の段階から就労支援の充実に努めてまいります。

 次に、企業へのPRについてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、障がいがあっても企業の戦力となることを企業にPRしていくことは重要なことと考えております。そこで、教員や保護者が企業に直接足を運び、就労や職場実習先の開拓に取り組んでいます。あわせて、学校見学会や雇用支援セミナーなどを開催し、地元企業を中心にPRに努めております。雇用支援セミナーでは、卒業生を雇用している企業から障がい者を受け入れるに当たり、初めは不安もあったが、今ではどんな仕事にも根気強く取り組んでおり、貴重な存在になっているという話があり、他の企業から障がい者雇用に一歩踏み出す契機となったと伺っております。今後ともハローワークなどの関係機関と連携を図りながら、特別支援学校の生徒の就労について企業の理解を深めていただくよう努めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 十一番 篠田 徹君。

   〔十一番 篠田 徹君登壇〕(拍手)



◆十一番(篠田徹君) さて、一般質問戦も中日を迎え、午後からということで、また梅雨のこのうっとうしい重苦しい雲の垂れ込める中にありますが、この岐阜県議会においては明るく元気よく一般質問戦を行うことにおいて、行政側の皆様方が前向きに、また県民の皆さんに期待の持てる答弁をいただけることを祈念いたしまして、また議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして、ただいまより大きく二点にわたって、私の質問を始めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 一点目は、一般的に社会的弱者と言われる高齢者の人たちに対し、いかに身近な危険である犯罪の被害や交通事故を防ぎ、自然災害からこうした人々の安全・安心を確保するのか、高齢者の安全・安心について、県の施策の現状と今後の方策をお尋ねいたします。

 二点目は、本年三月三十一日付で策定されました行財政改革指針にあります公の施設の見直しの対象にされました、教育委員会所管の伊自良青少年の家や関ケ原青少年自然の家、土岐少年自然の家、御嶽少年自然の家、以上四施設の今後のあり方について、お尋ねをさせていただきます。

 まず一点目の高齢者の安全・安心についてですが、災害や事故のない安全で安心な地域社会の実現は二百九万県民すべての願いであり、県民生活や社会経済の発展の基盤であると思います。しかしながら、少子・高齢化や国際化、家族形態の変化といった近年の社会情勢の変化は人々の価値観や生活様式を多様化させ、地域社会の連帯意識や人間関係の希薄化、また社会的な規範意識の低下が心配されます。最近の事例を挙げれば、気象変動の影響を受け、ゲリラ豪雨などの災害や新型インフルエンザの県内での発生など、行政として周知・伝達しなければならないことは多くあり、そのシステムの確立が望まれているところであります。

 以前、私の住む瑞穂市でこのような事案がありました。それは火災です。サイレンの音に窓から見てみると、近くで真っ黒い煙が上がっているのが見えましたので早速に駆けつけてみると、アパート火災でありました。消防隊員の人たちが迅速に消火活動を行っているところでありました。そうした中、ひときわ大きな声で尋ねる声がいたしましたので、そちらの方に行きますと、指揮者らしい人が「このアパートの住民についてわかる人はいないですか」と尋ねてみえました。私は、近くに自治会長がお見えになっていたので紹介したところ、「建物の中に人が残っているとすれば救助に向かわなければならない。また、不明者がいるならば探索しなければならない、どうですか」と尋ねられましたが、「近所づき合いもなく、自治会にも加入していません。その上、大家さんは市外の人です」と困った様子で答えられていました。幸いにも火は早く消しとめられ、人身に被害がなかったことは不幸中の幸いでした。これは夕方の時間帯で火災に気がつくのが早く、また住民の多くが仕事や学校に行っていた時間帯であったからでしょう。しかし、これが早朝や深夜など、多くの人が家にいて就寝中であったらどんな惨事になっていたか、また幼い子供だけで留守番をしていたり、体に障がいがあって自由に行動ができなかったらどうであったか、多くを考えさせられました。これは一つの気づきの事例でしたが、実際に高齢者人口が増加し、高齢化社会へと移行する中で、高齢者を初めとする災害時における要援護者が、自然災害により被災する事例が増加いたしております。また、高齢者をねらった詐欺事件や高齢者の交通事故も多発しており、こうした自然災害や人的災害からこれらの人々の安全・安心を確保することが求められております。

 高齢者が安全で安心な生活を送るためには、緊急時の支援はもとより、日常生活の中でのさまざまな問題に対する仕組みづくりが必要ではないでしょうか。それには、日ごろからの啓蒙活動、また突然発生する危険の際には、情報の適切な提供と迅速に対応できるシステムが必要です。

 ただし、県のホームページを開くと、例えば降雨情報、河川水位情報などさまざまな情報が多く記載され、タイムリーかつ詳細にわかるようになってはいますが、すべての人がインターネットを活用することは望めない点に気をつけなければなりません。総務省が本年四月に発表した平成二十年通信利用動向調査から世代別インターネットの個人利用率を見てみますと、十三歳から四十九歳までが九〇%を超えるのに対し、六十五歳から六十九歳までは三七・六%、七十歳から七十九歳までが二七・七%、八十歳以上が一四・五%と、六十五歳以上の利用率が極端に低くなっております。さらに国勢調査、及び平成二十二年度以降は将来構想研究会推計資料から岐阜県の世帯動向を見てみますと、高齢者単独世帯が平成十七年は四万四千七百三十一世帯と、平成十二年の三万四千四百九十四世帯から約三〇%増加しており、以下推計値で平成二十二年は五万五千八百四十九世帯、平成三十二年には七万六千百三十二世帯と大幅な増加が見込まれております。また、こうした方々に積極的に地域活動、例えば自治会、老人会などの各種団体活動に参加していただければよいのですが、なかなか外に向かって参加していけないケースがあるのも現状のようです。こうした状況を踏まえ、今まで以上に高齢者、特に今後大幅に高齢単身世帯の増加が予測される状況や現状に対応した情報伝達ツールの充実、地域力の向上が求められていると思います。

 それでは、こうした課題を踏まえ、最初に環境生活部長にお伺いいたします。高齢者に係る犯罪が増加する中、情報弱者とも言える高齢者の人たちに対して、特に単身高齢者に配慮しつつ、防犯に関する情報提供やアドバイス、防犯活動を適切に行うことが重要ですが、高齢者を犯罪から守るための啓発活動について、現在の取り組みと今後の対応についてお尋ねいたします。

 次に、警察本部長にお伺いいたします。

 昨年は、交通死亡事故者数百四十一人と、昭和三十三年以降、五十年ぶりに百五十人を下回り、当時と比べると運転免許保有者数及び車両台数も大幅に増加している中でこの報告は、県民の運転モラルの向上が図られたからではないかと大変にうれしく思います。しかし、事故の内容を精査いたしますと、高齢運転者事故が三十一件と全体の二四・八%を占めております。ちなみに、全運転免許保有者数に占める高齢運転者の率を見てみますと一六・六%でありますので、高齢者の方の発生状況が突出していることがわかります。また、死亡事故の被害者となると八十一人にも上り、全死者数の五七・四%と、これも突出していることがわかります。五月にも、私のお世話になっている七十歳代後半の方が電動車いすで移動中、八十歳代の方が運転する車との接触事故に遭われました。どちらも高齢ですがお元気な方で、それぞれ所用中の事故とのことでしたが、今後このような事故がふえてくるのではないかと思われます。

 そこでお尋ねいたします。今後、高齢者交通安全講習の実施や運転免許更新時の講習方法、また増加が予想される電動車いすについての安全対策など、高齢者に対する交通安全対策について、その現状と、今後どのような計画や実施予定があるのかをお聞かせください。

 次に、危機管理統括監にお伺いいたします。

 冒頭に申し上げましたように、近年では国内のあちこちでゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な豪雨災害が起きており、県内でも昨年の八月二十八日から二十九日には岐阜市、各務原市を中心に、また九月二日から三日には西濃地方で時間雨量七十ミリを超える集中豪雨となり、大きな被害が発生いたしました。このような予想もつかない自然災害が三百六十五日二十四時間いつ起こるからわからない状況ですが、いざというときに情報がないため避難するタイミングを逸し、災害に巻き込まれてしまうことは避けなければなりません。現実に、過去の水害を見ても、亡くなられた方の大半は高齢者など災害時要援護者と言われる方々です。局地的豪雨により急激な水害が発生した場合などに、高齢者など災害時要援護者がタイミングを逃すことなく避難行動を起こすことができる仕組みづくりについて、どのようにお考えかをお伺いいたします。

 一点目の最後に、健康福祉部長にお伺いいたします。

 こうした災害では、地域において高齢者を手助けする総合的な支援対策が必要です。人が年齢を重ねれば、ぐあいの悪いところも出てくると思われます。そのような状態になられたことが関係各所に伝わっていればよいのですが、遠慮をしてみえるのか、あるいは万が一の事態を想定していないのか、それぞれ連絡をしていただかなければ第三者には情報を入手しにくいのが現状のようです。災害時に安否確認や支援対策を円滑に進める上で、単身高齢者など要援護者の情報を得ようとしたときには、市町村との密接な連携が重要となります。県では、市町村における災害時要援護者への支援対策に対し、従前より支援をされているとは思いますが、県としてどのような取り組みをなされているのか、その経過と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。

 続いて、二点目は、行財政改革指針において公の施設の見直し対象となった伊自良青少年の家や関ケ原青少年自然の家、土岐少年自然の家、御嶽少年自然の家、以上四施設の今後のあり方についてお尋ねをさせていただきます。

 ここで、平成二十年三月二十八日に公示された小学校学習指導要領「特別活動」の一部を披露させていただきます。

 「第六章 特別活動。第一、目標、望ましい集団活動を通し、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己を生かす能力を養う。第二、各活動、学校行事の目標及び内容」とありまして、その中を読み進んでいきますと、学校行事のところで、「第一、目標、学校行事を通して望ましい人間関係を形成し、集団への所属感や連帯感を深め、公共の精神を養い、協力してよりよい学校生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てる。」「二、内容、全校または学年を単位として学校生活に秩序と変化を与え、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと」とあります。四番目に、「遠足・集団宿泊的行事、自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、人間関係などの集団生活のあり方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと」とあらわされております。

 この新指導要領は、小学校では平成二十三年度よりこの学習指導要領に沿った学校教育が実施されなければならないとされ、平成二十一年、二十二年度は移行期に当たり、特別活動領域の指導は平成二十一年度から新学習指導要領の規定で進めることとされているようです。また、新学習指導要領解説「特別活動編」の四、遠足・集団宿泊的行事では、「遠足、修学旅行、野外活動、集団宿泊研修などが考えられる。特に、児童の発達の段階や、人間関係の希薄化や自然体験の減少といった児童を取り巻く状況の変化を踏まえると、小学校段階においては自然の中での集団宿泊活動を重点的に推進することが望まれる」とされております。このことをしっかり確認し、次に進めたいと思います。

 私の地元瑞穂市は、独自の宿泊体験施設を所有していませんので、これらの県有施設を市内に七つあるすべての小学校が五年生のときに、それぞれのねらいを持って利用させていただいております。ねらいの一例を紹介いたしますと、「自然に親しみ、自然を思いやる心を育てる。規律を守り、仲間を思いやる心を育てる。仲間と励まし合い、協力し合って、自他のすばらしさを見つける」など、有意義に利用させていただいております。また、子供たちは家族と離れ、仲間たちと自然豊かな環境の中で生活することにおいて、日常にない体験を生涯の経験として自分のものとし、一回りも二回りも大きく成長しているようです。

 私は、現在、県が危機的な財政状況であることは承知しておりますが、未来を担う子供たちに県として貴重な体験を実施する場を提供することは大変意義深いものがあるのではないでしょうか。

 そこで教育長にお伺いいたします。

 さきに申し上げましたように、当該施設については、これを教育施設として県で運営管理していくことが必要であると考えていますが、教育長として現時点でどのように考えておみえになるのか、お伺いをいたします。

 これで私の質問を終わりますが、今議会に上程されました過去最高となる約千二十一億円の補正予算などを含め、提案された議案をしっかり議論し、実現することが、まだまだ厳しい状況にある県民生活に対し、一日も早く光明を見出すきっかけになるものと期待をいたしております。厳しいときだからこそ、行政として県民との美辞麗句ではない本当の意味においてのきずなを大切にしながら行っていくことを、また思いやりの心を持って行政運営に邁進されますことを知事にお願いいたしまして、終わりとさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 危機管理統括監 河合正明君。

   〔危機管理統括監 河合正明君登壇〕



◎危機管理統括監(河合正明君) 局地的豪雨時における高齢者など要援護者の支援対策についてお答えいたします。

 県では、昨年、全国的に発生した局地的豪雨の経験を踏まえ、県内で被害が大きかった岐阜市、垂井町、揖斐川町に加え、防災関係機関、有識者、住民代表を交えた局地的豪雨対策検討会議を開催いたしました。これを受け、三市町において、住民の迅速・確実な避難に結びつけるための避難勧告等の判断・伝達マニュアルが作成されたところです。

 高齢者など災害時要援護者の方は、避難に当たって、情報の受信、理解、判断、避難行動に至る各段階でハンディキャップを負われており、それぞれの状態に応じた特別な配慮が必要です。このため、このマニュアルでは、災害時要援護者の避難に関し、特に以下の三点を定めています。一つ目は、要援護者には逃げおくれのないように避難勧告の前段階の避難準備情報で避難を促す。二つ目は、要援護者の状態に応じたきめ細かな情報伝達手段を確保する。三つ目は、地域の防災関係者等で事前に要援護者の情報を共有し、個人ごとに支援する体制を整備する。以上の三点であります。このマニュアルを参考に、他の市町村においても早急にマニュアルを作成し、体制が整備されるよう、さまざまな機会をとらえ呼びかけているところでございます。



○副議長(駒田誠君) 環境生活部長 古田常道君。

   〔環境生活部長 古田常道君登壇〕



◎環境生活部長(古田常道君) 高齢者を犯罪から守るための啓発活動についてお答えいたします。

 これまで、高齢者の安全・安心を確保するため、防犯、交通安全及び消費生活上のトラブル防止に関してそれぞれの分野ごとに出前講座を実施したり、市町村や地域ボランティアの団体の御協力をいただきながら、老人クラブ未加入世帯を中心とした高齢者世帯を直接訪問して交通安全啓発を行ってまいりました。こうした事業をさらに効果的に実施するため、平成十九年度より、これら防犯、交通安全及び消費生活上のトラブル防止に関しての出前講座を総合的に実施するとともに、高齢者世帯訪問の際にも同様な啓発活動を行っております。出前講座につきましては、平成二十年度には十九回、四千八十七人の方に受講していただき、また高齢者世帯訪問につきましては、平成二十年度には二万七千二百四十三世帯を訪問しており、今年度も約二万八千世帯を訪問する予定としております。

 高齢者の安全・安心を守る上では、直接出向いて啓発活動を行うことが効果的と考えられます。今後も、市町村や地域のボランティア団体の御協力をいただき、出前講座や世帯訪問などを通して、高齢者の方々のそれぞれの御事情に配慮しながら啓発事業を実施してまいります。



○副議長(駒田誠君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 災害時における高齢者など要援護者への支援対策についてお答えいたします。

 災害時要援護者支援対策は、市町村が主体となって行っていただいているものでございますが、個人情報に十分配慮する必要があるため、要援護者情報の共有化や関係者との連携が容易に進まないことが課題となっております。

 県では、市町村が行う対策を支援するため、災害時要援護者支援マニュアルを策定・配布しているほか、県内外の先進自治体の現地調査の結果を取りまとめた事例集の作成・配布、市町村・民生委員・社会福祉協議会などを対象としたシンポジウムや講習会の開催、市町村の担当者を対象とした防災マップ作成研修会の開催などに取り組んでおります。また、県内の全市町村を訪問し、要援護者支援対策の推進について働きかけを行ってきたところでございます。これらの取り組みにより、平成十九年八月から現在までに要援護者リストを整備済みの市町村が七から二十に、要援護者マップを整備済みの市町村が七から十三になるなど、市町村における災害時要援護者支援対策は一定の進捗が図られているものの、まだ十分とは言えない状況でございます。今後とも、市町村における災害時要援護者支援対策が円滑に進むよう、関係者の御意見を伺いながら必要な支援に取り組んでまいります。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 県立少年自然の家についてお答えいたします。

 自然の中でのさまざまな体験活動や集団生活を通じて、子供たちの自主性、協調性、他者への思いやり、自然に対する畏敬の念など、豊かな人間性や社会性をはぐくむことは教育上重要なことであり、県立少年自然の家は青少年教育施設として重要な役割を担ってまいりました。

 一方、自然体験が可能な宿泊施設については、県立少年自然の家が整備された当時とは異なり、県教育委員会が把握しているだけでも、現在県内に百を超える公立あるいは民間の施設が整備されております。同時に、ふるさと教育の観点から、子供たちが人々との触れ合いの中で身近にあるふるさとの自然や歴史を学ぶことが重要となってきております。このように、体験活動を取り巻く状況が変化し、従来の県立少年自然の家における自然体験活動にとどまらず、地域の歴史・自然に根差した体験活動、農業体験・林業体験などを取り入れた幅広い活動の推進が期待されております。

 また、県立少年自然の家は開所から既に三十年以上が経過した施設もあり、大規模な改修とともに、施設によっては耐震補強やアスベストの除去も必要になってきているなど、さまざまな課題を抱えております。県立少年自然の家につきましては、こうした体験活動のあり方の変化や施設面での課題も踏まえながら、今後の施設のあり方について検討を進めているところであります。



○副議長(駒田誠君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) 高齢者に対する交通安全対策についてお答えします。

 県下の交通事故死者数は前年に比べて減少しておりますが、昨年と同様に、本年も高齢者が死者の過半数を占めている状況にあります。また、電動車いすにつきましては、昨年県下では八件の人身事故が発生し、一名の方がお亡くなりになっております。本年は、五月末現在で三件の人身事故が発生し、幸いにも死亡事故は発生しておりません。

 これらの状況を踏まえまして、県警察におきましては高齢者対策を交通死亡事故抑止対策の重点の一つとして位置づけ、総合対策を推進しております。

 まず、高齢運転者につきましては、実車体験によるシルバー・ドライビング・スクールのほか、七十歳以上の方には免許証更新時に実技を組み込んだ高齢者講習を実施しております。さらに、本年六月一日からは七十五歳以上の方を対象に講習予備検査が導入され、検査結果に基づき、一人ひとりの特性を把握した高齢者講習を実施しております。

 次に、歩行者、自転車利用者等、いわゆる高齢交通弱者につきましては、実際に自動車に乗ってもらって運転者の視点から見た危険行動を理解していただくシルバー・セーフティ・スクール、このほか、高齢者家庭訪問指導、あるいは自転車や靴などに反射材を貼付する反射材直接貼付作戦などを実施しているところであります。また、電動車いすを御利用される方につきましては、高齢者交通安全大学校のカリキュラムの中などで安全な利用方法についての実技講習を現在実施しております。

 県警としましては、今後とも効果的な手段、方法を検討するとともに、県、市町村などの関係機関・団体と連携しながら、高齢者に対する交通安全対策の推進に努めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 二番 野村美穂君。

   〔二番 野村美穂君登壇〕(拍手)



◆二番(野村美穂君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。

 今回は、「命を守る」をキーワードに、児童虐待防止について、介護する家族等への支援について、そして献血の推進についての三項目にわたって質問いたします。

 ある日、スーパーに買い物に行ったときのことです。二十代ぐらいの母親が、一歳半ぐらいでしょうか、一人でやっと歩けるようになったぐらいの子供に店内に響き渡るような大声で、「何やっとるんや、おまえは。さわったらあかんって言っとるやろう」としかりつけ、言い終わるが早いか、この子供の体をぼんと押し倒し、しりもちをついた子供の頭をまたたたきました。その後、どなり声、泣き声、どなり声、泣き声が二度ほど続きました。その状況を目の当たりにした私は、何もできず買い物を終え、帰宅しました。なぜだかわかりませんが、泣けてきました。あのときの私に何ができたのでしょうか。

 今年四月二十三日、大阪市の小学校四年生の女の子が、その子の母親と内縁の夫によって日常的に虐待を受け、彼らの手によって命を奪われ、奈良県内の山中で遺体で発見されました。新聞報道等によりますと、彼女はベランダで寝かされていた、まないたが割れるぐらいの勢いで頭をたたかれていた、目の下にあざができるほど殴られた等の虐待を受け、また三月十一日から学校を休んでいたとのことです。この事件では、周囲の住民や学校関係者は、彼女の環境に何らかの異変を感じていたにもかかわらず、児童相談所への通告など対応のおくれが指摘されました。この事件から感じることは、このような悲劇を二度と繰り返してはならないということと、生まれてきた子供たちが元気ですくすくと育てる環境を整えることの重要性です。

 全国の児童相談所が受けた児童虐待の相談件数は毎年ふえ続けており、二〇〇七年度には四万件を突破しました。また、警察庁の発表では、昨年検挙した児童虐待事件は過去最多の三百七件、被害児童数は三百十九人で、そのうち四十五人の幼い命が大人、しかも保護者の手によって奪われています。

 幸い岐阜県では最悪のケースは報告されていませんが、県子どもセンターの発表では、平成二十年度の児童虐待の相談対応件数は、速報値ですが、全国同様に過去最多の五百五十七件、一時保護の件数は百三十六人と前年を上回っています。その児童虐待の種類は、殴る・ける等の暴行を加える身体的虐待が二百二十件、性的虐待が二十一件、心理的虐待百三十三件、保護の怠慢・拒否をするネグレクトが百八十三件となっています。また、その年齢構成は、三歳未満が八十六件、三歳から就学前が百三十一件、小学生二百十八件、中学生八十二件、高校生その他が四十件となっています。県警が検挙した児童虐待件数は、平成二十年度では四十七件を認知し、五件六人を逮捕しています。多くの子供たちが、日々恐怖に震えながら声なき声で助けを求めていたという事実を、私たちは重く受けとめなければなりません。

 児童虐待というのは、家庭内、ある意味閉鎖的な空間の親子関係で発生することから、プライベートな問題であり、プライベートな問題であるがゆえに正確な実態の把握は困難であるとされています。そういう中、これまで表面化されなかった潜在的な虐待を把握できているあらわれかもしれませんが、相談件数は確実にふえ続けています。

 平成十六年の児童虐待防止法の改正では、早期発見が子供の命を救う、あるいは安全を守ることにつながることから、虐待の確信がなくても虐待を受けたと思われる疑いがあれば、市町村や児童相談所に通告するよう住民に義務づけられました。しかしながら、大阪の事例のように、周囲が異変を感じていながらも通報がない、もしくは対応がおくれたことにより最悪なケースに至ったものもあります。子供をしかるときに、つい大声になってしまう経験は自分にもありますし、御近所とのトラブルも避けたいとか、人の家のしつけに介入できないと思ったという住民の側の思いを理解できなくもありません。児童虐待を行う保護者の背景には、経済状況、夫婦関係、虐待を受けて育った親の生育環境等、多様な問題が複合・連鎖的に作用していると言われています。それらの多様な問題の一つ一つを糸に例えるとすると、虐待をする保護者とその子供の周りには、何本もの糸が複雑に絡み合っているのです。その糸の一本一本を時間をかけて丁寧にほどき、解決していくことが根本的には必要ですが、そのつながった糸を切るということが必要なこともあると思います。その糸を切ることが通告ではないでしょうか。通告があれば、子供の安全が守れるかもしれません。守れる命があるかもしれません。

 そこで健康福祉部長にお尋ねします。児童虐待を防止するには、住民や関係機関に通告の仕組みなどを正しく認識していただくことが重要です。それを進めるために、県としてどのような取り組みをしていらっしゃるのでしょうか。

 次に、子供が一日の大半を過ごす場所である学校では、子供の変化や異常があった場合、敏感に気がつきやすく、早期の対応が可能なのではないかと思われます。他の機関では踏み込みにくい家庭や保護者への働きかけも有利だと思われるため、学校の果たす役割に期待したいと思います。

 そこで教育長にお尋ねします。児童虐待防止には、学校の果たす役割が大変重要であると考えますが、その役割を果たすために、教育委員会としてはどのような取り組みをされているのでしょうか。

 次に、介護をする家族等への支援についてお尋ねします。

 私は、今年の五月で四十歳になりました。三十代の女性の視点というフレーズが使えなくなって少し寂しい気がしますが、三十代の視点については、県議会唯一の三十代となった高木議員にお任せするとして、本題に入ります。

 今年の四月には、市役所から特定健康診査の案内が送られてきました。そして、六月からは介護保険に加入し、保険料を支払わなくてはいけなくなり、四十歳になったことを実感しました。子育て真っ最中の私は、「介護」や「認知症」という言葉にはまだまだ縁がないと思っていましたが、四十歳になるとともに、それらの言葉に敏感に反応するようになりました。

 そんなとき、今年の四月でしたが、元タレントの女性が自殺したという事件が報道されました。報道によると、介護疲れが原因とされ、認知症で要介護五の八十歳の母親と無理心中を図ろうという形跡があったようです。家族の負担が重くなったため、ケアマネジャーを中心に今後の介護をどうすべきか話し合ったそうですが、その四日後に彼女はみずからの命を絶ちました。残されたお母さんはこれからどうなるのでしょうか。介護殺人、介護心中、介護自殺と、先の見えない介護に絶望しての悲しい出来事が後を絶ちません。先ほどの児童虐待ででも申し上げましたが、悲劇は繰り返してはいけないのです。

 介護職についている友人から、最近こんな話を聞きました。「いろんなケースがあるけど、特に老夫婦の御主人一人で認知症の奥様をお世話しているケースやと、相当に大きな負担がのしかかっているのを目の当たりにしとるよ。」また別の知人からは、「仕事とはいえ、他人の介護ですら精神的に追い込まれることがあるで、実際に介護する御家族は相当な悩みを抱えてみえるし、疲れとる人が多いよ」とも。そして、彼女たちは介護をしている御家族に、「困っていることはない」と常に声をかけるようにしているとのことでした。

 介護保険創設の目的の一つは、家庭介護の支援で、これまで家族、特に女性が担ってきた介護を社会で支えようという仕組みです。現在の介護を取り巻く環境は、本当に介護する人・される人にとって安心できるものなのでしょうか。

 現在、県内には介護保険を利用している方が七万三千人いらっしゃいます。そのうち四万三千人の方が在宅介護のサービスを受けられているようです。その方々の周囲には、配偶者を初め子供や兄弟がいらっしゃる方も多いでしょう。厚生労働省の平成十八年報告書によると、在宅介護者の四人に一人は軽いうつ状態にあり、介護者の年齢五十歳前後で二割、六十五歳以上の約三割が死にたいとまで考える状態にあることから、介護する側は、金銭的な問題や自分自身の身体問題など多くの悩みを抱えて、介護疲れが深刻化しているようです。介護をする御家族のつらさは、自分たちの苦しみがだれにも理解されずに孤独を感じることと言われます。社会全体で、地域全体で介護を支え、周囲の方の共感と協力が不可欠で、特に家族の気持ちに寄り添ったケアが必要であると考えます。

 また、医療の進歩に伴って、日本人の平均寿命は大幅に伸びました。平成十八年厚生労働省の発表では、男性七十九歳、女性八十五歳となっています。認知症について見てみると、六十五歳以上では約十人に一人、八十五歳以上になると発症率は高くなり四人に一人とされ、平成十七年に二百五万人であった認知症の方は、およそ十年後には三百万人になるとの見通しで、高齢社会の中で避けて通れない大きな問題です。

 そこで健康福祉部長にお尋ねします。介護している家族の精神的な負担を軽減するために、どのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか。また、高齢化が進む中、認知症の方がふえつつあります。特に認知症の方やその家族への支援について、県としての取り組みをお伺いいたします。

 次に、献血の推進についてお尋ねします。このテーマについては、平成十八年の七月に「愛の血液助け合い運動」が全国的に展開されている中、我が県民クラブの伊藤代表がお尋ねしておりますが、私なりの視点で取り上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 先月、六月十四日は世界献血者デーでした。この記念日は、ABO式血液型を発見し、ノーベル賞を受賞したカール・ラントシュタイナー氏の誕生日にちなんで、献血者の皆様に感謝するとともに、輸血用血液の世界的な需要が高まる中、献血活動に御協力をいただいているボランティアの方々に敬意を表し、その活動を広く皆様に認識していただく日です。その二日後の六月十六日の岐阜新聞に、近年、県内の献血者数、特に若年者が減少傾向にあり、新型インフルエンザの影響が血液不足に拍車をかける懸念もあるという記事が掲載されました。

 献血は、命をつなぐボランティアだと言われていますが、なぜ必要なのでしょうか。血液は、酸素を運ぶ、病原体と闘う、出血をとめるといった生命の維持に欠かせない役割を担っていますが、人工的につくることができず、長期保存ができません。このため、病気やけがで血液を必要としている患者さんに血液を届けるために、継続的な献血が必要とされているからです。十六歳から六十九歳までの安全な血液を提供するための制限をクリアした人は、献血ルームや献血バス、血液センター、そして会社や団体で献血する場合には屋内のスペースが臨時の献血会場となって献血することができます。

 お手元に資料を配布させていただきましたが、表一をごらんください。日本赤十字社統計表によりますと、ちょうど三年前、伊藤議員が提示されました平成十七年の全国平均の献血率は四・二%でしたが、平成二十年では四%に下がっており、全国的に減少傾向にあるようです。岐阜県の献血率を見てみますと、やはり三・七%から三・五%と減少していますが、献血率が全国平均よりも〇・五%低い状況に目が行きます。岐阜県の年齢別の構成比を見てみますと、十六歳から十九歳までが四・六%、二十代一八・一%、三十代二五・五%、四十代二五・三%、五十代一八・六%、六十代七・九%となっており、若年層の比率、特に十六歳から十九歳までが低い結果となっており、全国平均と比べても岐阜県は一・五%も低くなっています。逆に六十代では全国平均より二・四%高くなっています。グラフ一の県内の六十代の献血率は、平成十一年に六十四歳までであった年齢制限が六十九歳に引き上げられたこともあり、増加傾向にありますが、若年層は減少傾向となっています。このことから、献血可能年齢について、いま一度周知する必要があるとも考えられます。あくまでも私の推測ですが、このデータから、ひょっとすると二十になるまで、特に高校生の間は献血ができないという誤解があるのではないかと思います。というのも、運転免許が十八歳、選挙権・お酒・たばこが二十となっているからです。もし、そういう誤解があるとするならば、そういう意味でも正しい情報を提供する必要があると考えます。

 話は少し変わりますが、興味深いデータがありました。それは献血できなかった人の数です。平成二十年、県内では献血申込者数の一八・三%に当たる方々が献血できませんでした。献血により貧血になることを防ぐため比重検査を行っていますが、その結果、比重不足で献血できなかった方がそのうちのおよそ半分、五一%もあるということです。しかも、平成十九年の四六・九%からふえています。睡眠不足や過労によって体調がすぐれないときは血液が低比重、低ヘモグロビン量になっていて、献血できないようです。また、富山県赤十字血液センターの発表では、富山県内の女性の比重不足の多い割合を、ダイエットや朝食をとらないなどの食生活の乱れ、寝不足、自動車依存度の高さによる運動不足が要因であるとしています。これらのことから、献血をするためには食事・睡眠・運動が不可欠であり、献血者数の減少に歯どめをかけるためにも、県民の健康維持のためにも、いま一度基本的な生活習慣の見直しも必要なようです。逆に言えば、献血への関心が健康増進を導くとも言えます。

 次に、グラフ二の岐阜県の総献血者数を平成十八年・十九年・二十年の実績に基づいて月ごとに見てみると、三月・四月は少なく、七月・八月・十二月には多くなっています。季節的にも寒い時期で、人事異動の時期は集まりにくく、多くなっている月にはキャンペーンやイベントの効果があらわれているとの分析もあるようです。幸い岐阜県では、来年の全国豊かな海づくり大会、平成二十四年のぎふ清流国体などの大規模なイベントが予定され、それに関連して各地でイベントが行われます。そういうところでの積極的なキャンペーンなどは効果が高いのではないでしょうか。

 皆さんは、配布資料の右肩にあるこのキャラクターを御存じでしょうか。これは愛の妖精「けんけつちゃん」という献血のマスコットキャラクターだそうです。名前は「ちっち」。たすけアイランド出身の、いつもみんなのことを考える頑張り屋さんだそうです。「ちっち」が国体の「ミナモ」や海づくり大会の「ヤマリン」とのコラボレーションでさまざまなイベントを盛り上げて、一人でも多くの方に正しい認識のもと、献血に御協力していただけるように期待したいと思います。

 私は、残念ながら、ある特定の期間に英国滞在歴があり、安全な血液を供給するための制限にひっかかり、献血することができません。前述の新聞への掲載記事の中で「無関心は愛の反対」というマザー・テレサの言葉が引用されていましたが、私は献血することはできなくても、献血に関心を持ち、命をつなぐボランティアに積極的に参加したいと思っています。

 そこで、健康福祉部長に二点お尋ねします。イベントやキャンペーンが献血者数の増加に効果を発揮しているようですが、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。また、若年層の献血離れに歯どめをかけるため、献血可能な十六歳になるまでに小・中学生への正しい知識の普及啓発が大変重要であると考えますが、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 以上、三項目にわたって「命を守る」をキーワードにお尋ねしました。二度と悲劇を繰り返さないために、そしてすべての県民に愛と優しさのある岐阜県を目指すために、大変重要な問題だと思います。今後、関連施策を積極的に展開していただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 児童虐待防止に向けた取り組みについてお答えいたします。

 地域住民の方からの通告の仕組みですが、児童虐待が行われていると疑われる場合には、すべての国民に通告の義務があります。その際に、虐待であることの証明をしていただく必要はありません。通告者の秘密は厳正に守られますので、虐待が疑われる場合にはためらわず連絡していただくよう、学校や地域住民の皆様が集まる場に出向いて説明を行うなど、さまざまな方法で周知に努めてまいります。

 また、虐待通告の窓口は、市町村、県子ども相談センター等となっており、その対応機関として、県内の全市町村に要保護児童対策地域協議会が設置されています。この協議会において、保健所、医療機関、警察署、学校関係、民生・児童委員などの皆さんが、児童虐待に関する事案の協議や情報交換など連携を図っております。児童への虐待は、県民全体の重要な問題としてとらえる必要があります。

 そうした中、昨年度から民間の児童養護施設、NPO団体や学生さんなどが虐待防止キャンペーンとして「オレンジリボンたすきリレー」を実施されており、大変心強く思っております。今後とも、民間団体や市町村と連携し、県民の皆様に虐待防止のため、わかりやすい広報を行い、児童の虐待予防及び早期発見に努めてまいります。

 次に、介護する家庭等の支援について、御家族の精神的負担の軽減についてお答えいたします。

 在宅で介護する御家族の悩みや不安を軽減するためには、さまざまな御要望に的確に対応できる相談体制を整備することが重要と考えております。

 まず、介護に関する総合相談窓口として、県内六十六カ所に地域包括支援センターが設置されています。そこでは、社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師がそれぞれ専門の立場で御家族の相談を受けております。また、介護サービスの利用に関する疑問や不満、不安などを解消するため、介護相談員が御自宅や施設等を直接訪問し、利用者の立場に立った相談を行っております。県としては、引き続きこれらの相談に応じる人材を養成するための研修や、このような相談窓口等の周知に努めてまいります。さらに、地域社会全体で御家族を支援する体制づくりを促進するため、老人クラブによる高齢者宅への訪問活動や、市町村や民生委員等の連携による見守り体制づくりなど、地域での支え合い活動の支援にも努めてまいります。

 次に、認知症の方や御家族への支援といたしましては、先ほど申し上げました地域で支え合う仕組みづくりや、相談窓口、福祉医療機関の連絡先など、必要とされる情報の提供が重要であると考えております。そのため、地域住民を初め警察、金融機関、コンビニエンスストアなど、認知症の方と接する機会も多い職場で働く方々に、認知症の特性や適切な接し方を学んでいただく認知症サポーターとして地域で御活動いただいているところでございます。現在、その数は約一万五千人でございますが、平成二十三年度末には三万人に倍増することを目指しております。また、地域で支え合うモデル的な仕組みづくりを今年度大垣市で実施しており、警察や消防などの公的機関やバス・タクシー会社など、身近な生活にかかわる事業者等の協力を得た徘回SOSネットワークの構築を進めております。このほか、先ほど申し上げました地域包括支援センターや地域の福祉・医療など、認知症の方や御家族が利用いただける関係施設を掲載した地域資源マップも作成することとしております。今後、このモデル事業の成果を県下の市町村に情報提供し、こうした取り組みが広がるよう努めてまいります。

 献血の推進についてお答えいたします。

 まず、イベント等の今後の取り組みでございますが、七月は全国一斉の「愛の血液助け合い運動」を展開しており、本県ではライオンズクラブ等の協力を得て、県下十二カ所の街頭で直接献血を呼びかける「街かどふれあい献血」を昨日から開始したところでございます。十月には「献血感謝の集い」、十二月・一月には「年末年始愛の血液助け合い運動」、一・二月には「はたちの献血キャンペーン」を実施し、これらのイベントを通じて献血者の確保に努めてまいりたいと考えております。

 次に、小・中学生の普及啓発の取り組みでございますが、献血啓発リーフレットの作成等により啓発に努めてまいりましたが、若年層の献血者は全国と同様に減少傾向が続いております。このため、本年度、新たな取り組みといたしまして、将来の献血者となる中学生を対象に献血推進ポスターの募集を行い、優秀な作品を今後の啓発資材として活用していくこととしております。

 献血は、健康な方々から自発的に無償で血液を提供していただくものであり、血液を必要とする多くの患者の方々がそれにより日々救われております。安定的な血液確保に向け、継続的な普及啓発に努め、県民の皆様に献血への理解と協力を求めてまいります。



○副議長(駒田誠君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校における児童虐待防止の取り組みについてお答えいたします。

 児童虐待から幼児・児童を守るためには、児童虐待の早期発見・早期対応が極めて重要です。園及び学校の教職員は児童虐待を最も発見しやすい立場にあることから、幼児・児童の日常生活について十分観察し、注意を払い、幼児・児童の小さな変化を見逃さないように努めるとともに、虐待の疑いがある段階から市町村の福祉部局や、県子ども相談センター等へ通告しなければならないこととなっております。

 現在、各学校においては、県教育委員会が作成した児童虐待防止の手引及びチェック表に基づいて、虐待の兆候を見逃さないようにしたり、虐待が疑われる幼児・児童を発見した場合には速やかに通告するなど、校内体制の整備をしております。また、通告後においても、市町村の教育委員会や福祉部局、民生委員、主任児童委員などと連携して、情報交換や今後の幼児・児童の対応について協議しております。県教育委員会といたしましては、今後とも学校には通告義務があることをさらに周知徹底するとともに、学校の組織的な対応や、地域との連携を一層働きかけてまいります。



○副議長(駒田誠君) 二十七番 小川恒雄君。

   〔二十七番 小川恒雄君登壇〕(拍手)



◆二十七番(小川恒雄君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。

 さて、今回の質問は、木曽川水系連絡導水路事業についてであります。さきに一般質問初日に我が県政自民クラブの渡辺猛之議員が質問されておみえになります。観点を変えて質問をさせていただきます。

 皆さん御承知のとおり、現在私が住んでいるところは美濃加茂でありますが、上流には、美濃加茂市はもちろんのこと、周辺市町村にとっての命の水がめである岩屋ダムがあります。もう十年余り前になりますけれども、平成六年の大渇水があり、このときは八十日余りも雨が降らず、岩屋ダムの貯水量もゼロに近くなり、節水に次ぐ節水という事態になりました。その後、恵みの雨により何とか解決をいたしましたが、これによって住民の皆さん方の生活に多大な影響を及ぼしたことは記憶に新しいところでございます。あのとき、もし岩屋ダムがなかったら、本当に大変な事態になっていたでしょう。最近では、「ダム不要論」「脱ダム」に関する新聞報道を目にすることがありますが、何でもかんでもダムは反対という風潮は、私の感覚からするととても受け入れられるものではありません。必要なものと不必要なものまで、みそもくそも一緒にした論議はすべきではありません。反対の声を上げる人がいる一方で、ダム建設により多大な恩恵を受けることができる多くの賛成者の方もいるわけであり、まずはそういった声をきちんと聞いてから論議をすべきではないかと思います。

 木曽川水系連絡導水路事業についても同じでございます。長良川で導水することに反対の声もあるようでございますが、根底には、坊主憎けりゃけさまで憎い、すなわち徳山ダムには反対をしたから導水路にも反対という発想かもしれませんが、徳山ダムの水は貴重な資源であり、いかにしてこれを有効に活用していくか、まず第一に考えるべきであります。渇水対策容量として持っている貴重な水を有効に利用せず、一方的に海に垂れ流すことは決して利水ではありません。それが今、私たちに課せられている重要な課題であると信じております。

 ところが、五月十五日に名古屋市長が、突然木曽川水系連絡導水路事業からの撤退を表明されました。また、最近発売された雑誌では、どこかで聞いたことのある「ぼったくりバーには金を払わん」という見出しで、負担金を払わないとの記事が掲載されていました。当の御本人は、大きな反響があり、満足かもしれませんが、一日も早い導水路の完成を渇望している地域の住民の皆さんは、なぜこのように唐突な発言がなされたのか、これまで多くの時間と労力を費やしてきた関係者のことを考えているのか、いつ何どきあのときのような大渇水に見舞われるかもしれない我々の不安を理解してないといった疑問やら不満が爆発しているのではないでしょうか。また、「脱ダム利水宣言」などをされ、御自慢のようでもありますが、私から見れば、周りのさまざまな状況が見えていない発言のように感じられ、これが二百三十万名古屋市の長の発言かと思うと、本当に残念でなりません。確かに最近は、国の直轄事業負担金に端を発し、地方が国に物を申すことに対して追い風が吹いているような状況ではありますが、この事業はちょっと違います。これまで長い間、岐阜県、愛知県、三重県、そして名古屋市が協議をし、協力をしながら進めている事業であり、名古屋市長の一連の発言は三県一市のこれまでの関係を全く無視したひとりよがりで、三県一市の関係にひびが入りかねないものだと思います。

 そもそも名古屋市の給水は、ほぼ一〇〇%木曽川に頼っております。先ほど雑誌の中で市長さん本人が、「名古屋市の水はうみゃあ、水源から流れてくる木曽川の水をろ過しているからな」とおっしゃっておられます。おまけに「徳山ダムの水はたまって富栄養化しているからまずい」とも申されておりますが、木曽川の水は岩屋ダム、長野県の味噌川ダムから放流されており、ダムの水が富栄養化するということであれば木曽川の水もまずいということになり、言っていることが矛盾しているのではないかと思います。

 また、名古屋市の水は足りているとのことでありますが、堀川の環境改善に取り組んでいる人もいます。阪神タイガースが優勝するとファンが道頓堀川に飛び込む映像を見かけますが、もし中日ドラゴンズが優勝しても、柳橋から飛び込むファンはいないと思います。名古屋城の本丸御殿もよいのですが、もっともっと水の重要性を御認識いただきたいものだと思います。

 平成六年の大渇水の話に戻りますが、あのとき、中濃・東濃地域の住民は、節水に努めておりました。しかしながら、名古屋市民は余り影響を受けませんでした。例えば小・中学校のプールは、我が地域では全く使えませんでした。名古屋市は使っておりました。それでも、川が目の前ある地域に住む私たちは、名古屋市民に文句は言いませんでした。あのときは、無色のはずの川の水には「権利」という色がついていることを痛感させられましたが、これは名古屋市の未来を考えた先達の功績であり、我々としては悔しい思いをしながらも、三県一市の信頼関係に配慮し、あきらめざるを得なかったわけであります。市長は、こうした先達の確保した水という財産を継承していますが、継承しているのは何も水だけではありません。これまで粛々と行ってきた事務事業も、信頼関係を含め継承しているわけであります。前の市長が個人的に勝手に行ってきたものではありません。それを、自分が市長に就任した途端、名古屋市は導水路から撤退するとは、いかにも軽過ぎると思います。

 名古屋市長の御先祖は、尾張藩の書物奉行を勤められた家柄とお聞きしておりますが、昔は「美濃の堤は尾張より三尺低かるべし」−−要は木曽川で対岸の尾張の方が約一メートル高かった、美濃の方は一メートル低かった。洪水になれば、当然美濃の方にその影響は大きく来たという意味であります−−と言われており、力関係では尾張に比べ美濃の国や伊勢の国は下であったのは確かであります。しかし、今この時代に、我が藩さえよければ、あるいは名古屋市さえよければそれでよいというわけにはいきません。江戸時代、御三家筆頭的な発言は控えていただきたいと思います。

 木曽川水系の水を使う権利は持っていても、その水は一滴たりと名古屋では生まれないことをよく御認識いただくとともに、これからもさまざまなことを三県一市で協力をしていかないと解決しない場面があると思います。木曽三川水源造成公社では、木曽川水系に八千ヘクタールもの造林を行い、長期的な視野に立って三県一市が協力しながら水資源の確保や水源涵養に努めていることもお忘れのないようにしていただきたいものであります。水が生まれるのは、岐阜の地であることをもう一遍つけ加えさせていただきたいと思います。

 さて、近年、世界各地では異常気象が発生しており、日本でも雨の降り方が変わってきております。短時間に局地的な大雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨がふえております。その一方で、国内の各地での貯水池であるダム付近では雨がほとんど降らず、降水量が著しく低下している状況がたびたび報道されているのは、皆さん御承知のとおりであります。高知県の早明浦ダムは、六月二十五日現在の貯水率が、三一・八%であり、一五%程度になった段階で第四次取水制限に入ることを決められたと報道されております。今後ますますこのような状況がふえるのではないかと非常に心配をするとともに、特に目の前に水がありながら水不足に悩む地域の私たち住民としては、とにかく住民の安心な暮らしのためにも、水の問題は何とかしてほしいとの思いがいっぱいであります。

 また、世界的に目を向けますと、水を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。世界で六人に一人が十分な量の安全な淡水を手に入れることができず、苦しんでいると言われています。水の争奪戦が現実に起こっているのです。日本では「湯水のごとく使う」とか「水に流す」とか、水に関連した慣用句が数多くあり、他の国に比べると水に大変恵まれた国であることがわかります。岐阜県も「飛山濃水」と言われ、水に恵まれた地でありますが、先ほど申し上げたとおり、すべての地域が恵まれているわけではありません。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 一点目として、全国豊かな海づくり大会を初めとするさまざまな県内行事が予定されており、知事は県外各地へ行かれた際に、それらをPRされると思います。当然、愛知県・名古屋市にも行かれると思います。その際、水源県の代表として、きれいで豊富な水を供給するためにどれほど苦労しているのか、また中濃・東濃地域の住民がどれほど水不足に対する不安を抱いているかの声を伝え、多くの方に理解をしていただく必要があると思いますが、この点について知事のお考えを伺います。二番目として、これまで東濃・中濃地域の渇水対策に取り組んでおみえになりますが、木曽川連絡導水路の整備はそれと比べても効果が高いことを多くの方に示し、理解促進を図るべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。三番目に、一刻も早く中濃・東濃地域の安心な生活のために渇水対策を行っていただきたいのですが、この点についてもどのように取り組まれるのでしょうか。また、現在、国の直轄事業負担金について、大いに議論されているところでありますが、この議論が前進すれば、導水路事業の負担も減り事業が進めやすくなると思いますので、一層取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、導水路事業は、徳山ダムの貴重な水を有効に活用する事業であります。導水路事業に、長良川に導水することに対して、根本的に渇水は生態系では織り込み済みを主張されている一部市民の方、学者と呼ばれている方と真正面の論議はどんなものかと思います。結局は、先ほど申し上げましたとおりに、「坊主憎けりゃけさまで憎い」という論議の延長線かと私は思います。渇水に苦しみ、二度とそんな思いをしたくない、一日も早い渇水対策をしてほしいと望む中濃・東濃地域の住民の苦しみ、不安を何もわかろうとしない声には、素直な響きを感じないのは私だけでしょうか。

 理屈とこう薬はどこにでもくっつくと昔から言われております。知事にお願いしておきたいことは一つです。人を救うために必要なものは早目に進めていただきたい。これに対して、必要以上の時間と金をかけることは、それこそ無駄であります。一村水没という犠牲を払ってまで御協力をいただいた旧徳山村民の皆様方のおかげで生まれたこの貴重な水を有効に活用できるよう、一日も早くこの事業を完成させ、中濃・東濃地方の皆さんの暮らしの安心を確保することこそ我々の責務であるということを申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(駒田誠君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 議員御自身の大変強い思いのこもった御質問をいただいた次第でございますが、三点ございます。

 まず、水源県の思いと、中濃・東濃地域の水不足のPRという御質問でございます。

 上流水源県である本県には、これまでにも昭和四十四年から三県一市と水源地の市町村などが協働いたしまして、社団法人 木曽三川水源造成公社を設立しておりまして、水源地の森林保全に努めてきた歴史がございます。また、近年では、健全な森林づくりの一環として「木の国・山の国県民運動」の展開、あるいは企業との協働による森林づくりの推進事業などの官民一体となった取り組みが新たに進められてきております。こうした上流県の森林づくりや水源保全の取り組みを、東海三県一市知事市長会議−−この一市は名古屋市でございますが、あるいは名古屋市長も参加しておられますところの中部圏知事会議、こういった場をとらえて、これまでも私自身、下流県・市に訴えてまいった次第でございます。そういう流れの中で、平成十八年には国を初め三県一市がメンバーとなります伊勢湾再生推進会議も立ち上げられております。さらには、電力会社、あるいはビールメーカー等々の都市部に本社を有する企業も独自に水源地域の保全活動に取り組んでおられるような状況でございます。

 一方で、御指摘のように中濃・東濃地域の住民の皆様は、平成六年に過去に例を見ない異常渇水を体験しておられます。過去十年間の中で取水制限のあった年が六年もあるということでございまして、水不足の不安にさらされておられるわけでございます。私といたしましても、このような水源地の役割あるいは渇水対策への切実な思いといったものを、県内はもちろんでございますが、下流の愛知県、名古屋市等の住民の方々にお伝えし、理解していただくことが重要であるというふうに思っておるところでございます。

 お話にもありましたように、来年六月には、全国で初めて河川をメイン会場とする全国豊かな海づくり大会が開催予定でございます。大会に向けた共催イベント、いろいろと今検討しつつあるところでございますが、その中で既に構想として出てきておりますのは、下流域の住民の方々とともに開催する「伊勢湾 森・川・海のクリーンアップ大作戦」というプロジェクトもございますし、「堀川スターフェスティバル二〇〇九」という催し物もあるわけでございまして、これらは下流県・市とともにさまざまなイベントを進めていくということでございます。こうした機会をとらえて、積極的に御指摘のような水源県の思い、あるいは中濃・東濃の地域における水不足の問題についてアピールをしてまいりたいと思っております。

 次の御質問は、連絡導水路事業の整備効果ということでございます。

 何といっても、渇水時に連絡導水路によって徳山ダムの水を通水することによりまして、木曽川の上流にある牧尾ダム、岩屋ダム等の貯水量を温存することができるわけでありまして、各利水者の取水制限を緩和する効果をもたらすわけでございます。例えば木曽川用水でございますが、近年十年間で牧尾、岩屋、阿木川の三ダムの総合運用といったさまざまな対策を行ってきたわけでございますが、それにもかかわらず、取水制限を余儀なくされた年が先ほど申し上げました六年あったわけでございまして、この連絡導水路の活用によって、十年間を通じてほぼ取水制限の発生する年はなくなるんではないかといった効果が見込まれておるわけでございます。また、中部地方で大規模な渇水被害が平成六年に発生しておるわけでございますが、これと同程度・同規模の異常渇水が起こったときに連絡導水路を活用するとどうなのかという国交省のシミュレーションがあるわけでございますが、これによりますと、可茂地域に給水しております木曽川用水で断水が発生するとされる三五%取水制限の日数が八十一日から四十五日まで、三十六日減らすことができるということでございます。さらには、徳山ダムを含むすべての木曽川水系のダム群を一体なものとして運用する水系総合運用という手法を用いますとさらに四十二日減らすことができるということで、取水制限日数は八十一日から三日までと、七十八日間減らすことができるというふうに予測されておるわけでございます。

 こうしたことを踏まえまして、当県といたしましても、昨年五月から六月にかけまして、揖斐川町、岐阜市を初め七つの市町で十回にわたって、国とともにこの導水路事業についての住民説明会等を開催してきた次第でございます。また、木曽川・長良川沿川の自治体からも、連絡導水路事業の促進について大変強い要望を受けておるわけでございまして、今後も沿線市町の首長さん方とも十分連携を図りながら、その事業効果をわかりやすく説明してまいりたいと考えております。

 三番目に、一刻も早い中濃・東濃地域の渇水対策についてでございます。

 五月十五日の名古屋市長の撤退発言から今日まで、国と水資源機構、三県一市で構成されます木曽川水系連絡導水路事業監理検討会、二回開催されてきておるわけでございます。既に何度も御答弁申し上げておりますが、本県といたしましては、その中で上流水源県としての思いを伝えるとともに、費用負担などさまざまな論点を提起してきたところでございます。今後は、次回以降のこの検討会を通じて、議員御自身再三御質問の中で触れておられますように、三県一市の信頼関係というものをあくまで大切にしながら、早期に問題解決を図っていくよう取り組んでいきたいというふうに思っております。



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○副議長(駒田誠君) しばらく休憩いたします。



△午後二時五十一分休憩



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△午後三時十九分再開



○議長(早川捷也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(早川捷也君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) 日本共産党を代表して、順次お尋ねをいたします。

 まず、補正予算についてお尋ねします。

 今回提案の補正予算は、国全体で約十四兆円、岐阜県では、追加も含め約一千二十一億円という過去最高規模であります。麻生内閣がGDPの三%の規模だと最初から決めてかかった補正であり、本当に必要な事業の積み上げではなく、国のレベルでは、大企業の資金繰りのための事業費や、東京外環道のような無駄な事業の前倒しもあり、財界奉仕の面も見えます。

 一方、派遣村や労働者の要求が反映し、雇用対策面では職業訓練中の生活費の保障など、国民生活への支援も入りましたが、三年間だけという措置では納得がいきません。選挙前のばらまきだという批判もございます。何よりも、これだけの予算があるなら、まずこれまで毎年社会保障費の自然増分二千二百億円を削減し、福祉や医療を切り捨ててきたことを撤回すべきです。

 この十年間で、十三兆円にも及ぶ社会保障費が削られ、国民への負担となりました。ここにきて自民党内からも強い撤回要望があり、とりあえず来年度は二千二百億円の削減はしないとしたものの、二〇一一年までに一・一兆円を削ると決めた骨太方針二〇〇六は尊重するとされており、二年先のことはわかりません。本当に国の経済再建を目指すなら、個人消費を暖め国民の生活を守ること、国保・高齢者医療・保育料などの負担軽減、失業手当の増額、生活保護の老齢加算、母子加算の復活が望まれます。しかも、この予算のためにまた国の借金がふえて、〇九年度末の国の長期債務残高は八百十六兆円、国民一人当たり六百四十万円の借金です。ましてや、低所得者に負担の重い消費税でこのツケを解消しようとしていることは容認できません。

 今回の一千二十一億円という補正額は、岐阜県の行革指針における対策が必要となる財源不足の三年分にも当たる大きな額であります。にもかかわらず、使い方にはあれこれ制限が設けられ、事業には縛りが多い。職員は本来の仕事に加えて、事業の計画・評価・申請などの業務が加わり、しかも、肝心の保育料や国保料の引き下げはできない仕組みになっています。県の補正の中にも、高校の授業料の減免や介護職員の給料アップ、融資制度の保証料補てんなど、一部直接支援はあるものの三年間の限定つきです。これらは短期で終わらせるものではありません。こうした問題点を解決するためにも、使い道を地方で判断できる地方交付税として渡すべきと考えますが、その点について、知事はどのようにお考えでしょうか。

 今回の補正予算について、知事は提案説明の中で、「経済・雇用情勢はまだ深刻であり、緊急かつ積極的に対応する」と言っておられます。本当に地域経済を回復するとするならば、県民の家計を直接暖めることが一番のポイントだと考え、日本共産党県委員会としても補正予算への要望を提出したところです。今回の六月補正、県としては、こういった生活者の立場・視点を考慮して予算組みをしたのかどうか、お聞かせください。

 次に、木曽川水系連絡導水路についてお尋ねします。

 五月十五日、名古屋市の河村市長の導水路事業からの撤退宣言の報道がありました。これが、名古屋市の正式な申し出ではないということですが、ダムと導水路は一体だとする行政の常識に対して、社会背景も変化をし、本当に必要な事業なのか、今、このような税金の使い方が認められるのかという世論が広がって、結果としてあの撤退表明につながったんだと思います。

 古田知事は、河村市長の発言の背後にある住民世論としての疑問や事業中止の声をどのように受けとめておられるのか、お聞かせください。

 もともと、導水路事業の役割としては、愛知県と名古屋市の都市用水を最大毎秒四トン確保するという利水事業と、異常渇水時に川の流量を確保する治水の二つの目的があって、治水とか環境のこの二つの役割がある。それで、費用負担のアロケーションでは、岐阜県と三重県は利水分、つまり水を買うということはないわけです。治水の義務負担が、岐阜県が二十九億七千万、三重県が十三億一千万円であります。ですから、名古屋市から利水の分は撤退だと言われても、別に岐阜県がそれに対して水を買う買わんという話ですから、これは文句を言う立場ではありません。がしかし、もともとメインであった利水の必要性が見直されている現在、木曽川水系連絡導水路事業そのものを見直すチャンスだと私は思います。

 岐阜県が導水路を必要としている唯一の理由は、東濃・可茂地域の渇水対策であります。(発言する者あり)そうなんです。特に平成六年の大渇水のときに、こんなことは大変だから導水路がないと乗り切れない、そういう答弁が繰り返されてきました、本当にそうでしょうか。

 ここに、(資料を示す)「総合的な異常気象(渇水)対策の推進」、副題として「渇水に強い岐阜県づくり」という冊子があります。まとめられたのは、平成六年大渇水の翌年、平成七年であります。まとめたのは岐阜県異常気象対策本部ですね。ここの中では、木曽川水系導水路に頼ってやりますなんて全然書いてないんですよ。ここの中では、まず緊急短期ということと中期・長期というふうに分けて、柱が三つあって、「貯留する」「節約する」「調整する」というふうに、本当に総合的に対策があれこれ考えられているんです。しかも長期の対策の中に、「水利権の見直し」というのまで出てきて、「この夏の渇水に直面し、地域別及び目的別の水供給のアンバランスが表面化した」というふうに言っていて、「既得水利権者の節水協力により、新規水利権者に再配分し乗り切ることができたが、現状の水利用の実態に照らし、水利権の見直しを関係機関と協議する」、県みずからがこういうことを言っているんですよ。一体、この計画にある水利権の見直し、どのように行われたのか、そして、関係機関との協議はされたのかどうか、そして、どう改善して今に至っているのか、県土整備部長、具体的にお答えください。

 導水路にかかわってもう一点は、行政の担当職員で構成している導水路監理検討会の第二回で、長良川に常時〇・七トンを流す計画であったものを、渇水時だけしか流さないという方針変更がありました。

 資料として、皆さんのお手元に表があると思いますけれども、(資料を示す)この三年間、そしてことし二十一年は予算ですけれども、これだけ金を使ってきたということです。ほとんど調査費、約四億円も国においてはあれこれ調査して、それにつき合って、岐阜県も二億二千万円ももう既にお金を出した。

 水資源機構は、今後、渇水時の合流に対する影響調査を行うと言いますけれども、渇水と言っても、気候や温度、川の汚濁の程度など条件はさまざまで、本当に正しい予測というのは難しいと思います。実際、二十六日、第八回環境検討会、私も傍聴しましたけれども、学者の先生の中には、予測値は幅があって、せいぜい七割か八割ぐらいのところでしか物が言えないよと、そういう発言もあったんです。そうすると、また別の委員が、じゃあ、こういう調査もやりましょう、こういう実験もやりましょうと言って、それでまた、実験費用がかさむという、こんなことをやっておられる。調査をどんなにやったとしても、結果のところだけ見ると、判を押したように影響は少ない、あっても一次的なものというふうにどこの項目でも書いてあるんですよ。結局、これは、やるための後追いのゴーサインのような調査だと私は思っております。こんな調査のための調査に、岐阜県も負担させられるのは御免です。そこで、調査待ちなどと言わず、ぎふ清流国体・清流大会、全国豊かな海づくり大会というのも控えておりますので、長良川にはダムの水は一切流さない、こういうことを表明して申し入れていただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。

 こうして見ますと、渇水対策、そして長良川への環境問題、いずれをとっても、この財政難のときに急いで優先する事業ではありません。知事におかれては、この時点で事業の凍結をする、こういう判断をされることが、現在も、そして将来にわたっても岐阜県のためになるのではないでしょうか、いかがでしょう。

 三つ目に、東海環状自動車道西回りルートについてお尋ねします。

 御望山周辺のルートを再検討していた国交省が、今年三月末、Bルートが優位だとして住民説明会を行いました。なぜBなのか。この根拠になったのが、ワーキンググループと呼ばれる学者の方の報告書です。しかし、その中は、五年もかけて御望山調査検討会が総合的に検討した内容を真っ向から否定するものもあります。中身としては大いに疑問なんです。

 まず、そもそもこのワーキンググループというのは御望山にちゃんと行ったのか、登ったのか、斜面を見たのか、住民の話を聞いたのか。やっていないんじゃないでしょうかね。それから、災害のことについても、天正地震のときも、それは根っこが崩れたんだという書き方ですけれども、重くて持ってきませんでしたけど、黒野史誌というこんな分厚い本があるんですよ。そういうものとか、岐阜市史、読んでもらえばどういうふうに災害が起こってきたかよくわかります。昭和五十一年の九・一二のときには、御望山の東側で小学生が犠牲になるという土砂災害もあったんです。こういうことを軽く見過ぎだと思います。

 また、今回出されている結果の中には、とても安全であるとは言えないようなものがこの結果の中にもあるんです。(資料を示す)例えば、こういうボーリングコアなんかは、微細な割れ目が発達しておるというふうに言っているんですね。専門家から見ると、これは一種の破砕帯であって、こういうものの近くには断層破砕帯があるという可能性が非常に大きいということだそうです。

 それから、写真の中にも、私は素人目にはよくわかりませんが、専門家が見るとこれは断層でしょうというものが写っている、なのに安全だと言う。これは、県としてもちゃんとこれを検証していただきたい。ほかにも、地盤工学の中川先生、地殻物理学の小林先生、応用地質学の藤田先生、植物学の高橋先生なども意見を寄せております。そして、岐阜大学の断層の専門家の小井土先生も含めて、学会で、こういう「防災地質と市民生活 東海環状岐阜御望山周辺ルートの問題の例」ということで学会発表もしております。

 問題なのは、こういう材料がせっかくあるんだから、岐阜県がちゃんと県民に責任を持つ立場でみずから独自に安全であるかどうか、ちゃんと評価すべきだと私は思います。

 御望山調査検討会と今回の再検討の一番の大きな違いは、透明性が確保されているかどうかです。公開の原則も今回の再検討は守られておりません。構成メンバーも、住民や行政の当事者が御望山調査検討会ではちゃんと入っていました。ところが、今回はどうやってこの先生方が決まったのか、委託コンサルがどこだったのか、それもわかりません。こういうことを県として明らかにして、安全性に確信を持つべきではないかと思いますが、県土整備部長、どうでしょう。

 二つ目は、椿洞のトンネル案とルートの問題です。

 先日、岐阜市内で住民説明会が行われましたが、トンネル工法への変更で産廃は避けられるというふうなことでしたが、詳しい構造や設計はまだ未確定です。岐阜市の産廃撤去計画の期限が平成二十四年までなので、その後は産廃は関係ないと言っていますが、ダイオキシンなどの影響が果たしてゼロなのかどうか、心配です。一般的に、市民の常識からいって、かつて産廃のごみの山だったところの下を潜って走る道路よりは、そんな場所はルートとして外す方が素直な改善策だと思います。都市計画法の基本理念にも、「都市計画は農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活を確保する」となっていて、この趣旨にのっとっても、産廃現場にトンネルを掘るというのは適切ではないと思います。

 今回の椿洞地区のトンネル案をどのように考えておられるのか、県土整備部長、お答えください。

 東海環状自動車道の最後は、ルートそのものの問題です。

 ここで、資料二を見ていただきたいと思うんですけれども、(資料を示す)これは、二〇〇二年に、当時、国土交通委員であった瀬古由起子衆議院議員が国土交通省の本省から提出してもらったいわゆる対案ルートです、その赤い大きい点線の方です。このことで、二〇〇四年三月一日に、佐々木憲昭衆議院議員が国会で確認したところ、当時の国交省道路局の佐藤参考人は、「考えられるルートがほかにあるとすれば幾つか考えられるけれども、こんなこともあるかもしれませんということで出させていただいた」というふうに答弁しました。

 実は、東海環状自動車道のルートが発表される二年前に、朝日新聞ですけれども、(資料を示す)平成六年に、公式発表の二年前に試案と称して出回った地図がある、こういう報道がありました。その出回った地図そのもののコピーを私は持っておりますけれども(資料を示す)、この出回った地図の都市計画の上に、くっきりとわかるもう一本の線があります。幻のルートというか消えたこの線、これと先ほどの国交省から、(資料を示す)例えばこんなことも検討しましたと言って出された赤い点、これがぴったり一致するわけなんですね。

 私は、もともとこの東海環状自動車道の構想が持ち上がったときには、岐阜市でいえば三次総の計画でしたけれども、これが本当のもともとの原案だったというふうに(資料を示す)考えています。これは非常に合理的なルートであって、椿洞の産廃も御望山の急傾斜地も、そして古墳群も、於母ヶ池のオグラコウホネも、このルートならばほとんど問題が回避できる非常に合理的なルートだというふうに思います。知事が言うように、椿洞と御望山、両方同時に解決するということもまた可能であります。逆に言うと、なぜこのルートのままでいけなかったのか、あんなふうに不自然に南へぐにゃっと曲がったのか、疑問です。

 そこで知事に伺いますが、このルートを見ての率直な感想をお聞かせください。そして、都市計画決定権者として、住民の安全に責任を持つ立場として、過去の経緯も勘案し、きっと構想段階では有力であったと思われるこのルートを、もう一度検討の俎上にのせてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、子供の貧困対策について伺います。

 百年に一度と言われる経済危機は、子供たちにも深刻な影響を与えています。しかし、今回の金融危機が起きる前の段階で、日本は国際的に見て、子育て支援、家庭支援、教育費に税金を使わなさ過ぎるがために、子供を支える基盤が余りにも脆弱です。

 資料三を見ていただきたいと思います。

 これは、この「子どもの貧困」という(資料を示す)阿部 彩さんという方が書いた本からの抜粋です。国立社会保障・人口問題研究所というところが出していますけれども、それぞれの数字はちょっと見ておいてほしいんですが、例えば真ん中のGDP費に対して保育・就学関係でどれぐらいのお金が出ているか、例えばヨーロッパの三・〇%前後というところから比べると本当に四分の一か五分の一、日本の低さがわかります。ほかにも、ひとり親家庭の貧困率、そして、この一九九〇年代から上がってきた日本の貧困率というのがわかります。そしてまた、教育費も非常に低い水準に抑えられている点というのが右下のグラフでわかっていただけるというふうに思います。

 そこで、今回は、岐阜県としても、子供の貧困を見過ごさないで、しっかり対策をとってほしいという思いでお尋ねします。

 まず、命と健康にかかわる問題では、昨年末に国会で、十五歳以下の児童には無条件で保険証を交付する法律が全会一致で成立しました。子供をめぐって大きな前進でしたが、しかしなお、正規の保険証があっても三割負担という窓口負担があるために、そのお金が捻出できず、医療を受けられないという家庭もあります。一九八九年に採択された子供の権利条約は、大人社会が子供にとって最善の措置をとることを義務づけています。病気になったとき、せめて医者くらいは、家庭の経済状況を気にせずかかれるようにすべきです。

 現在、岐阜県の制度では、子供の医療費無料の年齢は入院・通院ともに就学前までです。市町村では、県の制度に上乗せをして、入院は県下すべての自治体が中学校卒業まで、通院は県と同じレベルであるのは四自治体だけです。財政難の中でも、今年四月から関市、山県市など七つの自治体が拡大策をとりました。全国的にも、今年四月の時点で、県のレベルで、入院・通院ともに中学卒業まで無料としている東京都を初め、小学校卒業までは、通院が一政令市、入院は三道府県五政令市であります。財政難でも政策的に必要だという判断をされてのことです。

 本来、これは国の制度として、義務教育終了まで無料制度を確立すべきだと私は思っておりますが、健康福祉部長、国に対して、改めて子供の医療費無料制度を、せめて義務教育終了まで打ち立ててもらうように強く要望していただきたいと思いますが、いかがでしょう。また、県としても、子供の医療費の対象年齢枠を広げる時期に来ていると思いますが、その判断について、部長にお尋ねをいたします。

 次に、学校現場における支援について、教育長にお尋ねします。

 県教職員組合が、この三月から四月にかけて、学校現場における子供の貧困の実態というのを聞き取りでもって調査をいたしました。(資料を示す)この中には、本当にちょっと時間があって読めませんけれども、非常に悲惨な実態がたくさん出てきます。修学旅行の積立金や給食費が未納である児童を旅行に連れていくかどうか、職場の中でも教師たちが非常に悩んで心を痛めている。母子家庭で収入が少ないために給食費や保育料が払えない、父親が卒業間際に学習費は納めることができたが、アルバム代は払えなかった、これは小学校の話ですね。中学校でも、父親が派遣切りに遭い、おもちを兄弟二人で一つずつ分け合って食べている、大工の父親の収入がなくなり、合格した学校への進学をあきらめたというようなことで、非常に深刻な状況があります。私は、これらの問題への対策として、こうした小・中学校では、国の制度であるスクールソーシャルワーカー制度をもっと活用することを望みたいと思います。国は、研究事業から補助事業に切りかえてはしまったんですけれども、県の負担も発生するところではありますけれども、ぜひ市町村にも働きかけていただきたい。教育長には、スクールソーシャルワーカーの学校内での役割や活動の意義をどうとらえているのか、また今後の取り組みについてお聞かせください。

 そして、高校でも非常に深刻な実態が報告をされております。例えば、奨学金のことを勧めても、どうせ返せないからといって辞退をしてしまう。それから、事故で自分がけがをしてアルバイトができなくなったので生活費が入れられない、ましてや学校が続けられない。それから、父親の会社が倒産で社宅を出なければならなくなって、学校に泊めてほしいと頼んできた生徒がいる、こういうことが起こっているわけです。

 スクールソーシャルワーカー制度は高校にはありませんけれども、高校での対応、どうしたらいいかということを考えると、ソーシャルワーカー的な職種が高校でも必要だと私は思います。心の相談という点では、スクールカウンセラーが役割を発揮していますが、例えば親の病気なら医療機関、借金問題なら消費生活センター、税金や国保料の問題なら行政へと、ネットワークを生かし福祉援助ができるのは、教師やカウンセラーではなく、やっぱり社会福祉相談員です。その点で、県立高校における相談、あるいは問題解決体制の強化をどのように考えておられるのか、教育長にお尋ねをいたします。

 先ほどの高校の例ですけれども、追加で紹介したいと思います。

 学校に泊めてくれと言った生徒ですけれども、先生との会話が書いてあるんです。「元気がないし、顔色悪いね、どうしたの」と先生が聞くと、「もう何日も御飯を食べていません。財布には五円しか入っていません。」「あなたのお父さんの給料はどうなっているの」と聞くと、「お父さんの給料は額面十万円ぐらいあるけれども、家賃だの何だの引かれて手取りは数万円、ひどいときには数千円になることもある。僕もバイトをかけ持ちして、よくて七万円。でも生活費に充てている。もうすぐお父さん、首になる、そうすると社宅も追い出される、先生、腹が減った、冷蔵庫の中には何もない。家に食べるものがなくなったんです。」先生が、「御飯だけでも何とか食べんとなあ」と言うと、「もう米もないし、米なんか高くて買えんもん。」ここで教師は絶句するわけですね、次の句が継げない。そこで、「会社が倒産して住むところがなくなる、先生、学校に泊まったらいかん。定期があしたで切れるんです。」こういう話が出てくるわけですよ。しっかりした答弁をお願いします。

 最後に、税の滞納整理についてお尋ねします。

 県民が納める市・県民税は、地方税法によって市町村が賦課徴収を行います。そのうちの約四割が県税収入となります。しかし、滞納が発生し、市町村が徴収できなかった場合、県が直接徴収することができるとも規定をされております。県税事務所がその場合滞納整理に当たりますけれども、今回は、県の滞納整理に当たって、これは行き過ぎではないかと思われるケースについて、総務部長に見解をお尋ねします。

 今年の四月十三日に、六十代の男性が、市・県民税の滞納により、生活費である年金二カ月分約二十万円を全額県に差し押さえられました。年金が振り込まれたその日の九時五十八分でした。この方は、平成十七年から体調不良と仕事量の減少で収入が減って、四年間で払ったり滞ったりしながら二十四万円ほどの住民税の滞納がありました。何度も納付相談に行き、月五千円の分納で許してほしいというふうに交渉したんですけれども、窓口では、何とか月一万円入れてほしい、こういうふうに言われて、結局、一万円はとても無理だというふうに思って最後の呼び出しに応ずることをしなかった。そのために差し押さえに遭ったわけですけれども、年金は基本的に差し押さえはできませんが、振り込まれた途端にそれは預金だ、財産だということになって、そして全額差し押さえられるんですけれども、この人は、その年金が入る前の残高三百四円、この三百四円と年金と丸ごと取られて、残高ゼロになったわけです。

 そこで、総務部長にお尋ねしますが、それまで窓口で生活状況について細かく聞き取りをされ、ほかには収入がないということはわかっていたはずです。憲法二十五条の生存権にかかわる問題です。今回のやり方は、憲法を守る側の行政が生存権を脅かすような方法ですが、この行為をどう考えておられるでしょう。二点目、差し押さえは国税でも行われますが、昨年の六月に、ある県で、児童手当をその県の県税事務所が差し押さえた問題を国会で佐々木憲昭衆議院議員が取り上げました。このとき、与謝野財務・金融大臣の答弁は、「児童手当は児童手当法で差し押さえを禁止している。出すお金が、具体的に児童のために使われるように主眼をおいた規定であって−−中略ですけれども−−具体的に支給されたものが実際使用できなくなるような状況になることも、また禁止されているというふうに解釈することが正しいと思います」と答弁しました。

 これを、今回の例に照らしてみると、国民年金法二十四条あるいは厚生年金法四十一条で差し押さえはできないことになっています。この場合も、生活費そのものである年金が生活費として使えない、これはまさに与謝野大臣が言うところの具体的に支給されたものが実際に使用できない状況というものをつくり出していると思います。総務部長は、この金融担当大臣の答弁をどう受けとめるのか、お尋ねします。

 そして、あと一点、県が差し押さえをする際に、判断基準というものを持っておられるのかどうか。例外なく、とにかくどんどんやるというのか、一定の除外や適応例などを内部で持っておられるのかどうかをお聞きして、一回目の質問を終わります。



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 御答弁申し上げます。

 まず、補正予算に関してでございますが、国の補正予算に関して、財源のあり方ということで御質問がございました。

 私としても、地域の実情に合った対策を地域の考えに沿って行うためには、その財源としてできる限り制約のない、より使い勝手のいいものが望ましいというふうに考えております。既に何度も御答弁申し上げておりますけれども、三月の総理のところでの有識者会合でございますが、こういったことについても私も触れさせていただいております。細かな補助金をばらばらと用意していただくよりは、むしろ地方の創意工夫が生かせるような骨太な交付金制度の新設、あるいは大幅な拡充をお願いしたいと。あるいは危機的な状況にかんがみて、即効性のある社会資本の整備について、国の全額負担でお願いをしたいと。さらには、生活支援を伴った職業訓練制度、あるいは介護における給与体系の充実といった地域を支える人づくりに対する取り組みが必要であるということもあわせてそのとき申し上げた次第でございます。こういった点については、今回の国の補正予算では、おおむね受けとめていただいたと思っているわけでございますが、やはり国の予算でございますので、どうしても一定の制約はあるわけでございます。そういう中で、私どもとしては、国の補正予算のメニューを最大限活用するということを第一に考えたところではございますが、一方で、どうしても使い勝手の悪いものについては、当方からいろいろと逆提案もさせていただいております。例えば、緊急雇用創出事業であれば、当初、雇用期間は六カ月未満で更新できないという制約がございましたが、介護、福祉など五つの分野の雇用に関しては更新が認められ、一年間雇用できるようになったのもその例でございます。このように、今回は予算を使いやすくしていただくというようなことも、国に対して働きかけながら創意工夫をし、県にとって真に必要な予算編成を行ってきたと、そういう努力をしてきたということでございます。

 次に、今回の予算編成に当たって、生活者の立場・視点をどう考慮したかというお尋ねでございます。

 提案理由説明のところでも申し上げておりますが、一部では雇用回復の動きが見られるようでございますが、本県では、なお厳しい経済・雇用状況が続いているというふうに認識しておるわけでございます。また、新型インフルエンザに対する県民の皆様の不安はなお解消されておらず、長引く景気低迷とも相まった暮らしへの漠然とした不安感というのも依然としてぬぐい切れないということを思っております。こうした状況を踏まえて、今回の補正予算では、雇用の確保、地域経済の活性化という喫緊の課題に対応すると同時に、将来を見据えた未来の岐阜県づくりに向け、特に県民の皆様の暮らしの安全・安心を確保するという生活者の立場・視点での対策にも十分意を用いながら編成した次第でございます。例えば、生活者を守るという観点からは、解雇や派遣労働者の雇いどめなどにより住居を失われた方に対する住宅手当の支給、経済的理由により修学が困難となる高校生への授業料減免の補助、母子家庭の母親の就業に向けた教育訓練期間中の生活給付の拡充など、必要な支援を行うこととしております。

 新型インフルエンザへの対応といたしましては、発生状況をリアルタイムに把握するためのシステム整備、抗インフルエンザ薬の追加備蓄などを行います。また、介護・福祉人材の確保に向けた処遇の改善、就労定着促進、資質向上のための取り組み、また地域の実情に応じた子育て支援活動に対する助成、さらには、新たに病院や社会福祉施設など、公共性の高い施設を対象に事業所内保育施設等の整備を支援する制度を創設することとしております。

 次に、木曽川水系連絡導水路事業についてでございますが、まず河村市長の発言、そしてその背後にある住民世論をどのように受けとめているのかという御質問でございました。

 導水路の役割・必要性につきましては、後ほど別のところで御答弁申し上げますが、このプロジェクトは、これまで国、水資源機構及び三県一市が議論を重ね、合意形成を進めてきたものでございます。また、導水路事業の促進に関し、木曽川及び長良川沿川の自治体からも強い要望を受けているところでございます。

 一方、名古屋市からは、今回の市長発言に関し、これまで二度にわたって木曽川水系連絡導水路事業監理検討会において御説明がございました。これも既に何度も御答弁申し上げておりますが、その説明の中では、市長個人が連絡導水路事業の必要性について疑問を持ち、撤退も含めて検討したい旨表明したものであり、名古屋市として正式に導水路事業からの撤退を決めたわけではない。また、名古屋市として、導水路事業に参画する必要性を改めて検討するため、できるだけ早い時期に公開討論会を開催し、夏ごろをめどに名古屋市としての結論を出すとの説明にとどまっておるわけでございます。したがいまして、今後、名古屋市がどのように意思決定をしていかれるのか、また、おっしゃるところの公開の討論会などにおいて、どのような議論がなされるか注視してまいりたいというふうに考えております。

 次に、長良川への導水、連絡導水路から長良川に水を流さないということでどうかという御指摘でございましたが、県といたしましては、異常渇水時には河川の流量を少しでもふやし、動植物の生息・生育環境の改善を図ることが必要ではないかというふうに考えております。また、長良川沿川の市町からも、導水路の建設促進の強い御要望があることを踏まえ、異常渇水時の長良川への補給は必要であるというふうに考えております。

 一方、先般五月七日に開催されました第三回木曽川水系連絡導水路事業監理検討会におきましては、事業主体である水資源機構から、通常時は長良川に導水せず直接木曽川へ導水し、異常渇水時の緊急水の補給に限り長良川へ補給するという案が追加提案されたところでございます。私は、この案につきましては、通常時におきましては現在の長良川と全く変わらないわけでございまして、一つの案足り得るというふうに評価をしておるわけでございます。しかしながら、異常渇水時に長良川へ水補給をするという点では、長良川の環境への影響について、引き続き県としても慎重に精査してまいりたいというふうに考えております。

 次に、連絡導水路事業の凍結ということについてどうかという御質問がございました。

 この導水路の役割につきましては、既に今議会でもるる答弁しておりますが、一点目は、異常渇水時に長良川及び木曽川の河川環境を改善する役割、二点目は、愛知県・名古屋市が、徳山ダムで確保した水道用水と工業用水、合計毎秒四・〇立方メートルを導水する役割、三点目は、可茂・東濃地域の渇水被害を軽減する役割とあるわけでございます。こうした点につきましては、国と水資源機構、三県一市がおのおの効果を期待し、これまでも議論を重ね合意形成を図り、適切な手順を持って進めてきたというふうに理解しております。その中で、あわせて岐阜県の負担率は三・三%という点についても合意してきたわけでございます。また、環境への影響を事業主体にしっかり調査・検討していただき、県みずからもこれを精査するということで対応しておるわけでございます。

 また、先ほど小川議員から御質問がございましたが、可茂・東濃地域において、平成六年には過去に例のない大渇水に見舞われておりますし、この十年間で見ましても、可茂地域では取水制限のあった年は六年、東濃地域では七年と取水制限が頻発しておるわけでございます。このような状況の中で、連絡導水路事業につきましては、計画性を持って着実に事業を実施すべきものと考えております。以上、申し上げましたことから見まして、県といたしましては、連絡導水路事業をここで凍結するということは考えておらないわけでございます。

 最後に、東海環状自動車道西回りルートの計画ルート、北側のルートのお話がございました。

 御指摘の北側のルートにつきまして、改めて国土交通省に確認を行ったわけでございますが、これは平成十三年に、国会議員の御要請により国交省の担当が例示的に示したものということでございました。したがいまして、率直に申し上げまして、私としましてはこの場でコメントのしようがなく、またコメントすべきでもないというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。

 計画ルートにつきましては、事業者たる国においてしっかり手順を踏んで検討され、それを県としてどう判断するかということで進めていくべきだというふうに考えております。



○議長(早川捷也君) 総務部長 武藤鉄弘君。

   〔総務部長 武藤鉄弘君登壇〕



◎総務部長(武藤鉄弘君) 県税の滞納整理について二点御質問いただいておりますので、お答えさせていただきます。

 県税の差し押さえによる滞納整理につきましては、対象となりますのは、原則、預貯金や不動産、自動車などの金銭化できる財産すべてとなっております。最低生活の維持に必要な金額に相当する給与や年金等につきましては、法律により差し押さえすることが禁止されております。なお、銀行口座にある預金につきましては、平成十年二月十日の最高裁の判例にもありますように、法律上の差し押さえ禁止規則は適用されないこととなっております。

 滞納整理に当たりましては、督促や差し押さえ予告など、複数回にわたり納税を催告するとともに、納税相談の働きかけを行い、生活の実態や給与・年金などの収入の状況、資産の状況など、個別的・具体的な事情をお聞きした上で、納税資力があると判断した場合には原則として一括納付をしていただくと。また、一括納付が困難と思われる場合には、個別の事情に応じて分割納付など柔軟に対応するとしております。また、その後生活状況が変わったという場合におきましては、改めて納税相談を行い、納税計画の見直しなど、できる限りの対応をすることとしております。

 このように、滞納者の個別・具体的な事情にできる限り配慮しながら滞納整理を進めておりますけれども、相談時の約束が守られないという場合につきましては、税負担の公平性の確保という観点から、厳格に対応することとしております。

 また、与謝野大臣の国会での発言につきましては、先月二十二日の参議院決算委員会において答弁されたところでございますが、「地方税法を厳格に適用する一方で、個別の事情に応じた相当性ある判断をしなければならない」という趣旨であると認識しておりまして、今後も、納税相談の中で、個別・具体的な事情を十分考慮するなど、滞納者の生活が維持できるよう、きめ細かく丁寧に対応してまいりたいと考えております。

 続きまして、差し押さえを行う場合の判断基準についてお答えします。

 地方税法では、滞納者に対して督促を行い、一定の期限までに完納されない場合には滞納者の財産を差し押さえなければならないと規定されております。これは、納期内に誠実に納税されている大多数の納税者との公平性を損なわないための規定であります。

 しかしながら、生活に困窮され、納税が困難な方に対しては、県税事務所及び税務課に設置しています納税相談窓口において個別・具体的な事情をよくお聞きした上で差し押さえを行うか否かを判断することとしております。また、納税相談においては、今年度から、消費者金融などに対し過剰に支払った利息を取り戻す支援もあわせて行っているところでございます。

 一方、資力がありながら納税されない方や、督促や差し押さえ予告を行っても納税相談をされないというような方につきましては、あるいは、相談時の約束を守られないという方につきましては、毅然とした態度で法令の基準に従って差し押さえを実施することとしております。



○議長(早川捷也君) 健康福祉部長 冨田成輝君。

   〔健康福祉部長 冨田成輝君登壇〕



◎健康福祉部長(冨田成輝君) 子供の貧困対策について、二点お答えいたします。

 まず、医療費の無料化に係る国への要望でございますが、子供の医療費の負担軽減につきましては、県の少子化対策の重要な柱の一つでございます「地域で支える子育て」に位置づけており、国に対しましてもその負担軽減を要望してまいりました。国においては、保険診療における通常三割の患者負担、いわゆる窓口負担を二割とする軽減が、平成二十年四月以降、三歳未満から小学校就学前までに拡大されたところでございます。県といたしましては、国に対し、さらなる窓口負担の軽減を要望してまいります。

 また、医療機関窓口で患者負担がゼロまたは低額となるよう市町村が助成した場合に、国は保険給付の波及増、いわゆるコンビニ受診を助長するとして、国民健康保険国庫負担金の減額措置を行っておりますが、この減額措置の廃止につきましても、国に対し、あわせて要望を行っているところでございます。

 次に、県補助制度の拡大についてですが、県では、乳幼児医療費助成につきまして、小学校就学前までの疾病率が高いこと、乳幼児を育てている二十代、三十代の世帯の経済的負担が大きいことなどから、小学校就学前までを助成対象とすることにしております。このため、平成十八年四月から、入院に加えて通院につきましても小学校就学前までに拡大し、助成をしております。また、本県では、助成に当たっての所得制限や一部負担もなく、こうした制度は全国的にも高い水準にあると認識しております。助成対象年齢のさらなる拡大につきましては、厳しい財政状況を踏まえ、市町村の状況のみならず、他県の動向を引き続き慎重に見定めてまいりたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 水利権の見直しについてお答えします。

 平成六年の異常渇水の教訓を生かし、総合的な異常気象対策の推進を取りまとめました。その基本方針は、「貯留する」「節約する」「調整する」の三本柱で、水利権の見直しは、「調整する」の中の長期における事業内容として記載しております。本指針に基づく具体的な取り組みとしては、上流県として限りある水を大切に使うという考え方から、おおむね十年ごとの水利権更新の時期に、水利権の許可権者である国土交通省に対し適正な水利権審査を行うようお願いいたしております。また、水利権の見直し以外の「調整する」に相当する取り組みとしては、平成六年以降の渇水において、国や岐阜県も参加する木曽川用水、愛知用水の利水者間で、渇水の兆候が見られた時点から速やかな情報伝達を行い、既存のダム間で効率的な運用を行っております。

 次に、東海環状自動車道について、二点御質問がございました。

 初めに、東海環状自動車道御望山周辺の計画再検討に係るBルート帯の安全性についてお答えいたします。

 国土交通省で行われている御望山周辺の計画再検討につきましては、去る三月二十七日に、A、B、Cのルート帯及び都市計画ルートのうち、Bルート帯が優位なルート帯であるとして公表されたところであります。

 国土交通省では、ボーリング調査や電気探査など、追加の地質調査を実施するともに、中立な第三者機関である日本応用地質学会に依頼し安全性の検討が行われました。追加で実施された地質調査の結果や、日本応用地質学会から派遣された四人のメンバー、取りまとめられた御望山の応用地質学的検討のレポートにつきましては、地元説明会で配布、説明をされるなど明らかにされているところであります。

 県では、これらの公表されている安全性の検討結果について確認を行っているところでございます。今後は、この確認作業を踏まえつつ、今後出される事業者計画案について説明をよく聞き、また地元住民説明会やアンケート調査で出された皆様の意見もよく確認し、最終的に判断したいと考えております。

 次に、椿洞のトンネル計画についてお答えいたします。

 東海環状自動車道の都市計画ルートと不法投棄の現場が一部重なっている問題につきましては、去る六月四日に、国土交通省中部地方整備局から、現ルートをトンネルへ変更する案について説明を受けたところでございます。

 これは、東海環状自動車道の高さを変更するもので、当初の計画では県道安食粟野線の上を高架橋で横断していたものを、県道より十メートル程度低くしてトンネルで通過する計画であり、これにより、坑口付近に廃棄されていたコンクリート殻など産業廃棄物を避けることができるとのことであり、事業費についても現計画と同程度になると聞いております。

 今後は、国土交通省よりトンネル案の詳細を十分に聞き、また地元住民説明会の意見も確認していきたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 子供の貧困対策という点で、学校現場における支援について御質問がございました。

 児童・生徒が置かれている環境の問題が複雑化している中、経済的困窮、児童虐待など学校職員やスクールカウンセラーだけでは対応が困難なケースがふえております。現在、一部の市町村でこのようなケースに対応するため、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて、児童・生徒の置かれたさまざまな環境に働きかけて支援を行うスクールソーシャルワーカーが配置され、成果が上がっている一方で、適切な人材確保などの課題もあると聞いております。こうしたことも踏まえ、福祉関係機関等とのネットワークのあり方を検討していきたいと考えております。

 県においては、現在、小・中・高校を対象に、対応が困難な生徒指導上の問題が発生した場合、専門的な立場から問題の早期解決のため、外部人材で編成する生徒指導緊急サポートチーム派遣事業を実施しております。今後、福祉関係機関との連携が重要であると考えられるケースにつきましては、必要に応じて、この派遣事業に社会福祉士や精神保健福祉士等を加え、派遣してまいりたいと考えております。



○議長(早川捷也君) 一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) それぞれお答えいただきましたので、順不同でありますが、若干再質問を行います。

 総務部長ですけれども、どうも一定の基準というものは差し押さえに当たってはないようだけれども、個別・具体的とかケース・バイ・ケースだと。それで、生活が維持できるように配慮すると言いながら、この人、全然生活、まさにこれから二カ月分のすべての生活費を差し押さえられたんですよ。約束が守れない場合は厳格にと、そんな、何かこれ見よがしに報復措置のようにやるということは、私は行政としていかがかと。要は、一万円の分納誓約がまだ別に成立したわけじゃないんですよ。一万円なのか五千円なのかとやり合っているときに、結局、その日に行かなかったということで、約束が守られないと言っているのかどうかわかりませんけれども、二つ質問します。

 まず、最高裁の判例と言うけど、最高裁の判例で差し押さえられた人って、本当にほかに収入がなく、そして差し押さえられた後、預貯金はゼロになったんですか。ほかに収入があったんじゃないんですか、その人は。その例のことを一つと、それから生活が維持できるように配慮すると言うなら、この場合は、全く次の日から生活が立ち行かなくなった最たる例ですから、今からでも差し押さえの解除・返還をする気がないのかどうか、お尋ねします。

 それから東海環状ですけれども、知事は、国交省の案はノーコメントだということですけれども、要するに、県は都市計画決定権者として、本当に、この今で言えばBルートが県民の命や財産を守るに値するものなのかと、県も一緒に、それ、ちゃんと保障しますよということが言えるのか、その点を確かめていただきたいと思うんですね。それで、あれは平成七年当時、梶原知事は、とりあえず都市計画の手続をとめて、県独自で専門委員会を二つつくって検討したという歴史的な経過もありますよね。今は、そんなことをしてお金をかけなくても、もう材料はいっぱいあるんですから、だから、それらをちゃんと使えばいいと私は思うんですね。

 これを、ちょっと提案的に知事に再質問させていただきますけれども、学者の先生方もいろんな意見がある。そして、住民もいろんな意見がある。それで、都市計画の手続ということだけ言えば、都市計画審議会を開いてどうするかということにはなりますけれども、県として、さっき部長も、関係者の意見も確認して最終的に判断したいとおっしゃったんだから、その確認する手法として、これはぜひオープンの場で、河村市長の導水路を見習えと言うわけじゃないけれども、オープンの場でいろんな立場の人に参加してもらって、県が主催でそうした検討会や討論会、こういうものを、私、この時点ではありますけれども、やってほしいというふうに思うんですね。

 それと、ぜひ理解していただきたいのは、御望山調査検討会がつくられる経緯というのは、合意確認書というのを何回も何回もやりとりして、そして、市・県・国・住民・学者、この人たちが一堂に会して、あの検討会のまとめというのは、国も県も一言一句全員一致で決まったものなんですよ。だから、自分みずから重大な結果があったときはルート変更もあり得ると言っておきながら、それを受けての再検討だとか、そういって言うこと自体、国がルールが違っているなというふうに私は思います。この再検討について、県自身の検討について、お答えください。

 導水路ですけれども、この対策本部の出したやつで、(資料を示す)今、県土整備部長がお答えになったおおむね十年ごとに見直すのは、これがあってもなくてもやるんですよ、そんなことは。そんなの定例行事でしょう。私が言っているのは、これを本当にきちんと実践したのかどうか、その上でなお、あの徳山からの導水路というものが必要だと思っているのかどうかということなんですよ。定例行事のように、十年ごとにやっているからとにかくやりましたというんじゃなくて、これは、私は、平成六年のときに本当に現場にいて、これは大変だということで実際対策をとった人が、その実感を込めて書いているものだというふうに思うんですよね。非常に総合的だし、実感がこもっている。こういう過去の、まさに先達の成果をとりあえずたなざらししておいて、国が導水路をつくると言ったらほっと乗っかって、これがいいんだ、いいんだって、それはやっぱり順序が違うだろうと思います。

 それで、これは危機管理がやったんですけれども、少なくとも、県土整備部が担当のところの検証と、今の導水路にそれでも頼るのかどうかということが聞きたいということなんですよね。知事にも時々私、ちょっと一言聞きたいんです。(資料を知事に手渡す)県行政の仕事としてこういうものが過去にある。あるものをちゃんとやったかどうかという評価が必要だと思うんですね。導水路の事業が必要だということと、これをどこまでやったのかという検証、これは県庁の中でやるべきだと思うんです。行政の仕事として、このことと導水路の関係、どのようにお考えでしょうか。

 利根川の導水路が十三年放置されていたという記事もあります。こういうふうに、とにかくつくるのが目的ということであってはだめです。ほかの方法を、あらゆることを考えて、その上で優先順位を決めていくということにしていただきたいというふうに思います。

 子供の貧困対策の教育長の御答弁は、おおむね了解をさせていただきます。学校の実態をしっかりつかんでいただきたいし、そこにあった対策はとられる必要があるだろうと、これは指摘をしておきます。



○議長(早川捷也君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、東海環状のルートの、いろんなことを言われましたんで、どれだか………。

 国の方で、既にいろんな角度から、総合的にルートについて判断もしながら、安全性の議論もしながら、そしてまた、住民説明会、アンケート、レポート、まさにおっしゃるように多くの材料がそろいつつあるわけでございまして、県としては、庁内に勉強会を既に設けて、既に議員にも御説明があったかと思いますけれども、いろんな角度から確認作業を今急いでおるということでございまして、住民の意見、アンケートの意見も私どもは確認作業の一環として考えておりますので、その作業をしっかりやっていきたいというのが現在の私どもの考えでありまして、その確認作業の一環として、改めて県みずから公開討論会のようなものをやることは考えておりません。

 それから、今いただいたレポートでございますが、この中身については既に部長の方から答弁があったと思いますけれども、私としては、検証しながらこのレポートに沿っていろんなことがこれまでされてきているというふうに承知をしております。



○議長(早川捷也君) 総務部長 武藤鉄弘君。

   〔総務部長 武藤鉄弘君登壇〕



◎総務部長(武藤鉄弘君) 最高裁の判例の件について、そもそもその判例のところについては他の収入があったのかということの御質問がありましたが、最高裁の判例は、国民年金・厚生年金・労災保険の給付は、銀行口座へ振り込まれた時点で金融機関に対する預金債権に転化して受給者の一般財産となり、差し押さえ禁止債権としての属性は継承しない。被告金融機関が原告預金者に対して有する債権を自動債権とし、右社会保障給付の振り込みによって得られた預金債権を自動債権として相殺することも可能であるとした一審及び原審判決を維持し、上告を棄却するということが最高裁判決でございます。ということで、そもそも年金そのものを押さえることはできませんけれども、銀行口座に振り込まれた場合には一般債権になるということで、振り込み対象となることについては問題ないと考えております。この方が他の債権があったかについては、承知をしていません。

 また、個々の案件については、守秘義務の関係でお答えできませんけれども、差し押さえ財産を返すつもりかということにつきましては、もう既に差し押さえしておりますので、それについてはやる予定はございません。



○議長(早川捷也君) 県土整備部長 金森吉信君。

   〔県土整備部長 金森吉信君登壇〕



◎県土整備部長(金森吉信君) 水利権の審査が定型的というお話がございましたが、個々の水利権につきましてはおよそ十年ごとに更新があります。その都度、おのおの利水目的に沿った数量がきちんと審査をされております。このうち、国土交通省が水利権の処分を行います大規模な水利使用につきましては、国が県に意見を求める機会がございます。例えば、昨年であれば合計三十四件の水利権に関する意見照会がございましたが、その際に、実態に即して水が適切に使用されるよう国に申し上げております。



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○議長(早川捷也君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時二十二分散会



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