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平成19年 11月 定例会(第5回) 12月06日−03号




平成19年 11月 定例会(第5回) − 12月06日−03号









平成19年 11月 定例会(第5回)





△議事日程(第三号)



                    平成十九年十二月六日(木)午前十時開議

第一 議第百十一号から議第百二十三号まで

第二 請願第十二号から請願第十六号まで

第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百十一号から議第百二十三号まで

一 日程第二 請願第十二号から請願第十六号まで

一 日程第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十五人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   山本勝敏君

   九番   松岡正人君

   十番   篠田 徹君

  十一番   小原 尚君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   水野正敏君

  十七番   横山善道君

  十八番   脇坂洋二君

  十九番   野島征夫君

  二十番   高橋昌夫君

 二十一番   平岩正光君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   佐藤武彦君

 二十五番   森 正弘君

 二十六番   小川恒雄君

 二十七番   村下貴夫君

 二十八番   大野泰正君

 二十九番   矢島成剛君

  三十番   岩花正樹君

 三十一番   野村保夫君

 三十二番   足立勝利君

 三十三番   笠原多見子君

 三十四番   洞口 博君

 三十五番   渡辺 真君

 三十六番   渡辺猛之君

 三十七番   駒田 誠君

 三十八番   藤墳 守君

 三十九番   平野恭弘君

  四十番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



            ………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          馬渕正司

 総務課長          片岡秀男

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    村瀬昭彦

 同    課長補佐     宇津宮清和

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     山口幹夫

 同    課長補佐     河田 誠

 同    主査       市橋 晃

 同    主査       加代暢尊

 同    主査       野村義孝

 同    主査       桂川義彦



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           原 正之君

 副知事           横井 篤君

 秘書広報統括監       島田 清君

 危機管理統括監       市原一人君

 総務部長          冨田成輝君

 総合企画部長        丸山 進君

 環境生活部長        高田幸三君

 健康福祉部長        上手繁雄君

 産業労働部長        猿渡要司君

 農政部長          山内清久君

 林政部長          渡辺敬一君

 県土整備部長        棚瀬直美君

 都市建築部長        藤山秀章君

 会計管理者兼出納事務局長  今瀬義幸君

 総合企画部次長(少子化対策担当)

               古川芳子君

 国体準備事務局長      藤井清敏君

 産業労働部次長(観光交流担当)

               志村隆雄君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     渡辺 厚君

 労働委員会事務局長     岡本博次君



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△十二月六日午前十時二分開議



○議長(中村慈君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(中村慈君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十番 岩花正樹君。

   〔三十番 岩花正樹君登壇〕(拍手)



◆三十番(岩花正樹君) おはようございます。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表して、九項目について質問いたします。

 最初に、平成二十年度当初予算編成に係る考え方についてお尋ねをいたします。

 近年、一般財源の伸びが見込めない中で、過去の県債発行のツケが大きく公債費に影響し、今後、県債の新規発行を行財政改革大綱に基づき平成十八年度水準から五%抑制するとして、本年の公債費は一千二百九十六億円、平成二十年が一千三百七十億円程度、平成二十一年が一千四百億円程度、平成二十二年が一千四百十億円程度に試算をされ、社会保障関係経費も平成二十年に七百六十億円程度から、平成二十一年以降五年間、毎年二十億から三十億円が増加を見込まれ、実質公債費比率も二〇〇九年度には約二〇%に達すると試算されたのであります。当然ながら、実質公債費比率が一八%を超えれば、翌年度から地方債の発行の際、公債費負担適正化計画の策定が求められるのであり、それは事業区分ごとに総務大臣の許可が必要となり、現在一八%を超えている都道府県は北海道、長野県、兵庫県、島根県の四道県であり、本県もその中に仲間入りする可能性があるのであります。極めて厳しい状況であり、現時点での財源不足額は五百億円程度と算定をされ、この危機的状況を回避するには、一層強力な行財政改革を推進しなければならないのであります。そして、予算編成の具体的な視点・ポイントとして八項目が決められているのであります。それは、一、予算要求基準の遵守、二、「入るをはかりて出ずるを制す」ヘの原点回帰、三、あらゆる角度から工夫した歳入確保対策、四、県政の重要課題への的確な対応、五、ゼロ予算施策の積極的な推進、六、事務事業の見直しの徹底、七、外郭団体等に対する県関与の見直し、八、特別会計・企業会計との負担区分の見直しであり、重要な方針であると思うのであります。これら具体的な視点・ポイントのもと、県政の重要課題に的確に対応をお願いするものであります。

 そこで、以下三点について質問をいたします。

 第一点目は、平成二十年度の当初予算編成は、本県の財政構造の現状を考えると極めて厳しく困難な状況の中での編成になるが、総体的にどのような考え方で、県民にどのように理解していただく予算編成をされるのか、知事にお伺いをいたします。第二点目、具体的な予算編成の視点・ポイントの中で、三のあらゆる角度から工夫した歳入確保対策が掲げられているが、どのような工夫を行い歳入確保をされるのか。第三点目、平成十九年度よりゼロ予算施策を推進されているが、本年の今までの取り組み状況はどのようになっているのか。また、平成二十年度のゼロ予算施策にどのように取り組むのか。第二点目については総務部長の御所見を、第三点目は総合企画部長の御所見をお尋ねいたします。

 次に、本県のがん対策推進計画についてお尋ねをいたします。

 緩和ケアや放射線治療の充実が盛り込まれたがん対策基本法が本年四月に施行され、それに続くがん対策のマニフェストとも言えるがん対策推進基本計画が本年六月に策定されたのであります。それは、今後、がんによる死亡率−七十五歳未満−を十年以内に二〇%減少させることや、患者・家族の苦痛軽減と療養生活の質の向上、また、すべての拠点病院において、放射線療法及び外来化学療法の実施−五年以内−、さらに緩和ケアに関しては、十年以内に約十万人と言われる患者の診察に携わる医師が研修等により基本的な知識を習得すること。このほかにも、がん検診の受診率を五〇%以上−五年以内−とすることなど、個別の目標や達成時期を定めたのであり、最終的には、国の基本計画にのっとり、死亡率減少などの目標が達成されることが求められているのであります。

 その推進のかぎを握るのが、各都道府県が本年度中に策定を義務づけられた都道府県がん対策推進計画であり、ここでのより具体的な取り組みが、がんで痛み苦しむ人々を救うことであり、極めて重要な施策であると思うのであります。これらにしっかり取り組むということが県民のためになると確信するものであります。

 国のがん対策推進基本計画は、がんによる死亡者の減少とすべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減、並びに療養生活の質の維持向上を全体目標としており、重点的に取り組むべき課題としては、一、放射線治療及び抗がん剤治療の推進、二、治療の初期段階から患者の痛みを取り除く緩和ケアの実施、三、がん登録の推進を掲げ、分野別の施策を総合的かつ計画的に実施していくことを内容としており、都道府県は、本年度中にこのがん対策推進基本計画を基本として、がん患者及びその家族の声を反映した都道府県がん対策推進計画を策定し、がん医療の提供体制の充実やがん検診の受診率向上など、がん対策のより一層の充実強化に向けた具体的な取り組みを実施していくことが求められているのであります。

 そこで、二点について質問をいたします。

 第一点目、都道府県に、本年度中に策定が求められている都道府県がん対策推進計画は、がん患者等の声を取り入れたものにする必要があると思いますが、本県では、こうした意見を計画に反映させておられるのでしょうか。また、どのような点に力を入れて策定されていかれるのか。第二点目、がん検診の受診率五〇%以上を達成させるためには、きめ細かな受診率向上の取り組みを行う必要があると考えますが、市町村及び県の役割について、岐阜県がん対策推進計画の中で、どのように記載されるのか。以上二点について、健康福祉部長の御見解をお尋ねいたします。

 次に、適正な森林管理のための森林環境税についてお尋ねをいたします。

 本県は、地方の主な環境対策財源−地方税−として乗鞍環境保全税を実施し、乗鞍スカイライン山頂駐車場へ入り込む車両に課税をし、税収は乗鞍地域の環境保全施策に充てているのであります。また、地方独自の環境関連税制で、廃棄物関連で多治見市が一般廃棄物埋立税を徴収し、環境計画・基本計画に基づく循環型社会システム等の構築の財源に充てられているのであります。本県は八二%が森林であり、山を守ることへの重要性、そして、これからはどのような方法で森林整備を実施し、森林環境を守っていくのか、しっかりと考えていかなければならない時期に来ていると思うのであります。

 そんな中、隣県の愛知県は、森林など緑を守る財源に充てる森林環境税の導入を検討し、環境保護の新たな手だてを考えてきたのであります。愛知県の面積の約四割、二十二万ヘクタールを森林が占めているが、全国どこも同じく林業経営は低迷し、後継者不足等で間伐も行き届かず、地球温暖化防止や水源保護などの役割を持つ森林の荒廃が問題になっているのであります。このため、森林環境税導入の議論を深めながら検討されてきたのであります。先進県での森林環境税導入の方法は、個人や法人の県民税に上乗せをして、薄く広く課税をしていく方法をとっているのですが、愛知県でも同様な方法を考えたが、県内は人口が集中する尾張部には森林が少なく、導入に当たっての不公平感が懸念され、課税の目的に山林の警備のほか、里山の保全、都市の緑化も加えながら緑を守る目標を定め、課税の方法や税額を検討したのであります。その結果、愛知県はこの九月に神田知事が、森林整備などに活用する新税、森林環境税を−これは仮称でありますが−、二〇〇九年度から導入する方針を明らかにされたのであります。山間地や里山の森林整備だけでなく、都市公園や市街地の緑化にも利用を想定、条例案を来年二月、県議会に提出するとのことであります。

 そこで、三点質問をいたします。

 第一点目、東海三県では愛知県が初めてということですが、本県でのこれらの目的のための森林環境税の導入についてどのようにお考えになっているのか。第二点目、現在、既に導入をしたり、導入を決めたりしている県は何県あるのか。第三点目、導入したり、導入を決めている県の事業概要はどのようなものなのか。以上三点、林政部長にお尋ねをいたします。

 次に、ゼロから二歳の低年齢児の保育のあり方についてお尋ねをいたします。

 本県のゼロから二歳児の保育所入所率が、二〇〇七年の厚生労働省の調査で一二・二%と全国で最も低い状況であることがわかったのであります。働く女性に関する調査によると、結婚や出産を機に仕事をやめたり、正規採用だったのをパートに切りかえたりする女性が全国と比べても多い状況であることがわかり、低年齢児−ゼロ歳から二歳児−保育の入所率が進まない背景であり、今後の検討が必要であるのではないかと思うのであります。厚労省の調査では、県内の低年齢児保育所入所率は、全国平均の二〇・一%を七・九%下回っているのであります。平成十九年四月の保育所数は全国で約二万三千カ所で、定員数は約二百十万五千人であり、前年同月と比較をすると約百五十カ所、約二万六千人の増加、着実に伸びてきているのであります。そんな中で、本県は人口減少社会における労働力確保のため、女性が仕事と子育てを両立できる環境を目指し、保育施設に力を入れてきたのであります。

 本県の低年齢児を受け入れる保育所数は、九五年には全体の六割だったのが〇六年には九割に上昇、保育所の人件費補助などを実施してきたのであります。それでも低年齢児の保育所入所率は全国で最低で、利用率は伸び悩んでいるのであります。本県での働く子育て中の女性の調査データによりますと、二十歳から二十四歳の女性の労働力率は七四・九%で全国十五位であったが、結婚・出産期にかかわる三十から三十四歳では三十三位に落ち込むのであり、さらに女性の非正規雇用率は、二十五から二十九歳では三一・四%で四十三位だが、三十歳から三十四歳は第一位に急上昇するのであり、退職したりパートに切りかえたりする女性が多かったのであります。こうしたことで、出産後も働くつもりでいたが、夫や夫の両親の強い要望で会社を一たん退職するも、保守的で、両親の世代や夫側に幼稚園までは子供を見ていてほしいという考え方が根強くあることもうかがえるのであります。

 県は、県内の女性約二千五百人に対するアンケート調査の結果、仕事と子育てを両立したいと考えている女性の一九・一%は、保育所を利用しない理由として本県の社会的風土を上げており、生後間もない子供を預けることに、周りの目を気にする女性も少なくないというのであります。

 そこで質問いたします。本県でのゼロ歳から二歳児の低年齢児の保育所入所率が全国で最も低いという状況にかんがみ、保育のあり方への対応について、健康福祉部長の御所見をお尋ねいたします。

 次に、女性医師、特に産科医の継続的就労支援についてお尋ねをいたします。

 日本産科婦人科学会の都立府中病院婦人科部長の桑江千鶴子医師を中心に、深刻な産婦人科医不足の実態を明らかにするため、全国で初めての女性医師、特に産科医の継続的就労支援の全国調査を実施されたのであります。調査の中で、出産の取り扱いを中止する病院の勤務医は、いつあるかわからない出産に立ち会い、当直、夜勤、緊急呼び出し等、過重な勤務等があり、訴訟等のリスクも大きいという理由で不足すると考えられているのであります。特に二十代から三十代の産科医の半数は女性であり、女性医師が働き続けられる環境整備ができなければ、将来的に、さらに医師不足が深刻化することが浮き彫りになってきているのであります。これらの調査は、昨年十二月から今年二月にかけて実施され、百五施設を対象に八十八施設から回答があり、お産を扱う施設か、あるいは診療だけを扱う施設かを女性医師に限って経験年数で見ると、五年までは約八二%がお産を扱う施設で勤務していたが、六年から十年は約六一%、十一年から十五年では五二%に下がってくるのであり、最も少なかったのは十一年目の四五・六%であったのであります。男性医師の場合は、経験年数にかかわらず八割以上がお産を扱う施設に勤務しているのであります。これら男女の差は、女性医師には子育ても大きな仕事であり、子供がいない女性医師で出産を取り扱っている割合は、男性医師と同様に七五%を超えているのに、子供が一人いる女性では四八・七%に下がり、子供が二人では四六・六%、三人以上では四六・二%と半数以下に減少するのであります。これらの結果、医師経験年数のほかに子供の有無がお産取り扱いに大きく影響を与えており、それは子供の増加に伴い、より働きやすい施設、勤務体制へと選択しているのであります。そして、子供のいる女性医師の就労支援を強化すれば、医師数を減らさない有効な対策となる可能性が高いと結果を発表されたのであります。

 また、院内保育施設と産休・育休について調査を行った結果、調査対象施設の約半数が院内保育所を保有しており、通常以外の時間外保育は七六から八六%、病児保育は一八から二三%が行っており、産休の取得実績は六〇%の病院にあったものの、育休の取得実績は四六%と半分以下であったのであります。その結果、院内保育の有無と分娩取り扱いの関係を見ると、子供がいる女性医師のうち、院内保育所があるところは六割以上が分娩を取り扱っているのに対して、施設のない場合は五割未満にとどまっているのであります。これらの調査の結果を踏まえて、日本産科婦人科学会は、一、長時間労働の改善、柔軟な働き方の確立、二、妊娠・分娩・育児等の期間への代替要員確保、勤務医定数の柔軟な体制確立、三、病院に近接する保育施設の質・量ともの確保を提言しているのであります。桑江委員長は、勤務継続と育児の両立は極めて過酷であり、子育て中の医師がお産の現場で働き続けられる環境を早急に進める必要があると指摘しているのであります。具体的には、日進月歩の医学界で、一たん離職した女性医師を復職させるのは本当に大変なことであり、それは、離職させないで済むような産婦人科医全体の働き方の見直しを進める方が、より効果的と考えられると発表されたのであります。

 そこで質問いたします。これらの調査の結果から、本県での女性医師、特に産科医の継続的就労支援について、現在の取り組み状況と今後の対応策について、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 次に、中小企業の事業承継円滑化に向けた総合的支援についてお尋ねをいたします。

 今、中小企業の四社に一社しか後継者がいないと言われ、このまま続くと年間七万社が廃業に追い込まれるとの推計もあり、今後十年間で失われる雇用吸収力は三百五十万人にも上ると言われております。このようなときこそ、事業承継税制の抜本的拡充が重要であり、予算や制度面を含め、事業承継の円滑化のための手だてを政策集中させる必要があるとのことで、改めて事業承継円滑化に向けた総合支援の重要性が高まってきているのであります。これらの主張が反映された経済産業省の概算要求で、中小企業の事業承継円滑化に向けた総合的支援の窓口として、後継者不足を理由に廃業を考える経営者と開業を希望する若手らとのマッチングを取り持つ事業承継支援センターを来年度から全国百カ所に設置する方針が盛り込まれたのであります。

 事業承継支援センターは、地域企業の巡回やアンケートで廃業の危機にある中小企業と開業希望者を掘り起こし、交流会開催などで両者を引き合わせ、意向が一致し、事業引き継ぎへ進んだ場合は、株式の譲渡など専門知識が要求されるため、弁護士・税理士・公認会計士等の専門家を派遣するという流れで支援を進めるというものであります。平成二十年度、これら事業承継支援センターについての概算要求では、支援センターを都道府県に約二カ所程度、県庁所在地の商工会議所を中心に地域の商工会に設置される予定であると聞き及んでいるのであります。これら事業承継センターの参考モデルは、長野商工会議所が平成十四年度に設置した長野事業承継支援センターであり、五年間で九十二件の仲介に成功、商店街の空き店舗の発生防止につながったと言われているのであります。

 そこで、二点について質問いたします。

 第一点目、これら事業承継支援センターの設置について、本県としてどのように考えておられるのか。第二点目、事業承継支援センターの認知度が高まるよう、どのような広報宣伝戦略をとられるのか。以上二点につき、産業労働部長にお尋ねをいたします。

 次に、小学校六年生と中学三年生が本年四月に受けた全国学力調査の結果についてお尋ねをいたします。

 この質問に関しましては、昨日の自民クラブ、県民クラブの代表質問にもありましたので、重なるところもあると思いますが、私なりに質問をいたします。

 議場持ち込みの許可を得ましたが、(資料を示す)これが中学三年生の調査結果表であります。(資料を示す)国語と数学の調査結果表であります。国語、数学A・Bともに非常に細かく結果が、これは個人でありますが、出ております。この十月二十四日に公表されました全国学力テスト−−全国学力・学習状況調査−−の結果、基礎的な知識はあるが、実生活での活用は大の苦手であるとの子供たちの傾向が浮かび上がってきたのであります。今回、全員対象のテストは中学三年生では四十三年ぶりで、小学校六年生は初めてとなり、国語と算数・数学の二教科で基礎力を問うA問題と応用力を見るB問題を課し、国公立と私立の六割に当たる約二百二十一万人が参加したのであります。全国平均の正答率は、A問題は、小学校国語・算数と中学国語が八二%、中学数学は七三%、B問題は、中学国語の七二%を除き、すべて六〇%台前半であったのであります。このほかにも学習環境や生活環境などの調査が行われ、膨大なデータが集められたのであります。そして、調査対象を全員とすることについては、過度の競争をあおることになり、学校間の序列化を招きかねない等の慎重論があったため、文部科学省は、実施に当たっては詳細な結果の公表は控えるよう求めており、これらの指摘に配慮した様子もうかがえるのであります。

 一方で、予定されていた公表の時期が二カ月もおくれたことについては、教育現場に大きな戸惑いが出てきたのであり、ある教育委員会では、せめて夏休み中にデータが来れば、課題と対策を考え、子供の学力向上に生かせたのだがという意見もあったそうであります。これらについては、当然のことながら、それぞれ最終学年となる小学校六年生、中学三年生が参加したのであり、調査結果を生かすための残された時間は長くはなかったのであります。このことから考えますと、文部科学省には、今後、誠実な対応が求められているのであります。

 また、テストとあわせて実施をした生活習慣や学習環境などの質問・調査では、家庭での学習時間や読書時間の増加が見られ、朝御飯を食べる子供がふえたことも結果として示されたのであり、全体的に地域差は過去に比べて縮小したものの、一部で地域の教育格差や家庭の経済力が子供たちに与える影響を示唆する結果も示されたのであります。そして、これらの調査結果の背景には、ゆとり教育の見直しを求める声が一因として存在すると思われるのであります。

 このゆとり教育の導入以来、学力や学習意欲の低下を指摘する声は絶えず、ともすれば「ゆとり」が「たるみ」につながり、運用面で課題を抱えていたことは否定できないものであります。詰め込み教育に対する改善策として提案をされたゆとり教育は、学ぶ力や考える力など、生きる力をはぐくむことを目指したものであり、この理念自体は、今でも色あせていないのであります。一連の教育改革の流れの中で、中教審は、主要教科の授業時間の増加を盛り込んだ答申をまとめる意向のようであるが、安易な学力偏重に後戻りするようなことはあってはならないと思うのであります。

 そこで、三点について質問いたします。

 第一点目、これら全国学力テストの本県での結果について、教育長の御所見をお尋ねいたします。第二点目、テストとあわせて実施された生活習慣や学習習慣などの調査で、本県での結果はどのようなものであったのか。第三点目、県として、この結果をどのように活用されていくのか。以上三点、二点目、三点目も教育長にお尋ねをいたします。

 次に、生活保護世帯に対する生活保護費の支給についてお尋ねをいたします。

 昨日、矢島議員からの質問もあり、重なるところもありますが、私なりに質問をいたします。

 生活保護費として支給される学校給食費、公営住宅家賃、介護保険料等、一部が納付されていない実態が会計検査院の調査で判明したのであります。〇五年、〇六年度の二年間分について、全国千二百四十二の福祉事務所のうち約一割の百二十六カ所で抽出調査した結果、未納の割合は最大で三割を超え、金額は約五億五千万円になるのであり、それは、学校給食費総額四千二百万円、住宅扶助費四億四千九百万円、介護保険料六千五百万円が納められなかったのであります。

 指摘を受けた厚生労働省は、各都道府県に対し、家賃や学校給食費等を天引きする代理納付制度の活用などを求めたのであります。保護費の一部であるこれらは、必要とする金額の実費を福祉事務所が支給し、受給者本人が納付するのが原則となっているのであります。〇六年四月から、受給者の同意を得なくても、福祉事務所の裁量で天引きする代理納付が実施できるようになったのであります。しかし、この制度は事実上の差し押さえになるため、都道府県での導入は慎重な意見も多くあるのであります。そんな中、会計検査院は代理納付制度の活用を求め、厚生労働省は各自治体に対して制度の活用を求める通達を出されたのであります。しかし、代理納付を導入している自治体はほんの一部で実施されているだけであり、生活の自立を促す生活保護の趣旨に合わないという考えや、受給者の個人名や滞納状況のやりとりが個人情報保護条例に抵触するという懸念などから、二の足を踏む自治体が多いと言われているのであります。

 そこで質問いたします。これら生活保護世帯の滞納防止について、本県での考え方について健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 また、これらに関連しての質問ですが、本県での二〇〇六年度の生活保護費を不正に受給した金額は総額で約三千百四十五万円で、過去五年間で約三倍にふえたことがわかったのであります。〇六年度の不正は五十一件で、働いて得た収入を報告しなかったのが三十四件で最多であり、使い道としては、受給者が借金の返済などに充てたり、切り詰めた生活の中で遊興費とするケースが多くあったといいます。そんな中、受給者の考え方も、生活保護費はもらって当然と考え、収入があっても、うそをつくなど悪質化してきているのであります。そこで、これら生活保護費の不正受給について、今後どのように対応されていくのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 最後に、毎年実施をされております岐阜県美術展についてお尋ねをいたします。

 岐阜県教育委員会、岐阜県教育文化財団、岐阜県美術館等が主催、岐阜県が共催をする岐阜県美術展は、本年で六十一回を迎え、六月二日から六月十日に開催されたのであります。本県の美術活動の振興・普及のため、県内外より作品を公募し、一般公開されているのであります。一般の部と青年の部に分けて公募され、文化・芸術の振興に努力されているのであります。県では、本年六月に県の文化施策の基本方針となる岐阜県文化振興指針を策定され、文化に親しみ参加すること、伝統文化を継承すること、新たな岐阜県文化を創造することを通じて、「心の豊かさを実感できる誇りあるふるさと岐阜」の実現に向けて取り組むとされているのであります。

 そんな中で、岐阜県美術展は六十一回実施をされ、文化芸術活動に大きく貢献されてきたと思うのであります。

 そこで質問をいたします。六十一年間にわたって芸術文化向上のため、この美術展開催をされてきましたが、今後、今までと同様に六十一年の伝統だけで実施されていくのか。決してマンネリとは言いませんが、新しい向上はこれからあり得るのか。県民にとっても、この美術展は理解されていると思われるのか。特に団塊の世代が大量退職する時代、老後の人生計画の中で美術文化の世界に参加される方も多くなると思いますが、岐阜県美術展は格好の受け皿になると思われますが、今後の企画・運営について、どのように考えられているのか、環境生活部長にお尋ねをいたします。

 早口でありましたが、以上九項目について質問をいたしました。執行部の皆様の前進ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴、本当にありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、平成二十年度の当初予算編成の基本方針についてお答え申し上げます。

 昨日も多くの議員から御質問もございましたけれども、本県財政が大変厳しい状況にあるということにつきましては、岩花議員御質問の中で触れられましたとおりでございますが、こうした状況を回避していくためには歳入確保の努力、これにつきましては後ほど総務部長から答弁いたしますが、これとあわせまして、当然歳出面において相当思い切った行財政改革、スリム化を行いながら優先順位を見きわめ、取捨選択を明らかにした予算編成ということを心がけていかざるを得ないと考えております。

 平成二十年度の当初予算でございますが、御指摘いただいた八項目にのっとりながら、行財政改革を一層強力に推進してまいりたいと思っております。同時に、この秋に全庁的なかなり時間をかけた政策論議を経てまとめました平成二十年度県政重点政策課題に掲げておりますように、「地域の元気づくり」「くらしの安全・安心づくり」「ぎふの未来のための基盤づくり」の三つの柱に沿って、かつ現在作業中の本県の新たな長期構想の策定に向けた議論も踏まえながら、県政の優先重要課題に的確に対応する努力をしてまいりたいと考えております。そうしたことから、非常に自由度の少ない中で歳入歳出両面からのありとあらゆる工夫をし、かつ細部にわたって知恵を尽くしながら全体としてバランスのとれた予算を組み立てていきたいというふうに考えておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、今後とも県民の皆様、県議会、関係団体などから御意見・御要望をいただきながら、一層ニーズにきめ細かく配慮した予算となるよう進めてまいりたいと考えております。

 また、御指摘にもございましたが、でき上った予算案につきましては、財政の現状と課題、問題意識、新たな試み、編成作業に当たって特に意を用いたところなど、できるだけわかりやすく県民の皆様に説明させていただきたいというふうに考えております。その意味で、今後、財政について厳しい状況にあるだけに、なおのこと積極的な情報開示を行い、県民の皆様にわかりやすい予算となるよう努めていくべきものと思っております。



○議長(中村慈君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君登壇〕



◎総務部長(冨田成輝君) 歳入確保対策についてお答えいたします。

 財源不足解消に向けた歳入確保対策といたしましては、まず県の主要な自主財源であります県税収入の確保が最重要課題であります。このため、悪質な滞納者に対しましては差し押さえや公売などの滞納処分を積極的に実施するとともに、個人住民税の徴収が困難な事案を市町村から引き受ける県の直接徴収の実施など、滞納額を縮減する取り組みを行っているところでございます。

 軽油引取税におきましても、関係団体と連携し、課税調査の強化などを図ってまいります。

 また、県税収入以外の対策といたしましては、県有未利用財産の積極的な売却処分に伴う財産収入の増額、有料バナー広告収入といった外部資金の調達など、さまざまな角度から工夫を行い、積極的な歳入予算の確保に努めてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 総合企画部長 丸山 進君。

   〔総合企画部長 丸山 進君登壇〕



◎総合企画部長(丸山進君) ゼロ予算施策についてお答えをいたします。

 これまでの取り組み状況でございますが、例えば市町村や住民が進めているまちづくり活動を県として支援するため、まちづくり支援チームの派遣を行っております。これまで三カ所に支援チームを派遣しておりますが、職員が計二十五回現地を訪れ、地域の皆さんと一緒になってまちづくり活動に取り組んでおります。さらには、まちづくりに関する現場相談会などを六十二回開催し、各地域の実情に応じたきめ細かな相談に応じるような取り組みも行っているところでございます。

 また、少子化対策の一環として、毎月八のつく日を「早く家庭に帰る日」と定め、まず県庁が率先して取り組みを始めました。市町村や企業にも呼びかけを行い、現在では二十六市町村五十九企業が同様な取り組みを行っており、さらなる拡大に向け、職員が企業に出向くなどの働きかけを行っております。

 このほかにも、多重債務一一〇番の設置、県民向け防犯メールの配信、あるいは地球温暖化対策の一環としてのレジ袋の全県有料化やマイはしの利用促進に向けた取り組みなど、年度当初に発表した二百五十の事業に加えまして、その後に生じた課題に対しても創意工夫を凝らしながら、さまざまな施策を実施しているところでございます。

 来年度につきましては、こうした取り組みをより一層充実した形で進めていきたいと考えております。現在、今年度の取り組み状況について、その成果・課題などを検証しており、その結果を踏まえながら、来年度の具体的な取り組み内容や、よりわかりやすい名称のあり方などについて検討をしてまいります。



○議長(中村慈君) 環境生活部長 高田幸三君。

   〔環境生活部長 高田幸三君登壇〕



◎環境生活部長(高田幸三君) 岐阜県美術展についてお答えいたします。

 岐阜県美術展は、昭和二十一年に第一回が開催されて以来今年で六十一回を数え、創作活動の成果を発表する場として、また芸術文化に触れ合う機会として県民の皆様の間に定着した行事となっており、本年度は一般部、青年部、少年部を合わせて県内外から一万五千八百五十点もの応募をいただきました。これまでも事業内容について、平成六年度からは一般部において各審査員による作品講評会の開始、平成十七年度からは同じく一般部において、美術展としてのレベルアップを図るための入選作品数の絞り込みの実施、また平成十八年度からは飛騨や東濃地域における移動展の期間を延長しての開催など、より県民の皆様に親しまれるための工夫を重ねてまいりました。今後とも関係機関と連携し、伝統に甘んずることなく、来場者アンケートの実施など団塊の世代を初め幅広い年代の方々からの御意見を伺いながら、より魅力ある美術展になるよう努めてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 私の方から、六点お答えを申し上げます。

 まず、がん対策推進計画について二点お答えをいたします。

 最初に、患者等の声の反映についてですが、計画の策定に当たり、医療関係者のみならず、患者等の声を反映させるため、乳がん患者等の団体や患者支援団体にも参加をいただき、がん対策推進協議会を設置いたしました。協議会では、患者の不安軽減や情報提供の必要性のほか、患者団体と行政との相互理解が必要であるとの提案がされており、相談支援センターの機能強化や患者会と県との学習会の実施等の施策を盛り込むこととしております。また、計画は、国の基本計画の三本柱のほか、県独自に重点課題としまして、がんの発症予防や検診受診率向上等による早期発見の二つを加えてまいりたいと考えております。

 次に、受診率向上に係る市町村と県の役割についてですが、本県において市町村が実施する主ながん検診の受診率は全国平均を上回っておりますが、それでも、最も受診率の高い肺がんでさえ二八%にとどまっております。五〇%の目標とは大きな差がございます。市町村間にも格差があるのが実情でございます。こうしたことから、受診率向上のためには、実施主体である市町村の取り組みが重要であり、受診勧奨や休日・夜間における検診の実施、さらには精密検査が必要な対象者に受診を促すことなどを計画でうたう予定でございます。県においては、有効な取り組み事例を市町村へ周知するとともに、受診の重要性について県民へ普及・啓発をしてまいります。また、受診結果の分析・評価等を行うことも、県の役割として盛り込むことといたしております。

 次に、低年齢児の保育のあり方についてお答えします。

 本年度、アンケート調査や市町村、保育所に対する実態調査を実施したところ、育児休暇の取得や保育料の負担の問題や保育サービスが利用しづらいことなどの課題が明らかになりました。こうしたことから、これまで受け入れ施設の拡充等に重点を置いておりましたけれども、これを見直しまして、来年度は希望する保育所に年度途中でも入所できる受け入れ環境の充実、保育所を一時的に短時間利用できるサービスの提供や、病児・病後児保育の促進などにより保育所の利便性の向上を図り、きめ細やかな保育対策に努めてまいります。

 次に、産科医など女性医師の継続的就労支援についてお答えします。

 医師確保、子育て支援の両面から、女性医師が継続的に就労可能な環境を整備することは非常に重要だと考えております。このため、本年度、病院内保育所の夜間延長保育への助成制度を創設するとともに、女性医師の就労環境改善を啓発するための講習会の開催を予定しております。一方、育児休暇の取得や当直免除などの勤務体制の見直しのためには、産科医師を初めとした病院勤務医の負担軽減対策を同時に進める必要があると考えております。このため、例えば岐阜県総合医療センターにおいては、女性医師を含め勤務する産科医師の負担軽減の観点からも、十五名の近隣の産科開業医師による診療支援をお願いしているところでございます。今後とも、女性医師の就労支援を充実してまいりたいと考えております。

 次に、生活保護について二点お答えいたします。

 まず代理納付制度など滞納防止策についてですが、県といたしましては、生活保護法の規定で代理納付が可能になっていることから、国の通知に基づき、各福祉事務所に対して代理納付の活用について周知を図っており、一部では制度を活用いたしております。生活保護世帯の滞納防止につきましては、今後も各福祉事務所による指導を十分行うとともに、必要に応じて代理納付制度についても活用を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、今後の不正受給防止策についてですが、県下各福祉事務所では、日ごろより保護受給者に対し収入申告の必要性を十分説明し、収入実態を把握するとともに、不正受給の防止及び早期発見に努めているところでございます。しかし、不正受給件数は増加傾向にあり、その内容も働いて得た収入の未申告が多くを占めております。これら不正受給については各福祉事務所が返還徴収に努めており、今のところ返還徴収に応じないというような事例は発生しておりません。しかし、重要なのは不正受給をさせないということでございまして、今後は収入を正しく報告すれば社会保険料や交通費などが必要経費として控除されるなど、メリットについても十分周知し、不正受給防止に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 事業承継支援センターについてお答えをいたします。

 事業所・企業統計調査によりますと、岐阜県では平成八年以降、廃業事業所数が新設事業所数を上回っておりまして、最近では年間約六千の事業所が廃業しております。後継者不在が廃業の主要な原因として上げられる中、国では、平成二十年度予算概算要求に事業承継対策として事業承継支援センターの設置が盛り込まれました。この事業は、各地の商工会議所などに事業承継支援センターを設置し、廃業と開業のマッチング支援などを実施すると聞いております。県といたしましては、このセンターの設置について、後継者難に悩む県内中小企業経営者に支援が行き届き、効果的な施策が実施できるよう、実施方法や設置する機関など、国へ意見を申し上げていきたいと考えております。

 次に、広報宣伝につきましては、県ホームページへの掲載のほか、各種セミナーや相談を通じたPRに努めるとともに、県内の商工会議所、商工会、商工会連合会などと連携して周知を徹底したいと考えております。



○議長(中村慈君) 林政部長 渡辺敬一君。

   〔林政部長 渡辺敬一君登壇〕



◎林政部長(渡辺敬一君) 森林環境税について、三点御質問にお答えします。

 まず他県の状況でございますが、地球規模での環境保全に関する意識の高まりを受け、全国で広がりを見せている森林環境税は、平成十五年度に高知県で初めて創設され、現在二十三県で導入され、課税されております。さらに、栃木県等の三県で来年度からの導入が決定されております。その他、佐賀県では十一月議会に、長野県では十二月議会に、それぞれ来年四月から課税の前提で条例案が提出され、愛知県では平成二十一年度実施に向けて来年二月に県議会上程の準備がされているところでございます。

 次に、導入及び導入が決定している県の事業概要でございますが、ほとんどの県においては、ハード事業とソフト事業の両方に税収を充てています。ハード事業につきましては、間伐事業や放置された里山林の整備などの森林整備事業などが中心となっております。また、ソフト事業につきましては、森林環境教育や森林保全のための意識啓発、あるいは広報事業、森林保全ボランティア活動への支援などさまざまなものがございます。高知県などで制度が創設された当初は、イベントや広報等の普及啓発活動がかなりの比重を占めておりましたが、最近では、国が平成十八年度から強力に進めている二酸化炭素森林吸収源対策としての間伐推進施策の財源に税収を充てたり、あるいは森林地域以外の壁面緑化を含む都市緑化や、あるいは公立小・中学校における県産材の机・いすの購入などに充てるなどの動きも見られます。

 最後に、本県におきましては、森林環境税の導入について、平成十七年の五月の有識者による研究会からの提言以来、県民アンケートの実施、政策総点検、森林づくり千人委員会などの意見を聞きながら慎重に検討を進めてまいりました。一方で、県の財政が非常に厳しくなる中、森林・林業行政における施策達成のために必要な予算をどう確保するかが課題となってきています。例えば、他県で比較的多く採用されている県民均等割で個人一人当たり五百円、法人が五%相当で仮に試算しますと、本県の場合、約五億円ほどの税収規模となるようでございます。

 新たな税を設けることは、県民の皆様に広く負担を求めることになることを十分認識した上で、税の位置づけや効果を十分に考慮しながら、他県と同じように税を導入するべきかどうか、いろいろな場面で引き続き議論させていただきたいと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 全国学力・学習状況調査の結果等についてお答えいたします。

 知識をはかる問題については、相当数の児童・生徒が今回出題された学習内容をよく理解しております。また、活用力を見る問題については正答率が全国平均を上回っているものの、身につけた知識をさまざまな場面で活用できるようにしていくことに課題があると考えております。

 次に、意識面や生活面に関する調査では、朝食を毎日食べる児童・生徒が九五%を超えたり、学校の決まりや規則を守る、友達との約束を守るという児童・生徒も九〇%を超えるなど、基本的な生活習慣や規範意識がおおむね身についております。また、学習習慣については、勉強する時間を決めて実行する児童・生徒の割合や一日の勉強時間が全国の状況に比べて多いなど、おおむね身についております。さらに、地域の行事や清掃活動に積極的に参加している本県の児童・生徒の姿もわかってまいりました。一方で、家の手伝いや自然体験については、全国の状況と比べてやや少ないという結果が出ております。

 県では、本調査結果の分析や今後の指導のあり方について、学校向け、保護者向けの資料を作成し、今週、県内すべての小・中学校に送付したところです。今後、各学校が指導計画や指導方法を改善し、家庭と連携しながら一層の学力向上を図ることができるよう指導・助言するとともに、県の教育施策との関連についても分析を進めてまいります。



○議長(中村慈君) 三十五番 渡辺 真君。

   〔三十五番 渡辺 真君登壇〕(拍手)



◆三十五番(渡辺真君) 議長のお許しをいただきましたので、以下三点について順次質問をさせていただきます。

 最初に、頭がよくて冷静で、大いに物足りて、もって今後ますますの活躍が期待されております古田知事に、県政推進に当たって県の役割として必要だと思う私見を述べさせていただき、知事の御見解をお伺いいたします。

 知事は、就任早々の平成十七年二月から、県民との対話主義、現場主義を掲げられ、県民の声に耳を傾け、現場に足を運び、県の政策の総点検を進めてこられました。県政を担うトップとしてのその姿勢と努力に、改めて敬意を表するものであります。そのときの感想を、平成十七年第五回定例会において「県の抱えるさまざまな課題について、あるいは可能性について、県と県民との間に多くの共通認識を持てたのではないかなと思う」と、こう述べておられます。

 地方自治の時代を迎え、県政推進には県民との協働が必要不可欠であります。そして、そのためには、県の抱えるさまざまな課題について県と県民が共通認識を持つということは大変重要であり、その基本であります。そして、現在、その総点検の結果を踏まえて諸施策が打ち出され、関係の皆さんの協力を得て実行に移されております。しかし、その現状に目を向けてみますと、大変うまくいっている分野と足踏みをしてなかなか前に進んでいない分野があるように思います。そんな現状から、私は県と県民との間には、もう少し基本的なところでの共通認識が必要ではないかなと感じております。県の課題は、県民の生活をよくするための課題もありますが、その多くは、現状では県民が困っている、あるいは現状のままでは将来県民が困ることになるということで課題になるわけであります。今回は現状のままでは将来県民が困ることになるという課題について話を進めさせていただきます。

 では、その課題を県民とともに解決していくためには何が必要でしょうか。当然のことながら、このままでは将来県民が困ることになるという認識を共有する必要があります。その認識を共有するためには、このままではこうこうこういう状態になるから困るという、その状態を示す必要があります。現状のままでは将来こうこうこういう状態になるので困るという認識の共有、それは現状における危機感の共有であります。課題に対して県と県民の間で危機感が共有できたとき、その課題は議員、職員はもとより、県民にとっても、私の課題、あるいは私たちの課題となり、課題解決のための政策目標の共有化と課題解決に向けての力強い行動力に結びついていくのではないかと思います。私が県と県民との間でもう少し必要だと思う基本的な共通認識は危機感の認識であり、そのために県の役割として必要だと思うのは、こうこうこういう状態になるから困るという、その状態を示すという役割であります。

 現在は、その役割が十分果たされていないのではないでしょうか。

 ここで、例としては適切ではないかもわかりませんが、一つの例として食糧自給率の課題で考えてみたいと思います。食糧自給率が四〇%は低い、向上させなければならない、これは県政の課題である、このことに関しては県と県民の間で共通認識として持つことができると思います。ただ、現状は、その共通認識は弱いというふうに思います。現に共通認識として、食糧自給率向上のための各種施策が関係者の皆さんの協力と努力で進められております。しかし、御承知のとおり、なかなか努力が実ってこないのが現状であります。もちろん効果としては、そういう施策を打たなければ食糧自給率がもっと下がっているかもわからないということでは、効果はあるわけですが、政策目標に対しては前に進んでいないというのが現状ではないでしょうか。食糧自給率の向上には、関係者の協力はもとより、消費者である一般県民の協力が必要でありますけれども、食料はお金があれば幾らでも手に入る現状で、県民にとって食糧自給率の低さは私の課題、深刻な課題とはなりにくい、それは無理からぬことではないでしょうか。行政は、いわば社会の組み立て業のプロであるというふうに思っております。そのプロである行政から見て、食糧自給率の低さが課題であるならば、課題たることを県民に示さなければ、その課題は県と県民との共有の課題とはならないのではないでしょうか。

 今回は、最初にお断りしましたように、現状のままでは将来困ることになるという課題を取り上げ、その状態を示す必要性について申し上げましたが、逆に政策を実行することによって県民生活がよくなる、その状態を示す、いわゆる将来のビジョンを示すことも県の役割として重要であることは申し上げるまでもないことであります。困る状態にせよ、よくなる状態にせよ、将来像を示すことは大変責任のあることであります。しかし、県の役割として必要なことだと考えております。そして、このことは、一つ食糧自給率の問題のみならず、少子化・高齢化を含めた人口減少問題や環境問題にも当てはまることだと考えております。

 以上、県政の推進において県の役割として必要だと思うことを申し上げましたが、知事の御見解をお伺いいたします。

 次に、これも県と県民との共通認識が必要だと思いますが、本県の財政状況、それをあらわす財務諸表について、総務部長さんにお尋ねをいたします。

 本県の財務諸表の作成状況は、普通会計分はもとより、水道事業会計、病院事業会計と連結したバランスシートの作成や、普通会計行政コスト計算書の作成など、他県と比べて相当程度進んでいるというふうに認識しております。そこで、さらに本県会計の充実のために必要だと思う三点について質問をさせていただきます。

 一点目は、平成十三年度に一度質問をさせていただいておりますが、資産の評価基準についてお尋ねをいたします。

 本県の資産評価は、取得価格主義がとられております。いわゆる資産を取得したときの価格がそのまま評価としてあらわされております。しかし、本県の資産は、将来必要となる財務負担の債務償還財源として位置づけられるものであります。したがって、本来は時価評価主義であらわされるべきだというふうに考えます。企業会計と違いまして、岐阜県の資産を時価評価するということは大変難しい問題でありますけれども、一定の基準の中でそれは可能だというふうに思います。また、もしそこまで踏み込むことができなければ、時価情報として開示することは必要ではないかというふうに思います。資産評価基準についての考え方をお尋ねいたします。

 次に、平成十七年第五回定例会において質問をさせていただきました二点について確認をさせていただきたいと思います。

 一点は、財務諸表の作成状況についての質問に対する答弁の中で、今年度、第三セクターを含めたバランスシートを試行的に作成する予定であると答弁されておられます。大変これも大事なことであると思います。現在の作成状況と今後の方針についてお尋ねをいたします。

 この項目の最後でありますが、事業別コストの作成についてお尋ねします。

 先ほども申し上げましたが、本県では既に行政コスト計算書は作成されております。しかし、これは事業の目的ごとの大くくりの区分でありまして、事業ごとの費用を把握することはできません。事業別コスト表を作成する必要性があるという質問に対する回答では、「事業の総合的な検証、評価を行う上で、また職員の意識改革を高める上でも有効な方法であり、今後検討していきたい」という旨答えていただいております。これも、人件費や事業間にまたがるシステム管理料を事業ごとに配分するというのは大変厄介な作業であります。しかし、財政が大変厳しい状況の現在、特に大きな事業に関しては、適切な事業の検証、評価の必要性はさらに高まってきているというふうに思います。事業別コストの把握は必要不可欠だと思いますが、事業別コストの作成についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 最後の質問でありますが、次に東部広域水道送水本管のバックアップ管の早期事業化について、都市建築部長さんに質問をいたします。

 本県の県営水道事業は、これまでも効率的かつ計画的な事業運営に努めてこられました。しかし、近年事業を取り巻く環境が大きく変化する中、その変化や各種課題に適切に対応し、持続可能で自立した安定供給を確立するためとして、平成十八年度から五年間の岐阜県地方公営事業中期経営計画、いわゆる集中改革プランが策定されています。この計画において、水道用水供給事業の現状と課題が次のように掲げられています。一つ、給水収益の伸び悩みと老朽施設の大規模更新時代の到来への対応、一つ、地震・渇水・水質問題などに対応する危機管理対策の充実、一つ、より効果的な経営に向けた受水市町との協働による広域的な体制整備、一つ、熟練技術者の大量退職時代の到来に伴う水道技術の継承。以上の四項目ですが、いずれも喫緊の課題であります。

 さて、東部広域水道送水本管のバックアップ管の早期事業化は、その喫緊の課題の一つであります。当送水本管は昭和五十一年に供給開始されたもので、既に三十年以上が経過しており、老朽化により関係市町で漏水事故が多発しております。特に平成六年に瑞浪市内で発生した伸縮管破断事故では、瑞浪市、土岐市、多治見市の約五万七千世帯が最大三日間の断水となり、十八万六千人余りの住民の日常生活に多大な支障を来しました。この事故は地域住民にとっていまだ記憶に新しく、東海・東南海地震が想定される現状で、地域住民は大きな不安を抱えております。ちなみに、本年六月三日に瑞浪市で開催された水道週間イベントでのアンケートと県営水道三カ所の浄水現場見学者へのアンケートの結果では、市民が水道水において今一番大切に感じていることは、「安全であること」と「現状の水道料金であれば災害時の断水被害を軽減できる水道施設整備」となっております。

 なお、冒頭で申し上げた岐阜県地方公営企業中期経営計画において、事業運営の基本方針における主要施策及び設備投資計画が立てられております。その中で、東濃地域では緊急時の安定供給を図るための施策として、東濃地域と可茂地域を連絡管で連結する東濃西部送水幹線−いわゆる緊急時連絡管でありますが−事業が現在進められております。しかし、この事業は、緊急時に瑞浪市中心部と下流の土岐市、多治見市に一日一人当たり百リットルの飲料水を供給できるとされているものの、瑞浪市東部、恵那市、中津川市への緊急時の供水は想定されていません。したがって、この事業では受水市の住民の緊急時の給水に対する不安は解消されません。

 そこで質問ですが、送水管が一本のみである東濃地域では、地域住民の安全で安心な生活にとって送水管老朽化対策としての送水管複線化が緊急の課題と考えますが、今後の複線化におけるスケジュールはどのようになっているのか、お尋ねをいたします。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 将来困難が予想される課題について、もっと県民との間で危機感の共有を図るべきだという御質問でございました。この点では、まだまだ県政は不十分だという御指摘があったかと思いますが、私はこの議員のお考えを伺って、大いに共鳴するところ、意を強くするところがあったわけでございます。

 私は、かねてから県政を進める際の姿勢として、大きく言って二つの視点を持ち合わせていく必要があるのではないかというふうに申し上げております。その一つは、現在、目の前に起こっている足下の問題に対してきめ細かに目を配り、迅速に対処していくという問題解決型の視点、もう一つは、将来を展望し、今後起こり得る課題を見据え、中・長期的な視点で明るい岐阜県づくりを考える未来づくり型の視点ということでございます。

 このうち、前者の問題解決型の視点につきましては、例えばフェロシルト対策などの危機管理でありますとか、地域医療、なかんずく医師確保の問題でありますとか、外国籍県民の方々の生活支援といったようなことがあるわけでございますが、こうした問題は目の前で現に起こっている事象を扱いますだけに、問題点は比較的わかりやすく、対応策の議論に入りやすいという特徴がございます。このために、徹底した情報公開を通じて幅広い関係者が事実認識、問題点を共有することを重視しながら対策を進めてきたということでございます。

 一方、未来づくりという視点で対処すべき課題につきましては、現時点で必ずしも問題が顕在化していない場合が多い、あるいは顕在化していてもそれほど深刻に受けとめられていない場合が多いということでございまして、将来起こり得る事態を予測しながら、それを乗り越えるための対策を進めていくという性格になるわけでございますが、こういった点につきましては、何が問題か、どういう方向で対処していくべきかについては、しばしば人によって考え方が異なるということが起こり得る場合があるわけでございます。したがって、議員御指摘のように、そういったことについてはなおのこと県と県民、あるいは関係者間において危機感を共有するということが大変重要であるというふうに考える次第でございます。

 これまで未来づくりという点で取り組んできた課題として、例えば県産材流通を重視した森林づくりでありますとか、少子化対策、あるいは「マイはし」使用宣言も先般スタートいたしましたが、循環型の社会づくりでありますとか、ふるさとへの誇りづくりでありますとか、こういったことにつきましても、将来的な危機意識に基づいて取り組んでおるわけでございます。そしてまた、今議会でしばしば御議論にありますような行財政改革の取り組みも同様でございます。現在のままでは県財政は悪化の一途をたどり、自治体としての運営に大きな支障を来すという危機意識に基づいて、私どもとしては行財政改革大綱の策定をし、また財政の将来像についていろいろ議論をさせていただいておるところでございます。

 そういう中で、一つの手法として、例えば森林づくり、少子化対策では基本条例をまず策定をして、これを通じて県民全体の意識共有のベースをつくっていくと。その上で実施計画によって具体的な対策を検討すると、こういう手順もとってきておるようなところでございます。

 議員が特に例として挙げられました食糧自給の問題も、まさしく同様であるというふうに思っております。本県の食糧自給率は、長期的には大きく低下してきておりまして、平成十八年で三九%ということでございます。さらに今後、開発途上国を中心に人口が増加し、世界の食料需要が増大する一方、農業者の高齢化等で県内の米などの食料生産が減少していった場合、自給率がさらに低下する、あるいは食品価格の高騰、場合によっては不足を来す可能性も否定できないわけでございます。そうした点につきましても、県民と危機感を共有しながら取り組んでいく必要があると考えております。まだまだこれらについて共通認識が弱いという御指摘でございますが、これにつきましては私としても重く受けとめさせていただきたいと思っております。

 さらに、本県の将来を長期的に見通した場合の最大の課題が人口減少問題でございます。消費の減少、労働力の減少、あるいは税収の減少など、端的に見ても大変重大な課題が発生する可能性がある一方で、人口減少は生活習慣病に似ていて、病気が進んでいても自覚症状に乏しいと、こういう指摘もあるわけでございますが、現時点での危機感はなかなか持ちにくいという課題でもございます。今作業を進めております新たな長期構想におきましては、まさしく危機感を共有し、課題たることを示しながら、かつそれを乗り越えていかに明るい未来をつくっていくかということを議論させていただいておるところでございます。

 これまでも随時、研究結果の発表や県議会の皆様との議論も行われておりますし、来年度には長期構想に関する県民との意見交換を広範囲に行うことを予定しております。そうした機会を通じて多くの皆様との間で危機感の共有を図り、そしてまた議員がおっしゃるような私の課題、私たちの課題として問題解決に向けた対策について議論を深めていきたいというふうに思っております。



○議長(中村慈君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君登壇〕



◎総務部長(冨田成輝君) 財務諸表に関しまして、三点お答えいたします。

 まず、資産評価基準についてでございますが、本県では、現在全国的に主流であります取得価格方式を採用しておりますが、平成十三年度に議員から御指摘いただきました時価評価方式が、本年十月に総務省の新地方公会計制度実務研究会がまとめた基準モデルとして採用されました。今後、総務省基準モデルとして、全国比較が可能な全国標準になっていくものと思われます。議員御指摘のとおり、債務償還財源の的確な把握という観点からも、売却等の処分が可能と思われる資産について順次この方式に切りかえていくなどの検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、第三セクターなどを含めた連結バランスシートにつきましては、平成十六年度決算分から毎年作成し、公表いたしております。従前の普通会計、公営企業会計に加えまして、地方三公社、県出資比率五〇%以上の法人など県の関与及び財政支援のもとで県の事務事業と密接に関連する業務を行っている関係団体を連結の対象といたしております。今後も継続的に作成し、経年変化を把握、分析しながら、これら関係団体を含めた全体像につきまして、県民の皆様にお示ししていきたいと考えております。

 最後に、事業別コストの把握につきましては、これまで人件費が事業別に区分されていないことや、事業をまたぐ共通コストの配分方法など、技術的に課題も多く、また県の業務体系が幅広く複雑であることから、いまだ導入には至っておりません。一方で、議員御指摘のとおり、事業の検証や評価のための有効な手段であり、例えばその事業効果について議論のある事業など、事業別コストの分析の必要度がより高いものから取り組むなどの方法を検討してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 東部広域水道送水本管バックアップ管の早期事業化についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、県営水道の送水管は老朽化が進んでおり、特に東濃地域では中津川市から多治見市までの間の約六十キロメートルを一本の送水管で送水していることから、一カ所の漏水事故で広範囲にわたり影響を及ぼすこととなるため、危機管理の面で早急な対策が必要と考えております。その一環といたしまして、現在施工中の東濃西部送水幹線事業は平成二十四年度の完成を目指しております。これにより、東濃、可茂の両地域が連絡管で結ばれ、緊急時には水道水の相互融通が可能となります。しかし、この事業は県営水道供給地域全体をカバーするものではありませんので、現在バックアップ管の敷設が必要な地域や規模を調査・検討しているところです。今後のスケジュールについては、東濃西部送水幹線事業の完了をめどに、送水管の劣化度及び事故が発生した場合の影響範囲を考慮いたしまして、優先度の高い地域からバックアップ管の敷設について検討し、災害や漏水事故が発生しても水道水の安定供給が可能な施設としていきたいと考えております。



○議長(中村慈君) 十九番 野島征夫君。

   〔十九番 野島征夫君登壇〕(拍手)



◆十九番(野島征夫君) 午前中連続して質問が続いておりますが、お疲れかと思いますが、いましばらくの間、おつき合いのほどをよろしくお願いいたします。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、質問に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。

 私は、さきの統一地方選挙におきまして、郡上市選挙区より県議会議員に初当選をさせていただきました。就任以来早くも八カ月目に入っていますが、今回初めて壇上に立つ機会をいただき、大変光栄に思い、身の引き締まる思いと同時に、その責任の重さを痛切に感じています。今後は、明るい未来のある県勢発展のため、山積する諸懸案事項に対して県民皆様の負託にこたえるべく、議会活動を通して誠心誠意努めてまいりたいと存じます。微力ではありますが、諸先輩方の温かい御指導と御鞭撻のほどを心からお願い申し上げます。

 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 初めに、東海北陸自動車道に関連し、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

 東海北陸自動車道の整備計画は、中部圏開発整備法、そして三十九年の議員立法、東海北陸自動車道建設促進法までさかのぼります。今では地域の産業・経済・文化交流、そして沿線地域の活性化に欠くことのできない重要路線でありますが、その当時、関係住民にとってあっと驚くような大胆な計画が、中部縦貫自動車道とセットで計画されたことを覚えております。そして、ルート決定のおくれや財源確保の問題、難工事の数々を重ねながら、まさに四十年の歳月を経て、来年七月には一宮ジャンクションから北陸小矢部砺波ジャンクションまで開通するとお聞きしております。総事業費はおよそ一兆二千百九十五億円。今日まで国・県を初め国会議員・県会議員の先生方、中日本高速道路株式会社、さらには沿線市町村の関係者の並々ならぬ御尽力、御理解、御協力に改めて深く感謝を申し上げるものであります。本自動車道に中部圏域の多くの方が大きな期待を寄せてみえることは間違いないと思います。

 郡上市においても、知事さんを初め、国・県の関係皆様の御尽力、御高配を賜りながら、今月十六日にはひるがの高原スマートインターが社会実験として開始されます。また、世界最高峰のスノーボードFISワールドカップGIFU/GUJO大会が、来春二月二十二日から二十四日にかけて高鷲スノーパークを会場に開催されます。中部圏のまん真ん中、岐阜県が将来に向けた新しい産業を広げ、人・物・情報の活性化により大交流時代の幕明けにつながり得る環境が整い、地域経済の飛躍・発展の絶好の機会ととらえ、県においても積極的な対応を期待いたしております。

 そこで一点目ですが、現在、暫定二車線で供用開始している美並インターから白鳥インターまでの四車線化工事が進んでいますが、この間の早急な整備促進と、特に白鳥インター以北の四車線化の事業化について、中部縦貫自動車道の油坂峠より福井県大野市間の事業化、また、丹生川インターから長野県側への事業化の見通しについて、本県の取り組みについて、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 次に二点目ですが、本自動車道の北陸までの開通により、観光振興の拡大が一層促進されるものと大きな夢と期待をかけていますが、沿線市町村の豊富な歴史、文化、自然的資源等を活用した他県との広域交流、国際的な交流が可能となってまいります。みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例の施行日、十月一日から始まりました「いい旅 ふた旅 ぎふの旅 ひだ・みのじまんキャンペーン」の現状と成果を踏まえ、本自動車道が北陸と直結いたしますが、これを契機とした今後の取り組みについて、産業労働部観光交流担当次長さんにお伺いいたします。

 そして三点目ですが、地域活性化及び若者の雇用機会の拡大と定住、県民所得向上のために必要な企業誘致について、東海環状自動車道の東回りルートの開通などにより、平成十七年度以降、本県への工場立地件数が飛躍的に増加しております。そこで、山間地を通過する東海北陸自動車道の沿線上にも、ぜひとも企業誘致を積極的に働きかけていただきたいと思います。特に豊かな自然環境−水・緑・空気を活用した健康、食料品、飲料水、医薬品等、特化した業種についてもお考えいただき、工場立地等、今後の県の取り組みについて、産業労働部長さんにお伺いいたします。

 次に、治水対策についてお伺いをいたします。

 岐阜県は、木の国、山の国として、県土の八二%が豊かな森林で占められ、我が国有数の森林県でもあります。森林は、木材生産活動、水源の涵養等、公益的な機能はもとより、保健・休養の場など多面的にも利用され、また、災害より県民の生命・財産を守るため、緑のダムとも言われております。しかし、森林管理が損なわれ、荒廃地化すると大災害が発生いたします。このため、県においては、森林の適正な管理、徹底した除間伐、環境保全、動植物の生態系の確保等災害に強い森林づくり、いわゆる治山対策事業に積極的に取り組んで見えるところであります。

 これまで、岐阜県は過去幾多の大災害に見舞われました。昭和三十四年の伊勢湾台風や昭和三十六年の第二室戸台風、近年では平成十一年九・一五豪雨災害、そして十六年の台風二十三号など。特にこの台風二十三号では八幡町小那比で時間雨量七十一ミリ、累加雨量四百三ミリを記録するなど、市内を流れる長良川には水があふれ、農地や道路、河川、家屋、工場等大きな被害を受けたことは記憶に新しいところであります。

 このようなたび重なる豪雨災害から県民の生命・財産を守るため、治水ダムが大きな役割を果たしています。例えば牛道川の支川の阿多岐治水ダムは、岐阜県が施工した初めての治水ダムとして、昭和六十三年に完成しました。そして、先ほど申し上げました九・一五豪雨災害や、十六年台風二十三号による記録的な洪水に対して大きな効果を発揮しました。この治水ダムがなければ、記録的な豪雨により急増する洪水がすべて下流に流れ、大きな被害を及ぼすことになりますが、ダムによる放流量の調整により下流域を洪水から守りました。治水ダムの効果、役割が実証されたと言えます。

 そこで、以下、治水対策及び土砂災害に関してお伺いいたします。

 一点目、治水ダムについて、現在、県では四カ所、丹生川ダム、大島ダム、内ケ谷ダム、水無瀬ダムと積極的に取り組んでいただいております。その一つ、内ケ谷ダムは長良川支流亀尾島川の郡上市大和町内ケ谷地内に治水ダムとして建設するもので、長良川の重要な治水計画の一環として位置づけられております。

 ダムは、重力式コンクリートダムとして、高さ八十一・七メートル、総貯水量は一千百五十万立米、有効貯水量は九百十万立米。洪水調節や流水の正常な機能の維持を目的とし、下流沿岸の水害を防除するものであり、阿多岐ダムの約四・五倍の有効貯水量で、過去の災害の経験から長良川の治水対策上、ぜひとも早期完成が必要であります。間もなく本体までの工事用進入道路も完成と聞いておりますが、事業費を含む今後の事業計画について、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 二点目について、県内の渓流においては、最近たび重なる台風や集中豪雨により、山腹の崩壊や渓流の浸食により上流域より土砂が大量に流出し、下流域では不安が生じています。このため、県においては、土砂災害から県民を守るためこれまでに砂防堰堤等が数多く設置され、土石流等の土砂災害による被害を防止・軽減するなど、着実な成果を上げているところであります。砂防堰堤の中には、土砂を堆積させることにより山腹の崩壊や渓流の浸食を防ぐ役割のものもあるとのことですが、人家の上流部にあり、土石流等を防ぐために設置された堰堤に堆積した土砂の撤去については、早急に対応しなければならない重要なことであると考えます。そこで、それらの砂防堰堤に堆積した土砂の撤去についてどのように対応されていくのか、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 三点目について、河川の水質は環境に対する県民意識の向上、全県下の下水道普及計画の推進により、以前よりは大変美しい清流になっています。しかし、最近たび重なる台風、集中豪雨、大雨、また災害復旧工事等により県下の河川環境は著しく悪化しているものと思われます。河川のはんらん、土砂の堆積、河床の低下、河道の改変、瀬、ふち、中州の変化や魚類の生息にとって最も大切なヤナギ、カヤ、昆虫、鳥等、動植物の生態系に対する環境も年々悪化しているのではないかと言われています。このため、河川環境の整備と保全が重要な課題となってきていますが、どのような対策をお考えなのか、県土整備部長さんにお伺いいたします。

 次に、特別支援教育の充実についてお伺いいたします。

 昭和六十二年ごろのことですが、従来実施してきた乳幼児健診事業の中から、身体の障害や知的発達のおくれのある乳幼児を早期に発見し治療する「ことばの教室」に大きな関心を持ちました。それは、専門的な指導者、職員を配置し、また岐阜大学教育学部治療教育研究室 柚木教授の専門的指導を受けることにより、就学前の六歳未満児が幼稚園、保育園へ通いながら、「ことばの教室」で週二ないし三回の個別集団指導により訓練を重ね、矯正自立へと大きな成果を上げたところです。これは、国・県の制度にもないことを保健師さんと障害児を持つ親さんが懸命な努力により立ち上げられた例です。

 御両親、御兄弟、御家族の皆様は深い愛情を注ぎながら、たまたま障害児としてこの世に生を受けた我が子の将来を案じ、自立に向けて懸命の努力をなさってみえます。当時も、障害児のために小学校、中学校にも特殊学級を開設していただきましたが、卒業したらどうするのか、父母が老いたら、私が亡くなったらだれがこの子を面倒見てくれるのか、明けても暮れてもこんな心配が毎日続きます。あるとき、親たち数人が障害児とともに私のところを訪れ、何とかよい方法はないものかと切実な相談を受けました。私は、養護学校があるじゃないかと説明しました。ところが親さんは、「自分で自分のことができないこの子供を何で遠いところへ預けることができますか、そんな非情なことはできません」「あなたは何を考えているのか。私たちの思い、案ずる心が全くわかっていない」とひどくしかられました。そこで、私は後日、親さんにある提案をしました。将来的には高等学校もだんだん生徒数が減少していくので、教室もあいてきます。そこに養護学校の分校を開設していただいたらどうか、高等学校がだめなら中学校でもよいと話をしました。親さんは、そんな夢のようなことができるのかと、ほほ笑まれた姿は今でも忘れることができません。私は、早速親さんとともに郡の町村長会、県教育委員会へと、たしか平成六年から平成十五年ごろまで強く要望してまいった記憶があります。そのことが功を奏したかどうかはともかく、平成十五年の終わりごろ、ちょうど郡上市合併の直前に県より県立養護学校を開設したい旨の報が入りました。当時、地元大和町の対応も素早く、早急に設置箇所を内定していただきました。当時の県教育長さんを初め、県教育委員会の皆様、また財政事情の極めて厳しい中にあって、本施設の必要性をよく理解され、障害児を持つ親たちの熱き思いにこたえられた県当局の画期的な事業展開、大英断に深く感謝を申し上げながら、親さんとともに喜んだものです。そして、平成十六年開設準備、平成十七年四月一日、待望の岐阜県立郡上養護学校が開校いたしました。さらに、平成十九年四月一日より校名を特別支援学校と改められました。

 そこで、教育長さんにお伺いいたします。子どもかがやきプランの中では、特別支援学校を現状の十二校から将来的には二十校までとするという整備計画となっていますが、本県の特別支援教育が深く理解され、希望が増加しているとお聞きしています。そこで、施設整備の面だけでなく、教員配置など人的な面、そしてスクールバスの配備など、きめ細やかな支援策が必要かと思いますが、特別支援教育の今後一層の充実に向けて、その方針についてお伺いいたします。

 最後に、ぎふ清流国体に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。

 去る平成十九年七月十八日、日本体育協会理事会において第六十七回国民体育大会の開催県として内定、そして平成十九年八月四日、平成二十四年岐阜国体開催内定総決起大会が早々に開催されました。三十八競技すべての会場地を決定するとともに、第十二回全国障害者スポーツ大会もあわせて開催されます。合い言葉を「輝け はばたけ だれもが主役」とし、県民挙げてふるさとの未来づくりに取り組む姿勢であると位置づけておみえになります。

 昭和四十年開催以来、四十七年ぶりに岐阜県で開催することになり、県内各地で全国各都道府県の代表選手が各種目を競い、天皇・皇后杯を目指します。このため、県民総参加ですばらしい国体として、何が何でも成功させなければなりません。当時の状況を見てきた若者や選手は今では六十歳前後となり、団塊世代の方々が多く、現在の岐阜県の各界、各分野において活躍なさっていると思います。私も当時二十でしたので、開会式に炬火リレーの最終ランナーを務められた知事さんの勇姿を鮮明に覚えております。当時国体ということで、道路が整備され、施設が整い、環境美化運動、あいさつ運動、もてなしの心等、県民挙げての盛り上がりにより、県民の動きが生き生きとした感じで明るく希望に満ち、郷土が飛躍・発展するような雰囲気でした。若いときに感動・感激し、未来を思う心を体感・醸成することがいかに将来に役に立つか、県民意識の向上と県勢発展につながる四十二年前の実績が証明しています。

 そこで、五年後に開催されるスポーツの祭典国体に向けてお伺いいたします。

 一点目は、今年の秋田国体においては、天皇杯二十位、皇后杯九位のすばらしい成績に終わっていますが、国体を開催するからには、ぜひとも天皇杯・皇后杯を獲得すべき意気込みが必要かと思うのです。そこで、五年後のぎふ清流国体に向けて、どのような目標を持って取り組まれていくのか。そして、それには各選手層における種目・種別において相当の選手強化策が必要かと思われますが、どのような取り組みをなされていくおつもりなのか、教育長さんにお伺いをいたします。

 二点目について、施設整備面については、「簡素であっても質の高い国体を目指す」という方針を打ち出されていますが、国内最大の総合的なスポーツの祭典国体を開催するに当たり、そうも言ってはおれない、全国各地より一流の選手、役員、応援団を迎える本県にとっては可能な限り、また真に必要なことは、最大限の努力をいただいて、ぜひとも成功に導いていただくことを要望いたします。そこで、今後の施設整備方針について、国体準備事務局長さんにお伺いいたします。

 三点目について、四十二年前がそうであったように県民総参加で積極的に取り組み、岐阜県がよくなった、大きく変わったと、その成果が今でもたたえられています。このように、施設整備や選手強化も非常に大切なことですが、やはりそれ以上にぎふ清流国体の盛り上がりを一過性のものと終わらせることなく、永続的なものへと岐阜県全体を盛り上げていく。若者に夢と希望を、子供たちに明るい未来を、そんな県民への広がりを私は強く期待するものであります。ぎふ清流国体に向けた県民運動の進め方について、今後どのように取り組まれていくおつもりか、国体準備事務局長さんにお伺いいたします。

 以上、東海北陸自動車道の関連のほか、治水対策、特別支援教育の充実、平成二十四年ぎふ清流国体の四項目についてお伺いいたしましたが、いずれも岐阜県の将来にとって重要な政策課題であります。知事さんを初め執行部の皆様には、県勢発展のため、さらに積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴を感謝いたします。ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 東海北陸自動車道に関連いたしました企業立地についてお答えをいたします。

 東海北陸自動車道の全線開通は、東海と北陸両経済圏の時間距離が短縮されるだけでなく、太平洋側と日本海側の空港・港湾等の物流拠点が活用できるなど、結節点となる本県においては、企業立地のポテンシャルが高まっております。そこで、県では、沿線の市町村から提出のありました工場適地等四十二カ所のうち、県、県土地開発公社及び市町村が連携して十七カ所の現地調査を実施するなど、企業ニーズに合った団地開発の支援を加速させております。一方、沿線への企業誘致につきましては、今年度新たに富山県の企業展に誘致担当者を派遣するなど、北陸地域の強化を図っているところです。また、企業立地促進法に基づきます基本計画においては、当該地域の特性を生かし、医薬品関連産業や木材加工、飲食料品関連産業などの産業集積について具体的な目標数値を設定しております。県といたしましても、この目標の達成に向け、沿線市町村とともに企業訪問を強化し、また、展示会やセミナーで誘致PRを行うなど、地域の特性を生かした企業誘致に取り組んでまいります。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 私からは四点お答えいたします。

 まず、東海北陸自動車道の四車線化及び中部縦貫自動車道の見通し、また、これらに対する県の取り組みについてお答えいたします。

 東海北陸自動車道は、現在、美並インターチェンジ以南が四車線化されており、美並インターチェンジから郡上八幡インターチェンジまでと、ぎふ大和インターチェンジから白鳥インターチェンジまでの四車線化につきましては、平成二十年度の完成を目標に事業が進められております。また、郡上八幡インターチェンジからぎふ大和インターチェンジ間は平成二十一年度までに四車線化されると聞いております。県といたしましては、東海北陸自動車道の一日も早い全線開通を申し入れるとともに、引き続き白鳥インターチェンジ以北につきましては、交通安全上の観点などからも早期に四車線化が図られるよう、国などに対し、必要性を主張してまいります。

 中部縦貫自動車道につきましては、去る九月二十九日に高山インターチェンジまでの区間が開通し、高山市の中心部と直結したところであります。油坂峠から福井県大野市の間と、丹生川インターチェンジから長野県側に向けての区間の早期事業化につきましても、引き続き国に対し要望してまいります。

 次に、内ケ谷ダムの今後の事業計画についてお答えいたします。

 内ケ谷ダムは、長良川の治水対策上重要な施設であり、長良川中・上流域を対象として昨年度策定しました長良川圏域河川整備計画に位置づけております。このダムは、現在、工事用道路等を施工しており、工事用道路の完成までさらに数年かかる予定でございます。工事用道路の完成後にダム本体の工事を進めていく計画であります。また、平成二十年度以降の残事業費につきましては、おおむね百六十億円程度と見込んでおります。今後ともコスト縮減に努め、厳しい財政状況にも配慮しながら事業を進めてまいります。

 次に、砂防堰堤に堆積した土砂への対応についてお答えいたします。

 県管理の約千四百基の砂防堰堤については、五年に一度の定期点検を行うとともに、台風や大雨などの後に緊急点検を行い、土砂の堆積状況を把握しております。その調査結果に基づき、除去が必要な砂防堰堤については、土砂の堆積状況と公共施設や人家など保全対象への影響を考慮し、計画的に土砂を除去しております。平成十八年度には三十九基の砂防堰堤の土砂を除去し、本年度も二十基の砂防堰堤で実施しているところでございます。今後とも、土砂災害から県民を守るため、既設の砂防堰堤の効果が最大限発揮できるよう、土砂の堆積状況の把握と適切な除去に努めてまいります。

 最後に、河川環境の整備と保全についてお答えいたします。

 県では、河川の持つ多様な自然環境の保全や、水辺空間の利用に対する県民ニーズにこたえるため、魚道の設置や自然環境に配慮した多自然川づくりを平成二年から始めております。その後、平成九年には河川法が改正され、河川環境の整備と保全が河川管理の目的の一つとして新たに位置づけられました。それ以降は、原則としてすべての河川事業で多自然川づくりに取り組んでまいりましたが、地形的制約やノウハウの不足などにより、必ずしも十分な効果が発揮できてきたとは言えない状況でありました。そこで、平成十三年度からは産学官及び地域住民の皆様と協働し、自然に優しい工法の認定や、自然環境保全の知識を有した人材を自然工法管理士として認定するなどの自然の水辺復活プロジェクトを推進しております。今後も河川工事に当たっては、積極的に認定工法を採用し、自然工法管理士を活用することにより河川環境の整備や保全に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 国体準備事務局長 藤井清敏君。

   〔国体準備事務局長 藤井清敏君登壇〕



◎国体準備事務局長(藤井清敏君) 国体に向けた施設整備の方針についてお答えいたします。

 ぎふ清流国体の公開競技を含む三十八競技につきましては、これまでにすべての会場地市町村の選定を終え、その結果、県内の二十一市十町及び県外の一市において延べ七十九施設を競技会場として開催する予定でございます。議員からも御指摘がございましたが、ぎふ清流国体は簡素であっても質の高い国体を目指しておりますが、国体の施設基準や中央競技団体の正規視察の結果に基づき、競技を安全かつ円滑に行うのに必要な整備・改修については、着実に実施してまいりたいと考えております。これらの施設整備は、国体開催の前年から順次開催されるリハーサル大会に向けて、おおむね二年前までに終了する必要があるため、今後計画的に進めてまいりたいと思っております。このため、県有施設につきましては、来年度から具体的な整備・改修のための設計に着手するとともに、市町村施設の整備・改修に対する県の支援については、今年度補助制度を創設したところであり、現在市町村と個別に整備内容を調整しており、必要な経費については来年度以降の予算に具体的に反映するよう取り組んでまいります。

 次に、県民運動の進め方についてお答えいたします。

 昭和四十年国体では、当時の百七十万県民の参加と協力により、花でかざる運動など七つの柱を定めて、伸びゆく県民運動として推進され、県民の連帯感が醸成されるなど大きな成功をおさめたと記録されております。県民運動は、県民の皆様一人ひとりがそれぞれの立場で大会を支え、盛り上げ、ともに感動を味わっていただくことにより、郷土への誇りと愛着を深めていただける国体とするためにも大変重要であると考えており、今後さらに本格的に推進してまいります。来年度は、国体のシンボルとなるマスコット・キャラクターが誕生することから、まずは子供たちに親しんでもらうための普及事業の実施や、マスコットをイメージした歌やダンスの制作も行ってまいります。さらに、平成二十四年に向けて、県全体でぎふ清流国体を盛り上げていくための取り組みとして、大会を支えるボランティアの募集やリーダーの養成、全国から訪れる人々を迎えるための心のこもったおもてなしの推進、県の試験研究機関が新たに開発する新品種などによる花飾りの推進、美化運動など環境への取り組み、スポーツやレクリエーション活動への参加など、さまざまな運動を推進してまいります。また、本県の魅力を全国に発信するため、現在行われている飛騨・美濃じまん運動とも連携しながら、県民総参加で創意と工夫にあふれる活動を展開してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君。

   〔産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君登壇〕



◎産業労働部次長観光交流担当(志村隆雄君) 東海北陸自動車道に関連し、北陸との直結を契機とした観光振興の今後の取り組みにつきましてお答えいたします。

 ひだ・みのじまんキャンペーンにおけるこれまでの成果の一つとして、各地域において周遊バスの運行、観光案内所や観光ボランティアの発足などの新たな取り組みが始まったことが上げられます。こうした地域の取り組みを一過性のものとせず、息長く続けてまいりたいというふうに考えております。

 こうした中で、来年夏に予定されております東海北陸自動車道の全線開通は、岐阜県が中部の結節点となる大きな出来事であり、来年度の観光振興の取り組みに十二分に生かしてまいりたいと考えております。沿線には、世界遺産の白川郷や城下町郡上八幡の町並みなど、日本の原風景とも言えるすばらしい歴史・文化・自然が息づいております。既に、沿線市町村の観光協会の間で連絡会議が設置されており、連携に向けた動きも始まっており、県としても後押しをしてまいります。また、富山県との連携を深めまして、両県の観光地を紹介する広域マップの作成や、沿線市町村と連携した観光物産展の開催など、沿線地域の観光資源を大いにPRして誘客に努めてまいります。さらに、中日本高速道路株式会社や旅行会社等に対し、高速道路のフリー切符の発売や、高速道路料金の割引と宿泊施設等がセットになった旅行商品の実現を働きかけるなど、本県における滞在時間の増加と観光消費額の拡大を図ってまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) まず、特別支援教育の充実についてお答えいたします。

 県では、地域の子供は地域で育てることを目標に、県内の各地域に特別支援学校を整備する子どもかがやきプランを推進しております。プランに基づき、来年四月には岐阜本巣特別支援学校と海津特別支援学校の二校が開校します。さらに、障害の重い子供の緊急支援である可茂地区の分教室、恵那地域の高等部の開設に向けて、現在準備作業を始めております。また、子供と保護者の負担軽減を図るスクールバスの整備も計画的に進めており、昨年度及び本年度で合わせて五台のバスを増車しております。プランの先駆けとして平成十七年四月に新設しました郡上特別支援学校は、地域の方々に学校運営に御協力いただくなど、地域に支えられる学校づくりが進められております。今後開校予定の各学校におきましても、地域に愛される学校づくりが大事だと考えております。

 特別支援学校の教育を充実させるには、質の高い教員の確保が重要です。県では、平成十八年度から特別支援学校教員の採用を五十人規模にふやし、同時に資質向上を図る教員研修を計画的に実施しております。今後とも学校の施設設備とともにスクールバスの整備、それから教員の質的・量的充実といったハード・ソフトの両輪の推進を図り、子どもかがやきプランの着実な推進に努めてまいります。

 次に、ぎふ清流国体における天皇杯・皇后杯の獲得に向けた選手の強化策について、お答えいたします。

 ぎふ清流国体での天皇杯・皇后杯の獲得は、すべての関係者の願いであり、現在その目標に向けて計画的な選手強化を進めているところです。一例を挙げますと、ジュニア強化といたしましては、少年の部の主力選手となる現在の中学校一年生を中心に、二十四競技で六百七十四名を強化選手に指定し、各競技団体による重点強化を図っております。また、成年強化につきましては、多くの企業関係者の温かい御理解と御協力により新たなチームの立ち上げや、延べ五十社による優秀選手の雇用など支援体制が整ってまいりました。県内の大学におきましても、有望選手の獲得や施設の利用など積極的な協力をいただいております。さらに、県スポーツ科学トレーニングセンターでは、国体選手の体力・技術を科学的に分析し、競技力の向上に生かすなど、サポート体制の充実を図っているところです。今後は、全国トップレベルの選手や強豪チームを本県に招聘し、練習試合や合同合宿などを行うことにより、一層の競技力向上を図っていく予定です。地元選手の活躍は、大会の成功を左右する大きな要因であると考えております。昭和四十年の岐阜国体での感動を再び分かち合えるよう、天皇杯・皇后杯の獲得に向け、さらなる努力をいたしてまいります。



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○議長(中村慈君) しばらく休憩いたします。再開は午後一時を予定しております。



△午後零時二分休憩



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△午後零時五十九分再開



○副議長(安田謙三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(安田謙三君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(安田謙三君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(安田謙三君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) それでは、日本共産党を代表いたしまして、順次、発言通告に従ってお尋ねをしていきます。

 まず、来年度予算編成について知事にお尋ねします。

 先般、岐阜県の平成二十年度当初予算編成方針が出されました。県の財政状況は引き続いて極めて厳しく、現時点での来年度予算の財源不足は五百億円程度を見込んでいるというものです。そこで、各事業部には、個別調整事業には一〇%の縮減、政策予算でも維持管理・修繕費も五%、その他一〇%の縮減を努力義務としています。県財政が以前よりも逼迫していることはそのとおりであります。他の県ではそろそろ下がり始めている借金返しも、岐阜県はまだ上がり続け、三年後にピークを迎えます。大きな借金の原因は、梶原前知事のもとでの大型箱物事業のツケであることは論をまちません。古田知事におかれては、この過ちを繰り返してはならないと思います。一方、地方財政の危機、都市と地方の格差拡大を招いた根本的な原因は、政府が三位一体改革と称して地方交付税を五・一兆円も削減したことなどが主な原因であることは、知事もお認めになっているところです。

 日本には本当にお金がないのでしょうか。この九年間に、大企業の経常利益は十五兆円から三十三兆円に二・二倍にも膨れ上がりました。空前のもうけです。しかし、大企業が払っている法人税は横ばいであり、ほとんどふえておりません。法人税減税や特例措置で五兆円もの大企業減税をやってきた結果です。せめてもう少し多大な収益に見合った分の税金を払っていただくことは当たり前だと思いますが、政府と財界はその点を聖域にしています。それどころか、この間、定率減税廃止や老年者控除廃止などの負担で苦しむ庶民に、消費税増税でさらに負担をかぶせようとしています。こうした財界言いなりの国の姿勢を、地方から声を出し正していって、名実ともに地方分権を求めたいと思います。これらを踏まえ、来年度予算編成に関しての基本姿勢について伺います。

 地方自治体の本旨は、地方自治法第一条の二にもあるように、住民の福祉の保持増進であります。財政難であっても、まず優先的に行うものは福祉の増進、県民の暮らしを支えることです。今年四月にまとまった第三十回県政世論調査においても、「県政を進める上で特に力を入れてもらいたいと思うことは何か」という質問に対し、一位は「健康・保健・医療体制の充実」、二位は「高齢者・障害者対策の充実」でありました。これは平成六年から見て十年以上変わりありません。一方、平成六年に第二位の要望であった「道路網の整備」、これは幹線道路も生活道路も含めてですけれども、これは第二位でありましたけれども、二年前の調査では第九位、今回は十一位へと後退しています。県民、特に高齢者は年々経済的負担がふえる中で、せめて医療や介護はお金の心配なしに受けたいという思いのあらわれだと思います。

 それに対して、県の現状はどうでしょうか。平成十七年度の決算を見ますと、歳出合計に対するダムや建物など投資的経費である普通建設事業費は二一・四七%で、全国順位は二十四位、目的別歳出の土木費が占める割合は一六・一二%、二十三位です。一方、福祉関係の民生費は八・四四%、全国三十八位、衛生費は二・四六%で四十二位であります。つまり、岐阜県の予算は、普通建設費、土木費に偏りがあると思います。三年前の平成十六年度は八位と十一位でしたので、それに比べれば今の二十四位、二十三位というのは是正はされてはきておりますが、さらなる改善も可能だと考えます。

 私どもも、生活密着の公共土木事業を削れと言っているわけではありません。生活道路、側溝、学校の改修などは、地元業者の仕事でもあり、確保すべきです。土木費の削減という観点では、徳山ダム導水路事業の三十億円の負担、本体にはまだ未着工の県営内ケ谷ダムは二百六十億円ですけれども、全国的なゼネコンが請け負うような、こういう優先順位が高いとは思えない大型事業の中止・見直しを行って、県政世論調査の声を受けとめ、もっと福祉・医療に充ててもよいと思いますけれども、その姿勢がおありかどうか伺います。

 また、今回、来年度予算編成方針には重点事業特別予算枠なるものが設定されています。創設する目的は、ボトムアップ型の最優先政策を立案するためのものだということです。しかし、事業の採択の仕方によっては、イベント的、打ち上げ花火的な結果に終わってしまって、特別枠の確保をすることがかえって通常予算、つまり県民生活へのしわ寄せになりはしないのかと危惧されますが、どのような考え方で行うつもりなのか、あわせてお尋ねをいたします。

 次に、東海環状自動車道西回りルートについてお尋ねします。

 御望山を通る岐阜市区間の計画が国によって再検討されています。そもそもなぜこのルートが見直しをすることになったのか、通常の都市計画手続のようにすんなりいかないという状態になったのか、平成十二年から足かけ六年間の御望山調査検討会はなぜ開かれたのかという経過を若干振り返る必要があると思います。

 大前提に、御望山の歴史的な経過からいって、崩落を繰り返してきた山であるということが言えます。(資料を示す)これは宝暦四年に書かれた、ちょっと小さくて申しわけないんですが、古地図、古文書でありますが、この中に天正地震のときに山が崩れたという様子が残っております。そしてまた昭和五十一年、九・一二の災害のときには、東側の二子地区というところで大規模な山の崩落が起きて、家がつぶれて小学生が亡くなっているということも起きました。県の急傾斜地崩壊危険区域にも指定されております。こんなところにトンネルを掘っていいのかという疑問はだれでもが抱くものであります。

 それを裏づけたのが、平成八年の都市計画審議会が開かれた際につけられた附帯意見であります。このルートは無条件で賛成するわけにはいかなくて、御望山の安全性についてちゃんと確認し、住民に説明しなさいという意見がついたことに端を発しています。都市計画決定に意見が付議されるのは全く異例なことですが、住民の命と財産を守るためには、審議委員のメンバーの責任において、そのような措置がとられたのであります。そして、住民と国交省がそれぞれ推薦する専門委員を入れて御望山調査検討会がつくられました。その中には、学者の先生方で構成される専門委員会も位置づけられ、詳細な調査・検討が行われました。

 私は、このルート案のこうしたいわば特殊性について、ちゃんと理解することが必要だと思うんです。最近、国の動きを見ていると、人事異動などで人がかわっているうちに、通常の都市計画手続でよいというような風潮になってきたように感じられ、これは県も同じなんですけれども、大変危惧をしております。

 御望山調査検討会は、専門委員会十一回、検討会四十回にわたり開催されました。これはすべて全面公開で、だれでも発言が許されました。その結果、御望山の安全性は確認されないに尽きるというふうになったわけです。この検討会の評価については、先般、十一月七日に私どもの日本共産党、佐々木憲昭衆議院議員が国交省に質問主意書を出しました。国の方も、この検討会の仕事ぶりを評価して、結果は尊重すると繰り返し答弁をされているんです。ところが、現地ではそうなっていない。

 先般、十月十七日から各公民館五会場で行われた国交省の説明会では、これらの経過について、あるいは報告書の内容について、丁寧なと言えるほどの説明はありませんでした。それどころか、検討会は御望山が危険だと言っているけれどもトンネルの位置を変えれば大丈夫だとか、これから調査をしていくとか、インターの位置は交通事故の出血多量の場合に岐大病院に早く運べるからいいんだとか、本当に必要な判断情報を住民に伝えているとは思えませんでした。しかも、現行ルートから少しずらして、またもやトンネルを通すB案をボリューム的にも熱心に安全の範囲内だと説明をしています。

 さらに、岐阜国道は、住民アンケートの集約も済んでいないうちに、十一月一日付で地質調査のボーリングを行うと地元に通知しました。御望山調査検討会ではトンネル掘削のための調査がされていないから欠陥があるんだという指摘もありますけれども、そんなことはありません。まず、この調査検討会の「はじめに」というところで、この検討会の性格と意義について規定をしているんですけれども、この調査というのはトンネル設計の調査とは性格を異にするんだと。そして、安全性の確認のために危険性の発生要因や問題点を多角的、総合的に検討すると、こういう役割が書いてあります。かといって、じゃあトンネルの影響は調べなくていいのかというと、そういうことではないと。ちゃんとボーリング調査もやっております。(資料を示す)これが報告書ですけれども、これに対してこれだけの調査資料をつけて毎回議論をしたんですけれども、この中にはボーリングを行っております、ちゃんと。(資料を示す)合計七本ですかね、そのうちの五本目が、現行ルートの山のちょうど上に当たるところで掘って、そしてその結果を出しているんです。この結果によりますと、トンネルのすぐ上の地質が大変悪いと。天端部という、てっぺんですね。だから、トンネルには適さない山なんだということも言っておるわけです。

 さらに、昨年三月に検討会の結果が出された後で、国道事務所は専門委員会に対して、まだわからない点があるんだといって四十一項目もの質問書を出しています。専門委員会の志岐委員長を初め、専門委員が文書回答に加え、説明会も行ったと聞いています。そこまでやっても納得しない。そういう体質なんですね、国交省は。もしそれでもどうしても追加の調査が必要だと考えるならば、専門委員や住民に相談があってもいいのではないか。合意の上で、一番有効な最低限の調査はどうすればいいか、こういう相談があってもしかりでありますが、そういうことは全然ありませんでした。なぜ素直に御望山を外すという変更案ができないんでしょうか。どうしても御望山のトンネル掘削はやり通す、インターチェンジの位置は変えない、こういう一度決まった国の計画を頑固に押し通すものを私は感じています。

 そこで、知事に伺います。

 今回、国がBルート案ということで、トンネルを掘ることも安全の範囲内だと言っていますが、その根拠については私どもには情報がわかりません。どんな分野の専門家のだれに聞いたのか、こういうことを聞いても、国は公平な議論に支障があるといって公開してくれないんです。この点を県や市や住民にも明らかにすべきだと思いますし、今後の再検討においても御望山調査検討会のように開かれた形で透明性を確保しながら行うべきですが、どうお考えでしょうか。

 また、超地元の第二千成団地、そしてお隣の貴船台団地の住民にとっては、今でも、大雨が降ったり、また軽い地震があったりしても、山に影響はしないかな、崩れてこないかな、そういう心配が絶えずあるんです。今後、ボーリング調査で穴をあけたり、ましてやトンネル工事をするということになれば、夜も眠れない日が続くことは明白です。行政は住民の安全・安心を確保すると言いますが、こうした住民の不安な思いを知事はどう受けとめてみえるんでしょうか。その上で、国との協議の中でどのように反映していかれるのか、お聞きします。

 次に、県土整備部長にお尋ねします。

 今後のスケジュールでありますが、いつまでにアンケートを取りまとめ、国の再検討結果を出すのか。また、その際、御望山調査検討会のメンバーであった岐阜市、岐阜県、専門家、住民の意見を聞くこと、そしてそれを反映することが保証されるのかどうか、県はどのように承知しているのかをお答えください。

 次に、少子化対策について少子化担当総合企画部次長にお尋ねします。

 今議会で、少子化対策基本計画とも言える「安心して子どもを生み育てることができる岐阜県づくり基本計画」が提案されています。女性のみならず、男性も仕事と子育てを両立でき、自分らしく生きられるために、そして日本の財政を支える産業人口を確保するためにも、少子化対策は急務の課題です。

 今回提案された計画案は、保育、教育、就労、それぞれの分野で数値目標を設定し、言いっ放しでなく、一定の到達を目指すという決意は感じられます。ただ、市町村の立場からすると、保育所待機児童の解消、低年齢児保育や放課後児童クラブなど、充実すべき事業の大半は市町村事業であり、幾ら県で目標を決めてもらっても、実体的な支援がないと財政的にも厳しくて、なかなか主体的に取り組めないという声も聞かれるところです。そこで、県として実効ある少子化対策基本計画とするためにどのような対策をとられるのか、お聞きいたします。

 その際、私なりに重要だと思うポイントは、一つは、出産後も正規職員として働ける環境だと思います。調査結果によると、岐阜県の女性は、二十代は、このときは独身と思われますが、そのときはパート率は全国で四十三位と低いけれども、三十代に入るとパート率が全国一位というふうに、三十代の人は一気にパートになってしまう、子供が生まれたらパートに切りかえるという傾向が見られます。三世代同居が多いとか、県民性もあるというようなお話もありますが、女性としても本来は正規職員としてキャリアを積みたいはずであります。その条件をどうつくるかが問われます。

 二つ目は、子育て家庭の経済的負担の軽減です。子供を持つなら三人が理想だとしながらも、一人、二人しか生まない理由には、経済的に大変だからと答える世帯が多くあります。子供の医療費の無料化拡大や保育料の軽減など、子育てに係る費用をどう軽くしていくのでしょうか。これらの問題は、県庁内の各部局や民間企業、市町村との連携や協力が不可欠であり、それらへの支援も必要ですが、この点についての答弁もお願いをいたします。

 次に、療養病床の削減について健康福祉部長にお尋ねします。

 療養病床とは、日本の医療制度の中で、一般病床が急性的な病気で比較的短期の入院を対象としているのに対して、病気や高齢で長期にわたって入院が必要な患者さんを受け入れている俗称老人病院などと呼ばれる病床で、医療型と介護型の二種類があります。国は、この療養病床には社会的入院が多いと決めつけて、ベッド数削減計画を出しました。全国で医療型のベッドが二十五万床、介護型のベッドが十三万床あります。今回の計画で、国は五年後の平成二十四年三月までに医療型を十五万床に減らし、介護型すべてを廃止すると決めました。合計三十八万床を十五万床へと、全体で六〇%の大幅な削減です。一定部分は老人保健施設などへの転換が位置づけられています。先般、NHKのドキュメントで、八カ月間で十カ所の病院や施設を転々とした高齢者がいるということを紹介していました。家族の介護というのは限界もあります。そして、高齢者は医療と介護がどうしても混在して必要です。こういう中で療養病床の削減がされれば、こうした例がもっと発生してくることは避けられないと思います。

 国は、今年度中に医療費適正化整備計画をつくって計画を本格化しようとしていますが、既に昨年からの診療報酬改定では療養病床の報酬を三〇%も削減し、経営困難のために廃止に追い込まれたところもあり、事実上、ベッド削減が進められています。岐阜県でも、国と同じく、平成二十年度から二十四年度末までの医療費適正化計画を策定することになっています。岐阜県下では、療養病床は現在三千七百三十五床ありますが、その六割が削減となれば、約千五百床しか残りません。しかし、もともと岐阜県は全国平均に比べて平均在院日数−入院しておられる期間日数−も人口当たりのベッド数も少ないのです。国の計画を一概には受け入れられないのではないでしょうか。

 岐阜県は、療養病床を持つ病院と診療所に、平成二十四年以降どうするかという意向調査を行いました。回答されたのは四十九病院と三十二診療所で、ベッド数は三千三百三十床であります。その結果によれば、明確に医療型や老人保健施設への転換を表明しているところは、ベッド数でいきますと二千四百三十四床で、回答全体の三分の二です。残り三分の一は、既に廃止を決めているというのが八十一床、未定が八百十五床です。転換が進まない理由としては、転換先の介護施設等の基準診療報酬が明確でないと言っているのが八件、二百五床分、六%、転換後の経営の見通しが不透明であるというのが十一件、三百八十三床、一一・五%もあるわけです。三分の一の病院は、先行き非常に不安だということで、やめてしまうかもわからないという結果が出ているというふうに思います。

 そこで二点お尋ねをいたしますが、一点目は、岐阜県における療養病床再編目標の考え方です。そもそも初めにベッドを削減して医療費抑制を図るという進め方自体が問題であり、医療難民・介護難民となられる方が出ることを危惧します。県が策定する来年度から平成二十四年度までの医療費適正化計画は、ぜひとも行き場のない高齢者を出さないよう再編目標を定めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 二点目は、私どもはベッド削減そのものをすべきでないという立場でありますが、病院によっては、介護保険施設への転換を希望されているところもあります。その際、現在ある国の転換補助の制度では金額的になかなか厳しいのではないかと思います。施設への転換を円滑に進め、また転換後の介護施設や療養病床として存在する医療機関が安定的に運営していけるよう、県としてはどのように対応していくのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 続きまして、消防広域化推進計画についてお尋ねします。

 昨年六月施行の改正消防法に基づく消防の広域化が進められようとしています。政府は「市町村の消防の広域化に関する基本指針」というものを発表して、人口三十万人を一つの単位とする再編基準を示しました。そして、県においても今年度中に消防広域化推進計画を策定することになっています。

 現在、岐阜県内の消防本部は二十二カ所、十万人以下をエリアにしているところは十八カ所、さらにこのうち五万人以下の区域が十カ所あります。このような実態からすると、今後、岐阜県は、圏域ごとに一カ所で県下五カ所、あるいは全県まとめて一カ所の消防本部に統合されてしまうのではないかという状況です。今でも岐阜県は、国の基準から見て消防職員の人員数の充足率が五四%であり、全国平均の七六%と比べても低い到達点になっています。今回の消防広域化によって、実態の体制が改善されなくても、数字上、充足率が上がることも予想されます。このところの傾向としては、火事の件数はほぼ横ばいですが、救急車の出動は年々ふえています。こうした状況に対応するためにも、地域の事情に即した対応、そして根本的に消防力の向上が求められると思います。

 そこで、以下、危機管理統括監に伺います。

 一点目は、県の策定する広域化推進計画は市町村に対して強制するものではなくて、あくまで任意であって、市町村、地域の意思が反映され、その積み上げが県の推進計画となるべきだと考えますが、その姿勢がおありでしょうか。

 二つ目に、消防力の整備についてですが、たとえ広域化をしなくても、独自の努力として現状の充足率を上げるための取り組みが必要だと思いますが、その点についての考え方をお尋ねいたします。

 最後に、自衛隊が行う公道を利用した歩行訓練について知事に伺います。

 今年八月から十一月にかけて、名古屋の守山駐屯地に所属する陸上自衛隊第十師団第三十五普通科連隊が、住宅地など市街を隊列を組んで行進するという訓練を岐阜県各地で行いました。具体的には、八月三十一日から九月一日が揖斐川町から海津市、九月四日山県市内、十一月二十日から二十一日が白川町から守山駐屯地、十一月二十二日多治見市内、十一月二十六日高山市内、十一月二十九日は七宗町、参加隊員は三十名から八十三名、車両は一台から五台の隊列でありました。計六回です。

 今回の訓練について、防衛省は市内の地形確認と隊員の意識向上と説明していますが、地形を確認するなら、何も迷彩服を着て、鉄砲を担いで、隊列を組んで歩くというようなことをやらなくても、もっと実態に合う方法があるんじゃないかと思います。小学校の横や病院の前も通行しており、住民からは、「子供たちに銃を持った姿は見せたくない」「戦前の日本に戻ったよう」「子供たちの未来は軍隊に頼らない平和を望みたい」との声も聞かれました。何よりも、まちの雰囲気が騒然となり、県民や来訪者に与える印象が高圧的なものになりました。せっかく今、ひだ・みのじまんキャンペーンの真っただ中であるにもかかわらず、その中心の高山などでこういうことを行うというのは、キャンペーンも台なしではないかと思います。

 今回の訓練の本当の目的は、国民保護計画とも相まって、より実戦に近い市街戦想定の訓練ではないのかと考えます。現に自衛隊のホームページ上で、今年三月、第十師団の新任司令の着任の辞というのを紹介していますが、それによると、「陸上自衛隊の本質は武力集団であり、その基本は野戦である。武力集団の原点に立ち返り、いついかなる任務にも即応できるよう精強な師団を練成する」と述べています。

 そこで知事にお尋ねしますが、知事はこの自衛隊の訓練が県民感情へどのような影響を与えたとお考えでしょうか。実施された地域の住民は圧迫感・違和感を感じており、このような訓練は今後は行わないよう申し入れるべきだと思いますが、その意思がおありかどうか。

 以上六点、お尋ねいたします。



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず予算編成に関しまして、基本姿勢及び優先順位について御質問がございました。

 御指摘の予算の配分でございますが、これも昨日、あるいはきょうの午前中も議論がございましたけれども、大変厳しい中で、厳しい財政事情のもとで、現在、編成作業を鋭意進めておるところでございます。厳しいだけに、一層県民のニーズをきちんと把握して、県民の皆様のお考えを十分に踏まえて、これを予算にバランスよく反映させていくということが何よりも大事ではないかというふうに思っておるわけでございます。

 そういったことも含めて、この秋、かなり時間をかけて全庁的な重点政策についての政策論議を庁内でしたわけでございまして、既にお目通しかと思いますが、平成二十年度県政重点政策課題というものを整理させていただきました。そこに掲げる柱としては、地域の元気づくり、くらしの安全・安心づくり、ぎふの未来のための基盤づくりということで、その三つの柱のもとにいろいろな施策を整理しておるところでございます。こういう考え方のもとで、優先順位をしっかり見きわめながら予算編成を行っていくというのが今の基本的な考え方でございます。福祉・医療の問題、公共事業の問題、いろいろと御指摘がございました。これらも含めまして、今申し上げましたように、この三つの柱に沿いながら、それぞれの予算の必要性、意義を十分踏まえて作業を進めてまいりたいというふうに思っております。

 それから重点事業特別枠について、その性格、あるいは、かえってしわ寄せが生ずるんではないかという御質問がございました。

 今回、あえてこの重点事業特別枠を設定いたしましたのは、先ほど申し上げました平成二十年度の重点課題に沿って、政策面で新規性のあるソフト事業についてシーリングの制約なしに各部が予算を要求できるという枠として設けさせていただいたと。そこで各部が、若い人も含めて、新規性のあるソフト事業ということで知恵を絞ってもらうという趣旨でございます。これについては、マイナス何%というような制約なしに幾ら要求してもいいということにしてあるわけでございまして、これを活用して大いに政策面での議論を進めてもらって、まさにその結果として県民生活の向上につながるように、十分内容を精査して予算の配分をしていきたいというのが今の私の基本的考え方でございます。

 それから、御望山について二点御質問がございました。

 まず今回の国の対応でございますが、御案内のように、御望山調査検討会の報告を受けて、そして国においてそのデータ等を含めて再検討が行われたと。そして、現都市計画ルートも含めまして、御望山を通過するルートでも安全の範囲内にあるということで国として判断をして、選択肢の一つ、比較ルートの一つに加えたということでございます。現在、事業主体である国土交通省において、これまで市内五地域で地区住民への説明会が開催されておりまして、延べ六百名ほどの方が参加されたというふうに聞いております。また、アンケート調査も実施されておるわけでございまして、現在、集計作業中というふうに聞いております。またさらには、御望山での地質調査も開始されたということでございます。

 今後、まず事業主体たる国土交通省において、アンケート結果、あるいは地質調査結果の公表をしっかりやっていただくと。そしてまた、第二千成団地の方々も含めた地域住民の皆様に対しまして、安全性確保の観点も含めて、この再検討の過程や考え方についてしっかりとした説明をしていただくということになるというふうに私ども聞いておりまして、この過程を大いに関心を持って見ていきたいと思っておりますが、この再検討の過程の透明性といったものは、そういうプロセスの中できちんと確保していかれるべきものというふうに考えております。

 住民の皆さんの安全・安心に関する不安ということでのお尋ねがございました。九月議会でも御答弁させていただきましたが、県民の安全を守ることが私の重大な責務であるということはもちろんであるわけでございます。今申し上げましたように、今後、地質調査の結果、あるいは再検討過程及びその考え方について地域住民の皆様に十分説明されるものというふうに承知しておるわけでございますが、国土交通省でも当然安全に万全を期するというのは基本であるというふうに思っておりまして、県といたしましても、この住民の皆様方がこのプロジェクトの安全・安心の確保を強く求められておるということに思いをいたしまして、国土交通省の安全性への対応について大いに関心を持ってまいりたいというふうに思っております。

 最後に、自衛隊が高山で行いました公道を利用した歩行訓練についてのお尋ねがございました。

 まず、申すまでもないことでございますが、自衛隊は、災害時には、災害対策基本法によりまして、知事の要請に基づいて災害救助活動を行うと。あるいは、武力攻撃事態など有事の際には、国民保護法によりまして、避難誘導、あるいは人命救助を行うというような、県民の生命・財産の保護に当たっていただいておるわけでございます。また近年、岐阜県では、平成十四年四月に発生しました岐阜市東部・各務原市林野火災におきます火災の防御でありますとか、あるいは平成十六年十月の台風二十三号における救助活動などにおいても、その力を発揮していただいたところでございます。こういったことから、県としましても、防災訓練等各種訓練にも自衛隊には参加していただき、連携強化に努めておるというところでございます。

 一方で、自衛隊の任務は、自衛隊法第二条に掲げられております我が国を防衛する任務というものが本来任務としてあるわけでございまして、この任務遂行能力を高めるために防衛省設置法等の規定に基づきましてさまざまな訓練が行われておるということでございまして、公道を利用した歩行訓練もその一環として県内で実施されているというふうに承知をしておるわけでございます。また、その訓練の際の服装・装備につきましても、所定の規定に沿ったものというふうに聞いておるわけでございます。

 これらの訓練に当たりましては、必要な法令上の許可を取得することはもちろんでありますが、あわせて自衛隊と地元市町村との間で、コース、宿泊所、休憩所等の調整がなされておりまして、その中で住民への配慮は行われているというふうに考えられるわけでございます。具体的に御指摘のありました高山市の訓練につきましても、道路交通法第七十七条の道路使用許可を取得すると同時に、第三十五普通科連隊が高山市役所を訪れて市の担当者に説明を行うということで協議も行っておられますし、また初期段階で高山市の方からコースや訓練内容について意見を申し入れたことによりまして、特にコースについて高山市の意見が尊重された結果になっておると。最終的には高山市も訓練実施を了解したというふうに聞いておるわけでございまして、この点につきまして私自身も高山市長とも話をしたところでございます。

 以上のような経緯にかんがみまして、県といたしまして、今回の高山の訓練につきまして特に自衛隊に対して申し入れを行う必要はないんではないかというふうに考えております。



○副議長(安田謙三君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) 消防の広域化についてお答えします。

 現在、消防におきましては、災害の大規模化、複雑化、救急搬送の急増などへの対応が求められる中で、本県においては小規模消防本部が多く、消防職員の充足率が低いことから、消防力の向上が従来からの重要な課題となっています。このため、県としても市町村に対し助言・指導を重ねてきたところであり、今後も引き続き消防力の向上に取り組んでいかなければならないと考えております。このような状況の中で、消防の広域化は、例えば総務・通信指令部門の効率化により生み出される人員を現場に再配置して救急などの住民サービスの向上を図ったり、組織の規模を大きくすることで災害への対応力や行財政基盤を強化するなど、将来にわたる住民ニーズにこたえられる消防体制の確立を目指すものでございます。しかしながら、消防は市町村の事務であることから、県としては、市町村の自主的な判断、意見を十分お聞きし、その結果に従って消防広域化推進計画の策定に取り組むことを基本的なスタンスとしており、市町村の自主性を損なわないよう配慮してまいります。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 療養病床について二点お答えいたします。

 一点目の再編目標に対する考え方についてですが、再編目標に関する国の基準に対しては、入院患者の医療ニーズやさらなる高齢化の進展への配慮が十分ではないといった意見がございます。そこで、県といたしましては、国の基準だけではなく、将来の高齢化の進展を想定した入院需要や、医療機関へのアンケート調査を通じた介護保険施設等への転換意向や入院患者の状況など、さまざまな観点から検討を進めております。また、十一月十六日には岐阜県保健医療推進協議会を開催しまして県内の医療関係者等の意見を伺いましたが、今後もパブリックコメントや医療機関への説明会等を通じて意見を伺い、年度内に医療費適正化計画を策定し、療養病床の再編目標を決定することといたしております。

 次に、円滑な療養病床の再編に向けた県の対応についてですが、まず本年度は、説明会の開催や相談窓口の設置により、現在国において検討されている転換助成制度や介護保険施設に転換する場合の施設基準の緩和措置などについて、関係の医療機関に対し、情報を提供してまいります。また、こうした機会を通じまして、それぞれの医療機関が抱えている課題や御意見、御要望等を伺い、今後の政策などに反映してまいります。来年度以降につきましては、病床転換に向けた助成制度を実施するとともに、療養病床について医療機関が抱える課題の把握に努めてまいります。その上で、必要な場合には支援措置の見直しなど、制度改正を国に働きかけてまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道西回りルートに関する住民アンケートと再検討結果の公表時期及び御望山調査検討会の意見反映についてお答えを申し上げます。

 実施されました住民アンケートにつきましては、十一月八日に締め切られ、いただいた意見の総数は約千五百通であり、現在国において集計作業中であると聞いております。アンケート結果につきましては、個人情報の保護等に留意しつつ、まとまり次第、公表されるものと認識をしております。また、国土交通省で行われている再検討に当たっては、御望山調査検討会の委員を含めて、地域住民及びトンネル工学、地すべり等の分野における専門家に対して情報提供を行うこととされており、現在実施中の地質調査結果とあわせ、総合的に検討されるものと考えております。その検討の過程において、地元説明会を重ねた後に、事業者計画案が決定されるものと理解しております。県といたしましても、再検討の過程の中で、安全性を含めた国土交通省の考え方を確認してまいりたいと思っております。



○副議長(安田謙三君) 総合企画部次長少子化対策担当 古川芳子君。

   〔総合企画部次長少子化対策担当 古川芳子君登壇〕



◎総合企画部次長少子化対策担当(古川芳子君) 少子化対策についてお答えいたします。

 少子化対策については、出産や子育てに関する不安や問題を丁寧に一つ一つ解決していくことが必要で、そういう取り組みを通して初めて実が上がるものと考えております。「安心して子どもを生み育てることができる岐阜県づくり基本計画」のもとにおいても、そういった取り組みを強化してまいりたいと考えております。

 今後の具体的な対策としては、仕事と家庭の両立、子育てに対するさらなる支援が重要であると考えています。仕事と家庭の両立については、現在、経済団体や労働団体との意見交換の場を設け、企業と行政が連携した取り組みの具体化を進めています。例えば、企業における短時間勤務などの柔軟な働き方や、子育て支援の取り組み促進のための子育て支援企業登録制度を充実し、登録企業に対する雇用面での支援や広報の強化など、さまざまな施策を検討しているところです。また、子育て支援としては、例えば本県のゼロから二歳児の保育所入所割合が全国最下位であることを踏まえ、希望する保育所に年度途中でも入所できたり、一時的に短時間の利用ができる保育サービスの提供や、病気の子供も安心して預けることができるなど、保育所の受け入れ態勢の充実への支援などを検討しているところです。こうした施策を行うに当たっては、議員御指摘のとおり、県の各部局や市町村、さらには企業や保育所、NPOなど、幅広い関係者と課題や目標を共有して必要な施策を協働して実行していくことが必要であり、こうした取り組みを通して基本計画をより一層実効あるものとしてまいりたいと考えています。



○副議長(安田謙三君) 一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) それぞれ御答弁ありがとうございました。知事のところから再質問をしていきたいと思います。

 まず予算編成方針についてですけれども、バランスよくというようなことですね。県民の意見をよく聞いて、厳しいときだけにと言われるんだけれども、医療・福祉も含めながらというところに私はフラットにしているような受けとめがあるんです。要は、優先順位というのは何によって決まるのかということですけれども、一つは、公共団体としての県のもともとの役割は何かといえば、地方自治法にうたってあるように、福祉の保持増進なんですよ。これは絶対譲れない、そういう思い。それから県民の意見をよく聞くということであれば、県民世論調査に示されているように、今何を県民が望んでいるかというところにしっかりと視点を置く。そのことが順位の優先になってこなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですね。

 県民世論調査の中でもう一つ「暮らしの満足度」という調査がありまして、それで「現在の暮らしについてどう思われますか」という設問に対して、岐阜県民は、これは昭和五十八年からの統計ですけれども、平成十年ぐらいまでは七割が「ほぼ満足」、三割ぐらいが「ちょっと不満だ」というふうな、本当に大きく乖離して満足・不満足があったんですけれども、それが平成十二年にちょっと狭まって、平成十四年にはほぼ四七・五%と四六・一%で満足・不満足が一致する。十六年、十八年と連続して不満足層の方が上に上がっているんです。何で不満足なのかというと、もう一つの暮らしに対する不満ということで「どの面で不満に思われますか」ということでいくと、断トツで一番が「収入・貯蓄の問題」だと県民は言っているんですね。だから、やっぱり暮らしが厳しいんですよ、今。そこに県が視点を置くのか、優先順位の上の方に持ってくるのかどうか、この姿勢がちょっと今どうも、大事だけれども、まあほかとも同じ並びだというような雰囲気がしましたので、ちょっともう一度お答えいただきたい。

 それと、私が例に挙げました、こういうところからお金を持ってきたらいいんじゃないかと言った導水路計画とかダム、ダムは午前中に促進の質問があったところで大変申しわけないんですけれども、野島議員からありましたけれども、この内ケ谷ダムというのは、県土整備部長が答えたように、今まで百七十二億円使って、あと残り百六十億円なんて、できっこないと私は思います。なぜならば、この二百六十億円という事業費の予測が二十数年前に立てられたものなんですよ。徳山ダムでもそうでした。そんな昔につくった計画は、絶対どこかで膨れ上がるんです。だから、もう一回再検討、見直しをかけていくということぐらいはやってもいいんじゃないかというふうに思いますね。そういうところから捻出しなければ、なかなか今国からお金は来ない、それから県民の税収もばっとアップはしないというふうに思います。ここの工夫のしどころという点について、もし知事の方でお考えがあれば、この点についてもお願いをしたいというふうに思います。

 それから東海環状の問題ですけれども、どうも知事も、それから部長も、答弁は「関心を持って見守る」ですよ。国がおやりになることは見ていると。こういうふうにしてもらえるだろうと思うけれども、見守るんですよね。そうではなくて、私は、先般、試算が出されましたよね。議場でもお答えがあったけれども、東海環状自動車道の総工費は四千四百億円だと。その中で岐阜県が負うべきお金は、一千三百億円も国の直轄事業に県負担金を出すんですよ。三分の一はお金を出す。だったら口も出してよというところなんですね。もっと県民の立場をしっかりと国に、やっていただけるものと思っているんじゃなくて、今度、安全の範囲内というふうに言っているけれども、その根拠ははっきりしないわけですけれども、国が再検討して結論を出す時期があると思うんです。そのときに、県もその結論を出すときにちゃんと物を言うかどうか、このことなんです。国が協議している内容をちょっと離れて見守るんじゃなくて、その協議の中に参加していくと。県民を抱える一番責任を持たないといけない人として、しっかりと物を言っていくのかどうかという点について知事の答弁を求めたいと思います。

 もう一つ、自衛隊の問題も同じようなことなんですけれども、私ども法的に異議を唱えるつもりは全くありませんけれども、ただ、自衛隊が任務遂行のために、今まではちゃんと基地の中でそれなりの訓練をやってみえた。ところが、こうやって町中に何でおりてこなきゃいけないのかということなんですね。知事がおっしゃるように、防災のときには協力をしてもらわないといけないと。私もその側面は否定はしませんけれども、だったら、もっと実体的に県や市町村と相談をされたらいい。どういう場面を想定して役割をどうするのか、どこの場所を使ってこういう訓練やシミュレーションをやってみましょうよと、こういう事前の協議があってもいいと思うんですよ。今回のものは、早いときで二週間ぐらい前ですけれども、県に通知があったのは、多治見で十一月二十二日にやったのなんて、前日の二十一日に、はい、やるよといって県にぱっと通知が来ただけなんですよね。こういうことでいいんでしょうか。上級機関では今はないとされていますけれども、国と県が本当に県民の防災のあり方ということを考えたときに、事前の協議すら必要ないのかどうか。やり方についてせめて相談してよと、こういうものも言えないんでしょうか。中止せよというのは、ちょっとそういうのはそぐわないというお答えでしたけれども、やり方の協議、これについて知事は事前に協議してということも言ってもらえないのかどうか、お尋ねします。

 それからあと療養病床の方は、ぜひ医療機関の実態、それから今置かれている高齢者の実態や家族の実態というものをしっかりと調査して、意向を踏まえてつくっていただきたいと強く要望しておきます。

 消防の広域化の方も、要するに本部に今まで張りついていた通信部分の人が現場に行くからもっと体制が強化されるというような御答弁でしたけれども、本当にそんなふうにうまくいくのかなと。これはやっぱり地元の現場を知る方の意見が第一ですので、自主性を損なわないようにするというふうな御答弁でしたので一応了解をしておきまして、そのような立場での計画にしていただきたいと思います。

 少子化対策ですけれども、これからというところですので余り細かいことについてお尋ねはできませんけれども、例えば〇三年度の決算で見ると、岐阜県は保育所の入園児百人当たりの保育士の人数は全国四十六位なんですよ。全国平均が一三・七人に対して九・八人というところがあります。こうした体制の整備も必要であると思いますし、また計画の中に育児休業をしっかりとってもらおうというような、有給休暇もちゃんととってもらおうというようなことが入っておりますけれども、県庁は、女性の職員はほぼ育児休業をとっているんですけど、男性は一とか二とか、多い年でも三とか、非常に少ないなという印象があります。頑張ってもらいたい。それから有休も、全国の都道府県が一一・六なのに、岐阜県は八・九ですよ。休まずによく働いているということですが、これはきちんと休みをとった上でいい仕事をするということが必要だと思いますので、こういう点にも注意をしながら、ぜひ実効ある計画を進めていただきたい。これは要望しておきます。



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 三点再質問がございましたが、最初の予算につきまして、私のボキャブラリーがちょっとはっきりしないという御指摘でございましたけれども、基本的に、大変極めて厳しい状況にあるということで、あれもやりたい、これもやりたいと、あれも必要、これも必要という中で、どのように厳しい査定をやっていくのかというところでまず大変苦慮しておるというのが基本であるというのが一つ。それから御指摘のありました世論調査についても、私ももちろん見させていただいておりますし、暮らしの満足度も、この不満足と満足が既に逆転しておるということで、特に家計を中心にいろんな面で御不満があるということも承知しておりまして、こういったことももちろん判断要素の大きなポイントになることも間違いないところでございまして、そのことははっきり申し上げておきたいと思っております。ただ、暮らしというものはいろんな要素から成り立っておるわけでございまして、この暮らしというものを、どういう点をどう予算という角度から見ていくのかということについて、これはまた一つ一つの予算の中身でありますとか、実効性でありますとか、熟度でありますとか、それから必要額でありますとか、緊急性でありますとか、一つ一つ丁寧に眺めていく中で最終的に具体的な金額、予算が決まってくるということでございますので、きょうのところは私としては基本的な姿勢、考え方を申し上げたわけでございまして、それに沿って、とにかく厳しく査定していかざるを得ないというのがまず大きな流れであると。その中での優先順位の見きわめであるというふうに御理解いただければと思っております。

 それから、見守るのはけしからんということですが、見守る以上、当然、県民の安全を守る立場にある県として、あるいは私としては、この安全性というものについてしっかりと確認をする必要があるというふうに思っております。したがって、これから一つ一つ説明会があり、アンケート調査の公表があり、あるいは専門家の意見聴取があり、いろんなプロセスがあるわけでございますが、その一つ一つがどのように行われるのか、またその過程でどのように説明されていくのか、とりわけ安全性という観点からどんな議論がなされていくのか、そしてそれが最終的な結論にどうたどり着いていくのか、この辺はしっかり見きわめて、そして、おっしゃったように、何も最終段階に別に限るわけではありませんので、必要に応じてそのプロセスの中で我々としても物は言っていきたいというふうに思っておりますので、黙って見守るという趣旨ではございませんので、そこは誤解のないようにお願いをしたいと思っております。

 それから自衛隊の件でございますが、第一義的には、先ほど申し上げましたように、高山市との間でやりとりがあって、そして高山市も了解をして、特にルートについては高山市の意見が尊重されたということで了解しておるということで、私どもとしてはそういう状態であれば県からあえて申し入れることはないんではないかというふうに申し上げたわけでありますが、実は昨年のある時期までこの自衛隊の歩行訓練についての情報は、岐阜県の場合、全く入っておりませんでした。これは何も岐阜県だけではございませんで、近隣他県も聞いてみましても、ほとんど県のレベルではこういう情報は入っておらないようでございます。

 そういう中で、昨年五月に県内で、御記憶かと思いますが、在日米軍による訓練計画の事案がございました。これをきっかけといたしまして、むしろ私どもの方から自衛隊に対しまして、県としては、単独市町村でやる場合にはその市町村とよく話し合ってくださいと。複数の市町村にまたがる場合には、あらかじめ県の方にも情報をいただきたいというふうに申し上げたわけでございまして、昨年半ば以降は、複数の市町村にまたがるものについては県に対してあらかじめ情報が入っておるということになっておりますが、さらに今回、高山市の案件もございますので、実は私どもとしては、複数市町村に限らず、単独市町村で行われるものについても自衛隊に対してあらかじめ情報提供していただくように要請をいたしまして、自衛隊もこれを受け入れていただいております。したがって、今後は複数であれ、一市町村であれ、自衛隊のこれらの訓練につきましては事前に私どもの方に情報が入ってくるということでございます。その上で、県といたしましては、もちろん法令上の問題はないとしても、日時、コースなどの訓練内容、あるいは自衛隊と当該市町村との調整の状況に応じて、意見を言うことが必要であれば申し入れを行っていきたいというスタンスで臨みたいと思っております。まずはそういう体制が今ここでできておるということについて御理解をいただきたいと思います。



○副議長(安田謙三君) 一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) 御答弁ありがとうございました。

 自衛隊ですけれども、訓練そのものもそうですけれども、やっぱり国民保護計画というもの、それ自体私ども納得しているものではないんですが、県も持っているわけですね。だったらそこに、本当に県内で何かやる場合は協議をするということはやっていただきたいなというふうに思います。

 それから東海環状自動車道は、ぜひ地元の住民の心情、命と財産がかかっているという思いを国の方にしっかり、今、途中でも物を言ってくれるということでしたので、いろんなタイミングで発言していただくように要望いたしまして、質問を終わります。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 二十五番 森 正弘君。

   〔二十五番 森 正弘君登壇〕(拍手)



◆二十五番(森正弘君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 昨日、我がクラブの岩井先生の代表質問の中で農政問題に触れられましたが、私は視点を変えて質問をさせていただきます。

 我が国の農業は、産業のグローバル化や少子・高齢化社会の影響を受け、その生産力の低迷が続き、日本各地で耕作放棄地がどんどん広がっております。また、我が国の食糧自給率も下落の一途を突き進み、昭和四十年には七三%であったものが、現在では四〇%を割り込むところまで来てしまいました。この間、自給率アップのためさまざまな努力と諸施策が講じられてきましたが、このとおりであります。我が県の状況も国と同様であります。

 そこで、政府は、かつてないほど大きな農政の転換を試みました。それが本年から始まった品目横断的経営安定対策と農地・水・環境保全向上対策と称する事業であります。これらの事業は我が県農業にとっても重要な施策と認識しておりますが、しかしながら、新制度の内容が複雑で理解しづらく、矛盾点もあると農家の皆さんから伺っており、その点を踏まえて農政部長にお考えを伺いたいと思います。

 そもそも国や県の指導のもと新制度により新しくスタートさせた集落営農組織、そして個人の認定農業者に対して、県は具体的にどんな指導と支援体制をとってこられたのでしょうか、それをまず伺います。

 また、この新しい制度に乗れない小規模農家の方々もたくさんいらっしゃいます。どんな方かと申しますと、農業が本当に好きで、親子代々農地を耕作しながら農業を引き継ぎ、長い間農業を守ってこられた方々であります。このような小規模農家の支援はどのようにしておられるのでしょうか、それを二つ目にお伺いいたします。

 次に、品目横断的経営安定対策の内容に関することです。

 昨年までは、麦に対しては麦作経営安定資金、大豆には大豆交付金という名目で補助金が支払われていました。これは、麦なら麦の出荷量・品質に応じて支払われてきたものでありますが、それが今年から新しい制度になって二つの方法で支払われることになりました。つまり、品目横断的経営安定対策では、麦や大豆を生産した農家に対して、昨年までの補助金全体の約七割に相当する額が、過去の生産実績に基づく交付金−ミドリゲタと言いますが−として支払われます。これは、過去に生産された量を面積に換算して支払うものであります。そして残りの約三〇%部分は、その年の生産量、品質に基づく交付金−キゲタと言いますが−として出来高払いというような形で支払われます。

 ここで問題を指摘させていただきます。過去の生産実績に基づく交付金、ミドリゲタの部分ですが、これは平成十六年、十七年、十八年と、この三年間に各農家が出荷した量を面積換算して、その年の平均値を定め、これを十アール当たりに対して交付金として支払われるものです。この過去実績は各農家ごとに今年六月に国に登録されましたが、そこで問題なのは、実際に今年麦や大豆を作付しなくても、この交付金が支払われるという点であります。過去実績のある農家は過去の御褒美だと喜んでおられるかもしれませんけれども、この四月から新しく取り組まれた農家は、これから地域農業の担い手として真剣に取り組もうとしておられる方々にもかかわらず、昨年度までの交付金の七〇%に当たるミドリゲタ交付金が受け取れないということで、大変大きな失望と落胆の中、資金ぐり面でも大変お困りだと聞いております。

 私としては、実際に額に汗して努力した生産者こそ手厚く支援するべきだと考えます。それが、担い手の皆さんが農業に意欲を持って取り組まれ、その結果、我が県の食糧自給率アップにもつながると思いますが、この収穫の多い少ないに関係なく、全く作付しなくても交付金が支払われるというこの制度についてどのように思われるでしょうか、これが三点目の質問であります。

 次に、農地・水・環境保全向上対策について伺います。

 昔から農業は、食を生産供給するだけでなく、生産活動によって環境保全の面でも大きな役割を果たしてきました。昨今は、地球的規模で環境破壊が進んでいる中、日本の各地でも過疎化、高齢化による農業離れが進み、農業が担ってきた環境保全能力が低下しております。急速に農家戸数が減少し、また耕作放棄等で農地や農業用水路の保全・管理も難しくなってきました。そこで、農業を営む人だけでなく、広く地域の子供からお年寄りまで、みんなで地域が一体となって農業用水路など農村環境を守っていこうと、本政策がスタートしたわけであります。

 県下での取り組みは、五百二十一組織、面積では二万五千ヘクタール、農地面積に対する取り組み割合としては全国六番目に高いというふうに聞いております。取り組まれている地域では、今までにない連帯感が生まれたとか、そして地域が大変きれいになったとかいうお話も聞いておりますが、世話役の役員さんは、書類が多くて本当に大変だと、また、今年は地域がまとまらなかったけれども来年度から新たに対象となるのかと、そんな声も聞かれます。

 そこで、来年度から新たに取り組もうとする地域も対象となるのかを含め、今後県としてどのようにこの対策を進めていかれるのか、農政部長のお考えをお伺いします。

 最後に、今年十月に鳥取で開催されました第九回全国和牛能力共進会において、岐阜県代表が、五年前の岐阜県大会の総合評価区優等賞一席に続く、大変僅差ではありましたが、優等賞二席を獲得しました。また、肉牛部門では、二大会続けて全出品牛のうち最高の枝肉に与えられる最優秀枝肉賞を受賞して堂々の日本一に輝き、全国に誇る飛騨牛ブランドをさらに高めていただきました。このことは、岐阜県大会以降、県内の肉用牛農家の方々の努力はもとより、JAを初めとする関係者の皆様による献身的な指導・支援が実を結んだ結果だと思います。また、生産者の方々は、県を初めとする行政機関のさまざまな団体からの支援に大変感謝をされておられました。出品された方々を初め、多くの関係者の皆様の五年間の御苦労に敬意と感謝をあらわし、心からお祝いを申し上げる次第であります。既に五年後の長崎県大会に向けて取り組みが始められていると聞いておりますが、長崎県大会でも頑張っていただき、優秀な成績をおさめていただくことを祈念いたします。今後とも名実ともに認められたおいしい飛騨牛を県民の皆様に安全で安心して召し上がっていただけるようお願いして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 品目横断的経営安定対策について三点のお尋ねがありました。

 まず最初に、県の指導と支援体制についてお答えをします。

 県は、この対策を水田農業に係る重要な制度であると位置づけ、平成十七年度、市町村ごとに県、市町村、農協などの担当者で構成する担い手育成支援チームを設置し、普及指導員をコーディネート役にして現場で幅広く推進できる体制を整え、支援してまいりました。具体的には、制度の対象となるすべての方に対し、集落座談会や戸別訪問などを通じて制度の周知を図るとともに、必要に応じて加入するための条件整備、具体的な経営方針の策定、集落営農の組織化のために必要な規約の作成方法などを助言・指導してきたところでございます。さらに、市町村や農協の担当者を対象として集落営農組織設立に向けた世話人の養成研修会を実施するとともに、関係機関と協力して加入手続に係る出前説明会などを実施しているところでございます。今後とも、集落営農組織や認定農業者の方々の御理解を得て、この制度が円滑に運営されるよう努めてまいります。

 次に、小規模農家への対応についてお答えをいたします。

 本制度は、個人としては加入要件に満たない農家についても集落営農組織に参加することで対象になれることから、県としましては、できる限り本制度に加入いただけるよう説明会をきめ細かく開催するとともに、必要となる農業機械等の導入について助成するなどして、集落営農の組織化を積極的に推進してまいりました。また、特に小規模農家が多い中山間地域の集落営農組織でも加入しやすくなるよう、農水省幹部との意見交換会などを通じて国へ要件緩和の提言を行っているところであります。なお、さまざまな条件でどうしても本制度に加入できない小規模農家に対しては、地域で農地を守り、農村集落の活力維持を図るために、農業を継続していただくことを目的として、機械の共同利用組織に対する支援などを検討してまいります。

 次に、過去の生産実績に基づく支払いについてお答えをいたします。

 国では、品目横断的経営安定対策を安定的、継続的に運用していくため、WTO農業協定の中で補助削減の対象とならない政策、いわゆる緑の政策として、過去の生産実績に基づく支払い、ミドリゲタを設定いたしました。制度内容としては、議員御指摘のとおり、その年に全く作付をしなくても交付金が支払われる仕組みではございますが、従来の品目ごとの支援から経営体の育成に重点を置くものであり、将来にわたり水田を活用していく担い手を支援する制度であり、制度の本旨としては水田農業の維持・拡大を目的としたものであります。確かにこれまでにない制度でございますので、農家の皆様の御理解を十分得られるよう今後とも粘り強く説明してまいります。

 最後に、農地・水・環境保全向上対策についてでございますが、本対策は今年度より始まり、現在、県下の農振農用地の約四五%に相当する地域で取り組まれております。これまでの活動では、用排水路の草刈りや泥上げ等の維持管理はもとより、休耕地を利用した景観作物の栽培や農業体験、水路での生き物調査など、子供から大人まで、地域の方々が幅広く参加し、地域一体となった活動がなされております。県といたしましても、来年度から新たに取り組む地域についても交付対象とし、こうした活動をさらに幅広く展開してまいります。また、実施中の組織に対しては、適正かつ円滑な事務処理への指導や、活動内容の充実を図るための研修会、優良事例の紹介を引き続き行うとともに、今後は優良地区表彰などを実施し、活動組織のさらなる取り組みの向上や、地域に愛着や誇りを持ってもらえるよう本対策を推進してまいります。

 なお、御質問ではございませんでしたが、全国和牛能力共進会につきましては、県といたしましても飛騨牛を全国にPRする絶好の機会ととらえ、次回長崎全共に向けて、生産者、関係機関の方々と連携して取り組んでまいります。



○副議長(安田謙三君) 二十三番 伊藤正博君。

   〔二十三番 伊藤正博君登壇〕(拍手)



◆二十三番(伊藤正博君) 発言のお許しをいただきましたので、本日は大きく分けて三点についていろいろお尋ねをいたしたいと存じます。よろしく御答弁をお願いいたします。

 まず一つ目は、防災観測機、やっこだこ飛行ロボットの製品化に向けての支援についてということで、産業労働部長にお伺いをしたいと存じます。

 耳なれない方も多いのではないかと思いますけれども、本日お手元に資料も配布をさせていただきましたので、ぜひこの機会に少しでもお知りをいただけたらというふうに存じます。この製品をぜひ知識産業育成の一つとして積極的に支援すべきという視点でお尋ねをいたしたいと存じます。

 これまで岐阜県では、情報通信産業やロボット産業などの新産業、製造業を中心としたものづくり産業など、県の産業振興のあり方について、業界からのさまざまな提案を受けながら、新たに岐阜県産業振興ビジョンを策定し、その方向性を明らかにし、さまざまな施策が現在まで取り組まれております。

 また一方で、これまで日本の研究開発と経済成長の歴史を見てみますと、アメリカやヨーロッパ各国に比べまして、日本の経済成長における技術の進歩の伸びは残念ながら低いものになっていると言わざるを得ません。一番大きな理由は、外国に比べて日本での研究開発は、研究開発までは国、あるいは県という官がサポートしたり、あるいは補助金を出したりということをするわけでありますが、実用化、あるいは製品化はすべて民間企業でやらなければならないという考え方であります。しかし、このような考え方、システムでは、なかなか研究開発した技術は確立されないわけであります。アメリカでも、また日本でも、このいわゆる「死の谷」と言われます研究開発から市場投入に移るまでのギャップ、橋渡しをいかに克服するか、ここをいかにサポートするかが大変重要で、新しい技術開発と実用化には欠かすことができないと考える次第であります。

 したがって、先端技術を県内産業振興や製品化して役立たせるためには、今まで以上のサポート体制が必要であり、欠かせないと考える次第であります。すぐれたハイテク技術も、実用化し、それを使ってこそ意味があるわけでありまして、それが経済の活性化につながるというふうに思います。そうした観点からも、この防災観測機、やっこだこ飛行ロボをいかに使うかが大変重要であるというふうに考えた次第であります。研究のための研究に終わらすことなく、具体的成果を県民にわかりやすく示す必要があります。その一つとして、この機体の製品化に向けての支援策についてお考えをお伺いするものであります。

 この防災観測機、やっこだこ飛行ロボットの研究成果は、大変すばらしいものであるというふうに思います。今後、災害等の発生時などに有効な手段として活用できるレベルにあると考えるわけであります。この機体は、空飛ぶ自動車、通称ミラクルビークルの応用により開発された機体であります。御承知の方も多いと思いますが、ミラクルビークル−MV−は、平成十年度から十四年度にかけて、社団法人 岐阜県工業会が中心となりまして、県からの支援を受け、四千八百七十万円の予算で試作機を開発し、平成十四年度に飛行実験に成功するなど一定の成果をおさめたというふうにお聞きするわけでありますが、これまでの議会でも報告がなされております。そして、この研究開発技術を受けて、平成十五年度から、消防庁やNEDOからの委託を受け、総額約六千二百八十万円で、皆さん方のお手元にございます無人防災観測機の研究開発に取り組み、昨年、平成十八年度までに研究開発を終え、現在は実用化に至るまでになったとお聞きをいたしております。

 この防災観測機は、全長が一・二メートル、全幅が一・四メートル、そして全高が〇・五メートルで、重量は五キログラムであります。一人または二人で十分持ち運べる機体となっております。災害発生時などに、早期に現場に行き、写真撮影やビデオ撮影ができ、リアルタイムにその画像を地上に伝送して、迅速な救助、あるいは支援活動をより有効に行うために開発を行ったものであります。主な性能としては、指令から五分以内に発進をして、三十分以内に三十キロ圏内の情報収集を行うことができまして、ビデオ情報は無線により災害時の対策本部や県・市町村との通信網に接続をし、対策の正確・迅速性を図ることができるというものであります。また、この観測機の特徴は、小型軽量であるために、二十メートルの空き地やグラウンドから発進をし、五百メートルの見通しができる圏内は手動操縦によりますけれども、視界外はGPSによる自動・自立飛行ができるという機体であります。また後ほど申し上げますが、この機体は災害時の活用のみならず、河川、あるいは山岳のパトロール、不法投棄など、環境保護のための監視飛行等にも活用できるメリットがある機体として実用化され、さらに今後の運用研究でその性能向上を大いに図ることができるという、すばらしいものになったとお聞きをいたしております。

 一方、私は、費用の効率化、あるいは負担の軽減というものを考えますと、現在岐阜県にございます防災ヘリ、あるいは県警ヘリとの役割分担や仕分けが必要ではないかというふうに考える次第であります。御承知のように、現在岐阜県では、防災ヘリが二機、一機は警察との併用になっておりますけれども、県警ヘリが一機の合計三機のヘリコプターを保有しております。さまざまな災害や救助に、それぞれに応じた対応と活動が行われております。また、防災ヘリ若鮎?号には最新のテレビカメラも搭載されており、その映像はリアルタイムに地上に送られ、さまざまな活動に役立っているとお聞きをいたしております。しかし、天候とか何らかの事情によってはこれらのヘリを飛ばすことができないケースもあり、残念ながらヘリが必要と思われるときに出動できないケースもあると考えるわけであります。また、最近、飛騨地域からは新たな防災ヘリの飛騨エアパークへの常駐希望の要望も出されております。

 財政状況が厳しい中、またヘリ操縦士の負担軽減などを図るためにも、この飛行ロボを有効活用すべきではないかというふうに考えます。現在県が保有しておりますヘリ三機と無人飛行ロボットの役割分担ができるのではないかというふうに考えますけれども、仕事の役割、あるいは仕分けを、この機会に一度さまざまな視点で検討をしていただきたいというふうに思います。

 前にも少し述べましたけれども、この無人飛行ロボは災害時の活用のみならず、交通渋滞の監視や産業廃棄物の不法投棄など環境監視、あるいは山岳救助の早期情報収集など、多方面に活用が可能と思われます。したがって、広くさまざまなユーザーにアピールすることも必要ではないかというふうに考えます。民間と県、あるいは市町村が連携をとり、実務者や利用者からのさまざまな要望や、改良あるいは改修などに関する助言などを提供いただき、より実用的な機体として製品化に努めることが必要であろうというふうに思います。また、県が進めておられますゼロ予算の考え方にも合致するのではないかと思います。聞くところ二機セットで約六百万円程度という比較的安価であることから、県内で構築された研究開発技術を県民の皆様方に知っていただくいい機会ではないかと考えます。

 以上いろいろ申し上げましたが、これら防災観測機、やっこだこ飛行ロボの製品化に向けての支援策について、産業労働部長の御所見をお伺いしたいと存じます。

 二つ目は、発達障害児の支援について、健康福祉部長、教育長にお伺いをしたいと存じます。

 発達障害については、昨日、岩井先生の代表質問に知事より非常に前向きの御答弁をいただいたわけであります。また本日午前中、野島議員さんからも特別支援教育についてのお尋ねがあったわけでありますけれども、私なりの視点でお伺いをしたいと存じます。

 まず、発達障害には早期発見、早期療育が何よりも大切であるという視点でお伺いをいたします。

 二年ほど前の平成十七年十二月議会でも、私はこの自閉症、発達障害者支援に関し質問をさせていただきました。本日も改めて、何らかの原因でこうした障害があるとされる人たちの早期の療育や支援がいかに重要であるかという視点で、幾つかの提言も含めてお伺いをいたします。

 御承知のとおり、平成十六年十二月の国会で発達障害者支援法が成立し、翌年、平成十七年四月からの施行スタートとなりました。この法律は、発達障害のある人が生まれてから年をとるまで、それぞれの年齢に合った適切な支援を受けられる体制を整備するとともに、その障害が広く国民全体に理解されることを目指すというものであります。そして岐阜県にも昨年、平成十八年に発達障害者支援センターが開設されました。また、少子化の中ですが、特別支援学校に通学する子供たちはふえております。ぜひ早期発見、早期療育により、特別支援学校ではなく、一般の小・中学校に通学できる子供たちをふやすために今一番何が必要かを本日は考えてみたいと思います。もちろん特別支援学校が必要ないというふうに言っているのではなく、特別支援を必要とする子供たちの教育や支援、そして環境を少しでもよくしなければいけないというふうに思っております。

 そこで、本日は、発達障害の可能性を少しでも早く発見するために何が大切であるかを少し検証してみたいと思います。

 日本小児科学会では、「テレビ及びビデオの長時間に及ぶ視聴習慣が子供の言葉の発達をおくらせる。特に二歳以下の乳幼児にはテレビを長時間見せないように」との提言を発表しております。最近はテレビやビデオに子守をさせる親も少なくなく、小さな子供がテレビの前で一人画面にくぎづけになったりもいたします。しかし、こうした視聴習慣は、テレビやビデオの内容にかかわらず、子供の言葉のおくれ、あるいは表情の乏しさ、運動能力のおくれをもたらし、視聴が長時間にわたるほど、またテレビを一人で見ている子供ほど発達に影響が出ることが日本小児科学会が行った調査で明らかになっております。この調査によりますと、東京都、そしてある中核市、そして農村部の三地区で視聴実態と対象児の発達状況の関係を調べた結果、一日四時間以上テレビを見ている子供は、四時間未満の子供に比べて、意味を伝えようとして話された言葉、いわゆる有意語が出現する時期がおくれる割合が一・三倍、また八時間以上テレビがついている家庭の子供になると何と二倍にふえているという結果が報道されておりました。

 そこで現在行われている乳幼児健診の一歳六カ月健診と三歳児健診の充実と適切な診断が必要ではないかということと、ぜひ親への問診票の様式の県内統一を図っていただきたいという点でお尋ねをしたいと思います。

 私の地元各務原市に、長年、発達障害と思われる子供たちの発達支援に非常に熱心に携わっておられる方がいます。この方によりますと、自閉症児、発達障害の初期発達を防ぐには、親がごく初期に異常に気づき、適切な療育を開始するなら、社会的かかわりを楽しむ力を急速に高めることができる。そして、その症状は固定的なものではなく、発達過程や治療教育の介入の質によって大きく変化をしていく。そのためには、症状の出そろう前にハイリスク児として早期発見が大事です。そのとき、心配から診断をためらっては一生後悔することになるのではないかともおっしゃっておられます。また、「乳幼児は疑わしきは対応するぐらいでもいいのではないか」ともおっしゃっておられます。また、保護者は発達上のおくれや行動上の特殊性にかなり早い時期に気づいていることが多い。しかし、発達障害の診断は、特に軽度の場合、経過を追わないことには非常に難しい。しかし、効果を考えると早期であることにこしたことはない。確定診断は経過観察とともに慎重にして、発達障害を疑う場合には、まず対応してみることが必要ではないかともおっしゃっておられます。

 そこで、本日私は、こうした自閉症、発達障害の可能性があるのではと思われる子供たちの早期発見、早期療育や支援が非常に大切で大事であるという視点で、特に乳幼児健診と診断の充実についてお尋ねをいたします。

 一つ目、先ほども申し上げましたけれども、現在行われております乳幼児健診の一歳六カ月健診と、次は三歳児健診でありますけれども、こうした障害を早期発見、早期療育を行うため、健診のときの問診票を県内統一にするなど、まずこの一歳六カ月と三歳児健診の充実が必要と考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

 また、発達障害が適切に診断できる医療機関が地域にはほとんどない中で、発達障害者支援センターが設立されております県立希望が丘学園も、外来診療が予約でいっぱいとお聞きをいたしました。県内に診療できる医療機関をもっと確保すべきと考えますけれども、これらについての御所見もお伺いをいたします。

 二週間ほど前のある週刊雑誌の特集記事に、これらの発達障害児に関するものが掲載されておりました。やはり早期発見、早期療育が必要であるというふうにしておりますが、現実は医師不足、医療機関の確保が必要不可欠である旨記載されておりました。これらに関し、県のこれからの考え方、取り組みについて健康福祉部長に御所見をお伺いいたします。

 そして次に、これらの発達支援、療育のためには、医学、福祉、そして学校教育での一層の連携が必要不可欠であると存じますけれども、教育長の御所見をお伺いしたいと存じます。

 自閉症、発達障害は、早期に発見をし、適切な療育、教育をすることにより二次障害を防ぎ、能力を伸ばすことができると言われております。すなわち、自閉症、発達障害のある子供たちは、早い時期から周囲の理解が得られ、必要な支援や環境の調整が行われることが大切であります。先ほども申し上げましたけれども、日本小児科学会も次のような提言を発表しています。二歳以下の子供にはテレビ・ビデオを長時間見せない。テレビはつけっ放しにしない。授乳中や食事中はテレビをつけない。テレビの適切な見方を身につけさせる、例えば見終わったら消すといったこと。ビデオは続けて繰り返し見ない。また、アメリカの小児科学会でも、数年前に、二歳まではテレビを見せないという提言を発表しております。

 テレビやビデオの視聴を初め、家庭でも学校でも障害の特性を十分理解しながら、子供たちにとって優しい環境を整えていくことが重要であります。最初にも申し上げましたが、少子化の中にあって、さまざまな要因で特別支援学校での受け入れを必要とする子供たちはふえております。その中でも、本日は自閉症、発達障害というところに焦点を当てて、いろいろな対策が考えられる旨幾つか述べましたけれども、これまで以上に医学、福祉、そして学校教育がさらに連携を深めて、障害のある子供たち一人ひとりの能力を伸ばす努力、方策を考え、実行することが求められていると考えます。

 そこで教育長へのお尋ねですが、自閉症、発達障害のある子供たち一人ひとりを理解し、能力を伸ばすために何が必要とお考えなのか。また、こうした障害のある子供たちの教育を今後どのようにとらえておられるのか、教育長に御所見をお伺いしたいと存じます。

 最後、三番目は、県の管理施設によります地上デジタル放送の電波障害の対応について総務部長にお伺いをしたいと存じます。

 まず、県有施設における現アナログ放送の共同受信設備などの設置状況、調査結果についてお尋ねをいたします。

 二〇〇三年から地上デジタル放送が開始されて約四年が経過をいたしました。そして、いよいよ二〇一一年七月のアナログ放送終了、デジタル化完了まで四年を切りましたが、今もう既にデジタル放送で非常にきれいな画面を楽しんでおられる御家庭も多いのではないかと存じます。しかし、後ほど詳しく申し上げますけれども、私のもとへは、一日も早くデジタル放送を楽しみたいけれども、県有の公共管理施設が隣にあるために電波障害があってデジタル放送がよく見られない、早く何とか改善する方法を県と調整してほしいという強い要望が寄せられております。お聞きするところによりますと、デジタル放送はアナログ放送に比べて受信障害は少ないと言われているようですけれども、すべて解消されることはないようであります。必要な施設改修等のデジタル放送対応が必要ではないかというふうに思います。

 そこで、まず最初のお尋ねは、私のこの地元だけではなく、現在、県有施設があるためにアナログ放送の難視地域で共同受信設備などを県として設置したところがどれほどあるのか、お聞きをしたいと存じます。今回の地上デジタル放送の電波障害地域は、このアナログ放送の障害地域がまず対象と考えるわけであります。担当課にお聞きしましたところ、先ごろ、現在の県有施設におけるアナログ放送の共同受信設備の設置状況などの調査を実施されたとお聞きいたしました。その調査結果をまず一点目として総務部長にお伺いをいたします。

 次に、県有施設の地上デジタル放送に係ります受信障害の現状調査、把握をお願いしたいと存じます。

 先ほどの調査結果に基づき、引き続き地上デジタル放送でも電波障害で受信障害がある地域の実態調査を行っていただきたいと思います。私の地元各務原市の鵜沼各務原町にございます岐阜各務野高校周辺にも、この電波障害があるようであります。これまで地元の共同受信施設管理組合と高校側との話し合いが現在行われているようでありますけれども、当然結論は出ず、今後も話し合いを行っていくということであります。私は、このほかの地域でもこのような状況があるのではないかと推察をいたします。

 そこで、先ほどの現在ある共同受信設備などの設置状況の実態をもとに、地上デジタル放送での受信障害に関する調査を行うとともに、その状況をできるだけ早く把握いただきたいと考えますけれども、県はどのように考えられるのか、お尋ねをいたします。

 そして、その調査結果により、受信障害があると認められる地域住民に対する今後の県の対応、対策はどのようにお考えなのかもお尋ねをいたします。お聞きするところ、ことし十一月一日付の総務省からの各都道府県知事あての文書によりますと、「地上デジタル放送への完全移行に関する取り組みについて」の中に、地方公共団体施設による電波障害への対応について記されています。内容としては、利用者と協議の上、計画的な改修等に取り組んでいくことが望ましいというものであります。また、これらに関し、共同受信施設の地上デジタル放送対応に係る考え方についても取りまとめられており、基本的な考え方や費用負担の考え方も明示されております。したがって、これらを参考にしていただいて、岐阜県においてもできる限り早く対応方針を決定し、地域住民との話し合いを進め、実行に移していただきたいと考えます。

 県有施設の地上デジタル放送に係る電波障害への対応について、私は、来年度、二〇〇八年に各種調査や実態の把握を行い、二〇〇九年度からは具体的な対応をするべく予算措置も行っていただきたいと考えるわけでありますけれども、これら地上デジタル放送の電波障害への対応について、県の考え方、対応策について総務部長にお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君登壇〕



◎総務部長(冨田成輝君) 県有施設による地上デジタル放送の受信障害への対応についてお答えいたします。

 まず、県有施設によりアナログ放送の受信障害が生じたことによって対策を講じた県有施設の数は、知事部局で二十四施設、教育委員会で十一施設、警察本部で十二施設、合計で四十七施設となっております。

 今後の地上デジタル放送に係る対応でございますが、総務省によりますと、地上デジタル放送は受信障害に強い伝送方式が採用されるため、現在のアナログ放送に比べると受信障害の大幅な改善が見込まれるとされております。しかしながら、現在の県有施設によるアナログ放送の受信障害が完全に改善されるわけではなく、一方で、地上デジタル放送への移行に伴い、新たに県有施設による受信障害地域が発生することも考えられます。さらに、地上デジタル放送中継局が整備中であることや、費用負担の問題などの課題がある中で、全国的に見ましても、ほとんどの地方自治体の対応方針はいまだ決定に至っていないのが現状であります。近く総務省東海総合通信局主催によります東海三県合同の共聴施設デジタル化改修促進連絡会が開催される予定となっているところでもあり、県といたしましては、受信障害地域の把握に努め、できるだけ早く対応方針を決定してまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 発達障害児の支援についてお答えいたします。

 発達障害児が健やかに成長していくためには、障害を早期に発見し、二次障害を予防することが重要でございます。早期発見のためには、乳幼児健診で発達障害を的確にスクリーニングしていくことが必要ですが、発達障害に対する理解がまだ浅く、診断が難しいため、健診技術の向上が課題となっております。このため、昨年度から乳幼児健診を担当する保健師や医師を対象とした発達障害についての研修を実施しております。また、健診につきましては、今年度から先進事例を参考に乳幼児健診における発達障害チェック項目の標準化を検討しておりまして、こういう中で問診票などについてもあわせて検討してまいりたいと考えております。

 一方、家族に発達障害を理解して対応していただくためには、専門的な医療機関での適切な診断が重要ですが、発達障害者支援センターは、開設以来、受診希望者が急増し、受診をお待ちの方が大変多くなっていることから、今後は各地域の医療機関に御協力をお願いいたしまして、各圏域でも専門的な診断ができるよう医療体制を整備してまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 防災観測機及びやっこだこ型飛行ロボットについてお答えをいたします。

 防災観測機とやっこだこ型飛行ロボットにつきましては、社団法人 岐阜県工業会と県内企業が研究開発されたものであります。県といたしましても、研究開発成果が製品に活用され、実用化に至ることは、県内企業の技術力のアピールや産業振興において大変重要であると考えております。これら機器は、将来的には無人地帯における山林火災や土砂災害などの災害観測、農薬散布などに活用の可能性があると思っておりますが、まずは製品化に向けてさまざまな課題を整理していくことが必要であり、また航空法令に基づく飛行区域制限を初め、業界団体が定める自主安全基準にも配慮する必要がございます。このような課題の解決について関係機関への協力依頼や、実用化のための必要な条件や機能の提案、あるいは改良、改善などに関する助言を行ってまいりたいと考えております。また、製品化に向けた必要な新技術開発や販路開拓につきましては、関連する補助制度の活用や各種産業支援機関による事業化支援事業などにより製品化の促進を支援してまいります。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 自閉症・発達障害のある子供たちへの教育の充実についてお答えいたします。

 自閉症、発達障害のある子供たちが地域社会の中で自立し、主体的な生活を送っていくためには、早期からの周囲の理解と一人ひとりのニーズに合った適切な支援、そのための環境づくりが重要だと考えております。このため、特別支援学校や小学校、中学校では、自閉症・発達障害を含めて、障害のある児童・生徒が生涯を通じて適切な支援を受けられるよう、学校が中心となって医療、福祉、労働の各関係機関と連携し、個別の教育支援計画の策定及び活用を進めております。また今年度、子供の成長や指導の記録、検査結果などを保護者が記録するプロフィールブックを作成し、学校や関係機関が子供の発達に関する情報を共有するなど活用を図っております。今後も教員研修などを通して自閉症・発達障害の子供たちの理解を深めるとともに、各関係機関との連携による個別の教育支援計画の活用を進め、一人ひとりが生き生きと生活できるよう教育の充実に取り組んでまいります。



            ………………………………………………………………





○副議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午後二時五十五分休憩



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△午後三時十九分再開



○議長(中村慈君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



            ………………………………………………………………





○議長(中村慈君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十二番 川上哲也君。

   〔十二番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆十二番(川上哲也君) 通告に従い質問させていただきます。

 まず最初に、県の事業や県の施設について今後どのように取捨選択を行っていくのか、財政を健全化していくのかについて質問させていただきます。

 今議会では何度か一般質問でも取り上げられております実質公債費比率につきましては、現在、岐阜県は十八年度一四・四%で全都道府県では真ん中より少し上、しかし、二十年度決算時に一八%を超え、二十一年度から許可団体になると予測され、他県と比較したランクも下げて、二十二年から二十三年くらいには二三%近く、つまり一般単独事業に係る地方債の発行が制限される二十五%まではいかないものの、これを単年度で見た場合にはかなり近い数字になってくると予測されるところであります。ただ、この実質公債費比率の数字そのものについては三年間の平均数値ということもあって、岐阜県においても、現在の上昇は政策総点検をしてから県債を大量発行したものではなく、前知事時代の県債大量発行が県債残高の累増を招き、最終的に公債費を急増させてしまうというその最終的な部分をあらわしたものであるため、もし前知事の時代に県債の大量発行に歯どめをかけるような、そういった先行型の指数というものがもし存在をしていれば、仮定の話ではありますが、その指数をもとに現在の状況は多少回避できたのではないかとも思っておりますが、これは過去の話ということで、それについて述べてもしょうがないということで、じゃあこれからどう検討していくかについて問題提起をしたいと思います。

 検討を必要とする点はいくつもありますが、今後まず考えなければならないのは、資金投入に見合った成果を出せているかについてであります。多くの事業に予算が投じられてきましたが、残念ながらその中には中途半端じゃないかと思われるものも幾つもありました。これは個人的な意見となりますが、例えばその中途半端なもの、そう感じているのが健康保養地構想、平成元年に健康保養地構想ができ、平成十八年度までは岐阜県健康長寿財団に総額約一億円でソフト事業の委託等を行ってきたわけでありますが、これはソフトだけで、ハード整備はまた別の資金ということで、ソフトだけで一億円程度行ってきた。じゃあ、それに見合ったソフトができているか。これについては、財団にこれだけの金額を投じてもこの程度なのかと、中途半端な感じを受けるというのが正直なところであります。財団に委託をすればよいものができるというわけではなく、本当に、やはり健康というものは大事であり、それが必要で、よいものをつくろうというのであれば、コストパフォーマンスの高い手法で向かっていただきたいと思っております。

 またそのほかの例、先ほどはソフトの部分で中途半端だというふうに申し上げましたが、そのほかの例、こんなにお金を使っているのにというものにつきましては、地球環境村構想。平成八年から十年間で約七・五億円の資金を投入し、内訳については補助金が約二・五億、人件費約五億と。これだけの資金を投入しても、可児市のささゆりクリーンパークを指定した以外に、どれほどの実績を上げたのか。こう考えてみると、これも財団への資金投入だと。またこれも財団なのかと思ってしまうところもありますが、こういった手法はいかがなものかと感じております。

 しかし、それじゃあそういった時点で県の内部から自発的にこの事業を見直しましょうという声を上げられる状態だったのでしょうか。先日も循環社会・防災対策特別委員会において、地球環境村財団が十七年度に解散となったことについて、「もし知事がかわらず、政策総点検が行われなかった場合には、そのまま続けていたのか」という質問を投げかけたところ、それに対して返ってきたのは「仮定の質問に対しては答えられない」というものでありました。これは当然なのかもしれませんが、なぜそういった回答しか出せないのかを考えてみると、仮に県内部で、その時点で、この事業は成果を上げられそうにないから見直しも考えるべきではないかという感覚を持つ方があったにしても、もしそういったことを口に出したら、やはりやる気がない、あるいは知事の抵抗勢力と見られ、実際には決められたことを全力で行うという方向しかとりにくかったのではないかとも思われます。

 今、知事がかわり、政策総点検が行われ、これは不要だというものについてはある程度カットし、財政負担を軽くすることができている点では評価しておりますが、今後の見直しにつきましても早急に考えていただきたいと思っております。といいますのは、政策総点検というのは、古田手法と梶原手法の違いを明確にすることによって財政的負担の減少を目指すことができたのではないかと考えると、今後の削減については、今現在やっている事業についてある程度自己否定をしなければ事業の減少を進めるわけにはいかない。ということは、以前と同様で、やると言った以上突き進むしかない、こういったことにならないかとの懸念があります。

 確かに事業評価によって優先度を決める仕組みもあるにはありますが、やはり政策総点検とは全く異質のものであります。これまでどおり、やめる理由を探しながらも無理をしてずるずる進めて、無理をしてでも成果らしきものをつくるという方向性の中では、当然のことながら事務処理量がふえ、必要な職員の数もふえれば、見かけの予算がたとえ少ないもの、例えばゼロ予算という事業であっても、人件費を考慮に入れれば大きな支出となってしまいます。今後その点の改善ができるのかどうかを考えるときに、十七年度に行った政策総点検のようなものを定期的に行っていくのか。あるいは、ある程度のやめる基準、またあるいは見直しにかける基準、つまり、やめるための御旗、見直しにかけるための御旗というものをつくっていかなければならないのではないかと考えております。確かに、やめるとか、見直しをするということは、先ほども述べましたとおり、自己否定ともなるため、難しい部分もありますが、古田知事ならということで期待をしております。

 また、施設についても今後の方向性を見直さなければならない時期が来ていると考えております。県内の施設、もちろん現知事になってから建設されたものではありませんが、それが先ほどの事業と同様、中にはかなり無理をして維持しているものがあるのではないかと感じております。「つくってしまったんだから使うしかない」「否定するより、ここに所属する間だけは稼働率を上げることだけを考えなければならない」という思いが存在するのかもしれませんが、「必要性と維持費を考えたら壊してもいいんじゃないか」という意見があるものも中にはあり、前知事の時代につくられたものだからと老朽化するまではそのままでいるのか、あるいは箱物の存続そのものについて見直しを行うのか、検討しなければならないときが来ていると感じております。

 若手の職員さんに「三十年後を考えてほしい」と取り組みをされていることにつきましては、非常に意味があり、よい方向性が得られることを期待しておりますが、現在進められている事業、そして現在ある箱物が、その三十年後というものについて邪魔をしてしまうということは避けるべきであります。

 そこで、知事にお尋ねします。

 今後、非常に厳しい時期を迎えるに当たり、事業及び施設の見直しについてどのように進めていくのか。

 一点目として、事業であれば、政策総点検を行った効果は確実に出てきており、それについては評価するところでありますが、やはり県内部からはやめましょうとは言いにくい現状の中、どのように事業削減を進めるのか。例えば、今後定期的に政策総点検というものを行う手法、あるいは内部からこの事業をやめましょうと言える状態にする、あるいは事業をやめるシステムとか基準をつくるなどの手法が考えられますが、どういった手法で事業のカットを行っていくのか。

 二点目として、施設、箱物であれば、県民が施設に感じている必要性の度合いをどのように受けとめ、将来に向けて必要か不必要かをどのように判断し、もし不要だと判断された場合の処分方法はどのように決めるのかについてお答えを願います。

 次に、緊急搬送等を考えた道路整備について質問させていただきます。

 前回の定例会でも、道路特定財源に関する意見書の採択について賛否が問われ、これまでつくってきた道路で十分だという意見と、いや、まだ道路に対しての投資が必要だという二つの意見が存在していますが、私個人といたしましては、結論から言えば、まだ道路に対しての投資が必要というより、今の時代だからこそ投資が必要な道路もあると考えております。

 道路というものについては、「開発」というキーワードだけではなく、命を守る、つまり医療や防災という面など、これからの時代における道路ニーズに対してしっかりと目を向けていかなければならないと考えております。

 その一つである医療面につきましては、先般の定例会におきましても地域医療の充実について質問させていただきましたが、県も地域医療連携システムを立ち上げ、今月には飛騨地域医療連携会議を新設するなど、市・村、基幹病院、医師会、そして県と、多くの皆様に緊急医療体制の充実について御尽力いただいておりますが、それでも解決できない部分もあります。それはやはり時間との戦いであります。例えば高山市上宝町の本郷という地域では、以前は神岡町の病院へ患者を搬送していましたが、現在はその病院への搬送が毎日できる状態ではないため、これはその病院の医師が減ったためでありますが、以前のような神岡への緊急搬送もできなくなりつつあります。このため高山の基幹病院へ搬送することが多くなってきているわけなのですが、この高山市の国府から本郷、この通路には通称十三墓峠という県道七十六号線を通らなければなりません。この搬送がどのくらい時間がかかるのかと調べてみたところ、分署から現地へ約十五分、そこで処置をして例えば高山の日赤病院までは四十五分かかり、夏場でもトータル一時間以上、さらに冬季は積雪や凍結があってスピードが出せない、そしてセンターラインもないため、夏場の時間より当然かかってしまいます。まさに命がかかる道路となっております。このように、医師がいない、あるいは不足している過疎地域に対して、医師を含めた医療体制、つまり人件費やハードを確保しようとすれば、当然のことながら毎年数千万から億の資金が必要となりますが、道路の整備は一過性のものではなく、かつ多面的な成果を与えてくれるものであります。

 また、防災という面から見ても、地域を結ぶ道路の重要性を強く感じております。今年夏の中越沖地震におきましても、柏崎市に物資が届きやすかったのは、確かに高速道路の一部や一般国道の一部は通れなくなっていましたが、市内へ通じる道路が何本もあり、物資搬入についてはさほど混乱はありませんでした。これには海上自衛隊が海から運んだというルートもありました。しかし、これとは対照的に、三年前の台風二十一号災害、これは三重県の南部を襲ったものでありますが、このときは被災地へ通じる道路の本数が非常に少なく、大渋滞となり、物資輸送に非常に混乱を来しました。やはり道路が命綱となる事例は少なくないのであります。

 そこで、県土整備部長にお尋ねします。

 確かに現在、財政的には非常に苦しい時期ではありますが、医療過疎、そして医療も含めた防災など、多面的に近年重要性が急激に高くなってきたという道路が存在しており、それら命がかかる道路につきましては、幹線道路優先というものに加えて、ぜひ優先的に道路整備を行っていただきたいと考えております。特に先ほど例として挙げた県道七十六号線などについては、以前はその道路を通らなくても病院へ行くことができたが、今はその道路を通らなければいけないことがある、こういった命のかかった道路こそ緊急の課題として整備を促進していただきたいと考えておりますが、命を守る、生命を守る道路の整備の優先性についてどのようにお考えか、お答えを願います。

 あわせて、県道七十六号線、通称十三墓峠の改修につきましては、県の財政的な面から時間がかかると伺っておりますが、命のかかる道路であるゆえ一刻も早く整備していただきたいと要望させていただき、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず私の方には、県の事業・施設の取捨選択等について御質問がございました。

 「自己否定」という昭和四十年代の半ばの大学キャンパスで飛び交っておりました懐かしい言葉を伺ったわけでありますけれども、御案内のように、県政の総点検を私も当初一年かけてやらせていただいたわけでありまして、そこでは三千を超える政策項目につきまして一つ一つ発展、継続、縮小、廃止、民間移管というふうに方向づけを整理させていただきまして、その結果に沿って十八年度の予算編成をしたと。さらには、平成二十二年度までの行財政改革大綱というものをつくらせていただいたという流れでございます。

 そしてまた、十八年度に入りましてから、総点検の結果をどのように着実に反映していっているのか、あるいは行財政改革大綱に基づく改革をどのように進めていくのか、あるいは県を取り巻く社会経済環境の変化をどう評価するか等々、毎年度そういったことについてフォローアップをするということで、外部の有識者から成ります県政改革再生委員会というものがございまして、これを逐次やらせていただいておりまして、この中でいろいろとこのポスト政策総点検について議論をしていただいておるというのがございます。

 また、各部局におきまして、改めて一つ一つ実施中の事業を精査すると、いわば自己点検もやってもらっておりまして、そういったことの結果として、この十九年度当初予算におきましては、一般行政経費のうち、法令等の義務づけのあるものを除きました二千五百二十六事業ございますが、このうちの二百七十一事業を廃止しておりまして、これはいわば総点検の上乗せでございますが、これによりまして十一億円の経費削減を行っておるということでございます。

 そしてまた、昨年九月に、一連の不正資金の問題の中で、県政再生プログラムを策定させていただいたわけでございますが、その中で事務事業の外部評価制度を導入いたしております。ここでは、外部の有識者、あるいは県民からの公募によりまして十五名で成る事務事業評価検討会を設置しておりまして、県民生活に身近な事業を中心に、当面、選定されました百十の事業について評価をいただいておるということでございまして、この評価結果も来年度、二十年度予算には反映していきたいということでございます。

 内部からなかなか事業廃止といいますか、自己否定はなかなかできないんではないかという御指摘がございましたけれども、まさにこの点が県政再生プログラム、あるいは職員倫理憲章の中で議論されたところでございまして、職員が自由濶達に議論をし、みずから積極的に意見が言える風通しのよい組織風土づくりというのが今私どもの目標でございまして、おっしゃるような、物が言えないと、今あるものは変えられないというようなことがあってはならないといいますか、そういうことの起こらないようにしていきたいということで今まさに努力をしておるところでございます。

 そういったことからしますと、今作業中の二十年度当初予算編成というのは、大変財政状況が厳しいだけに、なおのこと職員が活発に議論をし、個々の事業について政策論を闘わせ、見直すべきものは見直す、必要なものは必要性を明確にして取りにいくんだということで、そういったことをきちんと議論する非常にいい機会ではないかというふうに私は思っております。そういう意味で、私はこのところをつとに若い人も含めて真剣に予算の争奪戦をやってくれということを慫慂しておるような次第でございます。こういったことで、いわば職員総がかりで行財政改革の取り組みを進めるとともに、重要課題に対応していくということを考えていきたいと思っております。

 現在進行中の二十年度当初予算編成につきましては、今申し上げてまいりましたような自己点検、それから県政改革再生委員会によるフォローアップ、さらには外部評価による事務事業見直しと、こういったことの成果を踏まえて対応していきたいと思っておるところでございますが、これも既に御案内のように、二十一年度以降につきましても一段と厳しい財政運営を迫られるということでございます。現在進めております新たな長期構想の策定作業の中で県の財政運営の展望に関しましても検討していかざるを得ないということでございまして、その一環として、事業、施設のあり方も含めて相当思い切った行財政改革、スリム化の進め方や手法についても改めて真剣に考えていかなければならないというふうに認識しております。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 緊急搬送等を考えた道路整備についてお答えいたします。

 去る十月十六日に開催されました「真に必要な地方の道路整備を求める緊急集会」におきまして、複数の医師から、高度救急医療は病院への迅速で確実なアクセスによって支えられ、悪天候の中にあっても確実に患者の搬送や医師を派遣することができる信頼度の高い道路が不可欠であるという切実な発言がありました。県としましても、こうした高度救急医療を提供する医療施設へ患者を迅速に搬送するためにも、高速道路を初めとする幹線道路網の整備が重要であると認識しており、県土千七百キロ骨格幹線ネットワーク構想に位置づけられた道路を優先的に整備しているところでございます。また、地域医療を支える中核医療施設へのアクセス道路につきましても、命を守る道路として選択しながら整備を進めてきたところでございます。今後とも県民の皆様が安全で安心して暮らせるよう、必要な道路整備に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 三十三番 笠原多見子君。

   〔三十三番 笠原多見子君登壇〕(拍手)



◆三十三番(笠原多見子君) お疲れのところ、最後のトリですので、よろしくお願いします。

 まず初めに、行財政改革について、これ一本に絞って質問させていただきます。

 十月十九日、平成二十年度の当初予算編成方針が発表されました。この編成内容を見ますと、収入の伸びが見込めない中、公債費や社会保障経費が増加し、財源不足が過去最高の五百億円に達し、実質公債費比率は一八%を超す恐れがあるとのことです。このような財政の危機的状況を回避するため、行財政改革の一層の推進と県政重点政策課題の三つの柱、地域の元気づくり、くらしの安全・安心づくり、ぎふの未来のための基盤づくりにも的確に対応とされております。

 思い返せば、平成十年ごろには前知事は、「岐阜県の財政状況は他県と比べ健全であり、経常収支比率は全国五番目、起債制限比率では全国二番目によく、三和証券がアメリカのスタンダード・アンド・プアーズ社の格付方法を参考に、四十七都道府県のランクづけで岐阜県が信用度一番だ」と言っておられたり、現知事就任直前の平成十五年十二月においても、「四十七都道府県の中で一番先頭を切って行財政改革をやってきて、そして現在四十七都道府県の中で一番健全財政だというような第三者の評価を受けている」と聞いていたので、現在の実質公債費比率が一八%を超えているのは全国で北海道、長野、兵庫、島根の四県だという中で、岐阜県の財政危機は県民には信じがたい話であると思います。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 就任三年目を迎えられ、どうしてこのような急激な財政悪化となったのか。バブル崩壊による景気対策の財政出動が原因なのか、箱物行政などの政策判断の誤りなのか、地方財政計画の誤りなのか、主な原因分析についてされたと思いますが、前知事の批判ではなく、率直なるお考えをお答え願いたいと思います。

 次に、平成十八年三月にまとめられた行財政改革大綱によると、平成二十二年には県債残高を減少方向へシフトし、県債残高を一兆二千六百億円へ、公債費を平成二十七年度には千三百五十億円とする目標となっていますが、二年が経過しようとしている段階で、現時点の進捗状況と大綱の具体的な取り組みを教えてください。

 十八年三月にまとめられた岐阜県行財政改革大綱の中で、具体的取り組みとして、より効果的、効率的な組織を目指した継続的な見直しや、外郭団体などのあり方の見直しを言われておりますが、具体的取り組みと言っている割には具体性がなく、これでは行革は進んでいかないと思います。

 私から提案させていただきます。まず、振興局を廃止したらどうかと思います。

 平成十二年四月一日の組織改正により、地域振興局が設置され、局長が知事代理という発令をされ、振興局の任務を、管内の現地機関の総合調整機能、圏域全体の地域計画の推進、市町村行財政支援、市町村の枠を越えた広域行政の推進、県民・市町村の総合窓口として、設置条例上明確に規定されていました。しかしながら、本庁と現地機関の二重構造の中、地域振興局長の権限で執行できるものは地域予算と市町村振興補助金のみであり、事業に必要な予算は本庁と各現地機関が管理しているため、実質的権限がなかったことを初め、定数、人事に関する調整もまた実質的に本庁が握っており、予算や職務権限も各現地機関が持っているため、振興局は市町村から期待されず、住民からわかりにくい組織となっていたため、昨年の四月の組織改正により地域振興局が廃止されて振興局が設置されたわけですが、岐阜県振興局等設置条例には振興局の任務の規定がなく、振興局の機能が中途半端なまま放置されているのが現状であります。振興局内の総務課、出納課、振興課、産業労働課、環境課、福祉課は、本庁との二重行政であり、市町村合併も進み、また財政的な支援も先細りしていく中で、振興局の存在意義は失われたのではないでしょうか。民間的手法で言えば、選択と集中の観点から、本庁への集約を検討されたらいかがでしょうか。また、地方分権が進む中、どうしても必要な住民の窓口としての業務は、各自治体に人的支援を行うことで対応したらよいのではないかと考えます。知事の御所見を伺いたいと思います。

 次に、財団法人 岐阜県産業経済振興センターの意義についてお尋ねします。以下「産経センター」と呼ばせていただきます。

 産経センターの業務は、企画研究・広報、産業振興企業支援、海外取引支援に、昨年までは企業立地支援の四本柱で運営されてきたわけですが、これらの業務をカバーしているところとして、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、銀行などがあります。企業立地支援においては本庁の企業誘致課にその機能を集約されましたが、ほかの業務に関しても本庁及び地域に根差した商工会などに支援を充実させれば済むことであり、海外取引においても銀行やジェトロなど、さまざまに活用できるところがあると思います。また、今やネットで世界とつながっています。

 産経センターは、外郭団体にもかかわらず、その業務は肥大化し、監視が行き届かない面があるように思います。法的に国の補助制度の受け皿としてどうしても必要な業務があるとすれば、その業務に特化してスリム化を図ってはどうかと考えます。昨日の県民クラブの代表質問で、モノづくりセンター構想についてのお尋ねに対して、知事はその実施主体として産経センターの中にモノづくり部門を設置すると言われました。しかしながら、産経センターの業務拡大はいかがなものかと存じます。

 そこで知事に、産経センターの役割についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、国際交流センターについてお尋ねいたします。

 私の父笠原潤一が最初に研修生としてアメリカに渡ったころは、アメリカに行くことは大変なことだったと聞かされておりました。しかしながら、今や海外は遠いものではなく、気軽に行き来できる時代となりました。県内における国際交流の現状は、四十二の市町村で何らかの形態で行われており、青少年の海外派遣や海外からの受け入れなど、百八十を超える交流事業が積極的に行われています。また、二十一の大学などの教育機関においても、百八十ほどの国際プログラムが実施されております。さらには、約八十に及ぶ民間団体も熱心に国際交流活動に努められております。

 このように、海外との関係が特別なことではなく、日常化している中で、時代とともに海外派遣から親善、交流、協力と進化しています。国は外交権、市町村は姉妹都市などを含め、より密なる交流を進め、民間団体はその設置目的の個別の案件に対応していく中で、県が主体的に行う必要性は余り感じません。県はあくまでそのサポートを県庁内の国際課で十分対応できるのではないかと思います。国際交流センターは、民間団体としてその機能強化を高め、専門性のない職員派遣はやめ、知事の任期中に民間団体として活動が確立できるようにすべきではないかと考えます。知事のお考えをお尋ねします。

 次に、ニューヨーク駐在員ですが、現在、病気療養のため日本に帰ってきておられ、年度内の休止が発表されましたが、業務に支障はないのでしょうか。

 事務所の仕事は、経済情報の収集や現地に進出している企業への情報提供、観光PRのほか、岐阜県人会のお世話などだそうです。自治体からの情報収集や県関係の視察に関するアテンド業務がほとんどだとも聞きます。たった一人でこのような業務を行っていることが、果たして駐在事務所としての体をなしているのでしょうか。研修生的意味合いがあれば、それは人材養成・育成ととらえるべきで、中途半端な駐在制度は廃止された方が行革の精神に合致すると思いますが、いかがでしょうか。

 どうしても現地において必要であれば、現地で人的ネットワークを持っている方や企業などに委託する考えもあります。この二十年間で約百人の職員を海外に派遣しておられますが、どのような効果や成果があったのでしょうか。行財政改革、人事管理、組織体制整備の担当部署を所管し、みずからもニューヨーク駐在員を経験された冨田部長、県にとって真に必要かどうかをお尋ねいたします。

 県は、前知事時代から行財政改革に取り組んでおられました。しかしながら、県財政は厳しい状況です。行革は思い切ってスピーディーにやらなければ、真に必要な重点施策に予算を十分つけることはできません。知事は、朝日新聞の「ピンチ・チャンス」の中で、宇宙産業室長のときに学ばれたこととして、「問題点を問い続けることが大きな成功につながるんだね」と語っておられ、子供時代、新聞配達をされておられたとき、新聞を水たまりに落としたときの教訓を、「泥をかぶっても、不利な状況でも逃げない、そんな体質になっていた気がする」と言われ、失敗やピンチに学ぶこと、避けて通らず正面から分析して乗り越えることが大切だと締めくくられておりました。大変すばらしいと思いましたし、ぜひその姿勢で県政運営に取り組んでいただきたいと願います。

 知事の任期は残りわずかとなりました。就任の際に「私の政策」を出され、「私はこんな県庁にします」というフレーズの中で、職員定数や事務事業の徹底した見直しを行い、アウトソーシングなどによる経費のカットを進め、外郭団体の廃止や統合を含めスリムな組織をつくり、仕事のむだを排除していきますと言っておられました。豊富な経験を存分に発揮いただき、県民に信頼を得る手法で、行財政改革に果敢に、そして迅速に取り組んでいただくよう提案する次第です。知事、御決意を。決して机上の空論にならないよう切に願いまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 励まされておるのか、けなされておるのか、冷やかされておるのかよくわからないわけでございますが、御質問に一つ一つお答えしたいと思います。

 まず、急激な財政悪化となった主な原因分析ということでございます。

 本県の財政悪化の主な原因としましては、歳入面におきましては、県税、地方交付税などを合わせた一般財源総額の減少、とりわけ三位一体改革に伴う地方交付税の減少の影響が大きいわけでございます。一方、歳出面におきましては、公債費、社会保障関係経費などの義務的経費の増加が大きく影響しております。

 もう少し具体的に申し上げますと、三位一体改革が行われる前の平成十五年度と、そして今の平成十九年度について、それぞれ一般財源ベースで比較をいたしますと、歳入面では三百億円程度の減少になっております。一方、歳出面では、公債費、社会保障関係経費を合わせて六百億円程度増加になっております。この分で差し引き九百億円ということになるわけでございます。こうした裁量性の低い義務的経費の増加が他の歳出予算を大幅に圧迫しているという状況でございます。このうち歳入では、厳しい行財政改革が求められた結果、地方交付税が四百億円程度減少したと。歳出では、公債費の三百三十億円程度の増額が大きく影響しております。

 この公債費増加の原因でございますが、過去の国の経済対策に、こうした財政出動も含めまして、岐阜県として積極的な投資を進めることとし、このため県債に大きく依存したこと。平成四年度から平成七年度までに発行した民間引き受けの県債の相当部分について借りかえ方式により償還を先送りしたこと及びそれに金利負担増が伴ったこと。さらには、従前国が借り入れをして地方に交付されておりました交付税の一部が、これは国の制度転換でございますが、地方債、臨時財政対策債ということでございますが、地方債に振りかえられたことなどによるものでございます。特に平成十九年度につきましては、平成十四年度に過去最高の借入額となりました千五百九十八億円に係る県債の本格的な元金償還が今年度から始まったこと。償還を先送りした平成四年度から七年度の借換債に係る償還額が今年度二百三十七億円とピークを迎えたこと。以上のようなことから、平成十九年度当初予算におきましては、絶対額、対前年度増加額ともに公債費が過去最大のものになっているということでございます。このような公債費の流れにつきましては、当時においても予測し得たものというふうに思っております。

 以上申し上げましたとおり、公債費はこれまで右肩上がりで増額してきておりますが、昨年三月に策定した行財政改革大綱では、平成二十二年度に千四百十億円程度でピークを迎え、高どまりさせるという方針にしておるわけでございます。

 次に、社会保障関係経費につきましては、十五年度に三百六十九億円だったものが十九年度は六百四十四億円と、二百七十億円程度増額しておりまして、高齢化の進展を背景に、介護保険事業県負担金、老人医療費助成費などが増額しておるわけでございます。このほか退職手当につきましても、団塊の世代の定年退職などを背景に、このところかなり増額しておるということでございます。以上のような状況から、急速に財政状況が悪化してきたということでございます。

 次に、行財政改革大綱でございますが、県税、地方交付税などの一般財源の伸びがもはや見込まれないという見通しのもとで、一貫してふえ続けている県債発行残高に着目しつつ、策定させていただいたということでございます。すなわち、このまま一本調子にふえ続けると公債費負担が大変なことになる、また社会保障関係経費の増加も続いていく中、これを放置するわけにはいかないということで、行財政改革大綱では、御案内のように、平成二十二年度末の県債残高を平成十八年度末の県債残高を下回る水準にするということを、節度ある財政運営を進めていくための大きな目標として掲げたところでございます。そして、そのために必要な歳出・歳入対策の基本的方向についても試算をさせていただいておるわけでございます。

 したがいまして、大綱そのものは、途中年度ごとのはっきりとした数値目標などを設定してその進捗管理をするという仕組みではございませんが、この大綱の大きな流れに沿っているかどうかにつきましては、毎年度の予算編成を通じて検証しながら進めることにしておるわけでございます。

 平成十九年度当初予算でございますが、この大綱の方向に沿って、節度ある財政運営に心がけて編成したつもりでございます。歳入面で申し上げますと、県債発行額を五%ほど抑制したこと。あるいは、基金の取り崩しを残高ベースで五十億円程度の減少にとどめたこと。また、企業誘致による税源涵養、個人県民税直接徴収や自動車税コンビニ納税などによる県税徴収率の向上、県有未利用地の売却などによる自主財源の確保にも努力をしておるところでございます。また、歳出面の対策といたしましては、県職員定数の削減、県単独補助金の制度的見直し、外郭団体・実行委員会との関係の見直し、事務事業の自己点検などを実施してきたところでございます。外郭団体の見直しにつきましては、昨年年三月末をもって、財団法人 岐阜県広報センター、財団法人 岐阜県県民ふれあい会館、財団法人 地球環境村ぎふの三団体を廃止したほか、今年の四月には財団法人 岐阜県研究開発財団と財団法人 岐阜県国際バイオ研究所を統合したわけでございます。また、県からの委託・補助事業の見直し、県職員の役員就任や県職員派遣の見直しなど、財政的・人的関与の縮減も図ってきております。

 次に、振興局、あるいは産業経済振興センター、国際交流センターについて具体的な御提案がございました。

 いずれの組織も私どもとしては絶えざる見直しの対象でございますし、スリム化の努力が基本であるというふうに考えております。また、公益法人は、公益法人そのものが民法に基づく民間団体でございますので、民間団体らしい体制で仕事に取り組んでいただくということも必要ではないかということで、大きな方向としては、県の関与を基本的に減らす流れの中で、今、見直しに取り組んでいるというところでございます。他方、今御指摘のあった三つの団体につきましては、それぞれに果たしている機能、あるいは果たすべき機能もあるわけでございまして、現時点においては必ずしも割り切った答えを申し上げることは難しいわけでございまして、もう少しお時間をいただいて検討したいというふうに思っております。

 そういう前提のもとでそれぞれについて簡単に申し上げますと、振興局につきましては、平成十八年度に本庁組織の大規模な改革を行った際に、それにあわせて一定の必要な整理・統合をさせていただいたわけでございます。その後の状況を見ておりますけれども、現場に密着した業務、あるいは県民サービスに直結する業務といったようなものを見ておりますと、これを、今、県と市町村との間の役割分担の本格的な見直しをしておりますので、その中でどういうふうに考えるか、そして市町村合併後の市町村の状況、さらには市町村や地域住民の方々、あるいは県議会の皆様の御意見も伺いながら、この振興局のあり方については検討をしていきたいと思っております。

 それから産業経済振興センターでございますが、このセンターの業務として、一つは、中小企業関係のいろんな仕事をしておるわけでございますが、その多くが国の法律に基づいて指定を受けてやっておるという部分がございます。例えば中小企業支援法による特定支援事業、小規模企業者等設備導入資金助成法に基づく設備導入支援事業、下請中小企業振興法による下請中小企業支援、あるいは中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に基づく起業家支援業務といったような、法律に基づいて指定を受けて仕事をしていくということで、この産業経済振興センターをいわばその総合的な受け皿として現実に活用させていただいているという側面があります。また同時に、中小企業の技術の高度化でありますとか、人材支援に係る国からの受託事業について、その資金導入の受け皿、あるいは人材チャレンジセンター事業のうち国事業によるものについてもこのセンターが受け皿になっておるということで、こういった多面的な仕事をする中でノウハウも蓄積されつつあるわけでございますので、支援を受ける企業から見て、いろんな機関でばらばらに実施するよりは、一カ所で一本化してやる方がふさわしいんではないかというふうに思っておりますし、他に一本化できるような組織があるかというと、それぞれ一長一短があるというふうに思っております。そういった観点から、この当センターについて、一方でもちろん効率性、あるいは人員の見直し等々もする必要があろうかと思いますが、そういった役割がある限り、私どもとしては中小企業の総合的ないわば施策の受け皿団体ということで位置づけていきたいというふうに思っておるわけでございます。

 それから国際交流センターでございますが、これもいろんな経緯の中で設立されたセンターでございますが、現時点では、御案内のように、地域の国際交流活動の支援と多文化共生社会づくりを大きな二本柱として事業をやっておるわけでございます。平成十七年度の政策総点検の中で外郭団体について見直しをすると、県関与の縮減を行うこととされた中で、この国際交流センターにつきましては、昨年度、それまで副知事が就任しておりました理事長職を見直して、民間の方にお願いすると。あるいは、今年度は在住外国人を対象としました窓口を一本化するということで、補助金を削減するとか、あるいは県の派遣職員を減らすとかいったような方向での見直しは既に行ってきておるところでございますが、今後、本県に在住する外国人が大幅にふえている中で、多文化共生社会の構築に向けて何をなすべきかと、その際このセンターの機能をどう考えるかという点では、むしろ機能を充実・強化することが求められているんではないかと思うわけでございますが、その際、県派遣職員がどの程度まで必要なのか、あるいは県派遣職員を減らす場合どのような体制で行っていくのか、こんなことについて引き続き検討していきたいと思っております。

 そして最後でございますが、行財政改革に対する決意ということでございますが、既に何度も申し上げておりますように、なかなか難しい厳しい綱渡りの中での財政運営であり、まさに行財政改革は喫緊の課題の一つであるという認識で、全力で取り組んでまいりたいと思っております。特に長期的な財政運営の展望につきましては、この長期構想の策定作業の中で、その一環として思い切った対応について検討していきたいというふうに考えております。



○議長(中村慈君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君登壇〕



◎総務部長(冨田成輝君) ニューヨーク駐在員についてお答えいたします。

 海外駐在につきましては、従来、海外直結戦略の取り組みとともに拡大し、ピーク時には十一都市に配置しておりました。その役割は、岐阜県の現状と課題を認識した上で、駐在員ならではの情報収集や発信、アテンドなどを行うことであり、一定の役割を果たしてきたと考えております。その後、政策総点検において、海外直結戦略の効果・成果を検証する中で、駐在員制度も見直し、現在は上海とニューヨークの二カ所としているところでございます。特にニューヨークは、日本と政治経済等あらゆる面で密接に関係する米国にあって、その経済・文化の中心都市であり、世界じゅうからありとあらゆるものが集まっている大都市であります。この地に、研修生や団体派遣ではなく、岐阜県の駐在員として配置され、大きな責任を背負いながら、与えられた課題の解決やみずから積極的に情報収集などに取り組むことは、本県の産業振興等に寄与するだけでなく、人材育成としても大変意義のあることと期待いたしまして、駐在員制度を継続しております。私自身も、そうした自覚を持ってニューヨーク駐在生活を送らせていただきました。ただ、現在の状況を見ますと、駐在員の役割や責務の明確化、あるいは駐在員の自覚の面でも、改めて考えるべき点があることも事実でございます。休止中のニューヨーク駐在につきましては、このような課題、視点を踏まえ、今後の対応を早急に決定してまいりたいと考えております。



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○議長(中村慈君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時八分散会



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