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平成19年 11月 定例会(第5回) 12月05日−02号




平成19年 11月 定例会(第5回) − 12月05日−02号









平成19年 11月 定例会(第5回)





△議事日程(第二号)



                    平成十九年十二月五日(水)午前十時開議

第一 議第百十一号から議第百二十三号まで

第二 請願第十二号から請願第十六号まで

第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第百十一号から議第百二十三号まで

一 日程第二 請願第十二号から請願第十六号まで

一 日程第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十五人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   山本勝敏君

   九番   松岡正人君

   十番   篠田 徹君

  十一番   小原 尚君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   水野正敏君

  十七番   横山善道君

  十八番   脇坂洋二君

  十九番   野島征夫君

  二十番   高橋昌夫君

 二十一番   平岩正光君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   佐藤武彦君

 二十五番   森 正弘君

 二十六番   小川恒雄君

 二十七番   村下貴夫君

 二十八番   大野泰正君

 二十九番   矢島成剛君

  三十番   岩花正樹君

 三十一番   野村保夫君

 三十二番   足立勝利君

 三十三番   笠原多見子君

 三十四番   洞口 博君

 三十五番   渡辺 真君

 三十六番   渡辺猛之君

 三十七番   駒田 誠君

 三十八番   藤墳 守君

 三十九番   平野恭弘君

  四十番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



            ………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          馬渕正司

 総務課長          片岡秀男

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    村瀬昭彦

 同    課長補佐     宇津宮清和

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     山口幹夫

 同    課長補佐     河田 誠

 同    主査       加代暢尊

 同    主査       野村義孝

 同    主査       桂川義彦



            ………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           原 正之君

 副知事           横井 篤君

 秘書広報統括監       島田 清君

 危機管理統括監       市原一人君

 総務部長          冨田成輝君

 総合企画部長        丸山 進君

 環境生活部長        高田幸三君

 健康福祉部長        上手繁雄君

 産業労働部長        猿渡要司君

 農政部長          山内清久君

 林政部長          渡辺敬一君

 県土整備部長        棚瀬直美君

 都市建築部長        藤山秀章君

 会計管理者兼出納事務局長  今瀬義幸君

 研究開発総括監       清水聖幸君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     渡辺 厚君

 労働委員会事務局長     岡本博次君



            ………………………………………………………………





△十二月五日午前十時三分開議



○議長(中村慈君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

   (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第十二号 原爆症認定問題の早期解決を求める請願ほか四件の請願書を受理しました。

 職員に関する条例に対する意見について

 人事委員会委員長から、平成十九年十二月四日付をもって、議第百十八号及び議第百二十号について、お手元に配布のとおり、次の回答がありました。

 議第百十八号 岐阜県職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例等の一部を改正する条例については、財政が厳しい中、県立大学の学長を除く一般職員について、勧告どおり給与改定を行おうとするものであり、これらの職員の士気や良好な労使関係、さらには有為な人材の確保など、今後の行政運営の安定に寄与するものと考える。

 議第百二十号 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例についてのうち第四条については、異議はない。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、平成十九年十一月二十八日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により、定期監査の結果について及び平成十九年十一月二十八日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により、出納検査の結果について、お手元に配布のとおり報告がありました。



            ………………………………………………………………





○議長(中村慈君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(中村慈君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十六番 岩井豊太郎君。

   〔四十六番 岩井豊太郎君登壇〕(拍手)



◆四十六番(岩井豊太郎君) 皆さん、おはようございます。

 質問の機会をいただきましたので、ただいまから県政自民クラブを代表して質問させていただきます。

 今年の四月の県議会議員選挙に私も六期目の当選をさせていただきまして、過去二十年間、私の政治信条は「一隅を照らす」ということと、また私の政治活動のモットーは「茶の間に県政を」ということで二十年間やってまいりました。多くの皆さんの御支持をいただきまして、皆様方に感謝を申し上げ、ただいまから質問に入らせていただきます。

 まず最初に、知事の県政運営の基本的な考え方に関して質問させていただきたいと思います。

 知事は、就任以来三年を経過しようとしております。残された任期は、あと一年となってまいりました。いよいよ締めくくりの年、第四コーナーを回ろうとしております。古田知事は、立候補する決意をされたときの思い、夢を胸に「活力、安全、自立の岐阜県」をスローガンに掲げて、一月という寒い時期の選挙戦を通じて県下をくまなく回られ、県政に対する県民の熱い思いと期待を感じ取られたと思います。

 そして、この三年間、梶原県政十六年の政策総点検の実施、全く予想だにしなかった昨年の不正資金の発覚、その問題の解決に向けた県政再生プログラムへの取り組みを進めてこられました。また、県政のトップとして、岐阜県の置かれた危機的財政状況を打開するため、行財政改革大綱により、平成十八年度から二十二年度の五年間で財政を立て直すべく、懸命に取り組んでおられます。しかし、原点に返り、この間、古田県政では何を目指して取り組んでこられたのか、県民にメッセージとビジョンを示すことも大事なことではないかと思います。

 そこで、知事はこれまでどういう岐阜県を目指してやってこられたのか、また締めくくりのあと一年、どう取り組んでいかれるのか、継続して取り組んでいかなければならない課題は何なのか、まず最初に知事にお伺いをいたします。

 また、私は、県政の行うべきことは県民に安全・安心な県土と生活環境をつくることであり、県民に活力ある元気な岐阜県の将来を提示し、夢を与えることだと思います。また、県民一人ひとりが主役となって県政に参加するスタイル、すなわち自分たちの地域は自分たちでつくっていく、そんな県政を目指していけたらすばらしいと考えております。

 ケネディ元大統領は、就任演説の有名なスピーチの中で、「我が同胞のアメリカ人よ、あなたの国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたがあなたの国家のために何ができるかを問おうではないか」と訴えました。県民が県政の主役です。県民とともに元気になっていかなければなりません。

 そこで、より行動的な県民参加の県政についてどう考え、どう取り組むのか、あわせて知事にお聞きしたいと思います。

 さて、先ほど申し上げたように、平成二十年度は古田知事一期目の締めくくりとして大事な年であり、そうした観点で、予算にも反映させながら編成していくことが重要となってまいります。古田カラーを出して、県民に夢と希望を与えていただかなければなりません。しかし、古田知事が県政を進めていく中で最大の課題となるのは、やはり岐阜県財政の健全化であります。本県財政は、県税及び地方交付税などの一般財源総額の増加が見込めない中で、県債残高の増加に伴う公債費の増大、高齢化の進展などによる社会保障関係経費の増加が今後も続くことが見込まれ、極めて厳しい状況にあります。今ここで行財政改革に真剣に取り組まなければ、本県は財政破綻を来し、自治体としての運営ができなくなってしまうということをしっかりと肝に銘じなければなりません。

 一方、去る十月に、県の来年度予算編成方針がマスコミに報道され、「財源不足五百億円」の見出しが大きく報道されました。この報道に多くの県民はびっくりされ、どうして五百億円もの財源が不足するのか、多くの県民が疑問を持たれたことと思います。今、大事なことは、県民の皆さんに現在の岐阜県の置かれた厳しい財政状況をディスクロージャー、つまり情報開示し、わかりやすく説明し、県民の理解を得、共有していくことだと思います。

 そこで、平成二十年度の予算編成において、税収等収入増を含め、五百億円の財源不足をどのような根拠で見込まれたのか、これが生じた原因は何とお考えなのか。さらには、今後、財源不足はどうなると見込んでおられるのか。財源不足を解消していくための展望、処方せんをどう描いておられるのか、中・長期的な財源不足への対応には税源涵養が大事だと思われますが、どう取り組んでいかれるのか。以上、しっかりと説明責任を果たす意味でも、知事にわかりやすい御答弁をお願いしたいと思います。

 あわせて、このような厳しい財政状況の中でも、将来に向けて今やらなければならないことは予算化していくと知事も表明されておられますが、平成二十年度の予算編成の基本方針はどのようにお考えなのか。そうした中で、来年度新たに重点事業特別枠を設け、重要な政策課題について対応されると聞いておりますが、こうした特別枠を設定するに至った考え方は何か、配分はどのようになされていく予定なのか、知事にお伺いをいたします。

 さて、県の予算編成に当たっては、地方財源の確保・充実がいかに図られるかといったことが前提にならざるを得ません。一方、現在の地方財政の危機的状況は、三位一体の改革が必ずしも地方にとって評価できる結果ではなかったことがその背景にあるように思われます。三位一体の改革は、集約型社会から分権型社会を目指したものであるはずでした。しかし、改革の結果は、国からの補助負担金は四兆一千億円、地方交付税関連では五兆一千億円削減され、一方、地方自治体への税源移譲は三兆円なされたにすぎず、地方自治体の財政難に拍車をかけただけに終わりました。

 本県でも、県民税・市町村民税で合計約五百億円が税源移譲されていますが、一方、地方交付税は三位一体改革による地方交付税総額の縮減の影響を含め、臨時財政対策債の発行可能額の減も考慮すると、平成十六年度からの三ヵ年で、県・市町村の合計で八百六十億円も削減されています。

 そこで、こうした結果に終わったことを踏まえ、まずは三位一体の改革についてどのように評価されるのか、残された課題は何であるとお考えなのか、知事にお伺いをいたします。

 さらに現在、地方税財源の確保・充実について、国でも地方レベルでも種々議論されています。特に、大きく開いた東京と地方の税収格差をどのように平準化するかが来年度税制改正の焦点になっております。地方法人二税と言われる法人事業税と法人住民税は、平成十九年度見込みの全国の税収九兆六千億円のうち、四分の一が東京都に集中しています。人口一人当たりで見ますと、昨年度決算によれば東京都と長崎県の格差が実に六・一倍となっております。今や地方法人二税は地域間格差の元凶とも言われ、持てる自治体と持たざる自治体の格差が広がる現実があぶり出されております。

 そこで、地方交付税の総額確保等地方財源の充実・強化、あるいは地方財源の格差是正問題について、知事のお考えをお尋ねいたします。

 また、地方分権にかかわる議論の中で、知事は道州制について、まずは国と地方のあり方、役割について議論を尽くすべきとしておられます。さきに政府の地方分権改革推進委員会では、国から地方への徹底した権限移譲を求める中間報告を取りまとめ、医療、義務教育、道路等七分野を重点事項として、国と地方の役割分担を抜本的に見直すよう求めております。

 私は、国は国防、外交・国際問題、通商や国際的な競争力、全国的な観点からの経済・産業対策等、本来国がなすべきことに集中し、その他のことは地方に任せるべきと考えます。そして、そうしたあるべき役割に基づき、税等財源配分の問題、あるいは地方自治体の規模等行政体制の問題を整理すべきと考えます。

 そこで、知事は国と地方のあり方についてどう考えておられるのか、あわせて、その考えによると税財源配分、あるいは道州制を含めた地方自治体の行政体制についてどうあるべきと考えておられるのか、お伺いいたします。

 次に、大きく二番目の問題として、「安心・安全な県民生活の確保」についてであります。

 七月に行われました参議院選挙では、自民党は結党以来最悪の敗北を喫しました。年金の問題、閣僚の失言問題、政治と金の問題など、いろいろ問題が指摘されていますが、私は、国に対しても地方に対してもひとしく国民が政治に求めていることは、安全で安心できる社会だと思います。今年に入ってからも、県民、国民の安全・安心にかかわるさまざまな事件が発生しております。戦後の我が国の歩んできた道を振り返ってみますと、ある意味で経済的効率性重視、経済発展重視の政策、社会のあり方が、今日さまざまなひずみを生んでいるのではないでしょうか。伝統的な日本のよさを否定する形で進めてきたこともその一つの大きな原因です。もう一度社会のあり方を見直す必要があります。そして、こうしたひずみにより社会や生活の安心・安全が脅かされています。昨今のさまざまな事件・事故や社会問題もそのあらわれだと思います。

 地域医療についても、そうした安心・安全にかかわる問題の一つです。

 地域医療の現状や今後の対応策については、さきの議会において知事が答弁されておりますし、去る十月には、岐阜県地域医療対策協議会により「地域医療確保のための行動計画」が取りまとめられ、可能なことから順次実行していかれると承知しております。さらに県内各地域においても、例えばこの十二月には飛騨地域医療連携会議を発足され、岐阜大学の支援や地域の医療関係者等の協力・連携のもと、同地域の医療連携システムを構築していかれるといった取り組みを進め、産科医療の確保のために、高山日赤、久美愛の二つの病院が相互に連携していく動きも出てきていると伺っております。今後も、こうした医師確保や周産期医療体制の充実に資する対応策を着実に実行に移していただきたいと思います。

 さて、こうした県民の安心・安全を守る観点から、最近特に多発している食品の安全、食品表示の偽装に関する問題に関してお尋ねいたします。

 本年一月の大手洋菓子製造メーカー不二家に端を発し、八月には北海道の菓子「白い恋人」のメーカー石屋製菓、十月にはしにせ菓子製造業者赤福と、期限切れ原材料の使用、賞味期限・製造年月日の改ざん、消費期限の延長などの事案が相次いで発覚しました。先月には、高級料亭「船場吉兆」において、菓子、牛肉などの偽装表示により警察当局が不正競争防止法違反容疑で強制捜査に入るという事態に発展しています。

 県内においても、菓子販売店において不適正表示の事案が発生したほか、原材料の誤表示によるお茶の自主回収という事案もありました。問題が発覚した企業は、いずれもしにせと言われ、古くから消費者の支持、信頼を集めていた企業ばかりです。利益至上主義の経営方針が結果として消費者を欺き、かえって消費者の信頼を大きく失う事態を引き起こしております。

 また、こうした事案に対する行政側の問題点も指摘されております。食品の安全に関する品質表示を規制する法令も複雑であり、取り締まる行政機関、担当部署も多岐にわたっております。本県においては、既に平成十五年の時点で、議員提案による岐阜県食品安全基本条例を全国に先駆けて制定し、翌年の四月に施行していますが、改めて食品安全対策の重要性を問い直すべきであると思います。行政として、県民の口に入る食の安全・安心の確保の観点から、企業モラルの向上といった観点も含めて、食品関係事業者の指導にきちんと対応していく必要があるのではないでしょうか。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 現在、県において食品安全行動基本計画に基づき、食品安全にかかわる種々の対策を講じておられますが、一連の食品偽装問題を受け、県が実際にとられた対策、部局間や他の行政機関との連携など、食品安全対策に今後どのように取り組んでいかれるのか、お答えを願います。

 次に、去る十月十一日から鳥取県で行われた第九回全国和牛能力共進会で、飛騨牛が優秀な成績をおさめるなど明るい話題もあったものの、本県でも農業経営に対する不安が大きくなってきていることから、この際、農業問題についてお伺いをしておきたいと思います。

 国においては、平成十七年三月に閣議決定された「新たな食料・農業・農村基本計画」のもとで、戦後農政の大転換と称する品目横断的経営安定対策が平成十九年度より実施されております。県においても、平成十八年度に策定したぎふ農業・農村振興ビジョンで、品目横断的経営安定対策の対象となる認定農業者等の経営体を育成するとともに、中山間地域等においては、集落の農地を維持する集落営農組織などの担い手を育成することとしております。

 さて、本年度からスタートした品目横断的経営安定対策の岐阜県の加入は、麦で二千七百十二ヘクタール、大豆では二千百七十一ヘクタール、米では四千四百四十ヘクタールとなり、平成十八年産の作付面積に対する割合は、麦百五%、大豆八十九%、米十七%となっており、また、平たん地域に比べると中山間地域の加入が進んでいない現況と聞いております。私も制度が複雑で理解しづらいとか、集落営農組織については法人化や主たる農業者の所得目標等の加入要件をクリアできないなど、問題を指摘する声を多くの農家の皆さんから伺っております。また、対策への加入を急ぐ余り、地域の将来について集落内で十分な話し合いがなされないまま営農組織を立ち上げることは、かえって農村コミュニティーの崩壊を招くおそれがあるのではないかと危惧しております。こうした状況から、品目横断的経営安定対策は本当に農家のためになっているのでしょうか。特に中山間地域では高齢化が進み、経営規模も小さいため、制度に加入しようとしても加入できない状況になっております。

 そこで、国では品目横断的経営安定対策について、制度の改善、見直しが検討されているとのことでありますが、農政部長に、品目横断的経営安定対策への加入状況に対してどう考えておられるのか、また小規模農家が多い中山間地域等においても加入しやすい制度となるよう、国へどのように働きかけているのかお尋ねをいたします。

 次に、岐阜県においても平成十七年から人口が減り始め、人口減少に対する県民の不安も大きいものがあります。このため、少子化への対応が重要であり、的確かつ実効性のある施策に取り組み、県民の不安を払拭する必要があると考えます。一方、人口構造の問題からすれば、高齢社会への対応についてどう考えていくか、行政の中でどう取り組むかが大きな問題となってまいります。

 県では、長期構想の検討の中でも高齢社会への対応も大きな課題となっているようです。若手職員による岐阜県の将来構想研究会でも、いろいろと提言がなされていると聞いております。今後、社会保障費も増大し、また団塊世代が大量に退職します。こうした社会が現に目の前にあるわけです。高齢社会においては、個々の高齢者への対応ということだけでなく、社会の構造的な問題にあらゆる観点から総合的に取り組んでいかなければなりません。雇用や就業の問題、生きがいづくりの問題、社会参加の問題、あるいは技能・ノウハウの継承問題といったことへの対応など、高齢社会において必要な対策は多岐にわたります。

 そこで、こうした構造的な問題を抱える高齢社会に複合的・総合的に対応していくため、県としてどう取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、障害者等社会的な弱者に対してきめ細やかに対応していくことも、県民の不安を解消するためには重要なことであります。

 私は、みずからも障害を持ち、また障害者の自立・社会参加のために活動されている方から、障害者就業・生活支援センターの設置対象の要件規制の廃止が必要だとか、障害者自立支援法施行に伴う当事者への制度周知や広報のあり方、あるいは市町村窓口担当者の理解が不十分ではないか、サービスの支給決定量に地域格差があるのではないか、施策決定への当事者参画が必要ではないかといった指摘や、ホームヘルパーについて養成内容が不十分、ヘルプサービスについて事業者指定に第三者による総点検が必要である、さらには身体障害者手帳交付基準の見直し、更新制の導入などの提案、障害者の就労支援や障害者自立支援法施行に伴う取り組みなど、実に多岐にわたる御意見をいただきました。こうした人たちの声や意見に率直に耳を傾け、国へも必要な働きかけを行い、行政としてもきめ細やかな対応をしていっていただきたいと思います。

 そこで、障害者の自立支援、社会参加の促進について、県あるいは県下の市町村において、これまでどういう取り組みを行ってきたのか、その現状をどう認識しておられるのか、今後どう取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、生活に不安を持っておられる高齢者等社会的弱者への配慮、あるいは中心市街地の衰退が地域社会の不安をもたらしているといった観点から、コンパクトシティー実現に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。

 昨年、人口減少、超高齢化社会に対応したコンパクトなまちづくりの実現を目的に、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法、都市計画法のいわゆるまちづくり三法の一部が改正され、この十一月三十日に完全施行されました。一方で、このような国の動きと呼応するように、全国各地においてコンパクトシティーの実現に向けたさまざまな取り組みが行われております。

 このコンパクトシティーという考えは、歩いて暮らせる範囲に生活に必要な機能を集め、住みやすいまちづくりを目指そうとするものであり、こうした発想は、今後、人口減少、高齢化が進んでいく本県においてもぜひ取り入れていかなければならない問題ではないかと思います。また過日、産業振興・まちづくり対策特別委員会で高松市中心部の丸亀町商店街を視察してまいりました。丸亀町商店街振興組合の古川理事長さんは、商店街の活性化は民間主導でやるべきとおっしゃっており、行政はもとより商業者、地権者、商店街みずからの努力が重要であることを痛切に感じてきたところであります。

 県においては、まちづくり三法の改正も踏まえ、都市計画区域マスタープランの見直しに着手していると伺っております。そこで都市建築部長に、このようなコンパクトシティーの実現に向けて、今後どのような取り組みを考えておられるのか伺います。

 また、中心市街地ににぎわいや魅力を回復するためには、商業者を初めとする活性化の担い手の方々のたゆまぬ工夫と努力が必要です。そこで産業労働部長に、民間主導の中心市街地の活性化に向けてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。

 次に、改正建築基準法施行と住宅着工減等景気への影響についてお伺いいたします。

 改正建築基準法は、建築確認・検査の厳格化を柱としていますが、実務に必要な省令や告示が施行間際にやっと公布され、周知期間や事前情報の不足によって、設計者、審査側、双方に混乱を生じさせました。設計者側では、申請書の添付書類や記載事項が大幅に増加したこと、軽微な不備を除き法令に適合しない場合や計画変更が生じた場合に再申請が必要となることなど慎重にならざるを得ず、これが申請件数の減少につながっております。また、審査側では構造計算の二重審査が義務づけられたことや、書類や記載事項の増加により、審査期間が長期化したこと等が課題として上げられます。

 こうした改正建築基準法の施行に伴う建築確認手続のおくれ等により、全国の新設住宅着工戸数は、対前年同月比で七月が二三%減、八月は四三%減、九月は四四%減、先週公表されました十月は三五%減となっております。幸い、岐阜県では他の要因もあり、九月は〇・七%増、十月は一〇%増となっておりますが、着工件数の先行指標となる建築確認申請件数で見ますと、一般的な木造住宅は回復しているものの、商業施設、工場等の建築物は、対前年同月比で七月に二五%まで落ち込み、以降回復基調にはありますが、十月ではまだ六八%の水準にとどまっております。

 住宅関連産業は非常にすそ野が大きく、経済的な影響も大きいと言われます。景気にも影響を及ぼし、関連業界は非常に不安に思っています。制度の見直しも含めて、早期の対応が必要です。建築確認については、建築基準法、建築士法等制度的な問題もあると考えますが、一方で改正に伴う事務処理体制の問題も大きいのではないでしょうか。また、申請する側、審査する側の人材、人員の確保の問題もあります。

 そこで、国への制度的な改善を求めることを含め、あるいは県としても必要な事務処理体制を整備することなど、万全を期するためどのように取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねいたします。

 また、こうした影響を受けた住宅関連中小企業等では、資金繰りに苦労されている企業もあるのではないかと思います。こうした中小企業にも、その求めに応じて機動的に融資制度の活用等資金的な支援を行うことも必要かと思いますが、どのように対応をお考えなのか、産業労働部長にお伺いをいたします。

 次に、高齢者の交通死亡事故抑止について、警察本部長にお尋ねをいたします。

 県内では、一昨年、昨年と交通事故死者が減少しており、この要因の一つに高齢者被害の抑止が大きく寄与していると伺っております。ところが、今年は年初から交通死亡事故が増加し、十一月末現在の交通事故死者は百四十七人で、昨年比五人の増加となっております。とりわけ高齢者被害が前年に比べ大幅に増加し、全死者に占める割合は五〇%を超えるなど、深刻な情勢となっていると聞いております。このような情勢から、県の第八次交通安全計画において掲げられている平成二十二年までに交通事故死者を百五十人以下とする数値目標の達成は、甚だ困難と懸念をしているところであります。

 このような中で、一昨年、昨年と続いた交通事故死者の減少傾向を維持するためには、有効な高齢者対策が喫緊の課題であると考えます。高齢者被害の事故抑止は、ソフト・ハードの両面からの総合的な施策の推進が必要と考えますが、警察本部長のお考えをお伺いいたします。

 次に教育についてお伺いいたします。

 一八九〇年、教育勅語が発布されました。教育勅語では、まず「忠」と「孝」が日本の最もすばらしいところであることから、これを教育の基本に置いております。そして、国民は父母に孝行、兄弟仲よく、夫婦相和し、友達とは信義をもって交わり、慎み深くして、学を修め、知能を啓発して公益を広め、法律を守りなさい。もし一たん事があれば、皇室国家の国体を守り助けなければならないとうたっております。

 しかし、第二次世界大戦の敗戦で、昭和二十二年にはGHQがつくったと言ってもよい憲法、教育基本法が施行され、これにより日本人の戦前の道徳観や価値観は真っ向から否定されるとともに、日本の教育を根本から変質させることになりました。そこには、教育の義務を負う国家と教育を受ける権利を有する国民はいても、家庭も、家族も、兄弟も、姉妹も、友人も存在しません。個人の権利と自由は強調されても、責任と義務は忘れ去られ、道徳心は捨て去られてしまいました。結果として、教育基本法と憲法が説く日本の教育は荒涼たるものとなってしまいました。

 こうした戦後教育のもたらしたものは何だったのでしょうか。最近の日本人は、人として何が大切か、何が一番大事なのかを判断する力が衰えてきていると思われます。そして、自分のためなら何を犠牲にしてもよいという恐るべき価値観の退廃が社会の底流にうごめいているのではないでしょうか。

 そこで、だれもがこうした社会を立ち直らせていくために、このままではいけない、自分たちの生活と社会のあり方を大きく転換させなければならないと感じているのではないかと思います。そうでなければ、私たちの社会は衰亡・滅亡のふちに沈んでしまいます。まずこのことを自覚することからすべてが始まります。そして、とりわけ未来を担う子供たちをはぐくむ教育の再構築は焦眉の急だと思います。

 こうした中、昨年十二月、およそ六十年ぶりに教育基本法が改正されました。また、来年一月には教育再生会議の最終報告が出されると聞いております。マスコミには連日教育に関するニュースが登場していると言っても過言ではない状況です。また、中央教育審議会において、学校の教育課程の基準となる学習指導要領の改訂が議論され、先月初めに公表された審議のまとめによれば、授業時間数の増加や総合的な学習の時間の削減などは行うものの、現行の学習指導要領の生きる力の育成という基本理念は変わらないということです。振り返ってみますと、中央教育審議会は一九九六年、それまでの詰め込み教育への反省から、思考力や表現力といった学力と、他人を思いやる心などを生きる力として提唱しました。それにより、小・中とも授業内容を三割削ったり、総授業時間数を一割近く減らしたほか、総合学習の時間の創設を盛り込んだ授業が行われたわけです。このようにしてゆとり教育に取り組んできたわけですが、その後、このゆとり教育をめぐって、基礎学力が低下した、子供の学習意欲の個人差が広がったという批判が相次いで出されたことから、こうした体験も踏まえ、今回の学習指導要領改訂の議論が行われたものと思います。

 けさもOECDの学習到達度調査結果が新聞報道され、理数系でも応用力、活用力等が低下しているとのことです。中教審は、現行の指導要領によるゆとり教育が行き詰まった原因を分析して、次のように反省点を上げております。まず第一点として、生きる力とは何か、なぜ必要なのかを国が教師や保護者に伝えられなかった。二点目として、生きる力の象徴として、自ら学び、自ら考える力の育成を掲げたが、子供の自主性を尊重する余り指導をちゅうちょする教師がふえた。三点目として、総合学習の時間を創設したが、その意義を伝え切れなかった。四点目に、授業時間を減らし過ぎたため、基礎的な知識の学習が不十分になり、思考力や表現力も育成できなかった。五点目として、家庭や地域の教育力の低下を踏まえていなかった。こうした反省を踏まえ、先ほど申し上げたように、中教審では次の学習指導要領で生きる力をはぐくむという理念は残しつつ、十分な授業時間の確保や道徳教育の充実を図る必要があると結論づけたわけです。

 そこで、本県が取り組んできたゆとり教育をどのように評価し、大幅に授業時間がふえる新しい学習指導要領にどのように取り組まれるか、また学校における道徳教育の充実が不可欠であり、それぞれの年齢に応じた道徳教育を進めていくことが重要だと思いますが、どのようなお考えか教育長にお尋ねいたします。

 次に、全国学力・学習状況調査の結果についてお尋ねいたします。

 今年四月、四十三年ぶりとなる全国学力・学習状況調査が実施されました。この調査は、犬山市を除く全国すべての小・中学校約三万三千校が参加し、岐阜県におきましてもすべての公立小・中学校の小六、中三の約三万九千人の児童が参加いたしました。そして先般、国による調査結果の公表が行われ、各都道府県や各市町村教育委員会、各学校に対して調査結果の提供がなされたところです。

 新聞報道によりますと、岐阜県の結果は各教科とも全国平均を上回っており、昨今、学力低下が叫ばれている中、県民として岐阜県の状況はどのようであるか心配をしておりましたが、この結果を見て安心いたしました。私は、今まで岐阜県が進めてきた学力向上のための施策の一つの成果のあらわれだと思います。一方、全国的な傾向として、知識や技能を活用する力に課題があるとも報道されております。

 この調査結果に関して、県教育委員会では結果分析、指導改善資料、あるいは保護者向けの資料を作成、各市町村教育委員会、全公立小・中学校に配布し、指導の現場における指導計画、指導方法の改善、家庭と連携しての一層の学力向上のための手引きとして活用するということもお聞きしております。

 そこで教育長に、県としてこの調査における本県の結果をどのようにとらえておられるか、また先ほど申し上げた分析、改善資料の活用を含め、今後さらに県として調査結果をどのように教育に生かしていかれるのか、あわせてお尋ねをいたします。

 次に、児童・生徒の問題行動調査の結果についてお尋ねいたします。

 文部科学省が十一月十五日に公表いたしました児童・生徒の問題行動調査では、昨年度の県内の公立小・中学校、高等学校、特別支援学校のいじめの認知件数は、文部科学省によるいじめの定義変更があったとはいえ、七千四百九十二件に上り、千人当たりでは全国で三番目に多い認知件数でした。

 私はふだんから、大切な成長過程にある少年期の子供たちにいじめが及ぼす影響は甚大であると考えております。また、いじめがきっかけとなった不登校も、不登校の子供たち全体の中で割合は高くないものの、小学校では二・〇%、中学校では三・九%あるとお聞きしております。何としてもいじめから子供たちを守ってやらなければならないと考えております。

 そこで、昨年の痛ましい事件を契機として、さまざまな取り組みをしておられますが、今回の調査結果をどのように受けとめておられるのか、また本県として今後どのような対応を考えておられるのか、教育長にお尋ねをいたします。

 この項目の最後に理想の教師像についてお尋ねいたします。

 教育の現場では、教育を行っておられる教師はその生徒の人生に大きな影響を与えます。先生の教え方によって、あるいは先生の一言によって、生徒の一生を左右するほど大きなインパクトを与えることにもなります。教師はそれほど重要な立場にいるのだということをしっかり自覚して指導していただきたいのですが、残念ながら、本県においても指導力不足の教員がおられます。

 ここで、最近読んだ本の中に印象的な言葉がありましたので、紹介します。大村はまさんの書かれた文章ですが、「仏教のように教えたい」というタイトルでした。「教えない教師が多過ぎる」「車を引いていた男が、ぬかるみにはまった。汗びっしょりになって引っ張るが動かない。見ていた仏様が、ちょっと指を車に触れると車はすっとぬかるみから出て、男は元気に引いていった。男は、仏様に助けられたことを永遠に知らない。こういうのが一級の教師だ」。

 私にも小学、中学、高校、大学の先生で、いまだに印象に残っている先生があります。皆さんもおありだと思います。

 そこで、教育長の考えておられる理想の教師の姿とはどのようなものか、教育長は先生を目指す生徒を指導してこられましたので、その経験を踏まえてお答えを願いたいと思います。

 次に、大きく三点目として、元気な岐阜県づくりについてお伺いいたします。

 まず最初に、元気な岐阜県づくりのための道路整備についてお尋ねいたします。

 現在、地方の衰退や格差の拡大が問題となっており、今後、地方が主体となり、みずからの責任において地域づくりを進めるためにも、地方に活力、元気がなくてはなりません。そして、そのためのさまざまな施策を展開していく上で最も重要な基盤が道路であります。

 道路整備が本県の活力を向上させる上でいかに有効であるかを示す顕著な例としては、東海環状自動車道東回り区間の開通があります。この道路の開通により、沿線の工業団地に企業の進出が相次ぎ、有効求人倍率も大幅に増加、また沿線の中濃地域、東濃地域の新規住宅着工件数も大幅に伸びており、地域の活性化に極めて大きな効果をもたらしております。

 東海環状自動車道に関しては、西濃地域の住民にとって長年の要望であった西回りルートの起工式が、今月八日に行われます。まず、名神養老ジャンクションから大垣西インターまでの着工でありますが、地元住民にとっては、東回りの沿線の自治体と同様、多くの企業進出を期待しています。地元としては、今回着工された区間の一日も早い開通を望んでおります。

 そこで、西回り区間全体の概算事業費及び養老ジャンクションから大垣西インターまでの区間の開通のめどについて、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 また、来年七月には東海北陸自動車道が、その南進部、いわゆる一宮西港道路を除き全線開通する予定です。この道路は、太平洋側と日本海側を結ぶ大動脈として、中部圏の産業、物流、観光などさまざまな分野において交流の拡大が図られるとともに、沿線地域のみならず県全体に大きな効果をもたらすものと期待しております。さらに、近隣に救急医療施設がない山間地域においては、救急患者を搬送する時間の大幅な短縮が図られるなど、安全・安心な岐阜県づくりを進めていく上でも道路の必要性は十分に認識されております。

 そこで、県内には整備が必要な道路が数多く残されておりますが、このような道路整備について今後どう取り組んでいかれるか、知事にお伺いをいたします。

 次に、このように重要な道路整備を県が進めるに当たって、あるいは国直轄事業の県負担金の財源を確実に確保する意味においても、道路特定財源の確保が重要かつ必要です。過日、国土交通省により発表された「道路の中期計画の素案」によりますと、今後十年間に道路整備等に六十八兆円の事業量が必要であると見積もられております。今年度の道路特定財源の税収見込みは約五兆六千億円であることから、今後十年間、特定財源の一般財源化はもとより、暫定税率を引き下げる余地など全くないことを明確に示しております。

 本県の面積は全国第七位でありますが、可住地面積、すなわち住むことのできる面積は全国第四十五位であり、生活する上での移動手段として車に頼らざるを得ないのが実情です。また、車の保有台数も一人当たり〇・七六台で全国第七位の高さであります。しかし一方、国道、県道の改良率は全国第三十六位で、極端に道路改良がおくれている県となっております。本県の住民にとりまして、道路整備はまさに生活を守る上で生命線であります。今後、必要な道路整備を進めていく上で、引き続き暫定税率を維持した上で、道路特定財源制度を堅持することが不可欠であると考えます。

 そこで知事にお伺いいたします。

 これから、国において道路特定財源に対する議論が本格化してまいりますが、道路特定財源の一般財源化阻止、さらに暫定税率の維持に向けて、岐阜県として今後どう主張して、どう取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、産業振興についてお伺いします。

 本県は、中部圏の中で県民所得が最低レベルにあり、隣接県に比べ市町村の財政力も弱い状況にあります。一方、県内の雇用情勢は、十月の有効求人倍率一・二八、四月から六月までの完全失業率は二・二で、ともに全国の中でも非常によい水準にあり、工場立地件数・面積は大幅に増加、法人関係税収入もふえており、県内産業の輸出額も十八年度過去最高を記録するなど、頑張っている岐阜県を象徴するような指標もあります。

 いずれにしても、元気な岐阜県づくりを目指して各般にわたる施策を行っていくことが、税源涵養にもつながります。このためには、産業施策を駆使して産業の付加価値向上策を講じることにより、県民所得向上につなげていくことが重要であります。

 そこで、まず企業誘致についてお尋ねをいたします。

 県における工場立地は、平成十七年の東海環状自動車道東回りの開通を契機に大幅に増加しました。この状況は今年に入っても続いており、半期ベースで過去最高の三十二件となるなど、好調に推移しております。企業の進出は、税源の涵養や新たな雇用を生むという直接的な効果のほか、さまざまな波及効果も期待できるものです。

 こうした中で、先般、県内の全市町村が参加し、五つの圏域ごとに策定した企業立地促進法に基づく基本計画に対して国から同意を得たと、知事の提案説明にもありました。この法律は、平成二十五年三月までの時限立法であり、基本計画は認定を受けた平成十九年度から五ヵ年余りにわたり、地域がみずからの強みと特性を踏まえ、自主的かつ計画的な企業立地の促進により地域の活性化を目指すための取り組みを示したもので、これにより誘致の新たな展開が期待できるのではないかと考えます。

 そこで、この企業立地促進法に基づく基本計画による企業や自治体へのメリットと、この計画期間における目標達成に向けてどのような体制で企業誘致を進めていくのか、産業労働部長にお伺いをいたします。

 次に、地域におけるブランドづくりについてお尋ねをいたします。

 県内中小企業、とりわけ地場産業に携わっておられる多くの中小企業では、景気回復の実感もわかない中、今般の原油の高騰や中国を初めとするアジア諸国からの安い価格の品物による輸入攻勢もあり、もはやよいものを安く大量に売ることを前提としたものづくりでは、企業も産地も立ち行かないのが実情であります。このような状況下で企業や産地が生き残っていくためには、商品の差別化、付加価値の創出が不可欠であり、地域の特徴を生かした商品やサービスのブランド化が効果的な方策として全国各地で始まっております。

 県内では、岐阜の繊維・衣服、関の刃物、美濃の和紙、東濃の陶磁器、飛騨の家具・木工など、地域のイメージを形づくっている特色ある地場産業が多く、それぞれブランドづくりに向け新たな取り組みが進められていますが、ブランド化、地域の活性化は、まずは事業者や地域の方々の熱意があって初めてうまくいくものではないかと私は思っております。

 県でも今年三月、岐阜県ブランド戦略を策定され、こうした地域資源の活用を進められるとのことですが、ブランドというものは一朝一夕にできるものではありません。ゼロから何かを生み出すよりも、今あるものに磨きをかける、あるいは少し視点を変えてほかのものと組み合わせたり、違う使い道を考えたりすることで新しいブランドをつくり出すことの方が、可能性が高いのではないでしょうか。

 そこで、産業労働部長にお尋ねをいたします。

 県では、ブランド戦略を進めるに当たって、どのように事業者にやる気を持たせ、主体的にブランドづくりに取り組むようにしていくのか、またブランドづくりに熱意のある事業者をどのように見つけて育てていくのか、お答え願います。

 また、本県は気候の変化に富んでおり、豊かな農産物の特産品も多くあり、この農産物の特産品を岐阜ブランドとして全国に発信すべきだと思います。農産物のブランド戦略について、農政部長にどのように考えておられるかお尋ねをいたします。

 次に、今後の観光振興についてお尋ねをいたします。

 去る九月八日には、沿線住民が待ち望んでいたJR高山本線の全面復旧がなされました。また、道路の整備についても、一昨年、東海環状自動車道の東回りルートも開通し、来年七月には東海北陸自動車道の南進部分を除く全線開通も予定されております。このようにインフラの整備が着実に進められる中、古田知事は大交流時代の幕あけを提唱されたわけであります。さきの第三回定例会において提案された「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」においても、その条例の第一条で、観光産業を基幹産業として発展させ、もって飛騨・美濃の特性を生かした誇りの持てるふるさとをつくりますと規定しています。今後は、観光産業の振興に力を入れるという県の姿勢を表現したものであると私は理解しております。

 さて、この条例の施行日である十月一日から始まりました「いい旅 ふた旅 ぎふの旅 ひだ・みのじまんキャンペーン」は、残すところ一カ月を切りました。観光産業を発展させ県民所得をふやすためには、宿泊観光客をふやす。地元特産品を使った評判になるような料理を開発して、大いに飲食してもらう。たくさん買ってもらえるような特色あるお土産を開発するなど、観光客に県内で多くのお金を使ってもらう仕組みをつくることも必要であります。また、観光振興の取り組みを長続きさせるためには、県の努力ももちろん大切でありますが、民間が主体的に取り組むことが重要であります。

 以上、るる私の見解を申し上げましたが、知事は常々キャンペーンを一過性のものにはしないと発言されております。そこで、ひだ・みのじまんキャンペーンのこれまでの状況と、今後の観光振興施策について、知事のお考えをお尋ねいたします。

 最後に、平成二十四年ぎふ清流国体についてお尋ねをいたします。

 昭和四十年の岐阜国体では、悲願の天皇杯・皇后杯の獲得や当時の百七十万県民が「伸びゆく県民運動」に取り組むなど、大成功に終わったと記憶しております。また、開会式において、最終炬火ランナーとして炬火台に点火された当時高校三年生の古田知事が、平成二十四年に開催されるぎふ清流国体の準備委員会の会長として指揮をとられることでもあり、皆が一丸となって大会を盛り上げていけるよう、その手腕を発揮されることを期待しております。

 さて、昭和二十一年以降、各都道府県持ち回り方式により開催されてきた国体は、我が国のスポーツの普及とトップアスリートの養成にとどまらず、地域のスポーツ施設の整備などによるスポーツ環境の充実など、その果たしてきた役割は極めて多大であります。しかし、昭和六十三年の第四十三回大会以降二巡目に入り、最近ではトップ選手の参加見合わせなどによる国体に対する関心の低下、施設整備等が開催自治体の財政に深刻な影響を及ぼしているとの批判など、国体を取り巻く環境も厳しいものとなっております。

 このような国体の開催意義が問われる中、国体を一過性のスポーツイベントに終わらせることなく、開催する意義とは何かを真剣に考え、岐阜県らしい国体開催に向けて取り組むことが必要です。

 ぎふ清流国体の合い言葉は、「輝け はばたけ だれもが主役」であります。私は、簡素であっても、二百十万県民がそれぞれの地域において、何らかの形で国体にかかわることが岐阜県らしい国体開催となり、地域に活力が生まれることにつながっていくものと考えます。

 そこで、平成二十四年ぎふ清流国体について、岐阜県らしい国体開催に向けてどのように取り組み、国体開催を通じてどのような効果が期待できるのか、知事にお尋ねをいたします。

 以上、数点にわたり県政全般について質問をさせていただきました。今回、私はいろいろな方々の御意見を拝聴しながら、そうした中で浮かび上がってきた問題を中心に質問をさせていただきました。どうか私の質問は県民からの声とお聞きいただき、簡潔かつ的確な御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 議員からは、数点どころかたくさんにわたる骨太な質問をいただきまして、限られた時間の中でどのようにうまくお答えできるか自信はないわけでございますが、御指摘のように、まさに県民からのお尋ねという思いで、私なりに御答弁申し上げたいというふうに思う次第でございます。

 まず、県政のこれまでの取り組みと課題という点でございます。

 何といいましても、ほぼ三年ちょっと前になりますけれども、県政に挑戦をするということで、新岐阜駅におり立った日のことを改めて思い出すわけでございまして、この岐阜県に骨を埋めて頑張りたいということで帰ってまいりました。そして、いろんな方の御支援を得ながら、各地を懸命に回らせていただいたわけでございますが、そうした県内各地を回りながら岐阜県のよさといいますか、すばらしさ、強みというものを一方で実感し、他方で県民の方々が生活の面でいろいろと先行きに不安を抱えておられるといったことを肌で感じましたことが、私にとりましては県政のいわば原点というふうになっておるように思うわけでございます。そういう意味で、大きく申し上げて、岐阜県の持つ資源や力を最大限に生かして活力を生み出していくという方向、そしてまた、暮らしの不安を一つ一つ丁寧に取り除いていくという方向、この二つを念頭に置きながら、誇りの持てるふるさと岐阜県づくりということで取り組んで来たように思うわけでございます。

 例えば、産業面でいいますと、岐阜県の製造業の持つ地力を生かすということで、さまざまなものづくり産業支援を進めてまいりましたし、また企業誘致という観点からは、東海環状東回り開通等に伴う追い風を最大限に生かすと。あるいは、かたい岩盤を有するという企業立地上の本県の強みを生かすということでアピールしてきたわけでございます。また、ふるさとの誇りづくり、愛着づくりという観点からは、昨年の植樹祭を契機に、全国に「伐って使う」というメッセージを発信し、木の国、山の国の森林づくりにも取り組んでまいったわけでございます。また今、職員によるまちづくり支援チームを編成して、各地にお邪魔をして、地域のまちづくりにも参画をして汗をかいているということでもございます。

 また昨年は、飛騨美濃合併百三十周年でございました。その記念事業でありますとか、あるいは県の文化施設について、文化の日の無料開放等々に取り組みまして、ふるさとの歴史や文化に多くの人に触れていただく機会をつくっていこうといったことにも腐心してまいりました。

 そしてまた、議員がいろいろとお触れになりました今年度の重点政策であります「飛騨・美濃じまんプロジェクト」につきましても、いわばその延長線上にあるわけでございます。今ある観光資源のPRにとどまらず、隠れた地域資源を掘り起こし、あるいは新たな魅力をつくり出すという取り組みを通じながら、地域の活力とふるさとへの誇りと愛着をつくり出そうと、こういった思いで取り組んでおる次第でございます。

 また、安心という側面では、県民の皆様が不安と感じるような事案について、一つ一つ丹念にかつ迅速、あるいは透明度の高い形で対処することを心がけてきたわけでございます。例えば、危機管理に強い県政ということで、フェロシルト等の廃棄物問題、あるいは地すべりなどの自然災害など、県内における危機事案への対応はもちろんでございますが、他県で発生した事件・事故についても、県内における点検を行うなど、少しでも不安を解消できるような努力をしてまいりました。

 また、御指摘のございました不正資金の問題も、いわば県庁組織の危機管理の問題として、厳しく受けとめて対応させていただいた次第でございます。

 また、年々増加している障害を持つお子さんたちのための特別支援学校の整備などにも努力を払ってまいりました。そのほか、少子化対策、多文化共生社会の推進、あるいは地域医療、とりわけ医師確保の問題、あるいは多重債務者への支援などにつきましては、身近な緊急課題であると同時に、持続的に取り組んでいかなければならない課題として、正面から対応してきたわけでございます。このようにこの三年間は、いわば実のある県政、県民の声に耳を傾ける、県民の願いの届く県政ということで取り組んでまいりました。

 今後の一年は、いわば四年の任期の仕上げの年でございまして、さらにこうした面での政策を強化してまいりたいというふうに思っております。同時に、向こう十年間の長期展望を明らかにしながら、岐阜県の未来づくりに本格的に着手をしたいというふうに考えておるところでございます。

 特に、この長期展望につきましては、人口減少、あるいは世帯構造の変化など、構造的な変化をより長期的な視点でとらえながら、政策の方向性を見定めていくというスタンスで、今、若い人たちを中心に取り組んでおるところでございます。他県の知事とこのような話をいたしますと、人口減少の話をすると世の中暗くなるから余り言いたくないんだと、こうおっしゃる方もおられるわけでございますが、私は人口減少の問題、あるいは人口構成の問題は、まさに避けて通れない喫緊の重要な中・長期の課題であると思っておるわけでございます。

 例えば、地域の需要減少に対応するための産業振興、観光交流の拡大、あるいは現役世代人口の減少に対応するための女性、高齢者、障害者が働きやすい環境づくりといったことも重要でございます。また、これから単独世帯、ひとり者世帯がふえてまいりますが、地域の連帯感を維持するために、人と人とがどうつながっていくか、そういった社会力といったものを養うことも必要ではないかと思っておるわけでございます。こういった人口減少社会に前向きに対応しながら、だれもが、一人ひとりが個性を発揮し輝ける岐阜県づくりに取り組んでいきたいと、こんなふうに思っておるわけでございます。個々の幾つかの論点につきましてはまたいろいろ、それぞれの御質問の中で申し上げたいと思います。

 それから二番目に、県民参加の県政について御質問がございました。

 従来、行政としては防災・防犯でありますとか、インフラ整備でありますとか、教育でありますとか、住民全体に共通の利益をもたらすような分野を担ってきたわけでございますが、近年、世帯構造の変化などに伴いまして、子育て、あるいは介護といった、従来は家族の中で担われてきた機能が家庭内でなかなか完結できなくなってきておりまして、行政が公共サービスとして担うべき分野が拡大してきたという流れがございます。それと同時に、精神的な豊かさを求める中で、多くの方々が自分の暮らす地域のために活動をしていきたいと、そこに生きがいを見出したいということが起こってきておりまして、自主的な住民活動、NPO活動を通じて、行政が従来担ってきた公共サービスにかかわっていただくという流れもあるわけでございます。まさに県民協働という言葉がキーワードになっておりますが、これは公共分野が多くの担い手によって支えられる時代になってきたということのあらわれではないかというふうに思っておりまして、こういったことにあわせて、行政の役割自体も再構築していく必要があるのではないかというふうに思っております。

 そういう中で、行政としては、意欲と能力を備えた多用な主体が公共サービスの新しい担い手として十分に活動できる環境を整え、ともに汗をかいていくことが必要ではないかと思っております。着任早々からNPOはつらつファンドというものを設けまして、NPOの地域づくり活動の支援に取り組んできておりますが、これもそうした思いの反映でございます。

 今後とも、私のみならず県職員挙げまして、現場主義と対話重視の姿勢で現場に赴きながら、県民の皆さんの生の声を伺いながら、一層参加していただけるような、そういう県政をつくっていきたいと思っております。

 次に、予算編成、財政の問題について御質問がございました。

 これはなかなか深刻な問題であるわけでございまして、ここ当分綱渡りが続くというふうに申し上げていいのではないかと思っておりますが、まず来年度について、五百億円の財源不足ということを申し上げておりますが、これは来年度の予算編成の本格的な作業を始める前提として、一定の試算を行った結果でございます。

 その前提としましては、歳入につきましては、総務省の地方財政収支の八月の仮試算というものがありますが、これに基づきまして一般財源総額を平成十九年度当初予算と同程度と見込んでおります。また、県税収入でございますが、十九年度は前年度に比べて伸びてはおりますが、先般の九月の補正予算において一部減額をするなど、先行きなかなか見通しがわかりにくくなっております。また円高、あるいは原油高という状況の中で、民間企業からいろいろ今聞き取り調査をしておりますけれども、法人二税の先行きについても必ずしも楽観は許されないという状況でございます。同時に地方交付税につきましても、年末の国の税制改正等についても踏まえながら精査をしていく必要があるわけでございます。また、新規の県債発行につきましては、行財政改革大綱に沿いまして、平成十八年度水準から五%程度抑制した九百二十億円程度というものを見込んでおります。一方、歳出につきましては、事業費一億円以上の事業を中心に積み上げ作業を行うと同時に、公債費、あるいは社会保障関係経費などの義務的経費についても大幅な増額を見込んでおるということでございまして、こういった作業をやった結果、歳出が歳入を五百億円程度上回っておるというのが現状でございます。

 今後につきましても、公債費、社会保障関係経費は引き続き増加していくわけでございまして、歳入環境の大幅な改善がなければ、歳出構造を思い切って圧縮、見直しをしない限り、毎年毎年同様の財源不足に陥るということが見込まれるわけでございます。とりわけ、裁量性の低い義務的経費の増加によりまして、今後一段と自由度の低い中での財政運営を迫られるということで、先ほども申し上げましたが、かなり厳しい綱渡りの状況を当分の間続けていかなければならないというふうに見込んでおるわけでございます。先ほど申し上げましたが、現在新たな長期構想を策定しており、当然その一環として、県の財政につきましても、今後の長期的な道筋についてあわせて検討してまいりたいというふうに考えております。

 財源不足の解消に向けましては、短期的には県の直接徴収の実施とか、あるいは差し押さえ物件のインターネット公売でありますとか、あるいは県の未利用財産の積極的な売却処分でありますとか、有料バナー広告収入とか、いろんな工夫を行いながら、積極的な歳入確保に努めてまいりたいと思っております。そしてまたこれらに加えまして、財源対策として活用可能な基金があるわけでございますが、その取り崩しにつきましても検討対象になり得るというふうに考えておる次第でございます。

 また一方、歳出面につきましては、相当思い切った行財政改革、スリム化を行いながら、優先順位を明らかにした、取捨選択を明らかにした予算編成ということを心がけていかざるを得ないというふうに思っております。

 また、議員御指摘の税源涵養でございますが、企業誘致はもとより地場産業、観光交流産業の振興、さらには地域の活力を高めるために必要な社会資本の整備といったことについて、積極的に着実に進めていかなければならないと思っておるわけでございます。

 来年度予算編成の基本方針でございますが、そうした危機的状況の中で、行財政改革の取り組みを一層強力に推進すると同時に、他方で来年度の重点政策課題を掲げておりまして、その三つの柱は、地域の元気づくり、くらしの安全・安心づくり、ぎふの未来のための基盤づくりということでございますが、新たな長期構想の議論も念頭に置きながら、重点課題に的確に対応していきたいというふうに思っております。

 そういう意味で、歳入歳出両面からありとあらゆる工夫をし、かつ細部にわたって知恵を尽くしながら、全体としてバランスのとれた予算を組み立てていきたいというふうに思っておりまして、その結果は三月の議会にお諮りをしたいというふうに思っております。

 特に、お触れになっておられましたが、今回の予算編成におきましては、重点事業特別枠というのを設定いたしておりますが、これは選択と集中による政策の重点化を明確にする、あるいは政策立案と予算編成を一体的に行うと。さらには、若い人の提案も含めて、ボトムアップ型の政策立案の取り組みを進めるといったねらいでございまして、本県の予算編成手法としては初めての試みであるわけでございます。このところ厳しい財政状況の中で、職員が政策立案に萎縮して県政全体が停滞してしまうことのないように、新たな仕組みとして導入したものでございまして、最優先で対応していかなければならない課題について、知恵と工夫を凝らしてこの特別枠を活用していきたいと思っておるところでございます。

 次に、地方分権について三点御質問がございました。

 まず三位一体でございますが、御案内のように、三兆円の税源移譲が行われたものの、四・一兆円の国庫補助負担金が廃止、縮減されたと。しかも、そのうち本当に補助金全体が廃止されたものはわずか一千三百億円でございまして、ほとんどが補助率の引き下げ、補助金の一部廃止ということでございまして、地方に対する国の関与、義務づけというものはほとんど変わっていないということでございます。加えて、五・一兆円の地方交付税が大幅に削減されておりまして、税収の大きな伸びの期待できない大都市圏以外の地方自治体では、大変厳しい財政運営を強いられておりまして、このことが今日の地域間の財政力格差の問題を生じさせている大きな要因の一つであるわけでございます。

 一方、三位一体改革以降にも国により新たな補助金がつくられておりまして、例えば、今年度当初予算ベースで一千億円余りにも達しておりまして、こういったことを考え合わせますと、改めて三位一体改革とは何であったのかということについて大きな疑問を抱かざるを得ないわけでございます。こういった意味で、地方税財政のあり方を含めた地方分権改革は、まだまだ緒についたばかりということでございまして、真に地方の自由度を拡大するという方向、そしてそのために必要な税財源をしっかりと移譲していくということが大事であるというふうに思っておりまして、これらの三位一体の評価、そして課題につきましては、先般、総理官邸で行われました政府主催の全国知事会議におきましても、私から福田総理に対して強く申し上げたところでございます。

 次に、地方財源の充実及び格差是正の問題でございます。

 御案内のように、今、地方法人二税の地方間の配分ルールを見直すとか、あるいは消費税と地方法人二税を税源交換するとか、いろんな議論が格差是正といいますか、地方税収の偏在是正の観点から行われておるわけでございます。また、先般の全国知事会議でも、この点をめぐって激しい議論が展開されたわけでございます。

 知事会のコンセンサスとしては、まず第一に、三位一体改革の際に五・一兆円削減された地方交付税の復元・充実を求めるなど、地方交付税総額の確保による地方財源の充実・強化が大事ではないかということで一致しておるわけでございます。それと同時に、地方税収の格差是正につきましては、大都市圏とその他の地域で意見が分かれておりまして、大変難しい問題でございますが、本県を含めて多くの県から、基本的には消費税と地方法人二税との税源交換を求めていくことが適当であるという考え方が示され、国に対してこうした主張を行ってきておるわけでございます。

 いずれにしましても、地方の税財源のあり方につきましては、単に地方法人二税だけを取り上げて格差是正を行うのではなく、地方交付税制度全体のあり方を含めて、真に地方の税財源の充実につながるかどうかと、ここの点が不可欠であるわけでございます。来年度の税制改正、予算編成に向けまして、地方六団体とともに引き続きこういった観点から積極的に働きかけているところでございます。

 そして三点目として、道州制も含めました国と地方のあり方について御質問がございました。

 地方分権の重要性については、既に繰り返し私も申し上げておりますし、議論されているとおりでございますが、私は基本的には、地方にできることはすべて地方に任せると。国は国としての責務をしっかりと果たしていただくと。外交、防衛、通貨政策、産業の国際競争力の強化など、国本来に属する役割以外は、すべて自治体に任せるべきであるということでございますし、また住民ニーズをしっかり把握してサービスを行う自治体こそが、まず住民との関係では一義的な役割を担うべきであると。さらには、「国から地方へ」にとどまらず、「都道府県から市町村へ」の分権ということも重要であるといったことを申し上げておるわけでございます。

 そうした考えに基づきますと、先ほども御指摘申し上げましたが、補助金行政という手法によって、国で決めた枠組みのもとで国と地方が共同責任のような形で物事を進めるやり方は望ましくないのではないかというふうに思っております。本来、この仕事はどちらの責任で行うべきかという観点から、役割分担を明確にした上で、国の責任であるならば、国が財源も含めてみずから実行し、他方、地方の責任であるというのであれば、自主財源をしっかりと移譲した上で地方が独自の判断で実行できるようにしていくという、まさに分権の本則に立ち返るべきであるというふうに考えておるわけでございます。

 先ごろ、地方分権改革推進委員会が中間的な取りまとめを行いました。地方が主役の国づくり、自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する完全自治体を目指すといったような、かなり抜本的な地方分権のあり方について議論をされておりますが、この地方分権改革推進委員会の議論が、今後、各省庁とのやりとりの中でどのように具体化されていくのか、私どもとしては注目していきたいと思っております。また、当然のことながら、地方自治体みずからもこの改革の一環として企画立案能力、政策実行能力を高めていくという地道な努力も必要であるわけでございます。

 また、道州制についてでございますが、これは将来的な課題として、以上申し上げてきました議論の展開の中で、地方自治体の枠組みとしてどのようなものが望ましいかという観点から議論を行っていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 次に、食品の安全についてでございます。

 この食品偽装問題につきましては、全国で相次いで発覚をしておりまして、県内におきましても不適正表示の事案があったわけでございます。特に、いわゆるしにせと言われるところの不祥事が大変深刻でございまして、いわば地域の文化、あるいは誇りであったものが、一気にこれがついえたということでございます。

 ある人の分析によりますと、世紀を超えて、百年を超えて存続するしにせの共通点というのがあるそうでございまして、それは、一つは本業に専心すること、いたずらな拡大への警戒、筋金入りの倫理観と、この三つが世紀を超えて存在するしにせの共通点だということでございます。今回の一連の事件は、その三つから大きく逸脱したことによるものであるというふうに見ておるわけでございます。

 これまで、岐阜県におきましては全国に先駆けまして、岩井議員にも御尽力をいただきました、議員提案による岐阜県食品安全基本条例を平成十六年四月から施行しておるわけでございまして、これに基づく行動基本計画に沿って全庁的に取り組んでいる次第でございます。特に今年度は、県内を流通する輸入食品検査の強化、食品の適正表示に関する監視指導の強化、食品の製造管理等を行う関係企業を対象とした研修会や、県民向けの講習会の開催といったことを重点に、生産から消費に至る過程において安全確保に努めているところでございます。

 特に、今回の一連の事件を受けまして、先般、県内十四の食品関連団体を通じまして、県内約二万五千社の食品関連企業に、食品の期限表示、品質管理、コンプライアンス体制の確保などについて総点検を実施するよう要請いたしました。その結果はいただいておりますけれども、差し当たり問題となる違反事例はございませんでした。ただ、その一方で、県内十四の食品関連団体に属さない事業者におきまして、原材料の誤った表示による自主回収という事案が発生いたしました。このため、団体等に属さない個々の事業者につきましても、市町村と連携をし、周知徹底を図っておるところでございます。また、十二月は食品表示適正化強化月間でございます。現在、一連の事態を前提に、県内の食品製造業を中心に、国や県の関係部局の合同による立入調査・指導を実施しているところでございます。

 以上を通じまして、県内企業の倫理意識の向上、法令遵守の徹底、食品の生産管理体制の適正化ということを図り、食に対する信頼にこたえていけるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、高齢社会への対応について御質問がございました。

 本県におきましては、総人口の減少が進む一方で、六十五歳以上の高齢者は当面増加を続ける見通しでございます。二〇〇五年の四十四万二千人から、二〇二〇年には五十六万四千人に達するというふうに見込まれます。これをさらに七十五歳以上の後期高齢者に限ってみますと、高齢者全体よりもさらに増加率が高く、そして高齢者全体が減少に転じた後もふえ続けるという見通しでございまして、ピークとなる二〇三〇年ごろには、現在の二十万三千人から三十二万八千人までに増加するという見通しでございます。

 この結果、高齢者人口の割合は、現在の二一%から二〇三五年には三三%と、県民の三人に一人が高齢者という超高齢社会が到来するというふうに見られておるわけでございます。さらに、世帯構造も変化してまいります。二〇三五年には、ひとり者世帯、単独世帯が全体世帯の約三分の一、夫婦だけの二人の世帯が全体の三分の一、残りが夫婦と子の世帯、あるいはひとり親と子の世帯ということでございます。単独世帯や夫婦のみの世帯が現在よりもかなり増加する見通しでございます。また、高齢者世帯におきましても、高齢夫婦のみの世帯が現在の七万世帯から二〇三五年には九万一千世帯になる。また、高齢者のひとり者世帯も現在の四万四千世帯からその二倍の九万四千世帯へと大きく増加をしていく、こういう見通しでございます。

 そういう高齢化社会において、課題、あるいは今後進めていくべき政策の方向はたくさんあるわけでございますが、主なポイントについて、まさに今いろいろと検討しておるところでございますが、現時点で考えられるポイントを申し上げますと、一つは高齢者の就労という問題でございまして、今後、社会保険制度の給付水準が低下していく中で、就労を希望する高齢者も増加しますし、また企業においても若年者の労働力不足に伴って高齢者への期待が高まるという中で、短時間勤務とかフレックスタイム、あるいは職業能力の開発、いろんな面で高齢者が働きやすい柔軟な就業環境の整備が必要になってくるのではないかと。

 あるいは、高齢者の暮らしという面では、町なかの便利な地域に公共施設や住宅を集中させるコンパクトシティーといったことが大事になってまいりますし、また先ほど申し上げましたように高齢者だけの世帯、あるいは高齢者ひとり者世帯が急増いたしますので、地域全体でどのように高齢者の見守りを行っていくか、あるいは地域と高齢者のつながりづくりをどうしていくか、こういったことも重要な政策になってくるのではないかと思うわけでございます。

 また、高齢者自身のライフスタイルも変化してまいりまして、長く自由な時間が持てると。あるいは社会的な貢献もしたいということも出てくるのではないかと思うわけでございますが、そうした高齢者の意欲を生かしていく上でのボランティア、NPOへの参加促進といったことも、環境づくりとして我々が取り組んでいくべき課題ではないかと思っております。

 それから、なかなか深刻な問題は高齢者の介護サービスのあり方でございまして、介護を要する高齢者の数は、二〇〇五年の六万九千人から二〇三五年には十二万八千人になると。必要とされる介護人材の数も、現在の一万八千人から二〇三五年には三万三千人に及ぶということでございます。介護給付額も増大いたしまして、県費負担額をとりましても、平成十九年度の百五十一億円から、例えば八年後をとってみますと、その五割増しの二百二十八億円になるというふうにも推計しておるわけでございます。そうした費用負担の問題とともに、介護人材の確保ということが大変大きな課題になってまいります。長期的な視野で、人口減少の中で、社会の担い手が減っていく中での人材育成、あるいは介護に当たっての労働環境の改善といったことについても取り組んでいく必要があるのではないかということでございます。また同時に、健康の維持が大事でございまして、高齢になってからはもちろん、若いうちからの健康づくりもますます重要になるということでございます。

 以上、幾つか申し上げましたけれども、高齢者の方々にいかに豊かで幸せな人生を送ってもらうかという前向きな視点でこういった問題に取り組んでいく必要がございますし、また社会全体が高齢者イコール支えられる人ということではなく、むしろ高齢者も社会を支えていただく貴重な人材だという意識に切りかえていく必要があるのではないかと。その意味で、生涯現役という意識も高めていく必要があるのではないかと。現役世代の者もいずれ必ず高齢者になるわけでございますので、全員が高齢者の立場に立って考えていくという姿勢で取り組んでいく必要があると思っております。

 次に、障害者の自立支援と社会参加についてでございます。

 御指摘のように、昨年四月に施行されました障害者自立支援法は、目的とは裏腹に、実行面で大変急激な制度の変化、あるいは利用者の負担増ということから、現場において非常な問題、あるいは混乱が生じたわけでございます。こうした事態は、やはり現場の意見を十分聞かずに国が制度設計をしたことに起因するものであるということを強く感じておりまして、先般も、私から舛添厚生労働大臣に対して直接、地方分権という観点からも、国が制度設計をする際には、あらかじめ十分現場の意見を聞くべきではなかったかということを強く申し上げた次第でございます。

 岐阜県としては、議会とともに国に対していろいろと改善措置を要望してきたところでございますが、昨年末に一定の改善策が講じられたことに続いて、今、さらに国において在宅・通所サービスの利用負担軽減の対象者拡大、あるいは負担上限月額の引き下げなど、さらなる改善策が検討されているところでございます。また、この制度改正に県や市町村の体制整備が十分追いつかなかった面もあるわけでございまして、今後、現場と行政との情報共有も含めて、きめ細かな連携強化に取り組んでいきたいというふうに思っております。

 こうした中で、一昨年四月の発達障害者支援法施行に伴いまして、岐阜県として県立希望が丘学園に発達障害者支援センターを昨年一月に設置しております。また、この十月には、十二年来の関係者の悲願でありました聴覚障害者情報センターを県民ふれあい会館の中に設置させていただきました。また、特別支援学校の拡充、さらには岐阜市鷺山地区障害福祉施設の見直しにつきましても、まず第一段階として、身体障害者授産施設清流園及び第二清流園の改築準備を進めているところでございます。

 さらに、発達障害につきましては診療希望者が急増しておりまして、列をなしておるという、大変長いウエイティングリストがあるわけでございますが、先ほど申し上げました発達障害者支援センターだけではなくて、各地域に人材や拠点機関を確保する必要があるのではないかというふうに考えておりまして、この発達障害者支援センターのブランチとしての役割を果たす医療機関、あるいは療育機関を各地域に設けることを、来年度予算編成の中で重点施策の一つとして今検討させていただいておるところでございます。

 また、障害者の就労・雇用につきましては、この十月に輪之内町にエフピコ愛パック岐阜工場が開設いたしました。この工場は、企業でありながら障害福祉サービス事業所として県の指定を受けておりまして、訓練サービスを提供しながら労働者として雇用するということで、地域の障害者の社会参加の推進や自立に貢献していただけるものと期待されております。私も先般お邪魔いたしましたけれども、ここで働いている方々が、本当に自分の居場所が見つかったということで喜んでおられるのが印象的でございました。

 既にこの事例をモデルに、企業と障害者施設、事業所とが連携して、このようなタイプの事業に取り組んでいきたいという動きも出てきておりまして、来年度予算編成におきましては、こうした取り組みを促していくような政策を検討しているところでございます。

 また、平成二十四年のぎふ清流国体に連動する形で、国体終了数日後に全国障害者スポーツ大会を開催することとしておりまして、こうした大会の開催に向けましても、障害者福祉の充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 次に、改正建築基準法の施行の問題でございます。

 この問題も、既に議員からも質問の中で御指摘がございましたが、国の制度設計にいろいろと問題があり、かつ現場の状況について十分な検討が行われないままに施行されてしまったという、これもまた残念な事例の一つではないかと思っております。また、内容だけではなしに手続面でも、確認申請の手続に必要な国土交通省令の公布が施行日のわずか前日と。そしてまた、新たに設けられた審査指針の公布が施行日当日と。さらには、構造設計に必要な技術基準解説書の発行が八月十日と、約二カ月後ということで、国土交通省自身の準備不足も重なって、これが設計者にとりましては大変困難と混乱をもたらしておるというふうに認識しておるわけでございます。

 本県の確認申請状況につきましては、議員の方から御指摘がございましたが、確認申請の回復がまだまだおくれておるということに加えまして、審査期間の長期化ということが上げられるわけでございます。木造住宅等につきましては、ほぼ改正前と同様の二、三週間で処理が行われておるわけでございますが、構造計算を必要とする工場、商業施設等につきましては、改正前の標準的な処理期間は一カ月半でございましたが、これに対してダブルチェックを要しない建築物で約二カ月半、ダブルチェックを必要とする建築物で約四カ月を要するということになっております。さらには、現状では審査事務量の増加から審査開始までに待ち時間が発生しているという状況にあるわけでございます。

 国に対してもいろんなことを申し上げてきておりますが、国も少しでも改善しようという姿勢はこのところ示してきておりまして、いろんな形で改正内容の周知徹底、そして、十一月十四日には国土交通省令を改正いたしまして、申請書に必要な添付書類の軽減、安全上支障がない軽微な変更については計画変更の確認手続を必要としないというような改正を行っておりますが、まだまだ十分な回復効果は見られていないということでございます。

 本県としては、申請者の負担軽減という観点から、確認申請前の事前審査を行うとか、あるいは県内の特定行政庁、あるいは知事指定の民間確認検査機関に対する協力依頼、その他建築関係団体との協働による法改正の周知徹底等にも努めているところでございますし、また審査事務量の増加に対しましては、建築事務所において、今、全所体制による審査を実施しておりますが、今月からは建築指導課及び公共建築住宅課から各建築事務所に応援職員の派遣を行うことにしております。また、来年度からは建築事務所の審査担当職員を増員することとしておるわけでございますが、できる限り迅速に進められるように審査体制を強化していきたいというふうに思っております。

 私どもとしては、こういった対策を積み重ねることによって、構造計算が必要な建築物で約一カ月程度は審査期間を短縮できるのではないかというふうに見通しておりますが、それでもダブルチェックを要しない建築物で約一カ月半、ダブルチェックの対象となる建築物では、やはり約三カ月の処理期間がかかるということでございまして、ここから先はむしろ国の制度改善がどうしても必要でございまして、これにつきましては三つの点について、早急に国に対して提案をしようと思っておるところでございます。

 第一は、構造計算書のダブルチェックの対象となる建築物の見直しといったことでございます。特に、規模の小さい建築物について、この対象から外すことはできないかどうかといったような議論、あるいは確認審査における申請書の訂正の取り扱いについて、もう少し緩和できないかという議論、さらには、いまだに大臣認定を受けた構造計算プログラムは存在しないわけでございまして、これを早急にやってほしいということ、こういったことについて提案をしていきたいと考えております。

 次に道路整備の問題、そして道路特定財源の確保に向けた取り組みについて御質問がございました。

 本議会での提案理由説明の中で申し上げましたけれども、地域を維持発展させていくためには特に道路整備が重要であり、企業誘致、観光振興、緊急時の輸送など、さまざまな面で不可欠であります。このため、県としては幹線道路網を県土千七百キロ骨格幹線ネットワーク構想ということで優先的に整備することとしておりますし、また地域に密着した身近な課題に対応する道路整備ということで、歩道の整備、渋滞対策、孤立対策といったことについても対応していこうということでございますが、こうした道路を本当に必要としている地方にきちんと財源を回すことが、一番わかりやすい形で地方を応援する方策になるということを、あらゆる機会をとらえて国に対して申し上げておるところでございます。

 特定財源の問題でございますが、現在、大きく三つの議論がございます。いずれも本県にとりましては大変深刻かつ重要な問題であります。

 第一は、来年三月末に期限を迎える揮発油税などの暫定税率の取り扱いでございます。この暫定税率につきましては、その延長を求める意見が当然ございますが、最近のガソリン、軽油価格の急激な高騰をきっかけに、自動車ユーザーの負担軽減という観点から、暫定税率の廃止、見直し論も登場してきております。仮にこの暫定税率が廃止されますと、国・地方の道路財源は大幅に減少するわけでございまして、本県で計算してみますと、平成十七年度決算ベースでは約百三十億円の減収となると。加えて国庫補助金なども大幅に削減されるということでございまして、県内の必要な道路整備の数多くは休止状態に陥ると。さらには、国直轄事業負担金の支払いも困難になるということでございまして、国直轄道路の整備も大幅におくれるものと想定されるわけでございまして、私どもとしては到底受け入れることのできない議論でございます。

 二番目は、一般財源化の問題でございます。

 閣議決定に基づいて、十一月に国土交通省が道路整備のあり方を示す中期計画素案を発表しておりますが、今後十年間、総額六十八兆円の道路整備が必要だと言っておりまして、この試算によれば、道路歳出を上回る税収はないということになるわけでございます。とりわけ、議員もお触れになっておられましたように、本県においてはまだまだ道路整備がおくれておるわけでございますし、また本県の道路整備事業費に占める特定財源の割合は約四割と、残り六割は自主財源を充当しているわけでございまして、道路財源が不用になったと、余っておると、したがって一般財源化するんだという議論は受け入れることはできないわけでございます。

 また、道路特定財源に対する三つ目の議論として、国から地方への税源移譲の問題がございます。さきの参議院選挙以降、格差是正という観点から、揮発油税から地方道路整備臨時交付金に直入される割合を、今四分の一でございますが、これを三分の一に引き上げるということで、地方の道路財源の充実を図るという議論がございます。また、国直轄事業負担金の軽減といったことも議論の俎上に上っております。このうち、国の直轄事業負担金につきましては、先般の全国知事会におきましても、国が直轄事業をやるといっても、地方としてはもはや負担金の捻出ができないという声も上がっております。そうしたことからも、地方への道路財源の配分を一層手厚くするべきであり、また維持管理に関する国直轄事業負担金については、その趣旨からも廃止すべきではないかというふうに思っておるわけでございます。

 以上につきまして、県として今後とも強い姿勢で臨んでいきたいというふうに考えております。

 続きまして、ひだ・みのじまんキャンペーンの現状と今後の観光振興ということでございます。

 このキャンペーンは、JR東海を中心に、他のJR五社とともに地元の観光団体、自治体、そして旅行会社が一緒に現在実施しておるところでございます。旅行される方々に向けたPRとして、観光物産展を全国主要都市各地で展開する、あるいはポスターの制作・掲示、テレビCMの放映、そして十一月四日には、NHKBS放送で「おーい、ニッポン 私の・好きな・岐阜県」ということで、日曜日でございましたが、午前十一時から午後六時まで、一貫して私の好きな岐阜県という報道もございました。大変大きな反響を生んだというふうに伺っております。また、飛騨・美濃観光大使に四名の方を任命いたしまして、岐阜のアピールをしていただいておるわけでございます。一方、旅行会社に向けた取り組みとしては、全国の旅行会社など、岐阜県にお招きしてビジネスマッチング、あるいは岐阜県に向けた新しい旅行商品の開発といったことも進めてきておるわけでございます。

 一方、JRグループでは十六種類のキャンペーン専用ポスターの製作によりまして、主要駅、車内での掲示、あるいは東海道新幹線の中でのテロップといったようなことでキャンペーンを行っていただいておりますし、JR時刻表、あるいはJRの会員誌の「50+−−フィフティ・プラス−−」「ジパング倶楽部」、あるいはJRの車内誌の「ひととき」「シュポ」「旅こよみ」と、軒並み岐阜県特集、ツアー情報の掲載、クーポンブックといったものを出していただいておりまして、誘客を図っていただいておるということでございます。

 特に中央本線、高山本線ガイドのJR車内誌「シュポ」は、今回のキャンペーンのために作成されたものでございまして、一冊すべてが岐阜県を取り上げるということで、これはかつてないことだというふうに伺っております。また、JR西日本では、関西テレビ「旅っきり!」で特集放送もやっていただいているということでございます。また、割引切符もさまざまに発売されておりまして、JR東海の旅行商品を買いますと千円で三日間指定エリア乗り放題フリー切符「飛騨路きっぷ」「美濃路きっぷ」という発売、あるいは名古屋市内−高山、岐阜−高山間が半額以下で利用できる「いい旅 ふた旅 ひだ号往復きっぷ」の発売、こういったものが大変売れ行きが好評であると聞いております。

 また、大手の旅行会社では、例えば品川駅、新横浜駅発着の日帰り商品「日帰りワンデーひだ高山」など、さまざまな商品造成を行うと同時に、店頭重点販売期間ということで岐阜商品を積極的に販売していただいております。こういったことがどういう効果にあらわれているか、まだ途中段階ではございますが、これまでのところJRグループ、あるいは旅行会社、いろいろと伺いましてもかなり好調であるというふうに伺っておるわけでございます。いずれかの時点で整理をさせていただきたいと思っております。

 また、県内の宿泊施設、観光施設からも、差はございますけれども、いろいろな新しい動きについての報告が入っておりますし、それから各地でこのキャンペーンを追い風として新しいイベントが行われておりまして、例えば、西濃地域では大垣商工会議所が中心になりまして、新たな観光資源である徳山ダムを盛り込んだ観光コースをつくりモデルツアーを開催したと。あるいは、多治見市では商店街を幻想的な陶器の明かりで照らす「あかり陶路日本一」の開催、あるいは市内回遊バス「うながっぱバス」の特別運行、その他さまざまなイベントが繰り広げられておりまして、県内各地でこういった新しい取り組みが始まったこと自身、このキャンペーンの一つの効果ではないかということで、今後に生かしてまいりたいというふうに思っております。

 人口減少社会が到来する中で、まさに大交流の結節点としての岐阜県をつくり上げていくということ、そして交流人口の増大、県外からの需要の呼び寄せという観点から、引き続き全県挙げて取り組んでまいりたいと思っております。

 来年から、「ぎふ清流国体」に向けまして、さらに鉄道から今度は自動車をターゲットとしたキャンペーン、あるいは温泉、味、自然、歴史、伝統といったテーマを設定した形での集中的なアピール、あるいは広域観光、海外誘客、産業観光、ブランドづくりといったことについて、一過性のものではなく、当面、五年後の「ぎふ清流国体」を目指して取り組んでいきたいというふうに考えております。

 最後でございますが、平成二十四年のぎふ清流国体についてでございます。

 あと五年を切ったということでございまして、今後さらに準備を本格化させてまいりたいと考えております。今年は開催の内定、総決起大会、愛称の決定と続いたわけでございます。そして、三十八競技すべての競技会場も内定いたしました。今、国体のシンボルとなりますマスコットキャラクターをコンペによって募集しておるところでございまして、来年度早々には発表したいと思っております。また、岐阜市において八月に国体準備委員会が設立されるなど、各市町村においてもそういった組織化が進んでおりますし、選手強化について多くの企業から協力・支援が得られるなど、官民一体となったサポート体制も整いつつあるわけでございます。

 加えて、先ごろの秋田わか杉国体では、天皇杯では二十位でございましたが、皇后杯では九位ということで、二十二年ぶりの十位以内ということでございまして、新しい種目での好成績も上げられておるわけでございます。

 この国体開催に向けまして、長良川競技場を初めとする県有施設の改修・整備につきましては、国体開催の前年からリハーサル大会が行われるわけでございますので、おおむね国体開催の二年前までの整備を目指して、来年度から具体的な設計に着手をしたいと思っておりますし、また市町村の施設の改修・整備に対する支援につきましても、来年度以降の予算に反映させていきたいというふうに思っております。また、マスコットキャラクターの誕生とともにその発表イベント、あるいは子供たちに楽しんでもらうための普及事業も検討しておるところでございます。

 もろもろ施設の整備・改修、選手強化、国体の運営など、全体としてはおおむね二百億円の県費を見込んでおるわけでございます。これは大まかな試算でございますが、今後、個別の事業ごとに検討していきたいと思っております。十一日間の国体会期中に全国から二万三千人の方がおいでになって、一週間程度滞在されるということでございまして、これに対する経済効果も見込まれるところでございます。

 いずれにいたしましても、これを一過性のスポーツイベントとしてではなく、準備、開催、国体以後という流れの中で、交流を深める国体、人づくりに取り組む国体、美しいふるさとを創る国体ということで、県民総参加で取り組んでいけたらというふうに思っております。

 特に、先ごろ発表させていただきましたが、今検討を進めております、全国から訪れる国体参加者に対しまして、岐阜県産の花、農産物、地場産品でおもてなしができるよう、県の試験研究機関と生産者が連携して新しい地域ブランドを開発したいというふうに思っております。つまり、新しい地域ブランドによるおもてなしを国体で進めていけないかということでございます。今、具体的な候補に上がっておりますのは、花ということではバラやトルコギキョウなどの新品種、あるいは鉢花、花壇苗として丈夫で彩りのある新品種の開発を行うということで、競技場、宿舎などの花飾りを推進していきたいと。農産物としましては、贈答品として、早生柿、大粒クリを使った新たな和菓子などの開発、あるいは清流長良川をイメージする希少魚でありますカジカの養育、それからおいしい豚の開発といったものを弁当などの食材として提供する。さらにそれを盛る器も、軽くて丈夫な磁器食器を開発して国体で使用していくといったようなことも考えておりますが、さらにいろいろな御提案も伺いながら、こうした新しく開発されたブランドでおもてなしといったことにも取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。以上でございます。



○議長(中村慈君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) まちづくりや産業振興など四点についてお答えをいたします。

 まず中心市街地についてでございますが、中心市街地を活性化するためには、まちづくり三法のもとで、中心市街地に多様な都市機能がコンパクトに集積したにぎわいあふれるまちづくりを進めていく必要があると認識をしております。このようなコンパクトでにぎわいあふれるまちづくりのためには、事業者、地権者、住民など、地元の皆様が熱意を持って主体的に取り組んでいくことが最も大切であると考えております。

 県におきましても、昨年四月に設置しました中心市街地活性化推進本部のもとで、意欲ある地域を積極的に支援することとしており、意識啓発や学習の機会を提供する出前説明会やまちづくりセミナーなど、今年度、七市で二十一回開催しているところです。

 さらに今後も、岐阜市や中津川市の旧大型商業施設跡地等における民間再開発の動き、旧中山道や中心商店街などの町並みや景観の整備の動きなど、民間の積極的な取り組みに対して、地元市町村や国とも連携して、重点的かつ継続的な支援を行ってまいりたいと考えております。

 次に、改正建築基準法についてでございますが、県内の住宅関連中小企業等への影響につきましては、融資の申し込みや相談が増加しているという声が一部の金融機関にはございます。

 県では、厳しい経営環境にある事業者を支援する特別経済対策資金を設けているところでありますが、その対象となるものとして、十一月二十七日に中小企業庁が、住宅関連中小企業等の金融の円滑化のため、新たに十五業種を信用保証協会のセーフティーネット保証の対象に加えたところであります。これによりまして、当該業種に対する信用保証の限度額が、一般の枠と合わせて倍増の五億六千万円に拡大されるとともに、県の特別経済対策資金も融資要件の緩和により利用していただきやすくなりました。

 県といたしましては、こうした制度融資に関する周知、相談体制の整備や、金融機関に対して貸し渋りの抑止と迅速な融資の要請を行うとともに、今後も事業者の皆様の資金需要の動向を注視しながら、万一特別経済対策資金の不足が見込まれることとなった場合の増額など、柔軟に対応してまいりたいと考えております。

 次に、企業誘致でございますが、本年六月十一日に施行されました企業立地促進法は、地域の活性化のかぎを握る雇用と所得を生み出す原動力となる企業立地を、地方の主体性により促進しようとするものであります。

 本県では、県内全市町村長の参加表明を受け、圏域ごとに県と市町村が共同で計画を策定し、経済産業大臣から同意をいただいたところです。計画の同意を得たことにより、本県ではすべての市町村が一定の要件のもとに、法による支援の対象地となりました。まず、工場など緑地面積率を市町村で緩和することも可能となります。また、財政力の乏しい市町村が固定資産税を減免した場合、その減収分が普通交付税で補てんされます。企業側に対しましては、計画に沿った設備投資を行う場合、企業は特別償却の活用により設備投資減税があります。

 この計画を推進するため、十一月一日に、他部局の職員も加わった企業誘致加速のプロジェクトチームを立ち上げ、体制強化を図りました。企業訪問件数を従来の約二・五倍の千五百件を目標として、これまで以上に企業ニーズの把握や計画策定によるメリットの周知、活用に努めます。また、立地場所の選定から工場建設に係る各種行政手続においても、一つの窓口で迅速な対応を図ります。例えば、企業から隣接用地への拡張要望があった場合、チームが現場に出かけていき、市町村と一緒に課題整理に当たるなど、スピーディーな対応を行うことで立地を促進させます。

 最後に、ブランド戦略についてでございますが、岐阜県ブランド戦略を実効あるものとして推進するためには、取り組みの主体となる事業者自身が主体的かつ意欲的にブランド化に向けて取り組むことが最大のポイントであると考えております。このため、中小企業団体中央会や商工会議所、商工会などに御協力いただき、それぞれの機関紙やホームページ等で支援策などをPRしております。また、これまで各経済団体等に対して十九回の個別説明会を実施したほか、事業者の方々の各種会合へ十五回出向き、その浸透を図っているところでございます。今後とも、各経済団体等の御協力もいただき、事業者の主体的かつ意欲的な取り組みが生まれるよう、さらに工夫してまいります。

 また、ブランドづくりに熱意のある事業者につきましては、国の地域資源活用プログラムや、県の地域活性化ファンドなどの活用に対する各種相談を通じて、積極的な掘り起こしに努めております。そして、ブランドづくりに取り組まれる事業者の事情に適したオーダーメイド型の支援に努め、飛騨・美濃自慢となるような新たな地域ブランドの創出を促進してまいりたいと考えております。このため、本年度から意欲ある事業者の方々の状況に応じた支援に取り組み、ブランド戦略推進チームを派遣し、現場主義を基本にきめ細やかな支援に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 二点のお尋ねがありました。

 最初に、品目横断的経営安定対策の平成十九年度の加入状況と国への働きかけについて、お答えをいたします。

 麦、大豆については、そのほとんどが平たん地域で栽培をされ、本対策の対象となる経営体のほぼ一〇〇%が計画どおり加入されております。一方、米については、平成十八年作付面積に対し一七%の加入であり、全国平均が二六%であることから、全国と比較すると低くなっております。これは、集落営農の組織化要件である五年以内の法人化や、主たる従事者の所得目標等を設定するための集落内の合意形成が難しくなっていることによります。この傾向は、高齢化が進み、小規模農家が多い中山間地域では特に顕著となっております。

 このため、県といたしましては、中山間地域の小規模農家でも加入しやすい制度となるよう、所得目標の引き下げや法人化要件の緩和、さらにはソバなど中山間地域特有の品目の追加等、制度の見直しについて国との連携会議等あらゆる機会をとらえて、引き続き積極的に働きかけを行ってまいります。

 次に、農産物のブランド戦略についてお答えをいたします。

 県の農産物のブランド戦略といたしましては、地域の特徴を生かした新産地づくりと、既存の農産物のブランド力の強化の二つの方向で進めていくことと考えております。

 新産地づくりといたしましては、例えばナツイチゴ、宿儺カボチャ、アスパラガスなどの生産振興を図っております。既存の農産物につきましては、京阪神地域において高い市場占有率を誇るトマトやホウレンソウのさらなる品質向上を図るとともに、県内農産物の大都市圏での販売フェアや、トップセールスの展開などにより、消費者の認知度向上を図っているところであります。また、富有柿の香港への輸出などにも積極的に取り組んでおり、国内外を通じた需要の掘り起こしにも努力しているところでございます。また、生鮮農産物に限らず、例えばトマトジュースやケチャップ、富有柿のジャム、飛騨牛を使ったカレー、宿儺カボチャを使った焼酎などの加工品の製造販売に対しても支援をしております。

 今後、さらに生産者と食品加工業者などが連携した売れる新商品づくりを支援してまいりたいと考えており、こうした取り組みを通じる中で、本県農産物のブランド力の向上に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道西回り区間の概算事業費と、大垣西インターチェンジから養老ジャンクション間の開通のめどについてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、西回りルートにつきましては、大垣市内の東海道新幹線と大谷川が交差する付近におきまして、十二月八日に起工式が行われ、本格的に事業が展開されるものと考えております。

 美濃関ジャンクションから三重県境までの概算事業費につきましては、県の独自の試算ではございますが、暫定の二車線の整備で約四千四百億円程度と見積もっております。大垣西インターチェンジから養老ジャンクションまでの区間の開通のめどにつきましては、事業主体である国土交通省からおおむね五年以内に開通させたいとの考えであると聞いております。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) コンパクトシティー実現に向けての取り組みについて、お答えいたします。

 コンパクトシティーとは、一般的には都市の中心部に商業や住宅、公共サービスなど多様な都市機能がコンパクトに集積し、子供や高齢者を含めた多くの人にとって暮らしやすい都市のことを指すものと考えますが、人口減少、高齢社会におけるまちづくりの一つのモデルとして注目されています。

 議員御指摘のとおり、本県におきましては現在都市計画区域マスタープランの見直しに向けた検討を進めておりますが、見直しに当たっての基本的な方針の一つとしてコンパクトシティーの実現を掲げており、今後、市町村や地域住民の方々の参画を得まして、それぞれの地域にふさわしい都市計画区域マスタープランの策定を進めてまいります。

 さらに、都市計画に関する取り組みとあわせまして、地域の特性に応じたまちなか居住の推進や公共交通の充実といった取り組みも推進し、コンパクトシティー実現に向けたまちづくりを支援してまいります。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 五点の御質問がございました。

 まず最初に、ゆとり教育についてお答えいたします。

 現行の学習指導要領のもと、本県におきましては単なる知識の詰め込みではなく、ゆとりの中で生きる力をはぐくむ教育を大切にしてまいりました。その結果、教科の授業において大切にしてきた基礎的・基本的な知識・技能や、主体的に問題を解決する力が育成されてきております。総合的な学習の時間においても、環境や福祉などの今日的な課題にみずから取り組む中で視野が広がるとともに、情報を収集する力やプレゼンテーションする力などが育成されてきております。その反面、教科で身につけたことを効果的に活用する力については十分ではないなどの課題も明らかになっております。

 このような成果と課題を踏まえ、新しい学習指導要領のもとでは、教科の授業時間数が増加いたしますので、繰り返し学習や体験的な学習を重視して、少人数指導等も活用しながら、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を図ってまいります。また、それを活用する学習の充実を図り、思考力、判断力、表現力及びみずから学ぶ意欲や態度をはぐくむ教育に一層努めてまいります。

 次に、道徳教育の充実についてお答え申し上げます。

 県内の小・中学校においては、昭和五十六年度から全国に例を見ない道徳教育徹底指導事業を実施し、県内すべての学校を三年に一度計画的に訪問して、道徳の授業や小・中連携した道徳教育について指導・助言するとともに、指導事例集やふるさとの先人の生き方などを描いた郷土資料を毎年作成し、各学校の指導に役立てております。

 また、子供たちの豊かな心をはぐくんでいくために、家庭、学校、地域社会が連携した県道徳教育振興会議が中心となって一家庭一ボランティア運動を推進し、ミニフォーラムで実践を交流するなどの取り組みを続けております。こうした取り組みを通して、子供たちの心の成長が、明るくあいさつを交わす姿や地域清掃活動に積極的に参加する姿としてあらわれてきております。一方では、他人を思いやる心の育成などがまだ十分ではないという課題も見られます。

 今後は、思いやりの心や生命を尊重する心の育成、決まりや約束を守るなどの規範意識の向上を中心に、家庭、地域社会との連携をより一層深めるとともに、中学校と高等学校との連携も図りながら、児童・生徒の発達段階に応じた道徳教育の充実にさらに努めてまいりたいと考えております。

 三点目に、全国学力・学習状況調査の結果と今後の活用についてお答え申し上げます。

 教科に関する調査では、知識をはかる問題について、本県の児童・生徒の平均正答率は八〇%前後であり、相当数の児童・生徒が学習内容をおおむね理解していると考えております。また、活用力を見る問題につきましては、本県の児童・生徒の平均正答率は六五%前後であり、全国平均を上回っているとはいえ、身につけた知識・技能をさまざまな場面で活用する力を今後さらに高めていく必要があると考えております。また、児童・生徒の意識面、生活面に関する調査では、基本的な生活習慣や学習習慣がおおむね身についており、またそういう児童・生徒ほど正答率が高い傾向が読み取れます。

 議員から御紹介がありましたように、県では本調査結果の分析や今後の指導のあり方につきまして、学校向け、保護者向けの資料冊子を作成し、今週、県内すべての市町村教育委員会と小・中学校に送付したところです。

 今後、それぞれの小・中学校が児童・生徒一人ひとりの結果を踏まえて指導計画や指導方法を改善し、家庭と連携しながら一層の学力向上を図ることができるよう、指導・助言に努めてまいります。さらに、県の教育施策との関連についても分析を進めてまいります。

 四点目に、いじめ問題への対応についてお答えいたします。

 現在、学校現場はどんな小さないじめも見逃さず、一刻も早く解決するように努めており、こうした姿勢が今回の認知件数と九八%の解消率にあらわれたものと考えております。とはいえ、議員御指摘のとおり、いじめが子供たちの心身に与えるダメージは大きく、深刻化したり長期化する前に一つ一つのいじめを解消する取り組みが重要であると再認識しております。

 県では昨年度、独自の調査で小・中学校で一万件以上のいじめを確認し、今年四月から地域全体でこの問題に取り組むための「子どもを地域で守り育てる県民運動」を推進しております。現在、ある地域では、大人が積極的に子供を褒めるようにしたことで子供が自信を持つようになったり、また別の地域では、スポーツ少年団の社会人コーチの呼びかけにより、子供たちがチームメイトの失敗を責めず互いにカバーし合うようになったという話が聞かれたりして、県民運動の成果が見られるようになってまいりました。

 今後は、各学校において、授業や体験活動等の具体的な場面で、子供たちが仲間とかかわって心のつながりを感じたり、仲間のよい点に気づいたりできるような指導をすることを通じて、子供がいじめの加害者や傍観者にならない取り組みを強化してまいりたいと考えております。さらに、現在実施している県独自の実態調査を継続し、いじめの解消状況を確実に見届けてまいりたいと思います。

 最後に、理想の教師像についてお答えいたします。

 先ほど岩井議員からお話がありました大村はま先生につきましては、実は私の母が女学校時代に教えていただき、その国語の授業のすばらしいことは聞いておりました。

 さて、教育という営みにとっては、子供と直接向き合う先生が明るく元気であること、自信を持って教育に当たることが必要であると考えております。県教育委員会では、子供への愛情と教育に対する使命感を持つ人、幅広い教養や実践的な専門性を身につけた人、明るくて豊かな人間性を持つ人を求め、教員として採用するよう努めているところであります。

 私の思う理想の教師像をあえて申し上げるならば、二つのタイプになると考えております。一つは、指導力にすぐれ、着実に子供に力をつける教師であり、もう一つは、みずから学問を深めたり、人間的で豊かであるなど存在そのものが子供にとって魅力であり、子供の学ぶ意欲ややる気を引き出す教師であります。

 いずれにしましても、子供に教える前に教師自身が常に学ぶ意欲を持ち、資質・能力の向上に努めることが不可欠であり、教師の学ぶ姿勢が子供たちに影響を与える大きな教育力を持っていると考えております。



○議長(中村慈君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) 高齢者の交通死亡事故抑止対策についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、県内におきます昨年、また一昨年の年間交通事故死者数は大幅に減少しておりまして、高齢者被害の抑止がその一因となっているところでございます。

 ところが本年は、きのう現在、交通事故死者数は百五十人でございまして、昨年に比べますと八人の増加でございます。このうち高齢者の占める割合は五割を超えております。特に十月、十一月にかけましては、高齢者の被害が続発いたしました。この二月間におきましては死者三十一人、うち二十一人、つまり約七割が高齢者でございました。

 県警察といたしましては、この厳しい情勢を踏まえまして、先月の二十六日からは薄暮時を中心とした緊急の街頭活動を実施したところでございます。引き続き、来週からスタートいたします年末の交通安全県民運動と連動した諸活動を強化してまいりたいと考えております。

 もとより、高齢者の交通事故防止のためには、高齢者御自身がみずからの安全はみずから守るという心がけ、また御家族や周囲の方々の声かけ、あるいは高齢者に思いやりのある運転など、県民一体となっての取り組みが必要でございます。今後、さらに高齢化が進むものと予想されますことから、県警察といたしましては、県・市町村等の関係機関・団体の活動と緊密に連携して、息の長い対策を推進し、高齢者の交通死亡事故抑止に努めてまいる所存でございます。



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○議長(中村慈君) しばらく休憩いたします。再開は午後一時を予定しております。



△午後零時十四分休憩



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△午後一時五分再開



○副議長(安田謙三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(安田謙三君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(安田謙三君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(安田謙三君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十三番 林 幸広君。

   〔十三番 林 幸広君登壇〕(拍手)



◆十三番(林幸広君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表いたしまして、以下七項目について質問させていただきます。午前中の県政自民クラブを代表されまして岩井先生が質問されましたが、若干重複をする部分もございますが、私なりの視点でお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 最初に、新年度予算編成についてのお伺いでございます。

 国は十二月三日、第二十九回経済財政諮問会議が開催され、平成二十年度予算編成の基本方針についての中身を見てみますと、二〇〇六年、二〇〇七年の基本方針にのっとり、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、最大限の削減を行う。また、新規国債発行額については極力抑制、公共事業関係費及びその他経費の総額を前年度予算額から三%減算、義務的経費は自然増を放置することなく、制度・施策の抜本的見直し、予算配分の重点化・効率化に当たっては、活力ある経済社会の実現、地方の自立と再生及び国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に施策を集中するとのことでありますが、国、特に地方にとっては大変厳しい内容であることは間違いないわけであります。

 県は十月十九日、平成二十年度当初予算編成の基本方針を各部局に通知しました。その内容を見てみますと、財政の見通しは一般財源総額の伸びが見込めず、財源不足額は過去最大の約五百億円と試算されております。また、これまでの「地域の元気づくり」「くらしの安全づくり」の重点政策に、新たに道路や治水などの社会資本整備、人材育成を図る「ぎふの未来のための基盤づくり」を加え、平成二十年度は県政重点政策課題を三本柱とし、十二の重要課題に取り組むとされております。

 財源不足は、一般財源の伸びが見込めない中で、借金返済に充てる公債費や社会保障関係経費など義務的経費の大幅増が要因であり、義務的経費は今後も伸び続けるため、県では平成二十年度決算で、収入に占める借金返済額の比率を示す実質公債費比率は一八%を超えることとなり、さらに数年はふえ続け、二〇%に上昇するとされています。一八%を超えることにより、これからは県債発行は総務省への報告から許可が必要な団体になると見込まれています。財政課は、予算全体のフレームは今後の議論となるが、極めて厳しい困難な財政状況と説明をされております。

 総務省は、自治体財政健全化法に基づき、自治体の財政状況を判断する四つの指標のうち、実質赤字比率と実質公債費比率の二つの指標について、一般会計などに占める赤字割合である実質赤字比率について、都道府県は五%以上、実質公債費比率は二五%以上の場合、この基準を超えた場合に自治体に財政健全化計画の策定を求めることになる。

 また、古田知事には大変厳しい県財政のもとでの予算編成ではありますが、緊急性、優先すべき重要課題等の項目について、本年も県民クラブ会派として新年度予算編成に対する要望書を各委員会関係単位に、総務、企画経済、厚生環境、農林、土木、教育、警察関係など、今現在で五十七項目を考えておりますが、提言を今議会開会期間中に申し入れたいと思いますので、予算編成に積極的に反映されますようお願いを申し上げます。

 ここで、まず古田知事にお伺いをいたします。

 一点目に、厳しい県財政ではありますが、一刻の猶予もない難問山積の中、どのように新年度予算編成に取り組んでいかれるのか、意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

 二点目に、予算編成の基本方針の中にゼロ予算施策がございますが、新年度のゼロ予算施策についてはどのように取り組んでいかれるのか、総合企画部長にお伺いをいたします。

 次に、耐震についてでございます。

 いつどこで起き得るか、大規模地震による被害を最小限に食いとめるために、国・県・市町村では、耐震についてさまざまな対応策が検討されているところでございます。最近発生した地震を振り返りますと、二〇〇四年十月二十三日に発生したマグニチュード六・八、最大震度七を観測した新潟県中越地震、そして二〇〇七年、今年の三月二十五日、マグニチュード六・九、震度六強の石川県能登半島地震、そして今年七月十六日、マグニチュード六・八、震度六強の新潟県中越沖地震が発生したことは記憶に新しいと思います。

 また、新潟県中越地震より四十年前の一九六四年−昭和三十九年六月十六日に発生したマグニチュード七・五、震度六の新潟地震では、死者二十六名、家屋全壊千九百六十戸、家屋半壊六千六百四十戸などの甚大な大規模地震が発生しておりますが、私は一九六四年、新潟地震が発生してから四十年後の二〇〇四年に新潟県中越地震が発生していることに注目をいたしております。濃尾地震が発生したのが一八九一年−明治二十四年、今から百十五年前のことであります。マグニチュード八、被害は死者七千二百人で、阪神・淡路大震災を上回る大規模地震でありました。百年から百五十年に一度は大規模地震が発生すると過去のデータにもありますように、三十年以内に震度六弱以上の地震が高い確率で起きるのではないかなど、東海・東南海・南海地震の切迫性が伝えられ、県でもさまざまな対応策が講じられており、本年三月には耐震改修促進法に基づく岐阜県耐震改修促進計画を発表されたところであります。

 二〇〇五年六月議会でも、住宅の耐震化の現状について質問させていただきましたが、耐震診断、耐震改修工事は思うように進んでいないのが現状のようです。しかしながら、一九九五年−平成七年一月に発生した兵庫県南部地震、災害名阪神・淡路大震災の被害状況を見てみますと、災害による人的被害は、死者六千四百三十四名、行方不明者が三名、負傷者が四万三千七百九十二名という戦後最悪の極めて深刻な被害をもたらしました。住宅については、全壊が約十万五千戸、半壊が約十四万四千戸にも上りました。

 建築物の被害状況と建築年数の関係を調査したところ、一九七一年以前に建築された建築物については全壊・半壊が五八%、また一九七二年以降一九八一年以前に建築された建築物については二三%という甚大な被害を受けているのに対し、一九八二年−−昭和五十六年五月以降の新耐震基準施行以降に建築された建築物については一三%であり、被害が大幅に減少しております。

 国土交通省の調査によりますと、全国で耐震性に関する既存不適格建築物は、住宅で一千四百万戸、非住宅では百二十七万棟存在しております。住宅の内訳は、戸建て住宅が千二百万戸、共同住宅が二百万戸で、戸建て住宅の半分以上が建築基準法に基づく新耐震基準を満たしていない可能性があるといいます。

 岐阜県では、県内の総住宅数が約六十八万戸あるのに対し、一九八一年新耐震基準以前に建築された住宅が約二十八万戸存在しております。このままの状況では、大規模地震に見舞われた際、甚大な被害を受けてしまうことが予想されております。ですから、これらの住宅に対して耐震性を高めるよう働きかけることが重要であります。

 建設経済研究所によりますと、民間建築物の所有者へのアンケートをもとにした調査結果では、耐震性向上の必要性は十分認識しているが、耐震性向上を阻害する要因について影響の大きい順に聞いたところ、資金面でのネックが一番多く、次に費用に対して効果が不確実という結果が出ております。そのため建築物所有者が改修を検討する際、多額の費用を避けるため断念、あるいは先送りしてしまう凍結効果を生じさせ、結果として、安全や衛生の機能が劣る建築物の放置を助長させてしまっているわけであります。

 県では、平成十四年度から木造住宅耐震診断補助事業を実施しております。この事業は、地震に強い安全なまちづくりを目指すために、県に登録された岐阜県木造耐震相談士に依頼して耐震診断を実施し、木造住宅を対象に二万円以上を補助しており、診断料は三万円が一般的で、残り一万円は自己負担となります。また、耐震補強工事助成として、一戸当たり百二十万円を限度として、そのうち八十四万円を国・県・市町村が補助する制度で、補強工事費が百二十万円を下回った場合は、かかった工事費のうち七割を補助するものであります。しかし、対象となる住宅が県内に約二十八万戸あるのに対し、実際に耐震診断を受けて耐震補強工事を実施するのは、まだまだ低いのが現状であります。

 一方で、岐阜県耐震改修促進計画において平成二十七年度を目標とし、住宅等については耐震化率を現在の六十五%を九〇%に、県有の公共施設については耐震化を完了することを目標としているところであり、厳しい財政状況の中にあっても、ますます耐震化の推進が必要であります。

 また、今問題になっております耐震強度偽装問題であります。一昨年十一月の姉歯元一級建築士に端を発し、最近では今年十月、埼玉県の遠藤一級建築士による構造計算書の偽装が発覚いたしました。県営世界淡水魚園の施設の一部の設計にこの遠藤建築士が関与しており、幸い偽装等はなく安全であることが確認されましたが、やむなく営業を一時休止したことは御案内のとおりであります。

 国土交通省は耐震強度偽装問題を受け、建築確認の厳格化などを盛り込んだ改正建築基準法を今年六月二十日に施行いたしました。厳格化に伴う混乱が広がっております。全国の新設住宅着工戸数の推移を見てみますと、法施行後の七月以降、前年同月に対し大幅な減少となり、九月には四四%減、十月には三五%減といった状況が続いています。

 県内においては、住宅に関しては一時的な落ち込みはあったものの、現在ほぼ回復しているようでありますが、その他の建築物に対しては、十月の建築確認申請件数が昨年同月の約七割といった状況であります。東京商工リサーチが今年十月の企業倒産を集計したところ、全国で建設業は今年最多の三百九十件、県内では、帝国データバンクが集計した十六件中五件が建設業との報道がありました。改正建築基準法による審査の厳格化、一定規模以上の建物に義務づけられた構造計算の二重審査−構造計算適合性判定などによる審査の長期化など、今回の改正に伴う影響がその原因とさえ言われております。

 以上を踏まえて、以下三点について都市建築部長にお伺いをいたします。

 一点目に、平成十四年度から実施されている木造住宅耐震診断及び平成十六年度からの木造住宅耐震補強工事費に対する補助制度について、活用状況をお聞かせください。また、今後の耐震化促進施策について、見直しの予定も含めどのような方法でおやりになるのかお聞かせください。

 二点目に、県有の公共施設の耐震状況について、現状と今後の計画及び方針について伺います。

 三点目に、社会問題にまでなっている今回の建築基準法の改正に関し、その円滑な施行に向け県としてどのような対策をとられているのか、あるいはとられるのかをお伺いいたしたいと思います。

 次に、企業と試験研究機関のあり方についてお伺いをいたします。

 岐阜県の産業、とりわけ製造業においては、消費者嗜好の変化、安価な労働力を求めた生産拠点の海外移転が進み、繊維、陶磁器などのいわゆる地場産業は大きく落ち込み、それにかわり堅調な内需・外需に支えられた自動車、航空機を中心とした輸送用機械に代表される機械・金属業界の製造品などの出荷額は、十八年度の工業統計速報値では六〇%に達するなど、大きな産業構造の変革が起こっております。

 こうした中、東海環状自動車道東回りルートの開通を契機に、県外から企業進出が進んでおり、来年には東海北陸自動車道が全線開通し、日本海と太平洋地域の中間に位置する地理的メリットにより、いわゆるものづくり産業の生産拠点として岐阜県の果たす役割の重要性はますます高まると予想されるとともに、さらに多くの企業を誘致する好機でもあります。物流拠点の創出、新たな企業誘致に対する工業団地の開発確保など、インフラ整備を早期に進める必要があります。この一例として、関市と美濃市にまたがる池尻笠神地区を中心とした四十ヘクタール規模の工業団地計画があります。

 企業誘致の大きな目標は、県民所得の向上や雇用・就労の場の創出であります。さらに波及する効果として、地元企業との取引など新たなサプライチェーン形成による既存産業の技術力の向上、競争力の強化が上げられます。しかし、進出企業への新卒者や地元企業の熟練技術者の流出などによる地場産業の恒常的な労働力不足も、進出企業と地元企業との連携が必ずしも進んでいないのが現状であります。

 市町村、商工会議所などの単位で、進出企業と地元企業との交換会、交流会など、いわゆるお見合いの場を設けるなど取り組みが始まっております。県として、大きな視点でのこうした企業間の連携促進の施策を実施する必要性があると考えます。

 他方では、進出企業と地元企業の技術的な連携には、県の試験研究機関の果たすべき役割は大きいものがあります。県は、より効果的な研究開発が実施され、変革する産業構成に対応するよう試験研究機関を再構成するなど、その研究開発、技術支援能力を強化しておりますが、企業間の技術的交流を促進する支援には、企業あるいは産業が求める技術ニーズの的確な把握が最も重要と考えられます。

 県では、古田知事の指示のもと、本県の産業の一層の発展を実現すべく、本県産業の目指すべき方針の指針である岐阜県産業振興ビジョンを本年三月に、二十五年ぶりに策定されました。ものづくりは、ものづくり産業とサービス産業の発展が重要であると述べられております。特に、ものづくり産業の支援をするためにモノづくりセンター構想が上げられ、現在、その具体的な機能、組織が検討中と聞いております。従来にないさまざまな支援機能、より強化された機能が盛り込まれると期待をいたしておりますが、その中に企業間の技術交流に寄与する新しい機能が付加される必要があります。

 本県の県民所得は、中部九県中最も低い状況において、企業誘致は最も効果的な対策の一つであります。しかし、もっと重要なものは、従来本県の産業を支えてきた地場産業の底上げ、現在、県の産業を牽引している機械・金属産業のさらなる競争力の強化であると考えます。そのために、進出企業と地元企業の実質的な連携の促進の施策が継続的に行われることを望みます。

 以上を踏まえて、以下二点についてお伺いをいたします。

 一点目に、知事にお伺いをいたします。

 本年三月に二十五年ぶりに策定された岐阜県産業振興ビジョンの中に、モノづくりセンター構想が上げられていますが、どのような構想なのかお聞かせください。

 二点目に、研究開発総括監にお伺いをいたします。

 県の試験研究機関では、産業界が求める技術ニーズの的確な把握をどのように行っておられるのか。また、進出企業と地元企業とのマッチングや、技術レベルのギャップの解消を図る上で試験研究機関の果たすべき役割について、どのようにお考えなのかお聞かせください。

 次に、学力調査についてお伺いをいたします。

 文部科学省は、今年四月二十四日に、小学校六年生と中学三年生を対象に全国学力・学習状況調査を行いました。全員を対象とした調査は実に四十三年ぶりということであります。

 四月に行ったテスト結果が十月末に発表されました。テストの内容としては、小学生も中学生も国語と算数・数学の二教科の調査です。また、岐阜県においては、県独自に小学五、六年生は国語・社会・算数・理科、中学一、二年生は国語・社会・数学・理科・英語の学習状況調査が行われました。

 今回の調査で、岐阜県の調査と大きく異なる点は、基本問題と応用問題があります。これは学力国際比較、OECD学習到達度調査−PISA−を意識した問題であります。過去のPISAの活用・応用力が課題を残すものであった点から、調査対象となったものと考えております。

 今回の全国学力・学習状況調査の岐阜県の状況におきましては、ほぼ全国平均を上回るもので、中学三年の全四教科で全国で十位以内、数学B−活用−では全国四位という成績でありました。これはひとえに日ごろの生徒、先生方の御努力、関係各位の御尽力のたまものであると思います。

 しかしながら、今回の調査結果では、就学援助を受けている児童・生徒の割合が高い学校の方が、その割合が低い学校よりも平均解答率が低い傾向が見られました。例外もあるようですが、このような傾向がある結果に、教育格差が明確になったことが胸にずしりとこたえております。

 東京大学が、親の年収四百万円以下の生徒は授業料を無料にするという援助を発表し、物議を醸し出しておりますが、岐阜県におかれましても就学援助を受けている生徒に何らかの配慮が必要かと思います。

 さて、全国学力・学習状況調査からの今後の学習指導方法でありますが、来年度も全国学力・学習状況調査が行われようとしております。しかし本年度、生徒には自分の解答用紙も返してもらえず、個人の分析もされず、何といっても忘れたころ、今年四月二十四日に学習状況調査が行われ、十一月末に解答が来るという状況であります。貴重な授業を割いてまでの効果があったか、疑問が残ります。あくまでデータ収集のためとしか思えないのは親さんの大方の見方でございます。特に、受験生である現在中学校三年生には、大変な時期に負担がかかった割には返ってきたものが少ないように思います。七十七億円という膨大な予算をかけ、この程度の分析・調査結果ならば、今後の必要性に疑問が残ります。国は調査より対策に予算をかけていただいた方がいいと思います。

 以上を踏まえて、以下の二点について、教育長にお伺いをいたします。

 一点目に、全国学力・学習状況調査について、県はどのように受けとめ、それを踏まえ今後国にどう働きかけていくのかお聞かせください。

 二点目に、来年度も国の学力・学習状況調査が実施されますが、県の学習状況調査は実施されるかどうかお聞かせください。

 次に、少子化対策についての質問でありますが、特に医療関係に絞った質問とさせていただきます。

 少子化対策には、国及び各自治体がさまざまな角度から対策を実施されておりますが、現状はなかなか改善されていないのが実情のようです。残念ながら、安心して子育てができる社会には、まだまだなすべきことが山積しております。

 さて、今年八月に奈良県で、妊婦が救急搬送中に十一の病院から受け入れ拒否をされ、死産されたという事件がございました。同県では、昨年八月にも妊婦が分娩中に意識不明になり、十九の病院からたらい回しにされ、命を落とされたばかりでありました。この教訓が生かされていなかったのかと、一年間で同様の事故が起きたことに対し大きく社会を突き動かし、国会でもこの事故について取り上げられました。また、十月二十六日には、総務省消防庁と厚生労働省が行った調査では、昨年一年間に救急搬送され、病院の受け入れを一回以上断られた妊婦は、全国に二千六百六十八名いたそうです。

 岐阜県では、平成十六年に最大五回断られたケースが一件ございます。しかしながら、ことしの奈良県の件では、妊婦さんにかかりつけの産科医療機関がない状況が、産科病院への受け入れが難航した一因となりました。

 さて、妊婦健診はどのような割合で、またどれくらい費用がかかるのでしょうか。出産は病気ではなく、費用は保険がきかないため、意外と高額であります。定期健診は、妊娠六カ月末まで一カ月に一回、七から九カ月末まで二週間に一回、臨月の十カ月目から出産まで一週間に一回となります。一回につき四千円前後から八千円ぐらいまでと、産科医療機関によってばらつきがあるようであります。この定期健診の中には二回血液検査があり、希望する項目がふえますと一万五千円前後までかかります。妊娠から出産まで定期健診に必要な金額は、十万円前後となってしまいます。

 平成十九年度の関市の状況を調べたところ、保健センターで母子手帳交付時に二回の定期健診受診券−三十五歳以上の高齢出産には超音波検査を受ける受診券が一回分追加−がもらえます。平成二十年度におきましても、健診内容、回数も見直されていく方向にあります。これら回数、健診内容については、各市町村によって異なります。

 今年一月、厚生労働省から妊婦健診の公費負担の望ましいあり方について、書面が各都道府県、政令市、特別区の母子保健主管部長あてに届きました。公費負担の回数の考え方については、受診回数は十三から十四回程度が考えられ、公費負担も十四回程度が望ましいとありますが、現状とは大きく異なります。やはり最低でも五回程度の公費負担の必要があると思います。また、分娩費はその状況により費用が異なりますが、退院時には数万円から数十万円の支払いをし、被保険者が後日、社会保険事務所などから出産育児一時金を受け取っておりましたが、平成十八年十月からは、被保険者が申請すれば出産育児一時金は現在所属している社会保険から医療機関に直接支払われます。出産育児一時金は五万円増額され、現在三十五万円でございます。

 また、岐阜県の医療体制でありますが、中でも産婦人科、産科の医師数、小児科の医師数を見てみますと、人口十万人に対する医師数は、全国平均を下回っております。全国的に医師不足、そして産婦人科の不足が問題となっている中、岐阜県においても深刻な問題であります。圏域別では、岐阜圏域のみが全国平均を上回っておりますが、その他の圏域では下回り、地域によっては医師数が偏っております。現在、岐阜県には四十二市町村ございますが、このうち分娩の取り扱いができる医療機関のある市町村は、平成十九年十一月一日現在十四の市と四町で、二十一病院、三十六診療所がございます。この中には、今後継続させていくことが困難な病院や、里帰り出産の受け入れができない病院も含まれております。出産・育児の環境を整えていかなければならない中で、安心して出産し、子供の病気の際に安心して治療が受けられるという状況ではとてもありません。

 ここで、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 一点目に、安全・安心なお産のためにも妊婦健診が重要と考えますが、県としてその普及啓発をどのように行っていくのかお聞かせください。

 二点目に、分娩取扱医療機関が減少する中においても、安全・安心なお産を確保する必要があると思いますが、産科医療機関及び県の役割についてどうお考えなのか、お聞かせください。

 次に、乳幼児医療費助成についてお伺いいたします。

 少子化がますます進展する中、次世代を担う子供たちを健全に育成するために、乳幼児など医療を助成し、安心して医療機関にかかることが大切であります。県の乳幼児医療費助成制度は、現在、通院・入院とも小学校就学前となっており、これに対し県内の各市町村では、県の医療制度に独自に上乗せして、通院・入院も少なくとも小学校卒業まで助成しているところが十五の市町にございます。義務教育終了まで助成しているところが十の市町村でございます。その他の市町村は、入院のみ小学校卒業まで助成や、義務教育終了まで助成するなど、市町村単独事業として助成している状況であります。

 病院受診時には、市町村の発行する受給者証と保険証を持っていきますと、原則的には当日、病院での窓口負担がございません。各市町村とも財政状況が大変厳しい中、市町村間の競争のごとく助成の拡大を図って、次世代を担う子供の確保に躍起のようであります。

 ここで、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 岐阜県においても、乳幼児医療費助成制度の対象年齢を引き上げることはできないのか、お聞かせください。

 次に、障害児の放課後支援事業についてお伺いをいたします。

 前回、障害児の学童について質問し、教育長から「特別支援学校に在学する子供の放課後の生活支援については、保護者が仕事を終えるまでの時間、子供を預かることができる日中一時支援事業等、市町村の事業を活用する場合が一般的です。岐阜県教育委員会においては、こうした市町村の福祉事業と連携を図り、特別支援学校の下校時のスクールバスを使って、子供を日中一時支援事業の活動場所まで送り届けるといった支援を行っております。障害の多様性、介助の必要な度合い、通学距離、時間の長さなど、さまざまな条件が絡みますので、今後も御家庭の声に耳を傾け、放課後の生活支援について、教育委員会としてどのような支援ができるか、学校開放も含め研究してまいりたいと考えております」という前向きな答弁をいただきました。

 今後、特別支援教育の対象となります児童・生徒数は、少子化が叫ばれております現状におきましても、特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級でも増加の傾向にあります。

 また、平成十八年三月に作成した子どもかがやきプランによる特別支援学校の整備計画では、平成二十年には、旧本巣松陽高校岐阜校舎の場所に岐阜本巣特別支援学校の新設、長良特別支援学校の増改築、旧海津明誠高校海津北校舎の場所に海津特別支援学校の新設がされます。平成二十一年には、西濃北部に新設、平成二十二年には恵那特別支援学校の移転、平成二十三年には可茂地域に新設され、また、平成二十四年以降にも飛騨地域に二校の新設が計画されております。

 地域の子供は地域で育てることを目標に整備が進められており、自宅から近くの特別支援学校に通学することが可能になってまいります。それにより保護者の就労も可能になります。少子・高齢化社会において、労働者の確保、結婚、出産等で一時退職した女性の就労支援も盛んであります。また、税制上からも配偶者特別控除の廃止など、このような社会情勢の中、小学校の学童保育も増加の傾向にあり、特別支援学校をめぐる情勢もかんがみ、需要も今後ふえてくることは必至であります。

 日中一時支援事業につきましても、預かる児童数にどうしても制限があります。埼玉県では今から約二十年前から、県単独事業で特別支援学校の児童のための放課後児童対策事業を実施されております。厚生労働省の事業である放課後児童クラブの障害児版のようです。当初から、小学部児童から高等部生徒までが対象であります。平日の終了時間は、クラスによって午後五時から六時半まで幅があり、土曜日は半数のクラスが運営され、夏休みは全クラスが開かれています。ほかにも、佐賀県や富山県など特別支援学校における学校敷地内の施設を利用して実施されております。

 質問の一点目に、障害児を対象とする学童保育など放課後の支援事業について、教育長にお考えをお伺いいたします。

 次に、障害者の岐阜県教職員の採用についてであります。

 障害者自立支援法は、就労する障害者からも税金を取ろうという法だなどとイメージが悪い上、現場などではゆがみが出ている法律であります。国会では、民主党から障害者自立支援法改正法案が出され、与党連立政権においても抜本的な見直しについて合意がされております。

 しかし、障害者といっても知的から身体に至るまで障害の様子は十人いれば十通りです。重度の方でも、作業所ではなく一般企業に就職され、仕事をされている方もございます。

 岐阜県の状況ですが、岐阜労働局によりますと、昨年六月時点で、県内の障害者法定雇用率、常勤労働者五十六人以上の民間企業で障害者雇用率一・八%に達している企業数は五二・四%となり、半数を超えました。また、障害者の実雇用率は一・五七%で、上昇しております。

 厚労省が十一月二十日に今年六月現在の数字を発表いたしました。一・六%増の五四%でありました。働く障害者は、全国で三十万人を超えました。関市においても、昨年末から関テクノハイランドで操業しております企業では、パソコン解体の業務に障害者十八名が正社員として就労しております。将来的には三十人程度雇用したいという心強い展望を聞かせていただきました。

 また今年九月には、岐阜県が初の知的障害者を対象とした県職員の採用予定を公表されました。内容は、県図書館の図書整理員として一名の採用であります。ここで、岐阜県の障害者の雇用率は、知事部局が二・一%、法定雇用率二%を達成しております。教育委員会は一・四七%にとどまり、十月に岐阜労働局から松川教育長に勧告書が交付されました。これは二〇〇六年一月一日から二〇〇八年十二月三十一日の三年間を実施期間とし、各都道府県の教育委員会の採用計画について、今年六月末現在の実施率が二五%未満、または障害者法定雇用率二・〇%に対する不足数が計画開始から減っていない教育委員会を対象に、全国で三十八都道府県が勧告を受けました。

 二点目に、この件について、教育長から現状と具体的な数字も交えて、今後についてお聞かせをいただきたいと思います。

 また、平成十八年三月に作成した子どもかがやきプランの平成二十四年以降の開校検討の中に、職業教育を重視した高等特別支援学校の新設を検討するとあります。高等特別支援学校は、知的障害軽度である高校段階の生徒を対象とした学校で、生徒の就労に向けた教育課程が特色です。障害のある生徒の就労を可能とし、生徒一人ひとりの卒業後の社会自立は、すべての特別支援学校が目指すものであります。高等特別支援学校において、一般就労に向けた職業教育の充実が一層大切であると思われます。

 そこで三点目に、県が整備を検討している高等特別支援学校における一般就労に向けた福祉、労働や企業との連携した職業教育の充実について、どのようにお考えなのか教育長にお伺いをいたします。

 最後の質問であります。有料道路の利便性をお伺いしたいと思います。

 県内の有料道路は、通常高速道路と言われる名神高速道路、中央自動車道、東海北陸自動車道などの高速自動車国道と、東海環状自動車道東回りルートなど一般有料道路であります。東海北陸自動車道は、報道にありますように、全線開通が平成二十年三月予定が七月になるとのことで、原因は飛騨トンネルの工事が難航しておくれているとのことでありますが、産業、観光など経済波及効果ははかり知れないものがあると考えます。一日も早い開通を願うものであります。

 全線開通すると、名神高速道路の一宮ジャンクションから富山県小矢部砺波ジャンクションで北陸自動車道と接続する総延長百八十五キロの高速道路であります。また、東海北陸自動車道の特色といたしまして、飛騨トンネル、各務原トンネル、権現山トンネルなど、県内五十四本の数多くのトンネルが建設されております。また、東海環状自動車道は東回りルートが、平成十七年三月十九日に全長七十三キロが開通し、愛知県豊田市の第二東名高速道路を起点に、瀬戸市を経由して岐阜県に入り、土岐市で中央自動車道に連結し、さらに北進して関市と美濃市の境付近で東海北陸自動車道に接続し、三重県いなべ市を経由して四日市の第二名神高速道路へと接続して終点となる全長約百六十キロ、そのうち県内百キロの一般国道の自動車専用道路であります。東海地域の骨格として、地域連携軸を形成する重要な路線でもございます。また、西回りルートにつきましては、東回りルート同様、産業、技術、経済、文化など中枢の圏域として発展していくための基盤として、大きな役割を果たしていくと確信をいたしております。

 既に美濃関ジャンクションから仮称−西関インターチェンジ間については、平成二十年度の完成を目指して工事が進められております。また、本年十二月八日には、大垣市の綾野地区において本格着工がなされますが、早期の全面開通、供用開始が待たれるところであります。

 また、今、社会実験が実施されておりますスマートインターチェンジでございます。

 スマートインターチェンジとは、高速道路の本線上またはサービスエリア、パーキングエリア、バスストップに設置しているETC専用のインターチェンジであります。国土交通省は、既存の高速道路の有効活用や地域経済の活性化を推進するため、建設コストの削減が可能なスマートインター(ETC専用のインター)の導入を進めております。平成十六年度よりスマートインターの運用の課題等を把握するため、一般道に容易に接続可能な既存のサービスエリア、パーキングエリアにETC専用の仮出入り口を設置する社会実験を都道府県などと共同で実施されております。実際には、関係地方自治体、国土交通省、日本道路公団などから成る協議会を設立し、各協議会ごとに社会実験の実施計画書を作成することとなっております。

 平成十九年七月四日現在、全国で三十七カ所の社会実験を実施し、そのうち三十一カ所で本格導入されております。県内では、平成十七年四月十六日から八月二十一日まで、川島パーキングエリアで社会実験がされております。また、郡上市ひるがの高原サービスエリアが今月十六日から平成二十年三月まで、飛騨市の飛騨河合パーキングエリアでは、平成二十年五月からの社会実験が予定をされておりましたが、飛騨トンネルのおくれから、平成二十年七月から十一月までの二カ月短縮された社会実験が実施されます。

 また、岐阜県の道路公社が管理運営する有料道路が、飛騨美濃、中津川、長良川リバーサイド、島大橋、長良川右岸有料道路など五路線ございます。建設は、地域の基幹道路の整備促進を図り、慢性的な交通渋滞の解消により時間と距離とも短縮され、県民の福祉及び産業経済の発展に寄与されていると考えます。

 建設事業費は、長良川リバーサイドの十四億円から三十六億五千万円の島大橋など、多額の建設費が投じられています。そして、その総事業費の償還は三十年の計画でございます。すなわち、通行料の徴収期間も三十年であり、またそれ以前に建設費の借り入れを早期返済した時点で無料開放することができると聞いておりますが、有料道路を生活道路として利用される多くの地域住民は、一日も早い無料開放を願っております。

 以上を踏まえて、まず県土整備部長に二点お伺いをいたします。

 一点目に、東海北陸自動車道の進捗状況並びに東海環状自動車道西回りルートの今後の見通しについてお聞かせください。

 二点目に、スマートインターについて、高速道路へのアクセスが改善されることによって、工業団地、通勤時間、観光、文化、医療機関などへの時間短縮ができ、本格導入を大変期待いたしておりますが、導入に向けたお考えをお聞かせください。

 次に、警察本部長にお伺いをいたします。

 東海北陸自動車道の大小五十四本のトンネルの中で、権現山トンネル、各務原トンネルの二本のみが進路変更禁止となっております。したがって、富山方面より名古屋方面に向かう車両は、権現山トンネルの手前のトンネルまでを追い越ししてきた車両は追い越し可能と錯覚し、追い越しする車両を見かけることが時々あります。トンネル内の交通規制をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、道路トンネルとしては国内で二番目の長さである飛騨トンネルに信号が設置されると伺っております。その信号機の配置についてもお聞かせをいただきたいと思います。

 以上をもって私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、私の方に二点御質問がございました。

 新年度の予算編成方針についての意気込みということでございましたが、意気込みというよりは覚悟といった方がお答えとしてはよろしいのではないかと思いますが、既に何度も御指摘申し上げておりますように、本県の財政状況は、歳入面では一般財源総額の伸びが見込めない中で、歳出面では公債費、社会保障関係経費等義務的経費が引き続き大幅な増加になるものと見込まれております。こうした裁量性の低い義務的経費の増加は、当面続いていく見通しでございまして、歳入環境の大幅な改善がなければ、その他の歳出予算を圧縮し対応していかざるを得ないという厳しい財政運営を迫られることになるわけでございます。

 御質問の中で、議員が実質公債費比率について触れておられましたが、これは一般財源の規模に対する公債費の割合を示すものでございます。分子である公債費がふえ、分母の一般財源の規模が伸びないということであるとすれば、試算数値ではございますが、現段階では平成二十年度決算で一八%を超えることは避けられないという状況でございます。

 そうした中で、新年度の予算編成に当たりましては、行財政改革の取り組みを一層強力に推進していくことが不可欠でありますが、同時にこの秋に全庁的な政策論議を経てまとめました、平成二十年度県政重点政策課題に掲げております「地域の元気づくり」「くらしの安全・安心づくり」「ぎふの未来のための基盤づくり」の三つの柱に沿い、かつ本県の新たな長期構想の策定に向けた人口減少への対応といったような議論も踏まえながら、県政の優先重要課題に的確に対応してまいりたいと考えております。

 このため、歳入歳出の両面から可能な限りの工夫に加え、予算編成の前提となる施策の企画・立案に関しましても、細部にわたり知恵を尽くしていく中で、全体としてバランスのとれた予算を組み立てていくという細心の作業が必要になると考えております。特に、今回新たに設けました重点事業特別枠でございますが、選択と集中による政策の重点化、政策立案と予算編成の一体化、あるいはボトムアップ型の政策立案の取り組み促進と、こういうことで新しい試みとして導入したものでございます。

 現在、向こう十年をにらんだ新たな長期構想の検討を若手職員中心で作業を進めておりますけれども、今回の特別枠の活用につきましても、若手職員が新たな発想で政策を立案していく努力をするということに大いに期待をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、今後、県民の皆様、県議会、関係団体などから御意見・御要望を十分お聞きしながら、以上申し上げました考え方で、全力で予算編成作業を進めてまいりたいと考えております。

 次に、モノづくりセンター構想の具体的な内容でございます。

 御指摘がありましたように、この三月に岐阜県産業振興ビジョンを策定したところでございますが、これを実現する上で、今年度、まず職員みずからが県内、既に約六百五十社ほどの企業にお邪魔をしまして、いろいろな現場の声を伺ってまいりました。そういう中で、本県の強みであるものづくり産業の振興を図るためのモノづくりセンターにつきましても、多くの御意見をいただいております。

 主なものを上げますと、例えば技術開発の観点からは、ここへ行けば何でも相談できる場所が欲しい、あるいは技術的支援などを総合的にコーディネートできる機能を設けてほしいといった総合相談窓口の開設、総合的なコーディネート機能を求める声が非常に高いことが伺われました。また、経営改善、販売拡大の観点からは、生産工程の改善を支援してほしい、あるいは新商品開発のための企画やデザインに関する支援を実施してほしいなどといった多くの御意見・御要望もいただいております。

 こうしたことを踏まえまして、現在想定をしておりますモノづくりセンターの機能としては、次の三つを考えております。

 第一に、ものづくりに関するあらゆる相談にスピーディーに対応するためのワンストップ総合窓口を設置するということでございます。こちらにおいでいただければ、技術、デザインから経営資金、流通、販売まで、一気通貫に各部門の専門職員によりいろいろと御相談に応ずることができる体制づくりを目指したいということでございます。

 第二に、現場のニーズをきめ細かくお伺いし、タイムリーな支援を行っていくということでございます。

 具体的には、各分野の専門職員を増員いたしまして、いわば現場の御用聞きといいますか、県内企業訪問をし、その御意見・御要望を各産業支援機関へフィードバックをするという仕組みを構築していきたいと考えております。とりわけ地場産業対策につきましては、地場産業に精通した人材を重点的に配置したいと考えております。

 第三の点でございますが、異業種間、あるいは議員もお触れになっておられましたが、地場産業と進出企業との間、あるいは産学官の間のコーディネートを、モノづくりセンターの職員みずからが汗をかいて行うということによりまして、企業や大学の持つ種といいますか、シーズを生かした技術革新、経営革新を積極的に促進していきたいということでございます。

 当面あるアイデアとしましては、複数の企業や大学等の機関が連携して基盤技術の開発を行うという観点から、国の競争型外部資金であります戦略的基盤技術高度化支援事業といったようなものを導入したいと。例えば、金型製造技術開発、穴の製造技術開発、ねじの製造技術開発と、こういったことについて、この戦略的基盤技術高度化支援事業を導入するといったことも、今、検討しておるところでございます。

 以上のことを実施するに当たりましては、試験研究機関、産業支援機関、大学などの機関との連携が不可欠でございまして、そのための連携会議、あるいは人事交流といったことも考えていきたいと思っておるわけでございます。

 このモノづくりセンター機能の実施主体といたしましては、財団法人 岐阜県産業経済振興センターの組織を見直しまして、その中にモノづくり部門を設置するということで考えたいと思っております。その上で、デザイン力向上支援機能との連携を図るという観点から、財団法人 岐阜県産業デザインセンターを岐阜県産業経済振興センターに統合いたしまして、一カ所に集約をして、県民ふれあい会館に移転することも考えております。このようにしまして、来年四月から岐阜県産業経済振興センター全体の機能を強化し、ものづくり、デザイン、まちづくりなど、県内企業の皆様から気軽にアプローチいただける、頼りにされる機関を構築していきたいというふうに考えております。



○副議長(安田謙三君) 総合企画部長 丸山 進君。

   〔総合企画部長 丸山 進君登壇〕



◎総合企画部長(丸山進君) ゼロ予算施策の取り組みについてお答えをいたします。

 県では本年度から、財政状況が極めて厳しい状況にあることなどを念頭に置きまして、職員みずからが汗をかき、制度や仕組みづくりなどに工夫を凝らしながら実施するゼロ予算施策に取り組んでおります。これは職員の間にある政策イコール予算といった固定観念を払拭し、創意工夫を凝らせばいろいろな施策に取り組むことができるという考え方に立って進めているものです。

 現在、今年度当初に掲げました二百五十の施策や、その後に取り組むこととした施策について、その成果や課題などの検証をしております。その結果を踏まえながら、来年度もこうした取り組みがより一層充実した形で進められるよう検討を加え、展開を図ってまいります。

 なお、来年度に向けた検討を進める中では、ゼロ予算施策という名称につきましても、よりわかりやすい名称とすることができないか、あわせて検討してまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 少子化対策について、三点お答えをいたします。

 まず妊婦健診の重要性についてですが、安全・安心なお産のためには、かかりつけ医を持ち、妊婦健診を定期的に受診することが重要ですが、今年八月の調査によりますと、本県の市町村による妊婦健診の平均公費負担回数は三・二回であり、全国平均の二・八回を上回っております。来年度はさらに多くの方に健診を受けていただくために、五回程度の公費負担を考えておりまして、実施主体であります市町村や県医師会との調整を行っているところでございます。妊婦の方々には、県広報紙「くらしと県政」の今月十二月号でも、かかりつけ医を持つことや、妊婦健診の重要性を広報しておりますが、引き続き普及啓発に努めてまいります。

 次に、産科医療機関及び県の役割についてですが、本県の分娩を取り扱う医療機関が減少しております中、安全・安心なお産ができ、妊婦の救急時に対応するためには、中核病院を充実するとともに医療機関の役割分担と連携が重要であると考えております。こうしたことから、大学や十五の医療機関の診療支援によりまして産科医師を確保し、今年度中には周産期医療体制のかなめとなります総合周産期母子医療センターを指定することとしております。また、東濃地域では医療関係者が中心となりまして、地域住民と医療従事者が地域医療のあり方の検討を始めておられます。今後とも、このような医療機関等の連携強化によりまして、地域医療の充実に努めてまいります。

 最後に、乳幼児医療費助成についてですが、県では昨年四月から、通院にかかる医療費を三歳未満から小学校就学前まで拡大したところであります。それについては、所得制限や窓口負担を行っていないことから、全国トップクラスの手厚い支援を行っていると認識しております。このため、助成対象年齢の一層の引き上げにつきましては、厳しい財政事情を踏まえまして、引き続き慎重に見定めていきたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海北陸自動車道の進捗状況及び東海環状自動車道西回りルートの今後の見通しについて、お答えいたします。

 東海北陸自動車道の全線開通につきましては、飛騨トンネル貫通後に、貫通点付近で想定し得ない崩落等が発生したことにより、今年度中の開通予定が来年の七月ころになると聞いておりますが、県といたしましては一日も早い全線開通を中日本高速道路株式会社に申し入れているところでございます。

 また、美並インターチェンジから白鳥インターチェンジまでの四車線化事業につきましては、平成二十一年度完了を目指し、事業が進められております。

 東海環状自動車道西回りルートの今後の見通しにつきましては、大垣市内において十二月八日に起工式が行われ、本格的な工事が開始されることとなっております。また、美濃関ジャンクションから西関インターチェンジまでの間は、来年度中の開通を目標に工事が進められております。西回り区間の県内延長は約五十三キロメートルと長く、その整備には約四千四百億円に上る膨大な事業費が必要であることから、効果が早期に発揮できるよう、段階的な供用を図りながら事業を進めていくことが重要であると考えております。

 次に、スマートインターチェンジの導入に向けた県の考え方についてお答えいたします。

 議員御発言のとおり、現在、岐阜県内では東海北陸自動車道のひるがの高原サービスエリア及び現在整備中の飛騨河合パーキングエリアにおいてスマートインターチェンジ導入の社会実験に向けた準備が進められております。また、他の幾つかの市町におきましても、設置の可能性について検討されていると聞いております。

 県といたしましては、スマートインターチェンジの設置は、高速道路の利便性の向上、地域の活性化に寄与することなどから、社会実験のための協議会に早い段階から参加するなど、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 耐震対策等三点お答えいたします。

 まず始めに、耐震対策におきます補助制度の活用状況と、今後の耐震化促進施策についてお答えいたします。

 木造住宅耐震診断事業につきましては、平成十四年度から昨年度まで累計で二千百件の補助を行っております。次に、耐震補強工事費補助につきましては、平成十六年度から昨年度までの累計で、百五十件の補助を行っております。

 今後の耐震化促進施策につきましては、木造住宅の耐震化率を向上させるためには、住宅の所有者がそれぞれの耐震性能を理解する必要があると考えております。そこで、まずもって耐震診断の促進に積極的に取り組んでいく所存でございます。そのため、診断にかかる本人負担の軽減、補助金の煩雑な手続の大幅な簡素化、さらには実情に合った補助内容の拡充等につきまして、見直しに向けて検討しております。

 次に、県有施設の耐震化の現状と今後の計画及び方針について、お答えいたします。

 県有施設の耐震診断は、平成十七年度までに対象建築物の八百五十二棟すべてについて実施しております。その結果、耐震補強工事などの耐震化が必要な建築物は四百七十三棟あり、そのうち教育施設を中心に二百二十四棟について耐震補強工事を実施したところでございます。耐震補強工事の実施に当たりましては、引き続き耐震性能が低く倒壊危険度の高い建築物、及び防災拠点や避難拠点等の重要度が高い建築物から優先して耐震化を進めてまいります。

 最後に三点目ですが、改正建築基準法の円滑な施行に向けた対策についてお答えいたします。

 建築確認手続の円滑化につきましては、本県では申請者の負担を軽減するため、改正法施行日から確認申請前の事前審査を実施しています。この事前審査とは、確認申請前に事前に申請図書のチェックを行い、不適合箇所の補正後に本申請を行っていただくものです。そのほか、建築関係団体と共同し各種講習会への講師の派遣、広報誌等による法改正の周知を図るなど、建築確認事務の円滑化に取り組んでおります。

 県の審査体制の強化につきましては、法改正による審査事務量の増加に対応するため、十二月からは本庁から建築事務所へ応援職員の派遣を行うこととしております。さらに、来年度からは建築事務所の審査担当職員を増員することとしておりますが、できる限り前倒しし、審査体制を強化するよう努めてまいります。

 また、県での運用面の改善努力にも限界がありますので、構造計算書のダブルチェックの対象となる建築物の見直し、確認審査における申請書の修正の取り扱いを緩和すること、構造計算プログラムの早期の大臣認定につきまして、国へ制度改善の提案を早急に行っていきたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 研究開発総括監 清水聖幸君。

   〔研究開発総括監 清水聖幸君登壇〕



◎研究開発総括監(清水聖幸君) 企業と県試験研究機関のあり方についてお答えいたします。

 県の試験研究機関のニーズの把握方法についてでございますが、試験研究機関では従来から企業が抱える技術的な課題や今後導入したい技術などについては、技術相談や依頼試験を通じてその把握に努めているところでございます。

 さらに、今年度から試験研究機関の研究職員が企業を直接訪問して、企業のニーズの調査を行う。一千の数の企業・農林水産業事業者の千社インタビューを実施しておりまして、この調査から得られたニーズを試験研究機関の研究課題の設定や技術支援のためのインフラ整備計画、産学官連携の研究開発プロジェクトの立案、実施に生かしております。

 また、その上で進出企業と地元企業の連携を深めるためには、まず交流の場が重要であると考えております。そこで、試験研究機関が開催する技術交流会や研究成果発表会などに地元企業のみならず進出企業についても積極的に参加していただくよう努めるとともに、進出企業のニーズと地元企業の技術や製品とのマッチングを支援してまいります。さらに、進出企業と地元企業の連携協力を深めるためには、地元企業の一層の技術力の向上が必要であるため、進出企業が求める技術のニーズ、レベルに対応できるよう、地元企業に対して共同研究や技術相談、依頼試験、技術者研修などにより、地元企業の支援を行ってまいります。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教育に関して、四点の質問がございました。

 まず、全国学力・学習状況調査につきましては、全国的な状況を踏まえて、各学校が児童・生徒の実態をもとに指導計画や指導方法を改善して学力向上を図ったり、各教育委員会が教育施策の参考にしたりできるものであると受けとめております。

 一方、序列化や過度な競争につながりかねない各都道府県別の正答率状況の公表や、議員御指摘のように、今回の実施については、実施から結果の返却まで六カ月余りを要し、個票に記載された情報が少なく、児童・生徒への指導にどう生かすかなどの課題があるととらえております。こうした点については、既に国に対して意見を述べておりますし、今後も全国教育長協議会等でも意見交換をしてまいりたいと考えております。

 また、平成十五年度から実施しております県独自の学習状況調査につきましては、対象学年、対象教科も国と異なり、また多いことや、結果の返却までの期間が短いこと、継続した調査により指導上の課題が明確になっていることなどから、児童・生徒一人ひとりへの指導や、学校での指導改善に有効に活用できる調査であり、来年度も実施したいと考えております。

 次に、障害児の放課後支援についてお答えいたします。

 特別支援学校に在籍する子供の放課後の生活支援については、多くの場合、市町村が実施する福祉の事業を活用しております。その場合の活動場所の多くは、各市町村の福祉施設や民間施設であり、地域の保護者仲間やNPOの方々により運営されております。特別支援学校に在籍する児童・生徒の通学範囲は広範囲で、複数の市町村にまたがっていることなどから、小学校とは違い、特別支援学校を各市町村事業の活動場所とする例は本県ではまだございません。

 今後も、議員御指摘の先進事例も参考にしながら、特別支援学校の施設を放課後の生活支援に活用したいという市町村からの相談があれば、安全性等に十分配慮しながら、教育委員会としてどのような協力ができるか検討してまいります。

 次に、障害者の岐阜県教職員への採用についてお答えいたします。

 議員御指摘のように、先日、岐阜労働局から障害者の採用に関して適正実施勧告を受けました。岐阜県教育委員会では、平成十九年六月一日現在、百四十名の障害者が在職しており、雇用率は一・四七%であります。教育委員会では、職員数の九二%を教員が占めており、障害者雇用率の改善のためには教員における雇用率を改善する必要がありますが、教員採用のために必要な教員免許状を有する障害者数が極めて少ないと見られることから、本県だけでなく他県の教育委員会も雇用率の改善に苦慮しているのが現状であります。

 本県においては、教員採用試験において、受験者の障害に配慮した特別選考を実施しておりますので、今後も特別選考の趣旨を周知するなど、教員免許を保有する障害者からできる限り多くの志願が得られるよう、新規採用に向けた努力をしてまいります。

 また、来年度から県図書館の図書整理員に障害者の採用を予定しておりますが、今後、配置が可能な職を幅広く検討し、障害者が働くための受け入れ体制を整備しながら、雇用率の改善に努めてまいります。

 最後に、特別支援学校における職業教育の充実についてお答え申し上げます。

 障害のある子供の社会自立を目指し、県内の特別支援学校では、一人ひとりに応じたきめ細かな支援体制の充実を図っております。特に卒業後、企業等への就労を目指すため、特別支援教育の職業教育を充実することは重要であり、子どもかがやきプランの中で、軽度の知的障害生徒の就労支援を目指した専門的な職業教育を行う高等特別支援学校の整備を検討することとしております。

 現在、岐阜県の特別支援学校高等部の卒業生の企業等への就職率は約三〇%となっておりますが、高等特別支援学校においては、すべての生徒が企業等への就労を実現できることが期待されます。そのためには、今後整備を検討する高等特別支援学校と、福祉、労働関係行政機関とが連携し、さらには民間企業、NPO法人などと協力しながら、地域の状況も踏まえ、一人ひとりの生徒の適性に応じた支援を行うネットワークづくりを進めていくことが重要であると思われますので、その仕組みについても研究してまいります。



○副議長(安田謙三君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) まず、東海北陸自動車道におきますトンネル内の交通の規制について、お答えいたします。

 トンネルは運転者に圧迫感等を与える場所であります。また、一たび事故が発生した場合には、大事故となるおそれのある場所でもあります。したがいまして、トンネル内での交通事故を防止するため、道路形状、トンネルの長さ、交通量等を総合的に考慮しまして、必要な交通規制を実施しております。

 御指摘の各務原トンネルと権現山トンネル、いずれも交通量が東海北陸自動車道の中で突出して多いところでございます。加えて、各務原トンネルにつきましては約三キロと長く、また権現山トンネルはカーブをしているということから、両トンネルにつきましては進路変更禁止規制をかけております。

 なお、東海北陸自動車道につきましては、今後、全線開通あるいは四車線化に伴いまして、交通状況の変化が予想されます。したがいまして、その実態を見きわめながら、必要に応じて交通規制の見直し等も検討していくこととしております。

 次に、同じく東海北陸自動車道の飛騨トンネル等への信号機の設置についてお答えいたします。

 飛騨清見インターから白川郷インターまで約二十五キロ、この新規供用予定区間でございますけれども、これは全国第二位の長さとなります飛騨トンネルを初め、合計十本のトンネルが連続いたします。あたかも一つの長いトンネルのような形になっております。したがいまして、これらトンネル内で交通事故や火災が発生した場合に、後続の車両の進入を阻止する、あるいは現場に向かう緊急車両の通行路を確保するために信号機を設置することとしたものであります。

 具体的には、連続するトンネル群を三つのブロックに分けまして、それぞれのブロックの進入口に信号機を設置することとしております。このほか、飛騨トンネルにつきましては十・七キロと大変長いものでございますから、トンネルの中にも二カ所に信号機を設置することとしております。

 なお、設置いたします信号機につきましては、運転者にとって理解しやすい三灯式、つまり赤、青、黄の三灯式の信号機といたしまして、平常時は青色信号、非常時には赤色信号の運用を行うこととしております。以上です。



○副議長(安田謙三君) 九番 松岡正人君。

   〔九番 松岡正人君登壇〕(拍手)



◆九番(松岡正人君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、「県民協働宣言と新たな長期構想の策定」及び「人材の育成」の大きく二点についてお尋ねさせていただきます。

 まず初めに、「県民協働宣言と新たな長期構想の策定」についてお尋ねします。

 私が県議会議員として活動させていただくようになって、八カ月がたとうとしております。その間、さまざまな自治会の活動や行事に参加させていただいたり、たくさんの住民の方々と対話をさせていただきました。住民の皆様による日々の小さな活動の積み重ねにより地域社会が成り立ち、地域のきずなが築かれていることを改めて痛感している毎日です。

 岐阜県では、平成十六年三月に「みんなが主役 明日の岐阜県づくり県民協働宣言」を策定し、県民協働による県政を基本指針として県政を展開しております。私は、議員として住民の皆様の活動や御意見を見聞きする経験を通して、県民協働宣言の冊子の中にうたわれている県民協働の重要性とそのための施策展開の難しさ、現実との乖離を感じております。そこで、今回、一般質問で県民協働宣言について取り上げさせていただきました。この質問を通して、県民協働による県行政がさらに一歩でも推進されればと考えております。

 県民協働宣言は、平成十六年から二十年度まで五カ年の県政の指針として策定されており、直近では平成十九年三月に改定されております。その改定に当たって、古田知事のコメントとして、県民協働の仕組みの導入数が策定当時百七十二であったのに対し、十七年度には二百四十四となり、県民の皆さんの県政への参画が進んでいると評価されています。しかしながら、私自身は実体験を通して実情はもっと厳しい状況にあるのではないかと感じております。先日も、三十名程度の自治会長さんが集うある連合自治会の研修の席で県民協働宣言について聞いてみましたが、ほとんどの方が御存じありませんでした。また、岐阜県の公式ホームページである「ぎふポータル」にアクセスしたことがあるかどうかも尋ねてみました。結果、ほとんどの方がインターネットを利用されるにもかかわらず、ぎふポータルを見たことがある人は一割もいらっしゃいませんでした。

 私は、まちづくりは県政の基本であり、根幹であると考えて、日々の議員活動や県民の皆様と対話に努めております。その中で、まちづくりの中心的役割を担っておられる自治会長の皆さんから県民協働宣言を知らないとか、ぎふポータルを見たことがないと伺い、大変寂しい思いをいたしました。しかし、これが現状でもあるのです。さすがに古田知事を知らないという方はほとんどいらっしゃいませんでしたが、県政は県民にとって遠い存在であり、県民協働と言ってもなかなか浸透していないのではないでしょうか。

 そこでお尋ねします。現在の県政において、県民協働を進めるためにどのように取り組んでおられるのか。また、県民協働宣言を県民に対してどのように浸透させていこうとしておられるのか、知事にお尋ねします。

 一方、私は、県民協働による県政を推進するためには、県と市町村の連携も不可欠であると考えております。よいまちづくりが進めばよい市町村ができ、市町村がそれぞれ発展・向上することが岐阜県の未来を明るくすると信じております。市町村と県が目指すべき姿を共有し、お互いに意識しながら協働していくことこそ、県民協働推進の基本ではないでしょうか。

 県内では市町村合併が進み、この三年間で九十九あった市町村が四十二まで減りました。今や、県は市町村を指導することよりも、可能な限り権限を市町村へ移譲する方向に重点を置きつつあります。さらに、市町村間の規模や財政力の差の拡大、政策面における市町村の独自性の発揮など、県と市町村の連携は難しい環境になりつつあると感じています。

 他方、この数年で団塊の世代の方が大量に退職され、県民個々人や県全体、日本社会全体にとって経験したことのない大きな転換期をまさに迎えようとしています。私は、銀行員として勤務した経験がありますが、そのときに伺った、ある会社の社長の言葉が今でも強く印象に残っております。「松岡君、商売は需要がなければ売れないよ。団塊の世代をターゲットにすれば、どんな商売もそこそこうまくいくもんだよ」。商売を営まれる方々にそこまで意識させる団塊の世代の人々は、間違いなく日本経済や将来を大きく左右するキーパーソンたちなのです。会社人間と言われてきた団塊の世代のお父さんたちが、退職後の時間を「テレ・ゴロ・パチ」、つまりテレビを見ながら家でごろごろし、気晴らしにパチンコに出かけるという、健康にも悪く、生産性も社会貢献もない生活を送られるのか、あるいはまちづくりへの参加や、御自身の経験を生かして地域の産業・文化・教育などに大いに貢献することに生きがいややりがいを見つけていただけるのか、それによって県全体の発展には天と地ほどの差が生じるに違いありません。

 「亭主元気で留守がいい」などと言われ、これまで御近所づき合いは奥さん任せだった方々が地域社会に溶け込んでいくことは、容易なことではありません。また、個人情報保護法の過度な解釈も後押ししているのか、「隣の人は何する人ぞ、我関せず」という風潮がますます強まりつつあることはだれしも感じているところです。県としてもそうした状況を打破し、団塊の世代の方々のマンパワーを生かすような施策を展開し、早急に手を打たなければいけないと考えます。

 そこでお尋ねします。市町村と県が目標を共有しながら連携を進めていくために、どのような取り組みをしておられるのか。また、県民協働を進めるに当たって、中心的な役割を担うことが期待される団塊の世代の方々に対して、地域づくりや社会参加していただくための環境づくりをどのように進めておられるのか、二点について、総合企画部長にお尋ねします。

 長期展望という観点で、もう一点お尋ねします。

 県民協働宣言は、先ほども述べたとおり平成二十年度までの五カ年を期間とする総合計画です。来年二十年度には、現在の県民協働宣言にかわる二十一年度以降の新たな総合計画の策定が行われると伺っております。既に県では、三十代の職員を中心とした岐阜県の将来構想研究会を立ち上げて研究を開始するとともに、政策討論会や、先月十三日には長期構想策定に係る勉強会も開催されております。私ども県政自民クラブの勉強会でも、県の将来構想研究会のメンバーの方々と将来の岐阜県について意見交換をする場を持ちました。これからの県行政を担っていく若手職員の方々が真剣に岐阜県の将来を考え、検討していただいていることは、頼もしく、力強く感じます。

 県政を取り巻く状況は、厳しい財政状況、少子・高齢化、人口減少社会の到来など、難題・課題を多く抱えています。しかし、地方の時代と言われる今、地域の実情に応じた岐阜県ならではの施策も展開しながら、私たちのふるさと岐阜の明るい未来を築いていかなければならないと思います。

 古田知事は、知的で冷静なイメージがありますが、現在の県政に何となく物足りなさを感じているという県民の声も耳にします。そこで、岐阜県が疲弊しないよう、積極的で明るい県政を期待しながらお尋ねします。現在策定を進めておられる長期構想において、明るい岐阜県の未来像をどのように描いていこうとされているのか、知事にお尋ねします。

 次に、「人材の育成」についてお尋ねします。

 私は、「人づくりは、まちづくり」を持論としております。産業振興にも人材育成は不可欠であると考えております。県政としても、人材育成に対して積極的に取り組んでいると思いますが、岐阜県の未来のためにより一層の取り組み強化を期待して、人材の育成について質問させていただきます。

 初めに、教育長に対して質問させていただきます。

 最近、PTAの関係の方々や学校関係者の方々から、児童・生徒たちの学力の二極化が進んでいるのではないかという御指摘をしばしばいただきます。一度勉強がわからなくなった子供たちが、勉強に対して意欲を失って学力がますます低下してしまい、わかる子供たちとの学力の差が開いているということのようです。私は、学生時代にある先生から「松岡君、勉強がわかって一生懸命努力する人より、わからない人が六時間の授業をじっと耐えることの方が大変なのよ」と言われたことがあります。勉強の進度についていけなくなってしまった子は、わからない苦痛に耐えながらいやいや授業に参加して、ますますわからなくなってしまう。そして、将来の夢や希望を考え描くことすらできずに、目前の享楽的な生活に陥ってしまうケースが多いのではないでしょうか。勉強がわからなくなったのはどの時点からなのかを見出し、その時点からやり直すことができるようなシステムが導入できればすばらしいと思いますが、今の学校の制度ではそれも大変難しく、限界を感じます。

 私が尊敬している作家の一人に村上 龍という作家がいますが、彼は「十三歳のハローワーク」という著書の中で、いろいろな職業の紹介や、その職につくために必要なステップを紹介しています。また、彼は「カンブリア宮殿」というテレビ番組の中でメイン・インタビュアーを務め、「ニュースが伝えない ニッポン経済」と称して、いろいろな企業の社長や創業者の考え方、取り組みを引き出しています。彼は、こうした活動を通して現代の若者たちに職業観や勤労観を伝えようとしているのだと思います。

 学校教育の現場でも、いろいろな試みや努力はされていると思います。そこで、教育長にお尋ねします。PTAの方々や学校関係者からも学力が二極化しているという指摘が聞かれますが、どのように感じてお見えでしょうか。そして、学習につまずきを持っている子供たちに対して、どのような指導を講じておられるのでしょうか。また、小・中学校それぞれの現場において、岐阜県の将来を担う子供たちに対してどのように職業観や勤労観を育てる教育を行っているのか。さらには、将来に向け、今なぜ勉強をしなければいけないのかということについて、どのように指導が行われているのでしょうか。これらについて、具体的な事例や施策も含めてお尋ねします。

 次に、産官学の連携による人材育成という観点でお尋ねします。

 これまで、岐阜県は企業誘致に力を入れ、数多くの誘致にも成功し、その伸び率は全国でもトップクラスと伺っております。有効求人倍率も高い数値を示しており、これらの企業誘致が新たな雇用の創出や県民所得の向上につながっていくものと思います。しかし、一方で、県内では地場産業の人件費の増大と収益の悪化という事態も生じております。例えば、各務原市内では、今「イオンシンドローム」などという表現をしている地元の企業の経営者がいらっしゃいます。イオンという大型店舗群ができて、パートタイマーの賃金上昇と奪い合いという現象が起き、コストの増加と人材不足につながっているとのことです。イオンのことは一例にすぎませんが、県内への企業誘致によって人材確保の競争が激化することで地元企業の収益の悪化や採用の困難につながってきているというのは、地場産業経営者の悲鳴であると感じます。県内産業の将来のために、企業に対する収益力の強化や、人材確保に対する県政としての支援が必要になっているのではないでしょうか。

 私は、先日、各務原市のテクノプラザ内にあるWABOT−HOUSE研究所の研究公開・成果発表会を訪れました。地元企業を含め各種経済団体、一般市民などたくさんの来場があり盛況でした。その際、偶然学生さんたちが行うブリーフィングの場であいさつをする機会をいただき、優秀な学生さんたち数十人の前で、「岐阜は住みやすいまちですよ。皆さんの研究成果を生かして、ぜひ岐阜に新産業を創出し、そして岐阜に暮らしてください」とお話をしました。その後、いろいろなブースで個別に学生さんや研究員の方と話をしてみると、それぞれの分野における熱き思いをお聞きし、その可能性と近未来の生活の変化を体感する貴重な経験をしました。研究員の皆さんからは、岐阜県のバックアップに対する感謝の言葉とともに、企業との連携や共同研究、情報交換など、さらなる可能性がたくさんあることも語っておられました。

 また、学校の現場を訪れて感じたことも紹介させていただきます。坂祝町と関市にある中日本自動車短大と中日本航空専門学校の両学長と面談をさせていただきました。両校とも長い歴史を持ち、地元のものづくり産業界に多くの卒業生を輩出していただいておりますが、私から今後の地場産業の人材養成の要望も含めてお話をさせていただきました。その際、驚いたことを御紹介します。

 航空専門学校には、航空整備科、航空電子制御科、航空生産科、エアポートサービス科の四つの学科があるそうです。私の地元各務原市は航空産業のメッカでもあり、企業も活況で人材が欲しいばかりだと聞いておりましたので、当然、航空生産科や航空電子制御科は学生の希望者も多いと思っていました。しかし、実際学校で伺うと、航空生産科と航空電子科はほかの二学科よりも志願者が少ないとの説明でした。地元産業界のニーズにこたえられる人材育成機関があるにもかかわらず、実際には地元企業が欲しいと思っている人材が十分にそこで育成されていないということではないでしょうか。これは、地元企業、短大・専門学校、そして学生を送り出す高校の進路指導の間において、情報不足、連携不足があるのではないかと感じました。

 もう一点、企業の例として、私の地元の金属団地でのお話を紹介させていただきます。金属団地には、日本でもここでしか製造できない技術を持った会社がたくさんあり、団地ができて以来、空き地が生じたことがないというくらい優秀な企業群と組合です。なぜこれほど優秀な企業が多いのかと思い、社長さんたちに質問をしたところ、「地元に川崎重工さんがあることもありがたかったが、会社が成長する時期に岐阜大学の工学部が近くにあり、技術の共同研究や情報の享受ができ、学生さんたちが就職してくれたからだよ」という返事を何人もの社長さんたちからお聞きしました。

 産官学の連携による共同開発や研究は、地元企業にとって技術力の向上や付加価値を増大させ、競争力を強めることにつながるでしょう。また、人材育成という点では、地元の中学生や高校生に対してものづくりに関する教育や施策を展開し、地元企業のニーズに合った人材を育成することが、本県経済の活性化と本県の人口減少の一因であると言われる勤労世代の県外流出の歯どめにつながるのではないでしょうか。産官学の連携は、いろいろな効果を創出する可能性を秘めており、行政の各部署が連携をとり合って、いろいろな学校や企業との有意義なコラボレーションをしていただけることを期待しております。

 そこで、産業労働部長にお尋ねします。

 今後、県内における産官学の連携による産業人材の育成について、具体的にどう取り組んでいかれるのか。また、県政として各部署がどのような連携がとれる体制になっているのかという点についてお尋ねします。

 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 二点御質問がございました。一つは、県民協働への取り組みと県民協働宣言の浸透策ということでございます。

 この県民協働宣言は、御指摘のように平成十六年度から二十年度までの五年間を計画期間とする県民と行政との協働指針ということで策定されたものでございます。その基本的な姿勢は、県民自身が地域社会の構成員として、みずからできることをみずからの判断と責任で行うということを大前提としながら、県民の自助努力でなし遂げることができない事柄について、市町村がまず支援をすると。さらに、市町村が解決できない課題について県が支援すると、こういう考え方で構成されておるわけでございます。県民協働という手法から総合計画の内容を積み上げていったところに独特のものがあったんだろうというふうに思うわけでございますが、私自身はいつも申し上げておりますけれども、現場主義と対話重視を基軸としながら、私なりの県民協働に取り組んできた次第でございます。

 御案内の政策総点検につきましても、現場で頑張っておられる方々の御意見を徹底して伺うと、そして県としてどんなお手伝いをすべきかという観点から行ってきたものでございまして、この政策総点検自身も、いわば県民協働による政策評価ということの試みの例ではないかというふうに思っております。

 また、ビジョン・計画等の策定に当たりましても、例えば、木の国・山の国千人委員会、あるいはぎふ少子化対策県民連携会議といったような県民参加の仕組みも取り入れてまいりました。また、地域の方々と一緒に汗をかきながらまちづくりを進めるという、まちづくり支援チームの派遣もその一つでございますし、あるいは多重債務一一〇番では、弁護士会、司法書士会、市町村と連携をしながら対応しておるわけでございまして、これらもいわば県民協働の精神に立った取り組み例と言うことができるのではないかと思います。

 県民協働宣言でございますが、策定時及び今年三月の改定時を含めまして広く各方面に配布をしておりますし、ホームページでも掲載しておるわけでございますが、御指摘のようになかなか浸透していないといいますか、認識が低いということでございまして、このことにつきましては重く受けとめさせていただきたいと思っております。

 実際の県政運営におきまして県民協働を広げていくためには、県民協働宣言そのものを知っていただくと同時に、具体的な政策、施策の実施の機会を通じてこの県民協働の考え方を実感していただくということが必要ではないかと思っております。そういう意味で、今後ともいろんな機会をとらえまして、県民協働宣言の浸透そのものと同時に、県民の皆様といろいろと意見交換をし、ともに汗をかいていく中で、まさに県民協働による県政を進めたいと思っておるわけでございます。また、現在策定を進めております長期構想の策定のあり方につきましても、この県民協働の考え方、手法というものは受け継いでいきたいというふうに思っております。

 そこで、もう一つの御質問の長期構想でございますが、これはいわばこの県民協働宣言の後を受けまして、おおむね三十年後を見据えながら、平成二十一年度から向こう十年間の県の進むべき方向性を明らかにする県政の指針として策定しようとするものでございます。これまでのいわゆる総合計画と大きく異なりますのは、本格的な人口減少局面において策定する初めての長期構想であるということでございます。これまでの総合計画をせんだってざっと、かなり古いものからずうっと見てまいりましたが、基本的には右肩上がりという思想が大変色濃く出ておりまして、その右肩上がりの中で何をしていくかということを強くアピールするというのがほとんどでございました。今回はそれとは趣を異にするわけでございまして、例えば三十年後の人口が百六十万人へと減少するという中で生ずる問題、例えば稼ぎ手の減少、地域の消費の減少、そして小売・卸売、そして国内需要を相手にする製造業における売り上げの減少、それに伴う企業間競争の激化と、こういったもろもろの影響について一つ一つきちっと評価をし、予測をしていく必要があると思うわけでございます。また、午前中も御質問が出ましたが、高齢者、とりわけ後期高齢者の数は引き続き増加していくわけでございまして、これに伴う医療や介護に係る現役世代の負担の増大、介護従事者の不足、年金受給者の減少による生活困窮高齢者の増大といったことも懸念されるわけでございます。また、こういったことにつきましては、程度の差こそあれ、都市においても地方においても同様に進行していくのではないかというふうに思うわけでございます。

 先日、総理官邸で政府主催の全国知事会議がございまして、福田総理に対しましてこの人口減少の問題に対する私の問題意識を申し上げましたところ、総理も非常に強い関心を持っておられまして、こんなことをおっしゃっておられました。御自身の認識として、人口減少は避けて通れない問題である。経済力も縮小が見込まれるんだということで、総理の地元群馬県を念頭に置きながら、国際競争力を有する企業の誘致など、国際的なかかわりを持ちながら地域経済社会を維持・発展させていくことが重要である。そこにつながっていくしかパイをふやしていく道はないんだと、こういうことを強く言っておられました。また、同時に、地方から都市へ若い人が移動していくのは避けられない課題だというふうにおっしゃっておられましたが、その避けられない課題だとした上で、それを政策的に防ごうとするのか、あるいはその流れを受け入れながら将来構想を描くのかということで随分政策のあり方が変わってくると。例えば、道路整備一つとっても変わってくるのではないかと、こんなようなことをおっしゃっておられまして、総理御自身も大変強い関心を持っておられるということを印象づけられた次第でございます。

 そういう中で、明るい前向きな政策をどのように打ち出していくかと、こういう困難な見通しの中でこそ、これにどう立ち向かっていくのかということについて大いに議論しなければいけないというふうに思っております。例えば地域内消費の減少を補うための対策の一つとして、観光交流の振興による地域外からの所得の獲得が上げられるわけでございます。昔、中国の孔子が「近き者喜べば遠き者来る」というふうに言っておりますけれども、外から人を呼び込むためには、それぞれの地域にしかない資源に光を当て、磨き上げ、そして誇りの持てる住みやすいまちづくりを進めるほかないわけでございます。また、労働力の減少に対しましては、女性や高齢者、障害者がそれぞれの個性や能力を十二分に発揮し、働きやすい環境、労働条件を整備することが必要であります。そのことは、そうした社会はだれもが個性を発揮できる社会を目指すチャンスだというふうに積極的にとらえることも可能ではないかと思うわけでございます。子供や若い人の数こそ減少しますが、それは一人ひとりの能力や個性が発揮しやすくなり、社会や企業の中での活躍の場が広がるというふうにもとらえられるわけでございます。また、物が売れる数自体は少なくなり、企業間の競争も激化するわけでございますが、その分、創意工夫を凝らした商品やサービスがあらわれる。その過程で、独自の地域資源を生かした商品、文化も生まれてくるんではないかというふうに考えるわけでございます。

 こうしたとらえ方の中で、この人口減少社会の見通しの中で、だれもが個性を発揮し輝ける岐阜県、県民がふるさとに誇りと愛着を持つ岐阜県、そして人と人がつながり支え合う岐阜県、こういったものを展望していければと思っております。

 若手職員による岐阜県の将来構想研究会も、今、着々と作業が進んでおりますが、そういった主体的かつ前向きな方向で、新鮮な発想で構想の策定作業を進めてくれるのではないかと、このように期待しておるわけでございます。



○副議長(安田謙三君) 総合企画部長 丸山 進君。

   〔総合企画部長 丸山 進君登壇〕



◎総合企画部長(丸山進君) まず初めに、県と市町村との連携についてお答えをさせていただきます。

 市町村は住民に身近な分野を中心に行政を行い、県は主に広域的な課題に対応するといった基本的な役割分担を行っておりますが、議員の御指摘にありましたとおり、その上で互いに現状の課題や目指すべき姿を共有し、具体的な施策の実施に当たって協働して行っていくことが大変重要であると考えております。このため、日ごろからさまざまな政策分野において、市町村と密接な連携を図るように努めているところでございます。

 例えば多文化共生社会の推進ということにおきましては、在住外国人との意見交換会や外国人受け入れ企業との話し合いの場に外国人が多く住んでいる六つの市にも加わっていただき、一緒に具体的な対応策づくりを進めております。また、県が設置をいたしました地域医療対策協議会にも実際に医師不足で困っておられる六つの市町村に加わっていただき、現状や課題についての共通認識を持ち、また連携して、課題解決に向け具体的な役割を果たしていくことを確認し合っております。さらには、市町村と地域の皆さんが連携してまちづくり活動を行っている地域に県の支援チームを派遣しておりまして、具体的な課題について話し合いを進めるなど、さまざまな政策分野におきまして、市町村と十分な連携を図りながら施策を推進しております。今後とも、引き続き市町村と課題や目標の共有に努め、より一層連携・協力してまいりたいと考えております。

 続きまして、団塊の世代の地域づくりや社会参加のための環境づくりについてお答えをいたします。

 今後、本格化していく人口減少、高齢化社会におきましては、これまで社会を支える中心となってきた、いわゆる現役世代が大幅に減少することが見込まれるため、元気で経験や知識が豊富なシニア世代の皆さんに引き続き地域社会の第一線でしっかりと活躍いただくことが極めて重要となってくると考えております。特に御指摘のありました、いわゆる団塊の世代でございますが、県内では約十二万人でございまして、今後数年間に多くの方が退職をされ、第二の人生に入っていくことが予想され、こうした方々が地域においてどのような役割を果たしていただけるかということが、地域社会にとって大変大きな役割を及ぼすものと考えております。

 県が行いました団塊の世代の皆さんに対するアンケート調査によりますと、約六割の方が地域活動への参加意欲を持っておられることが明らかになっております。本年三月に策定をいたしました生涯学習支援におきましては、団塊の世代の方々の地域づくり活動への積極的な参加を視野に入れ、地域づくり型生涯学習を取り組むべき施策の中心としたところでございます。さらに、来年度に向けまして、新たに農業に取り組みたい方への就農支援や、これまでの経験を教育の現場に生かしていただくための施策、あるいは積極的にボランティア活動など地域社会活動に参加していただく取り組みの強化などを全庁的に検討しており、団塊の世代の皆さんがさまざまな分野で地域活動に参加いただけるよう、環境を一層整えてまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 産業人材の育成についてお答えをいたします。

 県では、国事業を活用した産学連携によります人材育成に取り組んでおります。今年度、中日本航空専門学校や岐阜大学と航空機関連の企業を連携いたしまして、国事業の中小企業産学連携製造中核人材育成事業の採択を受け、航空宇宙産業分野における中核人材育成事業を推進しているところであります。そのほかに、岐阜大学金型創成技術研究センター事業、高専等を活用した中小企業人材育成事業、工業高校実践教育導入事業など、大学、高専、高校と産業界との連携により人材育成事業を進めておりますが、今後も強化をしてまいります。

 庁内関係各部署との連携につきましては、これまでにも試験研究機関や教育委員会との連携をとってまいりましたが、今後は関係課で構成する連絡会議などでより連携を密にし、学校や企業との連携による人材育成事業の取り組みをさらに推進してまいります。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学力の二極化についてお答えいたします。

 本県の学習状況調査の結果や全国学力・学習状況調査の正答率の状況からは、学力分布に二つの山があるという意味での学力の二極化は見られませんでした。また、昨年度の県の調査によりますと、中学校二年生において学校の授業がよくわかる、大体わかると感じている生徒は五五%で、二年前と比較して一〇%増加しております。しかし、わからないことが多い、ほとんどわからないと感じている生徒は若干減ったものの、依然として一一%おり、課題があるととらえております。こうした学習につまずいている児童・生徒に対して、現在各小・中学校では、学習の達成状況を個々に把握した上で個別指導や習熟度別指導を実施するとともに、始業前や放課後、また夏休みに学校で漢字や計算の反復練習を行うなど、学習内容がわからないまま過ぎていくことがないよう、一人ひとりに応じたきめ細かな指導を進めております。今後とも、基礎的・基本的な内容を確実に身につける指導の充実に努めるとともに、家庭での学習習慣の確立を図り、学習したことが一層定着していくような取り組みを推進してまいります。

 次に、職業観、勤労観を育てる教育についてでございますが、将来を担う子供たちに、働くことが生計を維持するためだけではなく、社会的責任を果たしていく上で大切であるという職業観、勤労観を育成することが必要であると考えております。そのため、中学校、高等学校においては企業の方から話を聞いたり、職場体験やインターンシップを行ったりするなど、実際に働くことの喜びや厳しさに触れながら、自分の職業適性、将来設計等について考える学習に取り組んでまいりました。

 一方、昨年度の県学習状況調査では、「何のために勉強すると思いますか」という問いに対して、七〇%以上の小・中学生が「希望する職業につくなど将来の夢をかなえるため」と回答しておりますが、「将来世の中の役に立つため」と回答した児童・生徒は、小学校五年生で七三%、中学校二年生で五九%と、学年が進むにつれ減少しており、課題として受けとめております。

 今後は、小学校段階からのキャリア教育を一層推進し、例えば日々の手伝いや係活動を通して自分が家族や友達の役に立っているといった満足感を味わう中で、社会の一員としての自覚を深めるようにするとともに、教科指導やさまざまな機会をとらえて学習することの目的や意義を考えさせる指導の充実に努めてまいります。



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○副議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午後三時七分休憩



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△午後三時三十分再開



○議長(中村慈君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十九番 矢島成剛君。

   〔二十九番 矢島成剛君登壇〕(拍手)



◆二十九番(矢島成剛君) 休憩が入りましてリフレッシュできたところで、まだ戻ってこられない方もおられますけれども、後半戦、気張って進めさせていただきたいと思います。きょう四番目の登場ということで、お疲れですので、簡潔に短く、かつわかりやすくやりたいと思いますので、いましばらくのおつき合いをお願いいたしたいと存じます。

 今回は、最近私が新聞で目にして気になった幾つかの問題を、本県ではどういうふうであるかということをお尋ねする質問でございます。

 まず最初に、社会的弱者に対する本県の対応についてお尋ねをいたします。

 「社会的弱者」という言葉は、調べてみますと、よく聞く言葉ではありますけれども、きっちりとした定義はないということでございます。この質問をするために一応はいろんな書物で調べてみました。ある本には社会的弱者の中に就職しない人、就職できない人、それに結婚できない若者というふうに書いてありまして不思議に思ったんですが、結婚できない人が弱者かどうかは別にいたしまして、本日は一般的に立場の弱い人という意味で、通告しました以下の三点についてお尋ねをいたします。

 まず最初に、生活保護制度について健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 生活保護制度は、憲法第二十五条の理念、生存権ですけれども、その理念に基づきまして、国の責任で生活に困窮するすべての国民に対して、ひとしく健康で文化的な最低限度の生活を営むことを保障した制度ということでございます。しかし、昭和二十五年の制定以来、もうそろそろ六十年たつということで、この制度そのものにほころびが出てきたのではないかというふうに私は思っております。貧困問題を、すべて生活保護制度で解決できない時代になってきていると思います。高齢化が急速に進みまして、高齢の受給者が大幅にふえたということもございまして、十年くらい前は全国で七、八十万人おられた受給者が、今や百五十万人、国全体の生活保護費は約二兆円というふうになっております。

 以前、私はこの場でワーキングプアについて、これは労働問題というふうにとらえて取り上げたことがございましたけれども、そのほか今年のちょうど二、三日前の流行語大賞のベストテンに入っておりましたネットカフェ難民というのが新しくふえてきた。そういう人々の増加、また以前からある派遣社員、パート、フリーターなどの非正規雇用労働者の増加などなど、現在の社会変化に生活保護制度は対応できなくなってきていると思います。現在の貧困あるいは低所得に悩む多くの人の要求にこたえ切れていません。

 「最も貧しい人への施策によってその国の政治倫理がわかる」、こういう言葉がドイツにあるそうですけれども、我が国は果たしてどうでしょうか。国民にとって最後の安全ネットとしてあるべき生活保護制度が十分とは言えなくなってきていると言わざるを得ません。生活保護を受けたくても受けられない人がいる一方で、反対に年金者よりたくさん保護費をもらっている人がいるなど、公平を欠く制度になってきていると思います。

 そこで、本県の状況をお尋ねします。どのような人が何人くらい受けておられるのか、国から見て岐阜県はどうか、地域別、年齢別等どのような状況にあるかをお知らせ願いたいと存じます。また、リバース・モーゲージの制度も取り入れられたと聞きましたが、本県ではどうであるか、お尋ねをいたします。

 さて、今年七月に北九州市で生活保護の辞退届を出された五十二歳の男性が、自宅で死亡しているのが発見されたというニュースがありました。その人の残された日記に「おにぎりが食べたい」というふうに書き残されていたので、福祉事務所の対応が取りざたされました。一応訴えられて裁判にもなっておるそうでございますが、そこで本県において、生活保護の辞退届の状況はどんなものであるか、お尋ねをいたします。

 また一方、生活保護費の不正受給も後を絶ちません。昨年度は、新聞に載っておりましたけれども、わかっただけで全国で八十九億円もあったということで、本県では三千百四十五万円。過去五年間で岐阜県は三倍になったと新聞に載っておりました。きょう議場配布をさせていただきました、最近の新聞記事を載せておきましたが、この一番下に載っておりますけれども、この北海道の滝川市の事例、二億円という額に驚くとともに、何で不正を許してしまったのか、そっちの方に驚いてしまいます。

 そこで、本県の不正受給者対策についてお尋ねします。まず不正受給された金額の返還状況はどのようであるか、また、悪質な受給者に対してどのような対応をとっておられるのか、お尋ねをいたします。

 この項の最後に、生活保護行政の監査についてお尋ねをいたします。

 東濃地方のある市に、今年四十数年ぶりに国の監査が入ったそうでございまして、これは定期的にあるわけでございますが、国の方からいろいろ指摘されたということを聞きました。指摘を受けたところは直していただければそれでいいわけですが、私が不思議に思ったのは、毎年毎年、県の監査は各市町へ入っておるわけでございますので、県はどうして今までそのことを指摘しなかったんだろうか、そういうことを不思議に思いましたので、ここでお尋ねをするものでございまして、市に対する県の監査はどのようなものであるか、お尋ねをしておきます。

 次に、DV被害者支援について、健康福祉部長にお尋ねします。

 平成十四年に配偶者暴力防止法が施行されました。それ以前は、夫からの暴力は家庭内のもめごととして片づけられがちだったのが、夫婦間でも暴力は人権侵害に当たるとして、これを犯罪とし、国及び地方自治体は暴力を防止し、被害者を保護する責務があるということが法律で定められました。この質問をするに当たり担当者に尋ねましたところ、本県においては国の法律に従って基本計画を定め、必要な措置が講じられていると説明があり、私もその説明を聞いてああよくやっていただいているなと感じたところでございますが、ただ自立支援という点でまだ不十分ではないかと思いました。

 そこでお尋ねいたします。県の対応につきましては、これまでに二回ほど、特にこの防止法が制定されたころ、公明の岩花先生が質問されておられます。繰り返しになるかもしれませんが、弱者であるDV被害者に対して、発見、相談、一時保護、そして自立支援をどのように行っておられるのか、また現在の状況はどのようなものであるか、お尋ねをいたします。

 また、被害者が自立していくには、住むところ、仕事のあっせん、子供の養育の問題などをクリアしていかなくてはなりません。支援体制はどうなっているか、お尋ねをいたします。また、民間団体の協力を得ることが大事だと思いますが、民間支援団体への支援、連携はどうなっているのか、お尋ねをいたします。

 次に、ホームレス対策について、健康福祉部長にお尋ねします。

 ちょうどDV法と一緒、平成十四年にホームレスの自立支援に関する特別措置法が制定されました。その中で、都道府県は、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するため、実施計画を策定しなければならないとされております。この質問をするに当たり担当者に伺いましたところ、岐阜県ではホームレスの数が少ないので、実施計画の策定はしていないということでした。ゆえに、国が示したホームレスへの支援事業は何も行っていないということでした。国が示した支援というのは、紙に書いてありますけど、四つぐらいあるわけでございますが、一々言いませんけれども、どうしてかやっていないということでございました。それでいいのでしょうか。県内には、調査によりますと六十人から八十人のホームレスの人がいるということがわかっているそうですけれども、何もしていないというのは問題があると思います。困った人が一人でもいれば、それに手をかすのが行政のあるべき姿ではないでしょうか。こんな声が聞こえてまいりました。ホームレスは、ホームレスの人が好きでなっている、呼んでも行政の方へ目を向けてこない。それから、岐阜県だけが特別に厚く保護すれば、ホームレスが岐阜県に集まってきてしようがない。こういう考えで果たして福祉行政が担えるでしょうか。県内のホームレスの現状をどのように把握しておられるのかお尋ねします。

 また、配布資料に新聞記事を載せておきましたが、岐阜市には大変すばらしい支援する会があるようでございます。ただホームレス対策をこういう善意の団体の人だけに任せておくだけでいいのだろうかと疑問に思います。そこで、民間支援団体との連携はどのようにしておられるのか、お尋ねをいたします。

 この項の最後に、古田知事にお尋ねをいたします。知事は、午前中の答弁にありましたように、ふるさと岐阜に骨を埋めて頑張りたいと岐阜駅におり立たれたということでございますが、その三カ月後に、「はじめの一歩 さあご一緒に」と題して、この選挙の前に皆さん見られたと思いますけれども、(資料を示す)こういう冊子を出しておられます。その中で、ちょっと読みますけれども、「行政に求められることは、県民生活の実態がどうなっているのか、何が問題なのかを現場に飛び込んで把握し、行政を担う職員とじっくりひざを突き合わせて議論して政策を決め、実行していくことです」と述べておられます。その後、このことが現場主義と言われるようになった最初の言葉でしたが、県のホームレス対策を見ていますと、現場の生の声、県民の本当の声がどうも知事に届いてないように思われます。この冊子の「私の政策」の中には、実は社会的弱者に対する政策というふうには項目は上げてありません。しかし、午前中の自民クラブ代表質問、岩井先生の障害者への支援の質問に対して、知事よりきめ細かな御説明をしていただいたところでありますけれども、改めて社会的弱者に対する知事の基本的な考え方を承りたいと存じます。

 二つ目の、限界集落について、総合企画部長にお尋ねいたします。

 今年の八月の新聞に国交省の調査として、今後十年間以内に全国で集落が四百二十八カ所消滅すると出ておりました。限界集落という言葉はある大学教授が十五、六年前に言い出された言葉でありますが、ここへ来て平成の市町村合併の後、昔のようにやっていけない村がふえてきたということから最近よく言われるようになった言葉であります。「限界」という言葉には、まあこれで終わりというイメージがありますので、それが消滅を連想させまして「過疎」という言葉以上に過疎の深刻な事態を訴えてくるものがあります。その教授は、限界集落を「六十五歳以上の高齢者が半数を超えて、また冠婚葬祭、祭りや葬式など共同体としての機能が維持できなくなった集落」というふうに定義づけられております。その定義でいけば、この新聞にもありますように、全国で三千二百五十六カ所の集落が当てはまり、将来そのうち八〇%を超える二千六百四十三の集落が消滅するおそれがあるということであります。人口が減り、高齢者ばかりになった集落の人々の生活がより厳しくなることが想像できますが、そこに住む人だけではなく、農地が荒れる、山林が荒れるといった社会的な影響も見逃せません。配布させていただきました資料によりますと、その図の方でございますが、今後将来消滅するおそれがある集落として、ここの中部圏には二百七十二カ所あると載っております。岐阜県ではどのくらいあるのかということが大変心配で、今回質問をしようと思ったわけでございますけれども、聞きますと、国交省の方針でこういうことは公表しないということでございますので、それならばそういうことは置くとして、全国では危機感を持った自治体が、つい先日、全国大会を東京で開くなどして、既に対策に乗り出している自治体もあるようであります。本県では、今後どのような方針のもと過疎対策をどのように進めていかれるのかをお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 三年ちょっと前の懐かしいパンフレットを改めて見せていただきまして、ありがとうございました。私にとりましては、いわば常に立ち返ってみずからを省みる原点のようなものでございますので、改めて心引き締めて御答弁申し上げたいと思います。

 社会的弱者に対する支援の基本的な考え方ということでございますが、個々の対策支援につきましては、後ほど健康福祉部長の方から御答弁申し上げるわけでございますが、御指摘ありましたように、私自身、できる限り現場や地域で頑張っておられる方々の声に耳を傾けながら県政を進めておるところでございまして、この福祉の分野についても同様でございます。

 本年に入りまして、特別養護老人ホームでありますとか、障害者の就労を支援する工場でありますとか、あるいは障害者支援施設、児童養護施設などにお伺いしたところでございますが、施設の見学あるいは御説明を伺うだけではなくて、現場で介護に携わっておられる若い方々との直接の意見交換会なども時間の許す限りいただきまして、現場の声を伺うよう努力しておるところでございます。

 例えば特別養護老人ホームでは、介護福祉士の方から人材の確保や職員の待遇改善が大きな課題であるということで、いろいろと具体的な話を伺いました。また、重度障害者を支援する施設では、施設長の方から、福祉施設においても医療機関との連携が不可欠であるというような貴重なお話もお伺いしました。また、厳しい環境の中でみずからの生活を犠牲にしながら頑張っているといった具体的な、そして切実な声を伺うにつけ、頭の下がる思いをしたこともございます。また、聴覚障害者の方々から、聴覚に障害のある方々を総合的に支援する拠点となる情報提供施設の整備が十数年来の夢であるというお話をお伺いし、早速、本年十月三十一日、ふれあい会館内に岐阜県聴覚障害者情報センターを整備させていただいたところでございます。また、地域の中で社会的弱者の方々を支え合う仕組みを整備していくことが必要であるという観点から、本年度から見守り活動など、住民みずからが福祉サービスを提供する団体の設立を応援します地域福祉推進支援制度を創設いたしたところでございます。既に高山市と池田町において、この制度を活用しながら支え合いによる住民活動が始まっておるというふうに承知をいたしております。

 福祉制度は、基本的には国が制度設計を行うものでございますが、現実に午前中も議論ございました障害者自立支援法のように、現場の声を十分聞かないままに机の上で制度設計が行われるということも間々あるわけでございまして、今回のことも反省材料としながら、県といたしましては、これら国の動向に対する情報を早目に把握し、また現場の皆様と制度設計について具体的な議論をしながら、現場ならではの意見をスピーディーに国に対してしっかりと主張していくということが改めて必要ではないかというふうに考えております。また、中・長期的な視点から本県を考えますと、既に、本日何度も議論が出ておりますが、介護を要する高齢者の数が二〇〇五年の六万九千人から二〇三五年にはそのほぼ倍の十二万八千人になると、必要とされる介護人材も一万八千人から三万三千人に及ぶというふうに言われておるわけでございまして、介護人材の確保が大変大きな課題でございます。

 今後とも、そういったことも含めて可能な限り現場へお伺いし、関係者の皆様の声をお伺いするように努めてまいりたいと考えておりますが、御指摘ありましたように、まだまだ目が届かない、あるいは至らないところも多々あるわけでございます。改めて私の本日お示しいただいた出発点に立ち返りながら、御指摘いただいたことも含めて、現場の実情に関する貴重な御意見を広くいただきながら、きめ細かな県政を進めていきたいという思いでおります。



○議長(中村慈君) 総合企画部長 丸山 進君。

   〔総合企画部長 丸山 進君登壇〕



◎総合企画部長(丸山進君) 過疎対策についてお答えをいたします。

 県内におきましても、山間部を中心とした農山村地域では、過疎の進行などによる活力の低下が大きな課題となっている地域が存在していると認識をしております。さらに、今後、社会全体の人口が減少し、高齢化が進展することにより、こうした地域ではさらに活力が低下をし、集落としての機能低下に伴い、例えば田畑や森林の維持、郷土文化の継続、冠婚葬祭などにおいてさまざまな問題が顕在化する可能性があるものと考えております。

 県では、これまで過疎地域自立促進特別措置法に基づきまして、県内十三市町村を対象に、市町村の過疎対策に対する財政支援措置などを行っているほか、集落排水、簡易水道、農林道の整備などを通じて過疎地域の生活環境の維持向上を図ってまいりました。さらに、今後、医療、福祉、生活交通の維持・確保など生活者の暮らしを支える取り組み、農林業を中心とした地域産業の再生を図る取り組み、さらには過疎地域ならではの地域資源を生かした都市部や域外の若者との交流の促進など、幅広い取り組みを続けていくことが必要であると考えております。

 先般、政府において取りまとめられました地方再生戦略におきましても、地方都市、農山漁村に加えまして、基礎的条件の厳しい集落に対する施策というものを取り上げておりまして、こうした国の施策の活用も含めまして一層取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに、現行の過疎地域自立促進特別措置法は、平成二十一年度末をもって失効をすることから、関係の市町村、全国知事会、あるいは全国過疎地域自立促進連盟などと連携をしながら、過疎地域の振興を図るための新たな制度の創設を国に対して働きかけてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) まず、生活保護制度について四点お答えをいたします。

 最初に、生活保護の状況についてですが、県下の生活保護状況は、平成十八年度平均で五千三百二十三世帯、六千七百四十五人、保護率は千人当たり三・二で、全国で低い方から三番目でございます。また、全国保護率一一・八を大きく下回っております。地域別では、岐阜市が県下保護世帯の五一%を占め、年齢別では高齢者世帯が五五%を占めております。なお、近年の景気回復を反映いたしまして、伸び率はほぼ横ばい状況にございます。持ち家に住みながら生活保護を受けている高齢者を対象としましたリバース・モーゲージ制度につきましては、対象者は十四件、うち三件について適用手続を行っているところでございます。

 続きまして、二点目の、生活保護の辞退届の状況についてですが、辞退件数につきましては、辞退案件が、今のところ死亡案件などとともに廃止事案として一括管理しておりまして、現状では数値を把握することは困難でございます。県におきましては、各福祉事務所に対して生活保護制度の適正な運営に努めるよう指導を行っておりますが、本年七月の北九州市での事件を受けまして、生活保護辞退届のみで判断せずに、受給者の収入状況を確認の上、廃止決定を行うよう周知徹底を図ったところでございます。

 三点目の、不正受給及び防止についてですが、保護開始に当たっては受給者に制度内容を十分説明し、定期的に収入申告の提出を求め、課税調査を実施するなど、不正受給の防止及び早期発見に努めているところでございます。しかし、不正受給件数は近年増加傾向にあり、不正受給額は御指摘のとおり十八年度末現在で三千二百四十一万円となっております。これにつきましては、受給者と調整の上、返還計画を策定し、返還徴収に努めているところでございますが、現在のところ不正受給者が返還徴収に応じないというような事例は発生いたしておりません。

 それから、四点目の、生活保護事務に関する監査についてですが、従来より国と県は基本的には同じ項目内容について監査を行っておりますが、国は本年の北九州市における不適正事件を受けまして、新たな監査項目として、生活保護の申請時及び廃止時における福祉事務所の対応について監査を特に行っております。議員御指摘の件につきましては、こうした項目について指摘を受けたというふうに認識しておりまして、県におきましても既に監査項目に加えまして、こういった国の観点と同様に監査を行っているところでございます。

 次に、DV被害者支援について二点お答えをいたします。

 まず、DV被害者支援の現状についてですが、女性相談センターへのDV相談件数は、十七年度の二百七十五件から十八年度には四百件に、また一時保護を受けられた方は、十七年度の五十四人に対しまして十八年度は七十三人とふえております。DV被害者については、被害者本人からの申し出や医療関係者や一般の方からの通報をきっかけに、配偶者暴力相談支援センターや女性相談センターを初め、警察、福祉事務所など関係機関が連携して相談や情報提供などの対応を行っております。その中でも、女性相談センターでは緊急性が高く保護の必要がある被害者について一時保護を実施し、被害者の精神的ケアや自立に向けた支援を行っております。

 次に、DV被害者に対する自立支援体制と民間団体への支援・連携についてでございますが、具体的な支援策としましては、公営住宅への優先入居や、民間アパートに入居するときの保証人制度などを実施しております。経済的支援としましては、母子寡婦福祉資金貸付金の案内や、就業のためのヘルパー資格取得などの講習会を開催するとともに、法的な問題につきましては弁護士相談を行うなど、自立に向けた支援を行っております。また、民間支援団体や県医師会等の関係機関で構成する家庭における暴力防止協議会などを通じまして連携するとともに、DV被害者支援基礎講座を開催することや、被害者の精神的不安の解消のための同行支援を民間団体に委託することなど、連携強化を図っておるところでございます。

 最後に、ホームレス対策についてお答えいたします。

 平成十九年一月の全国一斉調査による県下のホームレスの数は五十九名となっております。このうちの約七割が岐阜市在住となっております。先ほどの計画につきましては、法的には必要と認められる場合については計画を策定することとなっておりまして、実際四十七都道府県のうち十二都道府県が策定をしております。これは、主に大都市を抱えた大きな県でございます。本県では、福祉事務所における個別対応が可能だと考えておりまして、健康把握や生活相談など個別の支援を実施していることから、今のところ計画は策定しておりません。

 県下のホームレス支援団体につきましては、岐阜市内を活動範囲に定期的な炊き出し等を行っている一団体を把握しており、岐阜市では当団体と連携を図りながら、必要に応じて生活保護を実施しているところでございます。県といたしましては、今後とも県内のホームレスの状況把握に努めまして、市町村と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 三番 太田維久君。

   〔三番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆三番(太田維久君) 発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 今回も、私たちを取り巻く環境の問題について、そして岐阜地域の課題についてお尋ねします。

 まず県有施設での害虫などの防除についてお尋ねします。

 前回の質問でも指摘しましたが、生活環境中の有害化学物質の人体に及ぼすさまざまな影響が問題になっています。近年、シックハウス症候群や化学物質過敏症といった身の回りの有害化学物質が原因と考えられる症状がふえています。また、何らかのアレルギー疾患を有する人は国民の三割に上るとされています。これらの症状については、一般の方々の間で理解が進んでいないことが多く、健康を損なっているのにその原因もわからず、会社や学校でつらい思いをされている方が、県内でも多いのではないかと思います。

 これらの症状については、発症メカニズムの解明が十分とは言えないのですが、原因に上げられている一部の農薬や殺虫剤、それにホルムアルデヒドといった薬剤をできるだけ使わないようにしようという取り組みが進められています。シックハウスの原因になるとして、建材の接着剤の中にホルムアルデヒドを使わない取り組みはもう何年も前から進められていますし、前回触れました有機リン系農薬の使用自粛もその一例です。さらに、屋内の害虫防除のための殺虫剤の使い方を見直す動きも広まっています。

 建築物衛生法は、平成十五年の改正によって、従来の殺虫剤散布に頼る考え方を改めました。延べ床面積三千平方メートル以上の特定建築物や、延べ床面積八千平方メートル以上の学校では、ネズミ、害虫等の防除に当たっては、まず生息調査等を実施し、調査結果に基づいて必要とあれば殺虫剤などの薬剤を散布するといった対策をとるとしています。こうした考え方はIPM−総合的有害生物管理と言うそうで、厚生労働省ではこの考え方を柱として、建築物における維持管理マニュアルを現在策定中です。こうした流れを受けて、岐阜県内でも不特定多数の人が利用する施設、特に有害化学物質の影響を受けやすいとされる乳幼児や児童・生徒が利用することが多い施設では、薬剤に頼り過ぎない防除・衛生管理に切りかえる必要があると考えます。しかし、そうした公的施設は非常に多いことから、今回はまず子育て支援施設が入っているふれあい会館、未来会館といった一部の規模の大きい施設でのこれまでの防除方法と今後の方針について、環境生活部長にお聞きしたいと思っています。

 まず、申し上げた二つの施設では、防除のために薬剤をまく前にゴキブリやネズミなどの生息を調査することは実施されていますか。また、調査の結果、ゴキブリやネズミなどが生息していないことがわかったにもかかわらず、わざわざ薬剤を散布することについてはいかがだったでしょうか。必要もないのに薬剤を散布しなければ、予算を節約できます。

 また、散布の際には、今述べたような薬剤の散布が必要であるかどうかの事前調査や、効果があったかどうかの検証、また外部からの施設利用者ヘの周知が必要となると考えますが、県では施設の管理者に対し、そうした指導を行っているのでしょうか。また、散布後の残留薬剤についてはいかがでしょうか。ふれあい会館では、今年七月に行った調査で、おととし散布されたダイアジノンという殺虫剤が検出されたと聞いています。

 ちなみに、そのふれあい会館ですが、今年夏に一般の方からの指摘を受けて以来、害虫防除の基本方針を策定したそうです。(資料を示す)こちらだそうですが、いいことだと思いますのでちょっと御紹介をしておきます。発生源をなくすよう日ごろの清掃を徹底しますとか、やむを得ず薬剤を使用する場合は最小限にとどめますといったような方針だそうです。そして、薬剤を散布することになった場合には、作業後の報告で、薬剤の種類、量、希釈倍数、場所や面積などを明確にし、張り紙をして情報の開示を行うことにしています。

 こうした方針を、飛騨センターなどほかの施設にも広げていくお考えでしょうか。

 以上、環境生活部長にお尋ねをします。

 そして、今回質問の対象にしなかったすべての県有施設についても実態調査を行い、こうした防除の方法を周知徹底させることは重要と考えます。図書館や美術館、学校など、発育途中で有害化学物質の影響が懸念される子供たちの利用が多い施設では特に徹底するべきです。また、県内市町村に対し、施設の実態調査をしてもらい、改善すべきところがあれば薬剤散布に頼り過ぎない防除への指導をすることも必要でしょう。そして、こうした公的な施設については、防除の方針や実施について施設での情報の開示やホームページでの周知を図ることも必要かと思いますので、この点については今後の積極的な取り組みを期待して、要望として述べさせていただきたいと思います。

 前回の県議会で、私は学校の衛生管理マニュアル、いわゆるシックスクールマニュアルについて御提言いたしました。県教育委員会は、その後、迅速な対応でほかの自治体のマニュアルを参照し、岐阜県独自のマニュアルを今年度末には制定する方針だそうです。こうしたことを含めて、環境への負担が少なく、有害化学物質による健康リスクを減らすために、岐阜県としても積極的な取り組みを願います。

 続いて、名鉄名古屋本線の高架化事業についてお尋ねします。

 来年度、県が所管する公共事業の再評価に名鉄高架化事業も該当する予定です。岐阜市にとって数十年越しの懸案が立ち消えになるか、継続していけるのか、まさに岐路に差しかかっているわけですが、岐阜市、そして名鉄は高架化を実現したいという意向を示しています。

 岐阜駅を中心とする一帯では、JRの高架化が完成した後も、県道・市道と名鉄名古屋本線とが交差する踏切が何カ所もあります。私もこの地域に住んでいますので日常的に通るのですが、交通の妨げになっているだけでなく、この地域の新たなまちづくりにとっても障害になっていると感じます。例えば、沿線の岐阜市加納地区の高齢化率は三〇%と高く、本来鉄道の駅が近いというメリットを考えると、再開発が進み、もっと若い世代がふえてもいい地域だと思います。岐阜市が進めているコンパクトシティーや都心居住の考えからしても、沿線の地域が持っているはずの地理的なメリットをより生かすことができるでしょう。また、名古屋市とのかかわりが次第に深くなっていく中で、岐阜市の玄関口であるこの一帯を一層整備していくことは、岐阜市の発展のみならず、岐阜県の顔づくりにもつながるはずです。

 先月十三日、岐阜市の細江市長と岐阜市議会議員の方々、そして自治会連合会長など地域の方々が県庁を訪れまして議長・副知事と面会をしました。細江市長は、「JRの高架化事業を見てみますと、こういう高架化事業によって民間の開発事業が刺激されて、町が変わってくるといった効果が今までも出てきている」と、名鉄高架化に寄せる期待を語られました。

 以前、県議会でも高架化と同時に岐阜市が行う加納地区の再開発事業について取り上げられました。確かに面積は当初の六・七ヘクタールから二・〇ヘクタールへと縮小はされましたが、その分、区画整理に賛成する率が五五%から八二%へと高まっています。高架化に伴う用地の一部の用途がまだ整理されていないところがあるということで、県と岐阜市との間で意見の相違が見られると聞いておりますが、そうした点は事業を進めていく中で解決を図っていただきたいと思います。

 この事業に関しては、名鉄も意欲を示しています。名鉄の建設担当責任者に確認をしましたところ、高架化事業に前向きに取り組みたいと述べておりました。地元自治体・鉄道事業者ともに事業を進める環境が整ってきているようです。

 そこでお尋ねします。先日の岐阜市長の要望で、原副知事は、「名鉄の連続立体交差事業の事業着手については、都市計画決定に向けた準備を進めるというのが現在の県の立場」との姿勢を示しましたが、改めてこの場で県としてどう取り組んでいくか、都市建築部長にお考えをお伺いします。

 そして、来年度予定されております岐阜県事業評価監視委員会では、名鉄の高架化事業の事業主体である県の対応を継続とされますように要望いたします。審議に当たっては、高架化事業が地域発展に大きなメリットがあること、岐阜市の目指す将来構想でありますコンパクトシティーにとってかぎになる事業であることも、県としても示してください。そして、事業主体として継続という判断をするだけでなく、早い時期の事業着手を行われますよう、よろしくお願いいたします。岐阜県の都市基盤整備にはまだまだ必要な事業が数多くあると思いますが、その中で名鉄高架化事業の優先順位を上げていただくことを要望いたします。

 最後に、引き続き東海環状自動車道御望山トンネルについてお聞きします。

 前回の県議会の直前には、東海環状自動車道御望山トンネルに関しまして、去年三月にまとめられた御望山トンネル調査検討会の報告を受けて、国土交通省岐阜国道事務所が原案に加え、三つのルート帯案を提示しました。前回の私の質問では、この四つの案の中から比較優位とされるルートを選定するに当たって、調査検討会の結論を尊重するということと、最終決定に至るまで情報の公開をすることなどを求めたわけです。その後、十月中旬から黒野地区や方県地区など五地区で、国土交通省を中心に県や岐阜市の担当者も加わって住民説明会が行われました。また、国土交通省は住民からの意見集約を行う一方で、調査検討会で「チャート岩盤中に各種の断層・亀裂が著しく発達している」と指摘をした御望山の中心に当たる部分でのボーリング調査を実施すると聞いております。

 そこで県土整備部長にお尋ねします。

 今後のルート選定でも、重要な判断材料になるのは、やはり御望山の地質的な問題だと思います。今までの調査検討会で得られた結論にこれから行われるボーリング調査の結果を上乗せした結果、調査検討会とは異なる結論になった場合、どのように対処するのでしょうか。

 ボーリング調査は、地下の地質を直接調べることはできますが、今回の調査地点は十カ所程度と聞いております。一方で、調査検討会が行った調査では、ボーリング調査に加えて弾性波探査、電気探査、重力探査など複数の手法を組み合わせ、地下の構造を推測しております。そういったことから、調査検討会の結論には相当な科学的な裏づけが積み重なっていると考えますが、改めて調査検討会の結論について県としてどのように考えているのかお尋ねします。今回のボーリング調査を加えた結果についても、丁寧な情報公開が必要かと思いますが、この点についても考え方をお尋ねします。

 また、前回も指摘しましたが、県は御望山の第二千成団地の裏山を急傾斜地崩壊危険区域として指定をしています。県としては、この区域の方々の安全を確保するよう努める責務があるわけです。ただでさえリスクを抱えているとされるこの区域の近くにトンネルを掘るなどの手を加えた場合、リスクはふえることが懸念されます。

 調査検討会の報告書では次のように書かれています。「人為的な工作をあえて加えることは、斜面崩壊のリスクを増大させることになる。その意味では、いつか必ず起こる東南海地震、地球表面環境温暖化に伴う豪雨規模の拡大などの問題との関係を忘れてはならない。これが異例とも言えるほど多角的で長期の調査をしての結論である」と。最新の技術をもってすればトンネルを掘れないことはないということで、考えをとめないでください。問題は、その後、仮にトンネルをつくってしまった後でふえるリスクなのです。御望山のふもと、第二千成団地の方々は、ここで住み続ける限り増大するリスクを抱えて生きることになるのです。ですから、ルート検討の中ですぐ近くに危険なエリアがあるなら、それに影響しないよう検討を進めるべきと思いますが、お考えをお尋ねします。

 トンネルを設けた後で災害が起きた場合でも、トンネル掘削との因果関係を把握するのは困難と思います。しかし、既に調査検討会は「御望山の安全性は確認されない」と結論づけています。そうしたところにあえてトンネルを設けて土砂災害が起きた場合、トンネル掘削との因果関係を関連づけてとらえられるかもしれません。ひいては、国や県の責任も追及される可能性も出てくるのではないでしょうか。御望山トンネル計画を心配する住民の方々も、地域の発展につながる東海環状自動車道西回りルートの建設促進を希望しているということです。一方で、今後も住民の意見を十分聞くとともに、ルート決定に至るまでの判断材料となる情報を公開し続け、住民が安心して生活できるために御望山にトンネルを通すルートを避けていただくことをお願いして、今回の質問を終わります。ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 環境生活部長 高田幸三君。

   〔環境生活部長 高田幸三君登壇〕



◎環境生活部長(高田幸三君) 県有施設における害虫などの防除についてお答えをいたします。

 ふれあい会館などの文化施設の害虫防除については、それぞれ各指定管理者において関係法令に基づく対策が講じられています。ふれあい会館においては、防除前に生息調査が実施されておりますが、調査結果にかかわらず、トイレなどの水回りに限り予防的措置として薬剤散布が行われていた事例がございました。しかしながら、利用者からも御意見をいただき、本年八月に極力薬剤に頼らない害虫防除、やむを得ず薬剤を使用する場合の施設利用者への事前周知、防除状況の情報開示を柱とする基本方針が定められ、現在はそれに基づいた防除が行われております。

 未来会館、飛騨センターにおいては、本年度は事前調査で害虫などの生息が確認されなかったため、薬剤の散布は行われておりませんでしたが、県としましては、八月に開催した指定管理者との会合においてふれあい会館の取り組みを紹介し、両館にも同様の対策を要請いたしました。今後もこうした取り組みを他の施設にも紹介し、県民の皆様に安心して利用いただける施設管理運営に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 御望山調査検討会の結論に対する県の考え方及びボーリング調査を加えた結果の情報公開に対する考え方についてお答えいたします。

 県といたしましては、国土交通省が行っている御望山周辺のルートの再検討は、御望山調査検討会でまとめられた結論を十分踏まえた上で、現在実施されているものと考えております。

 現在行われている地質調査は、御望山調査検討会では直接調査されなかった箇所で、ボーリング調査など合わせて十五カ所実施される予定でございます。これらの調査結果やアンケート調査の結果を公表するとともに、総合的な検討がなされた後、国において事業者計画案が作成されることとなっております。また、このルートの再検討を行うに当たって、第二千成団地の皆様を含めた地域住民の皆様に対し、今後とも検討の過程や考え方について説明されるものと聞いております。

 次に、計画の再検討に当たってのルート検討のあり方についての御質問についてお答えいたします。

 国におきましては、御望山調査検討会の結論を踏まえ、さらに再検討がなされ、現在のところ御望山を通過するルートも安全の範囲内と判断され、現都市計画ルートも含め四つの選択肢が示されたものでございます。県といたしましても、県民の安全を守ることは県の重大な責務だと認識しており、安全性については特に関心を持って、国のルート検討状況を注視していきたいと考えております。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 名鉄高架化事業の今後の取り組み方針についてお答えいたします。

 名鉄名古屋本線の高架化は、鉄道で分断された地域の一体的な整備によるまちづくりの推進や、踏切除却による交通の円滑化と交通安全の確保を図る上で重要であると認識しております。

 JR岐阜駅及び名鉄岐阜駅周辺地域のまちづくりについては、平成十八年一月の県の政策総点検におきまして、まちづくり上の課題について県と市が共通の認識を持ち、検討を進める施策として位置づけております。その中で、名鉄名古屋本線連続立体交差事業につきましては、都市計画決定に向けた準備を進めることとしておりますので、県としましても高架化事業により残地となる現在の線路敷地を含めた市のまちづくり計画などについて、地域の状況等を見きわめつつ、今後も岐阜市と都市計画決定に向けて協議を進めてまいります。



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○議長(中村慈君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時二十五分散会



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