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平成19年  9月 定例会(第4回) 10月04日−03号




平成19年  9月 定例会(第4回) − 10月04日−03号









平成19年  9月 定例会(第4回)





△議事日程(第三号)



                     平成十九年十月四日(木)午前十時開議

第一 議第九十六号から議第百八号まで

第二 平成十八年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

第三 請願第五号から請願第十一号まで

第四 一般質問



            ………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第九十六号から議第百八号まで

一 日程第二 平成十八年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

一 日程第三 請願第五号から請願第十一号まで

一 日程第四 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十五人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   山本勝敏君

   九番   松岡正人君

   十番   篠田 徹君

  十一番   小原 尚君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   水野正敏君

  十七番   横山善道君

  十八番   脇坂洋二君

  十九番   野島征夫君

  二十番   高橋昌夫君

 二十一番   平岩正光君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   佐藤武彦君

 二十五番   森 正弘君

 二十六番   小川恒雄君

 二十七番   村下貴夫君

 二十八番   大野泰正君

 二十九番   矢島成剛君

  三十番   岩花正樹君

 三十一番   野村保夫君

 三十二番   足立勝利君

 三十三番   笠原多見子君

 三十四番   洞口 博君

 三十五番   渡辺 真君

 三十六番   渡辺猛之君

 三十七番   駒田 誠君

 三十八番   藤墳 守君

 三十九番   平野恭弘君

  四十番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



            ………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          馬渕正司

 総務課長          片岡秀男

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    村瀬昭彦

 同    課長補佐     宇津宮清和

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     山口幹夫

 同    課長補佐     河田 誠

 同    主査       加代暢尊

 同    主査       野村義孝

 同    主査       桂川義彦



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           原 正之君

 副知事           横井 篤君

 秘書広報統括監       島田 清君

 危機管理統括監       市原一人君

 総務部長          冨田成輝君

 総合企画部長        丸山 進君

 環境生活部長        高田幸三君

 健康福祉部長        上手繁雄君

 産業労働部長        猿渡要司君

 農政部長          山内清久君

 林政部長          渡辺敬一君

 県土整備部長        棚瀬直美君

 都市建築部長        藤山秀章君

 会計管理者兼出納事務局長  今瀬義幸君

 産業労働部次長(観光交流担当)

               志村隆雄君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     渡辺 厚君

 労働委員会事務局長     岡本博次君



            ………………………………………………………………





△十月四日午前十時三分開議



○議長(中村慈君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(中村慈君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十一番 野村保夫君。

   〔三十一番 野村保夫君登壇〕(拍手)



◆三十一番(野村保夫君) 皆さん、おはようございます。

 県議会公明党を代表して、大きく六点にわたり質問をさせていただきます。

 初めに、徳山ダム導水路計画についてお伺いいたします。

 日本一の最大貯水量を誇る多目的ダム徳山ダムは、昨年の試験湛水から一年がたちました。今後、どうやってダムの水を利用していくのか。八月二十二日には、今までの木曽川と揖斐川を結ぶルートに加え、下流の長良川から木曽川を結ぶ配管を設ける上流分割案が、愛知・岐阜・三重の三県と名古屋市及び国土交通省中部地方整備局の間で合意されたところでございます。総事業費八百九十億円で、負担額は国が四百八億二千万円、全体の四五・九%。愛知県が三百十八億四千万円で三五・七%、岐阜県が二十九億七千万円で三・三%、三重県が十三億一千万円で一・五%、名古屋市が百二十億六千万円で一三・六%と提示され、中部地方整備局は最終合意を目指すとしております。また、流量は愛知県と名古屋市で毎秒四トン、渇水時には毎秒二十トン、揖斐川から長良・木曽両河川へ流し、木曽川上流施設で毎秒十五・三トン、残り四・七トンは長良川へ流し、下流で木曽川へ流すという計画であります。

 しかしながら、この計画には幾つかの課題も指摘されております。私には、渇水時の毎秒二十トンとはどれほどの量なのか想像をはるかに超えますが、例えば通常の場合、愛知県、名古屋市への導水可能量は毎秒四トン、年間で一億二千万トンです。本県全体の平成十七年度の上水道総給水量は年間二億四千万トンですので、約二分の一です。それに加えて、長良川河口堰からは愛知県と名古屋市に合わせて毎秒十三・二五トン、年間約四億トンの利用可能な水があります。しかし、長良川河口堰では、愛知県に予定の量毎秒十一・二五トンのうち実際使っているのは二・八六トンで、名古屋市では予定の二トンは全然使っていませんので、この上、愛知県、名古屋市とも今のところは徳山ダムの水は使わないとの見解であります。今回の導水路計画の可能導水量は、各自治体が必要としている量なのか、割り当てなのか。国土交通省では、長良川河口堰と徳山ダムの利水は別々であるとの見解のようでございますが、愛知県、名古屋市は長良川河口堰を含めた導水路にするよう国に求めています。約束しておいて今さら一本化とはとの批判もありますが、不要なものは無理に取れないことは道理であります。

 確かに、突然な渇水時には、愛知県、名古屋市には必要でありますが、それは五十年か百年に一度あるかないかではないでしょうか。これからの人口減少の時代、企業も資源節約の時代です。当初予定した量の水需要もあるかどうか、緊急のときの渇水のための徳山ダムということであっても、もう少し小規模のダムでも対応できるのではないかと思うわけでございます。それから、岐阜県としましても、万一、平成六年の夏のような極端な水不足が起きたときに、渇水対策として役割を果たすとされておりますが、そんなとき、愛知県、名古屋市へ優先され、本当に岐阜県に必用量は確保できるのか。

 また、徳山ダムの建設費のように、完成段階になっての工事費負担増はあってはなりません。さらに、最終的に上流分割案が岐阜県に考慮した案とされる理由の一つとする、渇水時に長良川のアユの産卵及び成育に必要な量が確保されるとしておりますが、長良川のアユの育成にとって、揖斐川からの導水される水質の影響はないのか。また、導水の木曽川も同様であります。水を戻す上流部では川のよどみは生じないのか、導水後の清流長良川は守られるのか。自然体系に、人間の規制でいろいろな問題が生じるように思われます。水環境の調査を一度する必要があるのではないか。これらは導水路事業の全体と岐阜県にかかわる問題であります。

 そこで、本県は、愛知県、名古屋市、三重県とは立場を異にしますが、県負担金を払う立場から、渇水時の水の確保及び長良川の水環境の課題について、国に対してどのような姿勢で臨んでいくのか、知事にお伺いいたします。

 次に、地域の再生にかかわる三点についてお伺いいたします。

 初めに、企業誘致についてお伺いいたします。

 平成十七年度より、東海環状自動車道東回りルートの交通インフラの整備を契機に、県内の工業団地などに企業誘致が図られ、今議会の補正でも、補助金約十五億円で九社分の予算が計上されております。好調ぶりがうかがわれます。しかしながら、企業の本社機能は、東京都を中心とした都市部に集中し、地方はその工場、支店という機能にとどまり、税収の面では問題になっております地方格差を増長しているとの指摘もあるとおりです。しかし、雇用など地域経済再生のことを考えるとメリットも多く、今では全国の都道府県が競って企業誘致に力を入れ、多くの県の知事がみずから企業に乗り込んで、積極的に交渉しているとも聞いております。これからは、岐阜県の優位点を明確にしながら、費用はかかりますが、インフラ整備、補助制度の拡充、新たな工業団地の整備、学校、病院などの優位な条件を提示し、岐阜県に来てみたいと思う魅力ある環境整備にも目を配る必要があるのではないかと思います。

 また、一方で、岐阜県の二十一世紀の県の経済を支えるにふさわしい優良企業に来ていただくよう、厳しく見ていくことも必要で、環境問題などで地域と問題を起こすようなことがあってはなりません。

 繰り返しになりますが、企業誘致は雇用や地域経済の面で大きな効果が期待されます。そして、求められる企業は、地域の活性化に役立つ企業でなくてはならないと思います。そこで、地域の再生・活性化に向けて、企業誘致にどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。

 一方、地域再生には、新しいものばかりではなく、地場産業を支える中小零細企業にも頑張ってもらわなくてはなりません。本県では、今まで地域経済を支えてきた建設業界は低迷にあえいでおります。確かに、大都市の景気は回復しているようでありますが、本県のように公共事業に依存せざるを得ない過疎地域、地方の、ある面では地場産業化している建設業の多くは、依然として苦境に立たされております。つまり、地方の土木建設業の衰退は、そのまま地方の衰退につながり、社会基盤の守り手を失い、雇用の場もなくなっていき、公共事業の急減が過疎地に及ぼす影響は、都会に住む人々の想像を超えるということです。

 これが今日、都市と地方の地域格差を生んでいると、今回の参議院選での争点でもありました。本県を含め地方の声の多くは、再び国へ財政出動ということで、公共事業への予算の増額を申し出ております。しかし、今、国も、来年度は公共事業費三%カットを明言しており、本県も行財政改革大綱にもありますように、これ以上借金をふやすことは避けたいところであります。そこで、岐阜県の地域再生に公共事業をこれからどのように意義づけていくのか、知事にお伺いいたします。

 次に、建設業界の再生への対策として、経営の多角化や業種転換に取り組んでいる企業もありますが、経営の合理化の特効薬があるわけではありません。資金力とか企画力のある企業は、高齢者の福祉施設、農業とか自然エネルギーの分野に進出しているところもありますが、ほんの一握りです。国も本県も、それなりに支援策は講じていますが、先ほど申し上げましたが、中小・零細企業が多い本県であり、多くは資金調達の問題を抱えております。もう少しきめ細かい充実した支援策が必要と考えます。県土整備部長に考えをお伺いいたします。

 次に、地球温暖化防止についてお伺いいたします。

 今年の夏は、大変な猛暑が続きました。四十度を超えたところは全国で八カ所、中でも本県多治見市では四〇・九度に達し、山形県山形市での昭和八年に観測した四〇・八度を七十四年ぶりに更新いたしました。原因として、強い高気圧にフェーン現象が重なったためということですが、その背景には地球温暖化、都市部のヒートアイランド現象の影響があるとも報じられておりました。

 気象庁によれば、平均気温の上昇に加えて、近年、平年に比べて極端に気温の高い異常高温の発生数が増加傾向にあり、反対に極端に気温の低い異常低温の発生数は減少傾向にあるとのことです。また、一九〇六年から二〇〇五年の傾向では、実際〇・七四度上昇したが、これはIPCCの第三次評価報告書で示された一九〇一年から二〇〇〇年の百年当たり〇・六度の上昇傾向より大きくなっており、特に過去五十年間の気温の上昇は自然変動ではなく、人類が引き起こしたものとされており、今後、温室効果ガス濃度の上昇の結果、二一〇〇年の気温は二〇〇七年のIPCC第四次評価報告書によりますと、温室効果ガスの排出量が最も少なく抑えられた場合でも平均一・八度の上昇、最も多い場合は平均四度の上昇と予測されております。これは、過去の報告書より予測数値が上がっております。このまま炭酸ガスが排出されれば、地球はどうなるか。

 私は、昨年一月に封切られたアル・ゴア元副大統領のドキュメント「不都合な真実」を見ました。想像以上にショッキングな内容であります。地球の氷河は四十年後に四〇%が縮小し、七十年後には消滅する可能性があることや、世界の洪水、干ばつの被害状況などが映像で紹介されています。何とか早く対応しないと大変だとの感を強くいたしました。この映画では、タイトルの意味も説明しています。それらは、「真実の中には耳が痛いこともあります。なぜならば、本当にそれらに耳を傾け、真実と認めてしまうと、あなた自身を変えなくてはならないからです。その変えることが、かなり都合が悪いことがあります」という趣旨です。このことは、環境分野にとどまることでなく、今、日本が直面しているあらゆる分野の課題でもあるように思えます。

 我々は、消費を減らす努力をしています。生活の中で技術革新により車の燃費を向上させるなど、小さな努力の積み重ねで削減目標を達成しようと声をかけ合っています。レジ袋の利用を減らそうと、本県でも取り組んでいます。今月から、名古屋市緑区では有料にし、使用量を半分にしようとされています。成果は今後を待たねばなりません。これらの小さな努力を積み重ねることも大切だが、我々の経済というか、消費システム、生活様式にもっと目を向ける必要があります。今は、物やサービスを大量に使って楽しむ、多くの資源を使って多くを消費し、そのため大きな金を稼ぎ、また使うというスパイラルに陥り、そこから抜け出られないのが現在の経済システムです。毎日毎日、テレビでこれでもかこれでもかと宣伝され、新製品の消費へ駆り立てられる、それも二十四時間一日じゅうです。ゴアの言葉ではありませんが、自分自身が実行するのが困難なのです。勇気が要ります。

 これから求められるのは、消費や企業のあり方を考え、大量生産・大量消費ではなく、少量でよりよいものをつくり、長く使い、悪くなれば修理するというような生活です。我々の過去には修理するという美徳がありましたが、いつの間にか消費することが美徳となってしまいました。地球温暖化の防止とは、要はいかに二酸化炭素を削減するかということであります。その主体は我々人間です。欲望だけに振り回されない、高度な人間自身へと変わっていくことであります。消費者に、家庭分野で努力せよと言うばかりではなく、経済社会のシステムにまでメスを入れないと、根本的な解決は期待できません。この問題での先送りは許されません。待ったなしです。そこで、深刻な地球温暖化の要因と、今後の地球温暖化対策に向けて、本県の取り組みについて知事にお伺いいたします。

 次に、地震対策についてお伺いいたします。

 初めは、緊急地震速報についてお伺いいたします。

 いよいよ、この十月一日から気象庁の緊急地震速報が運用されます。地震には初期微動P波と主要動S波がありますが、この二つの波が地中を伝わる速度の違いを利用して、地震計でP波をとらえ自動的に計算し、S波が到達するまでの数秒から数十秒の間を計測し、最大震度五弱以上と測定した地震で、震度四以上の強い揺れが起こる地域名などを速報するというシステムであります。

 速報されてから数十秒で何ができるのか、震源に近いほど速報は間に合いません。速報をした、地震がなかった等、精度の問題があるとのことですが、それにはより多くの人がそれぞれの場所と手段で情報をひとしく得るということではないかと思います。自宅のテレビで知ることは一般的ですが、職場で、車中、集客施設、学校などで情報機器を準備する必要があり、まだまだ緊急地震速報を理解している県民も決して多くはないとのことです。本県も、この制度が混乱なく導入されるためには、制度の内容を含め、速報があった場合どう対応するのか、周知徹底を図る必要があると思います。これらの対応について、危機管理統括監にお伺いいたします。

 次は、木造家屋の耐震化です。この七月十六日午前十時十三分に発生した新潟中越沖の震度六強の地震で、新潟県災害対策本部の調査で家屋の被害状況は、全壊・大規模半壊が千四百八十六棟、半壊が二千八百五棟、一部損壊が三万四千三百九十四棟でありました。家屋の下敷きで多くの高齢者が犠牲になり、能登半島地震に続いて、今回も倒壊家屋の大半が重いかわら屋根の古い木造住宅でありました。木造家屋の耐震化は急務であります。

 国も、耐震性が低いと言われる家屋の耐震化率を、今後十年間で九〇%まで引き上げるとしておりますが、高額な補強費用のために二の足を踏む人も少なくありません。本県の補助制度でも、耐震補強工事費を補助する制度において、平成十八年度から百二十万円までの工事費に対して最高六十万円から八十四万円に拡充し、また利子の一部を補給する制度では耐震の住宅リフォームを対象とするなど制度拡充をしてまいりましたが、耐震化が必要とされる住宅に対して、利用が少ないということであります。やはり高い費用負担のために、耐震化をためらうケースが多いのではないかと思います。

 そこで、都市建築部長にお伺いいたします。一、本県の住宅総数のうち、耐震化を必要とされている木造住宅はどれぐらいあるのか。二、耐震化のため安価な工法を算出するなど、現制度をより使いやすい制度に見直す必要があると思いますが、考えをお聞かせください。

 次に、今回の新潟中越沖地震では、過去の教訓を生かした部分もありました。それは、災害時に四十八時間以内に現場に駆けつける災害派遣医療チームでございます。通称「DMAT」と言います。中でも、災害が発生してから三時間後の午後一時三十分には、骨折の重症患者をドクターヘリで新潟大学病院に搬送したことが話題になっておりました。災害では、陸路が寸断され、渋滞も重なり、被災地にすぐ入ることが難しいところが発生します。ドクターヘリの活用は、ますます重要になってくると思います。

 本県では、防災ヘリが救急医療の搬送を担っており、出動回数も年々ふえており、必要性も拡大しております。救急時には一分を争います。十五分、二十分のことで命を失うこともあり、救命のためにも早い治療は早期回復につながり、後遺症も軽くします。このような状況の中で、救急医療専門のドクターヘリを導入し、さらに救急医療の充実を図っていく必要があると考えます。

 私は、数年前、本県でドクターヘリの導入をと議会で取り上げたことがございます。そのときの答弁としては、維持管理費、本県の地形状況、天候に左右されやすく出動回数が限られてくる、対費用効果の問題で検討事項との話でございました。国の方も、この事業には、我が公明党の働きもあって、来年度より力を入れていくとも聞いております。ドクターヘリの導入について、お考えを健康福祉部長にお伺いいたします。

 次は、市場化テストについてお伺いいたします。

 行政サービスは、時としてお役所仕事と言われるように、民間とは異なり、競争原理が働かず効率が悪くなりがちであります。これを、民間も参加する一般競争入札制度を導入することで、コストとサービスを改善しようとする試みです。国では、公共サービス改革法が昨年七月に施行され、順次五つの対象事業の入札公告が始まりました。この市場化テストは、歳出改革を進め、民間の活性化による税増収という一石二鳥の効果が期待できるところであります。

 そして、この制度は、従来の民間への委託でありますアウトソーシングとか指定管理者制度と比較して、官民、民民と競争し、サービスの質・価格の両面ですぐれた担い手が落札することになり、民が落札すればその創意工夫を生かしたサービスが期待できるなど、一歩前進した制度ではないかと思います。

 本県では、政策総点検でも、民間活力導入について議論されたほか、昨年度、福井・三重・滋賀の各県と市場化テストについて若手職員による共同研究も行われておりますが、制度導入の検討状況について総務部長にお伺いいたします。

 最後に、教育問題について二件お伺いいたします。

 学校現場での問題は、ますます多岐にわたり、複雑化してきております。この七月に神戸市の私立高校で起きた飛び降り自殺の原因はいじめで、携帯のメールで幾度も脅されていたことが明るみに出、学校もこの事実を把握できなかったという悲惨な事件が起こりました。いじめも、教師や親にわからないようなメールやネットを介して行われ、やり方が巧妙になってきているのです。インターネットや携帯によるウェブ汚染は深刻です。ワンクリック詐欺等、多くの子供が被害に遭っていると聞いておりますが、日本のように子供が大人と同じ状況に放置している国は珍しく、海外では、特別の配慮とか有害なものは規制をかけておるとも聞いております。そこで、教育長に携帯電話の利用について、学校ではどのような指導をしているのか、お伺いいたします。

 次に、さまざまな教育問題の中で、最近は教員を取り巻く環境が大きく変わっており、子供の教育環境の対策と同様、教員への対応がおくれているのではないかと思います。教員の勤務状況については、昨年、国の調査が行われ、県教育委員会としての調査も行われたと聞いております。県内の教員の調査結果を見ますと、平日の勤務時間外の在校時間は全教員の平均で一日当たり二時間九分にも及び、教員が多忙感の中で勤務している状況をうかがうことができます。

 また、先般の議会でも取り上げられましたが、学校あるいは教員個人に対して、一般常識では考えられない要求やクレームを行ってくる保護者がふえてきていると聞いております。ただでさえ、さまざまな仕事を抱えて取り組んでいる教員に非常識な要求は、誠実な教員であればあるほど大きな負担となっていると考えられます。教員に対するバッシングにより、一層精神的に追い詰められ、心のゆとりをなくし、子供と向き合う時間のゆとり、また精神的なゆとりもなくなっているような気がします。さらに、二〇〇九年度から教員免許に十年間の有効期間が定められ、十年ごとに三十時間以上もの免許更新講習を受けることになる教員免許更新制度が導入される予定です。今や学校は、教育サービスの消費者たる親に対して満足してもらえるサービスを提供すべきと、教育にも市場原理が持ち込まれ、教育の姿を失っているような気がいたします。

 国では、ゆとり教育の見直し、総合的な学習時間を一般教科に振り分けるという検討がされております。教育のゆとりは、子供のゆとりと同時に教員のゆとりです。そうでなければ、よい教育も期待できません。そこで、教育長に、昨今の教育を取り巻く環境の変化にどう対応していくのか、お伺いいたします。

 以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。幾つか私に御質問がございましたが、まず徳山ダムの導水路の計画についてでございますが、初めに渇水時の水の確保について、まずお答え申し上げます。

 この連絡導水路は、徳山ダムに確保されました渇水対策としての緊急水を、木曽川へ毎秒最大十六立方メートル導水するというものでございます。このことによりまして、木曽川上流にあるダムでこれに相当する水量を確保することができるわけでありまして、そういう効果があるということでございます。したがって、平成六年を初めとして、過去に幾度も渇水による被害を受けてきました可茂・東濃地域の被害を大きく軽減することができるというふうに考えております。

 また、この連絡導水路事業とあわせまして、岐阜県内の水を確実に確保するために、ダムの効率的な運用方法であります水系総合運用というのも検討することになっております。異常渇水の場合を除きまして、通常ダムにためられた水はダムごとに供給する地域が決まっておりまして、他の地域へ供給することはできないことになっておるわけでございます。また、個々のダムの貯水量は、ダム上流域の降水量によって大きく左右されるわけでございますので、他のダムに水があっても、地域によっては節水や断水が発生することがあるということでございます。こうした中で、この総合運用を図ることによりまして、渇水の兆候が見られた時点から、複数のダムを一つのダムと見なして、貯水率の高いダムから優先的に水を供給するということで、ダムにたまった水をより有効に活用することができるとともに、すべての供給地域へ均等に水補給を行うことが可能になるということでございます。この八月二十二日に開催されました、徳山ダムに係る導水路検討会におきましては、総合運用の必要性についても、国と三県一市で確認されたところでございます。今後、その具体的な実施に向けまして、木曽川から取水している利水者が平等にその恩恵が受けられるよう、他の利水関係者を含めて調整を図ってまいりたいということでございます。

 次に、水環境等についてお答え申し上げます。

 環境への影響につきましては、河川の水環境、生物の生息・生育環境に関して、長良川・木曽川の現状把握、また施工等による影響の予測と評価を行うために、木曽川水系連絡導水路環境検討会という有識者の検討会がこの三月に国土交通省により設置されております。現在、この検討会では、現地の基礎データを収集しておるところでございまして、今後、検討会にていろいろと議論が行われるわけでございます。本県といたしましては、沿川市町村の意見をお伺いするなど、県民の関心の高い長良川・木曽川の水環境を守るという立場から、これに対応してまいりたいと思っております。

 次に、地域の再生・活性化に向けました企業誘致の取り組みについてお答え申し上げます。

 企業誘致は、御指摘のとおり、観光振興と並びまして、本県の地域資源を活用して地域再生、地域の活力を取り戻すために極めて重要な対策でございます。特に自動車関連産業あるいは航空機関連産業など元気なものづくり産業を誘致しますことは、地域における若者の雇用創出、税収の増加に加えまして、県内中小製造業やサービス業に至るまで地域経済への波及効果が大きく、また地域への貢献度も高いというふうに考えております。例えば、昨年完売いたしました関テクノハイランドにおきまして、関市では約千五百人の雇用と八百九十億円の製造出荷額を見込んでおります。同時に、瑞浪クリエイション・パークの進出企業からは、団地内雇用者約五百名のうち三割に当たる百五十人を瑞浪市民から雇用するというふうに伺っております。進出企業への雇用促進を図るための教育・訓練につきましては、県において、企業が求める人材を短期間で養成するオーダーメイド型新規立地企業雇用推進研修というものを実施して対応しておるほか、県と地元市町村、ハローワーク、そして学校が連携いたしまして、地元雇用を優先的に働きかけるということで、地域と企業のつながりを深めておるわけでございます。

 また、昨日も御紹介申し上げましたが、先般の東海財務局の発表によりますと、平成十八年の本県における住宅着工件数が前年比二四・八%増、これは東海環状沿いでございますが、県全体でも八・八%増と、全国の四・四%増を大きく上回って伸びておるということから、企業立地の急増から、こういった面でも地域の活性化が見込まれるという評価をいただいております。

 これまで、市町村と連携しながら努力してきた結果ではないかと思いますが、例えば、地域貢献の例としてもう一つ例を挙げますと、関テクノハイランドに関市と連携して誘致いたしましたパソコン等OA機器リサイクル企業の関工場におきましては、従業員四十名のうち現在十八名の障害者を正規雇用しておるということでございまして、この障害者の正規雇用を二年後には四十人までふやしたいというふうに言っておられるわけでございます。

 さらに、現在、県と市町村では、地域の特性を生かし、地域活性化につながる企業誘致を目指すということで、この六月に施行されました企業立地促進法に基づきまして、今後五年間の誘致目標等を定めた基本計画を五圏域ごとに策定をし、現在、国の同意を得、支援を受けるための事前協議に入っております。この計画には、その地域の強みや特性を生かし、波及効果の高い業種を集積し、具体的な新規立地件数、新規雇用者数及び製造品出荷額等の数値目標を掲げております。この計画の策定には、県内全市町村に参加いただいておりまして、地域再生のための企業誘致にかける県内の意気込みを感じているところでございます。

 次に、地域再生における公共事業の意義についてお答え申し上げます。

 申すまでもなく、公共事業は産業振興、観光交流など地域の活力を支える基盤づくりとして、また、風水害などの自然災害から県民の生命・財産を守る災害に強い地域づくりという観点からも大変重要でございます。さらに、暮らしに潤いを与える公園整備、快適な生活を提供する下水道整備、農山村を活性化する農林道の整備など、多面的に地域を守り、支え、活力を生み出していくものでございます。必要なものについては、あくまでも着実に整備を進めていくというのが基本であると考えております。

 特に、広大な県土を有する本県におきましては、おくれている幹線道路網などの整備が大変に重要でございます。また、大部分が山間地域でございますので、毎年のように自然災害も発生していることから、治山治水を初めとした安全・安心を確保する公共事業をしっかりと進めていくことも重要な責務でございます。

 御指摘のありましたように、地元の建設業は、ひとたび災害が発生した場合にいち早く現場に駆けつけて応急復旧の担い手となるなど地域社会の安全という観点から、あるいは中山間地域における基幹産業として経済を支え、雇用の場となっておるということでございまして、大変重要な役割を果たしておられるということについては、私も認識しておるところでございます。具体的な建設業に対する支援策につきましては、後ほど県土整備部長がお答え申し上げますが、地域社会にとってなくてはならない地域の優良な建設業が殊さらに疲弊していくことのないよう、十分配慮していかなければならないというふうに思っております。

 今議会に御提案しております九月補正予算におきましても、舗装道路補修、交通安全対策などの公共事業費を計上しておるところでございます。こうしたことを踏まえながら、現場の声に、地域の声に耳を傾けながら、財政状況もにらみながら、将来に向けた投資と負担のバランスを考慮しながら、予算編成を通して検討していきたいというふうに思っております。

 最後に、温暖化防止対策について申し上げます。

 御指摘のとおり、地球の平均気温は二十世紀の間に〇・六度C、日本でも一度C上昇しておりまして、氷河の後退、永久凍土の融解、地域の気候変化と、これによる生態系への影響も既にあらわれ始めておるところでございます。産業革命以降、大量生産・大量消費化という中で、今日の豊かさと繁栄が手に入れられたわけでございますが、半面、大量の二酸化炭素の排出につながり、それが地球温暖化につながっているということでございます。

 我が国の温室効果ガスの排出量でございますが、二〇〇五年には一九九〇年の基準年比で産業部門におきましては五・五%減少しておりますが、業務部門では四四・六%の増加、家庭部門では三六・七%の増加ということでございまして、我が国全体としては七・八%の増加でございます。二〇〇八年から二〇一二年までの第一約束期間の目標であります六%削減の達成には、全くほど遠い状況になっておるということでございます。本年八月に出されました京都議定書目標達成計画の評価見直しに関する国の中間報告でも、現状のままでは到底目標には到達しないであろうというふうに推計されておりました。六%削減約束達成に確実を期すためには、対策の抜本的強化を考える必要があると、こう指摘されておるわけでございます。

 一方、岐阜県におきましては、二〇〇三年三月、岐阜県地球温暖化防止推進計画を策定しておりまして、二〇一〇年までに県内の温室効果ガスの総排出量を一九九〇年比で六%削減するという目標を定めております。排出状況でございますが、二〇〇四年には基準年に比べ産業部門では一五・〇%減少、業務部門では逆に十六・七%の増、家庭部門では五八・二%の増ということでございまして、全体としては一・三%の減少ということでございます。したがいまして、二〇一〇年までの目標達成には、さらに四・七%の削減が必要であるということでございまして、産業部門では、企業に引き続き削減の努力をお願いするとともに、家庭部門における削減対策を大いに強化していくことが重要であるということでございます。

 これに関しましては、二〇〇三年から既に「もったいない」という先人の知恵を見詰め直すということで、「もったいない・ぎふ県民運動」を展開してきておるわけでございます。例えば、電気やガスの使用量を節約するということで、県民一人ひとりに宣言をお願いします「もったいない・ぎふ宣言」は、既に二〇〇七年九月末で二万九千件に上っております。また今年のブラックイルミネーションでございますが、六月に八百四十五カ所で実施しておりますし、また県内各地のショッピングモールで「もったいない・ぎふ県民フェア」を開催するなど、PRも行っておるところでございます。

 今年度は、新たに家庭での電気・ガス・水道の利用状況を環境家計簿につけるということで、二酸化炭素の排出量を家計ごとにチェックしていただくという「もったいない家族」の募集をしておりますし、また二酸化炭素の排出を大気環境木の植栽によって吸収相殺する、「カーボン・オフセット運動」というのも推進しておるところでございます。また、これまでレジ袋の削減対策といたしまして、マイバスケットの配布あるいは持参キャンペーンを実施してまいりましたが、この十月には、グリーン購入ネットワークというNPOがございますが、これが実施します「GPN五百万人グリーン購入一斉行動 買い物でレジ袋を断る」というキャンペーンに岐阜県も参加しております。このキャンペーンは、一カ月に五百万人が一億枚以上のレジ袋を断ることによって一万トンのCO2削減に資すると。この一万トンのCO2削減というのは、四国以上の面積の森林が一カ月で吸収するCO2の量と、こういうことでございますが、これにも参加をしておるわけでございます。さらにライフスタイルの変革を促すということで、レジ袋の有料化を今進めておるところでございます。

 いずれにいたしましても、この地球温暖化の問題につきましては、まさにゴアの言葉ではないんですが、不都合であっても正面から向き合うべき真実ということで、かけがえのない地球、そして、私たちの祖先が守り継いできた緑豊かな岐阜県をしっかり引き継いでいくためにも、私もあらゆる機会をとらえて県民の皆様に訴え、また全力で対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。



○議長(中村慈君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) 緊急地震速報についてお答えします。

 緊急地震速報につきましては、気象庁を初めとする国の機関、新聞などの報道機関により周知・啓発が行われているところですが、議員御指摘のとおり、速報を受けた場合の対応については、より一層の周知を図る必要があると認識をしております。このため、県では県のポータルサイトやテレビによる広報、チラシの配布や啓発ポスターの掲示のほか、市町村防災担当者会議での周知、市町村と連携し県内の自治会長への説明などを実施してまいりました。

 県民の皆様が受信された場合に、周囲の状況に応じて慌てずに、まず身の安全を図るといった対応が必要であり、引き続き関係機関とともに県民の皆様、事業者の方々に対し、その広報に努めてまいります。また、県有施設におきましては、職員がテレビ・ラジオで緊急地震速報を入手して館内放送などで来館者等に伝達し、安全な場所へ誘導するためのマニュアルを整備いたしました。今後は、より迅速な受信手段の導入の検討や、施設の避難誘導訓練などにより、来館者等の安全の確保を図ってまいります。



○議長(中村慈君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君登壇〕



◎総務部長(冨田成輝君) 市場化テストについてお答えいたします。

 本県におきましては、民間にできることは民間にを基本に、民間が実施することで県民サービスが向上し、経費の削減が図られるものにつきましては、積極的に民間への移管・委託を進めていくこととしております。これまでも、公の施設への指定管理者制度の導入、民間からの人材派遣による総務事務センターの設置、職員研修、情報システムの再開発など、さまざまな業務につきまして民間委託などを積極的に行ってきております。

 市場化テストは、官か民かの判断が困難な場合、官と民の競争がサービス向上や経費節減につながる場合、本来官が担うべきであるが、民間からの強い参入意欲がある場合などにおいて、導入の可能性の検討が必要であると考えております。本県では、昨年度、福井・三重・滋賀の各県と共同いたしまして、導入に際しての実務的な問題の研究を実施いたしましたが、会計制度が異なる官と民の適正なコスト比較や、債務不履行等が発生した場合の行政サービスの継続的提供など、さまざまな課題があることも明らかになり、引き続き研究を行っております。

 議員御指摘のように、行財政改革を進めるためには公共サービス分野への民間参入が重要であり、今年度から始めました事務事業の外部評価での議論なども踏まえ、さらなる民間活力の導入を検討してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) ドクターヘリの導入についてお答えいたします。

 本県におけるヘリコプターによる救急搬送につきましては、従来から防災ヘリを活用しておりますが、平成十六年度から岐阜大学医学部附属病院と協定を締結し、医師が搭乗する形で搬送治療を実施しているところでございます。昨年度は、百十五件の救急搬送のうち八十四件について同病院の医師が搭乗しており、防災ヘリとしての制約はあるものの、県民の皆様のニーズにおこたえしております。こうしたことから、当面は、現行の防災ヘリを救急搬送に活用するドクターヘリ的な運用を継続してまいりたいと考えております。

 ドクターヘリを新たに配備することは、専用の救急医療用ヘリを常時確保できる利点がある一方で、多額の運航経費が毎年必要となります。こうしたことを踏まえまして、さきに成立した、いわゆるドクターヘリ導入に関する特別措置法の運用や経費補助のための基金の設立状況など、国の動向や岐阜県地域医療対策協議会等での御意見を勘案しながら、今後検討してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 建設業の支援策についてお答えいたします。

 地域の基幹産業である建設業は、建設投資の減少により厳しい経営環境に直面しております。こうした中、建設業者の方々が経営の効率化や技術力の強化等に取り組んでいただけるよう、各種セミナーや研究会を開催したり、経営相談として無償で中小企業診断士等の専門家を依頼企業に派遣するなど、さまざまな形で支援をしております。

 資金調達につきましては、県中小企業資金融資制度におきまして、昨年度千三百四十八件、金額にいたしまして約百二十億円の利用をいただいておりますが、今後とも一層の活用に向け、制度の周知に努めてまいります。

 また、県発注工事におきましては、資金面で支障が出ないよう、請負代金の四割を前払い金として支払うとともに、必要に応じ、部分払いや工事完成時の速やかな支払いなど、きめ細かく柔軟に対応しているところであります。今後とも、関係機関と密接な連携を図りながら、企業のニーズに即し、きめ細かく支援に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 木造家屋の耐震化についてお答えいたします。

 平成十七年度末で、県内の住宅総数六十八万五千戸に対し、耐震性が不十分な住宅は二十三万九千戸で耐震化率は六五%、このうち木造住宅につきましては、総数四十九万三千戸に対し、耐震性が不十分な木造住宅が二十一万戸で耐震化率は五七%と推計しております。

 次に、耐震補強工事費の補助制度についてお答えいたします。

 木造住宅の耐震化を促進するため、一定の耐震性を確保する改修工事につきまして補助する制度を設けておりますが、十分な実績が上がっていないことは認識しているところです。このため、従来は補助対象外としてきた増築を伴う耐震補強工事も補助対象とすることなど、より利用しやすい制度に見直すことを検討してまいります。また、より経済的な工法等につきまして、関係団体の協力を得ながら積極的に情報提供してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校における携帯電話の使い方の指導についてお答えいたします。

 本県において、児童・生徒がパソコンや携帯電話を介していじめや嫌がらせを受けた被害は、この四月からの四カ月間に小・中・高等学校合わせて九十四件の報告がありました。また、パスワードがないと見ることができないサイトで実名を上げた中傷が行われるなど、匿名性を悪用した陰湿なものがふえております。こうした携帯電話等に関連した被害の深刻な状況を踏まえ、県では高校生と一緒になって情報モラル向上のためのスライドを作成し、夏休み前から各中学校、高等学校等において、携帯電話特有の危険性や使用する際のモラルについて指導しているところでございます。

 一方、携帯電話を買い与える保護者が、その危険性を十分認識することも不可欠です。そこで、買い与える前に子供と使い方について約束事を決めることや、無償のフィルタリングソフトの活用などを示した保護者向けのリーフレットを現在作成中です。このリーフレットを、小・中学校及び高等学校のすべての保護者に個人懇談会等の場で直接手渡し、子供を携帯電話のトラブルから守るための保護者の責任について理解を求めてまいります。

 次に、教員を取り巻く環境の変化への対応についてお答えいたします。

 御指摘のとおり、昨今、教員を取り巻く環境は大きく変わってきており、特に生徒指導面などで課題が複雑化・多様化してきております。こうした状況に対応するため、教員一人ひとりがいじめや不登校、暴力行為などへの対応や心の教育の進め方など、今日的な教育課題に的確に対応できるよう、今後とも教員研修の充実を図ってまいりたいと考えております。

 また、学校や教員に対する保護者からの要求、苦情の実態について調査を実施したところ、今年四月から七月までの四カ月間に、小・中学校二百九十九校で千二百七十六件、高等学校においても、今年七月までの一年間に四十七校で対応に苦慮した事案がありました。こうした事案に対しましては、教員が一人で抱え込まず、学校全体で組織的に対応したり、PTAとも連携して対応していくことを改めて徹底し、特に対応が困難な事案に対しては弁護士等の専門家を派遣するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

 さらに、教員を取り巻くさまざまな環境の変化が、教員の多忙感やストレスにつながっているという状況がございます。それだけに、教員が明るく元気に子供たちと向き合い、日々の教育活動の中で充実感や達成感を感じながら、その能力を十分発揮できる環境づくりが求められます。県教育委員会といたしましては、マネジメント研修を充実し、校長のリーダーシップのもとで、教員同士が互いに支え合い、育て合う関係を築くことにより、教員一人ひとりの意欲と能力をさらに高め、活力ある学校づくりができるように取り組んでまいります。また、こうした学校内の体制づくりだけでなく、学校が地域の中で親しまれ、地域の方々から応援していただけるような、開かれた学校づくりを進めていきたいと考えております。



○議長(中村慈君) 八番 山本勝敏君。

   〔八番 山本勝敏君登壇〕(拍手)



◆八番(山本勝敏君) 皆さん、おはようございます。

 この四月に初当選をさせていただきました、県政自民クラブ、多治見市選出の山本勝敏です。初めての一般質問となります。

 三項目質問をさせていただきます。一番目は、企業誘致における市町村支援策、二つ目がリニア中央新幹線、三つ目が不法投棄対策です。

 質問に入ります前に一言、中央では福田内閣が発足し、新しい国づくりが進められようとしています。福田総理は「自立と共生」をキーワードに掲げ、まず家庭が自立する、そして地域が自立して、国家が自立する。自立をした上でお互いが助け合う、そんな共生する社会を築くんだというふうに述べられていらっしゃいます。大賛成であり、僭越ではございますが、私も全く同じ思いです。この愛すべき岐阜県において、自立と共生の地域づくりが一層進められることを願って、皆様とともに汗を流してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 まず、この「自立と共生」の中でも「自立」を考えながら、一項目めの企業誘致における市町村支援策について質問をしたいと思います。

 地域の自立、特に経済的な自立を考えたとき、その地域の中に働く場所、つまり職場がどうしても欠かせません。岐阜県は、繊維や刃物や和紙、木工品、そして陶磁器やタイル、そういった地場産業に支えられて発展をしてきました。これらの地場産業が中心となって県民の働く場所、職場となって、経済的に自立した地域をつくってきたというふうに言ってもいいと思います。ただ、御周知のとおり、多くの地場産業が当時の活気を失い、県民の職場も県内から県外へと移り変わっていきました。それによって、地域の自立性もだんだんと薄くなってきてしまったというふうに言えると思います。

 そこで、新たな職場づくりとして、自立のための企業誘致が今まさに積極的に進められています。企業を県内に誘致する。そうすると、その地域の人たちがそこで働ける。今まで遠くや県外で働いていた人たちもそこで働ける、若者たちもそこで働ける、そして定着してもらえる。所得も上がる。地元で働けば、お金をその地元で落としてもらえる。そしてまた、その進出してきた企業に付随して消費が発生し、進出企業と地元企業が結ばれて産業が高度化してくる、そういう形で地域が活性化をしていきます。さらに、税収がふえて自治体の運営に貢献していただけると。このほかにも、遠く通っていた人が近くに通えるようになりますので、通勤時間が短くなります。そうしますと、家庭での時間がふえるので、子供たちと一緒に御飯が食べられるようになる、まさに食育、おふろも一緒に入れる、そういう形で家庭教育にも貢献をしていくと。家庭での時間が長くなりますので、夫婦仲もよくなるかもしれません。少子化対策に役立つかどうかは、ちょっとまだわかりません。おじいさん、おばあさんとも一緒に暮らせる、近くに住めると。そして、親子で暮らしを支え合えると。当然、若者が定着をいたしますので、地域のコミュニティーも守っていける。まさに企業誘致のプラス効果ははかり知れません。経済的にだけではなく、家庭や地域活動も含めた自立に貢献をしていく。旧来からの地場産業などとの共生も図りながら、積極的に企業誘致に取り組む必要を感じます。昨日の藤墳先生の代表質問、そして先ほど野村先生からも御質問がございました。古田知事の御答弁のとおり、これからもさらに企業誘致を進めていただけることを期待しております。

 ここで、現状を簡単に振り返ってみます。言うまでもありません、本県での企業誘致活動はすばらしい成果を上げてきております。昨日も、そして先ほども知事からお話がございました、一昨年が四十一件、そして昨年が四十六件、今年は半期で三十二件、工場が立地をしております。ここ二、三年は極めて順調、全国的に見ても非常に高い水準で企業に進出をいただいています。これも言うまでもございませんが、三河地区と直結した東海環状自動車道の効果が大きかったというふうに言えます。ただ、これだけ好調ですので、工業団地や工場用地が残り少なくなってきています。過去二年間の工場立地で百四十九ヘクタールが使われました。そして、残っている用地のうち、今すぐ使えるものが百二十五ヘクタールで過去二年分以下になってきています。もちろん、これから造成しようという動きもありますので、この先五年以内で見ると、さらに二百二十八ヘクタールが見込めるということであります。

 こういう現状の中で、一番心配するのは景気の動向です。現在の景気、特にトヨタ景気と言ってもいいと思いますが、この状況に支えられて、これだけ企業が進出していただけたと。しかし、それがいつまで続くのか予想は非常に難しいと思いますが、景気の動向によっては、企業の足がとまってくることも十分考えておかなければなりません。怖いのは、工業団地が残り少なくなってきた。まだまだ需要があると見込んで、市町村が多額の費用を投じて新たに造成をすると。でも、できたころには景気が下向きになって、企業が進出をしてくれない。あとは投資による借金と塩漬け土地が残るだけと、こんなことが起こらないとも限りません。

 そこで、一つ事例を御紹介させていただきます。愛知県の瀬戸市での取り組みです。

 一般的に工業団地は、先ほど話しましたように、県ですとか、市とか民間がまずお金を借りて、そのお金で土地を買う。もちろん、もともと自分の土地というケースもあります。そして、費用をかけて造成をしていくというわけであります。そして、工業団地ができてから企業を誘致すると。つまり、こんな団地をつくりましたと。ぜひここに工場を建ててくださいと、できたものを売り込むというスタイルでした。いわば、レディーメイド、既製品方式と言えると思います。

 それに対して瀬戸市ではオーダーメイド、注文方式の工業団地をつくろうとしています。今まさに進行中で、二年後に分譲の予定だというふうに聞いております。東海環状自動車道の、せと赤津インターチェンジの隣接地三十三ヘクタールを予定しているわけですが、まだ土地の取得をする前から進出企業を募集したと。既に十五社から応募があったと。その中から優良企業を選定していくということであります。ここでポイントは、土地を買う前から進出企業を決めてしまうというところです。もちろん、地権者への事前説明などをやった上でのことですが、このやり方であれば、今までのレディーメイド方式のように、売れ残って借金が膨らむというリスクは避けられます。進出企業、つまり買い手を決めてからお金を借りて取りかかるというわけですから安心できます。また、企業側にとってもこれから造成をいたしますので、区画の大きさとか形状などについて、注文をつけやすいというメリットもあります。ほかにも、電気や水道や取りつけ道路、そういったものも不足もなく過剰もなく、進出企業のニーズに合わせていきやすくなります。まさに注文を受けてからつくり始めるオーダーメイド方式と言えます。このようなやり方は大いに参考になると思います。

 ここで質問に入りますが、今後、市町村が工業団地を開発していくに当たり、財政的な不安あるいは資金回収の不安、どんな企業が出てくるのか不安、いろいろな不安を持ってみえます。また、企業誘致のノウハウ、そして組織体制、企業の動向の情報など市町村には不足しております。そのような状況の中、県としては、市町村が行う企業誘致、工業団地開発に対してどのような支援を考えていらっしゃるのか、産業労働部長にお尋ねをいたします。

 次に二項目め、リニア中央新幹線についてお尋ねいたします。

 一九六四年、ちょうど私が生まれた年ですが、東京と大阪間を約三時間で結ぶ東海道新幹線が開通をいたしました。この東海道新幹線によって高度経済成長が加速をしました。日本が大きく変わったと言っても過言ではないと思います。そして、現在、新幹線の約二倍の速度、時速五百キロで走るリニアモーターカーによる中央新幹線の整備が確実視されています。日本列島は、新たな時代を迎えようとしています。

 このリニア中央新幹線は、東京から神奈川、山梨、長野を通って岐阜県の東濃に入り、そして愛知、三重、奈良、大阪府までの約五百キロの間を約一時間で結ぼうという計画です。現在は、御存じのように、山梨県で本格的な走行実験が行われています。この山梨リニア実験線は、今の十八・四キロメートル区間の実験によって、一昨年には国の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会から実用化の基礎技術が確立したとの評価がなされました。もう八年も前になりますが、私もこの山梨の実験線に試乗させていただきました。最初はおもちゃみたいなイメージを持っていましたけど、実験線といえども、本当に本格的なものでした。車両はもちろん、ガイドウェイ、つまり線路のことですが、あるいはトンネル、その他の設備、すべてが実用に値する本格的なものでした。もちろん、ちゃんと時速五百キロで我々を乗せて走ってくれました。間違いなく実用化の基礎技術は確立しています。今後は、この山梨リニア実験線を延長十八・四キロメートルから四十二・八キロメートルに延ばし、この先十年ほどで長期耐久性、そしてコスト低減、営業線に向けた設備仕様などについて検証や検討が行われるというふうに聞いております。つまり、あと十年で技術的には完全な完成を予定していると理解していいと思います。

 このような中、JR東海が今年四月に、リニア中央新幹線について大きな発表をしました。みずからのイニシアティブのもとに推進・実現するべく検討を進める。第一局面として、まずは二〇二五年に首都圏から中京圏での営業運転を開始することを目標としたいというものでした。このJR東海の発表で一挙に実現に近づいた感があります。二〇二五年、つまりあと十八年後に東京と名古屋がリニアで結ばれるということです。十八年後、いよいよ見えてきました。リニア中央新幹線がもたらす効果は、日本全体にとって非常に大きなものがあります。東京・名古屋・大阪を基軸とした七千万人の大交流リニア都市圏が形成され、国民の満足度を貨幣評価で見ると、五十年間で十五兆円から二十一兆円になるというふうに試算をされています。建設費と車両費で八・三兆円から九・九兆円ということですので、この投資額の約二倍の国民満足度が予想をされています。

 さて、このような背景を踏まえまして、我が岐阜県に目を移してみます。想定されているルートでは、東濃地域を通ることになっています。中津川、恵那、瑞浪、土岐、多治見、これをくし刺しにするようなイメージで、今ルートが考えられています。リニアの全国的な機能・役割を考えますと、この東濃地域は、単なる通過経路にすぎないかもしれません。しかし、我々県民としては、当然そこに駅が欲しい。駅がなければ、通過する意味がなくなるというふうに思います。この岐阜県内への停車駅設置については、古田知事からも国土交通省に対して御要望をされていらっしゃいます。そして、私たち自民党の東濃県議団も早川先生、渡辺 真先生を中心に六名で、先日国土交通省に対して同じ要望をしてまいりました。どうも感触からしますと、通過する各都道府県に一カ所は駅ができそうな感じがします。つまり、あくまでこれは私の個人的な推測ですが、岐阜県にも駅ができる可能性が非常に高いように思います。そして、県内に駅ができると仮定した場合、これも一つの考え方ですが、国やJRの方針を待つだけではなくて、県として主体的にそのリニア駅を核とした地域づくりを今から考えていく。駅に付随するインフラについても考え始める、そして国やJRにこちらから具体的な提案をしていく、そんな動きもそろそろ必要になってくるんではないのかなあというふうに思います。

 そこで質問です。このリニア中央新幹線の路線の確定や岐阜県内での停車駅の設置なども含めた県の取り組み方針についてお尋ねをいたします。リニアについては、この県議会では、ここ何年も質問がされていないということもございますので、これは古田知事にお尋ねをさせていただきます。

 以上、リニア開通という岐阜県にとっての第二の大交流時代を見据えて質問をさせていただきます。

 最後、三項目め、不法投棄対策についてお尋ねします。

 数カ月前にテレビのバラエティー番組で「岐阜県には産廃が多い」というような話が取り上げられていました。そこで、産廃−産業廃棄物−の中でも、特に不法投棄された産廃について調べてみました。一年半ほど前のデータですが、不法投棄の残存量が岐阜県は約八十二万トンで、四十七都道府県のうちでは六番目に多い状況でした。残存量というのは、不法に捨てられる、それを見つけて撤去させる、それでも残っている量ということです。全国的に見ても、不法投棄が多い現状は大変残念な思いがします。言うまでもありませんが、岐阜県の南隣には大きな都会、そして、工業地帯があります。岐阜県みずからも、特に南の方は産業が集積しております。それに加えて人目につきにくい山林が多いということで、不法投棄のターゲットとしてねらわれやすいのだろうと思います。

 その中でも、例えば東濃地域、多治見・土岐・瑞浪あたりを見てみますと、東濃は「産廃銀座」と呼ばれるような状況です。場所的に捨てやすいんだろうなあというふうに地元の我々も感じます。そして、銀座ですから、いろいろな産廃でにぎわってしまっています。フェロシルト、硫酸ピッチ、古畳、廃パチンコ台、廃型枠石膏、焼却灰、建設廃棄物、県が公表しているだけでもこれだけあります。

 東濃振興局管内では、行政処分・行政指導を受けた公表事案が現在八件あります。公表に至っていない事案も含めますと、県下でも群を抜いて不適正事案が多いというふうに聞いております。この状況に対して、東濃振興局では月二回の定期パトロールのほかに、独自の取り組みとして、東濃総合庁舎の職員全員の協力で早朝・夜間パトロールや環境課による休日パトロールを行っております。ほかの地域以上に不法投棄の未然防止などに力を入れているとお聞きをしております。このようなパトロール活動や行政処分・行政指導を強化して、あそこの地域は捨てづらいところだぞと、取り締まりが厳しいぞと悪質な業者に思わせることが大事です。あそこは厳しくないと思われると、どんどんねらわれてしまいます。ただ、残念ながら、東濃振興局のこうした御努力にもかかわらず、いまだ県外の業者などが東濃地域をねらって不法投棄する事案が目立っているようです。これは、例えばの話ですが、お隣の愛知県尾張事務所では、東濃振興局環境課の数倍の人員で廃棄物行政が行われておりますが、そういった組織体制の差が一つの要因として考えられるかもしれません。

 いずれにしても、不法投棄問題はまず未然に防ぐことが肝心です。パトロール活動などを強化して捨てにくくする。そして次に、発生してしまった不法投棄をしっかり見つけ出して厳しく取り締まることが大切になってきます。厳しい行政処分・行政指導をして、当事者以外にも岐阜県の厳しさを知らしめる必要があると思います。

 このような観点から、環境生活部長に二点お尋ねをいたします。一点目は、今後の不法投棄対策の強化方針について、どのようにお考えでしょうか。二つ目は、強化が必要な地域の組織体制づくりについて、お考えをお尋ねいたします。

 以上で、質問を終わらせていただきます。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の方からは、リニア中央新幹線に関する御答弁を申し上げます。

 六年ぶりの質問ということでございますので、私の答弁も六年ぶりの答弁ということになるわけでございますが、御指摘のとおり、この中央新幹線は首都圏と関西圏の大幅な時間短縮、あるいは岐阜県を初めとする内陸県と東京・大阪・名古屋の三大都市圏との交流の活発化、あるいは地域開発、地方定住の促進、あるいは地域の活性化、いろんな面で大きな寄与が期待されるわけでございますし、また、CO2の排出量も飛行機に比べて格段と少ないわけでございまして、地球に優しい交通手段ということも言われているわけでございます。

 このリニア中央新幹線は、まず昭和四十八年十一月に全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画ということで、運輸大臣が決定して今日に至っておるということでございます。平成九年から、御指摘のように、実験線がありまして走行実験を行っておりますが、私もようやく先日行ってまいったところでございますし、またJR東海のトップの方々からも強い意気込みを伺っておるところでございます。この四月のJR東海の発表は、御指摘のように、今後のこのリニア新幹線の先行きについて、大変大きなきっかけになるものであったというふうに私も思っております。

 少し制度的・手続的なことだけ申し上げておきますと、今、地形・地質調査を含めたいろんな各調査を実施しているという段階でございますので、これがまず完了をして、そして、この昭和四十八年に決定された基本計画から次の段階、整備計画の段階に移れるかどうか、国土交通大臣が決定をすると。そして、その整備計画をつくった上で国土交通大臣から今度は建設主体に対して建設の指示というものが出されると。それを受けて、建設主体となるものが具体的な経路や停車駅を織り込んだ工事実施計画をつくると。そして、これが国土交通大臣の認可の対象となると、こういう段階ごとの手続があるわけでございます。

 岐阜県におきましては、昭和五十三年に他の沿線都府県に先駆けて県の期成同盟会を立ち上げておるわけでございますし、翌五十四年に岐阜県が主導する形で、全国組織の期成同盟会も立ち上げておるわけでございます。また、沿線の東濃五市におきましても、市議会に特別委員会を設置したり、いろいろな形で積極的に取り組んでおられるということも承知しております。私が会長を務めておりますリニア中央エクスプレス建設促進岐阜県期成同盟会におきましても、毎年総会を持っておりますが、今年の七月にも中津川で総会を行いまして、必要な調査を速やかに実施・完了し、基本計画から整備計画へ格上げするようにという決議をし、また要望活動を行っておるということでございます。また、今月下旬には、同じく中津川市で東京・大阪間沿線経済団体リニア中央エクスプレス早期建設促進大会という経済界ベースでの大会もございます。ここでも決議が採択される予定でございまして、私もこれに参上することにしておるわけでございます。

 先ほど申し上げましたように、制度的、手続的には具体的な路線の確定、あるいは停車駅設置の実現につきましては、整備計画、そして建設の指示以降になるということでございますが、今般のJR東海の積極的な意思表明を契機といたしまして、そしてまた、JR東海としての路線や停車駅の考え方もしっかりと伺いながら、従来にも増して一段と強力に、かつ声高にこのリニア中央新幹線の早期実現と県内停車駅の設置について、国土交通省を初め各方面に強く要望していきたいというふうに考えております。

 同時に、地域活性化の観点から、御指摘のように、まさしく岐阜県の第二の大交流時代といったことを展望しながら、県としての考え方、方針を検討していくことも必要であるというふうに考えております。



○議長(中村慈君) 環境生活部長 高田幸三君。

   〔環境生活部長 高田幸三君登壇〕



◎環境生活部長(高田幸三君) 不法投棄対策についての二点の御質問にお答えをいたします。

 まず、今後の不法投棄対策の強化方針についてでございます。

 不法投棄対策につきましては、未然防止・早期発見・早期措置を基本方針として掲げ、違法行為に対しては、刑事告発を含め、迅速・透明・厳格に対応しているところでございます。具体的には、地域住民や関係機関等が密接に連携して対応するための組織を構築するとともに、夜間・休日監視パトロール、スカイ・アンド・ランドパトロールなどの実施、可搬式監視カメラの導入などによる監視活動の徹底、廃棄物インターネット一一〇番、廃棄物適正処理監視モニター等の通報体制の充実を重点に取り組んでまいりました。その結果、平成十六年七月に不適正処理事案二十四件を公表して以降、新たに二十件の事案を発見するとともに、十七件の事案について投棄物件の撤去等の改善を図ったところでございます。今後も、こうした監視体制や通報体制がより有効に機能するよう検証・見直しに努め、総合的な不法投棄対策を推進してまいります。

 次に、強化が必要な地域の組織体制づくりについてでございます。

 不法投棄対策に当たっては、その重要性にかんがみ、県におきましては、平成十八年度に地域の監視指導担当として本庁不法投棄監視課に五名の職員を増員し、本年度は、いわゆる埋立条例の制定に伴い、振興局環境課には各一名、計五名の職員を、振興局事務所環境課には各一名、計三名の専門職の配置を行いました。また、このほかに、平成十八年度までに警察官OBによる監視指導専門職を振興局及び振興局事務所に各一名、計八名を配置し、組織体制の強化を図ってきたところでございます。昨年、東濃振興局管内で行った硫酸ピッチ撤去のための行政代執行の際などには本庁担当者が集中的に対応に当たりましたが、今後も地域において重大・緊急事案等が発生した場合については、適時に本庁から支援するなど、現地の実情に応じ、適切に対応できる体制の確保に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 企業誘致における市町村支援策についてお答えをいたします。

 市町村における新たな工業団地の造成あるいは調査検討の動きは、昨年後半あたりから徐々に出てまいりました。そこで県では、このような市町村の積極的な工業団地開発を支援するため、今年度、従来の支援事業に加えまして、いわゆるゼロ予算事業として市町村工業団地開発支援事業を実施しております。この事業は、新たに工業団地開発を検討する市町村に対し、企業ニーズを把握している県と開発ノウハウを持つ県土地開発公社が連携し、候補地の評価や開発手法の提案を行うことによって、個々の企業や地域の要望に合ったオーダーメイド型開発を円滑に推進しようとするものです。これまでに十四市町の五十四カ所について、現地調査を実施いたしました。その中で、開発コストや時期が企業ニーズにマッチした七案件について作図提案を行ったところ、三市町が本格調査に着手することになりました。このオーダーメイド型開発は、これまでの開発と違って、自治体があらかじめ対象業種を決めて開発前に企業に募集をかけるもので、自治体や土地開発公社にとっては、地域活性化に役立つ企業を選択できたり、資金回収リスクが回避できるなどのメリットがあります。また、進出企業にとっても、造成内容をリクエストできることから、形状の制約や建設の無駄を省くことができます。県といたしましては、この手法推進のため、これまで以上に市町村と連携を密にし、企業誘致や工業団地開発を推進してまいります。



○議長(中村慈君) 二十八番 大野泰正君。

   〔二十八番 大野泰正君登壇〕(拍手)



◆二十八番(大野泰正君) お許しをいただきましたので、質問を始めさせていただきたいと思いますが、まず質問に先立ちまして、去る九月九日、私の地元羽島市において信じられないような記録的な集中豪雨がございました。その際、知事さんを初め市原統括監、また関係部署の皆様、迅速な対応をしていただき、また復旧等にも御支援を賜り、本当にありがとうございます。どうぞこれからもしっかりとした都市基盤を築いていくために、また御支援・御指導のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 先ほどリニアの質問も久しぶりということでございましたが、私の方も平成十四年からちょっと途切れていた質問でございまして、ただ、一番最初は昭和六十三年、今は亡き松永先生が一番最初にやられた質問でございます。その後、本当に先輩方、多くの方が代表質問でやられておりますので、私がやるには荷が重いかもしれませんが、多くの先輩方がいることをぜひ私のバックに見ていただいて、しっかりとしたお答えをいただきたいと思っております。

 私の質問は、一宮西港道路について伺ってまいります。

 これは、平成元年に岐阜県が中部国際空港の立地選定において、岐阜県からアクセスのよい鍋田沖ではなく、岐阜県から非常に不便な常滑沖での整備に対して、県として合意するに当たり、合意に至る最大の条件として空港への道路アクセスのメーンルートとして合意条件の中に盛り込まれたものであります。このルートは、東海北陸自動車道の一宮ジャンクションからそのまま南進し、名古屋港に出て、名古屋三河道路という海底トンネルで中部国際空港へアクセスするというルートで計画されたものであります。皆さんも御存じのとおり、空港は既に二〇〇五年の愛知万博の直前に開港し、愛知万博も成功裏に終わることができましたが、今日、このルートはいまだ一メートルたりともできていません。今回の質問に当たり、先ほども述べましたが、過去の議事録を読み返す中で、この道路の早期完成に向けて、歴代の知事さんを初め県議会の先輩方の熱い思いが、そして県民の皆様の切なる思いが伝わってまいりました。昭和六十三年から平成十四年にかけて何度となくこの問題は取り上げられ、大半が代表質問の中で取り上げられていることからも、この問題の重さを、そしてこの道の重要性を一番あらわしていることだと思います。

 例えば、平成四年の前梶原知事の答弁には、北陸三県の知事さんからも大変強い要望が寄せられ、岐阜県が北陸三県の県民の皆様の思いさえも代弁しているということがうかがえます。また、平成六年の答弁では、平成六年二月二十二日に、岐阜県のふれあい会館で行われた東海北陸道広域地域整備連絡会の席上で、当時の鈴木愛知県知事が、みずから一宮西港道路を自動車専用道路で整備することを明言され、さらに名古屋三河道路とつなぐのが最善の案であることも提案されたことが記述されています。また、その場には富山県知事、中部地方建設局長、建設省の技官も立ち会っていたことが明記されています。そして、平成七年第三回の定例会では、代表質問に立たれた猫田先生に対して前知事の答弁の中で、平成六年十二月に一宮西港道路も名古屋三河道路も地域高規格道路として建設省が正式に認定したとの報告とともに、これでこの道路ができることは間違いないと、その喜びを語っていらっしゃいます。さらに平成十年には、この問題に対して知事答弁で、同年六月に一宮西港道路が候補路線から計画路線に格上げされたことが報告されています。しかしながら、平成十四年のこの問題に対する前知事の答弁は、「常滑合意のときの岐阜県の条件であるが、実際には平成十一年から愛知県が調査を始めたという状況でとどまっており、岐阜県として愛知県に積極的に取り組むように事あるごとに申し上げている」というものになっています。この答弁では、前知事のいら立ちを感じ取ることができます。平成十年に国が定める新空港の基本計画となる空港計画案の最終まとめがされ、その中に、新空港の生命線は道路アクセスであることが特に強調された最終案が出されています。最終案に沿って、国に対して、愛知・岐阜・三重の三県と並んで名古屋市、名古屋商工会議所、中経連が一丸となって国への要望書も提出しています。この要望書に一宮西港道路は当然明記されています。もともと鍋田沖から常滑沖へ合意するに当たっての岐阜県としての絶対に外せない条件であり、公の約束がなされていたからこそ、県として厳しい選択であったにもかかわらず、最終的に常滑沖への整備に対し合意したはずです。しかしながら、約二十年にわたり、さまざまな形で多くの先輩方がこの問題に取り組まれ、努力されたにもかかわらず、現状では約束がほごにされており、到底岐阜県民にとっては納得できる状況ではありません。

 私は、今回の質問に当たり、調べれば調べるほど、この道が単なる空港アクセス道路ではなく、さまざまな面からなくてはならない道であることを確信できました。しかも、この二十年間の環境の変化は、この道の価値をさらに高めています。このルートは、名古屋の混雑に巻き込まれることなく名古屋港、中部国際空港にアクセスでき、特に岐阜市や大垣市からの時間短縮はもとより、名神高速道路沿線や東海北陸自動車道沿線からの時間短縮とともに、名古屋高速や、名古屋市内の渋滞緩和や、緊急時の迂回路として、このルートの費用対効果は広域的な視点、経済面はもとより環境面等も含め、そして何より中部国際空港が名前に恥じない機能を持ち合わせ、中部圏全体に愛される空港になるためにも必要不可欠な道であることは間違いありません。一日も早い着工に向けた取り組みの強化を中部圏全体団結して取り組むことが、今日まで以上に中部圏の発展に欠かせないものとなっています。

 また、この問題は愛知県議会でも再三取り上げられています。特に愛知県議会の場合、名古屋港のスーパー中枢港湾整備と絡んで、特に経済的な面から、今後の愛知県の健全な発展に欠かせない道であることが、その早期着工を望んでいる理由であります。

 先ほども申しましたが、平成元年から既に二十年がたとうとしている今日、さまざまな社会的状況が変化し、この一宮西港道路には、単なる空港アクセス道路としての有効性以上に、中部圏の未来の活力に、そして何よりも私たちの岐阜県の未来を開くためになくてはならないルートになっていることを皆様に御理解いただきたいと思います。

 そこで、資料を用意させていただきました。こちらの資料でございます。皆様のお手元にあると思います。傍聴の皆様は申しわけございません。そこには資料がございませんので、お聞きいただければと思っております。

 まず二ページをお開きください。このグラフと、あと十二ページ、十三ページのグラフをぜひまずごらんいただきたいと思います。よろしいでしょうか。御存じのとおりですが、中部圏の経済力をデータであらわしたグラフです。

 中部圏は、データで見ると、貿易黒字は日本全国の六割を占め、製造品出荷額、付加価値額の部門で首都圏を上回り、今日の日本経済は中部のものづくりが牽引していると言えます。この成長を支えているのは、東海環状自動車道を初めとする高速道路ネットワークの整備による産業の活性化や効率化が図られたことが大きく貢献しています。県内でも、御存じのとおり、東海環状東回りルートの開通により、先ほどもお話がありましたが、沿線の工業団地が完売したことだけでも、その効果はおわかりいただけると思います。

 続いて、十五ページの下のグラフをごらんください。このグラフを見ていただくと、未開通の東海環状自動車道の西回りルート沿線と開通済みの東回りルート沿線で比較すると、いかに物流のネットワークの整備が地域の活性化に大きな力となっているのか、一目瞭然に見てとれると思います。次に三十ページをごらんください。ホウレンソウの出荷が出ておりますが、ここでは、この物流ネットワークによって、決して工業品だけではなく農業生産物にも大きな変化をもたらしていることがおわかりいただけると思います。

 それでは六ページにお戻りください。六ページの地図のところにいろんな表がありますが、この表から見てとれることは、東海環状自動車道や伊勢湾岸自動車道の交通量の増加が顕著であるということですが、これは当然のことであります。この図の中では、特に名古屋高速一宮線における増加とセントレアラインの減少に注目していただきたいと思います。名古屋高速一宮線が名神高速一宮インターと接続し、名古屋高速一宮線経由での名古屋市内、名古屋港への交通量が名神沿線や東海北陸道沿線から増加したことが推測されます。さらに、セントレアラインの減少からも、この全体の増加分が名古屋市内や名古屋港への交通量の増加であることはおわかりいただけると思います。実際、その影響で、私の住んでいます岐阜羽島の名神高速岐阜羽島インターと一宮インターの区間では渋滞が頻発しております。来年には東海北陸自動車道の全線開通も予定され、開通後にはさらなる流量の増加も予想されるところでありますが、せっかく日本海と太平洋を結ぶ大動脈であるはずの高速ネットワークにもかかわらず、今言いましたこの部分で既に動脈硬化が起こって血栓もできています。このままでは、近い時期に血栓が爆発して機能停止に至ることは明らかですし、このことが中部圏全体の経済、ひいては日本経済を牽引している中部圏のものづくりを支える物流に大きな障害になることは間違いありません。現在、さらに充実した世界への玄関口となるべくスーパー中枢港湾としての整備を進める名古屋港へは、今後、より一層国の内外からさらなる貨物量の増加は当然のことであり、道路整備により名古屋港を中心により広い範囲から物流が起きてきます。

 このような状況の中で、既に混雑の激しい名古屋市内を今まで以上に車両が通過することは、大変無理があります。現在、名古屋高速一宮線の南進工事がされていますが、このルートも名古屋の中心部を通過しなくてはならないため、名古屋中心部の渋滞をより一層深刻なものにすることが予想されます。現状の計画では、岐阜や北陸からのアクセスには常にこの混雑に巻き込まれることになります。これでは、中部圏の健全な発展に大きな障害が残されるとともに、中部圏の東と西で大きな格差ができてしまいます。このような状況が容易に予想されるわけですが、この状況を一変させるだけのポテンシャルを持っている道が、今申し上げております一宮西港道路であります。

 ここで四ページをお開きください。この地図の東海北陸道一宮ジャンクションから伊勢湾岸道の湾岸弥富インターに向かって、ぜひ皆さんペンをお持ちでしたら、太い線を引いてみていただきたいと思います。ちょっとわかりにくいといけませんが、真ん中辺の少し左の上の方です。ここが東海北陸道の一宮ジャンクションです。そして、そのまま真っすぐ南へ線を引いていただくと、湾岸の弥富インターチェンジに当たります。本来は、ここからセントレアまで海底トンネルでということでございましたが、きょうはとにかく、まずこの道路について御理解を賜りたいと思っています。今、引いていただいたところが、中部国際空港の常滑沖合意のときに岐阜県が合意の条件として国や他県と協議の上、盛り込まれている一宮西港道路です。全体を見ていただければ一目瞭然ですが、この道によって東海北陸道沿線や名神高速道路沿線から名古屋市内への混雑に巻き込まれることなく、名古屋港や中部国際空港へ安定したアクセスが可能になります。そして、日本のど真ん中の大動脈として、太平洋と日本海を結ぶ東海北陸自動車道が、まさに日本の背骨として太くしっかりとしたものになることがおわかりいただけたと思います。これは北陸方面も含めて中部圏全体の、農林水産業も含めすべての産業の発展に寄与するものであります。そして、このルートが岐阜県の未来を担うものづくりの集積のための大切な流れをつくり出し、中部圏全体のこれからの健全な発展を担う重要な道であることから、何としても現在の状況を打破し、早期着工に向け、先人の皆様の熱い思いもしっかりと受けとめていただき、常滑沖合意条件の継承者としての古田知事が先頭に立っていただき、この道が岐阜県の未来を明るく豊かなものにする大きな力として一日も早く機能するように、中部圏の知事さんを初め経済団体など多くの人の心を束ねていただき、大きな力として建設促進の大きなうねりをつくり出し、国や愛知県などに対し早期着工を強く働きかけていただきたく、古田知事の力強い未来を開く御答弁を願うものであります。どうぞよろしくお願いします。

 それでは次に、産業観光についてお尋ねしてまいります。

 昨今の観光の新しい要素として、ものづくり産業自体を観光資源とする産業観光が注目を浴びております。産業観光とは、歴史的・文化的意味を持つ工場遺跡や機械器具などの産業遺産や生産現場、産業製品などを観光資源として、それらを介してものづくりの心に触れることによって人的交流を促進する観光と定義されています。

 一般的に観光というと、いわゆる観光名所に出かけて、美しい風景を見たり、その土地のおいしい食べ物を食べてお土産を買って帰るというのがパターンでありますが、訪れる者にとっては、非日常の世界で楽しく過ごしたいという願望があります。また、最近の観光動向は、団体旅行から家族や友人との少人数グループ旅行へと形態が変化しつつあります。それに伴い個人の関心やテーマを持った目的型観光へと志向が移っています。これらの観光は、単なる楽しみだけではなく、個々の感動や欲求を求め、人生と日常生活を豊かにすることが目的となっており、関心や興味の対象が多様化する観光客に対し、感動、学習体験を提供する新たな観光としての産業観光が今脚光を浴びてきています。

 海外においては、特にヨーロッパの国々では、産業発祥の地にふさわしく、地場産業の保存とともに観光資源としての活用が進んでいます。一例を申し上げますと、ヨーロッパの高級ブランドで皆様も御存じだと思いますが、ドイツの陶磁器のメーカーのマイセンでは、観光客に対して磁器の成形、ろくろ作業、絵つけなど工程見学や作陶体験にも参加ができるようにしてあり、また年に二回、特別なファクトリー・オープンデイで一日九千人もの観光客が訪れるなど、年間で三十三万人もの観光客が訪れています。このようにファクトリーを公開し、じかに顧客と接することで、さらにマイセンファンをふやし、ひいてはブランド力の向上につながっています。

 本県においても、既にそういう民間での取り組みをしていただいたり、さまざまなことをしていただいてはおりますが、特に全国的に有名な刃物、和紙、陶器、アパレル、木工などすぐれた地場産業を有しています。また、近年はIT産業、航空宇宙産業を初めとした先端産業の集積もされてきており、日本のものづくりの中心地と言える中部圏産業の集積拠点の一角を担っています。これらの産業が、歴史とともに地域で培われた文化と融合し、産業観光の資源として豊富に存在しているのです。

 さらに、これから東海北陸自動車道の全線開通が予定されており、東海環状自動車道との相乗効果や、さらには先ほど申し上げた一宮西港道路などが完成すると、その沿線には今まで以上にものづくり産業の集積が予想されます。このことは、物流面のみならず、人の交流が促進し、ますます本県のものづくり産業の活性化や集積化が見込めるところであります。

 このように、私たちの岐阜県には、潜在的に数多く存在し、今後さらなる増加が見込まれる産業観光資源を生かすことは、今後の観光産業全体の振興にとって何より重要なことであると考えます。自然資源や歴史的建造物に大きく依存してきたのが今日までの観光産業であったことは事実ですが、観光産業振興の新たな資源として、今日まで活用されていない産業観光資源を掘り起こすとともに、今後、県内に進出していただける企業などにもできるだけ産業観光の資源となっていただけるようなアプローチをしていくことが必要だと思います。

 ここで、資料二をごらんください。ここに「中部への旅モデルコース」というのがあります。ちょっと時間がありませんので、後ほどゆっくり見ていただければと思いますが、これを見ていただければ、岐阜県は地勢的に中部圏の中心に位置しているため、資料に載っているモデル観光ルートには、大変ありがたいことに岐阜県を通るものが数多く見受けられます。ただ、単に県内を通過して他県に向かっているものもあることも事実です。この通過人口をいかにして県内に滞留させるかが、今後の岐阜県の観光産業をさらに発展させるためのポイントであることは御理解いただけると思います。道路ネットワークの整備は、県民生活にとっては大変重要なことでありますが、逆に時間的距離を短縮させることにより、今日まで宿泊を伴っていた特に飛騨方面への観光客が、宿泊を伴わない通過観光客になってしまうという側面もあわせ持っています。今こそ、特に美濃地域に潜在的に存在し、さきに述べたとおり、今後の増加が見込まれる産業観光資源の活用により、美濃地域での滞留時間を延ばすことが、東海北陸自動車道の全線開通後も飛騨地域の通過旅客を宿泊旅客として県内にとどまらせる大きな力となることは十分に予想できます。これから一層多様化する観光ニーズにこたえ、県内への総滞留時間を増加させ、岐阜県全体の観光産業の一層の発展を図るためにも、産業観光振興施策の中で、今日までも一部的には活用されてきましたが、新たな観光資源となり得る産業観光における県のこれまでの取り組みと今後の進め方について、産業労働部観光交流担当次長にお伺いしたいと思います。

 以上で、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の方からは、一宮西港道路について御答弁申し上げます。

 御指摘がありましたとおり、この問題は、これまで長い間、岐阜県としての強い願いということで、多くの先輩が取り組んできておられる大変重要な課題であるというふうに認識しておるわけでございます。既に御指摘にもございましたが、この道路は、空港を持たない本県にとりましては、岐阜・中濃・飛騨地域と中部国際空港を最短で結ぶ大変重要なアクセス道路であるということでございますし、また本県と貨物取扱量が国内第一位の名古屋港が最短でつながるということでございまして、県内の産業振興にとっても大変重要であるというふうに期待されるわけでございます。

 また、今年度末に全線開通を予定しております東海北陸自動車道と一体となって、太平洋側と日本海側をつなぐ大動脈の一環ということになるわけでございまして、中部圏にとりましてもさらなる発展の起爆剤になると、こんなふうにも期待されるわけでございます。

 御説明もございましたが、平成七年に岐阜県に中部国際空港対策協議会ができて、そして、この一宮西港道路を本県だけではなくて、北陸方面からの主要なアクセスというふうに位置づけて、以来、毎年要望活動をしておるということも承知しておるわけでございますし、また、私自身が会長をしております東海北陸自動車道建設促進同盟会、それから岐阜県東海北陸自動車道建設連絡協議会、こういった場におきましても、早期具体化について逐次要望してきておるわけでございます。このほか、例えば本年八月に行われました国、中部五県の知事、政令市長、経済界代表が出席いたします国土交通広域連携中部会議というのがございますが、この場におきましても、当県からは「中部国際空港の二本目の滑走路の整備を目指し、より一層の利用拡大を図るためには、岐阜県及び北陸方面からのアクセスとして一宮西港道路の整備が必要である」と。また、「このことを中部圏全体として意識していただきたい」と、こういうふうに意見を申し上げておりますし、また先月でございますが、まさに中部国際空港の会議室で行われました東海三県一市知事市長会議でございますが、その場におきましても、愛知県に対しまして空港アクセス道路の整備を強く主張したところでございます。

 いずれにいたしましても、今後とも国や愛知県に対しまして、あらゆる機会をとらえて、この一宮西港道路の重要性、そしてその優先度を高めて早期整備を図ることについて強く要望してまいりたいと思っております。

 特に現在のところ、中部国際空港の二本目の滑走路実現に向けた議論が出てきておるわけでございますが、この実現のためには、当然、さらなる利用促進ということが課題になってくるわけでございまして、利用促進を図るためにも、この一宮西港道路が不可欠であるという議論が当然なされるべきでありまして、私としては、この二本目滑走路の議論も一つのきっかけとして、一段と強力に一宮西港道路の整備を働きかけていきたいと、こういうふうに考えております。



○議長(中村慈君) 産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君。

   〔産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君登壇〕



◎産業労働部次長観光交流担当(志村隆雄君) 産業観光についてお答えをします。

 産業観光は、ものづくりの盛んな岐阜県の特性を生かした観光の形態であり、例えば最近では、郡上市にある食品サンプル工場が人気を呼び、多くの観光客が訪れております。また、産業観光は企業にとっても自社のPRや販売の促進、人材確保につながる事業として注目されております。県としましては、これまでに県内の産業観光施設を洗い出しまして、施設の特色や魅力をパンフレットやホームページとして取りまとめ、広くPRしてきました。また、愛知県と連携した産業観光スタンプラリーを実施し、誘客の促進に取り組んでまいりました。

 今後の取り組みにつきましては、議員御指摘のとおり、道路ネットワークの整備に伴い通過型の観光客の増加が懸念されます。このため、例えば若いファミリー層を対象にした参加・体験型の施設をめぐるコースや、熟年層を対象にしたものづくりの生産現場や先端技術に触れる学習型のコース、こういったいろいろなコースを設定するなど多様な観光客が県内に長時間滞在し楽しんでいただけるよう、きめ細かな施策と情報提供に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、より多くの企業などに産業観光への理解を深めていただくための研修会の開催や、施設を案内するガイドの育成支援など、受け入れ体制の充実を図ってまいります。



            ………………………………………………………………





○議長(中村慈君) しばらく休憩いたします。



△午後零時四分休憩



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△午後一時三分再開



○副議長(安田謙三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



            ………………………………………………………………





○副議長(安田謙三君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(安田謙三君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(安田謙三君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三番 太田維久君。

   〔三番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆三番(太田維久君) 三番議員、岐阜市選挙区選出の太田維久でございます。今回が初めての県議会本会議での質問になります。県民の方々の目線で是々非々の立場で臨みつつ、岐阜県の発展のために努力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、議長の許可をいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。

 まず一点目でございます。環境に優しい農業の取り組みについてです。

 去年十二月、国会で有機農業推進法が可決・成立し、ことし四月には有機農業の推進に向けた基本方針がまとめられました。この法律の中では、有機農業は「化学的に合成された肥料・農薬を使用しないこと並びに遺伝子組みかえ技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境の負担をできる限り低減した方法を用いて行われる農業」と定義されています。生産効率に主眼を置いた近代農業を批判し、農業と食、そして健康のためには農業本来のあり方を取り戻すべきだとして始まった有機農業は、日本の農業の中ではマイナーな存在でした。しかし、次第に農家や消費者への支持が広がり、このほど超党派の国会議員によって有機農業推進を国や自治体の責務とした法律が制定されたわけです。国の基本方針の中では、都道府県による有機農業推進計画や支援体制の整備などが求められています。岐阜県としても、有機農業を支えていくための施策が求められるようになります。

 そこで農政部長にお尋ねします。

 岐阜県内の有機農業は具体的にどういった状況なのでしょうか。また、一口に有機農業と言いましても、実際にやっていくためには、コストや労力、そのほかさまざまな課題があると聞いています。こうした課題についてはどうお考えなんでしょうか。そして、この現状と課題を踏まえ、ぎふクリーン農業を推進してきた岐阜県としては、今後どのような方針で有機農業推進計画を立てていくのでしょうか。また、有機農業推進のためにどのような支援を行っていくお考えですか。「ぎふ農業・農村振興ビジョン」の中でも、「安心・安全な食の確保と提供」は大きなテーマとして掲げられています。有機農業につきましても、農業政策の一つの柱に加えていただいて、活力ある農家づくりとともに消費者の要請にこたえていただければと思います。

 二点目です。一方で、これまでの農業についても改善を重ねていかなければならないこともあります。特に環境や生態系、とりわけ人体への影響を考える上で農薬の適正使用は重要です。この問題で、今、全国の状況を見ますと、有機リン系の農薬の使用と農薬の散布方法についての見直しの声が上がり始めています。

 まず、有機リン系農薬の使用を見直してほしいという意見について御説明します。

 有機リン系農薬は、農地での散布だけでなく、公園、街路樹などでも定期的に散布されることがありますが、最近の研究の結果、人体に深刻な影響があるのではないかという指摘が出ています。有機リン系の農薬など化学物質を、微量であっても長時間にわたって浴び続けることによって体のさまざまなバランスが崩れ、また、新たに体に入ってくるほかの化学物質を分解・無毒化する働きを損ねると言われています。そうしたことによって神経や精神の障害、思考や記憶力の低下、情緒不安定、それに動脈硬化や心臓疾患まで引き起こすと指摘をされているのです。これについては、去年三月の参議院予算委員会で、公明党の加藤修一参議院議員が質問したところ、厚生労働省の健康局長が「有機リンは急性中毒のほか、情動や精神活動など高度な脳機能に慢性的な障害を引き起こすおそれがある」と答弁し、慢性中毒があり得るという見解を示しました。さらに問題とされているのは、有機リン系の化学物質の影響がそのほかの化学物質によって体にさまざまな反応が出るようになる、化学物質過敏症という症候群の一因と見られていることです。有機リン系の化学物質については、農薬以外にも、シロアリ消毒にも使用され、さまざまな健康被害が報告されています。

 一方、農薬の散布方法ですが、この有機リン系農薬をヘリコプターを使って空中散布をすることを見直す動きがあります。

 その一つのきっかけです。県内の例ではありませんが、岐阜県と同様に、住宅地と農地が混在するところの多い群馬県でこの問題に取り組んでいる青山美子さんという医師が有機リン系農薬の空中散布が行われている地域に住む患者を長年にわたって診察し、有機リン中毒の治療を施したところ、回復が見られていることから、有機リン系農薬の空中散布とのかかわりを指摘するようになりました。こうしたことを踏まえ、去年六月、当時の群馬県知事が有機リン系農薬を無人ヘリコプターを使って散布をすることを自粛するよう農業団体に要請しました。これは全国でも初めてのことでした。現在は知事がかわりましたが、自粛の方針は変わらないそうです。

 確かに、農家の高齢化が進む中、有人であれ無人のラジコンのものであれ、ヘリコプターによる農薬の空中散布という便利な方法を見直すのは農家に負担を強いることになります。しかし、先ほど御紹介した青山医師によると、空中散布をされた農薬は、霧状に揮発するためにガスの塊になって空気中にとどまるということで、農地付近に住む農家の方に影響が出たという実例だけでなく、散布をした場所から一・五キロも離れた場所に住んでいる人にも、呼吸困難になる影響があったという実例を報告しております。健康被害の解明は難しいと思いますが、農業の盛んな岐阜県でも、こうした問題は他人事とは思えません。

 そこで、農政部長にお尋ねします。

 岐阜県内でも農薬の空中散布は行われていますが、今年度、どの程度実施したのでしょうか。また、来年度以降、県としてどのような方針で関係団体と協議をするおつもりでしょうか。そして、県内で行われる空中散布の中でも、有機リン系農薬を使用している実態はどうなっていますか。また、これまで述べてきたように、人体への深刻な影響が懸念される中で有機リン系農薬の扱いを今後どのようにお考えでしょうか。

 続いて、農薬の散布について気になることがあったのでお尋ねをします。農薬を散布する場合、事前に住宅地の近隣や学校、病院などに看板を立てたり、それぞれの施設に連絡をしたりと、十分な周知をするよう国が通達を出して求めています。ところが、今年八月、県内のある地域で無人ヘリによる空中散布が、住民への十分な周知徹底が行われないまま、行われようとしたことがありました。対象となる農地の近くに病院があったものの、この病院に連絡が入っていなかったそうで、市民の方から指摘がなされました。県の担当者や農業団体の担当者がすぐに対応して、その後十分な周知をした上で、後日散布が行われたのですが、国の通知が出ているのに、なぜ周知が行われなかったのでしょうか。そして、今後こうした事態が起きないよう、十分な周知指導が求められると思いますが、いかがお考えですか。

 既にEUでは、今年一月現在で、域内で使うことのできる農薬からほとんどの有機リン系のものが除外されています。人体の影響が少なく、環境に配慮した安心・安全な農業のために岐阜県でも取り組みを進めていただきたいと思います。

 三点目は、環境と健康の問題について、学校現場での環境対策「シックスクール対策」についてお尋ねします。

 今の質問でも触れました、有機リン系を初めとする化学物質に関して、子供への影響が特に心配をされています。子供は脳神経の発達が未熟なため、化学物質の影響が大人に比べて大きいと見られています。もちろん、脳の働きについては非常に複雑ですので、何が有害であるのか解明するのは難しいことではありますが、影響が危惧される物質はできるだけ触れさせることのないようにするべきではないでしょうか。また、脳神経以外にも、増加傾向にあるアトピーやぜんそくなどのアレルギー疾患の一因として、化学物質との関係が疑われています。こうしたことを考えると、有害とされる化学物質のリスクから子供たちを守ることは、教育現場にとっても緊急を要する課題と言えます。新築や増改築の住宅で、建材に含まれている化学物質に汚染された室内空気に接することによって頭痛やめまいなどさまざまな体の不調を訴える、いわゆるシックハウス症候群が社会問題になっていますが、このような健康被害の原因が学校施設にあると言われているのがシックスクール問題です。全国の自治体の中には、このシックスクールを未然に防ごうと、学校の施設で使われる化学物質についてガイドラインや対策マニュアルをつくるところが出てきました。例えば、神奈川県横須賀市はシックスクール対策マニュアルをつくっています。この中では、学校施設を新築したり増改築した場合、建築材料や工法、室内空気中の化学物質濃度測定などの項目を設けたり、施設内外の衛生管理に用いる薬剤についてのガイドラインから、効率的な教室の換気の仕方までを明記しています。かなり細かい点もあるのですが、こうしたガイドラインやマニュアルがあれば、教職員のだれもがシックスクールについての対応ができるのではないでしょうか。

 そこで教育長にお尋ねします。

 現在、こうしたガイドラインやシックスクール対応マニュアルは、ほかにも埼玉県、長野県などでつくられています。そこで、岐阜県としてもこうしたマニュアルによって教職員を初め学校関係者の理解を図ることが望ましいと考えるのですが、御見解をお聞きします。

 子供たちは、学校で長い時間を過ごします。岐阜県内の学校が子供たちにとって一層良好な環境になることを望みます。

 最後に、東海環状自動車道御望山トンネルについてお聞きします。

 去年三月に、国土交通省の調査検討会が「御望山の安全性は確認されない」とした調査報告書を取りまとめました。この後、およそ一年半にわたって関係住民にとってはやきもきをした状態が続いていたわけですが、先週、既に都市計画決定されているルートに加え、三つのルート帯、つまり道路が通るおおよその位置の案が提示されました。今後は住民説明会や現地調査などを経て、これらの中で比べて最も望ましいと考えられる比較優位ルート帯、事業者計画案が作成されるということです。

 そこで、今後の再検討のあり方についてお聞きします。

 公共事業に住民の意見を反映させるのが一般的でなかったことを考えると、今回の再検討は画期的と評価することができると思います。しかし、再検討に当たって、先週金曜日に国土交通省が公表した資料を見ますと、五年にわたる調査検討会の結論である「御望山の安全性は確認されない」ということが前提になっているのかどうか、疑問に思います。国土交通省岐阜国道事務所が配布している資料「道からの手紙」を見てみますと、結論である「御望山の安全性は確認されない」ということは「これまでの経緯と今後の予定」という欄で、わずかに触れられているだけです。

 また、新たに示された案でも、依然としてトンネルを設けるルート帯が提示されています。御望山の危険性を訴えて反対運動を続けてきた地区の方々からは、「御望山の安全性は確認されない」という結論を前提にすれば、トンネルを通す案は考えられないという声が上がっています。この案の場合、トンネルを通る場所は山の南斜面よりも北側で、山頂の下のあたりか山頂より北側のようです。しかし、報告書では、この部分にトンネルを通すことについても懸念が明記されています。報告書五章の六ページ、七ページに書かれているのですが、都市計画決定ルートの周辺にルートをとった場合の得失についてですが、「ルートをもっと山の奥に入れた場合であるが、南斜面下である限りほとんど変わりはない。」「北斜面に移せばいろいろと問題は小さくなる。ただし、北斜面といえども、かなり下部、ふもとの方まで持っていかなければ、山稜下、つまり尾根の下でも同様である。断層が多いこと、予期せぬ水の突出にあう可能性などは変わらない」としています。検討委員会の委員長を務めた志岐京都大学名誉教授にお聞きしたところ、トンネル内のカーブも急になり、山の構造上だけでなく交通路としてもリスクを抱えるおそれも指摘しておりました。

 そこで県土整備部長にお尋ねします。今後、住民説明会や意見集約が行われますが、その際には再検討の前提である「御望山の安全性は確認されない」ということについて、丁寧に御説明いただけるのでしょうか、県としての考え方をお尋ねします。トンネルをつくった際の安全性を懸念している地区だけでなく、御望山の北側、南側の地域の方々にも、報告書の結論が十分理解していただけるよう御努力をお願いします。

 一方、再検討の過程で、住民意見を反映するためにアンケートを実施し、意見を取りまとめるとしています。このアンケートについては、新聞報道では、岐阜国道事務所のコメントによれば、多数決で決めるわけではないということです。このアンケートの集約やアンケートに基づいた検討の内容、また、行った場合はボーリング調査のデータなどについても情報公開を行い、丁寧に説明をして住民参加の姿勢を変えないことを求めますが、この点では県はどのように考えているのでしょうか。

 御望山の急傾斜地崩壊危険区域を指定されたのは県です。答弁は求めませんが、県としては、この区域の方々の安全を確保するよう努める責務があることを指摘して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 大きく二項目にわたり五点のお尋ねがありましたので、順次お答えをさせていただきます。

 最初に、環境に優しい農業の取り組みについてのうち、有機農業の現状についてでございますが、平成十七年に改正が行われたJAS法に基づく有機認定件数は、平成十八年度末現時点で全国に千百二十三件あり、新潟県の百十一件を筆頭に、東北、北海道で多く認定されております。本県は十三件が認定されており、三十五戸の農家が有機農業に取り組んでおります。県内での生産品目は米・野菜・お茶など多種多様で、販売先は、特定の流通業者との契約販売、消費者への直接販売がほとんどとなっております。中にはアイガモ農法に取り組み、地域の食農教育に貢献されている農家もございます。

 県では、平成十二年に自治体として全国で初めてJAS法上の登録認定機関となり、有機農業の推進を図ってまいりました。また、ぎふクリーン農業に登録いただいた有機農業者が導入する機械施設への助成なども行ってまいりました。しかしながら、認定数については、ここ数年新規の登録がなく、現状維持の状況にございます。有機農業が増加しない要因といたしましては、栽培の手間や圃場の確保等、生産面の課題があること、また、有機農業のよさが価格に反映されないなど、消費・販売面の課題もあると考えております。

 次に、有機農業の推進計画についてでございますが、本県では、平成七年より農薬・化学肥料を三〇%以上削減するぎふクリーン農業に取り組み、その一形態として有機農業を位置づけ、推進をしてまいりました。御質問のありました有機農業推進法に基づく県推進計画につきましては、今後、生産者・消費者等の意見を伺い、ぎふクリーン農業推進の枠組みの中で、できるだけ早く計画を作成してまいりたいと考えております。計画に盛り込む支援内容といたしましては、現在のところ、消費・販売面の課題に対応して有機農業に対する消費者の理解増進やニーズのマッチングのため、有機農業者と消費者及び流通業者の交流の場を設定するほか、栽培技術の向上や販路拡大につながる有機農業者間のネットワークづくりにも取り組んでまいりたいと考えております。

 大きく二項目めの農薬の空中散布についてのうち、最初に農薬の空中散布の実施状況についてのお答えをいたします。

 県内のヘリコプターによる本年度の空中散布実施見込み面積は、有人ヘリが二千四百五十一ヘクタール、無人ヘリが一万四千八百六十二ヘクタールとなっております。有人ヘリは農薬飛散の懸念から減少し、かわって無人ヘリが増加の傾向にあり、これは全国的な傾向でもあります。有人ヘリによる空中散布につきましては、さらなる減少に向けて、市町村、農協等散布実施者と協議をしてまいります。また、ヘリコプターによらない散布方法につきましては、作業効率がやや落ちるものの、粒剤の利用や乗用散布機の導入などが考えられ、こうした手法の普及に向けても関係団体との協議を進めるとともに、機器導入に対する助成をしてまいります。

 次に、有機リン系農薬の空中散布の状況につきましてお答えいたします。

 空中散布で使用する農薬の種類については、農薬取締法の使用基準によって有機リン系農薬も認められています。しかしながら、環境に優しいぎふクリーン農業を推進している本県といたしましては、昨年度より農協等散布実施者に対して有機リン系以外の薬剤への変更を提案してまいりました。この結果、県内の空中散布での有機リン系農薬の使用は、平成十七年度には千二百四十ヘクタールで実施されておりましたが、本年度には五十三ヘクタールまで減少しております。来年度以降につきましては、使用面積がゼロとなるよう、引き続き散布実施者へ働きかけてまいります。

 最後に、住民への十分な周知徹底についてお答えをいたします。

 住宅地周辺での農薬散布の際には、住民への事前周知を徹底するよう、これまでも関係団体あての通知やパンフレットの配布等を通じて指導をしてまいりましたが、残念ながら議員御指摘のような事例があったことは承知をしております。今後の事前周知の徹底につきましては、自治体、団体経由だけでなく、地域の営農組合や農協等散布実施者のもとへ直接県職員が出向き、現場の担当者に事前周知の重要性を認識していただくよう指導を強化してまいります。また、農薬散布は学校・公園・道路の樹木管理やグラウンド等の雑草対策としても行われておりますので、農業関係団体に加え、公共施設を所管する団体、関係者を含めた研修会を国や関係団体と連携して開催し、事前周知の徹底が図られるよう努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道御望山トンネルにつきまして、二点お答えを申し上げます。

 地元住民説明会につきましては、十月十七日から十月二十五日にかけ、ルート沿線の黒野、方県、網代、西郷、常磐地区において順次開催されることとなっております。地元住民説明会においては国から各ルート帯の比較について詳細に説明をされますが、その中で御望山調査検討会の経緯や結果についても、丁寧に適切に説明されるものと考えております。

 次に、再検討の過程における住民のかかわりについてお答えいたします。

 計画の再検討に必要な調査につきましては、九月二十八日の国の発表におきまして、東海環状自動車道の広報紙である「道からの手紙」に添付されたアンケートはがきによる意見聴取や沿線地域における地元説明会及び地質調査が行われるとされております。事業者計画案が作成される過程では、アンケートや地元住民説明会で寄せられた意見の概要や御意見に対する国の見解及び地質調査の結果が公表され、皆様からの御意見を踏まえた事業者計画案が作成されるものと考えております。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) シックスクール対策についてお答えいたします。

 シックスクール対策につきまして、県教育委員会では学校環境衛生の基準を示した文部科学省の学校環境衛生管理マニュアルに基づいて指導しております。具体的には、教室等の空気を清浄に保つための定期検査や日常点検を行っております。また、学校では毎年、家庭に対して保健調査を行い、児童・生徒一人ひとりの健康状態やアレルギー体質の有無の把握に努めておりますが、シックハウス症候群は原因や症状がさまざまで、症状発生の仕組みを初め未解明な部分が多く、教職員や保護者の理解も十分な状況とは言えません。このためシックハウス症候群についての理解と健康被害の未然防止などより適切な対応を図るため、今後、本県でも独自のマニュアルを作成するとともに、教職員の研修を実施し、一層の指導啓発を行ってまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 十番 篠田 徹君。

   〔十番 篠田 徹君登壇〕(拍手)



◆十番(篠田徹君) ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、一般質問を行わせていただく前に、この場をおかりいたしまして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。

 私は、四月の統一地方選挙において、瑞穂市選挙区より初当選させていただきました。多くの皆様から負託をいただき、議会の中で質問をさせていただくことの意義、また議会における議決の責任の重大さをしっかり認識しながら、今後四年間、頑張って職責を果たしていく覚悟でございます。県民の皆様、先輩議員の皆様や同僚議員、知事を初め執行部の皆様方の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、今回、私は大きく二点について質問をさせていただきます。

 まず一点目は、県の財政運営についてであります。そして二点目は、児童虐待防止対策への取り組みについてであります。

 それでは、まず一点目の、県の財政運営について質問をさせていただきます。

 昨日の県政自民クラブ代表者質問の藤墳先生の質問と近似したところもありますが、私なりの視点で昨日の御答弁も参考にして行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 十九年度九月一般会計補正予算案から県の予算状況を見させていただきますと、総額約七千七百四十四億円とあり、歳入の部の主なものをあらわしますと、県税二千六百三十五億円、構成比三四・〇%、地方交付税一千六百六十三億円、同じく二一・五%、県債九百四十億円、同じく一二・一%、国庫支出金八百五十億円、同じく一一・〇%、繰入金三百七億円、同じく四・〇%、諸収入五百七十六億円、同じく七・四%など、その他すべてを合計いたしまして七千七百四十四億三千四百十四万三千円の県予算案となっております。この中で注目いたしますのは、県税の二千六百三十五億円であります。十九年度当初予算見込みより比べますと二十五億円の減ではありますが、十八年度当初予算と比べますと四百九十五億円、対前年比二三・一%の増加となりました。なお、十八年度当初予算で計上されました所得譲与税三百五十五億円が、十九年度から税源移譲され県税の一部に組み込まれたことから、これを単純に差し引きましても百四十億円、同じく五・六%ほどの増加となっております。

 次に歳出を見てみますと、教育費一千八百九十八億円、構成比二四・五%、公債費一千二百九十六億円、同じく一六・七%、土木費九百三十六億円、同じく一二・一%、民生費七百四十三億円、同じく九・六%、商工費六百一億円、同じく七・八%など、合計七千七百四十四億三千四百十四万三千円となっております。こうして収支を構成比率順に並べてみますと、教育費について全体の四分の一の予算をかけ、県民の教育の充実、文化の発展あるいは保護、スポーツの振興にと有意義に活用されているものと喜ばしく思います。

 さて、以上を踏まえて確認いたしますと、歳入における県債の発行高と歳出における公債費の返還額が目を引くところであります。ここで県債とは、地方公共団体の借金であります。地方公共団体では、道路、公園、学校等を建設するなど多額の経費を一時的に要する事業で、その効果が後年度に、すなわち今年度以降長期にわたり県民の皆様が利用されることから、単年度だけではなく、以降の年度においても負担してもらうことが適切であるものや、災害復旧事業など緊急に実施する必要がある事業を行うときに、その財源を確保するために、国や金融機関から長期に資金を借り入れています。県債の発行に当たりましては、原則として総務大臣に協議することとされております。県債を財源とすることができる事業は、法律−地方財政法第五条等−で決められていて、先ほども申し上げました道路、公園、学校等の公共施設の整備や災害復旧事業、また水道、病院などの料金収入があって、県債の償還ができる公営企業のための経費などに限定されております。県債の借入先としては、国等の資金−財政融資資金等−、公営企業金融公庫資金や民間等の金融機関があります。

 岐阜県の県債の中身を精査してみますと、一般単独事業債二百九十七億五千六百九十万円、一般公共事業債二百二十六億六百万円、臨時財政対策債二百十億円などが重立ったものであります。このうち臨時財政対策債の二百十億円につきましては、先ほど説明いたしました公共事業向けではなく、地方団体の財源不足を補うため、従来、国の交付税特別会計借入金より措置され、地方に交付されていた額の一部について、平成十三年度から地方債に振りかえられたものであります。返済時には地方交付税により全額手当てされることになっており、将来の地方交付税の前借りのようなものと言えます。そして、会計上では一般財源にも充当され、政策的にどのような経費にも使うことができるとされております。

 次に、公債費について述べてみたいと思います。

 まず、公債費とは、地方自治体が借り入れた地方債、すなわち先ほど述べました県債の元利償還費と一時借入金利息の合計であります。ここで参考までに、岐阜県においての県債の残高は、十九年度当初で一兆二千九百十七億円に上ると報告されております。さきにも述べましたように、我が県においての十九年度の公債費は一千二百九十六億円となっております。

 前回の岐阜県議会六月定例議会におきまして、渡辺信行先生が県政自民クラブ代表者質問をされました中で、財政運営の質疑に対し、知事の答弁を一部抜粋要約させていただきますと、「各種指標は、十七年度は御指摘のとおり全国的に見てもまあまあのところであろうが、今後においては急激に悪化の方向に進むであろうと予測され、危機的状況に陥る前に、どう踏みとどまるか正念場を迎えている」と説明されるとともに、「政策的に自由に使える予算が十八年度では当初予算の約七%、五百三十二億円、十九年度は五%の四百億円弱というところまで来ております」と答弁されました。

 私は知事が県政の総点検を実施する中から財政の将来への不安を感じられ、行財政改革大綱を作成され最優先課題とされました県債残高減への転換、これを図るために、県債発行額を十八年度対比で五%抑制とされたのではないかと考えますが、本当に県民の皆さんに今必要である事案につきましては、真摯に耳を傾け最少の費用で最大の効果を生み出すためにはどのようにすればよいのかを、行政職員、執行部、議会が真摯に論議を交わしながら実行していく必要があると私は確信いたしております。必要以上に緊縮した財政運営が本当に適切であるのかどうか、疑問を覚えるところであります。

 一例を挙げさせてもらえれば、今回の一般会計補正予算案の中にあります歳出項目で八款 土木費、二項 道路橋梁費、二目 道路橋梁維持費七十七億八千六百二十六万五千円のうち、三億円は三重県を通る国道二十三号木曽川大橋で、六月にトラスの斜材が破断したのを受け、県内百八カ所のトラス系橋梁を緊急点検した結果、鋼材の腐食や変形が確認され、通常補修対応の範囲を超える状況の橋梁について、緊急の安全対策を実施されるようですが、我が県においては、一九九九年、既に木曽川上流の県道にかかる愛岐大橋において−ちなみにこの橋は岐阜県各務原市から愛知県丹羽郡扶桑町にかかっております−今回と同様の破断が見つかっていた事案があった事実をとらえ、しっかり予算づけを行うべきは行われていれば、平成十六年度にあらわされました「県民協働宣言」の中の五番、「すべての県民が便利で豊かさを実感できる社会づくり」以上に記載されておりますアセット・マネジメントを活用しながら、国道・県道などの整備を実施できたのではないかと思います。このように一例をとらえさせていただいただけでも、今後、岐阜県におきましては、今までに建設されてきた施設や建設物などの維持管理費並びに修繕費など多くの歳費がかかるのではないかと予測されております。すなわち、人に例えるのなら早期発見・早期治療が大切だと思います。

 それでは、予算編成についてお尋ねいたします。

 昨日の県政自民クラブ代表者質問の中で、藤墳先生への答弁において知事は、「県政の基本方針は現場主義、そして対話重視、短期的には足元の問題解決の視点、長期的には子々孫々へどう引き継いでいくか、問題解決型の視点と未来づくりの視点から課題を広く見渡し、政策にめり張りをつけながら、確かなあしたの見えるふるさと岐阜県づくりを目指して、活力、安全・安心、自立の県政に努めてまいりたいと考えております」と答弁され、最後に、「将来の県民生活向上のために必要な施策を実現していくため、最大限の知恵と工夫を凝らしながら、明るい未来が見えるような予算をつくり上げたい」と述べられました。これらの答弁を踏まえた上で知事にお尋ねいたします。

 一つ、前回の議会で、知事は政策的に自由に使える金額が十九年度当初では約五%の四百億円弱と御答弁されましたが、そうした自由度が乏しい状況の中で、今後、県の予算編成に当たりまして、知事が一番重要に考えられる点は何でしょうか。

 次に、県債、公債費についてお尋ねいたします。

 知事は、昨日、同じく答弁の中で、「現在の公債費の負担増は、平成四年度から平成七年度に起債した二千百七十六億円の償還を延長した影響が多分にある」と話されましたが、県債とは、多年度にわたって利用されるものなど、後世にわたって負担されるのが適切であるとされていることをとらえるのならば、現在、県債としてあるものすべてについて、今後の財政見込みをしっかり検討した上で、自由度を高めるためにも、二つ目といたしまして、過去に金融機関等から借り入れ、起債した県債の公債費負担を償還期限を延長し、平準化する手法については、どうお考えになられますか。

 三つ目といたしまして、県債については、現在は予算案に係る議会承認時においては、起債の目的、限度額、起債の方法、利率、償還方法を個々の借り入れごとに個別具体にあらわすことなく議決を求めることができますが、事後においてそれらを公表することはできないでしょうか。

 四つ、県債の借入時点において、償還時点の償還条件を議会で十分に検討や審議することができればよいのですが、現行制度では難しいようです。そのため、県の財政負担を軽減するためには、地方交付税の基準財政需要額に算入する事業を選択したりすることも必要になってくるのではないかと考えております。また、予算の執行中において余剰金が出た場合には、償還の期日が来る前に繰り上げて償還するといった方法や、比較的資金に余裕のある基金から一時的な借り入れができるよう関係条例を改正し、活用するといった財政運用上の工夫もあり得るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 以上、合わせて三点、総務部長にお尋ねいたします。

 次に、大きく二点目の児童虐待防止への取り組みについてお尋ねいたします。

 子供は地域の大切な宝物であり、子供たちの元気に活動する姿はあすの社会を明るく、そして活力あるものとしてくれます。

 ここで私ごとではありますが、この夏、甲子園に春夏と連続出場いたしました大垣日本大学高等学校の野球の試合を応援に行ってまいりました。球児たちと生徒が一つになり、一生懸命プレーや応援する姿は、久しく私の中から忘れていた熱いものを思い起こさせてくれました。多くの子供たちはすばらしい体験や学習を重ねながら、社会の一員となるべく成長していきます。片や一方で、本来、最大の保護者であるはずの人から起こり得るはずのない虐待を受け、肉体的にも心にも深い傷を負い、最悪のケースでは命を失ってしまうケースすらあります。これらが報道されるたびに、地域の人や行政が何かできたのではないかと思うのは私だけではないと思います。また、これらのケースは特別なことではなく、皆さんの身近でも起きているかもしれません。

 厚生労働省発表資料によりますと、平成十八年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待相談対応件数は、速報値で過去最高の三万七千三百四十三件に上り、平成十七年度の三万四千四百七十二件から二千八百七十一件の大幅な増加であり、国が児童虐待の統計をとり始めました平成二年度から比べますと約三十四倍の増加であるという結果でした。

 また、平成十七年四月一日に改正児童福祉法が施行され、市町村においても児童家庭相談に応じ、必要な調査及び援助を行うこととされたことを踏まえ、資料を確認いたしますと、児童虐待対応件数四万二百二十二件と報告され、すべてを合計いたしますと、十七年度においては七万四千六百九十四件となっております。このように、市町村への相談も年々増加の傾向にあり、対応に当たる家庭相談員など職員の方々の御苦労も並大抵のものではなく、休日や夜間の緊急な相談も多いと聞いております。

 以上のように相談業務がふえる一方で、岐阜県内におきましては、対応する職員数は四十二市町村で常勤職員六十八人、全体の六六%、非常勤職員三十五人、同じく三四%の、以上百三名で対応いたしております。そのうち児童福祉司等の有資格者でない一般事務職員ほかが二十九名、全体の二八%お見えになり、複雑多様化する相談業務に対応するためには、スキルを高めていただくことが必要であると思うと同時に、市町村だけでは対応し切れないような専門性の高い困難事例への対応につきましては、岐阜県子ども相談センターが適切に市町村と連携をとりながら解決していくことが必要だと私は感じております。このことからも、県の機能強化の必要性を強く切望いたします。

 最近、県内においても、次のような痛ましい事例が発生しておりますので、ここで報告させていただきます。

 新聞によりますと、ことしの三月二十八日に意識不明となって入院していました一歳六カ月の子供が、七月十四日、入院中の岐阜県多治見市内の病院で死亡いたしました。警察の調べでは、母親は自宅で次男の頭を畳に押しつけるなどをし、脳挫傷などのけがを負わせ、また食事を与えないなど育児放棄の状態でもあったらしく、次男の体は入院当時やせていたとのことです。母親は五月上旬に三男を出産し、岐阜県中濃子ども相談センターに「重体の子供が入院している」との病院からの知らせで、長男−三歳−と三男を保護し、二人は現在、県内の児童養護施設や乳児院で暮らしているとのことであります。そして、八月六日、この母親は傷害致死罪で起訴をされました。このほかにも、九月五日の新聞によりますと、昨年十月、男性が同居していた相手の女性の長女−当時小学校五年生−を木刀で頭を殴り全治十日間のけがを負わせ、羽島署に逮捕されるという事案もありました。このように、虐待事案はよそのことであると思われずに身近な問題であるとしてとらえていただき、本県においても、今まで以上に児童虐待の早期発見及び未然防止に努めることが重要であります。今後は、今まで以上に各市町村の児童相談員の方々との連携を深めながら、岐阜県子ども相談センターの担っていく役割や責任は大きなものがあると思います。

 そのような中、いま一度、岐阜県子ども相談センターの業務内容を見させていただきますと、養護、保健、障害、非行、育成相談ほかと、多くの業務が行われております。資料によりますと、十八年度、相談受け付け件数の総数は四千九百九十一件−前年度四千六百四十七件−に上り、前年度比一〇七・四%と増加傾向にありました。相談種別で最も多いのは知的障害相談の二千四百六十九件、全体の四九・五%であります。次いで児童虐待相談の四百七十二件、同じく九・五%、性格行動相談の四百四十七件、同じく九・〇%、言語発達障害等相談の四百二十件、同じく八・四%、養護その他の相談の三百六十一件、同じく七・二%と続いております。また、県内の児童人口三十六万七千三百三十九人に対する相談割合は一・四%となり、児童人口一千人当たりで見れば、過去五年間は十人から十三人程度で推移いたしております。平成十八年度の受け付け件数を平成九年度と比べますと一・四四倍となっております。また、平成十八年度の児童虐待相談では、職権による立入調査が三件あり、警察官の方と一緒に同行しまして対応した件数が九件、児童福祉施設への入所が六十六件となっております。

 このことからもわかりますように、子ども相談センターには多くの簡単には解決できない、また真剣かつ必死に取り組まなければならない事案が多数寄せられております。私は、子供たちの最後のとりでである子ども相談センターのソフト及びハードの機能の充実をもっともっと図っていくべきと思います。そして、国の施策を待っているのではなく、岐阜県として積極的に児童虐待対策を打ち出すべきではないかと考えております。

 そこで、健康福祉部長に二点お尋ねいたします。

 一つ、児童虐待防止の最後のとりでである岐阜県子ども相談センターの今後の充実や虐待防止への取り組みをお伺いいたします。

 二つ、次に、県として市町村の第一線で相談業務に当たる職員の皆さんや、地域における関係機関との連携・支援への取り組みについてお伺いをいたします。

 以上をもって私の質問は終わらせていただきますが、県の財政運営についても児童虐待防止への取り組みについても、今すぐ取り組まなければ、将来、今以上に大きな懸案を残す事案であると思います。知事を初め行政執行部の皆様方におかれましては、真摯に検討された、将来に実りある答弁をお聞かせ願えることを切望し、以上をもって私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 財政運営、とりわけ予算編成につきまして、まず私の方から一般的な考え方、そして後ほど部長の方から各論について御答弁させていただきます。

 御指摘がありましたとおり、今後の県の予算編成につきまして、一段と厳しい財政状況が続くことが予測されるわけでございまして、引き続き自由度の大変乏しい中での編成作業を余儀なくされるというふうに考えておるわけでございます。こうした中で、県としては、一方で財政の節度を維持しながら、他方で財政運営上の知恵と工夫を凝らし、歳入確保対策も講じていくことが大事であります。また、歳出につきましては、県民の皆様の声に真摯に耳を傾け、最少の経費で最大の県民福祉の実現を目指し、必要な事業を実施していくという方針で臨んでまいりたいと考えております。

 なお、この九月補正予算におきましても、同様の考え方に立ちまして、道路や橋梁の安全・安心対策、これについては先ほど御指摘がございました。また、総合周産期母子医療センターの早期指定を目指すための地域医療対策、地域の保護者の方々からの強い御要請におこたえして、障害の重い児童・生徒を前倒しで受け入れるための特別支援学校の整備など、県民生活の現場で真に必要とされる事業にもきめ細やかに対応することといたしております。



○副議長(安田謙三君) 総務部長 冨田成輝君。

   〔総務部長 冨田成輝君〕



◎総務部長(冨田成輝君) 財政運営につきまして、三点御質問がございました。

 最初に、公債費負担の平準化についてお答えいたします。

 先ほど知事からも答弁いたしましたとおり、本県の財政状況は厳しく、財政的自由度も極めて低い中にありまして、今後の財政運営に際しては、あらゆる対策についてその可能性を検討していかなければならない状況になっております。限られた予算の総枠の中で、義務的・固定的経費についてもどういった工夫ができるか、検討が必要であります。

 御質問の、過去に発行した県債の公債費負担を平準化することにつきましては、安易な財政負担の先送りということにならないよう、十分慎重にならざるを得ないと考えております。

 次に、県債の内容の事後公表についてお答えいたします。

 県債借り入れ時における発行額、利率、償還方法、利払い日など具体的な内容につきましては、現在、民間資金借り入れ分について、地方債情報といたしまして地方公共団体、金融機関、投資家向けの情報誌に公表されてはおりますが、今回議員から御提案のございました県債の内容の事後公表につきましては、県民の皆様にできる限りわかりやすい情報公開を行っていくという観点から、県のホームページに掲載するなど、積極的に公表する方向で検討を進めてまいります。

 三つ目でございますが、財政運営の工夫についてお答えいたします。

 県債につきましては、発行の前提といたしまして、予算編成過程等を通じてその規模を吟味し決定していくことになりますが、実際に発行する場合には、現状では県債の元利償還金について基準財政需要額に算入する仕組みは、かつてに比べて大幅に縮減はしておりますが、後年度に基準財政需要額に算入される割合の高い県債を選択するなど、あらゆる面において、よりよい発行条件となるよう工夫をしていくということでございます。

 財政運営の工夫につきましては、議員から幾つかの御提案がございました。剰余金が発生した場合には将来の負担を軽減する県債の償還をするとか、当面の対策に備える基金の積み立てをするとか、その時々の情勢に応じ比較検討する必要があると考えます。さらに、余裕のある基金からの借り入れなども含め、財政運営に際し、想定されるさまざまな工夫の中からよりよい方法を検討の上、的確に対応してまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 児童虐待防止対策について、まず子ども相談センターの今後の充実等についてお答えいたします。

 現在、県下五カ所の子ども相談センターには、専門的な知識を持つ児童福祉司が三十一人配置されております。しかし、議員御指摘のとおり、相談件数が年々増加し、さらに内容が複雑化しておりまして、職員がその対応に毎日追われているのが実情でございます。さらに、児童虐待防止法の改正によりまして、平成二十年四月一日からは立入調査の強化、また保護者に対する面会・通信の制限の強化などが求められております。県としては、従前から児童福祉司の増員に努めてきたところではございますが、今後はさらに増員を図りまして体制を強化してまいりたいと考えております。

 また、今回発生しました死亡事案への対応としましては、本年九月に弁護士、大学教授、医師などをメンバーとして児童福祉審議会に児童虐待事例検証部会を設置し、児童虐待の原因の分析・対策を検討しております。県では、報告をもとに市町村との連携強化のための施策の充実を図るとともに、今後の児童虐待防止に役立ててまいりたいと考えております。

 続きまして、市町村及び関係機関との連携・支援についてお答えをいたします。

 児童福祉法の改正によりまして、平成十七年度から市町村が児童相談に関する一義的な相談業務を行うこととなったことに伴いまして、県としましては、市町村職員の研修、児童相談に関する助言等を行うなど、市町村支援の役割を担っております。また、特に重篤なケース、困難なケースについては子ども相談センターが対応することになっておりまして、こうした形で市町村との役割分担、連携を図ってきたところでございます。

 また、平成十八年度末には、県下全市町村に市町村、学校、警察署、子ども相談センターなどの職員で構成する要保護児童対策地域協議会が設置され、情報共有や具体的な支援の検討などを行っており、児童虐待の早期発見、早期対応が可能な体制づくりが進められております。県では、今年度から子ども相談センターの職員OBを地域協議会へ派遣するなど体制の強化を図るとともに、引き続き市町村に対して必要な指導・助言を行ってまいります。



○副議長(安田謙三君) 二十番 高橋昌夫君。

   〔二十番 高橋昌夫君登壇〕(拍手)



◆二十番(高橋昌夫君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 二期目に入り、今期より県政自民クラブの会派の一員とさせていただきまして、初の一般質問でございますが、前期にも増して責任の重さを痛感いたしております。これからも初心を忘れず、任期いっぱい一生懸命に県民の負託にこたえてまいりたいと存じますので、議員各位、そして古田知事初め執行部の皆様の格別の御指導をよろしくお願い申し上げる次第でございます。

 それでは、岐阜県の活力を引き出す県政課題につきまして、日ごろ痛感しております二点に絞り、質問をさせていただきます。

 今、この議場におられます県議会議員の平均年齢は五十五歳でございまして、一年前の前期より何と六歳も若返りました。私自身もまだ若いつもりですが、右と左のひな壇におられます古田知事以下県執行部の皆様のほぼ全員が私よりお若くて、議場全体に清新はつらつとした息吹を感じます。しかし、今、岐阜県民二百十万人全体で見ますと、いわゆる二十歳から定年前の五十九歳までの働き盛りの現役世代は、残念ながら約半分の百十万人しかいないのでございます。その上、八年後の現役世代は百万人を割り、さらに三十年後になりますと七十万人まで激減すると想定されており、つい深刻になってまいります。

 今の日本社会は、少子・高齢化と人口の都市集中に伴い、再び都会と地方の格差が浮き彫りになっております。昭和三十年代の高度経済成長期に比べて格段に道路網も生活水準もよくなり、IT革命による情報化時代を迎えて全国津々浦々まで利便性が高まっているにもかかわらず、再び都心回帰ブームになってきたのは何ゆえでございましょうか。残念ながら、我が岐阜県は地方の部類に入るのでありまして、お隣の元気な愛知県では、例えば昨年の製造品出荷額が過去最高の四十四兆円に達し、三十年連続で全国都道府県のトップになったこととは極めて対照的な岐阜県ではないでしょうか。

 先ほどの現役世代のデータは、実は、県庁の若手職員によります岐阜県の将来構想研究会が、このほどまとめた大変貴重な資料、すなわち「人口減少の現状と課題について」の中から引用したものでございますが、さらに昨年の本県は約三千四百人の転出超過となりまして、その六割が愛知県へ流れております。そして、結婚で転出した方も、その八割以上が愛知県へ結婚で行かれております。この現実の一端だけでも、現役世代の若者の県外流出は地域社会を支える活力を失わせしめ、重大な社会問題ではないでしょうか。岐阜県の現在・未来を担う若い世代層が希薄となっては、税収不足や、さらに社会保障制度への不安を招き、生活基盤そのものを脅かして危機的状況に陥ります。

 国土交通省の昨年の調査でも、今後、全国の過疎地で二千六百四十一の集落が消滅していき、ここ十年以内では、中部圏の消滅率が全国一番だということです。もはや山間部にも、お年寄りさえいなくなるあかしとも言えます。将来構想研究会は、人口減少との闘いは県全体の総力戦になると展望しており、県政の上でも手をこまねいて傍観し、見過ごすのではなく、若い世代の県内定住対策を真正面から県政の柱とすべき段階に来ているのではないでしょうか。ふるさと回帰の二十一世紀に向けて、若者に明るい希望を与えて、岐阜県内に住み生きがいを実感できる魅力づくりをいかにしていくかが問われていると私は思います。

 そこで、各論的な少子化・子育て問題以前に、根源的でかつ必須条件となる若い世代の県内定住が重要視されるべき今日、若者が県外へ流れている実態について知事はどのようにとらえておられるのか、現状認識をお聞かせいただきたい次第です。その上で、早急に取り組むべき対策につきまして、私から問題提起をしたい次第です。

 第一に、若者の県内就職の促進でございます。

 雇用情勢に明るさが見えてきたのか、都会では若者の売り手市場になり、企業のサバイバルで時給千五百円とか、さらに就職内定の争奪戦が今起きております。翻って、この県庁へ私が来る途中でございましたが、四十歳から八十歳までの求人広告を見かけまして、思わず本当かと目を疑い、若い世代に期待できない岐阜県の現実を思い知らされました。八十歳でも来てくださいというお店があるんです。

 本県の企業誘致はすこぶる好調のようですが、さらに県自体が企業、学校、新卒者への積極的な働きかけ、Uターン、転職者の中途採用への支援、新規事業を始める起業家、新規参入者に対する助成、農林漁業、中小企業の後継者の啓発など就業サポートを従来にも増して強化しないと、若者の県外流出に歯どめをかけることは困難となります。また、若年層の賃金格差、フリーター、ニート、ワーキングプアに見られる社会的格差の最大の要因が、ある学者によりますとコンピューターの普及による技術変化にあると言われます。まさに職業能力の向上も含めまして、情報化、IT社会に適応できる教育システムも考えていく必要があるのではないでしょうか。その意味で、日本のシリコンバレーを目指すソフトピアジャパンの役割・機能を最大限に生かすべきです。つまり、本来の先端企業、研究機関へのアプローチに加えてソフトピアジャパン・ブランチ構想という立派なものがございまして、各地域や一般県民にも開放して、情報化時代に対応していくような青少年ら若手の人材育成に活用していただきたいと思う次第です。既に私の地元の揖斐川町、池田町では、このソフトピアジャパン・ブランチの一端を担っておる次第でございます。

 次に、自明の理とはいえ、出産にもつながる結婚への全面的支援を県レベルで真剣に、まじめに考えていただきたい次第です。実際問題、あちこちで結婚志願の独身男女がいながらもミスマッチになっています。晩婚、非婚、女性の県外への流出という現状を放置しては、結局は少子・高齢化に拍車をかけ、憂うべき事態を招くのであり、これをいち早く打開する必要があります。

 奈良県では、二年前に「結婚ワクワク子供すくすく県民会議」による「なら出会いセンター」を開設し、独身男女の出会いを応援する県民運動を展開しております。民間の結婚相談費用が高額であるだけに効果的かと思います。本県でも、各市町村、岐阜県商工会女性部連合会、ボランティア団体などが結婚相談事業などを個別に行っていますが、これらと連携しながら、信頼して安心して利用できる公的な結婚応援組織を立ち上げてはいかがかと思う次第です。

 それと、核家族時代における若い世代向けの住宅政策を推進することも、定住対策の重要なかぎとなります。独身アパート、二世帯向けの住宅、若者好みの産直住宅、住宅ローンなどさまざまな住まいの問題解決と住環境の改善に、県としても前向きに取り組むべきではないかと考えます。結構安い家賃の公営住宅にも人気がございます。

 次に、そのほか学校・地域・家庭においては、青少年を対象に郷土愛をはぐくむふるさと学習、自然環境との触れ合い、地域行事参加などを奨励し、田舎暮らしのよさを幼少時から体感していく新たなる青少年対策も大切にしていただきたいと思う次第です。同時に、かつて首都機能移転の推進運動で訴えてまいりました、いわゆる過密都市におけるその劣悪さ、不安感、危険性、さらにはそれと対比して地方の優位性というものをもっと広く宣伝していくべきではないでしょうか。

 最後に、JC、商工会議所・商工会青年部、青年のつどい協議会など、県下の各種青年組織とも連携して、県政参加への働きかけや活動支援を推進すべきだと思います。皆様のお手元に配布しましたこの「西濃青年のつどい協議会二十周年記念誌」、これは十月一日に開業しました養老鉄道のPRを兼ねて西濃全域、一部三重県の方にも新聞折り込みをされたものでございますが、その中で、さまざまな各つどい協議会の事業内容が紹介されております。地域に密着しながら熱心な活動を続けており、彼らの熱意に頭が下がります。こうした青年組織の役員や会員に呼びかけ、彼らの斬新な発想や活躍ぶりを生かして青年層の出番を促し、存在感を発揮してもらうのも岐阜県の活力につながると確信いたします。渡辺猛之先生が岐阜県商工会青年部連合会の会長をお務めでございますが、渡辺先生にお聞きいただければ、なかなかまだまだ行政からのアプローチがないんじゃないか、また、自分たちの意見を言える機会がないんじゃないかと思っていらっしゃると思いますので、渡辺会長からもお聞きいただければと思います。

 以上が、県政への私の願いであり、提案でございます。

 そこで、こうした一連の若い世代の県内定住対策に取り組むため、県庁組織として横断的、有機的、専門かつ総合的に担当する新設の部署を置くべきではないかと考えますが、知事の御決断はいかがでしょうか。そのメンバーも、同世代の県民としての問題意識を共有している若手職員で構成された方が成果も上がると思います。

 自由民主党総裁から内閣総理大臣に就任されました福田新首相も、初の所信表明演説で、「地方は人口が減少し、魅力が薄れ、さらに人口が減るという悪循環に陥っている」と述べ、都会との格差問題に対応するため、内閣に地方再生に向けた戦略を立案し、実行する体制をつくり、有機的・総合的に政策を実施していく決意を明言されました。たまたまけさのニュースで、内閣府にこの地方再生の対策本部を統一したものをつくるということが報じられておりました。今この時間、国会では論戦が展開されておりますが、どうか古田知事におかれましても、この議場におきまして、岐阜県でもまずこの専従の組織体制を整えた上で、若い世代の県内定住に向けて、どこに重点を置き、いかなる施策を講じられていくのか、御答弁いただきたい次第でございます。

 次に、ドライバーに大変好評であります道の駅の活用策につきまして、県土整備部長にお尋ねいたします。

 岐阜県は、いよいよ大交流時代の幕あけを迎えることになり、多くの経済効果と地域活性化が期待されております。その一翼を担うのが、全国で北海道に次いで二番目に多い四十九カ所にも上る県内の道の駅ではないかと考えます。道の駅は、国土交通省の提唱により平成五年以来、全国で八百六十八カ所が登録されていますが、中部圏では、九月の美濃市の道の駅を加えまして百四カ所となり、そして、この中部圏の約半数近くが岐阜県内のほぼ全域に点在し、張りめぐらされておるのでございます。普通に駅といえば鉄道の駅のことですが、岐阜県内にはJRの駅がちょうど六十カ所ありますが、それに迫るほどの道の駅が県内に設置されている次第です。皆様のお手元にこの中部「道の駅」マップをお配りいたしましたが、これを広げていただきまして地図をごらんください。日本のど真ん中にある岐阜県のこの道の駅はすばらしいです。オレンジで数字が囲ってございますが、このようにこの中部の真ん中に、こんなにまでたくさんの道の駅が岐阜県内にあるということは、これを見逃すわけにはいきません。

 県内に多くの道の駅が整備された理由としましては、県が、全市町村に道の駅を設置することを目標に掲げ、特産品の販売促進等の地域おこしの拠点として、また観光客の休憩施設として、さらに地域の情報を発信する情報拠点として活用できるよう、各市町村が積極的に取り組みを進めてきた成果だと思います。こうした道の駅は、中山間地域を初め過疎地の街道筋にも多く、過疎地域における経済の活性化に寄与する拠点にもなり、その地域の雇用の場にもなり、そして人や車の交流拠点になっていきます。この道の駅を今まで以上に活用していくことが、私たち岐阜県内の全体の地域活性化につながっていくはずです。この道の駅を点から線へ、線から面へと活用を拡大していけば、地域への恩恵ははかり知れないものがあります。道の駅の活性化については、当然市町村や地域の知恵と工夫により、地域の特性などに応じて取り組まれることが基本ではございますが、ノウハウや情報の共有、あるいは横の連絡はちょっと不足しているんじゃないかなあという懸念を抱きます。道の駅に関しましては、国土交通省中部地方整備局、中部ブロック道の駅連絡会、地元岐阜県ブロック道の駅連絡会、さらには県内の市町村とも、もっともっと連携をしていくべきと考えるものでございます。岐阜県としましても、この道の駅全体の魅力を向上させるとともに、いつも来ていただけるリピーターをふやすため、国・市町村や道の駅の運営者とも連携して、例えば統一したイベントを行ったり、さらにマスコットやシンボルづくりを進めていただき、盛り上げていくべきではないかとも考えます。

 お手元の今見ていただいております地図の裏側の右上には、この道の駅の施設の機能として二十三の図で示した例がございます。従来の休憩、物産販売、情報発信という機能に加え、これからは、今示されている機能のほかに、さらに行政サービス、防災拠点、そういったさまざまな機能も付加しながら道の駅をさらに活性化することが大切だと思う次第です。また、道の駅の中には経営的に苦しいところもありましょう。来客サービスの向上、誘客対策、販売品目の選定等について、市町村や道の駅の運営者にも県から働きかける、あるいは情報を得る、そういうことも大切だと考えます。こうした問題について、県として道の駅の活性化、さらには機能の強化に向けてどのようにお考えになっておられますか、県土整備部長にお伺いいたします。

 以上でございます。大変皆様、御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 若い世代の県内定住対策について、私の方にお尋ねでございました。

 まず、現状をどうとらえているかということでございますが、日本国籍の方というふうに限りまして、県外との移動の状況について申し上げますと、平成八年以降一貫して転出超過というのが現状でございます。かつ年々その転出幅は広がってきておりまして、近年では、大体毎年四千人弱が県外に流れておるということでございます。その原因といたしましては、職業、結婚、学業によって年間五千人を超える転出超過の状況が続いていると。他方で、これまでこれを補ってきた住宅取得による他県からの転入者数が、とりわけ愛知県に対する地価の割安感が薄れたということに伴いましてこのところ大きく減少してきていると、こういうことが上げられるわけでございます。また、男女別に見ますと、移動の多い二十歳代から三十歳代を見てみますと、平成十八年のデータでは男性が千七百人の転出超過に対して女性は二千二百四十三人ということで、女性の転出の方が顕著でございます。このうち、転出超過の状況をもう少し詳しく見ますと、平成十八年においては、職業を理由とするものが約半数近くの四八%、結婚等によりますものが三分の一、三三%、学業によるものが一九%というふうになっております。このうち最も大きい職業による転出でございますが、二十歳代前半が特に多い、かつ近年増加傾向にあるということでございまして、平成十八年は二千五百七十一人の転出超過になっております。主な転出先でございますが、約六割が愛知県、次いで首都圏が約三割ということでございますが、就職時に若者が職場を求めて都市部に出ていっているという様子が見てとれるわけでございます。次いで多い結婚等による転出でございますが、二十歳代後半から三十歳代前半がほとんどでございまして、そのうち女性が約八割ということでございます。平成十八年の転出超過が千七百八十八人、その八割以上が愛知県への転出ということでございます。

 こうした状況の中で、若者の県内定住を促進するための根本・基礎になりますのは、何といっても御指摘にもございましたが、地域への愛着や誇り、あるいはふるさと岐阜県に住みたいという気持ちをどうはぐくんでいくかということだというふうに考えております。

 私は、知事就任以来、ふるさとへの誇りづくりということを重視しておりまして、ふるさと教育の推進を初め、昨年度は飛騨美濃合併百三十周年記念事業、そして今年に入りまして、観光交流とふるさとのよさの再発見ということを組み合わせました飛騨・美濃じまん運動などを進めておるわけでございます。そして、また議員からは大変バラエティーに富んだ具体的な御提案をいただきました。今後の政策検討の上で、一つ一つ大いに参考にさせていただきたいというふうに思っております。

 県内定住を促進する観点からは、地域の魅力を高めるためにいろんな角度から取り組んでいくということが基本であるというふうに考えております。例えば、県内に若者が望む多様な職場を確保するという観点からは、企業誘致でありますとか、観光、医療、介護、福祉といったサービス産業の拡大でありますとか、あるいはまちづくりを支えるコミュニティービジネスの振興でありますとか、そういったことが必要ではないかと思うわけでございます。また、県内の若者を県内産業に結びつけるという観点からは、学校の児童・生徒が県内産業への、あるいは県内企業への興味と理解を深めていけるような、そういう機会を持っていく必要があるんではないか。あるいはその一環として、県内中小企業の魅力発信を強化していく、あるいは地元企業のニーズに合わせた研修といった人材育成支援も必要ではないかというふうに思っております。

 また、都市部への女性の流出を防ぐためには、仕事と家庭の両立−ワークライフバランス−に向けた県内企業の態勢づくり、地域における子育てのサポートの強化なども重要であるというふうに思っております。

 このほか、広く快適な居住空間を入手しやすくするような取り組みでありますとか、若者が集まり楽しめるような魅力あるまちづくりでありますとか、子供を安心して遊ばせることができるような安全な地域づくりでありますとか、そういった魅力づくりが必要であるというふうに思っております。いずれにしましても、この問題は長期的な明確な問題意識を持って、幅広い対策に息長く取り組んでいく必要があるというふうに思っております。

 最後に、新たな組織の設置という御提案がございました。

 本格的な人口減少局面におきましては、一方で若者の定住促進策も必要でございますが、同時に県外からの所得の獲得、技術開発を通じた付加価値の拡大など、幅広い対応も当然必要になってくるわけでございます。御案内のように、長期構想の策定に向けた作業を今始めたところでございます。その主要テーマの一つは、人口減少社会における地域づくりということでございます。まさに県庁内、部局横断的に若手職員から成る研究会をつくって取り組んでいくという構えを持ったところでございます。今後、御指摘の若者定住促進も含めまして、さまざまな観点から議論を深めてまいりたいと思っておりますので、御指摘の県庁内組織としてのこの問題への対応のあり方については、もう少し時間をいただきたいと思います。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 道の駅の活性化や機能の強化についてお答えいたします。

 県では、道の駅の利用を促進し、活性化を図るため、スタンプラリーや毎年八月十日の道の日に「道フェスタ岐阜」を開催し、積極的にPR活動を実施しております。しかしながら、一部の道の駅では利用者が減少しているところもあり、さらなる活性化を図るためには、議員御指摘のとおり、運営手法や情報の共有など道の駅間の連携が必要と考えております。

 また、最近では、「美濃にわか茶屋」や「飛騨古川いぶし」などのように災害時の避難場所やヘリポートなどの防災機能を兼ね備えた道の駅がオープンするなど、新たな機能を付加した道の駅が整備されており、本来の機能に加え、地域の拠点として多様な機能を持つ道の駅の整備が求められております。県といたしましては、今後、市町村と道の駅運営者によるブロック連絡会や各地域ごとに設立されている道の駅連合との連携をより密にし、情報交換や促進、多様な機能の研究、あるいは提案を行い、道の駅の活性化や機能強化に努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 十二番 川上哲也君。

   〔十二番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆十二番(川上哲也君) 通告に従い、質問させていただきます。

 まず最初に、「防災ぎふスタンダード」の作成について、それを提案し、質問させていただきます。

 さて、前回も防災について質問させていただきましたが、定例議会閉会後、一カ月もたたないうちに大きな地震が発生してしまいました。七月十六日十時過ぎに発災した新潟県中越沖地震、この地震によって家族を失われた皆様、そしてまた、今も不自由な生活を余儀なくされている皆様に対し、衷心よりお見舞いを申し上げるものでございます。

 私も、現地において約一カ月間支援活動に当たりながら、防災力向上についていろいろと考えさせていただきましたが、柏崎市では、みずからも被災しながら私たちと一緒に活動してくださった方も多くあり、本当に頭の下がる思いでありました。中でも、特に柏崎市立第一中学校の生徒が「私たちにもできることありませんか」と活動に加わってくださったことが本当に印象的で、その中に、自宅も被災したという子もありました。その子が、自分の家は半壊という被害を受けていながら、それにもかかわらず、食事を取りに来てみえた方に対して「皆さん、大変でしょうけど頑張ってくださいね」と、あの暑い中、笑顔で声をかけていた。その姿を見させていただいたとき、私も涙を流してしまいました。その後、彼ら、彼女らは夏休みを利用してずっと毎日来てくれ、多い日には三十人以上が手伝いに来てくれた、そんな日もありました。

 時間は前後しますが、七月十六日、この中越沖地震が発災した日、私も支援用の資機材をトラックに積んで現地へ向かいました。高速道路、そして国道八号が通行どめになっており、上越市から一たん十日町市付近へ行き、そこから山越えで現地へ入ったわけでありますが、現地へ近づくにつれて、電気も通っていない真っ暗な中で、月明かりの下で被災者の皆さんがいろいろと相談をされている姿が目に入ったり、そして町なかへ近づくと、多くの家が全壊になっている、そういったところが目に入ってまいりました。

 早速、三年前の新潟県豪雨災害や中越地震で一緒に活動した新潟県の青年会議所のメンバーと一緒に、最大の避難所となった柏崎小学校へ向かったわけですが、着いてみると救急車が何度も来て、何人もの被災者を病院へと運んでいました。もちろん、これはけがによる搬送ではなくて、避難所という特殊なところで初めて夜を過ごすため、不安など精神的なものも重なって、多くの方が体調を崩されたということでありました。

 さて、この地震を通じて岐阜県の防災力向上について考えさせていただいたことについて述べる前に、そもそも災害とは一体どういったものなのかと考えてみると、最もわかりやすい内容で話をさせていただきますと、例えば豪雪地帯で一メートルの積雪になっても災害にはなりにくい。しかし、例えば名古屋や東京のようなところで一メートルの雪が積もったら、それは災害になりやすい。つまり、その地域の備えによって自然現象が災害となりやすいこともあれば、災害になりにくくすることも可能である。つまり、天災発生をとめることはできませんが、災害に強い地域づくりを進めることは可能であります。しかし、その備えがなかなか進まないのも災害であります。

 今回の地震においても、三年前に近隣地域で中越地震という大きな地震があったにもかかわらず、同じような状態となっている部分もありました。その一つが、避難所に入れない被災者への対策。前回の議会でも避難所の運営について提案させていただきましたが、残念なことに、今回も避難所に入れない被災者、例えば夜泣きをする小さな子供を抱えているお母さんが避難所にはなかなか入れないですとか、肉体的な面以外で避難所へ入れない方が無理をして自宅にとどまってしまうということも多く、そういった方への支援について、残念な状況が見られてしまいました。

 自衛隊への炊き出し依頼についてもその一つであります。当初、行政側からは避難所にいる被災者だけのために炊き出しをしてと限定したことによって、水もガスも出ない、そして、散乱した家財道具で足の踏み場もないという被災者の分は食事が提供されないこととなり、その分は私たちも含めたボランティアが準備することとなってしまいました。このため、最も多かった日では、柏崎小学校の避難所だけで、それも夕食だけで三千食近くを配食し、そのうちボランティアが準備した数が一千食近くになることさえありました。ある自衛官がこう言われました。「自分たちは、人も機材も食料も持って被災地へやってきました。でも残念なことに、自分たちは指示がなければ食事を提供することはできません。この被災地で足らないのは、その指示だけなんです。目の前に困った方が見えるのは十分わかっているんです」。

 地震から三日目の昼、その柏崎小学校避難所からわずか二百メートル先にある柏崎高校避難所に見えた方がやってきてこう言われました。「わしは、柏高−これは柏崎高校ですが−に避難しているんだけど、ここでお昼をもらえないかね。実は十六日に地震が起こってから柏高では食事が全く配られていない。お願いだから食事を分けてほしい」。救援物資は大量に運び込まれました。そして、倉庫には山と積まれました。そのため、外からの物資も断りましたが、被災者にはそれが届いていなかったという現実。なぜそうなったのか、それは簡単なことでありました。倉庫から各避難所、各配給箇所へのデリバリーシステムが整っていなかったからであります。これではと思い、パンなどの食料がストックしてある倉庫へ行ってみました。そこには数千個のパンが、「本日廃棄予定」として積まれていました。一方では、もっと食べるものを配ってほしいという被災者が見えて、また一方では、パンやおにぎりが何千個も捨てられてしまうという状況、これが被災地の混乱なのであります。

 また、地震ではいつも課題となる救援物資についても同様であります。先ほども触れましたが、被災から数日後、早い時期に被災地から発信されたのは、「救援物資お断り」のアナウンスでありました。倉庫が物資で満杯となった映像もテレビで流されましたが、それでは、被災者に物資が本当に届いていたのかというと、そうではありませんでした。ガスが出ない地域では、カセットガスコンロが欲しいという方が多く見えました。三年前に起きた中越地震の被災自治体の中には、カセットコンロとボンベを被災者に贈りたいという市もありましたが、被災自治体からはノーの答えが返ってきました。困ってみえる方があるのに、倉庫にある物資が配れない。

 なぜこれらのことが起こってしまうのか、これについてはいろいろな理由があると思いますが、被災した自治体からの発信、つまり災害の検証として多くの自治体が被災地でのヒアリングを行いますが、その際、これはどこの自治体でも同じような対応になりやすいと思うんですが、こうすればうまくいったという成功談については語られやすい。しかし、残念ながらこれは失敗した、うまくいかなかったという失敗談については語られにくいというのが現実であります。このため、災害のたびに同じようなことが起こってしまう。今回の中越沖地震も残念ながら同様でありました。だからこそ、岐阜県においても現場で生の情報を得て、それを岐阜県の防災力アップに生かしていくという体制をつくらなければなりません。今後、またどこかで災害が発生した場合につきましては、災害の発生する回数がふえ、危機管理抜きでは地方自治を語ることができないとも言える今日、この夏につくられた県外支援マニュアルを最大限に生かし、他県への支援は必ず将来岐阜県の防災力アップにつながると認識して、今まで以上にスピーディーな対応をとっていただきますようお願いを申し上げます。

 また、岐阜県の中において、各市町村すべてが防災力レベルを上げていかなければならないのは当然でありますが、実際には、防災専門職のエキスパートを置いている自治体は少なく、総務部門などで防災もやっているというところが多いのは御存じのとおりであります。ということは、当然のことながら、県が市町村の防災力を補う働きをしなければならない状態であると考えております。

 そこで、本題であります「防災ぎふスタンダード」についてでありますが、今回、新潟県としても柏崎市に対して、こういったこともできる、ああいったこともできるがどうかという打診は常に出していたと岐阜県にもおられた新潟県知事から伺いました。しかし、結果的に、県からの多くの提案に対して被災自治体からは断りが返ってきたということでありましたが、被災者は行政からの支援に満足できていなかった、こういった状況は岐阜県において起こらないかと考えると、人ごとと言っていられる状態ではありません。

 これまで、県側からは、今回の場合と同様、これをやりましょうか、あれをやりましょうかという提案型の打診になっておりました。しかし、これまでのさまざまな災害について検証してみても、助けてほしいという発信のできない自治体が多くあり、市町村はどうしても自力で頑張ろう、何とかできると思い込んでしまうため、逆にタイムリーな支援を受け入れられなくなってしまうところが多くあり、岐阜県においても同様で、被災者支援がおくれおくれになる危険性を多分にはらんでいると言えます。

 そこで、今後についてでありますが、県と市町村において共通した認識で災害に立ち向かうことができるスタンダード、つまり災害に備えて、避難所運営、要支援者、物資、食料、被災者への発信、ボランティア対応など災害全般について、市町村ではこういったことをやっておかなければならない、そして災害時、これだけは最低限確実にやるべきという標準的なものを作成し、万が一災害が発生した場合においては、これをやりましょうかというお伺いではなく、これはできているかという確認をして、できていない部分については県が即座にサポートできるようあらかじめ確認をしておく。このスタンダードをつくっておくことによって、被災自治体を助ける、そして被災された県民を助けるという活動が迅速化されると期待されるため、いつ起きるかわからない災害に対して一刻も早く整備すべきと考えております。そこで、阪神淡路大震災でも汗を流され、活躍された知事の、現場を体験してこられた中で培われた考えをお聞かせいただきたいと思います。

 「防災ぎふスタンダード」と便宜的に名前をつけましたが、災害に備えて県内市町村との心合わせを進めるスタンダードの作成について、知事のお考えをお聞かせ願います。

 次に、前回の議会でも質問が出されておりましたが、耕畜連携の推進について質問させていただきます。

 さて、畜産関係の話となりますと、今年は全国和牛能力共進会の開催される年であり、五年前の日本一という栄冠から、これまで一生懸命やってこられた飛騨牛の育成にかかわる皆様の努力が実り、連続日本一をかち取ってほしいと心から願うものであります。その飛騨牛を多数飼っている農家の方から、先日、こんな内容の御意見をいただきました。「耕畜連携について県としてもっと力を入れられないのか。遊休農地の保全や環境保全、自給率の向上、そして安全・安心な食づくりなどにも効果があるはずなんだけど、耕種と畜産の橋渡しをしているところがない状況なんだ。」確かに、耕種と畜産を担当してみえる事務所及びそのスタッフの皆さんは一生懸命やってみえます。そして、飼料自給増産ということで、平成十八年二月に岐阜県耕畜連携農業推進連絡会議が設置され、五圏域ごとに地域連絡会議が、メンバーを普及センター、JA、市町村として設置されたということでありますが、農家サイドから見ると、耕畜連携の橋渡しをしているところがどこかわからない状況だというのであります。

 この耕畜連携といいますと、耕種農家から出されるわらを畜産農家が活用するとか、畜産農家から出される堆肥を耕種農家が活用することのほか、さまざまな面における連携を指すのでありますが、現在につきましては、例えばわらの活用についてですと、わらの確保に対する手間、品質と量の問題、また堆肥の活用については、堆肥の質など、耕種側と畜産側の思いがすれ違いを起こしている状態も少なくありません。

 また、自給率という面から見ると、現在は海外からの飼料に頼る率が非常に高く、牛一頭を生産しても、自給率ではその一〇から一二%程度しか換算されないというのが現状であります。これについては、飼料の金額的な問題などさまざまな課題が存在しておりますが、将来的に安全な食、安心できる食づくりを進めるという観点からも、ぜひ耕畜連携による自給率アップも推進していただきたいものであります。

 そして、安全性という点においても、現在輸入されている飼料については安全性の高いものを使用されておりますが、今後、何らかの理由によって、例えばバイオエタノールによって既に飼料代などに影響が出ておりますが、そういった何らかの理由によって安全性の高い飼料を購入しにくい状況となったときのことも考えておくべきではないか。というより、多くの国民が、もちろん多くの県民が、輸入飼料より自前の飼料の方が安心できると感じてみえると思いますし、今後の課題として、今まで以上に力を入れていただきたいと思っております。特に中国産ということになれば、これは余談になるかもしれませんが、私もサラリーマンとして製薬会社に勤務していたころ、職場で中国産ウーロン茶、これは大手メーカーから市販されているものでありますが、その残留農薬試験を行ったところ、かなり高い数値が出たことを覚えております。こういった安全性の問題だけではなく、先ほども述べましたとおり、多面的な効果が期待される耕畜連携が、連絡会議をつくってもなぜ進まないか。農家の側から見ると、なぜ連携の橋渡しをするところがどこかわからないと映るかについて考えてみますと、やはりこの連絡会議には、短期・中期の目標値が設定されて、それ用の予算をつけて実現する部隊・部署となるところがない。また、普及センターは多種多様な業務を担っているため専門性が希薄になり、農家側にはその部門を担当している方が見えにくくなっているのではないかと考えます。ですから、今後につきましては、普及センターとは独立した部署で専従的に仕事をしていただく形にして進めるべきであると考えております。

 そこで農政部長に質問します。この耕畜連携というものについて、昨年、連絡会議をつくられましたが、その活動状況についてどのような目標値を持って今後進めるのかについて、そして推進するためにはやはり専門部署が必要だと考えておりますが、その部署創設についてどうお考えなのか、お答え願います。

 次に、福祉事業の円滑化について質問させていただきます。

 先日、私の知人が岐阜県運営適正化委員会に福祉事業における苦情申し立てをいたしました。細かい内容についてはプライバシーの問題もありますのでここでは差し控えさせていただきますが、その苦情申立者は、ある福祉事業所を利用しておられ、数年前、今回とほぼ同じ件で施設に苦情を伝えました。その際、施設の第三者委員会、苦情処理のシステムをつくることという法律に従って設置されたものでありますが、その第三者委員会ではなかなか思うような回答を得ることができませんでした。そして今年の春、一向に改善されないことに対して、早期改善を求めて再び施設に対して苦情を伝えました。しかし、残念ながら今回は苦情を処理する第三者委員会に諮られないばかりか、この数カ月間、理事会にも伝わっておりませんでした。このため、岐阜県社会福祉協議会を通じて岐阜県運営適正化委員会へ苦情を提出することとなったわけであります。

 ただ、ここまでお話しすると、今は昔の措置時代と違って利用者が選べる時代だから、施設をかわればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、残念ながらこの施設利用者は、諸事情によって簡単にほかへ移ることもできない状況なのでありました。

 さて、今回の質問については、こういった苦情が発生したからけしからんというものではなくて、いかに福祉事業を行う民間施設に対し、その事業が円滑にいくようサポートできるかについて質問させていただきたいと思っております。

 現在、福祉事業については、多くの事業所において、厳しい予算状況の中、スタッフは一生懸命働いてみえますが、実際に働くスタッフからは、予算的な面で厳しいシフトをとらざるを得ないという状況などから、とても愛想を振りまいていられない気持ちになることもあるんだという言葉を聞くこともあります。これにつきましては、人間ですからしょうがないという部分もあるかもしれません。と考えれば、苦情が出ること自体について、これをなくそうとすることも実に大切なことではありますが、これをゼロにすること以上に、いかに苦情に対処するかに観点を変えていくことも大切なのではないかと考えております。それを考えるに当たり、事業所内の第三者委員会では、なぜ利用者にとって納得のいく回答が出にくいかについて考えなければなりませんが、事業所内の第三者委員会は事業所からの指名でメンバーが決められ、事業所側の説明によって苦情内容を検討するばかりでなく、第三者委員会委員としてのノウハウ、研修についてはもちろんその事業所によって行われる。となれば、当然、事業所に対して厳しい意見を言える状態ではないということであります。その先に起こりやすいのが、表に出さないように処理してしまおうというものであります。

 今の時代、密室化してイメージダウンになるもとを表に出さないで信頼を高めようとするより、オープンにできる部分は積極的にオープンにして、利用者やその家族も納得できる形で苦情等の処理を進めていった方がより信頼性が高まるのではないかと思いますし、ましてや県など公的なお金が入っている施設については、密室処理を行うべきではありません。ある施設の理事に尋ねてみますと、その方も、「苦情については発生するのもやむを得ない部分がある。しかし、それをどう処理するかについて、そのシステムをしっかりと構築していかなければならない。ただ、そうするためには、自前で第三者委員会の研修を行うわけにはいかないので、そういった部分こそ県にサポートしてほしい」と言われてみえました。苦情処理については、苦情が起きること自体は残念なことでありますが、それだけが悪なのではなく、それを改善しないことがもっと悪なんだという認識が持てる第三者委員会にできるよう、また第三者委員会がない事業所については改善できるシステムをつくることができるよう、県としてぜひサポートしていただきたいと思っております。

 そこで健康福祉部長にお尋ねします。県内の福祉事業所における苦情について、利用者側も、そして事業所側も納得できる処理を進めるためにも、まずは第三者委員会委員や苦情処理担当者に対する研修会を行うべきであると思いますが、これについてどう考えるか。次に、苦情処理についてどのように進めるべきかをガイドライン及びチェックシートで示し、少なくとも県など公的なお金が投入されている施設については、それができているかをオープンにしていくことこそ施設の、そして福祉事業の信頼につながると考えますが、それについてどう思われるか。この二点についてお答え願います。

 県民の命を守る防災、続いて県内の農業をさらに発展させ、福祉事業の振興の三点について前向きな回答が出されることを期待し、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず改めまして、私の方からも今回の新潟県中越沖地震でお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 御質問のありました「防災ぎふスタンダード」といった御提案についてお答え申し上げます。

 議員からも御紹介がございましたが、私自身、何といっても総理秘書官として阪神・淡路大震災の対策にかかわったことがございます。特に震災三日目の段階で総理とともにヘリで現地に参りましたときのことは、大変印象に強く残っておるわけでございます。そのとき、いろんなことを感じたわけでございますが、まず何と言っても、現場の情報が直接ヘッドクォーターには入ってこないと、何が起きているかなかなかわからないということでございまして、例えば当日のお昼の段階でも死者がいるかどうかわからないと。その日の夜の段階でも死者十数名、二十名といったことが言われておりまして、四千人を超える死者が出ている、それだけの大変な大震災だという認識をなかなか持つに至らなかったことも事実でございます。また、全体像が把握できないわけでございますから、指揮命令系統ができ上がるまでに大変時間がかかるということでございまして、このことは、特に震災に当たっては初期動作、初期対応が必要なわけでございますが、大変致命的な、深刻な問題につながってくるわけでございます。

 また、御指摘がございましたけれども、他県、あるいは警察、自衛隊、あるいは食料物資等の受け入れ、配分、輸送と、こういったことについて大変対応がおくれがちでございます。御指摘もありましたけれども、そもそも支援してほしいという発信すらなかなか出てこない、あるいは指示がないと、こういうことが十分あり得るわけでございます。こういったことを見てみますと、たとえ事前にどんなに詳細なマニュアルがあったとしても、事態が深刻であればあるほど想定外の出来事の連続ということになるわけでございまして、むしろマニュアルどおりに物事が動かないということの方が圧倒的に多いんだというふうにあらかじめ十分覚悟してかかる必要があるんではないかと、こんなふうに思うわけでございます。そういう意味で、日ごろから訓練あるいはマニュアルづくりをやっておりますけれども、これに安住することなく、現実に起こった事例をも検証しながら、絶えずマニュアルあるいは体制の取り組みについての改良を重ねていくということは最低限必要ではないかと思っております。

 先般の新潟県の中越沖地震でございますが、私は一方で、他県支援マニュアルというものをこの際つくって、最も有効な県としての他県への支援のあり方はどうかということについて県庁横断的に整理をさせていただいたわけでございますし、また最大限、人も物資も岐阜県から新潟県に対して送り込むように指示をしたわけでございますが、もちろんできる限りお役に立ちたいという気持ちもあるわけでございますが、同時に、できるだけ多くの人を現地に行ってもらうことによって現地でいろんなことを勉強してもらおうと、現場に触れて学ぶと、あるいは現地での失敗例に学ぶということが大事ではないかということで、そういう経験の多いスタッフがふえればふえるほど、今度はいよいよあすは我が身でございますので、岐阜県の体制にも大いに裨益するのではないかと、こんなふうに思った次第でございます。

 そこで、県と市町村のコラボレーションといいますか、その一つの形として「防災ぎふスタンダード」というものの御提案がございましたけれども、災害対策につきましては、基本的には、まず第一次的には市町村が対応するということになっておるわけでございますけれども、そうはいっても、実際の大規模災害時においてはとてもそういうことで済む話ではございませんで、もちろん県が積極的に支援をするということが必要になってくるわけでございます。ただ、積極的に支援しようとしても、ご指摘のありましたように例えば新潟県と柏崎市との間でのお話のように、コミュニケーションといいますか、何を必要としているか、何ができるのかということについての考え方にどうしてもずれが生じがちであるわけでございます。そういうことから、現在私どもの危機管理部門といいますか、防災部門では、年に一回以上、市町村の防災担当課長との会議を持っておりますし、また担当者は二年に一回、市町村を訪問しまして、いろいろ各市町村の防災体制についてアドバイスをしたり、現状把握をしたりしていると。あるいは毎年幾つかの市町村における防災訓練に県の担当者も参加するというようなことで、いろいろと実務ベースではやっておるわけでございますが、また今後ともこれを充実していく必要があるわけでございますが、果たしてそれで十分かということについても常に考えておく必要があるのではないかと思っております。

 そういう意味で、議員からの御提案、大変興味深い、かつ大変具体的でわかりやすい連携の仕方ということで、大いに参考にさせていただきたいと思っておりますが、いろいろお話を伺っておりまして特に強く感じますのは、まず現時点で、これまで実は少なくとも私が着任してから明確な形でやってきておらないんですけれども、この防災の問題、防災体制、いざというときの連携について、県と市町村のトップ同士がきっちりとした議論をやっておく必要があるのではないかということを大変強く感じておりまして、市長会あるいは町村長会に私どもしばしばお邪魔しますけれども、そういう場での大きな課題といいますか、テーマとして取り上げてみたいというふうに思っております。その際、御指摘がありましたように、私どもは県の危機管理組織がそれなりにあるわけでございますが、市町村のそれに対応する組織がどうなっているか、またそこと常日ごろからどういう連携をとっているかとか、あるいはいざというときのいろんな支援・連携はどうあるべきか、こういったことについても大いに議論してみたいと思っておりますし、その一環として御提案のありました「防災ぎふスタンダード」といったものも話題にしつつ、市町村長さんたちの御意見も伺ってみたいと、こんなふうに思います。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 福祉サービスに対する苦情対策についてお答えいたします。

 福祉施設の苦情処理の対応につきましては、社会福祉法に、社会福祉施設の経営者に対し、適切な苦情解決への努力義務が規定され、国はその処理に当たる者の要件や選任方法、苦情処理の手順、結果の公表などを内容としたガイドラインを示しております。また、県社会福祉協議会の運営適正化委員会においては、事業者限りでは解決できない苦情に対して相談に応じるなどの支援を行うとともに、施設への個別指導や苦情解決責任者と第三者委員を対象に、その役割や対応技術の向上、実践事例などを内容とした研修会を毎年開催しているところでございます。

 県といたしましては、これまでもガイドラインに沿った仕組みづくりを指導してまいりましたが、特に結果の公表などにつきましては、議員御指摘のとおり、いまだ十分な状況ではない施設もございます。したがいまして、利用者に信頼される施設とするために、苦情対応の結果公表など適切な運営を行うよう、今後とも施設監査や施設長研修会などさまざまな機会をとらえまして指導・助言に努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 耕畜連携の推進について、三点お答えをさせていただきます。

 まず最初に、連絡会議の活動状況についてでありますが、この連絡会議は、畜産農家から良質な堆肥を耕種農家に供給して土づくりに利用し、また耕種農家からは稲わら、飼料作物を畜産農家へ供給する資源循環型農業の確立を目的として、県並びに県内五圏域に設置をしております。

 御指摘のとおり、耕畜連携の課題は、耕種側と畜産側にそれぞれの思いのすれ違いがあることですが、これに対応するため、連絡会議では、堆肥、稲わら、稲発酵飼料の利用拡大について理解を深めることを重点的に取り組んできたところでございます。堆肥の利用につきましては、農協を中心とした広域流通や、地元の堆肥を利用した水稲栽培など地域の優良事例の普及を図るとともに、地域で開催される堆肥の品評会などにおいて利用の仲介を行っております。また、稲わら等の飼料増産については、稲わら収集組織を育成するとともに、稲発酵飼料等の生産、調製、給餌について、耕種並びに畜産農家を対象に現地検討会を実施し、その推進に努めております。その結果、本年のわら専用稲の作付面積は百三ヘクタール、稲発酵飼料の作付面積は二十二ヘクタールと、いずれも昨年より三割増しとなっております。このように、連絡会議の取り組みは一定の成果があったものと考えており、今後も研修会の開催、養鶏農家における飼料用米の給餌の実証するなど、耕種農家と畜産農家、双方に一層メリットがある連携方策を進めてまいります。

 次に、耕畜連携に関する目標値といたしましては、飼料自給率、県内産稲わら自給率、家畜排せつ物の利用率がございます。ぎふ農業・農村振興ビジョンにおいては、平成二十二年に飼料自給率二八%、県内産稲わら自給率一〇〇%を目標としております。平成十九年三月現在における飼料自給率は二五%、県内産稲わら自給率は八六%となっており、引き続き目標達成に向け努力をしてまいります。また、家畜排せつ物の利用の促進を図るための岐阜県計画においては、平成二十年度に家畜排せつ物の利用率を八九%とする目標を掲げておりますが、平成十九年三月現在、利用率は九〇%と既に目標を上回っており、現在、平成二十七年度を目標年度とした新たな目標値の改定作業を進めております。

 最後に、専門部署の創設につきましては、県内五圏域ごとに設置いたしました地域連絡会議は設置後まだ一年を経ていない状況にあり、当面は現在の連絡会議の枠組みで耕畜連携推進に当たりたいと考えております。しかしながら、御指摘のような農家の御意見もあることを踏まえ、今後、地域連絡会議の場において、耕畜連携のためにどのような推進体制が望ましいかについて、農家、関係団体からの御意見を伺ってまいります。また、当面の対策として、地域連絡会議の事務局である農林事務所に耕畜連携相談窓口を設置するなど、より農家にわかりやすい行政サービスに努めてまいります。



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○副議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午後三時十六分休憩



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△午後三時四十分再開



○議長(中村慈君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) それでは、発言通告に従いまして、日本共産党を代表し、順次お尋ねをいたします。

 最初に、後期高齢者医療制度について健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 来年四月からスタートする後期高齢者医療保険は、高齢者には過酷な負担を押しつけ、差別医療を持ち込み、日本の国民皆保険制度を根底から崩しかねない制度だと危惧をします。制度の撤回と、抜本的な見直しを国に求めたいと思います。

 来年四月、制度が始まると、七十五歳以上の方は現在加入している国民健康保険や組合保険、政府管掌健保などから脱退させられ、国が勝手に後期高齢者と名づけて新しい医療保険に入ることになります。現在、御自分の子供さんの健康保険などの扶養家族になっていて保険料負担がない人を含めて、七十五歳以上すべてが保険料を払うことになります。厚労省の試算では平均月額、これは平均的な厚生年金受給の方でということですけれども、月額六千二百円くらいと言われています。今、介護保険料が岐阜県の平均基準額では三千八百十九円ですから、両方合わせて一万円近く年金から天引きされるということは、高齢者にとって深刻な負担です。しかも、月に一万五千円以上の年金受給者は天引き、それ以下の人はみずから払わなければなりません。具体的なケースで見ると、御夫婦で夫が七十五歳以上で社会保険、妻が七十五歳以下でその扶養家族になっている場合ですと、夫は後期高齢者医療へ、妻は扶養から外されて国民健康保険へ移ります。現在社会保険に入っている方は雇用主が保険料の半分を持っていますが、今度からはその雇用主の二分の一の負担がなくなり、自分で払うことになります。二年間の暫定措置があるとはいえ、これらの方は間違いなく保険料負担がかかるわけです。

 さらに問題だと思うのは、厚生労働省の審議会などで議論になっている診療報酬の包括払い、つまり定額制です。高齢者には何をやっても上限額を決めて、これ以上は保険点数をつけませんという、俗に言うマルメ点数というやり方です。例えば、病気によっては抗生剤の処方と点滴何日分だけということで、あとそれ以上のことをやるのなら病院の持ち出しか本人の十割負担という意見も出されております。これでは、お金次第で治療に格差が出てきますし、医療機関にも経営的打撃です。

 昨今、高齢者を取り巻く経済的状況は、平成十二年に導入された介護保険料の年金天引き、税法上の老年者控除の廃止、定率減税廃止、そして来年は非課税限度額の廃止と、負担増の連続です。また、来年四月から、七十歳から七十四歳までの方の医療費窓口負担を一割から二割にふやす計画ですが、これにはさすがに与党内からも見直しの声が上がり、福田総理も総裁選の公約で見直しに言及し、つい先ごろの報道では、厚労相が補正予算の検討も始めています。そうであれば、後期高齢者医療保険制度も性急な導入をすべきではないと思います。負担増の見直しというなら、来年四月スタートを見切り発車せず、制度全体の抜本的見直しを行うよう国に要請していただきたいと思いますが、まず一点目、見解をお聞きします。

 二点目、制度の具体的問題について、今後変更はあるかもしれませんが、現在示されているスキームに沿ってお尋ねします。

 まず保険料についてです。来年四月に向けて、各広域連合では保険料の試算が行われています。東京都広域連合が八月三十一日に示したものでは、国からの調整交付金が三〇%とした場合、一人当たり最高額で年間十五万五千円、月に約一万三千円です。例えば立川市の国保料と後期高齢者医療保険料の試算では、どの収入額ランクでも一・三倍から三・三倍と国保料より高くなっております。九月十二日には、埼玉・東京・千葉・神奈川の広域連合が連名で厚生労働大臣あてに、保健・健診事業への財政支援、制度の周知、システム構築に見合った財政支援、国庫負担金などの速やかな提示という六項目の緊急要望を出されたところであります。岐阜県においては、この十一月にも広域連合の保険料試算が出されると聞いておりますけれども、これまで以上の負担増が懸念されるところです。保険料徴収においては、低所得者への配慮を一番に考えなくてはならないと思います。年度途中であっても、さまざまな理由で経済的に困難な方が出てくると思います。その対策として、法定の軽減制度のほかに広く対応できる申請減免制度をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 三つ目に、今、国民健康保険で保険料の滞納者に対して発行されている資格証明書の問題です。この問題を、今度は後期高齢者医療でも適用しようという方向であります。今、国保では、七十五歳以上の高齢者には資格証明書は発行していません。それは、高齢になれば病気にかかりやすく、また若い人と違って、頑張って収入をふやして払ってくださいと、そういうことも言いにくいからです。今回は加入者が七十五歳以上の後期高齢者ですから、病気の一つや二つは抱えている方がほとんどです。そういう年齢層の人に保険料滞納を理由に資格証明書を発行し、事実上医療にかかれなくすることは深刻な問題です。資格証明書の発行をしないことを、広域連合に県として指導していただきたいと思います。

 四つ目に、健康診査についてです。来年四月からは、市町村単位で行っていた住民健診は、各保険者ごとに特定健診として行われることになります。四十歳以上の慢性疾患の健診や保健指導が義務づけられていますが、七十五歳以上の健診は努力義務とされています。後期高齢者の健康の保持・増進のためにも健診は必要だと思います。岐阜県においてはどうなるのでしょうか、お尋ねします。

 以上、制度としての問題点を取り上げましたが、県自身が事業者でないため、主体的判断ができないことは承知しておりますが、事は県民の問題であります。安心できる医療体制を目指すとした県の姿勢に照らして、その見解と、これから広域連合と話し合い、保険者として国に要望してもらえるように働きかけていただきたいという趣旨でお尋ねをするものです。

 二つ目に、教育行政についてお尋ねします。

 この間、日本の教育の流れを見ると、政府は美しい国づくりへの教育改革といい、教育基本法を初め教育三法を改悪してしまいました。安倍前首相は、行政が直接学校に公費を入れず、そのかわり子供一人当たり幾らという金券を保護者に渡すバウチャー制度まで提案していました。その方向は、お金次第で学校の教育条件に格差を持ち込み、まさに勝ち組、負け組に分けてしまう、どの子にも発達を保障する権利を投げ捨て、利益優先に走るものであります。今後、教育において、市場原理に任せるやり方はあってはならないと思います。その前提に立ち、以下、教育長に質問します。

 一点目は、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国一斉学力テストについてお尋ねします。

 文科省は九月に結果を発表すると言われていましたが、どうも延期をしているようであります。私どもは、学力テスト自体、子供たちに一層の競争激化と学校のランクづけにつながるものとして反対してきました。その一つの例が、東京都で起きた不正でした。足立区は、独自の学力テストを行い、その成績結果によって来年度予算額に差をつける方針を示していました。ところが、テスト結果で一番になった学校で、成績の悪い児童の結果を採点から外したり、校長らがテスト中に答えの誤りを指さしで子供に教えたりという不正が明らかになりました。これを受け、足立区ではさきの区議会で、予算額に差をつける方針を改めることを表明いたしました。これは東京の例ですが、結局、全国テストもこうした危険をいつもはらんでいると思います。さらに、四月に行われた学力テストの回収・集計業務は、小学校はベネッセコーポレーション、中学校はNTTデータに委託をされ、個人情報保護の点や経費の点でも疑問の尽きないところです。教育長にお尋ねしますが、さきに述べた理由により、私は全国学力テストの市町村別あるいは学校別の公表はしないようにすべきと考えます。県の見解と、文科省にも公表しないよう求めるべきだと思いますが、見解を伺います。

 二つ目は、教員の体制についてです。

 先般、文科省の来年度予算概算要求で、教職員七千百人の増員を要求しているという報道がありました。この間、少子化で児童・生徒が減少する中で教師の増員は行われてきませんでした。ここに来て、子供たちを取り巻く状況変化や、少人数学級を強く求める保護者や教育現場の声があっての動きであると思います。今回の概算要求は、公務員減らしを推進する行革推進法がありながらも、文科省ですら増員要求をせざるを得ない学校の状況だということをあらわしていると思います。ところが、県の行革大綱では、教育委員会として七百三十人も職員を削減する方向であります。

 今年八月に発表された岐阜市教育委員会のアンケート結果によれば、保護者の満足度は七八%が「とても満足」「まあ満足」と言っていますが、教員の八七%は一クラスの児童・生徒数を少なくしてほしいと願っています。つまり、教育現場は教員が必死の努力で頑張って、何とか保護者の満足度が保たれているというところです。さらに、「常に忙しい」と答えた教師は六一・三%、「忙しさを感じている」と答えた教員は九九・四%に上り、頑張りも限界に近いことがうかがえます。ここはひとつ文科省に倣って、県教育委員会は現場に見合った人員増を予算要求すべきだと思います。来年度予算に向けての教育委員会の姿勢を伺います。

 次に、裏金問題について、知事にお尋ねいたします。

 去る八月三十一日、多治見土木事務所で裏金保管が新たに明らかになりました。額は十七万八百三十円であり、長年タクシー会社に預けられていたものでしたが、昨年の裏金発覚後の調査でも存在は明らかになりませんでした。これを受けた古田知事の会見を見させていただきましたが、「この期に及んで大変残念。申しわけない」とおっしゃっております。このコメントの中には、言わなかった職員がいけないのだというお気持ちが多少あるのかなあと私は感じたところなんですけれども、調査し切れなかった執行部の責任についてはどう感じておられるのか。前任の担当者も知っていたのに、叱責を恐れて言い出せなかったといいますが、調査方法は本当に適当であったのかどうか、まずお尋ねします。

 また、今回の裏金づくりの手法は、裏金をタクシー会社に預けておいて、いろんな機会にタクシーを使ったと思われますが、それが残っていたわけで、タクシー会社からマイナス十七万八百三十円という請求書が送られ続けていたわけです。

 昨年九月一日に、弁護士などでつくるプール資金問題調査検討委員会が不正資金問題に関する報告書を提出されましたが、その中で、「資金づくりの手法・職員の費消」という項目の中に、懇親会費・慶弔費・せんべつなどと並んで、「二次会後のタクシー代(タクシーチケット)」というのもしっかりと書いてあります。まさに今回のものそのものなんですけれども、こうした指摘されたことがわからなかったという反省に立って、ここで言われたこうしたタクシー会社と関係のあった部署、並びに懇親会で使ったお店とか業者とか、そういう可能性のある手法に注目をした上での再調査が必要ではないかと思います。知事の見解をお聞きします。

 職員OBについてもお尋ねします。

 知事は、退職後の人は現職ではないので、地方公務員法は適用できないという見解を示してこられましたが、さきの厚生労働省の前の局長が課長時代に、国の補助金を受けている社会福祉法人の前理事長から高級車や現金を受け取っていた問題で、国家公務員倫理法は現職を対象としているけれども、その倫理法の趣旨に基づいて一千万円の返納を要請したという記事が載っておりました。なかなか思い切った懲戒的な措置だと思います。地方公務員には倫理法という法律はありませんが、地方公務員法の服務の根本基準や信用失墜行為の禁止に照らせば、同じことが言えるのではないでしょうか。退職協議会からのお願いとしての返還にとどまらず、こうした措置を行うべきであります。

 特に一番の責任者であった梶原氏ですが、一億八千万円も退職金をもらっていながら、何で三千七百万円で免罪なのかという県民の声はいまだに強いものがあります。当時副知事であった森元氏、代表監査委員でありながら隠し場所の相談に乗っていた川添氏、出納長であった藤田氏など、八名の中心的な役割と責任を負うとされた方々にはもっと重い措置を講ずるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 四つ目に、徳山ダム導水路事業についてお尋ねします。

 二〇〇四年に総工事費が上乗せされて三千五百億円となった徳山ダムが、来年から本格運用されようとしています。そのうち、岐阜県の負担分は、利息も含めて、〇五年から〇七年が四百三十八億円、〇七年から二〇三〇年が五百九十一億円であります。ただし、県債発行で支払えば、後で国が二分の一を地方交付税で戻してくれるとして二百二十五億円を除いています。しかし、これも結局国が借金をしてつくる財源であるため、国民負担であることに変わりはなく、岐阜県民の真の負担額は一千二百五十四億円となります。五十年も前にできた構想で、初めに目的とされた利水は、岐阜県でも水道水・工業用水ともに需要はゼロ。一般会計から全面返済を行うのは、全国で初めてといった状況です。

 さらに、治水対策といっても、ダム上流の面積は揖斐川全体の二〇%弱であり、治水機能を果たせるとは思えません。これだけの財源があれば、どんなに医療や福祉や教育が充実してきたかと思わずにはいられません。その意味でも、私どもはダム本体の建設そのものに反対してきました。

 今回は、導水路事業について質問します。先般、徳山ダムの導水路事業について、分割式の工事となる旨の報道がありました。延長は、上流が四十四キロ、下流が二キロという非常に長い流水管であります。総額八百九十億円、岐阜県負担分は治水分の一七%とされ、二十九億七千万円であります。分割する理由は、工事費が十億円ほど安くなる、九四年クラスの渇水時でも取水制限予測は半分になる、長良川への放流によってアユやシジミの生育環境がよくなる、愛知県や名古屋市にとって懸案だった河口堰の水利用の第一歩となるなどとされていますが、そんなによいことばかりなのかは疑問です。

 新聞紙上などで各方面の方もさまざまなコメントを寄せていますが、名古屋水道労働組合の武藤 仁さんは、「中部整備局や愛知県の今後の給水量の増加見込みをあり得ない数値で過大予測だ」と指摘します。名古屋市の一日最大給水量はこの十年間減少を続け、二〇一五年の国の予想とはどんどん差が開くばかりです。また、金城学院大学伊藤達也教授は、「都合のよいデータを引っ張り出して導水路事業を進めようとしている。導水路をつくることが目的となっている」。徳山ダム建設中止を求める会の近藤ゆり子さんは、「異なる河川への放流は微生物などに影響を与えるとの意見もある」。法政大学の五十嵐敬喜教授も、「河口堰の水もほとんど使われていない水余りの中で、巨額の税金を使う導水路が必要なのか」と疑問を呈しております。

 このように、導水路事業については必要なのか否かも含めた検証すべき課題は多くあります。ところが、知事は岐阜県の渇水対策に必要不可欠と言っておられます。水資源機構の言うなりに短絡的に判断するのは問題があると思います。大体二十九億七千万円という莫大な経費を県民や議会からの意見聴取、コンセンサスもなしに合意することは早計であり、納得できないことです。渇水対策と言いますが、岐阜市や西濃ではほぼ問題がないことですし、東濃地域の渇水問題も、本当に農業用水の転用などで賄えないのかどうか、真剣に検討したことはあるのでしょうか。環境影響の調査もこれからやっていく、まさに調査中だという答弁もありました。これらの状況をかんがみて、利水分の凍結、導水路事業を安易に受け入れるのではなく、水資源機構に再検討を申し入れるべきではないかと考えますが、知事の見解をお尋ねします。

 最後に、東海環状自動車道西回りルートについてお尋ねします。

 本ルートの岐阜市区間、御望山にトンネルを通す問題では、私ども日本共産党は、住民の命と財産・安全を守るために一貫してルート変更を求めてまいりました。理由は、一、御望山は歴史的にも崩落を繰り返し、山側斜面は県の急傾斜崩壊危険区域に指定されている危険な山であること、二、都市計画決定に当たっても、安全性について地域住民に十分説明することなど、異例の附帯意見がついたこと、三番目に、何よりも公共事業をめぐって全国的にも例のない、行政・学者・住民が参加して御望山調査検討会が足かけ六年の歳月をかけて行われ、その最終結論として、昨年三月に「山の安全性は確認できなかった」「ルート変更もあり得る」とされたことであります。これを受け、事業者である国交省は結論を真摯に受けとめ、誠実に対応するとして再検討を始めて一年三カ月、そして先週の金曜日、二十八日に、記者会見で複数ルート案で市民に意見聴取を行うという方針を記者発表されました。

 皆さんのお手元に、(資料を示す)国交省が出されました「道からの手紙」という特別号がお配りしていると思います。これが地域に配られたものでありますけれども、再検討の結果がいつだいつだというふうに言っていた段階からは一つ進んだかと思いますけれども、この内容に重大な問題点があると思いますので、その点に沿ってお尋ねしていきます。

 まず一つ目は、六年もかけて行われた御望山調査検討会で議論の過程や最終的にまとめられた結論は「御望山は危険である。だからさわらない方がいい」というにもかかわらず、この中に現行ルートが入っているということです。ここでいうと一枚目の図で点線で書かれているところでありますけれども、国は最終報告を尊重すると言いながら、できれば今のままでいきたいというふうに思っているんじゃないかと疑いたくなります。

 そして、この報告書ですけれども、(資料を示す)文章としてまとめられたものはこういうものですが、これに付随する資料というのはまた膨大で、ちょっと持ってこられなかったんですけれども、非常に詳細に調査をされまして、そしてここで一言一句、国・県・市、そしてここの検討会のメンバーで確認されたというところは、したがって、その上に「御望山の安全性は確認されないということに尽きる。したがって、合意確認書に記されている「ルート変更もあり得る」を守り、計画を再検討するとともに、今後いろんな調査が必要だ」というふうに書いてありまして、この一言一句は参加している国・県・市としっかりと「いいですね」という確認をとって発表されたものなんです。つまり、今の文言は国あるいは県がみずからの言葉として言っている、そのことにほかなりません。

 そこでまず知事にお伺いしますが、県は、今の御望山の安全性は確認されないとした結論を出した検討会の構成メンバーとして、その当事者意識がおありなのかどうか。その立場に立てば、当然県民が危険にさらされる今のルートは案の中に入れるべきではないと思いますけれども、その方向で国と協議をしていただきたいと思いますが、知事に伺います。

 それから、この「道からの手紙」ですけれども、これは地域に新聞折り込みや全戸配布で配られました。四つの案と言いますけれども、現行ルートとほぼ並行してB案という、やっぱり山にトンネルを通す案があります。実はこのB案というのは、今の案よりもさらに悪くなるのではないかという心配があります。そのことを少し紹介いたします。

 まず問題点の一は、御望山そのものの体質をわかっていないんじゃないか、そのことです。これは地質学者でも今まで見たことがないという、「ヘテロジーナス」という言葉を使うんですけど、非常に不均質な山だということが言われています。ここの報告書では、御望山の地質学的特徴というところに出ております。山帯全体にわたり断層や亀裂による破断が進行していると。それから、その程度が場所によって異なるということで、山帯の地質に不均質さを生じているということも特徴であります。特に、第二千成団地の北側、尾根部の下から斜面にかけては多数の断層や亀裂が集中して生じているということで、高破断域とも呼ぶべき。(資料を示す)これは皆さんに配布しました御望山検討会の資料の中から、山の真ん中に斜線であらわして、「高破断域(水タンク)」というふうに書いてあるものを見ていただくとわかるように、普通の山というのは、大体いろいろ地質があっても、チャートだったり岩、たとえ断層が入ったりしてもこういう体質というのはなかなかないそうなんです。

 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、(資料を示す)これが重力探査というので調べた御望山の様子です。これが山なんですけれども、この山のど真ん中、第二千成団地の真裏に重力が非常に低い、重力の負の目玉と言われる部分があります。山を見ると、こんもりとなっているので、こんなものがあるなんていうことは外からは全くわからないんです。いろんな物理探査の結果でこういうことがわかってきた。そしてB案はここへ突っ込んで行くんです。今、斜線であらわしました水のタンクの中へトンネルを通そうというんですから、これは幾ら日本の工学がすぐれているといっても危ないことは避けた方がいいんじゃないかというふうに思います。こういった物理探査のまとめをされたのは、大阪市立大学の中川教授ですけれども、この関西では物理探査の第一人者と言われる先生がまとめております。こういう専門家が六年かかってつくったこの結果を本当に尊重するというなら、こうしたことは書けないんじゃないかと私は思います。

 それから、先ほど太田議員からも指摘がありましたように、Bルートというのはカーブが非常にきつくなる。運転してきて、トンネルの中でぎゅうっと回っていくということが非常に危なくなるんじゃないかということも考えられます。

 それから、オグラコウホネについてということで、四行ぐらいの解説と少し絵が載っておりますけれども、実はこのオグラコウホネについても、検討会では客員教授まで迎えて、しっかりと議論がされました。そして、その項目では、「於母ケ池に生息するオグラコウホネは、環境省レッドデータブックにより絶滅危惧種に指定されている」と、こんなふうにも書いてあるんです。

 質問します。時間がありません。

 県土整備部長、そういうことで、この問題は御望山調査検討会をもう一回しっかり開くと、よくわかっている人たちに検討してもらって。広くアンケートをとることは私、否定しません。それも大事だけれども、こういうふうにかかわってきた人たちのところへ議論を戻すべきではないか、そのことを強調して、国に御望山調査検討会の開催を申し入れていただくようにお願いしてほしい、いかがかということを質問して、以上とします。



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 三件ございましたが、まず多治見土木事務所におきます過去の不正資金の保管の問題でございます。

 若干おさらいになりますけれども、この不正資金問題が発覚しました昨年七月五日に私ども県内部の資金調査チームを立ち上げまして、約一カ月かけて調査をしてきたわけでございます。この調査では、不正経理による資金づくりの実態を明らかにするため、延べ約八千六百四十人の退職職員、現職職員に対して書面調査、ヒアリング調査を行ったところでありました。その調査に際しましては、現職職員には何度も正直に報告してほしいという旨をお願いしたところでございます。また、その後、三名の弁護士で構成しますプール資金問題検討委員会が、客観的かつ校正・公平な第三者の立場から、約一カ月かけて県が行った内部調査結果の検証を行ったわけでございます。検討委員会におきましても、保存期間が過ぎ、関係書類が一切ないなど物証が極めて少ない中で、記憶や証言を頼りに事実の解明に努めてきたわけでございます。特に、証言に食い違いがあれば丁寧に関係者の証言を積み重ねて事実の解明を図っていくという手法をとり、また独自の調査も行うなど、最大限の努力をこの第三者委員会でしていただいたということでございます。

 また限られた時間の中で、例えば各所属における不正資金の年度間の引き継ぎ額の矛盾でありますとか、県事務所など類似の所属間における不正資金の額の著しい差異でありますとか、県と取引のあった民間会社の預け金の状況などの視点からも調査を行い、まだ隠されているものがないかどうか、徹底して追及してきたところでございます。しかしながら、このような調査を行っても、なお一定の限界があることも事実でございます。このため、昨年来、具体的な指摘があり、新たな事実が出てきた場合には必要な調査を行い、判断していくというふうに申し上げてきておるところでございますし、また職員に対しましても、新たな事実があれば速やかに報告するようにというふうに呼びかけてきたわけでございます。

 こうした中で、先般の事案につきましては、過去に捻出された不正資金が十年以上保管されていた事実を、新たに着任した担当職員が報告をしてきたということでございます。こうした事態につきまして、昨年の調査以来、最近に至るまで明らかにできなかったということにつきましては、調査に一定の限界があるとはいえ、私自身にとりましてもまことに残念かつ遺憾に思っておる次第でございます。

 それから、再調査についてお尋ねがございました。

 先ほど申し上げましたように、関係者の記憶、証言のみが頼りとなる状況の中で、最大限の努力を尽くしてきたわけでございまして、ここで改めて全面的な再調査ということは今考えておらないわけでございますが、一方で今回の多治見土木事務所の事案を受けまして、今回の事例のような不審な書類はないか、あるいは未報告のことがないかどうか、どんなささいなことでも報告するようにということで、全庁的に再確認をしておりますけれども、現在までのところ新しい事実は出てきておらないわけでございます。

 それから、梶原前知事を初め八人の方々に対するさらなる返納要請という問題について御指摘がございました。先ほど申し上げました第三者委員会の報告では、梶原前知事ら当時の幹部八人の責任につきましては、既に退職している者を強制的に処分するというわけにはいかないということで、三つのことを指摘しております。一つは、県関連の公職を自主的に退くこと、二つ目は、退職者の返還金額八億六千七百十二万円の一割以上の金額を責任を持って返還すること、そして、その他、退職者の負担割合を決定し、その回収に中心的な役割と責任を果たすこと、この三つを指摘しておるわけでございます。県といたしましては、この提言に沿いまして八人の方々に要請を行いまして、そしてこれらの要請につきましてはいずれも果たしていただいたということでございまして、厚生労働省の例の御指摘がございましたが、私ども県としては、このように手順を踏みながら返還請求を行ってきたところでございまして、改めてさらなる要請をするというところは考えておらないわけでございます。

 次に、徳山ダムに係る導水路事業でございますが、若干繰り返しになるかと思いますけれども、この問題につきましては、平成十六年度から国と三県一市でいろいろと検討を重ねた結果、二十年度からの事業実施に向けて合意をしたところでございまして、今後は河川法に基づく河川整備計画、水資源開発促進法に基づく水資源開発基本計画に位置づけられ、事業が進められるということになるわけでございますが、岐阜県にとりましては、徳山ダムに確保された緊急水を連絡導水路によって木曽川へ補給するということで、木曽川の上流にある牧尾ダム、岩屋ダム等の貯水量を温存できるということでございまして、平成六年を初めとして過去に幾度も渇水による被害を受けてきた可茂・東濃地域の被害を大きく軽減することができるということから、必要不可欠な事業であるというふうに考えておるわけでございます。

 農業用水の利用云々という話もございましたが、例えば平成六年の大渇水時に、農業用水について最大六五%の節水をされたそうでございますけれども、農作物にいろいろとふぐあいが生じ、それでも水道用水は三五%の節水が必要だったということでございまして、やはり農業用水の節水で賄えばいいではないかということだけでは根本的な渇水対策とはならないのではないかというふうに思うわけでございます。

 それから、これまで議会におきましては、随時、本会議あるいは土木委員会で質疑が行われてきておりますし、また国土交通省の方では、住民からの意見を聞くということでふれあい懇談会というものを開催し、また県もこれに出席しておるわけでございます。またいろいろな御意見も伺っておりますし、あるいはインターネットでの意見も公募し、公開しておるということでございます。また、県としては、さらに長良川の下流から上流までの市町村の首長から成ります長良川流域市町連絡協議会というものがございますが、そこの構成する自治体に対しまして説明をし、意見交換も行っておるところでございます。

 また、長良川の水への影響等につきましては、導水路環境検討会が国土交通省によってこの三月に設置されておりまして、今、基礎データを収集しておるところでございまして、私どもといたしましても、沿線市町村の意見をお伺いしつつ、県民の関心の高い長良川・木曽川の水環境を守るという立場から対応していきたいというふうに思っておるところでございます。

 それから最後に、東海環状西回りルートの御望山周辺計画の再検討の御質問がございました。岐阜県も参画いたしましたところの御望山調査検討会の報告があるわけでございまして、現代の工学技術をもってすれば、日本のどのような山においてもトンネルを掘ろうと思えば掘れないわけではないが、御望山の安全性は確認されない。より安全性の高いルートがないとは考えられないと、こう結論づけられておるわけでございますが、現状はこの報告を受けて、またこの報告を踏まえて、国においてさらに再検討された。この検討会のデータ、あるいはさらにいろいろな専門家の意見も聞かれて、再検討が行われて、現時点においては四つの選択肢があり得るんではないかということを言っておられるということでございまして、御望山を通過するルートでも安全の範囲内にあると判断していると、こういうふうに言っておられるわけです。このことについては、先ほどお示しの資料にも書いてあるわけでございまして、私ども県といたしましては、国が事業主体としてこの報告書を踏まえて、さらに再検討をしてそういう結論に達せられたということでございますが、これから国から住民説明、あるいは意見聴取、あるいは地質調査もさらに行うということでございますので、この中で安全に関する情報がどのように提示されていくのか、私どもとしては大いに関心を持って見ていきたいと、こんなふうに思っておるところでございます。



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) まず、後期高齢者医療制度の見直し等についてお答えいたします。

 高齢者の医療制度につきましては、現在、高齢者の負担のあり方をめぐり一部見直しの議論がなされておりますが、本年八月に全国知事会が、福祉や医療施策の推進においては、住民の生活に直接大きな影響を与える制度設計などを行う場合に当たっては、現場の意見に十分耳を傾けるよう国に対して要望するとともに、先般知事も出席いたしました厚生労働大臣と全国知事会との会談において、地方の意見をよく聞き、現場の実態に合った行政を行うよう申し入れたところでございます。後期高齢者医療制度につきましても、運営の当事者であります後期高齢者医療広域連合や市町村の意見をよく聞いて進めるよう、今後とも機会をとらえまして、国に働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、保険料の減免制度などについてお答えします。

 保険料の試算につきましては、広域連合の条例に定めることとなっておりますけれども、現在、算定作業中ということでございます。また、保険料の減免制度につきましても、広域連合において自主的に判断されるべき事項として広域連合の条例で定めることとされております。現在、広域連合において、国民健康保険や介護保険における運用状況などを勘案しながら、条例制定や運用に向けた準備が進められていると伺っております。

 次に、被保険者資格証明書の発行についてでございますが、後期高齢者医療制度においても、被保険者間の公平の観点から、特別な事情がないにもかかわらず保険料を一定期間滞納している被保険者に対して、被保険者証にかえて被保険者資格証明書を交付することが法律で義務づけられております。したがって、広域連合においては、窓口事務を担当する市町村における相談などを通じて、滞納理由などの被保険者の事情を十分把握して判断する方針であると伺っております。

 次に、後期高齢者の健診についてでございます。

 後期高齢者の健診については、これまで老人保健事業として市町村において実施されてきたところであり、今後も継続して実施していくことが望ましいと考えております。広域連合では、市町村に委託して、引き続き健診を実施する準備を進めておると聞いております。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 御望山調査検討会での再度の検討についてお答えいたします。

 御望山調査検討会におきましては、五年九カ月という長い期間にわたりまして詳細・多岐にわたる検討が進められ、平成十八年三月に最終報告がまとめられたところでございます。現在、この報告書の指摘事項を踏まえ、事業者である国において再検討が進められており、地元住民説明会の開催、意見把握が行われ、地質調査の結果も含め総合的に検討が加えられて事業者計画案が作成されるものと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 全国学力・学習状況調査の調査結果の公表についてお答えいたします。

 まず、国は本調査の結果の公表について序列化や過度な競争につながらないよう特段の配慮が必要であるとし、例えば市町村名、学校名のわかる情報については不開示情報として取り扱うこととしております。また、国は八月下旬に本調査の結果の取り扱いについて改めて通知を出し、各市町村教育委員会に対して、個々の学校名を明らかにした公表を行わないよう求めております。本県といたしましても、個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は行いません。

 次に、教職員の増員についてお答えいたします。

 現在、文部科学省では、来年度に七千百二十一人の教職員定数の改善を盛り込んだ概算要求をしており、平成二十二年度までの三年間を合わせますと二万一千三百六十二人の定数を改善する内容となっております。これらの概算要求をするに当たりまして、文部科学大臣自身が行政改革推進法を見直さないと増員は無理だとコメントしているように、概算要求どおりに定数措置されることは極めて厳しい情勢であることが見込まれます。県教育委員会といたしましても、岐阜県行財政改革大綱を踏まえながら、国の教職員定数の改善の方向を見定めた上で、来年度の予算要求について検討してまいります。



○議長(中村慈君) 一番 大須賀志津香君。

   〔一番 大須賀志津香君登壇〕



◆一番(大須賀志津香君) それぞれ御答弁いただきました。再質問のある項目から順にいきたいと思います。

 まず裏金問題なんですけれども、私は、県の執行部が、県民の中へ行くと全然終わった話じゃないんですね。二言目には、「裏金つくっておった県が」とか、いろんな要求事でお金がないと言うと「裏金回してもらったらどうや」とか、とにかく県民の中にはまだまだ新鮮な問題として映っていると。そこで温度差があって、県はもう幕引きをしたい、ふたをしたい、こういう姿勢ではだめだということを大前提に思っておりまして、だから、例えば知事のお答えは、新たな事実が出てきたらというんだけど、本当にこちらからリサーチして、ないのかないのかといつもアンテナを張っているという状態と、待ちの姿勢で、何かあったら言ってきてねというのとはおのずから違うんじゃないかということを申し上げたいと思います。それで、例えば今年についてはこういう事案があった。だから、この点をみんなで総点検してみようじゃないか、次はまたこういうことについて情報公開をもっとやってみようじゃないかというような執行部からの働きかけ、これをぜひやってほしいです。

 それでお尋ねしたいのは、この議会の初日にも知事はこの問題に触れられて、職員の意識改革と情報公開の徹底が大事なんだということをおっしゃいました。具体的に言って、職員の意識、そして情報公開、どういう点をさらに進めたいと思っておいでなのかということを御答弁いただきたいと思います。

 次に、東海環状についても再質問させていただきます。

 先ほど私、いろいろここの中の検討会で出された報告を紹介しましたけれども、これはここの検討会だけに終わらないで、応用地質学会という専門家がみんな集まった、いわゆる学会でもって、それぐらい学会ものの地質だということなんですよ。それを研究発表されました。ところが、こういうことに対して異論を唱えた研究者は一人もいなかったということで、本当によく調べられたということがその中にもわかると思うんですね。

 それで、一つは、さっき工法で対応というところを引用しようと思ったところ、知事が答弁の中でおっしゃいました。現在の工学技術をもってすればどんな山でも掘れないわけじゃないということを言おうと思ったけど、そのとおりなんです。ですから、ここの研究会は、本当にトンネルを掘った場合、どういう影響があるかということを詳細に言っております。ちょっと文章の紹介はやめますけれども、幾つかそういう箇所が出てまいります。

 そこで、岐阜県にはさらに東海環状の問題で一つ大きな責任があると思います。それは配布資料の二枚目についている、岐阜県トンネル影響評価専門委員会の報告書とした、ちょっと点線で何が何だかよくわからないかもわかりませんけれども、これは平成七年、当時の梶原知事が、御望山の問題は都市計画決定を凍結して、県において専門委員会を二つつくると。一つは、このトンネルを掘ったときの影響、もう一つは南斜面の調査だというふうで、二つの専門委員会がつくられた一つで出された資料なんです。ところが皆さん、(資料を示す)このかまぼこ型のものはトンネルなんですけれども、右側のトンネルのすぐ上は、岩盤の調査がここで途切れている、それからボーリングも上から掘ってここでやめている、ここはわからないじゃないですかということなんですよ。この状態で、残念ながら当時の梶原知事は安全だと判断したので、これからまた都市計画手続を再開しますということになってしまったんですが、その空白こそこの高破断域の水タンクだったということが、御望山調査検討会ではこれを調べていく先生たちも本当に意外だということを口にされておりました。つまり、雨が降るとばあっと水位が上がる、上がるけれどもすっと引かない。とっとっという下がり方からすると、どうなっているんだろうということなんですよね、さっきの重力の目玉なんですよ。だから、このタンクが北へ破れればまだしも、南の方へ破れたら、ここには五百人の団地がありますからどうなることかと。今のルートでやってしまえという人たちは、こういうことに責任を持てないんじゃないでしょうか。だからこそリスクは避けると、このことを今行政が責任を持ってやってもらいたいというふうに思うんです。

 知事にお伺いします。私は、促進というのを、今いろいろ盛り上がってきて、知事自身も国に対して言っておられると思いますが、その頭に、「安全に、しかもより早く」と。この「安全に」という部分を知事自身が県民をしっかり守るよという意味で本当に認識を持ってみえるかどうか。ただ早くつくってほしいと言うことだけでなく、ちゃんと安全にということで県民に対しての責任としてその部分をお尋ねしたいと思います。

 それから、県土整備部長ですけれども、国がおやりになること、国がお開きになることと言うんじゃなくて、さっきも私言ったけど、この報告書は、市も県も国も、そして学者も住民も、みんながみずからの言葉として言っているまとめたものなんですね。だったら、何でも国がおやりになることで、きのうでしたかきょうでしたか、自立した自治体ということも話題になりましたよ。もう今は上級機関ではなくて対等なんです。だから、何か御望山検討会を開くことに支障がありますか。私、どうやって合意形成をやるのかわからないんです。この「道からの手紙」の進め方のフローを見ますと、進め方の中で、アンケートは取りまとめる、住民説明会はやる。だけど、その次にもう事業者が計画案を決めて公表するとなっているんですよ。どこで合意形成をやるんですか。なぜ検討会を開いてほしいと言えないのかということと、どうやって合意形成をとっていくのかという点についてお尋ねをしたいと思います。

 あとは教育長ですが、公表しないということについては了解をいたします。

 それで、この全国テストですけれど、実にさっき申し上げました集計作業の民間委託、ベネッセとNTTデータには〇六年で十八億円予備調査をやって、国のレベルですよ、〇七年では四十九億円、合わせて六十七億円が国費としてテストのためだけに支出されているんですよ。私、こんなお金があったら普通に予算として欲しいなあと本当に思いますね。ですから、私どもも基礎学力をちゃんとつけるということは大事だと思う。だけれども、学力世界一と言われるフィンランドのように、少人数学級、あるいは学び合いを大事にする、テストではなくてその子その子に合わせた発達を保障する、こういう形を要望しておきたいと思います。以上です。



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の方には質問がございましたので、お答えを申し上げます。

 まず裏金関係でございますが、既に申し上げておりますけれども、もうこれ以上あってはならないという思いでおるわけでございますけれども、今後とも具体的な指摘があり、新たな事実が出てきた場合には改めて必要な調査をする、そして判断をしていくと、この姿勢に変わりはございません。

 また、今回の事例にかんがみて、先ほども申し上げましたけれども、類似の不審な書類はないかどうか、未報告のものがないかどうか、そういったことの全面的な再確認もしておるわけでございますし、それからさかのぼりますと、外郭団体につきましてもいろいろ御指摘がある中で全面的な調査をし、確認をし、そして返還をしたわけでございますので、そういう姿勢でおるということについては御理解をいただきたいと思っております。

 情報公開につきましては、既に再生プログラムの中で予算執行、その他いろんな分野で徹底した情報公開について掲げておりまして、そういったことを一つ一つ着実にやっていくということでございますが、その根底に、どんな不都合なことであっても、とにかくオープンにしていく中で解決をしていくんだと、こういう姿勢をとるように日ごろから言っておるところでございます。

 また、意識改革もそこにつながるわけでございますが、既に、これまた再生プログラムに沿いまして、税務署の現場でありますとか、企業でありますとか、いろんなところで若手の研修を売り込んでおりまして、いろんな現場の厳しい状況についても経験を積んでもらおうということでございますし、いろんな面で若手の登用・活用ということについて今進めておるところでございまして、こういったことを通じて意識改革を私どもとしては期待をしておるということでございます。

 それから御望山の件でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、国としてこの報告書を踏まえて一つの考え方を提示したと。そして、その考え方に沿ってこれから説明があり、意見聴取があり、地質調査があると、こういうことでございます。安全というお話がございました。もちろん県民の安全を守るのは私の重大な責任だと心得ております。今回の国の御説明の中に、「御望山を通過するルートであっても安全に工事ができないルートとはいえず、安全の範囲内にある」という言葉で二つのルートを選択肢として出しておられるわけでございまして、この「安全の範囲内」ということについて、どういうふうにこれから住民に説明していかれるのか、そういったことについて、県としてもちろん大きな関心を持って見ていきたいと、こんなふうに思っております。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道の御望山周辺における住民との合意形成という御質問にお答えをいたします。

 九月二十八日に国から発表された内容におきましては、「道からの手紙」に添付されたアンケートはがきによりまして沿線地域における地元住民の皆様の御意見を把握する、そして五カ所で地元住民の説明会を実施していく、そしてそれをオープンにしていく。さらには、先ほど言われました地質調査、これは調査検討会では一部の委員の反対で追加調査ができなかったということも聞いておりますけれども、その結果も公表し、最終的には国が責任を持って決定をされていくということでございます。



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○議長(中村慈君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時四十分散会



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