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平成19年  9月 定例会(第4回) 10月03日−02号




平成19年  9月 定例会(第4回) − 10月03日−02号









平成19年  9月 定例会(第4回)





△議事日程(第二号)



                     平成十九年十月三日(水)午前十時開議

第一 議第九十六号から議第百八号まで

第二 平成十八年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

第三 請願第五号から請願第十一号まで

第四 一般質問



            ………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第九十六号から議第百八号まで

一 日程第二 平成十八年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

一 日程第三 請願第五号から請願第十一号まで

一 日程第四 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十五人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   山本勝敏君

   九番   松岡正人君

   十番   篠田 徹君

  十一番   小原 尚君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   水野正敏君

  十七番   横山善道君

  十八番   脇坂洋二君

  十九番   野島征夫君

  二十番   高橋昌夫君

 二十一番   平岩正光君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   佐藤武彦君

 二十五番   森 正弘君

 二十六番   小川恒雄君

 二十七番   村下貴夫君

 二十八番   大野泰正君

 二十九番   矢島成剛君

  三十番   岩花正樹君

 三十一番   野村保夫君

 三十二番   足立勝利君

 三十三番   笠原多見子君

 三十四番   洞口 博君

 三十五番   渡辺 真君

 三十六番   渡辺猛之君

 三十七番   駒田 誠君

 三十八番   藤墳 守君

 三十九番   平野恭弘君

  四十番   安田謙三君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          馬渕正司

 総務課長          片岡秀男

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    村瀬昭彦

 同    課長補佐     宇津宮清和

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     山口幹夫

 同    課長補佐     河田 誠

 同    主査       市橋 晃

 同    主査       加代暢尊

 同    主査       野村義孝

 同    主査       桂川義彦



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           原 正之君

 副知事           横井 篤君

 秘書広報統括監       島田 清君

 危機管理統括監       市原一人君

 総務部長          冨田成輝君

 総合企画部長        丸山 進君

 環境生活部長        高田幸三君

 健康福祉部長        上手繁雄君

 産業労働部長        猿渡要司君

 農政部長          山内清久君

 林政部長          渡辺敬一君

 県土整備部長        棚瀬直美君

 都市建築部長        藤山秀章君

 会計管理者兼出納事務局長  今瀬義幸君

 産業労働部次長(観光交流担当)

               志村隆雄君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     渡辺 厚君

 労働委員会事務局長     岡本博次君



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△十月三日午前十時四分開議



○議長(中村慈君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 諸般の報告をいたします。

 循環社会・防災対策特別委員会の副委員長には、小川恒雄君が選任された旨、報告がありました。

 その他の報告は、書記に朗読させます。

   (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第五号 公的年金制度の信頼回復を求める意見書提出に関する請願ほか六件の請願書を受理しました。

 職員に関する条例に対する意見について

 人事委員会委員長から、平成十九年九月二十八日付をもって、議第百号 岐阜県職員の留学費用の償還に関する条例について及び議第百一号 岐阜県職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例については、異議がない旨の回答がありました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、平成十九年九月二十八日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により定期監査の結果について及び平成十九年九月二十八日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について、お手元に配布のとおり報告がありました。



            ………………………………………………………………





○議長(中村慈君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(中村慈君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。三十八番 藤墳 守君。

   〔三十八番 藤墳 守君登壇〕(拍手)



◆三十八番(藤墳守君) おはようございます。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、私は、県政自民クラブを代表して、当面する県政の諸課題について、質問させていただきます。

 最初に、本定例会の開会式において中村議長があいさつの中で触れられました新潟県中越沖地震について、亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 また、平成十六年の台風二十三号被害により一部不通となっておりましたJR高山本線がようやく全線運行再開されましたことは、まことに喜ばしい限りであります。一方、高山本線が復旧に三年を要したことや、地震等災害により社会資本が甚大な打撃を受け、住民の生活に著しい支障を及ぼし、その復旧に多大な資金と労力を要することを考えると、やはり災害に強い県土づくり、安全・安心な地域づくりのため、平常時から的確な投資を行うなど、防災対策に十二分に意を用いなければならないと痛感した次第であります。

 それでは、質問に入らせていただきますが、私はまず質問に先立ち、昨今の国政あるいは県政の諸状況に関する私なりの所感を申し述べ、その上で、これとのかかわりにおいて個別の課題について質問をいたしたいと思います。

 去る九月二十六日、福田内閣総理大臣を首班とする内閣が発足し、新たにスタートが切られました。新内閣がさまざまな課題に的確に対処され、我が国の進むべき道筋を明確に示されることを大いに期待するものであります。そして、参議院議員選挙あるいは首班指名に至るこの間、特に内政上議論されましたのが、小泉内閣以来進められてきた経済的効率性重視とも言える構造改革をどう評価するのか、あるいはその結果生じたとされる経済・産業あるいは医療などの生活にかかわるもの、その他さまざまな面での都市と地方の格差をいかに是正・解消するかということであります。

 無駄を省き、不採算な部分を大幅にリストラすることを進めてきた構造改革は、行政の分野においては、国・地方を通じて一円でも歳出を減らすことこそが経済回復への道とされ、これにより、例えば経済的効率性とはかかわりの薄い文化事業に関する予算や医療関係予算がカットされ、国民生活に支障を及ぼすような事態を引き起こしたとも言われております。

 一方、現在の経済状況、景気動向について見ても、全国的には緩やかな回復基調にあるとされますものの、地方においては依然として厳しい状況が続き、都市と地方で格差が生じている典型例であります。特に中小企業、地場産業の多い本県においては、一部の経済指標において改善の傾向を示す一方で、依然、多くの県民にとって先行き不透明感が払拭できない状況ではないかと思います。地方経済の疲弊が大きな課題となっております。

 現在の県政においても、財政再建、行財政改革が進められております。公債費が増嵩し、借入金償還のピークをこれから迎えるといった本県の特殊事情もあります。財源がないから、あるいは義務的経費が増嵩するからと徹底的に経費を削減・縮減されておりますが、行財政改革は何のためにやるのか、いま一度考える必要があるのではないでしょうか。この点について、六月議会でも何人かの議員が質問をし、その繰り返しになるかもしれませんが、行財政改革はあくまで手段の問題であり、ある意味で行政内部の問題であります。本来、岐阜県をどのような姿にしていくのか、県民の生活をどのようにしていくのか、そうした明確な政策的理念・展望があって、その上での行財政運営であるべきと考えます。

 予算編成も、財政論まずありきの感があります。何をなすべきか、政策・施策として何に取り組むのか、それをどう予算に盛り込むのかが必要ではないかと思います。我々は、無駄遣いをしなさいとか、不必要なことをやりなさいと言っているわけではありません。議会は、どんどん使えと言っているとか、あるいは借金をどんどんしろと言っているという認識を持っておられるとすれば、それは大きな誤りであります。政策を明確にし、将来に向けて必要な投資を怠りなくなすべきであり、それがひいては税源涵養になり、財政再建になるものではないかということを申し上げているのにすぎません。

 予算編成だけでなく、議決された予算の執行についても同様であります。この事業は必要だと政策判断されたものについては、それを着実に実行すべきであります。それにもかかわらず、予算成立後、新年度に入る前から執行を保留するような指示をするのはいかがなものでありましょうか。みずから提案し、議会の議決を受けた予算に重きを置いた行財政運営をすべきではないかと考えます。

 緊縮財政を進める中で、姿勢の問題としていかがかと思うことがあります。先般の知事の海外渡航についても、訪問先が県政にとって本当に必要なものであったのかどうか、費用は適切なものであったのか、問われなければなりません。この点については、後ほど質問させていただきます。

 さらに、より経費をかけず施策を進める一つの手段として、知事は宣言条例ともいうべき条例を県議会に提案してこられました。議会もこれを議決しておりますが、我々は条例制定に当たって、宣言条例といえども、その実効性が重要であること、これに基づき県は何をなすのかを明確にすることが必要であると主張し、県の責務、実行責任を担保するという意味で議決したものであります。条例制定自体に意味があるわけではありません。条例により課された県の責務を全うするため、必要なら所要の予算を計上し、それを着実に実行していくことこそ、その意味があるものと考えます。引き続き、条例がいかに実行されていくのか、注視してまいりたいと考えております。

 さて、先ほど本県の将来をどうしていくのか、県民の生活をどうしていくのか、これを明確に示し、政策として取り組むべきと申し上げましたが、そうした観点から、本県の将来構想を研究していく、その上で長期構想を描いていくという取り組みを打ち出されました。このことは評価できるものであります。ぜひとも、若手職員の方には、県民のため頑張っていただきたいとエールを送りたいと思います。

 ただ、その取りかかりとして、まずは現状を的確に認識し、その延長線上で岐阜県の未来がどうなるのかを考えるという方法は必要なことであろうと思う反面、それでは県民に夢や勇気を与えるような、あるいは皆で取り組みましょうと呼びかけるようなものにはならないのではないかと危惧をいたしております。決して執行部の手法、考え方を否定するものではありませんが、政治に携わる者は、政治の機能として、議会として独自に、あるべき、あるいは県民がこうありたいと思うような将来像を描き、そのために何をなすべきかを議論することも必要であると考えております。将来構想の研究についても、後ほど質問をさせていただきます。

 最後に、今回、過去において捻出された不正資金について、報告漏れとなっていたものが新たに発覚をいたしました。このことは、まことに残念なことでありますが、これまで県政再生プログラムに基づき、職員意識・組織体質を変え、風通しのよい組織づくりに取り組んでこられたことも承知いたしております。引き続き県政の信頼回復に努められるよう御要望申し上げる次第であります。

 以上、幾分長くなりましたが、所感を申し述べさせていただきました。

 我々、県議会議員は、日常的に住民の皆さんと接し、住民からの各般にわたる御意見、御叱責にも接しております。そうしたことを踏まえた上で申し上げたことであります。県民とともに、何とか岐阜県をよいものにしたいという思いで申し上げたことであり、耳を傾け、お受け取りをいただきたいと思います。

 それでは、るる申し上げました問題意識に基づき、以下大きく三点、第一に県の行財政運営の問題、第二に地方格差・地域格差の解消の問題、そして第三に教育の問題について、順次質問をさせていただきます。

 まず、大きく一番目として、県の行財政運営の問題についてであります。

 このうち、一つ目として、今後の政策方針と財政運営・財政見通し及び行財政改革について知事にお尋ねいたします。

 県政は、何をやろうとしているのか見えてこないという声が多々聞かれます。岐阜県をこうしていくという方針・政策を県民に明確に示すべきと考えます。財政論まずありきであったり、行財政改革一辺倒では、明るい未来の岐阜県の展望は描けないと考えます。

 そこで第一に、今後の県政のとるべき政策について、どのような基本方針を持ち、県民に何を示していくのか、お尋ねいたします。

 さらに、いわゆる財政の問題であります。

 岐阜県財政は、今後、さらに公債費が増嵩し、一方で税収、地方交付税等の一般財源も先行き不透明であることから、財政状況は一層厳しいものとなると説明されております。他県とは異なり、これから償還のピークを迎えるとされる公債費増嵩の要因も、今まではいわゆる「よい借金論」により起債を増発してきたからと説明されてきました。しかし、県債発行額が過去数年にわたり抑制されてきた状況を見るに、むしろ償還がこれから膨れ上がる要因としては、過去に行われた起債の借りかえ、償還の繰り延べが大きな要因であり、また、ここ数年で一気に財政の健全化を目指そうとしているところにあるように思えてなりません。この点は、財政当局の説明不足であった面が否めません。いま一度、明確に岐阜県財政の問題について説明すべきと考えます。

 そこで、第二に、今後の財政の見通し、財政運営の方針についてどのように捉え、どう考えておられるのか、お尋ねいたします。そして、行財政改革の問題について、その指針となる大綱は、もとより議会とはかかわりなく、知事の責任において策定され、知事の責任において実施されていくものと考えます。この行財政改革あるいはその大綱について、現在、知事はどのように考え、どうしようと考えておられるのか、お尋ねしておきたいと思います。

 次に、二つ目として、現場主義・組織活力の問題についてお伺いをいたします。

 私がここで問いたいのは、個々の職員にやる気がないということではありません。組織として、職員の前向きな姿勢をうまく生かせないような、そうした閉塞感があるのではないか、職員のやる気をそいでしまうような抑制基調の考え方が蔓延しているのではないかということであります。また、トップと現場の職員の意思の疎通の問題もあると思います。県民と日常的に、かつ直接的に接し、県民の批判の矢面に立つことが多い現地機関を中心とする職員の声、提案がトップに届いていない、あるいは本庁での議論の内容が現地機関の職員に伝わっていない。これでは、職員の「生かされていない」という不平不満が募るばかりであります。県政を活気あるものとするためには、現場の職員の意見・提案をよく聞き、その提案を真摯に受けとめながら、組織全体の沈滞した雰囲気を打破し、生き生きとしたものとなるよう、トップみずからが意を用いるべきであると考えます。知事みずからが職員と意見交換の場を開催しているとも聞いておりますが、意見を聞くにとどまらず、その意見なり提案をいかに生かしていくかが大事なことではないでしょうか。そこで、どのようにしてこの沈滞した雰囲気を打破し、職員のやる気を生かしていくのか、組織の活力を高めていくのか、そして、そのためにどう取り組むのか、知事にお伺いをいたします。

 三つ目として、第三者委員会の問題であります。

 知事は、県政運営あるいは意思決定の段取り、手法として、いわゆる第三者委員会を用いられていることがあります。もとより、第三者委員会は県民の意思を代表するものではなく、県民から意見を聞くことに擬製されるものではありません。また、県民代表というならば、まさしく議会は、それ自体が、あるいはそれぞれの議員が県民の意思を反映させるべき役割を担っている存在であります。さらには、外部意見として第三者委員会を設置し、その意見を聞く場合にあっても、いやしくも結論丸投げであったり、決定責任を第三者委員会に転嫁するようなことがあってはなりません。第三者委員会の役割と意思決定責任、あるいは議会意思との関係をどう考えておられるのか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 四つ目として、海外渡航の意義、成果、県政とのかかわりについて質問をいたします。

 知事は、八月末から九月にかけ、中国、モロッコ、フランスを訪問されました。中国に関しましては、中部広域観光推進協議会のミッション代表として訪日観光客の誘致促進を図る目的で訪問され、費用もほとんどが協議会持ちとなっているとのことであります。

 一方、モロッコ訪問については、新たな友好関係の構築がその目的であり、ウジュダ・アンガッド府との間で友好交流に関する覚書を締結されたと聞いておりますが、そもそも本県とのつながり、本県と交流する意味について明確ではありません。また、その後、訪問されたフランスについても、さきに在日フランス大使館との間で合意した交流プログラムの具体化を進める等のため訪問されたと聞いておりますが、そもそも今この時期にフランスと交流することに重要な意味があるのか、今なすべきことは、もっと県内に目を向けることではないかといった、ちまたの意見も聞こえてまいります。また、渡航費用の面でも、財政状況が厳しいというなら、もっと安く抑えるような行程なり、訪問地の厳選が必要ではないかと指摘する意見もあります。海外との交流をするなと言っているのでも、意味がないと言っているのでもありません。その意義は理解できます。しかし、現在の岐阜県の状況を考えると、渡航先、渡航目的、費用について、より精査が必要であるのではないかと思います。そこで、海外渡航については、岐阜県とのかかわりの中で、岐阜県にメリットのあることをやっていかなければならないと考えますが、今回の渡航の必要性、必然性、意義をどう考えて、それとの関係でどのような成果を上げてこられたのか。また、渡航費用はどれくらいかかり、それとの見合いで成果は十分と考えておられるのか、今後はこれをどうフォローしていかれる予定なのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、五つ目として、ふるさとぎふ再生基金事業の今後の進め方についてであります。

 ふるさとぎふ再生基金事業については、県政自民クラブといたしましても、その事業選定の方法等について申し入れを行い、ばらまきに終始しないよう、あるいは不正資金問題に対する反省を的確にあらわすものとするよう、さらには、同じく県民のニーズに基づいて事業が盛り込まれるべき通常の予算との違い、基金事業として対応する意義を明確にするよう、選定の仕組み・方法を見直すべきと意見を申し上げてきました。再生基金事業の選定について、今後、どう見直し等に取り組むおつもりなのか、総合企画部長にお尋ねをいたします。

 そして、一番目の項目の最後として、新たな長期構想策定の基本的な考え方についてお尋ねをいたします。

 知事は、この秋から、県政の長期的なグランドデザインを提示する「新たな長期構想」の策定に取り組むことを表明しておられます。今回策定される長期構想は、初めて経験する本格的な人口減少局面の中で策定されるものであり、産業経済はもとより、地域社会、県民生活、伝統文化など、あらゆる分野で大きな変化が予想される中で、県の進むべき方向性を提示していくものとしています。そこで、長期構想の策定の背景となる時代の認識と、策定の基本的な考え方について、知事にお尋ねをいたします。

 また、今回の長期構想の策定においては、これまで行われてきた有識者委員会への諮問という形をとらず、庁内の若手職員により編成された研究会が中心となって県の現状分析を行い、将来の見通しを立て、県の政策の方向性を提言するという試みを取り入れられております。県の長期構想策定という重要な取り組みに際し、若手職員による研究会を組織するという試みを取り入れられたねらいについて、あわせて知事にお尋ねをいたします。

 次に、大きく二番目の問題として、地方格差・地域格差の解消に向けた取り組みについて、それぞれ分野ごとにお尋ねをいたします。

 小泉構造改革による競争政策、経済的合理性重視の改革は、地方格差・地域格差をもたらし、その格差是正が大きな課題となっております。国も、概算要求などを見る限りにおいて、地方への配慮が必要と認識するに至り、各種施策に取り組もうとしております。県においては、今後、いかにこうした施策を活用するかが大事であります。

 一方で、地方のことは地方独自で自立の取り組みを進めていかなければなりません。政府頼み、中央任せでは打開できません。また、県内にも地域格差が存在いたします。県内の地域格差の是正も、県が主導的役割を果たし、取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。

 そうした格差是正、解消の取り組みとして、一つ目として、地域医療対策についてお尋ねをいたします。

 現在、全国的に地域医療を担う医師の不足は深刻化しており、また、医師の地域的な偏在も、つとに指摘されております。とりわけ産科や小児科の分野は緊喫の課題と言えます。

 こうした緊急事態の中、八月末、奈良県で救急搬送中の妊婦が幾つもの病院に受け入れを拒否され、結果、救急車内で死産となるという大変痛ましい事故が起きました。この悲劇は、地域医療体制整備に対し、さまざまな課題を提起しております。

 これらの課題の一つに、産科医師不足が上げられます。産科医師は、宿直から日勤が続くなどの過酷な労働条件に加え、お産で二十四時間いつ呼ばれるかわからないという緊張を強いられるのであります。また、本来とても危険であるお産を扱うため、医療過誤訴訟で当事者になりやすく、医師一人当たりの訴訟件数割合が他の診療科に比べて高いという実態もあります。こうしたことから、岐阜県内でも産科を休止したり、閉じたりするといった事態が起きております。県民からお産に対する不安の声が上がってきております。また、リスクの高い周産期における母体や胎児、新生児の高度専門医療を行う総合周産期母子医療センターが指定できていない県は、奈良県や本県を含め残すところ六県といった現状にあります。この総合周産期母子医療センターの指定は、周産期医療体制を確立するために急務であると思いますが、どのような対応をお考えでしょうか。

 また、現在、岐阜県地域医療対策協議会において、医師確保等の対策について広く議論しておられると聞いておりますが、現在の検討内容と、今後どのような施策に取り組まれるおつもりか、あわせて知事にお尋ねをいたします。

 次に、二つ目に、地域経済の活性化対策についてお伺いいたします。

 国においては、地域経済活性化のため、例えば地域資源を活用した地域の中小企業の取り組みを支援する地域資源活用プログラムの創設、多様な産業集積に向けた地域への企業立地等を促進する企業立地促進法の創設など、各省庁が連携したさまざまな施策に取り組んでいるところであります。しかし、地方においては、まだまだこうした取り組みの効果が実感がないばかりか、地方の産業・経済の閉塞感はぬぐい切れていないのが実情であります。

 県内においても、工場立地は、東海環状自動車道東回りの開通などインフラ整備を契機に、全国的に見ても飛躍的な伸びを見せ、県内への企業立地が進んでいる一方で、繊維・衣服、陶磁器、金属製品、木工・家具といった本県の伝統的な地場産業は、製造品出荷額、事業所数、従業者数がピーク時と比べると大幅に減少しております。最近の景況感では、本県の経済は緩やかな回復を続けているという状況ではありますが、こうした地場産業を初めとした中小企業が元気を回復しなければ、県の産業・経済がよくなってきたという実感が感じられないのではないでしょうか。

 県では、この三月に岐阜県産業振興ビジョンを二十五年ぶりに策定し、岐阜県の産業の強みであるものづくり産業を振興していくため、「モノづくりセンター構想」を推進していくこととしております。また、現在、県への企業誘致は大変好調であり、新たな産業集積が生まれつつありますが、こうした上昇基調を一層確かなものにするために、企業誘致に向けた取り組みをさらに加速させる必要があります。そして、誘致企業と県内の中小企業との連携を一層進めることにより、県内地場産業の底上げを図ることが重要であると考えます。県内の企業の大多数を占める中小企業の活力なくして、県全体の産業・経済の活力を維持していくことはできません。モノづくりセンター構想を含め、今後の産業振興策について、具体的にどのように取り組んでいくのか、また、企業誘致について、今後、どのような姿勢で取り組んでいくのか、知事のお考えをお聞かせください。

 また、地域経済活性化のための打開策として、地方では観光産業を起爆剤に、地域経済の回復を模索する動きが活発であります。本県でも同様であります。十月からは、JR各社とタイアップした「いい旅 ふた旅 ぎふの旅 ひだ・みのじまんキャンペーン」もスタートしたところであります。しかし、こうした取り組みについて、私は、知名度向上も大切ではありますが、それ以上に全国に向けてアピールするための魅力あるコンテンツ、あるいはいかなる仕掛けにより訪問者をもてなすかが大切であり、そして地域の魅力とは、そこで生活する人自身がいかに暮らしやすさを感じるかということではないかと思います。

 そこで知事にお尋ねをいたします。今後の観光振興の基本的な考えをお聞かせいただきたいと思います。

 続いて、三つ目として、地方格差解消のために必要な公共投資・社会資本整備について、特に地域自立にとって不可欠な道路整備についてお尋ねいたします。

 平成二十年度の国の概算要求基準においては、公共事業予算について、引き続き三%削減の方針が示された一方で、地域活性化、生活の安全・安心などに重点配分をするために、重点施策推進要望の特別枠として六千億円が設けられております。このことは、地方の疲弊・格差の拡大に対して、政府としてもこれ以上放置することはできないという姿勢のあらわれであると思います。極めて重要な課題である中央と地方の格差是正を進めるには、公共投資、特に地方の住民が強く望む道路整備をどのように実施していくのかが肝要であります。

 現在、国では、「道路整備の中期計画」作成を進めていますが、その骨子案では、地域の自立と活力の強化を主要な政策課題として位置づけております。本年中に策定される中期計画においても、中央と地方の格差是正に向け、地方にとって真に有効な政策が打ち出されるとともに、地方を重視した計画が示されることを期待をいたしております。

 一方、格差是正に対する道路整備の有効性を最も顕著にあらわす例としては、東海環状自動車道東回り区間の開通による効果があり、道路整備が地域へ与えるインパクトは非常に大きく、道路整備が中央と地方との格差是正のために有効な手段であることは明白であります。

 そこで、知事にお伺いいたします。中央と地方の格差是正のために、特に重要である道路整備について、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。

 また、県内の道路整備の中でも最重要路線である東海環状自動車道西回り区間について、直轄事業負担金の問題もあると思いますが、その早期整備・早期供用開始について、どのようにとらえておられるのか。加えて、西回り区間の最大懸案事項である御望山ルートに関して、今後、県としてどうしていくのか、県土整備部長にお伺いをいたします。

 なお、九月二十八日に、国が御望山ルート検討結果を公表いたしました。この問題の解決には、地域の絵を描く立場にある岐阜市がきちんと地元との調整を行えるかがポイントであると考えますが、県としてどのようにこれにかかわるのかという観点を含めお答えをいただきたいと思います。

 あわせて、道路の維持管理についてお尋ねをいたします。

 米国・ミネソタ州ミネアポリスにおける橋梁の崩壊や、本年六月に発生した木曽川大橋の鋼材破断の例にあるように、本県においても、高度経済成長期に整備した社会資本の急速な劣化により、橋梁などの道路施設が使用不能になるなどの問題が、近い将来、現実のものとなるのではないかと懸念されております。加えて、本県における公共投資予算の急激な縮減が道路施設の適切な維持管理に影響してくるのではないかと心配をいたしております。

 知事は、さきの六月議会において、「既存設備の最適な補修計画を早急に策定し、施設の長寿命化、補修費用の低減についても検討を進める」と答弁をいたしておりますが、今後、具体的にどのように道路施設の維持管理を進めていくのか、県土整備部長にお伺いいたします。

 さらに、四つ目として、県内地方鉄道の活性化についてお尋ねいたします。

 現在、県内には、いわゆる地方鉄道と呼ばれるものが、このたび新しく再出発した養老鉄道路線を含め四路線あります。これらの地方鉄道は、いずれも定時性・安全性・大量輸送性にすぐれた基幹的な公共交通機関として、都市部とその周辺地域を結び、生活者の移動手段となり、あるいは地域間交流を拡大し、地域振興を図るための基礎的な社会インフラとしての役割を果たしております。

 一方、地方鉄道は、現在、さまざまな課題に直面し、利用者の減少に歯どめがかからず、その経営は極めて厳しい状況にあります。県では、これまで国や沿線市町と協調するなどして、第三セクター鉄道の設備近代化に要する経費や安全運行に要する維持修繕経費を支援してまいりました。県及び沿線市町の財政事情は年々その厳しさを増しておりますが、地域格差の拡大が懸念される今日の状況の中で、引き続き支援を継続していくことが必要であると考えます。また、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が公布・施行されるということもあり、今後、県・市町村にあってはこうした国の動向を注視しつつ、地方鉄道の活性化について関係者が一体となって取り組んでいく必要があると考えます。

 そこで、都市建築部長にお尋ねをいたします。

 県は、地方格差・地域格差の解消の観点から、こうした厳しい経営状況にある地方鉄道についてどのように認識しているのか、また県として支援のあり方をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。

 五つ目として、農業対策のうち、園芸福祉の活動の取り組みについてお尋ねいたします。

 農業の問題は、その基盤整備のあり方、農業政策のあり方について各種論議が行われ、また六月議会における我がクラブ代表質問においても取り上げられているところであります。重要な課題であると認識しておりますが、今回は少し切り口を変え、園芸福祉の取り組みについて質問をいたします。

 園芸福祉の取り組みは、植物に接することを通じて、高齢者の生きがいづくりや子供たちの情操教育、障害者の自立支援、地域住民の交流促進など、住みよい地域づくりを目指した活動であります。私の地元の特別養護老人ホームにおいても、入居者の方々が野菜や果物などを育て、日に日に大きくなる姿を目で見て、身体で感じ、食べることで、実に元気になられているという話を聞いております。物を育てることや、きれいな花を見ることが心身機能の維持・増進にとても効果があると感じております。このような活動が、県内各地に広がっていくことを期待するものでありますが、この園芸福祉の活動は、まだ県内各地に広く認知されるまでには至っておりません。園芸福祉サポーターを中心とした活動が、今後、県内各地に普及することを願うものであります。

 そこで、農政部長にお尋ねをいたします。本県における園芸福祉活動の取り組み状況はどのようになっているのか。また、園芸福祉の推進に当たり、今後どのような施策を展開していかれるのか、お尋ねをいたします。

 さらに、六つ目として、岐阜県森林づくり基本計画の進捗状況と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。

 県土の約八二%を占める森林は、県民の生命や財産の保全、きれいで豊かな水資源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全などの多面的な機能があり、私たちは無意識のうちにその恩恵を受けて暮らしております。また、最近では森林環境教育やレクリエーションの場としての期待など、森林に対する県民のニーズは多様化してきております。

 一方・近年の我が国の木材需要に対する国産材の供給量は、平成十四年を底にして増加傾向にあり、平成十七年には七年ぶりに木材の自給率が二〇%台にまで回復していると言われております。森林所有者や林業事業体の収入の減少が続き、これらが森林を経営する意欲を減退させ、さらに供給力が弱まるという悪循環が続いております。また、森林と人とのかかわりは薄れ、これまで日常的に森林管理が行われてきた身近な里山林でさえ手入れがなされなくなり、放置され、荒廃する森林がふえつつあります。今後もこのような状況が続けば、山村地域の活力が失われ、林業・木材産業を担う人材の確保はますます困難になり、森林資源が充実する中、国産材にシフトしつつある木材需要に対応し、せっかく到来したチャンスを生かすことができないのではないかと危惧いたしております。

 このような状況のもと、県では、林業・木材産業の振興を図るため、昨年五月に岐阜県森林づくり基本条例を施行し、その条例に基づく岐阜県森林づくり基本計画を策定するとともに、今年度は「木の国・山の国の森林づくり」を県政の重点政策群の一つとして位置づけ、積極的に森林の整備並びに林業・木材産業の振興施策に取り組んでおられます。

 そこで、岐阜県森林づくり基本計画の具現化についてどのように取り組んでおられるのか、現在までの状況とこれからの取り組みについて、林政部長にお尋ねをいたします。

 最後は、大きく三番目の課題として、教育の問題について、教育長の教育に対する現状認識と基本姿勢をお尋ねいたします。

 昨今、いじめや不登校の問題、規範意識や学ぶ意欲の低下、学力低下への懸念など、子供と教育をめぐるさまざまな問題が指摘されており、教育改革に対する国民の関心と期待は、これまでにない高まりを見せております。

 国・地方を通じた教育改革の動きが本格化する中、本県においても、今年二月に就任された松川教育長のもとで、去る六月八日に各界の有識者から成る「明日の岐阜県教育を考える県民委員会」が設置され、教育の総点検と今後の教育の新たな指針となる教育ビジョンの検討が進められております。こうした教育改革の流れの中で県民の期待にこたえる教育を推進していくためには、何よりもまず教育現場の状況を正しく把握し、子供たちや保護者・教師・地域住民と一緒になって課題解決の方向性を見出していくことが重要であると考えます。

 大学教授から転身され、教育長に就任されて半年以上が経過いたしましたが、本県の教育の現状についてどのように認識されておられ、どのような基本姿勢をお持ちなのか、松川教育長にお尋ねをいたします。

 以上、数点にわたり県政全般について質問させていただきました。どうか質問の意を十分にお酌み取りいただき、簡潔かつ的確な御答弁をいただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 議員からは、県民とともにという思いで幅広い見地からお考えを述べられました。私としても、議員からの御忠言、アドバイスにつきましては、きちんと受けとめさせていただきたいというふうに考えております。

 それでは、それぞれの個々の御質問についてお答え申し上げます。

 まず、県政の基本方針ということでございますが、私はこれまで、一貫して現場主義、あるいは対話重視ということを大切にしてまいりまして、可能な限りつぶさに現地を回り、また県民の皆様の生の声に耳を傾けるよう努めてきた次第でございます。そして、政策の総点検、あるいは十六本の中期ビジョンをつくってまいりますと同時に、日々の問題や生活現場の課題に対して丁寧にお答えするという、いわば足元の問題解決型の視点と、長期的な観点から、子々孫々にふるさと岐阜県をどう引き継いでいくかという未来づくりの視点の、二つの視点から県政を進めてまいりました。

 問題解決型の取り組みといたしましては、例えば危機事案に対して迅速な対応を図るということについて、大変注力をしてまいりました。具体的には、産業廃棄物であるフェロシルトの撤去対策、あるいは平成十七年十二月から十八年二月にかけて発生しました平成十八年豪雪による災害や、昨年度発生しました揖斐川町内での地すべりなど、自然災害への迅速な対応に取り組んでまいりました。今議会に対しましても、橋梁の安全対策の予算案を上程させていただいておるところでございます。

 また、県民一人ひとりの生活に密着した課題につきましても、例えば障害のあるお子さんたちのための特別支援学校の早急かつ積極的な整備、少人数学級の配置・拡充、乳幼児医療に対する県単独の助成制度の拡充、ふえ続ける在住外国人対策として、外国人学校の法人化に向けた基準の緩和や、外国人児童・生徒のための指導員の増員、さらには御指摘もございましたが、深刻な医師不足など、危機的な地域医療への対応など、最大限の努力を払ってきておるところでございます。

 一方、将来に向けました長期的な視点からの取り組みといたしましては、例えば昨年五月の全国植樹祭をきっかけに、植えて、育てて、伐って、利用するという生きた長期的な森林づくりに積極的に取り組んできております。また、東海環状自動車道東回りルートの開通などにあわせて、進出企業への助成制度の拡充を行うなど、企業誘致を積極的に進め、全国的にもトップクラスの成果を上げてきております。

 加えて、東海北陸自動車道の全線開通、中部縦貫自動車道の高山インターまでの延伸、JR高山本線の完全復旧などインフラ整備の進展、団塊の世代の大量退職による人の動きの活発化などをとらえて、「飛騨・美濃じまんプロジェクト」として観光交流の拡大、地域産業のブランド力の向上に取り組んできております。また、こうした取り組みを、さきに内定をいただきました平成二十四年開催の「ぎふ清流国体」の成功にもつなげてまいりたいと思っております。

 また、人口減少が現実のものとなる中で、安心して子供を産み育てられることができる環境づくりということで、特にワークライフバランス、仕事と家庭の両立の実現を重要な課題ととらえ、保育サービスの一層の充実や従業員の子育てを支援する企業を増加させていくための取り組みを進めているところでございます。

 さらに、後ほど詳しく御説明させていただきますが、現在、向こう十年間の長期的な県政のあり方を明らかにする新たな長期構想の策定に取りかかったところでございます。

 いずれにいたしましても、引き続き問題解決型の視点と未来づくりの視点から課題を広く見渡し、政策にめり張りをつけながら、確かなあしたの見えるふるさと岐阜県づくりを目指して、活力、安全・安心、自立の県政に努めてまいりたいと考えております。

 次に、私としては決して財政論ありきということで申し上げておるわけではございませんけれども、今後の財政見通し、財政運営の方針等についてお答え申し上げます。

 まず、公債費の増加要因について御説明申し上げます。

 本県では、このところ、県債発行を抑制してはおりますが、過去数次にわたり、国の経済対策に呼応して財政出動するなど、積極的に投資を行ってきた中で、その財源として大きく県債に依存してまいりました。国が経済対策を行う前の平成三年度におきましては、県債発行額は四百四億円であったものが、平成八年度に千二百六十五億円、平成十二年度には千五百三十四億円と増額しております。さらに、平成十三年度からは、従前、国が借り入れをして地方に交付されていた交付税の一部が地方債に振りかえられるということでございまして、翌十四年度には千五百九十八億円という過去最大の借入額となっております。その後、減少に転じ、平成十九年九月補正後、現在でございますが、九百四十億円という水準になってきております。このように、過去において県債借入額が高水準で推移してきましたため、おおむね二十年償還というふうにしておりますので、そういうことに伴う公債費は依然として右肩上がりという状況になるわけでございます。これに加えまして、御指摘ございましたが、平成四年度から平成七年度までの民間資金借り入れ分のうち二千百七十六億円について、借りかえ方式により償還期間を延長してきたという経緯がございます。この方式をとらなければ、平成十八年四月には完済していたはずの県債が、この時点で、平成十八年四月時点でございますが、千三百八十億円、平成十九年度末でも九百八十九億円残っておるということでございます。これが、今後、利息を含めた公債費として二十八年度までにさらに千三十二億円ほど負担をしていくということになるわけでございます。こうしたことから、公債費につきましては、今後の県債の新規発行を、仮に行財政改革大綱に沿って十八年度水準から五%抑制したレベルで推移いたしましても、金利動向にもよりますが、二十年度で千三百七十億円程度、二十二年度には千四百十億円程度とピークを迎えるわけでございます。その後、二十三年度から二十五年度にかけては、おおむね千四百億円ないしは千四百億円弱ということで、若干の減少は見込まれますが、高どまりということでございます。また、県の裁量の余地の大変少ない社会保障関係経費につきましても、高齢者人口の増加などを背景に引き続き増加傾向が続くため、平成十八年度六百六十億円程度、今年度七百億円程度であったものが、二十年度には七百六十億円程度、その後五年間、毎年おおむね二十ないし三十億円程度ずつ増加をしていくということが見込まれる次第でございます。こうした義務的経費の増加が、県の裁量幅を一段と狭くするということが見込まれておるわけでございます。

 一方、歳入面でございますが、原油高や個人消費の低迷など景気の先行きが不透明な中で、積極的な企業誘致などさまざまな税源涵養施策も講じておりますが、県税収入全体の今後の姿については、現時点では確たる見通しが立っておらないわけでございます。

 また、地方交付税につきましては、先ごろ総務省が平成二十年度の地方財政収支の試算を行っておりますが、全国ベースで前年度比マイナス四・二%という数値が出されておりまして、これがそのまま本県に当てはまるかどうかは別でございますが、引き続き厳しい歳入環境になるということも予想されるわけでございます。

 こうした状況のもと、今後、年末に向けて税制改正などの議論が進められる中で、地域偏在性の少ない税源移譲の実現など、機会あるごとに国に対して財源の確保を強く主張していかなければならないというふうに考えております。

 以上、申し上げましたとおり、今後の財政運営につきましては、引き続き厳しい状況が続くことが予想されるわけでございまして、行財政改革に取り組んでいく一方で、当然でございますが、必要な事業はしっかりと実施していかなければならないという厳しいかじ取りが求められるわけでございます。

 こうした中で、私としては、将来の県民生活向上のために必要な施策を実現していくため、最大限の知恵と工夫を凝らしながら、明るい未来が見えるような予算をつくり上げていきたいと、そういう思いでおるわけでございます。

 なお、行財政改革大綱について付言しておられましたが、これは昨年三月の段階で、県税・地方交付税などの不確定要素を一定のものと見込んで策定したものでございます。今後の県の行財政を取り巻く環境の変化を踏まえながら、具体的には毎年度の予算編成を通ずる中で検証していくということになろうかと思っております。

 次に、県の組織の活力の問題についてお答え申し上げます。

 御指摘のとおり、職員のやる気を生かし、組織の活力を高めていくためには、風通しのよい組織・風土づくりが重要であるというふうに考えております。そのためには、職員が活発に議論し、みずからが積極的に政策を提案する仕組みづくりを行い、また提案された意見は政策に反映していくということに意を用いているところでございます。前にも申し上げたかと思いますが、例えば県政再生プログラムの再発防止策、昨年決定いたしましたが、二千五百人余りの職員からの約五千件の提案に基づいて策定いたしております。また、それを具体化する過程におきましても、再度職員から三千八百件の意見をいただき、それを活用した次第であります。また、県の職員倫理憲章も策定いたしましたが、これは若手の職員が議論を重ねて作成したものを採用したものでございます。

 特に現地機関の職員との関係では、私だけではなく、今年度から副知事以下幹部職員も極力各圏域を回り、現地機関の中堅若手職員と職場の状況等について意見交換を行ってきております。これまでに、全体で約二百四十名の現地機関の職員と意見交換をいたしてきております。これらの意見は、各部局にも伝え、これを極力取り入れるよう努めると同時に、意見に対する対応につきましては、職員向けのサイトで情報共有をしておるところでございます。また、政策の決定過程におきましても、課長補佐レベルでの政策検討会議、課長レベルでの政策調整会議での議論を深めるよう努力しております。

 さらに、後ほど御答弁申し上げますが、今回の長期構想策定に向けた基礎的な作業でございますが、まさに職員のやる気を大いに生かしていく観点から、初めての試みでございますが、各部局の三十代を中心とする若手職員が立ち上げました「岐阜県の将来構想研究会」にこの作業をゆだねようということにいたしました。今後とも、いろいろと工夫をしながら、県組織の活力を高めていきたいというふうに考えております。

 次に、第三者委員会に対する御質問がございました。

 私は、県政の運営におきましては、さまざまな意見を幅広く伺いながら進めていくことが当然必要であるというふうに考えておるわけでございます。そのための手法としては、いろいろあるわけでございまして、パブリックコメントもございますし、タウンミーティング、あるいは圏域ごとの意見交換会、あるいは端的に個々の企業や施設の訪問、あるいは特定の専門家に直接意見を伺う等、いろんなやり方があるわけでございます。もちろん御指摘の第三者委員会という手法もあるわけでございます。どのような手法を採用していくかは、それぞれの問題の性格や事情によって異なってくるというふうに思っております。

 また、第三者委員会について申し上げますと、一口に第三者委員会といってもいろんな性格のものがあるのではないかというふうに思います。例えば、今あるもので申し上げますと、木の国・山の国千人委員会というのがございますが、この委員会では、森林所有者、あるいはNPO法人の代表者のみならず、公募で参加いただいた多くの県民の皆さんなどによって構成されておりまして、できるだけ幅広い方々からさまざまな意見をお聞きするという場になっておるわけでございます。

 一方、議員も触れておられましたが、最近スタートしました岐阜県地域医療対策協議会でございますが、ここでは大学医学部関係者、医師会、県立病院、市立病院、大学病院、開業医など各種の病院長、女性医師、看護師、市町村長など多様な立場の方々が、実はこの分野では初めて一堂に会しまして、同じテーブルに着いて議論を行っております。ここでは、専門的な意見交換を通じながら、関係機関、地域間の連携やネットワーク形成をこの議論を通じて図っていくという場になっておるわけでございます。

 また、別の例を申し上げますと、岐阜県産業廃棄物処理施設整備検討委員会というのがございますが、ここでは学識経験者、環境保全活動団体関係者、あるいは排出事業者、廃棄物処理業者、市町村行政関係の代表者といった、それぞれにかなり立場の異なる方々が垣根を取り払って、かんかんがくがくの議論を行っております。ここでのかんかんがくがくでの激しい議論がコンセンサスの形成につながっていくと、こういう場にもなっておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、こうしたパブリックコメント、タウンミーティング、意見交換会、第三者委員会などから出されました御意見、御提言につきましては、政策立案の参考にさせていただくこともございますし、また専門的な御意見として極力尊重させていただくこともございます。いずれにしましても、最終的には県がみずからの責任において政策の立案、また課題への対応策の決定を行っていくということになるわけでございます。

 同時に、申し上げるまでもなく、議員の皆様は県民から負託を受け、選挙で選ばれた県民の代表者でございます。これまでもさまざまな機会をとらえて、議員の皆様の御意見をお伺いするように努めてきたところでございますし、今後ともその方向で努めていきたいと思っております。

 最終的には、以上申し上げましたような議論のプロセスを経て、執行部としての考えを予算や条例などの形で議会に御提案をし、あるいは本会議や委員会における答弁を通じて政策方針等をお示しし、議員の皆様による御審議、さらには県議会における議決をお願いしておるということでございます。

 続きまして、今回の海外出張についてお答え申し上げます。

 まず、私は、国際交流一般ということでございますが、人・もの・情報などが国境を越えて自由に飛び交う、まさにグローバリゼーションの時代になったわけでございまして、国内と海外を殊さらに区別して考える姿勢ではなく、極力地球規模で物を考え、ごく自然な形でいろいろな御縁を大切に、さまざまな国・地域と幅広く持続的なおつき合いをしていくことが重要であるというふうに考えております。

 また、海外との交流を通じて、我々のものとは異なる文化・伝統、制度、考え方など、謙虚に、かつ開かれた心で学んでいくことも大事ではないかというふうに思っております。また、国際交流は、知事だけではありませんで、県職員も必要なところへはもっともっと積極的に出かけていくという姿勢が必要だと思っております。加えて、市町村、あるいは経済界、教育、文化、さまざまな分野の方々が多面的で厚みのある交流を行っていくことが、県全体の発展にとっても大変重要ではないかというふうに思っております。

 さらに、一過性の交流に終わらせないよう、その都度の直接的な成果に加えまして、人的ネットワークの形成、相互理解、相互交流、あるいは具体的なプロジェクトの協力など、長期的な観点に立った持続的、かつ互恵的な息の長い交流の成果を求めていく姿勢も重要ではないかというふうに思っております。

 以上のような考えに基づきまして、昨年以来、私自身の海外出張につきましては、県内のニーズ、交流状況や交流体制、あるいは訪問先の岐阜県に対する期待や先方の受け入れ態勢、具体的な交流プロジェクトの熟度などを総合的に勘案して判断してきておるということでございます。

 今回の出張も、そのような考えに立って行ってきたところでございますが、まず中国につきましては、日本全体として推進しております「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の海外重要市場として位置づけられております中国につきまして、観光客及び、特に青少年の教育旅行客を中部地方に誘致するということで、中部広域観光推進協議会と中部運輸局が連携をして、中部九県三市の自治体、そして観光団体、旅行会社等四十三名のミッションを組んだわけでございまして、この団長を私が仰せつかりまして、北京市と、そして天津市を訪問したという次第でございます。両市の市長、あるいは在中国日本大使との面談、あるいは中国側のさまざまな担当者の方々との意見交換を通じまして、最近の日中友好ムードの高まり、そして国際観光、とりわけ中部地域に対する関心の高さと手ごたえを実感した次第でございます。特に天津市長の即断といいますか、その場での決断で、早速この週末に百二十名の青少年が本県に派遣されることとなりました。

 また、モロッコにつきましては、ウジュダ・アンガッド府から駐日モロッコ大使を通じまして、昨年来再三にわたって本県との友好交流の推進を希望する強い申し出がありました。これを受けて訪問したものでございます。岐阜県内には、既にこの議場の中の数名の県会議員の方も参加しておられますが、ぎふ・モロッコ王国・モナコ公国同好会がございまして、交流活動を行っておられます。また、花フェスタ記念公園でも、モロッコとの交流が始まりつつございます。今回は、それらの代表の方々も現地で合流したわけでございます。そのウジュダ・アンガッド府とは、観光交流、技術交流などを内容とする覚書に署名いたしましたが、府知事等との面談では、独自の伝統を守りながら発展してきている日本は尊敬すべき国であると。モロッコの将来にとって学ぶべきは、欧州ではなく日本であるというようなことをはっきりおっしゃいまして、その日本の自治体と初めて交流をスタートすることには歴史的な意味があると、そういうような発言がございまして、大変感銘を受けた次第でございます。また、現地メディアの報道も、テレビ・新聞等多数に及んでおりますし、財務大臣等政府要人にも面会いただきまして、岐阜県に対する期待を感じた次第でございます。今後、まずは建築・造園・ITなどの分野で技術研修生の受け入れを進めると同時に、モロッコから贈られた同国の国花、モロッコの国花はバラでございまして、このバラの花フェスタ記念公園への植栽。一方、モロッコ側では、最も古く由緒ある公園に二ヘクタールのギフ・パーク、岐阜公園というものを用意していただきまして、これを交流のシンボリックなものとして整備をしていくなど、花と公園の交流を中心に進めてまいりたいと思っております。ヨーロッパとアフリカの結節点にあり、イスラム文化圏の国であるモロッコとの交流は、我々にとって新しい取り組みになっていくものと考えております。

 フランスにつきましては、先般、七月に駐日フランス大使からの提案を受けまして、来年の日仏交流百五十周年に向けて、かつてない新しい地域間交流の取り組みとして、「フランス・岐阜/地域交流プログラム」について合意したところでございます。このプログラムの中には、観光協力、産業協力、科学技術協力、芸術・文化協力などが含まれておるわけでございますが、今回の出張ではその具体化に向け、現地の関係者と意見交換を行ってまいりました。フランス有数の陶磁器産地のセーブルに参上しましたが、セーブル美術館と岐阜県の現代陶芸美術館、あるいは岐阜県美術館との相互交流、企画展の交流でございますが、あるいは国立磁器製作所巡回展の岐阜県開催について、早急に取り組んでいくということになりました。また、国際観光振興機構パリ事務所、JETRO−日本貿易振興機構・パリ・センターも訪問いたしまして、飛騨・美濃じまんプロジェクトへの協力、県産品の出展や県企業とフランス企業間でビジネスマッチングができるイベントの紹介、リモージュ焼とみずなみ焼との産業交流への支援等について、いろいろと御協力いただくことになりました。

 もちろん、御指摘のとおり国際交流に当たりましては、コスト面での考慮も重要であるというふうに考えております。今回、中国出張につきましては中部広域観光推進協議会の費用負担で行っておりますが、時間と費用を節約するという観点から、この中国訪問とあわせてモロッコ・フランスへの出張を行ったということでございまして、県としての支出は、私も含め全員三名で、約四百三十万円ということでございます。私としては、それぞれに駆け足的ではございましたが、限られた時間の中で有意義な意見交換ができたものと思っております。先ほど申し上げましたような、今後のフォローアップを、県内関係者の方々と御相談しながら、しっかり進めていきたいというふうに考えております。

 次に、新たな長期構想の策定についてでございます。

 この構想は、おおむね三十年後を見据え、岐阜県の経済社会が自然体でどのような形になっているのかを想定しつつ、向こう十年間、政策的にどう取り組んでいくべきかを考えていこうというものでございます。

 この背景となる時代認識のまず第一のものは、人口減少の問題でございます。

 本県は、平成十七年の国勢調査におきまして、初めて人口が減少したことが明らかになっております。直接的な原因といたしましては、昭和四十八年以降一貫して続いてまいりました子供の出産数の減少に加え、高齢者の寿命の伸びが頭打ちになるとともに死亡数が増加し、人口の自然減が始まったということが上げられるわけでございます。加えて、住宅を求めて愛知県などから転入する人たちが従来よりも減少する一方で、就職や結婚等のために県外に転出する人たちが増加したことが人口減少に拍車をかけておるということでございます。この結果、近い将来、県の総人口は二百十万人を割り込むことが予想されておりますし、二〇三五年には約百六十万人になるというふうに見込まれます。人口構造も大きく変わりまして、現時点で三十万人いる子供の数は、約半分の十五万人に減ります。また、地域社会・経済の担い手である十五から六十四歳の現役世代も、百三十五万人から九十三万人へと大きく減少すると見込まれております。また、一方、四十四万人いる高齢者は、五十四万人にふえるという見込みでございます。こうした変化に伴い、消費の落ち込み、あるいは企業における若い労働力の不足、中山間地での過疎化の問題、高齢者の医療・介護費用の増大、地域での伝統文化やコミュニティー活動の衰退など、さまざまな影響が懸念されるところでございます。

 しかしながら、反面で人口減少社会には積極的な側面も多くあるわけでございます。例えば一人ひとりの人材が大変貴重になるだけに、若者や女性、高齢者、障害者の方々など、一人ひとりの力が尊重され、それぞれの個性を発揮し、活躍できるようにしていくことがますます重要になってくるというふうに思っております。人口減少を逆にチャンスととらえる姿勢で、目指すべき新しい社会像を描くことにも努めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

 一方、地方分権の流れもさらに加速してくると思われるわけでございます。人口減少や市場における競争の激化に伴いまして、地域間格差がますます顕在化してくるおそれのあることから、地域が財源・権限を持って独自の戦略を打ち出すことがこれまで以上に求められることになると思っております。現在、国と地方、県と市町村の役割分担の議論を進めておりますが、今後の地方分権の進展を念頭に置いた取り組みを検討していくことも、中期構想にとって重要ではないかと思っております。

 さらには、経済活動や人の流れの広域化も見逃すことはできないわけでございます。高速道路等のインフラ整備が進んだことにより、圏域を超えたさまざまな活動が強まっていくことを踏まえ、岐阜県の行政として、より広域的な視点でどのように対応していくか、これも中期構想の視点ということになるわけでございます。

 次に、地域格差の問題に関連して幾つか御質問がございました。

 まず、地域医療対策でございますが、リスクの高い妊婦の方々が安心して出産をしたり、新生児が必要な治療を受けるためには、早急に総合周産期母子医療センターを指定し、周産期医療機関の連携体制を強化することが必要であるというふうに考えております。これは、かねてからの懸案でございまして、なかなか進んでまいりませんでしたが、このためには、何としても産科医師の確保が課題であるということでございます。現在、岐阜県地域医療対策協議会での議論も踏まえながら、医師会や大学等からの人材支援が得られるよう、具体的な対策を検討しております。また、来月には関係機関と連絡調整をし、この問題に取り組む県職員五名から成る医師確保対策チームを県庁内に設置することとしております。これらによりまして、私としては、年度内にセンターの指定を目指すということで進めていきたいと思っております。

 次に、この四月に立ち上げました県の地域医療対策協議会でございますが、現在、人材の育成・確保、そして地域連携と、この二つを中心に議論していただいておるところでございます。これまでのところ、卒業後一定期間を県内の機関に勤務することを条件とした奨学金制度の創設、女性医師の方々が働きやすくなるような院内保育所の整備、あるいは医師会が中核病院を診療支援するなどの医療機関相互の連携と、こういった具体策について検討していただいておるところでございます。年内には、その提言が出されることになろうかと思っております。また、医師不足の中でも特に深刻な産科医師がかかわる周産期医療に関しましては、産科医師や消防関係者から成ります周産期医療協議会がございます。ここで中核病院の連携、あるいは救急搬送体制についても今議論していただいているところでございますが、ここでの御提言につきましても、県地域医療対策協議会での対策に反映してまいりたいというふうに思っております。

 また、現在、各地域でも独自の取り組みが始まっておりまして、県としてもこれを積極的に応援していきたいと思っております。例えば、東濃圏域におきましては、周産期医療に関する地域会議を開催いたしまして、リタイアした産科医の診療支援などを今検討しておられます。また、飛騨地域におきましては、病院の連携などの観点から、同様な取り組みが進められているところと承知しております。

 この地域医療水準の確保・維持は、容易には解決できない、なかなか難しい課題でございます。特に周産期医療を担う地域の中核病院に勤務する産科医の皆さんには、医師不足の中で、二十四時間体制を維持するといった大変厳しい就労環境の中で、あるいはみずからの生活を犠牲にして献身的に対応していただいておるところでございます。この場をおかりして、改めてこうした献身的な御努力に感謝を申し上げる次第でございます。

 先ごろ行われました舛添厚生労働大臣と全国知事会との意見交換会の場でも、私から、現場で苦労しておられる産科医の方々の使命感を大切にし、モチベーションを高めるためには、国の確固とした現場サポートの姿勢が必要であること、また具体的には医師の待遇改善や、診療実態に即した診療報酬上の評価も必要であることなどを申し上げたところでございます。県といたしましても、勤務医の方々の就労環境の整備に対する支援、しっかりとした救急体制の整備など、具体策を実行し、全力で取り組んでいきたいと思っております。

 次に、モノづくりセンターを含めました今後の産業振興についてお尋ねがございました。

 この三月に策定いたしましたビジョンに沿いまして、現在、世界企業を支える高度技術の中小企業群の集積づくり、歴史・自然・文化を生かした観光産業の発展と地場産業のブランド力の向上、そして地域資源を活用したまちづくり・新しいビジネスの創出、この三つの方向で振興策に取り組んでいるところでございます。

 観光産業の発展、ブランド力の向上につきましては、後ほど申し上げますが、「飛騨・美濃じまんプロジェクト」を中心に展開しているところでございます。また、まちづくりに関連しましては、特に現場主義ということで、県庁内に個々の箇所ごとに市町村からの御要請を受けまして、まちづくり支援チームを設けまして、現地に派遣し、一緒に汗をかくという新しい手法も取り入れておるところでございます。また、モノづくりセンターの創設に加えまして、きめ細かな、かつ総合的な地場産業対策の取りまとめも必要ではないかというふうに考えておるところでございます。

 こうした中で、県内のものづくり企業やサービス関連企業千社程度を目標に、職員が今みずから出向きまして、現場の声をいろいろとお伺いしております。特に産業振興の総合支援機関としてのモノづくりセンターにつきまして、いろいろと御要望をいただいております。そうした御要望を踏まえながら、これからモノづくりセンターの設置をしてまいりますが、その主な機能としては、ものづくりに関するあらゆる相談にスピーディーに対応するためのワンストップの総合窓口の設置でありますとか、あるいは常日ごろから現場の生の声をお尋ねする御用聞きをこのセンターの専門の職員が実施し、これをデータベース化して、各産業支援機関へフィードバックする仕組みの構築も考えております。さらには、異業種間、産学官のコーディネートを通じて企業や大学の持つシーズを生かした技術革新、経営革新を積極的に促進していきたいと、こういうことでございます。

 次に、企業誘致の今後の取り組みでございますが、まず本県の工場立地数を申し上げますと、東海環状自動車道東回りの開通を契機に、平成十六年の十二件から平成十七年には四十一件、平成十八年には四十六件と急増いたしております。平成十六年と比較した伸び率では、ともに全国第一位の伸び率でございます。さらに、今年に入りましてからも、一月から六月までの上半期で既に三十二件ということで、半期ベースの立地件数としては過去最高を記録いたしておるところでございます。これで、平成十七年から今年の六月までの二年半で、立地件数累計は百十九件ということになりまして、これは平成十年から十六年までの七年分に匹敵する数字であるわけでございます。

 このように、本県への企業進出が好調に推移する中で、誘致による成果も徐々に出てきております。東海財務局が先般報告書を出しておりますが、岐阜県は東海環状自動車道の整備に加え、公共団体等の積極的な取り組みから、今後地域の活性化が見込まれるという御評価でございまして、具体的には、例えば有効求人倍率が高水準であることに加えまして、企業進出が進む中濃・東濃地域における平成十八年の住宅着工戸数でございますが、前年比二四・八%増と、県全体として見ましても八・八%増ということでございまして、全国の四・四%増をはるかに上回ったものになっておりまして、こういった数字が上げられております。

 企業誘致は、また県と市町村の密接な連携が必要でございます。昨年度、関テクノハイランド進出企業と地元中小企業との交流会を実施いたしましたが、ビジネスに具体的につながったということで大変好評でございました。今年度は、沿線市町村が主催をし、県が後押しをするという形で、企業間の連携をさらに進めてまいりたいと思っておりまして、来月から順次、五つの市町村で実施される予定になっております。

 こうした連携の効果でございますが、例えば関市に進出しました輸送機器メーカーは、部品の発注に加えて機械設備の開発、保守管理、消耗資材の調達、社員食堂の運営まで地元業者に発注・委託しておりますし、美濃加茂市に進出した菓子メーカーは、主力原材料となる卵や牛乳を県内の畜産業者からすべて調達するといったようなことで、他の産業にも波及しているわけでございます。

 また、本年六月に施行されました企業立地促進法にのっとりまして、現在、県と県内全市町村との間で、五圏域ごとに向こう五年間の企業誘致計画を策定しておるところでございます。それぞれ地域の強みや特性を生かした集積業種を定め、新規立地件数、新規雇用者数及び製造品出荷額等の具体的な数値目標をこの中で設定いたしております。近いうちに、国の同意と支援を得る方向で今取り組んでおるところでございます。

 同時に、県としての誘致体制の充実を図るべく、庁内横断的にプロジェクトチームを今月中に設置をいたしまして、このところ年間六百件程度でありました企業訪問件数を二・五倍の千五百件を目標として、徹底した企業訪問を実施するほか、産業労働部に話をしていただければ、規制や許認可手続において、その場で方向性を見出せるようなスピーディーで円滑な体制づくりを目指していきたいと思っておりますし、また既に進出された企業を定期的に訪問し、地元中小企業を紹介するなど、きめ細かなフォローアップを進めていきたいと思っておりますし、私自身もこれまで以上にトップセールスの回数をふやしてまいりたいと思っております。

 また、今後の団地開発につきましては、県では関市内のロジスティクス開発予定地を新たな候補地としておりますけれども、このほか幾つかの市町村、あるいは民間による団地造成も進められておりまして、私どもとしてもこれらの支援に応じ、また団地開発の動きも加速させていきたいというふうに思っております。

 さらに、進出企業への雇用促進ということも大変大事でございまして、この教育・訓練につきましては、進出企業の求める人材を短期間で養成するオーダーメイド型新規立地企業雇用推進研修というものを実施いたして対応しておりますし、また県と市町村、ハローワーク、学校が連携して、地元雇用を優先的に働きかけるということで、地域と企業とのつながりを深めておるところでございます。

 次に、今後の観光振興でございますが、県といたしましては、この観光振興を県政の重要施策の一つとして位置づけまして、さきの定例会で御承認をいただき、制定いたしました条例に基づき、飛騨・美濃じまん運動を展開しておるところでございます。「知ってもらおう」「見つけだそう」「創りだそう」という三つの合い言葉のもとで、情報の発信、県産品の活用販売、ふるさと教育などを推進するとともに、インフラの整備、おもてなしの心、優しいまちづくりなどに取り組み、飛騨・美濃の特性を生かした誇りの持てるふるさとづくりを目指すこととしておるわけでございます。一連の議論の中で、ある有識者の方からは、「岐阜県のこのキャンペーンは箱物整備を優先するのではなく、足元にあるいいものを見つけ出すというソフトに力を入れている点がすばらしいのではないか」というようなコメントがございました。また、多くの県外の方々からは、「岐阜県にはすばらしいものがたくさんあるけれども、岐阜県の方々はそれに十分気づいていないのではないか。もっともっと外に向かって自慢をしたらどうか」という御意見をいただきました。先日、県外の大手企業を訪問する機会がございましたが、この企業の応接室にありますテーブルクロスは岐阜県産の織物、迎賓館にある家具はすべて飛騨の木工でございました。「いずれもとてもよいものであるので、岐阜県産を使っています」というふうにお褒めの言葉をいただきました。また、イギリス在住の日本人の方からは、イギリス人へのこれまでのお土産で一番喜ばれたものは、切れ味のすばらしい関の刃物であったということで、イギリスでもっともっとPRをしてはどうかというようなお話もございました。

 いずれにいたしましても、この県民運動では、県民一人ひとりの方々がそれぞれの目線でみずからの地域を見詰め直し、地域の自慢を見つけ出すことで、誇りの持てるふるさとづくりを行っていくということでございます。議員まさに御指摘のありましたとおり、観光産業の振興は単に既存の観光地のPR活動だけではなく、むしろこれまで必ずしも目立たなかった地域の自慢を積極的に活用して、地に足のついた人づくり、まちづくりを進めていくことで、地域の魅力を高めていくことが大事ではないかというふうに考えております。

 また、手づくりで地域の魅力を高めることが、住民の方々がみずから住んでおられる地域への愛着を持ち、また暮らしやすさを実感し、ひいては訪問者への心からのもてなしにつながると、こういうふうに考えておる次第でございます。

 この議会では、飛騨・美濃じまん大賞を補正予算で提案させていただいておりますし、また近年の観光は大変多様化しておりまして、きめ細かい対応をしていきたいと思っておるところでございます。

 最後でございますが、格差是正を踏まえた道路整備の取り組みについて申し上げます。

 道路は、産業・経済・観光・生活を支える重要な社会的基盤でございまして、県民生活の向上、地域の自立、活力保持に最も重要な役割を果たす社会資本であるというふうに考えております。特に本県におきましては、港湾・空港を持たず、また鉄道網も必ずしも十分でないということから、中央と地方の格差を是正し、競争力のある地域、あるいは活力のある地域を目指していくためにも、とりわけ道路の整備が大変重要であるというふうに考えております。

 現在、国において道路整備の中期的な計画を策定中でございますが、本県としては、第一に、産業振興や観光交流の拡大を図るための主要な骨格となる幹線道路の整備促進、第二に、安全・安心な暮らしづくりのための道路整備や、既存ストックの適切な維持管理、第三に、これらの計画的な推進のために必要な地方の道路財源の確保・充実や地方負担の軽減など、中央と地方の格差を是正するための道路整備を確実にするよう、国に対して主張しているところでございます。安倍前総理は、元気な地方を応援すると言っておられましたが、私は元気な地方を応援するならまず道路からということで、今のような主張をさせていただいている次第でございます。

 このような立場から、本県では、昨年度策定いたしました県土整備ビジョンにおきまして、地域の産業・経済の発展などに不可欠な本県の自立に資するための幹線道路網を、県土千七百キロ骨格幹線ネットワーク構想として位置づけ、優先的に整備することとしております。中でも、議員御指摘のように、東海環状東回り区間の開通は、沿線団地への企業立地など本県経済に絶大な効果を発揮しているところでございます。したがいまして、西回り区間につきましても、環状道路としてつながることによって東回り区間を上回る効果が期待されるわけでございまして、今後重点的、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。その際、西回り区間の延長は約五十三キロメートルと長く、その整備には莫大な事業費も必要でございます。少しでも早期に効果が発揮できるよう、段階的に供用を図っていくことが必要というふうに考えております。このほかにも、渋滞対策や孤立対策などの地域課題解決のための道路整備にも的確に対応してまいります。

 本県といたしましては、国に対し、道路財源の確保・充実を含め、地方の道路整備が確実に進むよう、引き続き主張していくとともに、地域の自立、格差是正のために有効な道路の整備につきまして、財政状況をにらみながら着実に進めてまいりたいと思っております。以上でございます。



○議長(中村慈君) 総合企画部長 丸山 進君。

   〔総合企画部長 丸山 進君登壇〕



◎総合企画部長(丸山進君) ふるさとぎふ再生基金についてお答えをいたします。

 ふるさとぎふ再生基金事業につきましては、不正資金問題を県政の教訓とし、県政の再生を図る必要があることから、通常予算とは別の形の基金とし、さらに公募により直接県民の声を聞きながら、地域づくり、人づくり等、将来の岐阜県の発展に資する事業を行っていくものであり、ふるさとぎふ再生基金条例を本年三月の議会において議決をいただき、この春から運用を開始したところでございます。十九年度事業につきましては、三百五十二件の御提案をいただき、法令等の制限、既存事業の有無、県が事業主体となることが適当かなどの視点から提案一つ一つを検討し、さらにその上で県民によりわかりやすく、より効果的なものとなるよう整理・統合することといたしました。その結果、最終的に十一の事業案を決定し、今議会において、九月補正予算案として上程させていただいているところでございます。これら十一事業案の中には、県民の皆さんが日々さまざまな現場で経験したり目にしたりしていることに基づく切実な提案や、行政サービスを利用する立場からの御提案など、日ごろ県職員としては気づいていない公募ならではのものが多く含まれております。例えば県産材の活用策として、幼児期から木の持つ温もりややわらかさに触れる機会をふやすため、岐阜の木を利用した玩具・遊具等を開発する事業、発達障害を抱える子を持つ親の願いとして、地域や学校が発達障害に対する理解を深めるための事業、ぎふ清流国体に向けて、競技力向上のためのスポーツ動作解析機器を全圏域で利用可能とする事業などが上げられます。

 また、二十年度事業につきましては、百五十六件の御提案をいただいており、今年度の特例ではございますが、採択に至らなかった十九年度事業提案を加えまして、合計四百六十件を対象として検討を進めることといたしております。

 二十一年度以降の事業につきましては、この二年間分の公募選定作業の評価や、採用された事業の実施状況、さらには二十年度提案が相当程度減少したことなども考慮いたしまして、今後のあり方等については十分検討してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 園芸福祉活動への取り組みについてお答えいたします。

 本県では、園芸福祉を推進するための独自の取り組みといたしまして、病院や福祉施設、小学校、地域などでの園芸活動をお手伝いいただける園芸福祉サポーターの養成を行い、平成十四年度からの五年間で三百五十二名を認定いたしました。また、平成十六年度から県立国際園芸アカデミーに園芸療法、園芸福祉を学ぶ「癒し・利用」コースを設け、この分野の専門家の養成に努めております。

 この園芸福祉サポーターは、現在、県内二百カ所を超える現場で積極的な活動が実践されており、昨年の八月にはNPO法人岐阜県園芸福祉協会が設立されました。この協会が中心となって、この十月五日から園芸福祉全国大会を岐阜市で開催することになっており、大会を契機に県内での園芸福祉活動がますます活発になっていくものと期待をしております。今後は、西濃や飛騨など園芸福祉サポーターが少ない地域において、人材を確保するため、新たに出前講座を開催するとともに、資格向上のためのフォローアップ研修の充実を図ってまいります。また、市町村及び福祉・教育等関係部局との連携を密にし、園芸福祉サポーターの活用の場の拡大、園芸福祉の認知度向上のためのPRに努めてまいります。



○議長(中村慈君) 林政部長 渡辺敬一君。

   〔林政部長 渡辺敬一君登壇〕



◎林政部長(渡辺敬一君) 森林づくり基本計画の具現化と今後の取り組みについてお答えいたします。

 地球温暖化などの環境面から、森林に対する注目度が増し、外国から木材が入りにくくなる中、国内で昭和三十年代以降植えられました杉・ヒノキは伐採できるまでに成長しております。議員御指摘のとおり、今まさに国産材のチャンスであるといえます。基本計画では、このチャンスをつかむために、今後五年間に取り組みが必要な総合対策として、四つのプロジェクトを本年四月から進めていますので、その取り組み状況を報告します。

 一つ目は、効率的に木材を生産する区域と、環境を保全する区域に区分して、健全で豊かな森林づくりを進めるため、五つの地区でモデル団地を設定いたしました。現在、森林組合と林業会社が連携して、それぞれの現場に応じた作業路の整備や伐採作業の機械化を進めています。

 二つ目の、県産材流通改革としましては、美濃地域と飛騨地域に新しいタイプの大型の製材工場が整備されました。この結果、丸太を山から工場へ直送し、市場手数料などの流通コストを省き、大手住宅メーカーが求める品質の高いまとまった量の製品を生産することができるようになりました。このことにより、県産材の販売量の拡大、ひいては山もとにより多くのお金が残るよう努めてまいります。

 三つ目の、県産材を使った家づくりの促進につきましては、本年四月から岐阜県産の木材であることを認証する制度を木材業界と一体となって始めました。また、一定量以上の県産材を使って建築される木造住宅につきまして、直接施主さんに二十万円を助成する制度を設けたところ、多くの応募をいただいているところでございます。

 四つ目の組織づくりにつきましては、市町村ごとに地域の課題を十分に認識し、地域住民や森林所有者などの関係者が連携・協力して森林づくりを進めるため、市町村森林管理委員会の設置を進めています。現在十一市町村で設置され、県内の森林の八割をカバーするに至っています。また、議員御指摘のありました里山対策につきましては、市町村だけでなく、NPOや森林づくり活動に意欲のある企業などが協力して、保全・整備する仕組みづくりを、関係部局と連携して検討していきたいと考えています。

 次に、担い手対策は、間伐や木材の伐採、搬出などの森林整備を行う根幹であり、一層施策の充実に努めてまいります。さらに、クマが成長した杉などの皮をめくる被害や、カシノナガキクイムシがナラの木を枯らす被害が最近県内に目立っており、これらに対する防除対策に早急に取り組んでまいります。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 三点お答えいたします。

 まず、東海環状自動車道の整備の進め方についてお答えします。

 東海環状自動車道は、本県経済の発展、地域の活性化のため最も重要な社会資本であり、また議員御指摘のとおり、中央と地方の格差是正のためにも重要な道路であると考えております。

 西回り区間の延長は約五十三キロメートルと長く、その整備には多大な事業費が必要ではありますが、企業誘致の促進や、それに伴う雇用の増加など、本県に非常に大きな投資効果をもたらすものと期待されております。したがいまして、厳しい財政状況ではありますが、少しでも早期にその効果が発揮できるよう、段階的な供用を図りながら事業を進めていくことが重要であると考えております。具体的には、東海北陸自動車道の美濃関ジャンクションから西へ、名神高速自動車道の養老ジャンクションから北と南へ向かって順次整備することが効果的であると考えております。なお、この秋には大垣市内の新幹線と交差する付近におきまして高架橋の下部工事に着手されるなど、本格的な工事が開始されるものと聞いております。今後とも、東海環状自動車道の整備促進を国に強く働きかけるとともに、岐阜県における道路整備の最重要課題として取り組んでまいります。

 次に、西回りルートの中での懸案となっております御望山周辺のルート問題への県のかかわり方についてお答えします。

 岐阜市御望山地区のルート等の問題については、平成八年の都市計画決定の附帯意見を受け、事業者である国において地域住民への説明が行われてきましたが、さらに検討が必要として、平成十二年からは御望山調査検討会で検討が行われてきてまいりました。その結果、五年九カ月の議論を経て、昨年の三月、御望山調査検討会報告案が取りまとめられたところでございます。これを受けまして、国において御望山周辺の計画について調査、計画の再検討が進められ、先週、九月二十八日に国から再検討の状況及び今後の進め方が公表されたところであります。この中で、地域住民への説明会の実施と意見把握、そして御望山を通過するルート帯についての地質調査の方針が示されました。今後、地域住民の皆様の意見、地質調査の結果等を総合的に検討され、事業者計画案が示されることとなっております。県としましては、岐阜市と緊密に連携・調整を図り、再検討が円滑に進められ、できるだけ早期にルートが確定するよう強く国に申し入れていきたいと考えております。

 最後に、道路の維持管理の進め方についてお答えいたします。

 厳しい財政状況の中、今後、増大する道路施設の老朽化に対応するため、従来の対症療法的な手法から、壊れる前に補修する予防保全的な手法への転換が重要であると考えております。

 本県では、平成十六年度から重要度が高い橋梁及び舗装について、県独自の手法で最適な補修計画を策定し、事業へ反映してまいりました。この補修計画の導入により、橋梁の寿命を大幅に延ばすことができ、落橋など甚大な事故の発生が防止できるとともに、今後五十年間で約七百三十億円のコスト縮減が図られると試算しております。

 一方、国では橋梁の長寿命化計画を策定するための新たな補助制度が本年度創設され、岐阜県におきましても来年度までに、これまで策定してきました独自の補修計画をもとにして、長寿命化計画を策定することといたしております。また、かねてから岐阜県が要望しておりました県管理の国道の舗装補修についても、来年度から交付金事業の対象となるなど、維持管理に対し国の支援が図られることになりました。今後は、これらの補助制度などを有効に活用し、これまでに策定した補修計画を着実に実施するとともに、トンネルなどの他の道路施設につきましても、補修計画の策定手法の検討を進め、道路施設の長寿命化と効率的な維持管理に努めてまいります。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 県内地方鉄道の活性化についてお答えいたします。

 県内の地方鉄道は、年々利用者が減少しておりますが、第三セクター鉄道三社で年間約二百十七万人、養老鉄道で約七百七万人の方々に利用され、またそのうち約五割が通学の生徒でもありますので、地域格差の観点からも、地域の生活を支える重要な路線であると認識しております。

 しかしながら、地方鉄道を取り巻く事業環境は厳しい状況にあり、県といたしましても、安全・安心な輸送手段を確保する観点から、第三セクター鉄道の設備投資や維持修繕事業に対し、国・市町とともに支援を行い、また四路線それぞれの地域の協議会にも出席し、助言や情報提供等に努めてまいりました。折しも、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が十月一日に施行されたところであり、今後の支援のあり方につきましては、鉄道事業者にさらなる自助努力を促すとともに、国の制度を見きわめ、一体的なまちづくりの観点から、国・県・市町がその役割を明確にした上で連携し、沿線住民も一体となった地域の取り組みを促進してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教育に対する現状認識と基本姿勢についてお答えいたします。

 今日の教育が直面するさまざまな課題を解決するためには、教育現場の実態をしっかり把握することが不可欠であると考えております。ただ、私は長年、大学で教員養成に携わっておりましたが、小・中学校や高等学校における教育の実体験を必ずしも十分に持ち合わせているわけではございません。このため、私自身、できる限り、学校や地域へ出向き、自分の目で見たり、児童・生徒や保護者、教員、地域の方々の生の声を聞くように努めているところでございます。その中で、まず感じますことは、携帯電話やインターネットの普及によるさまざまな情報のはんらん、家庭や地域社会の教育力の低下など、子供を取り巻く環境の変化により、子供たちの道徳観や公共心、いじめの問題を含めた心の問題やコミュニケーション能力の低下が大きな課題となっていることです。また、今の子供たちはいろいろな面で意欲が低下していると言われていますが、その一方でボランティア精神が旺盛で、ITに強いとも言えます。こうした子供の現実を踏まえ、子供たちが自立してたくましく生きていくためにはどういった力をつけていったらよいかをしっかり見定めていく必要があると考えております。

 そのためには、児童・生徒や教員の声をもとに、教育現場の実態に即した解決策を見出していく現場主義の視点と、教育を受ける側の立場から問題点をとらえ直す、子供の目線に立った教育を基本スタンスに、岐阜県の教育を進めていきたいと考えております。今後、明日の岐阜県教育を考える県民委員会において、多様な視点から活発な議論を進めていただき、現場主義と子供の目線に立って、岐阜県教育の総点検を進め、本県教育の基本指針となる岐阜県教育ビジョンの策定につなげてまいりたいと考えております。



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○議長(中村慈君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時五十二分休憩



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△午後零時五十九分再開



○副議長(安田謙三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(安田謙三君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(安田謙三君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(安田謙三君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十二番 渡辺嘉山君。

   〔二十二番 渡辺嘉山君登壇〕(拍手)



◆二十二番(渡辺嘉山君) ただいま議長より発言のお許しをいただきました。

 本日は、県民クラブを代表し、大きく十項目について質問させていただきます。

 今回は久しぶりの質問で、大変欲張りました。ポイントを中心に、早速、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、今後の県政運営について知事にお尋ねいたします。

 昨年発覚しました不正資金問題に関して、県政に対する信頼回復、県政再生を重要課題として、その課題の実現に向けた取り組みが進められているところであります。

 こうした中、平成十九年度の県政は、行財政改革で足もとを固めつつ、時代を見据えた新たな政策を本格スタートさせるとして、平成十八年三月に策定された行財政改革大綱を踏まえつつ、重点化を図るべき課題、一、観光交流の拡大とぎふブランドづくり、二、強みを生かしたぎふの産業づくり、三、木の国・山の国の森林づくり、四、ぎふの個性や資源を生かしたまちづくり、五、少子化対策の推進、六、安全・安心な暮らしづくり、七、格差を生まない社会づくり、八、多文化共生社会の実現という八つの県政重点政策群という形で明らかにし、県政の重要な政策課題に対応されておられます。

 しかしながら、県の財政状況を見ますと、当初予算ベースでの財政規模は、平成十年度をピークに減少傾向が続き、県債残高は増加する一方、基金残高はバブル崩壊後、急激に減少しております。本定例会に提案された九月補正予算案を見ますと、歳入において、当初予想していた個人県民税の伸びが見込めず、県民税が当初予算からマイナスの二十五億円と、大幅な減額修正となっています。法人も、一部で業績が好調と言われているものの、新たな設備投資等に回るなど、必ずしも安易に税収増を望める状況にはありません。こうした状況の中、現行の県総合計画「県民協働宣言」が来年度で終了することを受け、その後十年間の県政の進むべき姿を示す長期構想を策定するため、庁舎の若手職員から成る岐阜県の将来構想研究会が設置されました。約三十年後までを想定した上で、平成二十一年度から十年間の政策的課題を検討されるようですが、来年度は現行の総合計画の最終年で、これまで行ってきた施策をどう未来ある新たな長期総合計画につなげていくか、非常に重要な時期に来ております。そこで、これまで上半期の半年間取り組んでこられた成果を含め、今後も厳しい財政運営を迫られる中、県の財政見通しをどのようにとらえ、また、現在策定に取りかかられている中・長期構想も踏まえ、今年度下半期から来年度にかけて、どのような施策に力点を置いた展開を図っていかれるお考えなのか、知事の御所見を伺います。

 次に、中小企業に対する支援策についてお尋ねいたします。

 九月二十日に東海財務局岐阜財務事務所が、七月から九月期の県内法人の景気予測調査結果を発表しました。景況判断BSI−上昇企業割合から下降企業割合を差し引いた指数−は、全産業でマイナス一七・九で二年近く七期連続のマイナス値、ただし前期に比べると四・四ポイント改善し、来期は大きく改善の見込みを出しています。二〇〇七年度の売り上げ見込みは前年度比で八・四%の増収になるが、経常利益は逆に一・五%の減益、設備投資では、先行き不透明感から五・四%減、業種別では、製造業が一三・六%減、非製造業が一三・九%増と、両極端な結果でした。同じ日に、財務省と内閣府が発表した七月から九月期の大企業のBSIはプラスの六・二、中堅企業もプラスの〇・七となっている一方で、中小企業はマイナスの二二・三と、相変わらず中小企業は改善されてきていないことがわかります。改善どころか、負債一億円に満たない中小零細企業の倒産が増加しているのが現実で、帝国データバンクの集計では、二〇〇六年度で中小零細企業の倒産は、対前年比一五・六%増加しています。同じ岐阜支店の今年上半期−一月から六月−の集計も、負債一千万円以上の倒産件数は前年対比で六・一%増の七十件で四年連続の増加、逆に負債総額は減少し、小口倒産、中小零細企業の倒産が増加していることを証明しています。

 県統計課がまとめた二〇〇六年事業所・企業統計によると、民営事業所は、一九九六年以降毎年減少しており、同課は、「個人経営による事業所数の減少傾向が続いている」と言っています。規模別に見ると、全体の三割を占める従業員数十人未満の事業所が減少しており、後継者不足、つまり親の後を継ごうとしてもやっていけないため、廃業する個人経営者がふえている実態が明らかになっています。このまま日本の経済を下支えしてきた中小零細企業者がなくなれば、特にそういった事業所が多い岐阜県の経済実態を考えたとき、早急な対策が不可欠です。これまでも、県では中小企業のための制度融資を初め、いろいろな施策を行ってみえますが、例えば地域資源を生かした支援策など、ぜひもう一工夫して、さらなる御支援をお願いいたします。

 そこで、産業労働部長にお尋ねいたします。

 まず、県内の中小企業者の声をどのように把握してみえるのか。そして、今後どのような観点から中小企業対策に取り組み、中小企業の活性化、ひいては地域の活性化につなげていかれるのか、お伺いいたします。

 次に、笠松競馬の再興について知事にお尋ねいたします。

 笠松競馬は、今年は大変厳しい年になっております。一つ目は、馬インフルエンザの件です。

 八月十五日、JRAのトレーニングセンターで馬インフルエンザ感染の疑いのある競走馬が確認され、十七日には九十一頭の感染馬が見つかり、同日中に翌日からの開催中止を決定しました。その馬インフルエンザが地方に飛び火し、十八日から大井競馬場、十九日から金沢競馬場でも開催が中止されました。そして、各地で馬インフルエンザの感染が確認され、ついに笠松競馬場でも、八月二十四日、簡易検査の結果、二頭が感染していると発表されました。幸い笠松は二頭のみしか感染が確認されませんでしたが、金沢で百十七頭、名古屋で八十頭確認され、当然馬の交流が制限され、八月二十八日からの第九回開催からレースが縮小され、第十回、第十一回と五日間開催が三日間開催に短縮されました。その結果、当然売り上げが減少し、平成十七、十八年度とも実質単年度収支は一億円を超えていましたが、九月二十六日−第十一回開催終了−時点での黒字は約二千二百万円になりました。

 二つ目は、競馬場の土地、地権者との問題です。

 今、馬主も笠松競馬場で働く調教師、厩務員、従事員等、すべての人が賃金等低く抑えられた中で、笠松競馬場存続、継続実施のために協力して進められていることは御案内のとおりです。

 昨年六月に、一部の地主の方から提訴された、競馬場が廃止になるとした上で、「土地を原状回復していつ明け渡すのか、終了するまでの賃料を支払え」との訴訟が起こされましたが、本年九月六日、競馬組合が和解の意向を示し、裁判官から双方が和解に向けて努力するよう指示があり、和解協議が始まりました。判決日は十二月六日と結審の日に決定されていますから、それまでに和解されない場合、大変なことになります。

 三つ目は、馬券販売額−−総売り上げ−−は、平成十八年度は前年度より約三億三千四百万円伸びていますが、収益率の高い本場での売り上げを伸ばす手だてが打てていないことです。それはなぜか。まだ来年度の継続が決まっていないからです。競馬組合からこれまで、「来年度の存続も決まっていないのに、まして赤字が出たら即廃場と言われる中で何もできない」と、口癖のように聞かされ続けました。

 平成二十年一月施行予定の競馬法の改正により、一号交付金の猶予が三年から五年に延長されます。ということは、今月よりまだ二年半あります。

 今、笠松に「マルヨフェニックス」という馬がいます。今年に入り、二月、園田での「日刊スポーツ新聞社」一位、六月、名古屋での「東海ダービーオープン」一位、八月、大井での「黒潮杯三歳選定馬重賞」で一位、次はJRAでと期待したところで馬インフルエンザ。中央競馬で走る予定が延びてしまいましたが、待ちに待ったスターホースとしての期待が持てる馬が出てきたところです。今がチャンスです。ここでぜひ、今年度を含め三年の延長を宣言していただきたい。そうすることによって、思い切った売り上げ増収策を展開できるのではないでしょうか。そして、地権者の皆さんとの和解協議にも必ずよい影響があるものと考えます。現在、単年度での継続のため、じり貧状態と言わざるを得ない状況からの脱却のためにも、この機に三年の延長、中・長期的な売り上げアップのための改善策を講じるべきと考えます。決定は構成団体首長会議にありますが、笠松競馬再興に対する知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、危機管理・災害対策についてお尋ねいたします。

 東海・東南海地震の発生が懸念される中、今年七月十六日に発生した新潟県中越沖地震は、改めて地震の怖さを身につまされました。いつ起こるかわからない地震等の災害、一たん災害が起きると、高齢者、障害者など災害時要援護者が犠牲になります。新潟県中越沖地震において十人のお年寄りが亡くなった柏崎市では、災害発生時の安否確認等の対応おくれに対する懸念が広がっています。

 八月二十九日に、岐阜市内で新潟県中越沖地震の被災地支援に派遣された県や岐阜市の職員の体験を語る報告会がありました。保健師さんたちが、現地での活動や学んだことなどを県や市町の職員に伝え、防災体制の整備に生かしてもらおうと開催されたもので、多くの貴重な意見が出されました。特に保健師さんの報告で印象的だったのが、避難されている方のみではなく、復旧作業に当たっている地元柏崎市の職員の方のメンタル面の相談が多く寄せられ、「自分の活動があれでよかったのか考えてしまう」と訴えられたことです。支援する側、支援を受け入れる側、その両者の災害対応について、迅速かつ円滑な活動が行えるための体制整備が重要であると感じました。

 そこで、まず危機管理統括監にお尋ねいたします。

 今回の新潟県中越沖地震に係る被災地支援に当たっては、今申し上げたとおり、保健師を初めとする多くの県あるいは市町の関係部局等の職員が現地に入り、地域や被災者に対する支援活動を行いました。あるいは、被災地の県や市町村、ボランティア団体等が行ったさまざまな災害支援活動を実際に目の当たりにしたわけであり、このことは、今後の本県の災害対策を考えていく上でも大変貴重な経験、教訓になったものと思います。

 私は、こうした一人ひとりの職員が得たノウハウを個人の経験として終わらせることなく、広く県や市町村の災害対策、要援護者や被災者対策を含めた防災力の強化に向けた体制づくりに反映していくことが必要だと思いますが、県としてどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。

 次に、防災基盤の強化の観点から二点お尋ねいたします。

 一つ目は、県内の教育施設の耐震化の状況についてお尋ねします。

 学校施設は、児童・生徒等が一日の大半を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時には、地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、その安全性の確保は特に重要なものであります。

 避難所の指定については、全国では九割近い八九・一%の公立学校が避難所に指定されているそうです。また、公立学校施設の耐震化については、文部科学省が平成十九年六月八日に公表している「公立学校施設の耐震改修状況調査の結果について−平成十九年四月一日現在」によると、全国の公立学校施設の耐震化率が小中学校では、五八・六%、高等学校では、六〇・九%となっております。我が岐阜県においては、小・中学校六八・八%−全国九位、高等学校八八・七%となっており、全国的にも耐震化が進んでいると思いますが、先ほどお話ししたとおり、公立学校は児童・生徒の安全性はもちろんのこと、非常災害時の避難所となることから、危険な校舎は放置できません。耐震化されていない残りの公立学校についても早急に耐震化を図る必要性があると思います。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 避難所に指定されている公立学校の耐震化の状況はどうか、耐震基準を満たしていない公立学校の耐震化についてどのように進めていかれるか、お伺いいたします。

 二つ目は、県内の橋梁の補強・点検についてです。

 今年八月にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで高速道路の橋が崩れ、多くの死傷者−死者十三人−が出たことは衝撃的でした。地震でもないのに、突然に。日本も人ごとではありません。

 我が国には、高速道路と一般国道、地方道も含めた橋は約十四万カ所あると言われます。国土交通省によりますと、昨年で建設後五十年以上となる高齢橋は八千九百カ所、これが二〇一六年には約二万八千四百カ所、さらに二〇二六年には六万六千三百カ所と急増していく状況にあるということです。現に、三重県の国道二十三号木曽川大橋−一九六三年完成−で鋼材の破断が見つかるなど、危険の兆候が見え始めています。

 既設の橋の安全を確保することは、人命にかかわる最優先課題であります。災害時に橋が崩れて通れないということは、大きく救助活動を阻害するものであります。

 そこで、県土整備部長にお尋ねいたします。

 本定例会に上程されております九月補正予算案でも橋梁の維持修繕費が上がっておりますが、県内の橋梁の劣化ぐあいの状況はどうか。地震災害の影響を見積もった補強をどのように進めていくか、お伺いいたします。

 次に、岐阜市にありました岐阜大学医学部等跡地の活用についてお尋ねいたします。

 今年の五月二十八日付で、岐阜市の改正中心市街地活性化法に基づく基本計画が政府の認定を受けました。皆さん御案内のように、JR岐阜駅前には「岐阜シティ・タワー43」がほぼ完成し、来週十三日のグランドオープンを、待つばかりとなっています。そして、ツインタワー構想として、問屋町西部南街区市街地再開発準備組合は、シティ・タワーのすぐ北隣に当初二十五階建ての計画を地上三十七階地下一階建て、商業施設と住宅、分譲マンション二百戸の予定で、二〇一一年の完成を目指します。さらに柳ケ瀬にも高島屋南地区に地上三十四階建ての超高層複合ビルを建設する計画があり、二〇一二年のオープンを目指します。これを機に、柳ケ瀬商店街も昔のにぎわいを取り戻せと、各店舗が個別に集客に努めるだけでなく、通りごとにテーマを設定し、新しい柳ケ瀬づくりを進めています。これは、岐阜高島屋が二〇〇五年十一月に売り場を増床した際、周辺で小売店の売り上げや歩行者がふえたのに加え、空き店舗が減少した事実が大きく影響しています。

 本来、岐阜市のまちづくりを考えるとき、やはり南は加納地区も含めたJRから北は司町、長良川、そして長良地区まで、さらに西も東も含めた計画を立てるべきでありますが、そこまでの全体計画をまとめるにはかなりの時間が必要で、困難です。そこで、今、重点地区としては、岐阜大学医学部等跡地の活用です。この医学部跡地に隣接し、県岐阜総合庁舎が当時の県庁の入り口そのままで残っています。ぜひ県と岐阜市と共同して活用を進め、岐阜市というより、岐阜県のシンボルとなるようなものにしていただきたいと考えます。既にいろいろな案が寄せられています。市庁舎等の行政機能、図書館・市民会館等の文化・教養機能、病院・老人福祉介護施設等の健康・福祉機能、その他商業施設、民間オフィス、住宅、大学、小・中学校、公園等、いろいろ寄せられています。私は、行政から学校、医療、商業、働く場所まで備えた居住空間があってもいいように思います。

 また、知事は、「二四国体を一過性のスポーツイベントとしてとらえるのではなく、準備・開催・国体以後にわたる過程の中で県民挙げてふるさとの未来づくりを進める」と言われましたが、将来のぎふのまちづくりにぜひ生かしていっていただきたいと考えます。

 そこで、産業労働部長にお尋ねいたします。

 この岐阜大学医学部等跡地の活用について、現在岐阜市と共同して進めていると聞いていますが、その取り組み状況はどうなっているのか、また、今後どのような方向性で進められていくのですか、あわせてお答えください。

 次に、観光振興についてお尋ねいたします。

 いよいよこの十月一日から、JRグループ六社と共同で全国展開する大型観光キャンペーン「いい旅 ふた旅 ぎふの旅 ひだ・みのじまんキャンペーン−ぎふデスティネーションキャンペーン」が始まりました。

 県内での実施は、昭和五十五年十月に「出逢いさまざま美濃飛騨路」をキャッチフレーズに行われて以来、二十七年ぶり二度目のキャンペーンで、岐阜県を全国にPRする絶好の機会であると考えます。

 また、大交流時代のまさに幕あけにふさわしい広域のインフラ整備も着実に進んでいます。JR高山本線が九月八日に全面復旧し、九月二十九日には中部縦貫自動車道の高山インターチェンジが開通しました。また、来年三月には東海北陸自動車道が全線開通の予定であり、岐阜県を中心とした太平洋側と日本海側のアクセスが飛躍的に向上し、広域観光を目指した連携が期待されているところであります。

 これまで県では、五月の「ひだ・みの」じまんキックオフイベントを皮切りに、さまざまなイベントに取り組んでこられました。八月には、演歌歌手の石原詢子さんに引き続き、テレビ番組などで、岐阜の魅力をかわいく案内してきたタレントの熊田曜子さんへ飛騨・美濃観光大使を委嘱され、ひだ・みのじまんキャンペーンの一環として、ラジオ番組「熊田曜子のいい旅 ふた旅 ぎふの旅」が九月一日から毎週土曜日にオンエアされており、彼女のフレッシュな感性によるさわやかなトークでキャンペーンを盛り立ててもらっています。

 また、十月一日から施行となりました「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」では、観光王国飛騨・美濃を実現するための実施計画の策定がうたわれております。現在「飛騨・美濃の観光を考える委員会」「飛騨・美濃じまん県民会議」などで、知名度アップを重点目標に、五年後の平成二十四年、ぎふ清流国体が開催される年ですが、観光客数を六千万人に、外国人宿泊客数を二十六万人にするなどの目標を掲げた素案が示されたところであります。

 観光振興には、誘客を呼びかけることも大切ではありますが、迎える側のおもてなしの心がないと真の観光交流につながっていかないのではないでしょうか。

 うれしい話題があります。岐阜バス観光さんが、JTB中部バスセンター会総会において、二〇〇六年度CSコンテスト総合部門最優秀賞と車両部門賞を受賞されました。これは毎年、中部圏−岐阜・愛知・三重・長野・静岡・富山・石川・福井各県加盟バス会社六十一社の中で、貸し切りバスに乗車いただいたお客さんのアンケートによって評価されるもので、昨年度の総合部門優良賞に続き、二年連続で表彰されました。「岐阜バスはいいよ」「岐阜へ行くと気持ちよく旅ができるよ」「岐阜へ行ってみるか」となるよう、民間企業の努力、取り組みにも大いに期待したいと思います。

 そこで、この八月にフットワークのよさで観光振興を加速しようと新設されました産業労働部観光交流担当次長に、観光振興、特に飛騨・美濃じまん運動に関して二点お尋ねいたします。

 一つ目は、「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」に基づき「飛騨・美濃じまん運動実施計画」の策定が進められていますが、どのような考え方で進められ、現在の進捗状況はいかがでしょうか。

 二つ目は、飛騨・美濃じまん運動を推進していくには県民参加が不可欠でありますが、まだまだ県民の皆さんに十分認知・浸透しているとは言いがたい状況であります。今後、県民の皆さんにどのようにPRし、県民参加を促していくのか、お聞かせください。

 次に、学校教育における現場主義の徹底についてお尋ねします。

 今日の教育現場では、多忙感に押しつぶされそうになりながらも、日々、子供たちに向き合っている大変熱心な先生がおられます。私の地元の小・中学校ともに研修指定校で、毎朝ラジオ体操が始まる時間から、夜は日付が変わるまで学校の明かりがついている状況です。こうした先生の多忙な状況は、先生本人にとっても、子供たちにとっても望ましい状況ではありません。最近では、学校に対してとんでもない理不尽な要求をぶつけてくる、自分だけのことしか考えないような保護者が地元の学校でもふえていると聞きます。このような状況において、さまざまなストレスを抱える先生の心のケアも新たな課題になってきています。先生から笑顔が消えてしまっては、よい教育はできません。

 これまでの文部科学省の教育政策を振り返りますと、教育制度が猫の目のように変わり、その都度、子供たちや保護者、教育関係者が振り回されてきた感があります。例えば、現在、中央教育審議会において学習指導要領の改訂に向けた検討が行われておりますが、いわゆるゆとり教育についても、授業時間をふやすなど見直しの方向性が出されております。休みをふやしたり、授業時間をふやすことが真の教育改革につながるとは到底思えません。県立高校入試の合格最低点の情報公開についても、中学生やその保護者の声を十分に聞かれた上での判断だったのでしょうか。

 昨年十二月の教育基本法の改正、これを受けた教育改革関連三法の強行採決による改正などにより、教育を取り巻く状況は再び大きく変わろうとしています。すぐにまた改正があるかもしれませんが、今後予定されているさまざまな教育制度の改正を岐阜県の教育の向上につなげていくためには、何よりもまず教育における現場主義の徹底が不可欠であります。先生たちの声はもちろんのこと、生徒や保護者の生の声をしっかり受けとめて、現場主義に基づいた揺るぎない岐阜県独自の教育方針を打ち出し、これからの教育を推進していくべきであると考えます。

 以上、述べてきたことを踏まえ、県教育委員会としてどのように教育現場の状況を把握され、今後の教育施策に反映されるのか、教育長にお伺いいたします。

 次に、特別支援教育の推進についてお尋ねいたします。

 「特別支援教育法」とも通称される学校教育法改正法が本格実施となった今年度は、「特別支援教育元年」とも呼ばれております。法の趣旨を考えると、特別支援教育で一番大切なことは、障害のある子供一人ひとりの特性に応じた自立支援ではないかと思います。

 そこで、教育長にお伺いします。

 県では、「子供かがやきプラン」を策定し、特別支援学校の計画的整備を進めてみえますが、特別支援学校に在学する働きたい子の自立に向けた就労支援はどのようにお考えでしょうか。学校卒業後の長い人生において、働きたい子が勤労の喜びを実感し、社会で自立できることこそが特別支援学校の使命なのではないかと考えます。「子供かがやきプラン」による特別支援学校の整備にエールを送らせていただきながら、学校における就労支援の取り組みに関する温かい御答弁をお願いします。

 次に、私学教育の振興についてお尋ねいたします。

 九月二十八日、岐阜市議会において「岐阜市の高等学校教育に関し開かれた議論と情報公開を求める請願」が賛成多数で採択されました。これは、学校法人立命館から岐阜市に提案があったことを受けて、市立岐阜商業高等学校の将来のあり方を十分検討する中で、提案について早期に結論に至るよう、また市民に対して正確な情報を開示するよう請願されたものであります。

 岐阜市に限らず、一般的に人が集まり、定住するためには、働き場所の確保−企業誘致、住環境の整備のみではなく、教育水準というものをしっかり確保しなければなりません。

 個別の事案について、県の見解を求めるものではありませんが、私は、人を引きつける魅力ある岐阜県の教育を推進する上で、各校独自の建学精神を持つ私学が互いに競い合いながら特色ある教育を展開することも一つの重要な方策であると考えます。

 そこで、環境生活部長にお伺いいたします。今後、学校同士間の競争による教育レベルの向上も必要と考えますが、どのように私学教育の振興を進めていくべきとお考えか、お伺いいたします。

 次に、昨年も取り上げさせていただきましたが、登下校時の通学中の事件、特に声かけ事案について取り上げたいと思います。

 私の地元長良でも、この夏、何件かの事案が発生しています。六月七日木曜日の朝七時半ごろ、小学校四年生の女子児童が登校途中の交差点で信号待ちをしていたところ、白い車に乗った男に「ちょっときて」と声をかけられました。児童が立ち去ろうとしたところ再度声をかけてきましたが、幸い被害はありませんでした。同じく六月十五日金曜日の夕方六時ごろ、小学校四年生の男子が公園で遊んで帰ろうとした際に、四十歳ぐらいで、黒い服に茶色のズボン、サングラスにマスクをした、いかにも不審者という感じの男から「ちょっと来い」と声をかけられ、手を引っ張られました。児童は手を振り払い、急ぎ自宅に戻って大事には至りませんでした。夏休み中の七月には、友人とコンビニで買い物を済ませ、店を出た中学生の女子生徒に、三十から四十歳ぐらいの男が車から「君たち高校生?いろいろなことをしようか」と声をかけられ、自転車で逃げた事案もあります。今年一月から八月までの岐阜県警の統計を見ますと、このような事案が七十三件発生し、対象は中学生女子、小学生女子に対するものが多く、八割以上が路上で発生しており、時間帯は登下校時及び下校時から日没までの時間帯に集中しています。

 九月に入り、こんな卑劣な事件がありました。十一日、可児地区内の小学校に児童・生徒に危害を加える趣旨の文言が書かれた脅迫ビラが張り出されたり、二十日には隣の中学に同様のものが投函されていました。教育委員会はすぐさま臨時校長会、緊急PTA役員会を開き、学校は不審者侵入防止対策を施し、集団登校、学年別一斉下校、それに教師が同行する。保護者も登下校時の見守り活動。地域も安全サポーターやスクールガードリーダーが地域を巡回したり、それ以外の人も見守り活動に積極的に協力し、今現在、幸い事件は起きていません。

 今年六月現在での学校安全ボランティアの組織状況を見てみますと、PTAのみによる組織の設置では、小学校、約九八%、中学校、約九六%とかなり高い設置率でありますが、地域の安全ボランティア組織で見ると、小学校八七%、中学校六七%とまだまだ低いのが現状です。

 「県犯罪のない安全・安心まちづくり条例(仮称)」を来年二月の県議会定例会での提案を目指し議論されている中、環境生活部長、教育長、警察本部長、それぞれの立場から、子供たちの安全を守るための不審者対策について、現在、そして今後の取り組みをお示しください。

 また、昨年七月の県議会で、「防犯パトロール中」のステッカーの県公用車への添付についても県にお願いしたところでありますが、県公用車での防犯パトロールの効果と今後に向けた取り組みを、環境生活部長よりお答えください。

 次に、交通安全対策についてお尋ねいたします。

 二〇〇六年の飲酒運転による全国の死亡事故は、前年比一三・六%減の六百十一件で、六年連続の減少になりました。上半期は増加傾向にあったものが、同年八月に福岡で起こった、我が子を目の前で亡くした余りにも悲惨な事件、飲酒ひき逃げ事故をきっかけに全国規模で取り締まりを強化した結果、九月以降減少したことによりトータルでも減少につながったようです。

 さて、本年九月二十五日現在、岐阜県内での飲酒運転が原因の死亡事故は十二件発生し、十三人の方が亡くなられており、全国ワースト六位だそうです。これはほうっておける問題ではありません。

 県警も、七月から「飲酒運転ノックアウト作戦ぎふ」を展開し、取締隊を特別に編成するなど、特別に年末まで警戒を続けられます。九月二十一日から三十日まで行われた秋の全国交通安全運動期間中には、「ストップ! 飲酒運転」等と書かれたポスターを、管内スーパー、百貨店、コンビニ、JR、名鉄、トラック協会、タクシー協会などに配布したり、テレビCMも今月十三日まで一日二回岐阜放送で放映するほか、JR岐阜駅前屋外ディスプレーでも放映したり、いろいろな飲酒運転根絶のための活動をされています。そして、飲酒運転の厳罰化を柱とした改正道路交通法の一部が九月十九日から施行されました。運転者本人が酒酔い運転の場合、三年以下の懲役または五十万円以下の罰金が、ほぼ倍の五年以下の懲役または百万円以下の罰金に、酒気帯び運転は、三年以下の懲役または五十万円以下の罰金に、飲酒検知拒否も三カ月以下の懲役または五十万円以下の罰金に強化されました。

 そこで、依然としてなくならない飲酒運転を撲滅するための警察の取り組みについて、警察本部長にお伺いいたします。

 また、県行政として、警察、市町村、関係機関等とどのように協力し、効果的な交通安全施策を展開されようとしているのか、環境生活部長にお伺いいたします。

 最後に、東海信用組合、この後は「東海信組」と言いますが、東海信組に関連して知事にお尋ねいたします。

 この問題は、平成十六年十二月議会において当時の梶原知事に質問をいたしましたが、明確な御答弁をいただけませんでした。また、当時所在のわからなかった県が行った検査報告書を入手したため、新たな事実に基づき質問させていただきます。

 さて、この問題は、平成十六年十二月三日閉会しました第百六十一回臨時国会において、民法の一部改正に伴い包括根保証制度が廃止になり、十一月十九日の法務委員会において、その法案審議で、市町の金融機関より厳しい取り立てをしていると言われているRCC−整理回収機構−が多くの包括根保証人を苦しめている現実を説明し、その具体例として紹介されたのが岐阜の東海信組でした。それを受けて質問させていただきました。

 では、なるべく短目に、前回質問の概略、東海信組についてお話しいたします。

 一九五〇年−昭和二十五年−岐阜県総合協同組合、一九五三年−昭和二十八年−岐阜商工企業協同組合、この後は、この二つの協同組合のことを「両協組」と言います。両協組は、同業種、同地域、同程度の中小零細企業が集まった企業組合を組合員として設立され、構成員である企業組合と両協組の関係において、いろいろな資金繰りの調達の便宜を図る必要もあるということで、東海信組が一九六七年−昭和四十二年−に設立されました。そのとき、各企業組合はその取引のため、信用組合取引約定書を差し入れ、傘下事業所主はその保証人となりました。それが今日も大問題となっている包括根保証契約です。そして、この東海信組から二つの協同組合に貸し付けがなされ、その資金を使い、当時県議会議員でこの三つすべて、東海信組及び両協組の専務を兼ねていた者、この後は「杉本専務」及び「顧問」と言いますが、杉本専務を含む首脳部がいろいろな事業を行っていました。

 一九七三年−昭和四十八年−岐阜県の検査結果の示達書で、両協組に対する貸し付けを含む限度超過貸出金についての早急な改善を求める示達があり、東海信組はその回答の中で、両協組組合員−企業組合−より一括償還して減額したと報告しています。また、内部資料として、東海信組の便せんに書かれた貸付先の割り振り表まであります。

 つまり、両協組の組合員である企業組合が、その両協組にかわり東海信組より借り入れし、それをそのまま両協組に貸し付けた形としたのです。この迂回融資の会計処理は、当時、県議の杉本専務の指示により、両協組の職員が伝票上で行いました。そして、この迂回融資の借入名義人、企業組合の構成員がこの保証人にさせられましたが、杉本専務より、「絶対に取り立て、利払いの請求はしない。名前を借りるだけ。皆さんには絶対迷惑をかけない。県がそういうふうに言っている」として、企業組合理事長会議で誓約されたので、やむなく名義貸しに応じたものですが、両協組に預けていた企業組合の実印を知らないうちに使用されたようです。その東海信組は、一九九七年−平成九年−に破綻しました。よって、この保証人となった人たちに、RCCより返済を求める訴訟が起こされ、まだ係争中でありますが、団結してこの訴えに対して闘っていこうと、東海信用事件関連訴訟団、通称「被害者同盟」が結成されました。現在は、元金三十三億円、元利総額六十五億円の訴訟となっています。

 そこで、東海信組が破綻するまでの県の対応について、平成十六年十二月議会で梶原知事に次の七項目について質問いたしました。一、一九七三年−昭和四十八年−岐阜県の検査結果の示達書で、迂回融資の実体はこの時点で県も把握していたことになる。二、一九八二年−昭和五十七年−の岐阜県が行った検査報告書で、だれが見ても経営困難であると判断せざるを得ない。三、実質赤字であるにもかかわらず配当し、当時の役員も配当を受け取っていたのではないか。四、杉本専務が県議であった影響は。五、証言者が県に相談に来ていた件。六、消極行政と言わざるを得ない。七、県は本当に落ち度はなかったのか。金融庁が言うように、事務委託されている県に責任はあるのかないのか、それとも当時の大蔵省に責任があるのか。梶原知事は、これらの質問に対し、核心には触れられず、「明治時代から、大蔵省は取りつけ騒ぎを起こすな、金融機関はつぶさないという方針で、徹底的にそういう指導を受けてきた。岐阜商銀をつぶそうと思ったら、大蔵省が頭を下げてきたのでつぶさずに済ませてやった。大蔵省のこういった姿勢の中で、言うのは簡単だが、当事者として何ができるのか非常に難しい。この事務はもともと都道府県がするには無理がある」という御答弁でした。国と地方は対等であると言われていた知事の答弁に対し、再々質問までさせていただきましたが、残念ながら、質問に対してのお答えはいただけませんでした。

 そこで今回、平成三年七月三十一日現在特別検査報告書、平成五年三月三十一日現在総合検査報告書、平成七年三月三十一日現在検査報告書、ほかに記載の事実に基づき質問させていただきます。

 知事、原文の写しは、ここにあります。

 私は、要約してお話しいたしますので、これを見ながら聞いていただきたいと思います。

 まず初めに、平成三年七月三十一日現在特別検査報告書を見ますと、冒頭に、「単年度収支は、両協組関係先を初めとする貸出金、及びその利息が長期に延滞し、また新たに延滞貸出金が発生、貸出金利息等の実収入が少ないため、実質赤字の状態が継続している」「今回検査時の累積欠損見込額は四十三億六百万円となる。さらに回収の見込めないものを考慮すると累積欠損額は大幅に増加する」と断定しています。四十三億円は、実質総資産二百五十三億八千七百万円の一七%に当たり、異常です。

 時効についての記載で、「両協組への貸し付けを名義人である単位企業組合とすれば、両協組貸付金の六七・五%、三十四億六千百万円は時効によって消滅している」とすれば、推定欠損金は七十七億六百万円となり総資産の三〇・三%に当たります。また、「本年八月に行われた手形貸し付け一件ごとの各千円の内入れ返済は、返済資金の出どころが、各企業組合(借入名義人)からでなく両協組であり、各債務名義の企業組合が承知しているかどうかも定かでなく、これで債務承認と認められるか否かは疑問のあるところである」と記述されています。このことは、平成三年七月三十一日現在の県検査で指摘を受け、慌てて杉本専務が両協組の事務方に慫慂して行わせた事実が明らかであり、千円の内入れは無効であると思います。

 「損益においても、実質赤字決算であるにもかかわらず、利息手形による利息収入十億八百万円と未収利息不当計上分三十四億四百万円により取り繕った」「両協組関係の貸し出しは、貸出限度超過回避のための名義分割融資、長期延滞先へ返済の目途もなく保全もなく、貸し増し等の融資規律を全く無視した行為が長年にわたって繰返され、収益優先に走り、審査不十分で貸し出し、貸し増し、延滞増加と悪循環に陥っている」と、このように、うその決算、ごまかし、でたらめな経営により、組合員及び国・県をあざむいたことは明らかに違法行為ではないですか。

 この検査のまとめで、「累積欠損見込み額は七十八億六千万円で、前平成二年の検査より三十一億九千万円拡大し、資産内容は悪化している。それがため、指導要綱に基づき、決算につきあらかじめ知事の事前承認を要する組合の指定を継続、根本的改善を指導する」と結んでいます。このとき、中小企業等協同組合法により銀行法を準用し、国及び県が立入検査または業務停止、特定役員の解任をなぜしなかったのか。このときならばバブルの余熱もあり、このような大欠損を未然に防げたかもしれないのに、国・県の合同検査である以上、双方とも不作為行政、消極行政として処断されるべきと考えます。

 次に、平成五年三月三十一日現在総合検査報告書を見ますと、「昭和六十一年月日不明、決算承認申請書提出」とありますが、これは昭和六十年度のものと思われます。そして、昭和五十九年度と思われますが、「前年度と同様未収利息の取り扱いに問題あり。不適正な決算内容で、改善指導したが改善されていないので、受理せず、昭和六十一年度仮決算時を検査日として、その際に前回検査日以降の状況を把握し、引き続き改善指導を行うこととした。なお−ここが問題です−決算時の指導で、出資配当率を五%から三%に引き下げることができた」と自画自賛していますが、どうなっているんですか。

 欠損が明らかで配当すれば背任であります。理事長も専務も全役員も配当を受け取っているとすれば、これはもう完全違法行為、背任横領罪です。

 平成十六年十二月九日定例県議会でも指摘しましたが、「昭和五十七年九月十四日現在の検査で、東海信組は、現時点で欠損見込額十八億九千八百万円で、今後このままの方向を継続していけば、重大な事態に陥る」という警告文書はこちらにあります。昭和五十七年九月の県検査で、十八億九千六百万円の欠損見込みと指摘し、決算承認組合と指定しておいて、配当を毎年黙認した形になっていた。配当を減らすことができたらいいんですか。配当させてはいけないんじゃないですか。県も違法行為に加担したと言わざるを得ません。知事、いかがですか。

 県は、この昭和五十七年以降、十五年間だと思いますが、決算承認しておりません。このような話は聞いたことがありませんが、岐阜県にはほかにも決算未承認組合の例がありますか。全国でもないと思います。

 また、以下の記述もあります。一部読みますが、「平成元年七月二十六日、杉本顧問、M課長面談。検査示達内容についての注文、月五万円の顧問料の支払是非等」「平成三年一月十四日、杉本顧問、S課長面談。検査示達の内容事前確認、要望」「十六日、杉本顧問から示達案に対する注文。提出日を三月二十日から五月十五日に変更」。それ以前も、当時の議会棟社民連室で検査示達について面談していたと記されています。そして、「四月二十九日、杉本顧問政界引退。県議任期満了」とあります。

 この検査は、国との合同検査であります。その示達内容を当事者−東海信組専務に見せて説明し、その当事者の注文を聞き、それを受けて日付の変更までしたと書いてあります。そして、後日示達したと。国も了解した話でしょうか、どうなっているんですか。

 それが冒頭で、これまで特定役員と称していた記述を「杉本武夫」と実名を上げて糾弾してきました。「平成三年七月三十一日、初めて大蔵省の指導のもとで検査に入ったが、時間の制約その他で不十分なものであったので、国と協議。再建のため資産・損益・欠損金の確定等のため、五月二十一日、無通告で着手した。」結果は、「二十数年前のことで書類の不備・散逸・東海信組対応者の能力不足のため長期になった」とし、重要な両協組関連貸出金の資金トレースは、「債権回収可能性に直接結びつかないので、一定限度で検査は打ち切り、東海信組職員に引き続いてやらせる」として作業を中止し、大事な焦点は「あかずの門」となってしまった。検査放棄と言ってもよいと考えます。

 問題の先送りで結んでしまったこの検査、国から三人、県から九人で無通告で行ったものですが、こんな結果でよいのでしょうか。欠損金は拡大し、名義を貸しただけの保証人はRCCの重圧に泣いています。

 この検査、平成五年三月三十一日現在の欠損見込額は九十八億六千二百万円、未収利息四十七億四千七百万円となっていました。

 次に、平成七年七月十四日特別検査−県五人、国四人−の報告書によれば、両協組関連貸出金について、債務者の特定、両協組か組合員の企業組合か、債務が消滅時効について、該当するか否かは不明であるが、検査においては、真の債務者・企業組合、時効五年、時効中断措置無効という前提で行われました。今回の検査で新たに暴力団への貸し出しも発覚し、ペイオフの場合、預金保険機構対象額百六十一億円−元金のみ−と算定して完全に東海信組破綻を宣した結果となりました。欠損見込み額は百二十六億円−資産総額の四三%−になっていました。このように県と国と一緒になって検査をしながら、なぜここまで被害が大きくなってしまったのか。

 平成十六年十二月での前梶原知事の答弁は、はっきりとお答えにならず、当時の大蔵省−現財務省−の責任をにおわされました。

 そこで古田知事にお尋ねいたします。

 当時、機関委任事務により信用組合の検査指導事務は県にありました。県は、みずからの責任で行政を執行されたのではありませんか。機関委任事務が廃止され、国に権限が移動したことにより、その責任も移動、すべてなくなるのでしょうか。県の検査報告書で明らかなこれら一連の七つの事案は県に責任があるものと考えますが、現知事の御所見を伺います。

 最後に、この被害者同盟の皆さんは、杉本専務に「絶対に取り立て利払いの請求はしない。名前を借りるだけ。皆さんには絶対迷惑をかけない」と言われ、結果的にだまされたんです。

 前にも述べましたように、東海信組及び両協組の専務を兼ねていた杉本専務が、岐阜県の検査結果の示達により、両協組に対する貸し付けを含む限度超過貸出金について、両協組組合員の企業組合より、その両協組にかわり東海信組より借り入れ、それをそのまま両協組に貸し付け、一括償還して減額した。内部資料として、東海信組の便せんに書かれた貸付先の割り振り表もありますが、この迂回融資の会計処理は、東海信組の杉本専務の指示により両協組の職員が伝票上で行い、東海信組もすべてわかった上での迂回融資です。それでも、保証人だとして、RCCより請求を受けていますが、私は、民法第九十三条ただし書きの「心裡留保」の適用により、この皆さんには保証義務がないと信じています。ですから、あえて「被害者」と呼ばせていただいております。

 時効については、前述のように「千円の内入れ返済は、資金の出どころが、両協組であり、各債務名義の企業組合が承知しているかどうかも定かでなく」と記載され、また平成十五年一月三十日、福岡高裁で確定した判決を見る限り、もともと請求される債務という意識はなく、内入れも一回、内入れ金額も保証債務に占める割合が余りにも少額であることなどを考慮すると、この時効中断は無効で、かつ東京大学名誉教授で法学博士の鴻 常夫先生の鑑定意見の商行為時効五年とすれば、現在争われているRCCの取り立て案件二百五十三件は二百四十六件が時効で消滅し、残りはわずか七件になります。私も、できる限りの協力をし、被害者の皆さんの早期の解決を心より切望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の方には、三点お尋ねがございました。

 まず、来年度の県政の基本的な施策展開について申し上げます。

 午前中の御答弁と若干の重複もあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。

 まず、今後の県の財政見通しでございますが、御指摘がありましたように、歳入面ではこの九月の補正予算で個人県民税に係る二十五億円の減額補正を計上するなど厳しい状況になっておりまして、先行き楽観できる状況にはございません。また、地方交付税につきましても、総務省の平成二十年度の仮試算によりますれば、全国ベースで前年度比マイナス四・二%の減ということでございます。

 歳出面につきましては、公債費が一九年度の千二百九十六億円から二十二年度には千四百十億円程度と見込まれるわけでございますし、社会保障の関係経費につきましても、平成十八年度六百六十億円程度であったものが、二十年度で七百六十億円程度、その後五年間は毎年二十億ないし三十億円程度の増加が見込まれるという見通しでございます。

 こうした状況のもとにおきましては、政策の優先順位を明確にした上で、これまでお示ししてきました各分野における十六本の今後の中期的なビジョンや基本計画に沿って、めり張りをつけて政策を実施していくことが重要であるというふうに考えております。

 今年度の施策についてのお尋ねでございますが、御案内のように八つの重点政策群を明確にして進めてきているわけでございます。既にお触れになっておられましたけれども、主な例を挙げますと、観光交流の拡大につきましては、御指摘がありましたように、条例に沿って飛騨・美濃じまん運動に取り組んでおるわけでございますし、今月からはいよいよJR六社と連携しましたひだ・みのじまんキャンペーン、いわゆるDCキャンペーンというものも始まっております。その効果はこれからあらわれてくることを期待しておるわけでございますが、例えば旧高山市の今年一月から八月までの入り込み客数を見てみますと、既に対前年比八・八%増ということでございますし、長良川の鵜飼観覧船の乗船客数でございますが、十月一日の時点で十一万人を超えておりまして、前年比約五%程度の増ということで、このところ順調な状況にございます。

 また、平成二十四年度開催予定の国体につきましては、着実に準備を進めておるところでございます。八月早々の内定記念総決起大会を初めとする記念イベントにおきましては、延べ約五万人の方々がおいでいただきまして、その際、三十八競技すべての会場地の決定、あるいは「ぎふ清流国体」という愛称等を発表させていただいております。

 また、企業誘致では、積極的に進めてきました結果、全国トップクラスの好調を維持していることは御案内のとおりでございます。

 一方、少子化対策につきましては、昨年度制定いたしました「安心して子どもを生み育てることができる岐阜県づくり条例」にのっとりまして、早く家庭に帰る日の実施、妊婦や子育て中の方の優先駐車スペースの設置、子育てマイスターの認定による相談事業や、一時預かりといった子育て支援を始めたところでございます。また、金融機関と連携した岐阜県子育て支援企業登録制度を開始いたしまして、現在百四十九の企業に登録をいただいております。

 さらに、地域医療対策につきましても、深刻な医師の不足や偏在への対策を検討するため、協議会を開いて、具体的な検討を行っておりますし、来月には庁内に医師確保対策チームを設置し、年度内の総合周産期母子医療センターの指定を目指しております。下半期につきましても、八つの政策群を中心といたしまして、より一層の力を注いでいきたいというふうに思っております。

 また、来年度の重点政策のお尋ねでございますが、当面予算編成に向けまして、地域の元気づくり、くらしの安全・安心づくり、ぎふの未来のための基盤づくりと、この三つの観点から、来年度の政策の検討を進めてきております。具体的な議論はまだまだこれからでございますが、現時点での検討状況について若干御紹介申し上げますと、例えば地域の元気づくりの視点からは、広域観光や海外誘客も含めて飛騨・美濃じまん運動を息の長いものにしていく取り組み、またモノづくりセンターの充実による産業の育成・強化などを検討しております。また、くらしの安全・安心づくりにつきましては、医師の養成と地域への定着を図るための具体的な施策の展開を本格的に進めていくことや、ワークライフバランス、仕事と家庭の両立の実現に向けた取り組みを進めるための企業との連携の強化など少子化対策の一層の充実を図っていくことを検討しております。

 また、現在、御嵩の産廃処理場の問題につきまして、早期の話し合い解決に努力しておるところでございますが、これを何とか早期に解決し、改めて産業廃棄物対策に正面から取り組むという方向で進んでいきたいというふうに考えております。

 ぎふの未来のための基盤づくりという視点からは、災害対策を含めまして、道路などの社会資本の着実な整備、来年度中に予定しております教育ビジョンの策定などを通じた人づくりといったようなことにしっかりと取り組んでいくことを検討しております。

 さらに、お話がありましたように、新たな長期構想の策定に取りかかったところでございます。今年度中に中間報告を取りまとめた上で、その中で一刻も早く取り組むべき課題につきましては、来年度予算にも反映していきたいというふうに考えておりますし、またこの中間報告をもとに、県議会の皆様や、あるいは県民の皆さんと幅広く意見交換を行いながら、来年度中に、平成二十一年度以降十年間をにらんだ構想として策定したいというふうに思っております。

 次に、笠松競馬の問題でございます。

 笠松競馬の存続につきましては、平成十七年二月三日、私が着任する直前でございますが、三日に開催されました笠松競馬構成団体首長会議で、税金での赤字補てんはしないということを大前提とした一年間の試験的継続、年末に存続の可否を点検し、赤字となれば廃止するとの方針が決定されております。この試験的継続という考え方は、あらかじめ一定期間の競馬開催が決まっているわけではなく、経営が行き詰まれば年度の途中でもやめざるを得ませんし、経営状況が好転すれば将来も継続して開催することができると、こういうふうに理解しておるわけでございまして、この考え方に立って今日に至っているわけでございます。何といいましても、笠松競馬が危機的な経営環境の中にありまして、今日まで継続できましたことは、競馬関係者が経営改善等競馬存続のために献身的、懸命な御努力をいただいてきている結果だというふうに思っております。

 この間の笠松競馬の経営状況は、平成十七、十八年度につきましては辛うじて二年連続の黒字とはなりましたが、これは地方競馬全国協会に納める一号交付金の猶予、あるいは起債の借りかえなどの資金手当て及び借地料や賞金、各種手当などの経費削減によるものでございまして、依然として厳しい状況であるというふうに認識しておるわけでございます。

 また、本年度につきましては、九月二十六日の第十一回競馬が終了した時点での状況を申し上げますと、馬券発売額は対前年度同期比二・〇%増、約一億八百万円の増加となっておりますが、売り上げの二五%が収益率である笠松本場やシアター恵那の馬券発売額は対前年同期比でマイナス一二・九%、約二億七千八百万円の減少となっております。この減少分を販売手数料などを支払うことで収益率が低い広域場外発売、これは対前年同期比五〇%増になっております。あるいは電話、インターネット発売、これは対前年同期比六五・四%増と高い伸びになっておりまして、これらの増加分で補っておるというのが現状でございます。

 御指摘の馬インフルエンザにつきましては、笠松競馬におきましても二頭の陽性馬が確認されましたが、迅速な対応により感染の拡大を阻止することができました。次回、十月八日から始まる第十二回競馬から、名古屋競馬との交流も再開することとなり、売り上げ増加を期待しております。

 また、収支につきましても、第十回、第十一回につきましては、名古屋競馬との交流禁止に伴う開催日程の短縮は避けられませんでしたが、最小限の影響に抑えることができたと思っております。

 次に、借地訴訟でありますが、平成十八年六月に一部の地主から提起された競馬組合に対する土地明け渡し請求につきましては、現在、お互いの歩み寄りによる和解に向け努力をしておるところでございます。

 そうした中で、今後の競馬継続についてでございますが、これからも逐次、笠松競馬構成団体首長会議、あるいは競馬議会等において議論がなされるわけでございますが、以上申し上げましたように、経営の先行きについて確たる見通しをお示ししがたい状況のもとでは、現時点において三カ年の継続をお約束することは難しいと言わざるを得ないわけでございます。私としては、引き続き日々の経営状況を点検しながら、今後の施設改善等の所要経費についてもしっかりとした見通しを立てていくべきものと考えております。

 また、全国的に馬券発売額の長期低落傾向が続く中で、当面は私どもが中心となって農水省や関係国会議員に働きかけて実現に至った一号交付金猶予期間の延長といったことも活用しながら、団塊の世代やインターネット顧客を対象とした集客対策や、ファンサービスの拡充、そしてまた議員御指摘のスターホースの誕生などにより、笠松競馬の魅力をアップさせる施策の充実に全力で努めてまいりたいと考えております。

 最後に、旧東海信用組合に対する御議論でございます。

 御指摘はるる承った次第でございますが、この問題は、何といってもかなり過去にさかのぼる話でございます。いろいろな経緯があったやに承知しておりますし、また関係者も大変多岐にわたっております。そして、既に議会でも何度も議論が行われてきておるというふうに承知しております。また、係争中の案件でもあるわけでございます。

 そうした状況の中で、私としてこの件全体を見ました場合に、当時、県としては組合に対してさまざまな問題、課題を指摘し、経営改善努力を促す指導を鋭意行いながら、大蔵省の考え方を初め、当時の大きな方向から見て、善良な預金者を保護し、地域の金融信用秩序を維持しなければならないという状況のもとで、最大限の努力をしてきたのではないかというふうに受けとめております。以上でございます。



○副議長(安田謙三君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) 被災地の教訓を生かした防災体制についてお答えします。

 新潟県中越沖地震では、県として保健師や応急危険度判定士等の人的支援のほか、防水シートや土のう袋の提供、知事見舞金の支給などさまざまな支援を行ったところです。派遣職員からの活動報告などによりますと、避難所における被災者の健康面と心のケアの重要性や、支援部隊の指揮所が少なく、機動的でなかったこと、要援護者の把握のおくれなど、数多くの指摘がありました。これを受け、県内で大規模災害が発生した場合における他県、警察、消防、自衛隊等の応援部隊、食料物資の受け入れ体制、県職員の応援体制、県の災害対策本部の体制などについて見直し、県における防災体制の強化を図るとともに、被災市町村に対する支援等が円滑に進むよう、現在、作業を行っているところです。また、他県への支援についても、統一的な対応が求められることから、支援マニュアルを策定するとともに、移動車両や通信手段の調達方法などのルール化を行ったところです。今後とも、市町村の御意見や実情を踏まえ、各部局と連携しながら、防災体制の充実・強化に努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 環境生活部長 高田幸三君。

   〔環境生活部長 高田幸三君登壇〕



◎環境生活部長(高田幸三君) まず、私学教育の振興についてお答えをいたします。

 私立学校では、各学校とも独自の建学の精神に基づき、特色ある教育が展開されており、例えば進路希望に応じたきめ細かなコースの設定や補習体制の充実、海外姉妹校との交流による国際理解教育、外国語教育の実施、実績ある指導者招聘による部活動の強化など、数々の先駆的な取り組みが行われています。県では、従来から各学校の自主性を尊重しつつ、こうした魅力ある学校づくりに対して支援を行ってきており、今後ともこのような方向で私学教育の振興を図ってまいります。

 次に、子供たちの安全を守るための不審者対策についての二点の御質問にお答えをいたします。

 一点目の、不審者対策に関する現在及び今後の取り組みについてでございます。

 不審者による声かけ事案等、児童・生徒に危害を及ぼす心配のある情報が警察や教育委員会から寄せられた場合は、当該地域で防犯活動をされている安全・安心まちづくりボランティアや安全・安心まちづくりフレンドリー企業の皆様に即座に情報を提供し、巡回活動に当たっての注意を促すとともに、新たな情報を把握された場合は、最寄りの警察署等に連絡していただくよう呼びかけを行っているところであります。

 現在、仮称でございますが、岐阜県犯罪のない安全・安心まちづくり条例の制定に向けて鋭意取り組んでいるところでございますが、この条例制定を契機に、小・中学校区、市町村、県といった段階で行政、警察と地域の皆様との連携を強化し、迅速な情報共有ができるネットワークづくりを進めてまいります。また、不審者対策とあわせて、犯罪の発生が危惧される場所、施設等について、防犯上配慮すべき事項に関する指針を策定し、発生そのものを未然に防止できる生活環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

 二点目の、県公用車での防犯パトロールの効果と今後の取り組みについてでございます。

 議員の御提案を受け、昨年十一月三十日より県有自動車八百十五台を対象に、「地域安全パトロール実施中」のマグネットシート、またはシールを貼付することといたしました。安全・安心まちづくりフレンドリー企業や市町村における同様なパトロールの取り組みと相まって、これらの車が県内を運行することで、犯罪抑止の面で一定の効果が上がっているものと考えております。県の取り組みは始めてから一年近くになっておりますので、この機会に改めて取り組みの徹底を図るとともに、パトロール中に挙動不審な者等を目撃した場合には、関係機関に速やかに通報するなど、常時防犯活動の一翼を担っているという意識を職員に周知してまいります。

 最後に、県としての交通安全施策の展開についてお答えをいたします。

 県としての交通安全対策につきましては、四季の交通安全運動を中心に、ボランティアの皆様にも参加していただきながら、学校、事業所に対する広報啓発活動や街頭指導等の取り組みを実施しているところです。特に社会問題となっております飲酒運転の根絶に向けた取り組みといたしましては、五月十一日に交通安全県民大会を開催し、岐阜県飲食生活衛生同業組合の協力を得て飲酒運転根絶宣言を行うとともに、同組合加盟の二千三百店舗に「飲酒運転させま宣言の店」と題したポスターを掲示するようお願いをしたところです。また、九月六日、七日の二日間は、交通安全キャラバン隊とともに、飲酒運転根絶をPRする広告車両により、県内各地を巡回し、強く呼びかけてまいりました。今後とも、十月二十一日に開催予定の交通安全フェアや、年末の交通安全県民運動等を通じて、警察や市町村、交通安全協会などの関係機関と連携しつつ、さらに強力に飲酒運転根絶と交通事故防止を訴えてまいります。



○副議長(安田謙三君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 中小企業支援対策について二点お答えいたします。

 県では、企業の現場の声を職員みずからが聞くことで企業現場の実情をよく知り、企業や産業界の現場ニーズを踏まえた産業施策を企画・立案するため、地場産業、中小企業を初めとした県内の企業や関係団体に職員みずから声を聞きに出向き、企業の現場の声をお伺いしております。既に、四月から今まで、約五百社ほどの企業訪問を実施してきたところです。

 企業訪問に際しましては、県の施策や制度に対する御要望をお伺いするだけでなく、人材の育成・確保の現状と対応や企業の経営上の課題や事業の見通しなどを、企業が直面している現状や課題をさまざまな観点から把握するよう努めております。こうした企業の現場の声を踏まえ、具体的な施策を検討することが重要であると考えており、モノづくりセンターの仕組み構築に当たっても、こうした企業の現場の声を十分反映していくこととしております。

 今後も、職員みずからが企業や関係団体に出向き、県内の企業の声やニーズを十分把握した上で、実効性のある中小企業対策や地場産業対策を展開してまいりたいと考えております。

 続きまして、中小企業の活性化についてお答えをいたします。

 県内各地域には、すぐれた地場産品や農林水産物、観光資源といった地域資源が数多くございます。これらの地域の強みと言うべき地域資源を活用した中小企業などの高付加価値商品の開発や、新たな市場開拓等の取り組みを支援することは、今後の地場産業の振興を図る上で重要な施策であると考えております。このため、県では今年度、地域が誇れる地場産品や観光資源など地域資源を活用した新しいビジネスの創出、経営革新やまちづくりの取り組みを行う中小企業等に対して助成する岐阜県地域活性化ファンドを創設したところです。本ファンドは、中小企業基盤整備機構から無利子貸し付けを受け、県費等も加えて五十億円の基金を創設し、基金の運用益で支援するものです。また、地域資源を活用した中小企業等の取り組みに対し、補助金や税制面での優遇措置、低利融資、マーケティング等の専門家による継続的な助言などの支援を行う国の地域資源活用プログラムを有効に活用し、地場産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。さらに、県では、今年度からブランド構築に取り組む中小企業等の御要請に応じ、部局横断で職員や専門家を現場に派遣して、個別・具体的な支援を行う岐阜県ブランド戦略推進チームを創設しており、チームの積極的な活用促進に努めてまいります。

 続きまして、ぎふのまちづくり支援についてお答えいたします。

 県といたしましては、県都であり、県の顔でもある岐阜市のまちづくりは大変重要な課題であると認識しており、岐阜市と一緒になって考えていくこととしております。

 岐阜大学医学部等跡地の活用についても、副知事、副市長による県・岐阜市連携推進会議において検討されてきたところですが、中心市街地活性化の観点から、より具体的な検討を行うため、本年三月、連携推進会議のもとに、県と市の部長級で構成する岐阜市中心部活性化分科会及び課長級のワーキンググループを設置し、岐阜総合庁舎等も含めた約4ヘクタールを中心に、官公庁、公共ゾーン全体の七十ヘクタールの活用について議論を重ねているところです。岐阜市のまちづくりは、加納から金華、長良に続く中心部のそれぞれの地区の特性を生かしながら連携を図ることを基本に、県民・市民ぐるみで人の交流やにぎわいの場づくりを進めていくことが重要であります。今後、岐阜大学医学部等跡地の活用を含む将来のまちづくりについては、国体の準備が本格化する中、県民・市民を挙げたふるさとの未来づくりとして、これまでの議論を踏まえ、県・市が協働して、町のグランドデザインを検討していくとともに、公共・公益施設の整備、まちなか居住の推進、産業の活性化、総合的な交通機能の向上などの方策に取り組んでいく必要があると考えております。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 橋梁補強につきまして、二点お答えいたします。

 橋梁の劣化状況についてでございますが、県の管理している橋梁のうち、長さ十五メートル以上の橋梁は千五百七十六橋あり、そのうち架設後五十年以上を経過している橋梁は百十橋で、十年後には二・五倍の二百七十五橋となり、老朽橋が急速に増加してまいります。県では、平成十三年度から架設後十五年を経過した橋梁について、五年に一回の定期点検を実施し、劣化や損傷の度合いを五段階で評価することにより、劣化状況の管理を行ってまいりました。この評価では、点検を行った千五十二橋のうち、補修が必要となる橋梁は約三〇%の三百五十六橋となっており、計画的に補修をしているところであります。次年度以降は、今後作成をいたします橋梁長寿命化計画に基づきまして、順次補強を行ってまいります。

 また、国直轄の木曽川大橋の破断事故を受けまして、県内の橋梁について緊急点検を実施した結果、直ちに破断するおそれのある橋梁は見つかりませんでしたが、腐食や変形のある十五の橋梁について、緊急的な補修工事を実施するため、今議会において補正予算案を御審議していただいているところでございます。

 次に、県の管理する橋梁の耐震対策についてお答えします。

 県の管理する橋梁で、耐震補強が必要な三百四十三橋のうち、特に大規模地震の発生時において救援物資等の輸送に必要な緊急輸送道路に指定されたルート上の百五十四橋の補強を優先的に進めており、今年度末までに九十五橋について補強を完了する予定であります。残る五十九橋につきましては、今後三年間をめどに耐震補強を終了することとしております。なお、他の橋梁につきましても、順次耐震補強を進めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君。

   〔産業労働部次長観光交流担当 志村隆雄君登壇〕



◎産業労働部次長観光交流担当(志村隆雄君) 観光振興につきましてお答えいたします。

 まず、飛騨・美濃じまん運動の実施計画の策定についてでございます。

 じまん運動の実施計画につきましては、「知ってもらおう」「見つけだそう」「創りだそう」ふるさとのじまんを三つの柱にしまして、その具体的な取り組みを盛り込んだ素案を作成し、みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例に基づく観光を考える委員会や県民会議において意見をお聞きしているところでございます。また、各地域におきましては、じまん運動を推進していただく地域会議において、具体的な取り組みを御議論いただくこととしております。こうしていただいた御意見や県議会の御意見を踏まえ、新たなふるさと自慢の発掘や、その活用方策を盛り込んだ実施計画を年度内に策定してまいります。

 次に、今後のじまん運動のPRについてでございます。

 広く県民の皆様に飛騨・美濃じまん運動を知っていただくためには、マスコミの活用が効果的であると考えております。このため、飛騨・美濃観光大使の皆様に、さまざまな機会を通じて岐阜県の自慢のPRをお願いしておりますほか、来月の四日にはNHKとタイアップしまして、NHKBSの「おーい、ニッポン 私の好きな岐阜県」という六時間の生放送番組で、岐阜県のふるさと自慢を県内外に発信することとしております。さらに、今回補正予算にも提案させていただいておりますが、私たちの身近にある自慢を掘り起こし、広く知ってもらうために、ふるさとの自慢を募集し、飛騨・美濃じまん大賞ということで表彰してまいりたいと考えております。

 このような取り組みを通じまして、県民の皆様に広く飛騨・美濃じまん運動をPRし、参加を呼びかけてまいります。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 四点の御質問をいただきました。

 まず、教育施設の耐震化についてお答えいたします。

 県立高等学校につきましては、全六十三校の九四・一%が耐震化済みであり、残りの施設につきましても早期に一〇〇%となるよう鋭意取り組んでいるところであります。また、避難所指定されている高等学校は五十六校で八十二棟ございますが、すべて耐震化済みとなっております。

 次に、市町村立の小・中学校につきましては、県下五百七十八校の六八・八%が耐震化済みとなっています。また、避難所指定されております小・中学校は五百三十九校で一千九百六十五棟ございますが、そのうち六八・三%が耐震化済みとなっております。市町村立の小・中学校の耐震補強事業は、国庫補助率が二分の一であり、残りの市町村負担分の七五%を地方債で賄えることになっています。さらに、地方債の元利償還金の五〇%が地方交付税措置されるなど、手厚い財政措置となっております。県といたしましては、こうした制度の周知徹底と、積極的な活用を市町村に対して働きかけ、耐震化の推進を強く要請してまいります。

 続きまして、教育における現場主義の実践についてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、さまざまな教育課題を解決していくためには、教育現場の実態をしっかり把握することが重要であると考えております。私自身、できる限り教育現場へ出向き、子供たちの姿や実際の教育活動の様子を見たり、学校訪問の際や教育のつどい、一日子ども教育委員会などさまざまな機会を通じて、児童・生徒や保護者、教員と直接対話することにより、教育の現状や児童・生徒の実態を把握するよう努めているところでございます。特に教員自身の問題意識や教育現場の課題を把握するため、教員研修の機会を利用して、若手や中堅の教員との意見交換会を開催しております。また、県内各地で委嘱している三十五名の教育モニターからも、教育に対する県民の皆様の声を随時お寄せいただいております。

 御指摘のありました県立高校入試の合格者最低点の情報公開につきましては、裁決に際し、中学生や高校生のPTA関係者のほか、同年代のお子さんをお持ちの方々の御意見を伺いました。現在、各界の有識者から成る明日の岐阜県教育を考える県民委員会におきまして、岐阜県の教育のあり方について幅広い視点から活発な議論を進めていただいております。県民委員会の委員にも、教育の現状について共通認識を持っていただいた上で、教育現場の生の声を岐阜県教育ビジョンの基本方針や具体的な施策に反映していきたいと考えております。

 次に、特別支援教育における就労支援についてお答えいたします。

 県内の特別支援学校では、印刷やクリーニングなどの作業学習を通じて、社会自立に必要な知識・技能・態度を身につける職業教育や、企業等での実習を行い、就労に向けての支援を行っています。現在、特別支援学校高等部の卒業生の一般企業への就職率は全国平均で約二〇%に対し、岐阜県はこれを上回る約三〇%となっております。しかし、実習先の確保や実習中の一人ひとりの適性に応じた支援により、今後さらに多くの生徒の企業等への就労が可能であると考えます。

 そこで、今回実習先の企業の開拓や、実習中にきめ細かい支援を行う職業自立支援員を配置する事業を補正予算に提案させていただいております。また、昨年秋から知的障害のある生徒を対象に、岐阜県図書館を初めとする県立機関での実習を受け入れており、来年四月には岐阜県図書館で図書整理員として、知的障害者を雇用する予定でおります。今後も引き続き、知的障害者の就業に適した所属・職種において、積極的に実習を実施し、就業の可能性を見きわめながら、可能な限り採用を進めていくこととしております。

 議員御指摘のように、働きたい子が勤労の喜びを実感し、社会で自立できることこそが特別支援学校の重要な使命であると考えております。そのような考え方のもと、今後も障害のある生徒たちの社会自立を精いっぱい推進してまいります。

 最後に、不審者対策に関する現在及び今後の取り組みについてお答えいたします。

 児童・生徒の安全確保のためには、学校と家庭、地域社会の三者が連携を図りながら、犯罪の機会を与えない、つくらない地域づくりを進めていくことが極めて大切です。県教育委員会としましては、地域ぐるみで事件・事故の未然防止に取り組むため、学校の教員を対象とした防犯教室推進講習会やPTA・地域住民を対象とした学校安全ボランティア養成研修会を開催し、どの学校区にも学校安全ボランティアが組織されるよう努めてまいりました。その結果、不審者による声かけ事案が減少するなど着実に成果があらわれてきていると考えております。しかしながら、まだ組織が立ち上げられていない地域や活動が不十分な地域もあります。そのような地域には、警察による専門研修を受けたスクールガードリーダーを重点的に配置するとともに、未組織の学校が危機感を持って組織づくりに取り組むよう支援してまいります。今後も、防犯対策に地域格差が生じないよう、市町村教育委員会と十分な連携を図り、地域ぐるみの学校安全体制が一層整備されるよう努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) まず、警察が行っております不審者対策についてお答えいたします。

 警察としましては、通学時間帯に通学路を中心としたパトロール活動を強化いたしまして、不審者に対する職務質問を行うほか、子供の危険回避能力の向上を目的としまして、幼稚園等に教育班を派遣して、防犯教育を行っております。ちなみに、昨年中、十五歳以下の子供に対する強制わいせつ事件等は三十件発生しまして、検挙件数は十六件でございました。

 また、声かけ事件等の不審者情報を認知した場合には、関係機関等に情報発信を行っておりますが、本年一月からは県警のホームページに声かけ事案発生マップを公開しております。さらに、本年中には、登録されました方々のパソコンや携帯電話に声かけ事案の発生情報をメールでタイムリーに提供することができるようにすべく、現在準備しているところでございます。

 さらに、関係機関との連携に関してでございますけれども、子ども一一〇番の家に対しましては、表示プレートを配布するほか、学校と連携しての駆け込み訓練などの周知活動を行っております。また、自主防犯ボランティア団体に対しましても、誘導旗、あるいはボランティアの手引等々の配布を行いまして、住民と連携しての合同パトロールも実施しております。

 本年度から新たにスタートしました施策としましては、スクールサポーターとして、退職しました警察官五名を採用しまして、学校・地域のパイプ役として、学校における施設・設備の点検、あるいはパトロールを行わせております。また、防犯ボランティアリーダー養成講座、これも本年新たに開催したところでございます。

 子供の安全を守るには、関係機関・団体はもとより、地域の皆様の御協力が不可欠でございます。県警としましては、今後ともパトロールの強化はもとよりでございますが、タイムリーな情報発信活動に努め、関係機関・団体と連携しながら、地域安全活動のより活発な展開を目指してまいります。

 次に、飲酒運転を根絶するための警察の取り組みについてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、現在大変厳しい情勢の中でございますが、県警といたしましては、飲酒運転の厳罰化を柱としました改正道路交通法の九月施行に先駆けまして、つい七月一日から「飲酒運転ノックアウト作戦ぎふ」と銘打ちました飲酒運転根絶対策を、現在、鋭意展開中でございます。このうち、飲酒運転取り締まりにつきましては、週末を中心にいたしまして体制を強化し、深夜から早朝に至るまで、現在、工夫を凝らした取締りを実施しているところでございます。

 また、そのほか県民の飲酒運転根絶意識の向上を図るために、飲酒運転根絶市民大会の開催、一団体一飲酒運転根絶運動の推進を行っておりまして、草の根的な県民運動の展開を図っております。このほか、飲酒運転根絶を呼びかけるテレビコマーシャルの放映、各種広報媒体を利用しての県民への広報・啓発活動に努めているところでございます。

 今後とも、飲酒運転取り締まり活動を徹底するとともに、県を初めとしました関係機関・団体と連携しまして、各種広報・啓発活動を積極的に実施してまいるつもりでございます。



○副議長(安田謙三君) 二十二番 渡辺嘉山君。

   〔二十二番 渡辺嘉山君登壇〕



◆二十二番(渡辺嘉山君) 二つについて再質問というよりも、一つはお願いをしたいというふうに思います。笠松競馬です。

 知事は、大変強力な応援団の一人というふうに私たちも理解をして、お願いをしている立場でございます。やはりどのようにしたらいいかということを私ども真剣に考えているというところで、こういう提案も出させていただいたということで、決定については構成団体の首長会議というものがあるわけですから、こういう意見もあったということで出していただき、御検討いただけると非常にありがたいなあというふうに思います。この点はお願いをしておきます。

 それと、東海信組の問題ですが、事前に何もなかったので、大体予想できた答弁ではあったんですが、前回のとうとうと話された答弁もうんざりしましたが、余りにもあっさりされたというのもちょっとがっかりしたなというところでありますが、これはやはり過去の話で、知事自身が携わってみえない話でありますので、なかなか当時のことのコメントは非常に難しいというふうに理解をいたします。

 ただし、その中でも個別の、七項目上げさせていただいた中で、こんなような未承認組合があるのかという点、これは記録として残っていなければどうしようもないんですが、やはり県が行った行政の中の一つでありますから、この点についてはお答えできるんではないかというふうに僕としては思います。

 それと、あと国からの機関委任事務ということで、県が権限も責任も委任されて行っている行政の一つだというふうに私は考えております。そういう点において、機関委任事務がなくなって国へお返ししたから、責任もお返ししたのかという質問ですので、これは県全体のことということで、まだ機関委任事務もございます。そういう点での御回答はできるのではないかというふうに思います。

 どちらにしても、大変これは難しい問題で、本当に過去の問題ですので、一つ一つの御答弁ということは非常に難しいかもしれませんが、ぜひできる限りの御答弁をいただきたいと思います。以上です。



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 最初の笠松競馬につきましては、御要望に沿って、十分構成団体の間で議論していきたいと思っております。私も、応援団の一人であるわけでございますので。

 それから、東海信組でございますが、まず機関委任事務につきましては、先ほど申し上げましたけれども、当時として機関委任事務を受けて、県として最大限の努力をしてきたというふうに私としては受けとめているということでございます。

 それから、決算承認の問題につきましては、決算承認の大蔵省の基準があり、それに照らして当時判断されたというふうに理解をしております。



○副議長(安田謙三君) 三十九番 平野恭弘君。

   〔三十九番 平野恭弘君登壇〕(拍手)



◆三十九番(平野恭弘君) 発言のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきます。

 まず、東海環状自動車道について。

 愛知万博の開催に合わせて供用された東海環状自動車道東回りルートは、トヨタを初め、ものづくりの盛んな名古屋圏の製品輸送の効率化やアクセスの向上により、関・美濃地区を初め東回りルート周辺には企業が続々と進出し、大きな魅力となっております。このような理由から、東海環状自動車道の早期完成を願い、本年七月二十四日、岐阜都ホテルにおいて東海環状自動車道建設促進岐阜県西部協議会、平成十九年度合同総会が開かれました。従来より、御望山問題を抱えている私ども黒野を中心とした岐阜市北西部の有志の人々で、今年の七月三十日、黒野会館において、東海環状自動車道岐阜市北西部地域建設促進協議会の設立総会を開きました。そして、西回りルートの早期建設を目指し、事業の早期達成のため、一番目は、国・県・市に対して早期建設に関する要望、二番目に、岐阜市北西部地域関係者との連絡調整、三番目に、そのほか目的達成に必要な事項などを決めました。そして、早速八月十七日、黒野の役員の皆様方と現在工事中の美濃関ジャンクションより西関インターチェンジまでの工事現場を見学することになりました。

 国交省の車で黒野を出発し、岐阜インターができる付近、またルート上である椿洞を通って現場へ行きました。ルートにもたらす椿洞の産廃の影響は、どの程度影響があるのか、心配でございました。

 長良川にかかる橋脚の説明を受けましたが、開通当初は対面通行であるも、将来は四車線とするため橋脚は将来像も含めてつくっていくとの説明を受けました。また、トンネルは、橋との距離が短く、めがねトンネルにしなければならないため、一般のトンネルに比べ強度が必要との説明でした。そして、実際に見て、太い鉄筋が四重にも張りめぐらされて、素人目にもすばらしい強度が保たれると感心いたしました。参加した多くの人々は、御望山の反対者がこの工事現場の様子を見たら反対はできないんじゃないかと口々に言っておられました。また、工事関係者は、日本の技術をもってすれば、どんなところでもトンネル工事はできるんだとおっしゃっていました。

 また、帰りには、(仮称)高富インターのできる山県市役所の前を通りました。(仮称)高富インターの近くまでは、岐阜市街から国道二百五十六号が四車線で立派にできており、平成二十四年国体開催のメモリアルセンターまでは十分ほどの距離です。東海環状自動車道の美濃関ジャンクションから(仮称)西関インターまでが平成二十年度の供用を目指して整備が進められているとのことでした。平成二十四年の国体までに、高富インターから西関インターまでが開通すれば、国体に向けた大切なアクセス道路として機能すると考えられます。七月に開催されました東海環状自動車道西回りルート建設促進大会においても、国土交通省から、おおむね十年で西回り区間の整備を完了させたいとの意気込みが語られました。東海環状自動車道整備については課題もあると思いますが、早期の全線供用を多くの地域住民の皆さんが望んでいます。

 それでは質問に入ります。

 まず一番目、西関インターから高富インター間の整備の見通しについて、二番目に、岐阜インターから高富インター間にある椿洞の産廃の東海環状自動車道整備に及ぼす影響について、以上二点について、県土整備部長にお伺いいたします。

 また、国交省は、先月二十八日に御望山周辺の計画について再検討を行うと発表しました。内容は、計画の再検討では、都市計画ルートに加え、A・B・Cの複数の比較ルート帯を示し、おおむねの通過位置から各ルート帯の基本的な考えについて比較します。二番目に、ルート帯の比較については、地域の皆様の御意見を把握しますとあります。

 それで質問なんですが、比較ルートは既存のルートと合わせて四ルートになりますが、一本にルートを決めることが大切です。計画の再検討を急いでほしいと思いますが、今後、四つであると混乱が懸念されます。県としてはどのようにかかわられるおつもりなのか。また、いつまでに結論を出すのか。この点について、県土整備部長にお伺いします。

 私は、きょうは地元の黒野の方も見えておりますので、先ほどまでいろいろ話し合ったことを言いますと、このルートで、私ども地元黒野としてはAルートでまとめていきたい、そういうつもりです。そのわけは、本来ですと都市計画ルートが一番いいんじゃないかと思うんですが、この反対されている千成団地の方へ反対運動が入っているということで、もう都市計画ルート、Bルートについては今後ごちゃごちゃしたらいけませんので、Aルートでまとめようやということに相談がまとまりつつあります。私も、この説明会があるようですが、ただ十月十七日は厚生環境委員会で県外視察ですから出られませんが、あとのところは出て、しっかりと働かせていただきたいと思っております。

 さて、二番目は後期高齢者医療の問題点について質問させていただきます。

 六月議会において、私は、後期高齢者医療制度について質問をさせていただきました。

 私は、今年行われました統一地方選挙において、来年にスタートする後期高齢者医療制度を姥捨て山医療にならないよう、この問題について、この一年間取り組むことをマニフェストにいたしました。

 私ども日本の社会保障制度は、一九五〇年、いわゆる昭和二十五年の社会保障制度審議会勧告によって初めて体系づけられ、憲法二十五条の理念とその後の経済発展を背景に制度の整備と充実が図られてまいりました。

 所得水準の向上と国民生活の安定を要因として、我が国は世界の中でも豊かな国の一つとなり、また最長寿国となりましたが、一方では人口構造の高齢化とともに少子化が問題を生みました。そして、国民連帯による負担と給付の公平、さらに高齢者の自立支援を理念として、平成十二年に介護保険が創設されました。先ほど述べました七十五歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が来年四月からスタートするわけなんですが、そしてこの後期高齢者広域連合が、各都道府県ごとに一つずつ設立されております。

 七十五歳以上の後期高齢者を対象にした新しい医療保険制度が二〇〇八年四月から始まるのに伴い、新たに保険料を負担しなければならないお年寄りが約二百万人に上ることが、八月十日、厚生労働省の調べで明らかになりました。この保険料の負担に関しては、現在、国においてその凍結の議論もなされているところでありますが、これまではサラリーマンをしている子供や配偶者の被扶養者として保険料を支払う必要がなかったのが、新制度の発足により、年金収入などに応じて保険料負担が課されるようになります。

 資料一をごらんいただきたいと思います。前にも使いましたが、七十五歳以上の人口の推移を見ますと、七十五歳以上の高齢者は、現在約千三百万人いらっしゃいます。将来の推計人口によりますと、二〇二五年から二〇五〇年まで二千万人を超えると推計されております。新制度により、このうち約一五%に新たな保険料支払いという負担増が生じることになります。残りの大半の人は、これまでも国民健康保険などに加入して保険料を払っていらっしゃいます。

 厚生労働省の二〇〇五年時点の試算によりますと、新制度の一人当たりの平均保険料は月額六千二百円、年額では七万四千円の負担となります。このため、経過措置として、新たに保険料を負担する高齢者に対しては、二年間、半額以下に引き下げる方針でございます。現行の医療保険制度では、保険料を世帯単位で負担する仕組みとなっており、高齢者の多くは市町村の国保に加入していらっしゃいます。一方、子供や配偶者が会社員や公務員で、その被扶養家族として健康保険組合や共済組合などを利用している高齢者は、これまで保険料を負担せず窓口負担だけで公的医療を受けることができました。しかし、新しい後期高齢者医療制度では、世帯単位でなく高齢者一人ひとりから公的年金の天引きで保険料を徴収することになり、被扶養者だった高齢者も保険料支払いの対象になります。ただ、新制度は高齢者の一人当たりの医療費の格差に応じて都道府県単位で保険料を決めるため、既に国保に加入して保険料を負担していらっしゃる高齢者世帯にとっては、新制度で負担がふえるのか減るのかはまだ明確ではございません。都道府県別の保険料の水準は、この十一月ごろに示される見通しと聞いております。また、次の質問で聞きたいと思っております。

 資料二をちょっと説明させていただきたいと思います。

 高齢者の心身の特性として、疾病全体で見ますと、外来通院は壮年期から加齢に伴い増加しますが、入院診療費は後期高齢期になって増加する傾向があります。疾病の中でも、生活習慣病のうち高血圧性疾患、虚血性心疾患、脳梗塞については、こうした傾向が顕著にあらわれております。また、生活習慣病のうち血管性及び詳細不明の認知症やアルツハイマー病は、外来・入院とも後期高齢者になって特に顕著に増加する傾向があります。年齢別の受療率・外来は、七十五歳から七十九歳がピークでございます。また、年齢別の受療率、いわゆる入院ですが、七十五歳から七十九歳を境に急激に増加いたします。後期高齢者医療制度の大きな問題点は、受療率、入院率にあると言っても過言ではごさいません。

 政府は、施設医療介護から在宅医療介護に今切りかえつつあります。後期高齢者医療制度を初め、高齢者の医療が大きな変革期を迎えております。その一つが、長期入院を受け入れてきた療養病床の削減でございます。厚生労働省は、本来入院の必要がない社会的入院が多いとして、二〇一二年度末までに現在三十七万床ある病床を二十二万床減らして十五万床、約四割ほどにするとしています。二十二万人の人は、自宅や介護施設に移す計画でございます。

 資料三をちょっと見ていただきたいと思います。療養病床に入院される患者さんの割合を見ますと、医療区分二、三の高度な医療を必要とする患者さんは年々ふえる傾向にあります。二十二万床もの病床削減は、行き過ぎではないかと考えております。まして、有病率の高い後期高齢者医療を受ける人にとって、大きなしわ寄せとなりかねません。その上で、こうした方針を実際に進めていくため、国は都道府県に対して、それぞれの地域ごとの療養病床の削減目標の設定とか、介護施設や在宅に移される方の受け皿の確保等を求めております。そこで、岐阜県としてどのような方針で病床の削減を進めようと考えておられるのか、健康福祉部長にお伺いいたします。

 また、療養病床として存続する医療機関では、医療区分二、医療区分三という医療の必要性の高い患者さんの受け入れによって、医師や看護師の負担が増加して、より多くの医療従事者が必要になってきます。

 一方、厚生労働省は、長期入院のための療養病床は医療の必要性の高い高齢者の受け入れのみと考えております。残りの病床は、介護施設である老人保健施設などに転換させて、そこで最期を迎える人をふやす計画です。老人保健施設は、医師や看護師は療養病床より少なく、まして特別養護老人ホームは医師はいません。合併症や、常に定期的な薬剤の必要な患者さん、介護施設での医療の必要な患者さんのために医療機能を強化した施設が必要と思われます。そのため、国は老人保健施設での医療提供のあり方の見直しを進めていますが、こうした施設について、岐阜県としてどうお考えになっているのか、健康福祉部長にお伺いいたします。

 続いて、廃線跡地利用について。

 名鉄岐阜市内線、揖斐線、美濃町線がそれぞれ営業をやめ、廃線になって既に二年半になります。私は、この三線はぜひ残してほしいと思っておりました。名鉄の廃線に伴う対応についてお伺いいたします。

 岐阜市岩田坂の国道百五十六号は、一番の交通の難所となっております。岩田坂付近では、道路に沿って廃線となった名鉄美濃町線が通っており、この廃線敷を利用すれば渋滞解消のための一手段となると思います。この区間は国の管理であり、県に答弁は求めませんが、県や市町が管理している区間においても同様な箇所はあると思います。

 また、県が管理する道路には多くの踏切があります。岐阜市芥見地内の上白金真砂線の踏切は、従来交通のネックとなっていましたが、平成十八年に踏切が撤去され、道路の拡幅工事が行われた結果、通行しやすい安全な道路となっております。たまにしか行きませんけれども、うちから関カントリーに行くのに大変便利になりました。このように、名鉄の廃線敷の活用や踏切の撤去などの安全対策を進めることが求められております。県管理区間において、名鉄の廃線に伴う軌道撤去や道路への復旧が現在どのように進められているのか、県土整備部長にお伺いいたします。

 続いて、獣害についてお伺いします。

 先日、岐阜市奥というところを歩いておりましたところ、農家からこんな訴えを聞きました。この地区は、「奥」という名前からもおわかりいただけますように、市の中心部と違いまして、四方山ばかりといったところです。ここでは、ほとんどの方が農家の方です。カキとかクリとか野菜をつくっておられます。その農家の話によりますと、ここ数年、秋の収穫時になると、猿とかイノシシ、クマによって農作物が食い荒らされて、大変困っていらっしゃるとのことです。実際、私も現場へ連れていかれて、カキを、多分猿だと思うんですが、おいしいところだけかじってぱっとほかってあるとか、あるいはクリを上手にむいて食い散らしてあるとか、そういったところを見せられました。また、イノシシが畑の中へ入って掘り起こすんですね。くしゃくしゃになっているところも見せられました。そういったことで困り切って、あるお母さんですが、イノシシおばさんと言われるほど市役所に何回か相談に行ったものの、有効な対策がなかなか打てないとのことでした。

 このように、都市部周辺においても獣害が広がっていることからわかりますように、森林面積が県土の八〇%を占める本県全体を考えますと、農作物に甚大な被害をこうむっているのではないかと思います。実際、担当部局に聞き取りをしますと、農林水産物に対する鳥獣による被害額は近年横ばい傾向となっているものの、昨年は一億五千万円余で、うち獣害被害は約一億円であるとのことでございます。農作物への獣被害は、今後も続くものであります。獣害対策については、個々の農家の取り組みが基本ではありますが、地域全体での取り組みにより、その効果が上がるものと考えられます。地域の取り組み等については、市町村と県が連携して支援していくことが必要不可欠と考えます。

 そこで、農政部長にお伺いいたします。本県において、現在、獣害被害に対してどのような対策を講じられているのか。また、今後どう取り組もうとされているのか、その対策についてお尋ねいたします。御清聴、ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 後期高齢者医療の問題に関しまして、まず療養病床削減に対する県の方針についてお答えいたします。

 国が進める療養病床の削減につきましては、医療区分一のすべてと医療区分二の三割は、介護施設や在宅で療養できるとする基準の妥当性や、後期高齢者人口の増加による療養病床の不足の懸念など、各方面からさまざまな問題が指摘されております。全国知事会では、国への提案要望や厚生労働大臣との意見交換を通じまして、地方の実情や医療現場の実態を踏まえた対応を求めております。県におきましても、県内約三千七百床の療養病床について、入院患者の状況、医療機関の意見、地域の医療資源のデータに基づきまして、実情・実態に即して必要な病床数を確保しなければならないと考えております。

 こうした方針のもと、現在、医療機関へのアンケートや将来人口推計をもとに、療養病床として維持すべき病床数や介護施設及び在宅医療サービスへの必要量の分析を進めておるところでございます。この結果をもとにしまして、医療関係者や県民の代表等から成る岐阜県保健医療推進協議会やパブリックコメントを通じまして、幅広く意見を聞きながら、再編計画を策定してまいりたいと考えております。

 次に、介護施設における医療機能の強化についてお答えします。

 国は、療養病床から介護施設へ転換を図るため、改修費用の助成や施設基準の緩和などとともに、二十四時間の看護体制の整った医療機能強化型老人保健施設の創設を検討しております。県内でも、一部の医療機関がこの形態への転換を希望しております。こうした老人保健施設における医療機能の強化は、入所者への適切な医療の提供のために不可欠であると考えております。

 本年六月には、全国知事会としましても、療養病床から介護施設へ移る方々のニーズに合った医療を提供するために必要な措置を講ずるよう国に要望しておりまして、県としましても、今後とも機会をとらえまして、医師・看護師の確保の必要性とともに、医療機能強化の必要性を訴えてまいりたいと思います。



○副議長(安田謙三君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 農作物に対する獣害対策についてお答えをいたします。

 県では、従来から獣害防護さく設置を中心に対策に取り組んでまいりましたが、今年度は新たに美濃加茂市の生物工学研究所敷地内において、猿、イノシシ等に対する各種防護資材を一堂に集めた展示場を設置し、農家の皆さんの見学の場や関係者の研修の場として活用されています。さらに、県・市町村・関係団体の職員を対象に、獣害対策の知識習得のための研修会を開催し、専門知識を有する相談員を県下各地に配置できるようにするとともに、野生獣発見情報をインターネットを通じて提供できる体制整備を進めております。

 議員御指摘のとおり、獣害対策は地域全体がまとまって取り組むことがより有効であることから、その中心的な役割を果たす組織として、地域住民・農業団体等が参加した地域協議会づくりを市町村と連携して進めます。また、新たな対策として、個体数管理の手法を取り入れ、安全で効果的な捕獲や、猿を追い払うモンキードッグの導入に対する支援を検討してまいります。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道について三点及び名鉄廃線に伴う県の対応についてお答えいたします。

 まず、東海環状自動車道の西関インターチェンジから高富インターチェンジ間の事業についてお答えします。

 現在、美濃関ジャンクションから西関インターチェンジ間において、平成二十年度の開通を目標に工事が進められております。これに続く西関インターチェンジから山県市の鳥羽川まで、約七キロメートルの区間につきましては、予備設計、地質調査が実施されており、今後、地元説明、用地測量、用地買収へと進んでいくことになります。高富インターチェンジ付近につきましては、今年七月には測量の立ち入り説明会が開催され、本年度中には現地調査に着手される見込みと聞いております。この現状から見れば、国体までの供用には工程的に無理があると考えられますが、少しでも早期の整備を国に働きかけてまいりたいと思います。

 次に、椿洞地区の産業廃棄物不法投棄が及ぼす影響についてお答えします。

 東海環状自動車道は、平成八年に西関インターチェンジから養老インターチェンジ間が都市計画決定されました。その後、平成十六年に岐阜市椿洞地区における東海環状自動車道の予定地において、産業廃棄物の大量不法投棄事案が発覚したところでございます。この不法投棄された産業廃棄物については、岐阜市において、現在、その撤去のための実施計画を作成中と聞いております。この実施計画を踏まえ、国において東海環状自動車道に与える影響について検討をされるものと考えています。県といたしましては、東海環状自動車道の円滑な整備を求めるという立場から、岐阜市に対して実施計画の早期作成を働きかけてまいりたいと考えています。

 次に、東海環状自動車道御望山周辺のルートの確定に向けての県としてのかかわり方とその見通しについてお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、九月二十八日に国におきまして再検討の状況が公表され、今後、地域住民への説明会の実施と意見把握及び必要な地質調査の方針が示されたところであります。国において発表されたこの事業者計画案の作成プロセスに従い、アンケート調査や地質調査の結果を公表しながら、国において総合的検討の結果、事業者計画案が作成されるものと考えております。

 なお、これから説明会及び意見把握が行われるという現在の時点で県が比較ルート帯に言及することは適切ではないと考えておりますが、国に対しましては、できる限り早期に事業者計画案を作成されるよう強く働きかけてまいります。

 最後に、名鉄廃線に伴う県の対応についてお答えいたします。

 県では、平成十八年八月に名鉄と「鉄道施設等の撤去に関する覚書」を締結し、岐阜市内にある路面電車の軌道撤去を進め、今年度末までに道路の舗装復旧を完了する予定であります。また、美濃町線及び揖斐線と県管理道路とが交差する九カ所の踏切につきましては、今年度末までにレール撤去を完了し、拡幅が必要な箇所につきましては順次工事を実施していく予定であります。さらに、岐阜市琴塚地内の県道では、平成十八年度に軌道を撤去した道路敷部分にバス停を設置し、活用を図ったところでございます。なお、その他の廃線敷の利活用につきましては、関係市町の意向が重要であることから、昨年度設置しました県と関係市町によります名鉄三線廃止対策連絡調整会議を通じ、引き続き調整をしてまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 三十九番 平野恭弘君。

   〔三十九番 平野恭弘君登壇〕



◆三十九番(平野恭弘君) 東海環状道路についてなんですが、これは知事さんに要望したいと思います。

 ちょっと高富インターは今の答弁で無理だというようなお話なんですが、はかってみて、本当に十分で行けるんですね、メモリアルセンターへ。アクセスの問題から、何としてでもつくってほしいのは、この八月十七日、国交省の人がずっとついてくれたんですが、「どうやな、高富インターまで無理せやできるんかね」と言ったら、「県がちょっとお金をお出ししてくれや不可能じゃない」と言いました。知事さんの太っ腹で何とか前倒ししてもらって、ぜひぜひ、国体の成功はアクセスにもかかっておると思いますので、よく部局で検討していただきたいと思っております。

 それから、二点目の椿洞の問題なんですが、これは答弁が欲しいんですが、岐阜市とどのようなふうに話し合っておられるのか。これは、今度の岐阜市の議会においても、椿洞の産廃問題が大きな問題として浮上しております。県もきちんと指導していただいて、全部撤去するように、百億ぐらいかかるんじゃないかというようなことも言われておりますので、その点についてぜひ御答弁を願いたいと思います。

 それから三点目の御望山なんですが、きょうも来ていただいているんですが、やはり岐阜市、いわゆる黒野を中心とした北西部の連絡協議会が立ち上がっております。こういったところと市、それから県・国との連携をきちんと保っていただいて、そして私らも入らせていただいて、前みたいな検討委員会なんて変なものが入り込んでくるとなかなかやりにくいものですから、やはり自主的に私らでも参加をさせていただきたいと思っておりますし、アンケートはどのようにとられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。以上です。



○副議長(安田謙三君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 東海環状自動車道の椿洞の件について、市との連携の御質問がありました。

 先ほど申し上げたとおり、市におきましては、現在その撤去の実施計画を作成中でございまして、事務的にはどのような撤去をされるのか、連絡調整を密に図りながら、情報の交換を行っております。

 なお、都市計画決定の変更につきましては、できる限り御望山のルートの変更と同時期に行えるように、調整を図ってまいりたいと考えております。

 あと、御望山のルート確定につきましては、最終的には国が、国の責任において、総合的な検討の結果、決定されるというふうに認識をしております。



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○副議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午後三時二十四分休憩



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△午後三時四十八分再開



○議長(中村慈君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十四番 伊藤秀光君。

   〔十四番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆十四番(伊藤秀光君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく三点についてお伺いをいたします。

 まず第一点は、古田知事の二回目の海外出張についてであります。午前中に藤墳先生からも質問がありましたが、私なりに質問させていただきます。

 知事は、新聞報道によりますと、八月二十三日から九月一日までの十日間の日程で、中国、モロッコ、フランスを訪問したと報じられていました。まず第一の訪問国、中国では、八月二十三、二十四日の二日間にわたって、中部広域観光推進協議会などが派遣する中部教育旅行等誘致ミッション団の団長として天津市と北京市を訪問され、天津市では戴相竜市長や教育関係者と、北京市では王岐山市長や中学、高校の校長先生や旅行関係者と、それぞれ中部地域への教育関係の観光客の誘致について話し合われました。既にその成果として、午前中、知事から答弁がありましたように、週末には天津市から約百二十名の中学生が本県を訪れられるということで、大変喜ばしいことだと思います。また、十一月から十二月には、北京市と天津市の教育関係者を中部九県に招く視察ツアーも計画されているとも報じられています。未来を開く青少年との友好や教育関係者との交流は大切なことであると思います。ただ、中国との関係はいろいろと複雑で微妙なものがあり、決して中国に対する国民感情もいいとは言えないわけですが、今年はたまたま日中国交正常化三十五周年という記念すべき年でもあり、ぜひこの機会に日中相互の理解を深めるいいチャンスではないかと思います。積極的な対応をお願いいたします。

 次に、二番目の訪問国は、一昨年古田知事が勲章を授与されたモロッコ王国です。この訪問は、駐日モロッコ王国特命全権大使を通じて知事に訪問要請があったものと報じられていました。二十七日には、モロッコ王国のウジュダ・アンガッド府のアーメッド・ベナイニ府知事を表敬訪問し、県と同府の友好交流に関する覚書に署名をされました。その際、古田知事は、今後、研修生の受け入れや市民レベルでの交流を検討したいと話されたようです。また、民間団体として、昨年モロッコに桜の苗木を寄贈して交流活動が始まった、ぎふ・モロッコ王国・モナコ公国同好会のメンバーも参加されました。同時に、駐日モロッコ大使は、日本の県との協力関係の締結は初めてで歴史的なことと、今後の交流に期待しているとも述べられています。

 最後の訪問国フランスでは、既に七月二十七日に知事の三十数年前からの旧知の仲の駐日フランス大使、ジルダ・ル・リデック大使を初め大使館の各担当者十七名が本県を訪問され、観光や経済、科学技術、文化・スポーツの四分野でフランスとの交流を進めていこうという合意がなされました。そのフランス・岐阜/地域交流プログラムの実施に向けて、八月三十日、三十一日の二日間にわたってセーブルのフランス国立陶磁器美術館などを訪れ、県現代陶芸美術館との交流などについて意見交換をされました。

 知事にとりまして、十日間の間に、アジア、アフリカ、欧州と、政治、宗教、文化、食事と、全く違う国を慌しく、精力的に視察され、さぞお疲れになったことと思います。

 聞くところによりますと、そんな疲れも加わってか、モロッコを離れた後、訪問団一行の中に体調を崩された方が多く見えたと伺っています。さぞ大変だったと思います。

 そこで知事にお伺いをいたします。いま一度、十日間を振り返り、この海外出張をどのように県政発展のため、県民の幸せのために結びつけていかれるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、岐阜県のエネルギー政策についてお伺いをします。

 私は、今日まで温暖化対策と表裏一体の関係にあるエネルギー問題について何回となく質問してまいりました。その上、私たちが生きるための食料と生活するためのエネルギーの自給率を考えるとき、大変重要なテーマであると考えます。また、今議会の冒頭、県民協働宣言の進捗状況の説明があり、その中でも食と水とエネルギーの自給に取り組む社会づくりが大きなテーマの一つとして上げられていますが、本県では、食糧自給率は今や四〇%を割り込む状態であり、エネルギー自給率に至っては一二%しかありません。しかし、私たちの旺盛な経済活動と生活の豊かさにより、我が国のエネルギーの消費は主要先進国で第二位を占めています。そして、生活が便利になればなるほど、皮肉にもエネルギーを消費していくことになるわけです。今やエネルギーの源である原油価格の高騰、石油などの化石資源の枯渇、地球温暖化の原因としてのCO2の発生など、エネルギー政策の変換が急務となってきました。特に、風力、太陽光といった自然エネルギーの活用、また、今脚光を浴びていますトウモロコシやサトウキビ、酪農によるふん尿、稲わら、小麦、木材チップなどのバイオマスエネルギー、そして将来的には燃料電池等の水素エネルギーヘの変換をしっかり進めていかなければならないと思います。

 国においては、二〇〇二年一月に新エネルギー利用等の推進に関する特別措置法によりバイオマスや雪氷の冷熱エネルギーも追加され、それを受けて、本県でも、ここに持ってまいりましたが、(資料を示す)新エネルギービジョンが二〇〇六年三月に改定され、現在に至っています。二〇一〇年に向けた新エネルギーの目標値がここにうたわれていますが、その目標値の進捗状況について、まず初めに産業労働部長にお伺いをします。

 なお、他県の同様のエネルギープランを調べてみますと、二〇一〇年度における新エネルギー導入における目標値の原油換算が岐阜県では十五万五千キロリットルに対し、静岡県では二十九万一千キロリットルと約二倍、海のない内陸県の栃木県でも四十万四千キロリットル、海に面し風力で頑張る青森県では四十三万六千キロリットル、秋田県は三十四万キロリットルと、いずれも岐阜県より目標値が高く、風力発電のように地の利もあるとは思いますが、本県でも進捗状況を聞いてみますと、順調に進んでいるエネルギーもあると聞きます。もっと目標値を高く掲げて、他県に負けないエネルギー政策をお願いしたく思います。この点についてもあわせてお答えください。

 次に、バイオマスエネルギー対策会議についてお伺いをします。

 改めてバイオマスについて考えますと、バイオマスは、生命と太陽エネルギーがある限り、持続して再生可能な資源です。しかし、バイオマスとは生産過程では農政に関することであり、バイオマスを活用してエネルギーに変換されると産業労働部の管轄になります。さらに、地球温暖化防止対策としてのバイオマスエネルギーは地球環境課になります。まさに、バイオマス行政の進行には縦割り行政の弊害を受けかねません。そんな弊害をなくし、一体として進めていくために、政府は内閣府と経済産業省、他五省の協力のもと、二〇〇二年十二月にバイオマスニッポン総合戦略を閣議決定しました。そして、昨年三月に見直し、国家プロジェクトとして取り組みを進めています。本県においても、同様の意味から二〇〇四年にバイオマスエネルギー対策会議ができました。間もなく三年半を迎えようとしています。今日までの成果、今後の目標について、産業労働部長にお伺いをいたします。

 次に、バイオマスの中でも、近年とりわけ注目されているバイオマス燃料についてお伺いをいたします。

 この質問は、昨年、森先生もされており、その際、産業労働部長が答弁されておられます。重複するところもあるかと思いますが、私なりに質問をさせていただきます。

 さて、バイオマス燃料の代表的なものにガソリン代替燃料のバイオエタノールと、軽油代替燃料のバイオディーゼル、通称BDFが上げられます。近年、バイオ燃料への注目度は、新聞・テレビでも報道されていますように、国際的に高まっています。その理由は、第一に、最近の原油の高騰、第二に、地球温暖化の原因のCO2がふえないこと、第三には、いずれ化石燃料は枯渇しますが、バイオマスは持続的に利用でき、循環社会を形成できること、第四には、農林漁業、農村漁村の活性化につながること、第五には、我が国における競争力ある新たな戦略的な産業の育成ができることです。

 初めにバイオエタノールについてですが、その生産量は世界じゅうで、二〇〇五年、約五千万キロリットルと推定され、このうちアメリカはトウモロコシから千六百二十一万キロリットル、ブラジルはサトウキビから千六百七万キロリットル生産し、二カ国で全体の約七〇%を占めています。日本ではわずか三十キロリットルで、なおかつ実証実験段階です。EU、中国、インドでも生産量が急速に伸びてきています。しかし、我が国においては、昨年バイオマスニッポン総合戦略が見直され、バイオマス輸送燃料の利用促進が打ち出されたばかりです。現在、全国七カ所において、バイオエタノール燃料の実証事業がスタートしております。二〇一〇年には五十万キロリットルと目標を示していますが、それでも世界からかけ離れた目標で、いかに日本がバイオマスエネルギーの活用に出おくれているかがわかると思います。技術力、資金面、ともに我が国はどこにも負けないと思っているわけですが、残念でなりません。

 今年五月には、バイオエタノールの原料として、「休耕田でコメをつくれ」と題し、NHKの「クローズアップ現代」で放映されました。全国に百万ヘクタールあるという休耕田の活用策です。大いに期待するところであります。

 次にバイオディーゼル燃料ですが、バイオディーゼルとは、動植物油を加工してディーゼル自動車の燃料とするものです。既に欧州での生産が盛んで、全世界の生産量の約七六%を占めています。主に菜種油等を直接精製してつくられます。日本では、今年三月に京都市を中心に全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会も設立され、バイオディーゼルの普及に向けて全国的に動き出しています。その上、お隣の滋賀県の愛東市から始まった菜の花プロジェクトは、休耕田に菜の花からとれた菜種油を一たん食用油として使用し、その後の廃食油をバイオディーゼルとしてさらに再利用する活動が盛んです。この運動は、二〇〇一年に「菜の花プロジェクトネットワーク」として設立され、それ以来、毎年全国大会が開かれ、今年も「第七回全国菜の花サミット山形」が六月二日から三日にわたって開かれました。また、八月五日には「第四回全国菜の花学会in東近江」が、そして引き続き六日には京都でバイオディーゼル燃料のシンポジウムが開かれ、私も行ってまいりましたが、農林水産省、環境省、国土交通省、経済産業省からそれぞれバイオディーゼルへの取り組みが発表され、また現場で頑張る方々の発表もありました。私は存じませんが、レーサーの片山右京さんより、天ぷら油でパリダカ〇七完走という発表もあり、皆さんの関心も深く、会場に入り切れないほどで、盛大に開催されました。

 既に京都では、家庭から出る廃食油を集めてメタノールと化合させ、脂肪酸エステルという軽油に近い物性に変換したものをごみ収集車二百二十台、市バス六十五台などのディーゼル専用車に利用しております。しかし、本県でも以前より多くの市町村でこの菜の花プロジェクトはスタートしましたが、いまひとつ軌道に乗っていないのが残念であります。

 以上述べてきましたように、バイオエタノール、バイオディーゼル、どちらもまだ日本では緒についたばかりです。本県にも一万六千四百ヘクタールの休耕田があります。これらの有効活用とエネルギーの地産地消につながるバイオ燃料の原料生産についてどのようにお考えか、今回は農政部長にお伺いをいたします。

 次に、知事に一つ要望させていただきます。

 私は、岐阜県のエネルギー政策について何回も質問してまいりましたが、当たり前のことですが、国のエネルギー政策に制約されます。やはり今、国連で温暖化防止策の審議がなかなか進まないように、環境より経済優先という考えが大きく立ちはだかります。

 私は、二〇〇四年六月の一般質問で、太陽光発電への国の助成が打ち切られたことへの疑問を訴えてきましたが、太陽光発電導入量は長く世界第一位を誇ってきましたが、二〇〇五年にドイツに抜かれてから、その後の両国の格差は急激に開き、二〇〇六年末ではドイツ三百六万キロワット、日本百六十七万キロワットと大きく水をあけられました。改めて国の助成の必要性を感じます。

 デンマークは一九七二年、エネルギー自給率はたった二%だったのが、二十八年後の二〇〇〇年には一三九%と、エネルギーの輸入国から輸出国へと変貌しました。風力発電によるところが大きいと思われます。

 我が国でも、北海道電力、東北電力、九州電力で風力発電の募集を行い、多くの民間会社、NPOで建設が盛んに進められてきましたが、ここ最近では、建設できないようになってきました。自然エネルギーの活用に歯どめをかけているのが、二〇〇三年四月に施行されたRPS法であります。電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法です。この法律は、風力や太陽光、バイオマスなどの新エネルギーの利用普及を目的として掲げ、電気事業者、つまり電力会社に新エネルギー等から得られた電力の一定量以上を利用することを義務づけたものです。この最大の問題点は、この法律に基づいて政府が設定した新エネルギー供給量の目標値が低いことです。二〇一〇年度の目標は百二十二億キロワット時で、全電力に対する比率で一・三五%にすぎません。同じ二〇一〇年のEU全体の目標一二・五%、国別ではドイツが一四・五%、スペインが二九・四%です。日本の目標値は欧州に比べると一けた低いのです。

 先日、大阪で市民共同発電所、全国フォーラム二〇〇七が開催されました。その資料によりますと、デンマークやドイツでは市民主導による風力発電の普及促進がされています。主催者にお話を伺うと、今の制度では、導入主体が電力会社で、導入目標を低く抑えているRPS法ではなく、自然エネルギー買い取り、電力買取補償制度を導入すれば、日本でも市民主導の飛躍的な普及が起こると訴えています。ぜひ古田知事には、全国知事会等を通じ、CO2の削減、自給率アップのためにも、国に対し、こうした議論もしていただきたく要望をしておきます。

 次に、がん対策についてお伺いいたします。

 今年八月二十六日に広島にて第三回がん患者大集会が、「変えよう日本のがん医療、手をつなごう患者と家族たち」というテーマで二千人が集い開催され、以前、人気キャスターでがんで亡くなられた逸見政孝さんの奥さんも、みずからの子宮頸がんの体験も含め講演されました。最後に、三年以内にすべてのがん診療に携わる医師が緩和ケアの研修を受けること、在宅での緩和ケアの体制整備、国民への緩和ケアの啓発を掲げ、国や都道府県に要望することを盛り込んだ大会アピールが採択されました。

 私も、六月議会で、本県のがん対策基本計画の策定についてと緩和ケア体制の充実についてお伺いをしたところです。今回は特に、がん対策基本法の三つの柱の一つである放射線治療の普及についてお伺いをいたします。この質問は、三月に公明党の野村先生もされておりますが、私なりにお聞きしたいと思います。

 私は先日、「切らずに治すがん治療」と題するシンポジウムが東京であり、行ってまいりました。それは、最新の重粒子線照射装置が群馬大学に建設されるとのこと、たしか梶原前知事も千葉県の重粒子医科学センターで前立腺がんの治療をされたと聞いています。その当時、岐阜県だけでは無理なので、近隣県と協議してこうした施設が欲しいとのお話を伺った記憶があります。群馬大学医学部の施設は、従来、東京ドームほどの大きさの照射施設が小型化され、経費はそれでも百二十五億円かかるそうです。一回の治療費は三百十四万円もかかるそうです。この世界最先端のがん治療が、平成二十一年度より群馬大学の施設でスタートをいたします。これがそのいただいてきたパンフレットでありますが、(資料を示す)なかなかうらやましい限りであります。こうした粒子線治療の施設は、日本では今現在六カ所しかありません。

 先日、本屋さんで「切らずに治すがん治療」という同じテーマの本を見つけました。東京大学医学部附属病院の放射線科准教授で緩和ケア診療部長の中川恵一先生の著書ですが、表紙に「できるだけ早く手術しましょう」と勧められたら、「頭を整理したいので少しお時間をくださいと告げ、一度家に帰ってほしいのです」と書かれています。中を読んでみますと、日本人の場合、放射線というとマイナスのイメージが強く、被爆国という歴史も関係しているかもしれません。効果が見えにくい放射線は、いまひとつ信用できないのだと思います。しかし、がん治療の半分は放射線治療が世界の常識となっています。アメリカでは六六%、ドイツでは六〇%、イギリスでは五六%です。日本では二五%と極めて少ないのです。治療を担当する放射線腫瘍医もアメリカでは五千人を数え、この専門家が全国で五百人しかいない日本とは雲泥の差です。

 なお、放射線治療で効果のあるがんとしては、前立腺がん、子宮がん、食道がん、頭部や首にできるがん、肺がんなどと書かれてありました。二〇一五年には、二人に一人ががんで命を落とし、三十五万人以上の方が放射線治療を受けると推計されます。あと十年もないのですが、現状を見る限り、それに対応する体制が十分整っているとは思えません。本は、締めくくりに、主治医に相談するだけでなく、必ず放射線治療の専門家である放射線腫瘍医にセカンドオピニオンを求めていただきたいとも書かれてありました。

 そこで、健康福祉部長にお伺いします。

 本県では、多額の費用がかかる重粒子線の治療施設はないわけですが、リニアックのような高性能の放射線治療装置はあるようです。放射線治療を県内でどのように進めていかれようとしているのか、お考えをお聞かせください。

 ところで、私は最近何人かの方から、がんの告知を受け、しかも医師から事務的、機械的に淡々と話されることで、大変ショックを受けた話を耳にしました。そこで、私はがんを今は告知をするんだと知りました。それでは、がんを告知されると直ちに死を想像し、不安・恐怖で本人はもちろん、家族もパニック状態に陥ることは間違いありません。しかし、国立がんセンター病院のがん情報サービスをインターネットで調べてみますと、がん告知マニュアルというのが出てきます。その中で、今や「告げるか告げないか」という議論をする段階ではなく、「いかに事実を伝え、その後どのように患者に対応していくか、援助していくか」という告知の質を考えていく時期に来ていると書かれてありました。ただし、最後に機械的に病名を告げることへの批判も一方で高まってきているとも書かれてあります。こうした現実を踏まえ、告知を行っていく際の基本的な心構え、特に患者の精神面の反応や問題点に着目し、その対応も考慮したマニュアルが作成されたわけであります。本人への対応、家族への対応、いろいろと書かれてあります。

 もう少し読んでみますと、告知技術の学習という項目には、少なくとも告げ方と告げた後に患者を支えていく技術が必要であることから、講習会を計画中とも書かれてあります。また、先日読んだ柳田邦男氏の著書「壊れる日本人」という本の中でも、「比較的最近まで、日本の医療界は、がん患者本人には病名を告知しない方がよいという考えが圧倒的に強かった。しかし、一九九〇年代の半ばあたりから、医師側だけの勝手な判断で、患者が病気の真実を知ることができないというのは、患者の知る権利を奪うものだとし、患者の主体的な闘病と生き方を阻害するものだとして、がんの告知をする例が急速に多くなった。それはそれで意義あることだと私は思う。ところが、告知する傾向が高まるにつれて、診断結果をストレートに告げるだけで、患者の心のケアには目を向けない例も多くなってきた」と言っています。そして彼は、医療関係者の講演などで、「やわらかな告知・やわらかな非告知」というキーワードを掲げて、日本人の文化的風土に合った告知のあり方を提唱しています。

 私は先ほど述べましたように、国立がんセンターでの告知技術の学習会等も活用していただきながら、患者さんの心をくんだ告知がされるよう強く強くお願いしておきます。

 さて、現在こうした患者のがん告知を含めた心のケアについては、がん診療連携拠点病院に設置されている相談窓口で対応することになっているはずです。しかしながら、日経新聞のがん診療連携拠点病院のアンケート調査によりますと、こうしたがん患者さんや家族の不安や悩みの相談に乗ったり、医療機関や治療法を選ぶのに必要な情報収集を手助けしたりする体制が整っていないことがわかりました。相談支援センターでは、がん患者さんの多岐にわたる相談に対応するために、複数職種の相談員を置く必要があり、人員の確保に苦慮されているところが多いようです。五職種以上いた施設は十五施設で、七%とわずかで、二職種以下が百二十五施設、五八・七%で六割近くを占めています。

 ところで、二〇〇三年四月に開設された三重大学病院の医療福祉支援センターは、医学部准教授やがん看護専門看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師ら兼任も含め六職種十八人のスタッフを擁する相談窓口です。定期的にスタッフが集まり、患者相談の対応を話し合うそうです。スタッフが拡大されたのは、拠点病院として県内の他の病院からの相談にも対応するとともに、病院の生き残りには相談体制の充実が最も必要という病院長の強い後押しがあったようです。そこで健康福祉部長に、本県における相談窓口支援センターの状況とその充実策についてお尋ねをいたします。

 最後に、全国各地でがん対策にいろいろと手が打たれています。我が岐阜県民が、いわゆるがん難民にならないよう、きめ細かい施策の速やかな実行をお願いし、以上、大きく三点について質問をさせていただきました。誠意ある御答弁をお願いし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の方には、海外出張についての御質問がございました。午前中の質疑との重複も若干ございますが、まず今回の中国訪問でございますが、今年は日中両国の国交正常化三十五周年ということで、両国政府からその事業の一環というふうにも位置づけていただいておりまして、行ってまいりましたけれども、やはり出発時の予想をはるかに超えまして、非常に日本に対する関心が高いということと、昨年秋の安倍前総理の訪中以来、大変日中関係がいい方向に向かっているということを、肌で大変強く感じた次第でございます。また、特に中部地域が持つ歴史・文化・産業などの多様性、観光地としての魅力、特に温泉、雪、スキー、民宿といったことに対する関心の高さを感じてまいりました。北京、天津の両市長とも、教育と観光というのが今後の日中関係発展のキーワードであるというようなことを強くおっしゃっておられました。この週末には、早速天津市の中学校、五つの学校から総勢百二十名の訪問団がおいでになりますが、白川郷、岐阜城などを楽しんだ後、県立岐南工業高校におきまして、県内の高校生が製作して操作を競う岐阜県アイディアロボット競技大会の見学、またそれへの一部参加、さらに岐南工業高校生徒の案内による校内見学、あるいは同校生徒との交流会といったようなことを行うことになっております。このように、柔軟な感性を持つ若いころに異なる文化・生活・習慣を持つ同世代の若者との交流を行うことは、大変意義のある深いことではないかということで、引き続き青少年の交流を積極的に進めていきたいと考えております。

 今年の十一月ごろには、中部広域観光推進協議会におきまして、北京・天津の両方の市から中学校の教育関係者をお招きする予定でございますが、岐阜県にもおいでいただいて、中国からの教育旅行誘致にさらに弾みをつけていきたいというふうに考えております。

 次にモロッコでございますが、伊藤議員もぎふ・モロッコ王国・モナコ公国同好会にかかわっておられるわけでございますので、いろんな事情は御案内のとおりでございます。

 今回の訪問では、空港での歓迎セレモニーから始まりまして、大変歓迎と期待の表明を受けました。岐阜県は、日本全体の交流の結節点だと。モロッコはヨーロッパとアフリカの交流の結節点だと。それから、モロッコ人は遠来のお客さんには全財産をなげうってもおもてなしをすると。岐阜県もおもてなしの心の岐阜県だと聞いておると。あるいは、伝統や文化を大事にして、一本調子の近代化をやったわけではない日本との交流は、大変モロッコとしては大切にしたい、いろんなお話を伺いましたし、将来的には、ウジュダ・アンガッド府だけにとどまらず、さらに広域の地域との交流を期待したいという話もございました。

 現地で広瀬駐モロッコ日本大使が全行程に御同行いただきましたけれども、その際、日本国政府としても国際協力機構、JICAとともに全面的にバックアップしたいという表明もございましたし、また岐阜県の和太鼓、あるいは郡上踊りなどを活用した文化交流についてもいろいろと御示唆をいただきました。

 また、モロッコで最も古く由緒あるララ・アイシャ公園というのがウジュダ市にあるわけでございますが、そこに二ヘクタールに及ぶギフ・パークを整備したいという話がございまして、現地も視察してまいりました。ぎふ・モロッコ王国・モナコ公国同好会としては、桜などを寄贈して植樹したいという話も伺っております。今後は、建築・造園、ITなどの分野における技術研修生の受け入れ、花と公園の交流などを出発点として、双方の地域発展、人材育成につながる継続的な取り組みを進めていきたいと考えております。

 フランスにつきましては、来年二〇〇八年が日仏修好通商条約の締結百五十周年ということでございまして、今、両国政府レベルでも、来年を日仏交流百五十周年というふうに位置づけて、さまざまなプロジェクトを計画しているところでございます。旧知の駐日フランス大使からは、これまでのような通り一遍の首脳会議、あるいは一部の知識人による賢人会議、あるいは姉妹都市交流などといったような交流では物足りないと。むしろ新たな草の根交流の先駆的なモデルとして、特に岐阜県とフランス各方面との間で多重的な交流を進めていきたいと、こういう申し出があったわけでございます。七月には、大使以下大使館関係者十七名が本県においでになりまして、いわば移動大使館ということで、大使館ぐるみ岐阜県においでになって議論をするという大変かつてない熱心な働きかけがございました。この結果、「フランス・岐阜/地域交流プログラム」ということで、フランス見本市での県産品のPR、知的クラスター分野での研究交流、フランスの旅行業者、プレス関係者を招いての岐阜県のPR、セーブル美術館と岐阜県現代陶芸美術館との交流など、十九のプロジェクトについて合意したところでございます。

 今回の出張は、時間の許す限り、その具体化に向けて関係者と面談し、意見交換を行うということが主たる目的でございました。

 セーブルにある国立磁器製作所長からは、二〇一〇年に所蔵作品の巡回展を日本で行う中で、岐阜県での開催の御提案がございました。また、セーブル美術館では、岐阜でのセーブル展、セーブルでの美濃焼展の開催につきまして、前向きに取り組んでいくということで同意しております。

 その際、聞いた話でございますが、セーブル美術館は美濃焼独特の白地に装飾が施されました十六世紀末に作製された志野焼の鉢物を最近購入したということを言っておられました。パンフレットにも大きく掲げられておりました。聞くところによりますと、この美濃焼は、近年、セーブル美術館として購入した陶芸美術品の中では最も高価なものであったということで、美濃焼というのは何と高いんでしょうかと。しかし、いいものは買いたいので、買いましたと、こんな話がございました。

 さらに、パリの国際観光振興機構の事務所、あるいはJETROのパリセンター等も訪問いたしまして、飛騨・美濃じまんプロジェクトへの協力、県産品の出展、日仏企業同士のマッチングができるイベントの紹介、リモージュ焼とみずなみ焼との産業交流への支援などについて御協力いただくことになりました。

 また、フランスの地方分権研究所長ともお会いしました。先般スタートしたサルコジ政権のもとにおきましては、地方分権論議は中断状態にあるということでございます。特に今のフランスの国内世論でございますが、地方分権が進めば進むほど、かえって地域間の格差・不平等が拡大するのではないかと、こういう懸念から、大変消極的であるというような最近の興味あるお話も伺った次第でございます。

 以上、御報告申し上げましたが、これらの出会い、意見交換、交流が、今後、県全体としての多面的かつ持続的な交流、そして県政の広がりにつながっていくように努力していきたいと考えております。

 それから、議員から新エネルギーにつきまして御要望がございました。

 この点については、既に全国知事会でもいろいろと議論もし、国に要望も出しておりますけれども、来年、日本がホストを行います洞爺湖サミットの主要テーマも「地球環境問題」ということでございますので、御指摘の点も踏まえて十分議論していきたいと思っております。



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) がん対策のうち、まず放射線治療の推進についてお答えいたします。

 放射線治療は、一般的に手術よりも患者の体への負担が少なく、日常生活への復帰にも支障が少ない治療法と言われております。県内では、七カ所のがん診療連携拠点病院などに放射線治療に必要な機器を備え、手術や化学療法を効果的に組み合わせた治療を実施しております。

 放射線治療には、治療装置だけでなく、高度かつ専門的な知識と技術を有した医療従事者が必要となりますが、今後はこうした専門家を育成するため、拠点病院の医療従事者を国立がんセンターが実施します研修等に派遣し、さらにこの派遣した職員を中心に、拠点病院において、県内の医療従事者を対象とする研修を実施することで、県全体の放射線治療の水準の向上に努めてまいりたいと考えております。

 続きまして、がん相談支援センターの状況と充実策についてお答えします。

 患者さんや家族が抱える不安や疑問を解消するため、がん診療連携拠点病院にはがん相談支援センターが設置されており、がん患者や家族からの治療方針やセカンドオピニオン等のさまざまな相談に対して、専任の相談員が対応しております。相談員は、国立がんセンターが実施する研修を受けた看護師が主に担当しておりますが、さらに医師やメディカルソーシャルワーカー、臨床心理士等の担当者を配しまして、体制の充実を図っているところもございます。

 県といたしましては、積極的に相談員を研修派遣するとともに、さまざまな職種の職員が連携することによって相談体制を充実するよう、拠点病院へ要請してまいりたいと考えております。

 また、がんの不安については、多くの方々に相談センターを利用していただくために、県の広報媒体やホームページなどによりまして周知に努めてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 岐阜県のエネルギー政策について二点、お答えをいたします。

 まず新エネルギービジョンの目標年度に向けた進捗状況と目標値の設定についてでございますが、目標値については本県の特色や過去の導入実績を加味して算出し、ビジョン策定委員会に御議論をいただき、設定したものでございます。他県の目標値と比較しますと、おおむね中位ぐらいの水準にあるものと考えております。

 現在の目標値については、二〇〇六年三月の改定の際、ビジョンを策定した当初の目標値より約三〇%高く設定し直しました。これは、新たに新エネルギーとして位置づけられたバイオマス発電を加えたこと、民間での導入量の増大などを見込んだことによるものでございます。

 目標値に対する進捗状況についてでございますが、本年三月末の目標達成率は五八・九%でございますが、バイオマス発電については、達成率八六・六%と顕著な伸びを示しており、中でも木質バイオマス発電につきましては、県内の豊富な森林資源を背景として、今後さらなる導入が期待されているところであります。

 一方、原油価格の高騰や地球温暖化対策等により、今後ますます新エネルギーの期待は大きくなるものと考えられることから、県民の皆様の意識を高めていただくためにも、目標値につきましてはその達成状況を勘案しつつ、多面的な検討を行ってまいります。今後とも、市町村や民間企業と連携し、エネルギー政策を積極的に推進していきたいと考えております。

 次に、バイオマスエネルギー対策会議の成果・目標についてお答えをいたします。

 バイオマスエネルギー対策会議では、木質バイオマス発電事業や木質バイオマスと下水汚泥を混合して燃焼する事業など、バイオマスエネルギープロジェクトに関する部局横断的な情報共有や、バイオマス資源の活用方策を検討してまいりました。二〇〇五年度からは、バイオマスエネルギーの具体的な導入に関しまして、白川町をモデル地域とする木質バイオマスを活用した岐阜県森林エネルギー地域循環モデル事業に取り組んでいるところであります。この事業を推進するため、県関係部局のほか、白川町や地元の方々、さらには民間企業も加えた共同検討会を設置し、現在、事業化に向けて、採算性を考えながら、施設規模や整備スケジュールの詳細について検討を進めているところです。今後は、岐阜県新エネルギービジョンにおいて、リーディングプロジェクトとして位置づけられている農産物由来のバイオマス資源の活用についても対策会議で検討し、導入を促進してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 休耕田の有効活用策としてのバイオ燃料の原料生産についてお答えをいたします。

 米の消費量減少に伴い、生産調整が進行する中で、水田転作として、本県では麦・大豆・野菜等の作付を進めているところであり、平成十八年度には水稲の作付をしない、いわゆる休耕田の約七割に当たる一万一千五百ヘクタールでこれらの作物の生産が行われております。しかし、気象、生産基盤、労働力等諸条件の制約により、水稲以外の作物の作付が困難な水田も存在しており、こうした水田の有効活用を図るためには、家畜の飼料やバイオ燃料の原料など、食用以外の米の生産を進めることが最も適していると考えます。中でも、バイオ燃料については、地球温暖化防止、循環型社会形成の観点から、国において大幅な生産拡大を目指しています。県としましては、こうした国の動向を踏まえつつ、水田の有効活用を目指して、県のエネルギー政策との整合性を図りながら、原料となる米の生産性、収益性等について調査・研究を進めてまいります。



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○議長(中村慈君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時三十五分散会



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