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平成19年  6月 定例会(第3回) 06月29日−04号




平成19年  6月 定例会(第3回) − 06月29日−04号









平成19年  6月 定例会(第3回)





△議事日程(第四号)



                   平成十九年六月二十九日(金)午前十時開議

第一 議第七十七号から議第九十五号まで

第二 請願第一号から請願第四号まで

第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



一 日程第一 議第七十七号から議第九十五号まで

一 日程第二 請願第一号から請願第四号まで

一 日程第三 一般質問



            ………………………………………………………………





△出席議員    四十六人



   一番   大須賀志津香君

   二番   野村美穂君

   三番   太田維久君

   五番   田中勝士君

   六番   村上孝志君

   七番   高木貴行君

   八番   山本勝敏君

   九番   松岡正人君

   十番   篠田 徹君

  十一番   小原 尚君

  十二番   川上哲也君

  十三番   林 幸広君

  十四番   伊藤秀光君

  十五番   松村多美夫君

  十六番   水野正敏君

  十七番   横山善道君

  十八番   脇坂洋二君

  十九番   野島征夫君

  二十番   高橋昌夫君

 二十一番   平岩正光君

 二十二番   渡辺嘉山君

 二十三番   伊藤正博君

 二十四番   佐藤武彦君

 二十五番   森 正弘君

 二十六番   小川恒雄君

 二十七番   村下貴夫君

 二十八番   大野泰正君

 二十九番   矢島成剛君

  三十番   岩花正樹君

 三十一番   野村保夫君

 三十二番   足立勝利君

 三十三番   笠原多見子君

 三十四番   洞口 博君

 三十五番   渡辺 真君

 三十六番   渡辺猛之君

 三十七番   駒田 誠君

 三十八番   藤墳 守君

 三十九番   平野恭弘君

  四十番   安田謙三君

 四十一番   尾藤義昭君

 四十三番   早川捷也君

 四十四番   玉田和浩君

 四十五番   中村 慈君

 四十六番   岩井豊太郎君

 四十七番   渡辺信行君

 四十八番   猫田 孝君



            ………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長          馬渕正司

 総務課長          片岡秀男

 議事調査課長        佐々木信英

 議事調査課総括管理監    村瀬昭彦

 同    課長補佐     宇津宮清和

 同    課長補佐     石榑和成

 同    課長補佐     山口幹夫

 同    課長補佐     河田 誠

 同    主査       市橋 晃

 同    主査       加代暢尊

 同    主査       野村義孝

 同    主査       桂川義彦



            ………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事            古田 肇君

 副知事           原 正之君

 副知事           横井 篤君

 秘書広報統括監       島田 清君

 危機管理統括監       市原一人君

 総務部長          冨田成輝君

 総合企画部長        丸山 進君

 環境生活部長        高田幸三君

 健康福祉部長        上手繁雄君

 産業労働部長        猿渡要司君

 農政部長          山内清久君

 林政部長          渡辺敬一君

 県土整備部長        棚瀬直美君

 都市建築部長        藤山秀章君

 会計管理者兼出納事務局長  今瀬義幸君

 教育長           松川禮子君

 警察本部長         井口 斉君

 代表監査委員        帆刈信一君

 人事委員会事務局長     渡辺 厚君

 労働委員会事務局長     岡本博次君



            ………………………………………………………………





△六月二十九日午前十時五分開議



○議長(中村慈君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。



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○議長(中村慈君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。二十九番 矢島成剛君。

   〔二十九番 矢島成剛君登壇〕(拍手)



◆二十九番(矢島成剛君) 皆さん、おはようございます。

 一般質問も三日目を迎えました。ただいま議長よりお許しをいただきましたので、本日のトップバッターを務めさせていただきます。

 まず最初に、行政対象暴力の対策についてお尋ねをいたします。

 この春の統一地方選挙前半の部では我々県議会選挙でございましたが、後半の部で市長、市議会議員選挙がありました。この後半の部の始まった三日目に、あってはならない、全国国民を驚愕に陥れた大変な事件がございました。それは、記憶に新しい長崎市におきまして、現職の市長で、市長候補でもある方が暴漢に拳銃で撃たれて死亡するという事件がございました。新聞報道によりますと、逮捕された男は、その間三十数回にわたって市役所へあるトラブルのことで押しかけていたということでございます。記事を読んでみますと、その四年前に長崎市が発注した工事で、その工事のくぼみに自分の車が落ちたということで、バンパーに傷がついた程度であったわけですけれども、まず工事会社に六十万円を請求したということで、仲介に入った市役所へその後何度も押しかけるようになり、最終的には二百数十万円を要求するようになったということでございます。一年後に、長崎市役所もこれは大変だということで警察に相談をして、不当要求に当たるということを確認し、本人に不当要求であるから、これからは一切対応しないということを申したら、その男はそれからは市役所へは来なくなったと、そういう事件でございます。長崎市役所では、この何十回も来ているこの男のことをよくある軽微な事案として、市長にはいきさつを報告していなかったということでございます。三十数回も来ていることが軽微に当たるぐらい、そのほかに強い要求があったのかどうか、長崎市役所のことですのでわかりませんけれども、こういう危機管理をしっかりしておった方がいいなと、私は思ったわけでございます。

 行政は、国民のために、市民のためにオープンで仕事をする、皆様方の意見を聞くということで職員は仕事をしておりますので、そこにつけ込んでいろいろ言ってくるやからが多いとしたら、我が国の大きな問題、こういうことが日常茶飯事に起こっているという状況が本当にあるならば、ただしていかなければならないというふうに思うところでございます。

 私、地元の多治見土木事務所に聞いてみました。そうしたら、昨年、一人の男が大きな声でどなっていったというだけで、あとは一回もなかったというようなことでございまして、私も一安心したわけでございます。そして、岐阜土木事務所に関係する人に聞きましたら、岐阜土木では、昨年、新聞に載った事件があったということでございます。それは、岐阜市内で県が発注した地下道の清掃工事で、工事会社が気をきかせて人が通らない朝の四時、五時に仕事をしていたら、ちょうどそこの現場から二百メートルも離れたところに住む男が「ゆうべは寝れなんだ」と言って、岐阜土木の副所長を自宅に呼びつけて、木刀でどうしてくれるんだとおどしたところ、一緒に行っていた若い職員が気をきかせて警察に電話をし、警察の素早い対応があり、その男を逮捕することができたという記事でございました。その男は常習犯だったようでございまして、よく捕まえてくれたと、岐阜土木にお礼の電話が数本あったというぐらいのクレーマーだったわけでございますけれども、岐阜土木は、やはり人口を大勢抱えておりますので、いろんなことがあって、そのほかにも薬剤散布をしていたら髪の毛にかかってまゆ毛が落ちちゃったとか、もしくは道路の歩道を掘削していたらアスファルトが飛んで自分の車が傷ついたとか、いろいろ言ってくる人が多いというようなことを聞いたところでございます。

 行政のちょっとしたミスにつけ込んで、犯罪すれすれにああだこうだと何度も言ってこられると、職員はノイローゼになってしまいます。実際に東濃のある市役所では、福祉の問題でありましたけれども、そういうクレーマーの苦情によって退職してしまった職員がいると聞いたこともあります。暴力行為が伴う場合は当然のこととして、暴力的な言葉などでおどしてくる場合にも、いち早く警察に相談して、事件が大きくなる前に未然に防ぐ方策が必要と考えます。本県での現状はどのようであるか、不当要求と思われる事案があった場合にはどうしておられるのか、各部署で体制を整えて対策を立てておられると思いますけれども、昨年危機管理の部署もできましたので、まとめて危機管理統括監にお尋ねをいたします。

 警察本部長には、長崎市長銃撃事件の後、いち早く県内二十二の署長を通じて、各市町へ暴力団などによる行政への不当要求を排除するよう呼びかける文書を提出されたと聞いておりますけれども、具体的に行政対象暴力の対策としてどのような対策をとられているのか、お尋ねをするものでございます。

 次に、悲鳴を上げる学校についてお尋ねをいたします。

 「悲鳴を上げる学校」というのは、(資料を示す)ここに持ってまいりました黄色の表紙の本の題名でございます。これは、大阪大学の教育関係の教授の小野田さんという方が昨年出された本でございまして、ここ数年のうちに我が国では、学校に対して昔では考えられなかった無理難題を言ってくる親がふえている現状を分析し、ではどうすべきであるかというようなことが書かれた本でございます。この傾向は全国的な規模であるようで、つい先日、全国放送のテレビ、夜のゴールデン番組「ブロードキャスター」で、朝では「朝ズバッ!」という放送で、また読売新聞が一面で「理不尽な親 学校苦慮」という大きな見出しを載せていました。ちょうど昨日、岩花先生もこのことを取り上げられまして、教育長にどのように思われるかを尋ねられたところでございますが、私は一歩進めて、本県の状況はどうであるか、そしてその対策はどうされるのかをお尋ねするところでございます。きのう、岩花先生は幾つか理不尽な親の具体例を挙げられましたけれども、そのほかにもいっぱいありますので、二、三、お話をします。

 子供が宿題を忘れたのを先生が注意をした。そうしたら、帰宅した子供が落胆してしまっている。すぐに謝りに来いという電話があった。また、子供の運動会は、その日は私が都合が悪いので違う日にしてほしい。また、子供の運動会、兄弟二人いるが、分けると子供同士がけんかするからという理由で同じ赤組なら赤組にしてほしいと言ってくる。それから、自分の子供に対して、私が朝起きるのが苦手だから、先生が子供の携帯に毎朝電話して起こしてくれというふうに言ってくる親がおって、それにまじめに対応しようとする先生が大変パニックになっているということがこの本にも書いてあります。

 きのうの田中先生の一般質問で、授業参観に行ったら、親が授業を聞いていなくて、おしゃべりばかりしていたという話をされましたが、その話を聞いて、若い親の質が大変落ちてきているんだなというふうに実感したわけでございます。だから、こういうふうに無理難題を言ってくる親がふえているのは当たり前の時代かなというふうに思ったわけでございますが、無理難題を言ってくる親に対して、それを引き受ける側の先生たちは、この間の新聞でも残業を二時間やっておるというふうに書いてありましたけど、ただでさえ大変な業務の間にクレームの処理は大変なことだと思います。またこのほかにも、学校の先生ではなくて、教育委員会の方へのクレーマーもいるようで、この間聞いたところ、時間、時を選ばず、夜中でも長時間にわたって、本県の教育についてだとか、いろいろ長々と言ってくる人もいると聞きました。本県の全体の実態は調べてあるのかどうか、お伺いをいたします。また、その対策はどうか。

 ちなみに読売新聞の記事によりますと、全国では、その対策としていろいろな教育委員会がマニュアルをつくったり、警察にすぐ相談したり、また弁護士に相談するシステムをつくっておると載っておりました。こういう苦情が高じて事件になったこともあります。平成十一年では、大阪の方の校長先生がちょっとしたクレームの対処を誤って、それがだんだん大きくなっていって、最後には自殺に追い込まれてしまったということが新聞に載っておりました。こういうことをなくすためには、今から手を打っておくべきだと思いますので、この悲鳴を上げる学校について御答弁をお願いしたいと思います。

 最後に、岐阜県情報公開条例についてお尋ねをいたします。特に審査会が公開しなさいと言っているのに、教育委員会が非公開としている高校の合格最低点の公表についてお尋ねするものでございます。

 昨年の春の高校入試で、ある申請者がその地域の四つの高校の最低点を教えてほしいと申し出たのに対して、教育委員会は、最低点を公表すると高校の序列化になってしまうので公表できないと、これが昨年の七月でございました。その後、その申請者から九月に不服申し立てがありまして、情報公開審査会が開かれまして、今年の一月十七日に、教育委員会の言っている高校の序列化というのはあるかもしれませんけれども、著しいことはないので公表する利益があるだろうということで、公表という裁定が出たわけでございますが、それを受けて、教育委員会が何度か協議をされた結果、今年の五月二十四日に改めて非公開というふうに決定をされました。そのことについて、きょうは質問をするわけでございます。

 岐阜県情報公開条例というものがあって、そこには、不服の場合は審査会にかけて、その裁定が出たら、それに尊重して従うようにというふうになっておるわけですが、もちろん例外があっていいわけですけれども、九分九厘に従うのが普通で、そうするとこの岐阜県情報公開条例の存在意味というのもあるわけでございますけれども、なかなかそうにはならなかったという中で、こうすると、せっかく岐阜県情報公開条例があるのに何なんだと、言うことを聞かないところがあってもいいのかというふうになってしまいますので、県民にわかりやすい情報公開条例にしなければならないと思います。いろいろ難しいことがありますので、簡潔に問題点となっているところだけを申し上げますと、今回のケースの場合は、情報公開条例の六条の六号で非公開とすべきですよというのが幾つか書かれています。最低点を公表することが、そこに該当するかしないかで意見が分かれたわけでございますけれども、教育委員会の考えは、最低点を公開すると、点数のみで高校が序列化されてしまうおそれが強いので、入学者選抜の業務遂行に著しい支障を来すというもので、非公開とするのがいいと判断したのに対し、情報公開審査会は、ある程度の支障が生じるおそれが想定されるものの、県立高校の序列が存在することは周知の事実であり、著しい支障が生じるおそれがあるとまでは言えず、六条六号には該当しない、よって公開すべきと、ここが意見の分かれているところでございます。どちらが本当でしょうか。著しいというのは、明らかに、本当に大きな影響、不利益だとか悪影響とかがあらわれる、本当にわかりやすいことであるべきでありますけれども、この著しい支障というところで大分意見が分かれていると思います。ですから、この情報公開審査会が公開しなさいと言っているのに、それでもなお教育委員会が非公開としたわけですが、教育委員会六人で三回審議されたと聞いておりますけれども、どのような意見があってこのような結論にしたか、その会議の内容をつまびらかにしていただきたいと思います。

 この件に関して、教育長はコメントを出されておられます。その中で、一月十七日に受けた岐阜県情報公開審査会の答申を重く受けとめ、慎重に審議したと記されております。答申を重く受けとめたならば、審査会と違う結論にならないはずであります。情報公開審査会の答申をどのように重く受けとめられたのか、お尋ねをいたします。また、今後とも一層開かれた教育行政に努めていきたいとも述べられておられますが、どの点について開かれた教育行政を目指されるのか、お尋ねをいたします。

 今、北海道で話題になっております牛肉の偽装、ラベルを変えていたということがございますが、情報公開条例では見せますよ、県民にオープンですよと言っておりながら中身は見せませんよというと、何か形であるだけというような状況を県民に与えております。ここをはっきり説明をしていただきたいと思います。

 私はこの質問をするに当たり、大勢の方に御意見を伺いました。PTAの方、また子供を持つ方、いろいろやったら、よくわからないと言う人やら、やはり知らせてもらった方がいいと言う人やら、学校関係者の方、特に校長先生は、進路指導がやりにくくなるから伏せておいてほしいとおっしゃった方もいろいろございます。また、この中で私がレクチャーを受けているうちに、前の教育警察委員会の先生方にも説明をして同意を受けていますよとかおっしゃいましたけれども、そういうこととこれは別でございます。大勢の方がどう思っているかとは別で、実は五月二十四日以降、公表してから苦情が一個もないからいいじゃないですかと言った人もおりますけれども、法律とはそういうものではありません。常に条文に照らし合わせて解釈をすべきものでございます。そういう意味で、ほかの理由があるんでないかと、私は勘ぐっておるわけでございます。単なる序列は既にある。私は多治見・土岐地区に住んでおりまして、周辺の高校の序列は漠然とではありますが、わかっております。それは私が子供からの序列でいまだに直っていないような、自分の子供もそこの学校に行きましたけれども、序列は厳然としてあるという事実は確かにあるということでございますけれども、言えない理由としてある人が言った中で、定員割れをしてしまった学校も中にはありますと。そういう場合に極端な話、その子供のことを思って本当に低い、例えば五百点満点で十点、二十点とかという極端に悪い子でも受け入れている場合が中にあるので、ひょっとして情報公開条例でそれが出てしまうと誤解を生むんではないかというふうに言った人もありますけれども、しかし事実は事実ということで、県民に開かれた教育行政であれば、そういうわけを言って公表すれば済むことではないかと思うわけでございますが、いかがお考えですか、教育長に今のところはお尋ねするところでございます。

 最後に、知事にお尋ねをいたします。

 このままの状況が続くということは、岐阜県情報公開条例はあってもないということと同じことになります。世の中のすべて行政の情報は原則公開するというふうに向かっております。この教育問題につきましても、私がインターネットで調べましたら、私立の高校ではもう何十件、何百件という高校が合格最高点と最低点をインターネットに入れております。そして、国立の京都教育大学附属高校では、もう三年間にわたって最低点をホームページで公開をしている状況であります。世の中の流れはすべて公開というふうなこともございますので、どう思われるか。もちろん教育委員会の判定についてのコメントは求めておりませんけれども、こういう状況について知事はどう思われるかお尋ねをいたしまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 情報公開の問題について御質問がございました。

 議員も御指摘のように、お触れになった本件そのものにつきましては、独立した執行機関たる教育委員会の御判断でございますので、中身にわたることについては、私としてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、基本的なスタンスとして、行政にとりまして情報公開というのは極めて重要であるということについては、昨年来の不正資金の問題も含めまして、私自身大変痛切に感じておるところでございますし、いろんな場面でそういう方向で努力してきたつもりでございます。また、仮にどうしても非公開という場合には、しっかりとした説明が必要ではないかというふうに常々思っておるわけでございます。

 既に議員もお触れになっておられますけれども、この知事あるいは教育委員会など情報公開の実施機関が非公開にしたと、それに不服申し立てがあった場合に情報公開審査会に諮るということでございまして、この諮問機関である審査会の答申を尊重するということでございますが、制度的に、結果的に諮問委員会の答申と実施機関の決定が異なることは排除されておられないわけでございます。私としては、今回の件につきましては、独立した執行機関である教育委員会として、審査会の答申の内容を十分かつ慎重に検討した上で、情報公開条例に照らして判断された結果であるというふうに見ておる次第でございます。



○議長(中村慈君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) 行政対象暴力への対応についてお答えいたします。

 県では、複数の部局にまたがって所管していた、いわゆる行政対象暴力への対応を昨年十二月に危機管理部門に一元化するとともに、外部からの不法・不当な働きかけへの対応方針を策定し、その対応を行っております。具体的には、不法・不当な要求に対しては、迅速、透明、毅然を基本として、危機管理部門、法務部門、管財部門、秘書・広報部門など関係部局が連携して対応するとともに、警察との連携も図ることとしております。また、幹部職員で構成される不当要求等対策会議も設置し、対応方針の協議、情報共有などを行うこととしております。さらには、職員を対象として行っている研修会では、複数の職員で対応することや、発言内容を記録することなどの対応方針を財団法人岐阜県暴力追放推進センターが発行している不当要求対応要領を活用して、徹底を図っています。本年四月に長崎市長襲撃事件が発生した際には、直ちに各部局危機管理担当職員を招集し、対応の再確認を行ったところでございます。今後とも関係部局や警察とも連携を強化し、適切に対応してまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) まず初めに、学校に無理難題を言ってくる保護者への対応についてでございます。

 新聞などでは、うちの子を手厚く指導するために専属教師をつけろとか、部活動のユニフォームは学校で洗ってほしいなど、保護者から学校への理不尽なクレームが全国的にふえていることが報道されております。県内におきましては、先生が挙げられたような極端な事例は聞いておりませんが、保護者の考え方が変化してきていると感じております。県教育委員会としましては、現在、保護者からの理不尽なクレームについて具体的な内容は把握しておりませんが、今後、学校が困っている事例を収集して状況の把握に努め、それらの事例をもとに研修を行うなど、学校の対応のあり方について理解を深めることができるよう取り組んでまいります。また、こうした理不尽なクレームへの対応について、教師や校長が一人で抱え込まず、学校が組織的に対応したり、市町村教育委員会等と連携を図ったりして、毅然とした対応ができるよう指導してまいります。

 次に、岐阜県情報公開条例についてお答えいたします。

 まず最初に、採決に至る教育委員会での議論についてでございます。

 教育委員会では、情報公開審査会から公開すべしとの答申を受け、公開した場合に生じるさまざまな懸念が県情報公開条例の非公開事由に該当するか否かについて慎重に検討してまいりました。その結果、合格者最低点の公開によってもたらされる高等学校の序列化等により、序列が下位となった高等学校の生徒の学習意欲が低下するなど、学校教育の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあり、条例第六条第六号の事務事業に著しい支障を及ぼす情報に該当するとの結論に至りました。

 また、得点開示制度により、受験生間で得点情報が共有される状況の中で、合格者最低点の公開により最低点該当者が特定されるおそれがあることから、第六条第一号の「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなる情報」に該当いたします。さらに、序列が下位となった高等学校の在校生、保護者、卒業生ら学校関係者の名誉感情を害することから、第六条第一号の「特定の個人を識別することはできないが、公開することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがある情報」に該当するとの結論に至り、非公開とすることが妥当であると判断したものでございます。

 次に、答申に対する教育委員会の受けとめ方についてでございます。

 事務事業の適正な遂行に及ぼす著しい支障とは具体的に何かということでございますが、この点について、今回の教育委員会の裁決では、まず合格者最低点によって高等学校が序列化されることになり、自己の適性や将来の希望などを総合的に判断し、志望校を希望できるように改善を進めてきた入学者選抜制度改革に著しい支障が生じる。序列が下位となった高等学校においては、生徒や保護者の名誉感情が害され、生徒の学習意欲が低下し、教育活動への著しい支障が生じる。また、そうした高等学校においては、就職活動において不利益な状況を招き、進路指導などに著しい支障が生じるなどを主な支障として提示したところでございます。

 情報公開審査会の答申では、教育行政の適正な遂行にある程度支障が生じるおそれがあることを認めつつも、序列が存在することが周知となっている現状では著しい支障は認められない。志望校選択の一要素として、合格者最低点を公表することにより受験生に与える利益が大きいと言えるとして、条例第六条第六号に該当しないと判断しております。しかし、本県の一般選抜における合否の判定は学力検査の得点だけでなく、調査書の記録などにより総合的に行っているため、学力検査の合格者最低点は合否を分けるボーダーラインではないこと、また年により大きく変動する場合もあり、受験生にとって誤解や混乱を招く要因を含んでおります。したがって、合格者最低点の公開により受験生に与える利益は、答申で認めているような大きなものではないと考えられます。一方で、答申が周知であるとしている学校間の序列は、あくまで漠然としたものです。そうした状況下で、合格者最低点を教育委員会が公開することによって、さらなる序列化の風潮を助長し、先ほど述べましたような著しい支障を及ぼすおそれがあり、条例第六条第六号に該当すると判断したものでございます。採決を行うに当たっては、このように答申で示された判断と食い違いがある部分について、答申の内容を十分検討し、教育委員会の考え方をできるだけ条例に沿った形で詳細に説明するよう、意を注いだところでございます。

 最後に、開かれた教育行政についてお答えいたします。

 今回の公開請求については、学校教育や入試制度のあり方への重要な問題提起であると受けとめております。これまで、入試制度につきましては、受験生本人に学力検査得点や調査書を開示するなどさまざまな改善を行ってまいりました。また、入試のみならず、各学校の授業や学校行事等を地域の方に公開する岐阜県教育週間や、学校の教育方針や教育内容を外部の学校評議員の方に報告したり、実際に見ていただくなどし、それに対する意見をいただいて学校運営に生かすとともに、そこでの意見や評価を各学校のホームページに公開するなど、開かれた学校づくりを推進しております。今後、岐阜県入試改善懇談会や明日の岐阜県教育を考える県民委員会などの場でさまざまな立場の方々から広く意見を伺いながら、オープンな議論を進めてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) 行政対象暴力対策についてお答えいたします。

 警察で把握しました県内の行政対象暴力関連の相談数でございますけれども、平成十六年中は四十六件、十七年は三十件、十八年は四十九件でございます。こうした相談を端緒にいたしまして、これまでにも職務強要罪などで暴力団らを検挙しております。こうした中、先ほどお話がございましたように、長崎市長射殺事件が発生したこと、この種事犯は行政機関や社会に対する許しがたき凶行でありまして、他県では悪質な便乗犯も見られるところでございます。今こそこれにひるむことなく、関係機関が一致団結して、反社会的勢力の排除を図っていかねばならないと考えております。

 そこで、本年五月二十三日付をもちまして、知事及び県内四十二市町村長に対しましては、こうした勢力から不当要求を受けた場合には断固拒絶するとともに、一つには担当者任せにしない組織的な対応、二つ目には、不当要求認知時には直ちに警察に相談・届けをするという警察との連携、この二点につきまして十分に機能するシステムになっているかどうか、いま一度確認していただきたいということを警察本部長名の文書でお願いしたところでございます。今後とも、警察としましては、行政に対する違法・不当な行為に対し、あらゆる法令を駆使して厳しく対応していくこととしております。



○議長(中村慈君) 十五番 松村多美夫君。

   〔十五番 松村多美夫君登壇〕(拍手)



◆十五番(松村多美夫君) それでは、ただいま議長さんから発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして、今回は四点の問題について質問をさせていただきます。

 質問に入ります前に、一言ごあいさつを述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 私は、本巣市選挙区の松村多美夫と申します。さきの県会議員選挙におきまして、本巣市の選挙区の皆様方には本当に温かい御支援をいただきまして、こうして二期目の壇上に立たせていただくことができました。皆様方の負託にこたえるべく、地域の発展はもとより、県勢発展のために粉骨砕身、一生懸命頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします。また、議員各位におかれましても、執行部の皆様ともども御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 さて、一般質問に入りますが、今回は選挙後初めての一般質問ということになっておりますので、選挙期間中に地域の皆様方からいただいた貴重な御意見、御要望を踏まえて一般質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 まず初めに、市町村合併後における都市計画区域の変更・見直しについてお尋ねをいたします。

 市町村合併によって、一つの行政区域の中で一部地域のみが都市計画区域に入っていたり、二つの都市計画区域が存在したりする市町村が出てきております。例えば岐阜県下を見てみますと、本巣市においては、岐阜都市計画区域内に旧糸貫町が一部属しておりますし、多治見市におきましては、多治見都市計画区域とは別に多治見市と合併した旧笠原町の区域に笠原都市計画区域が存在したり、可児市においては、可児都市計画区域とは別に可児市と合併をした旧兼山町の区域に御嵩都市計画区域が存在したりしております。そのほかにも、旧川島町、旧上石津町、旧武芸川町など、岐阜県内の多くの市町村におきまして同様な問題が生じております。そこで、合併後の市町村が目指すまちづくりを進めていくためにも、早急に都市計画区域の見直しや変更を行う必要があるのではないでしょうか。

 都市計画区域とは、本来、都市計画法第五条に基づきまして、実質上、一体の都市として総合的に整備をし、開発し、保全する必要のある区域を指定するものとされております。また、都市計画運用指針でも、市町村が合併した場合の都市計画区域の指定は、当該合併後の市町村が同一の都市計画圏を形成している場合には、合併後の市町村区域が同一の都市計画区域に含まれるよう指定を行い、一体の都市として総合的に整備・開発及び保全を行うことが望ましいとされております。しかしながら、合併をした市町村の中には、市街地の拡大やモータリゼーション等の進展により、開発すべき土地と保全すべき土地が既存の都市計画と必ずしも一致していない地域が出てきており、不適切な状況になってきております。

 また一方、合併をした市町村の中には、従来の市街化調整区域がそのまま存在したりして、土地利用の点で住民の間でも不公平感が出てきております。例えば本巣市では、岐阜都市計画区域の中に旧糸貫町の一部が入ってきており、本巣市の中心市街地を形成する地域に岐阜都市計画区域の網がかかり、都市活動の実態をなす生活・経済活動の圏域と比較をしますと、(資料を示す)ここに本巣市の都市計画マスタープランの素案を持ってきておりますけれども、合併後に本巣市が目指すまちづくりの方向と必ずしも一致をしなくなってきております。そこで、岐阜都市計画は昭和四十六年三月に当初の区域区分がなされ、その後、平成六年までに五回変更されました。岐阜市全域及び周辺四市三町から構成する基幹的な土地利用計画であり、都市の発展の動向や人口動態、産業の将来を見通し、そして勘案して定められたものでございます。これは市街化区域、また市街化調整区域を設けて、都市の無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図ることが目的でありました。平成十二年に、都市計画法の改正によりまして平成十六年五月に都市計画区域のマスタープランが決定され、現在に至っております。しかし、このままの状態では、大型商業地域の付近でも市街化ができない地域が出てきたり、都市計画区域外で無秩序に開発が進んだりするおそれが出てきております。

 私の町にも大規模集客施設でありますリバーサイドモールやモレラ岐阜がありますが、規制の緩い岐阜都市計画区域外では開発がどんどん進みまして、住宅着工件数も年々増加をいたしております。市街化調整区域に住む住民の間では、土地利用の問題で大変不公平だというような声も聞こえてきております。そこで都市建築部長にお尋ねいたしますが、一点目として、県がつくる都市計画区域のマスタープランの改定に当たって、どのような基本方針のもとに進められるのか、お尋ねをいたします。また二点目として、現行の都市計画区域が市町村合併後の生活・経済活動圏域と必ずしも一致をしていない問題について、県として都市計画区域の変更・見直しを今後どのように進められるのか、以上二点についてお尋ねいたします。

 続きまして、獣害対策とモンキードッグの導入についてお尋ねをいたします。

 私は平成十七年三月定例議会におきまして、鳥獣による農作物への被害が毎年一億円を上回っておる現状をかんがみ、岐阜県の獣害対策についてお尋ねをいたしました。その際、県は農作物の獣害防止対策についての御答弁の中で、これまでに猿の群れの実態把握のための行動域調査と専門家による意見を踏まえて策定した猿、イノシシの鳥獣被害総合対策指針等に基づいて、被害対策パンフレット等の配布や、専門家を招いての研修会を開催して、被害対策の普及・啓発に努めておるということでありました。

 また、猿、イノシシの被害防止施設等の整備につきましては、国・県の補助事業であります新山村振興事業や中山間地域等直接支払い制度、また県単独のぎふクリーン農業整備事業により、防除用の電気さく、ネット等を設置して被害の軽減に努めておるということでありました。しかし、イノシシ、カラス、猿等による鳥獣被害は相変わらず多いようで、調べてみますと、平成十七年度の鳥獣別被害のベストスリーは、イノシシによる被害が一番で約五千万円、二番目がカラスによる被害で約二千万円、そして三番目が猿による被害で一千七百三十万円でございます。鳥獣による農産物と特用林産物の被害総額はここ三年ほど横ばい状態で、毎年一億二千五百万円ほどにも上っております。中山間地域に住む人々にとりましては、相変わらず深刻な問題になっております。そこで今回、猿害対策として他県でも効果を上げておりますモンキードッグの導入についてお尋ねをいたします。

 モンキードッグとは、「犬猿の仲」ということを言われますけれども、それを利用して、犬を訓練し、農作物を食い荒らす猿が出没したらほえかかり、追いかけて山の奥の方にまで追い込むというものでございます。私の住む本巣市は、旧根尾村が加わったことによりまして、面積の八六%が森林であります。言うまでもなく、岐阜県は八二%が森林であり、同じように中山間地域に住む人たちにとっては、イノシシ、猿等の被害に悩んでおられます。農家は、先ほども述べました侵入防御さくや爆竹等、いろんな対策を講じて有害鳥獣被害の軽減に取り組んでおられますが、大幅な被害の軽減には至っていない状況でございます。

 そこで先日、私は、長野県安曇野市にある警察犬訓練所と、実際に訓練されたモンキードッグを飼っておられる大町市の農家を訪ねてきました。既に大町市の農家では、平成十七年度からモンキードッグ事業に取り組んでおられ、モンキードッグ三匹が大活躍し、稲や農産物をすべて食い荒らされたこともあった田畑の被害が現在はほぼゼロになるなど、効果を上げておられました。モンキードッグに育てるためには、農家で飼っておる犬を四カ月から五カ月ほど訓練をします。訓練費用は一カ月五万円でございますので、犬によっては覚えの悪い犬もございまして六カ月ほど訓練にかかる犬もいますので、訓練費用は二十万から三十万円ほどかかります。訓練が終わったモンキードッグは農家に帰されて、農家で農作物を猿から守る役割を務めます。猿は群れをなして行動をいたしますので、犬の鳴き声でも猿が来たということはわかりますけれども、猿の各群れにテレメトリーという発信機を設置いたしまして、猿の出没を検知して、犬の係留、すなわち鎖を解きます。その発信機と受信機で二百四十万円ほどかかりますけれども、猿に数台設置して、遊動域調査にも利用したり、追い払いのための信号発信機の両方に利用されております。

 長野県大町市での取り組みを契機に、各県でもモンキードッグを用いた被害対策を実施されて、効果を上げておられます。兵庫県でも今年から訓練費用などに予算化をされましたし、秋田県、高知県、徳島県など全国的にモンキードッグ導入の試みが採用され始めました。現在、大町市では犬の訓練は警察犬訓練所で行われておりますけれども、介助犬訓練所でも行っている県もあるそうです。飼い主は訓練所に犬を預けてから最初の一カ月程度は訓練所には行きませんけれども、犬が訓練になれてきたら、二、三週間に一回程度、家族で訓練所に通い、一緒に訓練を受けます。私は、実際に大町市の取り組みを視察してきまして、猿害対策として大変効果が上がると確信をいたしました。そこで、ぜひとも県として各市町村に働きかけていただきまして、農家の猿害対策の軽減に努めてもらいたいと思います。

 そこで農政部長にお尋ねいたしますが、一点目として、各県で導入が始まっておりますモンキードッグの導入に対して、県はどのように取り組んでおられるのかお尋ねいたします。二点目として、同時に県内に訓練所がないことから、訓練所に通うのが非常に大変だと思いますので、モンキードッグ訓練所の設置か、民間委託の可能性も御検討願いたいと考えます。農政部長に御答弁をよろしくお願いいたします。

 続きまして、ハイタウン北方住宅の今後の整備計画と住宅政策についてお尋ねをいたします。

 岐阜県下の県営住宅の状況は、最大級の尾崎住宅千百二十六戸、続いて北方住宅の九百十四戸、加野住宅の四百八十戸、旭ケ丘の四百八戸等があり、県営住宅と名のつくものは岐阜県下で十三カ所ございます。入居率を見てみますと、尾崎住宅と加野住宅は、入居率が七四%から八七%と、やや入居率は低いようですが、そのほかの住宅はどこの住宅も好調で、入居率は九〇%を超えております。

 そこで、私の地元北方町にハイタウン北方住宅があり、整備もおかげさまで進んでおります。その建設経過について少し触れさせていただきますが、旧北方住宅は、昭和四十年から四十五年にかけて建設された住宅で、全戸数は千七十四戸に上る本県最大級の県営住宅団地であります。しかしながら、建設後の経過が長く、構造・躯体や内外装等の物理的な老朽化の進行とともに、今日の生活様式や高齢化社会に向けての対応がなされておらんということで、建てかえの計画が始まりました。同時に、北方町の住環境の整備を図るため、また敷地の有効利用や住宅規模等の適正な水準の確保を目的として、北方町の街路整備や公共下水道等の市街地の整備とあわせて建てかえ事業が推進をされました。この建てかえのコンセプトは、御存じのように、この実現に当たり、建築家の磯崎 新氏が設計に当たり、総合コーディネーターの役割を担い、女性の持つ優しさ、感性、アイデアを生かした住まいづくり・まちづくりを推進する観点から、国内外で活躍中の四名の女性建築家と一名の女性造園設計士により基本計画が行われました。さらに実施設計に当たっては、岐阜県の地域特性や気候風土を設計に反映させるために、県内の設計事務所とJV方式をとり、地元設備設計事務所等の協力も得ながら進められてきました。平成八年九月に南ブロックの第一期工事が着手され、平成十年三月に二百二十二戸が完成いたしました。続いて、平成十年九月に南ブロックの第二期建設工事が着手され、平成十二年三月に二百八戸が完成し、南ブロック全体が計画どおり四百三十戸が完成をいたしました。

 ちょっと見にくいんですが、(資料を示す)ここに図面を持ってきましたが、今言います南ブロックはこの部分で、四百三十戸が完成をいたしました。引き続き、北ブロックA棟、B棟、C棟ということで、六百二十戸の整備計画に着手をされました。平成十五年に北ブロックのA棟でございますけれども、二百七十八戸のうちの一期工事でA−二、A−四棟に着手をされ、平成十八年三月に百二十一戸が完成をいたしました。しかし、政策の総点検でここにつくる予定であったB棟、C棟が中止され、昨年、平成十八年八月に北ブロックA棟の残りでありますA−一、A−三合わせて百五十七戸が一般競争入札にかけられました。北ブロックのA−一棟の建築面積は、延べ床面積七千二百三十九・三四平米で、予定価格は十億一千九百万円、また、同時に入札にかけられましたA−三棟は、延べ床面積五千七百三・九三平米で、予定価格は八億九千万円で、これは平成二十一年三月十八日完成予定で発注をされました。しかしながら、両工事ともに業者の積算が合わず、不調に終わりました。再度、県は設計を見直して、今度はA−三棟はやめましてA−一棟八十九戸のみとし、予定価格も前回よりも二億八千万円ほど増額いたしまして十二億九千八百万円、工期も三カ月延ばしまして一般競争入札に付されましたが、またまた不調に終わりました。業者の方から聞こえてくる声は、県の仕事は、監理が大変厳しくコストがかかるため採算がとれない。積算が安いとのことであります。知事が日ごろから言われる、財政が厳しく、無駄をなくせ。予算を使い切るのではなくて残すことも大切だという御発言が公共工事の設計予算にも影響を及ぼしてきているのではないかと思います。こうした住宅整備事業のおくれが、今後の住宅政策にさまざまな影響を及ぼすのではないかと危惧をいたしております。そればかりか、こうした県の大規模な計画については、当然、事業が実施される地元北方町でもそれを踏まえたまちづくりが計画されているものであり、県の計画のおくれが地元に大きな影響を与えるのではないかと心配をいたしております。

 そこで古田知事にお尋ねをいたしますが、北方住宅建てかえ計画は、当初は全部で千五十戸ありましたが、政策総点検を踏まえて先ほど言いましたB棟、C棟が中止になり、さらにA棟についても、このA−一の八十九戸のみになり、二棟から一棟へ整備計画はだんだん縮小の方向に変更されております。県営住宅の必要性についてどのように考えておられるのか、知事にお尋ねをいたします。

 また、都市建築部長にお尋ねいたしますが、抜本的に設計を見直して、年金受給者でも入れるような低コストの住宅にされたらどうかというような御意見をお聞きいたしておりますが、設計を変えずに予算の見直しをし、A−一棟を再入札されました。再び不調に終わった原因はどこにあると考えておられるのかお尋ねをいたします。二点目として、現在、旧北方住宅に百戸ほどの住民の方々が残っておられる中で、入居調整を含め、A−一棟、A−三棟を今後どのように整備されていかれるのか。また、B棟、C棟の計画が中止されました。その跡地利用を、北方町より要望がございますバスターミナル計画を含め、今後どのように対応して進めていかれるのかお尋ねいたします。以上三点につきましては、都市建築部長によろしくお願いいたします。

 最後に、ぎふロードプレーヤー事業についてお尋ねいたします。

 ぎふロードプレーヤー事業は、住民参画と協働型の道路維持管理を進めて、地域の道路に愛着を深めてもらうことを目的としたアドプト制度を活用した事業であります。この事業は、平成十三年度から始まり、平成十八年度末で二百十八団体が参加をされておられます。また、一方で平成六年度から平成十八年度まで、高齢者の積極的な社会参加を得ながら、観光立県にふさわしい道路環境の実現を目指した観光道路美化事業も同時に実施をされておられました。こちらも年間百四十一団体の方が参加し、積極的に行われております。ぎふロードプレーヤー事業はどちらかというと企業の参加が多くて、パフォーマンス的な要素が強いように見えますし、観光道路美化事業は地元の老人クラブ等の各種団体の参加が多い事業のようでございます。議事録を調べてみましたら、平成十五年第四回定例議会におきまして、先ほど登壇をされました矢島県議もこの二つの事業の整合性について質問され、その中で、それぞれの事業は創設の経緯・趣旨も異なり、歴史もあることからすぐに一本化することができないが、参加者の意見を聞きながら、より多く県民の協力が得られる事業となるようにしたいといった趣旨の答弁がなされました。

 そんな経緯があってか、今年度から、この二つの事業が予算の少ないぎふロードプレーヤー事業に一本化されました。数多くある県の事業を整理・統合して、県民にわかりやすい事業に整理していくということは評価できるものであると考えますけれども、非常に残念なことがございます。それは、一本化されたぎふロードプレーヤー事業への老人クラブ等の参加が、四月以降十団体にとどまっておるということでございます。今まで観光道路美化事業においては百以上の団体が参画をしておりましたが、ぎふロードプレーヤー事業になってからはわずか十団体しか参加をしていないということは、そこに参加を妨げる何かがあるのではないでしょうか。

 私の地元でも、本巣市老人クラブの多くの団体がこの観光道路美化事業に参画をしておられました。観光道路美化事業の報償費は一キロわずか一万五千円ですが、それでも地域の観光道路美化のためということで、地元の国道一五七号を中心に、約十七・六キロもの除草や清掃活動に汗を流されております。今年から、ぎふロードプレーヤー事業に移行するため、わずかな報償費もなくなりました。幾ら県の予算が厳しいとはいえ、これまで積極的に事業に参画をし、愛着を持って地元の道路を管理していた多くの方々が、参加をちゅうちょしたり、結果として排除されてしまうようなことは、住民参画と協働型の道路維持管理事業の目的にそぐわないのではないでしょうか。統合・整理した事業をまたもとに戻してくれと言いませんけれども、少なくとも、これまで地元の道路に愛着を持ち、一生懸命管理をしてきた団体が引き続き参画できるような、そんな環境整備のシステムづくりを進めるべきではないでしょうか。

 そこで県土整備部長にお尋ねいたしますが、県としてどのような検討を経て観光道路美化事業がぎふロードプレーヤー事業に統合されたのか。二点目として、観光道路美化事業に参画をしていた老人クラブ等の団体にも参加してもらうための事業の周知、協力依頼の徹底や、現在の制度をいま一度検証してもらい、予算も含め見直すべき点があれば、速やかに見直すといった姿勢が大切ではないかと考えますが、この二点についてどのように考えておられるのか、県土整備部長にお尋ねいたします。

 今回の一般質問は、県民の皆様方からいただいた貴重な御意見、御要望を踏まえての質問ばかりでございます。執行部の皆様方の誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 県営住宅の必要性について御質問いただきました。

 御案内のように、昭和三十二年の近の島住宅の建設に始まりまして、住宅建設計画法に基づく住宅建設五カ年計画によりまして、これまで十三団地四千七百十戸の県営住宅を整備してきておるわけでございます。いわば量の確保にこれまで努めてきたというのが大きな流れかと思います。このほかに市町村が独自に公営住宅を整備しておられまして、これも合わせますと一万九千戸というのが県内の総数でございます。こうした公営住宅は、基本的に住宅に困窮する低額所得者の方々に対して低廉な家賃で提供するということで進めてきたわけでございますが、近年、赴が変わってまいりまして、民間賃貸住宅への入居が困難な高齢者の方あるいは障害者、子育て世帯あるいはDV被害者といったような、いわゆる住宅弱者と言っておりますが、こういった方々に対する住宅セーフティーネットという観点からの住宅供給も必要であるというふうに認識されてきておるわけでございます。こういうことも踏まえまして、私どもも量の確保に加えて、リフレッシュ工事、それから耐震改修工事あるいは高齢者向けの住戸の改善工事といったようなハード面での質の向上といいますか、あるいは子育て世帯、老人世帯に対する優先入居といったようなソフト面での対策もいろいろやってきたわけでございまして、結果的に、現在の県営住宅全体の入居率は九一%ということでございます。

 昨年六月に、従来から量的拡充を目指してまいりました住宅建設計画法が廃止になっておりまして、新たに住生活基本法が施行されておるわけでございます。この三月に、岐阜県住生活基本計画をつくったところでございますが、ここでも今申し上げましたような時代の変化に伴って、良質な住宅ストックを形成して次世代に継承するということと、住宅セーフティーネットを確保するといったことを目標に掲げておるわけでございます。こういう意味で、量の確保から質の向上へと転換を図りながら、老朽化に伴う建てかえ、あるいは耐震改修も含めた既存住宅の改善を重点に今進めているところでございます。

 個々のケースについての御質問につきましては、後ほど都市建築部長より御答弁申し上げますけれども、こうした今申し上げましたスタンスに立ちまして、北方住宅を初めとしまして必要な住宅については改善整備を図ってまいりたいというふうに考えております。



○議長(中村慈君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 猿害に対するモンキードッグの導入についてお答えをいたします。

 群れで行動することの多い猿の出没は、県下全域にわたっております。特に近年は人家付近にまであらわれ、収穫間際の農作物や軒下の干しガキが取られたり、地域によっては家の中まで侵入するなど、その被害は日常生活にまで影響を与えている状況です。

 議員御提案のモンキードッグについては、猿害対策の新たな方策として、長野県大町市など数件で導入されており、猿の追い払いの有効な一手法として考えられます。モンキードッグの導入に当たっては、猿を追い払う特別な訓練に専門的知識が求められることや、飼い主さんの家族を含めた全面的な協力が不可欠となりますので、県としましては他県の先進事例を検証しながら、可能性や問題点などを総合的に調査し、その結果をもって導入について市町村と協議してまいります。

 次に、訓練所についてですが、県内における訓練所の設置または民間委託の可能性については、他県での設置状況を踏まえて、今後、調査・検討してまいります。



○議長(中村慈君) 県土整備部長 棚瀬直美君。

   〔県土整備部長 棚瀬直美君登壇〕



◎県土整備部長(棚瀬直美君) 観光道路美化事業と、ぎふロードプレーヤー事業の統合の経緯についてお答えいたします。

 観光道路美化事業は、高齢者の方々の力をおかりし、美しい道路環境を実現することを目的として、平成六年度から実施してまいりました。一方、ぎふロードプレーヤー事業は、広く県民の皆様方に道路の清掃や除草、そして歩道の除雪などの維持管理をしていただき、道路に愛着を持っていただくとともに、地域コミュニティーの再生のきっかけづくりとすることを目的に、平成十三年度から実施、参加団体も年々増加するなど地域に定着してまいりました。この二つの事業は、対象団体や目的が異なっておりましたが、活動内容が類似してきたり、一部重複した区間で活動が行われるなどわかりにくい状況となってきたところから、改善を求める声がありました。このため、平成十七年度に両事業の参加団体を含む住民組織の代表者から成る「道と川を愛し守る会」を県内五圏域で開催し、そこでの意見を踏まえ、今年度よりぎふロードプレーヤー事業に統一を図ったところでございます。

 次に、ぎふロードプレーヤー事業の今後の進め方についてお答えいたします。

 ぎふロードプレーヤー事業では、県が管理する道路のうち、およそ三割に当たる約千三百キロメートルに及ぶ区間で活動していただいておりますが、この事業をさらに拡大・浸透していくには、より幅広い方々の参加が必要でございます。今後は、議員御指摘のとおり、観光道路美化事業に参加していただいていた老人クラブの団体に再度事業の趣旨をよく御説明し、また御意見を伺いながら、より多くの皆様方に参加していただけるものとしていくよう努力してまいります。



○議長(中村慈君) 都市建築部長 藤山秀章君。

   〔都市建築部長 藤山秀章君登壇〕



◎都市建築部長(藤山秀章君) 市町村合併後の都市計画の見直しとハイタウン北方住宅の整備、この二点につきまして御質問をいただきました。

 まず最初に、都市計画に係る一点目の御質問であります都市計画マスタープラン改定の基本方針につきましてお答えをいたします。

 都市計画マスタープランは、現在、県下に二十八ある都市計画区域ごとに定められておりまして、長期的視野に立ち、都市の将来像を明確にするなど、それぞれ都市計画区域における都市計画の基本的な方向性を示すものです。この都市計画区域マスタープランにつきましては、平成二十二年に改定時期を迎えることから、現在、その見直しに向けた検討を進めております。具体的には、この改定に向けた検討のベースとするため、昨年度県内の都市における課題と望ましい都市の将来像や都市づくりの基本的方向を示す岐阜県都市政策に関する基本方針を策定したところでありまして、また、今年度から都市計画に関する基礎調査を実施しております。今後、これらの結果を踏まえまして、また市町村や地域の住民の方々の参画を得まして、都市計画マスタープランの改定を進めてまいりたいと思います。

 都市計画に関する二つ目の質問であります、都市計画区域の変更・見直しの進め方についてお答えをいたします。

 都市計画区域とは、一体の都市として総合的に整備・開発及び保全する必要のある区域を指定するものであり、市町村合併後の新たな行政区域の誕生等による都市の状況の変化を踏まえ、先生も御指摘がありましたけれども、その見直しにつきまして検討をする必要があると考えております。既に都市計画区域の見直しを希望する市町村の中には、合併後の新たなまちづくりの方針等の検討に着手しているところもあり、県におきましてもこれらの市町村と意見交換等を行うとともに、昨年度には合併後における都市計画区域の見直しに向けた課題を整理したところでございます。今後は、さきに述べました都市計画区域マスタープランの改定とあわせまして関係市町村とも検討を進め、また区域の見直しの際には国の同意が必要なことから、関係機関との調整についても進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、ハイタウン北方住宅の今後の整備等につきましてお答えいたします。

 一点目の御質問であります北方住宅A−一棟の入札が不調に終わった原因についてお答えいたします。

 まず初めに、県の財政状況が厳しいということと今回の入札が不調に終わったということは、関係するものではないと考えております。私ども積算をする立場といたしましては、予定価格は市場価格を反映した適正なものと判断しているわけでございますが、今回の不調の要因は、好調な民間建築工事に業者の受注が流れていること、また一部の構造部材の流通及び価格に対する評価につきまして、県と入札参加業者との間に相違があったということと考えております。

 次に、二つ目の御質問であります、A−一棟及びA−三棟の今後の整備についてお答えいたします。

 A−一棟につきましては、現在、古い建物にお住まいの方々の耐震上の安全確保の観点からも、速やかな建てかえの整備が必要と考えておりまして、早急に対応してまいりたいというふうに考えております。また、A−三棟の整備につきましては、財政状況を踏まえながら、県全体の需給バランスを見つつ検討してまいりたいというふうに思っております。

 三点目の御質問であります、B棟及びC棟の整備計画中止に伴う跡地利用についてお答えいたします。

 B棟、C棟の計画中止に伴う跡地利用につきましては、既存の老朽住宅の取り壊し、土地の取り扱いなど課題を整理いたしまして、北方町より要望のありますバスターミナルとしての利用も含めまして、基本となる方向性を検討してまいりたいというふうに思っております。



○議長(中村慈君) 二十五番 森 正弘君。

   〔二十五番 森 正弘君登壇〕(拍手)



◆二十五番(森正弘君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をいたします。

 昨今の農業を取り巻く情勢は、国においてはWTO農業交渉を初めとする農産物貿易に関する交渉が進み、昨年から戦後農政の一大改革と言われる経営所得安定対策が始まるなど、大きく転換しつつあります。こうした中、県においては、本県農業・農村の将来像を描くとともに、その実現に向け、昨年十二月に「ぎふ農業・農村振興ビジョン」を策定されたところでありますが、このビジョンに関する施策について質問をさせていただきます。

 古田知事御自身も、農業は命の源である安全・安心な食糧を生産するとともに、田園風景や豊かな自然を創造し、県民の皆さんに良好な生活環境を提供する根源的産業であると宣言しておられます。私も、まさにそのとおりであると同感いたします。そこで、県民の食と県土の環境を支える元気な農業・農村づくりを目指して策定された「ぎふ農業・農村振興ビジョン」に関して幾つかお尋ねをいたします。

 このビジョンは、我が県の農業の過去のさまざまなデータを分析し、現状を的確にとらえられていると思います。その中から、問題点を打開していこうとしているのがこのビジョンだと思います。その上で、十年後の将来像を見据え、当面、平成二十二年までにどうするのかという計画が示されています。ビジョンの策定には、パブリックコメント等において広く県民の意見を取り入れられたとあります。大変理想的な内容であると思います。しかし、その将来像達成のための方法について、具体性や実効性にいささか欠けているのではないかと思います。

 そこで、以下五項目について農政部長にお尋ねをいたします。

 まず一つ目に、ぎふクリーン農業の取り組みについてお尋ねをいたします。

 県では、安全・安心な食の確保と提供を目指して、ぎふクリーン農業が平成七年から取り組まれてきました。生産者は、県の指導により品目や作付面積を大きく拡大してこられました。また、化学肥料や農薬の削減を三〇%以上と言われる中、それ以上に四〇、五〇%と意欲的に取り組む生産者も出てきています。

 お手元の資料、議長の許可をいただきました資料をごらんいただきたいと思います。

 一ページ目のこの写真は、(資料を示す)県の補助事業を活用して生産者が減農薬に取り組まれている写真であります。上段はラノーテープといい、特定の害虫のみに効果があり、作物自身にはかからないという新しいタイプの農薬であります。下段は黄色粘着テープといいまして、害虫が黄色に集まるという習性を利用して、ハエ取り紙のように寄ってきた虫を捕まえるというものでございます。またちょっと見にくいんですが、この黄色いテープの上のあたりですけれども、ビニールハウスの側面や天窓など換気口のすべてを〇・四ミリ、シャープペンのしんが〇・五ミリですので、それから想像していただくと、〇・四ミリという極めて細かい目の防虫ネットで覆い、害虫の侵入を防ぐというものであります。

 二ページ目の写真をごらんください。上段は、天敵農薬と言われているツヤコバチの写真でございます。これは病原菌を媒介する害虫を駆除してくれるというものであります。下段は、針金にビニール被覆をいたしまして、その中に性フェロモン剤を入れたものであります。これは害虫の雌の特殊なにおいを発生させるため、雄は雌の存在がわからなくなってしまって、したがって交尾ができず、繁殖を抑えるというものであります。従来のように薬剤を散布する必要がなく、果樹の枝にかけるだけで済むというわけです。これらはほんの一部の取り組みでありますが、生産者は、ほかにもさまざまな農薬や化学肥料の削減に取り組んでおられます。

 ところが、ぎふクリーン農業に対する県政モニターの方々の認知度は、平成一六年には三二%、十七年には三九%、昨年、十八年には二七%と、残念ながら低迷をいたしております。これでは、真剣に取り組んでおられる生産者の意欲を喪失してしまうのではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。ビジョンでは、この認知度を平成二十二年までに七〇%にしようという大変大きな目標を掲げられていますが、短期間で七〇%へと高めるためにどのような施策を講じられるおつもりか、お聞かせください。

 二つ目に、食糧自給率アップについてお尋ねいたします。

 さきの第二次岐阜県民食料確保計画の目標は、平成十四年度の四〇%を十八年度末には四五%にするというものでしたが、実績は三九%にダウンしてしまったという大変苦い経験もございます。そして、今回は基準年である平成十六年の三九%から、二十二年には四二%と控え目の目標でございます。さらに、自給率アップには麦と大豆、そして飼料の増産で達成するとのことでございます。そこでお尋ねいたします。この自給率アップは、具体的にどこでどのように増産される計画であるかをお伺いいたします。

 三つ目に、ブランドづくりの推進についてお尋ねいたします。

 今現在、全国的に知られているブランドと言われるものは「飛騨牛」だけだと思います。ビジョンによれば、今後、ほかの品目でも消費者の認知度を上げてブランド化を図るとされていますが、例えばビジョンによると、「匠の米」が候補に上げられているようです。「匠の米」とは県内で生産する美濃のハツシモ、飛騨のコシヒカリの中で生産場所、団体等を特定したもの、そして栽培中はぎふクリーン農業の栽培基準に準じ、荷受け、乾燥調整、分析調査の段階で厳しい基準をクリアした米のこととあります。この「匠の米」は、全農岐阜県本部を中心として県下農協グループの取り組みでありますが、私の地元海津市でも冬春トマトを「美濃のかいづっ子」とネーミングして、ブランド化に向けて、地元の生産者団体などが一生懸命販売促進やPRに努力してみえます。

 三ページの写真をごらんください。これが「美濃のかいづっ子」として、海津市の生産団体が商標登録をしたロゴマークであります。デザインはトマト生産者御自身が考えられたものでございます。飛騨牛に続く岐阜県のブランドをつくっていくには、生産物に高級感や親近感などのプラスのイメージを持つようなネーミングや、ブランドにふさわしい販売戦略、PRにおいて、よほどの努力が必要であり、生産者など地元の努力だけではブランド化はままならないと思います。一昨日もこの議場において、知事さん御自身が県産品、企業誘致等でさまざまなトップセールスを行っていくと宣言をされておられましたが、県議会や県庁職員も全員が営業マンとなっていただけたらいいなというふうに思います。そこでお尋ねいたします。県として、県産農産物の認知度を高め、ブランド化を推進するため、どのような取り組みを進めていくお考えかをお尋ねいたします。

 四つ目に、耕畜連携による循環型農業の推進についてお尋ねいたします。

 前回も同様な質問をいたしましたが、その内容は、安全・安心・健康な農産物が叫ばれる中、有機質による土づくりが重要であり、県が推進するぎふクリーン農業のためにも畜産農家と耕種農家を結び、耕種農家の需要に応じた堆肥の生産、堆肥の散布の労力、散布の経費の問題等を解決するために、堆肥製造から散布まで実施できる堆肥センターを提案いたしました。このことは、畜産農家の規模拡大や後継者の育成にもつながり、ぎふクリーン農業が一層加速されることにもなると申し上げたところでございます。議場において、「耕畜連携を強化した持続可能な資源循環型農業を推進することが重要であると認識した上で、仮称でありますが、資源循環型農業推進連絡会議及び五圏域ごとに地域連絡会議を設置し、堆肥の広域流通や耕種農家における堆肥利用の促進などを総合的に取り組む」と、当時の農林水産局長から前向きな御答弁をいただきました。そこでお尋ねいたします。この御答弁をいただいてから一年半ほど経過して、特に堆肥の利用について、どのような前進があったのかをお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、耕作放棄地の活用についてお尋ねいたします。

 二〇〇五年の農業センサスの結果によると、岐阜県は耕作放棄地の増加率の高さで全国で二番目ということでした。この問題は、病害虫の発生増加、有害鳥獣の繁殖、産業廃棄物の不法投棄の誘発、景観の著しい悪化等、大きな社会問題につながることにもなりかねません。一度荒れるとなかなか復旧できにくくなり、復旧するには大変な労力が必要となるとも聞いております。そこでお尋ねいたします。食糧自給率の低さや世界的に深刻な食糧不足が叫ばれる中、耕作放棄地の発生防止と活用についてお聞かせをいただきたいと思います。

 農業は、人が生きていくために一番必要で大切である安全・安心な食の確保、人が生きていくための環境を守るためにも大変重要な産業でもあります。農政部長さんには、これを踏まえて、岐阜県の元気な農業・農村づくりを目指したお答えを願って、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) ぎふ農業・農村振興ビジョンに関する施策につきまして、五点お尋ねがありました。順次お答えをさせていただきます。

 最初に、ぎふクリーン農業の認知度向上についてお答えをいたします。

 これまでに認知度向上対策として、県内の消費者を対象に産地ツアー、出前講座、PRイベントなどを実施してまいりましたが、順調な知名度向上につながっていない状況でございます。議員が資料で説明されましたような生産者の皆様の御努力にこたえるためにも、今後はこれまでの取り組みに加えまして、ぎふクリーン農業のロゴマークを認識していただける消費者キャンペーンの実施、販売促進活動時の大々的なロゴマークの強調などPR活動のほか、農協・市場関係者等と連携して、安全・安心な上においしさがある本県農産物を強調する販売戦略を展開してまいりたいと考えております。

 また、現在県が進めておりますひだ・みのじまんプロジェクトにおいて、本県の観光・文化・食をPRする際に、ぎふクリーン農業に県全体で取り組んでいることを大いに取り上げ、知名度のアップを図ってまいります。県内外の消費者に、ぎふクリーン農業のロゴマークを安全・安心でおいしい岐阜県農産物全体のシンボルマークとして認識していただけるよう、取り組んでまいります。

 次に、食糧自給率向上についてでございますが、県の食糧自給率向上のためには、生産面では土地利用型作物である麦・大豆の生産拡大と、畜産物の県内生産拡大を図るために必要な飼料の生産拡大が不可欠であると考えております。このため麦につきましては、平成二十二年に平成十六年の約一・五倍の九千九百トン、大豆につきましては同じく一・九倍の五千百トンの生産を目指し、また飼料につきましては、例えば肉用牛のえさとなる稲わらの自給率を、平成十六年度の七七%から全量県内で生産確保することを目標としております。こうした麦・大豆・飼料の生産拡大などを中心に、消費拡大対策もあわせて平成二十二年には食糧自給率四二%を達成したいと考えております。具体的には、麦・大豆につきましては県内五圏域ごとに一定の生産目標を設けており、新品種の導入、圃場の排水対策などによる高品質化、収穫量の向上とともに、特に圃場の整備など、基盤整備による作付圃場の拡大が望める西濃地域を中心にして、生産量の拡大を図ることとしております。また、飼料につきましては、特に西濃地域において水田の転作作物の一つとして飼料用稲の作付拡大を図るとともに、飛騨地域において牧草地の造成による飼料の生産拡大を図ってまいります。

 次に、農産物のブランドづくりについてお答えをいたします。

 農産物を含めた県内の商品・サービスのブランド化につきましては、岐阜県ブランド戦略に基づき、今年度から部局横断的・全県的な取り組みを進めております。その中で、農産物につきましては何より品質を高めることが重要と考え、かねてより試験研究機関での品種の開発や農業改良普及センターによる生産技術の指導などを行っております。また、議員御指摘のとおり、ネーミングや販売促進、PR活動も、消費者に認知をいただく上で不可欠な要素であると考えております。農産物のネーミングにつきましては、それぞれの生産者団体などが、例えば美濃ハツシモ、飛騨コシヒカリ、ひるがの高原ダイコンのように地名を織り込んだ工夫や、昨年四月から導入された地域団体商標制度による地域ブランドとして、例えば郡上アユの登録など、認知度向上のための活動を独自に展開しておられます。県におきましては、こうした生産者団体等の皆様が認知度を高めるために行う県内、そして大都市での販売促進フェアなどに対し、支援を行ってきたところであり、今後ともさまざまな形での支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 また、ひだ・みのじまんプロジェクトにおきましても、県産農産物の積極的なPRなど、認知度向上に努めてまいります。

 次に、堆肥の利用促進についてお答えをいたします。

 県及び耕種・畜産・関係団体をメンバーといたしました岐阜県耕畜連携農業推進連絡会議につきましては、平成十八年二月二十二日に設立をし、五圏域ごとには地域連絡会議を設置したところでございます。その具体的な取り組みといたしましては、平成十八年度に連絡会議を三回開催し、鶏ふんを利用した水稲栽培など地域の優良事例を収集し、情報の共有化を図るとともに、堆肥を利用していない稲作農家に対し意識調査を行い、利用の障害となっている要因を把握してまいりました。この調査結果をもとに西濃地域の耕種農家に働きかけ、転作田二・二ヘクタールでございますけれども、堆肥を利用した小麦のモデル栽培を行ったところでございます。本年度は、稲・小麦・野菜などの耕畜連携によるモデル栽培の事例をさらに拡大するとともに、こうした成果を持ち寄り、全県域を対象に耕畜連携たい肥利用研修会を開催し、耕種農家、畜産農家の情報交換の場をつくってまいります。また、地域においては、堆肥の品質評価、耕種農家に向け展示を行う共励会の開催、供給可能な堆肥をリスト化し、情報提供するなど、耕種・畜産双方にメリットがある堆肥の利用を推進してまいります。

 最後に、耕作放棄地対策についてお答えをいたします。

 本県の耕作放棄地は、この五年間で千七百二十五ヘクタール増加し、全耕地の一二%に当たる五千五百二十八ヘクタールとなっており、その三分の二は中山間地域が占めております。発生原因としては、農業者の高齢化と担い手不足が最も大きいと考えておりますけれども、平たん地域では土地持ち非農家の増加、中山間地域では不利な営農条件や鳥獣被害の拡大なども上げられます。

 発生防止策といたしまして、地域ぐるみで農地を守る取り組みが肝要であり、今年度から始まる農地・水・環境保全向上対策あるいは中山間地域等直接支払い制度を活用いたして、支援をしております。また、地域の担い手を確保するために、農業機械・施設の整備支援や、農地の利用調整を通じて認定農業者や集落営農組織の育成を図っております。

 耕作放棄地の活用策といたしましては、郡上市における山菜の作付や都市住民の農業体験の場としての利用、高山市での企業参入、瑞浪市での牛の放牧など、こうした優良事例を県内に普及拡大してまいります。

 いずれにいたしましても、耕作放棄地の拡大は、食糧自給率や農地の多面的機能の低下を招く重大な問題であり、今後とも県・市町村・関係機関が連携をして、その発生防止と活用に努めてまいります。



            ………………………………………………………………





○議長(中村慈君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時五十三分休憩



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△午後一時八分再開



○副議長(安田謙三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(安田謙三君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(安田謙三君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○副議長(安田謙三君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十三番 笠原多見子君。

   〔三十三番 笠原多見子君登壇〕(拍手)



◆三十三番(笠原多見子君) まず初めに、このたびの春の県議選挙におきまして三たび岐阜市選挙区より選出させていただきましたことを、この場をおかりして心から感謝申し上げます。県民の皆様のために、これからも一生懸命、県政発展のために邁進していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、古田県政の目玉となっております政策総点検に関連した質問をさせていただきます。

 古田県政は、平成十七年二月にスタートされ、選挙公約のとおり政策総点検を実施されました。そして、「確かな明日の見えるふるさと岐阜県づくり」としてまとめられました。政策総点検では、二千五百九十三回の意見交換会や、分科会を含め七十九回の県民委員会などを開催して進めてきましたが、いわゆるこの道のプロフェッショナルと言われる機関や専門家はあまり入っていなかったのではないでしょうか。私がイメージする政策総点検ということは、人間で言うならば健康診断です。人間ドックに入り、コレステロール値や血糖値、血圧など諸数値、データを収集し、問題点を明らかにする。その後、病気の進行状況などを把握し、治療方針を策定する。つまり、例えばがんであれば外科的治療によって全摘なのか一部切除を行うか、対症療法で済ませるか、患者と専門家である医師と相談しながら決定していくものです。

 以前に教育委員会の審議会について、結論ありきのあり方を問題にしました。古田県政になってから、やたらと県民会議という名がついた、いわゆる第三者委員会が目につきます。それ自体、県民の意見を聞かれることは非常によいことです。しかしながら、県当局が都合のいいように人選した各団体、企業のトップなどから出た意見を集約して県民の意見とするところに疑問を感じます。知事は、第三者委員会で決めたことを県民の総意にして意思決定の隠れみのにしているように思えてなりません。今まで議会の答弁を聞いていても、新聞社のインタビュー記事を見ても、第三者委員会の結論をそのまま県の方針として打ち出されているように感じます。これでは、何か反論が出れば、県民の代表である第三者委員会の方々の意見を集約した結果なので、私はそれを尊重したまでであると、責任の所在がはっきりしないように思えます。

 そこで知事にお尋ねいたします。

 知事にとっての県民会議とは一体どういう存在、位置づけのものでしょうか。我々県議会議員は、県民の負託を受けて今回厳しい選挙を通ってまいりました。三分の一以上が若い新人議員さんたちです。本来、県民サービスの要・不要などをチェックすることは議会の役目でもあります。地方議会の存在意義が問われている中、いま一度、本旨に立ち返ってみることも必要ではないかと考えます。ただいま議会活性化改革検討委員会が立ち上げられ、議員たちも議会でのあり方を検討中であります。議会の活性化と同時に知事と議会の健全な緊張感を生み出し、双方にとってよいことになるのではないでしょうか。知事さんのお考えをお聞かせください。

 次に、確かな明日の見えるふるさと岐阜県づくりについてお伺いいたします。

 平成十八年三月には、向こう五カ年の行財政改革の基本方針として行財政改革大綱が策定されました。これによると、最優先課題としては、財政危機の直接的な原因である巨額の県債残高、いわゆる県の借金の総額を減らすことへの転換であります。平成十九年度以降、四カ年平均の新たな借金である県債発行額を十八年度の比較で平均五%程度抑制することになっています。このため、千二百七十人の職員数を減らすなどして人件費の縮減を図り、そして社会基盤等の整備を一律五%程度カットすることにより投資的経費の縮減を行う。さらには、事務経費の縮減を進めることになっています。この行財政改革大綱を踏まえ、平成十九年度予算では、県政改革再生予算と称して六年連続マイナスの総額七千六百六十億円、対前年度四十七億円、〇・六%減となっております。この中身は、借金の返済である公債費が平成十八年度比百三十三億円増で、過去最大の千二百九十六億円となり、社会保障関係費も四十五億円の増となっています。一方、収入としては一般財源が四千五百六十八億円で、二十三億円の減額となっています。結局のところ、個性豊かなふるさと岐阜県づくりに直結する県単独事業費に向けられる経費は、予算全体のわずか五%の三百九十五億円しかありません。

 このようにマイナス予算を続け、借金の返済である公債比率などの上昇が推移していくとすれば、県単独で執行できる経費は限りなくゼロに近づくことになります。既に平成十九年度の事業等がスタートしているわけでありますが、当初予算の中には金をかけず、県職員がみずから汗をかくからということで、ゼロ予算施策が盛り込まれています。しかし、何か事を行う場合、必ず人件費や旅費、会議費は要るはずです。不正資金の問題が明るみになったとき、その背景に予算化されるべきものが予算化されないために不正と知りつつ実行したという事例もあることが指摘されていました。その考え方からしますと、ゼロ予算の考え方はおかしいと思います。

 また、当初予算としてこの三月に議決してあるものの、一部の県単独事業などにおいては、予算執行が保留されているものがあることについてのお尋ねをしたいと思っていましたところ、県政自民クラブの代表質問において渡辺先生がお聞きになられました。その答弁において、知事は、「これから年度が経過していく中で、最終的に必要な経費ということであれば、当然当初予算総額を使うことがあることはもちろんのことでございます」と言われましたが、財政当局が休みを返上し、徹夜してつくられた予算は練りに練られ、慎重の上、必要不可欠のものとして計上されたものではないのですか。県政再生プログラムの中で、予算は使い切るものだという、いわゆる予算使い切り主義を改めようという考え方は主に旅費の部分であり、事業費ではないはずです。事業費は、執行するために予算が組まれているのではないですか。何のために査定を行っているのですか、知事にお尋ねいたします。

 振り返ってみますと、二年前までは、予算説明会のたびに岐阜県の財政状況は他県に比べ健全であり、平成十九年度以降には県の借金総額は減少するということで、その後は財政的余裕ができると言われ続けてきましたが、どうも現実の財政状況は悪化の一途をたどっているようです。これは、前知事が「有利な県債」という言葉を使われ、それによって我々は勘違いをしていたようであります。現実には、約一兆三千億円の借金があります。一言で借金が一兆円と言いますが、この大きさを実感することは容易ではありません。仮に毎日毎日百万円ずつ返していったとしても、返済期間は実に三千年もの時間が必要です。恐らく皆様の想像をはるかに超えていると思います。

 借金の返済は、十六年度から毎年一千億円を超える額が予想され、平成二十七年になっても千三百五十億円の借金の返済額が必要となっており、このままではいつになったら返済できるのでしょうか。

 平成になってからのこの間の借金総額は三倍、予算に占める返済シェアも六・三%から二・五倍の一五・一%まで膨らんでいます。何か事があったときの対応としての預金である基金残高もピーク時の三三%に減少していますし、今後も高齢化の進展などによる社会保障関係費の増加が続くことも見込まれております。子々孫々に残すことができる誇るべき個性豊かなふるさと岐阜県、確かな明日の見えるふるさと岐阜県が見えてくるのでしょうか、私はとても心配しているところです。

 そこで知事にお尋ねしますが、このような財政危機的な状況の中、知事就任以来進めてこられた政策総点検と行財政改革大綱、そして十七の各種ビジョンや基本計画で、このような財政が危機的状況の中で、果たして確かな明日の見えるふるさと岐阜県づくりに対応できるのでしょうか、現時点での所感をお伺いいたします。

 次に、ソフトピアジャパンプロジェクトにおけるIAMASとワークショップ24について質問いたします。

 これまでにも、多額の税金が投入されてきたソフトピアジャパンプロジェクトについて質問をさせていただきました。今回はソフトピアで働く人を二十四時間にわたってサポートするために、県当局が必要不可欠ということで、県主導で岐阜県住宅供給公社に建設させたワークショップ24について、現在の状況を知事はよく御存じのことと思いますが、改めて簡単に説明させてもらい、お尋ねいたします。

 ワークショップ24は、PFI事業手法を準用して建設され、オリックスグループによる特定事業会社−エス・ピー・ジェー・マネージメントサービス株式会社と売買契約を結び、建物完成時である平成十四年に三階から十階までを先行取得し、一階と二階の店舗部分はオリックスが所有し、技術開発室九十一室、ソピアキャビンと呼ばれる簡易宿泊施設五十四室、ソピアフラッツと呼ばれる賃貸住宅六十四室に会議室等を備えた施設です。ソピアフラッツは、ここ三年間、年間平均入居率九〇%以上ですので問題ございません。しかしながら、ソピアキャビンに至っては、その稼働率、平成十六年度二七・八%、十七年度三八・六%、十八年度三八・八%と低く、施設の形状及び形態から申しますと大変なお荷物であり、赤字を覚悟で運営をしなければならなく、公社は十九年度からやむなく営業を一時休止しております。技術開発室においては平成十六年度から七四・〇%、八四・八%、六六・七%と推移しておりますが、平成十八年度末には五〇%を切り、この八月には四〇%を切る状態です。このままでいきますと、ワークショップ24は単年度で一億円以上の赤字を出すことになり、またこのような状況を放置すれば、公社全体の存在を危うくすることになるでしょう。さらに、公社はオリックスと十年間の区分所有の契約を交わしています。平成二十四年、あと五年で店舗部分を買い取らなければなりません。仮に公社がこのことで経営を圧迫され、破綻するようなことになれば、県は重大な責任と負債を負うことになるでしょう。一刻も早くその対処法を公社とともに考えなければならないと思います。

 この問題は、住宅供給公社単体の問題ではありません。当初のソフトピアジャパン計画では、県はソフトピアで働く人を五千人規模と想定していました。それが現実には大幅に下回っています。その原因は、エリア内のニーズが大変少ないことが最大の原因であり、GISなどの補助事業が終われば仕事はなくなり、その関連企業は撤退していきます。三年間の家賃補助が終了すれば、魅力がないので退去していくからです。これらの状況は、平方メートル当たりの賃料が二割ほど安いセンタービルなどにも言えることで、ソフトピア全体の技術開発室共通の課題です。

 そこで知事にお尋ねいたします。

 県主導で建てられたこのワークショップの現状をどのように思われますか。そして、県としてどのようにすべきとお考えでしょうか。ソフトピアの事業も十年がたち、現実と理想の乖離をどう判断されるのか。ソフトピア計画についても政策総点検をなされたわけですが、何が問題であり、どのような方向性にしていこうと考えておられるのか、ワークショップを含めた全体像をお尋ねいたします。

 次に、IAMASについては、昨年、いっそ廃止したらどうでしょうかと質問いたしました。その質問の答弁において知事は、「政策総点検の中でも批判的な面が多くあったが、積極的な面もそれなりにある。地域の製造業との連携にも力を入れ始めている。そうしたことを踏まえながら、新IAMASビジョンを検討していきたい」との答弁をなされました。その後、人材育成のための取り組みなどで頑張っておられることは認めますが、県民にその存在価値を認知していただくためには、なお一層の努力が必要だと思います。

 そこでお尋ねいたします。

 IAMASを残すべきであると言われたからには、新IAMASビジョンをかなりの覚悟で策定中かと思いますが、現時点での知事の構想あるいはお考えをお聞かせください。

 先日の報道では、IAMASの教授がメディアアートの世界的祭典で、ことしのグランプリを獲得されたとお聞きしました。また、研究員の方々の研究は大変すばらしいものであると思います。しかしながら、前回も申し上げたように、多くの県費を使って県外からの学生の人材育成を行い、再び県外へ送り出すようでは、税金を払っている県民は納得いたしません。ちなみに、外部監査報告の中で、就学年数二年で十七年、十八年度の大学院大学の入学者、合計四十一人中二人に当たるわずか五%が県内在住者であり、十六年、十七年度卒業者の就職状況は、県内情報関連企業の一人とIAMASの一人のみであると記載されております。先日も、研究員の方々のすばらしい映像処理技術及び研究を見てまいりましたが、多分東京のテレビ局などに就職希望なのではないかと思いました。

 知事がIAMASを残される意向であると受けとめた私は、IAMASについて提案したいと思います。まず、IAMASの研究が岐阜県内で役立てられるように、そして学生に定住して、その能力を発揮してもらえるよう、受け皿づくりを県が行う必要があると考えます。

 ソフトピアは、IT産業の集積地を目指し、誘致企業の促進を図ってきましたが、実際誘致されたのは電算処理会社とかヤフーのセンターとかで、IAMASの学生が学んだ技術を生かせる場がないのが現実です。つまりコンテンツ関連産業系の企業誘致が全く進んでいないため、岐阜で就職しようと思っても就職できないのが現実であります。

 次に問題なのは、現在のIAMASの施設は築四十年以上たった耐震度Eランクです。地震が起きたら人命に危険性を及ぼす状態でありながら、耐震補強工事の見通しも立っていないことです。その理由は、IAMASの存在価値をどう見るかにあるのではないでしょうか。私は、現校舎での耐震補強をするのではなく、IAMASを十二分に活用されてないワークショップ24に移すというのも一つの案ではないかと思います。ワークショップ24とIAMASという二つの存在、危機に直面している存在のもの同士の相互補完はグッドアイデアだと思いますが、いかがでしょうか。

 ソフトピアジャパン計画の中にありながら、その存在価値が薄いのであれば、その存在がわかるよう、ソフトピア関連企業との連携を深め、研究費を出資してもらえるような企業を県が探し、コーディネートする役目を担ったらどうでしょうか。以前に東京に本社がある会社の人の依頼で、一緒にIAMASの研究成果の発表を見て大変興味を示しておられました。

 次に、県内企業への就職、またはソフトピアジャパン内で起業してもらうようにサポートしてはいかがでしょうか。残す方向であると言われた知事の答弁を前向きに受けとめ、以上のように提言申し上げました。

 あと一つ懸案事項があります。IAMASにあるマルチメディア工房は、坪単価百四十五万一千円で、高額の建設費をかけたものですが、当初から雨漏りがひどく、さび等が露見して活用するにも不便であると聞いております。にもかかわらず、有名デザイナーの賞を取ったものであることから、修繕できない状態であるということです。この建物も早急に何とかしなければ劣化していくばかりであります。早急にデザイナーとお話し合いをして、解決をすべきだと思います。

 あいまいなままの存在は許されません。方向性を明確にできなければ、以前も言ったように、IAMASは廃止すべきと思います。知事の中途半端な答えでないことを切望して、質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 専ら私だけにたくさんの御質問をちょうだいしました。しっかりお答えしますので、少し時間が長くなるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。

 まず、第三者委員会についていろいろとお尋ねがございました。当然のことながら、私自身、政策の運営に当たって現場主義ということを申し上げたり、対話重視ということを申し上げたりしておりまして、できる限り現場や地域で頑張っておられる方々の声に耳を傾けようと、県民の目線で仕事をしていこうと、こういうことで取り組んできておるわけでございまして、そのための手法としてパブリックコメントというものもありますし、タウンミーティングというのもありますし、また圏域ごとに意見交換会をするというケースもありますし、あるいは端的に個々の企業とか施設をお邪魔することもありますし、いろんな手法があるわけでございますが、そのうちの一つとして、御質問でありました第三者委員会もあるというふうに考えておるわけでございます。当然、人数とか、人選とか、そういった面で一定の制約はあるわけでございますけれども、私どもとしては、それぞれの専門的な知識とか、御経験とか、そういったことを踏まえてお願いをしておるということでございます。そういう委員会を通じて、またいろんな立場の方々が意見を交わし合うことで、率直な議論を通じて方向づけがなされると、あるいはコンセンサスが形成されていくと、こういったこともあるわけでございます。こうしたさまざまな意見聴取の手法を取り入れた上で、そしてまた、さまざまな御議論を踏まえた上で、最終的には県みずからの責任で政策等を立案しておるということでございます。

 議会との関係ということについてもおっしゃっておられましたが、こうしたプロセスを経て立案した政策等につきましては、予算あるいは条例といったような形で議会に御提案をさせていただいておりますし、また、きょうもそうでございますけれども、議員の皆様による審議あるいは県議会における議決ということで御議論いただき、御指摘をいただいておるわけでございます。申し上げるまでもなく、議員の皆様方は県民から負託を受け、選挙で選ばれた県民の代表者であるわけでございまして、議場ももちろんでございますが、それ以外のいろんな機会に御意見をいただいて御指導いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。県と、そして議会との健全な緊張関係、大変結構なことではないかと思っております。

 次に、十九年度予算に関する執行保留のお尋ねがございました。

 一昨日、この点につきまして御答弁させていただいておりますけれども、若干重複するところがあるかもしれませんが、昨年秋に県政改革ということで、県政再生プログラムを発表させていただきました。その中で、予算の使い切り主義を改めようと、あるいは年度末の駆け込み執行について見直そうということから、予算編成時以降の社会情勢の変化、現場ニーズの変化を踏まえながら、昨年度でいいますと第三・四半期が終わったところで一度立ちどまって個々の事務事業の実施効果を改めて検証しようということをしたわけでございます。その結果、経費の節減を二十三億円程度したわけでございまして、これが翌年度に繰り越しになったと、こういうことでございます。

 こうしたことを踏まえまして、十九年度につきまして一段と厳しい財政事情のもとで、常に公金意識を持ちながら予算を執行すると、節約の工夫を絶えず行うと、そういうための試みを導入したものでございます。内容的には、裁量性の比較的高い経費を中心に一部の予算の執行について、経費の内容に応じて一定の執行保留を試みたわけでございまして、この執行保留の対象となりましたのは、県費全体の〇・六%、三十四億円ということでございます。これにつきましても、節約を試みたけれども、やはり年度を通して最終的に全額必要だということも当然あり得るわけでございますので、こういったことについてはもちろん柔軟に対応していきたいというふうに考えております。ただ、この問題につきましては、現場で混乱や不安のないように、その点については十分留意していきたいと思っております。こういう年度途中における予算の節約の試みというのは、当県、岐阜県でもかつて試みたこともございますし、また他県でもやっておりますし、国の場合にはむしろ常習化しておるということでございます。

 次に、危機的な財政状況下において、確かな明日の見えるふるさと岐阜県づくりをどう進めていくのかということでございます。

 大変、財政的な制約が厳しいときこそ、私は県民の皆様あるいは県議会の皆様の御意見をいただきながら、政策の優先順位をしっかりと見定めると、めり張りのある県政を進めていくということが王道ではないかというふうに思っておるわけでございます。さまざまなビジョンや基本計画を向こう五年間ということで昨年度つくらせていただいたわけでございますが、これもそうした政策の重点化の一環であるわけでございます。また、十九年度の予算編成につきましても、こうしたビジョン、基本計画を実行に移すということで、重点的に取り組むべき八つの課題を重点政策群というふうに明らかにしまして、めり張りをつけた予算編成に努めてきたところでございます。財政の基本は、入るをはかりて出るを制すということでございます。今後とも、行財政改革に取り組みながら、政策の重点化・効率化に努めていきたいというふうに考えております。

 次に、ソフトピアジャパン、そしてIAMASについて御質問がございました。

 これは御指摘のとおり、一層の努力を要する大変重たい課題であるというふうに私も思っております。これまでに投じられたものの大きさを考えますと、一方で余りに安易な対応はできないという反面、他方で慎重にかつ迅速に次の手を打っていかなきゃいけない、こういう時期に来ておるんではないかというふうに思っているわけでございます。

 ワークショップのお話がございましたが、数字等については御指摘のとおりでございます。特に入居率の低下につきましては、例えば県が実施してきましたプロジェクトについて終了したと、これに携わってきた企業がまとまって退去したとか、あるいは実質以上の部屋を利用していた企業がセンタービルへ移転したとか、そういうことも重なっておるわけでございます。

 これまでも、ワークショップ24も含めて、ソフトピアエリア内への企業誘致を積極的にやってきたわけでございますが、今後も一段と積極的な企業誘致が必要かと、また入居企業の支援も必要かというふうに思っておるわけでございますが、御指摘にもございましたように、このワークショップ24の問題は、ソフトピア全体の見直しといいますか、どう進めていくかという中でも当然議論していかなければいけないと思っております。

 そこで、ソフトピアジャパンプロジェクト全体についての考え方でございますが、既に開設以来十年と。このエリアには百五十社が集積をし、約二千人の方が働いておられるわけでございまして、そういうこのプロジェクトについて、改めて一定の成果も見られる反面、反省すべき点、課題もたくさんあると、こういう状況だと思っております。

 成果として言いますと、例えば情報産業を支えるITの人材育成について、いろいろな形で蓄積を今積み重ねつつあるということ、あるいは県内の中小企業の情報化支援を中心に、中小企業に対するさまざまな支援あるいはネットワークづくりに貢献してきているということ、あるいはソフトピアで起業したベンチャーが国内の他のIT企業と提携をして、ソフトウェアについて全国展開をするというような成長をしているケースも幾つか出てきていると、こういったことも成果としては上げられるわけでございますが、その一方で当初の政策のねらいと現実が大きく乖離していた部分もあるわけでございます。

 第一に、ソフトピアジャパンを中核として、ベンチャー企業群から成る日本版シリコンバレーの創出というかけ声でスタートしたわけでございますが、現時点では到底その域には達していないということでございます。

 第二に、最先端の研究開発を目指すということでございましたが、それにふさわしい研究員の配置等体制づくりができてこなかったということで、最先端の研究開発はもとより、その実用化あるいは企業への技術移転ということにはまだ至っておらないということでございます。

 第三に、海外の学術機関との提携、海外人材を招いたイベントといったこともたくさん開催されたわけでございますが、その多くはほぼ一過性のものに終わっておりまして、持続的なネットワークの構築には至っておりません。

 四番目に、多くのベンチャー企業の輩出を目指しておりましたが、その育成は甚だ不十分であったということでございます。

 五番目に、中にはベンチャー企業が成功したケースもございますが、マーケットの不足ということで、マーケットの大きい東京などに行ってしまうこともあるわけでございます。私も先日、ソフトピアでそれなりに力をつけて東京に出ていかれた起業家にお目にかかりましたけれども、やはりマーケットの狭さということをおっしゃっておられました。他方、これを埋め合わせるべく、県内市場をどう拡大するかという観点からの県内産業の情報化についてもまだまだ十分推進できていない、こういったようなことが上げられるわけでございますが、この根底を流れる問題として、あえて大まかに申し上げますと、民主導への転換、切りかえといいますか、あるいは企業の活力を取り込み、そしてそれを生かす形でこのプロジェクトを展開すると、そういう流れへの転換がまだしっかりと根づいていないということにあるんではないかと。そういう意味では、本格的な産業政策が必要ではないかと思っておるわけでございます。

 そういう中で、総点検におきまして期待が高い一方で、現実の効果についてはいろいろ疑問視する意見があるということやら、あるいは施設の稼働率、収益率を高めるための政策が必要だというような議論もございました。最終的には、この施設、ノウハウ、立地企業やベンチャー企業等の貴重な財産を活用して、IT産業を担う人材育成機能、中小企業のIT化を初めとする産業高度化機能などに重点を置いた事業を実施すると、そういう政策の方向性が総点検の結果として出ておるわけでございます。これをさらに一歩進める形で、本年三月にぎふIT活用プランが発表されておりますが、この中で改めて、ITとものづくりとの連携支援、県内中小企業のIT経営支援といった産業の高度化の側面、そして人材・通信・電力・企業集積等の県内資源を活用した戦略的な企業誘致といったような方向づけが示されておるわけでございます。私どもとしては、このラインに沿って今後具体的な政策を進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。

 まず、ITとものづくりの連携支援でございますが、例えば製造業分野におきまして大変需要の高い組み込みソフトウエア人材の育成という問題、あるいは中小企業に普及しているソフトウエアを販売する民間企業との連携と、これを通じた中小企業の情報化支援、あるいは中小企業のIT経営支援という形での研修・相談・専門家派遣事業等の強化といったこともあろうかと思うわけでございますし、企業誘致についてはもう少しきめ細かくさまざまな展開が必要かと思っております。例えば、ソフトウエアで雇用直結型の人材育成をするんだということで、いわば企業進出を先取りした形で人材育成をできるという、この利点を大いにアピールしていくと。あるいはヤフーの例にも見られますように、税収誘致効果の大変高い企業の誘致を進めていくこと、あるいは中小企業の情報化を支援する能力のある企業の誘致を進めること、あるいはITネットワークを活用する情報通信サービス事業、これは俗にデータセンターと言っておりますが、こういったところをターゲットに企業誘致を進めていくということも考えていきたいと思っております。こういったデータセンターの方々に言わせますと、ソフトピアの安定した電力供給、それから、すぐれたバックアップ体制を持った安定した通信環境と、これは大きな魅力であるというふうに言われておりまして、そういった魅力を大いにお示ししながら、企業誘致を展開していきたいと思っております。また、中国企業の日本での拠点をソフトピアに誘致すると、これも一つの誘致活動としてあり得るんではないかと。今申し上げました幾つかにつきまして、既に進出意欲のある企業からもいろいろと打診も来ておるところでございまして、これから戦略的に進めていきたいと思っておるところでございます。

 また、ベンチャー企業の支援でございますが、これまで必ずしも十分でなかった一つ一つのベンチャー企業に対するニーズ、要請の受けとめ方と、あるいはそういうニーズにかなった支援のあり方ということについて、もう少しきめ細かくやっていきたいと思っております。また、人材育成につきましては、いろんな形で実績を今積みつつあるわけでございますが、その分野につきましては岐阜県のみならず、中部圏の人材育成拠点ということでアピールをしていきたいと思っておるわけでございます。このためにも、中部経済団体連合会との連携も必要であるわけでございますが、今や中経連もこのソフトピアは中部圏のIT人材育成拠点であるということを認知していただいておりまして、いろんな機会に中部圏全体の企業に対して働きかけをしていただいておるところでございます。こうしたさまざまな取り組みを通じまして、ワークショップ24の入居の拡大も含めて推進をしていきたいと思っておるわけでございます。

 いずれにしましても、今申し上げましたこういった政策は、多面的にきめ細かく、着実に進めていく必要があるわけでございまして、今の体制では必ずしも十分ではないんではないかというふうに思っておりまして、このソフトピア、そして後で申し上げますIAMASプロジェクトについて、庁内に改めてプロジェクトチームといいますか、タスクフォースといいますか、これに特化したチームを結成して進めていけたらと、こんなふうに思っておるところでございます。

 最後に、IAMASでございます。たくさんの前向きの御提案をいただきまして、大変感謝を申し上げる次第でございます。

 IAMASは二つの学校の総称でございまして、片や大学院大学、片や専修学校であるアカデミーと、この二つから成り立っておるわけでございます。

 このIAMASについては、政策総点検では、教育内容や卒業後の県経済への貢献について批判的な意見も多くあるということでございまして、政策の方向としてインターンシップ、地元企業を対象とした公開講座、意見交換会等を通じて県内企業への技術貢献、地域との連携を発展させ、県内定着を促進するというようなことが提言されておるわけでございます。私どもとしては、これらを踏まえて、現在、「新IAMASビジョン」を策定しようと鋭意作業しておるところでございますが、なかなか難しい問題でございまして、もう少しお時間をいただいて発表させていただきたいと思っております。

 そういういろいろな評価がございますが、IAMASにも幾つか地域に定着する方向での動きが出てきておるわけでございます。例えば大学院大学の方では、大垣市の市街地を舞台としたメディアアートの祭典「岐阜おおがきビエンナーレ」というものを実施したり、あるいは中心市街地の活性化、あるいは地域文化の振興ということで、いろいろと貢献をしようとしておるわけでございますし、また議員も御指摘ありました、三輪教授がコンピューター界のアカデミー賞と言われるアルス・エレクトロニカ賞のグランプリをお取りになったわけでございまして、この分野での評価の高さが証明されているわけでございます。

 一方、アカデミーの方では、県内の製造業、印刷業など地元の企業の高度化支援を目的として、地域連携講座というものをやっておるわけでございます。これを通じて、卒業生が地元企業に就職するという一定の成果も生まれてきておるわけでございます。この地域連携講座の取り組みは、例えばマイクロソフト社に大変高く評価されまして、この二月に地元経済界の代表も立ち会う中で、マイクロソフト社・県・IAMASということで提携を結んだわけでございまして、マイクロソフト社の有するソフトウエアや教材など質の高い資材をこの講座に提供していただくということでございまして、こういったことが県内企業の産業競争力強化にも資するのではないかというふうに思っております。

 こうした方向に加えて、卒業生の県内定着、ソフトピアジャパンとの機能的・場所的連携、校舎の耐震性の問題、財政的な問題等々さまざまな課題がございます。県内企業への就職について、他の全国の公立大学の場合と比較しまして低いことも事実でございます。同一都道府県内への就職割合という数字を取ってみますと、全国平均で、大卒で四一%、大学院で四四%ということでございますが、IAMASの場合、これまでのところ大学院で二二%、アカデミーで三三%ということで、全国平均を下回っておるわけでございます。

 また、アート主流の教育から脱し切れていないと。ネットワークやプログラミングの専門家の育成という地元企業からの要請にもこたえられていないという問題点もあるわけでございます。

 それから、御指摘のございましたマルチメディア工房の問題でございますが、これにつきましては、来年度予算に向けまして修繕の可能性について検討を進めていきたいと思っております。こうしたもろもろのことを踏まえて、「新IAMASビジョン」の策定を検討してまいりたいと思っております。繰り返しになりますが、基本的な方向は、IAMASの地域経済への貢献、あるいは県内産業から強く要望されております企業との連携といった方向でございます。そういう政策の中で、IT企業が集積しているソフトピアジャパンとIAMASとの機能的連携をどう深めていくか、その深めていく際に耐震問題も含めて物理的な連携もどうするか、こういったことについても議論してまいりたいというふうに考えております。



○副議長(安田謙三君) 三十三番 笠原多見子君。

   〔三十三番 笠原多見子君登壇〕



◆三十三番(笠原多見子君) 熱の入らない、心のこもっていない、大変残念な答弁で、本当に残念です。

 まず一点、執行保留の問題ですけれども、昨日の渡辺先生の質問に対する答弁に対して私は質問したのであって、その答えがまるっきりきのうと一緒というのは何でなんだろうと思いますね。それで、執行部の方が人に質問の趣旨とか何かをいろいろと聞いてきたのは一体何だったんだろうなというふうに思っています。

 私が言ったのは予算の査定のあり方ですね、査定は何のためにやっているんですかと。予算を余らせることがよしという、そういう姿勢はどうなのかなと思うんです。予算使い切り主義の問題点もあったかもしれませんけれども、予算を余らせたことがいいことだと思わせるような今のあり方は問題だなと。予算は必要な分だけ計上して、そしてなるべく余らないように使うのが本来の姿だと思うんですよね。いろんな問題があったから予算使い切り主義はいけないというふうに再生プログラムの中に出たのかもしれないですけれども、本来の予算のあり方というものをもう一度考えてほしいということと、査定は何のためにあるのかということを質問したのにもかかわらず、きのうと同じ答えが返ってくるということに大変残念に思いました。

 それから、IAMASのことについてもあいまいでなくはっきりと、知事のお言葉を聞きたかったんですね。先ほどの最初の質問のことについてもそうですけれども、知事自身がどうお考えになっているのかと、どういう思いを抱いているのかということをお尋ねしたくて質問しているのにもかかわらず、いろんな事例とか、どういうことをやっているということを羅列したことをずっと聞いていたいわけではないので、知事自身のお言葉で知事がどう思っているかということをお答えください。お願いします。



○副議長(安田謙三君) 笠原君、答弁を求めているのですか。



◆三十三番(笠原多見子君) はい。



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、予算とは、査定とは何かということでございますが、予算というものは、予算を策定する時点での当該年度にどのように使っていくかという方針を決め、それを定量化するものであります。ただ、それが年度末に全部一〇〇%使い切れるかどうかと、これは結果の問題でありまして、そのプロセスの中で少しでも節約をしようと、工夫ができないかと、そういう試みをすることをやっちゃいけないという議論は私は到底受け入れることはできません。まさに、予算ができても、その事業を少しでも節約し、工夫できるのであればそれはやったらいいではないかと、こういう試みをしておりますということを言っておるわけでございまして、しかしそういう努力をしても、やはりこれだけの予算は必要だということであれば、もちろん使えばいいと、こういうことを申し上げておるわけでありまして、一たん査定をしたら、どんなことがあろうともそのとおり使いなさいというふうに、特にこういう厳しい財政状況のもとで決めつけるのはいかがなものかというふうに私は思っております。

 先ほど申し上げましたが、国においてもこれは毎年のようにそういう節約の努力を各省やっておりますし、他県でもやっておりますし、私もそういう努力を予算全体の〇・六%の三十四億円について努力をさせてくださいと、努力をしますということを言っておるわけでありまして、予算全体についてあれもこれも全部差しとめだと、そういうふうに言っておるわけではございませんので、そういう努力をさせていただきたいと、御理解いただきたいと、こういう趣旨でございます。

 それから二番目の点につきましては、いろんな事例を申し上げておりますのは、さまざまな努力が今どんな方向で向いているか、そしてどういうふうに身を結ぼうとしているか、そういったことについてお伝えしたいので具体例を申し上げておるわけでございまして、ソフトピア、IAMASにつきましては、私の思いは全体として税金活用型の官主導、行政主導から、もっと産業の創意工夫、企業の活力を積極的に生かした、そういう流れの本格的な産業政策に持っていきたいと。本格的な産業政策に持っていくためには、さまざまな活力ある企業がどうやったらあのソフトピア、IAMASとつながっていくか、そういうことを具体的に考えていかなきゃいけない。その具体的に考えていく端緒はどんなところにあるかということを例として申し上げておるわけでございまして、私の言葉で語らせていただいております。



○副議長(安田謙三君) 十二番 川上哲也君。

   〔十二番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆十二番(川上哲也君) 通告に従い、数点について質問させていただきます。

 今回の質問におきましては、「命をいかに守るか」をキーワードとして質問させていただきます。

 まずは地域医療についてでありますが、飛騨といいますと、本当に多くの諸先輩、そして先人のおかげをもちまして今全国から、そして海外からも多くの方が訪れていただける、そういった地域になっております。しかしながら、そういった地域でありますが、地域で暮らすということになりますと、飛騨で暮らす生活者の命を守るということ、そのもとにあるべき医療が今どういう状態か、非常に課題が多くなっているのも事実となっております。私も薬剤師として医療関係で働きながら、多くの飛騨の皆様から意見をいただきました。緊急で運ばれ、その緊急の施設に行った。しかしながら、医師はいたけど、その器械を使うにはあと七人のスタッフが要る。しかし、その数がそろわなくて、結局後遺症が残る状態となってしまった。涙を流して訴える方もありました。そしてまた、娘さんがすべてよそへ嫁いで、もう年寄りしか残ってないんだ。もう娘も帰ってくる見込みは全くないんだ。せめて里帰り出産くらいさせてほしいというような意見もありました。

 こういった問題、先日から何件か質問として出されておりますが、先延ばしにすればするほど取り返しのつかない状態になるということは目に見えております。もはや、飛騨で言いますと市・村単位で対応できる状態ではなくなってきております。

 この産科及び緊急医療体制につきましては、現在、配布資料で配らせていただきましたように、中日新聞の飛騨版、県内版であれば配る必要もなかったかと思いますが、飛騨版でありますので配らせていただきました。そこにも「医療過疎をゆく・ひだの現場から」という連載レポートを掲載されるほど、飛騨地域の医療問題は深刻となっております。飛騨地域の産婦人科、その医師は人口十万人当たり五・四人と全国平均より三人、そして岐阜市とその近郊地域より五人も少ない状況であり、さらに一人ひとりの居住地からその医師、産科医の場所まで行く距離を考えてみますと、さらに厳しい状態であることがわかります。当然のことながら産科の医師は激務となり、ある産科医に現状を尋ねてみますと、もう一度生まれてきて同じく医師の道を歩むにしても、もう産科だけは選ばないと、そういった言葉が出てくるほどでありました。

 中核的な医療機関、そして町なかの医院が力を合わせてその地域医療を担わなければならないとされる現在ではありますが、地域におけるその努力も限界に来ている状況となれば、県としても地域医療を改善するためにリーダーシップを発揮して、安心して暮らせる地域づくりのために汗を流すべきときが来ていると考えております。

 しかし、医療全分野において支援をすることはなかなか難しいと思いますので、例えば飛騨地域の産科、そして緊急の医療体制について基幹病院の連携を県がサポートするなど、県として先進的な地域医療モデルを構築すべきと考えておりますが、その点について、今後どのように医療過疎地の対策を進めていくか、健康福祉部長、お答えを願います。

 また、この緊急医療体制に関連した質問となりますが、先日の岐阜新聞の記事にもありましたように、防災ヘリの使用につきまして、現在、岐阜大学附属病院などへ緊急搬送を必要とする患者をヘリで運ぶという回数も多くなり、以前にも増してその有用性が高まってきております。特に平成十八年度では、百十五回あった緊急搬送活動のうち、六十三件が消防本部から要請を受けて出動するヘリに岐阜大学附属病院の医師が同乗し、緊急的な医療を行ったと聞いております。高度医療機関が少ない飛騨地域にとりまして、防災ヘリは県民の安心・安全になくてはならない存在となっております。この点について、安心して暮らせる地域づくりという観点からすれば、医療における防災ヘリは、今後一層重要性を増してくると思われますが、防災ヘリの今後の活用方針について、危機管理統括監にお尋ねします。

 次に、「命をいかに守るか」というキーワードでは、必ず考えなければならない防災について質問させていただきます。

 三年前、台風二十三号がこの岐阜県を襲いました。あの年は、本当に多くの災害がこの日本各地を襲いました。中部圏域だけを考えてみましても、あの年の七月には新潟豪雨災害、その一週間後に福井豪雨災害、そして九月には台風二十一号災害が三重県を襲い、十月には台風二十三号災害が十月二十日、そして三日後に中越地震が襲いました。多くの方の命が奪われてしまいました。本当に悲しいことであります。私の子供がサッカーを習っておりましたコーチも、台風二十三号で命を落としてしまいました。本当に心から御冥福を申し上げ、お祈りするものであります。

 その中で、そういったいろんな地域への支援活動を行いましたが、そこで数点、本当にこれは改善しなければならない、岐阜県においてもこれから直していかなければならないという点が数点ありました。最も気になったのは、これまでの防災教育、命を守るんだという防災教育が、実は死者を減らすのではなくてふやしているという事実がある、それが非常に気になった点であります。

 台風二十三号災害で、こんな内容の作文を書いた子供がいました。小学生でした。その子供が間違った行動をとっているのではなくて、その子供が習った防災教育が間違っているがゆえに、その子供が命を落としそうになった。つまりその子供、そしてお父さんは間違った防災教育の被害者、被災者であるというふうに考えながら聞いていただきたいのでありますが、主な内容といいますと、「玄関の方がうるさかったので行ってみると、足首くらいまでの水が入ってきていました。慌てて家族で非常持ち出し袋を準備しました。準備し終わった後、おばあちゃんが避難をしました。その後、お兄ちゃんが避難をしました。僕の番になりました。でも、水かさがふえて僕だけだととても行けそうになかったので、お父さんにおんぶをしてもらいました。ところが、水の流れが強くて、お父さんと僕はその水に流されてしまいました。お父さんは柱につかまってはい上がりました。僕はつかまれませんでした。泥水の中で勇気を出して目をあけて、やっとのことで柱につかまってはい上がりました。その翌日の朝、木についているわらの高さを見ると、すごく高いところにわらがついているので、僕はよく助かったなと思いました」、そういった文章がかかれていました。その子供も、そしてお父さんも、生死の境まで行ってしまった、そういった作文でした。そういった子供をこれからつくらない、そのためにどうしたらいいかを考えなければならない。防災研修会の講師で行って、必ずこの話を出します。ところが残念なことに、その作文を聞いた方がどういった反応を示すか、こんな反応が返ってきました。二階へ上がったら流されずに済んだんじゃないか、そんな反応が非常に多いのが現実です。しかし、この場合、一番大切なことは何なのか。それは、非常持ち出し袋を準備する前に避難をすること、それが一番大事であります。最初に足首くらいの水が入ってきていました。そこで逃げれば逃げられるんです。ところが、みんな逃げない。それはなぜなのかと考えなきゃいけないときが来ております。

 非常持ち出し袋の中に一体何が入っているのか。水が入っています。食糧が入っています。通帳や印鑑、財布、そういったものが入っています。ところが、そういったものは生死の境目のときに本当に必要なのか。そのものがあるから、仮に水に流されたときに何が自分を救ってくれるのか、何も救ってくれない。だから、非常持ち出し袋の中に入っているものは自分の命が救われた後に必要なものであって、生死の境のときは何も救ってくれない、それが現実であります。

 今、内閣府の防災ボランティア検討会でもその話題を提供しましたら、それは本当におかしい。今の「非常持ち出し袋」という名前があるからこそみんな非常時に持ち出さなきゃいけないと勘違いをして命を落とすことになってしまうんだ。だから、それは名前を変えようじゃないかという話も出てきています。地震は災害が起こった後に避難をします。水害は災害が起こる前に避難をしなきゃいけない。基本的に避難をするタイミングが全く違う。でも、同じように教えられているから命を落とすんです。きょうを基準として十年前までさかのぼって考えたときに、日本国内で地震で亡くなった方と水害で亡くなった方とどっちが多いか、答えは水害です。でも、水害というものは、基本的に前兆現象がある。台風が来る、大雨が降る、川の水がふえる、前兆現象がある。だから避難しようと思えばできるんです。命を落とす人間をゼロにできるんです。でもできない。岐阜県でも現実にゼロにできていないんです。これが現実なんです。だからどうするか。まず、その間違った防災教育を変えていかなければならない。

 先日、防災の研修会、これは岐阜市近郊で行ったときのことでありますが、この話をしようと思って非常持ち出し袋と言ってふっと出したときに、ある方が手を上げました。先日、防災研修会で非常持ち出し袋について習いましたと。何を入れて逃げるんですかと聞きました。そしたらこんな答えが返ってきました。食糧三日分と水三日分と通帳と印鑑と財布と、いろいろ並べました。それでその方に聞きました。水三日分ってどれだけですかと。そしたらその方は答えました。一日三リットル必要だと習いました。じゃあ三日分とはどれだけですか、九リットルです。家族何人ですか、四人です。三掛ける三掛ける四で三十六リットルの水、三十六リットルの水は重いですよといってその方に答えます。そしたら、その方はきっぱり言われました。大丈夫です。あの晩、防災研修会の後、うちで家族会議を開きました。家族で防災について話し合って、その三十六リットルの水はうちのだんなが持って逃げることになりましたと。いや、これは笑い話みたいな話ですけど、現実にそういった間違った防災教育が岐阜県内でいまだに続いているのが本当のところなんです。ですから、そういったものをいかに改善していくか。命を落とす、そういった危険な目に遭う方を一人でも減らすために、これから本当に防災教育を考えていかなければならない。非常持ち出し袋の中に入っている食糧とか、そんなものが本当に必要なのかということを考えなければならない。物にこだわらない。まず第一には、命を守るためにどうするかということを真剣に考えられる防災教育、これについて、一昨年、岐阜県の地震対策検討会で提案をさせていただき、それから再三、防災の方途に対して要望してまいりましたが、そういったことに対してこれから子供たちに対して、そして大人に対してどういった防災教育をしていくのか。まず第一に命を考える、そういった防災教育の実施についてどのように進められるのか、これは危機管理統括監と教育長に関係する質問でありますが、代表して危機管理統括監、お答えを願います。

 次に、現在各市町村で進められている災害時要援護者支援についてでありますが、県内外の自治体がどのようにこれを進めてみえるかを見せていただきました。要援護者に対してこの方とこの方、その担当者制が多く見られます。これは決めるのは簡単なのですが、実に危険な方法でありまして、例えば担当者の方お二人決めても、その方がそろって旅行へ行っている間に被災したらどうなるのか、だれが責任をとるんだ。そしてまた、実際その担当になった方が自分も命の危険を感じる、そんなときにはどうするのか、機能しないことが多く予想されます。

 また、今決められている要援護者支援というのは、その要援護者というのはどういうのかといいますと、障害者とお年寄りに対して決められていますが、でも、社会福祉協議会とかいろんな自治体が行う防災研修会の中で言ってみえることは、要援護者とは、お年寄りと障害者だけではないですよ。妊婦の方もそうです、けがをされた方もそうです、そのとき病気になっている方もそうですと、そこまで言われるんです。でも実際には、障害者とお年寄りについてしか決められていないというのが現実となっております。

 阪神・淡路大震災のことを思い出しますと、おなかに大きな赤ちゃんのいる女性が避難所へ行くのがおくれて、もうどうしようもないから冷たいアスファルトの上で、あれは一月でした、アスファルトも冷たいです。そのアスファルトの上で毛布にくるまって寝ていたという報道がありました。覚えてみえる方もあると思います。実際にそういった方も要援護者なんです。でも、今の決め方は、本当に障害者とお年寄りだけ。昨年のジャワ島地震や一昨年のパキスタン地震に出かけて支援活動を行ったときにも、子供が亡くなっているということを多くの方が涙を流して訴えてみえました。子供も要援護者となり得ます。

 こういったことを考えてみますと、現在のように要援護者の点と支援者の点を結ぶ線で要援護者支援を進める手法につきましては、支援する側の人数、そして責任が限定され、見落とされる要援護者が出るという実践的ではない手法であることがわかるのですが、こういった決め方をしている自治体が少なくないのも事実であります。

 そこで今後についてでありますが、現在進められている要援護者支援策については、それを第一段階として、第一ステップとして、次に実践的な要援護者支援策を各自治体で策定できるように、県としてリーダーシップを発揮すべきと考えております。最も理想的と考えておりますのは、数軒あるいは十数軒、班という単位がそれに当てはまる地域が多いようですが、そういった中で本人の同意を得て要援護者の確認を行い、その範囲内では情報を共有する。いざというときは、その近所の安全なところで、その範囲の中の皆さんの安否を確認し、もし避難しおくれてみえる方があったら、そのとき可能な方で助けに行く。つまり、数人の方に責任を押しつけるのではなくて、数人の方だけで情報を持つのではなくて、線ではなくて面で救助を行う、救援を行うと、要援護者支援を行う、そういった方法をとるべきであると考えております。

 知事も国の方に勤めてみえたときに阪神・淡路大震災があり、こういった地震の支援とかについてはいろいろ苦労をされた御経験をお持ちと思います。ぜひ、そういった知識を防災の方にも伝えていただき、いい策をとっていただきたいなあと思っておりますが、そういった本人の同意を得て一定範囲内で情報を共有することについては、個人情報の問題もクリアできるために、今後はこのような「面」で要援護者支援を行う手法で県内の各自治体が実践的な要援護者支援策を築くことができるよう、県としてモデルをつくり、リードしていくべきであります。危機管理統括監及び健康福祉部長を代表して、危機管理統括監に今後の進め方についてお答えを願います。

 次に、災害が起きてからの避難所の運営についてでありますが、中越地震が起きてから数日後、高速道路が通行どめとなる余震が発生した日に、被災地の避難所で炊き出し活動を行いましたが、そのときに多くの避難者の方が見えました。車の中で寝てみえた方がエコノミークラス症候群で亡くなるという悲しい事例が幾つも出ましたが、その避難所も、避難所の中に五百名、避難所の外に二百名、つまり車の中で寝てみえる方も非常に多い避難所で、避難所の中といっても冷たい風の吹き込む玄関先で見えるお年寄り、全くプライバシーというものがない状態になっている各部屋など、すべての被災者に精神面の苦痛が与えられるという状態でありました。このため、駐車場で炊き出しを始めますと、あんたらどこから来てくれたの、飛騨高山から来ましたと言ったら、実は悪いんだけど、その作業は私らにやらせてくれないかというふうに被災者の方が出てみえました。いや、僕らがやりますよと言っても、いや、やらせてくれということを言われました。どうしたのかということを聞いてみますと、その避難所の生活で精神的に非常に苦しい状態なんだと。もう一時間が長い、こんなところにいたくないんだ。でも行き先もない、やることがない。だから、せめてその炊き出しの作業は私たちにやらせてくれないかということを言われました。本当に避難所というのは精神的に苦痛を与えます。

 こういったところでいろいろと見てみますと、自治体によっては精神面、そういった理由もありますが、指定されていない避難所、つまりそこには自治体の職員とかいろんな方が担当するということのない、指定されていない避難所もふえたところが非常に多くあります。情報や物資も届かない。しかしながら、そういった避難所がふえてしまった。地域によっては、指定していた避難所の十倍以上の避難所数になったところもあります。こういった地域で物資を配布していて、このときは断熱ボードを配布しておりました。寒い中で、コンクリートの上でじかに毛布を敷いて寝ている方もある。そういった中で断熱ボードを配って回っていたらこんな避難所というか、倉庫がありました。すき間がたった十二畳から十三畳しかないんです。十二畳から十三畳のそのすき間に何人が寝ていたか、二十五人が寝ていました。大人の方、子供も少しいましたが、二十五人が十二、三畳の中で寝ている。その二百メートル先には小学校の避難所がありました。その中で寝てみえる方の代表らしき方に聞いてみますと、よっぽど避難所の生活が大変なんだろうなと思いながら、確認の意味も込めて、あの避難所へ行かないんですかということを聞いてみました。そうしたらこんな答えが返ってきました。何を言っているんだ、おまえ。あの避難所の生活が大変だから、うちらはこの二十五人親戚同士でこの倉庫へ来たんじゃないか。確かにな、こんな狭いところで二十五人寝るのは大変だよ。だけどな、あの避難所で暮らすよりはましなんだ。あそこは確かに寝るスペースはある、情報もある、物資もある。だけど心が満たされないんだ。おまえ、それがわかるかという答えが返ってきました。本当に大変な苦労をされてみえました。

 これまで避難所の運営といいますと、ただ単に雨風をしのぐことができ、とりあえず寝るスペースがあればいい程度の考えで指定されている地域が多く見られました。というか、現在もそういったところが多くあります。しかし、今、仮設住宅での生活となっている能登半島沖地震の被災地、輪島市門前町でさえ精神的な課題が多いと言われていますが、さらに条件の悪い避難所での生活は、いかにして精神的ダメージを与えないような避難所運営にするかが今後取り組まなければならない課題であります。

 そして、こんな報告もありました。中越地震のとき、トイレへ行っても用を足せない女性がいた。それは、車いすに乗った女性でした。トイレへ行ったら山盛りになって水が流れないから仮設トイレへ行った。できない、段差がある。だからその女性はどうしたか、体育館の片隅で毛布にくるまって用を足した、そういった車いすの女性がいたという報告が内閣府の検討会で出されていました。本当に悲しいことであります。その女性はどれだけ精神的な苦痛を与えられたのかと、想像できないほどだと思っております。こういった精神的ダメージを少なくするためにどうするのか、真剣に考えなければならない。避難所運営、本当にこれから大きな課題があります。心のケアができる避難所運営とできるか。その課題を克服するために、岐阜県におきまして、今後これに対してどのような対策で進む予定か、危機管理統括監、お答えを願います。

 最後に、経済的復旧の支援、生活再建の支援について質問させていただきます。

 被災地における経済的復旧の支援、生活再建の支援についてですが、近年の災害で被災地へ出かけると、こんな涙と出会います。それは、一つ目には直接被災された方。自分の家がつぶれてしまったと、家族を失ってしまったと涙を流される方。二つ目には、自分の家は被災しなかったけど、会社が災害でダメージを受けたために働き先を失ってしまった、再就職は非常に難しいというもの。そして、三つ目にこんなこともありました。自分の家は被災しなかった、勤め先も無事だった。だけど、その勤め先の取引先がこの災害で倒産をしてしまった。だから、自分が行っている勤め先が連鎖的にやられてしまって、自分も勤め先を失ってしまった。この二例目と三例目につきましては、一般的には被災者と言われません。補償もほとんどありません。このように、被災者と言われない被災者が出るのも災害なのです。

 災害では、一時的な物資不足より、いかに地域経済を復興・復旧させるか、そして生活再建を進めるかが大きな課題であります。配布資料にあるような、テント村に対して「日本の支援はすばらしい」という言葉も出ました。これはパキスタンの地震のときでありますが、しかし、この先がどうなるか。例えばテント村、それは仮設住宅と一緒であります。そのテント村とか仮設住宅に入った方が、その後ごく普通の生活に戻ることができるのかが一番大きな部分、この一番大切な部分が現在の防災対策に出てきていない地域が多いのも事実となっております。

 中越地震、もう歴史上の災害となってしまったような感じでありますが、あの地震においてもいまだに仮設住宅で暮らしてみえる方がある。ごく普通の生活に戻れない方がある。災害は、本当に多くの方が長い間、その災害のつめ跡と闘わなければならない。それをいかに克服していくか。それに対して岐阜県では現在BCP、つまり災害時における事業継続計画を支援する取り組みをしておられ、これにつきましてはとても大きな効果があるものと期待をしております。しかし、現在進めておられるのは、災害時にこういった企業の活動が続いていれば、ふだんの生活への支障が少なくなるだろうという観点のものであり、災害時の雇用をどうするか、普通の生活に戻るためにどうするか。生活再建の支援、つまり先ほどの被災者と言われない被災者も生活再建を進めることができるタイプのBCP、事業継続計画への支援となっていないのが現状であります。

 これまでの災害は、災害が起こってから、経済的な復興、雇用の確保をどう進めようかと考え、それが課題となってきておりました。しかし、今後につきましては、経済的な復興・復旧の支援、生活再建の支援について、事前にその策を進めておくべきであると考えておりますが、このBCPの拡大等、今後どのように取り組み、経済復興、生活再建の課題をクリアしていくかについて、危機管理統括監と産業労働部長に関係する質問でありますが、これも代表して危機管理統括監、お答えを願います。

 ということで、ぜひ前向きの回答を期待して、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) まず、救急搬送体制における防災ヘリの活用についてお答えいたします。

 県では、現在二機の防災ヘリコプターを運航しており、救急搬送のうち、医師が搭乗して対応するドクターヘリ的運航は、平成十八年度六十三件の出動でございました。これを地域別に見ますと、飛騨地域は二十件、中濃地域は三十七件となっており、両地域で全体の約九割を占めています。

 防災ヘリは、救急搬送を初め、捜索救助、火災防御、災害応急活動などの緊急運航活動を遂行していますが、平成十八年度の運航回数は合計百九十三回に及び、多方面での運用を行っているところでございます。防災ヘリは、県民の皆様の安心・安全に直結するものであることから、今後におきましても航空機動力を生かした多方面での運用が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、防災及び被災者支援について四点お答えいたします。

 まず、防災教育についてお答えします。

 県では、災害時には、みずからの命はみずから守る自助が極めて重要であることから、防災教育の一層の推進が必要であると認識しております。昨年度は岐阜県地震防災行動計画を策定し、防災教育を防災啓発活動・災害伝承の推進として位置づけたところであります。本年度においては、中学生を対象とした防災テキストに物より命優先の考えも取り入れて作成し、その活用について、県教育委員会と連携し、取り組みを進めております。さらには、職員による出前講座やホームページのほか、テレビ・ラジオ・新聞・広報誌などの広報媒体においてPRに努めていくこととしております。また、各務原市川島にあります県広域防災センターについてもリニューアルすることとしており、防災教育の場としても充実してまいります。今後におきましても、防災教育の一層の充実に努めてまいります。

 次に、災害時の要援護者支援対策についてお答えします。

 県では、災害時に支援が必要な方々を一人でも多く守ることを目的に、市町村における要援護者対策について支援しているところです。過去の震災では、地域の結びつきが強い地域ほど減災の効果があらわれています。まして要援護者支援においては、議員御指摘のとおり、地域の助け合いが不可欠であると認識しています。しかしながら、現在の県内の状況を見ますと、要援護者の方々への支援体制が整備されていない市町村が多いのが現状でございます。したがいまして、今年度は市町村が抱える課題をきめ細かく分析するとともに、先進事例の手法等の調査・検証も行い、地域の結びつきを活用した実践的で実効性のある対策を健康福祉部と連携し、市町村に示してまいりたいと考えています。

 次に、避難所の運営についてお答えします。

 被災者が最初に避難し、生活する場所である避難所において精神的負担を軽減することは、大変重要な対策です。県内の避難所は、約三千三百カ所指定されているところであり、県では市町村の避難所対策に対し避難所運営マニュアルを提示するなど、その支援を行っています。平成十七年度においては、中越地震の教訓から県内の避難所の耐震化状況を公表したところであり、平成十八年度においては、健康福祉部で心のケアマニュアルの整備を行い、市町村に提示したところです。今年度は、市町村を訪問し、防災対策を点検する防災カルテ事業において、特に避難所対策を重点テーマとし総点検を実施するほか、要援護者に対し、福祉施設やホテルを避難所として活用する手法の導入など、健康福祉部と連携し、市町村に対し強く働きかけを行ってまいります。

 最後に、企業の事業継続、生活再建の支援についてお答えします。

 過去の大規模震災を振り返りますと、風評被害が与える観光産業への影響や、企業の撤退による雇用の減少など、被災者の生活再建に深刻な影響を与える事例がありました。したがいまして、災害発生後の県内企業の事業継続は極めて重要であることから、県では企業向け地震防災講座の開催を行うなど、災害後の事業継続の取り組みの支援をしてまいりました。また、本年度においては、地元金融機関において、事業継続計画の策定や防災対策の実施をしている事業者向けの低利金融商品を開発していただいたところです。また、民間との共同で事業継続をテーマにしたセミナーの開催も予定しており、今後は民間の力をかりつつ、産業労働部とも連携し、企業の復旧・復興対策の一層の充実に努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 飛騨地域における医療体制の充実についてお答えいたします。

 飛騨地域は過疎地域が多いことから、都市部とは異なった医療体制の構築が必要であると考えております。

 現在、自治医科大学卒業医師八名を飛騨地域へ派遣しているところでございます。地域に即した医療連携体制の構築と人材の確保が重要な課題であると思っております。このため、本年度県の寄附口座をもとに岐阜大学に設立された地域医療医学センターにおいて、まず飛騨地域における診療所と病院との連携や拠点病院間の機能分担と相互支援など、医療連携システムの構築について研究をしていくこととしております。これと関連しまして、この四月より岐阜大学から高山市の拠点的病院及び飛騨市の病院の支援のために小児科医師一名が派遣されております。今後も、飛騨地域の病院への支援が重点的に行われる予定となっております。

 また、去る四月二十六日には医療関係者や県民の代表から成る岐阜県地域医療対策協議会を開催いたしました。この中で、医師不足を補うために、開業医の方によって地域の拠点的病院への応援をいただく必要があるとの意見が出されました。特に医師不足が深刻な産科、小児科について具体的検討を開始したところであり、飛騨地域についても圏外からの応援を含めて検討していくこととなっております。

 県といたしましては、岐阜大学、医師会等の応援を得ながら、地元と一体となって人材を確保するとともに、岐阜大学と協働して飛騨地域をモデル的に先進的な地域医療連携システムの構築を図ってまいりたいと考えております。



○副議長(安田謙三君) 六番 村上孝志君。

   〔六番 村上孝志君登壇〕(拍手)



◆六番(村上孝志君) 六番議員、可児市選挙区選出の村上孝志でございます。普通の読み方とは少し違うかと思いますが、本名でございますので、よろしくお願いいたします。

 きのう伊藤議員さんの方から御紹介をいただきました、親しみを込めて千本松原、また治水神社、いろいろと御紹介いただきましたが、その鹿児島県の出水市の出身でございます。岐阜県人の仲間入りをさせていただいて、ちょうど三十年を経過いたしました。初めてこの壇上に立たせていただいておりますが、無器用でありまして、またアクセントも直らないまま、お聞き苦しい点もあるかと思いますが、御容赦賜りたいと思います。

 夢と希望のある岐阜県政実現のために、住民ニーズの声を届けてまいりたいとの一心で、今後とも努力してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 さて、議長に発言の許可をいただきましたので、大きく五点にわたってお尋ねしてまいりたいと思います。

 まず一点目でございます。新人らしくフレッシュに質問してまいりたいところでございますけれども、可児市選出でございますので、最初から重たい問題で非常に申しわけございませんが、古田知事、よろしくお願いいたします。本当に重たい問題でございます。

 御嵩町の産業廃棄物の処分場問題についてでございます。

 いろいろな疑惑と疑念があり、今日を迎えております。御嵩町の産業廃棄物処分場計画をめぐっては、柳川喜郎前町長在職中の一九九七年に、建設の是非を問う全国初の住民投票が行われました。それが今からちょうど十年と一週間前なんです。六月二十二日でございました。投票結果は、もう皆さん、今さら申すまでもなく、投票率が八七・五%という異例の高率でありました。そして、処分場建設の反対票一万三百七十三票、七九・六五%を超えております。賛成票の二千四百四十二票、一八・七%を大きく上回っておりました。反対票は、投票しなかった人を含めて有権者全体の一万四千八百八十三人の六九・七%に達しております。いわゆる、町民の七割の方々が反対であるとの意思が示されたものでありました。この民意は、とても重いものでございます。十年を経た今も宙に浮いたままの状態でございます。それが、十七年二月に迅速、透明性、そして厳格を旨とされる古田新知事の誕生によりまして、今年の四月、古田知事、前柳川町長、そして事業者でありますところの清水社長の三者懇談が実現し、十年以上にわたって膠着状態が続いたこの問題の解決に向けて、話し合いで早期解決を図ることで合意し、六月二十日に古田知事、渡辺新御嵩町長、事業者の三者による初めての会談が行われ、四つの論点も明確になり、早急に話し合い解決することが確認されました。

 その四つの論点とは、非常に重要な事項でございますので、再確認の意味を込めて、今説明させていただきたいと思います。

 まず一点目でございます。法的な手続です。都市計画法第三十二条、公共施設の管理者の同意、開発許可の申請に必要な町の同意がいまだ得られていないのではないのか。また、町の同意をめぐって県と町との間でやりとりが行われておりますが、どのように考えているのか。そして、第二点目です。自然公園法第十三条の三項、特別地域内の行為の制限の取り扱いについて、国立・国定公園内における廃棄物処理施設の取り扱いについてというものでございますが、その適用について、通知漏れがあったのではないのかどうかという部分でございます。そして三点目に、開発事業に関する個別法、いわゆる廃棄物処理法、建築基準法、森林法、農地法の許可処分について、これを一度にまとめてやるのかどうなのか。そして、事業者と町が締結したと言われております協定書の評価と取り扱い。また、県の調整試案。今さらなぜという存在、いわゆる住民投票前に示されたというこの県の調整試案、この試案書の評価と取り扱いです。この調整試案を、どう位置づけるのかどうか。また、町の福祉の里事業に対する、県の支援の申し出の評価。そして四番目としまして、処分場の計画地でございます。これが、大きな四つの論点でございます。

 以上から、私はこの問題をずうっと見守り続けてきた一員として、この場で、岐阜県としてこれまでかかわってきた事項の評価と責任について、一つずつ問いたいところでございますけれども、これから解決に向けて、信頼をもとに協議されるに当たり、この場で知事の見解を問うのは時期的にも残念ながら適当ではないと思いますので、今後の過程を、住民投票で反対された皆さん方、町民とともに期待を込めて見守っております。そこで知事、今答えられる範囲内で結構でございますので、今後の方針などについて、お考えをお伺いさせていただきたいと思います。

 続いて、二問目です。地域医療体制についてということでございます。この地域医療体制、いろんな部分がございます。この第三回議会におきましても、いろんな方々からの質問がございました。そして先ほど、川上先生の方から地域医療体制についてということで、ヘリコプターに関する問題などが出されておりました。私は、身近な救急車に論点を絞ってお伺いしてまいりたいと思います。

 私は、救急車は体に突然異常事態が発生したときの命綱だと考えております。これは私自身の体験からも、そう思っております。しかし、急病での要請が大多数である中で、緊急性の低いものや、かすり傷程度でタクシーがわりに救急車を呼ぶ人が少なくないらしく、また、どこの病院へ行けばいいのかわからないので、案内してもらうために救急車を呼んだなどと安易なものもあり、救急車の出動態勢が追いつかなくなるおそれがあります。加えて、出動要請の増加に伴い、要請を受けてから現場に到着するまでの時間が年々長くなっているとのデータもございます。一分一秒を争う生命の危険がある傷病者を待たせてしまうおそれもあるために、適正な利用を心がけたいものでございます。

 そこで本題に入りますが、少しでも救急要請を減少させるための方策について、健康福祉部長に所見をお伺いいたします。

 まず一点目です。一般的に通報者は、救急車を要請せずに、あらゆる手段を通じて自分でできるだけ病院へ行きたいと思っております。しかし、事は緊急時です。通常時では何ともないことですけれども、残念ながら緊急時にはそうはまいりません。救急施設を持つ病院や専門医、また休日夜間当番医を周知していないなどにより、救急車を要請することになります。そこで、救急対応をしてもらえる病院を即案内してもらい、かつ当該病院にも連絡をしていただく、そのような体制を望むものでございますが、所見をお聞かせいただきたいと思います。また、類似のシステムがあれば、その利用状況をお教えいただきたいと思います。

 二点目でございます。危機管理統括監にお考えをお尋ねいたします。

 現状のペースで出動がふえれば、本当に緊急を要するときに支障を来すおそれがございます。また、ありがたいことに救急救命士制度ができて救命率が向上いたしました。非常に喜ばしい反面、医療行為の高度化と並行して、資器材、いわゆるガーゼや包帯、また、たまには酸素マスクも使うことがございます。そのような資器材も高額となり、人件費を含めると、神奈川県平塚市の試算によりますと、一回の出動で大体経費が四万円かかると言われております。国は緊急性の低いものについては料金を課す、いわゆる有料化の検討に乗り出しておりますけれども、どのようにお考えでしょうか。ただし、断っておきます。私は決して有料化がいい、せよと言っているわけではございません。本当に必要なときに使うものだからこそ大事に利用したいとの思いからお伺いさせていただいております。

 三点目でございます。県内では、今議会でも出ておりますように、また先ほど川上先生の方からもお話がありました、産科医不足が深刻でございます。地域医療対策協議会などが設置されたとはいえ、抜本的な解決策が、また解決が望めないとなれば、一部地域では既にもう実施してみえるとのことでございますが、各市町村業務であると簡単に片づけずに、少子化対策の面からも、通院のためのタクシー利用助成制度の創設を望むものでございますが、健康福祉部長、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 次に、質問の三つ目に入らせていただきます。企業の雇用体制について、産業労働部長にお伺いいたします。

 県内では、十七の工業団地が計画され、東海環状自動車道東回りルートの開通で自動車産業が集積する愛知・三河と直結し、距離が縮まったことによりまして利便性が向上し、隣接する元気な愛知県の工場用地の不足や、人手の確保が困難になったことなどで企業の進出が進んでおります。これまで努力いただいた成果が一気に実を結んだように感じられております。県は、これまでも岐阜経済の活性化に向けて、こうした工場進出を全面的に支援するとして、企業の誘致に積極的でありました。また、県内各自治体も工場誘致条例などを設置して、誘致に努めてまいりました。しかし、誘致に伴い雇用の拡大が期待される一方で、人手不足も大きな課題となってまいりました。岐阜労働局は、人をふやすよりも企業に求められる人材をいかに育成し、マッチングを図る方が重要であると指摘しておりますが、中小企業ではただでさえ人が足りません。大規模工場の相次ぐ進出は、岐阜経済活性化の追い風となる一方で、地域にとっては人手不足という新たな課題も突きつけられております。そこで、外国人労働者や高齢者、女性など多様な人材を活用するために、その仕組みづくりも求められているところでございます。

 日本経済は、税収上、また統計上はいざなぎ景気を超える好景気と言われております。一部企業では高収益を上げているものの、生活者には賃金上昇にはつながらず、逆に所得格差が拡大していくばかりのように私は感じております。また、正社員とパート労働者との待遇差別を、条件つきではありますけれども禁止する改正パート労働法が、来年の四月から施行されることになっております。

 そこで産業労働部長にお尋ねいたします。

 それぞれの事情により、また家庭によりまして、パート・派遣社員の場合は例外として、パート・派遣社員よりも生活の安定性から、また将来性からも正社員の雇用確保が最重要であると私自身思っておりますが、その実情と県の考え方はどうでございましょうか。

 また、新規に進出していただいております企業の雇用形態、どのような状態になっているんでしょうか。

 今、県内には、十九年一月時点で外国籍の住民が約五万四千三百六十四人と、過去最高となっております。当然、外国人労働者も増加傾向にあり、十八年度で外国人労働者が一万九千六百十人でございます。そこで、考慮しなければならないのが健康保険への加入の促進であります。また、子弟の就学の問題です。また、日本の法制度の運用拡大の必要がございます。なぜなら、彼らは一部ではございますけれども、この日本への永住権を持っているのです。今の保険がないままで、そして義務教育にもまともに通えないままで、日本国民として日本に住み続けていくとするならば、彼らにも大変でしょうし、日本経済、またこれからの社会にとっても大変重要な問題を抱えているような気がしてなりません。

 そこで個別にお尋ねいたしますが、子弟の就学支援方はどのようになっているのでしょうか。私の地元の可児市では、外国人児童が急増しております。外国人児童が日本人の児童・生徒と同じように教育を受けることができる環境づくりが必要だと考えて、市独自でプレスクールと言われております「ばら教室」を開設いたしております。非常に好評でございます。県は、これら外国人児童・生徒の教育の充実について、どのようにお考えなのかを教育長にお尋ねいたします。

 また、警察本部長にお尋ねいたします。

 外国人ドライバーも、十八年末現在で一万五千百九十五人となっております。そこでお尋ねいたしますが、外国人免許を日本用に切りかえる際の適格検査並びに安全教育、どのような状態でございましょうか。また、外国人による犯罪件数、特徴をお聞かせいただきたいと思います。

 続いて、質問の四点目でございます。

 若人、女性、離職者の就職支援・職業訓練についてでございます。四月の完全失業率は三・八%であり、約九年ぶりに三%台までに改善しております。それに伴い、昨年の夏から下落傾向でありました有効求人倍率も四月は反転し、岐阜県では有効求人倍率一・三八倍と明るさが広がってきたと言われております。半面、特に就職氷河期と言われた時期に遭遇し、就業できなかった三十歳代前後の人、また就職はしたものの狭き門であったがために、自分の意図するような会社に入れなかった、そういう方々が今は県内に約五万人いると言われております。一時はニートやフリーターと言われておりました。今では、ワーキングプアと言われております。また最近では、ネットカフェ難民と言われるような言葉も出るようになりました。そのような若者が目につくようになったのも事実でございます。求人には、地域的なばらつきがあると言われておりますが、雇用したい企業もあるわけですので、働く意欲のある若者、また女性が就業できる機会を得るために、県では職業訓練や就職あっせんなど各施策を展開していただいております。身近な地域で即就労に結びつくような職業訓練、能力開発に、また女性も生涯働くことができるような職業、いわゆる昔から言われておりますところの手に職を持つ、このような成果はどのような状況でございましょうか、産業労働部長にお伺いいたします。

 また、今議会でもいろいろ出ておりました、特に女性医師、また看護師の有資格者の再就職支援などが行われております。その状況はどのような状態になっておりますでしょうか、健康福祉部長にお伺いさせていただきます。

 続いて、産業労働部長にお伺いいたします。

 Uターン、Iターンという言葉がよく聞かれております。その就職の実態と対策はどのようになっているでしょうか。また、職住近接を望む親御さんが多い中、若者の働く場をふやす意味からも、起業化支援事業も実施されております。その実態はどのような状況でございましょうか。

 また、先ほども出ておりました県内で育った優秀な子弟が他県に就職し、住み着いてしまう傾向が多い中、県内への就職を可能とするための対策についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、五つ目でございますが、国、県が今後の農業に果たすべき役割についてお伺いいたします。

 二十一世紀新農政二〇〇七のポイントが発表されました。タイトルは、「農林水産業の潜在能力を最大限発揮させ、二十一世紀の戦略産業に、国民が求めるおいしく安全な食料の安定供給を実現」とあります。その施策として食と農に関する新たな国家戦略の確立、また国内農業の体質強化、国民の視点に立った食糧政策の展開、資源・環境対策の推進、農村・漁村の活性化とあります。以上から、私は特に資源・環境対策の推進、農村・漁村の活性化の観点から、農業に絞って考えてみました。

 農業は、国民に安全・安心・健康な食糧を安定的に供給するとともに、環境的にも多大な貢献をしており、農業の果たす役割はますます重要になってきております。しかし、経済・社会の高度化、成熟化、消費者ニーズの多様化、採算面からも農業従事者の減少や高齢化が進み、農業・農村を取り巻く環境は大きな変革を迎えております。農業施策は、品目横断的経営安定対策、米政策改革推進対策及び農地・水・環境保全向上対策を三本柱として、担い手育成と集落維持強化への流れがございます。

 このような情勢の中で、懸命に努力していただいている方が見えます。その一つが指導農業士でございます。みずからリーダーとして、地域の農業振興に取り組み、農業大学校学生などの農業研修の受け入れ、小・中学校の農業体験教育の場の提供などを行っていただける農業者を市町村が推薦して、知事が認定するものでございます。私どもの地元可茂地区では、十四人が活躍していただいております。その主な事業として、担い手及び青年農業者に対する指導力の向上、農業経営及び技術の向上研修、市町村及び農業改良普及センターが行う担い手育成事業への助成などがあります。また、農業普及員制度がございます。将来にわたる担い手への総合的な技術、経営支援、また消費者の信頼確保に向けた食の安全確保と環境と調和した農業生産を目指す目的として、戦後の食糧不足解決のために二十三年農業改良助長法で創設されて、今年で六十年を迎えております。それが三位一体改革の影響を受けて、知事の裁量でありますが、これまで普及員を「置かなければならない」という条項から「置くことができる」に改正されております。また、昨年三月に策定されました岐阜県行財政改革大綱においては、平成二十二年度までに、知事の事務部局で六百六十四人の職員定数の削減が計画されており、普及指導員についても相当数の定数削減が計画されていると聞いております。

 そこで農政部長にお伺いしなければなりません。環境保全上からも問題である、保全管理水田を除いた耕作放棄地の実態はどうでしょうか。これは午前中、森先生の質問がございました。その中で全国で二番目に多い、いわゆる放棄地がふえていくという回答がございました。また、一二%、五千五百二十八ヘクタールが、今年また耕作放棄地として出ている。そして、中山間部が多い。それについては、土地保有者のいろんな問題点があるというような御説明がございましたが、改めましてこの耕作放棄地の実態はどうであるか、お伺いをさせていただきます。

 緊縮財政の中、健全な財政のためとはいえ、県の重要な産業であるところの農業の基礎をなす普及員を、なぜ減員しなければならないのか。また、減員しても影響はないのか、重ねてお尋ねいたします。

 また、新規就農者育成のため、農業やる気発掘夜間ゼミ、最近ふえております団塊世代でございます、定年後、地域の特産物をつくるための帰農塾、また本格的に帰農したい人のための農業で夢発見研修などの諸研修を実施されるなど努力してみえますが、その効果はどのような状態でございましょうか。

 また、実践的な技術・経営を学び就農したい人たちのためのあすなろ農業塾では、農業現場で一年間プロ農家の指導を受ける制度ですが、課題として、入塾させるのはいいが、自分のうちに引き取って教えるのはいいけれども、宿泊施設に困ってみえるという声もあります。この解決策はどのようになっているでしょうか。

 また、就農者のための土地の賃貸借については、非常に難しい部分が多いと聞いております。これには自治体の関与が必要であると思います。どのような支援策、バックアップ体制をお考えになっておられるのか、お伺いするものでございます。そして、岐阜県の農業の将来をどのように考えておみえなのか、お伺いするものでございます。

 以上、よろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(安田謙三君) 知事 古田 肇君。

   〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 最初に、御嵩町における産業廃棄物の最終処理処分場の問題について御質問がありました。御質問を伺っておりまして、議員にもいろいろと大変強い思いがおありだというふうに拝察いたしまして、改めて、この問題の重さを痛感するところでございます。

 この問題につきましては、御指摘がありましたように申請から既に十年余が経過しておりまして、この問題をこのままの状態で放置しておくことは決して望ましくないという考えから、四月二十四日に柳川前町長、そして寿和の清水社長、そして私と三者で、話し合いによって解決を目指そうということで合意した次第でございます。その後、御嵩町長選挙で町長さんが交代されましたので、五月二十五日に渡辺新町長さんと二人でお目にかかりまして、この問題に対するお考えをよくお聞きをいたしまして、話し合い路線の継承を確認させていただいたわけでございます。その上で先日、二十日でございますが、新たなメンバー三者で意見交換を行ったということでございます。そこでは、特に今後整理すべき論点ということについて議論をいたしました。議員からも御紹介のありました法手続の問題、事業者と町が締結した協定書の問題、県がかつて提案した調整試案の問題、そして処分場の計画地の問題と、この四つでございます。いずれも、今後解決に向けて避けて通れない問題であるというふうに考えております。

 これらのことにつきまして、まず四つの論点があるということについては三者でコンセンサスができたわけでございますし、また、大変率直でいい雰囲気で議論が始められたわけでございまして、そういう意味では一歩前進かというふうに思っておるところでございます。これは大変時間もかかっておりますし、複雑な経緯もございますが、この整理すべき論点が一応この四つだということについて、御質問から伺いましても、議員も御同意いただいておるんではないかというふうに思っております。これから詰めていくわけでございますが、私も決して楽観はしておりませんで、長い間、大変もつれたまま、あいまいなまま宙に浮いておるわけでございますので、一つ一つ丁寧にほぐして整理をしていくことが必要であるというふうに考えておる次第でございます。また、お互いの信頼感をもとにきちんと議論していく必要があるんではないかというふうに思っております。これらについて、まずは事務レベルで少し議論をさせていただきまして、ある程度整理ができた節目節目にトップ会談をやるということで、解決の方向を見定めながら、できる限り早い時期での解決を目指していきたいというふうに思っております。現時点で申し上げられることは、私としては以上でございます。



○副議長(安田謙三君) 危機管理統括監 市原一人君。

   〔危機管理統括監 市原一人君登壇〕



◎危機管理統括監(市原一人君) 救急車の有料化についてお答えします。

 県内の救急出動件数は、ここ数年、年約六%ずつ増加しており、全国的にも同様の傾向にありますが、議員御指摘のような明らかに不要不急である場合の利用が、その要因として上げられます。救急車の有料化は、この不要不急な利用への防止対策の一つとして考えられておりますが、一方で、真に救急が必要な方の要請を抑制してしまうことにならないか。また、タクシーがわりの安易な利用を助長しないか等の問題があり、国でもいまだ結論に至っていないのが実情です。このような状況を踏まえ、消防庁では、他の出動件数抑制策を検討し、一一九番受信時における緊急度、重傷度の選別等の方策を示しました。それを受け、東京都などでは現在、救急時のトリアージの試行的な取り組みを行っております。

 言うまでもなく、救急業務は住民の人命を守るための不可欠な市町村サービスであることから、今すぐ救急車の有料化を進めることは難しい状況ですが、今後、先進都市の救急業務の動向等を的確につかみながら、県消防長会とともに検討を進めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) まず地域医療体制について、二点お答えいたします。

 一点目の、救急対応可能な医療機関の情報提供につきましては、現在、県内各消防本部等に設置された二十三カ所の地域救急医療情報センターにおいて、電話による二十四時間の提供体制が確立されております。平成十八年度は二万四千三百件の情報が提供されております。また、本年度新たに県で構築する、仮称ではございますが、岐阜県医療機能情報提供システムにより、勤務する専門医や時間外対応等の医療機関の詳細な情報を提供することとしております。県民みずから適切な医療機関を選択ができるよう、準備を進めております。

 なお、御提案の救急患者情報を事前に医療機関へ提供することにつきましては、困難な面も多いと思いますが、今後、検討してまいります。

 二点目の、産科医療機関への遠距離通院助成についてですが、妊婦支援を含めた母子保健事業の実施は市町村の役割とされ、国において財政措置が行われているところでございます。県内では、産科医師がいない飛騨市においてのみ、妊婦の通院費に対する助成が行われております。妊婦の通院助成のように、地域の実情によって住民のニーズが大きく異なるものや、住民生活に直結したサービスは、それぞれの市町村の判断により実施されることが適当と考えます。

 次に、女性医師、看護師の有資格者の再就職支援についてでございますが、女性医師については、本年度より出産育児のために離職中の方の再就業を促進するため、県立病院において臨床研修を行うこととしております。看護師については、定年退職者や長期離職者を対象とした再就業のための研修会を開催し、十八年度は受講者六十名のうち二十六名が県内の医療機関等へ就職をいたしました。また全看護師を対象として、無料の職業紹介を行うナースバンク事業によりまして、十八年度に再就業希望者五百六十三名のうち、四百六十七名が再就職をしております。成果があったものと考えております。



○副議長(安田謙三君) 産業労働部長 猿渡要司君。

   〔産業労働部長 猿渡要司君登壇〕



◎産業労働部長(猿渡要司君) 雇用体制と就業支援についてお尋ねがございました。順次お答えをいたします。

 まず、正社員の雇用確保についてお答えをいたします。

 正規雇用の拡大は、労働雇用施策の大変重要な課題であると認識をしております。平成十七年国勢調査によりますと、県内の常用雇用者は約七十万人、臨時雇用者は約十二万五千人で、平成十二年に比べ常用雇用者は二・六%減少し、逆に臨時雇用者は二一・四%増加しております。しかし、一方で、民間調査会社が実施した全国調査によりますと、今年度に正社員採用を増加する見込みと回答した企業の割合は岐阜県が三九%で、全国平均の二五・六%を大きく上回る第一位となるなど、正社員増加の兆しも見られてきております。県では、人材チャレンジセンターにおいて、十八年度までの三年間で一万一千八百五人が就職されました。その五三%の六千三百十一人が正社員として就職されています。また、国際たくみアカデミーでは、十八年度の卒業就職者八十人のうち、家業従事等を除く六十七人が正社員として就職されております。正社員の拡大には企業経営者の理解が必要であることから、今後とも各種セミナー等において、正社員の雇用が企業の継続的な発展、長期的な利益のために重要であることを普及・啓発しながら、正規雇用の拡大を要請してまいります。

 また、新たに進出していただいた企業の雇用形態についてのお尋ねでございますが、県の工業団地へ平成十七年以降に進出し、操業を開始している企業十一社の本年四月時点での状況は、雇用総数が四百六十三人で、そのうち九七%に当たる四百五十人が正社員となっております。

 次に、若人助成、離職者の就業支援について四点お答えをいたします。

 まず、職業訓練等の成果についてですが、若者向け職業訓練では、最新のIT技術、ビジネスマナー等を習得させ、システムエンジニア等を育成する雇用直結型IT人材養成研修を実施し、平成十五年度から現在までに地元IT関連企業へ八十一人が就職し、うち女性は二十四人でございます。また、昨年度から三次元CADの技術習得研修を実施し、地元製造業へ二十五人が就職し、うち女性は十一人となっております。このほか、特に女性向けで手に職を持つ訓練といたしましては、コールセンタースタッフとして必要な電話応対技術等を習得させる研修を実施し、昨年度は地元企業に女性五十九人が就職をしております。また、離職者向けの職業訓練では、医療調剤事務など六コースを実施し、昨年度は六十四人が就職し、うち女性は四十三人でございました。今年度からは新たに、育児が一段落した女性を対象として企業のニーズに対応した研修を実施し、女性の再就職を支援してまいります。

 続きまして、U・Iターン就職の実態でございます。

 県内への就職状況を人口動態統計調査で見ますと、職業上の理由による転入者は、平成十八年一万六千六百四十七人で、直近で最も少ない平成十六年に比べ約一二%増、千七百三十六人の増加となっております。一方、県外への職業上の理由による転出者は、平成十八年一万九千二百十八人で、差し引き二千五百七十一人の転出超過となっております。このため、県といたしましては、U・Iターン就職を一層推進し、若年人材を県内に定着させることが重要であると考えております。県では、現在、Uターン就職支援サイトを運営し、年間二十一万件余のアクセスがございます。また、ラピロス六本木において県内企業経営者による講演会、ワークショップなどを開催し、平成十七年から今月までの間に県出身者等約三百三十人の方々の参加をいただいております。今後は、大都市圏においてアルバイトや派遣社員等として働いている多くの若者をターゲットにしたU・Iターン就職の呼びかけや、県外大学構内における県内企業の就職説明会の開催等について検討してまいります。

 次に、起業化支援の実態についてでございますが、起業化支援につきましては、事業資金の支援とソフト型の支援の両面から施策を展開しております。まず資金面では、県制度融資の中の操業支援資金により、低利・長期の資金調達を支援しております。また、設備を導入される起業者には、設備貸与・資金貸付制度を設けておりますし、新商品・サービスの開発を行い起業される方には、補助金制度を設けております。

 次にソフト型の支援では、エンタープライズ岐阜体制のもと、創業に関する相談・指導や研修セミナーを行っております。平成十四年度以降の窓口相談は七百二十七件、専門家派遣は四十一回を数えております。また、県産業経済振興センターが実施している起業家育成講座は、平成九年からこれまでに百名を超える開業者を送り出しております。このほか、操業者の方にはソフトピアジャパンやテクノプラザのインキュベートルームを安価で御利用いただくことができ、またビジネスサポートも受けることが可能となっております。今後も、こうした施策を推進し、若者の働く場の創出を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、県内就職を可能とするための対策についてでございますが、岐阜県で生まれ育った若者が県外の企業に就職してしまうことは、家族、地域社会、さらには本県の産業経済にとっても大きな損失であり、今後の本県産業の振興を図っていく上で大変懸念される問題でございます。このため、学校段階から県内企業を知ってもらえるよう、産学官が連携してインターンシップの推進に取り組み、十八年度には四百二十人の学生が県内企業の実地による就業体験を行いました。また、県外に進学している若者などを対象とした合同企業説明会を開催し、十八年度は参加者千二百二十九人の約二割に当たる二百五十七人が県内企業に就職いたしました。今後は、県内企業の魅力発信事業を充実し、すぐれた技術を有し、世界的に活躍している企業など、魅力ある企業が県内にも多数あることを若者に対して的確に伝えるとともに、インターンシップに取り組む県内企業と会員大学の拡充を進め、若者が地元企業に就職し、定着していただけるよう施策の展開を図ってまいります。



○副議長(安田謙三君) 農政部長 山内清久君。

   〔農政部長 山内清久君登壇〕



◎農政部長(山内清久君) 農業問題につきまして、五点のお尋ねがありました。順次お答えをさせていただきます。

 最初に、耕作放棄地の実態についてお答えをいたします。

 県内の耕作放棄地は、一昨年実施されました農業センサスによりますと、五千五百二十八ヘクタールとなっております。全耕地面積に占める放棄地の割合は一二%と、全国平均一〇%に比べやや高い状態にありますが、その順位は高い方から三十番目となっております。地域別に見ますと、中山間地域が全体の三分の二を占めており、耕作放棄地の割合は一六%と、平たん地域の七%を大きく上回っております。農家類型別に見ますと、自給的農家と土地持ち非農家で耕作放棄地の約七割を占めております。発生原因といたしましては、農業者の高齢化、担い手不足が最も大きく、平たん地域では土地持ち非農家の増加、中山間地域では不利な営農条件や、鳥獣被害の拡大も要因の一つと考えております。

 次に、普及指導員の減員とその影響についてお答えをいたします。

 普及指導員につきましては、平成十七年四月一日から農業改良助長法が改正され、県の役割は、農業者の高度で多様なニーズに対応し、迅速かつ機動的で的確な普及指導を行うこととされ、従来に比べ、より一層重点的かつ高度で効率的な活動をすることとし、これまで県が担ってきた基礎的な営農指導は、農協等の営農指導員が行うこととしております。現在、農協営農指導員への資質向上を支援しつつ、段階的に役割分担の移譲を図っているところでございます。しかしながら、普及指導員は現に農業者と直接接しながら、県の農業施策を推進する現場の専門的職員として本県の農業・農村振興にとって必要不可欠でありますので、段階的な減員に伴う影響につきましては、市町村や農協等との連携を密にしつつ、極力農業者に対する影響が生じないよう最善を尽くしてまいります。

 次に、新規就農者育成のための研修の効果についてお答えをいたします。

 就農支援研修として、まず農業に興味のある方を対象に、農業の基礎を座学で学ぶ農業やる気発掘夜間ゼミを実施し、平成十四年度から五年間で百七十七名の方が受講をいただいております。次に、農業大学校で四カ月間、座学と実技で研修する農業で夢再発見研修では、平成十六年から三年間で五十二名が受講をし、そのうち十八名の方が就農されております。さらに、昨年度新たに開設し、指導農業士等のもとで一年間農業技術・経営を学ぶあすなろ農業塾では、受講生の四名全員が就農されるなど、成果が得られております。なお、今年度のあすなろ農業塾では募集枠を倍増し、現在八名の方が受講をされております。また、今年度は新たに団塊世代の定年退職者等を対象とした研修帰農塾を、県下の六農協八カ所で実施し、現在百七名の方が受講されるなど、好評を得ているところでございます。今後も、就農希望者のニーズに応じた研修体制の充実・強化を図り、新規就農者の積極的な確保に努めてまいります。

 次に、研修生の宿泊施設及び新規就農時の農地の確保に向けたバックアップ体制についてお答えをします。

 議員御指摘のとおり、研修中の宿泊場所や就農時の農地の確保は大きな課題であると認識しております。特に農地の確保を当事者間のみで調整することは容易ではありません。このため、あすなろ農業塾では、研修開始前に県の関係機関、塾長である農業者、市町村、農業委員会、JAを構成員とするあすなろ農業塾運営検討会において、技術支援はもとより、研修中の宿泊場所や就農時の農地・住居の確保についても一元的に支援をしているところであります。今後は、県内外の就農希望者の積極的な受け入れの実現に向け、農地や住居の確保等の就農環境整備を関係者が一体となって支援する体制を県下各地域に構築をしてまいります。特に研修生の宿泊施設については、空き家の有効利用などにより確保をしてまいります。

 最後に、本県農業の将来像についてお答えをします。

 過疎化、高齢化、担い手不足などにより、本県の農業就業人口は、あるいは産出額が減少するなど厳しい状況にありますが、農業は人間生活に必要な食糧を生産するとともに、県民へ良好な生活環境を提供する重要な産業であります。県では、県民の食と県土の環境を支える元気な農業・農村づくりを目指して、昨年十二月に「ぎふ農業・農村振興ビジョン」を策定し、平成二十七年には県内各地で経営感覚にすぐれた農業経営体が育ち、産業として成り立つ農業が振興されているという将来像を描いております。県としましては、このビジョンの実現に向けて、国の施策を積極的に採用しつつ、消費者の視点に立った農政の展開、担い手確保に力点、県民協働による農業・農村振興の三つの視点に立ち、各施策の推進に努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 教育長 松川禮子君。

   〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 外国人児童・生徒の教育の充実についてお答えいたします。

 県内の公立小・中学校に在籍する外国人児童・生徒は年々増加しており、本年六月現在千六百二十九名を数えております。外国籍の子供が特に多い市、例えば議員御紹介の可児市が現在最も多いわけですが、可児市では、外国人登録後、直ちに就学手続をとるようにしたり、プレスクールで日常生活に必要な言葉や習慣を学んだ後、市内の学校に編入したりするといった仕組みを整えております。県では、外国人児童・生徒の円滑な学校生活を支援するため、特別に教員や非常勤講師、適応指導員を配置してまいりました。また、教員研修講座を開設し、指導力の向上を図っております。さらに、外国人が多数居住する六つの市と連絡協議会を設置し、受け入れ体制や指導のノウハウを交流したり、手引や教材を作成して、県内すべての小・中学校へ配布するなど、学校での指導に役立てております。

 今後、外国人児童・生徒の教育を一層充実させていくために、市町村や関係機関との連携を密にするとともに、他県も含めて先進的な取り組みや効果的な事例を他の市町村や学校に普及させていくよう努めてまいります。



○副議長(安田謙三君) 警察本部長 井口 斉君。

   〔警察本部長 井口 斉君登壇〕



◎警察本部長(井口斉君) 外国免許の切りかえと交通安全教育についてお答えいたします。

 まず、外国免許切りかえにつきましては、平成十八年中、外国の運転免許証から日本の運転免許証に切りかえた方々、これは千八百二十六名、前年に比べまして三百七十二名増加しております。このうち、最も多いのがブラジルの免許証からの切りかえでございまして、全体の約七割を占めております。この場合の切りかえ手続ですけれども、既に外国の運転免許証を取得されておりますので、適性試験のほかに、運転知識の確認、運転実技の確認を行いまして、これらに支障がなければ日本の運転免許証が交付されることになります。

 次に、外国人に対する交通安全教育であります。

 まず、免許証を交付する時点におきまして、道路標識の意味、車両の通行方法、点数制度等々を教授しております。また、警察署におきましては、外国人を雇用している企業と連携しまして、ポルトガル語や中国語等六カ国語で作成しましたテキストを活用しまして交通安全教室を開催しており、運転者はもとより、歩行者、自転車利用者外国人に対する安全教育にも努めております。

 次に、岐阜県における外国人犯罪の実態と警察の対応についてでございます。

 県下の来日外国人犯罪、これは平成十八年中の検挙件数で言いますと千百二十四件、検挙人員で言いますと三百十一名でございまして、これは前年と比べるとそれぞれ若干減少でございまして、件数で二二%、人員で六%の減少であります。しかしながら、これを十年前の平成八年と比べますと、件数では約三倍、人員では約四倍となっておりまして、まだまだ高水準で推移していると考えております。また、検挙人員を国別で見ますと、中国人とブラジル人、これで全体の約六割を占めております。罪状別に見ますと、窃盗が約五割、入管法違反が約二割でございます。

 以上のような情勢を踏まえまして、県警察では来日外国人組織犯罪の実態解明と通訳体制の確保に努めながら、今後とも国際犯罪捜査力の向上を図ってまいります。



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○副議長(安田謙三君) しばらく休憩いたします。



△午後三時二十九分休憩



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△午後三時四十九分再開



○議長(中村慈君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(中村慈君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十九番 平野恭弘君。

   〔三十九番 平野恭弘君登壇〕(拍手)



◆三十九番(平野恭弘君) 発言のお許しを得ましたので、通告に従い質問をさせていただきたいと思います。

 今度五期目なんですが、大変厳しい選挙でございましたが、後援者の皆様方の温かい御支援を得まして通ることができました。その際、私はマニフェストとして、公約として、この一年間は後期高齢者医療についてしっかりとやらせていただきたい、そういう思いでこの一年、一生懸命やりたいと思います。そのために、厚生環境委員会にも属させていただきますし、今後、毎回同じ問題で質問させていただきたいと思っております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 私ども日本の社会保障制度は、昭和二十五年−一九五〇年の社会保障制度審議会勧告によって初めて体系づけられており、憲法二十五条の理念と、その後の経済発展を背景に制度の整備と充実が図られてきました。所得水準の向上と国民生活の安定を要因として、我が国は世界の中でも最も豊かな国の一つとなり、また最長寿国となりましたが、一方で人口構造の高齢化とともに少子化が問題を生みました。そして、国民連帯による負担と給付の公平、さらに高齢者の自立支援を理念として平成十二年に介護保険が創設されました。七十五歳以上の高齢者を対象に、来年四月から後期高齢者医療がスタートします。私は、この任期中に後期高齢者医療の御厄介にもならなければなりません。

 資料一をごらんいただきたいと思います。

 平成十八年六月の法改正によりまして、後期高齢者医療広域連合の設立準備が開始され、本年四月一日までに後期高齢者広域連合が各都道府県ごとに一つずつ設立されました。岐阜県は細江岐阜市長さんが広域連合の会長となられ、設立しております。今年夏から秋にかけて、平成二十年度の診療報酬改定の基本方針と並行して、後期高齢者診療報酬体系の骨格がまとめられます。私は、後期高齢者医療がうば捨て山医療になってはならないと思っています。

 その理由として、資料二をごらんいただきたいと思います。

 高齢者の心身の特性として、疾病全体で見ますと、外来通院は壮年期から加齢に伴い増加いたしますが、入院受療率は後期高齢期になって増加する傾向にあります。疾病の中でも、生活習慣病のうち高血圧性疾患、虚血性心疾患、脳梗塞については、こうした傾向が顕著にあらわれています。また、生活習慣病のうち血管性及び詳細不明の認知症やアルツハイマー病は、外来・入院とも後期高齢者になって特に顕著に増加する傾向がございます。年齢階級別の受療率・外来は七十五歳がピークでございます。年齢階級別の受療率・入院は、七十五歳を境に急激に増加いたします。

 資料三をごらんいただきたいと思います。

 七十五歳以上の人口推移を見ますと、年々ふえ続け、二〇二五年から二〇五〇年までの二十五年間、二千万人以上の状態が続きます。しかし、この間、日本の人口というのはどんどんどんどん減り続けることになります。

 一方、医療の現場では、平成二十四年から療養型病床群の介護型十二万床、十五万床とも言われておりますが、なくなります。先ほど述べましたように、高齢になるほど有病率は高くなります。高齢者の行く末はどうなるか、問題でございます。

 私は、介護保険が発足する前年に、第一回目の介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの試験を受け、資格を取得しました。四十五問で九割以上の正解率が必要でございました。この専門員のテキストはいろいろありますが、後期高齢者医療についてはこういった資料は全くございません。情報を得るにはいろんなところからお願いしてもらっているのが現状でございます。今、そんな現状から、今後どういうような保険になるかが大変心配でございます。そして、七十五歳以上を別の医療保険にするということは、私は憲法第二十五条の理念に反するものではないかと思っております。

 ちなみに、憲法第二十五条を紹介しますと、国の生存権保障義務が課せられておって、一、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。二つ目に、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。今、施設介護の現場では、例えば特別養護老人ホームとか老健に入所するために必要なお金は、国民年金ではもう入所できません。厚生年金でやっとという状態であります。お金がなければ施設に入所ということは不可能な状態になっています。いわゆる社会保障の質の低下といったものが年々進んでいるような感じを受けます。

 私は、コムスンを弁護するつもりはございませんが、従業員の数を偽って申請したコムスンの不正の背景には、介護労働をめぐる深刻な状況があります。昨年四月の介護報酬改正で、介護業界の収益の悪化に伴い、介護職員の年収は二百万円を下回るのが現状です。こんな状態で、子供などを産んで育てる余裕なんかはないという悲鳴さえ聞こえてきます。そして、今、介護の現場では、人手の確保に四苦八苦しているのが現状でございます。現実に、介護の現場で働く介護職員の離職率は三二%にも達しています。介護に夢を持ちながら燃え尽き、働きがいを失い去っていく人が後を絶ちません。

 資料四をごらんいただきたいと思います。

 これは、医療保険の窓口負担は子供で二歳まで二割でありましたが、今度、小学校就学前まで拡大されました。しかし、新たに七十歳から七十四歳で負担の増となり、乳幼児医療の拡大に伴うコストが高齢者に振りかえられたと言っても過言ではございません。後期高齢者医療では、平成二十年四月から保険料は年金から天引きとなります。

 資料五をごらんいただきたいと思います。

 後期高齢者医療の特徴といたしまして、まず下の方に書いておきましたが、一番目に七十五歳以上の高齢者を国保や被用者保険から切り離して、独自に医療制度を創設したことでございます。つまり、来年四月から七十五歳以上の高齢者を対象にスタートする後期高齢者医療制度は、これまでの国民健康保険や被用者保険に加入しながら老人保健制度により医療に関する給付のみを受けていたのとは異なって、国民健康保険や被用者保険と同じく独立した医療制度として運営されるものであります。運営主体は、各都道府県ごとに一つ設立される広域連合によるものとされております。

 それから、世代間の負担を明確化するために、二番目として、七十五歳以上の高齢者から保険料を徴収することになります。後期高齢者医療制度の創設は、高齢者の特性等にふさわしい医療の提供を図ることを目的とするとともに、これまで高齢者医療に対する高齢者と若年者の負担割合が不明確であったものを明確にし、よりわかりやすい制度にすることにより、それぞれの納得、理解を得ながら負担をすることが必要でございます。

 三番目として、現役世代から後期高齢者支援金分として、各医療保険において保険料を徴収することになります。医療費の財源は、約一割をこの制度に加入している被保険者の保険料によるほか、約半分をこれまでの老人保健制度と同じように国・県・市町村の負担金により、それから約四割を各医療保険からの支援金、つまり若年者層の負担によることにされております。これまで、老人保健制度の対象者である七十五歳以上の高齢者につきましては、被用者保険の被扶養者を除き、各医療保険制度において保険料を負担しておりました。しかし、被用者保険における被扶養者については保険料の負担をしておらず、軽減措置が講ぜられると聞いているものの、今回の制度によりまして新たに保険料負担が発生することになります。また、財政運営につきましては二年単位でなされることになっており、今後、保険料の見直しに伴う後期高齢者及び若年者層、両者の負担増が避けられません。

 また、財政運営の安定化のために、四番目として、都道府県単位で全市町村が加入している広域連合で運営することとなっております。しかし、被用者保険の被扶養者における新たな負担の発生などを含め、その内容が県民の間に十分浸透していないように感じられます。新聞の資料でございますが、この二つに割った資料をごらんいただきたいと思います。最近の新聞報道を見てみますと、市区町村が運営する国民健康保険の加入者が一年間に支払う一人当たりの平均保険料は、二〇〇五年度は北海道羅臼町が十一万八千二百七十三円と最も高く、最も低い沖縄県栗国村では二万四千七百三十六円の四・八倍だったことが、先月二十六日、国民健康保険中央会などの調査でわかりました。

 市区町村が定める保険料の一部は所得に応じて算出されます。保険料が高い自治体では、二番目の北海道猿払村では比較的高所得の世帯が多いことが原因でしたが、ほかではまちまちの傾向が見られました。安い自治体では年金暮らしの高齢者が多く、住民の所得が低いことなどが主な原因でございました。

 ただ、年収が同じでも格差は見られます。国保について、西村周三京都大学大学院の教授が指摘する意見があります。それは、保険料算定方法が複雑でわかりにくく、所得が同じならばどこでも同じにすべきだ、そういうことを言われており、制度の見直しが求められそうでございます。

 後期高齢者医療でも、地域格差が生じる可能性を十分秘めています。国保中央会などの調査とは別に、共同通信社の調査によりますと、年収二百万円のフリーターでアパートでひとり暮らしの二十五歳の独身男性のケースについて、最近の保険料を尋ねたところ、羅臼町では十八万四千円なのに対し、山梨県丹波山村では六万六千四百円と二・八倍の開きがありました。全市区町村に尋ねていませんので、保険料がこれで最低とは言えませんけれども、このように保険料の格差があり、さらに広がるものと思われます。現在、保険料はそれぞれの国保の財政に見合って定められていますが、加入者の所得が低い国保には、国や都道府県から投入される公費が多く配分されるなどいろいろな要素が絡み合って、それがこうした格差を生じさせていると言わざるを得ません。一人当たりの国民健康保険料が高い自治体として、県内では本巣郡北方町、羽島郡岐南町が七位、八位に名を連ねています。北方町の担当者は、その背景について、町の周辺に大小の医療施設が整い、町単独の乳幼児医療費や母子家庭の子供の医療費の助成制度などがあり、町民が気軽に病院にかかれる環境があると説明されております。さらに、人口の移動が頻繁で国民健康保険料の未納者もおり、近年、医療費もそのために伸びており、そうした中で一人当たりの国民健康保険料の高目となる傾向があるのではないかと言われております。

 さて、中日新聞の五月三十日付の新聞を見ますと、十九都道府県で人口が二割以上減っているのに、反対に人口が東京に集中していると予想されております。というのは、二〇〇五年の九・八%から二〇三五年には一一・五%に上昇し、東京へ一極集中が進み、地域格差が一層広がるであろうとされております。先ほども先生方がおっしゃったように、せっかく地方で子供を育てがてら遠くへどーんと行ってまわられるような傾向があります。そういった中、若者が東京へ行き、そして子供の割合も、東京では非常に子供の数が少なくて、また老人も少ない。働き手が多いということは、変な話になりますけれども、東京は財政が豊かではないかなとつくづく思いますし、東京都知事が選挙の公約としてオリンピックを持ってくるなんて言われましたけれども、あれは財政が豊かで、オリンピックなんかを持ってきたら財政が大変じゃないかなと思っておったところ、考えてみますと、やっぱり東京都は働き手がどーんとふえているもんですから、そのために気楽と言っちゃあ気楽な選挙公約を出されたんじゃないかなと思っております。古田知事はそんな公約は出されないんじゃないかなとつくづく思っております。

 変な話になりますけれども、例えば私は子供がおりますけれども、子供を家へ帰そうと思いますと、えさをつけてつらんとなかなか帰ってこんということで、今度は循環器をやっている子供には、器械を入れてほしいと言うで入れんならんし、あまり愚痴はここで言う場ではございませんけれども、やっぱり東京一極集中は、真剣な話、後期高齢者医療でも、こういった人口の地域格差がまともに来るんじゃないかなと思っております。東京では、こういった問題は大きくないんじゃないかなと思っております。

 また、それ以外にも、後期高齢者医療においての問題点は、外来の定額制の問題、そして開業医の総合科新設といった問題も別途取りざたされております。厚生労働省の目的は、最終的にはイギリスの家庭医制度を目指しているんじゃないかなと思います。今、なぜ総合料を新しくつくることが必要なのか、私自身は疑問に思います。

 今、開業をしている多くの皆様方は、住民の家族状況とか病歴なんかを把握して、生活習慣病や精神面を含めて患者さんが訴える病状を診断することができ、何の不自由もございません。総合科の新設は、患者さんを見て振り分ける医療機関に紹介するというゲートキーパー、いわゆる門番役にならざるを得んという危険性があります。初期診療を総合科医に限定してしまったら、患者さんは自由に医療機関を選択する権利を阻害されることになりかねません。また、現段階で総合科医を育成し、認定する仕組みというのが全くなくて、地域で診察されている開業医が総合科を標榜するわけではございません。厚生労働省は、総合科について医師が自由に看板を掲げることは認めない方針でございます。今の医学教育の現場を見ますと、専門教育に偏っていることは事実です。そのため、全科目を研修するという目的で研修医制度ができました。そして、地域の医師不足を招きました。研修医制度で総合科をやろうとするならば、総合科といったものが教育のできる大学病院なんかで研修を受けさせるのが本来の姿ではないかと思います。いっそのこと研修医制度をやめたら医師不足はなくなるんじゃないかと思っております。

 後期高齢者医療でのもう一つの外来定額制の問題は、その弊害として混合診療につながるおそれがあると思います。例えば風邪で受診した場合、定額制でありますと解熱剤だけの投与となります。肺炎になるなというような重症な症例には、抗生物質なんかは自費となるおそれがあります。

 いろいろ問題点を指摘させていただきましたが、要するに今までの医療保険、医療保険には国民健康保険と政府管掌保険、組合保険、いろいろありますけれども、大きく分けて三つの保険です。この三つの保険は、どこでも、例えば東京で盲腸にかかろうが、岐阜でかかろうが、公平に医療を受けることができます。しかし、後期高齢者医療は広域連合となって、どこでも受けられますが、個人の負担面での公平性を欠くことになります。

 来年四月に始まる後期高齢者医療についての諸問題をいろいろ言わせていただきましたが、今後九月議会、十二月議会、三月議会、シリーズで質問をしたいと思っております。

 後期高齢者医療について、被用者保険の被扶養者における新たな負担の発生などを含め、いろいろ問題点があると思いますが、その内容が国民・県民の間に十分浸透していないと思います。そこで、後期高齢者医療制度について、今回は県民に対してどのように周知・啓発を図ろうとされるのか、不利な点も含めて健康福祉部長にお伺いしたいと思います。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(中村慈君) 健康福祉部長 上手繁雄君。

   〔健康福祉部長 上手繁雄君登壇〕



◎健康福祉部長(上手繁雄君) 後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の高齢者の方を対象として来年四月に新しく創設される医療制度であり、県としましても、制度の円滑な導入のために十分な周知・啓発が必要であると認識しているところでございます。制度の周知・啓発につきましては、運営主体であります岐阜県後期高齢者医療広域連合において取り組みがなされておりまして、来年四月の制度施行までの間に、ポスターの作成やパンフレットの配布、市町村広報紙への掲載などのほか、老人クラブの会報への掲載など、きめ細かに広報を実施する予定であると伺っております。県としましても、既に制度の概要について県のホームページに掲載をしているところでございますが、今後とも県の広報媒体を活用いたしまして周知・啓発に努めてまいりたいと考えております。



○議長(中村慈君) これをもって、一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。



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○議長(中村慈君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(中村慈君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

 なお、審査は七月三日までに終了し、議長に報告願います。





△平成十九年第三回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表





委員会名
付託案件


総務委員会
◯ 議第七十七号のうち歳入予算補正
◯ 議第七十九号から議第八十三号まで
◯ 請願第三号


企画経済委員会
◯ 議第七十七号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係
◯ 議第八十四号


厚生環境委員会
◯ 議第七十八号
◯ 議第九十号
◯ 議第九十三号及び議第九十四号
◯ 請願第一号
◯ 請願第四号


土木委員会
◯ 議第七十七号のうち歳出予算補正中土木委員会関係
◯ 議第八十五号
◯ 議第八十八号
◯ 議第九十一号及び議第九十二号
◯ 議第九十五号
◯ 請願第二号


教育警察委員会
◯ 議第八十六号及び議第八十七号
◯ 議第八十九号





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○議長(中村慈君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から七月三日までの四日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(中村慈君) 御異議なしと認めます。よって、明日から七月三日までの四日間、休会とすることに決定いたしました。



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○議長(中村慈君) 以上をもって本日の日程はすべて終了しました。

 七月四日は午前十時までに御参集願います。

 七月四日の日程は追って配布します。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時二十一分散会



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