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長野県 茅野市

平成26年  6月 定例会 06月13日−04号




平成26年  6月 定例会 − 06月13日−04号









平成26年  6月 定例会



              平成26年6月

            伊那市議会定例会会議録

               (5−4)

1.開会  平成26年6月13日(金曜日)午前9時30分

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2.出席議員の氏名(21名)

          1番     白鳥敏明

          2番     野口輝雄

          3番     丸山敞一郎

          4番     八木択真

          5番     唐澤千明

          6番     唐澤 稔

          7番     橋爪重利

          8番     宮島良夫

          9番     竹中則子

         10番     中山彰博

         11番     平岩國幸

         12番     飯島 進

         13番     若林敏明

         14番     飯島光豊

         15番     黒河内 浩

         16番     柴 満喜夫

         17番     前澤啓子

         18番     前田久子

         19番     柳川広美

         20番     飯島尚幸

         21番     伊藤泰雄

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  欠席議員の氏名

                 なし

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3.説明のため出席した者の職氏名

       市長          白鳥 孝

       副市長         酒井 茂

       教育長         北原秀樹

       教育委員長       松田泰俊

       総務部長        篠田貞行

       市民生活部長      御子柴泰人

       保健福祉部長      城取 誠

       農林部長        富山裕一

       商工観光部長      原 武志

       建設部長        山崎大行

       水道部長        小牧良一

       教育次長        原 秀夫

       会計管理者       木下博司

       高遠町総合支所長    広瀬源司

       長谷総合支所長     池上直彦

       総務部参事       田中 章

       総務課長        小松由和

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4.職務のため出席した事務局職員

       事務局長        池上 忍

       次長          西村貢一

       庶務係長        松澤美保

       主査          山下 隆

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5.議事日程

   日程第1 会議録署名議員の指名について

   日程第2 一般行政に対する質問について

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△開議 午前9時30分



○議長(伊藤泰雄君) おはようございます。

 これより本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お配りしてあります議事日程表によって議事を進めてまいります。

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△会議録署名議員の指名について

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○議長(伊藤泰雄君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員は、17番、前澤啓子議員、18番、前田久子議員を指名いたします。

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△一般行政に対する質問について

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○議長(伊藤泰雄君) 日程第2、昨日に引き続き、一般行政に対する質問を継続いたします。

 野口輝雄議員の質問に入ります。

 2番、野口輝雄議員。

     (2番 野口輝雄君登壇)



◆2番(野口輝雄君) 2番議員の野口輝雄でございます。新人ではございますが、約40年間の教育現場の経験を生かして、伊那市の教育行政のさらなる発展のために尽くしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 さて、昨今の教育にかかわる種々の問題は教育現場に多くの疑問を投げかけております。ゆとり教育を全面的に出していた教育課程は、今回の改定によって大幅にゆとりがなくなり、その分、知識重視の色が濃くなってきていると感じているのは私だけではないと思っております。

 確かに現日本の教育制度のもとにおいては、高校入試や大学入試において知識は必要であります。しかし、子供はただの知識の詰め込みだけでは、決して社会に役立つ人間は育たないのではないかと思います。子供はいろいろな場面で自分の手や体など五感を通して学習し、いろいろな体験や失敗を繰り返し、工夫して、努力して初めて生きた、そして生きる力が身につくと思うのです。教育とは、まさにきょうという日を力強く生きる力を育てるということ、それが今日育であると私は教えていただきました。

 私はその今日育を伊那市のすばらしい自然の活用を通して育んでいきたいと考えております。自然を活用した教育の提案でございます。自然は学校であり、教師であります。このすばらしい伊那市の自然を活用して五感を通した体験をさせることで、きょうを生き抜く賢くたくましい子供たちを育てることができると考えております。そのためには、まず子供たちに伊那市の自然のすばらしさを知らせることが大切であると思います。私はそれを伊那市の自然に学ぶ活動と名づけて推進していきたいと考えています。

 市長の2期目の所信表明の中に、「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」とあります。これは伊那市に魅力があるからこそできることであります。市長はこの魅力の発信源を2期目の重点課題として多方面から実現しようと努力されています。私は伊那市のすばらしい自然の活用という観点から実現しようと思っております。子供たちが伊那市のすばらしい自然を知ること、それが必ずや「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」につながると考えるのです。そしてそれは、ふるさとの自然を愛し、ふるさとを大切にする心を育て、ひいては伊那の将来を支える人材の育成につながるものと信じております。

 以上のような観点から、三つの提案と質問をいたします。

 最初に、行政サイドからの「自然に学ぶ活動」の推進についての提案でございます。

 環境省は、これまで毎年行ってきました全国継続スターウォッチングという事業を、昨年度、処理システムの変更に伴い、突然中止をしてしまいました。この活動は、全国各地でどのぐらいまで暗い星が見えるか市民の手で測定して、その町の空の環境を確認する大変重要な活動でありました。伊那市も毎年この活動を生活環境課の所管で行ってきたのですが、環境省の中止に伴い、昨年は伊那市でも中止をしてしまいました。

 今年度も環境省では実施をいたしません。しかし、伊那市では独自に実施するという連絡をいただきました。私が代表する天文ボランティアでは、全面的に協力するお約束をいたしました。環境省はやらなくても伊那市は独自にやるぞという意気込みが大変すばらしいことでございます。伊那市の空の環境は伊那市の市民の目で、子供たちの目で調べるということであります。まさに生活環境課の御英断でございます。こういうことが子供たちの五感を通した体験につながり、伊那市の魅力を知る一つの方法となると思います。そして、それはさらに、市長が言われた「ここに暮らし続ける」につながることと考えております。

 そこで提案でございます。伊那市の自然のすばらしさは空だけではありません。市長の大好きな山も川も里もあります。それら野山、里山や、せせらぎなどのフィールドを使った市民、子供たち参加型の自然に学ぶ活動を積極的に市で企画をしていただき、伊那市の自然のすばらしさ、伊那市の魅力をもっともっと知らせてほしいと思うのです。市長のお考えをお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 環境省が小中学生を対象に行ってまいりました全国星空観察ウォッチング、これが昨年から休止というふうになりまして、伊那市も昨年度は授業をやめたわけでありますが、しかしながら、今後も星空観察を通じて環境問題、あるいは大気の保全に関心を持ってほしいというふうに考えまして、今年度より伊那市独自で取り組むことにいたしました。

 過去平成24年までの実績というのは、約60人が参加をしているわけでありますが、こうしたことは、自然、星を通じて、やはり自分たちの暮らしている地域を学ぶということが重要でありますので、今年度からの実施ということになったわけであります。

 また、市民参加型の自然に学ぶという、そうした活動としまして、ますみヶ丘の平地林を活用した昆虫観察会、あるいは間伐体験の教室を開催したりして、この地域だけでも延べ180名の参加が得られております。さらに、新山地区でありますが、地元の保護育成会が中心となってトンボの楽園というものを整備をしてきております。環境調査のための主要昆虫でありますハッチョウトンボを中心に保護活動を行っており、当初二十数種類だったトンボの数が、現在では44種類ということまで確認をされております。また、毎年観察会を開催し、500人以上の来場者があり、さらには新山小学校、また保育園、そして子供たちもここで学んでいるわけであります。

 さらに、伊那市内の各地域でも自然に関するさまざまな活動が行われております。私も参加をし、また野口議員も参加をして、講師をしております冬の自然観察会、これは西箕輪の公民館が中心となってやっておるわけでありますが、ことしで14年目ということで、大変長い活動が続いておるわけであります。冬の厳しい寒さの中で里山を歩いたり、また野鳥観察をしたり、たき火をしたりということで、本当に子供たちがふだん経験することができない自然の中での体験というのを続けているわけであります。

 今後につきましても、伊那市ではこれらの事業を継続していくということは当然でありますが、伊那市の自然を活用した、生かした体験学習の場というものをより多くの子供たちへ提供できるように推進していくということ、さらに、大人の皆さんにもこの伊那の自然の豊かさ、すばらしさというものを伝えていかなければいけないというふうに考えております。おっしゃるとおり、まさに自然は興味の源泉でありますので、そうした大切な自然を、また身近な自然を十分に活用しながら、子供たちの教育の中に真に生きる力というものを育むために活用してまいりたいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 野口議員。



◆2番(野口輝雄君) ただいま市長から心強い答弁をいただきまして、安心いたしました。さらにさらに新しい体験の場をつくっていただければと思います。

 続いて、二つ目でございます。小学校ジオ・エコツアーのさらなる充実についての提案でございます。

 伊那市のすばらしい自然環境の代表的なものは、昨日エコパークにも認定されました南アルプスジオパーク、エコパークであります。中央構造線に代表する大地の働き、大地の動きをつぶさに、そして本物を見ることができるすばらしいフィールドであります。本年9月には日本ジオパーク全国大会が伊那市を中心に開かれます。まさに、全国的というよりも、世界的に見てもすばらしい自然環境がここ伊那市にあるのです。

 この地図をごらんください。もう皆さん、いつもロビーにあるので見ていると思うんですけれども、中央構造線の走っている西側にたくさんの町があります。例えば飯島町、それから飯田市。これらの町は中央構造線まで行くのにかなり広い山地の部分がありますが、伊那市は平野でつながっております。しかも交通網は整備されております。こんなすばらしい立地条件に世界的な遺産があるわけです。

 この市の世界自然遺産登録推進室では、一昨年から小学校の子供たちを対象に小学校ジオ・エコツアーを実施しております。このすばらしい自然財産の活用を図っております。見学バスは伊那市がチャーターしてくれます。費用はかかりません。研修を積んだジオパークガイドが案内をしてくれます。5月から11月までの間の各学校の都合で参加ができます。

 これだけ各小学校で参加するための好条件がそろっているのですが、参加校が少ないのが現状です。1年目は4校、昨年は2校と聞いております。しかも、高遠、長谷地区の地元か、もしくは小規模校の学校であります。伊那市全体の児童の数で申し上げますと、ほんの少しの子供たちだけしか経験していないということになります。本年9月に日本ジオパーク全国大会が開かれる伊那市の多くの子供たちは、まだジオパークのすばらしさを知らないし、本物を見ていないということになってしまいます。もっと多くの伊那の子供たちにジオパークのすばらしさ、そしてそれを自分の目で見て、自分の目で確かめてほしいと思うのです。本物の大地の動きがすぐそこで見られるんです。

 そこで、学校現場で経験したことをもとに、なぜなかなか参加できないかという理由と、解決方法を幾つか考えてみました。

 一つ目は、時期的、時間的な問題です。1日を費やす見学の計画には、新学期になってから、新しく担任がかわってから計画するには無理があります。単級の小規模校ならば1人の担任で判断できるので比較的可能ですけれども、学級が複数になれば複数の担任のコンセンサスが必要となります。また、いつどこの学級が参加するかという日にちの計画がかかわってきます。これにはまた、ほかの専科の時間との兼ね合いが出てきます。結果的に、そう簡単には計画できません。さらに、どの教科の時間を使って見学に行くのかということも問題になってきます。理科的な要素が強いので理科の時間を使ってと考えますが、理科の教科として1日6時間の時間を費やすことは、他の教科の関係もあり、現場ではかなり無理があります。

 そこで、このジオ・エコツアーを学年、あるいは学級の行事として事前に位置づけておくということが大事ではないかと思っております。これは、例えば6年生になったらジオパークの見学に行くんだということ。現在、臨海学習や修学旅行もこのような形で行われておりますが、そのようなことを前年度までに決めておくということがとても大事ではないかなと思っております。こうすることによって、学年が上がっても、学級担任がかわっても実施できるのではないかと思うのです。

 また、時間的な配慮としては、見学時間が1日ではなくて、分割してコースを組み立てる必要があるかと思います。見学範囲を狭めたり、2回のコースとして組み立てたり、半日のコースということも考えられるのではないかと思っております。こんな形で時期的、時間的な問題は解決できるのではないかという一つの方策であります。

 二つ目は、先生方によりジオパークのすばらしさを知っていただく必要があるかと思っております。そこで、先生方に南アルプスのジオパーク、エコパークのすばらしさを知る機会をぜひ与えていただきたいと思うのです。先生方は、機会があれば、時間があれば、もっと学びたい、もっと研修したいという熱意を常に持っております。研修会や見学会の機会をとっていただければ、必ず参加していただけると確信しております。これによってジオパークのすばらしさを知り、先生方のほうからジオ・エコパークツアーで子供たちをぜひ学ばせたいという熱意を持って行動される方がふえてくるのではないかと考えております。このことはまた、北原教育長が所信で語られていた教師の資質の向上につながるものと考えております。

 ただ、教育現場では、子供たちと接しているときには子供たちに専念したいと願っております。時間的に余裕がありません。そこで、学校に子供たちがいない夏休み等を使って計画することがよいかと考えています。伊那市の自然に学ぶ活動の一つとして、そして子供たちに伊那市の自然のすばらしさを知ってもらう活動として、ぜひ小学校のジオ・エコツアーのさらなる充実を進めていただきたいと思います。市長のお考え及び市の方針をお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 私もジオについては大変な興味を持って、また現場にも行ったりしているわけでありまして、行けば行くほど興味は尽きない、また新しい疑問が湧いてきて、非常に楽しい上に、また学びの場でもあるというふうにジオについては思っています。こうしたことを子供たちにも、また子供たちを指導する先生方にもより深く知ってもらい、また広く知ってもらいたいという思いは同じであります。

 現状につきましては担当の室長のほうから御説明をさせていただきますが、ことしの6月、つい先日ですけども、ユネスコエコパークの認定がされました。これはジオパークが平成20年に日本のジオパークとして初めて認定をされて、それにまた加えて、新しい視点から世界的な認定がされたという評価が得られたわけであります。

 こうしたジオであり、またユネスコエコパークである南アルプス、これを伊那市内の小学生が体験するということによって、私たちの住んでいる地元、この大地のすばらしい部分、また偉大さというものを改めて認識するわけであります。そうした自然科学の学習の場の提供、それから学習の一助とするために、平成24年度から確かにツアーというのを提案をしておりますけれども、参加がまだまだ少ないというのが現実であります。

 そうした中で、幾つかのコースがあるわけでありますが、こうした中の自由なプランのコースというものもありますので、小学校と打ち合わせをしながら、また中学校でも当然、ジオに対しては授業展開ができるわけでありますので、特に小学校との打ち合わせを中心にしながら、各学校の事情を考慮したプランを提案してまいりたいというふうに思います。

 さらに、先生方の学ぶ機会でありますが、ことし9月のジオパーク全国大会に向けて、ジオ・エコサポーター講座というものを先日、6月11日から開催をしております。月に2回ずつ開催するとともに、お出かけ講座というものも随時申し込みを受けておりますので、学校の先生向けには、御提案いただいたように、夏休み期間中の講座というものも設けてまいりたいと思います。

 南アルプス中央構造線エリアジオパーク協議会、この教育部会では、今年度の事業計画として、授業単元の中にジオパーク、エコパークの要素を取り入れることができるような教育カリキュラムの検討を始めることとしております。ジオパークの精神にあります教育での展開というのも大変強く求められておりますので、こうした観点からも、教育部会を中心にして上伊那教育会、下伊那教育会、あるいは諏訪教育会などの御協力をいただきながら検討をしてまいりたいと思うわけであります。

 このジオについては、飯田市、また大鹿村、伊那市、富士見町という四つの市町村に及んでおりますので、より広い範囲での視野を持ちながら、ジオパークの教育という観点から取り組んでまいりたいというふうに考えます。



○議長(伊藤泰雄君) 田中総務部参事。



◎総務部参事(田中章君) それでは、現状でございますけれども、小学校のジオ・エコツアーにつきましては、4月9日付で全小学校宛に募集要項を送付しております。16日の校長会、24日の教頭会で周知を図ってまいっております。

 応募要領ですけれども、応募コースは三つありまして、A、B、Cコースで、Aコースが南アルプスジオライン、化石資料館、溝口露頭等を見るものであります。Bコースが千代田湖周辺の岩石採集と中央構造線ということで、高遠青少年自然の家等の周辺を見まして学習をしていくというもので、これがA、Bコースの1日プランとなっております。Cコースは自由プランで、市長が申し上げたとおり、このCコースの自由プランでまた学校と話をさせていただきたいと思っております。

 参加実績ですけれども、24年度が4校、94人。25年度が2校、22人でございました。



○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。



◎教育長(北原秀樹君) 御提案ありがとうございました。南アルプスジオパークは、高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性を有する他に例を見ない希有な地質遺産であり、また学びの宝庫でございます。

 御指摘のように、これまで南アルプスジオパークの存在や意義について学校で十分周知し得なかった部分もございました。しかし、ことしは50周年、さらに昨日のエコパーク登録という特別な節目を迎えております。自然への畏敬の念、美への感動、地域への誇りを増すよい機会と考えております。

 教育課程の編成、学校行事計画等は既に年度当初になされておりますが、可能な範囲でのアプローチ、また公民館夏休みおいで塾等への紹介等を図ってまいりたいというふうに思います。この地質遺産を後世にわたり保全するとともに、児童生徒の学習に活用、また教員の資質向上もあわせて提案を参考にさせていただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 野口議員。



◆2番(野口輝雄君) 大変前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございます。ますます参加校がふえることを大変期待しております。ぜひこの世界に誇るすばらしい南アルプスのジオパーク、エコパークを宣伝したいと思います。

 三つ目の質問に入ります。信州型コミュニティスクールの構想にのっとった地域の「自然に学ぶ活動」のための自然観察支援人材バンクの構築についてということの提案でございます。

 県教育委員会が進めています信州型コミュニティスクールの試行がいよいよ始まりました。本年度は伊那市内で3校の指定校が指名され、実践研究をしていると聞いております。信州型コミュニティスクールとは、学校と地域が願いを共有しながら一体となって子供を育てる持続可能な仕組みを持った地域とともにある学校のことであります。この活動が軌道に乗れば、教師の労力の軽減ばかりでなく、教師の異動があっても学校と地域の理念にのっとった継続した教育活動ができる利点があります。

 その組織の中でも特に私が注目しているのは、全体をつかさどるコーディネーターと学校支援ボランティアの存在であります。特に地域住民から成る学校支援ボランティアは、環境整備、キャリア教育、学習支援、安全確保、学校行事等の支援のためにいろんな分野の活用が見込まれております。

 私はこの学校支援ボランティアの活動を地域の自然に学ぶ活動に活用できないかということを検討いたしました。今、伊那市内の学校の周辺に子供たちの自然に学ぶ活動ができる自然環境が整った学校が幾つかあります。例えば、伊那東小学区では4年ほど前から上新田地区の方々が三峰川沿いの河川敷に三峰川自然公園を整備し、野草、昆虫、樹木、そしてせせらぎの生き物等が学べる環境が用意されております。また、伊那北小学区の河岸段丘には、2年余りの期間をかけて地元の方々が上牧里山パークを整備いたしました。過日、私も見学に行ってまいりました。遊歩道に沿って大変すばらしい自然環境が整っておりました。また、このようにきちんと整備をしなくても、周辺には自然の豊かな場所がある学校も伊那市内にはたくさんあります。地域の方々はその自然環境をぜひ教育に役立ててほしいと願っております。

 問題は、その自然環境をどう教育に役立てるかということであります。冒頭にも述べましたが、伊那市の魅力の一つであるすばらしい自然環境をどう子供に伝えるかということであります。学校の先生方だけではとても継続して伝え切れません。そこで、信州型コミュニティスクールの学校支援ボランティアの活躍が期待できると考えております。

 そのためには、現時点から支援ボランティアの募集要項の分野に自然観察支援という欄を明確に記載し、そして募集をしていただき、今から自然観察分野の人材バンクの構築をする必要があるのではないでしょうか。そのことによって、将来全校で実施されるであろう信州型コミュニティスクールの運営の中で、地域のすばらしい自然を学ぶ活動がスムーズに運営できるものと確信しております。さらに、毎年学校教育課でも募集しております学校ボランティア、その募集項目の中にもぜひ自然観察支援を明記していただき、その人材を構築していただければ、各学校での自然観察人材不足のときに大きなバックアップになるのではないかと考えております。

 以上、信州型コミュニティスクールの学校にかかわっての自然観察支援人材バンクの構築について、教育委員会のお考えをお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。



◎教育長(北原秀樹君) お答えします。

 現在、各学校においては、地域との協働により、学力向上支援ボランティアによる放課後学習支援、読み聞かせボランティアによる読育の推進、安全見守り隊の活動等に取り組んでいるところでございます。市では今年度より地域住民、学習支援ボランティア参加の信州型コミュニティスクールのモデル事業を導入し、モデル校において取り組みを始めたところでございます。

 学習支援ボランティア、学校支援ボランティアの募集項目に自然観察支援の項目を設けること及び人材バンクの構築につきましては、各学校の実情、要望を踏まえ、次年度の募集にあわせて検討をしてまいりたいと思います。

 以上でございます。



○議長(伊藤泰雄君) 野口議員。



◆2番(野口輝雄君) 大変建設的な御答弁をいただき、ありがとうございました。安心いたしました。

 終わりに、以上三つの伊那市のすばらしい自然を活用した教育の提案をさせていただきました。この伊那市のすばらしさを多くの子供たちに知らせることができ、ふるさとの自然を愛し、ふるさとを大切に思う心を育てることができるばかりでなく、きょうを力強く、賢く生き抜く子供たちを育てることができると考えております。そして、このことはまた、「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」という大きな理念につながることと確信しております。伊那市の教育は初めに子供ありきでございます。私はさらに続けて、終わりにかつての子供伊那にありきと願っております。

 以上で私の提案と質問を終わりにいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、野口輝雄議員の質問が終了しました。

 引き続き、宮島良夫議員の質問に入ります。

 8番、宮島良夫議員。

     (8番 宮島良夫君登壇)



◆8番(宮島良夫君) 8番、宮島でございます。私は今議会で市民から寄せられた意見、声を中心に大きく3点について質問をいたします。

 白鳥市長は2期目の当選を果たしました。また、多くの市民の信任を得て当選をし、市長就任挨拶で、市民の皆様からお寄せいただいた市政に対する思いや御意見をしっかりと受けとめさせていただき、決意を新たに課せられた責務を全うすべく努力をいたしますと決意を述べられております。今回の3点の中の2点の質問は、私に市民から寄せられた意見を中心に考えをお聞きしていきたいというふうに思います。

 1点目であります。環状南線についてでありますけれども、昨日の質問で白鳥議員が質問をし、市長の考えはお聞きいたしました。また同じような質問は控えさせていただきたいというふうに思います。ただ、先ほども申し上げましたけれども、私に寄せられた市民、職員等の意見を中心に市長の考えをお聞きしていきたいというふうに思います。

 環状南線については、3月議会でも私を含め3名が質問をいたしました。私は基本的には環状南線については早期に開通させることが大切だというふうに思っております。西町の説明会でも、アンダーパス、立体交差を問わず、早期開通について要望があったとお聞きいたしました。市長は3月議会で平面交差でなければ環状南線についてはできないという答弁をしております。その基本的な考えがありますけれども、もう一度市長に対して質問をしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 1番として、立体交差についてでありますけれども、私が3月議会で質問をしてから、数人の市民の方から電話をいただきました。また、市職員の数名の方からも意見をいただきました。市民の方からは、非常にいい質問をしていただいた、ぜひ立体交差にしていただきたいとのことであります。また、市の職員からも、環状南線は将来を考えたとき、絶対立体交差にするべきとの意見でありました。新聞記事の長野日報の2期目の市政運営に何を望むかの中にも、37歳の男性の声として、駒ヶ根市に比べ、伊那市内は車を走らせにくい。立体交差を取り入れるなど、将来困らない道路整備を進めてほしいと、そういう記事もありました。

 私が立体交差にこだわる理由については、3月議会でも申し上げましたし、昨日の白鳥議員の質問でも同じ質問でありますので控えさせていただきたいというふうに思います。ただ、もう一人の市民の声として、救急車で緊急搬送された市民の方からも、あのとき飯田線の踏切でストップしていたら私の命は助からなかったと、そういう話もお聞きいたしました。高遠町、長谷地区の皆さんにとっても、大規模災害が起きたときに少しでも早く緊急車両が来てもらいたいという、そういう思いが誰でもあるというふうに思います。そのときに、立体交差にしておけばよかったと言っても遅いわけであります。そのことだけを申し上げておきたいというふうに思います。

 また、市長は平面交差の理由として幾つかの問題を上げられました。一つとして、財政問題があります。平面交差に比べ、20億円以上費用がかかるとしております。二つ目として、平成32年度合併特例債の期限までに工事が間に合わないとの考えもありました。3点目として、飯田線は1時間に1回ぐらいの通行と見ている。私はこの3点について少し私の視点から指摘をさせていただき、考えをお聞きしたいというふうに思います。

 財政問題でありますけれども、平面交差に比べて立体交差は費用が20億円余分にかかるとしておりますけれども、合併特例債を使うので、自治体は3割負担で済むのではないでしょうか。それは金額にすれば6億円で済むというふうに思います。また、立体交差、平面交差の試算について、本当に20億円の差があるのか、再度試算をしてみる必要があるというふうに思いますが、市長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 試算の詳細については担当のほうからお話をさせてもらいますが、環状南線、ともかく早く開くと、そうしたことが一番私、また地元にとっても地域にとっても重要なことだという認識であります。

 今、御指摘のありましたように、この環状南線については合併特例債というものがなければできないという判断をしておりまして、いくらお金を使ってもいいということになればでありますが、そういうわけには財政事情からしてもいきませんので、ともかく、今、環状北線も環状南線も、東西を結ぶ線がないという中では、平成32年までにはどうしてもあけなければいけないという思いで取り組んでいるわけであります。

 また、平成25年度において実施しました概略設計によって算出された概算事業費でありまして、再度概算事業費について試算を行うということは考えておりません。今現在、平成26年度は地形測量、それから踏切、道路予備設計、それから何よりもJRとの事前協議というのがポイントになりますので、ここに力を注いで、早期の着手を目指したいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 山崎建設部長。



◎建設部長(山崎大行君) 今、市長、答弁をさせていただいたとおり、昨年度、25年度において概算事業費、算出させていただいた結果、先日の平面交差で25億円、橋梁案で45億円という数字を示させていただきました。

 なお、議員おっしゃる6億円の一般財源の持ち出しで済むということでありますけれども、ただいま市長申し上げましたように、32年度までにこの事業が完成しないといたしますと、その後合併特例債使えないわけでありますので、その以降の事業費にかかわる分を概算で積算いたしますと、8億円に上る金額が差額として出てくるのではないかという算出をしております。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) 今、市長の答弁ありましたけれども、私もやはり東西線というのは、伊那市、非常におくれておりますので、早期に開通させるという、そういうことはもう本当に基本的な考えだというふうに思いますし、特にこの大規模な事業ですから、この有利な起債を使っての、合併特例債を使っての事業が必要だというふうに、財政問題から考えれば、そういうふうに思います。

 そういうことで質問をしたわけでありますけれども、再度試算をすることは考えていないということでありますので、今の部長からの話もありましたけれども、ぜひ市民の立場に立ったことで、早期に開通をお願いしたいというふうに思います。

 特にJRとの協議が整わなければできない、そのこともやっぱり私は心配なんですね。それで、JRがなかなか拒否をしてて、住民の皆さんの幾つかの踏切をなくすわけですから、そのことにも合意を得られないで、このままずっといってしまうと、それこそ平面交差でもできないというふうになるというところが一番困ることでありますので、ぜひその辺についても早期に開通できるようにお願いをしておきたいというふうに思います。

 それでは、次の32年に間に合わなければということについては、今の答弁の中に入っておりますので、質問を控えさせていただきます。

 3点目の問題としてのところでいきますけれども、現時点では市長の考えでは、飯田線は1時間に1本の通行量としておりますけれども、しかし、13年後に飯田市にリニア新幹線が来て、駅ができます。そうすると、私は長野県の交通網が大きく変わる、そういうような気がしております。道路網整備もそうでありますけれども、飯田線のスピードアップや電車の通行量の増加が予想されるというふうに思います。また、特急あずさ号の飯田線への乗り入れ、そういうことも考えられるわけでありまして、そのときに立体交差にしておけばよかったなというふうに思っても遅いわけでありまして、私の意見としてそういうことも申し上げておきたいというふうに思います。答弁は結構でございます。

 次に、地元説明会についてでありますけれども、このことについても、きのう、白鳥議員がお聞きしております。特に工事場所についての西町地区の説明会は終わって、平面交差、立体交差についても余り意見が出なかったというふうに聞いております。

 ただ、大きく影響があるのが、上新田地区を初めとする竜東地区南側地域、美篶地区下段、青島地区、東春近地区の住民だというふうに考えております。将来の安心・安全の伊那市を築くためにも、やっぱり影響があるそういう地区の住民の皆さんを対象にやっぱり説明会を開くべきだというふうに思いますけれども、市長は昨日の答弁でも、JRとの協議が整った時点で広く説明会をしていきたいというふうに申しておりますから、私は本当は、事前にどういうふうにしたらいいのかということを説明会で意見のほうを聞くというふうに、聞いたほうがいいんではないかなというふうに思っておりましたけれども、そのことについては変わりないという、そういう考えでよろしいでしょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) きのう話をさせてもらったとおりでありまして、まずはJR東海との話し合い、ここが進まなければ、この話というのはその先にいきませんので、ともかくJR東海との交渉に全力を注いでいるということであります。それが方向が見えた段階で、状況については市民の皆様にもきちんとお知らせをするという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) ぜひ、将来の伊那市の道路網整備でありますから、市民の皆様にもわかりやすいように説明をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、2点目に入ります。人員削減による地方交付税減についてであります。

 1として、給与関係費とはでありますけれども、3月議会でも地方交付税削減について私は触れてまいりました。市長答弁では、人員削減による地方交付税削減は余り影響がないとの答弁でありましたけれども、その後、より細かな資料が手に入りましたので、また再度質問をさせていただきたいというふうに思います。

 給与関係費は主に給与の平均単価掛ける計画人員の総額で見積もられるというふうにお聞きいたしました。2000年度代の給与関係費は前年度比でマイナス傾向が続いており、計画人員は国全体で見ますと、90年度中盤以降毎年1万人以上、2006年から2008年は2万人から3万人近く削減が続いております。地方財政計画の給与関係費と地方財政全体の関係でありますけれども、この給与関係費の削減は地方財政計画の削減要因であり、給与関係費の主な財源となる地方交付税の圧縮外因となっているというふうにお聞きしております。

 ただし、給与関係費が削減されても、給与関係費以外の経費、例えば社会保障費や環境対策費などの一般行政費が増額されますと、地方財政計画や地方交付税の圧縮度は減殺されるというふうにお聞きしました。給与関係費や人員削減が直接的に地方財政計画や地方交付税を削減している状況が判別しにくくなるようであります。

 確実に言えることは、全国の自治体が人員削減をすればするほど全体の給与関係費は少なくて済み、これを構成する地方財政計画、地方交付税も削減される可能性が高まると聞いております。全国の地方自治体がこぞって定員純減計画を立てて実行すれば、地方自治体みずからが地方財政全体の圧縮に加担することになります。

 全国の地方自治体職員の1996年から2014年の累積職員削減数は22万9,991人となっておりまして、それについては合併など幾つかの要因があるというふうに思いますが、地方自治体は国が求める以上に人員削減をしております。そのことによる地方財政計画の給与関係費は、2000年度の24.8兆円から2014年度の20.3兆円まで、14年で4.5兆円が削減されております。決算でも2000年の26.5兆円から2014年の23兆円まで、10年で3.5兆円が削減されております。

 このことから見ても、伊那市においても人員削減が地方交付税の大きな削減につながっているというふうに私は考えておりますけれども、本来ですと職員1人の地方交付税の金額がわかれば一番わかりやすいのでありますけれども、給与の平均単価でしかわからないということであります。ぜひこのことについて、伊那市でも交付税が減り続ける、そういう傾向にありますけれども、このことについて市長の考えをお聞きしたいというふうに思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 議員御指摘のとおり、地方財政計画における給与関係経費でありますが、地方公務員の定員管理、それから給与実態調査などを参考に算出されておるわけであります。職員数の減少というのは地方財政計画に反映されて、給与総額が減額されるということになります。

 また一方で、実際に交付される地方交付税でありますが、標準的な団体モデル、市では人口10万人とか、面積が160キロ平米、そうしたことがモデルの標準でありますが、これを基準にして、人口、それから面積等によって補正を行うということで算出されておるわけであります。伊那市が10人職員を削減したといっても、その分伊那市の交付税が削減されるということではないわけであります。

 今後の人口減少、それから超高齢化社会、また合併によります交付税の優遇の加算が終わるという周期を控えまして、人件費の抑制というのは必須の課題であります。単なる職員数の削減ではなくて、市が行うべき事業、業務というのはどういうものなのか、そうした事務事業の見直しも含めて行いながら、第2次定員適正化計画というものを実施してまいりたいというふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) 余り影響がないというふうな、また再度の答弁でありますけれども、私も徹底して勉強しているわけじゃありませんので、ぜひまた勉強しながら議論をしていきたいというふうに思っております。

 二つ目でありますけれども、合併以後の職員数の推移についてお聞きしたいというふうに思います。

 先日の丸山議員からも急激な職員減について少し懸念が出されました。伊那市も平成18年に合併してから8年が過ぎておりますけれども、先日の議員学習会で第2次伊那市定員適正化計画が示されております。平成36年までに72名を削減し、588名にするという、そういう内容でありました。基本的に考えて類似団体の平均を上回っている、そういうことを理由としておりますけれども、仕事の中身については昨日の学習会では触れておりません。平成18年の合併以後、職員数は毎年減少しておりますから、合併してから7年の平成25年までで正規職員数126名が減少しております。しかし、短時間や緊急雇用創出事業分を除くフルタイムの社会保険加入者の臨時、非常勤職員は148名ふえております。そして、正規職員、臨時職員を合わせた合計数は、平成18年度に比べ、平成25年は20名多くなっております。つまり、この数字から言って、合併による人員減はかなり難しい状況と私は考えております。

 勉強会の資料にも大分県佐伯市の事例が出され、行政の効率化の難しさが指摘されております。適正化ありきでの人員削減により多くの職員が悩み、定年まで働き続けることができるのか不安を抱いております。また、メンタルヘルスで休んでいる職員やメンタルヘルス予備軍の職員が多くいるというふうにも聞いております。特に、専門職で採用しておきながら、強引ともいえるような人事異動で本人の考えも聞かず異動させている、そういうことについては、仕事の効率化、継続性から見てもかなり問題があるというふうに思います。

 市長はこのような人事異動についてどのように考えているのか、お聞きしたいというふうに思っております。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、人事異動については、組織の活性化、また適材適所の人員配置を図るということが一つあります。また、人口増対策とか、リニア開業に向けた施策の推進、また南アルプス世界自然遺産登録における事業、また農林業の振興、さまざまな重要課題を推進するための人事異動というもの。また三つ目としては、子育て支援の充実、高齢者の増加、行政需要の動向などを踏まえた施策を展開するためというようなことを視点に置いて人事異動というものをかけているわけであります。

 また、人事異動の発令に当たっては、異動の意向調査というものも実施をし、これを参考としておりますけれども、全ての職員の希望をかなえるということは現実的には困難であります。また、専門職で採用した職員であっても、伊那市の職員であることには変わりはありませんし、伊那市の職員として市の発展に寄与してほしいということの中で、全ての職員が与えられた職を全うしてくれるものというふうに思っております。さらに、専門職の採用職員であっても、一般事務職場において一般事務職員と同様、あるいはそれ以上の活躍をしている職員も数多くいるわけであります。

 人事異動につきましては、実施時期についても最も適した内容であると判断した上で実施すると、また、時期についても定例的なものではなくて、必要に応じて必要なときに臨機応変に実施していくということが必要であろうという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) 今、適材適所という、そういうことをおっしゃいましたけども、かなり悩んでいる職員がおる、そのことについても、そういう職員から十分意見を聞きながら、休んで医療給付というか、休職手当を出すよりは、適材適所の職場で働いていただく、そのほうがやっぱり市民のためにもなるわけですので、ぜひその辺についても今後慎重にしていただきたいというふうに思いますし、ただ、医療職で採用して、医療職の給与表で、それで一般事務に移ったときの、そのときの給与体系というのはどうなるのか、ちょっと、これは質問には入ってませんけども、関連でお聞きしたいというふうに思いますが。



○議長(伊藤泰雄君) 篠田総務部長。



◎総務部長(篠田貞行君) 申しわけございません。今、その実例を具体的におっしゃっていただければ、内容等がお答えができるかと思うんですが、医療職で採用され一般事務職ということで、給与体系がどちらの、行政職、あるいは医療職給料表を使うと、そういう意味でございましょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) 採用されたときに医療職の給与表になっておりまして、特に看護師さんだと医療職第2表で給与体系になってるんですね。その人が一般職に移ったときに、一般事務に移ったときに、その医療職第2表のままでいくのかどうかっていう、その辺についてちょっとお聞きしたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 酒井副市長。



◎副市長(酒井茂君) 具体的にそういう事例は私は承知してないんですけれども、一般事務に移るというか、一般事務系に医療職で採用された職員が異動することはあります。この場合には引き続き医療職の給料表を適用していると、こういうことが実態であります。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) わかりました。ちょっとそういうことで、違和感ちょっと感じてたんで、今ちょっとお聞きしたわけですけれども、今の副市長の答弁でわかりました。

 3点目であります。学校職場職員の非常勤職員化についてであります。

 職員削減計画では、学校職場の校務技師や給食調理員が目標というか、主に削減をされております。その理由として、県内の多くの市が非常勤職員化の傾向にあるということを上げております。私も以前、学校の現場で働いていた経験や、市民の皆様の声をお聞きする中で、疑問に感じております。

 以前、校務技師については、ブロック作業化をして保育園職場や市の関係するあらゆる仕事をして評価をされてきております。また、学校の先生方からも、伊那市の校務技師については他市と全然仕事の中身が違うと評価をされてきております。しかし、この何年かの臨時化によって、先生方からも苦情が出され始めております。

 給食現場でも、現場の声を無視して事務職への異動になり、臨時、非常勤職員の皆様からも正規の職員がいなくなったという不安の声が聞こえております。以前も申し上げましたけれども、伊那市の給食についても、先生方からは他市と比べて高い評価をされております。ここ何年かで正規職員が大きく減少して、公務災害も多発をしております。これは給食現場であります。

 多くの子供たちの命と健康を預かる住民サービスの最前線で働く職員を他市との比較で臨時化にすることに私は非常に疑問を感じております。単に他市が臨時職員化をしているからではなくて、仕事の中身についても比較の対象とするべきというふうに思いますけれども、このことについては教育委員会及び市長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、私たちの伊那市職員の仕事、これは市民の皆様に対しての質の高いサービスを提供するというのが原則であります。そうした中において、日常的なサービスにおいても、民間でできることは民間にということは原則として考えておりまして、例えば水道の窓口業務の民間への委託、また、市民課業務の一部も民間でできるところもありますので、こうしたところも委託をするという方向で進めておるわけであります。

 他方で、今後の高齢者の増加、これはすごいスピードで動いておりますので、こうした増加に伴う社会保障事務の増大、また福祉分野への職員の増員ということも検討していかなければならないわけであります。先ほども触れましたけれども、既に一般事務に異動した多くの学校職場の職員、それぞれの能力を発揮してそれぞれの場所で、所属ですばらしい実績を上げているといった事例もございます。

 また、学校職場、学校給食、また校務技師の話についてお話をさせてもらいますと、学校給食については必ずしも正規職員が担わなくてもよい職場であるという考えであります。しかし、状況を見ながら非常勤化を進めているというのが実態であります。また、校務技師については、ブロック作業ということで、三つのブロックをつくって、それぞれブロック長が各学校の校務技師を統括をして作業を進めるというシステムを実施しておりますけれども、当分の間についてはブロック長には正規職員を配置するということ。また、学校給食同様に、状況を見ながら非常勤化については進めていきたいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 原教育次長。



◎教育次長(原秀夫君) 教育委員会では、給食部会、栄養士部会、校務技師部会などを随時開催いたしまして、学校職場の職員の声を聞きながら、問題点の把握、解決への話し合いの場を設けております。

 また、学校給食施設の整備がこれから始まるわけでありますけれども、この施設整備の計画を実現するためにも、現場を熟知した栄養士など職員の声を聞きながら学校職場のあり方について検討し、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) ちょっと私も他市の状況を調べたんですが、長野、松本については、給食とか校務技師については正規採用を毎年行っておりますし、上田市では保育園も含めて各職場に1名の正規職員を採用するということで決定をして、今、採用しているようであります。

 このことについてはやはり、食の問題というのは子供の命の問題にもかかわっているわけですから、ぜひその辺についてですね、今の答弁はいただきましたけれども、そのことを大事に私はやっぱり考えていく、事故が起きない、1回事故が起きてしまうと本当に大変なことになるわけでありますので、ぜひそのことについても現場の意見を聞きながら、また市民の皆さんの意見を聞きながら、机上で考えるのではなくて、やっていただきたいというふうに思っております。

 3点目であります。ちょっと私の質問にしては珍しいような質問でありますけれども、県歌信濃の国についてであります。

 特に1番、伊那市からの発信をということで、長野県の県歌として信濃の国が歌われております。先日、伊那市のふるさと大使、飯島参与の就任記念講演でも、長野県人は全員が信濃の国を歌える不思議な県だという話もありました。

 私ごとになりますけれども、私も十数年前に沖縄平和行進に長野県代表団として参加いたしました。市町村長さんも参加されたレセプションで、沖縄民謡や踊りが披露された後、長野県からも何かということで、お礼にしなければいけないということで、急遽長野県からの参加者、二十数名でありましたけれども、全員で信濃の国を歌った、そういうことがありました。急遽でありましたけれども、全員が歌えたということであります。

 私の小学校時代でも、6年生の女子生徒が運動会で信濃の国を踊ったことも思い出されます。長野県出身者であれば、メロディーを聞いただけで、歌詞は多少忘れていても信濃の国というふうにわかるのではないでしょうか。

 なぜこの質問をするかというふうにお思いでしょうけれども、先日退職された先生から、最近、小学校では信濃の国を教科の中に入れていないので、今の小学生は信濃の国を歌えないのではないかというふうにお聞きいたしました。信濃の国を聞けば、皆さんもおわかりのとおり、長野県の情景、歴史がわかります。数年前の一般質問でも出されましたけれども、伊那市の歌を学校で指導してという質問が出されました。それと同様に、小学校で信濃の国の指導をしていただきたいし、伊那市から全県下に向けて小中学校での信濃の国の歌の指導を発信していくべきというふうに提言をしたいと思いますけれども、教育委員会及び市長の考えをお聞きしたいというふうに思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この信濃の国でありますが、長野県の特徴ある自然、それから風土、歴史、そうしたものがうたい込まれているというものであり、また、社会人になっても長野県のよさを思い出し、また思い描く、そうしたことができるすばらしい歌であるという認識であります。

 私も好きな歌でありますし、多くの人々に歌われ続けてほしいと願っております。



○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。



◎教育長(北原秀樹君) ただいま市長も申しましたとおり、信濃の国は郷土を理解し、また郷土に愛着を持つことのできるすばらしい歌でございます。

 市内では現在、小学校においては全校で社会見学等の前に歌唱指導をしております。中学校の実態でございますが、6校中4校で合唱部や総合的学習などで関連して歌っているところでございますが、今後、中学校において現在歌っていないところに、学校につきましても、総合的な学習でありますとか、高齢者との交流会でありますとか、こういう場面において歌う機会をつくっていくよう校長会でお願いしてまいりたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) ぜひこの歌を絶やさないように、そういうお願いをしておきたいというふうに思います。

 2番目でありますけれども、信濃の国を健康体操にということであります。

 先ほども申し上げましたけれども、昔の小学校では運動会に信濃の国を踊りとして披露をしておりました。運動会に取り入れるくらい、手を上げたり、回ったり、健康体操にぴったりというふうに思います。お年寄りの皆様もこのことについてはすぐなじみますし、学生時代にも戻れるというふうに思います。

 お聞きしましたところ、地域にいる健康運動指導者の中には、高齢者の教室や集まりの中で指導者が考えた信濃の国に合わせた体操を取り入れているところも多少あるようでありますけれども、そういう中で、歌はもう高齢者の皆さんもわかっておりますので、すぐなじめるというふうに思います。また、そのことの中で健康体操をするということが、大変お年寄りにとっても喜ばれるのではないかというふうに思っております。また、家に帰っても、きょうはこういう運動をしてきた、信濃の国を中心とした運動をしてきたということで、家族の皆さんにもすぐわかりやすい、そういうことだというふうに思います。

 ぜひ伊那市の、いろんな健康体操とか高齢者の学習会やっていますけれども、そういうところで信濃の国を取り入れていく、そういうことを提言したいと思いますけれども、市長の考えをお聞きしたいというふうに思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 伊那市が実施しております高齢者教室、健康づくりと転倒防止を目的としました筋力アップのための体操というものは各種行っておりますが、信濃の国も取り入れられております。この信濃の国のほかにも、筋力つくつく体操、あるいはリンゴの唄、三百六十五歩のマーチ、なじみの曲に合わせて体操を創作をしているということで、いきいきサポーターがそれぞれ習得をし、元気アップ教室、おたっしゃ教室などで高齢者の皆様へ普及をしているというのが状況であります。

 引き続いて、高齢者の教室では、信濃の国を含め、オリジナル体操を健康づくり、それから介護予防の活動において活用してまいりたいというふうに考えます。



○議長(伊藤泰雄君) 宮島議員。



◆8番(宮島良夫君) 私も運動会、よく呼ばれて行くんですけども、最近この信濃の国というのがないということに気づいておりますけれども、ほかの面でね、長野県人全体がこの歌を愛して、そういうふうにしていければいいかなというふうに思っておりますので、伊那市についても引き続きまたそういうことをお願いして、私の一般質問を終わりにしたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、宮島良夫議員の質問が終了しました。

 暫時休憩いたします。

 再開は11時といたします。



△休憩 午前10時40分



△再開 午前11時00分



○議長(伊藤泰雄君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。

 飯島進議員の質問に入ります。

 12番、飯島進議員。

     (12番 飯島 進君登壇)



◆12番(飯島進君) 12番、飯島進です。一般質問につきましては、さきに通告してあるとおり、大きく2点についてお尋ねいたします。

 初めに、人口減少問題についてお尋ねいたします。

 5月9日付の新聞に、地方から大都市への人口流出が現在のペースで続けば、30年間で20から30代の女性が半分以下に減る自治体は896市区町村に上るとの試算を有識者らでつくる日本創生会議が8日発表したという記事が載っていました。記事を読んでいきますと、同会議は女性の人口動向に着目した理由を、若年女性が50%以上減少すると、出生率が上昇しても人口維持が困難と説明。その中でも、2040年の総人口が1万人を下回る市町村は消滅の可能性がより高いというショッキングな内容が書かれていました。

 この記事は長野県内についても触れており、県内で20から30代女性の人口が2010年より5割以上減少し、消滅する可能性があるとされたのは34市町村で、全77市町村の44.2%を占めたと続いています。市町村別の将来人口の表で伊那市を見てみますと、2010年の総人口7万1,093人が2040年に5万5,406人、1万5,687人の減。20から39歳女性人口は2010年7,488人が2040年に4,358人、3,130人の減で、女性の人口変化率がマイナス41.8%と試算されています。驚きを隠せない数字であります。

 伊那市が6月1日時点で集計した市内人口は6万9,997人で、初めて7万人を割り込みました。合併以来8年間に3,827人減少したことになります。単純に8で割りますと1年に478人ずつ減少していることになります。7月には市外からの転入や出生の状況により7万人台を回復する可能性もありますけれども、近い将来、7万都市から6万都市に、そして日本創生会議の予測どおりであれば、5万都市となることは避けられそうもありません。

 地域を支える年代の人口をふやします。農業、林業につきたい若者、自然豊かな地方都市で暮らしたい若者、起業したいとする若者がふえています。そんな若者を支援し、地域を支える人口をふやします。これは白鳥市長が今回の市長選挙の選挙公報の中で第1番目に書いてある選挙公約であります。

 そこでお尋ねいたします。この選挙公約についての市長の思いについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 日本創生会議の人口減少問題検討分科会、ここで発表された内容というのは大変大きな波紋を全国に呼んでおります。しかし、地方の人口減少につきましては、前々から全国的な問題であり、伊那市においても昨年、伊那市移住・定住促進プログラム、これを作成しまして、人口減少に歯どめをかけるべく既に動き出しているところであります。

 この人口減少の問題というのは、政治経済の大都市への一極集中によってより増大しているわけでありまして、この対策というのは、国の施策によって本来はやっていかなければならないというふうに思うわけでありますが、地方は地方として、私たちは私たちとして、この人口問題については歯どめをかけるという努力をしていかなければならないわけであります。

 この人口減少に歯どめをかけて、生産年齢人口の増加ということに至るためには、ポイントとなるのは働く場所、住む場所であります。このことが確保されなければ、生産年齢の人口の増加というのはできないわけでありまして、この伊那市移住・定住促進プログラムにおいても、特に働く場所の確保という点には力を入れているわけであります。

 そして、その働く場所というのについては、農業、林業という古くて新しい産業へ若者をふやそうというところにポイントを置いております。農産物のブランド化、それから販路拡大、そうしたことによってもうかる農業、つまり産業としての農業、さらにバイオマスエネルギーの普及など、農業、林業振興に取り組んでいかなければいけないということと、新規就農者に対してもしっかりとした支援を行うと。国の制度も上手に使いながら、また住宅の確保、子育ての支援ということを全庁的に連携をし、協力をして取り組んでいるわけであります。

 企業誘致というものを従来力を入れてやってきたわけでありますが、このことと並行して、農業、林業というもの、さらには観光というところに働く場所を創生していくということが、今、伊那市の取り組んでいる部分であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 今、市長のほうから全体的な考えについてお話を伺いました。確かに伊那市は移住・定住促進プログラムに基づいていろいろと事業を進めていることはわかるわけでありますけれども、今回の新聞報道で大分これは大きな問題だぞということがわかってきたと思いますけれども、そんな市長の熱き思いを受けてですか、今年度から人口増推進室、これを設けて人口問題に取り組むとしているわけでありますけれども、人口問題というのは本当に伊那市の存亡にかかわる重要な問題だと思いますので、ここは専任職員を配置して対応すべきではないかなと私は思っております。

 人口減少に歯どめをかける対策としては、いかにしたら多くの若者が結婚をし、多くの子供を産み育ててもらえるのかの人口増対策と、いかにしたら東京などへの人口流出を抑えられるのかといった流出減対策、そして、いかにしたら市外からの人口をふやせるのかといった流入増対策が考えられると思います。婚活、結婚、出産、子育ての問題は当然重要な問題と考えますが、今回はあえてその部分には触れずにおきます。

 市長も先ほど答弁にありましたけれども、私は生産年齢の人たち、当然女性も含めてでありますけれども、そんな若者がこの伊那市に住み続けていただくためには、安定した働き場所、雇用の確保、雇用の創出は絶対条件であると考えます。

 そこでまず、農業、林業の雇用対策についてお尋ねいたします。農林業は重労働の割にもうからないというイメージが強く、地元の若者からは敬遠されているのが現実ではないでしょうか。最近は、定年を機に田舎暮らしに憧れ、農業を始める話をよく耳にします。人口増の観点からすれば、それはそれで歓迎すべきと思います。しかし、若い年代の新規就農者を募り、住み続けていただくためには、伊那市独自の政策が必要と考えます。

 そこでお尋ねいたします。農林業につきたいと思っている若者のことを考えれば、この伊那市に適した農林業のモデルケースや、もうかる農林業のイメージを行政として希望する若者に提供する必要があるのではないかと考えます。新規就農者支援も含め、農林業への雇用創出について、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この新規就農の御質問の前に、人口問題を伊那市だけの問題として捉えるかどうかというところ、ちょっと触れたいと思うんですが、私自身は市町村単位で人口がふえている、減っているということはそれほど大事なことではなくて、一つの経済圏の中でどういう動態なのかということを常に考えていかなければいけないと。

 つまり、ここで言えば上伊那でありますが、上伊那の人口がどういうふうに動いているかということ。その中をさらに分析すると、生産年齢人口の数値の推移と、それから高齢者の数値の推移、また出生率という、そうしたところをよくよく分析をしていかなければいけないと。上伊那全体でいくのであれば、企業誘致にしても大体どこでも通える範囲になりますので、そうしたものも一緒になってやっていくということも大切になってくるでありましょうし、で、新規就農、つまり農業の分野においても、伊那市だけではなくて、上伊那全体の農業の姿というのも描いていかなければいけないという思いであります。

 そうした中で、伊那市についての御質問でありますので、伊那市では毎年20名の新規就農者を確保しようということで、一昨年からその目標を掲げてやってきております。昨年は23名確保できました。ことしも20名という目標、大変高い目標でありますが、既に半数以上の確保ができておりますし、恐らくことしも目標はクリアできるだろうということで、新たな就農者というのを毎年確実に確保していくということが取り組みの中心にあるわけであります。

 この伊那市、伊那谷、上伊那でありますが、大変自然災害の少ない地域であります。また、水が豊富であったり、肥沃な大地が広がっていたり、また長い日照時間とか、日較差、寒暖の差、そうしたものがとても大きいことから、農産物にとっても品質が非常によいと。あるいは花にしてみると、非常に色がいいというようなことで、よそとは違う特質を持っているわけであります。さらに、多種多様な農業経営というのが可能な地域であります。果樹、野菜、それから花卉、酪農、あらゆるものをとってみても、非常にすぐれた栽培ができる地域であると。これは私たちにとってみるとすばらしい売りになります。そうしたことと同時に、中京圏1時間半、また関東圏も2時間か2時間半、そうした距離にありますので、供給源、大消費地も近くに抱えているという好条件があるわけであります。

 そして、新規就農を目指す若者が安心して就農するというためにも、多様な農業経営の先輩方がいるかどうかというのもポイントでありますし、また研修制度、それから体験とか助言ができる体制づくりというもの、そうしたことは、伊那市農業振興センターを中心にして受け入れ体制が確実にでき上がってきておりますので、そうした点については、これからもしっかりとまた連携をして、力を入れてまいりたいと思うわけであります。

 伊那市と、それからJA上伊那、農業振興センター、さらには信州大学、こうした産学官が一緒になって新規就農の若者の獲得といったものに向けた、例えば懇談会とか、あるいは新規就農相談会というものを定期的に開催し、昨年は上伊那農業高等学校のほうにもJAと私と行って、学生にこの伊那で農業、林業を一緒にやろうという話をしてまいりましたし、信州大学の農学部にも行って、学生約五十数名集まって、その中でもJAと、それから私のほうから、卒業したらここで暮らそうというような呼びかけをしたりとか、そういうようなことをしながら、新規就農、また新規の林業へつける皆さんを確保しながら取り組んでいるわけであります。

 いろんな取り組み、これからもしっかりやっていくわけでありますが、行政だけではなくて、JAだとか、振興センターとか、そうしたところと一緒になって、またトップセールス、そうしたことも非常にもうかる農業に直結しますので、そうした動きをこれからもしっかりとやりながら、この地における農業への就農者、林業への就林者というんですかね、そうした皆さんをIターンも含めながら確保していきたいというふうに思っております。そうしたことの大前提には、教育というものも大変重要でありますので、教育の場面からもしっかりと取り組みも進めてまいりたいという考えでおります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 今、市長の答弁の中で、昨年の新規就農者が23名いたということで、これは1年に20人ずつふやしていきたいよっていう、これは伊那市の総合計画、後期基本計画の中に、5年間で100人の新規就農者を目指すという目標値が載っていますので、まさにそれと符合するわけでありますけれども、5年間に100人というのは結構ハードルが高いかなというところもありますけれども、それをだからといって下げる必要は全然ないわけでありますので、ぜひこれに向けて努力をしていただきたいと思いますし、農家の方と話をしますと、戸別所得補償や転作奨励金やとも補償、こんなので何とか採算がとれているというとても悲しい話を聞くわけでありますけれども、この採算のとれる農業からやはり一歩進めて、利益を生む、そういう農業改革に取り組んでいってほしいと思います。

 それで、1点ちょっとお聞きしたいわけでありますけれども、ことしは地域おこし協力隊、これを4名採用して、伊那市の地域活性化のために取り組もうということでありますけれども、この農業関係の地域おこし協力隊、名称がいなかもん開拓団というんですかね、それは田舎者じゃなくて伊那Come onっていうらしいんですけどね、このいなかもん開拓団の地域おこし協力隊の採用がまだ決まっていないと聞いているわけでありますけれども、この様子について教えていただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 篠田総務部長。



◎総務部長(篠田貞行君) 昨日の一般質問でもあったわけですが、現在、当初予定した4名のうち3名が採用されていて、それぞれミッションに取り組んでおりますが、高遠地区へ今想定をしておりましたいなかもん開拓団の方だけまだ採用に至っていないということで、総合支所を中心に、次の面接に向けて今準備を進めておりますので、遅くとも9月までには委嘱をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 次に移ります。

 若者の雇用の確保、雇用の創出ということになりますと、商業や工業といった分野への会社勤め、サラリーマンの姿が思い浮かびます。厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.08倍で、17カ月連続で改善されており、1992年以降の最高値に並んだとの報道がありました。県では3月を0.04ポイント上回る1.08倍と、1年5カ月ぶりに全国水準に回復しています。

 しかし、上伊那の有効求人倍率は3月時点で0.95倍、4月には0.9倍と、国や県と逆に0.05ポイント下がってしまいました。上伊那では一時よりは改善はされていますけれども、依然として1倍を下回り、まだまだ厳しい経済環境であります。アベノミクス効果に期待したいところでありますけれども、景気が目に見えてよくなったと実感できていないのが正直なところではないでしょうか。

 商業は、郊外への相次ぐ大型店の出店により、中心市街地の空洞化が問題となっています。中心市街地の活性化策はもう何年にもわたり取り組んでいますけれども、余り成果が上がっていない感があります。伊那市の商工業は、中小というよりは零細企業がほとんどだと思います。大変厳しい経済環境の中ではありますが、人口減少問題を考えたとき、地元商工業の活性化による雇用の確保と優良企業の企業誘致による雇用の創出は、並行して考えていかなければいけない重要な課題ではないかと思います。

 そこでお尋ねいたします。若者の雇用の確保、雇用の創出の観点から、商工業の活性化策と企業誘致について、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 若者の雇用機会の創出のためには、まず地元企業の経営活動が活発化、活性化するということが重要であると。企業誘致はもちろんでありますが、既存企業が元気に、また事業拡大、さらには新規分野への進出というようなこと、これは大変重要でありますので、こうしたことについても支援をしっかりとしてまいりたいと思うわけであります。

 また、企業誘致についても、本年新設をしました産業団地分譲成約報酬制度によってより広く情報を集めておりますし、産業用地取得補助金、これによってより土地を買いやすくするというようなことも展開をしておりまして、ここにきて引き合いが随分出てきております。そうしたことによって、優良企業の誘致、そちらにこぎつけたいというふうに考えておるわけであります。

 こうした企業が伊那の地域で頑張っているということをこれから職につこうとしている若者にも知ってもらおうという、こうした機会もつくっていかなければいけませんし、若者の雇用というのを一層推進するために、ふるさと就職面接会、それから合同企業説明会、また大学訪問等を通じて関心を高めていただきたいというふうに考えるわけであります。また、独自の雇用奨励金制度というものも創設をして、若者の雇用機会の拡大を支援する、そうしたことを今現在検討をしている最中であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 雇用奨励金という、初めて聞くことも出たわけでありますけれども、雇用形態からいけば、やはりサラリーマンというのが一番多いわけでありますので、しっかりと雇用対策に取り組んでいっていただきたいと思います。

 次に、観光産業についてお尋ねいたします。

 爆発的な定住人口の増が見込めない中、流動人口を見据えた観光産業の育成は、若者の雇用創出の観点からも、伊那市発展のためにも、非常に可能性を秘めた分野ではないかと私は常々考えています。といいますのも、観光立県長野県の中でも、伊那市を含めた伊那谷は観光に関しては開発途上であり、他の地区と比べれば圧倒的に後進地だと思うからであります。つまり、観光はまだまだ伸び代が望める分野で、産業として成り立つ可能性がある分野と考えるからであります。

 そこでお尋ねいたします。市長は観光について、桜、山、食の3本柱をよく取り上げていますけれども、若者の雇用創出の観点から、観光産業について、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、上伊那の産業構造を見てみますと、やはり鉱工業を中心とした産業の構図ができ上がっております。約7,000億円ぐらいというような、そうした工業出荷額に比べて、観光については110億円程度しかないわけであります。この110億の数字を倍にするということ、これは大変な雇用が生まれるわけであります。倍にしたところで200億でありますので、鉱工業出荷額7,000億、6,000億に比べればはるかにまだ小さいと。

 また、この地域、伊那市というよりは伊那谷全体を見てみると、観光の展開する方向というのはたくさんの選択ができるわけでありますので、そうした中に花、桜と、それから山岳、山ですね、それに加えて、信州そば発祥の地のそばとかローメンとか、そうした地域食材というものを三つの柱に見立てて、これから観光に切り込んでいこうということであります。

 おっしゃるとおり、観光については全くの未開の地域であります。これから味つけの仕方、料理の仕方によっては大化けをする分野でありますので、こうした観光にしっかりと力を入れて、これから先の、例えばリニア中央新幹線が通る13年後はどういう姿になるのかといった、そのこともよくよく勉強しながら、また外から見た目というのも真摯に受けとめながら、この準備をし、また行動に起こしていきたいということであります。

 平成26年度から28年度に実施すべきこととして、三つのキーワードを組み合わせた桜と山と食、これを組み合わせた110の具体的な項目を観光の実施計画、アクションプランに盛り込んであります。そして既にスタートをしております。観光にかかわるというか、携わる多くの事業者の相互連携というのも必要でありますので、そうしたことを具体的な形に結びつけながら進めてまいりたいということであります。

 また、宿泊が伴わない観光というのも弱点でありますので、伊那市観光協会では農家民泊という新しい手法で宿泊の場所を提供しております。さきにも話をしましたけれども、全く足りない状態でありますので、農家民泊さえあれば観光客はいくらでも来ると、しかも海外からも国内からもいくらでもくる、そんな環境でありますので、こうした宿泊の部分についても取り組みをしっかりとやってまいりたいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 今、市長のほうから、農家民泊を含めた110項目ぐらいのアクションプランを立てて今、動いているよという、そんな話もありました。

 冒頭紹介しましたけれども、日本創生会議の報告を受けまして、消滅する896自治体、ブラックホール、東京の危機というテレビ番組がありました。その中で、地方から東京に人を呼び込み、地方を消滅させておいて、その後に東京も消えていく、これが若者を吸収する東京のブラックホールだという話がありました。先ほど市長のほうからも東京一極集中が問題じゃないかという話がありましたけど、私もまさに東京一極集中の解消が日本を救う道かもしれませんと思っています。

 それで、次の問題に移ります。時間がありません。

 次に、人口減少、少子高齢化問題について視点を変え、空き家管理条例について質問したいと思います。

 少子高齢化や東京一極集中など、社会構造の変化に伴い、地方では人口が減り、空き家がさらにふえることが予想されます。国土審議会の長期展望によりますと、2050年、36年後には最大1,550万戸が空き家になると予測しています。この数字は、現在人が居住している地域のうち、約2割は人が住まなくなるということであります。特に過疎化が進む高遠町地区や長谷地区を含む中山間地では、朽ち果てていく空き家がふえていくのではないかと心配されます。

 高遠町を例に見てみますと、合併直後の平成18年4月に世帯数2,509戸、人口7,114人だったものが、ことし4月には世帯数2,329戸、人口6,070人となっています。合併後8年の間に世帯数が180戸、人口が1,044人の減となっています。これを単純に8で割りますと、1年間に世帯数が22戸、人口が130人ずつ減少していることになります。この数字からも、高遠町地区では過疎化が進行していることがわかりますし、同時に空き家がふえ続けていることもわかります。

 空き家にはハクビシンなどの野生動物がすみつくこともあり、衛生面や、また農作物への被害も心配されます。景観行政団体としての伊那市にとって、空き家の増加と空き家の老朽化は、景観への影響だけにとどまらず、火災の発生、倒壊の危険など、住民生活の安全も脅かしかねません。一刻も早い対策が求められています。

 私たちは一昨年、総務委員会で山口県萩市を訪れ、空き家管理条例について研修してきました。萩市の空き家管理条例では、倒壊などの危険がある場合、行政が立入調査をする、所有者に対し解体を勧告したり命じたりできる、応じなければ行政代執行で解体、撤去をすると定めたものであります。この条例について委員から行政代執行についての賛否があり、委員会としての総意が得られず、委員長としてこの問題を一般質問で取り上げることができませんでした。

 そこで今回お尋ねいたします。人口減少、空き家の増加に関連し、空き家の適正管理を目的とした空き家管理条例を伊那市に早期に制定すべきと考えますが、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) その前に、人口減少、東京一極集中という話ですけども、実は私は東京一極集中ではなくて、大都市への集中というふうに見てまして、それが今の日本のアンバランスを生み出しているという考えであります。

 翻って、日本の発展というもの、戦後の発展というのは何がそのもとだったかというと、やはり地方の存在であります。食べるものの供給源としての地方、また水の確保、あるいは、さらには人材まで供給をしている、その地方があったからこそ、都市が発達してきた、発展をしてきた。ところが、地方がだんだん小さくなって、人口が減って、高齢化していく。早晩、都市は消えていくわけです。そうしたことに早く国が気がついて手当てをすべきだというのを私も言っているわけでありまして、そうしたことが一日も早く手当てされないと、本当に大変なことになってしまうという、その思いは変わらないわけであります。

 そして、人口減少に伴って空き家がふえてくる、これは地方にとってみると非常に深刻な問題でありまして、さらにこのことがふえていくということは予想がされるわけであります。もちろん、中にはきちんと管理をされている空き家もあるわけでありますけれども、人が住まないと、年がたつにつれて老朽化がより早く進んでいく、そんな状況であります。

 危険住宅あるいは廃屋の改善、除去といったものについては、あくまで個人の資産であるために、伊那市だけではなくて他の自治体もその対応については非常に苦慮しているのが実情であります。防犯、防災、生活環境の保全等、安全で安心なまちづくりのためには、関係機関と調整をしながら慎重に対応すべき案件かなという思いであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 確かに個人の資産といいますか、であるから取り扱いは非常に難しいんだろうけども、でも実際にこの伊那市ではどんどんどんどん空き家がふえてくる、しかもそれが、老朽化した家屋がどんどんふえてきて、例えば隣の家に寄りかかろうとしているような建物が出てきたときに、もう所有者がどっか行っちゃって、所有者がわからんと、これはどうしたらいいんだという問題が近々私は出てくると思うんですよ。そういう問題が出てきたときに、ちゃんとした空き家管理のための空き家管理条例、これは伊那市として早急に取り組むべきだと思うんですが、もう一度ちょっと答弁をいただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 十分そうしたことは予想ができるわけでありますので、関係機関と調整をし、全国的な事例を集めながら、情報収集をしながら、慎重に検討したいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 人口減少問題は本当、もっともっと話したいんですが、私も与えられた時間の中でやらなければいけないので、次に進んでいきますけれども、伊那市では移住・定住対策と空き家対策から空き家バンクを開設しています。空き家バンクは現在、登録件数23件、このうち成約件数17件、取り下げ1件で、空きが5件とお聞きします。

 高遠町三義山室地区では、移住者がふえている話をお聞きします。これまでに他県等から移住が15件ほど、子供も含め29人が移住してきているそうであります。これから生まれる子も2人いるとお聞きしました。空き家を借りている方、空き家を買って改修しながら生活している方、市営住宅に入っている方などさまざまであります。そんな移住してきた方を頼って、ここに住みたいと話を聞きに来る方が今もいるそうであります。この山室地区を伊那市のモデル地区とし、移住・定住促進特区に指定すればおもしろいとも思います。

 そこでお尋ねいたします。移住・定住促進特区と空き家バンクの今後の方向性について、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 御提案の移住・定住促進特区、この提案については、昨年10月に伊那市で策定をしました移住・定住促進プログラム、この中で新規プロジェクトとして取り上げました田舎暮らしモデル地域、この事業に置きかえることができるというふうに思います。これは、住民が主体となって、移住者、移住の受け皿として高い意欲を有する地域をモデル地域として指定をすると。そして、移住者やその対象地域へ財政的な面も含めて支援をしていこうというものであります。

 具体的には、市内の竜東、竜西、それから高遠町、長谷の4地区にそれぞれ1カ所ずつ指定をする予定であります。本年度については、新山地区、竜東の中の新山地区を指定をする方向で今、調整を進めております。

 山室地域については私も承知をしておりまして、移住者も多く、また農業面でも法人化に取り組むなど、地域活性化の先進的な地区であるということであります。今後は指定地区の候補となるようなポテンシャルを有しているのではないかという考えでもありますが、また、高遠地区ではまた高遠町の中でどうしたところが適当なのかということをよく議論をしていただいて、場所を決めていただければ、私たちも一緒に入りながら場所を決めるわけでありますが、そうした田舎暮らしモデル地域の実践に進めることができるかと思います。

 空き家バンクに関しましては、物件の相続問題、またお盆、正月に帰ってくる、年に1回か2回の帰省のときの利用にとどまっていても、空き家としての登録はしていただけないというようなケースも数多くあります。御指摘のとおり、登録件数が伸び悩んでいるというような状況でありますが、空き家さえあれば移住者はすぐに入ってくるというのが実態でありますので、何とか地域挙げて、年に一遍であれば何とかそこを地域のために貸してくれないかというようなことを、行政ともども一緒になって取り組んでいただいて、空き家の確保、そうした空き家バンクへの登録ということを進めていってもらいたいと思うわけであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 今、市長のほうから、田舎暮らしモデル地区、4カ所ほど考えているという話でありますけれども、この中には新山、それから山室地区等々考えていただいているようでありますので、ぜひそんなところで、移住・定住のモデル地区として。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 旧伊那市の竜東、竜西、それから高遠町、長谷、全部で4カ所であります。で、4カ所のうちの一つに、新山地区がもう決まっております。高遠地域については、先ほど申しましたように、みんなで考えてその場所を決めていくということで、まだ山室ということには決まってはおりません。もしかしたら藤沢のほうになるのか、それはわかりませんので。

 ただ、空き家について言うと、長谷地域では、先ほど地元の区長さんのところですね、地域協議会の委員さんとか、皆さんが本当に一生懸命になって今探していただいておりますので、そうしたことが、登録が早く進めば、移住者、定住者というのがまたふえてくるというふうに予測をしております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) わかりました。

 空き家情報の雑誌があるわけですけれども、その中で、空き家の成約率が一番高いのが佐久市だそうです。佐久市の場合には、職員が調査をして、それで所有者に交渉して、そして登録をして、あっせんしてということをやっているようであります。

 今、市長のほうからの答弁の中にも、空き家があればすぐ入りたい人はいるんだと、こういう話でありますので、空き家調査をやられてると思いますけれども、その調査だけじゃなくて、一歩進めて所有者と交渉する。今、不動産屋さんを通してやっていると思うんですけれども、不動産屋さんだけに頼るんじゃなくて、その空き家の調査の一歩進んで、所有者と話をしてということまでやっていただければいいのかなというふうに思っております。

 次に、郷土愛を育む教育についてお尋ねいたします。

 私は、この伊那市で生まれ育った子供たちが成長し、そのままこのすばらしい伊那市に暮らし続けていただく、もしくは、一旦東京などに進学や就職をしても、再びこの伊那市に帰ってきていただくためには、郷土を誇りに思う心、そして郷土を愛する心、郷土愛を一人一人に持っていただくことが何より大事ではないかと考えています。しかも、幼少期から子供の心の中に郷土愛の種をまき、苗を植え、育てていくことが大事ではないかと思っています。それは教育だと思います。

 教育現場では今、子供たちの職業観や勤労観を養うキャリア教育にも取り組んでいます。この伊那市は南アルプスユネスコエコパークに登録されるほどのすばらしい自然と、そして、他の自治体がまねのできない歴史や文化を持っています。

 そこで教育委員会にお尋ねいたします。郷土愛を育む教育、そしてキャリア教育について、教育委員会のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 松田教育委員長。



◎教育委員長(松田泰俊君) お答えいたします。

 昨日の中山議員の質問にもありましたけれども、5月24日に開催されました南アルプス国立公園指定50周年記念式典のミニコンサートで、長谷小学校の子供たちが歌いました讃歌長谷、また、孝行猿の物語に寄せました子守歌などは、参加者の感涙を誘ったというふうに伝え聞いております。また、同日開催されました進徳館の日に、高遠小学校の子供たちによる孤軍高遠城の舞踊は、講師の徳川恒孝氏にすばらしいとたたえられました。また、席を移された会場で、内藤家の17代当主内藤頼誼氏に涙の出る思いであったとたたえられました。今回の子供たちのこうした体験は、子供たちの心に温かな思い出として終生残り、郷土への深い思いとなっていくと考えます。

 子供たちの身近な自然や文化、歴史を教材にしていく取り組みは、先生方が最も大切にしてきている教育実践の一つでもありますし、学校長も校長講話などで折に触れふるさとのよさを紹介してきております。地域の教材を大切にした取り組みの一層の充実が、伊那市移住・定住促進プログラムにあります新規重点プロジェクトである青空教室「伊那ってイーナ」とも重なりまして、将来的に伊那市に暮らす子供たちを育んでいくというふうに考えております。

 次に、キャリア教育についてでございますけれども、議員御指摘のとおり、子供たちに職業観、あるいは勤労観を育むキャリア教育につきまして、伊那市キャリア教育推進委員会を組織しまして、中学生の職場体験学習を柱に、産業、学校、行政の産学官の3者が連携し、取り組みまして5年目になります。この5月27日には、「ふるさと伊那谷の人材育成を考える」をテーマにしまして、「キャリア教育産学官交流会、郷土愛めぐり」が初めて開催されまして、3者が次世代育成にともに携わっていくビジョンを描く貴重な機会となりました。

 伊那市におけるキャリア教育は、子供たちが地域の事業所の積極的な協力を得る中で、働くという具体的な体験により地域の産業や働く人々の思いを知ったり、ふるさとのよさを学ぶ学習を重ねたりすることを通しまして、自分も将来伊那市で働こうという子供たちの育ちにつながることでありたい、そういうふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) ありがとうございます。

 先ほど宮島議員のほうから信濃の国の話がありましたけれども、この信濃の国は、県民愛を育む一つのアイテムとしては非常にいいものだなあと私も思っておるわけでありますけども、私は、住んでいる人がいい町だと思わない町には恐らく外から人は来ないだろうと思います。そういう意味では、今伊那市に住んでいる人たちが、この伊那市はいいところだという誇りと愛着をまず持つことが、これが全ての原点ではないかというふうに思っております。そんな意味でも、住んでいたい町伊那市、行ってみたい町伊那市をこれからも目指していただきたいことをお願いしまして、次の質問に移ります。

 次に、大きな二つ目の項目の伊那市の友好都市についてお尋ねいたします。

 平成18年の3市町村合併から、早いもので8年が経過しました。あと2年で合併から10年の節目の年を迎えます。合併後の伊那市の一体感につきましては、徐々に進んではいますが、まだまだ時間がかかると私は思っています。伊那市の友好都市の問題は、過去にも一度一般質問したことがあります。合併10年を見据え、3市町村の一体感の醸成のためにも、再度この問題を考えていただきたいと思い、今回取り上げることにしました。

 合併協議合意書の中では、友好都市について、現在の市町村の主体性を尊重し、新市においても継続して実施すると書いてあります。つまり、旧3市町村で既に結んだ友好都市提携は旧3市町村で合併後も引き継ぐとしています。ですから、伊那市は現在、国内6団体、海外1団体と、名称は異なりますが友好都市の提携をしていることになります。

 時間がありませんので詳しい内容は省略しますけれども、旧伊那市では愛知県知立市、また海外の中国北京市通州区と友好都市提携を結んでいます。愛知県知立市とは平成6年11月7日に友好都市提携を結んでおり、ことしは友好都市提携20周年の記念の年であります。中国北京市通州区とは日中友好協会のつながりで平成6年11月22日に友好都市提携を結んでおり、知立市と同じく、ことしは友好都市提携20周年の記念の年であります。

 旧高遠町は東京都三宅村、東京都新宿区、福島県会津若松市、福島県猪苗代町の4団体と友好都市の提携をしています。東京都三宅村とは昭和45年4月21日に友好町村盟約を結んでいます。三宅村とのおつき合いは長く、ことしで友好町村盟約44年、来年45周年を迎えます。東京都新宿区とは昭和61年7月12日に友好提携を結び、ことしで提携28年となります。なお、新宿区とは平成18年7月2日、新伊那市として新たに友好提携を結び直しており、新市としては8年目となります。福島県会津若松市とは平成12年9月24日に親善交流の提携を結び、ことしで14年、来年15周年を迎えます。会津若松市とは平成22年4月20日、新伊那市として新たに親善交流提携を結び直しており、新市としては4年目となります。福島県猪苗代町とは平成16年9月23日に親善交流提携を結んでおり、ことしは親善交流提携10周年の記念の年であります。

 旧長谷村は旧福田町、現在の静岡県磐田市と昭和59年8月1日に友好町村盟約を結んでおり、ことしで友好町村盟約提携30周年の記念の年となります。

 そこでお尋ねいたします。今紹介したとおり、友好都市提携から、福島県猪苗代町とは10周年、愛知県知立市と北京市通州区とは20周年、愛知県磐田市、旧福田町とは30周年の記念すべき年であります。そして、東京都三宅村は来年45周年、会津若松市とは来年15周年を迎えることになります。前回の質問に対する答弁は、友好都市については旧市町村単位での対応とのことでありました。ことしは幾つもの親戚と記念すべき年を迎えますが、友好都市との間で記念事業についての計画が何かあるのか、市長にお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 合併協議の合意書の中では、友好都市について、現在の市町村の主体性を尊重し、新市においても継続して実施するということであります。おっしゃるとおりであります。

 それぞれ友好都市あるわけでありますが、合併前と同様に、旧3市町村の各地域が主体となって相互の季節の行事、あるいはイベントへの参加、招待、そうした交流を行っているわけであります。また、知立市については、災害時の応援協定に基づいて防災訓練に相互に参加、協力するなど、災害に備えた連携もしているというのが実情であります。

 それぞれ締結してから何年ということになるわけでありますが、記念行事の計画については、現在のところ予定はしておりません。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 今、確かに旧市町村単位で結んだ提携だから、旧市町村単位でこれからもおつき合いをということであります。ただ、ことしはそういうふうに、先ほど言ったとおり、10周年だ、20周年だ、30周年だというこの記念すべき年でありますのでね、それは旧市町村単位で対応するのかもしれませんけれども、これは、ああそうですか、じゃあ各旧市町村単位なんで、長谷地区は長谷地区で、高遠町地区は高遠町地区で、それはそれでいいですけれども、これ全体としてこの親戚関係を続けていく関係の中で、何か記念事業というのは企画する気はないのでしょうか。もう一度お聞きします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 現在のところでありますが、今のところは予定はしてはおりません。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 記念事業をやる、今の段階では予定がないということでありますけれども、民間のほうで伊那友好協会という、丸山議員さんもそこの副会長をやられていますけれども、そんな民間の団体もありますし、三宅村友好協会なんか、そういう民間の団体もありますのでね、そういう方たちと行政と連携する中で交流促進を図ったらいいんじゃないかなと、これはまた提案させていただきたいと思います。

 次ですけれども、合併前の各市町村が友好都市提携を結んだ背景には、それぞれに歴史的いきさつがあり、合併後もこれからも今まで同様に末永い親戚づき合いをしていくものと思っています。しかし、そこで心配されるのは、合併10年たって地域自治区がどうなるのか、それによって友好都市提携はどうなるのか、親戚づき合いは誰がどのように行っていくのかといったことであります。

 合併10年後の地域自治区のあり方については、伊那市地域自治区制度審議会で今後話し合われることになっていますが、今回の問題も含め、その動向が大変注目されます。伊那市は合併後、新宿区、そして会津若松市と友好都市提携を結び直しています。私はなぜ他の団体とは友好都市提携を結び直さないのか疑問であります。旧市町村で結んだ友好団体は旧市町村単位だけで交流するのなら、新たに新伊那市として友好提携を結び直す必要はないのではないか。しかし、現実には、旧市町村単位を越え、オール伊那市としておつき合いをしてきている事実があります。

 伊那市議会では合併後、知立市、新宿区、会津若松市の議員の皆様と交流会を開催し、親しく交流してきています。三宅村へは昨年の産業祭に議長、副議長、各常任委員長、議運の委員長、理事者側から教育長が参加し、交流してきました。猪苗代町とは議員交流はしていませんが、土津神社を訪れ、保科正之公の霊廟を参拝した際には、とても丁寧な案内をしていただいています。この場合、旧市町村単位を越え、オール伊那市として交流しているわけであります。

 伊那市のホームページで友好団体を見ますと、末尾に注意書きがあります。そこには、友好団体の締結をした時期により名称は異なりますが、各団体の有効の程度に違いがあるものではありませんと書かれています。私は、旧3市町村の一体感の醸成のためにも、友好都市提携についてもう一度見直しをし、新伊那市として友好都市提携をし直すべきだと考えています。そして、旧市町村単位だけではなく、オール伊那市としてこれからも親戚づき合いを末永くしていくべきだと考えています。

 そこでお尋ねいたします。合併協議で旧市町村で結んだ友好提携は引き継ぐとしているのに、旧高遠町の友好都市である新宿区と会津若松市とは新伊那市として新たに友好提携を結び直したのはなぜか。なぜ他の団体とは新伊那市としての友好都市提携を結び直さないのか。合併10年を見据え、友好都市提携について、市長のお考えについてお尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 新宿区とは平成18年に改めて友好都市の締結をしました。新宿区につきましては、歴史、それから市民交流、行政活動の交流、あるいは経済流通というものが盛んでありまして、民間組織等の交流の動きが盛んになってきていることから、またさらに新たな交流の輪を広げましょうという目的で提携をしたわけであります。

 旧高遠町で行われてきた交流事業もありましたけれども、改めて提携をし直した後、かなりの分野で交流が促進してきております。例えば、災害については、援助協定に基づく新宿区防災訓練で、模擬援助活動の実施だとか、もちろん市民レベルでの交流事業の拡大もしております。それから、伊那市の商工会議所と新宿区とのパイプも大分太くなりました。新宿区が取り組んでおりますCO2の削減計画、カーボンオフセット事業についても継続をし、日本で初めての取り組みとして注目をされてもおります。

 職員の相互派遣ということも新市になってからもやっておりますし、さらに、ことしの7月18日からでありますが、新宿高野フルーツパーラーで伊那市フェアを2週間にわたって行うということも新宿区の区長さんの口添えで実施ができるようになりましたし、また、京懐石、有名な柿傳という新宿をつくった老舗がありますが、そことも伊那市産のワインの活用を今、検討したり、新宿中村屋さんともいろんなつながりができつつあるということで、非常にさまざまな分野で新宿区とはつながりが深まっているということで、それぞれ職員は行ったり来たり、また打ち合わせをしたりということで、大変ではありますけれども、こうしたおつき合いが新しい産業、新しい交流、そんなものに結びついてきているということであります。

 また、会津若松市でありますが、御承知のように保科正之公を縁として市内の各機関の交流が拡大をしてきているということから、親善交流都市を締結してから10周年の節目を迎えました平成22年4月に、会津若松市のほうからの呼びかけで改めて友好都市の締結をいたしました。現在、保科正行公の大河ドラマ化へ向けて一緒に活動を進めていっていただいておるわけであります。このような経過があって、両者の共通認識として合意に至ったということで、新市において改めて友好都市の締結をすることになったわけであります。

 友好都市の関係の交流については、これからも市民、それから経済団体などの民間が主体となった交流が望ましいというふうに思うわけであります。新宿区及び会津若松市以外の友好都市等との交流事業につきましては、旧市町村で締結した友好都市等の交流事業と同じ規模で引き続いて進めていくのが基本方針となっております。したがいまして、現状においては改めて締結をすることはなく、これまでの枠を超えた新たな事業を実施する場合には、新たな締結について検討することになります。大規模災害時、万が一のときには、相互応援によって当然お互い助け合うということは必要であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 前回のときも感じたんですけれども、今、市長の答弁の中にもありましたけれども、新宿区の場合には新たな交流の輪を広げているというような話だとか、会津若松は向こうのほうから話があったんだという話もありました。

 いずれにしても、そういう、おつき合いをしてメリットがある大きな新宿区や会津若松とは新たに伊那市として提携を結んで交流するけれども、余りメリットがない三宅だとか猪苗代は、どうぞ好き勝手に旧高遠町でやってくださいというような、そういう何か冷たい言い方、これもまたおかしいんじゃないかと思いますし、何よりも、地域自治区がどうなるのかというのが、10年後、本当に、今審議会でやってますけれども、高遠町地区、長谷地区の地域自治区がどうなるのかわからない、そうなったときに、10年たった後に、じゃあそのおつき合いは主体は誰がやるのかという、そういう問題もあるので、だから、もう一度新伊那市としてそういう親戚の人たちと友好提携を結び直したらどうかというのが私の考えなんですけど、もう一度そこら辺、答弁いただけませんか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 地域自治区のあり方と友好都市というのは切り離していかないと、友好都市が関係があるから地域自治区のあり方も連動して考えなければいけないということにはならないと思います。

 それから、友好都市、会津若松、それから新宿区以外の御提案については、御提案として承っておきます。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島進議員。



◆12番(飯島進君) 時間もありませんので、いずれにいたしましても、親戚づき合いが始まったものについては、経緯はいろいろありますけれども、これからも本当に末永く親戚の皆さんとはおつき合いをしていかなければいけない、していくべきだと思いますので、そんなことを願いまして、以上で私の質問を終わります。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、飯島進議員の質問が終了しました。

 暫時休憩いたします。

 再開は1時20分といたします。



△休憩 午後0時00分



△再開 午後1時20分



○議長(伊藤泰雄君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。

 飯島尚幸議員の質問に入ります。

 20番、飯島尚幸議員。

     (20番 飯島尚幸君登壇)



◆20番(飯島尚幸君) 20番、飯島尚幸でございます。あらかじめお伝えいたしてございます大綱二つの問題につきまして、市長にお伺いいたします。

 まず、一つ目ですけれども、お年寄り世代の市政参画についてのお尋ねでございます。

 白鳥市長の選挙公約「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」、4年間の実績と2期目の課題を掲げた後援会報を拝読いたしました。市長は、子供たちがずっと暮らせる地域、お年寄りを尊敬し、家族と一緒に仲よく暮らし続ける社会が私の願いですとこれまで機会あるごとにお話をされ、その社会実現のために、政策立案、政策誘導に取り組んでこられたことは、高く評価するところでございます。市運営2期目のスタートに当たり、お年寄りを大切にと強く思う市長の考え方、信念について、改めて御所見をお伺いをいたします。

 お年寄りといってもさまざまでございます。私は今回、お年寄りをテーマにして質問を組み立てましたけれども、その意味するところは、1人の人間としての尊厳、生きがい、使命感などを社会の中で互いに認め合い、そしてその一人一人のパワー、意見、経験などが市政にフィードバックできるような、お年寄りを大切にの中身が、つまり大切にされたお年寄りが社会にさらに貢献できるような、そんなすばらしい仕組みができないだろうかと考えたからであります。難しいことからではなくて、ごくありふれた意見の交換をお願いしたいと存じますので、市長も思うままをお話をいただければと思います。

 お年寄りの概念でありますけれども、市長は、年齢や体力、気力、生き方、家族の状態など、あらゆるお年寄りの皆さん方との出会いや触れ合いをこれまでも結んでこられているかと思いますが、市長の考える望ましいといいますか、すばらしい老後といいますか、こうありたいお年寄りの姿とはどんなイメージをお持ちでしょうか。まずここからお尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、御本人にしてみると、健康であることがまず第一だと思います。健康で体が動いているということ、それと同時に、周りからも社会からも望まれている存在であるということが私の理想とする姿であります。お年寄りの皆さんが元気で健全なというか、そうした社会こそが私の理想とする地域社会でありまして、そうした子供も高齢者も家族と一緒に仲よく暮らしていると。また、お年寄りの皆さんは知恵もあるし、経験もございますし、地域の歴史、またさまざまなことを伝承してきたわけでありますので、そうした皆さんが発言ができて、またそのことによって地域に貢献をしているということが望ましい姿という思いであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 市長は選挙期間中に、私の地元でございます小出一区の公民館の脳いきいき教室へ飛び入り参加をされております。このときの参加者は8名、全てが女性であります。平均年齢は約80歳とのことでございました。このとき御一緒した皆さんへの感想や、こうした教室への参加をした実感、思うところはどんなことでございましょうか、お尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 4月21日でありましたけれども、西春近小出一区の公民館で行われておりました脳いきいき教室、この様子を見せてもらいました。大変皆さん笑顔が、それぞれお持ちでありまして、本当に楽しく脳いきいき教室を過ごされてるなと、そんな思いがありました。明るく元気で参加されて、また身近にお話をさせていただく大変よい機会であったと思います。

 それから、指導員の指導のもとで転倒予防の体操、それから歌を歌いながら体を動かすという、そうした運動をして、脳の活性化、それから体力づくりというか、体づくり、さらには、1人で家にぽつねんといるのではなくて、そうしたところに出ることによって会話も生まれてくるということで、この介護予防には大変大きな効果があるなという思いがしたわけであります。

 市内で44カ所のいきいき交流施設を整備してきているわけでありますが、そうして整備をされた施設がこのような脳いきいき教室等で積極的に活用されて、地域の皆さんの役に立っているということを実感した次第であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) お年寄りを大切にする施策として、福祉入浴券の充実であるとか、高齢者クラブの支援、介護面の充実など、サービスの提供では懸命にこれまでも予算を盛っていることだろうと思います。こうしたお金を使って充実させることは大変尊く、これからもよりきめ細かさを願うものであります。

 しかし、その一方で、元気なお年寄りが自分の発言や提言、アイデア提供などが市政に反映された、そしてそれが実った、そして形になったなどの機会、いわゆるチャンスに恵まれれば、お年寄りにとってこの上ない喜び、心の充実感を持つことになるのではないかと強く思うところでございます。その意味からも、お年寄り世代が積極的に伊那市政に参画できるような、意見をどんどん出してもらえるような、そんな政策立案、誘導が必要ではないか、それができないだろうかと御提案を申し上げるものでございます。

 一般市民には市長への手紙など自主的に手紙を書くといったシステムがございますが、先ほどの脳いきいき教室など、全市的に開催している参加者からのアンケートによる市政への要望把握や提言のキャッチ、高齢者クラブの皆さんとの市長と語りた伊那の定期的な開催などなど、お年寄りが自分のキャリアや実績を生かした上で、市政への参画が形になるよう望みたいのでございます。昨日の丸山議員の御答弁に市長は、市民参加のワークショップの開催にもお触れになりました。対話行政の推進を重視する市長の御見解をお伺いをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 例えば、脳いきいき教室、そうした各種教室の参加者からは、日ごろから意見などをお伺いし、また、お聞きをしながら必要に応じて施策に反映をさせているということがございます。高齢者クラブの皆様にも、市長と語りた伊那ということで、今までも何回か開催をしてまいりました。そうした中でも、本当に小さな話かもしれないという前置きで提案をされる方もいるんですが、そうしたことの中にも、本当に市全体でも役立つようなこともたくさんありますので、そうした語りた伊那という、そうした中でいろんなお知恵をいただいて、また参考にさせてきていただいているということであります。

 私どもとすると、やはりそうした場づくりというのが非常に大切でありますので、そうした参加できる場づくり、それから発言ができる、そうした環境づくりということをやっていかなければいけないと思うわけであります。

 今、各地域で盛んに実践というか、作業をしていただいております古い地名調査でありますが、これはまさに高齢者の皆さんに頼るしか方法はないわけであります。古いことを知っている、また昔からの言い伝えをきちんと記憶している、いろんな知恵をお持ちの高齢者の皆さんにこの古い地名調査では非常に活躍してもらっているわけであります。こうしたことが、地域の中でさらにお年寄りに対する尊崇の念といいますか、敬愛の念といいますか、そうしたものがますます膨らんでいくのではないかと思うわけであります。

 さらに、保育園、学校、公民館の事業でもお年寄りの皆さんが参加をし、またその中の主役で活動していることが随分あるわけでありますので、市職員だけではなくて、地域の公民館の主催する皆様にしても、ぜひとも高齢者の皆様に声をかけていただいて、多くの事業で発言をしていただく、また交流を進めてもらいたいと思うわけであります。

 特に災害時、過去に幾つかの自然災害がそれぞれの地域であったわけでありますが、そうしたときでも、お年寄りの皆さんはそうしたことを口伝、あるいは伝承の中で伝えてきていただいておるわけでありますから、そうしたことも大切な知恵として、地域の知恵として大切にしていかなければいけないというふうに思うわけであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 今お話しの、確かに物を言う環境づくり、場づくりこそが大事だと強く思うわけです。その1点についてさらにお尋ねを進めてまいりたいと思います。

 最後になりますけども、こうした物を言うお年寄り、どんどん建設的な意見を言うお年寄りの必要を私自身が実感をしたのは、23年度から発足いたしました市長提案のおじいちゃん・おばあちゃんの知恵袋事業を利活用したことからであります。西春近の自治協議会では、地元の里山、権現山登山の促進や理解度アップのために紙芝居をつくりました。そのシナリオづくりのために、山のベテラン、お年寄りの大先輩にお願いいたしまして、権現山についてしっかりと、がっちりと、たくさん山のように語っていただきました。紙芝居の完成、利用度は、大げさではなくて、私も驚くほど各地で大反響を呼んで、今も大好評で使われております。私はこの大先輩の皆さん方の喜びや、つまり世の中にお役に立てたんだと、社会に貢献できたんだという充実感に満ちあふれた笑顔が忘れられません。本当にすばらしいものでございました。

 これからは、ある意味誤解を恐れず申し上げますけれども、もの、金など予算のサービスの提供とあわせて、心の充実感を引き出せる、しかもお年寄りの側からアクションを起こして獲得する、あるいはできるような政策誘導が必要ではないかと強く思うのであります。お年寄りの知恵袋事業も、知恵を必要とする側からの仕掛け、アクションがあったればこそであります。市の政策として生み出すことができないか、改めて市長の御見解をお伺いをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 実は、2年ほど前に伊那市の保育士たちが、各保育園で地元に伝わる遊びというもの、これを採用しました。約50の遊びが見つかりまして、見つかったというか確認をされまして、そのことをまたみんなで検討、研究をして、「みんなであそぶか」という本をつくりました。これは絵も自分たちで書いて、また遊び方も自分たちで工夫して表現をしということで、このときにもやはり地域のお年寄りの昔小さいころ遊んだ、そのことが大変参考になってきたわけであります。何十年も前の遊びが今にまたよみがえってきたということも一つの大変いい例かと思います。

 こうした、私たちが動くことによって得ることができる、そうした情報もありますけれども、高齢者の皆さんみずからさまざまな場所で、例えばボランティア活動の場とか、地域での何かそういうような活動の場、あるいは郷土食をつくる場とかですね、そうしたところにも積極的に参加をしていただいて、そうしたお年寄りの皆さんの持っている知恵、経験というのを私たちに伝えていただきたいというのを思うわけであります。

 保育園の中でも、庭づくりとか、花壇づくりとかですね、そうしたこともあるわけでありますが、一方では、午睡の時間にお年寄りが歌を歌ってくれるとか、そのお年寄りの皆さんのゆっくりとしたスピードといいますか、そうしたことにも子供たちは安らぎを覚えるわけでありますし、いろんな場面で活躍する場はいくらでもあるというふうに私は思っておりますので、積極的なる参加、そして高齢者、お年寄りの皆さんが元気よく社会に参加してくれる、その頻度が多ければ多いほどその地域はいい地域だと、明るくて未来に展望が開かれている地域だというふうに私は解釈しております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 先ほどお話しの古い地名調査、内容を私も十分承知をしております。そして、保育園の先生方、御苦労いただきまして、「みんなであそぶか」上下巻、2巻づくり、この背景も十分承知しております。すばらしいアイデアとやる気の皆さんがいたればこそだと思います。

 そして、先ほどちょっとお話しのお年寄りの知恵袋事業、24年度、23件の応募、約32万円のフォロー、25年度は21件、約44万円という数字をいただいておりますが、それが多いか少ないかはともかくとして、私はこの事業はすばらしいものだと思ってるんですね。

 ですので、先ほど言いました仕掛ける側がいたればこそ、そのお年寄りの皆さんの知恵なり才能なりが生かされるという、こういう状況にございますので、もう一歩深く踏み込んで、行政側からのアドバイスを送る、仕掛けをしてくるというようなきめ細かさを期待をしたいなと。そして何よりも、その結果、伊那市らしさが、伊那市はすばらしいことをやってるぞと、この前も東京中野区から視察にお見えになりました。その対応をしたのは市長自身でありました。大変な、東京ではそういったことも、すばらしいことを伊那はやってるなということも聞いております。ですので、伊那ならではの伊那らしさを、一方こういうところでしっかりと勝負をかけて示していく、こういうお取り組みを強く希望したいと思います。

 2番目の質問に入ります。西山地区のニホンジカ等の対策についてでございます。

 先ごろ開催をされました伊那市有害鳥獣対策協議会総会で報告をされました中央アルプス側の山域で捕獲したニホンジカは31頭で、前年度の6倍に増加したとの発表は、大変衝撃的な内容でございました。衝撃の中身は、中央アルプス側での生息実態について詳しい分析や調査が進まない中、そして数がなかなかとれない中で、一挙に捕獲頭数が伸びたということであります。

 従来は、上伊那地方の鹿の生息域は南アルプス側が、また里山的には長谷地域が中心とされてまいりました。白鳥市長も去る5月24日開催されました南アルプス国立公園指定50周年記念式典の挨拶では、鹿の被害について、仙丈ヶ岳の頂上までばっこしているのでありますと、大変憎しみを込めた強い言葉で言及をされていたのが印象的でございました。また、今議会冒頭の市長挨拶の中でも、伊那市の有害鳥獣駆除の取り組みは全国的にも注目を集めている旨のお話がございました。これらは主に竜東方面での実績を念頭に置いてのスピーチであったと思われます。

 翻って、ニホンジカの竜西地区、西山地帯に関しましては、今から15年前ぐらいから目につくようになったと言われており、近年では西部1号線大型農道あたりから、高いところでは西駒ヶ岳の直下、駒飼ノ池から濃ヶ池の登山道付近、標高約2,620メートルあたりでも南信森林管理署によって撮影されるなど、広範囲における生息が確認されております。

 私自身の体験ではありますが、昨年10月、西春近沢渡の天竜川に自生する雑木の中を、一瞬馬かと思えるほど骨格豊かな、角の長くりりしい雄2頭と、丸々肥えた雌2頭の4頭が、猛スピードで走り行くのをはっきりと確認いたしました。天竜川を渡って西山に行ってるぜとの話はちょくちょく聞いておりましたけれども、その目の当たりを目撃をいたしました。これも大変衝撃的なことではありました。

 ニホンジカが西山に生息し始めてはや10年、15年と言われておりますが、食害も徐々に報告されているようであります。西山を南アルプスの二の舞にしてはいけないとの危機感は、多くの人たちが共有しているところであります。こうした実態に鑑みまして、市長に幾つかの観点から御見解をお伺いいたします。

 まず第1点ですが、南アルプスですけど、南アルプス一帯におけるニホンジカの生息状況と被害状況、そしてその捕獲状況について、総括的なことで結構でございます、お話を伺いたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、予測される生息頭数、また捕獲頭数、数字につきましては、担当部長のほうからお話をさせていただきたいと思います。

 高山帯においては、食圧、鹿が食べる、食むことによって貴重な高山植物が失われているという実態、また森林帯、亜高山帯では、針葉樹の樹皮を食べてしまい、はがしてしまって、それが立ち枯れている。さらには、小さな幼木も皮をむかれて食べられて、大量な面積、広い面積で枯れているということが見られます。しかも、林床植物、シダ類だとかカニコウモリだとか、そうしたものについても食圧によってほとんどなくなっているという中で、多少の雨が降ってもすぐに流れ出している、山地崩壊が小規模なものがあちらこちらでも始まっているということで、三峰川の支流、舟形沢では大規模な崩壊があったということで、今その対策、対応をしているところであります。

 また一方では、中山間地域では、農作物への被害というのは甚大なものがありまして、これは耕作者の生産意欲の衰退、またひいては荒廃農地の拡大、遊休農地の発生の誘発ということで、あらゆる場面に対してマイナスの影響が及んでいるというのが実態であります。



○議長(伊藤泰雄君) 富山農林部長。



◎農林部長(富山裕一君) ニホンジカにつきましては、長野県が特定鳥獣保護管理計画を策定しておりまして、第3期になりますけれども、その推計によりますと、南アルプスにおけるニホンジカの生息頭数は3万3,800頭と言われております。しかし、これは調査でありますので、実態はよくわからないというところもあるかとも思います。

 被害額でありますけれども、伊那市の東部地域におけるニホンジカによる被害額が、農林業被害ですが、約5,300万円、平成24年度の数字でありますが、把握しております。また南アルプス区域、伊那市が関係する南アルプス区域における捕獲頭数でありますけれども、南信森林管理署関係で1,499頭、食害対策協議会で102頭、伊那市の有害捕獲で長谷地域で491頭、高遠地域で1,747頭、合計で3,839頭捕獲しておりまして、狩猟を含めますと4,500頭以上が捕獲されております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 改めて、私も承知していますけど、改めてその数字の大きさに、すさまじさに驚くところでございます。そうしたことを西山と同じようにしてはいけないという角度からのお尋ねを続けます。

 西山地区のニホンジカの生息状況につきまして、どのような認識、また把握をなさっておりますでしょうか。お伺いします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、西山、いわゆる中央アルプスの一帯におけるニホンジカの生息調査、これは南信森林管理署でありますが、高山帯においてカメラを設置して確認しています。平成24年には5頭確認できたものが、25年には26頭まで伸びていると。また、生息域については犬田切川の上流、これ西春近ですね。それから、内の萱の小黒川の上流、また平沢、小沢川の上流といった場所、さらには西箕輪の与地あたりでも確認がされておりますし、西山経ヶ岳山麓、中央アルプスの山麓一帯にかけて鹿が捕獲もされておりますし、目撃もされているという状況であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) そこで、西山地区を南アルプスの二の舞にしてはいけないという思いから、今、数は少のうございますけれども、ここの南から学ぶことは何だったのか、南アルプスから教訓を得たことは何だったのかという、それに基づいてこれからどうあるべきか、当然、ここが施策として考えられるわけですが、きょうの質問のある意味では結論部分になろうかと思いますけれども、南に学ぶことはどういうことだったのか、ここら辺の感触といいますか、お考えをお伺いしたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 南アルプスの食害対策の対応というのは、高山帯における高山植物保護という、そんなところから始まった部分と、それから、山麓一帯の農作物に及ぼす影響を防ぐといった、両面からあったわけでありますが、これを中央アルプスに当てはめた場合、私は南アルプスよりも怖いことが起きるんじゃないかなという予測をしています。

 といいますのも、南アルプスは造山運動というか、付加体で成り立っている山で、比較的もろい部分がありますが、もろいといいながらも、中央アルプスのほうは全山が花崗岩であります。経ヶ岳、小黒から北側については違いますけども。その花崗岩が風化してできたところに森林があると、植生があるということですので、その山が崩れるのを樹林、林床植物が押さえているというようなことが言えるかと思うんですね。

 数年前、平成18年の貝付沢の崩落、あの源流部に行ってみるとわかるんですが、石がない。全部砂であります。砂が数十メートル、60メートル、70メートルにわたって一気に崩れていると。その中には岩がない状態です。そうしたところは、針葉樹、また広葉樹が押さえているがために何とか山の崩落、崩壊が防がれているんじゃないかなと思うんですが、これが一旦この樹林が枯れてしまったり、あるいは林床植物が鹿によって全部食べ尽くされてしまうと、非常に崩れやすい状態になるんじゃないかなということで心配をしているわけであります。

 それともう一つは、山が非常に急峻です。南に比べて。里から山稜まで一気に立ち上がっていく、そんな地形ですので、そうしたことを考えると、南アルプスの同じことがこちらに入った場合には非常に恐ろしいという、これは私の見解なんですけども、思いがあります。

 さらに、南アルプスはそうだったんですが、鹿が随分いるねと、ふえたねという、そんな話を何年かしているうちに、一気にそれが爆発的にふえたという。それは当然のことなんですけども、ハス池の理論のように、1が2になり、2が4になり、最後は倍になったら全て埋まってしまうという、そうしたことが言えますので、中央アルプスも今は余り見られない、ちょくちょく見られる、そのうちに随分目にするねといったときには、一気にふえていってしまうということが予想できるんではないかと思います。

 そのようなことを考えながら、3年前からですけども、猟友会の皆さんにお願いをして、何とか中央アルプス側の鹿をたたいてほしいといったことを言って、また伊那の猟友会の会長さんを中心に、大変難しいお願いだったんですけども、取り組みをしていただきました。たくさんいるものをとるのであればまだしも、本当に広いところにわずかしかいないものをとってくれという難しいお願いだったんですけども、いろんな経験を積んで、また猟犬を使ったりということで、懸命な対応をしていただいているということでありますので、何とか一気に爆破的にふえる前に、西山の鹿についてはたたいてしまわなければいけないというふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 市長さんお話しのとおり、まさにその1点だろうと思います。市長の分析はまさに衝撃的でありますし、早いうちにたたけという、これこそがまさに望まれるところでございます。その線に沿って、以下お尋ねを続けてまいります。

 市長が会長を務めます伊那市有害鳥獣対策協議会の26年度事業計画の中に、具体的取り組みの事項の6番目として、西山地区におけるニホンジカの調査及び捕獲の実施とありますが、今少しお触れになりましたけれども、その内容について詳しく明らかにしていただきたいと存じます。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この対策の費用として、わずかでありますけども事業費を計上してあります。これは通り道ですね、西山地区、中央アルプス山麓におけるニホンジカの通り道を調べようということで、これは猟友会にお願いをしております。

 そして、道が見つかれば、そうしたところにくくりわなを設置をするということになりますが、くくりわなも大変広いところにぽつん、ぽつんということになりますと、パトロールが大変なんですね。そうした対応というのも無線を使って行うとか、ということも含めて研究を今進めるという状況であります。また、南信森林管理署も入っておりますので、こちらのほうとも情報共有をするということであります。

 また、今、研究しているのは、東から西に渡っているわけであります。天竜川を渡河しているわけでありますので、その場所を何とか早く見つけなければいけないと。一説には北の城橋を歩いて渡っているという目撃もありますし、川を泳いで渡っているという目撃例もあります。また、三峰川を下ってきて、それから合流点から渡っているという話もありますので、こうした東から西へ移ってくる、そのルートというのも調べていかなくてはいけないという思いであります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) まさに地味な取り組みですけれども、辛抱強くというよりも、積極的に取り組みをお願いしたいなと。くくりわなの大変さは今、お話ありましたけども、後ほどしっかりと触れさせていただきます。

 そして、有害鳥獣駆除実施計画の中で、鹿につきまして、伊那地区では500頭、高遠町地区では1,000頭、長谷地区では1,000頭とありますけども、伊那市の地区で500頭の中で、ではその500はどこでどれだけとりなさいよというような、地区別の分けみたいな、そんなことは予定をされておりますのでしょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 詳細については部長のほうからお話をさせていただきますが、この捕獲計画数については目標であります。目標の数値でありまして、伊那地区内の地域別の目標の設定というのは、具体的には行っておりませんが、西山地区においてもできるだけたくさんの鹿を捕獲しなければならないということは言えるかと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 富山農林部長。



◎農林部長(富山裕一君) この捕獲目標につきましては、猟友会長さん方と協議の上決定しておりますが、今、市長申しましたように、伊那地区では500頭でありますけども、地区別の目標は設定しておりませんが、西山でもできる限りとっていきたいという計画であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 次に、改正鳥獣保護法につきまして、幾つかのお伺いをいたします。

 この改正鳥獣保護法は、去る5月24日の参議院本会議で可決、成立をしたもので、施行期日は公布の日から起算して1年以内の政令で定める日から施行するということになっております。主な内容は、ふえ過ぎた鹿、イノシシなどが農作物や生態系に深刻な被害を与えている事態を改善するため、従来の保護の観点から管理、つまり捕獲を強化する内容になっております。個体数が著しく増加したり、生息地が拡大したりしている有害鳥獣を減少させる計画を都道府県が策定するよう規定をしております。

 また、狩猟免許取得者の減少、高年齢化を踏まえ、捕獲の専門事業者を都道府県知事が認定する制度を新たに創設いたしました。捕獲を担ってきた猟友会のほか、警備会社などの参入を想定をして、効率的な捕獲体制の実現を目指しております。さらに、網やわなを使った猟の免許が取得できる年齢を20歳以上から18歳に引き下げ、若い人の確保も進めるとしております。

 このほか、人里におりてきた鳥獣が人間に危害を加える事例の増加を踏まえ、都道府県知事の許可を受けた場合は、住宅地での麻酔銃の使用を容認しております。また、十分な安全体制をとっていると確認できた場合に限って、都道府県や国からの捕獲事業の委託を受けた認定事業者に夜間の猟銃使用を認めております。

 この改正につきまして、報道によりますと、市長は、国としての対策強化や規制緩和はこれまで強力に要請をしてきたことなんだ、地方の実態を訴えてきた成果がここにあるというふうに評価をしているとございました。環境省に人脈の強い市長の、この法改正につきまして、まず御所見をお伺いいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この伊那の地域を守ると、獣害から守るという、そうした取り組みを長年してきた結果、中央省庁に訴えていかなければならないということが明確になってきたわけであります。銃の、狩猟のこともそうですし、さまざまな規制の改正等についても要望してまいりました。そうした中で、地方の、つまり私たちの実態を訴えてきたことが、今回の法改正につながったと。

 また、法改正の中では、県の役割というのを重視すると。今まではどちらかというと市町村単独の取り組みということでずっときたわけですけれども、結果として、鹿が移動するものは県まで越えているわけでありますので、市町村境だけではなくて県境も越えているわけであります。そうしたことから、県の役割を重視するということに変わってきております。これは大変大きな変化であり、私たちも今まで訴えてきたことが実ったということで、これからは県の指導のもとに私たちも連携をしながら、市単独の取り組みではなくて、もう少し効果的な取り組みができるのではないかという期待をしております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) まさにその効果的な取り組みこそが待たれるわけでありますが、続きまして、改正にあります夜間の銃使用につきまして、認定事業者、これは当然猟友会の皆さんになろうかと思いますが、現行の日の出から日没までの間ということで、地域ごとにより、例えば長野は長野、松本は松本というような、そういう地域ごとによって時間帯は違っているようですが、夜間の解釈はどのようにお考えでございましょうか。人の、いわゆる目視力がきく夜明けといったものでよいのか。完全な真夜中でも照明器具を使用してよいのか。警察などとの見解の調整はどうなのか。警察当局がどう考えるかということなんですけども、それとの整合性はどうなのかなど、現場の狩猟をなさる猟友会の皆さんとしては大変気になるテーマであります。今現在でどんなふうにおつかみでございましょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この夜間の銃使用についても、警視庁、総務省、それから自衛隊、林野庁、環境省、農林水産省といった横断的な省庁の会議の中で私も発言をさせていただいて、どうしても日の出から日没までという、そうした縛りの中ではなかなか難しい、対応が追いつかないということもあったわけでありますので、夜間の銃の使用というのは大変ありがたい、私たちの訴えが通ったのかなと思うわけであります。

 それで、夜間の解釈というのは、日没後という意味でありまして、実際の運用については今後さらに詳細が示されてくるという理解でありますが、日没後からという、そんな解釈でおります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 先ほど市長、そして今回、法改正によりまして、県の立場が重要視されている。おっしゃるとおりですけども、有害鳥獣の生息状況に鑑みますと、一伊那市の問題ではなくて、捕獲やら個体数の捕殺などというのは、鳥獣の保護管理というのは国が徹底して本来取り組むべきだと私は思うわけであります。

 このため、国の指導による効果的な、広域的な対応、これを行うために、それについては仕組みづくりが必要じゃないか。このことに対して、市長のお立場から県の市長会に上げて、さらにそれを国に持っていくというような、つまり、国が主導で本来やるべきじゃないのかと、こういうような角度からの市長みずから御提言をするというような、こういうようなお気持ちはいかがでしょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 実は、直接国のほうにさまざまな法改正についての要求というものをしてきた経過があります。具体的に言いますと、伊那市は積極的な取り組みをして、猟友会とも連携をし、すばらしい効果、成果を上げてきたわけでありますが、たくさんとればとるほど市の持ち出しはふえていくわけであります。一方で、何もしなくても減っていくという自治体も当然あるわけでありまして、これは余りにも不公平だということで、農林水産省とか林野庁にも知り合いが何人もおりますので、行くたびにそんな話をしてまいりました。頑張れば頑張るほど苦労するなんてことは、どだいおかしな話であって、頑張ったところには頑張ったなりのことをしてみるべきだということで、実は有害鳥獣駆除に対しての奨励金、これについては1頭当たり2,500円が加算されたというのも、伊那市の粘り強いそうした要求の中からかなというふうに思っております。

 一方では、県のほうにもいろんなお願いをしながらきておりますけれども、県は県の立場もあるわけであります。とはいえ、今度の法改正ではちゃんと県が指導しなさいと、県が中心となって市町村と連携をして進めていくと、その中心は県ですよということがうたわれておりますので、県も長野県全体として、今度は県と県との連携も含めてやっていかなければいけないと思いますし、そうなれば実効性の高い成果が上がってくるのではないかと思っております。

 広域的な対応というのは今後も不可欠でありますので、必要に応じて、市長会を通じてとか、また国のほうへ直接地方の実態を伝えて、あるいは国のほうからもこの伊那のほうへ来て、現場を見てもらって、それから対策、対応というのを早急に講じていくということがこれからも繰り返して行ってまいりたいというふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) ぜひその決意を強めていただきまして、お願いしたいと思います。

 今、国県の話が出ました。具体的なことを、ちょっと少し長くなりますが、例を引きまして紹介をさせていただきます。現場の猟友会の皆さんからの強い要望、願いの一つであります狩猟税についてのお尋ねをいたします。

 結論から先に申し上げますと、有害鳥獣の駆除に協力するメンバーが長野県に納める第一種狩猟税8,200円、網、わなの狩猟税4,100円、人により種類に違いはありますけれども、最高1万2,300円になります。この狩猟税の免除、何とかならんか、求める声が大変高まっております。これらの声を県の市長会に上げていただきまして、県の配慮を求めるよう市長みずから発言をしていただきたいと強く願うものであります。

 伊那市の伊那猟友会有害鳥獣保護協力基準、拝見をいたしました。有害鳥獣駆除に出動する人の条件、つまり有害鳥獣駆除に出動する人です。自分の楽しみだけで、ハンターでずどんと撃って、とった、とったというだけで楽しんでいる人たちではありません。いわゆる駆除というボランティア活動に携わる人の条件は大変厳しくて、出動する人の条件は大変厳しく、狩猟では無事故無違反、人格、円滑、円滑と書いてありました、円満、十分な経験と熱意を持ち、必要に応じいつでも捕獲に従事できる者などが規定されています。短い狩猟期に、自分の楽しみだけのハンターならいざ知らず、100%近いボランティア精神で取り組む皆さん方であります。何かあれば、また要請があれば、いつでもすぐに出動せねばならない猟友会のメンバーに、少しでもの配慮ができればと強く願うものであります。

 具体的な例の一つですが、私の地元の西春近のことで大変恐縮ですが、有害駆除に当たるメンバーはわなを仕掛けます。そうすると、当然のように毎日、早朝から見回りに出かけます。見回りは当然、目的の獲物がかかっているかどうか、鹿以外の野獣が錯誤でかかってはいないかどうかなど、細かな点検に当たります。山道、田んぼ道、林道などを駆けめぐってガソリン代はかかります。長谷地区のように鹿がちょくちょく捕獲できるほどであれば、1頭の奨励金7,500円も重なればそれなりの手応えになるわけですけれども、西山一帯では、先ほどお話しのように、まだまだ数が少のうございます。頻繁にはとれない、されど見回りをせねばといった苦しいせつない現実があるのも事実であります。

 伊那市では、有害鳥獣防除対策事業として、狩猟免許の取得、更新について、新規取得者は補助対象経費の4分の3、更新者には同じく2分の1を補助をしており、今年度事業費463万5,000円を計上していることは承知をいたしておりますが、有害鳥獣の長野県の実態や被害防止、若年層の育成などの視点から、思い切った施策を望みたいのであります。

 簡単な言葉で申し上げますと、鉄砲撃ちをこれ以上いじめてくれるなということでございます。これはぜひ、ハンターの皆さんから、猟友会の皆さんからこの表現で言ってくれと、これを直接代弁をして申し上げているわけでございます。強く要望を受けております。このことにつきまして、市長の御見解はいかがでしょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 税の減免でありますが、実は前々から持ち上げてきた内容でありまして、今8,200円、4,100円というのは、実は平成25年度から鳥獣被害の対策実施隊員のメリットとして軽減がされたということで、それまでは第一種は1万6,500円でわなは8,200円という大変高いものでありましたものが、今は半減したということであります。

 また、そのほか保険とか報奨等についてはまた部長のほうからお話をさせていただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 富山農林部長。



◎農林部長(富山裕一君) 軽減の内容でありますが、今、市長が申しましたとおり、実施隊になりますと税が半額になるということ、それから、従事者特別傷害保険は協議会が負担いたします。また、実施隊に入っていただくことで、年2,000円でありますが、支給になる。それから、銃刀法に基づく猟銃所持許可申請に伴う技能講習の免除のことが得られるということでございます。

 狩猟税の減免につきましては、時々県とも協議をしておりますので、また話をしてまいって検討していきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) どうぞ引き続き粘り強くお話を続けていただきたい、こんなふうに思います。

 次に移ります。

 猟友会メンバーの高齢化、後継者不足が久しく言われてきておりますが、わずかながらでも20代、30代の青年ハンターが生まれつつあったり、あるいはやってみたいなという気持ちを持つ人も見られるようになりました。

 こうした若い世代を育て、成長させるために、環境づくりが極めて大切なことは論を待ちません。いつも言われることですけれども、資格を取るために射撃訓練や講習会への参加、これは必ず平日の開催なので、勤務を持っている若い世代にはなかなか休みをとれなくて参加できない、せめて休日の開催に変更してもらえないだろうかと、古くて新しい話で恐縮ですけれども、現場ではそういった思いは大変強うございます。このことについて市長、思いは、またアクションとしては何かお考えでございましょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) このことも伊那市から県のほうに強く要望して、変更ができた一つでありますが、まず、平成23年度までは狩猟免許の試験、それから講習会というのは平日でありました。免許をとりたくても会社を休んで行かなければいけないというこの実態の中では、猟友会、また免許の取得というのはなかなか難しいと。しかるに、土曜日とか日曜日に変更してほしいと、また市役所でやってほしいというような話までしてきた結果、平成24年度からは土曜日、日曜日に開催することになりまして、平成26年度も土日開催が予定をされております。

 また、実態についてもさらによく確認をして、改善ができることについてはさらに県に要望を行っていきたいということであります。そのかいあってか、伊那市では猟友会のメンバーというのはふえておりまして、毎年10人から20人が新規でふえていると。わなが中心ではありますけれども、市の職員も取得をし、そうした有害鳥獣の駆除に貢献をしているというふうに取り組みをしております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 次に移ります。

 有害鳥獣対策におきまして、信州大学農学部の協力の内容につきまして明らかにしていただきたいと思います。もうひとつここがはっきりと目に見えてこないのが事実でございますので、この際お知らせいただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 信州大学農学部につきましては、伊那市にとりましては大変力強いパートナーであるということであります。この有害鳥獣駆除の内容においても、また全般にしても、指導、支援をいただいております。例えば、麻酔銃についても信大、またわなの設置、あるいはGPSを使って鹿の動向調査、いろんな場面で信州大学とは連携をしながらやっております。

 また、高山帯の植物がどのように遷移していくのか。今、優占種がマルバダケブキでありますけれども、これがどのようにして違う植物を優占させることができるのかというような調査までやっておりますし、さまざまなことに取り組みをしております。最近の調査研究の中では、鹿が識別できる色というものもわかってまいりましたので、これによって柵の色についてもさらに研究が進むのではなかろうかというふうに思います。

 また、南アルプスにおきましては、先ほど言いました防鹿柵とか植物、高山植物の調査等がありますが、西山については熊の対策、ツキノワグマの対策と、それから猿の対策、そんなところにもかかわりを持っていただいております。今後も連携をして取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 市長、今GPS、いわゆる衛星利用測位システム、お触れになりました。そこで、特に西山で、鹿もこれをつけた実態調査、さらに熊なんかも、信州大学の学生さん一生懸命やってらっしゃるんですけど、その内容がもうひとつはっきり、私ども伊那市民にとって見えてこない。どういう状況になってるのか報告がない。ここら辺がちょっと不満なのですね。もちろん、学術目的でやってらっしゃるということもあるかもしれませんけども、もう少し信州大農学部のほうに明らかにしていただくような、あるいは調査データをオープンにしていただくような、ここら辺の話し合いというのはいかがでしょうか。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 西山ではまだニホンジカにGPSをつけてというところはやっていないと思っております。大体鹿の行動パターンというのは見えてきましたので、どのような動きをするのか、また冬期間はどこに集まるのかというのは、今までの研究でわかってきました。

 今、信州大学でやっていただいているのは、猿を中心に西山ではやっておりまして、猿に発信機をつけて、猿は群れで動きますので、その発信、電波が近づいてくるとそこで行って追い払うということで、本当は捕獲をすればいいんですけど、なかなかとれない実態がありますので、作物被害を防ぐために、群れが近づいたときには出動していって追い払うというようなことで、そんな対応を信大と一緒にやっております。

 そのほか、また、信州大学とやっていることがあれば部長のほうから話をさせますが。

 ツキノワグマでありますが、お仕置き、学習放獣ということで今、やっております。多くの皆さんは、捕まえた熊は遠くに行って放してもまた戻ってくるということが一般的によく言われておりまして、何で1回で捕殺をしないのかということもよく言われてるんですが、最近の調査結果によりますと、昨年は31頭でしたかな、捕まえて、それをお仕置きをして遠くへ行って放す、それがまた再犯というか、もう一回捕まるという確率は1割でありました。3匹だけでした。あとはかかっておりませんので、それほど同じ熊が何回もおりにかかるということはないということもわかってまいりまして、それは、1回捕まえると耳にタグをつけて放しますので、その熊が捕まれば2回目はもうアウトですよということなんですが、そうした熊は3頭しかいなかったということもわかってまいりました。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 私も何度か見ておりますけども、捕まったところから遠くのほうへというこの、じゃあ遠くはどこら辺なのか、林道が続く限りなのか、あるいは木曽まで行くのか、さまざまな思惑があるところですけども、気になるところですけども、それ以上お伺いしても無理かと思いますので、最後になります。

 伊那市の森林の将来像を描き、整備方針はどうあるべきかなど、今後、伊那市の50年の森林事業策定に取り組む、こういう意向でございました。この中に、ニホンジカを初めとする有害鳥獣対策の視点はどのようにい続けていくのか。その構想の、これからということでございますけれども、その構想などをお聞かせいただきたいと存じます。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 伊那市50年の森林づくりということで、大変壮大なこれから取り組みが始まってくるわけでありますが、これは、詳細についてはまた先日話をしたとおりでありますが、この中には、有害鳥獣対策というのは極めて重要であると。森づくり、例えば植樹をしたときに芽をカモシカに食べられるとか、あるいは鹿が食べてしまうとか、これは当然対策をとらなければいけないわけでありますので、こうした50年先の森林整備を考える上でも極めて重要な問題であるという認識であります。

 今回の50年の森林ビジョン、これを策定するに当たりましては、ニホンジカだけではなくて、ニホンジカを初めとする有害鳥獣対策の視点というものを盛り込んでいく予定であります。



○議長(伊藤泰雄君) 飯島尚幸議員。



◆20番(飯島尚幸君) 先ほど猿被害のことにお触れになりました、西山の。そのことにつきまして、一つ御報告を申し上げて終わりにしたいと思いますが、西春近の猟友会の皆さん、猿を捕獲するためにそのえさをつくります。えさはトリキビであります。トリキビをつくるところが問題なんですね。普通のトウモロコシ、あるいは人間が食べたり、また販売するというようなトウモロコシ畑の近くでトリキビをつくりますと、おかしな交配になってしまってそれは困るぜということになるわけです。猟友会の皆さんは今度は山付きに移動します。荒廃農地をみずから耕して、そこでトリキビをつくります。トリキビは、普通のトウモロコシだと乾燥させればしなしなというか、小さくなってしまう。トリキビですとぱんぱんに、かたいままなります。そういうものでないと猿は好まないということで、猟友会のメンバーは猿を駆除するためにえさづくりから春から夏にかけて一生懸命取り組んで、そして冬のボランティアで行う駆除のためにつくっているという、大変苦労をしながら、鉄砲を撃ちながら猿のえさづくりをするのか、えらいもんだねという中でも一生懸命、ハンターの皆さんね、本当につるしてあります。来るべきときのためにということで。

 そんな苦労をしながら猿対策にボランティアで取り組んでいるという事実もお伝えを申し上げまして、何とかさまざまな形で一生懸命真面目に取り組んでいる皆さんへの配慮を強く願いまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、飯島尚幸議員の質問が終了しました。

 引き続き、唐澤稔議員の質問に入ります。

 6番、唐澤稔議員。

     (6番 唐澤 稔君登壇)



◆6番(唐澤稔君) 6番、唐澤稔でございます。さきに通達をいたしました大きく2点につきまして質問をいたしたいと思います。

 これからの農業について、一つ目は、減反政策についてでございます。

 政府は2013年11月に農林水産業・地域の活力創造本部で5年後の2018年に減反をなくす方針を新たな制度へと転換することが決まっております。5年後の廃止によって大きな政策転換となりますし、減反の補助金も25年度は10アール当たり1万5,000円支給されているが、2014年度、半額の7,500円に減額され、30年度産は廃止の方針を打ち出しているようだ。

 食の多様化や少子高齢化に伴って、米の需要も減ってきております。現在、農業従事者240万人弱で、そのうちの60%以上が65歳以上の方と言われております。実際に減反が廃止されたら、農業就業者は5年で10分の1に減ってしまう。農業をやめて農地を貸していくしかないと思います。減反廃止は大規模農業への農地を集中させ、数もふやしていく。今後の農業の合理化を進めていかなくてはなりません。

 まず、この点につきまして市長の御見解をお聞きしたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 米の直接支払交付金の交付単価の半減、これは5年後の廃止というものが示されております。現行の生産調整については、転作にかかわる各種補助制度、これを充実をしながら、5年後をめどに国による目標配分、これに頼らなくても生産者みずからが生産量を決定できるという環境、これを整備することが示されているわけであります。

 また、担い手の皆さんへの農地の集積を推進するという点から、本年度、都道府県単位ではありますが、農地中間管理機構が設立されました。いわゆる農地バンクであります。また、一方では、農地の持つ多面的機能の維持を向上させるという、この支援策として、日本型直接支払制度、こうしたものが新たに創設をされているわけであります。

 今後、創設されます農地中間管理機構、これを積極的に利用して、担い手への農地の集積、これを進めながら、効率的な農業経営によって、担い手の皆さんが安定した農業経営が行えるというように最大限の支援をしていくつもりであります。また、中小規模の農家の皆さん、集落営農組織への参加、あるいは日本型直接支払制度の活用によって、できる限り農業を続けることができる環境づくりというものについては支援をしてまいりたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 唐澤稔議員。



◆6番(唐澤稔君) 補助金と中間管理組合ですか、の関係で補助金も出るということですが、それに関連いたしまして、集落営農について御質問をしたいと思います。

 伊那市の農業総合計画の後期基本計画でも、施策方針として担い手、新規就農者の確保に向けた施策を進め、効率的で安定した営農形態の構築により、農業経営の基盤強化と地域の活性化を図るとなっておりますが、集落営農法人が現在9法人展開されると聞いておりますが、具体的な構想と現状はどうか、市長にお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) おっしゃるとおり、市内には地区、あるいは集落を単位とした22の団体が組織をされておりまして、そのうち九つの団体が昨年度末までに法人化したという状況であります。また、集落営農組織につきましては、設立してから10年、最長でありますが、10年以内に法人化するということが決められておりますので、法人化していない団体においても今、準備が進められているという状況でございます。

 昨年示されました国の農政改革、これが経営所得安定のための国の支援、これは一律の支援から担い手への支援という方向に大きくかじが切られたというふうに思っております。こうした制度改正によりまして、中小規模の農家の皆さんは、個人では交付金をもらうことができなくなるわけであります。集落営農組織への加盟等を促すことも必要となってまいります。今後、集落営農組織への参加を促しながら、経営基盤を拡大するということともに、集落営農組織の法人化、このことにかかわる国の補助制度を積極的に活用しなければいけないという考えであります。

 また、集落営農組織の法人化についても進めなければいけませんし、また設立した法人が地域の農業を支える、守る、そうした担い手として継続的な農業経営が行えるような、そうした環境づくりと支援もあわせてやっていかなければいけないという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 唐澤稔議員。



◆6番(唐澤稔君) このような法人化となりますと、やはり雇用促進も出てくると思いますんで、ぜひ進めていただきたいと思っております。

 3番目といたしましては、古米等についてですが、自給的農家、まあ兼業農家でありますが、出荷するほどではないが食べる分だけ米をつくっている方が多いと思いますが、家族も少なく、米が余って困るというのが現実であります。蔵に眠っている古米、古古米を家畜飼料にと相談がありました。我々消費者とすればもったいない話ですが、古米等の処理の相談はないか、また、指導等はあるか、市長にお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) これまで古米等の処理についての相談というのはありません。また、JAにおいても年に1回古米等の回収を行っているということから、仮に発生してもそのほとんどを処理ができているのではないかというふうに推察がされるわけであります。

 今後、生産調整を求められる中、可能な限り消費可能な必要最小限の生産というものをしながら、余剰となる水田については転作を実施をしていただくということをお願いしてまいりたいと思います。現状では、水稲栽培の管理記録がない場合には、個人にて相手を見つけて引き取ってもらう、あるいは処分するしか方法がないのが実態であります。



○議長(伊藤泰雄君) 唐澤稔議員。



◆6番(唐澤稔君) 先般農業委員の方とちょっとお話をしましたときに、やはりそういうものはJAと相談して、ちゃんと取引があるわけじゃないかなというふうに言われましたが、本人にしてみれば、関連はありますが、どれぐらい余ってるんだと聞きましたら、ちょっと20俵と言うもので、そんなにあるだかという話ですが、多分古いのがだんだんたまってそのぐらいになったんじゃないかということで、牛のえさにと言ったら断られました。実際、本当に困っております。我々消費者としては大変もったいない話かなと思っております。

 田畑を先祖様より受け継いで、草ぼうぼうで遊ばせておくわけにもいかんし、田んぼも同じように、近辺にやはりそういうところがあればみっともないということで、一生懸命つくっていると思うんですが、野菜も家では消費できず、近辺に配るというのも現状であります。我々としてはほんと助かっておりますが、やはりみっともないでつくらにゃしょうがないということで、やっていると思います。

 続きまして、体験農業についてですが、今後も耕作放棄地が増加しているとともに、米の需要も減ってきております。都会の子供たちが田舎で自分たちで田植えから刈り取りまで行っているところをテレビ等で見ますが、伊那市の学校では体験農業を行っているかどうか。もし行っていなければ、進めていくことを要望いたしますが、教育委員会にお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 北原教育長。



◎教育長(北原秀樹君) お答えいたします。

 農業の体験につきましては、それぞれの小中学校において総合的な学習などの時間で野菜づくり、米づくりなどを、作物の栽培に取り組んでおるところでございます。また、栽培をする際にそれぞれ地域の方に御指導をお願いすることもありまして、地域の方々との交流であったり、また栽培過程の観察、収穫した作物の調理、加工、場合によると販売等も体験をしております。

 また、ことし3月、伊那市学校給食あり方作業部会でまとめられた報告書の中の提案をもとに、平成26年度においては本格的農業体験モデル校5校を指定して、栽培に取り組んでいるところでございます。このモデル校の取り組みにつきましては、検証しながら、来年度以降さらに拡大していきたいと考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 唐澤稔議員。



◆6番(唐澤稔君) 行っているということで、大変、これからも続けてやっていただきたいと思います。

 それでは、次に入りたいと思います。大きな2番でございますが、全国大会の開催についてであります。

 本年度も4月19日から4月20日において第3回全国ハイシニア信州伊那さくら大会が開催され、全国より39チームの参加をいただき、伊那市を初め、箕輪町、宮田村、南箕輪村さんに御協力をいただき、無事終了することができました。今後も継続してできるように考えております。

 来年の8月には伊那市で東日本大学男女選手権大会が予定されております。1,000人規模の大会になることが予想されます。伊那協会が主となり、準備を含め考えていかなければなりません。大会には、準備を初め運営にも大変多くのスタッフが必要となります。市内のナイターのチームから手伝いをいただいておりますが、高齢化も進み、限度もあり、行政へも何らかのお手伝いをお願いしなければなりませんが、この件につきまして市長の見解をお聞きいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) このさくら大会、大変すばらしい大会になってきたというふうに私も思っております。全国からソフトボール愛好、またいろんなチームが集まって高遠の桜、また伊那公園の桜、春日城跡公園の桜、そうしたものを楽しみながら交流を深めるということで、しかも宿泊を伴うということで、ただ単にソフトボールの全国大会、全国規模の大会というものの開催ではなくて、地域の貢献というのは非常に大きいものがあるというふうに理解をしております。

 このソフトボールに関しましては、全国規模の大会が伊那市で開催されてきておりますし、また伊那市から大会運営の補助金も支出をして、応援をしてきてまいりました。全国規模の大会というのは、ソフトボールのまち伊那市のスポーツ振興に寄与するとともに、伊那市を全国発信をする大変いい機会でございますので、そうした貴重なものであるというふうに捉えております。

 また、ソフトボール以外でも県外から参加があるスポーツ大会、これも幾つか開催をされておりますので、それぞれの競技団体によっての運営がされているというふうに思います。招致、それから開催に当たってのそれぞれの団体からの支援、また長野県ソフトボール協会、伊那市ソフトボール協会の関係する皆様には本当に感謝申し上げる次第であります。主管、あるいは主催、こうした各競技団体というのが中心となって開催をいただいております。広報など、市としてできる範囲の支援というのは今後もしてまいりたいというふうに思っております。



○議長(伊藤泰雄君) 唐澤稔議員。



◆6番(唐澤稔君) 毎年全国大会を開催するというのは、本当に大変なんです。やはり、いくらなれておりましても、どんな大会でも全国となると、やはり準備等大変なことだと。ぜひ、地域の活性化のためにも協力をいただきたいと。

 ちょっと別な話になりますが、結成して8年目になりますアルプスいーなちゃんチーム、ソフトボールのチームですが、先般、長野県の大会におきまして準優勝をいたしました。今度は7月30日から始まる北海道の帯広ですか、の全国大会に参加することになっております。8年目ですが、最初は打ったら左のほうに走っていくような、当初、状態でありましたが、ここ8年目で市長も大分応援していただいておりますので、ここで御報告をいたしまして、今後も駅伝大会とともにソフトのほうも御協力をいただきまして、私の一般質問を終わらせていただきます。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、唐澤稔議員の質問が終了しました。

 引き続き、前田久子議員の質問に入ります。

 18番、前田久子議員。

     (18番 前田久子君登壇)



◆18番(前田久子君) 18番、前田久子でございます。今定例会一般質問、最後の質問者となりましたので、お願いいたします。あらかじめ通告をいたしました3項目につきまして、市長の見解をお伺いしてまいります。

 初めに、地域包括ケアシステムの構築についてでございます。

 このたびの市議選で多くの皆様とお会いをいたしました。市の課題、市民の視点、要望など、幾つも承ってまいりました。その中で一番多かったのは、人生総仕上げのあるべき姿、つまり老後の問題でした。私は今回、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるための地域包括ケアシステム伊那市版の構築、これを一番の公約としてまいりましたので、ここで取り上げてまいります。

 地域包括ケアシステムとは、重度の要介護者や認知症になったとしても、医療、介護、予防、住まい、生活支援が切れ目なく一体的に提供されるもので、来年度の介護保険制度改正に伴い、システムづくりを急ぐ必要があります。日本には2025年問題があります。これは団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年をどう乗り切るかということで、決して遠い先の話ではありません。また、認知症の増加、65歳以上の単身者、夫婦のみ世帯の増加など、介護の社会化を目指す介護保険が果たす役割は今後さらに大きくなっていくと言われております。入院、入所、双方の調査で80%以上の方が自宅で過ごしたいという希望があり、ここが土台となっているのがこの包括ケアシステムの制度でございます。

 国においては、このシステムを構築するための医療・介護総合確保推進法案の今国会での成立を目指しております。医療から介護、病院から地域へ、これがこのシステムのキーワードです。時々入院、いつもは在宅、こういう考え方でございます。国県、市、市民、あらゆる関係団体、全てがかかわって、高齢社会を支える仕組みをつくる大きな転換期を迎えております。その要になるのが自治体で、膨大な事務をこなすことになり、それには首長の覚悟が大事であると、私の手持ちの資料には何カ所も書かれております。

 市長は、「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」、そういう伊那市を目指して各分野において事業を手がけておりますが、高齢者対策におきましては、このたびのこのシステムは市長の思いを実現するにはまさに時を得た方法といえます。ですが、市民を交え、全ての機関を動かしての医療・介護の整備です。これは大事業となりますが、市民から納得いただけるシステムづくりを強く望むところでございます。

 そこで、1点目として、実態調査についてお聞きしてまいります。これから政府としては先進事例を調査して結果をまとめ、市町村へ提供してくるとのことですが、高齢社会の進展は地域ごとに異なり、社会資源や人材にも差があるため、全国一律とはいかないので、まず伊那市として今から積極的に調査活動、勉強会、研究会を行い、現場の課題、つまり伊那市の実情を把握、共有することが大事です。

 このシステムを完結するために必要なのが、第一に、介護される本人と家族の心構えです。心構えというのは、自分はどういう生き方をして、最後はどこでみとられたいかという意思を示すということで、それを支援する側はそのために必要なものを全部そろえることになります。そのため、しっかりと実態把握と課題分析が前提となります。

 そこでお尋ねいたしますが、まず第一歩として始めなければならない高齢者のニーズ調査の実施と、事務体制についてどうしていくのか、お尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 少子高齢化が急激に進んでいるという中で、重度な介護状態となっても、やはり住みなれた地域、また自分らしい暮らしを最後まで続けたいということが全ての皆さんの希望であると思います。そうしたことができるように、住まい、医療、介護、予防、生活一般、そうした支援が一体的に提供される地域包括ケアシステム、これを構築して、また高齢者を地域で支えていくということは極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。

 第6期の介護保険事業計画、高齢者福祉計画を策定するに当たりまして、在宅の要介護、要支援認定者及びその介護者と、認定を受けていない高齢者、いわゆる元気な高齢者でありますが、そうした皆さんに対して平成25年12月に高齢者実態調査を実施いたしました。要介護、要支援認定者1,583名に対して、それから元気高齢者204名に対してアンケートを行いながら回答をいただいております。

 また、このほかに、介護予防給付の見直しに伴いまして、要支援者の訪問介護、それから通所介護についても、平成29年末までに新しい総合事業によりますサービスへ移行する必要があるわけであります。現在、このサービスを利用しまして、要支援者に対するアンケート調査の実施を予定しております。こうした調査結果については、内容をきちんと分析をして、課題の把握を行って、第6期介護保険事業計画、それから高齢者福祉計画、これに反映させていくつもりであります。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 実施をしていく予定ということでございますが、このシステムをつくる全ての基本となる調査ということになりますので、これを明確に今から計画を立てていかないと、尻詰まりになってくるというふうに思います。いつまでにきちんと仕上げるのかとか、また調査をする範囲、それは昨年行ったものは本当に限られた方を対象とされているようですけれども、このケアシステムというのは伊那市じゅうの人たちがかかわっていかなければ成り立たない制度でございますので、高齢者とかが対象になるというのはもちろんでありますけれども、それを支える、受け入れていく家族、また医療関係、お医者さんを初め看護師さん、そして介護関係者、全ての皆様方の立場、立場でのアンケート調査、こういったものも大事になってくると、必要となってくると思います。

 それとまた、全世帯、みんなが関係してくることでありますので、全ての世帯、本当なら全市民と言いたいところですけども、全世帯の方に、ピックアップするんじゃなくて、全世帯を対象とした調査をしていく。また、この調査をすることによって、全市民に協力をいただくシステムですので、今度はこういうふうになっていくんだという意識づけをするという、そういう目的もありますので、全世帯にこれを対象を広げるべきではないかと私は考えております。

 また、この調査をすることによって、現在福祉に関係をする部署として、この調査から何を一番知りたいと思っているのか、つかんでおきたいことは何なのか、そのあたりもお聞かせいただきたいと思います。



○議長(伊藤泰雄君) 城取保健福祉部長。



◎保健福祉部長(城取誠君) 昨年度実施いたしました高齢者の実態調査の結果等につきまして、まず御説明をさせていただきたいと思います。

 先ほど市長が申し上げましたとおり、昨年度実施いたしました高齢者の実態調査につきましては、まずは介護認定を受けておらない元気な高齢者の方には204名の方から回答をいただいております。それから、介護認定を受けている方、現在では3,000名以上おられるんですけども、その皆さんに調査をいたしまして、回答については1,583件の回答があったということで、約半数の方から回答をいただいていると思っております。その中では、介護認定のある方につきましては、なかなか御自分で介護に関するニーズ等についてのお答えをするというのが難しい方もいらっしゃいますので、御家族も含めてこの回答については記入をしていただいているというふうに理解をしております。

 調査内容につきましては、本人あるいは家族の方の生活状況、それから介護にかかわります健康状態とか、それから認知症についての理解、それから高齢者施策についての要望と、非常に幅広いアンケートになっておりまして、13項目にわたりまして調査をさせていただいております。

 そのほか、先ほど介護事業者の方からのアンケートもというようなお話もございましたけれども、これにつきましては、通常は地域包括支援センター等でも事業者等との連絡調整会議、定期的に行っておりまして、その中で介護に対するニーズ等についてはいただいているというふうに理解をしているところであります。

 それから、今年度実施予定のアンケート調査につきましては、やはり先ほど申し上げましたけれども、来年度から市町村の総合事業に移行いたします訪問介護、通所介護等の事業の利用者の皆さんに対しましてアンケート調査を行っていきたいということで、どういった介護を御希望されるのかといったあたり、特にニーズ等を把握していきたいと思っております。

 それから、実態調査につきましては、今アンケートをとったところでありまして、これから課題の分析を行い、どういった施策、どういったサービスが必要なのかというところを今後詰めていき、第6期の計画に生かしていきたいと、こんな流れで考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) わかりました。このシステムを25年までには完結をするという形でということで、まだちょっと先になってくるわけでありますけれども、少しでも早くこういう体制を整えていくことが大事だと思いますので、できるだけ細かく、大勢の人にかかわっていただくという、そういったことを心がけていただきたいと思っております。

 2点目といたしまして、在宅医療体制の整備と関係分野の人材確保についてでございます。

 最後まで自宅で過ごす方々を手厚くする、この地域包括ケアの理念からいたしますと、在宅で最期をみとることが多くなると思いますが、ターミナルケア、終末期医療をやっていただける医師の確保、また病院から自宅へ戻った人の介護もふえますので、医療系の資格や知識を持った介護支援員の確保も急務です。2025年には介護人材が最大で100万人不足するという国の試算もあります。

 そこでお尋ねいたしますが、医師会、医師の皆さんの理解と協力をどうもっていくのか。また、介護職の思い切った人材確保対策が必要になりますが、どう手を打っていくのか。また、本年度のケアシステム構築予算が12万9,000円となっておりますが、これで大丈夫かどうか。この3点、お尋ねいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 住みなれた地域で自分らしい暮らし、また人生の最後までそうした暮らしを続けることができるように、在宅医療体制の整備、それから介護人材の確保というものは必要であるという考えであります。国では病床機能分化の促進、それから在宅医療の充実に向けた診療報酬の改定、また新たな財政支援制度の創設等、在宅医療体制の整備のための施策を実施してきております。伊那市としましても、伊那市医師会との間で地域包括ケアシステム構築に向けた研究会を開催し、また医師の皆さんの御意見を伺いながら、伊那市における医療と介護の連携について検討している最中であります。

 また介護職の人材確保につきましては、国県の制度の有効活用、また技術専門校の職業訓練、長野県社会福祉事業団の行っております修学金の貸与、貸し付けですね。それからキャリアパス制度などの活用について周知、あるいは関係機関との連携を図って、支援をしてまいりたいという考えであります。

 予算についてでありますけども、地域包括ケアシステムの構築については、多くの職種の連携が必要であり、その仕組みづくりなどのいわゆるソフト面の取り組みが主体となります。施設整備等のハード面については含まれていないために、金額的には確かに少ない金額であります。今後、地域包括支援センターの機能強化なども検討していく中で、必要な予算については都度計上してまいりたいというふうに考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) これからお医者さんが本当に身近なところで、お医者さんが本当に一番必要になってくるのかなっていうふうに思います。中央病院が急性期の病院ということになりましてから、開業医でかかりつけの先生を持つという方は非常にふえてきていると思います。これからは特に、すぐ駆けつけてくれる、全て家庭のことまでもわかってくださっているような、そういうお医者さんが必要となりますので、開業医のお医者さんたちの意識改革、そういったことをどうしていくか、そういったことが鍵になってくると思いますので、医師会との話し合い、そしてまた、介護職が非常に離職率が高い、今、状況になっております。小さい事業所ほど離職率が高いという、そういうデータも出ているということでありまして、一番求人率の高いのが介護職と言われておりますけども、なかなか人材が集まらない現状でございます。

 一番今、力を入れているというのが、65歳以上の現役を退職した方たちの高齢者の介護につく、そういう方たちを何としても確保していきたいという動きがあるようでございますけれども、これもそう簡単にいくことではないと思いますので、それでも、ボランティアでも何でも手をかしていただけるような、そういった人たちの手助けも何とか市として考えていただければというふうに思っております。

 3点目として、市民の協力体制についてでございます。

 この制度は住民の協力が不可欠です。声かけ、見守り、困りごとの受けとめなど、家族や近所の支え合いが補完する形でこの仕組みが成り立ちます。全国的にもこういう形を既にとっているところもありますので、例を挙げてみますと、支え合いマップと要援護者台帳を活用し、宅配をしてくれるスーパーやベンチのある歩道などを書き込み、地図を作成して地域の課題を見える化し、アイデアを出し合い、具体的な支援策を決めているところ。また、65歳以上の元気な高齢者を対象に介護予防のボランティア養成研修を実施、ボランティア登録をして、地域の集会所などで自主的に介護予防教室を開いたり、要援護者のお宅を訪問して掃除やごみ出しなど高齢者同士で支え合う仕組みを進めているところなどなど、先進地ではさまざまな工夫をしております。

 そこでお尋ねいたしますが、住民にも大切な役割を担っていただかなければなりません。地域でサポートできる体制づくり、難しいことですけれども、これをどのように理解と協力をお願いしていくのか、お尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この地域包括ケアシステムをつくるため、構築するためには、介護保険制度等による公的なサービスだけではなくて、NPO、あるいはボランティアなどの多様な社会資源を活用できるようにしていくことが必要だというふうに考えます。中でも地域住民の皆様による支え合いの仕組み、こうしたものが極めて重要であるという考えであります。

 住民参加によります地域福祉活動の推進を図るために、社会福祉協議会、ここが中心となって、伊那市においては13の地区社協、それから116の地域社協が組織化をされております。昨年度、社会福祉協議会のあったかご近所ネット、このモデル事業に日影地域社協が取り組みまして、ごみ出しなどについて近隣、お隣、近所の住民で支え合う仕組みづくりというものを行いました。その取り組みには、地域包括支援センターの職員も参加をしております。伊那市では地域社協の役員に対する研修会を社協と合同で実施をしておりますけれども、今後も地域での支え合い等に関する研修会というものを実施をしてまいりたいという考えであります。

 支援の必要な高齢者を地域でサポートしていく体制づくりにつきましては、社会福祉協議会の力というものが不可欠であります。今後は地域包括支援センターと社会福祉協議会とで十分な連携を図りながら、地域住民の皆さんの理解と御協力をお願いをしていきたいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 地区社協の体制強化、これについては、市としても本当に力を入れていただいているなということがよく理解できるわけでございますけれども、こういう体制が整って、ここが核となって地域の協力体制というのがなされていくということは確信持てますので、大変心強いわけでございますけれども、その地区社協、地域社協、その中で、その集まりを活用して、今から常にその学習をさらに広げていく、そういった機会をつくることも必要ではないかなという、意識づけですね、市民の皆様への。そういったことも心がけていただきたいと思いますけれども、このことはもう既に始めているのか。

 また、あったかご近所ネットの日影のすばらしいモデル地域があるわけでございますが、1カ所でなくて、これを次の段階としてどの程度広げていく予定なのか。ありましたらお答えください。



○議長(伊藤泰雄君) 城取保健福祉部長。



◎保健福祉部長(城取誠君) 社会福祉協議会の活動につきましては、直接市の行政とはかかわりがないわけでありますけれども、お聞きをしているところの中では、日影地域の取り組み、あったかご近所ネットの取り組み、非常に参考になる結果も得られているようでありますので、本年度も引き続き、二つほどの地域でモデル的に実施していただきたいということで依頼をしているようであります。

 ただ、これについては、先ほど議員さんもおっしゃられたように、地域の理解がまず必要だろうということがありますので、これからも折に触れて地元へ説明に入りながら、理解を得ながら、こうした自主的な活動を進めていっていただきたいというふうに考えているところであります。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 社協が中心となってということでありますけれども、ぜひ市としてもしっかりと主導権を持って、そういった方向づけをしていただけるようにお願いしたいと思います。

 4点目として、地域の関係機関との連携体制についてでございます。

 このケアシステムは日本の社会保障制度の未来を決める大事な取り組みで、地域の特性に応じてつくり上げていく流れです。医療、介護、福祉の行政の縦割り制度の克服や、良質な医療と効果的な介護予防をどのように提供していくかが課題です。介護士は医療的な知識を持ち、医師は在宅介護のセンスを磨いて、互いに歩み寄り、ともに考え、同じ目標に向かえるようにしなければなりません。中学校区などの30分で行き帰る日常生活圏域を単位として、具体的な仕組みは保険者である市町村が中心となり、さまざまな団体、事業者と連携し、医療から介護までを一つのサービスとして提供できるよう、住民参加型で日常的に話し合っていくことがうまく機能していく要と言われます。

 そこでお尋ねいたしますが、初めに、この関係者同士の連携についてはどう考えておりますか。ここが大事なところでございます。先進地の成功例としては、スクラムがうまく組まれているところが成功しているとなっておりますので、この連携体制についてお尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) この連携体制を構築するためには、地域包括支援センターの職員、それからケアマネジャー、介護サービス事業の職員、医療関係者、また社協の職員、地元自治体、自治会、また民生委員等のさまざまな職種の皆さんの参加によるものでありまして、その参加している地域ケア会議というものがあります。この会議を開催していくことが有効であるという考えで、現在は、地域包括ケアシステムの構築にかかわる医療と、それから介護の連携に関しては高齢者福祉課が担当しております。また、その他の医療全般に関しては健康推進課が担当しているということであります。

 今後、伊那市では困難事例の解決を図るための個別地域ケア会議について取り組みを始めたところでありまして、今後も必要に応じて個別の地域ケア会議というものを開催してまいりたいと。また、関係機関との連携体制についてもしっかりと構築してまいるつもりであります。個別の地域ケア会議の積み重ね、そうしたことから地域の課題を把握する、また地域づくりや資源開発など、政策形成にもつなげていくための日常的な生活圏単位で、市全体での地域ケア会議についても検討が始まっているところであります。

 地域包括ケアシステム構築のための最も適した組織体制等については、医療と介護の連携という面も含めて検討していかなければいけないという考えでおります。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 非常にたくさんの関係する皆様方が集まって、繰り返し繰り返し検討をしていくという、そういう複雑なことであります。

 それで、その中でもやはり、担当する部署が高齢者福祉課とか健康推進課とか、分かれていくわけでございます。非常に複雑なこと、幾つもの課をまたいでいるという、そういう仕方のないことかもしれませんけれども、非常に複雑になってきておりますので、医療と介護を統括する担当課を設けて、腰を据えてこのシステムを推進するお考えはありませんでしょうか。関係者がすぐ駆け込める場所、拠点づくり、こういった確保が大切だと思いますけれども、そのことについてお考えをお聞かせください。



○議長(伊藤泰雄君) 城取保健福祉部長。



◎保健福祉部長(城取誠君) 医療と介護、包括をする担当課を設けてはどうかという話でありますけれども、現在でも保健福祉部の中で、先ほど市長申し上げましたとおり、介護面については高齢者福祉課、それから医療面については健康推進課で担当しております。それから、先ほどもお話のありました、いわゆる地域ケア会議の担当につきましては、地域包括支援センター係で一括して担当させていただいておるところであります。

 これから地域ケア会議、日常的な小さな単位での地域ケア会議から、少し大きな日常生活圏域、あるいは市全体の地域ケア会議というような形で、重層的なケア会議を展開していくということになろうかと思いますけれども、そうしたケア会議を積み重ねていくのに一番最適な市としての組織につきましても、これから地域包括支援センターをどう配置していくのかというようなことも含めまして検討していく必要があるかなと考えております。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) これから具体的にどんどん進めていかなければ見えない部分っていっぱいあると思いますので、柔軟にしっかりと対応していただきたいと思います。

 今、上げたほかに、このシステムでは介護予防とか住宅対策、そういったこともお聞きしたいわけでございますが、次回にさせていただいて、包括ケアシステムについてはこれで終了させていただきます。

 次に、公会計改革についてでございます。

 市長は今議会一般質問の中で、財政の健全化に努めてきたと何回も答弁をされておりますが、努力の結果ははっきりとあらわれてきておりますが、市民からは、納めた税金が何に幾ら使われているのか理解されているとは言いがたい、そんな声も聞かれました。国県もこれは同じで、税金が適切に使われているか開示をして、信頼を高めるため、公会計の改革をする自治体があちこちにふえてまいりました。

 そんな中、総務省では、今後の新地方公会計の推進に関する研究会というのを設けまして、このほど全ての自治体に適用する新基準の策定、また固定資産台帳の整備、そして複式簿記の導入、この3点をまとめたとのことです。総務省は今後、財務書類や固定資産台帳の作成マニュアルを策定した上で、来年1月を目途に新基準による地方公会計整備を各自治体に要請し、4年後の2018年3月までに現制度から移行することとしています。

 そこで、公会計改革には、まず固定資産の台帳整備から始めるということとしておりますので、伊那市における固定資産台帳の整備についてまずお尋ねをいたします。

 一般に自治体が保有する資産は道路台帳、橋梁台帳のように担当課ごとの台帳にまとめられておりますが、記載されているのは面積や構造などの物量情報だけの場合が多く、台帳に載っていない資産もあるなど、全庁的に一元化しておりません。これでは、資産の管理に関心を払い、適切な更新や老朽化対策を講じることは難しくなります。固定資産台帳の作成では、台帳未記載分も含め自治体の資産を洗い出し、金額を決める評価作業を行います。人口減少時代に入り、財政難の中で、公共施設とインフラについて、これまでの拡充ではなく、縮減しながら更新をしていく縮充を迫られております。行政は予算を執行する運営から限られた資源を有効に活用する経営への転換が求められており、固定資産台帳は自治体経営の基盤となる大事なものです。経年劣化の現状や更新の想定費用、売却の価値が明らかになるなど、データの見える化によって市民の理解、協力も進むことになります。

 折しも、公共施設等総合管理計画とインフラ長寿命化計画の策定もするように要請をされているはずでございます。この作業には固定資産台帳の整備が欠かせないことになります。伊那市においては、昨年、固定資産台帳の整備システムを導入しているとのことです。整備済みの自治体は5月現在、全国の18%であり、その中に伊那市、まあ未整備のところがあるかもしれませんけれども、伊那市が入っていることは高く評価をさせていただきます。今後はどんな効果を上げていくのか、注目をしていきたいと思います。

 そこでお尋ねいたしますが、固定資産台帳を整備して、伊那市としてどのように、どの分野にこのデータを活用して行政運営をしていくのか、お尋ねをいたします。また、公共施設等総合管理計画とインフラ長寿命化計画の策定は始まっておりますか。2点、お尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 固定資産台帳でありますが、公会計における財務書類の補助簿という位置づけのもので、取得価格、それから耐用年数、あるいは減価償却の累計額、そういった資産の価値に関する情報を管理するというものであります。

 伊那市では平成25年度に公会計システムの導入の一部として固定資産台帳の整備を行っております。また、その活用につきましては、今後検討するということになるわけでありますが、貸借対照表などの財務諸表、財務書類の作成において、資産の総額を的確に把握するということが可能になります。また、施設の維持、あるいは更新について、時期、さらには費用負担に関する資料として、公共施設の維持管理への活用というものが当然あるわけであります。この管理計画について、ことしの4月22日付、これは総務大臣から策定の要請がございました。今後、固定資産台帳のデータを活用して、今年度中には策定をしたいという考えであります。

 また、インフラについてでありますが、インフラ長寿命化計画、これは橋梁について、昨年、橋梁長寿命化修繕計画というものを策定いたしました。今年度より修繕を進めているところでありまして、道路舗装、道路の法面、トンネルなどの道路等についても今後、公共施設等総合管理計画とあわせて長寿命化を検討してまいります。

 なお、計画策定後については、実施に向けた取り組みが求められるわけでありまして、修繕、あるいは統廃合によります解体費など、多額の費用の発生が想定されるわけであります。伊那市全体の建設事業への影響も懸念されますので、それについては内容をよくよく見ながら進めてまいらなければならないという考えでございます。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 国のほうから要請をされました事務事業が着実に進んでいるということがよく理解をできました。こういったデータに基づいて粛々と事業を間違いなく進めていくことが必要になってくると思います。

 次に、複式簿記の導入についてでございます。

 最近、財政の見える化という言葉をよく耳にします。税金が何にどのように使われているのかを開示することです。無駄も見つけやすくなります。そのため、複式簿記でなければだめだということです。現金の出し入れだけを記録するのが単式簿記で、一度お金が入ると、税収か借金か見分けがつきにくくなりますので、使い切ってしまうという発想になりがちです。一方、お金がふえたり減ったりする原因も記録するのが複式簿記です。

 そして、開示をして、税金が適切に使われていることを理解していただく努力も必要です。よく社会保障給付費が110兆円と言われますけども、そう言われてもぴんときませんが、我々は年金、医療、介護、子育て、雇用など、さまざまな行政サービスを受けていますが、それらにかかるコストへの情報はほとんどありません。政府の統計では、社会保障の面では国民1人当たりの平均額が年80万円、また特別養護老人ホームの利用者は1人当たりで約380万円かかっております。教育費1人当たり95万円前後公費が使われている、こういったことも知っていただくことが大事でございます。さらなる財政改善を目指して、伊那市の行政運営は適正と判断してもらえる努力をお願いしたいと思います。

 そこでお尋ねいたします。市ではバランスシートを作成しておりますが、本格的に複式簿記の導入についてはどうお考えか、お尋ねいたします。また、伊那市の行財政の見える化については、現在実行しているもの、今後については具体的にどんな展開を考えているのかもお聞かせください。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) まず、伊那市では昨年度、固定資産台帳の整備にあわせて、公会計制度についても導入をしております。ほぼ総務省の要請に応えているという状況でございます。

 複式簿記につきましては、取引の発生の都度日々仕訳を行うというものでありまして、財務会計の仕組みを根本から見直す必要があるわけであります。導入に当たりましてはかなりの事務負担、それから費用が発生するということが予想されるわけであります。そうした中で、総務省では、複式簿記によらず、期末に一括して複式仕訳を行う方法でも差し支えないというふうにしておりますので、当面は、伊那市においては複式簿記の導入というものについては考えてはおりません。

 また、行財政の見える化でありますが、これは大変重要なことであります。グラフ化にして、また見やすくして、異常値、特異値というものを探し出して、これの対策をとるという点においては、見える化というのは重要であります。決算額を例えば家計簿にたとえたり、またグラフ等を用いてわかりやすい工夫をするということを行いながら、市報、それからホームページ、広報番組などによって市民の皆様に説明をしてまいりたいという考えでございます。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 複式簿記を使わなくても適正な行政運営ができるよう判断してもらえるという、そういったことでしたら、莫大な費用をかけずにほかの方法でということでお願いすればと思いますけれども、見える化については常に意識を集中していただきたいなというふうに思います。そういったことがきちんとしておりますれば、昨年問題になった女性プラザとかサンライフについても混乱を防げたのではないかなということも思っております。無駄の削減とか職員のコストの意識向上とか、非常に効果のある見える化をしっかりと実行していただきたいと思います。

 次に、3項目めの予算配分の適正化についてでございます。

 題名は大げさでございますが、選挙活動の中で市民の皆様からの声が大きかったこと、その一つに、職員から予算がないので厳しいといつも言われる、特に昨年度はよく聞いたということでございました。特に市民要望の大きい建設部は市民生活に直結しており、予期せぬことも起こり、安全面からも早急に手当てをしなければならない場合もあります。市民要望の見きわめも大事ですが、少なくとも地区から毎年上がってくる要望が3年越し、5年越し繰り返されるのはいかがかと思います。改善されたと実感していただくことが即住みよいところとの評価にもつながります。

 地区の隅々からの小さな要望は、区民の御協力を願ってアダプトシステム、補修資材の支給をふやすなど、財政難とはいえ、もう少し各区からの要望については早目の対応ができないものか。市民生活に支障を来すことのないよう、必要なところへはもう少し予算をつける配慮ができないものか、お尋ねをいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。



◎市長(白鳥孝君) 道路整備などの普通建設事業については、財政健全化プログラムに定めます公債費、それから投資的経費の枠内において行うというふうにしております。そのことから、大型事業を推進するためには、他の事業への影響というのは避けられないわけであります。市道等の改良率、それから舗装率、これは高くはなってきておりますが、非常に広大な市域を有しておりますので、全地区からの要望全てを行っていくということは難しいわけであります。各地区において優先度の高いものから進めるということについては御理解をいただきたいと思います。

 また、議員提案のアダプトシステム、また、補修資材の支給をふやすことで費用を抑えながら事業量を確保するということは当然必要でございますので、こうしたことについては、より一層工夫をしながら進めてみたいという考えであります。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 即、要望に行った場合に予算がありませんのでってあっさりと言うのではなく、これからどうしていくのか、区長さんと一緒に、要望者と一緒に腰を据えて職員の皆さんが考えていただけるという、そういう姿勢があればありがたいかなというふうにも思います。

 昔はよく人足に行くということを父がひっきりなしに言ってたなあっていう、人足、人足っていう言葉が今回頭に浮かんだわけでありますけれども、今も自分たちでできるところはやっていこうという機運は非常に高くなっていると思いますので、地域にも資格を持ったり技術を持ったり、経験者もいっぱいいるわけでありますので、その方々の力をかりて整備を進める、そういったこともますます必要になってくると思います。

 土木のほうの毎年の予算額って、そんなには変動がないと思いますけれども、その中で、先ほどの補修資材の支給、そういったこともありがたい制度ではあるわけですけれども、1年間でどのぐらいそういった資材の支給がされているのか、額についてもお聞かせください。



○議長(伊藤泰雄君) 山崎建設部長。



◎建設部長(山崎大行君) お尋ねの件でありますけれども、昨年、25年度の例でありますが、件数で47件、金額で約530万円の支援をしております。この事業につきましては、環境整備、地元の皆さんがみずから行っていただくということに対しまして、15万円という限度額がございますけれども、支援をさせていただいております。昨年もまだ若干予算を残してしまった状況もございますので、ぜひ有効な御活用をいただいて、地域の皆さんともどもに環境整備を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



○議長(伊藤泰雄君) 前田議員。



◆18番(前田久子君) 予算を残したということで、しっかりとまた広報のほうにも努めていただければと思いますし、また私どもも、地元の方たちとよくそんな話もしていかなければいけないなというふうに思います。

 これから、協働の社会づくり、こういったことが非常に重要になってまいります。そのためにもやっぱり職員の皆様の力添えとか、よき相談役になっていただくことが大切かと思いますので、今後ともよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わりといたします。



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもちまして、前田久子議員の質問が終了しました。

 以上で通告者の質問が終了いたしました。

 引き続き関連質問を行います。

 なお、質問に当たりましては、簡潔明瞭に、また、真に関連のある事項に限りますので、その点に留意して質問願います。

 それでは、関連質問のある方の発言を許します。

     (「なし」と言う者あり)



○議長(伊藤泰雄君) 以上をもって関連質問を終結いたします。

 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。



△散会 午後3時26分

 地方自治法第123条第2項の規定により署名をする。

       伊那市議会議長

       伊那市議会議員

       伊那市議会議員