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長野県 上田市

平成24年  9月 定例会 09月27日−一般質問及び質疑(代表)−02号




平成24年  9月 定例会 − 09月27日−一般質問及び質疑(代表)−02号







平成24年  9月 定例会





平成24年9月27日(木曜日)

 午後1時1分開議
 午後3時18分散会

議 事 日 程
   午後1時開議
1、日程第1 県の一般事務に関する質問
2、日程第2 知事提出議案第1号から第33号まで
      付議議案に対する質疑

本日の会議に付した事件
1、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第33号までに対する質疑

出 席 議 員
      1番  先 崎 温 容 君    2番  鈴 木   智 君
      3番  丹 治 智 幸 君    4番  斎 藤 健 治 君
      5番  佐 藤 雅 裕 君    6番  遊 佐 久 男 君
      7番  矢 吹 貢 一 君    8番  本 田 仁 一 君
      9番  椎 根 健 雄 君   10番  佐久間 俊 男 君
     11番  紺 野 長 人 君   12番  円 谷 健 市 君
     13番  宮 本 しづえ 君   14番  山 田 平四郎 君
     15番  小 林 昭 一 君   16番  阿 部   廣 君
     17番  西 山 尚 利 君   18番  勅使河原 正之 君
     19番  長 尾 トモ子 君   20番  安 部 泰 男 君
     21番  水 野 さちこ 君   22番  星   公 正 君
     23番  宮 下 雅 志 君   24番  古 市 三 久 君
     25番  石 原 信市郎 君   26番  長谷部   淳 君
     27番  渡 辺 義 信 君   28番  桜 田 葉 子 君
     29番  杉 山 純 一 君   30番  満 山 喜 一 君
     31番  佐 藤 金 正 君   32番  柳 沼 純 子 君
     33番  今 井 久 敏 君   34番  ? 野 光 二 君
     35番  坂 本 栄 司 君   36番  佐 藤 政 隆 君
     37番  立 原 龍 一 君   38番  宮 川 えみ子 君
     39番  阿 部 裕美子 君   40番  吉 田 栄 光 君
     41番  太 田 光 秋 君   42番  斎 藤 勝 利 君
     43番  平 出 孝 朗 君   44番  清 水 敏 男 君
     45番  甚 野 源次郎 君   46番  本 田   朋 君
     47番  川 田 昌 成 君   48番  亀 岡 義 尚 君
     49番  三 村 博 昭 君   50番  神 山 悦 子 君
     51番  佐 藤 憲 保 君   52番  遠 藤 忠 一 君
     53番  小桧山 善 継 君   54番  青 木   稔 君
     55番  宗 方   保 君   56番  西 丸 武 進 君
     57番  渡 部   譲 君   58番  瓜 生 信一郎 君

説明のため出席した者
 県
       知     事     佐  藤  雄  平 君
       副  知  事     内  堀  雅  雄 君
       副  知  事     村  田  文  雄 君
       直 轄 理 事     齋  須  秀  行 君
       安全管理監(兼)    齋  須  秀  行 君
       総 務 部 長     鈴  木  正  晃 君
       企 画 調整部長     野  崎  洋  一 君
       生 活 環境部長     荒  竹  宏  之 君
       保 健 福祉部長     菅  野  裕  之 君
       商 工 労働部長     伊  東  正  晃 君
       農 林 水産部長     畠     利  行 君
       土 木 部 長     渡  辺  宏  喜 君
       会 計 管 理 者     斎  藤     隆 君
       出納局長(兼)     斎  藤     隆 君

       原子力損害対策     鈴  木  淳  一 君
       担 当 理 事

       子 育 て 支 援     鈴  木  登 三 雄 君
       担 当 理 事

       企 画 調 整 部     八  木  卓  造 君
       避 難 地 域
       復 興 局 長

       企 画 調 整 部     小  松  信  之 君
       文 化 スポーツ
       局     長

       商 工 労 働 部     星     春  男 君
       観 光 交流局長

       知 事 直 轄     尾  形  淳  一 君
       知 事 公 室 長

       総 務 部政策監     小  野  和  彦 君

 知 事 直 轄
       秘書課長(兼)     尾  形  淳  一 君

 総  務  部
       総 務 課 長     徳  永  勝  男 君
       総 務 部 主 幹     小  柴  宏  幸 君

 企  業  局
       企 業 局 長     森  合  正  典 君

 病  院  局
       病院事業管理者     ?  地  英  夫 君
       病 院 局 長     佐  原  輝  一 君

 教 育 委 員 会
       委  員  長     遠  藤  由 美 子 君
       教  育  長     杉     昭  重 君

 選挙管理委員会
       委  員  長     菊  地  俊  彦 君
       事 務 局 長     石  本     健 君

 人 事 委 員 会
       委  員  長     大 須 賀  美 智 子 君
       事 務 局 長     甲  賀     敬 君

 公 安 委 員 会
       委     員     渋  佐  克  之 君
       警 察 本 部 長     平  井  興  宣 君

 労 働 委 員 会
       事 務 局 長     鈴  木  千 賀 子 君

 監 査 委 員
       監 査 委 員     美  馬  武 千 代 君
       事 務 局 長     二  瓶  辰右エ門 君

 議会事務局職員
       事 務 局 長     今  泉  秀  記 君
       事 務 局 次 長     小  椋     正 君

       事 務 局参事兼     水  野  成  夫 君
       政 務 調査課長

       総 務 課 長     村  越  徳  也 君
       議 事 課 長     山  口     浩 君

       議 事 課主幹兼     野  木  範  子 君
       課 長 補 佐

       議事課主任主査     塚  原  隆  光 君

       議事課主任主査     長 谷 川  利  嗣 君
       兼 委 員会係長





    午後1時1分開議



○議長(斎藤健治君) ただいま出席議員が定足数に達しております。

 これより本日の会議を開きます。





△県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第33号までに対する質疑





○議長(斎藤健治君) 直ちに日程に入ります。

 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第33号まで、以上の各案に対する質疑をあわせて行います。

 通告により発言を許します。8番本田仁一君。(拍手)

    (8番本田仁一君登壇)



◆8番(本田仁一君) ふくしま未来ネットワークの本田仁一であります。会派を代表して質問をいたします。

 昨年の東日本大震災及び福島第1原子力発電所事故から1年半が経過いたしました。いまだ今後の生活設計や将来設計を考えることのできない非常に厳しい避難生活を強いられている方々、また放射能による健康不安や風評被害などはあるものの、震災前の状態に戻りつつある方々、また復興需要等により震災以前より収益を上げられている方々と、県民の置かれている状況はさまざまであります。

 県としては、被災し、不安を感じられている県民にしっかり目を受け、対策を講じていかなければならないと考えます。また、復興元年とした本年は、復旧と同時に、発災前の福島よりも大きな復活をなし遂げていくための準備をしていかなければなりません。スピード感のある思い切った施策の展開を県民から期待されているものと考えます。そういった観点から、以下の質問をいたします。

 まず初めに、知事の欧州訪問の成果についてであります。

 知事は、先月25日から今月2日までの9日間にわたり、フランス、デンマーク、ドイツ、オーストリアの4カ国を訪問されました。本県が未曾有の災害から復興を遂げるためには、県民の健康保持や除染による環境回復、医療機関を初めとした生活インフラの復旧整備、農業、観光を初めとした風評被害の払拭など、さまざまな課題に取り組むことが求められております。また、同時に、再生可能エネルギーや医療関連産業など新たな産業の育成と雇用の創出を進めていくことも必要と考えます。

これらを実現するためには、今回の知事の訪問を通じて、欧州を初めとした海外のさまざまな高度な知識を本県に導入するとともに、これを施策に生かしていくことが重要であると考えます。

 そこで、欧州訪問の成果と今後の取り組みについて、知事の考えをお尋ねいたします。

 次に、情報発信戦略についてであります。

 震災以来、県民1人1人がそれぞれ、この誰もが経験したことのない厳しい状況に向かい合ってきました。特に本県の基幹産業である農林水産業や観光業へ及ぼした影響は極めて甚大であり、県民、関係者が一丸となって風評被害に立ち向かってきたところであります。その結果、明るい兆しも見え始めてきました。この夏の桃の販売状況やタイへの桃の輸出再開などは、努力が報われたことを実感するとともに、引き続き頑張っていこうと勇気づけられるものであります。

 こうした成果をさらに大きな果実につなげ、震災前の福島を取り戻すためには、質、量ともに充実した情報発信を推進するとともに、専門家の知見を活用するなどし、福島県全体のイメージをより向上させることが必要不可欠であると考えます。また、県民に対しても、世界に誇れる復興をなし遂げるため、福島県の魅力と可能性を再認識してもらうような情報発信が求められていると考えます。

 そこで、震災後から今までの情報発信を検証し、今後どのように情報発信戦略を充実させるのかお尋ねいたします。

 次に、国の復興関係予算についてであります。

 国の「東日本大震災からの復興の基本方針」によれば、平成27年度末までの5年間に実施すると見込まれる事業規模は、少なくとも19兆円程度あるとされております。これまで東日本大震災関連経費として18兆円程度が予算措置されましたが、さきのテレビ番組において、これらの復興関係予算の使われ方について検証する内容が放送されました。

 この番組では、復興関係予算が沖縄県の道路整備や国立競技場の補修費など、東日本大震災からの復興に係る経費として疑問を抱かざるを得ない使途について言及していました。被災地においては、復旧・復興に係る予算が不足しているとの声が多く聞こえる中、国の復興関係予算については、被災地域の復興に直接結びつく事業に最優先に配分するべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、復興公営住宅についてであります。

 仮設住宅に入居している避難者からは、いつまでこの仮設住宅にいなくてはならないのかという不安や不満、苦痛の声が聞かれるところであり、避難者の生活再建のためにも早急な恒久住宅の確保が必要だと考えます。また、原子力災害により住民が避難している応急仮設住宅については、受け入れ自治体の協力により、公園、運動場などの公共施設用地などを無償で提供を受けて建てられていた地区が数多くあり、本来の計画どおり使用することができない状態が継続していると聞いております。

 さらに、避難自治体においては、他の市町村に復興公営住宅の整備を希望しているところもあると聞いております。このため、1日も早く9月補正予算に計上されている復興公営住宅の整備をすべきであると考えます。

 そこで、復興公営住宅の整備について、受け入れ自治体と避難自治体の調整をどのように行っていくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、緊急時避難準備区域についてであります。

 昨年4月22日、福島第1原子力発電所の事故の状況が安定していないことから、原子力災害対策本部において旧緊急時避難準備区域が指定され、特に子供、妊婦等は自主的避難を求められましたが、その後9月30日、解除されました。しかし、田村市都路町など現在も多くの人々が避難したままであり、学校や商業サービスの再開も進まず、就労環境も厳しい状況となっております。住民の帰還には、これらの課題を国、県、市が一緒になって考え、生活が成り立つ環境を整えていかなければならないというふうに考えます。

 そこで、緊急時避難準備区域の住民帰還に向けどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、再生可能エネルギーについてであります。

 県の再生可能エネルギー推進ビジョンでは、2040年までに県内で必要とするエネルギーの100%を再生可能エネルギーで賄うとする相当積極的な数値目標が掲げられています。県内には大規模水力発電所が多数あるため、既に県内エネルギー需要の約20%相当の再生可能エネルギーを生み出してはいるものの、およそ30年後に100%にしていくことは決して容易なことではありません。

 さらに、再生可能エネルギーの市場は生まれて間もなく、成熟途上であることから、経験や情報の少ない県内事業者にとって、市場への参入には多くの困難を伴うものと認識しております。県が掲げた高い導入目標を着実に達成していくためには、本県復興への寄与という視点を常に大事にしながら、再生可能エネルギーの普及に向けたあらゆる課題を的確に把握し、果敢に克服していくことが極めて重要なことと考えます。

 そこで、再生可能エネルギーの飛躍的な推進に向けた課題と対応策について、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、除染についてであります。

 県内において、除染計画策定済みのほとんどの市町村が除染事業を開始しておりますが、比較的線量の高い中通り地方の市町村を初めとして、仮置き場の確保が、中間貯蔵施設が決まらないため、なかなか進まない状況であります。この中間貯蔵施設については、国から昨年10月、県に設置するとの方針が示され、昨年12月に双葉郡内に、そして本年3月に双葉町など3町に設置したいとの要請があったところであります。

 先月、施設の概要を説明するための現地踏査や環境調査などの受け入れについて、国から県、双葉8町村に要請があったところですが、この施設に対する検討は進んでいないように思います。双葉8町村の住民からは、今後の将来設計を立てるためにも早くこの問題を解決してほしいとの声も聞こえています。また、双葉8町村においても、町村の事情が個々に異なることから、県がこの問題解決に向けて判断すべきであると考えます。

 そこで、中間貯蔵施設の受け入れについて、県はどのように考えているのかお尋ねいたします。

 また、仮置き場の確保が進まない理由として、安全性に対する住民の理解が進んでいないことも大きな要因となっております。市町村においては、不安を解消し、その設置を進めるため、住民説明会を開催するなどの努力をしているところですが、県は仮置き場の確保に向けて主体的に取り組んでいくべきと考えます。

 そこで、仮置き場の安全性に対する不安解消にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 仮置き場が確保されれば、土壌以外にも、剪定した枝や除草した草などの廃棄物も大量に発生します。今後除染が本格化することにより、これらの廃棄物の発生量は膨大なものになると考えられ、焼却等による減容化を進めること、また、その理解を求めることも重要な課題だと考えます。

 そこで、除染廃棄物の減容化施設の整備が必要と思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、原子力損害賠償についてであります。

 避難指示区域の財物等の賠償について、国は7月20日にようやく賠償基準の考え方を取りまとめ、これを受けて東京電力が24日に賠償基準を発表いたしました。この賠償基準では、建物の賠償額を固定資産税評価額や建築着工統計に基づく平均新築単価を用いて算定するほか、個別評価も可能としております。しかしながら、賠償基準の説明会では、建物の賠償について、ふるさとへの帰還を断念した住民から「新たな住宅の購入資金に不足する。」との声が上がりました。また、本県の広大な森林は林業を生業としてきた住民の経済基盤でもありますが、その財産的価値に対する賠償の基準はいまだ明らかにされておりません。

 そこで、今回の東京電力が示した避難指示区域の見直しに伴う賠償基準について、県はどのように受けとめているのか伺います。

 また、田村市や広野町などの旧緊急時避難準備区域においては、昨年9月に指定が解除された後、復興に向けた取り組みが進められております。しかしながら、新聞報道によりますと、旧緊急時避難準備区域への住民の帰還率は13.7%にすぎません。これは、除染作業のおくれに加え、病院や商店などの生活インフラの復旧が進んでいないこと、また若い世代からは、それらが復旧したとしても、周辺の状況から帰れる環境にないと考えていることが原因と指摘されております。住民がふるさとへ帰りたいのに帰れない状況は、避難指示区域と変わりはありません。

 そこで、旧緊急時避難準備区域の財物についても避難指示区域と同様に賠償されるべきと思いますが、県の考えを伺います。

 次に、福島第1原子力発電所の廃炉についてであります。

 昨年12月、政府と東京電力は1号機から4号機の廃炉について、完了まで30年から40年もの長きにわたる中長期ロードマップを公表し、この第1期の目標として、4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しの開始時期を平成25年末と掲げました。

 しかし、その廃炉作業については、水素爆発によって大きく損傷した建屋と多量の瓦れき、建屋の地下でふえ続ける高濃度汚染水と貯蔵用タンクの増設、作業員が中に入ることさえできないほどの強力な放射線といった数々の困難と厳しい作業環境の問題があると聞いております。福島第1原子力発電所1号機から4号機の廃炉作業について、進捗及び安全確保の状況をお尋ねいたします。

 また、廃炉に向けての工程の進捗と安全の監視については、原発事故調査委員会の調査の過程においても、原発の運転に関する県の対応も議論になったところであり、国に任せ切りにするのではなく、県としても独自に専門家を集めた監視組織を設置するなど、国とは違った角度からチェックしていくべきと考えますが、県は廃炉に向けた監視体制の整備をどのように考えているのかお尋ねいたします。

 次に、県立医科大学における拠点整備についてであります。

 県立医科大学は、県内医療の中核として重要な役割を果たしておりますが、県の復興計画に位置づけられている拠点整備については、10月中を目途に基本構想を策定中と聞いております。

 原子力災害の影響下で生活する県民にとって、いまだ健康不安を払拭できずにいるのが実態であり、県立医科大学が拠点整備の中でどのような医療機能を備え、どのように変わっていくのか、県民は大きな関心を持って見詰めております。県立医科大学が県内の医療機関と連携しながら、将来にわたって県民の健康を見守り、医療のとりでとしての機能を果たすことを期待するものであり、このことが、県民が安心して暮らし、子供を生み育てることができる環境づくりや、本県の震災、原発事故からの真の復興につながるものと考えます。

 そこで、県立医科大学の拠点整備についてどのような医療機能の強化を図っていくのかお尋ねいたします。

 次に、緊急雇用創出事業についてであります。

 7月の本県の有効求人倍率は1.03倍と、復旧・復興関連事業により、昨年11月から全国平均を上回る状況で推移しております。しかしながら、9月には雇用保険の広域延長給付が終了となり、建設関連の求人数が伸びる一方で雇用のミスマッチが懸念されるなど、さまざまな課題が生じております。

 県では、震災以降、被災された方々の雇用を確保するため、緊急雇用創出事業を実施し、今年度も2万5,000人の雇用創出を図ることとしております。今後の本県の復興を確かなものにしていくためには、避難先等での短期的な雇用の確保とともに、中長期的な安定雇用の創出を図るなど、被災者へのさまざまな雇用機会を確保し、生活基盤の安定を図っていくことが重要であると考えます。

 そこで、緊急雇用創出事業の今年度の取り組み状況についてお尋ねいたします。

 次に、震災や原発事故で失った雇用の確保のためには、雇用の受け皿となる企業の新設や増設が不可欠であります。ふくしま産業復興企業立地補助金は、この目的を具現化するための補助制度であり、期待するところであります。県は、この5月に第1次の指定を行い、167件が指定企業とされました。これにより約2,700人の新規雇用が創出されることになりますが、なお123件については保留扱いとされています。保留されている企業の中には、計画を見直す企業もあるようであります。雇用の確保には、一刻も早い保留企業の指定が必要と考えます。

 そこで、ふくしま産業復興企業立地補助金について、保留企業の指定を早急に行い、雇用創出を図るべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、廃炉関連産業への県内企業の参入支援についてであります。

 今回の原発事故に関し、政府は事故の収束に向けた工程表のステップ2を完了したことを宣言し、今後廃炉の終了を30年から40年を目標にして、中長期ロードマップに基づき、廃炉に向けた現場作業や研究開発を行っていく予定であります。廃炉については、現場作業における人員のみならず、研究開発など幅広い分野において長期的に多くの雇用が生まれるとともに、費用の面においても、原発を設置するよりも廃炉にかかる費用の方が大きいと聞いております。廃炉関連産業に参入しようとする県内のものづくり企業に対して、県としても何らかの支援を検討すべきと考えます。このことから、廃炉関連産業への県内企業の参入に当たり、県はどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 次に、観光についてであります。

 震災前の平成22年には、本県観光客入り込み数は5,700万人でありましたが、昨年の震災以降、原子力災害の風評被害により、県内観光地への観光客の入り込みは激減し、ことしに入っても震災前の7割の入りと言われるなど、大変厳しい情勢が続いていると伺っております。観光産業は、第1次産業から第3次産業まで非常に裾野が広く、地域経済に大きな影響を与える産業であり、その復興は本県再生にとって不可欠なものであります。

 そこで、県は観光における風評払拭にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 また、本県の観光を一層振興していくためには、国内観光客の誘致は喫緊の課題でありますが、さらに中長期的な視点では、日本が抱える少子高齢化問題や経済的に成熟化していることを考慮すると、これまでの国内観光客を主とする観光誘客だけでは将来は厳しい局面に置かれるのではないかと危惧しており、海外などからの観光客誘致は必要不可欠と考えます。

 短期的には、尖閣諸島の問題もあり、中国からの誘客はなかなか難しい状況にあると感じているものの、先日の中国上海訪問の際に、進出している日本企業の方から、日中の経済及び民間の交流は政治によって数年に一度ブレーキをかけられることは織り込み済みであり、また、経済の交流は切れようのない関係になっていると話されておりました。

 こういうときでも将来に向けた観光客を増加させるための布石を打っていくことが大切であると考えます。また、震災までゴルフで多くの観光客が訪れていた韓国、さらにはいち早くチャーター便を運航した台湾からの観光客誘致に取り組むべきと考えます。それが福島空港の復活にもつながるものと考えます。

 そこで、福島空港の利用促進を含め、外国人観光客誘致を強化すべきと思いますが、今後の取り組みについてお尋ねいたします。

 また、外国人観光客を誘致するため、受け入れ体制の強化に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、農林業の再生についてであります。

 森林の除染方法について、環境省がガイドラインの中で認めているのは、住居等近隣20メートル程度の落ち葉や枝葉の除去に限られています。現在、県土の約7割を占める森林が放射能によって汚染されている状況にあって、どのような方法で除染を進めていくのか、除染方法の拡充が検討されているところでありますが、環境省の方針が確定していないことから、中山間地域等に住む方々が不安を感じたり、林業に携わってきた方々が森林の再生に見通しが立てられないなど、多くの県民が不安を抱えた毎日を過ごしております。避難している16万人のふるさとへの帰還、安全・安心な県民生活の確保は言うまでもなく、林業の復興のためにも森林の除染を実施することは極めて重要なことと考えます。

 そこで、県は森林の除染をどのような方法で進めようとしているのかお尋ねいたします。

 次に、本県の農業は、原子力災害に伴い、農産物の作付制限や出荷制限といった直接の被害に加え、風評被害として本県産の農産物の買い控えや価格の下落など、極めて深刻な被害をこうむっております。こうした状況下にあっても、本県の農業者は骨の折れる除染作業を行い、安全で安心できる農産物を消費者に届けようと、必死になって前向きに頑張っておられます。

 しかしながら、9月20日現在でJAグループ福島県協議会から東京電力に請求した累計額は799億円で、実際に支払われたのは約601億円と、75%にとどまっております。8月以降、東京電力は請求の翌月には一定の仮払いを行うなど、ようやく少しずつではありますが、支払いに向けた対応も講じているようでありますが、農業者の経営安定を図るため、損害賠償の円滑な支払いがなされるよう求めていく必要があります。

 そこで、農業者への損害賠償の円滑な支払いに向け、県はどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 次に、肉用牛については、福島第1原子力発電所事故後、さまざまな影響を受けながらも生産に取り組んでいるところであります。こうした中、和牛繁殖農家の生産する子牛販売拠点である福島県家畜市場については、設置後30年経過しており、事故防止などの安全対策と老朽化している競り運用システムのトラブル発生の未然防止を図る必要があると考えております。

 そこで、老朽化した福島県家畜市場の施設整備に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

 次に、イノシシについてであります。

 県内全域で生息し、これまでも野生鳥獣による農業被害の主要な原因とされておりますが、最近は狩猟者の減少に加え、放射能の影響により食用にならないなど、捕獲頭数が減少していると聞いております。被害の拡大が心配されることから、対策を講じる必要があると考えます。イノシシによる農業被害対策について、県はどのように支援していくのかお尋ねいたします。

 次に、教育行政についてであります。

 現在、全国的に高校生の学力の低下が問題になっております。公立高校の学力試験を免除する推薦入試などを廃止する動きが高まってきております。今年度の福島県の公立高校入試における合格者全体の3割以上が学力検査を課さない?期選抜で合格しております。その反動として、一般入試に当たる?期選抜で合格した生徒との学力の差が生じるなど、問題が起きております。

 また、学力検査を課さない推薦入試制度は、かつては大阪府を除く46都道府県で実施されていましたが、近年の見直しで多くの都道府県ではこの制度は廃止されており、今後さらにふえるものと予想されます。近県では、平成18年度入試から青森県で廃止され、25年度入試では宮城県や茨城県でも廃止されることになりました。また、山形県では、現在の入試制度のあり方を見直す議論が始まっております。

 そこで、県立高等学校入学者選抜における?期選抜の見直しが必要と思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。

 次に、本県の復興計画においても、科学技術の土台となる理数教育の充実が掲げられ、理数教育を通して福島ならではの教育を推進し、未来の福島を担う子供、若者を育成すると示されております。県教育委員会においても、理数教育の充実を図るため、児童生徒1人1人に論理的に考える力を育むとともに、本県の復興に不可欠な医学や再生可能エネルギーの研究者、新たな産業を創出するリーダーなどの育成を目的として、今年度から公立小中学校における理数教育の充実に力を注いでいると聞いております。

 そこで、県教育委員会は公立小中学校における理数教育の充実を図るためどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。

 次に、グローバル化の一層の進展により国際競争が加速する中、豊かな英語力、コミュニケーション能力を身につけ、国際的に活躍できる人材の育成が重要な課題となっております。このような中、中学校及び高等学校においては、特に話すことを中心に、総合的に英語によるコミュニケーション能力を高めることが大きな使命であると考えます。

 そこで、県教育委員会は公立中学校及び県立高等学校における英語によるコミュニケーション能力の向上にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(斎藤健治君) 執行部の答弁を求めます。

    (知事佐藤雄平君登壇)



◎知事(佐藤雄平君) 本田議員の御質問にお答えいたします。

 欧州訪問の成果と今後の取り組みについてであります。

 私は、先月25日から今月2日にかけて欧州4カ国を訪問いたしました。今回の訪問では、除染や健康管理分野における国際原子力機関、いわゆるIAEAとの共同プロジェクト実施の合意、各国の大臣、市長との面談や本県主催の復興発信セミナー等を通じた再生可能エネルギー及び医療関連産業における具体的な協力関係の構築、さらに風評の払拭などの成果が得られたと考えております。

 また、IAEAの天野事務局長から「福島の事故は、日本だけの事故でなく、国際社会全体にかかわる事故である。」このため、「世界中の知見を集めて協力したい。」という2つの言葉をいただきました。私は、改めて福島に心を寄せる全ての人々の力を結集し、復興・再生をなし遂げる意を強くしたところであります。

 今後の取り組みとしては、本年12月に本県において原子力安全に関する福島閣僚会議が開催される際に、IAEAとの間で除染、健康管理分野の共同プロジェクトに関する覚書の締結を目指しております。

 また、再生可能エネルギーや医療関連産業では、各国との間に新たに築いた協力関係のもとで、産学官連携による共同研究の取り組みや県内企業の海外販路拡大の支援を行うとともに、研究拠点の整備等を通じて本県を同産業の国際的な集積地に成長させてまいりたいと考えております。

 さらに、各国要人の来県など、あらゆる機会を通じて引き続き復興へと力強く歩みを進める本県の姿を世界へ発信してまいります。

 今後とも、世界各国や国際機関とのさらなる連携を図り、県土の環境回復、新たな産業の創出に全力を挙げて取り組んでまいります

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

    (直轄理事兼安全管理監齋須秀行君登壇)



◎直轄理事兼安全管理監(齋須秀行君) お答えいたします。

 情報発信につきましては、「ふくしまからはじめよう。」のスローガンのもと、復興に向けた本県の前向きなイメージをつくり上げるため、統一感や人と人とのつながりを重視し、福島の魅力と今を発信してまいりました。

 今後は、本県の着実な復興が実感できるよう、いわゆる見える化や体系化の視点をさらに強化し、さまざまな媒体を活用しながら、復興に向け歩みを進める福島の姿を国内外に発信してまいる考えであります。

    (総務部長鈴木正晃君登壇)



◎総務部長(鈴木正晃君) お答えいたします。

 国の復興関係予算につきましては、インフラの復旧、被災者の暮らしの再生など、被災地域の復興経費を中心に、今回の大震災を教訓とした全国的な防災・減災対策の経費なども計上されております。

 当該予算については、その性質上、当然に本県を初めとする被災地域に重点的に配分されるものと考えており、その上で、財源措置が不十分なものについては、国に対し本県の実情と事業の必要性を粘り強く訴えるなど、1日も早い復興・再生の実現に努めてまいる考えであります。

    (企画調整部長野崎洋一君登壇)



◎企画調整部長(野崎洋一君) お答えいたします。

 再生可能エネルギーの飛躍的な推進につきましては、多様な主体による発電事業への新規参入を拡大することが課題であると認識しております。

 このため、メガソーラー適地と事業者とのマッチングを初め小水力発電等の事業可能性を探る調査補助による支援を幅広く行うとともに、県内事業者のさらなる参入を促すため、太陽光発電での新たなビジネスモデルの展開支援と多様な発電事業への参入支援体制の強化などにより、きめ細かく対応してまいる考えであります。

    (生活環境部長荒竹宏之君登壇)



◎生活環境部長(荒竹宏之君) お答えいたします。

 中間貯蔵施設につきましては、除染に必要な仮置き場を確保するに当たって、県民理解を促進するためにも大変重要な役割を果たすものと認識しております。

 先月の国からの双葉8町村と県に対する要請を受け、実務者協議や8町村長への意向確認などを行った結果、まずは個別に国から説明を受けることとしました。これを踏まえ、先般県が国から説明を受けたところ、調査候補地の選定理由や調査の期間、工程などについて必ずしも疑問を解消できるものではなかったことから、改めて国に説明を求め、引き続き詳細を確認してまいります。

 次に、仮置き場につきましては、新たに安全対策や構造をわかりやすく確認できる組み立て型の模型を作成し、設置時の浸水防止用遮水シートの敷設、設置後のフレキシブルコンテナの搬入保管、搬入後に行う遮蔽のための覆土などを順を追って実演、展示することにより、住民の理解を深める取り組みに活用しております。

 また、体験型の仮置き場現地視察会を今年度4町村で計4回、約120名の住民の参加のもとで開催し、現在、それぞれの地域で仮置き場の確保に向けた着実な協議が進められております。

 今後とも、こうした取り組みを通じて、市町村及び国、専門家等と連携を図りながら、引き続き住民の不安の解消に努めてまいります。

 次に、減容化施設につきましては、膨大に発生すると見込まれる除染廃棄物をできるだけ減容化することが廃棄物の適切な保管と仮置き場の有効活用の観点から重要であると考えております。

 このため、市町村等において焼却や破砕のための減容化施設を導入するに当たっては、その所要経費を交付金の対象としているほか、適切な技術的助言ができる専門家派遣や設置手続の円滑化等に向けて、関係者と連携して取り組んでまいります。

 次に、廃炉作業の進捗及び安全確保の状況につきましては、今月24日に国及び東京電力が公表した中長期ロードマップの進捗状況によると、原子炉及び使用済み燃料プールの安定的冷却や使用済み燃料の取り出しに向けた取り組みは、おおむね順調に推移しているとされております。

 一方、最近では、原子炉への冷却水の流量調整機能のふぐあいや瓦れき撤去作業における燃料プールへの鉄骨の滑落など、県民の不安を招く事象が報告されていることから、国及び東京電力に対して、引き続き安全を最優先に廃炉措置の取り組みを着実に進めるよう求めてまいります。

 次に、廃炉の監視体制につきましては、これまで国及び東京電力の廃止措置等に向けた取り組みについて定期的に説明を求めるとともに、必要に応じて現地調査を実施するなど、その状況を確認してまいりました。

 今月19日、原子力規制委員会が発足し、国において新たな体制が整備されたこの機会に、県においても、これまでの取り組みを一層充実させる観点から、先般、有識者懇談会を開催し、今後の県の対応について意見をいただいたところです。

 今後は、懇談会における国による安全規制への地元自治体の関与や地元住民の参画のあり方などの意見を踏まえ、本県独自の新たな監視体制を検討してまいりたいと考えております。

    (保健福祉部長菅野裕之君登壇)



◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。

 県立医科大学の医療機能につきましては、放射線医学に関する研究・診療拠点として、小児・周産期医療やがん医療等に係る最先端治療体制の充実、災害・被曝医療や救命救急体制の確立、疾病の早期診断体制の整備等を図ることとし、現在、県立医科大学において基本構想の策定に取り組んでいるところであります。

 早期診断体制の整備に向けては、全国初となる最先端画像診断装置を施設の整備に先立って導入することとしたところであり、これらの機器を活用した県内医療機関との連携も強化してまいります。

 今後とも県立医科大学と連携しながら構想の早期の具体化に取り組み、県民の健康をしっかりと支えていく医療体制の確立に努めてまいる考えであります。

    (商工労働部長伊東正晃君登壇)



◎商工労働部長(伊東正晃君) お答えいたします。

 緊急雇用創出事業の今年度の取り組み状況につきましては、2万5,000人の雇用計画に対し、8月末現在で1万1,513人の雇用実績となっております。

 今月末には雇用保険の広域延長給付が終了することから、安定的な雇用を行う企業への助成金事業について対象範囲を拡大し、一層の利用促進に努めるとともに、短期の就業機会を創出する事業をさらに拡充するなど、今後とも被災求職者の生活基盤の安定を図るため、多様な雇用機会の確保に取り組んでまいります。

 次に、企業立地補助金の保留企業につきましては、これまでも1日も早く指定ができるよう国に対し予算の増額について要請してきたところでありますが、今後ともあらゆる機会を捉え、全力で要請を行い、保留企業の雇用計画である1,000人を超える雇用の創出を図ってまいる考えであります。

 次に、廃炉関連産業への県内企業の参入につきましては、東京電力福島第1原子力発電所の廃止措置に向けた機器、装置の開発に当たり、国と東京電力では、すぐれた技術を有する地元企業からも技術や部品の供給を受けることとしております。

 このため、県といたしましては、取引を希望するものづくり企業に対して、国と連携しながら大手プラントメーカーとのマッチングの機会を提供するとともに、産学官連携によるモデル事業の実施により、作業用ロボットなどの部品開発に係る技術、知識の習得を支援してまいる考えであります。

    (農林水産部長畠 利行君登壇)



◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。

 森林の除染につきましては、県が行った実証試験において、間伐による空間線量率の低減が確認されていることから、国が示した除染関係ガイドラインに間伐等の伐採を森林除染の方法として新たに位置づけるよう提言しているところです。

 さらに、伐採により発生する木材は、建築や土木用資材として震災からの復興のために利用するほか、枝葉なども含め、木質バイオマス燃料として有効に活用できるよう取り組んでまいる考えであります。

 次に、農業者への損害賠償の支払い支援につきましては、これまでJAグループ福島県協議会に対する人的支援や賠償内容に関する東京電力との調整など、きめ細かな対策を行ってきたほか、米の全量全袋検査の実施に伴う追加的経費を損害賠償の対象と認めさせるなど、適時適切な対応をしてまいりました。

 県といたしましては、引き続き農業者の立場に立ち、迅速に東京電力と協議を行うなど、賠償手続が円滑に進むよう支援してまいります。

 次に、県家畜市場につきましては、和牛子牛等の販売拠点として重要な施設であり、これまでも施設管理者である社団法人福島県畜産振興協会が県とともに市場開設者である農業団体と協議しながら、計画的に整備を行ってきたところであります。

 県といたしましては、今後も、団体の要望する必要な施設整備について国などの補助事業の活用に向けて積極的に支援してまいる考えであります。

 次に、イノシシによる農業被害対策につきましては、市町村を中心とする地域協議会が行う鳥獣害防止対策研修会の開催、捕獲用わなの導入、侵入防止柵の設置などの取り組みを支援してきたところであります。

 また、狩猟による捕獲を推進するため、イノシシの買い上げなどを行う市町村に対し、一頭当たり5,000円を補助する制度を今年度創設いたしました。

 今後とも、市町村を初め関係機関と連携して、イノシシの被害防止に向けた多様な取り組みを支援してまいります。

    (原子力損害対策担当理事鈴木淳一君登壇)



◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) お答えいたします。

 避難指示区域の見直しに伴う賠償基準につきましては、多くの被害者に対する賠償を迅速に行うための最低限の基準であると認識しております。

 この基準においては、本県が求めてきた精神的損害や就労不能損害、営業損害等の将来分を含めた一括賠償が可能になりましたが、建物の賠償における個別評価の方法や田畑、森林等に関する賠償の考え方、地震、津波等の複合的要因がある損害への対応がいまだ明確でないなど、課題も残されております。

 このため、今後も、関係市町村とともに国との協議を続けながら東京電力への要求を行い、被害者の生活再建に資するよう円滑な賠償に取り組んでまいる考えであります。

 次に、旧緊急時避難準備区域の財物の賠償につきましては、長期の避難等を余儀なくされてきた実情や、解除後においても住民の生活や事業の立て直しには相当の期間を要することなどを踏まえ、損害の範囲を幅広く捉えるよう国等に要請してきたところであります。

 東京電力が示した賠償基準においては、管理不能により住宅等に生じた損傷を原状回復させるための補修・清掃費用が賠償されることになりましたが、引き続き個別の事情への対応を含め、被害の実態に見合った十分な賠償を求めてまいりたいと考えております。

    (避難地域復興局長八木卓造君登壇)



◎避難地域復興局長(八木卓造君) お答えいたします。

 復興公営住宅の整備につきましては、避難者の意向を丁寧に確認するとともに、関係自治体の意向をしっかり踏まえる必要があると認識しております。

 県といたしましては、長期避難を余儀なくされる方々等の復興公営住宅整備に向けた検討を進めていくため、国、県、避難自治体及び受け入れ自治体の代表による協議会を設置したところであり、今後は、受け入れ自治体ごとに個別協議を実施し、関係自治体の共通認識と相互理解が深まるよう、県がリーダーシップを発揮し、復興公営住宅の早期建設に向け取り組んでまいります。

 次に、旧緊急時避難準備区域につきましては、計画どおりの除染が不安視されているものの、郵便局や公共インフラ等が一定程度復旧し、復興の牽引役として期待されております。

 このため、県といたしましては、この地域の円滑な除染の実施に努め、学校を初め事業所等の再開や農業再生を導いてまいります。

 また、主要な国道及び県道について、警戒区域内の通過交通を国に求めるとともに、旧緊急時避難準備区域内に復興のための作業拠点を築くなど経済活動の活性化を図りながら、住民帰還に向け市町村とともにしっかりと国と協議を行い、安心して生活できる、にぎわいのある環境を積極的に整備してまいります。

    (観光交流局長星 春男君登壇)



◎観光交流局長(星春男君) お答えいたします。

 観光の風評払拭につきましては、県内観光地の放射線量や食品等のモニタリング検査結果に関する正確な情報発信を行うとともに、首都圏等での教育旅行誘致キャラバンや旅行会社に対する説明会等により、本県への正しい理解の促進に努めております。

 今後は、これらの取り組みを継続するとともに、来年の大河ドラマ「八重の桜」をテーマとしたPRキャラバンや東京、京都での大規模な交流促進イベントを実施するほか、事業再開した大堀相馬焼の二本松工房等、震災復興に向けた県内の動きを紹介する新たな旅行コースの提案などの誘客対策を行い、一層多くの方々に福島県に来て、見て、味わって、感じていただくことにより、風評払拭を進めてまいります。

 次に、外国人観光客の誘致につきましては、本県の正確な情報発信を行うとともに、福島空港国際線の就航先である韓国、中国、チャーター便の利用が多い台湾に対し、トップセールスや観光庁、隣接県等と連携した観光プロモーション、マスコミ等の招聘などを行ってまいりました。

 今後は、来月に韓国で開催される「日韓交流おまつり」において、フラガールによるPRを初め東北各県が参加する観光セミナーで放射線専門家による講演を行うなど、引き続き本県への理解促進を図るほか、旅行商品造成や福島空港を利用するチャーター便運航への支援を強化することで外国人観光客の誘致に粘り強く取り組んでまいります。

 次に、外国人観光客の受け入れ体制につきましては、これまで英語、韓国語、中国語の簡体字と繁体字の観光パンフレット作成や県内の観光事業者、交通事業者を対象とする案内看板等の多言語化への支援などを行ってきたところであります。

 今後は、これらに加え、福島復興再生特別措置法に基づく規制緩和で、研修受講により外国人に対して有償のガイドができる福島特例通訳案内士について、観光庁を初め県内外の観光関係者と連携し、育成を図るなど、外国人にとって魅力的な観光地づくりを推進しながら受け入れ体制の強化に努めてまいる考えであります。

    (教育長杉 昭重君登壇)



◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。

 ?期選抜につきましては、生徒1人1人が持つ能力、適性、意欲とともに学力を多面的に評価することが大切であるという観点から、本県では、中学校が作成する調査書に加え、面接や小論文による試験等を実施し、生徒の思考力や表現力等を含めた学力を総合的に評価しているところであります。

 これまで学識経験者や保護者の代表者等から成る入学者選抜に係る協議会において、?期選抜の実施方法や評価方法について議論を重ね、見直しを図ってきたところであり、今後とも一層の改善に努めてまいる考えであります。

 次に、公立小中学校における理数教育の充実につきましては、早い段階から算数や理科への興味関心を高めることが重要であると考えております。

 このため、県教育委員会といたしましては、夏休みに小学生を対象として算数的活動を重視した課題解決学習や最先端の科学技術に関する実験を行う講座を開催したところであり、10月には算数・数学の応用力を育むジュニアオリンピックを開催することとしております。

 また、小中学校教員の指導力向上を図るため、本県独自の理科学習指導プランの作成や地域の核となる教員の育成に取り組んでいるところであり、今後とも理数教育の充実に努めてまいる考えであります。

 次に、英語によるコミュニケーション能力につきましては、これまでも英語学習の基礎となる文法や語彙の知識を身につけさせるとともに、外国語指導助手を活用するなど、実践的なコミュニケーション能力の向上を図ってきたところであります。

 また、今年度においては、英語指導力向上事業を開始し、聞くこと、話すことなどの能力について具体的な学習到達目標を設定し、その達成状況を検証しながら指導改善に取り組むなど、一層の向上に努めているところであります。



○議長(斎藤健治君) これをもって、本田仁一君の質問を終わります。

 通告により発言を許します。39番阿部裕美子君。(拍手)

    (39番阿部裕美子君登壇)



◆39番(阿部裕美子君) 日本共産党の阿部裕美子です。日本共産党県議団を代表し、質問いたします。

 まず最初に、日中間で大きな問題となっている尖閣諸島の領有をめぐって中国各地で日本人に対する暴力行為や威嚇、日本関連企業や建物への破壊活動が行われていますが、中国政府は日本人、企業、大使館の安全確保に万全の対策をとるべきです。日本への批判や抗議を暴力であらわす行動は、いかなる理由であれ許されません。日中両国政府は、国民が冷静な行動をとるよう最大限の努力を払う責任があります。

 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本の領土であることは明白です。日本共産党は、9月20日、「領土問題は存在しないという立場を改め、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決を図るという立場に立つべき」との申し入れを政府に行いました。翌日は、志位委員長が駐日大使と申し入れに沿って会談を行いました。

 先日行われた民主党の代表選挙は、野田総理が再選されました。しかし、政策が変わるわけではありません。原発再稼働、TPP推進、消費税増税推進は自民党とも全く同じであります。自民党総裁選で選ばれた安倍総裁初め立候補した5人の候補がそろって憲法改正を掲げました。橋下・維新の会にすり寄る動きもあります。この方向では、国民が不信を強めている政治の閉塞を打開する展望は見えてきません。

 さきの通常国会で民主党、自民党、公明党の3党合意で決められた消費税増税と社会保障削減は、被災地の復興への努力に冷水を浴びせるものです。消費税が上がったら店を閉めるしかないとの悲鳴が上がっています。日本共産党は、被災地の復興の障害となり、日本経済を破綻させる消費税増税ありきの道ではなく、能力に応じた負担の原則に立って税財政を改革すること、国民の懐を温めて経済を立て直すという、消費税増税に頼らない別の道があることを提案しています。

 国民の命と暮らしを守る、国民の願いに応えることが政治の最大の使命であることを申し上げ、最初に原発問題から質問いたします。

 東日本大震災、原発事故から1年6カ月が過ぎました。国による警戒区域の見直しが進められていますが、ほとんどの人は帰れる見通しが立っていません。生きているうちに帰れないだろうと肩を落とすお年寄りの姿が脳裏を離れません。いまだに16万人の県民が、これから先の行く先も定まらず、避難生活を余儀なくされています。福島県民にとって、政府の原発収束宣言などとても認められる状況ではありません。福島県民の思いは原発ゼロであることは、政府が福島市で開催したエネルギー環境聴取会でもはっきり証明されました。

 この間の原発事故をめぐる変化は、1つに、原発事故が収束せず、被害がなお拡大していること、2つに、原発再稼働の条件がないこと、3つに、処理ができない使用済み核燃料がたまり続けることに世論も注目してきていること、4つに、国民世論が大きく変化して原発ゼロが多数派になり、パブリックコメントでも8割を占めたことにあらわれていると思います。

 今、私たちに問われていることは、原発事故の悲劇を二度と繰り返させないために、なぜこのような事故に至ったのか、なぜ県民を守ることができなかったのか、事故の徹底解明を行い、事故を教訓とすること。即時原発ゼロを発信し、福島県民が大同団結して、原発に頼らない福島復興を実践で示すことではないでしょうか。

 しかし、原発を推進してきた財界やアメリカは、原発の存続・維持で政府に露骨な介入をしています。こうしたもとで野田政権は、2030年代に原発ゼロを可能にすることを盛り込んだエネルギー・環境戦略の閣議決定さえ見送りました。結局、原発再稼働は容認し、中断している原発の建設を再開し、使用済み核燃料再処理も続行であります。財界やアメリカの要望には応え、直ちに原発から撤退するよう求めた国民世論には背くものと言わざるを得ません。

 そこで伺います。事故に直面した福島から、全ての原発から直ちに撤退する原発ゼロの政治決断を政府に求めるべきではないでしょうか。知事の見解を伺います。

 まず、本県の原発10基廃炉を国に明言させ、その上で、今後廃炉に向けた工程を明らかにさせることが必要だと思います。見解を伺います。

 福島原発の事故の原因究明を行い、国民に情報公開をすることを国と東京電力に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 東京電力のテレビ会議のビデオ内容を編集なしで、全てを全面公開させることを求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 4つの事故調査報告でも指摘をされていますが、福島県の対応についても検証が必要です。県の事故調査委員会をつくり、事故の経過から今後の対応に至るまで県の対応を検証すべきと思いますが、見解を伺います。

 今度の原発事故に当たって、防災計画はほとんど実行されませんでした。今回の事故の教訓を踏まえ、地域防災計画原子力災害対策編の見直しを急ぐべきと思います。見解を伺います。

 次に、福島県の総合計画について伺います。

 大震災と原発事故を踏まえた総合計画の見直しが行われています。福島県は、まだ復興の緒にもつかない状況にあり、全面的な行政の支援が強く求められています。今日の現状をつくり出した原因が、国と東京電力による安全神話に浸って必要な対策を講じてこなかったことによる人災であることを明確にし、必要なあらゆる対策を国と東電に求める姿勢を鮮明にすることです。全ての県民が被災者であるとの立場に立って、1人1人の暮らしとなりわいを復旧・再生させることが福島県再生の課題であることを明確にすべきであります。

 総合計画の見直しは、これまでにとらわれずに、県民の1人1人の暮らしとなりわいを取り戻すことを基本とすべきです。見解を伺います。

 震災被害が子供や高齢者、障がい者や病気の方など弱い立場にいる方たちに強くのしかかることが今度の震災でも鮮明になりました。医療、教育、福祉がもっと整備されていれば、これほどの被害を受けることはなかったのではないかと、残念に思われることが多々あります。これを教訓にして、総合計画は医療、教育、福祉を重視した内容にすべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、賠償問題について伺います。

 原発事故の賠償については、加害者と被害者が決して入れかわることはありません。被害者は何の落ち度もないのですから、東京電力や国の加害責任を明確にして、全面的にその責任でもとの生活を取り戻すことが必要です。加害責任が曖昧にされ、東電が基準を押しつけることは許されません。失ったものは、住んでいた家、生活基盤であり、さらに精神的被害が加わりました。

 原子力災害の被害者がそれぞれの移転先で生活基盤を回復できるだけの賠償、生活基盤の再取得価格の賠償がされなければなりません。これは当然のことと思いますが、県はどのように考えているのか、見解を伺います。

 東京電力が示した賠償基準が公開されていますが、失った財産の再取得にはほど遠いものにとどまり、被災者からも不満の声が上がっています。原発事故さえなかったら発生しなかったであろう被害は、ことごとく賠償するという立場に立つことが必要です。財源は確保できます。使用済み燃料処理のために積み立ててきた4.8兆円、さらに原発推進で大きな利益を上げてきた原発利益共同体に負担をしていただくことです。

 国は、避難指示区域の見直しを受け入れないと賠償に応じないとの不当な態度をとっていますが、この現状を県はどのように認識しているのか伺います。

 賠償は、生活となりわいを再建することができる十分なものとなるよう国と東京電力に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 この間、完全賠償をさせる県北の会が提出した請求書が突き返されたり、賠償請求書を提出してもなかなか賠償してもらえないとの声があちこちから聞こえてきます。速やかに賠償を進めるために、5月31日以降開かれていない、知事が会長を務めている福島県原子力損害対策協議会を速やかに開会し、国と東京電力に対し誠実かつ迅速な賠償を求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、除染について伺います。

 住み続けることができる福島を取り戻す上で除染は欠かせない問題ですが、思うように進んでいないのが現状です。除染事業を推進させるために県市長会がまとめた要望書が提出されました。改善点が要約されています。

 そこで、次の3点について伺います。

 除染事業については、国の責任で各市町村に現地担当者を配置するなどの人的支援を実施すべきと思いますが、見解を伺います。

 県も市町村の推進体制整備を積極的に支援すべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、除染業務委託設計の基礎となる積算基準等を示すよう国に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、森林除染について伺います。

 環境省の環境回復検討会において、生活圏への影響は極めて少ないとして、森林除染は不要とする方針案が示されましたが、約7割が森林である福島県にとっては生活に欠かせない問題であります。森林から流れ出る汚染水が農用地に用いられていて、森林の除染なくして生活の安全・安心はなし得ない地域もあり、森林除染は不要とすることをそのまま認めるわけにはいきません。

 森林に携わってきた方々は、枝打ちや間伐を行い、下草刈りを行うなど、山を管理することが除染につながると言われます。除染のための伐採事業と森林整備事業を組み合わせた山づくり事業を起こし、森林・林業・木材関係者の仕事を確保することも必要だと思います。森林整備と組み合わせた除染にどのように取り組んでいく考えなのか伺います。

 次に、県北浄化センター汚泥問題について伺います。

 センター内にたまり続けている汚泥は1万9,000トンを超え、テント数にして60という深刻な事態です。住民を苦しめていた悪臭対策は実施され、改善されましたが、県北浄化センターの汚泥処理についてはあくまでも地元の合意の上で進めるべきと思います。見解を伺います。

 県内労働者の命と健康を守るための対策について伺います。

 事故収束に当たる原発労働者の約65%は福島県民ですが、放射線量測定器に鉛をかぶせて仕事をさせたり、ずさんな健康管理や重層下請構造でのピンハネ、危険手当の未払い、違法な派遣労働の実態が次々に明らかになっています。技術も熟練している原発労働者を安定的に確保するためにも、それにふさわしい処遇をされてこそ働き続けることが可能になります。下請を含め、原発事故の収束作業に従事し、復興の最前線で働く原発労働者の役割、重要性について、県はどのように考えているか、見解を伺います。

 復旧・復興の中心的役割を担う国や地方自冶体の職員の健康状態も限界を超え、多くの職員がメンタルの不調を訴えています。郡山市ではこの間、4人の職員が過労死、過労自殺で亡くなるという深刻な事態が発生しています。このようなことをなくすためにも、県及び市町村職員の増員が求められていると思います。県はどのように対応するのか、見解を伺います。

 放射能汚染への不安から、避難退職を選択する労働者も後を絶ちません。夫が仕事の関係で福島の自宅に残り、妻と子供は他県に避難するという「自宅単身赴任」という新しい言葉まで生まれています。家族みんなで過ごし、保養することも必要です。有給による避難休暇制度を導入した企業に補助金を出す仕組みをつくるように国に求めるべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、被災者・避難者支援について伺います。

 避難所を転々としながら体調を崩し、亡くなられた方など、震災関連死は1,000人を超えました。先祖代々築き上げてきた田や畑、家を自分の代でなくしてしまうのか、その悔しさ、つらさを誰にぶつければいいのか、これからの自分の人生、どこでどう生きていけばいいのかなど、避難者の悩み、不安は尽きません。仮設住宅の中でひきこもりになってしまう人、急に老いてしまう人、要介護や要支援になる人がふえているなど、避難生活での困難さはより深刻になっています。避難生活が長期になることが予想される中で、1人1人に寄り添った支援が一層求められています。県は、避難者支援のあり方についてどのように考えているのか伺います。

 このようなときに、国は避難指示地域以外の住民の国保税と医療費一部負担金の免除に必要な費用を負担する特例措置を9月末で打ち切るとしました。生活が一層厳しくなっているときに医療費の負担がふえればどうなるか、想像にかたくないでしょう。困難な状況に置かれている方たちを無慈悲に切り捨てて復興になるでしょうか。今回の国の特例措置の打ち切りで国民健康保険税と医療費一部負担金の減免を継続するとしている市町村をお示しください。

 また、介護保険、後期高齢者医療制度についてはどうでしょうか、伺います。

 国に特例措置の継続を求めると同時に、市町村負担にならないよう県としての対応を行うべきと思いますが、見解を伺います。

 県内の自主避難者の支援については、災害救助法の支援対象となっているにもかかわらず、県外の自主避難者と同等の支援が行われておりません。県議会において、県内自主避難者に対して災害救助法運用を求めることについての請願も採択され、副知事も国に要請に行きましたが、いまだに何の支援もありません。

 そこで、県内の自主避難者に対する借り上げ住宅について、まず県が支援を行うべきと思いますが、見解を伺います。

 自主避難者で住民票を移していない子供の就学が公立学校で認められず、やむなく私立学校に入学せざるを得ないという事態が生まれています。全ての子供たちの教育を受ける権利の侵害であり、住民票を移動していない自主避難の児童生徒が避難先の市町村立学校に転入できるようにすべきと思いますが、県教育委員会の見解を伺います。

 福島県が支給する県南地区と会津地方の県民に対する給付金について、県内に住民票がなくても、県内に生活していて事故に遭った被災者には漏れなく支給すること、支給に当たっては4項目の同意事項を支給条件とすべきでないと思いますが、見解を伺います。

 暮らしの再建の土台は住まいの確保です。復興公営住宅の建設を急ぎ、県営住宅を早期に提供できるよう具体化すべきと思いますが、見解を伺います。

 特定避難勧奨地点の指定は、地域コミュニティーを破壊し、地域をばらばらにするという深刻な状況を生み出しています。和気あいあいと暮らしていた地域の生活を取り戻すために、支援策が必要であることを指摘をしておきます。

 次に、県民の健康管理体制、医療、福祉の充実について伺います。

 放射能被曝のもとで県民の健康を維持していくための総合的・長期的な体制をつくっていくことは重要課題であります。県が行った県民健康管理調査の回収率は22.9%にとどまっていますが、原発事故のときに福島県にいたことを証明する重要なものとなります。これが長引くほど回収は難しくなります。調査票を大事なポイントのみを記入する思い切って簡易なものにしてはどうかと思いますが、見解を伺います。

 国勢調査並みの体制をとり、調査票回収を一気に進めてはどうでしょうか。見解を伺います。

 10月から県内全ての子供の医療費が18歳まで無料となり、大変喜ばれています。健康問題は、県民全体の問題でもあります。今後長期に経過を見ていかなければなりません。全ての県民の医療費を無料にすべきと思います。見解を伺います。

 また、県民が無料で受診できる健康診断、がん検診の体制をつくる必要があると思いますが、県の見解を伺います。

 医師不足は、これまでの状況に加えて、放射能被曝が追い打ちをかけています。二本松社会保険病院では、来年4月から産科が休診となってしまい、避難されている方や里帰り出産など年間400人を超える方が出産していた場所がなくなってしまいます。県民の命と健康を守っていくために、非常事態となった福島県に対して、不足している看護師や医師の確保を国の責任で行うよう国に強く求めるべきであると思います。見解を伺います。

 障がい者、病人、高齢者など要援護者には、震災時に命をつなぐために必要な医療と避難施設の連携がとれるシステムが必要です。医療との連携がとれる福祉避難所を県内の一定の地域ごとに確保することを求めますが、見解を伺います。

 次に、再生可能エネルギーについて伺います。

 福島県は、再生可能エネルギーの宝庫です。豊かに存在している資源を積極的に活用して発電を行うことは、原発に頼らない福島復興にとっても重要課題です。土湯温泉の蒸気利用発電や小水力発電の試み、山林未利用材を燃料としたバイオマス発電システムの取り組みが始まっています。メガソーラーなどの大型推進だけではなく、地元の住民が参加し、地産地消の産業として地域の雇用拡大や産業の活性化につながる地域循環型経済に貢献するためには、地元中小企業等の参入を支援する取り組みが大切だと思いますが、見解を伺います。

 住宅太陽光発電についても支援制度の拡充を行うべきと思いますが、県の考えを伺います。

 県有施設や学校などの公共施設、特に県立学校への太陽光発電の導入をすべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、教育問題について伺います。

 福島県の子供たちは、さよならも言えずに友達と別れなければならなかったり、親や祖父母と離れ離れになったり、外で元気に遊べなくなってしまったり、心ない差別を受けたりと、地震、津波、放射能被曝の中でつらく悲しい体験をたくさんしました。未来に生きる子供たちがこの困難を乗り越えて、生きる力をつけて、希望を持って羽ばたいていくことができるように、教育が担わなければならない役割は、強調し過ぎることはない大きな問題だと思います。

 知事は、日本一子供を育てやすい福島県にすることを表明していますが、そのために具体的に何をするのか、実践で示すべきだと思います。「ふくしまからはじめよう。」は、まず教育からではないでしょうか。世界の先進に並ぶ思い切った対応が待ち望まれています。複数担任制による少人数学級を実現するためにも正規教員を増員すべきと思いますが、見解を伺います。

 児童虐待が社会問題になっているとき、福島県にはまだ未設置の情緒障がい児短期治療施設が必要とされています。県の見解を伺います。

 いじめ自殺が報道されていますが、公立学校におけるいじめの早期発見や未然防止にどのように取り組んでいくのか伺います。

 全ての県立学校、市町村立小中学校にエアコン設置が必要と思いますが、見解を伺います。

 市町村立小中学校、私立幼稚園の耐震化を急ぐべきと思いますが、見解を伺います。

 最後に、米軍の新型輸送機オスプレイ配備と低空飛行訓練について伺います。

 世界各地で墜落などの事故を起こしている欠陥飛行機を、世界一危険とされる沖縄の普天間基地に配備するなど到底認められないと、沖縄では超党派の運動が大きく盛り上がっています。オスプレイ断固反対の県民大会に10万人が参加し、県議会議長や那覇市長、各界会長が「私たちには子や孫を危険から守る責任がある。」と訴えました。

 オスプレイ配備は、福島県にとっても他人事ではありません。低空飛行訓練ルートは、原発事故で避難している地域の阿武隈山系上空や、絶滅危惧種であるイヌワシの営巣地である会津地方の上空が訓練ルートに含まれています。国に対して、オスプレイ配備反対、低空飛行訓練反対の明確な意思表示をすべきと思いますが、見解をお伺いして私の質問を終わります。(拍手)



○議長(斎藤健治君) 執行部の答弁を求めます。

    (知事佐藤雄平君登壇)



◎知事(佐藤雄平君) 阿部議員の御質問にお答えします。

 原発ゼロの決断を政府に求めることについてであります。

 私は、これまで国、電気事業者に対し原子力発電所事故の一刻も早い収束を求め、県民が安全で安心して暮らせる福島県を取り戻すため、復興計画の基本理念に「原子力に依存しない持続的に発展可能な社会づくり」を掲げ、全力で復旧・復興に取り組んでまいりました。

 我が国におけるエネルギー政策につきましては、本県での原発事故がもたらした広範囲かつ深刻な被害の現実を踏まえて、国においても原子力に依存しない社会を目指す必要があると考えており、さきに政府において決定された革新的エネルギー・環境戦略に基づき、着実に進められていくものと考えております。

 次に、原子力損害賠償についてであります。

 私が会長を務める福島県原子力損害対策協議会は、昨年7月の設置以来、国の原子力損害賠償紛争審査会における審議、指針の策定状況、東京電力による賠償の動向等に的確に対応し、総決起大会の開催や公開質問の実施、国、東京電力への直接の要望、要求など、原子力損害賠償の完全実施に向け一致団結して活動してきたところであります。

 今後も、東京電力による賠償基準の策定や賠償金の支払いにおける課題等を見きわめた上で協議会を開催して、全ての原子力損害に対して誠意ある迅速な対応を求めることはもとより、最後まで確実かつ十分な賠償がなされるよう取り組んでまいる考えであります。

 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。

    (直轄理事兼安全管理監齋須秀行君登壇)



◎直轄理事兼安全管理監(齋須秀行君) お答えいたします。

 オスプレイの配備と飛行訓練につきましては、我が国の外交、防衛に関することであり、基本的に国の責任において対応が図られるべきものと考えております。

 県といたしましては、県民の安全・安心を確保する立場から、全国知事会や北海道東北地方知事会を通じ、政府に対して飛行訓練等の具体的内容を明らかにすることや関係自治体の意向を十分尊重して対応することなどを要請しているところであります。

 今後とも、政府の対応を注視するとともに、引き続き情報の収集に努めてまいる考えであります。

    (総務部長鈴木正晃君登壇)



◎総務部長(鈴木正晃君) お答えいたします。

 県及び市町村職員の増員につきましては、これまでも全国知事会や総務省等を通じた職員派遣要請などにより人員の確保に努めてきたところであります。

 今後はさらに、県におきましては、知事部局の職員定数を増員し、執行体制を強化するとともに、市町村に対しましては、各自治体の状況に応じ職員採用に積極的に取り組むよう、連絡会議等を通じた助言に加え、県からの職員派遣を検討するなど、必要な支援に努めてまいる考えであります。

 次に、私立幼稚園の耐震化につきましては、国の耐震補強工事に係る補助制度の一層の周知を図るとともに、耐震化に要する費用を低利で融資する福島県私学振興基金協会への原資の貸し付けを行うなど、引き続き設置者の負担軽減を図りながら耐震化の促進に努めてまいります。

    (企画調整部長野崎洋一君登壇)



◎企画調整部長(野崎洋一君) お答えいたします。

 県内原発の全基廃炉につきましては、県として国及び電気事業者に対し引き続き強く求めてまいる考えであり、廃炉に向けた工程につきましては、廃炉の決定を受けて明らかにされるものと認識しております。

 次に、総合計画の見直しにつきましては、本県の復興を図る上で県民1人1人の生活基盤を再建することが不可欠であることから、避難されている方々の生活再建はもとより、除染や県民の健康管理を進めるとともに、医療提供体制の整備や福祉サービスの充実、農林水産業や製造業などの再生、商業やサービス業の活性化を図るなど、全ての県民が安心して住み、暮らすことができるよう計画の見直しに取り組んでまいる考えであります。

 次に、総合計画における医療、教育、福祉の位置づけにつきましては、本県の将来を展望する上で極めて重要な視点であると考えております。

 このため、医療、教育、介護・福祉をそれぞれ独立した政策分野と位置づけ、医療提供体制の再構築や充実、医師や看護師の確保、豊かな心や確かな学力の育成、介護保険サービス提供体制の整備、障がい者の生活支援などを盛り込む考えであります。

 次に、住宅太陽光発電の支援制度につきましては、他県と比べ非常に有利な補助事業を今年度新たに創設し、普及に努めた結果、当初の予定を超える申し込み実績があったことから、さらなる普及促進を図るため、今回約1,000件分に相当する増額補正予算案を計上し、支援を拡充してまいりたいと考えております。

    (生活環境部長荒竹宏之君登壇)



◎生活環境部長(荒竹宏之君) お答えいたします。

 原発事故につきましては、今月19日に発足した原子力規制委員会において事故原因の究明を継続し、得られた知見の全てを安全性の向上に反映することとされております。

 また、東京電力においても、今月11日に社外の専門家から構成される調査検証プロジェクトチームを設け、主要な事故調査報告書の論点を踏まえて課題と対策の方向性の整理を行うこととされております。

 県といたしましては、国及び東京電力に対し、これらに確実に取り組むよう求めてまいります。

 次に、テレビ会議映像の公開につきましては、事故の原因者である東京電力みずからが説明責任を果たすため、原因究明に必要な全ての情報の速やかな公開に努めるべきものと認識しております。

 次に、県の対応の検証につきましては、防災関係機関等へのアンケート調査やヒアリングの結果、政府、国会双方の事故調査委員会の指摘等を踏まえ、現在、事故への備えも含む初動対応に関する問題点の検証作業を行っているところであり、今後速やかにこれらの結果を取りまとめ、公表してまいります。

 次に、地域防災計画につきましては、原子力災害発生時における初動対応の見直しの一環として、防災対策を講ずべき重点区域の暫定的な拡大や関係市町村への通報連絡の強化等について検討しているところであり、本年11月を目途に見直しを完了してまいります。

 今後は、国が改定する防災指針等を踏まえ、原子力緊急事態における避難指示基準の見直しや緊急時モニタリング体制の再構築等について検討することとしており、来年3月を目途にこれらの防護措置の具体化を図ってまいります。

 次に、除染事業の国による市町村への人的支援につきましては、現在、福島環境再生事務所職員が直接巡回訪問や相談対応を行うほか、国の調整のもとで仮置き場の設計などに関する技術的な助言を行う専門家の派遣を行っております。

 今後は、これらに加え、日本原子力学会などの関係団体と連携し、除染現場において適切な支援ができる専門家を派遣するなど、国に対して各市町村のニーズに応じた人的支援の一層の充実を求めてまいります。

 次に、県による市町村支援につきましては、契約の締結段階においては、発注に必要な契約手続例や共通仕様書、積算基準例等を作成し、市町村に提供するとともに、これらを活用するための職員向けの説明会を開催しております。

 また、契約の実施段階においては、事業者による履行状況を適切に確認できるよう、市町村の求めに応じて業務監理者を派遣しているほか、除染手法や財源の手当てなどに関するさまざまな個別相談に対応しております。今後とも、市町村における除染の進捗状況に応じてきめ細かく支援してまいります。

 次に、積算基準等につきましては、国は本年5月に除染特別地域の除染に係る積算基準を、県は本年8月にそれ以外の地域の除染に係る積算基準例を作成したところであります。

 今後は、資材の価格動向等を踏まえ、適宜見直しが必要となることから、国において両者の整合性を図りながら、県が作成した積算基準例を取り込んだ形で全体を調整するよう求めてまいります。

 次に、原発作業従事者につきましては、継続的に十分な要員を確保するとともに、安心して働くことができる環境を整備することが今後の廃炉作業を着実に進めるに当たって極めて重要であると考えております。

 このため、今月7日に県が開催した関係機関との協議の場において、国には長期的な要員確保に向けた取り組みを、東京電力には被曝低減対策など作業環境の改善に向けた取り組みを強く求めたところであります。

    (保健福祉部長菅野裕之君登壇)



◎保健福祉部長(菅野裕之君) お答えいたします。

 国民健康保険税の減免を継続することとしている市町村につきましては、須賀川市など5市町、医療費一部負担金の免除については、白河市など16市町村となっております。

 次に、介護保険の減免を継続することとしている市町村につきましては、保険料で須賀川市など3市町、利用者負担については、白河市など13市町村となっております。

 また、後期高齢者医療制度については、福島県後期高齢者医療広域連合において、保険料及び医療費一部負担金ともに減免を継続しないこととしております。

 次に、特例措置の継続につきましては、今年6月の復興に向けた緊急要望において継続を要望しておりましたが、国の終了の方針を受け、先月、岩手県、宮城県との3県連名で改めて強く継続を求めたところであります。

 次に、特例措置の終了に伴う県の対応につきましては、国保税及び一部負担金については、県調整交付金により、国の8割補助対象の場合には1割の補助を上乗せし、国補助対象外の場合は9割を補助することとしております。

 また、介護保険については、市町村の判断により減免を継続した結果、介護保険財政に支障が見込まれる場合には、県の介護保険財政安定化基金の貸し付けにより対応してまいりたいと考えております。

 なお、後期高齢者医療制度については、福島県後期高齢者医療財政安定化基金の交付を検討しておりましたが、広域連合の判断により減免の継続には至りませんでした。

 次に、基本調査の調査票につきましては、県民健康管理調査検討委員会における検討の結果、原発事故後、空間線量が高かった時期の外部被曝線量を推計するためには、行動記録と線量マップ情報をもとに推計することが適当とされ、そのため現在の調査票としたところであります。

 なお、行動の記憶が曖昧なところは「不明」として提出していただければ、事務局におきまして内容確認のお手伝いをさせていただくなどの対応を行っております。

 次に、基本調査調査票の回収につきましては、これまでも新聞やラジオ等による広報、書き方説明会の開催、企業等への働きかけ、看護学生ボランティアによる戸別訪問などに取り組んでまいりましたが、今後は、特に仮設住宅等に避難されている県民を対象とした戸別訪問等に重点的に取り組み、回答率の向上に向けて努力してまいる考えであります。

 次に、県民の医療費につきましては、放射線被曝に起因する健康被害が発生した場合に、医療費の無料化等の援護措置が国の責任において講じられる必要があると考えており、その旨が福島復興再生特別措置法に基づく復興再生基本方針に規定されたことから、今後の国の対応を注視してまいる考えであります。

 次に、健診の無料化につきましては、従来からの特定健診やがん検診については、その実施主体である市町村や医療保険者等の判断によるものと考えておりますが、県民健康管理調査において取り組んでいる避難区域等の住民に対する特定健診への健診項目の上乗せや健診対象者の拡大については、県の負担によって実施してまいる考えであります。

 次に、看護師や医師の確保につきましては、本県の医療提供体制を回復、強化していく上で喫緊の課題であることから、県ではこれまで、医療機関の人材確保の取り組みへの支援や修学資金の拡充による医師、看護師の確保など独自にさまざまな取り組みを展開するとともに、国に対しても人材の確保を強く要請してきたところであります。

 今後とも、引き続き長期的な医師確保対策や全国的な看護職員派遣の取り組み等について要望してまいる考えであります。

 次に、福祉避難所につきましては、東日本大震災のような複合災害により広域避難が必要となった場合でも要援護者に適切に対応できるよう、避難所の体制を整備する必要があることから、今月、県内市町村、関係団体等を対象とした福祉避難所に関する説明会を開催し、制度の周知を図ったところであります。

 今後、医療を必要とする要援護者がより安心して避難できるよう、福祉避難所と医療機関等が事前に協定を締結するなど、連携強化の取り組みを促進してまいりたいと考えております。

    (商工労働部長伊東正晃君登壇)



◎商工労働部長(伊東正晃君) お答えいたします。

 企業が設ける有給の避難休暇制度につきましては、法定以外の休暇として各企業がそれぞれの事情に応じて個別に付与要件を定めるものであることから、これに対して国の補助制度の創設を求めることは難しいものと考えております。

 次に、再生可能エネルギー分野への中小企業等の参入支援につきましては、7月に産学官から成る研究会を立ち上げ、大学や産業技術総合研究所等との連携強化に努めているほか、研究開発助成により商品化への取り組みを促進しております。

 さらに、11月に展示会を開催し、ビジネスマッチングなどを通じて参入促進を図ってまいりたいと考えております。

    (農林水産部長畠 利行君登壇)



◎農林水産部長(畠利行君) お答えいたします。

 森林整備と組み合わせた除染につきましては、従来の森林施業の技術を生かした極めて有効な手段と考えております。

 県といたしましては、間伐等の森林施業と除染を一体的に進める施策について国に対して提言しているところであり、森林の再生を効率的に進めるため、森林所有者や林業従事者の理解と協力を得ながら森林の計画的な除染に取り組んでまいる考えであります。

    (土木部長渡辺宏喜君登壇)



◎土木部長(渡辺宏喜君) お答えいたします。

 県北浄化センターの汚泥処理につきましては、これまでも周辺住民に対して十分に説明を行いながら臭気対策などを実施してきたところであり、今般設置することととした乾燥施設など新たな取り組みにつきましても、これまでどおり丁寧に説明を行いながら進めてまいる考えであります。

 次に、復興公営住宅につきましては、原子力災害による避難者の生活再建に向け、1日も早く供給する必要があることから、県営住宅の整備に着手することとしたところであります。

 今後は、用地取得や設計等を速やかに実施し、早期に提供できるよう取り組んでまいる考えであります。

    (原子力損害対策担当理事鈴木淳一君登壇)



◎原子力損害対策担当理事(鈴木淳一君) お答えいたします。

 住宅等の生活基盤の再建に向けた賠償につきましては、帰還、移住のいずれを選択した場合においても、財物損害はもとより、精神的損害や就労不能損害等の賠償金の一括払いなどにより、生活再建につながる賠償がなされるべきものと考えております。

 次に、避難指示区域の見直しに伴う財物損害等の賠償につきましては、避難指示解除までの期間に応じて行われることとされておりますが、国、東京電力に柔軟な対応を求めてきた結果、区域の見直しが完了しない場合でも、精神的損害等については12カ月分の賠償が行われることになりました。今後とも、被害の実態に見合った賠償が迅速になされるよう努めてまいります。

 次に、生活となりわいの再建に向けた賠償につきましては、就労不能損害や営業損害等に対し、被害者のそれぞれが生活再建を果たすことができるまで十分な賠償期間を確保するとともに、迅速かつ円滑な賠償がなされるよう、引き続き関係団体、市町村とともに国、東京電力に求めてまいりたいと考えております。

 次に、避難者支援のあり方につきましては、避難生活が長期化する中、避難者の多くが今後の生活や健康に対する不安などさまざまな課題を抱えており、その思いやニーズに的確に対応した取り組みが必要であると考えております。

 このため、避難元市町村はもとより、受け入れ自治体や関係団体等との連携のもと、生活相談や交流の場づくり、さらにはきめ細かな情報提供等を通じてきずなを維持し、ふるさとへの帰還に結びつくよう、避難者に寄り添った継続的な支援に努めてまいります。

 次に、県内の自主避難者に対する借り上げ住宅につきましては、災害救助法の適用がなされるよう再三にわたり要望してきたところですが、国は発災から1年以上経過している状況を踏まえ、応急救助を目的とした同法ではなく、新たに成立した子ども・被災者支援法等での対応を検討すべきとしております。

 県といたしましては、原子力災害という特殊な状況に鑑み、現に困窮している県内自主避難者を早急に救済するため、災害救助法による支援を引き続き国に強く要請してまいる考えであります。

 次に、県南、会津、南会津地域の住民への給付金につきましては、給付目的の周知や重複受給の防止等を図るため、4項目の同意を求めるとともに、震災発生時に生活の本拠が対象の3地域にあったことが客観的に認められる場合には、住民登録にかかわらず給付することとしております。

    (子育て支援担当理事鈴木登三雄君登壇)



◎子育て支援担当理事(鈴木登三雄君) お答えいたします。

 情緒障がい児短期治療施設につきましては、虐待や発達障がいなどにより軽度の情緒障がいを有する児童に対して、本県においては、児童相談所と各児童養護施設が連携しながら専門的ケアの充実に努めているところであります。

 今後は、こうした児童へのより効果的な支援策を検討する中で、情緒障がい児短期治療施設のあり方についても研究してまいりたいと考えております。

    (教育長杉 昭重君登壇)



◎教育長(杉昭重君) お答えいたします。

 住民票を移動していない自主避難の児童生徒の転入につきましては、学校教育法施行令の規定に基づき、関係市町村教育委員会間の協議を経て、受け入れ校を設置する市町村教育委員会が承認した場合に可能になります。

 次に、県立学校への太陽光発電の導入につきましては、現在、改築工事を行う福島高校や保原高校など5校に太陽光発電設備の設置を計画しているところであり、今後とも導入について検討してまいる考えであります。

 次に、正規教員の増員につきましては、教員数はいわゆる標準法により決定されるものでありますが、今後の児童生徒数の推移や退職予定者の動向等を見きわめながら、正規教員を増員できるよう努めてまいる考えであります。

 次に、いじめに対する取り組みにつきましては、各学校において、いじめの予兆を見逃すことがないよう日ごろから児童生徒の理解を深めるとともに、定期的なアンケート調査や個別面談等を実施し、早期発見に努めております。

 県教育委員会といたしましては、道徳教育や人権教育を推進し、児童生徒の豊かな人間性を育むとともに、24時間いじめ電話相談やスクールカウンセラー等の配置により、教育相談体制の充実を図り、教員と関係機関が連携しながら、いじめの未然防止、早期対応に努めているところであります。

 次に、県立学校に係るエアコン設置につきましては、保健室、情報処理室等の特別教室等において必要な整備を行っております。

 次に、市町村立小中学校に係るエアコン設置につきましては、市町村が主体的に判断すべきものと考えております。

 次に、市町村立小中学校の耐震化につきましては、災害復旧事業の活用のほか、国庫補助率のかさ上げ措置が延長されたことや、地方財政措置の拡充により実質的な地方負担が大きく軽減されたこと等を踏まえ、国庫補助事業の活用を促すなど、市町村が行う耐震化事業を積極的に支援してまいる考えであります。



◆39番(阿部裕美子君) 再質問をいたします。

 初めに、知事に原発問題について伺います。

 原発の国の施策については、まるで福島県のこの困難な状況が見えないかのような状況であると思います。今、原発問題で大きく問われていることは、原発ゼロを望む国民世論に逆らって原発再稼働を容認して、原発に固執し続けるのか。今、政府は2030年代に原発ゼロと言っていますが、これは事実上の棚上げではありませんか。建設中の原発を建設していく、そうなりますとこれは50年代まで稼働になります。

 諸外国では、ドイツ、イタリア、スイスなど、福島原発事故に学んで、原発はもうやめる、全て廃炉にして、着々と原発のない社会のあり方に向かって努力が進んでおります。福島原発事故という、こういう重大な事故を体験した日本こそ、その立場に立つべきではないでしょうか。しかし、実際には大飯原発の再稼働、そして海外への原発輸出、原発に固執する政策からきっぱり足を抜け出していない今の現状であります。今私たちに問われているのは、文字どおり原発ゼロを直ちに国に実現することを福島県から発信していく。今、福島県の役割は本当に大事になっているのではないでしょうか。

 核兵器が人類とは共存しないというのと同じように、原発は人類とは共存しません。使用済み燃料の処理も技術的にもまだ解明されないままため込んでいく。原発を稼働していくには、原発労働者が被曝をしなければ稼働できない。こういうものを続けるべきではありません。一部の人々の利益のためにこれからの将来に負の遺産を残してはなりません。福島県は今、国に対してこのことを大きな声で言っていく責任があるのではないでしょうか。もう一度そのことを知事にお伺いいたします。

 次に、教育長に伺います。

 自主避難者の方たちが住民票を移動しなければ公立学校に入学できない。私立に入学せざるを得ない。私立ですと、現実には月に1万9,000円の月謝を払わなければなりません。こういうことが市町村の受け入れに任せられて、市町村任せという状況でいいのでしょうか。実際には不平等があらわれている、こういう状況に対して、県としての指導的な対応も必要ではないでしょうか。

 住民票を移動できないいろいろな理由はあります。親や祖父母から「住民票だけは移動しないでほしい。」と言われていたり、自分の地元でホールボディーカウンターを早く受けたい、そのために住民票をまだ移動していない。この放射能被曝という事態の中で、さまざまな状況があると思います。そういう事態に柔軟に対応して、全ての子供の教育を受ける権利を保障するという立場で対応すべき問題ではないでしょうか。もう一度伺います。



◎知事(佐藤雄平君) 阿部議員の再質問にお答えいたします。

 我が国のエネルギー政策につきましては、本県での原発事故がもたらした広範囲かつ深刻な被害の現実を踏まえて、国においても、原子力に依存しない社会、これを目指す必要があると考えており、政府において決定された革新的エネルギー・環境戦略に基づき、着実に進めていくべきものと考えております。



◎教育長(杉昭重君) 再質問にお答えいたします。

 県教育委員会といたしましては、要請があれば、区域外就学に関する他の市町村教育委員会の対応や動向等について情報提供してまいりたいと考えております。



◆39番(阿部裕美子君) 再々質問をいたします。

 保健福祉部長にお伺いいたします。

 福祉避難所についてでありますが、これから市町村の担当の方たちと具体的な方法も進めていくということでありますが、この点については、医療と連携できるシステムということで、実際に使える内容とすることで進めていただきたいと思います。

 今回の震災被災関連死亡者の方たちの中でも、最も多いのが避難所で体調を崩したりして亡くなっているという、数値にもはっきりあらわれています。福祉避難所の果たす役割は、いざというときには大変大事な役割を担っていると思います。先日いただきました61カ所の福祉避難所の指定では、12カ所が大熊町が入っているという、現実には開所できないような状況がありましたので、実際に使えるものとしてこの福祉避難所の設置を進めていっていただきたいと思います。

 それから、賠償問題について──福祉避難所については質問です。お答えください。

 次に、賠償問題について伺います。これは、損害賠償の問題に関連して知事にお答えいただきたいと思います。

 実際に東電から示された賠償基準では、生活を再建できる、こういう状況にはなっていないという現実の状況があります。避難指示区域の見直しに伴う賠償基準の考え方として示されている、例えばある方の宅地評価を見ますと、1.43倍の時価相当額では、新たな土地や建物はとても購入できるような状況にはないというのが現実であります。事故がなければ暮らし続けることができた、普通に生活できる単価、基準を示してもらうことが、賠償の問題にとっては復興に希望を持てる問題だと思います。今の現状を踏まえて、これから少しでも復興に希望が見えるような取り組みをしていただきたいと思います。



○議長(斎藤健治君) 39番議員に申し上げます。

 先例によって、再質問は最初に質問した部長等に聞くのならいいんですが、今の問題、知事に質問すると言われますから、これに対しては残念ながらできませんので、知事にはね。いいですか。今知事に質問しますと言っているから、ちょっと直してください。時間なくなるよ。最初に知事に質問すると言っているんですから、担当者に直してくださいね。



◆39番(阿部裕美子君) 知事に質問をしております。協議会について知事の答弁を求めております。それについて知事のお考えを質問いたします。もう一度お尋ねいたします。

 それから、子育て支援担当の方にお伺いいたします。

 情緒障がい児短期治療施設については、この間の児童虐待が年々ふえてきて過去最悪という事態になっている中で、東北6県の中でも青森県、岩手県は既に設置もされております。福島県としてもこの設置について、もっと踏み込んで検討を行っていただきたいと思います。それにお答えください。



○議長(斎藤健治君) 答弁を求めます。

 知事は、賠償問題の3の4だと思うので、それ以外質問ないですから、あと最初しか。そこの中で聞いているんでしょうから、そういう答弁をお願いします。



◎知事(佐藤雄平君) 再質問にお答えいたします。

 東京電力の賠償の件でありますけれども、賠償の基準、この策定、そしてまた賠償金の支払いにおける状況、また課題等をしっかりと見きわめた上で協議会を開催して、全ての原子力損害に対して誠意ある迅速な対応を求めることはもとより、最後まで確実、十分な賠償がなされるようしっかりと取り組んでまいる考えであります。



◎保健福祉部長(菅野裕之君) 再質問にお答えいたします。

 福祉避難所を使える内容とすべきというおただしかと思います。今月、各市町村、各社会福祉施設、医療機関等々を集めた説明会を実施いたしました。現在、福祉避難所を指定している市町村は9つございまして、アンケート等をその場でとりましたところ、今後34の市町村が福祉避難所の指定をしたいというお答えを頂戴しております。

 福祉避難所に医療的ケアが必要な要援護者の方が来る可能性は十分ございますので、福祉避難所は事前に医療機関等との協定を結んでおくということになってございます。福祉避難所になりますと、国庫補助制度等で人件費の支援、あるいは施設設備の整備の補助等もございますので、そういった中身を説明しながら、より機能するような福祉避難所を県内各地に設定していきたいというふうに考えております。



◎子育て支援担当理事(鈴木登三雄君) 再質問にお答えいたします。

 情緒障がい児短期治療施設についてでございますけれども、全国の設置状況、現在25県で設置されておりますが、そうした設置状況、あと設置形態、あとは設置運営の課題等々について幅広く研究してまいりたいと考えてございます。



○議長(斎藤健治君) これをもって、阿部裕美子君の質問を終わります。

 本日は、以上をもって議事を終わります。

 明9月28日は、定刻より会議を開きます。

 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び知事提出議案第1号から第33号までに対する質疑並びに休会の件であります。

 これをもって、散会いたします。

    午後3時18分散会