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長野県 松本市

平成28年  9月 定例会 09月12日−02号




平成28年  9月 定例会 − 09月12日−02号









平成28年  9月 定例会



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          平成28年松本市議会9月定例会会議録

                 第2号

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            平成28年9月12日(月曜日)

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               議事日程(第2号)

                     平成28年9月12日 午前10時開議

 第1 請願第5号 国の責任による35人学級推進と、教育予算の増額を求める請願書

      第6号 地方財政の充実・強化を求める国あて意見書の採択を求める請願書

 第2 市政一般に対する質問

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出席議員(31名)

      1番  今井ゆうすけ        2番  勝野智行

      3番  青木 崇          5番  若林真一

      6番  川久保文良         7番  吉村幸代

      8番  井口司朗          9番  上條美智子

     10番  田口輝子         11番  中島昌子

     12番  村上幸雄         13番  上條 温

     14番  小林あや         15番  上條俊道

     16番  犬飼信雄         17番  小林弘明

     18番  阿部功祐         19番  澤田佐久子

     20番  宮坂郁生         21番  忠地義光

     22番  芝山 稔         23番  犬飼明美

     24番  柿澤 潔         25番  宮下正夫

     26番  青木豊子         27番  近藤晴彦

     28番  南山国彦         29番  草間錦也

     30番  太田更三         31番  大久保真一

     32番  池田国昭

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説明のため出席した者

  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男

  総務部長      福嶋良晶   政策部長      矢久保 学

  財政部長      島村 晃   危機管理部長    嵯峨宏一

  地域づくり部長   宮川雅行   文化スポーツ部長  寺沢和男

  環境部長      土屋雄一   健康福祉部長    丸山貴史

  こども部長     伊佐治裕子  農林部長      塩原資史

  商工観光部長    川上正彦   健康産業・企業立地担当部長

                             平尾 勇

  建設部長      小出光男   城下町整備本部長  浅川正章

  上下水道局長    横内悦夫   病院局長      斉川久誉

  教育長       赤羽郁夫   教育部長      守屋千秋

  行政管理課長    樋口 浩   行政管理課法制担当課長

                             小西敏章

  秘書課長      羽田野雅司  政策課長      横内俊哉

  財政課長      高野一司

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事務局職員出席者

  事務局長      麻原恒太郎  事務局次長     小林伸一

  次長補佐兼議会担当係長      主査        住吉真治

            逸見和行

  主査        金井真澄   主任        高橋千恵子

  主任        永原浩希

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               本日の会議に付した事件

 議事日程(第2号)記載事件のとおり

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                                午前10時開議



○議長(犬飼信雄) おはようございます。

 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。

 最初に、報告事項を申し上げます。

 請願書が2件提出されております。請願文書表第1号として、ご配付申し上げてあるとおりであります。

 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。

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△日程第1 請願第5号及び第6号



○議長(犬飼信雄) 日程第1 請願第5号及び第6号の以上2件を一括上程いたします。

 内容につきましては、請願文書表第1号によりご承知願います。

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△日程第2 市政一般に対する質問



○議長(犬飼信雄) 日程第2 市政一般に対する質問を行います。

 質問通告者は、お手元にご配付いたしてあります一般質問者一覧表のとおり17名であります。

 一覧表記載の順序により発言を許します。

 最初に、7番 吉村幸代議員の質問を行います。吉村幸代議員は質問者待機席へ移動してください。

 7番 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 おはようございます。

 会派みんなの未来の吉村幸代です。発言の機会をいただきましたので、会派を代表いたしまして、宮下正夫議員とともに質問をさせていただきます。

 私見を交えまして、件名ごと一括形式にて質問させていただきます。

 初日の1番、トップバッターという、私の人生では異例の事態に戸惑いながらの登壇でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 質問に入ります前に、このたびの台風被害で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様方に対して心からお見舞いを申し上げます。

 では、1件目の公民館発足70周年にあたってについてお尋ねをしてまいります。

 昨年12月の定例会で、私は社会教育と地域づくりと題しまして、松本市の公民館の方向性をお尋ねいたしました。少しだけおさらいいたしますと、教育長から、松本市の地区公民館は、学習という側面から地域づくりを担っている。住民の自由で独自な発想に基づく学習を保障することで、住民主体の民主的な学習を地域づくりに生かすという大きな役割と利点があり、松本市の特色と言えるといった趣旨のご答弁をいただきました。

 松本市の公民館は、戦後から間もない昭和22年に発足、来年の平成29年には70周年を迎えます。節目の年を迎えるに当たり、学びの9月に開催されている今定例会におきまして、公民館のさらなる充実を求めたいと考えました。

 地区公民館のハードの部分については、とりたてて問題はないと感じておりますので、いわばソフトに当たる部分を、現代的なニーズと本質的役割とに分けてお尋ねをすることにいたしました。

 まずは、それぞれについて現状をお伺いいたします。

 現代的ニーズ、その1つ目は、Wi−Fi環境の整備です。

 昨年12月の定例会におきまして、我が会派の小林あや議員がICT企業がインターネット通信環境の充実した施設を求めている現状を踏まえて、公共施設でのインターネット通信の無償提供について質問をされました。総務部長から、公共施設は優先順位をつけて環境づくりを進めており、Wi−Fi環境もその一つと捉えている。今後、施設ごとの利用者の要望や費用対効果を踏まえた上で、例えばMウイングなどにおいて検討していくとのご答弁があったと記憶しております。

 私の周囲の公民館利用者から、公民館でもWi−Fiが使えるようにしてほしいというお声が上がっています。地区公民館利用者向けのWi−Fi環境の整備についてはどのようにお考えでしょうか。

 2つ目は、防災備品の配備です。

 地区公民館のほとんどが災害時要援護者優先の避難所に指定されているわけですが、現在、防災用備品としてどのようなものを配備しておられますでしょうか。

 また、要援護者用の物資の配備については、どのように考えておられるのかについても、あわせてお尋ねいたします。

 3つ目は、女性の登用です。

 女性が活躍する社会が喧伝されていますが、地区公民館長や公民館主事に女性がどのくらいおられるのか、ここ3年間程度の推移も含めてお教えください。

 次に、地区公民館の本質的役割として、平和学習、そして主権者教育を初めとする政治学習の必要性を痛感しております。公民館とカルチャーセンターとの違いはここにあります。

 平和学習は、人権学習と重なる部分があると思いますから、地区公民館における人権・平和学習の取り組みや講座の開講状況などをお聞かせください。

 また、政治学習についても、主権者教育の取り組みや講座の開講状況、青少年を対象とした学校との連携などの現状と今後の方向についてお答えください。

 続いて、町内公民館の活用と充実についてもお尋ねいたします。

 ご承知のとおり、町内公民館は、町内住民の触れ合いや学習、人づくりを担う最も身近な活動拠点です。そこで、町内公民館活動の現状及び地区公民館との連携・協力体制についてお伺いをいたします。

 以上が1回目の質問です。



○議長(犬飼信雄) 守屋教育部長。



◎教育部長(守屋千秋) 〔登壇〕

 地区公民館に関するご質問に順次お答えをいたします。

 まず、公民館のWi−Fi環境の整備についてです。

 地区公民館には、職員業務のためのネットワーク環境が整備されておりますが、情報セキュリティー上の問題から関係者以外の接続は許可しておりません。そのため、議員ご提案の公民館利用者向けにWi−Fi環境、つまり、インターネット環境を整備するには、新たに専用の回線を引くなどの必要がございます。

 Wi−Fi環境の整備は、公民館利用者の利便性の向上につながるものと思われますけれども、議員からもご紹介がありましたが、昨年の12月定例会で小林あや議員のご質問に総務部長からお答えしたとおり、公共施設の利用者の要望や費用対効果を踏まえた上で、利用増加が見込まれる施設への整備を検討する中で、公民館についても研究をしてまいりたいと考えております。

 次に、地区公民館における女性職員の人数と割合について、過去3年、平成26年度から28年度まで順を追ってお答えをいたします。

 まず、地区公民館長につきましては、35人中平成26年度は4人、平成27年度は3人、平成28年度は2人、率にしまして平成26年度は11.4%、平成27年度は8.6%、平成28年度は5.7%となっております。

 公民館主事につきましては、この3年間で女性職員はおりません。

 次に、地区公民館の平和学習と政治学習についてお答えをいたします。

 まず、平和学習の現状です。

 平和学習につきましては、地区住民の皆さんの命が大切にされ、住みなれた地域で安心して暮らしていくために、地区単位で行う学習は非常に重要なことと認識をしておりまして、地区公民館事業の一つの柱として、これまでも取り組みを進めてきております。

 具体的には、地区在住の戦争体験者から直接お話を聞く平和を考える講座や講演会、体験談の聞き取りをまとめた冊子づくり、また、満蒙開拓記念館等を訪れる研修会等を地区ごとに実施をしておりまして、平成27年度の実績では23地区で講座や研修会が29回開催され、延べ890人の参加者がございました。

 次に、政治学習、主権者教育の現状と今後の方向性ですが、政治学習や主権者教育という点において、平成27年度の実績では、一般成人を対象といたしました社会保障制度についての学習会などは実施をしておりますけれども、青少年を対象とした取り組みや学校との連携した事業といったことは展開ができていないところであります。

 しかしながら、18歳選挙権が導入されまして、若者がみずからの暮らしを主体的に考え、どのような社会をつくっていくのかということを考えますと、これからますます重要となってきているものと認識をしております。

 公民館は、暮らしをよりよくしていくことを目的に、さまざまな課題解決に向けた学習活動を展開しておりますけれども、こうした学習活動への参画や地域の伝統行事の継承、地域イベントの運営に携わるなど、地域社会へ参画することが社会を創造する主体者意識を醸成する主権者教育につながるものと考えています。

 今後、学校との連携も踏まえまして、若者の地域活動への参画がより一層進みますよう、それぞれの地区公民館で工夫した取り組みを進めてまいりたいと思います。

 次に、町内公民館活動の現状及び連携・協力体制についてお答えをいたします。

 町内公民館は、住民の方々にとって最も身近な地域の活動の拠点として、住民主体の創意工夫に富んださまざまな取り組みがされております。近年の特徴的な取り組みとしては、高齢者の交流と親睦、安否確認など孤立化を防ぐことを目的としました町会サロン事業や、町会のことについて気軽に意見交換をする公民館居酒屋事業など、ユニークな活動も行われております。

 地区公民館と町内公民館との連携・協力体制についてでございますが、地区公民館と町内公民館による共催の事業のほか、活動面での相談対応、町内公民館事業に係る講師等のご紹介、町内公民館長を対象とした研修会等を実施しております。

 また、地区で開催されます町内公民館長会の会議に地区公民館長と公民館主事が出席をいたしまして、町会情報の共有を図っているところでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 嵯峨危機管理部長。



◎危機管理部長(嵯峨宏一) 〔登壇〕

 地区公民館へ配備している防災用備品について、2点のご質問にお答えいたします。

 最初に、防災用備品につきましては、地区公民館を含む指定避難所には停電対策として発電機、投光器、コードリール及び発電機の燃料などの配備を進めており、今年度中には160カ所全ての指定避難所で配備が完了いたします。このほか、避難所の開設及び運営に必要となる懐中電灯、拡声器、ラジオ、避難者名簿用紙などは、全ての避難所へ配備済みです。

 次に、要援護者用の物資の配備についてお答えします。

 地区公民館は、保管スペースが限られておりますので、先ほど申し上げた物資以外は配備しておりません。しかしながら、災害時には介護用品等に限らず、生活物資が他の指定避難所でも大量に必要となりますので、直ちに市の備蓄物資の配送を行うとともに、県の備蓄、自治体、民間の流通業者との協定などにより物資を調達する計画です。

 なお、熊本地震で物資配送が滞ったことを教訓に、今後は物資を迅速に配送する体制の整備に努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 それぞれにご答弁をいただきました。

 公民館利用者向けのWi−Fi環境の整備については、平成20年度から6年間にわたって私が公民館長を務めていたころから、折に触れて必要性を感じてきました。当時、Wi−Fiなどという言葉があったのかどうかも知りませんが、どちらの公民館においても、パソコン教室が盛んに開催されていました。受講者は60代から80代、ノートパソコンを持参して学んでおられましたが、家にインターネット回線を引いてないという方々がほとんどでした。この人たちにインターネットを体験させてあげたい、インターネットを利用して学習するような機会も提供できたらいいのにと考えたからにほかなりません。

 ICTを取り巻く状況はすさまじい勢いで進化し、あのころには想像すらしなかったことが現実になっています。総務省の「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)によりますと、何かを自発的に調べようとする際にどのような手段を頻繁に利用するかという質問に対して、インターネットの検索サイトで検索すると答えた人の割合は圧倒的に多くて約7割を占め、年代による大きな傾向の差は見られなかったそうです。近いうちに子どもたちが手にタブレット端末を持って、調べもの学習をする時代が来るのでしょうか。

 先日は、お隣の安曇野市の公民館でもWi−Fiが使えるようになったというニュースを見ました。先ほども申し上げましたが、本市では、地区公民館のほとんどが災害時要援護者優先の避難所に指定されていることを踏まえましても、Wi−Fi環境の整備は有事の際にも役立つものと期待できます。Wi−Fi環境の整備は、いずれ行わなくてはならないときが来るように思われますので、早急に対応を検討していただくよう要望して、この件は終わりといたします。

 次に、防災備品の整備ですが、ただいま地区公民館を含む指定避難所160カ所の全てに停電対策などの備品配備が進められ、今年度中に完了するとお聞きして、少し安心いたしました。

 ところで、災害時要援護者優先の避難所である公民館に、果たして住民の方々はどのような形でたどり着くのでしょうか。先日行われました地区の避難訓練の際にも、「要援護者の人は勝手に公民館へ行ってしまっていいのか」「要援護者優先というからには、毛布とか使い捨てカイロとかが備えてあるということかしら」「でも、家族と離れ離れにされるっていうことでしょう。それは嫌だな」などと疑問の声が上がっていました。災害時要援護者優先の避難所の受け入れ体制が具体的に想像しにくいのかもしれません。

 まずは、整備すべきことがひとまず完了したら、災害時要援護者優先の避難所についても、現実に即した検討をする必要がありはしないかと、この件はご提案申し上げて終わります。

 女性の登用は、地区公民館の活動において、女性の視点が必要かつ重要と思われることからお聞きいたしました。かつては五、六人いた女性館長がここへ来て2人に減っています。女性の公民館主事も、ここ3年間はゼロという状態で残念です。この状況をどのように受けとめておられるのでしょうか、お伺いしたいと思います。

 次に、平和学習については、地区公民館事業の一つの柱として実施されているとのことでした。今定例会の開会日、市長のご挨拶の中に終戦の前に生まれた世代が人口の2割を切ったというお話がございました。ことしの8月15日、終戦記念日の朝日新聞の社説も、「日本は静かに、そして間違いなく、戦争体験者のいない時代を迎えつつある」という一文で始まっていました。戦友会なども次々に活動を終えているそうです。社説は、「戦争の『記憶』や『記録』は新たな時代へ、きちんと残されているだろうか。国内外の惨禍を二度と起こさないための教訓を受け継ぐ基盤があるか。いま点検しておく必要があろう。」と問いかけています。

 夏になると、特に8月は戦争に思いをはせる機会が多く持たれます。戦争体験者がいなくなるという危惧を共有し、なおかつ時間は限られているので、今できることがあったら、実行に移すべきではないでしょうか。

 東京都国立市では、記憶を枯らさず体験を伝えるために、被爆の伝承者・語り部を育てる活動に乗り出したとのことで、15カ月間の研修を経て、20代から70代の男女19人が市の原爆体験伝承者に認定されたそうです。

 平和学習は、とりわけ平和都市宣言をしている松本市の公民館においては、大きくて太い柱だと言えましょう。本市でも語り部を育成するなどして戦争体験を伝承していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 幸い、公民館にはおはなし会などのサークルの方々が多く出入りしておられますから、それほど難しいこととは思えません。

 公民館の本質的な役割として、政治学習、主権者教育の取り組みについてもお答えいただきましたが、青少年を対象とした取り組みや、学校と連携した事業は行っていないとのことでした。

 今回の質問に際して、長野県公民館運営協議会が平成20年に発行した長野県公民館活動史を改めて読み返してみました。公民館の歴史は、社会教育の中立性の論議とともにあったと言っても過言でないほど、公民館主事たちが熱く議論した経過が記載されており、こうした議論の積み重ねこそが政治学習の重要性を物語っていると感じました。

 3月の市長選挙で示された市長の公約、10のお約束の8番は、「自然、歴史・伝統・文化を守り、豊かな人間性を培う『三ガク都』づくりを進めます」という項目ですが、その中にもさまざまな分野で時代を担う人づくりを進めます、子どもから若者の主権者教育、政治教育にも積極的に取り組みますとあります。

 18歳選挙権が導入されて、主権者教育の必要性が叫ばれ、同時に政治学習の重要性も語られています。しかし、学校教育現場からは、この学習分野の実施の難しさについて、先生方の苦慮する悲鳴が聞こえてきます。

 冒頭で昨年12月の定例会の内容をおさらいいたしましたが、教育長のご答弁の中に、住民の自由で独自な発想に基づく学習を保障することで、住民主体の民主的な学習を地域づくりに生かすというお言葉がございました。政治学習、主権者教育の充実をもって地域づくりに資することこそが、教育長のお言葉を具現化するものと考えます。地域課題に向き合う中で、公民館の職員が専門的な力量を発揮して取り組みを進めていただくよう要望して、この件は終わりにいたします。

 町内公民館活動の現状及び地区公民館との連携・協力体制についてもお聞きしました。

 先日、公民館長時代の仲間たちと歓談する中で、地域包括ケアが話題に上りました。地域包括ケア推進に当たって、大きな地区では真ん中に地区公民館と福祉ひろばがあっても、現実に対応が難しい。むしろ、各町会の町内公民館の活用が有効策ではないかということになりました。

 松本市では、地区公民館と町内公民館は車の両輪に例えられるとおり、上下関係なしの連携がとられています。市内489町会に町内公民館長がおられ、428の町内公民館施設があるそうです。これは、非常に大きな財産だと言えますし、活用できればすばらしい成果につながると思いますが、いかがでしょうか。

 以上、2回目の質問です。



○議長(犬飼信雄) 守屋教育部長。



◎教育部長(守屋千秋) 〔登壇〕

 地区公民館の2回目のご質問にお答えをいたします。

 まず、女性地区公民館長の選出と女性公民館主事の配置についてでございます。

 地区公民館長の選出については、地区の公民館活動が円滑に進められるよう、地区推薦という方法をとっております。女性の地区公民館長につきましては、第3次松本市男女共同参画計画では、女性館長の占める割合を平成29年度に15%とする目標を掲げておりますけれども、1回目の答弁で申し上げましたとおり、目標達成はちょっと困難な状況になっております。

 地区公民館長の推薦に当たっては、引き続き地区町会連合会などに女性選出について積極的に対応いただくよう依頼をしてまいりますけれども、行政サイドだけでは対応できない課題でもございますので、各地区におきましても、女性を選出しやすい雰囲気づくりというものに取り組んでいただければというふうに思っております。

 また、女性公民館主事につきましては、配置に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、語り部の育成についてでございます。

 戦後70年が経過する中で、戦争体験者の高齢化が進み、戦争体験を直接語ることができる方は、今後ますます少なくなってまいります。戦争の悲劇を繰り返さないためには、文字や映像の記録も大切でございますが、人が思いを込めて語る言葉に大きな力があるものと考えております。

 議員ご提案のとおり、戦争体験を後世に語り継いでいく人材を育てていくということは大切なことと考えておりますので、今後も多くの世代が参画する平和学習を積極的に推進し、人材の育成につなげてまいりたいと考えております。

 次に、町内公民館と地域包括ケアについてでございます。

 町内公民館は、地区公民館などに足を運ぶことが困難な方も歩いていける、より身近な場所にある町会福祉の拠点となっております。地域包括ケアは、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けることができることでございまして、まさに町内公民館活動は、地域包括ケアの推進につながっていくものと考えておりますので、今後も活動を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。ありがとうございました。

 3回目は要望といたします。

 ここまでご質問申し上げてきた項目は、いずれも私が日ごろから推進してほしいと願っていることです。そして、2回目のお答えとして伺った女性の登用についてですが、地区公民館長は、地区推薦により選出しているということですが、地区公民館長が市の特別職であることを考慮すると、地区に全てを委ねてしまうのではなく、もう少し踏み込んだ要望や条件を提示してもよいのではないかと考えます。

 そうした要望の一つが、女性選出の配慮ではないかと思うのです。ただし、女性なら誰でもよいわけでもありませんし、地区推薦は必ずしも総意を反映し得ないことを踏まえると、ある意味で危険性を伴ってもいることを忘れてはならないように思います。

 先日、岳都・松本山岳フォーラムの会場で、来年1月28日、29日の2日間にわたって開催される、未来を拓く自治と協働のまちづくりを目指す研究集会松本大会のチラシをいただきました。この集会は、さまざまな関係者が一堂に会して学び合い、住みよい地域社会の創造に向けたそれぞれの実践へつなげていく場とのことで、3年前に飯田市で始まり、第2回を兵庫県尼崎市で開催、今回の松本市へと引き継がれたと聞きました。この大々的な集会には、市長もパネリストとして登壇されるとのことで、今から大いに期待しているところです。

 現在、70年の節目を迎える松本市の公民館がさらに80年、90年、100年となお一層の存在感を持って輝き続けることを願い、また、私自身も発足100年の公民館を見届けるまで元気でいたいものだなと祈りつつ、1件目の質問を終わります。

 続いて、2件目、地域包括ケアの推進に向けてです。

 市長4期目の5つの重点目標の一つとして、健康ときずなづくりが掲げられ、地域包括ケア体制の構築に向けて地域福祉計画が進められています。地域包括ケアが推進されるということは、端的に言いますと、地域で暮らす高齢者や認知症の方が多くなり、したがって、さまざまな問題や危険が起きる可能性が高まる、したがって、見守りや支えの必要性も高くなるということでしょうか。

 私が暮らす寿台地区は、高齢化率で市内第3位。かつては活気にあふれていました地区にひところの元気はなく、行方不明の高齢者を探してほしいと協力要請の町内一斉放送が流れることもあります。

 一方で、私自身は、ここ10年ほどの間に夫の父、母、私の父、母、合わせて4人を見送りました。老いていく姿も介護の形も人によって異なりますが、地区の状況や自身の経験を踏まえて、とりわけ気がかりな問題2点について、きょうはお尋ねしたいと思います。

 1つは、成年後見制度利用の支援についてです。

 ご承知のとおり、成年後見制度は、認知症、知的障害、その他の精神上の障害があることによって財産の管理や日常生活などに支障のある方々を支えていく重要な手段ですが、松本市における成年後見制度の利用状況について知りたいと思います。

 成年後見支援センター「かけはし」や市民相談室の利用状況はどうなっていますか。どのような方が利用を必要とし、どのような立場の方が後見人になっているのか、実情や傾向についてもお教えください。

 成年後見制度という名称自体は、大分知られるようになってきました。ところが、人権や人生にかかわる重要性を鑑みると、当然ではありますが、申し立てや段取りは複雑です。いざ利用するとなると、ハードルはかなり高いと感じます。制度が十分に利用されていない実情もあるらしく、成年後見制度利用の促進に関する法律が5月に施行されました。

 先日、教育民生委員会では、兵庫県明石市へ行政視察に伺いました。目的は、こども養育支援ネットワークについてお聞きすることでしたが、その優れた取り組み以上に印象的だったのは、弁護士である市長さんのほかに7人の弁護士が市の職員として勤務していることでした。成年後見制度利用の推進に当たっては、こうした専門知識を持った職員の必要性も感じます。地域包括支援センターの体制の充実が必要と考える次第ですが、市の見解をお伺いいたします。

 そして、気がかりな問題2点目は、高齢者の運転免許証返納についてです。

 誤解のないように申し上げておきますが、高齢になったなら、認知症と診断されたのなら、誰かれ構わずに免許証を取り上げてしまいましょうという話ではありません。地域で高齢者を支えるに当たって、事故の加害者、被害者がふえてはいけないというお話です。

 まず、高齢者の交通事故の状況、免許証返納の状況がどうなっているかについてお伺いいたします。

 また、免許証を自主返納した高齢者にタクシーなど交通機関の料金などを割り引いて補助する自治体もあるようです。松本市の場合は、福祉100円バスがその要素を含んでいるかとも思いますが、バス路線から外れた地域に暮らす方々から、運転できなくなったら生きてはいけないなどというお声も聞こえてきます。交通政策の面も含めて、市の目指す方向性や見解をお伺いいたします。

 以上、この件に関しまして1回目のご質問です。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 最初に、成年後見制度に関するご質問にお答えをいたします。

 本市を含め2市5村で設置運営しております、成年後見支援センターかけはしの利用状況でございますが、平成27年度の実績で相談件数が852件、かけはしが法人後見人として受任をした件数71件、そのうち松本市民は相談件数で723件、後見受任件数で58件でございます。特に後見受任件数は、後見制度が広く周知されてきたことや、認知症、ひとり暮らし高齢者の増加などに伴い、前年度対比で31%増加している状況であります。

 また、本市の市民相談課に寄せられた成年後見制度の相談件数は、平成27年度実績で16件と前年度比で約2.5倍の相談が寄せられている状況であります。

 次に、どのような人が必要とし、どのような立場の人が後見人になっているかにつきましては、かけはしが法人として受任した状況で申しますと、平成27年度、松本市民からの受任件数58件の被後見人は、認知症高齢者が32人、精神障害者7人、知的障害者13人、その他身体障害者など6人となっております。

 なお、成年後見は、申立人から直接、家庭裁判所に申し立て、後見人が選任されるもので、各家庭裁判所における状況などは公表されておりませんが、全国的な傾向からすると、後見人は親族が約3割、弁護士等専門職が約7割という状況でございます。

 議員ご指摘のとおり、今後さらに認知症の高齢者が増加することを鑑みますと、本市としても成年後見制度の周知、相談体制の充実をさらに進めていく必要があると考えております。

 そこで、第1次的相談機関である地域包括支援センターの相談体制の充実を図るため、成年後見など専門的な相談についても円滑に対応できるよう、地域包括支援センターと長野県弁護士会松本在住会が連携した相談体制をこの5月から試行的に実施をしているほか、今後はかけはしの体制充実や後見人確保策として、市民後見人の育成強化の取り組みを進めていく必要があると考えております。

 次に、高齢者の運転免許証返納に関するご質問にお答えをいたします。

 まず、高齢者の交通事故の状況ですが、最近10年間の松本市における交通事故の発生件数は、平成18年1,960件、平成27年は1,411件と減り続けている一方、高齢者ドライバーによる事故は平成18年257件、平成27年は292件と徐々に増加している状況でございます。

 また、松本市における免許証の返納者は、平成20年142件、平成27年は426件と増加傾向にある中でも、平成27年は特に伸びが著しく、前年比58.4%の増となっております。

 次に、返納を進めるための補助、助成につきましては、他の自治体が返納を促進するために返納者への助成事業を実施していることは承知をしておりますが、まず、道路交通法施行令の改正により、認知症が疑われる高齢者に関しては、免許証更新の際に一段と厳しい検査が義務づけられることになりますし、また、先日の新聞報道を見ましても、自主返納に関しましては、高齢者お一人お一人の状況が異なり、ご意見もさまざまでございます。

 本市といたしましては、高齢者の交通事故の背景にある認知症の対策として、地域包括支援センターを中心として今年度から実施している物忘れ相談会や各地区で取り組みが始まった認知症カフェなどを通じ、個別に認知症高齢者や家族からふだんの移動についてお話をお伺いする中で、自主返納も含めてきめ細かに相談支援を行ってまいります。

 また、高齢者の通院、買い物などの足の確保につきましては、送迎ボランティアなど地域での支え合いの促進や福祉100円バス助成事業の推進のほか、本市の公共交通政策全体の中で検討したいと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。

 高齢の運転者による事故件数も免許証の返納数もふえているとのことでした。

 運転免許証につきましては、認知症の疑いがあると判定された75歳以上の運転者に医師の診断を義務づける改正道路交通法が来年3月に施行されると聞いています。制御システムのついた自動運転車の技術開発が進められているとも伺いました。

 しかしながら、現実には、高齢者のみの世帯や家族で支え切れない世帯も多い上に、路線バスは減り続けてふえることがなく、法規制だけでは解決できない部分が多そうです。ハンドルを手放しても日々の暮らしが成り立つよう、何らかの支援策は必要と感じますし、いずれ年をとって、誰もが当事者になるという事実ときちんと向き合って、みんなで考えてみる必要があるとも思います。

 成年後見制度の件は、次の地域包括ケアシステムの実効性の担保についてお尋ねする中で、要望もあわせて申し上げていきたいと思います。

 さて、私の自宅から車で1時間ほどのある村に、父のいとこが暮らしています。親兄弟、子供もなく、2年半前に連れ合いを亡くしてひとりぼっちです。遠縁の人たちから、このごろ様子がおかしい、面倒を見てやってほしいと頼まれて様子を見に行きました。悪臭の立ち込めた家にはごみがいっぱい。なのに、奥座敷には新しい着物や帯の山。通信販売で届いた健康食品の箱も未開封のままたくさん積まれています。食卓の周囲に散乱していた呉服店の契約書をかき集めて集計しただけで、2,500万円以上ありました。毎月展示会が開催される呉服店へ友人に連れられて出かけては、いつも150万円くらいずつの買い物を繰り返していたようです。呉服店と友人宅を訪ねて、もう誘わないでくださいと頼みましたが、どちらも聞き入れてはくれず、翌月もまた展示会という繰り返し。全く必要のない塗装工事を依頼して、500万円ほど支払った事実。軽トラックを運転して小川に落ち、引き上げてもらった事件なども判明いたしました。

 介護の形は人によって異なります。ひとり暮らしの高齢者でも、兄弟や子供など支援者がいる場合と、このように誰ひとりいない場合とでは違うことでしょうし、資産管理状況が異なれば、また違うことでしょう。

 本市では、認知症のひとり暮らし高齢者への対応は、どのようにされているのでしょうか。

 また、地域の方々からは、地域づくりと言われて何だろうと戸惑っているうちに、今度はまた地域包括ケアっていうがあれは一体何だい、という質問を受けます。ともすれば、地域包括ケアが抽象的でわかりにくいというようなお声もありますので、具体的にイメージできたらと思います。お教えください。

 そして、地域包括ケアシステムは、言葉は悪いですが、絵に描いた餅にならないよう、その実効性を担保することが最も大切と考えます。実効性を得るために、どのような工夫や配慮をされているのでしょうか。

 以上をご質問申し上げます。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 それでは、最初にひとり暮らし高齢者への具体的な対応についてお答えをいたします。

 地域独自の見守りシステムの成功例をご説明させていただきたいと思います。

 まず、ひとり暮らし高齢者の遠方のご家族が、ご本人が認知症の症状のためご近所に迷惑をかけてしまうので、施設入所を考えたほうがいいかと心配をした事例でございます。

 遠方のご家族、地域の方を含め、関係者で個別ケア会議を開催し、ご家族の思いを知り、情報を共有することができました。その結果、ご近所の方々はご本人の在宅希望を尊重して、もう少し今までの生活が続けられるよう地域で支えてともに暮らしたほうがよいと話され、それに向けて地域・介護・医療・行政が連携して、当面は在宅で支援していくこととなり、個別の見守りシステムにつながりました。

 役割分担としましては、地域づくりセンター、地域包括支援センターは全体調整や各種支援調整、町会長や民生児童委員など地域の方々は日ごろのかかわりによる見守り、主治医、ケアマネジャー、訪問看護など介護サービス事業者はそれぞれ連絡調整を図り、地域と医療や介護の専門職が連携をとりながら、その方の支援を行っています。

 これは、積み上げてきました地域づくり、地域福祉活動の基盤があったからこそ、発展した見守りシステムと思います。

 次に、地域包括ケアの具体的なイメージ、考え方についてでございますが、地域包括ケアシステムは、決して新たな取り組みをするのではなく、今まで本市が取り組んできた地域づくり、地域福祉活動を継続していくものであります。

 以前は、病気になっても、かかりつけ医に往診に来てもらい自宅で親をみとり、冠婚葬祭や困り事は隣組で助け合うという仕組みがありました。これを今の時代に再現・再構築することは困難ですが、医療と介護が連携した在宅サービスの提供と隣組、向こう三軒両隣に匹敵する地域での支え合いの仕組みが地域包括ケアシステムであると考えております。

 次に、地域包括ケアシステムの実効性の担保についてでございますが、本定例会冒頭の市長提案説明で申し上げましたとおり、今年度からこの支え合いの仕組みを見える化するため、市内3地区を選定したモデル事業を実施いたします。勉強会、学習会からスタートし、地区でのワークショップやヒアリングを通じて、地区の目指すべき支え合いの姿の検討、地区が抱える資源や課題などについて調査を実施し、支え合いの仕組みのルールづくりを行い、他地区へ波及をさせてまいります。

 また、包括ケアの取り組みは、医療・介護・福祉の専門職の皆様と地域、行政関係者で構成される地域包括ケア協議会において、在宅医療と介護の連携や生活支援にかかわる課題を解決するため現在検討を行っており、全市を挙げて進めております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。ありがとうございました。

 3回目は要望を申し上げて終わりにいたします。

 私は、公民館長を務めておりました平成22年度に「認知症を知り、学び、支えるシリーズ」という連続講座を始めました。実は、母の様子に異変を感じ、認知症に関心を持ったことがきっかけでした。驚きました。特段の大きなPRもしないのに受講者が押し寄せて、福祉ひろばはたちまち満員。準備した資料が足りなくなって大慌て。認知症が地区の方々の一大関心事であることを認識した成り行きでした。

 連続講座は、隔月で足かけ3年にわたって開講し、専門医のお話、司法書士から成年後見制度の説明、認知症の家族を介護した体験談など切り口を変えて展開し、最終盤は遺言の書き方を学び、エンディングノートの記入もして公民館長の任期を終えました。特にエンディングノートからは、死を考えることは、すなわち生き方を考えることなのだと教えられました。地域包括ケアシステムを推進するに当たっても、ぜひ活用を考えていただきたいツールです。

 この連続講座を通じて考えたことは、認知症とは、病気になった本人のみならず、介護する側の人も支える必要がある病気だということ。そして、高齢者については、体の問題と認知症を初めとする頭の問題とを分けて考える必要があること。また、要介護度2から3あたり、あるいは成年後見制度の申し立てをしたらどうかと思い迷うころが、介護する側の人にとって最も大変な時期であり、行政の助けを必要としているということでした。

 話を先ほどの2,500万円ほどの着物を買ってしまった私の親戚の話に戻します。

 いかに個人の意思と尊厳を尊重するにしても、両手につえをつき、下の始末もままならなくなった80歳の老女に必要なものが、自分で着ることさえできない高価な着物とは到底に思えません。しかし、本人に浪費に関する反省の弁はなく、会うたびに、何かを盗まれたというような話ばかり聞かされます。このままでは、まともに人生を閉じることさえできなくなってしまうのではと哀れでなりません。精神科に連れていくと、アルツハイマー病が進行しているとのことで、成年後見制度の利用を進められました。

 村役場に相談しましたが、何ら助けにならず、消費生活センターや警察に相談したり、親戚会議を開いたりして、最終的に私は弁護士事務所と司法書士事務所を頼りました。今、司法書士の先生が成年後見制度の申し立て準備をしてくださっています。裁判所への申し立ては4親等までとのことなので、私のおばに引き受けてもらいました。

 成年後年制度の利用促進と一口に言いますが、随分と思い悩みました。これで大金が自由に使えなくなれば、本人はきっと私を恨むことでしょう。喜ぶ顔が見たくて世話をしているのに、後味が悪くて私の心はとても複雑です。早期に村役場の担当者の適切な助言があれば、随分違ったのではないかと思っています。

 6月9日付の市民タイムスに、信州大学医学部で開かれた認知症講座の杉山教授の講義内容が記載されていました。行政の介入は早いほうがよい。周囲からタオルを投げ込むような強引な介入が必要な場合もある、と結ばれています。タオルとは、ボクシングの試合でギブアップする際に投げ込まれるタオルのことでしょう。ちょうど思い悩んでいた私は、このとおりだと深くうなずいたのでした。果たしてタオルを投げ込むのは誰の役目なのでしょうか。

 ただいま地域包括ケアシステムの実効性の担保をお聞きいたしましたところ、全市を挙げて進めておりますとの力強いご返答がありました。最重要課題だと思いますので、健闘を祈りながら注目してまいります。

 以上で2件目の質問を終わりにいたします。

 続いて、3件目、松本市東南部の文化財の活用についてお尋ねしてまいります。

 松本市の東南部、古来、東山と称される鉢伏山系は、地元民の日々の暮らしと信仰の舞台でありました。地元では、付近を整備して公民館行事や子ども会育成会行事に活用してきました。

 鉢伏山の麓に位置する内田地区は、美しい自然の中に多くの文化財や寺社・仏閣を擁しています。小さな集落にもかかわらず、法船寺、常楽寺、桃昌寺、そして牛伏寺といった幾つもの古刹や国の重要文化財である馬場家住宅があって、歴史と伝統に育まれた豊かな地区です。

 ファーマーズガーデンうちだから東に入ると、牛伏川の水音が聞こえてきます。私は、この牛伏川の形成した扇状地の上に暮らし、週に2回、牛伏寺の麓にある寿台太鼓連の稽古場へと山道を通っていきます。私にとっては生活圏ですが、ここにすばらしい文化財があること、そして、それを守るために大変な努力をしている市民がいることを知っていただき、その努力が水泡に帰すことのないように支援を得たいと考え、本日の俎上に上げました。

 牛伏川は、暴れ川で古くから幾度も大洪水を起こしたそうです。砂防工事の歴史は、明治14年に始まり、紆余曲折を経て大正7年にフランス式階段工が完成いたしました。この階段工は、池田技師がフランスで学んだ階段型水路で、後世に伝えられている治水・利水事業の代表作。長い年月を経て、現在は周囲の自然と一体化した独特の景観と構造美を見せています。

 平成14年に国指定登録有形文化財となり、平成24年には国指定重要文化財となりました。災害と数百年闘い続けている地域の歴史を伝え、防災対策の重要性を学ぶことのできるすばらしい防災遺産であります。牛伏川に沿って緑色の水をたたえた牛伏寺ダムを眼下に眺めながら参道を上ると、牛伏寺の山門に着きます。牛伏寺は、鉢伏山の中腹に位置する真言宗の古刹で、唐の玄宗皇帝が楊貴妃の菩提を弔うため、長野の善光寺へお経をおさめに向かう途中、600巻の経典を積んだ2頭の牛が倒れたため、寺に経典をおさめて牛の霊を祭って帰国したところから、このお寺は牛伏寺と改めたと伝えられています。

 先週末、フランス式階段工から牛伏寺へと散策してみました。牛伏川のほとりのあちらこちらで家族連れが楽しそうにお弁当を広げています。階段工の駐車場は満杯で、他県ナンバーの車も多く見受けられましたのでお聞きしてみたところ、長野県山岳総合センターのリーダー講習会が開催されているとのことでした。牛伏寺にも参詣者が多く、外国人観光客の姿もありました。市の東南部にこうしたすばらしい文化財があり、それなりに評価され、注目されているわけですが、本市における位置づけがいま一つ低いような気がして、地元の人間としては物足りなさを覚えています。

 そこで、まずは多くの文化財を所有する牛伏寺と国指定重要文化財であるフランス式階段工に対する市の認識とかかわり方をお伺いしたいと思います。



○議長(犬飼信雄) 守屋教育部長。



◎教育部長(守屋千秋) 〔登壇〕

 牛伏寺とフランス式階段工に関するご質問にお答えをいたします。

 牛伏寺は、国重要文化財の本尊であります十一面観音を初め、平安時代前期の仏像を伝える由緒ある寺院です。松本市といたしましても、平成27年度に牛伏寺観音堂宮殿など、牛伏寺に関係する10件の文化財を新たに加え、計22件を松本市重要文化財等に指定をしているところでございます。

 また、国重要文化財の牛伏川のフランス式階段工は、100年にわたり地域住民の暮らしを守り続ける防災遺産として、そして、当時の優れた技術を示す土木遺産として大変貴重なものでございます。あわせて自然と調和した美しい景観を楽しむ憩いの場にもなっております。

 本市では、こうした重要な文化財の修理等に対しまして、文化財保護事業補助金を交付いたしまして文化財保護のお手伝いをするとともに、文化財ホームページ松本のたからや、文化財マップに掲載するなど、周知に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。

 牛伏寺は、15万坪という広い境内の立派なお堂に国の重要文化財8体、県宝3体、市の重要文化財二十数件が祭られており、松本市民の誇りです。フランス式階段工は、国の重要文化財ですが、河川が県のものであることから、所有権は県にあります。さらに、周囲の土地は、市のものだったり個人のものだったり、内田財産区や他地区町会のものだったりして、ここに問題の複雑さが潜んでいるようです。

 現在は、平成15年に設立された牛伏鉢伏友の会の皆さんが中心となって日常の保全管理に励み、さらには、現地で案内人を務めたり、問い合わせに対応したりしてくださっています。草刈りが必要な面積は諏訪湖と同じ規模、危険な急斜面もあって、牛伏鉢伏友の会の皆さんの努力にはただただ頭が下がります。同時に、夏草の勢いはすさまじく、もしも牛伏鉢伏友の会の活動が滞るようなことがあったら、せっかくこれほどまでに美しく整備したフランス式階段工とその周辺の野外施設は、たちまちもとの原野に戻ってしまうのではないかと不安を覚えます。

 こうした実情を踏まえまして、市として何かしらの支援をしていただけないものでしょうか、お伺いをいたします。



○議長(犬飼信雄) 守屋教育部長。



◎教育部長(守屋千秋) 〔登壇〕

 フランス式階段工の維持管理に関するご質問にお答えをいたします。

 文化財の維持管理は、本来、所有者が行うべきものでございますが、本市には牛伏鉢伏友の会さんのように、文化財の所有者以外の団体が文化財保護の活動を行っている例があり、こうした活動を支援するため、松本市文化財保護事業補助金交付要綱を改正いたしまして、平成26年度から活動に要する原材料の購入等に補助をしているところでございます。

 フランス式階段工は、地域の皆さんと策定に取り組んでおります歴史文化基本構想におきまして、地元地区から後世に伝えるべき文化財の候補として挙げられております。歴史文化基本構想策定の方針でございます、地域の宝は地域で守るという考え方のもとに、牛伏鉢伏友の会さんのみに頼るのではなくて、所有者である県と協力をして維持管理に取り組んでいく、地域住民を主体とした持続可能な仕組みづくりも含めまして、市としてどのような支援ができるのか、今後の歴史文化基本構想策定におきまして検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 吉村幸代議員。



◆7番(吉村幸代) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。ありがとうございました。

 3回目は要望を申し上げて終わりといたします。

 本市は、松本城を中心に西に上高地、東に美ケ原高原があり、北では殿村遺跡史跡整備事業が行われています。残る南には牛伏寺とフランス式階段工ありと、観光マップ上に整理してご理解をいただけたらと思います。

 来年は、牛伏寺の33年に一度というご開帳の年であり、再来年はフランス式階段工の完成から100年に当たります。好機到来と感じますので、できる限りの支援をしていただきますよう要望いたします。

 行楽の秋がやってきます。牛伏寺やフランス式階段工周辺に行ったことがない方は、ぜひ一度訪れてみてください。

 以上で私の質問の全てを終わります。ご清聴まことにありがとうございました。



○議長(犬飼信雄) 以上で吉村幸代議員の質問は終結いたします。吉村幸代議員は自席へお戻りください。

 次に、25番 宮下正夫議員の質問を行います。宮下正夫議員は質問者待機席へ移動してください。

 25番 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 会派みんなの未来の宮下正夫です。発言の機会をいただきましたので、吉村幸代議員に引き続き会派を代表し、通告に従い、私見を交えて質問をいたします。

 質問は、一問一答形式にて行います。

 初めに、市の入札制度について質問いたします。

 本市は、昨年1月、松本市の契約に関する方針を策定いたしました。これは、一昨年3月に長野県が制定した長野県の契約に関する条例、この施行を踏まえて策定したものと言われております。

 ことし2月定例会において、川久保議員の入札制度についての質問に対し、島村財政部長は次のように答弁されました。前段を省略いたしますが、松本市は平成27年1月に松本市の契約に関する方針を策定し、その中では基本理念の一つとして、市の契約の締結に当たって市の契約の履行にかかわる業務に従事する労働者の賃金が適正な水準にあることなどを配慮するとしております、このように述べられたわけであります。

 本市が策定した松本市の契約に関する方針は、どのような社会的背景のもとに、どんな目的や課題をもって策定されたものなのかご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 まず、松本市の契約に関する方針の策定経緯でございますが、議員ご紹介のとおり、長野県が平成26年3月に長野県の契約に関する条例を制定したことを受け、松本市においても、この条例の基本理念であります地域経済の健全な発展などが松本市の目指すべきものであるということから、県の条例に準じて松本市の契約に関する方針を平成27年1月に策定したものでございます。

 その方針の目的でございますが、県が掲げました基本理念と同じ目的として、地域経済の健全な発展、安全かつ良質なサービスの提供、持続可能で活力のある地域社会の実現と、企業の社会的責任を果たす事業者の育成という4つの視点を持って制定したものでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 次に、本市は、平成18年3月に松本市低入札価格調査制度実施要綱を、また平成20年5月には松本市最低制限価格制度実施要綱を、そして平成25年3月には松本市総合評価落札方式実施要綱をそれぞれ策定いたしました。いずれも、市執行部の業務遂行上の内部規定とされるものですが、これら要綱を策定するに至った社会的背景や目的、経緯等についてご答弁ください。

 また、総合評価落札方式は、入札対象を建設工事としておりますが、建設工事のみとした理由は何か、また、昨年度及び本年度対象とされた建設工事の件数について、また、公共工事全体に占める対象工事の割合についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 まず、3つの要綱の目的等についてお答えいたします。

 最初にご指摘の松本市低入札価格調査制度実施要綱でございますが、議員ご紹介のとおり、平成18年にその委託を拡大することから実施を始めたもので、その目的は、低価格での入札が生じた場合、入札価格の根拠を提出させるなど、工事などの品質確保と適正な業務を確保するためとして要綱を定めたものでございます。

 次に、松本市最低制限価格制度実施要綱でございますが、こちらはご紹介のとおり、平成20年6月から、それまで平成18年度、平成19年度と2年続けて工事落札率が低下したことを受けまして制定しております。その目的は、一定の基準価格を下回る入札を失格とするもので、ダンピング受注を排除するための要綱となっております。

 3つ目の松本市総合評価落札方式実施要綱につきましては、平成19年度から長野県が施行を始め要請を受けたことから、平成21年2月に要綱を定めて施行を始めております。その目的は、経済性に配慮しつつ、価格以外の品質、社会や地域への貢献度が総合的に優れた業者と契約を締結することで、それによって公共工事の品質を確保するとともに、高い技術力と地域発展に強い意欲を有する業者を育成するというものとなっております。

 そこで、最後にお話しいたしました総合評価落札方式において、工事のみを対象としている理由でございますが、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づいてこの制度は行っております。したがいまして、多くの自治体で建設工事のみに導入をされております。また、さらに品質確保の観点から重要な要素であります、企業の技術力という点が工事成績点という形で客観的に評価できるということもありまして、現在のところ、松本市でも建設工事のみを対象としております。

 総合評価落札方式の昨年度及び本年度の対象件数及び建設工事全体に占めます割合についてお答えします。

 まず、平成27年度の対象件数は30件、契約管財課で行いました130万円以上の金額の建設工事216件に占める割合は13.9%となっております。平成28年度、今年度の対象件数は31件でございますが、まだ年度中途であることから、建設工事全体に占める割合は算出しておりません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 次に、総合評価落札方式は、価格による評価と入札者の工事実績等の価格以外の評価により構成されているものと認識をいたしております。価格以外の評価にはどのようなものが評価対象とされているのか、また、評価点における価格と価格以外の割合についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 総合評価落札方式におけます価格以外の評価対象のご質問でございますが、この対象におきましては、大きく分けまして企業の技術力、企業の社会性・地域性と2つに分類ができると思います。

 1つ目の企業の技術力では、工事成績、優良工事の実績、技術者の保有資格などを定め、2つ目の企業の社会性・地域性には、環境対策、障害者雇用、子育て支援、除雪契約、消防団活動など社会的な活動についてを問う項目を定めております。

 そこで、価格以外の評価割合でございますが、100点満点とした場合の価格以外の配点は、最大で19点、その他価格点は81点と設定しております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 さて、日本の労働者は5,676万人、正規雇用は3,300万人、非正規雇用は2,010万人です。これは、昨年12月に総務省統計局が発表した労働力調査結果によるものですが、年収300万円以下の労働者は年々ふえ続け、国と地方自治体に働く臨時・非常勤職員を合わせますと2,000万人を超えると言われ、全労働者の28%に相当いたします。

 そこで質問ですが、市内に居住する年収200万円以下及び300万円以下の労働者数と、労働者に占める割合についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 労働者の年収に関するご質問にお答えいたします。

 ご質問の労働者という限定ではなかなか数値は把握できません。我々としては、例えば市税データから税法上で定めます給与収入のある方、そういうような単位で単純に数値を把握することは可能でございますが、その場合には学生アルバイトや年金収入や農業所得などの収入を得ていらっしゃる皆さんも含まれ、議員ご質問の中でありました労働者調査等によるような、ほかに収入がなく、建設現場や工場や事業所で働いて生計を支えていらっしゃるというような皆さんの数値は、残念ながら持ち合わせておりません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 低賃金労働者の増大は、子供の貧困、生活保護受給者の増大、若年層では結婚もできないといった深刻な社会問題を引き起こしております。

 1998年から2012年までの14年間、民間労働者の給与は下がり続けました。この民間労働者の給与に連動して公務員賃金も引き下げられ、国や地方自治体の委託費も低下いたしました。委託労働者の賃金は、十数年間据え置かれたままと言われております。委託労働者の多くは、年収300万円前後に置かれ、正社員といっても生活設計が成り立たない状況にあります。委託料が上がらないことを理由に定期昇給もなく、賃金は据え置かれ、退職金のない職場も多数あります。このような委託職場の非正規雇用労働者の年収は、200万円以下と言われております。

 一方、建設産業では、29歳以下の若年労働者が減少し、高齢化が著しく進み、次世代への技能継承が大きな課題となっています。建設産業では、若年者の入職促進に向けた課題として、全産業に比べて25%低い賃金水準にあることや、日給月給といわれる不安定な賃金制度のもとに、事業量の変動や天候リスクが建設技能労働者の大きな負担となっていること、また、社会保険の未加入者が多いことなどが指摘をされております。

 ある建設会社の現場代理人は、次のように語ってくれました。ほとんどの就労者が賃金は日給制になっています。就労できなかった日の保障は何もありません。さらに手持ちの道具やくぎ、金物代、車両維持費は自己負担です。こういった必要経費を差し引くと、実際の所得は年間300万円前後かそれ以下と言えます。近年、このような労働者がふえていますというものでした。

 そこで、建設技能労働者の労働賃金と社会保険の加入状況について伺います。

 まず、市内建設技能労働者の労働賃金の実態はどういった状況にあるのか。

 また、これら建設技能労働者の社会保険への加入状況について、市はどのように把握されているのかご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 川上商工観光部長。



◎商工観光部長(川上正彦) 〔登壇〕

 市内建設技能労働者の労働賃金の実態と社会保険への加入状況の把握についてお答えいたします。

 松本市としましては、市内建設技能労働者の労働賃金の実態と社会保険への加入状況について、独自の調査は行っておりませんが、労働賃金については長野県が長野県賃金実態調査を毎年実施しており、平成27年度の建設技能労働者を含む建設業の平均月額賃金は、32万6,701円で、全11業種の平均額29万8,700円を上回っております。社会保険への加入状況につきましては、松本市内の建設技能労働者が加盟する松本建設労働組合及び松筑建設労働組合においては、組合員1,884人中1,672人、約89%が社会保険に加入していると把握しております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 建設産業における若年労働者不足と、建設技能労働者の高齢化による次世代への技能継承問題が深刻な社会問題となっている中で、市がその実態を正確に把握していなければ、十分な対策を講じることはできません。昨年策定した松本市の契約に関する方針には、市の契約締結に当たって業務に従事する労働者の賃金が適切な水準にあることなどを配慮するとしているわけですから、市が技能労働者の賃金実態を正確に把握していなければ、技能労働者の賃金を適正な水準にしようにも、配慮のしようがありません。

 それでは、引き続き質問を続けますが、ことし1月、国は国土交通省土地・建設産業局長名で、「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」とする通知を各都道府県知事及び地方自治体の首長へ発出をいたしました。

 この通知の主な内容は、平成27年度当初の労務単価に比べ、全国平均で4.9%、被災3県の平均では7.8%の上昇となる新労務単価の適用と、新労務単価の引き上げが確実に技能労働者の賃金引き上げにつながり処遇改善等を通じて若年層の建設業への入職が促進されるよう要請をいたしております。

 そこで、この通知に沿って新労務単価の適用に関連しお聞きをいたします。

 初めに、この通知で言われている技能労働者への適切な賃金水準の確保とは、一体どういうことを指すのか。本市は、労務単価の何%程度を技能労働者の適切な賃金水準と考えているのかご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 技能労働者への適切な賃金水準の考え方についてお答えいたします。

 技能労働者の賃金につきましては、一般的に労使間において年齢、経験年数、熟練度などの要因を定めその額を決定しているため、公共工事におけます労務単価の何%をもってそれが適切な賃金水準であるかというようなことは、一概には言えないものと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 ただいまは、国が言う技能労働者の適切な賃金水準について、技能労働者の賃金が年齢や経験年数、会社の事情などによって異なるため、回答困難との答弁でありました。

 しかし、技能労働者の適切な賃金水準の確保についてということは、国が言っている言葉であります。このことが理解できないのであれば、市は何で国へ問い合わせて確認しなかったのか。この言葉の意味するところが理解されなければ、通知の趣旨に沿っての対応はできるはずがありません。

 そもそも本市が発注する建設工事は、年齢や経験年数を考慮して積算しているとでも言うのでしょうか。そんなことはありません。建設工事の積算は、工事に必要な技能労働者を職種ごとに普通作業員は何人、特殊作業員は何人、大工は何人と必要な人工数を算出して、国が示す労務単価を掛け合わせて積算します。例えば、普通作業員なら1日1万8,100円、特殊作業員なら2万1,000円、大工なら2万3,500円といったぐあいに、国が示す労務単価を職種ごとの人工数に掛け合わせて積算するのです。国の労務単価は、必要な職種のその全てにわたって決められていて、これが各地方自治体へ示されているのです。ですから、先ほどの理事者答弁は、単に答えたくないための詭弁にしかすぎません。

 技能労働者の適切な賃金水準の確保といった問題は、建設産業における若年労働者不足や建設技能労働者の高齢化による次世代への技能継承が深刻な社会問題となっている現実に対し、行政がいかに前向きに対処しようと考えているのかのバロメーターとも言えるのです。市が本気で考えているのであれば、答えられない問題ではありませんし、むしろ答えなくてはいけない問題だと考えます。技能労働者の適切な賃金水準の確保については、例えば本市では、国が示す労務単価の90%以上とか、少なくとも85%以上というように賃金水準の下限が示されなくてはなりません。

 市はこれまで技能労働者の適切な賃金水準ということについて、前向きに検討してこなかったように思います。だから技能労働者の適切な賃金水準の下限といったものについて、本市では今日段階、その値を持っていないために答弁できなかっただけのことかと考えます。早急に検討すべき課題であることを申し上げておきたいと思います。

 それでは、次に、通知が発出されたことし1月20日段階で、既契約、−−既に契約されたものですが、及び今後契約する工事について、国は新労務単価に基づく請負金額に変更するよう要請していますが、本市はどのように対応されたのかご答弁ください。

 また、本市が発注した建設工事について、新労務単価の引き上げが技能労働者の賃金引き上げに反映したのかどうか、その確認はどのように実施されたのか、その確認方法と結果について、また、確認した件数と建設工事全体に占める割合についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 労務単価の引き上げについての質問にお答えいたします。

 松本市では、国の労務単価の改定の際には、国と同じ日付をもって労務単価の改定を行い、全ての工事の設計額に反映を行っております。

 次に、労務単価の引き上げに伴います実質的な賃金の引き上げへの反映ということにつきましては、業者に書面等を提出いただくような確認は行っておりません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 国は、技能労働者の育成・確保には、適切な水準の支払いが極めて重要であるとして、繰り返し通知を発し、要請してきました。建設産業における技能労働者の雇用と生活の実態、次世代への技能継承が大きな社会問題とされる今日的な状況を考えますと、国が要請した新労務単価の引き上げが技能労働者の賃金に確実に反映したかどうかの確認は、とりわけ公共事業である以上、市が行わなくてはならない業務と考えます。

 市が発注する公共事業は、言うまでもなくその全てが税金で賄われ、公金が執行されているわけです。公金の適切な運用は、公金を扱う公務員に課せられた最大の責務といえるものではないでしょうか。

 ついては、新労務単価の引き上げが技能労働者の賃金引き上げに十分反映したかどうかの確認を実施しなかった理由についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 議員が先ほど来ご紹介いただいております国の通知、技能労働者への適切な賃金水準の確保についてという通知につきましては、本市も承知しております。その中では、「新労務単価の上昇を踏まえた適切な水準の賃金の支払いを指導するなどの特段のご配慮をお願いいたします」というものでございまして、この通知には、実質賃金を確認する具体的な手法が示されておりません。また、先ほど来申し上げておりますように、適切な賃金水準の定義づけが非常に困難であり、加えまして、賃金調査のプロであります労働基準監督署等のような機能を本市が有していないことなどもありまして、実効ある確認ができるかどうかという課題が多く、現在のところ実施には至っていないものでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 次に、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入について伺います。

 新労務単価には、技能労働者が社会保険等へ加入するのに必要な法定福利費相当額、つまり本人負担分ですが、これが勘案されているほか、現場管理費率算定式の見直しによって事業主が負担すべき法定福利費、その相当額も予定価格に反映するよう措置されていると言われております。このため、地方自治体が発注する公共工事については、法定福利費相当額、ここでいう相当額は事業主負担分と本人負担分を合わせた相当額となりますが、これら相当額が適切に予定価格に反映するよう措置することとされております。

 また、請負者と下請業者との間においても、標準見積書の活用等による法定福利費を内訳明示した見積書、この提出などによって法定福利費相当額を適切に含んだ額で下請契約が締結されるよう、市は請負者に対し、法定福利費相当額の適切な支払いの指導と支払い状況の確認を行い、新労務単価の上昇を踏まえた適切な水準の賃金支払いに特段の配慮を願いたいとしております。

 このように通知では、市は下請や孫請が行われている公共工事については、請負者に対し、標準見積書の活用等による法定福利費を内訳明示した見積書の提出などを求めて、法定福利費相当額が適切な額で下請業者と契約が締結されているのかについて確認することとなっています。市は、この確認についてどのような方法で実施されたのか、その内容と結果について、また確認した件数と公共工事全体に占める割合についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 法定福利費相当額の確認等についてお答えいたします。

 松本市では、工事の品質を確保するため、下請が行われる場合には法の規定に基づく施工体制台帳を提出いただいております。この台帳には、下請企業の会社名、建設業の許可番号、社会保険の加入状況の有無などを記載するところがございます。その中で、社会保険加入の有無は確認をしております。しかし、踏み込んで、先ほどおっしゃられました、法定福利費相当額を適切に含んだ額による標準の見積書を作成しているかどうかの確認は行っておりません。

 したがいまして、議員ご指摘の確認というところの件数については、お答えすることができない状況でございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 本市が発注した公共工事において、下請や孫請が行われている発注工事については、技能労働者の賃金に法定福利費相当額を含んだ額による下請契約の締結について、この指導と支払い状況の確認はしていないということでありまして、ついては、その理由についてご答弁をください。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 法定福利費相当額を適切に含んだ額が支払われているかどうかの確認について、お答えをいたします。

 先ほど労務単価のところでも申し上げたとおり、これらを確認する具体的な手法が国から示されていないことと、それを行う有効な実効性のある手法というものが課題となっていることから、現在のところ松本市では実施いたしておりません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 理事者からは、実施されなかった理由について答弁がありました。

 市が発注した公共工事については、先ほど理事者からは、国の通知に基づき速やかに新労務単価に改定した旨の答弁がありました。しかしその一方で、国が要請した市の請負者に対する支払いの確認については実施がされませんでした。これは、行政の怠慢としか言いようがございません。市が支払い状況の確認を実施しなかったことから、下請・孫請技能労働者の賃金引き上げに十分反映しなかったことが予想できるからです。万が一、反映しなかったとなりますと、本来、技能労働者へ支払われるべき賃金引き上げ相当分の公金は、不当に請負者の懐へ入ってしまったことになります。市は、国の通知に基づき請負者に対し、支払い状況の確認を実施さえしていれば、下請・孫請技能労働者の賃金引き上げに十分反映したに相違ないからです。皆さんも、自分の所持金だとして考えてみてください。自分の所持金だと、自分が契約した内容どおりに実施されたかどうかの確認は、間違いなく行われたと思うのです。

 最後に、市の入札制度に向けて2点の要望をし、理事者の見解を求めたいと思います。

 まず1点目は、市内に働く建設産業における技能労働者の雇用実態と社会保険の加入状況の把握に努めていただきたいことです。市は、松本商工会議所や松本市建設業協会、市内に複数ある建設労働組合などの協力を得ながら、また、技能労働者から直接話を聴取するなどして、建設産業における技能労働者の雇用実態と社会保険の加入状況について把握され、今日的課題に対応されることを要望いたします。

 2点目は、市が発注する公共事業において、市が建設時に用いた労務単価が技能労働者の賃金に適正な額で反映されるその仕組みづくりについて、今後検討される考えはあるのかについて理事者の見解をお伺いし、最初の質問を終了といたします。



○議長(犬飼信雄) 川上商工観光部長。



◎商工観光部長(川上正彦) 〔登壇〕

 お答えします。

 建設技能労働者の雇用実態につきましては、長野県が毎月勤労統計調査において産業別に毎月の雇用、労働時間、賃金等を調査するとともに、中信労政事務所においても、中信管内の産業別に賃金、一時金の要求、妥結状況を毎年調査するなど、技能労働者の雇用実態把握に努めております。

 松本市では、課題となっている労働問題全般の要望などについて、労働団体と市側との相互理解を深めるため、市長と労働団体との懇談会を毎年開催しており、技能労働者の雇用実態の把握や社会保険の加入状況などを含め、さまざまな課題に対し意見交換を行っております。

 また、建設労働組合の定期大会への出席や懇談等により、建設労働者から直接お話を聞く機会を設けるとともに、雇用、賃金、労働時間、労使間のトラブルなどの解決を図るため、専門の労働相談員を配置し、弁護士、司法書士、社会保険労務士により相談に応じている労働相談支援事業を行っております。

 今後は、定期的に行っているハローワーク松本との懇談の中で、松本地域の求人・求職がどのような状況で推移しているのか、また、経済情勢の変化に伴い特徴的な状況が発生しているのかなど、詳細な雇用情勢等の分析を活用するとともに、建設関係団体等との意見交換を通じて、課題に対する認識を共有しながら技能労働者の実態の把握に努め、課題解決に向けて引き続き国・県と連携し、対応してまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 建設における技能労働者の実質賃金に単価が反映される仕組みづくりの検討についてお答えいたします。

 技能労働者の中・長期的な育成確保が必要であり、賃金のあり方が重要であるという議員のご指摘は本市でも認識をしております。松本市では、賃金にかかわるような事項、例えば、先ほど申し上げました新労務単価の早期適用、社会保険への加入の徹底、最低制限価格制度の改善など、速やかに対応してきております。

 この中で、先ほどご紹介がありましたが、下請契約における下請・元請間の法定福利費を内訳明示した見積書、これにつきましては、国から新たなガイドラインも示されておりますので、早期にその内容を検討し、適切に対応してまいります。

 なお、賃金が基本的に労使間で決定されるものであると先ほど申し上げましたが、賃金の支払い状況の確認については、労働基準法で担保されているものと認識しておりますので、今後、これらの諸課題をいろいろ整理しながら、課題として検討してまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 昼食のため、暫時休憩いたします。

 再開は午後1時10分といたします。

                              午後0時1分休憩

                              −−−−−−−−−

                              午後1時15分再開



○議長(犬飼信雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 宮下正夫議員の質問を続行いたします。

 25番 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 午前中に引き続き質問をさせていただきます。

 市の非正規職員についてです。

 いまや、地方自治体で働く職員のうち3人に1人が非正規公務員であり、その数は推定で70万人と言われています。これは、自治労が2012年6月1日を基準日として、自治労加盟自治体の臨時・非常勤職員の採用状況を調査し推計した結果によるものですが、全国の非正規率は平均で33.1%でした。同様の調査は2008年にも実施されており、その時点で臨時・非常勤職員は推計で60万人、非正規率は27.6%であったことを考えますと、たった4年間で非正規公務員は約10万人増加し、非正規率は4人に1人から3人に1人に拡大したことになります。

 さて、ことし2月の定例会で私は、非正規労働者の実態について質問し、この中で本市の職員について伺いました。理事者からは、平成27年度本市における正規職員は1,953人、嘱託職員は762人、1種臨時職員は93人で、非正規職員の合計数は855人となり、非正規率は30.4%であると答弁されました。

 一体なぜこれほどまでに非正規職員が増加したのでしょうか。さきの2月定例会で福嶋総務部長は、本市における30%を超える非正規率の要因は、国からの適正な定員管理が求められていることに加え、今後さらに厳しい地方財政が予想される中で、拡大する市民サービスの維持・向上を実現していくためには、嘱託職員の活用を選択せざるを得なかった、このように答弁されました。私もそのとおりだと思っております。恐らく全国津々浦々、どこの地方自治体においても同じような事情が背景にあるものと考えます。

 それでは、質問に入ります。

 初めに、本市における嘱託職員の任用根拠についてお尋ねいたします。

 本市が任用する嘱託職員は、昨年度762人でしたが、本年度は何人でしょうか。また、本年度任用した嘱託職員は何を根拠に任用されているのか、その任用根拠について法令の条文を示してご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 福嶋総務部長。



◎総務部長(福嶋良晶) 〔登壇〕

 それでは、ご質問に順を追ってお答えをいたします。

 初めに、平成28年4月に任用した嘱託職員数は761人でございます。

 次に、この任用根拠でございますが、地方公務員法第17条第1項の「職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる」とした規定によるものでございます。

 この規定は、常勤・非常勤を問わず、一般職の任用を示したものであり、必ずしも非常勤職員の任用根拠を明確にしたものではございませんが、平成26年7月4日付総務省公務員部長の通知に一般職の非常勤職員の任用根拠は地方公務員法第17条であると示されており、これに基づき任用しております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 本市の嘱託職員の任用については、ただいま答弁にございましたように、地方公務員法第17条第1項に基づく一般職非常勤職員との答弁でございました。

 この地方公務員法第17条第1項は、職員の任命の方法を規定した条文でありますが、ただいまもお聞きしたように、この条文は職員の職に欠員が生じた場合の任命の方法を記したものでありまして、嘱託職員の任用根拠自体を明確に規定したものではございません。職員の職に欠員が生じた場合の任命の方法の一つとして採用という方法があり、職員の職に欠員が生じた場合に、採用をもって職員補充を行うといった場合に適用する条項だと解することができるわけです。

 それが今では、正規・非正規問わず、また全ての嘱託職員の任用に当たって、恒常的にこの条項が用いられていることには問題があります。全ての自治体には、職員定数条例というものがございます。この職員定数条例によって職員数の上限が定められております。

 繰り返しになりますが、地方公務員法第17条第1項は、この職員定数条例に基づいて配置されている職員、これに欠員が生じた場合に職員を補充する際の任命方法を指し示したものだと考えられます。コンプライアンスを重視する立場からも、現在の地方公務員法第17条第1項を根拠とした嘱託職員の任用については、正しい運用とは言いがたいものです。

 それでは、なぜ市が任用する嘱託職員は、一般職の非常勤職員であるのか。市は、常勤・非常勤の違いを何をもって区別しているのかご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 福嶋総務部長。



◎総務部長(福嶋良晶) 〔登壇〕

 ただいまのご質問につきましては、本年の2月の質問の折にもお答えをしたとおりでございまして、先ほどご紹介しました総務省通知にも基づいておりますが、非常勤職員は、反復・定型的な業務やマニュアル化した業務、または専門的な業務など、正規職員の補助的業務に従事し、任期等を限って任用しております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 理事者からは、地方公務員法第17条第1項、これは正規あるいは非正規問わず、あるいは常勤・非常勤問わず適用ができると、このような趣旨のことが答弁をされたわけでございます。

 私は本来この常勤とは、勤務先で定められた所定の労働時間を満たして勤務することを指し、一方非常勤とは常勤以外の勤務形態を指すものだと考えております。所定の労働時間はその勤務先の就業規則によって定められますが、1日8時間、週5日の週40時間勤務が一般的な形態と言えましょう。またもう一つの区分けとしては、常勤は毎日決まった日に必ず出勤してくる人のことであり、非常勤はいつ出勤するか決まっていない、または事業所が出勤を要請した場合に限って出勤する人のことを指すものだと考えます。

 このような常勤・非常勤の定義から考えてみますと、本市の嘱託職員の任用根拠とする地方公務員法第17条第1項を一般職非常勤職員に適用していることについては、私は、限りなくグレーであると、このように思うわけでございます。

 さて、一昨年7月、総務省自治行政局公務員部長名で、各地方自治体の首長に対し、「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」といった通知が出されました。以下、単に通知と呼びますが、この通知は、平成21年4月に出された総務省自治行政局公務員部公務員課長・給与能率推進室長通知の「臨時・非常勤職員及び任期付短時間勤務職員の任用等について」、以下、この通知を単に21年通知と呼びますが、国はこの通知の理由を次のように述べております。総務省が行った調査では、臨時・非常勤職員が増加傾向にある一方、この21年通知の趣旨がいまだ必ずしも徹底されていない実態が見受けられ、また、臨時・非常勤職員の任用等に関連する裁判例や法令改正などの新たな動きも生じています。以下、途中を省略いたしますが、このような事情を踏まえて、現行の臨時・非常勤職員の任用等にかかわる取り扱いを再度検討した上で、必要な対応を図っていただきたい、このように述べられています。

 ついては、この通知に照らしてお聞きをいたします。

 まず、通知に記載されている総務省が行った調査では、臨時・非常勤職員が増加傾向にある一方、この21年通知の趣旨がいまだ必ずしも徹底されていない実態が見受けられ、とありますが、この21年通知の趣旨がいまだ徹底されていない実態とはどのようなことを指すのか、また、本市ではこの点について問題はないのかご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 福嶋総務部長。



◎総務部長(福嶋良晶) 〔登壇〕

 それでは、ご質問にお答えをいたします。

 21年通知で総務省が指摘をしている点は、非常勤職員の通勤費、時間外勤務に対する報酬の取り扱い、また、非常勤特別職の任用の妥当性などについてでございます。

 そこで、松本市の対応についてでございますが、非常勤職員に対しまして、通勤費や時間外手当等を適正に支給しております。また、非常勤特別職の取り扱い等につきましても、妥当であると認識をしております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 次に、通知に記載されている臨時・非常勤職員の任用等に関連する裁判例や法令改正など新たな動きが生じていますとありますが、この任用等に関連する裁判例や法令改正など新たな動きと言われる内容についてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 福嶋総務部長。



◎総務部長(福嶋良晶) 〔登壇〕

 お答えをいたします。

 裁判例等に関することでございますが、まず一例を挙げますと、平成22年9月に、大阪府枚方市が非常勤職員に支給をした特別報酬をめぐって争った枚方市非常勤職員特別報酬支給訴訟、この裁判結果ですが、控訴審で枚方市が勝訴したものでございますが、この例など市民の皆さんが非常勤職員に対する手当等の支給を違法な公金支出であるといった訴訟が示されております。

 次に、法令改正につきましては、平成23年の地方公務員の育児休業等に関する法律の改正、平成24年の労働契約法の改正などでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 それでは次に、通知との関係で、本市の嘱託保育士の位置づけについて伺います。

 通知では、臨時・非常勤職員は、地方公務員法に基づく制度的な位置づけとして、臨時的・補助的な業務、または特定の学識・経験を要する職務に任期を限って任用するものとして、その位置づけを明確にしなくてはならないとされております。また、これら臨時・非常勤職員の業務内容や業務に伴う責任の程度は、任期の定めのない常勤職員と異なる設定とされるべきものであるとされています。

 私がことし2月定例会で質問した、本市が任用する嘱託職員の業務内容について、理事者からは次のような答弁がございました。先ほども福嶋総務部長が答弁されていたわけですが、嘱託職員の業務内容は、これまでもお答えしておりますが、反復・定型的な業務やマニュアル化した業務、そして専門的な業務など、正規職員の補助的業務に従事していただいているとのことでございます。

 しかし私が見る限り、市立保育園における嘱託保育士の業務実態は、理事者が説明するような反復・定型的な業務でマニュアル化した業務ではございません。また、多くの嘱託保育士がクラスを持って保育業務をしている現実からも、嘱託保育士が正規職員の補助的業務に従事しているとは、到底言いがたいように思います。

 ついては、通知では臨時・非常勤職員の業務内容や業務に伴う責任の程度は、任期の定めのない常勤職員と異なるものとされているわけですが、本市が任用する嘱託保育士の業務内容や業務に伴う責任の程度については、正規職員とどのような点に差異があるのかについてご答弁ください。



○議長(犬飼信雄) 伊佐治こども部長。



◎こども部長(伊佐治裕子) 〔登壇〕

 正規保育士と嘱託保育士の業務内容や責任の差異についてお答えいたします。

 正規・非正規を問わず専門職である保育士に共通した責務は、子供たちを健やかに育むことであり、子供たちに向き合う場面においては、要求されるレベルに差異はないものと考えております。

 したがいまして、本市では、正規・非正規を問わず、各種の専門研修を受ける機会を確保しており、保育の質の向上に努めているところでございます。

 しかしながら、指揮命令や組織運営上の責任、また園を運営する上での管理責任などについては、正規職員が担うべきものであり、この点において、非正規職員は正規職員の補助的な立場で業務に当たっていただいております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 宮下正夫議員。



◆25番(宮下正夫) 〔登壇〕

 正規職員と非正規職員の業務の範囲、また責任の違いについてご答弁をいただきました。

 ただいま理事者からは、両者の違いについて2つの視点から見解が述べられたように思います。1つは、指揮命令や組織運営、管理責任など、正規職員が負うべき責任と非正規職員が負う責任とには相違があること、非正規職員はあくまでも正規職員の補助的な立場にあるというものでございました。一方、保育士本来の責務といった点においては、専門職としての子供に向き合う点では、正規・非正規に相違がないというものでございました。

 このため本市では、正規・非正規の区別なく保育士には研修の機会を保障し、一人一人の保育士がみずからの技量と保育の質を高めるべく努力をしているということでございました。

 私は、必要・やむを得ず区別しなくてはならない場合にあっても、その区別は不平等・不公平であったり、差別につながるようなことがあってはならないというふうに考えております。

 理事者からは、保育士が提供する保育労働の業務内容や責任の程度についての説明はございましたが、提供した保育労働に対する対価については触れられておりません。もちろん私がこの点について質問をしておりませんので、答弁をされなかったことは当然ですが、責任の程度も含めて提供された労働には、その全てにおいてそれにふさわしい対価が支払われることは言うまでもございません。

 労働契約法第20条では、有期労働契約を締結している労働者、いわゆる非正規労働者の労働条件が、期間の定めのない常用労働者の労働条件と相違する場合には、労働者の業務内容及び業務に伴う責任の程度、その他の事情を考慮して不合理であると認められるものであってはならないと明記をされているわけでございます。

 この労働契約法第20条は、本市が任用する嘱託職員においても適用されなくてはなりません。この点についての見解は求めませんが、労働条件、つまり提供する労働に対する対価は、労働者の業務内容や責任の程度を考慮して不合理であってはならないと言っているのであります。

 本市の非正規職員の労働の対価はどんな実態にあるのでしょうか。本市の非正規職員の年収は、他市に比べてよいほうだと言われていますが、ことし2月定例会の一般質問に先立ち、私が当局へ調査依頼したその回答によりますと、平成27年4月1日現在、本市嘱託職員の平均年収は、保育士が約290万円、図書館司書が約257万円、学校と保育園の給食調理員が二百四十数万円というもので、本市の嘱託職員は、二百数十万円から高くても300万円以下であることがわかりました。これこそが、世に言う官製ワーキングプアとまでは言わなくとも、その予備軍と言えるものではありませんか。

 また、市立保育園はどのような職場実態にあるのでしょうか。ある市立保育園の嘱託保育士の声を紹介したいと思います。

 ほとんどの嘱託保育士がクラスを持って仕事をしています。日々、生活記録などの書きものに追われ、持ち帰る書類の多いことや行事の準備、毎日の掃除のために定時には帰れません。残業はするけれども、手当は月に数時間分しか支払われません。権利としての休憩はありますが、権利どおりにとれない実態にあります。嘱託保育士も正規同様、大きな責任を持って日々の仕事をしています。このように言われているわけです。

 非正規職員は、いまや職場になくてはならない存在です。それにもかかわらず、彼女や彼らの待遇は、ワーキングプア層の予備軍に属するものと言わなくてはなりません。市が任用した嘱託保育士、嘱託の図書館司書、学校・保育園の嘱託調理員などは、正規職員とほぼ同じ仕事をしているにもかかわらず、ワーキングプア層の予備軍に属するといった待遇や、機械的な雇いどめによる不安定な雇用、正規職員との格差などさまざまな問題を抱えています。民間労働者同様に地方自治体においても、非正規公務員がいまや3人に1人と言われるまでに増大したことが、今日の格差と貧困といった深刻な社会問題を引き起こしている要因であると考えます。

 非正規職員の処遇改善を図るためには、そのための財源が必要となります。国は、一億総活躍社会を声高に叫び、保育士の処遇改善にも取り組むといたしておりますが、必要とする財源の見通しはどうなっているのでしょうか。本市の保育水準の高さには定評があります。これも、市に働く正規・非正規保育士を問わず、そして大勢の保育に携わる皆さん方の働きに支えられていることは言うまでもありません。そして、これまで培ってきた松本市の保育の質を今後とも維持していただくために、職員の処遇については十分検討を重ねていってほしいものです。

 あわせて、働きやすい職場環境の整備についても配慮してほしいと思います。保育園では、エアコンが整備されていないといった問題や、職員に必要なパソコンが十分配備されていない問題、また、園児には実施されているものの、職員には行われていないという感染症対策など、早急に取り組まなくてはならない課題が山積をしております。これらは、関係する職員労働組合とも十分協議の上、早期に実施していただくことを要望いたします。

 そして、私がこれまでるる述べてきたように、いまや一国の総理大臣も口にするようになった同一労働、同一賃金、この観点から、非正規職員・非正規保育士の賃金改善や有期雇用期間の更新・延長については、さらなる処遇改善が図られるよう強く要望をして、私の全ての質問を終了とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

     (「議長」と呼ぶ者あり)



○議長(犬飼信雄) 9番 上條美智子議員。



◆9番(上條美智子) 〔登壇〕

 宮下議員の質問の中の発言におきまして、一言申し上げます。

 市の入札制度について、通知「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」の中で3点、質問がされたわけでございますが、この3点の中におきまして、理事者の答弁に対し詭弁という言葉を使った表現がありました。

 詭弁の意味は、道理に合わない、言いくるめの議論、論理学で相手の思考の混乱や感情につけ入って相手をだます、見かけ上は正しそうな虚偽の推論とあります。

 宮下議員が感じたことからの表現とは思いますが、行き過ぎた表現であるように思いますので、議長においてよろしくお取り計らいくださいますようお願いを申し上げます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 発言内容精査のため、暫時休憩いたします。

                              午後1時48分休憩

                              −−−−−−−−−

                              午後2時30分再開



○議長(犬飼信雄) 休憩前に引き続き会議を続行いたします。

 ただいまの議事進行にかかわる発言につきましては、発言内容を精査した結果、議長において適正に処理しましたのでご承知願います。

 市政一般に対する質問を続行いたします。

 以上で宮下正夫議員の質問は終結いたします。宮下正夫議員は自席へお戻りください。

 次に、19番 澤田佐久子議員の質問を行います。澤田佐久子議員は質問者待機席へ移動してください。

 19番 澤田佐久子議員。



◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕

 日本共産党松本市議団を代表して、南山国彦議員とともに質問をいたします。

 初めに、市長の政治姿勢について伺います。

 まず、社会保障制度の改悪についてです。

 7月の参議院議員通常選挙から2カ月となる中で、安倍政権は選挙で国民に語らなかった暴走政治を次々に打ち出しています。選挙中は「選挙の最大の争点は経済だ」と訴え、国政の大事な問題については、ことごとくやろうとしていることを国民に説明しない、争点隠しをするという不誠実な態度によって得た議席ではないでしょうか。終わった途端に暴走する、だまし討ち政治となっています。

 幾つか例を挙げさせていただきます。

 平和の問題では、PKOでの駆けつけ警護、宿営地の共同防護の訓練開始、そしてことし11月からは、南スーダンで新任務付与を狙っています。

 改憲については、選挙中は「必ずしも争点とする必要はない」と言っていたにもかかわらず、選挙後は、いかに我が党の案をベースにしながら3分の2を構築していくのか、これがまさに政治の技術、と公言をしています。

 経済でも都合のよい数字を並べ立て、都合の悪い数字は隠し続けてきました。その最たるものが年金積立金の巨額損失の問題です。7月29日、年金積立金管理運用独立行政法人GPIFの2015年度決算で、5兆3,000億円もの巨額損失が発生していることが明らかになりました。選挙中は公式発表せずに選挙が終わってから明らかにする、余りにも姑息なやり方ではないでしょうか。これは国民の大事な財産である年金積立金を流し込んで株をつり上げ、虚構の成長を演出する邪道な政策です。

 経済政策でも、中身はリニア新幹線への巨額の投入であったり、また大型クルーズ船のための港の建設など、さまざまな問題点を持っています。参議院議員通常選挙の公約として、労働時間の短縮、また同一労働同一賃金と語っていたのに、国会では残業代ゼロ法案を成立させようとしています。

 TPPでも、沖縄米軍基地問題でも、国民の声に耳を傾けない強権な政治が行われております。沖縄の問題については、地方自治に携わる者として他人事ではなく、今後のあり方に注視していきたいと思っております。

 社会保障制度について、とりわけ暮らしの問題では、市民生活に直接かかわる中に介護保険制度があります。さらなる改悪として、要介護1・2の保険外しを打ち出しています。

 そこでまず、既に保険外しの対象となっている要支援1・2に並び、今回対象となる要介護1・2の認定者の状況がどのようになっているのかお伺いをいたします。

 次に、国民健康保険税についてです。

 大幅に値上げされた国民健康保険税と市民のくらしについてお伺いをいたします。

 この7月から税率改定によって大幅に値上げされた今年度の国民健康保険税の納付書が送られてきましたけれども、この7月、8月と二度の納付日があったわけですが、この納税通知書が届いた方からは余りの値上げで払えないという声が数多く寄せられております。

 幾つか例を挙げますと、年金暮らしの方で年間2万円も上がってしまった、また国民健康保険税の納付書を見てびっくりした、もう市から届く郵便物はあけたくないという声もあります。また、国民健康保険税がどうしてこんなに上がってしまったのか、健康寿命延伸都市とは言いながらそうなってはいないのではないか、年金だけでは高過ぎてとても払えない。また40代の男性ですけれども、2人の高校生のお父さんですが、1カ月に1万円上がった、生活が非常に苦しいなどです。

 先日、ある県の組合連合会で調査した最低生計費の試算結果が発表されていました。これによりますと、30代の家族で年額568万円、40代の家族で652万円、50代の家族では844万円、これが最低生計費です。実際の収入と大きな差があることがわかります。

 この調査で30代の低賃金が子どもの貧困の原因となり、40代、50代では教育費の高騰に追いつかないと指摘をしています。まさに今、私が申し上げました40代の男性の例がそうですし、そして、前回にも紹介させていただきましたが、40代未満が国民健康保険税の収納率が一番低い78.9%、この数字とも一致をしています。

 今回の調査の回答者の大半が正規の労働者ということで、非正規労働者だともっと生活が苦しくなる。ひとり親家庭や母子家庭は、さらなる深刻さが予想されます。そういう社会情勢の中で、値上げしてから本市へどのような声が寄せられているのか、状況をお伺いいたします。

 また、昨年のこの時期と比較して、収納状況の件数など現在の様子をお聞かせください。

 次に、子どもの貧困対策についてです。

 この質問に入ります前に、まず、9月の補正予算で要保護・準要保護児童就学援助事業費追加の項目で、扶助費として新中学生への新入学用品費の支給時期を実態に即したものとするために、現在の中学入学後の6月支給から、実際の購入時期に当たる小学校の在学時の3月支給に見直すものとして698万円が計上されています。このことは、私ども何回も議会で取り上げ、また多くの団体の皆さんも求めているところです。大きく評価したいと思います。2月議会で私も質問させていただき、実現できたことは本当にうれしく思っています。長野県下で初めてではないかというふうに聞いていますが、本市をきっかけに多くの自治体に広がっていくことを期待しています。

 国が策定した子どもの貧困対策法について伺います。

 貧困と格差が一層拡大している中で、貧困打開に向き合わない国の姿勢が浮き彫りになっています。社会問題になっている子供の貧困対策についても、安倍政権の対策は、ひとり親世帯への経済的支援の一部強化にとどまり、抜本的な打開策が打ち出せていません。

 この子供の貧困率は、政府の調査では16.3%となっています。山形大学の戸室健作准教授が独自に算出したものでは、この調査はかなり全国レベルとしても精度が高いと言われていますけれども、この特徴は、貧困率がこの20年間で全国どこでも急増しているということです。参考までに長野県の数字を申し上げますと、1992年に3%から2012年では11.1%となっています。

 4月6日、参議院の地方・消費者問題に関する特別委員会において、吉良よし子議員がこの戸室氏の調査を紹介し、子供の貧困が地方における重大問題であることを指摘しています。これに対して石破 茂地方創生担当大臣は、子供の貧困が貧困の連鎖拡大を生みかねない大問題であると認め、都道府県において定性的な傾向を把握して対策をとること、地方創生の観点から厚生労働省と連携して対応していくことに言及をしています。これは重要な答弁です。都道府県によっては、生計費水準や物価水準は異なりますので、各自治体においては、こうした算出方法や数値も参考にして、より精密な実態調査や対策を実施することが求められます。

 今申し上げました長野県の2012年の11.1%という、この数字はただの数字ではなくて、大事な点は、こうしたもとで9人に1人の子供たちが厳しい生活を強いられているケースがあるということを知らなければなりません。

 3年前の2013年に、生まれ育った環境で子供の将来を左右させてはならないと、子どもの貧困対策法が全会一致で成立しました。この法案は、事態打開の一歩となる法律ですが、貧困の基本概念の定義をしていないなど不十分さはありますが、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境整備や、教育の機会均等などを図ることを目的に掲げ、子供の貧困対策の総合的な策定、実施に対する国・地方自治体の責務などを明記しています。

 2014年に大幅におくれたこの子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されましたが、大綱の一番の問題点は、子供の貧困対策に関する基本的な方針として、子供の貧困に関する指標を設定し、その改善に向けて取り組むなどと掲げていますけれども、改善の目標数値を明示していないことです。今、この16.3%の貧困率をいつまでに、どのように減らすのかが出されておりません。子供の貧困対策に関する大綱には、おおむね5年ごとをめどに見直しを検討すると書かれていますけれども、見直しをするとは明記されておりません。期間が5年となっていますが、これも長過ぎます。毎年でもよいというふうに言われていますが、せめて2年に1回でも見直しをして、具体策を進めていくことが必要です。

 昨年行った幼稚園・保育園の園長先生に出した生活状況調査、これは一定の成果が得られたと思います。そういう成果を踏まえて、本市では指標を設定する予定があるのかお伺いをいたします。

 また、次の質問項目にありますけれども、6月議会での池田議員の質問がこれに関連をしておりますので、あわせて質問をいたします。

 部長レベルでの会議の内容、また実態把握について、その後どのような取り組みを行っているのかをお伺いいたします。

 次に、地域の商店街の活性化についてお聞きいたします。

 街路灯についてです。

 今の経済状況が大変な中で、地域の商店街の方たちは本当に頑張っています。この地域の商店街の課題の一つに街路灯があります。ことしの3月までに補助事業でLED化が進み、まちの皆さんには明るくなったととても喜ばれています。

 その一方で、老朽化した支柱のメンテナンスや使用していない支柱の撤去に困難を抱えています。支柱につきましては、25年以上経過したものも多く、塗装の劣化によるさびの発生、また看板等に使用しているプラスチックなどの落下、地震や異常気象による豪雨、突風、台風や大雪などで大きな被害をもたらすことが懸念されています。実際、北海道では、この老朽化した看板の落下物で通行人がけがをした事故があり、問題になっています。

 閉店・廃業するお店もふえ、シャッター通りも多い中で、財政支援など早急な対策が必要だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

 以上、1回目の質問といたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 それでは、最初に介護保険制度における要介護1・2及び要支援1・2の認定者の状況のご質問にお答えをいたします。

 現在、次期介護保険制度の改正に向け、国の社会保障審議会において、議員ご質問に関連する審議が行われております。このことに関しましては、いわゆる骨太の方針2015で、軽度者に対する生活援助サービスなどについて、給付の見直しや地域支援事業への移行の検討を行うとされ、経済財政諮問会議により、経済・財政再生アクション・プログラムにその改革の工程が示されたものです。

 ここでいう軽度者につきましては、介護保険制度上、介護度で明確に区分されているものではありませんので、あえて議員ご質問の要支援1・2及び要介護1・2の認定者の数でお答え申し上げます。本年7月末現在で要支援1・2の方は3,325人、認定者全体に占める割合は26.8%、要介護1・2は4,326人で同34.9%、合わせて7,651人で同約61.7%という状況でございます。

 なお、現在、社会保障審議会で審議中の介護保険制度の改正につきましては、軽度者における生活支援サービスなど一部のサービスについて見直しや他事業への移行について審議されていると承知をしており、詳細は不明でございますが、軽度者を介護保険制度から外すという内容ではないと認識をしております。

 続いて、国民健康保険税の税率改定に関するご質問にお答えをいたします。

 国民健康保険税の税率を改定し、今年度分の納税通知書を発送した以降の状況についてお答えをいたします。

 税率改定について、この7月、8月に市に寄せられたお問い合わせの状況ですが、第1期納期限後の8月5日までに窓口や電話でのお問い合わせは、総数で約3,200件あり、そのうち税率改定に関するものは176件、その他は一般的な税額の計算や納付の相談など、例年どおりのお問い合わせがほとんどでありました。

 次に、収納状況につきましては、まず、現年度分の8月末現在の収納率は16.14%で、前年度16.61%と比較して0.47ポイント減となっております。また、滞納繰越分につきましては、今年度7.22%、前年度7.04%と比較して0.18ポイントの増となっております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 伊佐治こども部長。



◎こども部長(伊佐治裕子) 〔登壇〕

 子供の貧困に関する2点のご質問にお答えいたします。

 まず、1点目の子供の貧困に関する指標の設定についてですが、6月議会でも池田議員のご質問にお答えしましたが、国の子どもの貧困対策に関する大綱に定められた指標や、県が定めた達成目標を参考に、本市が目指すべき目標を定めることとしております。なお、この目標は、今年度末までに本市の状況を踏まえた子供の貧困対策の基本指針を策定し、この中に盛り込んでいきたいと考えております。

 次に、2点目の6月議会後の取り組みについて申し上げます。

 子供の貧困対策に取り組むため、全庁的な組織を立ち上げており、昨年度は計3回、今年度は7月と8月に関係課の担当者及び課長による会議を開催し、指針の素案や具体的な施策などについて協議を行ってまいりました。

 また、8月には、児童扶養手当の受給者2,243人を対象とした本市独自のひとり親家庭実態調査を実施いたしました。この結果を集約後、年内には部長級の庁内会議を開催し、調査結果を指針の内容に反映させたいと考えております。

 なお、昨年度実施いたしました公立保育園・幼稚園の園長を対象にした在園児の生活状況調査は、今年度も実施する予定ですが、昨年度より調査の精度を高めるため、現在、調査項目の見直しなど準備を進めております。

 子供の貧困対策においては、親の就労支援も大きな柱の一つですので、新たな取り組みとして、ハローワークと連携し、8月に児童扶養手当現況届を提出される方を対象に市役所内でハローワーク臨時相談窓口を試行的に開設し、就労相談を行いました。

 また、子供の居場所づくりや学習支援などについても、できることから進めていくため、関係課との調整会議を重ねるとともに、今年度、県がモデル事業として並柳地区で7月から実施している子供の居場所事業や、市民活動団体主催の地域ふれあい食堂などに担当職員が参加し、今後の方向性について情報や課題の共有を図っているところでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 川上商工観光部長。



◎商工観光部長(川上正彦) 〔登壇〕

 街路灯に関するご質問にお答えいたします。

 商店街が管理する街路灯につきましては、商工業振興の観点から、その設置の際には共同施設設置事業による支援を行っており、また、電気料の削減で商店街の負担軽減につながるLED化事業では、平成25年度から3年間、補助率を引き上げるなど支援をしてまいりました。

 街路灯の老朽化に関する支援とのご質問でございますが、LED化への切りかえが終了している街路灯の改修費に対しましては、共同施設設置事業で対応可能でありますので、現行の支援制度をご活用いただきますようお願いします。

 撤去費用につきましては、LED化の有無にかかわらず、現在は支援制度を設けておりませんので、現段階において支援は困難であります。議員ご指摘のとおり、地域の商店街を取り巻く環境が厳しい状況にあることは認識しておりますが、基本といたしましては、設置者または管理者の責任において倒壊の危険度や撤去の必要性をご検討いただき、計画的な維持管理あるいは撤去等の整備をお願いしたいと考えております。

 しかしながら、現時点において倒壊のおそれのある街路灯については、松本市といたしましても、危機管理上、早急に現状を把握する必要があると認識しております。本年6月定例会において青木 崇議員の質問にお答えしましたとおり、地域の商店街の振興策を検討することを目的に、郊外の商工業者を対象とした実態調査を今月実施いたします。その際に、あわせて地域の街路灯の状況についても調査いたします。その結果から、街路灯を含む地域の現状及び課題を把握分析し、地域からの要望も含めた上で、総合的に支援策を研究してまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 澤田佐久子議員。



◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕

 それぞれに答弁をいただきました。

 社会保障制度の改悪についてですけれども、今、両方足した数字が61.7%、約6割ということで、この要介護1・2と介護外し、外しということではないという答弁でしたけれども、影響の大きさがわかりました。

 安倍首相は社会保障について、選挙中は安心できる社会保障、介護の拡充を行い介護離職をゼロにすると訴え、社会保障削減には一切触れてきませんでした。投票が終わった7月10日の夜、社会保障の伸びを抑えていくことも大変大切だと強調しました。次々に改悪の具体案が審議会に出され、社会保障の大改悪が進められようとしています。高齢者医療の窓口負担について、75歳以上についても2割負担を段階的に導入する計画が今、持ち上がっています。さらに、生活保護の母子加算、これも再び切り捨てようという計画が浮上しています。そして、介護保険です。介護保険では、要支援1・2と認定された人の保険給付外しに続いて、要介護1・2と認定された人の訪問介護や通所介護などを保険給付から外す法案を来年の通常国会に提出する計画が現在持ち上がっています。

 全国では、要支援1・2と要介護1・2を合わせると、この要支援・要介護と認定された人全体の65%を超えます。先ほど61.7%という数字がありましたけれども、本市でも全国と同じ規模であることがわかりました。まさに保険あって介護なしです。

 高い保険料を引き落としで徴収され、そして今申し上げました6割の市民から保険給付を取り上げるというのは、文字どおりの国家的詐欺の仕組みへの大改悪と思いますけれども、市長はいかがお考えでしょうか。市長の見解を伺います。

 次に、国民健康保険税についてです。

 先ほどこの2カ月の間、8月5日までの相談件数3,200件というふうに答弁がございましたけれども、国民健康保険の加入世帯はおよそ3万5,000世帯と言われていますので、この3,200件という数字はとても多いのではないかと、1割近い数字だと思います。中身は、この値上げに関するものではない、それは少ないということでしたが、この問い合わせがこの期間に集中していることは、職員の皆さんも短時間の間に電話に追われたのではないかと思います。

 この国民健康保険に関しては、納付書が来ても余り、先ほど申し上げましたように、封もあけていない方や関心のない方、そして既に、もう値上がりしているからと諦めている方も大勢いらっしゃいます。まずは、この払えない方たちをどうするかということが問題ではないでしょうか。

 収納率の向上についてです。

 平成27年度の収納率の目標は92%、近隣に倣って決めたとのことですが、職員の皆さんの努力によっても収納率90.8%で、目標には届いておりません。第10次の基本計画では、これを95%にとの計画が示されております。議員協議会での説明では、強い決意とのことでしたけれども、まずこの95%という数字は、本市の国民健康保険加入世帯およそ3万5,000世帯ありますけれども、この収納率を5%上げるためにはどのくらいになるのかお伺いをいたします。

 そして、現実として支払えない市民に対して、どのように健康を守るつもりなのか。やはり所得階層別構成と人員別概算税額表を出すべきではないかと思います。4パターンのモデル世帯や数字を並べるだけでは、個々の家庭状況はわかりませんし、それぞれ違うわけですから、実際の状況がつかめない限りは収納率も上がらないし、信頼関係も失われていくのではないでしょうか。先ほど紹介しました40代のお父さん、2人の高校生のお父さんですが、この2人のうちの1人の方が私立の高校へ通っているということで、そういった大変さもあるのではないかと思います。

 また、収納率を95%に設定したということは、今以上に強力かつ強制的に徴収活動に取り組むということだと思いますけれども、決意だけでは達成できるものではありません。収納率が高い全国の例を見てみますと、注意点が幾つかあります。

 一例ですけれども、ある市では、93%の収納率だそうです。そこで起こっていることは何かといいますと、全ては申し上げませんけれども、要は生活実態を無視した異常とも言える強権的な滞納処分であり、国税徴収法の曲解したやり方が横行しています。これは、朝日新聞でも取り上げられております。呼び出しても連絡がない、分割納入約束の日に入金されなかった、また、分納金額が少ないなどの事実だけで一方的に悪質滞納者と決めつけて、突然滞納世帯の預金通帳の残額を全額差し押さえ、また、給与や自営業者の取引先業者の売掛金債権を差し押さえて収納するなど、生活実態を無視した異常とも言える強権的な滞納処分を強めています。

 先日、私どもが会派の視察で伺ったある自治体では、市役所の入り口に税金を滞納するとこうなりますよということで、タイヤとタイヤロックそのものが置いてありました。そして、そのすぐ隣の1階のフロアが国民健康保険の課になっていました。ちなみにこの自治体では、収納率が高いと聞いていますけれども、余りにも横暴なやり方ではないでしょうか。

 また、現在の滞納整理の国の到達点をしっかり把握することも重要だと思います。2014年10月6日の参議院厚生労働委員会で3点のことが言われています。公的手当が入金される口座への狙い撃ち的な差し押さえは禁止、滞納処分は個々の滞納者の実情把握が前提、そして、滞納者の生活を窮迫させるおそれがあるときは滞納処分は禁止する、などの答弁が出ています。

 本市では、滞納者の方々には、そのお宅に何回も足を運び、手紙を置いてきたり、何らかの連絡をとろうと日々努力をしているけれども、全く連絡がとれないなど、本当に職員の皆さんは丁寧に対応されているわけですけれども、今以上にこの収納率を向上させるということは、具体的な手だてが必要になってくるわけです。強権的な取り立てが危惧されるわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。

 次に、子供の貧困対策について。

 ひとり親家庭への実態調査を出されたのが2,243人と今伺いました。そして、年内には部長級の庁内会議を開くということですが、この調査の結果は家庭の大切な情報源ですので、できる限り一人一人に寄り添った内容で施策に生かしていただきたいと思います。子供たちの貧困は待ったなしですので、早急に生かしていただきたいと思います。

 そして、いろいろな通知が市から出されると思いますけれども、お母さんたち、日々の暮らしに追われていて大変な中では、なかなかそういった提出物も期限内に出せないかと思います。そういったところも、昨年に引き続き行われる予定の在園児の生活状況調査、こういった部分でも関心を持っていただければと思います。

 県が定めた達成目標を参考にということでしたけれども、県の目標に向けた取り組みは、余りにも漠然としていて、つかみどころのないものとなっています。主な達成目標にそれぞれの進学率があります。確かに貧困対策の一つではあります。しかし、根本的に問われているのは、貧困率の16.3%、これをどうするかが問われていると思います。

 並柳地区での取り組みは、いろいろな環境の子供さんやいろいろな団体の人たちが協働して、市の担当職員も参加し、非常によいと思います。今後もそれぞれの地区で押しつけではなくて、みんなで話し合って協働の輪を広げていくことが大切だと思います。私も先日、ふれあい食堂で皆さんと一緒に、多文化共生の中国の子供さんも一緒に、そういったお食事をとらせていただきました。

 この貧困率を解決するためには、労働政策や社会保障政策など包括的な取り組みが必要です。具体的に幾つか提案をしたいと思います。計画策定の際には、本市の施策としてぜひ考えていただきたいです。

 1つは、食の保障です。

 まともな食事は給食だけという子供たちがふえています。子供が育つためには、栄養バランスのよいおいしい食事を提供することは、貧困対策の1番目に位置することです。育ち盛りの子供が朝食をとらずに、おなかをすかせたまま学校へ行って、机に座って集中して授業を受けられるでしょうか。体育で体を動かせるでしょうか。そして、注意力が散漫だと先生に叱られたのでは、子供なりには、自分は社会から見捨てられていると感じてしまうはずです。子供たちにはおいしいものを食べてもらおうという取り組みが重要です。今ある給食制度を拡充して、朝食をとれるような施策が必要です。

 2つ目は、学習権・進学権の保障です。

 貧困におかれた子供たちは、諦めることを余儀なくされてきたので、どうせ俺なんてとか、どうせ私なんてという気持ちが先立ち、学習意欲が育まれずに諦めている子供が多いのです。ですので、日常的にもっと丁寧な学習の支援が必要だと思います。それと関連して、進学保障を進めることが大切です。ご承知のように、日本は異常で、奨学金も単なる教育ローンにすぎず、今、若者たちは多額の借金を抱えて社会に出ていきます。この部分では、たとえ少額でも県で行っている給付型奨学金制度、これを利用できることは評価したいと思います。学費の低減、給付制奨学金制度の創設で、低所得の家庭の子供も、高校は当然ですけれども、専門学校、そして大学に進学できるようにするべきです。生活費まで面倒を見る奨学金制度が必要です。

 3つ目として、経済的保障です。

 貧困とは、お金がない状態のことですから、その対策で重要なのは現物支給です。アメリカで貧困家庭にどれだけ現金給付をすればよいかという研究がありまして、その世帯の所得の現状の25%増しにすると、その家庭の子供にまでお金が回るという、そういった報告があります。そうだとすると、現在の児童手当は3歳までは1万5,000円、それ以上は1万円ですから、とても足りないのではないでしょうか。

 母子家庭で見ますと、年間の総所得243万円で、これを25%アップさせると303万円ですけれども、母子家庭のお母さんたちはダブルワーク、トリプルワークで必死に働いており、これ以上給料をふやすことは困難です。あとの足りない部分は社会保障として現金給付すべきではないでしょうか。

 子育てにはゆとりが必要です。忙しいときに家族で外食をしたり、年に一、二回旅行に行ったりというささやかな幸せを味わい、記憶の中に家族との思い出を蓄積していくことは、子供の発達にとってかけがえのないものであり、それが感情や意欲を育てていきます。そのためにも、現金給付が大事ではないでしょうか。

 また、4つ目としては、労働生活への連結です。

 現在、若者の半分が非正規雇用です。正規でもブラックな働き方をして体を壊す人もいます。そして、一度やめると、低賃金の非正規雇用に流入し、そこからなかなかはい上がれない。これでは結婚も子育てもできず、もし子供を持っても、また貧困の連鎖をつくることになってしまいます。若者が働き続けられる労働現場、労働環境をどうやってつくっていくのか、これも大きな課題になります。

 5つ目として、乳幼児期へのアプローチです。

 今までの子供の貧困対策の中心は小中学生対象でしたけれども、しかし今、乳幼児期のアプローチももっと強めるべきと考えます。2006年に出されたOECD白書では、出生から3歳になるまでの幼い子供たちへのケア教育がとても重要だという分析がされております。脳や身体機能が爆発的な発展を遂げる時期であり、長期的な影響を持つために栄養やヘルスケア、気持ちを理解してくれる大人の存在、遊びの機会など幼い子供の権利の保障が大変重要です。その点、保育所の役割が大変重要です。大事な時期に詰め込み保育や保育士が過重労働だという状況では、人生の始まりを力強くすることは困難になってきます。乳幼児期の子供への対策は、投入したお金や人材に対して成果がなかなか見えにくい問題です。しかし、このアプローチが今、強く求められています。

 そして、6つ目としましては、大切な地域とのネットワークがあります。

 地域での連携、貧困対策のネットワークが大切だと思います。学校と地域との無料塾の連携、子供の居場所づくり、子供食堂、そしていつでも気軽に相談できる病院や保健師、民生委員・児童委員、福祉事務所の職員など、さまざまな大人がそれぞれの専門、それぞれの観点から地域の子供たちの状況を見て、今、何が必要かを話し合い、動いていくネットワークを進めていくべきです。また、これからは一歩進んで、経済的指標だけではなくて、地域や年齢別、生活の奥のほうから貧困とは何かを多面的に捉えていくことが必要ではないでしょうか。現在の貧困は、とても見えにくくなっています。常に意識を高めて、具体的な生活を見ていく必要があると思います。

 子供の置かれている実態をつかむことがまず大切ではないでしょうか。現在、子供が置かれている状況は、どんどん悪化していると思います。いつも子供の医療費の窓口無料化の運動で例に挙げていますけれども、歯の未治療の子供さんのケース、シングルマザーが忙しくてお医者さんにも連れていかれない、そして窓口で払うお金もない、そういった例もあります。また、いろいろな団体で取り組んでいる食の保障として子供食堂のあり方、私たちは、そこに来る子は貧しい子なんだとレッテルを張られないようにふれあい食堂として誰でも気軽に集える場としています。

 子供塾についても、先日、ボランティアの講師の方とお話をする機会がありましたけれども、今、新聞に募集の案内を出すと、多くは中学生の申し込みだそうです。そして、小学生のときは、居場所づくりということでお友達と仲よくできればよかったわけですが、中学生になると、学習も目的を持ってピンポイントでここがわからないから教えてほしいと来る子供さんがふえているそうです。また、進路にかかわる相談も多く、深刻な状況とのことでした。

 やはり、こういった部分では、さまざまな団体と連携を密にして、学習だけではなく、その子を育てるには、という専門家の知恵や力もお願いしつつ、行政主導でやるべきだと思います。集まってくる子供さんたちは、経済状況、家庭環境など多くの困難を抱えています。先ほど国民健康保険税のところでも申し上げましたけれども、最低生計費の調査を監修した大学の先生も、最低生計費は憲法第25条で保障された健康で文化的な生活、人間らしくきちんとした生活ができる費用。子供が犠牲になるようなことがあってはならないと指摘をしております。

 生活保護の捕捉率について伺います。

 本来、生活保護の対象となる世帯のうち、実際に生活保護を受けている世帯の割合、これを示すものが生活保護捕捉率ですが、本市ではこの生活保護捕捉率を把握しているかどうかお伺いをいたします。

 また、子育て世帯のうち、生活保護を受けていないけれども支援が必要と思われる世帯については、どのような支援をしているのかお聞きをいたします。

 次に、地域の商店街の活性化についてです。

 市のほうでこれから実態調査を行うということでしたけれどもこの実態調査の中身はかなり厳しい状況が出されるのではないかと思っています。

 撤去の費用については、困難ということですけれども、この問題はどの商店街でも抱えている問題であり、危険性を伴うことですので、事故があってからでは遅いと思います。国土交通省では、先ほど私が申し上げました北海道の事故で、全都道府県や政令指定都市などに対し、屋外広告物の所有者に点検を義務づけるように求める方針を決めたとのことです。そして、また各自治体の条例に看板の設置に関する知識や技術を持った人が劣化や損傷状況をチェックする規定などを盛り込むように要請をするということです。

 ぜひ地域との話し合いを持っていただいて、緊急な対応を要するものですので、ぜひ商工課だけではなく、先ほども答弁がございましたけれども、危機管理を含む関係する課で横断的に対応をしていただきたいと思います。

 次に、地域の商店街の補助金についてです。

 近年、商工会員の減少が進み、会を維持していくことが困難になっている地区が少なくありません。維持できずに、残念ながら退会する地区も出ております。以前は補助金も多かったわけですが、数年前からはこの商工会議所に倣って団体数によって計算するということになり、大幅に減ってしまいました。補助金をふやす方向で検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、地域のお祭りなど地元に根差したイベントも好評で、会員みんなで一丸となって地域おこし、地域のにぎわいを取り戻すために頑張っています。私も2月の予算説明会で発言させていただきましたが、新規事業ばかりではなく、地元の経済を支えている商店街の皆さんが元気が出るような手だてや、地域の商店街を育てるつもりで既存の事業の支援もしてほしいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 以上、2回目の質問といたします。



○議長(犬飼信雄) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 社会保障制度に関する2回目のご質問にお答えします。

 次期介護保険制度の改正につきましては、社会保障審議会の介護保険部会において審議中でありますが、このことは広く関係者や国民の意見を踏まえ、慎重に審議されることが必要であると考えております。

 また、現時点では、制度見直しの具体的な内容はよくわかっておりませんが、私といたしましては、高齢者の介護を社会全体で支え合うという制度本来の趣旨から逸脱することのないよう、国の責任において、給付と負担のバランスがとれた制度としていくことが望ましいと考えております。

 なお、松本市としましては、地域包括ケア体制の一層の充実のもと、医療・介護及び地域における全ての関係者が一体となって高齢者の皆様を初め、誰もが安心して住みなれた地域で生活することができる支え合いの仕組みづくりを進めてまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 国民健康保険税収納率向上についてのご質問にお答えをいたします。

 このたび策定をいたしました松本市第10次基本計画において、国民健康保険財政の安定化の目標値として、5年後である平成32年度の国民健康保険税の現年度分目標収納率を95%としたものであります。この95%の収納率を、仮に収納率90.8%だった平成27年度の決算額で収納額を算定してみますと、約2億2,000万円の収納がさらに必要であったということになります。

 この目標収納率は、せんだっての議員協議会資料でもお示ししましたとおり、加入者に重い負担を強いるための目標ではなく、今年度実施した税率改定を踏まえ、収納率向上対策をさらに進め、納税者間の負担の公平性を保ち、財政の安定化を図るため設定したものでございます。

 収納に当たりましては、さまざまなご事情で納税が困難な方には、生活実態や財産の状況を十分把握し、懇切丁寧に対応してまいります。一方、納付資力がありながら納付もなく、全く連絡もいただけない方に対しては、厳正な滞納処分を行うなど対応を強化してまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 伊佐治こども部長。



◎こども部長(伊佐治裕子) 〔登壇〕

 子供の貧困についての2点のご質問にお答えします。

 まず、生活保護捕捉率についてですが、生活保護の支給に当たっては、所得要件だけではなく、貯蓄額や扶養の有無などさまざまな調査が必要となります。このことに加え、生活保護を申請しない世帯を含めてそれら全てを捉えることは困難であるため、この6月議会で健康福祉部長がお答えしましたとおり、本市では生活保護捕捉率は把握しておりません。

 次に、支援が必要と思われる子育て世帯への対応についてです。

 本市では、平成18年度から児童相談所、教育委員会、民生委員・児童委員協議会など23の関係機関による要保護児童対策地域協議会を定期的に開催し、困難を抱える子育て世帯に対し、各機関が連携、進行管理を行いながら適切な支援につなげているところです。この中で、昨年度からは、貧困や若年妊婦などハイリスク要因を持つ特定妊婦も対象に加えており、赤ちゃんが産まれる前からの切れ目のない支援に取り組んでおります。

 しかし、外からは貧困という姿が見えにくいケースや、お金があっても家庭環境などにより子供自身が貧困状態にあるケースなどもあり、これらにも配慮しながら支援を進めていく必要があります。

 先ほど議員のお話にもありましたが、今後も関係機関や地域の方々との連携を密にし、情報共有に努めながら、できる限り子供のSOSを見逃さないよう支援につなげていきたいと考えております。

 また、この10月からは、筑摩こどもプラザと本庁健康づくり課に、妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援を寄り添い型で行う子育てコンシェルジュや、母子保健コーディネーターを新たに配置します。このことにより、支援の必要な子育て世帯に対し、さらにきめ細かくフォローできるよう取り組んでまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 川上商工観光部長。



◎商工観光部長(川上正彦) 〔登壇〕

 2点のご質問にお答えいたします。

 まず、松本商工親和会連合会への団体補助金額の見直しについてお答えいたします。

 松本商工親和会連合会への補助金につきましては、市内周辺地域の商工業者相互の情報交換や連携を強め、地域に根差した商工業活動を推進することを目的として交付しております。

 平成26年度に団体補助の見直しを検討する中で、長野県の小規模企業支援事業補助金に準じた算出方法で補助金の算出をすることとなり、減額となりましたが、急激な減額による負担増を防ぐため、3年間の激変緩和措置を実施し、段階的に減額をしております。他の商工団体へも同様の算出基準で補助金を交付しておりますので、現状の補助金額でご理解をいただきたいと考えております。

 次に、商店街が行う事業に対する補助金についてお答えします。

 地域の商店街の皆様には、地元地域活性化のため、地域を盛り上げるイベントなど熱意を持って取り組んでいただいております。松本市ではこうしたイベントなどの開催を支援するため、商店街まちおこし事業や商店街賑わい創出事業などの補助制度を設け、各地域の商工親和会を初め、各種団体にご利用いただいております。

 また、補助対象となっているイベントの中には、対象期間の原則としている10年間を特別に延長して補助しているケースもございます。議員ご質問の補助金につきましては、さまざまな事情により今までどおりの規模でイベント運営が困難になる状況もあると考えますが、事業規模の見直しや内容を工夫していただき、現状の支援の中で運営をお願いいたします。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 澤田佐久子議員。



◆19番(澤田佐久子) 〔登壇〕

 3回目になりますので、要望と質問をさせていただきます。

 社会保障制度の改悪について、今、市長から答弁をいただきましたが、これから部会をつくってしていくということですので、ぜひ慎重に、今答弁ありましたように行っていっていただきたいと思います。

 1つの例ですけれども、昨年から県では、地域医療策定委員会が開催され、2016年末には地域医療構想が策定されることになっています。国が示した医療需要と必要病床数の推計値によると、2025年までに最大で2,960床、最低でも2,833床の病床が削減されることになります。この会議の中で、複数の委員から、数字が目標値としてひとり歩きすることへの懸念があるとありました。国の推計値は参考程度に捉えるべきだという意見も出されています。この数字は松本市にも影響を及ぼすのではないでしょうか。

 このように、私たちを取り巻く環境は、さまざまな分野で年々悪くなる一方です。ぜひ市民の防波堤となって健康寿命延伸都市の松本として、市民の命・暮らしを守ることを要望いたします。

 国民健康保険税について、3回目の質問をいたします。

 平成27年度、これを95%に引き上げたらという数字が2億2,000万円という、この金額は非常に大きな金額だと言わざるを得ません。そして、答弁の中には、きめ細かに行っていくということですけれども、今でも目いっぱいやっている中で、どうやってこの収納率を上げていくのか疑問です。職員の皆さんにさらなる負担を強いることになるのではないでしょうか。これから、この収納の月が進むことによって実数も把握されることと思いますけれども、対応の強化が心配されるところでございます。

 国民健康保険税の負担軽減について質問いたします。

 やはり最後のセーフティーネットとしての国民健康保険ですので、受益者負担だとか公平性だとかそういうことではなくて、市民の皆さんにかかわる社会保障としての国民健康保険として考えていただきたいです。そのためには値下げをするべきです。現状では、今年度の納付が始まったばかりですので、数字としては見えてこないということですが、この値上がりの13.95%という数字、市民の大きな負担になっていることは事実ですので、市長の強力なイニシアチブを求めたいと思います。

 次に、子育て世帯への支援について、要望とさせていただきます。

 子育て世帯への支援、この生活保護の捕捉率は把握できないということですので、また別の機会に回したいと思います。

 生活保護を受けていないが支援が必要な世帯に対しては、答弁として23の団体が支援につなげているということですので、アンテナを高くしていただいて、月並みですけれども、一人でも多くの子供さんが安心して暮らせるようにお願いしたいと思います。

 また、昨年から行われています、今答弁がありましたハイリスクの要因を持つ特定妊婦さん支援事業や、またこの10月から始まる切れ目のない支援事業についても、医療関係の方からも、とても充実してよいという高い評価をいただきました。ぜひ市民の方々の頼りになる制度として支援につなげていっていただきたいと思います。そしてまた、該当する方にも周知徹底していただけるような努力をお願いいたします。

 次、要望ですけれども、地域の商店街の補助金についてです。

 現状のままということですけれども、先ほども申し上げましたが、会員の高齢化や後継者不足によって退会・廃業など、周囲を取り巻く状況が年々悪くなっております。イベントの協賛金も減って、これ以上続けていくのが困難になりつつあります。そしてまた、見識を高めるために視察研修会や講演会、そして楽市楽座への協力参加など、地域のイベントには全力で取り組んでいます。

 市の創業支援の利用も好調だということですけれども、今ある商店街がなくなってしまったら、まちの賑わいは取り戻せなくなってしまいます。再度、検討を要望いたします。

 商店街の活性化については、以上、要望とさせていただきます。

 以上、私の全ての質問とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 国民健康保険税の負担軽減のご質問にお答えをいたします。

 このたびの税率改定は、さきの6月定例会でも申し上げましたとおり、国民健康保険財政の危機的な状況の中、被保険者の方が病気やけがの場合にいつでも医療が受けられ、国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度を今後も持続可能な制度として維持していくためには、受益者負担の原則に照らし、被保険者の方に一定の負担を求めることはやむを得ないものと判断して実施をしたものでございます。

 改定に当たっては、被保険者の負担軽減に最大限配慮することとの国民健康保険運営協議会からの答申を踏まえ、過去の税率改定を勘案し保険税率を設定いたしました。なお、保険税率について、応能割と応益割との比率を60:40の従前の割合を維持することで、低所得者の方に配慮した設定としたほか、被保険者の急激な税の負担増加を緩和するため、一般会計からの特例繰り入れを単年度で6億8,400万円とすることとしていることから、税率を引き下げることについては考えておりません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 以上で澤田佐久子議員の質問は終結いたします。澤田佐久子議員は自席へお戻りください。

 次に、28番 南山国彦議員の質問を行います。南山国彦議員は質問者待機席へ移動してください。

 28番 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 日本共産党松本市議団の南山です。澤田佐久子議員に引き続きまして、今回は一問一答で質問をいたします。

 まず、廃棄物行政について、松本市のごみの排出量、またリサイクル率の現状についてお聞きをいたします。

 地球環境の保全や温暖化対策、資源の有効活用のためにも、廃棄物処理は大きな課題となっていますが、今回は特に一般廃棄物の今後のごみ処理に関して質問をしたいと思います。

 このごみ処理に当たっては、環境基本法に基づき、ごみ処理に伴う環境への悪影響を回避するための措置をとること、そして、循環型社会形成推進基本法で明記がされている3R、リデュースごみをもとで出さない、リユース再使用する、そしてリサイクル再生利用する、この基本原則を踏まえて各自治体が廃棄物処理計画をつくるようになっています。

 本市でも、第3次松本市環境基本計画のもと松本市一般廃棄物処理計画があり、その具体化として平成28年度実施計画が策定されています。第3次基本計画では、ごみの排出量を平成29年度で8万6,829トン、そしてリサイクル率を28%と設定しています。

 そこで、この現状と目標達成の見込みをまずお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 南山議員のごみ排出量とリサイクル率の質問にお答えします。

 松本市のごみの排出量は、平成27年度実績では9万2,830トンとなっております。目標を達成するには約6,000トンの削減が必要ですが、ここ数年は年間2,000トンずつの削減となっているため、今後2年間で目標に達することは難しい状況です。

 また、リサイクル率は、平成27年度実績で14.7%となっております。なお、この14.7%の中には、灰の資源化分も含めた数字となっております。リサイクル率は、やはり年々減少しており、目標値の28.0%には及ばない状況となっております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 答弁をいただきました。ごみの排出量も目標達成は難しいと。リサイクル率については、まだ倍以上の開きがあるということですので、事実上達成は無理かなというふうに思います。

 しかし、基本計画で目標設定をしてあるわけですので、あと1年半余り、この期間でどう達成するのか、具体的なその取り組みについてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 リサイクル率の目標達成に向けた取り組みについてお答えいたします。

 第3次環境基本計画の目標設定時点におきましては、平成22年度までの8年間で資源物の量はほぼ横ばいの状況でした。それに対しまして、総ごみ量は順調に減少していたため、同じ推移であればリサイクル量は目標が達成可能だということで設定したものでございます。

 しかし、平成24年度以降、市が収集している資源物量が毎年7%から8%のペースで減少してきており、このことがリサイクル率の低下につながっております。

 この主な要因としては、スーパーマーケットなどが資源物の量に応じたポイント還元を始めたことや、ごみ処理業者が24時間、いつでも自由に資源物を出せる場所を開設したことなどにより、資源物が市を経由しなくなってきているということが挙げられます。実際に事業者に収集量を調査いたしましたところ、聞き取りに応じていただいた事業所の資源物量を合わせて集計しますと、リサイクル率は20%を超えますので、回答をいただけなかった事業所を含めれば、市・民間合わせた市全体におけるリサイクルの動向は、おおむね順調であると理解をしております。

 したがって、目標達成は困難ですが、市としましては、今後もさらに資源物への分別の周知徹底を続け、ごみ減量に取り組んでまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 目標設定時には想定をしていなかった社会状況の変化があったと、そのことはそのとおりだなということで理解はいたしますが、しかし、あと1年半余りの期間の中で、少しでもこの発生量、またリサイクル率を達成できるように努力を期待しておきたいと思います。

 いずれにしても、平成29年度で一区切りということになり、また、新たな目標を設定するということになるかと思いますが、この間の教訓から今後どういう目標設定をしていこうと考えているのか、その点について市の考えをお聞きいたします。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 今後の目標でございますが、先ほど申し上げましたように、近年、収集業者へ多くの資源物が直接流れており、松本市が集める資源物量と情報公開をしている一部の収集業者の集めた資源物量しか把握できない状況では、現行のリサイクル率は、松本市全体の再資源化の実態から徐々に乖離していく状況となっております。

 そこで、現在、進めております松本市環境基本計画の見直しの際には、ごみの再資源化がわかる新たな目標を検討しているところでございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 今後の方向性についてお聞きをしました。

 確かに現在のリサイクル率、この数字だけでは実態を正確に把握ができない、そういう面もあるかと思います。やはり今後は実態がいかにわかりやすく、また正確に伝わるか、そういった取り組みがさらに必要かと思いますので、この点については検討をお願いしておき、次に、生ごみの減量についてということでお聞きをします。

 減量という表現をさせていただいてありますが、私の思いは、出たごみを減らすということ以上に、さらに一歩進めた形で、ごみとなるものを出さない、こういう視点からの質問と受けとめていただければ幸いですが、よろしくお願いいたします。

 リサイクル率アップとごみの排出量削減は一体で取り組むべきもので、また一体でやってこそ成果が上がると言えます。リサイクルが進めば、焼却ごみは減り、最終的には埋め立てごみだけが残る、そういうことになれば、最終処分場の延命にも大きく貢献ができます。この間、さまざまな規制が実施をされ、廃棄物の適正処理が進んできています。焼却ごみの削減は、焼却炉の延命や焼却炉自体の規模縮小という関係からも重要かつ緊急性のある課題と言えます。

 そういう中で、近年、焼却ごみの中でも生ごみ処理が大変大きな課題となってきています。一般的には、焼却ごみの4割ほどが生ごみで、そのうちの80%は水分とも言われ、水分が多いためにプラスチックや重油類など助燃材まで使って焼却をしているところも多々ございます。生ごみの焼却は、資源エネルギーの浪費そのものと言われるゆえんでもあります。

 各自治体では、一般廃棄物として事業系のごみも処理することになっていますので、この事業系の生ごみも含め、生ごみを発生段階で減らす発生源対策、そして生ごみを資源として有効に活用する資源化、これを進めることが喫緊の課題と言えます。

 そこで、この生ごみを減らす、そのための具体策とその後の取り組みについてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 生ごみを減らす取り組みについてお答えいたします。

 議員がおっしゃいましたとおり、松本市の可燃ごみの約40%が生ごみで、その約80%が水分だと言われております。松本市では、生ごみの排出量を減らすために、「残さず食べよう!30・10運動」を初めとする食品ロス削減事業でさまざまな取り組みを実施しております。また、生ごみ堆肥化講習会の開催、生ごみ処理機等への補助、そして生ごみの水切りを促進するために広報まつもとへの掲載や地域の町会説明会、環境衛生協議会など、あらゆる機会を通じて水切りの周知を図っているところでございます。このような活動をする中で、生ごみの排出量の減量につながるものと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 答弁をいただきました。

 確かに水分量を減らすということは重要なことだと思います。水切りということでお話がありました。確かに市民の皆さん、また事業者への徹底、そして協力の依頼、こういったことも重要だと思いますが、果たしてそれだけで十分でしょうか。確かに水分量が減れば、かさ、全体の量は減りますが、しかし、ごみそのものが減ったということではありません。焼却ごみの40%を占めると言われる生ごみ、これ自体を削減する取り組み、いかに資源化するかということが重要になってきます。

 そこで、先ごろ私たち会派で視察をしてきました鹿児島県志布志市の取り組みを紹介したいと思います。

 志布志市は、環境にやさしいか、これを行動基準として市政運営を行っています。平成16年から生ごみの収集を行っています。ごみステーションには生ごみ専用のふたつきの大型バケツが設置をしてあり、自家処理できない生ごみは水切りをしてそこに投入をします。家庭からのごみ出しはいつでもでき、週3回、委託業者が回収して、この生ごみは4カ月かけて堆肥化処理され、そして生ごみ堆肥にしています。

 この形の分別収集については、当初、住民の皆さんから何でこんな面倒くさいことをしなければいけないのか、そういう苦情がたくさん出されたそうです。そういう中で職員の皆さんが中心となって分別の意義について住民の皆さんに丁寧に、そして根気強く説明をしていく中で、住民の意識が変わり始め、ごみ減量活動に積極的に参加していただけるようになったということです。

 ちなみに、ここで出されたこの堆肥、「おかえり循ちゃん」、循は循環の循という字を使っていますが、そういう名前で1キログラム1円で販売をされています。また、この堆肥をヒマワリ栽培に活用して、そしてヒマワリ油にしてこれを食卓に使う、こういう形の循環型社会の形成も取り組まれております。こういう生ごみの再資源化、今後どうしても必要なことではないでしょうか。

 そこで、今後の方向として、この生ごみの戸別回収、こういう形についての取り組み、私はぜひ必要だと考えますが、市の見解を伺います。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 可燃ごみの40%に当たる生ごみだけを回収し再生利用すれば、松本市のごみ焼却量は大きく下がり、またリサイクル率の大幅な向上につながります。

 志布志市では、生ごみの戸別回収や週3回の収集を行い、市民から喜ばれているとのことですが、生ごみだけの回収をし堆肥化を実施するとなれば、堆肥化に適切な生ごみと不適切な生ごみを分別することを初め、においや虫などの発生を防ぐために、ごみステーションの衛生管理、そういった点で市民に対して相当な負担がかかってまいります。

 また、市内の約2,500カ所余りのごみステーションの収集回数を新たにふやすとなりますと、その運用にも大きな影響を与えることとなります。さらには、市内で排出した一般廃棄物は、その区域内で処理するということが原則となりますが、集めた生ごみを再資源化する施設を市内に建設するかどうかといった課題も考えられます。これらのことに加え、松本クリーンセンターを構成している近隣自治体へも影響が及ぶことが考えられます。

 しかし、生ごみを焼却せずに有効利用するといったことは、さまざまな課題があるにせよ、大変重要な観点であると思います。したがいまして、長期的な視野に立って、メリット・デメリットや費用対効果を含め、さまざまな角度から慎重に研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 答弁をいただきましたが、さまざまな課題は確かにあります。しかし、どうも費用がかかるということも大きく懸念をされているようで、慎重に検討ということでした。

 しかし、そういうことでは、ごみの減量、またリサイクル率アップ、そういうことも先には進まないのではないでしょうか。

 志布志市では、年間1人当たりのごみ処理経費が約8,431円ということで、これは全国平均の半分ほどの費用で済んでいると。この最大の理由は、焼却施設を持っていないことによる膨大な運転コストがかからない。そのことによって、これまた全国平均のごみ処理経費額と比べるとおよそ2億7,000万円の節約ができている。このお金を産業や教育、そしてまた医療・福祉に使う、そういうことができるということも市民の皆さんに提示をし、そして、一層のごみ減量への協力を呼びかけていると言っておりました。

 分別は確かに面倒です。しかし、それが環境にもいいし、また財政の節約という点でも効果がある、そういうことを市民の皆さんに伝える、面倒くさいのススメとして呼びかけていると、これが志布志市のやり方であります。私は、非常にこれに驚きましたが、しかしまた参考になる面でもあったと感じました。

 このように、これまでとは違う取り組みをする、そのことが今後のごみ処理を前進させるためには欠かせない、そのように思います。

 そこで、関連して次の質問に入りたいと思います。

 3Rではなくて、2R、リデュースとリユース重視でごみ焼却からの転換ということです。

 先ほど来、話が出ております、家庭から出る生ごみの94%は、資源化されずに焼却ないしは埋め立てをされているというのが現状です。全国では885万トンが排出をされ、そのうちの食品残渣は312万トンあると言われております。したがってこの食品残渣、生ごみの削減というのは非常に大きな課題となってきています。そういう点で言えば、今、本市が推進しています残さず食べよう!30・10運動、これはまさに先進的で重要な取り組みとして評価ができるものと思います。

 昨年7月に告示されました食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針、新たな基本方針と言われておりますが、ここで発生の抑制のために第一にすること、それは、食品廃棄物等の発生の抑制を最優先にすること、第二に、食品循環資源については、飼料化、そして肥料化をすること。飼料化や肥料化が困難な場合はメタン化等の再生利用にするよう求めています。

 明らかにこの方針の中では、食品廃棄物の再生利用の順位を明確に位置づけています。そして、エネルギー利用や焼却による熱利用の安易な再生利用に歯どめをかけています。このことは、生ごみの再生利用に取り組む上でも留意すべき重要な点だと思います。

 また、環境省も本年1月に、廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針で、2Rの重視、こういう方針を出しています。まずは発生抑制、ごみになるものを出さないようにする、そして資源化や再利用化を進める、売電を含めた熱回収はその後の手段とする、このように言われています。

 そういう点で、松本クリーンセンターも建設から17年がたち、通常言われています20年という耐用年数が迫ってきています。しかし、今、全国的には延命化を図るということで計画的な改修等が実施され、今では30年あるいはそれ以上使うというケースがふえております。松本クリーンセンターでもそういう対策をとったとしても、あと10年余りということになります。恐らく数年先ぐらいには今後どうするのかという議論も始まってくることになるでしょう。そういった点も考えれば、松本市の今後のごみ処理問題、これから本当に重要な時期にさしかかってくる、そのように思います。

 そういう点でいって、本当に松本市のごみの対策、思い切った発想の転換、ここで私は松本市もごみの焼却はしないと、そういう方針を持つべきではないかと考えますが、見解をお聞きいたします。



○議長(犬飼信雄) 土屋環境部長。



◎環境部長(土屋雄一) 〔登壇〕

 松本市は、既に発生抑制や再利用という2Rの推進を重点に進めていくこととしており、残さず食べよう!30・10運動を初め、新たに飲食店や宿泊施設などを対象に、「残さず食べよう!」推進店・事業所認定制度を開始しております。

 今後は、事業所向けにごみ分別のパンフレットを作成し、配布する予定ですので、その中で生ごみなどの食品残渣を含んだごみの減量、分別、再資源化の促進を図り、食品小売業や外食産業などに周知してまいります。

 一般家庭の生ごみについても、先ほど述べましたように、水切りの推進、堆肥化講習会、生ごみ処理機購入の補助制度、あるいは環境学習など、さまざまな手法で生ごみの減量に一層努めてまいります。

 議員提案のごみの焼却をやめるということは、できる限りごみの発生を抑え、再生利用することの延長線上にあると理解しております。全てが資源化され、燃やすものがなくなるということは、一つの理想的な形であると思いますので、このことは将来に向けての研究課題とし、まずは発生抑制、再生利用を一層徹底し、焼却ごみの減量化に力を注いでまいりたいと考えます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 焼却しなくてもよくなるというのは大変理想的だと、しかし、現状ではごみの減量を進めていくということでした。しかし、私は、既に全国でそういう先進例があるわけですから、それをぜひ進めていくということが大事だというふうに思います。

 そこで、もう一つ、志布志市に続いて視察をしました福岡県の大木町、この取り組みを少し紹介したいと思います。

 この大木町は、全国2番目にゼロウエイスト宣言をした自治体です。もともと燃やさなくていいものは燃やさないという方針を持っています。そして、ごみの再資源化を進め、本年度中にはごみの焼却・埋め立てをしないところまで取り組みを進めようということで取り組まれています。

 大木町も生ごみの分別収集を行って、ここではし尿や浄化槽汚泥とともにバイオガスプラントで発酵させて、液肥、液体の肥料をつくっています。年間6,000トン余りを生産し、田畑に散布をしています。液肥は無料で、散布車や運搬車は町が購入して、散布は有料で行っていると。地元農家の皆さんにとっては、安くて、そしてまた非常によい肥料ということで、生産が間に合っていない、そういう状況があると聞きました。

 また、大木町では、ごみゼロを目指す一つの取り組みとして、平成23年10月から紙おむつの分別回収を行っています。当然汚物は取り除いていただき、専用の袋に入れて出すという形で再利用すると。これら全体で29分別をしています。かなり多くて、住民の皆さんにとっては大変と言えるこの分別ですが、行政だけの思いだけではなく、やはりここでも十分住民の皆さんに説明をし、そして理解をしてもらう、そういう形でこの大変な状況も克服をしてきたと言われておりました。

 この2つの自治体の取り組みは大変教訓的だと私は感じました。こういう取り組みを松本市はどう考えるか、どう受けとめるかということだと思います。難しい問題だからということで、まだ先へと送ってしまうのか、しかし、問題は多いが、ここで頑張ってみようとチャレンジしようとするのか、まさにこれが市の姿勢の問われるところかと思います。

 この2つの自治体、子供たちの未来が危ない、また、これ以上子供たちにツケを残さない、こういう形で物を大切にする心が人を大切にする心にもつながっていく、そういう強い思いを持った、また、その思いを一貫して通したそういう職員の方が頑張ったと、そのことも経験としてお話を聞いてまいりました。まさに、こういう行政の姿勢が今、必要ではないでしょうか。

 現状では、ごみ処理をしなくてよい時代がいつになるかわかりません。現実に進めているこういう自治体をぜひ参考にして、次へのステップへ松本市としても一歩踏み出すことをお願いして廃棄物行政の質問は終わり、次の質問に移ります。

 障害者施策について。

 障害者総合支援事業の充実についてお聞きをいたします。

 平成25年4月1日、それまでの障害者自立支援法が障害者総合支援法と改定されました。障害者総合支援法による総合的な支援は、自立支援給付と地域生活支援事業で構成をされていて、地域生活支援事業は主に市町村が担うということになっております。

 そういう中で、最近、障害者支援団体や家族の皆さんから、市内では障害者支援の施設がまだまだ十分ではない、何とか改善してほしいという要望がありました。その中でも特に、重症心身障害児者が困っていると聞いております。

 そこで、本市における重症心身障害児者のための施設、日中活動を支える施設としての生活介護、放課後児童デイサービス、そしてまた日中一時支援の事業所の整備状況、また利用状況についてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 お答えをいたします。

 平成28年8月現在の松本市内の施設数、延べ数でございますけれども、生活介護事業を行っている施設が16カ所、放課後等デイサービス事業を行っている施設が8カ所、日中一時支援事業を行っている施設が16カ所でございます。

 次に、利用者の状況でございますが、毎月の平均利用者数で生活介護事業が116人、放課後等デイサービス事業が36人、日中一時支援事業が95人でございます。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 箇所数や利用人数もございました。しかし、この広い松本市域では、やはりこれでは足りないのではないかなというのが率直な思いです。

 この新たな障害者総合支援法の基本理念の中には、「全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられること」ということが入っております。この点から見て、現状はどうでしょうか。

 私は、まだまだこの部分は不足している、そのように思っておりますが、この現状を市としてどのように認識しているのかお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 お答えをいたします。

 平成18年に障害者自立支援法が施行され、サービス体系が再編されて以降、介護系サービスのほか、障害者の自立に向けた訓練等を行う就労系サービスを提供する施設を含め、市内においても施設数は年々増加し、身近な地域で日中活動ができる環境が整ってまいりました。

 しかし、日常の相談やケースワーク業務などにおいては、緊急時等の短期入所、ショートステイでございますが、そういったサービスについては重症心身障害者の方を受け入れる施設は不足している状況にあると認識をしております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 介護系また就労系の施設はふえてきているけれども、重度心身障害者の方の受け入れは不足している認識はあるということでした。やはり、これは、松本市として対応しなければいけない問題だということを申し上げて、そこで次の質問に移りたいと思います。

 障害者活動支援センターの開設についてであります。

 重度障害の方の中でも特に呼吸器をつけているような、そういう重度障害のある方への対応が今強く求められております。今、市内でもそういう方々に対応できる施設が少ない、これは先ほど来申し上げているとおりであります。特に入浴ができる、そういうことは対応ができていないという状況があるようであります。

 そういう中で、お隣、安曇野市に安曇野市社協障害者活動支援センターほっぷライフというものがあります。ここでは、生活介護、放課後等デイサービス、日中一時支援を実施しております。就学前の子供さんから高齢の方までが利用しております。各年代が交流もできるような、まさに安心して使える施設であります。

 私は、このような施設が松本市にはないということから、安曇野市と比べても、残念ながら支援環境では差があるのではないかと思います。重度の方、特に医療的ケアを必要とする障害者の皆さんの受け入れ状況、受け入れ体制は今どんな状況にあるのか、その点についてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 受け入れ体制についてお答えをいたします。

 議員ご案内のほっぷライフは、安曇野市社会福祉協議会が県の指定を受けて運営している施設で、生活介護、放課後等デイサービス、日中一時支援事業を提供しております。これに対して、松本市でも同様のサービスは、中信松本病院やささらの里など、医療や社会福祉法人、民間事業者がほっぷライフと同様のサービスを提供している状況にあります。

 特に、医療的ケアを伴う重症心身障害者の受け入れ先としましては、生活介護を行うささらの里を初め3カ所の障害者施設のほかに、医療機関として中信松本病院ではデイサービスやショートステイを行っているほか、城西病院では介護者の病気や休養のためのレスパイト入院の受け入れも行っております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 今、答弁がございました。生活介護で3施設、また中信松本病院も行っているということでございました。

 しかし、中信松本病院の施設は時間が非常に短いということで、遠くから来て利用するには使いにくいということがあります。また、ある民間の施設では、学校を卒業した後も受け入れはしていただけるんですが、もう既に満員であるということで、きょうはあっち、あすはまた別のところへ行くというような形で、まさに日がわりという形で対応している方もいらっしゃる、そのように言われておりました。

 できるだけ身近な場所で支援を受けられること、このように基本理念でうたわれてはおりますが、残念ながらこの24万人都市の松本市の中では、そういった施設が十分ではない、このことは明らかだと思います。

 やはり今、松本市として、この松本市内に医療的ケアを必要とする重症心身障害者の皆さんの要望に十分対応できる施設が必要ではないでしょうか。設置方法はさまざまあろうかと思いますが、ぜひ松本市内に設置が必要だと思いますが、今後の取り組み、またその方向性についての見解をお聞きいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 施設整備に対する見解についてお答えをいたします。

 先ほどお答えしましたとおり、本市にも医療的ケアを必要とする重症心身障害者を受け入れる施設が整備をされております。中信松本病院では3人、ささらの里では7人、梓荘では10人など、市外に居住される方も受け入れております。

 市内にも施設整備をというご提案でございますが、医療的ケアを必要とする重症心身障害者の支援については、施設整備よりも各市町村や障害福祉関係者が共通に抱えている課題がございます。それは、県において、平成26年に医療的ケアが必要な方を含めた重症心身障害者及び通所サービスを提供する事業所を対象に、全県的に生活実態等の調査を行い、ことし1月に調査結果をまとめましたが、事業所側からは、看護職員の不足、受け入れ範囲拡大のための資金不足等の課題が挙げられております。

 このため、県内各圏域から出された障害福祉に関する共通課題について検討を行う長野県自立支援協議会の中にも、福祉関係者や医療機関、関係者を構成員とした重症心身障害者の方への支援について検討を行うワーキンググループが設置され、松本圏域からも代表者が参加し、圏域及び県レベルでの現状の課題と支援体制づくりについて検討が行われているところであります。

 先ほども触れましたように、障害者福祉サービスは、市町村を超えた広域的な利用がされているほか、障害福祉に関する相談支援体制も3市5村による広域的取り組みを行っていることから、施設整備・充実などの問題は広域的な課題として、県や自立支援協議会での検討内容を踏まえ、圏域市村と協議を進めていきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 答弁をいただきました。なかなかすぐには進まないということでありますので、1点、より現実的な支援策について、次の問題としてお聞きをいたします。

 現実に松本市内に住んでいらっしゃる方がほっぷライフにも何人か通っている。その中で送迎の負担が大変に重いという声があります。そういう中で、こういった通所施設、その送迎体制の現状、今、市内ではどのようになっているのか、まず現状についてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 施設への送迎体制についてお答えをいたします。

 通所の施設においては、国の送迎にかかわる報奨制度を活用して、それぞれの事業所が送迎体制を整備しております。しかし、人員体制や送迎範囲の問題、またご家族のご意向等で親が送迎しているケースもあると伺っております。

 なお、ご家族が病気等で送迎できない場合には、市として障害福祉サービスの移動支援事業の利用を認めるなど、状況に応じて個別に対応をしております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 移動支援事業もあると言われました。確かに緊急時、また月に1回程度であれば、そういった利用も可能かと思いますが、しかし、現在困っている皆さんは、週に1回、2回、そういう必要があるということですので、やはりそういった皆さんの負担を軽減する、そのことが今、本当に求められていると思います。

 そういった点で、送迎の負担を抱えている家庭の皆さんの負担軽減策として、松本市としての取り組み、何か支援策はできないものか、その点についてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 丸山健康福祉部長。



◎健康福祉部長(丸山貴史) 〔登壇〕

 お答えをいたします。

 先ほどお答えしましたとおり、障害者の外出を支援するサービスとして実施している移動支援事業は、日常的な通所・通院等における送迎手段としての利用は、家族の病気等、一定の要件のもとに認めておりますが、移動支援事業の利用要件等については、現在、長野県自立支援協議会に設置された移送・移動の課題を考えるワーキングにおいて検討されておりますので、その結果を踏まえて弾力的な運用を図ってまいります。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 今後の問題という形で弾力的な運用も図っていきたいということでした。ぜひ市民の皆さんの負担軽減が少しでも早く実現できますように独自の取り組みも求めて、この質問は終わりたいと思います。

 最後に、市営住宅に関連して質問をいたします。

 入居条件の緩和ということであります。

 まず、連帯保証人に関連しましては、現在、1名の連帯保証人でも応募ができるという状況がありますが、1年半前からそういう形で要件変更がされておりますので、その現状についてお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 小出建設部長。



◎建設部長(小出光男) 〔登壇〕

 お答えします。

 松本市は、市営住宅の入居に必要な連帯保証人について、議員ご質問の中にございましたが、平成27年4月1日に規則を改正しまして、制度の緩和を行いました。

 少し内容を説明いたします。原則として、連帯保証人は2名必要ですが、市内に居住し、入居者と同程度以上の収入を有する方で、入居者の3親等以内の親族であれば1名とすることができ、入居者の負担軽減を図りました。

 その結果、変更後から本年8月までの新規入居者及び入居者の名義変更に伴う連帯保証人の届け出数は、全体で126件あり、このうち連帯保証人1名による届け出が66件、2名による届け出が60件となっております。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 1名の連帯保証人の入居者のほうが多いということでした。この点で改善は進んでいるかと思いますが、しかし、まだこの入居条件はさまざま課題を抱えております。

 今回、もう一点、連帯保証人の納税状況についてということで、市営住宅では税金の滞納がないことが条件になっていますが、県営住宅にはこの条件はありません。そこで、県と同じような対応ができないものかお聞きをいたします。



○議長(犬飼信雄) 小出建設部長。



◎建設部長(小出光男) 〔登壇〕

 お答えします。

 市営住宅の入居に係る連帯保証人には、入居者が家賃を滞納したときに、本人にかわって支払いをしていただく重要な責務がございます。この責務を果たしていただくためには、国民の義務であります、納税をしていただいていることが連帯保証人としての最低限の要件であると考えておりますので、この要件につきまして緩和する予定はございません。

 以上でございます。



○議長(犬飼信雄) 南山国彦議員。



◆28番(南山国彦) 〔登壇〕

 難しいということでしたが、しかし、そのことによって入居したくてもできない方がいらっしゃる、そういうことも事実でありますので、やはりこの点は県営住宅とはかなり差があるのは事実ですので、その点の改善を求めて、私の全ての質問を終わりとしたいと思います。ありがとうございました。



○議長(犬飼信雄) 以上で南山国彦議員の質問は終結いたします。南山国彦議員は自席へお戻りください。

 この際、お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、明13日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行したいと思います。これにご異議ありませんか。

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(犬飼信雄) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。

 本日の会議はこれをもって散会いたします。

 お疲れさまでした。

                              午後4時38分散会