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長野県 松本市

平成25年 12月 定例会 12月10日−03号




平成25年 12月 定例会 − 12月10日−03号









平成25年 12月 定例会



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          平成25年松本市議会12月定例会会議録

                 第3号

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           平成25年12月10日(火曜日)

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             議事日程(第3号)

                    平成25年12月10日 午前10時開議

 第1 議案第27号 市有財産の取得について(市道7817号線改良事業用地)

 第2 請願第17号 「特定秘密保護法」の廃止を求める意見書提出についての請願書

 第3 市政一般に対する質問

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出席議員(31名)

      1番  田口輝子          2番  上條美智子

      3番  上條 温          5番  村上幸雄

      6番  中島昌子          7番  太田典男

      8番  小林あや          9番  阿部功祐

     10番  小林弘明         11番  上條俊道

     12番  犬飼信雄         13番  山崎たつえ

     14番  忠地義光         15番  宮坂郁生

     16番  村瀬元良         17番  吉江けんたろう

     18番  芝山 稔         19番  宮下正夫

     20番  熊井靖夫         21番  柿澤 潔

     22番  青木豊子         23番  近藤晴彦

     24番  草間錦也         25番  太田更三

     26番  南山国彦         27番  白川延子

     28番  赤羽正弘         29番  大久保真一

     30番  増田博志         31番  中田善雄

     32番  池田国昭

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説明のため出席した者

  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男

  総務部長      高山 満   政策部長      大石幹也

  財政部長      島村 晃   危機管理部長    青木敏和

  市民環境部長    武井保典   健康福祉部長    渡辺 明

  こども部長     福嶋良晶   商工観光部長    寺沢 健

  健康産業・企業立地担当部長    建設部長      上條一正

            平尾 勇

  城下町整備本部長  浅川正章   上下水道局長    丸山悦男

  病院局長      熊谷賢一   教育委員長     斉藤金司

  教育長       吉江 厚   教育部長      川上一憲

  行政管理課長    小出光男   秘書課長      小原直樹

  政策課長      宮川雅行

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事務局職員出席者

  事務局長      栗原信行   事務局次長     市川英治

  次長補佐兼議会担当係長      次長補佐兼議会担当係長

            牧垣孝一             逸見和行

  主査        金子 稔   主査        滝澤 修

  主査        出羽沢千曲  主任        高橋千恵子

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               本日の会議に付した事件

 議事日程(第3号)記載事件のとおり

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                             午前10時開議



○議長(太田更三) おはようございます。

 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。

 最初に、報告事項を申し上げます。

 市長より議案が1件提出されております。

 また、請願及び陳情がそれぞれ1件提出されております。お手元にご配付申し上げてあるとおりであります。

 陳情につきましては、所管の総務委員会に回付しておきます。

 なお、12月2日に総務委員会に回付いたしてあります陳情第5号 「特定秘密保護法」制定に反対する意見書提出についての陳情書は、提出者からの申し出により取り下げになっておりますのでご承知願います。

 本日の議事は、日程第3号をもって進めます。

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△日程第1 議案第27号



○議長(太田更三) 日程第1 議案第27号を上程いたします。

 提案理由の説明を求めます。

 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 ただいま上程されました市有財産の取得についてご説明申し上げます。

 これは市道7817号線改良事業用地として、和田地籍の土地1,654.39平方メートルを2,531万2,167円で取得しようとするものでございます。

 このたび当該土地に係る土地売買の仮契約の締結が行われましたことから追加提案をさせていただくものでございます。

  以上ご説明申し上げましたので、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。



○議長(太田更三) ただいま市長から上程議案に対する説明がありました。

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△日程第2 請願第17号



○議長(太田更三) 日程第2 請願第17号を上程いたします。

 内容につきましては、請願文書表第2号によりご承知願います。

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△日程第3 市政一般に対する質問



○議長(太田更三) 日程第3 昨日に引き続き市政一般に対する質問を行います。

 順次発言を許します。

 最初に、7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 おはようございます。

 質問の機会をいただきましたので、新風会を代表して、熊井議員とともに私見を交えて質問をいたします。

 私の質問は、梓川3ダムの貯水による洪水シミュレーションの作成についてであります。

 この問題は、平成23年東日本大震災を受け、現在までに何人もの議員が質問に立ち、ダム決壊のシミュレーションを作成すべきではないかとただしたのですが、梓川ダムは安全だからシミュレーションの実施は必要ないということで、この問題はもう終わったことと思い込まされているような印象がするわけでございます。

 しかしながら、市民の間、特に梓川下流域の市民の皆さんからは、ダムは絶対安全だから決壊のシミュレーションをやる必要がないというのは納得ができない。東日本大震災を初め、近年の大規模災害では想定外のことが数多く起きているではないか。市は大勢の市民の命にかかわる問題であるということをもっと認識してほしいという声が強く寄せられています。

 先般、波田地区で行われた市長が出席してのまちかどトークにおいても、この問題がイの一番に出されました。これは27ある波田地区の町会長さん方があらかじめ話し合って決めたテーマだということです。町会長さんが「万一ダムが決壊した場合、どの段まで逃げたらいいのか、シミュレーションの作成について前向きに検討してもらいたいと以前から要望しているが実現していない。市も梓川3ダムは安全だと思っているのかどうか」と質問されました。

 それに対して、青木危機管理部長は「梓川3ダムは、河川管理施設等構造令に適合したものになっている。例を挙げると、阪神・淡路大震災のときも、建設後100年もたっている布引五本松ダムも壊れなかった。国土交通省は新しいダムの安全指針をつくったが、梓川3ダムはそれに照らして安全であるとなった。本市としては、国の新しい指針をクリアしたことで安全であると思っている」というような答えでありました。

 それに対して、町会長さんは「安全性があると言われても、東日本大震災では想定外のことが起きている。シミュレーションの作成を前向きに考えていただきたい」と再度要望しました。

 それに対して、青木危機管理部長は「ダムが決壊するほどの大規模地震発生時は、周辺の他のところも大規模損害を伴い、地域全体の被害想定も行わなければ、浸水範囲、高さ等を想定できない。そういう前提になる条件がわからないので、シミュレーションのやりようがない」というような答えをしておりました。

 さらに、町会長さんは「それなら一番厳しい被害想定を設定してシミュレーションをやってもらいたい」とお願いをしました。それに対する青木危機管理部長の答えは、「現段階では難しい」というにべもないものでありました。一瞬会場には失望と無力感が漂ったのを感じました。

 しかし、この問題は子々孫々に至るまでここに住んでいる限り永遠に消えないテーマです。このまま仕方がないと諦めてしまっていいのかどうか、最後まで諦めずに何かできることはないか、議員の立場でぎりぎりまで努力すべきだと思い、再度市政檀上に立ったものであります。

 何とぞ真意をお酌み取りいただき、真摯に向き合っていただくようお願い申し上げます。

 さて、この梓川3ダムの洪水シミュレーションの問題は、東日本大震災直後の6月定例会で近藤議員、小林あや議員、吉江議員、それに私との4名の議員が、それぞれダムが決壊するということはあり得ないことではない。想定外のことが起こり得る。決壊を想定したシミュレーションを作成し、備えるべきではないかとただしたことから始まりました。

 続いて同年9月定例会、同年12月定例会、翌平成24年2月定例会、同年9月定例会、平成25年2月定例会と実に9人の議員が延べ12回にわたり質問に立っております。この問題の重大性がうかがえます。

 ただ、議員側は梓川ダムが安全であるかないかの議論でなく、想定外の事象が起こり洪水になった場合のシミュレーションの実施を迫ったのに対して、市側は梓川ダムの安全性について答弁するなど、議論がかみ合わないままこの問題はもう終わったことという印象が強いわけですが、少なくても本議場では市としても明確な見解は示されておりません。9人の議員が12回にもわたり取り上げた問題です。市としてもっときちんとした対応があってもいいのではないかと思うわけであります。今のままでは、市民の目にはうやむやにされてしまったとしか映っていないわけです。9人の議員が12回にわたり議論をしておりますので、主な議論は出尽くしていると思いますが、決して終わった問題ではないと思います。

 そこで、私はここでこの間の議論を定例会会議録によって整理してみたいと思います。そうすることによって論点が明らかになれば、その中から行政の責任においてやらなければならないことは何か、市民の安全のために行政は今どのような行動をとるべきなのか、それらが浮かび上がってくるのではないかと思うからであります。

 また、市民の皆さんに2年半にも及ぶ議会での議論を順序立てて知っていただくことにより、市民の皆さんの判断の一助になればと思うからでございます。会議録を詳細に見ていきますと、幾つかの新たな疑問も出てまいりましたし、市当局に対して改めてたださなければならない問題もありました。

 まず、この問題が最初に取り上げられた平成23年6月定例会では、想定外の事態に備えた洪水のシミュレーションの作成を求めたのに対して、市の答弁は「そうした市民の皆さんのご心配の声が市にも届いている。そこで、設置管理者である東京電力株式会社へ3ダムの状況について説明を求めた。その結果、3ダムの安全性については、以前から設計、施工の段階で十分な対策を施してあり、万全な安全対策を期している旨の回答があった」と答弁しております。

 また、東京電力株式会社では、決壊のシミュレーションについては、梓川3ダムに耐震性があり、マグニチュード8クラスの地震動調査でも安全に問題がないことから行わないとのことである」と答弁しております。要するに、この部分では東京電力株式会社の言動を伝えただけで、市としての考えは何も言っておりません。市としての考えをはっきりと言っているのは、次の答弁です。それは、「市としては、このシミュレーションの実施については、治水、河川管理などにかかわる問題であり、国家レベルで検討すべき課題だと考えている」と、これについてはまさに明快、一刀両断の裁きを下しております。要するに、このダムの問題は東京電力株式会社と国の問題だと言わんばかりです。いざというときには命の危険にさらされる私たち住民は、市から見放されたような冷たい言葉に感じられ、大変悲しい思いをしたことでございました。

 ただ、市もそのことに気づいたのか、それに続けて、「しかしながら」として、「市としても、国・県等の関係機関、また、大学の有識者からダムの安全性についての見解をお伺いし、今後の対策に生かしてまいりたいと思っている」と答弁しております。この最後の二、三行の答弁に、私たちは一縷の望みを託したのでございます。

 続く9月定例会では、宮下議員、上條美智子議員、池田議員がそれぞれダムが安全であるかないかの議論ではなく、想定外の決壊が起きた場合のシミュレーションを行い、それに基づいて地域防災計画を見直すことが必要である。また、シミュレーションの実施は東京電力株式会社に対して要請するだけでなく、市独自で専門家や有識者による検討組織を設け実施すべきだ」と市の姿勢をただしております。それに対して、市の答弁は「ダム決壊を想定したシミュレーションについては、当事者の責任として行うよう東京電力株式会社へ再度要請する。市としても、関係機関や大学の有識者にシミュレーションを含めて見解を伺っていく予定だ。地域防災計画の見直しについては、その後の結果と考えている」というものでした。

 この答弁を見ると、前回6月と比べ市の姿勢は、決壊を想定したシミュレーションは必要であるという方向にかなりふれてきたように感じられます。

 次の12月定例会では、我が会派の犬飼議員が質問に立っております。犬飼議員は「この梓川3ダムの問題については、市の答弁は一貫してマグニチュード8でも安全は確保されている。また、シミュレーションについては、東京電力株式会社に働きかける。また、市でのシミュレーションは、治水、河川管理にかかわる問題であり、国家レベルの検討として地域住民への説明責任を要請する。さらには地域防災計画の見直しをしないとか、東日本大震災や本市を直撃した震災の対応に比べ歯切れの悪い対応、対策に映ってならない」とずばり核心を突く感想を述べております。その上で犬飼議員は「市はこれまでの答弁で、引き続き東京電力株式会社へ市民への適切な情報公開などを要請するほか、大学関係機関等の見解を伺うとしているが、その後の進捗状況はどうなっているのか」をただしています。

 これに対する市の答弁は「10月に東京電力株式会社に対し、ダム決壊を想定した資料の作成及びその開示を本市から依頼したが、ダムは安全であるからダム決壊を想定した資料の作成は行わないという以前からの回答と同じであった」というものでした。また、ダムについてのその後の取り組み状況ということで、「10月に千曲川河川事務所から見解を伺った」として答弁していますが、それによりますと、「1つは、地域全体の被害想定も合わせてシミュレーションを行わなければ、浸水範囲、高さ等を想定できないこと。2点目に、全国にも、国にもこのような動きはないこと。3点目として、国として当該ダムは3年に1回定期検査を実施し、適正な管理を実施しているかどうかチェックしていること。この3つの理由によって決壊シミュレーションは行わないということであった」と答弁しております。

 続く平成24年2月定例会では、現在議長を務めておられる太田更三議員が質問に立っております。太田更三議員は「梓川3ダムに関する1年間の議論を踏まえ、3.11東日本大震災の状況を見るにつけ、このダムについても、ああいうことが起きはしないかと心配している。ダムの沿線の皆様にはどういうふうに逃げたらいいのか、あそこへ逃げろ、あそこまで逃げろというふうにしっかりと話をすべきだと思う。市民が健康で安全で安心して暮らすことができるまちづくりを政治姿勢としてきた菅谷市長の責務であると思うがどうか」とただしております。

 これに対して、当時の早坂危機管理室長は「奈川渡ダムの決壊を想定した検証、シミュレーションについては、昨年12月定例会において、犬飼議員へ市の取り組みをお答えした以降も、当事者の責任において行うよう東京電力株式会社へ要請を行ってきている。この再度の要請に対する東京電力株式会社の回答は、ダムの決壊を想定した資料の作成は行っておらず、ダムの安全性を継続的に確認していくとのことであった」と答弁しております。また、「東京電力株式会社では、奈川渡ダム周辺の山からの地すべりが起きた際のダムへの影響、例えば越流について調査を実施中であり、まとまり次第、市へ報告してもらうことになっている」と注目すべき答弁をしております。

 続く同年9月定例会では、再び犬飼議員が質問に立ち、さきの2月定例会において、この太田更三議員への答弁の中で明らかにされた奈川渡ダム周辺の山からの地すべりが起きた際の越流についての調査について取り上げ、現在の進捗状況はどうなっているのかただしています。これに対して、平成24年度組織改正により、危機管理室は危機管理部となりましたが、牧垣危機管理部長は「東京電力株式会社からの報告として、ダム貯水池への流入土砂量は詳細な調査の結果、崩落規模が約10万立方メートルと確認された。この約10万立方メートルについて、地すべりによるダムの越流シミュレーションを実施したところ、下流への越流はないとの報告をいただいている」と答弁をしております。さらに「なお」として、「松本砂防事務所へ確認したところ、国土交通省が公表した明治以降の深層崩壊の痕跡はないとの回答であった」と述べています。

 以上、平成23年6月定例会から平成24年9月定例会までの1年間以上にわたり、各議員がそれぞれの切り口から想定外の事態に備え、ダム決壊のシミュレーションを行い、それに基づいて防災計画や避難計画を立てる必要があるのではないかとの意見を述べたのに対して、今日までの市の対応は、答弁を見る限りでは、「シミュレーションは当事者の責任において行うよう東京電力株式会社へ要請した」、あるいは「大学の有識者から意見聴取をする」とは述べているものの、市みずからの責務として市民の安全のためにどのような困難も切り開いていくという気概が感じられないわけでございます。どちらかというと、梓川ダムは絶対安全だ。だから、シミュレーションなどは必要ないという、東京電力や国の言い分をあたかも代弁するかのような答弁ではないかと感じられた次第でございます。

 この問題は、近年の自然災害の大規模化の前に安全神話は崩れ去った。ダム決壊などの想定外の事態に備える必要があると、9名もの議員が12回にもわたり異口同音に主張しているのであります。この事実は大変重いものだと思います。市当局は、この重みの認識に欠けているのではないかと思わざるを得ないわけでございます。

 この問題の質問が始まってから既に2年半という時間が経過しているにもかかわらず、市民の目には何の進展もないように映っております。また、市の議会での答弁を聞いていると、東京電力株式会社や国の言い分だけを述べているだけで、市の姿勢が見えないとの声が聞かれ、市の主体性のなさを批判する声も聞かれます。

 そこで、市が答弁の中で述べている東京電力株式会社やダム関係機関の市への回答について、市としてはどのような見解を持っているのかお伺いしたいと思います。

 まず、東京電力株式会社に対し、ダム決壊を想定した資料の作成及びその開示を再三にわたり本市から依頼したが、東京電力株式会社では、地震発生時に万一ダムに損傷が生じ、その拡大が想定される場合は、水位低下措置を行うこと、近傍の活断層で想定されるマグニチュード8クラスの地震動を考慮しても、貯水機能を損なうことはないことを確認していることなど、以前からの回答と同様の理由により、ダムの決壊を想定した資料の作成は行わない旨の回答があったということですが、私たちはダムの安全性について議論をしようと思っているわけではありません。要は、防災意識の問題です。近傍の活断層の状況から、最高でマグニチュード8の地震を想定しているわけですが、その想定を上回る地震が起きる可能性があるのかないのかということについても、また、ダムに損傷が生じても水位低下措置を行うから、貯水機能を損なうことはないということですが、水位低下措置が正常にできなくなることが起こる可能性があるのかないのかということについても、科学的・物理的範疇で捉えるのではなく、防災意識という範疇で捉えて、そんなことは起こるはずがないではなく、そういうことも起こり得ると考え、対策を行うことが必要であると思うわけです。それが、阪神・淡路大震災や東日本大震災から私たちが学んだことだと思います。防災意識の変革が必要であるということです。

 以上、私の考えを先に申し上げましたが、この東京電力株式会社の回答について、市としてはどのような見解をお持ちかお伺いします。

 次に、国土交通省の機関である千曲川河川事務所は、3つの理由を挙げてシミュレーションは行わないと言明したということですが、まず1つは、ダムが決壊するほどの大規模地震発生時は山崩れ、段丘の崩落、河川、橋梁、道路、住宅など周辺の大規模損害を伴い、地域全体の被害想定も合わせてシミュレーションを行わなければ、浸水範囲、高さ等を想定できない。だから、シミュレーションはできないということです。

 このような考え方で、今後起こることが予想される想定を超えるような大災害に備えることができるのでしょうか。大規模地震が発生すれば、山崩れ、段丘の崩落、河川、橋梁、道路、住宅など、周辺の大規模損害を伴うことは可能性として当たり前のことで、それらを想定しなければ、大災害に備えることなど初めからできるはずがないと思うわけです。

 冒頭申し上げました波田地区のまちかどトークの折にも、青木危機管理部長からこれと同趣旨の答弁がされましたが、これに対して、町会長さんは「それなら、最も厳しい状況を想定してシミュレーションをやってほしい」と要望しておりました。当然のことだと思いました。

 次に、2点目に、ダム決壊のシミュレーションについては、東日本大震災後も国にこのような動きはなく、現段階で国として新たな指針等に基づくダムの安全性検証を行う動きにはなっていない。だからやらないということですが、これにつきましては、千曲川河川事務所としては、そのように言うのはある程度仕方がないとは思います。しかし、千曲川河川事務所は、現在、万一洪水が発生した場合でも、洪水被害をできるだけ少なくするために、事前に情報を提供するソフト面の対策が重要だということで、千曲川、犀川において、100年に一度程度起こる大雨によって堤防が壊れた場合のシミュレーションを行い公表しております。まさに、その姿勢を今回の梓川ダムからの洪水シミュレーションにおいても貫いていただきたいと思うわけです。規模の違いはありますが、考え方は同じだと思います。

 3点目として、国として当該ダムが3年に1回定期検査を実施し、適正な管理を実施しているかどうか現場でチェックしている。だから、やる必要がないということです。ダムの安全管理がきちんと行われているだろうということは想像もできますし、信じたいと思います。

 しかしながら、今なお住民に塗炭の苦しみを与えている福島原発事故を見ても、原子力発電所の安全管理やチェック体制は、恐らくダムの安全管理やチェック体制の比ではないと想像されますが、それでも事故は起こったのです。絶対安全な安全管理やチェック体制といっても、もともと完全無欠などということはあり得ないということを、私たちは東日本大震災でまざまざと見せつけられたのです。

 自然の猛威の前には、幾重にも幾重にも重なる備えが必要だということは、阪神・淡路大震災や東日本大震災から私たちが学んだことです。大災害に備えるためには、そんなことが起こるはずがないと思うのではなく、想像力をたくましくして、そういうことも起こり得ると思うことが必要であるということが、阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て防災専門家から言われるようになりました。防災意識の変革です。

 私は、この千曲川河川事務所の見解を聞いて、ある防災研究者が全国の自治体に向けて発信した言葉を鮮明に思い出しております。以前にもこの場で申し上げたことがありますが、この言葉こそこれからの防災を考える上での基本であると思っている言葉です。

 ある防災研究者とは、阪神・淡路大震災の防災研究で知られる、元消防庁消防大学校消防研究センター所長の室崎益輝先生のことです。先生は現在、関西学院大学教授を務められ、内閣府中央防災会議専門調査会委員として活躍されておられます。

 室崎先生の言葉です。「阪神・淡路大震災では、震度7の地震など起こるはずがないと思い込んでいたことが、対策の空白や手抜きを生み、無防備で無抵抗な状況をつくり出した。このことから、最悪の場合にも備えること、想定外の事象にも備えること、未経験の危機にも備えること。こうしたことの大切さを、私たちは阪神・淡路大震災から学んだ。起こり得る危機を予見する創造力と柔軟性を身につけることが求められる」と、このように訴えておられます。

 まさに、住民の安全を守る大きな責任を負っている自治体のすべての関係者が肝に銘じて片時も忘れてはならない言葉だと思います。この言葉を、私たちはこの梓川3ダムの決壊シミュレーションをめぐる問題においても、教訓として生かすべきだと私は思います。

 ましてや、私たちはこの阪神・淡路大震災に続いて、さらに厳しい東日本大震災を経験したのです。室崎先生がこの言葉を阪神・淡路大震災から学ぶべきこととして全国の自治体に発したのが、平成22年10月です。東日本大震災が起きたのは、翌年の3月11日です。室崎先生の訴えが生かされないまま、私たちは再び大災害に見舞われ、多くの人命を失ってしまったのです。私たちは、この室崎先生の訴えを真摯に受けとめなければならないと身にしみて思うところでございます。

 そこで、お聞きしますが、市はダムの決壊シミュレーションは国家レベルの課題だとしています。確かに、1級河川の管理は国の役割で、そのとおりだと思います。しかし、地域住民の安全を守る責任は、地方自治体にあります。ですから、市としては、梓川ダムについては、一日も早くみずからイニシアチブをとって、当事者である東京電力株式会社を巻き込んで、洪水が起きた場合のシミュレーションの作成に努力するとともに、長期的には、市として国に対して全国のダムを対象に、ダムの安全管理の徹底とともに、ダム貯水による洪水シミュレーションの作成を制度化するように要請していくべきだと思いますが、見解を伺います。

 次に、我が会派の犬飼議員への答弁で、牧垣危機管理部長は「東京電力株式会社は、奈川渡ダム周辺で地すべりが起きた際の越流について調査を実施中であったが、流入土砂量は詳細な調査の結果、表層部の堆積土砂の崩落規模が約10万立方メートルと確認された。この約10万立方メートルについて、地すべりによるダムの越流シミュレーションを実施したところ、奈川渡ダム堤体において最高約2.1メートルの波が到達するが、ダム天端よりも2メートル下であるため、下流への越流はないとの報告が平成24年8月29日にあったと述べています。

 しかし、その5カ月前の平成24年4月10日の信濃毎日新聞には、「東京電力株式会社松本電力所によると、同社は平成22年度から全国のダム周辺で地すべり地形の分布図をもとに調査を進めていたが、この調査で奈川渡ダムの貯水池右岸側で地すべり地形の大きいことが判明。平成23年度から業者に依頼し、現地の地質調査も開始、非常に強い揺れがあった場合は、実際に地すべり発生の危険があり、238万5,000立方メートルの土砂が流入する可能性があることがわかってきたという」と報じられております。これが平成24年4月10日の記事です。

 ということは、少なくても平成23年度以降、詳細な調査を始めて以降、平成24年4月初めまでは、流入土砂の量は238万5,000立方メートルと東京電力株式会社は認識していたことがわかります。

 ところが、それから5カ月もたたない平成24年8月29日の市への報告では、「平成23年度以降詳細に調査した結果、貯水池への流入土砂は10万立方メートルであることがわかったから、10万立方メートルでシミュレーションを行った」と松本市へ報告してきたということです。まるでキツネにつままれたような気分です。

 地すべりによる越流シミュレーションを行うというのに、最も基本的な前提となる流入土砂の量を、短期間のうちにみずから公言していた238万5,000立方メートルを10万立方メートルに減らして行うという、普通ではとても考えられないことです。この238万5,000立方メートルというのは、流入土砂に深層崩壊の可能性を入れていたものと推測できます。それを実際のシミュレーションの実施では、深層崩壊の可能性を排除し、表層部の堆積土砂10万立方メートルとしたものと思います。

 国土交通省が平成24年9月10日に公表した深層崩壊の痕跡調査は、深層崩壊発生の危険性が特に高いと考えられる地点を5キロメートル四方ごとの地図にまとめたものです。それによると、奈川渡ダム貯水池右岸地区という限定した場所にはなかったということで、北アルプス全体を見ると、4段階評価で最も危険性が高い地点が多かったとされています。

 平成24年9月11日の信濃毎日新聞には、「北アの痕跡特に多い」と報じられております。奈川渡ダム貯水池右岸地区というふうに場所を限定すると痕跡はないということですが、やはり奈川渡ダム周辺も含む北アルプス地域は、深層崩壊の危険性が大きい地域であるということは間違いないわけです。

 また、今回の調査は、明治以降の痕跡に限った調査であります。明治以降に限ってみれば、奈川渡ダム貯水池右岸地区には、深層崩壊の起きた痕跡はなかったというものです。しかし、明治以降といっても、150年にも満たない時間です。地層の生い立ちの歴史から見たら、瞬時と言ってもいいほどの時間です。そのわずかの間に深層崩壊がなかったからといって、その場所ではこれからも深層崩壊は絶対に起きないと言えるのでしょうか。その周辺は深層崩壊の危険が特に多いとされている地域であるということを考えると、そのようなことはどうしても信じられないわけでございます。

 市として、この東京電力株式会社の報告をもって地すべりによる越流は起きないと考えるのかどうかお伺いします。

 以上、1回目の質問とします。



○議長(太田更三) 青木危機管理部長。



◎危機管理部長(青木敏和) 〔登壇〕

 梓川3ダムに関する3つのご質問にお答えをいたします。

 まず、東京電力株式会社が決壊を想定した資料の作成は行わないとしたことへの本市の考えについてでございますが、ダムの安全性につきましては、3ダムが現在のダムの設計基準に適合していること、この基準により設計されたダムは、これまでの大地震でも貯水機能に影響を与える損傷を受けたことがないこと。また、東京電力株式会社は、阪神・淡路大震災後、ダム周辺の活断層より想定されるマグニチュード8クラスの地震でシミュレーションを行った結果、貯水機能に問題がないことを本市に報告しており、太田典男議員が言われましたように、これらのことを議会の場や広報で説明をしてまいりました。

 しかし、本市としては、ダムの安全性の確認について引き続き東京電力株式会社に対して要請を行い、その後、同社は、国土交通省が平成17年に示したダム地点において考えられる最大級の地震を想定する新たなダム耐震性能の照査指針に基づく調査を実施をいたしました。新しい指針に基づく評価の結果は、大規模地震により局部的にひびが入る可能性があるが、ひびは修復可能であり、大規模地震の後も水をため続けることができるというものですが、この評価は全国的にも実施された例が少ない中での取り組みであり、東京電力株式会社は得られた評価結果を社外学識経験者による評価委員会での審議を受け、昨年11月、安全性を確認した旨を本市に報告しました。したがって、ダムの決壊を想定したシミュレーションは行われておりません。

 本市はこの結果を市民に丁寧に説明し、理解を得るよう要請し、同社はマスコミに結果を発表するとともに、町会連合会等への説明を行っており、このことにつきましては、本年2月議会でもお答えをしております。

 2つ目の国へのダムの安全管理の徹底、洪水シミュレーションの制度化等の要望につきましては、以前国からは先ほど太田典男議員が言われましたような見解を得ております。また、現実に新しい指針による調査を呼びかけております国土交通省自身が管理するダムでも、新しい指針による調査は3割程度にとどまっているとの報道もされております。

 したがいまして、国で制度化というご提案は最もよいことだと考えますし、本市としてもそのように考えるわけですが、当面は国の動向を見てまいりたいと考えております。

 3つ目の奈川渡ダム湖への地すべりによる土砂の流入に関することについてですが、ご質問の土砂流入量の数字の違いは、東京電力株式会社が平成22年度の事前の概略調査の段階で推定した数字と、その後、平成23年度に地質専門家による詳細な地すべり可能性調査を実施した結果、確認された数字の違いと認識しております。東京電力株式会社では、地すべりの可能性があるとされた部分14カ所にGPS測量による計測を行っており、本市としても、引き続きその結果やダム湖周辺の状況を注視してまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 それぞれご答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。

 梓川3ダムの安全性について説明がありましたが、梓川ダムが国の基準、指針を満たしており、その限りでは安全であるということはわかりました。ただ、有識者の間では絶対安全だという見方とは異なる意見もあります。

 2011年6月14日の信濃毎日新聞には、東京電力株式会社の3ダムは絶対安全であるという説明に対する地質学専門の大塚勉信州大学教授の談話が掲載されておりました。大塚教授は「国がきちんと調査している活断層はごくわずかだ。梓川沿いには梓川断層群があり、3ダムの周辺にある断層は、活断層の可能性が高い。それがずれれば、ダム本体に被害が出ることも考えられる。」また、大塚教授は「国内にはアーチ式ダムの決壊例がないといっても、できてから40年から50年しかたっていない。一方で、地震の再来周期は数百年単位だ。まだ自然災害の洗礼を受けていないだけだと考え、対策を立てることが必要」と述べています。

 さらに、大塚教授は「梓川流域は、過去に何度も大規模な斜面崩壊が起きており、ダムそのものが損傷する災害より、斜面崩壊による越流によって引き起こされる災害のほうが起きる可能性が高い」とも述べております。

 このように、3ダムの安全性には疑問を呈する専門家もおられるわけです。絶対安全の声ばかりに耳を傾けるのは、間違っているのではないかと思います。

 繰り返しますが、私たちは梓川3ダムの安全性について議論しようとしているのではありません。現段階では想定できない何かが起こり、3ダムの貯水が洪水となってダム下流を襲ったと仮定して、そのときの避難計画を立てるためにシミュレーションを作成してほしいということです。

 ダムの安全性とは別の問題です。ダムはマグニチュード8の地震にも耐えられるようにつくってあるとかいう問題ではないのです。梓川流域は豊かな自然と肥沃な大地に恵まれ、私たちは日々幸せな生活を営んでいます。しかし、ふだんは気にもとめないのですが、私たちの頭上には諏訪湖2杯分を超える水がせきとめられているという現実があるのです。その水が何かの原因で大洪水となって襲ってきたときに、みずからの命を守るためにふだんから持っていなければならない心構えの問題です。ダム貯水が洪水となって流れ下ることはあり得るという前提と、洪水の範囲、洪水の速さ、到達の時間、浸水の範囲、浸水の深さ等をふだんから知識として、そして心構えとして持っているかいないかの違いは、まさに生死を分けることになるわけです。このことをしっかりと認識していただきたいと思うわけであります。

 ただ、市として、梓川ダムの安全性の確認について引き続き東京電力株式会社に対して要請を行ってきたということですが、このことは洪水シミュレーションの問題とは別に、今後も引き続きしっかりとやっていっていただきたいと思います。

 次に、洪水シミュレーションの制度化を国へ要請することについてですが、市はそれが最もいいことだという認識を持っているということをお聞きしました。ダムは、治水や利水のために全国に建設されています。そしてそれらのダムの多くが国民の豊かな生活を支えております。

 しかし、それらのダムの直下に暮らす住民の皆さんは、ダムによる災害の危険を突然抱えることになったわけです。ですから、そのダムの建設を認めた国には、そのダムの安全管理に責任を負わなければならないと同時に、万が一の洪水に備える責任もあると思うわけです。洪水シミュレーションの作成は、洪水の被害をできるだけ少なくするための有効な手段です。したがって、ダム建設を許可した国が責任をもって行わなければならないのは、当然のことであると思います。当面は国の動向を見たいではなく、直ちに実現のための行動を起こしていただきたいと強く要望をいたします。

 次に、地すべりによる越流は起きないとする東京電力株式会社の市への報告に対する見解についてですが、平成22年度の概略調査の数字と平成23年度以降の詳細調査の数字の違いということですが、信濃毎日新聞の記事とは矛盾するように思います。

 いずれにしましても、私は単なる数字の違いではなく、防災に対する意識の違いに思えてなりません。越流に関しては、これも決壊と同じくあり得る、いや、あり得ないの議論になってしまうわけですが、ダムの越流について過去の事例を調べてみますと、地すべりによる越流で大災害を引き起こした事例があります。

 この事故については以前にも申し上げましたが、それは1963年、昭和38年です。2,600人の死者を出したイタリアのバイオントダムの事故です。記録によりますと、1963年10月9日、左岸の巨大な岩塊が貯水池に秒速30メートルで滑落、それによりダムの貯水はダム天端100メートルの高さで一瞬にして越え、洪水の波は70メートル以上の高さで下流数十キロメートルにもわたる村々を全滅させた。死者は2,600人にものぼったと記録されております。

 そして注目すべきことは、このような巨大な越流にも、ダム自体は最上部が津波により損傷しただけでほとんどダメージはなかったということです。このことは、ダム自体のある意味では安全性を証明した結果になったとも言えるのではないかと思います。

 また、逆にダム自体は強固で安全であっても、結果としてこのような大災害は起こり得ることを証明したとも言えると思います。そしてこの事故について、事故の責任を問う裁判が行われ、8人の関係者が有罪となりました。注目すべきはその罪状です。それは住民を避難させなかったこととなっています。

 この事例から考えると、梓川3ダムにおいても、ダムが決壊するというような直接ダム本体に起因する洪水でなくて、何らかの外因によって洪水が起きた場合も、関係者には住民を避難させなければならないという責任が生ずるということだと思います。ましてや、住民から洪水から避難するために洪水のシミュレーションを作成してほしいと再三にわたり要請されているにもかかわらず、それをしなかったというのは、このバイオントダムの事例に照らせば、住民を避難させなかった責任を問われることにもなると思うのですが、どうでしょうか。仮に法的な責任は問われなくても、道義的責任は免れないと言えると思います。

 このことから、このたびの梓川ダムの問題も、ダムの安全性の議論とは別の次元で、想定外の事象によってダム貯水による洪水が起こったとき、住民を避難させるために洪水シミュレーションを作成するという考え方に立つことはできないでしょうか。

 私たち議員も当初からダムの安全性について問題にしているわけではありませんし、また、東京電力株式会社も絶対安全なダムにしようと命がけでつくったダムに対して、みずから決壊のシミュレーションを行うということは、酷ではないかという覚えもするわけです。そうであるなら、地震によってダムが決壊した場合という前提ではなく、想定外のこと、これは想像すれば幾つかあると思います。深層崩壊や山体崩壊もそうですし、火山の噴火もそうですし、巨大隕石の衝突もあるかもしれませんし、とにかく想定外の事象が起こり、梓川3ダムの貯水が一気に洪水となって下流に押し寄せた場合という、新たな前提で洪水のシミュレーションを市がイニシアチブをとって、ダムをつくって貯水している東京電力株式会社を巻き込んで実施するよう提案したいと思いますが、ご見解をお伺いします。

 次に、もう1件質問をさせていただきます。

 市は平成24年2月定例会で、我が会派の太田更三議員への答弁で、「市としても、梓川流域の皆様の不安は十分に認識しており、市としてのシミュレーション作成等について、現在土砂災害については京都大学防災研究所、大規模構造物の安全性については信州大学工学部土木工学科の先生方の意見聴取を進めており、その上で調査研究の依頼をしてまいりたい」と述べていますが、このことについて、その後の進捗状況についてお伺いします。

 2回目の質問を終わります。



○議長(太田更三) 青木危機管理部長。



◎危機管理部長(青木敏和) 〔登壇〕

 洪水シミュレーションに関します2つのご質問についてお答えをいたします。

 まず、地震によるダムの決壊ではなく、何らかの想定外の事象が起こり、3ダムの貯水が越流した場合のシミュレーションというご提案につきましては、仮にあれだけの貯水量について洪水の想定を行うのであれば、一般論として言えば、なぜそのような越流が起こるのか、何が原因でどのようにして起こるのかということが重要であり、具体的な災害発生要因や条件を設定する必要があります。その設定条件が論理的なものでなければ結果も論理性を欠くことになり、意味のないものになってしまいます。

 したがって、ご心配の気持ちも十分理解できるわけですが、ご提案につきましては、客観的な想定が非常に困難であると考えております。

 次に、ダム決壊のシミュレーションについて、大学等へ意見聴取を行った結果でございますが、ダムの決壊想定について大学の研究者や専門家からは、実施する上では説明責任を果たせる十分な根拠を持った前提条件や発生確率を想定して行う必要がある。そのためには、大規模な被害が想定される大型地震に対しては、国家レベルの検討がなされてきた。梓川3ダムの決壊想定も、同程度の慎重さが必要と指摘をされております。このことは、平成24年5月の議員協議会の資料にもお示ししてございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 ご答弁をいただきました。大学の研究者や専門家からの指摘ですが、決壊のシミュレーションを実施する上では、十分な根拠を持った前提条件や発生確率を想定して行う必要がある。国家レベルで検討がされてきた大型地震と同程度の慎重さが必要ということです。

 市の決壊シミュレーションの作成に対する姿勢が、平成24年2月定例会の答弁に比べ、今は非常に消極的になっているように感じられるのは、この指摘のためではないかと私は想像してしまうのですが、しかし、この指摘が理論的に幾ら正しくても、それは梓川下流域の住民の皆さんの思いとかみ合わないのです。住民の皆さんは東日本大震災、また、福島原発事故を目の当たりにして、あのような想定外のことがここにも起きるかもしれないと大変な心配を抱くようになっているのです。そして、そのときにはどのようにして避難したらいいのか真剣に考えようとしているのです。この住民の立場に立って考えるという部分が欠落しているように私には思えるのです。

 時間がなくなりましたので、最後に一言だけ申し上げます。

 新たな前提で洪水のシミュレーションを作成したらどうかという私の提案は、どうやら一顧だにされなかったようですが、私は梓川ダムは私たちの暮らしにとってなくてはならない、大変大切なダムであるという心からの感謝の気持ちを持っています。特に私は農業をなりわいとしているものですから、私たちの農業が今日あるのは、このダムのおかげであるということをだれよりも知っているつもりです。だから、ダム設置管理者である東京電力株式会社の全面的な協力を得ながら洪水シミュレーションを実施できれば一番いいと思い、このような提案をするに至ったわけでございますが、真意が通じなくて残念です。

 市民の安全を守り、市民の命を守ることは、行政として最も重要な責務です。災害は待ってくれません。起きてしまった後で責任を云々しても、失われたものは二度と返って来ません。直ちに誠意を持って取り組むことを要望し、質問を終わります。



○議長(太田更三) 以上で太田典男議員の質問は終結いたします。

 続いて、20番 熊井靖夫議員。



◆20番(熊井靖夫) 〔登壇〕

 まず、今12月定例会から、本議場におきまして国旗・市旗が掲揚されるようになりました。ごらんのとおりであります。議場の雰囲気が一段と引き締まり、改めて議員としての責任を痛感しているところでございます。請願を提出していただきました市民の皆さんに、改めて感謝を申し上げる次第でございます。

 国旗に対する私の感想を一言言わせていただければ、まず、国旗・国歌に対する敬意を払う、これは国際的儀礼であり、国際社会に生きる基本的なマナーであると考えております。その基本的理念を念頭に、地方議員といえども国家への忠誠と全体の奉仕者としての自覚と責任を持つべきものと考えるものであります。

     (「それは違うよ」と呼ぶ者あり)

 また、国の法律を遵守し、国や社会全体の利益に配慮して、住民の福利向上のために尽くす議員たることを改めて痛感するものであります。

 太田議員に続きまして、新風会を代表しての一般質問を私見を交え、通告に従い始めさせていただきます。

 本日、私の質問は4項目でございます。通告には大項目のみの掲載でありましたので、最初にその4項目の要点を説明をさせていただき、質問に入りたいと思います。

 まず、「市の財政指標、健闘、目立つ」という記事が10月末の報道にありました。市民の皆さんも興味深くごらんになったことと思います。財政構造の弾力性を示す経常収支比率等が全国の都市の中で上位となっているというものでありました。菅谷市政の量から質へとの方針のもと、その成果があらわれていることを示すものであろうと思われます。どのような経過をたどっての効果があらわれているのか、今後の将来にわたる投資的経費をどう捉えているのか、将来必要な改築時期が必ずややってまいります。市庁舎を含め市全体の財政的マネジメントをどういう形で構築していくか、1問目に質問をしてまいります。

 次に、次世代交通政策については、次世代交通政策の新しい交通体系によるまちづくりビジョンが示されました。次は実行計画へと移るわけでありますが、どのような形を市民に示していくのか、また、市民に何を伝えていくのか質問する予定でありましたが、昨日の芝山議員の質問と完全に重複してしまいました。重なってしまっても、市政の重要な課題であることを踏まえ、私は既存鉄道敷の利用をどのような形で取り組みをされていくか等、私なりに質問をしてまいります。

 次に、今まで数多くの議員の質問がありましたイオンモール出店計画であります。今回も4人の質問で重複している部分が多々あります。昨日の上條温議員、芝山議員の質問に全て尽きるわけでありますが、それだけ私も含め皆さん危機意識をお持ちなのかと思うところであります。私は、松本の歴史ある数多くの店舗、そのようなものがどうなってしまうのか、心配の余り田舎育ちの私としての質問をさせていただきます。

 最後の質問は、私も今までヘルスバレー構想については質問をさせていただいておりました。過日、その一環としての世界健康首都会議が開催されました。その経過、今後の見通し等について質問をさせていただき、一歩、あるいは二歩前進されたのか、具体的に営業成績が上がっているのかお尋ねをしてまいります。

 この質問につきましても、昨日の芝山議員とほとんど重なっておりますので、重複した部分はご容赦願いたいと思います。

 それでは、最初の質問に入ります。

 松本市の投資的経費の捉え方でございます。

 経常収支比率が向上し、健全財政を維持しているとの報道を受けて、先ほど言いました菅谷市政の量から質へとの基本理念の転換がこのような形としてあらわれている成果なのかなと思うところではあります。

 基金に関しては、平成24年度最終におきまして32基金で296億5,000万円弱と、参考に平成21年度は170億円弱となっております。毎年増加しております。それで黒字の額が多ければ多いほどいいというものではもちろん違います。自治体とすれば、仕事をするために税金をいただいている。それを有効に使うための義務があるのではないかと思います。黒字の額は、自治体の財政を順調に運営していけるだけあればいいというのが一般常識であります。それが具体的にどれくらいということは、一概に決めることはできないと言われている中で、首長の判断になってくるものもありましょうし、予算がないとの理由で先送りする物件もあります。選択と集中による経費投入も考えなければ、行政としての経済対策は実を結ばないのではないかと危惧をするものであります。これからは、黒字の幅を少なくするような対策を財政当局、市長に判断を仰ぎたいと思っております。

 さて、松本市は総合計画等により実施計画を策定し、計画的に事業を進めていることは評価しているところでございます。そこで、松本市全体の社会基盤施設の老朽化の進展に対し、施設の状態把握やそれぞれの状態に合わせた補修・実施計画の策定が部局横断的に行われ、全体像として捉えているのか。橋梁の長寿命化計画、学校施設の計画的改修等については、今まで説明を受けているところでございますが、松本市全体の把握をどの部署にて把握し、マネジメントを行っているのか、お尋ねをいたします。

 まず、昨年度質問しました橋梁の長寿命化修繕計画の進捗状況について、そして30年大規模改修の対象物件、これから発生します60年経過の建てかえ計画の実数、30年、60年の節目における考え方、改築計画の指針は出されているのか、お尋ねをいたします。

 先ほど言いました建築物の建設時期等の平準化が求められているゆえに、マネジメントが必要となってくるものと思っております。その維持管理業務を支える社会資本管理システムがアセットマネジメントと言われております。そのような管理システムを導入し、社会基盤施設を管理していく必要があると思うところであります。松本市として、その見解をお伺いいたします。

 今の実施計画は、各課よりの積み上げによるものであると思われますので、やはり総合的観点からの検証が必要となるでしょう。松本市の中期的な財政見通しの試算を見ると、市税等はやや横ばいに推移をするが、交付税におきましては、平成28年度には約15億円の減少になると予測を立てております。その減収分は人件費、扶助費、公債費、物件費に回らず、普通建設事業費の圧迫となる予測であります。

 しかし、都市計画税、固定資産税は社会基盤整備に使われるものであり、交付税が減ったからと言ってしわ寄せがくるものではないという思いであります。今回、この点は指摘しておきたいと思います。ゆえに、投資的経費を総合マネジメントとして平準化する対策をとるように話をさせていただいているわけであります。今蓄えているそのための基金であり、市として経済対策であろうと思っております。これは経済が活性化してこそ仕事ができる環境を、行政としてできる体制を整えることが将来の都市像として掲げている健康寿命延伸都市が生きてくるものと考えております。また、経済的ゆとりをもって心豊かな気分でウオーキングができるものと私は思っております。

 中長期の財政見通しの中で、松本市としてのまちづくりがこんな形で推移をしていくんだ、そしてそれを財政面的に市民に知らせることが重要な視点であると思われます。そのような視点をも考慮しての見解をお尋ねいたします。

 今回、この財政の質問は、坪田副市長を思い描きながら考えておりました。12月1日、島村財政部長が就任されました。会計・財政の生え抜きの新部長から、一皮むけた新たな感性の答弁がされるよう期待をしております。

 なお、前安達財政部長におかれましては、早い段階での回復を願っております。

 次に、カタクラモール再開発について質問をいたします。

 昨日の答弁により、市の考え方が示されました。昨今マスコミにもたびたび報じられております。世間でも「大きなショッピングセンターが来れば、松本変わるな」「いや、そんな大きな店が来れば、松本の店はどうなるのか」等々いろいろなうわさが飛び交っております。また、議会でも何回かこの件につきましては、本会議において質問と答弁がされております。私も新聞報道の記事の切抜き、また関連の書類がふえてまいりました。昨日の上條 温議員、芝山議員の質問、答弁のことはまず置いておきまして、きのうまでの私の気持ちをまずお話をさせていただきたいと思います。

 店舗面積等詳細は発表されていない状況でありますが、松本商工会議所の推計によりますと、イオンモール株式会社の方針の「開発者の最大の責務は集客力の向上、収益力の向上にある」をコンセプトに基づき、それを考慮しますと、平日2万人、休日5万人、売り上げは250億円、駐車台数2,500台以上、現在は850台であります。モール自体が1つの大きなまちと予測されております。その建物規模は現カタクラモール、パルコ、アリオ、井上を合算した規模を予測しております。これは推測の域を出ておりませんが、平成28年秋オープン予定とのことでありますので、大規模小売店舗立地法によりますと、県への届け出は8カ月前、その時点には規模等明らかになることではありますが、いつの時期に松本市の考えに沿った計画が示されるのか、心配しながらも興味を持って見守るしかないのかなと思っておりました。

 適正規模の店舗、渋滞のさらなる悪化、これが今回のキーワードであろうとの思いを持ちつつ、どのような店舗展開がされるのかなと危惧を持ち続けておりました。そのオープンまでの間精力的に折衝を続けていただき、松本市、行政がリーダーシップをとっていただくしかないのかなと思っておりました。

 しかしながら、大型ショッピングができてイオンモールに人が集まり、イオンモール株式会社が示しているごとく松本市のさらなる発展、地域経済の活性化に寄与し、新たなコミュニティ空間を創出することになりますが、さて、私の住んでいる河西部方面から鳥瞰しますと、伊勢町、神明町、本町等の通りのお店はどうなるのか心配せずにはおられません。

 そんなことを考えながら質問をしようとしておりました。昨日、お二人の見識ある示唆に富んだ質問により、12月3日の市長とイオンモール株式会社の岡崎社長との会談において、けさの新聞報道にもありましたように、「松本の皆さんが心配しているような巨大モールはつくらない。観光型モールとして、シニアの旅行ニーズを満たすショッピングにする。シニアを満足させるには本物志向であること、地元の農畜産物、酒、ワイン、工芸品、家具等が並び、地元の飲食店が入るモールとする。有名ファッションブランドと言われる店は基本的には入れない」との話し合いがもたれ、トップ会談として良好な関係を築く、そのことができたとの説明がございました。

 紳士的な会談をされたことに対して失礼なことになるかもしれませんが、また、水を差すようではありますが、性善説で考えますと、今まで心配されていたことはほとんどクリアする、こんな印象を持ったのであります。果たして……との心配は計画が発表されるまで封印ということになるでしょう。しかしながら、松本にイオンモールがどのような形になるかは今はわかりませんが、共存共栄ができる関係は親しくつくり上げなければならないと思います。

 さて、もう一つの懸念についてお話をさせていただきます。

 ここ40年ぐらいで幼少時代との隔たりはかなりありますが、1つ、行きも帰りもコタケ、僕とパパとママの店一平、そんな愛着のある風情が今後言われなくなり、なくなるおそれがあると危惧を持つものは私だけでしょうか。そんな風情がいわゆる松本らしさであると感じております。私たち田舎育ちのものからすると、いまだにまちへ下る、おい、まちへ行くよと言って合図にしております。わずかではありますが、昔の感覚、風情が残っているためなのでしょうか。いや、これは市街地への憧れであります。

 郊外に住む田舎のものにとって、それではまちって何なんでしょう。農休みにまちへ買い物に、井上の食堂で中華そば、ひと一倍のにぎわいのある神道祭、あの寒いときの飴市、今、私は昭和30年代を思い起こしております。田舎にないものがまちにあったんですよね。時代は変わろうと、そんな風情のある松本市として、さまざまな人々との出会い、交流から古いものを引き継ぎ、新しいものが生まれる場としてのまちを目指していかなくてはならないとつくづく感じております。松本市独自の魅力を生かし、市街地として松本市の暮らしや文化を支える松本のまちとして商業のあるべき姿を考え、より魅力的商都松本を目指す必要があります。

 今まさに、商都松本が壊されようとされている感じがしております。私どものステータスシンボルとしてのまちをどうするのか、市としての施策をどう考えているのか、この件に関しては、まちに対する私の、田舎育ちの私として見解を伺いたいと思います。

 昨日の芝山議員の質問に対して、まちを歩く人を自分の店に呼び込み、顧客となってもらう魅力を個店の自助努力によって創出し、大型店の進出にも左右されない店づくりが個人商店にできるのでありましょうか。まちづくりの観点から質問をさせていただきます。

 次に、適正規模については、市としての数字を交渉段階で提示する用意があるのか、今までの議会答弁の中では具体的数字は示されていませんでした。数字を示して交渉をすることをしないと、抽象論にて終始する危惧を抱いております。その点いかがでしょうかという質問をしようと思っておりましたが、会談で良好な関係を築くことができたとのことでありましたので、今後の交渉段階で検討していただくようお願いをしておきたいと思います。

 渋滞対策についてかなり心配している一人として、そのことにつきましては、先方はどのような考えを持っているか、今までの交渉で明らかになっているかも尋ねるつもりでありました。それは大規模小売店舗立地法の届け出前に、事業者と松本市が情報を共有し、出店に伴う交通量が既存道路の交通量に合った適正規模の開発になるよう対応していくとのことでありました。しかし、計画内容が明らかになっていないため、不安は決して解消されません。だれが責任をもって渋滞対策を行うのでしょうか、疑問を呈しておきます。

 そんな中、そんな毎日渋滞するところなんか行く気にもならないという人もおりました。松本が壊れてしまう、改めてそんな危惧も抱かざるを得ません。本当に適正規模の地域特性を生かした開発ができるか心配するところであります。法的にクリアすれば、開発事業者の計画どおりとなるでしょう。

 お話を伺うに、県の勧告により4万8,000平方メートルが2万6,000平方メートルとなった事例が昭和甲府市でありました。松本市も県と歩調を取っているようでありますが、どの程度の規模であれば許容範囲なのか、算定方法については難しい面があろうかと思いますが、市としてのこれからの心意気を示していただき交渉に当たっていただきたいと思います。

 この再開発を私は否定する気持ちは毛頭ありません。今までのカタクラモールとしての商圏を維持し、カタクラモールとしての今までの地域貢献を熱望している一人であります。

 次に、次世代交通政策について質問をいたします。

 この件につきましても、昨日の芝山議員と完全に重複してしまいました。

 さて、私なりに質問をさせていただきます。私も崇高な松本市としての理念はでき上がりました。さて、これからの行動は実行計画であります。次世代交通政策の基本的な進め方の中で、平成25年度は実行計画の策定と示されており、ソフト・ハード面、実施体系、制度、財源について進めますとあります。

 そこで、この実行計画をどういうものにしたいのか質問をする予定でおりました。昨日の答弁でほとんどお答えをいただいております。その点は重複を避けていきたいと思っております。

 そこで、次世代交通政策の中で、それでは何を市民に対してわかりやすく説明していくのか、あわせて市民に何を伝えたいのか、はっきりさせる必要があろうと思います。この点について、新しい交通体系によるまちづくりビジョン策定後、35地区内の町会や関係団体に説明を行い、意見交換を行ったとありました。ビジョンの説明を行い、次世代交通政策を効果的に進めるため、主に3つの取り組みを進めることとし、その1つは実行計画の策定。2つ目はゾーン30の設定、パークアンドライド、公共交通など具体的事業の先行実施。3つ目は、市民との情報共有に取り組むとありました。松本市はどのような方向性を持って次世代交通政策を進めていくのか、実行計画に示すつもりがあるのかお尋ねをするものであります。

 今言ったことは、理念であります。松本市は少子高齢化の進む中、これまでの自動車利用を見直し、歩行者、自転車、公共交通を優先するまちづくりを掲げております。

 例えば自動車の利用を見直します。このことにつきましては、パークアンドライドでJRのこの駅の利用者が多いようでありますから、この駅をパークアンドライドとしてさらに拡張し、皆さんに利用していただき、自動車利用を減らしていただけますかとの提案をもって説明会を行い、これが市民に対してわかりやすく説明するということになると思います。

 次世代交通体系の考え方は、さきのビジョンに策定されており、将来の松本市はこのように変わるんですと説明することが、市民に何を伝えたいのかということになると思うのであります。そんな点を含めお伺いをいたします。

 最後に、松本ヘルスバレー構想と健康産業の育成についてお尋ねをいたします。

 ことし4月に健康産業・企業立地課を新設し、平尾担当部長のもと健康産業に対して本格的、専門的分野として各種施策展開を図る取り組みが始まりました。菅谷市長の肝いり並々ならぬ意欲を感じるところでありますが、改めてその内容、評価はいかがかお尋ねをしてまいります。

 ヘルスバレー構想については、将来の姿を明確に描きながら、足元の地道な努力を続けていくという市長の決意を昨年9月にお聞きをしております。松本地域健康産業推進協議会が3年目、昨年は46団体で、ことしはふえて72団体と聞いております。信州大学研究推進部産学官地域連携課へ職員を派遣しているが、その連携、効果はいかがかお尋ねをします。健康産業フォーラムの評価はということで、昨日の答弁にもありました。

 次に、実証実験・実用化検証助成事業の成果として何が挙げられるかということで、これも昨日の芝山議員の質問にありました。

 それから、次に、工業ビジョンの見直しも行われ、医療、健康、福祉分野での産業育成もうたわれているが、地元企業の反応はどうか、その点についてこれはお尋ねをしておきます。

 そして世界健康首都会議が先月開催されまして、3回目となるこの会議、その成果、今後どのように発展し、それから具体的にヘルスバレー構想とどのような形で結ばれ、実績をどうつくっていくのか、また、今回は2日間の日程で開催され、産業中心から産業と健康づくりへ方向転換し、また、展示部門を開設しました。そのことにつきましては、昨日、説明を受けております。その成果、そして健康基盤の充実を図り、市民が直接参加する機会を提供するため、協議会会員に市民団体等を加えた実行委員会形式で開催するとして、市民参加を目標にしておりましたが、私も傍聴をしておりまして、市民参加が少なかったように見えました。これは掛け声倒れであったのではないかなと思いますが、それは今後の推移を見ることとして、そのような点を含め、今後の動向をどう捉え、市民を巻き込んだ熟成をどのように図っていくかお尋ねをして、1回目といたします。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 熊井議員の松本ヘルスバレー構想と健康産業の育成についてのご質問にお答えいたします。

 私が考える松本ヘルスバレー構想は、米国のシリコンバレーのごとく、単にIT産業の集積と雇用の創出によるまちの活性化を図るスタンスとは異なり、市民一人ひとりの健やかな自立した暮らしを産業がサポートするとともに、健康にかかわる人や情報、投資が集積されることにより持続可能なまちづくりを目指すものでございます。

 その実現を強力に推し進めるために、重要なことが2点あると考えております。

 1つは、新需要の創造に向け円滑なサポートを行うプラットフォームとしての松本地域健康産業推進協議会の機能を強化し、充実させることであります。新規に民間企業等が健康産業分野に進出する場合に、行政が計画段階から関与し、リスク負担の軽減など進出環境を地域全体で整えることが重要と考えております。

 もう一つは、健康産業や健康づくりなどに関する積極的な情報展開であります。国内外のさまざまな分野において第一線で活躍し、松本市の取り組みを高く評価してくださる皆様が一堂に会し、治療から予防へと意識や行動を転換させることの重要性や健康に重点を置いた都市づくりなど、先進的な取り組みを世界に向けて情報発信する、世界健康首都会議や健康産業フォーラムなどの活用が上げられます。

 まさに、今年度においてこの2つの歯車がしっかりとかみ合い、より具体的な健康産業の創出に向けて、芝山議員の一般質問に担当部長からお答えしたとおり、市民の目に見える形での成果が上がりつつあり、着実かつ大きな一歩を踏み出したと認識しているところでございます。今後は20年、30年先の松本ヘルスバレーの目指す将来の姿を明確に描きながら、引き続いて地道な努力を重ねていく覚悟でございます。

 具体的な取り組みにつきましては、担当部長から答弁させます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 初めての登壇でございますのでよろしくお願いいたします。

 それでは、熊井議員の投資的経費の捉え方に対する2点のご質問にお答えいたします。

 まず、本市の黒字、基金、経済対策の状況についてでございますが、自治体の標準的な財政規模に対します黒字の状況を示す指標として実質収支比率があります。松本市は平成24年度決算で、その指標が2.3%となっております。これは県内19市の平均が3.6%であることから若干少なめではありますが、松本市のこの水準は、健全財政を堅持する上でおおむね適正な状況だと考えております。

 基金につきましては、熊井議員ご指摘のとおり、平成21年度から24年度までの間に約122億円増加しております。これは松本城南・西外堀復元事業などの大型公共事業が控えていること、加えまして普通交付税の減少が見込まれることなど、今後の行政需要への財源として積み立てたことによるものであり、今後、計画的に事業を推進するために活用することとしているものでございます。

 また、ご指摘の経済対策につきましては、平成20年度以降、国の経済対策に呼応するなど、総額437億円を超える経済対策を実施しておりまして、計画的な執行を行いながら臨機応変に対応してきているということとしております。

 引き続き、健全財政を堅持しながら機能的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。

 次に、社会基盤の老朽化への対応についてお答えいたします。

 松本市は各施設ごとに設定したそれぞれの基準に基づきまして、施設の改修や建てかえを計画的に進めております。主な施設を申し上げますと、小・中学校44校、公民館28館では、建築後30年経過したところで大規模改造を行い、60年経過したところで建てかえをすることを基本としております。加えまして保育園43園におきましても、50年を経過した段階で建てかえを検討するという基準で行っております。

 また、橋梁477橋につきましては、長寿命化計画に基づきまして、本年度から実施計画に取りかかっており、来年度からはその計画を実行に移すということとしております。

 このように施設の改修、建てかえの計画については、それぞれの担当部局が責任を持って策定した上で、庁内で行います実施計画において全体の整合を図り、計画に基づく改修等を実施しているところでございます。

 一方、熊井議員ご指摘のとおり、国の試算によりますと、全ての公共施設を単純に耐用年数を迎えるものから順次更新すると仮定いたしますと、2035年以降毎年不足が生ずることとなり、その後、25年間で約30兆円が国全体として不足することとなると指摘されております。

 こうしたことから、長野市を初めとした一部の自治体では、公共施設白書というものを策定して、今後の改修見込みを立てているという状況にあります。

 そこで、松本市はこれまで小・中学校の大規模改造や耐震化など他市に先駆けて改修計画を立てて取り組んできているところでございますが、熊井議員ご指摘のとおり、総合的観点からのマネジメントという視点に立ちまして、長寿命化や施設更新の事業費を平準化することも不可欠であると考えております。

 ご提案のいわゆるアセットマネジメント等によります公共施設の管理手法につきましては、検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 カタクラモール再開発の諸問題の「まち」についてお答えをいたします。

 本市は、松本城を中心とした城下町が政治、文化、経済、居住などを核として、その周辺を含め発展してきた都市であります。時の経過とともに都市が拡大してきた現在ではありますが、まち・中心市街地はその核としての魅力を保っており、松本の歴史を育んできた市民共有の財産です。

 カタクラモール再開発にかかわらず、まちをきちんと維持するということは、そこで暮らす人々の生活の質を高めるとともに、都市の魅力が向上し、来街者や定住人口がふえることにつながります。そのためにも、現在取り組んでおります松本城を中心としたまちづくりは、松本市全体の発展のための重要な施策であることから、積極的に取り組んでまいります。

 さらに、まちの維持発展のためには、中心市街地のあり方を示しました松本市の目指すまちの姿と開発計画に対する基本的な考えを市民、事業者、行政がそれぞれの役割を十分に承知した上で実行していくことが重要です。

 また、まちの中にはまちを代表する商店があり、商都松本を引っ張っていくためにも、今後も個店がさらに頑張っていただくことでその魅力がまちの魅力になり、松本市全体が発展していくものと考えています。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 次世代交通政策の実行計画に関するご質問にお答えをいたします。

 次世代交通政策実行計画の取り組みにつきましては、昨日の芝山議員のご質問にお答えいたしましたとおり、今年度は実行計画の骨子を策定することとしており、現在、都市交通の主要な要素である歩行者空間、自転車、公共交通、道路ネットワークのあり方などを実行計画の基本課題として位置づけ、専門家を交え横断的な庁内プロジェクトにより鋭意検討作業を進めております。

 この実行計画で市民の皆様にお伝えしたいことは、次世代交通政策は中心市街地にあらゆる世代の人々が集い、楽しく歩き交流するまちづくりを実現する政策であり、人が中心市街地に集まり、歩く仕組みづくりを交通という切り口から進めるものであるということでございます。その具体的方策について実行計画の中でお示しし、市民にわかりやすく説明、お伝えしていくことをしていきたいと考えております。

 人がまちに集まり、歩く仕組みづくりには、鉄道や路線バスなど利便性の高い公共交通システムを構築することが必要であり、中心市街地の公共交通だけを充実するのではなく、郊外と中心市街地を結ぶ市全体の公共交通のあり方を市民とともに考えながら構築していくことが必要でございます。

 この政策には市民の理解と協力が不可欠であることから、これまでにも市民の皆様と新しい交通体系によるまちづくりビジョンをもとに、松本市が目指す将来のまちの姿について意見交換を重ねてまいりましたが、今後もわかりやすい説明を精力的に進め、さらなる情報の共有化に取り組んでまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 平尾健康産業・企業立地担当部長。



◎健康産業・企業立地担当部長(平尾勇) 〔登壇〕

 熊井議員の松本ヘルスバレー構想と健康産業の育成についてのご質問に、市長答弁に補足してお答えをいたします。

 まず、松本地域健康産業推進協議会への企業等の参加状況ですが、熊井議員ご指摘のとおり、県内外の企業から参加があり、現在、72団体となっております。参加企業からは実証実験を行った2件を初め、介護予防、障害をお持ちの方の外出機会をふやす機器など新需要の開拓につながり得る提案が寄せられております。

 次に、信州大学研究推進部との連携でございますが、本市では平成16年から信州大学研究推進部に職員を派遣して連携体制を整え、信州大学のメディカルシーズ育成拠点事業についても、文部科学省への提案段階から健康寿命延伸都市構想との整合を図るなど、情報交換と連携に努めております。

 健康産業フォーラムにつきましては、本年度から取り組んだ事業でありまして、国の省庁の動向や民間企業の取り組みを紹介するもので、これまでに2回開催し、参加者から一定の評価を得ておるところでございます。

 実証実験・実用化検証につきましては、芝山議員のご質問にお答えをしたとおりでございます。

 新しい工業ビジョンに基づきその説明を兼ねて地域企業の訪問を行っておりますが、成長分野としての医療・健康・福祉分野への関心は高いものの、参入となりますと薬事法上の規制や開発に費やすコストや時間など躊躇する企業が多いというのも事実でございます。

 一方で、介護・福祉周辺分野の可能性や健康産業推進協議会の場を通じて、製品やサービスの開発の可能性を説明すると興味を示す企業も多く、1つの結果が協議会への参加企業の増加にあらわれているというふうに考えております。

 第3回目を迎えた世界健康首都会議では、これまでの産業中心から健康づくりの視点を新たに加え、2日間に期間を延長して開催をいたしました。参加された皆様から、各方面で日本を代表される方々が集まったこと、健康に重点を置いた都市づくりを進める先進都市の事例発表や参加企業のブース展示、体験コーナーの設置などに高い評価の声をお聞きをしています。松本に情報が集まり、松本から先進的な情報が発信されるという松本ヘルスバレー構想が描く情報の渦という点では、1つの形が実現したと考えております。

 世界健康首都会議は、2日で延べ600人が参加をいたしました。主ホールでは常に100人を超える皆様の出席がありましたが、展示ブースなどは初日に比べ2日目は入りが少なく、周知のあり方、展示ブースの魅力づくりなど、今後に向けて反省すべき点も多いと真摯に受けとめております。

 国際会議をうたいますと敷居が高いと感じる市民が多いと思われますが、本市が健康寿命の延伸に関して、世界に先駆けて取り組んでいる事実を市民の皆さま方にわかりやすく伝えるとともに、人や地域、経済の健康の重要性を考える身近な会議として、世界健康首都会議の意義をわかっていただく努力が重要と考えております。

 次年度につきましては、会議が同時通訳であることの周知、松本駅における横断幕やポスターの掲示、さらには出展者など関係者みずからが来場を呼びかける仕組みづくりなど、多くの市民の皆様にお越しいただけるよう一層工夫してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 昼食のため暫時休憩いたします。

 再開は午後1時といたします。

                             午前11時57分休憩

                             −−−−−−−−−−

                                 午後1時再開



○副議長(宮坂郁生) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 熊井靖夫議員の質問を続行いたします。

 20番 熊井靖夫議員。



◆20番(熊井靖夫) 〔登壇〕

 休憩に引き続きまして、あと残り21分質問させていただきます。

 今、元気にという声がありましたので、皆さん眠らないよう、私も元気よくいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 時間が迫ってきておりますので、2回目は早口でいきたいと思いますので、お聞き逃しのないようにお願いをしたいと思います。

 1回目に質問させていただきまして、2回目は、まずそれに対する感想を申し述べたいと思います。

 島村財政部長のほうからは、これから総合的観点からのマネジメントによる長寿命化、施設の統廃合、複合施設化等によって施設の更新の事業費を平準化することが不可欠であり、アセットマネジメント等による公共施設の管理手法について前向きに検討するという説明を受けました。

 いずれにいたしましても、これは全体的な把握の中で松本市の財政運営をしていただきたい、それで施設の管理もしていただきたいと、こんなことをお願いをしておきます。

 それから、現在の黒字額はおおむね適正であるという説明をいただきました。平成24年度の実質収支は、一般会計で13億1,000万円余、特別会計では27億5,000万円余となっておりまして、27億円等々積み、黒字になっております。それでこの黒字の中でありますが、今現在その黒字は松本城南・西外堀復元事業など大型公共事業があるゆえ、それらによって積み立てをしていくということであります。

 2点目の質問に入りますが、これからはそれを市庁舎改築、これが重要な課題になっていきます。この課題の予算をどうしていくかというのがこれから、先ほど言いました総合的マネジメントの中でやっていく、こんなことが必要になってくるかと思います。

 先ほど太田典男議員が一般質問の答弁の中でやりましたが、私も用意してきておりましたが、過去の答弁を省きまして、いわゆるそこに見えてくるのは、必要な時期にやっていくということで各答弁なされております。その中で、9月でしたか、若手職員によるお城を中心としたまちづくりプロジェクトの概要、研究結果が示されておりました。その中では、なぜか市庁舎についての、このまちづくりの中で位置づけがなされておりませんでした。よって、このまちづくりの中で市の考え、どんな形で今考えているか等々お話をお聞きしたいと思います。

 それともう一つ、近い将来、必ず先ほど言いました訪れる市庁舎改築であります。その財源対策として、私も平成19年に質問した折にありましたが、その基金をどういう形で積み立てていくか、私は改めて庁舎建設整備基金として積み立てるお考えなのかどうか、お聞きをいたします。

 現在、庁舎建設整備基金として3億2,300万円余の基金があることは承知しておりますが、具体的に庁舎建設整備基金として積み立てるお考えがあるかどうかお尋ねをいたします。

 次に、カタクラモールの再開発について。

 先ほど私の気持ちを発表させていただきました。私は今のまちが壊れる、いわゆるまちへ行こう、その松本を何とかして行政と民間の力で残していただきたい、私はこの一言でございます。先ほど上條建設部長の答弁がありました。ぜひ具体的に今度進めていただいて、松本のビジョンの中にきっちりとした形で入れていただきたい、これを願っておきます。

 それから、次世代交通政策で答弁をいただきました。いわゆる中心市街地は歩くまちづくりをしていくんだ、その仕組みづくりをしていくんだ、鉄道、路線バスなど利便性の高い公共交通システムを構築することは必要であると。また、中心市街地だけでなく、郊外と中心市街地を結ぶ市全体の公共交通のあり方を構築していくことが必要であるという答弁をいただきました。やはり郊外からのネットワークの充実を図ることが重要となることは明白であります。

 さて、そこで発想の転換は何か、きのうの質問にもありましたが、交通インフラは行政サービスなのか、その大事なところの発想転換が求められていると思います。このことは市長の判断、政治的判断になろうと思いますが、今後、この実行計画にどのように盛り込むか。私はこれからは鉄道、既存の鉄道があります。いわゆる上高地線であります。その上高地線の沿線には4万数千人の人が住んでおります。これは鉄道を使用できる環境が整えば、それだけの皆さんが鉄道に乗れることができる。現在、コミュニティバスが走って結節をしております。その人たちの足の利便も考え、交通政策に取り組んでいただきたい。こんなことを既存鉄道による次世代交通を根本的理念として捉えることを提案して、見解をお聞きいたします。

 ひとつ皆さんに紹介をさせていただきます。

 大正8年、筑摩鉄道株式会社創立趣意書がございます。その中で、最後になりますが、「すなわち筑摩鉄道の敷設は地方の為のみか、関係地方民の急務としてその必要性を叫び実行を企画する好機会に非ずや。この計画は、第1期として松本駅を拠点とし、松本市渚・東筑摩郡島立村・新村を経て波多村前淵に達するまで10里4分間を敷設し、尚新村停車場を起点とし、和田村・神林村・笹賀村を経て村井停車場に達する線路及び神林村にて分岐し、今井村を経て洗馬村に達する線路、及び波多停車場を起点として山形村・朝日村・洗馬村を経て塩尻停車場に達する線路に自動車を運転し、鉄道と相まちて河西部地方の交通問題を解決するにあり」というのが、県に出した趣意書の意味でございます。

 先人の思いは90年以上たち、今まさによみがえらんとしております。西部地区におけるバス等は走っておりますが、JRとの乗り継ぎ、鉄道網の交通インフラ構築を提案をする次第であります。それらの地区まで合わせると、7万人、3割の市民が生活しているところであります。

 上高地線は新村、波田、新島々が交通拠点と都市計画マスタープランに記されております。その交通拠点を生かした実行計画を立てることを改めて提案しておきます。

 次に、ヘルスバレー構想について質問をさせていただきました。

 私もくどいくらい昨年、今回も質問させていただき、先ほど市長からヘルスバレー構想に対する強い意思を改めてお聞きいたしました。私は応援する立場で、ぜひこのヘルスバレー構想が実現できる、今理念で走っております。それを実現できる体制で、ことしもいろいろな行事を、先ほど説明ございました。今やっております。それがやはり新松本工業団地に企業が、今2社であります。その企業が来る、いわゆる先端技術の企業が来る、この形こそがヘルスバレー構想の次なるステップであると思っております。それについてやはり市長も、こちらのほうもトップセールスを行っていただき、市長の人脈等を通じぜひ誘致のほう早く進めていただきたい。これをお願いをしておきます。

 この新松本工業団地につきまして、その後どのような計画、変更になっているか、お尋ねをしておきたいと思います。

 昨年度の説明によりますと、やはり全部の企業が入りますと、雇用面で588人が進出企業により直接雇用される。それで平成33年度までには、1,593人の就業者が新たに生まれるという試算が出ております。それに向かって、松本市が経済的に強くなる。そんなまちを目指すためにも、ぜひ新松本工業団地の早めの誘致、これは民間感覚で取り組むことを要望して、2回目の質問を終わります。



○副議長(宮坂郁生) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 庁舎改築と次世代交通の大きく2点のご質問に順を追ってお答えします。

 まず、庁舎に関する勉強会での検討状況でございますが、各部局の庶務担当課長をメンバーに、政策課を幹事といたしまして、庁舎のあり方や機能等に関する基本的事項の調査や課題の整理・研究を進めております。

 また、政策課では他市の庁舎建設や検討状況について情報収集を行うとともに、同規模の先進事例を持つ自治体への視察などを行っております。

 次に、庁舎改築と松本城を中心としたまちづくりについてでございますが、現本庁舎は松本城に隣接した中心市街地に存在し、都市機能の一部を担う極めて重要な公共施設であると考えております。

 他市の事例におきましても、庁舎改築に当たりましては、建設場所や規模、機能、高さなどについてまちづくりの視点を十分踏まえた検討が行われており、庁舎改築により市街地の活性化やにぎわいの創出、また、市民の交流拠点の充実など複合的な効果をもたらしている事例もございます。本市におきましても、大いに参考にすべきものと考えております。

 次に、庁舎改築に係る基金についてでございますが、熊井議員ご指摘のとおり、庁舎改築の時期は必ず訪れますので、将来的な財源対策といたしまして、他市の状況等を踏まえながら、計画的な積み立てについて検討してまいります。

 次に、大きく2点目の次世代交通政策の鉄道に関するご質問についてお答えをいたします。

 鉄道は定時性、安全性及び輸送能力にすぐれ、バスと並ぶ主要な公共交通として、郊外と中心市街地を結ぶ重要な交通機関であります。歩行者、自転車、公共交通を優先する次世代交通政策の基本理念の上からも、鉄道の位置づけは欠くことのできないものと認識しております。

 次世代交通政策において、郊外と中心市街地の交通アクセスの充実を進める上で、鉄道駅という交通結節点は、バスや車など異なる交通機関との乗りかえ、乗り継ぎの重要な役割を持つものであります。現在でも上高地線の波田駅、新村駅などの主要駅は、西部地域コミュニティバスと接続するなど交通結節点の機能を有しており、市街地から西部地域の基幹的公共交通となっているため、次世代交通政策実行計画の中においても、交通結節点としての鉄道駅を公共交通ネットワークの主要なポイントに位置づけ、郊外と中心市街地の交通アクセスの充実を図ってまいります。

 以上でございます。



○副議長(宮坂郁生) 平尾健康産業・企業立地担当部長。



◎健康産業・企業立地担当部長(平尾勇) 〔登壇〕

 熊井議員の2回目のご質問にお答えをいたします。

 新松本工業団地への企業等の進出状況でございますが、鬨一精機株式会社が3月1日から、テスコム電機株式会社が8月19日から操業を開始しております。

 今後の見通しでございますが、新たに1社の分譲申し込みが見込まれております。申し込みを受けまして、松本市工業団地等分譲企業選考委員会にご審議をいただきまして、その上で市議会にお諮りしてまいりたいと考えております。

 新工業団地への進出を検討している企業や県外企業で将来国内で新工場を建設する際は、松本市を候補地の1つとしている企業もあることから、引き続き企業訪問を通じた情報交換や、県の出先機関や大都市にある県内銀行の支店や各種展示会等を通じた情報収集に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(宮坂郁生) 20番 熊井靖夫議員。



◆20番(熊井靖夫) 〔登壇〕

 3回目となりました。最後、要望と私の意見等言わせていただき、締めていきたいと思っております。

 今まさに松本市のまちづくりにおいては、カタクラモール再開発は注視していかなければならない大きな課題であると認識を持つものであります。私は推測の話で2,500台、あるいは大きな店がきて松本が壊れる。そんなお話をさせていただきました。

 市長との良好な関係、これを見守っていきたい。市長の肩にかかっている、こんな気持ちでおります。市長、何としても市長の描いている形になるよう、お願いをしておきたいを思います。どのような形になるか、松本市が進めているまちづくりに影を落とすことになり、根本を覆すことになるのか心配している市民がいることも、また、応援している市民が大勢いることも肝に銘じていただければと思っております。

 市長、ぜひ松本のため、松本のまちづくりのため、ぜひさらにご尽力をお願いをしたいと思います。

 なお、渋滞はどうでしょうか。通学路でもあり、近くには救命救急センターの相澤病院があります。また、近くには高層マンションがあります。はしご車の消防車はどうでしょう、渋滞しているところ、すぐに駆けつけることができるでしょうか。危機管理上、防災上、特に心配しているところであります。どのような状態になるのか、この対策は松本市として避けて通れない大きな課題であります。心配をしていることは言うまでもありませんが、指摘しておきたいと思います。

 私の懸念を持っている、商都松本、まちがどうなるのか、その質問の中では、松本市の目指すまちの姿と開発計画に対する基本的な考えを共有し、歴史を継承して、さらに何かが生まれる、新しさを加えたまちの姿になるよう行政の責任として指導していただくよう私のほうからも要望しておきたいと思います。

 さて、1つ提案をさせていただきます。

 カタクラモール再開発において、回遊性との言葉が出てまいりました。松本城を中心とした商人のまち、その町民文化のお祭りの山車が本町、中町、中央、博労町、宮村町等にあります。その補修・修繕に市からも補助金を提供し、修復したものがお祭り以外に眠っているわけであります。もったいない資産であります。市街地の空き地を利用し、三、四カ所にその山車を分散し、格納庫をつくり、観光客、市民の皆さんが立ち寄り、見学のできる施設を建設し、回遊性をもたせる事業に取り組んでいただきたい。これすなわち観光客の回遊、また、ウオーキングの水めぐりと合わせた回遊を利用する価値は大いに大きいと思います。

 建物の維持管理は地元町会にお願いし、当番制で訪れる人々の対応をしていただく、これがすなわちおもてなし、地域づくりの一端を担うこともできるものとも確信をしております。地域のつながり、まちの活性化、一石二鳥の効果が期待できるものと思っております。これは提案をさせていただきます。後日、担当課に検討結果をお聞きに伺うことといたします。ぜひ検討していただくようお願いをしておきます。

 山車を使用してのお祭りができることは、各個人商店主の皆さんの力がなければでき得ないことと思います。そのための知恵を行政として提供し、元気に営業してもらうことが必要不可欠なことと思っております。

 次に、鉄道に関しては、定時制、安全性及び輸送能力にすぐれ、主要な公共交通として郊外と中心市街地を結ぶ重要な交通機関であり、次世代交通政策の基本理念からも、鉄道の位置づけは欠くことができないとの認識を持っている。上高地線については、市街地から西部地域に基幹的となっているため、実行計画においても、鉄道駅を公共交通ネットワークの主要なポイントとして位置づけるとの答弁をいただきました。

 先ほど私が90年前の構想も視野に入れたということでお話をさせていただきました。まさしくこれが今よみがえらん、よみがえるその90年前の思いが、今松本市の次世代公共交通の西部地区の交通のあり方であります。ぜひ松本市全体を見た中で研究していただくよう要望しておきます。

 ヘルスバレー構想につきましては、いよいよ動き出してきたかとの思いをしております。どのような形としてあらわれるか、今現在、頑張っている平尾部長以下職員の肩にかかっている状況でありますが、今現在の高揚している状態をさらに加速されて、実績を上げていただくよう期待をしております。

 去る12月4日、成長戦略を具体化するための産業競争力強化法が参議院で可決、成立をいたしました。これも1つの追い風になろうと思います。利用できるものすべて取り込み、ヘルスバレー構想を理念から形に変えるよう、市政の命運をかけて過去の松本諏訪地区新産業都市に負けないものをつくろうではありませんか。

 また、先ほど言いました市長の人脈を使っていただき、健康医療産業の先端を行く企業の誘致、この作戦を市長のトップセールスにて行っていただくことも期待をさせていただいております。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 最後になりましたが、市庁舎についてであります。

 今回も過去の類を出ませんでした。政策課を幹事として、基本的事項の調査や課題の整理、研究を進めているとの答弁でありました。今回はその具体的内容については触れません。次回どのような形で整理等されているのか、新風会として次回、議会で質問をしてまいります。

 現庁舎は、松本城に隣接した中心市街地に存在し、都市機能の一部を担う極めて重要な公共施設であるという認識の回答はいただきました。その観点を生かし、速やかに課題等整理をしていただき、他市の事例等参考に、研究成果を示していただくよう要望しておきます。

 また、基金等、次の松本市の課題は、市庁舎改築に尽きます。長い年月のかかる大事業でありますので、速やかに検討していただくよう、あわせてこれは市長の判断を仰ぎ、答申を出していただきますよう要望して質問を一切終わります。

     (「議長、議事進行について」と呼ぶ者あり)



○副議長(宮坂郁生) 32番 池田国昭議員。



◆32番(池田国昭) 〔登壇〕

 熊井靖夫議員の質問の中での冒頭の発言に関して、議事進行、議事録の精査のお願いを申し上げたいと思います。

 熊井議員が冒頭、本12月議会から本議場に国旗と市旗が掲揚されることになったことに関連して、このような趣旨の発言をされました。国旗・国歌に対する敬意を払うということは、国際的儀礼であり、しかもマナーである。そうした基本理念を念頭に、地方議員といえども国家への忠誠、全体の奉仕者としての自覚というようなことも言っていますけれども、国家への忠誠を持つべきものと考えるという発言がございました。

 9月議会で国旗及び国歌に関する法律に関連して発言をした経過がありますが、繰り返しますと、あくまで国旗は国の象徴として公式に用いるときだけに使われるものと、こういう定めです。決してそのことと国家への忠誠に関連するものではありません。たとえ個人的な思いを語ったにしても、驚くべき時代錯誤。しかも、同じこの議場にいる地方議員として、その時代錯誤だけでは片づけられない発言だというふうに思います。

 「忠誠」という言葉を辞書で引けば、「自分より上位にある人物や集団や理念等に対して尊敬の念を伴った献身と服従の態度」と、これが「忠誠」という意味ですが、こうした意味に照らしても、公の地方議員としての発言としては看過できないものです。

 議長におかれましては発言をぜひ精査していただき、私の聞き違いもあろうかとは思いますが、いずれにしても、主要な点では問題があると思われますので、発言の精査後の発言も留保して、以上、議事進行にかかわる発言といたします。



○副議長(宮坂郁生) 議事録精査のため暫時休憩いたします。

                              午後1時29分休憩

                             −−−−−−−−−−

                              午後1時59分再開



○副議長(宮坂郁生) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 先ほどの池田議員の発言により発言内容を精査した結果、熊井議員の発言はあくまでも個人の感想を述べたことを確認いたしました。言論の自由の原則から、今回の発言については、特段の措置を講じる必要がないものと判断します。

 以上で熊井靖夫議員の質問は終結いたします。

 続いて、1番 田口輝子議員。



◆1番(田口輝子) 〔登壇〕

 今回、質問の機会をいただきましたので、会派改革の中田議員、宮下議員とともに質問させていただきます。

 今回時間が限られていますので、今回、1点に絞って環境政策の観点から水道凍結防止帯の節電について質問させていただきます。

 私は、この11月16日、17日と福島県に行ってまいりました。震災と原発の被災地いわき市です。除染現場で働く方々、それから放射能におびえる中で子育てをしているお母さん方、そしてふるさとに帰還するあてもなく、この2年半で8回も9回も引っ越しを繰り返し、そして仮設住宅で暮らしている楢葉町の皆さんなど多くの方々の話を聞いてまいりました。私たちに何ができるのか問い続けてまいりました。あの3.11以降、特に原子力災害で被災された方々は、何1つまだ解決していない、そういう実感を抱いてまいりました。

 そういう中で、松本市で自分たちのできることはということで、ずっと節電に取り組んでいらっしゃる皆さんがいらっしゃいます。もちろん松本市がいち早く環境問題に取り組んでいることは承知しております。平成23年に第3次松本市環境基本計画と松本市地球温暖化対策実行計画をつくり、学校等に太陽光発電を設置したり、また、市民の皆様に対しても、家庭用の太陽光発電設備や蓄電設備の設置に対しても補助金を出したり、いろいろな形で温室効果ガスの削減や節電に取り組んできている。それはしっかり承知しております。しかし、それを1人の市民として、自分たちにできることとして節電に取り組んでいる消費者団体の皆さん、個人の市民の皆さん方がいらっしゃいます。何年もかけて綿密な調査を積み重ね、100名以上の方々の協力で実態調査をし、そして本当に節電に効果の高い取り組みとして水道凍結防止帯の節電の提案をし、実践されています。

 長野県全体、当然松本市もそうですけれども、冬になると一気に電力使用量が高くなります。これは当然電気代も高くなるということです。グラフを見ると本当にまるでこういう、松本から見ると常念岳は本当に高い三角になりますけれども、本当に12月、1月、2月のところが高い山に、電力使用量が高くなっております。これは全国的に見ると本当に長野県の特徴のようです。よその県ではそんなに高い山にならないようですけれども、長野県は本当に北海道と同じくらいの寒さが突然来るということで、本当に冬の間、そういう電力使用量というのが高くなるというのが長野県の特徴のようです。

 特に冬は電気こたつとか電気マット、電気ストーブ等暖房器具が不可欠です。しかし、ふだん気にもとめていない凍結防止帯が大きな電力を持っているということがわかりました。その皆さんの調査の中で明らかになったことです。1点として、松本市域で凍結防止帯は94%の住宅で使われている。2点目として、1つの住宅当たり使用本数が平均5本。それから凍結防止帯の使用期間は、71%の住宅で12月から3月の4カ月間。また、1年じゅうプラグをコンセントにつなぎっぱなしの家庭も8%ありました。4番目として、凍結防止帯の取りつけ方の不備が55%。5番目として、凍結防止帯の製造年月日も調査し、20年以上経過しているものが48%、劣化して漏電をしているものもありました。

 細かい数字はこれくらいにいたしますけれども、例えばこれも数字ですが、松本市で9万戸が1戸当たり平均5本の凍結防止帯を節電しないで使っていたとすると、一冬で1,890万キロワットアワーの電力が消費されます。節電器の普及率を60%、その節電能力を50%と仮定すると、凍結防止帯の松本市における消費電力は、一冬で1,323万キロワットアワーとなり、排出されるCO2は6,218トン。節電器未装着の凍結防止帯の消費電力を50%削減できれば、378万キロワットアワーの電力と1,776トンのCO2を削減することができます。

 これは消費者団体の皆さんの調査に、信州大学工学部のご協力も得て調査を進めたものです。この裏づけの中で、節電の提案は5年前にもティータイムトークで市長にも提案されています。そしてその後、平成23年の3.11があり、国を挙げて節電の取り組みを進めています。CO2の削減も、松本市としても環境の報告の中で、2050年度までに60%の削減を松本市としては目指しています。

 さきにも申し上げたように、市としてもいろいろな努力をしていることは承知しております。しかし、大きな費用をかけないで、家庭で市民お一人お一人が確実にできる節減の努力、削減の努力、市としてこういうことをしっかり支援していく必要があると考えますが、どうでしょうか。

 そこで質問いたします。

 第1点として、凍結防止帯の正しい施工、維持、節電方法について、市として啓発活動に取り組んでいるかお尋ねします。正しい施工が節電につながる点、節電器で50%から60%の節電ができるという情報が市民の皆さんにしっかり広報されているかという点です。

 2点目として、節電機器の普及のために補助金制度を含めた施策を検討されてはいかがと思いますけれども、お考えをお聞かせください。

 第1回目の質問を終わらせていただきます。



○副議長(宮坂郁生) 丸山上下水道局長。



◎上下水道局長(丸山悦男) 〔登壇〕

 田口議員の2点のご質問にお答えをしたいと思います。

 まず初めに、広報活動につきましてですが、上下水道局では毎年冬の厳寒期を前にした12月初旬に、「広報まつもと」でご家庭の水道管が凍って破損しないように、水道凍結の防止方法についてお知らせをしております。この中で、水道凍結防止帯は効果的な水道管の凍結防止方法の一つであり、既に多くの家庭でご使用をされております。しかしながら、水道凍結防止帯を何年も使用しているうちに、巻きつけてある保温テープが破損して水道凍結防止帯が露出してしまっているケースやコンセントが抜けてしまっているケースなど、効果的に使用されていないこともあるようです。

 上下水道局では、毎年ひとり暮らしの高齢者世帯に対して水道設備点検を行い、その中で水道凍結防止帯のチェックについても実施をしております。今後も水道凍結防止帯の効果的で適正な使用方法も含めて、ご家庭の水道管の凍結破損が起こらないようさらなる啓発に努めてまいりたいと考えております。

 また、水道凍結防止帯への節電器設置につきましては、節電効果は十分あると考えており、市民の皆様の選択肢の一つとして、指定給水装置工事事業者及び庁内の関係部局とも連携をとりながら周知をしてまいりたいというふうに考えております。

 次に、節電器への補助金制度につきましてですが、ほかのさまざまな電気製品における節電機器との関係もあり、また、約1シーズンの節電効果により採算がとれることから、現在は考えておりません。

 以上です。



○副議長(宮坂郁生) 1番 田口輝子議員。



◆1番(田口輝子) 〔登壇〕

 ご回答をいただきました。ぜひ広報活動を丁寧にやっていただきたいというふうに思います。

 また、節電器の補助金についても、実際、確かに値段的には、高率のものでいくと1基5,000円くらい、ほかのいろいろなものと比べれば安価かもしれませんけれども、確実に節電につながるということで、その辺についてもこれから検討をお願いしたいというふうに思います。

 今回、時間がないので、2回目は要望とさせていただきます。

 さきにも申し上げたとおり、このような長期にわたって調査活動を実践して積み重ねて来られた方々の努力もあって、松本市ではほぼ60%のご家庭が凍結防止帯の節電器をつけているというデータが出ています。今後、日本はますます持続可能な社会に向けての取り組みが大切になり、この松本のまちで1人からできることの積み重ねが本当の市民協働のまちづくりにつながるというふうに考えます。

 今回、12月ということでこの凍結防止帯の節電についてお話し申し上げましたけれども、ほかにも環境問題についていろいろな形でいろいろな皆さんが取り組んでいらっしゃいます。

 例えばアレチウリの退治だとか、また、使わなくなった食器を回収してそれを再資源化する取り組みとか、いろいろな形で努力して、地道な取り組みに頑張っていらっしゃる方たちがあちこちでいらっしゃいます。

 ですので、最後に要望といたしまして、ぜひこのような活動を市として支援し、より多くの方々にいろいろな形で伝えていくために、環境政策の出前講座として、このように実践されている皆さんをぜひ講座の講師として活用しながら、地域、市民の皆さんにこういう本当に身近なことを伝えていかれるような、そんなシステムをつくっていただけたらというふうに考えております。

 今回、いろいろ質問したいことがございましたけれども、3人の仲間で質問いたしますので、今回の私の質問は終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。



○副議長(宮坂郁生) 以上で田口輝子議員の質問は終結いたします。

 続いて、19番 宮下正夫議員。



◆19番(宮下正夫) 〔登壇〕

 会派改革の宮下正夫でございます。質問の機会をいただきましたので、私見を交えて質問いたします。

 市長の政治姿勢について、カタクラ再開発問題についてお伺いをいたします。

 カタクラ再開発問題は、松本市にとって先の見えない直面した大きな課題です。これは片倉工業株式会社が平成22年8月、中央4丁目及び県1丁目の社有地8.36ヘクタールを再開発し、現カタクラモールの建てかえを発表したことに始まります。再開発をめぐる動きはその後さまざまありましたが、最大の転換点となったのは、ことし2月、片倉工業株式会社が社有地の75%を占める6.25ヘクタールについて事業用定期借地として他社へ賃貸することを発表したことにあります。そしてこの3カ月後には、賃貸先が流通大手のイオンモール株式会社であることが明らかにされたのです。

 ところで、なぜ松本市民の多くがイオンモールの出店に大きな危機感を抱くのでありましょうか。それは既に全国に展開されているイオンモールの出店後、まちの様子が大きく様変わりすることを少なからず市民は知っているからです。松本商工会議所はイオンモールの松本出店について、今回の再開発規模から考え、店舗面積は4ヘクタールを超え、物販、飲食、映画館など何でも揃う100店舗から200店舗を有する滞在型モールになるのではないかと想定していると市民タイムスは報じています。

 イオンモールの開業は平成28年の秋とされています。余すところあと3年足らずです。具体的な計画内容が固まるのもそう遠くないものと思われます。しかし、今日段階でいかほどの情報がイオンモール株式会社側から示されたというのでありましょうか。市民タイムスによると、「イオン広報部は、計画発表の時期は通常では着工のタイミングとしている」と報じています。言いかえれば、イオンモール株式会社は地元へ情報を出さないまま開発計画を固め、工事開始の直前になって計画発表するというのです。だとすると、市や市民はイオンモール株式会社との間で開発計画について何らの協議も、調整も行われることなく開店に至るということになります。

 いい松本のまちをつくろうと真剣に考えている多くの松本市民や市の思いは一体どうなるでありましょうか。市が策定した松本市の目指すまちの姿と開発計画に対する基本的な考え方について、市はイオンモール株式会社側へしっかり伝えてあるから大丈夫と言えるのでありましょうか。

 市民の中には便利になっていいんだという人もいるかと思いますし、また、既存商店街との競争が起きれば、消費者や観光客にはサービスが向上して大いに結構なことと考える人もいるかもしれません。しかし、事の本質は単に個々の利害にとどまる問題ではなく、多くの市民と市が願う、いい松本のまちづくりにとって、総体として評価されるものでなくてはなりません。そして後々松本市民の評価に耐え得るものではなくてはならないと考えます。

 そのためには、ことし2月、市議会定例会における芝山議員の質問に対する菅谷市長の答弁にその重要なポイントが集約されています。そしてこの重要な点をイオンモール株式会社側に突きつけ、いかに譲歩させていくかが目下最大の課題と言えます。

 2月定例会の菅谷市長の答弁は、以下のようなものでした。

 「開発事業者には、松本市の目指すまちの姿と開発計画に対する基本的な考え方に基づき、開発を行っていただかなければならない」として、次の3点が掲げられました。「1つとして、歴史的背景の尊重や景観特性並びに地域特性に配慮した松本らしい開発。2つ目として、商都松本の商業活動の新たな魅力を創出し、中心市街地の商業と共存共栄を図る適正規模。3つ目として、松本城、あがたの森、松本駅のトライアングルを基本とした回遊性。この3点に合致するよう引き続き毅然とした態度で対応してまいりたい」、このように述べられました。

 そこで質問いたします。

 まず1点目は、片倉工業株式会社が方針転換した最大の理由は何であったのか。

 今、私はこの点に大きな関心を寄せております。片倉工業株式会社の方針転換ですから、その真意を菅谷市長は知るよしもないわけですが、市長が承知されている片倉工業株式会社が方針転換に至った経緯についてどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。

 2点目は、菅谷市長が先の2月定例会で述べた再開発に当たって考慮されるべき重要な3点、いわゆる松本らしい開発、適正規模、回遊性については、イオンモール株式会社及び片倉工業株式会社とのやりとりの中でその現状はどうなっているのか、また、見通しはどうなのかについて市長にお伺いして、1回目の質問といたします。



○副議長(宮坂郁生) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 宮下議員のカタクラ再開発に関する2点のご質問にお答えします。

 まず、ことし2月に発表のあった片倉工業株式会社による自社開発からイオンモール株式会社への定期借地による開発への方向転換につきましては、当初は片倉工業株式会社が自社開発で行うとお聞きし、協議の中で第3者に貸すことも1つの方法としてあることも伺っておりました。その結果、もともとカタクラモールの核テナントとして入っておりますイオンモール株式会社を相手として用地を貸し付けることが、双方にメリットがあるとの判断から片倉工業株式会社の社内方針として決定したものと捉えております。

 松本市の目指すまちの姿と開発計画に対する考えにつきましては、いまだに相手方からは具体的なプランが提示されておりませんので、現状ではどうなるか明確なお答えはできません。しかし、5月のイオンモール株式会社のプレスリリースにおいて、「松本市の開発に対する基本的な考えに基づきモール計画を進める」と発表しており、このたびの市長と岡崎社長の会談の場においても、基本的な考えに配慮した開発計画を進めていただいているものと受けとめております。

 昨日の市長答弁にもありましたように、岡崎社長との会談において、市長から基本的な考えの3点の留意事項に配慮した計画になるよう重ねて要請いたしましたので、今後のイオンモール株式会社、片倉工業株式会社と市による事務レベルの3者協議の場においても、市の基本的な考えに沿った開発となるよう引き続きお願いをしてまいります。

 以上です。



○副議長(宮坂郁生) 19番 宮下正夫議員。



◆19番(宮下正夫) 〔登壇〕

 私は、このカタクラ再開発問題について、これまでの松本の歴史を振り返り考えてみました。カタクラ再開発問題は歴史的に見てどう考えればよいのか、また、市は今後どのように対処していけばよいのか、私見を述べてみたいと思います。

 現片倉工業株式会社のスタートは、明治6年にさかのぼります。諏訪の片倉市助が長男兼太郎ら上2人の息子と片倉組を起こし、旧川岸村で10人乗りの座繰製糸の工場を創業したのが始まりと言われております。そして明治23年、片倉組が最初に進出したのが、ここ松本清水の製糸場でした。この製糸場の工場長を任されたのが、当時32歳の片倉市助の3男、今井五介氏です。五介氏は、18歳のとき平谷村の今井家へ養子に入っています。彼は松本製糸場の経営に運命をかけたと言われています。創業時3,000坪の敷地に48窯の小工場であったものが、大正9年には3万坪の敷地に1,092窯、従業員1万5,000人という日本一の製糸工場に育て上げています。

 我が国の生糸産業は、近代日本を築き上げた基幹産業です。生糸輸出量で日本が世界一になったのは明治42年、そしてこの翌年、大正元年には生糸の生産高でも世界一になっております。大正初期から第二次世界大戦開戦直前までが、我が国製糸業の全盛期であったと言えます。この全盛期に片倉製糸紡績株式会社は全国に62カ所の工場を持ち、朝鮮半島にも8カ所、ニューヨークには販売拠点が置かれていたと言われております。

 この今井五介氏は、松本市の発展に大変深い思い入れがあり、多大な貢献をしています。明治31年、木澤鶴人氏が上土町に商業教育のための私塾を開設したものの、経営難に陥り、五介氏はこれを全面的に支援し、立て直すとともに、大正2年には埋橋の地に当時東洋一と称せられた校舎を新築いたしました。現在の松商学園高等学校ですが、市民や従業員の子弟のために教育の振興と地域の発展に尽くされたのです。

 また、明治43年には今井五介氏も加わり、松本・大町間を結ぶ鉄道建設を計画し、信濃鉄道株式会社が設立されています。しかし、半年余りで経営難に陥り、五介氏は片倉直営で施工することを決意します。そして片倉組の技師を起用して、片倉組から資金援助と作業員を率い、みずから指揮して日夜兼行で施工に当たり、大正5年、ついに鉄道史上他に類がない短い工期と少ない工費で完成させたのが松本・大町間を結ぶ信濃鉄道でした。現在のJR大糸線の前身です。

 また、今井五介氏は明治41年、松本商業会議所、現在の松本商工会議所ですが、初代会頭に就任し、その後、34年間会頭の地位にあって、松本の商工業はおろか、全国の経済界にも多大な影響力を及ぼしたと言われています。前日本銀行松本支店長の柳原良太氏は、3年ほど前の松本商工会議所発行の「会報まつもと」の中で、「大正3年、現在の松本郵便局のある場所に、当時製糸業が盛んだった、松本・諏訪地域への産業資金の供給という経緯で、松本に日本銀行の支店が置かれました。松本商工会議所初代会頭今井五介氏のご尽力も大きかったようです」このようにインタビューに答えられています。

 また、現在の松本勤労者福祉センターの広大な敷地も、片倉工業株式会社が提供したものでありました。

 片倉製糸紡績株式会社と今井五介氏らの松本市における尽力は枚挙にいとまがありませんが、時間の関係上この程度にとどめておきます。

 以上のように、松本は片倉製糸紡績株式会社の発展とともに発展し、とりわけ近代松本の礎は片倉製糸紡績株式会社と今井五介氏によって築かれた歴史を持っていると言っても過言ではありません。松本に片倉製糸場があり、その大きな影響下で発展してきた松本の歴史でありますから、時は流れ時代は変化しても、現片倉工業株式会社は片倉製糸紡績株式会社の末裔であることから、片倉工業株式会社と松本市の間には、歴史的にある種の特別な関係があるといっても不思議ではありません。年配者の中には、片倉製糸紡績株式会社のことを片倉様と呼んで仰ぎ見ていたという話も聞きます。当時の片倉製糸紡績株式会社や今井五介氏らに対する松本市民の心のうちは、深い尊敬の念が存在していたものと推察いたします。

 このように、松本の歴史を振り返り、今回のカタクラ再開発問題を考えると、片倉工業株式会社が当初推し進めようとしていた自社によるカタクラ再開発は一体どのようなものであったのか、大変興味深く思えてならないのです。片倉工業株式会社は開発計画について無条件でイオンモール株式会社へ賃貸するのでしょうか。地主は片倉工業株式会社です。土地を賃貸する場合、地主が一定の条件をつけて契約するのが一般的かと思われます。

 菅谷市長がイオンモール株式会社の岡崎双一社長とお会いし、話し合いをもたれたことに対しては大変感謝をしておりますが、あわせて片倉工業株式会社の竹内彰雄社長ともお会いして、お願いすべきはしっかりお願いすることが大変重要なことかと考えます。万が一、市や市民の期待を裏切るカタクラ再開発になったならば、カタクラに対する市民の評価は大きく変わるものとなります。松本に大変な貢献をされた片倉一族、とりわけ片倉兼太郎や今井五介氏らの顔にも泥を塗る結果となりかねません。片倉工業株式会社の竹内彰雄社長も決してそんなことは望んでいないものと思います。

 これは余談ですが、片倉工業株式会社とイオンモール株式会社との間には、いまだ正式調印に至っていない問題があると言われます。それは賃貸借の単価で折り合っていないからだというのです。

 カタクラ再開発問題は、松本の将来のまちの姿を左右しかねない大変大きな問題です。判断と対応を間違えますと、松本市の命取りになりかねません。

 菅谷市長におかれては、市と市民を大きくまとめられ、松本市の総意として、イオンモール株式会社とともに片倉工業株式会社と精力的に対応されることを要望いたします。この問題を解決できるのは、菅谷市長しかいないと多くの市民は見ております。

 端的に申し上げるならば、松本市と松本商工会議所は片倉工業株式会社に対し礼を尽くし、イオンモール株式会社とともに片倉工業株式会社との話し合いを重視され、カタクラ再開発問題を推し進められることを切にお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。



○副議長(宮坂郁生) 以上で宮下正夫議員の質問は終結いたします。

 続いて、31番 中田善雄議員。



◆31番(中田善雄) 〔登壇〕

 続いて、質問をさせていただきます。

 まず、人口減少時代のまちづくりについて質問します。

 日本は既に人口減少時代に突入し、松本市でも同様の状況を迎えています。人口の減少率は先進国で第1位と言われ、この地方都市の松本にも影響は及んでいます。少子化対策を進めたとしても、人口減少は続くものと予想され、公共の上下水道、道路、橋、施設などのインフラを維持しようとすると、市民1人当たりのコストは上昇していくと予想されます。商業・農業の消費力の低下、工場、オフィスの必要性も少なくなると見込まれます。今後は人口の減少に対応した計画的なまちづくりが求められてくるとともに、人口の減少を前提として、人口が減っても市長が言われる生活の質を維持するなり、生活の質が低下しないように生活の質を高めるぐらいの計画が求められてくると思います。必然的に土地なり、部屋等の需要は平行線なり高まることが少なく、空き家問題、空き地問題が発生してくると見られます。

 従来の都市計画は高度経済成長期に大枠が形成され、ふえる人口、産業を効率的にどのように受けとめていくかが課題であり、松本市の工業団地の形成、松塩水道用水の導入、駅前再開発、市街地再開発事業などを、国からの補助金を中心とした財源確保を図りながら国の政策に合わせながら行ってきたと見てとれます。

 しかし、従来のようにふえ続ける人口や産業の構造に変化が生じている今日においては、人口減少時代に突入したまちづくりを従来の発想から転換していく必要性があると思われます。乱開発の言葉がちまたの声として流れていた時期がありましたが、乱縮小にならないように考えていくことも必要とされています。市長は就任時より量から質への転換なり、20年先、30年先を見据えた松本のまちづくりをどうするかと言われてきていますが、人口減少時代は、病気に例えれば慢性疾患のようでもありますので、体質改善を行うまちづくりの具体論についてどのように考え、指示を出されているのか質問をいたします。

 次に、コンパクトシティと都市の見直しについて質問します。

 国土交通省の社会資本整備審議会での経過では、無秩序拡散型都市構造を集約型都市構造に転換する必要性があり、今後の都市の目標像をエコ・コンパクトシティとしています。

 一方、同じ国土交通省の成長戦略会議では、限られた公共投資を費用対効果に応じて集中的に配分すべきであり、容積率等の都市計画制限を初めとした各種規制緩和と各種税制減免などを報告しています。

 また、本年春からの都市再構築戦略検討委員会では、地方都市のまちづくり政策は少子高齢化や地方の厳しい財政事情を踏まえて、郊外に広がった都市機能を中心部に集めるコンパクトシティを国主導で全国に広げる方針を公表しています。コンパクトシティに関しては、平成15年より本会議等で取り上げ、質問をさせていただいていますが、税収の多い、人口密度の高い中心市街地を中心にした地域に集中投資をして行政サービスの効率化、生活者の利便性の確保、市の財政の確保などを考慮すべきであり、人口減少社会、超少子高齢化社会を考えたときに避けては通れない問題でありますので、松本市は国の方針についてどのように受けとめ、今後、コンパクトシティ構想と超少子高齢化社会への対応を考えているのか、質問をします。

 行政視察を行った各都市の中には松本市と共通点が多く、合併に伴って市域の広がった場合のネットワーク型コンパクトシティの形成、自転車のまちづくりの推進、中心市街地の活性化の推進などが都市ブランド戦略となって、具体的な行動としてコンパクトシティと都市の見直し、郊外開発の抑制を打ち出しています。

 現在進行している中央公民館における総合型講座「健康寿命延伸都市・松本」の創造をめざしての中でも、まちづくりの中にコンパクトシティが出てまいりますので、コンパクトシティの取り組み、方針は重要であり、人口が減っていく分、市民1人当たりの維持費は割高となりますのでご見解を伺います。

 次に、高さ規制と都市の発展について質問します。

 バブル経済崩壊後、失われた10年ということがありました。それが経過し、現実の生活実感を大切にした景観がブームとなりました。2003年に国土交通省が発表した美しい国づくり政策大綱が景観法のもととなったと思われますが、今振り返ってみれば、多くの人が考える間もなくあれよあれよと景観法が歩き出していったと見られます。現在、景観に関する条例は各都市でふえていますが、景観に関する条例は建設関連の容積率等の根拠法をもたない自主条例であり、財産権の確保をどこまで制約することができるのか、経済活動と規制をどのように考えていくかなどの問題があります。

 現在、でき上がっている既存のまち並みに規制を厳しくすると、既存不適格が出現し、建設時には合法であったにもかかわらず、現行の法制度では既存不適格になっても何の補償もありません。既存不適格の発生の場合には、一般的ですが、資産価値の低下が問題となりますので、規制を厳しくした場合に損をするものに対し、屋外広告物の改修補助のような補償を行う仕組みが必要となってきます。ちまたで飛び交う固定資産税の減免なり、適切な補償制度を確立した上で高さ制限を行っていくべきであり、公的な規制をかけるならば、公的な対応はしかるべきとも見れますので、財産権、経済活動、補償制度、資産価値の低下について理事者の見解をお伺いいたします。

 松本市の高さ規制は、松本城の高さを基準とした29.4メートルが中心となっていますが、この規制も地権者、事業者、住民などの同意形成を図る手続はやや拙速ぎみだったと反省点が残っています。すべての地域住民の合意形成を図るには、それ相応の時間が必要であり、協定をつくり上げるにも、土地所有者等の合意に基づいて定められるべきであり、全員合意によることが原則であると言われます。

 景観法第2条第2項においては、「人々の生活、経済活動等との調和により形成される」とありますので、どこまで高さ規制を行うかについては、個々の地区の実情によって合意形成のプロセスを慎重に踏むべきであり、高さ規制ありきのまちづくりは慎むべきであります。

 松本市都市計画マスタープランとの整合性をとることはもちろんですが、コンパクトシティ化するであろう時代の要請の中にあっては、高さ規制と規制緩和を進めてきた現在の都市計画とに矛盾が生じているとも言われます。透明なプロセスが必要であり、城下町においては、市場経済を基盤とした町場の自由闊達な経済活動が今日の城下町の基盤をつくり上げてきたとするならば、住民、地権者、事業者等が主体の高さ規制が必要であり、行政からのあれよあれよ型規制には、声なき声の不満が生じてきます。

 各種講座ではヨーロッパを参考にした話が持ち出されていますが、日本とヨーロッパではもともと都市景観が異なりますので、参考として生かすべきであり、すべての関係者、特に地権者、事業者などに対して現状変更にかかわる丁寧な説明に時間をかけた必要性が求められていると思いますので、質問といたします。

 次に、公園の健康遊具設置と長寿命化計画について質問します。

 高齢化社会の進展に伴い、公園においても世代交代が進みつつあります。以前は公園は子供が遊ぶところのイメージがありましたが、現在では高齢者の姿も多く、子供向けの遊具にかわり高齢者の介護予防的健康遊具とも呼ばれる器具の設置が必要な時代となっています。

 視察を行った東京都墨田区の公園では、中高年向きの健康遊具が設置されて、無料で運動機能向上に取り組むことができ、公園で自由にコミュニケーションもでき、介護に頼らない体力の維持が期待されています。私も鉄棒にぶら下がり、平均台の上を歩いてみましたが、ふだん家では使ったことがない筋肉を使った実感がありました。転倒やふらつき防止、肩こりの軽減にもなり、自分のペースで子供たちと遊ぶことも魅力的と言えます。

 現在、健康増進器具設置都市公園は7カ所と聞いていますが、介護保険の出費を抑えることの1つとして、高齢者の増加とともに健康遊具の導入を図ることの必要性から質問といたします。

 また、健康遊具は子供向け遊具よりも値段が安いということも魅力的かと思います。公園遊具での事故が時として発生し、経年劣化した遊具で子供がけがをする事故が報告、報道されることがあります。公園遊具の保守、点検は重要であり、公園でより安全で遊べるように遊具の維持管理体制が見直されつつあり、遊具に関する長寿命化計画、整備方針、白書的なものを策定する時代変化も見られますので、この件についても質問をいたします。

 一般的には耐用年数は金属製で15年、木製で10年との話を伺っていますが、すべての公園の遊具の設置状況及び公園の照明灯、柵、あずまや、ベンチなどについても同様の計画をまとめる方針も必要ですので、公園全体の計画についても答弁を伺います。

 最近では、少子高齢化などにより従来の公園のあり方から、住民が使いやすい公園のあり方が求められているとともに、安心・安全・快適性も必要であり、温暖化対策、緑をふやす取り組みから芝生化などを検討するところもあります。里山辺保育園を初め、園庭の一部を芝生化した例もありますし、ヨーロッパでは駅前広場を芝生化している都市もありますので、検討すべき課題として質問をいたします。

 以上、1回目の質問を終わります。



○副議長(宮坂郁生) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 中田議員のご質問のうち、人口減少時代のまちづくりに関するご質問にお答えいたします。

 初めに、人口減少に関しましては、9月定例会の草間錦也議員の一般質問にお答えいたしましたように、2100年には8,000万人にまで減少することが予想されることから、その8,000万人を静止人口としていかに維持していくかを今から考え、具体的な取り組みを進めていくことが求められております。

 中田議員ご指摘のとおり、人口が減少する中で現状の社会資本を維持、管理していく場合、市民一人一人の負担が増加することは明白でございますので、社会資本の維持、管理に要する費用の平準化や負担軽減を図るため、小中学校、保育園、公民館などの公共施設につきましては、毎年度実施計画に合わせて長期計画を精査し、また、橋梁や公園につきましては、長寿命化計画に基づきより効果的な維持、管理に努めているところでございます。

 あわせて施設の統廃合につきましても、例えばウェルネスうつくしやリフレイン奈川など、施設の利用状況を踏まえた観光施設等の廃止や四賀地区の4つの小学校、旭町保育園と桐保育園、幸町保育園と東部保育園など施設の改築時期に合わせた統合を地域の皆さんのご理解をいただきながら取り組んできております。

 また、平成22年に策定しました松本市都市計画マスタープランでは、人口減少社会を踏まえ、社会資本への投資が抑制される集約型都市構造への転換を図っていくこととしております。

 したがいまして、今後、集約型都市構造への転換を進めていくためには、地域の状況を踏まえた上でインフラを含む公共施設の将来のあり方を全庁的かつ総合的に検討し、残すもの、また、統廃合するものなどを示す長期計画の策定が必要でありますので、引き続き具体的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(宮坂郁生) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 中田議員の1回目の質問にお答えをいたします。

 最初に、コンパクトシティと都市の見直しについてお答えいたします。

 まず、国の集約型都市構造やコンパクトシティに転換するという方針についての市の考え方でございますが、先ほど市長が申し上げましたとおり、平成22年策定いたしました松本市都市計画マスタープランで、人口減少社会を踏まえ、社会資本への投資が抑制される集約型都市構造への転換を図るとしておりますので、国の方針と同じであります。

 次に、拡散型社会から集約型都市及び超少子高齢型人口減少社会への対応についての考え方ですが、現状のままの都市構造が推移し、人口が減少することになれば、中田議員ご指摘のとおり、市民一人一人の負担がふえることになります。対応といたしましては、都市の総合力を評価する観点の1つである本市の人口の考え方について、人口増加が難しい状況の中、20年、30年先を見据え、市民と行政の協働による産業の育成、雇用の創出や魅力あるまちづくりなどの施策の積極的な展開により、定住人口と交流人口の増加に努めながら、現在の都市規模の確保を目指してまいります。

 こうした取り組みにより都市規模、人口規模を確保し、都市の勢いを衰えさせないこと、すなわち歳入をしっかりと確保することが重要であると思います。

 同時に、先ほど市長が申し上げましたとおり、公共施設の統廃合を含めたインフラの長期計画や維持、管理における長寿命化計画などにより、歳出面での運営を適切に行ってまいりたいと考えております。

 次に、高さ規制と都市の発展についてお答えいたします。

 財産権、経済活動、資産価値の低下と補償についてでございますが、景観計画策定時に実施した地価の不動産鑑定においては、高さ制限をした場合、土地の利用状況により多少の影響があるものの、年間地価下落率の変動範囲であり、特に影響があるとは考えられないとされていますので、財産権や経済活動、資産価値に影響はないと考えています。したがって、補償制度についても考えておりません。

 なお、既存不適格となった建物に高さ制限の遡及適用はありませんので、そのまま使用することができます。また、高さ制限を上乗せする場合も、不動産鑑定を行い、地価への影響等も考慮しながら進めてまいります。

 次に、高さ規制ありきでない合意形成についてですが、これまでの都市計画制度などの規制と同様に、地区の実情を踏まえ、住民、権利者、事業者等との合意形成のプロセスを踏んで慎重に行ってまいります。

 公園の健康遊具設置と長寿命化計画についてお答えをいたします。

 健康遊具を公園に導入することについてですが、本件は本年9月定例会一般質問で上條俊道議員にお答えしておりますが、同遊具の導入は中田議員ご紹介のとおり、現在7公園に健康増進を図る目的で他の公園に先駆けて実施しております。今後も長寿命化計画に基づき、老朽化した施設の改築・更新時に地元と調整を図りながら導入を計画してまいります。

 公園整備及び維持管理の方針についてですが、公園整備につきましては、平成9年策定の緑の基本計画に基づき進めてまいっております。現在、同計画の策定時の公園・緑地82カ所と比較して約2倍の158カ所が整備済みとなっています。同計画を策定してから20年余り経過するため、今までの計画内容を検証し、超少子高齢型人口減少社会への変化を見据え、新たな公園整備を含め、緑について20年先を見据えた計画の見直しを行っております。今後の整備に当たっては、見直した計画に沿って継続した整備を進めてまいります。

 また、維持管理の方針については、平成24年度、使用開始が10年経過した117公園・緑地を対象に、施設の健全度を把握するため点検調査を行いました。その結果をもとに、日常的な維持管理や施設の長寿命化に関する基本方針を取りまとめ、公園施設長寿命化計画を策定いたしました。今後はこの計画をもとに、利用度や優先度を総合的に判断し、施設の改築・更新を計画的に進めてまいります。

 公共施設への芝生化につきましては、現在、公園の芝生化は惣社公園、芳川公園、あがたの森公園等比較的規模の大きな公園を主に整備を行い、地域住民の憩いやレクリエーション活動の場として、子供から高齢者まで幅広く活用されています。

 今後、既存の公園や新規に整備する公園の芝生化については、公園の大きさ、利用形態、維持管理を含め、研究課題とさせていただきます。

 次に、松本駅お城口広場についてですが、市民の方からも緑が少ないのではないかという意見をいただいております。広場の整備に当たりましては、さまざまな皆様からご意見をいただき、安全性やユニバーサルデザイン、また、管理しやすさも考慮し、植栽や花壇も含めて整備を行いました。広場に植えた樹木の成長にはまだ時間がかかりますので、お城口広場の緑化は課題として、市民との協働を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。

 保育園の園庭芝生化につきましては、子供の生活習慣改善や運動能力の向上を目的として平成24年から取り組み、現在4園芝生化をしています。来年度以降、全園の一部芝生化に向けて検討したいと考えております。

 以上です。



○副議長(宮坂郁生) 31番 中田善雄議員。



◆31番(中田善雄) 〔登壇〕

 2回目の質問をさせていただきます。

 人口減少時代のまちづくりとインフラマネジメント白書について質問します。

 現在は少子高齢化社会がクローズアップされていますが、今後は人口減少問題が顕在化し、行政においては税収の伸び悩み、扶助費の増加、投資的経費が細くなっている現状から、老朽化と人口減少時代の公共施設のインフラマネジメントが必要となってきますので質問をいたします。

 姉妹都市の藤沢市は、2009年に全国に先駆けて公共施設マネジメント白書を作成しました。これによりますと、市の財政、高齢化、人口減少などを考慮して、施設ごとの年間運営費、利用率、老朽化の度合いなどの情報を公開し、公共施設やインフラ資産の現状の把握、今後の建てかえや大規模改修、修繕などの費用を示し、今後の更新計画の策定を図るものと言われています。全国的には公共施設マネジメント白書なり、インフラマネジメント計画などと呼ばれており、県下では長野市、安曇野市、上田市、佐久市なども策定をされています。

 松本市の場合には、バランスのよい産業構成によって税収の安心感がありますが、市町村合併で行政区域が広域化し、合併前の施設のマネジメントも課題となってくると予想されます。全国的な傾向としては、公共施設やインフラ投資費用よりもその維持管理費が多くなっていますので、人口減少時代の維持、管理は大きな問題であり、維持、管理のマネジメントが必要とされています。

 よって、松本市においては、市長のもとに一元的に管理する白書なるものがあるのか、また、策定を計画していく必要性を感じているのかいないのか、質問をしたいと思います。

 また、今後の維持、管理、更新費用はどのくらいの予想であり、1平方キロメートル当たりの費用は、中心市街地、周辺市街地、山間地などの地区別に市民1人当たりどの程度の費用数字が示され、その差は適当なのか、そして将来の人口減少を予想した場合には、その差はどの程度の差となっていくのか質問します。

 また、1回目の質問において、郊外に広がった開発、都市機能をどうするかの問題提起をさせていただきましたので、今後、郊外の開発をどう抑制するかも改めて質問をしたいと思います。

 高松市などでは多核連携型コンパクトシティを目指し、郊外開発を抑制する方針を打ち出し、各都市での取り組みも見ることができますので質問といたします。

 次に、高さ規制と都市の発展について質問します。

 人口減少時代に突入し、都市の維持、発展を考えたときに、都市の公共施設、インフラの合理的な維持、管理を図るならば、コンパクトシティ化の推進という時代の要請があると言えます。コンパクトシティ化は人口密度を高めますので、市街化区域、特に商業系用途地域を中心とした中心市街地に一律の高さ規制を設けることは、経済の活性化、都市の発展を損ねることになりかねない懸念がありますので、商業系用途地域を中心とした中心市街地の活性化と高さ規制の問題点について、1回目に続いて質問といたします。

 また、高さについては用途地域が大きく関連しますので、景観条例と協定、都市計画法と建築基準法との間に不整合が生ずることもあると思いますので、このずれについて理事者はどのように対処していくのか質問をいたします。

 城下町の高さ規制としては、熊本市では熊本城本丸の石垣の高さ、海抜50メートルを超えないようにする規定がありますが、中心市街地の土地の有効活用、地域経済の活性化、景観への配慮などを評価して柔軟な高さ規制によるまちづくりを行っています。すなわち高さ指針を緩和することもあると言われています。

 また、観光を1つの目玉としてまち並み整備を期待して城下町風のまちづくりを行った都市においては、1つの反省点として、一時的なブームではなく、商業活動の魅力や競争力の強化、バス交通の改善など総合的な施策の推進の必要性が浮かび上がり、ある程度の自由を許容することも必要性があると言われています。

 よって、大変難しい問題でありますが、質問といたします。

 次に、関連性のある問題として景観市民会議について質問します。

 景観市民会議は高さ規制のための会議なのか、カタクラモールを含めた片倉工業株式会社松本社有地と開発を進めるイオンモール東松本対策を絡めた会議のようにも見られますので、質問をいたします。

 また、かつて中央地区西南方面5町会で建築物の高さ規制について反対色の強い報告書を松本市長に提出してありますが、地区で大きく問題となった大谷報告の廃止を求める意見はその後どのように生かされ、今はどのような役割を果たしているのかも合わせて質問をいたします。

 先般、松本市職員によるお城を中心としたまちづくりプロジェクトなり、景観市民会議資料、あるいは公民館講座では、大谷報告が数十年の時を経過してよみがえってきたような感じがありますので質問といたします。

 次に、公園の健康遊具設置と長寿命化計画について質問します。

 1回目の質問で墨田区の例を引き合いに出しましたが、東京都では港区、千代田区、世田谷区などにも、健康増進に向けた高齢者にも利用できる健康遊具が見られます。最近の動向を見てみますと、健康遊具の増加数、出荷数がふえている状況であり、高齢化が進む中国でも公園への健康遊具設置がふえている報道も目にします。

 また、先進地視察を行いました埼玉県のイオンなどの大型店では、エスカレーターの動きを遅くした高齢者対応型の店舗もありますので、介護保険給付費の抑制と高齢者対応型の公園施設は時代の要請とも言えます。

 36館の地区福祉ひろばに設置された筋力アップ装置の利用状況を見ますと、良好とは言えませんので、できる限り多くの市民が利用できるチャンス、場所をふやす工夫も必要と思われます。介護に頼らない予防を考えた健康寿命延伸公園の充実も、都市政策の1つとして大事ではないかと考えます。

 消費税が上がりますと生活防衛意識が高まり、健康防衛意識も高まることが予測されますので、ご見解を伺いたいと思います。

 以上、2回目の質問を終わります。



○副議長(宮坂郁生) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 中田議員の公共施設の維持、管理等にかかわる2点についてお答えいたします。

 まず、公共施設・インフラのマネジメント白書についてお答えいたします。

 1回目に市長答弁で申し上げましたとおり、インフラ等の更新、改修につきましては、学校、橋梁などの施設ごとに一定の基準や長寿命化計画を定め、事業費を平準化するよう従来から取り組んでおりまして、実施計画におきまして全庁的な調整を図っております。

 中田議員ご提案のインフラマネジメント白書等による一元的な管理につきましては、先ほど1回目に市長が答弁いたしましたとおり、長期計画を策定する際において一つの手法となると考えられますので、今後検討を進めてまいりたいと考えています。

 次に、公共施設等の維持管理や更新費用についてお答えいたします。

 まず、維持管理経費につきましては、平成24年度に策定した中期財政見通しの中で、毎年1.8%程度の伸びを見込んでおり、今後5年間は毎年12億円台で推移していく見込みとしております。

 次に、施設の更新計画につきましては、先ほど申し上げたとおり、実施計画において全体的な投資可能額とのバランスを勘案しながら更新計画を策定し、更新費用の平準化を図っております。今後はご提案の白書の検討とともに、より効率的は手法を検討してまいります。

 なお、中田議員ご指摘の地域ごとの公共施設の配置状況や行政コストの差という観点での分析は、現在のところ松本市は行っておりませんが、先ほど申し上げました白書においては、地域ごとの人口動向などの地域特性を反映させる手法もあることから、集約型都市構造への転換を進めていく中で、地域のバランスについても考えてまいりたいと考えております。

 以上です。



○副議長(宮坂郁生) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 2回目の質問に順を追ってお答えいたします。

 まず、郊外の開発抑制についてお答えいたします。

 郊外の開発抑制の手法の1つとして、都市計画法による区域区分制度があります。この制度は昭和43年に作成されました。本市では、この制度をいち早く昭和46年から採用し、都市が無秩序に拡大するスプロール現象に対応するよう取り組んでまいりました。その結果、比較的コンパクトな都市となっている状況でございます。

 平成17年に合併した梓川地区は、それまで農地転用ができれば開発ができる状況でしたが、平成22年に空港東地区と合わせて市街化調整区域に区分し、郊外開発の抑制を図りました。平成23年合併の波田地区におきましても、平成26年度に区域区分を予定しております。区域区分制度は郊外開発を抑制する有効な手段と考え、引き続きこの制度を堅持してまいります。

 次に、高さ規制と都市の発展についてお答えいたします。

 まず、商業系用途地域の活性化と高さ規制についてですが、お城を中心とした中心市街地の商業系用途地域は松本の顔であり、都市活動の中心地として重要な地域です。この地域には、近年の区画整理事業等により基盤整備が進んだ近代的な都市景観を持つ区域があります。また、松本城を初め、城下町の歴史的まち並みや街路など、歴史的まち割りを色濃く残す景観要素から構成されている区域、すなわち歴史的風致維持向上計画の重点区域に含まれています。これらは松本の歴史を育んできた区域であります。

 このように、さまざまな区域が存在することにより、松本らしいまち並みを形成しています。この恵まれた資源は次代に引き継ぐべき重要な財産であり、守り育てていくためには、建築物の高さ規制も必要であると考えています。現在、検討している高さ制限の上乗せは、用途地域一律となっている現計画を中心市街地の地域それぞれの特性に合わせたものに設定しようとするものでございます。

 私は経済の専門家ではありませんが、マーケティングの究極の目的は競争に勝つことではなく、競争をしないこと、すなわちこれでないとだめ、これがあってよかったという状態をつくり出していくことだそうでございます。このことをまちづくりに当てはめるならば、松本は法の限度まで建築できますよ、経済性を究極まで追求したショッピングモールをつくることができますよといった土俵の上で、東京などの大都会や同じような地方都市と競うことではないと思います。現に高さ規制が強化された京都市中心部では、高さ規制が強化された後も地価の上昇が見られています。

 次に、景観条例、協定、都市計画法、建築基準法の不整合についてでございますが、今回の高さ制限の見直しは景観条例に基づいたものです。景観条例の根拠法となる景観法は、形態を断片的に規制するものではなく、都市計画や建築基準法の枠を超えて、周辺のまち並みや建築物、ひいては人々の活動が相互に調和を図ることにより、良好な景観形成を誘導する景観そのものの整備、保全を目的とした我が国初めての総合的な法律です。

 また、まちづくり協定で定める高さの制限は、区域の皆さんが自主的に定め、運営するまちづくりのためのルールでありますので、法律や条例とはその目的が根本的に異なります。まちづくり協定は調和のとれた魅力あるまち並みを形成するために自主的に定められた住民の総意であり、今後高さ制限の上乗せをするに当たり考慮すべき重要なものであると考えています。

 高さ規制、指針の緩和についてですが、現在の景観計画において、中心市街地では区画整理が行われた駅周辺や中央西地区、公益上必要な建築物に緩和の設定があり、景観への配慮の評価によって高さ制限を緩和しています。今後の高さ制限においても、景観等への配慮による緩和は他都市に見られる山城の見え方による緩和などと異なり、現存する江戸時代からの天守では唯一の平城である松本城の見え方など、松本ならではの特徴的な景観に沿ったものや建築物の用途、個々の立地条件、地形等の地域特性により、その必要性について検討してまいります。

 次に、景観市民会議についてですが、景観市民会議は、本市の恵まれた地域資源を生かしたすぐれた景観の保全と景観形成や歴史的風致の維持向上に係る事項などを市民参画により推進するために設置しているものです。現在は中心市街地における高さ制限及び近代遺産の保存活用施策についてご意見をいただいているもので、カタクラ再開発、イオンモール対策に絞った会議ではありません。

 大谷報告についてでありますが、平成12年当時、お城周辺高度地区の都市計画決定による建築物の高さ規制に関して、地元町会のご意見、ご提言をまとめた松本城の景観を守るため周辺地域での建築物の高さ規制についての報告書が中央地区町会連合会から提出されています。この報告書では、松本城の景観はぜひとも守らなければならないとの意思統一への賛同を得られたことが報告されています。このことは、本格的に松本城周辺の景観保護施策の取り組みが始まった昭和48年、東京大学大谷研究室から提出された松本城周辺整備計画、通称大谷報告をもとにした高さ規制への大きな後押しをいただいたものと理解しています。北アルプスを背景に松本城が映える本市を代表する眺望景観の中に、大谷報告は今も生き続けていると思っています。

 一方、松本城周辺高度地区の指定に当たりましては、具体的な規制につきまして地元の要望などから、規制の範囲を必要最小限にとどめる等の配慮をしてまいりました。しかし、現在に至り、当時設定した規制エリアのすぐ外側でマンション問題が発生し、風格ある城下町の創出にそぐわない高層建築物の建設が懸念されていることが今日の状況です。

 高度地区指定について、中央地区町会連合会の皆様が報告書をまとめるに当たって、構成する一部町会から反対意見がある中、当時皆さんは松本城とその周辺の景観を守り、後世に引き継ぐことを責務と考え、数々の協議を重ね、その上で中央地区町会連合会の総意として報告書を作成したと記載されています。そうした協議の積み重ねと住民の総意としての報告書は、その当時に生きた人々の選択ではないでしょうか。

 また、マンション問題を契機に、松本城の景観保護に取り組んできた昭和40年代後半から今日に至る景観保護に対してさまざまな場面で積み重ねられてきた市民の選択は、松本城を中心とした中心市街地が市民共有の財産であると常に未来を見据える目を持った松本市民の誇りです。市民が脈々と守り育ててきた文化・歴史・空間を大切にするまちづくり、すなわち松本城を中心としたまちづくりにより、松本市民がお城を大切にした一体となった歴史・空間や生活の質の高さなどを実感すること、さらに松本に行きたい、松本に住みたいなどと本市以外の皆様に思っていただけるまちづくりを着実に実行することこそ、今生きている私たちが後世に引き継ぐために行う選択であると考えます。

 最後に、遊具設置に関する質問にお答えをいたします。

 高齢者が自宅からウオーキング可能範囲にある公園や緑地については、地域の要望を踏まえ、筋力低下予防、維持につながる健康遊具を主体に設置を検討してまいります。

 以上でございます。



○副議長(宮坂郁生) 31番 中田善雄議員。



◆31番(中田善雄) 〔登壇〕

 3回目の質問と意見を申し上げます。

 先般の公民館講座における経済と景観についての興味深い講義内容がありました。それはヘドニック法による景観価値の評価例として、まち並みの連続性に対する経済的価値を計測した場合に、高層建築物の集積率が高まれば地価はプラスになり、高さ規制を行うならばインセンティブとしての補助金、減税が必要であるとの講義内容でありました。城下町を基盤として都市の形成、まちづくりを行っている各都市は際限なく広がる郊外化の中で悩み、新しい都市のスカイライン、都市景観を創造していますので、土地や建造物に対する地方税の不均一課税を訴え、進めていくことが今後必要と思われますので見解を伺います。

 自己財源の1つである市民税なり、固定資産税の確保に努めるならば、企業の確保、育成と地価の価値を上げることが大切でありますので、理事者の調剤の役目は重要と言わざるを得ません。

 イオンモール東松本の出店については、一般消費者は冷静に静観しているように、高さ規制についても声なき声、中央地区の5町会ではまだまだ冷静なわだかまりを抱いていることを理解していただきたいと思います。

 人口減少問題については、少子高齢化社会がクローズアップされ、少子化がもたらす人口減少がややもすれば見落としがちでありましたが、地域を見渡せばその高齢者も減少している状況が見られます。地域経済を支える一つである高齢者の年金が高齢者の減少とともに減少すれば、地域の個人商店の顧客が減り、納税者、納税する店の数も減少しつつあります。大手の一流企業はこの異変に気づく販売網をもって戦略を練っていますが、小さな個店、特に高齢者の個店にはその影響を分析し対応する力を持つことは至難の技であり、成り立たない状況が目立ち始めています。

 現在、アベノミクス効果を報道する場面が多く見受けられますが、1月から8月の小売販売額統計では、前年同期比ではものが売れた情勢ではありません。高齢化社会、高齢化率も重要ですが、人口の絶対数が減少した場合、問題になってくると推測されます。都市集積を進め安定的な雇用機会の場を確保し、生産年齢人口の流出を防ぐことが必要でありますので、早目の治療を求めたいと思います。理事者の一層の奮起を促し意見といたします。

 以上3回目の質問を終わります。



○副議長(宮坂郁生) 島村財政部長。



◎財政部長(島村晃) 〔登壇〕

 中田議員の地方税の不均一課税についての見解ということでございますので、お答えいたします。

 地方税の不均一課税というものにつきましては、公平の原則に反する措置であることは言うまでもございません。不均一課税を行うことができる場合は、市にとって公平の原則を侵害する、公平じゃなくなるということによる弊害に比べまして、不均一課税を導入することによって市全体に及ぼす影響が、あるいは利益が大きい場合に限られると考えております。

 今回ご質問にありました高さ制限を行うことによる資産価値につきましての不均一課税の見解でございますが、先ほど建設部長が答弁で申し上げたとおり、高さ制限を行うことによる財産権や経済活動、資産価値には影響はないと基本的に考えておりますので、不均一課税にはなじまないと考えております。

 以上です。



○副議長(宮坂郁生) 以上で中田善雄議員の質問は終結いたしました。

 この際、お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、明11日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

     (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○副議長(宮坂郁生) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。

 本日の会議はこれをもって散会いたします。

 ご苦労さまでした。

                              午後3時35分散会