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長野県 松本市

平成25年  6月 定例会 06月12日−04号




平成25年  6月 定例会 − 06月12日−04号









平成25年  6月 定例会



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          平成25年松本市議会6月定例会会議録

                 第4号

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           平成25年6月12日 (水曜日)

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             議事日程(第4号)

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                     平成25年6月12日 午前10時開議

 第1 市政一般に対する質問

 第2 議案に対する質疑(議案第1号から第14号まで)

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出席議員(31名)

      1番  田口輝子          2番  上條美智子

      3番  上條 温          5番  村上幸雄

      6番  中島昌子          7番  太田典男

      8番  小林あや          9番  阿部功祐

     10番  小林弘明         11番  上條俊道

     12番  犬飼信雄         13番  山崎たつえ

     14番  忠地義光         15番  宮坂郁生

     16番  村瀬元良         17番  吉江けんたろう

     18番  芝山 稔         19番  宮下正夫

     20番  熊井靖夫         21番  柿澤 潔

     22番  青木豊子         23番  近藤晴彦

     24番  草間錦也         25番  太田更三

     26番  南山国彦         27番  白川延子

     28番  赤羽正弘         29番  大久保真一

     30番  増田博志         31番  中田善雄

     32番  池田国昭

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説明のため出席した者

  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男

  総務部長      高山 満   政策部長      大石幹也

  危機管理部長    青木敏和   市民環境部長    武井保典

  健康福祉部長    渡辺 明   こども部長     福嶋良晶

  農林部長      勝家秀夫   商工観光部長    寺沢 健

  健康産業・企業立地担当部長    建設部長      上條一正

            平尾 勇

  城下町整備本部長  浅川正章   上下水道局長    丸山悦男

  病院局長      熊谷賢一   教育委員長     斉藤金司

  教育長       吉江 厚   教育部長      川上一憲

  代表監査委員    大出俊次   行政管理課長    小出光男

  秘書課長      小原直樹   政策課長      宮川雅行

  財政課長      島村 晃

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事務局職員出席者

  事務局長      栗原信行   事務局次長     市川英治

  次長補佐兼議会担当係長      主査        伊藤佳子

            逸見和行

  主査        金子 稔   主査        滝澤 修

  主査        出羽沢千曲  主任        高橋千恵子

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               本日の会議に付した事件

 議事日程(第4号)記載事件のとおり

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                                午前10時開議



○議長(太田更三) おはようございます。

 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。

 本日の議事は、日程第4号をもって進めます。

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△日程第1 市政一般に対する質問



○議長(太田更三) 日程第1 昨日に引き続き、市政一般に対する質問を行います。

 順次発言を許します。

 最初に、7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 おはようございます。一般質問3日目でございます。お疲れのことと思いますけれども、よろしくお願いいたします。新風会を代表しまして、大久保議員とともに私見を交えて質問をいたします。

 初めに、4月22日を中心に起こった低温による農業被害について、また関連して、農業政策全般についても伺います。この質問は、昨日村上議員が同じ質問をしております。できるだけ重複しないように、私なりの質問をしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 4月22日の凍霜害は野菜やスイカ、果樹に甚大な被害をもたらしましたが、私は、果樹の被害を中心に質問をいたします。

 近年、地球温暖化の影響から、気象変動が激しくなっていると言われますが、ことしもそれを象徴するような気象経過でありました。ことしの松本市の3月の平均気温は6.8度となっております。平年値は3.9度であります。42.6%も高かったわけです。6.8度というのは観測史上最も高い値であったということでございます。

 果樹というのは、そこの気候に合わせて生育します。特に、休眠から覚めて発芽、開花の時期は周りの気候に敏感に影響されます。この3月の暖かさの影響で、松本平の果樹の発芽、開花の時期が前進してしまったということでございます。具体的に言いますと、3月の平均気温が6.8度というと、埼玉県熊谷市の7.0度、山梨県甲府市の7.1度ということで、松本市の果樹はことしの3月はあの辺の暖かい地域で休眠から覚め、生育していったということになります。

 発芽から開花ステージが熊谷市や甲府市の果樹に近いような状態になっていたところを、いきなりまだ雪が降るような4月の松本平に戻されたというような感じです。私たちは、薄氷を踏む思いでそのように生育が進んでしまった桃や梨やリンゴを見ていたのですが、心配が的中して、突然猛烈な寒波が襲ってきたということでございます。

 中信地方に大きな被害をもたらしたのは、4月22日の低温の襲来があったわけですが、その前日の21日は前夜から降り出した雪が昼ごろまで断続的に降り続き、午後になっても気温が上がらず、積雪が昼間のうちに解けきれなくて、地表面が一面雪に覆われたまま夜に入ってしまったわけでございます。今井、梓川、波田などでは、夜に入りまもなく氷点下まで低下し、最低気温は圃場での観測ではマイナス6度から7度台まで下がり、朝7時過ぎまで氷点下の状態であったということです。地表は一面真っ白く雪で覆われ、10時間以上も氷点下の状態が続いていた、そんな中で、桃、梨の花が満開に咲いていたわけです。身の毛もよだつような恐ろしい光景です。人の力ではどうすることもできません。

 市長も早速5月6日に今井地区を視察されたということですが、恐らくその時点では被害の状況はつぶさにはわからなかったかと思います。現在では、被害を免れ結実したものははっきりとわかります。当初は壊滅を覚悟したのですが、全体としては何とか壊滅だけは免れたという状況です。しかし、梨は場所によってはほぼ壊滅というところもあります。桃の被害も甚大です。

 また、収穫量の問題だけでなく、これから果実が肥大していくに従って、果実の品質低下の問題が出てくることは明らかです。小玉果、変形果、さび果等が必ず出てきます。最終的に農家の収入がどこまで減ってしまうか、それはまだわかりません。問題は、果樹の特性から、来年度以降のために結実した果実が幾ら少なくても、また、商品価値が全くないものであっても、ことし1年間今までと同じように手をかけ、また農薬等の費用をかけていかなくてはならないということです。

 ただでさえ、今の果樹農家は果物の安値安定と、農薬肥料等の生産費の値上がりの中で苦しい経営を余儀なくされ、全く余裕がなく、毎年再生産のための費用を得るだけで精いっぱいの状態です。このたび災害を受けた果樹農家は、その多くが赤字経営に陥ることは必定です。来年度以降の再生産をどうやって確保するか、行政が支援の手を差し伸べなければ、松本平の果樹産業は、衰退への速度を一気に早めることになりかねないと思います。

 市長は、5月7日の記者会見で、行政としても今後それなりの対応をしていかなくてはいけない。被害額が出てから市としても対応していかなければいけないと思っているとおっしゃっていますが、あれから被害の状況も大分見えてきています。

 昨日の村上議員への答弁によりますと、塩尻市、安曇野市、山形村と連携しながら、被害を受けた農作物の植えかえ用種苗の購入費、緊急防除費、防霜資材、果樹の人工受粉資材の購入費等に対する支援を検討する。また緊急生産維持対策として、被害後の栽培管理に要する費用等に対する支援策を検討するということですが、このたびの支援は速やかに行うということも大事ですが、果樹の場合は時間の経過とともに被害の状況が変わってきます。結実はある程度確保されていると思っていても、果実の品質低下が予想以上であったとか、凍霜害を受けたことで来年の花芽の形成が悪かったとか、樹形が乱れてしまったとか、後になって予想もしなかったことが起きてくることも考えられます。

 したがいまして、少なくとも2年間、あるいは3年間は状況を見ながら、この支援でいいのか、支援が有効に働いているのかなど、検証しながら、柔軟に対応していただきたいと思います。

 農業支援や農業政策の場合、自然が相手ということもありまして、これでいい、これで十分だということはなかなか難しいわけですが、現場へ出て、現場の声を聞きながら、的を得た政策を実行してほしいと思います。そうしたきめ細かな配慮をして、初めて真の農業支援と言えるのではないかと思います。ご見解をお伺いします。

 次に、小水力発電についてお伺いします。

 このことにつきましては、私は平成22年6月議会において、豊富な水資源に恵まれている松本市は、地球温暖化防止対策として小水力発電の導入に取り組む必要がある、旧波田町から引き継いだ農業用水路に設置した波田水車を地域新エネルギー推進と環境教育のシンボルとして活用すべきであるという趣旨で、市の姿勢について質問をしました。

 また、経済産業省が新エネルギー財団に委託して実施したハイドロバレー計画開発促進調査において、実施が可能であるとの結果が出された扇子田運動公園への小水力発電装置の設置について、積極的に取り組むべきであるとして、市の考えをお聞きしました。それに対して、当時の牧垣市民環境部長から、地球温暖化防止対策として新エネルギーの活用は極めて重要な政策である。その中でも太陽光発電と並び水資源に恵まれた本市においては、小水力発電の導入は大変有効な手段であると考えている。波田水車については地域における新エネルギーの推進と環境教育の場として一層の活用を図っていく。また、扇子田公園への小水力発電装置の設置については、ハイドロバレー計画開発促進調査において、基本設計、概算経費、発電量及び主要計画等の精査を完了しており、実施に向けた熟度は高いものと認識している。今後、関係団体との合意形成を図りながら、実施に向けて十分検討していくとの答弁がされております。

 この時点では、小水力発電について、積極的な市の姿勢が感じられたわけでございます。その後、波田水車につきましては、ことしの3月、波田堰土地改良区に管理が移託されまして、地域住民の皆さんによって小水力発電推進のシンボルとして、引き続き活用がされております。

 さらに、波田堰土地改良区では地域の農業用水の水エネルギーを有効利用するための小水力発電施設を整備して、低炭素社会づくりの推進を図るとともに、発電電力の売電収入により、土地改良施設の維持管理費の節減を図るという目的で、県営地域用水環境整備事業を導入して、現在実施中であり、本年度発電施設の整備が行われるということです。この波田水車からの一連の動きについては、高く評価したいと思います。

 しかし、もう一方の扇子田公園の設置については、当時の市民環境部長の答弁では、あのように極めて前向きであったのに、いまだ進展がありません。これについて、なぜなのか、どのような状況になっているのか、お伺いします。また、波田堰土地改良区の県営地域用水環境整備事業について、事業の概要、発電量等、詳細についてお聞きします。

 次に、しつこいと言われるかもしれませんが、再び中部縦貫自動車道についてお伺いします。

 この件につきましては、昨年の2月定例会において質問をさせていただきました。それは2月定例会直前の1月11日に国土交通省の事業評価監視委員会において、松本波田道路の事業継続が決定されたことを受けて、急遽質問に立ったわけでございます。あれから既に1年半が過ぎたわけですが、今度こそ何としても事業着工にこぎつけたいという多くの市民の声に背中を押されて再び登壇しましたので、よろしくお願いいたします。

 前回の質問の趣旨は、松本波田道路の事業再開決定を受けての市長の見解と今後の方針を伺うというものでしたが、市長からは「松本波田道路の事業継続の決定は、奈川渡改良の新規事業化に続く中部縦貫自動車道全線の事業促進の第一歩となり、これまでの同盟会活動により長年の懸案事項が実りのある形として具体化されていく過程にあるものと、ありがたく受けとめている。松本市としては、国が進める事業のバックアップ体制を強化するために、建設部内の組織改革を行い、行政による同盟会活動と住民の皆さんの活動を一体的に進める体制を整えることとした」と答弁がございました。

 このような市長の姿勢は、中部縦貫自動車道の実現を待ち望む大勢の市民、そして中部縦貫自動車道の実現のために、一生懸命努力している多くの人々を大いに勇気づけるものでありました。

 さて、あれから1年を超える時間が経過しました。事業評価監視委員会が松本波田道路の事業再開のためには、県による渋滞対策道路の整備が欠かせないとして、事実上、事業継続のための条件としていた波田渋滞対策道路は、おかげさまで昨年12月から本格的に着工されました。当初予算に加えて、9月とそして2月にも補正予算が配分されまして、まことに順調に進められております。

 また、市民タイムスによりますと、県は波田渋滞対策道路は中部縦貫自動車道として国が平成32年度の暫定供用を目指す松本波田道路の波田インターチェンジに向かうアクセス道路としての役割もあるから、松本波田道路の暫定供用前に完成させたいとしているということです。この記事を裏付けるように、先ほど申し上げましたとおり、現在急ピッチで工事が進められております。私たちは、このような県の積極的な姿勢を本当にありがたく思っております。

 さて、本論の国が整備する松本波田道路についてですが、平成32年度の暫定2車線での供用開始に向けた工程表が明らかにされましたが、現在はどのような進捗状況になっているのか、私たちには見えてきません。工程表を見ますと、平成13年から中断していた地元協議を再開するため、24年度から25年度にかけて公安委員会、県、市、NEXCOとの協議を行うとなっております。現在までに市との協議が行われたのかどうか、行われたとすれば、どのような協議であったのか、また現在の進捗状況がどうなっているのか、お伺いします。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 太田典男議員のご質問のうち、中部縦貫自動車道についてお答えいたします。

 本定例会冒頭の提案説明において申し上げましたとおり、中部縦貫自動車道松本波田道路は10年間の足踏み状態から大きな一歩が踏み出されました。昨年度は設計協議の再開に向け、国・県及び市による連絡調整会議の準備会が開催され、協議を進める手続の確認を行い、国が行う調査業務に合わせた事務的な調整が進められてまいりました。現在は、国が地元に示す設計の見直し及び環境調査業務を行っており、設計が済み次第、本年の夏から秋にかけて地元説明会を開催していきたいとの方針を聞いております。

 地元への説明会が始まりますと、地元の皆さんが心配しているさまざまな課題がはっきりとしてまいります。そこで今後、本事業が円滑に促進されるためには、地元の皆さんにおける事業へのご理解と、地元受け入れ態勢をしっかりと形づくっていくことが最も重要であると考えております。市といたしましては、今後事業促進に向けた役割を積極的に担ってまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 勝家農林部長。



◎農林部長(勝家秀夫) 〔登壇〕

 太田典男議員の凍霜害を受けた農家に対する今後の支援についてお答えいたします。

 昨日の村上議員の質問でもお答えしましたが、農業への意欲を失わずに今後も農業を継続できるよう、凍霜害応急対策事業等、県の補助事業を活用しながら支援をしていきたいと考えております。

 また、果樹被害等に対する支援の事業効果について、被害農家に対し聞き取りを行うなど、現場把握、事業の検証を行うとともに、翌年度以降の必要な支援策については、状況を見ながら検討していきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 武井市民環境部長。



◎市民環境部長(武井保典) 〔登壇〕

 太田典男議員の小水力発電に係る2点のご質問にお答えをいたします。

 扇子田運動公園のハイドロバレー計画につきましては、当時、議員ご指摘のとおり、熟度が高い計画として実施に向け、関係団体との合意形成を図るべく調整に入りましたが、水力発電の設置要件であります水利権等の同意が障害となり、実施が困難な状況となっております。このような状況下におきまして、当時、新たに県営事業として波田堰において小水力発電設置の提案があり、小水力発電の普及啓発となることから、松本市といたしましても、積極的に事業の支援をしてまいりました。この事業が県営地域用水環境整備事業でございますが、実施主体が地元土地改良区ということで、水利権等の問題もなく、現在順調に実施がされております。

 次に、県営地域用水環境整備事業の概要についてお答えをいたします。

 この事業は、農業水利施設の維持管理費の低減を目的とし、県が事業主体となり、波田堰へ排出される水を有効利用して、発電設備の整備を行うものです。事業概要は、平成24年度から平成26年度の間に新規発電施設1カ所、既設発電更新1カ所、これは波田水車のことでございます。街路灯などの整備を行い、総事業費は5,300万円となっております。

 新規発電施設は有効落差14.06メートルを利用し、最大出力11.6キロワット、既存発電施設は有効落差0.5メートルを利用し、最大出力0.8キロワットを発電するものでございます。この電力は一般家庭の年間消費電力量に換算しますと、約17世帯分に相当いたします。得られた電力は地域内の水路管理道路の電灯へ供給するとともに、余剰電力は売電する計画としております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 それぞれご答弁をいただきましたので、2回目の質問をいたします。

 まず、中部縦貫自動車道についてですが、現在は、地元に示す設計の見直しなどを行っており、済み次第、本年の夏から秋にかけて地元説明会を開催していきたいとの方針を聞いているということですが、去る4月に我々有志の議員で国土交通省に参りまして、中部縦貫自動車道の今後の計画についてお聞きしました。

 国土交通省の説明によりますと、松本波田道路の波田インターチェンジへのアクセス道路となる県道、波田渋滞対策道路が長野県によって整備されることになったため、それにあわせて事業を進めたい。国土交通省としては、現在一つの事業は10年間ぐらいで完了させるという方針を持っている。松本波田道路は、平成23年度に事業継続が決定になっていることから、平成32年度には供用開始という目標になる。現在、設計協議を再開するための関係機関との調整を行っているが、当初予定よりおくれている。できるだけ早く用地買収に入れるようにしたい。なお、平成26年度には事業評価監視委員会が開かれることになっているが、松本波田道路は事業が継続中のため、再評価の対象となるが、地元の協力体制をお願いしたいということでありました。

 中部縦貫自動車道の長野県内における進捗状況を語るときに、よく引き合いに出されるのが中部横断自動車道ですが、両道路とも1987年に高規格幹線道路網として閣議決定された道路です。あれから今日までの20数年間の間に両者の進捗状況には大きな開きができてしまっています。その原因についてはさまざま考えられると思いますが、今多くの人たちが言っていることは、中部縦貫自動車道の陣営では、国への早期実現の働きかけは主には行政が行っていたが、中部横断自動車道では地域を挙げて運動をしていたということです。やはり、この官民一体となっての活動という点で、我々中部縦貫自動車道は中部横断自動車道に一歩おくれをとったということではなかったかと思います。

 先ほどの2月議会の答弁の中で、当時の堀内建設部長からも官民一体の活動が大切であるとして、平成23年11月に奈川渡改良の新規事業化を受け、国道158号改良を促進する沿線住民の会が設立された。国へ事業促進を要望していくには、地元の熱意と道路整備の思いを、住民の生の声として届けることが必要であり、この沿線住民の会の設立は、同盟会の活動とともに今後の事業促進に向けた大きな力になっていくものと思う。市としては、この会の活動を支援するため、平成24年度に補助金を予算計上した。松本波田道路の事業促進についても、奈川渡改良同様、住民の生の声を届ける活動が必要であると思っており、官民一体となって建設への協力体制をつくっていきたいと、このように住民の生の声を届ける活動が必要であると述べております。まさにこれができるかどうかが、松本波田道路の早期実現の成否を左右することになると思います。

 その沿線地域の動きについてですが、まず波田地区において、この3月末に具体的な動きが開始されました。平成13年5月に設計概要説明会が開かれたのを最後に休止していた、中部縦貫自動車道等対策波田地区連絡協議会を再開させることが決まりました。次いで、新村地区、島立地区及び和田地区の対策委員会がそれぞれ活動の再開を決定するか、再開のための準備を進めています。

 また、その後、波田町が松本市となったため、4つの地区がすべて松本市となったわけでございますので、今後組織を統合し、中部縦貫自動車道松本波田道路の早期実現を目指す組織として再出発する議論が始まっております。

 現在、この組織は町会及び町会連合会、農業委員会、JA松本ハイランド農政協議会、松本波田道路地権者会等によって組織されていますが、今後さらに幅広く関係組織等を加え、住民の意思をまとめ発信していく組織にしていくということで準備がされております。市として、この組織を支援し、官民一体となって松本波田道路の早期実現を目指すべきだと思いますが、所見をお伺いします。

 次に、農業支援、農業政策についてですが、ご答弁をいただきましたが、私の考え方は理解はしていただけたかなと思います。農業への意欲を失わずに、今後も農業を継続できるように支援していくということです。

 市として、このたびのような農業の危機に際して、松本市は国の基としての農業を守るのだという毅然たる姿勢を示すことによって、農家の皆さんは勇気づけられると思うわけです。農家の皆さんに、困難に立ち向かう強い意思を取り戻していただくことが今最も大切なことだと思います。このことをぜひ肝に銘じて今後対応していっていただきたいと申し上げておきたいと思います。

 2回目は、凍霜害への支援に関連して、農業政策全般についても市長の所感を伺いたいと思います。市長は、5月7日の記者会見で被災農家への支援について、塩尻市とか安曇野市とかに、場合によっては話をし、検討してみようかと思っているとおっしゃっておられます。記者の「広域的にということか」という問いに、広域的な事柄を少し考えて連絡を取り合ってみたいと思っていると答えておられます。

 私も広域で松本平の農業を考えるということは必要だと思います。できれば、TPPの問題もあることですし、このたびの凍霜害の問題に限らず、その時々の松本平の農業を考えるための場として、ぜひとも松本市の市長としてイニシアチブをとって実現していただきたいと思います。

 今度の災害がきっかけで、もう農業はやめようと思うという農家の皆さんが出てくることが、大変心配されます。そうでなくても、今、松本市の農業は、担い手の高齢化と後継者不足によって衰退の一途をたどっています。農業センサスによりますと、平成7年には販売農家数は4,930戸でありましたが、10年後の平成17年には3,638戸となり、26.2%の減少となっています。

 その後、平成22年にセンサスがあったわけですが、4町村の合併によって4,530戸になりましたが、合併町村を除けば3,115戸となっています。平成7年から平成22年までの15年間で40%近く減少しているわけです。合併町村での推移はわかりませんが、4町村の合併前の状況から推測すると、同じような動きとなっていると考えられます。

 私の周辺でも70歳をとうに過ぎている皆さんが、跡取りが農業を継がないということで、長年の農作業で痛み始めた足や腰をかばいながら、一人で頑張っているというのが現実です。早くみんなで農業の将来について考えないと、大変なことになると思うわけです。

 しかし一方では、農家の数を減らして、少数の農家に集積して、日本の農業を大規模化すればよいという議論があります。私はそれは間違っていると思っています。日本は狭い国土に大勢の人が住んできたという特色があります。そういう特色の中で、それに合った日本の農業が育ってきたのです。耕して天に昇るという言葉がありますが、まさにこれが日本の農業の特色であると思います。耕せるところは無駄なく丁寧にすべて耕し、小まめに作物を一つ一つ大切に育ててきました。これが日本の農業です。このことを国民の大多数は十分に理解しているのです。

 一つの例を申し上げますと、有害鳥獣といわれる鹿や猿やイノシシが出てくるような山間の農地でも、お金をかけても防護柵で農地を守っているのです。TPPの議論の中で、農産物の価格が下がっても日本の農業を大規模化すれば、コストを下げられるから十分やっていけるという主張がありますが、私はそのようなことは幻想に過ぎないと思いますが、100歩譲って仮にそれがある程度功を奏するとしても、そのような山間の大型機械の入れないような農地は、その列外になってしまうことは明らかです。

 今より農産物の価格が下がれば、これらの農地は真っ先に荒廃農地になってしまいます。これらの山間の農地が今まで農地として維持されてきたために、地滑りや洪水から国土が守られてきたのです。そうした農地が荒廃地となったために、自然災害が起こりやすくなったという例は各地に数多くあります。農業は、食料の供給だけをしているのではありません。農業は、国土の保全機能、水源の涵養機能、自然環境の保全機能、良好な景観の形成機能、そして地域社会の維持活性化機能等々、多くの役割を果たしております。農業の多面的機能と言われているものです。これは大切に守って、次世代へ引き継いでいかなければならないものです。それが今の時代に生きている私たちの責任です。

 高度経済成長期を境にして、日本の農業は随分大ざっぱになってしまいましたが、それでも日本の農業の本質は、小まめに一つ一つ大切に育てるということではないかと思います。それは、農業を機械化して近代化しても、変わるものではないと思います。日本の農業を考える上で、このことを抜きにして考えることはできないと思います。

 TPPの議論の中で、日本の農家を10ヘクタールとか30ヘクタールに規模を拡大して、コストダウンして、輸出をして経営を成り立たせればいいという議論がありますが、日本の農業は長い時間をかけて、日本の風土に合った日本ならではの農業として育ってきたわけです。いきなりアメリカのまねをして大規模化することによって、本当に日本の農業を守り、育てることができるのでしょうか。しかもアメリカは10ヘクタール、20ヘクタールではなく、100ヘクタール、200ヘクタールの世界です。日本の農業を規模拡大して、輸出していくなどということは、机上の空論と言わざるを得ません。

 私は、農家の数が減っていくことが、すなわち農業の衰退そのものだと思うのです。人は城、人は石垣です。先ほど述べたような物すごい速さで農家の数が減少しているのを何とかしてとめることを考えないと、農業は守れないと思います。

 今、日本に関税の撤廃や保護政策の撤廃を迫っているアメリカでは、大規模農場化を進めてきた結果、さまざまな弊害が出てきて、このままでは農村社会が崩壊してしまうのではないかとさえ言われています。確かにアメリカは、大規模農場化することによって穀物輸出量を大幅に増加させてきました。そして今や、巨大アグリビジネスをもって世界市場を席巻しています。

 しかし一方、大規模農場化が達成された陰で、家族農場は−−家族農場というのは家族労働を主体とする自立的農業経営を指しますが、こうした家族農場は淘汰され、地方社会では少数のエリート富農層と大多数の貧困層とに分かれていくことになったと言われています。地方社会における中間層の欠落は、社会的、商業的活動、公共教育、地方政府などに深刻な悪影響を及ぼしたとの指摘もされております。

 こうした中で、アメリカでは近年大規模化に対して見直しがされています。意外な感じもするわけですが、家族農場の崩壊が家庭収入の低下、貧困の上昇、教育の低下を招き、農村社会そのものの存続をも脅かし始めている現実の中で、家族農場は、アメリカの建国以来、国を支えてきた存在であったことに気づき、アメリカにとって家族農場の崩壊は農村社会の崩壊を引き起し、ひいては国の弱体化へつながっていくことに気づき始めたということだと思います。さらに、農業がごく少数の大規模農場の手に集中したことにより、安心で健康な食料の供給が脅かされてきたことに気づき始めたということだと思います。

 1981年、カーター政権のバーグランドという農務長官が「選択の時」と題するレポートを発表し、政府内では初めてアメリカがそれまで進めてきた大規模農場化に対して警鐘を発しました。バーグランド農務長官はそのレポートで、化学物質や石油に依存しきった慣行農法により、構造的な生産力の低下が生じていること。また、大規模な農場に利潤が集中する偏った利益構造が存在すること。さらに農業には、規模の利益が乏しいのみならず、農業生産では大規模化がもたらす経営採算上のメリットが乏しいことなどを指摘して、規模拡大を助長している農政を抜本的に転換するよう訴えております。

 ここで注目したいのは、農業においては規模を拡大することのメリットは乏しいと言っていることです。私たちは、アメリカの大規模農場で超大型コンバインで小麦やトウモロコシを収穫している写真などを見ると、そんな農業に憧れるわけですが、それは麦や米やトウモロコシなどの機械化が容易な穀物栽培に限られた農業です。機械化が困難な野菜や果樹などは、人手でやっているわけです。

 アメリカの大規模経営では、賃金の安い移民労働力の存在が欠かせないと言われています。雇用農場労働者に依存する大規模農場は、連邦労働法の適用除外を受け、低賃金労働力を手に入れていると言われています。全米随一を誇るカリフォルニア州の野菜、果樹生産は、メキシコからの低賃金農場労働者に支えられているということは周知の事実です。低賃金労働者の存在は大規模経営には欠かせない条件だということです。

 そして、もっと深刻な問題が起きております。それは、大規模経営では作業の効率化や多収のために化学物質を多用しております。特に除草剤の多用、それに伴う作物の遺伝子組み換えなどが農業生態系の崩壊を助長しているのではないかと危惧されているということです。日本で農業を大規模化しても、このようなことは絶対に起きないと言い切れるでしょうか。

 もう一つ、大規模農場化が生んだ重大な弊害は、農産物の流通ルートが大規模農場に独占されてしまったということです。流通ルートを持たない小規模農場は、野菜や果樹を栽培するだけで、収穫、販売は行わないということです。大規模農場と栽培契約を結び、栽培するだけということです。この農業システムでは、安全で健康な食糧などは望むべくもないわけです。責任感も矜持も何もないわけですから当然です。この問題も先ほどと同じく、日本の農業を大規模化しても、日本では絶対に起きないという保障はありません。

 また、1997年にはクリントン政権のグリックマンという農務長官が、アメリカの小規模農場の現状を調査し、アメリカ農務省が小規模農場のニーズを認識し、尊重し、それに応える一連の行動を策定するためとして、小規模農場、金融、通商、農村社会、非営利団体、学会、州及び地方政府、アメリカ原住民、農場労働者などの代表30名によって構成される小規模農場に関する委員会を設置します。委員会は、全米各地で公聴会を開催するなどして、翌年の1998年に「行動の時」と題するレポートを発表しました。この「選択の時」と「行動の時」という2つのレポートを経て、今、小規模農場の見直しが行われております。

 農業大国アメリカにおいても、小規模農場の再生が議論されているということです。さきに出されたレポート「選択の時」によりますと、アメリカでは大規模農場化を政策的に進めた結果、アメリカの農場の約94%は小規模農場であるにもかかわらず、その収入は全農場収入の41%に過ぎないということです。

 そして続けて、この国の政治が過去数十年来、農業にもスケールメリットが存在するかの幻想に支えられて、すべての面で大規模経営を偏重する方向で推し進められてきたことが大きく影響して、最近では家族農場の農業からの離脱や挙家離村、一家総出で村を離れることですが、これが急速に進んでいると述べています。

 振り返って我が国を見れば、TPPに対応できるように、今の農家の10倍から20倍もの規模の農家をこれからつくっていくということです。アメリカがかつて数十年にわたり行ってきたが、弊害が出てきて行き詰まり見直そうとしている大規模化するか、さもなければ離農という弱者切り捨てを日本はこれからやろうというのです。

 レポート「行動の時」には、「21世紀の小規模農場の展望」という項の中で、我が国の小規模農場への深い歴史的かかわりとともに、21世紀のアメリカ社会復興における小規模農場の発展に向けて、我々は献身の念を新たにする。我々は、農家個人の管理と熟練と工夫を尊重する農業生産体系を用いて、小規模農業をより強く繁栄させることを決意する。小規模農場と農場労働者が保護的環境下で成功するにつれて、彼らは我が国の食糧供給に貴重な貢献を続けるのみならず、地域経済を活性化し、アメリカ全土にわたる農村社会に活力を与えるであろう。その繁栄の過程で、小規模農場は地域社会と国に自己雇用と土地所有の機会を提供し、文化的・伝統的生活様式と家族を育てる養育の場所をも提供して、社会の強化に貢献するであろう。我々は小規模農場の価値を認識する公的政策を強調し、積極的にその成長と継続を奨励すると、このように述べております。

 さらに、農業政策の指導原則には、安全で健康な食糧については、農業政策は安全で健康で多様な食物を生産する農業システムを奨励すべきである。農家と消費者の関係については、農業及び食糧政策は、農家が消費者の要求に応えられ、かつ消費者間で農業への関心が高まるように、農家と消費者が直接つながるより多くの機会を創出すべきである。地域社会については、農業政策は農村社会を維持・強化し、文化的多様性と伝統的生活様式を祝福する農業を支持すべきである。天然資源の管理責任については、農業政策は国土、水、大気の責任ある管理と保護への報償を勧めるべきである。農場収入については、農業政策は農民に他の経済分野と同程度の農場収入を得られるよう機会をふやすべきである、などと述べられています。

 これらの考え方は、アメリカが日本の農業に迫っている関税の撤廃や保護政策の撤廃とは明らかに相入れず、自己矛盾に陥っているわけですが、このアメリカの小規模農場の見直しの動きがTPPなどの貿易政策にどのようにかかわってくるかはわかりませんが、我が国においても、家族農業を守り、育てていくことの大切さは、アメリカの農業政策を見直す動きの中からもはっきりとわかります。

 最後にもう一人、アメリカの農業食糧政策の研究に携わるピーター・ロセットという研究者の主張を見てみます。21世紀のアメリカの農業政策、そしてそれに対応していかなければならない日本の農業政策を考える上で参考になると思います。

 それは、アメリカ政府は、農産物の自由貿易から一歩下がって、農業の多機能性を尊重し、各国にその食糧と農業に関する真の主権を認めるべきだ。食糧輸出によって世界じゅうの小規模農場を傷つける政策をやめて、小規模農場の経済を発展させる政策を実行すれば、貧困、飢餓、低開発、さらには各地域における農業生態系崩壊の病根を断つことができると主張しています。こうしたアメリカの動きを見ても、これから日本がやろうとしている中小農家を切り捨てて大規模農家をつくろうという政策は、決して日本の農業を守り、国を守ることにはならないと思います。逆の方向へ行こうとしているのではないでしょうか。

 今、必要なのは、農家の皆さんが自身の生業に価値を見出し、農業者としての誇りを取り戻すことです。それには国民的合意のもとに国を挙げて精神的にも、物質的にも日本の農業を守る姿勢を明確にすることです。人知の及ばない自然を相手に、その中から食糧をつくり出す農業に、また国土を保全し、水源を涵養し、自然環境を保全し、人々に癒やしと休養を与えている農業に、国民みんなが感謝の気持ちを持つことが大切です。

 TPPに加わることで生じる農業の減収と工業の増収を、同じはかりにかけて比べようとするような的外れなことが行われようとしております。国土を守っている農業の多面的機能を忘れ、生産額というただ単に金銭の比較だけで物事を考えることの愚かさに一刻も早く気づくべきです。

 農は国の基、そのことを農家の皆さん自身に改めて実感していただき、農業者としての誇りを持っていただくことが今こそ必要です。そして、農業はどんなことがあっても守らなくてはならないものである、このことを国民的合意にすること、このことが今絶対に必要であると思うわけです。

 少し長くなりましたが、日本が今、TPPに参加するために農業のコストを下げるためと称して、現状を無視した大規模化を主張する動きが出てきていることに対して、私は大きな危機感を感じております。

 日本の農業は、専業農家はもとより、兼業農家といえども農作業はここぞというときには家族みんなで、時には子供たちも動員して力を合わせて行っています。こうした家族農業が日本の農業を根っこから支えているのです。それが美しい国日本の農村風景です。それを無謀な大規模化によって壊そうとする動きに、これ以上黙っていられなくて発言した次第でございます。

 願わくは、市長におかれましても、日本農業の現状を憂い、日本の農業を、そして松本平の農業を守り、育てる決意を表明していただきたいと切に思うわけですが、市長のご所見をお伺いします。

 次に、小水力発電についてですが、波田堰土地改良区の県営地域用水環境整備事業への取り組みについては、私たちが望んでいたことが国・県・市の支援をいただいて、実行に移されたものと、大変うれしく思います。

 かつて私たちの農村風景の中に、必ず出てきた水車、これは水車を回して米をついたり、粉をひいたりしていたわけですが、米や粉が電気にかわり、この水車が電力の地産地消を担って、水車のある農村風景がよみがえったらいいなと、そんな夢を見て波田水車をつくり、みんなに呼びかけてきたのですが、このたびの波田堰土地改良区の取り組みは、大変すばらしいものだと思います。

 この水車は、波田水車のような形の水車ではないかもしれませんが、私たちが日常の生活の中でいつも親しんでいる川で電気を起こす、そんな夢が実現していく始まりになるかもしれないというときめきを感じるわけでございます。しかし一方の、ハイドロバレー開発計画の扇子田運動公園のほうは、水利権の問題で実施が困難になったということですが、残念なことです。

 福島原発の事故から、私たちは人類の存続のためには原子力発電に頼らない社会を実現することが避けて通れない道であることを、まざまざと知らされたわけでございます。原子力発電は、地球温暖化防止の面から見ると大変すぐれたエネルギーであり、私たちはチェルノブイリやスリーマイル島の事故を気にしながらも、日本なら科学技術が高いから大丈夫だと、何の根拠もなく思い込み、今日の事態を招いてしまったわけであります。今では、いずれは原発をゼロにしなければならないというのが、国民大多数の意見となっています。

 経済は成長させつつ、地球環境を守るという、私たちが今まで取り組んではいたものの、どちらかというと、経済成長のほうに重きが置かれていたわけですが、近年の地球環境の悪化はもはやそれが許される状態ではないわけであります。自然エネルギーの推進は、現在の社会を存続させていくためには、否応なしに取り組まなければならないこととなっているわけです。

 本市は、エネルギーを地産地消するまちを基本方針に掲げ、率先してこれに取り組んでいることは評価するところであります。私たちの松本地方は、晴天率が高く、日照時間が長いという大きな特徴があります。それを生かして、太陽光発電の普及に力を入れていることは、まことに適切であると思いますが、松本地方は太陽だけでなく、豊かな水、深い緑に恵まれています。その水力発電、バイオマス発電も最大限取り組んでいくことが必要ではないかと思います。

 扇子田運動公園での小水力発電は、発電により得られた電力を公園で使っている照明などに充てるわけですから、市がみずから温室効果ガスを減らすことになりますし、また公園という大勢の人々が集まる場所ですので、ここで実際に地球温暖化防止対策として、小水力発電に取り組んでいる現場を直接見てもらえますし、体験してもらえるわけですから、市民の皆さんに地球温暖化問題や自然エネルギーについて考えていただくいい場所になると思うわけですが、水利権の問題でできなくなったということはまことに残念です。

 この水利権の問題は、小水力発電を普及していく上で、大きな関門となっている問題です。私たちから見れば、小水力発電は用水路に水車を入れて回すだけで、水を消費してしまうわけではないのに、なぜ水利権が問題になるのか、よく理解できないわけです。もし水利権の問題がなくなって、自分の家の傍らを流れる水路に小さな水車を入れて、街灯を灯したり、家庭で使う電力にしたりできるようになれば、地球温暖化防止に大きな貢献ができるだろうと思うわけです。小水力発電にかかわる水利権の規制緩和を国に求める動きが、全国的に起こっておりますので、市としても機会あるごとに国へ働きかけていただくよう要望します。

 今の松本市では、自然エネルギーへの取り組みは既に太陽光発電が軌道に乗って進展しています。しかし、原発に頼らない社会を実現していくということからすれば、これだけでは不十分であると思います。全国の各地域が、それぞれの地域が持っている自然条件を最大限生かして、自然エネルギーに取り組むことが必要だと思います。

 先ほど申し上げましたが、松本市は小水力発電やバイオマス発電にも取り組める条件に恵まれているわけです。中でも小水力発電への取り組みは、既に土地改良区やNPOによって取り組まれています。行政がこれをバックアップして、官民一体となって推し進めることが必要であると思います。要は、小水力発電に向けて、もう一歩踏み出すかどうかということです。

 松本市は小水力発電の専門家からは、こんなに小水力発電に適しているところはほかにない。小水力発電のメッカにもなれるところだとまで言われています。そんな天恵があるのに、利用しないで放っておいては怠慢だとのそしりを免れないと思うわけです。小水力発電に向けてもう一歩踏み出していただきたいと思うわけですが、見解をお伺いします。

 以上で2回目の質問を終わります。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 農業政策全般に対するささやかな私の考えについて、お答えいたします。

 初めに、ただいまの太田典男議員の農業への深い思いと強い信念、あわせてアメリカの農業の詳細な現状についてのお話を伺い、大いに学ばせていただき、感謝申し上げます。

 私は、かねてから生きていくことに欠かせない食糧は、自国で確保することが必要であり、命を育む農業は国の基であると、市長就任以来、一貫して申し上げてきております。したがいまして、我々の生きる原点である農業を営む人をふやし、若い世代の方々にも農業に従事してもらいたいという考えを持っております。あわせて日本の食糧自給率向上が極めて重要であると認識しております。

 幸いにして、松本市は肥沃な土壌、豊かな水、きれいな空気などの恵まれた自然環境のもとで農業が営まれております。農家の皆さんの努力もあって、米は全国トップクラスの収量を上げておりますし、また果実や野菜、畜産品などもバランスよく生産されております。しかしながら、国策としての農業政策の不確実さや不透明さに加え、個別に地域の実情を見ますと、遊休農地の増加、担い手の高齢化、鳥獣害対策や農業基盤の整備など、将来に向けて現時点で取り組まなければならない課題も山積しております。

 私は、今回の凍霜害を含め、一つ一つの課題を解決するため、決して下を向くことなく、プラス指向のもと、将来を見据え、農業を基幹産業として守り、安全・安心な農畜産物の安定供給とともに、水源の涵養、そしてゆとりと安らぎの場の提供など、農業の多面的機能に着目した政策に引き続き取り組んでまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 武井市民環境部長。



◎市民環境部長(武井保典) 〔登壇〕

 太田典男議員の小水力発電についての2回目のご質問にお答えをいたします。

 小水力発電の推進につきましては、国土交通省、経済産業省及び農林水産省等への申請手続の煩雑さや、水利権等が大きな障害となっている状況であり、全国の普及状況を見ましても平成24年度に設備認定されました自然エネルギーの内訳では、小水力発電はわずか0.1%となっております。

 このような状況ではございますが、水資源に恵まれた松本の特性を生かすため、市といたしましても水利権等の問題が比較的容易に解決可能な土地改良区からの要望をお受けしながら、小水力発電の取り組みに積極的に協力しております。現在も土地改良区から梓川右岸に100キロワット規模の小水力発電を設置したいという計画について、国の補助を取り入れながら、今年度調査に入る予定となっております。

 市独自で小水力発電事業を実施していくことは、現在の状況では大変困難でございますが、障害となっている水利権等の問題が生じない土地改良区や地元団体等が主体となって実施する事業につきましては、今後も積極的に支援し、小水力発電の普及に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 太田典男議員の中部縦貫自動車道に係る官民一体となった取り組みについて、お答えをいたします。

 国の事業を進めていく上では、市長も常々申し上げておりますとおり、官民が一体となった取り組みが最も大切で効果があると考えています。国道158号奈川渡改良の事業進捗は、市民の皆様の力強い推進の声を発信するため、平成23年11月に発足した国道158号改良を促進する沿線住民の会の活動によって大きく前進したものと考えております。

 松本市といたしましては、中部縦貫自動車道松本波田道路も同様に、地元組織の支援を行い、建設促進に向けた協力体制を整えるとともに、国と地元のパイプ役として事業進捗がスムーズに図られるよう努力してまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 7番 太田典男議員。



◆7番(太田典男) 〔登壇〕

 市長の農業に対するお考えを拝聴いたしました。市長は農業を大切に考えているんだなという感想を持ちました。市長の農業に対する基本的な考え方には共感できる部分が多いと思っております。

 私は今まで、市長から余り農業の話は聞かなかったように思いますが、考えてみれば農業は、健康寿命延伸都市・松本を実現していくためには、欠かすことのできない食物にかかわる分野であります。健康な農業があって、それが初めて実現していくのではないでしょうか。これからもっと農業に対して発言をしていってほしいと思います。松本の農業を守り、育てるために一層のご努力をされますようお願いいたしまして、この質問を終わります。

 次に、小水力発電についてですが、おっしゃるとおり、これからは土地改良区などの民間でできるものであれば、民間にやっていただくことが最善であると思います。積極的に支援してほしいと思います。

 しかし、当然ですが、民間では採算性を重視して、場所も規模も決めるわけですから、全てが民間でやれるわけではないと思います。行政がやったほうがいい場合もあるわけです。例えば、市内を流れている女鳥羽川を見ましても、豊富な水が常時流れていて、市民の憩いの場でもあり、大切な観光スポットにもなっています。そこへ発電装置を設置して、その水で発電して川端の街灯を灯せば、もう一つの観光資源になるのではないかと思いますし、災害時の緊急の電源となることも考えられます。

 もちろん水利権の問題は関門として出てくるわけですが、ただ、前出の波田堰土地改良区の今回の県営事業の場合は、使用する水が波田堰を流れる農業用水ではなくて、波田堰に排水されている使用済みの雑用水を利用するということで、水利権の問題は発生しなかったとお聞きしております。特殊な事例かもしれませんが、このようなことは、その気になって探せば女鳥羽川にもあるかもしれません。

 要するに、申し上げたいことは、市独自での実施は困難と結論づけていますが、そうではなくて、市として必要ならば独自にでも取り組むという姿勢がほしいということです。いずれにしましても、小水力発電に取り組んでいけば、障害に突き当たることもあると思いますが、目的のために工夫して、それを乗り越えていくという姿勢も大切ではないかと思うわけです。ぜひご検討をお願いいたします。

 長野県では、第3次長野県地球温暖化防止県民計画の中で、水利権相談窓口の設置を初め、地域の合意形成、事業計画策定にかかる技術、許認可の手続、経営にかかわる支援等を行う小水力発電キャラバン隊を立ち上げて、地域の状況を踏まえたオーダーメードのサポートを行うということでございます。ぜひそうした県の支援も活用しながら、積極的に小水力発電に取り組んでいただくよう申し上げ、この件の質問を終わります。

 次に、中部縦貫自動車道についてですが、国道158号奈川渡改良の事業進捗は、国道158号を改良する沿線住民の会の活動によって大きく前進したものであり、市民の皆さんの力強い推進の声に支えられている。この官民一体となった取り組みが最も大切である。市としては、中部縦貫自動車道松本波田道路も同様に地元組織の支援を行い、建設促進に向けた協力体制を整えると、まことに力強いご答弁をいただきました。

 この上は、住民の代表である私たち議員も中部縦貫自動車道が松本平の活性化のために、また地域の安全・安心のためになくてはならない道路であることを、住民の皆さんに理解していただいて、早期実現に向けて一致団結できるように、一層の努力をしなければならないという思いを新たにするところでございます。

 私たちは現在、27名の議員で中部縦貫自動車道建設促進及び国道158号整備促進議員連盟を結成して取り組んでおります。まさに車の両輪として頑張りますので、よろしくお願いいたします。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(太田更三) 以上で太田典男議員の質問は終結いたします。

 続いて、29番 大久保真一議員。



◆29番(大久保真一) 〔登壇〕

 発言の機会をいただきましたので、新風会を代表し太田典男議員の後を質問してまいりたいというふうに思います。

 私は、当初はTPPの質問をするつもりではございませんでした。というのは、当初は、昨年12月定例会に質問した内容について、その後どうなったのか、それから、その後どういう展開をしているのか、そのことをお聞きしながらも、現市政の起承転結の結のところをどうするのかなと、このような質問をしたいなというふうに思っていたわけでございますけれども、3日の6月定例会開会の日の市長提案説明の中に全てが入っているような気がしましたので、急遽、TPPについての質問を構成し、農業分野と医療分野に分けて市長の見解をお聞きしようと、かように思ったわけでございますけれども、ただいま太田典男議員から大分詳しくアメリカの事情が話されました。まさに閣内不一致ではなくて、閣内一致し過ぎたものですから、そうは言っても私もこういう原稿をせっかく書きましたので、ここで申し上げてみたいというふうに思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 質問の内容が急遽だったものですから、原稿が整わない点がありますし、かなり私見が入っておりますので、その点はお許しをいただきたいと思います。

 先ほどの凍霜害についての太田典男議員からの質問に対しても答弁がありましたが、早急にその対策を練りながら、これから1年か2年、わかりませんけれども、そういった被害の中で支援をしていただく、そのことが農家に対する大きな支援であろうかと、農業委員会からも、そしてJAからもそんな要望がされておるところでございます。

 いよいよトランス・パシフィック・パートナーシップ、いわゆるTPPでございますけれども、4月には日本がこれに加わるという発言がありました。既に7月から交渉が始まるわけでございますので、その交渉の行方を注視しているところでございます。

 また、中国もTPPへの参加を検討するという発言をしております。発言の内容は、平等、互恵の原則に基づき、慎重に検討し、賛否両論をよく踏まえた上で、参加する可能性があるとし、情報を交換したいとして、これでいわゆる現加盟国、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、そして参加を既に表明している7カ国、オーストラリア、カナダ、マレーシア、メキシコ、ペルー、アメリカ、ベトナム、以上日本も入れて12カ国になります。中国が参加すればもう1カ国ふえるということでございます。

 また、いわゆる自由貿易協定を越えた21世紀の経済連携にかかわる協定になる模様でありますので、農業分野からも、各分野からも、非常に反対やら不安の声が大きく上がっているところでございます。この交渉は本当にまだ入っておりませんので、どういうふうになるのかという、大きな懸念を抱いているところであります。

 先ほども太田典男議員からありましたけれども、太田議員は果樹専門農家でございますけれども、私は稲作専門農家でございます。ということで、稲作がどうなるのかということの心配が常にあるわけでございまして、いわゆる遺伝子組み換えによる作物の拡大、残留農薬の規制緩和の問題、それから米国産の牛肉や豚肉の輸入規制の撤廃の問題、それが大局的に見てTPP参加に反対の大きな理由になっているわけでございます。

 私は、今申し上げたとおり水田農業を営んでおりますので、米の輸入については大きな関心を寄せているところでございます。仮に米が聖域から外れるとなれば、日本の文化、地方の文化が崩壊につながるのではないかというふうに思っております。この点所見をお伺いしたいというふうに思います。

 というのは、日本文化は稲作文化の上に成り立っていると、私はそう思っております。神社仏閣など、ふるさとを構成している原風景は稲作文化の上に成り立っていて、神社仏閣の周囲には松の大木やケヤキの大木があり、それがご神木にもなっている。そしてその建物だけでなくして、生きている木が林立している。精神文化を構成している。地域の皆さんの心のよりどころとなっている。そんなことがあるわけでございまして、TPPはそんなところで崩壊の危機に地方をさらすのではないか、このように私も考えているところであります。こんな私見に対して市長はどんなご見解をお持ちでしょうか、お聞きをいたします。

 日韓のFTA交渉の中では「米を除き」とありますが、TPPにはその保障があるのかどうか、そのこともお伺いをしながら、これはまだ交渉前ですので、なかなかできませんけれども、政府は米とほかに5品目、米、麦、牛肉、豚肉、そして乳製品、この5品目を聖域とするとしているところでございますが、果たしてそういう交渉になるのかどうか、心配をしているところであります。

 そんな状況の中での交渉参加を取りやめると言っていますが、聖域から外れるということが前提でございますが、果たしてそうなるでしょうか。交渉が始まっていない今、どうなるかわからない現時点での答弁は非常に難しいところがあるというふうに思います。

 JAがこぞって反対運動を活発化させているところに参加したら、後に戻れない、そんな事情が政治上、問題としてあるのではないでしょうか。FTAにはラチェット条項という逆進防止措置という規定があって、一度決めた規制緩和は何があっても元に戻れない、そういう条項であります。それが通ればアメリカにとって有利になる。これを称して不平等条約というふうに言っているわけでございます。市長は、多くの知識と見識をお持ちでありますので、私の見解に対してご自身の見解含めて、その所見をお伺いいたします。

 さらに私見を申し上げれば、農業の持つ多面的価値を少し申し上げ、市長の見解を伺いたいというふうに思います。

 水田には、多様性が存在します。田んぼに水を張ることによって昆虫の生息地としての機能、特にトンボやカエル、ミミズ、オケラ、ゲンゴロウ、秋になるとイナゴだとか、コウロギだとか、バッタだとか、田んぼにすむ生物は5,470種類あるそうでございます。また、田んぼに水を張ることによって、地下水の補給源としての機能、環境、地球温暖化に対して周辺の温度を下げるという機能、これは金に換算することはできない機能でありますので、そういった面を持っているということ。

 またその反面、私自身もそうですけれども、省力化のために農薬、あるいは除草剤もそうでございますが、必要以上にまき過ぎたのかなという感じも持っております。そして、多肥料栽培、多肥多収ということを目標に今まで私もやってきました。

 大型圃場により効率のいい反面、小さな小川がなくなってしまって、先ほど申し上げた生物がすみにくくなっている。大型機械の小型化によって、子供を農作業から遠ざける等々、私自身も、あるいは農家自身も反省するところはあると思いますけれども、農業の持つ多面的機能、先ほど申し上げました農村文化も含めて、市長の農業に対する見解をお伺いをしたいというふうに思います。市長が何回も農業は国の基であるということは発言をして、答弁もされております。違った面での見解もお伺いしていきたいなというふうに思います。

 続きまして、TPPの医療分野についてお伺いをいたします。

 混合診療で国民保険、いわゆる皆保険制度が崩壊するのではというふうに懸念をされているところでございます。また、営利を目的とした病院経営が容認される。もう一つは、規制緩和で薬価が上がり、金持ちだけが医療の恩恵にあずかる、そんなことにならないように、今から医療関係団体も反対し、不安を募らせているところであります。

 当時民主党は、公的医療保険制度は議論の対象になっていないとしていましたが、後に議論される可能性を排除されないと修正をいたしました。今日自民党も安倍総理のもとにTPPに参加を進めておりますが、日本の医療制度は堅持するべきであると考えておりますが、市長いかがでしょうか。健康寿命延伸都市・松本の創造を掲げる菅谷市政、医療制度のもとに成り立っているところもあるのではないでしょうか。所見をお伺いいたします。

 今回のTPP参加交渉について、私個人の意見を申し上げれば、まず参加することがいいのか、悪いのか、そして次に、このことによって、損か得かという判断を、そうした順序での判断を私は育った環境の中で教わった判断基準であります。この点、今のTPP問題は、単に損得での参加を決定しているように思えているところに、このTPP参加の問題がある、そのように思っております。将来に大きなつけを残してしまうのではないか、このように懸念をしているところでございます。

 原発事故でも経験したように、結果として日本は大きな損を残してしまいました。歴史に学べという先人に対して、浅い経験に学んだ3.11の大きな教訓であったのではないでしょうか。今日菅谷市長は、科学の実績を持ってチェルノブイリで活動をしてまいりました。その活動の内容を講演で話し、国民に警鐘を鳴らすべく大いに活動をしている姿は、これを後押しするというふうに私は思っております。

 なぜなら、この後に発言しますクール・ジャパンに関してもそうでありますが、松本市の政策として健康寿命延伸都市宣言をしました。市長が行動することは、松本版クール・ジャパンと考えております。医療者市長の行動はそうあるべきと考えております。市長の見解をお伺いいたします。

 TPP医療から少し外れましたが、本題に戻りますが、今の制度を維持すると、このことが私個人にとっても、同年代の後期高齢者にとっても大変大事な制度であり、その堅持は必要であります。健康寿命延伸は市民は単純に、自分の健康はその都市宣言によって長生きできるようになるのかな、そのように思っている市民も大勢いるのではないかというふうに思います。精神、物の健康にまでと市長は言っております。もっと宣伝をしないと、そういう考えが広がっていかない、市長の見解をお伺いしますが、私ども議員はそれを理解しておるところでございますが、24万松本市民が果たしてそういう理解をされているのか、一度アンケートをとっていただいて、確認してみたらいかがでしょうか。そういうふうに思います。

 次に、幼保一元化、幼児保育、教育についてお伺いをいたします。

 国は、一元化の方向で法整備を進めておりますが、その全体像と自治体とのかかわり合いなど、変化、進展、メリット、デメリットなど説明を求めたいと思います。さらに1人の子供が成長する上で、小・中、いわゆる義務教育、さらに社会教育の重要性、高校、大学への進学は個人の選択でありますが、大人の教育、いわゆる公民館活動など社会教育の充実、一昔前までは青年団活動、あるいは若妻会、婦人会、各地での壮年の皆さんの集まり、何々のOB会、そういった会合と申しましょうか、集会がたくさんあったわけでございますが、時代になかなか合わなくなってきたということで、消滅をしていっております。

 また、新しく生まれた文化の中に、多岐にわたるスポーツ団体、数えきれない集団、そしてIT技術の進展などで社会を構成するようになりました。複雑な構成の中で、今の社会が成り立っているわけでありますが、1人の子供がどう社会とかかわって生きていくかは、これは個人の自由でございますけれども、家庭教育から幼児教育、義務教育、そして社会教育、生涯教育、これから自治体がかかわっていく一つ一つの制度が、横のつながりか、それとも縦のつながりでつながっているのかという、そんな危惧と申しましょうか、1人の人間にすれば、保育園からずっと死ぬまで同じことをやっていくわけでございますので、その辺の連携がうまくとれているのかなというような危惧が一つあるわけでございます。

 そんなことの中で、私の手元にある人からの発言がありました。地域づくり課なる課が誕生しておりまして、各地区でそれぞれテーマを設定し、地域を再生させようと努力している様子は聞いておりますが、ここで一つ問題が生じているようであります。公民館長の報酬と仕事量、一緒に地域づくりをする福祉ひろばの嘱託職員との報酬の差、これらのことが公民館長のモチベーションを下げてしまっている、そんなことを聞きました。

 今日、そちらの方向に議論が集中していまして、地域づくりが進展しない、そのように聞いております。この辺のところを担当部長からその一部始終をお聞きしたいというふうに思います。

 義務教育についてお伺いをいたします。

 先生の不祥事、体罰、生徒のいじめ、不登校などが報道されております。私は私見を申し上げれば、道徳教育、あるいは情操教育がなされなかった結果がこのようになったのではと思っています。教育委員長の見解をお伺いいたします。一つのことをするのに、先ほど申し上げましたが、いいか悪いか、損か得か、教育委員長は、そういう判断をどのようにお考えか、お聞きをいたします。昨年12月議会で斉藤教育委員長から、教師、生徒に対する思いをお聞きし、その熱意を感じました。その後、その熱意が現場に伝わっているのか、そんなことを懸念しながらお伺いをいたします。

 成長戦略について、政府はクール・ジャパン、これは副題として格好いい日本という言葉を使って、海外に日本の文化を紹介し、日本の文化等を売り出そうと、こういう戦略を立てているわけでございます。クール・ジャパン戦略会議なる組織も立ち上げました。さらに肉付け予算も検討されているようであります。私が知るところでは、日本の文化、古典文化、接客マナー、旅館での接客マナーだとかと、こういうふうに書いてありますけれども、それからライフスタイル、ものづくり、デザイン、現場での若者の支援、すしの文化、アニメーション、それからサービス、おたく文化、そういうさまざまな日本のよいところを海外に紹介し、観光や人の交流に結びつけていきたいというようであります。

 そこで私は申し上げたいと思いますが、まず、この松本版クール・ジャパンをやってみたらというふうに思い、市長にそのお考えをお伺いいたします。このことも質問され、一部答弁をされておりますが、もちろんさきにも申し上げましたトップセールスをしていることは承知をしておるところでございます。それ以外にも、まだ多くの松本を売り込む事項があると思いますので、多様な国内ニーズを海外にも知らせていくことが大事であると考えて、見解を伺います。クール・ジャパン官民有識者会議が昨年1月に提言を出しております。そんなことも申し添えて、市長の見解をお伺いいたします。

 このクール・ジャパンに関して、都市間交流について質問をいたしますが、クール・ジャパンに関係するわけですし、また市長よく言う「量から質」にもかかわると思いますので、全てを合わせて質問してまいりたいと思います。

 徳川時代の末期から明治にかけて、政治・文化を求め、時の為政者が数多くの使節団をヨーロッパ、アメリカなどに送り出したことは歴史の事実でございます。今日では、日本が世界に人、物を送り、その情報や経済が国の繁栄をつくり上げていることは、私から申し上げるまでもありません。

 先ほど申し上げましたクール・ジャパン戦略について、経済産業省の担当で今後の日本の産業創出を目指して有識者会議を起こし、現実のものとして展開しようとしております。我が松本市でも海外4都市との姉妹・友好都市の協定を結び、交流をしております。また、市長は本市を量から質へと転換させるべく健康寿命延伸都市宣言もいたしました。また、現下抱える課題、都市交通、まちづくりなどのために、フランス、ドイツなどに視察団を送り出し、本市が課題としている諸課題に方向性を見出そうとしております。

 松本市がここ数年で大変革を遂げる、あるいはなくなってしまうということはありません。しかし、市長がよく言う30年、50年先を見越しての持続可能なまちづくりからすると、単によいところどりをするための訪問団の送り出しよりは、腰を落ち着けて松本が将来にわたっておつき合いのできるパートナー、姉妹都市を探して交流協定をしたらと、そんなことをお伺いしたいというふうに思います。

 ヨーロッパ地区にはグリンデルワルト村との交流がありますけれども、これは旧安曇村との提携でございましたので、新しく松本市としての都市間交流を、手本となるような都市を選定し、姉妹都市として交流を長く続ける、そういうことによって、EUだけでなくても結構だと思いますけれども、ヨーロッパ地域との交流も明治の先人が学んできたように、そのこともこれから必要ではないかなと思って質問をするわけでございます。よろしく答弁をお願いしたいというふうに思います。

 以上で1回目の質問を終わります。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 大久保議員のご質問のうち、TPP交渉に関するお尋ね、それからクール・ジャパンについて基本的なことをお答えいたします。

 まず、農業分野についてでございますが、繰り返しで申しわけございませんが、農業は国の基であるとする私の思いは、太田典男議員のご質問に答弁したとおりでございます。大久保真一議員ご指摘のとおり、我が国は弥生時代に端を発し、稲作を中心とする瑞穂の国でございます。さらには議員からもお考えが述べられましたが、我が国の文化、伝統には稲作を初めとする農業に由来するものが多く、水田が広がるふるさとの原風景は人々に安らぎと潤いを与えるなど、日本人の心のよりどころであると思います。

 そのような国のありようの中で、我が国の産業経済のグローバル化は、国際社会において避けて通ることができない潮流であることも事実であります。ただそこで忘れてはならないことは、日本という国が一つの社会として機能する上で不可欠な自然、歴史、さらには地域の経済、暮らしなど、これまで長い時間をかけて築き上げてきた社会資本を守り、それを後世に伝承していくことであると考えております。

 したがいまして、TPP交渉への参加により国の基である農業が崩壊するようなことがないよう、農業を基幹産業として守り育て、日本の原風景や水田など、農地の持つ多面的機能を維持、増進するとともに、松本市として進める健康寿命延伸都市・松本のベースである食の安全・安心の確保が決して損なわれることのないようにしなければならないと考えております。

 続いて、医療分野についてでございますが、TPP交渉参加による医療分野への影響につきましては、確かに国民や業界の中に現在の医療制度の改革を求める声がありますが、その一方、TPP交渉参加による混合診療の全面解禁や、営利目的の病院の参入からなる国民皆保険制度の崩壊、新薬承認審査の基準緩和による安全性の問題など、医療制度への影響に不安の声があることも十分承知しております。したがいまして、本市が進める健康寿命延伸都市・松本の創造への影響も懸念されるところでございます。

 TPPは日本という国の将来に向けた現代版の開国であると言われ、参加の是非に当たっては、これまで十分な医療情報に基づいた幅広い国民的議論があってしかるべきであったと思っております。現在、並行して進められているアベノミクスによる医療・健康・農業分野の成長戦略や、戦略市場創造プラン等、油断することなく国の動向を注視していく必要があると考えております。

 それからもう一つ、クール・ジャパンのご質問でございますが、まさに大久保議員おっしゃるとおり、クール松本、格好いい松本という形でこれから私自身、あるいは副市長もそうでございますが、トップセールスという形でもって、海外に行くということも大変大事なことをご指摘いただいたものですから、これはまたどうしても言葉の問題等ございまして、スムーズに行きませんが、私としましては、十分検討しながら前向きで考えたいと、このように考えていきます。詳細について、また担当部長にお答えさせます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 斉藤教育委員長。



◎教育委員長(斉藤金司) 〔登壇〕

 お答えいたします。

 道徳教育、情操教育というものが十分に行われているかという観点からのご質問だというふうに考えております。例えば、今大きな教育課題となっておりますいじめに関しましても、これほどいじめが世間の大きな問題となっている中にあって、まだいじめは依然として日常的にあるというふうなところから考えても、まさに大久保議員ご指摘のように、情操教育、道徳教育というふうなものが必要であるということを痛感しているところでございます。

 自分は、道徳教育、あるいは情操教育というものがなされないのは、第一に子供が子供としての時間を本当に過ごすかどうかということにまず第1はかかっているというふうに思います。子供が子供として、生きる時間を十分に持つということは、これは端的に言えば子供が十分に遊ぶ時間をとるということだというふうに考えています。

 子供たちは、鬼ごっこや木登りで動ける体をつくり、ごっこ遊びによって場面に応じたルールや役割を知って、社会の成り立ちを疑似体験します。そして、一人遊びにのめり込むことによって、自分を知るとともに、相手を知るという大切な体験もしていきます。

 多くの人が、遊びは片仮名のヒトが平仮名のひとになるための要件であるというふうに言いますが、これは遊びという何かのためではなく、それ自身を楽しむ行為を通して、人が人として生きていく上での大切なことを無意識のうちに全て身につけるということであると思います。

 アメリカ人の牧師であるロバート・フルガムという方が「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というふうに言われています。大人たちは、今こそ子供たちに十分な遊びを保障してやりたい、そういうふうに思います。

 しかし、そうであるのに、恐らく現在の教育状況というのは非常に過保護である。子供たちに子供としての育ちを十分に保障していないということではないでしょうか。この間も、ある新聞に、高校生の息子にお母さんが数学の参考書を買ってきて与えてやったら、子供はとても喜んで使っている。うれしいという記事がありまして、とうとうここまで来たかというふうに、非常にあきれた思いがしました。

 子供たちをいわゆるいい子に囲い込み、子供たちにとって一番大切なこと、自分で自分の生活を組み立てる力、失敗や挫折を乗り越えて生きていく力、他者と一緒に生きていく力、簡単に言えばこれは自立する力と言いかえてもいいと思いますが、そういうものを学ぶ機会を子供から遠ざけているというふうに思います。

 道徳教育に関しましては、自分も非常に興味がありまして、学校の授業等も見せてもらってきました。隔靴掻痒の感を持たざるを得ないケースが多かったように思います。道徳教育というようなものが十分にされないということについては、恐らく次のような教育にかかわる本質的な問題があるというふうに思います。

 ヘルマン・ヘッセに「シッダールタ」という小説があります。主人公のシッダールタは、友人の再三の勧めがあるにもかかわらず、釈迦の弟子となることを彼は拒否をします。そして言います。釈迦は教えられて今の境地に到達したのではない。みずから悩み苦しんで、そうして悟りを得た。私もお釈迦様の教えを理解することはできる。しかし、それは自分がそれを実現できることとは違う。やさしくしなければいけないとわかることと、やさしいこととは全然別だ、こういうふうに言うわけです。ここには道徳というものが、どういうふうに育つかということの真理があると思います。

 そして、教育というものは、結局は人が自立を果たすことに向かうものであり、そして教育は自己教育以外にはないということが語られているというふうに思います。このことを根底に置かない道徳教育というふうなものは、幾ら回を重ねても、本当に子供たちの心の中には届いていかないというふうに考えています。

 人は自立に向けて自分をカルチベートしていくんだと、自己教育以外ないんだと、そういう基本に立ちながら、遊びを通し、他者とかかわる中で、情操や道徳を子供たちに培っていく、そういうふうなことを、また先生方と一緒に考えなければいけない、こういうふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 川上教育部長。



◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕

 大久保議員の地区公民館長の報酬にかかわっての質問にお答えいたします。

 議員ご指摘のように、地区公民館長の報酬につきましては、見直しが必要な課題と認識をしております。公民館と福祉ひろばは、来年平成26年度に改正を目指します(仮称)地域づくり支援センターの専門機関と位置づけております。このうち福祉ひろばのコーディネーターは、今年度から臨時職員を順次専任職員に切りかえる計画でございまして、市の嘱託職員の報酬を基本に、新たな報酬額が適用され、その勤務条件は地区公民館長と同一となっております。

 一方、地区から推薦を受け就任します地区公民館長の報酬は、現在の報酬額が適用されてから7年を経過しております。現在、公民館長会では公民館長制度研究会を設け、地域課題の解決に向けた地域づくりへの取り組みや、各種団体のつなぎ役など、公民館長のあり方を研究しております。このような状況にございますので、公民館長会からの報告を踏まえ、福祉ひろばのコーディネーターとの整合を図りながら、地域づくりを担う地区公民館長の報酬見直しを検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 福嶋こども部長。



◎こども部長(福嶋良晶) 〔登壇〕

 大久保議員の幼保一元化についてお答えをいたします。

 子ども・子育て関連3法は、子供を産み、育てやすい社会を目指して、質の高い幼児期の学校教育と保育の総合提供、保育の量的な拡大と確保、地域の子供・子育て支援の充実の3つの目的を果たす制度でございます。この新たな制度の中で、認定こども園の見直し、幼児教育と保育及び家庭における養育支援を総合的に進めていくということにしております。

 しかしながら、現段階では子供にとって最も大切な幼児期の充実をどのように図っていくかなど、依然として不確定の要素も多いことから、国の動向を注視し、対応してまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 大久保議員のクール・ジャパンのご質問について、市長答弁に補足してお答えします。

 議員ご指摘のとおり、クール・ジャパンに代表される日本文化は、外国人が日本に興味を持つきっかけとなるものであり、アニメーションや漫画、ファッションなどの文化が高く評価され、人気を呼んでおります。

 松本市といたしましても、現在観光情報ホームページを使い、国宝松本城や重要文化財旧開智学校などを初めとする歴史、文化コンテンツや、日本有数の景勝地である上高地などの自然コンテンツを中心に、国内外に情報を発信しております。

 松本市には、アニメーションやファッションなどの都会型の成熟した独自の若者文化はありませんが、今後は海外から高い評価を受けている接客やおもてなしの文化、松本の食文化など、まだ知られていない松本の魅力を掘り起こし、国内外に情報を発信することにより、松本市をよりよく知っていただく中で、観光誘客につなげてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、松本市が国際観光地として、またクール・ジャパンの対象都市として認められるには、観光に携わる全ての人々が観光地として質を高めるための日ごろからの努力や営みが最も肝要であると考えますので、PR強化にあわせまして観光地としてのブラッシュアップにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 大久保議員のご質問のうち、都市間交流に関する2点のご質問にお答えいたします。

 まず、クール・ジャパンを通じての都市間交流の拡大についてでございますが、現在、松本市では国内3都市、海外4都市の姉妹都市、友好都市に加えまして、金沢市、札幌市及び鹿児島市の3市と文化・観光交流都市協定を締結し、都市間交流事業を実施しております。

 また、信州まつもと空港、福岡便の複便化を念頭に、九州戦略として熊本市や福津市、宗像市などの福岡空港の近郊都市へ市長みずからが赴き、積極的なトップセールスを行っております。

 これらの都市間交流事業を展開する中で特に重要なことは、松本市の多様な魅力の中から、相手方にないもの、憧れるものをセールスすること、相手方のニーズに応じて対応していくことと認識しております。

 議員ご質問のクール・ジャパンは、地域の特性を最大限生かして、海外での販売促進や誘客を図るものであり、海外、国内の違いはございますが、本市が取り組んでおります国内の都市間交流にも通じるものがあると認識しておりますので、国の取り組みも参考にしながら、クール松本、松本の強みを生かした国内都市間交流の拡大を図ってまいりたいと考えています。

 次に、ヨーロッパ都市との都市間交流に関するご質問にお答えします。

 姉妹都市につきましては、その前提として市民レベルの交流が必要であり、現在松本市が姉妹都市、友好都市を締結しておりますソルトレーク市、廊坊市、カトマンズ市、グリンデルワルト村の4市村とも、締結前から自然や文化などを通じた市民レベルでの交流が行われていたものと認識しています。

 ご質問にありましたヨーロッパの先進都市視察は、市民の皆さんにも参加していただきましたが、松本市の重要課題である次世代交通政策、交通による新しいまちづくりを進めていくのに当たり、松本市の目指す方向での成功事例が国内に見当たらないことから選択したものでございます。

 まちづくりを進めていく上では、さまざまな課題がありますが、このように国内に前例がない事例などが海外都市の先進事例が参考になる場合もございますので、今後もその事案、必要性などに応じ、相手方都市を選択するなど、柔軟に対応すべきものと考えております。したがいまして、議員ご提案の新たなヨーロッパ都市との姉妹都市提携という固定的な形での交流につきましては、現段階では考えておりません。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 大久保真一議員質問中でありますけれども、時間でありますので、昼食のため暫時休憩とさせていただきます。よろしくお願いします。

 再開は午後1時15分といたします。

                               午後0時2分休憩

                             −−−−−−−−−−

                              午後1時14分再開



○議長(太田更三) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 大久保議員の質問を続行いたします。

 29番 大久保真一議員。



◆29番(大久保真一) 〔登壇〕

 午前中、それぞれ答弁をいただきました。2回目の質問に入らさせていただきます。

 TPP医療分野について、少し拡大解釈をいたします。私は今、アメリカの週刊誌を読んでいるわけですが、そこには次のような記事がありました。要約して申し上げますが、こんなことがTPPにも入って来るのかなと、そういう心配をして質問をいたします。

 それは、賞金制ダイエット、こういうことをすることによってらくらくスリムボディと題して記事が載っておりました。これは減量した社員に対して企業が報酬を与える、そういうプログラムがアメリカで人気上昇中だと、そういう記事であります。内容は、新しい医療制度改革法のおかげだと、書いてありました。この制度が私にはちょっとわかりませんけれども、この制度のもとで企業や保険会社は減量や禁煙など、健康を保つ努力をした社員に今までより多くの金銭的な見返りができるというふうに書いてあります。

 しかも最近の研究によれば、職場でのこうした取り組みは他人と競わせたほうが効果が上がるとして、大学でも研究が進んでいる。体重を10%減らせば幾ら、体脂肪率を少し減らせば幾らと、このように金額でその効果に対して支払う制度でございます。この制度は、HIV、エイズ患者に対してもそういうことができるだろうということで、そういう予防効果もあるだろうということで、研究がされているようであります。

 金でつるのはおかしいという意見に対して、また一方で、部屋の片づけをした子供にキャンディを与えるようなものという記事も載っておりました。こういった考え方に市長はどんなご意見がおありでしょうか。何回も申し上げておりますが、損得で物を決めるようなやり方は、私は余り賛成はできませんが、TPPもそんな考え方から参加する交渉であるならば、大いに考えざるを得ません。市長の見解を求めます。

 それぞれ答弁をいただきましたTPP農業分野については、交渉参加が間近に迫っているにもかかわらず、全容はわかっていないところに農業関係者が不安を募らせているところであります。既に先んじて交渉参加をしている国があるわけでございますので、政府発表がなくともいろいろな手段でその情報を市民に知らせることが必要だというふうに思います。その考え方をお伺いします。

 農業が壊滅し、食の不安が拡大してしまった後では手遅れですので、交渉に入る前に議論をしておく、このことは農政を担当する部署、農林部ですか、それから農業関係団体にも多少の責任はあるのかなというふうに私は考えております。

 続きまして、義務教育についてお伺いをいたします。

 第1次安倍内閣では、教育基本法の改正を行い、教育の目標に伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛することや、家庭教育の規定を設けるなど、戦後教育の課題となってきた理念を再定義しました。しかし、教育基本法はあくまでも理念法でありまして、現場に理念を展開するためには、個別法で具体的に法整備を整える必要があるというふうに思います。

 下村文部科学大臣は、いじめ、教育委員会、大学、大学入試、6・3・3・4制などを検討事項とし、道徳教科化、道徳教育をすることというふうに言われています。自民党内の議論では、教科書制度も検討されているようであります。

 第2次安倍政権では、戦後教育の見直しを視野に、いろいろ検討されているようでありますが、どのような議論がされているのか、教育長あるいは教育委員長からご答弁をいただければというふうに思います。

 次に、クール・ジャパンについて菅谷市長、量から質への転換が必要と言っておりました。市長の言う量から質への問題は、まさにクール・ジャパンではないでしょうか。松本市民に向けた発信や国内外に向けた文化の発信は、大事なことであると考えます。先進国のクリエイティブ産業への取り組みは、古い政策からアメリカのルーズベルト大統領がニューディール政策の一環として、1935年事業促進局による芸術家雇用政策フェデラル・ワン(連邦計画第1号)による4万人の芸術家雇用から始まり、その結果、地域文化の発展、1954年以降のブロードウェーのミュージカルやハリウッド映画などに反映されていったそうであります。

 一方、イギリスでは1997年にトニー・ブレア首相がクール・ブリタニアという政策を発表しております。また、韓国でも1998年、金大中大統領が文化大統領宣言をして、クール・コリア戦略でアジア市場に浸透、李明博大統領も国家ブランド委員会を設置、映画、音楽などが世界に発信されております。

 日本でも、各地で既にそういった文化の輸出に向けているというふうに聞いております。金沢市の21世紀美術館、これは開館1年目で金沢市の人口の3倍、そのくらいの人が集まったそうであります。一方の直島、ここには草間彌生さんの作品も紹介されております。

 日本経済を牽引してきた自動車産業、家電産業も人件費安と価格競争で苦しむ中、このクリエイティブ産業が総合的に発展しているそうであります。売上高を見ると、2004年ですから今から約10年ちょっと前ですかね、この産業が45兆2,305億円、自動車産業が47兆1,866億円、家電産業が40兆1,379億円、今ではもう10数年たっておりますので、いわゆるこの文化、古典文化とか、そういった文化の発信がまだ多くふえているのではないかというふうに思います。

 中国や東南アジアに向けた取り組みをしているとして、お城や旧開智学校、上高地などをPRしておりまして、2万9,000人の外国人が宿泊したとの報告があります。市長、6月3日の提案説明で日本政府観光局が発表した外国人18.1%増、92万3,000人、こういうふうに発言しております。市内の外国人が松本市の努力によって、あるいは営業力によって、市長のトップセールスによってふえたのか、その分析をお伺いしたいと思います。

 クール・ジャパン、既に市内にある市立高等学校でも漫画アニメ科を卒業した生徒がプロとして活躍しているそうであります。その他の学校、特に職業課程を卒業され、活躍している人たちがどういう仕事をしているのか、また大学生もそうでありますけれども、そういった人たちに松本市のPRをしていただく、そんなような連携がとれないのかもお伺いをいたします。もちろんスポーツも入りますので、ご答弁をよろしくお願いします。

 以上で2回目の質問とします。



○議長(太田更三) 斉藤教育委員長。



◎教育委員長(斉藤金司) 〔登壇〕

 お答えいたします。安倍内閣の教育改革についてです。

 大久保議員ご指摘のとおり、安倍首相は経済、外交とともに、教育を最重要課題として取り組もうとしています。戦後65年、国民の教育水準を高め、社会、経済発展の大きな力になってきたという、戦後教育の光を高く評価しつつも、教育を取り巻く環境が大きく変化し、それに伴う子供たちの意識もまた大きく変わってきていることを思うとき、戦後教育の影をもまた検証するということは、至極妥当なことだと思われます。

 思えば、戦後教育は、多くの改革の波に洗われてきました。とりわけ中央教育審議会や臨時教育審議会の矢継ぎ早の答申以降、戦後教育は時々の時代の要請に応えながら、幾多の改革をくぐっています。学校は週5日制になり、飛び級制度もできました。中高一貫校ができ、学区制は拡大しました。特区と称するものもできました。こうして自由と平等のバランスの上に成り立ってきた戦後教育は、人それぞれの個性や能力に応じた方法や仕組みへと軸足を移し、教育の自由化に向けて、大きくかじを取りながら、現在に至っています。

 しかし、多くの改革を断行し、生きる力をうたい、心の教育をうたっても、教育は相変わらず同じような困難に直面していることもまた事実です。いわくいじめ、いわく不登校、いわく校内暴力等々であります。改革を通して一番実現したかったこと、制度や仕組みの改革を根っこで支えるもの、それは依然としておりのように残ってしまっているということでありましょうか。

 平成7年、いじめる者たちはいじめが「どれほど悪いことなのかわかっていないようなので、僕が犠牲になります」という遺書を残して亡くなった上越市の中学生がいます。事件の取材をした記者は、そのお父さんの言葉がとても心に残ったとして紹介をしていました。「あの子は『いい子』という自分像をつくり上げていた。挫折なく、完璧さだけを求めてきた結果、いじめというつまずきで死を選ぶことになった。もっと小さいころから挫折を味わわせ、はい上がる訓練をさせておけばよかった。たくさんの友達とけんかをさせていれば、こんなことにならなかったかもしれない。」そして記者は言います。「今最も力を注ぐ必要があるのは、子供たちにいじめを越えるほどの生きることへの期待、たくましい生き方を教えてやることではないか。」

 先ほども申し上げましたが、現在が教育過剰の時代であり、過保護、過干渉の時代だということは、既に多くの方に言われていることであります。大人たちが恐らくは善意で与える教育環境は、往々にして子供たちをいわゆるいい子に囲い込み、子供にとって一番大切なこと、自分で自分の生活を組み立てる力、失敗や挫折を乗り越えて生きていく力、つまり自立する力を学ぶ機会を子供たちから遠ざけています。

 教育とは、先ほどの繰り返しになりますが、人が自立を果たすことであり、教育は自己教育以外にないということ、このことを根底に置かない限り、どんな教育改革も結局は人の心に届いてはいかないということではないでしょうか。現在進められている教育改革も、この一点を機軸として展開されることを強く願うところです。

 いずれにいたしましても、教育は100人100論、そして10年木を植え100年人を得る、木を育てるのは10年だが、人を育成するのには100年かかると古人が教えるように、教育は100年の大計です。多くの人々の意見に耳を傾け、十分な論議を深めながら、対症療法的な施策によって目に見える成果を性急に求めることではなく、教育の不易に目指した堂々たる改革がなされることを期待したいというふうに思います。

 以上です。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 TPP交渉に関する2回目のご質問にお答えをいたします。

 大久保議員ご紹介のとおり、アメリカでは賞金つきの健康増進プログラムを提供している企業がふえてきていると聞いております。これはアメリカには日本のような国民皆保険制度がないことと、アメリカの医療の基本が自由診療で、医療費が高騰しているといった医療制度上の問題から、このような制度を導入したものと考えております。

 賞金といった制度が日本の慣習になじむかどうかは、それぞれの考え方によるところでございますが、健康づくりの推進に関しては何らかのインセンティブを考えることも一つの手段であると考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 勝家農林部長。



◎農林部長(勝家秀夫) 〔登壇〕

 TPPに関する情報収集ということでございます。

 現在、TPP交渉の内容は、参加しないと開示されないということになっております。したがいまして、TPPの全体像は部外者には全くわからない、こういった状況でございます。また、仄聞するところ、交渉の途中経過をまとめたテキストというものが見られるのは、正式参加後であり、テキストの中身は数千ページにも及ぶと言われております。農産品などの関税撤廃では、各国の利害が食い違い、調整が難しい項目ほど最終段階にならないと、というのが通商の例だというふうにお聞きしております。

 そんな中で、政府は交渉参加国を訪問し情報収集をしていますが、具体的内容については明らかにされていないのが現状でございます。また、先般、長野県でもTPPの完全撤廃にかかわる農業重要品目の試算をという形で、その影響を試算いたしました。その後、阿部知事は公表を中断したという、そんな経過もございます。

 その中で、その言葉をかりますと、重要品目の試算公表を見送ったことについては、全く何らかの措置が講じられない前提で試算をするのは、実態と違うものになるということで、県の段階でもその状況というのが全くわかっていないというのが現状でございます。

 したがいまして、現段階で市独自に情報を集めることは非常に困難でございますが、この後、国に対し、あるいは県に対し開示を強く求めていくというのが、現在できることでございますが、引き続き情報収集に努めたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 大久保議員のクール・ジャパンに関する2回目のご質問にお答えします。

 初めに、松本市の外国人誘客についてですが、平成24年の外国人宿泊者2万9,000人の内訳として、台湾がトップの3,526人、続きましてタイの3,101人となっております。前年の平成23年の宿泊者数は東日本大震災の影響で1万7,000人でしたので、大きく上回っております。

 また、平成23年の国・地域別の内訳では、上位から台湾、アメリカ、中国、韓国という順番で、タイの宿泊者は573人で下位となっております。平成24年におけるタイの伸びが突出しております。

 この宿泊者数に見る松本市の海外誘客の取り組みに対する成果の分析はできてはおりませんが、松本市の取り組み経過から見ますと、台湾につきましてはここ10年間、直接現地に赴き、宣伝、誘客に努めた結果とも考えられます。また、タイにつきましては、松本・高山・金沢・白川郷誘客協議会の広域連携の中で平成22年から3年間、タイの国際旅行博に参加し、現地商談会、旅行会社回りなど、海外からの誘客に取り組んできた経過もございます。

 次に、文化産業分野で仕事をしている若い人の活用についてですが、市内の学校には特徴ある学科がありまして、そこを卒業された方がさまざまな分野で活躍されております。こうしたアニメーションやデザイン、ファッション等の分野で活躍できる場所は、この地方都市ではそれほど多くないことから、多くの方は大都市圏で力を磨いているものと思われます。

 一方、松本の豊かな自然と文化を創造のための適地として、この地で活動されている方もおられ、今までも松本市のイメージを高めるためにご協力をいただいております。一例を申し上げますと、松本市内に在住の漫画家に上高地の案内ブックを描いてもらい、上高地の隠れた魅力をご紹介いただき、好評を得ております。今後も折に触れ、活躍の場を積極的に検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 29番 大久保真一議員。



◆29番(大久保真一) 〔登壇〕

 それぞれ答弁をいただきました。私はクール・ジャパンの本質は、外へ出て行くと、このことが一番のキーポイントだというふうに思います。

 紹介をいたしますが、世界で一番小さな国バチカン市国、モナコ公国、ナウル共和国、ツバル、その次5番目がサンマリノ共和国だそうでございます。この国はティターノ山というところが世界遺産になっておりまして、その周辺に3万6,000人が住んでおられる。この3万6,000人の生活がどうなっているかというと、そこに工業やいろいろあるわけではなく、世界遺産ですから、年間360万人くらいの人においでいただくと。その中で特に日本製品が世界の観光客に人気があって、その販売の収入がかなりあるということで、そこの大使が、150カ国ぐらい日本の、東京には大使館があると思いますけれども、その代表大使になっておられて、その方いわく、神社をそこに造営したいということで、誰からも寄附を得ずに、サンマリノ共和国の金貨を発行して、それを買っていただいて神社、古い日本の文化をそこにつくろうと、建設が始まっているそうでございます。

 サンマリノ共和国の面積は61平方キロメートルですから、東京の世田谷よりちょっと大きいぐらいだそうです。そういった国が日本をひいきにしているわけでございますので、そういったところへ出かけていって、日本をPRするということが必要だというふうに申し上げたとおり、出ていくということが大切であると思います。

 この国は、世界最古の共和国、1712年の歴史を持っているそうであります。蛇足ですが、日本も神話の時代から言うと2673年たっているわけでございまして、実際の歴史はどうなっているか、ちょっと私はわかりませんので、一応公式にはそうなっております。紹介だけさせていただきます。

 最後に、TPPを申し上げます。医療分野について申し上げますが、手術費用の増加、あるいは営利企業による病院の経営、保険のきく診療に自由診療を上乗せする、医療不足の拍車、こういうことが心配されておるそうでございまして、安い値段のジェネリック医薬品が手に入らなくなる、あるいは利益を大きくしたい米国の製薬会社から値上げの要請が強まる、そんなことが昨日の新聞に載っております。

 それから最後に、農業分野について市長に見解をというか、これからの行動をお願いしたいというふうに質問したいのは、今、JAグループが全国農業協同組合中央会萬歳会長を団長に5名と聞いておりますが、アメリカに行っております。あした帰ってくるようでありますが、その中に長野県農業協同組合中央会の会長もいると、こういうことでございますので、ぜひ会談をしていただいて、実際にアメリカの実態がどうなのか、市長にコンタクトをとっていただいて、その結果をこの議会で発表していただきたいというふうに思いますので、そのことについてお伺いをしたいというふうに思います。

 TPP交渉は年内の合意を目指して交渉するわけでございますので、アメリカでは保険、金融、その他の農業の分野もそうでありますが、そういった分野でも相当な発言をしてくるというふうに思っております。そんなことを申し上げて、私の一切の質問を終了させていただきます。市長にはそのことだけ答弁いただければというふうに思います。ご清聴ありがとうございました。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 今、3回目でございますけれども、大槻会長さんがアメリカに行かれたと初めてお聞きしたんですけれども、機会ありましたらぜひアメリカの状況をお聞きして、そしてまたそのことを皆さんの中にご報告できればと、このように考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 以上で大久保議員の質問は終結いたします。

 続いて、13番 山崎たつえ議員。



◆13番(山崎たつえ) 〔登壇〕

 13番、無所属、山崎たつえ。発言の機会をいただきましたので、発言させていただきます。

 まず、検診率について伺います。市は平成18年から健康を最重要政策としてきました。しかし平成23年、医療費は県下19市中6位、国民健康保険税並びに介護保険税は県下一高い現状です。平成22年6月議会で市長は、国民健康保険税は2年連続で増税させていただく。医療費抑制に向けて、疾病の予防、早期発見、早期治療のための特定健康診査などの受診率の向上及び保険税の滞納解消にも取り組んでいくのでご理解をいただきたい旨を述べていました。

 国民健康保険の基盤は医療費です。冊子「松本市の保健衛生」などの中から、年次別データからなる検診率に視点を置き、質問させていただきます。

 特定健診の松本市の法定報告受診率は、平成22年43.9%、23年43.8%、24年速報値40.4%と低下しています。県下19市の中では高いほうから5位です。また市民一般を対象としたがん検診の受診率を見ても、平成22年と23年と比較したとき、乳がん、子宮がんは上がっていますが、死因の大きな割合を占める胃がん、大腸がん、肺がんの検診率は下がっています。

 なお、平成22年の推計受診率を県下19市で比較してみると、当市は高いほうから胃がんは18位、肺がんは10位、大腸がんは3位、子宮がんは9位、乳がんは5位で、平均すれば19市中、中ほどの順序です。検診率向上のために今後どのような対策を立てられる予定でしょうか、伺います。

 また、私は2月議会で、健康寿命延伸都市宣言の審議に当たり、保険税の高さなどから反対意見を述べました。私は人の健康が基盤と思うからです。その折、佐久市並びに茅野市が県内19市の中で最も低い医療費でしたので、それらの市との比較検討を提言しましたが、それらの検討はされたでしょうか、伺います。

 次に、市民歩こう運動について伺います。平成20年から市長は、健康寿命延伸を図るため、市民歩こう運動を全庁挙げて推進しています。平成20年からの事業内容などを伺います。また、市民歩こう運動事業の概要には、ウオーキングの効果として中性脂肪の減少や血圧、心肺機能の改善などが期待されると記されています。改善の数値をお願いします。また、その施策の実施に当たっての事前調査、並びに4年が経過していますので、その結果も数値でお願いします。

 次に、市民からの質問です。

 まず1例目です。先日、島内駅前の市営住宅の方が1年間もの間、10戸も空室である。入り手がいるのになぜ入居させないのかと訴えました。私も依頼され、市営住宅への入居をお願いしましたが、断られてしまいましたので、その話を聞き、驚きました。調査すると8戸あいており、その理由は東日本大震災の避難者のためとのこと。さらに調査を進めると、市営住宅入居募集の委託先である県住宅公社から平成23年度、24年度、旧市内の市営住宅は東日本大震災避難者受け入れのために6団地を募集停止していたとの文書が届きました。平成25年5月現在、避難者用とした空き室は42戸となっていました。避難者への思い入れは大切ですが、市内にも生活困窮者が多々おられます。避難者用42戸という数を市長はどのように考えられますか。なお、県や長野市などを調べたところ、募集停止をしていませんでした。

 もう1例です。3月、ある会合で生活困難者の相談に乗っている方が、次のように訴えました。Aさんは福島から家族で松本市に避難して来ていたが、現在は市営住宅の大きな部屋で1人で住んでいる。旅行したり、悠々自適の生活をしている。聞くところによると、家賃は無料であり、その上、市は放射能の避難者という理由だけで市税負担で水道料、医療費、入浴券など30項目にわたり市民以上の優遇措置をしているとのこと。市民の中には、生活に困る人が大勢いるのにおかしいのではないか、所得制限など設けるべきと言われました。この声に対して市長の見解をお願いいたします。

 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 山崎議員の健康政策に関する2点のご質問にお答えをいたします。

 最初に、医療費の削減と検診率について、特定健診及びがん検診の受診率向上に向けた対策についてでございますが、まず特定健診につきましては、本年度から5年間を計画期間とする第2期松本市国民健康保険特定健康診査等実施計画にのっとり、受診率向上に向けて取り組むこととしております。

 具体的な施策といたしましては、健診医療機関を2機関ふやしまして132機関にするとともに、松本市医師会医療センターにおいて新たに日曜日健診、及び早朝健診を一部行うこととしております。そのほか、民間企業等に出向いての周知活動や受診率の低い地区への重点的な周知活動等を行うこととしております。

 次に、がん検診についてでございますが、議員ご指摘のがん検診受診率の順位は市で実施しておりますがん検診を受診された方のみを対象としたものでございます。市民全体のがん検診の受診率を見ますと、職場健診や人間ドックなどを含めまして、いずれの健診も40%から60%と高い受診状況にあるところでございます。

 市のがん検診のみを受診される方の受診率向上につきましては、節目年齢の方に無料検診の受診券を通知するクーポン事業を実施するとともに、がん検診の周知方法の見直しを行いました。また、今年度からはクーポン対象者に対する再度の受診勧奨を行い、さらなる受診率向上に取り組むこととしております。

 次に、茅野市と佐久市との比較検討でございますが、このことは本年2月定例会最終日の議案採決の前段に行われました議案に対する意見の中で、議員が触れられているものでありまして、一般質問等で直接ご提言をいただいているものでありませんので、検討はいたしてございません。

 次に、市民歩こう運動についてお答えをいたします。

 市民歩こう運動は、健康寿命延伸都市・松本の実現に向け、まずできることから具体的に実施することとし、日常生活の中で積極的に歩くことを取り入れた事業でございます。その際、事業概要に掲載いたしました中性脂肪の減少、血圧の改善等、期待される効果につきましては、第1次健康日本21において、身体活動、運動についての概要を解説した記述を参考としたものでございます。

 平成20年度からの事業内容でございますが、各種ウオーキングイベント等を行い、歩く習慣の定着化を図ってまいりました。イベント参加者数でございますが、平成20年度から24年度までで延べ2万3,392人でございまして、そのほかにも自主的にウオーキングを実践されている市民の皆さんが多く見られるところでございます。

 次に、数値にあらわれた効果の一例を申し上げますと、平成23年度に40名を対象とした2カ月間のウオーキング講座の実施前後で体力測定を実施いたしました結果、平均で最高血圧が3.6%、体重が1.5%、腹囲が3.2%、それぞれ減少しております。さらに、6分間歩行距離が14.3%延び、片足立ちの時間は30%向上しておりまして、それぞれ一定の効果が見受けられたところでございます。今後もデータを蓄積し、検証効果を高めてまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 山崎議員の市営住宅についてのご質問にお答えいたします。

 未曾有の東日本大震災とこれに伴う福島第一原子力発電所事故による被災者への対応につきましては、議会にも相談し、平成23年3月24日に決定した広域避難者受け入れに関する「松本市の対応について」をもとに進めたものであり、その一環として市営住宅への受け入れを行いました。

 平成23、24年度の2年間で市営住宅は最大42戸あけた時期がございます。これは火災や予期せぬ事故への対応や建てかえ事業による住みかえ用として政策的にあけていた住戸に加え、震災の被災者用をプラスした結果が42戸であり、すべてを被災者用にあけていたものではございません。

 以上です。



○議長(太田更三) 青木危機管理部長。



◎危機管理部長(青木敏和) 〔登壇〕

 生活困窮者ということでのご質問にお答えをいたします。

 東日本大震災とこれに伴います福島第一原子力発電所事故に伴いまして避難生活を強いられている皆さんは、経済的なことのみならず、見知らぬ土地で生活していることにより、精神的にも大きなストレスを感じている状況が続いております。このような大変困難な状況を考慮し、本市は避難者の皆さんに対し、議会へ相談をしながら、市営住宅や教員住宅の提供、生活支援を進めてまいりました。

 平成25年度以降の支援方針についても、議会へ相談申し上げ、これまでの応急的な受け入れから、子供たちのすこやかな成長と健康で末永く住み続けていただくことを目的に進めることとしております。

 時間の経過により、避難者の方々の状況等には変化が見られ、避難者の方を対象に行ったアンケートでは、おおむね半数の方が松本への定住を希望されています。このような状況を踏まえ、今後も就労の支援など避難者の皆さんの意向等を把握しながら、支援の内容を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 13番 山崎たつえ議員。



◆13番(山崎たつえ) 〔登壇〕

 2回目は提言と質問をさせていただきます。

 先ほど、渡辺部長から、松本市独自で行った聞き取り調査についてお話がございました。それですと、検診率は非常に高い値を示しているわけですけれども、長野県が市町村の比較のために算出している推計受診率とに大きな差があります。調査条件が異なりますので、公表に当たっては他市との比較はできないことを明記していただきますようお願いいたします。

 また、検診について、市民歩こう運動について、非常に前向きなご答弁をいただきましてありがとうございました。この問題についての2回目は、提案とさせていただきます。平成14年の健康づくり計画は、13年に事前調査、18年に中間調査がされ、冊子が出されています。食、運動、検診など、全項目について調べられ、進捗状況がよくわかります。

 そこで提案です。市民歩こう運動は事前調査も継続的な結果調査もまだ出されていないとのことです。しかし、市民歩こう運動はリーフレットの作成、ウオーキングロードの設定、地区ごとのウオーキングマップの作成など、大変な資金とエネルギーを費やし投入されましたので、その結果を見るために平成13年度と同じ調査の実施を提案いたします。

 2点目の提案といたしまして、バランスのとれた健康政策の運用を提案いたします。国の健康日本21の政策は、各種調査研究から予防に重点が置かれ、第1次予防として栄養、運動、第2次予防として検診としています。平成14年当時の方針もそれに従い、栄養、運動、検診が一体で進められました。しかし、平成20年にそのあり方は大きく変わりました。市長は平成20年から運動の中から市民歩こう運動を取り上げ、全庁挙げての実施に踏み切りました。

 そこで私は、栄養、運動、検診を一体化した期間と、市民歩こう運動を特化した期間とについて、がん検診率を比較してみました。前者の期間は平成13年から現市長が健康を最重要事項としていない平成17年までとし、後者の期間は市民歩こう運動のスタート前の平成19年から平成23年としました。がんの死亡率は肺がんを100としますと大腸がんは88、胃がんは84、乳がん12、子宮がんは11です。

 そこで、死亡率の高位の肺がん、大腸がん、胃がんについて比較してみました。栄養、運動、検診を一体に実施した期間は3つの検診率が上がっていました。しかし、市民歩こう運動に特化した期間は3つの検診率は下がっていました。検診結果のみで断定はできませんが、検診率の低下の一つの要因として、政策の運用が歩くことに力が入り、市民の心が栄養、検診から少し離れてしまったのではないかと推測いたします。

 2月議会報告会で、ある市民が健康のもとは食べること、食べることについて取り上げていないではないかと発言しました。市民の中にも、そのように感じていた人がいたのです。歩くことはすばらしいことですが、歩くことと同様に食の問題、検診の問題についても声を大きくしていただくことを提案いたします。

 議会報告会の市民の声を受けてか、平成25年度から急に食育のイベントがめじろ押しに計画されています。うれしいことです。しかし一過性の華やかなイベントは、少しは役に立つでしょう。また新聞の種にもなるでしょう。しかし、市民一人一人の食習慣を変えるところまではいきません。私はかつて保健所で管理栄養士として保健師とともに、生活習慣病予防の指導に直接携わっていました。地道な活動の積み重ねが必要ではないかと考えます。

 市は、世界健康首都会議を開催しています。外国人の旅費は松本市持ちですが、松本市の健康にかかわる実績が上がっていけば、ぜひ松本市の実践を見せていただきたいと、みずからの費用で世界の人々が参加くださるのではないでしょうか。

 次に、市営住宅についてでございます。全てが被災者のためではないというご答弁でございましたが、次のような経過がございましたので、述べさせていただきます。

 県住宅公社は市営住宅募集停止を市の住宅課から依頼されたと文書回答。市の住宅課は危機管理部に聞いてくれと文書回答。危機管理部は募集停止など知らないと私に言われました。私は市の住宅課や県の住宅公社は、何らかのところからの指示なしには募集停止はできないと思います。市の言うことはころころ変わっています。どうぞ一貫性を持っていただきたいと思います。

 住宅公社は文書回答だけは変わっておりません。それが真実だとしたら、市民の中に避難者支援と市民へのサービスとにバランスを欠いたのではないかとの声があります。空室なのに生活困窮な市民にとって安い市営住宅に入れないことは残念なことです。また、入居させていれば、松本市へ家賃収入が入ってきます。

 2つ目の事例でございます。私に訴えたのは、社会的にもきちんとした方であり、Aさんの名前、職業も提示くださいました。放射能避難者、国の政策ゆえに故郷を追われお気の毒です。しかし、市内に多数おられる生活困窮者も国の政策のミスです。朝日新聞は平成25年3月12日に長野県下の自治体の避難者対応について報道しています。松本市は最多の317人を受け入れている。松本市は保育料の減免、介護サービス助成、無料の診療など30事業で生活を支援してきた。手厚い支援体制から松本市を選んだ避難者も多い。長野市は保育料と上下水道のみ減免であるが平成25年度末まで。上田市は上下水道のみ免除しているが、支援は3年が目途としている。理由は市民とのバランス、市民にも生活困窮者がいるなどの理由。どこの市も市民とのバランス、市民にも生活困窮者がいるなどという理由から、松本市のように避難者を特別扱いをしていません。前述した女性のように、困る市民がいるのにおかしいという市民が出てくるからです。

 しかし、松本市はさらに平成26年3月まで、市民以上の優遇措置を延期しました。なお、朝日新聞の調査結果の骨子は、山崎が平成24年6月発表した調査結果と同様でございました。2回目の質問を終わらせていただきます。

 申しわけございません。2回目の質問に移らせていただきます。

 監査委員会に伺います。放射能に係る避難者受け入れについての文書の件で、監査請求を提出しました。しかし、監査委員会はその書類を受理しませんでした。理由をお聞かせください。また議事録がないのはどういうわけでしょうか。

 次に、ロシアとの経済交流について伺います。平成20年にロシアとの経済交流を推進するために市長を団長とし、商工観光業者など約20名がロシアを訪問しました。その視察費は5人で187万円、そして平成22年、23年はアンテナショップの宣伝などに200万円、24年は見本市へ職員を派遣し40万円、合計投資額は427万円でした。その結果、平成24年には梓川のリンゴが150キロ、ロシアに向けて販売されたとのことですが、幾らで販売されたのでしょうか。

 また、今後の経済交流の展望を伺います。また、企業においては500万円投資しますと五、六年を目途に回収するとのことですので、行政経営との言葉も聞かれます昨今、市においてはその回収はどのくらいの年限を設定されているのでしょうか、お伺いします。

 2回目の質問を終わらせていただきます。



○議長(太田更三) 大出代表監査委員。



◎代表監査委員(大出俊次) 〔登壇〕

 代表監査委員の大出俊次でございます。今回初めての登壇でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 山崎議員の監査に関する質問にお答え申し上げます。

 まず、平成25年3月29日付の住民監査請求を受理しなかった理由についてですが、平成25年4月24日付で両人に通知しているとおり、同請求については違法性、不当性の根拠が具体的、客観的に記されていないなど、住民監査請求としての要件を満たしておらず、不適法な請求だったため、受理しなかったものであります。

 次に、議事録についてですけれども、議会と違い、法律上、その作成を義務づけられているものではないため、議事録は作成しておりません。報告書で会議の概要はわかるようにしております。

 また、監査委員の考え方については、監査結果に集約し、地方自治法の規定に基づきホームページなどで公表をしております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 平尾健康産業・企業立地担当部長。



◎健康産業・企業立地担当部長(平尾勇) 〔登壇〕

 山崎議員のロシアとの経済交流についてのご質問にお答えをいたします。

 まずリンゴの売上額についてでございます。ことしの1月からリンゴの輸出を始め、これまで約150キロを輸出いたしました。売上額は約100万円程度と把握しております。今年度は発売開始時期を11月に繰り上げ、さらに輸出量をふやすとともに、新たな輸出品目の開拓についても研究してまいりたいと考えております。

 次に、経済交流のもう一つの柱でありますロシアからの観光インバウンドでございますが、これまで行政視察として建設関係者など5団体、50人を受け入れ、市内に宿泊していただいております。また、市の観光案内所のロシア人観光客の利用件数の推移を申し上げますと、使節団を派遣する前の2007年はゼロ人、派遣した2008年が5人、2009年が17人、2010年が37人と着実にふえ、震災のあった2011年は11人と激減しましたが、昨年は51人と過去最高となっております。この数値は、観光案内所を利用した人の数ですので、実際にはこれ以上の観光客が松本を訪れているものと考えております。

 日本政府観光局によれば、松本はロシアで人気急上昇中とのことで、これは松本・高山・金沢・白川郷誘客協議会が推進する国際インバウンドゴールデンルート等をモスクワ国際観光見本市でPRしてきた結果と考えられ、この秋にもロシアの旅行エージェントによる松本視察が予定されるなど、費用対効果の面でも十分成果を上げていると考えております。

 現在、安倍政権下において、日露間の外交上の機運が、高まる中で、経済交流につきましては、今後さらに発展するものと期待をしているところでございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 20秒ぐらいしか時間がありませんが、よろしいですか。13番 山崎議員。



◆13番(山崎たつえ) 〔登壇〕

 先日、議会事務局の情報公開で見せていただきましたら、議会事務局の報告書というのは、議会でいう議事録に値するものであったことを確認いたしましたので、実際的には議事録というものは作成してくださると確信いたします。

 ロシアについては、活発な経済交流を期待しまして……



○議長(太田更三) 山崎議員、時間になりましたのでおやめください。

 以上で山崎たつえ議員の質問は終結いたします。

 続いて、17番 吉江けんたろう議員。



◆17番(吉江けんたろう) 〔登壇〕

 吉江けんたろうです。

 長野県の中長期的なビジョン「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」について発言します。

 東京大学名誉教授宇沢弘文先生初め、長野県総合計画審議会委員によって策定された「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」がことし3月に県民に知らされることもなく静かに幕を閉じました。長野県では新たな総合5カ年計画が前倒しで策定されたため、中長期的なビジョンの計画期間が本来よりも大幅に短縮されました。しかも阿部守一県知事は、その当時の策定当事者であって、その理念を理解して反映できる唯一の人物でした。コモンズ、社会的共通資本など、従来の行政計画にはない画期的な概念を盛り込んだ内容であったにもかかわらず、県は県民に対してこのビジョンの十分な啓発活動と説明責任を果たさないまま、一方的に廃止したと言えます。

 長野県の中長期的なビジョン「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」は、県民にとって信州のバイブルです。信州の独立宣言でもあります。長野県議会も廃止の決議案を全会一致で採択しており、かつての翼賛的で官僚的な県政運営になるのではないかと危惧を覚えるという、大変心配する県民の声や市民の声が届いています。

 平成25年5月31日、長野県知事と長野県議会議長宛てに中長期的なビジョン「未来への提言」廃止に異議あり、抗議の申し入れを市民団体「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」を取り戻す長野県民の会が提出しています。同会の共同代表には私吉江けんたろうと、前塩尻市議の小野光明氏が務めています。信州のバイブル「未来への提言」を復活してほしいという県民の声が届いているからです。

 質問いたします。長野県が平成17年に策定した中長期的なビジョン「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」が平成25年3月に廃止されたことに関する市長の見解を質問します。

 続けます。信州まつもと空港の活性化について発言します。

 信州まつもと空港の国際化についてです。県営松本空港を利用する国際チャーター便が減少傾向にあります。国際化に向けて先行きが見えない中で市の見解を質問します。信州まつもと空港における国際チャーター便の過去5年間の運行推移を質問します。

 続けます。国際チャーター便の運行が減少していると考えますが、その理由を質問します。また、国際チャーター便を増発することについての市長の見解を質問します。

 健康寿命延伸都市・松本について発言します。健康体力測定事業についてです。

 市民の健康、体力の維持、増進のため、体力測定を実施していくことは大事な事務です。そこで質問します。高齢者における松本市の健康体力維持のための具体的な施策について質問します。また、平成23年度、平成24年度における介護予防体力測定の年間利用者数と現状について質問いたします。

 続けます。スポーツ推進計画の策定について発言します。スポーツ振興についてです。

 平成23年度に50年ぶりに改正されたスポーツ基本法は、その第10条第1項において、都道府県及び市町村の教育委員会は、スポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画、以下地方スポーツ推進計画を定めるよう努めるものとすると規定されています。松本市の進捗状況はどのようになっているのか質問します。

 続けます。長野県もこの3月に新たな長野県スポーツ推進計画を策定しました。松本市はなぜ新しい法律に基づくスポーツ推進計画を策定しないのか、またする考えはあるのか、質問いたします。

 続けます。松本市美術館開館10周年記念事業費「草間彌生作品3点9,000万円絵画購入」について発言します。美術館の事務の取り組みをチェックするため、情報公開請求を行いました。その中で、公文書閲覧した際に発見したことに基づいて今回は質問いたします。

 情報公開請求により文書の閲覧を行いましたが、閲覧に供された文書にはコピーが添付されていました。当然、本物が供されると考えていましたが、本物が閲覧できないことがありました。今の情報公開請求の事務は条例に従った事務となっているのか、見解を伺います。

 閲覧時に押印漏れ、日付漏れの契約書を発見しました。公印のつき忘れの契約書が出てきました。このことについて、市はどのように受けとめているのか、見解を質問します。また、この問題について、5月29日に指摘してからきょう現在、契約書で押印漏れなどの問題のあった文書はどのような件数があって把握しているのか、詳細についても尋ねますので、答弁をお願いします。

 以上で第1回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 吉江議員の「未来への提言」に関するご質問にお答えをいたします。

 「未来への提言」は、平成16年3月、田中県知事のもと、当時の阿部副知事もかかわられ、長野県の中長期的ビジョンとして策定されたものでございますが、いわゆるリーマンショック以降の急激な経済、雇用情勢の変化や東日本大震災によるエネルギー政策等の新たな課題への対応など、社会、経済状況の変化を踏まえ、本年2月の県議会において廃止に至ったものと認識をしております。

 「未来への提言」に関しましては、過去の松本市議会におきましても質問されておりまして、松本のまちづくりの考え方に通じるものがあり参考としたいとの趣旨の答弁をしております。これを踏まえ、本市は「未来への提言」の理念も参考に、平成17年度に松本市第8次基本計画及び松本市基本構想2010を策定してまいった経過がございます。

 次に、信州まつもと空港の活性化に関する3点のご質問に順を追ってお答えします。

 初めに、信州まつもと空港における過去5年間の国際チャーター便の運行状況について申し上げます。平成20年度は行き先が中国、グアムなど計18便、利用者2,631人、それから平成21年度、中国、ウラジオストック等へ計10便、1,422人、平成22年度は中国、グアムへ4便、利用者638人、平成23年度は香港、台湾等へ6便、利用者900人、平成24年度台湾へ2便、利用者440人となっています。

 運航便数が減少している理由につきましては、日中関係等にかかわる国際情勢などの影響によるものと思われます。また、国際チャーター便を増発することにつきましては、平成24年12月定例市議会における増田博志議員のご質問にお答えしましたとおり、信州まつもと空港は県内で唯一海外に開かれ門戸でありますことから、空港の活性化につながる国際チャーター便の運航に向け、県を主体に市としましても、連携して取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 体力測定に関するご質問にお答えをいたします。

 体力維持のための具体的な施策でございますが、松本市では高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、できる限り要介護状態にならないこと、また介護を必要とする方については、現在の状態を維持し、悪化させないことを目標にしております。

 そのためには体力を維持すること、すなわち運動機能の低下を防ぐことが不可欠であり、高齢者の体力維持向上のために熟年体育大学や市民歩こう運動などの各種事業を行っておりますとともに、体力測定会など、体力レベルに合わせた体力維持のための各種教室を展開しております。

 体力測定会の実績でございますが、体力測定会は高齢者が自分の体力レベルを知り、介護予防の意識を高め、運動を始めるきっかけとなることを目的に、介護保険の介護予防普及啓発事業として実施をしておりまして、平成23年度、24年度ともそれぞれ市内10カ所、延べ40回を実施し、23年度の参加実人数は180人、24年度は130人という実績でございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 川上教育部長。



◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕

 吉江議員のスポーツ推進計画の策定についての質問にお答えします。

 松本市では、健康寿命延伸都市・松本の実現に向け、平成23年に策定しました松本市総合計画の基本施策にスポーツの振興を掲げるとともに、平成24年策定の松本市教育振興基本計画の中にスポーツを通した健康づくりを位置づけ、推進に努めているところでございます。一方、プロスポーツへの支援やスポーツを介した都市間交流の促進など、本市がスポーツにおいて取り組むべき課題はふえております。

 このような状況におきまして、総合計画などを補完してスポーツ行政を具体的に推進する個別計画の策定が必要との認識のもと、スポーツ推進計画の策定に向け取り組みを始めたところでございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 高山総務部長。



◎総務部長(高山満) 〔登壇〕

 美術館に関する文書事務に関する吉江議員のご質問でございますが、文書事務全般にかかわるということでございますので、文書事務を統括しております私のほうからお答えを申し上げます。

 情報公開請求により閲覧をした草間作品の購入支払いに当たっての公文書に関係資料として、具体的には価格評価書というものの実物ではなくコピーが添付されていたというご指摘でございます。価格評価書の原本につきましては、他の公文書において適正に保存、管理をされており、閲覧に供した文書にはコピーが添付されていたという内容でございます。

 このことは、通常の事務処理で行っていることでありまして、情報公開制度も十分に熟知、活用されてきている吉江議員には当然ご理解をいただいているものと思っております。

 次に、契約書の押印漏れにつきましては、議員ご指摘のとおり、一部事務処理に適正を欠く処理がありました。単純な事務処理ミスとは申せ、チェック機能が働かなかったということはまことにもって遺憾なことであり、文書事務を統括する立場から担当部課に対し厳重に注意をしたところであります。

 文書事務につきましては、日ごろから研修等の機会を捉え、適正な処理に努めるよう徹底を図っているところでありますので、今後も一層適正な事務処理が行われるよう、庁内に周知、徹底を図ってまいります。

 また、その後、契約書の押印漏れがあったかどうかということにつきましては、ただいま申し上げましたように、適正な事務処理を徹底しているということでございますので、そのような事例はございません。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 17番 吉江けんたろう議員。



◆17番(吉江けんたろう) 〔登壇〕

 2回目の質問をさせていただきます。

 まず、長野県の中長期的なビジョン「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」が廃止されたことに関連して質問します。このたび策定された長野県の新たな総合5カ年計画と松本市総合計画との整合についてはどのように考えているのか、質問いたします。

 続けます。信州まつもと空港の国際化についてです。国際チャーター便に関して松本市の具体的な取り組みと予算対応について質問いたします。また、信州まつもと空港の国際化に向けて、松本市は県に対して何を具体的に要望しているのか、質問します。

 続けます。健康寿命延伸都市・松本の健康体力測定事業について質問します。介護予防体力測定の平成23年度、平成24年度の推移状況を鑑みまして、現状を市はどう見ているのか質問します。

 長野県体育センターでは、平成24年度までに一般の方々を対象とした健康体力測定を実施していましたが、その利用者は平成23年度で1,182人、45回の実施、平成24年度は予算が3分の1に減らされても、971人、26回実施と平成22年度の634人と比べ利用者が1.5倍から2倍と急増しています。一般の方々のニーズである市民の要望に応えるべく、周知、啓発と数値目標を定めてみてはと考えますが、質問いたします。

 続けます。スポーツ推進計画の策定のスポーツ振興についてです。スポーツ振興は、菅谷市長の進める健康寿命延伸都市・松本を実現するために重要な計画と考えますが、市長のスポーツ振興に対する見解を質問します。

 続けます。松本市美術館開館10周年記念事業費、草間彌生作品3点9,000万円絵画購入についてです。5月29日に閲覧し、本日まで15日間、約2週間が経過しました。今、本市の公印の管理というものは本当に大丈夫なんでしょうか。管理はどのように徹底されたのか、具体的に答弁いただきたいのと、現在市には公印が幾つあるんでしょうか。

 また、平成24年度に締結された契約書でしたが、その平成24年度に作成された契約書には、公印がついてありません。契約書として成り立たないものですが、どのように今後対処するのか、見解を伺います。

 以上で第2回目の質問とさせていただきます。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 吉江議員の2点のご質問についてお答えします。

 まず、長野県総合5カ年計画と松本市の総合計画の整合についてのご質問にお答えをいたします。

 まず、新たな長野県総合5カ年計画は、人口減少の本格化など、時代が大きな転換点を迎える中で、県民が目指す未来の信州の姿を描き、その実現に向けた方向性や方策を明確化することを計画策定の趣旨としておりまして、計画期間は平成25年度から平成29年度までの5カ年となっております。また、この計画は10広域圏ごとの目指す方向性や方策も定めており、松本地域におきましては松本地域編として策定されております。

 県はこの計画を策定するに当たり、県と市町村の協議の場などを通じ、市町村の意見の反映に努めており、松本地域編を含めた計画全体に対しましても、本市は平成22年度に策定いたしました松本市総合計画における将来の都市像やまちづくりの基本方針などを踏まえた本市の意見についても一定の反映がされた計画となっております。

 次に、信州まつもと空港の活性化に関するご質問にお答えをいたします。

 まず、国際チャーター便の就航にかかわる本市の具体的な取り組みと予算対応でございますけれども、国際チャーター便の就航に関しましては、取り組みの性質上、県や広域市町村、エージェントなどによる継続的な対応が必要なことから、本市も加盟する県レベルでの組織であります信州まつもと空港利用促進協議会の事業として取り組んでおります。

 この協議会には、松本市の負担金を拠出し、誘致活動を進めております。また、松本市では県への働きかけをさらに強化するため、毎年春と秋の地元県議会議員との懇談会におきまして、国際チャーター便の就航促進を要望しております。

 信州まつもと空港の国際化に向けた県への要望についてでございますが、まずは今申し上げました国際チャーター便の就航促進でございます。なお、国際チャーター便の就航には税関、出入国審査、検疫など、国際化に向けた施設の整備充実が必要なことも将来的には考えられますが、このことはチャーター便の就航状況に応ずるものでもありますので、現段階では誘致促進等を最優先すべきものと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 体力測定に関する2回目のご質問にお答えをいたします。

 最初に、体力測定会の評価でございますが、平成24年度の参加者へのアンケートの結果では、教室に満足された方が79%、自分の体力を理解できた方が89%、この教室に再度参加を希望する方が87%でございました。さらに、3カ月後の体力測定では、体力が維持向上された方は80.3%という結果でございまして、主観的な健康度の向上とともに、客観的なデータの上でも効果の高い教室であると捉えております。

 次に、周知と数値目標でございますが、高齢者体力測定会は平成19年度から24年度までの6年間実施をしてまいりましたが、先ほど申し上げましたとおり、介護保険の中での実施であるため、介護保険料に連動することから、事業拡大が難しい状況でございました。このため、本年度から健康寿命延伸に直結する重要事業として見直しを行い、多くの高齢者を対象に体力測定を行う施策として、一般会計の中の事業として身体活動維持向上事業を行うこととしております。

 この事業では、下肢機能を中心に筋力、バランス力、柔軟性等を測定いたします。これは転倒リスクの発見にもつながるものと捉えており、今年度は市内8地区で総回数55回、1,375人を参加目標としております。さらに、この事業をサポートしていく体力づくりサポーターの育成も同時に行いながら、今後35地区、全市域に拡大し、展開してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 川上教育部長。



◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕

 吉江議員2回目のスポーツ振興についての質問にお答えいたします。

 健康寿命延伸都市・松本の実現を目指す上で、スポーツ振興が重要なツールとなることは議員ご指摘のとおりです。このため、松本市では熟年体育大学を初め、多岐にわたる体操教室、スポーツ教室、市民体育大会などスポーツ大会の開催により、スポーツに親しむ機会の充実やスポーツによる健康、体力づくりの推進に積極的に取り組んでおります。

 また、競技スポーツの振興を図るため、市内で開催されます全国規模のスポーツ競技会等に対する補助金や国体選手への激励金などの競技スポーツへの支援に加え、優秀な成績をおさめた方へスポーツ顕彰を行っております。

 このように、スポーツを通した健康づくりを重要な政策と位置づけ、市民皆スポーツの推進、スポーツ団体とリーダーの育成、新たな社会体育施設の整備、充実を図り、健康寿命延伸都市・松本の実現に向けてより一層スポーツの振興を図ってまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 高山総務部長。



◎総務部長(高山満) 〔登壇〕

 吉江議員の2回目のご質問にお答えをいたします。

 1つは、公印管理について大丈夫かというご心配でございますけれども、こちらのほうは各所属長が適正に管理をしておりますので、ご安心をいただきたいと思います。

 それから、公印が幾つあるかということでございますけれども、今具体的に総数についてはお答えできませんが、公印規則が各市長部局等にございますので、そこには個数を規定しております。それをごらんいただければと思います。

 それから、該当する契約書に押印がされていないので有効ではないのではないかということでございますけれども、つき忘れということでございますので、直ちに押印をし、有効な契約としております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 17番 吉江けんたろう議員。



◆17番(吉江けんたろう) 〔登壇〕

 それでは、3回目の発言をさせていただきます。

 3回目は、基本的に要望とさせていただきますが、一部質問漏れもございましたので、漏れがあったり、確認したい部分については質問させていただこうと思いますので、理事者におかれましては誠意ある答弁を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

 まず要望で、長野県の中長期的なビジョン「未来への提言〜コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」の廃止についてです。県のホームページを開くと、ことし3月からこの中長期的なビジョン「未来への提言」に関する文書が全て削除されています。「未来への提言」は県民の宝であり、市民の宝でもあります。県にはホームページ掲載を要望します。信州のバイブル「未来への提言」の復活を強く要望します。市におかれましては、松本市総合計画を今後作成するに当たって、「未来への提言」の理念を掲げた事務を取り組むことも強く求めたいと思います。

 続けます。信州まつもと空港の国際化についてです。県に対しては、税関、出入国審査、検疫など、国際化に向けた施設整備の充実を求めるよう要望します。

 続けます。健康寿命延伸都市・松本の健康体力測定事業についてです。市民の健康体力増進のため、健康体力測定事業の充実拡大を要望いたします。

 続けます。スポーツ推進計画の策定についてです。先ほどは部長、ご答弁ありがとうございました。ぜひ進めていただきたいと思います。質問で漏れがございまして、今年度中に策定すべくぜひ工程表、スケジュール表を市は示してほしいと考えていますが、スポーツ推進計画の策定の工程表についての見解を質問いたしますので、答弁をよろしくお願いいたします。

 続けます。松本市美術館開館10周年記念事業費「草間彌生作品3点9,000万円の絵画購入」に関連して、契約書の公印のつき忘れについて要望させていただきます。

 今回の契約書の押印のつき忘れ、また契約書内における日付の記載漏れ、また契約書の公印のつけ場所が統一なされていない、これ私、全て一事が万事だと思います。このことについて、市民の皆さんからご意見をいただいた中で一番多かったのが、ひとつ基本に返っていただきたい。松本市の職員の皆さん、事務の基本に返っていただきたいという声が市民から届いています。やはり具体的には、市の条例を読んでいただく、各部においては各部に所管する条例、例規をしっかり読んでいただいて、また契約書の事務については、もう1回条例、例規集をしっかり読んで、事務を取り組んでいただくということを強く要望しますし、市民からしましたら、契約書に普通判こがついてなかったら、契約書として成立しないわけです。ですので、ちゃんとこういう事務に不備がないように取り組んでいただくことを強く要望したいと思います。

 以上で私の第3回目の発言とさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。



○議長(太田更三) 川上教育部長。



◎教育部長(川上一憲) 〔登壇〕

 吉江議員3回目、計画策定に向けた取り組みということにお答えいたします。

 現在、他市の策定状況の調査を進めております。今後につきましては、スポーツ推進審議会を立ち上げ、市民の意向調査を実施し、スポーツ団体、体育施設利用団体などからもご意見をお伺いしながら計画に反映させ、今年度を含め、2年を目途に策定したいと考えておりますので、この中できちんと工程表も含めて対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 以上で吉江けんたろう議員の質問は終結いたします。

 暫時休憩いたします。

 再開は午後3時20分といたします。

                              午後2時52分休憩

                             −−−−−−−−−−

                              午後3時20分再開



○議長(太田更三) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 市政一般に対する質問を続行いたします。

 26番 南山国彦議員。



◆26番(南山国彦) 〔登壇〕

 日本共産党の南山です。通告に従って質問をします。

 最初に、憲法改定問題について。その中でも第96条の改定についてお聞きをします。

 7月に参議院選挙を控え、憲法改定問題が一大争点となっています。安倍自民党政権の最大の狙いは憲法第9条を改定し、国防軍をつくり、日本をアメリカとともに海外で戦争ができる国に変えることです。

 しかし、いきなり第9条はさすがに無理と考えて打ち出してきたのが憲法第96条の改憲でした。改憲発議の要件を両院の3分の2から過半数で可能にしようとするもので、これは単なる手続論ではありません。近代の立憲主義は主権者である国民がその人権を保障するために憲法によって国家権力を縛るという考え方に立っています。したがって、憲法改正の発議要件を緩和し、一般の法律並みにしてしまうことは立憲主義を根底から否定するものになります。だからこそ、改憲派の人からも憲法が憲法でなくなる、邪道だと批判をされ、最近の世論調査でも第9条、96条ともに改憲反対が過半数に上っています。そこで、こういった状況も踏まえ、第96条改定について市長の見解をまずお聞きいたします。

 続いて、TPP参加の問題についてお聞きします。本日の午前中、太田典男議員、また大久保議員から発言がありました。私は両議員の言われたことがまさにそのとおりだというふうに思っています。その点も踏まえて質問をしたいと思います。

 安倍首相は、3月以降、TPP参加に向けしゃにむに突き進んでいます。その中でこの間明らかになったのは、アメリカの言うままに譲歩を重ね、日本を丸ごと売り渡しかねない安倍内閣の亡国的な姿勢です。TPP交渉参加に向けてのアメリカとの事前協議では、米、乳製品、砂糖など、重要農産品の関税で何一つ保障を得ることができませんでした。

 一方、日本の交渉参加の条件とされてきました牛肉、自動車、保険、この3分野ではアメリカの要求を丸飲みにしました。しかもTPP交渉と並行し、自動車、保険、投資、知的財産権、政府調達、衛生植物検疫などの非関税措置の撤廃・緩和に向けた日米2国間協議を行い、TPP交渉の妥結までにはまとめるということを約束しています。一体このどこに強い交渉力があるのでしょうか。守るべきものを守るという首相の言明が虚構であることは明らかです。こういったTPPへの参加について、市長の見解をお聞きしたいと思います。

 次に、財政に関連して「地域の元気臨時交付金」の活用についてお聞きをいたします。

 平成24年度の補正予算、国では緊急の経済対策として、編成のおくれた当初予算の執行まで15カ月の予算を組みました。その中で自治体関係だけで4兆円にも及ぶ公共事業が前倒しで盛り込まれています。この推進のためということで、地域の元気臨時交付金また補正予算債というものがあります。

 そこで、まずお聞きしたいのは、地域の元気臨時交付金がどのぐらい松本市に来るのか、交付限度額はどのくらいと算定しているのかお聞きをしたいと思います。また、この交付金、どんな事業に使おうとしているのか、その点もお聞きをいたします。

 また、補正予算債を充当した事業では、今後の計画、どういったものを考えているのでしょうか。また、この交付金を使うということで、今年度に予定をしていた事業の中で使わずに済む金額、それが発生をしてきます。その金額はどの程度となるのでしょうか。

 以上、お聞きをして1回目の質問といたします。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 南山議員のご質問のうち、憲法第96条改定に関するお尋ねにお答えします。

 憲法改正手続を定めた第96条について、自由民主党の憲法改正草案においては、衆参両院における憲法改正の提案要件を3分の2以上から過半数に緩和するものになっております。この手続につきましては、我が国の最高法規である憲法の改正手続が一般の法律の改正手続と同じでよいのかなど、さまざまな意見があることは承知をしております。

 憲法改正については、以前にも答弁したとおり、国政の場において徹底的に討論を重ねていただくとともに、国民が十分に時間をかけ、今以上に自由な立場で活発な議論を重ねていく必要があるものと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 南山議員のTPPに関するご質問にお答えいたします。

 TPP交渉参加による農業分野及び医療分野等における松本市への影響と交渉参加に対する考え方につきましては、大久保真一議員の質問に対する市長答弁のとおりでございます。

 松本市といたしましては、国の交渉参加に当たっては国民への情報開示と十分な議論を尽くして国益を最大限守る交渉をしていただくよう強く要望するとともに、松本地域に及ぼす影響を十分に見きわめるため、情報の開示を求めていくとともに、情報収集に努め、国の動向につきまして、これまで以上に注視していきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 坪田副市長。



◎副市長(坪田明男) 〔登壇〕

 地域の元気臨時交付金の活用についてお答えいたします。

 まず、国からの交付限度額でありますが、3億8,000万円程度と見込んでおります。次に、その活用、充当先でありますが、国が定めている交付要綱によりますと、平成25年1月以降に予算計上された建設地方債が充当される単独事業の地方負担分、並びに国の法定補助事業以外の補助事業の地方負担分等、建設事業に充当するとなっておりますので、その趣旨に沿って活用してまいりたいと考えております。

 なお、一般財源の影響はどうかというお尋ねでありますが、ただいま申し上げました事業の一般財源に充当されますので、結果的に相当額の一般財源が軽減されるということになります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 26番 南山国彦議員。



◆26番(南山国彦) 〔登壇〕

 それぞれ答弁をいただきました。憲法問題では、国会の場で徹底的に討論をと、また国民が十分議論すべきだということだったと思いますが、今現在、そのことができていない、そういう状態だから問題だと私は思います。今度の参議院選挙で自民党が過半数をとってしまえば、衆参両院で過半数、そうなればしたい放題ということにもなりかねません。そういった点で、今出ています自由民主党の憲法改正草案についての見解をお聞きしたいと思います。

 若干内容を紹介したいと思います。まず、前文については全面的に書きかえ、侵略戦争への反省、不戦平和の誓いを破棄し、第9条では第2項で規定された戦力不保持と交戦権否認を改変し、国防軍をつくるとしています。この第2項がこれまで海外での武力行使を許さない、また集団的自衛権の行使も許されないという歯どめとなっていました。この歯どめをとってしまえば、日本がまさに海外で戦争する国に変えられてしまうということになります。

 また、基本的人権を侵すことのできない永久の権利とした第97条を全面削除し、表現、結社の自由を含む基本的人権を公益及び公の秩序に反しない範囲でしか認めないということは、これはまさに人権の否定につながります。

 地方自治に関しても、自主的、また自立的を旨として行うと規定し、国に依存するな、ということを暗に示していますし、さらには道州制にも道を開こうとしています。このことは、地方自治そのものを破壊することにもなります。

 国民が権力を縛る、こういう今の憲法を、時の権力者が国民を縛る、そのための憲法にというのがこの草案です。まさに180度の転換となってしまいます。この時代錯誤も甚だしい自由民主党憲法改正草案について市長の見解をお聞きしたいと思います。

 憲法に関連してもう1点、平和市長会議についてお聞きをしたいと思います。8月3日から第8回平和市長会議が広島市で開催されます。4年前の6月議会でも私は質問しました。そのときには公務があるということで市長は参加されずに、職員の方が参加されております。市長は、チェルノブイリでの貴重な経験をもとに、世界の恒久平和、また核の廃絶の立場を鮮明にし、また発言も大いにされております。その立場から、ぜひことしは参加をし、貴重な経験を大いに披瀝をし、恒久平和、核廃絶の機運を一層高揚してほしいと私は思いますが、市長はことしのこの会議に参加するということでいいのでしょうか、どうでしょうか、その点をお聞きしたいと思います。

 TPPの問題については、引き続き情報収集に努め、国の動向に注視すると、ずっとこの間言われていることではあります。このTPPの問題、昨年の2月議会のときにも質問があり、やはり松本地域における市民に及ぼす影響を中心に情報収集に努めるという答弁がありました。ちょうどそれから1年以上たちまして、状況も大変に進んでいる。そういう中で昨年2月の答弁以降、情報収集という形の取り組み、その結果、そしてまたTPPに参加した場合の本市への影響額、そういったものに関しては、どういった調査等がされているのか、その様子をお聞きいたします。

 また、同じ2月議会の中で状況変化によっては庁内体制の強化、また新たな組織を立ち上げるなどの対応もしてまいりたいという答弁もありました。今まさにそういったことが必要だと私は思いますが、市としての取り組みの状況についてお聞きをいたします。

 地域の元気臨時交付金につきましては3.8億円程度が出てくるということでしたので、このお金を使ってハード、ソフト事業に活用できるわけですから、このお金を使って市としては今後どういった事業を行おうしているのか、お聞きをしたいと思います。

 私は、ぜひ今の市民生活に寄り添った形での使い方をと考えております。例えば、4月の凍霜害での助成、また住宅リフォーム助成制度の補助金額の増額等、そういったことに使うことを考えてはどうかと思いますが、その点についての見解もお聞きをして、2回目の質問といたします。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 自由民主党の憲法改正草案に関するご質問にお答えいたします。

 自由民主党は、現憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3原則を継承したとする前文の書きかえのほか、国防軍の保持などを明記した憲法改正草案を公表しております。この改正草案に対するさまざまな声があることは報道などで承知しておりますが、これはあくまでも一政党の草案であると認識しています。したがいまして、市長としての見解を述べることはいかがなものかと存じますが、現憲法の三原則は決して譲ることのできない国のありようだと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 高山総務部長。



◎総務部長(高山満) 〔登壇〕

 南山議員の第8回平和市長会議への参加についてのご質問にお答えをいたします。

 平和市長会議は4年に1度、世界各国の加盟都市が参加する総会を開催するというものでございます。本年8月の開催で第8回目を迎えるということになっております。松本市では、平成20年2月にこの会議に加盟をしております。

 平和市長会議が目指す核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現は、本市の平和都市宣言とまさに一体であり、かつ市長の政治信条の根幹の一つであることから、平和市長会議の活動には松本市としても積極的に参加をしてきているところでございます。

 平成24年1月、広島市で開催されました第1回の国内加盟都市会議には、市長自身が出席をし、第23回の国連軍縮会議の開催など、松本市の平和行政の取り組み事例をご報告をしております。また、本年1月、長崎市で開催されました第2回の会議には、市長にかわりまして私が出席をしております。

 今回、8月に広島市で開催される第8回総会には、市長は残念ながら他の公務のため出席はできませんが、松本市の平和行政を所管するという立場で、私が出席する予定でおります。総会におきましては、加盟都市における取り組みの説明や意見交換の場が設けられておりますので、他の加盟都市と情報交換をしながら、足並みをそろえて平和市長会議の活動に取り組み、今後も積極的な平和行政の推進に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 大石政策部長。



◎政策部長(大石幹也) 〔登壇〕

 南山議員のTPPに関する2回目のご質問にお答えいたします。

 平成24年2月議会以降の市の取り組みについてでございます。まず、情報収集の結果につきましては、農林、商工、医療、福祉等の各分野に関しまして、担当部局において情報収集を行ってまいりましたが、国・県等から提供される情報が限られており、情報が十分明らかになっていない状況にございます。

 次に、松本市への影響額の試算についてでございますが、長野県は3月に示された政府統一試算をもとに、関税撤廃した場合の長野県内への影響についての試算結果を5月に公表いたしました。県の試算は10年後の県GDPへの影響額及び、国が関税撤廃の例外を目指している農業重要5品目を除いた11品目の農林産物への影響額について、独自に試算したものとなっております。

 松本市としての試算につきましては、大久保議員のTPPに関するご質問に農林部長がお答えしたとおり、農林産物等の影響額に係る情報を市独自に収集することは、現段階で極めて困難でございます。今後の国の動向や状況の推移に最大限の注視をし、対応してまいりたいと考えております。

 次に、新たな組織の立ち上げについてでございますが、市はこれまで全部局横断による松本市緊急経済雇用生活対策本部会議におきまして、TPPを取り上げ情報交換、研究等を行ってまいりました。

 安倍首相は、交渉参加を決断した3月15日の記者会見におきまして、国民には今後状況の進展に応じて丁寧に情報提供していくことを約束すると述べておりますので、今後国による交渉の進捗や情報提供等による情報の変化、松本市への影響を見きわめた上で、新たな組織の立ち上げについても検討してまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 坪田副市長。



◎副市長(坪田明男) 〔登壇〕

 地域の元気臨時交付金の使い道はどうか、また具体的なご提案がございましたので、お答えします。

 交付金の使い道でございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、建設事業の一般財源に充てることとしております。具体的にどの事業にということにつきましては、今後予算編成の中で検討させていただきたいと思っております。

 ご提案の凍霜害への助成、また住宅リフォームへ助成してはどうかということでございますが、これは財源とは別に必要に応じて、必要なものをしっかりと予算措置してまいりたいと考えております。

 以上です。



○議長(太田更三) 26番 南山国彦議員。



◆26番(南山国彦) 〔登壇〕

 それぞれ答弁いただきましたので、3回目は質問と若干の要望をしたいと思います。

 最初に、TPPにつきまして3回目の質問をしたいと思います。試算はしてこなかったと、対策組織もつくってこなかったというようなことで、今後国から丁寧な情報提供があるということで、それを待ってからということだったと思います。1年前と対応は変わらないということだと思いますが、私はそんなことで本当にいいのかと、そのように思います。

 このTPP交渉の内容については、4年間取得される当事国にも、また国会議員にさえもその内容は公表がされてない。まさにでき上がった文書にサインをする、ただそれしかできないという状況です。そんな状況の中で情報が出てくるということは、ほとんど考えられない。まさに決まったものを受け入れるだけになってしまいます。

 政府の試算でも農業生産額は3兆円減少する。また食糧自給率は27%低下、しかもこれは農業だけではありません。全産業では10.5兆円減少、また就業者数の減少は190万2,000人に上ると言われています。

 非関税障壁の撤廃では、混合診療、医療への株式会社の参入、先ほど話もでました。また、公共事業の地元優先発注の撤廃、また食品の安全基準、また自動車排気ガス規制の大幅緩和、こういったものが標的にされてきます。

 今まさに地球規模で食糧不足が大問題になっている、このときに自国の農業を壊し、そして食糧を外国に頼っていく。そしてさらに、雇用も地域経済も破壊する、こんなひどいTPPに私は明確に交渉参加反対、そういう立場を表明すべきと思いますが、この点について改めて市長の見解をお聞きいたします。

 憲法草案について、自民党の草案につきましては、一政党の草案であるからということで、見解は述べられないということでした。しかし私はこれは単に一政党の案ではなくて、現に政権を担っている政党の案です。参議院選挙の結果によっては、草案ではなくて、憲法そのものにもなっていく、そういう可能性もあるわけです。当然そうなった場合には、市政運営でも大変な事態になりかねない。

 私は確かに現憲法の三原則は決して譲ることはできないということは、市長言われました。であるならば、余計にこの草案とは相入れないのではないかと思います。その点について私は今の市長の答弁で本当にいいのかと思いますので、できればもう一度市長にその点を含めて、本当にこの草案でいいのか、お聞きをしたいと思います。

 平和市長会議につきましては、残念ながら市長は参加をされないということでした。私はぜひ市長には、日程の再調整をしていただいて、ぜひ今回は参加していただきたい、この点は強く要望をしておきたいと思います。

 あと、地域の元気臨時交付金につきましては、私はぜひ浮いた一般財源で市民生活に手を入れるという形の取り組みをしていただきたいと、この交付金にかかわらずというお話もありました。ぜひ先ほど私の申し上げた点も含め、また新たな商店版のリフォーム助成制度、こういった点などもつくっていただいて、ぜひ交付金を有効に使っていただきたいと、その点をお願いをして、私の質問を全て終わりといたします。

 ありがとうございました。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 南山議員のTPPに関する3回目のご質問にお答えいたします。

 TPP交渉参加は、国策として将来の日本の方向性を決定する重要な課題であり、そのかじ取りの選択は極めて重いものであると認識しております。これまで何度も申し上げましたとおり、交渉参加の是非においては、国民への詳細な情報開示を行うとともに、十分な議論を尽くし、国民的な合意を得た上で慎重に判断すべき問題であったと考えます。

 南山議員ご指摘のとおり、TPP協定は市民生活に大きな影響を及ぼすものでありますので、国は今後十分な情報の開示と丁寧な説明を行うべきであると考えますし、特にTPP協定により打撃を受けることが懸念される農林水産業や医療分野、並びに地域経済等に及ぼす影響を十分に踏まえ、国益を最大限守るよう万全の体制で臨むことを強く求めるものでございます。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 以上で南山国彦議員の質問は終結します。

 続いて、32番 池田国昭議員。



◆32番(池田国昭) 〔登壇〕

 日本共産党の池田国昭です。5月16日、甘利経済財政担当大臣が効果があらわれ始めていると述べたアベノミクスですが、円レート、株価はまさに乱高下、大胆な金融緩和策は制御不能な状況に陥り、政治が投機とバブルを意図的に起こすというやり方の問題点が露呈し、その行き詰まりが明らかになってきました。

 バブル経済は長続きせずはじける、これが宿命です。2月議会、この第1の矢によって、深刻な災いをもたらした円高デフレが解消し、成長産業の創出に結びつけば、地方経済の活性化をもたらすものと、いわば期待、願望答弁があったわけですけれども、その後、どのように捉えていますか。デフレ不況が解消に向き、地域経済が上向いていると見るのですか、根拠を示しての答弁を求めたいと思います。

 円安基調の中、燃料、原材料費等の輸入価格が高騰し、市内業者にとって全体的にマイナスの影響が考えられます。市内業者、市民への影響をどのように把握しているか、お聞きしたいと思います。

 同じく2月議会、3本の矢に乗って松本市もぜひ健康産業を新しい成長分野の一つとして位置づけながらしっかり対応してまいりたい、この答弁でしたが、この答弁の意図するものは何だったのか、もう一度説明願います。

 また、今回懸念だけにとどまらない問題点として、成長戦略の中に労働法制の規制緩和、限定正社員、解雇自由化、サービス残業合法化が打ち出されています。結局のところ、アベノミクスの成長戦略は、企業が一番活動しやすい国づくり、一番もうけやすい国づくりということであります。これで果たして松本市の地域経済の活性化、雇用の7割を超える中小企業の状況は、市民の所得増、内需の拡大にどうつながるのかお聞きしたいと思います。

 次に、機動的な財政政策の大前提となっている第4の矢の消費税についてお伺いします。来年の4月から条件が整えばということで8%、さらに翌年10%、実施されれば消費税で13.5兆円、他を合わせると20兆円という負担増、史上最大の増税となります。給料が上がらない中、物価だけが上がれば景気の底が抜けてしまう、この経済情勢の中で消費税は引き上げても問題はないと考えるのか、この点をお聞きしたいと思います。

 5本目の矢の社会保障の改悪との関係で次にお伺いします。

 1つは、社会保険料の負担の問題です。実際に相談があった例です。65歳を超えた方、収入は年金100万円だけ、所得税、住民税は課税されないけれども、国民健康保険税が1万4,700円、介護保険料は4万5,680円が付加され、重い負担となっています。この方は、体に不安が現にありながら、お金がなくて進められている精密検査も受けられないというふうにおっしゃっていました。こうした市民の実態について、どのように考えているのか、負担の重い介護保険料は国民健康保険のような軽減制度がありません。その結果、納められないという事態が続いていましたが、ただ納めてくださいというだけでは済まない問題です。

 2000年に介護保険制度が実施されて以来、こうした方々の保険料の負担は2倍を超えています。一般会計からの法定外繰り入れで保険料の負担の軽減を図ることこそ、市民の健康を守る上で必要と考えます。答弁を求めます。

 2つ目は、生活保護法の改悪問題です。改定案は申請時の書類提出を義務づけ、要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な書類を添付しなければならないと書かれています。現行制度では申請後にそろえれば足りたものです。生活に困窮し、生活保護の申請に来た人を相談者のみにとどめて、門前払いで追い返す違法な水際作戦を合法化するという異常なもので、憲法第25条及び生存権をも脅かすものです。

 まずこの法案に関して、とりわけこの部分に関して松本市はどのように考えるか、また松本市の場合、水際作戦の横行、申請にまでたどり着けないケースというのがこの間あったのかどうか、お伺いをしたいと思います。今後、仮にこの法律が通過した場合の受け付けでの対応をどうするのか、このこともお聞きしたいと思います。

 また、新年度予算が成立し、生活保護基準の見直しが8月から実施をされる中身が明らかになりましたが、松本市の世帯別生活扶助額への影響がどうなのか、明らかにしてください。及び、他の制度への波及、影響及びその対策をどのように考えるのかお聞きします。

 生活保護費の削減は民間賃金、地域の人件費への影響が懸念される、それについてはどのように考えるか、お聞きしたいと思います。また、松本市においてのいわゆる補足率については、どのように把握をしているか、このことをお聞きし、1回目の質問といたします。



○議長(太田更三) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 池田議員のアベノミクスに関するご質問に順を追ってお答えします。

 初めに、地域経済が上向いている要素についてですが、4月における松本市の景気動向調査の向こう3カ月の見通しでは、上昇しそうと回答した企業は前月調査と対比し2.24ポイント縮小の8.96%でありました。その中には、円安の影響や設備投資増による動きもふえ始めてきております。

 また、身近なところで円安の効果として挙げられるのは、4月に松本城を訪れた外国人観光客が昨年同月の1.6倍伸びている点でございます。震災の影響の薄れもありますが、円安効果も一つの要因であると分析しております。

 次に、円安による燃料、原材料費の高騰に対する市民の影響についてお答えします。

 4月における松本市の景気動向調査でも、円安による原材料等の値上がりで売り上げが下降しそうといった声も寄せられております。6月3日に松本市内で開催された内閣府副大臣と県内経済団体との懇談会でも、円安による燃料費や原材料費の上昇分を製品価格に転嫁できないといった意見があったと報道されております。この懇談会は、地方経済の実態を把握し、成長戦略に反映させることが狙いであるので、こうした意見への対策が政策に盛り込まれることに期待しております。影響を回避するには、政府による景気回復への歩みが確実に実行され、その過程の中で正当な価格転嫁も行われることが必要と認識しております。

 次に、成長戦略による労働法制の規制緩和に対する市の考えについてのお尋ねですが、6月5日に発表されました産業競争力会議による成長戦略の素案では、新陳代謝を加速させ、新たな成長分野での雇用機会の拡大を図る中で、成熟分野から成長分野への失業なき労働移動を進めるため、雇用政策の基本を行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型へと大胆に転換するとされております。ご質問に関係する雇用の流動化策等は明記されておりませんでした。

 雇用の安定と拡大は、松本市といたしましても発展していく上で重要な課題であります。今回の素案は、再議論された後、6月14日に閣議決定される予定でありますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、消費税引き上げについてですが、まず、消費税引き上げの目的は、経済不況下で苦しむ国民の将来への不安を取り除くため、社会保障施策を充実させるものであると認識しております。そして、消費増税法には経済状況を勘案して、執行の停止も含め、所要の措置も講ずるとの景気条項が盛り込まれているため、今後の景気動向を見る中で引き上げについて議論がなされるものと理解しております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 平尾健康産業・企業立地担当部長。



◎健康産業・企業立地担当部長(平尾勇) 〔登壇〕

 池田議員のアベノミクスの3本目の矢、成長戦略に関するご質問にお答えをいたします。

 まず、健康産業の創出に係る松本市における可能性についてであります。超少子高齢型人口減少社会において、健康寿命を延伸することにより、増大する介護費、医療費を抑制することは、国・地方自治体にとって喫緊の共通課題となっております。

 国は去る6月5日に開催されました産業競争力会議において、成長戦略の基本的考え方の中で、戦略市場創造プランの一つとして、健康寿命伸長産業を育成するといたしました。産業面から、公的保険外で民間事業者、医療機関や行政などが連携し、新たな介護予防や疾病予防の分野で医療・介護周辺サービスを事業化することは大きな課題ですが、同時に国が支援する大きなマーケットでもあり、ビジネスチャンスが存在すると考えております。

 松本地域においても、信州大学における医工連携による研究拠点整備など、優位性の高い固有の資源を最大限活用することにより、民間投資を喚起する絶好の機会はまさに今しかないと捉えております。この分野における本市の可能性を明らかにするため、昨年度実施されました経済産業省の官民連携による医療・介護周辺サービス創出調査において、公共施設を有効活用し、民間事業者が健康プログラム等を有償で提供するなど、7つの事業モデルが具体的に示されたところでございます。

 次に、本市における健康産業の創出育成に係る今後の見通しについてであります。健康産業の創出、育成を円滑に進めるため、企業、学術研究機関、行政などが一堂に会する松本地域健康産業推進協議会がヘルスケアプラットホーム推進母体となり、実用化検証やモニタリングなどの実施に向けて、現在企業側と検討を鋭意進めているところであります。今後とも、医療・介護現場のニーズの把握、企業とのマッチング等により新需要の創出を目指すとともに、健康関連の企業誘致へとつなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 池田議員の2点のご質問にお答えをいたします。ご質問の順にお答えをいたします。

 最初に、社会保険料の負担の実態等に関するご質問でございますが、まず65歳以上で年金100万円の方の社会保険料が重い負担になってどう考えるかでございます。平成24年12月議会でも答弁をいたしましたが、社会保障制度は自助が基本であり、その上で国民全体で負担を分かち合う共助があり、さらにどうしても自立できないほどの困窮の際には、一定の生活を保障する公助を行うという理念に基づいております。したがいまして、この理念に基づき、国民健康保険制度、介護保険制度、それぞれのルールに基づいたご負担をお願いしているものでありますので、ご理解をお願いしたいと思います。

 次に、介護保険料の軽減制度の関係でございますが、介護保険料は被保険者の負担能力に応じた負担が求められており、所得段階別保険料の設定方法によって低所得者への負担を軽減する措置が講じられております。このことにつきましては、現行の介護保険制度の枠内で、本市独自に保険料の計算の基礎となる保険料段階を細分化しており、低所得者への配慮をしておるところでございます。

 具体的には、国の基準である6段階を第4期計画では9段階に、また第5期計画ではさらに12段階設定へと細分化しております。議員お尋ねの本人収入が100万円の方の場合、国の基準では第4段階4万8,950円のところ、本市独自の細分化により第3段階4万5,680円としており、3,270円の低減を図っております。

 次に、介護保険料を減免するために、一般財源を繰り入れることにつきましてでございますが、介護保険制度の財源は保険料及び公費負担から成り立っており、公費についての割合は明確に規定されております。したがって、法定外繰り入れを行うことは制度の趣旨から妥当ではないと考えております。なお、厚生労働省では、全額減免は行わない。一律に減免は行わない。保険料減免に対する一般財源の繰り入れを行わないとの保険料減免の3原則を示し、一般財源からの繰り入れは適当ではないとの指導を行っているところでございます。

 次に、生活保護制度につきましてでございますが、これもご質問順にお答えを申し上げます。

 最初に、生活保護申請時の対応についてでございますが、今回の改正案において申請時に必要書類を添付しなければならないとしておりますが、これは現在でも厚生労働省からの通知等で運用がされており、現行の取り扱いに変更はございません。なお、厚生労働省は、保護申請の意思が確認された方に対しては、保護の申請書類が整っていないことをもって申請を受けつけないことのないよう指示をしており、本市においても法律上、認められた保護を申請する権利を侵害しないよう、速やかな手続を行っておるところでございます。

 次に、生活保護基準の見直しでございますが、今回の見直しは、年齢、世帯人員、地域差による影響を調整し、物価の動向を勘案したものでありまして、本年8月から平成27年度まで3年程度かけて段階的に実施をされるものでございます。世帯別生活扶助費への影響でありますが、例として申し上げますと、30代夫婦と子供2人の4人世帯で8月以降3.3%、平成27年度以降10.0%の減額となります。また、30代の母親と子供2人の母子世帯では、8月以降3.0%、平成27年度以降では8.0%の減額となります。さらに50代の単身世帯では8月以降1.7%、平成27年度以降5.1%の減額となります。

 次に、他の制度への波及、影響及びその対策について、並びに最低賃金への波及による民間賃金への影響につきましては、国は生活保護基準の見直しにより、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的な考えとしておりますので、国の動向を注視してまいります。

 最後に、被保護世帯の捕捉率でございますが、平成22年に国では一定の調査をしておりますが、本市では資産の保有状況の把握等が困難なため、調査をしておりません。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 32番 池田国昭議員。



◆32番(池田国昭) 〔登壇〕

 2回目の質問に入ります。

 景気は上向いているというふうにおっしゃられましたが、市民生活との関係での根拠づけがなかったというふうに思います。ぜひ実態をもっとつかんだ上での答弁を切に望みたいと思います。

 2つ目、先ほど私が申し上げた成長戦略の中に、労働法制の規制緩和や限定正社員、解雇自由化、サービス残業合法化などが、確かに言葉としては明記はされておりませんが、先ほど答弁の中で紹介された首相官邸のホームページにも発表されている6月5日付の官邸で行われた産業競争力会議の文書の中には、直接その言葉こそありませんが、資料の32ページに労働時間法制の見直しとか、多面的で安心できる働き方の導入の促進とか、こういうふうに書かれています。これこそがまさに私が先ほど指摘したことであって、先ほどの答弁は、余りにも実際の事態を見抜けないというか、皮相な見方でしかならない。改めてこの点については、先ほど紹介した32ページのあたりのことをどういうふうに考えているのか、お聞きしたいと思います。

 次に、まず社会保険料、介護保険料の問題について、先ほども自席での発言もしましたが、公助の必要性をうたいながら、実際には段階の細分化しか行っていない。段階細分化は結局のところ互助制度ですから、明らかに市としての公助と本質的には違うものです。私は国民健康保険のように、一般会計からの繰り入れこそが公助であり、そのことを改めて求めたいと思いますが、答弁をお願いします。

 次に、生活保護法との関係で、非常に重要な答弁がございました。松本市は長野県下の中でも、先ほど紹介したような、いわゆる水際作戦というものがないということでの発言がありましたが、そんな中で厚生労働省が5月20日に行われた全国係長会議というものが行われ、その中でもこういう文書を用意しているんです。「改正法案の中で正確を期しておきたい点について」という項目を起こし「窓口対応については今までとは変わりない」と、こういうふうに臆面もなく、しかも堂々と書いて国会に臨んでいるんです。もちろんそのことについての質疑には、当然そういう形での答弁がございました。

 今、松本市が窓口対応については、今までとは変わりない、非常に重要な答弁でありますので、ぜひこの法律の改定があった場合に、これを口実に使うようなことが決してないように、これまで以上に市民の立場に立って、最後のセーフティネットとしての生活保護行政の実施を答弁どおりに実施することを求めますが、改めて答弁を求めます。

 次に、菅谷市長にお伺いをいたします。質問は、アベノミクス全体をどういうふうにお考えかということです。金融の乱高下の問題に触れました。新たな借金につながっていく財政政策も触れました。消費税の増税があれば、大型公共事業も大企業の減税も大丈夫とばかりに、この消費税の増税が進められようとしていますが、市長にあえて私がお聞きしたいのは、この消費税の問題もありますが、成長戦略の中で、企業のもうけのために労働法制を変えて、国民の犠牲を強いることに加えて、重大な問題は原発問題で原発を再稼働する、さらにはトップセールスとして海外で原発の輸出を行うんだということのセールスをしてきたわけです。この成長戦略について、この原発にかかわる部分について、市長はどのようにお考えか、ぜひ答弁を求めます。

 私はただ単に、通告の中で「毒矢」と言っているわけではないんです。実際に先ほど明らかになってきている松本市政との関連に加えて、この原発の再稼働、輸出は文字通り「毒矢」と言えるのではないでしょうか。菅谷市長ならではの答弁を求めて、2回目の質問といたします。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 池田議員のアベノミクスをどう捉えるかに関する2回目のご質問にお答えいたします。

 まず第1の矢の大胆な金融政策の成果として、円安株高への誘導により、日本の基幹産業である輸出関連企業を中心に、業績を回復に向かわせたことは評価されております。一方、円安に転じる中、輸入関連企業にとっては燃料費や原材料費の高騰による経営の圧迫が懸念されているところであります。

 次に、第2の矢、機動的な財政政策では、平成25年度当初予算の公共事業関係費に前年度比7,000億円増の5兆3,000億円を計上し、平成24年度補正予算の2兆4,000億円を合わせると7兆7,000億円規模となりました。当初予算では、4年ぶりの拡大となり、日本各地で問題視されている道路、トンネルなどの老朽化したインフラ整備への重点配分により、国民の生命と財産を守る公共投資として、また地方経済における景気回復へ向けた一助となることに期待するものであります。しかしこれにより、平成25年度末における国と地方の長期債務残高は977兆円程度となり、長期財政の懸念材料として危惧されるものであります。

 6月5日に発表された日本銀行松本支店の長野県の金融経済動向によると、県内経済は下げどまっているとされ、前月の下げどまりに向けた動きが広がっているから判断が引き上げられていますが、景気回復の転換点は秋ごろになるとの見方も示されていることから、地方経済にまでしっかり波及していない段階であることが判断されます。

 次に、第3の矢、民間投資を喚起する成長戦略は、6月14日の閣議決定を経て正式発表される予定でありますが、本市の最重要政策である健康寿命延伸都市・松本の創造に係る施策もありますので、これを商機と捉え、積極的に健康産業の創出に向けた取り組みを図っていきたいと考えております。ただ、実体経済として景気が回復し、さらに継続発展していくには、政府が具体的な成長戦略を着実に実行し、内需を拡大していくことと、あわせて雇用の面において適正な賃上げが実行されることが前提になるものと考えております。

 いずれにしましても、3本の矢により地方経済が回復し、デフレからの脱却と経済再生を果たし、産業に活性化と同時に市民生活に安定をもたらしていくことを、強く期待するものであります。

 なお、原子力政策につきましては、これまでも常々申し上げておりますように、個人的な意見となりますが、あくまで慎重であってほしいと願っているところであります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 労働法制の規制緩和に対する2回目のご質問ですが、先ほどもお答えしましたとおり、重要な課題と認識しておりますので、今後、その閣議決定される予定でありますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 渡辺健康福祉部長。



◎健康福祉部長(渡辺明) 〔登壇〕

 2回目のご質問にお答えをいたします。

 最初に、介護保険料の法定外繰り入れの考えでございますが、先ほどの答弁のとおりでございまして、制度の趣旨に照らし、妥当ではないと考えておりますので、ご理解を願いたいと思います。

 次に、生活保護の申請時の対応につきまして、改めてということでございますが、これも先ほどお答えいたしましたとおり、申請の権利を侵害しないよう、現行の取り扱いを継続してまいります。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 32番 池田国昭議員。



◆32番(池田国昭) 〔登壇〕

 それでは、残った時間で3回目の質問も含めて発言をしたいと思います。

 まだアベノミクスの経済、地域への影響はまだ波及をしていないが、期待するものということですけれども、私は波及するものと本当に考えての期待なのかどうかというところが今、一番問われていると思うんです。また、きょうの私の質問もそこに一番の趣旨がございます。ぜひこの点を踏まえていただきたい。できればどういうことなのかということの答弁ももらいたい。

 2つ目、先ほど労働法制の関係については、閣議で決定される予定というふうにまで言い切られたんです。言い切られました。であるならば、こういうことが出されていい、これが決定された場合に、そういう影響についてはどういうふうに考えるのかというのが私の1回目の質問です。これに答えていただけるのでしょうか。お願いをいたします。

 最後に、菅谷市長にお伺いをしたいと思います。

 市長は、平成23年6月の本会議でこういうふうに語られました。原発が引き起こした事故で国家の使命とは何かと、すなわち国民の命をとるのか、あるいは産業経済をとるのかという二者択一、物すごい選択が迫られていると。今、あくまで慎重であってほしいというふうにおっしゃられましたが、私は明らかに安倍首相がとった行動を含めて、原発を再稼働、海外に輸出するわけですが、まさにこの経済の成長戦略の経済の成長と関連して、この原発問題が触れられています。

 そこでお伺いしたいのは、原発と人類は共存できるというふうに、市長はどのように考えられますか。また、安全な原発というのがここで2年を経過した福島の経験から、教訓から、安全な原発というのはあり得るのかどうか、このことを私はぜひ改めてこの今の段階での市長の見解を、新たな見解を求めたいと思うんです。

 トイレなきマンションと言われ、日常的に未来の人類に、いわば被曝を長期にわたって押しつける、これが原発です。この原発と人類が共存できるか、再稼働と言い、世界にこの原発を輸出する、このことが非常に重要な中身で慎重であるべきですが、先ほど申し上げた趣旨の答弁を求めて、私の質問の全てを終わりたいと思います。

 ご清聴、ご協力ありがとうございました。



○議長(太田更三) 菅谷市長。



◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕

 大変難しい質問でございまして、私が個人的に考える形でございまして、これは前からも命を優先するのか、あるいは産業経済を優先するのかというのは、まさに今、人類にとって岐路に立たされている問題だろうと思っております。

 そういう中で、じゃあ原発と人類の共存はどうなのか、あるいはまた安全な原発はあり得るのかということになりますと、私は、現段階で、やはり原発の事故は起こしてはならないというのが基本でございます。しかし実際にチェルノブイリ、あるいはまた今回福島が起きてしまうと、これからもそういう事故の発生する可能性は否定できないだろうと。そう考えますと、やはり私としては、これから先を考えれば、原発から代替エネルギーのほうに向けていくのが、日本の、あるいはまた世界の潮流ではないかなというふうに考えておりまして、私もそういう方向でいったほうがよろしいのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 寺沢商工観光部長。



◎商工観光部長(寺沢健) 〔登壇〕

 労働法制の3回目のご質問にお答えいたします。

 労働時間法制につきましては、実態調査、分析を実施しまして、この秋の労働政策審議会で検討を開始するということで、総合的に議論した上で、1年をめどに結論を得るというふうになっております。そういうことからも、今後の動向についてしっかり注視をしてまいりたいと考えております。

 以上です。



○議長(太田更三) 以上で池田国昭議員の質問は終結し、市政一般に対する質問を終結いたします。

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△日程第2 議案に対する質疑(議案第1号から第14号まで)



○議長(太田更三) 日程第2 議案第1号から第14号までの以上14件に対する質疑を行います。

 発言通告者は、23番 近藤晴彦議員であります。近藤晴彦議員の発言を許します。

 23番 近藤晴彦議員。



◆23番(近藤晴彦) 〔登壇〕

 議案質疑の機会をいただきました。

 議案第4号 工事請負契約の締結について(松本市文書館新築主体工事)、議案第5号 工事請負契約の締結について(松本市堀米保育園改築主体工事)、議案第6号 工事請負契約の締結について(松本市立島内小学校大規模改造第1次整備事業第1期主体工事)及び議案第14号 工事請負契約の締結について(松本市立旭町小学校大規模改造第1次整備事業第2期主体工事)、以上の4件につきまして、入札にかかわる事項として共通の内容での質疑をいたします。

 議案質疑といたしました背景を申し上げますと、今般の公共事業の契約締結につきまして国土交通省におきましては、一つには建設業界の賃金水準の改善ということに向けての設計労務単価について、主要12種目で全国平均で15%程度引き上げを決定いたしておりまして、4月1日以降の契約に国土交通省では反映をさせております。同様に、県及び市町村にも取り組むことを求めております。

 それと、追加の措置としてもう1件、これは入札価格の積算に当たりまして、低入札価格調査制度、あるいは最低制限価格制度の積算の際の一般管理費部分の引き上げを決めておりまして、この点も県・市町村に同様の対応を求めております。この一般管理費の引き上げという部分につきましては、災害時の緊急出動への対応も含めて、事業者の健全な経営への後押しということもあろうかと思います。

 そこで、今定例会に提案されましたただいまの4件につきまして、この判断をするに当たりましては、本市松本市ではこの2つの点、設計労務単価の引き上げと一般管理費の引き上げの2点については、どのような対応になっているかということが判断の際の一つの基準ともなってまいりますので、議案質疑といたします。よろしくお願いいたします。



○議長(太田更三) 上條建設部長。



◎建設部長(上條一正) 〔登壇〕

 近藤議員の工事請負契約に係る議案質疑についてお答えいたします。

 まず、設計労務単価につきましてですが、本年4月以降設計した工事につきましては、国に準じて設計労務単価を引き上げております。今回、議決をお願いしております松本市文書館新築主体工事ほか3件につきましては、いずれも3月以前に旧労務単価で設計し、4月1日以降に入札を行い、仮契約しているものでございます。契約における労務単価の取り扱いにつきましては、国の要請内容を踏まえ対応してまいります。

 次に、最低制限価格の一般管理費の算入率につきましては、今回の4件につきましては旧基準の一般管理費算入率を適用して入札を行っております。

 以上でございます。



○議長(太田更三) 23番 近藤晴彦議員。



◆23番(近藤晴彦) 〔登壇〕

 2回目の質疑といいますか、確認をさせていただきます。

 設計労務単価につきましては、予算額以前の設計ということで、4月1日以降の契約ということで、旧設計単価ということになっているということでございました。ただ、国の指導の中では、それにつきましても引き上げの要請があれば対応するということの通知になっておったかというふうに思いますので、その点につきましては、国の指導どおりの対応をすると、今答弁がございましたので、設計労務単価の引き上げの要請があれば、そのような形での対応も可能ということで理解をさせていただきます。

 それと、一般管理費の引き上げにつきましては、旧見積もり内容でということでございました。この先のことがどうなるかということを聞くと一般質問になっていくので、そこら辺は聞けないわけでございますけれども、この点につきましては、しっかりと要望という形で、議案質疑ではございませんが、対応を本市としても捉えていくことを強く要望させていただきまして、今回の議案質疑とさせていただきます。



○議長(太田更三) 以上で近藤晴彦議員の質疑を終結し、議案に対する質疑は終結いたします。

 次に、議案の委員会付託を行います。

 議案第1号から第14号まで及び請願第3号から第5号までの以上17件につきましては、一層慎重審議を期するため、お手元にご配付いたしてあります委員会付託案件表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 これをもって、本日の日程は終了いたしました。

 本会議は、明13日から18日まで委員会審査等のため休会し、19日午後1時再開の上、委員長の審査報告を行うことにいたします。

 委員会審査につきましては、お手元にご配付いたしました通知のとおり開催し、審査願うことになっておりますので、ご了承願います。

 本日の会議は、これをもって散会いたします。ご苦労さまでした。

                              午後4時40分散会