議事ロックス -地方議会議事録検索-


長野県 長野市

平成 1年 11月 臨時会 11月14日−01号




平成 1年 11月 臨時会 − 11月14日−01号







平成 1年 11月 臨時会



平成元年十一月十四日(火曜日)

 出席議員(四十二名)

  第一番     北野隆雅君      第二十四番   原田誠之君

  第二番     戸津在雄君      第二十五番   山本和男君

  第三番     根岸元宏君      第二十六番   柳沢正恵君

  第四番     平瀬忠義君      第二十七番   甲田孝雄君

  第五番     伊藤治通君      第二十八番   近藤秀勝君

  第六番     高橋宏君       第二十九番   越野要君

  第七番     小池例君       第三十番    加藤一雄君

  第八番     高野久夫君      第三十一番   中沢正美君

  第九番     金井六郎君      第三十二番   今井良雄君

  第十番     竹内平一郎君     第三十三番   戸谷春実君

  第十一番    小山岑晴君      第三十四番   小山章夫君

  第十二番    轟正満君       第三十五番   入山路子君

  第十三番    町田伍一郎君     第三十六番   山岸勉君

  第十四番    玉井孝雄君      第三十七番   市川昇君

  第十五番    若林佐一郎君     第三十八番   大井友夫君

  第十六番    三井経光君      第三十九番   竹内久幸君

  第十七番    藤沢敏明君      第四十番    内山国男君

  第十八番    青木誠君       第四十一番   和田伴義君

  第十九番    村田武君       第四十二番   宮崎一君

  第二十番    高川秀雄君      第四十三番   三上孝一郎君

  第二十三番   野々村博美君     第四十四番   松木茂盛君

 欠席議員(二名)

  第二十一番   笠原隆一君

  第二十二番   中島邦雄君

 説明のため会議に出席した理事者

  市長      塚田佐君       建設部長    小林宏君

  助役      山岸勲君       都市開発部長  内田将夫君

  収入役     岡村修君       オリンピック  小林丈志君

  公営企業管理者 峯村富太君      準備事務局長

  総務部長    夏目貞美君      職員研修所長  関口仁君

  企画調整部長  丸山義仁君      市街地整備   宮沢信雄君

  財政部長    奥元護君       事務局長

  生活部長    井上脩君       水道部長    池田正一君

  福祉部長    神林銀次郎君     下水道部長   滝沢繁君

  環境部長    小島武彦君      消防局長    冨岡豊治君

  農林部長    青木友雄君      教育次長    久保田隆次君

  商工部長    戸津幸雄君      教育次長    新井好仁君

職務の為会議に出席した事務局職員

 事務局長     宮崎嘉津夫君     主査      北原昇君

 事務局次長    荒井健吉君      主事      小川一彦君

 兼総務課長               総務課長補佐  滝沢宏雄君

 議事課長     若林実君       調査係長    小柳重信君

 議事課主幹兼   江守毅行君      主事      柄澤顕司君

 課長補佐                主事      山田尚伸君

 議事係長     中澤潤一君



   議事日程

一、会期の決定

一、会議録署名議員の指名

一、議席の指定

一、諸般の報告

一、議会第二十三号及び議会第二十四号それぞれ上程(選任)

一、議案第九十九号上程、理事者説明、質疑、討論、採決

一、議会第二十五号上程(議席の一部変更)



   午前十一時五分 開会



○議長(山岸勉君) ただ今のところ、本日の出席議員数は四十二名であります。よって、会議の定足数に達しておりますので、これより平成元年十一月長野市議会臨時会を開会いたします。

   午前十一時六分 開議



○議長(山岸勉君) 本日の会議を開きます。

 本日の欠席通告議員は二十一番笠原隆一君、二十二番中島邦雄君の二名であります。

 次に、教育長奥村秀雄君より、公務出張のため、本日の会議を欠席したい旨の申出がありましたので、御了承いただきたいと存じます。

 会期の決定を議題といたします。本臨時会の会期につきましては、議会運営委員会の意見を徴しました結果、本日一日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 御異議なしと認めます。

 よって、会期は本日一日間と決定いたしました。なお、本日の会議は、お手元に配布の日程により行いたいと思いますので、御了承をお願いいたします。

 次に、会議録署名議員の指名を行います。二十三番野々村博美君、二十四番原田誠之君の両君を指名いたします。

 次に、過般執行されました市議会議員補欠選挙により当選されました三井経光君の議席は議長において指定いたします。議席十六番に三井経光君、以上のとおり指定いたします。

 続いて、今回新たに当選されました三井経光君を御紹介申し上げます。登壇の上、ごあいさつ願います。

 十六番三井君

   (十六番 三井 経光君 登壇)



◆十六番(三井経光君) 三井経光でございます。

 本日よりお仲間に入れていただくことになりました。何も分からない私でございますが、十分な御指導のほどお願い申し上げます。よろしくお願い申し上げます。



○議長(山岸勉君) 次に、市長より発言を求められておりますので、許可いたします。

 市長塚田君

   (市長 塚田佐君 登壇)



◎市長(塚田佐君) 本日、臨時市議会を招集いたしましたところ、議員各位には御多用の折にもかかわらず、おそろいで御出席いただきまして厚く御礼申し上げます。

 私は、この度の市長選挙におきまして議員各位を初め、大勢の市民の皆様の御支持の下に当選の栄に浴し、引き続き市政を担当させていただくことになりました。心から感謝申し上げますとともに、市民の皆様の御期待の大きさに思いをいたし、これからの責任の重さをひしひしと感じているところであります。

 私は、この市長選を通して市民の皆様の市政に対する御要望が実に多岐多様であり、行政への期待感が非常に大きいことを肌で感じ、私に課せられました責務の重大さを痛感しておる次第でございます。

 私は人と人との連帯の輪を広げ、市民お一人お一人の幸せを願い、市民総参加による心触れ合う愛の都市づくりを目指し、二十一世紀を活力豊かな、明るい社会にするための架け橋となるべく、なお一層の努力を重ねる所存でございます。

 二期目の市政を担当していくに当たり、その所信の一端を申し述べ、議員各位を初め、市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 不透明の時代と言われ、内外ともに数々の予期せぬ事態に直面してまいりました一九八〇年代も残すところ後わずかになりました。国際化が進む中で、特にその後半におきましては、対外収支の不均衡是正と調和のとれた産業構造への転換が強く求められてまいりました我が国の経済は、この間、継続的に進行した円高により大変な苦境を経験しながらも、それを乗り越え、むしろ円高のメリットを生かしつつ、内需主導型の成長を持続させるという極めて好ましい形での景気拡大を展開しております。

 また、私たちを取り巻く社会経済情勢も極めて大きな変ぼうを遂げておりますことは御承知のとおりであり、高齢化の進行、国際化の進展の問題などの変化を先取りし、的確に対応していかなければならない課題も数多く抱えているのであります。取り分け本市におきましては、全国平均に比べ一段と進んでいる高齢化問題に適切に対処し、活力ある長寿社会を築き上げていくこと、冬季オリンピックの招致と併せ、都市基盤の整備に努めること、全国一日交通圏の構築を目指す高速交通網の整備を計画どおり促進していくこと等、当市の当面する重要課題が山積している状況にあります。

 これらの課題を前に、身の引き締まる思いがいたしておりますが、長野市のパワーアップを更に進めながら、ロマンと創造力あふれる美しい長野市を目指し、こん身の力を込めて職責を全うする覚悟であります。

 私は、この度の選挙を通じて飛躍する長野市政、温かな思いやりのある市政、そして市民の皆様との対話を通して身近な市政の推進をお約束をし、市民の皆様の共感を得てまいりました。時代の変化に対応した大型の事業を進めるとともに、市民生活に直結したきめ細かな市政を推進し、市民の皆様がこれまで以上に親しみを覚え、温かさを感じられるような行政の展開に努めてまいる所存であります。

 二十一世紀の足音が聞こえる今、長野市は、一九九八年冬季オリンピックの招致、新幹線・高速道の整備等、大きく変化しようとしております。

 また、高齢化社会の到来、急激かつ広範な技術革新と情報化の進展、国際化時代への移行等、本市を巡る社会情勢も大きく変容しつつあります。

 このような状況下にあって、市政に対する市民の皆様の期待にこたえるためにも、中期的、長期的な視点に立って行財政を一層進めるとともに、市民の皆様が誇りと愛着の持てる都市づくりを進めるための施策を積極的かつ総合的に展開してまいることが必要と思います。

 このような観点から、二期目に向けての施策の策定に当たっては、

 一、世界にはばたく国際平和都市

 二、高速交通網と都市基盤の整備で築く近代都市

 三、市民生活を重視し、潤いと安らぎの環境都市

 四、生きがいと思いやりに満ちた人間尊重の健康福祉都市

 五、芸術やスポーツを盛んにして人間性を磨く教育文化都市

 六、産業経済の活性化で躍進する広域拠点都市

を目指す六項目の基本理念を基調とする私の公約を進めるとともに、長野市総合基本計画に盛り込まれた事業の計画的な実行により市民要望を反映させつつ、一層の創意工夫に努め、活力ある豊かな住みよい都市づくりに全力を尽くす覚悟であります。

 何とぞ議員の皆様を初め、市民の皆様の温かい御支援、御協力をお願い申し上げる次第でございます。

 なお、十一月二日長野地裁における「駅前土地訴訟」の判決において勝訴を得ることができましたので、御報告いたします。

 本臨時会に提出いたしました案件は、助役の選任についてであります。

 何とぞ十分な御審議の上、議決賜りますようお願い申し上げる次第でございます。



○議長(山岸勉君) この際、諸般の報告をいたします。

 監査委員から平成元年度八月分、九月分の一般会計、特別会計、公営企業会計の例月現金出納検査結果について、議長の手元に報告書がまいっておりますので御報告いたします。

 次に、前長野市長柳原正之君におかれましては、病気療養中のため長野赤十字病院に入院中でございましたが、薬石効なく去る十月二十八日午前十時三十七分逝去されました。誠に哀悼痛恨の極みに堪えません。ここに謹んで御報告申し上げます。

 この際弔意を表するため、議員並びに理事者全員による一分間の黙とうをささげたいと思います。

 全員御起立をお願いいたします。

 黙とう

   (黙とう)



○議長(山岸勉君) 黙とうを終わります。

 御着席をお願いいたします。

 次に、本市と友好都市であります中国石家庄市より、前長野市長柳原正之君の逝去に対して長野市議会あてに弔電がまいっておりますので、議長より朗読いたします。

 弔電

 長野市議会 殿

 柳原正之先生の御逝去の報に接し、誠に驚き入り悲しみの情に堪えません。長年両市の友好事業に積極的な御努力を尽くされた良き友人を亡くし、悲しみに堪えないところでございます。

 柳原正之先生は、長野市長在任中は両市の友好発展のために多大なお力をささげ、また石家庄市と長野市の友好都市締結に際しては、大きく貢献していただきました。柳原先生は両市の友好関係史上において、その名は永遠に刻み込まれることでしょう。

 柳原正之先生の御逝去は、両市の友好事業にとりましては大きな損失であります。心から哀悼の意を申し上げるとともに、長野市議会を通じ、石家庄市民の柳原正之先生の御遺族に対してのお悔やみの言葉をお伝えいただきますようお願い申し上げます。

            石家庄市人民代表大会常務委員会

 一九八九年十一月三日

 次に、長野駅前念書問題に関する調査特別委員会委員長高川秀雄君より発言を求められておりますので、許可いたします。

 二十番高川君

   (二十番 高川 秀雄君 登壇)



◎二十番(高川秀雄君) 二十番高川秀雄でございます。

 長野駅前の土地区画整理事業にかかわる、いわゆる「念書問題」につきまして、長野市と故市川勘一氏(訴訟承継人、妻?しゑさん)の双方が提訴しておりました訴訟事件に、十一月二日判決が言い渡されましたので、報告いたします。

 昭和五十七年五月十四日、長野駅前念書問題が明るみに出て以来、我が長野市議会は、その真相を解明するために、自主的な判断に基づいて調査を続け、昭和五十七年八月十二日の全員協議会を初めとして、過去何回かの定例市議会において、委員長報告が行われてまいりました。

 昭和五十七年十一月十四日市川勘一氏から第二百九十三号土地所有権移転登記の手続請求事件が長野地方裁判所に提訴され、それを受けて長野市は、当調査特別委員会の勧告に基づいて、同年十二月七日、第三百五号土地引渡等請求事件を提訴し、念書問題は訴訟事件として法廷に移り、昭和五十八年二月三日の第一回公判以来、併合審理が続けられ、平成元年七月十四日の第二十三回公判で結審を迎え、去る十一月二日山崎健二裁判長より、長野市勝訴の判決が言い渡されたのであります。

 この間、昭和五十九年六月二十八日の第六回公判において、当時の秋元隆男裁判長より職権に基づく和解勧告が出され、昭和五十九年十月十八日から昭和六十一年二月七日に至るまで十回の和解交渉が進められたのでありますが、和解の妥協点が見いだせずに交渉は打切りとなりました。

 第一回の公判から判決まで、途中和解交渉を含めたといたしましても、通算六年九か月、念書問題が明るみに出てから約七年六か月という大変長い時間の経過の中で、我が長野市議会は、重大な関心をもって裁判の成り行きを見守ってまいりました。

 今回の判決は、問題となりました念書、覚書は、建築延期を条件とした長野市と市川勘一氏との間の和解契約と認めながらも、市議会の議決を経ていない以上、いまだ契約としての効力を有しないとの判断が示されて、長野市の勝訴が言い渡されたのであります。当日は多くの議員も傍聴され、判決終了後委員会を開き、訴訟代理人の宮沢増三郎並びに宮沢建治の両弁護士より説明を受けましたので、判決の内容につきまして、委員会の審議の経過を含めて報告いたします。

 判決文は、昭和五十七年(ワ)第二百九十三号土地所有権移転登記手続請求事件(以下、「第二百九十三号事件」という。)

 昭和五十七年(ワ)第三百五号土地引渡等請求事件(以下、「第三百五号事件」という。)

 昭和六十三年(ワ)第百六十四号共同訴訟参加申立事件(以下、「第百六十四号事件」という。)の三件につきまして、まず、主文が言い渡され、続いて事実認定につきまして、

 第一  当事者の申立て

 第二  第二百九十三号事件請求原因

 第三  第二百九十三号事件請求原因に対する答弁

 第四  被告の主張

 第五  被告の主張に対する原告の反論

 第六  第三百五号事件請求原因

 第七  第三百五号事件請求原因に対する答弁

 第八  第三百五号事件抗弁

 第九  第三百五号事件抗弁に対する答弁

 第十  第百六十四号事件請求原因

 第十一 第百六十四号事件被告の主張

 第十二 第百六十四号事件原告の主張

 第十三 証拠の関係

について、それぞれ述べられております。

 続いて、判決理由につきまして、第一に第二百九十三号事件、第二に第三百五号事件、第三に第百六十四号事件、第四に第三百五号事件の補助参加について順次述べられ、最後に結論が述べられております。

 以上のとおりでありますが、判決の主文につきましては、原文のまま報告いたし、事実認定につきましては、今まで何回かの委員長報告と重複するところが多いので省略いたし、判決理由につきましては、その問題点を要約して報告いたします。

 「主文

 一 第二九三号事件原告市川?しゑの各請求を棄却する。

 二 第三〇五号事件被告市川?しゑは、同事件原告長野市に対し別紙物権目録一記載の土地及び同目録二記載の土地を引き渡せ。

 三 第三〇五号事件被告市川?しゑは、同事件原告長野市に対し昭和五七年一〇月一日から同六〇年三月三一日まで一か月金一〇三万九〇〇〇円の、同年四月一日から同六三年三月三一日まで一か月金一〇八万二〇〇〇円の、同年四月一日から前項各土地引渡完了に至るまで一か月一二一万二〇〇〇円の各割合による金員を支払え。

 四 共同訴訟参加人らの訴え及び予備的補助参加申立てをいずれも却下する。

 五 第二九三号及び第三〇五号事件の訴訟費用は、すべて市川?しゑの、第一六四号事件の訴訟費用は、同事件共同訴訟参加申立人らの各負担とする。

 六 この判決は三項につき仮に執行することができる。」

 次に、判決理由についてでありますが、第一に第二百九十三号事件については、その関連事項の認定に基づいて、まず、第一点として各念書及び覚書の契約の成否が検討されております。

 昭和四十年念書は市川氏が建物の建築延期を承諾するとともに、その代償を要求した結果、作成されたもので、一般の契約の実質を備えているものといえる。ところで、地方公共団体のなす契約は、地方自治法二百三十四条五項に定める「契約当事者の記名押印」の形式を具備していない以上、契約として成立しないものというべきであり、昭和四十年念書及びこれに付随する昭和四十三年、同四十五年の各念書は、いずれも右形式を具備していないから、地方公共団体である長野市と市川氏との間の契約と認めることはできない。

 次に、昭和四十八年十月十七日の甲第四、第五号証各覚書は、右形式を具備し、かつ内容も確定しており契約としての実質のあるものと認められる。

 また、覚書四項には「甲及び乙は、この覚書による条項を基本とし、別途売買契約を締結する」との記載があり、甲第四号証覚書と同様、当事者双方がいずれも正式定型書面による契約書の形式を整えていないことを認識していたことは認められるが、甲第四、第五号証各覚書は地方自治法の前記法条に定める形式と内容を備えた契約であると十分に認めることができる。

 次に、第二点として、本件各請求の根拠である、甲第四号証覚書の本件一の土地を譲渡する契約及び甲第五号証覚書の本件二の土地の売買契約の性質ないし内容について検討されております。

 この二つの契約は、互いに内容も異なるものではあるが、甲第四号証覚書の契約は、昭和四十年念書の約旨の実現、具体化に向けての合意であって、その趣旨は一貫しており、しかも、甲第五号証の本件二の土地の売買は、それ自体独立して存在しうる内容のものではなく、本件一の土地の譲渡との関連で生じた売買であるから、それぞれを別個のものとして考えることはできない。

 昭和四十年念書全体は、建築延期に伴う和解契約というべきものである。昭和四十年念書五項は金銭補償を当然のこととしているところから、その履行ないし実現としての甲第四号証覚書三項では、補償対象期間を昭和四十八年十月十七日まで(現実に使用収益できるのを四年先としたところはあるが)として、その額を二億四千二百十万円とし、同額と評価した長野市所有の本件一の土地、七百八十五・三九平方メートルを右建築延期の補償として市川氏に譲渡し相殺すると定めたもので、右三項の性質は補償期間及び補償金額を互譲によって定めた和解契約であり、その支払に代えて、本件一の土地を譲渡するとの部分は、代物弁済を内容とするものである。

 結局、甲第四、第五号証各覚書による契約は、形式に従って二つに、あるいはその内容ごとに補償契約ないし損害賠償契約に類する契約と代物弁済契約、売買契約などと分断して考えるべきではなく、一体として、昭和四十年念書の約旨の性質と内容とが同一の建築延期を条件とした長野市と市川氏との間の和解契約(以下、「本件和解契約」という。)と認めるのが相当である。

 次に、第三点として、甲第四、第五号証各覚書が、長野市都市開発事業に関する契約であるか、あるいはそうでなく、長野市議会の議決を要する契約であるかが検討されております。

 長野市は、昭和三十九年三月三十日、地方自治法二百九条二項の規定により都市開発事業の円滑な運営とその経理の適性を図るために特別会計を設置する旨の長野市都市開発事業特別会計設置条例を制定し、昭和四十一年十月十六日長野市が篠ノ井市、松代町、更北村と合併したことに伴い、各市町村の特別会計を移行しただけの長野市特別会計設置条例を同日施行で制定し、さらに、昭和四十三年三月二十七日、長野市都市開発事業の設置等に関する条例を制定し、同日、長野市都市開発事業に地方公営企業法の規定の一部を適用する条例を制定し、地方公営企業法二条三項及び同施行令一条二項の規定に基づき、長野市都市開発事業に地方公営企業法の財務規定等を適用する旨定めました。なお、長野市は同日、長野市特別会計設置条例の一部を改訂する条例も制定したが、長野市都市開発事業特別会計が存続したことに変わりはなかった。

 市川氏のビル建築の延期申入れに始まり昭和四十年念書から本件和解契約に至る長野市と市川氏との交渉の推移及び夏目市長の長野駅周辺整備計画が計画段階から本件区画整理事業の決定、施行等、一部適用条例、設置条例等の制定、改正等の一連の経緯並びに本件和解契約の前記内容とをみた場合、昭和四十年念書及びその後の八年余にわたる案件の決着である本件和解契約は、夏目市長の悲願であった長野駅周辺整備実現のためになされたものであり、広い意味での長野市の開発のためのものではあるけれども、基本である昭和四十年念書の時点では、一部適用条例は制定されておらず、かつ、長野駅周辺整備計画は計画中であり、昭和四十年念書の内容は和解であって一般行政事務として議会の議決事項であったことは明らかであり、右整備計画が一般行政事務として本件区画整理事業として施行されることになった後の本件和解契約は、昭和四十年念書の具体化及び内容の確定であること、その内容がビル建築延期による建築費値上がり分の補償の支払もさることながら、土地区画整理事業が完成した場合に市川氏所有地に関する換地を含むその所有地が非常に有利になるという土地区画整理上の処置が中心的な内容であること、機動的、能率的な業務の運営を可能ならしめるために、その都度の議会の議決を要せず予算及び決算の際の議会の審議で足りるとする公営企業法の趣旨に照らしても、設置条例が昭和四十年念書及び本件和解契約の内容のごとき契約を締結することをも一部適用条例の適用のある長野市都市開発事業の業務に属するものとして予定しているものとは考えられない。

 結局、甲第四、第五号証各念書による本件和解契約は、長野市都市開発事業の業務に関する和解契約であるとは認めることができない。

 したがって、甲第四、第五号証各覚書による本件和解契約は、地方自治法九十六条一項十一号により、また、本件和解契約のうち、基本部分である建築延期による建築費値上がり分の補償金の支払に代えて本件一の土地を譲渡し相殺するとの代物弁済を内容とする部分は、市有財産を支払手段として使用することであり、右基本部分の効力は既述のとおり一体とみるべき本件和解契約全体の効力を左右するものというべきであるから、同法条項六号により、いずれにせよ議会の議決を要するものというべきであり、これらを不要とする長野市の条例はない。

 そして、本件和解契約は、これについて長野市議会の議決を経ていない以上、いまだ契約としての効力を有しないというべきである。

 したがって、その余の点について検討するまでもなく、甲第四、第五号証各覚書に基づく市川氏の本件各請求は理由がない。

 次に第二として、第三百五号事件の判決理由については、市川氏は長野市に対し、本件各土地に関する昭和五十七年四月十七日付借用願、同年四月二十日付土地一時借用許可書及び土地一時使用誓約書を差し入れている。

 長野市は、昭和五十七年四月末、以前長野電鉄長野駅の仮駅舎等のために市川氏所有地を借用した見返りとして、面積及び期間との積算の割合が同等となる計算で、本件各土地を五か月間余り無償で使用させるため引き渡し、市川氏はこれを駐車場として使用していたところ、同年五月中旬、本件念書問題が明るみに出たことから、同年六月八日、本件各土地を市川氏に対し無償により同年九月三十日まで一時使用させる旨の前記各借用書、一時使用誓約書等が日付をさかのぼらせて作成されたこと、また、市川氏は一時使用許可期限の同年九月三十日以降、本件各土地の賃料を供託していることが認められ、他にこれに反する証拠はないから、本件各土地が甲第四、第五号証各覚書の一部履行として市川氏に対し引き渡されたとの抗弁事実を認めることはできず、他に右事実を認めるに足りる証拠はない。

 したがって、長野市の市川氏に対する第三百五号事件の各請求は、いずれも理由があり、認容すべきである。

 次に第三として、第百六十四号事件の判決理由については、長野市は、第三百五号事件において前記のとおり相当の損害金の請求を含む請求原因を主張して、これが認められ、原告市川?しゑさんの抗弁が認められず、共同訴訟参加人らが主張する「公序良俗、社会正義違反による甲第四、第五号証各覚書の無効」及び損害金請求を主張するまでもなく勝訴しているのであり、何ら訴訟追行上、裁量権の範囲の逸脱はない(なお、長野市は、第二百九十三号事件については、最終的には、共同訴訟参加人らの主張するのと同様の公序良俗違反による甲第四、第五号証各覚書の無効を主張したが、右事件は、共同訴訟参加の訴訟物とは別の訴訟である。)。

 したがって、本件においては、共同訴訟参加をなしうる場合ではないから、本件共同訴訟参加は不適法として却下すべきである。

 また、共同訴訟人らは、右申立てにより予備的に第三百五号事件原告長野市に補助参加する旨申し立てている。

 補助参加人は、地方自治法上の住民訴訟をなしうる要件適格を具備したものが既に係属中の同一訴訟に共同訴訟参加ではなく補助参加の限度に控えて参加するような特別の場合を除き、訴訟の結果について法律上の利害関係を有する者でなければならないところ、地方公共団体の住民は、地方公共団体のなす訴訟の結果について当該地方公共団体の住民ということで抽象的には効力を受けるものということはできるが、住民の地位においては地方公共団体の財産について直接的な権利を有しているとはいえず、したがって単に住民というだけでは右訴訟の結果について法律上の利害関係を有するものでないというべきであり、本件において共同訴訟参加人らが住民訴訟を提起しうるものでないことは既述のとおりであるから、補助参加の申立ても不適法として却下すべきである。

 最後に結論として、第二百九十三号事件、第三百五号事件、第百六十四号事件並びに予備的補助参加申立事件についての判断は、以上のとおりであり、訴訟費用の負担について、民事訴訟法八十九条を仮執行の宣言について同法百九十六条を各適用して、主文のとおり判決及び決定する。(補助参加申立てに対する決定は、便宜、本判決書においてする。)

 なお、当日委員会において審議された主なる事項について報告いたします。

 第一点は、いわゆる「念書問題」の大きな争点でありました市議会の議決が必要な契約かどうかの点についてでありますが、長野市が長野駅周辺で施行中の本件区画整理事業は、都市計画に基づき土地区画整理法三条三項の施行者として、同法五十二条一項による知事の認可を受けた市の事業であり、一般行政事務として施行されているものであります。原告市川氏側の主張によると、地方公営企業法によって地方自治法の規定が適用除外になっているという主張でありますが、今回の判決によると、昭和四十年念書の当時は、長野市都市開発事業に地方公営企業法の規定の一部適用条例は制定されておらず、本件和解契約は、長野市都市開発事業の業務に関する和解契約とは認められず、一般行政事務として地方自治法の適用があり、議会の議決を得ない限り、契約としての効力が発生しないとの判断が示されたのであります。

 第二点は、公序良俗違反という判断が示されなかった点についてでありますが、宮沢弁護士の説明によると、長野市は公序良俗違反の主張は万全を期して予備的にしたもので、裁判長は判断するまでもないこととして、その前に法律論として長野市の主張を認め、勝訴にしたということであります。

 第三点は、主文の中で示された本件土地の賃貸料についてでありますが、賃料相当損害金は市の計算どおり金額認容されており、その総額は一億円近くになるとのことでありました。

 第四点は、今後の問題として、相手側が控訴した場合に、今後どのくらいの期間を要するかという点でありますが、証拠調べは全部一審でやっているのでこれ以上やる必要はなく、双方で準備書面のやりとりをやって、それで判断を求めるということになると思うので、時間はかからないと思うが、最低でも一年はかかるとのことであります。

 なお、未着工の段階で、現実に存在しない建築物に対する補償は極めて異例なことでありますが、この妥当性については、踏み込んだ判断は示されなかった点については、事実認定については、あるいは不満な点もあるかもしれないとの説明がありました。

 昭和五十七年五月十四日、今回の念書問題が新聞紙上に突如として報道されました。しかも念書が作成されたのは昭和四十年八月一日であり、覚書が交わされたのは昭和四十八年十月十七日のことであります。

 市民が大きな驚きと関心をもって、念書問題の真相解明を期待したのは当然でありますし、我が長野市議会も、それまで一度も報告すらなかった事件であっただけに、その真相解明に真剣に対処したのであります。

 当時、土地区画整理事業を所管する建設水道委員会が調査に当たったわけでありますが、昭和五十七年八月十二日の全員協議会の中間報告では、次のように述べられております。

 「本日、ここに、調査の経過につきまして中間報告するに当たり、特に強調したいことは、我々が行っております調査は、議案として提出された案件を継続審査するための調査でもなく、また市庁舎建設委員会のように、市長の諮問に答えるために行う調査でもなく、議会の自主的な判断に基づいて、念書問題の真相を解明するために行う、独自の調査だという点であります。

 したがいまして、議案として提出されていない現時点で、念書、覚書を履行すべきか否か、理事者の責任や執行権にまで論議を及ぼさず、議会側の調査は念書、覚書の妥当性にとどめて、これを履行すべきか否かにつきましては、後日議案として提出されるまで待つべきであることを前提として、報告するものであります。」

 次に、昭和五十七年十二月六日、十二月定例議会初日に行われた長野駅前念書問題に関する調査特別委員会の委員長報告では、特別委員会設置の経過と意義について、次のように報告されております。

 「念書問題が明るみに出て以来六か月余り、我が長野市議会は、その真相を解明するために、自主的な判断に基づいて、精力的に調査を続けてまいりました。去る九月定例市議会の開会初日に行われました議会運営委員会におきまして「念書問題」について、更に積極的な調査活動を行う方針が決定され、最終日に長野駅前念書問題に関する調査特別委員会が設置されて、調査は、建設水道委員会から当委員会に引き継がれたわけであります。

 建設水道委員会の調査報告においては、調査は念書・覚書の妥当性にとどめ、これを履行すべきか否かについては、後日議案として提出されるまで待つべきであることを前提として、報告されたのでありますが、新たに設置されました特別委員会は、地方自治法百条に基づく調査委員会ほどの強制力こそないものの、常任委員会よりは更に積極的に、また専門的に調査活動を展開し、念書問題の本質を解明して市民の負託にこたえるべきであり、したがってその報告は、単に事実関係の真相を明らかにするのみにとどまらず、念書問題に対して意見と要望を述べることは、当委員会に課せられた使命であると考えるものであります。」

 そして、「当委員会としては、念書・覚書は、行政法上いくつかの疑問点があることを認め、今後の市行政の執行に重大な影響を及ぼすことを配慮して、これを履行すべきではないと判断するものであります。市長初め理事者は、他の多くの地権者の公平な扱いと、市民感情をそん度して、念書問題への対処を誤らぬよう強く要望いたします。」と述べております。

 昭和五十八年二月三日第一回公判が行われて以来、実に六年九か月の長い時間の経過の中で、市民の間には「念書問題はどうなったのか。このままうやむやにされるのではないのか。」という憂慮の声すら聞かれたときもありましたが、今回の判決によって、長野市の主張が全面的に認められ、また、長野市議会が独自に調査をし、行政法上の問題点として指摘したことが正しい判断であったと裏付けられたわけであります。しかし、市川氏側は東京高等裁判所に控訴をいたしましたので、裁判はさらに継続することになりました。

 「念書問題」は、当時長野市政の最大の課題であった長野駅周辺の整備計画を進め、近代都市への脱皮を図ろうとしていた夏目元市長がやむを得ずとった措置であったとしても、密約とも言うべき念書を、しかも議会にも、他の地権者にも公表せずに放置してきた責任は重く、その密室性が厳しく問われております。

 市長初め理事者は、今後このような念書を取り交わすことのないよう強く要望いたしまして、報告を終わります。



○議長(山岸勉君) 次に、議員内山国男君より発言を求められておりますので、許可いたします。

 四十番内山君



◆四十番(内山国男君) 四十番内山国男でございます。

 この場をお借りいたしまして一言御礼のごあいさつを申し上げます。

 去る十月十九日、父金太郎の葬儀を行いましたところ、山岸議長さん初め、議員の多くの方々、また塚田市長さん初め、理事者、職員の方々、公私ともにお忙しい中、また雨が降りしきる中御会葬においでいただきました。その上、御香典、お花等多額な御芳志も頂だいいたしました。おかげさまで滞りなく葬儀を執り行うことができました。

 また、盛大に葬儀を執り行うことができましたと思っております。

 大変簡単ですが、仏に代わりまして御礼を申し上げた次第でございます。誠にありがとうございました。



○議長(山岸勉君) 以上で諸般の報告を終わります。

 続いて議事に入ります。

 議会第二十三号常任委員会委員の選任についてを議題といたします。

 議員三井経光君の常任委員会委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、議長より指名申し上げます。

 産業教育委員会委員に三井経光君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 御異議なしと認めます。

 よって、ただ今指名のとおり産業教育委員会委員に選任することに決しました。

 次に、議会第二十四号特別委員会委員の選任についてを議題といたします。

 議員三井経光君の特別委員会委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、議長より指名申し上げます。

 工場・大学・病院対策特別委員会委員に三井経光君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 御異議なしと認めます。

 よって、ただ今指名のとおり工場・大学・病院対策特別委員会委員に選任することに決しました。

 次に、議案第九十九号助役の選任についてを議題といたします。

 理事者の説明を求めます。

 市長塚田君

   (市長 塚田佐君 登壇)(助役退席)



◎市長(塚田佐君) 本日、提案いたしました議案第九十九号助役の選任について御説明申し上げます。

 これは、来る十二月二日をもちまして、任期満了となります現助役の長野市大字古野五百九十八番地四、山岸勲氏を再度選任いたしたく、地方自治法第百六十二条の規定により提案いたした次第でございます。

 詳細につきましては、先ほどの全員協議会におきまして御説明申し上げましたので省略させていただきます。何とぞ御同意のほどをお願い申し上げる次第でございます。



○議長(山岸勉君) 以上で説明を終わります。

 本件に関して質疑を行います。

   (「なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 質疑なしと認めます。

 お諮りいたします。本件に関しては委員会付託を省略し、直ちに採決に入りたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 御異議なしと認めます。

 よって、直ちに採決に入ります。

 採決を行います。

 本件を原案どおり選任について同意することに賛成の諸君の起立を求めます。

   (賛成者起立)



○議長(山岸勉君) 賛成多数と認めます。

 よって、原案どおり選任について同意することに決しました。

   (助役復席)



○議長(山岸勉君) 次に、議会第二十五号議席の一部変更についてを議題といたします。

 先ほどの議員三井経光君の議席指定に関連し、議席の一部を変更いたしたいと思います。議長から変更になる議席を申し上げます。

 議席十六番三井経光君を議席二十六番に、議席二十六番柳沢正恵君を議席十六番に。

 お諮りいたします。ただ今申し上げましたとおり議席の一部変更をすることに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(山岸勉君) 御異議なしと認めます。

 よって、さよう決定いたしました。

 以上で、本臨時会に提出されました案件の審議は全部終了いたしました。

 これをもちまして、平成元年十一月長野市議会臨時会を閉会いたします。

   午前十一時五十五分 閉会



地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。

 平成元年十二月六日

 議長      山岸勉

 副議長     村田武

 署名議員    野々村博美

 署名議員    原田誠之