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平成21年11月定例会本会議−12月02日-03号




平成21年11月定例会本会議
平成21年12月2日(水曜日)
 出席議員(55名)
  1 番 下沢順一郎     27 番 小松千万蔵
  2 番 ?島陽子      28 番 清沢英男
  3 番 福島鶴子      29 番 西沢正隆
  4 番 和田明子      30 番 風間辰一
  5 番 小林東一郎     32 番 下村 恭
  6 番 太田昌孝      33 番 竹内久幸
  7 番 今井 敦      34 番 佐々木祥二
  8 番 丸山栄一      35 番 向山公人
  9 番 松山孝志      36 番 高村京子
  10 番 小島康晴      37 番 小林伸陽
  11 番 金子ゆかり     38 番 藤沢詮子
  12 番 小山 立      40 番 牛山好子
  13 番 備前光正      41 番 宮澤敏文
  14 番 今井正子      42 番 平野成基
  15 番 北山早苗      43 番 本郷一彦
  16 番 諏訪光昭      44 番 村石正郎
  17 番 木内 均      45 番 木下茂人
  18 番 小池 清      46 番 森田恒雄
  19 番 垣内基良      47 番 倉田竜彦
  20 番 野澤徹司      49 番 寺島義幸
  21 番 ?見澤敏光     50 番 高橋 宏
  22 番 保科俶教      51 番 石坂千穂
  23 番 宮本衡司      52 番 島田基正
  24 番 毛利栄子      53 番 萩原 清
  25 番 永井一雄      54 番 服部宏昭
  26 番 村上 淳      55 番 望月雄内
  56 番 古田芙士      58 番 石田治一郎
  57 番 下? 保
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 説明のため出席した者
  知事        村井 仁    建設部長      入江 靖
  副知事       板倉敏和    会計管理者     海野忠一
  副知事       腰原愛正    公営企業管理者
  危機管理部長    松本有司    職務執行者・企
  企画部長      望月孝光    業局長       山田 隆
  総務部長      浦野昭治    財政課長      奥田隆則
  社会部長      和田恭良    教育委員会委員
  衛生部長      桑島昭文    長         矢?和広
  衛生部病院事業           教育長       山口利幸
  局長        勝山 努    教育次長      長澤一男
  環境部長      白井千尋    警察本部長     小林弘裕
  商工労働部長    黒田和彦    警務部長      早川智之
  観光部長      久保田 篤   監査委員      ?見澤賢司
  農政部長      萩原正明
  林務部長      轟 敏喜
        ───────────────────
 職務のため出席した事務局職員
  事務局長      谷坂成人    議事課担当係長   三枝哲一郎
  議事課長      宮下清一    総務課担当係長   村井昌久
  議事課課長補佐   小山 聡    議事課担当係長   山田明子
        ───────────────────
 平成21年12月2日(水曜日)議事日程
   午前10時開議
   行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑
     ─────────────────────────
 本日の会議に付した事件等
   諸般の報告
   行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑

        午前10時1分開議
○議長(望月雄内 君)これより本日の会議を開きます。
 本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。
         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△諸般の報告
○議長(望月雄内 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。
      〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕
         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
△行政事務一般に関する質問及び知事提出議案
○議長(望月雄内 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。
 お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
 順次発言を許します。
 最初に、今井正子議員。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)おはようございます。最初に、今回辞表を出されました市村次夫人事委員長の5年7カ月にわたる御功績に、多くの県民の皆様の声とともに感謝申し上げます。
 9月議会より2カ月余り、国も大きく変化しておりますが、県でも大きな財政が動き、県民の関心事であります公共交通と公共事業について、まず最初に、この間の動きと現状、今後の方向性と県の取り組みを企画部長にお尋ねいたします。
 まず、県営空港であり、所長初め県職員が頑張る松本空港、県から出資金、貸し付けを行い、副知事が代表取締役社長も務める松本ターミナルビル株式会社の存在もあり、JALからフジドリームへと、以前の県議会答弁で否定した搭乗者保証の財政支援をというようなことも出ておりましたが、あのとき導入していれば3路線廃止が防げたのかどうかとの声もありましたが、具体的な搭乗率アップ策や支援策はいかがか。
 また、JRが、A、B、C3路線、リニアの場合と通常新幹線の場合の6種類の調査を続ける中、リニア中央新幹線の現状、また、新潟県知事の支払わない発言もありましたが、3分の1の国の負担金、平成20年31億8,100万円、平成21年61億5,300万円、既に我が県では払っておりますけれども、北陸新幹線以北の現状を企画部長に、知事には、この国主導の大きな3交通の課題につきまして、また、より地域に密着した路線バスやしなの鉄道を初めローカル路線について課題を県として今後どのように取り組んでいくか。財政も含めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
      〔企画部長望月孝光君登壇〕
◎企画部長(望月孝光 君)松本空港問題、それから北陸新幹線につきまして9月県議会以降の動向と現状について、この2点のお話だと受けとめました。
 まず、松本空港発着便につきましては、10月14日、JALから松本からの発着路線すべてから撤退したい旨の表明がございまして、以来、JALと路線存続に向けた協議を進める一方で、10月末にはFDA、フジドリームエアラインズに関する情報を得まして、FDAに対しまして松本への就航についての働きかけを行ってまいったところでございます。その結果、11月30日には、FDAから、JAL撤退後の札幌線及び福岡線につきまして空白期間を生じないように運航するとの申し入れがなされたところでございます。
 空港の利用促進策については従来より進めておりますし、また、こういったことを契機としましてより強力に進めてまいりたいと思っております。
 次に、北陸新幹線でございますけれども、10月9日に長野―金沢間について認可がなされ、26年度末までの開業に向け、線路、電気設備、駅舎等に関する工事が開始されたところでございます。一方、新潟県は認可の無効を主張いたしまして、負担金の支払いを拒否ということで26年度の開業のおくれが懸念されますことから、10月8日の沿線4知事と前原国土交通大臣との会談に続きまして、昨日も改めて長野県知事初め富山県、石川県の知事が前原大臣に対して申し入れを行うなど、政府に対しまして適切な対応を要請したところでございます。
 現状、以上のとおりでございます。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)松本空港発着便、それからリニア中央新幹線、北陸新幹線に係る今後の取り組みにつきましてお尋ねをちょうだいしました。
 信州まつもと空港発着路線につきましては、FDAの御決断によりまして、長野県の悲願でございますジェット機による毎日運航がJAL撤退による空白期間なしに達成できるようになったということは大変ありがたいことだと思っております。今後、実際に飛行機が飛び立つまでには詰めていかなければならない点が多々ございますけれども、利用促進策の充実、運航に当たっての初期投資などについて誠意を持って検討を進めてまいりたいと存じます。
 リニア中央新幹線につきましては、その早期実現を強く願うものでありますが、全国新幹線鉄道整備法の趣旨を踏まえた地域振興の観点からも、長野県にとって実りのある事業効果が得られることが肝要であると考えております。今後も、地域と情報を共有しながら、JR東海に対し、地域の理解が得られるよう話し合いを続けていくことを求めてまいりたいと思います。
 北陸新幹線につきましては、これまで関係都府県が一丸となって整備に向けて取り組んでまいったところであります。平成26年度末までに開業を予定している長野―金沢間につきましては、積雪が多い地域であることから事前に十分な試験運転を行い、安全性を確保することが重要であります。このためにも早期の工事完了が求められておりまして、長野県としても引き続き関係都府県と連携して予定どおりの開業に向けて鋭意取り組んでまいりたいと存じます。
 続いて、より地域に密着した路線バスや鉄道の課題と県の取り組みについてお尋ねをちょうだいしました。
 県内の路線バスやしなの鉄道を含む鉄道などの地域公共交通を取り巻く情勢は依然として厳しい状況にありまして、地域の足である地域公共交通を将来にわたって維持存続していくことは地域住民にとっての重要な課題と認識しております。現在、県内市町村の過半数に当たる41市町村におきましては、国の地域公共交通活性化・再生総合事業、これを活用した、県民、事業者、市町村の連携、協力による地域の実情に即した交通システムの再構築に向けた取り組みがさまざま進められているところであります。
 県としては、こういう取り組みに積極的に参加し、各市町村における取り組みが円滑に進むように必要な助言や情報提供に努めてまいります。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)続いて、公共工事につきましても同様に国の補助が半分であり、また、国の姿勢がはっきりしないまま入札されました浅川ダム、我が会派といたしましては、地すべり地帯に、あえて財政難のときに、また、もっと危険な先に行う河川があるのにと申し入れはしてありますが、どうなったのかどうか。
 そして、国交省で一たん凍結となった、4月末に麻生前首相が急遽加えてくださった信濃町から県境までの上越道4車線化に対する民主党議員が先頭に立って訴えた復活意見書、陳情等、その後の動きと今後の方向性を知事にお尋ねします。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)2点お尋ねをちょうだいしました。
 浅川ダムにつきましては、価格と技術提案や工事成績などの総合評価落札方式を採用いたしまして、9月10日に入札公告を行ったところでありまして、6者の企業体の応札がございました。その後、11月5日に技術評価委員会による技術審査を行い、さらに11月13日に開札を行いまして、11月18日に総合評価点が最も高い者を落札候補者として決定をいたしております。しかし、落札候補者の入札価格が予定価格の85%を下回ったところから低入札価格調査が必要となりまして、現在調査中であります。今後は、この調査によって適正と認められた者と仮契約を行った後、2月定例県議会にお諮りをしてまいります。
 続いて、上信越道の4車線化についてでございますが、信濃町インターチェンジから上越ジャンクションまでの暫定2車線区間につきましては、4月の国土開発幹線自動車道建設会議で4車線化が決定し、国は補正予算で必要額を計上したところであります。その後、新政権は10月9日に補正予算の執行停止を発表いたしまして、先月国から説明があった来年度概算要求の中では上信越道の4車線化事業は検討中とされておりまして、予算計上はまだございません。
 この区間は日本有数の積雪・豪雪地帯でありまして、冬期の安全な交通確保及び観光シーズンの渋滞解消から早期に全線4車線化されることが必要である、このように認識をしているところでございます。
 先日の国からの説明の折りにも私からも強く要望したところでありますが、今後とも早期4車線化を国に求めてまいりたいと存じます。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)国の事業仕分けが話題となりました。軍事費、思いやり予算をもっと、国会議員の歳費はなぜやらぬなど、我々の会派には相変わらず厳しい県民の声が入ってきますが、今回、3年ぶりに決算特別委員として20年度決算を10日間にわたりチェックさせていただきました。その中から、ほんの一部、人事と県有施設の管理について気づいた点を知事、建設部長、企画部長、教育長にお尋ねいたします。
 まず、決算調書には部課長名、異動日、全体職員数が記入されておりますが、半数以上、178名が、私の関係したところですが、21年4月1日から赴いた職員であり、21年度決算時には仕事をしていた人は117名プラス2年以降の少人数という感じでした。ほぼ一、二年で異動しています。これは、県立病院事務長や県立図書館長でも以前希望がありましたが、これではじっくり腰を据えて職務に取り組むことができなくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、最近、部課長級の国からの出向者がふえているように思いますが、その実態と、どのような考えで採用されているのか。または、国からの受け入れ要請や枠があるのでしょうか。知事にお尋ねします。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)部課長級職員の人事異動のサイクルにつきましてお尋ねをちょうだいしました。
 人事異動というのは、退職者の補充、組織改正の対応を初め、組織の活性化や職員の能力開発などを目的に適材適所を原則として行っております。団塊の世代の大量退職や県の組織改正などにもよりますが、ポストによりましては一定期間従事することが望ましい場合もあることから、今後とも業務内容に応じて異動を行ってまいる所存でございます。
 二つ目に、国との人事交流についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 現在、課長級以上の職員で中央省庁からの出向者は計7名であります。ここ10年間では平均して年5名程度の受け入れとなっております。一方で、長野県から本年度13名の職員を中央省庁等へ派遣いたしまして人事交流を行っているところであります。
 中央省庁からの職員は、いずれも県政の個別の課題に応じて長野県からの要請に対して各省庁から出向いただいている方々でありまして、業務に対するすぐれた知識や経験はもちろん、熱い意欲を有しておりまして、私ども地域の課題を共有し、ともに解決に向け取り組んでいただいていると承知しております。
 国との人事交流は、組織にとってもよい刺激を与え、職員の士気高揚や人材育成の観点からも有益であることから、今後とも県政の課題に応じ適時適切に対応してまいりたいと存じます。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)国からの出向ですけれども、いろんな利点があると思いますが、19年の調査によりますと全国で1万6,040名が地方へということです。その給与はすべて都道府県で支払うので、国轄事業の負担金と同じようではないのかというようなお手紙も来ましたので、その点について、利点はたくさんございますが、お尋ねを申し上げました。
 約10人、県によりますと15人、もっと多い県も大変あるかと思います。我が県はちょっとふえてまいりました。7名です。
 人事の時期となりましたので、昨年申し入れました、ここ急激にふえております県部課長級の推薦、あっせんして県が行う外郭団体の再就職、天下り人事を国の動きにあわせて極力減らしていったらどうかという御意見も出ておりますので、知事にお願い申し上げます。
 最近、行政や民間が県有財産を指定管理して委託する制度が始まっております。調査の中で、公園管理の委託料が毎年5億円余りということで調べていくうち、一つの松本平広域公園は建設当時の借入金の残高がまだ126億円も残っているとのこと。しかも、金利は6.0というので、これほど高い金利になっている理由。または、一括返済等できないものかどうか。県の負担を減らすことはできないのかと考えます。建設部長にお伺いします。
 また、指定管理をした、ほかにもあります、文化会館、県営公園、青年の家、少年の家についても、建設年月日、建設費、また建設管理費等、それぞれ企画部長、建設部長、教育長に伺います。
 また、選定基準のポイント、設置目的をどのように担保しているか等についてもあわせて伺います。お願いいたします。
      〔建設部長入江靖君登壇〕
◎建設部長(入江靖 君)建設部に関しまして大きく3点御質問をいただきました。順次お答えさせていただきます。
 まず一つ目、松本平広域公園の償還金に関するお尋ねでございます。
 当公園は、松本空港周辺の騒音防止のための緩衝緑地としての目的も有することから、整備につきましては、通常の国補事業のほか、その費用を長期にわたり償還できる仕組みを持つ、当時の公害防止事業団の共同福利施設建設事業を導入いたしました。
 事業団との契約は2期に分けて行われ、平成3年度に設定いたしました第1期分については利率は年6%で償還期間が平成27年度まで、平成8年に設定しました第2期分につきましては利率は年3.15%で償還期間は平成32年度までとなっております。それぞれの利率については、契約年度の国の資金の調達レートや長期プライムレートを参考に設定されております。
 ちなみに、償還残金は、1期分が約47億円、2期分が約79億円で、合計126億円となっております。
 県では、当時の公害防止事業団から債務を引き継いだ独立行政法人環境再生保全機構に利息の縮減について申し入れを行っておりますが、当機構には利息相当の補償金を免除した繰り上げ償還する制度がないため実現に至っておりません。
 しかしながら、さきの定期監査報告書におきまして監査委員から金利負担の縮減の意見が提出されており、県といたしましても引き続き環境再生保全機構に要請してまいりたいと考えております。
 続きまして、二つ目の指定管理者制度を導入あるいは導入予定の県都市公園の建設年月、建設費、施設維持管理費に関するお尋ねでございます。
 建設部が所管する都市公園は7公園ございまして、うち安曇野市内の烏川渓谷緑地以外の6公園につきましては指定管理者制度を導入しております。指定管理者制度によるもの、それからそうでないもの、それぞれにつきまして当初の開園年月、建設費、それから平成20年度の維持管理費を順次申し上げます。
 まず、佐久市内の駒場公園は、開設日は昭和55年12月、建設費は約26億円、平成20年度維持管理費は1,920万円となっております。続きまして、売木村内の南信州広域公園は、開設日は平成11年4月、建設費は約54億円、維持管理費は2,930万円でございます。続きまして、飯田市内の風越公園は、開設日は昭和54年12月、建設費は約5億円、維持管理費は340万円でございます。同じく飯田市内の飯田運動公園は、当初開設日は平成元年4月、建設費は約35億円、維持管理費は1,580万円でございます。松本市内の松本平広域公園は、開設日は平成6年4月、建設費は約550億円、維持管理費は4億2,170万円でございます。長野市内の若里公園は、開設日は昭和58年12月、建設費は約8億円、維持管理費は1,390万円です。最後に、安曇野市内の烏川渓谷緑地は、開設日は平成14年4月、建設費は約50億円、維持管理費は1,930万円でございます。
 3点目、指定管理者制度を既に導入している施設、導入予定施設の指定管理者の選定に関するお尋ねでございます。
 都市公園は、住民福祉の増進に寄与することを目的として、スポーツ、レクリエーション及び文化活動の場を提供するために設置されたものであります。指定管理者の選定は公募によるものと非公募の施設があり、選定基準はいずれの場合も学識経験者などを含めた指定管理者選定委員会において定めております。
 非公募の施設は、例えば佐久市内の駒場公園など市の管理する施設と一体的であることや管理経費の一部を市で負担しているなど、指定管理制度移行前から市が管理している場合については継続して市を指定管理者に選定しております。一方、公募の施設では、都市公園の規模や特徴を考慮して選定項目を定めております。
 本定例会に議案を提出してあります烏川渓谷緑地では、管理業務の実施計画など八つの選定基準ごとに利活用の促進、市民との連携、管理費軽減の縮減など13の評価項目を設け、配点とともに募集要項に明示し、応募者にプレゼンテーションを求め、審査を行い、候補者を決定したところです。
 県といたしましては、指定管理移行後も、日常の管理業務に対する監督、モニタリング要領に基づく管理運営状況の評価、指定管理者が実施する利用者満足度調査結果などの検証等を行い、良好な管理の維持に努めてまいります。
      〔企画部長望月孝光君登壇〕
◎企画部長(望月孝光 君)まず、県立文化会館の建設時期等についてのお尋ねでございます。
 長野市のホクト文化ホールにつきましては、昭和58年4月開館でございまして、建設費は79億7,000万円、昨年度の維持管理費は2億8,787万円でございます。次に、伊那の文化会館でございますけれども、昭和63年12月開館、建設費は40億6,000万円、昨年度の維持管理費は2億1,943万円でございます。松本の文化会館につきましては、平成4年7月開館、建設費は70億5,000万円、昨年度の維持管理費は2億7,530万円となっております。
 次に、文化会館の指定管理者の選定基準に関するお尋ねでございますけれども、指定管理者の選定に当たりましては、県民の文化の振興に資するということを目的といたしまして、文化会館条例第9条の規定に基づきまして、一つとして、文化会館の公共性とともに、県民の平等な利用が確保されること、二つ目といたしまして、文化芸術の振興のため質の高いサービスが提供されること、そして、三つ目といたしまして、文化会館が効率的に管理運営され経費の節減が図られることといった選定基準を基本に据えまして、8項目にわたる具体的な審査基準を設け行っているところでございます。
 また、選定に当たりましては、公募により応募者によるプレゼンテーションを行いまして、外部の委員を含めた選考委員会による審査を経て候補者を決定し、最終的には県議会におきまして審議をいただき、そして議決をちょうだいいたしまして管理者を決定しているところでございます。
 なお、指定管理者に対しましては県による指導監督など管理運営状況の評価、検証を行いまして、適正な維持管理に努めているところでございます。
 以上でございます。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)青年の家、少年自然の家についてのお尋ねでございます。
 四つの施設につきまして、それぞれ建設年と建設費及び平成20年度の施設維持管理費を申し上げます。
 まず、松川青年の家でございますが、昭和53年4月に開所いたしまして、建設費は2億8,516万円、それから施設維持管理費は1,524万円でございます。次に、須坂青年の家は、昭和57年4月に開所いたしまして、建設費は7億240万円、施設維持管理費は2,227万円でございます。望月少年自然の家は、昭和52年4月の開所でございまして、建設費は4億318万円、施設維持管理費は2,011万円でございます。阿南少年自然の家は、昭和61年4月の開所でありまして、建設費は7億3,776万円、施設維持管理費は1,779万円でございます。
 次に、青年の家、少年自然の家の指定管理者制度についてのお尋ねでございます。
 ただいま申し上げた四つの施設の指定管理者制度導入に当たりましては、青少年教育施設としての効用が最大限に発揮されるとともに、多様化する利用者のニーズに対応したより質の高いサービスの提供と効果的、効率的な施設運営が図られることを最も重要な要素として考えたところでございます。
 こうした点を踏まえまして、指定管理者選定に当たりましては、県教育委員会がこれまで実施してまいりました青少年教育活動や野外体験活動を継続、発展させることができるよう、専門的知識や経験などの能力、提案された各種事業などを重点的に審査したところであります。
 指定管理者制度移行後も、利用者サービスの向上や効率的な運営を図りながら、教育的機能が維持できるよう指定管理者の指導監督に努めてまいる所存でございます。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)続きまして、今回、3警察署廃止に当たり条例が出ております。一極集中でありますので、長野県全体の安心、安全をどう担保するのかを、あすは我が身かわかりませんが、我が身と思い、後世に悔いなき判断を議員諸氏にはお願いしたいと思います。
 まず、今回の3署、それぞれ3万5,000人前後の住民が暮らす合計10万余人の3地域から警察署が消えるということは大問題であることを御認識いただきたいと思います。
 そもそも、今回の統合については公平性が本当に保たれているのか。警察本部長に伺います。
      〔警察本部長小林弘裕君登壇〕
◎警察本部長(小林弘裕 君)警察署の統合は公平な観点で行われたのかとのお尋ねにお答えいたします。
 警察署の再編整備計画に当たっては、市町村等の区域との整合を図るとともに、夜間、休日の体制を強化することを原則として警察署の配置と管轄区域の見直しを行いました。ただし、このような原則に該当する場合であっても、地理的状況等から事案発生時の対応に間隙を生ずるおそれがある場合、観光シーズンにおいて相当数の警察官を常駐させる必要がある場合、新幹線の延伸等による将来の治安情勢の変化を見きわめる必要がある場合には、それぞれ警察署を存置することが必要であることから引き続き警察署を配置することとしております。
 こうした考えに基づき、すべての警察署について検討を行った結果、現在お示ししている再編整備計画となったものであり、公平な観点で、かつ十分な検討を行ったものと考えております。
      〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)成案が出されましたけれども、1ページ、再編整備の趣旨に書かれているように、犯罪の発生は平成3年以降増加の一途をたどり、平成13年、戦後最多の3万5,000件を記録し、14年、県警は警察署の配置や管轄区域について47年以来大幅に見直しをしました。警察官の300名余に及ぶ増員も加え、20年には約2万1,000件と4割も抑止ができました。すばらしいことです。2ページ、厳しい治安情勢といっても、刑法犯認知件数も昭和47年と比較せず、60年からみれば、平成20年、最少の2万1,105件ですし、平成14年から連続減少していると2ページ目には記されています。
 交通人身事故の発生件数は、昭和40年と比較せず、2.4倍と言われておりますが、平成12年から見れば平成20年は最少、死者数は昭和40年に比べれば平成20年は2分の1弱です。振り込め詐欺も、手口は変わりますが、平成17年より減少し、平成19年377件、6億4,285万円の被害に対して、平成20年375件、マイナス2、4億3,323万円と2億562万円も減になっています。子供の声かけ事案も、平成19年283件から20年207件と76件減り、4分の1強も減っております。ストーカー事案も、平成19年382件から20年273件と109件も減り、3分の1弱も減っております。
 しかし、DVなど児童虐待は増大しておりますけれども、警察への安全相談等も、平成16年、ピークの2万6,629件に比べまして、平成20年1万7,862件と9,000件近くマイナスしています。3分の1近くもです。とてもすばらしい14年の再編配置見直し等、警察官採用数の増による効果だと思います。
 決算時、20年度の職員採用を見せていただきましたが、学校職員等を除くと、377人中、新規採用の職員のうち、警察官210名。半数以上です。効果が上がっていると思います。
 では、何が問題だったのでしょうか。4ページを見ますと、治安が悪くなったと思う人は平成20年は57.1%ですが、21年、56.1と減っております。その理由は、警察のせいということでは記されておらず、社会情勢、情報過多というようなことが第1、第2、第3となっています。
 どこに問題があるのかどうか。合併したある首長経験者は、市町村の区域と不整合により活動に支障がというのは県本部の意見であり、地域住民は余り感じていない。裁判所も、上田でも佐久でも事象によっては他地区にも行くということもあります。5ページにありますように、警察組織の高齢化と大量退職者の到来という課題が書かれていますが、この問題は教員やほかの職種も抱えている。直接県民を守る経験を積んだ人が少なくなるということは大問題であります。OB、交番相談員として残っている場合もございますけれども、大変な制度だと思います。
 まず、当直が少ないところ、4人ということで望月署は対象になりましたが、今回いろいろ調べさせていただくところ、転用勤務が駐在の留守を起こしてしまうので、大型交番になればなくなるのだということでしたが、もっと小さな阿南署に行ってみますと、3人の当直体制で駐在からの転用はなかったということもありました。それから、交通事故、死亡事故が多いところに警察署を置くのだと言われましたが、茅野84人、諏訪96人、岡谷90人プラス本部執行隊30人の配置で、蓼科山の向こう側、交通事故死者は岡谷で19年3名、20年2名、望月署よりも少なくて驚きました。もちろん、こんなデータは一概に言えることではありませんが、警察本部長が選ばれた8人の首長さんや弁護士さんたちが一生懸命データに基づいてやったものだと思います。
 以上の点について、サブセンターの設置がいつになるのか。また、職員数はどのくらいになるのか。川西庁舎に配置される交通機動隊のパトカーの数は幾つか。
○議長(望月雄内 君)今井正子議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。
◆14番(今井正子 君)安協、少年ボランティアの見守り隊はどうなのか。成案では東御警察について行われていますが、以上の点につきましてお願いいたします。
      〔警察本部長小林弘裕君登壇〕
◎警察本部長(小林弘裕 君)東信サブセンターの設置についてお答えいたします。
 免許証の更新時に即日交付が可能となる運転免許サブセンターを現望月警察署庁舎に設置することは東信地域の住民の利便性の向上に資するものであり、県警察として早期に設置できるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 しかしながら、設置時期、職員数や日曜窓口の開設などの具体的な業務内容につきましては、県全体の運転免許業務のあり方について検討を行っているところであり、また、これを踏まえ、今後、関係機関等と調整を進める必要があり、現時点で具体的に申し上げることは控えさせていただきます。
 次に、現望月警察署である川西庁舎に配置される交通機動隊の体制と勤務についてお答えいたします。
 川西庁舎の体制につきましては、パブリックコメント、さらにはさまざまな形で寄せられた御意見等を踏まえ、改めて検討を行いました。その結果、交通事故防止とパトロールを強化するため、当初配置を予定していなかった交通機動隊佐久分駐隊を配置し、川西庁舎の体制を充実化することといたしました。同分駐隊には、隊員6人、白バイ6台、さらには夜間や雨天時等に対応するためパトカー2台を現在のところ配置する予定であります。その勤務形態については、交通事故等の発生状況に柔軟に対応し、必要に応じ早朝や夜間にも勤務することとしております。
 次に、現望月警察署管内で活動する防犯協会、交通安全協会等関係団体についてのお尋ねにお答えします。
 警察署再編後の交通安全協会、防犯協会等のあり方は、基本的にそれぞれの団体において判断されるものであり、今後、関係団体において具体的な検討が進められるものと認識しております。警察としては、今後とも、従来どおり、各庁舎において緊密な連携が図られることが重要であると考えており、関係団体ともこうした観点から今後のあり方について意見交換を行ってまいります。
 次に、東御市への警察署設置の検討についてお答えします。
 平成16年12月、東御市長から長野県議会に東御警察署設置に関する請願が提出され、県議会において、平成17年9月、採択されたことを重く受けとめ、県警察としては、警察再編整備に当たり、東御市への警察署の設置についてさまざまな観点から検討を行いました。この結果、組織再編整備計画においてお示ししているとおり、東御市については上田警察署が管轄することが現段階では適当であると判断したものであり、現時点では東御署を設置する予定はございません。
○議長(望月雄内 君)次に、竹内久幸議員。
      〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)まず、ハローワークでのワンストップサービスの取り組みについて伺います。
 国は、経済・雇用情勢が依然として厳しい中で年末を迎えることから、年越し派遣村を教訓とし、求職中の困窮者等がたらい回しにされることなく、一つの窓口で必要な支援にたどり着けるため、職業相談・紹介とともに、住宅手当や生活福祉資金貸し付け、臨時特例つなぎ資金貸し付け、生活保護制度相談等がハローワークで行えるワンストップ・サービス・デイを11月30日に首都圏で行いました。
 そして、試行結果を踏まえ、より広範囲のハローワークでのワンストップ・サービス・デイの年末年始の開催や定期開催について、都道府県に対し、管内市町村、社会福祉協議会等関係機関に対して周知いただき、この事業が地域的広がりを持った形で実現するよう要請をいたしております。
 この事業は、ハローワーク窓口に設けられた生活相談ブースに案内された求職者は自治体職員、社協職員による相談を即決で受けることができることから、年末を控え、依然、経済・雇用情勢が厳しい本県においても取り組むべきと思いますが、本県で実施する場合の県としてのかかわりや取り組みの内容について知事に伺います。
 次に、介護職員の処遇改善交付金について伺います。
 県は、国の緊急経済対策による介護・福祉職員の処遇改善交付金の10月30日現在の申請状況を公表いたしました。それによると、対象事業所の申請率は、全国平均で介護が約72%であるのに対し本県が67%、障害が全国平均約60%であるのに対し51%といずれも低く、全国で36番目となっています。
 まず、この原因はどこにあると把握しておられるのか。社会部長に伺います。
 次に、申請しない理由についてのアンケート結果では、今後予定あるいは検討しているが46.7%ある一方で、申請しないとした事業所のうち、その理由を、追加費用負担が23.1%、対象の制約のため困難が19.2%としており、この制度の問題点も浮き彫りになっております。
 しかし、今後、実施する事業所としない事業所との人材確保の格差が広がっていくことも懸念されることから、100%に近づけていく努力も問われますが、今後の取り組みについてもあわせて伺います。
 また、これまでに申請された事業所の処遇改善内容の内訳はどのようになっておるか。さらに、今回の申請状況の把握から、県としてこの制度の問題点をどのように分析されておられるか。あわせて伺います。
 次に、県の医療従事者の処遇改善について伺います。
 県は、介護老人保健施設を含む県立5病院を来年4月から地方独立行政法人化するとしておりますが、自治体病院の役割である地域医療を引き続き確実に行っていくためには、医師、看護師を初めとした医療職種の人材確保が重要であります。
 しかし、現状では、医師や看護師の欠員は多いと言われ、特に独法化した場合でも木曽や阿南病院等の人材の確保は厳しい見通しであると言われております。また、退職予定者に対し、来年度、採用予定者が充足できない状況にあるともお聞きしており、このままではどこかの病床閉鎖もあり得るのではないかと心配になります。
 そこで、医師、看護師の現状での全体の欠員の状況、特に木曽と阿南病院の現状と今後の見通し、今年度退職予定者数と採用の見通しについて勝山病院事業局長に初めて伺います。
 また、独法化スタート時点での人材確保の見通しと、医師、看護師等の処遇改善をどのようにされるのか。あわせて伺います。
 以上で1回目の質問を終わります。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)竹内議員から県のワンストップ・サービス・デイへの取り組みにつきましてお尋ねをちょうだいいたしました。
 ハローワークにおけるワンストップ・サービス・デイにつきましては、過日の試行結果を踏まえまして、現在、政府におきまして年末年始の開催を含めて検討されておりまして、これを踏まえて各県の労働局がそれぞれ実施について調整を行うこととされております。
 先日、長野労働局長から、腰原副知事に対しまして、ワンストップサービスを含めた一連の緊急雇用対策につきまして協力要請があったところであります。
 現下の厳しい雇用情勢を踏まえまして、長野県といたしましても積極的に協力するべきことであると考えておりまして、要請を受けた後、長野労働局との打ち合わせを実施したほか、離職者向けの公営住宅のハローワークへの情報提供や関係情報の市町村及び社会福祉協議会等への周知を既にやってまいったところであります。
 長野県におけるワンストップ・サービス・デイの実施が明確になった段階で、関係機関の理解と協力のもとで、ハローワークへ派遣する生活保護や生活福祉資金等の担当職員の調整など具体的な準備を進めてまいりたいと考えております。
      〔社会部長和田恭良君登壇〕
◎社会部長(和田恭良 君)介護職員の処遇改善交付金についてのお尋ねでございます。
 まず、交付金の申請率についてでございますけれども、地方公共団体あるいは農業協同組合といった公的団体が経営する事業所は一般的に申請率が低くなっております。申請率の高い他県と比べてみますと、本県の場合、こうした団体の事業所全体に占める割合が比較的大きく、このことが全国平均を下回った一つの要因と思われます。
 次に、申請件数をふやすための今後の取り組みについてでございますが、できるだけ多くの事業所に制度を利用していただきたいと考えておりまして、事業者に対する説明会など、今後も引き続き機会をとらえ申請を促してまいりたいと、このように考えております。
 次に、改善の内容でございますが、改善のための対応として最も多いものは、介護、障害いずれの事業所におきましても手当、賞与のみを改善するものでありまして、申請件数全体の約6割となっております。基本給まで改善するとしたものは全体の4割程度となっている状況でございます。過半数の事業所が手当、賞与のみの改善で対応しようとしておりますが、これは、今回の制度が平成23年度までの時限的な措置であることへの対応であると考えております。
 国が実施いたしましたアンケート調査におきましても、申請しない主な理由として、対象職員が限られていること、事務作業が煩雑であること、平成24年度以降の取り扱いが不明であることなどが挙げられておりますことから、こうした問題点につきましては機会をとらえまして国へ要望してまいりたいと、このように考えております。
      〔衛生部病院事業局長勝山努君登壇〕
◎衛生部病院事業局長(勝山努 君)医師、看護師の人材確保の現状、退職、採用等の今後の見通し、処遇改善に関しまして御質問いただきました。
 平成21年12月1日現在、県立病院全体の定数に対しまして、正規職員では医師17名、看護師55名の欠員となっております。欠員になっている診療科の医師につきましては、信州大学を初めほかの医療機関の多数の医師の応援を受けまして、できるだけ地域の医療需要にこたえられるように対応しておりますし、看護師についても臨時的任用職員や純非常勤職員を採用することで施設基準を満たすように対応しているところであります。
 木曽病院につきましては、医師が9名、看護師が3名定数に満たない状況でありますが、応援医師31名の協力を得るとともに、看護師は臨時的任用職員や純非常勤職員の活用により対応しております。
 また、阿南病院につきましては、医師が5名、看護師が13名定員に満たない状況でありますが、応援医師19名の協力と、看護師につきましては木曽病院と同様の対応により医療供給体制を維持しております。
 なお、看護師の退職者につきましては、定年退職者が木曽病院2名のほか、例年、年度末で早期退職をする方もおられるところから、現在ヒアリングを行っている状況です。また、採用予定者は木曽病院4名、阿南病院2名となっております。
 次に、法人化のスタート時点での人材確保の見通しにつきましては、須坂病院、駒ケ根病院で医師を充実する方向で調整が進んでいるほか、今後さらに看護師の採用選考を行うことを計画しております。
 また、業務の見直しにより資格職種でなくても対応できる業務につきましては、医療事務補助者を積極的に導入して負担の軽減につなげる方策も検討しております。
 次に、医師、看護師等の処遇改善に関する御質問です。
 地方独立行政法人化後の給与、休暇等の勤務条件については県に準じてまいりますが、人材確保には職員が魅力を感ずる職場環境をつくることが最も重要と考えております。現在、議案としてお願いしております中期目標にありますように、各県立病院の持つ特徴を生かした研修システムを構築することによる研修体制の強化、医療技術者としての技術水準の向上につながる認定資格等の取得への支援、また、子育てや介護など生活と仕事が両立できる短時間勤務制度等、安心して働き続けることができる多様な勤務形態の導入などを検討しているところです。
 いずれにいたしましても、医師、看護師不足が社会的な課題となっており、厳しい状況下ではありますが、地方独立行政法人の運営の自由度を十分に生かすとともに、地域の状況にも配慮しつつ、今申し上げましたような取り組みを講じ、医師、看護師等の人材確保を図り、患者サービスの向上に努めていく所存であります。
 以上です。
      〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)ハローワークでのワンストップサービスの取り組みにつきましては、求職中で困っている方に対しましてきめ細かな相談など対応ができるように、県として主体的な取り組みを行っていただきますことを重ねて要望しておきたいと思います。
 続いて、介護職員の処遇改善交付金については、この制度自体が処遇改善策としては抜本的な対策でないということがこの間明らかになってきておりまして、県としても、当面、看護師や事務職員も制度の対象にすることが最善の道ではないかなというふうに思うわけでして、そのことを国に対して強く改善策を求めていただきたいということ。
 それと同時に、先ほどお答えはありましたけれども、介護・福祉現場の処遇改善のための早期の抜本的制度を確立するように国に対して強く求めていただきたいと思いますけれども、確認のため再度社会部長にお伺いをいたします。
 次に、県の医療従事者の処遇改善については、これは、あっさりと、心配のないような感じの答弁をしていましたけれども、そうは言っても大変な実態にあると思います。大変なのは数字だというふうに思います、現況は。先般も、決算委員会あるいは社会委員会等でも木曽病院、阿南病院に伺って実際にお話を聞きましたけれども、現場では、独法化されても大変な状況にあるのではないかということで、そんなにバラ色ではないということが率直に語られているわけでして、その辺につきましては、スタート時点でしっかり対応ができる取り組みを今からきっちりやっていただきたいことを要望をさせていただきたいと思います。
 次に、長野オリンピックムーブメント基金枯渇後の対応について伺います。
 ことしの2月議会で、私は、長野オリンピック・パラリンピック冬季大会開催から10年を経たことを踏まえまして、大会が開催された県として、施設の後利用や大会開催で得た財産を冬季スポーツの振興や選手の育成、観光、各種大会の招致など、大会開催を生かした町づくりを推進していく観点から、特に長野オリンピック運営費で残った約46億円の基金により今日まで多くの冬季スポーツ大会や選手強化育成への支援が行われてきたことを踏まえ、この基金が枯渇してしまえば大会を開催した都市は各種大会が開催できなくなり、経済波及効果が失われ、地元経済もさらに失速してしまうことを指摘し、県の対応を求めてまいりました。
 この問いに、教育長は、この基金は本県におけるウインタースポーツの発展に大きな役割を果たしてきたが、平成21年度をもって終了する予定とし、競技団体に対し基金終了後も同様の助成を行うことが極めて難しいことを説明するとともに、企業協賛のさらなる導入やスポーツ振興くじ、こういった民間の助成事業の積極的な活用など、自立した取り組みを求めている、一方、県としても、スポーツ振興のための寄附金や募金制度などについて研究していくが、昨今の厳しい経済情勢などから確固たる資金確保策を見出すことができないのが現状、引き続き競技団体や関係市町村などと相談しながら今後のあり方について検討してまいりますとの趣旨の答弁をしております。
 そこで、この答弁を踏まえ、21年度末で基金制度が終了する中で、22年度以降についてはこれまで基金を使って行ってきたスポーツ振興策や各種大会の開催等について県として何らかの予算措置を考えておられるか。教育長に伺います。
 次に、この問題に関連して冬季国体について伺います。
 同様に、ことしの2月議会で、私は、さきに開催したかがやき国体での財政負担等に関する本県の新たな提案と実績を踏まえ、長野オリンピックを開催した冬季スポーツの聖地として、今後も国の補助金制度や国体のあり方の抜本的な見直しを行った上で、冬季国体の固定的な開催地となることが経済波及効果のほか、冬季スポーツの振興、観光客の増加につながるのではないかと提案いたしました。
 この問いに、教育長は、先般、全国を5ブロックに分ける案が示され、本年度中を目途に具体的な開催ルールが決定する予定とし、県としてはきちんとした手段が定まれば国内における冬季スポーツの担い手として積極的に役割を果たしていきたいと答弁をいたしております。
 そこで、その後の状況について教育長に伺います。
 次に、ノーマイカー通勤ウイークの取り組みの結果と今後の対応について伺います。
 県は、マイカー通勤者がマイカーの利用を自粛し、公共交通や徒歩、自転車といった環境に優しい通勤手段へ転換していくきっかけとしていただくため10月19日から25日まで実施した県下一斉ノーマイカー通勤ウイークの実施状況をまとめました。
 それによると、参加事業所数は193事業所で、参加人数は1万7,816人、延べ参加人数は4万1,198人、削減した二酸化炭素排出量は73.5トンとしております。また、切りかえた交通手段は、相乗り28.2%、自転車21.6%、徒歩19.6%、電車13.5%、バス5.4%という状況になっております。
 そこで、県は、今回の取り組み結果をどのように分析し、今後に生かしていくお考えか。環境部長に伺います。
 質問の最後は、未来へつなぐ森林づくり施策についてであります。
 林務部は、主要施策として未来へつなぐ森林づくりを掲げ、森林整備と企業等の社会貢献活動、CO2削減に貢献する活動を重視し、システム化するため、森林づくり県民税を活用した事業として森林の里親促進事業や地球温暖化防止吸収源対策事業、カーボンオフセットシステム構築事業を推進されていることに期待をするものであります。
 そこで、各事業の企業等の契約状況と、これら事業の21年度に入っての取り組み状況について林務部長に伺います。
 以上で2回目の質問を終わります。
      〔社会部長和田恭良君登壇〕
◎社会部長(和田恭良 君)介護・福祉職員の処遇改善交付金に係る制度の抜本的改善について国への要望ということでございました。
 これまでも、さまざまな機会で、県独自、あるいは全国の団体等を通じて要望してまいりまして、例えば全国知事会では、ことしの10月の7日でございますけれども、21年度の補正予算におけることということで改善意見を提出しておりますけれども、介護職員のみでなく、看護職員やケアマネジャー等介護に係る職員を広く対象とすべきと、こういう意見を出させていただいておるということでございます。
 今後、さまざまな機会があると思いますので、そうした機会をしっかりとらえまして強く要望してまいりたいと、このように考えております。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)まず、オリンピック基金に関するお尋ねでございます。
 基金を運用する長野オリンピックムーブメント推進協会では、今年度の助成事業が終了しますと基金残高が3億円を下回り、来年度は今までどおりの助成事業ができなくなることから、今年度をもって助成事業を終了し、来年度、協会の清算手続を行う意向であるとお聞きしております。
 ムーブメント推進事業終了後の本県冬季スポーツ振興に向けた対応につきましては、現在の県の財政状況では年間4億円といった基金と同様の規模の支援を今後も県が継続して行うということは大変に困難であると言わざるを得ないわけでございますけれども、長野オリンピックの人的、物的、あるいは環境資源等、有形無形の多くの遺産を将来に継承することにつきましては県としての責務であると考えております。
 今後の支援のあり方等につきましては、関係市町村、競技団体等と連携しながら具体的な協議を進めておりまして、来年度予算にどのように反映できるかも含め、現在、鋭意検討しているところでございます。
 次に、冬季国体の開催地選定についてのお尋ねでございます。
 財団法人日本体育協会におきまして、特定の自治体に経費負担が集中することを回避し、計画的に開催準備ができるよう、関係方面との調整が進められてきたところでございます。その結果、スキー、スケート、アイスホッケーの3競技について、それぞれ開催可能な都道府県を五つのグループに分けまして、開催を輪番制とします。そして、各都道府県の開催頻度がおおむね10年に一度を基本とする具体案がまとめられたところでございます。
 この輪番制に基づきまして、平成22年には北海道で、平成24年には岐阜県、愛知県での開催が決定されたところであります。長野県は、岐阜県、愛知県と同じグループに属していますことから、一巡目の平成22年から26年の5年間につきましては本県での開催はない予定となっております。
 以上でございます。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)県下一斉ノーマイカー通勤ウイークについての御質問でございます。
 県下一斉の取り組みは今回が初めてであったにもかかわらず、多くの事業所、市町村等に御参加をいただき、感謝をしているところでございます。
 今回の実施結果からは、それぞれの事業所の皆様がさまざまな工夫をして参加していただいたことがうかがえます。必ずしも公共交通機関の利便性が十分ではない本県にあって、相乗りや自転車の利用などにより通勤車両の減少に取り組まれた方も多くございました。また、送迎バスの運行や自転車の貸与など従業員が参加しやすい環境を整えた事業所や、商店街で商品の割引、飲食のサービスを行うなどユニークな取り組みをした地域もございました。
 事業所からいただいた報告では、今回の県下一斉の取り組みがマイカー通勤縮減のきっかけとなったという御意見や、期間終了後も企業独自に取り組みを継続、定着させたいと、そういう前向きな御意見も多く寄せられております。
 その一方、公共交通機関の運行時間など利便性の向上や、このような取り組みの実施時期、それから回数に関する御意見などもあわせていただいたところでございます。
 今後、今回の取り組みの成果といただいた御意見を踏まえまして、本事業を拡充の上、継続実施し、バス・鉄道事業者等とも連携をいたしまして、マイカー通勤縮減が県民生活において定着いたしますよう努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      〔林務部長轟敏喜君登壇〕
◎林務部長(轟敏喜 君)未来へつなぐ森林づくりの各事業の取り組み状況についてお尋ねをいただきました。
 まず、企業等からの支援を得て地域の森林整備等を推進しようとする森林の里親促進事業についてでございます。
 本年度は、企業等へ制度の説明や活動の事例紹介などを行い、新たに9件の契約が締結され、さらに10件について今年度中の契約に向け準備を進めております。こうした活動により、現在、43件の森林の里親契約に基づき、各地で森林整備やさまざまな交流活動が展開されております。
 また、12月中旬には、多くの企業が参加して東京ビッグサイトで開催されます環境関連のイベントに出展をし、本県の取り組みをアピールするなど、今後とも情報発信に努め、新たな契約を獲得してまいりたいと考えております。
 次に、森林の里親契約により整備した森林の二酸化炭素吸収量を認証する地球温暖化防止吸収源対策推進事業についてでございます。
 平成20年10月に、長野県森林CO2吸収・評価・認証制度を策定し、昨年度は4件8社の皆様に対し認証書を交付いたしました。本年度は、11月末現在で昨年度を大きく上回る10件14社から認証の申請があり、現在、指定調査機関によります現地調査が行われているところでございます。今後、長野県の森林CO2吸収評価認証委員会において現地調査結果報告書に基づき審査を行い、2月中を目途に認証してまいる予定でございます。
 最後に、カーボンオフセットシステム構築事業についてでございます。
 昨年度より、有識者による長野県カーボンオフセット検討委員会において仕組みづくりに向けて研究を重ねてまいりました。その研究結果を踏まえ、本年度は、伊那市のNPO法人が運営主体となり、木質ペレットストーブ活用によるカーボンオフセットシステムについて全国に先駆けて国の制度への登録申請を行っており、今月中には認められる見込みとなっております。今後は、このシステムの運営が適切に行われるよう支援してまいりたいと考えております。
 以上です。
      〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)長野オリンピックムーブメント基金枯渇の対応につきまして、この基金の存在によりまして、この間、県は、それまで各種大会に支出してきた補助金を支出しなくて済んできたという経過がございます。したがいまして、この基金が枯渇しますと、例えば長野オリンピックマラソンを初めとしましてさまざまな大会等について大きな影響が予想されるわけですけれども、ぜひとも来年度予算への反映について、積極的に知事部局と連携をしながら、対応していただくことを強く要望を申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、冬季国体につきましては、状況はわかりましたので、状況を見て提案を判断いただきたいなというふうに要望しておきたいと思います。
 それから、ノーマイカー通勤ウイークの取り組み結果と今後の対応につきまして改めてお伺いをいたします。
 今後、県民の日常の通勤での他の通勤手段への転換、先ほど若干お話はいただいたわけですけれども、それから参加事業所数をさらにふやしていく努力というものが欠かせない課題であると思うわけですけれども、その点、今後の取り組みについて環境部長並びに企画部長にお伺いをいたします。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)この取り組みに参加事業所数をどのようにふやすのか、あるいは今後の取り組みについてという御質問でございます。
 先月末に、バス、電車の事業者や、国、それから関係団体にお集まりをいただきまして、今回の結果を報告いたしますとともに、来年度の取り組みや参加事業所からいただいた御意見や御要望などを検討をさせていただきました。
 今後とも、こうした場を通じまして、今回以上に多くの参加者が得られるよう、実施時期や公共交通機関の協力体制の検討などを行っていきますとともに、県環境保全協会や経営者協会などの経済団体を通じまして事業所へ働きかけをより一層強めてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、この取り組みは温暖化防止のために継続してマイカー通勤を減らすということにございますので、今回の取り組みを契機としまして、通勤手段をマイカーから他の手段へ移行するように普及啓発、課題の検討を進めてまいる所存でございます。
      〔企画部長望月孝光君登壇〕
◎企画部長(望月孝光 君)ノーマイカー通勤ウイークの取り組み結果を踏まえて、これを日常の通勤等に、一定の期間だけではなくて、どうやって取り組んで生かしていくかというお話だと思いますけれども、御案内のように、本県の地理的あるいは地形的な条件の中での交通機関の交通事情というものを考えますと、なかなか難しい問題であると思っているわけでございます。
 こうした中で、今回のウイークにおきましても、マイカーから公共交通機関への転換という形で行いましたのは先ほどの議員の御指摘にございましたように2割弱にとどまっているというところでございます。
 一方、今回、交通事業者のあらかじめ協力を得まして、通常水曜日のみ使用できるバス・電車ふれあいデーの特別割引回数券、これをこのウイーク期間中毎日利用できるようにしましたところ、回数券の売り上げが前年同月と比べまして約3割増加したといった状況も出ております。こういった取り組みもマイカー通勤からの転換に一定の効果を上げているのではないかなと考えている次第でございます。
 また、啓発が非常に重要でございますので、今回のようにマイカーからの転換につきましては県内事業所に対して広く呼びかけるといったことも必要だと思います。また、今回実施された事業所の取り組み結果あるいは状況といったものにつきましても、広く県民や事業所に情報提供するといった、非常に地道ではございますけれども、継続してやる取り組みも重要ではないかと考えております。
 また、10月に実施いたしました公共交通県民大会におきましては、こういった公共交通の利用促進に積極的に取り組まれた4団体を表彰しておりますけれども、こういった取り組みもきっかけづくりになると思っておりますので、県のホームページに早速掲載して周知に努めているところでございます。
 いずれにいたしましても、こうした一つ一つの取り組みの積み重ね、これが公共交通機関へのマイカーからの転換、あるいは参加事業所の増加、こういったものにつながると思いますので、今回、御協力いただいた行政あるいは交通事業者から構成しております長野県の公共交通活性化協議会、ここへも今回の結果を詳しく報告いたしまして、さらに効果的な施策があれば検討してまいりたいと、このように考えておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
      〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)丁寧な答弁、ありがとうございました。ノーマイカー通勤ウイークの取り組みについては、バス利用が5.4%という低い水準であったわけですね。身近なところに恐らくバスという交通手段がなかったんではないかということが憶測として言えるわけですけれども、しかし、このデータというのは今回出た結果として大変貴重なものだというふうに私は受けとめておりまして、今それぞれの地区において法定協議会などで、全国一多い数をやっているわけですけれども、そうしたところからメスを入れて、今回の結果をどこに原因があるのかということに生かしていくということもしっかり検証をいただきたいということをお願いをしておきたいというふうに思います。
 未来へつなぐ森林づくり施策につきましては、森林県である本県として全国のモデルとなるような、先駆けて行っているということですけれども、さらに積極的な取り組みと成果を期待いたしまして、あと1分ありますけれども質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(望月雄内 君)次に、毛利栄子議員。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)特別支援教育について教育長に伺います。
 県内特別支援学校の児童生徒数は平成12年から平成21年の9年間で579人、32.5%もふえており、過密化しています。県教委は、その都度、プレハブを建てたり、特別教室を教室に変えるなどしてしのいできていますが、校庭もプレールームも教室に変わり、思い切って体を動かすところもないなど、教育環境は劣悪です。
 この10年間を見ても、9月補正を含め、プレハブでの対応は長野養護で12教室、松本養護で13教室、伊那養護で8教室、上田養護で7教室、安曇養護で7教室と、冬は底冷え、夏は30度を超える暑さで、果たしてこれが障害を持つ子供たちに対する教育的対応なのかとやりきれない思いです。
 そもそも、長野養護の244人、松本養護の254人、上田養護の188人、小諸養護の207人、安曇養護の191人など、過大で、規模としても適正なのか疑問です。
 通学方法一つとってみても、スクールバスを利用する児童生徒は3分の1で最も多いわけですが、安曇養護では片道90分、小諸養護では片道95分もバスに揺られて通う子供さんがいるわけです。毎日毎日こんなにも時間をかけて、早い子は朝の7時から乗車し、往復する子供たちに心身の疲労やストレスがかからないはずはありません。養護学校が身近にありさえすれば、こんな負担を子供たちに強いなくても済むのではないでしょうか。
 なぜこんな事態になっているのか。県教委に養護学校の本来のあり方に対する明確なビジョンが欠けているために、その都度つけ焼き刃的に対応してきたことに問題があるのではないでしょうか。県教委は分教室で乗り切る方向ですが、これだけ毎年毎年ふえてきているのですから、小手先の対応でなく、必要なところには新たな学校や分教室を早急に設置することが求められていると思います。県教委の特別支援学校に対する将来ビジョンを伺います。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)特別支援学校の過密化の解消と今後のあり方についてのお尋ねでございます。
 県内の18校の特別支援学校におきましては、この10年間で議員御指摘のとおり579人の児童生徒が増加しており、特に知的障害校での増加が顕著となっております。このような状況に対応するため、教室が不足している学校において教室増設を進めております。
 また、長野地区特別支援学校の再編整備計画に基づく長野養護学校朝陽教室や、地域化推進として取り組んでいる分教室につきましても、既設の4教室に加えて、新たに伊那養護学校中学部分教室、安曇養護学校高等部分教室の平成22年4月開設に向けた準備を進めているところでございます。
 特別支援学校の今後のあり方につきましては、本年度設置いたしました特別支援教育連携協議会におきまして、小中学校や高等学校での支援体制のあり方、さらに地域における相談体制の整備などを初め、特別支援教育全体について中長期的な視点から御協議をいただいており、この中で議論がされるものと考えておるところでございます。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)今、教育長からお答えをいただきましたけれども、連携協議会の議論は平成21年、22年と2年間にわたって行われることになっておりまして、その協議を経て中長期的な方向を示すということであります。それが出てから例えばどうするかというふうに考えてみたときに、実際に手がつくのはほぼ3年ぐらいかかります。ということになれば、今の過密状態がこのまま、また生徒がふえることがあるにもかかわらず、数年は放置されるということでありますから、早急な対応を求めます。
 次に、教員配置について教育長に伺います。
 県教委も、現状を認識して、標準法との乖離を縮減すべく対応していただいておりますけれども、現場の要求からは著しくかけ離れています。標準法から323人不足しているということで21年度に39人増員していただきましたが、自立活動専任ではなく、担任を持てる教員をもっとふやしてほしいという要望も出ています。22年度は何人増員するのでしょうか。児童がふえれば、不足の323人は既定の数字ではなく、変化するものです。今後、縮減に向けてどのような目標や年次計画を持っておられるのか。伺います。
 次に、スクールバスについて伺います。
 20年6月議会でも、備前議員から、スクールバスが定員オーバーで乗れなくなり、急遽親の送迎に変えざるを得ず、勤務を変更することを余儀なくされている保護者が出ている問題の指摘がありましたが、私のところにもそのようなお話が届いております。
 諏訪養護学校は、現在、3台のスクールバスを直営もしくは委託によって運行しています。新年度、1年生に入学してくる子供さんや、新たに地域の中学校から養護学校高等部へ来る子供さんを想定すると、十数人が乗車を希望してもはみ出してしまい、親が送迎せざるを得なくなる懸念があるということです。そうなれば仕事をやめざるを得ず、家庭の生活サイクルも狂ってしまい、親の負担も大きくなるので困る、何とかならないかというものです。
 同じようなことは伊那養護や安曇養護にもあります。少ない台数でやりくりすれば、はみ出す児童も出てきたり、あちこち回るので運行時間も長くなり、乗車する児童生徒や面倒を見る先生にも大きな負担がかかります。
 この際、差し当たっての問題解決のために、ぜひ増車もしくはキャパの大きいものに変えて保護者の願いにこたえてほしいと思いますが、現状をどうとらえ、どのように対応していくおつもりか。伺います。
 寄宿舎について伺います。
 寄宿舎の果たす役割は、遠距離で自力または保護者の送迎が困難だから利用するだけでなく、集団生活を通して他人とのかかわりを学び、家族と離れ、指導員の手をかりながら規則正しく自立のための訓練をしつつ、人として成長を一歩一歩培っていくところにあります。保護者からも、洗濯から布団の出し入れ、自分の身の周りのこともできるようになってうれしい、家だけでは育ちにくい社会性について集団や仲間の中で育てていただけてありがたいと感想が寄せられるなど、一人一人の成長にとって大事な役割を果たしています。県教委は寄宿舎の持つ教育的役割をどう認識しているのでしょうか。
 その大事な寄宿舎の利用を希望しても、今の人的配置の中では重度の子供たちはなかなか受け入れてもらえない現状があるようです。もちろん、一人一人の子供たちの障害の度合いに即して、先生、保護者、指導員が相談しながら状況を判断しているわけですが、寄宿舎の人手が足りないことが保護者の要望にこたえられない理由の一つでもあるようです。
 現状は、少ない人数で回しているために指導員の方々にも大きな負担がかかっているとお聞きしています。児童生徒に食事をさせ、おふろに入れて、寝かせ、朝は起こして食事をさせ、学校に送り出してやるわけですが、最近はなかなか寝つけない子供さんもふえていて時間がかかったり、夜中に大声を出して叫んだり、飛び出して行ってしまうなど、御苦労も多いと伺っています。
 寄宿舎の指導員の人的配置も含めた勤務条件の改善、充実を求めますが、どう改善していくおつもりなのか。教育長に伺います。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)3点お尋ねをいただきました。
 まず、教員の配置についてのお尋ねでございます。
 児童生徒の増加への対応といたしまして、21年度までの10年間に234名の教員の配置、充実を行ったところでございます。21年度の教員配置数につきましては、保護者及び学校現場からの要望を受け、改善に努めたところでございます。
 しかしながら、特別支援学校の児童生徒への教育指導上の課題であります、例えば自閉症や発達障害などの障害の多様化、車いす使用などの障害の重度・重複化、あるいは高等部の生徒数の増加に対する多様な進路希望実現等々、一人一人のニーズに応じた指導がますます重要になっていることも認識しているところでございます。
 来年度の予算編成に向けた作業を現在進めているところでありますが、特別支援教育の充実は教育委員会の取り組むべき大きな柱の一つとして位置づけておりまして、教員の配置、充実につきましても、障害の状態の改善を支援する自立活動担当教員を中心に継続的に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、特別支援学校におけるスクールバスについてのお尋ねでございます。
 本県では、特別支援学校に通う児童生徒の通学の利便性向上のため12校に計33台のスクールバスを配置し、現在、約750名の児童生徒が利用している状況にあります。
 通学手段につきましては、将来の社会的自立に向けた生活訓練として位置づけ、自力通学を基本とした上で、障害の状態、家庭の状況、自宅からの通学距離や公共交通手段の有無など、一人一人の児童生徒の状況に応じて、保護者の意向も確認しながら、各学校において決定しているものでございます。
 スクールバスにつきましては、これまでも児童生徒数の増加や利用者の状況に応じまして毎年計画的に増車や更新を進めてきたところでありますが、児童生徒数の将来的な推移を踏まえますと現状のままでは十分とはいえないと認識しておりまして、バスの増車や大型化につきまして今後も充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、特別支援学校の寄宿舎についてのお尋ねでございます。
 県内18校の特別支援学校のうち、病院併設等の肢体不自由、病弱の学校を除く15校に寄宿舎を設けております。寄宿舎は児童生徒の通学保障のために設置しておりますが、家庭から離れた生活は精神的な自立を促すとともに、日常生活に必要な力の育成を支援する役割も果たしていると考えております。
 寄宿舎指導員につきましては、寄宿舎を利用する児童生徒の生活指導を行うため、児童生徒数に応じて配置しております。特別支援学校全体の状況と同様に、寄宿舎においても障害の重度・重複化、多様化等によりまして指導上の困難が増している状況にあり、指導員の人的配置を含めた勤務条件の改善等に引き続き努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)特別支援学校に対する教員の配置については、その重要性や必要性ということでは決意は伺いましたけれども、平成22年度に一体何人ふやしていくのかということについてはお答えがございませんでしたので、再度お願いをいたします。
 08年度の文部科学省の学校基本調査によりますと、特別支援学校の教員1人当たりの児童生徒数は、全国平均は1.6人ですが、長野県は1.83人で全国5番目に先生方に負担がかかっている県です。また、地方教育費調査結果から言えることは、在学者1人当たりの教育予算は全国平均が858万円なのに長野県は799万円と全国37位で59万円も格差があり、ここでも県下の特別支援学校がいかに政治の光が当たらず冷たい待遇を受けているかわかるのではないでしょうか。
 県教委には、ぜひ、現状を前向きに変えるために施設整備の充実を図るとともに、人的配置の充実を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)教員定数の標準法との乖離の縮減についてのお尋ねでございますけれども、標準法との乖離が大きいということは十分認識しておりまして、計画的な視点を持って改善していきたいと、こんなふうに考えております。
 現在、そういった作業を進めておるところでございまして、具体的な数字というふうなものは控えさせていただきたいと、こんなふうに思っております。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)今の御答弁で、はいよしというわけにはいきません。現状でなかなか大変な事態を強いられているわけですから、ぜひ早急な善処を求めます。
 次に、一人親家庭の支援について教育長並びに社会部長に伺います。
 06年度、厚生労働省の全国母子世帯等調査によりますと、母子家庭の平均年収は213万円で、子供のいる世帯の年収718万円の約3割の水準です。県が平成19年度に行った母子家庭実態調査でも、母親の9割は就業していますが、正社員は32.7%で、46.3%がパートやアルバイトなどの非正規雇用に追いやられています。年収200万円未満が59%であり、ダブルワーク、トリプルワークを行って体を酷使しながら、家族の生活を維持するために必死の頑張りをしているのが実態です。日本の貧困率は15.7%、つまり7人に1人が貧困と公表されましたが、一人親世帯の貧困率は54.3%に上り、過半数が貧困状態だということが明らかになりました。
 最初に、教育長に伺います。
 念願だった高校授業料の無償化が新政権のもとで実現できる見通しとなったことは大変喜ばしい限りです。しかし、高校学費は授業料ばかりではありません。給付制奨学金の創設で入学金と教科書代などは年収350万円以下の世帯には支給される見通しですが、制服代や運動着代、教材費など入学に当たって最低限必要なお金が公立で十数万円、私立で三十数万円かかります。これだけまとまったお金をどうやって捻出するか頭が痛い、何とかならないかと関係団体から要望をいただきました。
 一人親世帯や就学困難な世帯に対し、入学準備のための一時金支給は創設できないか。教育長に伺います。
 続いて、社会部長に伺います。
 大学や専門学校に進学する場合、初年度納付金が莫大で準備できず、せっかく合格してもあきらめなければならないケースがあります。生活福祉資金の就学支度費、母子寡婦福祉資金などを借りようと思っても、余りに額が少な過ぎて必要額を満たせません。教育ローンも条件が厳しくなかなか借りられないのが現状です。100ないし150万円のまとまったお金を貸し付ける制度を検討できないか。伺います。
 住居の問題で社会部長に伺います。
 県の調査でも、28.9%が民間アパート、22.2%は公営住宅に住んでいることになっています。民間は家賃が高く、家計を圧迫しており、できれば公営住宅に入りたいと希望する一人親世帯はたくさんいます。しかし、募集戸数も少ないため優遇制度があっても抽せんに当たらず、入居することができません。
 そこで、ぜひ、民間の住宅を県として借り上げ、一人親世帯に安価で貸せるような制度をつくってほしいと思いますが、いかがですか。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)高校入学準備のための一時金支給制度の創設についてのお尋ねでございます。
 現在、国の来年度概算要求におきまして、世帯の収入が350万円以下など経済的理由により就学困難な生徒に対しまして、入学料及び教科書費を対象とする給付型の奨学金を支給する制度が検討されているところでございます。この制度が創設されれば、一定収入以下の世帯の生徒の入学準備への対応も可能になると考えられます。従来からあります県の奨学金制度の活用に加え、この給付型の奨学金により経済的に厳しい家庭の生徒への就学支援の拡大が図られるものと期待しております。
 今後とも、制度の詳細を含め、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
      〔社会部長和田恭良君登壇〕
◎社会部長(和田恭良 君)初めに、大学や専門学校の初年度納付金などの貸し付けについてでございます。
 現在、就学支度金として生活福祉資金では最高50万円、母子寡婦福祉資金では最高59万円を、また授業料等に充当する資金といたしましては月額最高6万5,000円または6万4,000円を、いずれも無利子で貸与しております。
 また、入学時には、就学支度金とあわせて3カ月分または6カ月分の授業料資金を一括して貸し付けるため、生活福祉資金では最高で約90万円、母子寡婦福祉資金でも最高約80万円を借り受けることが可能であります。
 大学における入学金や前期授業料などの初年度納付金には幅がありますが、例えば私立大学文系を見れば平均で約85万円ということでございまして、十分ではなくても、一定程度の充足を図れるものと、このように考えております。
 これらの貸し付け額につきましては物価等を考慮して数年置きに見直しもされておりますし、奨学金や授業料の分納などの方法もございますので、これら既存の制度を有効に活用していただきたいと、このように考えております。
 次に、一人親家庭の住宅支援についてでございますが、本年の8月現在の一人親世帯数でございますが、約2万5,000世帯ということでございまして、平成19年度に実施いたしました長野県母子家庭実態調査によりますと、約半数が持ち家、残りが公営住宅や民間アパートなどに入居しております。このうち県営住宅への一人親家庭の入居は約2,100世帯、県住全体に占める割合は14.7%ということでございまして、優先入居の取り扱いを実施してきた結果、世帯数、割合ともに年々増加している状況でございます。
 また、市町村の公営住宅におきましても、一人親家庭のために入居枠を確保する等の対応がとられまして、幾つかの市にお聞きしたところ、入居者の1割前後が一人親家庭となっております。
 まずは、こうした住宅を活用していただきたいと、このように思っておりますが、御提案の制度につきましては、関係団体からの要望もいただいておりますので、他県等の取り組みなども見ながら研究してまいりたいと、このように考えております。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)高校の就学費に関しましては、当初、制服代や運動着代、教材費などということも含めて低所得世帯には支給をするということで話がありましたけれども、仕分けの中でこれが切られて、入学金相当ということになってしまいました。ぜひ、教育長におかれましては、国の動向を注視していくだけではなくて、この問題につきましても実情をしっかり把握していただいて、反映できるように強力に国に対して意見を申していっていただきたいと思います。
 それから、先ほど初年度納付金の問題で社会部長のほうからも御答弁ございましたけれども、しかしながら、文科省の調査でありましても、私立大学に通う場合は平均で初年度納入金が145万円、そしてまた専門学校に通う場合には127万円という結果も出ております。そして、新しく大学などに行く場合には住居も確保しなければならないということで、その入居費だけでも数十万円現状ではかかるわけでありまして、そのことを考えれば、今おっしゃっていただいた母子寡婦福祉資金でありますとか生活福祉資金の制度を利用しても圧倒的に足りない、倍くらい足りないというのが現状です。ですから、そういう保護者の願いにこたえられるようにぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、高校生の就職支援について知事並びに教育長に伺います。
 長野労働局は,9月末現在の来春卒業県内公立・私立高校卒業生の就職内定率が40.5%で、前年比13.7%下回り、記録が残る1992年以来最低のかつてない厳しさになっていると発表しました。地域的に見ても差があり、中でも厳しいのが東信地域で、わずか27.7%と、まさに深刻な事態です。
 希望に満ちて新しい第一歩を踏み出そうとしているやさきに、行くべき職場がなかなか決まらない、進むべき道が定まらないという厳しい試練に直面させられている高校生の葛藤や気持ちを考えたときに、一人の未就職者もつくらない行政のかたい決意が求められていると思います。未来ある高校生の新たな門出を失望させてはなりません。また、保護者にしてみれば、やっと高校を卒業させ、これから自分の足で歩いていってほしいと願っているときに、仕事にもつけず、この先どうなるかわからない現実は、暗たんたる気分にさせています。
 そこで、教育長に伺います。
 学校としても、進路指導の先生方を中心にしながら、商工労働部や労働局、緊急雇用で配属された就職活動支援員の方々とともに頑張っていただいていると思いますが、就職支援の取り組みはどうなっていますか。また、就職も決まらないままやむなく卒業させざるを得なかった場合、その後のフォローをどうするのか。伺います。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)高校生の就職支援に関する取り組みと、いわゆる就職浪人生への支援についてのお尋ねでございます。
 10月末現在の県内公立高校生の就職内定率は62.7%で、昨年同期に比べましてマイナス10ポイントと大変厳しい状況が続いておりまして、大変心配しておるところでございます。
 県教育委員会といたしましては、この間、経済団体への要請や、20名の就職活動支援員の配置、さらに8月末には、知事、長野労働局長、教育長連名で、県内約7,000事業所に対しまして新規高校卒業者への採用枠の維持、拡大の要請をいたしました。また、就職支援員がハローワークの高卒就職ジョブサポーターや商工会議所や商工会の経営指導員の方と協力しまして求人開拓に取り組むなど、関係機関と連携いたしましてさまざまな取り組みをしてきたところでございます。
 今後は、人材育成の充実を図る意味からも、長野労働局やジョブカフェ信州などと協力しまして職業講話や労働講座を各校で行うよう指導するとともに、1月からは就職の決まらない生徒を対象にハローワークが就職説明会を実施する予定でございます。
 また、卒業しても就職が決まらなかった生徒が出た場合、そういう生徒を支援するために、学校に相談窓口を設けるとともに、何らかの支援ができるよう関係機関と検討しているところでありまして、今後も一人でも多くの高校生の就職希望が実現できるよう最大限の取り組みをしてまいりたいと、こう考えております。
 以上でございます。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)秋田県では、厳しい雇用情勢の中で、県内での就職を希望している高校生に対し、就職に有利に働くように各種資格取得や企業が求めている普通自動車運転免許取得を促し、そのための費用の一部を助成する緊急高校生県内就職支援事業補助金を9月補正で設置し、県内就職の確保と定着の促進を図っていると伺っております。
 内容は、日商簿記、販売士、危険物取扱者、ボイラー技士などの資格取得をする場合、1人1回に限って受験料を補助し、生活保護受給世帯、授業料減免者には自動車教習所入校金相当額の4万5,000円を補助するというものです。
 長野県でも、積極的にこのような財政支援を含めた独自支援を検討するお考えはないでしょうか。企業に協力をお願いするだけではなく、一歩踏み込んだ知恵や取り組みが必要だと思いますが、教育長の見解を求めます。
 続いて、知事に伺います。
 新卒高校生の就職は生徒の未来がかかっている大事な問題であり、一般の雇用問題以上に重要視しなくてはならない問題だと思います。県でも教育委員会と連携をとって対応されてはおりますが、他県では、雇用緊急対策本部をつくり、全庁挙げて取り組んでいるところもあります。企画、商工労働、教育委員会、さらには新たな雇用創出の可能性がある林務、農政、社会部、NPOなど、部局横断で全庁的な取り組み体制をつくり、就職支援を一層強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
      〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)財政支援に関するお尋ねでございます。
 生徒がさまざまな資格取得を目指すことは、その専門性にかかわるスキルアップや、それから職業観の育成にとって大変大切なことであると考えておりまして、県の教育委員会といたしましても、魅力ある活動支援事業の一環としてライセンス取得事業を位置づけておりまして、希望する学校に対しまして財政支援を行っているところでございます。これは、就職を目前に控えた卒業予定者だけを対象とするのではなく、教育課程に位置づけまして、高校3年間を見通したキャリア教育の中で計画的に行っている事業でございます。
 具体的に一例を申し上げますと、毒物劇物取扱責任者やアーク・ガス溶接技能者、フォークリフト運転士、第2種電気工事士技能者、各種簿記検定、ホームヘルパー2級など、高校生が希望する進路希望に応じたさまざまな資格取得を対象としておりまして、計画的に実施している県立高校40校に対しまして資格取得に必要なテキスト代や外部講師料を県で補助しております。
 今後とも、長引く不況の中で、高校生の就職支援に係る施策としまして、この魅力ある活動支援事業の充実を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)事実上高等学校というのは現代では義務教育化しておりまして、それを終わって社会に出る、その途端に就職できないという大変厳しい現実に直面する子供たちの今の状況、これは本当に私は深刻な問題だと思っております。
 これに対しましては、ただいま教育長から答弁がありましたように、教育委員会と連携しまして、経済団体や企業に対してたび重なる採用拡大等の要請を県としても行ってきたところでありますが、さらには、ジョブカフェ信州におきまして、高等学校から要望のありました出前講座などの積極的な実施による就職準備の支援を行いますとか、あるいは工科短期大学校及び技術専門校の来年度入校受け入れ人数を1割程度ふやすというようなことで受け入れの態勢をとりましたり、あるいは厚生労働省に対しまして新規高校卒業者の就職支援策の強化を求めましたり、いろいろ取り組んでいるところであります。
 今後とも、教育委員会を初めとした関係部局との連携によりまして、議員お示しの各部局の総力を挙げまして、また長野労働局等関係機関と一層連携を密にしまして、高校生の就職支援に努力をしてまいりたい、このように考えるところであります。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)資格取得に対する御支援をということでお願いさせていただいたところ、教育長のほうからは全県下40校に対してテキスト代及び外部講師料を負担をして応援をしているということでありましたけれども、先ほど私が提案させていただいた中身と違って、これは学校教育上必要なことですので公費負担で当たり前の部分でございます。
 私が求めているのは、子供たちがこういう大変な厳しい中で新たに資格を取りながら個人負担も増してくるわけですから、それに対して応援をしてほしいということでございますので、ぜひ御一考を願いたいと思います。
 また、知事におかれましては、いろいろな連携をとりつつ頑張っていただいているという思いはわかりましたけれども、よその県の取り組みなどと比べましても、もう一歩踏み込んだ取り組みが必要かと思われます。
 例えば、高校生の就職をめぐっては、先ほどの秋田県のみならず、各県とも大変な努力を行っております。宮城県では、12月以降に高校向け新規求人を出し、採用を内定した企業に対し学生1人当たり15万円の奨励金を出す方針を決めました。新潟県では、就職未定者を医療・介護分野に就職しやすくするため、県内の介護保険施設などに就職した上で介護福祉士養成コースを学べる制度を新設するそうです。緊急雇用創出事業を使い、入学金、学費、人件費の支給を受けられるようにするとのことです。県が高校生のために本気で取り組む熱意を示して、求人への動機づけをすることが大事ではないでしょうか。
 知事には、私が今申し上げましたように、県が本当に自分たちの財政もそこに補助しながらこの大変な時期を乗り切る覚悟があるかどうかということで、一層の取り組みの強化を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、岡谷塩嶺病院の心臓血管外科の閉鎖問題について衛生部長に伺います。
 岡谷塩嶺病院は、日本経済新聞社発行の「心臓病治療の実力病院」の本の中で、心臓手術全国有数のすぐれた病院として上位にランキングされ、全国に誇るべき実績を上げてきた基幹病院です。しかしながら、9月初旬、岡谷市立病院との統合、施設集約を検討している中で、医師を派遣していた日大が6人全員を引き揚げる方針を示したことから、来年3月末で心臓血管外科は閉鎖せざるを得ない事態に追い込まれています。
 塩嶺病院の心臓血管外科があったからこそ命が救われ、今があると感謝している患者は数知れません。受診されている患者、救急で担ぎ込まれる患者は、岡谷市民ばかりでなく、諏訪地域はもとより、近隣の伊那や塩尻を初め、県内各地に広がっております。今回の事態は地域医療の後退に大きくつながる問題であり、県としても看過できない問題ではないでしょうか。
 年間数十例から多いときでは100例もの手術を行ってきた塩嶺病院がその機能が果たせなくなれば、他の基幹病院にしわ寄せが行くことが危惧されます。結果として患者は受け入れ切れず、たらい回しになることも懸念されます。直接命にかかわる問題だけに、事態は深刻です。
 そこで、衛生部長に伺います。
 県として今回の事態をどうとらえているのか。県の地域医療政策に影響はないのか。岡谷市当局とも連携しつつ、医師の慰留や医師確保に努めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)高校生の就職の難しさを何とかしなければならないという思いは、私も同様でございます。
 再度のお尋ねでございますけれども、今議員が具体にいろいろお示しになりました他県の例なども参考にしながら、なお検討をしてまいりたいと思います。
      〔衛生部長桑島昭文君登壇〕
◎衛生部長(桑島昭文 君)岡谷塩嶺病院の心臓血管外科についてお答えを申し上げます。
 まず、県としての受けとめと地域医療政策への影響というお尋ねをいただいてございますが、岡谷塩嶺病院で心臓疾患の難しい手術を受けられました大勢の患者さんや、塩嶺病院の心臓血管外科を万一のときの安心の支えとされてこられました市民の皆様方にとって、日本大学医学部が関連病院を解消し、派遣医師を引き揚げるということを決定しましたことは大変大きな衝撃でございまして、県としても残念でならないという思いでございます。
 最近の医療をめぐる厳しい状況の中で、地域医療を支えるキーワードとして機能の分担と連携ということを掲げてございます。そうしたことの中で、県の第5次保健医療計画においても、岡谷塩嶺病院は急性期の心筋梗塞に関する医療を担う病院として位置づけられてございまして、同じ諏訪医療圏内の諏訪赤十字病院で相当数心臓手術が行われているという現状がございますものの、高い水準の専門医療を提供する診療科がなくなるということは諏訪医療圏内の医療体制に少なからず影響を与えるものというふうに考えてございます。
 次に、この問題に関する岡谷市との連携等についてでございますけれども、この問題には最近の地域医療をめぐる課題が複雑に絡んでございます。例えば、公立病院は民間の病院ではなかなか担うことができない医療分野を担うという使命もございます一方、厳しい経営環境から病院存続のための抜本的改革を迫られているというような状況にもございます。また、多くの病院では、大学など中核的な病院の関連病院という位置づけのもとで医師の派遣を受けて医療体制を維持しております。
 今回の問題の背景の一つとして、年間の手術件数が100例を割る場合、専門医の育成機能を失うということがございますが、岡谷の事例ばかりでなく、今や派遣する側にとっていかに魅力ある環境を派遣を受ける側の病院や自治体が提供できるかが医師派遣の大きなポイントになっているという状況もございます。
 いずれにいたしましても、この問題は大変難しい問題でございまして、県といたしましても、解決につながる道筋を必ずしも持っているわけではございませんが、岡谷市と情報を共有しながら、ドクターバンク事業による医師確保などさまざまな形で支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
      〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)岡谷塩嶺病院の心臓血管外科の閉鎖の問題につきましては、先ほど部長さんからも御答弁ございましたように、県の第5次医療計画の中でも基幹病院に位置づけられている重要な病院でありまして、今後とも、岡谷市民のみならず諏訪圏域の住民の皆さん、そして県下の皆さんにとって行き場がなくて困ることがないように、きちんと連絡をとり合いつつ善処を求めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今回、4点にわたって取り上げさせていただいた問題は、住民の命と暮らし、そしてまた希望ある生活にとって必要不可欠なものばかりです。年の瀬が迫ってまいりました。非正規労働者の雇いどめ全国3位、製造業の倒産件数全国7位、負債総額全国2位の長野県であるという状況を考えたときに、昨年以上に厳しい事態が予想されます。昨年は、県は、年末年始、部局横断で西庁舎に相談窓口を設けて県民の相談に乗っていただきました。ことしも、昨年以上の体制で臨んでいただき、県民の苦難にこたえていただきたいことを強く申し上げ、私の一般質問を終わります。
○議長(望月雄内 君)この際、午後1時まで休憩いたします。
        午後0時休憩
         ──────────────────
        午後1時1分開議
○副議長(高橋宏 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 続いて順次発言を許します。
 風間辰一議員。
      〔30番風間辰一君登壇〕
◆30番(風間辰一 君)我が国における景況感は、国内外の政府による景気刺激策が功を奏し、今のところ、先般公表された7月から9月期の実質国内総生産も予想を上回り、表面上は2・四半期連続のプラス成長となっておりますが、それも、グローバルな要因としての中国の急激かつ強力な景気回復によるものと、国内では前政権によって実施された景気対策による下支え、それによって促された個人消費の展開によって全体を押し上げているにすぎないと思われ、実体経済全体としてはまだまだ回復の途上段階にあると思われるのでございます。
 現在、我が国が陥っているデフレは、現実には定着傾向を見せており、政府と日銀の定義に対する認識に温度差があったことから手を打てないでいたわけでありますが、昨日、ようやく日銀が追加の金融緩和策を決定したとの報道がなされたところであります。
 しかしながら、早速、市場は期待に反し小粒と評価、デフレと円高に効果なしと失望視されております。一刻も早く政府及び日銀主導によってデフレ脱却のためのより踏み込んだ施策を示し、国民の首を真綿で絞めるこの経済疾病から抜け出すための手だてを講ずることが極めて重要であると思うのでございます。
 折しも、このデフレにより日本の実質金利が米国の実質金利より高いことに誘導され、国際金融市場は急速に円高に振れており、円高がデフレとともに大きな懸念材料として我が国の輸出関連産業等に大きな打撃を与えていることは、中でも密接な関係にある我が県経済にも、特に製造業を中心に日を追うごとに体力を奪う事態となってきております。
 加えて、先月、ドバイ政府系企業の900億ドルを超えるとされる債務返済の一時凍結要請問題が国家による債務不履行に発展しないかとの懸念を呼び、ドバイショックとして発信され、ヨーロッパ系銀行の債権焦げつきを恐れたユーロが円に退避の逃げ口を求め、円高に強い拍車をかけております。
 このように、我が国経済は、取り巻く不安要素が複合的に絡み合い、今後、いつ、我が国にとっての新たな金融不安や、第2のリーマン、世界経済混乱の再燃につながるかもしれないといった予断を許さない状況の中にあると思うのであります。このままいきますと、今までの国による景気対策効果が数字上はようやく出現しながらも、いつ冷え込むかわからない、そのぬるま湯状態につかったまま、実態は、国の経済及びデフレ対策へのおくれや後退、円高や新たな金融不安などによる外因が足を引っ張り、世界の中で日本のみが再び二番底に向かっているのではないかと危惧されるのでございます。
 また、政権交代による政策変更により事実上国内経済に対する基本方針と景気対策がなおざりとなる一方、直接的に国民の家計へ所得移転や給付をする施策への財源捻出のために、経済波及効果や地方の社会基盤に不可欠な予算、我が国の持続的発展に大いに寄与する将来性を見込んだ予算等を不要不急としてカットすることに傾注するばかりでは、国内景気浮揚や金融施策、地方への経済政策の効果を後退させるという事態になると思うのでございます。
 各国が足並みをそろえて足腰の弱ったサプライサイドを立て直し、直面している世界経済に立ち向かおうとしているこのときに、我が国だけがデマンドサイドに立った経済政策運営をとろうとしており、今、我が国経済が極めて危険な時点にいるこのときに、いかほどの意味合いと、いかほどの経済効果があるのか憂慮するものであります。
 今すべきは、予算の組み替えをして、国が個に直接水を流して喜んでもらうことに傾注するのではなく、水が個に行き渡るよう波及効果をもたらすため、個が所属する社会経済全体にいかにみずみずしさを与えるかであり、この日本全体の経済をどう立て直すか、戦略的かつ段階的に経済をどう導いていこうとするのか、その指針を示すことであると思うのでございます。
 本来であるなら、政府、日銀ともに連携のもと、示すべきものが現状では見えてこず、予算編成も各論だけあって、このような喫緊の場面に我が県を初めとする地方が遭遇しながら、その行方を左右する国全体の経済政策とそれを指し示す司令塔がないことはまことに残念でならないのでございます。
 このような中で、我が県では、当面の対策として中小企業振興資金の短期資金の金利を12月1日から引き下げたことは、時宜を得た迅速な対応と評価するものであります。
 大都市だけでなく、地方においても価格破壊は確実に進展しており、デフレの定着は、国や地方、特に我が県に多く存在する中小下請零細企業の事業環境を一段と悪化させ、県税収の低下、ひいては県債の増大と財政事情をさらに厳しい段階へと陥らせ、追加の景気対策などの次の一手を封じられる等、地方の政策に手詰まりが起こってきても決して不思議ではないと思うのであります。
 そこで、知事にお伺いいたしますが、まず、現在の世界的な経済情勢をどのように認識されているか。米欧、中国などの新興国と現下の我が国を取り巻く経済状況をどうとらえ、デフレと急激な円高が県内経済に与える影響をどのように認識されているか。また、国の経済政策の現状とあるべき姿についてどのようにお考えか。御所見をお伺いいたします。
 また、このような経済失速要因が渦巻く中にあって、我が県を初めとする地方が直面する厳しい財政状況に共通する問題は何か。それを改善するために今後国に対し何を求めるのか。課題と望むべき方向について、あわせてお伺いをいたします。
 また、今般の仕分けによって我が県に関するものも数多く削減の対象となりましたが、これを知事はどのように受けとめられたのか。
 例えば、市町村の創意工夫による市街地活性化を支援するまちづくり交付金は、自治体や民間の判断にゆだねるべきとして地方への移管と判断されたわけでございますが、この交付金は、長野市におけるJR長野駅東口の土地区画整理事業、松川町では町道改良や公園整備、小谷村では村道改良や観光交流センターの新築など、当該市町村民にとって大変重要なプロジェクトに活用されるものであります。
 また、我が県の提案により創設された地域公共交通活性化・再生総合事業も仕分けの対象となり、市町村、地域住民及びバス事業者等が連携して地域の実情に応じた交通システムを構築する取り組みに支援する補助事業でありますが、国が関与する必要性が薄いとして各自治体の判断に任せると、やはり地方への移管という判定になったわけでございます。
 各地で生活バス路線の廃止、縮小が深刻な問題となっている我が県においては、本年度、全国最多の30地域がこの事業の認定を受け、申請した額の99%の4億6,000万円の補助を受けております。地域公共交通総合連携計画の策定やコミュニティーバスの実証運行等の取り組みを進めており、その多くが数年間にわたる取り組み期間の途中経過にあるだけでなく、来年度から新たに取り組みを予定している地域も多いと聞くところであり、来年度の事業実施に向けた展望が見えない状況にあるわけでございます。
 これら仕分け対象となった県内主要事業への影響と今後の取り組み及び見通しについて、あわせて知事にお伺いをいたします。
 単に地方へ移管と言われましても、これまでどおり予定した事業がきちんとできるのか。そのために必要な財源が確保できるのか。国がその政策において変革を進めることに異論はありませんが、そのしわ寄せを地方に押しつけるようなことはあってはならないと考えます。この事業仕分けそのものに対する知事の御所見をお伺いいたします。
 また、447にも上る多くの事業が仕分けの対象となり、その結果が必ずしもすべて来年度予算に反映されるわけではないとは承知をしておりますが、仮にすべて反映された場合、現時点で見込まれる我が県への影響はどのようになるのでしょうか。事業数、算定可能な影響額の総額につきまして総務部長にお伺いをいたします。
 10月に仮試算として公表された我が県の財政見通しでは、歳入歳出の差額、すなわち収支不足として104億円を見込み、その穴埋めのため50億円は追加の財源確保策によって、残り54億円は基金取り崩しで対応するとしております。これにより基金残高は200億円を割り込み、191億円となる見込みであります。さらには、暫定税率の廃止等による収入減や、国の政策変更による新たな地方負担によりプラスアルファの不足が考えられるとしております。言うまでもなく、これは極めて深刻な状況にあると判断せざるを得ません。一体、このプラスアルファの不足分についてどの程度と想定しておられるのか。
 また、国においても、長引く景気後退の影響から税収見込みを減額修正している状況にありますが、10月に試算した時点から県税収入見込みがさらに落ち込むことはないのか。そして、104億円と試算した収支不足が拡大した場合は単純に基金からの取り崩しをふやすしか方法がないのか。
 以上、総務部長にお伺いをいたします。
 暫定税率廃止の見返りとして新たな財源を国に求めていく、また、地方交付税の増額等を強力に働きかけていくといった取り組みが必要と考えるところでありますが、これについての知事の御所見をお伺いいたします。
 また、県においては既に新年度予算編成作業に着手されていることと思いますが、知事は、来年8月で任期末を迎えることもあり、新年度予算についてはどのような思いを込めた予算編成とされるのか。そして、限られた財源の中で県民の多くの要望をかなえていくことは大変な作業にならざるを得ないとも考えますが、いわゆる骨格予算で編成するという考え方がある一方で、現下の厳しい経済・雇用状況に対処するために積極予算をもって事に当たるべきとの考え方もあろうかと思います。現時点でどのようなお考えをお持ちであるのか。新年度予算の方向性につきまして知事にお伺いをいたします。
 さて、先般、県は、FDAとの間で、札幌、福岡の2路線についてジェット機による毎日運航の合意に至ったと発表されました。路線存続のめどが立ったことは、信州の空の窓が維持されることであり、我が県の観光、産業振興にとっても、また県民の一人としても殊のほか喜ばしく、県民とともにほっと胸をなでおろしたところであります。
 JALによる唐突の全面撤退の通告から始まる一連の空港存続問題は、見通しのきかない悪天候の中、乗客を乗せたままおりる場所もなく、また燃料切れも間近という切羽詰まった状態で漂う飛行機のようでありましたが、いよいよだめかとの空気が漂う中、一縷の望みにかけた知事の思いが実り、見事、無事着陸となったわけであり、その見事な操縦桿さばきと、ここに至るまでの知事初め県の積極的かつ的確な取り組みと御尽力に拍手を送るものであります。
 一方、毎日運航するとして、松本空港の背負った問題を理解し、空白期間なく運航するためにこの時限に間に合わせたFDAの心ある対応にも感謝と歓迎の意を表するものであります。
 今後、最終合意に向けて、県、そして県民挙げてこの気概にこたえていくべきであり、6月の就航開始以後、搭乗率の向上という形で気持ちにこたえていくのが県民の誠意というものであろうと思うのでございます。
 そこで、知事に以下お伺いをいたしますが、まず一つとして、交渉開始から合意に至るまでどのような協議を行ってきたのか、その経緯について。協議の場では就航を進める上で難航した部分はあったのか。搭乗率保証については導入しないとのお考えのようでございますが、そのような結論に至った協議の内容について。また、最終合意に向けて今後の協議の予定はどうなるのか、今後の進め方についてお伺いをいたします。
 二つ目として、県の支援策はどのようなものを考えているのか。FDAが本社を置く静岡県は、現在就航している静岡空港発着の3路線に対し、機材や設備などの購入、整備費として2年間で12億円の無利子融資を行っているとのことであります。こうした無利子融資も検討されておられるのか。
 三つ目として、現在も地元自治体や商工団体が利用率向上のためにさまざまな支援策を講じられておりますが、より効果の上がる支援策とするためには今以上に産業界、観光業、地域、県民が一体となって搭乗率向上を支える体制と仕組みが必要かと存じます。どのような点に留意し、どのような支援体制を求めていかれるのか。
 四つ目として、札幌線、福岡線以外の他の路線の就航は考えられないのか。大阪線を加えた3路線だけでなく、かつては仙台、広島、松山、高松などさまざまな路線が就航された経緯もあるわけでございます。例えば、先ほど触れた支援策として考えられる無利子融資を財源として新たな定期路線の開拓をするといったことも決して不可能ではないと考えるところでございます。
 これまで松本空港の定期路線問題はとかく守りの観点からとらえられがちでありましたが、国内第5位の行きたい観光地、我が長野県の空の入り口という同空港のポテンシャルを最大限に発揮するという観点からも、ピンチをチャンスに変え、攻めの姿勢で取り組むことも必要ではないかと思うのでございます。
 現在、チャーター便の就航が好調な海外路線の定期路線化も含め、県民や地域に元気が出てくるような新たな路線開拓に関する取り組みも必要と存じます。知事には、守りから攻めに転じ、定期路線の拡充とそこにかける期待、大きな夢を語っていただきたいと思いますが、いかがか。御所見をお伺いいたします。
 地方路線を主とした運航を行っている他の航空会社も、全国各地でJAL撤退後の路線に高い関心を持っていると聞いております。適正搭乗率が想定されるのであれば路線がふえることは乗客の選択肢と搭乗機会をふやすことになり、より複合的に空港機能が向上することによって相乗効果を生み、集客効果をもたらすことになるわけであります。他社への乗り入れの打診は将来あり得るのか。今後の松本空港存続への知事の御決意と方針をあわせお伺いいたします。
 次に、新型インフルエンザ対策について衛生部長にお伺いいたします。
 県は、11月18日、県下全域にインフルエンザ警報を発令したところでありますが、なお蔓延の傾向を見せ、終息の見えない状況下、今や県民の健康管理、中でも新型インフルエンザ感染予防は世代にかかわらず大きな関心事となっております。
 新型インフルエンザをめぐっては予防と感染後の対処等さまざまな課題が指摘されておりますが、現在の状況を端的に申し上げれば、特にワクチン接種については情報が錯綜し、県民も医療機関も手探りのまま混乱していると言わざるを得ない状況であります。
 小さなお子さんを抱えた大多数のお母さんなどは、心配の余り、何としてもワクチンの予防接種を子供に受けさせたいと手当たり次第病院に電話で申し込もうと努力しても、既に予約がいっぱいと軒並み断られ、パニックになってさらに電話をかけまくる。また、早朝より遠く離れた病院にまで行き、予約の列に並ぶといった状況もあると聞いております。
 今後、接種対象年齢が上がるにつれ、限られたワクチンを早くと思う県民の中で、この事態はまだ続くと考えられる一方、ただでさえ患者の対応に追われている医療機関にしてみれば、こうした電話対応一つとってみても無視できない大きな負担となっており、県民に対する的確な情報の周知と医療機関の負担軽減につながる支援の拡充が求められているわけであります。
 そのような中、県は、先ごろ開催された市町村担当者らとの連絡会議において、ワクチンの接種の予約電話が医療機関に殺到する事態を防ぐため、各市町村が一括して受け付けを代行することを提案したとのことであります。県が医療機関ごとに接種可能な人数、曜日、時間帯などの情報を集約し、予約の電話を受けた市町村はこの情報をもとに接種希望を振り分けるというものであり、他県に先んじてのこの取り組みは、県民にしてみれば無用な精力を払わずに済む大変効果的な体制が整うと考えるのでございます。
 市町村側からは、確保できる電話回線の問題や、実際に予約電話をさばき切れるかといった声が出ていたり、また、今月から始まる小学1年生から3年生までの予約受け付けに対する取り組みということで地元医師会との調整も必要となることから、準備期間が余りにも少ないと困惑する声も聞かれるとのことでございます。
 実際にこの取り組みを実施することとしている、あるいは検討中の市町村は現在どの程度あるのか。また、今後、実施市町村に対して、情報提供に加えて、何らかの支援策を検討しておられるのか。お伺いいたします。
 また、予防ワクチンの供給量が限られている現状の中で効率的な接種の実施が求められており、その方策の一つとして一部市町村では集団接種を検討しているとのことであります。県としても、医療現場と県民の不安や混乱を防ぐもう一つの有効な手段として、さきの市町村への提言として集団接種を推進する姿勢を示しておりますが、市町村はこれをどのように受けとめているのか。現況と見通し、今後どのように進めていくかについて。また、実際に推進する上でどのような支障があると考えておられるのか。新型インフルエンザ予防集団接種の有用性を含めまして衛生部長にお伺いいたします。
 罹患したインフルエンザが重症化した場合の対処について家庭へのきめ細かい情報提供が徹底されておらず、脳炎や肺炎などが発生した場合の発見方法と対処の仕方について不明である県民が多いのではないかと思われます。今までのところ、多くの重症化による死亡例は、タミフル服用後であっても容体の変化に対応できなかったこと、あるいはおくれたことが原因と見受けられますが、インフル感染が拡大するにつれ増加するであろう重症患者の発生を考えたとき、今後、診療施設の混乱を避けるためにも、各家庭での重症化の発見方法と応急措置、迅速にとるべき対応等について家庭での心構えを含めてマニュアル化し、その情報提供を徹底すべきと考えますが、いかがか。
 衛生部長にお伺いをいたしまして、1回目の質問といたします。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)議員が冒頭にお述べになられました現下の経済につきましての御感想は、基本的にほとんど私も同意するところでございます。そのことをまず申し上げて、我が国を取り巻く経済情勢についてのお尋ねをちょうだいいたしました。私の見解を申し上げたいと思います。
 内閣府が11月に発表いたしました月例経済報告によりますと、世界経済は雇用が悪化するなど引き続き深刻な状況にあるが、各国が協調して行った景気刺激策の効果もあって、アジアを中心に持ち直しの動きが広がっており、景気は下げどまっている、このようにしております。
 地域的に見ますと、欧米は失業率が高水準であるなど引き続き深刻な状況にありますが、政策効果もあって景気は下げどまっているとされており、また、新興国の中でも特に中国は内需を中心に回復傾向が続いており、世界経済の一定の牽引役を果たしているとされております。
 一方、我が国の経済状況は、景気は持ち直しておりますが、自律性に乏しく、失業率が高水準であるなど、依然として厳しい状況にあるとされております。
 デフレは、企業収益を圧迫し、雇用、賃金の悪化や個人消費の低迷、さらには一層の物価下落という悪循環を招くことが懸念されるものであります。
 また、円高は、原材料を輸入している食料などの業種にとりましては仕入れ価格の低下などのメリットがあるものの、本県農産物と輸入農産物との競合が生じましたり、あるいは、長野県が主力とする電機、電子や情報といった輸出関連業種にとりましては売り上げと収益を低下させる要因となることや生産拠点のさらなる海外移転などが懸念されるところであります。
 今回の円高は、とりわけて急激でありましただけに今後の動向に注視する必要がありますが、製造品出荷額の約4分の1を輸出に依存している長野県製造業にとりましては、上向きかけた企業収益に水を差すのではないか、このような懸念を持っているところであります。
 このような中で国の補正予算の執行停止が行われ、長野県の予算に関しては大きな影響は避けられましたものの、公共事業の先送りなど、地域において必要な社会資本整備の先行きに不透明感を残すこととなり、また、民間の投資マインドの低下や国内総生産など、実体経済への影響が将来顕在化することが懸念されるところであります。
 国におきましては、政権交代もあり、いまだ具体的な経済対策が打ち出されておりませんが、景気の回復に向けては速やかに国と地方が一体となって切れ目なく機動的に対応することが肝要であると考えるところであります。このため、国レベルでの早期の経済・雇用対策の実施が望まれるところでありまして、今後、国に対しましてその実施を強く働きかけてまいりたい、このように考えております。
 なお、御案内のとおり、長野県では、昨年の12月、ことしの5月に相次いで経済対策を打ち出し、切れ目なく実需の喚起と雇用の確保に努めてまいっているところでありまして、これに加えて、昨今の経済情勢等と年末、年度末の資金需要期を迎えることにかんがみまして、11月には中小企業融資制度資金の貸し付け要件の緩和を行い、12月1日からは中小企業振興資金の短期利用の金利を引き下げ、中小企業の資金繰りの円滑化と円高の影響などによる急な資金需要を支援してまいることにいたしております。
 続いて、地方財政の直面する課題、それからその対応の方向につきましてお尋ねをちょうだいいたしました。
 歳入面では、地方税は法人事業税及び法人県民税が基幹税となっておりまして、また、財源保障機能と財政調整機能を持つ地方交付税の原資は所得税や法人税など国税5税から成っております。これらはいずれも景気の変動に大きく影響を受けますところから、昨今の景気の悪化によりまして地方財政の基盤でございます一般財源の確保が極めて不安定な状況となっております。
 一方、歳出面では、社会保障関係費が年々増加しておりまして、地方がみずから行う財政健全化努力のみでは、行政サービス水準を維持しつつ、その需要に対応することは不可能に近くなっております。また、身近なサービス水準のさらなる切り下げや廃止は県民生活に多大な影響を及ぼし、県民の理解を得ることは困難だと考えます。このため、住民に身近な地方自治体が安定的に行政サービスを提供できるように地方交付税総額の復元、増額を図ること、その上で、税源の偏在性が少なく、安定的な税収が得られる地方消費税の充実を強く求めてまいったところであります。
 さらに、これまでなかなか進んでこなかった地方分権が、地域主権を掲げる新政権のもとでようやく前進の兆しが見えてきておりますところから、この動きを加速させ、真の地方分権を実現してまいることが肝要だと私は思っております。今後、議論されることが見込まれます国と地方の役割分担の見直しにおきましては、権限移讓に際して必要な税財源もきちんと地方に移讓することを強く求めたいと存じます。
 国の事業仕分けに関連しまして、まず、まちづくり交付金事業につきましてお尋ねがございました。
 この事業は、地域の歴史、文化などの特性を生かして地域住民の生活の向上と経済の活性化を図ることを目的とした市町村の自主性、裁量性が高い事業でありまして、当然、本来、地方の事業であります。
 県内では、平成21年度は、42市町村66地区、事業費約198億円で実施中でございまして、平成22年度は、35市町村49地区、事業費約136億円で要望を予定しているものであります。
 事業仕分けでは実施は各自治体の判断に任せるとの結論でありますが、ある意味じゃ当たり前のことでありまして、現時点では交付金にかわる財源や制度が不明確でありまして、ただ単に廃止ということになれば事業進捗への影響がまことに大きいと考えざるを得ません。来年度事業につきましては、これまでどおり国へ要望していくこととなっておりますけれども、今後とも国の動向を注目をしてまいりたいと存じます。
 続いて、地域公共交通活性化・再生総合事業について御指摘をちょうだいいたしました。
 これにつきましては、総合的な観点から見て、こうした事業が現段階において国として行っていく必要性が乏しいことから、長期的には財源を移して各自治体に任せるべきであるという事業仕分けの評決結果と承知しております。そんなことが地方でできるんだったら、こんなことを国にやってもらう必要はそもそもないわけでありまして、地方ができないから、いろいろ工夫しまして、やってくれと言って仕掛けをつくらせたという代物であることは議員十分御案内のとおりであります。
 地域公共交通を取り巻く状況が大変厳しい中におきまして、地域住民、事業者、市町村が連携、協力して地域での実情に応じた交通システムの再構築を行う取り組みは大変重要でありまして、こうした取り組みを国が法律に基づいて支援するというこの事業はまさに時宜を得た大変効果的なものであり、私も、長野県内の実情を踏まえまして、制度設計の段階からかかわってまいったものであります。
 しかし、今回の事業仕分けの過程において、こうした地方の実情を十分に把握して、国の果たすべき役割の重要性も踏まえた上で議論がなされたのかは甚だ疑問を持たざるを得ないところであります。
 また、去る10月21、22日両日、県関係国会議員との県政懇談会、11月13日の前原国土交通大臣、辻元国土交通副大臣との会談に際しましても、私から直接この事業の重要性を説明いたしまして十分な予算額の確保を求めてきた経過からしても、こうした評価結果が出て、これが墨守されることになれば非常に残念だと、このように思っているところであります。
 さらに、来年度の概算要求額が今年度予算総額の6割にも満たない40億円にとどまる、これも甚だ不見識でありまして、本事業を取り巻く環境は極めて厳しいことから、この事業を活用している41市町村で構成する地域公共交通活性化・再生総合事業長野県連絡会を11月26日に開催いたしまして、今後の対応について協議を行っているところでございます。
 県内の地域公共交通を確保し、安心した暮らしを守る観点からも、この事業の必要性につきまして政府関係者に御理解をいただくことの重要性はまことに大事だと思っておりまして、県としましては、市町村とも連携しまして、県関係国会議員等を通じまして、引き続き事業の継続と十分な予算額の確保を要請してまいりたいと、このように考えるところであります。
 続いて、事業仕分け全般についての所見についてお尋ねをちょうだいいたしております。
 事業仕分けは、予算、とりわけ歳出を見直し、巷間言われている行政の無駄というものを省くための一つの手法である、このように認識をいたしております。
 国の行う事業全般や予算編成の過程に国民の目を向けたということは、私はこれはこれで一定の成果だと考えておりますものの、仕分けの手法や、あるいは今回仕分けの対象とされた事業のすべてが本来的に事業仕分けというものになじむものであったのかどうか。例えばでありますが、地方交付税制度、これが一体仕分けに適するのか。これはまさに財政そのものの構造の問題であります。そういうことなど課題が大変多く残されていると、このように感じるところであります。
 また、議員御指摘の地方移管について言えば、そもそも国と地方の役割分担というものをどうするのか、そのための財源配分をどうするのか。そういった全体像を十分議論していない中で部分的に移管と言われましても、これは全く的を外れた話になるのではないか、このように感じるところであります。
 いずれにしても、取りまとめた結果を今後どのように扱うかということはまさに政治の責任でございますから、十分、地方の実情を踏まえて方向づけを行っていただきたい、このように期待するところであります。
 地方財源についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 いわゆる暫定税率廃止等に伴う地方税の減収につきましては、全国知事会を初めとする地方6団体において、地球温暖化対策と整合のとれた地方税制の構築や地方の自主財源の確保のため、地方環境税(仮称)の創設を基本として対応するよう要望していると承知しております。また、暫定税率廃止に伴う揮発油税等国税の減収が国から地方への道路整備等のための交付金や補助金の縮減につながり、必要な地方の社会資本整備がおくれることのないよう配慮することも要望しているところであります。
 今後も、国と地方の協議の場などを通じまして、地方交付税の復元、増額など既に申しましたこととあわせまして、地方税財源の総額を確保すること、また国の制度改正に伴い一方的に地方に負担を求めないこと、さらに地方財源が減収となる場合には地方財政に支障が生じないよう適切な財源措置を講じることを国に対して強く要望してまいりたいと考えるところであります。
 新年度の予算につきましてお尋ねをちょうだいいたしました。
 平成22年度も引き続き厳しい財政状況となることが見込まれておりますことに加え、国においては概算要求の再提出や事業仕分けが行われ、さらにさまざまな制度改正が見込まれておりまして、地方財政の枠組みがどのようになるのか現段階では極めて不透明でございます。そういった中での予算編成となることが予想されるところであります。
 このような中にありまして、選択と集中のもとで、二番底を警戒する声も聞かれるところでありまして、依然として厳しい経済情勢でありますが、それを踏まえまして、県民生活と県内経済の安定を図るため経済・雇用対策に取り組みつつ、あわせて、中期総合計画の目標達成に向けて着実に施策を推進できるよう、財政の健全化にも配慮しながら予算編成に臨んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
 信州まつもと空港につきまして、視界不良の中で着陸に成功したというまことに絶妙な例えで祝意をちょうだいいたしまして、ひょっとしたらパイロット役なのか、あるいはあくまで経営者の立場かよくわかりませんが、改めていろいろな意味での御協力に感謝を申し上げながらお答えを申し上げたいと存じます。
 第1に、FDAとの協議経過、それから内容等についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 10月14日に、日本航空による信州まつもと空港発着3路線すべてからの撤退の申し出がなされまして以来、県議会を初め地元自治体、経済団体と一丸となって日本航空に対する路線存続の要請と協議を重ねてまいったことは御案内のとおりであります。しかし、機材などの課題から日本航空との協議になかなか道筋が見出せない中で、10月の末に、松本空港に就航可能なジェット機を保有している株式会社フジドリームエアラインズ、FDAについての情報を得まして以来、松本空港への就航について働きかけを行ってまいったところであります。
 私も、11月14日にFDAの鈴木与平社長に直接お会いしまして、第1に、平成20年度においては、隔日運航ではあるものの、札幌線は76.8%、福岡線は62.7%と大変利用率が高い、毎日運航することになればさらに利用率の向上が期待できるのではないか。これが第1点。第2点は、県議会を初め地元市、経済団体などの存続に向けた熱意が高く、県と一体となってさらなる利用促進に努めてまいることができるということが二つ。三つ目、FDAが松本空港に就航する際に、新たに必要となる負担の支援も相談させていただきたい。こんなことを申し上げまして就航を要請したわけであります。
 その後、11月19日にはFDAの技術スタッフによる松本空港現地調査を経まして、一昨日の11月30日に、FDAから、日本航空撤退後の札幌線及び福岡線について空白期間を生じないよう運航する、こういう申し入れがなされたものでございます。
 搭乗率保証の問題については話は出ておりません。今後、しかしFDAとの間で詰めなければならない事柄がたくさんありまして、誠意を持って協議に進んでまいりたい、このように考えているところでございます。
 二つ目に、県の支援策についてのお尋ねがございました。
 FDAに対する県の支援策の詳細につきましては今申しましたように今後双方で詰めてまいることになりますが、これまでの事務レベルの話し合いでは、就航に当たっての負担軽減、初期投資補助とでも言うんでしょうか、これに加えまして、定期便の利用促進に一層努めてほしいと、こういう要望はちょうだいしております。このほか、安定的な運航に向けた支援としては、着陸料の軽減も一つの方策でありますが、これは既に松本空港条例におきまして新規就航路線は着陸料を全額免除する、こういうことが規定されておりまして、このことについては既にFDAに対して伝達をしております。
 議員お尋ねの無利子融資につきましては、現在のところFDAから要請がなされているわけでもございませんし、検討の段階にはない、このように承知しております。
 3番目に、地元自治体や商工団体の支援体制につきましてお尋ねをちょうだいいたしました。
 FDAが信州の翼として飛び続けていただくためには、多くの県民の皆様にFDAに親しみを持っていただき、実際に利用していただくことが何よりも重要だと思っております。そのためには、県はもとより、地元自治体や商工団体などと一体となりまして、地域を挙げた利用促進策に取り組んでいくことが必要だと考えております。
 そこで、既に、地元の松本市、塩尻市を初め、松本商工会議所を含む地元商工団体で構成される信州まつもと空港路線支援会議に対しまして利用促進策の充実について検討をお願いを申し上げているところであります。今後、地元自治体や商工団体とともに利用促進に向けて新たな取り組みを検討し、FDAとも実りある意見交換をしてまいりたいと存じます。
 四つ目に、新たな路線開拓について御質問をちょうだいしております。
 FDAは、現在、エンブラエル170、これを2機保有しておりまして、来年2月には3機目、これは170よりちょっと大きいもののようでありますが、これが導入される予定と承知しておりますが、機材繰りの面からも現時点ではこれ以上の路線就航、現在やっております松本―札幌、松本―福岡以上の路線就航というのはなかなか大変なのではないか、こんなふうに存じます。
 ほらを吹くというのは私に余り似合わないことなんですが、あえて大きな夢ということで申しますれば、私が11月14日にFDAの鈴木社長にお会いしまして将来の機材調達にも話が及んだ際に、将来的な話として例えば松本―羽田線というものも横田の空域問題が解決できるならばこれは十分に可能性のある路線であるということ、さらにはアジアのハブ空港として既に確立されております仁川と結ぶというような可能性もあり、そうすれば、長野県のみならず、山梨県あたりでも外国へ出かけるのには松本空港を使おうというようなことも十分考えられる、そんなような話もいたした経過もございます。
 まずは、しかしFDAによる安定的な運航確保が課題でございまして、こういった話が直ちにというわけにはいきませんけれども、県民の貴重な財産としての松本空港の活性化という観点から新たな路線の開拓についても検討していくことは大変重要なことだと思っております。
 最後に、他の航空会社への乗り入れの打診、さらには松本空港の一層の活用についての決意についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 もとより、松本空港を将来にわたって大いに活用していくことは大事なことでありますが、松本空港の存続に当たりまして、松本―札幌線及び松本―福岡線については、一昨日、11月30日、FDAにおいて長野県の悲願であるジェット機による毎日運航、こういうことが可能であるということで、やりますという申し入れがなされましたところから、本路線についてはFDAが安定的に運航できるよう最大限の支援をしてまいります。
 したがいまして、現時点で他の航空会社への乗り入れ打診というのは考えておりませんけれども、松本空港を有効に活用するという観点から、FDAが運航しない路線につきまして、他の航空会社において経営的に採算が確保できるというのであれば他社の乗り入れを当然期待したいと、このように存じております。
 こうした考えを私は基本的に持っておりますから、一昨日、11月30日、日本航空の縄野副社長が私のところを訪ねてこられましたときに、私から、日本航空が再生を果たした暁には、なじみのある松本空港なのですから、松本空港と他の空港を結ぶ路線開設を日本航空にも期待したい、このようなことをわざわざ申し上げた経過もございます。
 いずれにしましても、松本空港が将来にわたって長野県の空の玄関口としての役割を果たすためにも、まずはFDAによる安定した運航が図られるようとりあえずは最大限の努力をしてまいる所存でございます。
      〔総務部長浦野昭治君登壇〕
◎総務部長(浦野昭治 君)まず、事業仕分けについてのお尋ねでございます。
 仕分けの結果でございますけれども、御存じのように、自治体の判断に任せる、あるいは予算要求の縮減、あるいは廃止、抜本的見直しといった多岐にわたっておりますし、また、それに伴って財源をどうするのかというようなことについて明らかにされておりません。さらに、加えて、地方団体の事業ではなく、国が実施する事業であってもその一部が地方団体にかかわってくるようなもの、例えば小学生の英語の必修化といったような問題、あるいは環境を初めとする各種の啓発事業といったものがございますが、どのような影響が地方に及んでくるのか相当推測しづらいものがございまして、国のどう取り扱うかという方針が決まっていない段階で具体的な影響を受ける事業項目あるいは総額をはじき出すというのは困難ではございますけれども、典型的な例を申し上げたいと存じます。
 特に、事業仕分けにおきまして廃止とされた農道整備事業や、あるいは森林とこれに隣接する里山において間伐などを総合的に整備をします里山エリア再生交付金、さらには知的クラスターを創成する産・学・官連携事業など、県に関係する重立ったものだけでも平成21年度の県の予算ベースで見て少なくとも50億円を超える事業がかかわりもありますし、このままでは実施できなくなる可能性があるというふうに考えております。
 このほか、予算要求の縮減とされた社会資本整備関係の予算、あるいは、診療報酬の見直しとセットではありますけれども、医師確保対策等の予算についても大変動向が気になるところであります。
 また、県の予算だけではなくて、先ほど知事お答えをいたしましたような市町村が実施主体となっています土地区画整理やあるいは市街地再開発などの町づくり事業、地域公共交通の活性化やあるいは農村振興事業、さらには大学や団体、民間企業の活動に及ぼす影響などもとらえると県全体では相当なものになるのかなと、こんなふうに思っております。
 いずれにいたしましても、地方団体の運営、あるいは地方財政に支障が生じないように適切な対応をしていただきたい、このように考えております。
 それから、平成22年度の財政見通しについてのお尋ねでございます。
 来年度の地方財政計画や国の地方向けの予算の姿が明確でない中で、現段階では10月にお示しをいたしました仮試算以上の具体的なものをお示しできる段階ではございません。現在、それからの影響を考えるとすれば、仮に軽油引取税や自動車取得税の暫定税率の廃止に伴います減収について何らの財政措置がなされないというようなことがあれば約100億円の減収になりますし、また、国の財政も厳しいことですから、一部伝えられている例えば子ども手当などに地方に何らかの負担を入れるというようなことがありますと、その場合にはまたかなりの影響が出てくると、こんなふうに考えております。
 先ほど申し上げましたけれども、国においては地方財政に支障が生じないよう適切な対応を強く望むものでございます。
 また、税収についてのお尋ねがございましたが、まだ具体の額を申し上げる段階ではございませんけれども、これまでの経済対策の効果に期待はするものでございますけれども、経済情勢は依然として厳しいことから楽観的な見通しはなかなかできないという状況にあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、予算の編成に当たりましては、歳出歳入両面で内容をよく精査するとともに、基金の取り崩しといったことへの依存もおのずと限界がございますので、財政の健全性に十分配慮いたしまして予算編成に当たってまいりたいと、このように考えております。
      〔衛生部長桑島昭文君登壇〕
◎衛生部長(桑島昭文 君)新型インフルエンザワクチン接種に関する市町村の予約代行についてお答えを申し上げます。
 今回のワクチンの接種につきましては、接種希望者がそれぞれ接種医療機関に連絡をとりまして、対象であるかどうかの確認や接種の予約をとることになってございます。しかし、議員御指摘のとおり、これらの電話連絡への対応が医療機関にとって大きな負担となってございまして、通常の診療にも支障を来しているとの声が寄せられてございます。また、接種を希望しても予約がとれないとの相談も寄せられておりますことから、県では、こうした状況を少しでも改善するため、11月の26日でございますけれども、ワクチン接種の予約受け付けを市町村が一括して行うことについて検討するよう市町村に依頼をしたところでございます。
 この予約代行は、市町村があらかじめ医療機関の接種日及び接種人数を把握しておきまして、接種希望者の連絡を受けた時点で予約を受け付け、その名簿を取りまとめて医療機関に連絡し、医療機関が接種を行うというものでございます。
 実際の取り組みの状況についてでございますけれども、12月1日現在でございますが、17市町村がこの予約代行を行うこととしており、さらに検討中の市町村もございます。
 なお、医療機関が少数で特に予約代行が不要な場合や、逆に医療機関が多過ぎて取りまとめて予約代行として処理できない市町村もございますことから、一律に予約代行のみを求めるものではございません。予約がとれない住民の相談窓口を設けるなど、市町村には地域の実情に応じた対応を検討していただいているところでございます。
 市町村に対する今後の支援でございますが、予約代行に関する県民への周知などの情報提供に加えまして、医療機関に対する具体的な実施手順の説明や、接種医療機関及び接種人数枠の確保など、市町村との連携を図る中でこのワクチンの接種の円滑な実施について取り組んでまいりたいと思ってございます。
 それから、新型ワクチンの集団接種についてもお尋ねをいただいてございます。
 今回、新型インフルエンザワクチンの接種につきましては、接種を行う医療機関が国から委託を受けて実施することになっており、市町村は住民に対する接種の機会を確保するよう努めるということになってございます。
 県といたしましては、これまで3回にわたりまして、接種に当たっての保健センター等の活用など、集団接種の実施について検討するよう市町村に対して依頼をしてきたところでございます。こうした働きもございまして、集団接種を行う市町村が、12月9日から始まる幼児の接種には16市町村、22日から始まります小学校低学年の場合には41市町村とふえてございまして、ワクチン接種に関する県民と医療機関の負担の軽減について市町村でも前向きに受けとめていただいているものと認識をしてございます。
 集団接種を進める上での支障についてでございますけれども、市町村が予防接種法に基づいて実施する予防接種と異なりまして、今回の実施主体が国と契約した個々の医療機関でございますことから、人や経費などの点で市町村との役割分担が不明確となっている点が挙げられるかと思います。
 また一方、集団接種の有用性といたしまして、医療機関における電話対応の負担が軽減されますことや、住民も一つの窓口で確実に予約がとれることで安心ができること、また、一度に大人数の接種ができますことからワクチンが効率的に使えることなどが挙げられるかと思います。
 県といたしましては、検討中としております市町村に対し、保健福祉事務所による医師会や医療機関等との調整を通じまして推進を図ってまいります。
 それから、最後でございますが、新型インフルエンザの重症化への対応についてということでございます。
 今回のインフルエンザは、多くの方々は軽症のまま回復するわけでございますけれども、基礎疾患を有する方々や小児など一部の方が重症化することがございまして、注意が必要というふうに考えてございます。そして、重症化の兆候として、例えば呼吸が苦しいですとか、顔色が悪い、うわごとを言うなどが挙げられておりまして、これらの症状が見られた場合には直ちに医療機関を受診する必要があろうかと思います。
 また、小児や未成年の患者におきましては、因果関係は不明でございますけれども、抗インフルエンザウイルス薬を服用した後に異常行動を起こし事故に至った例も報告されておりますので、少なくとも2日間は患者を一人にしないようにすることが重要となり、議員御指摘のとおり、インフルエンザ患者の家族の配慮も必要というふうに考えてございます。
 県では、これらの点を広く普及するため、県のホームページに「自宅療養の手引き」を掲載させていただいてございまして、市町村や関係機関・団体にも通知をいたしまして患者や家族にも注意を促しておるところでございます。また、「広報ながのけん」、あるいは市町村広報等を活用いたしまして、それから最近の流行状況を踏まえ、テレビスポットのCM、あるいはラジオでのCM、新聞広告といった県民の目にとまりやすいメディアも駆使して、今後も情報提供の徹底を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
      〔30番風間辰一君登壇〕
◆30番(風間辰一 君)それぞれ御答弁いただきました。事業仕分けによっての長野県政に与える影響の額が非常に大きく、また、総務のほうではなかなか計算のできない市町村主体であるとか、あるいは学校主体、そういったものも含めますと長野県に与える影響というのは相当な額になるだろうということが想定されるわけでございますが、事業仕分けというものにつきましていろいろな点で不明の部分が多いことも私は事実だと思っております。地方へ移管という言葉が一体何を指し示すのか私には理解ができない。そこの部分に財源が伴うということであるならば地方への移管もごく結構ではあろうかと思いますが、そういった言葉が付随されていないということになりますと、これは、地方主権と言いながら、地方放任といったようなことになりはしないかということで非常に危惧を持っているわけでございます。
 県は、今年度に入りまして、この11月の議案分の補正を含めますと、一般会計でトータル9,435億円余の予算ということになりまして、非常に実施規模が大きくなっているわけです。この数字は、昨年度の同期と比較いたしますと1,000億円以上の積み増しの計上ということになりまして、県内景気に相当の配慮をした結果、この中に466億円の新経済対策を含みまして頑張っておられる、県内経済の下支えに努力をされておられるということは私も評価をするところでございます。
 そのような非常に不確定な要素が多い中にあって、新年度の予算の編成というものは極めて困難を伴うであろうということは私も承知をしておりますが、先ほど知事にも御答弁をいただきましたが、骨格予算となるのか、あるいは積極財政をとるのか、ここのあたりが私は非常に大事になってくるのではないか。もちろん、国の動向も考慮しなければいけないと思いますが、今までどおりの経済対策を含めた積極予算を盛り込むことが可能なのかどうか。その辺のお答えをいただければありがたいと思いますので、再度質問をさせていただきたいと思います。
 いずれにしても、重点配分はせざるを得ないというふうに思う次第でございまして、その点、骨格予算にするにしても、その中に経済対策が盛り込まれるのかどうか。その辺の配慮があるかどうか。最後にお聞きをしまして、質問とさせていただきます。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)その時々で必要な事業を適切に組み込んだ予算をつくっていくというのが一番大事なことだと私は思っておりますが、その時々で必要な予算という中には、当然、そのときの経済情勢を十分に考慮した対応が求められる、これも当然のことだと思っております。
 逆に、骨格予算というのはどういう意味合いを持つのか私よくわかりませんが、率直な感想を申し上げますと、地方自治体の当初予算、一般的に2月議会におかけいたします予算というのは国の予算案がまだ確定しない段階でのことでございますので、国が想定しております新規事業を必ずしも取り込むことが可能ではないというようなこともございまして、私の率直な感想から申しますと、比較的骨格的な予算にならざるを得ない宿命を持っているのではないかという感想は、実は、過去何度か編成に当たりまして感じたところでございます。
 ただ、いずれにしましても、もう一度戻りまして今の議員の御質問にお答えすれば、その時々に必要な事業をきちんと盛り込んだ予算をつくってまいる、それが私の務めだと、このように思っているところであります。
○副議長(高橋宏 君)次に、木下茂人議員。
      〔45番木下茂人君登壇〕
◆45番(木下茂人 君)リニア中央新幹線について知事にお伺いしたいと思いますが、その前に、松本空港路線問題につきまして同僚の風間議員からお話がございましたけれども、私も一言申し上げたいと思います。
 この問題につきましては、日本航空の撤退後、空白期間を置くことなく、FDAとの間におきまして札幌線と福岡線について毎日就航することができるということに決定されたわけでございまして、このことは村井知事を初め関係の皆さん方の慎重かつ熱意あるお取り組みの成果であるというふうに思います。多くの県民が本当によかったなと胸をなでおろして喜んでいるところだというふうに思うわけでございます。願わくは、リニア中央新幹線につきましても、県民の多くがよかったなと思えるような結果に導いていただきますように切望するところでございます。
 リニアに入りたいと思います。
 いわゆる4項目調査に関連いたしまして、JR東海は、11月12日に松本市で開いた地元説明会を最後にして説明会は一くくりにして、次は4項目調査の報告書を国土交通省へ提出すると発言をしたり、地域振興に資するための地域との調整について、調整といっても県や各地域との合意や同意までは求められていないと見解を述べたり、あるいは、地域との調整は4項目調査の前提になっているにもかかわらず、国交省へ報告した後にも話し合っていくと発言しているようであります。このことについては、平成20年12月24日付、金子一義国土交通大臣から東海旅客鉄道株式会社松本正之代表取締役社長あて、「中央新幹線東京都・大阪市間の調査について」の国土交通大臣の職印を押した公文書で明示しております。同文書には、全国新幹線鉄道整備法の趣旨にかんがみ、ルート、駅等に関し、地域と調整を図ることを前提とし、下記(1)から(4)の各事項、これがいわゆる4項目調査に当たるのですが、このことについて調査することと記されております。
 私は、念のため「調整」と「前提」という言葉の意味を手元の漢和辞典で引いてみました。「調整」は、ある基準に合わせて物事を合意することとあります。「前提」とは、ある物事を行うための土台となるもの、前置きとあります。すなわち、ルート、駅等について地域とよく協議をして合意を得ることが4項目調査をやる前にやらなければならない土台となるということであります。というふうに必然的になるはずであります。
 JR東海の発言は、日本語を使う我が国において全く通用しない発言であり、JR東海における我田引水の独断による解釈としか言いようがありません。また、大臣の公文書で指示した国土交通省においては、このようなことを放置しておいてはいけないと考えます。
 知事は、この公文書における調査及び前提についてどのように考え、また受けとめますか。そして、JR東海及び国土交通省に対してどのように対処しますか。お伺いをいたしたいと思います。
 さらに、もう1点質問いたします。
 報道の記事によりますと、政権交代によるリニア構想への影響についてどう思うかとの問いに対しまして、JR東海は、民間会社が自己資金でやると言っているのだから、政治と違った経営の立場から責任を持って進めると答えたと伝えられております。会社が金を出すのだから、その会社の経営判断でリニアを決めていけばよいというふうに言っているわけですが、リニアは日本の基幹となる交通ネットワークをいかに整備するかという国家プロジェクトであり、このような地域づくり、国づくりの根幹となる問題は、お金を出すからといって会社の立場だけで勝手にやってよいというものではないと考えます。
 このことについても知事はどのようにお考えになるか。お考えをお伺いしたいと思います。
 第1回の質問を終わります。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)言葉の定義というのはなかなか難しいものでありまして、私も余り字引を引いたことないものですからよくわかりませんが、リニア中央新幹線整備につきましての4項目調査、それからその前提等についての考え方についてお尋ねをちょうだいしたということでお答えを申し上げたいと思います。
 昨年12月にいわゆる4項目調査指示が国土交通大臣から出されて以降、県としては、地域との調整を図る前提としまして、まず、リニア新幹線に関する技術的事項や輸送需要量などの客観的なデータにつきまして十分に情報を共有することが必要と考えまして、鋭意取り組んでまいったところであります。
 一方、これまで、調査指示を受けたJR東海に対しまして調整ということについての考え方を示すように再三事務方で申し入れたところでありまして、先月30日に行われました事務レベルでの打ち合わせにおきましては、JR東海から、調整とは4項目調査の内容について理解を深めるための説明や意見交換を意味する、そういう考え方が示されたと、このように報告を受けております。
 客観的なデータについての調査報告を行うという観点からはそのような見解も一つの考え方だと言えないこともないわけでありますけれども、そうであるなら調査開始の段階からはっきりそうした見解を示すべきでなかったかという感想は、これは正直言ってございます。
 ただし、JR東海からは、今後、将来の経営主体を希望している、要するにJR東海が将来のリニア中央新幹線の経営主体になりたいという意向であるという立場から、地元との話し合いはこれを継続していかなければならない、このような方針も示されているところでございまして、当然、ルート等に関しても地域との十分な話し合いを今後とも継続することを私どもも望んでおりますし、JR東海もやらざるを得ない、そういう立場だろうと理解しております。
 議員御指摘のとおり、リニア中央新幹線はまさに国家プロジェクトでございまして、これまでも繰り返し申し上げてきていることでありますが、県、市町村を初めとする地域の協力なくして進展するものではございません。
 さらに、県としては、リニア中央新幹線の早期建設、これは強く願っているものでございまして、全国新幹線鉄道整備法、いわゆる全幹法の趣旨を踏まえて、地域振興という観点からも長野県にとって実りのある事業効果が得られることが大変大切なことだと、このように考えているところであります。
 JR東海とは引き続いて十分な話し合いを行ってまいりたい、このように願っております。
 JR東海のコメントにつきましては私は残念ながら存じませんので、確認ができないことにつきまして伝聞等によりましてコメントすることは慎ませていただくほうがよろしいかと、このように存じます。
      〔45番木下茂人君登壇〕
◆45番(木下茂人 君)リニアの問題につきましては、私も言葉遊びをしているわけではございませんで、リニアについての根拠法である全国新幹線鉄道整備法には新幹線は地域振興に資するものでなければならないという大前提が規定されているところでございまして、これにかんがみて国土交通大臣が指示を出しておる。私もその文書の写しをもらって調べましたけれども、調整が前提であるという公文書の指示になっているわけでございますから、これをなし崩しにして強行することのないように、特に国土交通省に対しましては、この指示事項がクリアされないまま4項目調査の報告書を受理するようなことがないように念押しをしておくべきではないかというふうに思いますが、このことについてもう一度知事の御答弁をいただければと思います。
 次に、農業問題について質問をいたします。
 長野県食と農業農村振興計画は、農業分野の県中期総合計画というべきものであると思います。この振興計画の初年度である平成20年度の成果が出され、実施状況が今定例議会へ報告をされました。このことに関連して質問いたします。
 その第1は、この計画の基礎資料になる農林統計についてであります。
 農林統計は国の農林水産省の統計事務所が毎年実施してきましたが、国の組織改編があって職員が減員になり、統計内容が劣化し、市町村を単位とした統計を廃止するとか、作目別の統計は対象品目を縮小してしまったために、長野県の振興計画で計画していた27品目についても統計廃止になった作目が相当あるということであります。さらに、統計事務がおくれておりまして、例年は10月末には前年数値が発表されていたものが、平成20年度の統計数値は21年の今日に至っても整理ができずに使えない状況であると言われます。やむを得ないので、長野県農政部は平成20年度については県の農政部の職員によって推計値を算出をいたしまして表示をせざるを得なかったと、こういうふうにお聞きをしております。
 このような国の一方的な措置は今後も続くものと考えられるようで困惑しておりますけれども、県はこのことについてどのように対応しますか。
 3,000億円の中の30億円、40億円の増減は、推計値では誤差の範疇になってしまうのではないかと心配であります。これは、振興計画の問題のみにとどまらず、農林統計を使用する計画やその検証に支障を来すものであり、放置できないことと思います。県の対応策についてお伺いをいたします。
 以下、振興計画の内容について質問をいたします。
 その第1は、毎年度、長野県食と農業農村振興審議会を開催をして、振興計画、その他の結果を検証し、翌年度計画へ反映していくということであれば、振興計画も毎年度ごとに作成していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
 その第2は、振興計画達成にかかわる県の取り組みであります。
 まず、問題に思うのは、振興計画の周知と各農家の実践意欲であります。県は、12万余の農家に対して、振興計画、特に作目別生産計画をどのように説明し周知したのか。また、各農家はそれを作付計画に反映して実践するような状況になっていたのか。これは大変なことだと思いますので、実態についてお伺いをいたします。
 そして、計画を実施して県内の農業現場が変わってきたと実感できるようになったのかどうか。県の受けとめ方についてもお伺いをいたします。
 最後に、農業振興計画、第1の実施結果について、反省、改善の思いについて質問をいたします。
 既に御承知のとおり、長野県農業の総生産額は平成3年の4,119億円をピークに年々減少し、衰退をしていました。この状態から何とかして脱出したい、その一念から県議会と県当局が協働をして長野県食と農業農村振興の県民条例を制定をいたしまして、この条例に基づいて長野県食と農業農村振興計画が策定され、計画実施第1年目の平成20年度の結果が出されたわけであります。
 農産加工や観光農業収入も含む農業生産額は、基準年となる平成17年度は2,886億円でありました。それを計画最終年の平成24年度には3,000億円にしようというものであります。報告によれば、計画初年度である平成20年度の総生産額は2,867億円でありました。これは、基準年の平成17年度の2,886億円と比べると19億円の減少、平成19年の2,918億円と比べると51億円の減少となるわけであります。計画を実施していなかった平成18年、19年は、17年に対して年々増加をしていたのですが、計画を実施したその初年度から減少に転じてしまったのであります。
 振興計画では総生産額について着目していますが、農協関係者のお話をお聞きしますと農業所得は大変深刻な状況だと言われます。農業所得の前年比は販売農家の売上額が前年比100億円の減少、一方、資材費が40億円の高騰、そのために販売農家の農家所得は140億円の減少になりまして、農家1戸当たりにすると20万円の減少になったというふうに言われております。
 生産額減少の原因は、果樹や野菜の価格低迷に代表されるように、不況による需要の減少と価格の下落にあったであろうとは思います。しかし、問題はそれだけだったのか。もっと中身について検討する必要はないのか問うことは大事なことであろうというふうに思います。
 例えば、本県が力を入れている果樹の中のリンゴについて考えてみます。リンゴの作付面積と生産量は、平成20年度において目標年である平成24年の目標値を既に超えております。それにもかかわらず、生産額だけが目標値に達していません。リンゴの目標額は272億円に対しまして、平成20年度は250億円で22億円不足をしております。その原因をどう受けとめ、今後、どう対応しますか。
 21年については生産調整で対処しているようであり、このような緊急措置も必要だろうというふうには思いますけれども、それとあわせて長期対策というものが必要だというふうに思います。
 生産額減少の原因は価格の低迷によるものであり、克服するには消費者の嗜好に合うオリジナル品種の生産により価格を維持することも一つの対策ではないでしょうか。そのことは、価格が低迷した20年度において、既往品種のジョナゴールドはキロ当たり平均173円、千秋はキロ当たり平均219円程度でありましたけれども、シナノスイートはキロ当たり平均310円を維持しており、品種による格差が顕著であります。いわゆるリンゴ3兄弟のような品種を取り入れて、新矮化栽培に変えていくことを検討すべきだと考えます。
 ところが、振興計画を見ますと、平成24年までにリンゴ3兄弟に変える面積は1,560ヘクタールで、リンゴ全体の栽培面積8,240ヘクタールの19%にしかすぎません。この点は、計画を見直し、3兄弟の面積の増加を急ぐ必要があるのではないでしょうか。お伺いをしたいと思います。
 要は、報告を見て申し上げたいことは、第1年目の実績が出て、生産額が後退し、農家所得も深刻になっているのに、翌年度からどう改善していくのか、結果を踏まえた改善計画が全く示されていないことが残念であります。このような分析、検証は、リンゴに限らず、ほかの分野でも実施し、計画の見直し、改善をする必要があるのではないでしょうか。来年度実施するには急を要すると思いますが、1年実施した結果等をよく点検をして、振興計画の中身を見直し、平成24年には3,000億円を達成するために十分な体制を整えていくことが大事だと思いますけれども、お考えについてお伺いをいたします。
 次に、個々の農家の効率的な経営を形成することについて質問をいたします。
 今までの質問は、長野県全体として農業を活性化することについてマクロ的な視点から検討をしてまいりましたが、それは12万戸に及ぶ県内農家の生産額を一つずつ積み上げて成り立つわけであります。健全な個々の農家の結集が県全体の総生産額を実現するものだと思います。
 農家の人々と話すと、我々は汗を流して働いている、とにかく一生懸命働いている者が食っていける農業をやってくれと言われます。農業者の気持ちを率直にあらわした言葉であり、行政も政治もこのことにしっかり向き合っていかなければならないと考えます。
 県においては、個別農家が他産業並みの所得を確保する食っていける農業とは年間500万円程度の所得を上げられる経営形態であるとして、幾つかの農業累計ごとにモデル的経営指標をつくっています。その代表的なものを数例挙げていただきました。
 第1のモデルは、土地利用型農家として、水稲9ヘクタールと転作作物として6ヘクタールへ小麦と大豆を交互に作付ける、合計が15ヘクタール、町歩でいきますと15町歩、この規模の農家であり、その所得は545万円。第2のモデルは、果樹農家でリンゴ220アール、つまり2町2反をつくって、所得646万円。第3のモデルは、野菜農家としてレタスを基幹にいたしまして、白菜やキャベツ、ブロッコリー等を合わせて420アール、4町2反ですが、こういうものをつくる農家で、所得が552万円。
 このほかに、花やキノコ経営とか畜産農家とかがありますけれども、花や野菜については自立的農家が見受けられますし、全農業の形態について申し上げることは時間的に制約がありますので省略をいたします。
 ここで言う農業所得とは、農産物を販売した粗収入から肥料、農薬等諸材料費や機械設備の償却費、光熱水費や集出荷経費、個別労務費等の経費を差し引いたものですが、経営者1人分の賃金は含まれたものだということであります。農業所得の内容としては経営者の日当が主なものになるものと考えられます。
 このモデル指標を見て、私はこれは大変なことだなというふうに思います。県内でこんな経営ができる農家が何軒あるかということです。県は、このような経営指標を示して、何軒の農家がついてくると考えているのでしょうか。
 例えば、水稲、小麦、大豆、15町歩の経営規模について考えてみると、長野県の農家の平均耕作面積は89アールで、たったの8反9畝であります。その17倍の15町歩を所有する人は例外的な存在でありますし、1農家が15町歩を集積して耕作することは、集積すること自体が困難であり、土地利用型農業で年収545万円は簡単にはできないと思います。さらに、果樹や野菜についても、リンゴの2町2反、野菜の4町2反の耕作は並大抵のことではなく、私の周りの農家に話しても、それは無理だというふうに言っております。そんな経営はちょっとできないということです。このような経営指標を示して、本当にやってみたいという人が出てくるでしょうか。もっと実態に合った現実思考が必要だと考えます。
 県は、農業経営について、流通、販売の重要性に着目をして農産物マーケティング室を新設をしたり、長野県原産地呼称管理制度を創設して信州農産物のグレードアップによる販売の促進を図ったり、農業関係試験場は作物の品種改良や耐病性、低コスト化技術の開発を進める等、全国的にも先進的な取り組みをしており、その労は多とするところでありますけれども、食っていける農業、産業として自立できる農業を実現することに直結するという姿に見えてこないように思います。
 このままいけば、長野県農業は衰退をして、持続可能性が低下する不安を覚えるのですが、どのように認識されていますか。
 この際、農業試験場や普及センターを初め農政部職員の総力を結集して、現実に食っていける農業、そうかそれならやってみるかと共鳴できるような経営指標をつくり、それを農業現場でどうやったら実現できるか知恵を出し合い、政策も集中して、県農政の一大目標にして取り組んでいってほしいと思います。本年3月の13日に報告された包括外部監査の中にも、そういう趣旨が述べられていたと思います。
 このことについて農政部長の認識と今後へのお考えをお聞きしたいと思います。農政関係については農政部長に御答弁をいただきたいと思います。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)リニア中央新幹線につきましてのいわゆる4項目調査、これにつきまして国土交通省がその報告をどのように扱うかというのはあくまで国の問題でございまして、これは、県の立場でそれに対しましてさまざまの注文をつけるというわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、しかし、議員御指摘の点を踏まえまして、十分留意をしてまいりたいと思います。
      〔農政部長萩原正明君登壇〕
◎農政部長(萩原正明 君)まず、統計見直しに係ります計画の進行管理に関する県の対応についてのお尋ねでございます。
 議員御指摘のとおり、国の農業統計につきましては、平成19年産から、米穀類など一部の品目を除きまして、市町村別統計数値の公表が行われなくなりまして、対象品目や統計手法も簡素化されまして、調査結果の公表時期も大変おくれてきているというような状況でございます。このため、御指摘のように、今回、平成20年の実績報告を取りまとめる際におきましても、農業生産額など全国比較の求められる指標についても国の統計を使用することができませんで、県独自の推計値で報告をさせていただいたところでございます。
 今後につきましては、市町村やJA等の農業関係団体の調査協力を得つつ、長野農政事務所等が把握をしております生産状況を情報収集した上で、県独自の推計によりまして計画の進行管理を行っていかなければならないというふうに考えております。
 2点目の年度ごとの計画策定についてでございますが、年度ごとの計画達成の数値と施策の具体的な取り組み状況を記載いたしました「食と農業農村振興計画の推進に向けて」という実行計画を、平成20年、21年のそれぞれ年度ごとに作成して振興計画の推進を図っておりまして、先般開催いたしました審議会においてもこの検証結果に基づいて報告をさせていただいたところでございます。
 なお、この実行計画につきましては、年度ごとに取り組む重点事業の具体的な内容のほか、地域の実情に応じた事業を展開するために10広域ごとに実施する地域別の計画も定めているところでございます。
 3点目の各農家への周知と農家の取り組み実態についてでございますが、振興計画につきましては、地方事務所、農業改良普及センター等におきまして各種の会議だとか指導会の折に周知に努めたところでありますし、それからJA、市町村、農業委員会、県の農業経営者協会などの農業者組織等を通じまして時間と回数をかけまして周知を図ってきたところであります。
 また、計画達成のために特に重点となります生産振興対策につきましては、JA全農長野など関係機関・団体と連携いたしました広域的なプロジェクト活動のほか、県下10地区におきましても、地域プロジェクト活動といたしまして、農家と課題を共有しながら取り組みを進めさせていただいているところでございます。
 具体的に申し上げますと、先ほど例にお挙げになりました県のオリジナル品種の導入だとか、フェザー苗の供給体制整備によりますリンゴ新矮化栽培の推進だとか、収量性の向上によりますアスパラガスの生産拡大などにつきましては、モデル圃場を設置をいたしまして推進を強化しているところでございます。
 平成20年度につきましては、リンゴ3兄弟の栽培面積が836ヘクタール、ナガノパープルが39ヘクタールというようなことで、ほぼ実行計画どおりの実績になるなど、農業者の皆様の関心も高まりつつあるというふうに考えているところでございます。
 4点目の振興計画の見直しと体制の充実についてでございますが、景気の低迷によります消費者の低価格志向が急激に進む中での農畜産物価格の低迷など、農業生産額について見ますと21年度はさらに厳しい状況にあるというふうに認識をしているところでございます。
 振興計画そのものにつきましては現時点では見直すことは考えておりませんけれども、個別の達成指標や施策につきましては、新たな状況などにも対応したり、審議会での御意見、御提言を踏まえながら、単年度ごとに策定いたします実行計画の中で見直したり検討したりしております。振興計画の達成に向けまして一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
 そのために、計画の推進に当たりましては、関係機関・団体との連携を一層強化をいたしまして、重点戦略と、それを推進しますプロジェクト活動の充実をより進めまして、県のオリジナル品種の導入推進だとか、生産力の強化に向けました体制の充実を図りまして、消費構造の急激な変化に対応いたしました生産・販売体制についても検討をしてまいりたいというふうに思っております。
 なお、今回の報告の中は、最後に結びの中に施策の展開というものにつきましても審議会でそれぞれ分析をいただいておりまして、この分析を踏まえながら来年度の対応を十分検討してまいりたいというふうに思っております。
 次に、個々の農家の効率的な経営形成についてのお尋ねでございました。
 振興計画の中におきましても、農業が産業として自立することができる農業経営指標を提示をしておるところでありますが、計画策定時以降、農産物価格の急激な低迷など想定しなかった大きな状況の変化が生じてきていることもございまして、現在の販売状況等も踏まえつつ、県が推進いたします市場評価の高いオリジナル品種や低コスト栽培など新技術の導入、また、多様な販売形態などを取り入れました幾つかの経営指標を具体的に設定することにつきましては今後の課題であるというふうに考えております。
 今後、これらの経営指標だとか、県内の先進的農家が既に取り組んでおられます幾つかの優良事例など、農家が経営判断できますように機会をとらえて情報提供をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、施策支援や経営指導につきましては、御指摘のように、指導機関でございます農業改良普及センターを中心にいたしまして、農政部全体で力を合わせまして自立農家の育成支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
      〔45番木下茂人君登壇〕
◆45番(木下茂人 君)農政問題につきまして農政部長から御答弁をいただきましたが、農業振興計画の周知は普及センターやいろいろな関係団体を通してやっているということですし、確かに、10圏域に部会がありまして、そういうところでも議論されているんですけれども、なかなか12万に及ぶ個々の農家にこの計画について浸透させるということは大変なことだろうと思うんですね。これは、言うべくして本当に大変なことだと思うんです。
 だけれども、農家がその気にならなければ、幾ら県が立派な計画をつくっても絵にかいたもちになってしまうわけですから、いかにして農家がその気になってもらえるかということが一番肝心なことだろうというふうに思うので、これは今これでいいというふうに言える状況ではないというふうに私は思います。
 ですから、どうか農政部を挙げて、もちろん、部会もそうですし、市町村もそうですし、関係団体もそうですが、そういうところの協力をいただかなければできないんですけれども、まず農政部の職員がその気になってもらうということが大事だろうと思うので、この浸透をいかに図っていくか、このことが成否に結びつくんだろうと思いますので、この点についてなお一層の努力をいただければと、こういうふうに思うところでございます。
 それから、個別農家の食っていける農業、この問題について私の思うような御答弁はいただけなかったんで残念でございますけれども、これは、私ども、今度の選挙で回ってみましても農家の皆さんに言われるんですよ。もうだめだ、何やっているんだ、いろいろ補助政策はやってくれているんだけれども、これでは我々食っていけない、まじめにやっている者が何とかやっていけるような……
○副議長(高橋宏 君)木下茂人議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。
◆45番(木下茂人 君)そういう農政でなければだめだよと、こういうふうに言っておりますので、この辺を踏まえてしっかりとやっていただきたいと思います。時間になりましたので質問を終わります。
○副議長(高橋宏 君)この際、15分間休憩いたします。
        午後2時44分休憩
         ──────────────────
        午後3時1分開議
○議長(望月雄内 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 続いて順次発言を許します。
 北山早苗議員。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)あおぞらの北山早苗です。前原大臣は、国土交通委員会で、国からお金が7割も来る補助ダムの見直しについての質問に答え、基本的には各知事の判断を尊重すると言いつつも、根本的に考え方、発想を変えなければ、税金の使い道という観点から考えると今までのような河川整備あるいはダム建設を行うわけにはいかないという認識をしっかりと地方にも持っていただくことが大事、そういうことを知事とコミュニケーションを図っていきたい、個別の事業の進め方について知事と相談させていただくこともあると答弁されています。
 そこで、村井知事にお尋ねします。
 前原大臣とは、この件で話し合いを持たれたのでしょうか。また、今までのようなダム建設を行うわけにはいかないという認識をしっかりと地方にも持っていただくという大臣の考えをどのように受けとめますか。さらに、大臣からこのような方向性が示された以上、十分なコミュニケーションをとられるまで、今行われている浅川ダムの入札手続は中止すべきではないでしょうか。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)まず第1点、国土交通大臣との話し合いがあったかないかということのお尋ねでありますが、前原国土交通大臣は、議員の御質問にありましたとおり、基本的には各知事の判断を尊重する、このようにされた上で、長野県を含めて各県から要望を上げている来年度事業費につきまして場合によって相談をさせていただくこともあり得る、このように発言されておりますが、現時点では国から何のお話もございません。したがいまして、この件につきましては大臣とはお話をしておりません。
 二つ目に、大臣のお考えについての受けとめについてのお尋ねをちょうだいしましたが、国土交通大臣が北山議員の御質問のような発言をされたかどうか私は聞いておりません。
 続いて、浅川ダムの入札手続についてお尋ねをちょうだいいたしましたが、先ほども申し上げましたように、前原国土交通大臣は、基本的には各知事の判断を尊重するとされておられまして、来年度の補助金について事前に相談させていただくこともあり得る、このように発言されておりますが、現時点におきまして何のお話もございません。したがいまして、現時点では浅川ダム本体工事を本年度に契約するべく入札手続を粛々と進めているところでございます。
 以上でございます。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)知事に再度お尋ねします。
 先ごろ大臣がつくった今後の治水対策のあり方に関する有識者会議について、国土交通省三日月政務官は、有識者会議が再検証の対象とするのは国直轄と水資源機構が事業主体のダムで、来年夏ごろまでに中間まとめ、23年夏に最終提案の予定であり、それまでは予算の本格的執行ができない、補助ダムの再検証は県にゆだねるが、補助ダムとはいえ国の補助金が交付されるため、国の再検証の基準を示し、県はどうするか問いかけるとのことです。
 であれば、補助ダムである浅川ダムも、国の基準ができる前の入札手続は中止するべきと思いますが、いかがでしょう。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)いろいろの報道はなされておりますことは承知しておりますけれども、そのような有識者懇談会というのはいまだ設立されたとも承知しておりませんし、そのような仮定の前提に立って、現に必要と判断をして粛々と進めております事業について何らかの変更をする必要を私は感じておりません。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)再度知事にお尋ねします。
 かたくなに入札手続の中止を拒否する本当の理由は何でしょうか。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)かたくなに中止を求められる理由が判然といたしません。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)私には、既成事実を積み上げ、着手さえしてしまえば、事業継続に持ち込めるという腹づもりがあるように思えてなりません。
 知事に再度お尋ねしますが、手続を踏んできたというのに、10月17日に新聞社が発表した長野市長選世論調査結果によれば、浅川ダムについて見直す必要がある63.2%、必要はない27.2%とのことです。私自身、この結果には驚きました。
 知事は、なぜ、御自身が進めてきたことがこんなにも民意とずれているのだと思いますか。この結果をしても、入札手続を中止するつもりはないのでしょうか。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)浅川ダム建設事業につきましては、さまざまな御意見があることはもとより承知しております。県は、これまでさまざまな治水対策を立案し、検討を行い、治水専用ダムと河川改修を組み合わせた対策を進めることが最も望ましい、このような判断に至ったところでございまして、これに従って進めているというだけのことであります。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)知事のダムに関するかたくなさは時代錯誤であり、このまま入札を続け、本体着工に踏み切れば、必ずや県政に損失と禍根を残すことになると警告しておきます。
 県内には、操業停止、未解体で雨ざらしのまま放置されている焼却炉がたくさんあります。先日、どこにどれだけあるのかと環境部に問い合わせましたが、産廃の炉については19と数だけの答えで、廃止届を出すと県の管理から離れる、売れる場合もあり、個人の財産であるため場所や業者名は教えることができないとのことでした。
 また、廃棄物対策課では、届けが出されると、現地へ行き、すぐに使える状態でないことを確認し、適切に処理するよう告げるが、取り壊すかどうかは事業者の判断と説明。監視指導課は、残された炉についてはダイオキシン特別措置法から離れるため把握できない、答えた廃炉数19は保存文書のある平成17年以降のものという説明でした。
 環境部長にお尋ねしますが、この説明に間違いはないでしょうか。また、実際には、放置され、雨ざらしで汚染物質流出のおそれがあるものが多く、煙突が倒れているものもあり、売れる可能性という論理は成り立たないのではないでしょうか。さらに、敷地で解体業などの許可で業を行っていて焼却炉は停止している施設があります。そこで、炉が雨ざらし、あるいは解体物で埋まっているなどの場合、汚染物質の流出の危険性からして廃掃法違反ではないでしょうか。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)議員からの産廃焼却炉に関する照会についての御質問でございます。
 廃止後の焼却炉につきましては、廃棄物処理法等の適用がなくなるため、その管理や処分については業者が行うこととされております。回答した炉の数は、議員がおっしゃるような保存文書のある平成17年度以降のものということではなく、平成16年度から平成20年度までの過去5年間に廃止されたものであって、現状で撤去されていない炉の数についてお答えをしたものでございます。
 また、撤去されていない焼却炉は個人や法人の資産に係るものなので、数のみをお答えしたものでございます。
 次に、売れる可能性は成立しないではないかという御質問でございます。
 実際に廃止後の焼却炉が他の者に売却された事例もあり、その処分についてはその所有者の判断により行われるものであります。
 それから、3点目に、廃止後、放置されている焼却炉が雨ざらし等になっている場合は汚染物質の流出の危険性があり、廃棄物処理法違反ではないかとの御質問でございます。
 先ほども申し上げましたように、廃止後の焼却炉については廃棄物処理法等の規制対象とはならないものでございます。また、焼却炉の構造は容易に中のものが漏れ出さないようになっているものであります。しかし、焼却炉の周りに廃棄物が放置されているなど、廃棄物処理法違反のおそれがある場合は事案に応じて指導してまいりたいと考えております。
 以上です。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)再度環境部長にお尋ねします。
 廃止焼却炉の洗浄や掃除がしてなければ販売の意思なしと判断してよいのではないでしょうか。また、燃え殻、ばいじんが残っていたら適正処理をさせるのは県の責任ではないでしょうか。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)売ることに関しての御質問がまず1点目にございました。
 これに関しましては、それはもうまさに民民の取引の中で解決していくものでございまして、処分するしないは所有者のほうの判断になることでございます。
 それから、中に残っている場合どうかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、廃止届け出が出てきた段階で中のものを適正に処理するよう指導をしております。
 以上です。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)再度部長にお尋ねします。
 きちんと処理されるまで県の責任で確認しているのでしょうか。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)事案によってさまざまなものがあると思いますけれども、必要なものにつきましては現地に出向いて調査をしております。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)最後まできちんと除去されたかどうか、それを確認しているかどうかをもう一度お聞きしたいんですけれども。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)先ほどもお答えしましたとおり、必要に応じて現地調査を行っております。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)再度部長にお尋ねしますが、ダイオキシン類や重金属類などが付着している煙突や炉を雨ざらしにしている、このことこそ廃掃法違反であると思います。
 先日、環境省の産業廃棄物課に行き、見解を伺ってきました。煙突、炉そのものは廃棄物とは言えないが、燃え殻、灰など炉の中に残っているものは廃棄物で、やめても指導対象、廃掃法の対象であるとのことでした。
 よって、法のもとで、内部に燃え殻、灰などが残っていないかを確認し、除去されるまで廃棄物として指導、監視するのは県の責任で行うべきことだと思いますが、もう一度確認させていただきますが、いかがでしょう。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)焼却炉の廃止に伴うその後の炉の管理につきましては、その炉の所有者または管理者による適切な管理が求められるものでありまして、老朽化に伴ってただいまお話のありましたような汚染物質の流出等のおそれがあるならば、所有者等がその対策を講じる責任が他の工作物と同様あると考えております。
 なお、事案ごとにそれらにつきましては対応しているところでございまして、必要なものにつきましては現地の状況を引き続いて継続確認しているところでございます。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)再度部長にお尋ねしますが、どうもおっしゃっていることと現実が違うような気がします。環境省では、停止になった時点で、燃え殻、ばいじんの適正処理は当たり前と思うが、そこまで国が言わなければいけないのか、廃棄物の部署としてやるべきことは、残っている燃え殻、ばいじんを撤去しなさいと指導、監視すること、以前に廃止された施設であっても、燃え殻、ばいじんが残っていないかは調べるべきものだと言っていました。
 放置されている産廃の廃止焼却炉の調査及び燃え殻、ばいじん撤去の徹底を求めますが、いかがでしょう。
      〔環境部長白井千尋君登壇〕
◎環境部長(白井千尋 君)廃止焼却炉につきまして再度手続をお話申し上げたいと思います。
 廃止届が出てまいりますと、それにつきましては、事前の手続として、県といたしましては、炉の内部に残置されている燃え殻やばいじんをすべて搬出するように指導を実施しております。廃止について、廃止届け出を確認の上、受理したものは工作物として廃棄物処理法の対象外になるものでございます。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)言っていることと現実が違うのではないかと思うので、このような質問をしているわけですけれども、知事にもここで答弁を求めたいと思いますけれども、放置されている廃止焼却炉の調査及び燃え殻、ばいじん撤去の徹底調査を早急に行うことをお願いしたいんですけれども、国のほうは、廃止のときに残っている燃え殻、ばいじんを撤去しなさいと指導、監視する権限は県にあるため、以前の施設でも残っていないか調べるべきものだと明確に言っているわけですので、ぜひそのことを約束していただきたいんですけれども、いかがでしょう。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)今、環境部長からお答えしておりますことは、要するに、そういう処置をきちんと県としては業者に対して指導しているということを申し上げているので、そういう問題は一応解決しているという理解だと私は思っております。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)知事は、そのようにきちんと行われているということでお話いただいていると思うんですけれども、現実は違うものもあります。住民の通報によるだけではなく、みずから調査し、法に基づく仕事を最後まできちんとしていただくよう再度強く要望しておきます。
 JALの定期便撤退表明から、フジドリームエアラインズによる札幌線、福岡線の毎日就航が決まったとのこと。私も信州まつもと空港の活性化を望んでいますが、県民のみならず、一般の松本市民からさえも、さらなる税金の投入を懸念する声が聞こえてきます。
 そこで、企画部長にお尋ねします。
 空港への県負担は20年度で約1億8,000万円、人件費を含めれば2億4,000万円とのことですが、先日、松本市と県議との懇談会で、FDAは設立間もない航空会社であり、経営と安全性を十分チェックすべきという声もありました。安全性や運航継続性の担保をどのように考えていますか。そのために、FDAから求められる負担や滑走路の再舗装など、さらなる県負担はどのようなものがどれくらい予想されますか。
 知事にもお尋ねします。
 現在、空港への税金投入による県内経済への波及効果はどうなっていますか。さらなる県費の投入がなされる場合には、さらにどのような波及効果を見込まれていますか。また、信州まつもと空港の公共交通としての役割をどのように考えていますか。
 県民の中に、多くの県民は松本空港を利用していない、なぜなのかを考え改善するべき、定期便の存続を訴えていた人たちのどれくらいがみずから松本空港を利用しているのか疑問だという声があります。
 知事として、そのような県民が納得できるよう、税金を投入し続ける意義の説明と、空港をこのようにしたいというビジョンや戦略を示してください。
      〔企画部長望月孝光君登壇〕
◎企画部長(望月孝光 君)松本空港に就航予定のFDAに対する安全性、それから運航継続性の担保についてのお尋ねでございます。
 航空運送事業というのはまず国の所管でございまして、安全性につきましては、こういった事業を経営しようとする場合、航空法に基づく許可を受けるため、事業面、それから安全面での各種基準を満たすことが必要となっております。
 FDAは、ことしの2月に国からの事業許可を受けまして、7月23日から就航しているということでございまして、安全性については国の監督のもとで当然に確保されているというふうに考えております。
 それから、運航継続性についてでございますけれども、先ほど風間議員の御質問に対しまして知事からお答えしておりますけれども、多くの県民の皆様方に信州の翼としてFDAに親しんでいただきまして実際に利用していただく、これが何よりも重要なものだと考えております。そうしたために、県の立場といたしましては、地元の自治体、それから経済団体と一体となりまして、利用促進策の充実を検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
 また、FDAの就航に向けた具体的な支援でございますけれども、これにつきましても、風間議員の御質問に知事からお答えしましたとおり、今後、FDAの検討結果を踏まえて協議を行っていくということになっておりますので、現時点で具体的な負担額を申し上げることは難しいところでございます。御理解いただきたいと思います。
 最後に、当面予定されている滑走路の再舗装等、空港の大規模修繕につきましては、空港の安全性を確保するという観点からも着実に実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)信州まつもと空港の県内経済への波及効果についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 信州まつもと空港が地域にもたらす経済波及効果につきましては、松本市が平成20年度のデータをもとに試算しておりますが、長野県全体で年間55億1,000万円余りに上る効果が見込まれるとの結果が出されております。
 信州まつもと空港の役割についてお尋ねをちょうだいいたしました。
 この空港は、定期便が毎日運航していた平成18年度には12万人余りが利用し、大阪、札幌、福岡といった遠距離を結ぶ長野県唯一の空の玄関口としての役割を十分に果たしていたと、このように思います。また、6路線が就航していた平成8年当時には26万人余りが利用した実績を残すなど、その潜在的な可能性というものは十分なものがあると思っております。
 また、海外に直接渡航でき、観光振興にも大きく寄与する国際チャーター便も、昨年度は過去最高となる32便が運航し、経済環境の悪化が見られる本年度においても20便程度の運航が見込まれております。チャーター便の運航も、定期便の運航がすべて前提になっておりまして、定期便路線の維持というのは松本空港がその役割を果たす上でも不可欠のものであります。
 さらに、空港には県警航空隊や消防防災航空センターが設置されておりまして、年間1,400回の離発着が行われておりますし、防災拠点としての重要な役割も果たしていることに加えまして、遊覧飛行やビジネスに利用される民間小型機については年間4,800回の離発着など、多面的な活用がされているところであります。
 いずれにしましても、県民の共有の財産でございます信州まつもと空港のさらなる活用を目指しまして空港の利用促進策を充実させるとともに、ただいま申し上げた空港の果たす多面的な役割につきましても県民の皆様に十分お知らせ申し上げ、御理解をいただけるように努めてまいる必要があると思っております。
      〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)さまざまなさらなる県負担が予想されますが、松本空港では着陸料などによる収入は1,800万円にとどまり、運営が大幅な赤字状態である一方、県に土地代を払ってターミナルビルを運営している県の外郭団体の会社は黒字で、1億8,000万円の余剰金があると昨日報道されたため、通告はしてありませんが、知事に質問します。
 県の外郭団体であるターミナルビル株式会社は、県が50%の出資をし、県職員も再就職していて、賃料収入が毎年1億円以上あるとのこと。空港の運営をめぐって、国でも管理する22空港が赤字である一方、ターミナルビルなどを運営する指定業者のおよそ8割が黒字で、余剰金の総額は2,000億円以上あり、前原国土交通大臣はこの状況はおかしいとして貸付料の引き上げを検討すると言っています。
 松本空港でも、さらなる県負担に備え、外郭団体の収支を含め総合的に検証した上で今後の運営のあり方を考える必要があると思いますが、知事に見解をお聞きし、質問を終わります。
      〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)松本空港の関連施設の運用でございますけれども、収支につきましては、かなり厳しい環境の中で、要するに、会社が持っております資産というのは、これは建物の償却などを考えましたら当然に保有しなければならない部分もあるわけでございまして、その詳細はよく吟味をいたしまして対応いたしますけれども、報道されているような国関連の施設とは性格を異にしているものだと私は理解をしております。
○議長(望月雄内 君)次に、宮本衡司議員。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)新型インフルエンザワクチンについて御質問いたします。
 新型インフルエンザについては、5月に国内で初めて患者が発生して以来、全国的に感染が拡大しており、新型インフルエンザによると思われる死亡者も全国でこれまでに82名発生しております。
 本県においては、1週間の患者数が1医療機関当たり10人を超えたことから、10月28日にインフルエンザ注意報が発令されておりますが、その後も感染が拡大し、11月18日、県全域に警報が出されました。
 今回の新型インフルエンザは、感染力は強いが、多くの感染者は軽症のまま回復しており、抗インフルエンザウイルス薬による治療が有効であるなど、季節性インフルエンザと類似する点が多いとされていますが、他方、ぜんそく、糖尿病等の基礎疾患を有する方を中心として重篤化し死亡する例が見られること、さらに、妊婦、乳幼児、高齢者の方についても重症化することがあると報告されています。
 国民の大多数に免疫がないことから、本格的な冬の到来を目前に、さらなる感染の拡大も懸念されているところです。
 一方、新型インフルエンザのワクチン接種が県内でも10月19日から実施されていますが、ワクチンの供給が十分でないことから、医療機関でも対応に苦慮しているとも聞きます。
 そこで、新型インフルエンザの現状及びワクチンの問題についてお聞きします。
 一つ、県内における新型インフルエンザの流行状況はどうなっているか。
 二つ、ワクチンの供給が段階的に行われているとのことだが、県にはどの程度のワクチンが供給されているのか。また、今後の予定は。
 三つ、優先接種対象者から順次ワクチン接種が行われているが、この優先接種の考え方をお伺いします。また、それぞれの接種時期はどうなるのか。
 四つ、ワクチンの供給、接種方法について県民に不安があると思われます。県民の不安を取り除くためにも、県として、ワクチン接種についてより積極的な情報提供、広報を行うべきと考えるが、いかがですか。
 衛生部長にお伺いいたします。
      〔衛生部長桑島昭文君登壇〕
◎衛生部長(桑島昭文 君)新型インフルエンザの流行状況についてお答え申し上げます。
 現在、新型インフルエンザの流行状況は、県内の88カ所の医療機関におけるインフルエンザ患者の受診数を1週間単位で集計するインフルエンザ・サーベイランスによって確認をしてございます。それによりますと、1医療機関当たりの患者数が8月3日の週に1.44となりまして、流行期に入ってございます。その後、全国的に見ますと少ないレベルで推移いたしておりましたけれども、10月19日の週に11.26となり、注意報を発令したところでございます。さらに、11月9日の週に患者が急増いたしまして41.19となり、警報を発令させていただいてございます。さらに、翌週、11月16日にさらに患者が増加いたしまして55.31となり、全国で6番目の多さになってございまして、最近の状況でございますけれども、11月23日の週に49.38となりまして、前の週に比べまして若干減少しているところでございます。
 また、学級閉鎖等の臨時休業を行った学校等からの報告によりますと、11月16日の週の患者数が5,760人となってございまして、翌23日の週には5,722人となってございまして、これも若干減少傾向となっているところでございます。
 続きまして、インフルエンザワクチンの供給状況についてお答えを申し上げます。
 現在、国の供給計画におきましては、国産ワクチンが5,400万回分、輸入ワクチンが1,100万回分、合計で6,500万回分が供給される予定となってございます。これらのワクチンの供給の時期といたしましては、10月上旬以降、おおむね半月に一度、100万回から600万回分の規模で国内に供給されることとなってございます。
 長野県の供給状況でございますが、これまでに、医療従事者、基礎疾患を有する者、妊婦、幼児の接種分として合計で約16万回分供給を既にされてございます。
 今後の予定でございますが、国産ワクチンが約68万回分供給されるものと見込んでございまして、輸入ワクチンと合わせますと県内の優先接種対象者と推定される114万人がワクチン接種を受けることができるものというふうに考えてございます。
 それから、ワクチン接種の優先接種についてお答えを申し上げます。
 今回の新型インフルエンザワクチンを接種する目的は、死亡者や重症者をできるだけ減らすこと、そして、こうした方々の治療に当たる医療従事者を確保することというふうに考えてございます。
 一方、先ほどお答えをいたしましたとおり、ワクチンの供給が半月程度の間隔を置いて少量ずつ行われておりますことから、重症化しやすいとされる方々から順次優先的に接種するとの方針が国から示されているところでございまして、具体的には、実際に新型インフルエンザの治療に当たる医療従事者から接種を開始いたしまして、次に、重症化の危険度に応じまして、気管支ぜんそくや糖尿病などの基礎疾患を有する方、そして妊婦、さらに1歳から6歳までの幼児、それから小学生、中学生などの順で順次接種が行われることとなってございます。
 これらの優先接種対象者の接種時期についてもお尋ねでございますが、医療従事者が10月19日から、基礎疾患を有する者及び妊婦が11月9日からそれぞれ接種は既に開始されてございます。今後も、幼児が12月9日から、小学生低学年が12月22日から順次接種が進んでいく予定となってございます。
 それから、最後に、ワクチン接種の情報提供、広報についてお尋ねをいただいてございます。
 県民の相談ということも必要かと思います。そういった意味で、県民の相談に応ずるため、県庁や保健福祉事務所における相談電話での対応に力を入れておりますとともに、ワクチン接種専用の相談電話を設けまして、看護師が専門的な相談に当たってございます。また、市町村においてもワクチンに関する相談に応じていただいておるところでございます。
 また、県のホームページにおきましても、ワクチン接種の基本やワクチン供給に関する詳細な資料や情報を掲載してございまして、さらには、報道機関に協力をいただきまして、ワクチンの供給状況や対象者に関して積極的に情報提供をしていただいております。さらに、市町村においても広報を依頼するなど、県民の皆様方に御理解いただけるよう取り組みを進めております。
 今後、さまざまな方法、機会を通じまして、ワクチンの供給、接種時期、回数などについて広く県民の皆様方に情報提供や広報をしていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)基本的には、十分なワクチンを一刻も早く確保することに尽きるわけであります。ワクチン優先接種が、医療従事者から始まり、妊婦、基礎疾患を有する者、乳幼児から高校生、そして65歳以上の高齢者の順というのは妥当であると考えます。
 また、今回のウイルスは、感染力は強いが弱毒性のものであるようであります。しかし、油断は禁物でありまして、時には災害時と同様、最悪の事態を想定した準備体制が必要となる場合もあるのではないでしょうか。
 例えば、警察官の感染が大幅に拡大すれば、交番にも人員配置ができず、防犯業務にも支障を来し、交通事故処理も手が回らず、最悪の場合、警察署の閉鎖ということも考えられます。
 危機管理上の社会機能システムを確保するためにも、国防の最前線に立つ自衛官、治安維持に昼夜を分かたず任務に励む警察官、また、みずからの危険を顧みず災害現場に赴く消防士、消防団員などのワクチン接種は度合いに応じて優先順位の中に組み込まれるべきと思いますが、危機管理担当板倉副知事にお伺いをいたします。
      〔副知事板倉敏和君登壇〕
◎副知事(板倉敏和 君)自衛官、警察官、消防職員等のワクチン接種についてお答えを申し上げます。
 先ほど衛生部長からお答えをいたしましたとおり、今回の新型インフルエンザのワクチンを接種する目的でございますが、死亡者や重症者をできる限り減らす、こうした方々の治療に当たる医療従事者を確保するということとされております。
 最大の問題は何よりワクチンの供給量に限りがあるということでございまして、さらに、今回の新型インフルエンザにつきましては、ほとんどの健康な成人は軽症なまま回復しているということでもございます。
 こうしたことを踏まえますと、自衛官、警察官、消防関係職員等でございましても、健康上の問題がなければ優先接種対象者に含まれないとすることはやむを得ないのではないかというふうに考えておりますが、今後、鳥インフルエンザのような病原性が高い新型インフルエンザが発生した場合におきましては、県や国の新型インフルエンザ対策行動計画におきまして、自衛官、警察官、消防関係職員など社会機能の維持に従事する方の接種が優先されることが想定をされております。
 以上でございます。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)県内ではまさに大きな流行が起きております。ワクチンの確保に全力を挙げ、県民が不安に駆られることのないよう情報提供、医療体制の確保などにも取り組み、感染拡大防止に努めていただくよう要望いたしまして、次に参ります。
 岐阜県では、平成19年度より、県営水道用水供給事業の東部広域水道事務所に出力90キロワットの小水力発電を設置し、運転を開始しております。浄水場から送水する過程で水道管内に生じた水圧を有効利用し、送水管内に設置した円筒プロペラを回し発電する仕組みになっており、年間約75万キロワット時、一般家庭に換算すると208世帯分の電力量を発電しており、これにより環境への効果として年間約285トンのCO2削減効果があるとのことです。
 設置には新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助を受けており、発電した電力は水道事務所で自家使用するほか、余剰電力は電力会社へ売却することにより約15年で採算がとれるとお聞きしております。
 長野県営水道施設内には、このような水道管内の水圧を利用して発電を行えるような場所はあるのか。また、発電施設の設置が可能な箇所がある場合、地球温暖化防止の観点から積極的に導入すべきと考えますが、企業局長にお伺いをいたします。
 企業局で策定を進めている県営水道事業経営ビジョンについて、11月20日に公営企業経営審議会から答申があったと新聞紙上で報道されております。この中で、現在、県が行っている末端給水事業について市町への事業移管を目指しているという内容がありますが、そもそもこの事業は地元市町からの要望を受けて県営で行ってきた経緯があったと認識をしております。ここへ来て事業移管を目指すその理由は何か。また、事業移管に向けた取り組み状況と今後の予定について企業局長に伺います。
 また、用水供給事業においても事業形態の検討を進めていると報道されておりますが、その状況についてもあわせてお伺いをいたします。
      〔公営企業管理者職務執行者・企業局長山田隆君登壇〕
◎公営企業管理者職務執行者・企業局長(山田隆 君)水道事業について大きく2点の御質問をいただきましたので順次お答えをいたします。
 まず、水道施設における小水力発電の導入についてのお尋ねでございます。
 水道管内の水圧を利用して発電を行う場合、蛇口までの適正な水圧を確保した上で、未利用の水圧がある場合にそれを利用して発電を行うこととなりますけれども、県営水道でそのような水圧が確保できる場所としては、減圧弁で水圧を調整している箇所などが数カ所ございます。
 地球温暖化防止の観点から、こういった水道施設における小水力発電を積極的に導入すべきではないかとの御提言でございますけれども、御指摘のようにCO2を出さないクリーンなエネルギーであるという点に加えて、水資源の有効利用という観点からも大変有意義な取り組みであると考えます。
 ただ、小水力発電を行うためには、水道水の安全確保や設置費用の回収など導入に当たっての課題が幾つかあり、また、現在、水道事業の市町村への事業移管の検討を進めているということもございますので、今後、そういった点なども含め、総合的に研究してみたいと、このように考えております。
 次に、県営水道の事業移管についてのお尋ねでございます。
 最初に、末端給水事業に関し、事業移管を目指す理由と現在の取り組み状況などについてでございますが、長野市、上田市及び千曲市の一部と坂城町の3市1町にわたる給水区域を持つ末端給水事業は、地元からの要望を受けまして、昭和39年から給水を行っているものでございます。
 しかしながら、生活の根源である水道水を個々の家庭にまで供給する事業は、本来、地域の実情に通じた市町村の事業であると考えられること、また、現在の事業形態においては一つの行政区域に県営水道と市営水道という二つの事業体が併存することになり、料金体系の違いなどさまざまな問題点があることから、県としては、本来の事業主体である市町村への事業移管を行い、サービス水準の統一や利便性の向上などを図ることが望ましいと考えております。
 こうした点を踏まえ、かねてから関係の3市1町と調整を行ってまいりましたけれども、本年4月に、3市1町と企業局とで、市町への事業移管を基本に、具体的な検討を行う検討会を設置し、現在、課題の洗い出しや解決方法などの検討を行っております。
 事業移管に向けては、独自の水源を持たない千曲市と坂城町の水源の確保や水の運用方法などさまざまな課題がございますが、今後とも関係の市や町と検討を重ね、できるだけ早い時期に一定の方向を出したいと考えております。
 次に、用水供給事業における事業形態の検討状況についてでございますが、松本市、塩尻市及び山形村の2市1村に水道用水の供給を行っております用水供給事業につきましては、当初は関係市町村で構成する企業団により計画されましたが、多額の初期投資が見込まれたことなどから、県営による事業運営について地元から要望を受け、県が事業を行うことになったものでございます。
 しかしながら、用水供給事業についても、水源は県が管理し末端は市町村が管理するという事業形態のあり方が、水源から蛇口までの一体的な安全管理などの面で問題があること、また、状況的にも、安定した経営の維持により、当初懸念された巨額投資による経営圧迫という事態を既に脱していることから、県としては、現在の県営事業としての事業形態について見直すべき時期に来ており、関係市町村による企業団化などを含めた抜本的な検討が必要であると考えております。
 このため、用水供給事業についても、関係の2市1村と調整した結果、この10月に2市1村と企業局とで検討会を立ち上げ、具体的な検討を開始したところでございます。今後、関係の市や村との協議を精力的に重ね、用水供給事業についてもできるだけ早い時期に一定の結論を出したいと、このように考えております。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)水道管内の水圧を利用した発電というものはいろいろ課題があるようでありますが、ただ単に水道水というのは水を飲むだけじゃなくて、こうやって電気もつくることができるんだという一つの事例であります。実際、水道施設における取水、浄水、送水設備等の運転には多くの電力を必要とするわけであります。
 先ほどの岐阜県では、発電量75万キロワット時のうち13万キロワット時を施設内で使用し、残りの62万キロワット時は中部電力に売り、維持管理費などを除き年間340万円の収入を見込んでおります。
 また、水力発電は発電中にCO2を発生しないクリーンエネルギーであり、地球温暖化防止にも大いに効果的であります。
 また、事業移管につきましては、ただいま局長からも御答弁ありましたが、解決すべき課題はたくさんあると思います。しかしながら、そういった課題を乗り越えて、県営水道は将来的に近隣の市町へ移管を目指すということでございます。しかしながら、将来移管されるからといって、現状に甘んじることなく、さまざまな可能性に大いにチャレンジをしていただくことを要望して、次に参りたいと思います。
 有害野生鳥獣駆除についてお伺いいたします。
 さて、本年9月19日、衝撃的な出来事がありました。岐阜県高山市にある乗鞍スカイラインの畳平駐車場にツキノワグマが出没し、行楽客など9名が重軽傷を負いました。
 クマの生態系も変わりつつあります。かつては山の中をすみかとしていたクマですが、今では若い雌グマが集落の傍らで生活をしている、言うなれば人間を恐れない新世代グマであります。このクマたちは今のところ悪さをすることもなく過ごしているようですが、子グマを出産し、数がふえた場合どうなっていくのでありましょうか。先ほどの乗鞍の件とあわせて、明らかにクマの生息域は人里に接近をしております。観光立県長野としては人身事故を出さないことが重要であります。
 このように活動範囲を広げつつある新世代グマに対し、被害を最小限に食いとめるためどのような取り組みをお考えか。林務部長に伺います。
 次に、ニホンジカの被害対策についてお尋ねをいたします。
 ニホンジカの繁殖被害は遠い南信地方の話かと思っておりましたが、北信地方、例えば飯山市富倉地区でもニホンジカの交通事故が発生するなど、分布域は明らかに拡大をしております。さらに、昨今では亜高山帯にまでニホンジカが進出し、それにより貴重なお花畑が消失しているという話も聞きました。
 ニホンジカの被害はイノシシと似ており、個体数と被害量が比例することであります。すなわち、捕獲を進め、貴重な自然や農林業が被害を受けないよう取り組むことが重要ということです。しかしながら、こうした捕獲作業を支える猟友会の皆さんは高齢化とともに減少も著しく、また、そもそも趣味で狩猟を行っている皆さんの厚意、善意で成り立っているわけですから、過大な期待を望むことには限界があります。
 こうした中、本県と同じようにシカの被害に苦しむ北海道においては、従来の発想にとらわれず、効率的、効果的な捕獲方法が検討されているとお聞きします。10月25日付の毎日新聞によれば、道ではワーキンググループによる各種検討を既に始めており、最も有力な方策としてアメリカ・ミネソタ州などの保護区において行われている方策、具体的には、捕獲にかかわる専門家チームを設置し、保護区において夜間サイレンサーつきの銃による駆除を進め、大変な効果を上げているということでした。
 北信管内では、三つの森林セラピー基地を整備し、デスティネーションキャンペーンもにらみつつ、貴重な自然とともに、地域のさまざまな資源を活用した観光を進めつつあります。しかしながら、お花畑も消失するような状況となってしまうのは重大な問題であり、観光地としてのイメージダウンにつながります。
 そこで、本県においても、専門家チームを設置し、例えば自然公園など地域を限定して、アメリカで行われているように夜間サイレンサーつきの銃によってシカの捕獲を集中的、効率的に実施するというような抜本的な捕獲方法を検討したらどうかと考えます。
 お聞きするところによると、捕獲のための夜間の銃の使用は法律で規制されているわけでありますが、効率的なシカ捕獲のために必要な法改正なども国に働きかけるべき時期を迎えていると考えますが、いかがでしょうか。林務部長にお伺いをいたします。
      〔林務部長轟敏喜君登壇〕
◎林務部長(轟敏喜 君)まず、ツキノワグマの被害対策についてのお尋ねでございます。
 近年、御指摘のとおり、集落周辺を生息地とし、人を余り怖がらないツキノワグマ、いわゆる新世代のクマの存在が言われるようになってきております。その原因としましては、一つとして、燃料革命以降使われなくなった里山がツキノワグマの隠れ場所、生息地として良好な環境になってきたこと、二つ目として、耕作放棄地の増加と中山間地域における人の活動の低下、狩猟等の圧力の低下などによって集落の野生鳥獣に対する圧力が弱まってきたことが指摘されております。
 県では、これらの状況を受け、平成19年度からの第2期特定鳥獣保護管理計画では、山と里との境界を緩衝帯として整備しつつ、被害を防除し、狩猟を推進することにより、ツキノワグマと人との緊張感ある共存関係の再構築を図ることとしております。
 御指摘のありました乗鞍岳畳平で発生いたしました人身事故は、岐阜大学等の調査によりますと、夏から初秋にかけて高山帯に生息している普通の個体であることがわかっております。このような事故は県内の観光地でも発生する可能性もありますことから、県といたしましては被害を回避するための一層の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ニホンジカの効果的な捕獲対策についてのお尋ねでございます。
 ニホンジカの農林業被害の額は、平成20年度で7億円を超え、農林業被害額全体の4割を占める甚大なものとなっております。また一方、生息密度の急激な増加により、自然植生の消滅、森林の防災機能の低下、高山植物帯の破壊等の自然災害も発生しております。これらを受け、県の野生鳥獣被害対策本部では、平成22年度末までに生息数を半減させることを目指して捕獲を推進しているところであり、昨年度は、年間捕獲目標8,300頭に対し1万4,000頭を超える捕獲を達成し、また生息数の減少に重要な雌ジカの捕獲も初めて目標数を達成したところでございます。
 御指摘の亜高山帯のお花畑での被害については、南アルプスの稜線で発生している高山植物帯の破壊など、自然保護上も防災上も見過ごすことのできない問題となっておりますが、減少、高齢化の著しい現在の狩猟者の皆様にこのような山岳地帯での捕獲など新たな協力をいただくことには限界があると認識しております。
 お話のありましたアメリカでは、専門家集団による消音装置などをつけた小口径ライフルを用いた効果的な捕獲が進んでいると聞いております。しかし、特殊な捕獲方法であり、夜間発砲の危険性や専門家集団の育成等の多くの課題がありますので、まずは環境省等の関係機関や有識者と意見交換をしてまいりたいと考えております。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)次に、イノシシの害についてお伺いいたします。
 かつて、県内には、長大な猪垣を築き、集落を挙げてイノシシなどの野生鳥獣と戦った痕跡が残っているというお話を伺い、何かの参考になればと長野県史をひもといてみましたところ、興味深い記録が見つかりました。
 江戸時代、1700年代前半の享保12年4月のことです。飯山藩の蕨野村、今の飯山市太田地区の庄屋さんから、私どもの村は山村でイノシシ、シカが多く出没し、畑作物を荒らし困っております。銃弾を込めないおどし鉄砲を一丁、4月14日から11月末日まで拝借させていただきたいと役所に提出した、おどし鉄砲拝借証文の記録がありました。
 また、同様の史料が蓮村にもあり、飯山地域の山間部では当時既にイノシシ、シカなどによる獣害が頻発していたことがわかりました。
 そうした経緯を踏まえますと、現在のイノシシの分布拡大、被害拡大はむしろイノシシの再来とも言えます。
 実際、西日本を中心にイノシシによる農作物への被害が多く発生しており、佐賀県武雄市では、イノシシによる農作物の被害防止やイノシシ肉の特産化に取り組むため、そのものずばり、いのしし課が本年4月に設置されました。
 本県では、特定鳥獣保護管理計画(イノシシ)中の「長野県の状況」において、昭和後期から南部地域の里山を中心に農作物の掘り起こしや踏み荒らしなどの農業被害、キノコやタケノコの食害等の林業被害が発生していたが、平成に変わるころから農業被害が分布の拡大とともに急増し、現在ではニホンジカに次ぐ発生の加害獣となっていると記述されております。
 また、県下全域を対象地域とし、被害防除、捕獲、生息環境の整備を集落ぐるみで総合的に実施し、イノシシと人との緊張感あるすみ分けを図り、イノシシの地域個体群を安定的に維持しつつ農林業被害等の軽減を図るとしております。
 私の住んでいる飯水地方は豪雪地帯ということで、昔から足の短いイノシシは生息できないと言われておりました。しかし、最近になって東側の山沿いに姿が見られるようになり、ここ数年では西側にも出没し、米を初めとする農作物に被害を及ぼしております。
 私も、この秋に、猟友会員の方々に案内をしていただき、被害の現場を見てまいりました。田んぼの稲はきれいに倒されており、しかも穂先の実はすべてすかれており、一粒のもみも残っておりませんでした。その田んぼは稲作には決して適地とは言えない場所にありますが、山からの清らかな水で潤されるこの田んぼで、これからも安全でおいしいお米をつくりたいと語る農家の方に慰めの言葉をかけることができませんでした。
 しかし、地域関係者にお聞きしますと、ことしは、有害鳥獣、そしてイノシシによる農作物の被害額は少ないと言われる方もおり、いささか釈然としない感じをいたしております。
 そこで、農政部長にお伺いをいたします。
 平成20年度のイノシシによる農作物への被害は、県全体ではここ数年と比べて増加傾向にあるのか減少傾向にあるのか。また、地域ごとの被害額はどのように推移をしているのか。さらに、北信地方事務所管内の状況はどのようになっておりますでしょうか。お伺いをいたします。
      〔農政部長萩原正明君登壇〕
◎農政部長(萩原正明 君)イノシシによります農作物の被害状況についてのお尋ねでございますが、県全体におけます平成20年度のイノシシの農業被害額は1億6,300万余りでございまして、18年度の1億5,200万、19年度の1億6,800万と増加してきた被害額が、わずかではございますが減少している傾向でございます。
 地域別に見ますと、下伊那、長野、上伊那地域などで被害額が多くなっておりますが、20年度は、これらの従来から被害の多かった地域におきまして、各種防除対策等の実施によりまして被害が抑えられたものと考えております。
 その反面、今まで余りイノシシによる被害が見られなかった積雪地帯にも生息域が拡大してきておりまして、これらの地域では前年度よりも被害額が増加しております。
 なお、北信地方事務所管内におきましては、平成20年度の被害額は1,400万と前年度より200万円余り増加をし、被害は年々増加する傾向であります。
 以上でございます。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)ただいまの御答弁で、県全体としては、平成18、19年度とふえてきた被害は、20年度にはわずかであるが減少をしているということでありました。
 私が地元の農家等からお聞きしますと、稲や果樹といった換金作物については被害に遭った農家は比較的市役所などへ連絡をしているようであります。しかし、自家用の芋類などは仕方がないということで被害の連絡がなされないケースが多いと考えます。
 また、私の知り合いで、昨年度、イノシシの被害を受けた田んぼの耕作をことしはあきらめかけた方がおられます。それでもと思い、気を取り直し、頑張って、わずかばかりの稲が実ったところ、それもイノシシにやられてしまい、田んぼには大小のつめ跡が無残に残っておりました。しかし、その方は被害の連絡をどこへもされなかったようです。
 このように考えると、実際の被害は報告のあったものよりも量と金額ともにかなり多いのではないかと思います。
 次に、被害防除についてお伺いをいたします。
 被害の防除のためには捕獲と捕獲以外の方法があるとされております。
 林務部長にお伺いをいたします。
 特定鳥獣保護管理計画(イノシシ)中の「保護管理計画の目標」においては、科学的、計画的な保護管理によりイノシシと人との緊張感あるすみ分けを図り、イノシシの地域個体群を安定的に維持しつつ農林業被害等の軽減を図ることを定めております。そして、このために今期計画中にさまざまなモニタリングを行い、本計画を見直していくとされております。
 私も、イノシシを一頭残らず捕獲して、被害が県内で一つもないようにしてくださいと申し上げるつもりはありません。ですが、イノシシは、慎重で、わなやおりにかかりにくく、また非常に繁殖力が強く、少し手を緩めるとあっという間にふえてしまいます。特定鳥獣保護管理計画においては、「今期計画では当面、被害を減少させることに重点を置く」とされていますが、県では県内のイノシシの個体数の管理をどのように進めていくことが適当とお考えでしょうか。
 さて、狩猟者になると、まず、県で管轄している狩猟免許と警察で管轄している銃の所持許可の両方を取得しなければなりません。両方とも講習や試験を受け、適性、技能、知識を審査されます。特に、銃所持許可については、初心者講習を受けて試験に合格した後、射撃講習を受けます。射撃の試験合格後に許可申請をし許可を受けますが、許可がおりる前に自宅での銃を保管するロッカーなどの設備をしなければなりません。保管設備などの確認をした上で、許可がおりるからであります。ですから、狩猟免許、銃所持許可をとった段階で、銃器の購入も含め最低20万円以上の費用がかかります。その上で、毎年の狩猟者登録、狩猟税、猟友会費、ハンター保険等々5万円以上かかると思われます。そして、狩猟免許、銃の所持許可ともに3年ごとの更新を義務づけられており、そのたびにまた費用が発生をいたします。
 北信猟友会員の50%が60歳以上で、会員の減少と高齢化が進んでおり、猟期にイノシシを求めて山の中を歩くことも、おりやわなにイノシシがかかっているかを見て回るということも大変な仕事であります。ちなみに、おりは1台15万円、わなも2万円程度かかります。
 捕獲以外の被害防除対策としては、電気さくの設置や緩衝帯の設置などの方法があるとされております。しかし、これも決して容易なことではなく、夏には数回の下草刈りを行い、秋には枯れ枝などがプラス線について漏電をしないように管理することが必要です。また、緩衝帯を設置しても、電気さくと同じように毎年下草刈りが必要です。
 以上のことを踏まえると、二つの問題点があると思います。
 一つ目は、新たな狩猟者をどのように育成するかということです。高齢化が進み、年々会員が減少している中で猟友会員の皆さんの協力を得るには、例えば狩猟税の見直しや費用負担の軽減、駆除出役の際の報奨、捕獲要件の緩和、市町村の嘱託職員として協力してもらうなどのことが考えられますが、いかがでしょうか。
 本来、狩猟は個人の趣味ではないかと思いますが、公のために御協力くださる狩猟者をどのようにして育成されるのか。お聞かせ願います。
 二つ目には、捕獲や防除対策を講ずるには集落が一丸となっての協力体制が必要であると考えます。イノシシの被害の生じている地域などで、実際に地域ぐるみの対策をどのように進めていくのか。また、市町村、農業関係団体、猟友会などの組織同士の広域的な連携強化が不可欠と思いますが、どのように取り組むのか。お考えをお聞かせ願います。
      〔林務部長轟敏喜君登壇〕
◎林務部長(轟敏喜 君)まず、イノシシの個体数管理についてのお尋ねでございます。
 イノシシについては、残念ながら、今のところ個体数を推定する実用的な方法がなく、また、ニホンジカのように被害軽減の目安になる生息密度等の知見もないため、目標とする個体数を設定することができない現状にあります。
 議員御指摘のとおり、イノシシは非常に高い繁殖力を持ち、近年では年間5,000頭以上、特に平成18年度には8,000頭を捕獲しているにもかかわらず被害の減少につながっておらず、被害の状況や分布の拡大から生息数は増加していると考えられます。
 しかし、イノシシは、ニホンジカと異なり、山のすべての植物を食い尽くすようなことはないため、人里や農地に出没し、被害を与える加害個体を捕獲することが最も効果的であります。そのため、本年度に策定しました特定鳥獣保護管理計画では、ニホンジカのような個体数の管理ではなく、農業被害の軽減に重点を置き、集落ぐるみの総合的な被害防除と被害地周辺での被害発生後速やかに行う加害個体捕獲により被害対策を進めることとしております。
 次に、捕獲対策のための猟友会員への支援策や狩猟者の育成についてのお尋ねでございます。
 初めに、各種の支援策についてでございますが、狩猟税の見直しにつきましては、狩猟税は地方税法により全国一律に金額が設定されておりまして、天災等の特別な理由以外は減免することは困難であります。しかし、費用負担の軽減につきましては、現在は狩猟免許取得経費や保険料等の支援を一部の市町村で実施しておりして、県といたしましてもこれらの支援を今後検討する必要があると、そう考えております。
 捕獲に従事する際の報奨につきましては、複数の市町村が連携して行う広域捕獲に伴う実施経費に対し、市町村と協力し、現在支援を行っております。
 また、捕獲要件の緩和につきましては、本年度、イノシシとニホンジカの狩猟について、わなに限り狩猟期間の延長を行うとともに、新たにくくりわなの径の規制を解除したところでございます。
 市町村の嘱託員としての協力につきましては、鳥獣被害防止特別措置法の制定によりまして市町村長が対象鳥獣捕獲員を任用する制度が設けられましたので、この制度を活用した新たな捕獲対策が考えられるところでございます。
 次に、狩猟者の育成についてですが、狩猟者は捕獲対策の主たる担い手であり、狩猟者の育成確保は野生鳥獣対策を進める上で重要な課題であります。このため、県といたしましては、本年度、新たに狩猟の役割等を広く県民の皆様に理解していただくためのシンポジウムを開催するほか、市町村と猟友会が協力して実施する狩猟者確保のための講習会などへの支援を行っております。今後とも、引き続き市町村や猟友会等と連携しながら、経費負担の軽減等、狩猟者への支援を通じて捕獲対策に協力いただける狩猟者の育成確保に努めてまいります。
 野生鳥獣被害に対して地域ぐるみの対策をどのように進めていくかとのお尋ねでございます。
 県といたしましては、被害集落の状況に合った、その集落でできる対策を住民の皆様が主体的に取り組むことが継続的な被害対策につながるものと考えております。このため、現地機関に設置した被害対策チームが集落の体制整備を図るとともに、防護さくの設置や緩衝帯の整備、その維持管理の方法等、県の試験研究機関等の専門家の意見を聞きながら支援を実施しております。
 また、狩猟者を核に、被害農家等が集落ぐるみでイノシシ等の捕獲を進める集落自衛団の組織化へも支援を行っております。
 野生鳥獣の被害対策には、このような集落ぐるみの地道で継続的な取り組みが重要ですので、より効果が上がるよう関係機関と連携して進めてまいります。
 次に、市町村等の広域的な連携強化についてのお尋ねです。
 野生鳥獣は広域で移動するため、議員御指摘のとおり、複数の市町村等の関係機関・団体が連携して取り組むことは重要なことと認識しております。このため、地方事務所ごとに、市町村、被害対策チーム、農業関係団体及び猟友会等で構成する地区鳥獣保護管理対策協議会の活動を通じて情報交換や体制づくり等を進めております。
 野生鳥獣対策を進める上で広域連携の強化は不可欠なことですので、引き続き対策協議会の機能の強化を図りながら、関係機関が一丸となって野生鳥獣に負けない集落づくりを進めてまいりたいと、そう考えております。
 以上でございます。
      〔23番宮本衡司君登壇〕
◆23番(宮本衡司 君)政権がかわりまして、国の予算の無駄を洗い出すという目的から行政刷新会議の事業仕分けなるものが行われました。検討の中で、里山エリア再生交付金が廃止と整理されましたが、この事業は、長野県の間伐を進める造林予算の過半を占めるなど根幹的な事業であり、こうした事業が廃止されると、地域の森林整備が集落を挙げて進みつつある中、極めて遺憾であり、地球温暖化防止吸収源対策の推進にも大きな支障となります。
 また、この事業仕分けの対象事業には、お隣の中野市で実施したエノキ液体種菌接種施設の整備を行った森林・林業・木材産業づくり交付金や、市町村においてクマ、イノシシなどの捕獲おり、電気さくの設置などを行う鳥獣被害防止総合対策事業など、地域の森林・林業施策の推進に根幹的に係る事業が含まれており、まことに残念であります。鳩山新政権は、無駄と将来に向けての投資の仕分け方を知らないようであります。
 クマ、ニホンジカ、イノシシを例にとって野生鳥獣被害対策についてお伺いをしてきましたが、私も被害対策にはこれといった決定打はなく、特効薬もないと思います。でありますから、可能な方策をいろいろと組み合わせて行うしかないと思うわけであります。どこの自治体も対応に苦慮をしているのではないかと思いますが、早目に効果的な対策を講じないと今後被害はますます増加すると考えられます。
 県の野生鳥獣被害対策本部長の腰原副知事に御所見をお伺いし、一切の質問を終わります。
      〔副知事腰原愛正君登壇〕
◎副知事(腰原愛正 君)野生鳥獣被害対策は、県政の大変重要な課題であるというぐあいに認識をいたしているところでございます。議員、さまざまな角度からこの問題についてきょうは御質問をいただきました。かなりあちこち詳細に調査をされたんだなと、そんな思いがいたしました。
 議員御指摘のとおり、この対策につきましては粘り強い対応が必要ではないかと。なかなか即効性のある特効薬というのがないわけでございます。ちなみに、信州大学の泉山教授がこういうことをおっしゃっておりました。狩猟期になると、その当日くらいから、テレメーターで調査したところ、シカは大移動するようですね。保護区に入っちゃうと、こういうデータが出ているようでございまして、それ一つとりましてもなかなか追いかけっこでございまして、これは粘り強くと、そういう意味でございます。
 そこで、第1として、先ほど来、林務部長、あるいは農政部長から説明がございましたように、県下には約1,300の被害集落があるわけでございます。これに対しまして、各地方事務所に設置されました被害対策チームがそれぞれの集落に訪れまして、集落の体制づくりや学習会の開催、あるいは防除対策の実施等を今ひざを突き合わせてやっているわけでございます。今年度末には約6割の770集落にそういった体制ができるのではないかということでございます。
 要は、野生鳥獣に負けない集落づくりということを、みんなで一緒になって対応するということをいかにつくり上げるかということがその主眼であるわけでございます。したがいまして、1,300まだ残っておりますので、これらの集落にも早くこういったチームが入れるような、そんな手だてを講じてまいりたいと考えている次第でございます。
 二つ目といたしましては、ふえ過ぎた個体調整、適正な生息数をどう確保するかということでございますが、御指摘にありましたように、ハンターの皆様方の大変な努力によるところが多いわけでございます。これも、諸費用等、実際ハンターの資格を取るには大変な費用がかかるわけでございますが、これらに対しまして一部市町村ではそれなりの助成が講じられております。県といたしましても、これらを見詰めながら、でき得ることをこれから検討してみたい、こんなふうに考えている次第であります。
 もう一つは、かなり高齢化いたしております。若者がハンターを志す、そういった知恵をこれから出していかなきゃいけないなと、こんなふうに思っております。
 第3として、実は、仕分け作業、今話題になっておりますが、昨年、防護さくの総延長が県下20市町村で168キロという大変な総延長を実績として残した国の鳥獣害防止総合対策事業、この財源の措置がどうなるかわからないということでございまして、これらはぜひ継続を願いたいと思っております。
 そのほか、ジビエ振興、これらもビジネスに乗るような手だてを講じるようこれから知恵を出してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(望月雄内 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。
 次会は、明3日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。
 本日は、これをもって延会いたします。
        午後4時24分延会