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平成25年6月定例会(第3号) 本文




2013.06.12 : 平成25年6月定例会(第3号) 本文


◯議長(棚本邦由君)これより本日の会議を開きます。
 直ちに日程に入ります。
 日程第一、知事提出議案、第七十二号議案ないし第八十四号議案及び承第一号議案を一括して議題といたします。
 これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての代表質問を行います。
 発言の通告により、土橋亨君に四十分の発言を許します。土橋亨君。
       (土橋 亨君登壇)(拍手)
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◯土橋 亨君 フォーラム未来の土橋亨です。会派を代表して、今議会への提出案件、並びに県政一般について質問いたします。
 まずもって、間もなく迎える富士山への吉報に対して、ともに喜びを分かち合いたいと存じます。横内知事を初め、関係者各位の永年の御尽力に心から感謝と敬意を表します。
 さて、知事は、暮らしやすさ日本一への最重要課題として、定住人口の確保、新産業の創出、甲府市中心部の再整備の三点を掲げ、全庁挙げて取り組まれています。
 私たちもまた、本県がきょうよりもあす、あすよりもさらにその未来が暮らしやすく、県民が幸せになるために日々調査を重ね、政策立案に努めてまいりました。
 今回も、暮らしやすさへのアプローチとして、本県に住んで東京圏に通う方策、新エネルギーによる新たな産業振興の可能性、世界文化遺産登録後の観光振興、次世代への県土整備、医療や教育、子育ての環境の充実、平穏な県民生活の確保等、さまざまな角度から御質問申し上げます。
 ところで、国が一方的に地方交付税等を削減して、職員給与の減額でそれを補えとの暴挙は、政府が地方行政と地方議会、ひいては地方自治を全くないがしろにしたものであり、言語道断であります。
 国と地方は上下関係にあるのではなく、まさに対等なパートナーシップの関係であると認識しています。
 安倍政権の、地方に対する考え方が如実にあらわれており、国と地方の信頼関係は地に落ちました。
 知事、そして棚本議長には、全国知事会や全国議長会を初め、あらゆる機会を通じて、地方自治への冒涜を厳しく指摘していただくことをお願いして、以下質問に入ります。
 初めに、リニア中央新幹線の開業に向けての取り組みについて伺います。
 県は、本年三月、リニアを活用した本県の望ましい将来像を描きながら、県内各地とのアクセスを初めとする基盤整備のあり方や、県全体の活性化施策の方向性を明らかにしたリニア活用基本構想を策定しました。
 一方、JR東海においては、本年の秋ごろに、これまで三キロメートル幅で示されていたルートの詳細や、直径五キロメートルの範囲で示されていた駅の詳細な位置を発表すると聞いています。
 リニア中央新幹線の開業に向けての準備が順調に進み、その実現が間近に迫ってきたと感じているところであります。
 先月、JR東海が開催した説明会において、効率性と機能性を追求したコンパクトなリニア新駅のイメージが発表されたところであります。
 リニア新駅は本県の新たな玄関口であり、山梨県を訪れる観光客が最初に目にする場所でありますので、大変重要な施設であります。
 リニア新駅をおりた人々に県内各地の観光地を訪れるための情報を提供する観光案内所や、速やかに目的地へ移動できるような乗りかえ所が必要です。また、周辺で人々が気軽に憩える公園などのアメニティー空間も必要です。
 このたび県が策定した基本構想には、こうした考え方が盛り込まれているところでありますが、今年度から二年かけてリニア駅周辺整備基本方針を策定するなど、より具体的な取り組みを進めると承知しております。
 そこでまず、リニア駅周辺整備基本方針においては、どのような検討を行っていくのか伺います。
 次に、リニア実験線の建設工事が平成二年に始まり、甲府盆地をリニアが走る姿を思い描いてから二十年以上がたちました。開業スケジュールが公表され、いよいよリニアが走る姿が見られると胸を躍らせた矢先、開業時には騒音対策のため、明かり区間ではコンクリート製の明かりフードを設置する必要があると聞きました。
 先日、知事が所信で述べられた都留市のリニア見学センターに展示される「リニアが走る未来の山梨」のジオラマも、コンクリートのフードに包まれたものになるのでしょうか。
 沿線住民のために騒音対策が必要なことは十分理解しておりますが、リニア中央新幹線の開業に向けてさまざまな協力をしてきた山梨県民が、そして何より、パンフレットのリニアの姿に夢を膨らませてきた子供たちが、リニア新幹線が甲府盆地を超高速で疾走する姿を見られるような施設整備が望まれます。
 そのためには、設置する明かりフードの透明化が必要と考えます。技術的に難しい点があるとは聞いていますが、明かりフードの透明化に向けて、どのように取り組むのか伺います。
 次に、JR中央線における早朝快速列車の導入について伺います。
 県では、中央線の高速化や利便性の向上を実現するため、中央東線高速化促進広域期成同盟会を設立し、沿線住民の機運の醸成を図るとともに、国やJR東日本に働きかけを行っています。
 私も何度かこの会に出席しましたが、高速化を実現していくためには、三鷹─立川間の複々線化や京葉線の延伸、高尾─塩山間の大規模な線形改良等が必要であり、巨額の工事費を伴うことから、大幅な時間短縮の早期実現は、かなり困難なものと認識しております。
 一方、知事は二月議会において、本県が東京圏への通勤通学圏となるような利便性の向上策に言及されましたが、私もこのことは、定住人口の確保に向け、かなり有効な方策であると考えています。
 もともと働く場は東京圏に多いことから、山梨から通って東京で働いてもらいながら、生活の場は、この山梨としていただくことが重要であります。
 本県は自然環境に恵まれ、地価が安く、健康長寿日本一など、生活面での利点は大変多い地域であり、甲府周辺であれば、東京圏より広い敷地に家が建てられる上に、東京まで早朝の快速電車で通えるとなると、定住人口の確保に向け、一歩も二歩も前進できます。
 私はまた、この二月まで山梨県青少年問題協議会の委員として、高校の先生やPTA役員の方々と親しく話をさせていただきましたが、その中では、高校生を持つ親の方々から、JR中央線を使って子供を都内の大学に通わせたいという話をよく聞きました。
 こうしたことを実現するには、私は、甲府駅を六時台に発車して、八王子に七時半に着き、八時半には新宿駅に到着できるような、通勤通学を目的とした早朝の快速列車が望ましいと考えます。
 中央線沿線は大学も多く、七時半に八王子に着くのであれば、沿線の大学には十分に通うことができ、下宿代等への親の負担も減らすことができます。
 また、八時半に新宿に到着できるのであれば、周辺の企業への通勤や午前の会議等への参加も十分に可能であると考えます。
 そこで、JR甲府駅から東京方面への早朝快速列車の導入の有効性についてのお考えと、今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、重度心身障害者医療費助成事業についてであります。
 重度心身障害者医療費助成事業は、医療の重要度が高い障害者の健康を守り、地域で安心して暮らしていく上で大きな役割を担っています。特に、平成二十年四月から窓口無料方式を導入したことで、受給者の利便性は高まり、障害者福祉の向上に大きく寄与しているところであります。
 その一方で、窓口無料化を実施することにより国から課せられる国民健康保険の国庫負担金等の減額措置、いわゆるペナルティーに要する経費が年々増加していることから、これを回避するために、県では助成方法の見直しを行うとのことですが、見直しに当たっては、これまで窓口でお金を支払わず医療を受けることができていた受給者の利便性を著しく損なわないように、十分配慮する必要があります。
 県が検討している自動還付方式への移行については、現在の窓口無料方式とは大きく異なる仕組みをつくり上げること。また、全国に例を見ない事前貸付制度を導入していくことから、関係機関との調整に相当の時間を要するのではないかと考えます。
 平成二十六年十一月の制度移行まで、残すところ一年四カ月と時間が限られていますが、移行に向けた現在の進捗状況と、今後の進め方についてお伺いします。
 次に、制度見直しの周知についてですが、県では、障害者団体の会合などに出向き、説明をしたり、各地域での説明会やリーフレットの配布などにより周知を図るとしていますが、二万八千人を超える受給者への周知を徹底することは、容易なことではありません。
 また、受給者が戸惑うことなく医療を受けるためには、本人への周知とあわせて、医療関係者への周知も欠かすことができませんが、県内には、調剤薬局なども含めると、千五百を超える医療機関等があります。
 円滑に自動還付方式に移行するためには、見直しについて、受給者や医療機関等に理解を深めてもらうことが大切ではないかと考えますが、どのように周知を進めていくのか伺います。
 次に、やまなしエネルギー地産地消推進戦略、エネルギーの地産地消に向けたロードマップについて伺います。
 県は、おおむね二〇五〇年ごろを目途にエネルギーの地産地消を目指すこととし、今年度新設されたエネルギー局を中心に、早速その実現への工程表となるロードマップを作成して、積極的に取り組みをスタートしました。
 最終目標年が遠く三十七年後ですから、二〇一五年度を短期目標、二〇二〇年度を中期目標とされたことは、千里の道も一歩から、壮大な目標を身近なものにする設定と理解するところであります。
 そこでまず、燃料電池等に期待される役割について伺います。
 県内では、山梨大学が国内外の大学や企業と連携して、燃料電池に関する世界最高水準の研究開発に取り組んでおりますが、ロードマップの中にも、本県が導入を促進する四つのクリーンエネルギーの一つとして、太陽光発電や小水力発電などとともに、燃料電池が掲げられております。
 しかし、太陽光発電などが、短期、中期、長期にわたる具体的な数値目標を掲げているのに対して、燃料電池についての目標はなく、エネルギーの地産地消を進める上でどのような役割を担うのか、いま一つわかりにくい感じがしております。
 また先月、県は燃料電池技術を活用した天然ガス発電システムの実証実験の必要性について、国に提案しました。
 ロードマップにも、エネルギーの地産地消に必要な関連技術の実証実験の促進ということが掲げられ、私も、エネルギー自給型社会の構築に向けた先進的な取り組みと期待しておりますが、これに代表されるように熱と電気をあわせて生み出すコージェネレーション、あるいはトリジェネレーションについても、どのような役割になるのか明確にすることが必要と思います。
 そこで、エネルギーの地産地消の実現に向けて、燃料電池やコージェネレーション等に期待される役割はどのようなものかを伺います。
 次に、省エネルギー対策であります。
 ロードマップにおいて、クリーンエネルギーの導入促進と省エネルギー対策は車の両輪と位置づけられておりますが、その割には省エネに対する支援策が少ないと感じます。
 もちろん、省エネ県民運動であるとか、これまでも進めてきた環境家計簿や緑のカーテンなどの対策もありますが、普及啓発にとまっているのではないかといった印象です。
 県は、さきの震災のあった二〇一一年には、民間事業所の省エネ促進のための設備投資に大きな支援をされましたが、このところの補助事業は、住宅用太陽光パネル設置への補助金のみであります。それ自体はさらに推進していただきたいのですが、この間、県民や事業者の省エネに対する意識は格段に高まってきました。この機運を逃さず、本県の電力需要量を削減するためにも、二重サッシや断熱材の導入、照明や冷暖房機器の高効率化など、県民や企業が行う省エネ設備の整備に対する支援メニューを充実させる必要があるのではないでしょうか。
 省エネ促進に対する知事の御所見を伺います。
 次に、燃料電池自動車の市場投入に向けた水素ステーションの整備について伺います。
 水素を燃料とし、走行時には二酸化炭素を一切排出しないことから、究極のエコカーと呼ばれる燃料電池自動車の市場投入まで二年となりました。
 国内外の自動車メーカーでは、本年一月にトヨタ自動車とドイツのBMW社が、燃料電池システムの共同開発に関する提携を締結したのに続き、二月には日産自動車もドイツのダイムラー、アメリカのフォード・モーターと共同開発に合意するなど、開発競争が本格化しており、また、燃料電池自動車の普及に不可欠な水素ステーションにつきましても、国が平成二十五年度当初予算において、四十六億円もの補助金を初めて計上するとともに、機器の保安や消防などに関する規制を前倒しで見直すなど、早期の自立的な市場の確立を目指し、本格的な取り組みを始動させております。
 本県においても、こうした動きに先んじて、一昨年度から、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の地域水素供給インフラ技術・社会実証に参画し、燃料電池自動車や水素ステーションの運用を行い、その諸課題を明らかにするとともに、関心の高い県民の皆さんに燃料電池自動車をモニター貸与し、利便性や受容性などを調査する社会実証に貢献してきました。
 また、大手自動車メーカーなども参画して研究開発が進められている山梨大学の燃料電池ナノ材料研究センターの整備に当たりましても、知事公舎の敷地を無償提供するなど、燃料電池という言葉が、我々にいまだなじみのない時期から、本県は、まさに全国に先駆けて、その実用化と普及に向けた取り組みを進めてきました。
 こうした中、いよいよ燃料電池自動車の一般販売が目前に迫っているわけでありますから、その運行に不可欠な水素ステーションについては、平成二十七年までに、東京、愛知、大阪そして福岡の四大都市圏を中心に百カ所の整備が行われると仄聞しております。
 大都市圏であれば、燃料電池自動車のユーザーも一定数に達し、それに応じて水素需要も見込めることから、水素ステーションの経営も可能と考えますが、本県で同様の期待は困難であります。
 そこで、県は水素ステーションの整備にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、中小企業の海外展開支援について伺います。
 日銀が先月二十三日に発表した五月の金融経済月報によると、国内景気の基調判断は持ち直しつつあると上方修正されました。五カ月連続の上方修正となり、これは十一年ぶりとのことです。
 しかし、それに先立って日銀甲府支店が発表した県金融経済概観では、総括判断こそ上方修正されたものの、業種別の状況を五段階で示す天気マークは、一般機械と電気機械、輸送機械が五段階中、下から二番目の「小雨」、電子部品・デバイスと宝飾は最低の「雨」とのことであります。
 さまざまな業種の経営者の皆様と話す限りでは、先行きに不安を感じている方が多く、メディアの流す景気のよい話は随分遠くの声ではないかと思わざるを得ません。
 県内の中小企業の経営者にとっては、まず足元をしっかり見つめ、経営体質の強化を図ることが最優先であると思いますが、あわせて、海外情報にも十分耳を傾け、広角レンズでグローバルな視野に立つことも大切であると思います。
 これまで、輸出というと大企業がするものというイメージがありますが、甲府商工会議所が昨年、会員企業を対象に行った調査結果では、既に三割以上が「海外と取引している」と回答しており、そのうち従業員規模が五十名以下の企業が三割を超え、企業の規模にかかわらず輸出への関心が高まっています。しかしながら、実際の海外展開に対しては、不安を感じている企業が多いことも事実であります。
 先ごろ、ジェトロ山梨にお邪魔し、高野光一所長からお話を伺いました。県内の企業の皆さんの輸出への関心が高まっている中で、中小企業の海外展開の支援を行うジェトロの三十七番目の地方事務所が本県に開設されたことは絶妙のタイミングだと感じております。
 高野所長はベトナムに五年間駐在した経験を持ち、今後、東南アジアは、県内企業が進出するターゲットとして有望とのお話でした。また、県内企業の東南アジアへのアプローチの方法もアドバイスしてくださると、心強いお言葉を聞かせていただきました。
 五千社を超える企業が登録しているやまなし産業支援機構とジェトロ山梨のコラボレーションは、必ずや新しい産業の芽を大きく育てる原動力になり得るものと考えます。
 今後、県内の中小企業の海外展開をどのように支援していかれるのか、御所見を伺います。
 次に、富士山の世界文化遺産登録を見据えた観光振興に向けた推進体制について伺います。
 「富士山は日本の象徴としての存在を超えて、世界的な存在になっている」そんな世界文化遺産登録勧告の報道が、全国のトップニュースで飛び込んできたのが、去る四月三十日の深夜でした。それから、富士山や富士山周辺地域の観光状況は一変しました。
 マスコミがこぞって富士山特集を始め、河口湖のホテルや旅館などに聞くと、五月の宿泊客は同時期での過去最大級だったとのことであり、河口湖駅前の観光案内所に並ぶ外国人旅行者も、急激に増加したとも聞いています。
 また、先月公表された観光統計調査によると、昨年の入り込み観光客数は、東日本大震災前の平成二十二年に比べて全県で四・八%の伸びとなっており、圏域別に見ても、峡中の約一〇%を筆頭に、全てのエリアで震災前の数字を上回っております。
 さらに、国の成長戦略においても、観光・地域活性化を大きなポイントに位置づけて、アジアからの訪日ビザの取得を容易にする。あるいは休暇取得の分散化などローカルホリデー制度の検討などを行うこととしております。
 そして、円安の影響もあり、日本政府観光局の発表によると、ことし一月から四月までの訪日外国人数は約三百十八万人で、前年同期比一八%増となってきており、年間一千万人の目標達成の可能性が高まっています。
 このような社会経済情勢の中で、私は、これからの山梨経済を牽引する柱の一つは、間違いなく観光であると考えます。
 富士山の世界文化遺産登録は、県内観光の足場を固める絶好のチャンスです。まずは富士山との関連性のPRや富士山エリアの観光施設等と連携を図って集客を図るとともに、各地域みずからが、自然景観や特産品などの資源を観光者の視点に立って磨き上げ、また来てみたいと思うような観光地づくりを進めていくことが大切だと考えております。
 そのためには行政のバックアップも欠かせません。観光部が組織されて十年、当初の三課から四課となり、観光推進機構も設立され、組織の充実を図る中で、観光立県やまなしの一層の飛躍のため、他の産業振興とリンクさせながら、他県をしのぐ観光推進に取り組まれてきたことは大いに評価するところであります。今後も観光行政のエキスパートとして力強く牽引してほしいと思います。
 一方で、一昨年、おもてなし観光振興条例が制定され、そしてこのたび富士山の世界遺産登録が成就した後には、条例の浸透と世界遺産の余慶を全県下にもたらすことが今まで以上に強く求められます。
 県民一人一人のおもてなしの心の醸成や、県下各地域での観光インフラ整備等、観光部だけでは対応が困難な課題がたくさんあると思います。
 富士山の世界遺産登録を見据えた観光振興に向けた推進体制について、知事の御所見を伺います。
 次に、甲府駅南口周辺地域の再整備についてお尋ねいたします。
 甲府駅北口については、昨年、県立図書館、ことしに入り、甲州夢小路がオープンするとともに、ソライチなどのイベントも数多く企画・開催され、多くの人が集まる学習、文化の拠点となりつつあります。
 また、県庁では、防災新館一階、やまなしプラザのオープンや、県指定有形文化財である別館のリニューアルなど、県民に身近で利用しやすい県庁の整備が進んでいます。
 そうした中、現在、再整備計画が進められている甲府駅南口については、県都の玄関口、交通の結節点、商業・業務の拠点としてふさわしい地域となることが望まれており、それぞれの特徴を最大限生かせるような整備を進めていただき、その相乗効果によって、よりにぎわいにあふれた駅周辺地域が形成されることを期待するところであります。
 さて、本年三月末には、県と市が共同で甲府駅南口駅前広場と平和通りの実施計画を策定するとともに、県と市の間で事業実施に関する協定が締結され、この地域における事業内容が明らかにされたところであります。
 この実施計画では、タクシープールを駅前広場の外に確保するとともに、一般交通と公共交通を分離したロータリーや、イベントなどにも使えそうな広場が設けられることとされており、機能性にすぐれたレイアウトになったと評価しております。
 しかしながら、一般車での乗りおりをする場所がこれまでより少し遠くなることなど、利用者の理解と協力が求められるような点も見られます。計画されている内容を丁寧に伝え、できるだけ県民の意見を計画に反映していくことが必要だと思います。
 また、機会あるごとに申し上げておりますが、障害者や高齢者にとっても使いやすい空間となるよう、ユニバーサルデザインの考えを取り入れた設計にすることを重ねて要望させていただきます。
 さて、本年度は、さらに正面広場やバス乗り場の屋根などのデザインについて、詳細な設計に入ると伺っております。甲府を訪れる人をおもてなしの心を持って迎えるとともに、ここで生活する人にも憩いの空間となるよう検討を進めていただきたいと思います。
 このような中、先ごろ、甲府商工会議所から、駅前広場について具体的なデザインの提案がなされました。駅ビルに沿った大ひさし屋根の設置など、何度も検討を重ねられた上での提案だったのではないかと敬意を表するものであります。
 県都の顔となる場所だけに、このほかにも多くの方が興味を持ち、さまざまなデザインを思い描いているものと推察するところであります。
 そこで、今後、進められるデザインなどの詳細な設計について、さまざまな意見の調整や県民のコンセンサスを得る中で、どのように進めていくのか、御所見をお伺いします。
 次に、新山梨環状道路東部区間について伺います。
 新山梨環状道路は、甲府都市圏の慢性的な渋滞の緩和、災害時の円滑な救援活動を支える道路網の整備、リニア新時代を見据えたネットワークの構築などを目的に整備が進められており、これまでに西部と南部の二区間については供用されているところであります。
 これらの区間の完成により、周辺道路の渋滞緩和や地域間の連携強化などについてすぐれた効果を発揮しており、これまでの県の取り組みを評価するところであります。
 しかしながら、環状道路の本来の目的は、通過交通を迂回させ、流入交通を分散することで、都市圏内の一般道路の安全性・快適性を確保することにあり、東西南北の四区間が全てつながることで、初めて環としての環状の効果を最大限に発揮できるものであり、残りの東部区間、北部区間の早期の完成を強く望むものであります。
 特に、県が整備する東部区間周辺の地域では、朝夕の通勤時やヴァンフォーレ甲府のホームゲーム開催時に渋滞が発生し、この渋滞を避けるために地域の生活道路にまで多くの車が進入してくる状況は、住民にとって生活環境をも脅かす大きな問題であり、早期に解消を図る必要があります。
 今般、都市計画及び環境影響評価の諸手続を経て、本年三月には都市計画決定がされ、先月成立した国の平成二十五年度予算にも、東部区間が新規事業として採択されており、環状道路の実現に向け、大きく前進したものと大変喜んでいるところであります。
 今後、建設地の地域住民の皆様への細かな説明会等に入っていくものと思われますが、盛り土構造となる区間も多く見られています。地域分断を懸念する声もあり、計画に当たっては、これらにできるだけの配慮を願うものであります。
 そこで、県が整備を行う新山梨環状道路東部区間の現在の道路計画の状況と今後の取り組みなどについて伺います。
 次に、新たなやまなしの教育振興プランについてであります。
 現行のやまなしの教育振興プランは、平成二十一年度から今年度までの五年間を計画期間とする、本県教育を推進するための基本計画であり、「ふるさとを愛し、世界に通じる人づくり」を教育の基本理念として、掲げる主要施策は、体系的なキャリア教育の推進を初め、地域全体で取り組む教育の推進、確かな学力の育成、豊かな心の育成、健やかな体の育成、文化の振興など教育・文化全般にわたっており、県民生活に密接にかかわる内容となっております。
 言いかえれば、暮らしやすさ日本一を目指す上で、重要な役割を担ってきたわけであります。
 一方、昨年実施された県民意識調査によると、県民の教育・文化に関する満足度は、他の分野に比べて低く、県民は比較的厳しい評価をしております。
 このことで、私が地域の住民の皆様との交流の中で、つくづく感じることは、多くの方が子供の進学や就職を心配し、家庭でできることは何か、地域ではどのような協力ができるのかと、皆さんが心を砕いているところです。
 県民意識調査における満足度の低さは、逆に捉えると、多くの県民が、学校教育を初めとする教育行政に、強い関心と大きな期待を抱いていることのあらわれでもあると考えられるわけですが、そこでまず、本年度をもって計画期間が終了する現行のやまなしの教育振興プランにおいて、どのような成果が上げられたのかを伺うわけですが、来年の三月三十一日に現行プランが終了して、四月一日からは直ちに新しいプランに移行しなければなりません。そのために、現時点における多くの課題に対して、確実な検証を行い、五年間の総括として、新プランに生かすことが必要であります。
 この間、本県を含めて全国的に深刻な問題となった、いじめ、不登校、体罰等についても、このプランの実践の中でどう解決、対応を図ってこられたのかを含めて、お伺いいたします。
 また、明年度からスタートする新しいプランの策定に向けて策定委員会が組織され、第一回の委員会が開かれたと聞きます。
 本県の社会情勢を的確に捉えつつ、県民の声や思いをできるだけ反映するようなプランとしていただきたいと考えますが、どのように策定委員を人選して、どういったコンセプトで策定されるのか、あわせて御所見を伺います。
 次に、県立文化施設の子供の観覧料の無料化について伺います。
 本県において、全国で初めての通年開催となる国民文化祭が盛り上がりを見せており、県内各地において、多彩なイベントが繰り広げられています。
 そして、長年取り組んできた富士山の世界文化遺産登録も、いよいよカウントダウンを迎えており、登録後は、国内外がさまざまな富士山企画であふれ返ることも予想されています。
 また、この秋には、ミレーの美術館として全国に親しまれてきた県立美術館が、三十五周年の節目を迎える予定であり、まさに、ことしは本県にとって県政史に残る文化・芸術の年と言えます。
 私は、子供たちが豊かな心を育んでいくためには、幼いころから本物の芸術作品に接することや、ふるさとの文化を理解し、誇りに思うことが大切だと考えています。次代を担う多くの小中学生が文化に親しみ、感性を磨いていくためには、本県の文化が脚光を浴びていることしを契機として、県立美術館、博物館、考古博物館、文学館の子供の観覧料の無料化を図り、子供たちが文化に親しみやすい環境を提供していくことが大切ではないかと考えます。
 先日視察した北杜市の平山郁夫シルクロード美術館では既に、今まで申し上げた趣旨で、小中学生の観覧料を無料にしています。県立文化施設もこの無料化を直ちに導入して、山梨の子供は日本一文化・芸術に近いところで育まれているという状況をつくり上げていただきたいと思います。
 このことは、暮らしやすさ日本一へのステップであり、国民文化祭を通年開催した意義と通ずるとともに、富士山世界文化遺産登録を記念する取り組みとして実施していただきたいと考えます。
 そこで、県立文化施設の子供の観覧料の無料化について御所見を伺います。
 最後に、県内で多発している拳銃発砲事件に関して伺います。
 県内では、昨今、暴力団によると見られる発砲事件の連続発生が報道され、憂慮すべき事態となっております。昨年十一月四日、甲府市内の荒川河川敷で暴力団幹部に向けて拳銃が発射され、暴力団幹部一名が負傷する事件があり、それ以降も暴力団関係の事務所や住宅に向けて拳銃を発砲する事案が相次いで発生しており、県民生活に多大な影響を与えております。このような事件の発生に対し、県警察が日夜、県民の安全確保と不安を解消するために厳重な警戒活動を行う一方で、犯人の逮捕に向けて取り組んでいることは承知しておりますが、県民からすれば、大いに不安を感じているところであります。
 報道によりますと、一昨年の五月に指定暴力団稲川会山梨一家が分裂し、山梨侠友會なる組織を立ち上げたことに端を発し、対立を続けているとのことであります。そこでまず、分裂以降における発砲事件の発生状況について伺います。
 また、県警察では、発砲事件を含む対立抗争と見られる事件の発生に伴い、暴力団事務所や関係者宅などに対する一斉捜査や、発砲事件の発生直後、拳銃を発射した暴力団幹部二名を現行犯逮捕したことも承知していますが、一連の事件の検挙状況と県警察としての現在の取り組み状況について伺います。
 さきにも述べましたが、富士山の世界遺産登録により、本県を訪れる観光客は今後、大幅な増加が見込まれるところであります。そうした矢先に、今後さらに発砲事件など暴力団の対立抗争が続き、県内外に報道されますと、山梨は危険という印象を与え、山梨のイメージダウンにもつながりかねません。
 そのようなことがないようにするために、今後も県警察の取り組みに大いに期待するところであります。
 そこで、今後の県警察が進めていく暴力団対策についてお伺いします。
 また、暴力団対策については警察に全てを頼るのでなく、私たち県民一人一人が、自分たちの住む地域の安全を守るために真剣に取り組んでいくことが重要だと感じております。そこで、地域住民が参加した暴力団排除活動への取り組みについてもお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終了します。御清聴ありがとうございました。
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◯議長(棚本邦由君)土橋亨君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
       (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)土橋議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、フォーラム未来を代表されまして、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 間近に迫る富士山世界文化遺産登録実現への期待と喜びに言及をされると同時に、国と地方は対等なパートナーシップの関係にあるべきだという御見識を示されたところであります。
 今後とも、真に国と地方が対等な関係になるように、県議会とともに国に訴えてまいりますので、御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
 初めに、リニア中央新幹線の開業に向けての取り組みについてであります。
 まず、リニア駅周辺整備基本方針について、御質問がございました。
 本年三月に策定したリニア活用基本構想におきましては、駅施設を魅力的なものにするよう整備をすると同時に、リニア開業の効果を県全体で享受できるように、新駅周辺については交通結節機能を中心とした整備を進めるということにしております。
 今後は、リニアの新駅として備えるべき施設の内容について、JR東海と協議を進めると同時に、県内の観光情報を提供する観光案内施設や特産品の展示販売施設など、駅施設のうちで地元負担で整備する施設の内容につきまして、検討を進めていきたいと考えております。
 また、新駅の周辺につきましては、駅前広場あるいはバスターミナル、さらには駐車場といった交通結節点としての必要な機能、またその規模をどのぐらいにすべきかといったことについて検討いたしまして、駅周辺地区の具体的な土地利用計画や、幹線道路への交通アクセスに関する基盤整備の方針について、検討を進めていくことにしております。
 次に、明かり区間に設置をするフードの透明化に向けての取り組みについてでございますが、甲府盆地を疾走するリニア中央新幹線の勇姿を、県民を初め多くの皆様に見ていただくと同時に、乗客の皆さんにも車窓から本県の豊かな自然を眺めていただくためにも、また景観への配慮ということも必要でありますので、コンクリート製ではなくて、透明のフードを設置することは必要だというふうに考えているところであります。
 JR東海では、現段階におきまして、フードを透明化するための技術的な見通しは立っていないとしておりますけれども、我が国のあらゆる技術を結集して、透明化のための研究開発を継続していくように、JR東海に強く要請してまいりたいと考えております。
 次に、JR中央線における早朝の快速列車の導入についての御質問でございます。
 議員の御指摘のように、早朝に甲府から都内に向かう快速列車の運行というものは、本県から八王子や新宿方面への通勤通学者の利便性を高めまして、豊かな自然に恵まれた山梨で暮らしながら、東京圏での就業や就学が容易になるということから、若者の県外流出を抑えるという意味でも、効果が期待できるものと考えております。
 また、こういう列車の運行によりまして、山梨が東京の通勤通学圏であるということを首都圏住民により強くアピールすることもでき、本県への移住の促進を図る上でも、大変重要と考えております。
 このため、現在、朝八時台に新宿駅に到着している大月駅発の通勤用快速列車がございますが、これを甲府駅まで延伸するよう、JR東日本に申し入れているところであります。
 今後、県におきましては、県民にとって使いやすい運行ダイヤとするにはどのような方法があるか検討する一方、JR東日本におきましては、運行体制や技術的課題の解消について検討するよう要請するなど、甲府駅への延伸の可能性について協議をしてまいりたいと考えております。
 次に、重度心身障害者医療費助成事業についての御質問にお答えをいたします。
 まず、移行に向けた現在の進捗状況と、今後の進め方についてという御質問でありますが、これまで市長会や町村会、医療関係団体の合意をいただきまして、自動還付方式への円滑な移行に向けまして、早急に取りかかる必要がある国民健康保険団体連合会の医療費集計支払いシステムの構築に係る補正予算案を本議会に提出したところであります。
 また、今回の見直しは、受給者や関係者にとって大きな制度変更になりますので、実務を担う医療関係者の意見を聞き、課題を整理する一方で、市町村職員の協力を得ながら、自動還付方式や貸付制度の詳細を検討しているところでありまして、明年の二月議会には、必要な予算案と条例案を一括して御審議いただけるように準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、受給者等への周知についてでございますが、これまでも機会を捉えて丁寧に説明してまいりましたけれども、八月上旬には県内の六カ所で説明会を開催するほか、リーフレットを全戸に回覧したり、ホームページや広報紙の活用など、さまざまな方法によりまして、見直しの内容や、その必要性を繰り返し説明していきたいと考えております。
 これに加え、明年度は、市町村とともに個別に説明ができる受給者証の更新手続の場などを中心といたしまして、医療機関の受診方法や貸付制度の利用の仕方などにつきまして、わかりやすく説明をしていくことにしております。
 一方、医療機関につきましては、受給者が窓口で混乱することがないように、医療関係者向けのリーフレットや事務処理マニュアルの作成、事務担当者を対象とした説明会の開催などによりまして、周知を徹底し、すべての医療機関に新たな制度や事務手続の詳細を理解してもらえるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、燃料電池等に期待される役割についての御質問であります。
 地産地消推進戦略におきましては、太陽光発電の大幅な増加を目標としておりますが、太陽光発電は、言うまでもなく、天候で発電量が変動することから、安定的に県内の電力需要を賄うには、発電した電気をためておいて、必要なときに取り出すという蓄電システムが必要不可欠であります。
 その一つが、水素による蓄電と燃料電池でございまして、現在、米倉山太陽光発電所に併設されているゆめソーラー館やまなしでも、太陽光発電で発生した電気によって、水から水素をつくり、それを貯蔵する技術の研究が進められているところであります。
 水素蓄電と、これを電気にかえる燃料電池の実用化は、今後の研究開発の成果によるところが大きいために、ロードマップには具体的な目標は掲げておりませんけれども、将来的にはクリーンエネルギーの安定的な供給に大きな役割を果たすことを期待しているところであります。
 一方、コージェネレーション等は、電気とあわせて、生ずる熱を工場等で有効に活用するシステムでありまして、これが普及することによりまして、これまで暖房や給湯などに使われていた電力の削減ができるようになりますので、省エネルギーの推進にも貢献するというふうに考えております。
 次に、燃料電池自動車の市場投入に向けた水素ステーションの整備についての御質問がございました。
 議員が御指摘のように、燃料電池自動車が、いよいよ二年後の平成二十七年に国内市場に投入されることになるわけであります。県では、これを受けまして、水素ステーションの誘致に向けて、設置主体となる石油やガスなどのエネルギー供給事業者に対しまして働きかけを行うとともに、設置に当たっての条件の把握等を行ってまいりました。
 こうした中、本年度、国では水素ステーション整備に対する補助金が創設されましたが、事業者が補助金を受けるに当たっては、地元自治体が策定した燃料電池自動車の計画的な導入や水素ステーションの整備に関する支援などを内容とする普及促進計画というものを提出することが求められておりますので、県においても今、具体的な検討を行っているところであります。
 今後とも、設置主体となる事業者への企業訪問を足しげく行いまして、首都圏に位置し、富士山や八ヶ岳などの世界に誇る観光地を擁する本県の立地の優位性や、燃料電池の実用化と普及を先導してきた取り組みなどを強力にアピールする中で、水素ステーションの県内誘致を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中小企業の海外展開支援についての御質問がありました。
 人口が減少していく中で、国内市場は中長期的に見ますと、需要の拡大が見込めないという状況にあるわけでありまして、アジアを初めとする新興市場は、中間所得層が拡大することによって、著しい成長を遂げている。そのアジアに対して積極的に展開していくということは大事なことであります。
 こうした海外市場を取り込んで、工業製品を初め、ワイン、ジュエリー、織物などの地場産品の販路を拡大させることによりまして、県内中小企業の一層の活性化につなげていく必要があると考えております。
 今般、開設をされたジェトロ山梨は、国の内外にネットワークを持つ貿易投資の専門機関でございまして、貿易投資相談から始まって、商談会とか展示会、経済ミッション、個別の企業支援など、幅広いツールを有している団体であります。
 このジェトロ山梨の経験豊富な職員やネットワークが大いに活用されて、産業界の意向や要望に沿った海外ビジネスの最新情報の提供や助言とか、海外の展示会や商談会への参加の支援、さらには海外バイヤーを県内に招いて行う商談会の開催などが活発に行われるようにいたしまして、県内中小企業の海外展開に結びつくよう努めてまいりたいと考えております。
 また、これまで県におきましても、農産物を初めとした県産品のトップセールスや工業製品等の海外展示会への出展支援などを行ってまいりましたが、今後もジェトロ山梨と連携し、協力をいたしまして、県内企業の海外への販路開拓、拡大を支援していきたいと考えております。
 次に、富士山の世界文化遺産登録を見据えた観光振興に向けた推進体制についての御質問であります。
 富士山の世界文化遺産登録は、議員の御指摘のように、本県の魅力を国の内外に向けて大きくアピールする絶好の機会でございまして、山梨ならではのおもてなしを県民総参加で実践していくことが重要であります。
 このため、七月上旬には富士北麓地域におきまして、もてなしでさらに輝く富士の山をテーマとして、おもてなしセミナーを開催するなど、県民一人一人が旅行者を温かく迎え、繰り返し本県を訪れていただける山梨ファンづくりに取り組んでまいります。
 あわせて、美しい景観づくりや公衆トイレ、駐車場など観光インフラの整備を進めるとともに、増加が予想される外国人観光客にとって、最もニーズが高いWi―Fiスポットを民間事業者と共同しまして、本年末までに県内一千カ所に拡大させていくことにしております。
 さらに、富士山を訪れた方々が、そこを起点にして県内各地域を周遊していただけるように、富士山と温泉やフルーツ、ワイン等の本県が誇る観光資源をつなぎあわせたルートづくりや、観光スポットの情報発信などに取り組みまして、世界文化遺産登録の効果を全県に波及させていきたいと考えております。
 こうした施策を推進するため、私を本部長とする富士の国やまなし観光推進本部のもとで、観光振興に全庁を挙げて取り組むとともに、市町村や観光事業者と連携して、魅力あふれるグレードの高い観光地づくりに努めてまいりたいと考えております。
 最後に、甲府駅南口周辺地域の再整備についての御質問がありました。
 本年度は、三月につくりました甲府駅南口駅前広場と平和通りの実施計画に基づきまして詳細設計を行いまして、歩行者に優しい、緑豊かで山梨らしさが感じられる空間づくりということをコンセプトとして、景観上、重要となる駅前広場等の整備について、デザインなどを検討してまいります。
 デザインに当たりましては、景観アドバイザー制度を活用して、景観、緑化及び色彩等の専門家の意見も伺いながら、県と市による推進会議に諮る中で進めることとしておりまして、甲府商工会議所を初め、各種団体から寄せられているさまざまな御意見やアイデアにつきましても、参考にさせていただきたいと考えております。
 また、広場や歩道の施工事例の紹介や実地体験などを通しまして、障害者団体等の御意見も伺いながら、ここを訪れるすべての人々にとって利用しやすい、ユニバーサルデザインの要件を満たした空間となるように進めてまいりたいと考えております。
 さらに、デザイン案につきまして県民の皆様にわかりやすくお伝えをして、御理解をいただくために、コンピュータグラフィックスによる3D映像を用いるなど、情報提供の方法についても工夫をしていきたいと考えております。
 甲府駅南口は本県の玄関口であるとともに、重要な交通結節点でありますので、駅前利用者の安全性や機能性に十分配慮する中で、本年度末を目途にデザインの作成を進めて、エレガントで文化的な都市空間となるよう再整備に取り組んでまいる所存であります。
 以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長等からお答えをさせていただきます。
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◯議長(棚本邦由君)エネルギー局長、松谷荘一君。
       (エネルギー局長 松谷荘一君登壇)
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◯エネルギー局長(松谷荘一君)土橋議員の省エネルギー対策についての御質問にお答えします。
 省エネルギー対策は、クリーンエネルギーの導入促進と並んで、エネルギーの地産地消推進の両輪をなしておりますが、太陽光発電や小水力発電などのクリーンエネルギーの導入と比べ、誰もが身近なところから始められる取り組みであります。
 このため、その裾野を広げていくことで大きな効果を発揮するよう、本年度から省エネ県民運動を行っているところであります。
 具体的な取り組みとして、家庭向けには電気・ガスの使用状況や家電製品等の省エネ性能などを専門家が診断し、個々の家庭ごとに効果的な省エネを提案する家庭エコ診断を実施したり、事業者向けには、業種ごとにセミナーを開催して、きめ細かな情報を伝えていくこととしております。
 これらを通じて、家庭や事業所でさまざまな省エネが行われるよう促すとともに、取り組みを実施する際に生じた課題や、その解決方法などについても、できる限り具体的に把握して、今後のさらなる効果的な省エネ対策につなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)県土整備部長、上田仁君。
       (県土整備部長 上田 仁君登壇)
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◯県土整備部長(上田 仁君)土橋議員の新山梨環状道路東部区間についての御質問にお答えします。
 新山梨環状道路については、交通の分散化による渋滞緩和や移動時間の短縮に加え、交通安全の面でも効果が高いことから、全線の早期整備が望まれております。
 東部区間につきましては、本年度の国の予算において、全体七・一キロメートルのうち、甲府市内の西下条から落合までの一・六キロメートル区間が新規に事業採択され、現在、地区ごとの説明会を開催しているところでございます。
 その中で、盛り土部分における地域分断などへの懸念など、さまざまな御意見をいただいており、生活環境への影響ができるだけ小さくなるよう、道路構造の検討を進めております。
 今後、住民の皆様に検討結果をお示しし、道路計画に御理解をいただきながら、測量や詳細設計などを進め、早期に用地取得に着手できるよう努力してまいります。
 また、残りの区間につきましても、早期の事業採択を目指して、引き続き国に強く要望してまいります。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)教育委員会委員長、高野孫左ヱ門君。
       (教育委員会委員長 高野孫左ヱ門君登壇)
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◯教育委員会委員長(高野孫左ヱ門君)土橋議員の御質問にお答えいたします。
 まず、新たなやまなしの教育振興プランについてであります。
 最初に、現行プランの成果につきましては、五年間の計画期間で七十七の具体的な指標を掲げ、施策の進捗を図っておりますが、既に全体の約四割で目標値を達成しているものの、計画どおりとは言えない状況のものも約三割ございます。
 お尋ねにありましたいじめ・不登校につきましては、スクールカウンセラー等の配置、少人数学級の拡大などによるきめ細やかな教育に重点的に取り組んだところ、不登校児童生徒数は目標値を上回って減少しております。いじめの認知件数は増加しております。
 また、体罰につきましては、緊急の実態調査を踏まえた体罰防止のための指針を作成しているところであり、今後とも教員の指導力及び資質の向上を図ってまいります。
 次に、新しいプランの策定につきましては、教育・スポーツ・文化の専門家はもとより、福祉や経済・産業界の有識者からなる策定委員会を五月に設置したところであります。
 策定委員会では、既に実施した保護者や県政モニターの方々を対象とするアンケート調査の結果を踏まえ、現行プランの検証を行うとともに、本県における教育の現状と課題をしっかりと把握してまいります。
 その上で、国の第二期教育振興基本計画の中で示される今後の社会の方向性を見きわめながら、本県教育行政の基本となる新しいプランを策定してまいります。
 次に、県立文化施設の子供の観覧料の無料化についてであります。
 県立文化施設の観覧料については、施設の公共性や維持運営の経費を考慮した最小の料金徴収が認められており、本県においても、国や多くの都道府県と同様に料金設定を行っておりますが、小中学生の観覧料については、土曜日や夏休みなどについて、無料にしているところです。
 また、県内小中・特別支援学校の児童生徒が教育活動で利用する際にも無料としており、特に本年度は富士山の世界文化遺産登録や国民文化祭の通年開催を踏まえ、子供たちが文化に親しむ機会の充実を図るため、従前にも増して、学校等への働きかけを積極的に行っているところです。
 通年にわたり、子供の観覧料の無料化を図ることについては、今後、費用対効果や受益者負担等の課題を整理していきたいと考えております。
 以上です。
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◯議長(棚本邦由君)警察本部長、真家悟君。
       (警察本部長 真家 悟君登壇)
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◯警察本部長(真家 悟君)土橋議員の拳銃発砲事件への対応と暴力団対策についての御質問にお答えします。
 まず、拳銃発砲事件への対応についてであります。
 県内における暴力団抗争に伴う拳銃発砲事件は、昨年十一月四日から昨日までに二十件が発生しております。
 一昨年五月に指定暴力団稲川会山梨一家が分裂し、新たに立ち上げた山梨侠友會との対立が激化しており、警察では、これを阻止し、県民の安全を確保するため、暴力団関係者の大量検挙に向けた捜査活動、暴力団事務所や関係者宅周辺における警戒活動、通学路や繁華街における安全対策などを強化しております。
 その結果、拳銃発砲事件において被疑者二名を銃刀法違反で現行犯逮捕、今月六日には、襲撃事件において被疑者五名を暴力行為などで通常逮捕。また、四月三十日、白昼、笛吹市内で暴力団幹部が幹部を狙った拳銃発砲事件の被疑者二名を昨日、殺人未遂、銃刀法違反で通常逮捕するなど、対立抗争に関連して四十八事件が発生する中、稲川会関係者五十三名、山梨侠友會関係者二十二名、計七十五名を逮捕するとともに、暴力団事務所等に対し、百数十回に及ぶ一斉捜索を実施するなどしてまいりました。
 また、暴力団の有力な資金源である覚醒剤事件について、昨年中は暴力団関係者を含む七十七人を逮捕、本年も昨日現在で三十七人を逮捕して、資金源の封圧活動を強力に進めるなど、県警の最重点課題として、暴力団による対立抗争の防圧に全力で取り組んできております。
 次に、暴力団対策についてであります。
 県警察としては、暴力団関係者の大量検挙、事件の再発防止のための警戒活動、資金源の封圧及び暴力団排除活動が暴力団対策の大きな柱であり、これを相互に連携させながら強力に推進することが、対立抗争の早期終結に近づくものと考えております。
 したがいまして、発生した事件の早期検挙を初め、暴力団に対する事件情報等を収集し、あらゆる法令を適用して、首領級はもとより、構成員の大量検挙に努めてまいります。
 その一方で、県民の安全を確保し、抗争事件等の未然防止を図るため、組事務所周辺、学校周辺及び繁華街などのパトロールを初めとする警戒活動を強化するとともに、みかじめ料などの資金源の封圧を強力に推進してまいります。
 加えて、県や市町村等の自治体、事業者、さらには県民の皆様の御理解をいただきながら、官民一体となった暴力団追放大会など、県民総ぐるみの暴力団排除活動を強力に展開し、暴力団のいない山梨を目指し、鋭意、努力してまいる所存であります。
 以上であります。
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◯議長(棚本邦由君)当局の答弁が終わりました。
 土橋亨君に申し上げます。再質問はありませんか。土橋亨君。
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◯土橋 亨君 県立文化施設の子供観覧料の無料化について、再質問させていただきます。
 県教委におかれましては、今、答弁の中で、趣旨については理解していただけたのかなと思います。
 質問では申し上げませんでしたが、答弁の中で、財政上の課題も挙げられていました。費用対効果というところですけれども。私の知っている友人たち、ことしも一月にみんなで行ったんですけれども、六十五歳を超えている先輩方と話していると、「こんなにいろいろな企画して無料で大丈夫なのか。俺たちも払うよ」ということをその先輩たちに言われました。「ねえ、それなのに子供は出しているんですよ」という話をしたら、「子供をただにするためなら、俺たちが出すから、そうしろし」なんていうことを言われたことを覚えています。
 小中学生を常時無料にするためならば、例えば六十五歳を七十歳にするだけでも、検討する時期が来ているのではないかな、そんなことも感じます。
 公立の文化施設の収支状況の改善を、費用対効果という名前で、子供たちへの観覧料に頼るのは、ちょっとナンセンスかなと思うんですけれども、子供の無料化は損得ではなく、未来への投資だと思ってもらいたい。いかがでしょうか。所見を伺います
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◯議長(棚本邦由君)教育長、瀧田武彦君。
       (教育長 瀧田武彦君登壇)
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◯教育長(瀧田武彦君)土橋議員のただいまの御質問にお答えいたします。
 県立文化施設の観覧料につきましては、単に収支状況のみでなく、施設の公共性なども考慮して、料金設定を行っているところです。
 そうした中、本県では県内の六十五歳以上の方について、高齢者に対する福祉を推進するため、平成七年度より、特別展を含む観覧料を無料にしているところでございます。
 今後、県民の御意見や他県の状況等を勘案しながら、高齢者や子供の観覧料のあり方について、調査研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)土橋亨君に申し上げます。再質問ありませんか。
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◯土橋 亨君 なし。ありがとうございました。
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◯議長(棚本邦由君)これをもって、土橋亨君の代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午後二時八分休憩
       ───────────────────────────────────────
                                         午後二時二十九分再開議
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◯副議長(望月 勝君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
 これより一般質問を行います。
 この際申し上げます。再質問及び関連質問における答弁は、自席において行うことといたします。
 発言の通告により、石井脩徳君に二十分の発言を許します。石井脩徳君。
       (石井脩徳君登壇)(拍手)
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◯石井脩徳君 私は、自民党・県民クラブの立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
 昨年末に第二次安倍内閣が発足以来、安倍首相は大胆な金融緩和や機動的な財政政策などを軸とする経済活性化策、いわゆるアベノミクスを展開し、全国的には景気の回復基調が続いております。
 一方で、本県の労働市場を顧みますと、四月時点の有効求人倍率が〇・七〇と、四カ月連続で向上はしておりますが、全国順位では三十八番目と、依然として厳しい状況が続いております。
 しかし、こうした中、知事は、産業振興ビジョンに基づいたインバウンド観光の振興や農業の六次産業化、クリーンエネルギー技術の開発といった新産業の創出を掲げられ、これらに強力に取り組む考えを表明されているところであります。
 くしくも、去る四月末のイコモス勧告により、富士山の世界文化遺産登録がいよいよ実現に向かうところであります。
 今後は、世界遺産登録の効果を最大限に生かし、観光振興などを通じて本県全体の魅力・活力の向上を図っていただけるよう御期待申し上げ、以下、質問に入ります。
 初めに、防災体制の強化について幾つかお伺いいたします。
 まず、市町村の災害対応力の強化についてであります。
 我が国の歴史に深く刻まれる未曾有の大規模災害であった東日本大震災から、既に二年余りが経過しました。しかし、被災地においては、いまだ震災の爪跡が深く残り、完全な復興には至っておりません。
 また、この間、国では、近い将来の東海地震を含む南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大地震の可能性に備え、その被害想定を調査・公表するとともに、大震災の教訓を踏まえた具体的な対策についても、鋭意検討を進めているものと聞いております。
 さらに、このところ、東日本大震災の引き起こした巨大な地殻変動により、首都直下地震の脅威が高まっているとの専門家の見解、あるいは、西暦八六九年に東北地方を襲った貞観地震の九年後に関東地域の大地震が、その九年後には南海トラフ沿いの巨大地震が起きたという史実が、NHKなどのマスコミで紹介されております。
 こうしたこともあり、私の住む上野原市におきましても、市民の地震防災への関心が高まりを見せております。
 地震災害ばかりではありません。本県においても、自然災害が発生する可能性は多く指摘されております。例えば私の記憶するところでは、今から四十数年前の昭和四十一年九月に台風二十六号が本県を直撃し、旧足和田村根場集落が大規模な土石流に襲われ、百名近くの方が亡くなりました。
 幸い、本県においては昭和五十七、八年の大雨以来、県が災害対策本部を設置するような風水害は経験しておりませんが、こうした大規模災害が発生すると、甚大な被害をもたらすことが懸念されており、防災体制の充実強化は喫緊の課題であります。
 過去の教訓を語り継ぎ、私たちの住む地域において起こり得る災害についての理解を深めることや、地域ごとに、人的被害の最小化を中心とした災害発生時の対策を事前に講じておくことが肝要であると考えます。
 中でも、各市町村が定めている地域防災計画には、災害対策本部の各班の役割分担が書き込まれております。初動態勢や住民避難、民間ボランティアの受け入れといった、実際に災害が起きたときの具体的な対応のあり方について、この地域防災計画に基づき、関係者間で十分な協議や訓練を行っておくことも重要であると考えます。
 災害対応の現場はまず市町村であります。県として、市町村の災害対応力を強化するため、どのような支援を行っていくのか、御所見をお伺いします。
 次に、災害時の医療救護体制の強化についてであります。
 大規模災害や事故が起こった際、現場にいち早く駆けつけ、傷病者に救命医療を提供する災害派遣医療チーム、いわゆるDMATというものがあります。
 東日本大震災においては、発災直後の十二日間で、全国から約三百四十チーム、千五百人のDMATが被災地に派遣され、入院患者の搬送や医療機関での支援などに従事しており、本県からは県立中央病院と富士吉田市立病院、山梨赤十字病院のDMATが活躍されたと聞いております。
 また、昨年十二月に発生した笹子トンネルの天井板落下事故の際にも、DMATが現場に急行し、救護活動に当たっております。
 やがて起こり得る大規模災害に備えて県民の命を守るため、機動的で専門性の高いDMATの必要性は、今後ますます高まっていくものと考えております。
 県内のDMATの現状と、今後の整備計画についてお伺いいたします。
 また、急峻な地形の多い本県では、災害時には県内外との交通網が寸断され、緊急支援を受けるまでに時間を要することが想定されます。
 このような場合にも、まずはその地域において必要な医療機能を継続することができるよう、各地域の医療機関については、建物の耐震化を図るとともに、水や食糧、医薬品などの備蓄を進めておく必要があると考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、森林環境税を活用した森林整備の取り組みについてであります。
 本県は、県土面積の約八割を森林が占める全国有数の森林県であります。また、本県の森林は、高度経済成長期に国が進めた拡大造林政策に沿って、杉、ヒノキといった針葉樹を積極的に植栽してきたことから、その面積の約四割が人工林で占められております。
 しかしながら、木材価格の長期的な低迷などにより、林業経営の採算性が悪化し、森林所有者の経営意欲が低下していることに加え、林業従事者の減少や高齢化が進み、間伐などの必要な森林整備が進まない状況になっております。
 また、山村地域に広がる里山林は、化石燃料の普及や化学肥料への転換、過疎化の進行などに伴い、長期にわたって利用されなくなり、つるや竹が繁茂するなど荒廃し、近年、農林業への被害が問題となっている野生鳥獣の隠れ場所となっております。
 こうした中、昨年度より導入した森林環境税を活用して、荒廃した民有林の間伐や長期間放置された里山林の整備、公益的機能を増進するための広葉樹の植栽などの森林整備を計画されていることは承知しております。
 また、以前もこの件に関して質問をさせていただきましたとおり、私の住む上野原市を含む富士・東部地域では、民有林の人工林を対象とした神奈川県との共同調査の結果などから、桂川流域の荒廃率が県平均の四三%を上回る五九%となっております。
 こうした中、森林環境税の導入に加え、下流域である神奈川県から一定の負担をいただく中で、両県が連携して荒廃森林の解消を加速化できるよう取り組むものと承知しております。
 そこで、神奈川県とどのように連携し、森林整備の加速化に取り組まれているのか、お伺いいたします。
 また、三月には、森林環境税を活用した事業が計画よりも大幅におくれているという新聞報道がありましたが、その実態はどうなのか。昨年度の森林整備の実施状況と本年度の取り組みについて、あわせて伺います。
 次に、クリーンエネルギー総合窓口についてであります。
 知事は、エネルギーの地産地消の実現に向けた取り組みを強力に推進するため、その中核的な組織として、本年四月にエネルギー局を新設するとともに、知事を本部長とするエネルギー地産地消推進本部を立ち上げられました。
 こうした中、クリーンエネルギーの導入に関する問い合わせや相談に一元的に対応するため、本年四月にエネルギー局内にクリーンエネルギー総合窓口が設置されました。
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートして一年が経過しようとしておりますが、発電事業に参入しようとする民間の動きは依然として活発であり、総合窓口を訪れる事業者などから、さまざまな相談が寄せられていると聞いているところであります。
 クリーンエネルギーの普及は、エネルギーの地産地消に大きく寄与するものと期待しております。
 その一方で、太陽光発電事業を初めとするクリーンエネルギーの事業化に当たっては、土地の確保や採算性といった課題があるものと承知しております。
 また、国内外に誇るべき本県の恵まれた自然景観は、県民の共有財産であります。メガソーラーの整備計画などに当たっては、事業者みずからが景観との調和に細心の注意を払っていく必要があります。
 こうした状況を踏まえますと、総合窓口に期待される役割とは、個々の事業者に対して具体的に課題を整理し、スピード感を持って必要な助言を行うことであると考えます。
 そこで、四月に総合窓口が開設されて以来、これまでどのような相談が寄せられ、どのように対応されてきたのか。また、これまでの相談内容などを踏まえて、今後どのような取り組みを行うのかについてお伺いいたします。
 次に、県東部地域の道路整備について、お伺いいたします。
 中央自動車道談合坂サービスエリア付近へのスマートインターチェンジの設置については、その実現に向け、これまでも議会で何度か取り上げてまいりましたが、県の御尽力もあり、昨日、国土交通大臣から設置の許可がおりたとお聞きしました。このスマートインターチェンジが完成すれば、地域経済の活性化や観光の振興に大きく寄与するものと期待しております。
 その一方で、地域住民の日常生活に密着した道路整備はまだまだ必要と考えます。
 そこで、まず、国道百三十九号の松姫バイパスと小菅橋の整備についてであります。
 県東部地域に暮らす人たちの悲願であります松姫バイパスは、既にトンネルも貫通し、大月の風が小菅に吹き抜け、完成を待ち望む地域の期待を揺らし始めております。
 このバイパスの完成で、現在の峠越えルートに比べ、三十分もの時間短縮が図られ、土砂崩れなどの危険もなく、安全に走行できるとなれば、地域間の交流だけでなく、首都圏からの観光客の増加にも大きな期待が膨らむところです。
 一方、松姫バイパス北側の小菅橋から小菅村役場付近は、幅員が狭く、大型バスが道路を塞いで切り返しをする光景を何度も目にしております。
 バイパス開通を機に、観光バスなど大型車両の交通が増加すると、混乱が発生することが懸念されているところです。
 そこで、松姫バイパス開通の見通しと、小菅橋付近の整備見通しについてお伺いいたします。
 次に、県道四日市場上野原線についてであります。
 昨年二月には、この路線の最大の難所であった狭隘な天神隧道の隣に新天神トンネルが開通し、合併した旧上野原町・旧秋山村両地域の安全や連携の強化が図られたことは、これまでの活動の成果として大変喜ばしいものであります。
 しかしながら、快適な新天神トンネルが整備されたことで、新天神トンネル南側の市道交差点付近のふぐあいや未整備状況が、以前にも増して目につくようになっております。
 旧秋山村へ向かうには、この市道を利用するのが最短コースとなっているため、地元でも、引き続きこの市道交差点付近の整備を望んでいるところでございます。
 そこで、この交差点付近の整備における現在の進捗状況と、今後の見通しについてお伺いいたします。
 最後に、振り込め詐欺の防止に向けた取り組みについてであります。
 振り込め詐欺の被害者の多くは高齢者であり、この犯罪は、家族を思う情愛につけ込み、こつこつと蓄えた貯蓄を一瞬にしてだまし取る、極めて卑劣で悪質な犯罪であると考えます。本年に入りましても、時折、被害報道を目にしております。
 例えば本年四月、南都留地域に暮らす、ある七十歳代の女性が、息子を装う男からのうその電話により、現金六百万円をだまし取られるオレオレ詐欺の被害報道がありました。
 振り込め詐欺の被害に遭うのは、高齢者ばかりではありません。私の地元である上野原市での架空請求詐欺事件もありました。このような犯罪は、断じて許せるものではありません。
 そこで、まず、県内における振り込め詐欺被害の発生状況と最近の犯行手口、特徴についてお伺いいたします。
 また、私は、安全で安心な暮らしを築くためには、こうした犯罪を、まずは地域社会の問題として地域で捉えることが大切なことと考えますが、県警察としては、最近の振り込め詐欺への被害防止対策として、主にどのようなことに重点を置かれているのか、その取り組み状況についてお伺いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
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◯副議長(望月 勝君)石井脩徳君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
       (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)石井議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、厳しい本県の雇用情勢に触れられながら、産業・経済の活性化に向けた取り組みへの期待のお言葉をいただきました。
 今後も、世界遺産登録を機に、魅力ある山梨の実現のために全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、市町村の災害対応力の強化についての御質問がありました。
 県では、災害対応の最前線を担う市町村の取り組みを支援するために、第二次やまなし防災アクションプランの重点施策といたしまして地域の防災力の強化ということを掲げまして、市町村が避難勧告を発令する際のマニュアルの策定を支援したり、消防団、自主防災組織リーダー等を対象とした研修会の開催などを実施してきたところであります。
 こうした取り組みとあわせまして、市町村の災害対応力のさらなる強化を図るためには、個々の市町村の実態やニーズを踏まえたきめ細かい支援を行っていくことが、極めて重要だと考えます。
 このため、本年度からの新規施策といたしまして、防災アドバイザーと県職員がチームを組んで、二年間で全ての市町村を訪問いたしまして、それぞれの市町村の課題に応じた支援プログラムを作成し、市町村における全庁的な応急対策体制の整備や、実践的な図上訓練の実施に関するノウハウを提供するなどの支援を行ってまいることにしております。
 また、中核的な自主防災組織リーダーや、市町村職員などを対象にいたしまして、地域における実践的な防災啓発活動や災害時の応急対策に指導的な役割を果たす人材の育成を図るために、防災士養成講座を山梨大学に委託いたしまして、実施してまいることにしております。
 こうした取り組みを通じて、大規模災害のときにも、迅速かつ的確に対応できる市町村における災害対応力のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、クリーンエネルギー総合窓口についての御質問でございます。
 エネルギー局に開設いたしましたクリーンエネルギー総合窓口におきましては、太陽光発電や小水力発電といったクリーンエネルギーを導入しようとする事業者、あるいは市町村などからのさまざまな相談に応じておりまして、五月末までに七十三件が寄せられているところであります。
 その件数の内訳でありますが、太陽光発電に関するものが四十七件、小水力発電に関するものが十九件、バイオマスなどに関するものが七件となっております。また、相談の内容といたしましては、固定価格買い取り制度の仕組みを初めといたしまして、土地や水利用に関する許認可の手続、さらには事業の実現性や収益性といったことなど、多岐にわたった質問が来ているところであります。
 こうした相談に対しまして、総合窓口では、導入を進める上での課題を速やかに整理して、必要に応じて現地も調査しながら、助言や情報提供を行うなど、持ち込まれた案件が一つでも多く実現できるよう努めているところであります。
 また、導入に当たりましては、議員の御指摘のように、景観など周辺環境への影響をできる限り回避することが必要でありますので、規模の大きい案件につきましては、森林環境部と連携をいたしまして、環境アセスメントに関する相談にも対応しているところであります。
 今後は、総合窓口で扱った相談をもとにいたしまして事例集を作成して、なお一層、きめ細やかな対応を行うとともに、相談を通じて把握した事業者の課題や要望を参考に、クリーンエネルギーの導入促進に向けたさらなる施策を検討していきたいと考えております。
 次に、県東部地域の道路整備についての御質問でございます。
 まず、松姫バイパスの整備につきましては、大幅な時間短縮や降雪のときの通行どめの解消など大きな整備効果が期待できるということから、一日も早い開通を目指して、工事を進めてまいりました。
 先月、トンネル内のコンクリート巻き立て工事を完了したところでありまして、引き続き、トンネル内の舗装や照明、防災設備などの工事を進めまして、これまでの平成二十七年三月の開通予定を前倒すことにいたしまして、明年秋には開通できるよう取り組んでいきたいと考えております。
 御指摘の小菅橋付近につきましては、松姫バイパスの開通後に増加が予想される大型バスなどが円滑に通行できるように、橋のかけかえにあわせまして、役場前交差点を含む取りつけ部につきましても、改良工事を行うこととしております。
 現在、測量設計を進めている最中でありまして、今年度内にも用地買収に着手する予定であります。
 次に、県道四日市場上野原線についてであります。
 新天神トンネルから南側の約二百メートルの区間は、議員のお話がありましたように、幅員が狭くて、市道が鋭角に交差をして、見通しも悪いということから、交差点改良を含めた県道の整備計画を策定して、事業に着手したところであります。
 これまでに、測量設計を進めながら説明会を開催してまいりましたが、昨年度末に地元の合意が得られたところから、今後、早期の用地確保に向けて取り組んでまいります。
 以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長等からお答えをさせていただきます。
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◯副議長(望月 勝君)福祉保健部長、山下誠君。
       (福祉保健部長 山下 誠君登壇)
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◯福祉保健部長(山下 誠君)石井議員の災害時の医療救護体制の強化についての御質問にお答えをいたします。
 まず、県内のDMATの現状と、今後の整備計画についてであります。
 現在、本県には、基幹災害拠点病院であります県立中央病院を初め、基幹災害支援病院である山梨大学医学部附属病院と山梨赤十字病院、さらには地域災害拠点病院であります富士吉田市立病院、計四病院がDMATを保有しております。
 今後でございますが、平成二十九年度までに、県内に八カ所あります地域災害拠点病院の全てにDMATの保有を広げたいと考えており、このため、本年度はDMATの保有に必要な医療機器、通信機器の整備に対して支援するとともに、厚生労働省が実施いたします養成研修の受講を促すことといたしております。
 次に、地域の医療機関の耐震化についてでありますが、県はこれまで医療施設の耐震化に支援を行ってまいりました。
 その結果、現在、建てかえ工事を行っております大月市立中央病院の工事が完成いたしますと、県内全ての災害拠点病院の耐震化が完了することとなりました。
 また、災害に備えた水、食料、医薬品等の備蓄を進めるため、県内災害拠点病院の受水槽、備蓄倉庫の整備に対しても支援を行っておりまして、こうした取り組みによりまして、災害時の医療救護体制の強化に努めているところでございます。
 以上でございます。
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◯副議長(望月 勝君)林務長、長江良明君。
       (林務長 長江良明君登壇)
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◯林務長(長江良明君)石井議員の森林環境税を活用した森林整備の取り組みについての御質問にお答えします。
 まず、神奈川県との連携についての御質問ですが、桂川流域における荒廃森林の解消を加速化させるため、平成二十四年三月に締結しました五年間の協定に基づき、両県が共同事業として、間伐や作業道の整備、広葉樹の植栽などの森林整備を実施しているところです。
 この協定の締結以前における整備の実績は、年平均約四百ヘクタールでありましたが、昨年度から、神奈川県からも負担金をいただく中、約二百六十ヘクタールを上乗せして、約六百六十ヘクタールの森林整備に取り組んでおり、従来の約一・六倍のペースで整備を進めてまいります。
 次に、森林環境税を活用した森林整備の実施状況についての御質問であります。
 昨年度は導入初年度であり、森林所有者に対し、森林以外への転用等を一定期間禁止することなどの制度を周知し、同意を得るまでに時間を要したことに加え、たび重なる降雪により作業が完了できず、予定した約八百ヘクタールのうち約四百四十ヘクタールの森林整備を本年度に繰り越して実施しているところです。
 本年度は、繰り越した分の早期完了を目指すとともに、本年度計画分の実施に向け、市町村などとも連携を図りながら、これまで整備した現場を近隣の所有者に見ていただく機会を設けるなど、個々の森林所有者への丁寧な説明に努め、より積極的に事業を推進してまいります。
 以上でございます。
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◯副議長(望月 勝君)警察本部長、真家悟君。
       (警察本部長 真家 悟君登壇)
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◯警察本部長(真家 悟君)石井議員の振り込め詐欺の防止に向けた取り組みについての御質問にお答えします。
 県内における振り込め詐欺被害の発生状況は、昨年中は被害件数で三十六件、被害総額は約一億円に上り、本年は昨日現在で二十二件、約六千五百万円の被害が発生しております。特に四月以降は、一度に数百万円という高額のオレオレ詐欺被害が連続発生し、今月に入って、一千四百万円にも及ぶ架空請求詐欺が発生するなど、憂慮すべき状況にあります。被害者は六十五歳以上が約七割、女性が約九割を占め、高齢の女性が被害に遭うケースが多発しております。
 最近の犯行手口と特徴でありますが、オレオレ詐欺では警察官をかたる手口や、事前に電話番号を変えたなどと伝えるいわゆるアポ電をする手口、代理人に被害者宅を訪問させたり、駅などに被害者を誘い出し、直接、現金を受け取る手口が目立っています。さらに、市役所の職員などをかたり、被害者をATMコーナーに誘い出して、現金を送金させる還付金詐欺もふえております。
 次に、被害防止に向けた取り組みでありますが、県警察では平成二十年六月、刑事部参事官を長とする振り込め詐欺対策室を設置し、刑事部、生活安全部を中心に連携して取り組む体制を構築しております。また、匿名性が高い、犯行区域が極めて広範囲という振り込め詐欺の特性に配意して、警視庁に捜査員を派遣するなど他府県警察とも協力し、昨年中は九件三名、本年は昨日現在、二件一名を検挙するなど、被害防止と検挙の両面から総力を挙げて取り組んでおります。
 具体的な被害防止方策としては、金融機関の店舗やATMコーナーに対するパトロールの強化や、金融機関とタイアップし、窓口やATMコーナーにおける顧客への声かけなど、水際での被害防止に取り組み、昨年中は二十四件、五千三百万円、本年は昨日現在で十五件、四千万円の被害を未然に防止しています。また、被害に遭われそうなお年寄りや女性に対しては、防犯チラシの配布や防犯教室の開設などにより、注意を喚起しております。
 さらに、ふじ君安心メール、自治体の防災無線、金融機関等への一斉ファクスなど、あらゆる媒体を活用して、振り込め詐欺の発生や被害防止に必要な情報提供を行うとともに、犯行が予想される地域に警察官を集中配置して対応するなど、早期検挙に取り組んでおります。
 今後も引き続き、犯罪情勢に即した効果的な対策を推進し、振り込め詐欺の撲滅に努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
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◯副議長(望月 勝君)当局の答弁が終わりました。
 石井脩徳君に申し上げます。再質問はありませんか。
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◯石井脩徳君 ありません。
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◯副議長(望月 勝君)これより、石井脩徳君の一般質問に対する関連質問に入ります。
 この際申し上げます。関連質問についてはその冒頭に、関連する事項を具体的に発言願います。
       (「なし」と呼ぶ者あり)
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◯副議長(望月 勝君)関連質問を打ち切ります。
 これをもって、石井脩徳君の一般質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午後三時五分休憩
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                                         午後三時二十五分再開議
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◯議長(棚本邦由君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
 発言の通告により、山下政樹君に二十分の発言を許します。山下政樹君。
(山下政樹君登壇)(拍手)
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◯山下政樹君 私は、創明会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
 今回の一般質問は、新たな観光施策を初め農業・農村の活性化、ジェトロ山梨との連携による輸出促進など、本県経済成長のエンジンとなる産業の振興を中心に質問したいと思いますので、県民の皆様にわかりやすい言葉で御答弁をいただければと思います。
 今から五十年前にキング牧師が行った「I Have A Dream」(私には夢がある)という演説の中に、「この信念をもってすれば、絶望の山からも希望の石を切り出すことができる」というフレーズがあります。
 人口減少や諸外国との競争激化など、我が国、そして本県の産業を取り巻く環境は、極めて厳しいと言わざるを得ません。
 しかし、県民の英知を結集すれば、必ずや明るい未来が開けるとの強い信念を持ち、以下、質問に入ります。
 初めに、新たな観光施策の展開について幾つか伺います。
 まず、富士山の世界文化遺産登録後の観光振興についてであります。
 ことしのゴールデンウイークは、好天に恵まれたことに加え、イコモスによる富士山の世界文化遺産登録の勧告がなされたことから、本県を訪れた観光客は、前年に比べて十四万二千九百人、一一・八%の大幅増となる百三十五万四千人に上り、中でも富士山周辺の行楽地は大いににぎわいました。
 富士山は、今月十六日からカンボジアで開催される第三十七回世界遺産委員会で、世界遺産リストに記載される見込みであります。
 今後は、国内外から、より多くの観光客が世界文化遺産の富士山を訪れることが予想される中、利用者負担金や誘導員など、さまざまな課題について検討がなされておりますが、最大の課題は、こうした観光客の増加を一過性のものに終わらせることなく、県内全域、さらに国内各地へ回遊させる仕組みづくりであり、早急な対応が求められます。
 例えば、県立美術館、文学館、博物館などの県立施設に加え、民間の文化・教養施設で、富士山に関する特別展などを開催し、官民一体となって世界文化遺産としての富士山の価値を強くアピールしていくことなどが必要と思われます。
 また、国内には、十二の文化遺産と四つの自然遺産がありますが、これらの遺産がある十八の都道府県と連携を図り、遺産を結ぶ観光ルートを季節ごとに複数設定し、観光客の多様なニーズにきめ細かく対応することも考えられます。
 そこで、富士山の世界文化遺産登録を契機として、今後、どのように戦略的な観光振興を図るのか伺います。
 次に、圏央道の開通を見据えた本県への誘客についてであります。
 近年、圏央道の全線開通に向けた整備が着実に進められています。
 八王子ジャンクションより南の神奈川区間では、去る三月と四月に、相模原愛川インターから海老名インター間と、寒川北インターから茅ケ崎ジャンクション間が相次いで開通し、明年度には、八王子市から茅ヶ崎市までの区間が、また、平成二十七年度には横浜市金沢区までの全区間が開通となる見込みであります。これにより、本県と神奈川県湘南地方との時間的距離は大幅に短縮されます。
 また、八王子ジャンクションより北の埼玉区間や茨城区間、千葉区間についても、数年後には全区間が開通する見込みであり、既に接続している関越自動車道に加えて、東北自動車道や常磐自動車道とも接続することから、本県は、北関東三県(栃木、茨城、群馬)を初め、千葉県、さらには東北六県とのアクセスが飛躍的に向上します。
 しかし、圏央道のような環状道路が完成すれば、観光先の選択肢が大きく広がることで、本県への観光客を他の観光地に奪われてしまうという危険性もはらんでいます。
 そこで、こうした圏央道の開通を見据え、関東近県、さらには東北地方からの本県への誘客をどのように図るのか伺います。
 次に、ビッグデータの活用についてであります。
 ICT(情報通信技術)の進化や携帯情報端末の普及により、これまでは把握が困難だった大量かつ多様なデータを迅速に収集し、これらを詳細に分析した上で、企業競争力の強化や顧客満足度の向上などに役立てる、いわゆるビッグデータ活用の取り組みが進んでいます。
 例えばコンビニ各社では、ポイントカードの利用等によって得られる個人消費のデータを詳細に分析することで、これまでのように経験や勘に頼るのではなく、膨大なデータをもとに、性別や年齢層、さらに購入の時期や場所までも絞り込んだピンポイントの商品開発や販売促進が行われています。
 ビッグデータは、こうした商業的利用にとどまらず、ライフサイエンスや地球環境保護、防災など幅広い分野での活用も期待されており、今月中の閣議決定が予定されている政府の規制改革実施計画にも、個人を特定できない加工をするなど、プライバシー保護に十分留意しながら、ビッグデータの活用を進めることが盛り込まれることとなっています。
 私は、本県でも、こうしたビッグデータを観光振興に積極的に活用すべきと考えます。
 例えば、多くの自動車に搭載されているETCのデータを用いれば、本県を訪れる観光客が利用した有料道路区間が把握でき、このデータをもとに、観光客が多い地域周辺での集中的なキャンペーンが行えます。
 さらに、ファミリーレストランなどでの注文データを重ね合わせれば、観光客は何人くらいで本県を訪れたのか、また、どの年齢層が多かったのかといった情報も把握することができ、きめの細かい働きかけが可能となります。
 そこで、こうしたビッグデータの観光面での活用について、今後、どのように取り組まれるのか御所見を伺います。
 次に、インドネシア共和国からの観光客への対応についてであります。
 去る四月十四日、全国の自治体に先駆け、本県とガルーダ・インドネシア航空の関係者の出席のもと、我が国とインドネシア共和国が双方向の観光客を増加させる提携に関する共同記者会見が行われるとともに、翌十五日にかけて、峡東エリアなど県内二つのルートにおいて、同共和国で人気の高いサイクリングツアーが開催されました。
 インドネシア共和国は、約二億四千万人と世界第四位の人口を有しており、また、近年の経済成長に伴い、訪日観光客が増加していることから、今回の提携により、本県を訪れる観光客数も大幅に増加するものと、大いに期待しております。
 一方、我が国では余りなじみのないインドネシア語などの言語や、ハラルフードと呼ばれるイスラムの教えにのっとった食べ物しか摂食できない食習慣など、我が国では知られていない部分も多く、本県が推進するおもてなしを実践するには、乗り越えなければならないハードルも幾つかあると思います。
 このうち言語に関しては、我が国を訪れる観光客の多くが使う五カ国語、すなわち、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語及びスペイン語は通訳も多く、また、民間企業が多言語コールセンター事業を実施していることから、意思疎通も比較的スムーズに行うことができますが、インドネシア語となると、通訳を探すのも一苦労であります。
 また、食習慣については、観光庁の前身の国土交通省観光事業課が平成二十年二月に、多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアルを作成し、留意点等を公表していますが、概略的な記載にとどまり、一層の理解を深めるためには、調理実習などの実践的な研修が必要だと思われます。
 そこで、増加が見込まれる同共和国からの観光客に喜んでいただけるよう、おもてなしの前提となる言語や文化の相互理解の促進に、どのように取り組まれるのか伺います。
 とりわけ、外国人観光客にじかに接し、心証に大きな影響を及ぼす旅館やホテルの従業員等の研修をどのように図っていくのか伺います。
 次に、TPPの交渉参加の前提となる農業・農村の活性化について伺います。
 去る三月十五日、安倍総理大臣からTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加の意思表明がなされ、参加十一カ国との事前協議を経て、四月二十日に合流が承認され、七月から交渉に参加することとなりました。
 資源が少ない我が国が、現在と同じような経済的繁栄を続けるには、関税障壁の撤廃など自由貿易体制を維持・発展させることが不可欠であり、このためには、TPPはもとより、ASEAN十カ国に加え、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの六カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や日中韓FTAなど、さまざまな経済連携協定の検討を進める必要があります。
 そして、こうした経済連携協定を検討する際に最も大切なことは、協定締結のメリットとデメリットを冷静に分析するとともに、守らなければならない国益は死守するという強い意思を堅持することだと思います。
 TPPの交渉参加の検討に際しては、全関税を撤廃した場合の経済効果について、実質国内総生産(GDP)が三兆二千億円(〇・六六%)増加することや、国内生産額十億円以上かつ関税率一〇%以上の三十三品目の農林水産物の生産額が三兆円減少することなどが、政府統一試算として公表されました。
 また、米や麦等の重要五品目の関税維持や国民皆保険制度の存続など、我が国の聖域を確保することや、食の安全・安心の基準を守ることなど、六つの判断基準、すなわち厳守すべき国益も示されました。
 特に農業・農村に関しては、安倍総理大臣から、最も大切な国益として、息をのむほど美しい田園風景や、みんなで助け合う農村文化が挙げられ、これらを断固として守り抜くという強い意思も表明されました。
 しかし、県内の水稲や酪農を経営する農家の間には、TPPにより、安価な外国産農産物の輸入量が急増し、壊滅的な打撃を受けるのではとの懸念も根強く残っています。
 こうした懸念を払拭するためには、国の試算結果を踏まえ、TPPが県内農業に与える影響について、より詳細な分析を行うとともに、国の試算に含まれていない本県の主要農産物である桃、ブドウ、スモモなどについて、県独自の推計を行うべきと考えます。
 特に、国の試算に含まれない本県の主要農産物にかかわる影響額の試算については、農家に与える影響も大きく、正確かつ詳細な分析が必要であることから、専門的な知見を有する民間の調査機関に委託し、調査結果を迅速に公表すべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、国は、農林水産業の競争力を高め、輸出の拡大により成長産業とするため、農林水産省に攻めの農林水産業推進本部を設置し、百八十四の先進事例の全国展開に向けた施策の具体化等が行われてきました。
 去る五月二十一日には、成長戦略の第二弾として、これらの取り組みをさらに加速できるよう、安倍総理大臣を本部長とする創造本部が設置され、年内を目途に(仮称)農林水産業・地域の活力創造プランが取りまとめられることになりました。
 県としても、こうした国の方針に呼応し、農林水産業の輸出拡大に向け、意欲ある農家への農地の集積や、食品産業など異業種との結合による高付加価値化などに積極的に取り組むべきと考えますが、御所見を伺います。
 次に、ジェトロ山梨との連携による海外展開や輸出の促進について伺います。
 まず、ジェトロと連携した本県の企業の海外展開についてであります。
 去る四月一日に、農産物や食品、機械部品などの輸出や販売店・生産拠点の設置に関する相談、欧米、中国、東南アジアを初め、希望する海外地域の最新情報の提供を行うジェトロ山梨貿易情報センターが、アイメッセ山梨の一角に設置されました。
 ジェトロは、日本貿易振興機構法第三条に規定されているように、我が国の貿易の振興に関する事業を総合的かつ効率的に実施するとともに、アジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究を行い、その成果の普及により、これらの地域との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的として設置された独立行政法人で、海外五十五カ国に七十三の事務所を擁しており、海外展開や輸出拡大には欠くことのできない専門家集団です。
 ジェトロ山梨貿易情報センターが、開所から間もないにもかかわらず、世界の二十四の国や地域の貿易振興機関の代表が一堂に集まるアジア貿易振興フォーラムの事務レベル会議を、本年十月に本県で開催することが内定していますが、この会議は、本県のおいしい農産物や高い産業技術等をアピールする絶好の機会になると思います。
 そこで、このようなジェトロの世界中へのネットワークを生かし、ジェトロと連携する中で、どのように本県の企業の海外展開を図っていくのか御所見を伺います。
 次に、ジェトロを活用した本県農産物の輸出拡大についてであります。
 ジェトロのトップページを見ると、国・地域別情報の下に産業別情報が掲載されていますが、その筆頭は農林水産物・食品となっています。
 今から三年前の二〇一〇(平成二十二)年三月、ジェトロは、「わが国農林水産物・食品の輸出拡大に向けての阻害要因と対応策」と題するレポートで、台湾、韓国、カナダ、アラブ首長国連邦を例にとり、輸出時に直面する課題やこれへの対応策を取りまとめました。
 特に、台湾については、桃、ブドウ、ワインなど十一の品目について、台湾産や海外産と、価格や食味、シーズン(出荷期)について詳細に分析しています。
 例えば、ブドウについては、「台湾産の巨峰は品質的にも評価が高く、日本産ブドウには品質的にも優位性がない。さらに日本産生鮮ブドウは、シーズンが重なる台湾産やアメリカ産と比べて価格が四倍から十倍近く割高になっている」と課題を明らかにした上で、端境期の十二月から一月にかけて、日本からの輸出量を増加させる余地があり、日本産のブドウは、他の外国産に比べ知名度が低いことから、認知度向上を目指した取り組みが必要であると分析しています。
 こうした豊富な情報や専門的知見を有するジェトロを活用し、本県が誇る高品質な農産物の輸出拡大を積極的に図るべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 最後に、県版社会保障制度見直しの進め方について伺います。
 去る五月二十四日に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案を初めとする社会保障・税番号制度関連四法案が参議院本会議で可決し、成立いたしました。
 この個人番号制度は、年金、労働、福祉、医療などの社会保障分野はもとより、税や災害対策など幅広い分野での活用が期待されており、二〇一六(平成二十八)年一月の利用開始に向け、鋭意、検討が進められていくことになりました。
 制度導入後には、医療、介護、保育などの制度単位ではなく、家計全体をトータルに捉えて、自己負担の合計額に上限を設定する総合合算制度の導入が検討されており、これにより低所得者の負担軽減が図られ、所得の再分配機能が強化されることとなります。
 厚生労働省の試算によれば、個人番号制度の導入にあわせて実施される国民健康保険の情報システムだけをとっても、改修費は、人口十万人以内の市町村で五百万円から二千万円程度、十万人超五十万人以内では一千五百万円から七千万円程度と極めて高額で、システム改修の困難さがうかがわれます。
 一方、県では、二〇一四(平成二十六)年十一月の導入に向け、重度心身障害者医療費助成の自動還付方式への移行について検討中であり、去る四月十六日に公表されたチャレンジミッションでは、本年度、自動還付方式周知のための説明会の開催などに加え、新制度に対応した医療費集計システムの構築や無利子貸し付けの制度設計などを行うこととなっています。
 そこで、本県で計画している医療費集計システムの構築には、どのくらいの初期費用及び運用経費が見込まれるのか伺います。
 また、総合合算制度が導入されれば、県単独の医療費助成制度は見直しをせざるを得ませんが、一度構築した医療費集計システムをさらに改修するなど、結果的に多額の経費を投入することにもなりますので、構築経費の抑制に向けて、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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◯議長(棚本邦由君)山下政樹君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
(知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)山下議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、キング牧師の言葉を引用しながら、県民の英知を結集し、山梨の明るい未来を開くとの信念を示されました。
 今後も、山梨発展のために全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、富士山の世界文化遺産登録後の観光振興についての御質問であります。
 世界文化遺産登録によりまして、観光客の増加が見込まれるところでありますが、まず第一に必要なことは、議員御指摘がありましたように、観光客を富士北麓地域だけにとどめるのではなくて、できるだけ県内全域に回遊させる仕組みづくりを行うことであります。
 このため、JRやテレビ、雑誌等との連携によりまして、富士山とあわせて、フルーツ、ワイン、温泉、美術館、博物館など、県内各地の多彩な観光資源の魅力をPRすることとしております。
 また、周遊観光を促進するために、中日本高速道路株式会社に山梨県内乗り放題プランの実施をお願いするほか、全国の旅行代理店に周遊プランの造成を要請しているところであります。
 第二に必要なことは、国際的にグレードの高い観光地づくりを目指すことであります。観光客の増加に伴って、サービスの質が低下してしまえば、富士山ブームも一時的なものに終わってしまいます。
 世界文化遺産登録によって、富士山と富士山のある山梨は世界中から注目されますので、国内観光客だけではなくて、外国人観光客に対しても、従来以上に質の高いおもてなしを提供し、世界中の人々が憧れるようなグレードの高い観光地を目指していく必要があります。
 このため、世界文化遺産登録直後におもてなしセミナーを開催し、旅館、ホテルの接遇はもとより、県民挙げてのおもてなしを向上させるとともに、市町村や観光事業者等と連携いたしまして、景観やトイレ、外国語表記の案内標識の整備、魅力ある地域資源の育成と活用等を積極的に図っていきたいと考えております。
 次に、TPPの交渉参加の前提となる農業・農村の活性化についての御質問でございます。
 第一の御質問のTPP協定の影響試算についてであります。先般、国は条件として、即時にすべて関税が撤廃されて、それに対して国内対策が行われないという仮定に基づきまして計算いたしまして、影響試算額を公表したところでありますが、これは全国一本のデータに基づく国単位の試算方法を用いたものでございまして、都道府県別の同様の試算は困難だという見解が示されております。
 また、本県農業への影響額を試算することにつきましては、現時点では交渉の内容が不明確であるということや、主要農産物である果樹は、他品目との競合関係など把握困難な要素が多く、試算数値の振れ幅が大きくなるものと想定されるので、有意な試算結果を得ることは難しいというように考えているところであります。
 次に、第二の御質問の県産農産物の輸出拡大に向けた取り組みについての御質問であります。
 県では、高収益な農業を実現していくために、やまなし農業ルネサンス大綱に基づきまして、輸出を含む県産農産物の販路拡大対策を初め、多様な担い手の確保、農地集積の促進などに取り組んでいるところであります。
 現在、国におきまして、御指摘のように、農林水産業・地域の活力創造本部が設置されまして、このもとで、国産農産物の輸出拡大や異業種連携による農業強化策について検討がなされているところでありまして、今後、この検討状況を注視して、国の施策の活用を図りながら、さらなる農地集積や食品産業と連携した六次産業化の推進など、本県農業の競争力、体質強化に向けた取り組みを積極的に進めまして、輸出拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
 次に、ジェトロと連携した本県の企業の海外展開についての御質問がございました。
 ジェトロ山梨が設置されたことによりまして、そのネットワークを活用して、海外展開に必要な質の高い現地情報をタイムリーに得られるということと同時に、県内の商談会に海外バイヤーを招聘することによりまして、海外に出向くことが難しい県内中小企業に、海外ビジネスをする道を開くことが可能になるわけであります。
 また、県内中小企業が海外展示会に出展する場合に、ジェトロブースを格安で活用できるというようなことを初め、その企業に適した展示会の選定から、海外の現地職員による出展や商談に関するサポートまで、一貫した支援が受けられることになります。
 こうしたジェトロ山梨の設置効果が最大限に生かされるように、経済団体とともに設置いたしましたジェトロ山梨振興協議会を通じて、産業界の意向や要望がジェトロの事業に反映されるように働きかけまして、本県企業の海外への販路拡大、海外展開を効果的に推進していきたいと考えております。
 最後に、県版社会保障制度見直しの進め方についてという御質問であります。
 重度心身障害者医療費助成事業に導入する自動還付方式の核となります国保連の医療費集計支払いシステムの構築には、約一億八百万円を要する見込みであります。
 一方、市町村や医療機関のシステム改修費については、検討すべき点が残されているために、現在使われているシステムの実態を正確に把握して、改修の詳細を今、精査しているところであります。
 また、毎年の運用経費について、現状の窓口無料方式では、いわゆるペナルティーの補填と国保連への手数料で、県、市町村合わせまして九億円以上を要しているわけでありますが、自動還付方式へ移行いたしますと、医療機関や国保連へ支払う手数料、新たに生ずる業務に係る人件費等を合わせましても、三億円台に抑えられるのではないかと考えております。
 次に、構築経費の抑制に向けた取り組みについてという御質問でございました。社会保障・税番号制度関連四法案は成立したわけでありますが、議員御指摘の総合合算制度につきましては、依然として国から具体的な内容や導入時期が示されておりませんので、今回の見直しがどのような影響を受けるのか、今の段階では明らかでございません。
 しかしながら、どのような状況になったといたしましても、構築経費は極力抑えることが必要でありますので、核となる国保連のシステムの機能を高めまして、できるだけ多くの処理を集中させることにより、市町村や医療機関のシステム改修を小規模に抑えるなど、経費の抑制に努めてまいりたいと考えております。
 以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
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◯議長(棚本邦由君)観光部長、堀内久雄君。
(観光部長 堀内久雄君登壇)
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◯観光部長(堀内久雄君)山下議員の新たな観光施策の展開についての御質問にお答えいたします。
 まず、圏央道の開通を見据えた本県への誘客についてでございます。
 本県を訪れる観光客の約八割が車を利用していることから、圏央道の整備によるアクセスの向上は、特に北関東や神奈川エリアからの観光客の増加につながるものと、強く期待をしておるところでございます。
 県では、これまでも、包括協定を締結している中日本高速道路と連携いたしまして、情報誌等への掲載とか県内周遊割引サービスの展開等、車利用者の誘客を促進してまいりました。
 今後は、東名高速道路や東北自動車道等との接続状況に応じまして、各地域のサービスエリア等で観光キャンペーンを展開するなど、圏央道利用による本県への観光客の増加に向けまして、積極的なPRに努めてまいります。
 次に、ビッグデータの活用についてでございます。
 宿泊や移動手段の情報を初め、店舗での購買情報等の膨大なデータから、観光客の行動や傾向等を分析し、観光面での活用を図っていく仕組みづくりは、今後、新たな施策の立案等に向けて、非常に重要な課題であると認識いたしております。
 既に、国の研究機関等におきましては、同意を得た観光客から、携帯端末を利用いたしまして位置情報を収集し、行動パターンを解析する等の研究も進められております。
 県におきましては、引き続き、国や大学等の専門機関、民間事業者の先進的な取り組み等の把握に努めるとともに、観光面でのビッグデータの活用を研究してまいりたいと考えております。
 次に、インドネシア共和国からの観光客への対応についてでございます。
 県内の宿泊施設におきましては、今後、大幅な増加が見込まれるインドネシアを初めとしたイスラム圏からの観光客に対する受け入れ態勢の整備が必要というふうに考えております。
 そのため、本年度、新たにインドネシア人の国際交流員を採用するとともに、県内のホテル、旅館の経営者や従業員等の観光事業者を対象に、イスラム教に精通した専門家による研修会を開催しております。
 研修では、宗教上の教えに対する理解を深めるとともに、基礎的な会話を初め、食習慣や生活様式に対応できる接遇方法等、実践的な内容を習得することとしており、観光客のニーズに合った受け入れ環境の向上に積極的に努めてまいります。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)農政部長、山里直志君。
(農政部長 山里直志君登壇)
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◯農政部長(山里直志君)山下議員のジェトロを活用した本県農産物の輸出拡大についての御質問に御回答申し上げます。
 海外の主要なマーケットに駐在拠点を持ち、市場動向等の調査・分析を行っているジェトロとの連携は、本県農産物の輸出拡大に大変有用であると考えており、これまでも、職員の派遣、ジェトロ駐在員を講師に招いたセミナーの開催、ジェトロ主導による海外食品展示会への参加などに取り組んできたところでございます。
 今般、ジェトロ山梨が開設されたことによりまして、本県農産物の魅力や産地の実情の理解を深めていただいた上で、本県に適した輸出促進のあり方について、さらに有益な示唆がいただけるものと期待しているところでございまして、今後ともジェトロと日常的に情報を共有し、なお一層、連携しながら、高品質な本県農産物の輸出拡大を図ってまいる考えでございます。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)当局の答弁が終わりました。
 山下政樹君に申し上げます。残り時間がありません。
 これより、山下政樹君の一般質問に対する関連質問に入ります。
 関連質問はありませんか。早川浩君。
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◯早川 浩君 山下議員の富士山世界文化遺産登録後の観光振興に関連しまして、質問します。
 質問にありましたように、世界遺産登録後、さらに増加する富士山の観光客を県内全域に回遊させる仕組みづくりは、私は非常に重要だと思っております。
 また、それと同時に、その前提として、県内各地における観光客の安全や快適さの確保は、何よりも大切ではないでしょうか。そして、その中心は富士山であり、登山者が増加するこの夏の安全対策や環境保全などの対応いかんによって、本県の観光振興の真価が問われるといっても過言ではないと思います。
 そこで、富士山に関連して、最初に二点伺います。
 まず、山下議員の質問にもありましたが、富士山の利用者負担金、いわゆる環境保全や安全対策などのための入山料が現在、世界遺産協議会の作業部会で検討されている中、今までの会議の内容が、同じことの繰り返しで、議論がなかなか進まず、地元関係者などからは、県の主体性や、まとめる姿勢、さらには情報共有の仕方に懸念の声も上がっている事実があります。
 私も実際、先日の作業部会に参加しましたが、県の取り組み姿勢に疑問を感じました。
 そんな中、五月末に、地元の市町村長が知事と面談した際に、知事は利用者負担金について来年の夏の導入について、地元の意向を確認して県の積極的な姿勢を示したと伺いました。
 そこでまず一点目として、登録後の富士山観光にとって、まさに重要であります利用者負担金の来年の夏の本格導入に向けて、改めて、この作業部会における県の取り組み姿勢と、今後のより具体的なスケジュールをまずお伺いします。
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◯議長(棚本邦由君)観光部長、堀内久雄君。
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◯観光部長(堀内久雄君)お尋ねをいただきました富士山における利用者負担についてでございます。
 五月二十八日の作業部会におきまして、山梨県、静岡県が事務局をしております。事務局の提案といたしまして、明年夏の本格実施に向けたスケジュール案というものをお示しいたしまして、了解をいただいているという状況でございます。
 また、今後、本格導入に向けて、同作業部会におきまして六月十四日に立ち上げます利用者負担専門委員会の御意見も伺いながら、具体的な使い道とか実施方法、そういったものについて検討を重ねまして、関係者の合意を得た上で、最終的には富士山世界文化遺産協議会において年度内に決定されるよう、より精力的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)ほかに関連質問は。早川浩君。
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◯早川 浩君 精力的に取り組んでいただくということなんですが、来年の夏の本格導入に向けて、期限は決まっているわけですので、県は、よりリーダーシップをとっていただきたいと私は思います。
 次に、二点目として、山下議員も触れられておりました富士山の誘導員は、この夏の具体的な安全対策として重要な課題だと考えます。
 例年、県は登山道に六人の誘導員を配置していますが、今後、一層の混雑が予想されていますので、一部には五十人以上の増員が必要との意見もあります。富士吉田市では、独自に新たに十人程度の増員を考えているとのことですが、きょう午前中、知事は倍増というようなことを表明されたと私は伺いましたが、私自身は関係者の意見を勘案しますと、県としても、誘導員は二十人は増員すべきだと考えます。
 世界文化遺産登録の年に、死傷者を約四十人も出しました三十年前のあの悲惨な富士山の落石事故のようなことが二度と起こらないためにも、本当にこれは必要なことだと思うんですが、御所見を伺います。
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◯議長(棚本邦由君)観光部長、堀内久雄君。
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◯観光部長(堀内久雄君)この夏、登山者の増加が見込まれております。事故が起きないように万全の対策を講じることが、私どもに課せられた極めて重要な課題だというふうに認識しております。
 特に混雑をいたします八合目から山頂付近におきましては、これまで、県では常時六名の誘導員を配置しておりました。この夏、県はもとより、地元の富士吉田市とか山小屋の関係者の御協力を得まして、できる限りの増員を図ってまいりたいというふうに考えております。
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◯議長(棚本邦由君)ほかに関連質問。早川浩君。
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◯早川 浩君 いずれにしましても、山開きまで、あと一カ月ありませんので、早急の対応を本当にお願いします。
 最後になりますが、これも山下議員が重要性を指摘された富士山からの県内の周遊観光について伺います。
 ことしは本県にとって記念すべき二つの出来事があったと思います。一つは、富士山世界文化遺産登録であり、そしてもう一つは、国民文化祭が通年開催されておりまして、県内各地で特色を生かしたイベントや行事が行われています。私は、この国文祭の参加は、確実に県民の地域に対する誇りや、おもてなしの心を根づかせていると思っています。
 そこで、来年以降も、この国文祭の取り組みを生かして、富士山世界文化遺産登録の構成資産と国文祭のスポットをつなぐような、例えば富士山と国文祭事業で好評な、八百年の伝統を誇る石和のウ飼いツアーや、富士山から勝沼の朝市とワイナリーめぐり、または富士山と信仰つながりの身延の信仰めぐりなど、このような周遊観光、ルートづくりなどが有効であると考えますが、御所見をお伺いしまして、以上で私の質問を終わります。
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◯議長(棚本邦由君)観光部長、堀内久雄君。
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◯観光部長(堀内久雄君)ただいまの御質問にお答えをさせていただきます。
 富士山文化遺産の構成資産と国民文化祭のスポットの連携というのは、歴史とか文化とかというものを切り口にした周遊観光といたしまして、魅力的であったり、効果的であるというふうに考えております。
 現在、県のポータルサイトであります富士の国やまなし観光ネットでは、それぞれの情報を専用のページで紹介させていただいておりますけれども、今後は、両者をつなぎ合わせたモデルコースを提案するというふうなこともいたしまして、県内を周遊する旅行商品の造成を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯議長(棚本邦由君)ほかに関連質問はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
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◯議長(棚本邦由君)関連質問を打ち切ります。
 これをもって、山下政樹君の一般質問を打ち切ります。
 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
 明六月十三日、午後一時、会議を開き、一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                                            午後四時八分散会