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平成23年6月定例会(第2号) 本文




2011.06.20 : 平成23年6月定例会(第2号) 本文


◯議長(浅川力三君)これより本日の会議を開きます。
 直ちに日程に入ります。
 日程第一、報告をいたします。
 地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、第六十号議案ないし第六十二号議案及び第六十五号議案について、人事委員会の意見を徴したところ、お手元に配付のとおり、適当と考える旨の回答がありました。
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梨人委第四百五十号
平成二十三年六月十五日
   山梨県議会議長  浅 川 力 三 殿
                          山梨県人事委員会委員長  中  矢  惠  三
             意見聴取について(回答)
 平成二十三年六月十五日付け議調第二百四十五号で意見を求められた次の議案については、適当と考えます。
   第六十 号 山梨県職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例中改正の件
   第六十一号 山梨県職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例中改正の件
   第六十二号 山梨県職員の育児休業等に関する条例中改正の件
   第六十五号 山梨県学校職員の勤務時間等に関する条例中改正の件
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◯議長(浅川力三君)次に、日程第二、知事提出議案、第五十八号議案ないし第七十二号議案及び承第一号議案を一括して議題といたします。
 これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第三の県政一般についての代表質問を行います。
 発言の通告により、皆川巖君に四十分の発言を許します。皆川巖君。
      (皆川 巖君登壇)(拍手)
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◯皆川 巖君 私は、自民党・県民クラブを代表して、今定例会に提出されました案件並びに県政全般について質問いたします。
 さきの東日本大震災に続き、福島原子力発電所事故と、我が国は戦後最大の難局を迎えていると言っても過言ではありません。
 震災発生から三カ月余を経過しましたが、本県においても、震災の影響による経済の停滞は、ようやく回復の兆しが見えるようになったとのことであります。
 我が国が震災前の姿に戻るには、まだまだ時間を要するものと思われますが、一日も早い復興と事態の収束を切に願ってやみません。
 そこで思い起こされるのが、後藤新平であります。
 後藤は、関東大震災直後の第二次山本内閣において、帝都復興院総裁として震災復興計画を立案しました。この復興計画は欧米の先進都市の区画整理をモデルにしたものとされ、被災地の全面的な区画整理を行い、広大な街路により類焼を防ぎ、公園を配し避難場所を確保するなど、「復旧」ではなく「復興」をせよと、災害に強い都市づくりを目指したのでありました。
 後藤みずからの手による復興はかないませんでしたが、その後、後藤とともに計画を立案した復興局と東京市とにより事業が進められ、昭和通り、明治通りといった道路や墨田公園など、また、現在の表参道ヒルズの前身の鉄筋コンクリート集合住宅などに後藤のアイデアを見ることができます。
 「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」なる後藤新平の言葉があります。まさに後藤の政治哲学が凝縮された一言であります。
 奇しくも、今回の被災地、岩手県奥州市に生まれ、関東大震災の復興に立ち向かった後藤の志が受け継がれ、実を結んだわけであります。
 本県を未来に向かって大きく飛躍させたい、この気持ちは横内知事も私たちも全く同じであります。先人の政治哲学に学び、横内知事とともに私たち自民党・県民クラブは、暮らしやすさ日本一の県づくりを目指してまいります。
 さて、現在、真の分権型社会の実現に向けて、地方議会の果たす役割はますます重要になってきています。
 その役割の一つとして挙げられるのが、議会改革の着実な推進であります。これまでも、議会としての監視機能や政策立案機能の強化など、さまざまな改革に取り組んできたところであります。
 浅川議長におかれましては、これまでの議会改革の流れを受け継ぎ、さらなる議会改革に取り組むため、多くの議員が制定の意向を示している議会基本条例の制定を目指していく決意を表明されました。
 私たち自民党・県民クラブも、議長の議会改革に対する熱意を受けとめ、ともに協力してまいる所存であります。
 そして、二期目を迎えた横内知事の県政発展に向けた明確なビジョンと実現力を大いに期待しまして、以下質問に入ります。
 まず、六月補正予算編成の基本的な考え方と当面の財政運営について、お尋ねいたします。
 本年度の本県財政は、実質県税収入については、昨年度当初予算に比べ百四億円余り増加して九百四十四億円余を計上しているものの、歳出面において、介護保険関係経費、高齢者医療費などの社会保険関係費や公債費など義務的経費の増加が避けられず、当初予算編成段階で、六十五億円の基金の取り崩しを余儀なくされる厳しい状況であると承知しております。
 また、県内景気は、先般発表された日本銀行甲府支店の金融経済概観において、「震災の影響により引き続き弱いながらも、足元では持ち直しの兆しも見られている」とされておりますが、四月の有効求人倍率は前月より〇・〇四ポイント低下し、〇・五九倍となるなど、まだまだ厳しい状況も続いております。
 こうした厳しい経済・財政状況の中で、横内県政二期目の実質的なスタートとなる肉づけの補正予算が編成されました。
 県内は今、震災後の観光客の著しい減少や買い控えなど消費者心理の悪化を招き、さまざまな形で東日本大震災の影響を受けており、県の早急な対策が求められております。
 また、被災地の惨状を目にするにつけ、東海地震を初めとする大規模地震や富士山噴火など、本県が抱えるリスクに対し、一刻も早く的確な対応をとる必要性を感じずにはいられません。
 さらには、知事が二期目のマニフェストに掲げた暮らしやすさ日本一の山梨づくり実現に向け、山梨発展の芽につながる施策・事業の展開に、県民が大きな期待を寄せているところでもあります。
 これらの当面の県政課題に積極的に対応していくことを期待する一方で、財政の硬直化を回避し、将来にわたって持続可能な財政運営の確保を図っていくことも、極めて重要であります。
 知事は、これまで県債等残高の削減に腐心されてこられ、一期目には、行政改革大綱に定めた目標を大きく上回る削減をなし遂げられたところでありますが、今後も引き続き、財政の健全化への積極的な取り組みが求められております。
 そこで、震災後の県内対策や今後の山梨発展のための施策について、六月補正予算ではどのような考え方で編成を行ったのか。あわせて、当面の財政運営をどのように行っていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、リニア新駅の設置場所についてお尋ねいたします。
 これまで「夢の」というまくら言葉がついていたリニア中央新幹線から、「夢」がとれ、とうとう現実のものとなりました。
 昭和四十八年に基本計画路線として決定されて以来三十八年、また、本県がリニア中央新幹線建設促進期成同盟会を設立した昭和五十五年から三十一年間という長年の活動が実を結び、県民の願いであった整備計画への格上げと建設指示が実現いたしました。
 県議会としてもリニア議員連盟を立ち上げて、一致協力して活動してまいりましたことから、このたびの整備計画決定は感無量であり、また、本県にとって大変喜ばしいことと受けとめております。
 リニア中央新幹線については、東日本大震災後、一部に慎重意見もありましたが、審議を進めてきた国の交通政策審議会は、今後三十年以内の発生確率八七%と予想されている東海地震への備えとして、我が国の大動脈である東海道新幹線のバイパス機能を持たせることは極めて重要だとして、建設を促進すべきだと答申いたしました。
 大震災以来、暗い話題が多い中で、私は、リニアはまさに日本が世界に誇れる技術であり、リニア中央新幹線は我が国の誇りと自信を取り戻す国家的プロジェクトとして成功させなければならないと考えております。
 また、空港や新幹線がない本県にとっても、県民の行動圏域が飛躍的に拡大することや、観光産業初め産業経済全般に大きく貢献するものと確信しております。
 さて、このリニア中央新幹線建設の第一歩ともいうべき、JR東海から大まかなルート・駅位置の提案が先ごろありました。JR東海の説明によりますと、県内の四圏域について検討した結果、中間駅の設置可能地域として甲府圏域五キロメートルの範囲内が示され、他の三圏域が要望していた場所は、技術的な課題が大きいとして建設困難とされております。
 各地域の受けとめ方はさまざまと思いますが、リニア新駅の位置は本県の将来に大きな影響を与え得る重大な事柄であります。県全体の発展という大局に立ち、山梨は一つという姿勢で、知事のリーダーシップによって早期に決着することが望ましいと考えております。
 そこで、まず、今回のJR東海の提案に対して、知事はどのように考えているのか、お伺いします。また、今後、中間駅の設置場所決定について、どのようにして県内合意を形成していくのか、お伺いいたします。
 また、その際に留意すべきは、都市機能をできるだけ分散させないという都市計画の基本に立って、リニア新駅の機能と駅周辺整備のあり方を考える必要があると思います。
 全国の新幹線駅の建設と駅周辺整備の状況を見ればわかるように、山梨にリニア新駅が建設されてからも、まちづくりには相当な時間がかかります。
 そこで、リニア新幹線駅が建設され、駅周辺まちづくりが始まったら、中央線甲府駅周辺まちづくりと、しっかりバランスを図る必要があると考えます。
 中途半端な開発をするのではなく、例えば、東京駅が世界都市としての特色を持ち、名古屋駅が世界的な物づくり拠点としての特色を持つのに対し、中間駅のリニア新駅は緑あふれる環境健康都市のイメージを目指したらいかがでしょうか。
 また、中央線甲府駅周辺は歴史と伝統文化のまちづくりの特色あるイメージを目指すことにより、両駅のバランスを図ることを提案します。リニア新駅の周辺のまちづくりについての知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、甲府城周辺整備についてお尋ねします。
 現在進められている甲府駅南口修景計画は極めて重要であり、さらに、その中核的存在となる甲府城の整備は着実に進めなければならないと思います。
 例えば、定住人口規模が甲府市とほぼ同じ松本市の場合、ここ五年間で約一万五千人増加しているのに対して、甲府市は約千五百人減少しています。松本市は数年前から、松本城周辺の歴史や文化を生かした町並み整備を軌道に乗せ、さらに推し進めています。
 甲府市の場合は、都市の緑と水辺が少ないことが、都市の魅力を半減させていると思います。
 韓国のソウル市では、一度埋めて高速道路にしたチョンゲチョン(清潔河)という河川をもとに戻して水辺を復活させ、市民の憩いの場としてソウルのまちの魅力を増加させています。
 そこで、濁川にふたをしてしまい、まちの水辺をなくしてしまった甲府市では、防災新館建設後になくなる県庁東別館や県民会館の跡地である県有地に、城下町のシンボルである甲府城の内堀を再現し、水辺をつくることが、しっとりとした情緒あふれるまちづくりをする最後のチャンスだと考えます。加えて、移転の決まった甲府税務署跡地の利活用を含めたお城フロント構想について、知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
 次に、甲府城にかかわる地域資源の活用についてお尋ねいたします。
 甲府城につきましては、これまでに石垣の修復や歴史的な建造物である稲荷櫓や内松陰門など三門の復元整備が整い、平成二十二年度からは鉄門の復元整備事業も新たに始まったところであります。
 一方で、甲府城の周辺には、これからの活用が期待できる歴史的な地域資源がまだまだ数多く残されています。例えば、甲府城の北東側にある愛宕山の中腹には、甲府城石垣の石材を切り出したとされる石切り場があり、その一部については平成二十一年に甲府城・愛宕山石切場跡として県史跡に指定されておりますが、広く周知され、歴史学習や観光に活用されているとは言いがたい状況であります。
 また、最近、酒折にあります八人山でも、山梨学院大学考古学研究会により、新たに石切り場跡が発見され、ここから切り出された石材が、江戸時代の甲府城の修復に使用された可能性があるとのことで、話題を集めました。
 さらに、現在、県庁構内で建設準備が進められております防災新館予定地では、平成二十二年度の発掘調査において、今から約四百年前の甲府城築城期の石垣が約二十七メートルにわたって発見され、石垣の基礎部分からは大変貴重な胴木と呼ばれる基礎木材も見つかるなど、大いに注目されたところであります。このような甲府城の周辺に残されている遺跡や遺構は、城本体の価値を高めるとともに、地域資源として有効に活用していくことが肝要と考えられますが、これらの文化財の効果的活用方策について御所見をお伺いいたします。
 次に、廃棄物最終処分場についてお尋ねいたします。
 知事は、さきの選挙で、長年の県政課題の解決に向け道筋をつけることを約束され、過日、最大の懸案である廃棄物最終処分場問題についての方針等を明らかにされました。
 明野処分場を初めとする処分場問題は、常に県政の最重要課題となってまいりました。地元住民の根強い反対などにより、明野処分場の整備が進まない状況が長く続き、そうした状況を見るにつけ、私は、処分場の確保とあわせ、リサイクルにより埋立量を削減する取り組みが必要であると、議会などさまざまな場面で申し上げてまいりました。近年の最終処分量の減少は、こうした視点で国がリサイクル関係の法整備を進め、国民や事業者が積極的に取り組んできた成果であります。
 その結果、一昨年五月に開業した明野・環境整備センターでは、搬入量が計画を大きく下回ることとなり、県・事業団は知事を先頭に搬入促進に取り組まれたのであります。しかしながら、今回の県の推計では五・五年間の搬入量は計画の三〇%弱、最終赤字は四十七億円に上るとのことであります。県・事業団の懸命な努力にもかかわらず、かくも厳しい状況が見込まれるのは、リサイクルの進展等に伴い、最終処分量が大幅に減少するのが最大の要因であり、公共関与の処分場は非常に厳しい経営環境にあると言わざるを得ません。
 こうした中、県は、産業廃棄物の処分場の整備を当面凍結し、笛吹市境川町の次期処分場については、県内全市町村を対象とする一般廃棄物処分場として整備する考え方を示されました。産廃処分場の整備凍結は、最終処分量が減少し、新たに多額の県民負担が見込まれる中、知事が決断されたものであり、私はやむを得ないものと受けとめております。
 一方、市町村に処理責任がある一般廃棄物については、本県は全国で唯一、市町村が設置した稼働中の処分場がない状況にあります。過去には甲府市や大月都留広域事務組合が処分場を整備した例はありますが、処分場整備には特に広大な用地と多額の経費を要するものであり、市町村が単独または少数で整備することには大きな困難が想定されます。
 そうした意味からも、私は今回の方針を支持してまいりたいと思っておりますが、県は、広域的な一般廃棄物処分場の確保に向け、市町村に対して十分な説明を行うとともに、一般廃棄物処分場整備に係る市町村負担の軽減や、これまで県が中心となって調整してきたと聞き及んでいる地元要望施設についても、県の支援策を講じていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 一方、明野・環境整備センターについては、施設の有効活用が求められており、受け入れ再開に向け、一日も早い原因究明が必要となりますが、調査の今後の見通しについて伺います。
 また、次期処分場における産業廃棄物の最終処分のための施設整備を当面凍結するとの方針は、環境整備センターの埋立期間の延長を前提としたものなのか。さらに、今回、埋立完了までに要する十五年間の収支見通しについても示されましたが、五・五年間の埋立期間を約九年間延長することを前提として、地元との協議を考えているのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立病院の経営改善とドクターカーの活用についてお尋ねいたします。
 まず、県立病院の経営改善についてお伺いいたします。
 昨年四月、県立病院は、経営責任を明確にし、より自主的で柔軟な業務運営を行うとともに、県の政策として求められる医療の提供が確保できる経営形態である特定地方独立行政法人へ移行したところであります。
 私は、平成二十年七月、県議会に設置した県立病院あり方検討特別委員会の委員長として、県立病院の経営形態の見直しについて先頭に立って議論してきた一人として、中期計画の達成に向けた病院の取り組みについて、常に関心を寄せているところであります。
 こうした中、山梨県立病院機構が設立されて一年が経過しましたが、年度計画を大幅に上回る業績を上げられる見通しです。地方独立行政法人への移行は正しい選択であったと一安心しているところであります。
 そこで、独法化により、経営改善に具体的にどのように取り組まれ、どの程度改善されたのか、お伺いいたします。
 さらに、中期計画を達成するために、今後、どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立中央病院におけるドクターカーの活用についてお尋ねいたします。
 私は、従来から、地域医療と緊急医療体制の充実を信条として、救急医療体制の強化、とりわけ、ドクターカーの整備促進を強く主張してまいりました。
 そうした中で、昨年八月の県立中央病院における本県初のドクターカーの導入は、まさに我が意を得たりの感を強くしました。
 明年度当初から導入が予定されているドクターヘリは、本県の救命救急医療体制を大きく向上させるものでありますが、荒天時などには出動できないことや、ヘリポートが必要となることなどの制約があります。
 ドクターカーは、こうした弱点を補い、ドクターヘリと相互に連携させることにより、救命率の向上と後遺症の軽減を一層推し進める有効な手段であります。
 そこで、これまでの県立中央病院におけるドクターカーの運用実績とその効果、さらには今後の活用方策についてお伺いいたします。
 次に、国民文化祭の開催についてお尋ねいたします。
 このたびの東日本大震災は、産業経済活動の停滞はもとより、伝統的な行事や文化芸術活動さえも自粛するような動きを生んでいます。
 こうしたときこそ、全国各地の活発な文化芸術活動によって、国民一人一人が活力を取り戻し、日本全体の元気を復活させていく必要があるのではないでしょうか。
 平成二十五年に、本県を舞台に二十八回目となる国民文化祭が開催されますが、先般策定された実施計画大綱(案)によりますと、開会式などの県主催事業を初め、芸術文化や生活文化から、地域の特色を織り込んだ事業まで、全市町村を巻き込んで多彩な事業が実施されるとのことでありますが、開催まで二年を切った中で、現在の準備状況をまずお伺いいたします。
 本県の国民文化祭の特色は、何と言っても、その開催期間にあると思います。先催県では押しなべて、文化の日を挟んで九日間から十六日間程度を開催期間としていましたが、本県では先例にとらわれず、一月から十一月までの長期にわたって開催されるとのことであります。
 全国で初めての試みでもあり、どのように十一カ月を展開していくのかのコンセプトが一番重要となってくると思います。そこで、その考え方につきましてお伺いいたします。
 次に、国民文化祭を見据えた、地域の伝統文化に根差した文化財の活用についてお尋ねいたします。
 本県には、全国に誇り得る神楽などの数多くの民俗芸能を初めとする伝統文化が継承されております。これらは、地域への愛着や郷土愛をはぐくみ、心の豊かさや、生活の質を高めていく上でも大きな役割を担っております。
 また、県内各地には、伝統文化に特色づけられた地域性を文学や芸術に昇華した先人の活躍の跡も見られます。
 一例を挙げますと、甲斐と駿河を最短で結んだ歴史の道「中道往還」に沿った右左口宿は、古くからの文物の往来の様子を物語る文化財が残り、今は甲府市右左口町となったこの地が輩出した放浪の歌人、山崎方代は、遠くふるさとを離れてなお、望郷の念を独特な作風による短歌に託したことで知られています。
 平成二十五年の国民文化祭を契機に、こうした地域に伝わる文化のあかしをうまくつなぎ合わせ紹介するなど、地域の伝統文化や文化遺産のより一層の活用を図っていくべきと考えますが、地域の伝統文化に根差した文化財の積極的活用方策について、御所見をお伺いいたします。
 次に、東日本大震災等の影響への対応について、お尋ねいたします。
 まず、震災後の観光客の減少に係る対策について、お伺いいたします。
 今回の震災後、観光に関しても、計画停電や燃料不足、交通インフラの乱れのほか、被災地への配慮などにより、直接の被害があった地域だけでなく、それ以外の地域においても、旅行者が著しく減少しており、五月二十四日に国土交通大臣が発表したところによると、三月から四月にかけて、山梨を含む関東地方では約四八%、全国でも約三六%の宿泊予約がキャンセルされたという非常に深刻な状況であり、県内でも多くの観光地から悲鳴が聞こえています。
 加えて、この春は、本県最大のイベントである信玄公祭りを初めとする多くのイベントが中止となっており、当時の混乱した状況を考えると、やむを得ぬ選択だったとはいえ、このことも観光客の減少に一層拍車をかけたものと考えられます。
 しかし、いつまでも自粛が続けば、経済活動も萎縮し、被災地支援を続ける前に、日本全体が疲弊してしまうのは自明のことであり、四月二十一日に知事が全国でもいち早く、山梨から元気を発信するとして、知事みずから大手旅行会社にトップセールスに行かれるなど、積極的な誘客キャンペーンに取り組む方針を打ち出されたことは、まことにすぐれた決断であったと、私も共感した次第であります。
 また、観光事業者の努力もあり、ゴールデンウイークの県内の主な観光施設への観光客の入り込み状況は、前年に比べ六・八%の減にとどまり、当初危惧した大幅減という事態は避けられ、ひとまず安心したところであります。
 このような中、全国の各地域で、震災後の観光客減少に対応した観光業の支援対策が徐々に打ち出されてきており、例えば長野県では、宿泊料金の一部を被災地への義援金とするプランをホームページで紹介するとともに、夏休みに向けた長期滞在型プランの作成などに取り組んでいます。
 本県でも、五月二十日に知事が緊急観光振興対策を発表され、早速取り組みを進められているところであります。
 そこで、観光客の減少に対する現在の具体的な取り組み状況についてお伺いいたします。
 次に、現在も深刻な状況にある中国人観光客の誘致対策についてお尋ねいたします。
 昨年、本県に宿泊した約五十万人の外国人旅行者のうち、中国人が占める割合は四八・二%となっており、この比率は全国で最も高いことから、震災により激減した中国人観光客を早期に呼び戻すことが、本県産業にとって大変重要であります。
 知事はこれまで、トップセールスを初め、意欲的に中国へのセールス活動を展開し、誘客の実績を上げてこられましたが、震災により減少した中国人観光客を呼び戻すためには、さらに積極的な施策を展開する必要があると考えます。
 そこで、中国人観光客の誘客促進に向けて、どのように取り組まれていくのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、放射性物質の検査機器の整備について、お尋ねいたします。
 今回の東京電力福島第一原子力発電所爆発事故は、国民の生活に多大な影響を及ぼしているところであり、一日も早い収束を願ってやみません。
 さて、本県では、幸いなことに現在のところ、大気や水などについては、県民の健康に直接影響するレベルの放射性物質は検出されておりません。
 しかしながら、事故直後からEUを初めとする諸外国では、本県を含む地域で生産された農産物や加工食品の輸入規制が強化され、放射性物質検査証明書や産地証明書が必要とされています。
 一方、他県においては、こうした輸出品のみならず、農産物などを検査する検査機関が不足し、迅速な輸出や出荷に支障を来していると聞いております。こうした状況は当分の間続くものと推測されますが、本県においても、今後、検査の需要が増加する事態も想定されます。
 そこで、検査体制の強化に向けた検査機器の整備状況について、お伺いいたします。
 次に、県産農産物の輸出への影響について、お尋ねいたします。
 原発事故により、諸外国では、日本全体が放射性物質で汚染されているようにとらえられており、これから本格化する桃を初めとする本県産果実の輸出への影響が心配されます。
 現地からの情報では、各国における日本のとらえ方はさまざまであります。一部の国では依然として、日本産フェアを開催しても足をとめる人は少ないとか、日本食レストランの客足は回復傾向にあるものの、日本食品に対するイメージは改善する傾向にないとのことであります。
 こうした状況を踏まえ、今まで築き上げてきた輸出相手先との関係等を損なわないように、主要輸出先の輸入規制に関する対策とあわせ、販売促進活動がこういうときこそ必要だと考えますが、本県産果実の輸出に関する対策はどのようにしているのか、お伺いいたします。
 次に、企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消について、お尋ねいたします。
 本県は、地形に起伏があり、狭隘で傾斜がきついなど、生産条件が不利な農地が多いことから、耕作放棄地の割合が高い状況となっています。
 県では、平成二十年度からの新たな耕作放棄地対策として、一筆ごとの調査に基づいて実態を把握し、規模拡大をしたい農業者や新規就農者など、借り手である地域の担い手の実情に応じた各種支援事業を推進しています。
 この中には耕作放棄地におけるレンタル牛の放牧などユニークな取り組みもあり、耕作放棄地の解消は、それぞれが着実な成果を上げていると聞き及んでいます。
 しかしながら、現在、六十代後半と言われている県内農業者の平均年齢は、今後、さらに上昇することが予想され、新たな耕作放棄地の発生が懸念されます。
 このような中、一昨年度の農地制度の改正によって、一般企業等についても、個人農業者と同様に農業への参入が容易となりました。
 最近、本県においても、企業が新たな事業展開を図るため、農業に参入し、耕作放棄地を活用している事例を見受けられるようになってきました。
 こうした企業は、本県農業の新たな担い手として期待されるとともに、家族経営に比べ、規模の大きい農業展開が見込まれることから、耕作放棄地を含む農地の活用方策としても、大いに有効であると考えます。
 そこで、このような企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消を進めるため、県は今後どのように具体的に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、企業における技術系人材の確保・育成について、お尋ねいたします。
 資源が乏しい我が国においては、すぐれた技術力を生かした自動車や電気製品などを製造する企業が経済の牽引役を果たし、それらの製品の輸出拡大により、我が国の成長、発展が遂げられてきました。
 本県においても、機械、金属、電子などの製造業を中心に積極的に誘致を進め、こうした企業とそれを支える地元中小企業により、機械電子産業が本県の基幹産業となっております。
 今後も、本県経済の持続的な発展を図っていくためには、引き続き大手企業の誘致を進めるとともに、こうした産業分野の安定した成長を継続させることが重要であると考えます。
 しかしながら、近年、少子化や若者の物づくり離れが進み、県外に進学した学生の多くが、そのまま県外に就職してしまうことなどにより、県内企業では若い技術系人材の確保が難しくなっております。
 また、本県では、高等専門学校がないことから、高度な技術力を持つ人材の確保に企業が苦慮している状況にあり、大手製造業の誘致が進まない要因の一つではないかと言われております。
 さらに、本年三月に策定された山梨県産業振興ビジョンにおいては、今後、成長が期待される物づくり産業としてクリーンエネルギー関連産業、生産機器システム産業などが挙げられておりますが、県内企業がこれら成長分野の新たな事業へ挑戦するためには、高い技術力を持った人材が必要であります。
 このため、高度な技能・知識を有する技術系人材を育成できるような教育システムを整備するなど、中長期的な視点に立って、産業界のニーズを踏まえた人材の育成に取り組んでいく必要があると考えます。
 そこで、今後、どのように、本県産業を支える技術系人材の確保・育成に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 次に、五十メートル屋内公認プールの整備について、お尋ねいたします。
 水泳は、子供から高齢者まで幅広く普及しているスポーツであります。山梨県の水泳の競技人口は、日本水泳連盟登録選手だけでも千百数十人おり、そのほかの競技団体所属選手やスポ少水泳部員、マスターズ所属選手等を加えると、県内水泳競技人口は一万五千人を超えております。
 また、大会等競技には出場しませんが、主婦や高齢者の間でも健康のためにプールで泳ぐ人がふえており、本県の水泳人口は確実に増加しております。また、本県はオリンピック代表選手を過去五人輩出するという高い競技力を誇っております。
 昨年は、競泳日本選手権やジャパンオープンなど国内のメジャー大会で、山梨学院大学の鈴木聡美選手が優勝するなど好成績を上げております。また、中国広州で開催されたアジア競技大会においても、日本代表として萩原智子選手初め本県選手が活躍されたことは、記憶に新しいところであります。
 また、最近では、六十回を重ねる海なし三県(群馬、長野、山梨)対抗水泳大会において、ここ数年は山梨県の連続優勝が続いております。
 そして、本年はジュニアブロック・シンガポール遠征の日本代表に推薦された本県の有望選手もたくましく育っております。
 このように水泳山梨躍進の中で、県内には残念ながら五十メートル屋内プールがなく、県営の公認屋内プールでは、緑が丘スポーツ公園スポーツ会館内の二十五メートル屋内プールがあるだけです。水泳競技の公式大会は五十メートルの屋内プールで開催されることが通例となっており、小瀬スポーツ公園水泳場等五十メートルプールが使えない時期には、やむを得ず、本県選手は県外の施設を利用しながら試合に臨んでいる状況であり、選手の経済的負担が大きいばかりか、水泳競技の振興を図る上でも大きな障害となっております。
 一方、昭和四十九年に整備された緑が丘の屋内プールは言うまでもなく、小瀬の屋外プールも昭和六十一年のかいじ国体開催にあわせて整備されて以来、二十六年が経過していることから、老朽化に伴う施設の劣化が気になるところであります。また、関東で五十メートルの屋内公認プールがないのは、埼玉県と山梨県の二県のみであります。
 県民が生涯にわたって水泳に親しむ環境を整えるとともに、全国レベルの大会で好成績をおさめる選手や世界を目指す選手の育成を含め、さらなる競技力の向上を図るためには、施設の充実が重要であります。
 また、このたび、国のスポーツ施策の根幹となるスポーツ基本法が成立したことは、競技力の向上や施設の整備など、スポーツの振興にとって非常に重要な意義があります。
 このようなことから、私は、年間を通じて利用でき、全国規模の公式大会が開催できる五十メートル屋内プールの早期整備が喫緊の課題だと考えます。御所見をお伺いします。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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◯議長(浅川力三君)皆川巖君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)ただいまの皆川議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、自民党・県民クラブを代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 真の分権型社会の実現に向けて、一層の議会改革を推進するという決意を示されながら、私とともに暮らしやすさ日本一の県づくりを目指していただけるという力強いお言葉を賜りました。
 今後も、御指摘のように、本県が未来に向かって大きく飛躍することができるように取り組みを進めてまいりたいと思いますので、変わらぬ御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、六月補正予算編成の基本的な考え方と当面の財政運営について、質問がございました。
 今回の六月補正予算につきましては、まず第一に東日本大震災関連への対応として、県内中小企業等への支援とか、本県への観光客誘致などの県内対策、そして、本県における大規模災害に備えた防災体制の強化などの施策を早急に取りまとめまして、十四億円余を重点的に予算計上したところであります。
 また第二に、本年度当初予算を骨格予算として編成いたしましたので、さきの知事選挙において県民の皆様にお約束をした暮らしやすさ日本一の山梨づくりに向けた七つのチャレンジを実現するための新規施策的な事業について、積極的に予算計上したところでございます。
 具体的には、成長分野への中小企業の参入と新産業の集積、自然を生かしたクリーンエネルギーの導入促進、県民の豊かな生活を守る保健医療の充実などを推進することにしておりまして、これにより、山梨発展の芽を大きな成果へと結実させていくよう、全力で取り組んでまいる所存であります。
 また、当面の財政運営につきましては、厳しい財政状況でありますけれども、そういう中にあっても、将来にわたって持続可能な財政運営の確保を図ることが極めて重要でございます。
 このため、将来の県民負担となる通常の県債等残高の削減に積極的に取り組んでいきたいと考えております。これまでの四年間で、削減目標を二百一億円上回る五百八十一億円余の削減を達成したところでありますが、今後四年間につきましても、引き続き、通常の県債等残高の削減に強力に取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、山梨版事業仕分け等によりまして、事務・事業の不断の見直しを行うと同時に、限られた財源を重点的に配分することにより、暮らしやすさ日本一の山梨づくりに向けた施策を積極的に実施してまいりたいと考えております。
 次に、リニア新駅の設置場所についての御質問でございます。
 まず、今回のJR東海の提案に対する県の考え方について、御質問がありました。
 今月十三日に県期成同盟会で説明がなされましたJR東海の提案は、駅設置の要望があった四圏域ごとに、客観的な基準とデータに基づいて、根拠を明確に示しておりまして、本県の要請を踏まえて、誠実に対応していただいたものと評価しております。
 また、インターチェンジなどとの距離をできる限り短くするなどの広域からのアクセスがよいこと、既成市街地を避けるなど用地確保が容易であることといったJR東海が示した駅設置の条件についても、妥当であると考えております。
 したがいまして、このたびのJR東海の提案は、客観的な基準及びデータに基づき、かつ適切な条件を考慮して、駅建設地の適否が判断されておりますので、この提案は尊重すべきものと考えております。
 次に、中間駅の設置場所に関する県内合意の形成についての御質問でございます。
 リニア新駅は、大前提として、技術的に建設可能であり、その上で、県下各地に住む県民にとって最も使いやすく、さらには本県全体の発展にとって最適な場所に設けられるべきであります。
 今回のJR東海が提案した甲府盆地南部地域は、こうした条件を十分に満たしていると考えられますので、今後は、JR東海の提案を基本として、四圏域の協議会を初め経済団体等の方々にも御意見を伺いながら、リニア新駅の大まかな位置についての合意形成を図ってまいりたいと考えております。
 その上で、年内を目途に、新駅が山梨県にとって最適な場所に設置されるように、関係市町村、JR東海等と協議・調整しながら、具体的な位置の絞り込みを図っていきたいと考えております。
 次に、リニア新駅周辺のまちづくりについての御質問であります。
 本県では、ことし三月に都市計画区域マスタープランを策定いたしましたが、このマスタープランにおきましては、都市のこれ以上の拡大を抑制し、効率的でコンパクトな都市づくりを目指すということにしております。
 リニア新駅と、その周辺整備につきましては、この考え方に基づきまして、新たな拠点都市を形成するというのではなくて、既存都市との整合を図りながら、交通拠点としてのターミナル機能や駐車場、附帯施設などを主体に整備を進めていきたいと考えております。
 今後、地元市町村など多くの関係者の御意見を伺いながら、必要となる駅の機能や駅周辺整備のあり方等について検討を進め、議員御提案のように、山梨らしさが伝わる魅力ある駅となるよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、甲府城周辺地域の整備についてでございます。
 甲府城周辺の修景計画につきましては、昨年度から甲府駅南口周辺地域修景計画検討委員会の中で、検討を行っているところであります。
 本年三月に提示した修景計画原案の中では、舞鶴城公園周辺地域について、歴史と文化へのアプローチゾーンといたしまして、緑豊かでゆとりが感じられる空間づくりを目指すという方向性を示しております。
 御指摘のお城フロント構想も、一つのすぐれた御提案と考えておりまして、検討委員会の中でも議論を重ねておりますけれども、文化財の保護や駐車場のスペース確保などの課題もございます。
 今後はこの検討委員会に、まちづくり団体の一つであり、お城フロント構想を提唱している新世紀甲府城下町研究会などからも、委員として参加をしていただきまして、今までに寄せられたさまざまな御意見や御提案について、関連する計画との整合性や実現性など、よく検討した上で、年度内に基本的な方向性を示す修景計画を取りまとめていきたいと考えております。
 次に、廃棄物最終処分場についての御質問でございます。
 まず、笛吹市境川町の次期処分場についての御質問であります。
 北杜市明野町の環境整備センターに続く次期処分場は、産業廃棄物及び一般廃棄物を受け入れる処分場として、甲府市及び峡東三市のごみ処理施設との一体的な整備を前提に、計画が進められてきたものであります。
 しかしながら、産業廃棄物に関しましては、リサイクルの進展に伴う最終処分量の減少等によりまして、将来的に約六十三億円の赤字が見込まれるということになりまして、次期処分場については、産業廃棄物のための整備は当面凍結し、県内全市町村を対象とする一般廃棄物処分場として整備するという方向で、市町村等と協議を行うこととしたところであります。
 今後、四市のごみ処理施設の建設スケジュールにできる限り影響が出ないよう、十月末までに市町村等の意向を確認することにしておりますが、御指摘のとおり、県といたしましては、一般廃棄物は市町村の自区域内処理が原則であり、そのための国の支援制度も用意されていること。一般廃棄物処分場を県内に設置することにより、市町村が長期間、安定的に処理責任が果たせること。一般廃棄物処分場を広域的、拠点的に整備することにより、市町村が個々に設置するよりも、建設及び維持管理の効率化が図れることなどのメリットや必要性につきまして、御指摘がありましたように、市町村などに十分説明をしていきたいと考えております。
 また、一般廃棄物処分場整備に対する県の支援策が必要ではないかという御指摘がございましたが、一般廃棄物の処理に関する法律上の市町村の役割を踏まえますと、まずは国の支援制度を最大限活用する中で、市町村の負担において実施することが原則であります。
 一方、一般廃棄物処分場の広域的・拠点的な整備は、県としても促進する必要があるほか、次期処分場につきましては、峡東地区最終処分場整備検討委員会における検討や四市との協議などを踏まえまして、県が建設地や整備内容等を決定したものであります。
 こうした建設地決定の経緯等を踏まえまして、一般廃棄物処分場の整備費のうち、上寺尾区を建設地とすることに伴い特に必要となる経費、これは具体的に申しますと、県道から約一・五キロメートルに及ぶ取りつけ道路の確保とか建設地内を流れる河川のつけかえの経費などでございますが、こうした経費につきましては、県としても応分の負担を検討する必要があると考えております。
 また、次期処分場建設地に隣接して計画されております地元要望施設につきましては、地元の上寺尾区からの処分場候補地の応募条件に基づきまして、これまで県が地元との窓口になって、施設の整備内容を検討してきた経緯もございまして、ごみ処理施設を利用する四市の役割をも踏まえる中で、県の応分の負担について検討してまいりたいと考えております。
 次に、明野・環境整備センターについての御質問を幾つかいただいております。
 まず、漏水検知システムによる異常検知の原因究明作業の見通しについてであります。
 これまで、安全管理委員会から承認をいただいた調査計画に基づきまして作業を行ってまいりましたけれども、遮水シートの損傷などは確認されていないという状況であります。
 今後は、施設の施工業者と共同して、遮水シートの性能自体を確認するための強度試験を行うことにしておりまして、七月末を目途に、これまでの調査結果とあわせまして、安全管理委員会に報告し、その後の対応措置などを検討していきたいと考えております。
 次に、産業廃棄物の処分場整備の凍結は、明野・環境整備センターの埋立期間の延長を前提としたものなのかという御質問であります。
 次期処分場につきましては、リサイクルの進展によって産業廃棄物の最終処分量が減少する中で、現行計画で整備を行った場合には、新たに六十三億円という多額の県民の税金の投入が必要となりまして、財政状況が厳しい中、県民の理解を得ることは困難であります。
 こうしたことから、今般、産業廃棄物のための次期処分場について、当面、凍結することとしたものでありまして、必ずしも明野・環境整備センターの埋立期間の延長を前提とするものではございません。
 最後に、埋立期間を約九年延長することを前提として、地元と協議を行うことにしているのかという御質問をいただきました。
 埋立期間の延長につきましては、まずは今後、原因究明作業をできるだけ早く完了させて、受け入れを再開させることが第一であります。
 その後、引き続き、廃棄物の搬入促進に向けた取り組みを推進するとともに、再開後の廃棄物の受け入れ状況を一定期間、見きわめた上で、御指摘の延長期間の問題も含めまして、地元の皆様に誠意を持って協議をお願いしていきたいと考えております。
 なお、漏水検知システムの異常検知の原因究明が困難、または原因究明作業が長引いて、さらに受け入れ停止期間の長期化が見込まれる場合には、その時点において、改めてセンターの方向性について検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、県立病院の経営改善とドクターカーの活用についてでございます。
 県立病院は、昨年四月に地方独立行政法人に移行いたしまして、一年余りが経過いたしましたが、小俣理事長が先頭に立ち、職員が一丸となって、良質な医療の提供や経営基盤の強化に全力で取り組んでいただいているところであります。
 まず、平成二十二年度の経営改善の取り組みと改善状況についてでありますが、中央病院では、患者さんをきれいに早く治すという方針のもとに、昨年七月から、看護師一名が患者七名を看護するという体制を導入いたしまして、よりきめ細やかな看護を提供するとともに、早期に適切な措置を行って、より多くの新規入院患者を受け入れていくということに取り組んできたところであります。
 また、化学療法科や放射線科などからなるがん診療部というものを新設いたしまして、チームで患者に最善の治療を提供するなど、がん医療の充実を図ってきたところであります。
 さらに、北病院では、新たに心身喪失者等医療観察法に基づく入院病棟というものを開設いたしまして、これまで四名の対象者を受け入れて、社会復帰に向けた治療を行ってまいりました。
 こうした取り組みによりまして、医療の質が向上するとともに、経営の改善も図られ、中央病院の新規入院患者が約千人増加するなど、法人全体の医業収益は、年度当初の計画を一割近く上回る見込みとなっております。
 次に、今後の中期計画の達成に向けた主な取り組みにつきましては、中央病院では、増加する外来化学療法患者に対しまして、がんの治療が受けられる通院加療がんセンターを整備するとともに、ドクターカーやドクターヘリの運用により救命救急医療の充実を図り、さらに北病院では、精神科救急・急性期医療体制を充実・強化してまいります。
 こうした取り組みを進めることによりまして、県の基幹病院として県民に信頼される質の高い医療が確保されるものと期待しております。
 次に、ドクターカーの実績・効果についてでございます。
 ドクターカーは、言うまでもなく、医師を派遣することによりまして治療開始までの時間を短縮して、救命率の向上や後遺症の軽減を図ることができるものでありますので、昨年八月から県立中央病院で全県を対象に運用されております。
 平成二十二年度の出動実績は四十二件を数えまして、そのうち病気の半数を占める外傷、交通事故等による外傷でありますが、外傷の救命率は七五%に上っておりまして、重症重篤な患者の救命に寄与しているものと認識しております。
 また、今後のドクターカーの活用につきましては、ドクターヘリに比べて、活動エリアは限定されるわけでありますけれども、天候に左右されないという特性を踏まえまして、ドクターヘリとドクターカーの活動エリアのすみ分けや、ドクターヘリが天候不順などによって運航できない場合の補完的な機能など、それぞれの役割分担について、県立中央病院と連携して検討を進めまして、救命救急医療の一層の充実・強化につなげてまいりたいと考えております。
 次に、国民文化祭の開催についてでございます。
 まず、現在の準備状況についての御質問でございますが、音楽、舞踊、美術、民俗芸能など、各分野の発表・競演が繰り広げられる市町村主催事業につきましては、昨年度、すべての市町村を舞台にして、七十余りの事業が開催されることが決定されました。
 本年度は、各市町村が実行委員会を設立いたしまして、この委員会で、芸術文化団体と協力しながら、出演者をだれにするか。作品の募集要領を作成するというようなことを予定しておりまして、県としても、委員会に各地域県民センターが加わるなどして、積極的に支援していきたいと考えております。
 また、開会式と閉会式が行われる総合フェスティバルなどの県主催事業につきましては、総合プロデューサーを選定するとともに、具体的な内容を盛り込んだ実施計画を策定していきたいと考えております。
 あわせて、国民文化祭に関する認知度を高めていくために、現在、イメージソングを公募中でありますが、その最終選考を公開で五百日前イベントということで行うこと。また、冬を象徴する伝統行事であります道祖神を題材にした一年前イベントを開催するといったことによりまして、機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
 次に、長期にわたる大会の展開についての考え方はどうかという御質問であります。
 本県の国民文化祭は、自然や風土、歴史の中で培われてきた伝統行事や文化に光を当てまして、四季を通じて、本県の自然や文化のすばらしさを満喫していただくために、全国で初めて通年で開催することにしております。
 開催期間が非常に長い期間にわたりますために、会期を四つの季節のステージに分けまして、それぞれ初めに季節を象徴する、例えば冬であれば道祖神祭りとか、夏であれば富士山に関連した事業を集中的に実施いたしまして、各ステージの特徴を出すとともに、季節の転換を際立たせて、めり張りのある事業展開をしてまいりたいと考えております。
 さらに、一月の冬のステージの開幕をプロローグにして、春、夏と徐々に盛り上げて、秋のクライマックスへ一つの物語のように展開していくことによって、全体の連続性と統一感を出し、県内外からの多くの参加者や観覧者が、会期を通じて楽しんでいただけるような大会にしていきたいと考えております。
 次に、東日本大震災等への影響への対応について、幾つか御質問がございました。
 まず、震災後の観光客の減少に係る対策についてでございます。
 第一の質問の現在の取り組み状況でありますが、県では四月の後半から、国や大手旅行社へトップセールスとか観光キャラバンや観光キャンペーンに積極的に取り組んでまいりまして、ゴールデンウイークには、個人観光客を中心に、ある程度の観光客の確保が図られたところであります。
 しかしながら、団体旅行、そしてインバウンド観光──海外からの観光を中心に、依然として不透明な状況が続いていくと危惧されますので、五月後半から、さらなる対策として、富士の国やまなし緊急観光振興対策に取り組むことにいたしました。
 例えば、本年は節電のために、企業等が長期休暇を導入するということが見込まれまして、豊かな自然や温泉を初め、本県のさまざまないやしの素材を生かした長期滞在客が見込まれますので、そういった需要に対応した長期滞在型のツアーを新たに旅行商品として造成してPRをしたり、本県の魅力的な地域資源を活用した新たな誘客イベントを開催するといったことに対して、旅行会社とか市町村等に支援を行っていきたいと考えております。
 あわせて、夏や秋の旅行シーズンに向けて、首都圏のJR主要駅や高速道路のサービスエリアなどにおいて、本県の魅力をアピールするポスターを掲げるなど、集中的な観光キャンペーンを実施してまいります。
 以上のような取り組みによりまして、市町村や観光関係団体と連携しながら、夏休みや紅葉シーズンに向けて、本県の観光振興を強力に進めてまいります。
 第二の御質問の中国人観光客の誘致対策についてでございます。
 四月末に中国政府による日本への渡航制限の緩和があり、また五月下旬から、団体観光ビザによる旅行再開などの動きがありましたので、これに早急に対応していくために、先日、やまなし観光推進機構が観光団体と連携いたしまして、北京国際旅遊博覧会に参加し、本県観光地の安全と魅力を強くアピールするとともに、中国の旅行会社を訪問して、本県への送客を要請したところであります。
 また、今後、中国の観光ホームページへ山梨県特集ページを掲載するとか、中国のブログサイトでの最新の観光情報を発信するとか、山梨の魅力を紹介するテレビ番組を中国で放映をするとか、そういった情報発信の充実を図ることにしております。あわせて、北京、上海の観光経済交流拠点を活用した中国旅行会社への宣伝活動を一層強化していきたいと考えております。
 さらには、秋に訪日旅行者の大幅な伸びが期待できる中国の地方都市を対象といたしまして、県や市町村、観光団体からなるキャラバン隊を派遣いたしまして、各地方の旅遊局や教育局などの行政機関あるいは旅行会社に対するセールス活動を実施することにしております。
 こうした取り組みを積極的に展開することによりまして、中国からの誘客を促進してまいりたいと考えております。
 次に、県産農産物の輸出への影響についての御質問でございます。
 本県では、各国の県産農産物の輸入規制に対しまして、輸出に必要な各種証明書の発行手続を迅速に行っているほか、国を通じて、各国の輸入規制が科学的根拠で行われるように要請しております。この結果、中国からは、本県を輸入停止対象都県から除外する旨、先月、表明がなされました。
 販売促進活動に関しましては、私みずから輸出業者と、海外の消費動向や今後の対策について、来月に意見交換をするほか、今後の輸出先として有望なシンガポールでトップセールスを行う予定でございます。また、JAにおいても、急遽、幹部が最大の輸出先の台湾で、輸出改善に向けた要請活動を行うことにしておりまして、今後とも、生産者団体と一体となった輸出促進に鋭意取り組んでまいります。
 次に、企業の農業参入を通じた耕作放棄地の解消についての御質問でございます。
 平成二十二年度に公表された耕作放棄地全体調査によりますと、全国的には耕作放棄地は増加しているわけでありますが、そういう中で、本県においては約六十三ヘクタールほど、面積が減少いたしました。
 これは、県内の農地を活用して農業や農村の活性化にチャレンジする方が、近年ふえていることが主な要因だと考えております。
 新規就農者も年々ふえておりますし、農業に参入する企業も、年間の参入数が昨年度は初めて二けたに達するなどの増加傾向にあります。
 このうち、農業に参入する企業の場合には、耕作放棄地を再生・活用して、大規模でまとまった農地を求めることが大変に多いわけでありますので、御指摘のように、今後、企業の農業参入に力を入れていくというのが、本県の耕作放棄地解消を加速的に進めていく上で重要だと考えております。
 昨年度は北杜市須玉町で、外食産業を営む県外企業が、長年、耕作放棄されていた東京ドーム四個分に当たる十六ヘクタールの農地を、県と連携しながら再生いたしまして、農業の六次産業化に取り組み始めました。
 現在でも、県内外の企業から、農業参入に関する相談が多く寄せられておりまして、その中には、県外の大企業からの引き合いも複数あるなど、企業の県内農業への参入意欲は引き続き高いものがございます。
 県といたしましては、農業への参入を希望する企業に対しまして、農地情報を素早く提供できる体制を整えることとか、企業のニーズに沿った基盤整備を支援することなどを通じまして、今後とも企業参入による耕作放棄地の再生・活用に鋭意取り組んでいきたいと考えております。
 最後に、企業による技術系人材の確保・育成についての御質問であります。
 少子高齢化が進みまして、生産年齢人口の減少傾向が続くという状況において、本県経済の発展や、優良な企業の集積を図るためには、御指摘のように、物づくり産業の将来を担うすぐれた技術系人材の確保・育成が極めて重要であります。
 このため、平成二十年六月に産業界、教育界、労働界などの代表者で構成いたします産学官労連携人材確保・育成推進会議を設けまして、人材確保の検討を行ったわけであります。そして、初等教育の段階から、適切な職業教育を行う一貫型の教育システムの構築ということを提案いただきましたので、それに取り組んでいるところであります。
 小学生から高校生までの間は、それぞれの段階に応じた職場体験とか職場見学会を行ったり、あるいはインターンシップなどを行いまして、物づくり意識の啓発に努めております。
 また、工業系高校と産業技術短期大学が連携して、実質的に高等専門学校と同様な五年間の一貫型カリキュラムを通して、実践的な技術者を養成するということにいたしまして、都留市の谷村工業高校では、産短大都留キャンパスとの連携を視野に入れて、現在、二年生からの実習内容の見直しを行うとともに、来年度は学科を改変することにしております。
 さらに、山梨大学工学部に平成二十一年度から地域産業リーダー養成特別枠を設けていただきまして、既に三年生まで十名の学生が入学して、本県産業界のリーダーとして活躍できる人材を育成するための特別演習とか特別インターンシップなどを行っておりまして、機械電子工業会と連携して、これを支援しております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、企業のニーズを的確に把握する中で、本県産業界を担う技術系人材の確保・育成に努めてまいりたいと考えております。
 以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
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◯議長(浅川力三君)福祉保健部長、古屋博敏君。
      (福祉保健部長 古屋博敏君登壇)
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◯福祉保健部長(古屋博敏君)皆川議員の放射性物質の検査機器の整備についての御質問にお答えいたします。
 福島第一原子力発電所の事故の影響によりまして、県内工業製品や加工食品などの輸出に際し、一部外国政府や海外取引先等から、放射線量や放射性物質の検査を求められているところでございます。
 このため、まず県内工業製品の検査につきましては、先般、製品の表面の放射線量を測定する装置を、山梨県工業技術センターに二台整備いたしまして、検査や証明書の発行を実施しているところであります。
 また、摂取することによって人体に影響があります加工食品等の放射性物質の検査につきましては、今後、検査を要請されるケースが増加することが想定されますため、衛生環境研究所に設置しております分析装置一台に加え、新たに二台を発注いたしまして、検査体制の強化を図っているところであります。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)教育委員会委員長、渡邉努君。
      (教育委員会委員長 渡邉 努君登壇)
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◯教育委員会委員長(渡邉 努君)皆川議員の御質問にお答えいたします。
 まず、甲府城にかかわる地域資源の活用についての御質問にお答えします。
 県指定史跡「甲府城愛宕山石切場跡」につきましては、今後、広く県民に公開していくため、環境面での条件整備などについて、土地所有者など関係者と協議を進めてまいります。
 また、防災新館建設予定地から出土した石垣及び胴木につきましては、有識者の御意見を踏まえ、その一部を防災新館地下一階に設ける見学スペースにおいて公開していくことといたしております。
 さらに、今般、酒折の八人山で発見されました石切り場につきましては、現在、甲府城との関連について、資料調査を進めているところであります。
 今後、鉄門の復元整備を行っている甲府城と、これら甲府城周辺の歴史的な地域資源が、郷土学習の場や観光資源として一体的に活用されるよう検討してまいります。
 次に、国民文化祭を見据えた地域の伝統文化に根差した文化財の活用についてであります。
 本県では、多くの地域において、全国に誇り得る伝統文化に根差した文化財が継承されており、県においても、その保存・活用に努めてきたところであります。
 これまでも、本県とかかわりのある作家ゆかりの地をめぐる文学散歩や、地域の歴史を学ぶ史跡文化財セミナーなど、各地域の文化財などを一体的に活用した事業を実施してまいりました。
 また、県内各地に伝承されている民俗芸能を将来へ着実に継承していくため、平成二十一年度から三カ年計画で、これらの実態把握や記録保存を行う民俗芸能緊急調査を実施しているところでございます。
 今後は、これらの成果を踏まえながら、平成二十五年の国民文化祭に向け、各地に点在する文化財をめぐるフットパスのコース設定や、県立博物館などにおける関連するセミナーの開催など、地域の伝統行事を広く県民に情報提供し、教育活動や観光振興への活用に努めてまいります。
 次に、五十メートル屋内公認プールの整備についてであります。
 本県では、県民が健康で豊かに生きるため、だれでもどこでもスポーツに親しむことのできる環境づくりに努めるとともに、国際大会などでの本県選手の活躍により、県民に夢や感動を与えられるよう、競技力の向上に取り組んでおります。
 このような中、本県の競泳種目におきましては、多くの選手が全国レベルの大会で数々の輝かしい成績をおさめており、その活躍は目覚ましいものがございます。
 一方、県営の公認プールとしては、緑が丘の二十五メートル屋内プールと、小瀬スポーツ公園の五十メートル屋外プールがありますが、いずれも、整備以来、相当な期間が経過しているため、競技団体等から、五十メートル屋内公認プールの整備について、強い要望をいただいております。
 県教育委員会といたしましては、五十メートル屋内公認プールは、県民の生涯スポーツの振興、競技力強化の両面で重要な施設であるという認識に変わりはありませんが、全国規模の公式大会の開催が可能な施設の整備には、他県の整備事例を見ますと、多額の事業費や維持管理費が必要となります。
 他方、一般的な耐用年数が三十年程度と言われる中、新たなプールの整備計画の検討に当たっては、既存施設であります小瀬スポーツ公園の五十メートル屋外プールの耐用年数も十分に勘案していく必要がございます。
 このため、現下の厳しい財政状況や、他の大型事業の執行計画に加え、このようなことも考慮に入れながら、検討を重ねてまいります。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)当局の答弁が終わりました。
 皆川巖君に申し上げます。残り時間は一分であります。
 再質問はありませんか。皆川巖君。
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◯皆川 巖君 おおむね前向きの御答弁いただいたものと思いますが、企業における技術系人材の確保・育成についてであります。
 産学労と共同しながら、一貫教育システムをつくったり、今いろいろな御努力をなされていることはわかるんですが、何で高等専門学校が、山梨には一つもないのか。私は常日ごろ疑問に思っております。
 どうして高等専門学校ができないのか、その理由をお聞きしたいと思います。
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◯議長(浅川力三君)産業労働部長、新津修君。
       (産業労働部長 新津 修君登壇)
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◯産業労働部長(新津 修君)皆川議員の高等専門学校に関する再質問にお答えいたします。
 高等専門学校が、どうして山梨県にはないのかという御質問だと思いますけれども、御存じのように、ほとんどの場合が国立の高等専門学校、公立の専門学校というのは非常に少ない歴史的な経緯がございます。そんなこともございまして、本県にはこれまで、技術系の大学というのは山梨大学しかございませんでしたけれども、私立系のそうした民間の高等専門学校などの立地するような経緯にはございませんでした。
 この高等専門学校がないということについての歴史的な経緯について、詳しく検討している経過はございませんけれども、少なくとも、そうしたものがないという本県の現状を踏まえまして、産業技術短期大学校によりまして、これを工業高校からの一貫的な実施的なカリキュラムを目指すことによりまして、これにかわる教育システムといったもので、補完ができればということで、県としては取り組んでまいったというような経緯であると承知しております。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)皆川巖君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって、皆川巖君の代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午前十一時五十二分休憩
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                                         午後一時零分再開議
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◯副議長(渡辺英機君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第二及び日程第三の議事を継続いたします。
 発言の通告により、森屋宏君に四十分の発言を許します。森屋宏君。
      (森屋 宏君登壇)(拍手)
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◯森屋 宏君 私は、明全会を代表いたしまして、本定例県議会に提出されました案件並びに県政一般について質問をいたします。
 まずその前に、今回三月十一日に東北地方を中心に発生いたしました大震災で、犠牲となられました多くの方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、家屋などを失い、いまだ避難所生活を続けていられる方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
 さて、私たち県議会も十一名の新人議員の方々が参加して、今任期が始まりました。
 今、私たちの地方議会は、明治維新、そして戦後期に続く、第三の変革期を迎えています。平成十二年の地方分権一括法施行以来、十年余りが経過し、本格的地方分権への足固めが進められ、いよいよ議会改革が本番を迎えているのです。
 我が国の地方自治は、戦後、憲法第八章で初めて制度的に保障され、府県知事の選任を公選へと改め、さらには首長、議員ともに直接住民の選挙によって選ぶという二元代表制を採用するなど、その形を確立してまいりました。
 しかし、一方で、都道府県知事と市町村長に国の地方機関としての役割を持たせるという機関委任事務制度を残し、国、都道府県、市町村の上下主従の関係が戦後も続くこととなったのです。
 しかし、このように戦後実質的に地方自治を縛ってまいりました機関委任事務が、地方分権一括法により、すべてなくなることとなりました。
 地方自治にとりましては大改革が行われたのであります。特に都道府県の場合、その仕事の七割から八割が機関委任事務であったことを考えますと、以前と比較して、その役割は全く変わったといえます。
 一方、私たちのような都道府県議会につきましても、機関委任事務につきましては、審議権、条例制定権、予算修正権などの権限は与えられず、ごく限られた範囲において、その役割を果たしていたにすぎません。しかし、地方分権一括法の施行により、これまでの機関委任事務は廃止され、私たち県議会は県の行政すべての事項について審議を行い、条例を制定することができるようになりました。加えて、すべてを審議するということは、政策決定について知事との合意を構築し、執行後は知事とともに結果責任を負っていかなければいけないということであります。
 立場の異なる多様な意見を持つ議員の合議体である議会が、議論を深めることによって、知事とともに知恵を競争し、よりよいあすの山梨を築いていくことができるのか、今、私たちに問われています。
 私たち明全会は、そうした地方分権の時代に活躍することのできる県議会を目指し、常に県政課題に対して真摯に向き合い、議論を尽くし、県民の福祉向上に全力で取り組んでまいります。地域間の競争の時代と言われる今日、議会の立場におきましても、他の都道府県に劣ることのないよう努力してまいりますことを申し上げ、以下質問に入ります。
 まず、知事の県政運営に対する基本姿勢についてお伺いいたします。
 今、横内知事を初め、地方公共団体の首長におかれましては、これまでにない新たなステージで、その役割を果たしていくことが求められています。
 我が国が、明治維新以来、続けてまいりました中央集権体制による国と県、そして市町村の関係が大きな転換期を迎えているのです。
 地方分権から地域主権へと、国の政権交代により呼び名は変わりましたが、この大きな潮流は、社会経済のグローバル化が進む中で乗り越えていかなければならない試練となっています。
 特に都道府県知事にとりましては、冒頭申し上げましたように、平成十二年の地方分権一括法施行以来、その役割が大きく変わろうとしています。
 今、まさに未来への大きな一歩を踏み出そうとしているとき、横内知事には、いかに本県の優位性に磨きをかけ、輝かしい未来の山梨へと導く県土づくりができるのか、地域経営のリーダーとして時代の要請にこたえていくことが求められています。
 そこで、その役割が大きく変わろうとしている知事として、今後の県政運営についてどのようなお考えをお持ちなのか、幾つかの視点からお伺いいたします。
 まず、市町村との関係と広域自治体としての県の役割についてであります。
 県内には、平成の大合併以前は六十四市町村と、比較的規模の小さな自治体が数多くありました。
 おのずと、さまざまな面において県への依存意識が強く、現在でも医療の分野や廃棄物行政など、意識改革が進められていないことを感じさせられる場面が多くあります。
 一方、県行政につきましても、従来から担ってまいりました仕事意識からの脱皮ができず、迷いがあるのではないかと感じています。
 ここ数年の行財政改革の流れの中で、民間企業における経営手法などを公共部門に適応して効率化を図る、いわゆるNPMなど新しい行政手法の活用や行政評価などが進められてきましたが、ここでもう一度、広域自治体としての県の役割を明確に打ち出していくべきではないでしょうか。
 その上で、基礎的自治体である市町村との役割分担をともにつくり上げていく必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、新行動計画について、お伺いいたします。
 横内知事は就任以来、県政運営の基本指針を四年間という期間で定めて実行するという、これまでにない新鮮な発想で、県政を担ってこられました。前回の行動計画では実施期間内での工程も示され、議会にとりましても、条例で定めてまいりましたように、年度ごとや改訂時における評価を行うという面から、大変わかりやすいものでありました。
 今回の新行動計画につきましても、作業工程が示されるということでありますので、歓迎したいと思います。
 しかし、以前から指摘がありますように、長期的な県土像の提示につきまして、その姿がなかなか見えてきません。さらなる具体的表現が必要ではないでしょうか。
 今回の案では、それぞれのテーマごとに、さらなるその先の本県の姿を提示しています。しかし、十年後ということではなく、リニア中央新幹線の完成も視野に入れた時期を見据えて、さらにその先の県土像についてトータル的にまとめ上げ、県民に示していくことが大切であると私は考えます。
 市町村との役割分担とともに、県の示した長期ビジョンへ向けた取り組みが実行されていけば、比較的に政策効果のあらわれやすい本県では、四年間という行動計画期間において、その成果は着実にあらわれてくるものと確信します。
 本計画の中でうたわれている世界に開かれた日本のスイスとなり得る日も、現実のものとなってくると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、行財政改革について、お伺いいたします。
 前任期の四年間につきましては、行動計画とあわせて行政改革大綱を策定し、公共事業の削減や県債残高削減に積極的に取り組み、その成果を上げてこられました。
 今回は、新行動計画の中で、行財政改革についての取り組みについても一体的に明らかにするとされています。私はむしろ、改革の実現に客観性や確実性を確保するという意味からも、行財政改革への取り組みを独立したものとすべきであると考えますが、知事の「一体的」とされた理由をお尋ねいたします。また、平成十九年度から続けてこられました山梨経済財政会議は、常に厳しい視点から、各般にわたる県行政に対する意見が交わされ、大変意義深い会議であったと私は評価しています。今後、開催される計画はあるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、本県財政の見通しについて、お伺いいたします。
 私は、毎年の質問のたびに、地方財政の危うさを訴えてまいりました。今回改めて、私が県議会議員となりました十二年前の本県の財政と今日のものとを比較することによって、財政の中身の変化を読み取り、その問題点に迫ってみました。
 私が初めて県議会議員となりました前年の平成十年度と平成二十二年度との財政比較をいたしますと、総額におきましては、平成十年度の当初予算が四千八百五十二億円、平成二十二年度の当初予算が四千六百十八億円と、その差はほとんどありません。
 性質別歳出予算を見ますと、顕著な変化がありましたのは投資的経費です。平成十年度には千八百五十六億円、構成比で三八・二%であったものが、二十二年度には九百三十八億円、構成比で二〇・三%と半減しています。
 意外でありましたのが人件費で、平成十年度の千三百九億円、構成比二七・〇%であったものが、二十二年度は千二百十九億円、構成比で二六・四%と、わずかな削減にとどまっています。
 投資的経費につきましては、過去十二年間にわたり、県内景気に配慮しつつ削減の推進に努めてきた成果があらわれています。しかし、人件費につきましては、公務員数の削減や、県立中央病院の地方独立行政法人化によって純減した数を含め、実数において十二年間で約千八百人の削減を実施してきたにもかかわらず、今のところ予算ベースで、その成果はあらわれていません。
 都道府県財政には、警察官や教職員給与を負担するという事情があり、行財政改革で削減目標をあげて、着実に実施してきた成果を見るまでには、まだまだ時間がかかることがうかがえます。
 ところで、最も懸念されますのは、やはり公債費の伸びであります。平成十年度は六百八億円、構成比一二・五%であったものが、二十二年度には八百四十五億円、構成比一八・三%と大幅に伸び、社会保障関係経費に対する補助費の増額とともに、経常収支比率の上昇を招く要因となっています。
 本県財政における経常収支比率は、平成十年度に八二・六%であったものが、二十一年度には九三・九%へと、財政の硬直化が進んでいます。
 これは全国的な傾向であるとはいえ、現在の本県財政は予断を許さない状況にあり、なお一層の行財政改革を迫られていると言えます。
 特に、経常収支比率の上昇は財政の硬直化を招き、今後、地域の課題やニーズに的確にこたえるための政策予算確保への影響が懸念されます。
 そこで、県では今後の財政の見通しについて、どのようにとらえていられるのか、お尋ねいたします。
 次に、リニア中央新幹線の建設に伴う諸課題について、お伺いいたします。
 平成九年に山梨実験線でのテスト走行が開始されましたリニアモーターカーは、その後の経済変動などの影響により、その実現が危ぶまれた時期もありましたが、民間企業であるJR東海が事業主体となることで、大きく前進してまいりました。
 もともとJR東海にとりましては、東海地震など災害の影響が懸念される東海道新幹線の代替路線として、中央新幹線の建設は切実な問題でありました。
 一方、内陸部に位置する本県にとりましても、中央自動車道の全線開通以来のビッグプロジェクトであり、中部横断自動車道の開通とあわせて、本州における人や物の流通の結節点として、大きく飛躍するチャンスでもあります。
 また、現在、我が国自体がアジアの中での立ち位置を問われている時代でもあり、グローバルな視点からリニア新幹線の開通をとらえる必要があります。
 ところで、昨年五月に県の招きで来県された藻谷浩介氏──「デフレの正体」の著者でもあります──は講演の中で、新駅設置に伴う開発について、今日まで新幹線駅が犯してきた失敗を繰り返してはいけないと述べられています。つまり、従来型の新幹線新駅周辺の開発、例えば土地区画整理事業などは、ことごとく失敗に終わっているというのです。
 新幹線駅を利用する人たちは、駅を目的に来るのではなく、あくまで駅は乗降のための手段にすぎません。新駅に必要なのは、空港のような駐車場と、山梨の表玄関としての日本のどこにもない景観であると繰り返し訴えられています。
 先日、JR東海から、新駅設置のおおよその場所が発表されました。いよいよリニア新幹線の活用策についての論議が本格化してまいります。
 ぜひ、二十世紀型の地域開発の議論ではなく、世界の中で山梨を位置づけるような、今後百年、二百年を見通した議論がなされることを期待いたします。
 そこで、今後の議論の進め方ですが、多くの方が発言されていますように、リニア駅は、設置される周辺の地域だけの問題ではありません。世界へ向けた山梨の玄関口のあり方を問うものです。
 県の強力なリーダーシップを求めるものでありますが、知事のリニア駅周辺整備のあり方についての御所見をお伺いいたします。
 また、全線完成が三年後に迫ってまいりました実験線の活用について、お伺いいたします。
 約四十二キロにわたるリニア実験線は、非常に限られた期間ではありますが、観光資源としての活用が期待されています。
 今までの見学センターでの入館者数を見ますと、ピーク時には年間十七万人の方々が訪れています。約四十二キロの全長や最大十二両編成という規模から考えますと、かなりの数の試乗客が見込まれ、それに伴い、リニア見学センターへの入館者も大幅に増加することが見込まれます。
 そこで、県として、都留市小形山の見学センターの活用をどのように考えていられるのか。また、周辺整備についての考え方についても、あわせてお尋ねいたします。
 次に、産業振興への取り組みについて、お伺いいたします。
 まず、具体的な県内産業振興への取り組みをお尋ねする前に、県内経済の現況についてお伺いいたします。
 本県の産業は大きく分けて、電気機械を含めた装置産業などの大手企業と、地場産業を初めとした中小零細企業とに二分される産業構造が特徴であります。
 県財政という視点から見ますと、県の財政収入に影響を与えます法人二税を納めていただける企業、つまりは非常に限られたリーディングカンパニーの動向に目を奪われがちになります。
 しかし、従業員数の大半は中小零細企業の従事者であり、県は、この両者の景気動向を常に注意深く見ていく必要があります。現在の地域での景気観は、いまだ震災の影響を強く残し、何よりも個人の消費意欲の低迷が気にかかります。
 そこで、リーマンショック後の景気の落ち込みから回復傾向にあった本県経済は、現在、震災以降どのような状況にあると県は判断をされているのか、まずお伺いいたします。
 さて、歴史的に山梨県の産業の変化を振り返ってみますと、そこには、先人たちの叡智と努力の跡を見ることができます。江戸時代には、幕府の直轄地として、甲府城下は「小江戸」と称され、商業のまちとして栄えました。
 明治の時代となりまして、藤村紫朗県令の時代には殖産興業が進められ、当時全国でも官営の富岡製糸場に次ぐ山梨県勧業製糸場を完成させ、後に甲州財閥と総称される鉄道、電力、ガス事業などの実業家たちを誕生させていきました。
 第二次世界大戦後は、国土の均衡ある発展という国の流れに乗って、インフラ整備が進められ、東京圏に近いという地理的条件にも恵まれた本県は、機械電子産業の集積地として、人口規模に比べて製造品出荷額が高いなど、着実にその成果を上げてきたところであります。
 このように、我が国の時代的変化に敏感に対応してまいりました本県の地域産業は、今、歴史的な転換期を迎えていると言えます。
 このような視点に立って、県行政の今日的役割を考えますと、政策的に地域経済をリードするという大きな役割がある一方、行政の限界を常に念頭に置きながら、役割を果たしていくということを忘れてはいけません。社会におけるあらゆるセクターが持つ社会的資源、すなわち民間の知恵をつなぎ合わせるコーディネーターとしての役割も、今後さらに模索していく必要があります。
 そこで、まず、地場産業のブランド力強化について、お尋ねいたします。
 近年、産業構造や輸出競争力の差異によって、地域経済の活力に差が生じてきています。
 このような状況下にあって、地域においては、それぞれの資源や知恵を最大限に活用して、自立的に経済を活性化しようという意識が強まっています。
 中でも、地域の特徴的な産品に地域名を付加して、他地域のそれと差別化を図ろうとする、いわゆる地域ブランドを構築する取り組みが盛んに行われており、地域ブランドは自治体間の競争にもなっています。
 似たような産品を生産している場合には、ブランド化をいち早くなし遂げたところが活性化に成功するとも言われています。
 知事はマニフェストの中で、「元気産業創出」チャレンジとして、地場産業におけるやまなしブランドの充実支援を掲げておられます。
 つまりは、山梨が誇る地場産業のブランドイメージのさらなる向上を図り、全国展開・海外展開などの支援を充実することで、産地の活性化を図るとされていますが、具体的にどのような支援策を考えておいでになるのか、お伺いいたします。
 次に、新たな地域産業支援策として期待される県内企業の海外展開への支援について、お伺いいたします。
 従来からの考え方では、県内の企業が海外に進出するということになりますならば、地域産業の空洞化に拍車がかかるという声が多く聞かれました。
 しかし、経済産業省が七年間にわたって追跡した調査によりますと、直接投資企業──つまりは海外展開した企業は、非直接投資企業──そうでない企業と比較して、国内従業者数の増加率が高くなるということが報告されています。
 立教大学の山口教授は、「中小企業の海外進出の場合、仕事の一部を海外へ移転する場合が多く、海外で新しいマーケットを見つけて仕事をふやし、それに関連して、国内に残していた部門の仕事もふえるのではないか」と分析されています。このように、海外進出が必ずしも国内産業の空洞化を招くとはいえないのです。
 そこで、県では今回、海外展開の支援策として、その対象国に中国、タイ、ベトナムを挙げておいでになりますが、それぞれの国をどのように分析されているのか、お伺いいたします。
 また、今後それらの国々へ進出しようとする企業に対して、どのような支援をされていくのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、県内における医療の充実について、幾点かお伺いいたします。
 少子高齢化や核家族化など現代社会の変化は、絶えず医療に対する新たな需要を生み出しています。また、これに伴い、医療にかかわる行政サービスも拡大の一途で、ふえ続ける財政負担も大きな問題となっています。
 サービスと負担の関係を常に意識しながら、個人の役割を含め、それぞれができることを明確にしながら、さらに効果的に連動させていくことが大切ではないかと考えます。そこで、まず、小児初期救急医療センターについてお伺いいたします。
 現在、県内二地区で行われていますこのサービスは、年間三万三千人を超える子供たちを受け入れています。
 地域の中では、少子化や核家族化の進行、いわゆる近所づき合いの希薄化など、子供を取り巻く環境の変化は著しく、小児初期救急医療センターに対する需要は年々高まり、受診者が増加傾向にあります。
 しかし、受診者の約九五%前後は投薬のみ、または何もせずに帰宅といった軽度の患者が多く、誘導需要、いわゆるコンビニ受診化しているのではないかという問題も指摘されています。
 今後、さらに増加が見込まれる中で、適切な運用を行っていくためには、一方において、母子保健指導などの場において、救急センターの適切な利用を啓発していく活動も重要であると考えますが、現状の取り組みと今後の対応をお伺いいたします。
 そうした上で、富士・東部地域では甲府地区同様の深夜の受診を希望する声が多く聞かれます。現時点での御所見をお尋ねいたします。
 次に、ドクターヘリの運用について、お尋ねいたします。
 いよいよ来年四月の運用開始に向けて、運用準備委員会が設置されました。全国都道府県では二十九番目の運用開始となりますが、人口や財政規模の小さな自治体におきましては、昨年度導入されました高知県、そしてまた今月から運航開始をしております島根県に次ぐものであり、知事の英断に感謝申し上げます。
 ところで、従来から述べてきましたように、本県は、医療政策を初め、比較的政策効果が顕著にあらわれる規模にあります。メディカルコントロール体制と相まって、全国でも有数の救命体制が構築できるものと確信しております。
 既にドクターヘリを導入した他県での運用事例を見ますと、導入当初は、約七割が交通事故やけがなど外因性疾患で占め、その後、脳梗塞や心筋梗塞などの内因性疾患の割合がふえてくるという傾向がうかがえます。本県での運用基準では、どのような疾患を主に想定されているのか、お伺いいたします。
 また、導入当初は、地域ごとの消防本部によって、要請頻度に開きが発生する傾向も見られます。本県では、県下全域での適切な運用を行うために、今後どのように進めていかれるお考えなのか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、ヘリコプターを使っての災害対策について、お伺いいたします。
 周囲を山々に囲まれ、さらには縦横に大型河川の流れる本県におきましては、大規模地震や富士山噴火等の災害時に孤立する可能性のある集落が数多く点在しています。
 そうした環境下にある本県では、災害時において、空中停止や垂直離着陸が可能なヘリコプターの活動に大きな期待が寄せられています。
 そもそも災害時のヘリコプター活用は、平成七年一月に発生いたしました阪神淡路大震災で、その有効性が再認識され、ドクターヘリなど医療用ヘリコプターの配備を促進させるとともに、効果的な活用が検討されてまいりました。
 しかし、平成二十年六月に発生いたしました岩手・宮城内陸地震では、全国から多くのヘリコプターが現地に集結したものの、給油のための十分な燃料を確保することができないなど、幾つかの教訓を残しました。災害が発生した後に、想定外ということのないよう、ヘリコプターの運用について十分な検討準備がなされますようお願いいたします。
 そこで、まず、防災航空基地について、お伺いいたします。
 今回、県では、ヘリの本格的基地となる消防防災航空基地の整備・機能強化について、懇話会からの検討結果を受けて、整備の可能性を判断するための調査費を予算計上されています。
 懇話会で検討されました資料によりますと、参考とした他県での整備には五年から六年の期間を要しています。東海地震など切迫性の高い災害発生予想がされます本県におきましては、一日も早い基地の整備が求められますが、完成までのスケジュールをまずお尋ねいたします。
 また、本県の地理的条件を見ますと、災害時に孤立することが予想される集落が多数存在します。既に内閣府の調査により、県内の市町村別に、孤立する可能性のある集落が把握されているとのことでありますが、市町村からの申告による集計であり、真に実態を反映されているものなのか、疑問が残ります。
 日ごろから県内の地理を熟知した本県の防災ヘリばかりでなく、他県からの応援ヘリを有効に活用するという観点に立ちますと、これらの孤立集落を対象とした集落ごとの具体的な活動を想定しておくべきであると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。
 次に、廃棄物最終処分場事業について、お伺いいたします。
 県は平成五年に、公共関与による産業廃棄物の整備方針を策定して以来、長きにわたってさまざまな議論を重ねてきました。私が常に疑問に感じますことは、この問題の主人公はだれなのかということであります。
 もちろん、これまでの県行政の進め方の失敗を指摘する方もおいでになります。しかし、根本は、ゴミを排出する県民や事業者の姿が見えてこないところにあり、多額の財政を投入して事業を行っている行政は、決して主役ではないということであります。
 排出者責任があれば、当然、削減へ向けた努力がなされ、結果として、多額の財政を投入しなくても済むのです。もう一度、ごみ問題の原点に立ち戻って、本質を問うことをしなければ、この課題に解決はありません。
 そこで、まず、明野の最終処分場について、お伺いいたします。
 センターはこれまで、約四十六億円という多額の資金を投じて整備を進めてこられました。速やかに原因究明を行い、この施設を最大限に有効活用していく必要があります。
 県は、本年十月からの再開を仮定した場合、九年の期間延長が必要であるとの試算を示しておいでになりますが、まず、最大限の努力を行い、なお計画期間の五・五年で埋め立てできない量について、地元の皆様の御理解をいただいた上で、期間の延長をすべきであると考えますが、県の御所見を伺います。
 また、仮に地元の同意がいただけないということとなった場合、産業廃棄物処理について、今後どのように進めておいでになるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、次期処分場についてであります。
 先般、知事は次期処分場について、それぞれの収支見通しを示された上で、今後の方向性を示されました。
 その中で、産業廃棄物に関しましては、リサイクルの進展等に伴う最終処分量の減少などにより、総コストに見合う料金収入が得られないとして、当面、凍結するとのことでした。
 多額の資金が投入されることに加え、リサイクルの進展により、最終処分量が減少する状況にある中、的確な判断であると理解しています。
 一方、一般廃棄物に関しましては、法律上の処理責任を有する市町村が処理コストを負担することから、本年十月までに市町村の意向を確認した上で、整備を進めていくこととされています。
 私は、今回の事業スキームを進めていくには、全二十七市町村の参加が原則であると考えます。主役の見えない明野での失敗を繰り返さないためにも、また、特に今回は一般廃棄物の処分場ということでありますから、排出者責任や処理責任を明確にした上で、県は広域行政としての役割、場合によっては財政支援や人的支援を行っていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、成長が期待される分野としての農業の可能性について、幾つかお伺いいたします。
 本年三月に策定されました山梨県産業振興ビジョンでは、本県農業について、地域の特性を生かした多様な農業が営まれるとともに、土地生産性が高いことや大消費地の東京圏に近いこと、さらには日照時間の長さなどを本県の強みとして挙げながら、今後、成長が見込まれる分野として位置づけられています。
 一方で、農業従事者の減少や高齢化が進み、経営耕地面積の減少や耕作放棄地の増大など、農業生産基盤の脆弱化が進んでいることを指摘しています。
 現状では、本県農業はまだまだ国の政策に左右されるところが多く、限られた財源や国の支援を活用する中において、いかにして本県の優位性を伸ばすことができるのか、その手腕が問われています。
 県では平成十九年に、本県農業の再生に向けた農業振興の基本指針として、やまなし農業ルネサンス大綱を策定し、新規就農者や企業の農業参入の推進など担い手育成対策の推進、また、本県農産物のイメージアップと消費拡大のため、知事によるトップセールスなど、積極的な取り組みを行ってこられました。
 その結果、年間の新規就農者が三十年ぶりに百名に達したとのことであります。
 また、企業による農業参入も活発化し、東アジアへの果実輸出等の販路拡大をするなど、具体的な成果を出していると言えます。
 そうした中、今回、諸情勢の変化に的確に対応し、次に向けた指針を改訂していくということでありますが、成長分野としての本県農業の可能性について、どのように現状をとらえていられるのか、まずお伺いいたします。
 また、新たに改訂を進めようとしている指針では、さらに具体的目標を持った計画とすべきであると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。
 次に、農業における六次産業化について、お伺いいたします。
 これまでの生産者としての農業者から、加工から販売まで、それぞれの段階で付加価値を享受することのできる産業体への転換は、新たな農業の可能性を感じさせる、まことに興味深い取り組みであると考えます。近年、参入を図ってまいりました新規就農者や企業にも、新たな視点を持って積極的に取り組んでいただきますよう期待するものであります。
 そこで、県としては、本県農業の特徴を生かした六次産業化について、具体的にどのようなビジョンを持っておいでになるのか、お伺いいたします。
 また、六次産業化を進めるに当たっては、農畜産物を生産する第一次産業に加え、食品加工をする第二次産業、流通販売をする第三次産業を一体的に取り組めるように、従来からの農業技術支援を含めた、より総合的な県の支援が重要であると考えますが、今後どのように推進しておいでになるのか、あわせてお伺いいたします。
 最後に、魅力ある山梨教育の実現について、お伺いいたします。
 改めて申し上げるまでもなく、地域間での競争をもとに、新しい時代に発展する自治体の自立を目指している地方分権の流れの中において、その主体となる人材は地域資源であると言っても過言ではありません。
 それぞれの地域において優秀な人材を育てることができるのか。地域の存亡にもかかわってくる大きな問題であります。
 一方、戦後、我が国がとってまいりました教育委員会制度は、高度成長期に活躍する人材を育成するという大きな役割を果たしてきたものの、地方分権と言われる今日において、その役割の見直しが議論されています。
 以前にも指摘してまいりましたが、文部科学省、都道府県教育委員会、市町村教育委員会に至る行政系列が貫徹した垂直的行政統制がされている反面、予算や人事権は都道県知事に付与されており、そうした体制が、それぞれの地域での教育に特色をつけていくことを妨げていると指摘する学者も多くいます。
 本県の場合を見ましても、県教育長は教育行政を代表して庁議に参加するものの、山梨独自の魅力ある教育の実現など、知事が主体なのか、文科省の方針が主体なのか、なかなか理解できません。
 本年一月の知事選挙において、横内知事は、教育施策である「未来を拓く人づくり」チャレンジをマニフェストにあげるなど、教育の重要性についての発言をされています。改めて、地域間競争を第一線でリードされている知事の教育についての御所見をお伺いいたします。
 次に、本県における中高一貫教育について、お伺いいたします。
 中高一貫教育は、平成十年に学校教育法等の関係法律が改正され、制度化されました。以来、十二年余り、全国では百七十六校の中高一貫校が設置されています。
 本県におきましても、議論が進められてきたところでありますが、なぜ、今日まで実現がおくれることとなったのか、その背景について、県教育委員会の御所見をお尋ねいたします。
 また、今回、県立桂高校同窓会などの関係者から、地域外へ流出する生徒への対応策として、同校の魅力を確保するという観点から、中高一貫校への改編を望む声が寄せられていますが、県教育委員会としてどのように対応していくのか、お伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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◯副議長(渡辺英機君)森屋宏君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)森屋議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、明全会を代表されまして、議会改革に向けた決意を披瀝されながら、県政各般にわたって御質問をいただきました。
 今後も、県議会との真摯な議論を通じて、県政の推進に努めてまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、私の県政運営に対する基本姿勢について、幾つかお尋ねがございました。
 まず、市町村との関係と広域自治体としての県の役割といったことについての御質問であります。
 地域のことは、地域に住む住民が責任を持って決めるという考え方で、地域主権改革が進められておりまして、こうした中にあって、国・県・市町村それぞれの役割について見直していく必要があることは、言うまでもないわけであります。
 こうした視点に立って、まず国・地方の役割分担としては、国の役割は外交や防衛、通商など、本来、国が果たすべきものに重点化して、地方ができることは地方で行うようにしていくということが、第一に必要であります。
 その上で、住民に身近な行政は、基礎自治体である市町村が行うこととして、広域自治体としての県の役割は、市町村が担えない広域的な事務・事業や、市町村を補完、支援する立場からの高度専門的な分野に特化していくということを目指すべきだと思っております。
 こうしたことから、県といたしましては、住民の身近な事務に係る市町村への権限移譲を着実に推進するなど、基礎自治体の充実・強化に向けて取り組んでまいりましたけれども、それを進めると同時に、広域にわたる社会資本整備や、大規模災害等への対応といった危機管理、地域経済・産業の振興や環境対策など、広域自治体として求められる役割はしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
 次に、新行動計画についての御質問がございました。
 私はかねてより、本県の将来像としては、付加価値の高いクリーンな企業が集積すると同時に、個性的な地場産業が活躍し、他方では、都会に暮らす人々や海外からの観光客が、安らぎやいやしを求めて数多く来訪し、交流する地域、まさに日本のスイスとも言うべき姿を考えているということを申し上げてまいりました。
 その前提としたのが、中部横断自動車道の開通や、リニア中央新幹線の開業による新たな地域間交流でございます。
 人や物が活発に行き交う交通の要衝であると同時に、豊かな自然や懐かしい農山村景観に恵まれるという、もともと本県が持ち合わせていたバランスのよさが、改めて再評価される絶好の機会がいよいよ到来しようとしていると思っております。
 他方、今日、世界情勢はもちろん、我が国の先行きは極めて不透明でありますので、三十年、四十年先といった遠い将来まで予測を立てるということは、なかなか難しいものがあります。
 こうしたことから、長期的な本県の将来像については、リニア中央新幹線の開通が予定されるおおむね二十年後までを想定して、わかりやすく描くこととしたいと考えております。
 次に、行財政改革についての御質問がございました。
 新たな行動計画に掲げる施策・事業を着実に、またスピーディーに実行していくためには、行財政の効率的な運営が不可欠であることは言うまでもありません。
 従来は、行動計画とは別建てで行政改革大綱を策定しておりましたけれども、行財政改革も、この県政の大きな課題、あるいは柱でありまして、これを別建ての計画にするというのはわかりにくいという御指摘が、この四年間ございましたので、そこで、今回、行財政改革の取り組みにつきましては、「改革続行」チャレンジという項目で、行動計画の中に盛り込むこととしたものでありまして、これにより、今後四年間に取り組むべき施策・事業と、その推進に不可欠である改革項目を県民の皆さんに一体的にわかりやすくお示しすることができると考えております。
 この「改革続行」チャレンジの内容につきましては、総合計画審議会の中に、経済財政会議の行政改革専門部会に相当する行政改革特別部会を新設しまして、御審議をいただくとともに、改革項目には、可能な限り数値目標を設定するなど、客観性や確実性にも十分配慮しているところでございます。
 また、経済財政会議についてでございますが、民間の視点や発想を県政運営に反映させるために設置したものであります。行政改革大綱とか産業振興ビジョンの策定など貢献していただいてきたわけでありますけれども、長期計画審議会との重複が指摘されておりましたので、今後、長期計画審議会の各部会等の審議を活性化することにいたしまして、経済財政会議は廃止することとしたいと考えております。
 次に、本県財政の見通しについての御質問がございました。
 本県の経常収支比率は、平成十年度には八二・六%でありましたものが、平成二十一年度には九三・九%となりまして、御指摘のように、財政構造の硬直化が進んでいることを示しております。
 この要因を分析いたしますと、一つには、高齢化の進展に伴って、介護保険給付とか老人医療などの社会保障関係費が増加しているということ。二つ目には、公債費の増加に加えまして、交付税制度の見直しによりまして、公債費に対する交付税措置の割合が減少してきているということ。それから三点目として、三位一体改革によりまして、義務教育費などの義務的経費の県負担額が増加した一方で、地方交付税が大幅に削減されたことによりまして、一般財源収入が減少しまして、三位一体改革の前後だけで、経常収支比率が七%余りも上昇したということなどが挙げられると思っております。
 こうした中、本県の今後の財政を見通しますと、義務的経費の増加は今後とも避けられず、厳しい財政運営を余儀なくされる見込みでございますけれども、これは全国的な傾向でもありますので、地方税財源の充実・強化ということを国に対して強く働きかけているところであります。
 また、本県としても、義務的経費を削減し、可能な限り財政の弾力性を確保するために、定員削減等による人件費の抑制や、県が発行をコントロールできる通常の県債等残高の削減などに取り組んでまいりました。
 その結果、これまでの四年間で、定員削減につきましては六百三十三人の目標に対して、七百九十四人の純減になり、県債等残高につきましては三百八十億円の削減目標に対しまして、五百八十一億円余の削減を達成いたしまして、いずれも目標を大きく上回る結果となりましたけれども、今後とも、多様な行政ニーズに的確に対応できるように鋭意、行財政改革に取り組み、政策予算の確保に努めていきたいと考えております。
 次に、リニア中央新幹線の建設に伴う幾つかの課題につきまして、御質問がございました。
 まず、リニア駅周辺整備のあり方についての御質問であります。
 リニア新駅は、まさに世界に開かれた新たな本県の玄関口となりますので、美しい自然景観を生かした山梨にしかできない、だれもがおりてみたくなるような魅力的な施設として整備すべきであると考えております。
 また、県内の主要拠点へのアクセスを十分に確保するとともに、在来線や高速バスなどの他の交通機関との運行面での連絡を強化することによりまして、高度なターミナル機能を持つことが重要だと考えております。
 御質問の駅周辺の整備につきましては、本年三月に都市計画区域マスタープランを策定いたしましたが、その考え方に基づきまして、新たな拠点都市を形成するというのではなくて、既存の都市との整合を図りながら、交通拠点としてのターミナル機能を中心に、駐車場や附帯施設、必要最低限の商業業務施設などを備えた、議員が空港のような整備ということをおっしゃいましたが、そういう整備を行っていくことが適当と考えております。
 今後、こうしたリニアを最大限活用するための基盤整備については、県がリーダーシップをとって、しっかりと検討して、有識者や関係市町村や県民の皆様など幅広い意見を聞きながら、リニア活用基本構想に位置づけていきたいと考えております。
 次に、リニア見学センターの活用と、その周辺の整備についての御質問でございます。
 リニア見学センターにつきましては、全国で唯一、リニアの走行試験が見学できる施設として、多くの入館者を過去迎えてきました。
 現在、実現に向けて大きく動き出したリニア中央新幹線には、多くの方々が関心を持っておりまして、リニアの試乗が再開されますと、センターへの入館者は大幅に増加するということが見込まれるわけであります。
 こうした貴重なチャンスを生かして、センターをリニア開業に向けての機運醸成に大いに利用するとともに、観光資源としても戦略的に活用していきたいと考えております。
 また、センターの周辺整備につきましては、より多くの来訪者が見学しやすいように、現在、JR東海によって、リニア実験センターが建てかえ中でありますけれども、その状況を見ながら、JR東海や都留市との協議をしながら、検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、地場産業のブランド力強化についての御質問がございました。
 県では、これまで、やまなしブランド推進事業などによりまして、組合等が行う産地のイメージアップとか販路拡大のための取り組みを積極的に支援してまいりましたけれども、これに加えまして、本年度から新たに、これまでの組合中心の支援から、意欲のある個々の企業に重点的に支援するという考え方に立ちまして、地場産業市場獲得支援事業を創設することにいたしました。
 この事業では、商品開発から情報発信、販路開拓まで総合的に支援をすることにいたしまして、まず、工業技術センターなどに総合プロデューサーとして客員研究員を招聘し、企業の個別指導を行うことで、独自ブランドでの商品展開ができるように企業力を向上させることにしております。
 さらに、海外でのプロモーション活動への助成を行うということと、イタリア、ミラノのデザイン専門学校に短期講座を開講して、織物やジュエリーなどの若手職人二十人程度を受講させるなど、独自ブランドでの海外進出に向けたデザイン力の向上を支援していきたいと考えております。
 こうした取り組みを通じまして、ジュエリーを初めとする、ワイン、織物、和紙などの地場産品を世界に通用するやまなしブランドとして確立させて、地域経済を元気にしていきたいと考えております。
 次に、県内企業の海外展開への支援についての御質問であります。
 まず、海外展開の対象にする国でありますけれども、中国は世界第二位になった国内総生産、十三億人の人口を有する巨大市場としての魅力がある国であります。タイは親日的であり、また県内企業を初めとして日系企業が多く進出しているということがありますし、中国と同様に一人当たりの国民所得が高くて、市場としても期待できる国であります。さらにベトナムについては、勤勉な国民性、安い労働力などに加えて、今後の市場の成長が期待できる国であります。
 こうした状況を踏まえまして、県内中小企業者の意向なども聞いたところ、中国、タイ、ベトナムを当面の海外展開支援策の対象国としたところであります。
 次に、海外展開に向けての支援策につきましては、対象国で、県内の中小企業製品がどの程度、市場価値を有し、競合商品が存在するかといったことについて情報提供する事業や、企業の海外活動に専門的知識を有するアドバイザーから、海外の商談会や展示会におけるノウハウや人脈づくり等を指導する事業を実施してまいることにしております。
 また、新たな市場開拓に向けて、アジア圏域で開催される展示会への出展を支援することにしております。
 こうした取り組みを通じまして、意欲ある中小企業者の海外でのビジネスチャンスの拡大を支援して、県内中小企業の海外展開を積極的に推進していきたいと考えております。
 次に、ドクターヘリの運用について、幾つか御質問がございました。
 まず、ドクターヘリの出動が想定される主な疾患についての御質問であります。
 全国の導入県のドクターヘリ搬送患者を疾患別に見ますと、交通事故などによる外傷といった外因性疾患が、全国では五二%を占め、本県が神奈川県と共同運航している東海大学附属病院においては五四%となっております。
 また、昨年度、山梨県ドクターヘリ導入可能性検討委員会から、本県にドクターヘリを導入した場合の有効症例といたしまして、外傷や熱傷、薬物中毒などの外因性疾患が報告されております。
 本県の出動要請基準につきましては、先月設置した山梨県ドクターヘリ運用準備委員会で策定してまいりますけれども、こうした状況を踏まえますと、外傷などの外因性疾患を主な症例とした検討が進められるものと考えております。
 次に、ドクターヘリの適切な運用についての御質問であります。
 ドクターヘリの運用体制につきましては、現在、ドクターヘリ運用準備委員会において、運用マニュアルの策定が進められておりますけれども、地域ごととか消防本部ごとに運用に格差が生じないように留意することが必要であります。
 このため、出動要請の判断を行う救急隊員を対象といたしまして、運用マニュアルに関する研修会や、実地と机上での搬送訓練をできるだけ多く実施いたしまして、全県的に安全で適切な運用が行われるように万全を期してまいりたいと考えております。
 また、運用開始後は、県立中央病院において、医療機関や消防機関などからなるドクターヘリ運航調整委員会を設置いたしまして、定期的に出動実績とか搬送症例の検証を行いまして、課題や、とるべき対応を関係者が共有しながら、適切な運用を確保してまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物最終処分場事業についての御質問であります。
 まず、北杜市明野町の環境整備センターにつきましては、一昨年十一月に環境整備事業団の経営審査委員会から、約三十五億円の最終赤字となるという収支見通しが示され、その後、昨年十月に発生した漏水検知システムの異常検知によって受け入れを停止し、原因究明作業を進めているところであります。
 こうした明野・環境整備センターの現状などを踏まえる中で、今般、改めて収支計画の見直しを行いまして、その結果、五・五年間で埋め立てを終了した場合には、最終的に約四十七億円の赤字となるということが見込まれるところであります。
 赤字額がこのように多額となりますのは、リサイクルの進展で最終処分量が減少しているということや、民間処分場との競合があるということや、さらに今回の受け入れ停止の影響ということもございまして、これらが主な要因になっておりますけれども、いずれにしても、非常に厳しい状況にあると受けとめております。
 しかし、明野の環境整備センターは、これまで多くの関係者の御理解をいただく中で、環境整備事業団が既に多額の資金を投じて建設してきたものであります。
 今後、県といたしましては、再々申し上げておりますけれども、原因究明作業をできるだけ早く完了させて、まずは廃棄物の受け入れを再開させて、議員の御指摘のように、搬入促進に向けての最大の努力をして、その後、廃棄物の受け入れ状況を一定期間見きわめた上で、埋立期間の延長について、地元の皆様と協議をお願いしてまいりたいと考えております。
 また、仮に地元の同意が得られないということになった場合に、産業廃棄物の処理をどのように進めるかという御質問がございました。
 産業廃棄物につきましては、最終処分量が引き続き減少すると見込まれるわけでありますが、適切な処理を県内で行う必要性は低下するものではないと思います。
 しかしながら、次期処分場について、現行計画で整備をしていった場合には、約六十三億円もの最終赤字となるということが見込まれて、厳しい財政状況の中で、県民の御理解を得ることは困難だと判断し、産業廃棄物のための処分場の整備は当面凍結することとしたものであります。
 したがいまして、明野・環境整備センターでの受け入れの終了後は、排出事業者の皆様には、リサイクルの一層の促進ということも含めまして、みずからの責任において産業廃棄物の処理を行っていただくことになるわけであります。なお、将来的に産業構造の変化等によりまして、県内の最終処分量の増加とか、全国的な最終処分場の逼迫度が著しく高まるということが見込まれる場合には、その時点で改めて凍結を解除して、産業廃棄物最終処分場の整備についての検討が必要になるものと考えております。
 次に、次期処分場についての御質問でございます。
 御指摘のとおり、一般廃棄物につきましては、廃棄物処理法に基づき、市町村に処理責任がありまして、自区域内で、自分の市町村内で処理をするというのは原則でありますが、現在は県内ではすべての市町村が他県に焼却灰等を搬出していることは、御案内のとおりであります。
 このため、県内の市町村が長期間、安定的に一般廃棄物の処理責任を果たしていくためには、県内に一般廃棄物の処分場を確保することが望ましいと考えております。また、建設及び維持管理の効率化や県土保全上の観点からも、一般廃棄物処分場のより広域的な整備を県としても促進する必要があると考えております。
 こうしたことから、次期処分場につきましては、県内全市町村の参加を得ることを前提に、一般廃棄物処分場として整備する方向で、市町村等の意向確認を進めることとしたところであります。
 その上で、処分場の整備に当たっては、市町村の要請を前提に環境整備事業団を整備主体とするということ。環境整備事業団には、市町村等の職員派遣を検討していただきますけれども、引き続き県職員を派遣するということ。一般廃棄物処分場の整備費のうち、県道からの取りつけ道路の確保や、建設地内を流れる河川のつけかえ等について、応分の県負担を検討することなど、県といたしましても、人的・財政的支援を行う中で、積極的な取り組みを進めていきたいと考えております。
 次に、成長が期待される分野としての農業の可能性についての御質問でございます。
 本県農業の振興につきましては、やまなし農業ルネサンス大綱を策定いたしまして、各種施策に積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、新規就農者や農業参入企業の増加、県産果実の輸出拡大、日本一の評価を受けた農産物直売所の輩出など、農業分野でも山梨発展の芽が数多く生まれていると思っております。これらの芽をさらに育て上げていけば、本県農業は成長分野として大きく発展していく可能性を秘めていると考えております。
 現在、農業ルネサンス大綱の改定に取り組んでおりますけれども、これまでの成果や情勢の変化を踏まえまして、御指摘のように、新規就農者数を倍増するといった具体的な数値目標を設定して、施策を推進してまいりたいと考えております。
 中でも、農業の六次産業化につきましては、山梨県産業振興ビジョンにおきましても、成長が期待される分野の一つとして明確に位置づけておりまして、農産物を活用した加工品開発と商品化、観光と連携した高収益農業の実現などを推進していきたいと考えております。
 特に加工品開発につきましては、本年度、東京農業大学名誉教授である小泉武夫先生を農政アドバイザーにお願いして、小泉先生を中心に、全国展開できる農産加工品の開発に着手したところであります。
 また、この六次産業化を円滑に進めていくためには、多分野の方の協力が不可欠でありますので、商工関係、観光関係の分野の方も加わった山梨県農業六次産業化推進プロジェクト会議を今般設置したところでありまして、今後、関係機関と連携して、六次産業化の総合的な支援に取り組んでいきたいと考えております。
 最後に、私の教育に対する考えについての御質問がございました。
 地方分権が進展する中で、地域の特色を生かして人材を育成していくということは非常に重要であります。
 本県は、周囲を山に囲まれた急峻で狭隘な地形で、生産性が低いという厳しい風土、環境の中でございまして、先人たちは、むしろ旺盛なチャレンジ精神を発揮して、外に向かってさまざまな挑戦を過去行ってまいりました。例えば明治期の日本経済の発展に貢献した甲州財閥など、全国にその存在を示してまいりました。現在でも、さまざまな分野で、数多くの県関係者が活躍されていることは、大変心強いところであります。
 私は、このように多くの人材を輩出してきた山梨の伝統を引き継いで、山梨の子供たちが学力やたくましさを身につけ、ふるさとを愛し、世界に通ずる人材として育っていくことを強く期待しております。
 このため、現在、策定を進めている新行動計画におきまして、「未来を拓く人づくり」チャレンジとして、子供たちの個性や能力を最大限に引き出して、人間性を豊かにしていくための少人数教育の拡充とか、地域と連携した教育環境づくりなどに取り組むことにしておりまして、地方分権、地域主権の時代にふさわしい魅力ある教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えを申し上げます。
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◯副議長(渡辺英機君)総務部長、田中聖也君。
      (総務部長 田中聖也君登壇)
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◯総務部長(田中聖也君)森屋議員のヘリコプターを使っての災害対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、消防防災航空基地の完成までのスケジュールについてであります。
 本県は山間地域が多く、東海地震などの大規模災害を想定すれば、広域航空応援隊等の受け入れ態勢を早急に構築する必要があります。
 このため、山梨県消防防災航空基地検討懇話会の提言を踏まえ、消防防災航空基地機能の抜本的な強化に向けた基礎調査に着手することといたしました。
 今後、この結果を踏まえ、整備内容や規模などを検討の上、明年二月をめどに、整備スケジュールも盛り込んだ整備方針を策定することとしております。
 消防防災航空基地の整備に当たりましては、地域住民への説明を初め、環境影響調査、基本設計や航空局への設置許可申請など、航空法に基づきまして、多くの手続が必要とされております。
 近年、消防防災航空基地を整備した自治体の例でも、相当の歳月を要しておりますが、一日も早い整備に向けまして、鋭意取り組んでまいります。
 次に、孤立集落を想定いたしました具体的な活動想定についてでございます。
 孤立集落におけます要救助者や救援物資の搬送などにおいて、ヘリコプターによる活動は極めて有効であります。
 内閣府の調査結果では、大規模災害時に県内では四百九十三の集落で、孤立化の可能性があるとされているため、災害時にこれらの集落に対しまして、安全かつ円滑に各種活動が行えるよう、事前に飛行ルートや離発着が可能な場所などについて調査をいたしまして、防災体制の見直しに反映させてまいりたいと考えております。
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◯副議長(渡辺英機君)福祉保健部長、古屋博敏君。
      (福祉保健部長 古屋博敏君登壇)
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◯福祉保健部長(古屋博敏君)森屋議員の小児初期救急医療センターについての御質問にお答えいたします。
 まず、センターの適切な利用に向けた取り組みについてであります。
 軽症にもかかわらず、安易に救急外来に駆け込むいわゆるコンビニ受診が、核家族化により子育ての相談相手がいないことや、専門医を望む傾向などから、特に小児救急患者に多く、全国的な問題となっております。
 このため、本県では、家庭でできる応急処置や救急外来を受診するかどうかの目安についてまとめたDVDとガイドブックを作成いたしまして、小児科の診療所や市町村の母子健康相談の場などで活用することにより、適切な受診を促すとともに、県民の日記念行事等のイベント会場でチラシを配布するなど、普及啓発に努めているところであります。
 今後も、県小児科医会や市町村等の協力を得る中で、かかりつけ医からの指導や集団検診、子育てサークルでの研修会など、さまざまな機会をとらえまして、コンビニ受診の抑制に向けた普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、富士・東部地域における深夜の受診についてであります。
 小児初期救急医療センターは、国中地域と富士・東部地域にそれぞれ一カ所ずつ開設しておりますが、富士・東部センターの診療時間は深夜十二時までであり、それ以降は、翌朝まで診療しております国中のセンターを利用していただいております。
 現在、富士・東部のセンターで診療に従事している医師、約七十人のうち、7割以上が国中地域の医師でありまして、これらの医師は深夜まで、遠距離にある吉田のセンターで診療し、さらに翌日には本務の病院等で診療に当たるとともに、国中のセンターでも診療に従事しているという非常に厳しい勤務条件にあります。
 このため、現在の診療体制の維持に苦心しているところでありまして、現時点におきましては、富士・東部のセンターの診療時間を延長するということは難しい状況にありますが、引き続き小児科医の確保・定着に全力で取り組みまして、小児救急医療体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯副議長(渡辺英機君)産業労働部長、新津修君。
      (産業労働部長 新津 修君登壇)
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◯産業労働部長(新津 修君)森屋議員の県内経済の現況についての御質問にお答えします。
 東日本大震災の発生により、本県は直接被害はなかったものの、主力の機械電子産業は計画停電の実施により、また観光業は三月から四月の予約のキャンセルなどにより、大きなダメージを受けました。
 しかし、各種経済指標によりますと、半導体製造装置関連については、海外での設備投資需要の増加などを背景に、高目の生産を続けており、さらに観光関連についても、ゴールデンウイーク以降、客足が戻りつつあるなど、県内景気はようやく回復に向かっている状況であります。
 また、今後は大企業による相当規模の設備投資や、大震災の復興需要により、本年後半に向けて、経済は力強く回復に向かうのではないかと考えております。
 しかし、本県の中小企業にとっては、依然として厳しい状況が想定されることから、引き続き、経済・雇用対策について積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
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◯副議長(渡辺英機君)教育委員会委員長、渡邉努君。
      (教育委員会委員長 渡邉 努君登壇)
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◯教育委員会委員長(渡邉 努君)森屋議員の本県における中高一貫教育についての御質問にお答えいたします。
 中高一貫教育制度は、学校教育法等の改正により平成十一年度に導入されたものであり、県教育委員会においても、平成十年度から、本県における中高一貫教育校の設置について、学識経験者等による研究協議会や懇話会を設けて、検討を重ねてまいりました。
 一方、平成十四年に通学区域の設定が教育委員会の判断にゆだねられたことや、小学区総合選抜制度の見直しを求める声が多いことなどから、平成十六年度からは入試制度の改正に取り組み、中高一貫教育校の設置については、新入試制度の導入後に検討することが適当と判断してきたところであります。
 こうした中、平成十九年度に導入した全県一学区入試制度も、五年目を迎え、定着してまいりましたので、本年度から改めて、中高一貫教育の導入について、検討を行うこととしたところであります。
 次に、桂高校の中高一貫教育校への改編に係る対応についてであります。
 中高一貫教育校の設置については、本年度に高等学校審議会を設け、その必要性を初め、設置の形態や規模、地域、周辺の中学校に与える影響など、幅広い観点から検討し、県立学校における教育機会の複線化や人材育成の重要性を踏まえて進めようとするものであります。このため、全県的な視野に立った検討が必要であり、特定の高校への導入を判断できる段階にはないと考えております。
 なお、東部地域においては、大幅な生徒数の減少が見込まれる中にあって、高等学校の再編整備が避けて通れない課題であることから、現在、桂高校と谷村工業高校を再編し、新たな総合制高校の設置に向けて、検討を進めているところであります。
 以上でございます。
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◯副議長(渡辺英機君)当局の答弁が終わりました。
 森屋宏君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって、森屋宏君の代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午後二時十七分休憩
      ───────────────────────────────────────
                                         午後二時四十一分再開議
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◯議長(浅川力三君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第二及び日程第三の議事を継続いたします。
 発言の通告により、樋口雄一君に四十分の発言を許します。樋口雄一君。
      (樋口雄一君登壇)(拍手)
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◯樋口雄一君 フォーラム未来を代表して、本定例会に提出された案件並びに県政諸課題について、質問申し上げます。
 県民に新任期を託された議員各位には、恐らく全員が、この大震災を目の当たりにして、私たちの愛するふるさと山梨においては、絶対に災害に負けない、絶対にとうとい命や家族、大切な暮らしや財産を奪われない県土づくり、まちづくりを、さきの選挙戦において訴えられたことと拝察します。
 横内知事もまた、その思いを新行動計画素案に盛り込まれました。
 開会日の所信は、今議会の重要性を象徴するボリュームでありましたが、そこに為政者の言葉がありました。「我が国は被災地とともにこの国難に打ちかっていかなければならない。そこに日本国民の、山梨県民の真価が問われている」であります。まさに震災直後から、県民一人一人がひそかに心に誓った言葉でありましょう。
 国の政治の動きが、余りにも国民の思いとかけ離れており、無念でなりませんでしたから、非常に力強く感じました。地方の覚悟を示されたのでしょうか。
 国難の克服と同時に、大きな節目の時期を迎えた本県のかじ取りを誤りなくすることが、知事にも、そして我々議会にも求められます。
 積極果敢な県政運営に期待し、私たちも、政策、そして事業をよく吟味して、未来に責任を持つ政治を心がけていくことをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。
 初めに、第二期チャレンジ山梨行動計画について伺います。
 本県の総合計画である行動計画は、前回と同様、任期四年間を期間として、選挙公約で掲げた七つのチャレンジを基本目標として、先日その素案が示されました。
 前回のチャレンジ山梨行動計画は、言わば知事選に勝利するための公約に対しての実施計画でありましたから、当初は非常に幅が狭かった感がいたしましたが、四年間で、議会や県民の声に耳を傾け、修正し、幅を広げ、その延長線上のものとして、さきの選挙公約に至ったと理解をしています。今度の行動計画は、山梨発展の芽を大きく育て上げることで公約を実現していくというわかりやすいものであってほしいと思います。
 そこで、まず、基本理念が暮らしやすさ日本一の県づくりとして、だれもが真の豊かさを実感できる山梨県の実現を目指すとしていますが、今度の行動計画において明らかにされる本県の姿は、いつごろをお考えなのでしょうか。四年後なのでしょうか。あるいは、リニア中央新幹線が通る十六年後なのでしょうか。第一期行動計画の目標はおおむね達成されるとの見通しであるとのことですが、県民の実感は乏しく、全国とのさまざまな比較数値は、むしろ悪化したと記憶します。第二期行動計画が大きな実効性を持つものと期待して伺います。
 次に、東日本大震災についてであります。
 三・一一以前と以後では、私たち日本人の暮らしや思いが激変しました。政策の優先順位も当然変わってきます。本県においても、東海地震を初めとする大規模地震や富士山の噴火が危惧されるところであり、私たちの防災意識も非常に高まっています。そこで、今度の行動計画において、大規模災害の対策については、どのように位置づけられるのか、御所見を伺います。
 さて、本県の強みを生かし、高めるとともに、弱みを克服、打開するとの記述がありました。まさに暮らしやすさの向上には弱点克服が必要であり、新たな観点を注目します。知事はどのようなところが、本県の他県に劣るところで、どう克服しようとされているのでしょうか、伺います。
 また行財政改革についても、行動計画に組み込むとのことであります。県政の主要課題として、山梨県行政改革大綱に沿って、今まで別建てで取り組んできたものを総合計画に加えるということは、それだけ県庁改革も重要であるとの認識と受けとめますが、御所見を伺います。
 次に、リニア中央新幹線について伺います。
 先月二十六日、国において整備計画の決定がされ、二十七日には、営業・建設主体であるJR東海に建設指示が出されました。一九六二年、超高速鉄道としてリニアモーターカーの研究が始まって半世紀、いよいよ「夢の超特急」が現実のものとなってきました。
 さらに先日、リニア新駅のおおまかな位置が公表され、リニア新駅を中心としたまちづくり、既存の路線とのアクセスや、公共交通の活性化施策も、喫緊の課題となってきます。
 大震災を目の当たりにし、新たな行動計画案が示され、さまざまな意味での山梨県のリスタートのときと、リニア建設決定という国家的プロジェクトの節目とが重なりました。県は、リニア交通局を新設して、来年度にはリニア活用基本構想を策定し、リニアが走る本県の新たな県土づくりの指針とすることも聞いておりますが、期待と不安が入り混じるリニア中央新幹線でありますから、ルートや新駅の概略が決定した今の時期に、どうしてもお聞きしなければならない点があると思います。基本的なことを整理して、県民の持つ不安を払拭し、実現に向けて、県民全体でこの大きな事業を受けとめ、迎えていくことが肝要と考えます。幾つか基本的なことについてお尋ねいたしますが、見解をお示しください。
 初めに、人体や自然環境への影響であります。超電導磁気浮上方式による超特急は、いまだ私たちが経験したことのないものであり、とりわけ磁界が人体に与える影響が心配されます。国やJR東海から、安全性について明確に保証がされなければなりませんが、いかがでしょうか。また、騒音や振動、気圧波や空気振動等のルート周辺の自然や生活環境への影響についても伺います。
 次に、災害や事故対策についてであります。
 糸魚川・静岡構造線が走る南アルプス山脈への長大トンネルの掘削は本当に大丈夫か。また、走行中あるいは長大トンネル内での火災事故等への備えはどうでしょうか。
 また、電力・エネルギー問題がクローズアップされている今日、膨大な電力、エネルギーが必要となるリニアの運行は可能なのかという心配にもお答えください。
 そして、リニアを最大限活用するための基本構想の策定についてであります。
 経済性や地域づくりの観点からも、さまざまな声を聞きますが、基本的に人口減少社会の進行中に、本当に必要なのだろうか。利用者は予想どおりあるのだろうか。甲府市を初め在来の中央線沿線の都市は軒並み地盤沈下してしまわないだろうかなどの心配の声があります。
 安全面については、完全に不安を取り除き、万全を期すことは当然でありますが、経済的側面や新たな県土づくりの観点からの心配の声はさまざまであります。リニア交通局には、攻めのリニア受け入れの態勢づくり、世論形成、条件整備を求めたいと思います。
 例えば、近い将来に東海地震の発生が予想される中、東京、名古屋、大阪の三大都市圏が分断されないようにするため、あるいはリスク分散のためにも、東海道新幹線の二重化の重要性を訴える声が高まっています。また、開通後四十六年が経過した東海道新幹線の老朽化に伴う大改修を行う期間の、リニアの代替路線としての役割にも、大きな期待が寄せられています。それならば、そこで一歩踏み込んで、首都機能の本県への分散化や、中京地区の機能についても本県に編入させることを求めることも考えられます。
 また、航空機よりも格段に省エネルギーであり、かつ駅ターミナル機能も充実させて、空港よりもずっと近くて、便利で、安くて、移動時間も負けないということを大きくPRしていくことも重要であると思います。
 いろいろ申し上げましたが、本県側の準備を怠りなく進めて、その上で、さまざまな施策の可能性を否定せずに、幅広くリニア活用基本構想に取り入れられることを期待して、知事の御所見を伺います。
 次に、本県におけるバス交通の充実についてであります。
 本県の路線バスは、五十年程前は最大の交通手段として利用され、まさに県民の足でありました。しかしながら、マイカーの普及等により年々利用者が減少し、それが路線の縮小につながり、不便さから、さらなる利用者の減少につながるという負の連鎖を断ち切ることができませんでした。その結果、現在の利用者数はピーク時の七分の一となり、路線の八割が赤字であると聞きます。
 県においても国とあわせて、バス事業者が運行する広域的・幹線的路線や、市町村の自主運営バスに対して、九十五路線に一億五千七百万円の補助金を出し、また、国、県、市町村、事業者の四者による生活交通対策協議会において、路線バスの活性化対策を協議しているとも聞いております。
 車がなければ、不便で生活できないと言われた本県も、超高齢社会の到来、人口減少社会の進行により、転換期を迎えつつあります。環境やまちづくりの観点からも、歩いて暮らせるまちや、公共交通の充実を求める声が高まっています。特に、買い物難民の発生を防ぐため、身近な路線バスの維持・継続が極めて必要となっています。
 近年、市町村におけるデマンド交通の試行的運行や、バス事業者のバスコンシェルジュといった情報提供も進められてきました。新たな路線の検討も進められているとも伺っております。
 一方、国母工業団地に入居する企業では、県外から多くの社員が転入してきており、九州や関西の大都市圏から来られた方々からの、路線バスやJR身延線のダイヤの貧弱さを指摘する声をよく耳にします。
 被災地域から転入される方々や、または現在あいている大きな工場敷地にも、近々、大勢の転入があるやとのうわさも聞きますが、こうした方々の暮らしやすさをしっかりとサポートしていくことが行政に求められています。知事には、山梨に来て、ここに根を張ってお暮らしになっている方々の声にも耳を傾けていただきたいと思います。
 もちろんリニア新時代に向けての公共交通として、在来線沿線とのアクセスや、観光地への誘導と周遊等の役割は大きいと思います。
 こうした中、国においては、現在、交通基本法を成立させるべく取り組んでおり、国民の交通に対する基本的ニーズを充足することを目指して、これまでの公共交通への支援事業を見直し、三年限りの限定的なものであった市町村のバス運行への支援について、継続的に支援する仕組みに変え、事業費も拡大したと聞いています。
 このような公共交通を取り巻く状況の変化を踏まえまして、県では、今後、バス交通の充実に向けて、どのように取り組むのか、御所見を伺います。
 次に、廃棄物最終処分場事業について伺います。
 知事は、長年の県政主要課題である廃棄物最終処分場問題については、次期処分場において、産業廃棄物は当面凍結し、一般廃棄物の最終処分場として整備するとの考え方を示されました。
 平成五年九月、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針を策定し、その第一号となる北杜市明野町の環境整備センターの整備に着手し、十六年を経て、平成二十一年に操業を開始しました。
 整備方針を策定した当時は、経済活動と歩調を合わせるように、産業廃棄物の排出量や最終処分量がピークを迎えている時期であり、環境への住民意識の高まりなどを背景に、民間事業者が行う処分場建設に対する地元理解が、容易に得られない状況で、全国的に処分場不足が生じ、産業活動や国民生活に及ぼす影響が懸念されていたころでもあります。
 国による支援制度が創設され、全国的な取り組みも進められる中で、本県においても、県や市町村、産業界の出資により、環境整備事業団が設立され、公共関与による処分場整備が推進されてきたことは、適切なものであったと認識しております。
 今回の方向転換の理由は、整備方針の決定から操業開始まで、長い年月を費やしてしまったことと、リサイクルの進展など廃棄物を取り巻く環境変化に、行政が敏感に対応できなかったことに尽きると考えております。
 今後はこの教訓を他の行政課題に生かされることを強く望むものであります。
 今回の知事の決断に対しては評価をいたしますが、さらに今後の廃棄物を取り巻く環境の変化に対応した施策を講じていくため、整備方針自体を見直す必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。
 次期処分場については、巨額な赤字が見込まれる産業廃棄物の処分場の整備は当面凍結し、県内全市町村の一般廃棄物を対象とする処分場として整備する方向性を示されました。
 広域的・拠点的な整備による県土保全への配慮や、市町村における効率的な整備を促進する必要性などを踏まえて、実施に向けて市町村の意向を確認するとされましたが、現在、県内に稼働中の一般廃棄物最終処分場がないという異例の状況が続く中、市町村も真剣かつ前向きに、この案を検討していただきたいと考えております。
 しかし、過度の財政負担や人的負担がかかるようでは、市町村の置かれた厳しい財政状況等から、そう簡単には意向の確認ができないことも想定されます。
 そこで、市町村の意向を踏まえた支援策をしっかりと講じて、この事業が確実に進められるよう配慮する必要があると考えますが、御所見を伺います。
 さて、明野町の環境整備センターは、昨年十月の漏水検知システムの異常値検知から、九カ月が過ぎようとしていますが、今もって原因が究明できず、県外への搬出を余儀なくされており、早期の再開を切望するものであります。
 しかしながら、これまでの県・環境整備事業団の説明を聞く限りでは、異常値検知の原因となるような管理・運営上のミスがあったとは考えにくく、漏水検知システムの誤作動や施工時における原因についても、排除できないものであります。
 そこで今後は、設計・施工段階での原因も視野に入れた調査作業を行うとともに、センターの整備や管理にかかわった施工業者等の責任についても、具体的な検討を行う必要があるものと考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、本県の水資源戦略について伺います。
 ここ数年、主に北海道ですが、海外の企業や個人資本による森林買収が行われ、森林資源すなわち水源地という観点からも実態調査が進められ、ニセコ町などでは水資源の保全等に危機感を募らせ、独自の規制条例の制定を目指していると聞きます。
 幸いなことに本県においては、買収されたという事例はないということですが、個人情報保護等で調査は困難をきわめ、契約の間に幾つもの経由があると、調査はほぼ不可能であるとも聞きます。
 ことしに入り、国において、外国人による土地取得に関するプロジェクトチームなどがつくられ、森林買収だけにとどまらず、離島や安全保障上必要な施設や原子力発電所周辺をも含めての調査と論議が始まり、法制化に向けて動き出しました。
 県議会でも、県の見解と対策を求める質問が出され、さきの二月定例会では、議長より国に対して「外国資本による土地売買等に関する法整備を求める意見書」を提出したところでもあります。
 私もちょうど二年前の六月議会において、県民全体の宝である山梨の水資源についてただしました。そのときの質問の趣旨は、先ほどの問題提起のほかに、県民の財産である山梨の名水を守り、生かし、そして稼ごうというものでありました。地球全体では人口はさらにふえ続けており、地球上の水の総量が変わらない中で、世界人口がふえていけば、水の需要が高まるのは必然であります。日本一の山梨の水を山梨ブランドとして生かすために、県がウォータービジネスを起業したらいかがかと提案しました。
 近年、森林や農地の荒廃による水源涵養機能の低下の懸念や、気象変動によるゲリラ豪雨の頻発など、水を取り巻く環境に大きな変化が見られます。しかしながら、本県の総合的な水利用に係る調査は平成五年度、六年度に実施して以降行われておらず、本県の水環境の現状を確認する必要があると考えます。
 これを認識した上で、大切な水資源を将来にわたって守っていくとともに、積極的な水資源の活用を図っていくことが大切であります。
 知事は何回か本会議で答弁されておりましたが、さきのマニフェストにおいて、県民の財産である水を守るため、地下水資源の保護と適正利用に向けた条例を制定すると踏み込まれました。
 今議会には、水政策基本方針策定の補正予算二千百八十万円が計上されておりますが、今後、地下水を含めた本県の貴重な水資源を保護するため、どう取り組んでいくのか、お聞かせ下さい。
 また、ウォータービジネスの提案は、改めて申し上げたいとつけ加えておきます。
 次に、節電対策と電力対策についてであります。
 国は、電力需給緊急対策本部において、節電が最も必要な期間を七月一日から九月二十二日のウィークデー、九時から二十時として、電力需要抑制目標を一五%の減と設定しました。また需要対策として、契約電力五百キロワット以上の大口需要家や、それ以下の小口需要家である企業には、自主的な節電行動計画の策定を求め、家庭には節電対策メニューの周知や節電教育の普及を呼びかけ、国民運動に向けた取り組みを始めました。
 自動車製造関連業界での全国規模での平日から土・日への操業のシフト化や、大手企業の週休三日制と夜間操業による就業体系の変更等、電力使用時間帯の分散化が次々と報道されています。
 本県においても、大震災後、直ちに、知事を本部長とする東日本大震災山梨県対策本部を設置し、被災地への救援・支援活動を初め、県民生活や経済・産業活動への影響を最小限にとどめることや、節電運動等に取り組むこととしました。
 対策本部のもとに設置された電力・節電対策部会において、県内における発電量の拡大を目指すとともに、県民や事業者など、県を挙げての節電対策に具体的に取り組まれました。
 部会では、節電対策、電力対策について協議され、取り組みが進んでいると聞きますが、まず、節電対策について伺います。節電対策は三点に分けて取り組まれており、一点目の県民運動の推進、二点目の県庁及び県施設等への対応については、今議会への補正予算においても、さまざまなメニューが示され、取り組みが進んでいるように見受けられます。
 そこで三点目の、各業界の電力使用抑制の取り組みの促進及び支援について伺います。
 震災直後に、やむを得ない緊急措置として実施された計画停電により、本県の機械電子関連の製造業、特に半導体関連の企業では、クリーンルームの安定稼働が困難となり、計画停電が実施されていた三月中下旬の間、操業を中断せざるを得ず、億単位の減収を余儀なくされ、大きな打撃を受けたと聞いております。
 このことを大きく受けとめた県では、いち早く国に対して、計画停電の不実施と、これにかわる、企業ごとに操業日を順送りにする輪番操業制の導入や、企業グループ単位で電力需要抑制が図られる弾力性のある枠組みの構築を要請しました。その後、政府の電力供給力アップの取り組みや、削減目標が一律一五%に設定されるとともに、クリーンルームを有する場合等について、削減率の緩和措置も講じられたことなどから、各企業では操業時間のシフト等の努力により、節電に取り組んでいくことになったと伺っております。今後、本県産業の主力を担う企業や生産工場の電力使用抑制の取り組みに対して、県としてどのように支援していくのか伺います。
 次に電力対策であります。
 福島の原子力発電所の事故を経験して、私たちは、原発の安全性と、我が国のエネルギー政策において、原子力発電への依存度をどうしていくのか。これからの進むべき道についての国民的な議論が必要となりました。今回の国の電力需給緊急対策も、まさに来年以降どうするかについては何も触れられてはいません。一日も早く、国策としてのエネルギー政策の再構築を求めるものであります。
 このような状況において、本県の強みともいえるクリーンエネルギーを生かすこと。すなわち、既設の発電施設の増出力や太陽光や小水力発電のさらなる普及促進においては、やはり多くのメニューが示されました。事業の展開に期待するところであります。
 気になるのは自家発電設備の導入促進であります。県の電力・節電対策部会において、企業の自家発電設備の導入促進を掲げています。幾つかの企業が具体的な導入を計画されていると聞きます。県内企業等の自家発電設備の導入状況について伺います。
 あわせて、中長期的な視点から、企業がこうした自家発電設備を導入することについて、どのように促進していくのか伺います。
 次に、雇用対策について伺います。
 ここ数年来、いわゆるリーマンショックによる世界同時不況が、地方の経済・雇用環境を劣悪なものにしてきました。国・地方挙げての大型経済・雇用対策のかいがあって、景気の底打ち感を得るまでに回復を見たのもつかの間、大震災により地域経済はまた深刻な影響を受けています。
 とりわけ計画停電等で、本県の主力産業である機械電子産業等、製造業に多大な影響を及ぼし、また観光業者を初め中小企業者も間接的に打撃を受け、大変厳しい状況であります。
 また、本県の雇用情勢を見ると、やはり回復基調にあった有効求人倍率が、前月より〇・〇四ポイント低い〇・五九倍と、四カ月ぶりに低下しており、雇用対策も引き続いての事業拡充が求められます。
 ふるさと雇用再生特別基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金の活用事業が三年目となりました。この間、どれほどの予算執行により、どう雇用創出を果たしてきたのでしょうか。また、今年度はどう事業を進めていくのか、あわせて伺います。
 深刻な地域経済への強化対策として、雇用創出事業が必要な事業であるならば、次年度以降も継続すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
 さて、今春の大学等卒業者の就職率は八七・四%と、過去最低となった昨年の就職率を三・一ポイント上回ったものの、過去三番目に低い水準となっています。
 また、全国の完全失業率の平成二十二年平均を見ると、十五歳から二十四歳までの若年者の失業率は九・四%と、全体の失業率五・一%を二倍近く上回る状況であり、本県でも全国と同様に、若年者の失業率が高い傾向にあるものと推測されます。
 さらに、中卒、高卒、大卒の新規就職者のうち、それぞれ七割、五割、三割が、三年以内に離職してしまうという七・五・三現象に象徴されるように、新卒者の離職率は高水準で推移しています。
 こうしたことから、厳しい雇用情勢の中でも、特に新卒者を初め若年者に対する就職支援策が重要であると考えます。
 そこで、県が昨年度から、総額六億五千三百万円の予算で実施している若年者就業体験支援事業の進捗状況と、事業終了後の継続雇用の見通しはいかがでしょうか。また、今春、卒業した未就職者について、支援策をどのように展開されるのか、あわせて伺います。
 さらに、東日本大震災により多くの方々が県内に避難されており、避難生活が長引いていることから、求職者がふえているやに聞いております。避難者の皆さんの生活基盤を安定させるためには、一刻も早く就職先を確保することが必要と考えますが、どのような雇用策に取り組んでいくのか伺います。
 次に、ひとり親家庭への支援についてであります。
 近年の厳しい経済・雇用情勢により、子供や家庭を取り巻く環境は大きく変化しています。その中でも、母子家庭や父子家庭などのひとり親家庭は、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人で担わなければならず、負担がますますふえています。
 県が平成二十年度に実施した山梨県母子家庭等実態調査では、ひとり親世帯になった当時困ったこととして、母子家庭では六割弱が「生活費」と答えています。当時の就労状況の変化を見ると、「無職であったが、仕事についた」という母子家庭が約四割いたことからも、うなずけることです。一方、父子家庭になって困ったことでは、「子供の養育・教育」と「家事」を合わせると約五割になり、今まで仕事一筋に暮らしてきた父親が、ひとり親になったことで家事や育児に戸惑っている姿が目に浮かびます。
 また、児童扶養手当や、ひとり親家庭医療費助成事業などの福祉制度の利用状況は、母子家庭ではほとんどの家庭で利用しているのに対して、父子家庭では約三割と、利用率が低くなっています。さらに、父子家庭では、それらの福祉制度について「知らなかった」と答えた世帯が約四割を占め、「知っていたが利用したことがない」世帯を含めると六割弱となっています。
 行政への要望では、母子・父子家庭とも「技能講習、職業訓練の受講費への助成」が約三割を占め、次に、「就業に関する情報提供」となっています。また、子育てについては、「学童保育の充実」や「延長保育・休日保育の充実」が挙げられています。
 実態調査の結果から、母子・父子家庭ともに、就業支援や子育て支援を強く望んでいることがうかがえます。
 県では、このような状況を踏まえ、この三月に、ひとり親家庭等自立促進計画を策定されたと聞いています。ひとり親家庭が求める支援は、日常生活の支援から就業支援まで非常に幅広いものです。
 そこで、ひとり親家庭等が安心して生き生きと暮らすことができるようにするためには、国や県、市町村が役割を分担し、お互いに連携する中で支援していくことが重要と考えますが、その支援策について伺います。
 次に、食の安全・安心に関する条例の制定について伺います。
 食の安全は、国において、平成十五年に食品安全基本法の制定などの法整備が行われ、一昨年には、消費者行政全般の司令塔役、監視役を務める消費者庁や消費者委員会が設立されました。本県におきましても、やまなし食の安全・安心基本方針に沿った諸施策が実行されてきております。
 しかしながら、その後も、食品の産地偽装や表示違反等は後を絶たず、最近では、大変残念なことに、野菜を中心に放射能汚染などの心配が広がっております。またユッケ等の食中毒事件では、複数の死亡者が出るなど、最悪の事態となってしまいました。国に対して、断固たる措置を望むものでありますが、一方で、風評被害についても、万全な対応を求めるものであります。改めて消費者みずからが、より関心を高めて、食の安全に取り組む必要性を痛感したところであります。
 さて、知事は、依然として食の安全・安心についての県民の不安があり、県民総ぐるみの取り組みを強調され、マニフェストにおいて、条例制定を約束されました。本年度中の制定を目指すと示されましたが、ぜひそうしていただきたいと強く望むところであります。
 この運動を先頭で進めてこられた女性団体や消費者団体・消費生協等で構成されるやまなしの消費生活安全を進める会などから、幅広く県民が参画する枠組みや、実効性の高い勧告や届け出、調査制度、食への信頼を高めるための施策など、さまざまな提言が出されており、期待の大きさがうかがわれますが、改めて条例制定の今後の日程について伺います。
 また、条例に基づいて、食の安全・安心行動計画を策定し、具体的で実効性のある取り組みを行うとされましたが、まさに県民総ぐるみの行動計画になることを期待して、その基本的な考え方や内容について、御所見を伺います。
 次に、新規就農者の確保について伺います。
 本県の農業は、東京圏に近い有利な立地条件や変化に富んだ自然条件を生かしながら、農業者のたゆまぬ努力により、果樹を中心に水稲、野菜、花卉、畜産などの特色ある産地を形成してきました。
 近年、こうした農業を支えてきた農業者の減少や高齢化により、農業生産活動の低下や耕作放棄地の増加など多くの問題が発生しています。
 本県の農業が将来に向かって持続的に発展していくためには、農業の後継者の確保・育成が重要であると考えます。
 さて、昨今の厳しい雇用情勢、食の安全・安心への関心の高まりなどから、本県で農業を始めたいと希望する若者が増加しています。
 こうした背景を受けて、本県の新規就農者数は年々増加し、平成二十一年度には三十年ぶりに百人に達したと伺っていますが、農業が見直される中、今こそ、もっと多くの就農者を確保する絶好のチャンスではないかと思います。
 知事はマニフェストで、四年後の平成二十六年度には、法人への就業者を含めた新規就農者数を現在の倍の年間二百名に増加することを目指しています。
 この目標を達成していくには、就農に必要な生産技術の習得に加え、農地や農業用機械の確保などにきめ細かな支援が必要と考えます。
 そこで、平成二十二年度の新規就農者の状況はどうか。また、今後、新規就農者の確保にどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、中高一貫教育について伺います。
 学校教育法等の関係法律の改正により、平成十一年に制度化された中高一貫教育は、従来の六・三・三学校制度に加えて、中学校と高等学校を一貫して、六年制とする制度であります。
 中高一貫教育の選択的導入は、中等教育全体の多様化や学校制度の複線化を進めるものとして重要であるとの判断から、全国での設置が進み、現在実施の予定がないのは、本県を含めて三県のみであると聞いています。
 全国では、平成二十二年四月現在で四百二校の中高一貫教育校が設置されており、今年度以降も三十一校の設置が予定されています。そのうち公立は百七十六校で、前年度より八校増加し、今後も十五校の設置が予定されるなど、増加傾向は続いているとのことであります。
 また、設置形態については、公私ともに、高等学校入学者選抜を行わずに、同一の設置者による中学校と高等学校を接続する併設型が顕著であります。
 これまでのゆとり教育から、最近は、社会のリーダーとなるような人材の育成に教育の重点を置く学校がふえています。また、中学校では平成二十四年度から、高等学校では二十五年度入学生から、新たな学習指導要領が全面実施されます。中高一貫教育には、もちろんメリットとデメリットがありますが、その他さまざまな課題とあわせて、早急に議論をまとめ上げる時期であると考えます。
 県教委は、平成二十一年策定の県立高等学校整備基本構想において、設置の必要性について速やかに検討を始めるとし、昨年九月議会では、設置の具体化に向けての課題等を整理するとともに、外部の有識者を初め広く県民の意見を聞くと答えられました。幅広い意見聴取は大切なことでありますが、県教委としては、導入するという方向をそろそろ表明してはいかがでしょうか。見解を伺います。
 今議会に山梨県附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例案が上程されています。山梨県高等学校入学者選抜制度審議会を山梨県高等学校審議会に改編して、一年間の議論を経て、本県の中高一貫教育についての答申を受けるとしています。
 私は、県教委の中での議論で既に動き出すべきであると考えますが、さらに専門家の声を聞くというならば、それもよいでしょう。それならば、この審議会において、現在の中高一貫教育の実施校に、その学校運営や入学者選抜、教育活動について深く聞くことができるのでしょうか。
 また、私立高校との競合ではなく、それぞれがその特色を持って本県中等教育に資することができる仕組みづくりを議論することができるのでしょうか、あわせて伺います。
 また、県教委の方針が設置するということであれば、審議会の答申を待つまでもなく、市町村教育委員会への提案、連携について、並行して取り組みを進めていくべきであると考えますが、御所見を伺います。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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◯議長(浅川力三君)樋口雄一君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)樋口議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、フォーラム未来を代表されまして、県政各般にわたって御質問をいただきました。
 東日本大震災に際しての私の決意に対して御評価をいただくとともに、変革の時期を迎えた本県にあって、積極果敢な県政運営への御期待を賜ったところであります。
 今後も、この国難に打ちかつ一翼を担うとともに、元気な山梨を実現していくために全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、第二期チャレンジ山梨行動計画についての御質問が幾つかございました。
 計画期間の中途において、百年に一度とも言われるリーマンショックが発生いたしまして、本県経済も大きな影響を受けましたけれども、さきの行動計画に掲げた各種施策や数値目標は、ほぼ達成できる見通しとなりました。
 しかし、暮らしやすさ日本一の県づくりの実現に向けては、なお一層の努力が必要でありまして、引き続きチャレンジをしていかなければなりません。
 このため、新たな行動計画を策定することにいたしまして、このたび県議会に対して、その構想の素案の概要を御報告したところであります。
 まず第一の御質問は、この計画が示す本県の姿を想定する時期、どのくらいのレンジで想定するかということでございます。
 今回の計画においては、七つの基本目標を設定して、それぞれについて、おおむね十年後を目途に、実現が期待される本県の姿を明らかにしておりますけれども、さらにその先にあるリニア中央新幹線の開通が予定される十五年から二十年後の将来像についても、わかりやすく描くこととしたいと考えております。
 第二の御質問は、大規模災害への対策の位置づけについてでございます。
 このたびの大震災を目の当たりにいたしまして、大規模災害に対する県民の意識はかつてないほどに高まっておりまして、県といたしましても、県民の安全・安心のために、この震災から得た教訓を最大限生かした防災対策を積極的に講じていかなければならないと考えております。
 こうしたことから、大規模地震あるいは富士山火山防災体制の強化ということを政策の一つの大きな柱として位置づけるとともに、地域防災計画の見直しによる防災体制の一層の強化などを施策の方向として明確にしていきたいと考えております。
 第三の御質問は、本県の弱みとその克服についてということであります。
 本県の弱みの一つとしては、周囲を高い山に囲まれているという地形的な制約があって、外との交流がどうしても制約されがちになるということがございますし、それがゆえに、また外部との交流にやや欠ける、いわば内向き志向的な県民性があるということが挙げられると思います。
 しかしながら、中部横断自動車道の開通やリニア中央新幹線の開業など、高速交通ネットワークの充実によりまして、県外、さらには世界との交流が飛躍的に高まる絶好の機会が到来しつつあるということでありまして、こういうときこそ、多くの県民が、先人から脈々と受け継がれてきた進取の気性を発揮して、その弱みを克服していくことで、本県の未来が開けていくものと考えております。
 最後に、行財政改革についての御質問でございます。
 新たな行動計画に掲げる施策・事業を着実、スピーディーに実行していくためには、御指摘のように、さらなる県庁改革によりまして、行財政の効率的な運営を行っていくということが不可欠であります。
 このため、行財政改革への取り組みにつきましても、計画の中で一体的に明らかにし、県議会の御論議もいただく中で、強力に推進していきたいと考えております。
 次に、リニア中央新幹線について幾つか御質問がございました。
 まず第一に、人体や自然環境への影響についての御質問であります。
 交通政策審議会における専門家による慎重な検討がなされまして、その結果、磁界の影響、電磁波の影響につきましては、車体に磁気シールドを設置するなど低減方策をとることによりまして、国際的な安全基準がございますが、それを下回る水準に抑制することができるとされております。
 また、騒音、振動などの周辺の生活環境への影響につきましては、明かり区間にフードを設置するなどによりまして、在来型新幹線の環境基準の範囲内におさまる見込みだとされております。
 次に、災害や事故対策についての御質問であります。
 南アルプスにおける長大トンネルの掘削については、これまでの施工実績や計測技術が非常に進展、進歩しているということによりまして、工事の安全性及び効率性は顕著に向上して、技術的に見て対応可能な範囲にあるとされております。
 また、トンネル内での火災等の異常時についても、交通政策審議会で十分な議論が行われました上で、対応方針が示されておりまして、安全に避難できるということとされております。
 これら環境対策や災害対策などは重要な課題でありますので、県としては、さらに万全を期するよう、国やJR東海に要望していきたいと考えております。
 次に、この膨大な電力、エネルギーが必要となるリニアの運行は、電力不足が想定される中で可能なのかという御質問でございます。
 交通政策審議会でも、そうした審議がなされまして、リニア中央新幹線が開業した後に想定されるダイヤで運行した場合の消費電力は、現在の東海道新幹線とほぼ同程度であるということが示されております。
 さらに、東京―名古屋間が開業する十六年後、二〇二七年までには、自然エネルギーへの転換など技術革新が進み、原発事故などにより逼迫した現在の電力不足は解消され、リニアへの電力供給については十分可能であると審議会では確認されているところであります。
 次に、リニア活用基本構想についての御質問でございます。
 リニア開業は、山梨県が飛躍する大きなチャンスでありまして、これを本県活性化の起爆剤としていかなければなりません。本県ならではの強みを生かしながら、リニアのもたらす大きなプラス効果を県全体に広げて、全国に誇れる魅力ある県土づくりを行っていくことが重要であります。
 リニア活用基本構想の策定に当たりましては、このような考え方を、前向きの考え方を念頭に置きながら、御指摘がありましたような首都圏及び中京圏との機能分担といったことも含めて、さまざまな視点から幅広く検討を進め、地域の特性を生かしながら、県民が将来に夢を持てるような、また元気が出るような構想となるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、本県におけるバス交通の充実についての御質問でございます。
 近年、バス交通の重要性が一層高まってきております。
 国におきましては、御指摘がありましたように、交通基本法の成立に向けて準備を進めておりまして、あわせて、公共交通に関する国庫補助制度も、地域の主体的な取り組みを重視すると同時に、これまでの期間限定的な支援から、継続的な支援へと移行するなど、大きく変更されつつあります。
 本県においても、バス交通の充実に向けて、既存のバス路線を維持・確保するための支援だけではなくて、より利用者のニーズや地域社会の課題に対応できるように、バスネットワークの再編に取り組んでいくことが必要だと考えております。
 特に、観光立県を目指す本県の場合には、観光地をめぐるための足となる二次交通バスの充実が求められておりますし、また、御指摘のように、国母工業団地など、マイカー通勤が主流の工業団地におきましても、最近、通勤のためのバス路線新設への期待がございます。
 このため、今後は、県主導のもとで、バス運行の許認可権がある山梨運輸支局、関係市町村、バス事業者などで構成する検討会を早期に立ち上げまして、ニーズや課題を整理するとともに、試験的な運行の検討ということも進めていきたいと考えております。
 こうした取り組みを通じて、利便性の高いバス路線の開設につなげ、全県的なバス交通の充実に努めていきたいと考えております。
 次に、廃棄物最終処分場事業について幾つか御質問がございました。
 まず、公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針についての御質問であります。
 産業廃棄物の最終処分のほとんどを他県に依存している本県では、平成五年に公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備方針を策定いたしまして、北杜市明野町の環境整備センターを初めとして、最終処分場の整備に取り組んでまいりました。
 一方、近年、リサイクルの進展等によって、産業廃棄物最終処分量が大幅に減少し、また、公共関与の処分場と民間処分場との競合が発生するなど、廃棄物を取り巻く環境は大きく変化してきております。
 こうした中、笛吹市境川町の次期処分場につきましては、今回の収支見通しの推計によれば、産業廃棄物については六十三億円の最終赤字が見込まれるという結果でありまして、もちろん、産業廃棄物の適正な処理を県内で行う必要性が低下するものではありませんけれども、現行計画のまま次期処分場を整備した場合には、新たに多額の県民負担が必要となり、県民の理解を得ることは困難だと判断いたしまして、産業廃棄物のための次期処分場の整備については当面、凍結するということにいたしました。
 今後とも産業廃棄物の動向を注視しまして、産業構造の変化などに伴って、県内の最終処分量の増加とか、全国的な最終処分場の逼迫度が著しく高まるというようなことが見込まれる場合には、現在の整備方針を踏まえる中で、改めて検討してまいりたいと考えております。
 次に、一般廃棄物処分場整備に対する県の支援策についての御質問であります。
 次期処分場につきましては、一般廃棄物処分場として整備するという方向で、現在、市町村の意向確認を進めておりまして、この中で、県としては市町村等に対して、一般廃棄物は市町村による自区域内処理が原則であって、一般廃棄物処分場を県内に設置することによって、市町村は長期間、安定的にその処理責任を果たすことができるということとか、一般廃棄物処分場を広域的、拠点的に設置することによって、市町村が自分で個々に設置するよりも、建設、維持管理の効率化が図られるといったことについて、十分に説明をして、御理解をいただけるようにしていきたいと考えております。
 御指摘の、市町村に対する支援策につきましては、一般廃棄物の処理に関する市町村の法律上の役割ということを踏まえますと、一般廃棄物処分場の整備は、まず国の支援制度を最大限活用する中で、市町村の負担において実施するというのが原則であります。
 その一方で、次期処分場については、県が建設地や整備内容等を決定したものでありますし、また、一般廃棄物処分場の広域的、拠点的な整備は、県としても促進する必要があると考えております。
 このため、一般廃棄物処分場の整備費のうち、上寺尾区を建設地としたことに伴い必要となる経費、具体的には取りつけ道路の整備とか建設地内の河川のつけかえ等については、応分の県負担を検討してまいりたいと考えております。
 次に、明野の環境整備センターの原因究明調査についての御質問でございます。
 昨年十月の漏水検知システムの異常検知に伴う原因究明作業につきましては、今後、施設の施工業者と共同しまして、遮水シートの性能自体を確認するための強度試験等を行うことにしておりまして、七月末をめどに、これまでの調査結果とあわせて、安全管理委員会に報告していきたいと考えております。
 また、御質問の施工業者等の責任につきましては、現時点では申し上げる段階にはありませんが、今後、原因究明調査の結果等を精査する中で、慎重に責任の所在を明らかにし、必要な措置を検討してまいりたいと考えております。
 次に、本県の水資源戦略についての御質問でございます。
 本県は豊かな森林に恵まれており、ここではぐくまれた水の恵みを持続的に享受していくために、平成十七年に水政策基本方針を策定いたしまして、水をつくり、守り、生かしていくためのさまざまな施策を展開してきたところであります。
 二十一世紀は水の時代と言われる中で、山梨の豊かな水、そして、この豊かな水にはぐくまれた農林産物等のブランド化と販路拡大などが一層期待される一方で、本県の生活用水の半分以上を賄っている地下水は、県民の財産でございますが、そうした貴重な水資源を将来にわたって保護・保全していくための対策が求められております。
 このため、ことしから二カ年にわたりまして、水資源実態調査を実施いたしまして、地下水位とか河川の流量の観測を初め、さらに水資源の利用実態を把握し、賦存量の現状と将来予測、供給可能量等の分析等を幅広く行っていきたいと考えております。
 同時に、有識者からなる検討委員会を設置いたしまして、これらの調査結果に基づいて、水環境の変化が県民生活に与える影響とか産業振興への活用方策などについて、御論議をいただくことにしております。
 この論議を踏まえて、県民の貴重な水資源を将来にわたって保護し、適正利用を図っていくために、新たな水政策の基本方針を策定するとともに、地下水の適正利用に向けた条例の制定を検討してまいりたいと考えております。
 次に、節電対策と電力対策についてでございます。
 まず、本県産業の主力を担う企業や生産工場における電力使用抑制の取り組みへの支援についてであります。
 大震災後、計画停電や電力不足を受けまして、県では工業団地や機械電子工業会とともに、計画停電にかわる輪番操業といった提案や、クリーンルームの特殊性などについて、いち早く国や電力会社、東電に要望してまいりました。
 この結果、国の電力使用制限──一五%という電力使用制限でありますが──におきましては、クリーンルームを有する施設に対する制限緩和措置が設けられ、また、大手企業と中小企業がグループで共同して、電力使用を抑制する方式も認められたところであります。
 また、国から一律一五%の削減目標が設けられた企業に対しましても、六月二十七日までの間に七回にわたって、県主催の説明会を開催して、操業時間のシフトとか電力使用のピークカットなどの具体的な手法について、周知を図っているところであります。
 今後は、夜間や土曜・日曜への操業時間をシフトする企業に対して、労働条件のいろいろな課題とか節電の技術的な課題などにつきまして、必要なアドバイスを行うとともに、企業の要望などを国や電力会社に取り次ぐなど、きめ細かい支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、電力対策についてでありますが、県内企業の自家発電設備の導入状況について、御質問がございました。
 県では震災以降、企業訪問や企業からの相談を受けて、自家発電設備の導入を計画している企業に対しまして、国の支援措置などの情報提供を行うとともに、新たに大規模な太陽光発電設備を設置する企業への助成も行っているところであります。
 こうした取り組みを通して、現在まで把握している県内企業の自家発電設備の導入状況は約三十社、総発電量三万七千キロワットに達しております。
 次に、中長期的な視点からの企業の自家発電設備の導入促進についての御質問がございましたが、今後、編成が予定される国の二次補正予算、あるいは三次補正予算になるかもしれませんが、そういった予算においても、自家発電設備への助成措置というようなものが検討されておりまして、そういった助成措置が行われる場合には、関係する企業がこうした助成を活用するように、情報提供や支援を積極的に行っていきたいと考えております。
 また、中長期的には、中央自動車道沿いに国際石油開発帝石という会社のガスパイプラインが整備されております。これは大変に地理的に有利な点でございますので、工業団地単位で、ガス事業者や立地企業などが行う自家発電設備の導入の可能性についても、検討してまいりたいと考えております。
 次に、雇用対策について幾つか質問がございました。
 まず、ふるさと雇用再生特別基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金の活用事業についてでございます。
 雇用創出に関する二つの基金事業につきましては、平成二十一・二十二年度の二カ年間で七十五億六千万円の規模の事業を実施し、県と市町村合わせまして五千七百二名の雇用を確保いたしました。
 本年度は、県と市町村合わせまして三千二百人を超える雇用の創出を図ることにしておりまして、今後、成長が期待される介護とか農林とか観光などの重点分野において、新たな雇用機会の創出を図るといった継続した雇用に結びつけていきたいと考えております。
 また、国の交付金による雇用創出事業につきましては、大震災の影響で雇用情勢が悪化しておりますので、国に対して、事業期間の延長や、基金をさらに積み増してもらうといったことを要請したところでありまして、今後とも、産業や労働など各分野の皆さんの御意見をお聞きしながら、雇用の場の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、若年者就職体験支援事業につきましては、これは就職支援会社に委託しているわけでありますが、就職支援会社において、百三十九人を今、雇用しておりまして、ビジネスマナーとかパソコンなどの基礎研修を受講し、その後、現在、いろいろな企業で就業体験や職場研修を行っております。
 この就業体験先の企業は、求人があった百七十一社の中から、本人の意向や適性に合うマッチングをした上で、その会社を決めておりまして、恐らく百三十九人の相当数が、事業終了後の正規雇用につながっていくものと期待しているところであります。
 また、今春卒業して、まだ就職をしていない、いわゆる未就職者につきましては、若年者向けの事業と同じスキームで、新たに四十人の雇用を創出する事業を実施するほか、引き続き、県のジョブカフェやハローワークと連携いたしまして、就職までマンツーマンの支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、東日本大震災で、県内に大勢の方が避難してきておりますが、そういう方々への雇用の確保についての御質問がございました。
 六月十五日現在で県内に避難している人は八百十九人でありますが、そのうち百四人が求職の手続をされております。一方、県内企業の皆さんに御協力をお願いしたところ、被災者向けに二百五十八人の求人が確保されているわけでありますが、実際、就職された方は十七名にとどまっているという状況であります。
 これは、職種のミスマッチということもありましょうし、あるいは、いずれはふるさとに戻りたいという事情で、就労期間が不確定になるというような理由から、ほとんどの求職者が、なかなか就職までは結びついていないというのが実情であります。
 このため、緊急雇用創出事業を活用いたしまして、県と市町村が直接雇用するということのほかに、就職支援会社のノウハウを生かした被災者向けの就職支援事業によりまして、新たに五十五人の雇用を創出して、早期の就労につなげていきたいと考えております。
 次に、食の安全・安心に関する条例の制定についての御質問であります。
 まず、条例制定の今後の日程についてでありますが、食の安全・安心につきましては、放射能に関連する安全性の問題とか、食肉の生食による食中毒の問題などで、県民の不安解消を図ることが、ますます重要になってきております。
 こうした中で、本県における食の安全・安心の一層の確保に向けて、県全体の取り組みをさらに推進していくための指針となる条例について、明年四月からの施行を目指して、現在、制定作業を進めているところであります。
 条例制定に当たりましては、多くの機会をとらえて、広く一般県民や関係者の御意見を伺うことといたしまして、年末までに、消費者、生産者、学識者等による食品安全会議で議論をしていただくとともに、県民の意識調査やパブリックコメントなどを実施してまいります。これらを踏まえて条例案を作成し、明年二月議会に提案する予定であります。
 次に、食の安全・安心行動計画の基本的な考え方についての御質問であります。
 条例に基づきまして、新たにやまなし食の安全・安心行動計画を策定することになりますが、議員御指摘のように、県民総ぐるみで食の安全・安心の確保に関する施策を推進していくために、生産・流通・消費の各段階における安全対策や消費者への正確な情報の提供、食に関連する関係者と消費者との相互理解や信頼関係の確立などに向けた具体的な実効性ある取り組みを盛り込んでいきたいと考えております。
 最後に、新規就農者の確保についての御質問でございます。
 本県の農業の担い手対策につきましては、私もマニフェストで、新規就農者数を年百人から二百人に倍増するという目標を掲げたところでありまして、今後も力を入れて取り組んでいきたいと考えております。
 まず、平成二十二年度の新規就農者の状況でありますが、みずから農業を営む新規就農者は、いわゆる就農定着支援制度推進事業の研修生が無事、全員就農したということもありまして、二十一年度に比べて二割ふえて、百十九人ということになりました。
 また、近年、自分でじかで農業するというのではなくて、雇用されるという形で就農する若者がふえているという実態を踏まえまして、このたび、雇用就農者について調査しましたところ、六十六人の方が二十二年度は雇用就農しております。
 合わせますと、二十二年度の新規就農者は百八十五人となりまして、目標達成に向けて確かな手ごたえを感じているところであります。
 次に、新規就農者への支援対策でありますが、栽培技術の研修制度とか、農地や機械取得の県の支援対策をきめ細かく行うためには、市町村やJAとの十分な連携が必要であると考えております。
 市町村においては、笛吹市や甲州市などが、県の制度に呼応した事業を創設して、対策に取り組んでいただいてきております。また、JAなどにおきましても、県と連携した支援を行うために、就農支援の受け皿になるグループづくりを進めておりまして、これまで十四の組織が立ち上がってきております。
 県では、こうした市町村との連携の輪を広げまして、本県農業を支える担い手を一人でも多く確保・育成できるよう、今後とも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
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◯議長(浅川力三君)福祉保健部長、古屋博敏君。
      (福祉保健部長 古屋博敏君登壇)
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◯福祉保健部長(古屋博敏君)樋口議員のひとり親家庭への支援についての御質問にお答えします。
 ひとり親家庭が求めております支援といいますと、日常生活にかかわるさまざまな相談から、経済的な自立に向けた支援までと、大変幅広いため、国や県、市町村が役割を分担し、お互いに連携する中で、支援をしていく必要があると考えております。
 県ではまず、ひとり親家庭等のさまざまな相談に対しまして、適切な助言や情報提供が行えるよう、就業支援や養育相談などに関する専門研修へ、県の母子自立支援員を派遣し、その研修内容を各市の母子自立支援員に伝達したり、ケース検討会を行うなどによりまして、相談関係者の資質の向上と相談機能の強化を図っております。
 また、「ひとり親家庭・寡婦のしおり」や「パパのファミリー手帳」というのがございますが、そういったものを作成いたしまして、市町村を通じて対象世帯に配付することにより、ひとり親家庭等に対する支援制度の周知を図っておるところでございます。
 こうしたことに加えまして、ひとり親家庭の親の自立を促進するため、ハローワークと協力して、相談を受けた世帯ごとに自立支援プログラムを策定いたしまして、これに基づき、就業を支援するとともに、看護師など専門の職にかかわる養成機関に通う間の生活費を支給したり、簿記やパソコンなどの講座を受講するための経費の一部を支給するなど、母子家庭の母の就業を支援しているところでございます。
 さらに、ひとり親家庭の父などが、一時的に家事や保育について援助を必要とする場合に、家庭生活支援員を派遣し、日常生活についてのさまざまな支援を行っているところであります。
 今後とも、国や市町村と連携する中で、相談事業の充実・強化、広報活動や就業支援事業の推進によりまして、ひとり親家庭が安心して生き生きと暮らせる環境づくりを推進してまいります。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)教育委員会委員長、渡邉努君。
      (教育委員会委員長 渡邉 努君登壇)
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◯教育委員会委員長(渡邉 努君)樋口議員の中高一貫教育についての御質問にお答えいたします。
 まず、中高一貫教育校の設置表明についてであります。
 平成二十二年度に中高一貫教育庁内検討委員会を設け、全国の中高一貫教育校の状況を調査するとともに、設置する場合の課題や条件などについて、検討を行ってまいりました。
 本年度におきましては、昨年度までの調査、検討の結果をもとに、教育委員会の附属機関であります高等学校審議会において、設置の必要性や本県の中等教育に果たす役割など、幅広い観点から検討することといたしております。
 県教育委員会といたしましては、この審議会からの答申を受け、中高一貫教育校の設置について判断してまいりたいと考えております。
 次に、審議会における十分な議論の可能性についてであります。
 高等学校審議会では、設置の必要性を初め、設置形態や規模など学校設置に必要な項目はもちろんのこと、学校運営や活動内容、地域との連携などの先進事例も検討することとしております。
 このため、審議会の委員には、市町村教育委員会や公立学校・私立学校の関係者を初め、PTAや大学教授、産業界の代表者など、関連する分野の専門家に広く参画を得て、十分な議論を尽くし、審議していただきたいと考えております。
 最後に、市町村教育委員会への提案、連携についてであります。
 県教育委員会としては、審議会での審議を経て、設置について判断していくことといたしておりますが、市町村教育委員会にも説明を行い、十分な連携を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)当局の答弁が終わりました。
 樋口雄一君に申し上げます。残り時間は一分であります。
 再質問はありませんか。樋口雄一君。
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◯樋口雄一君 中高一貫教育について、県教育委員会に再質問をさせていただきます。
 今、御答弁で、なるほど大変慎重に長きにわたって、中高一貫教育の内容と導入の是非について御議論されていることは、よくわかりましたが、いささか慎重過ぎてまどろっこしい感じも受けるわけでございまして、もちろん、中高でありますから、市町村の教育委員会との連携や、あるいは共同して行うべき作業も大変あると思います。
 県の教育委員会の議論が長過ぎて、その結果が出てから実行に移すまでの時間が短くて、現場が混乱するという危惧を非常に抱くわけであります。
 先ほど質問の中で申し上げましたように、二十四年、二十五年から、新学習指導要領も実施されるわけでありまして、その辺の心配を払拭するような取り組みをぜひ求めたいと思いますが、見解を求めます。
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◯議長(浅川力三君)教育長、瀧田武彦君。
      (教育長 瀧田武彦君登壇)
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◯教育長(瀧田武彦君)樋口議員の中高一貫教育に関して、市町村教育委員会、中学校等との混乱防止について、お答えいたします。
 先ほどの答弁にもございましたように、中等教育の複線化、中等教育における県立中高一貫校の果たす役割等々を考えますと、当然、市町村教育委員会と連携し、十分な説明を行った上で、導入あるいは導入の是非について検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
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◯議長(浅川力三君)樋口雄一君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって、樋口雄一君の代表質問を打ち切ります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 明六月二十一日、午後一時、会議を開き一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                                         午後三時五十七分散会