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平成22年6月定例会(第2号) 本文




2010.06.07 : 平成22年6月定例会(第2号) 本文


◯議長(武川 勉君)これより本日の会議を開きます。
 直ちに日程に入ります。
 日程第一、報告をいたします。
 地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、第六十一号議案ないし第六十三号議案及び第六十七号議案について人事委員会の意見を徴したところ、お手元に配付のとおり、適当と考える旨の回答がありました。
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梨人委第三百七十六号
平成二十二年六月二日
   山梨県議会議長  武 川   勉 殿
                          山梨県人事委員会委員長  小  澤  義  彦
             意見聴取について(回答)
 平成二十二年六月二日付け議調第二百三十号で意見を求められた次の議案については、適当と考えます。
   第六十一号 山梨県職員の退職手当に関する条例中改正の件
   第六十二号 山梨県職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例中改正の件
   第六十三号 山梨県職員の育児休業等に関する条例中改正の件
   第六十七号 山梨県学校職員の勤務時間等に関する条例中改正の件
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◯議長(武川 勉君)次に、日程第二、知事提出議案、第六十一号議案ないし第七十号議案、承第一号議案ないし承第五号議案を一括して議題といたします。
 これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第三の県政一般についての代表質問を行います。
 発言の通告により、森屋宏君に四十分の発言を許します。森屋宏君。
      (森屋 宏君登壇)(拍手)
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◯森屋 宏君 私は、自民党政友会を代表いたしまして、本定例会に提出されました案件並びに県政一般について、質問をいたします。
 今、政治に対する信頼が大きく失われようとしています。これまで、政府の沖縄におけるアメリカ海兵隊の問題などを初めとする対応のまずさは、昨年の総選挙で沸き起こった多くの国民の期待を裏切るものとなりました。
 そもそも、政治に求められる最も大きな役割は、政策実行の優先順位をつけることにあります。高速道路無料化議論に見られますように、一方において確かな財源を示さないまま無料化を主張し、また、他方において地域からの要望が強いからといって建設推進を持ち出すなど、とても政治のわざとは思えない事態が続いています。
 すべての意見を取り入れ財政の肥大化を招き、政治や行政を行おうとすることは、時代に逆行しており、公共政策そのもののあり方を脅かすゆゆしき問題であります。二大政党制を目指してマニフェストを掲げ、政策の選択を迫ってきた意義に再び立ち戻って、政権政党としての役割を果たされますよう願うばかりであります。
 とはいえ、私の持論は、地方政治は政党政治によって行われるべきではないという考え方ですので、本論に移りたいと思います。
 横内知事は三年前の選挙において、県の借金一兆円、ほっとけないと訴え、当選されました。しかし、最近の議会での知事の答弁を聞いていますと、臨時財政対策債を除くという解釈が目立つようになってきました。そもそも臨時財政対策債も、国民たる県民には同じ借金であり、それらを含めてほっとけないと主張された知事の考え方に、県民は賛意を示されたのではないでしょうか。
 私は、一年余り議長として知事のお考えを間近で聞いてまいりました。山梨県という地域特性を十分に理解され、その中で問題解決の方策や新しい時代へ向けての取り組みを見出そうとされるその姿勢に、強い感銘を受けました。
 任期最終年となりました本年は、もう一度初心に返られ、行財政改革に対する強い姿勢を打ち出され、次なる時代の県行政のあるべき姿へ向けて、さらなるリーダーシップを発揮されますよう期待いたします。
 私ども自民党政友会は、地方政治の原則、つまりは、知事と議員はともに地域住民から直接選ばれるという二元代表制の本旨に基づいて、常に緊張感あるチェック・アンド・バランスの役割を果たしてまいります。さらに、地方分権・地域主権の時代に活躍する自立した議会を目指して、議会改革の推進役を務めてまいります。
 知事を初めとする行政と議会との緊張感ある切磋琢磨が、必ずや本県発展の礎となり、県民福祉の向上に貢献するという信念に基づいて行動してまいりますことを約束し、以下、質問に入ります。
 まず、地域主権の確立に向けた取り組みについてお伺いすることから始めたいと思います。
 グローバル化の進展や世界に例を見ない少子高齢社会へと突入しつつある我が国においては、従来から社会を支えてまいりましたあらゆるシステムが疲弊し、多くの問題が提起されるようになってきています。
 国においては、いずれの政権となりましても、これらの問題に対して、分権化、多様化などを積極的に進めていくことが、今、求められており、その実効性の確保が政権の存続を左右するといっても過言ではありません。
 地方におきましても、従来からの中央集権的行政のあり方から大きく転換し、地域特性を生かした高度な政策立案能力を発揮する必要があるなど、今までにない新しい地方行政の時代へと入りつつあります。特に、これまで医療や教育といった人的努力の上に維持されてきました分野におきましては、その機能低下は著しく、財政措置のあり方なども含めた抜本的な改革が必要であります。
 中でも県行政には、新たな時代を迎えて、住民に最も近いところで行われる基礎的自治体としての市町村行政サービスとは異なり、より専門性の高い政策集団としての役割が求められています。従来、国が行ってまいりました政策提示の役割を、県が地域特性に合わせた独自のものとして策定し、実行していかなければならないのです。さらには、観光政策のように、国際的視野をもとに独自の政策を策定し、発信していかなければならないという分野も出ています。
 既存の概念を超えた新しい時代の行政課題に取り組み、知事として最も力を出し、最高のリーダーシップを発揮できますのは、国の縦割り行政にとらわれることのない、地域特性や住民要望に対応した組織をつくり上げていくところにあります。今後、山梨が他におくれをとることなく、むしろ幾つかの分野において全国をリードする県となりますよう、横内知事のリーダーシップに大いに期待するところであります。
 そこで、まず、地域主権の確立に向けては、国、県、市町村が、新たな役割分担をする中で、それぞれに最大限の力を発揮していくことが重要であります。今後の地域主権の時代における県の役割について、どのようにあるべきと知事はお考えなのか、御所見をお伺いいたします。
 また、知事の考える県の役割を具体化していく手足となりますのは、当然、県庁であります。この県庁を構成する県職員は、困難な課題に果敢にチャレンジしていく高いマインドと専門性をあわせ持つことが求められています。そこで、このような職員をどのように育成していくお考えなのか、あわせて知事の御所見を伺います。
 次に、がん対策や救急医療など、高度医療をめぐる県の取り組みについて、幾つかお伺いをいたします。
 がん対策などの高度医療サービスは、市町村立病院を中心とした二次医療圏においては実施することが困難であることから、広域自治体としての県が行うべき医療サービスとして、多くが今、期待されています。しかし、一方において医療技術の進歩は著しく、新しい医療を求めるという県民ニーズにすべてこたえていくことは、財政規模の小さな我が県におきましては大変厳しいものがあります。
 私は、十年近くにわたって、本県全域におけるドクターヘリによる救命救急事業の実施を強く訴えてまいりました。しかし、やみくもに完全実施を求めてきたのではなく、その救命効果の高さを訴える一方、財政負担の優先順位を議論し、県民コンセンサスを得るための問題提起など、関心の高い議員の皆さんとともに時間をかけて行ってまいりました。
 今後の本格的高齢社会の到来を考えますと、医療費の高騰など予想される問題は数多くあります。社会の変化とともにふえ続ける医療費について、その軽減策や負担のあり方などの問題について、予想される事態をしっかりととらえて、時間をかけて議論を進めていく必要があります。
 そこで、まず、今後予想されます団塊の世代の高齢化に伴う、がんの罹患者予想についてお伺いたします。
 御存じのように我が国における団塊の世代と言われる人たちが、高齢化層へ入りつつあります。静岡県立がんセンターの研究では、急速な高齢化社会の到来を受け、がん罹患数は二〇一五年にピークに達した後、二〇五〇年ごろまで横ばいで推移すると予想しています。
 本県において、がん罹患数や死亡者数は今後どのように推移していくのか、まず、お伺いをいたします。
 次に、急増が見込まれますがん患者に対する医療や緩和ケア、終末医療など県に期待される医療サービスもふえるのではないかと思われます。現時点で今後どのように取り組まれていくのかお聞きいたします。
 次に、救急業務についてお伺いいたします。
 我が国におけます救急体制は、大きく分けて厚生労働省所管の救急医療と総務省消防庁所管の救急業務の二つに分けることができます。現在、県におきましては、国の消防法一部改正に伴い、傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準の策定作業を進めています。十月をめどにまとめられる基準の策定後は、この際、消防本部の一元化議論を含めた、より包括的な議論へと発展させていくべきであると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。
 本県における周産期医療や小児初期救急医療の分野での積極的な取り組みが、その後、劇的に状況を好転させてきましたことを見ましても、本県のような地理的、人口的規模において県が行う高度医療施策は、その効果があらわれやすいと言えます。救急体制の充実に向けて、全国に先駆けた議論が進められますことを期待し、質問いたします。
 次に、県内経済の現状と活性化についてお伺いをいたします。
 私は、議員となりまして十年余り、県内の経済の動向を注視してきました。最も関心がありますことは、国や県など公の機関から発表されます地域経済の動きや景気動向といったものと、ちまたで語られている景気感とでは、なぜこんなに乖離があるのかということです。
 私たちは経済評論家ではありませんので、経済の現状や先行きを正確にはかり知ることはできません。しかし、日々の活動を通じて、地域の中で感じられる実態としての経済の動きには敏感であり、また、そうした生の景気感に裏づけられた庶民の声を代弁することに、政治に求められる最も大きな役割があると思います。
 その意味で、特に都道府県の場合、収入、つまりは税収の主たるものは法人二税であるため、どうしても、地域経済の動きを見る場合、大手企業中心の見方に偏る傾向があるのではないかと、これまでの議会での質問を通じて、警鍾を鳴らしてきました。事実、これまで本県の場合、県規模に比較しまして法人二税の収入は高く、また、有効求人倍率なども他県より常に高い水準で推移してきました。
 しかし、一昨年来の景気の落ち込みは、従来型の景気サイクルではとらえることのできないものとなりました。先進国ばかりでなく新興諸国をも巻き込んだグローバル不況であることから、つまりは、電機、機械電子産業といった輸出依存型産業に支えられてきました本県経済にとりましては、緊急経済対策の成果や新興国の消費拡大などから一時の持ち直し感はあるものの、将来的な見通しについては非常に厳しいものがあると言われています。
 このようなことから、産業政策面では、大きな転換期を迎えているといっても過言ではありません。今後は、当然、これまで県内経済を支えてきました産業を人材育成などの面から支援する一方で、低迷の続く地場産業の復興や、それらにかわる新しい地域産業の種を育てていく必要があります。こうした方向性におきましては、現在、県が行っています取り組みには大いに評価できるものがあります。
 しかし、産業政策を展開する際には、現場感覚に裏づけられた生の景気感をもとにした景気の潮目や経済構造の変化を敏感に踏まえていく必要があります。多くの県ではみずから景気動向指数の調査を行うなど、常に地域経済の動向に注視していると聞いています。本県におきましても、地域景気動向をとらえる作業を行うべきであると考えますがいかがでしょうか。
 こうした中、県におきましては本県中小企業が進むべき方向と求められる経営革新の指針として産業振興ビジョンを策定するとのことであります。そこで、本県において、今後、成長が期待される分野についてどのようにお考えになっているのか、まず、お伺いいたします。また、知事はビジョンをどのように実現されようとしているのかも、あわせてお伺いをいたします。
 次に、大型商業施設の立地の適正化について、お伺いをいたします。
 私は、約三十年前、アメリカ・テネシー州ナッシュビル郊外で、いわゆるショッピング・モールを初めて訪れる機会をもちました。アメリカのことでありますから、広大な敷地の両サイドに百貨店を配置し、その間が二階建てのモールでつながり、多くのショップが色とりどりの品ぞろえでにぎわいを見せていたことを今でもよく覚えています。当時、山梨では、ようやく単体の大型スーパーが出始めたばかりのころでしたので、あのような形態が、将来私たちの地域にもできることは予想すらしませんでした。
 しかし、時代は過ぎ、多くの県外資本による本格的大型商業施設も県内へ進出し、三十年前に私がアメリカで見た光景が、ここ山梨でも現実のものとなっています。特に、甲府盆地を中心とした地域では、郊外での出店が相次ぎ、既に飽和状態となりつつあり、いろいろな影響が出始めています。甲府市中心市街地においても店舗数が大きく減少し、買い物難民と言われる問題も現実のものとなってきました。
 ところが、我が国に対し大型商業施設の出店規制の迅速な緩和を求めてきましたアメリカにおきましては、一九九〇年代以降、多くの州において大型店の出店規制が進み、ヨーロッパ諸国とともにサスティナブルシティー、つまりは、持続可能なまちや、コンパクトシティーを目指したコミュニティー重視の都市政策に転換が図られているのであります。そこに住む人々が地域に誇りを持ち、他の地域から尊敬され、訪れてみたくなるような魅力あるまちづくりを推進しています。むしろ、時代おくれで大型商業施設の自由化を進めてきました我が国は、今日では先進諸国の中で最も出店が自由な国とさえ言われているのです。
 この問題は単に大型商業施設の是非にとどまらず、都市政策と大きくかかわり、インフラ整備とも連動して都市運営コストの増大を招き、財政の有効的な実行を阻害する要因ともなりかねない大きな問題であります。
 横内知事は、就任以来、この問題の重要性を認識され、進出企業に対して規模縮小の働きかけをされるなど大きな評価を受けられています。暮らしやすさ日本一を目指す知事にとっても、自然環境に恵まれ、果樹などの農作物が豊富な山梨県の潜在的可能性を考えた場合、時代を見据えた積極的な判断が求められる分野でもあります。
 そこで、県では、大型商業施設などの立地について、どのようなスタンスで臨み、対策を行っていくのか、お伺いいたします。また、疲弊感の著しい甲府市中心市街地の活性化についてどのような対策を講じているのか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、少子化対策についてお伺いをいたします。
 この問題につきましては、改めて私が申すまでもなく、多くの県民が強い問題意識を持ちながらも、今日まで解決どころか減少傾向に歯どめがかからない状況が続いています。
 財団法人社会経済生産性本部の提言では、「九〇年代前半のバブル経済崩壊以降、日本経済が長期低迷期に突入したこの時期に社会人となった、いわゆる団塊の世代ジュニアは、特に雇用面で深刻な困難に直面した。この世代の中の低所得、雇用不安、共働き時代に適応していない雇用慣行、高い未婚率、出生率の低さが今日の少子化の原因となっている」と報告しています。
 私は、もともと幼児教育の現場にいて、出生率を常に気にとめていくことが習慣のようになっています。ところで、平成二十一年は例年にも増して出生数の減少がありました。以前には年間一万人を超える新生児の誕生がありました本県でありますが、平成二十一年は、前年比九五・八%の六千六百二十一人の誕生にとどまり、特に、私の住む県東部地域での減少は著しく、前年比八三・三%と過去にない低水準となりました。
 このように一向に歯どめのかからない少子化の中、今月からはいよいよ新しい政権の目玉である子ども手当の支給が開始されます。これまでの国の政策同様、応急的、時限的なものにならないか心配です。最近の政府の動向を見ますと、来年度以降の子ども手当について、現金給付については限定的なものとし、残りについてはそれぞれの地方の自由度の高い財源とする議論がされているようであります。さらに、今月にも方向性が示される予定の幼・保一体化問題につきましても、地方独自の裁量権を強める方向で議論されています。
 このように国での多くの議論を見ますと、既に国全体を見渡した政策を策定すること自体、限界に来ている感があります。今後はいよいよ地域での多様性に富んだアイディアあふれる取り組みを、地域みずからの責任において策定していくことが求められる時代に入ったと言えます。
 そこで、まず、少子化という国や地域の根幹にかかわる問題について、知事の御認識をお伺いいたします。
 また、今後、県には専門家集団としての役割が求められていきますが、この際、国のように、少子化や子供をめぐる問題に特化した組織を検討される必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょう。
 さらに、近年、県内におきましても、よりよい子育てを目指したNPOなどによる多様な取り組みが数多く始められています。県として、そうした方々とどのように連携、あるいは、支援をされていくお考えなのかお聞きいたします。
 次に、外国人観光客の誘致について、お伺いいたします。
 国では、訪日外国人旅行者数を将来的には年間三千万人とすることを目指して、海外における大規模な観光プロモーション活動を展開しています。
 本県におきましても、これまで全国に先駆けて庁内に観光部を設置し、経済成長の著しい東アジア地域を中心に外国人観光客の誘致を進め、知事によるトップセールスを行うなど、海外に向けての積極的な誘客宣伝活動を行ってきました。
 宿泊旅行統計調査によりますと、昨年の全国での外国人延べ宿泊者数は、世界的な経済不況や新型インフルエンザの発生などの影響により、前年比二〇・二%もの減少でした。しかし、本県におきましては、これまでの取り組みの成果もあり、逆に一一・〇%の増加となり、これは昨年全国第一位の伸びでありました。全体では、二位の秋田県とともに、わずか二県だけが前年比プラスであったと聞いています。これまでの当局の取り組みを大いに評価したいと思います。
 観光産業は製造業などと異なり、数字でその成果を明確にあらわしてくれるものではありません。しかし、本県産業にとっては大きな柱であることは間違いなく、さらなる努力を期待するところでもあります。国内の他地域においても外国人観光客の誘客に力を入れ始めているところが多くあり、先行してまいりました本県にとりましても、油断のできない状況が続いています。
 政府では、高い経済成長率が続く中国に対して、本年七月、個人観光ビザ発給要件を緩和するとしています。人口規模からいたしましても、今後インバウンド観光客の大幅な増加が見込める中国に対して、時期を失することなく、富士山を初めとする本県の魅力ある観光資源をさらにプロモーションする大きなチャンスであります。そこで、具体的に、県ではこれからどのように取り組まれていくのかお伺いをいたします。
 また、空港のない本県にとりましては、複数の観光ルートを開発するなど、他地域との連携が欠かせないと思いますが、いかがでしょう。
 我が国の海外旅行のスタイルが、高度成長とともに、団体旅行などのパック旅行から多様なスタイルを持つ個人旅行へと変遷し、規模拡大をしてまいりました歴史を見ましても、今後、発展の可能性が大いに期待される観光産業の分野であります。県ではこうした状況において、組織としていち早く立ち上げ、成果を得てまいりました観光部の活動を今後どのように発展させ、本県の国際観光政策のリーダー役を果たされていくのか、お伺いをいたします。
 次に、リニア中央新幹線の推進についてお伺いいたします。
 十九世紀に英国で始まりました鉄道の歴史は、今日、自動車の利便性や飛行機の高速性に押され、輝きを失いつつあります。
 しかし、最近、これまで鉄道が余り利用されることがありませんでしたブラジルやベトナムなどにおいて、高速鉄道の建設が相次いで発表されるなど、世界的に鉄道復権の兆しが見受けられます。
 さらに、かつての鉄道王国でありましたアメリカにおいても、オバマ大統領がグリーン・ニューディール政策の柱として、高速鉄道網の構築に本腰を入れて取り組むと発表されました。我が国におきましては、現在、官民挙げてアメリカ市場への売り込みに力を入れており、先日も都留市にありますリニア実験線において、アメリカ運輸長官の試乗の機会があったところであります。
 このリニア中央新幹線は、平成十九年にJR東海が自己負担での建設を発表して以降、目覚ましい早さで実現に向け動き出しています。三月からは、国の交通政策審議会に舞台は移り、いよいよ整備計画の決定に向け具体的な審議が行われているところであります。
 これまでにリニア技術についての検証や、事業主体として名乗りを上げているJR東海の事業遂行能力について聴取が行われたと聞いています。この中で、JR東海はリニアの開業時期について、収支予測の試算結果をもとに、二〇二七年と、当初より二年おくれになることを発表いたしました。
 一方で、早期開業の方針に変わりはないとの説明をされていますので、県としましては、開業を見据えしっかりと準備を進めていくことが重要であります。
 さらに、今月四日には沿線四県の聞き取りが行われ、ルートや駅についての知事の発言も大きく報道されたところであります。リニア開業は本県の経済、社会に大きな経済効果をもたらすものであり、ルートや中間駅の設置は多くの県民が注目していることから、県の考え方を県民にわかりやすく説明していく必要があります。
 そこで、これまでルートについて明言されてこなかった知事が、南アルプスルートが望ましいと発言された意図を含め、どのようなお考えから審議会で発言をされたのか改めてお聞きいたします。
 また、ルートが決まってきますれば、当然、中間駅の設置やJR東海が主張している駅設置費用の地元負担など、次の大きな課題が待ち構えており、こうした課題に対して、JR東海とどのような考え方で協議を進めていくことになるのかあわせてお伺いをいたします。
 次に、土地開発公社の抜本的な見直しについてお伺いいたします。
 県土地開発公社は、昭和四十三年の設立以来、高度成長期における土地高騰という背景の中で、公共用地の先行取得や工業団地の分譲などの実施により、県行政を代替し、また補完するという重要な役割を果たしてきました。しかし、低成長時代への突入や、特にバブル経済崩壊後の長引く景気低迷による地価の下落は、地価の継続的な上昇を前提とした公社の経営を極めて厳しい状況に陥らせることとなりました。
 県では、これまで県議会における問題提起などを受けて、数次にわたる経営の改善に向けた計画を策定するとともに、長期間保有する土地の早期売却や米倉山造成地の借入金の金利負担を避けるための無利子貸し付けや、住宅供給公社及び道路公社との管理一元化による人員や経費の削減など、経営再建へ向けて取り組んでこられました。特に、長い間、棚上げされてきました米倉山造成地にかかわる債務につきましては、横内知事の決断により、行政改革大綱による損失処理の道筋がつけられたところであります。
 しかし、出資法人を取り巻く環境は、公益法人制度改革や地方財政健全化法の施行などにより、経営の健全化のみならず法人のあり方まで踏み込んだ抜本的な見直しが求められています。県議会におきましても、昨年度は多くの議論がなされ厳しい意見も出されました。
 このため、県では、多額の債務を抱えている土地開発公社など五法人について、外部の有識者等で構成する出資法人経営検討委員会の意見を聞く中で、経営改革に関するプラン策定に向けて検討を進められていると認識しています。先日、五月十四日に開催されました経営検討委員会において、土地開発公社について、早い時期に事業を廃止すべきであるとの意見が出されたとのことであります。
 県では、これらの経営検討委員会の意見を踏まえ、土地開発公社を実質的に廃止する方向で検討していくとのことでありますが、今後、どのように土地開発公社を整理されていくのか、まず、お聞きいたします。また、その他の四法人についての議論は、現在どのように進められているのか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、県内林業の活性化についてお伺いいたします。
 今回の一連の質問のように、県内における新しい地域産業の育成、雇用の確保という観点からは、昭和三十年以降、植林、間伐と整備が進み、いよいよ伐期を迎えた県産材の活用の方策を探ることは大変意義あるものであります。
 我が国の木材自給率は、昭和三十年代の木材輸入の自由化を経て、徐々に低下し、平成七年以降は二〇%を下回って推移をしてまいりました。しかし、近年、丸太輸入占有率の約四割を占めていましたロシアが、丸太輸出税の段階的引き上げ措置をとったことや、中国など新興国の旺盛な木材需要の影響などから、輸入量が減少し、木材自給率は上昇傾向に転じ、平成二十年には二十四%にまで上昇したとのことであります。
 これら木材の需給構造の変化に伴い、国内では、国産材針葉樹合板の需要が増加するなど、国産材マーケットが広がりを見せています。また、地元の木を利用した家づくりの活動が活発化するなど、木材の地産地消が定着しつつあるとのことでもあります。
 このような中、国においては本年五月十九日に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が成立し、さらに県産材の需要拡大に追い風となる状況も出てきました。この法律は、国が整備する低層の公共建築物において、木造化及び国産材を使用するよう努力義務を課すとともに、地方公共団体に対しましても同様の方針を策定するよう求め、木材の自給率の向上を目指しています。
 公共建築物などの木造化により、木材の需要が拡大し、木材産業に与える波及効果も高いことから、この機会をとらえて、本県の林業・木材産業はもちろんのこと、県内にある関連地域産業の活性化も期待できます。特に私の地元県東部地域は、東京、神奈川といった大消費地に近く、さらに、県内に水源を持つ相模川流域では、本県材に対する関心も高く、絶好の機会を迎えています。
 しかし一方で、こうした機会であるにもかかわらず、産業自体は長い木材価格の低迷や後継者不足などから、厳しい局面に立たされているのが現状です。
 そこで、国産材針葉樹合板などの市場ニーズの多様化、周辺に大消費地を控えているという立地条件を生かしたマーケットの広域化や地元の木を利用した家づくりなど、木材をめぐる流通形態の多様化を受け、それぞれの市場に見合った県産材の需要拡大対策をどのように行っていくのかお伺いいたします。
 また、流通にかかわるリーダーシップをとれる人材のネットワーク化を図っていくことも重要であると考えますが、今後どのように対策を講じていかれるのかも、あわせてお伺いをいたします。
 次に、多様な担い手による本県農業の可能性と新規就農希望者への支援についてお伺いをいたします。
 本県の農業の現状を見ますと、農家数の減少、農業従事者の高齢化の進行に伴う農業生産活動の停滞や耕作放棄地の増加など、多くの課題を抱えている現状にあります。また、本県の主力農産物である果樹につきましては、地域間競争が激しさを増し、さらには価格低迷などの影響で、出荷額が減少傾向にあることが先日報道でも伝えられました。
 しかし、新しい局面を迎えている林業同様、次の時代へ向けた地域産業の種という意味では、本県における農業は古くて新しい地域産業であり、大消費地を間近に控え、なおかつ、自然環境に恵まれた私たち山梨の農業は、非常に高い可能性を秘めていると言えます。
 近年、従来からの農業従事者とは別に、農業生産法人、NPO等、多様な形態の生産者がふえつつあり、そのことも農業の新しい可能性を感じさせる要因ともなっています。県におきましては、未来を支える多様な担い手づくりに積極的に取り組んでおり、近年では新規就農者も増加傾向にあると聞いています。
 そこで、まず、抽象的な聞き方で恐縮ですが、東京など大消費地を近くに持つ立地条件の優位性があることや今後の農産物の国際的競争の動向などの背景の中で、県では、多様な担い手の育成による本県農業の将来における可能性についてどのように考えていられるのか、お伺いをいたします。
 次に、本年度は、すぐれた栽培技術を持つ農業者のもとで、新規就農希望者が一年間の研修を実施する就農定着支援制度を創設し本格的にスタートしたとのことであります。一方、研修生は年齢や就農準備状況などが異なり、研修終了後に地域に定着するには、生産技術の習得はもとより、農地の確保など多くの課題があると思います。
 今後、このような課題解決に向けて、研修生が円滑に就農できますよう、県ではどのような支援を行っていくのか。さらには、研修生の受け皿となりますアグリマスターの負担を減らすためにどのようにされていくのか、お伺いをいたします。
 さらに、都市部の若者などを中心に、農業や田舎暮らしへのあこがれから就農希望者が増加傾向にあるとのことでありますが、一人でも多くの方々が就農できますよう県ではどのような対策を行っていくのか、お伺いをいたします。
 最後に、学校教育をめぐる諸問題についてお伺いをいたします。
 先日、私たちに、平成二十七年度までに旧北都留教育事務所管内にある小・中学校合わせて三十二校が十七校まで激減するという驚くべき報告がされました。既に述べましたように、県内の少子化傾向には歯どめがかからず、特に県東部地域では県平均を大きく上回るペースで進んでいます。こうした少子化傾向を背景に、地域での小・中学校の入学者数も激減しているのです。
 言うまでもなく、これらの学校施設は、地域の中心的公共施設であり、地域にとりましては、単に教育の場という以上に、多くの機能を兼ね備えた施設でもあります。そうした場所がなくなることは、地域の皆さんにとりましても大きな精神的影響があり、また、一方で、統廃合などを決断していかなければならない首長さんなどの関係者の皆さんの悩みも深いものがあります。
 県では、既に今後の少子化時代に対応した学校規模の適正化について検討会を開催し、平成十九年にはその報告書が提出されたところであります。学校において、子供たちは、教師からの指導ばかりでなく、同級生あるいは同世代の者、さらには異性とのかかわり合いの中で多くのものを学び成長をしていきます。子供たちに必要なものを獲得するのに十分な教育環境を整えていくことは行政の果たすべき大きな役割でもあります。
 そこで、まず、全県下における小・中学校の統廃合の予想はどうか、まず、お伺いいたします。
 また、検討会の報告を受けて県では平成二十一年度まで、統廃合を行おうとする市町村に対して財政的な面を含めて多くの支援を行ってまいりましたが、今後、学校規模適正化を図ろうとする市町村へ向けてどのような支援を行っていくのか、お伺いをいたします。
 それでは、いよいよ時期でありますので、教職員等の選挙活動についてお伺いをいたします。
 そもそも国の根幹を担う教育現場に携わる人たちが、選挙活動に参加し政治的発言を強めていかなければならないということ自体、我が国における教育行政に対する認識の低さをあらわしています。
 今日までの我が国の教育現場は、よき時代にしっかりとした教育を受けてこられた皆さん、つまりは、現場の教職員個々の人的パワーによって高度成長を支える人材育成を行う教育システムが維持されてきたと言えます。国民、県民の皆さんに対して、既に教育の現場においては、人的にもシステム的にも限界に達している現状を訴え、先進国並みの財政投入や、教員などの人的資質の向上を図る理解を得ていく必要があります。教師の皆さんが選挙活動などに没頭することなく、安心して子供たちの教育実践を行うことのできる教育環境を、今こそ、つくり上げていく必要があります。
 そこで、私にはよくわからないのでありますが、改めて、教職員等の選挙運動についてどのように定められているのか。選挙運動にどのようにかかわることができるのか。教育委員会の御説明をお願いし、私の質問を終わります。
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◯議長(武川 勉君)森屋宏君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)森屋議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、自民党政友会を代表されて、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 地方自治の原則に基づき、チェック・アンド・バランスの役割を果たされるという決意を示されるとともに、さらなるリーダーシップを発揮するようにとの激励の言葉を賜りました。
 今後も、県民の皆様が将来に明るい希望が持てるよう、私自身が先頭に立ち、全力で県政運営に取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、地域主権の時代における県の役割について、御質問がございました。
 地域主権の基本的な考え方は、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めるということであることは、言うまでもありません。
 このためにはまず、国の役割を外交や防衛、通商などの国が本来果たすべき役割に重点化をし、地方でできることは地方で行うという考え方を徹底していく必要があるものと考えます。
 その上で、住民に身近な行政は、基礎自治体である市町村が行うことを基本とし、県の役割は、広域自治体としての広域的な分野や、市町村を補完、支援する立場からの高度・専門的な分野に特化をしていくということを考えるべきだと思っております。
 このため、県では、身近な事務に係る市町村への権限移譲を着実に推進するとともに、広域にわたる社会資本整備や、大規模災害等への危機管理、地域経済・産業の振興や環境対策など、広域自治体として求められる役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
 また、もう一つの御質問で、高いマインドと専門性を持った職員が求められているということは、議員の御指摘のとおりでございます。私も知事就任以来、職員に対し、前向きにチャレンジする姿勢こそ高く評価をしていくという方針を明確にして県庁改革に取り組んでまいりました。
 このため、各種の行政課題に対する職員提案を奨励したり、困難な課題の解決に取り組んで成果を上げた職員への表彰制度を創設するなど、職員の意識改革とやる気を促す取り組みを推進してきたところでありまして、職員提案の件数が大幅に増加をするなど、着実に成果があらわれてきていると考えております。
 今後も、職員研修の充実等を通じて、業務への専門的能力の向上にも努めていく中で、地域主権の時代に的確に対応できる職員を育成してまいりたいと考えております。
 次に、救急業務について御質問がございました。
 近年、救急搬送におきましては、受け入れ医療機関の選定に時間がかかるというような事案が全国各地で発生をしたということから、これは国の方針に基づきまして、都道府県は、傷病者の状況に応じた適切な医療の提供が迅速に行われるように傷病者の搬送及び受入れの実施基準というものを策定して、公表することとされました。
 このため、県では、この基準を作成するために、昨年十月に医師や消防職員などで構成する山梨県メディカルコントロール協議会というものを設置いたしまして、現在、この基準策定の検討を重ねているところでございまして、現下の医療体制のもとでのより効果的な、また効率的な救急搬送体制の確立に取り組んでいるところであります。
 一方、消防の広域化が進んでまいりますと、消防指令業務の一元化や消防署の再配置、あるいは管轄区域の見直しなどによりまして、患者搬送時間の短縮や救急搬送体制の充実・強化が期待できるものであります。
 さらに、県内でも救急医療体制が脆弱である富士・東部医療圏及び峡南医療圏におきましては、昨年度策定した地域医療再生計画を着実に推進する中で、その充実に取り組んでいるところであります。
 こうした中で、現在、ドクターヘリにつきましても有識者等からなる検討委員会の場において導入可能性が検討されているところでありまして、今後、県内救急医療体制のさらなる充実に向けまして、御指摘ように総合的、包括的な議論を行ってまいりたいと考えております。
 次に、産業振興ビジョンについてでございます。
 県内経済は明るい兆しが見え始めているとはいえ、いまだ予断を許さない状況が続いております。
 県では、こうした中にありましても、景気回復後を見据えて、次なる発展に向かって踏み出そうとしている中小企業の皆さんに対しまして、今後、成長が期待される産業分野を明らかにし、取り組むべき経営革新や業種転換の指針となります産業振興ビジョンを策定することといたしました。
 お尋ねの、期待される成長分野でありますけれども、近く国では、新たな需要を創造するための新成長戦略におきまして、環境関連産業や健康・介護・保健サービスなどの六つの分野を強みを生かす成長分野として示すこととしているというふうに聞いておりますけれども、こうしたことを踏まえるとともに、本県の地域特性や産業構造の特性などについても十分に勘案し、お示しをしていきたいと考えております。
 また、このビジョンは、本県の中小企業が厳しい状況を乗り越えて、新たなマーケットを見出していくための道筋を示すものでございます。
 このため、ビジョンの実現に向けましては、中小企業が主体的に経営革新を進めることが何よりも重要でありますけれども、県といたしましても、こうした取り組みが円滑に進み、着実な成果が得られるよう、関係機関と連携しながら積極的に支援をしてまいる考えであります。
 次に、大型商業施設の立地の適正化についての御質問がございました。
 商業施設を含みます大規模集客施設等は、立地市町村だけではなく周辺の地域にも、まちづくりや地域の経済活動に大きな影響を与える可能性が高いということから、広域的な観点からの論議が行われた上で立地が決定されることが必要であり、また立地後は、地域との連携や共生に力を注いでいただくことが必要であります。
 このため、県では、平成十九年に、大規模集客施設立地方針というものを策定いたしました。この立地方針は、一つとして、法定手続の開始前のできるだけ早い段階で立地計画書を届けていただいて、情報を早期に公開することにより、地域の住民が計画に対する意見を表明できる仕組みをつくるということと、二点目として、地産地消や地元業者との取引拡大など、地域貢献活動の自主的な取り組みを促進する仕組み、この二点を柱としております。
 その後、自動車への依存度が高い本県におきましては、比較的規模が小さいこういう集客施設につきましても、まちづくりへの影響が懸念されることから、昨年十二月にこの立地方針を改正いたしまして、立地計画の届け出対象施設を、当初の床面積が一万平米を超えるものから六千平米を超えるものに引き下げまして、全国的にも最も対象範囲が広くなるように見直したところであります。
 また、地域貢献活動の対象施設も、これまでの店舗面積五千平米を超えるものから三千平米を超えるものへ引き下げて、対象を拡大したところであります。
 今後も、この立地方針を適切に運用することにより、地域社会と調和した大規模集客施設の適正立地を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中心市街地の活性化でございますが、甲府市中心市街地におきましては、その店ならではの逸品をつくり出し、それぞれの店の魅力に磨きをかける事業とか、商店街における新規創業者に対する家賃補助事業などによりまして、商店街全体の活力再生を支援してきたところでございます。
 また、昨年度からは、甲府商工会議所等が設立をしたまちづくり会社が、空き店舗の利活用による商店街再生事業に取り組んでいることから、甲府市と一体となってこれを支援しております。
 さらに、新県立図書館の建設とか甲府城の整備とか県庁の防災新館一階のにぎわい創出スペースの整備など、ハード面の施策も進めているところであります。
 これからも、甲府市や甲府商工会議所などと連携をして、山梨の顔であり、県民が長年にわたってはぐくんできた共有の財産である甲府市中心市街地の活性化対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策についての御質問であります。
 まず、少子化対策の認識についてどう考えるかという御質問でございました。
 少子化の進行は、高齢者の増加と相まって、人口構造にひずみを生じさせ、経済や社会保障制度、消費の動向など、社会構造や産業構造にまで影響を及ぼす、大変大きな問題だと考えております。
 また、少子化は、社会システムや個人の価値観と深くかかわる問題でもありますので、長期的な視点に立った計画的かつ息の長い継続した取り組みが必要であると考えております。
 このため、県では本年三月、やまなし子育て支援プラン後期計画を策定いたしまして、延長保育など多様な保育サービスの充実や、子育てをする母親への地域ぐるみでの支援、さらには周産期・小児医療体制の整備、仕事と子育ての両立を図るための県民や企業の意識改革の推進など、幅広い取り組みを展開しているところであります。
 次に、少子化に特化した組織についてどう考えるかという御質問でございます。
 県では平成十五年十月に、少子化対策の総合的かつ効果的な推進を図るために山梨県少子化対策推進本部を設置して、全庁的な体制で施策の展開を図っているところであります。
 こうした中、現在、国においては、こども家庭省の設置というものも検討されていることから、そうした国の動向も注意深く見守りながら検討してまいりたいと考えております。
 最後に、NPOとの連携や支援についての御質問でございます。
 県では、これまでもショッピングセンターを活用した「子育てハーモニーひろば」といったモデル事業を、NPOを初めとする子育て支援団体と連携して実施をしてきたところでございます。
 さらに本年度は、子育て支援団体による全県的なネットワークの立ち上げに対して支援をいたしまして、NPO相互の連携や交流を促進してまいりたいと考えております。
 今後も、NPOなどの関係団体との連携を強化し、地域における子育て支援への取り組みをさらに推進していきたいと考えております。
 次に、外国人観光客の誘致についてでございます。
 まず、中国に対するプロモーションについてでございますけれども、国の宿泊旅行統計調査によりますと、昨年、本県に宿泊した中国からの旅行者数は、全外国人宿泊者数の約四五%を占めておりまして、国別の旅行者数としては最大でございます。御指摘のように、中国の旅行客は今後も一層増加が見込まれることから、本県にとって中国からの誘客を積極的に図っていくことが重要であります。
 このため、本年八月に万国博覧会が開催されている上海市において、トップセールスを実施することにいたしまして、観光フェアやメディアとの記者会見を行いまして、山梨の魅力を直接、中国の人々にPRをするとともに、現地の旅行者や流通業者などで構成する支援組織といたしまして、やまなしサポーターズ倶楽部in上海を立ち上げまして、本県への誘客の促進と県産品の輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。
 また、御指摘のように、地域との連携は重要でございます。
 本県には空港がありませんので、神奈川県、静岡県と連携をして、富士箱根伊豆地域を中心とした観光ルートを開発するとともに、石川県、富山県などとの連携によりまして、小松空港や富山空港から本県を経て、富士山静岡空港へ通ずる広域観光ルートを開発し、旅行エージェントなどに積極的に提案をして、本県への誘客を促してまいります。
 最後に、今後の国際観光への取り組みについてでございます。
 海外のメディアと連携した情報発信を進めるとともに、活力ある中国に加えまして、アジア地域の新興国などに対しましても、戦略的なプロモーションをさらに広く展開をしてまいります。また、案内標識の整備や外国人に対応できる人材の育成など、外国人観光客のニーズに合った受け入れ態勢の整備を進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、やまなし観光推進機構や市町村、観光団体等と連携を深めながら、県が先頭に立って、外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでまいります。
 次に、リニア中央新幹線の推進につきまして、御質問がございました。
 まず、過日の交通政策審議会での、リニア中央新幹線のルートに関する私の発言についてでございます。
 リニア中央新幹線の早期開業を実現するためには、できるだけ早く概略ルートが決まる必要があるわけでありますが、昨年のJR東海と沿線都県との地元調整の中では結局合意に至らず、現在、交通政策審議会において、重要な論点の一つとしてこのルートの審議が進められているところであります。
 ルートに関しては、JR東海が最適と考えている南アルプスルートで、長野県とJR東海との間で円満な解決が図られることが、リニア中央新幹線の実現に向けては最善であると考え、JR東海と長野県との協議を見守ってまいりました。
 しかしながら、ルートの選定が交通政策審議会の焦点になってまいりましたので、本県にとって望ましい形で整備計画が決定されるためには、今回の沿線知事の意見を聞く機会であるこのたびの審議会で、本県の考え方を明確に示すべきだと判断をいたしまして、「南アルプスルートが望ましい。」と表明をいたしました。
 南アルプスルートを主張した理由の第一は、伊那谷ルートでは、南アルプスルートよりも明かり区間が十五キロメートル程度長くなるという上に、甲府市や甲斐市といった市街地を通過することから、用地買収が極めて困難になるということ。それから、日影とか騒音、振動等の環境への影響が大きいということ。八ヶ岳南麓に多い縄文遺跡等の史跡への影響も考慮する必要があるということなど、事業が円滑に進められないおそれがあると考えられることであります。
 理由の第二は、本県にとって、JR中央線は大切な県民の足となっておりまして、この利便性を確保する必要がありますけれども、この観点からも、中央線との競合が少なく、あずさ、かいじの運行本数への影響が少ない南アルプスルートが望ましいと考えた次第であります。
 次に、駅の設置や費用負担につきまして、JR東海とどのような考えで協議を進めていくことになるかということについてであります。
 駅の設置や費用負担は、JR東海との協議などを踏まえて決定されることになりますが、本県といたしましては、地域振興の観点や、これまでのリニア実験線に対する本県の貢献度、さらには、今後想定される建設段階でのさまざまな本県の地元協力ということを考えると、本県内に駅の設置は当然のことであるというふうに考えております。
 また、鉄道施設としての駅の部分は、事業者であるJR東海の負担で建設すべきだという考え方を基本といたしまして、今後とも沿線都県と連携をしながら、JR東海との協議を進めてまいりたいと考えております。
 次に、土地開発公社などの抜本的な見直しについての御質問であります。
 土地開発公社など五法人につきましては、外部の有識者等による経営検討委員会の御意見をいただく中で、事業の必要性や採算性、将来の県財政への影響などの視点から検討を行い、現在、改革プランの策定に向けて取り組んでいるところであります。
 このうち土地開発公社につきましては、過日開催をされた経営検討委員会におきまして、早期に事業廃止すべきであるという御意見をいただいたところであります。
 これを踏まえまして、平成二十三年度以降、新たな事業は行わず、残務処理のみを行うこととし、土地開発公社を実質的に廃止する方向で検討を行いまして、本年度のできるだけ早い時期に改革プランを策定してまいります。
 また、土地開発公社の債務につきましては、県の財政負担の平準化を図る観点から、行政改革大綱に基づき計画的に処理を進め、債務処理の終了後に土地開発公社を解散してまいりたいと考えております。
 一方、その他の四法人のうち、農業振興公社につきましては、経営検討委員会において、改革プランの了解をいただきましたので、現在、公表に向けた手続を進めているところであります。
 また、住宅供給公社につきましては、さらなる改革を行って経営を継続する方向で、現在、改革プランを策定しているところであります。林業公社につきましては、森林資産の評価方法に関して、全国的な統一基準が現在検討されておりますので、これを踏まえて、改革プランを策定したいと考えております。
 なお、環境整備事業団につきましては、私自身が理事長に就任し、県と事業団が一体となって、操業開始から二年目となる環境整備センターへの廃棄物搬入量の増加と収支改善に向け、最大限の努力を行っていくという中で、改革の方向について検討してまいります。
 今後は、できるだけ早期に改革プランを策定するとともに、策定したプランに沿って、出資法人の改革に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、多様な担い手による本県農業の可能性と新規就農希望者への支援についての御質問であります。
 まず、多様な担い手の育成による本県農業の可能性についてでございますが、本県農業の発展や農村の活性化を実現していくためには、多様な経験や意欲を持った新たな担い手が一人でも多く農業に参入をして、従来からの農業従事者とは異なる新しい発想で、農業にチャレンジをし、本県農業に刺激を与えてくれることが重要だと考えております。
 最近では、他産業で就業していた人などが多数、農業に参入しておりますし、また、食品製造業者が水田農業の新たな可能性を求め、地元産の米を使用した米粉商品の開発を行い、農業者の収益向上と安定した販路の確保に結びついた事例や、建設業者が経営の多角化の一環として農業に参入し成功した事例が、県内でも見受けられるようになってまいりました。
 このような多様な担い手による農業へのチャレンジを県内各地で普及させることで、本県農業はその立地条件の優位性を生かしたすばらしい産業に発展することができると考えております。
 次に、新規就農者の支援につきましては、本年度、就農希望者が、すぐれた栽培技術を持つ県内のアグリマスターのもとで、実践的な営農の指導を受ける就農定着支援制度を開始いたしました。
 この制度を通じて、就農に必要な栽培技術の習得を支援することになりますが、研修生が実際に就農するに当たっては、御指摘にありましたように、農地や農業機械の取得、販路の確保などの課題を抱えることになります。
 そこで、農務事務所ごとに、県、市町村、JA等で構成するニューファーマー応援チームを設置いたしまして、アグリマスターと連携しながら研修生の円滑な就農を支援してまいります。
 特にアグリマスターには、技術指導以外にも、研修生が地域に溶け込むに当たって、さまざまな負担をおかけすることになります。このため、県においては月五万円の支援を行うほか、ニューファーマー応援チームもアグリマスターをバックアップすることにしております。
 また、本県では、都市部の若者を県内農業の担い手として誘致をするために、昨年度から俳優の菅原文太さんに御協力をいただきながら、農業協力隊推進事業に取り組んでおります。
 本年度、当初は、隊員を十名追加することにしておりましたけれども、多数の応募が見込まれることから、新たに五名を拡充する経費をこの六月補正予算に計上したところであります。
 県では、これら事業に積極的に取り組むために、本年度から担い手対策室を農政部に新たに設置したところでありまして、今後とも市町村や農業団体との連携を図りながら、多様な担い手づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 以上で私の御答弁とさせていただきます。その他につきましては担当の部長等からお答えをさせていただきます。
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◯議長(武川 勉君)企画県民部長、中澤正徳君。
      (企画県民部長 中澤正徳君登壇)
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◯企画県民部長(中澤正徳君)森屋議員の景気動向をとらえる作業についての御質問にお答えします。
 現在、県内の景気動向については、県が公表している鉱工業指数や毎月勤労統計調査、山梨労働局が公表している有効求人倍率、日本銀行甲府支店が公表している金融経済概観や企業短期経済観測調査などの統計データや資料をもとに判断をしています。
 一方、生産、雇用など景気に敏感に反応する指標を統合した景気動向指数による景気の把握は、景気変動を的確にとらえることができ、施策を機動的かつ効果的に展開していく上で有効であることから、国や多くの県で作成をされているところです。
 このため、本県におきましても、平成十三年度に県版の景気動向指数を作成できないか検討を行いましたが、指数作成に必要な基礎データが不足していたことから、作成を見送った経緯があります。
 しかしながら、その後も景気動向指数の作成を行った県もあることから、他県の状況や県内統計資料の整備状況などを踏まえながら、検討していきたいと考えています。
 以上でございます。
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◯議長(武川 勉君)福祉保健部長、古屋博敏君。
      (福祉保健部長 古屋博敏君登壇)
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◯福祉保健部長(古屋博敏君)森屋議員のがん対策についての御質問にお答えいたします。
 初めに、団塊の世代の高齢化に伴いますがんの罹患者の予測についてであります。
 厚生労働省の研究報告をもとに、本県の人口に置きかえて推計をいたしますと、平成十五年のがん患者数であります約二万五百人が、平成二十七年には一・五倍以上の約三万六千人程度まで増加するものと予測されております。また死亡者は、平成十五年の約二千二百人が、平成二十七年には約三千四百人にまで増加するものと予測されております。
 次に、増加が見込まれますがん患者に対する医療サービス等に、今後どのように取り組んでいくのかという御質問であります。
 県では、がん対策基本法に基づきまして、平成二十年に山梨県がん対策推進計画を策定いたしまして、がんによる死亡者の減少、がん患者及び家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上を、今後十年間の全体目標として掲げ、がん対策の推進を図っております。
 また、がん診療体制につきましては、都道府県がん診療連携拠点病院であります県立中央病院におきまして、本年四月からがん診療部を新設し、総合的な診療体制をスタートさせるとともに、富士吉田市立病院におきます放射線治療機器の導入に助成をし、地域がん診療連携拠点病院の再指定を支援するなど、拠点病院の機能強化を図っております。
 さらに、県立中央病院を初めとするがん診療連携拠点病院において、がん診療に携わる県内の医療従事者に対しまして、緩和ケア研修を定期的に開催するなど、その資質の向上に努めているところであります。
 今後、増加が見込まれますがん患者に対しましては、こうした取り組みに加え、地域や在宅において療養ができるよう、発症から回復期を経て自宅療養期まで、診療に当たるすべての医療機関が連携する体制の整備を進め、患者や家族の視点に立った包括的ながん診療体制を構築してまいります。
 以上でございます。
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◯議長(武川 勉君)林務長、岩下正孝君。
      (林務長 岩下正孝君登壇)
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◯林務長(岩下正孝君)森屋議員の県内林業の活性化についての御質問にお答えをいたします。
 本県の森林は、戦後、植林された人工林の多くが伐採の時期を迎え、木材として利用が可能な段階に入りつつあります。
 このような中、県内林業の活性化を図るためには、従来から進めている県産材の地産地消対策に加え、隣接する都県にマーケットを拡大させる広域流通対策による需要拡大を図っていくことが重要であります。
 このためには、合板の原材料として需要が多いカラマツ材などを、大手合板企業へ安定的に販売できるシステムを構築する必要があることから、本県の森林組合連合会が北陸中部五県の森林組合連合会と連携して行う、県産材の広域流通の取り組みに対して支援してまいります。
 東部地域においては、東部県産材供給拠点で取り扱う木材を神奈川県へ流域材として供給するため、この拠点の三事業協同組合と神奈川県内の住宅関連企業、建築士等で構成する桂川・相模川流域の木で家をつくる会が行う販路拡大の取り組みに対して支援を行っているところです。
 また、現下の多様な流通形態に対応していくためには、伐採から加工、流通、建築までの各段階において核となる人材の連携が不可欠であることから、木の国サイトを初め、県下三つの県産材供給拠点において、情報交換や研修を行うなど、引き続き人的ネットワークの強化を図ってまいります。
 今後とも、去る五月に成立した公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づいた、新たな対策を検討するとともに、木材をめぐる流通形態の多様化に対応した県産材の需要拡大策を積極的に講じ、本県の林業・木材産業の活性化を図ってまいります。
 以上でございます。
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◯議長(武川 勉君)教育委員会委員長、須田清君。
      (教育委員会委員長 須田 清君登壇)
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◯教育委員会委員長(須田 清君)森屋議員の学校教育をめぐる諸問題についての御質問にお答えをいたします。
 少子化の進行により、小・中学校では児童生徒数が減少し、単級化や複式学級化が見込まれる中で、子供たちにとって望ましい教育環境を整えることは、市町村にとって大きな課題であります。
 このため、県では平成十八年度に、小・中学校適正規模検討委員会を設置し、集団としての教育効果を発揮できる学校規模のあり方についての指針を各市町村に示すとともに、平成十九年度から三年間、小・中学校適正規模化支援事業を実施し、望ましい教育環境の整備を図るための構想を策定する市町村に対して、支援を行ってまいりました。
 このような中、各市町村が適正規模化に取り組み、平成二十二年四月現在の学校数は、小学校百九十六校、中学校九十一校になっており、平成二十八年度までに小学校は二十三校程度、中学校は八校程度減少することが予想されております。
 県としては、今後も、検討委員会報告の趣旨を踏まえ、小・中学校の設置者である市町村が、それぞれの地域の実情に応じて主体的に学校の適正規模化を行えるよう助言していくとともに、教職員の加配による人的体制の充実等の支援を続けてまいります。
 次に、教職員の選挙運動については、公職選挙法や教育公務員特例法などにより、個人としての立場で行うか職員団体等の活動を通して行うかを問わず、教職員の地位を利用して選挙運動をすることはできないなど、厳しく定められております。
 県では、教職員の選挙運動について、関係法令に違反する行為や、疑わしい行為により、住民の信頼を損なうことのないよう、教職員に対して指導するとともに、管理職研修会等を通じて、その徹底を図っております。
 以上でございます。
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◯議長(武川 勉君)当局の答弁が終わりました。
 森屋宏君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって、森屋宏君の代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午後二時十五分休憩
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                                         午後二時三十六分再開議
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◯副議長(保延 実君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第二及び日程第三の議事を継続いたします。
 発言の通告により、棚本邦由君に四十分の発言を許します。棚本邦由君。
      (棚本邦由君登壇)(拍手)
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◯棚本邦由君 私は、県民クラブを代表して、今定例県議会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
 冒頭に、感染拡大が続く口蹄疫被害につきましては、過去最悪の状況で、我が国の非常事態となっており、特に、壊滅的な被害を受けている宮崎県を中心とする畜産農家の皆様と関係者に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、リーマンショックは言うに及ばず、最近のギリシャの財政危機が金融市場に及ぼす影響や外交問題など、世界の状況を伝える大きな報道が多い中で、ふと目を向けると、昨年、生誕百年を迎えた太宰治のことが、何度かマスコミ等で取り上げられていました。
 太宰治が東京近郊に住んでいたころ、毎日遠くに見えていた富士山に対する思いは、モザイクを見ている程度だったそうですが、本県の御坂山系に位置する名勝「天下茶屋」に滞在し、毎日眺めているうちに、その不思議な魅力に引かれていったそうです。
 「富士には月見草がよく似合う」、余りにも有名な一文です。私は、長い間、富士山と可憐な月見草のコントラストをたたえたものだと単純に思い込み、納得してきました。
 実は、壮大な富士山を前にしても、憶することなく、しっかりと地に足をつけ、自分の目線でものを見て、堂々と、しかも可憐に咲いている姿がよく似合う、と言っているのだと知りました。
 私自身を省みたときに、目先のことに流されることなく、県民目線に立ち、しっかりと地に足をつけ、日々過ごしているのだろうかと自問自答しました。
 十五年前に議員活動を始めたときから、「何よりも民意を大切に」を政治信条として今日まで進んでまいりましたが、民意とは極めて重く、また難しいものだと思う毎日です。
 民意といいますと、百人の県民に、取り組んでほしい行政課題は何かとお聞きすると、百通りの要望が出るかもしれません。行政ニーズを把握し、だれもが満足する行政を進めるのは至難のわざです。
 横内知事は、県が県民のとりでとなるのだと力強く話され、限られた財源の中で、経済対策、がん対策、雇用対策など、県民要望を最大限取り入れた予算編成をされ、現在、執行中であり、また六月補正予算も提案しています。
 この政治姿勢を高く評価いたしますとともに、今後も、知事を先頭に執行部一丸の中で、県政が力強く推進されますことを御期待申し上げ、以下質問に入ります。
 まず、出資法人の改革についてであります。
 県は平成十年度以降、数次にわたり、出資法人の見直し計画を策定し、法人の統廃合や県関与の縮小、経営の合理化など、さまざまな改革に取り組まれ、法人の整理統合や役職員数の削減、人件費の抑制など、一定の成果があったことは評価するものであります。
 しかしながら、社会経済情勢が大きく変化し、県民ニーズが多様化する中で、県民サービスの向上に向けたさらなる職員のスキルアップや、利用しやすい施設への改善が求められているケース、地域などと連携した新たな事業の積極的な展開が必要と思われるケース、さらには、事業運営のスリム化を行っても、いまだ財務状況が厳しさを増しているケースも見受けられます。
 これまで、県が出資する法人は、時代のニーズに沿った県民サービスの提供に一定の役割を果たしてきたところではありますが、地方公共団体における厳しい財政状況が続く中、出資法人が自立した経営を確保しながら、十分な県民サービスが提供できるよう、県は、県民の視点に立って、より一層の出資法人改革を進めていくことが必要と考えております。
 こうした中、先ごろ、県が発表した平成二十年度決算に基づく県出資の三十三法人の経営評価によると、山梨県道路公社など八法人が「改善の余地がある」、農業振興公社など二法人が「至急改善を要する」との評価を受けています。
 さらに、土地開発公社、林業公社、住宅供給公社の三法人については、「抜本的な見直しなどの検討が必要」との評価がされたところであり、土地開発公社については、先般の知事の所信表明において、実質的に廃止の方向が出されたところであります。
 県では、公益法人制度改革や地方財政健全化法の施行など、出資法人を取り巻く環境の変化を踏まえ、県民ニーズに的確に対応したサービスの提供を行えるようにするため、どのように出資法人改革に取り組まれているのか、伺います。
 次に、バス路線の維持についてであります。
 バス路線のネットワークは、自家用車への依存が進んだことや山間集落の人口減少などにより、運行本数が減り、路線の廃止が目前に迫るなど、住民の足として運行を維持していけるのか、大変心配な状況にあります。
 今、山間地の集落は、冠婚葬祭や地域での清掃活動などの社会的な共同生活ができなくなる、いわゆる限界集落へと進みつつあります。
 また、モータリゼーションの進展に加え、高齢化の進行によって、交通面でのリスクの上昇は避けられず、このことは、これまでの高齢者の運転操作の誤りと思われる悲惨な交通事故の発生によっても明らかになっています。
 山間集落への定住を促し、限界集落への進行を食いとめるため、また、交通弱者と言われる高齢者の買い物や通院の手段、さらには高齢運転者の事故防止のための代替交通手段の確保という観点からも、交通ネットワークを維持し、確保していくことが重要であります。
 中でも、暮らしの生命線となる路線バスの運行が確実に維持され、たとえ一日数本といえども、決まった時間に利用できる交通手段が確保されていることは、何にも増して地域の人々に安心感を与えるものであります。
 昨年秋の事業仕分けにより、バス路線の維持に不可欠な車両更新の補助制度が一たん廃止となり、大変危惧したところでありますが、枠組みを変えて制度が復活し、心から安堵いたしました。
 バス路線を維持していく上で、このような措置は大変重要であり、積極的に車両更新を促し、すべての車両をバリアフリー化するなど、利便性を高め、利用者の増加を図る方策こそが必要であり、採算性の悪化から路線廃止へ至る悪循環を断ち切らなければならないと考えております。
 バスの運行が増加し、便利になったと実感できる本当の意味での路線の再生は、大変難しい課題であると十分承知しておりますが、真剣に取り組んでいかなければならない課題であります。
 そこでまず、本県におけるバス路線のネットワークの現状と維持のための取り組み状況について伺います。
 また、利用者の確保なども含めて、将来にわたるバス路線の維持に向け、今後どのように取り組むお考えなのか、知事の御所見を伺います。
 次に、少子化対策についてであります。
 ことしのこどもの日の新聞には、各社とも共通の記事が掲載されていました。子供の人口が二十九年連続して減少し、さらに全人口に占める割合も一三・三%と、三十六年連続して減少、いずれも過去最低となったというものです。ちなみに、この一三・三%という割合は、人口四千万人以上の国の中で最も低い数字とのことでありました。
 人口の減少は、高齢化の進展と相まって、経済成長や社会保障制度など社会構造に深刻な影響を与えることから、人口減少に歯どめがかからない我が国にとって、少子化対策は喫緊の課題であります。
 平成元年の合計特殊出生率が、ひのえうまだった昭和四十一年の一・五八を下回った、いわゆる一・五七ショック。これを機に始まった少子化対策として、平成六年にエンゼルプランが策定され、平成十五年には次世代育成支援対策推進法が制定されました。
 この法律では、県、市町村及び事業主が行動計画を策定し、平成十七年度から二十六年度までの十年間に、少子化対策を重点的に推進していくこととされています。
 これを受け、県では、平成二十二年度から二十六年度までの五カ年を計画期間としたやまなし子育て支援プラン後期計画を策定し、現在、市町村、企業などと連携しながら、子育て支援施策を展開されているところです。
 しかしながら、せっかく子供が生まれても、核家族化の進行や地域の人間関係の希薄化に伴い、保護者が子育てに不安を感じたり、孤立化し、それが児童虐待につながるケースもふえていると聞いています。
 虐待に関する悲惨な事件も連日のように報道され、私も、児童福祉に多少なりともかかわってきた者として、何とも言いがたい、暗い気持ちになります。
 県においては、実効ある少子化対策を速やかに実施されるよう、切に願うものであります。
 そこでまず、子ども手当の支給について伺います。
 国では、子育てを未来への投資としてとらえ、個人や家族のみの問題でなく、社会全体として応援する観点から、子ども手当の支給を決めたところであります。
 しかしながら、いろいろな経過を経て、年度末ぎりぎりになって成立したもので、平成二十二年度当初予算の概算要求では全額国費としていましたが、二十二年度限りの暫定措置として、児童手当相当の地方負担が求められることとなりました。
 さらに、制度の実施に当たっても、細かな事務手続の整理がおくれ、市町村の担当者は大変苦労されているとの報道もあり、県の担当部署にも、外国人の受給資格の確認方法や、基準日前後に転入転出を行った場合の支給手続など、さまざまな質問が寄せられていると聞いております。
 そこで、まず、急な対応を迫られた県内市町村において、子ども手当支給の準備状況はどうなっているのか、また、市町村に対し、県ではどのような支援を行っているのか伺います。
 また、新聞などでは、この子ども手当の支給に伴い、低所得者層などの世帯へ自治体が独自に行っていた支援を打ち切る動きもあるなどと報道されていますが、県内の状況はどうなのか伺います。
 次に、育児支援体制の強化についてであります。
 孤立した子育てが招く育児不安や情報不足が、児童虐待など不適切な育児につながるケースが後を絶ちません。このため、児童相談所では、これまで以上に積極的な育児支援体制を整える必要があると考えております。
 現場では、児童の保護を優先せざるを得ない緊急性の高い事例が多くなっているため、保護者の同意が得られにくく、説得に時間がかかることから、児童の一時保護期間が長期化する傾向が見られるとのことであります。
 本来、父母のもとで健やかに育成されるべき児童が、なれない環境の中で不安を抱え、一時保護所で長期間過ごすことに胸を締めつけられるような思いがします。
 しかしながら、児童の安全が最優先される現場で、保護者の同意が得られない中、児童の保護を確実に行わなければならない担当者の苦労は、並大抵のことではありません。
 また、一時保護した児童が、その後再び保護される事例もあるとのことや、親子の関係を構築する親子再統合訓練についても、簡単に成果が上がるものではなく、非常に難しいことだと聞いています。
 困難な事例の増加に対応し、児童相談所の機能を強化していく必要があると考えますが、県ではどのように対応されるのか伺います。
 次に、雇用対策について何点かお伺いします。
 我が国の景気は、一昨年秋のリーマンショック以降、戦後最大と言われる世界同時不況により悪化しましたが、中国向け輸出の増加など、アジアを中心とした海外経済の改善や、緊急経済対策を初めとする政策効果を背景に、景気は着実に持ち直してきております。
 日銀では、国内景気の先行きについて、「持ち直しのペースは緩やかなものとなる可能性が高いが、いわゆる景気の二番底は、かなり後退した」との見方を示したところであります。
 しかしながら、内閣府が発表した五月の月例経済報告によると、「景気は、着実に持ち直してきているが、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある」との判断であります。
 日銀においては、政策金利を〇・一%に据え置き、デフレ脱却のための超低金利政策を継続することで、市場に潤沢な資金を供給し、金融面から経済を下支えする姿勢を維持したところであります。
 こうした景気動向は、県内の雇用情勢に大きく影響しており、平成二十一年度の平均有効求人倍率は〇・四三倍と、前年度の〇・七四倍から〇・三一ポイント低下し、ことし四月の有効求人倍率も〇・五二倍と、依然として低水準で推移する厳しい状況となっております。
 こうした中、県では、国の基金を活用し、市町村とともに、地域ニーズに応じた継続的な雇用機会を提供するふるさと雇用再生事業と、次の雇用までのつなぎの雇用機会を提供する緊急雇用創出事業の実施により、昨年度は雇用創出目標を千八百五十人として、事業を鋭意、推進してこられました。今年度も引き続き、雇用を取り巻く環境が厳しいことから、この二つの事業を中心に雇用を創出していかなければならないものと認識しております。
 そこで、実際に何人の方々が雇用されたのか、また、どのような成果が出てきているのか、昨年度の事業実施による効果についてお伺いします。
 一方で、継続的な雇用が前提のふるさと雇用再生事業は別として、緊急雇用創出事業により雇用されている方々は、雇用期間が終了してしまうと、新たに就職先を探さなければならなくなり、将来を見通すとき、大きな不安を持たれているのではないでしょうか。
 国では、こうした問題への対策として、今年度、緊急雇用創出事業の中に、重点分野雇用創出事業と地域人材育成事業を新たに設け、地域における今後成長が見込まれる分野の雇用創出や、働きながら就業に必要な知識・技術を身につけ、次の雇用に結びつけることなどにより、継続的な雇用を創出することとしております。
 県では、こうした事業を活用して、雇用創出を図っていくものと思われますが、この事業への取り組み状況についてお伺いします。
 次に、新卒未就職者への支援策について伺います。
 現在、世界の注目を集めて開催されている上海万博ですが、この報道と並行して、中国の雇用問題が連日のように取り上げられました。
 世界有数の経済大国となりましたが、格差社会が広がっているとのことで、大学新卒者についても就職できない方が多く、未就業者が小さな部屋で共同で暮らすことから、「アリ族」と称して報道されていました。
 少し前までの中国での大卒者の就職状況を考えると、経済と雇用の関係は、極めて難しい問題であると改めて認識しました。
 この三月に高校・大学を卒業した就職希望者の就職状況は、本県の場合、過日発表されました山梨労働局の統計によりますと、高校生の内定率は過去最低の九三・四%であり、大学の内定率も八三%と、前年を下回る非常に厳しい状況であり、卒業はしたものの、就職先がいまだ決まっていない若者が多数おります。
 私たちには、地域を持続的に発展させ、よりよい将来を子孫に引き継いでいく使命があります。このような意味からも、新卒未就職者に対しましては、最大限の支援が必要ではないかと思います。
 国や県により、既に多くの支援策が実施されていることは承知しておりますが、さらなる支援策の拡充が必要と考えているところであり、県としては、今後、どのように施策を展開していくのかお伺いします。
 次に、障害者の就労支援についてであります。
 県においては、新やまなし障害者プランの中で、障害をもつ人の雇用・就労支援を主要施策として位置づけ、障害をもつ人が地域で自立して安定した生活を営むことができるよう、障害の特性に応じて、雇用と就労に関するさまざまな施策を着実に推進されています。
 しかしながら、現下の厳しい経済情勢を背景として、障害をもつ方の雇用確保は厳しい状況が続いています。厚生労働省が先日発表した障害者の雇用状況に関する調査によると、平成二十一年度の本県での障害者の就職率は三六・九%で、前年に比べ二・一ポイント落ち込み、全国の順位は三十八位という状況です。
 そこで、景気低迷の影響により雇用情勢が悪化する中、障害をもつ方の企業就労を進める支援について、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、安全・安心の道路整備についてであります。
 古くから人々は急峻な地形を克服して道を開き、本県では甲斐九筋と言われる道を利用して、周辺地域との交流を行い、豊かな暮らしや文化をこの地にはぐくんできました。
 現在、その古道の多くが幹線道路として生まれ変わり、引き続き人々の生活を支え、産業経済の発展や観光の振興、さらには、災害時における緊急輸送道路として、大きな役割を担っております。
 しかし、本県は、県土の約八〇%が山地で、周囲を標高の高い山々に囲まれている上、地質が脆弱であることから、隣接する都県を結ぶ幹線道路については、大雨による土砂崩落等で通行どめが発生する場合も多くあり、過去には、台風により幹線道路のほとんどが寸断され、本県が陸の孤島のようになったこともありました。
 最近では、地球温暖化が原因と見られる、これまで経験したことのないようなゲリラ豪雨が日本各地で頻繁に発生したり、政府の地震調査委員会による予測では、今後三十年以内で東海地震の発生確率が八〇%を超えるなど、幹線道路の通行どめによる本県の孤立化は、いつ発生してもおかしくない現象であると言えます。
 このような状況を踏まえ、私は、災害時の復旧支援や避難誘導につながる、隣接都県との県境に位置した中央自動車道や東富士五湖道路など、いわゆる県際道路を信頼性の高い道路とすることが、災害発生時の本県の孤立化を防止し、安全・安心な県土の構築、暮らしやすさ日本一の県づくりの推進のための喫緊の課題であると考えております。
 そこで、県際道路の整備の取り組み状況について伺います。
 また、先ほども申し上げましたように、本県は、高く急峻な山地に囲まれ、脆弱な地質が広く分布していることから、土砂災害などが起きやすく、事実、先ごろの県道雨畑大島線における土砂崩落により、住民が一時孤立状態となる事案が発生しております。
 このような中、県民の生命・財産を守り、被害拡大の防止や災害応急対策の迅速な実施に必要な道路の整備が、極めて重要であると考えます。
 特に、山間地に位置し、主要な防災拠点と連絡する国道百三十九号や三百号などの緊急輸送道路は、大雨の影響により、たびたび通行どめが発生しており、災害時における応急対策や救助活動を速やかに実施する上で、大きな不安材料ともなっているとともに、地域の生活にも多大な支障を来たしている状況です。
 そこで、国道百三十九号や三百号などの緊急輸送道路の現状と今後の取り組みについて伺います。
 次に、県立高等学校整備基本構想の推進についてであります。
 生徒数の減少や生徒の多様化が進む中で、全国的に高校改革が進められており、多くの県で、制度の改編や学校の再編整備が行われています。
 本県においても、平成八年に策定された山梨県高等学校整備新構想に基づき、普通科高校への単位制やコース制の導入、理数科、英語科といった専門教育学科の増設、総合学科の設置、定時制高校における昼間部の増設等の取り組みがなされてきました。
 この構想の策定から十余年が経過する中で、生徒の多様化が一層進むとともに、普通科における全県一学区入試の導入、生徒数の大幅な減少、キャリア教育の充実など、本県の高校教育を取り巻く環境が大きく変化してきたことから、県教育委員会では、新たな時代の要請にこたえる高校教育の推進が必要との認識のもと、昨年十月、県立高等学校整備基本構想を策定されました。
 新たな構想を策定した理由やその背景、構想の主旨については十分理解できます。また、活力ある高校づくりに向けて、高校の教育的機能を確保する観点から、適正規模を維持しようとする考えも、理にかなったものであります。
 しかしながら、何よりも重要なことは、この構想で示された再編整備に関する基本的な考え方に沿って取り組みを進める際に、再編整備の対象校の関係者や、地域の方々の御理解をいただくことであります。
 私は、対象となる学校がこれまで築いてきた伝統や文化、同窓会やPTAの学校に対する思い、さらに地域文化の拠点としての学校の意義等を十分に踏まえた上で、学校関係者はもちろんのこと、地域住民の声にも十分に耳を傾け、可能な範囲で意見を酌み取る必要があると考えます。
 新たな構想に基づいた取り組みの推進を期待するものでありますが、まず、再編整備の進め方について、県教育委員会の御所見を伺います。
 私はこの二年間、県内の県立高校を訪れて、多くの教育現場で詳細に運営状況をお聞きする機会を得ました。
 このような中で、各校が特色を出して魅力ある高校づくりに取り組み、真剣に努力されていると改めて実感すると同時に、その学校の所在地により、学校の努力だけでは解消できない、さまざまな課題があることも認識いたしました。
 例えば、ここ数年間の入試結果を見ますと、生徒数の減少や全県一学区入試の導入等の影響により、慢性的に定員割れとなっている学科やコースがあり、生徒募集に苦慮している高校もあるように見受けられます。
 特に、郡部や県境に位置する高校においては、この状況が著しいように思われますが、県教育委員会ではどのように対応していくのか、あわせて御所見を伺います。
 次に、特別支援教育の推進についてであります。
 特別支援教育は、平成十九年の学校教育法等の一部を改正する法律の施行によりスタートしました。
 これまで、障害の程度等に応じて、特別な教育の場である盲、ろう、養護学校や特殊学級等で指導を行ってきた特殊教育は、発達障害を含む、障害のある幼児・児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じて支援を行う特別支援教育へと大きく転換しました。
 特別支援教育の本格実施から三年が経過したわけですが、県においては、すべての学校に校内委員会を設置し、特別支援教育コーディネーターを配置するなど、支援体制の整備に努めており、特別支援学校のセンター的機能の充実や特別支援学級の増設など、特別支援教育を推進する姿勢は十分にうかがえます。
 しかし、特別支援教育の推進に伴って、特別支援学校においては在籍児童・生徒数が増加しており、特に、高等部において軽度知的障害の生徒の増加が著しく、医療的ケアを必要とする児童・生徒数も増加しているとのことであります。
 これに伴い、取り組みのさらなる拡充が求められております。児童・生徒数の増加により、知的障害の特別支援学校を中心に教室不足が生じており、早急な対応が必要となっております。
 また、わかば支援学校は、昭和四十九年の開校から三十五年が経過し、増築に増築を重ねた施設は使い勝手が悪く、老朽化が著しい状況にあります。
 さらに、知的障害を対象としていたやまびこ支援学校は、特別支援教育への転換に伴い、平成二十年度から知的障害と肢体不自由を対象とする学校になりましたが、教育環境として多くの課題があると認識しています。
 このような中、県教育委員会では、先月、山梨県特別支援教育振興審議会を開催し、特別支援教育の抱える課題について審議を始めたと伺いました。また、審議会の答申を得て、本県の特別支援教育の方向性を示す計画を策定すると聞いております。
 私は、県教育委員会が昨年、県立高等学校における整備基本構想を策定し、改革に取り組まれている様子を見るにつけ、特別支援教育についても、同様の計画が必要と考えておりました。今般の県の取り組みは、まさに時宜を得たものであり、私は大いに評価し、障害のあるすべての児童・生徒の教育的ニーズにこたえてほしいと期待するものであります。
 つきましては、県教育委員会では、特別支援教育振興審議会において、どのような点を中心に審議され、計画を策定しようとしているのか、御所見を伺います。
 次に、交通事故抑止対策について、二点お伺いします。
 まず、高齢者の交通事故防止対策についてであります。
 この問題に関しましては、これまでも県議会において議論されておりますが、県内では、先ごろも高齢者が運転する車両がショッピングセンターに突っ込み、多数の買い物客に重軽傷を負わせた事故や、高齢運転者が道路横断中の高齢女性をはね、死亡させた事故など、高齢者が関係した交通事故が連続して発生しているところであります。このような高齢者の交通事故は、被害者はもちろんのこと、加害者にとっても不幸なことであります。
 高齢者の交通事故防止対策は、高齢者が安全で安心して暮らせる車社会を実現していく上で、大変重要な課題でありますので、改めて質問させていただきます。
 報道によりますと、六十五歳以上の高齢者が当事者となる交通事故は、年々増加傾向にあり、近年は、被害事故だけでなく、高齢者が加害者となるケースがふえている状況にあります。
 また、高齢者の免許保有者数は、本年三月末現在、県内の全免許保有者五十九万人余りの一七・八%に当たる約十万六千人とのことでありますが、高齢社会の進展が全国平均に比べて二年早い本県の状況を踏まえると、今後、高齢者の免許保有者数はさらに増加していくものと見込まれます。
 高齢者を交通事故から守ることは重要であり、早急に対応する必要があると思います。先ほど、高齢運転者の代替交通手段の確保等にも少し触れましたが、警察では、高齢者の交通事故防止対策について、どのように取り組んでおられるのか伺います。
 次に、飲酒運転防止対策についてであります。
 飲酒運転はいまだに後を絶たないばかりか、交通事故の増加に拍車をかける要因ともなっております。
 本県における飲酒運転事故の現状につきましては、新聞報道などによると、昨年の人口十万人当たりの事故構成率は、全国ワースト四位、関東圏内ではワースト一位であり、飲酒運転の再犯率も高いとのことです。
 交通事情等から、他県に比べ、車への依存度が高いこともこの不名誉な記録の一つの要因と推測されますが、県民の飲酒運転に関する規範意識が極めて低いことは明らかであり、まことに遺憾にたえません。
 平成十八年八月、福岡県で一家五人が乗った車が飲酒運転の車両に追突されて海に転落し、幼児三名が亡くなるという悲惨な事故を契機として世論が沸き上がり、飲酒運転の罰則が強化されたところであります。
 しかしながら、このような措置にもかかわらず、新聞やテレビでは、連日のように飲酒運転にまつわる事故が報道されており、今もなお飲酒運転が横行していることに対し、大きな怒りを感じております。
 飲酒運転を根絶するためには、何よりも、県民一人一人が共通の認識に立ち、飲酒運転を許さない、させない環境を醸成していくことが重要と考えますが、警察では、飲酒運転防止に向けて、どのような対策を講じておられるのか、取り組み内容について伺います。
 最後に、深夜営業の飲食店舗等における強盗事件の抑止対策についてであります。
 県内の治安につきましては、治安のバロメーターと言われる刑法犯の認知件数が、平成十四年をピークに六年連続して減少し、昨年は微増したものの、ほぼ半減していると聞いております。
 私どもが肌で感じる、いわゆる体感治安も、日常の暮らしの中ではよくなっていると認識していますが、この日常生活自体に変化が生じてきており、これによる治安状況も気になるところです。
 とりわけ、社会構造やライフスタイルの変化に伴い、コンビニや早朝、深夜に営業する飲食店舗が県内でもふえており、便利でありますことから、利用する機会も多く、我々の日常生活になくてはならないものとなっている一方で、こうしたコンビニや深夜に営業する飲食店舗をねらっての強盗事件が増加していると聞いています。
 これらの店舗は幹線道路に面し、だれもが自由に出入りできること、また、深夜の時間帯には店員の数も日中に比べ少なく、経済的な効率性を考慮して必要最小限の店員しか置いていないこと等が、被害に遭う要因ではないかと思われます。
 県内で発生した強盗事件においては、幸いにして、人命に係る被害はないとのことですが、刃物や凶器を使用しての犯行であり、金銭だけでなく、お客や店員に対し危険の及ぶことも考えられます。
 今後も、本県において、このような事態が生じないよう、日ごろから、しっかりとした予防策を実施していく必要があると考えますが、コンビニや深夜に営業する飲食店舗をねらっての強盗事件の現状はどうなのか、また、どのような対策を講じているのか、お伺いします。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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◯副議長(保延 実君)棚本邦由君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)棚本議員の質問にお答えさせていただきます。
 ただいまは、県民クラブを代表され、県政各般にわたりまして御質問をいただきました。
 太宰治の言葉を引用されながら、何よりも民意を大切にするというお考えを披瀝されるとともに、私の県政運営への高い評価と期待の言葉をいただきまして、感謝申し上げます。
 今後も、県民だれしもが真の豊かさを実感できる山梨の実現に向けて、全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、出資法人の改革につきまして御質問がございました。
 県では、出資法人のより一層の効率的な運営の推進を図るため、平成二十一年三月に県出資法人経営健全化プランを策定いたしまして、三十九法人について集中的に改革に取り組んでいるところでございます。
 この三十九のうち、決算規模が一千万円を超える三十三の法人につきましては、経営状況につきまして、庁内関係課で構成する経営評価委員会や、外部有識者からなる経営評価アドバイザー会議で、統一的・客観的な視点から分析を行うとともに、評価・助言を行い、あわせてその結果を県民に公表するなど、継続的な経営改善と透明性の確保に努めているところであります。
 また、公益法人制度改革が進んでおりますけれども、これに伴う新たな公益法人への移行が望ましい法人、二十九法人ございますが、この二十九法人につきましては、平成二十五年十一月までに所定の手続が必要となりますので、円滑な移行ができるように、法人の事業内容や財務状況等を再点検するとともに、移行に必要な定款などの書類の作成に向けて、現在、指導・助言を行っているところであります。
 さらに、土地開発公社など五法人につきましては、現在、国のガイドラインに沿って、外部の有識者で構成する経営検討委員会を設置いたしまして、今後の経営改革の検討を進めているところでございます。
 このうち土地開発公社につきましては、過日開催された経営検討委員会の御意見を踏まえ、平成二十三年度以降、新たな事業は行わず、保有土地の売却などの残務処理のみを行うこととして、実質的に公社を廃止する方向で検討を行い、本年度中のできるだけ早い時期に改革プランを策定してまいりたいと考えております。
 今後とも県出資法人経営健全化プランに基づき、県と法人が一体となって改革を進め、出資法人の一層の経営の健全化と県民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、バス路線の維持についての御質問がございました。
 本県のバス路線は、平成二十一年度末におきまして二百八十一路線が運行されております。このうち、県民生活に欠かすことができない広域的、幹線的な路線で赤字となっている二十六路線につきましては、国と協調いたしまして、交通事業者に対して助成を行っているところであります。
 また、交通事業者が廃止した路線のうち、市町村がその路線を後に引き継いだ六十七路線につきましては、県単独で助成を行い、運行の維持に努めているところでございます。
 これとは別に、十七の市町村では、地域の実情に応じて独自にバスの運行を行っておりまして、このうち十一の市町村は、平成十九年に制定された地域公共交通活性化法に基づく国の補助事業を活用して、コミュニティーバスやデマンドバスの実証運行に取り組むなど、地域公共交通の再編、確保に努めているところであります。
 また、本格的な高齢化社会の到来や地球温暖化対策などの観点から、バス路線などの公共交通ネットワークを維持していくことは、御指摘のように極めて重要であり、そのためには、利用者をいかに確保していくかが大きな課題であります。このため、県といたしましては、パークアンドライドの推進とかノーマイカーデーの呼びかけ、終バスの運行時間の延長など、公共交通機関の利用促進を図っているところでございます。
 今後は、交通施策全般について検討を行う山梨県交通政策会議というものがございますので、この会議などにおきまして、公共交通機関の積極的な利用を促す方策を検討するとともに、複数の市町村を結ぶ広域的なバス路線の再編について、バス事業者と連携を図りながら検討を行うなど、今後もバス路線の維持、確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、雇用対策について、幾つか御質問がございました。
 まず、雇用創出事業実施の効果及び継続的な雇用につなげる取り組みについての御質問であります。
 県内の雇用情勢は、依然として有効求人倍率が低水準で推移するなど、厳しい状況が続いておりまして、雇用対策に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 まず、ふるさと雇用再生事業及び緊急雇用創出事業の効果についてでありますが、平成二十一年度の雇用人数の確定数は、県と市町村を合わせまして、両事業で二千三百四十五人となっておりまして、当初の目標を約五百人上回る雇用を確保いたしました。
 加えて、こうした雇用を通じて、企業内保育所の設置による子育て支援とか、巡回活動による林野火災の未然防止など、地域ニーズにもこたえる事業が実施できたものと考えております。
 次に、継続的な雇用につなげるための取り組み状況についてでございます。
 本年度は、今後成長が期待される介護、農林、観光などの重点分野において、新たな雇用機会を創出する事業と、地域ニーズに応じた人材を育成する事業を重点的に実施することによりまして、継続的な雇用に結びつけていくことにしております。
 具体的には、農業に関心のある離職者を農作業の補助者として雇用して、新規就農を促進する事業や、介護の分野において、働きながら資格取得を目指す事業などを実施してまいります。
 さらに、重点分野の専門家も加えた地域雇用戦略会議におきまして、地域資源を活用した新たな事業についても検討を行っておりますので、これらの事業も加えまして、本年度は約四百五十人を目標に雇用の場を確保してまいりたいと考えております。
 次に、新卒未就職者の支援策についての御質問でございます。
 新卒未就職者につきましては、ジョブカフェやまなしにおきまして、就職支援を行ってきたところでありますが、本年三月の卒業者で、いまだ就職先が決まらない方々が多数生じていることから、今回、六月補正予算において、新たな緊急支援事業の実施のための経費を計上したところであります。
 新たな支援事業では、県中小企業団体中央会と連携をいたしまして、新卒未就職者を県内企業等に六カ月間雇用してもらい、働きながら、職場研修や外部研修の受講を通じて、職業人として必要な知識や技術等を習得し、正社員として就職に結びつけていくこととしております。
 さらに、就職活動を行っている新卒未就職者を対象に、面接などの個別指導を行う実践的なセミナーを集中的に開催するなど、新卒未就職者の早期就職に向けて、全力で取り組んでまいります。
 次に、障害者の就労支援についての御質問でございます。
 障害をもつ方の企業就労を進めるためには、障害者自身が、就労する上で必要な実践的な能力や、職場での適応能力の向上を図るとともに、福祉や雇用などの関係機関が連携して就労支援を行うことが重要でございます。
 このため、県では、まずパソコンの技術習得とか、パンの製造販売といった就労に必要な訓練や、職場実習等の事業を実施する就労移行支援事業所の拡充を図ることにいたしまして、事業所開設に当たって、施設整備に対する助成や運営等に関する助言を行った結果、昨年度からこれまでに八カ所が新規に開設をして、現在、合計二十二事業所となっております。
 この就労移行支援事業所を利用いたしまして、平成二十年度には七人、二十一年度には十八人が一般企業等へ就労を果たしております。
 また、県内三カ所の障害者就業・生活支援センターを拠点にいたしまして、就労移行支援事業所やハローワーク、特別支援学校などの関係者がネットワークを形成し、支援のあり方の検討や求職情報の共有化を図るとともに、県版障害者ジョブコーチが通勤のときの同行をしましたり、また、受け入れ先企業の就労環境整備の相談に応じるなど、生活面、就業面で一体的な支援を行っているところであります。
 さらに、就業支援センターなどの県立職業能力開発施設におきましては、販売実務や環境サービスなど、障害をもつ方と企業双方のニーズに応じた職業訓練を実施するとともに、山梨労働局などと連携をいたしまして、障害者の雇用拡大について、普及啓発や企業等に対する要請を行っているところであります。
 厳しい経済情勢の中ではありますけれども、一人でも多くの障害をもつ方の企業就労を実現していくために、こうした取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 最後に、安全・安心の道路整備につきまして、御質問がございました。
 まず、県際道路の整備についてであります。
 県では、これまでも国道百四十号、百四十一号などの県際道路の整備に取り組んでまいりましたが、現在、より信頼性や安全性の高い高規格道路の整備を重点施策として位置づけて、積極的に推進しているところであります。
 このうち、中央自動車道の上野原以東につきましては、拡幅整備に向けて、沿線都県と連携して、国や関係機関に強力に働きかけを行っているところであります。
 また、東富士五湖道路の延伸につきましては、環境調査が完了いたしまして、本年度は用地調査などを実施するというふうに聞いております。
 今後も、第二東名高速道路の供用に合わせて完成が図られるように、引き続き、国へ強力に働きかけてまいります。
 さらに、中部横断自動車道の増穂以南につきましては、平成二十九年度までの全線開通に向けまして、国などに積極的に働きかけるとともに、用地取得等の面で全力で取り組んでまいります。
 あわせて、長坂以北の整備区間への早期格上げについても、働きかけを強めてまいりたいと考えております。
 次の御質問で、緊急輸送道路の整備についてでございます。
 本県におきましては、大雨や地震などによる災害が発生した場合に備えまして、県際道路を含む九十三路線を緊急輸送道路に指定いたしまして、避難を初め、救援活動や復旧活動が確実に実施できるように、その整備に取り組んでいるところであります。
 しかしながら、土砂崩落などにより通行どめのおそれがある箇所とか、幅員が狭く、通行に支障となる区間が多く残されておりますので、これらを整備し、信頼性の高い緊急輸送道路網を構築することが必要であります。
 このため、のり面の防災工事や橋梁の耐震補強工事を進めるとともに、抜本的な対策が必要な箇所につきましては、国道百三十九号の松姫バイパスとか、国道四百十一号の上萩原バイパスなどの整備に取り組んでおります。
 また、本年度新たに国道三百号の中之倉バイパスの整備にも着手してまいります。
 今後も、県際道路の整備促進について、関係機関に積極的に働きかけるとともに、緊急輸送道路の整備を計画的に進め、県民の皆様が安全で安心して暮らせる県土づくりのために努力をしてまいりたいと考えております。
 以上をもって、私の答弁とさせていただきます。その他につきましては、担当の部長からお答えいたします。
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◯副議長(保延 実君)福祉保健部長、古屋博敏君。
      (福祉保健部長 古屋博敏君登壇)
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◯福祉保健部長(古屋博敏君)棚本議員の少子化対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、子ども手当の支給についてであります。
 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律、この成立が年度末の三月となりましたことから、制度の実施に当たる多くの市町村では、システムの修正でありますとか対象者の把握、確認作業などに追われたものと聞いております。
 法律では、最初の支給月を六月と定めており、その実施を不安視する向きもありましたけれども、現時点では、県内のすべての市町村が六月に支給する見通しとなっております。
 県ではこれまで、制度に関する積極的な情報提供や、事務担当者を集めた研修会を開催するなど、市町村の円滑な事務の執行を支援してきたところでありまして、今後も、この制度が円滑に実施されますよう、市町村への支援に努めてまいります。
 また、県内の市町村について、子ども手当の開始に伴い、独自施策を廃止あるいは縮小する動きはございません。今回の制度の創設によりまして、市町村のサービスが後退するようなことはないと考えております。
 この子ども手当の円滑な実施や、本年三月に策定しましたやまなし子育て支援プラン後期計画の着実な推進を通して、笑顔で子育てができる社会の実現を目指してまいります。
 次に、育児支援体制の強化についてであります。
 児童相談所では、児童虐待について、子供の安全確保を最優先に取り組んでいるところでありますが、保護者とトラブルになることも多く、困難な事例が増加していることから、高度な専門性や法的な対応能力が求められております。
 このため、児童虐待を専門に扱うスタッフを配置して、虐待通告に対する初期対応の迅速化を図るとともに、平成二十一年度から、児童虐待問題に精通した医師、弁護士等をアドバイザーとしてお迎えをし、専門的な助言を得る中で、効果的な解決を図っております。
 さらに、本年度から、中央児童相談所に警察官OB一人を児童虐待困難事例対応協力員として配置しまして、暴力的な保護者への対応に当たるなど、児童相談所の機能強化を図っているところであります。
 今後も、山梨の未来を担う子供たちが、保護者のもとで、心身ともに健やかに育つことができますよう、必要に応じて、児童相談所の体制の整備を図るなど、育児支援体制を強化してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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◯副議長(保延 実君)教育委員会委員長、須田清君。
      (教育委員会委員長 須田 清君登壇)
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◯教育委員会委員長(須田 清君)棚本議員の御質問にお答えいたします。
 まず、県立高等学校整備基本構想の推進についてであります。
 最初に、再編整備の進め方についてであります。
 中学校卒業者数の大幅な減少が見込まれる中で、学校の活力維持のため、再編整備は避けて通れない課題であり、計画の策定及び推進に当たっては、地域において高校が果たしてきた役割に十分配慮する必要があると考えております。
 このため、これまでも地域において説明会や意見交換会等を実施し、幅広く御意見を伺いながら進めてきたところでありますが、今後も説明会の開催等を通じ、学校関係者や地域の皆様に再編整備の必要性や考え方等について御理解がいただけるよう努め、慎重に進めてまいりたいと考えております。
 次に、定員割れが生じている学科やコースへの対応についてであります。
 新たに策定した整備基本構想では、学科ごとに施策の方向性を示したところですが、明年度から、北杜高校については、理数科にかわる理数コースの設置、上野原高校については、普通科目を基軸にした総合学科への改編などを実施し、魅力ある高校づくりに向けた取り組みを進めることとしております。
 今後は、他の高校についても、将来の生徒数の動向、生徒の進路希望、地理的状況等を十分に分析し、本県の将来を担う子供たちが、夢や希望を持ち、進学したいと思えるような高校づくりに努めてまいります。
 また、中学校卒業者数の減少が著しい県境に位置する高校については、学校の活力維持が喫緊の課題となっていることから、生徒数を確保し、活性化を図るため、県外からの受検を拡大する特例措置について検討してまいります。
 次に、特別支援教育の推進についてであります。
 障害に対応した教育環境を整備するとともに、子供たちの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するためには、これまでの特別支援教育の実績や課題を踏まえて、十年程度の長期的な展望の中で、今後の方向性を示し、計画的に推進する必要があります。
 このため、過日、学識経験者や保護者、現場の教育者、医療・福祉・労働等の関係者からなる特別支援教育振興審議会を開催し、特別支援教育の課題について検討を始めたところであります。
 審議会では、軽度の知的障害者の増加に対応した特別支援学校における高等部教育のあり方、生徒増や施設の老朽化への対応、適正配置など、特別支援学校の整備計画を含む将来構想、さらに、教育の段階に応じた、障害のあるすべての子供たちに対する特別支援教育の推進方策などについて議論を重ねることとしており、明年二月、答申をいただく予定であります。
 また、答申を踏まえて策定する計画は、障害のある子供一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育を実施するという特別支援教育の趣旨にのっとり、子供たちが豊かな学びを通して自己実現を図ることができるよう、特別支援学校における教育の充実及び教育環境の整備、すべての学校における特別支援教育の推進など、ハードとソフトの両面から作成してまいります。
 今後とも、障害のある子供たちの持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するため、特別支援教育の一層の充実と推進に取り組んでまいります。
 以上でございます。
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◯副議長(保延 実君)警察本部長、西郷正実君。
      (警察本部長 西郷正実君登壇)
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◯警察本部長(西郷正実君)棚本議員の御質問にお答えします。
 最初に、交通事故抑止対策について、幾つかお尋ねをいただいております。
 まず、高齢者の交通事故防止対策についてであります。
 近年、高齢化の進展に伴い、高齢者が関係する交通事故が増加するとともに、高齢運転者が加害者となる交通事故が急増しており、高齢者の交通事故抑止は喫緊の課題であります。
 これまで県警察では、高齢者みずからの交通安全意識を高めるため、総合交通センターなどにおける参加・体験・実践型の交通安全教育のほか、高齢者が多く集まる場所への出前式の交通安全教室、あるいは自治体・交通関係団体などと連携した高齢者宅への訪問活動など、きめ細かな交通安全教育を推進しております。
 また、昨年六月から、七十五歳以上の免許更新者に対する講習予備検査が導入され、検査結果に基づき受講者個々の判断力などに応じた高齢者講習を行うなど、高齢運転者に対する交通安全教育の充実を図っているところであります。
 さらに最近では、多くの自治体でコミュニティーバスやデマンド交通などの代替交通手段の導入が進められておりますが、高齢者の移動手段が確保されることは、高齢者の交通安全の観点からも好ましいものと考えており、警察においても、これらの代替交通手段の導入につき、自治体に働きかけを行っているところであります。
 次に、飲酒運転防止対策についてであります。
 飲酒運転が関係する交通事故につきましては、近年、道路交通法の改正による厳罰化などと相まって、全国的に減少する中、当県でも減少傾向で推移し、とりわけ昨年は、過去十年で最多であった平成十二年と比較し、約七八%の減少となっております。
 しかし、御指摘のように、人口十万人当たりの飲酒事故の発生率は全国ワースト四位と、高い比率で発生しております。このため、県警察では、最近の飲酒事故の発生実態を分析し、従来から行っていた生活道路でのミニ検問に加え、国道などの幹線道路における大規模検問など、違反実態に応じた交通取り締まりを推進するとともに、飲酒運転を助長する車両提供罪・酒類提供罪などの飲酒運転周辺三罪の取り締まりについても、捜査を強力に行っているところであります。
 また、飲酒運転を許さない社会環境を実現するため、交通関係団体などと連携をして、酒類を提供する飲食店を訪問し、飲酒運転根絶やハンドルキーパー運動を促すポスターや卓上のぼり旗などの配布、飲食店の駐車場路面に貼付する大型ステッカーを配布するほか、テレビ・ラジオなどを活用して、飲酒運転の実態や危険性について周知するなど、広報啓発活動を推進しております。
 今後とも、飲酒運転の根絶に向けた取り組みを強力に推進する考えであります。
 次に、深夜営業の飲食店舗などにおける強盗事件の抑止対策についてであります。
 コンビニや深夜に営業する飲食店舗をねらった強盗事件は、全国的にも増加しており、本県おきましては、本年五月末現在九件発生し、前年同期に比べ八件増加している状況にあります。
 これらの強盗事件は、すべてが深夜から未明に発生し、ほとんどが出入り口付近にレジが配置され、さらにその多くが単独の勤務であったという特徴があります。また、地域的には、甲府市南部を中心とした地域と、都留市の大月インターチェンジに近い地域で発生しております。
 これらの発生に対し、県警察では夜間の体制を強化し、パトカーの駐留警戒、警察官の立ち寄りなどの警戒活動を行っているところであります。
 また、コンビニや、深夜に営業している飲食店舗に対しましては、個別に防犯診断、防犯指導を行うとともに、山梨県コンビニエンスストア・深夜スーパー防犯協議会に、深夜の複数勤務体制の確保、現金管理の徹底、防犯カメラなど防犯機器の充実など、犯罪が発生しにくい対策の実施を要請したところであります。
 なお、本年五月四日未明に発生したコンビニ強盗事件については、発生後、緊急配備の実施中に被疑者を検挙したほか、本年一月十九日未明に発生した南アルプス市のコンビニ強盗事件の被疑者四名を検挙し、現在、余罪を解明しているところであります。
 県警察といたしましては、引き続き、警戒活動の強化に努め、防犯対策の充実を図るとともに、発生した事件の早期検挙に向け、全力で取り組んでまいる所存であります。
 以上でございます。
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◯副議長(保延 実君)当局の答弁が終わりました。
 棚本邦由君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって、棚本邦由君の代表質問を打ち切ります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 明八日、午後一時、会議を開き、代表質問及び一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                                         午後三時四十八分散会