議事ロックス -地方議会議事録検索-


山梨県 山梨県

平成20年6月定例会(第3号) 本文




2008.07.01 : 平成20年6月定例会(第3号) 本文


◯議長(内田 健君)これより本日の会議を開きます。
 直ちに日程に入ります。
 日程第一、知事提出議案、第七十号議案ないし第八十二号議案、承第一号議案ないし承第三号議案を一括して議題といたします。
 これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての代表質問を行います。
 発言の通告により、進藤純世さんに四十分の発言を許します。進藤純世さん。
      (進藤純世君登壇)(拍手)
---
◯進藤純世君 私は、フォーラム政新を代表して質問いたします。
 五月のミャンマーを直撃した大型サイクロン、中国四川大地震、また六月の岩手・宮城内陸地震など、立て続けに発生した自然災害により、多くのとうとい人命が失われ、道路や電気・水道などのライフラインを初め、家屋や学校などが甚大な被害をこうむりました。
 無念の犠牲者となられた方々のみたまに心から哀悼のまことを捧げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げ、一日も早い復興を願うものであります。
 地震災害は、東海地震の切迫性が指摘される本県では、対岸の火事ではなく、いつ発生するかわからない地震に備え、日ごろから万全を期しておく重要性を改めて痛感したところです。
 さて、医療・年金問題、さらには原油高騰などによる景気の先行きも懸念され、県民の皆さんは、少なからず将来に向けた生活設計に不安を感じていると思います。
 知事におかれましては、本年度の重点施策項目を掲げた「チャレンジ ミッション’08」を策定されましたが、県民の生命・財産を守ることを基本に、子供たちが明るい未来を描き、若者が夢と希望を持って働き、お年寄りは行き届いた社会保障が実感できますように、県民のだれもが安全・安心のもとに暮らせる社会を構築していただけますよう、御期待申し上げ、以下、質問に入ります。
 まず、「暮らしやすさ日本一の県づくり」の推進についてであります。
 昨年十二月、横内県政推進の基本指針となる、チャレンジ山梨行動計画が策定され、その目指すところが「暮らしやすさ日本一の県づくり」とされております。
 このチャレンジ山梨行動計画に基づいて平成二十年度の予算が編成され、県政だより「ふれあい」などで、本年度の重点方針と重点施策が公表されています。
 「ふれあい」特集号には、「暮らしやすさ日本一の県づくり」という行動計画の基本理念が強調され、そのための主要施策が掲げられております。
 私は、「暮らしやすさ日本一の県」という目標には共感し、きっと県民生活を重視した政策が打ち出されるものと期待し、行動計画と本年度の主要施策を注目しておりましたが、何か物足りなさを感じました。
 県行政はもともと幅広い分野に及んでおり、その意味では総花でありますが、その中でも時の知事の思想が組み込まれて、県政のカラーが浮き出てきました。
 天野県政においては、「環境首都」が目指すべき県土像に掲げられ、すべての行政分野への視野を持ちながらも、環境政策が重視されてきました。
 山本県政においては、「誇れる郷土 活力ある山梨」を掲げ、政策の柱のトップに産業振興を位置づけており、産業政策を重視する姿勢がうかがえました。
 「暮らしやすさ日本一の県づくり」というのは、行動計画と本年度の主要施策からは、政策の焦点が伝わってまいりません。「美しい国日本」の標語と同様に、県政のまくら言葉、単なる飾り言葉に見えます。
 せっかく掲げた「暮らしやすさ日本一の県づくり」の言葉には、政策の実質の方向が込められていると思いますが、わかりやすく説明していただきたいと存じます。
 次に、財政の健全化への対応について伺います。
 昨年、地方公共団体の財政の健全化に関する法律、略称、財政健全化法が制定され、来年から本格施行されます。
 この法律は、北海道夕張市のような財政破綻を未然に防止するため、イエローカードに当たる、早期健全化段階と財政再生段階の二段階で、自治体の財政悪化をチェックする仕組みを規定しています。
 従来の自治体再建法は、普通会計のみが対象であり、その赤字幅がおおむね税収と地方交付税額の合計額の五%を超えると、赤字再建団体になりますが、公営企業会計に巨額の累積赤字が計上されていても、土地開発公社などの外郭団体が多額の含み損を抱えていても、法的には問題とされませんでした。
 これが、財政健全化法においては、普通会計以外の特別会計や病院事業など、企業会計も合わせた連結による、連結実質赤字比率という新たな指標が設けられました。
 財政健全化法では、議会や監査委員の役割が強調されています。自治体の財政運営が健全かどうかのチェックは、当該団体の監査委員と議会の役目ですが、夕張市ではそれが機能しなかったこと。さらに言えば、他の自治体もそのおそれがあることから、このような財政健全化法が制定されたと思われます。
 とりわけ監査委員の職責が重視され、具体的には、各指標の数値は監査委員の審査を受けた上で議会に報告し、公表することになりました。
 監査委員は、自治体の行政執行の適法性確保・効率性・妥当性など、適正に事務執行が行われているかに加え、経営管理の大局的な観点からも、審査が必要と考えますが、御所見を伺います。
 また、岐阜県多治見市では、市民と相互に財政状況の共有化を図るため、情報公開において、財政健全化法の四指標のほかに、独自財政指標となる「負債の償還可能年数」、「経費硬直率」、「財政調整基金充足率」を取り入れた財政状況を公表し、市民・議会への説明責任を果たそうと努めています。
 県の財政状況を県民が理解するのは容易ではありません。それを、できる限り理解が深まるように、行政側が配慮することに法の本旨があると考えます。
 県が率先して示す独自の財政判断指標の導入など、具体的な工夫策が市町村の財政公表の標準モデルになり、さらに市町村のレベルアップにもつながるものと考えます。
 そこで、単に法に規定する指標を公表するだけでなく、財政状況をわかりやすく示す工夫と努力を求めたいと思いますが、御所見を伺います。
 次に、甲府駅北口の高度情報エリアの整備について伺います。
 現在、北口県有地における新県立図書館と高度情報化拠点をあわせた高度情報エリアについては、高度情報エリア整備懇話会における専門的な意見等を踏まえ、八月末までに整備方針を県が策定すると聞いております。
 高度情報エリアについては、既に新県立図書館整備検討委員会や県議会の北口県有地活用検討特別委員会で検討が重ねられてきました。
 高度情報エリアの一翼を担う高度情報化拠点については、情報政策アドバイザー会議の提言の中で、その考え方や整備の必要性が進言され、県議会特別委員会の審議の過程で、ICT企業、人材育成、研究開発など、具体的な内容が示されております。
 したがいまして、高度情報化拠点の整備は、県において実務的に具体化を図る段階と思っておりました。しかし、さきに行われた第一回目の高度情報エリア整備懇話会の議事録を見ますと、本格的な議論はこれからとの印象を受けたところであります。
 図書館の建設は教育委員会で整備計画を作成し、直営で、また高度情報化拠点は民間活力の導入により進めるとしています。
 図書館の建設については、本年度の前半に整備計画を作成し、年度後半に設計に着手すると聞いておりますが、一刻も早く図書館の利用ができるよう、建設のスピードを速めるべきであると考えますが、教育委員会の御所見を伺います。
 北口県有地への高度情報化拠点の整備は既定の方向であり、その中心はICT企業の立地であります。
 当初は特定企業の名称が上げられ、「先に特定企業ありきか」などという非難がありましたが、企業誘致に当たっては、誘致への脈が見出せれば、お百度を踏んでも実現を働きかけるべきであります。
 優秀なICT企業を誘致するとなれば、製造業の企業誘致に助成策を講じ、大変な御苦労をされているのと同様に、誘致の話を聞いてもらえる企業に行き着くことは、容易ではなかろうと推察されます。
 したがいまして、せっかく北口県有地に立地しそうなICT企業があるとすれば、それを確実に誘致することに全力を傾けてほしいと願うものであります。
 もしも、本県への立地を望む優秀なICT企業が複数出てくるなら、そのすべてを誘致するように、高度情報化拠点整備の方針を立てるべきであると考えますが、御所見を伺います。
 次に、山梨大学が研究する燃料電池への県の取り組みについてであります。
 国際的な課題である地球温暖化や石油資源の枯渇への関心から、太陽光・風力・バイオエタノール等の多様なクリーンエネルギーの応用・実用化が産学官を挙げ、推進されています。
 このような折、山梨大学が既に約四十年前から、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる、究極のクリーンエネルギーと称される燃料電池の研究開発を進めており、基礎研究では世界の最先端であることをお聞きし、私は県民として大変うれしく、誇りに思ったところであります。
 本年度、山梨大学が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、燃料電池の高性能化や長寿命化、低コスト化等、実用化に向けた研究開発を七年間にわたり総額七十億円で委託されたことは、さらに大きな進展が期待できます。
 燃料電池の有効性は世界的規模で注目されており、特に自動車産業界においては、車の新たなエネルギー源として、関連会社を加え、各メーカーが存亡をかけて研究・実用化にしのぎを削っております。
 トヨタを初め、自動車関連産業が集積している愛知県では、新エネルギー関連産業振興計画を策定し、燃料電池を初め、新エネルギーの研究・産業の集積地域を目指して、研究に取り組む中小企業に補助制度を創設したほか、三重県などと合同による水素エネルギーをテーマとしたシンポジウムの開催など、他地域に先んじたさまざまな取り組みを展開しています。
 県が産業経済の振興を見据え、知事公舎の跡地を山梨大学の研究センターの用地として無償提供していることなどは承知しておりますが、将来性が見込まれ、開発競争がひしめく産業分野で、他地域の後塵を拝することなく、本県が燃料電池の研究・産業の一大集積地域となるには、現在の取り組みで事足りるのでしょうか。
 知事が掲げるチャレンジ県政・スピード県政に基づき、他県の機先を制する、さらなる産学官連携の強力な対策が必要と考えますが、御所見を伺います。
 次に、発達障害者に対する支援についてであります。
 平成十六年に発達障害者支援法が制定され、本県では、発達障害者支援体制整備指針が策定されるなど、その体制づくりが急がれるところであります。
 数年前までは、発達障害という言葉も知られず、県議会で取り上げられるようになったのも、古いことではありません。従前、子供たちの障害の存在に気づかず、乱暴な性格、やる気の問題などと片づけられてしまった往時に比べ、発達障害が正しく理解される機運が高まったことは、大きな進展であります。
 しかし、法律や方針ができても、具体的な支援体制の整備はこれからの課題であります。
 県内で、発達障害のある可能性を含め、特別な支援を必要としている児童・生徒数は、平成十九年度の調査結果において、保育所・幼稚園では二・六%の六百二十四名、小中学校は二・一八%の千六百六十一名と報告されています。
 発達障害と診断された児童・生徒へ適切な支援を実施するためには、乳幼児期における障害の早期発見が何よりも有効であり、その重要な機会となるのが乳幼児健診であります。
 しかし、一歳六カ月健診、三歳児健診、就学時健診は法律で義務化されていますが、小中学校で顕在化し、問題となる発達障害児の早期発見に有用であると専門機関が指摘する五歳児健診は、任意のため、県内で実施しているのは、平成十九年度の調査段階では、健康相談も含めて、いまだ九市町村と少なく、健診制度の充実を図ることが求められています。
 さきの議会において、この五歳児健診など早期発見の取り組みについては、発達障害早期総合支援モデル事業の成果や課題を検証し、また、子ども健康支援モデル事業の実施を踏まえて、普及、促進を図ってまいると見解が示されましたが、今現在の検証結果や取り組みの状況がどのようなものか伺います。
 また、発達障害のある乳幼児や児童・生徒の発達を促進し、就学環境への適応性も高めるには、個人の特性に応じたきめの細かい長期にわたる社会的な連携支援体制が不可欠ですが、このような取り組みは、中学生以下の児童・生徒と比較すると、義務教育を終えた高校生や成人に対しては十分とは言えず、生活指導や就労支援など、ニーズに応じた支援体制の整備が必要です。
 県では、平成十七年十月から平成十九年度末までの二年六カ月にわたり、乳幼児から成人まで幅広い世代を対象に支援体制を具体的に検討する、発達障害者圏域支援体制整備モデル事業に取り組み、現状認識に基づく課題の抽出や成果等を取りまとめております。
 発達障害が、社会的には十分に理解されていない中で、このような事業は意義ある取り組みと考えますが、これを契機に、今後、市町村・教育機関・医療関係者などと連携を密にし、障害の発見方法・支援策、受け入れ態勢などの整備に向けた方策が必要と考えますが、御所見を伺います。
 次に、県立病院の経営形態についてであります。
 昨年来、県立病院の経営形態について、県立病院経営形態検討委員会に検討をゆだねてきたところ、本年三月、検討委員会から「一般地方独立行政法人制度に移行することが望ましい」とする報告書が提出されました。
 その検討委員会で検討中の昨年末、総務省から、公立病院改革ガイドラインが示され、公立病院の経営形態について、地方公営企業法の全部適用、一般地方独立行政法人化、指定管理者制度導入、民間譲渡の四つの選択肢が提示されました。
 ガイドラインは、四つの選択肢を挙げながらも、公立病院の経営形態を公から、できる限り民に誘導するものであります。
 県の検討委員会の検討方向は、このガイドラインが出されて以降、一気に一般地方独立行政法人に傾きました。
 県立中央病院及び県立北病院は、県民医療の基幹病院であり、経営形態によって、それが維持されるかどうかが最大の関心事であります。
 県立病院の経営健全化のためにさまざまな課題があることは確かでありますが、しかし、一般地方独立行政法人が最善なのかは、県として慎重に見きわめなければなりません。
 現在、県立病院が担っている救命救急センターや総合周産期母子医療センター、がん医療など、高度・特殊・先駆的な医療は引き続いて確保しなければなりませんが、検討委員会の報告では、知事が策定する中期目標と、県が設置する評価委員会の事業評価等により、確実に確保されるとしており、当然のようにこれを前提としております。
 しかしながら、ここのところに、県民も私も不安を感じているのであります。本当にこれが確保できるか、丁寧に検証するべきと考えます。
 高度医療など政策医療は、経費は県が負担するから確保されるとしていますが、それを担うのは医療スタッフであり、その確保が容易ではありません。
 県立病院の医療スタッフの勤務実態は極めてハードだと聞いており、それでもそれなりにスタッフの確保ができるのは、県立というブランドと、公務の使命を果たす満足感の大きさによるものではないかと思うのであります。
 報告でいうように、一般地方独立行政法人になれば、本当に優秀な医療スタッフを確保しやすくなるのでしょうか。
 県立中央病院においては、このところ、年間で看護師数の約一割の五十人近くが退職しており、看護師の確保に苦労されていると聞いていますが、独立行政法人になれば、むしろもっと深刻になるのではないかと思われます。
 現行の経営形態での問題点の一つとして、職員定員管理の制約が強い中で、地方公務員の純減目標による職員数削減が求められているため、優秀な医師であっても採用できないことが報告に記されています。
 職員数削減については、医療職員と行政職員とを一からげにして「何%削減せよ」ということ自体が不合理なことであり、それをやみくもに受け入れるのはいかがかと思います。
 もしも、医療職員の増員が必要なら、定数条例を改正すればできることであり、独立行政法人でなくても、やろうと思えばできることであります。
 独立行政法人になれば、自由に職員の増員が可能だといわんばかりの記述もありますが、幻想ではないでしょうか。
 病院経営健全化を図るために、経営の自立性が強調されています。
 地方公営企業法の全部適用を実施すれば、現状とは違って、事業責任者の管理者が置かれ、人事、予算などの経営権限を持つことになりますが、報告には、これでは健全化には不十分だと書かれています。
 しかし、これも、管理者の実質的な権限をできる限り大きく設定すれば、十分に対処できるはずであります。
 このような観点から、県立病院の経営形態の改革の方向としては、一般地方独立行政法人には不安があり、地方公営企業法の全部適用が望ましいと考えます。御所見を伺います。
 次に、医師不足問題への対応についてであります。
 県民から医師不足の悲鳴が絶えません。特に産科医の不足は深刻であり、平成十六年四月において分娩可能な病院は十四施設であったのが、気がついたら、潮が引いたように平成二十年四月には七病院と半減し、身近な場所での出産を望む妊婦の不安を招いています。
 また、市立甲府病院では、本年六月から八月にかけて、消化器内科四人全員が、それぞれの理由とはいえ、退職の予定であり、一部の患者は転院し、専門的な治療を要する内科救急患者の受け入れも困難な状態になりました。さらに、他の病院等でも、一部の診療科の休止や診療科目の縮小などの事例もあり、医療サービスの低下に対する県民の懸念は募るばかりであります。
 医師確保の対策として、県は奨学金制度を創設するなど、努力はうかがえますが、今現在差し迫っている医師不足の解決にはなりません。
 現在の医師不足問題の主な原因は、平成十六年度に必修化された臨床研修医制度であるとの指摘がなされています。事実、山梨大学では、臨床研修を同大学で希望する卒業生が少なく、大学における医療活動に支障が出るとの理由で、地域の公立病院に派遣していた医師を大学に引き上げざるを得なくなりました。
 この状況の中で、まず県は、山梨大学卒業生のみならず、一人でも多くの臨床研修医を本県において確保するよう、一段の努力をするべきではないでしょうか。御所見を伺います。
 次に、十二月議会の医師不足における答弁で、知事は国に対し、全国知事会を通じて「一定期間医師不足地域での勤務を義務づけること」などの要望を行っているとのことですが、国のみならず、県外の大学や医療機関に対し、積極的に働きかけ、医師の派遣を要望するべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、医師不足が本県において厳しい状況の中で、医療資源を効果的・効率的に活用することが大切と考えます。
 例えば山梨大学では、既に助産師外来が実施されており、市立甲府病院でも導入と伺っております。その取り組みは、医師と助産師の役割分担により、医師の負担軽減が図られ、妊婦が安心して出産できる産科医療体制の維持確保に役立つことが期待できます。
 県においても、助産師の勤務状況や意向を踏まえた助産師の活用方策を検討し、早期に実施する必要があると考えますが、御所見を伺います。
 また、産科以外の診療科においても、医療資源に限りがある中、県民だれもが将来にわたり安心して診療が受けられるような病院のネットワークづくりが構築できないか伺います。
 次に、後期高齢者医療制度についてであります。
 この制度は、二年前に小泉内閣が、高齢者は医療費がかかるから、七十五歳で線引きし、みずから負担をふやすか、医療にかからないかを選びなさいと、強行採決により成立させた乱暴な制度であります。
 まず、新制度の国民への周知方法の不親切さと、正しい実態調査の必要性についてであります。
 四月からの実施に伴い、年金から保険料を天引きするのなら、すべての該当者に対して、あなたは今までの保険料では幾らで、新制度ではこうなりますといった丁寧な説明が必要です。しかし、いまだになされていません。
 そして、実施前には、低所得層には負担減、高所得層には負担増の傾向と、偽りの宣伝で国民を欺き、また都合のいい算定方式による保険料試算等、あいまいな根拠によって、「七、八割の人は保険料が下がる」と国は説明してきました。
 このことをただすと、実態調査には膨大な負担がかかるので、調査は実施しないと言われました。まさに厚生労働省の相も変わらぬ隠ぺい体質が、国民の不信と不安を増幅しており、さらに本県では、負担軽減世帯が八二%にも上るとの発表がありましたが、とても信じられません。この数字はどのような調査により、どのように計算されたものなのでしょうか。正確な実態調査をすることが必要であり、県民への責務と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
 次に、果たしてこの制度が、世界に誇る長寿国日本の高齢者医療制度として存続していかれるのか伺います。
 制度の開始に当たり、保険料の増減はありました。しかし、問題は、二年前の厚労省の試算よりも、本年の本人負担額は既に一万一千円もふえていることからもわかるように、高齢化の急速な進展により、将来にわたって負担がふえ続け、そのたびに大きな政治・社会課題となって、時の政府がその場しのぎや選挙対策のための追加支援策に追われ、患者も医療提供者も翻弄され、解決は先送りとなり、制度が立ち行かなくなることにあると考えますが、どう思われますか伺います。
 次に、高齢者が必要な医療を受けられなくなることです。
 むだな医療費は削減していくのは当然ですが、この制度は、さまざま網をかけて、高齢者にとって必要な医療を受けることができなくなる仕組みとなっています。五百八十を超える自治体が、後期高齢者に対する人間ドック補助を打ち切りました。県としては何か支援策をお持ちですか、伺います。
 包括払い月六千円定額制度では、今後、必要な検査や診療が受けられるか心配ですし、終末期における延命治療の相談料も、新たに診療報酬に加わりました。
 各県の医師会も反対の意見を示し、茨城県医師会は県議会に反対の意見書を提出しました。知り合いの複数の医師も「こんなのだめだよ」と断言しています。日本医師会ははっきりと反対とは言いませんが、この制度では医療が保てないと、独自の老人医療制度を提唱しています。
 本制度は、医療費抑制だけが目的の、高齢者の実態を全く無視した医療制度であり、この国を支えてこられた高齢者の皆様の命を守る国の姿勢が大きく問われています。
 私たちは、この制度を一度白紙として、もとの老人医療保険制度に戻して、さきの国会で取り上げられた特別会計や、いわゆる埋蔵金、税金のむだ遣いについての議論を進展させる中で、仕切り直しをすべきであると主張しておりますが、知事御自身はいかがお考えでしょうか、御所見を伺います。
 次に、企業の閉鎖に伴う再雇用対策と企業誘致等にかかわる人材の確保・育成等についてであります。
 昨年の松下ホームアプライアンスの閉鎖に続き、パイオニアの八田御勅使南工業団地への進出計画の撤回、さらに中央市のパイオニア工場も閉鎖することが明らかとなりました。
 企業の閉鎖の際には、従業員の処遇が大きな課題となるわけですが、今回のパイオニアの閉鎖では、六百人近い従業員の再就職問題等が、今後、労使交渉の場で協議されるものと思います。
 雇用先の確保は従業員の生活を左右する問題であり、閉鎖会社が責任を持たなければなりませんが、従業員が多く、しかも雇用情勢が厳しくなっている折から、支援体制の整備が求められます。同様な境遇にある鹿児島県では、再就職のあっせんのために、労働局が県などを構成員とした雇用対策本部を設置しました。
 私は、本県においても、企業の撤退や閉鎖に伴う再雇用問題に対応できる支援体制の具体的な検討が必要と考えますが、御所見を伺います。
 また、人材不足などを理由に東京エレクトロンが宮城県へ進出した例を見ても、企業誘致、産業振興に向けた人材の確保・育成への取り組みが重要です。
 フォーラム政新では、四月に県立産業技術短期大学を訪れ、ロボットの製作や旋盤などを使った物づくりの授業を参観するとともに、学校関係者と意見を交換いたしました。
 同大学校の卒業生の就職率は、毎年度一〇〇%を達成しているとお伺いしましたが、ことしの在籍者は定員の八〇・五%であり、総定員二百人に対して在籍者百六十一人、県内の工業高校卒業生の在籍割合は二三%、学科によっては大幅に定員割れをしており、残念な実態であります。
 企業の卒業生に対する評価は高いにもかかわらず、入校者が定員に満たないのはどういうわけか、考えさせられました。
 県が企業誘致を初め産業振興を重点施策としている中で、同大学校の大いなる活用方策を検討することは、タイムリーであり、意義ある喫緊の課題と考えます。
 しかし、県内の高校生を対象にした認知度調査では、二年生では実に八二%、三年生で六七%が、同大学校を知らないと答えています。
 そこで、県内の工業高校はもとより、普通高校からの入学率を高める方策を関係機関の連携のもとに取り組み、また、同大学校の充実を図ることで、企業が望む優秀な技術系人材の育成を一層推進すべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、私は、経済の基礎である物づくりを大事にする社会的機運を高める必要性を強く感じており、県としての対応を期待しているところですが、いかがでしょうか。
 次に、酪農の振興についてであります。
 飼料高騰などに伴う酪農家の経営危機は想像を絶するものであり、我々県民の食生活にかかわる問題としても、重要な関心事であります。
 本県の八ヶ岳南麓地域や富士西麓地域の酪農家による牛乳生産は、甲州牛やフジザクラポークなどの畜産物の生産とあわせ、果樹に次ぐ生産額を上げており、本県農業の一翼を担っております。
 しかしながら、米国におけるバイオエタノールの需要拡大に伴う飼料価格の高騰がとまらず、本年度第一・四半期の農家の飼料価格は、平成十八年十月の価格と比べて、二〇%以上の上昇となっております。
 過日、私は地元の酪農家から、昨今の苦境をお聞きし、フォーラム政新が訪問したJA中央会では、本県の酪農に対する原油や飼料価格高騰のあらしの甚大な影響をお伺いしました。
 この状況下では、現状の配合飼料価格安定制度による価格差の補てん金だけでは、安定した経営を営むには、とても十分とは言えず、酪農家からは「飼料価格の高騰は我々の想像を超えている」、「資金繰りが苦しく、借入金返済が難しい」、「これ以上、飼料が高騰すると、経営は続けられない」など、悲痛な訴えが寄せられています。
 今後も原油価格は上昇すると見られ、飼料価格や資材のさらなる高騰も見込まれており、酪農家の不安も募る一方であると思われます。
 こうした事態を受けて、国は、本年二月に決定した飼料価格高騰に対応する緊急対策に続き、加工原料乳の補給金単価の再引き上げなどを柱とする総額七百億円規模の追加支援措置を実施するとのことです。
 県としても、これを機会にしっかりと支援をして、これ以上、酪農が衰退しないような強力な施策を講じなければ、乳製品の生産が減り、学校給食用の牛乳やバター等の安定供給ができなくなると危惧されますが、御所見を伺います。
 また、今後も安定した供給体制を維持するには、現在の若手酪農経営者に対する経営や技術に関する指導等が不十分との声もお聞きしました。
 経営環境が激変する中で、酪農の安定経営に向けた営農指導の充実が必要かと考えますが、あわせて御所見を伺います。
 最後に、学校における食育の推進についてであります。
 子供たちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていくために、食育を知育・徳育・体育の基礎となるべきものと位置づけて、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実感できる人間を育てるために、食育の推進が行われています。
 平成十九年度、県教育委員会は五名の栄養教諭を採用し、文部科学省食育推進委託事業を実施し、先般、その報告書をまとめられました。
 それによりますと、「学校の食育指導において、学級担任が栄養教諭と連携した授業を実施し、効果的で充実した内容の食指導が展開できた」、また「食材の栽培や調理等の楽しい体験活動を取り入れたことにより、食に対する感謝の気持ちが芽生え、食欲も高まり、給食の残量が減った」など、栄養教諭の必要性を高く評価しています。
 そこで、食育推進のために、栄養教諭や学校栄養職員の専門性を生かし、継続的に指導することが定着するように、学校の食育の全体計画や年間指導計画の中に、栄養教諭や学校栄養職員を明確に位置づけることが大切と考えますが、御所見を伺います。
 また、現在、県内小中学校三百校余りの食育に、五名の栄養教諭と九十一名の学校栄養職員が従事していますが、勤務内容は、複数の学校を受け持つ兼務が多いのが実情です。
 私は、食育指導の効果が報告されている中で、どこの学校の児童・生徒にも、満遍なく食育指導が十分に行き渡ることを願っているところですが、兼務の多い現行の勤務体制で、問題点はないのでしょうか。御所見を伺います。
 以上で質問を終わります。
---
◯議長(内田 健君)進藤純世さんの質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
---
◯知事(横内正明君)進藤議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、フォーラム政新を代表されまして、四川大地震など大災害に言及されて、本県においても災害に対する備えが非常に重要であるとの認識から、県政各般にわたりまして御質問をいただきました。
 私も、県民の生命・財産の安全を確保することは、県政の最も基本的な任務であるという思いでありまして、今後とも、県民が安全で安心して暮らせる社会をつくっていくために全力で取り組んでまいりますので、御理解、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、「暮らしやすさ日本一の県づくり」の推進について、御質問がございました。
 人間生活にとって、暮らしやすさ、住みやすさとは、都市的な利便性と農村的なゆとり、そして物理的な豊かさと心の豊かさというものが、バランスよく調和したところに生まれるものと考えます。
 この点、山梨県は、大都市東京に隣接するという利便性の高さがあり、同時に自然の豊かさがあるために、暮らしやすさを高めていく条件が、他県に比べても整っていると考えます。
 現に、旧経済企画庁が平成四年から平成十一年まで、各都道府県別に生活に関するいろいろな指標を総合いたしまして「豊かさ指数」というものを作成し、公表しておりましたけれども、山梨県は常に三位から五位というようにトップクラスだったことを見ましても、県民こぞって努力をすれば、「暮らしやすさ日本一」の県を実現することは十分可能だと考えまして、これを私の県政の目標としたものでございます。
 暮らしやすさ日本一を実現していくためには、まず産業経済の活性化が必要であります。
 東京に近いという立地条件のよさを生かしたクリーンで付加価値の高い産業を育成し、また誘致し、大消費地に近い有利性を生かして高収益農業を実現し、また大都市住民にいやしを提供する観光の振興や、二地域居住の促進によって交流人口を増加させるといったことによりまして、地域経済を活性化させます。
 活性化により税収が増加し、財政基盤が強化されることになりまして、これによって医療・福祉、あるいは教育・文化、環境、社会基盤などの施策をバランスよく推進し、本県の暮らしやすさを高めていきたいと考えております。
 次に、高度情報化拠点整備の方針について、御質問がございました。
 情報通信産業は、これまで我が国において着実な成長を続けており、本県経済の活性化への寄与が期待できる産業でございますので、優良な企業を誘致するなど、積極的な取り組みが求められております。
 こうした中で、高度情報エリアに整備する高度情報化拠点には、情報通信産業の集積を進めることとしておりますけれども、拠点としての機能が発揮されるためには、おっしゃるように、より多くの企業を誘致することが必要であると考えまして、県内外の企業に対して、立地の可能性についての打診を行っているところであります。
 高度情報化拠点に入居する企業につきましては、拠点の整備主体となる民間事業者が提案することになりますけれども、県といたしましても、入居の可能性のある企業に対しては、積極的にその進出を働きかけていきたいと考えております。
 また、拠点の整備主体となる民間事業者の選定に際しましては、入居企業の多さを選定基準の一つとするなどによりまして、より多くの企業の入居が可能になるように、整備方針を策定してまいりたいと考えております。
 次に、山梨大学が研究する燃料電池への県の取り組みについて、御質問がございました。
 山梨大学が国の委託を受けて、燃料電池技術の実用化に向けた世界最高水準の研究開発を行うことになりましたが、これは新分野の産業の創出とか、クリーンエネルギー産業の集積につながるものと期待しております。
 このため、県といたしましても、事業展開の上で必要な支援を積極的に行うことにいたしまして、新設する研究センターの用地として、旧知事公舎敷地を無償で貸与すると同時に、旧知事公舎等を改修いたしまして、研究関連施設として活用してもらうことを考えております。
 また、県内企業への技術移転を図っていくために、県の研究員を山梨大学に派遣すると同時に、産学官連携シンポジウムや燃料電池に関するセミナーを開催いたしまして、この燃料電池技術とか今後の市場動向などについての情報を、できるだけ県内企業等に提供をしているところであります。
 今後は、燃料電池技術の研究開発の成果を事業化につなげていくために、山梨大学を初めとする関係機関と協議しながら、できるだけ多くの県外企業がこの研究プロジェクトに参加するように呼びかけて、産学官連携による事業化推進体制を構築してまいりたいと考えております。
 また、新しくできるこの新研究センターの中に、実用化のための共同研究スペースを確保いたしまして、県内企業への燃料電池の技術移転とか、それから技術者の育成を進めることにしております。同時に、県独自の助成制度であります、成長分野研究開発事業費補助金の活用などによりまして、県内中小企業者の研究開発を支援してまいりたいと考えております。
 こうした産学官が連携した取り組みを一層推進しまして、すそ野の広い燃料電池関連産業の集積を促進していきたいと考えております。
 次に、県立病院の経営形態について、幾つか御質問がございました。
 まず第一に、地方独立行政法人に移行した場合、救命救急センターや総合周産期母子医療センターなどの高度・特殊・先駆的な医療の確保が難しくなるのではないかという御指摘についてであります。
 仮に法人に移行したといたしましても、県立病院であることに変わりはございません。政策医療の責任を果たしていくことに揺るぎはありません。
 具体的には、法人になっても、引き続き政策医療の提供が主要な任務であるということは、法人の憲法とも言える定款の目的に明記してまいります。
 また、県が議会の議決を得た上で策定する中期目標におきましても、政策医療の確保ということをしっかり盛り込み、法人が作成する中期計画においても、県が議会の議決を得て認可するわけでありますが、県民生活に欠くことのできない政策医療を確保することとしております。
 さらに、政策医療を提供するとなりますと、当然、不採算の医療になりますので、そのための必要な財源として、一般会計から運営費交付金を支出することにしておりまして、これについても、議会の予算審議を通してチェックをしていただくことになるわけであります。
 こうした事前のチェックに加えまして、県が設置する評価委員会の毎年度の評価結果も議会に報告し、御論議いただくとともに、中期目標期間を通した業務の実績などの評価結果も、同様に議会に報告するなど、事後においてもチェックが入る仕組みになっており、制度上、政策医療はしっかりと担保されます。
 二点目として、「県立」というブランドがなくなり、スタッフの確保が難しくなるのではないかという御懸念でございます。
 繰り返しになりますけれども、独立行政法人ということになりましても、県立病院であることに変わりはありません。確かに直営方式ではなくなりますけれども、法人の運営ということになりましても、引き続き県立病院でありますから、県立病院の職員として県民の医療を守るという高い使命感とプライドを持って取り組んでくれるものと確信しております。
 また、独立行政法人となった場合には、現行の定員管理の制約を離れ、業務量に応じて弾力的な職員採用が可能となります。年度間の予算の流用や年度内での経費の流用も、法人の判断で可能となります。
 このように、人員増の面や予算執行においても、県庁の各課といちいち協議という手続が不要になりまして、速やかに実現できる体制となります。
 こうしたことから、現場主義の徹底や現場機能の強化が図られまして、誇りや達成感を持って働ける、魅力ある職場づくりを通じて、人材を確保しやすい環境が整えられるものと考えております。
 三点目として、病院職員の増員は、法人化しなくても可能ではないかという御指摘がございました。
 去る三月二十六日に、包括外部監査人による監査結果の報告がありましたけれども、その報告書によりますと、県立中央病院の看護部、検査部などの各部署において、定数管理による人員の不足から、病院自体が収益をふやす機会を失っていると報告されております。
 職員数を充足することは経営面にも好影響を与え、また、ゆとりある職場づくりによる医療事故の危険性を軽減するとか、じっくりと患者に向かい合えるなど、医療の質の面からも必要であります。
 しかし、現在、国からは、定員適正化計画による総職員数の削減を求められておりまして、職種や職域に関係なく、総職員数を対象に考えていかなければならないため、病院職員のみを例外的に扱うことは困難であります。
 最後に、経営形態の改革の方向としては、地方公営企業法の全部適用が望ましいのではないかという点について、御質問がありました。
 確かに、地方公営企業法の全部適用の場合には、組織編成や予算原案の作成、職員の任免など、一定の自律性の拡大は図られますけれども、単年度予算主義などの制約は残り、また、職員数も定員適正化計画の対象となりますので、自律的な事業運営を図るという観点は、一定の制約があります。
 今後、組織形態のあり方や病院職員の処遇などの課題を整理いたしまして、本年度策定する公立病院改革プランとの整合を図る中で、新たな経営形態について検討していきたいと考えております。
 次に、医師不足問題への対応について、御質問がございました。
 医師確保につきましては、山梨大学などの関係機関と連携しながら、さまざまな方策を実施しております。
 奨学金につきましては、二百二十名に上る医学生に貸与しており、また、本年度から山梨大学医学部定員が十名増加となり、来年度はさらに五名増加となる見込みであるなど、将来に向けての医師確保についての成果が得られつつあるものと考えております。
 まず、第一の御質問の、臨床研修医の定着・確保についてでありますが、臨床研修病院等と連携し、都内で開催される医学生を対象とした説明会への参加などを行っているところであります。また、県内の中核的な病院においては、医療設備の充実とか、良質な指導医師の確保等、研修医にとって魅力ある病院づくりを進めていかなければならないと、この点も大事だと思っております。
 しかし、新しい臨床研修制度では、研修先を自由に選べるようになった結果として、研修医の都市部への過度の集中という事態を招いております。
 こうした現状を踏まえると、臨床研修制度そのものを見直しする必要があり、都市部の臨床研修病院の定員の見直しや僻地診療の必修化などを引き続き国に対して要望を行ってまいりたいと考えております。
 御質問の第二の、医師の派遣につきましては、さまざまなルート、つてを通じまして、県外の大学等へ積極的に働きかけておりますけれども、全国的に医師不足の現状では、残念ながら結果につながっておりません。
 今後とも、あらゆる人脈を活用して、きめ細かなアプローチを行ってまいりたいと考えております。
 御質問の第三の、助産師の活用についてでございますが、産科医の不足により、分娩を取り扱う医療機関が減少している中で、助産師の活用は、その専門性の発揮とともに、病院勤務の産科医師の負担軽減にもつながり、有効な方策であると考えております。
 このため、過日、医師や助産師からなる、助産師活用検討委員会を設置いたしまして、助産師活用の方法とか課題について検討を進めておりまして、この議論を踏まえて、助産師外来の整備等につなげていきたいと考えております。
 第四の御質問は、病院のネットワークづくりについてであります。
 現在、二次医療圏ごとに公立病院の再編・ネットワーク化について検討を進めておりますけれども、病院間で役割分担をすることによりまして、医師の再配置を行い、住民に対して十分な医療サービスが提供できる体制の確保に向けた議論を進めております。
 先般、国におきましても、安心と希望の医療確保ビジョンというものを取りまとめて、今後、具体化を進めていくことになっておりますけれども、県といたしましても、地域の実情を踏まえて、国に対して医師不足対策について積極的に提案、要望を行ってまいりたいと考えております。
 次に、後期高齢者医療制度について、幾つか御質問がございました。
 まず、国が行った保険料調査の結果と、県による実態調査の必要性について、御質問がございました。
 先般の国の調査は、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行した際に、被保険者本人と世帯ごとの保険料がどのように増減するのかということを、全市町村を対象にして、十二のモデル世帯を設定して、各県の国保世帯の所得階級分布に当てはめて推計したものであります。
 この結果、本県の場合には、全国平均を一三%上回って、八二%の世帯で国保当時より保険料が軽減される、軽くなるという結果になりました。
 なぜそうなるかということでありますけれども、これは後期高齢者医療制度の保険料というものが、均等割と所得割とこの二つの方法で算定されることになっているのに対しまして、国保の保険料算定のやり方というのは、均等割、所得割に加えまして、資産割とか平等割という四つの方式がありまして、本県ではこの四つをすべて加味した方式で計算をしている、算定している市町村が圧倒的に多い。これは極めて技術的なことでありますけれども、分析いたしますと、そういうことであります。それが原因だということであります。
 いずれにしても、国が指定をしてきた調査方法をそのまま当てはめて、そのやり方で計算をした結果であります。
 なお、実態調査をすべきだというお話でございますが、今回の調査結果を踏まえて、既に新たな軽減措置が講じられてきておりますので、現時点において、県独自で調査することは考えておりませんが、今後もこの問題についての実態の把握には十分努めていきたいと考えております。
 次に、制度が存続できるのかという御質問がありました。
 この制度を維持していくためには、何よりも医療費の適正化が重要な要素でありまして、医療費を適正化していくために、県は県民への普及啓発を行う。広域連合は、レセプトオンライン化などを活用して、医療費の分析と、市町村への情報提供を行う。市町村は、健診とか保健指導を通じて病気や介護の予防を推進し、また、重複したり、受診回数が多い受診者に訪問して指導を行うといった、それぞれの機関において、特段の努力が求められるものと考えております。
 次に、人間ドックについての支援策について、御質問がありました。
 人間ドック助成事業につきましては、八つの市町村が、国保会計や一般会計で独自に保健事業の一環として実施してきたところですけれども、今回、後期高齢者医療制度の創設に伴いまして、七十五歳以上の医療制度が市町村の国保から切り離されて、広域連合が運営することになったために、二つの市で人間ドック事業を取りやめたということであります。
 また、後期高齢者医療制度の創設によりまして、それまで市町村で実施してまいりました七十五歳以上の高齢者の健診事業については、広域連合においては努力義務とされております。県としては、高齢者の健診を継続することが必要、また適当だと判断いたしまして、後期高齢者保健事業費補助金を創設して、広域連合にこの高齢者健診を継続するように支援しております。
 最後に、この後期高齢者制度を一度白紙に戻して議論を進めるべきだという御主張であります。
 従前の続けてきた老人保健制度に対しましては、従来から、高齢者を構造的に多く抱える市町村の国保をどうやって支えていくかとか、現役世代と高齢者の世代の負担割合をどうするのかとか、複数の疾患や慢性疾患を抱える高齢者の心身の特性を踏まえた医療提供が必要ではないかとか、いろいろさまざまな問題が指摘されておりまして、これを改善していかなければならないということが言われ、長い議論の末に、この後期高齢者医療制度が創設されたものと認識しております。
 また、制度の実施に当たりましては、市町村や広域連合におきまして、システムの開発などに二年間にわたる膨大な準備作業を経まして、この四月から実施されたものであります。
 この制度をやめるということになりますと、行政的に非常に混乱を生じますので、当面は運用面での改善を図っていくことが、現実的な対応であり、抜本策については国会で与野党、十分に協議して、よい結論を得てもらいたいと考えております。
 最後に、企業の閉鎖に伴う再雇用対策と、企業誘致等にかかわる人材の確保・育成等について、幾つか御質問がございました。
 まず、企業の閉鎖に伴う再雇用対策についてでありますが、離職者の発生は、そこに働く従業員や家族の生活だけではなく、地域経済に大きな影響を及ぼす懸念があることから、県としては、企業による再雇用先の確保や従業員の再就職について、支援を行う必要があると考えております。
 そのため、県ではこれまでも、企業の閉鎖が明らかになった段階から、企業に対しては、新たな雇用先の確保に向けて主体的に取り組むように強く要請するとともに、企業や関係団体と連絡を密にして、再雇用先の企業情報を提供してきたところであります。
 今後も、国、県の関係機関で構成する、山梨県雇用対策連絡調整会議というものがありますので、この場を活用して、離職予定者の支援策等を検討するとともに、「やまなし・しごと・プラザ」とか「人材紹介バンクやまなし」の活用を初め、職業訓練の実施も視野に入れて、再就職の支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、技術系人材の確保・育成についてでありますが、産業技術短期大学校の充実につきましては、現在、関係学校長によりまして、産業技術短期大学校と工業系高校の連携推進検討会というものをつくって、実質的に高等専門学校と同様の教育プログラムが展開できるように、具体的な連携策の検討を進めているところでありまして、明年度からカリキュラムの連携などの新しい取り組みを順次実施してまいります。
 また、工業系高校のみならず、普通高校や県外の高校などに、産業技術短期大学校の実践的な教育内容を広く紹介するために、学校訪問やイベントの開催とか情報提供などを強力に進めているところであります。
 また、教員の資質の向上や訓練内容の充実とか、地域や他の教育機関との連携を図ることによりまして、魅力ある学校づくりを推進し、多様で優秀な学生を確保できるように全力を上げてまいる考えであります。
 また、三点目といたしまして、若者のものづくり離れ、理工科系離れということがありますが、その対策という御質問でありますが、この問題は、学校現場はもとより、家庭、地域、さらには産学官労が一体となった取り組みが必要であります。
 このため、県と教育委員会が連携して、小中学生を対象とした製造現場での仕事体験や、産業技術短期大学校等における、高校生ものづくり技能塾の開催とか、さらには社団法人山梨科学アカデミーによりまして、未来の科学者訪問セミナーといったことを行いまして、ものづくりに対する総合的な理解を深める取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 以上をもちまして、私の答弁とさせていただきます。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
---
◯議長(内田 健君)総務部長、古賀浩史君。
      (総務部長 古賀浩史君登壇)
---
◯総務部長(古賀浩史君)進藤議員の財政状況の公表についての御質問にお答えいたします。
 県の財政状況につきましては、「県民に開かれた県政」を推進していくため、県民の皆様にとって、できる限りわかりやすい説明に努めていく必要があると考えております。
 このため、昨年末に策定した行政改革大綱におきましては、例えば県債等の残高の状況につきまして、残高の単純な全国比較などを示すのではなく、県の標準財政規模、つまり返済能力に対しての残高は何倍あり、全国と比較してどうか。あるいは、人口同規模団体の県民一人当たり県債等残高の平均と比較してどうかなど、できるだけわかりやすい客観的な指標を用いまして、本県が目指すべき県債等残高の水準を示すよう、工夫に努めたところであります。
 また、本年二月には、当初予算とあわせて財政の中期見通しを公表いたしまして、今後、公債費や社会保障関係費など義務的経費が増加していく状況や、主要基金の取り崩しを余儀なくされ、その残高が平成二十四年度末には半減する見通しであることなど、データをお示しして、中期的な視点から、厳しい本県の財政状況を御説明したところであります。
 今後とも、県議会や経済財政会議の場のほか、本年度から始めました、県政出張トークなどのさまざまな機会をとらえまして、県の財政状況や行財政改革の取り組み状況について、わかりやすく説明するよう努力するとともに、県独自の財政判断指標の導入等、新たな説明の工夫につきましても、引き続き研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
---
◯議長(内田 健君)福祉保健部長、小沼省二君。
      (福祉保健部長 小沼省二君登壇)
---
◯福祉保健部長(小沼省二君)進藤議員の発達障害者に対する支援についての御質問にお答えします。
 まず、五歳児健診など早期発見の取り組みについてであります。
 県では、昨年度と本年度の二年間、発達障害早期総合支援モデル事業として、峡東地域において、県と三市の教育、保健、福祉の関係機関が連携し、幼児の相談窓口や発達障害連携ネットワーク会議を設置したり、関係機関や保護者を対象とするフォーラムを開催するなど、支援体制づくりを進めているところであります。
 また、昨年度は、子ども健康支援モデル事業として、臨床心理士等による保育所での集団生活における行動観察を通して、発達障害など健康に課題のある子供の早期発見の方法や、支援体制の整備のあり方について検討を行いました。
 その結果、四、五歳児の行動上の問題把握には、専門職が出向く保育観察が効果的であるということが確認され、モデル地域ごとに早期支援を実施する関係機関同士の迅速な連携体制も構築されたところであります。
 これらのモデル事業の成果も踏まえ、本年五月現在、十二市町村において五歳児健診や相談が実施されており、今後とも市町村への普及を進め、発達障害者の早期発見・支援の手法や、発達障害者への理解、連携の輪をさらに広げ、発達障害のある幼児がスムーズに小学校へ就学できるよう、取り組みを継続していきます。
 次に、障害の発見の方法、支援策、受け入れ態勢の整備についてであります。
 発達障害者につきましては、乳幼児期の早期発見から成人期の就労支援・生活支援、さらには地域での受け入れ態勢の整備など、継続した支援が必要であります。
 このため、発達障害者支援センターを中心に、市町村や保育所、幼稚園などの支援関係者に対する発見や支援方法のスキルアップを図る研修を行うとともに、医療、保健、福祉、教育、就労などの関係機関が連携して、ライフステージに応じた相談支援事業を実施しております。
 また、本年三月には、発達障害者圏域支援体制整備モデル事業の成果を踏まえ、関係者が実際の場面でマニュアルとして活用できるようまとめた、発達障害者支援体制整備指針を策定しました。
 今後求められる青年期・成人期の支援のあり方や、地域における支援の核となるマネジャーやサポーターなどの養成に取り組んでいくこととしています。
 以上でございます。
---
◯議長(内田 健君)農政部長、遠藤順也君。
      (農政部長 遠藤順也君登壇)
---
◯農政部長(遠藤順也君)進藤議員の酪農の振興についての御質問にお答えします。
 予想を上回る配合飼料価格の高騰が続いていることから、我が国の酪農全体が大きな影響を受けており、自給飼料の利用が進んでいる本県の酪農についても、経営状況は厳しいものとなっております。
 こうした中、国は本年二月、酪農家に対する支援として、自給飼料の生産拡大に対する支援交付金の創設や、飼料生産に必要な機械の購入経費への助成などの緊急対策を打ち出し、さらに六月には、支援交付金の上乗せなどの追加対策を講じたところであります。
 県としては、農業団体と連携して、牧草や飼料用トウモロコシの作付面積の拡大を図るなど、自給飼料の増産を促進し、酪農家の経営体質の強化に努めてまいります。
 また、今回のコスト上昇分は、牛乳等の販売価格に転嫁せざるを得ない状況にあることを消費者に理解していただくため、パンフレットの配布や新聞広告など啓発活動を実施するとともに、消費拡大を図るためのイベントを行うこととしています。
 酪農家への営農指導については、従来から畜産技術普及センター、酪農試験場及び家畜保健衛生所が一体となり、技術面や経営面の指導を実施してきましたが、今回の飼料価格高騰を踏まえ、県、JA、畜産関係団体などから構成する経営指導プロジェクトチームにより、個々の経営内容に沿った濃密な指導を実施してまいります。
 以上でございます。
---
◯議長(内田 健君)教育長、廣瀬孝嘉君。
      (教育長 廣瀬孝嘉君登壇)
---
◯教育長(廣瀬孝嘉君)進藤議員の御質問にお答えします。
 まず、新県立図書館の建設についてであります。
 新県立図書館の整備日程については、八月末に策定予定の高度情報エリア整備方針と整合を図ることから、九月に整備計画を策定し、本年度後半に設計に着手したいと考えています。今後も、スピード感を持って図書館整備に取り組み、できるだけ早く開館できるように努めてまいります。
 次に、学校における食育の推進についてであります。
 学校における食育は、全教職員の共通理解のもとに、学校給食を生きた教材として活用しながら、給食の時間を初め、学級活動、各教科、道徳や総合的な学習の時間など、学校の教育活動全体の中で行うことが重要です。
 このため、県教育委員会では、平成十九年三月に作成した、学校における食育推進の手引きを全教職員に配付し、学校長のリーダーシップのもと、栄養教諭や学校栄養職員が中心となって、食に関する指導全体計画や年間指導計画を作成するとともに、その中で、栄養教諭等と一般の教職員との連携した指導を位置づけるように求めています。
 このように、食育は全教職員が一丸となって学校全体で行うものであり、一般の教職員や管理職を対象とした食育に関する研修会を開催するとともに、職員の勤務体制などにも配慮しながら、中核的な役割が期待されている栄養教諭等には、専門研修の受講や相互の連絡調整、情報交換を行う機会を設けるなどして、どこの学校の児童・生徒でも十分な食育指導が受けられるよう、取り組んでいます。
 以上でございます。
---
◯議長(内田 健君)監査委員、横森良照君。
      (監査委員 横森良照君登壇)
---
◯監査委員(横森良照君)進藤議員の地方公共団体の財政の健全化に関する法律に対応する監査委員の審査についての御質問にお答えします。
 本年四月に施行されました地方公共団体の財政の健全化に関する法律におきましては、監査委員の新たな役割としまして、知事から提出された健全化判断比率及び資金不足比率と、その算定の基礎となる事項を記載した書類を審査することが求められております。
 審査に当たりましては、公認会計士や税理士等専門的知識を有する職員も積極的に活用し、比率算定の基礎となるすべての数値とその算出過程などにつきまして、正確性、客観性を厳格に審査するとともに、議員御指摘の経営管理の観点からの意見も必要に応じて付すなど、将来にわたりまして本県財政の健全化に資するよう、質の高い監査の執行に努めてまいります。
 以上でございます。
---
◯議長(内田 健君)当局の答弁が終わりました。
 進藤純世さんに申し上げます。残り時間は三分であります。
 再質問はありませんか。進藤純世さん。
---
◯進藤純世君 県立病院の経営形態についての再質問をいたします。
 県立病院の経営形態については、非常に県民の関心が高く、私がいろいろな方とお会いするたびに、「先生、県立病院を今までどおり県病院で、みんな、患者の人も非常に病院で親切にされて頼りにしてますから、これが民間経営になるようなことがないように、ぜひとも今の状態を保っていってもらいたい」というような希望を、声をよく聞きます。
 それで、私たちは全部適用というようなことでやっていけば一番いいのではないかと考えたわけですが、このことについて、まだ本当によく論議しているということがないんです。ですから、もっともっと、四つの形態の中で、どれが一番適しているかというようなことを十分に議論していくことが大事ではないかと考えます。
 県立病院のこのブランドを大切にし、しかも県立病院が担っている急性期医療拠点という意味からも、さらに十分な議論が必要であり、県民に対しても、広く意見を聞き、また情報を伝えて、理解していっていただくというような、公聴会のような機会をぜひつくっていただきたいと思います。そして、県民の声を十分に聞いていただきたいと思います。
 またもう一つは、一度、経営形態を変えてしまうと、途中で、これはまずかったから変えようといっても、そう簡単に変えられるものではないと思いますので、十分に、決定する前に検討する機会を、さまざまなところで、行政も議会も、それから一般県民に対しても、そういう機会をつくって、ぜひ十分な検討をしていただきたいと希望いたしますが、御所見を伺います。
---
◯議長(内田 健君)知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
---
◯知事(横内正明君)ただいま、県立病院の経営形態の問題につきまして、十分に時間をかけて、また県民の意見を幅広く聞いて検討するようにという御指摘がございました。
 議員の御指摘のように、県立病院は本県の一番中核的な、また基幹的な病院であり、また県民にとっても最も信頼している病院でございますので、この経営形態を変更するということに対しては、これは県民の皆さんの関心も極めて高いと、私も承知をしております。
 したがいまして、御指摘がありましたように、十分、いろいろな場で県民の意見をお伺いする。もちろん、議会の御意見もございましょうし、また、それ以外にも県政モニターとか、あるいは県政クイックアンサー制度とか、あるいは私がやっておりますひざづめ談義とかいろいろなものがありますけれども、いろいろな機会をとらえて、幅広く県民の御意見を伺い、同時にまた、おっしゃるように十分な時間をかけて、この議会でも十分議論していただきながら、検討していきたいと考えております。
---
◯議長(内田 健君)進藤純世さんに申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって進藤純世さんの代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                          午後二時十九分休憩
      ───────────────────────────────────────
                                        午後二時四十九分再開議
---
◯副議長(樋口雄一君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
 発言の通告により、白壁賢一君に二十分の発言を許します。白壁賢一君。
      (白壁賢一君登壇)(拍手)
---
◯白壁賢一君 山を登り、谷を下り、大勢の郡内からの支持者の皆さん、大変御苦労さまでございます。数年前まで、相当、郡内地域というのは忘れられ、放っておかれていました。今は、横内知事のおかげをもちまして、トンネルの向こうに一点のともしびが見える、そんな期待を寄せているところでございます。
 知事、ぜひ郡内地域をよろしくお願いいたします。
 私は、自由民主党輝真会を代表し、今定例県議会に提出されました案件並びに県政の重要課題について、質問いたします。
 「広く各国の制度を採り、開明に進まんとならば、先づ我国の本体をすえ、彼の長所を斟酌するものぞ。否らずして、みだりに彼に倣いなば、国体は衰頽し、終に彼の制を受くるに至らんとす」、これは西郷隆盛の「南洲翁遺訓」の一節であります。
 この遺訓を本県に置きかえますと、「新たな制度を取り入れようとするならば、まず、本県の特徴を知った上で、これを生かすべきである」、「他県の先進事例のまねをしても、本県の実情に合っていなければ機能しない」ということではないでしょうか。
 財政の改革、県庁の改革、行政サービスの改革など、県政に課題は山積しております。時代に合わなくなった行政システムは、いかにすぐれた制度であっても、変えることにちゅうちょしてはなりません。
 初めから完璧な制度などありません。さまざまな行政システムとの整合性を図り、新たな制度をどう定着させるかは、常に念頭に置かなければなりません。
 しかし、スピード感が求められる今日においては、とにかく実施に移して、少しずつ改善し定着していくことも必要と、強く感じております。
 知事は、制度がなく、前例もないといった言いわけを許さず、困難なことであっても、創意工夫を凝らし、新しい解決法に挑戦することを職員に求めております。まさにそのとおりと思います。
 私たち輝真会は、「ふるさとの明日を見つめ、おそれず、ひるまず、改革を進める」知事の姿勢に強く共鳴し、知事と共同責任を負う覚悟で、活力ある山梨のために行動することをお誓い申し上げ、以下、質問に入ります。
 最初に、組織改革についてお伺いいたします。
 まず、施策を着実に推進する組織の構築についてであります。
 私たち輝真会は、この停滞した山梨県経済を打破するためには、知事が掲げた「変える・やまなし 大胆改革宣言」が、まず何よりも大事であると思っております。
 知事は、素早くこれに取り組まれ、昨年十二月には「山梨県行政改革大綱」を策定され、また同時に「チャレンジ山梨行動計画」を策定されました。
 この行動計画は、従来の総花的計画とは異なり、四年間の計画期間の中で、知事の公約である施策・事業を中心に、重点的に、かつスピーディーに取り組むものであります。
 行動計画に掲げる施策・事業に素早く重点的に取り組んでいくためには、大綱の柱の一つである「県庁の改革」が何より重要です。
 このためには、行動計画の目標の円滑な達成が図られるよう、組織を施策分野別に再整理し、職員も、その予算配分と同様、重点配置するなど、早急に戦略的な組織として整備していく必要があると考えます。
 例えば平成十二年度に設置した県民室は企画部内にあります。従前から意思決定の二重構造が問題視されておりましたが、横内県政において、いつまでもこの中二階の組織を継続することは、とても有益とは思えません。
 大綱においては、具体的な作業スケジュールが示されておりませんが、来年度の組織再編の方向性について、お伺いいたします。
 次に、簡素でスピーディーな組織の構築についてであります。
 新たな行政課題や、複雑多様化する県民ニーズに対応するためには、権限と責任を明確化し、スピーディーに意思決定を行うことができる体制とする必要があることは言うまでもありません。
 今年度末には、一般行政部門においても、団塊の世代に該当する百名以上の大量退職が予定されており、これらの職員の多くが主要なポストに処遇されている現状から見ると、大綱に掲げる職員数の四・二%の純減を効率的に達成するためには、組織のスリム化が必須であると考えます。
 現行の県の組織を見ますと、権限と責任が不明確なポストが数多く見受けられると言わざるを得ません。
 職員のモチベーションを高めるための処遇は当然、必要でありますが、そのためには、何よりも能力と実績を重視した人事管理の徹底に努めるべきであります。
 そこで、組織再編に当たって、階層別に求められる役割や能力が明確化された簡素なわかりやすい組織・人員体制としていくことが必要と考えますが、所見を伺います。
 次に、県立中央病院の経営形態の見直しについてであります。
 県立中央病院は、救命救急医療や周産期母子医療など、不採算の診療部門や、質の高い医療・看護などを県民に提供しているため、多くの県民から信頼を得ております。
 しかしながら、県立中央病院の平成十九年度の決算は、病院建物の減価償却費が原因で、十六億円余の赤字が生じております。累積欠損金は百三十六億円余に達するとのことであります。今後も、累積欠損金は増大するため、その状況をにわかに改善することは、極めて困難であると思われます。
 県立中央病院の経営形態の見直しの目的は、病院経営の健全化の実現であります。
 私たち輝真会は、生命と健康を守るために必要な経費を惜しむものではありません。県立中央病院が、医療や看護の質を落とさずに、健全経営ができる経営形態があるならば、その方法を検討すべきであると主張してまいりました。
 これに対し、県が設置した県立病院経営形態検討委員会は、県民の安全・安心に欠かせない医療の安定的な提供、柔軟・迅速な対応が可能な体制の整備、誇りや達成感を持って働くことのできる医療現場の創出などの視点から検討した結果、本年三月に「中央病院は、一般地方独立行政法人が最もふさわしい」との報告をいたしました。
 これらの視点は、私たちが指摘してきた見直しの三つの条件に通ずるものであります。
 しかしながら、地方独立行政法人化は、一般にはまだなじみが薄いため、一部には漠然とした不安の声も聞かれます。
 そこで、一般地方独立行政法人化へ移行した場合の疑問点について、幾つかお伺いいたします。
 まず、地方独立行政法人化した場合、救命救急医療や周産期母子医療など、不採算であるが、県民生活に欠くことのできない政策医療などの公的機能をどのように維持、確保していくのか。
 また次に、地方独立行政法人化しても、最新の高度で専門的な医療を引き続き県民に提供できるのか。
 第三に、県立病院の職員は公務員でなくなってしまいますが、現在の職員の処遇はどうされるのか。
 第四に、地方独立行政法人化することで、経営形態の見直しの目的である経営の健全化について、どのような改善が図られるのか、以上の四点について、知事の所見を伺います。
 次に、産業集積の推進についてであります。
 「暮らしやすさ日本一」に向けた施策を展開するためには、産業活動を活発にし、県民所得を増大させ、税収を上げることが大事であります。
 このため、県においては、組織体制の強化を図るとともに、市町村と一体となって、産業集積の形成や活性化に関する「山梨県企業立地基本計画」を策定するなどにより、積極的に企業誘致を図っております。
 本県は、首都圏にありながら、豊かな自然環境に恵まれ、メカトロニクス及びエレクトロニクス産業の立地が進み、機械電子産業の一大集積地域が形成されてきました。
 しかしながら、最近では、松下ホームアプライアンス社甲府工場の閉鎖、東京エレクトロンAT社のエッチング部門の県外移転、そして、今般のパイオニア山梨工場の閉鎖と、既存大手企業の撤退が相次いでおり、こうした事態を目の当たりにいたしますと、本県には、企業が立地するのに必要な何かが欠けていると思えてなりません。
 全国ほとんどの県が、本県と同じように企業誘致を競っている現状において、本県の魅力は何なのか。他県に比較して、優位性は何なのかと、改めて考えさせられるところであります。
 日本を代表する洋食器などの金属加工の集積地として知られる新潟県燕・三条地域においては、アジア諸国からの輸入急増の影響を受け、存亡の危機に瀕しましたが、近年、その研磨技術を生かし、マグネシウム研磨や半導体装置研磨など、従来と全く異なった分野に進出し、新たな活路を開いたという話を伺いました。
 本県が企業誘致するためには、地場の下請企業が誘致企業のさまざまなニーズにこたえられるよう、技術力を高めていく必要があると考えますが、県はどのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。
 また、企業立地基本計画を見ますと、県は、グローバルな競争力を有する機械電子産業を中心に、さらなる産業集積を図るとしています。
 県は、どのような方法で機械電子産業のさらなる集積を図ろうとしているのか、お伺いいたします。
 次に、富士山世界文化遺産登録についてであります。
 過日、富士河口湖町において、河口湖など四湖について、湖ごとに住民説明会が開催され、湖面や湖畔を利用している地域住民と町、県との間で意見交換がなされました。
 県でも、文化財保護法や河川法等を所管している課の職員を中心に、大勢の職員が出席され、住民の質問に対して、熱心に答弁をされておりました。
 私もこの説明会に出席し、質疑の状況を聞いたわけですが、現行法を上回る規制はないとはいっても、地元にはまだまだ根強い不安があり、率直に言って「大願成就まだ道遠し」というのが、偽らざる私の感じたところでございます。
 また、住民の中には、河川敷等の湖周辺において、今まで使用が認められていたものが、世界遺産に登録されてからも、引き続き使用できるのか、河川敷等への構築物の設置等への対応はどうなるのかなどの不安や疑問の声もあると聞いております。
 こうした中、今後、富士五湖等を構成資産とし、その周辺に緩衝地帯を設定していくためには、何より住民のさまざまな不安や疑問を取り除き、地元のコンセンサスを得ることが不可欠であると考えますが、県はどのように住民の不安解消に努めていくのか、お伺いいたします。
 さらに、住民の同意を得た市町村においては、国の文化財の指定を受けるとともに、保存管理計画を策定しなければなりません。
 しかしながら、現状では市町村間の取り組みに大きな温度差があることや、県が示したスケジュールが厳しいため、限られた職員でこれらの作業を進めていくのは、極めて困難であるとの声も聞いております。
 そこで、県は、市町村が行う保存管理計画の策定作業等をどのように支援していくのか、お伺いいたします。
 また、私は、富士山の世界遺産登録は、富士北麓地域を国際交流ゾーンとして国際的なグレードを高めることになると考えております。
 このため、富士北麓地域全体の調和のとれた景観形成を進めていくことが必要ではないかと考えます。
 県は、この四月から、県土整備部の中に美しい県土づくり推進室を設置し、景観計画を策定する市町村に対して、支援を強化することとしております。
 しかしながら、富士北麓地域の統一的な景観形成を図るためには、地元市町村が一体となって取り組む必要があると考えますが、所見を伺います。
 最後に、新たな高校整備構想の策定についてであります。
 県教育委員会はこれまで、平成八年に策定した「山梨県高等学校整備新構想」に基づき、甲府城西、北杜、富士北稜の各校に総合学科を設置し、さらに平成二十二年開校に向けて、峡東地域への総合制高校を新たに設置するなど県立高校の再編整備を行っているところであります。
 しかしながら、本年三月の県内の中学校卒業者数は、本構想策定時の平成八年三月に比べ、約千七百人減の九千四十五人であります。さらに、十四年後の平成三十四年には、ピーク時の平成元年のほぼ半分になると予測されています。
 こうした中学校卒業者数の減少は、高校における生徒の科目選択幅を狭くするとともに、学校行事や部活動においても、円滑な運営の妨げになるなど、大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
 また、平成十九年春から、入学者選抜制度が小学区・総合選抜制度から全県一学区制度へと移行したことから、私たち輝真会は、新たな県立高校の再編計画を策定するよう求めてまいりました。
 県教育委員会は、ようやく今年度から県立高校の新たな整備構想の検討に着手し、平成二十一年秋をめどに整備構想を策定することを表明いたしました。
 新たな構想においては、将来の生徒数を見据え、県立高校と私立高校の分担すべき割合を明確にした上で、県立高校の定員を定めるものと考えています。
 そして、県立高校数については、総合学科を含めた普通科と職業学科との定員比率を明確にした上で、設定すべきであると考えます。
 さらに、学校の配置場所に当たっては、地域の将来の生徒数や地域バランスに配慮することが大事であると考えます。
 そこで、新たな高校整備構想を検討するに当たり、主要な論点は何なのか、県教育委員会の所見を伺います。
 以上で、自由民主党輝真会を代表しての私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
---
◯副議長(樋口雄一君)白壁賢一君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
---
◯知事(横内正明君)白壁議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 ただいまは、自由民主党輝真会を代表され、西郷隆盛の遺訓を引用されて、県政課題の解決のためには、本県の特徴を踏まえ、時代のニーズに合った行政システムを取り入れていくべきだとのお考えを示されながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 また、私のこれまでの県庁改革に対して御評価をいただくとともに、活力ある山梨の実現に向けて、ともに尽力をしていただけると、力強いお言葉を賜り、感謝申し上げます。
 今後とも、山梨を変え、「チャレンジ山梨行動計画」推進のため、私みずからが先頭に立ち、全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、施策を着実に推進する組織の構築について、御質問がございました。
 チャレンジ山梨行動計画を迅速かつ着実に推進していくためには、効率的な行政運営や行動計画に掲げた施策・事業に重点的に取り組む組織体制の整備が、御指摘のとおり重要であると考えております。
 このため、昨年度策定した「山梨県行政改革大綱」に基づきまして、簡素で効率的な、県民にわかりやすい組織を構築するとともに、重点施策や県政課題に積極果敢に挑戦する組織づくりに取り組んでいるところであります。
 本年度の組織再編におきましては、わかりやすい組織という観点から、庁内組織の各層に設けられている「室」の位置づけを再検討いたしまして、知事政策室を知事政策局に改め、部局として明確にしたということがございます。
 また、景観に配慮した安全・快適な県土を整備する組織として、土木部を県土整備部に改めたほか、外国人観光客誘致と国際交流施策の連携に向けた国際交流課の設置や、トップセールス機能を強化するため、東京事務所を知事政策局に移管するなど、施策・事業を重点的かつ戦略的に推進する組織という視点からも、さまざまな見直しを行ったところであります。
 現時点では、明年度の組織再編につきまして、具体的に申し上げる状況ではありませんけれども、今後、議員の御指摘や各方面の御意見を参考にさせていただきながら、わかりやすく、かつさまざまな課題に前向きに挑戦することのできる組織づくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、県立中央病院の経営形態の見直しについて、御質問がございました。
 一般地方独立行政法人に移行するとした場合の問題点について、四点の御質問をいただいております。
 一点目は、地方独立行政法人化をした場合に、政策医療をどのように維持、確保していくかということについてであります。
 地方独立行政法人になりましても、救命救急医療とか周産期母子医療など、引き続き提供していくことは県立病院の責務でありまして、こういった政策医療を実施するということは定款に明記するとともに、県が中期目標という形で、地方独立行政法人に対し明確に指示することとしております。
 一方、地方独立行政法人は、中期目標で指示された政策医療の確保などの事項を達成するための中期計画を作成いたします。知事は、指示事項の達成が可能かどうか、中期計画の認可という手続を通じて確認をいたします。
 このように、事前に幾つもの段階で、政策医療が確実に実施できるかどうかをチェックする仕組みになっております。
 また、事後におきましても、地方独立行政法人評価委員会による評価を通じて、チェックが行われます。
 さらに、財政面におきましても、現在と同様に高度政策医療を行うための経費に充てるため、一般会計から運営費交付金を支出することで、その提供を担保することになります。
 そして、議会におかれましては、定款、中期目標、中期計画認可の議決、交付金に係る予算審議などを通じまして、県民にかわり、病院運営が適正に行われているかをチェックすることになっております。
 二点目の御質問は、地方独立行政法人化をしても、最新の高度で専門的な医療を引き続き県民に提供できるかということについてであります。
 これも政策医療と同様に、中期目標、中期計画の中に位置づけ、一般会計から運営費交付金を支出することで、確実に提供していくこととなります。
 また、弾力的な会計制度が導入されることから、迅速に医療機器等の整備が図られると同時に、必要な医療技術者を理事長の判断で柔軟に採用することが可能になり、今まで以上に県民の医療ニーズに迅速に対応した医療が提供できるものと考えております。
 三点目に、県立病院の職員は公務員でなくなるわけでありますが、現在の職員の処遇はどうなるかという点についてであります。
 独立行政法人移行に伴う職員の身分や処遇につきましては、地方独立行政法人法という法律が可決される際の国会の附帯決議がございまして、労働条件等に配慮するように求められております。また、県立病院経営形態検討委員会の報告におきましても、職員への十分な説明と処遇に配慮すべきだとされておりますので、病院職員や職員組合の理解を得ることが重要と考えております。
 その他の勤務条件につきましては、労使交渉などを踏まえ、法人の就業規則で定めることとなりますけれども、先行している県の例では、公務員当時との違いはほとんど生じていないということであります。
 最後に、地方独立行政法人化することで、経営の健全化についてはどのような改善が図られるかという点についてでありますが、一つには、中期目標・中期計画、それに基づく実行、外部評価、そして業務の見直しというマネジメントサイクルが、制度上、きっちりと組み込まれていること。二つ目には、県の定員管理から除外され、必要に応じて職員の採用を行うなど、柔軟な人事管理が可能になるということ。三点目には、単年度主義にとらわれない機動的、弾力的な財政運営が可能になるということ。四点目として、中期計画の策定を通じて、病院職員が経営への参画意識を醸成し、計画達成への動機づけになるということなどが、メリットであると言われておりまして、地方独立行政法人化は、経営の健全化への有効なツールの一つと考えております。
 次に、産業集積の推進について、御質問がございました。
 本県が、今後、力強く発展していくためには、優良企業の誘致とともに、県内企業の多くを占める地場中小企業の技術力の強化が必要であることは、御指摘のとおりであります。
 このため、工業技術センターにおきましては、年間の行動計画を定めまして、企業ニーズに応じた技術相談や、企業に出向いての巡回指導を行うとともに、新技術・新製品を開発するための最新鋭機器を中小企業に開放したり、あるいは産学官共同研究を行うことなどに積極的に取り組んでいるところであります。
 また、センターでは、企業に在職する新任者から高度技術者までの幅広い研修を行っておりますが、加工技術の多様化・複合化に対応する「ものづくり人材育成研修」を新たに実施するとともに、産業技術短期大学校において、オーダーメイド方式による在職者訓練を行うなど、日々進展をしていく技術革新に対応した地場企業の技術力の向上に努めております。
 もう一つの御質問といたしまして、機械電子産業をどうやって集積させていくかということでありますが、本年二月に策定した企業立地基本計画では、機械電子産業の一層の集積を図ることとしておりますが、本年度は、本県に隣接し、この産業が集積している東京都多摩地域において「チャレンジ山梨企業誘致キャンペーン」を実施するなど、積極的な企業誘致活動を展開しているところであります。
 また、企業間競争が激化する中で、機械電子産業を初めといたしまして、今日の企業は、工場の立地決定から操業までを短期間で行う必要があり、早期に建設に着手することが可能な工場用地を求めております。
 このため、工場用地の整備を進める市町村を支援することといたしまして、立地条件等の基礎調査とか用地取得や造成に係る借入金の利子に対して助成をするとともに、用地整備の専門アドバイザーを派遣して、工場用地の迅速な確保に努めてまいりたいと考えております。
 こうした施策を展開することによりまして、機械電子産業を中心とする産業の集積に鋭意取り組んでまいります。
 最後に、富士山世界文化遺産登録について、幾つか御質問がございました。
 まず、住民不安の解消ということについてでございます。
 先般、御指摘がありましたように、富士河口湖町で開催された住民説明会において、河口湖など四湖に関して現況等の調査を行うことについて、住民の皆さんの合意が得られたということであります。
 この調査結果を踏まえて、再度、住民説明会が開催されることになりますので、県は、庁内関係課で構成する「富士五湖プロジェクトチーム」の職員を派遣いたしまして、湖が構成資産となった場合に、新たな制約は発生するのかどうか、また、生活への影響等はどうなるかなどについて、改めて説明を行い、正しい理解をいただく中で、不安や疑問の解消に努めてまいります。
 また、富士五湖等の周辺に緩衝地帯を設置するに当たりましても、市町村と一体となって、住民の理解が得られるように取り組んでまいります。
 次に、市町村の作業への支援についてであります。
 本年度は、登録作業が本格化をし、市町村においても、文化財の指定手続とか保存管理計画の策定等が集中することになりますけれども、平成二十三年の登録を実現するためには、その作業を迅速かつ的確に進めていくことが必要であります。
 このため、保存管理計画策定等の指導・助言に加えまして、作業手引や標準仕様書の提供とか、当年度当初予算に計上いたしました計画策定に対する助成など、市町村への支援を積極的に行い、登録事務の円滑な推進を図ってまいります。
 第三に、富士北麓地域の景観形成について、御質問がございましたが、御指摘のように、市町村が一体となって取り組んでいかなければなりません。富士北麓地域の市町村を対象とした勉強会を現在開催し、専門的な助言や情報提供などを行っております。
 今後は、美しい県土づくりのガイドラインを策定し、広域的な景観のあり方や景観づくりの手法を示すとともに、この勉強会を活性化することによりまして、富士北麓地域全体の調和のとれた景観形成を早期に図るよう、市町村を支援してまいります。
 以上をもちまして、私の答弁とさせていただきます。その他につきましては、担当部長からお答えさせていただきます。
---
◯副議長(樋口雄一君)総務部長、古賀浩史君。
      (総務部長 古賀浩史君登壇)
---
◯総務部長(古賀浩史君)白壁議員の簡素でスピーディーな組織の構築についての御質問にお答えをいたします。
 これまで、定員適正化計画に基づいて職員数を削減する中で、管理職ポストにつきましても、毎年度、見直しを行い、過去五年間において六十七、約一割のポストを削減してきたところであります。
 こうした中、昨年末、行政改革大綱を策定し、行財政運営の一層の効率化を図っていくため、行政組織のさらなるスリム化を進めることとし、あわせて、権限と責任が明確化された迅速な意思決定ができる組織づくりを目指すこととしたところであります。
 今後は、この大綱に基づきまして、四年間で四・二%の職員数を削減するとともに、団塊の世代の退職に合わせた管理職ポストのさらなる削減を図ってまいります。
 また、それぞれの職員に与えられた権限と責任をより明確化するため、業務が重複しがちな専門的スタッフ職などの中間的ポストにつきましては、順次廃止、見直しを進めていくこととし、あわせて、能力と実績を重視した人事管理の徹底を図ってまいります。
 以上でございます。
---
◯副議長(樋口雄一君)教育委員会委員長、金丸康信君。
      (教育委員会委員長 金丸康信君登壇)
---
◯教育委員会委員長(金丸康信君)白壁議員の新たな高校整備構想の策定についての御質問にお答えいたします。
 県立高校の再編整備については、生徒のニーズや地域の状況などを勘案しつつ、現構想に基づいて、教育環境の充実に努めてきたところであります。
 こうした中で、全県一学区による新たな入試制度の導入や、生徒の多様化、生徒数のさらなる減少、また、地域産業を支える人材育成の必要性の高まりなど、高校教育を取り巻く環境が大きく変化していることから、今後の県立高校のあり方や魅力ある高校づくりについて、新たな構想を策定することとしております。
 構想の策定における主要な論点としては、全県一学区を踏まえた単位制普通科、専門教育学科、総合学科等のあり方。定時制に対するニーズが多様化する中で、今後の定時制の役割やあり方、本県の地域産業を担う人材育成を重視した産業教育のあり方、県立高校以外の高校との役割分担や連携のあり方、生徒減少期にあって、学校の活力を保持するための適正規模や適正配置のあり方などが挙げられます。
 今後、学識経験者や教育関係者等で構成する構想検討委員会での議論を経るとともに、県民の皆様からも幅広く御意見を伺う中で、新たな構想を策定して、本県の高校のより一層の発展を目指していきたいと考えております。
 以上でございます。
---
◯副議長(樋口雄一君)当局の答弁が終わりました。
 白壁賢一君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって白壁賢一君の代表質問を打ち切ります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 明二日、午後一時、会議を開き一般質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                                         午後三時二十八分散会