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平成19年6月定例会(第2号) 本文




2007.06.19 : 平成19年6月定例会(第2号) 本文


◯議長(内田 健君)これより本日の会議を開きます。
 直ちに日程に入ります。
 日程第一、諸般の報告をいたします。
 きのう付をもって、秋山隆信君から、地方自治法第百二十六条の規定に基づき、議員を辞職したい旨の願い出がありました。
 次に、第七十八号議案中、山梨県職員の退職手当に関する条例の一部改正に係るものは、職員の勤務条件等に関する条例の改正案であります。
 よって、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を徴したところ、お手元に配付のとおり、適当と考える旨の回答がありました。
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梨人委第五百三号
平成十九年六月十五日
   山梨県議会議長  内 田   健 殿
山梨県人事委員会委員長   浅  井  和  夫
             意見聴取について(回答)
  平成十九年六月十四日付け議調第百九十二号で意見を求められた次の議案については、適当と考えます。
    第七十八号 山梨県職員の退職手当に関する条例中改正の件
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◯議長(内田 健君)次に、監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定に基づき、例月現金出納検査結果の報告がお手元に配付のとおりありました。
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梨監第二百六十五号
平成十九年六月十五日
   山梨県議会議長  内 田   健 殿

山梨県監査委員   野  田  金  男
                同         早  川  正  秋
                同         清  水  武  則
同         高  野     剛
             例月現金出納検査の結果について(報告)
 このことについて、地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき、平成十九年四月分例月現金出納検査を平成十九年五月三十一日に実施しました。その結果は次のとおりですので、同法同条第三項の規定により報告いたします。
 一般会計、特別会計、企業会計及び基金に係る平成十九年四月分現金出納状況は、別添歳入歳出計算書、試算表及び基金に属する現金保管状況調書のとおり、適正に処理されていたことを認めます。
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◯議長(内田 健君)次に、日程第二、議員辞職の件を議題といたします。
 秋山隆信君から、議員の辞職願の提出がありました。
 お諮りいたします。秋山隆信君の議員の辞職を許可することに御異議ありませんか。
      (「異議なし」と呼ぶ者あり)
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◯議長(内田 健君)御異議なしと認めます。よって、秋山隆信君の議員の辞職を許可することに決定いたしました。
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◯議長(内田 健君)次に、日程第三、知事提出議案、第六十七号議案ないし第九十六号議案、承第三号議案ないし承第五号議案を一括して議題といたします。
 これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第四の県政一般についての代表質問を行います。
 発言の通告により、臼井成夫君の発言を許します。臼井成夫君。
      (臼井成夫君登壇)(拍手)
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◯臼井成夫君 私は、自由民主党を代表しまして、本議会へ提出されております案件並びに県政一般について質問いたします。
 去る二月十九日、県庁前庭で多くの職員の出迎えを受け、第五十九代山梨県知事に就任された横内知事、県政を担われて丸四カ月が経過いたしました。
 県民から負託された職責の重みをかみしめながら、公約である「山梨を変える」というとてつもない大きな仕事に、真一文字に取り組んでおられる様子をかいま見ている私は、心から敬意をささげたく思います。
 ところで、先般行われた安倍首相の講演会に知事が出席したことを取り上げて、「県議会で一党一派に偏しないことを答弁していながら行動が伴っていない」と、一部から批判が出たとの報道がありました。
 しかし、二月県議会における知事答弁は、県政運営に当たっての知事としての政治姿勢、行動規範について述べられたものと思います。
 知事が公人として、政治家として、「一国の最高責任者の考え方を聞きに行く」ことは、何ら批判される筋合いのものではありません。知事には、臆することなく、みずからの信念に従って県政に取り組まれることを大いに期待いたします。
 さて、知事が長年培った豊かな人脈とみずからが先頭に立って行動する「トップセールス」により、「山梨を変える」ことがかなうものと私は確信いたしますが、山梨の地域経済や企業経営は一部を除き、いまだ厳しく、この打開は容易ならざることと思えてなりません。
 本県経済が活性化しなければ、県財政の再建は難しく、知事が提唱する「暮らしやすさ日本一」の山梨を実現することはできません。ゆえに私は、県庁職員五千人余の尽力に期待を寄せるものであります。
 知事は「山梨を変えるには、まず県庁を変えること、県庁改革の第一は、職員の意識改革である」と常々訴えていますが、果たして知事のその思いが、すべての職員に十分浸透しているのでしょうか。知事はさらに「知恵を絞り、汗をかくよう」求めていますが、知恵とは創意と研さん、汗とは戦略に基づいた行動であります。しかし、このことに真剣に挑戦している職員が、まだ少ないように思えてなりません。多くの職員は、知事のイズムやポリシーを心では理解できても、職務の中でそれを具体的な行動として示すことができていないような感を私は抱いております。
 そして、もう一つ、私は職員によく質問をいたしますが、そのセクションにあっても即座に答えられない幹部職員がおり、勉強不足を否めず残念でなりません。
 安倍内閣は三年以内に道州制ビジョンを策定することとし、十年ないし十数年後には、道州制導入が現実のものとなるでしょう。
 「山梨県が巨大な都県に埋没し、アイデンティティは瓦解、価値や存在感をこのままでは喪失してしまう」これは、横内知事が訴えてきたことであり、まさに山梨を変え得るか否か、知事及びそのもとにある県庁職員の双肩にかかっております。
 知事は、就任後、「積極的な姿勢と直向きな努力、加えて現場主義」を基準に人事等を断行いたしました。トップセールスの前線基地としての東京事務所長や企業誘致担当の産業立地室長に部長級を充て、郡内と国中地域の格差是正に取り組むための郡内地域担当知事補佐官を置き、また知事直轄スタッフを充実し知事政策室に改め、さらには副知事を任用し、待ったなしの庁内体制を築きました。
 加えて、元外務大臣の柿澤弘治氏を特別顧問として招聘されました。国内外に豊富な人脈を持つ同氏は、山梨県にとってはまことに希有な存在であり、大所高所から知事のトップセールス等をサポートしていただけるものと、その手腕に期待するものであります。
 そして、知事みずからが議長を務める経済財政会議の設置、大型ショッピングセンターの規模縮小、ひざづめ談議やクイックアンサーの導入、加えてマニフェスト百二十七のうち、百近くを緒につけ、持ち前のスピードとフットワークを持って、行政トップの責を遺憾なく発揮してまいられました。
 この上は、高い士気とモラルを持った職員のチームワークによる、県庁総合力の向上こそが肝要でありますし、就任一年余を迎える来年度当初には、過去、朝令暮改にすぎた県庁組織の見直しを望むものであります。
 私は識見に富んだ知事のさらなる指導力に強く期待をし、以下質問に入ります。
 山梨再生に向けた行動計画について。
 知事は、公約である百二十七項目の政策提言をスピーディーに実行するため、四年間の具体的な取り組みとして「やまなし再生に向けた暫定版行動計画」を策定しました。暫定版とはいえ、政策提言の多くの方向性が示されており、着実に実行することを期待します。
 行動計画の基本は、政策提言の具体化にありますが、このアクションプランには、知事は山梨県をどう変えようとしているのか、横内県政が目指す県土の姿とはどういうものかが、記述されておりません。
 市町村合併の後の課題は道州制であり、それが現実のものとなろうとしています。
 知事がマニフェストで記しているように、道州制を念頭に置き、自立した地域循環型の経済基盤を築き、隣接都県から必要とされ、存在感ある山梨県をつくってまいらねばなりません。
 県民は、横内知事の強い交渉力、中央や要人とのネットワーク、軽快なフットワークに期待しています。
 そこで、知事の目指す山梨づくりとはどのようなものか、また、それをどのような形で県民に示していくのか、お尋ねいたします。
 次に、リニア中央新幹線の早期実現と中央線の高速化について。
 過般、来県された安倍首相は、リニアは山梨県民のみならず、国民の夢であり、近く閣議決定すると言及されております。
 また、JR東海の松本社長は、みずからのイニシアチブのもと、平成三十七年までに首都圏から中京圏の営業運転開始を目標とする旨発表いたしました。
 まさに、リニア中央新幹線の実現が、夢から現実に向かって大きく歩み出したものと歓迎するとともに、「リニア中央エクスプレス建設促進山梨県期成同盟会」の永年にわたる活動の成果であると思います。
 また、山梨リニア実験線は、早ければことしの秋ごろから一般区間の建設工事に着手し、平成二十五年度末までには、実験線全線を完成させ、その後、約三年間各種走行試験を行い、リニア実用化へのめどをつけるとのこと。
 このような中で、リニア中央新幹線の早期実現に向けた今後の取り組みとあわせて、リニア実験線完成に向けた国への協力について、知事の所見を伺います。
 さらに、中央線は本県の活性化に欠かせない大切な交通基盤であり、高速化を初めとする利便性の向上が強く求められており、知事も私どもと同様の認識を示していることは心強い限りです。
 我が県議会でも、「中央線高速化促進山梨県議会議員連盟」を超党派で設立いたしました。
 本年度、県が主体となって、新たに「中央線高速化促進広域期成同盟会」を設立することは、一歩前進であり、我が会派としても全面的に支援いたします。
 毎年、首都圏に就職・進学する多くの県民は、中央線の所要時間を理由に、県外への流出を余儀なくされております。
 高速化で通勤通学が容易になることにより、定住人口の流出は大いに防げます。
 このことは、路線の改良、新型車両の導入、都内の過密ダイヤの解消など、さまざまな課題が提起されていますが、この実現に向けて、県はどのように取り組むのか伺います。
 次に、甲府中心市街地の活性化及び再開発と宝石美術専門学校の移転について。
 活力に満ちた山梨県を築くためには、県全体の発展を牽引するセンターとして、甲府中心市街地の再生が喫緊の課題であります。
 現在、甲府市による駅北口整備事業は進んでおりますが、駅南側地区は、かつての西武撤退以来、空き店舗や空き地が大幅にふえ、まちの魅力や活力が極めて低下しています。このため、本格的に活性化・再生するためには、駅南側の低未利用地などの積極的な活用が不可欠であります。
 また、甲府中心市街地は、JR中央線によって分断され、都市機能が阻害されているため、南北の連絡強化が重要であることを痛感します。
 今年度、甲府市において、新中心市街地活性化法に基づく基本計画の策定が進められていますが、県はこうした課題にかんがみ、甲府中心市街地の活性化及び再開発について、どのように取り組まれるのか、所見を伺います。
 さらに、知事は、宝石美術専門学校の市街地再開発ビルへの移転を決断されました。
 宝石学校の移転整備は、単なる教育環境の向上ばかりではなく、学生や職員に加え業界関係者等が集う場所として、地域や宝飾業界のイメージアップなど、さまざまな波及効果を期待でき、まさに時宜を得たことと思います。
 そこで、この移転が、中心市街地活性化にどのような役割を果たすのか、あわせて伺います。
 次に、地場中小企業の振興と金融支援の充実について。
 県内景気は、製造業を中心にいささか回復していると言われていますが、多くの県民は、実感が持てない現況にあります。
 特に、本県の主要な地場産業であるジュエリーや織物、和紙などの業界は、バブル景気崩壊以降の長期にわたる売り上げの落ち込みなどにより、厳しい経営を余儀なくされ、後継者の確保にも苦慮している実態であります。
 また、県内の地場中小企業では、熟練技術者の高齢化や若者のものづくり離れが深刻化する中で、地場中小企業が活性化し、魅力ある産業となるためには、本県の製品・商品の品質を高め、「ブランド力」のあるものとしていかなければなりません。県水晶宝飾連合会は、このたび中小企業庁よりJAPANブランド育成支援事業の採択を受け、ブランド確立の事業に着手していますが、これらも含め地場産業への県の支援について伺います。
 さらに、県内中小企業を取り巻く金融状況は、依然として厳しく、倒産は件数、負債総額ともに前年度を上回っており、日銀甲府支店によれば、県内企業の資金繰りは、全国に比べて改善がおくれています。
 また、県信用保証協会は五年連続で赤字となり、厳しい経営を余儀なくされております。
 中小企業金融の円滑化には、信用保証協会の経営改善が急務であり、協会の自助努力とともに、県によるリスク補てんも必要と考えます。
 加えて、ことし十月からは信用保証制度の改正により、保証協会がリスクを全額負担する全部保証から、融資金融機関がその一部を負担する責任共有制度へ移行いたします。
 これにより、金融機関が経営基盤の脆弱な中小企業への融資に慎重になることが想定されますが、中小企業の金融支援にどのように取り組むのか伺います。
 次に、大型ショッピングセンターの出店規制と行政指導、加えて中小小売業の支援策について。
 甲府市周辺部において、過去最大級の大型ショッピングセンターを初め、大規模な商業施設の出店計画がメジロ押しの状態であります。
 昭和町と甲斐市に計画されている大型ショッピングセンターの年間売上額は約三百九十億円、これに中央市医大南部地区に計画される施設の売り上げ約七十億円を加えると、三施設だけで四百六十億円に達し、三施設以外に計画中の大型店を含めれば、甲府市中心商店街の年間売上高約五百六億円にも匹敵いたします。
 個人消費の伸び悩みにより、小売業の動向は今後も厳しくなる中、相次ぐ大型ショッピングセンターの出店は、商圏となる甲府盆地全体の中小小売店や地場の大型店の売り上げを減少させ、廃業に至らせしめることも予想され、甲府盆地の既存小売業は壊滅状態に陥ると言っても過言ではありません。
 山梨に、もうこれ以上、大型ショッピングセンターは不要です。知事は、権限を最大限駆使され、出店を規制すべきであります。
 一方、昭和町に計画中の大型ショッピングセンターについて、知事は、再検討を昭和町長に要請しましたが、この問題は、中小小売店にとっても、地元住民や地権者にとっても、早期の解決が求められており、大変厳しい案件でありますが、昭和町だけではなく、区画整理組合準備会の方々とも、知事は直接十分に協議すべきと考えます。
 今後、大型ショッピングセンターの出店規制や行政指導をどのように行うのか、また、永年血の通った近所のお店として、地域住民の消費を賄ってきている中小小売業をどのように支援していくのか、所見を伺います。
 次に、企業立地の推進と全庁的取り組みについて。
 知事は、多面的な企業立地による県内経済の活性化を政策の柱としておりますが、企業立地は、税収増による財政の健全化はもとより、雇用の創出及び人口の社会増、県内企業への受注機会の拡大など、その効果ははかり知れません。
 昨今、地価の下落、製品の内製化、また、国内の生産コストの低下などから、海外に進出した企業の国内への回帰が進んでおり、かつて塩漬け状態であった工業団地が今は売り手市場となり、売り切れとなった自治体も多くあると仄聞しています。
 しかしながら、本県では、ほぼ完売になった東部基幹工業団地のような例はいまだまれであります。
 知事は、本年度、企業誘致による県内経済の活性化を図るため、商工労働部内に産業立地室を新設しましたが、誘致を成功させた埼玉県では、かかわる職員数は四十二名、本県と同規模の佐賀県では三十七名体制であります。
 産業立地室を、知事の直轄のセクションとする組織改正と職員の増強を強く望むものであります。
 また、企業立地に当たっては、製造業だけではなく、本社機能、試験研究機関、流通業界もターゲットにすべきであり、さらに、研究開発の段階から企業を呼び込み、事業化の暁には、本社や工場を本県内に立地してもらう、いわゆる「内発的」な企業誘致、これは岩手県花巻市が成功例として、つい二、三日前、報道されましたが、あわせてこれらも指向すべきであります。
 企業立地の推進には、将来を見据えた産業の集積計画、雇用・人材育成など、総合的機能が必要とされることから、全庁的な充実した体制をもって、全国自治体の厳しい誘致競争に打ち勝ち、実りある企業立地施策が展開できるよう期待をいたします。
 さらに、企業誘致の優遇措置として、産業集積促進助成金制度がありますが、他県では百億円、百五十億円の例もあり、本県の限度額十億円では、自動車、電機、エレクトロニクス等ビッグな企業の誘致は厳しいものと考えます。
 このたび、企業立地促進のため、民間の情報提供、仲介等に対し、成功報酬の導入を知事が決断されたことは大いに評価できますが、県庁において、全庁的にワンストップサービスシステムの構築を果たし、さらに、全職員が積極的に企業情報を得る取り組みが必要と考えます。
 これらを踏まえ、知事の企業立地に対する戦略について伺います。
 次に、高速・高規格道路整備及び横田飛行場について。
 まず、中部横断道新直轄区間の県負担百八十億円の軽減について、知事は、広島県と同様に地方交付税の特例措置を適用し、実質的な県負担額を軽減するよう、菅総務大臣、冬柴国土交通大臣を初め、安倍総理大臣にも直接要請され、最大限の努力をしておりますが、本県財政への効果は絶大であり、ぜひ、その実現を願ってやみません。
 そこで、これまでの要望活動を通じ、県負担額の軽減に対する可能性について、知事の所見を伺います。
 さらに、同自動車道の早期完成は、本県の経済活動にとって大きなバネになり、その沿線は高速ネットワークがもたらす大規模物流拠点の整備や観光振興など、地域全体の発展を大いに期待でき、これは知事の公約でもございます。
 この全線開通について、見通しを伺います。
 次に、高規格道路である新山梨環状道路は、中部横断道の整備効果と、県内にその波及効果をもたらすゆえ、早期の整備が求められております。
 このうち、西部区間は中部横断自動車道の利用、南部区間は、近く完成の見込みであります。
 残る北部区間と東部区間については、国におかれましても鋭意努力をしていただいており、本年度には都市計画の手続に入っていくと仄聞しております。
 環状道路は、全線完成してこそ本来の機能が発揮されることから、全区間の早期完成を期待いたしますが、早期整備に向けた県の取り組みについて伺います。
 さらに、横田飛行場について。
 横田飛行場は、本県に非常に近く、民間機の乗り入れが実現した場合は、空港のない本県にとって大きなメリットがあります。
 これまで石原都知事が積極的に国や米国に働きかけを行ってきましたが、本県では何ら行動を起こして来ませんでした。
 横内知事は、このたび、外務大臣や防衛大臣を初め、安倍総理大臣にも直接要請するなど、積極的な活動を行っており、さらなる尽力を期待するものであります。
 これは米国との交渉事であり、実現について決して楽観できないものと思いますが、可能性について、知事の所見を伺います。
 次に、宿泊客を主とした観光振興について。
 本県は、清冽な水や豊かな森林などの観光資源に恵まれています。
 この多様な観光資源を活用して観光振興を進めていくことは、本県経済の発展には極めて肝要であります。
 先日県が発表した平成十八年の観光客動態調査では、日帰り客数が順調に伸びているのに比べて、宿泊観光客数は微増にとどまっています。宿泊客の観光消費額は、日帰り観光客の三・八倍に及ぶことを考えると、本県経済をさらに活性化していくため、観光産業を振興し、消費額の多い宿泊客をふやすことが重要な課題であります。
 本県の主なる観光客は、日帰り観光圏である東京・神奈川で、合わせて五二・五%であり、確実な宿泊が望める近畿以西からの客は、わずか三・四%にすぎません。大都市圏を市場に抱える好立地が、時間距離の関係から本県を日帰り観光地化させている現状を乗り越え、もっと遠距離からの観光客の増加を積極的に図るとともに、近距離からでも泊まってみたい観光地づくりを進め、宿泊観光客の増加に結びつけていく取り組みが必要であります。
 団塊世代の大量退職時代を迎え、多くの熟年エイジが、じっくり時間を過ごす「時間消費型観光」が求められています。また、国が推進するビジット・ジャパン・キャンペーンにより、外国人観光客が増加するなど観光市場は新たな局面を迎える一方、地域間競争はますます加速しております。
 そこで、宿泊観光客の増加に、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、公共事業の効果と執行について。
 現行の第二次行財政改革プログラムでは、公共事業は、平成二、三年度の水準まで縮小することとされ、平成十九年度以降も、公共事業費で五%、準公共事業費で一二%の縮減となりますが、引き続き行財政改革のもと、マイナスシーリングが続くならば、全国的にもおくれている本県の社会資本整備はますます遅延いたします。
 むだな公共事業を排除することは当然でありますが、自然災害への備え、慢性的に発生している渋滞の解消、交通安全対策、下水道の整備等、まだまだ本県のインフラ整備は必要と考えます。
 また、社会資本整備を支える建設産業は、本県の主要産業であり、公共事業の減少により各社とも経営状況は厳しく、倒産や廃業が相次いでおり、大きな社会的影響を惹起しております。
 さらに、公共事業の受注に当たり、過度のダンピングが発生したり、工事の執行の中で電柱等の支障物件の移転や残土処分地の確保などに時間を要することで、予定外の経費を必要としていると聞いています。こうした建設業者の経営に影響を及ぼすことについて、発注者としての対策が必要と思います。
 今後、公共事業にどのように取り組まれるのか、所見を伺います。
 次に、県立中央病院及び県立大学の経営形態の見直しについて。
 県立病院は毎年一般会計から繰り入れされ、平成十七年度には、長野県は五病院で五十七億七千万円ですが、本県は北病院の九億二千万円を含め、総額三十七億五千万円に上る巨額が繰り入れられています。
 にもかかわらず、同年度には遂に累積欠損金百億円を超え、赤字は垂れ流し、県立病院に「経営」という概念はとても感じられません。
 民間には、県立中央病院とベッド数が同程度でありながら、医師数は半分、看護師数は三分の二以下と、極めて少ない人員で立派な経営をしている病院があり、民間的経営手法の優位性は明らかであります。
 今の経営体制で改善策を模索しても、それが実現できないのは明らかであります。抜本的な経営形態の見直しを行い、経営体として企業性を発揮できるような移行が必要です。
 また、見直しに当たっては、企業や病院経営のエキスパートの英知を結集し、民間の視点から徹底した研究・検討を行う場を設け、今年度中には、どのような経営形態へ移行するのか、県財政のためにも判断すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 さらに、県立大学について。
 県立大学は、平成十七年四月、大学淘汰の時代に、男女共学、四年制の新たな大学として設置されました。
 現在は、受験者数が増加するなど、いささか注目を集めていますが、これは新設大学の特徴で一過性であると思われ、少子化の進行や大学間の競争激化など、高等教育機関を取り巻く環境は、厳しさを増しており、今まさに経営の再構築が求められます。
 県立大学が、生き残りを図っていくためには、特色を生かした魅力ある大学となるための不断の改革が必要です。例えば、本県の誇る宝飾やワイン、さらには観光産業を発展させていくため、これらの付加価値を高めることができるよう、知事の政策提言にもあるデザイン学科や観光学科を新設することも考えられます。
 こうした改革は、大学内部で教育・研究における切磋琢磨や競争原理が機能してこそ、実現されるものであります。
 しかしながら、現在、同大学内部から不協和音が聞こえてきており、危惧の念を禁じ得ません。大学設置者である県は、現状を十分勘案すべきと思います。
 その上で、暫定行動計画における公立大学法人制度の導入を進めていかれますよう申し添え、この取り組み方を伺います。
 次に、県立図書館について。
 過般、県内の大学学長方から、新県立図書館を甲府駅北口へ整備するよう要請がありましたが、県立図書館は、大学のためだけではなく、すべての県民のための施設であります。
 県立図書館には、文化を醸成し、情報を収集し発信していくという基本的な使命に加え、多様な県民ニーズにこたえられる機能や本県ならではの個性が必要です。
 例えば、奈良県立図書情報館は、情報社会における知的交流の舞台として、総合情報センターの役割を担っています。
 また、ビジネス情報や生活支援に重点を置く鳥取県立図書館、図書館の案内人コンシェルジェを配置して利便性を高めている千代田区立図書館など、他にない特色や個性を持たせて成功している図書館があります。
 既に設置された図書館検討委員会は、こうした図書館の果たすべき役割や、備えるべき機能など中身についてしっかりと議論いただく場であり、立地や資金、整備手法を論ずる場ではないと思います。
 私は、図書館というものは、静かな環境の中で学習したり、文化や芸術に接することのできる場所に立地すべきであり、北口県有地は、ふさわしくないと考えております。
 新県立図書館の役割・機能については、検討委員会で十分議論をいただき、建設地は、知事と我々、県民の代弁者である県議会が真剣に論議して決定する、このように考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、甲府駅北口県有地の利活用について。
 知事は、選挙公約で、甲府駅北口の新学習拠点施設について白紙撤回とし、当選後、ある新聞社のインタビューに対して、北口県有地の跡地利用は委員会をつくり、時間をかけて検討することになると答えています。
 甲府駅の南口と北口の通行量は、七対三とも、八対二とも言われる中、北口の振興による南北格差の是正は、地元の悲願であります。
 県都の玄関口にある北口県有地の利活用策は、観光振興や人々の集いの場の創設など、幾多の選択肢の中から慎重に検討すべきであり、安易に断ずるべきではない課題であります。
 過般来県した白鴎大学の福岡政行教授は、「全国の県庁所在地の中で甲府駅周辺は最低、見るに忍びがたい」とまで言い放ちました。北口県有地は、本県や県都甲府市にとって、かけがえのない貴重な財産であり、活性化の起爆剤にすべき土地です。
 都市再生や観光分野の専門家などの意見を聞き、時間をかけ、まさに百年の大計に立って真剣に検討すべき課題と考えますが、所見を伺います。
 次に、地域の公的病院における医師確保対策について。
 ここ数年、極めて深刻化している医師不足の問題は、特に地域の公的病院において顕著であり、診療に大きな支障を生じています。
 一例を挙げると、常勤勤務医師が激減し、現在三人しかいない上野原市立病院では、救急対応が困難であることから、東京都内の病院に患者を搬送せざるを得ないという事態に至っており、住民の安全を脅かす、まさに、危機的な状況に陥っており、県民の生命・健康を守る上で、地域医療を支える公的病院の医師確保には懸命な努力が必要であります。
 特に、医学生を強力にサポートし、県内の公的病院に奉職する医師を育てていくことが大切であり、今回創設する奨学金についても、一定期間、地域の公的病院勤務を免除の条件とするなどの方策は肝要であり、県のさらなる取り組みについて伺います。
 次に、公社等の債務処理に向けた新たな取り組みの検討について。
 平成十七年度決算における県全体の借入金残高は、普通会計で八千八百三十一億円、企業会計で七百八十億円、出資法人九百二十五億円、合計で一兆五百三十六億円にも達し、まさに、早急に対処しなければならない喫緊課題であります。
 一方、政府は地域活性化策の柱として、産業再生機構の「地方版」を来春にも発足させ、地方の中堅企業だけでなく、自治体が出資する第三セクターの再生も視野に入れた対策に乗り出す方針であります。
 本県でも、県出資法人のうち、土地開発公社や林業公社などが多額の債務を抱え、非常に厳しい経営状況にありますが、県はこれらに対し債務保証・損失補償を行っているため、仮に破綻したとすれば、多額の債務を肩がわりする必要が生じます。
 夕張市の例に見るとおり、第三セクターの債務が、自治体本体の財政運営に多大な影響を与えていることからも、その削減は喫緊の課題であります。
 国は、債務の減免など債務調整の研究も含め、さまざまな手法を検討しております。
 そこで、本県でも、公社等の債務処理のため、独自の新たな取り組みに乗り出すべきであると考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、指定管理者制度の活用について。
 同制度は、住民サービスの向上や経費の節減を図ることを目的とし、五十の施設に導入されました。
 これは、七十三の対象施設の約七割に当たり、民間能力の活用が積極的に図られているように見えますが、公募により選定した三十六施設のうち、以前からの管理委託先であった県出資法人がそのまま指定管理者となった施設が二十三、全体の六十四%を占め、純粋に民間が管理者となったのは八施設二十二%に過ぎません。五割が民間企業となった北杜市、南アルプス市などと比較しても、これでは民活が十分に図られたとはとても言いがたく思います。
 また、職員を派遣している出資法人が管理者の指定を受けるのは、すべてとは申しませんが、疑義を覚えます。
 そこで、一年経過した現時点で、各管理者に義務づけている事業報告書をしっかり精査し、来年度指定期間が終わり、再選定を行う際には、せめて半数以上が民間にならなければ、民間能力の活用という本来の目的を真に達成したことにはならず、本県の制度活用は形骸化すると考えますが、所見を伺います。
 次に、県営クレー射撃場の早期移転について。
 韮崎射撃場は、オリンピックや国体の種目である射撃競技の振興や狩猟技術の向上に寄与してまいりました。
 しかし、平成十年、元県職員による通常では考えられない事件が発生し、地元住民から施設の閉鎖と移転が求められ、県は施設移転を約束するとともに、施設の安全管理をさらに徹底することで、地元の理解を得て、平成二十一年七月三十日まで使用する予定となっていますが、当初計画より移転整備がおくれている現状の中で、約束の使用期限が満了し、射撃場が使用できない状況になったとした場合、予定されている各種競技会や狩猟技術向上の講習会などに深刻な影響が懸念されます。
 そこで、新射撃場建設計画の状況について伺います。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
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◯議長(内田 健君)臼井成夫君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)臼井議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、自由民主党を代表され、私の知事就任から今日までの具体的な取り組みに対しまして、御評価をいただくとともに、「県庁改革」への強い御期待を賜りながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 議員御指摘のとおり、「山梨を変える」ためには、県庁職員一人一人が私の基本理念を理解し、困難な状況にも使命感を持って挑戦する「攻めの県政」への転換が不可欠であり、職員に対しては機会のあるごとに意識改革を促してまいったところでございます。県民の皆様の御期待にこたえて、元気で活力のある山梨に再生していくため、県庁一丸となって取り組んでまいる覚悟でありますので、一層の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 初めに、山梨再生に向けた行動計画に関連をいたしまして、私の目指す山梨づくりとはどのようなものか、また、それをどのように県民に示していくのかとの御質問がございました。
 山梨県の歴史を振り返りますと、古くは江戸時代に始まる富士川舟運による物資の運搬や人々の往来、近代、現代においては、明治三十年代の中央線の開通とか、あるいは昭和五十年代の中央自動車道の開通を契機として、本県は飛躍的に発展を遂げてきました。いずれも、新たな交通手段が外部との交流を活発化させたことによるものであります。
 こうしたことを踏まえながら、今後十年先、二十年先を展望してみますと、中部横断自動車道が開通し、リニア中央エクスプレスが現実のものとなる中で、新たな地域間交流が生まれ、我が国の物流や人流の拠点として、さらなる発展を遂げている山梨の姿を思い描くことができます。
 また、現実味を帯びてきている道州制を視野に入れながら将来を展望いたしますと、豊かな自然環境や日本の原風景を残す農山村に、大都市に働く人々がいやしと交流を求める、そういう人々が集う、いわば首都圏の奥座敷とも言うべき地位を確立した山梨をも思い描くことができます。
 私は長期的には、今申し上げたような新しい交流による活力と、そして、いやしやゆとりが融合し、県民が真の豊さを実感できる山梨、このような将来像が本県のあるべき姿であり、「暮らしやすさ日本一」と言える山梨であると考えております。
 私の目指す山梨づくりの基本理念や、本県の将来の姿については、年内に策定する最終的な行動計画で、県民の皆様にお示ししてまいります。
 次に、リニア中央新幹線の早期実現と中央線の高速化についてであります。
 JR東海は、本年四月二十六日に発表した中長期的な経営戦略の中で、東海道新幹線の代替的バイパスとしてのリニア中央新幹線の建設をみずからのイニシアチブのもとに推進し、平成三十七年に首都圏から中京圏までの営業運転開始を目標とすることを明らかにしました。
 リニア中央新幹線の実現に向け、大きく一歩を踏み出したものと心から歓迎するものであります。
 こうした中、過日、国土交通省を訪れ、冬柴国土交通大臣に対し、新たな法律も視野に入れた法整備の検討など、リニア中央新幹線の早期実現に向けて強力に要請をしてまいりました。
 今後も、JR東海の経営戦略実現を積極的に支援するとともに、沿線九都府県やリニア議員連盟などと連携をし、リニア中央新幹線の早期実現を国に働きかけてまいりたいと思います。
 また、リニア中央新幹線のベースとなる山梨リニア実験線については、沿線市や関係者各位の御協力をいただきながら、実験線全線の早期完成に向け、引き続き未買収用地の完全取得や土捨て場の確保などに全力で取り組んでまいりたいと思います。
 次に、中央線の高速化についてでございます。
 JR中央線の高速化は、定住人口の増加、産業立地の促進など本県の活性化に資すると考えられることから、積極的に取り組む必要があると考えております。
 高速化の実現を図るためには、路線の線形改良といった技術的な側面とか、あるいはダイヤ編成の問題などを含めまして、総合的な視点で検討・研究が必要となることから、JR東日本、東京都などを含めた中央線高速化検討委員会というものを設立すべく、現在、関係者と協議中でございます。
 また、本県と同じ課題を有する長野県を初め、沿線市町村や経済団体などで構成する「中央線高速化促進広域期成同盟会」(仮称)というものを本年度中に設立し、都内の過密ダイヤの解消につながる「三鷹・立川間の複々線化」の早期事業化など、国とJR東日本などに積極的に働きかけていくこととしています。
 さらに、特急の甲府駅早朝六時台発の新設や東京駅乗り入れの増発など利便性の向上についても、JR東日本に働きかけてまいりたいと思っております。
 次に、甲府中心市街地の活性化及び再開発と宝石美術学校の移転についてであります。
 甲府中心市街地の再生は、県政の重要課題と考え、就任以来、積極的に取り組んでまいりました。
 具体的には、甲府中心市街に大きな影響を及ぼす現在計画中の郊外の大規模な商業施設計画については、これを見直しをするということ。また、大規模集客施設の立地規制とか都市機能の中心市街地への集約を位置づけた「やまなし都市づくりの基本方針」というものを策定し、従来の都市政策が郊外展開というのが都市政策の方向でございましたが、中心市街地再生という方向に都市政策を展開するということを明らかにしたことなどでございます。
 過日お示しした暫定版行動計画におきましても、中心市街地活性化の原動力となるように「競争力のある商業の振興」を政策の柱として位置づけ、さまざまな施策・事業を盛り込ませていただきました。
 さらに、現在進められている中心市街地活性化基本計画の策定を支援するため、庁内横断的な推進体制を立ち上げ、活性化に資する事業などについて検討を行っているところであります。
 また、中心市街地活性化のためには、市街地再開発が有効な手段であることから、現在行われております紅梅地区の事業に助成をするとともに、市内の低未利用地を活用した新たな再開発の促進により、中心市街地の拠点づくりを積極的に支援してまいりたいと思っております。
 今後とも、甲府市や民間と連携した取り組みを進めることにより、中心市街地活性化を図っていく考えであります。
 次に、宝石美術専門学校の市街地再開発ビルへの移転整備についてでありますが、御案内のように宝石美術専門学校は三十年弱を経過して、施設が老朽化して、しかも耐震性が低いために耐震改修を早期にしなければならないという状況に対応しなければならないわけであります。同時に、宝石美術学校としては、デザインやマーケティングを重視するという教育方針に変わってきておりまして、そういう意味から、市街地に立地することが望ましいということがございます。そういう考え方に沿いまして、紅梅地区再開発ビルへ施設の移転を行うことといたしました。
 この移転によりまして、「ジュエリーのまち甲府」として、県都甲府のイメージが図られるとか、あるいはコンパクトシティーとして全国に情報発信できるとか、百名を超える学生や学校関係の皆さんがあの周辺に集まることによって、中心市街地に活力と明るさをもたらすことができるというような教育環境の向上と同時に、中心市街地の活性化に大きく寄与できるものと考えております。
 また、この学校の移転を大きな契機として、商工業の皆さんや市民の強い連携のもとに、活性化に向けた新たな取り組みが中心市街地全体に広がっていくことを期待しております。
 次に、地場中小企業の振興と金融支援の充実について、御質問がございました。
 本県経済を持続的に発展をさせていくためには、県内企業の多くを占める地場中小企業の振興を図ることが、極めて重要でございます。
 本県には、すぐれた物づくり企業や、歴史と伝統を誇る地場産業が集積しており、これらをさらに発展させるためには、技術力の強化・継承や、他産地との差別化を図っていかなければなりません。
 このため、この六月補正予算におきまして、新たに「ものづくり産業支援事業」を創設いたしまして、企業等が行う新技術・新製品の研究開発や産学官連携による共同研究に対して助成を行うとともに、「やまなしブランド推進事業」というものも創設をいたしまして、ジュエリーを初めとして、ワイン、織物、和紙などの本県を代表する地場中小企業が取り組むデザインの高度化や高品質化、国内はもとより海外に向けた販路開拓事業などを積極的に支援し、世界に通用する「やまなしブランド」の確立を図っていくこととしております。
 私も、本県の個性的ですぐれた技術や地場産品などを、みずからトップセールスマンとなって、積極的に情報発信していきたいと考えております。
 また、中小企業の振興のためには、円滑な金融が必要であり、そのためには信用保証協会の役割が極めて重要でございます。信用保証協会は平成二十年度に収支均衡を目指すという経営改善計画を策定して、現在その改善に取り組んでいるところでございます。
 県は、信用保証協会の積極的な保証を促すために、特定の制度融資について損失補償を行うとともに、協会の経営改善計画が達成され、信用保証業務が適切に行われるよう、引き続き指導してまいりたいと思っております。
 また、御指摘のように本年十月から保証制度が変わりまして、「責任共有制度」が導入されて、これまで信用保証協会が負担してきたリスクを一部、金融機関が負担することになりました。そのことに伴い、金融機関が融資に慎重になることが心配されるわけであります。
 このため、県内企業の九割を占める従業員二十人以下の小規模企業者を対象といたしまして、これまでどおり、信用保証協会が一〇〇%保証する小規模企業サポート融資を創設いたします。
 この新しい融資制度は、従前の経営支援緊急融資と異なりまして、税金を納めていなければ貸さないというのではなくて、そういう課税条件を撤廃し、融資対象者を拡大するとともに、利用の促進を図るため、損失補償や保証料補助の対象とすることとしております。
 今後も、こうした時代のニーズに的確に対応したさまざまな対策を講じ、足腰の強い中小企業の育成に努めてまいりたいと思います。
 次に、大型ショッピングセンターの出店規制と行政指導、加えて中小小売業の支援策について御質問がございました。
 甲府市周辺部への大型ショッピングセンターの相次ぐ立地は、甲府市中心商店街に打撃を与えるばかりではなく、近隣商店街や、郊外に集積する商業地域へも大きな打撃を与えるなど、影響は甚大であると考えております。
 大型ショッピングセンターの立地につきましては、大規模小売店舗立地法という法律があるわけでありますが、この法律には、かつての大店法のような商業調整の機能がないために、結果として郊外への大型ショッピングセンターの出店が進み、中心市街地の衰退や地域の中小小売店の疲弊を招くなどの問題を生じているわけであります。
 このような中で、そういう反省を政府としてもしまして、昨年、都市計画法を改正しました。そして、改正都市計画法におきましては、大型のショッピングセンターを初めとした大規模集客施設の立地規制の強化や、広域調整機能の拡充などが盛り込まれ、昨年十一月に一部施行され、本年十一月末から完全に施行されることになります。
 したがいまして、計画中の大型ショッピングセンターを含めまして、広域的な影響を及ぼす大規模集客施設の立地につきましては、改正都市計画法に基づき、交通の問題や中心市街地への影響なども含めて、都市計画の観点から適切に判断し、規制誘導を図っていきたいと考えております。
 さらに、都市計画法に基づく手続に着手する前に、早いうちから大型ショッピングセンターの設置予定者に対して、できるだけ早く出店計画などの情報を提供させて、これを公開の場で十分議論をすることができるように、大規模集客施設の立地に関する新たな指針を策定することとしております。
 また、中小小売店が大型ショッピングセンターとの競合に打ち勝つためには、地域が一体となって、商店街の活力を再生させることが重要であることから、市町村や商工団体と連携して、空き店舗を活用した新規創業の促進、後継者の育成、交流施設の整備など、ソフト・ハード両面にわたる支援を行ってまいります。
 次に、企業立地の推進と全庁的取り組みについてでございます。
 本県経済を持続的に発展させていくためには、魅力ある企業の誘致に積極的に取り組んでいくことが極めて重要でございます。
 このため、本年度、従来の企業立地の推進体制を大幅に見直し、新たに産業立地室を設置するとともに、本社機能が集中する都内における企業誘致活動の拠点としての東京事務所の機能強化や、IT産業の誘致を促進するための専門主幹を企画部内に配置したところであります。
 また、企業の情報収集から立地までのさまざまな施策にワンストップで対応していくため、私を本部長とする「産業立地推進本部」をこの四月に設置をいたしまして、全庁体制で情報の幅広い収集をしたり、また事務処理の迅速化に取り組んでいるところであります。
 産業立地を進める上では、情報の収集やネットワークの形成が欠くことができないものでございますので、情報通信産業についての助言をいただくための「情報政策アドバイザー会議」を設置するとともに、本県にゆかりのある、我が国を代表する方々からなる「やまなしビジョン懇談会」を設置し、産業立地に関するアドバイスをいただくことにしております。
 また、立地情報にかかわりの深い宅地建物取引業者や金融機関等からの質の高い情報を得るため、「産業立地成功報酬制度」を創設することとしております。
 さらに、国内各地域の企業誘致の競争が激化する中で、県内の立地を促進するためには、自然環境や交通条件の優位性をPRすることに加えて、助成金など優遇制度も企業にとっては魅力でありますので、今後、立地を希望する企業の規模やニーズを的確に把握し、適切に対応していきたいと考えております。
 また、バランスのとれた産業構造を実現するためには、製造業だけでなくて、IT関連産業や流通業、本社機能や研究機関の誘致を推進していくことが重要であり、今月施行された「企業立地促進法」に基づき、市町村や商工団体と連携して、それぞれの地域の特性を生かした産業立地を推進するための基本計画を策定することとしております。
 さらに、県内における先進的な技術や、すぐれた製品を生かした内発的な取り組みも重要であり、本県においては、燃料電池の実用化に向けた産学官の共同研究の充実・強化などを図ることによりまして、山梨に生まれ、世界に活躍するような企業の実現を目指してまいりたいと考えております。
 今後とも、こうした施策を全庁挙げて推進し、活力と希望に満ちた県づくりに鋭意取り組んでいく所存であります。
 次に、高速・高規格道路の整備及び横田飛行場についてでございます。
 まず、中部横断道の県負担額についてでありますが、新直轄方式に係る県負担額の軽減につきましては先例がございまして、平成十七年度に広島県において中国自動車道尾道│松江線にかかる広島県の負担は約四百二十五億円でございましたけれども、地方交付税の特例措置を国が講ずることによりまして、約十九億円まで軽減する措置がとられました。
 その後、平成十八年度の算定では、この広島県の負担額は、市町村合併の影響などがございまして、十九億円から、約四十七億円に修正されたようでありますが、いずれにせよ、本県よりも財政力の高い広島県において、実質的な地方負担は四十七億円と、わずかになっております。
 このため、本県の低い財政力、東名高速道路と中央自動車道を結び、全国的な高速交通ネットワークを構築するという中部横断自動車道の重要性にかんがみまして、広島と同様の負担緩和がなされるように、これまで県として、菅大臣を初め総務省幹部に再三にわたり要望するとともに、県選出国会議員の皆様にも御尽力をいただいているところであります。
 県負担額軽減の実現につきましては、総務省において、なお検討中の段階でありますので、確定的なことは申し上げられませんが、今後とも引き続き粘り強く努力していきたいと考えております。
 次に、中部横断自動車道の早期完成についてでございます。
 現在、新直轄方式と有料道路方式との同時並行により、全面的に事業が展開をされております。
 早期完成のかぎとなる用地取得につきましては、県用地事務所を大幅に増強し、各地で計画説明会を開催して、地域住民との合意形成に努めてまいりました。
 その結果、増穂町、南部町では既に用地取得に入っておりますし、身延町、市川三郷町でも、計画全般について合意に達しております。ほぼ全線にわたり、本格的な用地取得への体制が整っております。
 今後とも用地事務を受託し、全力を挙げて早期取得に努めてまいります。
 私は、早期完成につきましても、国や中日本高速道路株式会社に対しまして、機会あるごとに強く訴えておりますが、いずれも前向きな意向を示しており、十年以内の全線開通を確信しております。
 次に、新山梨環状道路についてでございますが、新山梨環状道路の早期整備のためには、全線の整備区間の格上げが必要でございまして、環境影響評価と都市計画の手続を速やかに進めていかなければなりません。
 北部区間については、環境に関する国の現地調査や解析が進行していることから、具体的なルート・構造を示した計画案について、この秋にも住民説明会を開催して、早期に都市計画決定、さらには事業化ができるよう、国に強く働きかけてまいります。
 東部区間については、県と国が環境に関する現地調査に着手したところであります。
 この調査には、おおむね一年を要する見込みでありますが、これとあわせて、都市計画決定に向けた具体的な道路計画案の策定も進めてまいります。
 さらに、横田飛行場についてでございます。
 横田飛行場は、本県にとって、羽田空港や成田空港と比べ格段に近く、民間航空利用が実現した場合、県民はもとより、本県を訪れる観光客にも大きなメリットがあり、まさに「山梨の空港」でございます。
 横田飛行場の民間航空利用については、昨年十月から日米両政府による検討が行われております。
 こうした中、去る四月に石原東京都知事と会談し、相互に連携・協力していくことを確認するとともに、五月には久間防衛大臣、麻生外務大臣、安倍総理大臣にも直接お会いをし、早期実現を強く要請したところであります。
 政府間の交渉事でありますし、また、在日米軍の安全保障に絡む問題でございますので、さまざまな困難も伴いますけれども、横田飛行場の民間航空利用が早期に実現するよう、引き続き東京都と連携をしながら、同時にまた県選出国会議員、県議会議員の皆様初め市町村、民間団体とも連携しながら、あらゆる機会をとらえて、国に対する働きかけを行ってまいりたいと思います。
 次に、公共事業の効果と執行についてでございます。
 公共事業による社会資本整備は、県民生活の安全・安心の確保や経済発展の基盤づくりとして、大きな役割を担っております。
 現在の厳しい財政状況、とりわけ県債の圧縮を図らなければならない状況があり、また国の方も公共事業の縮減を続けているという状況のもとでは、今後も本県も公共事業の縮減を続けざるを得ませんけれども、そうした中にあっても、県民が真に必要とする社会資本の整備は、着実に進めていく必要があります。
 このため、事業の選別と重点化に加え、コスト縮減、既存ストックの有効活用など、より一層効率的な事業執行に努めてまいります。
 また、建設業は本県の主要産業であり、倒産等の多発は、地域経済及び県民生活に大きなダメージとなることから、県の公共事業の執行に当たっては、県内企業への優先発注、県産資材の優先活用をしていくとともに、リニア実験線とか中部横断自動道など他の機関が行う公共事業についても、できるだけ県内企業の受注機会が確保されるよう、各事業主体に要請してまいりたいと考えております。
 さらに、公共事業の受注後、予定外の経費がかかるという御指摘がございました。そこで、設計の図書には、工事の進捗に影響を与える関係機関との協議とか、あるいは支障物件の移転とか残土の処分地の確保というようなことを施工条件として、工事のおくれの可能性があるそういう問題については、施工条件として、あらかじめ入札三者にわかるように明らかにいたしまして、発注をしているところであります。
 しかし、工事はさまざまな条件下で行われるものであり、施工中、予期できない問題が発生し、その解決に不測の時間を要することがあります。そのため、今後とも、工事の実態を踏まえ、請負者と十分な協議・調整を行い、必要に応じ契約変更を行うなどにより、適正な事業執行に努めてまいりたいと思います。
 次に、県立病院及び県立大学の経営形態の見直しについてでございます。
 まず、県立病院についてでありますが、県立病院は、収益の確保やコスト削減等に取り組んではおりますけれども、抜本的な経営改善を推進するためには、経営責任の明確化や自主性・自立性の拡大を図るなど、経営形態の見直しを進める必要があります。
 最近、他の都道府県では、病院事業の形態の見直しが進められておりまして、平成十六年度以降、十五県で地方公営企業法の全部適用への移行が進められたり、平成十八年度には大阪府、平成十九年度には岡山県で、新たに地方独立行政法人化するということがございましたり、福岡県では、平成十七年度に、精神科病院を指定管理者に管理委託し、平成十八年度末までに他の県立四病院をすべて民営化したというような各県の動きが活発にございます。
 そこで、経営形態の見直しに当たっては、このような他県の最近の動向も踏まえまして、さまざまな経営形態の中から、どのような経営形態が本県の病院事業にふさわしいのか、幅広く検討する必要があります。
 このため、本年度、企業経営者や病院経営の専門家などで構成する委員会を設置し、経営形態について研究、検討をしてまいります。今後、その検討結果を踏まえ、新たな経営形態に移行してまいります。
 次に、県立大学についてでございます。
 大学を取り巻く環境が大変に厳しくなってきているという中で、県立大学が県民の大学として発展していくためには、今まで以上に教育研究の高度化や個性豊かな魅力ある大学づくりに取り組む必要があります。
 デザイン学科や観光学科の新設は、魅力ある大学づくりに資するものだと考えておりますが、まず当面は、学生や県民、企業が参加できるデザイン講座や国際観光講座の県立大学への設置について検討することとしております。
 さらに、みずからの責任のもとに一層特色ある弾力的な大学運営が可能になるように、公立大学法人への移行を図ることといたしまして、平成二十二年度からの移行を目途に検討を進めることとしております。
 このため、県立大学の意見を踏まえつつ、今年度中には基本方針を策定したいと考えておりますが、今後、魅力ある大学づくりに向けて、学内が一丸となって知恵を結集して取り組んでいただけるよう、県としても留意してまいる所存であります。
 次に、県立図書館についてであります。
 新県立図書館の整備につきましては、さきに設置した「新県立図書館整備検討委員会」の御提言や、広く県民の皆様の御意見等を聞きながら、本年度中に整備計画を策定することといたしました。
 また、新県立図書館については、さらなる高度情報化、少子高齢化など時代の流れを先取りするとともに、県内図書館の核として、市町村立図書館や学校図書館に頼りにされる図書館でありたいと考えております。
 厳しい財政状況の中でありますので、施設・設備の面では大規模なものや華美なものを建設することはできませんが、本県ならではの特色を打ち出す工夫をしながら、機能や運営のノウハウ、ソフトの面では全国に誇れるような県立図書館を整備してまいりたいと思います。
 建設地につきましては、県民の関心も高く、新県立図書館のあり方と深くかかわる重要な課題であり、幅広く検討していく必要があると考えています。
 今後、県議会の御議論も十分に踏まえながら、ふさわしい場所を検討していく考えでございます。
 次に、甲府駅北口県有地の利活用についてでございます。
 北口県有地は、甲府市中心部にあって交通利便性が高いなど、恵まれた環境にある貴重な財産であり、また県都の玄関口に位置することから、多くの県民が有効に活用されることを期待しているものと考えています。
 さらに、現在進められている北口地区の開発・整備事業の一画を占めるため、その利活用は、県都甲府市の都市機能の向上と、駅周辺のさらなる活性化を図る上でも、重要な課題であると認識しております。
 このため、北口県有地の利活用については、県民の皆様やさまざまな分野の専門家の御意見をお聞きしながら、将来のまちづくりを見通して、しっかり検討していきたいと考えております。
 次に、地域の公的病院における医師確保対策についてでございます。
 地域の中核病院として、住民の健康保持に貢献している公的病院の医師不足が極めて深刻であり、医師の確保は重要な課題でございます。
 このため、医学部生、大学院生に奨学金を支給する「医師修学資金貸与事業」を創設し、一定期間、地域の公立病院等に勤務した場合、返還を免除することとして、公的病院への勤務を促していきます。
 また、これとあわせて、本県出身の医学生等に対して県内の医療機関の情報などを提供し、本県への就業を促す契機とする「情報提供事業」や高校生や中学生に、地域医療の重要性を認識してもらう医学部進学セミナー、臨床研修医の本県への定着・確保に向けた合同説明会などを実施して、医学生に積極的に働きかけを行うことにより、地域の公的病院に勤務する医師の確保を図ってまいりたいと思っております。
 最後に、公社等の債務処理に向けた新たな取り組みについての検討であります。
 土地開発公社や林業公社など多額の債務を抱える県出資法人については、これまで給与費の五%削減や職員数の適正化、低利融資への借りかえ、分譲用資産の早期売却などを内容とする経営計画を策定し、経営改善策が進められてきました。
 その結果、十八年度決算では、借入金総額を前年度に比べ、三十三億円余り削減できる見込みとなるなど、一定の成果を上げております。
 しかし、多くの法人の財政状況は依然として厳しいものがあり、出資者である県といたしましても、債務の圧縮は引き続き重い課題であると考えております。
 そこで、県において既に債務保証を行っている公社などへの債務については、実質的に県の債務と同視すべきものであるため、より有利な金利の資金に借りかえるなど、県の負担を積極的に圧縮するとともに、今後の債務処理のあり方について、検討を進めてまいります。
 また、県が債務保証を行っていない出資法人の債務につきましては、今後創設される予定である地域力再生機構のノウハウや民間の知恵もおかりしながら、債務の圧縮に向けた取り組みを鋭意検討してまいりたいと思っております。
 以上をもって私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長から答弁をさせたいと思います。
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◯議長(内田 健君)企画部長、新藤康二君。
      (企画部長 新藤康二君登壇)
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◯企画部長(新藤康二君)臼井議員の指定管理者制度の活用についての御質問にお答えいたします。
 指定管理者制度の導入に当たりましては、民間能力を活用しつつ、サービスの向上や経費の節減を図るため、三十六施設について公募しましたが、民間企業にとっては初めての参入分野であり、制度や業務内容の理解に時間的余裕がなかったことなどから、結果的に民間企業の参入が少ない状況にあります。
 指定後一年が経過し、実績報告書の精査や実地調査により、導入後の管理運営状況を検証、評価することが可能になったことから、次回の指定管理者再選定に当たりましては、この結果や前回の応募状況などを踏まえ、指定期間の延長、公募期間の見直しなど民間企業が参加しやすい募集条件を検討し、できる限り民間企業が活躍できるよう努めていきたいと考えております。
 以上であります。
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◯議長(内田 健君)観光部長、進藤一徳君。
      (観光部長 進藤一徳君登壇)
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◯観光部長(進藤一徳君)臼井議員の宿泊客を主とした観光振興についての御質問にお答えします。
 観光の振興は、地域経済に活力を与えると同時に、人々が誇りを持ち、心豊かに暮らす地域づくりにつなげることが大切であり、とりわけ大きな経済効果を生み出す宿泊観光客の増加は、喫緊の課題であります。
 このため、大型観光キャンペーンの展開を通じて、滞在型観光メニューの造成促進とそのPRに努めております。
 本年四月には、全国の旅行会社等に対して、観光メニューの説明や県内観光業者との商談会などを行う「全国宣伝販売促進会議」を開催し、本県向けの滞在型旅行商品を造成するよう、強力に働きかけを行ったところであります。
 今後は、これまで交流が少なかった中国、四国、九州地方の大手旅行業者に対しても、本県の魅力を売り込むため、広島、福岡等で観光商談会を開催し、宿泊を伴う旅行商品の造成をさらに促進していきます。
 また、地域の観光協会等による自然を生かした滞在メニューづくりへの支援や、健康づくりなどを目的とした滞在型モニターツアーを実施し、東京圏などの都市住民が求める「いやし」や「健康」などのニーズを満たす滞在型のメニューづくりを促進していきます。
 こうした取り組みとあわせ、テレビ・新聞・インターネット等による全国に向けた情報発信を積極的に行い、山梨の知名度を高める中で、滞在型観光地としての浸透を図っていきます。
 加えて、外国人観光客については、経済成長の著しい東アジアをターゲットに、知事みずからが中国や韓国にトップセールスに出向いて、本県の観光の売り込みを行うとともに、外国人観光客に対する接遇研修への支援などを行い、来訪者の増加を図っていきます。
 こうした取り組みにより、人々が安心して集うことができる「癒し先進県」を目指し、宿泊滞在型の観光地づくりを積極的に進めていきます。
 以上でございます。
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◯議長(内田 健君)教育長、廣瀬孝嘉君。
      (教育長 廣瀬孝嘉君登壇)
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◯教育長(廣瀬孝嘉君)臼井議員の県営クレー射撃場の早期移転についての御質問にお答えします。
 クレー射撃場の移転・整備につきましては、地元や関係団体等からの要望を踏まえる中で、韮崎市内の県有林百八十七林班を建設予定地として、これまで、基本設計、実施設計等を行い、新たな射撃場の建設に向けた取り組みを進めてきました。
 しかしながら、現予定地での建設では、進入路の変更などに伴う事業費の大幅な増額も予想されることから、さらなるコスト縮減策の検討や、新たな候補地の調査も含め、再度、建設計画を検討した上で、できる限り早期に新射撃場の建設を進めていきます。
 以上でございます。
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◯議長(内田 健君)当局の答弁が終わりました。
 臼井成夫君に申し上げます。残り時間がありません。
 これをもって臼井成夫君の代表質問を打ち切ります。
 暫時休憩いたします。
                                         午後二時十九分休憩
       ───────────────────────────────────────
                                         午後二時三十九分再開議
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◯副議長(樋口雄一君)休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第三及び日程第四の議事を継続いたします。
 発言の通告により、森屋宏君の発言を許します。森屋宏君。
      (森屋 宏君登壇)(拍手)
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◯森屋 宏君 私は、自民党新政会を代表いたしまして、本定例県議会に提出されました案件並びに県政重要課題に対して質問を行います。
 私が初めて県議会議員となりました平成十一年は、まさに戦後地方自治の大転換の年でした。
 つまり、平成十一年七月に地方自治法の一部改正を含めた地方分権一括法が国会において成立したのです。皆さん御存じのように、日本国憲法第九十二条に基づいて定められた地方自治法は、明治維新以来、中央集権的体制をとってきた我が国にとりましては、画期的なものであったと言えます。
 しかし、その理念とは逆に、それぞれの知事を国の省庁の出先機関と位置づける戦前からの機関委任事務が残されることによって、地方自治とは名ばかりの中央集権的な体制が維持されてきたのです。そこで、名実ともにこうした戦後体制からの脱却をうたった第一歩が地方分権一括法の成立であり、その意味で歴史的出来事であったと言えるのです。
 そのようなときに、県議会議員としてのお役目をいただきました私は、常に地方自治とは何か、地方分権とは何かをテーマに議員活動を続けてまいりました。
 皆さん御存じのように、そもそも、江戸時代の我が国におきましては、江戸の文化よりも地方の文化の方がすぐれていたと言われています。それぞれの地方の力が明治維新をなし遂げ、近代国家の礎になったのです。
 また、明治の精神の根幹を支えた書物に「西国立志編」があります。これは、イギリスの啓蒙思想家サミュエル・スマイルズの「Self−Help」を漢学者・中村正直が翻訳したものです。中村は、その巻頭で「天は自ら助くるものを助く」という格言を掲げました。まさにこの「自助の精神」こそ、近代日本の形成に大きな影響を与えた言葉です。
 明治維新、そして敗戦に次ぐ第三の変革期と言われている今日、真の地方分権時代をいかにつくり上げていくのか、今、問われています。明治維新のとき、当時の若者たちが「自助の精神」に奮起して我が国をつくり上げてきたように、今を生きる私たちにも、みずからの地域はみずからの力でつくり上げていくという気概が求められています。
 地方分権の理念をうたった地方自治法の制定からちょうど六十年目というまさに記念すべき年を迎えた今日、県議会議員としてこの壇上に立たせていただいている責任の重さを改めて感じるところです。
 県民の生活や命をいかに守るのかという大きな課題に真摯に向かいながら、以下質問に入ります。
 初めに導入として、知事の政治姿勢についてお伺いします。
 まず、知事就任以来の率直な感想についてです。
 横内知事は、知事選挙に二回挑戦されるという大変強い意思を持たれて、今日の立場につかれたわけです。就任以来早四カ月が過ぎようとしています。公約として県民の皆さんと約束された政策提言の実現に向けた平成十九年度予算の編成作業、矢継ぎ早に立ち上げられた各種諮問会議の開催、中央省庁や企業へのあいさつなど、あっという間の四カ月間であったことと思います。
 これまで、知事の積極的な姿勢が、私は見られると思います。今まで国会議員として、あるいは県民として県行政の現状というものを外から見られてきたわけでありますが、改めて御自身が知事という立場につかれて、率直な御感想をお聞きしたいと思います。
 次に、知事と議会との関係についてです。
 本年は地方自治法施行からちょうど六十年目というお話を今させていただきました。戦後、地方自治という言葉が初めて登場し、制度的には地方自治議会というものがスタートしたわけです。しかし、今日に至りましても、私自身にとりましても、都道府県議会というところは、実に立場や役割が複雑で未成熟なところであると、日々悩んでおります。
 地方議会は、地域住民の代表機関でありますが、国会が国の最高機関であるのとは異なり、執行機関と対等の地位にあり、これとのチェック・アンド・バランスの上に立脚して、地方政治が行われなければならないとされています。
 つまりは、国会が採用しております議院内閣制でありますならば、内閣を形成している政党としての与党があり、その対局としての野党が存在するのです。そのことで、双方の立場が明確になり、おのずと政党政治のスタイルも確立されてくるところです。また、国民の側からも、与党である政府と野党の間で議論が交わされるため、非常にわかりやすいと言えるのではないでしょうか。
 しかし一方、憲法において定められているように、地方議会においては、知事と議員がともに住民から直接選ばれるという二元代表制を採用しております。中でも政党政治とのかかわり合いが強い都道府県議会においては、知事と議会の関係が不明確になりやすく、執行機関と議決機関が、互いに緊張関係を保ちながらも協力しつつ政策を決定し、実施するという、本来想定されている機能が充分に発揮されている状況にあるとは言えません。また、県民の目から見たときに対峙関係が不明確なため、非常に議論がわかりにくいものとなっています。
 国会議員の経験もある横内知事には、未成熟ではありますが、こうした県議会の立場や状況を十二分に御理解をいただきたいと望むところです。その上で、議会の活性化を図り、県民にとりまして政策決定のプロセスをわかりやすく示すためにも、二元代表制における知事の立場を積極的に果たしていただくことを期待いたしますが、御所見を伺います。
 次に、分権時代における県行政と新たな行政改革大綱の策定について、お伺いします。
 知事は、県庁改革や財政再建の取り組みなどを計画的、効果的に推進するため、四年間を計画期間とする行政改革大綱の策定に着手されたところです。
 そこで、行政改革大綱を策定していくに当たって、その政策的基本姿勢ともなる、地方分権時代における県の位置づけ、あるいは役割についてのお考えを以下お聞きします。
 冒頭、述べましたように、地方自治法の一部改正を含む地方分権一括法が、平成十二年四月に施行されたところです。これにより、都道府県においては、その事務の七割を占めていたと言われる機関委任事務が廃止され、名実ともに地方自治の確立に向けて着実な前進が図られたところです。さらに、本年四月にスタートした地方分権改革推進委員会におきましては、第二期地方分権改革として、国と地方の役割分担の見直しや、地方税財源の充実強化などが議論されております。また、道州制担当大臣のもと、いよいよ道州制の議論が本格的に始められたところです。
 これらの議論におきましては、地方自治は、基礎自治体である市町村が主役として機能することが求められています。都道府県としては、市町村との役割分担を見直し、都道府県に求められる必要最低限の行政サービスを確保する一方、必要を超えた行政サービスは行わないという確固たる理念に基づいて行政運営が行われるべきであると私は考えます。道州制を見据え、山梨というブランドを、小さいながらも輝きのあるものとする必要があります。これまでは、いずれの都道府県行政におかれましても、標準的な地方行政を目指し、どちらかというと、アベレージ型プリフェクチャーを標榜してきたと言えます。しかし、今日の分権型社会におきましては、それぞれの県の特色を生かし、先進的な取り組みを行うパイロット型プリフェクチャーへと転換することが必要となってきています。知事のお考えをお聞きします。
 また、行政改革大綱の策定に当たりましては、いかに県民のコンセンサスを得ていくのかが大切です。私は、県民の理解を得る最善の方法は、この議会のように、見える形で議論を行うことをおそれない姿勢にあると思います。県議会における議論はもちろんのことですけれども、知事が就任早々設置をされました経済財政会議などにおきましても、開かれた自由闊達な議論がされることを期待いたします。そのようなプロセスを惜しまない姿勢こそが、県民のコンセンサスの確立につながっていくものと考えますが、あわせて知事のお考えを伺います。
 次に、知事選挙において、横内知事が県民の皆様方に示された公約のうち、三項目につきまして、その考え方を改めてお聞きしたいと思います。
 まず第一に、県債残高約一兆円の削減についてという公約です。
 従来、国が都道府県の財政比較を行う場合、一般会計と一部の特別会計を合わせた普通会計ベースで行うこととされてきました。しかし、横内知事は選挙を通して、あえて普通会計に企業会計や土地開発公社などの債務残高を合わせた形で、県の借金一兆円という言い方をされてきました。このことは、先週、成立しました「地方公共団体の財政の健全化に関する法律案」で触れられておりますように、今後の新しい、国が定めております会計基準として出されている公営企業、出資法人等を含めた普通会計の実質的負債の標準財政規模に対する比率として出される将来負担比率の考え方にまさに合致したものでありまして、ある意味で有効なとらえ方と言えます。
 国、地方ともに財政再建を図らなければならない今日的課題という側面からは、人件費などの経常的経費や、公共事業などの投資的経費を積極的に削減していく場合の旗頭として、非常にありがたい、説得力のあるキャッチフレーズとなります。
 しかし、一方において大変危険な言い方であるとも言えます。つまり、都道府県の財政運営は、地域経済と緊密な関係にあり、無理な財政運営が地域経済に与える影響は非常に大きなものがあります。従来のように国の関与が非常に強かった時代とは異なり、知事のイニシアチブによって積極的な財政改革が可能となりました。しかし、私の個人的な見解でありますけれども、見た目だけの県債残高削減策が地域経済を大きく後退させてしまった、長野県の田中前知事の行った財政運営は失敗であったと思っています。そのような中、横内知事は、どのようにこれから、一兆円と主張された県債残高の削減を進めていこうとされているのか、お伺いします。
 第二に、県立図書館の建設についてお伺いします。
 知事は、生涯学習センター機能を備えた図書館のあり方に反対されました。
 今日のように、道州制などの議論が進められている状況を考えた場合、基本的に県として図書館を持つ意義から議論がなされなければならないと思います。歴史的な県民財産としての図書や資料など後世への継承や、県内の既存図書館のネットワーク化などの機能を果たすことも必要でしょう。また、産学官の拠点として大学などとの連携の場としても新しい図書館という姿が見えてきます。
 アメリカなどに行きますと、既にライブラリー、つまり図書館、そういう言い方をしません。アメリカに行きますと、小学校や中学校、あるいは学校機関、大学に行きましても、ほとんどのところがライブラリーという言い方ではなくて、メディアセンターといいます。つまり、既存の図書館という形にとらわれるのではなくて、新しい時代にあわせた図書館という概念を打ち出していくべきであると思います。図書館建設についての知事のお考えをお伺いします。
 第三に、中部横断自動車道の建設促進についてです。
 知事は就任以来、建設費の負担軽減という公約達成のため、本当に積極的に国などへの働きかけをされています。この姿を私も評価しております。私は一方において、建設費の負担軽減もさることながら、一日も早い供用開始を目指すべきであると考えます。山梨県を取り巻く交流環境を見ますと、今月二十三日には圏央道のあきる野と八王子の間が開通いたします。また、平成二十一年には、富士山静岡空港が開港し、さらに平成二十四年には、第二東名高速道路が開通するなど、我が山梨県にとりましては、劇的に周辺環境が変わってまいります。
 昨年、県産の桃が台湾市場に二百トンという大量に出荷されました。県内でとれました果物がその日のうちに台湾、あるいは中国、韓国といった海外市場に出回ることも夢ではないのです。そうしたことを考えた場合、中部横断道の増穂以南が開通するまでに、これから十年間という月日を要することは、私は余りにも残念であると思います。県が負担する百八十億円に加え、むしろ、積極的な財政投入をしてでも、一日も早い、一刻でも早い完成を目指すべきであると考えます。それほど、この道路の果たす役割は、本県の発展にとりまして大変大きなものがあります。中部横断自動車道の早期開通に向けた知事のお考えをお聞きします。
 次に、産業立地の推進についてお伺いします。
 地方分権の時代を迎える中、財政の自立が求められている都道府県におきましては、自主財源の主要部分を占めます法人二税の確保は、必要不可欠です。それだけに、全国の都道府県は、さまざまな規制緩和や、企業に対する財政支援など、アイデアを競っている現状にあります。横内知事におかれましても、就任早々に産業立地推進本部を立ち上げられ、全庁を挙げての取り組みを始められたところです。先ほど申し上げましたように、圏央道の開通や、企業の積極的な設備投資などが、先日発表されました上野原工業団地への八社にも上る企業誘致につながったことは、大変喜ばしいことです。
 私は、地域産業の活性化において最も大切なことは、その理念であると思います。理念なき活性化は、必ずやいつの日か反動があり、地域産業として定着できるかどうかのリスクが大変大きくなります。今、産業界で叫ばれておりますのは、いかに優秀な人材を確保できるかです。既存の県内企業におきましても、地元で人材確保が難しいという理由で、県外へ移転を決めたところも出始めております。積極的に産業立地を進める上で、すぐれた人材の育成と確保は欠くことができないものと考えますが、産業立地推進という立場から県の取り組みをお伺いします。

 また、産業立地推進に当たっては、すぐれた人材の育成や確保と合わせて、許認可手続等における迅速な対応や、ワンストップサービスが求められてまいります。
 先月、経済産業省が公表した「都道府県の企業立地支援体制等に関するアンケート調査」結果によりますと、自治体の取り組みについて企業が改善を求める点として、「行政の対応は遅く、民間の発想に近づいてほしい」、あるいは「諸手続の窓口が複数存在し、それぞれの窓口への対応が必要だった」、そのような声が挙げられています。
 企業誘致において神話のごとく語られております三重県のシャープ新工場の誘致におきましては、企業の立地をシャープ自身が決定づけたのは、補助金ではなく、県の迅速な対応であったと言われております。
 立地企業からの要望に対し、迅速に対応できる体制をいかに整えていくのか、知事のお考えをお伺いします。
 次に、県職員の人材の活用についてお伺いします。
 いよいよ本年度から団塊の世代と言われる方々の大量退職が始まってまいります。とにもかくにも戦後のあらゆる「ブーム」をつくってこられましたのは、こうした団塊の世代の皆さん方です。そうした世代が新たな時代を迎えることにより、我が国にとりましては新時代を予感させるものがあります。
 県におきましても、多くの団塊の世代の方々がことしから退職されていきます。退職後も県職員として培ってこられた能力を社会の中で発揮されることが、大いに期待されるところであり、私は、こうした皆さん方の新たな力が地方再生のかぎにもなると思っています。
 しかし、一方において、公務員に対しましては、昨年来の公共事業をめぐる不祥事をきっかけに、退職後の再就職のあり方につきましても、多くの議論がされているところです。昨年十二月には、全国知事会において、「公共調達改革に関する指針」として緊急報告が出されました。それによりますと、職員の再就職制限とOB等からの働きかけ防止を強く求めています。本県におきましても、この報告を受ける形で、本年三月、「山梨県公共調達改革プログラム」を作成したところです。この問題に対する基本的な考え方と今後の取り組みについて、お考えをお聞きします。
 また、さきに述べたように、団塊の世代の方々は、多くの分野において専門的な能力の高い方々です。県庁で言いますと、特に、ベテランの技術系職員は、知識・経験が豊富であり、現場においては、まだ若手職員が育っていないこともあり、こうした技術系職員の大量退職に対する不安の声も聞こえてきます。団塊の世代の大量退職を迎える中、その高い能力を活用していかないのは、県庁だけではなく、山梨県全体にとりましても大きな損失であると言えます。現在、国におきましては、天下り防止策として、「官民人材交流センター」の設立が審議されておりますが、本県におきましても、山梨県版人材バンクを設けることも考えられるのではないでしょうか。そのように透明性を確保しつつ、技術系職員が退職後に能力を発揮できる環境をつくっていくべきです。既に大量退職が発生しており、時間的猶予がありません。退職する技術系職員の能力活用に向けたお考えをお聞きします。
 次に、医療の充実について、何点かお聞きします。
 第一に、県が行うべき医療政策についてです。
 現在、医療制度改革などに伴い、地方医療が大変混乱しており、各種の世論調査等からも、医療に対する国民・県民の関心の高さがうかがえます。
 私は、地域の開業医、あるいは民間病院、市立病院などの二次医療機関、そしてさらには県立病院のような政策医療に重点をおいた三次医療機関など、それぞれの分野における役割分担をより一層明確化すべきであると、これまでの間、ずっと訴えてまいりました。制度の未成熟さが現場の混乱を生んでいる主たる原因です。
 地域住民にとって必要な行政サービスを確保し、必要を超えたサービスは提供しないという行財政改革の理念に照らし合わせて、今後の県が行うべき医療行政をどのように進めていくべきなのか、まず知事にお伺いします。
 第二に、県立中央病院の運営についてお伺いします。
 現在、県立中央病院につきましては、地方公営企業法の一部適用という形で運営がなされています。しかし、政策医療という広域的な高度医療を行わなければならない医療機関として、毎年度一般会計から多額の財政投入もあり、また、必ずしも採算ベースに乗らない医療分野もあります。したがいまして、県民への説明責任が十分に果たされていくことが、県立中央病院運営の大前提でなければなりません。その意味において、現在の形態は十分であるとは言えません。地方公営企業法の全部適用ということになりますと、当然管理者は議会への説明責任が生じ、議員からの具体的な問いかけに対して、直接説明を行うことができるわけです。そうした努力を積み重ねていくことが、多くの負担を伴う政策医療に対して、県民の理解を深めることになると考えます。県立中央病院への地方公営企業法の全部適用に向けて、現在の状況と今後の取り組みについてお伺いします。
 第三に、医師・看護師の確保についてお伺いします。
 医療を取り巻く課題の中でも、とりわけ医師や看護師の安定的な確保につきましては、緊急を要する課題です。今回提出された「山梨県医師修学資金貸与条例」につきましては、ようやく対応策が出されたという感が否めません。しかし、既に医師免許を有する大学院生に対して貸与する第三種医師修学資金は、現場への即戦力となり得るという意味からも、非常に評価できるものです。今後、医師数の偏在などに充分に配慮された配置計画が策定されるべきであると考えますが、どのように進められていくのかお聞きします。
 第四に、私の得意分野、ドクターヘリの完全実施についてお伺いします。
 私は、県議会議員となりましてこの八年間、一貫して常に何ものにもかえることのできない人の命を守るというテーマに取り組んでまいりました。中でも、医師と看護師が同乗し、現場まで短時間で到着することのできるドクターヘリの実施に向けて取り組んできたところです。多くの皆様方の御理解をいただき、私の地元富士北麓東部地域におきましては、平成十四年の実験的運航の開始以来、約五年間にわたり実施されてきているところです。この間、多くの方々の命が助けられ、改めて医師が現場へ直行することのできる有効性を感じているところです。昨年、平成十八年度におきましては、約四十回の出動が、私どもの富士北麓東部地域になされました。
 本年四月には、国におきましても、「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案」が参議院を通過したところであり、今後、全国的な配備が進められていくものと思います。県におきましては、地域間の医療格差を解消するためにも、ドクターヘリの有効性を充分に理解され、さらなる運航範囲の拡大に努めていただきたいと考えますが、いかかでしょうか。
 次に、野生鳥獣による被害対策についてお伺いします。
 近年、自然環境の変化などにより、野生鳥獣による被害が深刻化しております。鳥獣による農作物などへの被害は、産業としての農業をされている国中地域の皆さん方への影響は言うまでもなく、私どもの住む郡内地域のように、小規模でありながらも行われている農業への影響も大変大きく、今後、耕作放棄地が拡大することも懸念されています。
 特に、ニホンザルによる被害は深刻です。住宅地の近くでの目撃も年々増加しており、子供や女性への人的被害も心配されています。県は、今回初めてニホンザルについても保護管理計画を策定し、本格的にその対策に乗り出そうとされています。
 ところで、こうした対策を行うに当たっては、被害の実態を把握することがまず重要となりますが、こうした野生鳥獣による被害は、統計上の数字にあらわれない被害が相当あるものと推定されます。県は、どのように現状を把握されているのか、まずお伺いします。
 また、ニホンザルの保護管理計画におきましては、年間の捕獲目標数を四百頭とされていくようですが、有害捕獲と管理捕獲は一体的なものであり、有害捕獲に対しましても、県としての支援策を設けるべきであると考えますが、お考えをお聞きします。
 次に、観光戦略についてお伺いします。
 私が申すまでもなく、山梨県の観光資源のすばらしさは、我が国有数のものであり、地域産業として期待するところは大きなものがあります。また、私は、山梨観光の特色は、それぞれの地域で個性を出しながらも、県全体としてのイメージを形成しているところにあると思います。すべてが同じような観光地ではなく、それぞれの特徴が光る、また訪れてみたいと思う場所であるがゆえに、期間の長短はありますけれども、年間を通して非常に多くの方々がここ山梨県を訪れていただいているのだと思います。
 それぞれの地域がみずからの手で特色に磨きをかけ、それらをネットワーク化する中において、戦略的に県全体のトータルイメージを打ち出していくことが大切であります。ことしは「NHKの大河ドラマ」、来年は「JRのデスティネーションキャンペーン」といったように単発的な発想では、多くの方々から行ってみたいと言われる観光地として支持を得ることができないということは、過去の教訓からも明らかです。
 さきに述べましたように、いよいよ経済的にも恵まれた団塊の世代の方々が時間的余裕を持ち始める時代がやってまいりました。今こそ、一過性のブームに踊ることなく、「週末は山梨にいます。」、大変私は気に入っています。すばらしい言葉です。こういう言葉が一つのステータスとなるような観光地づくりを目指すべきであると思います。
 今後、県として継続的な観光戦略をどのように図っていこうとされているのか、また、観光資源の個性化やネットワーク化について、県の果たすべき役割をどのように考えておられるのか、お伺いします。
 最後に、今後の警察行政のあり方についてお伺いします。
 一昨年来の警察署統廃合などの議論を踏まえて、本年四月から警察署の統廃合が実施されたところです。行政改革を進めていくときに最も必要なことは、いかに地域の皆さん方に、県民の皆さん方に説明責任を果たしていくのかということです。
 平成の大合併と言われた市町村合併を担われた市長さん方にお会いしますと、必ずといっていいほど、合併後の大変苦しい思いを皆さん方が訴えてこられます。それほど、現実的に行政改革をすることは大変厳しいもの、難しいものがあると私は思います。
 警察署の統廃合におきましても、それぞれの地域にとりましては、歴史的になれ親しんだ署の廃止や統合ですから、今までの生活環境の中から何か心のすき間が生まれてしまったかのような錯覚さえ覚えます。今、署の廃止をされた地域で、住民のそんな気持ちが日々高まっています。
 統廃合の準備に費やした日々と同じだけの時間を使って、地域住民の皆さん方への説明を果たしていかなければなりません。また、地域住民の意見もぜひ聞いていただきたいと思います。
 現在、行政にも、そして行政ばかりではなくて、私たち議員にも、勇気ある改革を進めていくことが求められている時代です。労苦を惜しむことなく、互いに理解を得るために、地域住民の皆さん方に説明をしていく努力をしていかなければなりません。
 そこで、警察署の統廃合が進められた地域に対して、今後どのように対応されていくのかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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◯副議長(樋口雄一君)森屋宏君の質疑質問が終わりました。
 これより当局の答弁を求めます。知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)森屋議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、自民党新政会を代表され、みずからの議員活動のテーマと位置づけられた地方自治や地方分権のこれまでの歩みに言及されながら、県政各般にわたり御質問いただきました。
 また、「天は自ら助くるものを助く」という格言に込められた自助の精神の大切さを訴えられ、これからの地域づくりに当たっての心構えを述べられたところでございます。
 私は、県民の皆様の安全・安心な生活の確保を第一義に考えながら、地方分権改革が目指す「個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現」に全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、私の政治姿勢について、幾つかお尋ねをいただいております。
 まず、知事就任以来の感想についてです。
 知事に就任してから四カ月がたち、本当に御指摘のとおり、あっという間に過ぎたというのが実感です。私の判断一つ一つが県民の生活に直結するということが、ひしひしと感じられますから、大変な重責だと常に思うと同時に、「山梨再生」という大きな目標に向かって、日々充実感を持って、この仕事をやってまいりました。
 「山梨を変える」ことのためには、まず「県庁改革」が必要であると申し上げてきており、このため、知事就任後、この四カ月の間に、職員のやる気と能力を引き出す人事異動を行うと同時に、産業立地室や知事政策室といった、私の政策提言を実現していく上でかなめになる組織づくりを行わせていただきました。また、私は機会あるごとに職員の意識改革を職員の皆さんに訴えてまいりましたが、かなり浸透してきたのではないかと思っております。
 また、私の掲げてまいりました政策提言の中でも、既に動き出しているものもございまして、「県政ひざづめ談議」や「経済財政会議」というようなものも始めております。同時に先日、「暫定版行動計画」を公表いたしましたけれども、そこで私の政策提言の大部分については、具体的な形でお示しして、同時に、今議会に提案している政策予算に盛り込むこともできました。
 そんなことで、私なりに精いっぱいの努力をして、一定の成果を上げることができたのではないかと思っております。
 しかし、まだ取り組みは緒についたばかりでございまして、実現に大きな困難を伴う課題も残っております。今後とも、私みずから先頭に立って、県庁の職員と一緒に前向きに挑戦をしていきたいと考えております。
 次に、議会との関係についてですけれども、難しい御提案でした。確かに議院内閣制というものは、政府・与党と野党が対峙する関係にあり、それだけに国民にとってわかりやすいという面はあります。それに対して二元代表制というのは、それぞれが県民から選ばれる者であるだけに、なかなか対峙関係が明確にならなくて、県民に議論がわかりにくい点があるというのは、確かにそのとおりだと思います。要は、知事も議会も議員各位がそれぞれお一人お一人、率直に自分の考え方をオープンに県民の前で訴えかけられることが大事だと思っております。そんな観点から、私としては、県民の皆さんに政策決定のプロセスを分かりやすく説明するために、県政に関する情報を県民に積極的に公開し、政策決定の内容を、県民にできるだけわかりやすく説明する努力をしてまいりたいと思っております。同時に、この議会の場におきましても、執行部としての考え方を懇切丁寧に御説明し、議員各位とオープンに、率直かつ積極的に議論を交わしていきたいと考えております。
 次に、分権時代における県行政のあり方について、御質問がありました。
 地方分権における大原則は、「地方ができることは地方が担う」ということです。したがいまして、その中心的な役割を担うのは、住民に最も身近な市町村であり、県は、この市町村との役割分担のもとで、広域的な観点から市町村の事務を補う。そして、市町村を支援していく、それが県の役割だと思っております。
 このため、市町村への権限移譲を積極的に進めながら、まちづくりを初めとして市町村に対する支援を充実させるとともに、県内の地域間で格差を生ずることがないように、バランスのとれた政策を展開していきたいと考えております。
 一方で、御指摘がありましたように、分権の時代は地域間競争の時代です。この地域間の、都道府県間の非常に激烈な競争が行われるわけであり、そういう競争の時代には、議員のおっしゃる何事も平均点をとればいいというアベレージ型の県政運営では、勝ち残ることができないと思います。この地域間競争に打ち勝っていく。同時に、将来、道州制が実現していくことがかなり確実な状態になってまいりましたけれども、本県がこの道州の中で取り残されないためには、本県の持つ魅力、強みを最大限に発揮し、特色ある県づくりに取り組むことが重要だと思います。
 幸い、本県は東京に近いという立地条件だけではなく、富士山を初めとする豊かな自然や果樹、ワイン、宝飾などすぐれた地域資源に恵まれており、また日本一の健康寿命とか、あるいは全国でトップクラスの少年犯罪の少なさというのも、本県が誇れる特色です。こういう、他県にない山梨の特色というものを最大限に生かしながら、存在感のある山梨づくりを進めていくことが、議員が提唱されている「パイロット型プリフェクチャー」ということの趣旨だろうと思い、私も全く同感です。
 それから、新しい行政改革大綱の策定の仕方について、御質問がありました。行政改革大綱の策定に当たりましては、私が議長を務める山梨県経済財政会議と、それから、この経済財政会議のもとに、行政改革について集中審議をお願いしている専門部会を設置して、各界各層の有識者によるさまざまな御議論、御提言をいただくことにしております。
 いずれの会議も、公開をすると同時に、会議録や会議資料を県のホームページに掲載するなど、改革に向けた議論が、多くの県民に見える形で進めてまいりたいと思っております。
 これらの議論に加えて、県議会における自由濶達な御議論や、パブリックコメントによる県民の御意見などをいただき、広く県民のコンセンサスを得ながら、行政改革大綱を策定してまいりたいと考えております。
 次に、私の公約について、幾つかお尋ねをいただいております。
 まず、県債残高一兆円の削減の問題についてです。
 本県の県債残高につきましては、議員御案内のとおり、たび重なる国の経済対策に呼応した公共事業の拡大に伴う県債発行があったということと、それから国の地方財政対策によって、本来、国が交付税として交付すべきものを、臨時財政対策債という形で県が一時期、全額、後で国に返してもらう前提で起債をしているものが主たる要因になって、年々増加し、平成十八年度末における普通会計ベースでは約九千億円、これに企業会計の県債残高、地方公社等への損失補償などを含めますと、一兆円を超えております。
 このうち、実質的な交付税である臨時財政対策債などを除いた通常の県債につきましては、その発行を抑制する必要があると考えており、今年度の予算編成に当たっては、昨年度に引き続き、発行額を元金償還額の範囲内に抑制したところです。
 今後、さらなる抑制に向けては、県債を主な財源とする公共事業の縮減が必要ですけれども、本県においては、建設業が生産額においても雇用においても、県経済の約一割を占めており、急激な公共事業の縮減は、県内経済や県民生活に大きな影響をもたらすわけです。
 このため、公共事業につきましては、地域経済の持続という観点から、県内事業者の受注機会をできるだけ確保していくということと同時に、縮減する場合には段階的に行う必要があると考えております。
 今後の県債残高の削減の進め方ですけれども、実質的な交付税である臨時財政対策債等を除き、通常の県債や企業債等について、数値目標を定めて、その残高の計画的な削減を図っていく必要があると考えており、県議会の皆様方はもとより、経済財政会議などでも御意見を伺いながら検討を進め、新たに策定する行政改革大綱に盛り込んでいきたいと考えております。
 次に、県立図書館の建設についての御質問ですけれども、県立図書館は、豊富な図書やさまざまな情報を備えて提供するとともに、県民の多様な調査研究に関する支援を行い、図書館ネットワークの拠点となることによって、県民の知的ニーズにこたえて、山梨の人づくりを支える役割を担っております。
 新たな県立図書館は、こうした役割を受け継ぐとともに、情報化社会の進展など新しい時代にふさわしい県立図書館として整備したいと考えております。
 現在、「新県立図書館整備検討委員会」において、そのあり方や備えるべき機能などについて御議論いただいており、この委員会での御提言や県民の皆様の御意見を踏まえて、整備計画を策定してまいります。
 財政事情が厳しい折から、建設費はできるだけ縮減をせざるを得ないわけですけれども、機能や運営のノウハウといった面においては、全国に誇れるような計画をつくっていきたいと考えております。
 次に、中部横断道の建設促進についてです。
 中部横断道は、東名高速道路や中央自動車道をつなぎ、日本の南北を結ぶ基幹道路であり、本県の発展に欠かせない重要な社会基盤であると考えております。
 このため、一日も早い全線開通が必要であり、私はそのことを国や中日本高速道路株式会社に対し、機会があるごとに要請し、早期整備への前向きな回答をいただいております。
 増穂以南においては、一万筆を超える用地取得が想定され、さらに、橋やトンネルなどの構造物も八割近くを占める計画になっております。
 そういうことから、県は用地取得事務を受託して、早期の取得に努めると同時に、工事用の進入路となるアクセス道路を先行して整備するなど、本線の工事がスムーズに進むよう沿線の町とも協力し、最大限の支援を行うこととしております。
 これらの取り組みにより、全線での事業展開を図り、十年以内のできるだけ早期に完成を目指していきたいと考えております。
 次に、産業立地の推進についてです。
 まず、すぐれた人材の育成と確保が必要であるとの御指摘のとおりであり、企業が立地場所を選定する際には、適切な用地が確保できるかどうかということのほか、人材が確保できるかどうかが大きな評価要因となっております。
 そこで、県といたしましては、山梨大学の学生に対して、県内企業への就職を働きかけるとか、卒業者の本県への定着を図ると同時に、首都圏の技術系大学と県内企業との就職情報交換会の開催や、Uターン、Iターンの希望者に対する就職情報の提供などにより、すぐれた人材の確保に取り組んでいるところであります。
 また、企業の期待にこたえられる人材の育成を図るために、県立産業技術短期大学校において、高度な技術や技能、専門知識を持った実践技術者の育成を図っております。
 しかし、人材確保難が本県の企業誘致にとって最大の隘路であることは、御指摘のとおりであり、本県にとっては大変につらい点です。今後、人材確保策の強化を検討してまいりたいと思っております。
 次に、立地企業からの要望に迅速に対応できる体制についてですが、職員の熱意や迅速な対応が、企業誘致にとっては大変に重要です。
 このため、産業立地推進本部の幹事会において、迅速な土地利用調整やワンストップサービスに向けた連携について申し合わせ、企業からの相談には直ちにこたえるという体制を整えたところです。
 さらに、産業立地にかかわる相談の一元的な窓口として、産業立地推進課を事務局とする「やまなし産業立地コミッション」を設置し、企業への売り込みや関係機関との調整、立地企業のフォローアップに強力に取り組むこととしております。
 こうした取り組みに加え、本年施行された「企業立地促進法」を活用して、県と地域が一体となって、実効性の高い対応ができる体制を整え、産業立地の推進を積極的に図ってまいりたいと思っております。
 次に、医療の充実につきまして、幾つかお尋ねがありました。
 まず、県が行うべき医療政策についてです。
 県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、広域的な対応が必要なものや、その規模、または性質において、一般の市町村が処理することが適当でない医療政策を推進していく必要があると考えております。
 具体的には災害時医療、救急医療、高次医療といった高度な医療の体制整備を図るということと、医療従事者の確保、それから医療に関する情報の提供や医療の安全確保などは、県が行うべきことだと考えております。
 今後も、住民にとって身近な地方公共団体である市町村や、民間の診療所、病院など医療提供施設とのさらなる役割分担の明確化と連携を進めながら、県が果たすべきこれら施策の充実を図り、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を図ってまいりたいと思います。
 次に、県立中央病院の運営についてです。
 県立中央病院は、県の基幹病院として一般会計から繰り入れを受けて、政策医療を提供していることから、その経営状況について、県民に対し十分に説明していく責任があります。
 地方公営企業法を全部適用することにより、管理者を設置して、経営責任の明確化を図ることは可能となりますが、経営形態の見直しにつきましては、地方公営企業法の全部適用のほかにも、地方独立行政法人化とか指定管理者への管理委託など、いろいろな形態が最近は他県において行われておりますので、そうした近年の他県の動向なども研究しながら、幅広く検討する必要があると考えております。
 このため、本年度、企業経営者や病院経営の専門家などで構成する委員会を設置し、本県の病院事業にふさわしい経営形態、経営のあり方を研究・検討してまいります。
 次に、医師・看護師の確保についてです。
 医師・看護師の確保は重要な課題となっており、中でも地域医療機関における医師不足は大変に深刻な状況です。
 このため、医学部生や大学院生に奨学金を支給する「医師修学資金貸与事業」、県職員として採用した医師を地域の公立病院等へ派遣する「ドクタープール事業」など、多様な方策を実施したいと思っております。
 奨学金の貸与を受けた医師の卒業後の活用については、個別の医療機関への配置などを定める計画までは策定をいたしませんけれども、今後、医師を主に派遣する山梨大学と十分に相談をしながら、確保したお医者さんが、医師不足の深刻な地域の公立病院等にバランスよく配置できるよう努めてまいりたいと思っております。
 また看護師も不足の状態で、ハードな職務を強いられており、処遇の改善による離職防止等に努めてまいりたいと考えております。
 次に、野生鳥獣による被害対策についてです。野生鳥獣による農林業被害、生活被害が極めて深刻となっており、この被害を防止して、安心して生活、生産活動ができる環境づくりを進めることが、緊急の課題です。
 本県のニホンザルは生息域を拡大し、県内の生息数は三千五百頭から四千頭、群れの数は約七十と推定されております。
 こうした中で、ニホンザルによる農業被害が深刻となっており、昨年度は果樹・野菜を中心に約百六ヘクタール、七千八百万円の被害が生じております。
 さらに、人を威嚇したり、人家へ侵入したり、物を壊すといった生活被害についても、多くの市町村から報告されております。
 こうした状況を踏まえ、新たにニホンザルの保護管理計画を策定し、防護さくの整備や追い払いなどの被害防止対策を徹底するとともに、適正な生息密度になるように管理捕獲を実施することといたしました。
 有害鳥獣の捕獲につきましては、従来から、地域の実情に応じて市町村において取り組んできたものですが、管理捕獲については、保護管理計画に基づき、広域的な取り組みが必要であることから、県が支援を行うこととしたものです。
 本年度は、市町村の要望も踏まえ、この助成額を前年度に対して二倍と大幅に増額したところです。
 今後も、モニタリング調査による生息数や被害の実態を踏まえるとともに、市町村と連携して、効果的な管理捕獲を実施し、被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、観光戦略についてです。
 現在、「週末は山梨にいます。」というキャッチフレーズで、首都圏のシニア層をターゲットとした大型観光キャンペーンを展開しております。
 御指摘のように、これを一過性のものとしないことが重要であり、市町村や観光協会、NPOなどと一緒になって、山梨ならではの滞在型旅行商品の企画や四季折々のイベントづくりなどを進めています。
 また、キャンペーン後をにらんだ観光戦略も重要です。このため、「山梨県観光懇話会」を来月初旬から開催し、山梨の魅力が体感できる観光地づくりや、これからの官民連携のあり方について御議論をいただく中で、今後の観光戦略をつくってまいりたいと考えております。
 また、地域固有の観光資源を再発見し、磨き上げて、これを地域の人々みずからが胸を張って売り出すことが大切ですので、六月補正予算におきましては、「地域観光コーディネート推進事業」を実施することとしております。
 既に、八ヶ岳南麓の朝を楽しむプログラムとか、県内各地で、地域の宝を生かしながら観光客を迎え入れる取り組みが芽生えてきております。
 今後、このような地域の動きをさらに加速させるため、観光協会等が行う農業体験や、自然を生かした滞在メニューづくりなどを積極的に支援していきたいと思います。
 また、これらを相互に連携するなど、個々の魅力をさらに高めるネットワークの構築を促進するため、民間や市町村と一体となって、情報交換や交流を進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、本県の魅力を最大限生かしながら、多くの人々に支持され続ける観光地づくりを進めてまいります。
 以上をもって私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長から御答弁をさせていただきます。
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◯副議長(樋口雄一君)総務部長、古賀浩史君。
      (総務部長 古賀浩史君登壇)
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◯総務部長(古賀浩史君)森屋議員の県職員の人材の活用についての御質問にお答えします。
 公共調達をめぐる一連の不祥事を契機に、全国知事会におきましては「公共調達改革に関する指針」を定めたところです。これを踏まえ本県におきましては、公共調達における公正な競争の促進や透明性の確保をさらに図るため、「山梨県公共調達改革プログラム」を策定し、県民の信頼確保に努めているところです。
 このプログラムにおきまして、職員の再就職の制限等につきましては、地方公務員法等の動向を見きわめて対応することとしております。現在、同法の改正案が国会で審議されているところですが、県としては今後、法改正がなされれば、速やかに対応してまいりたいと考えております。
 一方、OB職員については、土木・建築分野の専門技術や組織運営のノウハウ等、その在職中に培った経験や能力を有効に活用し、社会に還元していくことが重要です。これまでも、再任用職員や県非常勤嘱託として雇用するとともに、市町村や県関係団体から要請があった場合には、適任者を推薦しているところです。
 今後の職員の再就職のあり方につきましては、再任用制度等、公務内での活用をさらに進めるとともに、透明性の高い仕組みにより、民間でもその能力が活用されるよう、官民人材交流センターなど国における論議も踏まえつつ、検討を進めてまいります。
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◯副議長(樋口雄一君)福祉保健部長、中澤正史君。
      (福祉保健部長 中澤正史君登壇)
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◯福祉保健部長(中澤正史君)森屋議員のドクターヘリの完全実施についての御質問にお答えします。
 救急医療に精通した医師が、救急現場から直ちに救命医療を開始できるドクターヘリは、救命率を向上させ、救急医療提供体制の充実・確保に資するものであり、本県においては、現在、神奈川県と共同運航を実施しております。
 ドクターヘリの全国配備を促進することを目的とした法案については、現在、国において審議中ですが、本県へのドクターヘリの配備につきましては、財政負担のあり方、救急専門医の確保、ヘリコプターの待機場所の確保などの課題があります。
 一方、長野県においては、佐久総合病院においてドクターヘリを運航しており、神奈川県の運航範囲を当てはめますと、北杜市を初め韮崎市、甲斐市、甲府市、山梨市の一部が運航対象となります。
 また、静岡県においても、伊豆の国市の順天堂大学医学部附属静岡病院でドクターヘリを運航しており、同様に峡南地域の一部が対象となります。
 このような中で、本県へのドクターヘリの配備につきましては、国の動きを踏まえつつ、引き続き、研究していく一方で、隣接県への共同運航の働きかけを行うなど、本県におけるドクターヘリの運航範囲の拡大を検討していきます。
 以上であります。
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◯副議長(樋口雄一君)警察本部長、篠原寛君。
      (警察本部長 篠原 寛君登壇)
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◯警察本部長(篠原 寛君)森屋議員の今後の警察行政のあり方についての御質問にお答えします。
 犯罪捜査はもとより、犯罪や交通事故の抑止など、あらゆる警察活動を円滑に進めていくためには、県民の御理解と御協力が不可欠です。
 御指摘のありました今回の警察署の再編整備も、それぞれの警察署の治安維持力を高めることを目指して行ったものですが、その地域の方々の御理解、御協力が得られなければ、その目的を達することはできないと考えております。
 そのため、県警察といたしましても、それぞれの地域の方々に今回の再編整備について御理解をいただくため、これまでも、各種会合などあらゆる機会を活用して、その基本的な考え方などを御説明申し上げますとともに、あわせまして、廃止した警察署の管内の方々のその不安を少しでも少なくするため、廃止警察署を分庁舎とし、その地域における治安維持の拠点として、引き続き活用することなどの措置を講じてきたところであります。
 今後とも、それぞれの地域の方々の御理解、御協力が得られますよう努めてまいりますが、最も大切なことは、それぞれの地域の方々に、再編前に比べて、治安がよくなったと真に実感していただけるよう、具体的な成果をお示しすることであると考えており、それに向け、最善の努力を尽くしてまいる所存であります。
 以上であります。
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◯副議長(樋口雄一君)当局の答弁が終わりました。
 森屋宏君に申し上げます。残り時間は五分であります。
 再質問はありませんか。森屋宏君。
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◯森屋 宏君 それでは、県債残高一兆円という話、もう一度。
 知事の大変苦しい実感というものが、伝わってまいりました。私は前知事、あるいは前々知事の時代から八年間にわたって、この議会という場に来させていただいて、いろいろな議決に賛成をしてきた。そういう立場から、私は都道府県議会というのは、先ほども言いましたように、国の議院内閣制とは違って、執行部と議員というのはともに結果において、責任を共有していくものだという考え方をいつも持っています。そういう意味で、この八年間というのは、まさに国の経済対策、あるいは臨時財政対策債に象徴されますように、本来、国が配るべき交付税が足りないから、地方に借金を負わせたというものに対して、その計画を賛成してきた意味で、私はこの一兆円ということに対して、共有責任というものを常に感じてまいりました。
 そういう意味で、これからは新しい横内知事とともに、この一兆円の削減について責任を負っていかなければいけないという立場で、これからの取り組みを考えていかなければならないと思っております。
 そこで、一番気になるのは、今までのこの何年間というのは、財政調整基金はかろうじて五百億円を保ってきたんです。これは大変な経常経費の削減という御努力もあるし、片方において、景気が上向き傾向にありましたから、結果として予算のときには百四十億円、五十億円ぐらいの切り崩しはしたんだけれども、結果としては、またそれを戻すという形で来られたんだけれども、県がつくっている財政の中期見通しを見ると、先ほどの話と同じように、これから団塊の世代の退職者がたくさん出てくるんですね。この退職金が膨大になってくること。それから臨時財政対策債のような三年据え置きの償還がまた始まってくるということで、私はこの財政調整基金等の三基金の残高というか、今後の見通しが大変気になるんですけれども、その辺は総務部長、いかがですか。
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◯副議長(樋口雄一君)総務部長、古賀浩史君。
      (総務部長 古賀浩史君登壇)
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◯総務部長(古賀浩史君)森屋議員の基金残高の今後の見通しについての再質問にお答えいたします。
 ただいま議員から御紹介がありましたように、本県における主要な三基金、財政調整基金、県債管理基金並びに公共施設整備等事業基金の合計残高は、ここ数年、五百億円程度で推移しております。また、今年度は厳しい財政状況の中、当初予算におきまして、これらの基金から百四十億円を充当したところです。
 今後を見通すことは、地方財政対策にも大きく左右されるということですので、非常に難しい面があるわけですけれども、今後、引き続き厳しい財政運営を余儀なくされるということが想定されますので、基金の充当は引き続き避けられないものと考えています。
 その際、一方で災害対応などの緊急な財政需要等に対する財源を留保しておくことは重要ですので、基金の取り崩しについては、可能な限り抑制していく必要があると考えております。このため、財政改革の取り組みを精いっぱいやってまいりたいと考えています。
 以上であります。
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◯副議長(樋口雄一君)森屋宏君に申し上げます。残り時間は三分であります。
 再質問はありませんか。森屋宏君。
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◯森屋 宏君 大変厳しいものが感じられます。宮崎県知事は横内知事と同じときに知事になったんだけれども、宮崎県はホームページ等を通して、いろんな意味で、そういう取り組みを早速こういうふうに出しているんです。
 だから、ぜひ山梨県も中期財政見通しみたいなものが、横内知事になってからのものは、まだ出てきてないけれども、こういうものも早く、一般にわかるような形で出していただきたいと思います。
 そこで、一兆円を減らしていく場合には三つあると思うんです。一つは、知事が一生懸命なされているように企業の誘致等を図って、財源の確保を図っていくと。しかしながら、これは時間かかります。時間がかかって、成果がなかなか見えにくい。それからもう一つ、次の大きな目標は、人件費を削減していかなければいけないと思います。いろいろな数字がありますけれども、山梨県の職員総数というのは、必ずしも同じ規模の都道府県に比べて少ないというわけではないです。むしろ多い方に数えられています。この部分の削減をしていかなければいけない。ここに大きなポイントがあると思います。何度も言いますように、ことしから団塊の世代が大量に退職していく。しかしながら、人員を新規採用を抑制していくとか、そういうことでやっていかなければいけないと思います。
 それから、いろいろな部署、今回出ている新規予算を見ましても、細かいことを言うと、本当にこういう事業を県がやる必要あるのかというのが、幾つもあります。だから、今までの人数とかそういうものを守るために何かつくっているのではないかと思われる事業もたくさんあるんです。そういうところは、先ほど知事がおっしゃっているように、地方分権、それから人員削減という精神を、理念というものを各職員、部局のところにも徹底させて、必要以上の行政というのはやらないんだという覚悟の中で、やらなければいけないと思います。
 公共事業についても削減していかなければならないけれども、確かに先ほどの臼井議員のお話もあったように、この何年も、公共は五%、準公は一二%という大変苦しいカットをしているんです。このことをさらに進めていくということは、本当に知事も、あるいは私たち議員一人一人も覚悟を決めてやらないといけない大変難しい部分がある。しかしながら、やらなければいけないのかなという気もいたします。
 とにかく、知事が今回、新しい見解で、私は臨時財政対策債という部分を実質交付税という言い方をしたのは、これは知事の逃げた言葉じゃなくて、真実の言葉として評価します。ぜひそういう理念で、これからもっともっと知事にそういう説明を、県民に対して共有理解が得られるようなことをしていっていただきたいと思いますけれども、最後に知事、いかがでしょうか。
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◯副議長(樋口雄一君)知事、横内正明君。
      (知事 横内正明君登壇)
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◯知事(横内正明君)議員がおっしゃいますように、一兆円の全体としての削減を図っていく努力をしていかなければならないわけですが、もうまさに釈迦に説法ですけれども、そのうちの臨時財政対策債は、これは国が本来、交付税で出すべきものを、国の責任において本来やるんだけれども、借金しておいてくれ。後で全額見るからということでいっている話で、山梨県として、それを減らすとかコントロールができる性格のものではないものですから、これについては交付税と同等のものであって、削減云々が言えないことは、県民の皆さんにはよくよく御説明していかなければならないと思います。
 したがって、その一兆円のうち、それを除いたものについては県に責任があるわけであり、通常の県債というだけではなく、県が債務保証している出資法人や公社等の債権と債務も含めて、削減の計画をしっかりと立てて、そして県民の皆さんに御理解いただくように努力していかなければならないと思っております。
 先ほど御説明いたしましたように、行政改革大綱という中で、これはきちっとした削減目標を立てて、御説明させていただきます。それが中期財政見通しというような形に、なっていくとお考えいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、一生懸命努力いたしますので、厳しい御叱正、同時にアドバイスをいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
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◯副議長(樋口雄一君)これをもって森屋宏君の代表質問を打ち切ります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 明二十日、午後一時、会議を開き代表質問を行います。
 本日はこれをもって散会いたします。
                                          午後三時五十一分散会