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平成22年経済・雇用対策特別委員会 本文




2010.09.27 : 平成22年経済・雇用対策特別委員会 本文


◯屋敷委員長  ただいまから経済・雇用対策特別委員会を開会する。
 委員の席は、ただいま着席のとおり指定したので、了承願う。
 本日の傍聴人は、1名である。
 傍聴人の方には、さきにお知らせした留意事項を守って傍聴を願う。
 それでは、議事に入る。
 これより、審査に入る。
 本委員会の、付議事件である、「不況対策及び雇用対策に対する調査に関することについて」を議題とする。
 それでは、理事者より報告事項があるので、説明を求めることとする。


◯産業労働部長  それでは、経済・雇用対策について報告事項を申し上げる。
 なお、お手元に「福井県内経済・雇用情勢」と書いた資料を配付させていただいているので、あわせてごらんいただきたい。
 まず、最近の本県の経済情勢について申し上げる。
 本県独自に、県内100事業所を対象に調査している「ふくい街角景気速報」では、8月の現状判断DI、これは3カ月前に比べて今の状況がどうかということだが、その数字が54.9と、2か月連続して上昇しており、これまでで最も高くなっている。
 しかし、一方、先行き判断DI、これは現在から3カ月後がどうかということだが、この数字は44.5と、前月に比べ5.8ポイント低下し、先行きに対する不透明感があらわれている。
 また、県内の経済情勢を示す指標を見ると、製造業の生産動向を示す鉱工業生産指数については、きょう発表になるが、7月の数字が99.7と、前年同月比で12.2ポイント増加している。しかし、地場産業の繊維、眼鏡などについては、改善傾向にはあるがまだまだ低い水準にとどまっている。
 次に、雇用情勢については、7月の有効求人倍率が0.82倍ということで、これは全国1位の水準であるが、依然として1倍を下回っている状況である。
 さらに、消費動向については、7月の大型小売店販売額は前年同月比7.4%減ということで、これは1年10カ月連続で前年を下回っているような状況である。
 しかし、一方、7月の福井市の勤労者世帯消費支出、これは全国の県庁所在地等で調べたものだが、前年同月比35.4%増ということで、ここ数カ月増加してきている。
 企業倒産件数については、8月は10件であり、1月から8月末までで、合計51件ということで、前年同月比では30.1%減少している。
 こうしたことを踏まえ、本県経済は全体としては中小企業を中心に依然として厳しい状況にあると考える。
 また、最近の円高に伴う企業への影響について、8月下旬に県内の輸出関連中小企業38社を対象に調査を行った。
 この結果からは、このうち22社は円建て決済をしているなど、全体として現時点での影響は大きくないと報告をいただいているが、今後、円高が続く場合には海外企業からの受注減少や値下げ要請などが生じるとの懸念が示されている。
 現在も円高傾向があるので、引き続き県内企業の実態等を的確に把握し、国とあわせた機動的な対応を講じていきたい。
 次に、経済・雇用対策の実施状況について申し上げる。
 まず、「ふるさと商品券」については、8月末までの状況では、発行額17億7,000万円のうち既に75%が使用されている。今月末までが使用期限になっているので、利用を促進しているところである。
 これまでの状況を聞くと、従来に比べて買い物客が増加している、あるいは1人当たりの購買額も多くなるなどの効果も出ている。なお、詳細な成果の分析については、事業終了後に事業者並びに使用者である消費者に対する検証を行っていきたい。
 今後は、ふるさと商品券の効果を生かし、年末・年度末に向けたさらなる消費拡大を図っていく。
 次に、雇用については、本県独自の上乗せ助成である雇用維持緊急助成金の4月から8月末までの支給状況だが、1,065社、対象人数1万1,990人であり、支給額が約7,700万円になっている。
 また、国への休業計画届出件数については小規模・零細企業を中心に依然として高い水準が続いているので、引き続き支援の強化を図っていく。
 離職者の早期再就職対策については、雇用基金の活用や職業訓練の実施、さらには人材が不足している介護、農林水産分野での就業支援などを行っており、ことしは4,000人の雇用計画に対し、8月末現在で雇用基金で2,535人を雇用しているほか、老人ホーム等の介護職など、介護福祉関係に93名、農林水産関係に40名が就業しているなど、合計で2,903人が新たに就業している状況である。
 また、来年春の新規学卒者の就職については、昨年度より求人数が減少し、大変厳しい状況となっている。
 こういったことを踏まえ、既に7月までに3回、大学生中心の就職面接会を開催し、延べ約4,000人の就職支援を行っている。内定は10月1日になるが、既に就職のめどの立っている大学生等のいわゆる内々定の状況は、8月末時点で昨年を2%ほど上回ってはいるが、49.9%とまだ半数である。また、今月16日からは高校生についても採用選考が開始されているので、今後、さらに新規学卒者の就職支援を強化していく。
 次に、資金繰り対策については、経営安定資金の4月から8月末までの利用実績は、前年同月比で61.8%減の約78億円となっており、新たな資金ニーズについては減少傾向にある。
 しかし、借りかえを対象とする県の制度融資の資金繰り円滑化支援資金については、利用実績が約63億円で、前年同月比では6.3倍に増加している。
 現在の円高など、先行きへの懸念もあることから、中小企業の資金繰り対策については今後とも万全を期していきたい。
 次に、公共事業については、県単独公共事業をこの9月補正予算で21億円増額の149億円として昨年度を上回る規模を確保しており、道路の拡幅や農業用施設の補修等を重点的に実施することにより、県内経済の活性化を図っていく。
 また、経済・雇用対策の効果を早期に発現するため、引き続き公共事業の早期発注、地元発注に努めているところである。8月末現在の発注率はおおむね6割を上回っており、上半期発注率8割台確保の目標達成に向け、工事代金の早期支払い、分離分割発注等に努めているところである。
 これに関連して、建設業の新分野進出については、今年度創設した新分野進出補助金において、これまでにキノコ栽培やヨモギの栽培加工といった農林水産分野での新事業、さらには、シニア向け健康施設の開設といった、4つの案件を補助金として採択している。
 このほかにもいろいろ相談があるので、今後、新しい事業が早期に軌道に乗れるよう支援していく。
 次に、観光振興については、舞鶴若狭自動車道の無料化社会実験がことし6月28日からスタートし、嶺南地域を訪れた人の数は、8月末現在で前年比2割程度増加している。
 舞鶴若狭自動車道は、来年夏ごろに小浜ICまで、平成26年には全線が開通する予定となっているので、嶺南ならではの特徴を生かした観光資源を整備、連携させ、観光客の増加、観光消費額の拡大を進めていくことが重要と考えている。
 このため、海の幸などを生かした観光地の魅力づくりや核となる観光拠点の充実強化など、小浜から敦賀まで嶺南地域全体の観光プロジェクトを強化、強力に進めていくこととしている。
 次に、将来に向けた経済対策について申し上げる。
 まず、経済新戦略の検討状況だが、これまでに5回の検討会議を開催し、市場が拡大している中国への販売戦略や環境・エネルギー産業など、有望成長分野への進出戦略などについて議論を進めている。
 今月6日に開催した第5回検討会議では、この経済新戦略の全体像を想定した骨子案を提示しながら議論を進めているので、この内容について、後ほど蓮井企画幹から説明を申し上げる。
 なお、この経済新戦略に先立ち、海外販売戦略や新産業創出に向けた新たな取り組みを進めている。
 まず、海外への販路開拓については、北陸3県の官民で組織している「北陸3県繊維産業クラスター協議会」において、中国市場への販売を強化するため、国の支援を受けながら、今月13日から来年3月末まで、中国上海に常設の展示場を開設している。
 この常設展示場には、本県企業14社を含む19社が、北陸地域のテキスタイルを展示しており、多くの現地アパレル関係者やバイヤー等が訪れている状況である。
 また、11月3日から5日には、上海において独自の展示会「北陸テキスタイル展」を、初めて開催するほか、ヨーロッパやロシアでの展示会へも出展するなど、引き続き海外でのビジネスチャンスの拡大を進めていく。
 また、県内の次世代技術産業分野における企業の研究開発人材を育成・確保するために、ふくい産業支援センターにおいて、9月から2名の若手研究者を期限付きで雇用している。
 大学や企業の研究開発現場において、最近進んでいる二次電池であるとか、本県の特色である表面加工処理などの共同研究に携わりながら、専門知識や研究ノウハウ・スキルを磨き、雇用期間終了後は、県内中小企業で雇用していただき、研究開発部門で活躍していただく予定である。
 また、最後になるが、企業誘致については、ことし7月にテクノポート福井にある木材加工会社のファーストウッド株式会社が、大野市への工場増設を決定している。来年4月の操業開始を目指しており、その際には、新規雇用は約100人が見込まれている。
 今後とも、環境・エネルギー関連産業や、最近進んでいるクラウドコンピューター時代を担うデータセンターといった有望成長分野の企業誘致を進めていきたい。
 以上、経済・雇用対策についての私からの報告を終わらせていただく。よろしくお願いする。

〔産業労働部企画幹 「経済新戦略検討会議における福井県経済新戦略の検討状況」
について資料に基づき説明〕


◯屋敷委員長  説明は終わった。各委員の発言を願う。


◯山田委員  先ほどの部長説明のうち、特に中国関係のことを聞くが、昨今尖閣諸島を初め、中国とぎくしゃくした関係にあるが、どのような対応をしているのか。いろいろと視察団も打ち切られているようだが、今後の見通しや対応はどう考えているのか。


◯産業労働部長  尖閣諸島問題で、ここしばらく日中間が経済的にも少し滞っているような状況だが、中国へ進出している県内の企業が、事業所でいうと100以上あるので、そのなかの幾つかに状況を聞いている。
 現時点においては、いわゆる商売上の大きなトラブルは生じていないということだが、やはり通関で、日ごろより時間がかかっているように感じられる部分がある。
 例えば、先ほど申した北陸3県繊維産業クラスター協議会が、向こうで展示商談会をするために物資を送っていたが、普通だとスムーズに受入れられるところが、ややおくれてぎりぎりになってしまったとか、そういったことは若干ある。
 ただ、現地の上海事務所等に聞くと、北京周辺では多少緊張があるが、上海や、ほかの地域においては、今のところは経済上の大きな支障は出ていないということだ。ただ、こういったことについては十分注視していく必要があるし、将来に向けて考えると、経済新戦略でも述べているとおり、これから中国は、生産拠点ということではなく、消費市場としても非常に大きな地域になってくるので、国のレベルでぜひとも早期解決をお願いしたいと思う。これからは中国と本県の間においても経済的な交流をさらに活性化する必要があるので、こういった国家間レベルの課題をできるだけ解消してもらいながら、民間ベースでは企業の取引きがうまく進むようにしていきたいと思う。我々もそういった点について注視をしながら、国のほうにも要望していきたいと思う。


◯山田委員  大体わかったが、特に、福井は中国といろいろな交流が昔からあったし、経済産業や観光業もいろいろ取り組んでいるので、そういう点に十分注意して進めていただきたい。


◯大森委員  先ほどこまごまと説明を聞いたが、実感として、やはり福井県内の経済は非常に厳しい。数字に出ているより厳しい実感がある。
 というのは、例えば有効求人倍率0.82で日本一だという。しかし、この福井の町を歩いていて、いろいろな企業に聞いても、日本で一番求人倍率が高いという実感は全くない。
 私のほうにもいろいろと就職の相談に来られるが、「上澄み」だけが動いていて、底のほうにある求人と求職というのは完全にミスマッチで、ずっと平行線上にあるように実感している。求職のマッチング率というか、求人数に対して月間どれぐらい雇用契約に結びついているかという数字があれば教えていただきたい。


◯労働政策課長  ハローワークにおけることし7月の就職率は、一般職業紹介状況であるが、就職率が52.3%である。


◯大森委員  就職率が半分ぐらいということだが、この半分ぐらいの人の就職が決まらない原因は分析できているのか。給与面や条件面など、いろいろな要素があると思うが。


◯産業労働部企画幹(経済・雇用)  求人・求職の数字的な情報では、求職者数については、前年度は若干悪かった時期になるので、それと比較すると、ここ最近6カ月でかなり減少している。
 それから、5カ月連続で有効求人数が増加しているので、そういうことが有効求人倍率0.82につながっている。
 ただし、中身を見ると、やはり県内の求人というのは、どうしても臨時やパートが多く、正規職員の求人はまだまだ少ないということで、その点でマッチングはなかなか希望どおりというところまでいかない。
 しかし、最近は製造業などでも結構求人がふえてきており、労働局と連携した面接会などを小まめに開催して、その点のマッチングがうまくいくように支援していきたいと考えている。


◯大森委員  私もいろいろ製造業の話を聞くが、製造業などは逆に中国人研修生の受け入れを考えていたりするが、それもなかなか定着率が悪いということなので、マレーシアなどの海外の労働力を利用しようといろいろ苦労をされている。
 こういう、企業側の意識の変化をとらえて、求職側の意識を変えていかないといけない。企業では、農業転換まで考えているところもある。幾ら数字が日本一よくても、行政が、きつくて長時間の業務をワークシェアしたり、作業の改善をすることに対して助成したり指導したりするということを徹底して行い、常勤で雇えるような仕組みをつくっていくという作業をしていかないと、雇用対策の議論をしていても始まらないのではないかと思う。
 求人側も希望の人材が得られないという状況の中でずっと推移している。また、就職した方も、結局、給料が安くてしょうがないということで、結果的にやめてしまう。
 これが順繰りに「上澄み」だけが回っている状況だと、私は感じているが、この対策について見解はあるか。


◯産業労働部長  雇用の問題についてはまさにおっしゃるとおりで、有効求人倍率が高いというのは、求人を出しながらずっと雇用ができていないという企業が、実際にはかなりあるということである。
 原因はいくつかあって、製造業においては、特に若い人の場合は、家族も含めて、どうしても名前の通った大きな企業に就職を希望する傾向がある。しかし、ここ1年は就職が厳しいので、昨年ぐらいからは、中小企業に今までは面接にも来てもらえなかったような人が来るようになった。例えば繊維関係の企業では、今までは県内の工業高校の生徒を採用できなかったが、昨年は一挙に七、八人採用できたとかという話もある。
 また、バランスシートといって求人数と求職者数を業種別に整理しているものがあるが、例えば飲食業とか対人サービスなどの業種では、常に1倍を超えるような求人はあるが、なかなか応募者がいないという状況である。
 同じように人が集まらなかった介護関係などは、賃金が低いということが原因だったので、政策的にも引き上げをした結果、少しずつ求職者もふえてきている。そういった改善をしていく必要がある。
 また、サービス業や第三次産業では、賃金水準を上げるために、労働生産性をいかに高めていくかといった点にも取り組んでいかないといけない。これは人件費の問題で、求人がどうしてもパートなどの職種になってしまうのがミスマッチの原因となっているためだ。
 このあたりは、国のほうでのいろいろな議論も必要だが、県の経済新戦略においても、できる限りそういった点で皆が働きやすい環境をどうつくるかということを議論する必要がある。解決のためには、やはり仕事を生み出すことと、少しでも生産性を高めて、利益水準を高めていくということが必要だと思う。こういった点を今の経済新戦略の中で何とか少しでも改善できるよう努めていきたい。


◯大森委員  今まで国内で生き残ってきた企業というのは、それなりのスキルを持っていて、国内で必要な産業だと思うが、後継者や社員を補充できないという状況がある。例えば鍛造や鋳造の場合は、労働環境としては厳しいが、相当高いレベルの技術を持っている。しかし、社員を採用できないので、中国に移転せざるを得ないという企業が結構出てきている。また、繊維分野の一部では、細かいところまで見える目が必要だが、若い労働力が得られず困っている。
 そういったいわば専門職の給与水準を変えていくとか、現場に基づいた個別の制度をつくっていくという努力を官民一体となって行う必要がある。いろいろ行っている緊急雇用対策の中で、そういう制度設計を指導する人材を県のほうから張りつけるなどの方法をとっていかないといけない。数字だけで見ていると福井の状況はいいが、実態を見ると、就職離職を繰り返していて、安定した雇用に結びつかず、失業率がじわじわと上がっていくのではないかと危惧している。ぜひ、そういう取り組みをしていただきたいと思う。以上である。


◯仲倉委員  経済新戦略の全般的な説明の中で、初めてこういった数値目標というか、ある程度の見通しが出てきたということは、非常に前向きな取り組みだと思う。この中で、本県の経済成長見通しとして、GDP創出額の試算が、1,800億から3,400億円となっている。これが目標数値としては高いのか低いのかというのは今の時点では何とも言えないが、この数字の位置づけは、あくまでも見通しなのか、政策目標なのか、どのような認識を持たれているのか伺いたい。


◯産業労働部企画幹  非常に難しい質問だが、実は、この経済成長の見通しに基づいた試算を資料に示している。
 資料3の1ページに、国の新成長戦略の試算というものがあるが、これは、国が設定する戦略に基づいた福井県分の数値である。
 そのうち、四角で囲った3,500億円が新成長戦略の政策的な効果によって生み出されようとする分である。そのほかに、今はデフレであるので、インフレの方にもっていかなければならないが、国は自然増と物価上昇による成長分を約2%と見込んでいる。
 これがまず目標的な数値として設定されているので、県の生産額をこの数値に持っていくための試算を、2ページ以降で行っている。例えば生産額が30億円から40億円の企業を、30社新規誘致するというような政策をターゲットとして取り組んでいかなければならないということである。この数字を、見通しというべきかどうか、非常に悩ましいが、目標的な数値として考えていかなければならないと思う。


◯仲倉委員  今、国の前提が崩れると、全体的な数字も大きく変わってくるので、なかなか福井県単独での数値目標を算出するというのが非常に難しいことはわかる。ただやはり、ここで見通しというか、目標ということで位置づけるということであれば、これから一、二年間くらいの工程表のようなものをつくる予定はあるのか。


◯産業労働部企画幹  委員の指摘のとおり、具体的な数字を設定し、そこに向かって取り組んでいくために、県は何をしていくのかということになる。
 この試算の数字は10年先を見通した数字だが、それに向けて私どもは、まずは経済成長のための戦略をつくり、それを実行していくことになる。
 今回、アクションプランを実行することとなっているので、それに向けて、いつまでに何をするのかという、いわゆる工程表的なものを設定していきたい。これは、具体的には3年ないし5年ぐらいの取り組みを想定している。


◯仲倉委員  今、資料の中に幾つか項目はあるが、大きな柱として「チーム福井」アジア販売体制の確立というものがあって、ふくい貿易促進機構というものを設立するという箇所があるが、名称をきいただけではあまりイメージがわいてこない。具体的にはどのような組織を想定しているのか伺いたい。


◯産業労働部企画幹  資料2をごらんいただきたい。
 これも、現在検討会議で検討中の案だが、その5ページ目に、リーディングプロジェクトの3つ目ということで「チーム福井」アジア販売体制をあげていて、ここに「ふくい貿易促進機構(仮称)の創設」と書いている。まず機能面から説明させていただくと、ここに書いているように、福井のプライベートブランド認証ということで産品の統一プライベートブランドを定めて、商標登録等を行っていく。中国の場合、いろいろな名前が、類似の名前で既に商標登録されているという場合もあるので、そういったところについて、きちんと認証製品の信頼性を高めて販売拡大を進めるような機能を持たせる。
 あるいは、アジア市場で既に認知の高いブランドとのジョイントによるふくいブランドの向上ということで、ここには、例として伊藤忠ファッションシステム(株)などの名前もあるが、そういったところと連携してテキスタイルの販売拡大を行っていく。
 そして、展示・販売の拠点として、例えばテキスタイルのサンプル表示をするようなショールームを置く。あるいは、テキスタイルや眼鏡のバイヤーと商談会を行うようなイベント会場をつくる。それから、製造業関係の営業拠点や、サービス・建設ビジネスの現地立ち上げオフィスとして活用できるような貸しオフィスを設けるといったような機能を、中国の主要都市に設けたい。
 あわせて、そこには現地のスタッフの方もサポートスタッフとして配置をするということで、通訳や、商談取次にも便宜を図っていく。
 機構の創設に当たっての課題が7ページに書いてあるが、そこに、委員から指摘のあった体制の検討ということも記載してある。
 まず、独立した組織が必要なのか。既存のいろんな産業支援機関等があるが、そういった団体の中に専任職セクションを設けて、そこが管理する形をとるのか。あるいは、協議会による仮想機構とするかといった話には、運営費の負担等が関係してくるので、そういったことも含めて、検討している状況である。


◯仲倉委員  新組織としての目的がいろいろここに書かれているが、例えば、イベントの開催とか、ショールームについては、上海事務所なり香港事務所なりが拠点となって、現地スタッフにもいろいろ協力を得て、今までも短期的に設けたこともあるし、また商談会やいろいろなことをしてきたと思う。
 今までしてきたことと同じことをしてもなかなか効果が出ないと思う。改めて機構を創設するなら、新しい取り組みというか、もう少し踏み込んだ、スケールアップしたことをすべきだと思う。あまり事業の中身については触れられてないが、そういった点で何か考えているものがあるか。


◯産業労働部企画幹  今までしてきたことと何が違うのかという話だが、例えばショールームについては、これは、北陸3県繊維産業クラスター協議会で常設展示をする県内企業が、展示するだけではなく、販路を開拓する必要があることに対する支援で、今回、補正予算の措置をお願いしている。
 それと同様に、いままでの例を検証すると、これまでも現地での展示商談会等はあったが、どうしてもスポット的というか、数日間の開催で終わっているので、もう少し常設化できないかというような要望、ニーズ等を承っている。
 それから、繊維産業クラスター協議会の関係で経済産業省の方とも議論しているが、やはり最近は販売を商社だけに任せるのではなく、製造者がみずから販路開拓をするという認識が非常に高まっているので、そのための、いわばベースキャンプとして位置づけたいと考えている。


◯仲倉委員  先般、香港の販路がどのようになっているか、現地のシティスーパーを見に行ってきた。確かに福井の産品が陳列はされているが、売れている気配が全くない。
 なぜかというと、例えば、米にしてもいろいろな県の米が20種類も30種類も並んでいるが、ただ陳列してあるだけで、ほかの県の商品との差別化が全然図られていない。
 やはり、それぞれの県が自分のところのブランドを持っていって販売しようとしているわけなので、福井県がその中で生き残っていこうとすると、商品の差別化か、あるいは中国市場が求めるものを新しくつくって持っていくとか、いろいろなことを考えていかないと、なかなかあの競争には勝っていけないのかなというのが率直な印象だ。そういった点について何か取り組みや考えはあるか。


◯産業労働部長  香港と中国の本土とでは、まだまだ状況が違うところがあると思うが、今の話のように、最終消費財としての食品については、これまでも、また他県においても、上海などでアンテナショップ等の実施をしているが、ほとんどがうまくいっていない。
 というのは、やはり中国に輸出する場合にいろいろ制約があって、こういう原材料の中にこんな成分が入っていると駄目だということなどで、使ってもらえないこともある。
 本県の場合も、日本食などをよく使ってもらえるスーパーマーケットでスポット的に1カ月ほど出品して、かなり売れたこともあるが、全体的には、そういう問題がネックになっているし、いわゆる流通の部分での課題も非常にある。この点については、各県でもいろいろチャレンジをしているが、おなじような状況である。
 本県の場合には、これまでは受注生産であるとか、とにかくつくることだけを考えていて、自分たちが売るのではなく、商社に頼んで売ってもらうという形で取り組んでいたが、これからはそういう形では販路の拡大は難しい。ということで、何が中国のライフスタイルにあっていて売れるのかというマーケティングを企業みずからが行い、この機構と県内の進出企業を含めたネットワークを使って、情報収集しながら製品をつくることが必要になる。
 また、台湾でもおなじだが、中国に中小企業が進出する場合には、やはり1社ではなかなか難しい。中小の企業が連携を組んで進出し、成功している例があるので、総力として力がある本県の中小企業が、一緒に進出するためのベースキャンプをつくり、これから広がっていく中国の市場に受け入れられるよう、新しい福井の商品を開発しながら、進出していくという形で進める。
 そのために、まだ我々も民間の方からいろいろ意見を聞きながら試行錯誤しているところで、できることから一歩ずつ進みながら始めていきたいと思っている。機構の中身が最終的にどうなるかというのは、まずことしはテキスタイルで少しずつ試しているので、それを検証しながら来年度以降、具体化を進めたいと考えている。


◯仲倉委員  自分で販路を持ち、向こうのバイヤーと結びつき、行政に頼らない力のある企業も確かに多いが、福井県の場合は、ある程度行政がそういった企業の相談に乗り、平等に支援していくという姿勢になっていると思う。しかし、福井というものが、今は全然認知されていない状況であることは事実だから、選択と集中によって、一つの成功事例をつくり、それによってまた第二次、三次が成功していくという形に持っていかなければいけないと思う。そういうところも含めて、この経済新戦略においてもしっかりと取り組んでいただきたいと要望する。


◯大森委員  関連質問だが、先月、新聞に石川県の取り組みが出ていた。
 金沢医科大学と加賀屋と石川県とが組んで、医療観光のいわゆるコンソーシアムを組んだという記事である。今、福井県が考えているのは繊維版だが、ある意味ではそれに近いのではというイメージを持った。
 医療観光というのは、買い物をして、泊まって、健診を受ける。なおかつ、そのカルテを持って台湾、中国に帰るということだ。まず、先兵として加賀屋はすでに台湾に温泉を開発して進出しているので、そこをベースキャンプとして、中国本土を目指しながら、今、富山も福井もコンソーシアムの仲間を募っているという段階に来ている。こういう動きを北陸3県含めて連携して行っていく仕組みをつくったという記事であった。
 また、先日この委員会でもいってきたが、私は東大阪のクリエイション・コアに何度かいっている。ここには、自社の技術を常に展示できる常設展示場があるわけだが、福井県でいうと、産業支援センター、中小企業産業大学校、工業技術センターなどの機能も一とおり集約している。なおかつ、活性化策として、商工労働部の中小企業のものづくりを支援する部署がその施設に移転してくるなど、徹底して支援を行っていて、その中で大阪府の工業出荷額20兆円を、何とか保っているという説明を受けた。
 そういう下支えになる仕組みがないと、先ほど言ったような「チーム福井」で想定しているようないろいろな企業の組み合わせというものが、現実的には起きてこないと思う。企業それぞれが国内においてもマーケットを持っているわけで、県内にも例えば、医療分野で各県に営業所を持っている企業がある。ここで例えば機能性繊維を、医者の手術用の服として売り込むとか、そういう共同開発のようなことをするのがこの「チーム福井」の意義だと解釈しているが、福井県のこの総合的な戦略の中で、そういう企業のコーディネートはどうなっているのか。質問の内容が広がりすぎたが、答えてほしい。


◯産業労働部長  具体的に医療観光で石川県の例をあげていただいたが、この経済新戦略の中では、中国への販売戦略だけでなく、これから市場が広がっていくであろう新しい産業分野も含めて考えている。往々にしてこういう戦略というものは、まとめあげても理念だけで終わってしまう懸念があるので、これをいかに実行していくかが大切だ。今回は特に、先ほどの説明でも、一番最後に推進体制ということで話しをしたが、例えば、これを具体的に言うと、資料1の一番大きな冊子の66ページに、課題ごと、ここでは分かりやすいよう恐竜ビジネスや、福井で行われたAPECエネルギー大臣会合のあとの関連産業の創出などの例を挙げている。そういうテーマごとに行政と民間、これは商工団体だけではなく、各分野のリーディング企業等も入ってもらいながら、どういう形で福井県全体として課題を解決するかといったようなチーム構成を考えていく。一度にたくさんのことはできないが、工程表をつくりながら、まずどういったもので取り組んでいくかということも整理をしながら行っていく。
 そのためには、この一つの大きな課題として4番目に挙げているような、福井の産業を元気にするサポート機能としての、産業支援機関や試験研究機関の連携、これは先ほど東大阪の例を紹介いただいたが、確かにそういった機関の横の連携はまだまだ不十分なところがあるので、連携強化を進める。ただ、それは抽象的な意味で連携強化するのではなく、先ほど申し上げたように、一つの課題ごとにチームをつくって進めていくといったことを、できれば一つまず具体的に始めたいということで、ぜひともこれから前向きに進めていきたい。


◯大森委員  やる気のない企業が無理やり取り組んでもだめで、本気の企業をうまく誘い出してきて、後押ししていくということがないといけないのではないか。行政が声を掛けても、集まった企業が、そんなにやる気はないが、おいしい話だったら乗ろうという程度だと、こういうプロジェクトというのは現実的には難しいと思う。
 だから、プランを自発的に出してもらうとか、懸賞を出して、やる気のある企業を募るとか、そういうやり方をしたほうが、現実になる可能性が高いと思う。これは私の意見だが、ぜひ、そういう取り組みをお願いしたいと思う。


◯山岸委員  特にバブル崩壊以降、非常に地価が下がってどんどん地方が疲弊をしていった。さらには、リーマンショックの影響もあって、今、地方の工夫が問われている。
 しかし、政府は本当にこの状況をわかっているのかと思う。この雇用基金にしても、していることは、たこが自分の足を食べるのと一緒だ。一事しのぎの付け焼刃にはなるかもしれないが、実際、これを何年続けることができるのか。そのリスクは、非常に大きいと思う。
 雇用維持緊急助成金で県が助成しているのは一部の企業の一千六十数社だけであり、県が7,700万円を上乗せしても、1社当たりにすれば7万円しかない。国の基金は3年間であるが、このままこういった助成を続けていくならば、日本という国は資源がないのだから、最後には破滅に追い込まれるということになる。
 部長もおわかりだと思うが、この経済新戦略を見ても、産業構造そのものを変えなければならないということは明確である。しかし、これまでは景気が悪くなれば選挙の前に補正予算で少し公共事業を増やすというやり方で今日まで問題を先送りしてきた。だが、ここに至っては、予算のことを考えるとそういうことは全くできないということで、私は以前から言っていたのだが、今年からやっと福井県は建設業の新分野事業への進出支援を始めた。先ほどの説明では、500万円ぐらいの補助の対象が、キノコやヨモギの栽培であるとのことだが、実際これで経営が成り立つのか。


◯経営支援課長  建設業の新分野事業への進出支援は、今年度から実施している。ヨモギの例でもほかの例でもそうだが、補助金に手を挙げた企業は、建設業を全くやめてしまって他の業種へ転換するというところまでは考えていない。今までの減収分を補いたいというような形での申請である。


◯山岸委員  キノコとヨモギの栽培だけで今までの従業員を雇えるわけがないので、仕事のない時期に少しでも企業のプラスにしようという発想だろうが、こういうことに助成をしても、はたして企業として維持していけるのだろうか。これは少し問題があるのではないかと思っている。
 それから、今、中国市場や東南アジアの話も出た。私もことし中国東北部へ行ってきたが、やはり日本の大手企業の中国工場では、ほとんど中国で消費されるものをつくっている。輸出産業においても、全部中国でさばけるのである。三菱重工も、そのエンジンのほとんどが中国でさばくことができる。
 福井県の中国進出企業の中で、逆輸入をしなくても中国または世界市場で全部さばける、そういう企業はあるか。
 なぜこれを聞くかというと、先ほどから、アジア向け、特に中国向けに販売を強化していくと言っているが、実際に中国で売れるものを作らないと、福井県からの進出企業は、もう中国では人件費が高いので、3分の1の賃金を求めて今度は東南アジア、ベトナムやバングラデシュのほうへ移転しないといけない。私の知人でも、バングラデシュに工場を建てている。
 こんなことを繰り返していたら、多分、アフリカまで行かないといけないということになるだろう。これでは、福井県の経済戦略にならないのではないか。
 企業が生き残っているだけで、福井県の経済や雇用の面でもほとんどよくなっていないと思う。福井県の進出企業で、中国で中国向けにものをつくっている企業があったら教えていただきたい。


◯観光営業部企画幹  基本的にはやはり中国マーケットなり、中国でのあっせん分を中心に現時点では進出していると思う。日本に製品を輸出するというよりは、中国市場を対象にしている企業のほうが多くなっていると思う。企業として生き残るために中国へ出て行くということについては、これも経済新戦略の中で議論もあったが、企業として生き残ることが福井なり日本にある企業にとって必要であって、そのことが結果として、少しでも企業全体として強さにつながって、国内または福井の生産や雇用に結びつくという側面を見るのであれば、企業がいろいろなところへ進出し、存続していくということも重要なのではないかと思う。
 だから、いわゆるGDPというか、県内生産的な発想に加えて、県民所得につながるような生産という見方を我々もしていかなくてはいけないのではないかと思っている。


◯山岸委員  企業が、逆輸入でなく中国市場をにらんだ経営を確立していくなら、それはそれで本当にありがたいことだ。
 そこで、福井のブランド力を中国市場に売り込むのだというが、中国市場は、今、実際に何を欲しがっているかわかっているか。福井県にはこんなものがある、というだけでは商売にならない。
 先日、遼寧省の大連へ行き、大連の省議員とお会いして、いろいろ話を聞いた。そしたら、とにかくミルク、乳製品と紙おむつはないかという。福井県でつくっているなら幾らでも買うという。しかし、実際のところそういう企業が福井にはない。
 その省議員の名刺も持っているが、留日産業を通じて中国での人材派遣会社の社長をしている方だ。我々議員は省議員と話ができるので、そういう人と交流を深めながら福井県にあるものをできるだけ売り込んでいきたいと思っている。しかし、話はできるが、それ以上はやはり行政の協力がなければ進んでいかない。だから、中国向けの福井のブランド力を発信するというならば、あちらの市場がどういうものを欲しがっているかということを十分調査したうえで商談会、展示会やアンテナショップなどをやらないと、出店しても、現地の人間は見向きもしないということでは、福井県経済のプラスにはならないのではないかと思う。その辺の市場調査は今、上海事務所だけで行っているのか。


◯観光営業部企画幹  マーケットの情報なくしてマーケットに参入はできないので、マーケット調査は上海事務所を中心に行っている。また、この経済新戦略の中にも少し記載してあるが、我々が今行おうとしているのは、現地に進出している県内企業をどのようにネットワーク化して、そこで働いている人とどういうふうに情報を共有していくかということが一つ。
 それから、福井県にゆかりのある人もたくさんいるので、そういう方といろいろなネットワークをつくって情報を得ること。
 特に、我々が注目しているのは、中国のいわゆる80后(バーリンホウ)といわれる1980年代生まれ以降の新しい世代が、ネット通販などで非常に購買意欲が高いということなので、ネット通販でどういうものが売れていくのかという情報も中国に進出するいろいろなネット企業と連携しながら取っていきたいと思っている。
 それと、日本に実際に来られる方の興味というのは、今は、「食」が、「ショッピング」を抜いて一番になったということで、日本の安全で安心な食べ物に対する関心が非常に高まっている。
 中国からのお客は、例えば大阪などでは小さいドラッグストアが満杯になり、何万円も風邪薬を買っていくという話もあるが、向こうの生活水準もどんどん上がってきているし、多分、そういうニーズも時々刻々と変わってくると思う。そういう消費者の具体的なニーズをどのようにリアルタイムに得ていくかという仕組みを、先ほどの話と合わせて、進めていきたいと考えている。また、いろいろ情報をいただければありがたいと思う。


◯山岸委員  やはり県としても、民間以上の情報を持っていないといけない。民間だけのレベルで取り組んでくださいといっても、特に中小企業ではできない部分もあるので、県のほうでそういうニーズの市場調査という面では大きなアンテナを立てていろいろな情報収集をしてほしいと思う。
 それから、福井県の経済新戦略の中に、観光があるが、福井の観光誘客力を強化したり観光産業を振興していくためには、例えば大野市など、やはり昔の町並み、それ自体が観光商品になったりするので、十分アピールできると思う。
 しかし、福井県の隣に金沢があるということを忘れてはならない。金沢は観光土産でも京都の次に日本で2番目だ。それだけ観光地として金沢は日本では名の通った観光ブランドだ。
 そして、平成26年には新幹線が金沢まで開通する。それを考慮した観光戦略というものがこの経済新戦略に入っているのか。


◯観光営業部企画幹  骨子案の中、資料の29ページ、30ページのあたりであるが、現段階の案では、観光誘客力の強化ということを一つの項目として入れている。小松空港について、あるいは北陸新幹線の延伸のことも念頭に置きながら、まずは取り組んでいく。
 京都や金沢は長い間、観光に力をいれてきた経緯もあり、その場所自体の地域ブランドは非常に強いから、その地域の観光誘客力が現状でも非常に強い。
 福井県の戦略としては、当然のことながら福井自体の観光誘客力をそこに近づけるため、どのようなブランド戦略を取ってPRをしていくかということが一つある。これはどうしてもやらなければいけない。
 もう一つは、いかにお客を金沢や京都から福井に回すかという戦略も重要だと考えている。
 金沢との関係でいうと、小松空港からは、香林坊へ行くのも、福井駅の東口へ行くのもほとんど時間が変わらない。
 だから、我々は今年度に入ってから、戦略の一つとして、小松空港というのは福井に行くための空港でもあり、バスで約五十数分で着くので、小松空港から福井に来てくださいということを、いろいろな観光エージェントを回って宣伝している。また、金沢に来たお客を福井に引っ張ってくるような戦略というものをつくっていかないといけないと思う。
 先日の県境サミットで、福井県の知事と石川県の知事が合意し、県境域のいろんな市や町、観光協会が一緒になる、そういう組織も今度つくる。海外からのお客からは、観光地が石川県にあるのか福井県にあるのかということは基本的に余り興味がない話なので、あのエリア全体のパイを大きくして、そのパイの中から福井にどう誘客するかという作戦を立てている。
 もう一つは、関西国際空港から入国するお客は数千万人いるが、そのうちかなりの人が京都へ行く。京都から福井というのも、車で来れば実は2時間ぐらい、嶺南であれば1時間余りなので、京都との連携を図りたい。そういう他県の観光拠点との連携を図るような仕掛けを、金沢を中心に、京都も含めて作っていきたいと現状では考えているし、そのように動いているところである。


◯山岸委員  今は海外の観光客の話だったが、国内の観光客にもいろいろ話を聞いてみると、関東の方も東北の方も九州の方も、新幹線や飛行機でかなり日本中出歩いている。
 京都は行ったことがある、金沢も行ったことがあるというので、福井は京都と金沢の間にあると私は言うのだが、イメージが出てこないようだ。京都の横は金沢で、福井県はあったのかと頭をひねる。大阪から出るサンダーバードは金沢へ行くために乗る。福井ではほとんどおりる人がいない。また九州や東京の方が移動するのに、米原でとまるひかりにはほとんど乗らないから、北陸線があることすら知らない。いまだに福井県にはどうして行ったらいいのか知らないという方がたくさんいる。小学生の間では47都道府県のうち認知度が47番目だということを、改めて寂しい思いで痛感させられている。
 だから、観光に力を入れるならば、恐竜のように、福井県はこれなら日本一だというものがないといけない。金沢や京都と似通ったようなこと、町並みや歴史を見てくださいと言っても、福井県には歴史を感じさせるものがほとんどない。現状では柴田神社を観光地とはだれも言わないだろう。
 そういうことを考えると、よほどの戦略を持ってもらわないと、観光には全都道府県全部が取り組んでいるので、なかなか福井の魅力の発信は難しいのではないかと思う。これはやはり官民一体で、もう少しすばらしいものを立ち上げてもらい、実際に観光客が年々ふえているということが県民に体感できるような観光政策が必要だと思っている。
 もう一つ、予算のことはこの委員会では関係ないが、ふるさと消費拡大事業ということで6,450万円補正予算がついている。各市町でも、産業フェアなどいろいろなことを行っていて、私の地元の市でも、七間朝市まつりや、五番夜市祭りなど開催している。これにはほとんど地元の人しか来ないが、県外客を呼び込んだり、福井の食のブランドを発信しようとすると、かなり大きなイベントが必要かと思うが、これをこの事業では、どのような形で実施するのか教えてほしい。


◯商業・サービス業振興課長  ふるさと消費拡大事業は、全体の予算要求は6,450万円をお願いしているが、その中には3つ事業がある。
 1つは地域、商工会、商工会議所が事業主体で実施してもらう予定で、地域で共同販促や、スクラッチカード、あるいはお店を回るスタンプラリーなど、そういったイベント関係も実施してもらう。
 それとあわせて、ふるさと市場開催事業は、現在2つの事業を考えており、1つは、それぞれの地域で商工会、商工会議所に開催してもらう予定をしているが、これは、わかりやすくいうと、それぞれの地域の商工会等が地域のミニスーパーのような形で、お客があちこちの店を回らなくても、1カ所でいろいろな買い物ができるようにする。そこに置く品物については、それぞれの地域のお買い得商品や、逸品、人気商品、売れ筋の商品等を市場へ持ってくる。時期的には来年1月、2月ごろを予定しているが、地域ごとにそういった市場の開催をしてもらうことを考えている。
 それともう一つは、来年の3月ごろに、各地域のふるさと市場で好評だった品物を、福井ふるさと市場大集合という形で、福井市内で一堂に集め、そのときには県外、県内のいろいろな地域の方も来てもらい、そこでいろいろな買い物などをしてもらうということを考えている。


◯山岸委員  私は何が言いたいかというと、以前も常任委員会で言ったのだが、産業フェアなどで、雨が降って人出が少ないからものが売れなくて大変だろうと聞いたら、いや、補助金をもらっているから一つも売れなくてもいいのだと言う。そんなやり方では、地域の産業の活性化には全くならない。
 商工会議所青年部などは、かなり創意と工夫、アイデアを持って、相当頑張っている。しかし、イベント等で補助を受けるに当たっては、いろいろ規制があって非常に使い勝手が悪い。少し会議費を使おうと思うと、コーヒーはいいが、弁当は駄目だと。これなら、金額は半分でいいから自由に使わせてほしいという声がある。
 だから、これだけの予算を十分活用できるような方向に使ってほしいというのが私の思いだ。地元の声、若手の声をきちんと吸い上げて、このふるさと市場をぜひ成功させ、そして、福井の味が全国へ少しでも発信できるような方法で実施してほしい。要望をしておく。


◯宇野委員  今、経済・雇用対策をいろいろ実施しているわけだが、本当に緊急的なものばかりである。これがいつまで続けることができるのか、これをやめたときにはどうなるのかということが非常に懸念される。
 そんな中で、やはり雇用をふやすには、新しい産業や今後有望な産業を伸ばすという自主的な動きがないと不可能だ。当初予算を見たら、先端産業創出企業支援特例補助金というものではかなりの額が補助されるようだが、これについて、本当の意味でこれを利用して将来に向けた新産業を興そうとしている、または取り組んでいる企業の状況はどうなのか。


◯産業労働部企画幹  今指摘いただいたのは、まさに企業誘致等を含めた新しい産業創出、産業誘致ということだと思う。
 部長が先ほど申し上げたが、例えば今後の産業の展開で言うと、製造業が中心で、その中でも環境・エネルギー関連や、医療、例えばジェネリック医薬品等あるが、そういった企業などの設備の増設や創設の話なども幾つか承っている。
 例えば、嶺北の会社については、電池の正極材料をつくる企業が県の補助金などを活用して50億円規模の投資をされるという話も伺っている。
 さらに、先ほど申し上げた先端産業の補助金というのは、特に今後の先端産業として期待される成長分野に対する補助ということであるので、そういった企業に重点を置いて進めていく。


◯宇野委員  具体的に、これを利用している企業がどれぐらいあるかということと、これに関心をもって取り組もうとしている企業がどれぐらいあるかということを聞きたい。


◯産業労働部企画幹  この制度は今年度からはじめたものだが、今年度、すでに新設が決定した企業が14件あるが、こういった企業についても一部活用している企業がある。
 増設で考えると、この補助金の交付等を予定している企業は今のところ、現状では2件ほどある。
 あわせて、それから企業立地動向だが、既に発表されているが、奥越のほうで住宅用の構造材やプレカット材を生産する企業の誘致決定や、太陽電池用の電極材をつくる企業のテクノポートでの増設決定とか、先ほど申し上げたリチウムイオン電池の正極材や医薬品の製造関係の企業など、今のところ立地がある程度見込まれる、あるいは決定している企業をあわせ、今年度に入って8件程度となっている。


◯宇野委員  これは新規雇用を生み出す企業を資金的に応援するものだと思うが、現在申請されているものでどれぐらいの雇用を生み出す見通しなのか。


◯産業労働部企画幹  先ほど8件ほどと申し上げたが、設備投資額がトータルで240億円ほど、それで雇用の予定者数が235人という見通しである。


◯宇野委員  今、緊急的にいろいろ経済・雇用対策を行っていて、雇用創出の目標は4,000人だとか、一応決まったのが2,900人だとか言うが、本当にこれは緊急的なものであって、長続きしないと思われる。
 ぜひとも、新しい産業を興す人、新しい分野に進出しようとする人に、徹底的な助成をお願いしたい。その人たちが、どれだけの手腕やアイデアを持って取りかかるかということなので、その努力を思い切って支援してやらなければいけないのではないかと思う。
 また、雇用についても、各企業へ雇用を増やすようにかなり言って来るらしいが、とても社員を入れる余裕がないようなところにいってもむだだ。この工場では10人ふやすとか5人ふやそうかという企業が出た場合、その分野での事業計画をチェックして、もう少しこうやって頑張ってもらえばその倍ぐらい雇用がふやせるのではないか、行政も助けるから、という企業への積極的な働きかけも必要ではないかと思う。
 ただ、こういうことをやりたいという企業が出てくるのを待つだけではなくて、いろいろな雇用情勢を見ながら、この分野は今後ふやしていくほうがいいので、これを応援していかないといけないというぐらいの積極的な働きかけについては、どう考えているのか。


◯産業労働部長  今、宇野委員のおっしゃったところは、まさに、この経済新戦略のところでも一番重要なところだと思っている。
 それについては、先ほどお示ししたA3の資料の4番の(4)で新ふるさと産業育成制度の創設のところに記載されている。その中に、新しい血を呼び込むというか、投資を呼び込んでいこうという企業誘致に関する項目がある。本県の制度では最大30億円まで出すことができる。これは全国的にはトップレベルだが、助成制度は各県でも競い合っているし、ましてや、最近は中国や海外でもそういうような企業の投資を呼び込むための制度がたくさんできているので、果たして補助制度だけで誘致できるのか。そうなると、やはり税制の優遇措置、または本県は電力輸出県であるので、いわゆる電気料金その他の利用料金がいかに安くなるかという、特徴的なインセンティブをどうつくれるかということになる。
 他には、例えば特区制度などを活用して、いかに福井県の独自の制度を生み出すかということも考えられる。
 それから、もう一つは、せっかく県内にいる中小企業の方々に対し、いわゆる第二創業とか、先ほど建設業の例のように、新しい分野で事業展開をするときに、どう応援していけるかということである。従来から、逸品創造ファンドによる支援や、経営革新に対しての補助金融資というものがあるが、さらに最初の立ち上がりの資金的な応援がどのようにできるか。
 これは、決して県がいわゆる税制の優遇措置などで応援するだけではなくて、政府系の金融機関等にも投資的な資金制度がかなりあるので、そういったものをどう使いやすくするか。例えば、金利が高いのであれば、少し行政的に応援するといったような新しい仕組みも考えていきたい。
 今は抽象的に申し上げているが、具体的な制度として、県内にある企業の新しい展開、さらには県外からの投資を呼び込むような方策を、できるものから順次、整備をし、また各方面の意見を聞いて、改善していくといったことを進めていきたいと思う。


◯谷口委員  先ほど山田委員が発言したが、例の尖閣諸島の問題は我々も日本人として非常に不愉快な思いをしている。
 今、福井県は浙江省と姉妹都市提携を結んでいるが、本県企業で中国に製造工場を持っているのは何社ぐらいあるのか。


◯観光営業部企画幹  115社ほどが事業所を中国国内に設けていると思う。


◯谷口委員  先ほど、北京のほうでは反日感情が強いが、上海はさほどではなく、浙江省は上海の近くにあるので問題はないという話があったが、中国は国全体で物を言うので、それは北京であろうと上海であろうと、国がノーと言ったら、ノーだ。
 それと、ブランドに関していうと、衣料品は、日本でメイドインジャパンを探すのが難しい。ほとんど、メイドインチャイナである。昔はメイドインチャイナはもっと安かったが、技術が上がってきて、品質がよくなってきているということで、結構高い値段をつけている。それでも日本でつくるよりは安いということで、ブランド品も皆、中国製だ。しかし、最近はインドネシアとか、そういうところへ生産地が段々シフトしてきた。
 なぜ、シフトしてきたかというと、やはり中国の国自体が技術を習得してきたからだ。日本や福井県の技術を、本当に中国に持っていっていいのかという機運はもう既に数年前からある。
 車の部品でも、トヨタでも日産でも、適合すれば、日本でつくったものでなくても、日本企業の名前をつけて、出荷している。それが、非常に驚いている部分だが、それだけ、彼らは技術の物まねがうまい。
 まねということでは、特にブランドについては、台湾では、日本の地名を商標登録してしまう。だから本当の讃岐うどんは、ただのうどんとしか売れない。福井県のブランドはというと、多分食べるものでは越前がにくらいしかないと思うが、「越前」と中国で商標登録されてしまうと、「カニ」としか売れない。青森もそうだ。「青森」を登録しているので青森リンゴと名乗れない。長崎も長崎みかんと書けない。最近では、1本、4万〜5万円する「森伊蔵」というしょうちゅうの銘柄を商標登録されてしまう。それから「伊佐美」、これは鹿児島の芋じょうちゅうの銘柄で、なかなか手に入らないしょうちゅうだが、それも中国で商標登録されてしまう。
 今のところ福井県は不幸にしてそういうブランド品がない。中国に、福井のブランドを開発して持っていく場合、例えば工業製品では眼鏡とか、打ち刃物とかが考えられるが、今後、「越前打ち刃物」という形で商標登録しようとしたときに「越前」が登録されてしまっていたら、もうそれは駄目だというのが、今、中国でのブランドの認識である。
 そういう状況であるが、中国に進出している115社は、中国全土に分散しているのか。


◯観光営業部企画幹  115社で167拠点がある。これは、中国の本土で、香港を除いた数字である。だから、1社が複数の場所に進出している場合がある。企業数で申し上げると、細かい地名までは把握していないが、遼寧省で4、北京市、天津市、山東省のいわゆる華北で14、それから江蘇省、浙江省、安徴省で8、上海市が42で多くなっている。内陸部でも西のほうで2社ほど出ている。あと広東省、福建省の華南のほうで24社出ているということである。
 若干、重複はあると思うので足し算は合わないかもしれないが、今、手元で持っている数字は大体そういうところである。


◯谷口委員  尖閣諸島の事件が一過性で終わるのであれば我々も安心できるが、現状で見ると、どうも一過性では済まない可能性がある。例えば日本企業に対して反日感情が高まってきた場合、福井県の企業が115社も、拠点も167あるとなると、これはやはり横の連携をしっかりしていかなければいけない。今後とんでもないことになる可能性があるということだけはぜひ認識していただきたい。もちろん、国とか県レベル、あるいは企業レベルでも連携をするようにしていかないとならない。
 ただ、きのうも企業の人と、急に日本企業は中国から撤退しろとなったときにはどうするのかという話をした。中国は一党独裁で、与党や野党ということはまずないので、方針を決めたらそのまま決まってしまう。世界の世論がそこまでは許さないと思うが、どうなるかわからない。そのときにはどうするのかときいたら、技術に関する機械をすべて壊して撤退するという。ただ命からがら逃げるような状況だと、技術を全部そのまま盗まれてしまうだろうというのが、企業の人の認識である。
 今、だんだん中国も自分のところで技術を培ってきて、確かに日本の企業は必要ないような状況になってきているという。だから、いつなんどき、この尖閣列島が一つの導火線になるかもわからない。我々はならないように願っているが、そういう危険性をはらんでいるということだけは認識をしていただきたいと思う。
 以上である。


◯小泉委員  隣の石川県に上海便が開港してから6年ぐらいだと思う。
 最近、隣の富山空港から上海に入っている中国上海航空と、中国東方航空が合併したので、富山空港と小松空港との連携が非常に強くなった。
 小松空港の発着便の前年度比は、年間で大体35%伸びているといわれている。福井県からもかなりそこを利用しているはずだが、最近の福井県の小松空港の利用状況が知りたい。
 もう一つは、先日、その東方航空の副総経理が石川県に来た。石川県の空港を中心に、これから思い切って中国からの観光誘客を促進する、送客を拡大するということを言っている。それは、具体的に人数まではっきり出ている。
 私は、こういう具体性を出していないというところに福井県の観光交流行政の弱さがあるような気がする。
 石川県といえば2003年に年間5万人だった外国人の宿泊者数を2014年に15万人にまでふやすという目標を掲げていたが、実は、2007年にはそれをもう達成してしまった。したがって、10倍の50万人に訂正をした。これは国際観光立県を目指す石川県政の中にうたわれているし、具体的な目標になっている。
 そういうことを見てだと思うが、この副総経理が来て石川県の各地を見て回り、商品開発をして、送客計画までぶち上げて、このあとどこへ行ったかというと、岐阜県へ行って静岡県へ行って、静岡空港から帰った。この件については、福井県は隣にいて、どんな情報が入っていたのか。
 それから、福井県には観光資源がないというのも事実だと思うが、魯迅との関係、藤野先生がこの福井県出身であるという歴史的な背景をどれだけPRしているのか。私は、こういう具体的な施策が手ぬるいと思う。
 向こうから来てもらうのも大変大事なことだが、来てもらうからにはこちらからも行かなければ駄目だ。ギブ・アンド・テークではないが、こちらからも送客をする。そのかわり、向こうからも来てほしいというようなことを、媒体である東方航空や上海航空などと具体的な提携をするべきだと思う。
 上海事務所があるのだから、そういう情報はあると思うのだが、こういう点を見ると、私は上海事務所の存在、認識、あるいは形態、内容について見直す必要があると思う。
 県の事務所として置く必要があるのか、それよりも民間に委託して、民間が自由な立場でそういうマーケティング調査や、円滑な活動ができるようにするための拠点にするということも一つの方法だと思う。
 そういう意味で、資料にうたい文句はたくさん並べられてはいるが、余りにも情報が薄い、アンテナが低い。対応が緩慢なのではないかと思うが、今ほどのことを含めて答弁願う。


◯観光営業部企画幹  まず、小松空港の利用者における割合について、これはアンケート調査によるもので、全体の利用者の中のパーセンテージしかわからないが、小松空港の利用者のうちの14%、十四、五%が福井県の人である。
 委員のおっしゃるように、もう少しインバウンドや、外国との出入りの数を押さえる必要があると思っている。
 それから、海外からのインバウンドの視察などについては、例えば関西での広域圏や中部との広域圏の中で行っているのだが、小松空港から静岡へ行ったあの件が抜けていたのは私も悔しい思いをした。あれは、小松空港と静岡空港の関係で動いた話なので、福井県がそこに入り込むのはなかなか難しかったかもしれないが、さらにアンテナを高くして把握に努めたいと思う。
 それから、海外からの誘客については、今回の補正予算でもお願いしている。台湾と中国の両方でプロモーションを行っていきたいと思っているが、やはり空港を持っていないということもあって、そこの動き方が若干弱かったというのはおっしゃるとおりだと思う。
 これから少し本格的に取り組んでいきたいので、上海事務所の動き方も含めて、十分力を入れたいと思う。


◯小泉委員  富山県が小松空港をぎゅっと引き寄せている一番大きなポイントは、富山から名古屋へ向けるルートがかなり大きく評価をされているからだ。途中にある五箇山や岐阜県の高山がこのルートのメインになっている。
 これは、高山市が中国と交流観光ルートを持っているのに便乗しているのが、大きな力だと思う。
 企画幹も言ったように、福井県は京都にも近いという話もあったが、福井県と京都とのルートに何があると考えているのか。将来、舞鶴若狭自動車道が開通したらという話もあるが、例えば、福井県と京都とは歴史的にどうなのか。
 中国の浙江省の場合、例えば杭州市の近くに諸葛八卦村という、諸葛孔明の子孫が住む村がある。あれはまさに歴史の拠点である。日本から行く人はそこをルートに選ぶことが非常に多くなってきた。あるいは、紹興市の魯迅記念館には必ず藤野厳九郎先生が展示されているというようなことを認識しているか。そういうような観光上の位置づけが、福井にはない。金沢と京都の間に福井があることが認識されてないという話も出たが、これは我々の努力不足だと思う。
 上海のことは上海事務所を拠点にやるのもいいが、上海事務所のあり方については今回答がなかったが、一考を要する。内容も運営も、それからスタッフも含めてどうしたらいいかということを一度考えてみるべきだと思う。
 そして、福井県の位置づけというものをどうするのか。やはり県が小さくても、小さければ小さいなりにいいところがある。そのアンテナを高くするための努力が、この資料だけでは伝わってこないと思うが、部長の所見を伺う。


◯産業労働部長  観光面については、先ほど観光営業部の企画幹が答えたが、やはりおっしゃるとおり、近県との連携というのを具体的に考える場合に、先ほどからいろいろ出ているが、例えば中国の方が観光として何を求めるのか、マーケティング調査が必要である。それによって、他のネームバリューを使う必要があれば、国が重点を置いているものにどうつないでいくかということを考える。
 あわせて、もう一つは上海事務所の機能、これはあり方を含めて考えていく必要があるが、経済新戦略の中では、これから中小企業の方がどこにベースキャンプを置くべきかということを考えている。この資料は骨子案の段階なので、具体的な内容を明記していないが、例えば上海にというのは確かにあると思うし、もう一つは、これから伸びていく東北3省をどうねらうのかということも考えられる。そういった中で、行政としての機能の強化だけではなく、民間の方々がそこをベースにしながらどう活動できるかということも考えなければならない。そこで広くネットワークをつくって現地の情報が入ってくるという形にし、また福井県の特色をどう出せるか。これは、観光の面でもそうだろうし、これから向こうでビジネスをしていく場合にも、福井県はこれだというものが、いかに明確に伝わるかということを工夫していく必要があると思う。
 ただ、その際には、政策としてはどうしても全包囲網というか、全体を網羅することも必要だが、戦略としては少しデフォルメした形で、特定のものを明確に打ち出すということになるので、このあたりについては広く皆の理解をいただくということが必須だと思っている。


◯小泉委員  最後に、上海事務所にこだわるわけではないが、上海事務所では月に1回だと思うが、福井県人会というのを開催している。上海周辺で福井から進出している企業の代表が、集まっていろんな情報交換を行っている。
 あそこへ県からトップセールスとして、例えば知事などが一度は行って状況を掌握して、議会も含め、県が熱心なところをもっと見せる必要があると思う。
 今、中国には上海周辺だけでなく南の広東省を入れると、かなりの数が進出しているわけである。そういうところへ、本当にこういう戦略が伝わっているかどうか。
 恐らく、部長もまだあちらへ行って懇談会に出席したことはないのではないかと思うが、そんなことでは、とてもではないが及ばないので、徹底的に行かなければ駄目だ。
 私も、あちらへ行くと例会に参加する。すると、いつも、ここに部長に来てもらったことがない、まして知事に来てもらったことはないという話が出る。県の出先なら出先らしく、もっと活用すると同時に、それだけの配慮もしなければ駄目だ。そういう意味で、私は、上海事務所の存在について見直しをしてほしいということを申し上げた。
 現地が大事なのは、観光だけではない。物流もそうだ。お米を輸出しようとすると、一番ひっかかるのは、神奈川県にある植物防疫所だ。この国の制度を変えれば、福井からコシヒカリがどんどん出せる。今、あちらが幾ら欲しいといっても輸出できず、台湾に少し輸出するだけだろう。これでは駄目だ。
 また、お店に並べて置いただけでものが売れるものではない。並べたものを売ってもらう人がいないと駄目だ。それは、やはり地元の人の力を借りなければならない。
 そういう意味で、申し上げたので、上海事務所に部長や課長が行ってもらわないといけない。見てもらって、その中で実践的な戦略を立ててほしい。これは要望する。


◯屋敷委員長  ほかにないか。


◯山田委員  県外から福井県に進出するのに企業誘致というのはわかるが、そこから県内で他の市町へ行っても企業誘致に該当するのか。
 この資料を見ると、少しひっかかるが、どういう解釈なのか。


◯産業労働部長  さきほど、私が説明した大野市への例のことかと思う。
 企業誘致という言葉については、確かに、一般的には県外など外から呼び込んでくるということだが、今例に挙がっているのは、実は平成18年に県外から来られた企業だ。テクノポートでも2回ほど増築をしていたが、今回新しい土地を求めて増設をされるという意味で、一連の流れの中で企業誘致の実例として挙げさせていただいた。企業誘致という言葉にとらわれるとおかしいかもしれないが、最近は県内から県外へ企業が流出していくということもいろいろな地域で起こっているので、できるだけ県内に集約化していただく必要がある。そういう意味において、企業の増設、投資に対する助成についても、これまでは県外から新しく来たところだけを応援していたが、先端産業や新しい分野に進出する企業については、既に県内に立地していてある程度県内に定着しているところについても、大きな増設については応援していくということを、今年度からまた始めさせていただき、できるだけ県内にとどまってもらおうということである。


◯屋敷委員長  ここで、委員長を交代する。
      〔東角副委員長に交代〕


◯山田委員  そうすると、ここへ挙がっている企業は、県内市町17カ所のどこへ行ってもそういうような扱いをされるのか。


◯産業労働部長  企業誘致扱いというか、もちろん、投資で県のほうの助成制度の対象になり得る範囲においてはどの地域で立地してもらっても、その対象として考える。


◯山田委員  大野市が県内企業の誘致を一生懸命して、県が、大野市にあとから助成するというならわかるが、今の企業は、福井県に来たときに県から助成金を当然もらっていると思う。今回大野市へ行くときも県は助成金を出すのか。


◯産業労働部長  今ほど申し上げたように、この会社の場合には、県内に始めて立地されてからまだ期間的にも間もなくて、一連の動きということなので、県の助成の対象の範囲内にあるということだ。もちろん上限額を超えてしまっているなど、全く別な条件で助成対象になり得ないという場合もこれからは出てくるが、今回大野市のほうに建設する件は、平成18年からの一連の企業誘致の範囲内ということで、応援をしていきたいということである。


◯山田委員  上限というのはどこで決めるかわからないが、誘致合戦に勝って早いほうがもらえて、順番がおくれたときはゼロという可能性もあるということか。確認したい。


◯産業労働部長  おっしゃるとおり、際限なく応援するという形ではなく、今の範囲の中で応援できるという形なので、今回の場合には、まだそういう段階にあるということになる。


◯東角副委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯東角副委員長  ないようであるので、以上で付議事件に対する本日の審査を終了する。
 これで本日の委員会審査は全部終了した。
 委員長報告については、委員長に一任願うとともに、委員会記録の作成についても、委員会条例第27条の規定により、委員長に一任願う。
 以上で、経済・雇用対策特別委員会を閉会する。

                              〜以  上〜

                     経済・雇用対策特別委員会
                       委員長  屋敷 勇