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平成22年予算特別委員会 本文




2010.09.29 : 平成22年予算特別委員会 本文


◯松井副委員長  ただいまより予算特別委員会を開会する。
 なお、一部、会派役員の変更により、9月9日付で新たに理事に前田委員、松田委員を指名したので了承願う。
 また、ただいまの理事の変更及び今般の委員の一部改選に伴い座席を一部変更したので、あわせて了承願う。
 吉田委員には所用のため欠席したい旨の届け出があったので報告する。
 本日の傍聴人は7名である。
 なお、傍聴人の方々は、先にお知らせした留意事項を守って傍聴願う。
 これより付託議案の審議に入る。
 第54号議案から第63号議案までの計10件を議題とする。
 まず、知事より議案の説明を求める。


◯知  事  予算案等については、提案理由等で説明しているところであるので、よろしく審議いただくようお願いする。


◯松井副委員長  説明は終了した。
 本件については、予算特別委員会要綱の規定に基づき、去る9月15日の本会議において付託を受けた後、直ちに議長を通じて関係常任委員会に対し部局別質疑、調査を依頼しておいたところ、お手元に配付のとおり報告があったので了承願う。
 これより総括質疑に入る。
 この際申し上げる。質疑の順序及び時間については、お手元に配付のとおり理事会で決定しているので、発言者はこの順序により、持ち時間の範囲内において発言願う。

       「新しい高齢社会の姿について」         四谷 昌則 委員


◯四谷委員  民主党・一志会の四谷昌則である。本日は新しい高齢社会の姿として、高齢者の活力を産業や地域活性化に生かす方策、少子化などによって増加する廃校校舎の活用策及び鳥獣害対策の3点について、質問と提案をしていく。
 最初に、新しい高齢社会の姿についてお聞きする。
 我が国は、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会になりつつある。福井県は全国平均を上回り高齢化が進んでおり、平成21年10月1日現在の高齢化率は24.8%、既に県民4人に1人が65歳以上になっている計算になる。知事は昭和20年生まれで、ことし、ちょうど65歳になられたということある。統計上、定義の上では高齢者の仲間入りであるが、知事は65歳になって自分が高齢者の範疇に入ったことに対して、どのように感じられるのか、まずお聞きしたいと思う。


◯知  事  何か、不思議な感じがしている。


◯四谷委員  知事や我々議員には定年がない、一般の企業では定年がある。ほとんどの企業が60歳定年制を取っている。もちろん、これを65歳まで雇用確保しようということで、高齢者雇用安定法が改正され、定年延長や再雇用などの取り組みが進められているようであるが、県内企業における高齢者雇用確保措置の実施状況を伺う。


◯産業労働部長  今、委員が言われた改正高年齢者雇用安定法は、平成18年4月1日から施行されており、年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールに合わせて、平成25年4月1日まで段階的に65歳までの安定した雇用を確保することが各企業に義務づけられている。それで、県内の企業の状況について、この法律の事務を所管している福井労働局が調査を行っている。大体、従業員の3分の1に当たる30人以上の企業が県内で1,042社あるが、既にこういった高年齢者雇用確保措置を設定済みのところは97.6%ある。社数で言うと1,017社である。全国が95.6%であるので、全国を上回っている状況である。特にその中でも、希望者を定年後も引き続き雇用する継続雇用制度が一番多く87.4%、定年年齢の引き上げが11.4%、定年の定めを廃止した企業が1.2%といった状況にある。


◯四谷委員  今後ますます進行する少子高齢化、そして人口減少を考えれば65歳までの雇用を確保することはもちろん、さらに65歳以上の高齢者の方々の活力を社会の中でうまく生かされなければならないことは明白である。特に私が思うのは、高齢者が持つ技術や技能、ノウハウの伝承、活用である。今まさに団塊の世代が大量に退職する状況に面しているわけであるが、こうした方々の技術や技能が将来の福井県の産業の振興につながっていないように感じるのである。新聞報道によれば、県内に15あるシルバー人材センターの登録会員数が、平成21年度末で約1万人、9,976人と過去最高を更新したとのことである。一般の雇用情勢の厳しさから高齢者の再就職が困難で、シルバー人材センターがその受け皿となっているとの見方が紹介されている。
 しかし、シルバー人材センターが提供する仕事は、清掃や草刈などの軽作業、宛名書き、家事サービスといった臨時的、短期的な仕事に限られている。もちろん、そういった短期的な仕事を望む高齢者もいるわけであるが、自分がこれまで長年培ってきた技術や技能を生かして働きたいと望んでいる高齢者は多いと思われる。高齢者の就労の現状をどのように把握、認識しているのか伺いたいと思う。


◯産業労働部長  現在、県内においては、65歳以上の高齢者は大体20万人おられるが、そのおよそ4分の1の約4万7,000人が就業されている。その内訳で見ると、このうちの24%ぐらい、1万1,000人が農業に従事されている。それから、卸小売業に約15%、7,200人ぐらい。それから、サービス業で15%、7,000人ぐらいである。製造業で大体14%、6,400人ぐらいの方が働いているような状況である。
 こうした状況の中で今後さらに少子高齢化が進展してきて、労働力人口が減少してくるので、各分野において働く意欲のある高齢者の技術、あるいは経験を生かす必要があると考えており、先ほど紹介されたシルバー人材センターの活用など、多様な雇用機会の確保とあわせて、特にこれまで就業割合がやや低い医療福祉分野──これは6%ぐらいしかまだないが──こういったところでの就業も促していく必要があると考える。


◯四谷委員  先ほど申し上げたように、福井県の産業を将来につないでいくためには、高齢者の技術や技能を社会に生かしていくための仕組みが必要と考える。製造業だけでなく伝統工芸やサービス産業なども、独自のノウハウがあると思う。高齢者の技術、技能と企業とのマッチングを図っていく必要があると考えるが、現在の取り組み状況を伺う。


◯産業労働部長  今言われた企業とのマッチングは重要であり、福井で培った技術を次世代につないでいくということで、平成20年度から国の支援を受けて、福井産業支援センターなどにおいて、企業のOB人材と技術指導等を求める企業を直接マッチングさせる事業として「新現役チャレンジ支援事業」を実施している。県内企業へそういった人材を派遣するわけであるが、現実には県内の他企業に勤務している人材を受け入れることについて、利用企業側に少し抵抗があるといったような声もあり、現時点では県内企業の利用が十分に進んでいない状況にある。
 こうした状況を踏まえて、今後、団塊の世代の技術等を地域全体で活用していく仕組みを強化する必要があるということで、現在、検討している経済新戦略の中でも新しいプロジェクトとして検討している内容であるが、企業からの支援ニーズの高い技能を持つ企業OB人材を技能マイスターといった形で公的に認定しながら、利用企業の経営者等と面談、交流する機会を設けて、より企業との結びつきが生まれるような制度ができないか検討している。


◯四谷委員  農業や林業、漁業なども高齢者の技術、あるいは知恵といったものを生かしていくことが大変大切だと思う。例えば、県では福井の伝統野菜を復活させ、全国に売り込んでいこうとしていると聞いている。来年2月には、伝統福井野菜振興協議会を設立し、生産や商品拡大に向けた一体的な取り組みを図っていくとのことである。
 私の地元、勝山市にも勝山水菜があり、比較的知名度が高いと思っているが、今までほとんど生産されていないような伝統野菜を復活させるには、高齢者の栽培技術や経験が必要と考える。林業や水産業においても高齢者の技術や知恵を生かし、そして引き継いでいかなければならないと思う。
 そこで、農林水産業における高齢者の技術等の活用方策について伺う。


◯農林水産部長  現在の農林水産業であるが、後継者不足もあり、高齢者の方々に活躍いただいているという状況である。
 農業においては、今ほど委員から指摘もあったように、勝山市の勝山水菜、また福井市の河内赤カブなど伝統野菜の生産を高齢者が担っているわけであるが、その継承や復活のためには代々伝えられてきた自家採種技術など、高齢者の知恵を活用していくことが重要だと考えている。
 また、林業については、大野のオウレンや熊川くずなど高齢者の方が支えている特用林産の栽培技術の継承であるとか、大径木の伐採、折損木やかかり木処理など、専門的な技術を有するものについては、経験豊富な高齢者に指導者として活躍いただいているところである。
 さらに、水産業においては、浜のリーダーである漁業士、またはそのOBが若い漁業者を対象として、底びき網や定置網などの操業方法、漁具の作成、手入れなどの指導、研修なども行っており、高齢者と若いリーダーが一体となって、漁業技術の継承に努めているところである。
 今後も、高齢者の皆さんが長い年月の中で培った技術、知識、経験を生かして、地域の担い手として活躍いただける場を提供していきたいと考えている。


◯四谷委員  高齢者の活力を必要とするのは、産業面だけには限らない、福井県は3世代が近くに住んでおり、子育てに高齢者の力をうまく活用していると思う。小・中学校の見守り等も高齢者の力で成り立っていると思う。教育面でも退職された教員の力を活用して、さらなる学力向上を進めていきたいと思う。老老介護と言われるように、高齢者が高齢者の介護をすることが珍しくなくなってきた現在、介護など福祉の分野でも元気な高齢者の力がなければ社会保障制度も維持できないと思っている。
 今9月議会に福井県民の将来ビジョンの素案が示され、この中で5つのビジョンが示された。その1つに、「人が活きる」ということが掲げられており、それを実現する戦略として、アクティブ・シニア戦略がある。元気で現役の高齢者をアクティブ・シニアととらえ、アクティブ・シニアの活躍により、新しいふるさとの基盤づくりを進めるとしている。
 ビジョンが目指すアクティブ・シニアの活躍する社会はどのようなものか、そしてどのように実現していくのか、知事に所見を伺う。


◯知  事  アクティブ・シニアの質問であるが、福井県は平均寿命が高いわけであり、65歳から75歳までの年齢で介護を受けない人の割合が97%と全国1位の健康長寿県である。こうした高齢者の力を地域の向上に結びつけてこそ、福井県の特色が生きると思う。
 そこで、将来ビジョンでは高齢者の考え方を見直し、こうした方々──75歳、あるいは女性の場合はもっと元気で80歳だと思うが──大まかに「社会貢献層」と考えるとらえ方である。そして、「アクティブ・シニア」ということで、高齢者の活躍戦略を示そうとしている。
 例えば、福井市の例であるが、高齢化が進む地域にバスを貸与して、いろいろ運転して便利にするわけだが、運転のボランティア7名のうち50歳代が2人、60歳代が3人、70歳代が2人ということで、みんな担い手として頑張っている。
 これから、市町、団体と協力して、元気な高齢者が子育て、介護などで活躍する仕組みをつくっていきたいと思う。
 また、農林水産業や製造業の分野で、幅広く年代にかかわらず──ある方がやめられて、それをフォローする場合、リタイヤされた方も後継者としてあるわけである。広く後継者という福井県としてのブランド。そういうものを何かビジョンとして打ち出して、福井県らしいその分野の計画づくりができるのではないかと考えている。


◯四谷委員  関連して、私が一つ気になっているのは、警察官の技能の伝承である。警察官も大量退職が始まっていると聞いており、ベテラン捜査員の技術や経験が組織内で引き継がれていかなければ、治安の低下をもたらし、県民に不安を与える恐れがある。県内でも続けてコンビニ強盗があり、県民の不安は高まっている。捜査術、逮捕術、職務質問、鑑識などベテラン警察官が長年培ってきたすぐれた技能、経験、ノウハウといったものが若手警察官に引き継がれていくことが必要だと考える。また、退職した警察官の方々の力も治安維持に活用していくことが大切である。
 そこで、警察本部における捜査技術等の継承及び退職警官の活用状況について伺いたいと思う。


◯警察本部長  委員指摘のとおり、県警察においても大量退職期を迎えており、ベテラン警察官の有する卓越した知識、技能等を継承していくことは、警察力の低下を招かないためにも重要であると認識している。
 県警察には、従来から捜査、鑑識技術等の高度な専門的技能を有する警察官を指導、教育に当たらせる技能指導官制度があったが、平成18年度からこれに準ずる者を新たに準技能指導官として任命し、職場や犯罪現場に派遣する機会をふやして、指導、教育の体制を強化した。
 さらに、平成21年度から地域、刑事、交通など部門ごとに退職警察官を再任用して、みずからも業務に従事する傍ら、随時、職場等で指導、教育を行う制度等を取り入れて、現場に直結した教育の機会を増加させることで、警察官の実務能力の向上を図っている。
 引き続き、これらの制度に見合ったベテラン警察官の運用に努めていく。
 また、県警察では、捜査技能等の継承とは別に、従来から退職警察官の中から有能な人材を再雇用して、先ほどの再任用のほかにも警察業務と密接に関連する交番相談員、警察安全相談員、あるいはスクールサポーターなどを非常勤嘱託職員等として活用している。これらの職員は長年培った経験技能を生かし、地域安全活動や少年の非行防止に取り組んでおり、警察業務の一翼を担っているところである。
 県警察としては、今後とも、退職警察官を含むベテランが有するすぐれた技能等を警察組織全体の財産として受け継ぎ、力強い信頼される警察の構築に努めていきたいと考えている。


◯四谷委員  きのうテレビを見ていたら、警察学校の卒業生徒50何名だったか映っていたが、規律正しい生活を送っていたと感心しているわけである。
 卒業してすぐは頑張ってやるが、中間以降、中だるみが出る可能性があるので、その辺は十分に指導いただければと思うし、この間の大野のコンビニ強盗の逮捕はすごく早くすごかったと感心した。残っている事案についても、いち早く解決していただくよう願う。

       「鳥獣害対策について」


◯四谷委員  次に鳥獣害対策について伺う。
 鳥獣害対策といっても、獣の被害対策ばかりであり、提案であるが、鳥のふんの被害も大きな社会問題になっている。歩いていると、頭の上にふんが落ちてきたり、きれいに舗装された黒々とした道路でも、一夜にして真っ白になってしまう。何も対策が取られていない。なぜか。農作物への被害が大きくないからであろうか。人がカラスに威嚇され襲われることさえある。個人や民間会社のみに任せるのではなく、行政としても何らかの対策が必要と考える。被害のあった場所で追い払っても被害が拡散するだけで、生態系への配慮はもちろんであるが、生息数を見ながら大がかりな捕獲、駆除を検討すべきではないかと思う。カラス被害に対する県の認識と対策を伺う。


◯安全環境部長  カラスによる被害であるが、議員言われるように農業被害については、農家の方々の自主的な防除対策により被害面積は減少傾向にある。ただ、カラスのふん等の生活被害であるが、これは都市部にも拡大していると思う。
 そこで、県では本年度から1件の許可当たりの捕獲数の基準を、200羽から500羽に拡大した。
 また、現在、福井市など5つの市町において、ねぐら近くでのおりによる捕獲を実施しており、効果を上げている。
 勝山市においても、ことしの夏からおりの設置を開始している。
 今後は、こういったおりによる捕獲を拡大していくために、市町とともにねぐらの位置や被害の現状等の調査を実施して、効果的な設置場所、捕獲方法を検討していきたいと考えている。
 また、カラスのえさとなる農作物の残渣や生活ごみなどの適正な管理についても、市町を通して県民に呼びかけたいと考えている。


◯四谷委員  よろしくお願いする。

       「廃校舎の活用について」


◯四谷委員  最後に廃校校舎の活用について伺う。
 廃校となった学校の校舎等の活用についてであるが、文部科学省から廃校舎等活用状況実態調査の結果が発表された。少子化による児童・生徒の減少や市町村合併の影響などにより、平成21年度に新たに廃校となった公立学校は、全国で526校あり、調査を開始した平成4年度以降に廃校となった公立学校は、5,796に上っているということである。このような廃校となった学校の校舎等の建物のうち、何らかの活用が図られているのは7割ほどで、残りの3割は活用されていない、放置されているということである。文部科学省はみんなの廃校プロジェクトを立ち上げ、廃校情報をホームページで提供するなど、廃校の有効活用を促進する取り組みを進めている。
 さて、本県では平成4年度以降の廃校数は40校で、内訳は小学校が36校、中学校が4校、高等学校は0となっている。
 そこでまず、本県における廃校舎の利活用状況について伺う。


◯教育長  この40校の内訳であるが、公民館や生涯教育施設等として活用されているものが16校、それから取り壊されたものが17校、未活用のものが7校である。
 ただ、この未活用のものについても、いろんな行事などで活用したり、それからホームページ等で活用方法等を公募している。


◯四谷委員  小・中学校というのは、たくさんの子供たちを長年はぐくんできた地域のシンボルである。また、避難所として指定されている場合も多いと思う。地域のさまざまな活動に利用されてきた地域の核となる施設であるので、廃校となった学校のある地域というのは、ほとんど僻地にあり、過疎化、高齢化が進み、地域のコミュニティー維持が困難なケースが多いと思う。
 だからこそ、地域活性化の核として有効利用する必要があると考える。
 もちろん、小・中学校は市町の施設であるから、市町で検討すべき課題であるが、県として情報の提供や助言、改修する場合の助成など、支援していくべきと考える。
 廃校舎の利活用に対する県の支援状況を伺う。


◯知  事  これから、特に小学校の場合に、学校統合として校舎を他用途に使わなければならないということがふえてくると思うので、これは市や町の事業でもあるが、県も積極的に関与しながら対応する必要があると思う。
 例えば、越前町の糸生中学校では、先般、合宿所に改築して、この7月から2カ月半の間に1,000人以上の利用があり、県内外から250人の宿泊があったというようなことで、使い方によっては非常にうまく使えると思う。したがって、特段の条件がない限り、学校を残しながら活用する。それから、統合した場合の子供たちのいろんな移動の議論である。こういうことをうまくやっていく時代ではないかと思う。


◯四谷委員  これに関連して、県が4月の機構改革で、総合政策部にふるさと地域振興課を新たに設置し、中山間地域など少子高齢化や人口減少などにより活力が失われつつある過疎地域の振興のため取り組みを進めている。
 そして、今年度、近くに日用雑貨や食品を売る店がなくなっているところに対して、買い物難民地区として移動販売車を巡回させる集落移動販売システム整備モデル事業をスタートした。
 7月から始まったこの事業は大変住民に好評である。採算ベースにはのってないようであるが、週1度の販売車が来るのを地域の高齢者が楽しみに待っているとのことである。こういったことも含めて、地域コミュニティーを復活させる大変すばらしい取り組みと評価する。
 そこで、先ほど申し上げた廃校活用についても、廃校の校舎を活用して、そういった店を出すことも必要かと考える。
 お願いだけして、私の質問はこれで終わる。

                              〜以  上〜


◯松井副委員長  以上で四谷委員の質疑は終了した。
 ここで、委員長と交代する。

      〔委員長と交代〕

       「農業政策と国の予算縮小について」      山本 文雄 委員


◯山本(文)委員  今回は、95分の時間をとっていただいたので、自分なりに真剣に質問したいと思う。
 さて、本題に入る前に知事に一言だけお尋ねしたい。
 この社会の中で、どこへ行っても不言実行ということが書いてあったり、言葉がある。また、有言実行という言葉もある。これは論外であるが、有言不実行ということもあるかもわからない。そんなことをある人から、「山本さん、あんたの場合は不言実行かね」と言われたのである。議員の皆様方も多種多彩であるから、それぞれいろんなスタイルがあると思う。それは自分で判断をしていただきたいと思うが、知事はこの中で自身はどんなタイプだと思うか。


◯知  事  県政に限って申し上げれば、まず、マニフェストでずっと県政を運営させてもらっているので、マニフェストは約束したことを明らかにし、実行することであるので、有言実行ということになると思う。
 それから、実際の政治においては、思わぬこと、アクシデント、トラブル、あるいは予想外のこと、ということがかなり起こる。それを解決するのも政治の大事な仕事であるので、それは不言実行ということになるかと思う。そんなことを今、質問いただいたので思い描いている。


◯山本(文)委員  いずれにしても、不言実行も有言実行も私たち公の立場にいるものにとっては非常に大事なことだと思い、肝に銘じてやっていきたいと私自身はそんな思いである。
 さて、通告の順に従って質問させてもらいたいと思う。
 第1点は、農業政策と予算縮小された今回の国の概算要求について若干質問させてもらう。
 最初に、政権交代という大きな政治的変化の中で、本年度の国の農林予算は農林水産全体では、対前年度約65%。これぐらいの予算に大幅に削られたのである。その中でも、特に農村整備関係は36.9%という、これまた過去に類例のない大幅な削減となったことは皆さん方、御承知のとおりである。これは何を意味しているかと見ると、ビジョンを持たない政策不在の予算編成ではないかと、私は勝手ながらこう思っている。
 それは今、先進国の中で、我が国の食料自給率は40%である。米については余るほどあるにしても、農産物全体においては国の需要を賄えないという状況の中で、農業をただ所得保障方式だけに偏ってやっている。将来、国策の中で農業とはどうあるべきか、どういうふうに政策を立てていくかということを考えると、このような予算の削減を一挙に行うということは、ある種の暴挙ではないか。
 そして、これらについて農家の皆さん方のいろんなお話を聞くと、農業を続ける意欲の衰退、またどうしていいかわからないという混迷、こういうことを各所で耳にするわけである。そんなことを考えると今、地方自治体の福井県は福井県なりに、これにどう対処していくかということを一方においては考えるべきではないかと思う。これについて知事はどんな考えか。


◯知  事  特に新しい政権のもとで、都市と地方という問題がある。地方は農業や林業などが中心であるが、地方の産業、あるいは生活の実態を十分把握、理解して政策を進めてほしいと強く思っている。
 それから、農業のいろんな投資のバランスということがもちろんあると思う。
 農家の戸別所得補償などにバランスがいっているのかもしれないが、やはり一方で国のいろいろな公共資本のメンテナンス、こういうものに対するしっかりした維持というのも政治の大事な政策であり、現に今の政権もそんなことを言っておられるように思うので、そのバランスをうまくとって、農業政策なども進めるということが極めて重要だと考える。


◯山本(文)委員  私も全く同感であり、農業の重大さというのは今、知事が言われたとおりで、これは大変な、今こそ農業だと、こういう認識は改めて申すべきではないかと思っている。
 そんな中で、将来の農業の形態をどうするかということで、特に九頭竜川下流地区の国営かんがい排水事業である。これについては、総額1,130億円余の総事業費の中で事業を進めている。
 これは、御存じのとおり、農村の皆さん方、受益者の方々がぜひともこのかんがい排水事業を取り入れてほしいということで、市町、そして県を通じて、国に要請する申請事業である。それにこたえる形で農林水産省が、そこまで意欲があることならばやってやろうというような形で、国がオーケーを出し、国が責任を持ってやってあげようという事業であったわけである。
 それを一方的に事業費を削減するというのはもってのほかであり、それでもこの事業をある程度理解してくれたのか、本年度の予算については116億円。これは要請額の約90%であった。これはやはり農水省も、国そのものが、こういう重要な事業だから予算は余り削減しないということで、理解していただいたという思いであったが、今回の概算要求の中では、50億円である。100億円の要求の中で50億円である。昨年と比べると、約43%という数字になるわけであるが、こういうことになると、果して当初の目標どおり平成27年に完成できるのかどうかという心配が出てくるのである。できるかどうか、農林水産部長どう思うか。


◯農林水産部長  委員の指摘のとおり、今年度の予算は116億円を確保させてもらった。これは、委員方の尽力をいただいた結果だと思っている。
 総事業費1,133億円のうち、平成22年度末で67.6%の事業進捗になると思っているし、来年の春には十郷用水が完成し、5,600ヘクタール、約4,900戸の農家に通水されるということである。こうした中で、9月10日に発表された九頭竜川下流地区の国営かんがい排水事業の平成23年度概算要求額は50億2,500万円であり、対前年比43.3%と大幅な減額である。
 これまで県は九頭竜川下流地区の予算確保に向け、5月29日に民主党の福井地域戦略局、また8月9日には国に対し要請活動も行ってきた。9月16日には今回の概算要求額に関する説明を北陸農政局の担当部長を呼んでお聞きした。その場で平成27年度の完成に向けて、さらなる努力をしてほしいということも要請させてもらったところである。
 これらの要請活動を通じて9月24日には国において、平成22年度の経済危機対応・地域活性化予備費により、7億3,000万円の予算の追加があった。
 それでも、来年度、大体80億円はないと計画していることが実行できないので、まだ不足しているわけであり、県としては今後も国に対して、現在検討が進められている補正予算等も含めて、あらゆる機会を利用してさらなる予算の確保を要請していきたいと思っている。


◯山本(文)委員  予算ベースでは68%ぐらいの進捗率である。そして、ことしの予算がさらに経済対策で7億3,000万円つくという話であるが、そうすると57億3,000万円ということになる。しかし、進捗率が68%、金額ベースで言うと766億円執行し、残額は360億円である。360億円ぐらいがまだ必要だということになる。そうすると、今の予想では完成が平成27年であるから、それを5年で割ると1年当たり80億円の予算が必要ということになる。これがないと完成しないということになるのだが、毎年80億円ぐらいの予算獲得というのは、今、部長のサイドでは、見込みがあるのかないのか。アバウトで結構であるが、どうか。


◯農林水産部長  概算要求が出て50億2,500万円、それと経済対策でプラス7億3,000万であり、57億円余りの予算はそれで確保できたわけであるが、指摘された80億円に比べると、まだ22〜23億円不足するということである。これは現在、国のほうで補正予算の検討も進められているようであるので、そういうところなども活用して要請していきたい。いずれにしても、国営の事業であるので、国が責任を持って約束している平成27年度の完成を必ずなし遂げてもらえるように強く働きかけていきたいと思っている。


◯山本(文)委員  実は私たちも精力的に運動していかないと、要請活動をしていかないといけないと思うが、知事、部長初め一緒になって強力な運動をしてほしいと思っている。
 もう一つ問題があるのは、国営事業の進捗に合わせて、県営事業も計画されているわけである。本管については国営事業、細部にわたっては県営事業、その接続と整合性、何年度には国営事業がここまでいくから、その年までに県営事業をどこまで進めるかと、これも計画的にやっている。
 そういう整合性が図られるかどうかということで、大変な大きなことで、場合によっては重大な結果を招くという恐れもあるわけである。もしも国営が計画どおりいかないということになると、県営事業はどんなぐあいになるのか。


◯農林水産部長  国営かんがい排水事業の関連で県営事業もやっているところであるが、今12地区で事業をしている。これまでの事業費で161億円と、今年度44億円つぎ込んでいるので、進捗率が47%ということで、まだ来年度以降の残事業費が229億円残っている。これらを国営と合わせて計画的にやっているので、国営がおくれるということになると、県営のほうも、おのずとおくれていくことになろうかと思っている。


◯山本(文)委員  県営事業を着々と進めているのだから、国営がストップしてもらっては困るということをぜひとも強力に申し上げてほしいと思う。そうでないと、この大きな計画を希望を持って待っている農家の皆様方にとって、これがいかないということになると、大変大きな心理的影響があると思うので、ぜひとも精力的に運動を展開してほしいと思っている。
 そこで、国営事業の削減というのは、心理的な影響が非常に強いと思う。それは今、農業者というのは、俗っぽい言い方をすると、60歳の定年になった方々がむしろ農業の担い手みたいな形で、中心的な位置を占めているわけである。その方たちが、いつまでも続くということは考えにくい。必ず後継者、農家の場合なら子息に譲る、バトンタッチするという時代がくる。
 しかし、今の若い方たちは採算が余り合わないような状況、米価も低迷しているということになると、この仕事を本当に受け継ぐかどうか。非常に危険性が高い状況になる。そんなことになると、大変なことになる。だからこそ、パイプラインによって省力化あるいは合理化というものを見出していくわけであるから、その辺のことを考えると非常に重要であるということが一つ言える。
 もう一つ、福井県の農村というのは、コシヒカリの里であり、あるいは多彩に農業をやっていかなければならないということになると、これは福井県の産業として将来とも大切にしなければならないし、重点的に取り上げるべきことだと思っている。
 かつて私は、この予算特別委員会で福井県の農業は基幹産業かどうかと知事に質問したが、知事は基幹産業でないと言ったのである。どうしてあんなことを言ったのかと、今もって知事の気持ちがわからない。私は福井県にとって基幹産業だと思う。だから、基幹産業として位置づけをし、そして重点的に取り組み、ばら色の農業を営むような、そういう基盤を整備する、あるいは農村整備をするというのは、福井県にとっては不可欠な要素だと思っているが、知事でも、部長でもどうか。


◯知  事  農業については、重要な産業だというふうに申し上げたかと思っているが、いずれにしても昨年つくった県の農業関係の計画では、今の農業利水というか、こうしたものについては、特に田んぼの農地も含めてストックのマネジメントをこれからしっかりやっていく。それから、かんがい排水については円滑な推進を図るという基本的な方針を明らかにしているわけである。
 それから、この3月に国で閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」においても、農地の排水対策や水利施設の補修、更新など、必要な農業生産基盤の整備は今後とも推進すると明示しているから、先ほどの実行ではないが、これを実行するということかと思う。


◯山本(文)委員  知事は、基幹産業と言わないと言ったものだから、一時どうなることかと思ったが、今の言葉を聞くとやや前進したのかと──大分前進したのかもわからないが、そんな気はする。
 しかし、21世紀は水の時代と言われており、水資源というのは非常に大切だと思っている。今、福井県の九頭竜川を例にとると、これは母なる川と言われているぐらいで、ことしのこの晴天続きであっても、水はどんどん流れてくるという非常に恵まれた川である。全国でも有名な川の一つだと私は思っている。
 その水というものは、最近、中国の人が北海道の水の出るところを土地をひっくるめて買ってしまうというのは、いかに中国は水が不足しているかということで、日本の土地、日本の山を買うという、そういう行動があるらしいのである。そんなことを考えると、毎日どんどん流れてくるから何とも思わないかもしれないけれども、水は大切にするべきものであると思っている。
 しかも、このパイプラインに非常に利点があると言うのは、最近の世情を考えると、開口している水路においては、いろんな汚染の心配がある。何でも捨てる。有毒な物を川へ捨てる。その水がどんどん田んぼへ流れてきて、その田んぼで取れた米を、本当に自信を持って産地形成した福井のコシヒカリだと売れるかどうか。やはり責任持った米をつくる、責任ある銘柄米であるということであるならば、途中から不純物は絶対入りらない。田んぼまで、地下のパイプを通って水が行くわけであるから、こんなすばらしいことはないと思う。九頭竜川の清水がそのまま、それぞれの個人の田んぼまで行き、その水で育てた米だということになると、これは日本一信頼できるおいしい米だということで、産地形成には最高のものができるのではないかと思う。
 それからもう一点の利点は、蔬菜園芸である。今、米だけがすべてではない。その蔬菜園芸をするにしても、それをつくる環境が整備されていない。そうすると、水がほしくても周囲の田んぼに影響があると、野菜をつくるところに水を持ってこられないということがある。
 稲刈りの途中で田んぼに水が入ると、田んぼがやわらかくなって作業がしにくいということになる。パイプラインであれば、その田んぼ、田んぼに個別に水を取り入れることができる。しかも、1年中24時間体制で水を取り入れられるので非常に多彩な農業経営ができる。あるいは、いろんな作物の栽培ができるという利点があるわけである。そういう利点が今のパイプラインにあるということを考えると、やはり福井県の農業はどうあるべきか、何を目指すべきかと、そういうビジョン、政策的な将来計画というものがなければならないと思っているが、それについて何か考えはあるか。


◯農林水産部長  県では、昨年3月に「ふくいの農業・農村再生計画」を立てて、その中でコシヒカリ復活プロジェクトというものも、一つのプロジェクトとして取り組みをしているところである。
 委員指摘のように、このパイプラインが完成すると24時間通水をする。そうすると、夜間通水が可能になり、夜間冷たい水を田んぼに張ることができるということで、より一層おいしいコシヒカリ、お米ができ上がるということもあろうかと思っているし、また九頭竜川の下流域であるが、本県農地の約3割に当たる1万2,000ヘクタールを抱えており、農家も1万2,000戸あるわけであり、また集落営農の組織率も高く本県農業の極めて重要な位置を占めている。こうした地域で抱えているいろんな問題があるが、そういうような問題がこういうパイプラインを敷設することにより、解決していくのだろうと思っている。


◯山本(文)委員  部長、県は農業の政策的な中で、ビジョンが足りないのでないかと思うのである。言い方が悪いかもわからないが、個別な各論についてはそれなりの考え方を皆さんきっちり持っている。しかし、大きく将来の農業の形態として何を求めているのかということがわかりにくい。これをもっとはっきりすべきだと思う。
 一つの例を挙げると、先ほども高齢化しているという話があった。三国やあわらの北部丘陵地帯でかつてスイカをたくさんつくって、スイカの産地形成をしていたであろう。なぜ最近スイカをつくらないようになったのかわかるか。


◯農林水産部長  私もかつてスイカを大阪へ売りにいったこともあり、ああいう重量物については、農家の方が高齢化してきたことで、なかなか持てないというふうなこともあり生産が落ち込んでいるという状況だと思う。


◯山本(文)委員  そのものずばりである。スイカは年のいった人が農業をするようになってから重たくてスイカが持てない。だから、腰を曲げてできないということで、皆さん敬遠するようになったという話を私も聞いている。高齢化社会の中で農業の担い手がどんどん高齢化していく。その高齢者に最も適した蔬菜、野菜園芸つくりは何かということを考えれば、今、新たな水が来るのだから、それに基づいて5年先はこう、10年先はこうだと、おぼろげながら、稲作にプラスアルファして蔬菜園芸に活路を求め、それを推進するという大まかな方針を打ち立てる。何を選ぶかは、それはそれぞれ、やりながらの決定でいいのではないかと思うが、そういう中で、ああこれが適しているということになると、そこで初めて産地形成をして、流通関係も重点的に取り入れて出荷体制、販売体制を整えるということができるのではないか思う。そういうわかりやすい将来像というものを、描くべきだと思っている。それらの政策を今現在、何をするとかということでなくて、水が来たときの将来はこういう形のものがいいのではないかということは、はっきりと方針を立てるべきだと思うが、知事どうか。


◯知  事  先ほど申し上げたように昨年、農業のビジョンというのであろうか、計画をつくっているわけであるが、今言われたような程度の大きな流れについては、今やっている県民、県政の将来ビジョンで何か明らかにできるのではないかと理解している。ただ、もう少し中身をよくお聞きして、それに合うような扱いがいると思う。


◯山本(文)委員  部長は。


◯農林水産部長  今、国と共同で設置している「事業管理・コスト縮減検討会議」において、このパイプライン化を契機とした農業振興策を検討している。その中で、三里浜なら二十日大根であるとか、JA花咲ふくいならニンジンであるとか、早まき大根であるとか、その地域、地域で何が一番いいかというふうな実証もやっているところである。
 そうしたことも踏まえて、今後、計画的に取り組んでいきたいと思っている。


◯山本(文)委員  そのパイプラインの効果を高めるために、私も農林水産省へ行って、いろいろ言っているのである。
 今、部長が言ったようなことは現実にある。しかし、政策的に福井県としてどうあるべきかということは、もう少し簡単明瞭に方針を立てるべきだと私は思う。そうでないと若者が希望も何も持たない。そして、若者が農村から、農業から流出する。高齢化社会で最終的には地域の崩壊、農村の崩壊につながる可能性がある。限界集落もあるが、平たん地であっても農村に行くと、高齢者ばっかりが住んでいるという地域がある。そういうことをもう少し、将来、農業を継いでいくという希望の持てるような形のものをつくっていき、いわば九頭竜川流域型農業というのをつくってもいいのではないだろうか。それぐらいの構想でぶち上げてほしいと思っている。
 かつて地域用水対策連絡会というのを私が提唱した覚えがある。それは、この水が来るとそれぞれに利用価値が非常にたくさんあるので、そういう水をいかに活用するかということで、各部横断的に取り組んでもらってはどうかということで、理解をいただいて地域用水対策連絡会を県庁の中に各部長でつくったのである。つくったと思う。
 それが今、何をしているのか余り見えてこないのである。まだ仮定であるから、見えてこないのかもわからない。しかし、事業が終わった後ではできないこともある。今から一つの方向づけをし、あるいはその地域の市町に対して、こういうこともいいということぐらいは話をつないでおいてほしいと思っている。
 時間がないから、こちらから申し上げるが、例えば学校教育であると、自然に親しむビオトープがある。現実に土地改良区などから学校へ話しをかけて、学校の生徒が取り組んでいるところもある。教育長はこういうことをやっていることはわかっているのか。返答はいい。
 それから、せせらぎをつくって地域の潤いをつくる。用水路にふたをしてしまうと草が生える。そこへ、せせらぎをつくって地域の潤いとする。あるいはそこで、親水公園として水車を回す場所をつくって、農村風景をつくるとか。
 あるいは、冷たい水が地下のパイプを通ってくるが、ある程度地熱によってそれを消雪に使うということも可能ではないか。
 あるいは火災のときに、その水の落差は末端のとこでは少なくとも30数メートルあるから、そうすると、水が30数メートル吹き上がるぐらいの勢いがあるので、防火消火栓には十分間に合うと思う。
 また最近は、この平たん地にもなかなか魚がすめない。一気に新鮮できれいな清水がくれば、魚の生息する地域をつくることも可能である。
 そうした効果を最大限に高めるための方策というのは、今から構想を練り、それぞれの担当部署に取り組んでもらうことで、その地域が水源地域になるということにもつながるわけであるから、大きな構想を持ちながら取り組んでほしいと思っているが、知事どうか。


◯知  事  この九頭竜川下流地区の用水供給事業については、パイプラインの上部の問題と、既にある基幹水路をどう活用するかということで、極めて環境問題、教育問題、それから地域の景観などに影響するので、これは市町村にかなりの部分、議論を任せている部分があるようであるが、やはり県がそうした広域的な観点から十分に意見交換をして、この坂井平野地域がそういう意味で十分に役割を果たすように進めたいと考えている。


◯山本(文)委員  いい返事をもらったが、せっかく連絡会をつくったわけだから、機能するように知事みずからが号令をかけてやってもらいたい。そうでないと、やっとつくったのに有名無実で何も進展しないというのでは、つくった意味がないと思う。それは1年に1回会合を開くということではなくして、ぜひ、何回か会合を開いて意見交換する。そして、そういう中で生まれた貴重な意見というものを、今、知事が言われたように、市町村へこういうこともどうかという話を流す。それぐらいの組織的なものはあってもいいのでないかと思うが、どうか。


◯知  事  先ほど、そういうことを申し上げたところであり、組織ができているが様子がよくわからないではないかということについては、具体的にこれからそうした問題に仕事を進めて、明らかにしていく必要がある。農林水産部、安全環境部、教育委員会、土木部も関係するので、そういうふうに進めたいと思う。


◯山本(文)委員  ぜひ、お願いしたいと思う。

       「陽子線がん治療施設の運営について」


◯山本(文)委員  それでは、次に陽子線がん治療施設についてお尋ねしたいと思う。
 私は、この陽子線がん治療施設の計画について、これで都合6回目の予算委員会での質問である。一番最初は知事も御存じかと思うが、福井県は日本一の原子力発電所の立地県であるということ、この放射線の広がりようというか、そういうことで、ぜひとも日本一にふさわしい陽子線がん治療施設をつくってはどうかと提言したところが、これをすることになった。当時は全国でも四、五カ所あった程度か、そんな程度のときに福井県が産声を上げて、さて、やろうとなった。
 ただ、残念なことは、これは原子力の拠点化計画の一つとしてやるのだから、まさに日本一の規模のものをつくってほしいということでやったところが、そこまでの見込みがないということで、安全な方法を取ったと思っている。200人であったか、安全な方法を取った。こういうことで予算についても、兵庫県は五、六百億円か──これは部長にはっきり答えてほしいと思うが──それぐらいの費用をかけたのではないかと思うが、福井県は100億円まででつくった。こういうことだと思う。
 国内最高のものをつくるというのは、規模がすべてではない。中身が最高のものであるということもまた大切なことであるから、そういう中で私が平成17年に申し上げたと思う。いよいよ来年診療開始ということになると思うが、現在のところ、全国でこうした施設というのは、当時、私が言ったときは4カ所か5カ所だったと思うが、今、幾つあるのか。


◯健康福祉部長  現在、稼働している陽子線については5カ所である。それ以外に、炭素線、重粒子線というのもあり、ここが2カ所ある。計7カ所である。


◯山本(文)委員  この近隣の施設については、静岡県にある。また兵庫県にもある。
 福井県は5年間で確か200人という計画だったと思うが、静岡県あるいは兵庫県の計画と今日までの実績はどうなっているのか。


◯健康福祉部長  静岡県は、平成15年に治療を開始している。現在、直近でいうと平成21年は140名強の患者さんの治療をしている。
 一方、兵庫県の粒子線医療センター、ここは陽子線と、今言った炭素線である重粒子線、2つの機能を持っており、ここも平成15年に治療を開始しており、平成21年には600名強の治療実績を上げている。


◯山本(文)委員  静岡県については、まだ計画までいってないということだと思うが、そうすると、来年春、福井県の陽子線がん治療センターが診療を開始したときに、静岡県のようなことになって計画どおりいくのかどうか。また、競合地域といえば近隣であるから、静岡、兵庫県あたりが競合する地域になるかと思うが、それらについてはどういう見通しを立てているのか。


◯健康福祉部長  静岡県の陽子線は、がんセンターという、がんの専門病院の一つの部門としてセンターを設けているところである。
 県の場合は、県立病院の総合病院に併設するという形で、ある意味で、静岡県と、それから兵庫県は陽子線、粒子線の独立のセンターであるので、その中間的な機能だと思っているところである。
 県の場合、治療開始後の年間200人を目標としており、そして、できるだけ早くそれを達成して、さらに収支もあるので年間400人の患者さんを治療したいということで普及を図っていきたいと思っている。


◯山本(文)委員  少し心配しすぎかもわからないが、静岡県のがんセンターは私も視察させてもらった。
 がん専門のあらゆる施設がある。そして、そこで治療する人が精神的に休まるような、そういう気持ちよく過ごされるような場所もある。そういうことを考えると、計画どおり200人達成ができないのはなぜかと思うが、主たる原因はどういうところにあるのか。


◯健康福祉部長  聞いているのは、一つには、静岡県の場合、患者さんが県内の方が大体70%から75%、県外の方が20%から25%と聞いている。
 一方、兵庫県の場合は、4割が県外の方と聞いており、こういったことで、県外から利用する患者さんが兵庫県の場合は多いのではないかと思っている。


◯山本(文)委員  そうすると予測はなかなか難しいと思うが、福井県の場合は、どういう割合になるのか、何か考えはあるのか。


◯健康福祉部長  福井県の場合は、北陸で唯一の陽子線の治療施設である。そういったこともあり、県内と県外で半々の患者さんに御利用いただきたいということで、県内はもちろんであるが、特に県外の主要病院、また、関西の健康専門のクラブとも提携し、今、普及啓発を図っているところである。


◯山本(文)委員  福井県の施設が世界で初めて日本で初めてというのが一つずつある。そういう最新型で最もよい施設だと日本で位置づけがどこまでされるかということが1点あるし、そういうことをPRすることによってかなりの患者さんを受け入れることができるのではないか。そういうことは今どんなふうに考えているのか。


◯健康福祉部長  今、委員指摘のように、私どもの装置の最先端の機能として、日本初ということではCTの検査装置を用いて、患者さんの患部の自動位置決めを行うシステム、これを採用するというのが一つである。
 それからもう一つ、これは陽子線では世界で初めてあるが、がんの病巣に対し陽子線を薄く階層状に徐々に照射する積層原体照射システムというが、そういうことで、がんの病巣以外の照射をできるだけ少なくして照射するという2つの特徴を持ったシステムを採用することとしている。


◯山本(文)委員  その積層原体照射システムというのがどんなものか、ちょっと想像もつかない。しかし、CTでその場所を的確に把握して照射するというのは日本で初めてだということであるが、かつて、この陽子線か何かわからないが、被爆ではないのだが、放射線で治療するのに位置がずれるため被害をこうむったという例も聞いている。そういうことについては、より確実性があって、そういう問題はないということか。


◯健康福祉部長  陽子線は要するに固定することが大事なので、まず一つには、オーダーメードの患者さんに合った固定具をつくり、照射するベッドで患者さんを固定する。そういう固定用具をまずつくる。
 それから、もう一つ、先ほど申し上げたが、照射に当たってはコンピューターで制御し、患者さんの病巣ごとに、こういった形状の固定具というか、照射固定具をつくり照射する。だから、患者さんが、まずは動くことをきちんと固定する器具、それから照射に当たってはがんの病巣だけに照射できるような患者さんごとのオーダーメードの照射固定具をつくるので、そういった誤った照射といったことはないという仕組みである。


◯山本(文)委員  その照射の確実性ということでは日本で初めての施設だということであるが、そうすると、一般の人は誤射とかそういうことの危険性というのは感じていることなのか。重大なことだと思うが、そういう確実性があるということがどれだけそれを受ける方たちのメリットになるのか。確実性があるといったら最高のものなのだから、それはどんなぐあいか。


◯健康福祉部長  少し誤解があるかもしれないが、他の先行している施設でも陽子線、または重粒子線、それぞれに照射が確実にそれぞれのがんの病巣に照射できるような仕組みは持っているわけである。
 だから、誤った照射がないような仕組みというのは、福井県だけでなくて、他の施設も同じである。
 今、申し上げたような福井県の特徴としてのそういう仕組みは、より効果的な陽子線の照射ができるということであり、今、各病院、県外、県内含めて県の陽子線治療の特色をPRし、理解をいただき普及させていくということである。


◯山本(文)委員  部長、私たちが地域住民の方から聞かれたら、福井県の施設は絶対確実性があると言ってもいいのか。どんな説明をすればいいのか。


◯健康福祉部長  それは、そのように言ってもらえば間違いない。


◯山本(文)委員  大変安心した。これは、大変いいことだと思っている。
 そこで、先ほど福井県の施設は将来的に400人がめどだと言われた。400人が採算ベースか。採算ベースは何人ということになるのか。


◯健康福祉部長  申し上げたのは、まず治療開始後5年で200人を目標として掲げており、それを達成してできるだけ早く400人に持っていきたいというのが一つある。
 そして、収支であるが、今のところ一応400人が収支のめどとして患者さんの利用実績を考えている。


◯山本(文)委員  そうすると、5年後に200人をめどにしてやっている。そうすると、200人と仮定した場合には、赤字はどれぐらい出るのか。アバウトでいいからわからないか。


◯健康福祉部長  約2億6,000万円程度になると思う。


◯山本(文)委員  そうすると、今度は、その施設は何人まで治療する能力があるのか。


◯健康福祉部長  今、治療を考えているのは土、日、祝祭日を除く平日で──というのは、メンテナンスとかそういったこともあるので──1日8時間治療するということで、1人当たり大体30分程度当初はかかるが、他県の施設も見ると、大体、1人の患者さんが20分程度で治療が済むということになると、年間700人程度の治療が可能という見通しを持っている。


◯山本(文)委員  大した施設だと改めて感心したが、700人は間違いないのか。
 そうすると、まだ頑張る可能性はあって、楽しみな施設だと思う。
 そこで、この施設はことし春完成し、来年営業開始ということになると、1年間あるわけだが、かつて部長は、その1年間で機器の調整、その他トレーニングも含め1年間で仕上げるという話であった。過去に、そうした施設に携わったところでは、1年半とかかなりロングランで調整したり、確実性を求めていろんなトレーニングをやったという話を聞いているが、1年間で大丈夫なのか。


◯健康福祉部長  今、ビーム調整をやっており、来年の3月に治療開始は可能である。また、9月には国の施設検査も受けており、基準に合っているということで確認を受けている。


◯山本(文)委員  そうすると、今現在、そういう装置の補正とかはどの程度までいっているのか。機械調整はもう終わったのか。


◯健康福祉部長  現在、陽子線がん治療のスタッフ、それから、装置のメーカーである三菱電機にやってもらっており、計画どおり進んでいるところである。


◯山本(文)委員  今回、県はその治療に当たって、200万円から300万円の個人負担をさせる。健康保険ではきかず、あくまでも個人負担でお願いしたいという中で、唯一、福井県民に対しては25万円の助成措置を考えているということである。
 また、遠距離の皆さん方には交通費を支給するということであるが、例えば、これは想像だが、治療についても必ずしも一定額とは言えないのではないかと思う。
 金額の大小があっても25万円か。そういうところがまだ明確にされてないないということでお聞きしたいと思うし、もう1点は距離だが、旅費を支給するといっても、例えば奥越の皆さん方が来るのに、少し離れたところでバスに乗って、さらに列車に乗ってということもある。あるいは、南越前町あたりでも、あるいは敦賀にしても、高浜にしても、それぞれ距離は違う。どこまでをどんなふうな形で一線を引くのか。また、どういう取り扱いをするのか。


◯健康福祉部長  まず治療費の助成であるが、今の治療費は条例で認めていただき設定しているわけだが、240万円から260万円、最高260万円までである。240万円というのは照射回数が20回で、それから5回ふえるごとに10万円ということで、25回以上は260万円となるわけである。
 今回、25万円というのは、照射回数に関係なく25万円を治療費として助成したいという考え方である。
 それから交通費の件だが、陽子線がん治療センターはエネルギー研究開発拠点化計画の一環として、若狭湾エネルギーセンターでの研究成果を生かして整備するということであるので、やはり、嶺南地域の方々に配慮が必要だろうと判断し、実際に要した費用全額ということではなく、一定の経済的な支援を行いたいということで嶺南地域一律3,000円を考えている。


◯山本(文)委員  それでは、敦賀は嶺南に入るのか入らないのか、それが1点。
 もう1点は、1回照射して、もうやめたというか、それで治った──治るということがあるのかどうかわからないが──1回とか5回とか、そういうような場合にも25万円出すのか。そのあたりはどうか。


◯健康福祉部長  治療は事前にそのがんの部位ごとに計画を立て照射を開始する。考え方としては、治療が終了したということでの助成となる。
 また、今の交通費の助成だが、敦賀市は嶺南地域ということで、敦賀以西ということで考えている。


◯山本(文)委員  敦賀はもともと越前国で若狭国ではなかった。だから、敦賀の人にそういう旅費の助成をするのであるならば、嶺北の遠距離の方々に対しても、もう少しきめ細かく対応する方法というのは何か考えてもらえないのか。
 ぶっつり切ってしまうというのは──南越前町の遠くの方と敦賀の南越前町に近い方とはそんなに離れていない。そこは非常に線が引きにくいと思うが、もう少しきめ細かくやるという考えはないのか。


◯健康福祉部長  先にお答えしたように、基本的には今回の陽子線のがん治療センターというのが敦賀にある若狭湾のエネルギー研究センターでの研究成果を生かしてということであって、県立病院に併設ということで最終的に決まったが、いろいろ議論もあったところである。
 こういったことを踏まえ、今回の助成額3,000円については、敦賀市からJRを利用した場合の往復料金というものを念頭に一律3,000円ということで決めさせてもらったところである。
 理解いただきたいと思う。


◯山本(文)委員  理解するには少し苦しい。嶺南の方たちだけががんになって、嶺北の人はならないというのなら私もそれである程度の理解はするが、このことについては、やはり共通した考え方で、できるなら予算の範囲内でもう少し配慮してもらうように、これは一つの希望として申し上げ、お願いしておきたいと思う。

       「原子力行政の推進について」


◯山本(文)委員  次に原子力行政推進についての議題である。
 福井県の原子力発電の歴史は既に40年を経過した発電所があり、非常に長い歴史を持っている。この原子力発電の最初の誘致がどういう形だったのかというのは私も聞いているが、当時、嶺南のそれぞれ設置した市町の方々は、財政的にも地域振興の点からも非常に苦しいというふうなことで、この原子力発電を誘致して、それぞれの町の財政に寄与したいということから苦渋の選択の中で、町から県議会へ強力な要請があったと聞いている。
 当時の県議会の皆さん方も、それをどうしようかと苦慮し、何回も審議を重ね、今のような確実性のある位置づけがされてない、確定されてないという状況の中での決断というのは非常に難しく、やめようということも再三話をして、その結果、嶺南の皆さん方、設置する市町の方々の、本当に涙の出るような要請活動にこたえる形でやむなくやろうという選択をしたという話を伺っている。
 だから、今のような状況で安定的に、しかもエネルギー供給源として地球温暖化の中で原子力発電所が非常に大切なものであるという状況の中で決めたわけではない。大きな賭けをしたわけである。
 そういう歴史があって今日を迎えたということである。
 そして、皆さん方も知っているように、とりわけ関西電力と日本原子力発電の両会社の皆さん方の非常に涙ぐましい努力の中で安定的にそれぞれの市町、あるいは県にとっても大きな税収で大きな貢献をしているということは事実である。
 そういう中で、県は法人二税あるいは核燃料税でおおよそ年間100億円、多いときで平成十四、五年ころは170億円ぐらいあった。それぐらい福井県は非常に大きなメリットというか恩恵をこうむっていることも事実である。
 そういうことを考えると、県はこれらに対して、ある意味においては県の税収を考えたときに、福井県の企業として、あるいは産業として位置づけるのかどうか。この辺は改めてはっきりした理解をすべきではないかと思うが、知事どう思うか。


◯知  事  福井県の原子力であるが、関西地域の半分の電力を供給している。また、国のエネルギー政策に大きな貢献をしており、今指摘があったように、税収、雇用、地元消費など地域経済に大きな影響を持っており、本県にとって重要な産業である。
 また、税収面で申し上げると、特に立地市町村の税収の約4割を占める貴重な自主財源である。また、経済状況の厳しい中、雇用面で嶺南地域の有効求人倍率は1を超えるようなところもあり、高い要因になっているところである。
 そのほか、電源交付金などの活用により、地域の福祉や子育て、教育などにも活用され恒久的福祉の実現を──三つの柱の一つであるが──図っている。こうした意味で、地域の振興、発展に大きく寄与していると認識している。


◯山本(文)委員  知事が言われたように、福井県は非常にたくさんの恩恵をこうむっていることは事実である。
 れっきとした事実であるが、福井県の重要な産業として知事は今認めたのかどうか、感謝しているのか。それはどちらにしても、この場で福井県の重要産業、基幹産業としての位置づけをするということはあってもいいのではないか。それぐらいの気持ちでもってこの原子力産業というものを県の行政として位置づけし、その暁にはいろんな面でお互いにギブ・アンド・テークではないが、お願いするところはお願いする、協力してもらうところは協力してもらうという中で、支援すべきことは支援するという形が本来の姿でないかなと思っているが、今までの状況を見ると、必ずしもそういうようには見えてこない。
 したがって、知事からいろんなことで恩恵をこうむっているという話は聞いたが、明確なそれらの位置づけとはいま一つ解釈し切れないような感じがする。もう一度言ってもらいたいと思う。


◯知  事  先日、原子力大綱の意見を聴く会で申し上げたのだが、本県を含め、原子力発電所の立地地区の実態を見ると、例えば関連企業の集積など産業の広がりがまだ進んでいないような問題も一方であったり、あるいは、高速道路やさまざまなインフラの整備などが不十分な部分もあり、総合的にはまだまだおくれている部分もあるかと思う。
 しかし、こうしたことは現在の原子力政策大綱における共生という考え方が──共生が大事だというような感じになっているので、共生を基本に地域が、福井県も同じであるが進めていく。国の原子力政策で立地地域との共生を基本にする、そうすべきだということを申し上げているところである。


◯山本(文)委員  例えば、乗客は一向にふえていないが、JRの小浜線を電化したときには関西電力にすべて寄附してもらった。あれなんかも非常に大きな金をいただいた。いろんな面で要所要所というところで協力関係を密にしていろいろお願いしている。
 しかし、明確に協力関係を打ち出さないことには──まだあれもしてもらっていない、これもしてもらっていないというのではなく──してくれという言葉を出しにくいのではないかと思う。
 産業振興と経済の発展、それらについては協力関係を密にするのだという心が通じ合えば、関電に一つこれをお願いできないかとなる。関連した企業の誘致その他のことで──今、金をもらうとか、そういうレベルの話ではない。
 大きな企業には関連した企業がたくさんある。それらの企業の誘致──今、企業誘致の職員が、この時代に幾ら走り回ってもなかなか企業は来ない。そんなときに、やはり大きな企業の力を借りて関連企業を誘致する、また、それに力を入れてもらうということも、心の中からお互いに協力関係を持つということになれば道は開けてくると私は思う。
 そこまで話を進めるかどうかというのは、これはとりもなおさず知事の胸の中にあると思う。知事が言わないことには、私たちが幾ら言っても企業は信じてくれない。知事の力は大きい、責任も重大である。しかし、福井県をつくっていくのは知事の力である。そこまで腹をくくってやるかどうかということで、それぞれの企業も福井県のことならこれだけのことをやろうではないかという気持ちにもなるのではないか。その辺はもう少し明確にすべきだと思うがどうか。


◯知  事  いずれにしても、共生を基本にするということで進めてまいりたいと思っており、例えばエネルギー研究開発拠点化構想もその一環であり、そうしたものを具体的に推進する。
 また、原子力発電所の安全確保を大前提に、新しい産業の誘致、創出、こういうことを考えながら電源地域の自立的な発展をともに目指していくという考えで臨みたいと考えている。


◯山本(文)委員  知事に伺うが、福井県にとってよきパートナーという言い方というのはできるのか、できないのか。パートナーではないのか。


◯知  事  言葉はともかく、共生をしていこうということなので、類似した意味かと思う。


◯山本(文)委員  類似したということは、どういうようなことだと、こういうことであるが、今、そんなことを、強制して知事に言ってもらう必要は何もない。
 しかし、これだけ四十数年間も一緒になってこの地に根差してやっていく、その企業の姿というものは、やはり福井県にとって我が子のように、身内のように心の中で理解し合えるかどうかということが非常に大切になってくると思う。
 そして、また、叱咤激励もし、言うべきときは言う、注文つけるときは注文つけるという形でいけば私はそれで十分──それを今、パートナーとしての位置づけをしたから言うべきことも言えないということではないと思う。責任者として、トップとして言うべきことはきちんと言ってもらえばいいと思う。
 そういう中に、お互いに進展していく、また福井県の活路も見出せるということも中にはあるのではないかと思う。
 だから、知事に就任されてから今日までさまざまな原子力関係のことがあった。常に知事が言っているのは、議会の皆さん方と地元の同意を得てからという話は何回も聞いている。皆さん方も聞いていると思うが。それだけでは……。
 やはり、知事の考えでこうしたいということを言ってもらえれば、議会の皆さん方も十分理解してもらえるような、そういうところまで来ているのでないかと思うし、まだまだこれから大きな課題があると思うが、国に対しては言うべきことはきちんと言い、そして、力にもなってもらうということは当然のことである。
 そんなことを踏まえて、今、とりあえずは、日本原子力発電所が1号機の運転を延長した。そして、3、4号機の作業が着々と進められている。片や関西電力の美浜1号機も運転延長ということで取り組んでいるが、これについては美浜町議会、美浜町からどんな話があったのか。運転延長に関して要請か何かあったのか。その辺はどうか。


◯知  事  美浜1号機であるが、「今後、最長で10年程度運転を継続したい、また、後継機の設置可能性検討のための調査を実施したい」とする関西電力の運転方針を認めるかどうかについて、美浜町は最終的な判断を行っていないと承知している。
 県としては、今後、美浜1号機の安全性について、長期保守管理方針についての国の審査結果なども含め、県原子力安全専門委員会でまず厳正に審議することになると思う。


◯山本(文)委員  そうすると、美浜町と美浜町議会で後継機問題を審議を行ったということであって、県に対しては要請などの話はなかったのか。


◯知  事  まだ具体的にはないので、これからそうしたいろんな手続を取って美浜町の意見なども十分お聞きし、慎重に対応していくというのが方針である。


◯山本委員  そうすると、それは当然正規の手続をして国の判断を仰ぐことになろうかと思うが、もしも、そういうことで日本原電の敦賀1号機のように話が進んで、何も問題がないということであるならば、これは敦賀1号機と同じような形の結論ということになると理解してもいいか。


◯知  事  まず、県の原子力安全専門委員会の議論もあるので、そういうものの審議を経て総合的に判断する。


◯山本(文)委員  それはそうだと思うが、そういうことも踏まえての話しであり、それは結構である。いずれそういう時期が来ると思うが、何と言っても、福井県の産業のパートナーとして今後も支援していくことが必要だという前提に立つならば、この美浜1号機が運転延長ということになれば、おのずから後継機というものがそれについてくることになると思う。それらも前向きに考えているのか。頭ごなしに、それはもうストップだという考えなのか。これは極論であるが、どんな考えか。


◯知  事  先ほど申し上げたように、後継機の設置可能性のための調査を関西電力において実施したいということであるので、その状況を見る必要があると思うし、美浜町からも設置要望を受けている現状ではないということである。


◯山本(文)委員  これ以上は言わない。的確な判断をしてもらうよう希望を申し上げ、次に移る。
 もう一つの大きな課題は、使用済み核燃料の問題である。使用済み核燃料は、この先そう何年ももたない。サイト内貯蔵、一時貯蔵があると思うが、あと何年ぐらい、使用済み核燃料は県内で貯蔵しておけるのか。


◯安全環境部長  県内の原子力発電所で出る使用済みの燃料だが、これは青森県六ヶ所村で処理するので、そちらのほうへどれだけ出るかということにもよるわけだが、仮に全く搬出がないという前提で申し上げると、2010年代の後半ぐらいには逼迫するような状況になろうかと思う。


◯山本(文)委員  そうすると、部長、六ヶ所村は引き受けてくれるのか。


◯安全環境部長  これは国のエネルギー政策の全体の話だが、六ヶ所村のほうで再処理するという計画で核燃料をリサイクルする計画があがっているということである。


◯山本(文)委員  10年の後半ということは、ことし2010年だが。


◯安全環境部長  10年代後半と申し上げたので、2010年代の後半ということである。


◯山本(文)委員  私は、あと四、五年という話を聞いていたのだが、あと10年ももつのか。間違いないのか。


◯安全環境部長  これは稼働率により出てくる燃料体の数も変わるし、何年というふうに1年1年切ってお答えしづらいが、これから六、七年ぐらいの間は、全く青森のほうに出ないということであっても、管理する能力はあると理解している。


◯山本(文)委員  前々から使用済み核燃料を県内か県外かという話もして、知事は、前知事の申し合わせか何か引き継いだ形で県外という方針を出したが、最近、特に青森県あたりはこの貯蔵についていろいろと言っている。
 それは、なぜ青森県だけがそれを引き受けなければならないかとか──青森県の皆さん方にしてみると、よそが嫌がるものをなぜ受けなければならないのかということになるのかどうかわからないが──政策的なこともあるのかもわからないが、そういう話で持ちきりである。
 これは使用済み核燃料とは違うが、陸奥に私も行ってみたが非常に広大な土地に処理施設がつくられようとしている。あそこを見ると、景色が変わるほどどんどんいろいろ施設がつくられている。
 そういう中にあって、福井県の市町にいろいろ接触する機会があると、この使用済み核燃料を受けようか、うちで持ってもいいという話もある。また、それぞれの電力会社の皆さん方はどう考えているのかわからない。わからないが、そこで出たものを県外へ持っていくというのは甚だ困難性があるのでないかと思う。そういうことを考えると、いつまでも同じことばかりでなくして、早晩、ある程度、その責任の一端も担ぐぐらいの気持ちで、できるかどうかも含めて検討する必要があるのでないかと思う。
 あくまでも県外でないと一歩も譲らないという姿勢か、どうか。


◯知  事  特に状況が変わっていないということである。


◯山本(文)委員  サイト内に置いておいても何も金にならない。それも置いておくということは、保管しておくのと全く同じことである。そういうことを考えて、前進すべき方法があるかどうかということは今後の課題として知事も考えてもらいたいと思う。これ以上は言わない。
 だから、ぜひ、ひとつそういうことも諸般の情勢を考えながら、どうあるべきかということも検討材料として考えておいてもらいたい。

       「福井国体について」


◯山本(文)委員  次に福井国体についてである。
 福井国体については、2030年の開催が正式に動き出した。こういうことで知事みずからが積極的に取り組んでいる。大変結構なことだと思っている。
 この開催については、バックから応援団がたくさんあり、知事も当初はこれを正式に受け入れるということについてちゅうちょしたような感じがするが、それは何でちゅうちょしたのか。何か思いがあったのか。


◯知  事  昭和43年に福井国体の開催があったわけであるが、現在では国体の関心が一般的にその当時とはかなり違うということ。それから、先日、千葉国体があったが、ああいうところはマリンスタジアム、野球場をそのまま使って開会式が普通にできる。ほとんどお金がかからない。しかし、規模の小さい県、これからそういう県が出てくるのであるが、かなり厳しいということもある。
 したがって、単に国体の開催を目的とするのではなく、国体というスポーツ大会をやる以上は福井県民にとっていかにメリットがあるか。そして、国体のあり方、こういうものを十分考えなければならないだろう。
 特に時間のかかる話なので、国体が実際開催されるときには多くの人が決めた、人とは違うようなことが多いわけであるので、責任を持って判断する必要があるだろうと、こういうことがあったので、昨年1年、懇話会を設置し議論をし、そして今回、国体の方向づけをし、成功に向けて進めているということである。


◯山本(文)委員  私も、知事はこの結論を出すまでにはかなり悩んだと思う。当然のことだと思う。
 それは、いずれは北陸新幹線も来るだろうが、そのときにはやはり地元負担もある。また、施設等についても老朽化したものをどう改修するのか、新たにつくるのかということを考えると、気の遠くなるような思いになると思う。
 しかし、これはいつかはやらなければならない。スポーツというのは金がかかる。しかし、金がかかるからといって、今、知事がいみじくも言ったが、いろんな開催の方法があると思う。その開催をどうするのかということによって、知事の心配が解消できるならば、これはすばらしいことかと思う。開催方法をどうするのか、知事、何か基本的な考えはあるか。
 今、開催するという決意をした。その裏には、今ほど心配されたことが多少でも、こういうことで解消できる、また、見通しはこういうことで立つかというようなことがあったら。


◯知  事  昨年1年かけて国体検討懇話会を開催し、さまざま努力願うことになる地元の市町村、競技団体、それから、いろんな県民運動を支えていただく県民の皆さんが福井の国体というか、そこから新しい形の大会をやりたいという、そういう基本的なコンセンサス、理解を得られたと思うので、それによってできるのではないかと思う。


◯山本(文)委員  そうすると、開催費用というのはどれぐらいかかるのか。アバウトで結構だが、わからないか。


◯教育長  開催にかかる経費というのは、今の段階ではこれまで国体をやった県のデータから引っ張ってくるより方法がないのだが、開・閉会式や競技のための運営費と競技力向上費、合わせて100億円というのが、ほぼ先催県共通である。
 ただ、このほかに施設整備費があり、これが調べると20億円から、一番高いのは500億円である。この500億円というのは富山県や宮城県のように、運動公園全体を新しく新設するといった例であって、今後、福井県においては、来年度いっぱいぐらいかけてどこの市町でどういった競技をやるか決定していくので、そういった中で精査していきたいと考えている。


◯山本(文)委員  最低でも100億円以下ではできないということは間違いないみたいだが、ただ単に100億円といっても持ち出しであるから非常に大きな金だと思う。
 私は、やるからにはさすが福井県だという開催の方法を考えれば考えられるのではないかと思う。
 福井県の財政の貧弱なというか、弱小県の中でこれだけの負担をしてやるというのは非常に負担が大きい。また、いつまでもその負担を担いでいかなければならないということであってはならないと思う。
 したがって、その経費をいかに少なくし、あるいはそのメリットをどこに求めるかということを考えれば方法があると思う。
 時間がないので言うが、この国体を日本で初めての形をつくられないかといろいろ考えた。それは、国体というものを商品化できないかということが一つあると思う。国体を商品化する。あんまり聞いたことはない私流の考え方であるから、これはどこにも例がないと思う。
 スポーツも今では商品である。その商品としてどう位置づけをし、どう取り扱いをするかということを考えれば、金はむしろ──それに対するスポーツの収入というのは莫大なものがあると思う。
 かつて北京オリンピックがあった。これについても、実際、運営その他については黒字になっている。収入がかなりあった。金額はおおよそわかるか。数百億円だと思う。資料は忘れたが、黒字になっている。だから、運営の方法としてはある。
 その運営をどうするのかということは、一つには放映権というものがある。それから、それに対する広告料というのがある。そうすると、国体というものを福井県が開催するに当たって放映権とか一切福井県がその権利を持たせてもらうということであれば、その方法はあると思う。放映権とかそういうものは福井県が権利を取ることはできるのか。


◯教育長  現在のところ、そういったテレビの放映等については日本体育協会が管轄しているようだが、今後、そういった資金、それから募金であるとか、ほかの県でも見られるが、例えば公式協賛企業、いわゆるオフィシャルスポンサー、こういった手法を使うとか、いろんな手法でお金の面を民間、一般の方々にもお願いするといったことは今やっているので、本県においても、来年あたりから、正式に検討会を設置し、企業の方にも入っていただき検討していきたいと考えている。


◯山本(文)委員  そういうことで寄附集めなどをすると、一つのめどとして幾らぐらい集まると思っているのか。何か計画とか、そういうのがあるのか。


◯教育長  ほかの県の例しか今申し上げることはできないが、例えば寄附だけでも、先催県で五、六億円を目標にやっているとかいろんな例があるようなので、今後、検討会の中でそこらあたりの目標であるとか、そういったものも検討していきたいと考えている。


◯山本(文)委員  そうすると、放映権が取れるのか取れないのかというのは明確に言わなかったけれども、それは話によっては可能か。話をする気持ちがあるのかどうかも含めて。


◯教育長  テレビの放映となると、例えば、現在、国体の開会式もNHK総合でやっていたし、それから競技も1時間番組で教育テレビでやっている。地元のテレビも放映しているが、放映権がどうのこうのという前に、私どもの開催する国体をよりお金に見合うような魅力あるものに仕立てていくのが先決かと思っている。


◯山本(文)委員  最後であるが、もしも可能ななら、オリンピックの選手を特別招待してオブザーバーで競技に参加してもらうことによって、非常に盛り上がりと視聴率が高まると思う。そういうようなことで、全国に例のない形のものをつくり上げて、そして大々的に、しかも派手に、魅力のあるものをつくるということが、これからは非常に大切になる。一風変わった趣向を凝らして国体をやることによって採算性を上げて、県の負担にならないような方法ということも考えてもらいたいと希望として申し上げて終わらせてもらう。

                              〜以  上〜


◯山岸委員長  以上で、山本文雄委員の質疑は終了した。
 ここで休憩する。
 午後1時に再開する。

                              〜休  憩〜


◯松井副委員長  休憩前に引き続き委員会を開く。
 質疑を続行する。

       「福井市駅西再開発事業について」       大森 哲男 委員


◯大森委員  自民党県政会の大森である。
 先ほど、昼休みに控室に戻ったら、為替レートが目に入ってきた。83円半ば、38銭ほど円高という知らせであった。そういう意味では、日銀短観も出ていて、今まで出ていた県内の数字も先行き非常に厳しくなることが予想されるが、そういうことを踏まえて、ぜひ大事な時期の経済運営、及びいろんな課題について質問させてもらう。
 まず、西口再開発事業についてお尋ねしたいと思う。私はこういう立場で、中心市街地で生まれ育ち市議会議員も1期やってきたので、今までの歴史というか経緯について話をさせてもらいたいと思う。
 福井市の中心街は戦後二度目の区画整備事業を今やっているわけである。一度目は戦災、震災復興の中で区画整備事業をやってきた。そして、その一回目の完成経緯というのは、ちょうど昭和42年ぐらい、国体を前に駅ステーションビルができ大体完成したのではないかと思っている。昔の駅ビルも、このときに完成したものを我々はよく「駅ビル」と言っていたものである。
 そして平成3年、JR北陸線と旧京福電鉄の高架化に伴う福井駅周辺連続立体交差事業が縦覧決定をした。これは平成3年、私がちょうど青年会議所の議長を終わった年だったと思う。このときに、大きな計画としては周辺の整備計画を進めていこうということで、検討に入ったということだと思う。
 そして平成7年に、生活、交流、産業の複合拠点を創造するという──私は仲間うちでは幻の福井駅周辺計画と呼んでいるのだが──それはもうバブルの延長の中にあって、日之出地区もいろんな計画があったり、駅東にはアオッサが今あるが、あれも、当然のことながら2棟あり、1棟は住宅棟、そしてアオッサのようなもの2つ並んである。そういったものが平成7年のころに計画され、修正をされながら、いろいろ検討されて実行できるものが、今、できてきたというのが現実ではないかと思う。
 そして平成14年に、県、福井市、経済界、地元によって福井駅西口地区開発基本構想を策定した。同じ平成14年に「生活創庫」が廃業になった。これもいろいろ検討されたわけだが、駅前、中心市街地の業態について親会社であるユニーがいろいろ検討したけれども、自分のところで修繕し、また建てかえてやることは、自分の業態としては耐えられないということで廃業に至ったわけである。そして、ユニーは一方でアピタと、それからエルパの核テナントとして、2つの拠点を今持っている。これが今の形である。
 また、その中では、平成14年、15年、そして16年に、地元では9,500m2の中でAブロック、Cブロック、Bブロックという地区ごとに分けて再開発計画が検討され、平成16年秋にはAブロックとC1、C2ブロック、9,500m2の中の「かゞみや」のブロックや、そういうところでは再開発の計画がまとまりかけたときに、実は平成16年12月に県市連絡会議で、これからの県都百年の計という言葉もあったが、これからやっていくためには、生活創庫の敷地も入れて再開発をすべきという結論が出されて、今の計画に1,110m2広げるべきという中で、また検討が始まり、平成20年には、残念ながら経済界が一生懸命頑張っておられたホテルの誘致に断念せざるを得ない、暗礁に乗り上げて、その施設も福井市が市の施設を入れるということでここまで話が来たわけである。
 先日、福井市の東村市長も県議会の各会派を回られ、今回の保留床の部分、NHKの参画も含めていろんな形で進めてきたプランを説明された。
 今、ここへ来て、この西口の事業というのは高架化事業や駅周辺のいろんなにぎわい整備事業、それから連続立体交差事業、にぎわいの道づくり事業など、あわせて行政としては最終の局面であるので、この電車に乗りおくれるとなかなか次の電車はないというようなことも含めて話をされた。
 くしくも、区画整備にあわせたように、今、この機会を逃すと、第2回目の平成30年国民体育大会のときにこれが間に合うのかというぎりぎりのところに来ているのではないかと思う。
 こういう経緯の中で、今までいろいろ、それぞれの立場で苦労して計画がなされてきたわけである。民間は、もう正直言うと、相当厳しいところに来ているのかなと。この構想以来、約20年近くがたとうとしている。
 今、ここでお尋ねしたいのだが、そもそも第1種市街化再開発事業──この再開発は第1種で行われるということであるが──第2種再開発事業との二つの整備事業がある。また、市が言っているとおり、西口再開発については第1種だが、この1種と2種の再開発事業についての区分、違いはどういうことにあるのかまず伺いたい。


◯土木部長  市街地開発事業には都市再開発法上、第1種事業と第2種事業があるわけだけだが、このうち第1種事業については、施行地区内の土地や建物等に関する権利を買収によらず権利変換の手続により再開発ビルの床の権利に変換するものである。
 一方、第2種事業については、地震などで被災した復興とか避難広場などの公共空間を緊急に確保しなければならないといった場合に、施行地区内の建物とか土地を施行者が買収して権利者が希望すれば再開発ビルの床を与えるというものであり、地方公共団体や住宅供給公社等が施行者になって、組合が施行者になることはできないというものである。
 西口再開発事業については組合が主体となり、権利変換方式により施行しようとするものであり、第1種再開発事業ということになる。


◯大森委員  確認であるが、そういうことになると、市も含めた地権者全員の合意がないとこの事業は進められないということになるのか。


◯土木部長  そういうことである。


◯大森委員  今、第1種市街化再開発事業で行われているということで、地権者の皆さんは、この事業に対する期待が最初は物すごくあって、みんな一生懸命やっていたわけだが、倒産された方もあったり、病気で伏せっている方もあったり、世代が今変わろうとしていて、この26名の地権者が減ろうかと思うが、この最後の機会に、気力、体力、期待をかけて、「大森さん、何とかならないだろうか」という相談を地元のほうから受ける。
 しかしながら、議論されているように、この施設が福井県のためになり、福井市のためになるものであるということは当然前提にあるわけだが、心配されるのは、にぎわいの交流拠点──これはいろいろマスコミにも言われるわけだが──にぎわいの交流拠点というコンセプトが、ことしになってから変わった案では、おもてなしの拠点という位置づけになり、もちろん、おもてなしも大事であるが、当初のにぎわいという意気込みがどうもなくなったような気がするわけである。
 この事業は福井市の事業ではあるが、県としては、現在のおもてなしの拠点というコンセプトに対してどのように感じているのか。
 にぎわいからおもてなしに変わったのは、どうも新幹線が厳しいとか、そんな話で変わったのではないかと感じてしまうのだが、答えをもらいたい。


◯総合政策部長  西口再開発ビルのコンセプトについて、福井市では従来にぎわいの創出を中心として考えていたが、最近の人口減少社会の到来、経済の長期的な低迷という社会条件の変化の中で、観光や情報発信によるおもてなしの拠点、それから、もう一つは生活支援や文化による生活の拠点といった2つの機能を持たせることによってにぎわいの創出に寄与したいということで考えられている。
 我々、県としては、西口事業というのは、駅周辺活性化の柱の一つであるし、県民、市民に親しまれるとともに、県外客にも福井を紹介する観光関連施設等を充実させるなど再開発ビル全体として集客を工夫していく必要があると思っている。
 ただ、再開発ビルだけでは駅前全体の活性化というのはなかなか難しく、民間を中心とする駅前地区全体でにぎわいづくりをしていくことが重要であり、我々、県としてもそういうことに応援していきたいということである。


◯大森委員  そうあってほしいと私も思うわけである。
 21世紀に輝く福井のにぎわいの交流拠点という平成14年につくったすばらしいものがあるわけで、決して後退してはいない。ただ、状況の変化の中で、ゾーンとして若干表現を変えたと、そう思いたい。ぜひ、そうあってほしいと思う。
 昨年は、県が新たに観光営業部をつくり、福井県を全国に売り込み地域の活性化を図ろうという努力がある。そのかいあって、福井の恐竜ブランドも確立しつつある。私は、県のスペースは、福井を強力にアピールするものになってほしい、どちらかというと、福井というより県全体をアピールするものであってほしいと、このように思っている。
 抽象的に申し上げてもわかりにくいので、私案であるが、私もいろいろな機会にこの話をしているのだが、先月、夏休みにNHKのBSを見ていると、いろんなテレビ番組をやっていた。恐竜の番組を毎日毎日、結構しつこくやっていたし、アオッサでも今度上映会があるそうだが、勝山の恐竜博物館が取り上げられ、恐竜時代へのロマンということで番組があった。
 そして、勝山の恐竜博物館が、恐竜おたくのメッカ、または恐竜研究のメッカという紹介のされ方をされていて、福井県のイメージは、この恐竜ということで相当強力にいろんな成果が上がってきていると感じたわけである。
 そこで、例えば、4階の2,000m2の保留床の部分について、恐竜をモチーフとした環境サイエンスを基本コンセプトとして、福井の今までの研究成果や当時の地球環境、そして恐竜がなぜ滅んでいったか、爬虫類が滅んでいって、我々哺乳類が発生したか等、さらに今、我々人類はその環境変化をどのように考えて──巨大隕石が衝突して恐竜たちは急激な環境変化についていけなかった。
 また、福井県はエネルギー分野の先進県でもあるし、中国やロシアも最近、環境という言葉を強調している。太陽光やバイオマスエネルギーなど、福井県は積極的に取り組んでいる。また、APECのエネルギー大臣会議も開かれ、知事は慶応大学と共同で地域とこのエネルギー・環境の貢献度ということについて研究までしている。
 恐竜は外的要因の変化についていけなくて滅んでしまったけれども、我々人間は、人類は、みずからの環境変化をコントロールできる、それを目指す福井県だというようなことを、恐竜と環境エネルギー、環境教育というものを合わせて展示できるような、そういう福井県をAPEC福井宣言も含めて宣言するようなスペースになってはどうかと。これは素人の考えだから、いろんな展示方法はあるが、そういうストーリー性があって、テーマ性のあるものであってほしいと私は思っていた。
 私もことし初めに中国東北部へ行ってきた。物すごく経済成長している。しかし、そこの省や市の政府へ行くと、すべてのところが環境教育だと言う。ぜひ、環境を日本に学びたい。省エネとか、省CO2排出ということを学んでいきたいと、そんなことを言っているわけである。そういうことに対して、福井は地勢的に見ても、この東アジアで貢献できることがあるのではないかと思っている。
 そんな私どものアイデア、これは2つのアイデアとも言えるし、2つ合わせた1つのアイデアにもなると思うが、見解があればお願いする。


◯総合政策部長  いろいろ委員から提案いただいたところだが、県が議会のほうに示した施設案というものの中で、サイエンス、バイオというものを中心に今、話が進んでいるわけであるが、これについては、ハイレベルなおもしろい実験や講座、また、最先端の技術の展示などにより、科学の楽しさを体験できる施設の整備を検討してきたところである。
 例えば、見えないものが見えるとか、不思議な現象の原理がわかるといった形で、今言われた環境とか宇宙など、いろんな分野で日常ではなかなか気づかないけれども、そういうものをもう一回再発見する、そういう中で科学を学ぶ。
 また、そうした科学の仕組みから学ぶ園芸とか、食や健康の体験講座、こういう企画もやっていく。それから、県内企業の最先端の技術を出してもらう。そういったことなどをやることにより、本県の児童、生徒の科学に対する好奇心を育て、全国に誇れるサイエンス教育県を目指すとともに、食や健康、園芸などといったことでは大人の方にも楽しんでいただけるのではないかということで提案させてもらった。
 また、この施設の運営に当たっては、一緒にやるとなればNHK、また県内企業等、いろんな連携をすることによって、常に新しい企画を開催していけるのではないかと思っており、そうした形で施設が運営できればということで提案させてもらった。
 今、委員提案の恐竜などといった分野についても、県内の他の施設とのすみ分けが課題ではあるが、福井県のブランドとして定着しているし、集客や県外へのPRといった面で非常に効果があると考えており、我々が提案しているサイエンス、バイオの中で受けることも可能だと考えている。


◯大森委員  その提案は事前にある程度聞いている。
 いずれにせよ、ソフト的なものはNHKも一緒に入るだろう。NHKの協力が得られなければいけない。
 部長に一つお尋ねするが、別にそれは福井県でなくてもいいのではないかという部分が、今の部長の提案にはあるように思う。私の提案は福井でなければ意味がないというか、そういう部分もあろうかと思うわけである。
 中心市街地の駅前、玄関に、将来は──空港を持たない福井県としては玄関である。玄関のショールームに何を飾るかとなったら、すばらしいものを飾ってほしい。そんなことを思っている。ぜひ、テーマ性があって、ストーリー性があって、らしいものであるということになると、いかがなものかなと思う。
 当然、NHKのいろんな協力やプロの手が入って、そういう全体的なものに練り上げていくのだと思うが、その中で教育もあるし、サイエンスという大きなことでは私の言っていることも変わりはないと思うのだが、ぜひ、そういう意味では4階部分を、今言ったように、市の部分とできるだけ開放的に使えるスペースになるよう、いろんなことをお願いしたい。
 例えば、市の多目的ホール、能楽堂がある。能楽堂は、平均で見ると年に100日ぐらい稼働していると聞いている。こういうところへ、3Dを組み込んでもらう。能楽に3Dがあってもいい。能楽を実際にやっているときに、後ろに3D画面が見えるような、そんな福井らしい能楽をつくる。今、言うように恐竜があったり、そういう能楽をつくるなんていうことも夢のようなことだが、新たな芸術をつくり出す。そんな夢が見られるようなものにしていただけたらと思う。
 そのためには、私は4階部分を、例えばエレベーターホールと──私もNHKに行った。エレベーターホールはうち専用で使いたい。もちろん、専用で使えばいいが、例えば荷物を搬入するエレベーターは、4階にいろいろ荷物を入れるところもあるので、ふだんは1階から3階までしか使えないけれども、4階まで使える大きなものは4階まで稼働するようにしてほしい。そして、市の地権者棟とNHKの別棟の天井をできるだけ高くして、同じレベルにしておいてほしい。開放部分はできるだけ大きくして、別棟だけでも両方から行き来できるように、トイレの配置やいろいろな配置も考えておいてほしい。こんなことを私は今考えている。
 ぜひ、そういうものになるよう考えてもらいたいが、所見を伺いたいと思う。


◯総合政策部長  できるだけ一体的に使えるようにという提案だと思うが、再開発ビルの構成については、これまで用途が違う建物を分けることで管理運営がしやすい、また、ビルのリニューアルを柔軟に行うことができるといった観点から2棟、分棟型にするということで市、地元関係者が合意し、NHKの参画要請にもつながっていったという経過がある。
 市の施設については、委員からも説明があったが、その上に住宅が配置される関係で、その部分のホールというか面積の使い勝手が非常にいろいろあって、どうしてもトイレや楽屋などを配置する部分が必要になるということで、全面的に県と一体的に使うということは非常に難しいし、あとの施設管理の責任の所在が不明確になってくるというような課題もある。
 ただ、我々としても、施設全体が人の流れがよくなることが大事だと思っており、例えば渡り廊下をつくるが、それはできるだけ広く取るとか、そこまで来るためのエレベーターや人の流れもきちんとやってもらう。それから、今言われたような共用可能な施設についてはできるだけ共用していく。
 そういうようなことで、県と市、またNHKにもこれから協力いただかなければならないと思うが、そうしたことで連携して施設の合理化、また使い勝手がいいものにしていく努力が必要だと思っているので、施設の具体化を進める中で、市、NHKとも協議して進めていきたいと思っている。


◯大森委員  詳細設計がこれからで、今はラフなものだけなので、そういう思いを詳細設計の中や今後進めていくオーケーが出たら、ぜひともお願いしたいと思う。
 こういった施設の計画に当たっては、我々のような議員がいいのか、例えば県庁の職員がいいのか、僕は決してそうではないと思う。もちはもち屋というか、プロのデザイナーやイベントのプランナー、いろんな人がこれからこの基本的なものを頭に置いて、ぜひ福井県をアピールしてにぎわいの交流拠点、おもてなしの拠点になるべく案を練り上げていただいて──逆に言うと我々が口を挟む分野というのは、きちんとしたものがある程度できてからで、ラフなものか議論していくとなかなかまとまらないので、西口開発事業がスムーズに進むように、ぜひ、今後はそういう形の仕組みを考えていってもらいたいと思う。
 その辺のやり方について、今回の6月議会から9月議会までのやり方というのは我々も混乱したし、大変苦労した割に県民の皆さんには、何か一致してないような、一つのチームになっていないような印象を与えたのではないかということも含めて所見があればお願いする。


◯総合政策部長  今回の施設の提案については、これまでも議会で説明させてもらっているが、6月議会で床取得を前提に県の施設を考えるということで、7月、8月、約2カ月でものを考えることになった。すると、施設の位置の関係、これからの財政問題、これからのいろんな県、民間、福井市の施設の配置との整合性の問題、そういうことを考えると、やはり県庁の中できちんと案を提示して、それを議会と議論する中でものを決めていくという方針でさせてもらったところである。その意味で3案を提案し、それを今回まとめていくという形で進めている。
 今後の考え方であるが、西口の県施設については、施設の設計とか展示内容、運営の仕方など、今後、熟度を高めていくことになっているわけだが、そういう中で各分野における専門家に意見をお聞きしていく。
 また、NHKの参画が決まってくれば、映像や番組製作、そうした豊富なノウハウも持っているので、そうした連携方策を協議していくといったことも考えている。
 また、再開発ビルのこれからの流れの中では事業パートナーを決められると思うが、そういうパートナーはこれまでもいろいろな再開発、いろんな形での施設整備をやってきているので、そうしたパートナーのノウハウも使いながら、トータルに進めていきたいと思っている。


◯大森委員  もし、この事業の全部、企画も含めて今議会で認可というか採択されたとしても、これからもこの事業に対してはいろんなハードルがあろうかと思う。
 それでも、やはり県民に期待される建物、施設にするため、ぜひ成功に導いてほしい。最後の公共投資といわれる駅前周辺の事業である。画竜点睛の点を入れてほしい。公共事業としてはこれで終わりの事業になろうかと思う。しかし、次から次へと民間の投資を誘発する投資であって初めてこれをやった値打ちが出てくるものだと思う。
 そして、できれば2巡目の国体までにこれを完成させてすばらしいものにしたいというのが願いであるので、ぜひ、今後ともよろしくお願いして、この質問を閉じさせてもらう。

       「県民将来ビジョンと新幹線問題について」


◯大森委員  次に、県民将来ビジョンと新幹線についてお尋ねしたい。
 現在、県では10年後の福井を見通して将来ビジョンを策定中である。その中で、外に開かれ、新しい活用を取り入れたふるさとを目指している。ただ、そのときに新幹線はどうなっているのか、極めて重要であると思う。
 ビジョンの素案では、将来見通しとして、新幹線や舞鶴若狭自動車道整備の進展を契機に多くの人が福井を訪れると予想して、新幹線の開業で増加する交流人口を見込み、福井駅周辺で県民や観光客が楽しめる交流空間づくりを進めるという中身になっている。
 しかし、現状では、北陸新幹線の見通しは甘くない。金沢までは4年後に開業する。同僚の鈴木宏紀議員が一般質問でも暗黒という言葉を使って、そのタイムラグをどうするのかという質問をしていたと思うが、知事は上手に、電力を供給して明るいのだという話を返していたが、ぜひ明るくなるような仕掛けを今から考えておいてもらわなければならない。
 そして、2巡目の国体のときには、先ほど山本文雄委員から話があったように、全国からというか、オリンピック選手が福井へ一体どうやって来るのか、日本には着いたが、どこからどう入ってくるのかと、東京から一番遠い県庁所在地であってはいけないと思う。その辺の所見を伺いたいと思う。


◯総合政策部長  北陸新幹線については、これまで皆さんとともに進めてきているところであり、金沢から先がなかなか今、国の中でも決まっていかないということで、県としても、また県議会としても意見書なども採択していただいてきているわけだが、これ以上は待てないといった県民感情は我々も同じだと思っている。
 その間、時間がたてばたつほど金沢と福井の差が広がってくるということで、それではもうどうにもならない。我々としては、ぜひ一日でも早く敦賀までの認可、着工をやってもらわなければいけないということで、今言われた国体、そして、その先の地域の発展にも続いていくわけだが、そういう意味でも、ぜひとも皆さんと一緒に新幹線をまずきちんと早くやっていくということが大事であると思っている。


◯大森委員  具体的に言うと、最初は同時開業という話、次は同時期開業。しかし、これでしばらくタイムラグがあるのは確実になった。
 それが4年で、ことしの認可であれば、突貫工事で行けば国体までに間に合うのか、福井までだったら来年の認可でも間に合うのかとか、いろいろ私も考えている。
 まず具体的な話だと、「しらさぎ」はその当時どうなっているのだろう。今、「しらさぎ」は1時間に1本、名古屋から通じている。サンダーバードも最低1時間に1本、つながっている。11便、小松・羽田間は上下11便つながっている。
 そういう中で、金沢まで開業した平成26年以降、これはどういうふうになっているのだろうか。この前の一般質問でも若干あったが、わかる範囲で結構なので答えてもらえたらと思う。


◯総合政策部長  他県の先行する新幹線の例を見ると、青森や九州では既存の交通体系の一部、航空機が8便とか9便出ていた東京便が1便減っているぐらいの影響で、ほかの部分については基本的に影響が出ていないと聞いている。
 ただ、北陸新幹線の場合は、今までの九州や東北と違い、首都圏から関西、中京圏とつなぐ、そして東京にもつながっているという回遊性というか──それだけ需要もあると思うが、そうした新幹線なので、これから首都圏へ行く場合のルートがいろいろ変わってくるという意味では、ほかの新幹線とは少し違うかなという部分がある。
 そういう中で、金沢まで開業した時点では、大阪へ行く場合は、富山も金沢も同じく、我々も行くので、これは基本的には変わらないという考え方になると思う。名古屋へ行かれる方も基本的には変わらない動きをされると考えられるが、東京へ行く、首都圏へ行く場合に、今までは米原経由で行っていたものが、一部、北回りというか、金沢のほうを経由して行かれる方が出るので、この部分で「しらさぎ」が減らされる可能性が出てくることが考えられる。
 そういう意味で、何便ということは申し上げられないが、今、北陸3県で東海道利用で首都圏へ行っている方が2,700人いる。そのうち、石川、富山で大体400人ぐらいであり、あと2,300人が福井県の方で、富山、石川と福井県の一部が向こうへ回る可能性が出てくるということである。もちろん米原経由で中京へ行かれる方が4,500人いるので、かなりの部分の需要は今までと変わらないが、一部、福井なり富山、石川から向こうへ回る人数で影響が出てくると考えている。


◯大森委員  いろいろ想定されることがあろうかと思う。石川県は東海北陸自動車道もでき、こちら回りの列車で行かなくても、車の移動も時間が非常に短縮されている。福井の場合は、中部縦貫自動車道もその間まだできていない。
 そういう風景を考えると、私はどうして行くかと考える。福井から金沢まで45分、特急に乗っていく。10分乗りかえで2時間25分。ただ、全部上野まで着くのではなく、大宮でとまってしまうものもあるのではないか。どちらを選択するか。大体、等時間である。
 中部縦貫自動車道はまだできていない。今、金沢からMK観光バスで行くと非常に安い。MROを見ていると、3,800円で東京まで行くとか、福井からと比較すると便数が多く、競争が激しい分、東京、京都、大阪、名古屋とのアクセスの利便性が物すごく高くなっている。
 大都市間の交流の利便性が物すごく高くなる中で、福井はこの5年間、何年間かのタイムラグの間をいかに過ごすかという戦略がどうしても必要になってくると思う。
 福井の人は、今の政権の中で新幹線の話をすると、「大森さん、もう新幹線はいらないのではないか」という声が相当多くなる。しかし、このことを詳しく説明すると、「やっぱり、それは何とかしなければならない」となる。こういうアピールの仕方が、どうも少ないのではないか。金沢まで来るのだからと僕は言う。ついてないということは大変なことだと。
 福井の将来に対して、本当に困るということをみんなが声を大にしないと、こういうことというのは……。もっとアピールする、声を出していくべきでないかと思うが、所見をお願いしたいと思う。


◯知  事  特に新幹線については、概算要求で方針が出なかったので、年末の予算の段階に向け、あらゆる方策を尽くさなければならないと思っている。
 また、関係政党、その他皆さんの支援が必要かと思う。


◯大森委員  知事のそういう力強い話を聞きたかったのだが、せめて、中部縦貫自動車道が代替として機能することを望む。これも絶対早くしてほしいが、最短でいつできるのか。完成の見通しについて伺いたい。


◯知  事  中部縦貫自動車道だが、これは永平寺大野道路の平成28年度までの早期全線開通を要請している。それから、大野油坂道路の今後10年ないし15年での全線開通を国に訴えているという状況であり、まずは2年後の大野・勝山間、そして平成28年度までの福井から大野までの完成。それから油坂峠と、こういう段階があると思う。
 今回、国土交通省の概算要求において、国土のミッシングリンクの解消が示されている。中部縦貫自動車道はその最たるものかと思っているし、また、投資効果も非常に高い路線だと思うので、これについてはこれまで以上に強く働きかけ、できるだけ早くということである。
 年間、七、八十億円の投資がなされているわけだから、こういうものが減らないように、さらに増加するようにというのが大きな課題かと思っている。


◯大森委員  そういう年度の話をすると、福井の60歳代の人たちは、自分の目の黒いうちはもうだめだという話になってしまわないように、若い世代にも未来を伝えて、その間、それは全体で努力しないといけない状況だということは把握しておかなければならない。そして、何をしなければならないのか。それは国のことだからしょうがないが、我々にとってこの完成の時期というのはとても重要であって、その間、例えば福井県としては何ができるのかと。
 僕は中部縦貫自動車道の完成を見越して、例えば、福井まではつくが、そこから県内のどこへつなげるのか。僕は、福井港へアクセスして、関連するインフラ整備を戦略的に進めていくべきだと思う。福井港も含めたこの道は人が移動するだけではなく、物を運び、情報を運び、仕事を運んでこないと意味がないということであり、そうであれば福井港をどうするのか。福井から春江までは空港道路が続いているが、そこから港まではどうするのか。そんなことを考えるべきだと思うが、いかがか。


◯知  事  中部縦貫自動車道から福井港へのアクセス道路については、北陸自動車道の丸岡インターから県道丸岡川西線や三国春江線を経由するルート、また福井北インターから国道416号を経由するルートがある。
 丸岡インターからのルートについては、地域高規格道路の調査区間に指定しており、現在、坂井市とともに都市計画決定に向けた調査を進めている。
 また、福井北インターからのルートは、これまで順次整備を進めており、現在、最後の区間である福井市の白方地区から布施田までのバイパスを整備中であり、早期供用に努めていきたいと思う。


◯大森委員  そういうことを、その間やっていかなければいけない。ぜひ、そのことに取り組んでもらいたいと思う。
 さて、2027年にはリニアモーターカーが東京名古屋間を40分でつなぐことになる。先ほども話したが、大都市圏はますます短時間で移動できるようになる。距離、時間、料金、この3つの要素で人は行動を決定する。観光でどこへ行くかとか、いろいろな行動を決定する。当然、経済活動もそれに伴うものであり、よほどよい交通体系の開発をしないと──福井はこの間、厳しいわけだから、何を、どこを代替したらいいのかということであるが、僕は北陸3県の中で福井が唯一、地勢的に優位であるのは関西との距離であり、時間であると思う。
 福井は関西の電力の約半分を供給し、また人の交流も多い。関西とのつながりが強い。新幹線が福井まで来ない、いわゆる暗い時代は、ここのつながりを3県の中で最も強くしていくべきではないかと考えているがいかがか。そのための交通の便をさらによくすることが大事だと思う。
 湖西線は風でしょっちゅうとまってしまう。北陸自動車道は雪でとまってしまう。1本しかない道である。安全性を確保した上で速度を上げるとか、あるいは敦賀以北の北陸線を直流化し、関西から直接電車が乗り入れられるようにするなど、福井と関西の交通体系を向上させることも新幹線が到着するまでの時代の乗り切り方の一つの希望として、今のうちから検討してはいかがと思うが、所見はいかがか。


◯総合政策部長  福井と関西の交通体系の向上ということで提言があったが、一つは舞鶴若狭自動車道が平成26年にできて──今、無料化もされており、交通量も非常にふえているということで、道路として敦賀までつながれば一体として一つのことができていくのではないかと思う。
 それから、もう一つのJRの関係だが、1日23往復運行している特急サンダーバード・雷鳥は、JR西日本の在来線特急では最速の時速130キロで走行しており、委員指摘のとおり、強風によって湖西線を走らずに米原を迂回することがある。
 我々もいろいろ要望し、JR西日本ではその対策として、平成20年12月に滋賀県の比良から近江舞子間、約3キロに防風柵を設置した。この結果、米原迂回の日数は、平成18年度で28日あったが、平成21年度には10日ということで約3分の1に減ってきている。
 それから、引き続き近江舞子から近江高島の約9キロについても同じように早急に風対策を進めるようJR西日本に対して要請しているところである。
 また、敦賀以北の直流化については、工事費が非常に多額になること、利用者の増加がどの程度見込めるのかといったことなど、今後の新幹線の状況も踏まえ、いろいろな課題があると考えている。


◯大森委員  利用が見込めるかということも大事だが、これから、これぐらいしてやるのだという意気込みが必要ではないかと思う。
 そういうことを踏まえて、今、関西広域連合が議論されている。関西とのつながりの中で、今のところオブザーバー参加という限度であるが、今、医療分野であるとか、災害、防災分野であるが、これが変われば、ぜひ積極的な参加をお願いするものである。これは要望にとどめておく。

       「経済・雇用の現状と課題について」


◯大森委員  次に、経済・雇用の現状と課題について話をさせてもらう。続いて、短期的な雇用対策についてもお願いする。
 リーマンショック以来穏やかに回復していたのが、ここに来て急激な円高になった。製造業がよくなってきて、随分よくなってくるのではないかと期待していたところで、ここに来た。
 そして、自動車関係の補助金やエコポイントがこれで終わった。また、いろんな時限立法が切れながら継続されていくものの、新たなものというのはなかなか出てこない。そろそろ油が切れてくる分野があると、そんなことを感じている。いろいろ提案してもらい、福井独自の緊急住宅取得促進の1%利子補給等を認めてもらっているわけだが、そろそろいろんな意味で油が切れてきて、年末にかけて大変なことになるのではないかという危機感を持っている。
 一連の経済対策後の県内経済への対策、次の一手について、どのような方向性を考えているのか所見を伺いたい。


◯知  事  経済、雇用の分野については、その時々の情勢に応じて緊急的な経済対策を講じているわけであるが、一方で中長期的な戦略も必要である。
 今回、緊急対策として国の雇用調整助成金の上乗せ助成、マル経資金の利子補給などは福井県独自の対策である。
 しかし、依然として厳しい状況にあるので、国に対しても資金繰りや緊急雇用などのセーフティーネット対策の継続を要請している。
 さらに、中小企業の活力を生み出すために、地域の中で新しい需要を生み循環させる必要があるので、今回、県内事業者に発注する設備投資や住宅投資の利子補給、伝統的工芸品の助成措置、そして県単独事業の増額ということである。
 いずれもこうした県の政策は程度のことはいろいろあるが、内容的には他県に先駆けた制度であり、大体、一つあとの議会やそのあとぐらいに他県がこれとよく似たことをやり始めているというのがよく目につくわけである。
 それはともかく、いずれにしても将来を見通して、中長期的な展望に立った新たな経済戦略を今策定しているところであり、いろいろ御意見もいただいているが、新しい産業創出に向けた企業誘致の強化、成長分野での企業創業、そしてアジアやインドなどいろいろな地域への拠点、こういうものをいかに総合的につくっていくかというのがプロジェクトになるのではないと思う。


◯大森委員  それぞれいろんな意味で対策を打っているのは評価させてもらう。
 しかし、実態がより早く動き、より厳しい方向へぶれているという中で──福井だけではなく日本全体がそういうわけなのだが──ぜひ、今いろいろ打たれている対策がつながっていくよう注視しながらお願いしたいと思う。
 福井の元気な企業づくりという視点で、今、「チーム福井」と福井県経済新戦略の中に書いてある。これは、私が民間にいたときにも、お互いの営業力を共有できないのだろうかとか……。ここでは海外向けに「チーム福井」の概念があるが、国内向けも含めて、ぜひお願いしたい。
 営業力が福井の企業はない。直接売る力がない。これはマーケティング力ということで私もいろいろ質問させてもらった。例えば、僕の友人のところなので名を出すが、サカセ化学は医療分野について非常に強いマーケットを持っている。プラスチック射出成形の分野で強いシェアを持っていて、お医者さんに強い。機能性繊維で医師の手術用の衣料を縫製までしてそこに売ってもらう。国内、県内は、建設業界に強い──これも友人のところだから言ってしまうが──東工シャッターはいろいろ県内に持っている。そこに、違うプラスチックものの建築資材を売ってもらう。こういうふうに共有して、そこに当然商社マージン、販売マージンを置いていく。
 国内ではすぐできると思う。ぜひお互いの持っているマーケットを共有し合って福井の製造業の仕事をふやしていく。こういうことは可能性のある分野だと思うので、ぜひ、早急にこの「チーム福井」を国内分野にもやってもらいたいと思う。
 それと、今回、経済・雇用対策特別委員会で視察をさせてもらったクリエイションコアという東大阪の施設であるが、実は私は3回行った。最初できたとき市会議員として行かせてもらい、二度目は県会議員になってから。特別委員会でも話をしたが、工業支援センター、中小企業支援センター、産業大学と、いろんな機能を合わせて金融も含めてお世話するという機関である。中小企業の担当部署もその中に入っていた。
 こういう機能をつくっていくことにより福井の製造業というのをお互いに無限級数的に企業の組み合わせができるわけである。あそこは東大阪の中小企業が何千社とある。いろんな組み合わせの中でチーム東大阪なのか大阪なのかわからないが……。ああいう施設は福井のほうがより向いているのではないか。点在はしているが、よりエリアが狭いので。概念さえ、ソフトさえ使えばできるのではないかという印象を持っているのだが、いかがか。所見を伺う。


◯産業労働部長  まず一つは、本県の特色というか、中小企業が主体の産業であるので、そういった意味では中小企業が一体となって販売、営業力を高めていくということとあわせて、実はまだまだ力がありながら発揮できていないような中小企業がたくさんある。
 そういう意味においては、そういった中小企業のエンカレッジとでもいうのか後押しをして「チーム福井」の総合力をいかに高めるかという仕組みづくりが重要ではないかと思っている。
 そのためにも、今、話があったように、大阪の場合は国の中小企業基盤整備機構がつくった施設があるが、福井の場合にはまず官民の産業支援機関相互がそこに持つ人材や機能の連携を強化し、それぞれの機関の窓口で中小企業の相談ができて、地域あるいは職種、業種を問わずに常に同じような経営相談や技術相談が受けられるようなサポート体制の連携を強化していこうということで、これについても、今の経済新戦略の中でそういう体制づくりを進めている。そういった中で今の話のようなところについては、ぜひともこれから強化していきたいと思っている。


◯大森委員  退場していってしまう企業、倒産というか廃業していってしまう企業の中に、どうしても残しておきたいノウハウや技術がある。
 それは、会社が終わってしまうとなくなってしまうわけである。そんなものの中に本当はたくみのわざがあったりする。そういう経験が僕は何度もある。
 以前、桂由美さんを福井の各機屋に連れて歩いて、サンプルを見てもらった。もう廃業していて廃番になっているものを欲しがった。もうできない、織機も壊してしまった。
 そんなもので、本来、需要がそんなに大きくなくて量産では生き残れないというものを、技術継承で次の会社へ譲っていく。そういうものがこれから必要になってくるのではないかと思うので、ぜひ、そういうものを集積しておくスペースというか、残しておくスペースが必要だと思う。ぜひ検討願いたいと思う。
 私はいつも雇用のミスマッチというのを感じる。福井県の有効求人倍率は0.82で日本で一番いいという実感は全くないし、求職している方にも全くない。ここは、いわゆる上澄みだけが動いていて、求人だけはずっと出しておきながら、当てのない求人を出している部分が結構あると見ている。
 当てのない、こんな人は条件的に来ないという人をずっと求人で出している。結局、そこはどう埋めるのかというと、海外の研修生で埋めている部分がこの時代でも多い。ぜひ、そのミスマッチを埋めることをみんなの知恵で考えてもらうことをお願いして、質問を閉じさせてもらいたいと思う。

                              〜以  上〜


◯松井副委員長  以上で、大森委員の質疑は終了した。

       「入札の総合評価について」        宇野 秀俊 委員


◯宇野委員  民主党・一志会の宇野秀俊である。
 今、非常に不景気である、景気はよくなっていると言いながら一番末端で働いている方々の実感がないということが多いわけである。私どもに寄せられるいろんな情報も、こんなことは困るのだと実際に仕事をしている方から来る。その点について掘り下げて聞いていきたいと思う。
 入札には建設工事、土木一式、建築一式といろいろあるが、その中で総合評価落札方式を取り入れている。これは、価格競争だけの入札では工事の質の低下を招くことになるので、工事の品質を保つための方式として生み出されたものだが、工事の実績評価が重視される余り、新しく参入しようとか、これからその実績をつくろうという人にとって参入が困難になっている面があるように思う。
 そこで、総合評価の落札方式についての現状と課題について、何点か質問したいと思う。
 県では、設計金額5,000万円以上2億円以下の工事は原則、実績評価型の総合評価落札方式を採用している。全国でこのような総合評価落札方式を採用している都道府県の数はどれぐらいあるのか。それから、その金額についてどれぐらいまでを対象としているのか。
 それから、本県の総合評価落札方式において、企業の技術力として過去2年間における福井県優良工事表彰の有無を評価項目にしている。このように企業の優良工事表彰の有無を評価している都道府県はどれぐらいあるのか。
 また、この優良工事表彰に携わった人が次の入札のときに、その工事を担当するということについても評価する、評価点を与えるということになっている。このような技術者を含めた評価方式となっているのは、どれぐらいの都道府県があるのか。それらを教えてもらいたいと思う。


◯土木部長  公共工事における総合評価落札方式は、「公共工事の品質の確保の促進に関する法律」が公布され、それを受けて実施しているものであり、47都道府県すべてで実施している。
 それから、各県の適用対象金額の下限額であるが、平成22年4月現在で、3,000万円未満が22県、3,000万円以上5,000万円未満が9県、5,000万円以上が12県、金額の設定がないものが4県となっている。
 国士交通省においては、250万円以上のすべての案件で実施している。
 それから、企業の優良工事表彰の有無を評価している都道府県は何県あるのかということであるが、平成22年4月現在で、本県を初め石川県、富山県など38都道府県で実施しており、国士交通省においても企業の表彰を評価している。
 それから、配置予定技術者の優良工事表彰の経験を評価している都道府県は何県あるのかということであるが、これは議会の意見等もあって、平成21年3月から改正したものであり、平成22年4月現在で、本県を初め和歌山県、静岡県など21県で評価している。また、国土交通省においても表彰を評価しているという現状である。


◯宇野委員  総合評価落札方式は全県やっているということであるが、優良工事表彰については38県と大分やっている。この優良工事表彰を受けて評価点をもらう人は、自分が入札に入るとき、もう一つここに技術者という面がある。これは必ず入れる。そういうふうに点数の差がついてくるわけであるが、こういう優良工事表彰というものが、次の入札で非常に評価が大きくなると言われている。
 この優良工事等事業者表彰の選考方法はどうなっているのか。
 それから、今非常に公共工事が少なくなっている中で、特に建築一式工事は非常に少なくなっている。過去2年間で、こういう建築一式工事で優良工事等事業者表彰を受けたのは、県内でどれぐらいあるのか伺う。


◯会計管理者  まず選考方法であるが、請負金額が2,000万円以上の工事で成績が80点以上と評価された事業者が、みずから発注機関である土木事務所や農林総合事務所等へ申し出をするところから始まるわけである。その申し出を受けて、書類審査あるいは現地調査を行う。今度は選考委員会を設けていて、これは学識経験者など外部の委員を含めた7人で構成している。この選考委員会でもって選考しているという状況である。
 それから、建築工事における過去2年間の表彰実績ということである。平成21年度はゼロであったが、平成22年度は1件である。


◯宇野委員  選考の方法は自己申告である。いつから変わったのかわからないが、いろんな表彰制度の中で、自分がやった作品を表彰してほしいという方法はなかなか少ないのではないか。客観的に見て、発注者がこれは表彰に値するというのが本当ではないか。
 そして、この表彰を受けるには、県の仕事をしなければならない。していないのに対象にはならない。しかし、そうした全員が参加できないものについて、表彰の優遇点を与えるというのは非常に不利益ではないかと言われている。
 特に、仕事の少ないこの建築一式工事において──土木一式工事については結構件数が出ているが──平成21年にはなかった。平成22年にはあった。その前もあるかもしれないが、1社か2社のこの件数が入札のときに非常に響く。みんなわずかな差で入札に応じる。こんなに不公平なこの点数のつけ方。これは、前は点数が大分高かったが、非常に低くなっている。表彰事項については0.5という加点しかない。だけど、次の仕事が出たときに、この表彰加点と担当した技術者を加えると、もう少し大きくなる。
 だから、こんな機会の少ない表彰の加点はやめてはどうか。こうしてみんな公平にこれから仕事をしよう、県の仕事をさせてほしい、我々も技術を磨いている、そんなときにそういうのではねられたら、機会さえ失われてしまう。ぜひとも、これについてはもう少し考えてもらいたい。これでは新たに参入しようとする人の意欲を本当にそいでしまう。
 また、その上に施工実績、これは工事成績の評定が80点以上でなければならない。過去5年間──建築については5年間らしいが──企業の工事成績評定80点以上とか、そういうものも評価する。先の表彰規定に加えて、まだ80点以上、80点から70点、70点以下と三つに分ける。参加しない業者は0点である。にもかかわらず、80点以上があって、表彰があって、技術者をつけて、この最後の評点が大変なのである。ぜひとも、こういうやり方は少し考えてもらわないと、落札するためのハンディが本当に大きい。新規参入するためのハンディが大きいように思われるが、その辺の改善の余地はないのか。


◯土木部長  新規参入に当たっては、その新規参入業者の技術力をいかに評価するかという課題があると思う。総合評価落札方式自体は技術力のある業者に仕事をしてもらうという趣旨であり、その技術力の評価というものは、今委員が言われるように、過去の実績や工事成績とかいうものを基準として、我々は判断しているわけである。それにかわるものが何かあれば、そういうものも参考にできるのかと思うが、現時点ではやはり業者の技術力の評価をどうするのかという課題があるので、これからも引き続き検討していきたいと思っている。


◯宇野委員  それでは、建築一式工事でこの5年間の成績評定が80点以上の企業は何社で、80点から70点が何社で、70点以下が何社ぐらいあったのか。


◯土木部長  建築一式工事のA・B等級業者における過去5年間の工事成績評定点の平均点については、80点以上が14社、70点以上80点未満が70社、70点未満が8社、計92社ある。


◯宇野委員  今聞いたように70点以下は本当に少ない。それぞれに競争されて、勉強をされて、企業として成り立っていくには平均点以上、または80点以上とらないと企業は続かない。だから、そういう信用性というのか、建設業者の指導を徹底すればかなり力があるということは認めざるを得ない。また、この建設業者が県のいろんなものに対する影響力、県土を守るのだということ、災害があったときのいろんな力、いろんなものについて本当に大きな力を発揮してくれるという中で、あそこは技術力が悪いというような烙印を押される会社は非常に少ないと思う。それでは企業は続かないのだから。
 だから、この技術力という面については、ただできたものを評価するのではなくて、すべての仕事について施主側に立った工事管理というものは制度化されているのだから──もちろん工事をする人も工事管理をする。施主側に立って管理する人も必ずつく。その人たちが、工事が始まるとき、工事の途中、そして工事が完了するまでしっかり管理していれば、特別問題はない。そしてそのようにして、今までやってきたのである。
 最初に言ったように、この工事というのはランクづけだけでやるのではなくて、もともとの考えは低落札、安い工事を──やはり入札であるから競争する、特に一般競争入札になって、だんだん安くなる。ある一定の安さになったら、工事を出した人がひょっとしたら手抜きするのではないか、悪い工事をするのではないかということから出てきたのである。だけど、逆に評点などがどんどん先行してしまって、複雑な制度になって、しかも新規の業者がなかなか入りにくい。ますます仕事は少なくなる。そして、解散した会社、倒産した会社がどんどんふえている。
 入札に入るためには、2年に1回の資格審査があり、指名願いを出して、入札願いを出して、そこで経営審査事項が皆見られて、そしてその間でいろいろランク分けするのは間違いない。それはいいと思う。今までの実績からA・B・C・Dとランク分けするのもしようがない。それから、出す物件については、施工実績、地域性それから社会性と、これぐらいは当然見られて結構だと思うが、過去の実績は信用して入札に入れて仕事をしてもらう。それだけで点数がふえたら、あとの業者は大変なことになる。ぜひとも、そんなに細かいことを言わないで──設計予算からどれぐらい切ったらどうも手抜きをされる、粗相な工事をされるというのはもうわかっているはずである。だから、入札においては必ず最低制限価格というものがある。これをある程度仕事ができる線で押さえておけば、そんなに心配することはない。みんな公正に、ある程度の資格を認められて、社会性を認められて、そして地域性を認められれば、入る機会がある、また入ったときに特別なハンディはないというものにならなければならない。その辺を回答願いたいと思う。


◯土木部長  土木工事というのは一般に公共が多いけれども、建築工事というのは民間が主体かと思う。そして民間の工事の内容については、いろんなランクというか、それぞれ管理してやっておられるわけであるが、その管理の仕方もいろいろある。引き続き、技術力の担保をどう確保するのか──民間で割と緩い感じの状態で仕事される方もおられるし、やはり県の仕事というのは品質管理面で厳しい面があるので、そこら辺の整合性をどうとるのかとか、いろいろ検討をしていかなければいけない項目があるので、もうしばらく検討させてもらいたいということである。


◯宇野委員  検討するということなので、今後ぜひとも簡素化して──簡素化するというのもおかしいが、前やっていたようなところに──五、六年前はそんなことしていなかったのだから。そしてそんなに悪い仕事かというと、そんなものでもない。ただ一般競争入札になって、いろんなもので弊害が出そうだということでこういう規制になった。だから、ぜひともみんなが機会均等でできるように。また、県の現場の監督がなかなかできないということがあるが、当然である。今までのすべての公共事業、県なり市町なりが本当に大きな建物は直接管理していない。現場のそういう建物管理ができる会社に任せてやっている。だから、その技術力はどこかでカバーしないと、とてもやるものには追いつけない。施行者に負けるような施主側の管理では思ったものはできないという場合もあるが、ぜひとも、その辺を改良してもらいたいということで、入札については終わりたいと思う。

       「競争力のある福井米について」

 次に、競争力のある福井米についてであるが、本県はコシヒカリの発祥の地でありながら、福井米の消費地での評判が非常によくない。こういうことをいろいろ聞いて、県ではふくいの農業・農村再生計画において福井コシヒカリ復活プロジェクトを掲げ、福井米の品質向上に力を入れている。今年度も競争力のある福井米づくりの事業が当初予算と今回の補正合わせて4,740万円余り計上されているが、この事業内容について成果を伺いたいと思う。
 JAや経済連に対する食味分析計の整備支援を行っているが、その内容と利用成果について伺う。


◯農林水産部長  福井米の食味向上を図るため、各JAでは農家から出荷された米の食味検査を実施しており、その結果を栽培技術の指導に現在活用している。
 また、経済連においては、各JAから出荷された米の食味検査を行い、そのデータをもとにして福井米の品質管理や販売対策に活用しているところである。
 食味分析計については、平成8年度以降、昨年度まででJAなどに42台整備してきており、平成21年産のコシヒカリ約1万点の食味評価を行っている。本年度は未整備のカントリーエレベータや倉前検査場に19台導入することによって全体で61台整備されることになり、コシヒカリを出荷する全集落での食味検査を行う体制がこれで整うことになる。
 今後は、これらに加え生もみでの食味検査など、すべての農家の食味検査を行うことができる体制を整備していって、福井米の食味向上につなげていきたいと考えている。


◯宇野委員  ことしの4,740万円余りの中で、食味計何台の補助になっているのか。幾らの補助になっているのか聞く。


◯農林水産部長  当初で5台予定しており、9月補正で14台をお願いしているところである。


◯宇野委員  1台当たり幾らの補助をしているのか聞きたい。


◯農林水産部長  1台当たりの単価、約200万円程度の機器ということである。


◯宇野委員  これは買い入れ価格の何分の1か。


◯農林水産部長  これは国庫補助がついており、国庫補助2分の1の補助をしているところである。


◯宇野委員  食味計というのはいろいろあって、定価で1台120万円から360万円まである。どの機械に補助したのか聞きたいわけである。どれぐらいの金額のものか。


◯農林水産部長  手元に資料がないので、また後ほど報告させてもらう。


◯宇野委員  しつこくするのは、去年から私も質問しているのだが、この食味計によってカントリーに入るときに区分する。食味計の値がいいと生産者にそれだけのメリットを与えよう。また、倉前についてはそこに食味計を置いて判断して、その食味計の値がいい人にはそのメリットを与えようという。実際、私が坂井町のカントリーへ行っても、倉前に行っても食味計はない。「食味計はどうしたのか。二、三年前から県の補助が出ているはず。」と言うと、「ここには何もない。本部にある。あれは高い」と言う。実際調べてみたら、今言ったみたいに120万円から360万円である。どういう機械に投資したのか、補助したのかという疑問。
 それから、そのカントリーでたとえ食味計で見たとしても区分ができない。一緒にサイロに入れてしまう。そして、倉前で検査してもとても分けられない。これは食味がよかった、これは悪かったと倉前にどうやって積むのか。こんな狭いところへこれだけ分けて積めない。後で、あなたのところは食味計の値がこうだったと結果を渡す程度だということである。それも将来的にはいいだろう。それを見て工夫したり、また指導したりしようということであろう。しかし、やっていることとその辺が全く不明である。120万円から360万円まである機械のうち、どれぐらいの機械に補助したのか明確にしてほしい。こんな食味計は2,000万円すると、そんなことを言う人もいる。そこを明瞭にしてほしい。わからないか。


◯農林水産部長  少し時間をいただきたい。


◯宇野委員  それでは、ことしから──去年からもあったようだが──福井米の大粒化、粒を大きくするため網目を1.9ミリにしようということで、網目の交換をした。この助成についてはどれぐらいの金額を何台にやったのか。


◯農林水産部長  網目の交換は昨年度実施したものであり、時間をいただきたい。


◯宇野委員  何か補助する場合に基準単価を置いて、この何分の1を補助したという記録がないというのは非常に不思議に思う。
 実は、この網目の交換はJAしかできないというのである。普通の農機具屋はいっぱいある。しかも同じメーカーのものがどこにでもある。JAがしたものにしか補助が出ない、JAしか扱えないという非常に不思議な現象が起きている。県の回答を得ないと幾らかわからないが、せいぜい3万円か4万円であろう。それをJAしか扱えない。一般のこの農機具を扱っている人はいつでも扱えるのだけれど補助が出ない。良質米をつくろうというときにそれではおかしい。その辺を聞きたいために、JAに対してどれぐらいのものをどれぐらい補助したのか聞きたいということである。わからないということなので時間の関係で飛ばすが、このように大きな網目にすることによって下に出るくず米が多くなって、農家の所得が確実に減る。米の値段も上がっていない。ことしはまた下がると言っている。その対策は全くない。網目は全額、農協と県から出すから要らないと言うが、しっかり手数料、工事代金は取られている。
 そのような中で、良質米を目指そうとしているわけである。こういう食味検査や大粒化、それから5月半ばの田植えということで、今いろいろやっているわけだが、この成果についてはまだ出てないかもわからないが、現在のところの消費地での評判や課題を伺う。


◯農林水産部長  県では農業団体と一体となり、コシヒカリの「5月半ばの適期田植え」をこれまで推進してきた。おかげさまで、本年度、作付面積の86%で実施された。
 梅雨明け以降の記録的な高温により、全国的に米の品質低下が懸念されているわけだが、現在の本県のコシヒカリ1等米比率は、北陸管内の各県の中で最も高い89%となっており、過去5カ年の平均を5ポイント上回っている状況である。
 また、1.9ミリ以上の割合であるが、これも96%ということで昨年を3ポイント上回っており、食味値についても77ということで昨年を3ポイント上回っている状況である。
 また、本県産コシヒカリの本年9月の相対取引価格であるが──今、実際下がっているが──60キログラム当たりで1万3,800円となっており、相対取引価格が公表された平成18年度以降初めて富山県産を追い抜いたという状況であり、石川県産や滋賀県産などと比べても200円から300円高い状況である。こうしたことは、品質や食味の向上対策が一定の評価を得たものではないかと考えている。


◯宇野委員  それなりに効果が出てきているということなので続けることはもちろんであるが──今、米の値段を聞くとがっかりする。ほかの県より高いというけれども、去年より下がっている。相対取引の1万3,800円から手数料が2,000円から2,500円取られる。農家の手元に残るのは1万2,000円残るか残らないか。それぐらい減ってきているということなので、これに付加価値がつくような、またそれでも耐えられる農政になるというものを続けていってほしいと思う。

       「新たな雇用の創出について」


◯宇野委員  次に、新たな雇用の創出についてお聞きしようと思う。これについては先ほど大森委員からいろんな話もあったので、私が特に聞きたいのは、今の雇用対策やいろんな景気の対策が非常に緊急的なもの、その場的なもの、短期的なものになっている。本当に将来が見える雇用対策、景気対策がまだ打たれていない。今いろんな会議が開かれて、いろんな対策をしようとやっているが、まだ具体的なものが出てきていない。
 そして、これが本当に具体的に出るまでには相当な時間がかかるのではないと思うが、ぜひとも──各県で活気をつけるためにいろんな対策をした。建築物、いろんなものを建てた。何十億円も使って建てた。ところが、B級グルメというのがはやり出した。この素人の方が考えたB級グルメによるまちおこしが本当に今、活気を帯びている。ということは、学識経験者とかそれなりに言われている方が頭を寄せて、ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろうと言う前に、もっと各個人、企業、学生も含めて、今、福井県をどうしたらいいのか、雇用をどうしたらいいのか、新しい産業で何か知恵はないかというようなことを呼びかけ、またコンテストをやって出てきたもののほうが手っ取り早いのではないか。それを煮詰めていく、またそれを採用してくれる企業はないかとか、そういうものを早目にやったほうがいいのではないか。
 この間も、鯖江でかなりやって、いろんな案が出てきたと聞いている。
 最後だが、そういうやり方をとる気はないか伺う。


◯産業労働部長  雇用については、まずは今離職されていて生活の安定が必要な方に対する金融対策が必要な時期だから、そのあたり重点を置いている。これから安定的な職業についていただくということについては、企業活動、経済活動が活発化しないといけないので、そのためには皆さん、各企業あるいは地域のアイデアというものを生かしていく必要があると思う。現在やっているものもできる限り皆さんからの提案をいただいて、例えば雇用でも企業がやりたいというアイデアをいただきながらやっているので、できる限り企業のそういう声を聞けるような形のもので施策を進めたいと考えている。


◯宇野委員  一番末端の声が私どもに一番聞こえてくるわけであり、そんな中の細かい質問であったが、今後ともよろしくお願いしたいと思う。あとで回答をもらうほうもよろしくお願いする。
 私の質問は終わる。


◯農林水産部長  先ほど質問があった件について報告する。
 大粒化の網目であるが、これは県下のJA、それから農家に5,763、県の補助金額として8,046万8,000円補助している。3分の1の補助であるので、総事業費が1億2,600万円余りになる。
 それから食味計であるが、これについては補正でお願いしている分はまだ購入していない。当初で持たせてもらった5台分については購入しており、1台240万円の食味検査計を導入しているところである。
 以上である。

                              〜以  上〜


◯松井副委員長  以上で、宇野委員の質疑は終了した。
 ここで休息する。
 再開は午後2時50分を予定している。

                              〜休  憩〜


◯山岸委員長  休憩前に引き続き委員会を開く。
 質疑を続行する。

       「高齢者増加に対する今後の県の対応について」 谷口 忠応 委員


◯谷口委員  自民党県政会の谷口である。
 私は65歳、知事もそうだが、65歳になったときに自分が65歳になったと思ったのは──私は5月1日生まれである。国民年金がもらえると案内が来たので、私もそういう年になったのかと、改めて県政に頑張らなければならないという気持ちになった次第である。
 9月は高齢者月間という形で、敬老の日には、そこらじゅうで敬老会があった。本来なら9月15日が敬老の日であるが、若い方が日曜日と連休にしたほうがいいのではないかということで、日にちを毎年ずらす。これは少し違うのではないか。本当にお年寄りを敬うのであれば、記念日は変えるべきではない。自分たちの都合で変えるというのでは、少し違うのではないかという気はする。
 もう一つ、体育の日も東京オリンピックが昭和39年10月10日にあった。それを記念して体育の日を定めたのが昭和41年である。それも恐らく来月は10月10日ではないと思う。その記念日を変えることについては、どうも納得がいかない。知事はどう思うか。


◯知  事  お正月やクリスマスのように暦と連動しているものがあるが、歴史的に必ずしも連動していないというか──伝統と歴史はあるのだろうが──そういうものもあると思う。一般論としては、私は基本的に余りもとを変えないほうがいいと思っている。歴史や伝統を大事にしたい、古いもので変える必要がないものは変えないというのが大事だとは思っている。


◯谷口委員  この9月の敬老月間、大体9月の第1日曜日に各公民館、地方では敬老の日を祝うわけであるが、その9月の敬老の日をあざ笑うような事件が山ほど9月から出てきている。
 例えば、形骸化した戸籍制度。200歳だとか150歳だとか生きているはずがない超高齢者が戸籍上残っている。これもおかしいと思う。それと、県内で100歳以上で戦時中の混乱などが原因で死亡届が出されず、相当な数がまだ残っている。普通考えられない。もう一つは、86歳の母親の遺体を60歳の男性がそのまま放棄した。あるいは73歳の妻の死亡届を出すのが面倒くさいということで、ベランダに放置した。そしてあげくの果てに、行方不明になっても届けを出さず年金をもらっていた。また30年以上ミイラ化されて自宅にいた。
 こういう問題がこの9月に山ほど出てきたわけである。これが本当に日本の敬老精神というか……。こういうときにあえてこういうことが出たというのは、本当に今、日本人──我々が子供のときには、親に孝行しろ、悪いことをしてはいけない、先生の言うことを聞け、小さい子を泣かせてはいけない、そう教えられてきている中で、こうも簡単に親が子供を殺してしまったり、子供が親を殺してベランダに放置したり、押し入れの中に入れておく。我々が子供のころと違うのではないか、世の中おかしくなっているのではないかという気がする。知事も私と同じ年代ということで、そこのあたりはどう考えるか。


◯知  事  おかしくなったという話もあるし、我々が年をとってちょっと見方が変わっている部分もあると思うが、今指摘の点は前段の話だと思う。
 福井県はつながりというか、地域性、ネットワーク、こういうものはしっかりした地域であるから、これを大事にして生かしていくということが大事だと思っている。


◯谷口委員  これは道徳というか、後の項目すべてに関連する案件であり、また重なる部分があるので、話があっちに行ったりこっちに行ったりするけれども、理事者はそれをよくかみ砕いて答弁してもらえるとありがたい。

       「年金不正受給と高齢者の所在確認について」


◯谷口委員  ところで、県警本部長にお尋ねする。家族が行方不明になって帰ってこない。もちろん同居している家族、あるいは別居している家族が気づいた時点で、普通なら捜索願いを出す。捜索願いを出さなかったときは、刑法で何か罪とか罰があるのか。


◯県警本部長  質問の行方不明に関しては、警察では行政手続を定めた国家公安委員会規則である「行方不明者発見活動に関する規則」に基づき、発見活動を行っているところであるが、高齢者に限らず、その親族等から行方不明者に関する法律上の届出義務はない。したがって刑罰もない。


◯谷口委員  普通、道義的には家族は親がいなかくなったら必ず捜索願い──半日ぐらいはひょっとしたら出てくるのではないかと思うけれども、二日、三日たってもいなかったら、我々でも捜索願いは直ちに出して、警察に報告するのが義務だと思う。そういう義務的なことは全くないということか。


◯警察本部長  法律上の義務はない。


◯谷口委員  そうすると、例えばこの前の新聞では、30年前に死んでミイラ化していた。そうすると、死体遺棄という罪が当然考えられる。なおかつ年金をもらっていた場合は不正年金取得である。これについては時効というものはあるのか。例えば殺人だったら15年だが、死体遺棄時効の場合は何年か。


◯警察本部長  死体遺棄の場合は刑法190条で定められており、公訴時効は3年となっている。


◯谷口委員  そうすると、この前見つかったミイラ化したとか押し入れに入れたとか、そういう場合はもう明らかに3年以上たっているということで、その死体遺棄について罪はかからないということか。


◯警察本部長  個別の案件については答えかねるけれども、一般論としていえば、通常3年たっていれば時効にかかっている場合が多いと考えている。


◯谷口委員  そうすると、事実30年ほど前に亡くなっていたのだから無罪ということになる。発見時にその時効が成立するわけでもなく、もう既に30年前に亡くなっているとなると無罪ということになる。
 そうすると、年金の場合であるが、例えばずっともらっていたとする。それを返還する義務は何年間か。仮に15年、20年もらっていて、ようやく20年目に亡くなっていたのに年金をもらっていたことが発覚した場合、年金課はどういう対応をするのか。


◯健康福祉部長  年金の事務は旧社会保険庁、今は日本年金機構になっているが、そこの所掌事務になっており、県が直接年金の事務に携わっていることはない。

       「道徳教育(食育、知育、体育、徳育)について」


◯谷口委員  そうすると、県は全く関係ない。私の認識不足で申しわけないが、もらいっ放しの年金──逆に30年前に殺人を犯して、それをミイラ化させた可能性ももちろんある。なぜかというと、我々が子供のときには考えられないようなことが、先ほど言ったようにある。親が簡単に子供を殺したり、子供が親を簡単に殺す。だから、日本の道徳がどうなったのかという認識を我々は持って生きている。
 それで、教育長にお聞きしたいが、我々が子供のときにはホームルーム、あるいは道徳教育というのがあった。この道徳教育というのは何年ぐらいからか。私が小学校のときに──もう大分記憶がとぎれてきているが──私は昭和20年生まれだから、昭和27年に小学校1年になったわけだが、そのときにはあったのではないかという気がする。そこら辺ではどうか。


◯教育長  道徳の教育についての歴史をたどると、一番最初は明治5年に学制が公布されて、そのときに修身科というのができた。これが始まりで、それから明治23年に教育勅語がこれに加わって、それがずっと終戦まで続いたわけである。それで、終戦と同時に、昭和20年に占領軍の指令によってこの修身科が停止された。それから2年後の昭和22年に新しい学制が施行されて、そこで社会科ができて、社会科の中にこの道徳の教育が吸収されて、社会科の中で道徳の教育をするようになった。それが昭和33年まで続いたわけである。
 それでいろんな議論があったわけだが、昭和33年の学習指導要領によって、今の「道徳の時間」が設けられた。それが5度の改訂を重ねて、現在に至っているわけである。
 だから、谷口委員の小学校時代は社会科の中で道徳をやっていたということで、道徳の時間というのはなかったということになる。恐らく、中学校に入られた1年か2年のとき、昭和33年に初めて道徳の時間ができたということである。


◯谷口委員  卒業してから大分たつので、子供のころの記憶をたどると、その道徳の時間というと、必ず学校の先生が先ほど言った、悪いことしてはいけないとか、悪いことをするとこういうことになるとか、小さい子を泣かせたらいけないとか、あるいは親孝行しろとか、謙譲の美徳とか、人を敬えとか、そういう言葉で常に我々教えられてきた覚えがある。せんだって私も1年生から中学3年までの現在発行されている道徳の読本を見せてもらったが、これをしろとかというのではなく物語があるわけである。私だけかもわからないが、何を訴えたいのだというような読本が相当あった。それはその物語の中から、子供たちにこれはこうだということを教えているのか。


◯教育長  谷口委員も私もほぼ同じ年齢であるが、戦前の道徳教育というのは、いわゆる訓示型である。これは、今言われたような、これをしてはだめだとか、あれをしろとか、まさにそういったことである。しかし、現在の道徳の時間の副読本を見てもらうと、いいお話というか、物語がずっと1年分並んでおり、それを子供と一緒に教員が読んで、それからいろんな資料で組み立てていって、子供たちに考えさせる。字で書かせたり、口で発言させたり、自主的に考えさせる。こういった手法に変わってきている。


◯谷口委員  教育の中身については、もう我々の年代と今の年代で大分違うと思うが、子供の自主性を大事にすることも大事だとは思うのだけれども、子供は正直な話、好き勝手、自分の嫌なことをやらない。思うことを勝手に言う。それが当たり前な話なのだが、年をだんだん重ねるごとに自制心とか、いろんな形で考える力も強まってくる。せめて小学校1年生から3年生までの低学年、小学生の時代は、やはり大人がしっかりした教えというか、こういうぐあいに指導というか──そういう余りにも自主性を重んじるというのはいかがかと私は思うが、そこらはどうか。


◯教育長  この道徳の問題になると、学校だけではなく、もちろん家庭も大切である。けれども、今の子供たちに対応する道徳の教育がどうあるべきか、それは国の中教審でもいろいろ議論が出された中で、現在のパターンに落ちついているわけである。実際、学校の現場でごらんいただくと、教師が巧みにいろんな資料を自分でつくって、子供たちに道徳の話を巧みに組み立てて、授業を構成している。こういったことは実感としてうかがえるわけである。


◯谷口委員  そういう自主性を重んじるというのは、何年ぐらいからそういう形になってきたのか。


◯教育長  先ほど申し上げたように、道徳の教育ができたのは昭和33年である。
 それで、一昨年この道徳の時間は50年という大きな節目を迎えて、この道徳の時間をいかにやるべきかという大きな議論がなされた。それを二つに分けて、前半の25年、それから後半の25年と分けて、いろいろ議論されたわけだが、やはりその時代時代の世相といったものも色濃く反映してきている。
 今現在、他人の命を軽んずるような風潮が懸念されているので、今回の平成20年の改訂においては、自他の生命を尊重するといったことをすべての学年で教える。これが新学習指導要領でも義務づけられている。


◯谷口委員  私の聞くところによると、大体、昭和43年ぐらい、高度成長期に入ってから平成元年ぐらいまでは、学校教育の中で非常に道徳を疎んじる、あるいは疎外というのではないけれども、道徳は二の次であった。高度成長の真っただ中という環境もあったかもわからないが、それが随分長いこと続いて、平成元年ぐらいからこれはおかしいという声が上がってきたときいているが、そこら辺はどうか。


◯教育長  言われるようにいろいろな議論、経過がこれまであった。3年前、安倍政権のときにも教育再生会議で同じようなことが論じられて、道徳を教科として独立させるべきではないかとか、いろんな議論があったわけである。中教審もいろいろ議論して、今の形に落ちついて、現在、新学習指導要領の中でこの道徳の時間という重みが非常に加算された。重くなって、例えば学校現場、各学校には道徳推進教師を置くことが義務づけられている。1年のカリキュラムを当初にきちんと全体で決めて、それに従って、効果を見ながら道徳の時間をやっている。こういった状況であり、私どもも各学校をいろいろ回るわけだが、現在、福井県はしっかり道徳教育が行われていると思う。


◯谷口委員  道徳教育を重んじながら福井県独自のものを入れているということか。確かに、6年生の道徳の本だったか、小浜藩の酒井忠勝大老のとき小浜藩で起きた4斗5升の話があった。普通1俵だったら4斗である。それを小浜藩は年貢として5升余分に取ってしまった。それで小浜藩の庄屋、百姓連中が初めはかなり苦労したが、最終的には酒井忠勝がそれはおかしいとなった。東京まで陳情ではないけれども、昔はそういう一揆などでは打ち首になるが、酒井忠勝藩主はそれを認めて、もとの4斗に戻したという話も載っている。今立の紙すきのあの方の話も載っていた。そういう点では福井県の偉人や福井にあった教えなど独自の教育がされているのはある程度認識はできるが、では、日本の国旗は何かとか──教育長、日本の国旗は何か。


◯教育長  日本の国旗は日の丸である。


◯谷口委員  国歌は何か。


◯教育長  君が代である。


◯谷口委員  だれでもそう思う。日本の国旗は日章旗、日の丸。日本の国歌は君が代である。こんなものは明治時代に決まった。我々は政治家だから、ある程度わかっていた。四、五日前に、いろんな日本の魂とか、日本人がだんだんおかしくなっているという話をある人に言った。日本の国旗は何か知っているかと言ったら、彼は日の丸に決まっているではないかと、国歌は何かと言ったら、君が代に決まっているではないかと言った。普通の考え方であれば、皆さん、10人のうち9人はそう言う。
 ところが、それは違うと国会で議論された。一般の人は、そんなばかなことがあるはずがないと思っているけれども、私はたまたま、そのとき市会議員をしていたので、何で今さら日本の国旗として定めるのか、何で今さら君が代と定めるのか、当たり前の話ではないかと思った。それは、各地方によって国旗を掲揚しない学校がある。また君が代を歌わない学校があるということで、はっきり定めなければ、義務的に強制できないのではないかということで、国旗は日章旗、国歌は君が代だと決めた。これがごく最近の話である。皆さん御存じだと思うけれども、平成11年である。
 平成11年になって初めて──その当たり前の話が決められなかった。それに反対した国会議員は何人もいる。あなた日本人ではないのではないか。余り名前は言えないが、かなりの人というより、7割の人が賛成で、3割近くの方は反対した。国会議員でも反対した。だから、そういうこと自体が私たちの子供のときと随分考え方が変わっている。当たり前の話をそういうぐあいにとらえていく。何で決めたのだと。
 あの当時、広島の校長が残念ながら板挟みになって亡くなっている。これではだめだということで、いろんな裁判も起きている。そういう中で、日本の本当の教育は──やはり小さいときから日本の国旗は日の丸だと言って教え込んでいけば、これは当然みんなそう思う。ところが、若い国会議員の中ではそれはだれが決めたのだという形で、その空白というのは、昭和43年から平成元年までの何ていうのか道徳教育が大きく欠如したときではないかと私は思う。子供たちにも改めて国旗は日章旗、日の丸、国歌は君が代だと教え込んでいるのか。そこら辺のことは普通当たり前のことだが、それを教えるような道徳教育はやっていないのか。


◯教育長  今ここで、イデオロギーに絡めてその道徳を論ずることは適当ではないと思うが、福井県の子供たちは、年間の各学校の全体計画、また個別指導計画を見てみても、新学習指導要領に従って、当然愛国心であるとか、愛校心──イデオロギーは全く別にして──当然教えるようなスケジュールになっている。各学校でも、そういった時期には日の丸をきちんと揚げて、国歌も歌う。こういったことは福井県の各学校現場では守られているわけである。


◯谷口委員  だから、尖閣列島でも、日本国有の土地だと言っているにもかかわらず、急におかしな話になってきた。
 だから、日の丸あるいは君が代は日本のものではないという人が総理大臣をしているということ。それはちょっと私は個人的に違うのではないかという感じがするけれども、やはり日本国民の先人が戦って残してくれたものをしっかり守っていくべきではないのかと思う。
 そういう話の中で、裏千家の千利休居士から数えて15代目の方で裏千家の家元を長くやっておられ、今はやめて千玄室と名乗っている方がいる。大正12年生まれだから、今86歳か87歳だと思う。この人は京都の生まれで、もちろんお茶、裏千家の家元の出だから──昭和20年、終戦間際に特攻隊員に召集された。この話をこういう席で発表してもいいかと言ったら、きょう朝電話がかかってきて、いいということでお許しをいただいたので話をさせてもらう。
 その方たち7人が昭和20年4月に特攻隊として行ったらしい。そのうち一人が有名な方で、西村晃という水戸黄門役のあの人と一緒だったらしい。それで、千氏はこういう茶箱というのをいつも持ち歩いているらしい。その茶箱で、もう最後だからみんなで飲もうといって飲んだらしい。そのときに西村晃が「おれはおまえのお茶は飲んでいるけれども、一回まともな茶室で茶を飲ませてくれ」と言ったらしい。そのときに、彼ら7人ともこれはだめだ、我々は死んでいくのに無理だろうというので、非常に残念な思いをした。その人が言っているのは、千さんと西村さんは残念ながらというのか、幸いというか──5人は出撃して亡くなっている。ところが、その二人が出撃の待機をしていたが、終戦になってしまった。特攻隊の飛行機がなくなってしまったとかいうことで、残ってしまった。
 それで、西村さんは千さんが家元になられたときには、お茶を飲ませてもらったらしいが、そのときにみんな言っていたのは、我々は国家のために死ぬとか、国のために死ぬとか、そういう大それた考えは持っていない。あくまでも少しでも平和になってほしい、なおかつ家族が少しでも幸せになってほしい。たったそれだけだと。
 それで、その人が言っているのは、日本人は長く生きているけれども、だんだん日本人独特の魂というか気持ちというか、先ほど言った人を敬うとか、謙譲あるいは謙虚な気持ちとか、そういうのがなくなってきている。これで非常に残念な思いをしていると言っていた。
 やはり道徳というのは、中学校に入れば別だけど、小さいときから自主性を重んじるばかりでなくて、きちんとした形でやるのがいいのではないかという感じはした。
 そういう中で、教育長から県独自の道徳をやっていると聞いて我々も非常に安心しているけれども、福井県の場合は知力──もちろん知事はいつも自慢しているが、当たり前の話で──知力、体力は日本でも有数、それでもちろん長寿社会だから、それもすばらしい。ただ食育については、我々のときには食べるので精いっぱいという生活を送ってきたけれども、知事は食について小さいときからどういう形で考えていたのか。


◯知  事  近くで畑を借りて家庭菜園をやっているけれども、やはり小さいころの食べ物とか──ぼちぼちサツマイモができるが、サツマイモは今も食べるし、軸をつくだ煮にするとかそういう感じか。そういうふうに思う。


◯谷口委員  食の話が出るということは平和になっているということである。我々が子供のときは食べるのでいっぱいだった。サツマイモのつるを油でいためて食べたり、もちろん、まんじゅうやようかん、チョコレートなんてもらえるはずはなかった。食の話が出るということは、やはり日本がそれだけすばらしい環境になっているのではないかというのは思っている。
 それで、今、高齢者が福井県でもかなりふえ、今後どんどんふえることによって、県の負担、あるいは国の負担もだんだんふえてくる。高齢者に対する県独自のいろんな過ごし方、あるいは65歳以上でも簡単な職業につけるとか、そういうものをぜひ出してもらいたいと思っているが、何か思いつくことはあるか。


◯知  事  特に本県は高齢者の皆様が元気で活躍している。そこで、元気な高齢者の就業、それから余りお金ということではなくて社会貢献、そういうことに対するバックアップを今度のビジョンでも明瞭にしないといけないと思っているし、在宅医療や介護、先ほどの高齢の方が行方不明になったということに深く関係するが、見守り体制などの整備を進める。
 それから、東大との共同研究「ジェロントロジ−」で、在宅での医療と介護の連携を目指す全国的にも先進的なプロジェクトや、介護予防効果が健康に与える研究などもこれから積極的に進めていきたいと今、考えている。


◯谷口委員  私も含めてすぐにお世話になるかもわからないので、ぜひ県独自のそういう考え方で進めていってもらいたいと思う。

       「限界町内、限界集落について」


◯谷口委員  それから、高齢者とすべて関連するが、例の限界集落というのは、十四、五年前からだんだん言われてきて、ここ10年盛んにその限界集落が、一般質問でもあるいはマスコミでも取り上げられている。この限界集落の位置づけや、限界集落の福井県の戸数というのか町内というのか、そういうのは今どれぐらいあるのか。


◯総合政策部長  限界集落という言葉は、公式に定義されたものではない。また、限界という言葉に、そこに住んでいらっしゃる方が不安も覚えるということもあるので、県としては限界集落という言葉は控えている。
 今押さえているのは、65歳以上の高齢者が人口の50%以上を占める集落を高齢化が進んだ集落ということで位置づけ、総合的な支援を行っているところである。
 そういう高齢化が進んだ集落というのは、4月現在、県全体で107集落、そのうち福井市では36集落ある。


◯谷口委員  その限界集落に対して、特別に今後どうしようかとか──今、一部、買い物難民ということで、県が小売りのトラックで山間部に物を売りに行くというような手助けはやっていたようだが、そこら辺の効果はどうなのか。


◯総合政策部長  県では、昨年から──特にことしからは力を入れて充実もしているが──ふるさと集落総合支援ということで、集落支援員を派遣したり、それから委員が言われたように、買い物をするところが非常に遠いところにあって不便だという方については、新たに集落移動販売モデル事業ということで支援をしている。新たに高須地区というところでは自治会が中心になって、マイクロバスをボランティアの皆さんが運転して住民の足を守ろうという制度とか、鳥獣害の里づくりもこういうところであれば少しかさ上げして応援していこうというような制度を総合的に行っているところである。特に販売や交通については、これまでなかなか買い物に行けず少し離れたところに住んでいる息子さんに週1回頼んでいたが、そういうことでなくて自分で行けるようになったので非常に便利だとか、だんなさんに送ってもらっていたけれども運転が心配なので、こういう人にやってもらうと非常に安心だとか、お年寄りだけなので、販売の人が「どうですか」と声をかけてくれたりしてもらえるので、そういう面でも心の部分でも非常によくなったといった成果が住民からは聞き取れる。


◯谷口委員  これは当然、各自治体、市町でも取り組むべき問題であると思うが、今、県内で170ぐらい残っているということで、ほかの市町からいろんな形で要望などは上がってきていないか。


◯総合政策部長  今のモデル事業のことだと思うが、これについてはことしから始めているところであって、この成果をもとに今後考えていくことなので、まだ他の市町村からどういうところをというような要望は聞いてはいない。


◯谷口委員  福井市の中山間地の方は、まだ家族が福井市にいるから、車で15分か20分ぐらいで到達できると思う。もちろんお年寄りの方だから、車はないので兄弟あるいは親戚、身内の者がある程度面倒を見てくれるのではないかと思うが、例えば、言い方は悪いけれども、大野や勝山、今庄など山深きところは非常に対応がしにくいのではないかと思う。なおかつ、そこらにある田んぼや畑は一体どうなっているのか。


◯農林水産部長  県では、地域農業サポート事業を今やっており、高齢化が進んだ集落で担い手がいない、集落営農もできないというようなところの小区画の田畑について、ボランティアというかアグリサポーターとして登録していただいて、その方々にお手伝いをしていただくというような状況である。
 平成22年度はまだ継続中であるので、平成21年度の実績で見ると、573の集落に支援をしている。小区画の農地の水稲などの農作業応援の集落数が県下全部で517という状況である。


◯谷口委員  私は農業のことはちょっと疎いので申しわけないけれども、我々が若いときに青々としていた田んぼが、いつの間にか木が生えて全く使い物にならないというところが山ほどある。一たん木とかそういうものが生えて荒廃した田んぼを改めて開墾するというのは相当エネルギーがいるのか。


◯農林水産部長  一度荒廃してしまい木が生えたりすると、当然木を切って、根をとって、もう一度おこして、それから田畑に戻すまでには二、三年置いてということになるので、一度木が生えてしまうような田畑になると、なかなかもとへ戻すのは難しい状況になると思う。


◯谷口委員  もちろん中山間地域については、年配の方であるし、自力で開墾することも耕作することも難しい部分が当然あると思う。
 ただ、あわらのゴルフ場の下のところは、昔は本当にすばらしい田んぼだった。これは平たんな土地なのだが、いつの間にか田んぼじゅうに木が生えてしまっている。我々が若いころゴルフをしにいったときにも、いい田んぼだ、だんだん土地改良もされてだんだん畑でいいと思った。見ばえもよかった。それがいつの間にかそういうぐあいになっていて、これは田んぼが泣いているのではないか、何ていうか残念な思いがする。そういうところでもやはり開墾するというのは難しい、復活するのは難しいのか。


◯農林水産部長  現場の状況を把握できていないのでわからないが、ここ二、三年ぐらいのものであれば、もとに戻すのは十分可能かとは思う。


◯谷口委員  中山間地は50坪とか30坪とか非常に小さな田んぼで、これは難しいかと思うものがあるが、あそこは上から見ていても、土地改良した大きな田んぼである。それが何で農作物がつくられなくなったのか。これはやはり農業政策が悪いから、あるいはつくってもお金にならない減反政策などいろいろな国の政策によって、荒廃してきたのではないかと思う。例えば、今、個人の田んぼを持ちませんかとか、そういうことでやっている。都会から人を募集して、自分の土地を貸すから田んぼをしろ、あるいは野菜をつくれというシステムは、今福井県でもかなり出ているのか。


◯農林水産部長  新ふくい人という取り組みを今やっている。これは県を挙げてやっているところであるが、その中で、ふるさとワークステイという都会から一度福井県に来ていただいて、短期間住んでいただいて、その中で移住を決めていただくという取り組みも今やっている。8月末で168名の方に参加いただいており、昨年度はそうした方が10名移住したという実績がある。全体として、今、来ていただいた方に農地でいろんな体験をしていただくという取り組みをしているところである。


◯谷口委員  その168名の場所はどこか。


◯農林水産部長  これは坂井市、あわら市、福井市、大野市、勝山市、越前市、鯖江市、池田町、若狭町で、今実際にやっており、地域別には関東、関西、中京、そのほかから来ていただいているという状況である。


◯谷口委員  これは該当するかどうかわからないが、去年、綾部市へ行った。福井県の高浜の一滴文庫からずっと京都のほうへ行くと、県境からすぐ綾部市に入ったところにある町である。ここは20軒ぐらいの中山間地であるが、市が市営住宅をつくった。あそこはもともと京都や大阪、神戸など身近に大きな人口群があるので、募集をしたら集まってきた。ただ問題は、家族も全部集まるのだが、学校まで遠いとか、職業、仕事が見つからないという難点がやはり出てきている。
 今、福井県で168名がいろんな体験をしながら、土地を耕作してもらうというのは非常にありがたいと思っているが、例えば、その中山間地の町内を一つに集める、限界集落を集めて集落をつくるというようなことは非常に難しいのか。


◯総合政策部長  近年、人口減少や高齢化が進んでくることによって、集落道の維持管理が難しくなったり、祭りの継続もなかなかできていないということで、集落機能自体の維持がそういうところでは非常に厳しくなってきているという実態がある。今のように、集落間の連携や広域的なまとまりについての検討も必要になってきているのではないかと我々も思っている。しかし、市町が直接の担当にはなるけれども、それぞれの集落が持っている共有財産やそこへの愛着とかいろいろあって、集落同士が一緒になるというのはなかなか簡単ではないというようなことを聞いている。


◯谷口委員  今、限界集落、中山間地の話をしたが、だんだん高齢化が進むにつれて、都市型というか、東京など都会でもマンションで孤独死とか、隣近所のつき合いが全くないので、いつ死んだかわからないとか、そういう事案が物すごく多く出てきている。これは私が勝手に言っているのだが、もう限界町内ではないか。福井県でも小浜市、敦賀市、越前市など特に歴史のある市は、中心街が発展していたが、その中心街がだんだん歯抜けになってきてしまっている。
 福井市を例にとると、65歳以上の比率からいくと、順化地区が33%、宝永は34%である。みのりもそうだし、足羽、和田、それから中山間地では殿下が46%、高須、本郷、これらが30%を超えている。文殊もそうである。美山もそうである。
 だから、中山間地だけに目をとられていると、肝心な中心街がもう限界町内で、空き家でだれも住んでない。なぜかというと、昔は借地が多かった。だけど、新しい家を建てるのだったら、我々は郊外で建てると息子さんが言う。そして足羽地区もここらもそうだけど、じいちゃん、ばあちゃんが一人、65歳以上とか70歳、80歳の人が物すごく多い。そして亡くなったらそこは駐車場になるのが落ちである。
 昔だったら、向こう3軒両隣と我々が子供のときからいつも言われていた。隣の人と互いにコミュニケーションをとりながら、うちは田舎だから米は幾らでもあるからちょっとしょうゆを貸してくれとか、砂糖がないかとか、おすそわけというようなコミュニケーション、いい文化があったと思う。
 ところが、プライバシーの侵害や人権擁護、個人情報だとかいろんな形で、だんだん隣近所が疎外になってきた。そうすると、いつ死んだのかわからない。確かに私の地域でもそうだが、民生委員あるいは社会福祉協議会の方が元気かと訪ねていくと、逆にこれはプライバシーの侵害でいけないという。普通、隣近所で毎日おはようと言っていて、きょう出てこなかったのでおかしいということで、その隣の人がうまく伝えてくれればいいが、それを下手に言うとまた怒られるとか、そういうおかしな文化がだんだん定着しつつあるのではないか。私は昔から言う向こう3軒両隣、監視というのではないけれども、お互いにコミュニケーションを図りながらしたほうが──そういう惨めな孤独死があったとか、3カ月、4カ月も亡くなっても気がつかなかったとか、そういうぐあいになる。どこの市でもあると思う。駅周辺あるいは市街地が密集しているところはだんだん限界町内になってきている。
 そこらも、民生委員や社協の方にもある程度の権限を──権限という言い方は悪いが──義務を与えるとか、そういう方向性は法的にはできるのか。今、民生委員は人口によって何人と決まっているのか。


◯健康福祉部長  人口規模によって、世帯数ごとに、例えば福井市の人口であれば世帯数ごとに民生委員の基準がどれだけと、そういうことで決まっており、今現在、県内には1,800人となっている。


◯谷口委員  中山間地はもちろん大事であるが、身近な町内でもそういうことがこれから非常に多くなるという危惧がある。ぜひ、民生委員の方、あるいは県・市のOBとか、そういう方にもいろんな形でかかわっていただくことも必要ではないかと思うがどうか。


◯健康福祉部長  民生委員は住民に最も身近な支援者ということで、市町と連携しながら、高齢者の方、障害者の方、子育て、生活保護に関する相談などに対応をしている。現在、高齢者に関する相談支援が約半数以上を占めているというのが現状である。
 そういう中で、現在、高齢者の方の見守りについては、県内の全17市町において、緊急通報装置の貸与や給食サービスを通しての安否確認を行っているし、また一部の市では乳酸菌飲料の会社の協力を得て、配達の際に安否確認を実施しているという状況である。


◯谷口委員  いろいろと努力されていると思うが、この前、北海道の白老町で緊急通報や相談などを簡単なボタンを押して伝えるようなシステム化をした。
 前は元気だったら玄関に黄色い旗を出すという話もあったが、朝出して昼倒れて、次の日も出ていたから大丈夫だろうと言っていたら亡くなっていたという、そういう不幸なことがあったので、それはやはりだめである。
 それより、今言った向こう三軒両隣ではないけれども、隣あるいは民生委員がどんどん行って、おかしかったら入ってもいいという権限というか、それぐらいの努力をしてもいいと伝えてもいいのではないか。それぐらいの権限を与えてもいいのではないかとは思うが、余り言うと怒られるとか、何で入ってきたのだというようなことになるので、遠慮されている方もかなりいるみたいなので、行政のほうである程度のこと、ここぐらいまではいいという打ち出し方は何かしていないのか。


◯健康福祉部長  今、委員が言われるように、地域で暮らす高齢者の方の見守りや支援を行うためには、そういった人の情報を把握することが必要となる。しかしながら、近年はそういう他人の関与を拒否する方、また個人情報ということで入手が困難になっているということが現実問題としてある。
 そういう中で、今回、全国的に高齢者の不在の問題が顕在化したということもあって、県では9月8日に市町の高齢者福祉担当課長会議を開催し、各市町に対して、それぞれの住民の情報担当部局と十分協議をした上で、民生委員が地域での見守り活動を行いやすくなるよう必要な情報を提供し、それぞれの市町で適切な対応をとるようにお願いをしているところである。


◯谷口委員  これは、本当に早急にもう一回洗い直しというか、見直しをしてもらって、先ほど言ったように、むかしから言う向こう三軒両隣、心の通う隣近所のつき合いを啓蒙、促進してもらいたい。
 最後に一つ。戦争に負けても国は滅びない、魂を失った国は必ず滅びるというふうに我々は聞かされている。どうか、教育のほうでも日本の魂を失わないようにお願いする。

                              〜以  上〜


◯山岸委員長  以上で、谷口委員の質疑は終了した。

        「西川知事の政治姿勢について」        屋敷 勇 委員


◯屋敷委員  自民党県政会の屋敷勇である。
 去る17日、管改造内閣が発足した。管首相は有言実行内閣を強調し、円高そしてデフレへの緊急経済対策を初めとして、総裁選でおくれていた内外の諸課題に取り組む意欲を示した。とりわけ地方の再生に果断な政策を進めることは欠かせない。私は、今県議会で西川知事の政治姿勢や県民の将来ビジョンの策定、雇用対策など数点について質問と提言をさせてもらう。知事、理事者の明快な答弁を期待して質問に入る。
 まず知事の政治姿勢について伺う。
 知事は、来年3月で2期8年となる。1期目、2期目で福井元気宣言、そして福井新元気宣言のマニフェスト政治を掲げて取り組んできた。県民にわかり安い数値目標を掲げ、4年ごとの達成状況を明らかにして、それなりに評価はされた。3期目のステージへ進むのかまだ態度を明らかにしていないが、今後10年程度を見据えた本県の将来像や政策の指針として策定を進めている福井県民の将来ビジョンを12月議会までにまとめ上げ、正式に提示する方針を示している。この将来ビジョンは、知事が3期目に意欲を示していることにつながり、12月の県議会での発表にあわせて、知事は3期目への出馬を明確に意思表示されると推測する。
 このように、知事は自身のマニフェスト政治を進めている中で、将来ビジョンの策定に取り組んでいるわけであるが、策定されている将来ビジョンは知事のマニフェストとどのような関係になるのか、所見を伺う。


◯知  事  政治姿勢の中で、将来ビジョンと現在のマニフェストとのあり方の関係であるが、マニフェストはもう十分御存じだと思うが、選挙の際に住民から負託を受けた具体的な目標や政策について、知事の立場で4年間に責任をもって実行し、成果を出すタイプのものである。
 一方、今回の将来ビジョンであるが、福井県の今後のほぼ10年を見通して、多くの県民や議員の皆さんとの議論を通して、県民、企業、団体、我々行政が考え方を共用しながら行動するための大きな方向性や将来像を示すものであり、その性質もいささか異なる部分がある。
 目標の具体化の程度、書き方の濃密さ、期間は異なるわけである。しかし、どちらも将来に向かっての県民の生活の質の向上を目指すという点については共通していると考えている。

        「県民の将来ビジョンの策定について」


◯屋敷委員  それでは、将来ビジョンの内容についてお聞きする。
 将来ビジョンの素案を読むと、性格は県民、さまざまな団体、県・市町共通の行動指針と位置づけ、目標は新しいふるさとの創造に設定、県民の五つのビジョンとして「人が活きる」、「つながりを活かす」、「成長を産み出す」、「環境を創る」、「交流を広げる」を掲げ、県の役割と責任は、地方自立の時代としている。これを実現するための主要戦略24項目を挙げている。主要戦略とあわせて主要プロジェクトを掲げているが、大まかなもので、その内容はさらに検討する必要があるものと考える。
 私が将来的な戦略として最も気にしなければならないと考えるのは、人口減少と高齢化が福井県の10年後の姿にどう影響していくのかということである。
 人口が減れば市場を縮小させ企業場活動も停滞し、その結果、地方税源も縮小し税収も減収する。自治体の財政基盤の悪化を招く。こうしたマイナス面にも目を向け、どう克服していくのか説得できる施策が盛り込まれているのか、現段階では明らかでないと思う。負の連鎖を断ち切るには、地方税、財政制度の改革、そして自治体行政の効率化とともに、人口の減少を食いとめるための地域力の強化が求められる。総花的な施策が並べられているが、県民が納得できるようなインパクトが足りないように思う。
 人口減少を食いとめるための手だてをどのように考え、進めていこうとしているのかを明確にすることが必要であると考えるが、所見を伺う。


◯知  事  指摘のように人口減少が大きな課題であり、そういうことによって福井県の地域の活力低下に結びつくことになりかねないわけである。
 そうすると、新しい戦略の方向としては、結婚や子育てといった課題や人の誘致、企業誘致ということもあるし、人口減少の中でも地域の活力を保って発展していく社会の実現というのが重要である。
 江戸時代にも17世紀は人口が非常にふえたが、18世紀の100年間は人口が突如としてというか、災害もあって減った時代だが、その中でも18世紀というのはいろんな工夫をして、そんなことを意識していたかどうかわからないが、さまざまな問題を解決してきたという歴史があるように思う。
 そこで、企業誘致や産業振興により若者の雇用を確保したり、結婚、子育て支援を通して少子化対策を実施することはもちろん重要であるし、そのほか港湾、高速交通網の整備、観光、交流人口の増加ということが重要である。
 それから、人口のとらえ方を見直すことも一つの考えであり、例えば75歳、女性の場合は80歳ぐらいかもしれないが、元気な方が多いわけであるので、「社会貢献層」ということで、新しいそういう社会の中でさらに活躍してもらう県民合意をつくっていくこともビジョンの一つの柱になるのではないかと、そういう皆さんの御意見をまとめようとしている。

        「行財政問題について」


◯屋敷委員  今、知事も言われたけれども、私は少子高齢化の対策が人口減少を防いでいく一番かなめだろうと思う。これも具体的な施策が必要だと思う。
 それで、行財政問題について伺うが、国が今月10日に公表した政府月例経済報告によると、景気は引き続き持ち直しているが、このところ環境の厳しさが増しているとのことである。海外景気の下振れの懸念や円高、あるいは株価安など景気の下向きへのリスクが強まっている現況を踏まえた分析である。同じく、16日に公表された4月から6月までの実質GDPは年率換算で0.4%増と、伸び率は前四半期の4.4%より縮小し、経済状況が依然として厳しいと示している。県内経済も繊維、一般機械、眼鏡など県内企業の多くを占める地場産業の鉱工業生産指数は低水準に留まっており、消費の現況も7月の大型小売店販売額が前年同月より7.4%減と、1年10カ月間連続で前年を下回る状況にある。今年度も半年が経過したが、現時点での今年度の県税収入の見込みはどうか伺う。


◯総務部長  県税収入であるが、今年度の当初予算では805億円を計上している。これは、前年度比マイナス11.2%という減額幅で見込みを立てているわけである。
 それで、直近の状況がどうかということであるが、8月末の時点での現年課税の調定の状況を見ると、法人2税や地方消費税に若干持ち直しの動きが出てきている部分がある。
 そういったものを見ると、前年同月比でマイナス幅が若干縮まり、マイナス6%ぐらいの状況になっている。
 今後、円高の影響であるとか、自動車の新車購入の補助がなくなった影響とか、そういったものでなかなか楽観はできない状況にあろうかと思うが、現状で申し上げると、当初予算で計上した805億円という数字は、何とか確保していけるのではないかと考えている。


◯屋敷委員  さて、県では現行の行財政改革プランを見直して、来年6月に向けて新たなプランを作成して、行財政改革に取り組むとのことである。先月には行財政改革推進懇談会を開催し、現在のプランの進行状況が説明され、財政悪化を招かないようなプラン作成が必要との認識が示されたものと聞いている。
 財政状況に関しては、財政健全化法に基づいて、平成21年度決算の財政の健全度をはかる四つの指標が公表された。本県はいずれも早期健全化基準を下回っており、まずは一安心できる指標である。
 しかし、これまでの経済対策など県の財政出動は活発に行われており、もちろんこれらの対応は経済危機対策として必要不可欠なものであったと考えているが、一方で健全財政の維持という面での影響も気になるところである。
 県債残高については今年度末見込みで約8,800億円と、昨年度末から250億円余り増加している。ここ数年は毎年200億円程度増加している現状である。一方、一般財源として活用可能な基金の残高は減少している傾向にある。
 このように、基金残高が減少の一途をたどる一方、県債残高は右肩上がりで増大している。これまでも行革を実施してきたにもかかわらず、こうした状況になっていることについて、その要因をどのように考えているか伺う。


◯総務部長  財政状況が行革努力にもかかわらず厳しいという指摘であるが、幾つかの外在的な要因があろうかと思う。
 一つは、歳出の伸びの要因で申し上げると、毎年恒常的に社会保障費──これは少子高齢化の影響が一番大であるが──それがコンスタントに伸び続けているということである。年度ごとにでこぼこがあるが、毎年20億円ずつぐらい社会保障費はふえてきているというのが現状である。
 それから一方で、これも案内のとおり三位一体改革で交付税が減ったわけであるが、その後大きく回復することなく一般財源が不足する状況が続いているということが二つ目。
 それから、県債残高の増加の大きな要因としては、これも案内のとおり臨時財政対策債の問題がある。特に近年の景気の大幅な悪化に伴い、国税収入等の大幅な減少等により臨時財政対策債の増加というのが出てきているといった要因が大きく響いていようかと思う。
 ただ、県のこれまでの行革努力が全く効果がなかったかというとそういうわけでもなくて、例えば基金についても確かに減っているわけではあるが、当初行革プランで考えていた基金残高を大きく上回るかたちで、恐らく平成22年度末は確保できる見込みであるし、県債残高についても先ほどの臨時財政対策債を除いた通常分の県債残高で申し上げると、何とか減らすかたちにはなってきている。


◯屋敷委員  この8,800億円の県債残高には、その全額が後に交付税措置される臨時財政対策債が含まれているとはいえ、今後の財政健全化のためには県債残高の抑制が大きな課題と考えるが、県ではどのように対応していくのか伺う。


◯総務部長  県債残高の問題は二つに分けて考えなければいけないかと思う。
 一つは、通常の県債である。これを抑制するためにはどうするか端的に申し上げると、公共事業や施設整備といった投資的経費を重点化していかざるを得ないわけである。あるいは、事業を実施するに当たってのコスト縮減を図っていくことにならざるを得ないわけである。一方で、今ほど質問の中にもあった景気対策、経済対策という意味合いというのも見ていかなければならない。そういう問題があろうかと思う。
 それから、もう一つの臨時財政対策債の問題については、これはやはり県の努力だけではいかんともしがたい部分が相当程度ある。これの根本的解決は、やはり交付税率の引き上げ等による恒久的な一般財源確保を図っていくことしかないわけであり、そういった取り組みを全国レベル、他の都道府県ともよく連携して取り組むということになろうかと思う。


◯屋敷委員  県は資金調達の多様化、安定化を図るために、昨年度から市場公募債を発行しているが、その規模は昨年度100億円、今年度は300億円を予定しているとのことである。この県債の借り方について、市場公募債の場合には償還方法が満期時に一括償還する方式であるために、毎年定額を償還していく元金均等償還方式の県債に比べて、県債残高が減少していかないことになる。市場公募債と元金均等償還方式をとる通常の県債とのバランスをどう考えるのか伺う。


◯総務部長  公募債の質問であるが、これは今指摘もあった公募債の発行条件、これは市場で商品として流通しなければ意味がないので、やはりどうしても満期一括償還というかたちにならざるを得ないわけである。これも指摘の中にもあったように、見かけの上では満期を迎えるまでは、その分の県債残高は減っていかないということになるわけである。
 ただ、財政上は毎年度償還する分、償還費見合いの部分について県債管理基金に積み立てを行っているので、財政上、今年度一気に償還費の負担が出てくるということは生じないわけである。見かけの県債残高は減らないということであるので、県債残高の議論をする場合の公募債の残高の取扱をどう整理するのかというのは、これからの課題だろうと思っている。
 それで、公募債と元金均等償還方式の起債の割合、比率をどう考えるかということであるが、特に明確な基準があるわけではないが、他県で同じように公募債を発行している団体の状況を見ると、全体の起債発行額の大体3割前後をこういう公募債で賄っているという例があるようで、本県も今年度300億円を公募債で賄うことにしているが、おおよそ3割程度というかたちでやっている。


◯屋敷委員  さて、安定した財政運営には資金の確保が不可欠であることは言うまでもないが、財政運営の規律とは「入るを量りて出ずるを制す」が原点である。例えば県債発行を抑制すれば、その分を一般財源で賄う必要がある。基金の取り崩しがふえる、すなわち基金残高が減るということになり、県債残高と基金残高の関係は、一方を重視すれば一方が悪化するという関係にあるわけである。安定した財政のために、基金をどの程度確保することが必要と考えているのか、部長の見解をお聞きする。


◯総務部長  指摘のとおり基金残高の確保の問題と、それから県債発行の問題というのは裏腹の関係にあるわけである。将来負担を考えると、県債の発行はできるだけ抑制すべきであるという議論になるわけであるが、一方で毎年度の予算を組んでいく、あるいは不測の事態が生じたときに対応できるようにしておくためには、手元に基金というかたちでキャッシュを何がしか持っておく必要が当然あるわけである。そこの兼ね合いが非常に難しいところである。
 これまでの行革プランの考え方で申し上げると、財政健全化法において、単年度の赤字が標準財政規模の5%を超えると財政再生団体になるという基準がある。標準財政規模の5%というのは、福井県で申し上げると100億円ちょっとになるわけで、大体それぐらいの基金を常に持っておけば何か不測の事態が生じたときにでも、そういった再生団体等に陥ることは恐らくないだろうという前提で、今行革プラン上の目標を立てている。こういった考え方をこれからも持ちながら財政運営をやっていくことになろうかと思っている。


◯屋敷委員  厳しい経済状況の中、財政規律と景気収益の両面で財政運営の戦略が求められると思う。理事者には、ぜひともこうした戦略をもって財政運営に当たり、また新しい行財政改革プランにもその趣旨を反映するよう求めるものである。
 さて、国においては、国の財政再建が優先され、新政権発足時の地域主権改革の意欲が薄れてきた感がある。概算要求では、子ども手当に地方負担が残るかたちが維持され、一括交付金化についても具体像が見えず、総額削減の手段とされる恐れもある。こうした国の動きに対して、県としてはどのように対応しているのか伺う。


◯知  事  地域主権改革であるが、現在自治体がさまざま努力をしており、地域主権改革、地方分権改革はスピード感を持って取り組んでもらう必要がある。
 例に挙げられた子ども手当であるが、これは国のマニフェストにかかわるもので、今のような地方負担があってはならないことであり、これを解消し全額を国費で対応すべきものと考えている。また一括交付金であるが、自由度が拡大することはいいことであるが、国の財政再建のために総額が削減されるということになると、これは名をとって実を失うということである。
 こうしたことをこれからの予算編成の中で十分注意して、国にも要請しなければならないので、全国知事会等と連携して財政負担が地方に転嫁されないように監視していきたいと考える。

        「北陸新幹線について」


◯屋敷委員  知事の言うようにスピード感をもって対応してもらいたいと思う。
 次に、北陸新幹線の県内延伸について伺う。
 政府は、ことしの夏までに方針を決めると言いながら、ずるずると結論を先延ばししている。整備三線の中でも最優位でありながら、30数年にわたって煮え湯を飲まされてきたことに、国の政治と行政のいいかげんさに何をかいわんやの心境である。年末の予算編成には、敦賀までの認可、着工方針を明確にさせるべきである。
 本県には、与党の民主党国会議員4名と野党の自民党国会議員5名、あわせて9名も国会議員がいるわけであり、怒りをもって政府に強力に要請すべきである。万が一、政府が年末に煮え湯を飲ますような結果を示したら、どう対応するのか。強い姿勢で要請することが大事だと思うが、見解をお聞かせ願いたいと思う。


◯知  事  北陸新幹線であるが、これは「もんじゅ」運転再開時に県議会で全会一致で意見書が可決されたが、本県の国のエネルギー政策への大きな貢献を踏まえ、政府全体として地域振興に努力するという約束について、しっかりとした答えを出してもらいたいとの考えで臨みたいと思う。
 新幹線は、政治情勢にかかわらず本当に必要な社会資本として、国が国土計画上スピードをもって判断し、まず敦賀までの整備を優先することが合理的な判断だと思っており、責任をもって決める事項でもあると思う。
 これまでの経緯などから、敦賀までの認可について国として答えを出すべき時期であり、北陸新幹線、福井の新幹線については、政府の早急な判断にかかっているということを政府においてよく認識してもらうことが大事であり、年末を待つことなく決定されるように、改めて県民の熱意やその意味を伝えていくことが重要だと思う。


◯屋敷委員  知事は6日の記者会見で、今後は「もんじゅ」の安全性と地域振興策を協議する文部科学、経済産業の両大臣との三者協議での要望を視野にして、今年度予算に盛り込まれるよう働きかけると言っている。内閣改造で高木義明文部科学大臣、大畠章宏経済産業大臣が新任されたが、早急に三者会談をセットすべきである。ぜひ、先延ばしされないようにしてもらいたい。
 この内閣改造で、国土交通大臣には、前に副大臣を務めておられた馬淵澄夫氏が起用されたが、前任の前原大臣の慎重路線を転換し、真に必要な社会資本として北陸新幹線の県内認可と着工を強く要請すべきであると思う。
 今後の新幹線の認可について、改めて知事の決意を伺う。


◯知  事  基本的な考えについては申し述べたところであり、既に関係の皆様にも大体お伝えしているけれども、さらにしかるべき意味を皆さんにわかってもらう必要があるから、また議会の皆さんと力をあわせてその意味を伝え実現が図られるようにしたいと思う。

        「中部縦貫自動車道について」


◯屋敷委員  中部縦貫自動車道路の早期開通についてお聞きする。
 中部縦貫自動車道は、本年度予算が80億6,700万円と前年度を上回る事業費がつき、大きく前進していることは評価する。
 永平寺大野道路は、2016年度までに開通することを強く働きかけているが、ぜひとも確実な開通を実現してほしい。
 大野油坂道路については、大野東・和泉間において地質調査や橋梁と道路の予備設計が進められているが、本着工の予算は来年度に確保できる見通しであるのか。油坂まで全通するにはかなり先のことになるが、着工して何年ぐらいで完成できるのか。平成30年の福井国体もあり、早期の整備を強く要請すべきである。
 福井県は道路などの社会資本整備に関して、石川県や富山県に比べて立ちおくれているが、政治力の欠如か、あるいは戦略の弱さか、原発関連の税の見返りで満足することなく、社会資本整備に国の資金投入をすべきではないか。これについてお尋ねし、あわせて中部縦貫自動車の早期整備に向けての知事の戦略を伺う。


◯知  事  中部縦貫自動車道であるが、国土交通省の概算要求においても、我々が全国知事会の「地方の社会資本整備プロジェクトチーム」等で訴えてきた国土のミッシングリンクの解消が打ち出され、これからも国の責任において着実に推進されるよう働きかける必要がある。
 まず、勝山・大野間を2年後の1日でも早い状況で開通させるために、最大限の事業費を早急に確保することが当面の課題である。
 それから、これにとどまることなく福井から大野までについて、平成28年度までの早期全線開通を目指していく必要がある。
 そして、さらに大野油坂道路の大野東・和泉間の早期工事着手、今いろんな調査なども検討されているが着手、それから未事業区間の早期事業化、こうした段階を並行してとっていくと思っている。

        「原子力行政」


◯屋敷委員  中部縦貫自動車道の早期整備に対して尽力をお願いする次第であるが、次に原子力行政について伺う。
 「もんじゅ」は5月に15年ぶりの試験運転に成功したが、先月末には重さ3トンの装置が炉心近くに落下するトラブルが起きた。幸い、原子炉は停止中で事故には至らなかったが、まだ復旧のめどは立っていないようである。来春から始まる第2段階の試験運転に影響はないのか心配される。
 知事も、原子炉容器内での事案であり極めて遺憾であり、次の段階への影響がないか確認することが重要と指摘している。現在の復旧状況はどうなっているのか伺う。


◯安全環境部長  「もんじゅ」のトラブルについては、これまでの調査で、落下した炉内中継装置を吊り上げるグリッパ、つかみ器具の部品が正規の位置から90度回転したためグリッパのつめが正常に作動せず、途中で落下したと推定される。
 現在、原子力機構は、原子炉容器内から炉内中継装置を吊り上げて、別の補修点検建屋内で詳細に調査する準備を進めている。そのため、グリッパの部品の回転防止策を実施し機能の確認を行っているところである。
 今後、原子力機構は、国の確認を受けながらグリッパの部品が回転した詳細な原因調査や原子炉容器内の点検を行い、今回のトラブルの影響等について評価することとしている。
 県としては、原因究明や再発防止策、さらにはトラブルの影響など、今後の工程を早期に明らかにするよう国及び原子力機構に求めていくこととしている。


◯屋敷委員  来春から出力を40%に上げて、第2段階の試験運転を予定している。再発防止策の策定や他の機器、設備、原子炉への影響の確認が前提になるようであるが、長期間先送りされる可能性があるのではないか。国策として進めている「もんじゅ」なのに、どうしてトラブルが続発するのか。長期間休止していたことによる機器、設備や技術者の未熟さなど、根本的な問題がクリアされているのか。プラントの安全性をいま一度厳しく確認すべきと考えるが所見を伺う。


◯知  事  「もんじゅ」の今回のトラブルであるが、発生したその日、深夜にわたっていたが、文部科学省原子力課長及び原子力機構敦賀本部長に対し来庁を求め、直接その状況を聞き、そして県の考え方を申し述べたところである。
 9月6日には県の「もんじゅ総合対策会議」を開き、原因究明や再発防止対策を講じていくことや、県民に対しわかり安く丁寧な説明をするよう要請しているところである。
 いずれにしても、この原因究明や再発防止策、トラブルの影響など、今後の工程も含め、国民や県民に明瞭に示す時期であるので、こうしたことを求めていきたいと思う。
 さらに県としては、今回のトラブルの調査状況、対策等はもとより、今度の40%出力プラント確認試験で使用される水・蒸気系設備等の安全性について、県原子力安全専門委員会などの審議を通じ、厳正に確認していきたいと考える。


◯屋敷委員  日本原子力発電敦賀1号機の40年運転に続いて、ことし11月に運転開始後40年目を迎える関西電力美浜1号機については、40年を超えて運転を継続する方針を示している。県内にはさらに40年超運転の原子力発電所がこれから続々と出てくる。
 知事は、運転開始から40年以上の高経年化した原子炉の寿命について、国が運転終了時期のめどを示すべきとの考えを明らかにしているが、なし崩し的に本県の原子力発電所が40年超運転を続けることは、県民の不安を増幅させることが懸念される。国は、運転終了の時期を明確に示す考えはあるのか、また、こうした検討を進めているのか状況を伺う。


◯知  事  現行の国の制度では、事業者は10年ごとに高経年化にかかる技術評価と長期保守管理方針をつくり、国の認可を受けて、その後10年の運転を継続するというやり方になっており、運転期間の制限は制度として設けられていない状況である。
 運転期間については、個々の発電所で運転実績や高経年化の程度、事故の履歴などに違いがあるが、国として一定の基準を設けることも必要ではないかと考える。このような考え方を、今後の国の原子力政策に生かすよう、今回、先般の原子力委員会の「意見を聴く会」において意見として述べたところである。これからも、国に対して、このような考え方を積極的に提示していきたいと考える。


◯屋敷委員  敦賀1号機は3月に40年超運転に入っており、2016年まで運転を継続するが、中間の2013年3月までに日本原電に安全確認を求めている。美浜1号機についても、40年超の運転を認めるのならば同様に「中間安全確認」を求めていくべきであるが、所見を伺う。
 あわせて、関西電力は美浜1号機を将来的に廃炉とし、敷地周辺に4機目の大型炉を増設するリプレースの可能性について検討する方針を明らかにしている。
 高経年原子力発電所が県内に多数あり、こうした置きかえの検討が今後も進められると考える。リプレースに対して、国と本県の将来の原子力発電政策に明確な方針を示す必要があると考えるが所見を伺う。


◯知  事  まず、美浜1号機の40年を超える運転を認めるとするなら、敦賀1号機と同様に中間の安全確認を求めるべきではないかということであるが、我が国で最初に運転開始40年を迎えた敦賀1号機の運転延長について、県は国に対し「中間安全確認」の実施を特別に提案し、県民の不安解消に努めたのである。
 次に美浜1号機であるが、関西電力が示した運転方針を県として認めるかどうかについては今後判断する必要があるが、仮に40年を超える運転を認める場合には、同様に「中間安全確認」の実施を求めていく必要があると考える。
 高経年化問題は、今後、全国各地の発電所で順次発生する問題であるため、国みずからがこの「中間安全確認」的なものを国の安全規制制度にしっかり組み入れていく必要があるのではないかと考える。
 次に、リプレース、置きかえに対して、国と本県の将来の原子力発電政策に明確な方針を示す必要があるのではないかという質問であるが、高経年化した原子力発電所をいつまで運転するのか、また、これにかわる新しいプラントをどうするのかについては、事柄の性質上まずは事業者みずからが安全確保を最優先に、個々のプラントごとに電力の安定供給や運転コスト、温暖化対策等の影響を含め総合的に経営判断をすべき事項であると考える。
 事業者が判断を示す前に、立地自治体のほうからこれについて意見を述べることは適当ではないと考える。
 県としては、事業者の判断に対し意見を加える立場であり、県議会や立地市町の意見も聞きながら、安全確保を第一に慎重な対応をしていく必要があると考える。

        「福井駅西口再開発について」


◯屋敷委員  次に、福井駅西口再開発についてお聞きする。
 計画中のJR福井駅西口再開発ビルに入居させる県施設について、知事は自民党県政会田中議員の代表質問に対して、9月議会中に施設案の決定を目指す考えを示した。サイエンスプラザなど三つの施設内容の案について、恒常的な維持費がかかることや誘致するNHK福井放送局の4階という条件の悪さ、にぎわい創出性の疑問など、さまざまな意見がある。
 さらに議論を深める必要があるが、17日の総務教育常任委員会の審議では、県は提案があった3D映像が投影できるプラネタリウム施設や、恐竜骨格を展示する2案を受け入れる方針を示した。ふるさと文学館は撤回された。
 福井市や地権者でつくる準備組合は早期の事業計画を目指しており、時間的な制約もあり早期に詰めなければならないとのことである。福井の顔となる再開発ビルであり、中心市街地の活性化の核として発展できるよう期待が高まっている。
 県の負担は床収得費10億円、施設整備に数億円と失敗は許されない。知事はにぎわいの創出に自信があるのか。県都の福井駅前で人の流れは多いが、呼び込むだけの魅力ある施設になるのかどうか。施設が決定した後、NHK福井放送局との建設合意などを取りつけて、公共公益ビルと分譲マンションや大型専門店などが入る商業ビルの建設など、完成できるのに何年かかるのか。また、それに伴う駅西口の整備や道路などすべてが処理されるのはいつのことになるのか。気がかりな点はさまざまあるが、駅前一番の商店街なども一体となって、人の流れを誘うような魅力を持たせるべきであり、幾ら再開発ビルだけが立派になっても相乗効果が出てこない。現状の駅前通り、元町商店街、新栄商店街など、てこ入れしていても空き家が目立つ現状だけに、民間と一体となって進めることが欠かせない。
 つまり、再開発ビルだけでなく、駅西地区全体で民間と一体となってにぎわいの創出を考えていくべきであるが、こうした駅西地区全体のにぎわいづくりのあり方について所見を伺う。
 私は、駅西地区全体のにぎわいづくりと発展のためには、福井駅西口再開発に早期に対応することが必要と思っているものである。所見を伺う。


◯知  事  福井駅西口の再開発について、駅西地区全体で民間と一体となって、にぎわい創出を考えていくべきではないか、その方法はどうするのかということかと思う。
 西口再開発については、委員会でもさまざま議論を進めてもらっているところであるが、いずれにしてもサイエンスやバイオといった課題の中で、スペースサイエンスというのか、あるいは恐竜といったものをその中でどのように生かし盛り込めるのかということを、これから具体的に設計などにおいても考えていく必要があると思う。
 再開発ビルについては、市施設や商業施設を初め各施設が連携し、ビル全体として人の流れをつくるなど集客面での工夫をしていく必要があると思う。そして、このビルにおける事業の中身をそうした方向で十分検討し、実現する必要があると思う。
 また、再開発ビルだけでにぎわいを100%つくろうとすると無理がかかると思う。再開発を機会として新たな人の流れを駅西地区全体のにぎわいづくりに生かせるように、これは駅前全体の商店街、百貨店やさまざまな駅東西との連携がいると思う。
 さらに、この事業はこれで終わるのではなくて、これから福井の中心市街地の出発点というのか、そういうような意味もまたあるかもしれないと思っている。

        「観光振興について」


◯屋敷委員  観光振興に入りたいと思う。
 福井県の観光は、東尋坊、永平寺、あわら温泉、越前海岸、一乗谷朝倉氏遺跡、恐竜博物館、三方五湖、小浜など多様な観光資源を利用し観光客の増加に努力しているが、経済状況の厳しさや趣向の変化など、いろいろな要因から爆発的な人気は見られない。そんな中で、恐竜博物館、朝倉氏遺跡、小浜などは頑張っており健闘しているところである。
 6月末からの舞鶴若狭自動車道の無料化にあわせたイベントで夏の観光客がふえたほか、福井、石川県境サミットで合意された県境地域による広域観光推進協議会の設立、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」が来年1月から放映される。江は浅井長政の妻であり、織田信長の妹であるお市の三女で本県にゆかりがある。江関連の誘客対策を積極的に行うことを期待している。
 ところで、あわら温泉は年々宿泊客が落ち込んでいる。県外資本が既に既存の温泉旅館を買収して、安い料金で泊まり客を送り込んでいる。石川県の各温泉もあわら温泉以上に県外資本が入っており、こうした旅館は宿泊客がふえているようであるが、全体では軒並み落ち込んでいる。各温泉の自助努力が欠かせないが、看板のあわら温泉がさびれていくのは残念である。組合なども芸妓養成など知恵を絞っているが、県として、あわら温泉の宿泊客回復に向けて支援の考えはどうなのか伺う。


◯知  事  あわら温泉であるが、本県随一の温泉であり大事な観光地である。県では観光客が温泉街のまち歩きを楽しめるように、あわら湯のまち駅前における藤野厳九郎先生の旧宅の移設や芸妓体験ができる施設の整備などに1億円の支援、事業費としては1億5,000万円の事業になると思うが、平成23年度内の完成の予定である。
 また、あわら温泉に宿泊した方々が三国、奥越などの観光地にも周遊できるように、地元と交通事業者と協力して、観光施設の共通入場券や鉄道、バスの共通切符の発行を進めている。
 さらに今月には、石川県との県境の協議を行い、関係市町、団体に全員出席していただき協議会を設立し、地域内を転泊、複数宿泊する旅行商品による誘客、地元の食材を使った料理の提供による魅力アップに取り組むこととしている。
 こうしたさまざまな活動を通して、あわら温泉の宿泊者増を図っていきたいと考えているが、これもあわら温泉自体が頑張っていただかないと話にならないので、そういう考えでいきたいと思う。


◯屋敷委員  それはもう言われるとおり、あわら温泉自体が頑張らないといけない。そうだろうと思う。
 恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡は本県の目玉観光資源として人気が高まってきているが、特に朝倉氏遺跡をメインとしたNHK大河ドラマを誘致しようと、地元の保存協会が署名活動に取り組んでいる。こうした取り組みに対しては、福井市と連携して行政の支援も必要ではないかと考えるが、これに対しての考えを聞かせてほしいと思う。
 あわせて、石川県、岐阜県、滋賀県、京都府などの観光地と連携した観光コースをもっと売り出してもらうことが観光客増加につながると思う。旅行業者に積極的にアピールしてほしいと思うが所見を伺う。


◯知  事  まず、大河ドラマであるが、さまざま署名活動をしていただいている皆さんもいるわけである。福井を舞台とした大河ドラマについては、本県には戦国時代、幕末などの素材に可能性があると思うわけである。しかし、大河ドラマの実現には、すぐれた原作というかライターの存在が重要なポイントであると関係者から伺っており、このため、松平春嶽公の著作の現代語訳や古文書などの関係資料を作家──これは植松三十里さんなどであるが──や出版社に提供しており、近く本県を舞台とする小説を執筆されると聞いている。
 また、大河ドラマのプロデューサーや脚本家に対し、福井を舞台にした大河ドラマの実現に向けて強く協力を要請している。
 一方、全国各地で誘致活動が行われているが、本県においても地域の盛り上がりが大河ドラマの実現の力になると考えており、例えば地元福井市と協力しながら、誘致活動を応援していきたいと考える。


◯観光営業部長  石川県等との広域連携の話であるが、県では滞在型の周遊観光により観光消費額の拡大を図るために、他府県と連携して広域的な観光誘客を進めている。
 具体的に、石川県、岐阜県とは、平泉寺や白川郷など白山周辺の観光地をめぐる旅行コースをPRし、今年度はその日帰りツアーという形で実現しているが、今後は、例えば高山のほうから訪れる観光客を呼び込めるような、そして宿泊を伴ってもらうようなツアーの実施を強く働きかけていきたいと思う。
 また、来月には、石川県と設立する広域観光推進協議会において、あわら温泉、加賀温泉のネームバリューをお互いに生かしながら、首都圏からの誘客を増大するような取り組みを進めていきたいと思っている。
 さらに、滋賀県、京都府とは、それぞれ滋賀県とは江ゆかりの長浜であるとか、京都は天橋立や舞鶴といった観光地を訪れる観光客を呼び込めるように、それぞれの県と連携しながら売り込みを図っていきたいと思う。
 いずれにしても、こうした他県と連携した活動に加え、本県独自でも他県の観光地も組み合わせた旅行コースをPRしながら、全体としての観光誘客のパイをふやし誘客を図っていく取り組みを進めていきたいと考えている。


◯屋敷委員  他県あるいはその地域と連携を密にして促進するという部長の答弁であるが、ぜひそのように進めてもらいたいと思う。
 本県の目玉観光資源として一つ提案がある。大安禅寺についてである。大安禅寺は第四代の福井藩主松平光通公が建立し、松平氏歴代の菩提所として名高い寺である。本堂などの伽藍は建設当時の面影を残しており、国指定の重要文化財にもなっている。山間にたたずむその様子は、私もそこに参ると凛とした気持ちになるものである。観光資源としては、朝倉氏遺跡にも匹敵するものであると考えている。福井の主要な観光資源の一つとして大安禅寺を本県観光にさらに積極的に活用していくべきと考えるが、これに対しての所見を伺う。


◯観光営業部長  大安禅寺は、江戸初期に創建され、今話があったように松平家の墓所であるとか花菖蒲園等があり、年間約3万8,000人の観光客が訪れるスポットとなっている。
 その観光に関して、県も参画している福井坂井奥越広域観光圏では、大安禅寺を初め、永平寺、恐竜博物館等の名所旧跡、観光施設等24カ所の入場券をセットにした割安な共通入場券を来月から売り出すこととしている。
 また、福井駅発着の観光タクシーにも大安禅寺に立ち寄るコースがある。首都圏からの団体ツアーにも組み込まれているなど、観光コースの中の一つのスポットとして位置づけられてきている。
 県内には、大安禅寺のほかにも、例えば近隣には瑞源寺や瀧谷寺とういうふうな歴史ある寺院もあるので、これらのお寺をめぐるようなコースも旅行会社に提案していって、観光客が増加するよう売り込みを行っていきたいと考えている。


◯屋敷委員  大安禅寺は戦災、震災にあわずに建物が残っているということも利点だと思うが、今の部長の答弁のとおり、より積極的にこれらの観光が推進されるような対応を強く要請して、私の質問を終わらせてもらう。

                              〜以  上〜


◯山岸委員長  以上で、屋敷委員の質疑は終了した。
 以上で、本日の日程は終了した。
 明30日は午前10時より委員会を開催する。
 本日は、これで予算特別委員会を散会する。

                              〜以  上〜

                   予算特別委員会
                     委員長  山 岸 猛 夫