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石川県 金沢市

平成19年  3月 5常任委員会連合審査会 日程単位




平成19年  3月 5常任委員会連合審査会 − 03月19日−01号










平成19年  3月 5常任委員会連合審査会



          5常任委員会連合審査会記録

1.日時     平成19年3月19日(月)

2.開議時間   開会 午前10時32分〜閉会 午後4時10分

         休憩 午前11時48分〜午後1時2分

         休憩 午後2時18分〜午後2時37分

3.場所     全員協議会室

4.出席委員(40名)

       総務常任委員会

         浅田美和子委員長、粟森慨副委員長

         黒沢和規、森一敏、横越徹、苗代明彦、玉野道、

         的場豊征の各委員

       産業企業常任委員会

         関戸正彦委員長、北篤司副委員長

         宮崎雅人、東出文代、山野之義、升きよみ、高村佳伸、

         井沢義武の各委員

       市民福祉常任委員会

         干場辰夫委員長、清水邦彦副委員長

         田中展郎、近松美喜子、上田章、増江啓、木下和吉、

         安達前の各委員

       都市整備常任委員会

         田中仁委員長、安居知世副委員長

         松井純一、村池敬一、渡辺満、出石輝夫、宮保喜一、

         上田忠信の各委員

       教育環境常任委員会

         中西利雄委員長、新村誠一副委員長

         福田太郎、森雪枝、澤飯英樹、不破実、南部康昭、

         平田誠一の各委員

5.欠席委員(0名)

6.出席説明員  山出保市長ほか別紙のとおり

7.事務局出席者 篠田事務局長

         縄議事調査課長、西田議事調査課担当課長

         横山主査、木谷主査、上出主査、関戸主査、

         水由主査、安藤主査、一ノ宮主任、小木主事

8.審査事件等  議案第1号 平成19年度金沢市一般会計予算ないし議案第58号 石川県市町村消防賞じゅつ金組合の規約の変更について

9.議事の経過等 委員長の開議あいさつに引き続き、議案審査付託表(一)について質疑応答を行い、閉会した。



△[自由民主党金沢・市民会議の質疑応答]





◆山野之義委員 予算については、既に議案説明会や代表質問、一般質問において相当議論されているので、少し切り口を変えて聞きたい。私も一度本会議で取り上げているが、現行の予算制度では人件費を義務的経費、事業費を投資的経費として切り離して予算編成している。つまり人件費は人件費で一括して計上し、事業費は人件費を除いて部局ごとに出している。そのため、その事業に係る人件費を含めたトータルコストが幾らか把握しにくい部分がある。もちろん「常にしんしゃくしながら予算編成をしている」との答弁はあったが、これから経過措置期間を終えた指定管理者制度がさらに本格的に実施され、また、先般、法律が通った市場化テストについても本格的に議論されると思うが、その際はやはり人件費を含めたトータルコストのより正確な把握が必要になるのではないか。以前の答弁では、「趣旨は大事なことでもあるし今後も検討していきたい。特に行政評価の中で検討していきたい。」と言っていたが、昨年度の決算や新年度の予算編成にその考え方がどう反映されているのか。また、今後の基本的な考え方もあわせて聞きたい。



◎角総務局長 予算編成や行政評価の際に、人件費を含むトータルコストを考えることは大切だと思っている。本市においても、これまで実質的にそうした予算編成に心がけており、現在行っている行政評価もまさにそうした視点で実施している。また、明年度の予算編成では新規事業の要求に際して費用対効果や後年度負担などをトータルで明らかにするよう各部局に求めている。厳しい財政環境の中、各自治体でさまざまな取り組みが進められているが、提案の趣旨を生かし、本市に最も合った財政手法を引き続き研究し導入していきたい。



◆山野之義委員 私が本会議でもこの連合審査会でもあえて取り上げたのは、指定管理者がこれから本格的に実施され、そして市場化テストを通して民間への委託も本格的に議論されることを考えた場合、やはり事業の正確なコストの把握が必要になる。そういった事業の経費的な面も議論する中で、本当にその事業が必要なのかどうかの議論も出てくる。民間シンクタンク「構想日本」が提唱している事業仕分けがまさにこの発想である。ある事業があってその事業が本当に必要なのかどうか。本当に必要な事業であれば、これまでどおり自治体が行うことが適切なのか。場合によっては民間に委託した方がより効果的、より効率的にできるのではないか。そして自治体が引き続きやるにしても今のやり方でいいのか、これからまた改善の方法があるのではないかを議論していくことが事業仕分けであり、事業一つ一つを検証していくことになるかと思う。

 この民間シンクタンク「構想日本」の資料によると、昨年末のデータではこれまで9つの県、4つの市で事業仕分けを「構想日本」が直接行っているが、その結果、引き続きその自治体が担う事業は県では平均60%、市では平均71%にとどまっている。つまり市でいえば約3割の事業が民間に委託した方がより効果的、効率的にできる、もしくは、事業そのものの意義について議論になったというデータである。

 市場化テストや指定管理者はだれが行うのかという議論だが、この事業仕分けはさらに一歩先の、本当に必要性があるのかどうかをテーマとする議論だと思っている。例えば公営住宅が金沢市内にも幾つかあるが、市営住宅もあれば県営住宅もある。まず公営住宅が本当に必要なのか、必要だとした場合、本当に県営住宅と市営住宅で分ける必要があるのか、という議論や、また、ガス事業は金沢市では公営企業でやっているが、果たして今後も企業局がやっていくことがふさわしいのか、もしくは民間に開放することがふさわしいのか、そういう議論もあってしかるべきである。その議論の結果として、今のままがいいのか、もしくは違う形がいいのか、違う形でも市単独で議論できることもあれば、都道府県、場合によっては国との議論が出てくる。そういうことをきちんと把握していくことが大切ではないか。この事業仕分けをいきなり金沢市全部の事業においてできないまでも、実験的にあるセクションを決めて、その中で事業仕分けをやっていくことも行政改革、そして予算編成において大切な議論かと思うが、その点について聞きたい。



◎角総務局長 地方分権改革においては、原点に立ち返り国と地方の役割分担を明確にしていくことにしており、本市にあってもだれが実施すべき事業かを明確にすることが大変重要だと思っている。このため明年度予算の編成においても、事業仕分け型の予算編成を編成方針に掲げて、要求に際して事業仕分け表の提出を各部局に求め、これらを踏まえて予算編成に取り組んでいる。今後ともこうした事業仕分けに積極的に取り組み、行政評価や予算編成に生かしていきたい。



◆山野之義委員 大きな変化になると思うので、着実に進めていくという答弁として理解したい。

 地方分権が進み、財政自主権の確立や能力が問われる中で、本市のいろんな財政上の指標は大変いい数値である。ただ、自主財源比率に関しては、つい数年前まで中核市平均はもちろんのこと、全国の他市の平均値をも下回っていた。この自主財源比率は財政基盤の安定や行政自主性の点においても大変注視されるテーマであるが、現在この数値はどのような状況か。また、今後の展望や数値の改善のためにどのような手だてを考えているのか。





◎丸口財政課長 自主財源比率は年々高まっており、17年度決算では56.2%、中核市平均の59.1%を若干下回っているが、37市中21位と、ほぼ中ほどにある。これは地方交付税の削減等により相対的に比率が高まってきたものであり、本当の意味で自主財源比率を高めるためには何よりも市税収入をふやすことが肝要と考えている。明年度予算では、このための企業立地環境の整備、あるいは定住促進策の充実を盛り込んでおり、あわせて収納率の向上にも取り組んでいきたい。



◆山野之義委員 交付税の関係で相対的に数値がよくなっていることは理解できたが、市税収入の確保については、現実的には課税には標準税率が決められており、新たな課税をしようと思っても大臣の許可が必要である。起債においても当然、大臣、国の許可が必要であり、いろんな制限を受けた中での財源確保の自主性となる。そこで、財源確保という意味では最近一部の自治体――本市でも今年度から産業局で一部行われているが、広告収入も一つの手法ではないか。もちろん課税や起債は重要であり、景気をよくすること、高めていくことも必要だが、職員に新たな刺激を与えることになり、今後も積極的に行うべきだと思っている。ただ、金額としてはそんなに大きくないが、行政のいろんなものを媒体にして広告をとるわけであり、本市の場合は京都と並んで景観を大事にしているので、余りけばけばしいものはどうかと思うし、慎重を期す必要がある。

 そういうことも踏まえて一つ提案したいのは、インターネット上の広告であり、例えば「いいねっと金沢」にバナー広告を入れていく。もちろんきちんとした基準を設け、その基準に適合しなければならないが、景観上は全く問題がない。またバナー広告を成功報酬型と言われるアフィリエイトとして入れることにより、うまくいけば大変大きな収入となる。「いいねっと金沢」のホームページのアクセスも大変多くなり、金沢市に対して興味を持ってくれる方も多くなる。この広告収入について、インターネット上の広告も含めて今後どう考えていくのか。また、来年度に何か考えているのか。



◎丸口財政課長 明年度予算では観光パンフレットの広告枠の拡充を図るほか、企業局の検針票などに広告の掲載を予定している。最近、各自治体でさまざまな広告事業が展開されており、庁舎、公用車への広告、あるいは公共施設の命名権の売却などのケースもあるが、指摘のとおり一定の基準も必要であり、節度も品格も必要だと考えている。広告収入も大変貴重な財源の一つであることから、他都市における課題なども十分見きわめて、このバナー広告やアフィリエイト等も含めて本市にふさわしい広告掲載のあり方を検討して、可能なものから導入を図っていきたい。





◆山野之義委員 次に、福祉についてだが、2003年に教育プラザ富樫が教育と福祉の連携という面からつくられて、2005年4月に発達障害者支援法が成立し、2006年4月には金沢市に児童相談所が設置された。この三、四年というのは本市や国全体において、福祉や教育、子供の環境における大きな流れができつつある。そこで聞きたいのは、2005年、金沢市が委託事業として発達障害、軽度発達障害を持つ保護者に対していろんなセミナーを開いている。私もそのセミナーの多くに参加して、いろんな議論を聞いて報告書も読んでいるが、そのことに関連して何点か聞きたい。

 まず1点目は、学校に入る前に幼稚園、保育所で気になる子供――まだ診断によって明確にされていないが、発達上何か問題があるのではないかと気になる子供がいて、保護者や先生が教育委員会の担当者と相談し、その活動の内容などを記録して、それが小学校へ入るときに途切れないよう、教育委員会からきちんと責任を持って各学校に連絡が行くような情報の共有について、セミナーの場でも議論されており、要望が保護者からも何度か出ていると思うが、現在どのような状況になっているのか。



◎大路学校教育部長 就学相談で得た子供の情報については、教育委員会が適切な就学を進めることを趣旨に把握している。これまで保護者等から情報の共有を求める声は聞いているが、相談内容をそのまま学校に伝えることについては、保護者の中にはさまざまな意向があることから、一律に提供することには問題があると考えている。しかし、子供が円滑な学校生活を送るために保護者の希望や要望などがある場合には、把握している情報を学校に伝え共有している。



◆山野之義委員 その委託事業の中で「育ちのカルテ」というものがある。今のことに少し関連するが、気になる子供がいて、その子の保護者や幼稚園関係者、保育所関係者や学校関係者、そして教育プラザ富樫の専門の方が交えて、その子供のいろんな動きやこういう気になる行動があったというカルテをつくっている。そのカルテが小学校に伝わり、その小学校の中で学年が上がるごとに「育ちのカルテ」はきちんと引き継がれていく状態になっているのか。場合によっては、小学校から中学校への引き継ぎもされているのか。今後の取り組みもあわせて聞きたい。



◎浅香こども総合相談センター所長 幼児期から自立まで子供の育ちをつなぐことは重要であり、「育ちのカルテ」はその有用な手段ではあるが、個人情報保護などの関係で一般化するには課題が多いと思っている。こども総合相談センターでは、保護者の希望があればカルテの作成や学校での引き継ぎの助言等を行っている。また、17年度からは巡回専門相談を実施し、これらを通して障害のある子供と学校との調整に努めている。今後とも就学、進級に際して情報が円滑に伝わるよう積極的な取り組みをしていきたい。





◆山野之義委員 どうしてこんな質問をするかというと、実はそのセミナーに参加したときに、すごく熱心な先生は、その子の個性を大事にして、事前にこういう障害があるといった先入観を持つのではなく、その子と1対1で触れ合う中でその子の個性を伸ばしていきたいと言っていた。私や何人かの保護者は違和感を持った。先生の熱意はよくわかるが、実際に子供はこういう障害を持っていて、前の学年でこういう気になる行動があって、それをきちんとわかった上でその子の個性を大事にしてほしい。それはそれで美しい話ではあるが、実際、その子にとってまたゼロからいろいろ積み上げていかなければならないので、ぜひ引き継いでほしいという強い要望が出た。いろんな思いがあると思うが、そこは保護者の意向を踏まえた上で、ぜひ現場の先生とプラザや児童相談所がきちんとコミュニケーションを図ってほしい。

 次に、県は特別支援推進事業のモデル地域として、金沢市でない地域を指定した。金沢市は中核市で教育プラザ富樫もあり、積極的に行っているという認識かもしれないが、やはり県と中核市であり県庁所在地である金沢市がうまく連携をとりながら、金沢市がモデル地域の指定を受けて、県の施策、市の施策をスムーズにしていくことが、近隣自治体に対して今後のいい方向性を示すことになると思うので、これはすごく残念である。

 当然、金沢市はそのことも踏まえて独自のことをしなければならない。まず、特別支援体制についてはこれから議論すると思うが、どういった場で議論をしていくのか。また、特別支援コーディネーターの役割をどうとらえて、研修やバックアップ体制はどのように考えているのか。また、文科省は2007年度から2年間、小中学校に支援員を各1人配置する方針を決めているようだが、本市においては支援員の研修制度や、またバックアップの体制を含めてどのようなことを考えているのか、県との関係もあわせて聞きたい。



◎嶋口学校指導課長 金沢市の特別支援教育体制については、国のガイドラインに基づき、小中学校で特別支援教育コーディネーターの指名や校内委員会の設置、それから個別の指導計画の活用などが定められている。また、こども総合相談センターでは巡回専門相談、面接相談も行われている。これら金沢市全体の特別支援教育体制については、市の教育委員会の広報誌を通じて保護者や地域の方々にも紹介している。さらに学校指導課とこども総合相談センターの担当者が定期的に協議の場を持ち支援体制の充実を図っている。

 県の特別支援教育体制推進事業については指定地域を順次拡大し、来年度は金沢市を含む全県が対象地域となる。また、指導主事会議等を通じ、県と金沢市の情報交換は定期的に行われている。さらに市立の小中学校及び幼稚園、保育所では、石川県の事業である専門相談員派遣制度を積極的に活用している。

 特別支援コーディネーターの役割については、国のガイドラインに基づいて校内の関係者の関係機関との連絡調整、それから校内委員会での推進役等の役割を担うと理解している。このコーディネーターの研修については、夏季休業期間を中心に特別支援教育コーディネーターの役割や障害のある児童・生徒の発達などの内容で研修を実施している。特別支援教育の基本的な事項についての研修は年度当初に行い、新たに特別支援教育コーディネーターとなった者がスムーズにその役割を果たせるように配慮するとともに、市の教育ネットワークで具体的な役割について示した資料も発信している。また、学校の要請に基づいて各学校での校内研修にも指導主事等が出向いて指導、助言を行っている。

 金沢市については、国に先駆けて市独自の施策として平成17年度から通常学級に在籍する特別な支援を要する児童・生徒について、特別支援教育指導補助員の派遣制度を実施している。平成19年度は予算を増額し、派遣する人員や時間の拡充を図ることにしている。指導補助員の研修については、夏季休業期間に障害の理解や支援に関する研修を知的障害及び情緒障害、肢体不自由など障害の種別ごとに計画しており、指導補助員が希望する研修を選択、受講できるようにしている。



◆山野之義委員 文部科学省は、軽度発達障害児が6%いると発表している。この6%に関してはいろんな議論があるが、その6%に基づいて文科省はいろんな予算措置を進めていると聞く。6%というのは、1クラス40人とすれば大体2人から3名ぐらい、場合によってはもう少し多い人数がいることになる。発達障害を持った児童が人とのつき合いでうまくコミュニケーションがとれなかったり、LD児などは普通の会話は全然問題ないが、字がうまく読めなかったりして、自然と学校に対して疎外感を持ち、不登校になる子が決して少なくないと聞く。教育プラザ富樫では、いわゆる「そだち」の教室として不登校の子供たちが通っているところがある。私も何度か話を聞いたり、実際に視察もしたが、「そだち」の教室は中学生までとなっており、中学卒業と同時に使えない。そういう子供が卒業までに自立できればいいが、なかなか15歳という年齢を考えると難しく、そこで行き場所が途切れてしまい、引きこもりに近い状態になる子も多いと聞いている。

 ところが本年度から児童相談所が開設され、18歳までの方のいろんな相談を受けると聞いている。ここで大切なのはその「そだち」の教室や、教育プラザ富樫と児童相談所の連携である。「そだち」の教室で15歳になっておしまいではなくて、児童相談所とうまくコミュニケーションをとることで引きこもりにならないよう、少しでも自立のための環境をつくっていくことが児童相談所に求められた一つの役割であり、この教育プラザ富樫の敷地内にある意味合いではないか。中学卒業と同時に居場所がなくなるといった子供たちに対して、どのように児童相談所と連携をしていくのか。



◎浅香こども総合相談センター所長 「そだち」の教室では、今年度から18歳までの方でも利用できる児童相談所のメンタルフレンド派遣事業などとも連携しながら、学校復帰、社会的自立を目指して支援している。中学卒業後の多くの児童は高校へ進学しているが、進学後も不適応などの問題が生じることがあり、その場合には児童相談所を初め、発達障害支援センターとも連携を図りながら個々の児童の状況に応じて相談に当たっている。今後とも一生懸命支援していきたい。



◆山野之義委員 その発言を聞き大変心強く感じている。県の支援センターとの連携がスムーズにいっていないとの声も聞くので、それはまさに杞憂にしかすぎないとわかった。今後、より一層スムーズにいくようお願いしたい。

 次に耐震偽装問題について聞く。

 本会議の代表質問では我が会派から耐震偽装問題について質問があり、その際、「新年度から構造計算部門の職員を増員し、審査体制を強化する」、「県の審査機関でいわゆるダブルチェック体制になるので、今後はしっかりと対応していく」という答弁があった。その後、一般質問でもこのことを取り上げていたが、「実際の審査はプリントアウトすれば何千ページにも及ぶ。10枚や100枚というものではない。何千ページにも及ぶ膨大な数の審査になるので早々簡単にはできない」という答弁が気になった。これまでの構造計算は、基本的には建築士の性善説があったのかもしれないが、今こういう事件が起きて、これからも一つの案件につき何千ページにも及ぶ審査をするという大変な作業について、果たして少々の増員で問題が簡単にクリアできるのか。一般質問の答弁を受けて逆に不安になったので確認したい。



◎馬場建築指導課長 本年6月からの改正建築基準法の施行により、構造計算に関する審査項目が法的に明記される。あわせて、構造計算書はこれまでの紙ベースに加えて電子データでも提出することとなる。このことにより、増員する構造審査専門職員と従来からの職員が連携して綿密な構造審査を進めることとしている。

 なお、今回の法改正では、市で構造審査したものを石川県知事が指定する構造計算適合性判定機関がダブルチェックすることになっており、この制度により不正の防止が図られ、建物に対する安全、安心が確保されるものと考えている。



◆山野之義委員 これまでは紙ベースで資料をもらっていたが、電子データでもらうことで検査がよりスムーズに、より確実に、より正確にできると理解したい。

 最後に1点。今回の市長の提案理由説明の中に、「地域コミュニティーの醸成の一つとして集合住宅の町会加入を高めていきたい、その際には町会連合会にも働きかけていく」とあった。もちろん町会連合会への働きかけは大切だが、ただでさえ負担が大きいと言われている町会長や町会連合会の会長が集合住宅への町会加入の働きかけを行うというのは、エリアによっては荷が重い仕事である。そこで一つ提案だが、アパート、マンションといった集合住宅へ入る際には、ほとんどの場合、不動産屋、宅建業者が仲介業者として間に入り、入居の際には業者が重要事項を説明しているが、その仲介に立つ宅建業界の方に協力してもらい、金沢市の考え方や、そのエリアの町会や町会連合会の考え方をきちんと集合住宅に入居する際に伝えて、入居される方に対して意識を持ってもらう働きかけが必要ではないか。



◎小川市民局長 我々も宅建業界との連携を強めることは必要だと思っている。来年度は特にマンション等を対象とした町会加入促進パンフレットを作成することにしている。そのパンフレットの内容や活用策は宅建業界の知恵をぜひかりたいと考えている。また、来年度は地域コミュニティ活性化検討懇話会(仮称)を立ち上げ、コミュニティー活性化に向けた支援策などを検討することとしている。この委員には、町会のほかマンションに住んでいる方、それから管理する方、そのほか宅建協会からも参加をお願いして協力を求めていきたい。



◆宮崎雅人委員 引き続き、安全で災害に強いまちづくり推進施策について何点か質問したい。

 最初に、都市機能の向上施策の中で、防災まちづくり推進について質問する。平成7年の阪神・淡路大震災や平成16年の新潟県中越大震災のときにニュース等で見た悲惨な被災状況は、いまだに多くの人の脳裏に焼きついている。私はいつ起こるかわからない地震に対し、かけがえのない人の命を守るため安全なまちづくりを目指す必要を感じている。とりわけ非戦災都市である本市は狭い道路が多いため、延焼速度が速く、倒壊家屋が道をふさいで緊急車両の通行を妨げ、救助活動が困難となる等大きな被害が想定される。このため万一に備え、地域住民との協働により防災意識を高めることや道路改良、防災施設の改良等の施設整備を進めつつ、防災まちづくりに積極的に取り組まなければならない。

 そこで、平成13年度に行われた災害危険度判定調査の結果、危険度の高い7地区が報告されているが、これらの地区における現在の防災まちづくりの推進状況について聞く。



◎清水都市計画課長 7地区の中から2地区をモデルケースとして進めており、現在、金石西地区では住民の積極的な協力があって防災まちづくり協定を締結し、道路改良など鋭意事業を推進している。また、幸町、菊川地区では、19年度内の協定締結を目指して地元協議会で具体的な内容を詰めている。





◆宮崎雅人委員 モデル地区を除く5地区についてはまだ取り組まれていないようだが、これからどのように取り組まれていくのか。これらの地区に対するまちづくりの推進方法について、どのように考えているのか。



◎清水都市計画課長 その他5つの地区では、今進めているモデル地区の事例を紹介するなどして、地域の皆さんに働きかけを行い、可能なところから積極的に取り組んでいきたい。



◆宮崎雅人委員 防災まちづくりを積極的に進めるためには行政の支援が欠かせないものと考える。防災まちづくりに関する業務は都市整備局のほかにも消防局、市民局など多岐にわたり関係部局の連携が必要だが、どのように取り組まれるのか。



◎清水都市計画課長 現在事業中の地区では、庁内連絡会を設けて緊密な連携を図りながら取り組んでいる。また、現在計画策定中の地区については、関係課が地元に出向いて地域住民とともにワークショップなどで協力して計画づくりに取り組んでいる。これからもチームワークよく取り組んでいきたい。



◆宮崎雅人委員 そういう事業を地域の住民に説明する前に、他の部局が先に地域住民に対して説明すべき問題がたくさんあるのではないか。たとえば、電柱の移設の話が出た場合にそれと反するような事業が進んでいるとすれば、倍の費用がかかるし、また地域住民に対しても大きな迷惑をかけることとなる。このような事業は地域住民からの理解が得られなければいけないのに、行政が後先逆のことをしていないか心配なので、もう一度聞く。



◎清水都市計画課長 これまでは庁内連絡会やプロジェクトチームなどを設けるなどして努めてきたが、まだ不足なところもあるので、さらに連絡を緊密にして取り組んでいきたい



◆宮崎雅人委員 今の問題については後ほど詳しく聞きたい。

 続いて、災害時の活動区域について質問したい。去年の7月に発生した大雨のときに、本市では初めて避難準備情報なる災害情報を市民に発表するとともに、対象エリアで避難所を開設している。本市の防災対策上初めてのことであり、対象エリアの消防分団もポンプ車や機材搬送車などで広報活動や避難所への搬送活動をしていた。特に大徳地区は他の校下よりも対象エリアが広く、広報活動や避難所への搬送活動もできない状況だった。19年度には、災害情報などの緊急情報をコミュニティチャンネルやホームページで瞬時に発信できる整備や、「ぼうさいドットコム」の改良による発信時間の短縮などが予定されているが、停電があれば消防分団の広報活動に頼るしかないので、消防局の見解を聞く。



◎川村警防課長 指摘のあった昨年の避難準備情報発生時には、一部の地域で情報の伝達のあり方に課題があったことを踏まえ、隣接分団の応援にも配意した体制に見直しを図ったところである。



◆宮崎雅人委員 海側幹線から下流域の、河川も曲がっていて破堤のおそれがある地区において、重点的に広報を行う考えはないのか。また、地域的なものを見て広報の方法を考えていくつもりはないのか改めて聞きたい。



◎川村警防課長 避難準備情報の伝達だが、浸水危険度の大きいところなどを優先して今後対応するよう、消防団とも相談しながら進めていきたい。



◆宮崎雅人委員 去年の避難情報を考えると、お年寄りとか体の不自由な方の誘導がこのような対応では追いつかないのではないか。被害があってからの対応では遅いので、今年度予算にしっかり取り組んでいるのはわかるが、やはり人的な問題に関してはどういう進め方をするのか。



◎川村警防課長 水害は同時期に多くの地域で発生することが予想されるため、事前に対応を決めることが非常に難しく、先ほどのような答弁となった。



◆宮崎雅人委員 次に地域活動、ボランティアについて聞く。

 地域の防災力を高めるために内灘町や周辺市町と連携し、地域の防災活動のリーダーとなるコミュニティ防災士の育成施策が盛り込まれているが、本市町会連合会及び市内事業所に防災士が何名いるのか。また、本市職員で何名いるのか。



◎河原防災安全課長 今年度、本市が養成した防災士については、各町会連合会の推薦者が51名、市内事業所で15名、ボランティア団体等で12名、また市の職員は11名の合計89名である。



◆宮崎雅人委員 地域の方は防災士だけでなく、小学校の防犯問題やいろんな面で取り組まれている。地域の問題に関しては積極的に市民と行政がともに取り組んでいくべきである。地域の資格者だけでなく、職員も市内全域にいるので、今後もっと多くの職員が地域の問題に取り組んでいくべきではないか。



◎河原防災安全課長 次年度も10名以上の職員の養成を考えている。また、今回は本市が主催しているが、本市以外に他の機関、例えば特定郵便局などの機関が独自で研修講座を持っている。その防災士資格を持った方は、市内にそのほかに約51名いると聞いている。



◆宮崎雅人委員 防災まちづくり協定などで市内5カ所、新規3カ所で実施しているが、その地域、地区にも多くの本市職員やOBがいるのではないか。そういった方々の協力を得られないのか。



◎河原防災安全課長 町会連合会の推薦者の中にも市職員のOBがいる。次年度も町会連合会の推薦者やボランティア団体等においても職員OBの方々に積極的に働きかけていきたい。



◆宮崎雅人委員 私の言いたいことはそういうことではなく、行政としていろんな事業を進めていく上で地権者の協力が必要だが、地元で説明をして理解してもらうには、当然、町会連合会や消防などのいろんな組織の協力が必要となる。私は金石地区においてこういった問題に取り組んでいるが、そんな中で、個人の資産に踏み込んだり、境界問題に踏み込んだりすることが往々にある。そんなときに、地域の方だとなかなか言いにくいこともある。そう考えると、その地区の中にもやはり職員がいるので、そういった組織に参加して、説明会などに積極的に出席できないか。



◎角総務局長 市職員が地域に出てボランティア活動を行うことも大変重要なことである。これまでも防災訓練の参加を促しており、昨年10月に策定した金沢市職員行動規範の中でも、市民の一人として積極的にボランティア活動を行うことをうたっている。これまで以上に積極的に参加を促していきたい。

 市職員OBも消防団、公民館、それから善隣館、町内会などの地域活動で頑張っている。今後とも職員一人一人が地域の住民として、自分の地域は自分で守るという認識で率先して安全で安心なまちづくりに参加するよう、ボランティア意識の醸成に努めていきたい。



◆宮崎雅人委員 確かにそうだが、クリーンビーチ作戦や、河北潟の清掃、川の清掃など、恐らく庁舎の中で声がかかるから職員が出てくるのであって、そういう声がかからなければ出てこないだろう。

 次に、協働まちづくりについて質問したい。市民と行政がともに力を合わせてつくり上げることが大事であり、災害も自助、共助、公助が必要だと思う。公助は支援や事業だけではなく、人の力、ボランティアや人を思いやる心を持つ市職員の地域活動やボランティア活動を行うことも含まれると考えるが、市長の意見を聞きたい。



◎山出市長 市職員は、税金からサラリーをもらっている。そういう立場に立つ以上、奉仕をしなければいけない。だから去年、行動規範をつくり、その中に積極的にボランティア活動に市職員は参加するよう呼びかけている。ただ、税金でサラリーをもらっているから、市職員は奉仕しなければいけないという考え方だけでいいのかと思うことがある。そういうことにかかわりなく、ボランティア活動は個人の自発的な意思によって、それぞれの分野で、そして自発的に奉仕をするものが活動の本質であるべきだと常に思っている。「私」は他者あって生き、社会は「私」と生きる。それぞれ生きとし生けるものは他の人のために尽くさなければいけない。これが基本であり、そういう基本が定着するように啓発していくことが私の仕事だろうかと思っている。



◆宮崎雅人委員 次に、石川県・金沢市との連携について質問したい。

 金沢港の問題として、13メートルの大水深岸壁、また航路しゅんせつの埋立工事に伴う金石・大野埋立地の今後の開発、利用、用途に係る金石町や大野町への対策について、また漂着ごみ、河川から流れ込むごみ対策について、石川県と金沢市はこの地区を今後どのように考えていくのか。



◎武村都市政策局長 金石沖埋立地の開発利活用についてだが、金石沖の埋立地については、地元の皆さんの理解・協力を得ながら県、市連携して進めている。この埋立地は、本市のまちづくりにとって、また金石・大野のまちづくりにとっても大切な土地であり、その利活用方策を初めとするまちづくりのあり方について、市は来年度、臨海地区まちづくり可能性調査を実施し、検討を進めることにしている。この調査を初め、まちづくりについては県と連携することはもとより、地元の皆さんと十分話し合いをしながら、しっかりと取り組んでいきたい。



◎浜田環境局長 金石町、大野町に限らず、漂着ごみの対応については本来漂着した場所の管理者が適正に処理すべきであると考えている。しかし、この問題は現在県内10市による「海岸等漂着ごみ連絡会議」において、管理者である県との役割分担、国への要望事項等について検討を重ねている。この検討結果を踏まえた上で、今後県当局と協議していきたい。



◆宮崎雅人委員 今の答弁の中で、河川の管理は県と逃げるような答弁があった。河川に流れ込んでくるごみは市内の用水から流れてくる。そういうことを考えると、やはりごみ問題に関しても取り組んでいくべきであり、雨が降ってごみが流れ着いた場合に、また同じような答弁で管理者は石川県、金沢市は内水整備だけをすればいいという考えでは私は納得いかない。

 やはり災害が起きてからするのではなく、河川課であれ土木部であれ、金沢市のいろんな部局の中で把握している問題点やわかっている原因を、県に対して強く言うべきであり、そういう連携をとってほしい。河川管理は県でも、そこに流れ込んでくるごみは金沢市内から流れてくるごみである。ごみも水もみんな下に流れてくる。ごみはあくまでも県が管理、河川の管理は県ということを聞きたくて質問したわけではないので、もう一回答えてほしい。



◎浜田環境局長 漂着ごみについては、河川から流れるもの、あるいは海流に流されるもの、排出者あるいは排出の場所、ごみの種類などさまざまである。そういうことも踏まえて、例えば海岸法や港湾法といった法律で管理者が定められている。その管理者の責務があり、そういったことについて今議論を重ねている。

 本来、管理者である県の業務であれば、それ以上のことを市がするのはいかがなものか。なすべきものをなしたい。



◆宮崎雅人委員 そのごみの問題に関しても、これから金沢港の整備も進み、いろんな観光フェリーなども着く中で、ごみが山になっているとすれば、それはあくまでも県の問題だけでは済まない。例えば片町にごみが川から流れ込んで山になっていたら、絶対にそう言って済ませることはない。いつも県、市で責任分担の投げ合いばかりしている。もっとしっかりと県にも言ってほしいし、いろんな意味で取り組んでほしい。



◎浜田環境局長 10市の連絡会議で十分に議論して、必要な対応をとりたい。



◆宮崎雅人委員 いや、そういう10市の問題ではない。そのようなお役所考えの言い方で逃げるからだめなのである。やはり住民に対してしっかりそれを説明しないといけない。金沢市にはいろんな問題があるが、毎年雨が降れば必ず同じような問題になる。そのたびにそのような答弁ばかりで、新聞に大きくそのようなことが出て済む問題ではない。あの埋立地がいつまでも整備されずごみが山になっていれば、あそこはごみ置き場でしかない。だから、去年、国交省へ要望に行ったときに、名称の変更を要望している。廃棄物の埋立場では市民も誤解する。犀川がある限りごみは必ず流れてくる。そういう観点から、いつまでも県がどうこうではなく、しっかりと取り組んでほしい。



◎山出市長 宮崎議員の気持ちはよくわかる。庶民の感情と行政の仕組みの間のすき間を埋めろという議論だと受けとめる。教育の場を通じて、そして啓発活動を通じて努力したい。



△[休憩]



△[かなざわ議員会の質疑応答]





◆安達前委員 かなざわ議員会の質問時間をいただいたので、以下数点、市長並びに関係する皆さんに聞きたい。

 平成19年度予算案の概要に述べられている魅力あるまちづくりについてである。2014年にはいよいよ北陸新幹線の金沢開業が実現する運びとなった。市長はさきの提案理由でも、本市が直面する最大のテーマはいわゆる2014年問題であると力を込めている。これは歴史的文化遺産群や文化的景観の世界遺産登録の運動、陸の玄関口である金沢駅周辺整備、海の玄関口である金沢港整備と企業の誘致並びに新産業創出など、2014年問題があらゆる施策の出発点であると表明したと受けとめている。私もこの2014年問題の柱は、こうした施策を重層的に展開することで金沢のネームブランドをいかに高めることができるかだと考えている。市長の提案理由説明を聞いて、さらにその意を強くしている。さて、こうしたハード整備はもとより、金沢のネームブランドを高めるソフト事業の展開も一方では不可欠である。その要素として、最近御当地ソング、金沢の地名を折り込んだ歌がブームとなっている。さきに金沢駅のもてなしドームで川中美幸さんが「金沢の雨」という新曲を披露したが、市民の皆さんも関心を持たれて大勢集まったと聞いている。こうした歌だけではなくて、五木寛之さん作詩による松原健之さんの「金沢望郷歌」、そして背番号55番松井選手のお父さん、松井昌雄さんの「鼓門で逢いましょう」、それから山本あきさんの「悲しみ模様」など多くの歌がある。古くは北島三郎さんの「加賀の女」は、全国的にもヒットした。約30年ほど前になるが、あの歌詞に出ている金沢のイメージ。例えば「謡曲がふるふる 加賀宝生の」、それから「木洩れ陽青い石だたみ」、このような歌詞から連想すると金沢のイメージは、「ああそんなまちなんだ」と恐らく全国の皆さんは思っている。2014年に新幹線が金沢開業となって、そして金沢駅に全国からいろんな人が来て、ああ木洩れ陽青い石だたみ、それから何か道を歩くと加賀宝生が聞こえてくるようなイメージをきっと思われる方もいる。その辺のことも含めて金沢の都市景観、そしてまちづくりを今後どのように進めていくのか最初に市長に聞きたい。



◎山出市長 つい先日も東京で川中美幸さんの歌のことが話に出て、「市長よかったね」という言葉が私に与えられ、皆さんそんなことで関心を持っているなと感じた。一つ二つ金沢を読んでくれることは大変ありがたいことで、やはり人情を感ずるまち、そういうところが大事ではないか。自然も大事、人情も大事と思っているし、作家の五木先生が金沢のまちというものを「しめりけ」という言葉で表現されて、私もなるほどと思っている。そういう意味で、私はまず自然と歴史を大事にし、そこに住んでいる人の心が人情豊かだというまちでありたい。自然、歴史に加えてやはり大事にしなければならないのは福祉と文化だと思っている。こういうものを大事にして、みんなで磨きをかけていきたい。





◆安達前委員 今ほどの市長の話はまさにそのとおりだと思う。御当地ソングだが、これも山出市政4期16年、そして今5期に入ったが、その努力の結果によってこうした金沢ブランドの声が大きくなってきていると私自身は思っている。そういう中で、景観行政を初めとするまちづくり条例、例えばまち並みの保存、継承、そして旧町名復活を初めとするコミュニティーの数々の施策があるが、ある面では一方通行にならないか。というのは、常々市長が言っているように、保存と開発というか、要するに明暗あるような世界だと思う。開発するところはこれからの戦略的なことでわかるが、全国から来る人たちのイメージは意外と古いまち並みの金沢を連想していると思っている。そういう中で、色別というか、そういうものをどのように今後やっていくのか聞きたい。



◎山出市長 私は金沢というまちは、日本の中でも、また世界の中でも古いものをちゃんと残しておかないと際立った特色のあるまちにはならないと思っている。戦災を受けなかったまちであるがゆえに、また藩制期後、戦争をしなかったまちであるがゆえにそう思っており、古いものは大事にしなければいけない。しかし、それだけでもないという思いがあり、新しいものもちゃんとつけ加えていく努力をしないとまちが退化してしまう心配もある。ただ、古いものを大事にして新しいものを加えることは、人の価値観の上で相克があり衝突があり争いがあることになるわけで、そういうものをうまくまとめていくことの難しさを痛感するが、そういう難しいものをあえてクリアしていかなければいけない。それが金沢の持つ宿命的な課題だろうと思っている。両方しなければいけないと思っている。



◆安達前委員 私もこの金沢のまち、大変ある意味では日本の中でも有数な文化都市というか、そういうものを大事にしていきたいという市長の話のとおりだと思っている。先ほどの話に戻るが、先般本会議で関戸委員長が、お城のにおいとかいろんなことを言った。さっきの歌の文句でないが、金沢駅におりて、鼓門をくぐったら加賀宝生が聞こえるような仕掛けも考えていいと思っている。さらには北陸随一の繁華街である片町、香林坊があり、裏通りはかつてのような変な呼び込みの人たちも少なくなっておとなしい感じになってきたが、裏通りも何か石畳というか、そんなようなことをまちづくりの一環として考えられないものか。これはあくまで要望ではなくて提案になるが、その辺を含めて今後のポイントになるような絵というものをどう考えているのか。



◎山出市長 音とかにおいとかを大事にしなければいけないという指摘はよくわかる。そういうものを生かしていかなければいけないし、そういうものを受け入れていく可能性はこのまちにはあると思っている。ただ、石畳をということになると、価値判断は人によって変わると思っており、よしとする人もいれば、否という判断をする人もいるわけで、ここは大変に難しいところである。そういう意味で、私は専門家の意見を聞かなければいけないと思っている。決して奇をてらうようなまちづくりはいけないと思っているし、同時に何かポイントをというが、ポイントは大事だとしても逆に多様なものを内在しなければならないのもまちの大事なところではないかと思っている。私は文化も多様なものがなければいけない、古いものも新しいものも異質なものもあっていいし、産業においても同様だという思いがある。トインビーという人は「多様性が可能性を生む」ということを言っているが、私も多様なものを内在したい。だから、きれいな自然景観を残しながら、繁華街にはわい雑さも必要である。そういうところもちゃんと含めていく。そういう意味で多様なものをしつらえて、整えると、そういうまちに人は魅力を感じる。大変難しいことであるが、こういうことをしていかなければいけないし、そういうことをする可能性を秘めているし、やればできるまちである。そこにこのまちのおもしろさもあると思っている。



◆安達前委員 金沢の魅力づくりに関してもう一つ聞きたいが、今回、観光会館の名称変更がある。「歌劇座」というのはすばらしい名前なのかどうかちょっとわからないが、歌の劇場の座と漢字で書く。何か大正ロマンがにおうような名称を連想するが、昔から名は体をあらわすというが、その名にふさわしい内容をどのように考えているのか。これは市長でなくて、どなたかに答弁をお願いしたい。



◎蓑助役 金沢市観光会館から4月に名称変更する歌劇座を、多くの人でにぎわう多彩な総合芸術の拠点にしたいと考えている。また、施設の魅力アップを図るために専門家による企画会議を立ち上げることにもしているし、「子どもオペラスクール」や「子どもミュージカル」、それからジャズフェスティバルや演劇の開催など魅力的な事業の展開を通じて金沢の芸術・文化を創造し、国内外へ発信していきたい。



◆安達前委員 本当に多彩な企画を考えられているが、オペラは富山で立派なものがあると聞いている。単に子供のオペラでなくて、もう少し本格的なオペラをできるようにこれから進めていくことを考えているのか。



◎蓑助役 金沢をテーマとした歌謡祭があると思うし、オーケストラによる演奏や合唱など、いろいろな方法が考えられるので、ぜひ検討したい。お知らせだが、来年1月には金沢歌劇座でNHKの「のど自慢」が開かれる予定である。そこでも金沢の歌がたくさん歌われることを期待している。



◆安達前委員 もう一つ、これはできるかどうかわからないが、2年前に「ファッション産業都市宣言」をした。一概にファッションといってもいっぱいあるわけだが、繊維に絡んだものをつくっているので、パリコレクション並みとは言わないが、金沢コレクション、要するにファッションショーを将来的にやっていくことも一つ考えられないか。今決定するような話ではないが、方向性としては、金沢はそういう都市宣言したので、そういうものも掘り起こしていかなければいけないと思うが、蓑助役の持論をひとつお願いしたい。



◎蓑助役 私も金沢へ来て4年間、金沢のすばらしさを見た。すばらしい過去、伝統を持っている都市だが、未来へ向けて初めて文化伝統都市と言われるまちになると思うし、金沢はそういう魅力のある、未来のあるまちなので、安達委員の話も踏まえてこの歌劇座でファッションショーもぜひやっていきたい。去年ライフ&ファッションでたくさんの人に来てもらい、この金沢が持っている繊維のまちの魅力、それから職人まちで、すばらしい技術も持っているので、地場産業が発展するためにもこういうイベントをどんどんして世界へ発信し、世界の人に金沢のまちだけでなく、そういう事業もできる、それからすばらしい職人もいることを見せるためにも、今度名前が変わった歌劇座でいろんなイベントができたらという思いでいる。



◆安達前委員 蓑助役というよりは21世紀美術館館長の蓑豊さんは、21世紀美術館で本当にすばらしい成果を出されて、約2年で全国でも有数の美術館にした。観光会館から金沢歌劇座への変更で、これは蓑さんがいて、そして蓑さんが大きな仕掛けをして、柳の下のドジョウが2匹目ではないがいけるのではないかと考えていた一人である。新聞によると、今度この金沢から去っていかれるということで、大きな財産を人手に渡すような感じがしてならない。もちろんまだ内示のされていない話なので新聞紙上によることしか知らないが、金沢にとって蓑豊さんは功労者だと思っている。かつて高山右近が金沢城をつくったが、100年後には21世紀美術館をつくったのは蓑豊さんということで歴史上に残る人ではないかと思っている。そんな大事な人が米国へ行くという話を聞いて、日本の頭脳が海外へ流出していく事象にとられてならないが、これについて市長に聞きたい。



◎山出市長 本人の意向、また家庭のこともありそういう判断のよしである。確かに300万人を超える集客をしてもらい、その功労は大きいと思う。ただ、私から見ると、蓑さんの4年間というものは世界じゅうをまたにして歩くが、僕が国内旅行しているような感じすらある。そんなことであり、蓑さんにとってアメリカも日本も一緒だというくらいの認識でいることは事実である。私は仮に住所を向こうへ移しても、私どもとのかかわりは途切れないと思うし、途切れないような仕組みもぜひつくっておきたいと思っている。安心してほしい。



◆安達前委員 今の市長の話を聞いて少しは安堵した。すばらしいものをつくってもらったので、縁が切れないようにひとつお願いしたい。

 次に、金沢の魅力づくりということで、金沢市内を走るバスの広告についてひとつ聞きたい。バス広告は景観規制の中に入っていると聞くが、当然収入は民間企業の方に入っていくと思う。民間の企業がバスの運行経費に対して、例えばバス料金の問題であるとかいろんなものをこれから考えていかなければいけないときに、バス広告は無視できないのではないか。言うならば、足かせになっている部分があるとすればどこなのか。その辺を少し聞かせてほしい。



◎坂戸都市整備局長 車体全体をラッピングするバスの話かと思うが、都市景観上非常に影響が大きいと考えているし、今後、慎重な対応が必要ではないかと思っている。



◆安達前委員 慎重な対応という一言ではなくて、ラッピングという話が局長から出たが、例えばクジラの飛行機が飛んでみたり、松井さんのキャラクターが出たジャンボ機が飛んでみたり、いいにつけ悪いにつけそういうイメージのものがあると思っている。ただ、蓑助役が21世紀美術館でいろいろとやってきた芸術性の高いものは、景観の中にどうなのかという思いが一つあり、また経済効果もあれば、まちの中へそういうイメージ的なものが走ることによってまちのムードが盛り上がって、あのバスに乗りたいということにも多少はつながるのではないかと思っている。そんなことを考えると単に簡単に規制するのではなくて、そういう案件を出してもらい、それについていいか悪いか、審議会か何かやってもらって、金沢のまちのインパクトとかムードづくりに仕掛けとしてはいいのではないか。もう少し緩和できるところは緩和してやれないかと思うがどうか。



◎坂戸都市整備局長 ラッピングバスについては、まちを元気づけることに一定の効果もあると考えている。この導入については、屋外広告物審議会で幾度か審議をして、景観に及ぼす影響もあって導入については時期尚早という意見があるところだが、引き続き慎重に検討、審議することは必要であると考えている。



◆安達前委員 予算に計上されている金大四十万農場跡地利用について聞きたい。この金大農場跡地については約10年ほど前から論議が始まり、特に地元住民にとっては大変関心の高いもので、今日まで市当局に対して何とかならないのかという要望をかけてきた。昨年、市長の英断で半分は買ってもらえる話になり、また土地公の中で予算が組まれていることは、住民を代表して深く礼を言いたい。ただ、いろんな意見があり、この前額地区のまちづくり協議会に出たが、あの場所は額地区にとって大変大きな土地であり、そして単に住宅地の中に組み込まれてしまう、埋没してしまうことにならないようにつくれないかという話があった。恐らく二度とあんなに大きな場所はあの地区には見当たらないと思うし、半分だけで足りないという話がある。これはいろいろ考えて出された結論なので、あとの半分を買えとは言いにくい部分があるが、残りの半分の活用方法は単に住宅地という方向性ではなくて、何か人の集まるもの、例えば民間と協同してでもそういう提案をしていける方向がつくれないかという一つの意見であった。承知のとおり山側環状ができて、そして額からあの道を通って田上方面へは五、六分で行ってしまう。そして、今まで額周辺で買い物をしていた方が、ぞろぞろと田上方面へ行く。田上の人には申しわけないが、額はそれによって寂れるのではないかという懸念がある。そうなってくると、山側環状の下にある金大農場跡地は重要な場所である。半分は市の試案として、こんなものをつくってはどうだろうという案があるようだが、すべて公園というのはどうかという意見もある。その辺も含めて将来ビジョンは、まだ時期尚早なのかどうかわからないが、そういうことも含めて検討してもらう余地があるのかどうか。



◎山出市長 半分を市でということにした。南部地区の戸数、人口もここに来てとまっている。伸びる要因もないこともあり、私はやはり住まいを確保するのも一つの方法かなと考えたことは事実である。私ども金沢市が取得した部分については、地元とよく協議していきたいし、何よりも地元の意見を優先させていく基本的な立場は堅持したいと思っている。緑地でいいのか、スポーツ施設でいいのか、またどういう面積のとり方をするのか、そういうことはすべて地域とよく相談していきたい。そして、納得のいく形でと思っている。あそこに住む安達議員に御鞭撻をいただきたいと思う。



◆安達前委員 3点目の質問に入りたい。金沢ナンバーが市内を走っているが、金沢ナンバーの実現はもちろん周辺2市2町の連携によるものであると思うし、またそういう意味で県内のトップニュースにも挙げられた。私は金沢ナンバーをつけたことがゴールではないと思っており、これから一体、金沢ナンバーの2市2町の交流のあり方を軸にしてどのように進めていくのか。防災であるとかまちづくりであるとか、そういう協議会がいろいろあるようだが、それを乗り越えたものとして何かもう一つ2市2町の連携を強くするようなものを考えていないのか。



◎武村都市政策局長 金沢ナンバーの取り組みを契機に、商工会や婦人会などの団体が住民レベルでの交流を始めている。委員指摘のように、今後さらにということで、まずは住民の暮らしに身近な取り組みを展開することが、互いに必要ではないかと考えている。河北潟の環境対策や広域道路網の整備促進、あるいは安全・安心なまちづくりのための消防通信指令業務の共同運用など、こういった事柄に連携協力して積極的に今後とも進めていきたい。



◆安達前委員 金沢ナンバーについて地道な活動を今後続けていくということだが、もう少し政治的というか政策的に2市2町をまとめて何かやれることがないかと思っている。これはまたいろいろ研究してもらいたい。

 次に、周辺自治体の問題だが、野々市、白山市、この1市1町との交流のあり方だが、今現在どのような姿になっているのか。



◎武村都市政策局長 白山市や野々市町とは承知のように図書館の相互利用あるいは管外保育の実施、そして下水道の処理並びに河川の整備など、住民生活に身近な施策を相互に連携、協力して進めている。指摘の今後の交流推進だが、2市2町の皆さんとも連携して、金沢都市圏としてさらに文化あるいは観光、産業などの施策を連携、協力して進め、そしてお互いの市や町がともに発展し、住民の暮らしがよくなることが大切だと思っている。今後ともお互いに理解と協力を求め合いながら、丁寧に事柄を進めていきたい。



◆安達前委員 最後の質問になるが、今の話では連携していくということだが、今度、安田町長がやめられるようである。安田町政から新しい野々市町政が今まさに始まることになって、安田さんが悪いとは言いたくないが、金沢と野々市の今までと違った色合いの交流の可能性があると期待している。そういう意味では、野々市と金沢のまちづくり協定みたいものを今後提案してはどうかと思うが、そういう金沢の心構え、機運を向こう側に与えられるような場面がないのかと思っている。この辺のことについて市長に聞きたい。



◎山出市長 安田町長がやめる意向だと公に聞いている。これから後どういうことになるのかは、推移を見なければいけないと思っている。

 私は2つのまちが提携するとか一緒になるという関係をめぐらす、はかりごとをめぐらす、権謀術数を講ずることよりも、無為自然と言ったら無責任主義に聞こえるかもしれないが、そういう中に信頼関係をつくっていくのも大事ではないかと思っている。

 きょうまで内灘町との間には、お互いに両町の住民がごみを拾う、それから防災訓練を一緒にしている。この間見ていると、公民館の大会に内灘の人たちが来て金沢市の方々と一緒に講演に参加している。こういう中から私はお互いの協力感覚、感情というものが芽生えてくると思っている。ここに来て、内灘の職員と金沢市の職員の行政同士の間は、今まで考えることができないくらい親密になってきた。極めていい関係だと思っていて、こういう関係をつくっていく中から生まれるとつくづく思っている。これからそういう機運をつくっていく、高めていく努力をお互いにしたいと思っている。

 この領域というのは、行政よりも政治の領域であり、そういう意味でまた安達議員の御鞭撻もお願いしたい。



◆安達前委員 時代は刻々と変わっているし、またそれぞれの行政間のつき合い方も変わってくると思う。お隣は新しい体制になっていくが、そういう意味ではぜひ金沢市としてもいろんな交流の仕方を考えていただきたいと思い、私の質問を終わる。



◆渡辺満委員 本市は、安心、安全のまちづくりに取り組んでいるが、災害時における職員の集合体制について聞きたい。

 災害は、大地震や水害、また今回金沢市国民保護計画も発表されたが、大規模テロなどが想定される。そこで災害発生からどれだけの時間で非常時態勢をとることを想定しているのか、適当であると考えているのか。また、そのための職員の集合体制は万全であるかどうか聞きたい。



◎河原防災安全課長 災害発生時の非常時態勢だが、災害の種別、規模によって当然異なってくるが、情報収集などを考えると当然できるだけ速やかにしなければならない。新潟中越地震また阪神大震災等を考慮するとおおむね1時間以内が適当と考えている。阪神では1時間以内に約40%、中越では60%の職員が参集している。本市においても1時間以内に6割以上の職員の参集は可能と考えている。

 次に、災害発生時の職員の集合体制だが、当然地震時と水害時によって体制は異なってくる。地震時については、個々の職員に対する事前命令により震度3で防災関係職員535名、それから震度4で全職員の半数、それから震度5弱以上で全職員が参集することになっている。また、水害時については、大雨などいわゆる注意報の発表段階で水門操作や農林関係の職員と防災安全課も出るが約70名が参集して、警報発表段階においては約400名が参集している。その後、気象情報や事態の推移により体制を強化して、広範囲な災害等の発生時は全員招集で対応することにしており、現在のところ集合体制に支障は生じてない。



◆渡辺満委員 今ほど震度4のときには半数、震度5に至っては全員、また広範囲な水害のときにも全員招集という答えがあった。職員の住まいが市役所に近いほど非常時の態勢がとりやすい。また、市役所にある程度距離があっても、その住所地が市内であればその住所地で市民への指導あるいは救済措置といった任務につけるわけだが、これが市外に在住していると難しいと感じている。職員の市外在住者がどれくらいいるかを少し調べてみたら、約20%が市外に在住している。災害時、特に緊急集合が必要と思われる消防、ライフラインである企業局、そしてまた道路状況をすぐに改善しなければいけない都市整備局でもおおむね同様の比率である。

 少し視点を変えて職員の通勤手当だが、月額6万円限度の実費である。この6万円の範囲は富山市、福井市からの通勤が想定される。災害時の緊急態勢を考えたら、先ほど震度5で全員ということだったが、電車でも1時間近くかかるのにどうやって来れるのかと考えると、少し考え直さなければいけないと感じる。また、マイカー通勤も通勤手当が支給されている。これは本市がとっている定住促進とか公共交通優先といった施策とも整合性がとれていないと感じる。私は職員の手取りを減らせと言っているのではない。それらを見直して施策と整合性がとれるように、また災害時すぐに駆けつけることができるような距離に住む職員を一人でもふやすことができないかと考えている。そういった工夫はどうなのか見解を聞きたい。



◎糸屋職員課長 先ほどの防災安全課長から職員参集の話が出たし、今も委員から市外在住者が20%強という話があった。ただ、職員としても採用については能力の実証に基づいて行っており、幅広く人材を求める意味からも住所要件はつけてない。この点は理解を願いたいと思うし、また通勤手当については実費弁償の性格を有するものであり、国、県の制度に倣っていることもまた理解を願いたい。

 市の施策との整合性だが、今議会で公共交通の利用の促進に関する条例を提案している。職員についても率先して公共交通機関を利用するように、自家用車での通勤を自主的に規制する要領を作成し、4月1日から実施してその徹底を図っていきたいと思っている。

 それから災害時にすぐに駆けつける職員が増加する施策や工夫がないかだが、住居をどこに構えるかは職員の個々人の問題、また家庭の事情があると思う。ただ、本市についてはまちなかの定住促進に関するさまざまな支援制度が整っているわけであり、職員もその制度を活用してもらえばよい。特別な支援策を考える必要はないと思っている。



◆渡辺満委員 職員の採用について能力のある方を幅広くということもわかるし、住居の自由ということもわかる。しかしながら、国、県に倣っているという件は、地方分権を提唱している山出市長のもとでは、本市の施策に整合するような工夫をしていくことも特徴ある施策ではないか思う。全く国、県に倣っているからもうそれでいいではないかということではない気がしてならない。この点について市長の見解をお願いしたい。



◎山出市長 渡辺議員の言うとおりである。国、県というものに対して都市自治体としての気概を持たなければいけないし、誇りも持たなければいけない。そしてそういうことに左右されず、気持ちを持つ、考えを持つことの大切さはそのとおりである。



◆渡辺満委員 いろいろな事情もあって見直すことができないという答弁であったと思うが、私の本意を酌み取ってもらい、いろいろなところで督励してほしい。

 次に、午前中も事業仕分けにかかわって民間委託についての言及もあったが、民間委託について少し議論をしたい。政府による交付税削減など厳しい財政運営の中、行政のスリム化は避けて通れない命題であると考えている。また執行部は毎年見直しを図って職員数の削減を行っている努力はよく知っている。しかしさらなる削減を実現するためには、できる限りの民間委託が必要であるし、またその事業の中を精査して、新たな部門でも委託できるものを見つけ出す努力も必要ではないかと思っている。そこで、どのような取り組みをしているかを聞きたい。



◎角総務局長 行政改革大綱では、民間委託の推進について行政と民間との役割分担のもと、最適な担い手による質の高いサービスの提供を図るため、業務の民間委託を積極的に進めるとしている。その考え方に沿って、事業を精査し民間活力の導入を図っていくことになるが、業務委託に当たっては効率性優先や市場原理導入の観点ばかりではなく、市民サービスの向上に配慮することが肝要と考えている。今後は、ごみ収集業務及び校務士の1人校化に伴う学校管理業務の一部などで民間委託化を予定している。



◆渡辺満委員 ごみ収集業務だが、私も何度か質問したことがあるが、市は民間と直接収集の両方で行う方針である。どうして全面的な民間委託ができないのかを私はまだ納得していないが、将来すべてを民間委託する方針を立てることはできないのか。



◎浜田環境局長 直営収集については、1つには被災時あるいは災害における支援時に際して迅速な対応が可能であるということ。2つには、的確なステーションでの指導が行える。3つ目には、ごみに関する市民の声を聞くことができる。そういう貴重な機会にもなるということで、こうしたメリットを考えると将来的にも一定規模の直営体制は確保していきたいと考えている。



◆渡辺満委員 市民の声を直接に聞くのは工夫すればできるし、直接収集の中で市民が収集業務員に文句を言っても全く本部は知らなかったケースを私は何度も聞いている。当局へ注文したこともある。これは直接収集だから市民の声を直接聞けるという理由にはならないと思う。

 次に、適正なステーションでの指導といったことも民間でもやれるのではないかと思うし、問題は災害時だが、これも巡回等熟度が高まっていけば、市と業界の信頼度が増してくると思う。今現在は難しいかもしれないが、将来はそういったことも考え得るのかどうか聞きたい。



◎浜田環境局長 災害時及び災害支援時だが、必要な人員、車両といったものを確保する上で、機動的、安定的な対応が可能である。直営収集にはそうしたメリットがあるので、そうした機能を持ち続けたいという考えである。ちなみに、平成16年度だが、福井市で起きた豪雨災害の際に、ごみ収集の支援を行われた中では、そのほとんどが自治体からの派遣であったと聞いている。



◆渡辺満委員 民間委託の計画について聞かせてほしい。



◎浜田環境局長 ごみ収集業務の委託だが、平成11年度から導入を初めて、毎年拡大してきている。平成18年度現在で委託率が約38%となっている。今後は、本年度見直しを行った収集職員数の削減計画に基づき当面は委託率を50%まで引き上げたいという思いがある。



◆渡辺満委員 ごみ収集の民間委託が組合に対して随意契約になっている。この契約規模はどれくらいになっているのか。



◎河合リサイクル推進課長 平成18年度の委託料は6億9,289万5,000円である。



◆渡辺満委員 かなりの高額だと感じる。今日は入札が基本になっているが、入札ができない理由、問題点を聞かせてほしい。また、将来もこのような随意契約をずっと持続していくのか聞きたい。



◎浜田環境局長 市民の生活環境を守り、まちの清潔さを保持していくためには安定的、継続的な一般廃棄物の処理が求められていると考える。したがって、過当競争による不適正処理を未然に防止することも十分に配慮しなければならない側面だと考える。そこで、複数の事業者で構成している一般廃棄物事業協同組合へ委託することにより収集車両の故障、あるいは事故などの不測の事態にも迅速、適切に対応できると考えており、今後ともこうした方向でと考えている。一方で、経費の節減も大切な側面である。そこで直営部門の効率化に努めるとともに、指摘の入札制度の導入も視野に入れる必要があると考えており、一般廃棄物収集運搬業の許可あるいは委託収集体制の見直しに合わせて検討していきたい。理解をいただきたい。



◆渡辺満委員 本会議でも、また先ほども金沢歌劇座についての質問があった。私は歌劇座の企画について質問したい。いろんな市で行っている従来型の一般的なオーケストラや劇団の招聘は、私はいつも感じているが、ある意味で全く益がないとは言わないが、一過性のものではないかという感じがしてならない。本当に市民にそういった文化が根差すのだろうかという疑問をいつも持っていた。こういった一般的な招聘を抑えて本当に市民に文化が根差すような工夫が必要ではないかと思っている。本格的なオペラは富山市のオーバードホールの方がむしろ歌劇座よりもホール的に適しているのではないかと思っており、金沢市は富山市とすみ分けた方がいいのではないか。むしろ市民オペラみたいなものを目指すべきではないかという感じもしている。19年度はそういった意味でどのような企画を持っているのか。オペラ上演についての企画を聞きたい。



◎蓑助役 金沢21世紀美術館で本当に世界から選ばれた作家にいろいろな作品をつくっていただいたり、作品を購入したりして子供たちを初めたくさんの人に影響を与えて、ごらんのとおり金沢美術工芸大学の卒業生の作品を見たり、先生方の作品を見ても、何か今までと違う力強さ、それから世界へ出してもおかしくない作品がどんどんで来ている気がする。この歌劇座でも世界でのそうそうたるメンバーの人に時々来ていただいて、金沢の子供たちにもいい刺激を与えることも必要ではないか。委員の話もよくわかるが、それには10年、20年をスパンに考えてほしい。それにはいいものをたくさん市民に見ていただくことで、金沢ですばらしいオペラが、オペラでなくてもそういうものが生まれるのではないかと私は期待している。

 どういう企画をしているかだが、地元の人も出演した自主制作によるオペラ公演を予定したり、市民芸術村で活動中のジャズグループによる金沢ジャズフェスティバル、同じく演劇集団のキッズ・クルーによる金沢子どもミュージカルなどを実施することにしている。なお、人材育成事業としても子どもオペラスクールを9月に開講することにしている。



◆渡辺満委員 子ども塾シリーズの中にオペラも入ってうれしいと思う。子供たちがオペラに関心を持って、将来オペラにかかわるような仕事につきたいという希望を持ってもらうのは非常に大事なことである。しかし地元在住のオペラのソリストを育てることもまた必要なことではないかと思っている。企画の中でそういった地元の声楽家にも出演のチャンスを与えるような企画上演ができればと思うが、そのことについての意気込みを聞きたい。



◎蓑助役 昨年、子供向けのオペラで「小さな魔笛」が公演され、大変好評だったと思う。子供たちのオペラへの関心が高まっていると思う。加えて、新年度に金沢歌劇座に名称変更し、オペラ上演の場も整えつつあることから、子どもオペラスクールを開講するつもりである。それから、オペラスクールの活動を通じて、子供たちが音楽や演劇、踊りなど多様な要素を有するオペラという総合芸術を体感することで、創造力、感性にあふれた人間として成長を願うと同時に、将来のオペラを担う人材になってもらえればということで開講するつもりである。大人の方もいろいろ訓練してぜひこの歌劇座ですばらしい合唱をしていただきたいと願っている。



△[公明党の質疑応答]





◆増江啓委員 当初議会代表質問、また一般質問、午前中の連合審査会とたくさんの質疑が行われたが、金沢美術工芸大学に関する質問がこれまでなかったので、若干聞きたい。

 けさ、蓑館長から4年でアメリカへ帰るという話があった。平野学長も平成15年に学長着任以来4年の任期を終えて、学長を交代するということで、美術また芸術とは全く縁遠い私が、浅学非才を顧みず最後にぜひ学長の高説を聞きたい。

 美大は、昭和21年戦後間もない時期に、敗戦の混乱と虚脱の中で学問を好み、伝統を愛し、美に親しむ金沢市民の熱意に支えられ、伝統工芸や美術の継承、保存、育成を目的に創設された。当初の専門学校から短大、また大学と発展してきて、金沢の歴史や風土にも支えられ、卒業生は各方面の広い分野で活躍していることは広く知られている。

 学長は昭和32年から半世紀にわたってこの美大で教鞭をとり、数え切れないくらいの人材を輩出し、教え子の多くが社会で目覚ましい活躍をしている。

 そこで1期4年、学長としてこの美大に着任し、学校の運営、改革にも道筋をつけてもらったわけだが、この4年間を振り返っての感想を聞く。



◎平野金沢美術工芸大学長 昭和21年というと、日本が非常に食べ物もなく焦土化してしまった時期で、金沢においてこのような美術大学をつくることは全国でも注目されたと思っている。私自身が自分の終戦のころを考え、照らし合わせてすばらしいことだという感激を持って昭和32年からこちらに通わせてもらい、些細な貢献をさせていただいた。

 今、世界はグローバル化と言われ、開発途上国の大きな生産力が世界を変えつつある。先進国ではそれに対して高品位の製品をつくっていく以外ないということで、各国が各国の特徴あるいは伝統を踏まえた非常に魅力ある心のこもった製品をつくっていかなければならない時代になってきている。それには金沢は日本で最高の地域であると私も感じているが、先般、経産省の産業政策局長に見に来てもらい、いろんな説明をしたが、彼もすごく感激して帰った。これぞ日本の最高のまちだ、最高の文化だと言って帰った。それで帰ってから、ついこの間、高品位化政策というものを打ち出した。金沢美大はその一翼を担ってこれからやっていこうという気持ちになっている。

 それから、ファッションデザインコースを設けさせてもらった。私が学長を承る前から山出市長から何か繊維産業の伸展をするのにどうしたらいいかという話をよくされたことと、また、大学の新しい改革の理念として特徴ある大学、地域貢献が大きな命題となっており、それで繊維産業と大学と市とがベクトルを合わせてやっていけば、それこそ高度な繊維のステージに入っていけるのではないかと、皆さんの総意のもとにファッションデザインコースがつくられたわけである。ついこの間、2年前のことだが、ここにいる浜田局長と2人で特攻機を組んで戦場に赴く気持ちで一生懸命やってできたことは今でも誇りに思っている。

 ファッションというのは、衣食住の3つの統合であって、着るものだけではなく、なべかまからカーテン、そういうものまであるわけだが、ファッションコースを設けろと言われ、大学の先生方の意識が物すごく変わった。みんなで協力しなければこれはできないので、一つのセクションを超えて、閥を超えてみんなで協力してファッションコースができた。それが感想である。



◆増江啓委員 今度、美大OBの先生が新しい学長に就任する。学長と同じ工業デザインの専門だと聞いているし、隣の福井県出身の先生が学長に就任するということで、新しい学長への期待と、どのような点をバトンタッチしていきたいか、簡潔に答えてほしい。



◎平野金沢美術工芸大学長 今度新学長になる久世教授は、先ほど言ったように福井県出身で柔道3段、工業デザインで私の教え子である。彼と私は本当に親子の感じで親しいが、先ほど言ったファッションコースをつくるとき、あるいは皆で門閥、派閥を超えて協力するぞというときに指揮官をしてくれた。そして、上昇気流をとらえるための仲間である。まいた種を立派に育てることを中心にさらに新しい種をまこうという気持ちでいるので、皆さんの協力をお願いする。



◆増江啓委員 今ほど新しい学長への期待の言葉をもらったが、知ってのとおり美大はスウェーデンのイエーテボリ大学ヴァランド芸術学院とか、またフランスのナンシーの美術大やベルギーの王立アカデミー校と学生の交換とか教員の派遣をし合うなど交流をしており、平野学長時代には北京の清華大学との交流も始まった。新しい学長のもとで設置者として美大の将来をどのように展望しているのか、市長に聞く。



◎山出市長 まず、平野学長には4年間、美大の名声を国の内外に高めて広めることに尽力してもらった。なおかつ、ファッション学科をつくることに奔走してもらい、私からも感謝を言いたい。

 新しい学長だが、まじめな人柄である。私もよく承知している。新しい学長に私から求めることは、改革をしてほしいということに尽きるし、その改革は一言で言ったら意思決定過程を簡素化してほしい、このことに尽きると思っている。このことに先生方が投じてきた労力をこれからはぜひ研究と教育に回してほしい。そして、研究と教育課程を充実させることで世界に通ずる後継を育てていってほしい。

 私は新学長には思い切ってやってほしい、こういうことを4月1日に強く言う次第である。思い切ってやって、そしてこの美大をさらに発展させてほしい。



◆増江啓委員 引き続き、事務局長にも一、二聞きたいが、一つは独立行政法人化の問題である。国立大学は、独立行政法人として新しいスタートを既に切った。この独立行政法人化は大学の改革とかまた活性化の手段として有効な手段であると言われている。美大の場合には比較的造形芸術に特化した小さな規模の大学でもあり、必ずしも国に倣って独立行政法人にしなければいけないのかは疑問もあるが、独立行政法人化によってどんなメリットやデメリットがあるのか。



◎小村金沢美術工芸大学事務局長 これまで学内で研究を幾つかしてきた。その中で教職員の任用方法の弾力化、そして柔軟な会計制度下での効率的な調達、そういったことの運用メリットがあるが、その一方では規模の小さな単科大学であることから初期投資に対する効果は果たして十分得られるのか。そして、新たに必要になってくる資金獲得の際に、倫理性の確保をどうしていくのかなど課題が非常に多いという問題点も議論されてきた。

 新年度に結論を出すわけだが、美術工芸教育の分野に法人化がなり得るのかどうか。そんな本質的な議論も含めて論点を整理し、外部の識者から成る大学の運営諮問会議に図った上で設置者と協議していきたい。



◆増江啓委員 先日、石川中央都市圏議会連絡会の行政課題研究会があり、学長を講師として招いて「地域文化と産業」という貴重な講演をしてもらった。講演の最後に学長から、美大も現在の場所に移転して35年以上がたち非常に施設の老朽化も目立ち始めてきた。新しいファッションデザインコースの面々も一生懸命すばらしい作品をつくろうとしているが、学生が創造力を沸き立たせるには余りにも劣悪な環境でその窮状を訴えていた。議員の皆さんもぜひ留意してほしいという話もあったが、今後の改善策について聞く。



◎小村金沢美術工芸大学事務局長 出羽町から移って35年が経過し、老朽化への対策がそろそろ現実のものとなってきた。新しい年度には壁面の修理、そして屋上防水工事に取りかかるが、今後ともメンテナンスには十分心がけていかなければならないと思っている。

 そして、中期計画を策定していくわけだが、この中では教育課程を充実させていくことをねらいにしている。そうすると、老朽化だけではなくて教室の手狭さの解消も課題に上がってくるので、ハード面での検討も避けられない。もっと言えば避けてはいけない。そんなふうに心づもりをしている。



◆増江啓委員 学長には本当にこれまでの功績に心から敬意と感謝を表し、今後ますますの活躍を祈って、また金沢美大をいつまでも見守っていただくようにお願いをして、次の質問に移る。

 第2の質問は、金沢の農業についてである。

 先日、市長と一緒に金沢市立工業の卒業式に参加する機会があったが、そのときに市長は、金沢をものづくりでもっともっと元気なまちにしたい、ものづくりは第2次産業だけではなく、ファッション産業や農林業もものづくりに含まれるという話をした。子供たちにとって非常に印象に残ったのは、鉄工所で働く人たちの手は油で汚れている。また、田んぼや畑で働く人たちの手は土で汚れる。しかし、そんな人たちの手がすばらしいものをつくってきた。今後、そういった人たちのためにも技術革新やブランド化、また販路の開拓のためにもどんどん応援し、ものづくりで金沢を元気なまちにしたいという話だった。

 特に新年度予算で、金沢の湯涌地区で栽培するジネンジョの「金沢藤五郎」が去年、農水省の品種登録の認可を受け、金沢ブランドの野菜に新しい特産物として加わった。聞くところによると、この「金沢藤五郎」の名前は金沢の地名の由来とされる芋掘り藤五郎の伝説にちなんだものだが、名づけ親は山出市長と聞いている。

 農業センターが湯涌地区の山中で自生していたジネンジョの中から非常に高品質なものを選び出してバイオ技術でふやしていき、平成8年から約10年がかりで試行錯誤を繰り返して新しい品種として認められた。これを金沢ブランドとして全国に発信していくことが望まれるが、「金沢藤五郎」の特徴と産地育成のための今後の方策について聞く。



◎手嶋農業センター所長 特徴として、肉質が密で粘りが強く変色しにくいなど、在来種に比べてすぐれた特性を備えている。

 新年度においては、部会を立ち上げ、生産者の栽培技術の向上を図るとともに、新たに犀川、医王山地区において増殖圃を設置して、生産を拡大しながら中山間地域における特産物として育てていきたい。



◆増江啓委員 もう一つ、金沢梨についてだが、生産量が少ないので決して全国的とは言えないが、崎浦や鞍月、また大徳などを産地とする非常においしいナシである。

 新年度に海外に新しい販路を開拓していくための販路確立支援事業をスタートさせるということだが、これは県内では初めての試みと聞いている。台湾への輸出の道を開いていきたいと考えているようだが、この販路確立事業の輸出スケジュールとその留意点についていま一度聞きたい。



◎手嶋農業センター所長 輸出スケジュールについては、まず生産果樹への登録を行う。その後、植物防疫所による果樹園や選果場の検査などを受けることになり、台湾への輸出時期については9月下旬ごろになる見込みである。

 留意点だが、台湾での規制が厳しい害虫検疫や現地での輸入業者や販売業者の選択などが挙げられる。今後、出荷団体と連携しながら輸出がスムーズに行われるよう支援を行っていきたい。



◆増江啓委員 市として加賀野菜や特産農産物の生産の振興と消費の拡大に向けてさまざまな取り組みを行っているが、ブランド協会を核としたブランド化についてどのような将来展望を持っているのか。



◎宮島農林部長 加賀野菜については現在得ている知名度に満足するのではなく、さらに全国の有数ブランドに高めることが必要と考えており、そのため今後ともブランド協会を中心として、ホテル、旅館、百貨店、料理店など幅広く連携し、一層の消費拡大に努めたい。また一方、新年度からは1年を通じて販売できる食品加工化を推し進め、この加工品との相乗効果を図るなど、より一層力を入れていきたい。



◆増江啓委員 金沢農業がさらに意欲ある多くの担い手に育成されることを願い、松井議員と交代する。



◆松井純一委員 それでは、二番手として質問する。

 まず、ものづくり基盤の強化についてである。

 本市全体の活力をさらに高めるためには、何と言っても産業基盤の強化が不可欠である。金沢港のマイナス13メートル岸壁の採択とコマツの大浜地区進出決定は港湾企業の拡充、雇用の創出、人材育成など、今後の飛躍発展に影響は極めて大きいものがある。

 市長は本年をものづくり元年と位置づけ、企業基盤の整備を初め、ものづくりに関する施策の強化を積極果敢に進めるため、庁内にものづくり政策会議を設置することを表明したが、この会議の設置目的と役割は何か。



◎山出市長 先ほど山野議員が自主財源比率を高めることの必要性を指摘していた。私もそういうことを思ってきた一人であり、そのときはどうやればいいのか、とりわけ繊維業界に元気がないので、繊維にかわるものづくりをどうやってつくるか、ここがポイントだと思ってきた。

 そういう意味で、横河電機、日機装という医療機器メーカーが出てきてくれたことは大変ありがたいことであるが、私にとるとこうした企業はもう一つ末端でインパクトに欠ける。鉄工所が忙しくならないので、そういう意味で悩み続けてきたところにコマツが出てくることは大変ありがたいことだと思っている。

 関連企業とか鉄工所に与える影響、そしてこれがまた雇用に与える影響を考えると、私どもはこの機会を絶対逃してはいけない。きちっとしていかなければいけない。このことは単に業界をふやすだけでなく、一体このことにかかわってどういう政策を打っていかなければいけないのか。ひょっとすると、技術力を高めるための人材育成にもかかわるわけであり、私は大学教育だけでなく、市立工業高校の技術教育にも気を使っていかなければいけないと思っている。究極にはそうした企業が立地するためのまちの条件は何か。医療も福祉もそして教育も文化もということにもなるわけで、こういうことを全庁的に一生懸命頭をひねっていきたい。



◆松井純一委員 本市には現在さまざまな委員会や庁内横断組織が設置されているが、形ばかりで実質的には余り機能してないものも幾つかあるのではないか。この会議も単なる情報交換などの会議に終わらせることのないよう、本当に大所高所に立った議論は当然だが、何らかの具体的な課題や詳細を提示するなど、市長の直属組織として実効力のある組織であることが必要ではないか。現段階で考えている具体的な組織構成について聞きたい。



◎角総務局長 ものづくり政策会議は市長の主宰のもと、都市政策局長を担当にあらゆるものづくりに関係する局長、部長等で構成を考えている。具体的には、産業局長、農林部長、都市整備局長を初め必要に応じて美術館や美術工芸大学、そして市立工業高校などにも職員の出席を求め、学術、文化との連携についても配慮するなど、柔軟で円滑な運営を心がけていく。



◆松井純一委員 コマツの金沢進出を契機に、関連企業の受け皿として期待されている粟崎地区において新しい工業団地の整備が計画されているが、この地域については以前、県が造成しゴルフ場に転用した大浜工業団地に面している。海岸にも近く、特に冬ともなると突風とも言える潮風が吹き荒れ、大変なところである。そこで、製品を加工したり組み立てをしたりする工場の立地場所としては、塩害の観点から適地なのかどうか一抹の不安を感じるが大丈夫なのか。このことで一時期、臨海工業団地が敬遠され、内陸型の工業団地が脚光を浴びた時期もあっただけにその点について聞きたい。



◎君塚産業局次長 指摘のとおり臨海型の工業用地については、塩分、それから風への対策が必要となる。しかし、港から重量物を出荷するような企業にとっては、輸送コストだとか排出CO2削減などのメリットが大きいわけであり、適地になると考えている。

 例えば先日稼働したコマツの金沢工場だと、扉を二重にすることなどで塩分を含む風を防いでいると聞いており、そういう立地の判断だとか塩害、風への対策は企業側においてなされるものと認識している。



◆松井純一委員 ファッション産業の強化を目指し、昨年10月ライフ&ファッション金沢ウィークが開催され、目標以上の来場者や多くの商談があり、イベントとしては大成功であったが、具体的にどの程度のビジネスチャンスに結びついたのか。商談としては630件あったと聞いている。また開催から半年が経過したが、打ち上げ花火的なイベントではなく、継続した商談が続いているのか。昨年を総括して具体的な商談の成果について聞かせてほしい。



◎山田工業振興課長 昨年のウィークでは繊維、工芸合わせて延べ250社、650点の商談があった。その後の商談、成約の状況は、企業の営業活動にかかわることであり、すべてを把握していない。繊維では地元テキスタイルメーカーとヨーロッパのアパレルメーカーとの商談が成立したこと、それから地元デザイナーの製品が企業の制服として採用されたこと、また工芸品では大手デパートから引き合いがあり、都内の展示即売会で相当な売り上げを上げたことなどを聞いている。



◆松井純一委員 ことし開催予定のライフ&ファッション金沢ウィークでは昨年の課題や反省点を踏まえ、どのような戦略を計画しているのか。



◎山田工業振興課長 本市のファッション産業をいかにビジネスにつなげていくかが課題である。ことしは分野別に販売戦略アドバイザーを置き、売れ筋の見きわめ、バイヤーの新規開拓、見本市後の売り込み強化など商談成立を目指し、戦略的で積極的な取り組みを進めていく。



◆松井純一委員 次に、ものづくりの強化やまちのにぎわい、回遊性、空き店舗の解消など、すべてに関連する事項で、武蔵−香林坊−広坂間のメーンストリートにファッション関連店舗の誘致をする「かなざわファッションストリート」の取り組みであるが、具体的にはどのような内容か。



◎羽場商業振興課長 まず、商店街関係者と市で組織する誘致推進本部を設置し、誘致戦略の策定や誘致活動を展開することとしている。出店者に対しては、店舗改装費や家賃の一部を助成し、さらに誘致成功報酬制度を設けるなど、多面的な取り組みにより空き店舗へのファッション関連店舗の集積を図っていきたい。





◆松井純一委員 ものづくりといえば欠かせないのが金沢の伝統工芸である。加賀友禅や九谷焼、金箔、桐工芸などだが、これまでもこれらの工芸品の販売普及に本市としても取り組んできているが、新年度に工業振興課内に伝統工芸産業振興室を設けるねらいは何か。



◎加納産業局長 伝統工芸産業振興室は大変厳しい状況にある伝統工芸品産業の活性化、そして新しい時代に合った産業として振興を図るために新設する。そこでこれまでの新製品開発や後継者育成に対する助成等による支援はもちろんだが、ファッション産業創造機構などと連携して、より斬新なものづくり、ブランド化、海外へのチャレンジなどを業界と一緒になって取り組み、新しい活路を切り開いていきたい。仏壇以外にも活路を開いていくべく金沢箔研究所の開設準備も同時に担っていくことにしている。



◆松井純一委員 同じくものづくり関連だが、IT産業の育成であるITビジネスプラザ武蔵がことしで4年目を迎えるが、これまでどれだけの起業家が育ち、独立、自立したのか。また、新たな支援策などこれからの取り組みを聞く。



◎山田工業振興課長 平成16年7月のオープン以来、ソフトウエア開発及び設計業務の2社が自立し、現在、金沢市内で事務所を開設し創業している。

 新年度からIT特許に係る専門の相談窓口を開設し、特許の取得を支援するとともに、ITビジネスプラザ武蔵から自立して市内に事務所を開設し、市民を雇用する際に雇用者1人当たり20万円の助成を行う制度を設け、新規創業を支援していく。



◆松井純一委員 次に、まちの魅力とにぎわいの創出について聞く。

 昨年4月15日に金澤表参道となった横安江町商店街のにぎわいが1年前とどのように変わったのか。観光客は金沢駅へおり立って鼓門から真っすぐに武蔵へと行くのではないか。駅から別院通り、また横安江町へ、そしてめいてつエムザへとの人の流れ、回遊の方策があるのか。



◎羽場商業振興課長 横安江町商店街のにぎわいについてだが、昨年の再整備に合わせ39の店が店舗改装をし、新規出店も3店あり、人の流れはふえつつある。

 新年度、商店街が行う事業に七夕笹まつり復活や東別院お花ぞろえとの連携などがあり、市として支援することにしている。

 次に、駅から別院通り、横安江町商店街、エムザへの人の流れの方策についてだが、このルートには誘導表示を設置しており、また、「かなざわアートスポット散策マップ」を作成しルートの紹介もしている。今後ともその周知に努めるとともに、別院通り商店街と横安江町商店街が互いに連携を深め、人の流れをつくることができないか、さらに働きかけを行いたい。





◆松井純一委員 早寝早起き朝ごはんだが、本市の朝の欠食率、子供だけで食べる孤食、肥満率などを聞かせてほしい。



◎大路学校教育部長 平成18年2月に実施した金沢市の学習意識調査の中で、朝食について調査したところ、「朝食を毎日食べるようにしているかどうか」の問いに対して、本市の小学校6年生の82.5%が「とても当てはまる」、また10.8%が「まあまあ当てはまる」と回答し、中学校2年生にあっては80.5%が「とても当てはまる」、11.4%が「まあまあ当てはまる」と答えている。肥満率については、平成18年度の調査で肥満度20%を超える者は小学生が6.36%、中学生が8.18%である。なお、朝食を子供だけで食べる孤食についての調査はまだ行っていない。



◆松井純一委員 本市の取り組みはどうか。



◎大路学校教育部長 各学校では、金沢市健康教育推進プランに沿って、健康課題の一つに食教育を位置づけて、家庭や地域と連携し各種の健康をテーマに食教育の公開授業に取り組んでいるほか、このようなパンフレット(別紙「金沢市健康教育推進プラン家庭編」)をすべての保護者に配付している。この中で、家庭、家族一緒に朝食をとることや、早寝早起き等の規則正しい生活リズムの大切さを啓発している。

 また、子供の早寝早起きや食習慣に関する責任は基本的には家庭にあることから、早寝早起き朝ごはんの推進をPTAに働きかけ、家庭教育学級等で取り組んでいる。



△[社民の質疑応答]





◆森一敏委員 1番目は、財政破綻問題である。12月議会が終わってから、夕張市の財政破綻が大きな話題になり、市民の間でもこの問題について話が交わされている。まず端的に、本市として夕張市の財政破綻の原因をどのように見ているのか。



◎山出市長 形式的に言えば、一時借入金を起債収入であるかのごとく運用し、会計操作をした。これはしてはいけないことだったと思う。実態面からは、都市経営は奇をてらい、趣味でやってはいけないということである。レジャーランドやテーマパークがいいとか、そういうことをやるべきではないとつくづく思う。基本に忠実な市政運営が必要だ。絶えず言うのはこのことであり、観光の仕事に精力を注ぐならば、先ほど言ったものづくりに徹したい。





◆森一敏委員 確かに財政運営や、それを認めてきた議会の責任は非常に大きいと言わざるを得ない。しかし、バブル崩壊後の失われた10数年を考えたときに、少し酷な面もある。今の答弁は、市長の厳しい決意と理解するが、夕張市は産炭地でありエネルギー政策が大転換を強いられた問題がある。私の認識ではバブル崩壊後、アメリカから630兆円規模の公共投資の要望が対日要望として出たと理解している。これに各自治体と国が共同歩調で大きな公共投資を行ったという経過がある。それから観光資本に目をつけたのは、夕張の置かれた立地条件や自然環境を踏まえて最も適切な産業の誘致としてこのような判断になったと思うが、ブームが去り資本は逃げていった。そのしりぬぐいをしなければならなかった問題や経済情勢、ある意味では国の責任について明確にしておく必要があると認識しているがどうか。



◎山出市長 前に金沢市の助役をしていた原田さんは、今北海道の総務部長である。先日、原田さんには道の責任もあると言った。道も積極的に介入して支援すべきであり、国の責任もあるが道もやはり責任の一半を負うべきだと言った。

 究極には、やはりこういう事態が起きたので、後をどうするかということであり、国の支援に合わせて自助努力も必要だと思うし、我々にとっても他山の石としなければならない。



◆森一敏委員 まさに他山の石としなければならない。決して国政だけの考え方ではないと思う。こういう状況に立ち至った夕張市の負債は、360億円と言われていて18年間返済していく。この返済もまさに行政の住民サービスを切っていかなければならない。職員給与30%のカットなど、大なたを振っていかなければならない。それは当然住民サービスに非常に影響を受ける。特に高齢者が多いと言われている1万二、三千規模の自治体なので、市の行政と市民の血のにじむ努力でこれを返していかなければならない。12あると言われている金融機関には全額先に返済する処理の仕方と聞いているが、市民や一生懸命額に汗して働いてきた人たちに一方的なしわ寄せがいき、処理されていくことも決して望ましいことではない。そこで、他山の石といわれた。本市もこの間、歳入がどうにかふえてきた。そして、起債制限比率もデッドラインにはまだ少しポイントはあるが、非常に高い状態で推移してきたので、夕張の二の舞にならない自信があるかを改めて聞きたい。



◎丸口財政課長 本市ではこれまで交付税措置のある起債に限って発行してきたため、起債残高は確かにふえているが、残高に占める実質の市民負担は一般会計で約39%、全会計でも26%であり、それほど実質的には多くない。こうしたことが実質公債費比率あるいは起債制限比率に影響していて、安全な範囲内にある。財政の健全性はしっかりと保たれている。また、平成15年度より中期財政計画を策定して市債の繰り上げ償還、新規発行の抑制などに取り組んでいて、その効果があらわれ起債残高については16年度から実質的に減少に転じている。19年度末では実質270億円、これがピーク時に比べて減少した。今後も計画の実践に取り組み、財政基盤の強化に努めていく。



◆森一敏委員 中期財政計画については何度か議場でも説明を受けた。その計画どおりに健全な財政に向かってさらに前進していくことは本当に大事なことだと考えているが、この地方交付税措置のある起債を起こしてきたことはある意味では国を信じて、市の財政を組んできて、今後もそれを信頼していくという大きな前提条件があると思う。

 私は夕張市のことを言ったが、本当にいつまでも国を信じていくことには若干不安がある。特に交付税の問題、地財計画が示されていることもこの間随分言われてきたし、本当にもしそれが命綱であるとすれば自助努力の問題もあるが、やはり財源の中での交付税が命綱であるとすれば、それは本当に大丈夫なのか。その辺の認識を再度伺う。



◎丸口財政課長 起債については償還について交付税措置があり、今年度についても基準財政需要額の中に見ている。問題は国、地方を通じて借金が733兆円程度あるということで、やはり国、地方を通じて歳出をスリム化していくことが必要になってくる。その意味で地方財政計画の抑制が図られているが、地方としてはこの動向を踏まえて必要なものは必要ということを国に言っていくことが大切だと考えている。そうした意味でも、地方へ税源を移譲する、あるいは地方交付税の財源調整機能、財源保障機能を守る、それから予見性を高めるための中期の財政ビジョンをしっかりと示すことが非常に大切だと考えている。これについては国へ強く求めていかなければならないし、同時に市としても先ほどの国、地方を通じた債務残高等をかんがみて自助努力の観点からしっかりと足元を固めることも必要だと考えている。それにより、将来にわたって市民ニーズにこたえ得る財政体質を維持していくことが大切だと考えている。



◆森一敏委員 今ほど交付税にかかわる問題で認識を答えられたが、地方交付税を地方共有税制度に転換すべきだということを地方6団体が提言していた。私はその将来的な実現が非常に明るいと思っているが、こういう地方の財政確立という問題にかかわって地方共有税制度への移行ということについて、ぜひ市長に現在の思いと今後の見通しを聞きたい。



◎山出市長 地方共有税という言い方だが、交付税は地方固有の財源だということを表示している。表見上そういう言い方をして、交付税の本来あるべき姿は地方固有の税である。交付税といっても本質は税であるということを言おうとするのが地方共有税という言い方だと思っている。

 そして、それを具体的に象徴するテクニックだが、交付税原資−−法人税や酒税、所得税などだが、その交付税原資を交付税特会へ入れるのに一般会計を通じて入れるのではなく、直に交付税特会へ入れていく。こういうテクニックを講ずることが地方固有の財源だということを形式的にも表示する方法だという趣旨である。この趣旨はぜひ実現の方向に行くべきだと思っている。国の一般会計を通して交付税特会へもう一度また出すという、そういう回りくどい方法ではなく、直に特会へ入れるという趣旨であり、ここに地方固有の財源としての交付税を位置づける考え方は大変いいと思っている。実現したいが、そう簡単ではなく、これから地方分権第二期計画の主要なテーマだと思っている。



◆森一敏委員 この第二期改革の一番の課題だと受けとめたい。議会としても共通認識を図って、地方から、政治の側からプッシュし、かかわっていかなくてはと思う。

 それでは、先の市税、自己税比率だが、言葉は違うかもしれないが、これを高めるために企業誘致も非常に重要だと言った。今回の来年度予算においても2けたの億の大きなお金が計上されているが、今定率減税の廃止などさまざまな面で非常に負担が大きくなっている。こういう市民感覚の中で、そこへの投資は本当に共感を得ていくものかどうか、説明責任が必要ではないかと思うが、どのように考えているのか。



◎君塚産業局次長 金沢港や周辺整備に関する予算が計上されている。これらの整備だが、金沢港を国際的な物流拠点として飛躍させるため、またコマツやその関連企業のみならず、広く港湾を活用する企業の立地を促進して、本市の産業構造を強化するために不可欠な社会資本整備であると考えている。そうすると、経済的な波及効果はもちろん、雇用や税収が増加する効果もあり、まちに活力を与えるために必要なことと理解を得られるものと考えている。



◆森一敏委員 事業決定をするときに、費用対効果をどの程度具体的に試算をしていくのか。これが説明責任を果たすときに一番の要素だと思うが、今の答弁では余りにも漠然としている。もう少し中身について答弁してほしい。



◎加納産業局長 企業の誘致による税収はもちろんのこと、雇用、消費、さらには一次下請、二次下請、三次下請等々への影響は、多大なものがある。一例を挙げると、現在のコマツが大浜でつくった新工場は、毎年約150億円の波及効果があり、さらに建設効果は100億円ということである。こういう具体的な数字もカウントしながら市民の理解を得ていきたい。



◆森一敏委員 小さな鉄工所を営む方から、これから仕事になるのかという話も聞くので、ぜひ納得してもらえるよう事業の進捗に合わせてしっかりと情報開示をし、説明してほしい。

 2番の土地問題だが、次の機会が与えられたら、そこで取り上げることとして、3番の項目へ入る。

 本市の国民保護計画についてである。

 まず、2月の段階で計画が策定を完了した現状で、パブリックコメント等で市に寄せられた市民の意見は一体どのように反映されているのか。



◎小川市民局長 本市の国民保護計画は、国民保護法の規定に基づき国民の保護の措置に関し広く住民の意見を求め、施策を総合的に推進するため設置された金沢市国民保護協議会で協議され、その答申を受けて作成したものである。また、パブリックコメントを実施し市民から直接意見や内容について聞いた。その一つ一つについて、取り扱いや考え方等について協議会の承認を得てホームページに掲載している。その中で職員に対する国際人道法に関する研修、訓練参加における住民の自主性の尊重などの意見については、今後の運用面で取り入れることになっている。



◆森一敏委員 本会議でも指摘したが、今の答弁にあった国民を保護しなければならない責任が自治体にあるということである。そのために計画をつくったわけで、軍民を分離する大原則が1977年のジュネーブ追加議定書に一層精緻に明確に規定されているが、この原則がこの国民保護計画の中で具体的にどのように規定されたのか。



◎小川市民局長 金沢市国民保護計画では、基本方針の中に国際人道法の的確な実施について規定するとともに、当然ジュネーブ諸条約の第一議定書の規定も入っているが、このジュネーブ諸条約に基づき、文民保護のための要因と戦闘員を明確に区分させるための特殊標章等の交付及び管理、その普及啓発に関する規定を盛り込んでいる。



◆森一敏委員 軍民分離原則の計画への具体化という問題は、もちろん重要な内容だが、具体的に国際人道法とともに組織され成長してきたと言っても過言ではない赤十字の基本的な認識の中で、住民の避難誘導に、武装組織である自衛隊に支援を要請することには問題があると指摘されている。これについては、計画策定までの段階で具体的にどんな議論が行われたのか。これはパブリックコメントに寄せられた意見に対する回答も含めて、まだ明確になっていないと感じているが、この部分について具体的にどのような検討がなされ、どのような認識で計画の策定に当たられたのか。



◎小川市民局長 自衛隊の持つ役割については、自衛隊の持つ資源や能力が国民保護措置を実施するに当たり必要となる場面も想定され、主たる任務である侵害排除を遂行しつつ、避難住民の誘導や武力攻撃災害への対応など一定の役割を果たすことができ、このため自衛隊法の一部を改正し、自衛隊による国民の保護のための措置を国民保護法では「国民保護等派遣」と規定したところで、この規定に基づき国民保護計画の中に自衛隊の規定を盛り込んだ。



◆森一敏委員 今、自衛隊に一定の役割を期待するという答弁があった。それから実際の計画の中には、自治体等の取り組みによって困難のある場合、この場合に要請するとなっている。その役割や困難というのは一体どのように想定しているのか。



◎小川市民局長 武力攻撃事態等は不測の事態で、あらかじめ明確に規定することは大変難しいが、国民保護計画の中では避難誘導の際に自衛隊への協力要請ができる場合は、「市職員及び消防機関のみでは十分な対応が困難であると認めるとき」と規定している。



◆森一敏委員 想像、推察すると、国際人道法の追加議定書の中で基本原則が掲げられている。住民を安全に避難させ誘導し、避難後の生活の安全を保障していかなければならない。そのために軍と民を分離しなければならないと規定している。先ほどの日赤の担当者は、軍隊組織や軍の要員にその誘導を依頼するということは攻撃の巻き添えを引き起こすことになる。だからこの点をよくよく自治体の担当者は考慮してほしいと言っている。その部分について明確な答えになっていないのではないか。



◎小川市民局長 ジュネーブ諸条約の第一議定書は、戦闘から文民を守るための内容である。その中には、自衛隊が文民保護のために配属される構成員及び部隊はその中で戦闘員と明らかに区分され、保護されることになっている。具体的には追加議定書の67条である。このため、国民保護法の仕組みの中では戦闘員と明らかに区分して国民保護派遣という別途の派遣の規定があり、その国民保護派遣に同意を受けた自衛隊のみに対して自衛隊の避難誘導の要請をできることになっている。



◆森一敏委員 67条の規定については認識している。常にその任務に専ら携わるときには幾つかの厳しい条件がそこに課せられている。そのあたりもしんしゃくして、市民の平和的生存権を守るための避難誘導のあり方はどうあるべきか、もっと精緻な議論をしてほしい。この計画については不断の見直しを今後行い、この議論について深めてほしいと要望する。

 そこで、自治体によっては軍民分離の原則を徹底しなければならない考え方に立ち、例えば西宮市などは自衛隊に避難誘導の要請を求める場合でも、武力攻撃が差し迫っているような状況では要請を求めないという記述を計画の中に盛り込んだということである。そういう自治体独自の住民サイドに立った計画策定は可能であると考えていて、そうした他都市の事例をどのように受けとめているのか。



◎小川市民局長 国民保護計画については、国民保護法の規定、それから石川県の国民保護計画と整合性でつくられている。西宮市の国民保護計画について調べたところ、本市のモデル計画と違うところは2点ある。1つは国民保護計画の中に避難誘導について独自の文言が入っていること、それから自衛隊の要請についても独自の文言が入っている。この2番目について今質問があった。西宮市では、避難誘導の際、「武力攻撃事態等が切迫している状況等においては自衛隊に協力要請をしないことがある」と明記されている。

 自衛隊の避難誘導は、本市の計画の中には入っていないが、緊急に侵害排除を要する武力攻撃事態等が切迫している場合は自衛隊への協力要請を行わないこともあると思っていて、状況に応じ判断することになると考えている。



◆森一敏委員 これは感情論では決してなく、あくまでも国際人道法の規定に沿ってこれは紛争当事国双方の、攻める者も守る者も双方の責務であることになっているので、それが実効性を持つために最大限の努力を行うのは当然だと思う。

 市長にぜひ見解を伺いたいが、この国民保護に関する業務は基本的には法定受託事務という見解を示され、国や県等の一体性を大事にする必要があると答弁してきたが、地方の住民の安全保障、平和施策の観点から地方分権の立場に立ち国に対して見解をただし是正を求める、この国民保護の法体系の中に必要がある場合には市の立場として行動を起こすことも必要ではないかと思うが、今後の不断の見直しにかかわって、ぜひ市の主体的な姿勢について考えを聞きたい。



◎山出市長 地方分権は国と地方との権限、財源のかかわりだが、緊急を要する非常事態になれば、このこととかかわりなく超法規に処理をしなければならない。そういう事態の処理方法だと思い、分権の時代だから地方の自主性をということにはいかないと思っている。



◆森一敏委員 言われることも大事だが、あってはならない事態になった時点での対処については、想定を超えるものかもしれない。一番重要視しなければならないのは、平時、日常において、いかに平和施策に厚みを持たせていくか。そのことを国に対しても地方の立場から求めていくことが必要ではないかと思うので、ぜひ酌んでほしい。

 次に、全国一斉学力調査について聞く。新年度早々の4月に実施を予定しているが、改めてこの調査の趣旨、参加の目的について伺う。



◎嶋口学校指導課長 国における学力調査の趣旨は、実施要領によると「全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る」ことである。教育委員会、学校が全国的な状況等の関係において、みずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るために参加する。



◆森一敏委員 先日、活用力調査問題を教育委員会が各学校に対して配付したが、その中身を見る機会があった。この活用力調査問題は全国的に配付されているのか。



◎嶋口学校指導課長 活用力調査問題の配付については、国において既に予備調査の問題例の一部をインターネットで公開していて、これらが配付した中に含まれている。また、国の平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査問題についても既に公開済みである。



◆森一敏委員 この時期に、問題を配付された目的、意図はどこにあるのか。



◎嶋口学校指導課長 今、子供たちに求められている学力は、知識を問うだけでなく、身についた知識を活用することが求められている。学校現場においてその力を把握する問題作成に多くの時間や工夫を要しているため、参考例として配付した。



◆森一敏委員 配付の趣旨はわかった。学力調査は、数値、点数の扱いをめぐって随分ナイーブな議論がある。点数がひとり歩きして教育が左右される、支配されるという状況がイギリスでも問題が顕在化していると聞いている。この活用力問題例を配付されたことは、練習問題ととらえていいのか。



◎嶋口学校指導課長 この活用力調査問題については、要するに今求められている子供たちに必要な活用力について、問題作成に学校現場が苦慮していることから、ぜひ先生に参考にしてほしいと配付したもので、練習問題ではない。



◆森一敏委員 国際学力到達度調査が今の学力論争に火をつけた。私が知る限り、その調査で評価を受けている国の教育制度は決してテストを一つの目標に置いて、テストに向かうために教育をするやり方にはなっていない。そういう中から生きて働く人格形成を支えていく力を身についていくことが、明らかにされている。事前配付をして、あたかも練習のようにやり、そして学力テストで一定の点数を上げることに結びついていけば、まさに逆行するようなものになっていく。生きて働く本当の力を身につけていくための教育と、この学力調査の問題をどのように整合性を持って考えていけばいいのか。最後に教育長の見解を聞きたい。



◎石原教育長 子供たちが知識の暗記だけでなく、それらをもとに人生を生きていくために活用できる力は大事だと思っている。OECDの調査における活用力調査も非常にいい問題がある。それを見ると、大人がそういう力を自分自身も身につけるべきだと思ったというPTAや婦人会の方からたくさんの意見をもらった。

 今後も子供たちが知識や基礎をきちんと身につけながら、それを応用して自分の人生をしっかり生きれるような力をはぐくむべく、活用力のある授業を学校現場でも展開し、そのような問題作成に先生が堪能になれるように努めていきたい。



△[共産党の質疑応答]





◆近松美喜子委員 市営住宅条例の一部改正が提案をされているので、これについて伺う。駐車場料金の有料化は今日、貧困と格差が拡大する中で行うべきではないという本会議の質問に対して、受益者の適正化の視点という答弁があったが、どれくらいの収入を見込んで提案しているのか。



◎宮下市営住宅課長 市営住宅駐車場の有料化は平成20年1月から実施するため、平成19年度の歳入見込み額は3カ月分で約1,300万円の見込みである。通年にすれば約5,200万円になる見込みである。



◆近松美喜子委員 金沢市の市営住宅の駐車場管理台数は何台か。



◎宮下市営住宅課長 市内16の市営住宅における駐車場の管理台数は約3,200台である。



◆近松美喜子委員 1台年間約1万6,250円の市民負担増になると思うが、駐車場管理にかかわる経費はこの中でどれくらい見込んでいるのか。



◎宮下市営住宅課長 駐車場有料化に伴う管理経費については合計で年間約2,000万円である。内訳は、各団地の駐車場管理組合への委託料が1台当たり400円を見込んでいて、年間委託料は総額で約1,700万円、その他修繕費、消耗品費等で300万円の予定である。



◆近松美喜子委員 市民生活が大変困窮している。昨年の住民税増税や、ことしも政府が提案している定率減税全廃による1.7兆円の負担増の中で新たな負担を行うべきではないと指摘してきた。

 受益者負担の適正化というのであれば、必要経費の倍以上の収入を見込んだ料金設定、有料化はこのような状況の中で控えるべきではないかと思うが、市長の見解を改めて聞く。



◎山出市長 車を持っている、持っていない、市の駐車場を使っている、使っていない、そうした方々の均衡に配慮した。使用料金の減免については、ケースに応じて検討していく。



◆近松美喜子委員 市営住宅は公共交通の利便性が非常に欠けている場所にもある。そういう点から車は必要なものだと思うが、もともと公営住宅法は「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し」という目的を掲げているので、必要経費が約2,000万円、料金収入が5,200万円と倍以上の金額設定をした料金制導入は、市民生活が困窮をきわめている時期に行うべきではない。そのことを改めて強く主張して質問を終わる。

                               (以上)