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石川県 金沢市

平成18年  6月 定例会(第2回) 06月21日−02号




平成18年  6月 定例会(第2回) − 06月21日−02号










平成18年  6月 定例会(第2回)



          平成18年6月21日(水曜日)

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◯出席議員(40名)

     議長  的場豊征君        副議長 東出文代君

     1番  安居知世君        2番  宮崎雅人君

     3番  黒沢和規君        4番  松井純一君

     5番  森 一敏君        6番  粟森 慨君

     7番  北 篤司君        8番  清水邦彦君

     9番  新村誠一君        10番  福田太郎君

     11番  横越 徹君        12番  田中展郎君

     13番  村池敬一君        14番  浅田美和子君

     16番  干場辰夫君        17番  森 雪枝君

     18番  苗代明彦君        19番  渡辺 満君

     20番  近松美喜子君       21番  山野之義君

     22番  上田 章君        23番  澤飯英樹君

     24番  玉野 道君        25番  増江 啓君

     26番  出石輝夫君        27番  田中 仁君

     28番  中西利雄君        29番  関戸正彦君

     30番  升 きよみ君       31番  高村佳伸君

     32番  宮保喜一君        33番  不破 実君

     34番  木下和吉君        35番  南部康昭君

     36番  平田誠一君        37番  安達 前君

     39番  上田忠信君        40番  井沢義武君

◯欠席議員(なし)

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◯説明のため出席した者

 市長         山出 保君   助役         須野原 雄君

 助役         蓑  豊君   収入役        近藤義昭君

 公営企業管理者    山本文男君   教育委員長      津川龍三君

 都市政策局長     武村昇治君   総務局長       角 健治君

 産業局長       加納明彦君   市民局長       小川秀一君

 福祉健康局長     古田秀一君   環境局長       浜田健一君

 都市整備局長     坂戸正治君   都市整備局土木部長  土谷久幸君

 市立病院事務局長   廣田 健君   美術工芸大学事務局長 小村 隆君

 教育長        石原多賀子君  消防長        宮本健一君

 農林部長       宮島伸宜君   財政課長       丸口邦雄君

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◯職務のため出席した事務局職員

 事務局長       篠田 健君

 議事調査課長     縄 寛敏君   議事調査課担当課長  西田賢一君

 主査         上出憲之君   主査         横山 健君

 主査         関戸浩一君   主査         水由謙一君

 主査         安藤哲也君   主査         木谷満貴子君

 書記         一ノ宮直之君  書記         小木 茂君

 総務課長補佐     松田雅典君   書記         竹本 豊君

 書記         越田健靖君

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◯議事日程(第2号)

  平成18年6月21日(水)午前10時開議

 日程第1 議案第1号平成18年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号公有水面の埋立てに関する意見について及び報告第1号ないし報告第6号専決処分の報告について

                                   (質疑)

 日程第2 一般質問

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◯本日の会議に付した事件

  議事日程(第2号)に同じ

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     午前10時3分 開議



△開議





○議長(的場豊征君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。

 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。

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△会議時間の延長について





○議長(的場豊征君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。

 なお、上着の着用は御自由に願います。

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△議案上程





○議長(的場豊征君) これより、日程第1議案第1号平成18年度金沢市一般会計補正予算(第1号)ないし議案第20号公有水面の埋立てに関する意見について及び報告第1号ないし報告第6号専決処分の報告について、以上の議案20件、報告6件を一括して議題といたします。

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△質疑・一般質問





○議長(的場豊征君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。

 通告がありますので、これより順次発言を許します。

 23番澤飯英樹君。

     〔23番澤飯英樹君登壇〕     (拍手)



◆23番(澤飯英樹君) 質問の機会を得ましたので、私は自由民主党金沢・市民会議の一員として、以下、数点についてお尋ねをいたします。

 質問に入る前に、去る13日にお亡くなりになりましたオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督でもあり、生みの親でもある岩城宏之さんの金沢に対するはかり知れない御功績に対し敬意と感謝を申し上げ、心からの御冥福をお祈りいたします。

 それでは、質問に入ります。

 質問の第1は、金沢大学四十万農場跡地と安江金箔工芸館についてであります。

 先般、金沢大学の四十万農場跡地の約半分、2万平方メートルについて来年度末までに市が取得し、テニスコートや多目的広場、パーク・アンド・ライド用の駐車場として整備する方針が示されました。平成9年以来、広大な空き地としてどのような開発がなされるのか心配をしてきた地元住民からは、まずは安堵の声が聞こえてきております。この敷地は4月に開通した山側環状道路に隣接し、交通の便もよく、市南部地域の中核施設になり得ると思っておりますが、市長はこの敷地を活用してどのようなまちづくりを推し進めていくおつもりなのか、まずお伺いいたします。

 本市で購入、整備するということであれば、当然周辺住民の意向を踏まえた開発でなければならないと考えます。どのような形で地域住民の声を反映させていかれるのか、また、具体的にいつまでに整備を終えられるつもりなのか、現段階でプランがあるようでしたらあわせてお伺いいたします。

 また、残り半分については、民間による良好な住宅団地の造成を国に働きかけていくということでありますが、民間による開発だけに高層マンションなどという地域住民が望まないような開発がされるのではないかとの一抹の不安があります。今後どのような働きかけを関係機関にされていかれるのかお伺いいたします。

 さて、国は今後さらに国有地の売却・利活用を進め、市内でもこの四十万農場跡地のように売却される敷地が出てくることが考えられますが、今後、民有地も含め、地域の中核となるような場所について売却、処分などの話が出た場合、市としてどう対応していくのか、基本的な姿勢をお聞かせ願います。

 次に、安江金箔工芸館についてお伺いいたします。現在の安江金箔工芸館は、昭和48年に故安江孝明氏が建設し、昭和60年に本市に寄附された建物であります。館内では仏壇やびょうぶ、観音像など全国の金箔生産量の100%近くを占める金沢箔の歴史と技術をかいま見ることができ、本市の文化施設の中でも独特の輝きを放っていると感じております。このたび、建物の老朽化及び入館者の減少を理由に、東山地区に移転する計画が発表されましたが、まず安江氏及びこの工芸館に対する市長の思いをお聞かせください。

 この工芸館については、金沢駅西口とはいえ北安江地区の裏通りにあって、文化施設としてはいささか立地条件に恵まれていないというのは、地元住民でもある私も実感するところではありますが、さりとて一昨年には21世紀美術館が、昨年は金沢文芸館が、そしてことし10月には能楽美術館が開館することになり、文化施設が立て続けに建設、整備されているのが現状であります。文化は都市の魅力向上に大きく貢献するとともに、今はやりの言葉で言うならば、「金沢の品格」を形成しているという思いは市長と同じではありますが、財政状況が緊迫する中、経済性、採算性を考慮しない施設建設というのは、将来の金沢市政に大きな課題を残すと危惧する声があるのもまた事実であります。そこで、市長はこの工芸館の移転を計画するに当たり、このような点についてどうお考えになるのか、御所見をお伺いいたします。

 さて、工芸館の移転が計画されている東山地区は、ひがし茶屋街を中心に徳田秋聲記念館や文芸館、蓄音器館などの市の文化施設が集中している地域でもあります。また一方で、民間でも金沢の伝統工芸を商いにしている店が多く、文化・工芸について官民が連携しやすい地域ともなっております。そこで、工芸館の建設を契機として、市の施設だけでなく民間の商店とも連携して、この地区一帯のさらなるにぎわいの創出を図る方策が必要だと思いますが、このことについての市長のお考えをお伺いいたします。

 また、この地区で長年の課題となっているのが駐車場問題であります。観光シーズンともなると、兼六園、金沢城と並んで金沢を代表する観光スポットとなったひがし茶屋街に向けて、富山方面から車が長蛇の列となっております。現在、バスなどについては観光バス駐車場があり、何とか対処できているようですが、自家用車については現在ある市の観光駐車場だけでは明らかに不足しております。私も先般のゴールデンウイークに金沢駅から東山まで歩いてみたのですが、この地区の狭い小道にまで県外車が入り込み、身動きがとれない状況を目の当たりにいたしました。たとえ安江金箔工芸館が移転したとしても、その施設の前には車の渋滞が頻繁に起こり、他の施設との回遊性など考えられない状況になり得ます。早急に対処する必要があると思いますが、対応をお伺いいたします。

 質問の第2は、第55回金沢百万石まつりについてであります。

 金沢百万石まつりは、皆さん御承知のとおり、加賀藩祖前田利家公が天正11年6月14日、金沢に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで開催されております。金沢に生まれ育った私は小学生当時、6月14日が市祭で学校が休みだったことから、子供ながらに行列を楽しみにしておりましたし、大人になってからは豊年太鼓や獅子舞、近年は消防団の一員として加賀鳶はしご登り行列に毎年参加させていただく機会もあり、百万石まつりには一方ならぬ思いがある一人でもあります。そこで、何点かお尋ねをいたします。

 昨年6月に金沢百万石まつり活性化研究会が設置され、私の同僚議員でもある村池議員も委員として参加し、活発な議論が交わされたと聞いております。その活性化研究会の提言を受け、祭りのメーンとなる百万石行列を中心に大幅に見直しをされたわけですが、まずは今回の祭りを総括してどのように評価しておられるのか、百万石まつり実行委員長でもある須野原助役にお伺いをいたします。

 ことしの百万石行列の大きな変更点は、やはりコースと時間帯であると思います。金沢駅の鼓門前から出発し、金沢城へ入城する勇壮な姿は多くの観客を魅了したと思われますが、昨年と比べ観客動員数はどれくらいふえたのか、また沿道で見ていた観客の反応はどうであったのかをお伺いいたします。

 また、今回から行列の開催時間が短縮され、編成も大きく変わりました。昨年と比べてみると豊年太鼓や木吊り行列など幾つかの行列が廃止されており、それなりに定着していただけに寂しい気もいたします。さらに、行列の間延び対策として2カ所だけの一斉演技が取り入れられました。しかし、この一斉演技については幾つかの問題があったと思います。例えば、演技場所がわからず見たい演技を見ることができなかったり、香林坊のようにせっかく大勢の観客がいるにもかかわらず、演技なしでただ通過するだけであったり、それでもせっかくだからと観客の求めに応じての少しばかりのパフォーマンスをしようとしたらスタッフから怒られる始末で、残念ながら見る方にも、参加する方にも不満の残る結果となったのではないでしょうか。マンネリ化や行列が間延びしているとの声にこたえた今回の改革であったのですが、この行列編成に当たりどのような点に留意されたのか、お聞かせください。

 さて、祭りはことしも6月の第2週の週末に開催されました。幸い百万石行列の当日は快晴となりましたが、前日の夜に行われる予定であった「子ども提灯行列」は、午前中の雨により早い段階で中止が決定し、楽しみにしていた子供たちはとても残念な様子だったと聞いております。雨天の場合、中止の決定は難しく、この時期のお天気ではどうしようもないとはいえ、関係者は天気予報とにらめっこし、空を見上げながら一喜一憂というのも現実であろうと思います。さきの活性化研究会からの継続検討事項として、「天候、経済効果、観客や市民の参加の視点で日程変更の検討を継続」とありますが、現段階で梅雨の時期である6月の第2週という日程を変更するお考えがあるのかどうか、お聞かせください。

 また、今回から祭りの評価を実施するとお聞きしております。このことにより大幅に見直された第55回の百万石まつりを検証し、さらに魅力ある祭りとなるよう期待するものでありますが、この評価はどのような手法で行い、結果が出るのはいつごろなのでしょうか。さらには、百万石まつりの今後の展望をお伺いいたします。

 質問の最後は、国と地方の三位一体改革における地方交付税削減議論と市政運営に対する山出市長のお考えについてであります。

 今月7日に、政府の歳出歳入一体改革で、交付税削減論の強まりに抵抗するように、地方六団体が12年ぶりとなる地方自治法に基づく国への意見提出権を行使されました。これまで小泉改革の目玉の一つでもある今回の三位一体改革は、3兆円の税源移譲の実現や国と地方の話し合いの場が設置されるなどの一定の成果を上げてきたと認識をしておりましたが、ここに来て地方六団体の新地方分権構想検討委員会の意見と地方分権21世紀ビジョン懇談会、いわゆる竹中懇談会の意見との溝が表面化してきたようであります。地方六団体の一つの長として、今回の意見提出権の行使に至った経緯と地方分権改革と財政再建に対する山出市長のお考えを改めてお伺いをいたします。

 さて、このように国と地方が今まさに7月の政府の骨太の方針策定に向けてしのぎを削っておりますが、市政の運営もまた確実に行わなければなりません。4年前、この議場において私どもを初め、各会派から市長に4選出馬へのエールが送られました。それにこたえて市長は「気力、体力とも充実しており、初心に返りまじめに一生懸命難題解決のために励みたい。そして対処することに何より謙虚であることが最も大事である」と述べられて、4選出馬を表明し、四たび市政のかじを取られ、まちづくり、教育、福祉等の市政において手腕を発揮されてまいりました。まず、平成16年10月にオープンした金沢21世紀美術館は、「美術館・博物館冬の時代」と言われる今日において、開館わずか1年半で200万人を超える入場者数を記録し、まちなか活性化に大きく寄与しております。昨春完成した金沢駅東広場は、長年の悲願でありました平成26年開業予定の北陸新幹線を迎える金沢の新しい顔となっております。そのほかにも外環状道路山側幹線の全線開通、教育と福祉を連携させた教育プラザ富樫の開設、中核市として初めてとなる児童相談所の設置等々、多くの実績を残してこられました。さらに、10月10日には2市2町による金沢ナンバーの導入が決定しております。

 これらの実績を光とするならば、同時に影の部分も少なくありません。その一つに、4期目の課題として挙げておられた野々市町などの周辺自治体との合併があります。富山市や福井市、新潟市などの北陸の県都はいずれも合併に成功し、発展の基盤を固めつつあります。しかし、本市においては、合併による都市基盤の拡大が政令市を目指す上でも一つの課題であったわけですが、期待の大きかった野々市町とは信頼関係を築けず、また白山ろくの町村は松任市と合併し白山市となり、残念な結果になってしまいました。また、平成16年度決算は市町村財政比較分析表からは、本市の市債残高が中核市の中でも極めて多い方であることを示しております。そこでお伺いいたします。市長はこの4年間に限らず、過去4期16年を振り返り、どのような評価、思いを持たれているのか、今後の合併の見通しも含めてお聞かせください。

 ところで、私たちは市議会議員の一員であると同時に、自由民主党という政権政党の一員でもあります。市長は新幹線や環状道路、金沢港整備などの大型プロジェクトの推進に当たっては、常々自民・公明連立与党の支援を求めておいでですが、市政の推進と政党との関係についてどのような認識をお持ちなのか、この際お伺いいたします。

 さて、山出市長は金沢市政の中でも最長の4期16年を務められようとしております。そして、さらに5期20年に意欲を持っておられるとの報道もあります。しかしながら、近年、多選に批判的な意見が多いことも周知のとおりであります。多選の弊害としてよく言われることは、市長がどんなに有能な人物であっても、人事権、予算編成権、許認可権など一人で絶大な権限を持っているため、長期政権が続くとワンマンになりやすく、またワンマンの周りにはイエスマンばかりが集まり、さまざまな弊害が生じるというものであります。また、地方分権の推進に伴い、市長の権限と責任が相対的に増大する一方、市長選挙における投票率の低下、無投票再選の多さ、各党相乗り傾向の増大などは多選が原因の一端であると、地方分権推進委員会でも問題視され、他県でも多選自粛の条例を定めたり、3期で余力を残して退陣される例も見受けられます。また、政党でも民主党などは一定以上の多選を推薦しないと伺っておりますし、それ以外の党でも多選に否定的な見解を示しているようでもあります。多選についてのこのような傾向を市長はどのように見ておられるのか、御所見をお伺いいたします。

 市長は平成15年6月に、第26代全国市長会会長に就任され、さらに推されて来年6月まで任期のある2期目をお引き受けになられました。また、ことし平成18年度を初年度とし、平成27年度までの金沢世界都市構想第2次基本計画を策定されました。もし引き続き市政を担当するという意欲があるとするならば、次なる4年間を具体的にどのようなビジョンを持って市政のかじ取りを行おうとお考えなのか、あわせお示し願いたいというふうに思います。

 12月の市長の任期までまだ半年近い時間があります。私たちの会派や自民党は、市長の意思表示を待って慎重に対応を検討する考えであることを表明し、私の質問を終わります。ありがとうございました。     (拍手)



○議長(的場豊征君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 23番澤飯議員にお答えをいたします。

 まず、四十万の農場跡地のことであります。財務局が速やかに処分をしたいという方針をお示しになりまして、平成20年度までに2分の1を市で取得したい、こんなことを思っておる次第でございます。何分にも南部地区の良好な居住環境と調和のとれた土地利用を図ることが基本でございまして、スポーツもできる多目的広場の整備、こういうことはどうだろうというふうに思っている次第でございます。2分の1市が取得をして、残りの土地でありますが、何分にも高さ制限のあるところでございますんで、周辺の住宅と調和のとれた土地利用に役立つ、そういう処分を財務局に強く要望をしていきたいと、このように思っています。なお、取得を予定しております土地をどう使っていくかということにつきましては、当然のことながら地元関係団体とよく相談をいたします。額地区まちづくり協議会という組織もあるようでございますので、こういうところとも十分に話し合いをしながら進めていきたいと、こう思っております。

 これから国有地とか民有地を含めて売却とか処分等の話が出たら、市としてどういう対応をしていくのかというお話でございました。市全体として公共施設がどんなふうに配置されているのか、こういう現況について配慮しなければなりませんし、財政事情も十分に勘案をしていかなければいけないと、こう思っておりますし、その地域のまちづくりの視点、これも忘れてはいけないというふうに思っておりますが、単に国や民間の土地の後始末をするというようなことであったら、市が対応する理由はないと、こう思っていまして、ここら辺はしっかりと踏まえていくつもりでございます。いずれにいたしましても慎重に対応していきたいと、こう思っております。

 安江金箔工芸館にお触れでございまして、この館に対する市長の思いを聞くと、こういうことでありました。今は亡き安江孝明さんといいますれば、金沢を代表する箔の職人でいらっしゃったわけであります。職人の誇りとそのあかし、これを後世に残したいと、そういう御本人の思いから私財を投じて工芸館を建てられて、そして収集された美術工芸品を一般公開をしたらいいということになりまして、市に寄附をいただいた次第でございます。時間が経過をしてまいりまして、周辺環境も大変変わってきました。建物も老朽化いたしました。したがいまして、よりふさわしい場所に移転改築をしたらどうかと、こういうことになった次第でございます。孝明さんの生前のお母さんともお話しをしたことがございまして、「市長さんにお任せする」と、こういうお言葉もちょうだいをしていますし、先日は金沢市にお住まいの御子息、また東京にお住まいの御子息とも私自身直接お会いをしまして、事情をお話しいたしました。了承をいただき、なおかつ賛成もしていただいたということでございます。このことを申し上げておきたいと思っております。貴重な品々を多くの方々に見ていただくということがまず第一でありますが、同時に、今金沢の箔の置かれた事情というものを見てまいりますと、何よりも箔の産業の振興、こんなことにもつながっていったらいいなという思いがありまして、建てるということになればこのことへの配慮を十分にしてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。

 財政事情は厳しいがと、こういう御指摘でございました。今、考えておりますことは、現在の工芸館の土地と建物を売却いたしまして、そして移転用地の購入代金に充てると、こういうことを基本にしたいと思っております。そういたしますと、建物の建築、ここだけで済むということでございますし、この金額、まあまあ財政計画全体の中で吸収をしていけるんではなかろうかと、こんなふうに思っておりますし、具体的な進め方についてはいろいろと工夫をして、そして遺憾のないようにしてまいりたいと、こう思っております。

 東山地区を想定しておるわけでありますが、もともと箔というものは、犀川の周辺にもございました。しかし、主流はやはり浅野川の周辺でありまして、校下でいいますと材木校下、馬場校下、森山校下、そして浅野校下、浅野川の周辺に箔産業というものがあったという経緯からいたしますと、私は東山地区がふさわしいんではなかろうかと、なおかつ多くの歴史文化施設が集約をされておりますので、観光客にも便利なはずだと、こう思っておりまして、観光の効果をここに集めることによって、さらに高めたいとこういう思いもあることを申し上げたいと思いますし、何よりも金沢箔の振興、このことに裨益する、そういう施設内容でありたい、こういうことで考えてまいりたいと思っておりますので、どうか深い御理解をいただきたい、こう思っています。

 なお、東山地区の駐車場のことにお触れでございますが、金沢というのはまちの趣を歩きながら見て楽しんでいただく、そういうまちであろうと思っておりまして、そういう視点からいいますと、駐車場は必要最小限度にしたいとこう思っておりまして、そうすると、できる限り公共交通を利用していただくように、市民の皆さんに、また外からの方々に呼びかけたい、こう思っておる次第でございます。山側環状の開通がございまして、国道159号の通過交通量というのは相当減ってきておるというふうに思っております。もちろんゴールデンウイーク等のピーク時は想定しなきゃならんわけでございまして、この際はパーク・アンド・ライドの利用でありますとか、あるいは観光駐車場前に整理員を置くとか、いろんな配慮をいたしまして、混乱のないようにしてまいりたいと、こう思っています。

 それから、三位一体改革についてお尋ねになりました。今回、意見提出権の行使をしたわけでございますが、このことについての経緯、見解を問うということであります。三位一体改革の第1期の改革が、昨年一応の決着を見たわけであります。地方の自由度はさほど高まることがありませんで、この点については私自身いささか不満に思っておるところでございます。さらなる改革が必要と、このように思っております。ところが、国は第2期の改革についてまだ明言もしておりませんし、その上交付税を落とすというようなことも言っておるわけでございまして、事情はなかなか厳しくて難しいというふうに思っております。ただ、ここまで来た分権の流れは、絶対に後戻りさせてはいけないという思いが強くございまして、それが今回、新しい地方分権推進法の制定、それから税財政改革等のビジョンを地方が取りまとめるということにして、このまとめたいろいろな考えを内閣と国会に対して法に基づく手続で、すなわち意見書の提出という形で実は意思表示をすることに踏み切った次第でございます。国と地方の財政再建は、交付税の削減による一方的な地方歳出の圧縮では到底達成できるものではございません。基本は本当の意味の三位一体改革を進めて、地方の自由度を高めて、そして国から地方への分権改革を進める、このことこそ財政再建の大きな道筋だとこう思っておるわけであります。こうしたことを国に強く訴えながら、「骨太の方針2006」に第2期改革の実施が盛り込まれるように全力を傾けてまいりたい、このように思っています。

 次に、私のことについて幾つかお触れでありました。まず、きょうまでの仕事をどのように評価をするかというお言葉がございました。振り返ってみますと、私の任期のすべてを通じて不況でした。率直に申し上げて、どうしたらまちが元気になれるのかもがいてきたと、これが正直な感じであります。景気対策といたしまして、公共事業を進めてきました。経済がよくならないのなら、文化でまちを元気にしたい、このようにも考えてまいりました。幸い幾つかの企業や商店街の頑張りもございまして、全国的に見たら地方の都市としての元気度はまあまあの域にあるのではなかろうかと、このように思っています。折しも、ここに参りまして、国会の先生方の御尽力、県・市議会の御支援、国・県の御配慮と御指導がございまして、北陸新幹線、金沢港、環状道路の整備を大きく前進させていただきました。政府・与党の先生方のおかげによるところは、とりわけ大きいと思っております。この上ともの御鞭撻をお願いしながら、連携には疎漏のないように、遺漏のないように努めてまいりますとともに、これにおこたえをすべく、市としての仕事に一生懸命励んでまいることが私の責任、このようにも心得ている次第でございます。

 多選批判にお触れでございました。一般にいろいろな弊害が言われますが、私は究極のところ、本人の志と市民の選択の問題であろう、このように考えています。その志の中身でございますが、1つは情熱と理念を持ち続ける、2つはあらゆる面で偏らない、3つは威張らない、このことだと思っています。市民の選択の問題と申し上げました。私の今日の立場は、市民の皆様との契約によって成り立っております。だからこそ、私の進退は市民の代表から成るこの議場を通じてと思ってまいったところでございます。もしも市民の皆様が御支持をくださるならば、あくまでもこのことを前提に引き続き市政を担当させていただきたい。私は金沢に生まれました。育ちました。そして学んで、このまちで働いてきました。このまちに寄せる思いは人一倍のものがございます。幸い元気でもありますので、重ねてもしも市民の皆様のお許しを得ることができますならば、力いっぱい頑張りますとこう申し上げて、ぜひともの御理解をお願いいたす次第でございます。

 引き続き市政を担当するとして、具体的な市政のかじ取りについてお尋ねになりました。これからの金沢について、私が考えておりますことの1つは、新幹線開業後に備えたまちのにぎわいづくりでございます。にぎわいに資する魅力をどうやってつくっていくか、山側環状が完成いたしましたのを機会に、まちなかは公共交通を優先に歩けるまちづくりをどう進めるかということでございます。

 2つは、金沢港の整備にかかわって、ものづくりの基盤整備であります。コマツの立地環境の整備はもちろん、広く製造業の振興、ライフ&ファッション産業の育成、農産物のブランド化も含めて、私は手を油で汚す、土で汚す、その汚れた手で汗をぬぐう、このものづくりの原点を大切にした施策を進めたい、このように思っております。

 3つは、森づくりであります。県庁跡地の利用の方向性も固まってきたと思いますので、跡地を含めてまちなかの緑地空間の整備を進めるべきであります。すなわち、市として沿道や交差点、学校、工場団地等に木を植えて、美しいまちをつくっていきたいと思うのでございます。

 4つは、人づくりであります。常識のわかる人を育てたい。加えて町会や公民館の世話をする人、民生委員さんなどの社会公共に尽くす方々を育ててまいることが大切でございます。もちろん子供さんやお年寄りの福祉もこれに劣らず緊要でございます。

 また、隣接町村との合併にお触れでございました。結果としてうまくいきませず、不徳のいたすところでございます。人口減少時代でもございまして、圏域交流、圏域行政の大切さは十分に承知をいたしておりますので、この上とも隣接市町との連携を密にして、お互いのまちと暮らしがよくなるように、地道に確実に一つ一つの具体例を積み上げることに努力をしてまいります。そして、金沢みずからもまた、拠点性、国際性を高めるまちづくりを進めて、北陸の中心としての地歩を確実にしてまいるべきでございます。皆様方の引き続いての御鞭撻と御支援を重ね重ねお願い申し上げます。



○議長(的場豊征君) 須野原助役。

     〔助役須野原 雄君登壇〕



◎助役(須野原雄君) 百万石まつりについての御質問にお答えをいたします。

 今回、節目となる第55回の祭りから大幅な見直しをさせていただきました。好天にも恵まれて想定した以上に人の流れがありまして、昨年に比べ10万人ほど多い40万人となりました。鼓門前での出発式、そして百万石行列、金沢城公園での入城祝祭、踊り流しとまちなかが終日にぎわって、経済効果の方も従来以上ではなかったかと思っています。改革の効果は少なからずあったと思っていますが、これも関係者の御理解、御協力のたまものと感謝をしています。利家公を演じられた高嶋さんが、「金沢のまちが私を利家公にさせてくれた」とコメントをされておられましたように、観客との一体感、高揚感もあって盛り上がったかと思います。その要因としましては、利家の金沢城入城の再現という祭りのテーマが明確になったことと、武者行列を充実させ、めり張りができたことなどがあるのではと思っています。

 しかし一方で、澤飯議員御指摘のように、一斉演技が物足りなかったといった御意見などもありました。沿道の皆さん方のアンケート調査も行っていますし、参加者、活性化研究会委員の方々の御意見等を参考に、今月じゅうに反省点などを検証し、来年のお祭りにつなげていきたいと考えています。あわせて開催時期につきましては、梅雨時を避けてもう少し早い時期にできないかとも考えています。これをスタートにして、百万石まつりならではの見ごたえのある武者行列としてさらに魅力を高め、全国的なお祭りになるように引き続き努力してまいりたいと思っています。

 以上でございます。



○議長(的場豊征君) 27番田中仁君。

     〔27番田中 仁君登壇〕     (拍手)



◆27番(田中仁君) 質問の機会を得ましたので、市政の課題について、以下、数点にわたりお伺いいたします。

 なお、質問の要旨は、この秋行われる市長選挙に当たり、かなざわ議員会15名の総意として山出市長に出馬を求めた決議を踏まえてのものであり、今後の金沢市政にとって重要かつ誤りなき対応が求められる幾つかの課題について、山出市長の御所見をお伺いしていることをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。

 質問の第1は、北陸新幹線の開業を見据えたまちづくりについてであります。

 金沢市民にとって長年の悲願であった北陸新幹線は、昨年4月の富山−金沢間のフル規格での認可や、6月のもてなしドーム地下広場での起工式に続き、この4月には残る白山総合車両基地の工事が認可となり、いよいよ開業に向けて用地交渉や工事が本格化する段階となってまいりました。これも山出市長を先頭に執行部と議会が手を携え、一丸となってともに取り組んできたことが成果として実を結んだものと言えます。そこで、事業の進捗に合わせ用地取得が本格化することになりますが、気がかりなのは金沢駅以西が住宅や事務所などが林立する、最難関区間であるということであります。一日も早い開業に向けて、円滑な事業推進を図るため、昨年度の地元説明会でも要望として出された沿線の良好なまちづくりについて、市長はどのように取り組むべきとお考えか、御所見をお伺いいたします。

 さて、新幹線の開業に伴い、首都圏へ人や企業が吸い取られるストロー現象を懸念する声がありますが、山出市長は日ごろから新幹線の開業は、多くの人々を金沢に呼び込む絶好のチャンスであり、既にこれに備えさまざまな手は打ってきたと言われています。すなわち、それは金沢を訪れた人を歴史・伝統・文化の集積地にいざなう道路等の都市基盤の整備はもとより、金沢に住む人を増加させる定住促進策、そして訪れた人が安心して楽しめるまちとして歩けるまちづくりの推進や、歴史文化施設の充実、さらにはソフト・ハード施策の積極的展開であったと考えます。その結果が、マスコミを初めとするさまざまな都市評価の中で、金沢は訪ねてみたい都市として、また、住んでみたい都市として常に全国のトップランクの評価を得ています。このことは、山出市長の強いリーダーシップのもとで本市の歴史・文化といった個性を生かし、保存と開発を区分けしたまちづくりを進めてきた成果であり、高く評価されるべきものであります。市長は、この北陸新幹線の開業を首都圏から人を呼び寄せる、いわゆる逆ストロー現象を起こす千載一遇のチャンスであると言われますが、新幹線の開業を見据え、元気で魅力ある金沢のまちづくりは、今後どのように進めていけばそうなると考えておられるのか、お尋ねいたします。

 また、金沢は日本文化を代表する都市として、歴史文化資産や歴史的まち並みを保存、継承するための各種施策を積極的に実施してきました。具体的なものとして、景観条例を初め、用水保全、こまちなみ保存など全国に先駆けた独自の条例を制定し、風情と魅力あるまちづくりに努め、今日の金沢へとはぐくんできました。こうした金沢のまちづくりや独自条例をモデルに、政府は美しい国づくりに向けて景観法を制定する一方、本市が景観面への配慮から提案した道路標識を縮小する道路標識特区も国から認定をされたところであります。こうした実績を積み重ねながら、さらに歴史文化を磨き高めようと取り組んだ、泉鏡花、室生犀星、徳田秋聲の三文豪記念館や、能楽美術館の整備、文化振興プランの策定、8例を数える旧町名の復活や、ひがし茶屋街の重要伝統的建造物群保存地区指定などが全国から大きな注目を集めております。一連のまちづくりに関する独自条例は、全国市長会会長として地方分権推進の先頭に立つ山出市長の面目躍如たるものを感じるところであり、結果として全国の先導的な役割を担っているのも事実であります。こうした山出市長のまちづくりに対する炯眼、手腕は、全国から高い評価を受けており、金沢のまちづくりに当たっての誇りであると言っても言い過ぎではないと思います。そこで、市長は地方分権のモデルとなる魅力あふれるまちづくりに向けて、さらなる景観施策、文化施策をどのように進めていけばよいと考えておられるのか、お伺いいたします。

 質問の第2は、山側幹線開通の効果と今後のまちづくりについてであります。

 これまで本市では、区画整理事業や再開発事業という都市基盤整備の手法で、良好な住環境や都市機能を整えるまちづくりを進めてまいりました。その結果、駅西に新都心が形成され、本市の背骨である都心軸の形成や環状道路の整備も進んでまいりました。とりわけ、本年4月に供用開始となった金沢外環状道路山側幹線は、人や物の流れを飛躍的に変える大きな可能性を持つものであります。開通当初こそ大渋滞が発生しましたが、交通の流れが安定し、金沢市周辺の市や町を30分程度で結び、本市と周辺市町の距離を飛躍的に短縮し、住民同士を結びつけ、一体感を強める一助にもなると考えます。市長が全国の地方都市に先駆けて、積極果敢にこの環状道路の整備に取り組んできた成果がこれからあらわれるものと期待するものであります。そこで、山側幹線の開通による効果について、本市の将来にどのような影響をもたらすとお考えか、市長の御所感をお聞かせください。

 ところで、暫定供用でのスタートとなった山側幹線では、鈴見交差点での立体化、鈴見−今町間の4車線化、さらには山側幹線と続く海側幹線の戸水−今町間の事業認可など、急がなければならない課題が残されています。議会としても金沢開発協議会の最重点課題として取り組んでいくこととなりますが、これらの実現について、市長はどのような見通しを持っておられるのか、また、どのように取り組みを進めるべきとお考えか、御所見をお伺いいたします。

 あわせて道路アクセスの向上によって、住民へのさまざまな利便性が高まることになりますが、環状道路周辺の良好な住環境づくりの具体策、テクノパークを初めとする産業政策についてどうあるべきとお考えか、市長の思いをお聞かせください。

 一方、山側環状道路の開通効果で都市内交通の流れに大きな変化が生まれています。とりわけ、目に見えて中心部の交通量が減少した今こそ、細かく丁寧な都市内交通政策に積極的に取り組むときであると考えます。これまでも全国のモデルともなったふらっとバスの運行を初め、パーク・アンド・ライド、リバーシブルレーン、さまざまな交通実験など、先進的な都市内交通施策を講じてこられましたが、ふらっとバスを初めとした公共交通の利便性向上や、駐車場の整備、パーク・アンド・ライドを含め今後の本市の交通政策のあり方について、市長の御所見をお伺いいたします。

 ところで、長い間の最重要懸案事項であった金沢港、環状道路、北陸新幹線などの整備について、市長の強いリーダーシップもあり、一定のめどが立ったことから、北陸の中枢拠点都市としての金沢の機能や役割がますます増していくものと考えます。これからはこうした都市基盤の整備を踏まえ、産業、文化、福祉、環境などの多様な分野において、金沢と周辺の市や町が一体となり、都市圏レベルでの取り組みが大切となってくるものと思います。これからの金沢の大きなテーマは、圏域交流にあると考えますが、お互いが共有できる将来の都市圏構想も視野に、今後の圏域交流のあり方はどうあるべきか、市長にお伺いいたします。

 質問の第3は、人口減少社会への対応についてであります。

 本市の人口は、昨年の国勢調査で戦後初めて減少に転じました。金沢世界都市構想第2次基本計画においては、元気で、美しく、安心のまちをつくるための重点プロジェクトを積極的に進めることで、人口の自然増を維持しながら、一方で減少基調にある社会動態人口を増加基調に転換させ、10年後の目標人口を46万5,000人と設定されました。活力ある都市として持続的に発展を続けていくためには、定住人口、交流人口をいかにふやしていくかが大きな課題であり、いかなる手だてが有効と考えるのか、また、その手だてをどのように講じていけば効果が期待できるのか、お聞かせください。

 これからは、都市間でサービスを競う時代と言われていますが、既に突入していると言っても過言ではありません。福祉・環境・教育施策の充実には、今後とも十分に意を尽くしていかなければなりません。出生率が過去最低の1.25となった今、少子化対策に有効な施策の展開が求められる一方、産業の育成と雇用の安定による地域経済の活性化、安心・安全への手だても必要であります。厳しい財政環境の中で、中期財政計画により事業の重点化と質的充実、市債の繰り上げ償還、市債発行の抑制、基金の積み立てを行い、将来にツケを残さない数々の手だてを講じておられますが、今後の行政需要の増大も見据え、これからの財政運営についてはどうあるべきか、市長のお考えをお聞かせください。

 また、元気なまち金沢を築くためには、地域経済の発展が不可欠であることから、産業構造の転換なども含めた都市経営のあり方についても、あわせお伺いいたします。

 質問の最後は、中心市街地の活性化についてであります。

 一昨年、21世紀美術館、昨年、駅東広場が完成いたしました。美術館では開館以来、1年半で入館者が200万人を超え、もてなしドームでは市民結婚式が行われたり、空間アートが玄関口を飾るなど、多くの人々が行き交う交流拠点ともなり、まちの様子が随分変化をいたしました。また現在、金沢駅武蔵北地区再開発事業第4工区で工事が行われるなど、まちなかの定住促進施策も着実に進んでいると認識をしています。このように、市長は国に先駆けて中心市街地の活性化にいち早く取り組んでこられましたが、一方では長引く景気の低迷もあり、中心商店街の元気や活力はいま一つの感もあります。このほど国では、本市の商業環境形成指針の考え方などを参考に、まちづくり三法の改正を行いました。この改正は、大型店の郊外進出、公共公益施設等の都市機能の拡散などから、中心市街地の空洞化に歯どめがかからないことを反省し、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりを推進しようとするものであります。国は今回の法改正により、内閣総理大臣による基本計画の認定制度を創設し、選択と集中によりやる気のある自治体に対して重点的に支援を行うとのことでありますが、本市として今回の法改正に対応した中心市街地活性化基本計画の見直しの取り組みと、さらなるまちなかのにぎわい創出のため、定住促進や中心商店街の振興にいかなる対策を講じれば、改正法案の趣旨を生かせるのか、また、具体的な成果を得ることができるのか、市長の御所見をお伺いいたします。

 さて、ここまで、今後の金沢市政にとって誤りのない対応が求められる課題について、山出市長の御所見をるるお聞きをしてきましたのは、11月に行われる市長選挙に出馬をしていただけるものとの思いを込めたものでありました。市長選挙をめぐっては、一般論として多選から生じる権力の集中に対し批判的な立場で議論をされる向きもあるようですが、権力の質が異なるとはいえ、国会議員や地方議員の多選はなぜか問われることがありません。権力が集中するときは、首長であろうが、国会議員であろうが、同様であるはずであります。問題はそれぞれが持ち得る権力をだれのために、どのように行使するかが問われているのであります。また一方では、首長の資質は個々人によって異なり、それぞれの地域事情によっても違うはずであり、それを多選という批判的に使われる言葉ですぐれた能力・見識・手腕を持ち、これまで実績を積み重ねてきた人材を否定してしまうのはいかがなものかと言わざるを得ません。

 ある学者の言葉に、「着眼高ければ、即ち理を見て岐せず」という言葉があります。大所高所に目をつければ、道理が見えて迷うことがないという意味だとお聞きをしました。山出市長は今日まで、金沢のまちと人を思い、身を粉にして働いてこられました。市長としてのこれまでの任期は、半年おくれで市議会議員としてスタートを切った私自身のこれまでとも重なっています。この間の金沢市政にかけてこられた情熱や数多くの施策の実行とその成果を間近に見てきた私にとって、山出市長と仕事をしてこられたことに感謝するとともに、誇りすら覚えているところであります。私の目には、市長に与えられた権限の行使は市民のために、また市民の幸せのためには労をいとわぬ姿が焼きついております。

 市長、今日の山出市長を拝見すれば、気力、体力の充実は十分とお見受けいたします。引き続き大きな視点で、これまで同様、迷うことなく金沢の進路を切り開いていただきたいとの思いは、かなざわ議員会15名の総意でもあります。山出市長のさらなる市勢発展に向けた決意を改めてお聞きをし、質問を終わります。     (拍手)



○議長(的場豊征君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 27番田中議員にお答えをします。

 まず、新幹線の開業を見据えたまちづくりについてお尋ねになりました。地元の皆さんの深い御理解がございまして、駅から西側への中心線測量、これも先月終わりました。必要な用地のあらかたが見えてきましたんで、来月には用地測量に向けた地元説明会を開きたい、このように思っております。住宅や事業所が密集をしている地域でもございます。用地を取得させてほしいと、また移転をしてほしいとお願いすることになる方々には、替え地の情報提供とか移転のための支援の仕組み、こういうことについて十分説明をいたしまして、同時に生活環境道路の整備もというふうなことも出てまいりますので、この点については鉄道・運輸機構、県と連携をしながら一つ一つ丁寧に誠意を持って対応をしていきたい、このように思っておる次第でございます。

 それから、首都圏から人を逆に呼び寄せられると、こういうふうに市長は考えているのかというお尋ねでありました。私は、駅周辺のまちづくり、それから区域を越えた道路網の整備、広域にわたる観光交流に取り組んでまいりますとともに、歴史文化というもの、これは金沢だけのものでございますんで、これに磨きをかけて高めていって、なおかつ美しい魅力のあるまちづくりを進めていく、これが基本だと思っておるわけであります。いろんな施策を重ねていかなければいけないと、こう思っておる次第でございます。

 これからは、歴史文化施設を幾つかつくってきましたんで、県の施設も含めて、この有機的な連携、新しい美術館と今度能楽美術館ができますので、これは新しいものと古いものの文化の融合、こういうことを図って文化に一層厚みを増していきたいと、このように思っています。10月になりますと、「ライフ&ファッション 金沢ウィーク」というのが設定されることになってございまして、よそからたくさんの人を、特に若い女性を呼びたいとこう思っておる次第でございます。全国にこうした金沢の魅力を発信する、そういう施策展開、これも劣らず大切であると、こう思っています。

 いろんな金沢市は景観施策を進めてきたけれども、新しいものとして何を考えておるのかというお尋ねがございました。確かにいろんな景観特性を生かす独自条例というものを次から次へとつくってきたことは事実であります。よそのまちが大きい関心を寄せておるわけでございまして、この条例制定をいたしますとともに、地区計画とかそういうまちづくり条例の手法とか、そういうものを取り入れまして、いろんな試みを展開していることは事実でございます。いろんなことをさらに進めたいというふうに思っていまして、夜間の景観、これも大事です。過度なイルミネーションは慎まなければいけないというようなこともありますし、道の両側の景観をきれいにするということもこれも大変大事なことでありますんで、沿道の景観形成を大事にしようと、こういう試みもいたしておりまして、近く都市景観形成基本計画の見直しをすると、こういうことをやろうかと思っております。同時に、私にとりまして最大の関心事は東山の茶屋街の上にあるお寺さんの群落、あの面的保存ができたらと、そしたら全国に例を見ないものになると、こういうことを考えておりまして、この準備を進めつつあると、こう申し上げておきたいと思っています。今後とも新しい試みを間断なく打ち出していくということが必要だろうと思っております。

 次に、さらなる文化政策についてどういうことを思っておるかということであります。秋に能楽美術館ができます。新しい美術館の展示についても工夫をしていかなきゃなりませんし、「ライフ&ファッション 金沢ウィーク」の開催、こういうことも新しい文化政策だと思ってくださってもよかろうかと思っておりますし、先ほどお尋ねがありました安江金箔工芸館、これもその一つだろうと思っておりますし、今度新たに、決して建物でありませんけれども、文化サロンというものを開くということも考えておりまして、あれやこれやと多面的、重層的に文化を通じてまちが元気になる、そういう施策を展開していきたいと、こう思っておるわけであります。

 次に、山側環状開通後の効果等についてお尋ねでありました。この開通によりまして、都心の通過交通が減ってきたということは事実であります。こういたしますと、まちなかの道路の交通環境が改善されてくると、これだけでございませんで、何としても歴史的なたたずまいを残さなければならないのは都心部でございますんで、この都心部を守っていくという上において、山側環状はやはり大きい役割を果たすと、こう思っております。同時に、この幹線というのは能登と加賀を連結するわけでございまして、広域的な移動の利便性が格段に増したということがございまして、周辺都市との交流というものが一層深まっていくだろうと、こんなふうに期待をしているところでございます。

 鈴見交差点の立体化等にお触れでございました。この鈴見の交差点の立体化、それから4車線化、これにつきましては、早期の整備が必要であると、このように思っております。国土交通省へは引き続き皆さんと一緒に要望をしてまいりたいと、こう思っております。それから、鈴見交差点の立体交差化ということにつきましては、これまで以上にあらゆる機会を通じて強く働きかけてまいりたいというふうに思っておりますし、海側幹線も少し残っておるわけであります。それは戸水−今町間でございますが、この戸水−今町の間のうちの戸水−大河端、この間は区画整理事業等によりまして整備を進めるということにいたしております。なお、大河端から今町にかけましては、早く事業化ができるように国と県に要望活動を続けていきたいと、こう思っておる次第でございます。

 それから、環状道路周辺の良好な住環境づくりをどうするのかというお尋ねでありました。環状道路の周辺地区にありましては、住宅の基盤整備が未整備だというところもないわけではありませんので、引き続いて区画整理事業を進めて、そして道路、公園等の公共施設を配置して、そしていい住宅地の整備に努めていきたいと、こう思っております。

 また、産業政策でございますが、この環状道路の周辺には17の高等教育機関があるわけでございまして、こうした高等教育機関が環状道路によって結ばれて、産学連携が一層進んでいくということを期待しておるわけでございまして、このことによって産業の基盤整備がさらに進んでいったらというふうに期待をいたしておりますし、このことで技術開発が進んでいく、人材の確保が期待されると、こういうこともあるわけでございまして、これからも環状道路沿いに産業の政策というものも同様考えていきたいと、こう思っています。

 まちなかの公共交通のいろんな施策を強化するようにという御趣旨でございました。今まで以上に都市内交通への対応が必要と、こう思っておりまして、ことし新しい金沢の交通戦略を策定するということにいたしています。具体的に申し上げますと、ICカードのポイントシステムの導入、それからパーク・アンド・ライド駐車場の配置に対する基本方針の策定、こんなようなこともいよいよよりきめ細かく進めていかなきゃいけない、そういう段階に来たということを思っておる次第でございます。このことに一生懸命努力をすることが、今日まで環状道路を進めてくださった先生方に報いる方策だと、こう思っておる次第でございます。

 圏域交流も大事になると。仰せのとおりでございまして、日常生活圏が一体化するということがより高まってくるわけでございますんで、住民同士の圏域交流をより進めていかなければいけないと、こう思っています。新幹線を初めとする広域にわたる交通基盤が整備をされてきますんで、北陸の中心的な都市圏、その中心にある金沢市といたしまして、周辺との連携というものを強化して、そして拠点性、国際性、こういうものを高めてまいりたいとこう思っておるわけであります。

 都市圏というものの将来構想を関係する都市、町が共有するということが必要だと思っておりまして、関係市町の御理解、御協力を求めながら、まずは基礎調査を行いまして都市圏構想の策定、こういうことも考えていかなければいけないと、こう思っています。

 人口減少社会への対応についてお尋ねでして、定住人口、交流人口をふやすにはどんな手だてをするのかということであります。何度も申し上げますが、広域交通基盤の整備に全力を尽くし、そして歴史・伝統を磨き高めて金沢に来る人をふやすと、こういうことだろうと思っています。同時に、金沢のまちに住む人の生活の水準、環境、こういうものを高めることも必要でございまして、こういう政策を通じて定住促進策を強化していきたいと、こう思っておりますし、先端産業とかものづくり産業の誘致とか、ファッションあるいはITというようなクリエーティブインダストリーの育成、雇用の創出、こんなことを官民挙げて取り組んでまいりたいと、こう思っとるわけであります。

 それから、これからの財政の運営についてどうあるべきかということをお尋ねになりました。人口減少時代ということになってまいりますと、地域経済を今ほど申し上げた活性化すると、雇用対策を講ずる、それから環境とか教育施策、こんなことも大いに強化していかなければならんわけでありますが、こうした成熟社会を迎えることになりますと、急激に税収が増加するということは期待できないということもございますんで、中長期を見据えた財政運営が重要だと思っております。新しい行政需要に積極的に対応をしていく。同時に、行財政改革を一体的に進めていくことが大事でございまして、既に策定をしてございます中期財政計画、この実践に取り組んでいきたいと、こう思っておるわけであります。

 産業構造の転換等も必要だということでございました。仰せのとおりでございまして、金沢の産業にも付加価値の高いものづくり、ファッション、医療等の新しい方向性も幾らか生まれてきておりますので、さらに企業誘致を進めていく、中小企業の支援を積極的に展開をしていくと、こういうことをいたしますと同時に、今ほども申し上げました産学連携を通じて学術文化を基盤にした金沢型産業、この発展に努めていきたいとこう思っています。

 中心市街地活性化基本計画の見直しにどう取り組むのかということでございます。今度国におかれて法の改正がありました。まちなかを凝縮させようという方向での改正でございまして、私は至当なこと、適当なことと思っております。国の基本方針を踏まえまして、本市としても今の基本計画の見直し作業に着手することにいたしております。まちなかの商店街の道筋を整えるということをしなきゃならないと思っておりますし、再開発によりますところの都心軸の沿線の商店街のにぎわいをつくっていくということ。例えば、アートアベニューゾーンのところには新しいファッション関連の店舗集積を検討すると。それから玉川のこども図書館、この整備も進めるといたしまして、近江町市場の再整備も遠からず進んでまいりますので、これやあれを通じましてさらに中心市街地の活性化に向けて公私協働で努力をしていく、このように思っておる次第でございます。

 最後に、私のことにお触れでありました。当面の、またこれからの市政についての課題と懸案と言うべきものを御指摘になったと思っております。ごもっともというふうに思います。また、これまで私が市政に取り組んでまいりました姿勢について御理解をいただきまして、お励ましもちょうだいしましてありがたく思っておる次第でございます。

 私は選挙のたびに申し上げたことがあります。それは、市政にとって今なすべき基本のことは何か、このことを考えて基本に忠実な市政を進めたいと、こういうことでございました。具体的には、一つはまちづくりの面で都心軸と環状道路の整備を挙げました。幸い先生方皆様方のおかげさまで、相当に進んできたと思っております。もう一つは歴史・伝統の保存と継承、これをきちっとやっていかなければいけないということでございました。具体的にはまち並みの保存とか、伝統文化の継承のことで、これもいささか進んできたと、こう思っています。ただ、伝統はこれに創造の営みを加えてこそ伝統たり得るのでございまして、創造の営みを加えなかったら、それは伝統ではなく、単なる伝承にすぎないと、こういうことも申し上げてまいりました。そこで、新しい美術館は創造への挑戦であったと、このように思っております。ここでの営みを続けてまいりながら、これからはライフ&ファッションのビジネス化、これに挑もうと考え、これらを新幹線開業後に備えた都市戦略の一つに位置づけたいのでございます。そして、今申し上げましたまちづくりや文化を支えるのに欠かせないもの、それがものづくりであろうと思っております。コマツの進出を契機にいたしまして、あらゆるものづくりの基盤を強化してまいりたい。ものづくりの果実が税になって実ったときに、その実りがまたまちづくりと文化を支えていく、建機、産機のみならず多様なものづくりの存在がこのまちの持続的発展を保障する、こんな夢を描くのでございます。

 あくまでも市民の皆さんの御支持が前提であり、もしも御支持がいただけますなら、幸い元気いっぱいですので、引き続き仕事をやらせてほしい。どうか御理解と御支援をくださいますようにお願いをいたします。



○議長(的場豊征君) 25番増江啓君。

     〔25番増江 啓君登壇〕     (拍手)



◆25番(増江啓君) 発言の機会を得ましたので、公明党議員会の一員として、以下、数点お伺いします。

 質問の第1点は、三位一体改革の第2期改革についてです。

 三位一体改革については、昨年第1期改革の政治的決着を見たところであり、引き続き地方分権の確立に向けて第2期改革への実施が求められております。しかし、地方財政改革について論議を進めている地方分権21世紀ビジョン懇談会の意見は、地方の自由度を増すための真の地方分権の議論ではなく、単に歳出削減の方向に大きく揺れており、分権の議論は危機的状況にあると思えてならないのであります。

 この7月に予想されるいわゆる「骨太の方針2006」の策定を前に、地方六団体も地方交付税のあり方、新地方分権法の制定など、具体的な提言を行っておりますが、先ほど述べました地方分権21世紀ビジョン懇談会の意見との間には大きな隔たりがあるようであります。市長は全国市長会会長として、三位一体改革の第2期改革に向けてどのような決意で臨まれるのか、まずお伺いします。また、地方分権21世紀ビジョン懇談会から出されている意見をどのように受けとめておられるのか、忌憚のない御意見をお聞かせ願いたいと思います。

     〔議長退席、副議長着席〕

 さて、このような状況下、地方六団体が今月7日に12年ぶり2回目となる地方自治法に基づいた意見書を提出されたところであります。この意見書は新地方分権推進法の制定を軸に、7つの提言がなされています。これは地方の並々ならぬ決意のあらわれであり、国の誠意ある回答が待たれるところであります。中でも、この意見書の中に国と地方の協議の場を法定化した地方行財政会議の設置が取り上げられていますが、国と地方のあり方をめぐり、これからも国・省庁との激しい攻防が続くことを考えますと、ぜひとも実現しなければならない項目であり、骨太方針に反映されることを期待するものであります。この地方行財政会議の設置とあわせ、意見提出権を行使された御決意を改めてお伺いいたします。

 質問の第2点は、公立小中学校教職員の人事権移譲についてです。

 昨年10月の中教審からの答申を受けて、文科省では教育改革のための重点行動計画を策定し、中核市に人事権を移譲するとともに、広域で一定水準の人材が確保される仕組みを設けることについて検討を始めたところであります。そして、今定例会の提案説明で、市長は、人事権移譲を国に強く求めていくため、中核市市長会にプロジェクトチームを設置したことを明らかにしました。そこでまず、中核市への人事権移譲を視野に入れ、地方分権時代にふさわしい金沢の教育のあり方、教育行政のあり方について総合的に検討すべき時期であると思いますが、市長はいかがお考えか、まずお聞かせください。

 一方で、先月末に県教委が実施した県内各市町の教育長からの意見聴取では、本市以外の教育長から従来の広域的な人事交流を求める意見が多く、事前アンケートでは中核市への人事権移譲に賛成なのは本市だけ、反対が17、その他が1でありました。その際、石原教育長は本市を中心とした広域圏の人事異動に関する教育機構の設置を求めたということですが、県教委はどのように受けとめられたのか、教育長にお伺いします。

 さて、中核市の人事権移譲に反対する意見の中に、金沢市に移譲すると本市に教員志願者が集中し、県内の教育格差が広がるとの意見があると聞いております。しかし、人事異動については教員の資質向上という面や、教員同士が互いに切磋琢磨し、未来を担う子供たちのためによりよい教育を行っていけるのであり、懸念されるようなことにはならないと考えます。また、学習内容についても全国すべての小中学校で最低限共通に学習する内容やその取り扱いが学習指導要領で定められております。当然、県内すべての市町でも最低限学習する内容は同じであり、学習指導要領以外の部分については、それぞれの地域の実情に応じた教育をできるようにしていくことが必要であり、県内の自治体が全く同じである必要はないと考えるものです。

 本市が世界都市金沢の未来を担う人材の育成に向けた学校2学期制、小中一貫英語教育、学習指導基準金沢スタンダードの三本柱から成る「学校教育金沢モデル」を実行、充実させるため、教員に対する研修・指導等に日々努力されていることを高く評価しておりますが、懸念されている教育格差について、教育長はどのような考えをお持ちなのか、お伺いいたします。

 人事権移譲は地方・学校の主体性と創意工夫で教育の質を高めることが目標であり、地域や学校の実情に合わせた教育を実施する教育構造改革、分権改革の一環であります。人事権の移譲について、県や他市町の教育委員会の一部から、「金沢に優秀な教員が一極集中する」「金沢は他市町のことはどうでもいいと思っている」というような意見があると仄聞していますが、こうした考えは教育の地方分権に逆行するものであると私は思います。教育長の決意を改めてお伺いしますとともに、今後、県や他市町に対してどのように説明をしていかれるのか、お尋ねをいたします。

 質問の第3点は、本市の少子化対策についてです。

 先日、2005年の国の人口動態統計が発表され、1人の女性が一生涯に産む子供の数に相当する合計特殊出生率は、過去最低であった昨年の1.29からさらに下がり、5年連続で過去最低を更新する1.25となりました。また、石川県の状況を見ると、合計特殊出生率は1.31で、これもまた2年連続で過去最低を更新し、非常に憂慮すべき事態となっております。このままの状態が続けば、年金制度などの社会保障制度の破綻はもとより、労働力人口の減少、ひいては日本経済の衰退につながることが予想されます。この10年余り国を挙げてこの少子化対策に積極的に取り組んできていることは重々承知をしておりますが、この数字、結果をごらんになって市長のまず率直な感想をお聞きしたいと思います。

 さて、本市においては、平成8年に24時間型保育の実施など保育サービスの充実を図る「金沢エンゼルプラン」を策定して以来、子育て支援に係るさまざまな施策が展開されてきました。そして、昨年3月には、金沢市少子化対策推進行動計画として新たに「かなざわ子育て夢プラン2005」を策定し、平成21年度までに本市が取り組むべき施策を取りまとめられておりますが、この10年間の地道な努力にもかかわらず、本市の合計特殊出生率も平成8年に1.42であったものが、平成16年には1.24に下落し、依然として下げどまる兆しが見えてきておりません。このままいけば、現在の計画終了時の平成21年度にはもっと悪化しているのではないかと危惧するところであります。当局はこの10年間を振り返って、少子化が進む根本的な原因をどのようにとらえておられるのか、また、これまで講じてきたさまざまな施策の効果は一体いつになったらあらわれてくると考えておられるのかお伺いいたします。

 最近の本市の施策を見ますと、ファミリーサポートセンターの開設や、子育て夢ステーションの設置、そしてこのたび、子育てをする親御さんの不安や困難を解消するために、子育て金沢カリキュラムを作成するなど、子育て環境の充実については全国に先駆けた施策が実施されてきていると言っても過言ではありません。しかし、さすがにこのような数字で少子化が進んでいることを見せつけられると、子供を育てやすい環境だけではなく、子供を産みやすい、産みたい気持ちにさせるような環境の整備にも力を入れていかなければならないと考えます。現在は、働く女性の7割が育児休業を取得しておりますが、それ以前に第1子の出産を機に退職をしてしまう人が7割いるのも現実であります。仕事と出産の二者択一を避けるために、仕事と育児の両立ができるような制度の創設や支援体制の構築について、本市は今後どのような取り組みをされていくおつもりか、御所見をお伺いいたします。

 質問の第4点は、安宅コレクションについてです。

 大阪市に大阪市立東洋陶磁美術館というのがあります。この美術館には高麗・李朝時代の朝鮮陶磁や中国陶器を中心に国宝2点と国指定重要文化財13点を含む約2,000点が収蔵されているのであります。もともとこの美術館建設のきっかけは、大手総合商社安宅産業株式会社及び創業家2代目の安宅英一社長が収集したコレクション、いわゆる安宅コレクションがその機縁であります。安宅産業が不幸にして経営破綻したため、その所有を住友銀行が引き継ぎ、体系的で貴重な世界第一級の質を誇るコレクションの散逸を惜しむ各方面の意見により、住友グループ各社の協力のもと約1,000点が大阪市に一括寄贈されたことにより、大阪市が1982年−−昭和57年にこの東洋陶磁美術館をオープンさせたのであります。

 さて、不幸にして安宅産業は経営破綻を来しましたが、そもそも安宅産業創始者の安宅弥吉氏は1873年に現在の金沢市金石に生まれ、大阪の貿易商日下部商店支配人などを経て貿易商として独立、安宅産業の前身である安宅商会を築いたのであります。氏は、その後、日本商工会議所顧問、大阪商工会議所会頭、さらに貴族院議員となるなど多くの要職を歴任されました。その一方で、石川県に安宅奨学金を寄託したほか、出身地金石の青少年に給費学生制度を設け、また、国際的仏教哲学者鈴木大拙のよき後援者としても知られているところであります。山出市長もこの安宅弥吉、鈴木大拙が一緒に眠る鎌倉東慶寺へ墓参もされたことがあると以前伺ったことがあります。

 このように見てまいりますと、現在大阪市立東洋陶磁美術館に収蔵されている安宅コレクションの本籍地は、この金沢市と言っても過言ではありません。地元ゆかりのこのコレクションは、昭和44年−−40年近く前に安宅産業が経営破綻する8年前、旧の県立美術館で「安宅産業コレクション名陶展」として紹介されたことがあります。この際、安宅コレクションの金沢市への里帰りをぜひ実現し、多くの市民に鑑賞させていただきたいと考えるものであります。21世紀美術館の運営が軌道に乗ってきた今日、安宅コレクションの里帰りは、大阪市とも縁の深い蓑助役の次なる大きな仕事かと思うのでありますが、助役の御所見を伺います。

 質問の第5点、最後に市政の当面する課題について伺います。

 生活者の視点で生命・生活・生存の人間主義の政治を目指す我が党の政治理念に深い理解を示されてきた山出市政4期16年にわたる行政手腕、施策について、スタートから支えてきた我が会派としても高く評価をしています。また、ここに来て、金沢市の将来の発展のための布石が次々と打たれてきていることにも敬意を表するものであります。先ほど2会派の質問に対して、力強い明確な意思表示がございましたが、我が公明党議員会としても決意のほどを改めてお伺いをしておきます。その上で、今後の市政発展のかぎを握るであろうと思われる課題3点について市長の所見を求めておきます。

 第1に、金沢港整備にあわせたコマツを中心としたものづくり、本市産業の振興についてです。我が国の経済はようやく長い不況から脱却しつつあり、本市におきましても昨年度の税収が増加に転ずる見込みとなるなど、地域経済も着実に立ち直りを見せてきております。これからは一層経済を活性化させることが課題であり、とりわけ企業誘致を初めとする工業の振興は、その核となるものであります。こうした中、テクノパークを造成し、日本を代表する企業の誘致に努められるとともに、地元中小企業の受け皿として安原工業団地に続き、いなほ・かたつの両工業団地を造成されてきたことは、市長御自身が金沢のものづくりをしっかりと根づかせたいという強い信念からであり、まさに先見の明があればこそと思うのであります。また、ここに来て、金沢港隣接地へのコマツの進出は本市のものづくりを発展させる上で大変心強い限りであります。そこでまず、本市の工業振興策における今後の基本的方向性について、どのようにお考えかお伺いをいたします。

 また、市内には金沢の経済を支えてきた繊維、機械、印刷業など多くの既存工業団地がありますが、ものづくり産業の活性化という観点から、市内既存工業団地の再編を行う考えがないかもあわせてお尋ねをしておきます。

 さて、金沢港は開港して昨年35周年を迎えました。長年の懸案でありました大水深岸壁の整備が、今年度から国の直轄事業として進められることとなり、あわせて世界的な企業であるコマツが金沢港への進出を表明されましたが、課題はむしろこれからであります。例えば、コマツのさらなる工場の拡張を初め、コマツ関連企業の誘致、受け皿づくり、また周辺地域のまちづくりとの整合性の確保、荷物の集荷や定期航路の開設など、取り組むべき課題は山積しておりますが、これはひとり金沢市だけで解決できるものではなく、国・県・経済界などとの連携が不可欠であります。コマツの進出にあわせてその動向とこれからの対応策をお聞かせください。

 次に、ファッション産業についてです。本市のかつての基幹産業は繊維であり、繊維機械でありましたが、そうした繊維産業や伝統産業などを生かしつつ、現代に適合したファッション産業を本市の新たな基幹産業に育成しようとする試みは、まさに新たな産業への道を開くものであり、大いに期待するところであります。既に、昨年1月にファッション産業創造機構が設立され、テキスタイルやアパレルの分野を初めとする新製品の開発が進む一方で、この秋には「ライフ&ファッション 金沢ウィーク」が開催されることとなっております。

 そこで、このイベントを通じどのような戦略で金沢のファッションを国の内外に発信をされるおつもりか、またその後のファッション産業都市への道筋をどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。

 加えて、本市は美術工芸大学と現代美術館をあわせ持つ数少ない都市であります。今後、学術文化と産業の連携こそ学術文化都市にふさわしいと考えますが、具体的な連携策についてもお聞かせください。

 次に、加賀野菜についてです。現在、15品目が加賀野菜として認定されております。大手飲料企業のCMに取り上げられるなど、いち早く全国銘柄となっております。このことは生産者と市が力を合わせ、長年にわたってブランド化を推進し、付加価値を高めてきたことや、東京の築地市場などで市長が先頭に立ってトップセールスを行ってこられたことの結果であり、山出市長の農業振興と食文化に寄せる人一倍強い思い入れを感ずるところであります。こうした中、加賀野菜の全国銘柄化により、販売する側からもう少し生産量をふやしてほしいという声が聞かれ、生産の拡大と販路の拡大が今後の大きな課題となっております。そこで、加賀野菜に寄せる市長の思いと生産拡大に向けた取り組みについて、御所見をお聞かせください。

 ところで、本市農業の振興策については、さきの連合審査会でも私は伺いましたが、加賀野菜を初めとする農業の活性化に向けた課題は、担い手の育成にあることは言うまでもありません。その一環として、ことし3月に農業大学校を設置されたことは、大いに評価をするところであります。現在、11名の方々が額に汗をして学んでいるとのことでありますが、これら研修生の卒業後の就農についてもどのように考えておられるのかお伺いをし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(東出文代君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 25番増江議員にお答えをいたします。

 まず、三位一体改革2期改革に向けての決意をお尋ねになりました。第1期の改革では3兆円の税源移譲というのは実現をしたわけでございますが、国庫補助改革については十分でありませんで、地方の自由度はさほど高まらなかったというのが反省点であります。このため、第2期改革にありましては、もう一度原点に立ち返って国と地方の役割分担、このことから始めようということになりまして、いろいろ地方六団体として議論を重ねてきたわけでありますが、先ほど新しい地方分権法をつくるべきだと、それから税財政改革は引き続いて行うべきだという視点のビジョンを取りまとめることにいたしまして、この取りまとめたビジョンの実現を目指す方法といたしまして、法律が意見書を提出するという、そういう手順を認めておりますので、この法に基づく意見書の取りまとめと提出を決意した次第でございまして、過日、内閣と国会に提出をいたしました。この法律に基づく手続は、意味は重いというふうに我々考えてございまして、内閣と国会がこれを重く受けとめた上で、「骨太の方針2006」に2期改革の実施その他盛り込まれるように全力を尽くすべきだと、こういうことを実は申し上げておる次第でございます。今後とも頑張ってまいりたいと、こう思っています。

 地方分権21世紀ビジョン懇談会から出されている意見をどう思うかということでございます。これが、いわゆる竹中私的諮問機関と言われる懇談会の意見でございまして、この懇談会の意見と地方六団体の意見とはいささかそごがあると、違っておるということであります。懇談会では、財政再建の名のもとに交付税の削減を前提とするような議論が交わされておりまして、大変遺憾に思っております。とりわけ、新型交付税の創設ということを言ったり、再生型破綻法制の整備、こういうことを言ったりしておるわけでございますが、まだ詳細は明らかにされておりません。私は、手のうちを明らかにしないで、そして財政削減の方向にいく危険性があると、このように思ってございまして、地方債の自由化、こんなことも一方的な市場原理に基づく制度の創設として想定をされているわけでございまして、十分注意する必要があると、こう思っておるわけであります。警戒をしながら地方として対応をしていきたいと、こう思っています。

 地方行財政会議の設置、このことについてのお尋ねがございました。第2期の三位一体改革について、まだ国がはっきりと認めていない、物を言っていないということや、交付税の削減の議論が先行しておるというふうな状況を見ますと、必要なのは国と地方がしっかりと協議ができる場の法定化、これが欠かせない課題だと思っておるんでありますが、事柄はそうたやすくはありません。こんなことから、「地方行財政会議」という呼び方で、この会議の設置等を盛り込んだ意見書にしてあるわけでございまして、実は意見書の提出というのは12年ぶりのことであったんですが、先日内閣、国会にこれを出すということにしたわけであります。真摯な対応を期待をいたしますとともに、地方六団体がこの上とも力を合わせまして、不退転の決意で分権改革に取り組んでいく所存でございます。

 次に、小中教職員の人事権移譲のことにお触れでございました。教育行政のあり方について総合的に検討をすべき時期だと、こういうこともお触れになりました。「学校教育金沢モデル」と、こういう先駆的な取り組みを進めておるわけでありますが、そのときに必要なことは学校の自主性・自律性を高めると、このことだろうと思っておりまして、そのためにも分権化時代における教育のあり方についての議論というものを深めていく必要があると、こう思っておるわけであります。そういう意味で、御指摘の趣旨も踏まえまして、特色ある教育の推進、人事権移譲に伴う教育行政の体制と運営、教職員の人材育成、こうしたいろんなことにつきまして、これからの金沢の教育のあり方を総合的に検討してまいりたいと、こう思っています。そこで、近く学識者、保護者、それから教育関係者等から成りますところの、名称は一応「金沢市における地方分権型教育のあり方を考える懇話会」こういうものを設置するということを教育委員会から私聞いてございまして、ここでの十分な議論を期待している次第でございます。

 次に、少子化対策にお触れでございまして、合計特殊出生率の推移について感想を問うということでありました。依然として少子化に歯どめがかからないということにつきまして、非常に残念に思っております。少子化対策は、今後とも最重要の課題というふうに認識をいたします。私は、次代を担う子供たちにとって、真に心豊かで、希望に満ちた明るい未来が開ける社会がつくられることによって、安心して子供を産み、育てようという思いにつながっていくんではなかろうかと、こんなふうに考えている次第でございます。

 少子化が進む根本的な原因をどうとらえているのかというお尋ねでございました。晩婚化とか未婚者の増加、こういうことが考えられるわけでございますが、子供を産む、産まないも含めまして個人の価値観とか考え方がその根底にあると、こう思っております。金沢市は子育てナンバーワンのまちを目指すということでやってまいりまして、いささかの自負も持っておるわけでございまして、ことしも117の少子化対策事業を展開しておるわけであります。全国的にも高い評価を受けておるというふうに思っております。これからも子育て夢プランに基づきまして、一つだけでありませんで、たくさんな施策を重ねて、そして継続して地道に進めていくことによりまして、幾らかでもいいから少子化の歯どめになるように努力をしてまいりたいと、こう思っています。

 仕事と育児の両立ができるような制度の創設を考えるべきという御趣旨でございました。男と女がともに子育てと仕事の両立ができる環境を整えていくことは大事なことだと思っております。これまでも多様で弾力的な保育サービスの充実に努めてまいりました。企業に対する働き方の見直し、それから企業の自主的な取り組みへの支援セミナー等の啓発事業もやってまいりました。なお、今年度は、新しく子育てに優しい企業に対しまして入札参加資格を優遇する、あるいは制度融資の利子補給等の先駆的な取り組みも始めたところであります。この推移も見てまいりたいと、こう思っています。

 市政の当面する課題にお尋ねになりまして、それにあわせて私のことにお触れでございました。これまでの私の取り組みに評価をいただきまして、うれしく、ありがたく思っております。いつも生活者の視点に立たれまして、人間主義の政治を目指して福祉とか教育とか芸術文化の振興にお心を寄せていただいています。今ほども安宅コレクションにお触れをくださいました。その上で、このまちの将来のあり方にも御示唆をいただいたものと受けとめております。そのことは、すなわちものづくりの大切さをおっしゃったと、こう受けとめております。

 振り返ってみまして、今までの金沢市の産業の中心は、繊維機械でございました。中国に押されまして不況に立ってまいりました。これを食品関連機械、すなわちボトリングシステム、それから回転ずしのベルトコンベヤーシステム、こういうシステムメーカーが補ってきたと、こう思っております。ここに来まして、人工腎臓とか、あるいは脳磁計等の医療機器の分野が加わりました。そして、これからライフ&ファッション産業を育てていこうと、こういうことなのでございます。さらに、今度建設機械とか産業機械が加わって根をおろしてくださると、こういうことになったら大変いいと願っておる次第でございます。加賀野菜のブランド化も含めまして、一連のものづくりでこのまちの持続的な発展を目指していくと、このことに行政も経済界も一致協力して努力をしていく。長らく不況が続きましただけに、ここでこの旗振り役を務めることができたら、このように願ってもいるわけであります。もちろん市民の皆様の御支持が前提でございますが、もしも皆様がお許しをくださるということであれば、まちと暮らしのために、福祉や教育、文化のために一生懸命尽くしたいと、このように思っておりますので、どうか御理解をいただきますように、御支援をくださいますようにお願いを申し上げます。

 以下、ものづくりにかかわる細部のお尋ねにお答えをいたします。

 まず、本市の工業振興策における今後の基本的方向をお尋ねになりました。今ほども申し上げましたが、本市の工業をリードしてまいりました機械・金属産業、テクノパークに集積する医療機器産業に加えまして、今回コマツの産業機械、建設機械、これに新たにファッション産業、こういうものをものづくりの柱にいたしまして、これからは大学との連携を強めて、技術の開発を進め、人材の育成を進め、そして企業立地の受け皿、この受け皿整備等に力を注ぎまして、産業構造を強化してまいりたいと、このように思っています。

 既存の工業団地の再編は行わないのか、やったらどうかというお尋ねでございました。既存の工業団地の中には、後継者不足によります廃業、また移転によりまして、一般住宅が混在をしたり、空き地とか空き工場が目立っているところがあるということは事実でございます。このことは認識をしてございまして、金沢市の工業団地連絡協議会がございますが、ここを通じまして現況の調査、意向調査、これを実施いたしますとともに、各団地の今後の方向性について話し合ってまいりたいと、こう思っております。

 コマツ、金沢港周辺の動向、またこれからの対応策にお尋ねでございました。大浜地区の大水深岸壁は、平成20年秋の暫定供用に向けて来月着工の予定であります。また、コマツの金沢工場は来年1月の操業開始を目指しておりまして、目下工事が進められております。これらにあわせまして、大浜−御供田線はことしの12月の供用開始に向けて整備も進められているところでございます。本市といたしますと、県と連携をしながら国に対しまして大水深岸壁の早期整備、これを強く働きかけていくと同時に、今後のコマツや関連企業の動向を注視しながら、受け皿となるかたつ工業団地等の早期整備、その他の工場適地の検討、こういうことをいたしまして対応に万全を期してまいる所存でございます。同時に、利用貨物の開拓、それから航路の拡充、こういうことについても県、または港振興協会と連携を密にして、ポートセールスを積極的に展開をしてまいりたいと、こう思っています。

 ファッション産業の振興策にお尋ねでございました。現在、地元の新しい素材とデザインの力を生かしました繊維製品、この開発を進めてございます。友禅の業界では加賀友禅のナイトガウン、こんなことも試みてございますし、九谷焼とガラスを組み合わせたワイングラスの開発、こんなことも進めてございまして、ウイークになりますと、こうしたものを一堂に展示するということになろうかと思っております。バイヤーとかジャーナリストを招いたり、また、ホームページやマスメディア等の媒体を通じまして、ものづくりの多様性、また質の高さ、これを発信してまいりたいと、こう思ってるわけであります。何分にもこうした試みは継続して開催していくことが必要でございまして、評価を積み重ねてブランドイメージを高めて、そして新しい産業として確立することができたらと、こう思っとる次第でございます。

 美大と美術館との提携についてもお尋ねになりましたが、仰せのとおりでございまして、具体的には既に美大の提案による新しい繊維製品とか工芸品の制作ということが行われておりますし、またファッション産業創造機構と美術館の協力によりまして、ミュージアムグッズの開発、こういうことにも取り組んでおるわけでございます。積極的に連携活動を強めていきたいと、こう思っております。

 加賀野菜に寄せる市長の思いをということでありました。結構知名度は高まってきたと、信頼性も高まってきたと、こう思っております。菓子とか調味料等の加工の分野への利用も伸びてきておるということでございます。近々、お聞きをいたしますと、五郎島金時の芋じょうちゅう、これが商品化をされるだろうというふうにも言われておりまして、こうした加工食品化を支援して、産業化をしていくと、こういうことも大事だと思っている次第でございます。

 それから、加賀野菜の生産拡大に向けた取り組みをお尋ねになりました。生産拡大を図ろうといたしますと、担い手の育成、産地の育成・確保、これが大事ということになります。施設の整備によります既存産地の規模拡大、このことを初めといたしまして、中山間地域を中心にして展示圃をつくると、こういうことをしながら生産の拠点づくりによる新しい担い手の育成、産地の確保に取り組んでいるところでございます。これからもこうした取り組みを一層充実していきたいと、そう思っております。

 農業大学校研修生の卒業後の扱いについてお尋ねになりました。できるだけ多くの研修生が就農してほしいわけでございまして、新しい担い手になってほしいわけであります。そのためにも卒業後におけるサポート体制、これが大変重要になるというふうに思っています。これから農協とか関係機関と協力をいたしまして、また研修生の意見も聞きながら、栽培、販売指導、農地のあっせん、機械施設の導入支援、こういうことなど必要な支援策を講じまして、就農への誘導が円滑に進んでいくように、市として努力をしてまいりたいと、こう思っております。



○副議長(東出文代君) 石原教育長。

     〔教育長石原多賀子君登壇〕



◎教育長(石原多賀子君) 25番増江議員にお答えいたします。

 広域圏の人事異動に関する教育機構の設置について、県教育委員会はどのように受けとめたのかというお尋ねがございました。それぞれの自治体が対等な立場で人事交流の基本的なルールを決めるとともに、市町間の連絡調整や切磋琢磨を行う場として協議機関の設置を強く求めました。そのことを石川県教育委員会がどのように受けとめたかはわかりかねますが、教育改革の一環である人事権移譲という大きな流れの中で、適切な判断をしていただけると期待しております。

 人事権移譲に伴い、他市町が生ずると懸念している教育格差について、教育長の見解をお尋ねでございました。増江議員が御指摘のとおり、義務教育では国の責任において教えるべき教科及びその内容、教職員の配置基準等が定められており、また、教員の免許制度があり、どの地域においても教育の水準が担保されるようになっております。その上で、それぞれの自治体が地域の実情やニーズを踏まえまして、みずから具体的な教育施策に取り組んでいるところであります。なお、本市におきましては、周辺市町との協力の中で、小学校英語のカリキュラムや教材の提供、指導主事及び教員の授業への派遣など、既に広域的な取り組みをしておりまして、このように金沢市が一生懸命頑張っている取り組みを他の自治体も共有し、みんなが協力し合うことによって、県下全体の教育水準が向上するものと思っております。したがって、人事権移譲後は市町間の連携や協力がさらに盛んになるものと考えております。

 人事権移譲について、教育長の決意を問うというお尋ねでございました。地方分権とは、各自治体が意欲と責任を持ち、住民の幸せを実現していくためのものであります。そして、自治とは文字どおりみずから治め、人を育てていく能力を持っていることでございます。お互いに自治体同士が対等な立場で人事交流することにより、一層充実した活気ある教育活動が実現されることを強く願っております。そのためには、人事権移譲が不可欠であり、既に国においては準備を始めておりますことから、金沢市教育委員会といたしましても、十分に対応できるよう取り組んでまいりますので、金沢市民の代表でいらっしゃいます市議会の議員の先生方の、今後とも御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。



○副議長(東出文代君) 蓑助役。

     〔助役蓑  豊君登壇〕



◎助役(蓑豊君) 25番増江議員の安宅コレクションの里帰りについての御質問にお答えいたします。議員がおっしゃったとおり、東洋を代表する陶磁器の逸品を収集した世界的な安宅コレクションは、金沢にゆかりの深い安宅家と安宅産業が集めたものであることから、里帰り展の御提案は、本市の文化や工芸の復興にとっても意義あることだと思っております。コレクションを管理しております大阪市立東洋陶磁美術館との調整や、金沢21世紀美術館の市民ギャラリーの使用も含めて、21世紀美術館で開催できないか十分研究してまいります。

 以上です。

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△休憩





○副議長(東出文代君) この際、暫時休憩いたします。

     午後0時11分 休憩

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     午後1時17分 再開



△再開





○副議長(東出文代君) 出席議員数は、ただいまのところ39名であります。

 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。

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△質疑・一般質問(続き)





○副議長(東出文代君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。

 5番森一敏君。

     〔5番森 一敏君登壇〕     (拍手)



◆5番(森一敏君) 副議長から御指名をいただきまして、大変緊張をして登壇をしております。会派社民の一員として、以下、御質問させていただきます。

 質問の第1は、分権時代を開く市政の課題についてです。

 谷垣財務大臣が言及した地方交付税の法定比率引き下げに対し、山出市長は分権型社会に逆行するものと厳しく批判されました。全く同感です。政府の構造改革路線は、一握りの富める者を生み出す一方で、多くを貧困化させました。今や年収200万円以下で暮らしを余儀なくされている世帯は4分の1、無貯蓄世帯が5分の1、生活保護世帯は150万人へと膨れ上がりました。就学援助児童が本市でも15%に達しました。所得上位者と下位者の平均格差は170倍近く。本格的な格差社会が到来したのです。この格差社会のひずみの是正は、逆累進を強めた税制を抜本改革することとともに、寸断が進んだ公共的なセーフティーネットの再構築にあります。地方交付税の法定率引き下げは、本市におけるこの間の議論でいえば、義務教育費国庫負担制度廃止・縮減や、中核市への人事権移譲、子育て支援、高齢者や障害者福祉の前提条件を突き崩すものにほかなりません。新地方分権推進法と地方共有税創設を柱とする地方六団体の意見書提出は、そのことへの強い憤りと危機感を表明すると同時に、地方が政府と対等な責任主体に脱皮するため、地方の連帯による固有の財政権確立を目指す画期的宣言として私も支持をいたします。この間、地方六団体を牽引してこられた山出市長に実現に向けての決意を改めてお伺いします。

 次に、本市の中心市街地活性化に大きくかかわる県庁跡地利用についてお尋ねします。県はこの6月議会に跡地利用の基本構想策定費を含む県庁跡地関連補正予算を提出しております。ようやく一歩が進められたかの感があります。県庁、金沢大学の移転によって拍車がかかった中心市街地の空洞化は、周辺地域の商業者はもとより各界各層の懸念するところとなってきました。21世紀美術館の生み出すにぎわいに比べ、広坂通りを挟んだ県庁跡地は、本格的な整備は遅々として進まず、一抹の寂寥感を漂わせております。県庁跡地利用に関する構想は、昨年3月段階でも「いしかわ文化・情報の総合センター基本構想」であり、「最も『ひと』らしい活動を行う人間創造空間」を基本コンセプトとしていました。だれもが生き生きと豊かに暮らせるよう、生涯学び続けることができる環境を整えることは今日的な喫緊の課題であると思います。学生や青年が集う場も考えられてしかるべきです。しかるに、現在の論議は当初の基本コンセプトとはかけ離れ、南ブロックの保存を主としたダイナミックさを欠くものとなっております。まず、人をはぐくむという観点から、この跡地利用はどうあるべきか、市長の御所見を伺いたいのです。

 また、市長は県庁跡地は中央公園を含めた兼六園周辺文化ゾーンとして全体の土地利用のあり方を議論すべきであるとされ、施設利用が定まらないならいたずらに施設をつくるべきではなく、石垣が透けて見えるようにとも言われております。私も森の都にふさわしい「まちなかのオアシス」としての整備が望まれると思いますが、森づくりの観点からどのようにお考えなのか、お伺いいたします。

 さらには、隣接する金沢市中央消防署の広坂出張所の移転に伴う跡地の取り壊し時期と跡地利用をどのように検討されておられるかもお伺いします。

 以上、地方分権の一層の推進とまちづくりに関してお尋ねしてまいりましたが、新たな世界都市構想を策定し、分権時代である21世紀のまちづくりに着手された山出市長には、山出市政誕生から参画してきた我が会派として、個別政策の是々非々を超えて引き続きの市政のかじ取り役を期待するものですが、市長続投に向けた意欲のほどを私からもお伺いし、次の質問に移ります。

 質問の第2は、経営所得安定対策等大綱のもとでの金沢の農政についてです。

 発展途上の国々や世界各地の市民・農業労働者の強い抵抗に遭いながら、WTOを舞台に農業分野のグローバル化が推し進められています。日本では食料・農業・農村基本法に基づく新食料・農業・農村基本計画が策定され、食の安定供給、多面的機能の発揮、持続的発展、農村振興を目指すこととなりました。これを受けて策定された経営所得安定対策等大綱では、品目横断的な経営安定化策、農地、水などの資源と環境保全が柱となりました。この大綱は来年度から本格実施に移されます。しかしながら、経営安定化対策では、経営規模4ヘクタール以上で400万円以上の農業所得を持つ認定農業者、同様の所得要件を満たす主たる従業者が存在する20ヘクタール以上の集落営農組織、中山間地域では規模要件こそ50%程度に緩和するものの、いわゆる担い手に特化して諸外国との生産条件格差是正対策、価格下落影響緩和対策を行うとしています。認定農業者以外の農家には所得補てん措置が廃止されます。このような転換は、グローバリズムに対応して農業施策に市場原理を導入し、国際競争力を主眼にした新自由主義の方向で農政を再編成するものと言えましょう。全国で4割を占めると言われる経営規模基準の半分にも満たない小規模零細農家が切り捨てられる状況となれば、新基本計画における食糧自給率45%の目標達成、最低限の食糧生産に必要な農地450万ヘクタールの確保、そして環境保全などおぼつかないと疑問が投げかけられています。本市においても担い手農家は29経営体、作付面積にして30%程度であると報告されています。米政策改革大綱から4年間の実績であることを考えるとき、一層の認定農業者や集落営農組織の育成は容易ではありません。「百姓は米を作らず田をつくる」の言葉を残したある農村思想家がおりました。農業が自然の循環に身を置き、命をつかさどる営みであることを含蓄深く言いあらわしたもので、農は決して経済の論理だけで扱われてはならないものであることを考えさせてくれます。減少の一途をたどる農家を励まし、営農意欲とその条件を高める農政こそが求められているように思います。そこで、本市農業施策に関して、以下御質問いたします。

 まず、本市にとって農業とは何か、また農政とはいかにあるべきか、山出市長の基本的な御所見を改めてお伺いするとともに、今年度中に前倒しして策定される新農政プランにいかなる独自性を盛り込むお考えか、あわせてお伺いします。

 次に、現状において経営所得安定対策等大綱の基準に各農家を当てはめるなら、6割を超えるであろう農家が営農の基盤を失い、農業からの離脱と伝来の貴重な農地の荒廃を加速させることを危惧します。この間、担い手の育成に取り組んできた本市として、この現状をどのように受けとめ、課題を整理してこられたのかお聞きします。

 第3に、最も重点を置くべきは家族的営農体たる個々の農家が対等に連携して組織する集落営農組織を確立し、農地と農業資機材を共同活用する営農方式にあると考えております。集落営農組織を育成支援する新たな取り組みにおいて、特に留意し、力を注ぐ点は何か。地域での働きかけの進捗、今後の見通しを含めてお答えください。また、認定農業者や集落営農組織に漏れた農家への独自対応は考えているのかもあわせてお答えください。

 第4に、国とも連携した中山間地域支援の関連事業は存続強化されるべきです。次年度からの国の制度の対象とはなりがたい中山間地域において、本市の独自性をいかにして維持発展させるのか、現時点でのお考えをお聞かせください。

 質問の第3項は、三たび、障害者自立支援施策についてです。

 障害者自立支援法が施行され、各自治体では10月からの新サービスへの完全移行に向けて、障害程度区分の認定手続が開始されました。その結果いかんで、非該当となるか、6区分のどこに認定されるのかが決まり、受けられるサービスとその量が決定されるのですから、障害のある当事者やその御家族は大きな緊張感を持って認定調査に臨んでいます。加えて、大きな関心事となっているのが自治体裁量で10月から実施に移される地域生活支援事業の具体化です。とりわけ支援費制度によって事業が拡大し、地域におけるノーマライゼーションを進展させる原動力になったと評価される移動支援事業が、自治体の財政事情によって縮小されたり、負担増によって利用できなくなることを心配する声がたくさん寄せられております。また、地域活動支援センターがどのように具体化され、事業が展開されることになるのか、事業者の間でも先行き不安が広がっています。この6月から9月にかけての4カ月間は、極めて重要な期間であることを踏まえ、以下、御質問いたします。

 まず、始まった認定調査は円滑に滑り出しましたか。その認識をお聞かせください。

 第2に、認定調査に当たっては、専門性に加え中立性と公平性を確保することが強調されていますが、その意味は、障害ある当事者の側に立ち、地域で人として当たり前に生活を送るためにどんな支援が必要なのかを明確にすることと理解してよいかお尋ねします。また、認定調査員研修で重視した内容は何であったのかもあわせてお答えください。

 第3に、法第21条には「審査会は、必要があると認めるときは、障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる」とありますが、「必要があると認めるとき」とはどのような場合を想定されますか。

 第4に、市長は3月議会の私への答弁の中で、「地域生活支援事業の事業化に当たっては、これまでの施策の後退がないよう利用者の声も聞きながら準備を進める」とお答えになりました。その具体的な手順をお伺いします。

 第5は、小規模作業所にかかわる課題です。国は小規模作業所と新事業体系の基本方針を示し、個別給付事業への参入を基本に、地域生活支援事業の地域活動支援センターをそのステップとして活用する方向性を示しました。これをもって作業所当たり110万円の知的障害者デイサービス事業と通所援護事業は廃止しました。地域活動支援センターは、実利用人数によって3タイプに区分し、それぞれに職員数、国庫補助基準額を設定しています。しかしながら、現在の小規模作業所がこの地域活動支援センターに移行するには、実利用人数、経営規模確保など困難な壁があると言われ、このままでは存続自体が危ぶまれる状況と聞いております。全国で6,000カ所あると言われる小規模作業所は、もともと就職差別や行き場がない障害者に地域での居場所をつくり出そうと親たちが手弁当で立ち上げてきたものです。言うなれば、行政のすき間を市民みずからが埋める営みであったわけです。小規模作業所の灯を消してはなりません。制度上の格差がある中、自己努力を積み上げながらも市の補助金に頼らざるを得ない厳しい状況に立つ小規模作業所を、本市として障害のある市民との共生の地域社会づくりを展望したときにどう位置づけ支援していくのか。移行期の市独自支援策も含めぜひともそのビジョンをお示し願います。

 質問の第4は、辰巳ダム問題についてです。

 犀川、そのほとりで生まれ育った私には特別の愛着がある川です。物心ついたときには、もう河原が遊び場でありました。小学校では犀星作詞の名校歌を歌い、向かい岸のカキ舟をスケッチしました。放課後はウグイや河原のバッタを追い、子ども会行事では犀星が育った雨宝院に集まって楽しい時間を過ごしたものです。こんな私にとり、犀川水系河川整備計画において、焦眉の課題となってきた辰巳ダム問題は身近な関心事です。幼いころに、大水のため蛤坂の親戚に一時避難した経験もあり、越水危険度が最も高いと言われてきた犀川大橋下手流域を地元とする者としても、洪水や浸水被害の防止は市政の優先的な責任であると考えております。

 しかしながら、この間の議論を振り返ってみますと、「だから辰巳ダムである」との立場には立てないのです。この15年間の議事録をひもといてみますと、生態系破壊の危惧、基本高水の根拠、大規模公共事業の見直し、内水管理を含めたダムによらない総合的な治水対策など、多くの問題が提起されております。これらは貴重な自然と文化遺産の破壊を招いてはならないとの義憤に駆られた予定地周辺住民や、複数の市民団体の綿密な調査を踏まえた研究成果に基づくものであるのに比べ、県当局の見解を繰り返す答弁には、建設の必要性についての説得力が感じられないのが率直な印象です。

 ところで、2002年以降の計画見直しによって2004年に辰巳ダムの新計画が決定されました。これがいわゆる穴あきダム、つまり治水専用ダムの新計画です。ところが、この穴あきダムが上流・下流それぞれに深刻な生態系破壊を生じるおそれがあること、また、大規模地すべりを誘発する危険性があることが現在指摘されております。私も複数の市民団体が主催する学習会、フィールドワークに参加し、かつて本議場で生態系を守れと果敢に質問を展開された本間前議員の調査報告も伺い、鴛原の大規模地すべり地帯の現況を目の当たりにする機会を得てきました。こうした経緯を踏まえ質問いたします。

 まず、穴あきダムは人為的に放水量を操作できず、上流域では洪水時と平常時との間に水位の上下動が繰り返され、そのたびごとに動植物が水没による死滅を繰り返します。辰巳ダム建設予定地の犀川渓谷は、絶滅危惧A類のCにランクされるミゾゴイやサシバ、ハチクマなどの希少猛禽類が生息していますが、そうした生物たちのえさ場としての広範囲の生態系に影響が危惧されます。また、ダム下流域では年間通じて水量が減少し、季節ごとの水流変化や一定期間ごとに繰り返される出水によって維持されてきた川本来の機能や生態系、景観が著しい影響を受けると言われています。1999年に施行された改正環境影響評価法には、生態系への影響調査が盛り込まれました。新ダム計画が環境調和型であるというのであれば、湛水面積にはこだわらず、法の趣旨にのっとり、改めて生態系に焦点を当てた環境アセスメントを行うのが当然ではないでしょうか。御所見をお伺いします。

 次に、ダム湖が及ぶ鴛原地区南西の斜面が大規模地すべり地帯であることは、県の地質調査報告書にも記載されています。その土塊量は新辰巳ダム容量に匹敵する525万立方メートル、分類上の「超大規模」の2倍を超える巨大規模地すべり地帯です。新辰巳ダム計画に伴い、県は3年前にコンサルタント会社に委託した調査では、湛水する水位は低く、地すべり地全体に比べて極めて小さいから対策の必要はないと結論づけながら、地すべり地の規模が大きいから今後別途調査と対策工を行う旨を述べております。押さえがあって安定していたのり面でも、ダム湖の水圧や水位変動によって崩れたり、それが連動して大規模な地すべりを誘発することは一般に知られていることです。奈良県紀の川支流で完成した大滝ダムで、試験貯水の最中に地すべりが発生し、住民全員が移転を余儀なくされた例も報じられています。私も崩落が進み、鉄塔のコンクリート基礎面がむき出しになった末端斜面から、地すべり地帯の最上部までを視察し、現在でも地すべりが続いている様子を確認できました。

 現在の安定を前提に地すべりの危険を過小評価するならば、誘発する崩落や地すべりへの対策工事、堆砂の除去を繰り返し、ダムそのものの寿命をも縮めることになるでしょう。費用対効果も大幅に見直さなければなりません。先例が島根県益田川ダムにあるというだけの穴あきダムを地すべり地帯に建設するという未知の事業です。先に建設ありきではなく、地質の状況、考え得る危険性、総体的なコストなどを厳しく調査し、ドイツで徹底されているような参加と情報開示を軸としたパブリックインボルブメントの手法を採用して、市民合意の結論を下すべきです。そうした手続を欠いたまま、土地収用法に基づく事業説明を強行し、着工へしゃにむに突き進むことは見合わせるよう、事業主体である県当局に働きかけるべきだと考えますが、お考えをお尋ねして私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。     (拍手)



○副議長(東出文代君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 5番森一敏議員にお答えをします。

 まず、分権時代を開いていく市政の課題、市長の決意ということについてお触れでございまして、地方財政の確立のための意見書の提出にお触れでございました。今、まず地方交付税の削減ありきの議論が展開されておることは事実でございまして、我々にとりますと懸念される事態と、こう思っとるわけでございまして、この事態を打開して、そして「骨太の方針2006」に第2期改革の実施が盛り込まれるように、そういう実現のための方法として法に基づく意見書の提出に踏み切ったと、こういうことであります。私はこうした手法を講じたことの意義はあるというふうに思ってございまして、これを受ける立場の内閣と国会は重く受けとめなければいけませんし、誠意ある遅滞なき対応が望まれるということでございます。今後とも、この動きを注視しながらこのことも分権改革の一環でもございますんで、力を尽くしていきたいと、こう思っております。

 それから、県庁跡地の利用のことにお触れでございました。この跡地は、金沢発祥の地でございまして、ここからまちづくりが広がっていったと、こういうふうに言えようかと思っています。したがって、まちのステータスにかかわる大きい意味のある空間でございます。これまで検討懇話会でいろんな議論が出てきておるわけでございますが、こうした議論も参考にしながら後世のために何を残すべきかと、このことを基本にいたしまして、兼六園周辺の文化環境ゾーンにふさわしい、そういう跡地利用が必要だと、こう思っておる次第でございます。整備に当たりましては、単に施設で人を呼び込むと、こういうことではありませんで、むしろ緑地空間としてどこからでも多くの人が訪ねて、憩って、そしてにぎわうと、そういう空間であるべきだと、こう思っております。

 森づくりというお話をなさいましたけれども、本丸跡地のような樹林帯をつくるということでもあるまいというふうに思ってございまして、やはり回遊性に富んだ、開放的な緑地空間としての土地利用、これを考えていくべきだと、そう私は思っております。南ブロックの活用ということも言われておるわけでございますが、この行方にも大きい関心を寄せていきたいと、こう思っておる次第でございます。市としても県のお仕事ではございますが、大きい関心を持って、そして積極的に意見を述べていきたいと、このように思っておる次第です。

 また、中央消防署の広坂出張所の扱いでございますが、来年度に裁判所の近くの味噌蔵地区へ移転をすることになります。移転が終わりましたら、早期に建物は壊して、そして大事なことは県庁の跡地の空間と一体的に使っていくと、そういう計画の中に金沢市の地面も組み込んでいくと、こういう考え方がいいんではなかろうかなと、そんなふうに実は思っとる次第でございます。

 私のこれからの市政の取り組みについてお尋ねをいただきました。大変大げさな言い方になったらお許しをいただきたいんでありますが、4期16年の間一心不乱に努めてまいったつもりでございます。とりわけここに参りまして、全国市長会の仕事に携わらせていただきました。これも皆さんのお許しがあったらこそでございますし、御理解あってのことでございます。いろいろ市長会での用務をいたしてまいりまして、私の今の究極の思いは官僚制を正す、このことだと私は思っております。

 あわせまして、ここに来まして単なる効率優先、極端な市場原理主義、この志向は私のとらざるところでございます。また、その結果としての格差社会、これは是正をしてまいらねばというふうに思っております。弱者への配慮は一段と進めていくべきと、このように思っておることを申し上げさせていただきます。

 一方で、国が仕組みを変えてくれない、そうなら地方から変えてみる、この気概と挑戦も必要と、このように思っておる次第でございまして、一例を挙げますと、景観に関する一連の条例が景観法の制定を促した、商業環境形成まちづくり条例がまちづくり三法の制定につながったとしたら、多少なりとも意義のあることだったと、こう思っておる次第でございます。教育プラザ富樫の開設とか、「学校教育金沢モデル」、このことが幼保の一元化、分権型教育の推進に幾らかでも先鞭をつけることになったらと願ってきたことも事実であります。

 もしも市民の皆様がお許しをくださって、そして私にもう一度やるようにという、そういうお許しがいただくことができますれば、こうしたやる気、あるいは気概、これをもって地方の本当の意味の自立のために、また人々の暮らしを少しでもよくするために微力を尽くしたい、こう思っております。どうかこうした私の気持ちに深い御理解をいただきますように、また御支援をくださいますようにお願いをいたす次第でございます。

 農業について幾つかお触れでございまして、本市にとって市長は農業とは何かと、どう思っておるのかというお尋ねでありました。農業といえば市民に安全・安心な食糧を供給して、日々の暮らしを支える生活の基礎でございます。土にまみれて、額に汗して働く農業、これこそがまさにものづくりの原点であると、こう思っております。これら農家の方々が誇りと使命感を持ってものづくりに励んで、これを支援するのが農政のあるべき姿、市のあるべき姿勢と、こう思っておる次第でございます。

 それから、新しい農政プランにどんな独自性を盛り込むのかと、こういうお尋ねでありました。担い手が不足している、食の安全、外食志向が高まってくる、公益的な機能が低下をしてくる、こんなことで農業を取り巻く環境は大変厳しく変わっていくというふうに思っておりまして、こうした事態に農政も的確に対応をしていかなければいけないと、こう思っておる次第でございます。そこで、個別の事項を挙げてみますが、金沢ブランド化の促進、知的財産の保護と活用、ブランド化と密接不可分です。知的財産の保護と活用、これが一つあります。安全な農産物の生産、食品加工産業、農産物をいろんなふうに加工して産業化すると。農産物の生産と加工産業との連携、こういうことも大事なテーマになってくる。地産地消の推進、農業大学校による担い手の育成、こんなこと、またそのほかにもいろいろと考えてまいりまして、こうした金沢市の特性を生かした、農業の新しい方向性をまとめてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。早速プランの策定に入ることにいたしました。

 次に、新しい経営安定対策でございますが、農業からの離脱とか、あるいは農地の荒廃が心配されると、課題を整理する必要があるという御指摘でございました。私もこのことの心配をしています。小さい農家が切り捨てられていくんではなかろうかという心配は私も感じています。特に金沢市の場合は、規模の小さい農家とか農地が多いということからいたしまして、国の新しい対策の要件を満たしているということになりますと、農地を集積させる、集める、集落営農に向けて経理を一元化すると。言葉は易しいんですが、個々の農家の調整が必要でございますし、多くの農家の合意形成が必要と、こういうことになるわけであります。こうした課題をクリアしながら、できる限り多くの農家に対策の対象になっていただくように、金沢市と農協等で構成する−−ことしつくったんですが、金沢市農業の担い手づくり支援協議会というのがありますが、この協議会を中心にいたしまして、農家の理解を深めながら、担い手の育成・確保に努めていきたいと、こう思っています。事柄は決して容易ではありませんけれども、現地に出向いて、現地の農家の方々とひざを詰めて話し合うと、ここが大事だとそう思っておる次第でございます。

 それから次に、集落営農組織を育成支援する新しい取り組みとして、どんなことを考えているのかというお尋ねでありました。このための組織づくりは、中心になるリーダーがなきゃいけないということがございますし、そのリーダーの育成とか地域の合意形成、農地の利用調整、こんなことが大変大事になるというふうに思っています。これまで地域ごとに農家と懇談会を開催するということをいたしてございまして、その中で担い手の掘り起こしを行って、規約づくりとか営農計画をつくるとか、こんなことを支援しながら組織づくりを進めてきたところでございます。こういった取り組みをいたしましたところ、先般、大場町で営農組合が設立されるということがございました。引き続き、集落営農の育成に努力を続けていきたいと、こう思っておる次第でございます。

 次に、認定農業者、集落営農に漏れた農家へ独自の対応が必要だと、こう御指摘になりました。これらの農家につきましても、地域農業の維持に重要な役割を担っていると、そのことは私も思っております。今後国の動向も注意をする必要があります。国もいろんなことを実は議論していますんで、この議論の行方を見なければなりません。新しい農政プラン策定協議会とか、あるいは農家の皆さんの御意見も聞きながら、どんな市としての対策がなお必要になるのか十分関心を寄せて、そして研究もしていきたい、こう思っています。

 中山間地域において市の独自性をいかに維持発展をさせていくのかと、中山間地域は新しい制度の対象になりがたいから特に大事だと、こういう御指摘でございました。そのとおりでございまして、中山間地域にありましては、これまでうまいお米づくり、それからホウレンソウとかユズの産地化、こういうことを進めてまいりました。また中山間地域等農業担い手育成機構というのがございまして、この機構による新規就農者、それから異業種の農業参入、こういうことにも支援をしながら生産振興を図ってきたところでございます。これからは、加賀野菜の産地化、それから民間の酒造会社との連携によります梅の里づくり−−梅酒をつくるための梅の里づくり、それからジネンジョでございますが、「金沢藤五郎」というんでございますが、この「藤五郎」のブランド化、こういうことなど新しい試みを行いながら一層の活性化に努めてまいりたいと、こう思っております。

 それから、障害者自立支援施策についてお尋ねでございまして、認定調査のことは福祉健康局長からお答えをいたしまして、私からは地域生活支援事業の事業化に当たっての具体的な手順、これをお答えをいたします。7月になりましたら、地域生活支援事業に関する学習会、それから市民フォーラムを開催しまして、皆さんの声を直接お聞きをしたいと、こう思っています。また、市の障害者施策推進協議会、この協議会におきましては、既に利用者の負担とか新規事業について検討を始めておりまして、こうした結果を踏まえた上で、市としての事業内容を決定することにいたしております。

 次に、小規模作業所に係る課題についてお触れでございました。小規模作業所は障害のある方の社会参加や自立に向けた施策として大事なものでございます。市といたしましては、地域活動支援センターへの移行、このための指導・相談を積極的に行ってまいりたいと、こう思っておりますし、なお、これらの作業所がセンターに移行するまでの間、この間にありましては、市独自の現行の支援体制の継続、これは必要だとこのように思っておることを申し上げます。

 辰巳ダムについてお尋ねでございました。まず改めて生態系に焦点を当てた環境アセスを行うことが必要ではないかとこのことでございますが、辰巳ダムは環境影響評価法に基づく環境アセスメントを行う対象の規模以下のために、法的義務はない。環境アセスの法的義務はないんだけれども、同法に準じまして生態系を含む環境影響調査を実施してきたところでございます。この結果をもとにいたしまして、自然環境の保全に努めたいと、このように県から聞いております。

 それから、地すべり地帯でもあるんで市民合意を欠いたまま着工しないように県に働きかけるようにという御趣旨でございました。ダム湖内を含む周辺の地すべり性地形等を考慮して、想定される水の動きも含めて地質調査や解析を実施しておりまして、その結果をもとに地すべり対策に万全を期すことにいたしております。なお、これまで犀川水系流域委員会というのがございまして、この委員会におきまして、住民の意見等を踏まえ十分審議をして、その情報のほとんどは開示をしているというふうに県から聞いています。これからも市民に十分理解を求めて、そして事業を進めていくように県当局に働きかけてまいりたいと、きょうの御発言は県に十分伝えたいと、こう思っております。



○副議長(東出文代君) 古田福祉健康局長。

     〔福祉健康局長古田秀一君登壇〕



◎福祉健康局長(古田秀一君) 障害者自立支援法の施行に伴う障害程度区分認定調査の現況につきましてお尋ねがございました。認定調査対象者520名のうち、5月末現在で既に180名の方に実施をいたしました。この調査は順調に進んでおりまして、9月上旬までには計画どおりすべて完了すると思っております。

 次に、この認定調査の必要性についてお触れでございました。認定調査は地域で生活するために必要なサービスの種類や量を決定する上で大変重要なものでありまして、障害のある方々の心身の状態を総合的に把握するために実施するものであります。

 次に、認定調査員の研修内容に関する御質問でございますが、認定調査に必要な106項目の調査事項すべてにつきまして、その判断基準を正確に理解することや、麻痺の状況や行動障害の程度など106項目では表現することが難しい状態を特記事項へ記載する方法など、国のマニュアルに基づきまして実施をいたしました。

 次に、障害者程度区分認定審査会において、障害のある方などから意見を聞く必要がある場合のお尋ねでございます。審査会が障害程度区分を認定するに当たり、審査の資料からでは対象者の詳細な障害状況が把握できないなど、公平・公正かつ正確な認定を行うことが難しいと判断した場合を想定いたしております。

 以上でございます。

     〔「議長、5番、再質問」と呼ぶ者あり〕



○副議長(東出文代君) 5番森一敏君。



◆5番(森一敏君) ただいまいただきました御答弁、基本的に私がお尋ねをした点に真摯にお答えいただいたなと、このように思っております。その中で二、三お伺いしますけれども、まず、小規模作業所、センター移行期までに必要な市の支援を継続していくという御答弁がありました。これは大変重要なことかと思っております。同様に、農政の部分で大綱に基づく施策が来年度からの実施ということになっておりますので、市長もお話のとおり、対象農業者や集落営農組織にみんながなり切れるかというとなかなか難しいだろうということが予想されておりますから、これも移行期の独自支援というようなものを考えていただきたいなということを先ほども御質問したんですけれども、その点についてもう少し明確にお答えいただきたい、そういうふうに思います。

 それから、もう2点ですね。程度認定の把握ですけれども、106項目、それからもちろん特記事項も記載をしてということになりますけれども、私がよく聞いておりますのは、その項目に従って調査をやっていくと従来受けられていたサービスが受けられなくなる、あるいは量が減ってしまうというケースが大変多くなるということを、それが予想されるということを聞くわけなんですね。そんな意味で、その認定調査の際にできるだけ密なコミュニケーションを図る、当事者の方々のいろんな生活状況を十分お聞きするという姿勢が何よりも必要だということと、それからどういうチェック事項、状況になったかということを相手方にしっかりとお見せをする、あるいはそれを残していくというような配慮が必要なのではないかというようなことも言われておるようなんですね。そんな意味で、もう一度お尋ねするわけですけれども、認定調査に入った際の十分なコミュニケーション、チェック時点での相手との合意、これを十分大切にできるような認定調査であってほしいなと、そのように思っておりますけれども、そのことにつきまして御所見をお伺いできたらと思います。

 それから最後に、辰巳ダムの問題ですけれども、改正環境影響評価法に基づく環境調査というのは、調査のやり方を決定していく際に、だれもが意見を言えるというところにひとつ重要な手続上のポイントがあるというふうに理解をしております。この部分が県が実施をしてきたよとおっしゃる調査には十分ではないという面があるのではないか。したがって、環境影響調査の結果について疑義が出ているということではないかと、私なりに理解をしております。この点について県に対して、規模は確かに小さいですけれども、準じた扱いをするということであれば、新しい評価法に基づく住民合意のための手続を丁寧にやっていただきたいと私は思うんです。そのことが一つ。

 それから、この中の2つ目として、もう一つはパブリックインボルブメント手法というものを御紹介しましたけれども、これも計画策定段階から市民の意見を聞くということを重視するということに一番力点を置いた新しいやり方なんですね。そんな意味で、この間の長い経過を見ますと、住民や市民の出された意見に対して後から対応するということを確かにやられてきているわけですけれども、新しいダムの計画ができ、なおかつ地すべり問題が発生してきているということにかんがみましたら、今後の工事の進捗とか進め方とか、ダムのさまざまな対策のあり方とか、そういうものにかかわって新たにこのパブリックインボルブメントの手法での、例えば公開討論ですとか、そういった形の取り組みを導入していくということがやっぱり必要になってきてるんじゃないかなというふうに思います。そのことも含めて、県に対してどのように働きかけをされるかお伺いをして、再質問といたします。



○副議長(東出文代君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 農業の新しい施策が国において進められるということについて、移行期の農家の救済方法ということにお触れでございました。私は、先ほど市独自のいい方法があるのか、ないのか検討をしたいと、こういうお答えをいたしましたが、その中に御指摘の点も含めていると、こう申し上げたいと思います。

 それから、障害者の認定のことについてお触れでございました。相手方と行政というものが合意をする。そのことが認定の前提であるというふうには私は必ずしも思いませんけれども、しかし、実態の調査は正確でなければいけないし、その正確な調査をもとに行うところの判定は純粋に客観的であるべきだと、この基本はきっちりと守っていきたいと、こう思っております。

 それから、辰巳ダムのことについてでございますが、環境アセスのことについて手続上のことを御心配でございましたし、もう一つパブリックインボルブメントの手法、これもいわば計画段階からの手続のことをお触れでございますんで、事業主体は県でございますんで、今の御趣旨は県にしっかりと申し上げると、このことをお約束をしたいと思います。



○副議長(東出文代君) 30番升きよみ君。

     〔30番升 きよみ君登壇〕    (拍手)



◆30番(升きよみ君) 幾つかの点でお尋ねをいたします。

 まず第1点に、高齢者や障害のある方への医療・介護福祉に関してです。

 昨年10月の介護保険法改正以来、この4月よりの制度改正、障害者自立支援法の制定で高齢者や障害のある方々の医療介護、福祉の後退は著しく、その上、今般の医療改革関連法案の可決とで一層その矛盾も噴き上がっております。介護保険で見ても国は準備不足のままで制度を実施しましたから、自治体や事業所、利用者の混乱が生じ、そして何よりも保険料や利用料の負担増がそれらの方々の生活を直撃しております。市役所は窓口相談体制を強化して税と国保料、介護保険料等の苦情に備えておりますが、その受け付け件数は450件に及んでいることからも問題性がうかがえます。昨日から介護保険料の通知が発送されました。今後、高い保険料を手にして一層苦情が寄せられます。保険料軽減には思い切った一般財源の投入を進めることなどですが、当面減免制度の活用・拡充を積極的に行うことが肝要と思います。いかがですか。

 さらに、新予防給付による介護限定、軽度の方々へのヘルパーによる生活援助の大幅削減や、福祉用具の保険給付外し、また要介護1から5の介護にもかかわらず、生活援助が一律的に制限されるなど、さまざまな問題が生じております。特に施設での居住費や食費が保険から外され、完全に自己負担化されたことの影響も深刻です。過日、市内の保険医協会の調査が発表されておりましたが、それによると2けたに及ぶ施設入居者が退去を余儀なくされております。こうした状況をどう認識されますか。

 そこに加えて、今国会の医療法改悪は、高齢者の窓口負担をより強めるものであり、一層格差が広がり、医療と介護難民が生み出されるものとなりました。その内容は、70歳から74歳の患者負担を現行の1割から3割、70歳以上の療養病床入院患者の食費・居住費の負担増などで、医療を最も必要とする高齢者の方々には情け容赦ないものとなります。とりわけ、入院患者の追い出しにつながる療養病床を現在の38万床から23万床の削減を行い、75歳以上の後期高齢者医療制度の創設を図り、保険がきく診療ときかない診療を組み合わせる混合診療の拡大など、日本の医療制度を大きく変え、国民皆保険の基盤を掘り崩す内容となるものです。こうした制度改悪によって市民の健康、命が脅かされるなど影響ははかり知れないものと思われますが、率直に言って市長は国のこのような一連の動きをどう受けとめておられますか。

 とりわけ、本市介護療養病床963床すべてをなくし、療養病床が半分の1,300床が削減され、2012年までに2,300床の削減となるもので、重大な影響を与えると判断されます。現在でも介護保険事業計画での特別養護老人ホーム150床、小規模多機能施設475床などの計画は、特養待機者1,000名を超える状況下、少ないとの厳しい指摘がされておりますが、それが今回の法改正が加わると、それこそ県医師会の抗議声明にあるように、医療介護難民を増加させることは必至であり、深刻な事態が予想されます。市長、これをどう判断されますか。現行介護保険施設整備計画で万全ですか。その点をお伺いいたします。

 私たち日本共産党は、障害者のサービス利用につき、原則1割負担を要するとした障害者自立支援法実施後2カ月の実態をアンケートや訪問活動を通して調査をしました。それによると、負担増による施設利用を断念した人や、中止を検討中の人がいる事実などが浮かび上がりました。知的・身体障害者の方々が作業所で働く工賃を上回る利用料の負担が一気にこの4月より1万円から3万円になり、働く意欲をなくす事態を引き起こしております。その上、施設事業所における報酬引き下げや、支払い方式の日割り制での減収による悲鳴が各施設ともに出され、アンケートにもびっしり書かれておりました。我が党は利用者負担と施設経営の危機打開に向けて、国の責任で応益負担の廃止を行うなど、抜本的改善を図ることや緊急的に実態調査をすることなどを求めております。特に応益負担の導入によって、国と自治体は約700億円の負担が軽減されますから、この財源で国も自治体も利用者負担を緊急に軽減をすることができるのであります。本市においても利用者施設に対し、緊急に調査を行うことや、特に施設運営費補助を独自に行うなどの対策をとるべきと考えます。

 市長は、市独自の減免制度があるから生活にお困りの方の対応はできるとおっしゃいましたが、それもわずか60人の程度しか救われません。また、推移をよく見ていきたいとおっしゃいましたが、ならば障害者、施設関係者、職員から痛切な思いが寄せられている今日時点に立って、少なくとも実態を調査され、打開策を示されることが必要です。そのお考えを伺います。

 市長は、初めて市長に就任された際、「すべての市民が健やかで幸せな社会づくりに励むことであります。とりわけ、寝たきり、ひとり暮らし等お年寄りの対策と介護の問題は、私に課せられました大きな責務と考えます。きめ細かな福祉サービスの充実に心の限り尽くしたいと考えております」とおっしゃっておられました。あれから16年、きめ細かな福祉サービスは一体どうなったでしょうか。今日、政府は米軍再編経費に3兆円負担を進めながら、大企業の要請にこたえて社会保障切り下げの政治が行われていることは周知のとおりです。市長、市民生活を真に守り、福祉を守ろうとするなら当然、今日の小泉自公政治にしっかりと要求、対決すべきときは対決する、そんな姿勢が必要ではありませんか。同時にまた、このような医療、福祉、介護と大変なときだからこそ、自治体の真価が問われますし、少なくとも市長の初心の言葉からは、受益者負担の公平を口実にした高齢者や障害者への負担強化や福祉の削減はあり得ないと思いますが、どう判断すべきでしょうか。

 次に、心身障害者医療費助成制度について伺います。

 本市はこれまで障害手帳1、2級、そして3級は所得制限を行って心身障害者医療費助成制度を実施してきました。県の制度を横出し、上乗せしてきたことは、本市が障害のある方の医療費助成は社会生活の維持とともに、命にかかわるものであるとして進めてきたものです。それを自立支援法による1割負担や県の制度にあわせ、障害者への公平負担、均衡を図るとの理由で心身障害者医療費助成制度に所得制限を導入し、改悪を行いました。当初議会で我が党は、対象者1,000人、8,500万円の予算削減をすることはいかに厳しいものか指摘しましたが、新年度に入り、日を追うごとに障害のある方にはどれほどに深刻な事態を生み出しているか、不安と悲しみをつくり出しているか、毎日寄せられている声の中で浮き彫りになっております。

 本市はこの8月1日からの実施に伴い、現在すべての対象者に現況届の提出案内を送付しておりますが、障害・医療関係者が寝耳に水の中でこの通知を見て驚いておられます。リューマチ患者のYさん、「薬のおかげで仕事をし、年収が280万円、それが3割になると年間70万円の負担となると暮らしてはいけない」、昼働き、夜週3回透析をしているKさん、「日中仕事をしながら頑張っているが、医療費のための仕事。これで自立支援なのか」、視力・聴力障害の方々、「まだまだ厳しい労働環境の中でようやくついた仕事に精いっぱい頑張っているが、このような所得制限となると医者にも行けず、働く意欲も失うもので許されない」との声です。その所得限度額は、老齢福祉年金の所得制限限度額に準拠しているものです。しかし、老齢福祉年金とはそもそも国民基礎年金が導入される際に、年金受給権利が発生しなかった高齢者、つまり現在90歳以上になる方を対象として設けられた制度です。それも他の福祉手当よりも低く設定されているのですし、これを本人の所得制限限度額として適用するのは、どう考えても障害がありながら働いて生計を立てている若年障害者の暮らしや生活を想定して決めたものだとは言えないのではありませんか。所得で159万5,000円、給与収入で253万6,000円とされた金額は、市当局が説明するような低所得者に配慮した金額設定にはほど遠く、働き続けたいと願う障害者の自立支援につながらない金額と言えます。今は、新薬の導入などで早期発見、早期治療で病気の悪化を制御することも可能となったリューマチなどの障害のある方に、お金によって治る治療方法がとれないなどといったことは断じてさせないために、市長、この制度の所得制限を撤回される御意思はありませんか。

 市長はさきの議会では、「社会福祉の関係とかの意見を聞き、職員自身が判断したこと、私はそれを尊重したい」と御発言なさいました。しかし、少なくとも今度の所得制限実施に関しては関係者に事前に知らせ、理解し、納得している状況ではありません。むしろ心身障害者医療費助成制度を守ることへの強い要望が付されておったのではありませんか。市長、職員の問題にとどめるのではなく、市長みずからの責務において本制度の見直しを進めるべきと考えます。あらゆる障害者の方が現状報告を行い、申請をし、受給交付が可能となるまでにはたくさんの障壁があります。制度の周知については盲・聾重複障害者の方を初め、コミュニケーション障害のある方すべての障害への対応が万全ですか、お答えをいただきたいと思います。

 質問の第3点は、教育基本法と愛国心の通知表についてです。

 今国会は、憲法改正のための国民投票法、心の中まで侵害する共謀罪法、海外派兵を本来任務に格上げする自衛隊法改正、防衛庁の省格上げ法、そして教育の憲法と言われる教育基本法など、日本の将来にかかわる平和や民主主義の根幹をなす重要法案が提案され、継続審議となっております。教育基本法改正案は、愛国心の強制と競争や序列化を加速させ、教育の現場を荒廃させかねないものだけに、引き続き徹底審議はもちろん、何よりも廃案にすべきであります。政府は改悪の理由として、時代の要請にこたえるためと言い、すなわちいじめや不登校、少年による凶悪犯罪などと絡めたりしておりますが、とんでもありません。それらの問題と教育基本法を結びつけるのは筋違いであり、これらの教育のゆがみは、逆にこれまで教育基本法の崇高な精神を尊重し、培ってこなかったことの結果と言えます。

 教育基本法第1条では、教育の目的を人格の完成とうたい、人間的成長に目的を置いており、教育の使命としております。ところが、今回の政府案は愛国心など憲法に反する重大な問題があることも浮き彫りになりました。国を愛する態度など20に及ぶ節目を教育の目標として列挙し、その態度を学校や教職員、子供たちに義務づけるとしております。そうなりますと、時の政府の意思によって特定の価値観を強制することになり、憲法19条が保障した思想・良心・内心の自由を侵害することになることは紛れもないものです。また、現行基本法の第10条に、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負って行われるべきものである」と明記されております。ところが、政府の改定案は「国民全体に対し直接責任を負って」のところを削除しており、国が教育内容に無制限に介入することができるようにするとしているのです。これは、憲法が保障する教育の自由にも反することになるものです。

 市長及び教育長は、こうした教育基本法改定についてどのような御見解をお持ちですか。特に戦前教育を受けてこられた市長は、戦前の教育がいかに国民を戦争に動員するものであったか、その苦い教訓から、戦後教育の目的を国家のためではなく、人格の完成に置く教育基本法を定めたことを最も知っていらっしゃるお一人と思います。私は、現行の教育基本法の立案で指導的地位にあった南原東大総長が、「いかなる反動のあらしの時代が訪れようとも、何人も教育基本法の精神を根本的に書きかえることはできないであろう。なぜならば、それは真理であり、これを否定するのは歴史の流れをせきとめることに等しい」との言葉を思い出します。改めて伺います。

 次に、内心の自由を強制するような愛国心の通知表評価についてどのようにお考えかもあわせて伺います。今国会で、国を愛する心情、すなわち愛国心の小学校の通知表の評価の問題が取り上げられました。福岡市で4年前実施され、市民の強い批判でその後取りやめたものの、基本法が改定されれば全国的に押しつけられるのではと懸念されての質問に対し、首相は「評価すること自体が憲法の内心の自由を侵す。子供を評価するのは難しい」と答弁されておりました。ところが、本市でもこうした愛国心を通知表の評価の対象として、既に小学校6年生の社会科で実施されております。学習指導要領に基づき、それぞれの学校長の判断によってつくられるものですが、その実態を掌握され、是正を図るようにすることが必要と考えますが、いかがでしょうか。本市の国を愛する心情を持つとともに、こうした内容とした通知表は昨年度で何校ありますか。今年度も引き続き採用されていきますか。本来、首相も難しいと判断するような評価を通知表に採用するなどは、直ちに取りやめるべきではありませんか。教育の中で市民道徳を培うことは重要ですが、一人一人の子供たちの人格の完成を目指す教育の自由で自主的な営みを通じて培われるべきで、わけても何を愛するかというのは個人の精神の最も自由な領域であり、国家が強制すべきでないことは当然であります。改めて教育基本法を今こそ守るべきと考えますが、お伺いをしておきます。

 最後に、安江金箔工芸館、金大四十万農場跡地に関してお尋ねします。

 市長は、安江金箔工芸館を移転新築に、また金大四十万農場跡地は半分取得し、多目的広場やテニスコートとする整備方針を示されました。安江氏が私財を投じて取得した美術工芸品や金箔製造道具の一般公開から始めた私立博物館をスタートに、その後金沢市に寄贈されて今日に至っております。ビルの谷間となって大型バスの出入りが難儀、建物が老朽化しているとはいえ歴史が刻まれた安江氏ゆかりの地ゆえ、この地を離れるに至るには十分な研究、検討があったものと思われます。全国の99%の占有率を有する金沢箔の振興のために、業界、職人さんたち関係者の方々の意見やお声を十分に酌み尽くされましたか。関係者の方々は新聞報道に驚き、物販への影響を懸念しておられます。今日、少なくとも民間業者の営業に支障を来さないようにすべきであります。むしろそれらの皆さんを励まし、振興させるものでなければなりません。そのために、今後の性格、機能、運営等を明確にすべきと思います。市長、いかがですか。

 最後に、金大四十万農場についてであります。自然が保全されている国有財産を地方自治体に譲るのですから、無償に近いものであってしかるべきと考えます。気象台跡地同様の借用方法として認められないのか、そうした交渉をなさる御意思がないか伺います。

 最後に、土地利用は今後地元との協議のようですが、市としての公営住宅の建設を予定すべきと考えますが……。



○副議長(東出文代君) 時間が来ていますので、まとめてください。



◆30番(升きよみ君) その点を伺って私の質問を終わります。     (拍手)



○副議長(東出文代君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 30番升議員にお答えをします。

 国の医療・介護・福祉に関する制度の改悪とおっしゃいましたが、そのことについて市長はどう考えているのかというお尋ねでありました。国といたしますと、社会保障制度、これを安定的、持続的なものにするために制度改革を行っているものと私は承知をいたします。一定の理解はしなければいけないと思っておるわけでございますが、地方の立場から言うべきことは今後とも市長会を通じましてしっかりと国に申していきたいと、こう思っています。

     〔副議長退席、議長着席〕

 それから、介護保険制度につきまして、保険料の負担の苦情があるんで、一般会計からお金を入れることができないとしたら減免制度の活用を十分に行うようにという御趣旨でありました。保険給付がふえてまいりまして、保険料を上げざるを得ないということにつきましては、市民の皆さんの深い御理解をお願いをしたいと、このように思っております。今回保険料の改定に当たりましては、所得の低い方に配慮をいたしまして、保険料区分を5つの段階制から7段階にいたしまして、現役並みの所得のある方につきましては、応分の負担を求めるといたしますとともに、所得の低い第1段階から第3段階の方につきましては、保険料の引き下げを含めて極力上げ幅を抑制した次第でございます。また、保険料、利用料に関する減免制度の見直しを行ったところでもございまして、この周知を行ってまいりますとともに、個々の事情に応じまして、減免制度の活用を図ってまいりたいと、このように思っております。

 次に、平成24年から療養病床が廃止になると、この影響と対策を問うということでありました。市内の療養病床は介護、医療合わせて2,896床ございます。これから県と連携をとりながら、事業者の意向調査を実施いたしました上で、市としての対応方針を決めていくことになります。このことに伴います施設の転換整備計画につきましては、基本的に再来年度に策定をいたします「長寿安心プラン2009」、これに盛り込むことになろうかと思っております。

 それから、障害者自立支援法について幾つかお尋ねでございました。実態調査をやるようにということであります。法改正に伴います施設や利用者の影響につきましては、関心を持っておりますが、何分にも法が施行されて2カ月余りしかたっておりません。そういう今の段階では、正確な実態が把握できませんために、むしろ一定期間を置いてから調査は実施してみたい、このように思っております。

 次に、減免制度のことにお触れでございまして、国に各種負担の軽減策が講じられておりまして、その上で所得の低い方に配慮して、市独自の軽減策を設けたものでございます。したがいまして、これを拡大する考えはございません。

 それから、施設への支援費のことでありますが、月額払いから日額払いになりまして、減収になっている施設があるやに聞いております。しかし、その一方では利用者の状況に応じた新しいいろんな加算も設けられておりまして、したがいまして、市独自の補助は考えていないと、こう申し上げたいと思います。

 それから、心身障害者医療費助成制度についてでございますが、所得制限のことにお触れでありました。ことしの4月から国の医療費助成制度は、自立支援医療といたしまして、原則1割の自己負担と所得制限が導入されました。この制度との整合性を図る観点から、心身障害者医療費助成制度におきましても県と同様の所得制限を導入したものでございまして、これを撤廃することは考えておりません。なお、所得制限の基準額につきましても見直しをすることは考えておりません。

 それから、所得制限導入に関する周知のことでございますが、これは担当の局長からお答えをいたします。

 それから、教育基本法の改正についての市長の考えをお尋ねになりました。この改正につきましては、今、国会で審議されてきたわけでございますが、継続審議になったところでございます。国政の場において十分に審議されることを期待しております。

 それから、安江金箔工芸館についてお触れでございました。この建物は、老朽化が進んでまいりまして耐震への整えも行っておりませんことから、また収蔵品の保管という面からも建てかえが必要と、こう思っております。また、すぐれた工芸品を展示する美術館でありますことから、来館者の利便性を考えますと、文化施設が集積をいたしております、また金沢箔とゆかりの深い東山地区がいいんではなかろうかと、こう思っておりまして、移転をするということにつきましても、安江家の御家族とは十分お話し合いをしてございまして、移転の方向については御了承をいただいていると、こう思っております。移転改築に当たりましては、業界関係者等の御意見も伺いながら、研修等にも利用できるスペースをつくるとか、ともかく箔産業の振興につながる機能を付加をすると、こういうことを考えてまいりたいと思っております。

 四十万の農場跡地のことでございますが、このたび、北陸財務局が処分をする方針を示してこられたことから、2分の1は市で取得したいと考えまして、地元の方々と十分に話し合って多目的広場等の公園的な整備を検討してまいりたいと、こう思っております。国とは無償貸し付け等の優遇措置の適用が受けられないか十分協議していきたいと、こう思っております。地元の御意向、市全体の公共施設の配置状況、また周辺の土地利用を考えますと、スポーツのできる公園的な利用がふさわしいと、このように思っておりまして、公営住宅という御意見があるかもしれませんけれども、そこは考えておりません。残る用地については、優良な住宅地になることを期待しておると、こういうことでございます。



○議長(的場豊征君) 古田福祉健康局長。

     〔福祉健康局長古田秀一君登壇〕



◎福祉健康局長(古田秀一君) 心身障害者医療費助成制度の所得制限導入に係る周知の事柄につきましてお触れでございました。今年3月には障害のある方々で組織する各団体に対しまして、この制度への所得制限の導入について御説明を行いました。また、この周知の徹底を図るため、対象となります1万1,700名すべての方々に文書で御案内をしたところであり、あわせて各団体に再度、担当者が御説明に伺ったところでもございます。なお、視覚に障害のある方々には、点字用の文書もあわせて送付をいたしております。

 以上でございます。



○議長(的場豊征君) 石原教育長。

     〔教育長石原多賀子君登壇〕



◎教育長(石原多賀子君) 30番升議員にお答えいたします。

 教育基本法の改正について、教育長はどう考えているかのお尋ねがございました。教育は健全な社会の形成の根幹をなすものでございまして、国会において十分な審議が尽くされることを望んでおります。

 愛国心評価の通知表について、市教委として社会科の評価項目の内容をどのように考え、具体的にどのような指導を行うのか。また、昨年度及び今年度、そのような表現のある評価項目を持っている学校が何校あるかというお尋ねでございました。小学校第6学年の社会科の学習指導要領の目標の一つに、「国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めるようにするとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする」と示されております。学校が定める通知表の評価項目にこれに準拠した表記があることについては、特に問題はないと考えております。なお、通知表は学校長が教員と協議して作成しているものでございますが、評価項目や評価の内容が児童や保護者にとってわかりやすい内容となっているかどうか、各学校で確認するよう求めていきたいと思っております。

 また、通知表に「国を愛する心情を持つ」との表記のある学校は、昨年度小学校35校でございます。今年度についてはまだ通知表は出されておりません。

 以上でございます。

     〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕



○議長(的場豊征君) 30番升きよみ君。



◆30番(升きよみ君) 障害者自立支援法絡みでは、一定期間置いて調査をなさると。しかし、減収の施設等そうしたところについて、現在独自のものは考えていないということですが、今、全国的にも地方自治体でそうしたことを進めようという自治体が相次いでおります。東京とかももちろんですが、いろいろな自治体もあります。先ほどから市長は御答弁の中では、地方自治体でいろいろ進めながら仕組みをもまた国を変えていくという、そうした方向の一つの例にまちづくりの問題を挙げられました。しかし、福祉のサイドのことでは、私はかねがね市長は御自分は市役所の福祉事務所のそうしたケースワーカーからスタートをしてと、福祉のことにおいては人後に落ちないなどという言葉を語られておりましたが、このところに来まして全くそうしたことも語られず、先ほどの状況の中では格差社会を是正したいとは言いながらも、その意味でいきますと、きょう本当に障害者の皆さんなどは、毎日日々病気と障害と闘いながら、それでいてこの状況の中で真の意味で自立支援、こうしたものを進めようといったところにばっさりとこのような過酷なやり方に本当につらい思いをしていらっしゃるわけです。

 そこで、とりわけ若年の今障害者の方々の対策から見ても、このような所得制限の問題を考えないと、撤廃することはない、見直しも考えていないなどという御答弁は、どう考えても従来から市長がおっしゃっていた福祉を守りたいなどという言葉とは見えてこないというのが現状ですが、しかし、市長、もう一度その点ではどうなのかということをお聞かせをいただきたいと思います。

 もう一つ、事前に対する周知の問題でお話がございました。ならば、金沢市は障害者施策推進協議会というのが条例に基づいてあります。その条例には障害者に関する施策の推進について必要な関係、行政機関相互の連絡等々ということで、それに義務づけられておりますが、ここにお諮りをしましたか。その点。もう一つ、県の制度改悪に対してお声を上げられましたか。お聞きをしたいと思います。



○議長(的場豊征君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) お答えをします。

 まちづくりはそれぞれの自治体において顔がなければいけない。その顔をつくるのが自治体個別のまちづくりだと、こう思っています。片や社会保障制度は、国の責任において全国一律の基準で扱うというのが基本でございます。その中で、自治体としてどういうことができるのか。それはごくごくわずかな部分で埋めると。そこの基本的な差異を御承知いただきたいと思います。

 所得制限を撤廃しろという御趣旨でございましたが、国の医療制度は障害の程度の重い人、この方々を対象にしていると。そこに一部負担を導入し、所得制限を入れていく、こういうことを前提に国の仕組みがあるということも御承知をいただきたいと思います。もしも個別の事情がありまして、医療費の支払いに本当にお困りの方につきましては、法外援護の制度もございますんで、窓口で御相談あそばしてほしい、こう申し上げます。



○議長(的場豊征君) 古田福祉健康局長。

     〔福祉健康局長古田秀一君登壇〕



◎福祉健康局長(古田秀一君) 協議会につきましては、市の障害に係ります施策の基本的な部分のお考えをいろいろ御協議をいただきまして御意見をいただいているところでございます。決定はあくまでも市、そのように申し上げておきたいと思います。

 それから、県ではもう既にこの制度は入っておりまして、県と同様にということで今回、この導入を図ったものでございます。

 以上でございます。

     〔「議長、30番、再質問」と呼ぶ者あり〕



○議長(的場豊征君) 30番升きよみ君。



◆30番(升きよみ君) ただいま御答弁があった中で、答弁があった中でと言いながらも求めたことにまだお答えになっていない部分で、県の制度にありますと、県は先んじてやっておりますとおっしゃいましたが、こういう制度改悪、先ほどからいろいろ議論もありますが、国に向かっていろいろ声を上げる、こんなことなども含めまして、このような心身障害者の医療費助成制度のこの方向を持ち出してきたときに、県に対しては何らかの意見表明をなさったのかどうかということ。

 先ほど市長の方からは、社会保障のことでは確かに今三位一体改革の問題等で施設整備にかかる費用とか、こういうものがどんどんと削減されてきております。その意味で国がやってほしいということは当然ですが、しかし、地方自治体から進めてきたことというのは、これまでもいわゆる高齢者の医療費助成制度や、あるいは乳幼児医療費助成制度、こういったことがあるわけです。その意味におきますと、今日における自立支援法や、そして県とのこうしたことでどんどん制度改悪を進めておりますが、自治体独自で進めてきたこの医療制度をやはり本当に守っていくというこの立場が堅持されて、もう一度見直しを今後検討されていく、そのお考えがあるかもう一度お聞かせをいただきたいと思います。



○議長(的場豊征君) 山出市長。

     〔市長山出 保君登壇〕



◎市長(山出保君) 事柄は、社会保障制度の一環としての仕組みでございますんで、基本はやはり国のきちっとした仕組みの中、基準の中で行われるべきだと、これが前提だというふうに思っています。

 そういう中で、市としてどういうことができるのかと。そこにはおのずと限界もあると。また、そのことが正しい場合もあるというふうに御承知ください。

     〔「議長、20番、関連」と呼ぶ者あり〕



○議長(的場豊征君) 20番近松美喜子君。



◆20番(近松美喜子君) 愛国心の通知簿で、私、教育長の答弁の聞き間違いかなと思うんですけれども、評価項目に問題はないというふうにして答弁されましたか。私、6年生の通知簿を一覧してまいりましたけれども、国会で問題になっていたようにABCで評価づけをすると、そういうふうになっていました、金沢市の通知簿は。文部科学大臣も、そして総理大臣もとにかく難しいと、やめるべきだというふうにして表明されていた通知簿に対して問題はないと。しかもことしのはまだできていない、これから協議をするんです。これは問題はないという教育委員会の認識でしょうか。そのことを私改めてお聞きしておきたいと思います。



○議長(的場豊征君) 石原教育長。

     〔教育長石原多賀子君登壇〕



◎教育長(石原多賀子君) 学習指導要領で定められている目標に準拠した表現については特に問題はないということでございます。「国を愛する心情」との表記のある学校は、昨年度小学校35校ございますが、いずれも我が国の歴史や伝統に関する学習や国際社会に関心を持ち、意欲的に調べるということを総合的に評価しているものでございます。

 以上でございます。

     〔「議長、20番、関連」と呼ぶ者あり〕



○議長(的場豊征君) 20番近松美喜子君。



◆20番(近松美喜子君) 通知簿をしっかり見てきたら、やっぱり「国を愛する心情」をABCで評価すると、そういうふうになっていたんです。教育長はそのことをやっぱりきちんと認めて、やはり是正するというか、学校の自主性を尊重しながらもやっぱり問題提起をしていくと。既に金沢市の小学校では、そういう表現の仕方について、やっぱり見直しをすべきだという議論が始まってるという現場の声も聞いています。そのことに今問題がないという教育長の見解は、その議論に歯どめをかけることになるんじゃないですか。私は大変な重大な問題だというふうに考えます。



○議長(的場豊征君) 石原教育長。

     〔教育長石原多賀子君登壇〕



◎教育長(石原多賀子君) 学校での評価項目は、各学校がそれぞれの先生方の協議の中で決めているものでございます。いろいろな議論があればまた学校で議論をしていただくということが一番よいと思っております。学校の自主自立を尊重していきたいと考えております。なお、愛国心そのものを評価しているということはございません。項目も先ほど申し上げましたように、我が国の歴史や伝統に関する学習や国際社会に関心を持ち、意欲的に調べる、こういうことを評価しているものでございます。

 以上でございます。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



△散会





○議長(的場豊征君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。

 よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明22日午前10時から開きます。

 本日はこれにて散会いたします。

     午後2時56分 散会

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   〔参考〕

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 平成18年定例第2回金沢市議会

               発言者順序表

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発言予定日
発言順序
議席番号
議員名
会派等


6月21日(水)

23
澤飯英樹
自民金沢



27
田中 仁
かなざわ



25
増江 啓
公明党




森 一敏
社民



30
升 きよみ
共産党


6月22日(木)


黒沢和規
自民金沢




北 篤司
かなざわ



20
近松美喜子
共産党




宮崎雅人
自民金沢


10

新村誠一
かなざわ


11
13
村池敬一
自民金沢