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神奈川県 横浜市

平成13年 予算第一特別委員会 P.1  03月14日−11号




平成13年 予算第一特別委員会 − 03月14日−11号









平成13年 予算第一特別委員会





△市立大学関係

                             午前10時00分開会



○(星野副委員長) ただいまから前回に引き続き予算第一特別委員会を開きます。

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○(星野副委員長) それでは,市立大学関係の審査に入ります。

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○(星野副委員長) これより順次質問を許します。

 まず,脇田久美子委員の質問を許します。



◆(脇田委員) それでは,私は医療事故の公表基準について,この1点に絞って伺ってまいりますので,よろしくお願いいたします。

 医療現場における事故がたび重なり,管理のずさんさから起きる犯罪が後を絶ちません。人の命を預かる最も責任の重い仕事でありながら,事故や犯罪が起きた原因を知らされるたびに,ほかの仕事と比較しても余りにも任務の重要性を軽んじている関係者の認識に憤りを感じずにはいられない状況が広がっています。医療という非常に専門性の高い仕事に対しては,素人である私たち市民は,治療やまた渡された薬剤についての知識がなく,ただただ指示に従うしかありません。医療事故や医療関係者の病院内での犯罪がこのように頻繁に起きている中で,一体何を信用したらいいのか,私たちは路頭に迷うばかりです。もちろん,人間がかかわることに100%ミスなく行うということは不可能だと思いますけれども,しかしながら,人の命を預かる以上,ミスを犯さない,起こさないという認識のもとに最大限の努力を医療関係者すべてが行うことは当然のことだと考えます。

 この間,市大病院では立て続けに医療ミスが明るみとなりました。患者取り違え事故では,閉鎖的な,しかも相互牽制のきかない医療現場の実態が明らかになりました。同じミスを二度と繰り返さない,その教訓が生かされずに,薬のラベルの張り違えやまたモルヒネ注射薬の紛失など,一人一人が自分の役割や職務に最大限の責任を持って仕事をしていれば防げたものを,結果的には職務への無責任さから事故が起きてしまったわけです。これらの事故から何を学び,信頼回復のために関係者一人一人がどう努力をするのか,まさに市民に問われていると思います。

 この2月から市大2病院では医療事故が起きた際の公表基準を定めるとのことです。そちらから示されたペーパーによれば,その意義とは,安全管理を徹底するために自発的に医療事故を公表していく責務がある,病院運営の透明性を高めることにより市民からの信頼回復が図られる,他の病院の医療安全管理にとっても重要な情報提供となると,市立大学病院改革委員会から出されたペーパーには示されています。過去の反省に立って,医療に対する市民の信頼を回復する上での一つの方法としては取り組む意義は大いにあると思いますが,しかしながら,そのやり方が本当にさきに述べた意義を反映するものとなるのかどうかが重要なポイントだと私どもは思っております。

 そこでまず,全国的にこのような医療事故の公表基準を定めているところはあるのかどうか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 全国的には,新潟県が昨年の11月に県立病院の医療事故公表基準をまとめておりますが,私どもが承知する限りではまだほとんど例がないものと思っております。



◆(脇田委員) そうしますと,全国的にも非常に先進的な事例になってくるかと思いますので,このことがやはり全国の医療現場に与える影響というのは大きなものがあるというふうに思います。これを定めることによって市民の信頼回復はもとより,病院関係者の職務への責任,意識の向上が大変期待されるところであるわけですが,この基準をつくることによって病院関係者への効果はどのようなものがあると考えているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 職員を初めとする病院関係者が,大学附属病院の社会的責任や安全管理の重大性を強く認識すること,そして,そのことを通じまして病院の医療安全管理並びに病院運営の透明性の確保に大きな期待ができるものと考えております。



◆(脇田委員) そうしますと,先ほど述べましたような意義にのっとった形で職務が遂行されていくという効果があるということだと思うのですけれども,医療事故はそれが医者や看護士など医療関係者のミスによって起きたものなのか,それとも,例えば手術中に予期せぬ患者の体調の変化によって起きたものなのか,それぞれ事情が異なり,事故と判断することが大変難しいのではないかと思います。また,起きたことに対して医療関係者のとらえ方と患者,家族のとらえ方が違う場合も当然あると思います。今回のペーパーにも医療事故の定義が示されておりますけれども,その中で過失による医療事故,そしてまた過失のない医療事故,この二通りの定義についてわかりやすく御説明をお願いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) まず,過失による医療事故でございますが,これは患者の取り違え手術やカテーテルの取り残しなどのように,医療従事者が本来果たすべき義務を怠ったり,誤った医療行為を行うなど,いわゆる過失により生じた事故を言うものでございます。また,過失のない医療事故につきましては,例えば,手術中に大地震や落雷などによって電気系統に異常が発生し,麻酔器や人工呼吸器が働かなくなったなどの,いわゆる不可抗力的な事態を指すものであると考えております。



◆(脇田委員) そして,医療事故の公表基準について,これも3点ほど示されております。それぞれ説明がちょっとわかりにくい部分がありますので,これまでの市大で起きた医療事故と当てはめながら,この3点について御説明をお願いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 基準としては3つの場合が挙げられているわけでございますが,まず,過失による医療事故で患者さんに相当の有害な結果を生じた場合というのがございますが,この例といたしましては,例えば,附属病院で起きました患者取り違え事故やガーゼ類の取り残しなどが挙げられます。

 次の,過失による医療事故で,有害な事象の程度が軽微であっても,病院の医療安全管理上重大であると判断される場合でございますが,これに当たるものは,例えば,附属病院における薬剤ラベルの外用薬と内用薬の張り違えやカテーテルの取り残しなどが当たります。

 3番目の,患者さんに相当の有害な結果を生じた医療事故で過失によることが明らかでなくても公表すべきと判断される場合の例といたしましては,これは他病院の例でございますけれども,昨年10月に東北地方の大学病院で起こりました,レーザー治療中に火花が飛び患者さんが気管支にやけどを負った,こうした例が挙げられます。



◆(脇田委員) それと,モルヒネの注射液の紛失事故というのがありました。これについては,そちらの事故の原因解明についてという文書を読ませていただきますと,病院からの報告や関係者のヒアリング等では明らかにできなかった,これ以上原因解明は困難と考えるというふうな資料が出されているわけですけれども,このモルヒネ注射液の紛失については公表基準のどれに当てはまるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) モルヒネ注射液紛失につきましては,法律で特別の管理が義務づけられております麻薬の管理に問題があったという意味で,公表基準の2番目の病院の医療安全管理上重大であるという場合に当たるものと考えております。



◆(脇田委員) 今,1から3番目まで3つの公表基準を示していただきましたけれども,実際に起きた医療事故が1番から3番までどの公表基準に当てはまると,そのことを判断するのは一体どなたなのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 医療ミスが公表基準のどれに当てはまるかということにつきましては,医療事故判定委員会が答申の中で明らかにいたしますので,それを受けて病院長が判断するものでございます。



◆(脇田委員) それで,1番から3番まで示された公表基準以外に,そちらから出されたペーパーには,上記以外の,3つの基準以外の過失による医療事故は,包括的な形で一括して公表しますという形で示されております。この包括的な形で一括公表するというのはどういうことなのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 包括的な形で一括して公表するということにつきましては,軽微な事故が対象となりますので,年次報告的な形にまとめて公表することを考えております。



◆(脇田委員) そうしますと,年次報告というと一年に一回まとめてということと判断してよろしいのでしょうか。また,包括的な形で一括して公表する方にこの事故は当てはまるということを判断するのはどなたなのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) これは,病院内の安全管理対策委員会の検討結果をもとに病院長が判断をいたします。



◆(脇田委員) 医療事故判定委員会というお話が局長の方からありましたけれども,公表に当たっては原則として,第三者機関と呼んでいいのでしょうか,この医療事故判定委員会の意見を聞くものとするというふうになっておりますが,この医療事故判定委員会を設置する目的というのは何なのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 医療事故判定委員会につきましては,外部有識者などから構成されますが,医療事故を公表するに当たっての公正性の確保と専門的な立場からの判断,患者さんのプライバシーと人権への配慮,さらには公表基準を運用していく上での重要な事項について諮問をいたしまして答申をいただく,このために設置をするものでございます。



◆(脇田委員) やはりそちらの出されたペーパーの中に,医療事故判定委員会というのは病院長の諮問機関としてということが示されておりますけれども,この委員会は病院長に諮問された事例のみを検討するのかどうか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 委員会は病院長の諮問機関でありますので,基本的には諮問された事故について検討し答申することになりますが,諮問すべき案件がなくても年2回程度は定期的に開催する予定でございまして,病院の安全管理の取り組み状況,あるいは軽微な医療事故の状況,インシデント報告システムの運用状況などにつきまして御報告をし意見をいただくことにしております。



◆(脇田委員) 先ほどから伺っていますと,医療事故判定委員会が判断をするけれども,最終的に結論を下すのは病院長ということで,医療事故判定委員会に諮問するのも病院長ということで,病院長の権限とか責任というのが非常に重く受けとめられるわけですが,また,医療事故判定委員会に諮問しないというケースがあるのか,それはどのようなケースが考えられるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 公表基準の中では,委員会に諮問すべき事項については速やかに公表すべき医療事故になっておりますので,先ほど申し上げました包括的な形で一括して公表することとしている軽微な医療事故については諮問の対象にはならないものと考えております。しかしながら,これらにつきましても定期的に開催する判定委員会には御報告し御意見を伺うということにしております。



◆(脇田委員) 病院長は,医療事故判定委員会の審議結果を受けて,最終的に公表について意思決定をするというふうになっています。委員会の判定と病院長の意思が反する場合,どちらの判断が優先されるのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 医療事故の公表については,判定委員会に諮問し答申をいただくということでございますから,病院長は判定委員会の答申を最大限尊重する立場にあると考えております。



◆(脇田委員) 最大限尊重する,そこもやはり病院長の最終決定というふうに受けとめられるわけですけれども,例えば,委員会の判定では公表すべきということに対して病院長が反対の意思表示−−これはあってはならないと私は思いますけれども−−をした場合,やはり公表しなさいということを医療事故判定委員会の方から病院長に対して勧告のような形はとられるのかどうか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 今申し上げましたように,病院長は判定委員会の答申を最大限尊重するということになっておりますし,また,事務局長とも協議を行うこととしておりますので,そうした事態は生じないものと考えております。



◆(脇田委員) また,公表の範囲も,委員会の判定に対して病院長の裁量によって広げたり,また狭めたりすることができるのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 公表の範囲につきましても,委員会の答申内容を最大限に尊重してまいります。また,今申し上げましたように,事務局長とも協議をするということにしてございますので,病院長は適正な判断ができるというふうに考えております。



◆(脇田委員) 先ほどから市大で起きたいろいろな医療事故のケースを挙げていただきましたけれども,やはり病院内における閉鎖性,隠ペい体質というのがなかなか改善されないということで,こういった公表する基準を設けることによって病院運営の体質を改善していく効果があるというふうに局長の方からも話がありましたが,ちょっとうがった見方をすれば,最終的な結論が病院長に集中している。今いろいろ伺っていると,権限や責任が集中しているように思えるわけです。身内をかばうという言葉がありますが,これまでの医療事故なんかでもそういったところがかなり明るみに出てきているのではないかと思います。病院長に最終的な判断が集中しているということで,これで十分透明性を確保することができるのでしょうか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 申し上げるまでもなく,病院長は病院経営の最高責任者でございまして,すべての案件に最終的に責任を持つということが前提になります。そういう上に立って,できるだけ病院長の運営を円滑に,そして透明性を確保できるような形でチェックしていくということが今回の基本的な考え方,システムのつくり方でございます。そういう意味からいいましても,医療事故の内容をまず院内の安全管理対策委員会で検討した上で,医療事故の公表について判定委員会から答申をいただく,そしてまた事務局長とも協議をするということでございます。そういうことで,病院だけでなく大学事務局も含めて透明性の確保ということには努めていけるのではないかと,こういうふうに思っております。



◆(脇田委員) 医療事故判定委員会というものが存在することで,包括的な形で一括して公表するのはこちらには乗らないということもありましたけれども,まずはすべての事故を医療事故判定委員会に報告した上で公表するかどうかということで,第三者機関にゆだねる方がより透明性が高くなるのではないかなと私は思うわけですが,医療事故判定委員会の権限というものをどのような形で位置づけられるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 医療事故判定委員会は,医療事故公表基準に定めておりますように病院長の諮問機関として位置づけをされております。諮問する内容は,公表すべき医療事故であるかの公正で専門的な立場からの判断,患者さんのプライバシーと人権への配慮,そして,公表基準を運用していく上での重要な事項について,こうしたことが内容となっております。



◆(脇田委員) 最後に要望になりますけれども,要綱がまだこれからということですので,今おっしゃられたこと,私が質問させていただいたこと,最大限透明性の確保と,それからまた,これをつくることによって,今まで起こした医療ミスや医療事故が二度と起こらないような最大限の配慮がされるようなより効果的なものをつくっていただきたいというふうに思いますし,また,引き続きこの経過を私どももしっかりと見守ってまいりたいと思います。

 終わります。

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○(星野副委員長) 次に,藤代耕一委員の質問を許します。



◆(藤代[耕]委員) 通告に従って質問させていただきたいと思います。

 横浜市立大学は,本市における高等教育と学術研究の中心的役割を担う大学といたしまして,その役割の責任は大変大きなものがあります。ことしの4月に連携大学院が開校するなど,市民や産業界の期待はさらに膨らんでいるところであります。しかしながら,一方において我が国の大学全体の現状を振り返ってみますと,教育研究のみならず,社会貢献や大学の管理運営面において大学はさまざまな課題を抱えており,市立大学も例外ではないと思います。したがいまして,大学が社会に対する大きな役割と責任を果たしていくためには,まず大学自身を大きく改革することが急務であると思います。

 そこで,我が自由民主党は,大学の役割の重要性にかんがみまして,昨年5月11日,提言,これからの国立大学のあり方を発表いたしました。これからの高等教育のあり方に対する我が党の基本的な考え方を示すとともに,さまざまな提案を行ったところであります。そして,現在国の文部科学省においても改革案の検討が進められていると聞いております。そこで,大学改革につきましていろいろと質問させていただきたいと思います。

 国における大学改革の検討はどのように進められているのか,また,検討されている中心的な課題はどのような内容か,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 文部科学省におきましては,12年7月に国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議を設置いたしまして,国立大学の法人化に向けた具体的な検討に入りました。本年夏ごろには中間報告を行い,13年度中に最終取りまとめを行う予定になっております。15年度からは国立大学の法人化に着手する見込みでございます。

 調査検討会議では,組織業務,目標評価,人事制度,財務会計制度の4つを中心的な課題として現在検討を行っていると聞いております。



◆(藤代[耕]委員) このような検討に合わせまして,国立大学においては既に一部改革に着手しているわけでありますが,市内にある横浜国立大学ではどのような改革を進めているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 横浜国立大学におきましては,12年度から学外の委員で構成いたします運営諮問会議を設置いたしまして,大学運営に外部の意見を反映させる取り組みを開始しております。また,国立大学の独立行政法人化問題につきましては,文部科学省の調査検討会議と国立大学協会の設置形態検討特別委員会の検討に参加しながら,学内での論議の参考にしていると聞いております。



◆(藤代[耕]委員) 大学改革への取り組みについては,国ばかりではなく,先日東京都の大学改革方針も新聞各紙で報道されております。既に,一部の公立大学や大学を設置している自治体において大学改革の検討を進めていると聞いております。横浜市立大学では大学改革についてどのような検討を具体的に進めているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 市立大学におきましては,将来構想委員会で大学改革について検討しております。12年度は,本学の将来像と地域社会,大学の説明責任,あるべき大学評価制度,教育研究組織の大改革,この4つをテーマに取り上げ検討を行っております。また,12年度に行いました自己点検評価の結果を踏まえまして,大学改革の取り組みを進めてまいります。



◆(藤代[耕]委員) 市立大学で行ってきたこれまでの検討の中で,どのような点が改革すべき課題として浮き彫りになっているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 改革すべき課題としてこれまで議論されてきている主な点といたしましては,地域に開かれ地域貢献を果たす大学の実現,積極的な情報提供と大学の説明責任,学長のリーダーシップの確立と大学の意思決定,教育研究の評価システムの確立などとなっております。



◆(藤代[耕]委員) 高等教育や学術研究の推進に当たっては,必ずしも効率を最優先すべきものではありませんが,市民の貴重な税金を充当して運営されていることを考えますと,大学においても経営や効率という観点も重要と考えておるわけであります。市立大学全体の運営に当たっては経営的視点に立った運営が大切であると考えますが,学長の考え方をお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 国際化,あるいは高齢化,技術革新等の社会の変化を背景に,現在大学に対する社会的要請が変化し,かつ増大してきております。このような要請に対応するためには,これまで培ってきました人的資源やノウハウを積極的に活用し,国際貢献,そして地域貢献を重視しながら,経営の視点にも配慮した大学運営を行っていくことが重要と考えております。そこで,これからの大学運営に当たっては,3つ,第1が社会のニーズにこたえる教育研究の推進,責任ある意思決定,そして経営資源の効率的な活用等の視点が必要だと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 学長の考えはわかりましたが,市立大学の教職員全体を見てみますと,大学改革に対する切実感であるとか意気込みはまだまだ十分行き渡っていないと私は感じておるわけでございますが,教職員全体が一丸となって大学改革を実現していくためには学長はどのようにリーダーシップを発揮していくか,重ねて学長にお伺いをいたします。



◎(加藤市立大学学長) 大学の組織でありますが,学長,評議会,教授会,それぞれの役割をはっきりさせる,それから学長補佐機関を整備する,事務局体制の強化等を図りながら,学長の権限と責任によって,教員と職員が一致協力して全学の力を結集し大学改革に取り組んでいくつもりでございます。



◆(藤代[耕]委員) それでは次に,市立大学の地域貢献についてどのようになっているか,伺ってまいります。

 高等教育と学術研究を担う大学として,教育研究の推進は大切でありますが,横浜市が設置した大学として,納税者である市民の理解と支持を得ながら大学運営を行っていくためは,国立大学以上に地域貢献,社会貢献の視点が特に大切だと考えております。

 そこで,市立大学の地域貢献に対する基本的な考え方を学長にお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 大学の地域貢献は,何よりもまず教育を通じた人材育成と学術研究の推進でありますが,このほかにもさまざまな形で大学の持つ知的資源の還元を通じて地域貢献を果たしてまいりました。今後,一層多様化する市民,地域のニーズを積極的に取り入れながら地域貢献を一層活発に進めていく所存でございます。



◆(藤代[耕]委員) 市立大学の地域貢献活動として具体的にはどのような活動を行っているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 大学の地域貢献活動といたしましては,優秀な人材の養成,研究成果の公開,市民を対象とした生涯学習の実施,地元産業界との産学連携,医学部附属病院による診療サービスと地域医療への貢献,収蔵図書の市民開放などを実施しております。



◆(藤代[耕]委員) 市立大学の地域貢献の一つといたしまして,市民生活の課題,都市行政の課題を研究の対象として取り上げ,政策立案などを通じて市民や行政に役立てることも重要であると考えられますが,このような考え方も含め今後市立大学が地域貢献をどのように強化しようとしているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 本学は横浜市が設置した大学でございますので,市民生活や行政,さらには都市づくりなどの課題にも取り組み,その研究成果を政策立案などに役立てていただくことは重要なことであると考えております。このために,本学の教員と行政や市民の方々との連携を図りながら,さまざまな課題に応じた専門的な研究を深めるとともに,学問分野を超えて共同で行う研究についても取り組みをいたしまして,地域への貢献を図ってまいりたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) それでは次に,市立大学の生涯学習の取り組みについて伺ってまいります。

 市民の障害学習へのニーズは高度化,専門化しており,体系的な学問を学ぶことができる大学への市民の期待は高まりつつあると思います。この期待にこたえて,大学の生涯学習機能を強化することにより,大学が市民の学習の拠点として発展していくべきだと私は考えております。そこで,市立大学の生涯学習について幾つか伺っていきたいと思います。

 まず最初に,市立大学ではどのような考え方で生涯学習に取り組んでいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 市立大学が生涯学習に取り組む基本的な考え方でございますが,まず,研究の成果をわかりやすく市民に伝えること,多様化,高度化する市民の学習ニーズに応じたプログラムを提供すること,また,市民が身近に感じ親しみを覚える大学を目指すことなどの考え方に基づきまして生涯学習に取り組んでおります。



◆(藤代[耕]委員) 高齢化,高学歴化,リカレント教育へのニーズの増大などを背景といたしまして,現在さまざまな年代の市民が生涯学習に接する機会を望んでいると思いますが,市大では多様な年代の市民が学ぶための機会をどのように提供しているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 本学では,よこはまアーバンカレッジで開催するリカレント講座や市民講座などの公開講座のほかに,興味のある科目だけ学習できる科目等履修生や聴講生などの制度によりまして,さまざまな年代の市民に学習機会を提供しております。



◆(藤代[耕]委員) 生涯学習に対する市民のニーズも多様化,高度化していると思われますが,今後生涯学習事業をさらに充実していくためにはどのような方策が具体的に考えられるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 今後の方策ということですが,まず,社会人などが受講しやすいコースの設定,区役所等との連携による地域での講座の実施,学習プログラムの企画への市民参加,さらにはCATVやITなどの活用などにも取り組んでいきたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 次に,市立大学の産学連携の取り組みについて幾つか伺ってまいります。

 産学連携は,本市においても経済活性化策の一つとして力を入れているところであり,また,大学の地域貢献の中でも大きな役割を果たすものであると思います。市大の産学連携の意義について助役はどのように考えているのか,お伺いをいたします。



◎(藤井助役) 産学連携の推進は,市内企業の技術力の向上,新製品新技術開発,新産業創出を図る上で大変重要でございます。市立大学は本市が設置している大学であり,理科系,文科系の学部を備えた総合大学でございますので,本市の産学連携において大きな役割を期待されており,市内他大学の産学連携推進を促す上でも重要であると考えております。



◆(藤代[耕]委員) 市立大学では昨今どのような産学連携を行っているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 市立大学の産学連携につきましては,企業等からの受託研究,寄附金を受け入れて行う研究,また,本市経済局や国の制度等を活用した民間機関との共同研究が主なものでございます。このうち受託研究費と寄附金の合計額につきましては,11年度には3億5,000万円,12年度は4億9,000万円,13年度は予定でございますが,7億円と増大してまいる予定でございます。



◆(藤代[耕]委員) 産学連携推進のためには大学側の研究情報を企業側に提供することが重要と思われますが,どのような方法で情報提供しているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 市立大学の研究成果につきましては,従来からの学会誌や本学の学術情報誌の掲載に加えまして,この2月から本学のホームページに教員の業績一覧という形で公表するようにいたしました。また,工業技術見本市でありますテクニカルショウヨコハマや横浜産業振興公社が主催する企業と大学の出会いの場であります産学交流サロン,これらの機会も活用いたしまして本学の研究に関する情報を提供しております。



◆(藤代[耕]委員) 大学の研究成果を特許化するとともに,技術移転を図る機関といたしましてTLO,すなわち技術移転機関が注目されているところでありますが,市立大学ではTLOにはどのように取り組んでいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) TLOにつきましては,昨年の12月に横浜国立大学と横浜市立大学の教員を中心といたしまして,地域経済の活性化及び大学の研究活動の活性化を目的といたしますよこはまティーエルオー株式会社が設立されました。現在は,大学等技術移転促進法に基づく承認事業者となるために,文部科学省,経済産業省と協議を進めております。今後,市大の研究成果の技術移転に当たりましては,この機関と連携を図ってまいりたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 産学連携を拡大することが望まれるわけでありますが,平成13年度は産学連携をどのように推進していくのか,これは学長にお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 本学では,理学,医学の分野を中心として,新素材や医薬品の開発など産業界と関連の深い分野においても研究を進めておりますため,本学に対する産業界からの期待も日ごろ痛感しております。13年度は,受託研究,寄附金による研究を拡大するとともに,研究成果についての発信の継続,産業界のニーズと本学の研究を結びつける機能の拡充等を考えております。さらに,地域結集型共同研究事業のような国の制度等を活用した産学連携プロジェクトにも積極的に参加してまいります。



◆(藤代[耕]委員) それでは次に,大学の研究機能強化について数点伺ってまいります。

 科学の発展は急速でありまして,研究テーマも多様化しています。他方,研究の専門化が進み,一人の研究者が対応できる研究領域は狭まってきております。このような研究の動向の中で,市立大学としては今後研究の質をさらに向上させるためにどのような方向が考えられるのか,学長にお伺いをいたします。



◎(加藤市立大学学長) 大変難しい問題ではございますが,研究テーマの多様化,複合化という一種の水平的拡張と,個々の研究領域の専門深化という垂直的な拡張との一見矛盾する動向に対応するためには,専門領域の異なる複数の研究者による融合型研究が不可欠であろうと考えております。例えば,環境ホルモン研究のような学内の学部横断的共同研究や地震研究のような他大学との共同研究,さらには今回の連携大学院のような外部研究機関との連携を活発化させ,研究の質の向上につなげていきたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 科学研究の方法では,複数の研究者がチームをつくり,多額の資金を使って行ういわゆる大型プロジェクト型の研究も増加しておりますが,市立大学ではこのような大型プロジェクト研究にどのように取り組んでいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 多くの大型プロジェクト研究は,国あるいは国の外郭団体が公募するという方式で実施されておりまして,市立大学ではこのような大型プロジェクトの公募状況につきまして学内で積極的にPRをし,教員が参加するよう奨励をしております。12年度には,文部科学省が推進しております地域結集型共同研究事業や科学研究費の中の大型プロジェクト研究がございますが,それらに市立大学の教員が参加をしてまいります。



◆(藤代[耕]委員) 市民からは大学でどんな研究が行われているのか,なかなか見えにくいと思います。研究の内容や成果は学会等を通じまして専門家には公表しているのでしょうが,市民の理解を得ながら研究を進めるためには,市立大学が行っている研究について市民にもわかりやすい形で伝えられる必要があると思います。市立大学では研究の内容や成果についてどのような形で市民に伝えているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) これまでも市民講座やリカレント講座では最新の研究成果を取り入れた講義を行っております。また,本学のホームページに昨年の11月から市民向けの研究紹介コーナーを設けまして,市民の関心が高いと思われる研究を精選し紹介をするとともに,この2月からは教員の業績一覧を掲載しております。



◆(藤代[耕]委員) それでは次に,連携大学院について伺ってまいります。

 連携大学院から優秀な人材が多数輩出されるとともに,多くの研究成果が生まれ,既存産業の高度化や新産業の創出など,地域産業への貢献が大きく期待されているところであります。すぐれた研究成果や人材育成のためには充実した研究環境を整える必要があり,それには必要な実験機器類を整備することが肝要であると思われますが,平成13年度の連携大学院の実験機器等の導入経費及び主な実験機器類についてお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 13年度の実験機器類の導入経費は約12億円でございます。

 このうち主な実験機器は,たんぱく質などの立体構造を解析する最先端機器であります900メガヘルツ型NMR,核磁気共鳴装置でございますが,この機械や生物情報科学研究用高性能コンピューターなどでございます。



◆(藤代[耕]委員) 13年度に導入する実験機器の主なものは900メガヘルツ型NMRとのことですが,この機器を使って具体的にどのような研究を行っているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) これまでの500メガヘルツ型や600メガヘルツ型NMRだけでは十分に解析ができなかった,遺伝子の働きをコントロールしているたんぱく質や,細胞老化の指標となるDNAとたんぱく質の複合体の立体構造を900メガヘルツ型NMRを使って解析をいたします。これらの研究の成果は,がん化のメカニズムの解明や病原微生物を標的にした薬物の開発などに役立っていくことを期待しております。



◆(藤代[耕]委員) 理化学研究所にも900メガヘルツ型を初め20台のNMRが整備されると聞いておりますが,多くの機器を駆使して研究開発に臨むことが,競争の激しいポストゲノム時代の生命科学研究には重要であると思われます。一方では,厳しい行財政事情のもと,効果的,効率的な経費執行の中で教育研究を進めることが肝要であります。連携大学院のメリットとして施設設備の相互利用や人材の交流があると思われますが,そこで,900メガヘルツ型NMRを初め理化学研究所の施設設備はどのように活用していくのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 理化学研究所と連携大学院を構築するに当たりまして,新専攻の専任教員を理研の客員研究員等として受け入れていただくことなどによりまして,専任教員や学生がNMRを初めとする理化学研究所の施設設備類を活用させていただくものでございます。



◆(藤代[耕]委員) 研究環境の整備とともに,教育研究に当たる人材の確保が肝要です。専任教員の確保に当たってどのような考え方で,どのような人材を,どのようなところから確保しているのか,これは研究科長にお伺いをいたします。



◎(小川総合理学研究科長) 世界的レベルの研究機関となれるような教員を確保することを基本に,研究実績や研究能力にすぐれた人材を内外に求めました。この結果,専任教員には市立大学から2人,国立大学から8人,理研そのほか研究機関から8人,合計18人の気鋭の研究者を確保いたしました。このうち,外国籍の方が2名,外国の研究機関に在籍する方が2名となっております。



◆(藤代[耕]委員) さきの予算特別委員会総合審査において,どのような成果を期待するのかという我が党の吉原委員の質問に対しまして市大事務局長は,先駆的な研究成果が数多く生まれること,時代を担う人材の輩出,さらには地域産業への貢献などを期待している旨答えています。私としても,ぜひこうした期待を実現していただきたいと強く思っておりますが,この期待の実現について学長の所感をお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 連携大学院への期待の実現ということですが,既に出ております,極めて優秀な研究者,教員を確保できたこと,2つ目に,900メガヘルツ型NMRを初め世界的にも最先端の研究機器を導入するなど研究環境を充実できたこと,3つ目に,隣接する理化学研究所との活発な研究交流を見込んでおること,そして最後に,本学の医学部,理学部,木原生物学研究所等生命科学分野に関連する本学の総合力を発揮できる,これらの必要な基盤整備が整いましたので,優秀な人材を輩出するとともに,市民や産業界の御期待に十分こたえていけるものと考えております。



◆(藤代[耕]委員) それでは次に,市大病院のことについて伺ってまいります。

 市大病院は,浦舟町の市民総合医療センターが十全病院と呼ばれていた時代から長年多くの市民に親しまれ,また,大変頼りにされてまいりました。私ごとで大変申しわけございませんが,私が1歳のときに急性の小児麻痺にかかりまして,夜中に39度以上の熱を出しまして,夜中の午前2時ごろであったのですけれども,私の母が背中に私を背負って,3キロぐらいを徒歩で当時の十全病院に担ぎ込んだわけでございます。すぐ背中から水をとる手術を受けて一命を取りとめたと母からいつも聞かされておりました。それ以来,私は何かあると浦舟の市大病院にかかっております。

 十全病院から市民総合医療センターに至るまで地域医療に果たしてきた役割を私は高く評価しているところであります。昨年1月には市大センター病院の再整備も終わり,福浦の附属病院と合わせて1,300床を超える大規模なものとなっております。ことしは2つの病院体制となって2年目を迎えました。そこで,市大病院について何点か質問をしてまいります。

 附属病院は,2年前に手術患者を取り違えるという重大な事故を起こしました。そして,事故の重大性を反省して,平成11年8月から特定機能病院の承認を辞退するとともに,病院はもとより全学を挙げて医療安全管理の徹底に努めてまいりました。その結果,ことし1月1日から特定機能病院の再承認を得ることができましたが,そこで,特定機能病院に復帰したことについて学長の考え方をお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 特定機能病院の再承認をいただきましたが,医療事故の反省の上に立って,今後なお一層病院を挙げて医療の安全管理を徹底し病院改革を推進してまいります。市民の皆様から信頼される病院として,高度でかつ安全な医療サービスの提供に努めるよう,大学全体として今後も取り組んでまいる所存でございます。



◆(藤代[耕]委員) 安全な医療の提供は,安全管理体制の整備はもちろんのこと,何よりも安全管理に対する意識が病院の全職員に浸透して初めて実現するものと思われます。そこで,安全管理に対する職員の意識改革がどこまで進んでいると考えているのか,これは附属病院長にお伺いいたします。



◎(松原医学部附属病院長) 安全管理に関する職員の意識改革につきましては,これまで病院を挙げて取り組んでまいりましたが,まだ十分でない面もございますので,より一層職員一人一人に安全意識や患者中心の医療の考え方を徹底いたしまして職員の意識の向上に努めてまいりたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 医療事故は本来あってはならないものですが,万が一事故が起きた場合には医療事故公表基準にのっとり速やかに事実の公表を行うということで,先日公表基準が発表されたわけでありますが,今医療事故公表基準を定めた意義は何か,局長にお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 医療事故公表基準を定めた意義でございますが,患者取り違え事故などの医療事故を引き起こした当事者といたしまして,これまでの医療事故の反省の上に立ちまして,医療における安全管理を徹底するために自発的に公表していく責務があることでございます。また,病院運営の透明性を高めることにより市民からの信頼回復が図られること,そして,他の病院の医療安全管理にとっても重要な情報提供になること,これらが大きな意義であると考えております。



◆(藤代[耕]委員) さて,冒頭私が申し上げましたように,市大病院は合わせて1,300床以上を有する2つの病院となって2年目を迎えたわけでありますが,改めてお伺いをしてまいります。横浜市が大学附属病院を持つ意義とその使命について助役はどのように考えているのか,お伺いをいたします。



◎(藤井助役) まず,横浜市が大学附属病院を持つ意義でございますけれども,市民のさまざまなニーズにこたえる医療の確保や医療水準の向上並びに医学,医療の人材育成や治療法の研究開発等に積極的に努めることにより,市民の健康増進,福祉の向上に貢献することだと考えております。

 また,その使命についてでございますけれども,大学病院のすぐれた医療スタッフや高度医療機器等を十分活用して高度で安全な医療の提供を通して,市民の健康と安心を守り,信頼と期待にこたえていくことであると考えております。



◆(藤代[耕]委員) 市大病院の使命は,優秀な医師の養成,高度な医学研究,市民への高度医療の提供ということでありますが,我々市民にとっては心強い限りであります。そこで,市大はこれまで医師をどのくらい養成し,また,どんな分野で活躍しているのか,これは医学部長にお伺いをいたします。



◎(南医学部長) 市大医学部は,医学専門学校の時代から含めまして,昭和24年に第1回の卒業生を送り出しまして以来,本年3月までに約2,900名の学生を医師として送り出しております。

 主な活躍の分野ですけれども,本学医学部及び附属二病院を初めとしまして,横浜市立の市民病院,港湾病院などのほかに,全国の大学,病院,診療所,国や地方の医療,衛生関係の行政機関などにも人材を送っております。



◆(藤代[耕]委員) また,どのような高度な医学研究に取り組んでいるのか,重ねて医学部長にお伺いいたします。



◎(南医学部長) 医学部では,主に個々の教員が,あるいは複数の教員が一つのテーマを継続しまして,高度な研究に携わっております。このうち主なものといたしましては,構造生物学の分野でのがんの研究,講座枠を超えた全学部的なプロジェクトとして取り組んでおります老化に関する研究とか,エイズや結核などの感染症に関する研究を行っております。そのほかにも,人工血管開発に関する研究ですとか,自立神経系の信号伝達に関する研究などがございます。



◆(藤代[耕]委員) さらに,附属病院ではどのような高度医療を提供しているのか,附属病院長にこれはお伺いいたします。



◎(松原医学部附属病院長) 附属病院では,厚生労働大臣の承認を受けて行う高度先進医療といたしまして,平成9年より悪性腫瘍の遺伝子診断を行う固型腫瘍のDNA診断,チタン等の特殊人工歯根による義歯の2件を実施しております。また,現在,新たな高度先進医療といたしまして,悪性腫瘍の診断に有用でありますポジトロンCTによる検査について申請の準備を進めているところでございます。このほか,白血病等に対する造血幹細胞移植や生体部分肝移植,再生不良性貧血に対する骨髄移植など多くの高度医療もあわせて提供してまいります。



◆(藤代[耕]委員) ところで,先日全国公立市立病院連盟が発表した平成12年6月の病院運営実態調査によれば,1,148病院のうち64.6%,742の病院が赤字,35.4%,406病院が黒字という結果になっております。そのうち自治体病院658病院を見てみますと,何と87.8%,578病院が赤字となっていて,黒字病院は12.2%,80病院にとどまっております。赤字の自治体病院はその不足を一般会計から繰入金という形で補われるわけでありますが,そこで,何点か伺ってまいります。

 附属病院の平成13年度予算では,一般会計からの繰入金はどのようになっているのか,また,開院以来の傾向について伺ってまいります。



◎(大場市立大学事務局長) 13年度における附属病院の一般会計繰入金の予算額は65億8,000万円でございます。

 また,開院直後の平成4年から6年度における繰入額の平均は約102億円でありまして,その後年々減少はしてきております。



◆(藤代[耕]委員) 繰入金も病院の経営努力によって毎年徐々に減少していることは理解いたしましたが,そこで,繰入金を一般会計から繰り入れるということは,大学病院として繰り入れに対する一定の考え方があると思います。そこで,一般会計からの繰り入れの考え方はどうなっているのか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 一般会計からの繰り入れの考え方についてでありますが,病院の建設や施設の改良,救急医療,高度医療の実施,さらには医学教育や研究への取り組み,業務運営の補助などについて総合的に考慮して行われるものでございます。



◆(藤代[耕]委員) 大学病院は,その使命からして,不採算で一般会計から繰入金を受けなければ収支の均衡が図れない事情があることは私も理解しております。そこで,附属二病院の経営の基本的な考え方という経営目標は何か,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 両病院とも基本的な経営目標として,安全管理対策の徹底と患者中心の医療の提供,繰入金の削減に向けた収入の確保及び支出の抑制,地域医療連携の推進,この3つを掲げ,その実現に努めております。



◆(藤代[耕]委員) 附属の2つの病院は,繰入金を少なくするために具体的に経営改善にどのように取り組んでいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 両病院とも繰入金を削減する経営改善の具体策といたしまして,まず,収入の確保策としては,病床利用率の向上,平均在院日数の短縮,医療機器の稼働率の向上,また,支出の抑制策といたしましては,医薬品及び診療材料の適正使用,委託料の抑制,新規の患者の増加を図るために地域との医療連携を進めております。さらに,13年度では,新たに医療現場の幹部職員に対しまして病院の管理運営及び経営改善のための研修を行うなど,病院職員全体の経営意識を高め,なお一層の経営改善に努めてまいりたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) それでは,昨年1月にオープンした医学部附属市民総合医療センターについて伺ってまいります。

 去る3月5日に発表されました厚生労働省の医療制度改革の課題と視点を見てみますと,高齢化の進展や経済基調の変化など,医療を取り巻く環境が大きく変わってきております。このような社会環境の変化に対応いたしまして,国は医療法や医師法等の改正を行い,良質な医療を効率的に提供する体制の確立を図っているところでありますが,我が横浜市でも市民が安心して暮らせるために医療体制の充実が図られているところであります。その中でも市大センター病院は,地域医療の基幹病院として第三次救急医療や高度専門医療を行う,市民生活になくてはならない病院であると考えられます。昨年1月の開院以来順調に運営を行っており,現在では十分なその機能を発揮していると考えられますが,市民の市大センター病院に対する期待と信頼はますます高まっていると思われます。

 そこで,改めて病院運営に対する基本的な考え方を病院長にお伺いをいたします。



◎(近藤医学部附属市民総合医療センター病院長) 医療の基本は,人と人との信頼関係であると考えております。このために,患者さん中心の医療を徹底すること,市民の医療ニーズに合致した高度専門医療を提供すること,それから安全管理の行き届いた病院であることなどの患者サービスを,医師,看護婦を初めとする病院全体のすべての職員が常に心がけて,このためのコミュニケーションを円滑に図って立派な病院をつくっていこうと思っております。



◆(藤代[耕]委員) 患者さん中心の医療の提供を患者サービスの基本と考えて病院運営を行うことを伺い,私は大いに賛成するものでありますが,その実現にはさまざまな困難があることも承知しております。市大センター病院は,市民医療に徹した地域医療の基幹病院であるとともに,大学の附属病院でもあり,センター病院の高度専門医療に対する市民の期待も高いものがあると考えられます。そこで,センター病院ではどのような高度専門医療を提供していくのか,病院長にお伺いをいたします。



◎(近藤医学部附属市民総合医療センター病院長) センター病院では,市民の皆様の医療ニーズに合致した高度専門医療を提供することが我々の役割の一つと考えております。このために,臨床に即した研究などを行い,その成果を診療などに生かしてまいります。例えば,現在当院の眼科では糖尿病性網膜症の患者さんに対する硝子体手術を行っており,また,心臓血管センターでは急性大動脈解離の患者さんに対し平均発症後6時間以内での超急性期に緊急手術を行うなど,高度かつ専門的な医療を実施しております。



◆(藤代[耕]委員) 市大センター病院は,市内医療機関との提携を密にし,総合的な医療を市民に提供する横浜の21世紀の医療拠点として機能し始めているものと改めて感じました。そこで,開院後1年を経過したわけでございますが,センター病院についてどのような考え方でいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 昨年1月の開院以来,職員一丸となって順調に病院経営を行ってきていると思っております。特に,最新の設備機器や医療技術を活用し,市民の皆さんの御期待におこたえしていると,こういうふうに考えております。特に,センター病院の特色であります疾患別センターにつきましては,総合医療の実施を行っており,また,その機能を発揮していると思います。また,地域との医療連携につきましても,紹介率が50%程度になるということで,そういう面でも積極的に対応してきていると思っております。しかしながら,先ほど御指摘がございましたような繰入金の改善という問題もございますし,また,患者サービスの充実,さらには安全管理の徹底など,まだまだ取り組みを進めていかなければいけない部分も多々ありますので,病院と事務局が一体となってそうした面での改善に取り組んでいきたいと考えております。



◆(藤代[耕]委員) 今後とも,さらに患者中心の医療を行うとともに効率的な病院経営を行い,市民が安心して生活できるために役立つ,市民に一層信頼される病院づくりをお願いしておきたいと思います。

 また,市立大学におきましては,横浜市が運営する市民の大学として,さまざまな分野での地域への貢献が求められており,また,市民の期待も大きいものがあるわけでありますが,今後とも一層大学改革に努め,市民が横浜の知的資産として市大を誇りに思えるよう一層努力することをお願いいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

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○(星野副委員長) 次に,横溝富和委員の質問を許します。



◆(横溝[富]委員) それでは早速,大学の諸制度の改革についての質問から入らせていただきたいと思います。

 近年,若年人口の減少,あるいは高学歴化社会の到来や学生の多様化等々大学をめぐる諸情勢が大きく変化している中で,横浜市立大学がどのような改革をしているのか,また,どのような大学を目指していくのかに関連をいたしまして何点か質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに,平成10年度に実施した教育に関する学生アンケートが昨年3月に集計されましたが,その結果をどう反映したのか,また,それに対して学生の反応はどうだったのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) アンケート結果を踏まえまして授業改善に向けたシンポジウム等を開催いたしまして,授業の魅力を高める工夫について教員間の情報交換を行い授業改善に取り組んでいるところでございます。また,講義室の環境整備として本校舎の机,いすの更新,ビデオデッキ,プロジェクター等の設置,パソコンの増設なども順次行ってきております。さらに,CNNの英語放送専用大型テレビの学生食堂への設置,モバイル端末を使った学内情報提供システムの導入等も行いました。これらについては学生からの要望もあったものでございまして,こうした環境整備は学生からも好評を得ているものと考えております。



◆(横溝[富]委員) 平成13年度の予算では瀬戸キャンパスの外壁等の改修を計画されておりますが,学習環境を整えるためには教室の冷房設備が必要であると考えております。そこで,設置の予定はどのようになっているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 本校舎の窓枠及び外壁の改修は,老朽化が進みまして緊急度が高いために優先的に着手するものでございます。冷房設備の設置につきましては,かねてから学内の要望が大変強いということは十分承知しておりますが,今後の検討課題の一つというふうに認識をしております。



◆(横溝[富]委員) ぜひとも学習の環境を整えていただくようにお願いしたいと思います。

 次に,教える側,つまり教員の選考は教授会が行うことになっているようでございますが,各学部ごとに教員の中に占める横浜市立大出身者の割合はどのようになっているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 教員の中に占める市立大学出身者の割合でございますが,商学部が8.0%,医学部が62.3%,国際文化学部が11.8%,理学部が10.9%となっております。



◆(横溝[富]委員) ただいまの答弁によりますと,特に医学部では市大出身者が60%を超えております。よい意味での競争意識の高揚,あるいは切磋琢磨する面からも市大以外の大学出身の教員を多く登用する中で新たな風を注入して変革していく必要があるのではないのかと思っておりますが,そこで,医学部の教員選考の方法はどのようになっているのか,医学部長にお伺いをいたします。



◎(南医学部長) まず,教授の選考でございますが,教授選考委員会を設置いたしまして,全国の国公私立大学医学部を初めとしまして関連する研究教育機関,主な病院に候補者を募ります。選考委員会では,公募に応じた多数の候補者につきまして教育,診療,研究の各業績などを検討いたしまして候補者を3名以内に絞り,教授会に推薦いたします。教授会で最終候補者を決定しております。また,助教授,講師,助手の選考につきましては,教授の推薦あるいは学内公募などをもとにしまして,教授会で最終候補者を決定しております。



◆(横溝[富]委員) 今後,横浜市大として独自に発展していくことと,よりよい教育の場を醸成していくためにはどのような教員を求めていくのか,学長の所感をお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 教員に求めるのは,まず高水準の研究能力と教育能力でございます。研究能力については,それぞれの専門分野での力と同時に,本学の今後特色としていきたい共同研究の推進に求められる力として深い専門性と同時に異分野への好奇心が必要になります。そして,教育能力については,社会人入学制度等により,年代,経験,あるいは関心の異なる多様な学生が入ってまいりますので,これまで以上に重視していくつもりです。これらの多様化する学生を指導するとともに,逆に学生から教員が学ぶという側面も備えた,人間性あふれる教員が必要と考えております。



◆(横溝[富]委員) 教員の質,今学長が言われましたように人間性を高める,そういったことは私も同感でございますが,そういった面では教員の質で学生が変わる要素が多分にあるのではないかと思います。そういった面につきまして,さまざまな分野で日本の将来を背負うことができる人材の育成にさらに注力していただくことをお願いいたしまして,次の包括外部監査の指摘への対応と病院経営管理についての質問に移らせていただきます。

 まず,平成11年度に行われた包括外部監査において指摘された事項の改善状況について質問をいたします。

 固定資産の管理,あるいは保険収入の請求時期のずれ,さらには薬剤購入契約などの問題が指摘されているところでございますが,これらの改善状況はどのようになっいるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 両病院の固定資産の管理につきましては,医療機器等の現品と台帳を照合させ,適正な管理に改めました。保険収入の請求時期のずれの解消につきましては,12年度中に問題点を検討し,現在両病院とも平成13年度中の実施に向けて準備作業を進めているところでございます。薬剤購入契約につきましては,12年度より契約時期等について改善措置を行いました。



◆(横溝[富]委員) ぜひともさらなる改善をお願いしたいと思っております。

 次に,病院経営管理に関連しての質問をさせていただきます。

 附属二病院の経営改善を進めるためには,包括外部監査の指摘にもあるように,経常収支の状況については正確な計数把握が必要であり,そのためには企業会計方式による会計処理がふさわしいのではないかと考えておりますが,そこで,附属二病院では現在なぜ企業会計方式を採用していないのか,その理由について改めてお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 地方公営企業法では病院事業につきまして企業会計方式の適用を定めておりますが,主管官庁である総務省の見解では,大学附属病院は主として一般行政上の目的から経営しているものとして,地方公営企業法上の病院事業には含まれないとされております。したがいまして,附属二病院においては企業会計方式を採用しないで特別会計を採用しているものでございます。



◆(横溝[富]委員) 企業会計方式の採用については,今の話の中では法的な制約があると,このようなことでございますが,企業会計の処理方式に準じて損益計算書やあるいはバランスシートを試算する中で,これを公表して病院経営管理に生かすことが可能ではないかと思っておりますが,見解をお伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 経営改善を進めていくためには,企業会計方式に準じて損益計算書や貸借対照表の試算を行い,病院の財務状況を的確に把握することも重要であると考えておりますので,今後検討してまいりたいと思います。



◆(横溝[富]委員) ぜひお願いしたいところでございますが,国立の大学では独立行政法人への移行についての検討が進められ,財務会計については企業会計原則に基づく会計事務を採用するための検討が行われていると聞いておりますけれども,そこで,公立の大学では今の官庁会計方式による会計事務を見直すような動きはないのか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 国立大学の独立行政法人化の動きがある中で,総務省では来春を目途に公立大学の会計基準の検討を行うことが決定されておりまして,まず公立大学の会計運営の実態調査が実施されると聞いております。



◆(横溝[富]委員) 損益計算書やバランスシートなどの資料を企業会計原則に基づいて作成することは経営管理の第一歩であるのではないかと思っておりますが,これらのデータから問題を把握し,改善策を考え,病院を動かしていくのは人であります。そういった中で,トップマネジメントやミドルマネジメントの役割は極めて大きいのではないかと思っています。そこで,平成13年度の予算に,診療科部長等病院管理職員に対する経営改善研修を実施するとなっておりますが,この目的と内容についてお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 経営改善を進めるためには,病院の経営目標を管理職員はもとより職員一人一人に浸透させていくことが重要であると考えております。そのためには,各部門の管理職員自身が経営に対する十分な知識を持ち,職員を指導していくということが不可欠でございますので,今回管理職員を対象に研修を行うこととしたものでございます。

 研修の内容につきましては,外部から病院経営の専門家を招き,病院経営を取り巻く状況を認識した上で管理職員としての役割を果たすために,経営管理とリーダーシップ,あるいは医療管理,こうしたものについて実施してまいりたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) ぜひとも実り多い経営改善研修になることを期待しているところでございます。

 次に,附属病院では,病院改革の一環として病院長を専任化し権限強化を図りました。その病院長は,医学部講座制の枠の中で病院を運営し,責任者としてのその職務を全うするとなっております。松原病院長は専任の病院長になられてからほぼ1年が経過いたしますが,今までの違いやら,あるいは御苦労された点などがあれば,所感としてお伺いをいたします。



◎(松原医学部附属病院長) 一昨年の患者取り違え事故の教訓を生かせずに,昨年薬剤関係等の医療事故を起こしまして,市民の方々の信頼を大きく損ないましたことはまことに申しわけなく,心から反省しているところでございます。

 私は専任の病院長といたしまして,職員の先頭に立ちまして病院の安全管理対策や経営に全力を挙げて取り組むとともに,市大の事務局とも連携を密にいたしまして病院運営に努めております。これまで市会の先生方を初め関係の皆様方からいただいた御指導,御意見を率直に受けとめまして,今後も病院の信頼向上のために取り組んでまいりたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) ぜひとも市大病院の信頼回復のためにも病院の管理,経営にますますの御尽力を期待し,次の医療事故からの改善についての質問に移らせていただきます。

 ただいま話がございましたように,患者取り違え事故の後,事故防止のために進めてきた附属病院の改善活動に関連いたしまして何点か質問をさせていただきます。

 附属病院は,ことしの1月1日から特定機能病院に復帰いたしました。このことについて,先ほど加藤学長の所感を後ろで聞いておりましたが,改めて松原病院長に復帰したことの感想と今後の特定機能病院としての病院運営についてのお考えをお伺いいたします。



◎(松原医学部附属病院長) 特定機能病院の再承認をいただきましたが,決してこれに甘んじることなく,事故のない安全な病院を目指してまいります。また,市内唯一の特定機能病院といたしまして,それにふさわしい高度医療の提供に努めまして,市民の皆様の期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) 病院改革を進める上での重要な柱といたしまして外部評価が挙げられております。外部の目で附属病院の運営や診療,患者サービスなどを評価し,その意見を取り入れてさらに改善を進めていくことは非常に重要なことであると思っております。そこで,附属病院は13年度に外部評価を受けるとしておりますが,どのような外部評価を受ける予定なのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 病院機能の外部評価につきましては,財団法人日本医療機能評価機構というのが我が国唯一の実施主体としてございます。附属病院につきましても,この財団法人の審査を受けることになります。



◆(横溝[富]委員) ただいま,日本医療機能評価機構の病院機能評価を受ける予定であるということでありますが,この病院機能評価ではどのようなことが評価されるのか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 病院機能評価の評価項目でございますが,病院の理念と組織的基盤,地域ニーズの反映,診療の質の確保,看護の適切な提供,患者の満足と安心,病院運営管理の合理性,この6項目となっております。



◆(横溝[富]委員) 6項目と評価項目が多岐にわたるようでございますが,病院機能評価を受けるための準備状況は現在どのようになっているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 病院機能評価には,書類審査と訪問審査がございます。13年秋ごろに書類審査の受審を予定しておりまして,訪問審査はその約3カ月後になります。現在は,書類審査の受審に向けまして,診療,看護,事務管理の全業務について自己点検の準備を進めております。



◆(横溝[富]委員) 病院機能評価を受け,その評価結果がどういう形であったのかということにつきましては議会に報告すべきであると思っておりますが,議会に報告されるのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 病院機能評価につきましては,その取り組み状況や評価結果につきまして大学教育委員会に報告をしてまいりたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) 病院機能評価の結果とそれに対する改善の状況についても報告していただきまして,継続的な病院改革のために生かしていただくことを要望しておきます。

 次に,インシデント報告,いわゆるひやりはっと報告制度についてでございますが,これは労働災害防止のために従来から取り組んで成果を挙げてきたものでございます。これは,1件の重大な労災事故の背景には29件の同じ種類の軽微な事故があり,さらにその背景には300件の事故には至らない事例が存在するというハインリッヒの法則に基づいているものでございまして,重大事故を防ぐために,事故には至らない冷やりとした,あるいははっとした体験を集めて,これを分析し予防するものであると私は承知しております。

 附属二病院では,患者取り違え事故の後,このようなひやりはっと報告制度をいち早く導入いたしましたが,私は賢明な選択であったのではないかと評価もさせていただいています。医療の世界では,先ほどのハインリッヒの法則がそのまま当てはまるものではないとは思いますが,医療事故を防止する上で有効に機能するものと期待をしております。

 そこで,附属病院ではひやりはっと報告の制度を平成11年度から導入いたしましたが,報告件数の推移についてお伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 11年6月の制度発足当初は,一月当たりの報告件数が約100件でございましたが,平成12年度では200件ほどとなっております。



◆(横溝[富]委員) ただいまの御答弁ですと約倍に大幅に増加しているということでありますが,このひやりはっと報告は,私が申すまでもなく,事故ではなくて,むしろ事故を防ぐためのチェックが働いた,こういうことでございますから,事故予防活動が定着してきたのではないのかなと私は理解しております。

 それでは,ひやりはっと報告の職種別の提出割合はどのようになっているのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 12年度の報告状況を見ますと,医師からが約7%,看護婦からが約75%,診療放射線技師,臨床検査技師,薬剤師などからが約18%の構成比となっております。



◆(横溝[富]委員) 残念という言葉が当てはまるのかどうかはちょっとわかりませんが,医師からの報告の割合が極めて低い,こんなような答弁であったのですが,まだまだ閉鎖的な体質があるのかなと感じております。そういった面につきまして,ひやりはっと報告を出しやすい職場づくりが重要だろうと私は思っています。そのためにどのようなことを行っているのか,お伺いをいたします。



◎(松原医学部附属病院長) インシデント報告システムは安全な医療を提供するために非常に重要な制度でありまして,医師を初めとして全職員がこの制度を理解し自主的に報告するよう,日ごろから周知徹底しているところでございます。具体的には,リスクマネジャーの各職場への配置,メディカルリスクマネジメントニュースの全職員への配付,安全管理研修会の開催等を行い,職員の意識改革を促進し,報告が提出しやすい環境づくりに努めております。



◆(横溝[富]委員) ぜひそういった環境づくりをお願いしたいところでございます。

 次に,ひやりはっと報告によりまして改善した主な内容,そしてまた,その改善効果についてお伺いをいたします。



◎(松原医学部附属病院長) これまで行った主なものは30件ほどになりますが,具体例を申し上げますと,CT,RIなど放射線の治療部門の全室に無線ナースコールを設置いたしまして患者さんの容態の急変等に対応できるようになったわけでございます。それから,入院患者さんの注射につきまして,これまで複数の患者の注射を一つのトレイに乗せて扱っておりました。しかし,患者1人に1トレイということをルール化いたしまして,注射の取り違えの未然防止の徹底を図りました。以上の例がございます。



◆(横溝[富]委員) 改善に持っていくために,ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 実は,先日の総合審査で我が党の中川委員の質問に対しまして,患者からの意見をもらうアンケートを4月から実施し,これを病院のひやりはっと報告システムの中に取り入れる,このような答弁がございました。そこで,ひやりはっと報告システムの中に取り入れるとはどのようなことなのか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 今回実施いたします患者アンケートにつきましては,診療行為や職員の対応などについて患者さんが気づかれたことや不満に思われたことなどの御意見をいただく内容となっております。この御意見につきましては,インシデント報告システムと同様に,院内の安全管理対策委員会で検討して安全管理対策にできるだけ反映させていきたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) 患者さんからどのようなひやりはっと報告が出されたかについて何らかの形で公表すべきではないのかなと思っておりますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 附属二病院といたしましては,安全管理の実施状況について包括的に取りまとめまして,年1回程度報告をしたいと思っておりますので,この中で取り扱っていきたいと思っています。



◆(横溝[富]委員) 労働災害の防止やサービス向上のための活動といたしまして,実はトータルクオリティーコントロール,いわゆるTQC活動が災害の防止や品質の向上に効果を上げている例がございますが,附属病院ではこのようなことを行っているのかどうか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 附属二病院では,これまでに各職場における業務改善やインシデント報告システムの実施に取り組んできております。しかしながら,まだ十分とは言えませんので,民間のTQC活動も参考にいたしまして経営改善や安全管理対策の一層の強化を図ってまいりたいと思っています。



◆(横溝[富]委員) 実は,私は会社生活時代のある期間,ひやりはっと報告やTQC活動の定着化に向けての仕事をやっていた経験がございます。そういった面から,その有効性については私なりに認識をしております。そのような活動が成功するかしないかは管理者の双肩にかかっているのではないかと申し上げさせていただきまして,次の患者サービスの向上と開かれた病院づくりについて何点か質問をいたします。

 まず初めに,市大センター病院では受診までの待ち時間が長いときでは1時間ぐらいかかると,こんなようなことを聞いておりますが,実際の待ち時間はどれくらいなのか,また,外来待ち時間を短縮するためにどのような工夫をされているのかについてお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) まず,受診までの待ち時間につきましては,救急患者の対応や予約患者のその日の病状等によりまして,1時間近くお待ちいただく場合もありますが,平均で約30分となっております。

 外来待ち時間を短縮するために,再来患者について予約制を採用するとともに,コンピューターシステムを全面的に導入いたしまして受け付けや会計処理時間を短縮いたしました。なお,待ち時間を有効に御利用いただくために,呼び出し受信機というものも採用しております。



◆(横溝[富]委員) 私が申すまでもなく,病院に行くときというのは体調が悪いときですから,待つつらさというのは並大抵のことではございません。ぜひとも前向きな御検討をお願いいたしまして,次の質問に移りたいと思います。

 市大センター病院の外来は予約制になっておりますが,患者の都合でそれを変更したいといったときには電話では受け付けてくれず,またわざわざ病院まで足を運ばなければいけない,こんなような苦情が私のところに入っております。そこで,予約の方法の改善はできないものなのかどうか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 現在,予約につきましては,医師が病状等を判断し,診療日程や検査等の都合を勘案しながら患者さんと調整して日程を決めております。したがいまして,電話による予約の変更は,医師が診療中や不在の場合等には日程の調整に時間がかかるということもございまして現段階では実施をしておりませんが,市民の方々からの要望も出ていることもございますので,今後の検討課題とさせていただきたいと思います。



◆(横溝[富]委員) 当然のことながら,患者サービス,あるいは市民サービスの向上というのが病院経営の中で大変重要なことだと思っておりますので,ぜひ前向きな御検討をいただくように要望しておきたいと思います。

 次に,安全管理の向上や患者中心の医療のためには医の倫理教育の充実が必要だと思っておりますが,医の倫理教育についてこれまでどのようなことを行ってきたのか,医学部長にお伺いをいたします。



◎(南医学部長) 生命の尊厳等に関します教育は従来から行ってまいりましたが,平成11年の医療事故を教訓といたしまして,安全管理,それからコミュニケーションに関する教育,医療倫理の教育などにつきまして充実を図ってまいりました。具体的な内容といたしまして,一年の授業で,よい医師について,生命倫理と医療,二年では,患者と医師,医のコミュニケーション,四年では,医療面接実習,五年ではチーム医療とコミュニケーション,インフォームドコンセントなどの授業を行ってまいりました。



◆(横溝[富]委員) 医の倫理教育について,13年度にはさらに改善や拡充の計画があるのか,お伺いをいたします。



◎(南医学部長) 平成13年度は,医療倫理,医療安全管理,コミュニケーションに関します授業につきまして,一年から六年までの一貫した体系化を図りました。具体的には,三年,四年を対象にいたしまして,倫理,コミュニケーションに関連する講義を20こまふやしました。また,六年で事例研究を主といたしました安全管理に関する授業を6こまふやしてまいります。



◆(横溝[富]委員) こういった教育を受けた学生はどのように受けとめているのか,お伺いをいたします。



◎(南医学部長) 学生の施設見学実習というのがございますが,その報告書などによりますと,実際に医療施設や福祉施設の現場を体験しました学生は一様に生命のとうとさを挙げております。また,多くの学生が,患者さんや他の職員との良好なコミュニケーションの構築こそがよい医師になるためには重要であるというふうに実感していると思っております。



◆(横溝[富]委員) 学生教育だけではなく,卒後間もない臨床研修医に対する倫理面での教育も必要だと考えますが,臨床研修医に対する医の倫理教育はどのようになっているのか,附属病院長にお伺いいたします。



◎(松原医学部附属病院長) 臨床研修医に対する倫理教育でございますが,患者さん一人一人の人権の尊重という教育目標に沿いまして,採用時に全体研修を行い,日常的には各診療科において指導を行っております。平成13年度からは新たに,研修の中間におきましても全体研修を実施いたしまして,患者接遇やインフォームドコンセントなどについてきめ細かな倫理教育を実施してまいります。



◆(横溝[富]委員) 学生,あるいは若い人に対して教育する立場にある教員への教授方法の研修も重要だと考えておりますが,これまでどのように取り組んできたのか,また,今後の取り組みについて医学部長にお伺いをいたします。



◎(南医学部長) 教授方法の研修は,教育する側にとりまして重要な課題であります。全国規模の医学教育研修会への教員の派遣のほかに,平成12年の12月には,2日間にわたりまして医学部の教授職を対象といたしまして,医学教育の専門家数名を招いて,教育とは何か,生命医療倫理,医療面接実習などをテーマといたしまして教育研修会を実施いたしました。13年度におきましても,全国規模の研修会への教員の派遣をふやし,また,教育研修会の対象を教授職以外に助教授職にまで広げるなど,一層の充実を図ってまいりたいと思っております。



◆(横溝[富]委員) 開かれた病院運営への取り組みといたしまして,13年度に医学部教授が中心となった市民向けの健康医療フォーラムを開催するとしておりますが,その目的と内容はどのようなものなのか,お伺いをいたします。



◎(南医学部長) 市民の関心が高い健康と医療につきまして,医学部教授がそれぞれの専門分野につきましてわかりやすく語るというものでございます。平成13年の6月から14年の3月まで,月に1回,300人程度を対象にいたしまして開催する予定であります。このフォーラムによりまして,市民の皆様に改めて健康について考えていただくとともに,医療の現状を知っていただければというふうに考えております。



◆(横溝[富]委員) フォーラムの成功を期待しながら,最後の連携大学院と理化学研究所とのかかわり等についての質問に移りたいと思います。

 連携大学院は,遺伝子の塩基配列が解明された後のいわゆるポストゲノム時代に対応いたしまして,たんぱく質やDNAなどの構造や機能の解明を中心的な教育研究テーマとする生命科学分野の新しい専攻として4月から開校し,その教育研究体制は6つの研究部門に分かれていると聞いております。

 そこで,この6つの研究部門はどのような手法を用いて生命科学研究を行っていくのか,その構成についてお伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) たんぱく質などの立体構造や機能などの解明に,主にエックス線回折システムを用いる構造科学及び設計科学の2部門,NMRを用いる計測科学及び機能科学の2部門,生化学や遺伝子工学的な手法でたんぱく質や遺伝子などの機能や相互作用を解明いたします創製科学部門,それに生物情報科学と言われる分野でコンピューターを用いてたんぱく質やDNAなどの機能や相互作用を解明いたします情報科学部門,この6部門によって構成されております。



◆(横溝[富]委員) たんぱく質の構造や機能を解析する手法といたしまして,エックス線を用いる研究とNMRを用いる研究があるとのことでございますが,それぞれの解析手法の特色は何か,総合理学研究科長に,まことに申しわけないのですが,素人にわかりやすく御説明いただければと思います。



◎(小川総合理学研究科長) エックス線回折法は,たんぱく質を結晶状態にして立体構造を丸ごと解析するもので,大きな分子量のたんぱく質でも解析できるという特色があります。これに対してNMR法は,たんぱく質の構成原子を一つずつ解析する方法ですが,分子量には限界があり,エックス線に比べ比較的小さなたんぱく質などが対象となります。しかし,結晶状態にさせる必要がなく,水溶液の状態で解析しますので,生体内に実際に存在している状況が解明できるという大きな特色があります。(「わかった」と呼ぶ者あり,笑声)



◆(横溝[富]委員) ありがとうございました。わかったようなわからないようなことですが,私も精いっぱい勉強させていただきます。

 それでは,生物情報科学については,先ほどの質疑の中で13年度予算で研究用高性能コンピューターを導入するということでございますが,生物情報科学というのは一般には聞きなれない言葉であると思います。そこで,どのような研究分野であるのか,また,国内の大学院で生物情報科学の研究者を積極的に養成しているところはどのくらいあるのか,お伺いいたします。



◎(小川総合理学研究科長) 生物情報科学というのは,英語ではバイオインフォーマティクスと呼ばれている分野ですけれども,この分野は比較的新しい研究分野で,遺伝子の塩基配列データやたんぱく質などの立体構造データをもとに,大型化,高速化の著しいコンピューターを活用して生体内での機能等をシミュレーションするもので,情報科学と生物学が融合した研究分野であります。

 また,国内の大学院での人材養成状況につきましては,カリキュラム編成にまで配慮して教育しているところは,私が承知している限りでは日本の中で10校程度です。



◆(横溝[富]委員) 今後の生命科学の進展やバイオ産業の活性化にとって,ただいまのお話にございました生物情報科学は非常に大きなウエートを占めるのかなと素人なりに感じたわけでございますが,市立大学としてはこの分野を連携大学院の中でどのように位置づけていくのか,学長にお伺いいたします。



◎(加藤市立大学学長) 連携大学院では,修士課程の全学生に生物情報科学の基礎を実習させる,これを教育研究の大きな柱の一つと位置づけております。生物情報科学の特色は,これまで解明された膨大なデータを活用して,論理的かつ迅速に結果を出そうとするものであるため,御指摘のとおり,遺伝子機能の早期解明や医薬品の創製など産業界からのこの分野に対する期待は極めて大きいと聞いております。そしてかつ,学問分野としても今後の進展が期待されていることから,本学ではこれを重要な柱と位置づけております。



◆(横溝[富]委員) 先駆的な試みではないのかなと思っております。ぜひとも十分な研究環境の中で人材育成が行われることを希望したいと思います。

 ところで,最先端の生命科学研究を行う連携大学院は,その建物,設備などの安全対策は十分にされていると思っております。しかしながら,連携大学院は埋立地に立地しておりますので,地元の鶴見区民は大地震時の建物崩壊の心配やら,組み換え遺伝子やあるいは劇物の取り扱い,さらにはラジオアイソトープの実験などに一抹の不安を抱いている声も実は私の耳にも入っております。

 そこで,連携大学院の建物の設計基準,環境への配慮,安全対策はどのように行っているのか,お伺いいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 設計基準でございますが,建築基準法に定められた耐震基準に基づいて設計がされております。震度6強から震度7程度の地震に対しても,大破,倒壊することはない構造であると聞いております。

 安全対策につきましては,鶴見キャンパス安全管理委員会を設けるとともに,国の法令や指導,本市の先端技術に係る環境保全対策指導指針に基づきまして整備を進めてきておりまして,開校後も十分な管理体制を整えてまいります。具体的には,毒物・劇物等の保管使用要綱,組換えDNA実験安全管理規程,放射線障害予防規程などを定めまして,適切な安全対策のもとで教育研究を進めてまいりたいと考えております。



◆(横溝[富]委員) 生命科学研究の分野では,残念なことに我が国は欧米に比べて研究が出おくれ,このため国においては新たな研究施設を設けるなど,研究の推進に注力していると聞いております。しかし,一方では,最近の日経ビジネスの特集記事に批判的な論調の記事が載っております。(資料を提示)これが日経ビジネスでございます。このタイトルを見ますと,これでいいのか日本のバイオ産業政策,拠点は分散,巨費が一人に集中,戦略不在で第二の公共事業のおそれ,こんなようなタイトルの中でいろいろと書かれております。その中で,この冊子には,たんぱく質などの構造解析を行う施設として,エックス線などに代表される放射光の大型研究施設であるSpring8が既に兵庫県の播磨にあるにもかかわらず,同じたんぱく質などの立体構造解析を行う理研のNMR施設を横浜に立地したのは効率的ではないという,こんなような論調記事でございます。

 国の施策事業でありまして,また,一マスコミの報道でもあるので,大学として見解を述べる立場ではないかと思いますが,研究者の立場から,こうした研究拠点が分散することへの批判に対しどのように考えているのか,総合理学研究科長の所感をお伺いいたします。



◎(小川総合理学研究科長) これはあくまでも私見でございますが,これらの研究拠点施設は比較的大きなまとまりを持ったものであり,それぞれの中で十分目的に沿った研究成果が上げられるものと思います。他方,科学技術研究は,多くの研究機関,研究者が互いに競い合いつつも,他方で連携を図りながら研究を進めることも大変重要であり,そのことが我が国の科学技術の発展につながるものと思います。



◆(横溝[富]委員) 先ほどの御答弁の中で,市大連携大学院にNMRを使った研究部門のほかに,エックス線を使った研究部門もあるとのことでございますが,連携のメリットを生かし市立大学が活用できる理化学研究所の施設設備は,隣接するゲノム科学総合研究センターのNMRだけなのか,お伺いをいたします。



◎(大場市立大学事務局長) 横浜市と理化学研究所との協議の中で,隣接するゲノム科学総合研究センターのNMRのほかにも,例えば播磨研究所の施設やSpring8の放射ビームなども活用させていただくことになっております。



◆(横溝[富]委員) 生命科学研究関連施設には,先ほど挙げた2つの施設以外にも設置予定のものを含めて千葉,茨城,東京など多くの研究拠点があります。それぞれが個別に研究を進めるのではなく,活発な研究交流が行われるのが望ましいと私は思っております。市立大学連携大学院は,理研の横浜の施設ばかりではなく播磨の施設も活用していくとのことでありますが,その際には研究者間の交流や共同研究などが展開されると思います。

 そこで,これら我が国の研究拠点における研究者間の交流を,市立大学も理化学研究所と共同して推進していくことが横浜のみならず我が国の科学技術振興にとっても重要であると考えておりますが,藤井助役の見解をお伺いいたします。



◎(藤井助役) 連携大学院は,生命活動の基礎となるたんぱく質や遺伝子などの機能の解明という学問的な時代の要請と,京浜臨海部研究開発拠点の一翼を担って市民生活の向上や産業界への貢献が期待される中で,この4月に開校するものでございます。市立大学については,生命科学分野で世界でもトップクラスの研究力を持つ理化学研究所と十分連携し協力できる体制を整えましたので,今後は国内の研究者との交流,連携を図り,地域貢献と国際的な学術研究の向上に寄与してもらいたいと思っております。



◆(横溝[富]委員) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども,日本の生命科学研究は残念ながら欧米諸国からかなりおくれていると,こんなようなことを私どもも耳にしております。そこで,市立大学にあっては追いつき追い越せの気概を持って,ぜひ実のある研究展開をしていただくことを要望いたしまして,私の質問を終わります。

      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○(星野副委員長) 質問者がまだ残っておりますが,この際60分間休憩いたします。

                             午前11時53分休憩

                             午後0時56分再開



○(高橋[稔]副委員長) 休憩前に引き続き予算第一特別委員会を開きます。

      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○(高橋[稔]副委員長) それでは,質問を続行いたします。

 石井義了委員の質問を許します。



◆(石井[義]委員) 初めに,先ほども議論がありましたけれども,医療事故の公表基準に関連して幾つかお伺いします。

 市大では,医療事故の公表基準をつくり,先日発表されたわけです。この基準に沿って万一これに該当するような医療事故が起きたときには率先して公表するということでございますが,そもそも事故は起きないようにすることが最も大切なことであります。

 そこで,医療事故防止のための安全管理対策について,事故多発後どのようなことを実施してこられたのか,まず伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 安全管理対策でございますが,患者取り違え事故の反省の上に立ちまして,医療安全管理体制の確立を目指すため,病院長の専任化,包括安全管理者及び医療安全管理学教授の配置,医療安全管理部門の設置などを行うとともに,インシデント報告システムの導入を図ってまいりました。これらの体制によりまして,インシデント事例等の収集,分析,改善等の実施,研修企画や安全管理ニュースの発行など,医療事故防止に努めております。



◆(石井[義]委員) 御努力をしていただいていることはわかりましたけれども,次に,医療事故の公表基準について伺ってまいりたいと思いますが,国における医療事故の公表についての動向は現在どのようになっているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 国立大学の医学部附属病院長会議が12年の5月に医療事故防止のための安全管理体制の確立について中間報告を取りまとめておりまして,その中に,重大な医療事故の公表について検討する必要があるという方向性が示されております。最終報告は現在のところまだ出ておりません。また,旧厚生省につきましては,12年の8月に国立病院に対するリスクマネジメントマニュアル作成指針を示しまして,その中で医療事故の警察への届け出について言及しておりますが,公表については特に触れられておりません。



◆(石井[義]委員) 先ほどの議論の中にもありましたけれども,新潟県が県立病院の医療事故の公表基準をまとめたということでございますが,その内容はどんなものか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 新潟県の公表基準は,公表対象の医療事故といたしまして3つほど定めておりまして,1つは患者に相当な障害を与えた医療過誤,病院長が事故の重大性から判断した場合,病院事業管理者が公表を適当と認めた場合を定めております。このほかにも,公表項目であるとか,速やかに公表すること等を定めております。



◆(石井[義]委員) それでは,新潟県の公表基準と今回市大がまとめた公表基準の違いは何か,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 市大の公表基準では,医療事故の公表に関しまして公正性の確保,専門的な立場からの判断,患者さんのプライバシーと人権への配慮,これらをするために,病院長の諮問機関として外部の有識者等による医療事故判定委員会を設けることとしたことが大きな違いとして挙げられます。また,新潟県は軽微な事故は公表対象になっておりませんが,市大では包括的な形で一括して公表することとしております。



◆(石井[義]委員) 今お話がありました医療事故判定委員会ですが,医療事故の公表の判断,判定に関して判定委員会を設置して新年度からスタートさせると聞いているわけでございます。この判定委員会の委員の人選について速やかに発表していただきたいなと思っているわけでございますが,この委員の人選は現在どんな段階にあるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 委員会の構成につきましては,他の病院の医師などの医療専門家,弁護士などの法律専門家,医療に関係する団体の役員など有識者の方々10名程度を考えておりまして,現在候補者の人選作業を進めております。できるだけ早くまとめたいと思っております。



◆(石井[義]委員) 早期に公表していただきたいと思いますけれども,医療事故の公表については,その前提として,患者さんと御家族の同意を必要としております。どうしても同意が得られない場合,先日の総合審査では,市長はある一定の時限を限って公表することを検討しているとのことでございました。その場合,公表内容については病院長の責任で決めることになると思いますけれども,どの程度の内容まで公表するのか,その点を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 医療事故の公表につきましては,患者さんと御家族の同意が得られますように最大限努力をしてまいりますが,どうしても同意していただけない場合には,事故の重大性と患者さんのプライバシーとを比較考量し,どの程度まで公表し得るかということで,医療事故判定委員会の御意見をいただいた上で判断をしてまいりたいと考えております。



◆(石井[義]委員) ぜひ公平な御判定をお願いしたいと思います。

 次に,MRI,すなわち磁気共鳴撮影装置の更新について伺います。

 開院以来ことしで11年を経過する附属病院の医療機器の更新についてでございますが,附属病院は特定機能病院として高度な医療を市民に提供しているわけでございます。高度医療の提供には当然高額医療機器による検査,診療体制が欠かせません。一方では,経営の効率化,あるいは採算性を検討していくことも避けて通れないことだと考えております。

 そこで,伺いますけれども,更新を予定しております磁気共鳴装置という機器はどういう医療機器で,これまでどのような医療分野に適用されてきたのか,附属病院長に伺います。



◎(松原医学部附属病院長) 磁気共鳴撮影装置,MRIは,磁場と電磁波を用いまして体内の種々の組織に存在する水素原子核から発生するごく弱い電磁波を受信して画像化する画像診断装置でございます。放射線を使用しないために放射線被曝はありません。また,骨による影響も受けずにあらゆる臓器を任意の角度から断層画像として見ることができます。特に,頭蓋骨に囲まれた脳や脊髄の疾患及び骨盤の疾患等の診断に適しております。



◆(石井[義]委員) 御説明いただきましたけれども,MRIは既に多くの病院で導入をされているわけでございますし,附属病院には2台設置してあると聞いております。そこで,1台当たりの稼働状況と患者さんの検査待ち日数はどのぐらいになっているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) MRIは,連日多くの患者さんの検査に利用されております。11年度は1台当たり1日約12人,年間では2,900人の患者さんの検査を行いました。

 また,検査待ち日数につきましては,入院患者さんの場合は必要の都度検査を実施しております。外来患者さんの場合には,緊急に検査をする必要がある場合は適宜実施しておりますが,一般的には約2週間待ちとなっております。



◆(石井[義]委員) 現在2週間待ちぐらいで,年間で2,900人ぐらいの方々の検査を行っている,こういうことだと思います。高度でしかも高額医療機器でありますMRIの更新についてですが,投資効果についてはどうとらえていますか。



◎(大場市立大学事務局長) 新機種での検査の予定人数は1台当たり1日15人,年間では1台当たり3,600人を見込んでおります。採算ベースは1台当たり3,450人と試算しておりますので,更新による効果があるものと考えております。



◆(石井[義]委員) 更新することによって,最新機器に置きかわるということによって,3,600人ですから,稼働率で言ったら20%以上アップというような計算になるわけでございます。そういった意味からしても,最新機器に更新することによって当然精度も上がってまいりますし,現有機器ではとらえなかった部分,すなわち新たに可能となる検査分野はあると思うのです。そういう検査分野はどのようなものがあるのか,これは附属病院長に伺います。



◎(松原医学部附属病院長) MRIを更新することによりまして,現有機種ではできない脳の機能解析,脳梗塞の発症直後からの診断,内臓血管を造影することによる腫瘍の鮮明な画像描出,心筋梗塞発症後の心機能診断等の新たな検査が可能となります。



◆(石井[義]委員) 大変多くの検査分野が広がってくると理解していいと思います。附属病院で今回更新するMRIでございますが,リースによる調達を予定しておりますけれども,リースと購入とはどのような違いが生じてくるのか,その点を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) まず,リースによる調達でございますが,機器の所有権はそのリース会社に当然あります。リースの期間は通常は5年から7年となっております。

 次に,購入による調達ですが,所有権は本市に帰属いたしますが,この場合には一般的にはメンテナンスが可能な限り使用されておりまして,10年程度となっております。



◆(石井[義]委員) 金額的に言うとリースの方が若干割高になるのかな,それも当然なのかなという気もするわけですが,リースにより調達することによってどんな効果が生まれてくるのか,その点を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) MRIにつきましては,技術革新が大変目覚ましい分野でございます。そういうことで,リース方式にした場合には技術革新に柔軟に対応させていくことが可能でありまして,診療レベルを向上させていくというメリットもありますし,また,初期投資が少ないというメリットもございます。



◆(石井[義]委員) それでは,今回もう一つ,MRI以外に心臓用の血管エックス線撮影装置の更新も予定しているわけでございますが,それはリースなのか購入なのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 心臓用の血管エックス線撮影装置は,購入による調達を予定しています。この血管エックス線撮影装置は既に技術的な完成度が高く,高度な医療ニーズに対応でき耐久性が高い機器となっておりますことから購入による調達といたしました。



◆(石井[義]委員) 技術革新が甚だしいか,そうではなくて固定したものなのか,あるいは金額的に言って高いのか,あるいは若干安いのかというような形でいろいろ判断があろうかと思いますが,今後の高額医療機器の導入に当たって,リース方式でいくのか,あるいは購入なのか,基本的な考え方について,これは助役に伺います。



◎(藤井助役) 今後導入いたします高額医療機器につきましては,技術革新や開発等の状況並びに具体的医療ニーズを勘案しつつ,リースと購入のそれぞれの長所を生かしながら選択してまいりたいと考えております。



◆(石井[義]委員) いずれにしましても,非常に高額な医療機器を更新しているわけでございますので,投資に見合った運用を十分に御検討いただきたいということと同時に,市民への安全,安心な医療の提供を最優先にお考えいただきたいことを要望しておきたいと思います。

 次に,センター病院について伺ってまいりますが,開院後1年余り経過した通称市大センター病院につきまして幾つかお尋ねをします。

 市大センター病院は,地域の基幹病院として8疾患別センターと21の診療科が一体となって第三次救急医療や高度専門医療を行うということで,市民の大きな期待を受けて開院いたしました。

 そこで,疾患別センターの特色と効果についてまず伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 疾患別センターは,複数の専門領域を持つ医師が診療科の枠を超えた横断的なチームを構成いたしまして医療を実現しているということにその特徴がございます。例でございますが,出生時の体重が1,000グラム未満の乳児に対しまして,母子医療センターでは産婦人科と小児科の医師が連携をいたしまして,母体内にいる段階から出産,その後のケアに至るまで,専門性の高い医療を融合させた総合医療を提供しております。そして,母体とともに小さな命を守っているわけでございます。そのほかの疾患別センターにおきましても,同様にチーム医療を実施することによりまして診療効果を上げておると思います。



◆(石井[義]委員) 今御答弁にもありましたように,センター病院の特色としては救急機能を挙げることができるのではないかと思いますが,その救急機能の充実はどのような形で図られたのか,この点を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 従来の救命救急センターと熱傷センターに加えまして,昨年1月の開院に伴い,新たに心臓血管センター,母子医療センター,精神医療センターにおいて救急体制を整えまして救急機能の充実を図ってきております。また,救命救急センターでは,13年度に患者搬送のためのドクターカーの更新を予定しております。



◆(石井[義]委員) 今御答弁いただきましたけれども,センター病院に期待するところ大変大きいかと思います。日常の診療行為だけではなくして,医療技術の発展にも伴って,その貢献といった面でもぜひとも貢献していただければと思いますが,そういう中で研究機能の充実というのが当然あると思います。センター病院では,研究棟の改修に着手しておりますけれども,改修はどのようになっているのか,現在の進捗状況について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 研究棟改修工事は,本年1月に工事に着手いたしました。現在は,仮設工事を完了いたしまして,内部の間仕切り壁などの解体撤去作業を進めておりますが,本年6月の竣工を目指しております。



◆(石井[義]委員) 建物は6月の竣工を目指していくということでございますが,設備等についてはどのようなものになるのか,研究棟の施設設備の内容について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 研究棟には,共通のテーマを持った医師のグループが利用する個別の研究室を大小合わせて21室設けます。また,共同の研究スペースや冷凍庫室等も整備をいたします。附帯設備としましては,院内LANの設置等がございます。



◆(石井[義]委員) 個別の研究スペースと共同研究のスペースがあるということでございますが,新しい研究棟の中ではどのような研究が行われるのか,これはセンター病院長に伺います。



◎(近藤医学部附属市民総合医療センター病院長) 市大センター病院では,臨床に即した実践的な研究を行っております。新しい研究棟では,例えば,消化器病センターの胃がんの診断法に関する研究,難病医療センターでの膠原病の新しい治療方法の開発など,診療の分析,解析等を重点的に行ってまいるつもりでおります。



◆(石井[義]委員) より実践的な臨床に即した研究を基本に行うということでございますが,研究成果をどのような点に生かしていかれるのか,センター病院長に伺います。



◎(近藤医学部附属市民総合医療センター病院長) 例えば,心臓血管センターで行う急性心筋梗塞の発症メカニズムに関する研究の成果を心筋梗塞発症の予防のために役立てたり,あるいは消化器病センターで行う抗C型肝炎ウイルス活性の増強機構に関する研究の成果をC型肝炎の予防や治療に活用するなどを行います。それぞれの研究成果は日々の診療行為の中で速やかな診断や的確な治療に生かして,患者さんの早期回復等に役立てることに努めていこうと思っております。



◆(石井[義]委員) ぜひ役立てていただき,研究成果を実りあるものにしていただきたいなと,こう思います。

 次に,開かれた大学としての役割について伺います。

 地域に開かれた大学として市立大学もさまざまな地域貢献策を考えていることと思います。今回,調べ事や研究などの課題を持つ市民に専門的な情報サービスを提供するため,市民の研究のためのレファレンスサービスデーを開設するということでございますが,その具体的な内容について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 事業の内容でございますが,照会テーマに関する関連文献や専門機関の案内,電子化された学術情報の検索サービスなどを提供いたします。週1回を予定しておりまして,7月ごろをめどに開始したいと考えております。事前にEメールや電話で予約をいただくことといたしまして,あらかじめスタッフが準備をした上でより質の高いサービスを提供したいと考えております。



◆(石井[義]委員) このサービスは他大学にはないものだろうと思いますし,ユニークな試みであると理解しておりますが,このサービスにはどのような特徴があるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 提供のメニューでございますが,学術情報センターの蔵書だけでなく,欧米の電子学術情報データベースについても提供していきたいと考えております。また,市民グループなどを対象に,インターネットを活用した情報検索の講習会も実施していきたいと考えております。



◆(石井[義]委員) 大変多岐にわたっていろいろサービスをしていただく,事前に予約して,資料ならコピーをもらうということになるのかもしれませんが,その取り組みを一歩前進させますと,そのまま図書をお貸しいただけないだろうか,こういうことになると思いますが,学術情報センターでは市民に図書の貸し出しを行う考えはあるかどうか,この点。



◎(大場市立大学事務局長) 学生の利用や教員の研究に支障を来さない範囲ということになろうかと思いますけれども,市民への図書貸し出しについても具体的に検討してまいりたいと考えております。



◆(石井[義]委員) 具体的に検討してまいりますというようなことですので,ぜひともお取り組みをいただきたい。その具体的な検討をなさるというお答えに対して,貸出方法についてもあえてここで言わせていただければ,同じように市大に来てくださいというのだとサービス的に見ても利便性に欠けるかなというような面もございますので,できれば最寄りの図書館などの利便性を考慮してほしい。そして,市民はどのような方法でそれを受けられるかも前向きに検討していただければと思っておりますが,検討に当たって具体的にはどんな視点でお考えいただけますか。



◎(大場市立大学事務局長) 先生のおっしゃる意味も私なりに理解はできるところでございますが,やはり学生,教員の研究という面もありますので,現段階では学術情報センターに学生,教員自身も来ていただいて貸し出しをするという方式をとっておりますので,市民の方々についても同じような方式をお願いしたいなというふうに考えております。そういう方向で具体化といいますか,一歩踏み出すことを検討したいと思っております。



◆(石井[義]委員) ぜひ貸し出しを含めた市民サービスの拡充をお進めいただきたいと思います。

 次に,連携大学院について伺います。

 連携大学院は,21世紀の生命科学研究の中心課題となるたんぱく質やDNAなどの構造と機能の解明を主なテーマとする市立大学大学院の新しい専攻として,新しいキャンパスを整備して,いよいよ本年4月に開校するということでございます。人材の育成と地域への貢献という観点から幾つかお伺いいたします。

 連携大学院の学生定員は,修士課程で35人,博士課程で16人となっておりましたけれども,2月末に行われた入学試験の状況はどうだったのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 修士課程では54人の志願者がありまして,53人が受験いたしました。定員に対する倍率は1.51倍となっております。また,博士課程は,ほぼ定員に近い15人の志願者全員が受験しております。0.94倍となっております。



◆(石井[義]委員) かなり高かったように思いますが,この入試結果をどのように評価しているのか,研究科長の所感を伺います。



◎(小川総合理学研究科長) 多くの大学院において,修士課程の入試試験は夏から秋にかけて既に実施されているのに対して,連携大学院は,昨年の12月に文部省の設置許可がおりるまで学生の募集活動すらできませんでした。これは文部省から禁止されておりました。このような状況にもかかわらず,50人を超える能力にめぐまれた若者の応募がありました。また,博士課程についても,修士,博士の5年間を通じて同じ教官から指導を受け学位を取るのが通例であるにもかかわらず,途中で指導教官を変更してまで多くの受験生が集まりました。これらのことは,生命科学研究に対する学生の関心が高いことと,質の高い教授陣をそろえた連携大学院への高い評価のあらわれだと考えております。



◆(石井[義]委員) 関心と期待の高さのあらわれではないかというような御答弁だと思いますが,受験してこられました学生は市大出身者が中心だったのか,また,どのような学問分野から応募してきたのか,そのあたりを伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 市大出身者は,修士課程では7人でありまして,志願者の13%,博士課程では1人でありまして,志願者の7%でございます。

 また,出身の学問分野でございますが,生物学や化学などの理学系を初め,工学,薬学,農学など幅広い学問分野から志願者が集まっております。



◆(石井[義]委員) それでは,これらの幅広い分野の出身学生を受け入れ育成していくために連携大学院ではカリキュラムにどのような配慮をしたのか,これは研究科長に伺います。



◎(小川総合理学研究科長) 今もお話がありましたように,さまざまな出身学部からの学生に対応するため,生物,物理,化学など幅広い講義科目を用意し,それぞれの学生が必要に応じて受講できるよう配慮をするとともに,生命科学の先端的機器類を用いた研究の基礎的知識や解析技術を習得させる実習を必修科目として設けております。これが非常に大きな特徴です。



◆(石井[義]委員) 連携大学院については,次代を担う人材の育成とともに研究を通じて産業界への貢献をすることも求められていると思います。一方,一般的に大学では基礎研究が中心で,短い時間で新技術や新産業に結びつく応用研究や技術開発が中心の産業界への貢献はなかなか難しいのかなというような気もいたしますが,横浜はたくさんの中小企業が市内の産業構造を支えておりまして,産業界,とりわけ中小企業に対してどのような貢献ができると考えているか,見解を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 産業との連携でございますが,連携大学院の研究情報や生命科学関連の最新情報の提供,特に中小企業等を対象としたセミナーの開催などを通じまして,市内中小企業やベンチャー企業が生命科学分野に積極的にかかわれるように努めてまいりたいと思っております。また,企業等から受け入れる大学院研究生の資格要件として,これまで修士の学位程度を求めておりましたが,これを緩和いたしまして,連携大学院では大学卒業程度でも受け入れることといたしました。社会人入学制度に加えまして,人材の育成という点からも企業の研究開発能力の向上に貢献していくものと考えております。



◆(石井[義]委員) ぜひよろしくお願いしたいと思いますが,大学としての研究の推進,あるいは人材の育成,産業界などの地域社会への貢献を推進する上で最も重要なことは何であるのか,どう考えているのか,これは助役に伺います。



◎(藤井助役) 連携大学院の教員一人一人に,市民から寄せられる御期待を深く認識していただき,みずからの研究教育に全精力をもって当たることが肝要であると考えます。そして,既存の大学院総合理学研究科や医学部,木原生物学研究所などともさまざまな形で協力して先駆的研究を進め,市立大学の総合力を発揮する中で,市民生活の向上や既存産業の高度化,新産業の創出などに寄与していくことが大切であると思っております。



◆(石井[義]委員) 地域貢献,今後の発展,期待したいと思います。

 最後になりますけれども,久しぶりに木原生物学研究所の生命科学分野への取り組みについて伺ってまいりたいと思います。

 木原生物学研究所は,生命科学の先端的な研究を進めておりまして,今やポストゲノムにも対応する研究も始めていると伺っております。

 そこで,現在研究所で取り組んでいる研究の主な内容について研究所長に伺います。



◎(小山木原生物学研究所長) 研究所の主な研究といたしましては,塩に抵抗力のあるコムギづくり,植物が光に反応する仕組みの解析,植物細胞におけるたんぱく質の働きの解明,がん細胞の運動を促進するたんぱく質の解明,ヒト細胞が老化する仕組みの研究,人工的に一部の遺伝子を破壊したマウスの作成などでございます。



◆(石井[義]委員) すぐにわからない内容でございますが,今お聞きした中でこれから新研究分野として注目されると思われる研究についてもう少し具体的に所長から伺います。



◎(小山木原生物学研究所長) 具体的な研究分野といたしましては,組織や細胞のつくり出す多数のたんぱく質を網羅的に解析する手法であるプロテオーム解析というのが現在非常に注目されております。研究所では,植物工学部門を中心にしましてチームを組織して,この解析技術の精密化と植物組織や動物細胞への応用を進めて,データベースの蓄積を図って今後のお役に立てるようにしたいと思っております。



◆(石井[義]委員) このような基礎研究の成果は今後どのような分野で生かされることが期待されるのか,そのあたりを伺います。



◎(大場市立大学事務局長) ただいま所長から御説明をいたしました,最近大変注目されておるプロテオーム解析でございますが,これはヒトのさまざまな病気の解明,新しい薬や医療機器の開発に役立つと考えられておりまして,医学分野への応用が注目されております。また,コムギなどの研究につきましては,栽培植物の品種改良,例えば,乾燥化が進む地域で必要とされる塩分に強い品種の育成,こうしたものは世界的な課題となっておりまして,世界の食糧問題への貢献という面でも期待ができると思っております。



◆(石井[義]委員) 研究所では民間との共同研究も進めていると聞いておりますけれども,これまでに具体的な共同研究の成果があれば,その内容について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 具体例といたしまして,昨年,細胞遺伝学の部門では,横浜市内の企業と共同いたしまして,切り花の鮮度を保つ新しい処理剤の開発に成功しております。これは従来のものと比べ環境に優しい成分というのが特徴になっております。また,植物工学の部門では,植物細胞においてホルモンのような働きをするたんぱく質の機能の解明を行いました。さらに,細胞生物学の部門では,傷ついた神経細胞の治療への応用が期待されるたんぱく質を突きとめております。



◆(石井[義]委員) 共同研究の中で,研究の成果が発明に結びつく,そしてまた特許権の取得につながっていくということも考えられると思いますけれども,教員の発明については市立大学ではどう取り扱っているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 教員の発明の取り扱いにつきましては,横浜市立大学の教員等の発明に関する規程というのがございますが,その中で取り扱いを定めております。教員の研究活動を活性化させ,科学技術の発展に資するという観点から,教員個人に権利を帰属させる場合と,職務発明として市に帰属させる場合とに分かれております。なお,民間企業等からの受託研究や共同研究等により特許権が生じた場合には,原則として本市と企業との間で共有するということになります。



◆(石井[義]委員) 終わります。

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○(高橋[稔]副委員長) 次に,高野明子委員の質問を許します。



◆(高野委員) では,日本共産党を代表して質問させていただきます。

 新年度市立大学事務局予算で安全管理対策推進事業費として414万余円計上されていますが,その内容について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 附属病院の安全管理対策事業費につきましては,職員に対する安全管理の教育研修,医療安全管理マニュアルの改訂,病院機能の外部評価の受審などに係る経費を計上しております。



◆(高野委員) では,それぞれの事業内容について具体的に説明してください。



◎(大場市立大学事務局長) まず,職員への安全管理教育研修につきましては,医師,看護婦,技師,事務職などを対象にきめ細かく研修会を実施するものでございます。次のマニュアルの改訂につきましては,新たな事故予防策,安全管理対策を取り入れるものでございます。また,病院機能の外部評価につきましては,財団法人日本医療機能評価機構による審査を受けるものでございます。



◆(高野委員) この事業は,医療ミスに対する安全管理対策事業費という形で具体化されたものだと思いますけれども,医療ミスは起きてはならないものです。しかし,絶対に起きないとも言い切れないと思います。だからこそ幾重にも事故予防対策が必要なのですけれども,今回,一連の医療ミスは公表がおくれるなど問題が指摘されてきましたが,その後,医療ミス再発防止の真剣な取り組みが行われてきたと聞いています。医師,看護婦,医療職員など,その取り組みの内容について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 職員の安全管理への取り組みでございますが,医師や看護婦など各職場のリスクマネジャーが中心となりまして,日ごろから安全に対する意識の啓発,インシデント報告の取りまとめ,安全管理対策の実践など,日常的に安全管理の向上に努めております。



◆(高野委員) 98年,99年と続けて2件のカテーテル体内取り残し事故がありました。しかし,いずれも事故発生から1年を経過してから公表しています。2000年11月に行われた大学教育常任委員会での報告は,まだ体内にカテーテルが残っている患者がいる可能性は否定できない,場合によれば命にかかわる重大な問題と,過去にカテーテルを使用した患者すべてを調査する方針を決め,病院が開院した1991年から現在までの9年間余でカテーテル使用の手術をした患者すべてを対象にしてリストアップを始めるとありますが,リストアップは正確に行われたのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 昨年の11月の報告以降,作業に取りかかっておりまして,現在,医療情報システムの中からのリストアップを進め,リストアップそのものについてはほぼ終了しております。



◆(高野委員) では,事故を公表した際にカテーテル使用の手術は年間1,000件程度と発表していました。そうしますと,9年間ですから9,000件のカテーテル使用者がいるとなりますけれども,この点についてはどうなのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 昨年の11月に御説明した年約1,000件というのは,医療情報システムの検索数でありまして,同一患者が入退院を繰り返した場合や栄養補給のため挿入したカテーテルの装着延べ日数なども重複してシステムの中にカウントされております関係上,いわば延べ患者数ということになっております。そういうことで,延べ患者数から重複部分を除いた,開院以来の実際の患者数は約5,000件ということになります。



◆(高野委員) 重複者を除くと5,000人とのことですが,そうしますと,カテーテルを2回以上使用した件数,重複したものが4,000件あったということになりますが,どのようにカウントしているのか,また,リストアップ調査で死亡確認は何人いるのか,確認方法についても説明してください。



◎(大場市立大学事務局長) 今申し上げましたように,医療情報システムの中から重複分を抜いた形で純数といいますか,実際の数を確認したわけでございますが,その中には既に死亡されている方もいらっしゃいました。カルテあるいはエックス線写真によりその方々についても確認をしております。



◆(高野委員) 何名いらっしゃったのでしょうか。



◎(大場市立大学事務局長) 死亡者の数について小計として集計はしておりませんが,これはしておりますので,直ちに集計はできると思います。



◆(高野委員) 正確に確認方法についても説明していただきたかったわけですけれども,また後ほど資料でいただきたいと思います。

 事故発表時の2000年11月に数カ月で実態調査を終えると言明していましたが,公表から4カ月たっている現在,医療ミスにかかわっての実態調査は全部終了したのか,また,98年5月,99年3月に発生した事故が命にかかわる重大な事故でありながら,その時点で実態調査をなぜ行わなかったのか,また,予防策として今後カテーテル抜却後エックス線写真による確認を行うと発表していますが,事故後はすべて行われているのかも伺います。



◎(大場市立大学事務局長) まず,病院としましては精力的に調査をしてきておりまして,既に約90%の確認は済ませております。残りについてできるだけ早く完了したいと思っております。

 また,2件のカテーテルの取り残しがあったわけでございますが,これについては既に昨年の11月に大学教育委員会で事故の概要について報告はしてございます。その中での委員会での議論を踏まえた上で,私どもとしては安全管理の徹底を図る必要があるということで,過去のカテーテル使用についても開院時にさかのぼって調査を行うということにしたものでございます。

 カテーテルの抜き取りの確認方法でございますけれども,現行のマニュアルでは,抜き取り時にカテーテルの先端,長さを確認いたしまして,その結果をカルテ等に記載をすることとなっております。エックス線撮影につきましては,すべての場合に行うのではなくて,今説明しました確認に疑問が起きた場合にエックス線撮影を行うというものでございます。

 以上でございます。



◆(高野委員) 幾つかの方法で確認をするということですけれども,疑問があった場合にはエックス線撮影を行うということですが,きちんとやっていただくということを申し述べておきたいと思います。

 90%の患者が問題なしということです。あと10%が未確認ということですけれども,10%という数字は,前の5,000人の数字でいきますと500人まだ残っているということです。もし体内に取り残しがあったら命にも影響する問題だと思います。何をおいても実態調査を行うべきですが,4カ月たった現在100%調査が行われていない理由,なぜなのか大変疑問に思います。これはすぐ手をつけなければいけない問題だと思いますので,なぜなのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 私どもとしては,5,000件という非常に大変な量を精力的にやってきたつもりでございまして,残りは確かにまだ500件ほどございます。これらについてはエックス線写真を撮っていなかったものでございまして,これからエックス線写真を撮って確認をするという作業が必要になってくるということで,改めて撮影を必要とする患者さんに対してはできるだけ早く連絡をとりながらこの作業を行っていきたいと考えております。



◆(高野委員) そのエックス線写真を撮っていない残る500人のうちの問題ですけれども,通院していない方や先ほどレントゲン写真を撮っていないということですが,そういう方に対しては本人や家族への通知はどうするのか,伺っておきます。



◎(大場市立大学事務局長) できるだけいろいろな工夫をして御本人と連絡をとる,あるいは御家族と連絡をとりまして,今回の調査の趣旨をお話しして,病院としては早くエックス線撮影をするといった適切な処置をしていきたいと思っております。



◆(高野委員) このカテーテル体内取り残し事故では,命にかかわる重大な事故として,カテーテル挿入者からも不安の声が聞かれています。医療事故の公表基準に照らしても,カテーテル使用の患者に説明義務が求められるものですが,実態調査の公表も含めてどのように考えているのか,さらに,残された500人の実態調査を万全を尽くして早急に行うべきですが,いつまでに終えるのか,お答えをいただきたいと思います。



◎(大場市立大学事務局長) 先ほど申し上げましたように,11月の大学教育委員会に御報告し,また,その論議を踏まえて安全の確認のための調査として行っておるわけでございますので,その結果が出次第,委員会等に報告はしてまいりたいと思っておりますし,また,5月中をめどに調査を終了させたいと思っております。



◆(高野委員) では,ぜひきちんとやっていただきたいということを申し述べておきます。

 次に,瀬戸キャンパスの学習環境の充実について伺います。

 新年度予算では,瀬戸キャンパス本校舎の老朽化した鉄製の窓枠や外装修理,外壁修繕として1億円が計上されていますが,本市の公共施設で鉄製の窓枠がまだ残っていると聞き,驚いています。この本校舎は高名な設計者が設計したと説明されました。

 そこで,建設年度と建築物に対する評価などについて伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 本校舎の建設年度は昭和38年でありまして,築後38年目になります。

 現在各学部の一般教養,専門科目の講義を中心に日々活用がされておりますが,建物も古くなっておりまして,補修や耐震補強の課題のほかに,少人数教育,情報機器を用いた教育など新しい教育ニーズにも十分こたえているという状況にはございません。ただ,この建物は,昭和を代表する建築家であります村野藤吾氏が設計をしたものでございまして,落ちついた外観,建物配置に特徴がございます。キャンパスの雰囲気づくりにも大変大きな役割を果たしているものと考えております。



◆(高野委員) 歴史ある建築物との認識だと思いますけれども,では,高名な設計者が設計した本校舎の保存の是非,また,老朽化した建物を今後どうするのか,このような課題に対して具体的な方針や計画はあるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) この建物は今申し上げましたように由緒ある建物でございますので,そのことに十分配慮しながら補修や耐震補強を行ってまいりたいと思います。少人数教育のための演習室の改善,各教室への情報機器の配備による良好な学習環境を目指して改修を進めてまいりたいと考えております。



◆(高野委員) 具体的な計画や方針が定まっていないようですけれども,こういう状況で老朽化した施設を使用しているわけです。そこで,重要なことは,この建物が大学という教育施設であることです。学習環境を最優先に考えていくべきと考えますが,局長の見解を再度伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 学習環境の充実につきましては,既にビデオデッキ,テレビモニター,パソコン画面を表示するプロジェクターなどの映像機器の配置を進めてきております。今後も未設置の教室に順次設置していきたいと思います。また,13年度からは鉄製窓枠や外壁の改修に取り組むなど,学習環境の充実にも努めてまいります。



◆(高野委員) 計画がない中で当面は補修を行っていくということだと思いますけれども,ところで,本校舎等の耐震調査の結果はどうだったのか,また,その結果耐震補強工事はどう進めていくのかも伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 本校舎の耐震診断調査は平成9年に実施いたしまして,補強が必要との判定を受けております。また,本校舎の耐震補強工事につきましては,全市的に取り組んでおります公共建築物耐震対策事業計画の中で,その進め方につきまして関係局と調整をしてまいりたいと考えております。



◆(高野委員) 聞くところによりますと,耐震補強工事は2002年から2010年までの計画予定と伺っています。私は,この質問をするに当たって瀬戸キャンパスを視察させていただきました。老朽化という言葉を裏づけるように,鉄製の窓枠はさびで腐り落ちていたり,押しあける窓の取っ手がなく開閉ができない窓が多くありました。当然建物全体も老朽化し,学習環境の整備が立ちおくれている状況が見られました。このような老朽化の状況で耐震補強工事が行えるものなのか,補修すれば済むと言えるものなのか,耐震補強工事を行った場合の事業費についても伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 耐震補強工事につきましては当然進めていかなければならないと考えておりますが,あわせて施設の補修や教育用備品,機器の更新拡充など,学習環境の充実を図ってまいります。

 また,耐震補強工事の事業費につきましては,まだ実施設計を行っておりませんので,事業費についての試算はしてございません。



◆(高野委員) ところで,本校舎の老朽化した鉄製の窓枠と外壁の改修ですが,窓枠は500カ所あると聞いています。少なくとも353カ所は補修が必要だとも伺っていますが,1億円の予算でどのくらいの改修ができるのか,すべて終了するまでは何カ年かかるのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 窓枠改修でございますが,13年度は120カ所程度を予定しておりますので,おおむね3カ年で完了させたいと考えております。



◆(高野委員) 老朽化した教室内は,冬はスチームが通っているとのことですが,本校舎は冷房施設がなく,夏はあかずの窓の教室内はさぞかし暑いことだと思います。また,廊下はロッカーが並び,体格の大きな生徒が教室の移動で難儀をしている姿が想像できるわけです。

 ところで,医学部や連携大学院の教室棟の冷暖房はどのようになっているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 医学部や連携大学院の教室棟の冷暖房設備は,すべての教室に設置されております。



◆(高野委員) 瀬戸キャンパスだけが冷房施設がない,冬はスチームが通っているということですけれども,先ほど午前中の答弁の中で,冷房については検討課題という御答弁がありました。ぜひ早急に検討して,実現を要望します。

 横浜市立大学の事業概要では,学習環境整備を進め,教育研究の充実を図ると書かれています。映像機器などを活用する学習環境は現在の教育水準からも求められるものです。ビデオ設備も50%の整備率,こういう現状で今後改善を進めるべきですが,具体的な計画を示してください。



◎(大場市立大学事務局長) 映像機器の整備計画でございますが,ビデオを設置する教室につきましては,目標の23教室に対しまして既に18教室設置しておりますが,13年度において残り5教室について設置してまいります。また,OHP,OHCを設置する教室は,目標の7教室のうち3教室設置しておりますが,13年度は1教室設置してまいります。



◆(高野委員) ぜひ進めていただきたいと思います。

 現状の瀬戸キャンパスの学習環境は,他大学から比べても,また,歴史ある横浜市立大学に求められる水準からいっても劣るものではないでしょうか。本市高等教育の学習環境整備を本気で進めるのならば,耐震補強工事や補修を繰り返すよりも,21世紀にふさわしい水準の教育施設に建てかえを検討すべきです。用途地域の制限で高さが15メートルとの規制も,建築基準法の,公益上必要な場合は特例措置として高さの緩和も活用できます。

 新年度の予算額で,連携大学院の施設整備費は約24億円,伝統ある瀬戸キャンパスの老朽化した施設整備はわずか1億円では,余りにも格差があるものです。重点的な整備を求めますが,この点では助役の答弁を求めます。



◎(藤井助役) 本校舎は,建築後かなりの年数がたっておりますものの,学生の授業等に重要な役割を果たしておりますので,学習環境など新しい教育ニーズに対応し,また,由緒ある建築物に配慮しつつ改修を進めていきたいと考えております。



◆(高野委員) ぜひよろしくお願いします。

 次に,学生への支援策について伺います。

 大学運営費は,市費繰入金,学生収入,その他大学収入となっていますが,1995年を100とした財源内訳の構成比はどのような変化を示しているのか,伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 大学運営費に充てる収入の指数ですが,平成7年度を100とした場合,平成11年度は,繰入額が107.4,学生収入が117.8,その他収入が64.3で,全体では106.3となっております。



◆(高野委員) 局長の答弁がありましたように,市の繰入金は107でわずかな増ですけれども,学生収入は約118と負担が増加しています。これは,大学授業料,入学検定料の値上げを市民に求めながら,大学設置者としての運営に責任を負った市費の繰り入れが行われていないということです。そこで,伺いますが,授業料滞納者の推移とその要因について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 滞納者ですが,ここ数年を申し上げますと,平成8年度で24人,平成9年度で38人,平成10年度で30人,平成11年度では45人となっております。

 主に,経済的要因とか学業放棄などによるものでございます。



◆(高野委員) 滞納者がふえていることは大変深刻です。せっかく志高く入学した青年が経済的理由で勉学を断念することがあってはならないと思います。救済制度には授業料減免制度がありますが,申請者と認定者の推移について伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 推移ですが,平成8年度は申請者が123人に対して認定者は117人となっております。認定者のうち全額減免が37人,半額減免が80人となっておりまして,平成12年度では申請者118人に対して認定者が111人となっております。認定者のうち全額減免が51人,半額減免が60人となっております。



◆(高野委員) 全額免除の件数が,98年は40人,99年が42人,2000年が51人と,全額免除の方がふえているわけです。この減免については,収入において半額,全額減免と区分していると聞いています。厳しい生活環境の変化,保護者の失業,収入の減少がうかがえるわけですが,このような状況に対応できる救済制度が求められます。経済的理由の定められた基準とは別に,学長が必要があると認めた者に特例措置が設けられているようですが,その内容と実績を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 学長が必要あると認め授業料を減免いたしましたのは,平成10年度は協定に基づいて本学が受け入れております交換留学生4名,平成11年度は交換留学生6名,それから国費留学生2名,平成12年度は交換留学生8名,国費留学生5名と,こういうことになっております。



◆(高野委員) 交換留学生,国費留学生に限定しているわけですけれども,外国の高等教育は,フランス,ドイツでは基本的に無償で,アメリカでも希望者全員入学と無償制度を導入し,イギリスでも所得による減免があり,学生の50%は免除されているようです。このような諸外国の流れですが,市立大学でも外国からの留学生の学資について一部減免をしています。一般学生についても学長が特に必要と認める場合の運用を大幅に拡大すべきですが,学長の見解を伺います。



◎(加藤市立大学学長) 学長が特に必要があると認める場合の規定の適用範囲の拡大についてですが,今後の社会的ニーズ,それから他大学の動向などを見定めていく必要があると考えております。



◆(高野委員) 世界の流れは無償化の方向ですから,ぜひ十分検討していただきたいと思います。

 授業料滞納では,3期分滞納すると大学は除籍となり,1期分滞納でも年率14.6%の延滞金の徴収となります。勉学も金次第という現代社会の縮図を見るような気がいたします。また,学資の高騰は低所得者を直撃し,教育の機会均等を損ない,教育,子育て費用の過重負担が出産の抑制,少子化の要因の一つともなっています。経済的理由で勉学を断念することがないよう,教育基本法は教育の機会均等等を定め,国,地方公共団体に経済的理由で就学困難な者に対する奨学措置−−給与制奨学金だとか学資無償化など全部入っていますが,これを義務づけています。特に必要と認める者などを含めた減免制度の弾力的運用を含め学生支援策を充実すべきですが,局長の決断を伺います。



◎(大場市立大学事務局長) 学費減免についての学長の特例でございますけれども,これの適用範囲の拡大ということはいろいろ議論はありますけれども,基本的には真に必要があると考慮される場合に限定をすべきだというふうに私は考えておりまして,そうした方には慎重に対処していかなければいけないと思っています。いずれにしても,大学における教育の機会均等という立場に立って大学運営を具体的に行っているつもりであり,我々としてはそのつもりで学生にも対処していきたいと思っております。



◆(高野委員) この厳しい経済状況ですから,十分検討していただくことを要望しておきます。

 終わります。

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○(高橋[稔]副委員長) ほかに御質問はございませんのでお諮りいたします。

 市立大学関係の審査はこの程度にとどめて常任委員会へ審査を委嘱し,教育委員会関係の審査を行いたいと思いますが,御異議ございませんか。

        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○(高橋[稔]副委員長) 御異議ないものと認めます。

 よって,さよう決定いたしました。

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○(高橋[稔]副委員長) 当局の交代を願います。

                               午後1時57分