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神奈川県 横浜市

平成13年 経済港湾委員会 P.1  06月15日−09号




平成13年 経済港湾委員会 − 06月15日−09号









平成13年 経済港湾委員会



               経済港湾委員会記録

◇開会年月日      平成13年6月15日(金)

◇場所         市会第三会議室

◇時間         午前10時00分開会

            午前11時27分休憩

            午前11時35分再開

            午後0時28分休憩

            午後1時30分再開

            午後3時01分休憩

            午後3時15分再開

            午後3時53分休憩

            午後3時54分再開

            午後5時07分閉会

◇出席委員       11人

  委員長    中島文雄君(共産党)

  副委員長   清水富雄君(自民党)

  副委員長   佐藤行信君(民主党)

  委員     伊波洋之助君(自民党)

  委員     中村達三君(自民党)

  委員     池谷泰一君(民主党)

  委員     谷田部孝一君(民主党)

  委員     大滝正雄君(公明党)

  委員     仁田昌寿君(公明党)

  委員     河治民夫君(共産党)

  委員     中島明子君(ネット)

◇欠席委員    なし

◇傍聴議員

  議員     小幡正雄君(民主党)

  議員     柴田豊雄君(共産党)

  議員     荒木由美子君(共産党)

◇出席理事者

  助役                   清水利光君

 (港湾局)

  港湾局長                 金田孝之君

  理事兼港湾整備部長            安武啓揮君

  総務部長                 沼澤武士君

  港湾経営部長               中根 忠君

  横浜港管理センター長           島田晴規君

  企画担当部長               櫻井文男君

  担当部長兼施設課長            手塚誠治郎君

  大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長  熊倉利男君

  臨海事業部長               佐藤成美君

                            ほか関係職員

◇市会事務局

  委員会係長                屋代英明君

  議事課書記                安田 仁君

  調査課書記                梅澤伸宏君

◇議題

  港湾局関係

   1 市第35号議案 平成13年度横浜市一般会計補正予算(第1号)(関係部分)

   2 陳情審査

    (1) 陳情第3号 海洋環境整備事業の実施体制の拡充等に関する意見書の提出方について

  調査案件

   1 横浜経済の振興について              (継続審査)

   2 横浜港の振興について               (継続審査)

  その他

   1 各種委員会委員について



△開会宣告



○(中島[文]委員長) これより委員会を開会いたします。

 時節柄,上着の着用については御自由にお願いします。

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△市第35号議案(関係部分)の審査



○(中島[文]委員長) 港湾局関係に入ります。

 市第35号議案関係部分を議題に供します。

   市第35号議案   平成13年度横浜市一般会計補正予算(第1号)(関係部分)



○(中島[文]委員長) 当局の努力もありまして,前回の委員会で各委員から要求されました資料が提出されております。

 そこで,資料について当局の説明を求めたいと思います。



◎(金田港湾局長) 委員方におかれましては,大変お忙しい中,お時間をいただきまして,一昨日の午後に現場の大さん橋国際客船ターミナル,また,昨日は雨の中,早朝に横浜を出発していただきまして,日本鋼管津製作所と,連日御視察いただきありがとうございました。

 一昨日の委員会において要求いただきました資料は,ファイルに各項目ごとに整理しておりますが,例えば,予算関連等の1ページの目次のところは,お届けした順番に並べているということで,項目がちょっとばらばらになっているので申しわけございません。

 それから,各項目ごとの右下のページ数を示しながら,順次御説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず,予算関連等でございますけれども,1ページでございます。これは事業費の内訳でございまして,仁田委員から御請求があったものでございますけれども,総事業費は251億円で,国費が26億円,市債が165億円,一般財源が60億円でございます。

 2ページも仁田委員から御請求があったところでございますけれども,現在と変更後のそれぞれの財源構成でございます。増額したところから説明いたしますと,29億円に対して,国費が4億円,市債が10億円,一般財源が10億円ございます。したがいまして,変更後は,総事業費が251億円,国費が26億円,市債が165億円,一般財源が約60億円でございます。事業費と申しますのは総事業費でございますけれども,これは,建設費プラス委託管理費プラスギャングウェイなどの附帯に必要となるものでございます。建設工事費そのものは235億円,設計監理などの費用プラスギャングウェイなどが16億円ございます。

 3ページですが,委員会から要求があったわけではございませんけれども,説明のために我々の方でつけさせていただいたものでございます。これは,各工区別の鉄骨工事増の内訳を述べたものでございます。

 第1工区を例示して説明しますと,鉄骨量の増加による増は5億2,000万円でございます。この中には,鉄骨の材料費はもちろん入っておりますけれども,それプラス組み立てるための経費や組み立てて溶接する経費,組み立てるために必要な足場の経費などが入っております。

 2番目の第1工区の大組加工組立による増は3億9,800万円でございますけれども,これは模型のところでちょっと説明させていただきます。

        (模型掲示)

 真ん中の折板の部分は,当初は現地で組み立てる予定でしたが,溶接が4カ所ございますので,その溶接ひずみの是正をきちんとするということと,精度を確保しなければならない。それから,現地での組み立て方法が,支点,ジョイント部分がハイテンションボルトになったために,現地で下から支えてやらなければならず,ヤードがなくなってきたということで,工場での大組加工組立になりました。それによるものが,第1工区では3億9,800万円でございます。

 海上運搬による増でございますけれども,工場で組み立てました折板は大変大きなものになりましたので,これを海上輸送する。ただ,この輸送も,昨日見ていただきましたとおり非常に薄い鉄鋼を使っていまして段積みできないので,かなり制限された海上運搬になっております。それから,桁梁の部分ですが特に桁梁部分は溶接ひずみの補正のところでかなり重さがふえているということで,これが海上運搬の輸送になってございます。それぞれ折板と桁梁の部分が4億2,300万円でございます。

 第1工区でこの37の分の増が,計13億4,100万円でございます。

 その他の工事の増ですけれども,当初予算4億円を要望していたところでございます。例えば,入港管理のロビーのところを180平米ぐらいふやしておりますけれども,それに基づくものでございます。

 減額が2億100万円ですけれども,これは,パーティションをやめるとか,不必要な車どめのコストダウンをするものでございます。

 諸経費は,いろいろな間接的な経費でございます。

 それらを合わせまして,第1工区では14億8,500万円となっております。

 第2工区,第3工区も,以下,同じような理由で,合計いたしまして,鉄骨量の増加による増が11億7,500万円,大組加工組立が9億6,800万円,海上運搬が9億9,000万円,小計で31億3,300万円。その他工事費増が1億9,600万円,減額が5億800万円,諸経費が5億1,500万円で,33億3,600万円の増になっております。

 4ページは,今のその他工事費に当たる追加工事費の内訳でございますけれども,谷田部委員から御請求があったものでございます。これは大型客船に対応するため,出入国ロビーの面積を拡大しております。それから,2,000人来たときのためのベルトコンベアーの能力アップがあります。

 それから,一番先端の多目的ロビーの利用を促進するということで,吊りバトンという照明器具等を設置する棒状のものがありますけれども,それを設置します。

 それから,山手公園に匹敵する,約2ヘクタールの屋上広場がございますけれども,そこの利便性を向上するため,トイレ4基を追加しております。それから,港湾局のいろいろな海辺の公園での経過がありまして,臨時店舗が出るだろうということで,給排水設備を考えております。

 それから,ターミナルの利便性の向上のため,商業施設の間仕切りを設置するということで,計4億円を追加工事として考えております。これは,当初から予算計上しているものでございます。

 同じく谷田部委員の御請求ですけれども,5ページ,建築工事の工区・工期別契約金額及び契約期間でございます。それぞれ1期,2期ですけれども,1期といたしまして,平成12年2月22日から平成13年3月19日まで。2期として,平成12年6月1日から平成14年5月31日でございます。1期が基礎工事に当たるところでございます。2期が上のターミナル部分の建築工事に当たるところで,1期,2期とも,建築工事を基礎として発注し,上物部分,その他の部分それぞれ別に発注したということでございます。

 6ページにいっていただきまして,変更前後の建築工事費で,谷田部委員から御請求があったものでございます。

 第1工区を例に挙げますと,建築工事の基礎工事費は20億4,750万円ですけれども,これらの基礎工事自体は変わっておりません。それから,変更前の建築工事費,これは本体だけで47億9,850万円でして変更後は,62億8,320万円でございます。変更による増額ですけれども,14億8,470万円でございます。

 2工区,3工区も同様でして,全体で基礎工事費は38億5,350万円でございます。これは変わっておりません。変更前の建築工事費ですけれども,108億9,900万円でございます。変更後の建築工事費ですが,142億3,485万円で増額は,33億3,585万円でございます。

 7ページにいっていただきまして,総事業費251億円の内訳で,仁田委員から御請求があったものでございます。先ほど申しましたけれども,基礎工事費は39億円で,これは変わっておりません。建築工事費が142億円で,ふえているわけでございます。設備工事費は54億円ということで,小計235億円。これが建設費に当たるところでして,コンペで条件になっていました建設費230億円に相当するものが,この235億円でございます。附帯工事費ですけれども,これはギャングウェイなどの設備費プラス設計監理費等で,合計で251億円でございます。

 8ページは,谷田部委員から御請求があったものでございます。

 建設費の推移ですけれども,コンペ時のということで,コンペ時に当局側で想定した数字と,応募者が出された数字と2つございまして,建設費の推移のコンペ時というのは,当局側が考えた数字が250億円で,応募された方は230億円で出されております。

 まず,建設費の推移ですけれども,コンペ時は,我々の方は250億円と考えておりました。ただ,設計競技を行う場合,一般的に予定額を上回るということで,230億円と発表しております。

 それから,基本設計その1の段階では,建設費は230億円になっており内訳はそこに書いてあるとおりでございます。基本設計その2で,建設費が229億円になっておりそれに伴う設計の内容につきましては別添の資料がありますので,後ほどそこで御説明したいと思います。面積を若干縮小したり,いろいろな内装をコストダウンすることによって,発注時には202億円となっていましたが,今回,33億円ふえまして,235億円となっております。

 9ページは33億円の増額内訳で,河治委員から御請求があったものでございますけれども,これは先ほど説明した資料と同じなので,説明は省かせていただきます。

 10ページの附帯工事4億円を除いた増額分29億円の内訳でございますが,これは谷田部委員から御請求がございましたけれども,先ほどの御説明とダブりますので省略させていただきます。

 次に,収支関連等でございます。1ページ,港湾整備事業費,機能債の償還部分でございますけれども,収入としては5.1億円を考えております。これは,駐車場収入と施設使用料でございます。駐車場収入は約2.6億円ということで,開業5年後は5.6億円,開業10年後は6.7億円と考えております。開業10年後になりますと,ある程度周りの再整備が進みましたり,みなとみらい21線ができることに伴いましていろいろな施設が立地すると考えまして,若干収入をふやしております。特に,駐車場というよりも,施設使用料ですけれども,従来の経緯を踏まえまして,平米当たり3,000円ということで,これは,従来からターミナルに入っておられた方,あるいは誘致しようということがございまして,周辺の関内地区,近辺地区よりもかなり安く設定しております。大体10年たてば,この施設使用料は近隣と同じぐらいになるという想定で考えております。

 支出でございますけれども,管理経費ということで,光熱水道費は1.8億円,その他,警備等の人件費が0.3億円で,合計2.1億円を考えております。これは,ここ10年間の消費者物価の推移を見ながら,開業10年後には若干上がるものと考えております。

 2ページでございますけれども,再度詳しく出てきますので,収支見込みについてはそこで説明させていただきたいと思います。

 次の3ページの仁田委員御請求のところでございますけれども,これは収支見込みでございます。収支見込みで,上は,平成11年12月時点の総事業費250億円でございます。下が,今回の総事業費251億円でございます。

 まず,全体事業費の250億円の財源でございますけれども,国費が24億円,市債が180億円,一般財源が46億円でございます。

 市債の発行予定額としては,総額で180億円でそのうちターミナルにわたる機能債と言われるところですけれども,これが140億円で,収入をもって償還しようではないかということでございます。それから,一般公共債及び一般単独債ですけれども,これは40億円ございます。補助事業の場合,その補助裏,つまり市が負担する分を起債で発行する部分と,一番先端に多目的ロビーがございますので,市民利用施設整備費に充当しております。

 そして,機能債は収入で償還することになっておりますので,収入がどういうふうになるかということで,先ほど述べましたとおり,収入は5.7億円,支出が2.1億円と考えております。内訳につきましては,先ほど述べましたとおりでございます。

 それから,収支見込みでございますけれども,機能債の償還期間は30年を見込むということで,開業から26年で償還すると考えております。

 それから,下の総事業費251億円の今回の考え方でございますけれども,国費が26億円,市債が165億円,一般財源が60億円になっております。

 市債の発行予定額は165億円で,機能債が140億円。これは収入で返します。それから,一般公共債及び一般単独債が25億円でございます。

 それから,ウの機能債の償還は,総額が165億円ということで,このあたりが若干変わっております。機能債の140億円につきまして,収入が5.1億円,支出が2.1億円ということで,収入が若干抑えぎみになっております。駐車場収入は同じですけれども,その他施設使用料を2.5億円としております。このその他施設使用料は,当初考えていたよりも店舗の面積が少なくなっているので,その分少なくなっております。したがいまして,償還期間が4年延びまして,開業から30年で償還する見込みになっております。

 4ページのランニングコストでございますけれども,仁田委員から御請求があったところで,維持管理費の内訳でございます。1億8,400万円のうち,光熱水道費が7,800万円,管理委託費が約1億600万円でございます。その他として2,600万円。計2億1,000万円を考えております。

 3番目は報告書等でございます。基本設計その1の報告書でございます。これは河治委員から御要望があったところであります。

 まず,4ページでございます。一昨日に現場を見ていただきまして,通常の建築物とかなり形態が変わっておりますけれども,それがどういう考え方でつくられているかという,設計の基本コンセプトでございます。

 何点かございますけれども,まず,基本コンセプトの1です。屋上は,できるだけパブリックな地盤から延長したような形でつくり,それを公共広場としていきたいということで,これが大きな考え方でございます。約2ヘクタールで,山手公園とか蒔田公園と同じくらいの大変大きな面積の広場で,植栽がなされており,かつ傾斜がある設計になっております。

 6ページの右上は,建物の空間構成ということですけれども,周りの都市と,あるいは都市空間と新しいターミナル,市民利用施設間に非常にスムーズな空間的な流れをつくるということで,桁梁の中を歩いていくと,いつかは屋上に行くという形で,内と外との区別をなるべく少なくするというのが一つの考え方でございます。

 3番目が,これは大変斬新的なコンセプトでございます。建物は,柱や壁,床があって,水平と垂直がきっちり分かれているのが一般的な考え方ですけれども,今回につきましては,そういう考え方ではなくて,下が,いつかは上の方につながっていくという連続的な考え方で持ってきているのが,コンペでも提案された,設計者の非常に強調しているところでございます。

 それから,4番目が,被覆しなくても,それ自身が耐火構造のFR綱を使っておりまして,その基本的な考え方ですけれども,構造材が,そのまま目に見えて仕上げ材になるという考え方でございます。従来は,周りに壁を張って,構造材は見えません。しかし,今回は,構造と仕上げが同時になっております。これによりまして,全体の力の流れを感じるような設計にしていきたいというのが,これは設計者の考えでございます。

 ちょっと冗長になりますけれども,丁寧に説明させていただきたいと思います。

 我々が右下に振ってある4ページの裏側の部分で,報告書では7ページでございます。そこに,コンペ案のいろいろな課題点があって,面積が若干オーバーしたとか,設備配管の問題とか,動線計画とか,特に11番の構造の問題点ですが,後ほど説明しますけれども,これは,コンペ時に,カードボードという段ボール箱構造ではだめなので,新しい構造を考えたいということで,この基本設計の中で約13点にわたる課題をいろいろ検討しております。特に一番課題になっているのは,これは当初から議論になっていた,構造をどのようにしていけばいいのかということで,基本設計その1の中でいろいろ検討されております。市は,それを受けて検証しまして,基本的にこれでいけるのではないかということで基本設計その2に移りまして,いわゆる通常の基本設計に移っております。

 右下に振った8ページというところを開いていただけるでしょうか。この左下の部分でございますけれども,カードボード構造の発展というところがございます。これは,当初提案されたカードボード構造でございます。こちらの方で御説明したいと思いますけれども,コンペ案のときには,実は,カードボード構造という段ボール箱構造になっております。この問題点は,一方向については強いんですけれども,90度違う方向については弱く,これではなかなか難しいということです。基本設計の中では,上下に鉄板を張っていくというのも大事ですけれども,基本的に間にトラスのように入れていく,スペースフレーム構造と言っております構造で今回提案した新しい構造体をつくっていきたいという考え方になっております。

 現在,基本設計はその後,実施設計でプレートガーダーと折板構造になっておりますけれども,この折板構造は,基本的にこの構造と同じ考え方であります。鉄板を入れまして,中にこういうはりをつけていくということで,基本的にスペースフレーム構造を発展させていったものでございます。基本設計その1の中で,特にこの構造の問題でいろいろ検討していただいております。

 具体的に,右下に19ページと打ってあるところを見ていただけるでしょうか。

 そこに,薄い鉄板,厚い鉄板がいろいろ張ってあって,これが溶接ひずみの原因になっているのではないかという話がきのう日本鋼管の方からありました。右側のdの上部構造断面構成計画というのがございますが,この1行目に,垂直剛性は版厚の変化で対処しというのがございます。上部構造と申しますのは建築部分でございますけれども,軽量で対荷能力の大きいスチール構造とするということで,鉄でつくっていくのが基本になっております。特に垂直方向にいろいろな力が働きますけれども,それに対応するためには,床のところでもすべて同じではございませんで,両端が非常に大きいわけでありますけれども,真ん中のところほど剪断力が倍に働く。そういう問題に対しましては,版厚の変化で対処し,水平剛性は上下フランジ面の構成で確保するという考え方になっております。

 したがいまして,これは,ローラーで厚い版から薄い版につくっていけばいいのですけれども,そうはできませんから,実際には,厚い版,薄い版を選び,力に応じて使い分ける。そのために溶接しながらやっていくというのが基本的な考え方になっております。

 同報告書の右下の大きい字の21ページを見てください。

 21ページ以下は,その時点で,今言ったような構造計画に基づきまして,コンピューターによる計算を行っております。大さん橋全体を何メートル置きに縦横に切りまして,その縦横に切ったところで,それぞれ部材にどういう力が働くかということの計算結果を出しております。この計算結果に基づき,基本設計その1の報告書を我々が受けまして,しばらく当局でもいろいろ検討し,議論のあった構造的な問題については解決できるだろうということで,基本設計その2に入ったものでございます。

 次に,国際客船ターミナルの設計競技の応募要項について御説明したいと思います。これは伊波委員と河治委員から御請求があったものであります。

 設計競技の目的のところに非常に重要なことが書いてございます。なぜコンペをするかということで,すぐれたデザインを広く国際的に求めるということが一つです。それから,最優秀作品に選ばれた設計者等に,当施設実施の設計業務を委託することになっております。これはコンペ要項で定まっております。

 それから,今回,その設計監理にかかわるところ等についてのみ御説明したいと思いますけれども,右下の4ページの左側の13の設計監理でございます。ここに設計監理について書いてありますが,基本設計,実施設計につきましては,最優秀作品の設計者に委託契約を行います。工事監理につきましては,横浜市と設計者が共同で監理を行いまして,詳しいことは,両者が協議の上,決定していきたいということになっております。

 さらに,16の著作権の問題がございます。これは,コンペでは一般的にそうでございますけれども,応募作品の著作権は,当然それぞれの応募者が持っております。それから,最優秀作品,今回はポロ氏,ムサビ氏でございますけれども,別途設計契約を行い,そのときに,主催者の横浜市は,この著作権を使用する権利を持っておるということになっております。

 以上が著作権の関連するところでございますので,コンペ要項については説明を終えさせていただきたいと思います。

 それから右下の13ページでございます。これは参考として御説明したいと思いますけれども,平成5年から6年,2カ年にわたりまして,約1億2,000万円の費用がコンペにかかっております。

 右下の14ページは伊波委員から御請求があった資料で,設計変更の主な協議経過でございます。

 平成12年7月に,本市と設計者,JVが協議いたしまして,内容でございますけれども,桁梁と折板の接合に伴う形状見直しでございます。順序が逆になっておりますけれども,2番目が,桁梁と折板の接合方法の変更でございます。ただし,最初,ユニバーサルジョイントで変更するものを,ハイテンションボルトの変更になっております。それに伴いまして,桁梁,折板,両方ともジョイント部分の形状が変わっておりますので,形状の見直しをしております。3番目に,桁梁と折板の両方の補強を行っております。それから,当初,波板であった折板自体を平板に変えて,後ろを補強するということで,形状の変更をしております。これは,予想外のひずみが発生したということでございます。

 10月に,これも本市とJVと設計者でございますけれども,桁梁の大ブロック組み立てを現場へ持ってきて行うということになります。溶接ひずみ矯正は非常に難しいということで,現場組み立てに変えております。それから,桁梁を大ブロックの組み立てにすることで,トラックで運べず海上輸送に変更しております。

 11月には,7月の末に折板の形状見直しを初めて上げてございますけれども,形状見直しの後,図面ができてきましたので,その製作指示に入っております。折板の詳細な図面が完成したからでございます。

 12月になりまして,折板の組み立てを指示したわけでありますけれども,現場で組む場合には溶接ひずみ矯正に対応できないということと,桁梁と折板の接合部は,最初,このジョイント部をユニバーサルジョイントで,締めることを考えていたわけでありますけれども,これは非常な精度を要求されるということで,溶接ひずみ対応として,ハイテンションボルトによるジョイントに変えております。そのため,ここをジョイントするときに,当然ハイテンションボルトは一瞬ではできませんので,下におりて支えながらハイテンションボルトを詰めるという作業でございます。一番最初はクレーンでつり,ユニバーサルジョイントを短時間で締めていくことを考えていたのでありますけれども,その工法が変わったということで,四方向を組んでボルトを締めていきますのでスペースがなくなってくるわけで,現場で溶接作業をするのは非常に難しいということと,仮に溶接作業をしていましても,溶接ひずみの矯正,精度確保の問題があるということで,折板の組み立て方法を変更し,これを指示しております。

 右下の15ページは,伊波委員から請求があったところでございます。

 大さん橋客船ターミナルのコンペ時から現在までの経過でございますけれども,平成6年に国際コンペを実施しております。応募件数は,41カ国,660件あって,当選案が,今現在進めているポロ氏とムサビ氏の案でございます。平成7年度には護岸工事に着手しております。平成8年度から平成10年度に,基本設計その1,基本設計その2を実施しております。平成11年度は実施設計に着手し,基礎の部分である第1期の建築工事に着手しております。平成12年度から第2期の建築工事と設備工事に着手しております。平成13年度は施工中ということで,平成14年度の供用開始を目指して現在進めているところでございます。

 右下の16ページは,伊波委員から御請求があったところでございます。

 コンペの最優秀作品の実現性を検証した調査でございます。基本設計その1は,先ほど説明申し上げましたとおり,従来にないデザインとカードボードという構造形式が提案されておりましたけれども,その中で,スペースフレームということで実現が可能であることが確認できたということでございます。

 今回,非常に特殊な構造であったということで基本設計その1というのを行いましたので,基本設計その2が通常の基本設計に当たるもの,つまり建築,構造,設備等に関する設計上の課題を総合的に検討するのは基本設計その2でございます。この構造でやっていけるという検証のもとに,基本設計その2を行ったものでございます。

 17ページは,伊波委員から御請求があったイベントの利用等ターミナルの利用計画の考えであります。

 活用に当たっての基本的な考え方でございますけれども,市民が利用できる屋上の2ヘクタールの公園,それから先端部の多目的ロビーに象徴されますように,港と市民とを結ぶ拠点としております。最近言われなくなった庭港ということを基本的なコンセプトとして整備を行ってきました。それから,各種イベントを開催しまして,このターミナルのにぎわいと活性化を図っていきたい。活用に当たりましては,門出とか,出発,出るというキーワードを考えていきたいと思っております。

 先端部分の多目的ロビーでございますが,客船寄港時に歓迎イベント,結団式,さまざまな市民イベントに利用できるというようなことを考えております。具体的な事例といたしましては,アからオのようなものを考えております。

 それから,出入国ホールとCIQ施設でございます。出入国,あるいは通関,検疫の施設でございますけれども,客船が寄港しないときには大変大きな空間でございますので,多目的ロビーと同様に,各種イベントなりに活用していきたいと思っております。多目的ロビーはここでございまして,CIQと出入国ホール全部ではなくて,この部分を開放し,活用していきたいと思っております。先ほど言いましたショップ等があるのは,ここでございます。

 屋上広場は,ところどころ植栽を行っているわけでございますけれども,これにつきましては,山下公園に近接する2ヘクタールの庭園として,24時間開放していきたいと思います。大さん橋のロケーションや屋外の特性を生かして,各種イベントに活用していきたいと思っております。

 右下の18ページは,工区別のJVの構成員でございます。これは,要求はございませんでしたけれども,参考として添付させていただきたいと思います。

 第1工区は,清水建設,東亜建設工業以下でございます。第2工区は,鹿島建設,フジタ以下でございます。第3工区は,戸田建設,東急建設,それぞれございます。

 要求にございませんでしたけれども,19ページも参考として添付いたしております。大さん橋の251億円及び土木工事費のそれぞれの整備経緯と財源内訳でございます。

 ターミナルについては先ほど説明しました。2番目のターミナルの総事業費及び財源内訳につきましても,先ほど説明しましたとおりでございます。

 土木工事費は,国の直轄事業として山下側と新港側両方を桟橋として整備しており,約195億円でございます。これは直轄工事として行っております。

 起債事業として,船渡橋ということで,ギャングウェイを昭和63年度に2億円で整備しております。それから,根元部分に代替旅客上屋がございまして,これが34億円でございます。ふ頭用地というのは,真ん中の部分をふ頭用地として埋め立てを行っております。この両側が桟橋構造になっておりまして,真ん中が起債事業で,こちらが本市の埋め立て事業でございます。このふ頭用地部分が151億円でございます。

 20ページにいっていただきまして,これは要求になかったところでございますけれども,建設工事着工までの準備費用でございます。総事業費222億円に含まれていない,建設とは別の事業費の内訳を書いております。

 基本設計その1の委託費は5,150万円。基本設計その2,通常の基本設計に当たるところは,1億710万円でございます。

 21ページは谷田部委員からの御請求でございます。鉄骨量増があって,果たして基礎が安全かどうかという御指摘でございます。

 まず,くいの設計でございますけれども,建物総荷重は9.5万トンで設計しており,くい全体が支えられる荷重は11万トンとなっております。安全率は1.15でございます。これは,大滝委員から御請求があった耐震設計のところで後ほど御説明しますけれども,この11万トンをくいが支えられるのは,通常の場合ではなくて,地震があった場合の安全率が1.15でございます。今回は3,585トンということで,約0.4万トンの増ですので,安全率は1.11で十分余裕内であるというのが,くいに関しての考え方でございます。

 部分設計で,上部の荷重は10カ所で基礎に伝達されるわけでございますけれども,今回の変更増は,1カ所当たり360トンの荷重になっております。10カ所の基礎部分の応力でございますけれども,耐力に対して0.85から0.95となっており,このうち最も少ない余力部分でも400トンぐらいあるということですので,十分安全であると考えております。

 なお,くいの本数と耐力は,3に書いてあるとおりでございます。

 右下の22ページにいっていただきまして,これは大滝委員から御請求があったところでございます。

 コンペから実施設計までの検討経過でございます。先ほども若干述べさせていただきましたけれども,デザインを主として,世界的に最もすぐれたデザインを求めるというのがコンペの趣旨でございます。

 平成8年度に基本設計その1を行っております。これの一番大きな問題は,コンペ時の形態,デザインを前提としながら,それを生かすためにどういう建築構造が一番いいかということで,右下に書いてあるように,スペースフレーム構造というものが提案されてきたわけでございます。

 基本設計その2は,平成10年度から平成11年度にかけて行ったものでございます。これは,建築基準法その他の日本の法規への整合性,それから,税関等の関係機関あるいは船会社等とのうまく使っていただくための調整がございます。多目的ロビー,駐車場,そういう各施設を全体としてどういうふうに配置するかという,個人住宅でいえば間取りになるわけですけれども,計画の取りまとめでございます。この時点で,スペースフレーム構造を進展させまして,プレートガーダーと折板を併用する構造になっております。

 平成11年度は実施設計を行っており,工事発注図を作成しております。それから,構造計画・防災計画などについて建設大臣の認定などの手続がございますので,そういうことを行っております。ここでも,構造は,基本設計その2で確定しましたプレートガーダーと折板の併用構造を行っています。もちろん,実施設計におきましては,コンピューターを使用しまして,非常に詳細な構造計算をとっております。

 右下の23ページは,大滝委員から御請求があったところでございます。コンペから着工時までの諸元の変更がございます。

 まず,構造でございますけれども,コンペ時はカードボード構造でございましたが実施設計完了時には,スペースフレームということを受けまして,プレートガーダー及び折板構造に定着されました。提案者は設計者でございます。基本設計その1とその2の段階で変更しております。

 階数は,地上3階で,3階が市民交流サロン,2階が飲食・物販だったわけでありますけれども,実施設計完了時には,地上2階で2階が多目的ロビーになっております。これは,できるだけコストを抑え安定した構造物をつくるということで,基本設計その2で設計者の提案になっております。

 それから,コンペ時は我々の提案で地下1階が駐車場だったわけでありますけれども,地下になるとメンテナンスの問題が非常に大きくなりまして,地下1階をやめて,1階の駐車場にした方がより現実的であるということで,1階を駐車場にすることになったわけでございます。これは,基本設計その2で設計者から提案されております。

 先端の市民利用施設は市民交流サロンのことで,600人の収容ホールだったわけでありますけれども,実施設計完了時には,多目的に使えるロビーに変更しようということで,本市と設計者が協議して,基本設計その2で変更しております。

 建物の長さは,コンペ時は455メートルでしたけれども,実施設計完了時には,先端のロビーの部分を若干削って,430メートルにいたしました。これは,設計者と本市が基本設計その1と実施設計に至る過程の中で協議し決めたものでございます。

 屋上緑地は,コンペ時には屋上に広場がありましたが,実施設計完了時には,さらにその上に緑地をつくろうではないかということで,提案は緑の環境をつくり育てる条例で,その条例に合致した公園をつくろうということで,基本設計その2の中で変更しております。

 エレベーターは,コンペ時にはなかったのですが,実施設計完了時には5台設置しております。これは,基本設計その2及び実施設計の中で,本市側から提案させていただいたものでございます。

 これが,コンペ時から着工時までの諸元変更の経緯でございます。

 右下の24ページは,建築基準法上の変更手続でございます。

 これは,今回の設計変更は溶接ひずみに起因するものが大部分ですけれども,それ以外にも設計変更の遠因となっているものが幾つかございます。1つは,先ほど言いました出入国ホールのロビーの拡大で,これは当初予算の中に含まれたものが入っております。

 それから,今まで御説明が落ちていてまことに申しわけございませんでしたけれども,今回の設計変更には,建築基準法による大臣認定がございます。5の説明図面4ページの左と右にブルーの点線がございますが,ここにガラスが入ります。ここの2階部分のカーテンウォールのところを強化しなさいという大臣認定が5月に来ております。実施設計が完了したのはそれ以前で,カーテンウォールの変更の部分を今回の設計変更の中にあわせてやっております。これによりまして,100トンあたりでございますけれども,鉄骨が若干ふえております。

 なお,建築基準法上の手続として,出入国ロビーの床面積の増加が若干ございます。これは,現在,建築局の中部建築事務所と協議しておりまして,軽微な変更でございますので,計画変更届により報告しようと考えております。これは,全体のトン数から見ましたらごく一部でございますけれども,建築基準法上の大臣認定に伴う2階のガラスのカーテンウォールの変更が,今回の設計変更に含まれるということでございます。

 右下の25ページは,河治委員からの御請求です。平成12年6月以降,どのように設計変更の経過があったかでございます。

 まず,6月1日に,2期工事の契約を締結しております。

 溶接ひずみと,折板部分を最初にプレスしてつくっていこうというプレスのひずみ,この両方が6月の試作段階で判明しました。それで,設計者と協議しまして,これは変更しなければならないということで,変更図の作成に入っております。

 ただ,FOAと書いてありますけれども,これは設計事務所側で変更図を作成しますが,非常に多岐にわたって指示を出しておりますので,そのための変更図の作成を7月中旬から2月中旬までかかっております。桁梁は主に溶接ひずみに対応する強化,折板は,構造を変えたことに伴う変更指示でございますけれども,出てきた変更図面に基づきまして変更指示書を出しております。この変更指示書は紙1枚でございまして,新しい図面は,実質上は図面の中に表示されているわけでございます。この変更指示も2月下旬にわたって行っております。そのための図面を一々つくっております。

 輸送方法の変更でございますけれども,桁梁の組み立てを工場内で行う必要が生まれたので,トラックで搬入できないということで,10月10日に海上輸送に変更しております。

 12月15日には,折板の補強と施工上の精度確保のため,折板の骨組みを変更しております。もちろん,そのための図面の作成には入っておりますけれども,詳細な図面が12月15日にでき上がったということで,骨組みの変更を出しております。

 それから,大組み立てを工場でするため,折板の輸送の変更を,あわせて12月15日に出しております。

 鉄骨の製作図面は,受けたJV側が約1万2,600枚つくっておりますけれども,変更指示に伴いまして出しております。4月当初までに,設計変更した後の新しい鉄骨の製作図面をずっとつくっております。

 工場はこれを受けまして,具体的にどういうふうに鉄板を切っていくのかという工作図が必要になります。図面というのはこういうふうに曲がっているのですが,鉄骨製作図は,これを断面側で見た図面と横から見た図面ですから,工場側は,こういう図面があっても鉄板を切り出せませんので,開いた図面をつくらなければなりません。これは,現在CADというコンピューターでやっており,工作図をつくるところは大変な難しさが伴うわけでありますけれども,11万2,000枚の図面をつくっております。

 それで,我々が非常に難しかったと思いますのは,作成した鉄骨製作図1万2,600枚に基づきまして,この数量算定を行うことであり,当然これは設計事務所側と協力しまして,発注側でできたものを再度,一々チェックしていきます。このチェックに設計事務所と横浜市が協力しまして大体終了しましたのが4月上旬で,鉄骨数量が確定します。次に,その鉄骨数量を基本といたしまして,鉄骨数量に伴って溶接作業とか,四方向の作業量がどれぐらいか,輸送料が幾らになるかということが全部出て,さらに,大組立加工の費用がどれぐらいになるかということの新しい設計図書を決めます。そして,設計図書をさらに整理しまして,JV側と5月18日に変更の仮契約ができたというような次第でございます。

 最も時間がかかったところは,昨日視察していただいた溶接ひずみのところでして,1カ所支柱を植えてもだめなので,さらに2カ所入れるということを,工場と6回か7回ぐらい往復しまして,そのたびに指示書を出し,変更図を作成していくということで,変更図面の作成,指示書の作成,それから鉄骨製作図ができて,それをさらに再チェックしていくという作業ですが,この作業に大変時間を要したために,市会に対する報告がおくれたことは大変申しわけなく思っております。

 右下の26ページは,現場の定例協議をどのように行っていくかという,大滝委員から御請求の資料でございます。

 現場の定例協議は3回ございまして,1つは,大さん橋ふ頭地区の安全衛生連絡協議会ということで,これは市とFOA,設計者と,各請負の建築,電気,衛生の事業者がおられます。それから,周辺の工事の事業者を合わせまして,月末の水曜日に1回,工事現場の安全を確認しております。

 総合監理定例会議は,翌月の工程をどういうふうに監理していくか,あるいはその工程に伴ってそれぞれの事業者から要望がございますので,市とFOAと各請負事業者で,月1回,定例の会議を行っております。

 監理定例会議は,週に1回同じメンバーで,翌週はどうするかの定例の会議を行っております。これは,全体の現場の定例協議でございます。

 特に工事にかかわるものは,総合監理と監理の定例会2つでございます。

 27ページは,大滝委員から御請求があった資料でございますが,鉄骨量増は原因別にどうなっているかということでございます。

 まず,一番下に,Cとして書いてありますが,変更前の鉄骨数量が1万1,615トンでございまして,ふえたのは3,585トンでございます。その内訳でございますけれども,出入国の管理に伴う問題で出入国ロビーの面積を拡大しなければならない。これが110トンございます。それから,先ほど言いました大臣認定の増が5月に来まして,その後,実施する中で変更しなければならないという,カーテンウォール部分の増が135トンでございます。それから,折板の構造は,最初プレス構造だったんですけれども,これはひずみに対応できないということで平板にかえまして,さらに補強材を入れておりますので,その増が745トンでございます。それから,溶接ひずみが発生しまして,種々の補強材を入れておりこれが2,595トンでございます。

 1万1,615トンをベースにした増加比率は,出入国ロビーの面積拡大等が0.9%,建築基準法の認定に伴うものが1.2%,折板の構造の変更が6.4%,溶接ひずみに対応した伸び率が22.3%,合計で30.9%伸びております。

 なお,原因別の構成比でございますけれども,出入国ロビーが3.1%,大臣認定に伴うカーテンウォールのところが3.8%,折板の構造変更が20.8%,溶接ひずみが72.4%で,70%以上が溶接ひずみによる鉄骨の増でございます。

 右下28ページの耐震設計は,大滝委員から御請求があったところでございます。

 今回は大変新しい構造であるということで,静的な解析と動的な解析の両方を比べまして,種々の検討を行っております。

 まず,地震波をどういうふうにするかということで,具体的なその前提としまして,通常起こり得る地震波は25カインです。カインはスピードでございまして,毎秒25センチということでございますので,2秒間継続すれば50センチ動くということでございます。もう一つ,2番目の大地震として,100年に1回起こる50カインでございます。これは秒速50センチでございますので,2秒間起これば1メートル動くという,こういう動的なスピードをまず考えております。

 そのときに,どういう波形で入ってくるかでございますけれども,下の1番のEL CENTRO NSから横浜市指定の人工地震波まで約6つの地震波を入力しております。特に神戸のポートアイランドで起きましたような,考えられる一番大きな地震波も入力させておきます。これをコンピューターのモデルで解析して,その結果,屋根や構造部材に最大に加わる加速度を計算しております。

 まず,2の解析結果ですが,屋根面での水平最大加速度が1,350ガルでございます。重力が980ガルですから,重力の約1.4倍の水平加速度があるということでございます。さらに,上下動最大加速度は1,555ガルでございますから,重力の1.5倍ぐらいという加速を前提としております。これは,過去,例えば浅草の地震で,浅草のつり鐘が上の方に抜けてしまってたのは,重力を上回る加速度が発生したために起こったものでございまして,今回も,最大加速度1.555ガルを想定しております。

 次に,2階の床面は,水平最大加速度が1.110ガル,上下動については1.390ガルでございます。当然,屋根の方が全体の揺れは大きいということになっております。これに対しまして変形と応力を解析しまして,必要な断面等を決定しております。今回は,地震時についてはこういう推計を行っております。

 なお,耐震設計絡みで鉄骨増があったかでございますけれども,今回はございません。溶接ひずみと折板の構造を変えたものが大部分でございます。それ以外に,大臣認定の中で変わってきたものが若干ございます。

 29ページは,佐藤副委員長からの御請求で,チェックシステムをつくったらどうかということでございます。これは,夏の時期,暑くなって,熱膨張に伴うものはございますけれども,基本的には工事完成の構造的な変形やひずみはないと思います。ただ,熱ひずみだとか,いろいろな地震があるということで,構造物のチェックシステムをやってみたらどうかという佐藤副委員長からの御指摘がございまして,今後,どういう項目をやるかということを,イニシャルコスト,ランニングコストとしてぜひ検討してまいりたいと考えております。

 点検の方法はいろいろございまして,1つは,ひずみゲージをつけるということで,構造部材にセンサーをつけまして,部材の伸縮を電気信号で検出する方法がございます。それから,差動トランスということで,構造部材にセンサーをつけまして,部材に変位がありますと電気信号で検出する。ただし,これは感度はいいのですけれども,地震等でストロークが非常に大きいものがあれば,どうしてもその限度があるということであります。それから,傾斜計を設置する方法がございます。これは,センサーを鉛直に据えつけまして,鉛直から微妙に角度が変わりますと変化を検出するわけでございますけれども,急激な場合は弱く,測定できる角度も限られてございます。それから,光波距離計があります。基準点を設け,そこから光波で距離を確認しまして,変位があればそれからはかるということでございますけれども,観測点までに障害物があるとなかなか難しいという問題がございます。今のところ,1から4のうち一番現実的な方法を選び出しまして,ぜひこれについては検討していきたいとは思っております。いろいろ御指摘をありがとうございました。

 30ページの多目的ロビーの運営方法でございますけれども,大滝委員から御指摘があったところでございます。

 施設内容につきましては,多目的ロビーは約2,000平米でございます。附帯施設としては,ケータリング用厨房,控室,楽屋,スタッフ室等がございます。設備としては,つりバトンとか,イベント対応用の電話回線,照明用電源等を考えております。現在,これは市内の業者に当たっておりますけれども,2,000平米のものを使いこなしていくのはなかなか難しい状況がございまして,市外の業者を含めて,今後活用していきたいと思います。

 なお,活用の仕方につきましては,右下の17ページで先ほど御説明しておりますので,具体的なものについては省略させていただきたいと思います。

 右下の31ページは,大滝委員から御指摘があったものでございますけれども,カフェ,レストランの再募集をどうするかということでございます。

 昨年12月に,カフェ,レストランにつきまして,これは,市内に本社を有する法人ということと,店舗の区画内で営業展開するということに限定しました。商工会議所の商工月報掲載と記者発表を行いまして,カフェ,レストランを募集してきたわけでございますけれども,その募集状況が芳しくないということで,今後,横浜港振興協会にターミナルの管理を委託する予定でございますが,そことともに募集の条件を見直していきたいと思います。営業時間,営業日,経済条件の見直し等と,店舗区画外,特にクルーズデッキの使用をどうするかの問題。それから,より多くの企業に周知するための広報,PR等を行っていきたいと思います。大滝委員から,広報が足らないのではないかという御指摘がございましたけれども,そういうものを踏まえまして広報,PRをやっていきたいと思います。

 それから,赤レンガパークがオープンし,臨港プロムナードを供用開始する,あるいはみなとみらい21線の駅ができるということで,かなり条件が違ってきますので,そういうよい条件を積極的にPRしながら,市外企業への募集拡大を含めまして,今後進めていきたいと思っております。

 次に,32ページでございます。大滝委員から御指摘があった市民向けのPRをどのように行ってきたかということでございますけれども,平成11年度は,新港街開きイベントなどで,大さん橋の歴史や新ターミナルのパースなどを行ってきました。

 平成12年度には,ぶらっとミナト横浜展を,4月から約2カ月間,横浜マリタイムミュージアムで,新ターミナルの概要,全体模型などを展示しております。

 平成13年度は,横浜港フェア2001ということで,参加者は11万人ございましたけれども,6月2日,3日に,日本丸メモリアルパーク内におきまして,新ターミナル内の施設内容の説明を展示してございます。

 今後のPRでございますけれども,市民向けPRのパンフレットを作成するとともに,各区役所のロビーにおきまして,客船ターミナルの施設内容,整備効果など,パネル等を利用した展示会等を開催していきたいと思います。これはぜひ積極的にやりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。

 5の説明図面等に入らせていただきたいと思います。

 右下の1ページは,伊波委員から御請求があった,ひずみにどのように対応するかということでございます。

 ひずみ是正は,通常は熱を加えたりローラーをかけるわけでございますけれども,それではおさまらない,5センチを超える,あるいは,昨日も津製作所で製造過程で発生しました10センチのひずみがございましたけれども,今回のひずみは,通常のローラーをかけるとか,熱によりましてとっていくことができないので,まず,板厚をふやしていく,あるいはリブで補強していくということでございます。リブ補強をどんどんふやしていくほど1区画がだんだん小さくなりまして,ひずみの発生は少なくなりますけれども,当然コストもかかり,重さもふえます。それから,大きなひずみはなくなりますけれども,溶接によってリブをとめますから,小さなひずみが発生しまして,この小さなひずみをとるための膨大な作業が発生します。だから,板厚をふやす,リブを補強するというのはバランスの問題がありまして,今回もリブ補強を少しずつしながら,一番ベストな状況の解答を現場で求めていったような状況でございます。

 それから,前後しますが,溶接がどのように変形するかという基本的なことでございますけれども,ここに溶接断面があったとします。溶接は,大変高温ですから当然熱が伝わり,熱したものが冷たくなりますと,その部分が縦側に収縮します。それから,例えば,片一方だけたくさん溶接の熱が生じますと,当然そちらの方が熱せられて,横曲がり変形になってきます。造船で先端部分をこういうふうに曲げているというのは,実はこういうものを積極的に使ったもので,実際に普通に行われております。

 それから,縦曲がり変形がこれでございまして,上の方だけ溶接しそこだけが収縮しますと,こういう形に曲がっていくということでございます。

 それから今回一番難しいところは,座屈変形と申しまして,溶接断面が複雑になりますと,非常に屈曲した溶接の変形が生じます。

 それから,回転変形は,溶接されない部分がありますと,その部分の開先間隔が変化してくることで,非常に複雑な変形になっております。

 それをどう矯正するかということで,通常の矯正ですけれども,こういうふうに曲がりますと,この部分をプレスまたはローラーをかけまして,ゆがみを直していくという方法があります。

 それから,今回は複雑なため,こういうことはできなかったのですが,実は,先に板厚をふやし,さらにリブを減らしたから溶接ひずみがなくなったわけではなくて,リブを入れますと,そこでさらに溶接があって,小さな溶接ひずみの対策が発生します。それをどういうふうにするかといいますと,こういうふうに曲がったときに,こちら側をガスバーナーでやりますと,組み立て時には冷えますから,さらにガスバーナーで過熱しまして,冷却してこういうふうに戻していく。この作業は,実際には熟達した職人さんが,大体こういうところを熱すればもとになるだろうということで,非常に真っすぐな形に入れていくので,これは目でやっていくしかない。

 普通の橋梁の場合のように同じ形のものがずらっと並んでいれば,1回で次も大体わかるわけでございますけれども,一昨日,昨日見ていただいたように,特に今回は何一つ同じ形のものがありません。その溶接ひずみを一々その場でやりながらやっていくということで,実はこの溶接ひずみの矯正作業は大変だったというお話を聞いております。

 それから,佐藤副委員長から御請求のありました,右下の3ページでございますが,桁梁の1階と2階部分をどうつないだかということで,これは,現場でも既に終わっていたので写真で御説明いたしましたけれども,PC線を入れまして,それをねじで引っ張り圧着させていく。圧縮に対してはコンクリートを入れてもたすという形で,コンクリートの充てん等を行っております。これは,PCストランドによる緊結でございます。

 4ページは先ほど説明した断面図でございます。地震時にこういう移動がございますから,ガラス面がきちんと固定されているように強化したのがカーテンウォールの強化で,これは当初から考えてきましたけれども,大臣認定の中で,さらに強化しろという指示がございました。実施設計段階以降の指示になりましたので,今回,実際の工事の設計変更の中であわせて強化させていただくものでございます。

 次に,各契約書等に移らせていただきたいと思います。

 右下の1ページ,設計業務委託契約書でございますけれども,谷田部委員から御請求があったものでございます。これは,客船ターミナル基本設計その1の業務の委託契約書でございます。

 約款部分についても,それぞれ後ろの方に挟んでございます。

 その次,25ページは,基本設計その2の設計業務委託契約書でございます。

 右下の49ページは,設計業務委託契約変更契約書で,これは,基本設計その2の期間をふやした変更の契約書でございます。

 次の右下の50ページ,これは,実施設計業務の委託契約書でございます。

 右下の69ページでございますけれども,委託契約変更契約書でございます。

 こちらの変更でございますけれども,実施設計の段階から補助金が入るわけでございますが,当初,委託する段階で補助金の認証がなくて,認証があって補助金が入りましたので,その補助金の部分でやる−−ちょっと断面図と平面図を両方見ていただけますか。

 屋上部分の広場,緑地,交通広場は補助金が入っております。基本設計の段階では横浜市の単独金でやっておりますけれども,実施設計からは国の補助金が入ります。交通広場とか,屋上の部分につきましては補助金の認証がありましたので,補助金分を入れまして改めて実施設計を委託したわけであります。そういう意味での変更でございます。

 右下の80ページは,基本設計と実施設計の契約内容でございますけれども,基本設計その1では,契約金額は5,150万円ということで,平成8年11月から平成9年2月でございます。これはFOAでございます。ただし,FOAの構成員は,FOAというデザインを担当しているところと,積算と法規を担当している現代建築研究所,それから,先ほどから何度か話題になっております,構造を担当しております構造設計集団,設備を担当している森村設計との契約でございます。内容につきましては,先ほどからお話ししていますとおり,コンペ案をベースにしまして,一番課題になっておりました構造解析です。

 どういう構造がいいのかということになったものが基本設計その2でございます。基本設計その2は1億710万円でございまして,平成10年12月から平成11年6月でございます。契約先は同じでございます。内容につきましては,実施設計に向けまして,意匠とか構造,設備,そして関係機関との交渉を行っております。

 3の実施設計は,契約金額は5億2,590万円で,契約期間は平成11年8月から平成12年3月でございます。契約先は同じでございます。これは,基本設計をもとに,実際に発注するための図面,それから諸手続を完了させるということを行っております。これまでの資料は,いずれも谷田部委員から御請求があったものでございます。

 右下の81ページは,工事請負仮契約書でございます。これは,国際客船ターミナルのターミナル部分の第1期の建築工事の基礎の部分で,仁田委員からの請求に基づくものでございます。

 右下の98ページにいきまして,これは,ターミナルの基礎部分の代金でございますけれども,第2工区部分の仮契約書でございます。

 右下の131ページは,これも基礎部分の第3工区の仮契約書でございます。

 右下の165ページは,本体工事にかかわるところでございます。これは,平成12年6月から始まった上の建築部分の工事の第1工区分の仮契約書でございます。

 右下の186ページは,平成12年6月からの本体工事,ターミナルの上の部分に基づく工事の第2工区分の仮契約書でございます。

 右下の208ページは,平成12年6月からの上のターミナル部分の本体工事の,第3工区分の仮契約書でございます。いずれも仁田委員からの御請求によるものでございます。

 契約書に関係しまして,右下の231ページは,要求はございませんでしたけれども,参考でつけさせていただきました。設計を担当する組織はどういうふうになっているかということでございます。これは,全体として,コンペで仕事を受注しましたポロ氏とムサビ氏から成るFOAという会社でございます。その下に,建設技術協力は,現代建築所,構造設計集団は構造,設備が森村設計という体制になっております。

 232ページは,仁田委員から御請求があった,工事監理業務委託の契約書でございます。平成13年4月からの委託契約書でございます。

 右下の249ページ,谷田部委員から,設計委託にかかわる各種の届出書でございます。これは,委託業務着手届出書でございます。以降,設計委託にかかわる各種届出書が266ページまで続いております。

 以上が,御請求がありました資料にかかわる御説明でございます。



○(中島[文]委員長) ちょっと長くなりましたので,暫時休憩します。

        休憩時刻 午前11時27分

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        再開時刻 午前11時35分



○(中島[文]委員長) 委員会を再開いたします。

 質疑に入ります。



◆(中村委員) 第1工区,第2工区,第3工区,それぞれのJVで請け負っているのですが,きのう,日本鋼管の津製作所を見せてもらったけれども,鉄部分は全部日本鋼管が受けているという形ですか。



◎(金田港湾局長) きのう見ていただいたのは,第2工区の発注を受けている日本鋼管でございます。それぞれ工区ごとに受けているところがございまして,例えば,第1工区は清水でございますけれども,これは川崎重工や川田が受けております。海外の企業で,例えば三星なども第1工区では受けております。それから,第3工区の戸田の部分ですけれども,これは川崎重工とか,駒井とか,三星という海外の部分も含めて受けております。したがいまして,受けているところは,立地的にもかなり広く散在しております。



◆(中村委員) そうすると,この溶接,要するにひずみというのは,第1工区,第2工区,第3工区,すべてに出ているのですか。



◎(金田港湾局長) すべての工区で発生しております。



◆(中村委員) きのう見せてもらったけれども,ひずみが随分出ているというのはもうわかった。要するに,鉄板と鉄板を溶接しているわけだ。それでひずみが出たというけれども,素人から見ると,確かに今回の建物全体が複雑だというのはわかる。できてからひずみが出るというなら,建物のいろいろな形によってというのはわかるけれども,きのう見ただけのもので,幾ら熱を加えるとスルメみたいになるという形にしても,あの辺のことは予測ができるのではないかという感じがするんです。それはどうですか。



◎(金田港湾局長) 一般的に,溶接した場合は熱でひずみが出るのは当然予測は可能だと思うんですけれども,今回の場合はかなり複合的な原因があったと思います。1つは,昨日も言ったように,通常よりかなり薄い鉄板が使われているということです。通常,橋などは厚さが30ミリなどというのに対して,6ミリとか9ミリの鉄板が使われること。もう一つには,厚い鉄板と薄い鉄板を溶接しますから,薄い側が負けて,よく曲がってしまうということです。それから,単位重量当たりの溶接延長が,これは熱量になってくるわけですけれども,普通の橋に比べて5倍の熱量が加わっているということです。それと,部材の溶接の仕方が,直線ではなくて非常に複雑な形をしていること。そういうもので,これは,当初,恐らくそれぞれのFAB側さんもいろいろ想定されたんでしょうけれども,想定を上回る溶接ひずみが出てしまったということです。溶接ひずみは,通常はローラーをかけたり,温めたり,冷やしたりしながら矯正するわけですけれども,その範囲を少し上回る溶接ひずみが出たということではないかと思います。



◆(中村委員) きのう,現場の説明者に聞いたのですが,日本鋼管はあれだけ立派な船をたくさんつくっているのに,そのひずみをどうして予測できなかったのかと聞いたら,いや,船の鉄板とあれは全然違うものだと言われたんだけれども,私は,船の方が,この建物よりも技術が非常に難しいと思うんだよ。素人だからわからないけれども,それでひずみができるということ自体が全く理解できない。だから,もう素人考えで,鉄の素材が悪かったのではないかと初めに言ったんだけれども,今聞いたら,部材全部に出ているというので,余計わからなくなってしまった。例えば木造の家をつくるときは,材料を少し寝かせてやる方が長もちするというのがあるけれども,鉄の場合は,つくったものをすぐに使っても同じなのか。



◎(金田港湾局長) 委員の質問にきちんと答えられるかどうかわかりませんけれども,鉄の場合は,ストックしておくというよりも,今回,特にFR鋼耐火構造だったわけですから,それぞれ工作図がある程度できた段階で,現場で一番経済的な鉄板の切り方をそれぞれFABで考えられますので,それを想定して,あとは実際に圧延するメーカー側に発注されるわけです。もちろん同じ会社のものもあれば,違う会社のところに発注される場合があって,発注されて,それが出てきてから切りとるということで,当然スペースとか人数の問題もありますから,一番経済的な工程を考えたのではないかと考えております。



◆(河治委員) きのう,おとといと視察もあったのですが,私も現物を見て,本当にすごいものができるんだということを改めて感じました。現場で視察しながらいろいろ聞かせてもらった中で,物をつくるのに,基本設計,実施設計をもとに現場で図面を起こすと先ほどおっしゃいましたね。ここでは工作図面という表示をしていますけれども,向こうでは施工図と言っていました。この施工図というのは,いつごろからつくり始めたのでしょうか。



◎(金田港湾局長) 施工図ですけれども,実施設計の図面があります。そして,実施設計の図面をもとに鉄骨製作図をJV側で作成します。鉄骨の製作図というのは,曲がった部材を二次元的にしか見ていないですから,これを実際切り出すためには開いた状態にしなければだめですので,鉄骨製作図をもとに,三次元CADでそれごとに工作図の作成に入ります。当然この間に時間的ギャップがありまして,易しいものは早くできるし,難しいものは時間がかかるということで,通常は1カ月から2カ月。難しいものによってはもう少しかかったようなことを聞いております。



◆(河治委員) きのうの視察の中で,施工図はA1にして700枚,部材を入れたらその5倍ぐらいで全体で,大体1万1,200枚といっているのですけれども,その期間は10カ月から1年かけてつくりましたという話だったんです。私がいただいた資料との関係で見ますと,基本設計の鉄骨製作図の中で製作図を出してから変更図を出した。つまり,ひずみとの関係でいえば,8月に入って全般に基本製作図が出されて,それからこの施工図が出たということですけれども,きのうの現場の人の話で10カ月から1年というのからすると,もっと前からやっているのではないかというニュアンスを受けるのですが,そういう点ではいかがですか。



◎(金田港湾局長) 例えばひずみ矯正のところですけれども,補強のために支持材をlカ所入れます。ところが,そのことによって,まだ溶接ひずみが全然とれないということで,何回かやっているということ。それから,桁梁を一気につくる格好ではなくて順番につくっていきますので,それについて鉄骨製作図を10部ぐらいつくって,それを受けて工作図を作成していきますから,解析から最後までの作成期間は長くなるわけです。したがいまして,例えば4月の初めぐらいまで工作図にかかわっておりまして,今も工場側ではいろいろなものをつくっておりますから,工作図の作成は今もずっと続いているわけでございます。したがいまして,工作図の作成は最後の桁梁の開始する直前に終わるわけでありますから,相当な期間続くのではないかと考えております。



◆(河治委員) いただいた資料から見ると,8月に入ってからと見えるのですけれども,長い場合は期間的には1年ぐらいときのうの現場の人の話があるから,変更との関係で,この施工図,工作図の作業をいつから始めたかをお聞きしたいという意味なんです。



◎(金田港湾局長) これは,変更にかかわる作業だけを示したのが右下25ページの表でございますので,当然変更しないものもございます。桁梁の補強の部分を変更したわけでありますから,そもそも変更しないところにつきましては,2月の工事契約締結と同時に,JV,建設会社と締結します。建設会社と6月に工事契約をいたしましたけれども,その工事契約はJVと締結します。発注関係がありますから,当然JVはそれぞれFABと契約していると推定されます。我々は,設計監理をやっている中で知り得ます。恐らく,我々がJVとの契約と同時に,この一番大切な工作図の作成に入っているのではないかと思っております。ここに書いてあるのは,あくまでも変更の指示をした後,変更分だけについてどういうふうに工作図を作成したかということでございます。



◆(河治委員) わかりました。それで,先ほどの委員も聞かれ,ひずみについて私もお伺いしたいのですが,施工段階で予想もしなかった溶接ひずみが発生して,補強しなければいけないということが,今回の変更の一番大きな形ということです。昨日,視察して,私も見ましたが,現場では,その場で実際,板厚の違うものを溶接して冷えたところには,当然ひずみは出るものだと。だから,その中で,設計変更の中の大きな要因は,予想を上回るということですけれども,当初は,このひずみについて,基本設計その1,基本設計その2,実施設計,一連に設計にかかわってどのように想定していたのか,その辺を教えていただけますか。



◎(金田港湾局長) 昨日見ていただいたように,厚さが6ミリから,もう少し大きいものもありますけれども,鉄板と鉄板をくっつけるわけで,大きくずれたら溶接自体が成り立ちませんから,日本建築学会にJASS6という基準がございます。ここに,達成しなければならない精度というのがあり,1.5ミリから3ミリぐらいでないと,そのレベルまでひずみを矯正しなければならない。矯正法は1.5ミリから3ミリ台です。では,1.5ミリから3ミリに矯正できる程度の溶接のひずみは,当初どのぐらいかといいますと,鉄骨メーカー側としては,恐らく15ミリとか20ミリぐらいになれば,経験的に鉄板を厚くしなくても対応が可能だと考えていると聞いております。



◆(河治委員) それで,今回3,585トンの鉄材を多く使うということですけれども,主にこのひずみに使う骨材は全体の7割,構造物全体でいえば3割ぐらいのひずみの補強ですよね。私が知りたいのは,この桁に使っている鉄材は,もともとどれぐらいの量ですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 桁梁に使用した鋼材は,変更前が5,956トン,変更後は8,528トンになりました。



◆(河治委員) そうしますと,今回変更した桁梁の2,595トンは,もとの5,956トンの何%になりますか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 約40%になります。



◆(河治委員) とにかく,この桁についていえば,結果として4割ふやしたことになるのですが,この基本設計その1の報告書には,このひずみについては何も触れられていないんです。予想以上のという話であったんですけれども,ひずみについての検討はどのようにされていたのか教えていただけますか。



◎(金田港湾局長) 基本設計は,その1とその2がありますけれども,基本設計その1は,先ほど申しましたように,構造形式を中心に議論したものでありますから,溶接ひずみのことは検討しておりません。基本設計その2は,いわゆる通常の基本設計に当たるものでありますけれども,これは,家でいえば間取りのように,CIQはどこになるかというのを決めるのと,日本の構造法規に合っているかどうか。それから,各ユーザー側が,いろいろな法規との関係で合っているかどうかを検討したものでありますから,この時点でも,溶接ひずみは特別検討しておりません。全体の設計に当たりまして,溶接ひずみが出るというのは設計者側も当然知っているわけでありますけれども,あくまでもJASS6の基準におさめられる範囲内の15ミリから20ミリで,溶接ひずみというのはその程度だと。したがって,通常の溶接ひずみ矯正作業で対応できると考えておりました。



◆(河治委員) つまり,これは規格でいう基準内の範疇だから特別このことについて,言っていないと。矯正できるんだということです。それで,私も実はいろいろと専門家に相談しました。その答えは,溶接すれば必ずひずみが出ると。構造に対する専門家にも,造船にかかわる人にも聞いてみました。その人の答えは,それは,当然設計の中にひずみというものが,補強とか,リブとか,何らかの形であらわされているという。ところが,今回の実施設計の中に,それがあらわれていない。これはなぜですか。



◎(金田港湾局長) 先ほど申しましたとおり,溶接ひずみが出るというのは設計者も当然わかっておりますし,ましてそれを受注したFAB側は,熱によるひずみを是正して船首部分なりいろいろなものをつくっていますから,鋼材まで熟知しているはずです。ただし,あくまでも,今回の溶接ひずみそのものは,先ほどから何度か申しているように,薄い鉄板と厚い鉄板をくっつけるということとか,通常の5倍の溶接熱が出るというようなことなど,幾つもの複合的要因で起きたものであります。その対策も,実際に現場の職方さんが集まって,そして,ここはリブを補強した方がいいであろうとか,あるいはここを補強した方がいいとか,さまざまな補強方法を試行錯誤しながら,これならばできるだろうというふうにやってきたものであります。したがいまして,溶接ひずみは,当然設計された方も含めて全部が周知のものでございますけれども,あくまでも,通常の溶接ひずみ内でおさまるものであり,それで対応できるものだと考えてきたわけであります。今回はそれを大幅に上回ったので,ではどうするかということで,鉄板を厚くしたり,リブをしたりして補強したわけであります。



◆(河治委員) 確かに,そのものをなくすということでやるのですけれども,5%とか,20分の1とか,1割とか,これはあり得るだろう。ところが,今回は4割で,全体でいえば1.4倍になったんですよ。これは設計ですか。



◎(金田港湾局長) 設計書の考え方は,先ほど御説明しましたけれども,鉄板を使うという考え方が一つあります。それから,鉄板をどういうふうに使うかということで,コンペ当初の設計の思想,あるいは著作権に基づく一つの形態を生かしていく形で使っていかなければならないわけでありますけれども,そのときには,鉄板を使う。さらに,形をつくるためには溶接しなければならない。そのときに,船のように厚くしておけば,確かに溶接ひずみは出方も少なかったと思います。しかし,厚くすれば地震時にそれだけ挙動が非常に大きくなりますので,できるだけ経済設計し,かつ地震時にも対応できる形で,力に合わせて薄い部材を使っていくということでございます。

 これは,実は溶接と逆でありまして,薄くしていくと溶接ひずみが発生しますけれども,設計としてできるだけ力の配分に合わせて部材を薄くしていく。もしこれが材木のように削れるならば,ペーパー状に削っていくところでありますけれども,ローラーでペーパー状には打ち出せないですから,力に合わせてだんだん薄くしていくためには,厚いものから薄いものに段々つなげていかなければならないということで,なるべく経済設計に持っていきたいという基本的な設計思想があって,今回の溶接ひずみという,なかなか難しい関係になってきたということが言えます。基本設計は基本的にそういう思想でやっていかれたんだし,そして,それを現場の中で是正していったという意味で,妥当な判断ではなかったかと私は思っております。



◆(河治委員) 出だしはどうあれ,いろいろあったと思うんですけれども,設計段階において,結果として4割を超えたわけです。経済的なこともいろいろあったにせよ,では,これはどれぐらい必要なのかということを含めて,構造設計者は初めからこういうことを考えられなかったのですか。



◎(金田港湾局長) 委員の御指摘の趣旨はよくわかります。我々もそのことについてヒアリングし,勉強もしましたけれども,これほど溶接延長が多く,かつ単位重量当たりの溶接熱量も非常に大きく,しかも,形も複雑で,薄い板,厚い板といろいろつけているという構造物は世界に事例がないということです。溶接ひずみの是正そのものは職方さんが経験に基づいてやるものでありますけれども,これをやるためには,現場に入って,現場の過程の中で試行錯誤しながら少しずつ是正していくということでありますから,設計者といえども,そこまではなかなかわからなかったと思います。もしこれと同じものが世界のどこかでつくられたのであれば,いろいろな教訓になっていくと思いますけれども,初めてでありますから,想定はなかなか難しかったのではないかと考えております。



◆(河治委員) きのうも現場で実際見せてくれたんですが,これはもうひずみが出る,だからリブ補強を入れるんですと。現場では,もう常識です。現場では常識になっていることを設計者が理解できないのは,私は納得できませんが,設計者に問題があるのではないですか。



◎(金田港湾局長) 設計者自身あるいは設計会社集団そのものも,過去にいろいろな鋼材を扱っている設計をされた方ですから,溶接ひずみがよくあるということは十分理解されていると思います。ただ,今回のような複雑な構造物をつくったときに,その複合的要因としてどの程度溶接ひずみが出るかは予測できなかったのだと思います。そして,それが通常の15ミリから20ミリ以内におさまっている場所もありますけれども,それを超えた場所をどうするかということで,設計者も非常に苦労されて,現場の職方といろいろコミュニケーションをとる中で,ここをリブ補強し直したらどうだろうかという形でちょっとずつ補強してきて,その結果でき上がったのが現在の姿ではないかと考えております。その予想というものも,定量的に,コンピューターモデルのように予想するのは,なかなか難しいのではないかと考えております。



◆(河治委員) 確かに新しいものだから,逆に言ったら,それは慎重にやらなければいけないんです。横浜市も慎重にやってほしいということで,実施設計は5億円,設計だけでトータル6億5,000万円というお金をかけている設計に対して,そういうこともわからない設計者だったのですか。



◎(金田港湾局長) 先ほども申しましたとおり,この設計に当たった集団は,日本の中で最も難しい,多くの鋼構造物をつくられておりますから,溶接ひずみのことは十分よくわかっておられましたし,デザインがなかなか難しいと言われる中で,スペースフレーム構造から進展しまして,現在の桁梁と折板という構造を考えてこられたわけでありますから,この設計をするに値する力量を十分持っておられたと私は思います。ただ,多くの人が知っておりますけれども,今回のようなこれほど予想外の溶接ひずみというのは,現場でなってみなければわからなかったと思います。さらに,受けた側も,実際やっていく中で初めて出てきたし,どれぐらい発生するか,それをどういうふうに対処して直していくかも,現場の中でしかわからないものではないかと考えております。

 たまたま今は溶接ひずみをやっておりますけれども,くいを打つときも同じような事例があります。私の若いころの経験ですが,細かくボーリングをやってみても,急激に段になったところでなかなかくいが入らなくて弱っていて,次にどこを打つかと思ってお昼弁当を食べ,午後一番にやったら,急に断面が変わってくいが入り過ぎて弱ってしまったということがありまして,どうしても現場でしかわからないものがあるわけであります。そして,そういう現場の経験を多く踏まえたものが,技術書の中にスタンダードとして入ってくるわけでありますけれども,今回のものは初めての事例ということで,力量ある設計者でもなかなか予測できなかったのではないかと私は考えております。



◆(河治委員) 繰り返して申しわけないんですけれども,1割ぐらいだったら理解できる部分もあるんです。ところが,これは4割,1.5倍近く鉄の量をふやしていくという感じですね。言うならば,これは全面変更ではないですか。



◎(金田港湾局長) 河治委員のおっしゃっている趣旨はよく理解しているつもりですけれども,今回の設計上の課題は,実施設計にあってもいろいろな課題があったと思います。溶接ひずみだけに対応するなら,経済性とか耐震性を抜いて,みんな厚い鉄板をつければそれはなかったかもしれませんけれども,経済設計,耐震性,それから,当初のデザインを実現していかなければならない,いろいろな機能性を持っていかなければならないという中でこういう状況を考えられたわけでありますから,今回の設計の課題は幾つかありまして,その課題それぞれについては満足されているわけであります。ただ,実施段階になって初めて溶接ひずみに対応ができなかった,そのことについては大変申しわけなく思っておりますけれども,設計のいろいろな項目全体を見ながら変更するというようなことではないのではないかと私は思っております。



◆(河治委員) とにかく局長と話していても平行線になると思うんですけれども,その道の権威と言われる人が言うには,鉄を溶接するときには,ましてや,連続してやるときは,補強というのはもう前提だと。それが,実施設計に何も出されていないということについて,私は理解できないんです。これは,設計責任者に直接聞きたい。そして,第三者にも検証してほしいと思うんですけれども,委員長,来てもらって証言してもらうという件でお諮りしていただけませんか。



○(中島[文]委員長) ただいま河治委員から,こういう設計者等の技術者の参考人を招致して,この場でいろいろ御説明を願いたいという提案もありましたけれども,お諮りいたしますが,どうでしょうか。

        (発言する者なし)



○(中島[文]委員長) では,これは後ほど正副委員長で検討いたします。

 何せ,この設計変更の一番中心がひずみの問題です。設計者に問題がないならばどこに責任があるのか,それを伺いたい。



◎(金田港湾局長) 繰り返しになって大変申しわけございませんけれども,これはデザイン的に大変斬新なものでございます。デザイン的なものをどうやって実現するかということは,構造的にも最も大事な部分です。そして,経済設計なども満足しなければならないということで,現在の設計をなされたわけであります。先ほど言いましたように,幾つもの項目がある中で,一つの予想しなかった項目としてこの溶接ひずみの問題が出たわけで,かつ溶接ひずみのことについては,設計者自身だけでなく関係者の方は十分熟知されていた。そして,その予想を上回る溶接ひずみは,現場段階になって初めてわかった問題であります。その対応も,これは数量的にあるいは科学的に出していくというよりも,現場の職方さんの勘に基づいて,一つ一つトライ・アンド・エラーで溶接ひずみを直しているわけでありますから,これは,やはりそれぞれの方が努力されてきたのではないかと私は考えております。



◆(河治委員) 責任ということについては非常にあいまいですけれども,今,とにかく局長の話では,やはりこの構造物そのものが,今回の客船ターミナルでは,余りにもデザインとして愚作なものだったという話もされたんです。そういうことで,まだ聞きたいことがあるんですけれども,とりあえず,この部分について,私の1回目の発言は終わりにさせていただきます。

        (「委員長」と呼ぶ者あり)



○(中島[文]委員長) 今の件ですか。



◆(伊波[洋]委員) 参考人として呼んで説明させるというのは,これは正副委員長で検討することではないですよ。委員会で諮るべきものです。



◆(佐藤[行]副委員長) 今,河治委員が言った,設計者を招致するということですが,違う意味で,当時いろいろ問題があったし,河治委員の主張,あるいは局長の主張を聞いて,そう感じます。ただ,結果論として,きのうも見たりしてわかっていて,この審議の中で,私も,基本設計その1においては,例えば施工性という問題についてやるべきだと。基本設計その2になっていくと,特に施工性みたいなものが実は落ちていたりするんです。それで,構造設計のプロが入ってやってきたから,多分そこのところの中身について,これは,構造設計などは,一番最初のコンペの時点でこの案を採用するときに選んだメンバーが,構造のプロという人が少なかったんです。その後,この施工性を見ていて,途中のところでは,テストピースも1回つくったらどうかという話も随分されてきたわけです。ある部分,つくっていく日程のところから,後の方の組み入れもあったりしながら,ずっと構造設計の方に特にお願いしてやってきたと思うんです。

 では,そこでこの構造設計集団の方でそれが予測できたのかできないかというのは,我々も,いろいろな仕事をしていて予想はしていたが,きのう現場の人たちに聞いても,これはかなり大きいもので,我々の方は,できたらもう少し時間をいただいて,事前にテストピースをつくりながらやっていければもう少しいい案ができたけれども,これはなかなか予想できなかったと。先ほど金田局長も言ったように,高いビルを建てるにしても,根本でいえば,これが世界で初めてやるということで,そういうものが積み上げられていって初めて標準的なものになって,それがCADのシステムに熱応力で加わったり,あるいは溶接ひずみが加わって,構造設計をそういうシステムにしていくということを考えると,この33億円の決断をするに当たって,今,構造設計集団の担当者を読んで,これが予測できたかできなかったかという必要性はないと僕は感じているので,委員長に呼ぶか呼ばないかの決をとっていただければと思います。



○(中島[文]委員長) ただいま,河治委員からは,参考人としての招致を当委員会でという提案がありました。それでは,河治委員の参考人招致の問題について,挙手で委員会の態度を決めたいと思います。

 参考人招致に賛成の方の挙手を求めます。

        (挙手)



○(中島[文]委員長) 挙手少数。

 否決ですので,よろしくお願いいたします。

 では,引き続き質疑を行います。



◆(谷田部委員) 資料をありがとうございました。また,13日,大さん橋国際客船ターミナルと,14日に三重県の津を視察しました。この間,申し上げましたように,私も長年飛行機の設計を担当していたのですけれども,現場で,あれほどのひずみなり,構造物の組み立てが難しかったというのは,航空宇宙産業でもなかなかないという感じがしたんです。特に現地を見てすごく勉強になったのは,技術革新が進んでいる中で,現場の職人さんの腕に頼らざるを得ないという難しさというのが,驚きと同時に,今でもそういうのがあるのかというのが実感でございます。

 助役も技術畑ということで,後でその感想も聞きたいと思いますけれども,冒頭,あれを見まして,最近ああいう設計とか物づくりの機会がなくて技術力が低下したというコメントが市長の答弁として出たのですが,それは間違いというか現場を知らないという印象を僕は持ったんです。メーカーの話,あるいは現物を見た私の実感でも,非常に高度な技術だと思いまして,市長のあんなコメントで片づけていいものなのかというのが実感です。

 それで,一,二点,まず契約の件から聞きたいのですが,基礎工事はやはり土木建築だと思うんです。上は建築物ではなくて構造物です。下は清水建設とか大成建設でもいいんですけれども,上をやっている会社は造船業界のトップクラスの会社です。その辺で,第1期工事,第2期工事に分けた。第1期工事,第2期工事,第3期工事はいいとしても,契約上の問題はなかったと判断しているのか,局長の見解はどうですか。



◎(金田港湾局長) 最初に,第1期工事と第2期工事を分けた理由でございますけれども,工事をできるだけ早くスタートさせたかったということで,第1期工事,第2期工事とも建築工事ですけれども,建築工事の基礎部分だけを発注したわけであります。そのとき,WTOとの関係もございましたので,第2期の工事は随意契約でございますということを告示しているわけであります。

 あくまでも工事を早く進めるということで,今回は分けたものでございます。つくっているものは建築物でございますけれども,その中心といいますか,最も技術的な課題のところは実は鋼構造でございます。そういう意味では,橋梁の周りに家をつけたような感じのところもあるのではないかと思いますが,従来の建築工事の考え方からいえば,やはりJVに発注して,JVが鋼構造物をさらに発注させるという形になろうかと思いますけれども,こういう特殊なものにつきましては,今後どういう発注形式がいいのか十分検証していくことは必要ではないかと思っております。これは十分研究していきたいと思っております。



◆(谷田部委員) 今の局長の御答弁で理解できたのですが,大さん橋へ行きますと,下は土木建築でいいですが,上は機能を持った構造物です。ですから,その辺でいかがなものかと思うのと,財政局の契約の方で私も何点か質問したとき,第1期工事,第2期工事を随意契約にした理由が理解できないと申し上げたんです。今言ったように,大手ゼネコンに丸投げという話もあったのですけれども,清水建設とか大成建設は,今の構造物に関しては,上屋の部分は企業として全然関係ないという理解です。ですから,発注形態あるいは随意契約に問題があったのかなというのと,もう1点は,随意契約の金額の積算の根拠とか,基本設計その1,その2,実施設計という段階の見積もりがないままに,どんぶり勘定で随意契約をしたというイメージを持っているのですが,いかがですか。



◎(金田港湾局長) 何度かお答えしていると思いますけれども,工区分けは別にしまして,本来ならばこれは同じ建築物として発注するもので,ただ,工事を先行させたいということで,基礎部分だけ出したわけであります。当然一体のものでありますし,第1区工区の発注のときに告示しているわけですから,随意契約ということについては妥当なものかと思われます。

 ただ,その発注の形式として,このような非常に特殊なものについては,やはりいろいろ研究する必要があるだろう。ただ,現場での組み立てということになりますと,橋梁などに比べれば,はるかに細かく持ってきて,それを建てておりますから,現場での建てるノウハウというのは,やはり建築土木の技術によるところが多いかと思われます。

 なお,積算は,お言葉を返すようで申しわけございませんけれども,例えば鉄骨量が幾らでFR鋼だったら幾らぐらいの単価なのか,足場を組むんだったら幾らで,それぞれ標準的な単価というものが我々の方にありますから,それに基づいて数量をはじいて,積み上げて積算していく,通常の積算を行っております。



◆(谷田部委員) 財政局長の御答弁では,下と上の工事は一体のものだから随意契約だと。それとまた,さっき言った日程の部分でね。ただ,13日に現地を見たら,下はもう終わっているけれども,上は単独で,まさに今言ったように,けたとか補強材,あるいはリブみたいなものを入れてやっているわけじゃないですか。組み立てるユニバーサルジョイント方式をハイテンションボルトにしたという部分は一体かもわからないけれども,その構造物は全然違うと思うのです。ですから,ここで議論してもあれだけれども,理解できないと私は思います。

 今後の研究課題と局長はおっしゃったのですが,やはり大手ゼネコンとJVを組むには,第1工区だと,1期が清水建設,東亜建設でしょう。これは上も全部同じです。JVを組むときは,構造物の方も加味して,さっき言ったように,日本鋼管とか川崎重工とか,物をつくっているところの名前は,契約書を見てもどこにも出てこないんです。ところが,そういう会社が現に構造物で組む人なんです。だからその辺,契約で問題がなかったのかと思うんですけれども,いかがですか。



◎(金田港湾局長) 委員が御指摘のように,いろいろな課題があるんですけれども,これは建築物であると我々は考えまして,通常の建築の発注の方法に基づいて行ってきたわけであります。今回のような非常に特殊なものについてはどうするかということで,私どもも今後研究していきたいと思っております。



◆(谷田部委員) それで,基本設計から実施設計に移る段階で,この報告書等の4ページに,13項目の検討課題ということでやっていますよね。その11番目に,構造の問題点ということで,ここでも問題提起しているのです。先ほど佐藤副委員長も言ったように,溶接のひずみとか段ボール方式にいって,カードボードにいって,その後,トラス構造ですよね。そのタイムラグというか,そこら辺は相当苦労したのかと感じるんです。河治委員が,今,専門家を呼んで来いと言っていますけれども,この時点で,そういう専門家を入れながら十分検討されたと思うんです。その辺の経過についてお伺いします。



◎(金田港湾局長) 今御指摘がありましたとおり,非常に斬新で高い評価を受けているデザインを実現するには鋼構造物以外にはないだろう。では,これをどうやってつくっていこうかということで,まず,構造ですが,構造は,基本的には,最初はダンボール構造のようだったわけですけれども,その後,鉄板を上下に置きまして,中にトラスという補強を入れていくことでできるだろうという検討がされたわけであります。そのときに,重いものをつくれば,地震力が働き,さらに強化をという悪循環になりますので,できるだけ軽くつくっていくということで,できるだけ厚さの違う鉄板を使っていくことを出され,地震時においても十分この構造物で成り立っていくと。

 そして,これをどうやって組み立てていこうかということも,最初は橋の上で全部組み立てて,ドンと持っていくという話もあったんですけれども,非現実的だろうというので,細かく持ってきて小さく組み立てていくという普通の建築の考え方へ持っていかれて,これについては非常に検討がなされておりますし,力学的な計算もかなりやられているのではないかと思っております。

 ただ,溶接ひずみについては想定できなかったのでありますけれども,それ以外についてはかなりの検討をされた結果,建設費だけは今回のように,コンペの当初時にほぼ近い形におさめるようにしてきたという努力があったのではないかと考えております。



◆(谷田部委員) 冒頭に委員長が12時半と言いましたから,時間がなくなりましたので,午前中はとりあえずこの程度にとどめたいと私も思いますけれども,清水助役は技術屋さんということなので感想をお伺いしたいと思います。



◎(清水助役) 昨日は,御視察どうも御苦労さまでございました。私も技術屋の一人でございますけれども,若かりしころは橋も設計いたしまして,30何年たって,まだ落ちないで頑張っているので安心しております。

 溶接の現場も何回か見ておりますし,建築局長もやっておりましたので,建築現場も見ていますが,正直申し上げまして,橋梁の溶接に絡みましては,委員方もどなたかがおっしゃっておりましたが,まさに百聞は一見にしかずです。先ほど金田局長から,薄い鉄板と厚い鉄板,あるいは接合部の形状が違うとか,溶接の密度が高いとか,いろいろな話をさせていただきましたけれども,私自身,予想をはるかに超えるひずみが出ているなと思いました。実験的にやってくれました溶接のモデルでも,あっという間にといいましょうか,これが戻ってくれば,もう1センチぐらい出ますと,我々職人としても,そのくらい予想をはるかに超えるひずみが出ているというようなお話が実はございました。

 委員方が来られる前に,責任者の方々ともお話をしておりましたが,同所ではそういった構造のものを2,200件以上やっておるそうで,溶接も当然やっているわけですけれども,こんなに難しいのは初めてだそうです。これは,責任者の方も,作業員の方も言っておりました。現地で上向きにやるよりは,下にやる方が,きちんと精度も上がるし,きっちりうまくできるという話の中で,工場ですと下側に持ってくるような動作ができるので,溶接のひずみをとり制度を上げるためには,これがベストですという話も作業員の方からお聞きしました。私も行ってみて,橋梁の溶接のやり方,あるいはひずみとはやはり違うと感じた次第です。正直言いまして,行ってよかった,有意義だったと思っております。



○(中島[文]委員長) まだ質疑はあろうかと思いますけれども,暫時休憩いたします。

        休憩時刻 午後0時28分

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        再開時刻 午後1時30分



○(中島[文]委員長) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。

 港湾局関係の審査に入ります。



◆(中島[明]委員) まず,振り出しに戻るようで申しわけないんですけれども,議案関連のときに,時系列でこの間のことを説明していただきたいという梅野議員の質疑にすごく大まかなお答えしかいただけなかったので,何を,いつ,だれが行ってきたのかということを,コンペから始まって,基本設計,実施設計,施工に至るまで,時系列で説明してください。



◎(金田港湾局長) コンペ等の15ページをお開きいただきたいと思います。伊波委員からの御請求で出した資料でございますけれども,大さん橋国際客船ターミナルのコンペから現在までの経過でございます。ちょっと口頭で補足しながら御説明させていただきます。

 平成6年度に国際コンペの実施をしており,このときはデザインを主として求めたコンペでございます。護岸工事のところを省かせていただきまして,平成8年から平成10年度に,基本設計その1と基本設計その2を実施しております。

 概要はそうですけれども,22ページもあわせて見ていただけるでしょうか。大滝委員の御請求の資料で,時系列的にフローチャートをつくっております。では,これに基づいて御説明させていただきます。

 平成6年度に,国際交流の場としてふさわしいデザインを国際的に求めるということでコンペを実施しております。デザインを主としたコンペでございまして,横浜の顔として最もふさわしいデザインを求めるということで,現在の案が当選しております。

 その後,平成8年度に,基本設計その1を行っております。これは,当選しましたポロ氏とムサビ氏が基本設計その1を受託し,行っております。先ほど報告書で幾つか説明させていただきましたけれども,ここで一番大きな課題は,コンペ当選案のデザインを生かす建築構造はどれがいいかという比較検討を行っております。コンペ案はカードボード構造ということで,ちょうど段ボール箱の構造でございます。これは,一方向のみに対しては強いですけれども,こちらの方向に対しては弱いということがありまして,この考え方を生かしながらうまくデザインを実現する方法として,スペースフレーム構造という,上と下が鉄板の盤で,その中にトラス状に補助材を入れまして,ここで全方向に力を伝えていくという考え方でございます。もちろんこの上の方の板は,それぞれに働く荷重に応じまして,板の厚さを変えております。

 そして,横浜市側で基本設計その1の結果を検証しまして,構造物として成り立つことを確認いたしました。それから,平成10年度から平成11年度にかけまして,基本設計その2を行っております。基本設計その2が通常の基本設計に当たるものでありまして,まず,駐車場とか,屋上の広場とか,客船ターミナルに必要なCIQという施設のレイアウトを取りまとめます。それと同時に,法規上整合性がなければならないということで,建築基準法や各種の法規上の整合性を検討しております。それから,計画に当たりましては,これを使うところの税関,通関をやるところ,船会社のニーズ等の取りまとめが必要になってきます。

 その中で,一番核心になっている構造は,スペースフレーム構造をさらに発展させていただきまして,プレートは,このガーダーを基本にしまして,力を下に伝えていく。そして,1階の床部分,この天井部分というのは折板構造です。この折板構造は,基本的にはスペースフレーム構造を発展させたものでありますけれども,最終的にこういう構造に固めております。

 基本設計その2の中でこのレイアウト等をほぼ固めまして,そして,平成11年度に実施設計を行っております。当然この実施設計は,コンペの要項に書いてあるとおり,基本設計その2に引き続きまして,先ほど言いましたポロ氏とムサビ氏のFOAという設計事務所が行います。この設計事務所の中には,ポロ氏とムサビ氏だけではなくて,構造設計,設備などを担当する幾つかの設計会社が共同しまして実施設計を行っております。

 実施設計は,工事の発注に必要な図書を作成しなければなりません。それから,構造計画,防災計画について関係機関との詳細な調整をするとともに,大臣認定などの手続をとっております。それから,この大臣認定の手続につきましてはとりましたが,技術的な指導等が5月になって来ておりますので,それに間に合わなかった部分を今回の設計変更の中に取り入れております。

 それから,平成12年2月に,その1の工事として今回の工事のうち基礎の部分だけの発注をし,平成13年3月19日まで基礎部分の発注をしております。平成12年度にわたりまして,その基礎工事部分と並行しまして本体の工事を発注し,平成12年6月1日からコンペ案の工事を発注しております。その1の工事からその2の工事,この中で,今まで横浜市と設計者だけで作業を進めてきたわけでありますけれども,そこに施工を請け負ったJVが入ってきております。さらに,我々と直接契約しているわけではありませんけれども,当然,JVは,今回の構造物の非常に主要な部分を占める鉄骨業者に発注しているという形で,JVの契約先として鉄骨業者が受けております。

 繰り返しになりますけれども,最初は横浜市がコンペを行いまして,基本設計その1から基本設計その2,実施設計に至る間は,これは横浜市と設計を請け負ったFOA,そこにはさまざまな建築設計事務所が入っております。その実施設計を完了した後は,発注いたしまして,そこでJVと工事監理している設計事務所,横浜市の三者で進めてきております。また,先ほどから申し述べた骨材に関しましては,請け負ったJVから鉄骨工事を請け負った鉄鋼会社が入ってきております。



◆(中島[明]委員) ありがとうございました。通常であれば基本設計だけで終わるのでしょうけれども,構造上,世界的にも例を見ないという珍しい設計のため,その1とその2に段階を分けてやっているということで,かなり時間もかけていると思うんです。私は本当によくわからないので教えていただきたいのですが,全然試作しないで,いきなり施工して今回のひずみがわかったということだったと思うのですが,試作というのは一般的には行われるものなのですか。



◎(金田港湾局長) 中島委員の御指摘ですけれども,建築あるいは土木工事の場合でも,一般的には試作は行うということはないと思います。

 それから,行ったときの一つの問題点ですけれども,その行うところは当然JVとFABになるわけであります。そうしますと,事前に構造物についての情報は特定のJVなりFABなりに入っていくわけでありますから,何か新しい,全く別の発注方式なりを考えないと,事前にこういう試作をするというのはなかなか難しいのではないかと考えております。



◆(中島[明]委員) 基本設計その1のいただいた資料の中にも報告書がありますが,構造の問題点として,カードボード構造は,一方向には有効であるが,二方向には有効ではなかったという報告が出ていたと思います。そういう報告があった場合に,試作をやった方がよかったのではないかと私は素人考えで思ったのですけれども,そういう報告を受けて,次の基本設計その2に生かしたということは,具体的にはあったのでしょうか。



◎(金田港湾局長) 今申し述べました基本設計その1は,中島委員から今御指摘があった点を一番主の課題にしていまして,コンペで提案されたカードボード方式がなかなか難しいので,それにかわる構造がないかと。構造材がそのまま仕上げ材になり,クジラの体内を歩くように床から上の方にずっと切れ目がないというコンペのときのデザインを生かすということを考え,鉄板でくくり上げて,その鉄板の2枚だけではとても力が出ませんから,どういうふうに伝達されるんだという構造をいろいろ比較検討されまして,その時点でスペースフレーム構造ということで,鉄板の中を補強しながらやれば,力が伝達してできるのではないだろうかということを基本設計その1の報告書で受けまして,横浜市としても一定の期間検討しまして,できるから,通常の基本設計に移ったらどうだろうかと判断した次第でございます。



◆(中島[明]委員) 基本設計その1の委託要項の中に設計意図というのがあって,カードボード製作及び施工上の検討,予定額の230億円内での可能性を検証することが明記されています。さらに,委託範囲の中の7の委託設計概要のところに,各種検討書を作成するということで,鉄骨カードボードについても作成するということが義務づけられていると考えていいのですか。



◎(金田港湾局長) もちろん検討のレベルはいろいろございますけれども,一般的な基本設計その1のレベルとして検討するということでございます。ただ,今回の基本設計その1というのは構造に主眼を置いたものでございますから,どういう構造がいいかということがあくまでも中心になっております。



◆(中島[明]委員) そうしますと,鉄骨カードボードについては,その材料,加工性,施工性について,これは実際に工事ができるかどうかを検討しなさいということだったと思うのです。もしそうだとすれば,実際に検討はしていると思うんですが,設計業務委託契約書の中の第31条の瑕疵担保というのがあります。それから,実際に施工に入ったときに,おくれたということもありますね。そういう場合の履行遅滞には当たらないのかということが,単純に考えて,もしかしてそうではないかと私は思ったのですけれども,そのことについてはいかがでしょうか。



◎(金田港湾局長) こういうお答えをするのは失礼かもしれませんが,現状を見ると,物ができ上がっているわけでございます。もしこれができ上がっていなかったら,大変なことでございます。ただ,でき上がる過程の中で,恐らく当初想定していなかった溶接ひずみが出てしまった。この溶接ひずみは,私たちが知り得た限りの知見では,これだけの溶接ひずみを定量的に事前に予測するのはなかなか難しいだろう。これは,実際つくっていく過程の中で,トライ・アンド・エラーの中でやっていくしかないんだろうということを考えますと,瑕疵に当たるとはなかなか言えない,難しい問題ではないかと私は思っています。

 それから,我々が基本設計その1の中で一番頭を悩ませている問題は,デザインのコンペの中で審査員の中からも高い評価を受けていますけれども,これを構造的にどう実現したらいいかです。そこに最も大きな力点を置いて検討を進めたということで,そういうことからしましても,瑕疵ということで議論するのはなかなか難しい考え方ではないかと思っております。



◆(中島[明]委員) 今度は工事契約書についてです。工事契約書の中には,おくれた場合はどうするかとか,遅延金はどうするかということが必ずあると思います。議案関連でも梅野議員が質問したと思うんですけれども,今回はそれには当たらない,今までも類例がないということで,約款の第20条に該当するから,施工業者には責任はないという市長の答弁だったと思うんです。井上議員の質問に対して,弁護士も雇っていなかったという答弁があったと記憶がありまして,そういう契約の仕方自体に問題があったのではないかと考えるのですけれども,その点についてはいかがですか。



◎(金田港湾局長) 予想し得ない事態が起こったらどうするかということで,約款の第19条と第20条というのがございます。今回は約款の第20条に従ってございます。例えば,横浜市の設計図書に誤りがあったり,重大なものが抜けていた場合は,約款の第19条でございます。実際工事をやっていく中で,工事を進めるためにはどうしても必要なものというのがあり,これは横浜市から指示で出したものでございます。元来,溶接ひずみも,15ミリから20ミリ程度ならば,当然請け負った側で修正される問題でありますけれども,今回の50ミリ以上のようなものであれば,部材を厚くするとか,補強材を入れないと物事が完成しないわけでありますから,そういう意味では,我々の方で,こういう鉄骨材を入れなさいという指示をしたことがございます。したがいまして,そういう場合,約款の第20条に基づきまして,横浜市は工期延長あるいは費用を負担すべきものだと考えております。



◆(中島[明]委員) それから,今回はかなり特殊な技術を必要としていたものだと思うんです。そういう場合に,技術検証の方法論みたいなものが必要ではないかと思うんですけれども,今後のことも考えて,そういう対策をどのように考えていらっしゃるのか教えていただきたい。



◎(金田港湾局長) こういう事例のないものの対策については,今後,いろいろ検討していかなければならないと思いますけれども,こういう技術につきましては,我々も事前によく勉強しまして,できるだけ多面的,多角的な検討というものを進めていきたいと思っております。



◆(中島[明]委員) 具体的には全然考えていらっしゃらないのですか。



◎(金田港湾局長) 具体的にどういうふうに進めていくかはまだ考えておりませんけれども,一つには,職員自体もいろいろな経験を積むことが必要であると同時に,新しい技術に対応できるような体制をどんなふうに組んだらいいかということは課題だと思っております。具体的にどういうふうにしたらいいかは,今後考えていきたいと思っております。



◆(中島[明]委員) 今回の場合,横浜市が全部負担するという御答弁ですけれども,工期が延びて,結局,ワールドカップにも間に合わないということですよね。価値が大分落ちてしまったかと思うのですが,市民にとっても大変負担が大きいことでもあります。29億円のうちの10億円が市債ということですので,さらに将来にわたってツケを残すことにもなるわけで,例えば,ここで中断して,見直すという方法は考えられないでしょうか。



◎(金田港湾局長) これもまことに議会に対して失礼な御答弁になると思うんですけれども,全くつくらないということならともかく,工事を中断した場合は,工事再開のときに大変大きな問題が生じます。これだけの機器,人材,スタッフを集めるためには,今まである一定の量だったからこういうコストで済んでいるのですけれども,新たに再開しますと単位当たりのコストが従来よりはるかに高くなってきますので,建設費がはるかにかかるということ。それから,その期間中,特に鉄骨構造のように腐食するものを防護するコストが起こりますので,中断しますとこれこそ予想をはるかに上回るような建設コストが要ります。1棟ずつ建てていく住宅のようなものならばいいんですけれども,これはあくまでも全体がまとまって一つの構造体ですから,そこのところはなかなか難しい問題だと思います。そういうことをお願いしているのも,まことに申しわけないと我々は思っているのですけれども,実態としてはそういうことではないかと思っております。



◆(中島[明]委員) 素人ですので,もしかしたらすごくとんでもない質疑をしたのかもしれませんけれども,ただ,市民にとっては負担が非常に大きいという視点で考えていきますと,そういうこともちょっと可能性としてはないのかと私は思いました。

 またとんでもないことと思われるかもしれませんが,仮に工法を変えた場合に,どこにどのようなペナルティーを横浜市として負わなければならなくなるのか,そこのところも教えてください。



◎(金田港湾局長) 私の不勉強で,委員の御発言の趣旨を十分理解していないかもしれませんけれども,あくまでも最初の契約は,この図面だったらこのコストですよということです。指示した横浜市側で新しいものを追加した部分に関しましては当然横浜市が負担するということで,ペナルティーではなくて,債務歳計の問題ではないかと思っております。



◆(仁田委員) この2日間にわたります視察をもちまして,できたときにはいかにすばらしいものができるかということと,そのための技術的にはやはりどえらいことをやっていただいているということについては,実感ができた,有意義な視察だったと思いますが,そういう中で,今回こういうさまざまな問題が起きてきているわけです。冒頭の総事業費の中に現在251億円というものが上がっているわけでございますが,それから33億円を引くと,218億円という数字が出る。ただ,この数字を最初から振り返ってみますと,コンペ競技の要項の中には230億円という数字があり,それは実は250億円を目指したものだと先ほど御説明があったと思います。その後,平成12年第2回市会定例会の中には,230億円という数字がたしか出てくる。これは,20億円削減しました,努力しましたというお話がありました。その後に,218億円という数字が見当たらずに,250億円になっているのかというふうに,その前後の内容がよくわからなくなってしまったので,そこを整理していただくとありがたいのです。230億円と222億円というのは,近い数字ではあるのですけれども,その総事業費の枠組みをどのようにお考えだったのかまずお伺いしたいと思います。



◎(金田港湾局長) 先ほどの説明がうまくなかったので,もう1回,予算関連等の8ページの建設費の推移のところで御説明したいと思います。これは,谷田部委員から御請求があったところでございます。

 事業費と建設費でございますけれども,事業費というのは,建設費プラスギャングウェイの費用と設計監理です。これを当初は20億円程度を考えておりましたけれども,現在16億円でございます。したがいまして,8ページのところでは,建設費だけに限って御説明したいと思います。

 コンペのときに出ておりますのも建設費でございまして,要項の中では230億円となっております。ただ,このコンペ時の250億円というのは,横浜市の内部である程度目安として考えている数字でありまして,表に出ています数字は230億円でございます。基本設計その1,基本設計その2の中では230億円とか229億円になっております。発注時に,実施設計が完了したところで202億円になっておりますのは,設計者と横浜市が協議しまして,ターミナル全体の長さを少し縮めております。縮めたところは先端の多目的ロビーのところでございます。したがいまして,コンペ時,基本設計その1,基本設計その2の段階で大体230億円だったものが,規模が若干縮小しまして,発注時には202億円になっております。これが,今回,33億円増額して,建設費が235億円になるということでございます。したがいまして,最初のコンペが230億円で,今回変更で235億円となっているものでございます。



◆(仁田委員) それともう一つ,コンペをやり,設計し,着工して,最終的に物をつくっていくという段階で,それぞれに応じた予算組みがあってしかるべきだろうと思いますが,230億円に設定した根拠は,どこにあるのでしょうか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) コンペ時の工事費の設定でございますが,今回のターミナルの中には,ターミナルに関連する部屋とか,地下の駐車場とか,あるいはクルーズデッキのような施設ですとか,建物としても複合的な用途がございます。官公庁が出しております,一般的な建設費のコストが平米で幾らかかるかという統計をとりまして,それぞれの部屋につきまして平米当たり幾らかと面積を設定いたしまして,掛け算をするわけです。それに,プラスくいとか別個にかかる金額を積み上げてございまして,諸室については95億円,地下駐車場については126億円,開放施設,クルーズデッキ等が22億円,くい関係が7億円で,合計で250億円という想定をいたしました。



◆(仁田委員) 今の御説明で,その230億円の設定は従前からの積算をもってされたわけですが,その設計,施工に当たってはさまざまに難しい状況が出てくることは過去の国際コンペの中でも見られることであり,それによって中断すらせざるを得ないという状況もあったような話も聞いております。そういう難しさを踏まえながら,一方で積算は従前でやると当然そこに随分食い違いが出てくるだろうことは予想がつくと思うんですが,その辺をどう吸収していこうとされたのか。また,このコンペに,その進め方の基本的な考え方になるのだろうと思いますが,その点についてはどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) 過去のいずれのコンペを見ましても,コストの問題,それから,実際に完成に至るまで大変長い時間を使っております。その中でも,今回は比較的短い時間で完成に向かっているのではないかと思っていますが,これは設計者の考え方というのが非常に大きく反映すると思います。これは意外とお感じかもしれませんけれども,こういうコンペの中で,当選した設計者は世界的にも非常に注目され,著作権というものがありますし,コンペを実施した側の相応の責任というものもありまして,建設費を膨らませていく方法もあります。今回の設計者に関して見ますと,地下駐車場をやめてコスト削減を図っていく,内装の中でコスト削減を図っていく,しかしながら鉄骨のところについては,お金が要るのでふえていくということで,全体としてはプラス・マイナス・ゼロでできるような思想で我々と設計協議を進められてきたと考えております。



◆(仁田委員) 私は,何も需用費をもっとふやすような話をするつもりは毛頭ないわけでありますけれども,要するに,もともとの事業費の制約によってひずみが出てきたのかと思ったことがありましたので,今,確認させていただいたわけであります。

 そういう事業費の中で,もう一つ,22ページの時系列を見ますと,非常にタイトと感じざるを得ない着工までの期間の取り組みがもう少しスムーズにいっていれば,今回のことについては,当初の考え方の中にきちんと位置づけられたものが行われたのかという気もするのですが,基本設計その1に至る期間,基本設計その1から基本設計その2に至るまでに一定期間を要した背景等についてのお考えについてお伺いしたいと思います。



◎(金田港湾局長) コンペの当選者,特に国際コンペになりますと,相手側の考え方も,相手側が当然と思われる法律的背景も,それぞれの国で仕事の進め方も違います。そういう意味で,相手といろいろコミュニケーションをとって,習慣の違いをお互いに理解し合って,そして基本設計その1に至ったのではないかと思います。

 基本設計その1において,この構造でいけるだろうということになったわけでありますけれども,何分新しいものでございますので,横浜市側が基本設計その2ではどういうことをお願いしたらいいのかと一生懸命勉強していた時期でございます。基本設計その1の後のその2との間は,基本設計その2からは,通常の基本設計,実施設計の流れになってきますので,逆に完成に向けて猛烈な勢いで進んできたということではないかと思っております。我々も勉強不足があったり,設計事務所の方にもかなり無理なお願いをしているという面もあるのではないかと思っております。ただ,今回の溶接ひずみのこの問題に関していうならば,この難しい形をできるだけ経済設計,機能的にやる形で,できるだけ薄くしたということで,コンピューターでやって初めてできた経済設計との問題も出てきたのではないかと思っております。

 後半は,設計者に大変負担をかけたスピードであったのではないかと思っております。



◆(仁田委員) 技術的な検討が,市当局と設計者側でどこまでうまく詰められたのかも,この期間の中で議論されたのだろうと思いますが,そこで,本会議でも市長が話をされておりました技術力の低下ということが一方では要因としてあったのかと思ったんです。この実施設計に至る非常に短期間でこれが行われたということ,実際に着工して初めてわかったということは,もしある程度の時間をかけることができたならば,着工後に予想される幾つかの問題点をこの段階ですべきという議論は,もう一方ではあるのだろうと思うのですが,そのことについてはどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) なかなか難しい御指摘だと思います。今回の溶接ひずみの問題は,実施段階に当たって初めてわかったことでございます。もし事前にわかるとしたら,現在の発注形式ではなかなかできないことでありますけれども,事前に構造物の一部を実際にどこかで発注してみる。しかも,これは部分的ではだめであって,構造物の一断面を切り出して,そのうちの小部分くらいを検証してみることが必要であると思いますので,それは,時間の問題というよりも,むしろ仕事の進め方の質の点になってくるのではないかと思っております。



◆(仁田委員) ですから,これは,技術的なことも,人的なこともあろうかと思いますが,初めての国際コンペの中で,設計者側とのコミュニケーションをうまくとる体制のとり方もそれ相応にあってしかるべきだろうと思います。難しいものをつくろうとすることは,事前に御検討されている皆さんにとっては当たり前のことでありますし,この2日間私たちが見ただけでも,相当難しい,つまり世界に類のないことをやろうとしていることは非常に実感できたわけであります。そうであればこそ,従前の発注形態を理由にしてできなかったということがあってはならなかったのではないかとも思うのです。この工法,このつくり方で本当にできるのかという検討が,その段階で行う努力はあってしかるべきなのではないかと思うのですが,どうでしょうか。



◎(金田港湾局長) やはりこれは建築工事でありまして,基本設計があり,実施設計があり,施工監理があるという従来の発注の携帯を考えており,この構造物が難しいことは十分認識して,そのために基本設計その1を出したわけでありますけれども,その後は,従来の仕事の進め方でいいのではないかと考えていたわけであります。



◆(仁田委員) 今振り返ると,残念ながらもう一重の工夫があることが,これだけの大変大きな課題になってしまうことを防げたことではないかと思うんです。そこは一応の指摘にとどめておいて,また後ほどと思っておりますが,もう1点だけ確認だけしておきます。

 約款の中の第20条には,甲は,必要があると認められるときは工期又は請負代金額を変更し,乙に損害を及ぼしたときには必要な費用を負担しなければならない。こういうことをもって今回の種々の変更に伴う補正ですということだったと思いますが,乙に損害を及ぼしたという理解ではないと思ってよろしいのでしょうか。



◎(金田港湾局長) 損害というよりは,むしろこちらで指示したものをつくっていただくので,負担しましたという考えでございます。



◆(仁田委員) それは,請負代金を変更したことに適用していると理解してよろしいのですか。



◎(金田港湾局長) そのとおりでございます。



◆(池谷委員) コンペ等の25ページの平成12年6月以降の作業の経過という部分ですが,これで,平成12年5月1日に2期の工事契約を締結して,6月いっぱいやろう。それから,6月の試作でひずみが判明ということで,恐らく局部的な部分だろうと思うんですけれども,ここで1回試作をやっているわけです。どの程度の試作をやったのか,内容について教えていただきたいと思います。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 試作の件でございますが,桁梁につきましては,昨日見ていただいのはこういう形をしておりましたけれども,この1枚の面で,これをパネルと呼んでおります。もう1点,折板の部分は,この三角形を形成しております,この一部の面材でございます。これは平らなプレートをプレスで波型にするものでございますが,プレス加工と三角形の形状に切る切断の試作をいたしました。こちら側の面材の加工をした試作の結果でございます。



◆(池谷委員) いずれにしても,簡単な試作の段階でひずみが出てきたことがわかったわけです。それ以降,月日をずっと追っていきますと,図面の作成の変更や,鉄骨の製作図面の作成が入ってくるわけです。それで,ひずみがここで判明していて,それに対応する内容をそれぞれ図面の変更をしつつ,結構長い時間がかかっているようです。本来ならば,細かい内容は別にしましても,コンピューターではじきますと,延長はどのくらいあって,どのくらいの補強が必要だというものが経過措置の中である程度判明してくるだろうと,あくまで素人判断ですけれども,そう思うんです。

 そうならば,本予算の中で33億は別にしましても,ある程度のものが本予算の提案の中で読めたのではないかなと。その辺はいかがでしょうか。



◎(金田港湾局長) 今の御指摘に対して大変申しわけなく思っているのですけれども,7月末から変更図の作成について膨大な量の変更を指示しまして,12月ぐらいになって,これはかなり難しいことになるのではないかということは我々も感じ始めました。ただ,実態として,鉄骨数量の算定はまだ再チェックもしていない状況だし,それから,実はこれはまことにお恥ずかしいことでありますけれども,とにかく指示して物事を完成していかなければならないということと再チェックを同時平行的にやって,12月の段階では我々は十分数字を把握していなかったということです。鉄骨数量はすべての基本になってきますので,実際には2月ぐらいに数量の算定に入りまして,最後の鉄骨製作図が完成しますのが4月の上旬でございまして,ここでもって初めて全体の総量が出てきて,これに対応して溶接がふえたとか,いろいろなものが出てくるわけです。それから,下で支える支保工がふえただとか,そういうようなものを裁定しまして,そして我々として全体の積算のベースになっていく数量を出して,積算書,内訳表が4月になってやっと完成しました。我々の方は内部のルールに従って計算していくわけでありますけれども,当然これは相手側もいることで,仮契約しないと議会に提出できません。仮契約を受けた側もそれぞれ4社あって,それぞれの中で御説明されるわけで,その程度の時間も要りまして,どうしても最低1カ月要るということで,ようやく5月の下旬になって仮契約といいますか,それの変更なりが整って,急いで議会に出したような状況でございます。

 したがいまして,我々も設計変更しないとにっちもさっちもいかないとわかったのは2月ぐらいで,それからきちっと数字が固まったのは4月の上旬でございまして,どうしてこういうことがわからないのかということに対して,まことに申しわけないと思っております。

 実際,我々は4工区の方は追加工事を出しておりますけれども,これは12月,1月の段階で一生懸命財政当局の方にお願いしていた話でありまして,この時点では我々は全然数字をつかんでいなくて,まことに申しわけなく思っております。



◆(池谷委員) 確かに,最終的な部分でいろいろなものを突き合わせして,数量チェックをしながら積算しないと,いろいろな意味でまたでたらめのものを出したのかと言われる部分もあるのだろうと思いますけれども,結果論として,33億円の補正ですから,もう少し前倒しに,わかる範囲内で,もっと何とかならなかったのかと私は思うのです。暫定的でもいいと私は思うのです。とりあえずはこういう状況になっているのだけれどもということで出してほしかったと思います。これ以上言ってもしようがありませんので,意見として申し上げておきたいと思います。

 6ミリ,9ミリの薄板を溶接しますとかなりひずみが出るということでほとんど手直しをしている。その手直しの仕方も職人的で,手作業でシャコマーをつけて,チェーンで打ちつけて,あるいはたたき出したり,熱っしたりするのでしょうけれども,大変な作業をしているなと思いました。

 ひずみの絡みが出るので,向こうでは,横浜に持ってきて組み立てる小ブロックを重ねて大ブロックにして海上輸送するという形が変更になったわけですよね。そうなってきますと,横浜で小ブロックを溶接する契約業者の今後の仕事は,当初考えたよりも減ってくるわけでしょう。そういう部分はどう判断しているのですか。



◎(金田港湾局長) 例えばトラック輸送だった分は,それを受ける方が海上に変わっているわけでありますから,当然そういう部分も変わってきます。今先生の御指摘があったことのほかに,今回設備関係の方が若干おられますが,当然準備をされていると思います。準備体制については,当然その分むだなところは出るわけで,大変御苦労をかけることがあって,大変申しわけなく思っております。



◆(池谷委員) 話は違いますけれども,本格的な試作に関連して,局長の見解を伺っておきます。

 国際コンペで最優秀をとったものに関して,大変に難しいけれどもこれは実現可能だという判断を下したわけです。それで,その後,今言いましたようにいろいろな問題がひずみを中心にして波及してきたということで,構造物の場合につきましては,設計段階で十分な試作をし,事前の検証ができる仕組みをつくらないといけないだろうと思うのです。発注の形式の問題という話もあるようですけれども,見直しを図っていく必要があるのではないかと思いますし,そこの部分を一考入れる部分があるのだろうと。新しい制度だったらそれを入れる部分があるのだろうと思いますけれども,この辺はそういうものも考えていく心づもりがあるのか伺っておきたいと思います。



◎(清水助役) 財政局にもかかわる問題だと思いますので,私の方からお答えさせていただきたいと思います。今回のような特殊な構造物,あるいは非常に難しい技術力を駆使するものにつきましては,私といたしましては,やはり設計の段階で試作をすることも考えていく必要があるだろうとは思っております。

 ただ,その段階で,例えばある会社に情報が行ってしまいますと,そこの会社が今度実際に受けるときにどうかという課題はありますけれども,前向きに検討する必要があるだろうとは思っております。



◆(大滝委員) 私は,実はこのコンペを行ってから実施設計に至るまでのチャートを出していただいて,さらにこのコンペから着工までのさまざまな諸元の変更等について伺ってきているのです。この辺のところから伺っていきたいのですが,コンペが平成7年2月に完了し,基本設計その1が始まるのが平成8年11月,この期間はかなり長いんですね。

 もう一つは,基本設計その1が終わりましてから基本設計その2に至るまでの経過もかなり時間がかかります。先ほど来,いろいろなお話で,基本設計その1とか基本設計その2でそれぞれどういうことを行ってきたかも簡単に書いてありますが,それぞれの期間どういうことが検討され,どういう作業が行われていたのですか。答えられる範囲でできるだけわかりやすくお願いします。



◎(金田港湾局長) コンペが終わってから,当選者と作業を始めるまで時間がかかっておりますけれども,この期間は私は一般的な時間ではないかと思っております。特に,建築というのは,何々先生という形でお呼びするぐらい,設計者の方は大変大きな力を持っておられます。その方のお考えで仕事を進めていくわけでありますけれども,今回の場合海外の方であるので,設計を進める場合のバックグラウンドがお互いに違いますから,一般的に言っていろいろな難しい問題があると思います。特に,設計者の役割の違いだとか,慣習の違いもあります。それから,著作権をどういうふうにするのか。特に日本の建築法令の関係等もあります。コンペ終了から基本設計その1に至るまでは長いですけれども,いろいろな考え方をコミュニケーションする間としては妥当な時間ではなかったかと思います。

 基本設計その1からその2の間がかなり開いておりますのは,横浜市側としまして,基本設計その1の検証結果をもらいまして,自分で一生懸命勉強しました。現在だからこそでき上がっていますから,なるほどこれでいこうということでありますけれども,これだけの大きな鋼構造物が耐震的に見てどうなのか,特に構造物として本当にでき上がるのかどうなのかという,その辺の勉強をしていた期間でございます。

 もし,横浜市側でこういう大規模な構造物についての経験がもっとあれば,この間は短くなったかもしれませんけれども,前例がないので学習する期間が必要だったということで,やや長くなってきていると思います。

 基本設計その2からは猛烈なスピードで仕事を始め,逆に短くなっております。市側として体制ができ上がり,ポロ氏の側ときちんとしたコミュニケーションができるまで若干の時間を要したということではないかと思っております。



◆(大滝委員) 私も実はこの基本設計の始まる前にこの事務所に行って,いろいろな話を聞き,これだけの規模のものを本格的に国際コンペでやるんですから,いろいろなことがあったと思うのです。今,勉強の期間とおっしゃいましたけれども,この中には,私はさまざまなものが入っているんだろうと理解するんです。

 特に,基本設計その1とその2の間にスペースフレームからプレートガーダーと折板の併用構造への大きな構造変化があって,基本設計が平成11年に入って一応完了する形になるわけですが,バブルがはじけてかなり厳しい状況の中で,これだけの巨大な建造物をつくるという話になってくると,設計者もコストをいかにして削減するかに相当苦心したのだろうと思います。コンペで金額まで決めて決定されているものについて,その中身まで,構造的にまで変えるのは,両者の協議があるにせよ,私は設計者側にとってはかなり勇気の必要なことだろうと思います。

 しかも,このコンペで優勝した作品は,デザインだけではなくて,従来の設計にない特徴点は建築書を通じて世界中の関係者が知っているわけです。その間に,規模や中身も変わっている。国際客船ターミナルが初めての作品だという点から図らずもこれだけの大きな問題が出てきたのだろうと理解しているのですが,この構造変化に伴うさまざまな問題点については,模型をつくるとか,いろいろなことに挑戦して,検証されていってもよかったと私は思うのです。それがなかったことについてのお答えがあればいただきたい。

 もう一つ,これは基本的な設計の問題に関してですが,当初からこれは実はコンピューター設計ですね。これだけの巨大なもので,しかも新しい構造におけるコンピューター設計のものに対して,実際の施工に入るまでの間に設計者側と施主側とが協議していかなければならないと要項にもうたわれているわけです。先ほど局長のおっしゃった勉強という中にもそういうものも入ってくるんだと思いますけれども,横浜市としてはすべてコンピューターで設計されているものについての体験はあったのですか。そして,これからこれを一つの大きな参考にするのでしょうけれども,どう対応していこうとお考えになっていらっしゃいますか。



◎(金田港湾局長) 最初の,検証したのかという御指摘でございますが,構造物として成り立つかということについては勉強しているわけでありますけれども,具体的に先ほどの溶接ひずみのようなものについて試作して検証するということについては,今お答えしたとおりしておりません。

 それからコンピューターの問題ですが,2次元の図面を書きまして,それを縦,横,上3つから推定するわけでありますけれども,これは最初からコンピューター設計になっております。したがいましてこういう曲面でつくるという発想もわくのでございまして,このコンペの中でも,全く考え方,アプローチが違うということは言われております。

 ただ,部材は,板を切り取って,曲げて最初の曲面をつくっていくわけでありますから,コンピューターでつくられた図面をもらってきて,それを平面図に変えるというところでJV,FABの鉄鋼メーカーを含めて大変な苦労があったわけでございます。この3次元に展開する能力を持っておられる方は,聞くところによると,日本でもせいぜい10何人,決して20人はいかないという状況でございますので,CADは多くの建築設計でやっておりまして,本市の職員も十分知っておりますが,横浜市側としても初めての経験でございます。

 橋梁ではいろいろなコンピューターの解析をしておりますから,構造物の解析についての経験は我々の方にもあると思います。ベイブリッジでも経験しておりますし,コンピューターモデルによって構造計算することはございますけれども,最初からコンピューターモデルでつくったものを平面に書いていくことは横浜市としても最初の経験でございます。



◆(大滝委員) そういう意味からいって,市長がおっしゃった技術力低下の云々という話というのは,私も異論があるのですが,それはともかくとして,今局長もおっしゃったようにいろいろな意味で初めてであり,横浜市側としても国際コンペをやった責任上,どう対応するのかについて,従来にない取り組みをしてきたのだと思うんです。

 JV,横浜市,FOAとの間でどんなメンバーでどういう協議をやっているのですかと話をしているのですが,この客船ターミナルの問題について,今現在かかわっている横浜市の職員の方は何人おられるのですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 大さん橋客船ターミナル整備事業担当が,私を含めて6人でございまして,実際に建築,設備をやっている人間を集めまして,担当を含めまして8名でございます。



◆(大滝委員) 規模も,中身も違うのですが,東京国際フォーラムのときに東京都が現場に送り込んで担当したメンバーはどれぐらいかおわかりになりますか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 正確にはつかんでおりません。



◆(大滝委員) 正確な数字ではないかもしれませんけれども,関係者や東京都の私どもの仲間から聞いてみたところ,約40人です。千葉県の企業庁がやった幕張メッセにかかわった職員は32名だそうです。

 東京国際フォーラムも1,000億円を超える巨大な建造物ですし,複雑なコンピューターによる設計で,議会でも相当問題になったんです。横浜市が初めて本格的に国際コンペをやった世界に比類のない建造物,恐らく世界の建築史にも残っていくのだろうと思う。こういう建造物をつくるに当たって,今おっしゃったように8人とか6人とかいうのは,技術力以前の問題として,このプロジェクトそのものをなめているんではないかという気がするんです。言葉は非常にきついですけれども,そういう考え方についてはどうですか。



◎(金田港湾局長) 東京都なり千葉の企業庁なり,それぞれのお考えがあって人員を配置しているのではないかと思います。ちなみにパシフィックホテルをつくったときも,軟弱地盤の地先にあり大変難しい工事でありましたし,施工条件の難しさがありましたけれども,人数については今の大さん橋と大差なかったのかと思います。そういう都市に比べて比較的少ない体制で仕事をやってきたという経緯がございます。



◆(大滝委員) ですから,そういう点からいえば,少ない人数でこれだけのことに対応してやってきたのだから技術力はあると,むしろ市長に胸を張って言っていいんですよ。

 ところが,こういう問題が起きると,結果的に言われてしまうわけです。熊倉部長を初めとして担当者の方々も,夜も昼もなく一生懸命になって対応しておられるのだと思います。でも,何が起きてくるかわからないこれだけの巨大なものについては,国際コンペをやったという責任の上からいっても,もう少し人数を厚くしてもいいし,人数が多いから決してむだなことをするというわけではなく,危機管理はそれなりに働いてきて,いろいろなことに対応する力が出てくるのだろうと思うのです。ですから,そういうことを,私も指摘できる問題のうちの一つとして申し上げておきたいと思うのです。

 それから,先ほど局長は基本設計の期間は適正だと思われる話をされておりました。これだけ巨大な建造物で,いろいろなことをおっしゃっている割に,基本設計その1からその2に移るまでにこれだけの期間があって,基本設計その2に入ったとたんに3カ月で終わってしまう。その後の設計変更分があって6カ月に延びていますが,これは適正なのかなと率直に言って疑問に思うんです。

 今こういう問題が起きてきているからということではありませんが,この点については改めてどんなお考えをお持ちですか。



◎(金田港湾局長) 基本設計その2につきましては,3カ月期間延長をしておりますので,全体としてはこの期間でできるのではないかと思います。実施設計も基本設計に引き続いて行っておりますので,基本設計,実施設計も含めまして,決して長いとは言いませんけれども,何とか可能な範囲ではないかと思っております。

 それから,先ほど基本設計その1とコンペの間の期間について妥当ではないかと言いましたのは,相手方とコミュニケーションをとる期間としてはこれぐらいいるということで申し上げた次第でございます。



◆(大滝委員) この実施設計の話に入る前に,ワールドカップサッカーに間に合わせますとおっしゃったのはいつですか。



◎(金田港湾局長) 我々の記録を読みますと,平成11年10月でございます。



◆(大滝委員) ということは,さまざまな関係者から聞いている話だとちょっと違うんですが,ワールドカップサッカーに何とか間に合わせるためにやらなければならないとお話しになったのは基本設計の期間中じゃないですか。



◎(金田港湾局長) 済みません。我々が把握している限りでは,平成11年9月あるいは11月ぐらいにお話ししていると思います。



◆(大滝委員) それは市長の記者会見のことを言っておられるのではないですか。



◎(金田港湾局長) 平成11年9月といいますのは,定例市会の中で市長が,ワールドカップサッカーまでに完成させたいと考えておりますと発言していることであります。



◆(大滝委員) 市長はそういう話でしたね。設計側の方にはもっと早い段階にどうかという話がいっているのではないですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 私は港湾局に途中から来ておりますけれども,ワールドカップのお話が出ましたのは,平成9年10月の決算特別委員会のときに公明党の後藤委員から2002年には開始してほしいがどうかという御質問がございまして,一歩前進して十分な検証をしていきたいとお答えしておりました。内部的には,何とかワールドカップに間に合わないのかという検討はいたしておりましたけれども,対外的には,平成11年9月の市会で市長が申し上げたと記憶しております。



◆(大滝委員) 平成11年9月というとちょうど実施設計をやっている真っ最中ですね。この実施設計の期間は,通常の建造物の場合にはこの期間は妥当なんですか。これもいろいろな見解があるんでしょうけれども。



◎(金田港湾局長) 実施設計は建物によってかなり違ってきまして,非常に内装が多いものだったら内装にかなり実施設計の期間がかかります。今回は,御案内のとおり構造は比較的特殊でございますけれども,全体として細かいところは少ないので,短い期間ではありますが,実施設計は可能ではないかと考えております。



◆(佐藤[行]副委員長) 8月26日の運輸省の概算要求でワールドカップに間に合わせると言ってやっていますから,実施設計のときにその話が出ているんです,新聞報道されているんです,



◆(大滝委員) 公式なところでの話はそうかもしれませんが,設計者の方に話がいっているのはもっと前ではないですか。だから,それが何とかなりそうだということで出たかもしれませんが,設計者の段階に話がいっているのは,私がこれを調べているところによるともっと早いですよ。それはいいです。

 つまり,ワールドカップサッカーは2002年の5月ですから,春には間に合っていなければならないわけです。そこから逆算して,実施設計や基本設計のスケジュールが決まってきていませんかということを言っているのです。

 地震の問題では,今までの日本の建造物で解析していない波まで想定して入れており,国際コンペで優勝したものである以上,耐震性や防災面については,非常な時間と,今までにない手法をとりながら検証されてきているわけです。そういう点からいくと,基本的な折板や溶接ひずみに関して若干手ぬるかったのではないかと指摘されても仕方がない面があったのではないかと申し上げたいのです。

 こういう特殊構造物をつくるのであれば,それなりの検証期間や試作の問題も含めて,十分な対応があってしかるべきだと思うし,基本設計や実施設計の期間的なタイトさは問題にならなかったのかと私は率直に,素朴に思うのですけれども,局長はいかがですか。



◎(金田港湾局長) コンペの要項の中で,当選者は基本設計から設計監理に至るまで一連のものとしてやっていただきますので,そういう意味では短い期間の中で非常に苦労されてやっていただけたのではないかと思います。

 ただ,溶接ひずみに関してだけいいますと,やはり施工段階にならないとなかなかわからないという問題がありますので,仕事の進め方の方で解決していく問題ではないのかなと考えております。

 いずれにいたしましても,設計者の側で耐震設計についても短期間の中で非常に御苦労されてやっていたことについては我々も高く評価しております。



◆(大滝委員) 局長のおっしゃるとおり,この構造設計に当たっている会社は,世界中のさまざまな超高層ビルを初め複雑な建造物,公的建造物の構造を担当している,日本ではまさにトップです。そういう構造会社とFOAのメンバーの設計グループが本当に短期間でこの段階までこぎつけてきているのは,やはりすごく評価されてしかるべきだと思っているのです。コンペの段階から実際に工事請負契約が結ばれるまでの間に,相当なコスト削減案がむしろ設計者側から出されて,それに対する積極的な対応も見せてきているのですが,こういう例というのは,従来の国際コンペの中にはあるのですか。



◎(金田港湾局長) 国際コンペの中では承知しておりませんけれども,設計者との協議の中では,思いもよらないところでお金がかかってくれば,ほかのところで削減しながら協力してやっていくのは一般的ではないかと思っております。



◆(大滝委員) 私は,むしろそういう意味では,外国人のコンペ優勝者でありますけれども,今の日本の国の経済状況とか,さまざまな市民感情等を踏まえて,問題を乗り越えるための工夫を相当してきたと評価しています。そういう意味で,ともかくこのプロジェクトをしっかりと成功させなければならないと思っているんです。

 もう1点,この国際コンペの要項の中に,設計まで含めて委託することが明確にうたわれているのですが,いわゆる国際コンペとして行われてきているものはすべて横浜市が持っている要綱とほぼ同じ内容です。私はそれが常識だと思うんですが,今後今回の要項に準拠する形で国際コンペをやるとお考えなのかどうか,この点について確認だけしておきたいと思います。



◎(金田港湾局長) それはなかなか難しい問題だと思います。といいますのは,過去に横浜市でやっている中でも,デザイン以前の基本的なアイデアだけを求めたり,今回のように,実施設計,施工監理まで求める国際コンペ等さまざまありますので,どういうものを要求するか,どの程度のレベルのものを要求するか,そのときの状況に応じて変わっていくものではないかと思いまして,幾つかのやり方があるのではないかと考えております。



◆(大滝委員) では,確認だけさせていただきましたので,それで結構です。

 委員長,もしあれば後で。



○(中島[文]委員長) まだ御疑問があると思いますけれども,しばらく続いていますので,暫時休憩いたします。

        休憩時刻 午後3時01分

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        再開時刻 午後3時15分



○(中島[文]委員長) 委員会を再開いたします。

 質疑を続行いたします。



◆(大滝委員) 引き続いてもう少しお願いします。

 私が要求しました資料の耐震設計の問題についても少しお尋ねをしたいと思います。想定した地震波はアメリカのものとか,日本における八戸や神戸を含めていろいろあるわけですが,6番目にある横浜市の指定波というのはどういうものですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 横浜市の地盤の特性を考慮しました関東大震災級をモデルにして,横浜市でそれを増幅させて起きた場合の地震波でございまして,最近ではランドマークタワー等はこの波で検討したという話を聞いております。



◆(大滝委員) 耐震設計,地震設計をする場合に採用されるのは,建築基準法で規定するやり方が通常で,それを満たしていれば,日本の建築基準法上はいいわけですね。ただ,今まで起きてきている日本の地震を見たときに,最初に想定していたものと現実はかなり違っているという点が最近の地震学会からも相当厳しい指摘がなされていて,新しい解析の方法が考えられなければならないという動きが今あるわけです。そういう点からいって,国際客船ターミナルで採用している耐震設計は,エポックを画すものだと私は高く評価しているものですから,その点で伺っておきたいと思います。入れなければならない波を入れて解析したわけですが,屋根面で最大1,350ガル,上下動の最大加速度が1,555ガル,重力の1.5倍にも耐え得るものとして,解析の結果データが出ています。日本の建築基準法上で定められている耐震設計上では,同じやり方をした場合に,どれぐらいの数字として出てくるのかというのがぜひわかればお願いします。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 通常の設計でございますと,地震力が通常の1Gに関しまして0.2という数字を使っておりますが,横浜市の建築部で定めておる基準は,市民が利用する施設や,災害時に大事な施設につきましては,それについてさらに割増しを行っております。

 それと,大さん橋ターミナルの場合には,25%の割増係数を掛けております。また,この建物は鉄骨造ということで,部分的な接続部分等につきましては,剪断力係数と申し上げますが,0.3という係数を使っております。従前ですと20メートル程度までは0.3のままいくのですが,横浜市の耐震基準では,上にいくほど横の力がどんどんふえていくという計算になっておりまして,ちなみに7階建てぐらいの建物の塔屋等につきましては,約1Gぐらいの力が及ぶという計算結果でございます。



◆(大滝委員) 建築基準法どおりで算出した数字と,国際客船ターミナルが耐え得る数字が出されているわけですが,実は3倍から4倍ぐらいの耐震性を持っている。

 しかも,カーテンウォールのような壁面で耐震性を持たせているのではなくて,ガーダー部分と折板の部分で全部抑えるわけですよね。そういう面からいくと,このガーダーの部分と,きのう私どもが見てきたあの部分と折板の精度,それからこの部分こそまさにこの建物の命なわけです。そこで,ともかく国際的にも例がないほどの耐震的なデータを持つ構造物にさせてきているわけでありますから,この評価がなかなか表に出てきてないので,いろいろな機会にきちんと紹介すべき話ではないですか。日本の技術力や解析力は実はそこまでいっている,しかも,ガーダーの作製段階では多少のひずみが出ていても,あっという間に矯正するというのを現場でも見てきているわけですよ。この技術力は,私は大変なものだと思います。

 こういう耐震構造的に見て,この構造物についての御見解があれば,局長,教えてください。



◎(金田港湾局長) 委員から指摘されたとおり,例えば神戸ポートアイランド波などを入力いたしまして,2階の屋根面では水平加速度が重力の1.4倍,上下につきましては重力の1.5倍という大変な加速度について対応することになっております。

 そのため,上の桁梁が全部一枚の板として,桁梁も一つの構造物として,折板も一枚の板として働くということで,非常に高い精度の溶接が要求されるので,きちんとした溶接ひずみの是正が大きな課題になっておりまして,それなりの施工能力,製作能力が要求されるのではないかと思っております。



◆(大滝委員) 今回33億という補正としてはちょっといかがかと思う補正金額が出てきていますので,そうした点も,事前に何らかの形で対応できなかったのかという批判は免れられないと思うし,私たちも素朴にそう思うのです。

 しかし,確実に対応できていることについては,私は率直に評価していいと思いますし,さらに本当はコストをもっと下げて,決められた金額の中でやれればよかったと思います。

 そのことに関してもう少し伺いたいのですが,先ほど東京国際フォーラムや幕張メッセの話も出しましたけれども,私たちのすぐ近くのこの国際コンペの巨大な建造物でも,鉄骨利用の大幅な増加はあったんです。それらについては御存じですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 原因についてまで正確にはつかんでおりませんが,工事途中で相当事業費が上がったと聞いております。



◆(大滝委員) ちなみに申し上げますと,東京国際フォーラムでも2,000トンからの鉄骨量がふえているんです。

 しかし,それはそれとして,実は東京の場合は,JV側がある程度そういうものをのめるだけの許容はあるわけです。工事請負契約をしたら契約の範囲の中でやるのは常識で,それができなくて,のみ切れないということも実際にあるのだと思いますし,今回は設計変更ですから,性格が違うかもしれませんが,毎月やっておられた三者の定例協議の中で,鉄骨量が相当ふえるし,このままいくとまずいという話が恐らくあったのだろうと思います。それはいつの時点であって,このことについての鉄骨量の積算とか検証やその提案はなかったのですか。



◎(金田港湾局長) 鉄骨の積算は設計事務所と横浜市がやります。もちろんJV側はそれぞれメーカーに発注しておりますけれども,基本的には設計変更はそれぞれの変更した図書を設計事務所と一緒に横浜市でつくりまして,横浜市はその設計図書ごとに変更の指示を出していくので,把握するのは設計事務所と横浜市でございます。



◆(大滝委員) そうすると,設計側と横浜市で協議しながら詰めていって,先ほど出された指示が出てきた結果と理解してよろしいのですか。



◎(金田港湾局長) もちろんJV側は,我々の指示に基づいて工場の方で工作図を起こしていきますから,数字は把握しておられると思いますけれども,設計図書をつくり,その数字を把握するのは基本的には設計監理を任せている設計会社と横浜市でございますので,こちらで把握して数字を算定していくということでございます。



◆(大滝委員) 最後に一つ。

 先ほども,これだけのPRもやってきたと局長はおっしゃっておられましたけれども,実は入場数がどれぐらいになるのかわからないとか,観光客等の推移の中でどうなのか,あるいはここにどれぐらい来てくれるのかとか,さまざまなことが言われているし,新聞にも出てきているわけです。もっと関係局と詰めて,これがもたらす経済効果などをシミュレーションしてはじき出し,むしろそうしたものこそPRの材料にしていかなければならないのではないかと思います。国際的な,歴史に残るような大きな建造物をつくることが,巨額な補正予算を組んで,マイナスのイメージだけが先行していくやり方は,私はいかがなものかと思います。もっと積極的に打ち出していっていいのではないかと思うのですが,そういう点における他の関係局との連携は,私はうまくいっていないのではないかという印象を受けるんです。

 局長あるいは清水助役はどう思われますか。



◎(清水助役) この大さん橋は横浜の21世紀の新しい顔になるだろうと思っておりますし,関内,関外地区の活性化にも大変貢献していくだろうと思っています。さまざまな経済効果もあるであろうし,今までもやってまいりましたけれども,これからも国際交流の窓口として非常に重要な役割を果たしていくだろうと思っています。

 そうした中で,横浜市にとりましても市民の財産として,また歴史に残るものとして重要なものだろうといったPRが,確かに先生のおっしゃるようように若干欠けている部分はあったかと思います。そういった反省に立ちまして,私の方からも指示を出しまして,関係局と一緒になって積極的にPR活動に努めていきたいと思っております。



◆(大滝委員) ことしの春の予算特別委員会で,全く違う観点から客船ターミナルについて市長に直接お尋ねしているのですが,屋上庭園や2階のターミナル部分に熱帯木材を張ることになっていますね。これだけの巨大な建造物で,熱帯木材を大量に使う例は世界にもないんです。横浜市にはITTOという熱帯木材に関して調整する国際機関があります。持続可能な開発ということがコンセプトになっており,熱帯木材を適正に使って人間に潤いを与え,また環境にも大きく寄与していくという環境政策の点からいっても,ある意味で国際的に大きな役割を果たしているわけです。

 そこで,横浜市にある国際機関も含めてそうでありますが,環境という切り口一つとってみても,非常に大きな意味を持っているこの建造物をもっと積極的にPRし,生かしていかなければならないのではないですかと申し上げてきているのです。

 同時に,ITTO側では,むしろ世界的な環境問題をしっかりとPRできる場所の一つとして,ここを使わせていただければということを言っているぐらいです。そういう国際交流の拠点的な大きな意味を持っている意味から言って,もう少し視点を変えて,残されたオープンまでの期間に全力を挙げるべきだと思っているんですが,最後にその辺を伺っておきます。



◎(清水助役) 金田局長以下,一生懸命さらにPRに努めていきたいということになろうかと思いますけれども,関連局挙げまして精いっぱい努力していきたいと思っています。



◆(河治委員) 2回目の質問をさせていただきます。

 この間,我が党は一貫して,本当に基本どおりやったらとてもできる内容ではないのではないかという立場で指摘させていただいたわけですが,この資料はこの場で直接聞きたいと思って要求いたしました。これはいろいろなところで出されているのですけれども,コンペの案の問題点という13項目の一つ一つについて,実現性検証ということで問題点が指摘されて,それがどう改善されたのか,経過を含めて局長にまず聞きたいと思います。

 それで,コンペ案の各室機能面積はコンペ要項の要求面積を超過したということで,まずここから外れているのですけれども,これはどういうふうに考えているのでしょうか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) これにつきましては地下駐車場の問題と1階の配置の問題でございますが,このコンペ自体はデザインを競ったものでございまして,基準として幾ら大きくても,あるいは小さくてもいいということではございませんので,これにつきましては,基本設計その1その2の中で適切な大きさに努めてまいりました。



◆(河治委員) 2つ目の,エプロンのスペースをターミナル機能のために対応し,各施設へのサービスのために開放しておく。そのために機械室が集中配置になったと。しかし,設備のこのような配置は非常に効率的でなかったと言っているのですけれども,この点についてはどうでしょうか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 設備につきましては,主に空気調和設備でございますが,分散配置といたしました。これは実施設計の中で,設備関係の見直しをさらに行いまして,発注に当たりまして分散配置にすることにより効率的だということと,費用の節約に至りました。



◆(河治委員) 3点目,交通広場の動線計画が機能的でなかった。そして,駐車場の出入り口とシーバスへのバスのアクセス路を設けたために,建物の正面を組み込んだ地下への車道を提案していたと。デザイン的には問題があると言っているのですけれども,このことについてはどういうふうになったでしょうか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) これにつきましては,基本設計その2あるいは実施設計の中で利用者,あるいは関係者の意見を聞きまして適切な動線計画といたしました。



◆(河治委員) 4番目の地下部分の高さの不足についてはこれとの関係ではどうですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 地下の部分でございますが,基本設計の中で地下の駐車場は先ほどの資料でも御説明しましたように廃止いたしております。



◆(河治委員) 以下,この問題点について,それぞれどういうふうに発展させられたのか報告していただけますか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) こちらに書いてございますのは基本設計その1の結果でございますが,それぞれの段階ごとのものでございます。我々がしましたのは,コンペという一つのすぐれたデザインを実際の機能あるいは実際の構造に合わせた形でそれぞれ発展させてきたものでございまして,一つ一つそれぞれ根拠はございますけれども,不明な部分を使いやすくしていくとか,解決していく段階が基本設計その2,実施設計でございますので,こちらに書かれている課題につきましては,工事の発注の段階ですべて解決できていると考えております。



◆(河治委員) いろいろな問題点を解決する形で手だてを進めていると言われたのですけれども,コンペ要項からの関係からいえば,こういう評価が出ること自身,本来当選させるべき対象ではなかったと思うんです。

 要するに,コンペの記事に対してこういう評価をしているわけですから,それとの関係でどうなんですか。



◎(金田港湾局長) これは,コンペだけに起きる問題ではなくて,例えばたった一人の設計者に発注しましても,こういう課題が基本設計が始まると非常に山積します。

 例えば地区センターを実際につくっていく中にあれば,福祉施設を合築した時代もありますけれども,入り口の動線を分けなければなかなか使っていただけないといった問題があります。おおよそいろいろなものをつくるときには課題がありますので,それを一つ一つ解決しながらやっていくものでございます。それを基本設計,実施設計にされていくのがごく一般的なスタイルでございますので,これはコンペであろうがなかろうが常に起きる問題だと考えております。



◆(河治委員) ところで,この当初の概算予算,推定予算はどうだったのですか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) あらかじめ申し上げておきますが,基本設計その1の報告書は,横浜市とFOAが共同してつくったものでございます。

 コンペは,先ほど申し上げましたようにデザインを求めたものでございます。それに基づいて,それをいかに予算の枠で仕上げていくのかにつきましては,基本設計その1,その2でやるべきものでございまして,まさに発展的に改良が加えられて現在の姿になったと私どもは考えております。



◆(河治委員) 局とすれば面積と単価と掛けて250億円と想定していたが,コンペの要項では230億と出してますよね。

 そこでもう1回伺いたいのですけれども,局側として250億円想定したというのは,これは以前からそういうふうに公にされていたものなのですか。



◎(金田港湾局長) これは,内々で250億円を考えたということでございまして,一般的にコンペではいろいろな状況の変化がありますので,コンペのときの数字としては230億でお願いしますということでございます。



◆(河治委員) それで,基本設計その1の報告の中で,コンペ案の概算予算の推定,本体工事費,別途工事費という形で出されているんですけれども,コンペ工事費では313億,別途工事費58億7,000万円,トータルで371億になってくるのではないかなという心配もするのです。その辺はどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) コンペのときには,段ボールのような構造を考えておりました。さらに地下1階駐車場というのは,すぐ横は海で,ウォーターレベルよりもさらに低いところに行くわけですから,当然排水施設,止水壁も要りますし,場合によっては浮力が働くということで,大変難しい問題がございます。

 そういうことを前提にしたときに,230億円という枠がありますから,それに向かっていろいろ改良していかなければならない。さらにいろいろなレイアウト上の問題があるだろうということで,地下1階部分の駐車場をやめて地上1階にしました。

 それから,構造についてもかなり長い期間いろいろな経緯を経て,形が非常に複雑であるということがありますけれども,最終的には折板,桁梁構造という非常に信頼性のある形に落ち着いたということは言えると思いますし,かなり実現性に向かって内装等努力されておりますので,そして最終的に向かっていたということでございます。

 したがいまして,デザインコンペは,そのデザインを出発点にして,いかに施主側が要求するものに近づけていくかというのを双方で努力していって,最終的に解決したものをつくっていくというのがごく一般的なプロセスではないかと考えています。



◆(河治委員) それで,基本設計が終わってこれを発注するとき,かつて230億円という予定を立てながら202億円という形になったわけですね。その真意はどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) まず,先端の多目的ロビーの部分を短くしまして,延長約10メートルぐらい短くしております。それから,動く歩道,空調やガラスなど,減額するために一つずついろいろなトライをしまして,見直しの結果,工事費が202億になっているということでございます。



◆(河治委員) もともと230億というふうに要望しておいて,発注時に202億円に下げるというのは相当コストダウンして縮減したのかなと。財政も大変なのにと率直に思ったわけですが,またもとに戻ったように思うのです。今回予期せぬ出来事だということですけれども,ここでも例えば33億の中で,特に骨材についてはその33億円のうちの17億円ですよね。鉄骨量は17億3,500トンで,鉄骨量の耐荷の単価は幾らですか。



◎(金田港湾局長) 熊倉部長の方からお答えいたします。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 耐荷工の単価でございますが,材料費で1トン当たり約9万円でございます。



◆(河治委員) この資料との関係でいくと,30数万円となると私は記憶しているのですけれども,これは鋼材とそれにかかわる工賃ですよね。



◎(金田港湾局長) 今の河治委員が御指摘になったとおりでございまして,原材料がそういうふうにありましても,それを切り出して,さらに溶接して,溶接には下からの支保工等が要りますし,特に狭い中に入りますから,自動ではなくて手動で溶接しなければならないといった経費を含めたものでございます。



◆(河治委員) ですから,相当手の込んだことをやらなければいけないという大変な内容を持っているのは,ここからも明らかになると思うのです。

 それで,実は,これは私のところだけではなく皆さんにも来ていると思いますけれども,こういうはがきが届いたんです。これは大さん橋客船ターミナルの工事費に疑惑ありと言っているんですけれども,これは3つのJVからなる工事は……

(「議案に関係ないじゃないか。匿名の手紙じゃないか,それは。自分だけかもわからないし,わからんよ,そんなのは」と呼ぶ者あり)



◆(河治委員) それで,この中で出されているのは,特に構造設計集団のことです。構造設計集団というのは,今度の大さん橋にかかわる設計部分に責任を持つ会社ですよね。その責任者がJVの中心の清水建設のオビ所長とヨーロッパ旅行に行っているとか,飲み食いしているとかということを言っています。こうしたことが出されているのですけれども,このはがきをもらったのは私だけじゃないと思うんですよ。局の方はこれを承知しておられますか。



◎(金田港湾局長) ちょっと私も理解しかねるのですけれども,我々は設計事務所側とおつき合いしますけれども,そういうものは一切来ておりませんし,ちょっと今言った内容がどういうものであるか,ちょっと理解しかねます。

        (「委員長,議事進行」と呼ぶ者あり)



◆(伊波[洋]委員) 今のはがきは,だれのところに来ているかわからないし,どういった内容で,怪文書があったからそれをここで話をするのではなくて,今33億円をいかに4億円減らして29億円,だから本年度分の17億円の話をしているときに,だれが出したかもわからないようなものを,責任の所在のないものをここでもって議題に供するなんて困るな。

 これは済みませんが,委員長,この質問は全然行政にかかわることでもないし,民民の話かもわからないし,全然わからないわけですから,ちょっとそこら辺のことを取り扱いをしっかりしてもらいたい。



○(中島[文]委員長) もし,言葉があれば出していただきたい。今お諮りしますけれども,どうぞ。



◆(河治委員) 今,この中で私が局にお聞きしたいのは,単価当たりも含めていかに大変な工事なのかと。そういうのが,当初はですよ,これ……

(「ちょっと待って。あなたが言っていることは今,議事進行かけているんだから。それに対してのことだったら言ってもいいけれども何を言っているんですか」「そんなもの出したって局の方は答えられないだろうが,我々には来てないよ」と呼ぶ者あり)



○(中島[文]委員長) 暫時休憩させていただきます。

        休憩時刻 午後3時53分

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        再開時刻 午後3時54分



○(中島[文]委員長) 再開いたします。

 はがきについては匿名で,本人が調査をしていくということになって,この委員会での議事にはそぐわないと,そういうことになりましたのでひとつよろしくお願いいたします。

 これでお諮りしたいというふうに。



◆(仁田委員) 委員長,済みません。

 今の発言の中で,実名を挙げられて何かをしたというような話がありましたので,そのことについては委員会の中でこのことが不確かな,またその方に対して大変失礼な話になるので,その取り扱いについてもあとで正副委員長でぜひ精査をお願いしたいと思います。



○(中島[文]委員長) では,今,正副委員長で精査するという発言がございましたので,後ほど。

 では,それ以外の質疑は続行してください。



◆(河治委員) つまり,今回の33億円という変更の中で大きなものは補強で,その中でも手間暇にかかわる工事が非常に大きいとここから私は読み取るのですが,その辺について局長はどのように見ていられるでしょうか。



◎(金田港湾局長) これは,元設計でも変更設計でも鉄骨数量をまずカウントしまして,その材料費がございます。その鉄骨をさらに溶接するための経費がかかります。さらに溶接するときには,下からの支保工がありますから,その必要なものは算定します。これは全部横浜市の標準的な単価の考え方です。それから基準がございまして,数量のカウントもします。それを積み上げた結果でございますので,大きいとか小さいというものとはまた別のことだと思っています。



◆(河治委員) 結局,当初局が予定した250億円に戻ったということですよね。その中で,コンペ当選の設計をそのままにしたということからすると,いろいろな問題があったと思うんですよ。

 特にその中で,この問題点として基本設計,実施設計,施工監理者,当選した人も含めた同一の設計事務所の人がいるということがあるのですけれども,その人が検証の段階においても入ってくることが非常に不自然ではないなかと感じるのですが,それはどう理解したらよろしいですか。



◎(金田港湾局長) 通常,これはコンペのときの要項に,当選された方が施工監理までいくということは,契約で決めております。

 それから,コンペではなくて設計をお願いした場合,その設計事務所は設計の内容を一番知っていますから,これが施工監理まで持っていくのは極めて通常のことでございまして,これは港湾局がお願いしている赤レンガ倉庫などで同じ形態をとっておりますので,ごく一般的な形式だと思います。

 今回議論になっている溶接ひずみは,通常のルール,システムの中で予測ができなかったので,例えば基本設計と実施設計の間で検証する,あるいは実際にモデルをつくってみてチェックするシステムをつくるということをぜひ前向きに検討していかなければならないと私も考えておりますけれども,今回のコンペ当選者が最後の施工監理まで見ていくのは,何ら奇異なことではないと考えております。



◆(河治委員) 今言われている検証にも,ある一面,逆に言ったら構造についての専門家の第三者は入っているのですか。



◎(金田港湾局長) 入っておりません。まさに我々がお願いしているところの構造の設計事務所が専門家でございまして,その方と横浜市が協議してやってきたことでございます。



◆(河治委員) 設計者がみずからを検証するところに構造としての問題点があったのではなかろうかと私は思うのですけれども,そういう点ではどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) 先ほどから御説明していますとおり,世界でも例を見ない構造物でございます。もし,検証するならば,同じ設計,同じ金額をかけて違うAの方とBの方で比較しまして,それぞれの段階でチェックするシステムをとれば可能かと思われますけれども,1人の方にお願いしてやるのが通常の形だと思います。

 それから,今回の溶接ひずみの発生,是正の仕方は,技術屋でなく現場の職方が指示されて,それに設計者が従って,トライ・アンド・エラーでやってきたわけでありますから,これは設計の段階で解決できる問題ではなくて,あくまでも施工の段階で解決する問題だろう。しかし,それが事前にわかるためには,先ほど何名かの委員から御指摘の実施設計以前の段階でチェックするシステムを今後検討していかなければならないと思っております。



◆(河治委員) 具体的な検証の問題に入ったので,そこでお聞きしたいのですけれども,入札であれば具体的にどのぐらいの量の鉄を使って,どういう構造なのかということを含めて検証されるチェックポイントを随意契約の中でなくしてしまったのではないかと僕は考えますけれども,どうでしょうか。



◎(金田港湾局長) まず,今回下のくいと上の建築物は一体の構造物でありますから,ただ早く工事を始めたいということで,下のくいだけをとりあえず分けて,建築工事を一部として発注したので,受注した側には随意契約になることをあらかじめ告知しております。したがって,受けた側も入札に入ってきた場合の人たちも全部,これは一体の工事として将来随意契約になることはあらかじめわかっているわけでございますので,そこに原因があるわけではないのではないかと思っています。

 なお,通常であれば下の工事と上の工事を一体として発注するわけでありますから,全く同じJV側が受けるわけで,今回の随意契約が原因になったわけではないと考えております。



◆(河治委員) 一般入札であればどういうものなのかは,それぞれの入札業者がチェックできると思うのです。

 随意契約の場合,必要だった補強も見落とされることにつながったのではないかと私は思うのですけれども,そうしたことはあり得ないと言えるのでしょうか。



◎(金田港湾局長) 繰り返しになって申しわけございませんけれども,もし,今回随意契約をとらなければ,下と上をそれぞれ一緒のものとして発注しているわけであります。

 そして,建築工事について十分ある一定の工事をやっておられる方というのが受注の条件になっておりますから,そのことが原因になるとは考えられないと,そのように思っております。



◆(河治委員) ずっとやっていても平行線になると思うので,最後に予算の補正とのかかわりでお聞きしますけれども,もともとこの補正が出てきた大きな問題は溶接ひずみで,これに基づいて変更図面が出されて,工作図面も出されているわけですよね。

 数量の算定が後々になって本予算には間に合わなかったわけですけれども,実際は今この補正予算が通るか通らないかというのがここで今審議になっているわけです。そういう中で,既に現場では補正予算を審議しているのを,見込んで工事をされていると思うのですが,そういう理解でよろしいですか。



◎(金田港湾局長) 全部ではございませんけれども,桁梁,折板についても,今年度の秋に順次入ってくるわけでありますので,御指摘のとおり,一部については発注されております。議会への報告,また設計変更の議案提出がおくれたことは大変申しわけないと思っております。



◆(河治委員) これは申しわけないということではなくて,市民の税金をどう使うかということのために議会があるわけですから,議会を通って初めて予算執行になると思うんです。



○(中島[文]委員長) 先ほどの河治委員の,大さん橋客船ターミナルの契約問題等の中で,匿名の手紙についての質疑なんですが,委員長としては議事録を整理させていただいて,副委員長等とも相談して整理させていただきたいと思いますので,御了承願いたいと思うのですが,いかがでしょうか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)



◆(仁田委員) それでは,今回の最大の議題である溶接ひずみについて1点だけ確認したいと思います。これだけのプロジェクトですから,事前にわからなかったのかどうか,またその仕組みについては,先ほど申し上げました何らかのものがあってしかるべきだったと思いますし,今後についても,本市として前向きに取り組んでいただきたいということを改めて要望したいと思います。昨日拝見しまして,あの工場の中でひずみの矯正ができる人はどのぐらいいらっしゃるんですかと,現場の方にお伺いしたら,5人ぐらいですというお話でした。

 先ほど御説明もありましたように,あのひずみを矯正する技術は,まさに人の負うところが大であり,職人芸と言われる技術を持った人でなければできないという状況です。このコンペからカードボード構造,そしてトラスに変わり,またガーダーもさまざまに工夫があり今の構造に至ったわけで,この技術,この工法でなければこのデザインを実現することは難しいと私はこの数日間の中で感じています,専門に近い方の御意見としてはどうでしょうか。



◎(金田港湾局長) 私は専門家ではありませんけれども,この件が起こってから,できるだけの勉強をしてまいりました。その勉強の中で,もしこのデザインを根本的に変えるのであれば別かもしれませんけれども,基本的にはでき上がっているものはアーチ橋で,できるだけ軽く現場でつくっていくと。

 それから,折板部分も基本的にはトラスでいく。そこは従来の伝統的な工法です。この折板をできるだけ軽くつくっていくということで工夫されたものと思います。

 その限りにおいては,私はこのデザインを前提としてできるだけ経済設計をしていくと。しかも,建築物として考えるためには,やはりこれが極めて妥当な設計の考え方であったのではないだろうかと考えております。



◆(仁田委員) 昨日直接には拝見できなかったわけでありますが,矯正技術は,世界の中で日本が一番ではないか,また,ここしかできないのではないかとも感じたんですけれども,その状況はどうですか。



◎(安武理事兼港湾整備部長) 溶接の矯正につきましては,板の段階ではプレスやローラーなど冷たいままひずみを矯正する方法がとれるんですけれども,立体的になってきますと使えません。そこで,バーナーでどこをどのぐらいの温度で温めるのかが重要でございます。それと,材質によってもどのぐらいの温度まで温められるかが異なります。それから,温めた後,余り急速に冷やしますともろくなってしまうので,冷やす温度と時間によって曲がり方も違ってまいります。そういうものについては,熟練の技術者が持っている経験によります。

 ただ,日本は幸いなことに造船立国でございましたので,矯正についての技術は世界でもトップクラスであると考えております。



◆(仁田委員) 今の技術でこの工法でつくろうとしたことを前提に考えますと,これは日本にしかできないとも私は感じるのですが,どうでしょうか。



◎(安武理事兼港湾整備部長) 今回は,かなり曲面を使った構造物になってございますので,日本だからこういう構造物に挑戦できたと言えるかもしれません。



◆(仁田委員) そういう意味でも,前向きなアピールをしていくべきだと思いますので,ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 いただいた資料の中の財源のことで理事に確認したいのですが,まず,新たな増額分の国費4億円の内容と,これについての見通し,その確保については時期的に大丈夫なのでしょうか。



◎(安武理事兼港湾整備部長) 大さん橋のこの工事につきましては,現在,交通広場の部分,人工地盤でございます屋上の部分,それから屋上の中の緑地の部分につきまして国の補助金が入ってございます。

 それで,その部分の本年度のものについては既に予算が確定してございますけれども,引き続き追加の要望について努力していきたいと考えているところでございます。



◆(仁田委員) その見通しはどうですか。



◎(安武理事兼港湾整備部長) 国全体の財政の問題もございますけれども,この事業の重要性については関東地方整備局等を通じて十分御説明させていただいてございます。本年度と来年度の継続事業でございますので,そういう制度も利用して,引き続き獲得に努力していきたいと考えているところでございます。



◆(仁田委員) ぜひ真剣な取り組みをお願いしたいと思うのですが,開業時に想定される収入約5億1,000万円,支出が約2億1,000万円,差し引き3億円ということをお示しいただいた上で,開業後に約5.6億円,そして支出が2.1億円,開業10年後に6.7億円,約2.2億円という数字を単純に計算してみると,約40億弱です。こうなると,開業10年後の建設状況がどうなっているかということもあり,今のデフレ傾向からすると本当に償還のめどとして大丈夫なのかということも当然懸念されるわけでありますけれども,この5年後,10年後の根拠,また見通しについて改めてお伺いしたいと思います。



◎(中根港湾経営部長) 機能債事業の収支につきましてですけれども,駐車場,店舗等の収入から維持管理費を差し引きました額を償還の財源にしてございます。約140億円の元金と約38億円の利息,合わせまして約178億円を30年間にわたり償還してまいるものでございます。10年間一括償還ですので,途中に施設の単価の改定,利用の促進等がありますけれども,当初10年間で償還利率につきましては約35億円,次の10年間は約60億円,最後の10年間は約85億円ということで,計180億円程度を見込んでございます。



◆(仁田委員) 今,御説明があった当面の10年間の35億円のめどが,この開業後10年までのトータル約40億円弱に多分なるのだろうと思うのですけれども,この辺の今後の取り組みについての見通しはどうですか。単純な計算で本当にいくのかどうかについて,もう一度確認させていただきたいと思います。



◎(中根港湾経営部長) 当然,長期にわたるわけですから,途中の使用料改定等も行うことを考えております。

 開業当初は,できるだけ料金水準を抑えまして,大体10年後に現在の近隣の類似施設の使用料水準を考えております。したがいまして,料金的には特に高いということでもないと考えております。

 屋上広場や多目的ロビー等,各種イベントで活用する施設もございますし,出入国ホールや税関等の施設についても,船が入ってないときは有効活用するなど多角的な運営等を行い少しでも収益を上げまして,なおかつ支出の方は切り詰め収入増に取り組んでまいりたいと思っております。



◆(仁田委員) 今後の見通しについては,わからないところはたくさんあり,この客船ターミナルの基本的なコンセプトは変えないのかもしれませんが,今後の活用に当たっては,完成した後さまざまに手をかえ品をかえということもあろうかと思います。

 そこで,コンペの要項の著作権についてだけ確認しておきたいのですけれども,最終的にどういう内容の契約になったのか。著作権については,設計者に帰属することになっておるわけですけれども,でき上がった後の取り扱いはどういう形になるのでしょうか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 著作権は,まず建設中につきましては,設計図に基づいた形で建設することが著作者であるポロ氏から横浜市に許されております。

 完成後につきましては,さまざまな形でメンテナンスや改良の問題がございますが,これにつきましては相当の時間をかけて双方で合意に達しましてでき上がった後の改修については横浜市に権利をあげますという内容の契約になっております。



◆(仁田委員) 今のことも含めて客船ターミナル完成後のさらなる活用について,またより一層市民に親しまれる施設として活用していく取り組みについて,今後さまざまな利用価値を考えられる熱意が当局の皆さんの中におありかどうか,最後に確認させていただきたいと思います。その用途として,多目的ホールについては旅立ちの場という一つのコンセプトを持っているわけですけれども,この辺の用途についても広く全庁的に活用していこうというさまざまな具体的イメージが残された完成までの1年余りの中で示されていくことが,この客船ターミナルを理解しすばらしいものにしていく重要なことなのではないかと思うのですが,所管の局長と,助役にもぜひその御決意を伺っておきたいと思います。



◎(金田港湾局長) 今,仁田委員から御指摘があるとおり,各局と十分連携をとりながらいろいろな使い方を考えていきたいと思います。

 なお,我々は今この建設の問題に大変時間をとられておりますけれども,棧橋のこのデザインに着目して,こういう使い方をしてみたらという御提案も幾つかあります。ともあれ,この工事をまずつつがなく進展させていくことが今の最重要課題になっているわけですけれども,利用に当たりましても,先端の多目的ロビー部分,CIQ部分,屋上広場部分,そして下の駐車場,その駐車場の脇の部分とかなりさまざまな空間があります。

 また,観光バスについても,かなりの台数が収容できる関内地区を含めて恐らくここだけでございますので,ぜひ全庁的に,また広くいろいろな関係者も当たりまして,利用の促進を図ってまいりたいと思っております。



◎(清水助役) 完成後の利用計画を含めましてというお話でございますけれども,多目的ロビー等に係る活用方法等策定検討委員会の中でもかなりのメニューが出ております。この辺につきましても,今後積極的に関係局と,関係局を超えた庁内,あるいは局を挙げて検討していきたいと思っております。

 例えば,ロビーはもちろんでございますけれども,CIQで使っていないときには間仕切りをしてもっと使えないかとか,あるいはロビー,屋上,CIQ,こういったことにつきまして,活用方法について積極的に庁内的に検討していきたい。それを,先ほど大滝委員からのお話もございましたように,この施設がすばらしいことを国内だけでなく国外にもPRしていく必要があるだろうと思っています。一生懸命頑張っていきたいと思います。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 先ほどの著作権の説明で,一部間違いがございましたので,私の方で訂正させていただきます。

 著作権につきましては,設計者でありますポロ氏にずっと帰属いたしますが,完成後の改修につきましては,私どもでできるという承諾をいただいてございます。訂正させていただきます。失礼いたしました。



◆(仁田委員) ぜひ今後しっかり活用できるように,また具体的に示していただきたいと思いますので,要望しておきます。



◆(佐藤[行]副委員長) 私も資料を出していただいた関係で,これだけのひずみがありますから,多分残留応力がそれぞれの接続の中に残ると思うんです。それと溶接づけですので,その部分の構造が変わりますから,非常に目に見えない熱と残留応力で荷重が実は溶接部ではなくて,溶接部から一番離れたところに出るような気もするのです。

 要するに,これから人がこの上で例えば花火大会をやって,片方にばっと乗ったときに,ちょうど溶接部から少し離れたところにそういう危険部分があると,非常に危ないなという気がしているのですが,その辺の解析はどういう形にしていますか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 委員おっしゃった花火大会等は当然想定しておりまして,片側に人が行って均一に乗った荷重と違う応力が働きまして,反対側に異常に大きな力がかかることも考慮した上で,安全な設計をいたしております。



◆(佐藤[行]副委員長) 外国の橋梁の崩壊を見てみると,ある日突然どんと落ちているわけで,なかなか目で見てわかりませんから,そういった意味で,何らかの安全対策はぜひやってほしいとお願いしたら,当局でもひずみ計初め,いろいろと検討していただいている。つくったはいいけれども危険かどうもよくわからないというのではなくて,また追加などということになるのかもしれませんけれども,早急に検討していただいて,きちんと安全確認ができるように,これは構造設計のプロだと言われた人もなかなかわからないものですから,ぜひそういう方向で検討していただきたいとつけ加えます。

 もう一つ,基礎との関係で,過重がかかる分地震が来たときには当然どんと落ちるというのもありますが,それとは逆に引き抜き荷重がある。沈む方と引き抜きがあったときに,この折板が逆にバネ効果を出して,はね上げ効果がどんと出るのではないか。ですから,くいは普通打つというイメージがありますけれども,引き抜きという逆の作用があったときに,このくいが抜かれそうな感じがしないでもないんです。

 引き抜きチェックはどのぐらいの感じでやっているかわかりますか。



◎(金田港湾局長) 最初の,今後のひずみのチェックの方法は,技術的な問題で今4つぐらい考えておりますけれども,引き続き検討しまして一番適切なものを実施する方向でやっていきたいと思っております。

 それから,はね上げて引き抜きの方向ということは当然ございますので,現在検討して,安全策を考えております。

 なお,引き抜きは上下方向ですから,土との摩擦によって引き抜き方向はもつということになっております。ただ,全体に若干弾性がありますので,リジッタ構造物に比べれば,引き抜きの力も若干弱くなるのではないかと考えております。



◆(佐藤[行]副委員長) 私も浅はかな経験でこのことを言わせていただいていますから,大地震を待っているわけではないんですが,日本はよく台風が来て横風があります。先ほど僕はひずみ計みたいなものを入れたらというのは,例えば風速30メートル,40メートルの事態のときに検証しておくと,南西方向からの風のときに,こういう状況でそれぞれのねじれが発生したという何らかの仕組みをつくっておいてほしいということです。この建物にどういう影響があるのかという定点測定も違った意味でできると思うので,ぜひ検討していただきたいとお願いしておきます。

 それから,収支状況については,最初の時点では,駐車場代がメーンの収入になっていますが,近辺等の駐車場の関係を見ると,なかなかそうではないのではないかなという気もするわけです。

 そういった意味で,特に物が見えていないし,まだまだ形になっていません。逆に物が見えて,できてくるとテナントも入る可能性があるので,さまざまな内容について委託先と検討していくという資料をいただいております。これらについても,発生してから我々が予算を受けるまでにはかなりの問題があったのですが,実は前委員会では全く論議されず,閉鎖的だった気がしないでもないのです。ですから,これからもそういった部分については,きちんと報告していただいて,やっていきたいと要望しておきます。

 それから,こういう施設ができると施工会社を表彰するのを見ることが多いんですが,今日本全体の物づくりということが非常に言われている中で,熟練技能者を表彰することも考えると,横浜の人間性も温かみがあるなという感じがしないでもない。物づくりの大切さ,日本が貿易立国として技能を身につけて生きていくということも逆に検証できた部分もあるので,そういうこともできたら考えていただきたいと要望しておきたいと思います。

 それから,河治委員が随意契約のところで先ほど意見があったと言うのですが,我々の意見は全く違います。谷田部委員が言ったのは,JVを組むのが構造物であるので,できたら建築屋と構造屋のJVのようにして,一番いいやり方を選ぶことも今後のコンペ,設計の中で考えていただきたいということを我々は言ったつもりなので,改めてそういう言い方をさせていただきたいと思います。

 もう1点,委員会の中で一番気になったのは,テストピースの問題ですが,清水助役あるいは局長からも本当はテストピースをつくりたいけれども,そうすると,それを出せば受けた会社がつくって,横浜市は230億だと言われても,実は契約不成立になりかねないので,なかなかつくれなかったのかと私なりに考えているのです。そういうふうな理解でよろしいですか。



◎(金田港湾局長) そういうことでございます。



◆(佐藤[行]副委員長) 最近,横浜市もPFIの検討をされていますね。そうすると,テストピースをつくらなければいけないものは,PFIみたいなもので逆に総額が決まって,こういうデザインを活用してやってくれるような手法みたいな,新たなことができると思うのです。

 PFIの活用についても,僕は検討すべきだと思うんですが,どのようにお考えですか。



◎(金田港湾局長) 我々は,従来の契約,あるいは契約の当事者を前提になかなか難しいかと考えたのですけれども,例えば独立している国の研究機関を通じて,あるいは我々と契約関係にないところにお願いするとか,それからPFIもございますので,今後前向きに検討していきたいとお答えしましたけれども,その中でどういう形でやっていくのがいいか検討していきたいと思っております。



◆(佐藤[行]副委員長) 構造物なのか建築物なのかという話をしたときに,建築物として使用はするから建築屋に入ってもらった方がよかったのではないかという意見も随分話をさせていただきました。

 そういったことがあるので,ぜひ今回の教訓を生かして,コンペ作成という二律背反のような関係のものを,いかに効率的につくるかという一つの大きな教訓だったと思うので,ぜひそういうところを検討していただきたいと要望しておきます。



◆(伊波[洋]委員) 議案関連で質問を申し上げましたから,言い尽くしている部分があったりすると思います。

 ただ,コンペから現在までの経過を聞きまして,発注権者の市が能力を発揮できる形でできなかったか,それで,このプラン選んだらそれでいいという感じがしてならないのです。デザイン重視がよかったか悪かったかは歴史が語ることでございましょうし,私たちは今市民からお預かりするものをいかに審議するかということの中にあるわけです。

 きのう,現実に津に行かせていただきまして,私どもは33億円という負担をされているわけですが,民間の会社はもっとすごい負担をたくさんしている,苦労を分かち合っているんだなという感じがいたしました。

 そういった面からすると,難産ではあるかもわからないけれども,生まれた暁にはすばらしいものができるだろう。高さは低いですが,逆に赤レンガ倉庫,ベイブリッジとの対比の中では非常にすばらしいものがあるのではないかといった非常に大きな期待を寄せているところです。

 市長選挙のときには,2つにも3つにも分かれて,市民の意識が一つにならない。しかしながら,3年前のベイスターズの優勝のときには,日ごろ違うチームを応援している方々でもにわかベイスターズのファンになって,市民が親から子供まで全部が一体感を持ったと記憶しています。その経済効果は200億円を超したと言われています。

 そういった面からしますと,国際ポート建設は市民意識が一つになれるものではないかという感じがしてならないのです。その点について,局長,自分が担当されていてどう思うだろうか。



◎(金田港湾局長) 私は大さん橋につきましては3度担当しております。職員時代,QE?が着くときに,8万トンの船が実は回りの水も含めまして12万トン分の重さがあるので,たしか秒速20センチぐらいにしないとくいが壊れるのではないかと老朽化しているけれども何とかうまく着けなければならないなという計算をしばらくしておりました。

 それから企画課長の時代に,大さん橋の庭港というコンセプト,それからどの程度のものを入れたらいいのかということもやりまして,局長になって今度3度目でございます。

 大さん橋は,横浜市の港のメリケン波止場という発祥の地でございます。それと同時に,鉄さん橋として長く親しまれたものでございますので,大変難しい仕事でもございますけれども,大さん橋が市民に引き続き愛されまして,横浜のシンボルとして活躍していただければ,職員一同,ここの2カ月間ほとんど寝てない人もいますけれども,苦労のしがいがあるのではないかと考えております。



◆(伊波[洋]委員) 今,横浜に来る外来者は約3,000万人で,その数は減少ぎみのところがあるが,宿泊する滞在型が逆にふえつつあるということであります。この大さん橋から見た朝日はベイブリッジを通して上がってくる,夕日は赤レンガとともに沈んでいく,そういったこともあって,経済効果が出てくるものならば,こんなにうれしいことはない。

 もう一つは,県外の方が来たら,我々の自慢するものですと,すぐにここへ連れていくということで,教育委員会を初め,市民を巻き込んだものにぜひともなってほしいという気持ちでいっぱいです。

 最後にお願いがあります。この歴史的な建造物,構造物について,私どもも都市の再開発の手法としてイギリスのドックヤードを視察したこともございますが,アメリカ人には米語,イギリス人には英語,日本人がいたら日本語で全部説明ができています。今回のコンペの作品については,少なくとも世界から来る方々は多分に見に来られると思っているところです。これを聞いて,おれも将来こういったものに携わる人になろうという子供が出てくる。

 それから,多くの国の方々が,町のシンボルとしてこういったものが必要なんだということに刺激を与えている。そういう,ただ単に市民にPRするだけではなくて,広く世界を相手にしていく社会的責任があるのではないかという感じがします。助役,どんなものでしょうか。



◎(清水助役) 先ほどもお答えさせていただきましたけれども,やはり国外にも発信していく必要があるだろうと思っております。委員からもるるお話がございましたけれども,何しろこの大さん橋につきましては,我が国の海の玄関として,またこれからは横浜の21世紀の魅力ある新しい顔として,ユニークなすばらしい観光スポットになるだろうと思っております。

 今までも横浜経済の発展のためには,重要な貢献をしてきているわけです。今後も引き続きこういった貢献を続けていきたいと,そのように我々も頑張っていきたいと思っております。



◆(伊波[洋]委員) 専門家ではない我々が議論してきたところですが,港湾局の方々の丁寧な御説明をいただきまして,視察にも懸命に取り組ませていただき,それこそ委員の皆さん方もそれぞれのお立場でのすごい議論を重ねさせていただきました。私どもとしてみたらば,十分な議論があったという感じがしているところでございます。本当にどうもありがとうございました。



○(中島[文]委員長) 御質疑ありませんか。

        (「なし」と呼ぶ者あり)



○(中島[文]委員長) ないようですので,委員長をちょっとかわっていただいて,一部私の方から。

        (委員長交代)



◆(清水副委員長) 委員長を変わらせていただきました。



◆(中島[文]委員) かなりの御審議をさせていただいたのですが,ちょっと私の方からも。

 今回の市第35号議案の大さん橋国際客船ターミナルの33億円の増額は今の経済状況でも大変だということで,本市だけではなくて,JV等からも負担ということはないのかと,本会議の議案関連質問でも集中したところですね。そういう点から,一,二お伺いしたいんですが,ずっとひずみ等の矯正とか,折板の組み立てのいろいろなことを積算し,ここへ来てやっと33億円の補正議案ということになりました。そのときに,これに関知しているのは本市と委託設計事務所だけだということを言われたのですが,果たして本市と設計事務所だけで正しい積算ができるのか。33億円の積算をするに当たって,現場の声を参考にされなかったのかどうか,その点伺います。



◎(金田港湾局長) 具体的に溶接ひずみの対策をどうとっていくかという問題と,具体的な積算はお互い関係はしますけれども,全く別の作業でございます。

 どのように溶接ひずみの対策をとるかにつきましては,メーカーと職方さんがそこの技術者と相談されまして,それがJVの方にいきます。JVが工場メーカーと話し合いまして,それしかないということになりましたら,次は設計事務所の方に連絡が来ます。設計事務所はさらにチェックしまして,それ以外に方法はないということになれば,設計事務所と横浜市が話し合って補強材を入れることを決定するわけであります。

 積算はお金の問題ですから,メーカーとかJVが一切関知する問題ではなくて,施工監理を受けている設計事務所と私たちの側で,鉄骨のすべてについて図面を起こし,間違いがないか再チェックします。さらに溶接や支保工の単価もメーカー側の問題ではなく,横浜市側としてこの単価が妥当であることを決め,そして全体を積算するわけです。積算総額が積み上がってきましたら,この契約額でいかがですかと,受け取るJVの側に話しますが,積算は設計事務所と横浜市だけでやるものでございます。

 ただ,一つ一つの溶接に対してどのように対策をとっていくかというのは,これはまさに職方さんから情報が上がってきて,設計事務所経由で横浜市に来て決めるものでございます。お互いに関連しますけれども,少なくとも積算に関する作業は一切JV側は関係ございません。



◆(中島[文]委員) 結局,実施設計を受けて,JVとしてはテストピースで桁梁にすれば,折板にしたものが1部分で,これで問題点ありということでずっと検討されていたと思うんです。そのとき契約約款の19条あるいは20条で,本市と設計事務所あるいはJVで協議を進められますよね。設計に問題があれば19条,本市が変更の指示を出せば20条という形で振り分けられたと思うのですが,そういう点で,19条などで問題ありじゃないかというJV側としての意見はこういう協議の中で出なかったのですか。



◎(金田港湾局長) 例えば設計図書に不備があったとか,実際の数量が合っていなかったとかいう場合には19条です。今回の場合は,溶接ひずみの是正がこのままではできないということで,設計のもとに戻り,設計事務所に話して,必要なところは板厚をふやして,補強材を入れてきたわけでありますので,基本的な部分は,あくまでも横浜市の指示に基づく20条でございます。

 それぞれJV,FABの側でいろいろな御苦労があるのかもしれませんけれども,これはできないと我々の方で判断して指示したものについて負担するということでございます。



◆(中島[文]委員) そうすると,本市としては今の経済状況等の関係で少しでも負担を軽く,いい設計変更にしたいと努力はされたと思うんです。同時に,実施設計をかけて6月に契約したJV側としては,つくってみたらとんでもない,複雑な3次元の立体でもありますし,溶接が中心だということで出たと。その協議の中では,請負側のJVとしては,とてもこれではできないという意見が出て,設計変更したと思うのですけれども,その点では請負業者側が,金額の点で示されたのですか。



◎(金田港湾局長) 金額で示された場はなくて,我々はとにかく一番経済設計で現状を乗り切っていきたいということです。構造的に見ますと,約1万トンのくいの余裕がありますから,一番安易な解決方法は鉄板を一気に厚くしていくことでございます。溶接ひずみの細かい是正がなくて,一番簡単でございますけれども,鉄板の厚みでいろいろなものが高くなっていきますので,我々は現在の設計をできるだけ変更しないで,最小限に板厚を大きくし,そして支持を入れていくということで,最小限のものだけ選びとった形でございます。

 その中で,今回リブ補強をしましたから,さらにそこで溶接ひずみ是正作業がふえるわけでございますが,とにかく横浜市側としては,一番最小の形で何とか構造物をつくっていきたいということをやって,そしてその総額を積み上げて,契約をお願いしますよということでございます。



◆(中島[文]委員) 内部のことはよくわかりませんけれども,これだけの斬新なデザインを具体的に構造物にしていくとなると,大変な苦労をされたと同時に,いろいろな変更があった中で,いざ工事をやってみて,発注者側と,あるいは設計事務所を通じた請負側と相当やりとりがあったんじゃないか。そういう意味では,JV側からも相当圧力があったのではないかと思うのです。

 そういう中で,本市としては,経済設計を中心にして33億円に抑える努力をされたことは伺いましたが,そのほかには,委託設計事務所,あるいは請負業者JVに努力された点はあるのですか。



◎(金田港湾局長) 金額の問題とは別でございますけれども,我々としては,当初からワールドカップサッカーに間に合わせることを考えておりました。工期を無限に延長することはできませんので,最低限船の施設,それから屋上の2ヘクタールの公園が市民にとって大きな役割を果たしますので,これをできるだけ早く供用を開始する。ワールドカップサッカーのときにはいろいろなお客さんが見えますので,そういうお客さんに使っていただけるよう,できるだけ工期の延長を短くするということをあわせて工夫しておりました。



◆(大滝委員) 関連していいですか。

 今の中島委員長の質問に関連して確認します。溶接単価の問題は,私も非常に疑問に思っていまして,橋や超高層ビルといったものと全然違うはずなので,最初からそれなりの違う積算基準を設けてやっていたのではないかと思うけれどもどうかと質問したんです。そうしたら,当然のことですと,今度のこのターミナルの建設に当たっての独自の単価を出したと聞いているのですが,それは事実とは違いますか。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 鉄骨工事の単価でございますが,建築部の積算基準を準用させていただいております。

 その中で,鉄骨総量が2,000トンを超えるものもしくは特殊な構造のものについては,専門業者の見積書を参考に積算する定めになっておりまして,今回の当初の設計に当たりましても,複数の鉄骨専門業者から見積もりをとりまして単価を決定しております。



◆(大滝委員) ということは,溶接組み立てに関する単価基準を通常とは違うものを設定して今回は設計されたと。ですから,その問題については予想が非常に困難であること,そのひずみ等も出ることを加味した単価だったけれども,さらにそれをはかるかに上回るものであったという理解でよろしいわけですね。



◎(熊倉大さん橋客船ターミナル整備事業担当部長) 御説のとおりでございまして,今回の設計変更に際しまして,当初設定いたしました単価については変更いたしておりません。



○(中島[文]委員長) 他に御質疑はございませんか。

        (「なし」と呼ぶ者あり)



○(中島[文]委員長) それでは,本日をもって市第35号議案関係部分の質疑は終了させていただきます。

 なお,次回委員会に35号議案関係部分についての各会派の態度を表明していただきたい。まだ陳情が1本残っておりますので,これもあわせて行います。

 本日のところは,市第35号議案関係部分については継続審査とすることで御異議ありませんか。

        (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○(中島[文]委員長) さよう決定いたします。

        (「委員長」と呼ぶ者あり)



◆(池谷委員) 質問は今打ち切りましたが,若干の意見表明はいいんですか。というのは,次回委員会につなげる部分がありますので,意見表明だけをその前の段階で,正副委員長にも考えていただかなければいけない部分も,私どもの党としては見解がありますので,一言だけ言わせてください。

 確かに,この33億の補正は,市民に対しましては大変な税負担の部分が思いがけないところで出てきました。本予算成立の3カ月余りでこれだけの補正ですから,大変なことだと思うんです。これはいかんともしがたい部分があるんですけれども,だからといって,いろいろな論議の中でこれを中断したらいろいろなアクシデントが出てくるし,もっとマイナス部分が出るのだろうという見解もあるわけです。

 そういう中で,せっかくここまで来ているものですし,関係者も一生懸命やっていただいているし,そういう面では,これは世界に横浜をアピールする大きなすばらしい建造物だろうと,経済効果も今後期待したいと思うんです。

 だからといって,そのままどうだという話ではないと思うのです。今後,こういうものに関しましては,十分注意していただくということで,でき得れば賛成の条件として付帯意見を付していただきたいと思うのです。これは,当局だけの話じゃなくて,関係局にまたがってくる部分も,契約上の問題も出てくるのだろうと思いますけれども,一つにはいろいろな意見が出る中で,国際コンペのあり方について,要点だけ申し上げますと,施工技術面については条件とされなかったと,市長は本会議で答弁しているんです。だから,今後この種のものに関しては,選定方法とか審査基準の中に織り込んで入れてやるべきではないだろうか。

 もう一つは,このような特殊構造を持ちます建築物だか構造物だか定かではございませんけれども,これは設計の段階で,先ほど申し上げましたように十分な試作を実施していただくと。事前調査とか検討ができるシステムもつくっていくべきだろうと思います。

 それから,工事発注に当たりましては,従来のような総合建設業者だけではなくて,工事の特殊性や専門性を見きわめて,専門分野の業者もこの中に活用していくべきだと,そして発注の形式もよりよい方向に検討すべきではないだろうかと。こういう趣旨の付帯意見を付していただければという,とりあえず見解を申し上げました。



○(中島[文]委員長) それでは,今池谷委員からの見解等が出されましたので,これはいろいろ各会派の方で御相談願いたいと思います。

 先ほどは整理の中で失礼いたしました。

 以上で本日の審査は終了させていただきます。

 次回の委員会につきましては,6月18日月曜日午前10時開会といたします。文書による通知は省略いたしますので,よろしくお願いいたします。

 また,お手元の関係資料は御持参願います。

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△閉会の宣告



○(中島[文]委員長) 以上で本日の委員会を閉会いたします。

閉会時刻 午後5時07分

               経済港湾委員会

               委員長 中島文雄