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平成28年  決算特別委員会 10月26日−01号




平成28年  決算特別委員会 − 10月26日−01号







平成28年  決算特別委員会





◎《委員会記録-平成28年第3回定-20161026-000005-決算特別委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(新堀・谷口の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可



4 日程第2を議題(一般会計歳出決算のうち、第4款環境費、第8款農林水産業費、第10款土木費、第13款災害復旧費及び特別会計歳入歳出決算のうち水源環境保全・再生事業会計、農業改良資金会計、恩賜記念林業振興資金会計、林業改善資金会計、沿岸漁業改善資金会計、流域下水道事業会計、県営住宅管理事業会計を質疑)



5 同上質疑



芥川委員

 さきの第3回定例会において水源環境保全税については、平成29年度から平成33年度までの5箇年の延長が決まったところですが、第2期かながわ水源環境保全・再生実行5箇年計画に基づき、水源地域における森林の適切な管理を進めております。そこで、主要施策説明書の特別会計207ページに記載されております水源環境保全・再生事業会計に関する実績や成果などについて、お伺いします。

 まず、平成19年度から水源地域の森林整備を加速化するため、水源の森林づくり事業へ水源環境保全税を導入しておりますが、その事業の概要について確認させてください。

水源環境保全企画担当課長

 かながわ水源環境保全・再生実行5箇年計画は、12の事業で構成されておりますが、そのうち五つの事業が森林の保全、再生に関する事業となっており、水源の森林づくり事業はその一つの事業となっております。この事業は、水源地域の手入れ不足の私有林を対象に間伐などの整備や管理を行うことで、水源かん養など、森林の持つ公益的機能を高めることを目的に平成9年度からスタートした事業です。

 具体的には、森林を買い取ったり、借りるなどの契約を締結して確保します。それから、確保した森林を針葉樹と広葉樹の混じり合った混交林などを目標として整備しております。

芥川委員

 今、概要をお伺いしたわけですが、平成27年度の整備事業の実績と第2期5箇年計画に対する進捗状況についてお伺いします。

水源環境保全企画担当課長

 平成27年度の水源林整備の実績は、全体として、2,381ヘクタールです。また、第2期5箇年計画に対する進捗状況ですが、平成24年度から27年度までの4箇年の水源林整備の実績として、8,920ヘクタールとなっておりますので、5箇年計画の計画面積1万1,067ヘクタールに対する進捗率としては、81%となっております。

芥川委員

 今、5箇年での整備計画が1万1,067ヘクタールということで、そのうち8,920ヘクタールで81%ということですが、この達成率が81%に対してどのように考えているのか、お聞かせください。

水源環境保全企画担当課長

 5箇年間1万1,067ヘクタールを100%としますと、その4箇年分ということですと約8割が4年分ということですので、81%ということで順調に進捗していると考えております。

芥川委員

 今、順調にというお話ですが、課題等は何かあったのでしょうか。

水源環境保全企画担当課長

 課題ですが、丹沢大山にはシカが生息しており、その生息密度も高くなっております。水源林の整備で間伐などを行いますと、森林は明るくなり、下草が生えてきて水源かん養機能が高まってくるため、それを目指しているのですが、せっかく生えてきた下草をシカが食べてしまうと草がなくなり、その結果、土壌が流出するなど課題も見えてきているところです。

芥川委員

 それに対する対応や取組というのは、どうされているのでしょうか。

水源環境保全企画担当課長

 対応としては、平成24年度から第2期実行5箇年計画の中においてもシカの管理捕獲と森林整備を連携した取組を行っており、森林整備で森林を明るくし、下草を生やす、それからシカの管理も適切に行い、適切な頭数にしていきます。このような水源かん養機能を高める取組を、現在、行っております。

芥川委員

 それでは、これまでの取組により、どのような成果が現れているのかお伺いします。

水源環境保全企画担当課長

 これまで手入れ不足の森林は、木が密生して暗くなっていましたが、間伐などの整備を進めてきておりますので、日の光が差し込むといった明るい森林になってきております。今、お話しさせていただいたように、シカの管理捕獲と連携した取組を進めているところでは、明るい森林となり、下草などが成育して、土壌の流出も抑えられ、森林の持つ公益的機能も高まってきている状況です。

芥川委員

 次に、主要施策説明書の209ページに記載されております間伐材搬出促進事業について、何点かお伺いしますが、まず、この取組の概要についてお伺いします。

森林再生課長

 この事業は、森林整備に伴って発生する間伐材を搬出し、有効活用することで持続的な森林の手入れにつなげていくことを目的に取り組んでおります。

 事業の内容としては、伐採された間伐材を一定の長さに切りそろえ、森林内から運び出し、原木市場まで運搬するまでの経費の一部を助成する間伐材の搬出支援と、県内唯一の原木市場を所有し、木材の流通動向に精通しております県森林組合連合会が搬出事業者に対し生産の指導、助言を行ったり、製材工場との木材の需給調整を行うための支援を進めているところです。

芥川委員

 今、森林組合連合会が指導等を行うというお話が出たわけですが、間伐材搬出促進事業費補助の下にあります生産活動指導費補助を3,110万1,000円の事業というのは、どのような事業なのかお伺いします。

森林再生課長

 この事業については、実際に間伐材を搬出する現場に指導者が出向き、流通している木材の需要などを踏まえ、搬出する長さ、搬出量、搬出先等の指導を行うとともに搬出方法についても、山の現場に応じて機械を使って搬出するであるとか、ワイヤーロープを使って木をつり上げて搬出する方法があるのですが、そういった搬出方法の指導を行う事業です。

芥川委員

 搬出方法等についての指導に当たられているということですが、誰に対して指導されているのでしょうか。

森林再生課長

 山で木を切って搬出する事業者に対し、指導を行っております。

芥川委員

 事業者に対して指導を行っているということですが、そのことは理解できました。平成27年度の事業実績と第2期5箇年計画に対する進捗状況についてお伺いします。

森林再生課長

 平成27年度の間伐材搬出の実績は、2万4,000立方メートルの計画に対して1万9,438立方メートルとなりました。また、第2期5箇年計画全体では、平成24年度から平成28年度までの5年間で、10万7,500立方メートルの搬出を行う計画に対し、平成27年度末現在では5万8,024立方メートルの間伐材が搬出され、進捗率は54%となっております。

芥川委員

 進捗率54%ということに対しては、どのように考えているのでしょうか。

森林再生課長

 第2期5箇年計画では、年度ごとの計画量に対して、実績が下回っている状況です。実績が下がった原因としては、通常、間伐は木が水を吸い上げなくなる秋から冬が適期と言われており、搬出作業が秋以降に集中したことから、原木市場の取扱量を超えてしまい、円滑な売り買いができなかったことが挙げられます。また、平成26年2月には、大雪の影響により搬出作業が止まってしまったことで、実績が大きく下回りました。

 しかしながら、第2期が始まった平成24年度には、1万3,657立方メートルだった搬出量は、昨年度に1万9,438立方メートルと約4割伸びており、間伐の搬出は確実に活発になっていると考えております。

芥川委員

 今、平成27年度には1万9,438立方メートルと順調に進んでいるということで、大雪の影響もあったかということですが、課題は何かありますでしょうか。

森林再生課長

 どうしても木を切る時期が秋から冬に集中してしまうということで、その時期にしっかりと受け入れられる体制をつくっておくことが課題と思っております。また、木材の需要は年間を通じてありますので、年間通じてしっかりと木材を出していくことで、安定的な供給につなげていくことも課題ではないかと考えております。

芥川委員

 今、木材を安定して出していくという御説明があったのですが、どこに出すのでしょうか。

森林再生課長

 木材の搬出箇所としては、主に神奈川県内では秦野市に唯一あります原木市場に搬出するのが一番多くなっております。それ以外には、県内の製材工場に直接持っていって、売り買いをしている実態もあります。

芥川委員

 実際に、日本の住宅の約8割が外国産の材料で家が建てられているということですが、例えば、県産材を使って家を建てると補助が出るといった制度があるのか、お伺いします。

森林再生課長

 県産木材住宅を使った支援は、現在、行っておりません。

芥川委員

 行っていないというのは、これまで行ったことがないのか。今後、補助を行うという考えはどうでしょうか。

森林再生課長

 過去に1年度だけ国の補助を頂き、県産木材で家を建てた場合に支援した実績があります。今後については、現在、県産木材で家を建てるための取組として、補助ではありませんが、県産木材の産地を認証し、製材品、いわゆる住宅用の木材の品質認証を行い、県産木材で家を建てたいという工務店の方に、施主の方に神奈川県の木を使うことが神奈川県の森林づくりに役立つということを説明していただいて、県産木材を使っていく運動を進めているところです。

 そういった取組を進めた結果、当初、40棟くらいしか県産木材住宅は建っていなかったのですが、ここ数年は200棟ずつ建設されており、山から搬出される木材に見合うだけの住宅が建っているというところで、直接的な支援をしなくても取組は進んでいるものと認識しております。

芥川委員

 個人県民税の超過課税を活用して、その財源を使って事業を行っていると思うのですが、県民に理解を得ていくためにも、そういった助成制度を設けるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

森林再生課長

 神奈川県の場合、木材の生産量は全国でも森林面積が44番目という中で、少ない状況です。現在、山から出てくる木材量として年間3万立方メートルという目標を立てて、山から木を出すことで森林整備もしっかりできると考えております。

 年間3万立方メートルの木材を全て利用して家を建てた場合と仮定しますと、約1,000棟くらいの住宅しか建たないことから、大ロットで住宅メーカーが家を売るのとは違って、顔が見える家造りと申しますか、地元の工務店が地元の木を使っていくという流れによって、山から搬出された木材をしっかり利用することができると考えております。この流れは、これまでの取組により、ある程度できていると認識しておりますので、あえて住宅支援をすることは必要ないと認識しております。

芥川委員

 神奈川県では年間1,000棟くらいの住宅が建てられるだけの県産材が出るということですが、各工務店が県産材を使って家を建てましょうという動きがあるということで、200棟というお話が出たと思うのです。200棟ということは、1,000棟建てられるのなら、もっと県民に対して働き掛けていけばよいと思うのですが、どうでしょうか。

森林再生課長

 答弁が分かりにくかったと思います。山から3万立方メートルの木を搬出する目標を持っておりますが、これを全て住宅用に使える木材であったと仮定して1,000棟ということです。実際には、山から出てくる木は住宅用に使えるものから、質が悪くて住宅用には使えないもの、場合によってはバイオマスといった用途の木まで一括して出てきているのが実態です。そのため、3万立方メートルのうち住宅用に使える木材は4割から5割程度で、実際に家が建つ量というのは、400棟から500棟程度と考えております。今、出てきている住宅用に使用できる材は、全て住宅用の材に加工されて住宅に使われていると考えております。

芥川委員

 今の答弁で400棟から500棟ということですが、今、出てきている3万立方メートルのうち約4割が家を建てられる材木となるということで、先ほどの答弁で200棟という話もあって、どういう意味なのでしょうか。

森林再生課長

 県産木材住宅の定義は、県産木材を50%以上使った家としておりますので、これについては200棟です。県内で建てられている住宅については、50%に満たない住宅もあり、これらは県産木材住宅とは呼べないのですが、実際には柱やはりにした県産木材製品として県内の住宅で使用されています。

芥川委員

 納得できたような、納得できないようなですが、最後にこの事業を、今後、どのように進めていくのかお伺いします。

森林再生課長

 これまで間伐材搬出の取組を進めてきた結果、森林所有者や山で働く方々に木を使おうという意識が高まってきております。平成19年度にこの事業を実施したときは、間伐した森林のうち間伐材が搬出されたのは約1割程度でしたが、現在は23%となっており、以前は切りっ放しだった山からも出てくるようになってきております。

 また、搬出を繰り返すことによって、搬出する事業者の技術力も向上してきており、搬出する量も1ヘクタール当たり44立方メートルと、事業を始めた頃よりも10立方メートルほど増えてきており、木材を利用していく仕組みが着実にできてきていると考えております。今後もこのような取組を進めることにより、持続的な森林の整備につなげていきたいと考えております。

芥川委員

 これまでの実績から徐々に成果が現れてきているという答弁がありましたが、先ほども質疑させていただきましたが、県産木材を使った家の建設への助成制度をしっかりと考えていただきたいと思っております。というのも、日本の住宅の約8割に使われているのは外国の材木で、北欧などから輸入されているホワイトウッドや集成材の多くの生育した土地が日本の気候と全く逆で、夏季の高温多湿のない生育環境だったりとか、しかもシロアリもいないのでシロアリに対して無防備ということもありますし、そのことから外国産はシロアリからの防衛策が採られていないということで、人体への影響が強い駆除剤やカビ止め剤が必要になり、そのことから社会問題化していますシックハウス症候群の原因の一つということにもなっていす。また、外国産のほとんどは、産地や樹齢を特定することができないということで、分かっていることは樹齢が短くて若いということだとも聞いております。

 是非とも、神奈川県の気候に合う、そして神奈川県で育った木材を使って家を建てる方々が増えるような補助や、そして地元の工務店や森林組合の方たちの声をしっかり聞きながら、この事業に取り組んでいただきたいと要望します。

 次に、(仮称)綾瀬スマートインターチェンジ及び周辺の道路整備についてお伺いしますが、主要施策説明書の150ページ、多様な交流を支える道路網の整備についてということで、(仮称)綾瀬スマートインターチェンジについて、事業概要をお伺いします。

道路整備課長

 事業内容ですが、東名高速道路の横浜町田インターチェンジと厚木インターチェンジは約15キロメートル離れており、この間に位置する綾瀬市などからは両インターチェンジにアクセスしにくい状況です。このため、両インターチェンジの間の東名綾瀬バス停付近に新たにETC専用のインターチェンジを設置するもので、中日本高速道路(株)、県、綾瀬市の3者共同事業として取り組んでいるところです。

芥川委員

 事業概要は理解させていただきましたが、平成27年度はどのような取組が行われ、決算額は幾らだったのか、お伺いします。

道路整備課長

 平成27年度は、道路設計を行うとともに用地取得を開始し、面積ベースで約6割の用地取得が完了しました。また、平成27年度の決算額は2億9,504万円です。

芥川委員

 平成27年度は用地取得を約6割ということで、これが多いのか、少ないのかはよく分かりませんが、(仮称)綾瀬スマートインターチェンジにおいては、地元の綾瀬市、近隣市、私の地元座間市の住民も、アクセスの向上、地域産業、経済の活性、救命救急センター病院までの所要時間の大幅な短縮、また、大規模災害時などで、救命救急活動や物資の運搬などについても大きな役割が果たすということで、非常に期待も大きいわけであります。その中で、平成29年度の供用開始ということを目標にされているわけでありますが、今後、この供用の目標についてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

道路整備課長

 (仮称)綾瀬スマートインターチェンジについては、平成29年度末までの供用を目標としており、中日本高速道路(株)、県、綾瀬市と3者が連携して取り組んでまいります。

芥川委員

 3者が連携していくという答弁があったわけでありますが、当然、課題等もあると思うのですが、しっかりと平成29年度に供用開始になることを進めていただきたいと思っております。このインターチェンジが供用開始になるということにおいて、周辺の交差点等は渋滞するのではないかという懸念があるわけですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

道路整備課長

 (仮称)綾瀬スマートインターチェンジ周辺の6箇所の交差点について、環境影響評価条例に基づき、交通混雑の状況を予測した結果、一部の交差点で交通量が増加するものの、特に問題はないものと考えております。なお、供用開始後に周辺の交差点に渋滞が生じた場合には、必要に応じて関係機関との協議の上、適切な対応を検討することとしております。

芥川委員

 今、特に6箇所の調査をして問題がないという答弁があったわけでありますが、この(仮称)綾瀬スマートインターチェンジの北側に当たるところの都市計画道路寺尾上土棚線が計画されていると思うのですが、この路線が当然、今、整備をするに当たって地元と調整していると思うのですけれども、この路線の大塚本町交差点という交差点があるわけですが、この交差点においては、この6箇所の中に入っているのでしょうか。

道路整備課長

 6箇所の交差点の中に、大塚本町交差点は含まれておりません。

芥川委員

 座間市、綾瀬市、海老名市が交差するところの交差点ですが、現在、非常に慢性的に渋滞がしているわけでありますが、都市計画道路の寺尾上土棚線が整備されると渋滞も解消できるのではないかと思いますが、この寺尾上土棚線の座間市方面への延伸について、これまでどのような取組が行われてきたのか、お伺いします。

道路整備課長

 都市計画道路寺尾上土棚線については、藤沢市境から綾瀬市内の県道40号横浜厚木までの延長約4.5キロメートル区間が整備済みです。ここから北側の座間市方面に向けて、都市計画道路緑ヶ丘大塚線までの延長約2.1キロメートル区間については、かながわのみちづくり計画において、事業化検討箇所に位置付けております。平成26年度に県が事務局となり、海老名市、座間市、綾瀬市と勉強会を立ち上げ、事業化に向けた課題整備に取り組んでいるところです。

芥川委員

 この北側2.1キロメートルの緑ヶ丘大塚線の整備について、どのような課題があるのでしょうか。

道路整備課長

 この路線は、住宅密集地を通過するため、一部の住民の方々は環境の悪化や地域分断によるコミュニティーの影響などを懸念して事業に反対しており、まずは地元の御理解を得ることが重要だと考えております。また、相模鉄道との交差部分をはじめとして想定される道路構造形式と、それに応じた整備効果や概算事業費なども検討し、実現の可能性を整備していくことが必要といった課題があります。県としては、引き続き、3市とともに勉強会を行い、こうした課題の整備検討を進めてまいります。

芥川委員

 その課題の中で、地元から反対の意見もあるということで、非常にこの早期事業化ということが難しいのではないかと考えるわけですが、大塚本町交差点など本当に渋滞が発生しやすい交差点であるわけです。交通の流れをよくするためにも、県内様々そういった交差点があると思うのですが、今後、そのような交差点に対してどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

道路管理課長

 安全で円滑な交通環境を確保するためには、渋滞が著しい箇所や交通安全上の課題がある箇所について、交差点の改良に取り組むことが重要であると認識しております。そこで、県では厳しい財政状況を踏まえ、渋滞や事故の発生状況などを確認し、事業箇所の優先度を見極めるとともに、用地の取得などについて地元の御理解、御協力を得ながら、交差点の改良に取り組んできたところです。今後もこうした考え方を下に、交差点改良の推進を図ってまいります。

芥川委員

 先ほどもお話ししましたが、大塚本町交差点というのは本当に慢性的に渋滞しているわけです。このまま都市計画道路寺尾上土棚線の整備を進めていくのは難しいという答弁があったわけですが、この交差点だけでも(仮称)綾瀬スマートインターチェンジが平成29年度中に目標を立てて供用開始に向けて取り組んでいるということでありますが、間違いなく供用開始になることによって、渋滞もひどくなるのではないかと思いますので、是非ともこの交差点の改良を検討していただくことを強く求めて、この質問を終わります。

 次に、主要施策説明書の160ページに海岸高潮対策費が計上されておりますが、この件について何点かお伺いします。まず、この海岸高潮対策費において実施している事業の目的について、お伺いします。

砂防海岸課長

 海岸高潮対策費は、津波、高潮、越波、海岸浸食などから、人々の安全で安心な生活を守ることを目的として、砂浜の優れた波消し機能を保全するための養浜、護岸の波消しブロックなど、海岸保全施設の整備、機能低下した施設の改良改築を行っております。

芥川委員

 主要施策の高潮対策費ということで、小田原海岸ほか2海岸が施工箇所とありますが、この事業を実施して、どのような事業をされているのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 養浜については砂浜の波消し機能を回復させるために、また、その機能を維持させるため計画的に実施しており、平成27年度は小田原海岸及び茅ヶ崎海岸など、9海岸において約8万8,000立方メートルの養浜を実施しました。

 また、海岸保全施設の整備については、葉山海岸において台風などによる越波の低減を図るため、老朽化した既設護岸を改築した上で、波消しブロックを設置しました。小田原海岸については、越波から海岸の背後地を守るため、養浜と併せて護岸のかさ上げを実施しました。

芥川委員

 茅ヶ崎海岸、葉山海岸等で事業を行われたということですが、一方、台風などの高潮対策も当然重要でありますが、本県では、津波による重大な被害が想定されているわけです。そこで、津波対策にどのように取り組んでいるのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 県では、国の新たな知見を取入れ、県民の命を守ることを目的に想定外をなくすという考えの下、最大クラスの津波を対象とした津波浸水想定を平成27年3月に公表しました。この想定は、沿岸の市町では警戒避難のための津波ハザードマップの基礎資料になるなど、様々な津波対策に活用されております。

 また、県では津波被害を軽減する取組として、県が管理する地方港湾において、津波避難施設の整備を行っており、現在、大磯港、真鶴港で整備をして進めております。

芥川委員

 大磯港、真鶴港の整備状況についてお伺いします。

砂防海岸課長

 大磯港については、港湾区域内の海岸に海水浴などの利用者100人を避難対象者として整備を進めており、平成27年度から工事に着手し、平成29年度の海水浴シーズン前に完成する予定となっております。

 真鶴港については、平成25年度に高台にボートパーク利用者等釣り人など、40人を避難対象者として整備を行いましたが、平成27年3月の津波浸水予測の結果を踏まえて、現在、計画の見直しを行っているところであり、平成29年度の完成を目指しております。

芥川委員

 大磯港の避難タワーを進めているということで、平成27年度に工事に着手し、平成29年度の海水浴シーズンまでに間に合わせるということですが、この大磯港の避難タワーの事業費は幾らくらいなのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 事業費ですが、およそ2億円です。

芥川委員

 この事業ですが、今、100人が避難できるタワーということです。高さは、どのくらいのタワーなのでしょうか。

砂防海岸課長

 施設の高さが11メーターです。

芥川委員

 平成23年10月の神奈川県津波避難タワー検討会報告書を見ますと、避難タワーの設置に当たっては、地元自治会やその関係者の理解を得ながら事業を図ることとされているわけですが、地元の大磯町とはどのような打合せがされたのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 地元の方と大磯町を中心に様々な調整をしながら、計画を立ててまいりました。

芥川委員

 平成27年度の大磯海水浴場の利用客を調べさせていただいたのですが、平成27年7月5日に海開きをしてから8月31日まで8万8,640人の方が利用され、平均すると1日1,530人くらいの利用者ですが、避難タワーに避難できる人数は100人で足りるのでしょうか。

砂防海岸課長

 海水浴場の1日当たりの最大利用者数は約2,000人と想定しており、大磯町の背後は比較的高いので、陸にいる方は津波が来るまでに逃げられるという想定をしております。対象は海に出ている方ということで、2,000人のうち、海に出ている割合を30%程度と予想しており、それが600人です。そのうち、なかなか陸に上がれない方をそのうちの15%、救助人ということで、今回については100人ということで造らさせていただいております。

芥川委員

 今、2,000人を想定して、そのうちの30%が海の中に入っている。先ほど、地元と打合せをされたという話ですが、地元からはどのような意見等が上がったのでしょうか。

砂防海岸課長

 我々は港湾管理者ですから、津波タワーはどこに造るのかという話があり、港湾区域内に造るのか、海水浴場に造るのかということで、海水浴場では海に出ている方がいるということで、港湾区域内ではなく、是非、海水浴場側に造ってほしいという要望を受けて、今の場所に決めたという経緯があります。

芥川委員

 大磯町のハザードマップでは、最大の津波の高さが9.4メートルということです。避難タワーは11メートルということで1.6メーターくらいしかないわけですが、地元から11メーターで大丈夫なのかという声は出なかったのでしょうか。

砂防海岸課長

 津波の最大クラスは9.4メーターですが、避難タワーの箇所の想定で浸水深というのがありますが、ここは7.44メーターということです。その7.44メーターに今回は余裕高を4メーター見込みまして、11メーターということで決定させていただいております。

芥川委員

 大磯町のハザードマップを見ますと、最大の高さ9.4メートルで最大津波の到達時間が11分とされているのですが、例えば、先日、海岸から西湘バイパスをくぐった先に高台、海抜7.8メートルくらいのところがあるのですが、そこまで約3分くらいだったのです。そういったことから、先ほど100人という計算を出されましたが、実際に子供だったら厳しいのではないかと思うのですが、そういった声は上がっていないのでしょうか。

砂防海岸課長

 具体的に子供がという声は承知しておりませんが、想定については、先ほど申し上げたとおりです。やはり海に出ている方を中心にということで、現在の規模を決めさせていただいております。

芥川委員

 最後に、今後、このような津波、高潮対策について、どのように進めていくのか、決意をお聞かせください。

砂防海岸課長

 津波、高潮対策については、ハード、ソフト施策を組み合わせていくことが重要であると考えおります。ハード対策としては、平成27年3月に海岸保全基本計画を変更し、数十年から百数十年に1回程度発生する発生頻度の高い津波の水位と、台風による高潮の水位との比較により、施設整備の基となる設計水位を定め、海岸保全施設の整備を行うこととしました。平成27年度から既存施設の健全の評価に着手しており、今後、その結果を踏まえて地元の市町や住民の意見を聞きながら、費用面、環境面、経済性などを総合的に考慮し、海岸保全施設の具体的な整備計画を作成して整備に取り組んでまいります。

 一方、ソフト対策ですが、先ほど申し上げましたとおり、最大クラスの津波を対象とした津波浸水想定を公表しており、今年度から高潮による浸水想定の検討にも着手しております。引き続き、津波、高潮対策の被害の軽減に努めてまいります。

芥川委員

 最後に要望させていただきます。先ほど危機管理といったこともお話しさせていただいたわけですが、津波、そして高潮対策ということを特に、私は津波に対してしっかりと取り組んでいく必要があるのではないかと思います。東日本大震災では、多くの方が津波で犠牲となったわけであります。東日本大震災を決して風化させてはいけないということもありますし、そして、海岸沿いにお住いの県民が安全・安心で住ませるように、ハード、ソフト面からもしっかりと取り組んでいただくことを強く要望させていただき、私の質問を終わります。

川本委員

 まず、ガソリンベーパー対策についてお伺いします。ガソリンが気化した蒸気であるガソリンベーパーは、PM2.5や光化学スモッグの原因物質の一つであります。昨年度予算で、このガソリンベーパー対策として、ORVR車の普及啓発事業費を措置したところですが、その具体的な事業の内容等について何点かお伺いします。ガソリンベーパー対策として、本県が普及させようとしているORVR車とはどのような自動車なのか、確認します。

大気水質課長

 ORVR車のORVRと申しますのは、車搭載型燃料供給時蒸気回収装置と呼ばれるもので、この英語の頭文字を取ったものです。ORVR車は、ガソリン給油時にガソリンの蒸気、いわゆるガソリンベーパーを回収して、外に漏らさない機構を備えた車です。ガソリンは揮発油と呼ばれますように、非常に蒸発しやすいために、車にガソリンを入れるときに給油口を開けた際、燃料タンク内のガソリンが気化したガソリンベーパーが大気中に放出されます。これは、ガソリンスタンドが臭う原因です。また、駐車している際にも気温の上昇に伴い、わずかずつですが、ガソリンベーパーが放出されております。

 ORVR車は、こうした問題に対応するために、このガソリンベーパーを吸収する容器が通常の車より大きく、駐車中の放出をより長く抑えることができます。また、給油時には、このガソリンベーパーが給油口から出ないように容器内にガソリンベーパーを吸引する構造になっておりますので、給油口からはガソリンベーパーがほとんど放出されないといったメリットがあります。

川本委員

 その対策として、本県がORVR車の普及啓発に力を入れている理由はどこにあるのか、お伺いします。

大気水質課長

 大気汚染について、PM2.5や光化学オキシダント、いわゆる光化学スモッグの物質ですが、これが依然として全国的に環境基準の達成率が低いという状況にあります。これらの原因となる物質の一つが、揮発性の有機化合物です。このガソリンベーパーもその揮発性の有機化合物の一種です。しかし、ガソリンベーパー対策は、我が国ではこれまで余り取組が進んでいない分野でした。このORVR車というのは、給油時のみならず、走行時や駐車時にもガソリンベーパーの排出を抑えることができ、車の関係のガソリンベーパーを抑えるために最も効果的な対策であると考えております。

 ただ、ORVR車が導入され、普及するためには早期に国による法制度化を実現する必要があり、国を動かす必要がありますが、そのためにはORVR車という車があって、それが法制度化される必要性というのを皆様によく承知していただくということが大事です。広く国民にという前に、まず、県民の皆様に理解してもらわなければいけないということで、ガソリンベーパーという問題が存在するということ、それとガソリンベーパー対策としてORVRという車が有効であることを積極的に情報発信する普及啓発事業ということで、取り組んでいるものです。

川本委員

 大変すばらしい車だと思っておりますが、県庁と出先もこの車を使っているのか否か、お伺いします。

大気水質課長

 ORVR車ですが、現在では日本で売られていないということがあり、県庁は本庁も出先も含めて、まだ一台もないというのが実態です。

川本委員

 主要施策説明書の71ページには、ORVR車普及啓発ビデオ作製業務委託とありますが、どのようなビデオを作成したのでしょうか。また、そのビデオ以外にはどのような普及啓発に取り組んだのか、お伺いします。

大気水質課長

 まず、ビデオについてですが、作製したビデオでは、給油中にガソリンベーパーが放出されている状況を特殊な赤外線カメラで撮影した動画で映し出しており、もくもくと出る様子が分かります。PM2.5など大気汚染の原因となるガソリンベーパーを放出しないORVR車が、大気汚染対策として有効であると訴えかけるもので、具体的には輸入車ですが、ORVR車が道路を走っている姿を映しております。

 このビデオは、県のホームページやユーチューブに掲載したほか、東急線各線の電車内モニターでも放映しました。これは、昨年の11月です。また、今年度も横浜線や小田急線などで放映しております。平成27年度は、このほかにシンポジウムを開催するなどの取組を行っております。

川本委員

 私もこのビデオを拝見させていただきましたが、短い時間で内容が大変濃くできておりました。また、先ほどのORVR車が県庁にも出先にもないということですが、ないとやはり啓発ができないと思いますので、是非、検討していただきたいと思ったところです。

 次に、ORVR車については、本県から九都県市首脳会議に提言し、九都県市としても取組が行われているとお聞きしております。九都県市としては、どのような取組を行ってきたのかお伺いします。

大気水質課長

 九都県市首脳会議としては、平成26年11月に国に対してガソリンベーパー対策として有効なORVR車の早期法制度化について要請しております。こうした要請に加えて、九都県市としてもORVR車の早期法制度化の必要性を広く国民に訴える必要があるということで、首都圏を走る中央線快速や京葉線、京浜東北線などの電車内でORVR車の普及啓発ビデオを放映したほか、高速道路のサービスエリアなどでORVR車のポスター掲示も行っております。そのほか、各都県市のイベントでORVRに関するリーフレットを配布するなどの取組を行っております。

川本委員

 ORVR車の普及については、最終的には国の法制度化に向けた動き次第で決まりますが、その国における検討状況はどうなっているのか、お伺いします。

大気水質課長

 国においては、平成27年3月に国の中央環境審議会の大気・騒音振動部会微小粒子状物質等専門委員会というところで、PM2.5の低減策について中間取りまとめを行っており、国に対してガソリンベーパー対策の速やかな検討を求めております。

 これに対応する形で、同じく中央環境審議会の下部組織になります自動車排出ガス専門委員会で、今も検討が続いています。現在、どのような方向で議論が進んでいるのか、なかなか明らかにされてきませんが、これまでに示されたスケジュールによりますと、今年度末となる平成29年3月頃には、この専門委員会の報告に基づいて、中央環境審議会としての答申案が取りまとめられる予定となっております。私どももそれをしっかり見ていきたいと思います。

川本委員

 ガソリンベーパー対策として、ガソリンスタンドでは給油速度を低速化するとか、一部の車種では構造の設計が現時点では困難なものがあるとか、また、その普及には一定の期間が必要とか、様々な課題があるとお聞きしておりますが、この問題は環境対策の1丁目1番地として、しっかりとした対応を行っていく必要があると私は思います。また、この問題は本県のみならず全国的規模として、真剣に取り組んでいく必要もあると思います。

 本県並びに九都県市では、平成26年11月12日に開催された九都県市首脳会議において、ORVR車の早期義務付けを国に対して要請することと、並びにORVR車の必要性を広く認識していくための啓発、情報発信を九都県市一体の取組として実施することについても合意し、本県としてはORVR車の普及啓発に取り組んでいるほか、国に対しても要望を行っていたところですが、依然として先ほど言われたとおり、成果は見られません。

 そこで提案ですが、ORVR車の普及のためにガソリンに新たな目的税などを導入するとか、何か工夫をするよう考えられないでしょうか。国レベルでの検討に頼ることもさることながら、県レベルとしてもそのような制度を導入し、あるいは国に積極的に働き掛けていくべきだと思いますが、見解を伺います。

大気水質課長

 ORVR車について、国に私どもが九都県市と一緒に強く働き掛けていくというのは、自動車というのは移動するものでして、我が国の大気汚染の状況を改善するために、やはり地域単独で規制を導入して取り締まるような仕組みはなじまないと考えております。そういう意味で、例えば、新しい車を買ったときにもう既にORVR車だったということで段々広まっていけば負担も少なく、空気がきれいになっていくというシナリオを私どもは考えております。

 そういったことで、まず、国に対してこのORVR車のメリットを九都県市、本県として訴えるとともに、やはり一般県民の方もORVR車をほしいと言ってもらえるように、なかなかPRといってもORVRという言葉もなじみがないので難しいのですが、引き続き、その辺りは努力していきたいと考えております。

川本委員

 私も勉強させてもらいましたが、本当にこれは雲をつかむような施策です。長いことかかると思うのですが、最後に要望させていただきます。

 ガソリンベーパー対策は、PM2.5対策、光化学オキシダント対策として、光化学スモッグ対策ですが、重要でしっかりと対策を打っていくことが必要であります。引き続き、国の動きについて情報収集し、有効な対策が実施されるよう、九都県市とも連携しながら、必要な働き掛けをしていってほしいと要望します。

 次に、大涌谷園地の安全対策についてお伺いします。主要施策説明書の76ページに自然公園施設整備等事業として、国立、国定、県立自然公園の施設整備等を実施したとあります。神奈川県の国立公園といえば箱根ですが、大涌谷では、昨年、火山活動の活発化に伴って、立入りが規制されております。昨年11月、噴火警戒レベルは1に下がったが、その後も火山ガスの影響で立入り規制が継続されているところ、本年7月、ようやくロープ―ウエーが全面開通し、大涌谷園地の一部が開放されたことにより、観光客が戻ってきております。しかし、黒たまごを製造しているところなど、現在も立入りができないところがあります。大涌谷園地の状況について何点かお伺いしますが、大涌谷の立入り規制の範囲はどうなっているのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 大涌谷周辺については、現在、想定火口域と呼ばれます半径440メートルから530メートルのだ円形のエリアと、県道734号の大涌谷三叉路から大涌谷園地駐車場までが、災害対策基本法に基づく警戒区域として設定され、立入りが制限されています。そうした中で、今年の7月26日から大涌谷園地については、9時から17時までの間、一部エリアへの立入りができるようになりました。しかし、大涌谷周辺のハイキングコースと自然研究路については、現在も立入り禁止となっております。

 また、箱根ロープ―ウエーについては、同じく7月26日から早雲山駅から大涌谷駅までの運行が再開されたことにより、現在は早雲山駅から桃源台駅までの全線で運行しているという状況になっております。

川本委員

 大涌谷の火山ガス濃度は、まだ十分下がっていないとお聞きしておりますが、どのような火山ガスの成分になっているのか、何が問題なのか、お伺いします。

大気水質課長

 火山ガスの成分は、通常、大部分が水蒸気や二酸化炭素ですが、その中に二酸化硫黄や硫化水素なども含まれます。大涌谷では、もともと硫化水素が出ておりましたが、卵が腐ったような匂いですが、火山活動の活発化によって、二酸化硫黄の濃度も高くなっております。二酸化硫黄も硫化水素も呼吸器に影響を及ぼすなど、人体に有害なガスであり、現在、大涌谷ではこれら、特に2種類の火山ガスが問題になっております。

川本委員

 その火山ガスについて、現在の観測体制はどうなっているのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 大涌谷での火山ガスの計測については、現在、6箇所で行っており、二酸化硫黄と硫化水素を毎日計測しております。計測器の場所ですが、1箇所は大涌沢の下流、県道734号に架かる大涌谷橋付近に、温泉地学研究所が計測器を設置しております。これは、大涌谷園地の外になります。また、現在、一部開放している大涌谷園地のエリアについては、駐車場、ロープ―ウエー駅下、極楽茶屋横の合計3箇所に、大涌谷園地で事業を営む民間事業者が計測器を設置しております。現在、閉鎖されております自然研究路については、県が、卵蒸し場及び神山登山口に計測器を設置しております。毎日計測しております火山ガス濃度の数値については、一定の基準値に達した場合に注意喚起の放送による呼び掛けなどを行うほか、濃度の推移を把握するために活用しております。

川本委員

 大涌谷園地について、平成27年度に自然公園施設整備等事業により、どのような対応を行ってきたのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 まず、火山ガスの計測の関係ですが、昨年6月の小規模な噴火以降は、大涌谷園地への立入りができない状態でしたが、昨年9月に噴火警戒レベルが2に引き下げられて、箱根町の許可を得れば立入りが可能となりました。そういったことを受けて、自然環境保全センターでは、自然研究路の火山ガス計測システムの緊急点検を実施しました。その結果、二酸化硫黄の計測器に不具合があることが判明し、緊急修繕を行った上で、今年の1月に再設置しております。

 計測システムが故障していた間ですが、携帯型のガス検知器を新たに購入し、現地に設置してガス濃度を計測しておりました。ただ、携帯型のガス検知器は電池が1日しかもたないという状況でしたので、自然環境保全センターの職員や委託業者が、毎日、現地で検知器の交換作業を行っておりました。平成28年1月末に計測器の緊急修繕が終了したことにより、携帯型ガス検知器での計測は終了しましたが、緊急修繕した機器が、その後、故障する可能性が高いということでしたので、新たな二酸化硫黄の計測器を購入して、平成28年3月に新たな計測器に交換しております。

 また、自然研究路で作業する職員への対策として、着用や持参が義務付けられたガスマスクやゴーグルなどの装備品を購入しました。噴火への対応として、卵蒸し場付近に仮設のシェルターを設置するとともに、平常時にはベンチとして使用できる収納ケースを自然研究路に設置し、噴石から身を守るためのヘルメットを収納しております。

川本委員

 観光客が大分戻ってきている中でも、立入り規制の解除はいつになるか全然読めない状況だと思うのですが、例えば、ハワイでは溶岩が流れているところをロープ―ウエーから見ることもできるのですが、箱根でも噴煙が上がっているところは、遠くから見てもすごいところだと思います。これを観光について検討されているのか、確認をお願いします。

大気水質課長

 箱根は最初、小噴火があった後、火山ガス濃度がかなり高い状態で推移しておりましたが、ここにきて大分下がってまいりました。しかし、まだ自然研究路の方は十分下がっていません。ただ、ロープ―ウエーの辺りは大分下がってきましたので、制限付きで人が入れるようになっているということです。

 こういった火山周辺の観光に当たっては、まず、基本的にガス濃度が下がってくることが大前提です。ハワイの方もある程度は下がっているのだと思います。ただ、下がっているとはいっても、呼吸器が弱い方もいらっしゃる場合があるので、健康面で影響を受けやすい方にはメッセージを流して情報提供しなければなりません。また、急にガス濃度が高くなる場合もありますので、監視体制をしっかりすること、万が一の救護体制として、もし具合が悪くなった方が出たときにすぐ救急車で運べる体制、あるいは応急処置ができるような体制が必要となります。今もロープ―ウエーの中にはウエットティッシュが置いてありますが、いろいろな対策をした上で観光客に広く開放できるようになるので、そういった条件を見ながら検討しているところだと考えています。

川本委員

 確かに、ぜんそくを持っている人は大変だと思います。大涌谷園地の全面開放に向けては、今後、どのような対応を行っていく予定なのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 現在、立入りが規制されております自然研究路の開放に向けては、箱根山火山防災協議会において、ガス濃度の状況によるほか、噴石対策の実施や避難経路の確保、監視体制の整備など、観光客の安全が管理できる状態について検討を行っているところです。

 そこで、環境農政局では、自然研究路について観光客の安全確保という視点を踏まえ、例えば、噴石対策として噴火時に飛来する噴石から身を守るシェルターの設置などの対策について、検討を行っているところです。

 今後の大涌谷園地の全面開放に向けては、箱根山火山防災協議会やその下に設置された火山ガス安全対策専門部会の専門家の御意見を踏まえることになりますが、環境農政局では自然研究路を開放した際に、観光客の安全が確保できるよう、引き続き、検討を進めて必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

川本委員

 大涌谷は、火山のダイナミックな箱根を体感できる、正に生きている地球の姿、地球の息吹を感じられる国際観光地箱根の主要な観光スポットの一つであります。箱根の観光は、大涌谷園地が全て開放されることによって、完全に復活するとも言えると思いますが、箱根山は活火山であり、今後、より多くの観光客が訪れることを考えますと、安全対策が何よりも重要だと思います。そこで、火山ガスの観測を今後も継続していただくとともに、一日も早く大涌谷園地が全面開放されるよう、関係機関が力を集結し、全力で取り組んでいただくことを要望させていただきます。

 次に、かながわ酪農活性化対策事業費についてお伺いします。本県の酪農業を活性化するために、平成27年度に新たな酪農振興策としてかながわ酪農活性化対策事業を立ち上げたところであります。私の地元である川崎市は都市化が進み、現在、酪農家の数も少なくなっておりますが、酪農家の方々は、毎日、安全で安心な牛乳を生産するために努力しております。酪農業は、県民の食生活に不可欠な牛乳を提供する重要な産業であると思います。酪農活性化対策事業について、何点かお伺いさせていただきますが、本県の酪農の状況と、本県の酪農が抱える課題についてお伺いします。

畜産課長

 本県の酪農の現状ですが、農林水産省の畜産統計によりますと、平成27年度の酪農家の戸数は249戸、乳牛の頭数は6,750頭、生乳の生産量は3万9,430トンで、いずれも10年前と比較して約半減している状況です。主な課題としては、輸入飼料の価格の高騰、高止まりによる生産コストの上昇が酪農経営の収支を悪化させている状況です。また、後継牛の高騰により、酪農家による後継牛の購入が滞り、経営の所得の大部分を占める生乳生産量が減少しているという状況です。

川本委員

 このような課題を踏まえ、県としてどのようなプロセスを経て、このかながわ酪農活性化対策事業を立ち上げたのか、お伺いします。

畜産課長

 平成25年11月に生産者、関係団体、県機関をメンバーとした神奈川県の酪農振興を考える研究会を発足し、本県の酪農が抱える諸課題を整理して、将来も安心して酪農経営を継続できるよう、その対応を皆で検討してきたところです。

 また、個別の課題ごとにその対応について、生産者、牛乳メーカー、畜産関係団体と延べ10回を超える意見交換を重ねてまいりました。そして、施策の方向性で一定の意見集約が見られたものをかながわ酪農活性化事業として事業化したものです。

川本委員

 その事業の狙いと内容について、お伺いします。

畜産課長

 事業の狙いの一つとして、新たな繁殖技術を活用して効率的な後継牛確保を進めることで、生乳生産量を増やして酪農経営の収益性を高めていこうという内容が一つです。

 二つ目の狙いとしては、消費地に立地している強みを生かして、酪農や県産牛乳のPRやブランド化を推進し、本県の酪農、乳業への理解と生産者の経営意欲の向上を期待しているところです。

 内容ですが、生乳生産量を増やす取組としては、不足している優良後継牛を確保するため、酪農家自らが所有する生乳の生産能力の高い優秀な乳牛を効率的に増産する新技術を実証し、それを普及するものです。また、乳牛に産ませる子牛について、後継牛となる乳牛と大きな副収入が得られる肉牛をバランスよく組み合わせた繁殖経営プランを提案し、それを実践することで、経営の収益性を高めていく。酪農、乳業に対する理解、醸成、生産者の意欲の向上については、酪農団体、畜産関係団体、乳業団体、県で構成するかながわ酪農活性化対策委員会を発足し、イベントの実施、学校への出前授業、牧場と牛乳工場をセットにした見学ツアーの実施のほか、消費者が県産牛乳を一目で分かるように県産生乳100%で製造した牛乳の認証制度を構築しようとするものです。

川本委員

 PR化は十分行っているとお聞きしましたが、学校の給食に提供されているのか、お伺いします。

畜産課長

 学校給食には、県産の牛乳を優先的に使っていただくということで、メーカーにお願いして学校給食に提供しているところです。

川本委員

 平成27年度主要施策説明書の121ページにある県産牛乳への関心を高める取組は、この事業の取組の一つとして理解しますが、この県産牛乳への関心を高める取組について、どのようなことを実施していくのかお伺いします。

畜産課長

 酪農業、乳業に対する理解醸成を目的としたイベントを実施しており、昨年の10月にみなとみらい地区において、かながわミルクフェスティバル2015を初めて開催させていただきました。当日は、約9,000人の来場者を迎え、乳牛との触れ合いや搾乳疑似体験、県産牛乳の配布、酪農、乳業クイズなどの活動を通じて、本県酪農や乳業と県産牛乳のPRを実施したところです。

 また、学校出前授業等については、今年の2月に茅ヶ崎市の小学校で搾乳体験、子牛との触れ合い、牛乳工場での牛乳の製造過程等について授業を実施したところです。牧場と工場の見学ツアーですが、昨年11月に2回実施して、牧場体験と牛乳工場見学を実施したところです。県産牛乳の認証制度については、昨年の8月に岡山県の先進地事例がありますので、そこを視察するとともに、乳業メーカーを含めたワーキンググループを設置し、今後の制度の仕組みについて検討しているところです。

川本委員

 この取組を行うことにより、どのような期待ができるのかお伺いします。

畜産課長

 期待される内容ですが、県民の本県酪農、乳業に対する理解が進み、また、県民の県産牛乳への愛着が育くまれることで、本県酪農業に対するよき応援者となっていただき、都市の中での酪農経営への理解や生産者の意欲向上につながればと考えているところです。

川本委員

 その県産の牛乳のブランド名が分かれば、教えてください。

畜産課長

 現在、県産生乳100%と想定される銘柄ですが、足柄乳業が作っているきんたろう牛乳、横浜乳業が作っている横浜牛乳の二つです。我々が今回、目指すものは、そういったものが県民に余り知られていないということで、店頭に並んだものが一目で県産の生乳100%でできている牛乳であるということが分かるような制度を考えているところです。

川本委員

 我が家では、きんたろう牛乳を飲んでいますが、この前、控え室できんたろう牛乳を知っているかと聞いたところ、ほとんどの方が知らなかったのです。是非、普及啓発を更に頑張っていただきたいと思います。酪農をはじめ、本県のような都市近郊型畜産においては、臭気対策といった環境問題は畜産経営の健全な発展を図っていく上で大きな課題と考えておりますが、この課題について、どのような取組を行っているのか、今後、どのような取組を考えているのか。また、県による臭気対策への補助金制度の充実といったものは考えているのか、お伺いします。

畜産課長

 委員御指摘のとおり、本県の酪農を含めた畜産経営においては、臭気への対応を解決しなければ、今後、安定的に経営が続けられないという状況です。そこで、臭気問題が発生したときに素早く臭気源を特定して対応ができるように、現場で臭いを嗅ぐことによって、その原因物質が分かるような臭気サンプルをつくり、いち早く対応できるよう研究を進めているところです。

 臭気対策については、これを行えば絶対臭気がなくなるということはありません。臭気を全くゼロにするということも不可能です。ただし、生産者の努力の中で、施設整備をしていく中で臭気を抑えていくことは可能ですので、どのような方法が農家にとって適切な方法であるか、いろいろな方法を試しながら実証試験に取り組んでいるところです。補助制度については、設備投資、畜産経営の状況等を勘案しながら検討していくのかと考えているところです。

川本委員

 農家の皆様は担い手も少ないということと、財政的に厳しいということで大変苦労されていることは、私もお聞きしております。是非、対策について頑張っていただきたいと思っております。

 最後に、国政の場において、TPPの承認について盛んに議論が行われているところですが、本県においても畜産物の輸入拡大など、酪農経営に与える影響は大きいと考えております。県としては、酪農経営に与える影響など、どの程度と考え、どのような政策を講じていこうとしているのか、お伺いします。

畜産課長

 TPPについては、どういう影響があるか正確に捉えることは難しいと思っているところです。しかし、関税が下がるということは事実ですので、安い畜産物が日本国内に流入してくるということは紛れもない事実だと思いますが、その量については、はかり知れないものがあると思います。そういった状況を踏まえれば、本県の畜産物も相場としては下がる方向にいくのだろうと考えているところです。本県は、900万人の消費者を抱えておりますので、そのような人たちに県産畜産物のよさ、安全・安心、味など、生産者の努力を訴えてPRしていくことにより、ファンをつくって、通常よりも少し高くても買っていただけるような畜産物の生産を目指していくことが本県の姿であると思っております。

川本委員

 このような取組は、消費者の方々にとっても、酪農家の方々にとっても重要な事業だと思いますので、是非、継続していただきたいと思います。本県の酪農は、飼料価格の高騰などによる生産コストの上昇や環境問題など、極めて厳しい経営環境にあると感じております。しかしながら、安全で新鮮な牛乳を安定的に供給するだけでなく、良質堆肥の供給など資源循環の観点や食育としても重要な役割を担っていると思っております。酪農家の方々が、今後も希望を持って県民の方々に安全で安心な生乳を安定的に供給していただけるよう、酪農振興に力を注いでいただきたいと要望します。



(休憩 午後零時7分  再開 午後1時5分)



川本委員

 まずはじめに、沿道建築物の耐震化推進についてお伺いします。主要施策説明書149ページに、沿道建築物の耐震化については県が耐震化診断を義務付けた路線を含む第1次緊急輸送道路の沿道建築物に対し、耐震診断、耐震改修に係る補助事業により市町村などを支援したと記載があります。本県は、複数の大規模地震による甚大な被害が想定されており、地震発生時には緊急活動や物資輸送を行う緊急輸送道路の機能を確保するため、沿道建築物の耐震化を進めることが県民の安全・安心を支える上で大変重要であると考えられます。

 そこで、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化について何点かお伺いしますが、地震発生時にその機能を確保しなければならない緊急輸送道路はどの程度あるのか、お尋ねします。

建築安全課長

 緊急輸送道路は、地震などの大規模災害の発生直後から救助活動のための人や物資等を緊急輸送するための道路で、県内に約2,050キロあります。緊急輸送道路は2種類に区分しており、緊急輸送の骨格を成す第1次緊急輸送道路の約1,550キロと、これを補完する第二次緊急輸送道路の約500キロで構成しております。

川本委員

 それらの緊急輸送道路の機能を阻害するおそれのある沿道建築物は、具体的にはどのような建物なのか。また、その対象となる建物はどの程度あるのか、お伺いします。

建築安全課長

 緊急輸送道路の機能を阻害するおそれのある建築物は、次の3点に該当する建築物です。1点目は、敷地が緊急輸送道路に接すること、2点目は、いわゆる旧耐震基準の建築物であること、3点目は、地震により建物が倒壊した場合、道路幅員の半分を塞いでしまうような高さを有する建築物であるものです。

 次に、対象となる建築物の数ですが、平成26年度に対象となる建築物の調査を実施したところ、第1次緊急輸送道路の沿道機能を阻害するおそれのある建築物数としては、約2,300棟あります。

川本委員

 主要施策説明書の164ページから165ページにかけて、沿道建築物の耐震化に関する補助事業として、沿道建築物耐震化補助事業と沿道建築物耐震化支援事業の二つが記載されておりますが、この事業概要についてお伺いします。

建築安全課長

 まず、沿道建築物耐震化補助事業についてです。第1次緊急輸送道路のうち、県を越える広域ネットワークを形成する路線である国道1号、国道16号、第三京浜、東名高速、中央高速、圏央道の政令市区間以内の約150キロメートル区間を県が路線指定しました。この区画の沿道建築物については耐震診断を義務付け、耐震診断及び耐震改修に対して、県が直接補助を行います。補助の内容ですが、耐震診断の補助率は国と県がそれぞれ2分の1で、所有者の費用負担はありません。耐震改修の補助率は、国5分の1、県6分の1で、所有者は30分の19を負担します。

 次に、沿道建築物耐震化支援事業についてです。市町村が実施する第1次緊急輸送道路、沿道建築物への耐震診断、耐震改修の補助事業に対し、県は市町村に間接補助による支援を行います。耐震診断費用及び耐震改修費用ともに県の補助率は6分の1から9分の1となっております。

川本委員

 平成27年度のそれぞれの事業の執行件数と決算額についてお伺いします。

建築安全課長

 沿道建築物耐震化補助事業の執行件数は、耐震診断が2棟で、執行額は1,405万9,000円です。沿道建築物耐震化支援事業の執行件数は、耐震診断が92棟、耐震改修設計が1棟、計93棟で、執行額は4,135万3,000円です。こちらが決算額となります。

川本委員

 年度当初に計算上で計算された予算額と比較すると、決算額が減となっており、これはどのような理由なのか、お伺いします。

建築安全課長

 沿道建築物の補助及び支援制度は、耐震改修促進法に基づき、耐震診断を義務付ける路線の指定と併せて平成27年度に制度を創設し、スタートしました。

 まず、県が直接補助する補助事業についてですが、耐震診断は申請があれば補助しなければならないため、対象建築物と想定した全16棟を予算計上しました。個々の建物所有者に対して、路線指定等補助制度がスタートした以降、速やかに個別に訪問してヒアリングを実施しました。その結果、既に所有者が耐震診断や耐震改修を実施していたなど、精査したところ、16棟のうち12棟が対象であることが判明しました。このうち、平成27年度は4棟着手し、2棟が完了しました。

 しかしながら、対象の12棟から着手した4棟を除く残り8棟については、所有者の都合、具体的には戸建て住宅については所有者の方の入院、相続の発生、高齢に伴って店舗や事務所の閉鎖、あるいはマンションの管理組合の合意形成、資金調達の関係などから、平成27年度には事業着手できず、減額しました。市町村へ間接補助する支援事業についても、県直接補助と同様の理由で事業の実施時期が次年度以降にずれ込み、減額となったものです。

川本委員

 様々な個々の理由、事情があると思いますが、昨年度の状況を踏まえて、今年度どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

建築安全課長

 県が直接補助する補助事業の建物所有者に対しては、県が個別に訪問して耐震化の必要性や補助制度の説明を行ってまいりました。今年度は、昨年度の状況を踏まえ、継続して早期に耐震診断、耐震改修に着手する働き掛けを行っているところです。具体的には、耐震診断を実施する設計事務所が見当たらない建物所有者に対しては、建築関係団体である神奈川県建築士事務所協会を紹介するなど、各建物所有者の抱える事情に応じた丁寧な対応に加えて、耐震診断を行わない場合には法に基づく命令等を行うことを説明し、耐震化が早期に実施されるようにしっかりと取り組んでまいります。

 市町村と協調して補助する支援事業については、市町村からの要望を踏まえて予算化しており、この事業を確実に執行するため、市町村に対して今まで以上に進捗管理を適切に行うよう働き掛けてまいります。このように、建物所有者に対する耐震化の重要性を理解していただくことに加えて、建築関係団体との連携を深め、耐震化を早期に実現するようしっかり取り組んでまいります。

川本委員

 時間と費用がかかる事業であると思いますが、県民の安全・安心の確保に向けて、国や市町村と連携してより良い効果的な事業推進に取り組んでいただくように要望させていただきます。

 次に、市街地再開発事業についてお伺いします。主要施策説明書の150ページにあります地域の個性を生かした市街地の整備の中で、既成市街地の再整備による都市機能の更新を図るため、市街地再開発事業などに補助を行ったと記載されております。そこで、市街地再開発事業の内容について、お伺いします。

都市整備課長

 市街地再開発事業は、具現化した共同ビル、道路等の公共施設を整備し、土地の高度利用と都市機能の更新を図る事業です。県では、市街地再開発組合が施行するこの事業を促進するために、広場や再開発ビルの通路などの共同施設の整備費に対して国の補助金を活用し、県が3分の1、市が3分の1を補助しているところです。

川本委員

 この事業について、平成27年度に補助した地区はどちらなのか、お伺いします。

都市整備課長

 平成27年度に補助した地区ですが、横浜市では二俣川駅南口地区、大船駅北第二地区ほか3地区です。川崎市では小杉町三丁目東地区、そのほかに横須賀市、厚木市、大和市、座間市で各1地区ずつ、計6市10地区です。

川本委員

 平成27年度に補助した地区の中に川崎市小杉町三丁目東地区がありますが、武蔵小杉駅周辺は現在も民間開発、市街地再開発事業が進んでいるところです。そこで、武蔵小杉駅周辺でこれまで行ってきた市街地再開発事業の概要について、お伺いします。

都市整備課長

 武蔵小杉駅周辺では、10年ほど前から市街地再開発事業の機運が高まり、これまで3地区で市街地再開発事業が完成し、住宅、商業、業務施設などからなる再開発ビルが整備されました。再開発ビルにはこれらの施設のほか、武蔵小杉駅前の武蔵小杉駅南口地区西街区では図書館、その東側の武蔵小杉駅南口地区東街区では医療施設、小杉町三丁目中央地区では保育所などの公共公益施設が併せて整備されました。駅前広場や駅へのアクセス道路なども整備され、交通結節機能の充実が図られるとともに安全で快適な歩行空間が確保されております。

川本委員

 県は市街地再開発事業について、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

都市整備課長

 県としては、市街地再開発事業が円滑に進むように、国の交付金などを活用した地元市との協調補助を行うとともに、技術的なサポートなど様々な支援を行ってきております。今後も市街地再開発事業により地域の個性を生かした魅力あるまちづくりが進むよう、地元市とも連携し、引き続きしっかりと支援してまいります。

川本委員

 武蔵小杉駅周辺地区では、民間主体の市街地再開発事業が順次行われてきており、魅力あるまちづくりが進んでおります。残る小杉町三丁目東地区の事業についても、早期完成が望まれることと思います。県では、今後も引き続きこうした魅力あるまちづくりが進むよう、地元市町村と協調してこの事業をしっかりと進めてほしいと要望させていただきます。以上で私の質問を終わります。

芥川委員

 午前中に何点かお伺いさせていただいたのですが、主要施策説明書210ページの水源環境保全・再生基金の積立について、ここのところの寄附金30万2,956円とされておりますが、これは平成27年度に寄附された金額なのか、お伺いします。

水源環境保全課長

 主要施策説明書の210ページの寄附金積立金欄の財源の内訳30万2,956円については、財源内訳の寄附金の額ということです。全て収入した額、平成27年度については、124万7,205円となっております。

芥川委員

 寄附を頂いたのは124万7,205円ということですが、平成27年度はこの寄附金というのはどういったことなのでしょうか。詳しく御説明ください。

水源環境保全課長

 こちらについては、財源内訳ということですので、30万2,956円というのは財源ということで支出したものです。

芥川委員

 恐らく約95万円程度はどうされたのでしょうか。

水源環境保全課長

 平成27年度の歳計剰余金ということで、寄附金の決算増という形で94万円程度計上しております。

芥川委員

 剰余金として94万円ということでしょうか。

水源環境保全課長

 そのとおりです。

芥川委員

 これは、寄附していただいた県民が、何に使われたのかよく分からないし、今の御説明だと理解できないのではないかと思いますが、その辺りについてどうでしょうか。

水源環境保全課長

 平成27年度に収入したのは、124万7,205円です。寄附金の財源として充当したのは30万2,956円ということで、その差額の約90万円については、翌年度以降の繰越金ということで、翌年度以降の予算に組み入れる形で活用しております。

芥川委員

 その94万円というのは翌年にということですが、例えば、寄附された県民の皆様にはどのようにホームページなどで翌年度に回しますということをお知らせしているのでしょうか。

水源環境保全課長

 ホームページ上にはそのような記載というものはなく、平成27年度に収入した額という形でホームページの方に掲示させていただいています。ただ、こちらの一般会計と特別会計の歳入歳出決算書の15ページのところに、水源環境保全・再生事業会計の歳入歳出決算書というのがあり、平成27年度に歳入しました決算額と収入済額の歳入合計の85億円という数字と、歳出の85億円という数字の差引きの額がその下のところにあります歳入歳出差引額の中に、先ほどの翌年度への繰越金という形で計上されているという形になっております。

芥川委員

 何でそういう処理をされたのでしょうか。

水源環境保全課長

 こちらの寄附金の収入については、平成27年度当初予算のときに歳入として10万円を予算額としてセットしておりました。平成27年度に1法人からかなりの金額の寄附があり、決算としては増という形になっておりました。逆に財産収入の方については、70万円で予算を組んでおりましたが、財産収入として入ってきたのは50万円程度でしたので、その差額分については、寄附金を財源に充てていく形の処理をさせていただきました。

芥川委員

 寄附されている県民に対してもっと分かりやすくするべきだと思いますし、寄附された県民はそのような使途で納得されているのでしょうか。

水源環境保全課長

 確かに委員おっしゃられるようにホームページ上ではそのような記載がありませんので、ホームページ上の工夫は図っていきたいと思っております。ただ、水源環境保全・再生特別会計の中で超過課税や寄附金も含めて、この会計の中で使途を限定して使っておりますので、水源林の整備事業等に全て使われるような形になっております。

芥川委員

 これ以上掘り下げても仕方がないかと思いますが、実際、先ほど平成27年度にどのくらい寄附があったのですかということも把握していないですし、県民に対して失礼だと思うのです。県民は思いがあって寄附をするわけですから、それを分からない、何に使ったのかもよく分からない、それはひどいのではないかと思います。この点について、環境農政局長はどのように思われますでしょうか。

環境農政局長

 御指摘を頂きました件については、ホームページを含めて、周知については分かりやすい形をとらせていただきたいと思います。また、この寄附金については、ただいま水源環境保全課長からも申し上げさせていただきましたように、基金という形をとりまして、年度末で頂いた寄附金が3月に頂いた場合には使い切れない場合もあります。その点は基金のよさと申しますか、そのまま同じ目的で翌年度も使えるということになりますので、そういった意味合いで頂いたものを無駄にせずに、翌年度にまた同じ目的で使っていけるという形は堅持しておりますので、そういった点も含めて、県民の皆様には分かりやすい形で御説明を申し上げさせていただきたいと思います。

芥川委員

 今、局長から答弁いただきましたが、本当に県民に分かりやすく、そして、その目的をしっかり使っていただければと思います。ホームページには寄附をしていただいた皆様に心から感謝申し上げますと小さく書いてありますが、この辺りもしっかり考えていただいた方がよろしいのではないかと思います。しっかりと取り組んでいただくことを要望させていただき、私の質問を終わります。

あらい委員

 まず、海岸ごみ対策について伺いたいと思います。かながわシープロジェクトなど、神奈川県においても海をキーワードに海のあらゆる魅力をパッケージして発掘していく、そのような取組をされておりますが、こうした海の魅力を維持するためには、まず、海岸を美しく保つことが重要ではないかと思っております。こうした観点から、海岸ごみ対策に関して何点かお伺いします。海岸ごみの清掃はどのように行っているのか、その点について伺います。

資源循環推進課長

 (公財)かながわ海岸美化財団を設立して以来、財団が横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸までの一体的な清掃を行っております。美化財団による海岸清掃ですが、約150キロメートルにも及ぶ自然海岸を市町の区域を越えて一元的に行い、集めたごみを市町が焼却施設で処理しております。また、海岸清掃には、年間を通じて計画的に実施する通常清掃と、台風や発達した低気圧の襲来に伴う大量のごみの漂着時に実施する緊急清掃があります。

あらい委員

 (公財)かながわ海岸美化財団が行っているということで、その財団に対して、主要施策説明書の72ページで海岸清掃事業負担金を負担していると思うのですが、県や市町がどのように負担しているのか、その点について伺います。

資源循環推進課長

 海岸清掃事業のうち、計画的に行う通常清掃費については、その費用を相模湾沿岸13市町と県がそれぞれ2分の1ずつ負担し、また、台風、大雨等による緊急清掃については県が負担しております。また、これらの財源として国から補助金の交付を受けております。

あらい委員

 海岸清掃事業負担金は、国から補助金を受けているということですが、平成27年度から補助金という制度になったと思うのですが、その前は海岸漂着物等対策基金があったかと思います。この基金が平成27年度に廃止され、返納金があったとも聞いておりますが、この基金が廃止された経緯と国への返納金額について伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 まず、国への返納金額ですが、基金の造成額が平成25年度及び平成26年度の2箇年で合計3億9,942万円であり、そのうち国への返納金額は3,197万563円です。基金が廃止された経緯ですが、国が平成24年度に予算化しました地域環境保全対策費補助金を活用し、平成25年度に海岸漂着物等対策基金を造成しました。この基金に積み立てた国からの補助金の使途が、平成25年度と平成26年度の2箇年に限られていたため、平成27年度に廃止しました。

あらい委員

 この基金が2箇年の時限であったということで、基金終了後に返納したということですが、返納金が生じた理由について伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 返納金が生じた理由ですが、年度末に当たる平成27年2月から3月にかけて発達した低気圧、いわゆる爆弾低気圧が襲来する可能性があるため、それに備えて緊急清掃費を取っていたのですが、幸いにして緊急清掃が必要となるような事態が発生しなかったことによるものです。

あらい委員

 基金なので期限もあらかじめ分かっているかと思いますので、計画的に使っていただきたいと思い質問したのですが、緊急的に取っておいたお金が必要なかったという理由は分かりました。平成25年度、26年度の2箇年で基金が創設されて、平成27年度に基金が廃止され、補助金という形でごみの清掃等が行われているということですが、基金から補助金になったことで、県のごみ対策に関してどのような影響が出ているのか、その点について伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 この基金については2年間で約4億円ということで、通常よりも大きい金額ということで清掃が困難な場所など積極的に清掃ができたという点があります。平成27年度においても必要な清掃は行っておりますので、特に問題が生じたということはありません。

あらい委員

 2年間で4億円近い基金があって、その後に補助金となったということで、心配なのはこの補助金に関しても単年度であって、来年、再来年、今後、どうなるのかというところが分からないところもありますので、海岸ごみの清掃対策、漂着物等の対策に関しては、神奈川県の海岸をきれいにしていく、守っていくという意味で大変重要なところでありますので、そこは国に対してもしっかりとこの補助金に関して続けていくよう働き掛けてまいりますし、また、県の方でもしっかりと国に対して要望していただきたいと思います。

 (公財)かながわ海岸美化財団が以前に海岸ごみ実態調査を実施したと聞いておりますが、どのような結果であったのか、その点について伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 過去、平成4年度から3年ほどですが、(公財)かながわ海岸美化財団により、横須賀市、平塚市、小田原市において、発生源として河川からのごみ、海岸で発生したごみ、海洋で発生したごみに区分する調査を実施しました。その結果、河川からのごみが約67%、海岸の放置ごみが約30%、海洋発生ごみが約3%でした。

 なお、この河川からのごみの中で見ますと約65%が自然系の流木などで、残りの約35%が人為由来といった結果でした。

あらい委員

 その調査は行ってから20年近く経ちますので、ごみの実態も変わってきていると思います。去年、一昨年とこういった基金があった中で、こういった調査を行わなかったのかどうか。また、行わなかったのであれば、今後、この調査を行うかどうかの点について、伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 2年間では、こういう調査は行っておりません。今後、そういった調査を少しずつ始めていくということは聞いております。

あらい委員

 この基金があったときにこういった調査は人手もかかるので、こういった調査を行っていれば良かったのではないかと思い、質問させていただきました。20年間経過して社会状況も変わってきていると思いますので、ごみの実態を調査することは清掃活動にもいろいろ関係してくるかと思いますので、この調査については行っていただきたいと要望させていただきます。

 海岸ごみに関して、先ほどの調査でも7割近くが河川から流出してくるごみだったということですが、この海岸ごみに関しては、海岸で捨てられるごみのほかに、河川から流れてくるごみに対しても対策を行うべきだと思います。

 この主要施策説明書の158ページに河川敷の中でも河川の美化清掃を行ったとありますが、平成27年度の河川敷の清掃に関しての決算額、実施した面積、5年前と比べてどれくらい差があるのか、その点について伺いたいと思います。

河川課長

 平成27年度河川の美化清掃の決算額については、1,300余万円となっております。また、実施面積については、38河川で約211ヘクタールとなっております。5年前の平成23年度との比較ですが、まず、決算額ですが、平成23年度は880余万円となっており、これに比べると平成27年度は48%の増となっております。実施面積については、平成23年度は182ヘクタールとなっており、これに比べると平成27年度は16%の増となっております。

あらい委員

 河川に関しての美化清掃の事業費は5年前と比べて増えているということで、河川管理者としてもこういった取組を行っていくことはとても重要ですし、県民の皆様、特に河川周辺の自治会、河川愛好団体とかの御協力が必要かと思うのですが、そういった方々に対しての取組というか、河川清掃に関しての取組をどのように行っているのか、その点について伺いたいと思います。

河川課長

 多くの方々へ川に親しみを持っていただくため、地域の自治会や市民団体などの皆様に河川の草刈りや清掃を行っていただく、自治会委託制度を設けております。この制度は、各土木事務所等が自治会や市民団体等と契約を結び、地域の河川において草刈りや清掃を実施していただき、実施した面積に応じて費用をお支払いさせていただくもので、昭和63年度から取り組んでいるところです。

あらい委員

 自治会委託制度というお話がありました。昭和63年度からということで、30年近くこの制度があるかと思います。私の地元も二級河川が流れていますが、周りの自治会の方々はこういった制度があるということを御存じないように思っております。こういった制度をこれから広げていく必要があると思うのですが、今後、どのようにその点について取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

河川課長

 自治会委託制度については、土木事務所などでのチラシの配架、県のホームページ、県のたよりなどの広報媒体を活用して、周知に努めているところです。今後も引き続き周知に努め、自治会委託制度の活用により、地域の方々と連携した河川管理に努めてまいりたいと考えております。

あらい委員

 県の広報等で広めて周知していただいているということですが、市役所や区役所といった自治会に一番身近なところと連携していただいて、自分たちの住んでいる川をきれいにしましょうという取組を広めていただきたいと思います。川だけではなく、川からつながる海の美化にもつながると思いますので、海岸ごみを減らすために一体となって取り組む必要があると思いますが、そういった啓発活動に関して、今、どのように取り組んでいるのか、また今後、どのように取り組んでいこうとするのか、その点について伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 県では、散乱ごみ、あるいは不法投棄も含めた対策として、クリーンキャンペーンなどの普及啓発、パトロール、取締りによる不法投棄の防止などの取組を総合的に取りまとめて体系として整理し、関係機関と連携して推進を図っております。

あらい委員

 是非、川、海の一体となった取組をしていただきたいと思います。先ほどもごみの話で、生活ごみが海に流れ着いているというお話もありました。そういった海岸ごみに関しては、私たちの日々の生活が川、海を汚しているということで、今、街中でポイ捨ても目に付くと思うのです。そういった社会の在り方が海岸ごみにも表れていると思いますので、神奈川県がシープロジェクトを積極的に取り組んでいく中で、きれいな海であるということを県内、県外、海外の皆様に発信していく上でも必要であると思いますので、海岸、河川のそれぞれが一体となって取り組んでいただいて、海岸美化の意識の向上を図っていただきたいと要望を申し上げます。

 次に、主要施策説明書の149ページにあります災害に強いまちづくりに関連して、何点か伺いたいと思います。県土整備局が主要施策として掲げています災害に強いまちづくりについて、平成27年度における主な取組について伺いたいと思います。

県土整備経理課長

 県土整備局では例年、安全・安心、県土まちづくりの2本の柱を基本的な考え方として掲げて、行っております。このうち、安全・安心については、災害に強いまちづくりを主要施策の一つとし、地震や台風などの自然災害対策や公共土木施設の安全性の向上を推進しております。平成27年度における主な取組ですが、地震や津波に対する対策の推進として、災害時に緊急輸送道路となる県道78号御殿場大井線に架かる足柄大橋の耐震補強など、道路、橋りょう、港湾施設などの安全性向上に取り組んでおります。

 また、治水対策の推進としては、都市河川重点整備計画に位置付けた境川や引地川など、都市河川の進展が著しい地域を流れる河川などの整備を進めるとともに、土砂災害防止施設の整備として、急傾斜地における土砂災害を防止するため、横須賀市の岩戸町一丁目D地区など、226箇所において急傾斜地崩壊対策などに取り組んでおります。

あらい委員

 急傾斜地の対策に関しては、いろいろな地域の方々から急傾斜地崩壊対策を早急に行ってほしいという要望もあります。このことに関しては、平成27年度の決算額、最近の推移を伺いたいと思います。

砂防海岸課長

 急傾斜地崩壊対策事業費のうち、公共事業の平成27年度の支出済決算額については24億1,100余万円、県単事業については10億2,500余万円となっております。また、直近3箇年の平成25年度から平成27年度の推移ですが、公共事業費については、平成25年度は約37億円でした。平成26年度は約32億円、平成27年度は約24億円と年々減少傾向にあります。県単独事業費については、毎年度、前年度並みの年10億円程度で推移しております。

あらい委員

 急傾斜地崩落対策に関しては、大型台風、記録的な豪雨が頻繁に発生している中で、こういった対策を早急に講じる必要があるかと思います。公共事業に関して、年々減ってきているという御答弁がありましたが、国に県としてどのように要望しているのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 急傾斜地崩壊防止工事の推進に向けて、施設の新設整備に係る予算について十分な財源措置を講じること、現在、交付金の対象とならない高さ10メートル未満の崖の対策を推進するために、制度の拡充について毎年度、国土交通省に対して要望を行っております。なお、工事の実施に当たりましては、保全人家の多いところですとか、近年、崖崩れが発生した箇所など、優先度の高い箇所から進めているところです。

あらい委員

 確かに神奈川県を見ていると大規模な崖工事というよりも、小規模な崖工事をしてほしいといった箇所が大変多いのではないかと思います。そういった中で、公共事業の条件に該当する10メートル以下とか、あと住宅の戸数の制限とかがなかなか神奈川県内に合っていないのではないかと思います。そういった意味で、この制度に関して神奈川県独自のものであって、地方は地方で大変大規模な崖災害が発生しておりますので、これは神奈川県特有の要望であると思いますので、しっかりと神奈川県として国に対して働き掛けていっていただきたいと思います。

 こういった急傾斜地の事業を進めていく中で、ハードの整備というのは必要ですが、ソフト対策というのも重要ではないかと思います。こういったソフト対策に関して、どのように行っているのか。例えば、避難勧告、警戒情報を発するということを行っていると思いますが、こういったものに関してどのような活用をされているのでしょうか。

砂防海岸課長

 土砂災害警戒情報に関してですが、土砂災害警戒情報が発表されますと市町村が防災行政無線、登録制メール、広報車などを使って地域の方々へお知らせしております。このほか、テレビやラジオでも報道されるほか、県や気象庁のホームページでも情報を提供し、住民の方々の自主避難に活用されております。また、土砂災害警戒情報は、市町村が発令する避難勧告の判断材料にも活用されております。

あらい委員

 土砂災害警戒情報を発令し、それを受けて市町村が避難勧告を出すということで、市町村も避難勧告に関しては一刻も早い情報提供を行っていく必要があると思います。ただ、何度もこういった避難勧告、土砂災害情報を発令すると、皆様が慣れてしまって、また出たけど大丈夫といった意識も随分持ってしまうのではないかと思うのですが、そういった意味で、こういった土砂災害警戒情報はより実効性のあるものとする必要があると思うのですが、今後、その点についてどのように取組を進めていくのか、お伺いします。

砂防海岸課長

 まず、委員御指摘のとおり、土砂災害警戒情報の運用ですが、平成19年9月から開始したところですが、運用開始後に9年間経過しており、より信頼性のある情報にする必要があると考えております。

 例えば、平成28年8月の台風9号のときに、土砂災害警戒情報を発表した24市町村あったのですが、発表を受けて避難勧告を発令したのは10市町村にとどまっておりました。そこで、より実効性のある情報という形にするために、本年度運用開始時のデータに本年6月までのデータを加えて収集分析し、発表基準の精度向上に向けた検討を行っているところです。今後、学識者や国などからなる検討会を開催して、年度内に新たな発表基準を策定できるよう見直し作業を進めてまいります。

あらい委員

 土砂災害警戒情報に関しても、より実効性のあるものを検討していただいているということなので、是非、そういった取組をしていただきたいと思います。そして、ソフト対策、急傾斜地崩壊対策のハード面においても、これから大型台風、記録的な豪雨が頻繁に発生する可能性が高いので、一刻も早くこういった整備を進めていただくように国の公共事業に関しても、神奈川県にあった制度となるような要望をしていただきたいとお願いして、私の質問を終わります。

米村委員

 まず、県立かながわ農業アカデミーについてお伺いします。農業の新たな担い手の育成や確保を図るため、技術支援や研修などを実施するとともに、県立かながわ農業アカデミーの教育機能の充実・強化に向け、直売実習等を行う新たな施設の整備を行ったと主要施策説明書の121ページに記載してありますが、これに関してお尋ねしたいと思います。かながわ農業アカデミーでは、担い手の育成や確保のためにどのようなことを行っているのか、お伺いします。

農業振興課長

 県立かながわ農業アカデミーは、本県の農業を担う優れた人材を育成、確保するために実習を中心に実践教育を行う施設です。そのために、大きく分けて三つの取組を実施しております。

 一つ目は、県立かながわ農業アカデミーに入校し、学生として農業経営に必要な知識や技術を実習中心に2年間で学んでいただく生産技術科と、同じく1年間で学んでいただく技術専修科の2コースがあります。

 二つ目は、本県で新たに農業経営を始めることを目指す個人や企業等の就農を支援するために、農業経営を開始するに当たっての必要となる基礎的な事柄から、農地の確保等に関する助言等をワンストップで行う相談窓口を設けております。

 三つ目は、会社などを定年退職し、実家で本格的に農業を開始したい方などを対象にした技術習得のための短期研修や、農業者の方を対象にした農作業安全や農業機械操作の技術向上のための機械操作研修などを実施しております。

米村委員

 それでは、平成27年度の学生の人数、入校する年齢層を伺いたいと思います。

農業振興課長

 平成27年度の学生数ですが、1学年の定員が31人で、2年生の生産技術科、同じく定員が30人の技術専修科を合わせて、全体で定員90人に対して93人の学生が在籍しております。また、学生の年齢層ですが、29歳以下の学生が71人と学生の4分の3を占めており、次に30代が10人、40代以上は12人となっております。

米村委員

 学生の大半が20代で、定員もしっかりとキープされているということですが、平成27年度県立かながわ農業アカデミーの卒業生の進路について、お伺いします。

農業振興課長

 平成27年度の卒業生は、生産技術科と技術専修科を合わせて55人が卒業しております。卒業後の進路ですが、後継者として就農した方が15人、農家出身者以外の方が農業経営を開始した、いわゆる新規参入をした方が13人、農業法人等に就職した、いわゆる雇用就農が6人で、これらの合計34人の方が新規就農者として農業に進路を選択しております。その他の進路については、さらに農業研修を続けた方、農業関係の団体や企業に就職した方等がおります。

米村委員

 それでは、直近5年間の卒業生の就農実績をお伺いします。

農業振興課長

 平成23年度から平成27年度までの5年間のアカデミーの卒業生は、合計269人になります。そのうち新規就農した方は、6割弱に当たる158人になります。

米村委員

 158人が過去5年間で就農しているということですが、私が事前に調べた資料によりますと、158人のうち、もともと後継者として就農した方が81人で、残りの77人が新規参入や農業法人への就職者であります。77人のうち新規参入した方は、23人となっていると思います。私個人の認識では、県立かながわ農業アカデミーにおいて様々な取組をされている中で、新規参入者が23人しかいないという認識です。その中で、卒業生が卒業後にきちんと農業を続けているのかというところも心配しているのですが、卒業後の就農状況調査を行っているのか、お伺いします。

農業振興課長

 県では、卒業後の3年から5年後の就農状況調査は行っておりません。しかし、農家出身以外で農業経営を開始した方は、農業経営を安定させるためには時間もかかることから、就農開始後の状況把握に努めているところです。平成22年度の卒業生で新規参入により農業経営を開始した方は8人おりますが、現在も農業で頑張っていただいている方は7人で、残念ながら1人の方は農業経営を辞めてしまっている状況になります。

米村委員

 県立かながわ農業アカデミーは税金で運営をしていると思います。その中で、県立かながわ農業アカデミーを卒業されているわけですが、農業経営を辞めてしまうということは好ましくない状況であります。県として、農業経営を辞めてしまった方へどのような対応をしているのか、お伺いします。

農業振興課長

 まず、卒業後に農業へ参入された方へのフォローアップについてですが、県農業技術センターの普及指導部等で就農後2年から3年の方を対象に月1回を目安に巡回指導を行い、御相談にのったりしております。また、集合セミナーで県立かながわ農業アカデミーの卒業生だけではなく、地域において新規就農した方を集めて農業技術等の話をしながら、農業の定着及び農業技術の向上を図れるようフォローアップを行っている状況であります。

米村委員

 フォロー体制として、県農業技術センターの普及指導部へつなげていくということでしたが、農業を辞めてしまうというのは、経営として農業を続けていくことの難しさがあるからだと思うのです。農作物を作って売るというだけではなく、経営として顧客のニーズを考える必要性も出てきており、経営としての機能を強化していかなければ、県立かながわ農業アカデミーを卒業後に農業を辞めてしまう方が増えてくると思うのです。これからのフォロー体制としては、経営指導をしっかり行っていただきたいと思うところですが、このことについて所見を伺いたいと思います。

農業振興課長

 農業経営も技術の一つであり、大切だと思っております。先ほどお話しした農業を辞めてしまった1人の方が、農業を辞めてしまった理由として、県立かながわ農業アカデミーで農業研修をしていたときに比べて、実際に農業を始めたときの管理面積のギャップの大きさが理由の一つであると聞いております。このことについて県立かながわ農業アカデミーでは、平成27年度から新規参入を希望する方を対象に技術専修科に独立就農チャレンジコースを新たに設置しました。このコースでは、実際の農家の農地に比べて狭いのですが、5アール程度の畑を使って、どんな作物をどのように組み合わせて栽培するかという計画を学生自身が立て、栽培管理から収穫、販売するまでを実際に就農後に必要となる技術や知識を学べるように図っております。

 また、先ほどお話したように、就農後は県農業技術センターの普及指導部が巡回指導をしながら農業についての相談体制もつくっております。平成28年度から、就農後に各地に散らばった方々がお互いに相談できるような交流会も開催したところです。

米村委員

 先ほど答弁の中で、農業を辞めてしまった理由の一つとして、実際に農業を始めたときの管理面積のギャップの大きさがあるとのことでしたが、実際の農家の農地面積よりも狭い5アールほどの面積で農業研修を行っても、卒業後に5アールよりも広い農地で農業を行った際に、同じくギャップを感じてしまい農業を辞めてしまうのではないかと思うのです。農地の拡充や確保は大変難しいとは思うのですが、もっと現場に即した形で県立かながわ農業アカデミーでは取り組んでもらいたいと思っております。

 では、県立かながわ農業アカデミーの運営にかかる経費について、お伺いします。

農業振興課長

 県立かながわ農業アカデミーを運営するのに関わる経費ですが、平成27年度については旧本館などの除却と実習施設の新設の経費として9,600余万円を支出しておりますが、それを除いた維持管理費及び事業費として約1億2,000万円、人件費相当が2億5,000万円の合わせて約3億7,000万円の経費がかかっております。

米村委員

 経費として、約3億7,000万円かかっているとのことですが、新規参入者が34人いて、1人の農家を輩出することに一人当たり1,000万円近く費用がかかっているわけです。農家1人を輩出するのに1,000万円の費用がかかることについて、県ではどのように評価しているのか、お伺いします。

農業振興課長

 先ほども答弁しましたとおり、平成27年度は県立かながわ農業アカデミーで新規就農者が34人、新規就農の相談をしに来られ、新規就農された方が県立かながわ農業アカデミーの学生以外で18人おられます。また、企業等の参入も4件ありました。そのような中で、合わせて56人の個人や企業等が本県の農業の担い手になっており、また、県立かながわ農業アカデミーを卒業した農業者の方が地域の若手リーダーとして活躍されていることもありますので、このことから県立かながわ農業アカデミーは県農業の担い手育成及び確保に貢献しており、約3億7,000万円の経費についても必要なものと評価しております。

米村委員

 県立かながわ農業アカデミーの存在意義は、学校としての機能をもって1年、2年かけて技術的な面の指導をしていることにあり、相談的な機能というのは、神奈川県農業技術センターで担えると感じています。平成27年度は卒業生の新規就農者34人がおりますが、2年かけて学んでいく生産技術科では、平成27年度新規参入者はゼロであり、もともと農家の後継者として就農した方が5人でした。一方で、1年かけて学ぶ技術専修科では、実際に新規参入者として就農した人が13人いました。本来であれば、2年かけて手厚く育てた学生にこそ新規参入者として農家になってほしいと思うのですが、実際には1年かけて学ぶ技術専修科の方が新規参入者数は多いところであります。効率的に農家の数を増やすためには、技術専修科の機能を充実させていく方がよいと感じております。そこで、改めて県立かながわ農業アカデミーの役割について、確認させていただきたいと思います。

農業振興課長

 県立かながわ農業アカデミーの役割ですが、本県農業の担い手として、農業生産の中核を担っていただける方を育成することだと考えております。

米村委員

 県立かながわ農業アカデミー入校者の年齢層をお聞きしたのですが、20代、30代の若手が多いというところは安心するのですが、県立かながわ農業アカデミーを卒業した人たちが本当にある程度の所得を稼いでいけるかというところが大変疑問に思うわけですが、神奈川県ではどの程度の収入を得ていかなければならないと考えているのか、お伺いします。

農業振興課長

 一つの目標として、700万円以上の売上げを目標に目指していただきたいと考えています。700万円の売上げの内訳としては、単純に売上げの半分が経費だとすると、農業としての所得は350万円という計算になります。350万円の所得が自立するために必要な最低限のレベルかどうかについては言及しませんが、一つの目標として育成しているところであります。

米村委員

 350万円の所得は、平均的な賃金から考えると低い額と考えています。神奈川県の農家の平均的な所得は幾らくらいあるのか、お伺いします。

農業振興課長

 平成26年度のデータになりますが、本県では64万6,000円になっております。

米村委員

 64万6,000円の収入で神奈川県において農業だけで生活していくことは非常に難しいと思います。そのような状況の中で、県立かながわ農業アカデミーでは350万円の農業所得を目標として育成していくことについては理解できます。神奈川県は大消費地に近く都市農業としてのメリットがあるわけですが、消費者が求める商品を比較的狭い面積でも効率よく作物ができるような取組が必要だと考えています。本県において、新しい品種や栽培方法など研究を重ねていると思うのですが、県立かながわ農業アカデミーと県農業技術センターでどのような連携があるのか、お伺いします。

農業振興課長

 県立かながわ農業アカデミーのカリキュラムの中で、県農業技術センターの視察研修や研究員による講義を行っております。また、県農業技術センターで育成されたトマトの湘南ポモロンや梨の品種なつみずの栽培のほか、県農業技術センターが開発した梨のジョイント仕立ての栽培などの学習を行っています。

米村委員

 梨のジョイント栽培など神奈川県がお金を出して開発している技術について、県立かながわ農業アカデミーの学生にしっかり学んでもらって、神奈川県で農業を行っていただきたいと思うのです。説明資料の方に施設整備として平成27年度に4,400万円かけて新たに実習施設を整備したとありますが、何を目的として設置した施設なのか、お伺いします。

農業振興課長

 新たに整備した実習施設は、直売などの販売実習をするための施設です。先ほど委員からもありましたように都市住民がいるというメリットを生かし、本県では直売も盛んですので、その直売に必要な技術、例えば、荷造り方法や接客などを実践で学んでもらうとともに、消費者等と直接やりとりする中でニーズ等をつかんでいただくことを目的とした施設です。

米村委員

 都市農業の特徴として消費者に近いということがあり、また、出来たてのものをすぐに販売できる強みもあると思っております。直売施設で地域住民と顔が見えるコミュニケーションをすることによって消費者のニーズを探っていくことを学んでいくことについて理解するところです。県立かながわ農業アカデミーの学生にこの施設を有効的に活用していただきたいと思います。

 最後にグランドデザインでも掲げております農林水産業への若者の新規参入、就業支援を達成していくために、今後、県立かながわ農業アカデミーでの担い手育成、確保について、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

農業振興課長

 県立かながわ農業アカデミーでは、新規就農者の育成のために実習を中心とした実践教育のほか、県農業技術センターと連携してICT技術など新しい農業技術を学ぶ機会を増やしていきたいと思っております。特に農家出身者以外の方で就農を希望する方には、独立就農チャレンジコースや販売実習施設を活用し、就農後、すぐに農業経営が安定的にできるような実践教育の充実に取り組んでいきたいと思っております。

 また、県立かながわ農業アカデミーでの就農相談ワンストップサービスについても、市町村や農地中間管理機構との連携を強化することで新規参入者の就農促進を引き続き支援し、神奈川県の農業を支える担い手の育成に取り組んでまいります。県立かながわ農業アカデミーで育成された新規就農者等が本県農業の担い手として定着し、中核的な農業経営者として発展できるように、卒業後も県農業技術センターを中心に技術指導や経営相談等の支援に取り組んでまいりたいと思っております。

米村委員

 要望させていただきます。本県においても農業者の高齢化は明らかであります。そういう点では、農業の新たな担い手の育成は重要な課題だと思っております。県立かながわ農業アカデミーでは様々な取組をされているとは思いますが、まだまだやるべきこと、進化させていくべきことはたくさんあると思います。作物を作るという基本的な技術はもちろん重要ではありますが、農業経営としての経営技術向上ということに関しても、県立かながわ農業アカデミーに取り組んでいってほしいと思っております。

 次に、鳥獣被害対策についてお伺いします。主要施策説明書4ページに、野生鳥獣による生態系への影響や農林業被害などの軽減を図るため、地域が主体となって行う捕獲等の対策への支援を実施するとともに、被害対策を担う人材の確保、育成を図るため、かながわハンター塾や鳥獣被害対策研修会等を実施したとあります。そこで、これらに対して伺っていきます。

 まず、最近5年間の県内の鳥獣による農作物の被害はどのくらいあったのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 最近5年間の農作物被害額ですが、平成23年度が約1億円、平成24年度が約2億2,600万円、平成25年度が約1億4,200万円、平成26年度が約1億9,000万円、平成27年度が約1億8,300万円となっております。

米村委員

 一つ確認したいのですが、農作物の被害額というのはどのようにして調べているのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 農作物の被害の把握については、農家から農協に申告をしていただき、農協から市町村を通じて県へ報告を頂いております。

米村委員

 年間の被害額で、ここ5年間で大体1億円から2億円を行ったり来たりしているということですが、実際には今、この被害額の把握というのはJAの申告から市町村、県と上がっていくというルートを通っておりますが、実際には申告をしていない方というのは相当いて、被害額というのはもっと多いと考えております。まずは、申告をしていない、見えない被害があるというところに関しての認識、神奈川県としてはどのように捉えているのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 委員から御指摘がありましたとおり、農家の方にしてみますと、被害を申告してもすぐに状況が変わるわけではないとか、直接的なメリットがあるわけではないということから、例えば、諦めてしまって申告をしない方々がいるという声は聞いておりますし、そういった方も少なくないということで認識しております。先ほど御答弁申し上げました農作物被害額についても、あくまでもそういう状況が背景にあるという上での額ということで受け止めさせていただいております。

米村委員

 私が地元の農家の方や農業経営者の方に、実際の被害はどのくらいあるのかと尋ねたときに、県としては例年1億円から2億円出ているという話をしたところ、その方たちは、実害としてはその数字の5倍から10倍は被害があるだろうという話をしておりました。鳥獣被害対策を進めていく上では、なるべく正確な被害額というものを把握する必要があるのではないかと思っております。実際、農業を営んでいる方と行政では認識の差が生まれています。積極的に県が市町村やJAを使って、申告ではなくて積極的に被害がどのくらい出ていますかというアンケートなのか、調査なのか分からないですが、そういった取組というのは考えていないのでしょうか。

自然環境保全課長

 確かに、被害を把握することが対策につながることがありますので、被害の状況の把握は大切だと思っております。そういった意味で、全県で統計的に把握するのはどうしても農家の方から農協、あるいは市町村を通じての申告というルートになってしまう部分がありますが、例えば、市町村、あるいは農協に御協力いただきながら対策に取り組んでいる地区で、対策に取り組む前と対策に取り組んだ後の被害がどうだったのか、委員からアンケートというお話もありましたが、必ずしも数値化できなくても被害の実態だけでも聞き取り等で把握させていただくということも考えられるかと思います。

 また、現在申告していただいている被害の状況についても、県としても今後は、報告内容を分析したり、市町村やJAを通じてヒアリングを行うなどにより、きちんと分析して、申告していただいた方に何かフィードバックするといったことも検討していかなければいけないのではないかと考えているところです。

米村委員

 私が話を伺った方は、被害額を農協の方からアンケートがあれば正直に書くとおっしゃっていましたが、行政自身がやらなくとも、JAの方やほかに鳥獣被害の協議会等あるかと思います。そういったところを使って、なるべく正確な被害額というものを把握していただきたいと思っております。平成27年度の鳥獣被害対策としてどのようなことを取り組んでいたのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 地域の実情に応じて必要な対策を実施するということが基本となりますので、平成27年度の取組としては、まず、市町村が行う取組に対して、市町村事業推進交付金及び国の交付金であります鳥獣被害防止総合対策交付金による財政的支援を行っております。また、各地域県政総合センターに鳥獣の生態や被害対策の知識を持つ鳥獣被害防除対策専門員という職員を配置し、市町村や地域の関係者への技術的支援を行いました。また、対策の担い手を育成するために、かながわハンター塾や鳥獣被害対策研修会を開催しております。

米村委員

 鳥獣被害対策というのは、市町村が単独で行うだけでは逃げていった動物が他市へ移るだけになってしまい、市の枠を越えて広域で取り組んでいかなければならないものだと思っております。その中で、県として市町村への財政支援も重要ですが、主体的に行っている鳥獣被害防止の取組として、鳥獣被害防除対策専門員による技術支援を行っているとおっしゃっておりました。その鳥獣被害防除対策専門員についてお伺いしますが、どういう活動をして、どういった成果を出しているのかお伺いします。

自然環境保全課長

 鳥獣被害対策というのは、単にわなをかければよいとか、柵を設置すればよいということではなく、鳥獣の生態に応じた柵を設置したり、侵入ルートを見極めてそこにわなをかけるといったことが必要です。そういったことから、鳥獣被害防除対策専門員は、例えば、足跡や爪跡などの痕跡からその地域で被害をもたらしている鳥獣を判別したり、そうした上で鳥獣の出没状況や侵入ルートを把握し、必要な対策について地域の関係者へ提案しております。こうした専門員の提案に基づき、鳥獣の特性や出没状況に応じた柵の設置、あるいはわなの設置などの対策が可能になり、効果的な対策の実施につながっているものと考えております。

 また、鳥獣被害防除対策専門員が地域の関係者に講習の講師で呼ばれたり、出向いて行って説明したりという機会もありますが、そういった機会を捉えて被害対策について丁寧に説明することで、地域における対策への理解が進むとともに、専門員は効果的なわなのかけ方について実地で指導したり等しておりますので、そういったことを通じて地域の方々が効果的なわなのかけ方を習得するといった効果もあります。

米村委員

 わなの仕掛けというものは、おっしゃられたように動物の習性をよく理解して、その上で設置しなければ効果は上がっていかないということはもちろんです。昨年、静岡県で電気柵の漏電によって、川に入った男性が感電して死亡するという事故が起きました。鳥獣被害対策としてわなの効果的な設置のために専門員が活動していただいているというのはもちろんですが、こうした不慮の事故が本県で起きることのないよう、安全対策という面でもしっかりと取組を進めていっていただきたいと思っております。

 次に、その鳥獣の捕獲の担い手であるハンターについて伺っていきたいと思います。ハンターの人数は、新聞等では担い手が減っているとお聞きしているのですが、実際の数字としてハンターは、今、どのような状況なのでしょうか。

自然環境保全課長

 散弾銃などによる捕獲をするために必要な第1種銃猟免許の所持者数ということでお答え申し上げますと、10年前の平成18年度には4,151人だったのが、平成27年度には3,038人となっており、減少傾向にあります。

米村委員

 人数の減少とともに高齢化というところで、いざ必要に応じたときに出動するハンターが少なくなっていると聞くところですが、実際にハンターを増やしていくためにかながわハンター塾を開催していると書いてありますが、この取組というものはどういったものなのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 ハンターになるためのきっかけづくりとして、狩猟の魅力や楽しさを伝えて、狩猟への関心を高めようということで、平成26年度から開催しております。かながわハンター塾については、(公社)神奈川県猟友会に委託し、県立伊勢原射撃場で年間3回開催しております。平成27年度の実施内容ですが、狩猟免許や猟銃の所持許可を得るための手続等の説明、ハンターによる狩猟の体験談等の講話ですとか、射撃の実演見学などとなっております。

米村委員

 それでは、ハンター塾は年3回実施されているとお聞きしますが、平成27年度の実績をお伺いします。

自然環境保全課長

 平成27年度の実績ですが、1回当たり定員30人、合計で定員90人のところ218人の方から申込みがあり、抽選で90人選定しました。当日、急きょ御欠席の方がおられましたので、参加者は合計で82人でしたが、そのうち、狩猟免許を取得した方は29人となっております。

米村委員

 実際、この開催は定員以上の申込みがあるというところで、開催することに関してはよいことなのかと感じておりますが、実際に参加されて29人が狩猟免許を取得されたということですが、かながわハンター塾の目的としては、捕獲者としてのハンター、鳥獣が問題を起こしたときに出動するハンターとして捕獲の活動に参加してもらうハンターを育てていくことがこの事業の目的だと思いますが、この29人が実際の活動に参加するようなことにはなるのでしょうか。

自然環境保全課長

 平成27年度のハンター塾に御参加いただき、狩猟免許を取得した29人のその後の活動ですが、体系的なフォローはしておりません。ただ、個別の情報として、そういった方の中で実際に捕獲の現場で活動されておられる方がいるということは承知しております。

米村委員

 この事業は、それこそ県の税金をかけていることですので、かながわハンター塾を受けて狩猟免許の取得につながった方が一人でも多く実際の捕獲活動に参加してもらえるように、促してもらいたいと思っております。いろいろお聞きしましたが、様々な対策を行っていることは分かりましたが、被害額としては例年一定の金額で推移しており、減っていると感じることができません。本県では、山麓での農業被害を発生させるニホンジカと、人なれが進んで農作物や人家に被害を発生させているニホンザルに対して保護管理計画を策定しております。先ほど伺ったハンターを増やす取組などは、特にニホンジカの捕獲の担い手となることを期待しているものですが、シカについて、現在、進行中の第3次保護管理計画の取組状況と来年改定を迎える第4次計画に向けてどのように考えているのか、お伺いします。

自然環境保全課長

 今年度は、第3次のニホンジカ管理計画の最終年度ということになります。第3次計画でのニホンジカについての取組ですが、まず、丹沢の標高の高いところについては、シカに食べられて衰退してしまいました植生の回復を目指し、県が主体となってシカの捕獲などを実施してきました。丹沢の中腹に当たる地域については、この地域をシカの主な生息域としようということで、森林を整備して植生回復を図りながら、必要に応じて県が主体となってシカの捕獲を行い、シカと植生のバランスを保ちながらシカを安定的に存続させるための取組を行ってまいりました。丹沢の山麓の地域、あるいは丹沢以外の周辺地域については、農林業被害の軽減等を図るために市町村が中心となって捕獲などを実施してまいりました。

 第3次計画がスタートした平成24年度以降、狩猟も含めて、毎年、2,000頭以上のシカを捕獲してまいりました。シカの生息数は減少傾向にあり、丹沢の一部地域では植生の回復も見られるようになってきております。来年度からスタートする第4次計画の考え方ですが、丹沢の標高の高い山稜部での捕獲を強化するとともに、中腹に当たる地域では、シカの捕獲と森林整備を連携させた取組を一層進めてまいりたいと考えております。

 また、丹沢の山麓に当たる地域については、これまでと同様、市町村による捕獲と合わせて、農業者等が一体となって取り組む柵の設置などの対策を支援してまいります。丹沢以外の地域については、箱根山地等でシカが増加傾向にあり、森林の植生への影響が懸念されるという状態になっておりますので、これまでの農林業被害軽減のための市町村等によるシカの捕獲に加えて、第4次計画から新たに植生の衰退を未然に防ぐための捕獲を必要に応じて県が実施することとしております。

米村委員

 第3次のニホンザル保護管理計画について、現在の取組状況を伺いたいと思います。特にサルに関しては、人里に下りてきて農作物を食べたり、人に危害を与えたりと被害が減っているとは考えられないと思っております。更なる個体調整の必要を感じているわけですが、第4次計画に向けてどのように考えていくのか、こちらも併せてお伺いします。

自然環境保全課長

 ニホンザルについては、県内には三つの地域個体群があり、それぞれ複数の群れで構成されております。第3次計画では、三つの地域個体群を維持しながら被害を軽減していこうということで、追い払いや柵の設置などの被害防除対策、そしてお話のありました個体数調整、やぶの刈り取りや餌となる放置された果実の除去などの取組を実施してまいりました。その結果、三つの地域個体群は維持されておりますし、サルの頭数の増加は抑制されており、一部の群れを縮小することができております。しかし、被害を軽減するには至っていない状況にあります。

 このため、来年度からスタートする第4次計画では、新たな考え方を取り入れることとしております。それは、サルは群れ単位で行動する特性があることを踏まえ、サルのそれぞれの群れが適正な生息域で、適正な規模で生息するように管理するという考え方です。群れごとに適正な生息域を定めて、その目標エリアに向けて追い上げを行うとともに、適正な規模とするための個体数調整を行うこととしております。また、群れが密集していて、そのままでは追い上げるエリアがないというような場合には、除去すべき群れを決めたり、除去しない群れについても、どの程度まで規模を縮小するのか定めて、そのための個体数調整を行っていきたいと考えております。こうした群れ管理と、防護柵の設置や餌となる放置された果樹の除去などの対策を組み合わせて進めていきたいと考えております。

米村委員

 それでは、要望に移ります。鳥獣によって農家の方は大変大きな損害を被っており、その被害額というものは農家にとって決して無視できる額ではありません。被害額をなるべく正確に近い形で調査していただき、そして、その上で実際の被害を減らしていくことが重要と考えております。保護管理計画の着実な推進や鳥獣被害防除対策専門員の取組、そして捕獲や追い払いに協力するハンターの育成など、県の役割を発揮していただき、市町村と連携して、地域の実情に応じた対策を今後も行っていただきたいと思います。

浦道委員

 建築物の耐震化について、何点かお伺いします。今回、主要施策説明書の土木費においても、いの一番に災害に強いまちと書いてあります。また、平成27年度の当初予算における9の重点事業の重点1という項目に関しても、地震等災害対策の推進のところに建築物の安全確保ということで、しっかりと盛り込まれております。平成27年度の決算ですので、やはりここにはさわらざるを得ないかと思っております。先日の決算特別委員会においても緊急地震速報が鳴ったり、数日前には中部地方でも地震が起きております。いつ何時起きるか分からない、平時のときにそういう災害が起きた際の自助共助というところはできるように、公助の対策をこういうときこそ行っておくべきだろうという視点を持って、質問させていただきます。

 まず、平成27年度の決算では、県の総合計画でありますかながわグランドデザインの第2期実施計画の初年度の決算ということです。その進捗も含めてですが、大規模建築物並びに緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化について、かながわグランドデザインの実施計画でどのように位置付けられておるのか、お伺いします。

建築安全課長

 大規模建築物及び沿道建築物の耐震化については、かながわグランドデザインの第2期実施計画の主要施策計画推進編において、政策分野の体系の2、安全・安心、高柱1、大規模な災害の対応力の強化の章柱1の災害に強いまちづくりの中の主要施策、建築物などの耐震化の促進として、耐震化に対する支援が位置付けられております。

浦道委員

 実施計画において、プロジェクトの進捗と達成度を図るために様々な数値目標が設定されておりますが、建築物の耐震化の促進につきましては、どのような数値目標を設定されているのか、お伺いします。

建築安全課長

 建築物の耐震化促進については、第2期実施計画のプロジェクト編のプロジェクト11、減災・災害に強いまちづくりの具体的な取組の災害に強いまちづくりの中で、民間の大規模建築物や緊急輸送道路沿道建築物などの耐震化を促進することが記載されております。数値目標については、耐震診断が義務付けられた大規模建築物、沿道建築物の耐震診断結果の報告率を設定しております。

 耐震診断結果の報告については、報告期限が定められています。その期限よりできるだけ早く報告していただくことにより、補強が必要な建築物の耐震改修の働き掛けが早期に実施でき、建築物の耐震化の促進につながることから、色付けされた耐震診断結果の報告率を数値目標と設定しました。

浦道委員

 今、建築安全課長から御答弁いただいた中で、本来、数値目標というのは計画の達成状況というのを検証するためですから、分かりやすいものを設定していると思っております。例えば、建築安全課長に御答弁いただいた耐震診断結果の報告率の目標設定を数値目標として設定されておりますが、もともと耐震診断が義務付けられたことを数値目標などで義務付けられているわけですから、どう見てもこれは分析するのだろうと私は思うのです。

 ですから、達成できる見込み、いわゆる以前も評価がAというのでしょうか。達成できる見込みのことを数値目標に設定ではなく、本来、この建築物の耐震化というのは、耐震工事をしていただくところが本来の趣旨であり、目的であると思うのです。義務付けられた診断をして報告してというのはあくまでも手段であり、これを目標にするというのはいかがなものなのか。しかも、義務付けられているわけですから、2018年よりも前に100%になるのだろうと私は思うのですが、今後、そういったところも含めて、本来、この事業が何が目的なのだというところをしっかりと見極めた上で、数値目標を設定すべきではないかということを意見として申し伝えておきます。

 また、現在、設定されている数値目標の対象建築物として、耐震診断が義務付けられた大規模建築物、その後、沿道建築物とありますが、誰が、どのように義務付けたものなのか、確認させてください。

建築安全課長

 既存建築物の耐震診断の義務付けは、平成25年度の耐震改修促進法の改正で新たに定められたものです。大規模建築物については、国が法律で直接義務付けたもので、病院、店舗、旅館などの不特定多数の方が利用する建築物や老人ホームなどの避難弱者の方々が利用する建築物、また危険物を取扱う建築物のうちで、一定規模以上のものとなっています。

 また、沿道建築物については、都道府県、市町村が個々の耐震改修促進計画で指定し、義務付けたもので、緊急輸送道路などの避難道沿道建築物のうち、地震による倒壊で通行障害を引き起こすおそれのある一定の高さを超えるものとなっております。

浦道委員

 今回、この建築物の耐震化促進について、いわゆるかながわグランドデザインとは別に、神奈川県耐震改修促進計画があるということをお聞きしておりますが、その計画策定の背景と、これまでの改定内容並びに本来、県の施策というのは基本的にグランドデザインに基づいて進めるべきだと私は考えておりますので、グランドデザインと耐震改修促進計画の関係も併せてお聞きします。

建築安全課長

 まず、計画策定の背景と、これまでの改正内容についてです。神奈川県耐震改修促進計画は、平成18年度に改正施行された耐震改修促進法で、都道府県は計画を定めることとされました。これを受けて、平成19年3月に策定した法定計画です。その後、平成25年度の法改正において、耐震診断の義務付けなどの規制措置や耐震改修に係る建蔽率、容積率の特例などの措置が講じられたことを受けて、平成26年3月及び平成27年3月に計画を改正しました。平成26年3月改定ですが、多数の方が利用する建築物の耐震化促進のための支援、広域防災拠点として災害時の避難者受入施設となりますホテル、旅館の指定を行い、規定することとしました。また、平成27年3月改定においては、第1次緊急輸送道路のうち、圏域を越える広域ネットワークを形成する路線を指定して、その沿道建築物に耐震診断を義務付けるとともに、その他に第1次緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化促進の支援を行うこととしました。

 次に、グランドデザインと耐震改修促進計画との関係です。かながわグランドデザインは、県政を運営する上での総合的、基本的な指針を示す県の総合計画です。一方、耐震改修促進計画は、耐震改修促進法に基づく法定計画でして、建築物の実施に対する安全性を向上することを目的に、耐震化の目標と施策を定めております。この耐震改修促進計画は、かながわグランドデザインに沿った対応を進めていく上での期別計画です。

浦道委員

 耐震改修促進計画において、建築物の耐震化に向けてどのような計画目標を設定されておるのか、お伺いします。

建築安全課長

 県の耐震改修促進計画では、住宅及び多数の方が利用する建築物の耐震化の目標として、それぞれ耐震化率を平成27年度に90%、平成32年度に95%とすることを定めております。

浦道委員

 今、平成27年度が90%、平成32年度が95%とお聞きしました。平成27年度の目標90%は、達成できたのかお伺いします。

建築安全課長

 住宅の耐震化率は、5年ごとに実施されます住宅土地統計調査を基に推計することとしており、最新の調査は平成25年度に実施され、その結果から推計しますと、平成25年度時点の耐震化率は約89%となっております。また、多数の方が利用する建築物の耐震化率は、平成26年度に実施した市町村への調査の結果から、約89%となっております。

 そこで、平成27年度の住宅及び多数の方が利用する建築物の耐震化は、これまでの耐震化率の上昇推移、1年間に何ポイント上がるかというのはそれぞれ分かっておりますので、それを考慮しますと、共に90%を達成していると考えております。

浦道委員

 耐震化率を目標達成するために、今後、それを進めていかなければならない建物もたくさんあると思います。また、耐震化の工事を進めようとするときには、やはり設計から工事という形で相当な期間と金額がかかるかと思うのですが、例えば、建物の大きさ等によっても違うかと思うのですけれども、実際に耐震診断と耐震改修に要する費用というのは、おおむねどれくらいかかると予想されているのか、お伺いします。

建築安全課長

 まず、耐震診断に要する費用です。戸建て木造住宅の耐震診断費用はおおむね10万円から20万円程度とされており、鉄筋コンクリート造や鉄骨造などの耐震診断費用は床面積が1,000平米未満の場合、1平方メートル当たりおおむね3,000円程度、3,000平米以上の場合には1平米当たりおおむね1,500円程度となっております。

 次に、耐震改修に要する費用についてです。戸建て木造住宅の耐震改修費用は、おおむね100万円から150万円程度、鉄筋コンクリート造などの耐震改修費用は、耐震診断結果から目標とする耐震性能との関係、あるいは採用する工法、耐震補強であるか、免震補強によるのかといった工法により費用は異なりますが、1平方メートル当たりおおむね1万5,000円から5万円程度となっております。

浦道委員

 耐震改修の工事をする間というのは、やはり一定期間建物が使えなくなったりすると思うのですが、工事期間というのは大体どれくらいかかりそうでしょうか。

建築安全課長

 耐震改修の工事期間は、採用する工法や建物規模により異なりますが、例えば、鉄筋コンクリート造の代表的な工法である耐震壁の増設、ブレースの設置、柱の補給などを行います耐震補強工事の場合にあっては、この工事期間はおおむね6箇月から1年程度と言われております。また、耐震補強工法や免震補強工法の工事の場合にあっては、2年程度と長期にわたる場合もあります。

浦道委員

 今、建築安全課長からの御答弁の中で、建築物の耐震化についてはそれ相当の費用と、工事期間が必要ということでした。今回、主要施策説明書の164ページから165ページに記載されております大規模建築物と沿道建築物への三つの耐震化補助金の対象建築物を検討するに当たっては、限りある予算の中で、県としても重点的に支援するべきものに絞り込んでおられるかと思いますが、大規模建築物の耐震化補助金の対象となる建築物はどのような建物で、どの程度あるのか、お伺いします。

建築安全課長

 大規模建築物の耐震化補助金は、耐震改修促進法で耐震診断が義務付けられた大規模建築物のうち、まず避難弱者が利用する民間の病院福祉施設や避難生活者を受け入れるホテル、旅館などについて、県が国と市町村と協調して耐震診断や耐震改修を補助することとしております。例えば、病院の場合は、建物の階数が3以上で床面積が5,000平米以上の建物が対象です。ホテル、旅館の場合は、病院と同様の建物規模で、所在市町村と避難生活者の受入れに関する協定書を締結したものに訂正しております。

 なお、平成28年8月現在、補助対象となる可能性のある大規模建築物数としては41棟です。

浦道委員

 次に、二つの沿道建築物に耐震化補助金の対象となる建築物は、それぞれどのような建物で、どの程度ありますでしょうか。

建築安全課長

 まず、県が国と協調して建物所有者に県が直接補助する神奈川県沿道建築物耐震化補助事業費補助金の対象となる建築物は、県が耐震診断を義務付けた建築物です。具体的には、緊急輸送の骨格をなす第1次緊急輸送道路1,550キロメートルのうち、広域ネットワークを形成する100政令市区間を除きます150キロの区間に存在する沿道建築物です。補助対象の沿道建築物は12棟です。

 次に、県が国や市町村と協調して補助する神奈川県沿道建築物耐震化支援事業費補助金の対象となる建築物は、第2次緊急輸送道路の沿道建築物のうち、先ほど御説明いたしました県の直接補助の対象を除く建築物です。対象となる路線区間は1,400キロで、対象となる沿道建築物の数は最大で約2,300棟と考えております。

浦道委員

 建築物の耐震化ですが、当初予算において、重点事業として掲げた10の事業で1番目に位置付けられております地震等災害対策の推進に関する事業であるにもかかわらず、当初の予算額に対して決算額が少なく思うのですが、どのような理由があったのか、お伺いします。

建築安全課長

 まず、大規模建築物の耐震化補助金については、対象建築物がある市町の要望に基づき当初予算を計上しましたが、建物所有者の資金調達や事業計画の関係から、耐震改修工事の着手が遅れたり、中止になったことによるものです。

 次に、沿道建築物の耐震化補助金等についても大規模建築物と同様の理由ですが、建物所有者の様々な事情から事業着手が遅れるなどしたことが、その理由です。

浦道委員

 今回、耐震化にどうやったら取り組んでいただけるかが、最大の課題と思います。診断は終わったが、耐震化工事というところもあろうかと思いますし、大規模建築物と沿道建築物で、もちろん建物の規模、用途等は違うと思うのですが、それぞれにおける課題、あるいは建物の所有者への働き掛け、取組は異なるのかどうか、お伺いします。

建築安全課長

 大規模建築物については、その規模や利用形態から、診断、改修にかかる費用が多額となることや、工事中の営業等への影響が課題となっております。しかしながら、建物所有者自体はある程度の資力を持ち合わせた企業や団体が多いことから、その社会的責任や影響、コンプライアンスの面から働き掛けることにより、耐震化への理解が得られやすくなっております。

 一方、沿道建築物については、その用途や規模にかかわらず、道路の幅員に対しての建物の高さにより決まっておりますので、戸建て住宅、中小商店、事務所など、小さな建築物から大規模なマンションなど、その用途、規模が様々です。また、大規模建築物と同様な課題に加えて、建物所有者の高齢化による耐震化に対する意識の低下やマンションにおける住民の合意形成などが課題となっております。したがいまして、大規模建築物に比べて沿道建築物の耐震化に向けては個々の建物所有者に理解を得るために、より丁寧な対応が必要であると考えております。

浦道委員

 今後の所有者への具体的な働き掛けをお聞きしようと思ったのですが、先行会派でやりましたので、これまではどのような働き掛けをされていたのか、お聞きします。

建築安全課長

 これまでの取組ですが、県の直接補助対象の建物所有者については、個別に職員が伺い、耐震化の必要性を直接建物所有者に働き掛けて、耐震診断や耐震改修の早期実現を行うよう働き掛けてまいりました。建物所有者に対しては、耐震化の必要性を理解していただくことが大変重要です。その補助制度の説明に加えて、所有者に様々な事情に応じた丁寧な対応を継続的に行うとともに、今後は耐震診断を行わず耐震化が進まないような場合にあっては、耐震改修促進法の規定に基づき、命令等を行うことも説明していく所存です。また、耐震診断、耐震補強設計、耐震工事の実施に当たりましては、専門技術者の関与が不可欠ですので、今後は建築関係団体との連携も深めてまいりたいと考えております。このような取組を着実に進めて、耐震化が早期に実現するようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

浦道委員

 最後に意見を述べさせていただきます。多くの県民が利用している病院等を含めた大規模建築物の耐震化は当然ですが、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化も建物の倒壊などから命を守るという一次的な県民の安全確保だけではなく、道路への倒壊によって通行障害を防止するという目的で、二次的な県民の安全・安心という面でも大変重要であります。建物所有者にとっては、耐震診断の結果、耐震性が低いと分かったとしても、費用であったり、あるいは期間であったりというところで、ちゅうちょしてしまうという気持ちがあることも理解はしますが、これは個人の問題でもなく、県民全体の問題であるということを考えて、やはり目的、目標というところは耐震工事をしていただくという思いを、是非とももう一度力強く思っていただいて、診断だけで終わることなく、必要なところはしっかりと説得をしながら耐震工事を行っていただけるようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

谷口委員

 鉄道駅のオープンに向けての安全対策について伺ってまいりたいと思います。平成28年8月に東京メトロ銀座線で、視覚障害者の方がホームから転落して亡くなるという悲しい事件が発生しました。また、平成28年10月16日にも関西の近鉄大阪線で同様の事故が発生しました。駅の安全対策については、ホームドアの設置が一番有効だと言われておりますが、本会議で、我が会派の?橋稔議員の提案で県も補助を出して行っていくべきだということで質問し、県の補助金がスタートしました。私も予算委員会で知事に対して、東京2020オリンピック競技大会に向けてしっかりと取り組んでほしいと申し上げて、オリンピックの様々な施策の中にホームドアの推進も盛り込んでいただきました。ただ、ホームドアについては費用が掛かること、ドアの位置の問題、基礎が弱いところは基礎もやり直さなければいけないといった課題があるということです。それで、ホームドアをしっかりと進めていただくことは当然ですが、それと同時に内方線付き点状ブロックというのがあります。これは、ホームの点状ブロックの内側に線状の表記、突起があって、それがホームの内側と分かるブロックがありますが、このブロック設置を進めていくことも非常に大事だと思っております。

 そうした観点から幾つかお伺いしたいと思いますが、まず最初に、ホームドア、それから内方線付き点状ブロックの設置について、国が基本方針を定めていると思いますが、その基本方針の内容について伺いたいと思います。

交通企画課長

 国は、平成32年度を目標とした移動等円滑化の促進に関する基本方針を平成23年度に定めました。ホームドアや点状ブロックなどの駅ホームにおける転落防止対策を、1日の利用者が3,000人以上の駅について設置することとしています。この基本方針に基づき、国は転落防止対策の進め方を示しており、1日の利用者数が1万人以上の駅では、視覚障害者の方がホームの内側を認識できるように、先ほど委員申しました線状突起を付けた内方線付き点状ブロックを設置するよう努めるとしています。また、1日の利用者数が10万人以上の駅には、設置可能であればホームドアを優先し、転落防止対策について速やかに実施するよう努めるとしています。

谷口委員

 1万人以上、10万人以上とあるわけですが、10万人以上の駅を対象にホームドアの設置を進めている、補助を行っていると認識しておりますが、対象となる県内の駅の数とホームドアの設置状況を教えてください。

交通企画課長

 現在、県内の1日の平均利用者数が10万人以上の駅は44駅あります。そのうち8駅にホームドアが設置されています。県が平成26年度から国及び地元市と協調して補助を行っており、みなとみらい線の横浜駅、東急東横線の武蔵小杉駅、菊名駅など、6駅でホームドアの設置が進められました。

谷口委員

 補助を入れてから年間二つ、若しくは三つの設置が進んでいるのだと思いますが、これはしっかりと進めていただきたいと思います。その一方で、先ほどお話ありました利用者が1万人以上の駅においては、内方線付き点状ブロックの整備を進めていくということですが、1万人については可能な限り速やかに実施という関わり方になっておりますが、現状、平成23年度にこの方針が出てから、どういう経緯で進んできているのか、分かる範囲でお答えください。

交通企画課長

 現在、県内の1日の平均利用者数が1万人以上の駅は258駅あります。国の方針が示される前の平成22年度末における内方線付き点状ブロック等の転落防止対策が実施された駅は約100駅で、実施率は約4割程度でした。平成27年度末では約200駅と2倍となっており、実施率は8割と整備が急速に進められております。

谷口委員

 転落防止対策の率が4割から8割ということで、かなりのスピードで進んできていると思うのですが、あと2割残っているわけです。この2割を、今後、進めていくのに向けて何か課題はあるのでしょうか。

交通企画課長

 ホームドアについてはいろいろな課題がありますが、内方線付き点状ブロックについては、基本的には鉄道事業者が実施していただけるものと考えております。ただ、なかなか数が多かったもので、残りの2割についてはこれからも実施していただけると考えております。

谷口委員

 もう少し具体的な課題が分かれば、教えてください。

交通企画課長

 既に内方が付いていない点状ブロックについては、基本的に全駅で付いております。それを内方線付きに変える場合には、上から補修する場合と入れ替える場合がありますので、駅によってはなかなか工事が進んでいないのかもしれませんし、あとは残されている駅を多く抱える事業者がありますので、これから鋭意行っていくものと考えております。

谷口委員

 今、御説明いただいたように、既に通常の点状ブロックは備え付けられており、それを取り替えるのに何らかの支障があるということは分かりました。最後にお伺いしたいのですが、ホームドアの補助金を入れていただいて着実に進んでいます。内方線付きの点状ブロックについても8割まで来ているというわけですが、これからしっかりと促進していっていただきたいわけであります。いずれにしても、駅における安全対策というのは鉄道事業者の責務であるということですが、県も補助金やそのほかの施策を打ち出しておりますが、さらに駅の安全対策について、しっかりと総合的に取り組んでいっていただきたいと思うのですが、今後、どのようにして取り組んでいくのか、お伺いします。

交通企画課長

 駅ホームの安全性対策について、平成28年8月の東京メトロ銀座線での転落事故を受けて、現在、国が鉄道事業者などと、それまでの転落防止対策に加えて心のバリアフリーなどを含めた検討を行っております。県としても、ホームドアや内方線付きの点状ブロックといったハード整備と視覚障害者への声掛けなどの心のバリアフリーといったソフト対策が、併せて進められることが重要と考えております。まずは、県の駅ホームにおける安全対策について、より総合的に進められるよう鉄道事業者や国に対して強く働き掛けてまいります。

 また、鉄道事業者等との連絡調整会議、ホームドアの設置促進のためにつくっておりますが、国のこういった検討状況を踏まえて、施設整備、心のバリアフリーなどの今後の対応策についても情報共有を図って、誰もが安全に駅を利用できるよう県としてもしっかり取り組んでます。

谷口委員

 最後に、心のバリアフリーの対策について具体的にどのように進めていくのか、お考えがあれば教えてください。

交通企画課長

 今、国が鉄道事業者を呼んで会議を設置しており、その中では、やはり駅員の配置であるとか、それに加えて周囲の方の声掛け、そういったものを駅に掲示するとか、PRするといったものを全体で取り組んでいかないと、なかなかソフトの対策としてできないのかというところで、県としては、そういった各事業者の状況がありますので、しっかり聞き取りしながら、一緒になってやれることがあれば行っていきたいと考えております。

谷口委員

 声掛け等の心のバリアフリー対策については、駅員の方だけが行うという話ではなく、ラッシュ時には駅員の皆様が付いてくれていますが、通常時は大体ホームには誰も駅員の方はいないという状況です。そういう中で、声掛けをするのは我々利用者だと思うのです。今後、各関係機関と調整を取っていただきながら、声掛けにしても、今まで声を掛けたことがない方はどうやってよいのか、もしくは声を掛けることによって迷惑に思われるのではないかという遠慮があったり、行ったことのない人にとっては新しいことが多いと思うのです。そういう意味で、関係機関で協力してそういうものの絵が入った声掛けの仕方とか、そういうチラシを作って駅に置くといったことも、是非、イニシアチブをとって進めていただくようにお願いして、この質問は終わります。

 次に、農地の有効活用の促進について伺っていきたいと思います。主要施策説明書の121ページ、中高年ホームファーマー事業とかながわ農業サポーター事業について伺いますが、まずは、中高年ホームファーマー事業とかながわ農業サポーター事業の二つの仕組みと取組状況について、簡単にお伺いします。

農地課長

 中高年ホームファーマー事業の仕組みですが、耕作放棄地を県が借り受けて農園として整備し、企業などを退職して時間に余裕のある中高年者の方などに1人100平方メートルの区画を貸し出すとともに、最初の1年目は体験研修生として10回程度、野菜栽培の基礎的な講義や実技の研修と農業機械の操作研修を行います。2年目以降は、希望に応じて100平方メートル以上の広い農園に移り、最長で4年間、農園で野菜づくりを楽しんでいただく仕組みです。

 次に、かながわ農業サポーター事業の仕組みですが、中高年ホームファーマーを2年以上経験した方や市町村などが行う農業研修を修了するなど一定の技術があり、もっと広い農地を耕作し、販売にチャレンジしようという意欲のある方を県が農業サポーターとして認定し、耕作放棄地を復旧した農地を神奈川県農業公社を通じて貸し出す仕組みとなっており、中高年ホームファーマーからかながわ農業サポーターへステップアップする仕組みとなっております。

 次に、それぞれの取組状況ですが、まず、中高年ホームファーマー事業は平成14年度から27年度までに1,214人の方が農園を利用しており、平成27年度は、1年目の体験研修農園を相模原市、座間市、葉山町、愛川町、大磯町、中井町の6市町で開設するとともに、鎌倉市ほか10市町で2年目以降の方を対象とした農園を開設し、約20ヘクタールの耕作放棄地を有効活用しております。

 かながわ農業サポーター事業の取組状況ですが、平成19年度の事業開始以降、平成27年度末までに188人の方を県がサポーターとして認定し、129人の方が県内20市町で耕作を行い、約20ヘクタールの耕作放棄地を有効活用しており、この188人のうちの約6割、120人の方が中高年ホームファーマーからステップアップしているという実施状況です。

谷口委員

 着実に取組を進めていると思うのですが、この取組について目標を定めていれば、目標の値とその実績について何割くらいまで進んでいるのか、お伺いします。

農地課長

 目標として、かながわ農業活性化指針において目標を定めており、中高年ホームファーマーの研修生を平成22年度の43人から平成32年度までに70人とする目標を定めております。また、実績としては平成27年度の研修生は56人となっており、目標に至っていない状況になっております。

谷口委員

 達成率は7割強というところで目標達成に至っていないようですが、まだ年数はありますが目標の達成に至っていないという背景というか、原因はどのようなところにあると捉えているのか、分析されているのか、お伺いします。

農地課長

 この取組の狙いとしては、県の西部に耕作放棄地があるということで、それを中心にして中高年ホームファーマーからかながわ農業サポーターへとステップアップして、その方に地域に定着していただいて耕作放棄地対策をしていくということを狙いとしております。課題としては、全体の応募倍率は約2倍近くありますが、応募者の多くが横浜市など県東部にお住まいの方であり、比較的近くの座間市や葉山町の農園は高い倍率となっておりますが、県西部の農園については、通いにくいなどの理由から定員に達していない傾向があるため、なかなか募集人数を増やすことができないといったことが要因と考えられております。このため、特に県西部の県民の方への周知や、農園の適正な配置などが課題と考えております。

谷口委員

 今おっしゃられたように、利用する方々が県西部の中で出てくると実績も上がってくると思うのですが、なかなか周知ということは難しいかもしれないのですが、例えば、広報誌に載せたりすることも行っていると思うのですが、それに加えて、例えば、県のホームページのトップページに募集を開始した1週間だけでもよいからバナーを張らせてもらうとか、何か工夫して周知を図っていくことも大事かと思うのですが、それも含めて、今後、どのように目標達成まで進めていこうとしているのか、お伺いします。

農地課長

 県民への周知が課題だと思っており、引き続き、所属のホームページに募集案内を掲示するとともに、各地域県政総合センターの県民窓口や市町村の市民窓口に募集要項を配架するなどして周知を図ってまいりたいと思っています。また、県西部地域においては、園芸用品等を扱っているホームセンターに募集案内を置かせていただいたりして、工夫して取り組んでまいりたいと考えております。

 御提案のありました県のホームページのトップページへの情報掲載ですが、所属のホームページですと、なかなかそのページまでたどり着けないこともありますので、今後はトップページへの掲載を検討してまいりたいと考えております。最近は、農機具の貸し出しや栽培代行、アドバイザーによる相談など、利用者のサポートを充実させて、手間の掛からない市民農園を開設している民間事業者も県内に参入してきており、民間事業者の手法や連携などを研究して、より多くの県民の方が参加できる効率的な手法を検討してまいりたいと考えております。

谷口委員

 私からの提案も含めて、総合的にできることは何でもやるという思いで、是非、進めていただきたいと思います。

 最後に、ORVR車について伺っていきたいと思いますが、午前中も質問がありましたので、重複しないように質問していきたいと思います。最初に、昨年度のPM2.5の環境基準の達成状況は午前中も大気汚染ということで御説明がありましたが、PM2.5の環境基準の達成状況、それから今年度の光化学スモッグ注意報の発令状況を確認させてください。

大気水質課長

 現在、県内各市に大気汚染の常時監視測定局が設置されており、大気汚染の状況を確認するための測定を毎日実施するという体制を組んでおります。昨年度の環境基準の達成状況について、PM2.5については測定を行った64局のうち、250日以上測定ができた、有効なデータが得られた測定局が63局あります。その63局中、56局で環境基準を達成して、達成率は88.9%と、平成26年度に比べると大分良くなっております。また、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントについては、測定を行った60局全てで環境基準を未達成という状況です。光化学スモッグ注意報の発令状況ですが、最も多かったのが昭和47年度の31回で、これからはずっと良くなっております。昨年度で10回、本年度も9月2日が最近の発令になりますが、これまで6回発令という状況です。

谷口委員

 まだ未達性ということと、光化学スモッグ注意報が6件発生しているということですが、ガソリンベーパーやこうした揮発性の有機化合物の排出抑制対策は、これまでどういった取組をしてきたのか、お伺いします。

大気水質課長

 ガソリンベーパーなどの揮発性有機化合物の排出抑制対策として、大気汚染防止法で、平成18年度から塗装施設や工業製品の洗浄施設などの揮発性有機化合物排出施設と呼んでおります施設について、排出基準を定めて規制しております。

 また、ガソリンスタンドなどからの揮発性有機化合物への対応は、首都圏の自治体では早くから行われており、本県でも昭和53年から、タンクローリーからガソリンスタンドの地下タンクに荷下ろしするときのガソリンベーパー回収設備の設置を神奈川県の条例で義務付けております。

谷口委員

 海外ではどういう対策をとっているのか。それから午前中も質疑がありましたが、県庁では使っていないということなのですが、実際に海外から日本に入ってくる輸入車の中にORVR車というのがあるのか、ないのか、その辺りを確認させてください。

大気水質課長

 海外の状況ですが、ガソリン給油時におけるガソリンベーパーの放出を減らす方法というのは、大きく分けて自動車側での対策とガソリンスタンド側での対策があります。アメリカでは、ORVR車という車側の対応で、EUではStage2と呼ばれる給油機側の対応が行われており、状況が異なっております。EUで導入されているStage2というのは、給油の際に自動車の給油口から漏れ出てくるガソリンベーパーを給油機のノズルを通して回収し、ガソリンスタンドの地下タンクに戻すという仕組みが主なものです。日本では、ORVR車、Stage2のいずれの対策も制度化されていないという状況です。

 そして、海外から日本に輸入される自動車についてですが、アメリカではORVR車となっている車であっても、輸入する際には通常の日本仕様にされて入ってくるということで、現在、正規ディーラーで販売されている車については、アメリカ車であってもORVR仕様となっているものはないと伺っております。

谷口委員

 最後は要望だけにとどめますが、まず、ネーミングですが、ガソリンベーパーは分かりづらいです。ペーパーと間違えてしまう。例えば、ガソリン蒸気対策、ガソリン蒸発ガス対策という言い方に変えるとか、ORVR車も何かSUVと間違えてしまいそうなので、ガソリン蒸気対策車とか、そうしたネーミングを考えながら周知を図っていただくことをお願い申し上げるとともに、国にしっかりと要望を引き続きしていっていただきたいと思います。

井坂委員

 まず最初に、アスベスト対策について質問させていただきます。主要施策説明資料の71ページがその対象になると思うのですが、2015年度はアスベストが飛散するという事故が幾つか神奈川県内であって、私も本会議の代表質問でこのことを取り上げたのですが、やはりこれから解体工事に伴うアスベスト対策は強化をしていかなくてはいけないと思っています。そのような中で、2015年度ではアスベストの除去工事において、飛散性のものですが、レベル1、2の届出があった数はどのくらいだったのかということと、立入り調査をされていると思いますが、何件くらい立入り調査をされたのか、お聞かせください。

大気水質課長

 平成27年度は、大気汚染防止法に基づくアスベスト含有建築物の解体等の届出を県で受理した件数は、56件となっております。立入り検査は、原則、受理した届出の全てを実施することとしており、平成27年度は60件の立入り検査を実施しております。

井坂委員

 レベル3の非飛散性のアスベスト含有建材ですが、こういうものの解体工事も届出が必要になっていると思いますが、何件くらいそういう届出があって、立入り調査は何件くらいされたのか、聞かせてください。

大気水質課長

 現在、大気汚染防止法では、レベル3と言われる非飛散性、飛びにくいアスベストの建材について届出の対象となっておりません。したがいまして、本県に届出はありません。そういうわけで、レベル3建材を使用した建築物等の解体等工事への立入り検査というのは、県では実施していないというのが実態です。

井坂委員

 ちなみに、レベル1、2飛散性の方については、60件対象となって立入り検査したということですが、職員の体制はどんな形で組まれているのかということと、もう一つ、携帯型のアスベストの分析装置というのがあると聞いていますが、県はそれを持っているのかどうか、確認させてください。

大気水質課長

 体制ですが、大気汚染防止法に基づくアスベストの届出受理、立入り検査などは、県内に4箇所あります地域県政総合センターの環境部で、約30名の職員がほかの業務を行いながらではありますが、対応させていただいております。今、委員の御質問の携帯型の分析装置というのは、アスベストアナライザーと呼ばれるものかと思いますが、県はこのアスベストアナライザーについては所持しておりません。

井坂委員

 もう一つ、先ほどもお話ししました届出があったレベル1、2の調査ですが、届出があったものは調査に行っているということで、届出のなかったものについては、そういう調査は行っていないのでしょうか。

大気水質課長

 基本的にレベル1、2については、大気汚染防止法で届出が義務付けられておりますので、もちろんその届出に基づいて行っているということがあります。あとは、ほかの法律ですが、建設リサイクル法という法律があり、建物を解体する場合に幾つか条件はありますが、大気汚染防止法よりも広い範囲で届出が必要になるといった仕組みもありますので、そのような情報も私どもはもらいながら、漏れのないようにしています。また、もし一般の方からここは心配だという連絡があれば、行くように努めております。

井坂委員

 私は、これから解体工事が増えるということもあって、このアスベスト対策を強化していかなければいけないと思っているのですが、現在、県内でも、川崎市や横浜市など、同じようにこの対策を取っているところがあり、特に先進的な取組をしていると言われているのが、川崎市だと思います。川崎市の状況を一回聞いたことがあり、話を聞きますと、当然、レベル1、2については全数立入り調査をしているのと同時に、先ほど届出の必要がないと言われていたレベル3についても全件立入り調査をしていて、これは条例に基づいて届出をさせているということだと思うのです。708件の立入り調査をしているということが出されています。こういう状況を見ると、やはり川崎市の取組というのに、どう県も近づけていくのかということは大切だと思うのですが、そのような川崎市の状況などをどう捉えているのか、確認させてください。

大気水質課長

 委員がおっしゃったのは、川崎市の川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例の規制だと思います。川崎市では、レベル3を含むアスベスト建材を使用した解体工事の事前調査の結果について、届出を義務付けていると承知しています。そして、このレベル3というのは、例えば、建材で言うと床に張るアスベストを含んだ板といったもので、分類としては非飛散性という分類になります。通常では余り心配はないが、解体などのときに割ったり、砕いたりすると飛散するおそれがあるということで、私どももレベル3を川崎市が行っているということは、情報を頂いております。

 ただ、現在、国の方でこのレベル3の非飛散性アスベストの扱いについては、どの程度リスクがあるのかといったことも含めて、そのレベル3の飛散する状態について実態を明らかにし、検証した上で必要な処置を検討するということで作業が進められていると承知しております。私どもとしては、その結果を見ながら検討していくという考え方です。

井坂委員

 国の法律で、まだそういう規定になっていないからということではあるのですが、川崎市、横浜市もそうだと思うのですが、条例でこのことを規定して取組を強化しているということだと思います。県としては、こういう条例をつくって取組を強化しようという方向性は持っていないのでしょうか。

大気水質課長

 繰り返しになって申し訳ありませんが、平成25年2月に国の中央環境審議会で、大気汚染防止法の規制対象外のアスベストについて、石綿の飛散防止対策の更なる強化についてと題された中間答申が行われております。それに基づいて、現在、国の方で調査等を行っていると承知しておりますので、その結果をきちんと捉えて検討していきたいと考えております。

井坂委員

 同じ県内で、川崎市、横浜市がそういう形で取組を進めているということであれば、やはり県としてもそういう取組を進めて、逆に、国にこういう対策をもっと強化しなければいけないと迫るぐらいの気持ちで、私は取り組んでもらいたいと思っています。

 本会議の知事の答弁でも、アスベスト対策の実施に当たっては、必要な人員と予算を措置していますという答弁だったのですが、私としては、これからアスベストを含んだ建材の解体工事がますます増えていくということからすると、体制なども強化していかなければいけないと思うのですが、今後、強化していくという方向性については、県として持っているのかどうか、お聞かせください。

大気水質課長

 現在の体制については、知事が本会議の答弁で申し上げたとおりです。アスベストの含有建築物の解体工事は、また今後、増えていくということも指摘されておりますので、こういった解体工事の件数が増加した場合には、その状況を見て検討していくことになると思います。

井坂委員

 アスベストは建材としては使われないということで、もう使用禁止になっている状況です。これから何十年後かに被害が出てくるということになれば、今の解体工事に携わった人たちの健康被害が出てくるということになるわけですから、新たな被害をつくらないためにも、県としての取組はやはり強化していく。ますます増えていくわけですから、その点は求めておきたいと思います。

 次に、省エネルギー対策について伺いたいのですが、主要施策説明資料の69ページに中小規模事業者に係る省エネ診断業務委託とありますが、その業務の内容を少し聞かせていただきたいのと、何件くらいが対象になってこのような取組をされたのかということをお聞かせください。

環境計画課長

 この事業は、省エネルギーの専門家でありますエネルギー管理士を中小企業規模事業者の工場等に派遣します。そこで空調でありますとか、照明、ボイラー、あるいはコンプレッサー、様々な機械といった設備の状況を調査し、省エネルギーのための改善点を提案するという事業でして、平成27年度は62件行ったところです。

井坂委員

 この取組を始めてから、全体で何件くらい提案を行ったのかということと、当然、今、話されたようにエネルギー管理士がこういう形で改善すると省エネルギー対策につながる、それは経費の削減にもなるということだと思うのですが、実際にそのような提案を受けて改善したという状況はどのくらいあるのでしょうか。

環境計画課長

 まず、これまでの件数ですが、この事業は平成22年度から開始しており、6年間で計470件の実績があります。もう一つの御質問で、改善提案に対してどれだけ実現されたかということについては、平成25年度に省エネルギー診断を実施させていただいた事業者へアンケート調査を実施しており、この結果では、88事業者から回答を得ております。そのうち約9割の事業者が診断後、何らかの対策を実施したという回答を得られているところです。

井坂委員

 これから、再生可能エネルギーをどう増やしていくのかということと同時に、CO2対策としては、やはり省エネルギー対策をどうしていくのかということも、一つの大きな課題だと思っています。これを全庁へどう広げていくかということも課題だと思っており、そこで県土整備局のところになりますが、主要施策説明資料の149ページの新たなエネルギー政策の推進において、省エネルギー化や環境負荷の低減ということでLED道路照明灯の整備推進が書かれています。この取組について説明してください。

道路管理課長

 まず、道路照明灯ですが、水銀灯、ナトリウム灯、LED灯の三つに分類されているところです。1個当たりの消費電力は、水銀灯と比べてナトリウム灯は約4割、LED灯が約3割となっており、省エネルギー化の観点から、従来は水銀灯からナトリウム灯への転換を図っていましたが、近年ではLED灯への転換に取り組んでいるところです。水銀灯やナトリウム灯をLED灯に転換するためには、照明器具の全体の交換が必要になってきますので、既存の器具の老朽化が進んでいるものから、毎年250から300灯を目途として、順次計画的なLED化に取り組んでいるところです。

井坂委員

 水銀灯からLEDに替えているということで、残りの水銀灯はあとどのくらいあるのでしょうか。

道路管理課長

 現在、水銀灯は平成27年度末時点で約2,300灯ほどだと思います。

井坂委員

 これから順次、その更新時期を迎えたら替えていくということかもしれないのですが、ただ、初期費用はかかるとしても、一方でランニングコストが相当安くなる、寿命が長くなるということからすると、やはりどの時期に集中的に投資してランニングコストを減らしていく、こんな考え方も持って、いろいろな計画を進めたらどうかと思っているところです。これと同様に、例えば、県営住宅で言えば、県営住宅で管理している敷地内の道路があると思いますが、そういう道路で防犯灯などのLED化を進めるということは、平成27年度はされていないのでしょうか。

公共住宅課長

 県営住宅では、最近の建て替え団地について、敷地内の防犯灯などの照明灯の使用をLEDとしております。平成27年度については建て替え団地を改修した実績がありませんので、最近の状況を御説明させていただきますと、平成26年度に完成したみどりが丘団地の3期の工事においては、照明灯が5本あり、全てLEDとしております。また、今年度に入って完成した逗子桜山団地の2期工事において、平成27年度から工事をしていたということですが、照明灯が12本あり、全てLEDとなっております。

 既存の団地敷地内の照明灯については、入居者の方が維持管理を行い、電気代などを負担しているところですが、照明灯の新設や設備全体の更新は県が維持修繕、全体の中で優先度や予算の状況を勘案しながら進めている状況ですが、今後、照明灯の新設などの際は、LED化について検討してまいりたいと思います。

井坂委員

 私は、既設のところをどう交換していくかということも大事だと思っているのです。やはりランニングコストは安くなりますし、省エネ対策にもなるということですので、今後、そういう観点でLED化を検討していただきたいと思っています。いずれにしても、省エネ対策を進めるために、是非とも頑張っていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

池田委員

 まず、海岸清掃について伺います。(公財)かながわ海岸美化財団の特に現場の皆様の一生懸命の御尽力で、地元の海岸が大変きれいになっております。ただ、先ほどもお話がありました基金から補助金になったということなので、その影響でどんなものがあるのかということで、年度途中でお金がなくなってしまうということです。昨年度も年度途中で海岸清掃のお金がなくなってしまい、地元の皆様に大変御心配をお掛けして、御担当の方で御尽力をいただき、国から補助金をもらってきてもらって何とかなったということがありました。

 今年はどうかというと、やはり御担当にお伺いしたら、もう海岸清掃の予算がかなり底をついているということです。そうすると、これから大きな台風が来たり、爆弾低気圧が来たりすると大量の漂着物が押し寄せて、大変なことも予想されるわけです。そこで、まず、これから予想されるそうした事態に備えて、資金をどうやって手配するのかということで、なかなか難しいところもあると思いますが、御決意のほどを伺いたいと思います。

資源循環推進課長

 委員御指摘のとおり、台風等で大量のごみの漂着時に実施する海岸の緊急清掃費については、国の補助金を活用して不足しないように対応してきているところです。ただし、台風等の更なる襲来により、当初の見込みを上回るなど、年度途中で不足するような場合については補正予算などにより、海岸を利用される方に御迷惑の掛からないようにできるだけ速やかに対応してまいりたいと考えております。

池田委員

 是非、今からしっかりと対応の準備をしていただければと思います。

 次に、有害鳥獣、イノシシ肉のジビエの話をさせていただきます。私は、平成28年2月の本会議の一般質問で、イノシシの捕獲を進めるにはジビエとして流通させるのが大切だという話をさせていただきました。昨年の11月に県政会で鳥取県に県外調査に行ってまいり、鳥取県の方も大変イノシシに困っているのですが、鳥取ジビエということで肉を東京都のレストラン等に流通させているということで、その出口戦略をきちんと取りながら有害鳥獣対策を進めているわけです。

 神奈川県でも是非、出口対策を進めていただきたいと思って平成28年2月に一般質問で取り上げさせていただきましたら、伊勢原市内にイノシシ解体処理施設が、県も補助金を出して出来上がったということで、平成27年度の決算額もあるようですので、御報告を頂きたいと思います。

自然環境保全課長

 伊勢原市内にできましたジビエとして活用する施設ですが、まず、平成26年度に伊勢原市子易地区にジビエとして活用するために、伊勢原市有害鳥獣対策協議会によりシカ用の解体処理施設が設置されました。これを平成27年度に増設し、イノシシの解体処理施設が設置されております。

 イノシシの解体処理施設の建物の増築面積ですが、約15平米でして、設備としては捕獲個体をつるして移動するレーン、流し台、作業台、冷凍庫、真空パック器などが設置されております。事業費は約560万円となっておりますが、そのうち225万円について、県を通して国の鳥獣被害防止総合対策交付金を交付しております。

池田委員

 施設もできて県のお金も入っていることですから、しっかりと施設を利用したシカやイノシシ肉の流通が進んでいくように、、また、そうした施設がこれからも出来上がってくるようにしていかなければいけないと思いますが、シカやイノシシ肉の販路拡大、出口戦略に、今後、どう取り組むかについて、副局長から答弁いただきたいと思います。

環境農政局副局長

 本県でもジビエを活用する目的で事業者による施設が設置され、ジビエの利用が始まったということで、今後の事業者の展開に大いに期待をしているところです。今後、事業者の取組が進み、安定的に一定の供給量が確保され、また、事業者から製品のPRについて県としても支援してもらいたいといった要請がありましたら、成功事例も参考にして、どのような対応が効果的か、事業者とも相談してまいりたいと考えております。

池田委員

 是非、前向きにしっかりと行っていただきたいと思います。

 それでは、県営住宅についてお話しさせていただきたいと思います。県営住宅の建て替えがなかなか進まないというお話が本会議でたびたび出ており、私も平成28年2月の一般質問で行いました。どうして建て替えが進まないのかと思い、財源がないということでしょうが、この決算説明資料を拝見したら、県営住宅管理事業会計があって、全体の予算のうち3分の2、109億円が公債費だということなのです。全体が168億円くらい事業費があって、3分の2の109億円を借金の返済に回し、そして住宅の改修や建て替えに使えるお金が58億円ということで、3分の1くらいしかないということです。この辺りの資金のやりくりは、財源の構成を変えていけば、県営住宅の建て替えのお金がもっと出てくるのではないかと思うのです。

 そこでお伺いしますが、県営住宅管理事業会計の公債費額について、どうして109億円という大きな金額を毎年のように計上しているのでしょうか。

公共住宅課長

 県営住宅管理事業会計においての公債費についてですが、これまで公営住宅整備事業等において借り入れた県債の元金の償還や利子に係る費用です。平成27年度の内訳ですが、元金分が95億9,800余万円、利子分が12億9,900余万円、償還に伴う手数料が2,300余万円、合計で109億2,100余万円となっております。県営住宅管理事業会計の残りの分で約58億ということですが、こちらの方は県営住宅の維持管理に係る費用でして、県営住宅の建て替え、個別改修といった公営住宅の整備事業については、一般会計で行っているところです。

池田委員

 一般会計の事業費の公債を発行して調達されていると思いますが、大体幾らくらいでしょうか。

公共住宅課長

 平成28年度の状況ですが、公営住宅事業整備費において県債の発行は、18億1,600万円の予算計上をしているところです。

池田委員

 もっと公債を発行して調達するには、こっちの公債費を減額すればよいのではないかというのが私の提案です。それで、県債を着実に返してもよいですが、今、この低金利ですから県債は借り換えていただいて、その公債費を減額すれば建て替え費用というのは出てくるのではないかと思いますが、その辺りについて何か課題があるのかどうか、建築住宅部長へ伺いたいと思います。

建築住宅部長

 県営住宅事業を担当する立場からお答えしますと、県営住宅の建設資金に係る公債費の償還については、受益者負担の考え方に基づき、家賃などの事業収入をその財源として充てることとしております。しかしながら、その不足分がありますので、それについては一般会計からの繰入金を充てているという状況です。

 したがいまして、県営住宅建て替え事業の財源としての県債の充当については、家賃収入の資金計画などを総合的に勘案して決定するものと考えております。そうした中で、現在は主に昭和30年代に建設された団地について、必要な財源を確保しながら順次事業を進めている状況です。

池田委員

 総合的に勘案する中で、借換えというのも考えて財源をいろいろと捻出されたらいかがでしょうかというのが私の提案ですので、また機会を改めて行いたいと思います。

 それでは、公共事業の発注についてお伺いします。地元でいろいろな方とお話させていただきますと、公共事業はもっと早く工事を行ってもらった方が、県民の生活をもっと前へ進めていくことができるのではないかというお話を伺っております。そこで、御担当へ調べていただいたら、年度前半の9月末までに発注している公共事業というのがどれくらいあるのかということですが、平成27年度の全体492億円のうち、371億円を9月末までに発注しているということで、発注しているのは全体の4分の3の75%ということです。

 ただ、これは発注をしてから工事にかかるまで2箇月くらいはかかるということなので、やはり着工をするような形で目に見えてくるということになると、年末から年始に当たってしまう感じになってしまって、県民の皆様から見るともっと早くできないのかということだろうと思います。

 そこで伺いたいのですが、こうした公共事業をもっと早く着工していただくために、発注をもう少し前倒しにした方が県民の皆様も喜ぶのではないかと思いますが、どのような課題があるのか伺いたいと思います。

県土整備経理課長

 県土整備局における工事発注については、可能な限り早期発注を目指して取り組んでいるところですが、実態として第1四半期の工事発注が少なく、年間発注量の約25%が8月、9月に集中しているという状況です。その原因ですが、工事の発注前に各関係機関と調整、あるいは許認可を必要とする案件があったり、国費を活用する事業については、国からの予算概要を確認する必要があるなど、発注に制限が生じることもあります。また、河川工事などにおいては、冬期、あるいは台風などのいわゆる取水期を避けて施工せざるを得ないといった工事もあるため、こうした原因が重なって、発注時期が9月周辺に集中しているという課題があります。

池田委員

 課題という質問でしたが、何かできないというお話しかなかったような気がしますが、公共事業の早期発注というのは、例えば、ゼロ県債を活用するとか、予算の継続費を活用するとか、いろいろやり方はあると思うのです。できない理由はいろいろお伺いしましたが、そういうできる部分もあるはずですので、できる部分をこれから一生懸命活用していただき、少しでも発注が早くなるようにしていただきたいと思いますが、最後に県土整備局長に伺いたいと思います。

県土整備局長

 公共工事の発注の時期と認識しておりますが、私どもの取組としては、前倒し発注に努めるとともに、委員からもお話がありましたゼロ県債の活用をさせていただいております。一方で、私どもも発注者の責務という形が定められたのが、平成26年度に改正品確法が施行されております。目的としては、公共工事の品質の確保、公共工事の担い手の中長期的な育成確保が基本理念とされており、発注者や我々に対しても発注、施工時期の平準化等に努めることとかなり強くうたわれていて、国もそういった形で旗を振っている状況だと思います。また、業界からもいわゆる生産性の向上、働く方の待遇改善、休日等の確保も含めて、平準化を強く求めるという要望も頂いております。

 県としては、ゼロ県債の活用、早期発注も含めて、いわゆる平準化をし、地元の企業の方々も3月、4月と同じ時期に仕事が空くということがないように、様々な手法を捉えながら、引き続き、検討してまいりたいと考えております。

池田委員

 私は企業サイドではなく、県民の皆様の立場からお伺いしているので、そこのところをもう少し考えていただければと思うのです。平準化というのは、企業にとってはよいかもしれませんが、県民の皆様がいろいろと目で見ていて、お役所仕事だと思ってしまったり、もっと早くすれば、もっと便利になるのではないかと思っているというお気持ちを組んでいただいて、しっかりと工事の発注をしていただければと思います。

 それから、税収への反映ということを考えてもなるべく活用していただければよいのではないかと思いますが、そういったことを含めて、引き続き、お取り組みいただくようお願い申し上げて、私の質問を終わります。

とうま委員

 まずはじめに、今年の3月に黒岩知事が所信表明演説の中で、県産牛乳のブランド化をするのだと強調されていました。午前中にもあったように、平成25年度から県内の酪農活性化のための計画を立てて、様々行っている延長の一つだと思うのですが、昨年、ミルクフェスティバルが行われたと聞いておりますが、その費用の歳入、歳出の詳細をお聞かせください。

畜産課長

 ミルクフェスティバルの費用の歳入、歳出の詳細ということですが、支出はイベントとしては総額191万9,741円が費用としてかかっております。負担内訳ということでお答えしますが、畜産振興会が100万5,368円、県楽連が29万5,827円、牛乳普及協会が20万1,700円、県が41万6,846円です。

とうま委員

 それで聞きますが、このイベントは何時間行ったイベントなのでしょうか。

畜産課長

 4時間です。

とうま委員

 4時間で200万円弱かけているというのは、どんなイベントなのですか。支出に見合うだけの費用対効果はあったのですか。その辺りを教えてください。

畜産課長

 残念ながら、数値でイベントの効果を示すことは難しい状況です。現状では、一人でも多くの県民や消費者の方々に酪農、乳業、県産牛乳の存在を知っていただこうというイベントの目的の達成について、イベントに来場していただいた来場者数でしか把握できていない状況です。イベントの効果を的確に把握することは大変重要と考えておりますので、今後、適確な手法等について検討してまいりたいと思います。

とうま委員

 それで、一般来場者は9,000人と去年はおっしゃっていたが、そこに酪農者はどのくらい来たのでしょうか。

畜産課長

 イベントのスタッフとして酪農の生産者は11人です。

とうま委員

 酪農を活性化するということで、県としては当然、酪農家のニーズを把握した上で、こういうイベントやブランド化を進めていこうとしていると思いますが、イベントを行ったり、ブランド化を進めるというのは実際の酪農者のどのニーズを取っているのでしょうか。

畜産課長

 このイベントを含めて、酪農活性化対策事業をつくった経緯は、さきに御答弁させていただきました平成25年11月に生産者を含めた酪農研究会で10回を超える意見交換会を重ねた中で、イベントを含めて酪農活性化対策事業を事業化したものです。

とうま委員

 私には意味が分からないので、ほかの委員は分かるのか知りませんが、私が聞いたのは、酪農者のどのニーズを拾ってこのイベントを行っているのかと聞いているのですが、いかがでしょうか。

畜産課長

 酪農家から収益を上げたい、自分たちが作っている牛乳をPRしたいといった意見を踏まえて、事業化したものです。

とうま委員

 意味が分からない。何でフェスティバルに200万円かけるとそうなるのか分かりませんが、今年も行っています。今年はどうだったのでしょうか。

畜産課長

 今年も同じ場所で開催させていただきましたが、来場者は1万4,000人です。

とうま委員

 酪農者は何人来られたのでしょうか。

畜産課長

 生産者は13人です。

とうま委員

 私も4時間のうち、1時間半会場にいました。1万4,000人、1万5,000人という数は、県民ホールの大ホールの2,500人のところが6回転する人数です。私は、あの会場にそんな人数が来ているとは思えなかった。どのような集計の仕方をしているのでしょうか。

畜産課長

 今回のイベントの開催場所であります日本丸メモリアルパークを管理運営している団体の調べです。管理団体にお聞きしたところ、管理団体の職員が1時間ごとに単位時間当たりの人数を計測し、算出したものと聞いております。

とうま委員

 どう行ったって1時間当たりで、あの場所に4時間で1万4,000人も入れないです。少しカウントが違うと思います。これは議論してもしょうがないので本題に入っていきますが、なぜ、我が県は酪農の戸数が減っちゃうのでしょうか。

畜産課長

 酪農家が減っていくという要因はいろいろあろうかと思いますが、平成27年度に10戸ほど酪農家が辞めているのですが、その内容について聞き取りをしたところ、減少の主な理由としては高齢を迎えて、ここでリタイアするというのが半分、後継者がいない、けが、病気、家事等が廃業理由となっております。

とうま委員

 私が県酪連の役員からもらった資料で読み取ると、東京都で平成26年度に辞めた方は1人、神奈川県は13人、平成27年度に東京都は辞めた方が2人、神奈川県は5人、平成28年度に入って8月までですが、東京都は辞めた方がゼロ人、神奈川県は5人ですけれども、この数字を見てどう思われますか。県が応援していることが間違っていると思いませんでしょうか。

畜産課長

 東京都の数値は承知しておりませんが、東京都と神奈川県では、恐らく農家の数が違うということで、実数で比較するのはどうかというのはありますが、神奈川県の場合は先ほど言いましたとおり後継者がおらず、高齢化が進むというのが大きな理由として、ここ数年、廃業に至っているというのが実情です。

とうま委員

 畜産課長の話を聞いていると高齢化だけですが、例えば、午前中の質疑で牛乳がたくさん出る牛を入れたりして頑張りますということですが、この手元にあるもう一つの資料は、今年の7月が去年の7月に比べてどのくらい牛乳が取れているかということでありますが、神奈川県の場合は93.8%、去年の7月に比べて同月で前年比したとき、しかし東京都は106.3%です。東京都は、頑張っているではないですか。何でこれが神奈川県でできないのでしょうか。

畜産課長

 神奈川県の場合は先ほども申したとおり、酪農家が減少している分に見合った乳量が減っているということです。酪農家の牛房の数を見ますと、牛舎が10頭入るとすると7頭しか入っていないという状況があると認識しております。そのような中で、牛房を埋めていくという取組が必要だということで、午前中に申し上げたとおり、後継牛の確保について県として取り組んでいるところです。

とうま委員

 このことにこだわって申し訳ないのですが、県も酪農の方を応援しようと思っていると思うのですが、最初に言ったように酪農家が本当に困っていること、そういったもののニーズを本当に掌握できているのか。4時間で200万円近く使うイベントを行って、何が変わったのか。去年だって行って、これだけ下がってきているのです。1年行って、これだけ下がって何の効果もなかったと思わないのでしょうか。

畜産課長

 イベントの効果が全て酪農家の廃業に関わるかというのは、私には現状では分かりませんが、昨年、初めて酪農関係団体、乳業関係団体が協力してイベントを開催し、結果、多くの県民の方に来場していただきました。県内酪農業や乳業のPRができたと感じているところです。参加していただいた生産者からは、酪農家、メーカー、団体が一つになった良い機会だった、酪農のPRができた、メーカーの協力が大きかった。次回は、生産者もより多く参加しようなどの意見を頂いたところです。

とうま委員

 より多くって、11人が13人になったからおっしゃっているのか分かりませんが、神奈川県にはもともと190軒くらいあるのです。余り参加してきていないのではないですか。それに、今年、行った平成28年10月1日、例えば、10月2日は藤沢市の共進会があったり、様々なイベントがあるときに何であの時期に行っているのか私には分からないのですが、それで、もう一つお聞きしたいのは、ああやってイベントを通してということですが、ブランド化するということはどういうことなのでしょうか。

畜産課長

 県産生乳100%でできた牛乳が世に出ておりますが、なかなか県民の方はそれを知る機会、見る機会がないということで、これを広くPRしていくために認証制度をつくって、県民が一目で分かるようなものにしていきたいということが、今、我々が考えている当面のブランド化です。

とうま委員

 酪農家の方は県産100%の牛乳を作ってもらいたいというのですが、どこかのメーカーに県産牛乳を作ってくれないかとアプローチしたことはあるのでしょうか。

畜産課長

 生乳を一つのメーカーに集めてやるということ、県内には8乳業メーカーがあります。それを一つのメーカーに集めていくということは、商行為の中で県が関わることは難しいであろうと思います。今、現状でできることは何かと考えたときに、今ある県産100%牛乳を分かりやすくしていこう、認証していこうということになっております。

とうま委員

 会話していてもかみ合わないのであれですが、私が言いたいのは、酪農家の方と話すと、今、きんたろう牛乳を行っているのはタカナシ乳業(株)です。先ほど説明があったように、一部、横浜の学乳を行っているのは横浜なのだけれども、ほかのメーカーもあるのだし、ほかでも取れているものもあるのだから、学乳なんかが販売先として安定しているから何かできないか。要するに、いろいろなメーカーにそれをやる立場にないと県が言っているのだから、何のためにこの事業を行って、イベントに200万円かけているのか意味が分からないのですが、今後、県は酪農家と同じ方向に向かないとどんどん減ります。予算委員会でこの10年間で400軒が200軒になっていると、10年後に同じ質問をしたらゼロなのかと言ったつもりでいるのですが、そのときにも環境農政局長に御答弁いただいたのですけれども、環境農政局長、200万円のこの事業を行って、今、どんどんこれだけ減ってしまっているといった現実を見て、このブランド化というものは、今後、どの方向にどういくのか、環境農政局長から御答弁いただきたいと思います。

環境農政局長

 今、お話しいただきましたとおり、県産牛乳のブランド化ということについては、非常に難しい問題があると認識しております。県産100%牛乳をどの工場にお願いすれば酪農家の御理解の中で進んでいくのかということは、まだ、課題があると思います。神奈川県で酪農がこれだけしっかりと営まれているということを県民の方に知っていただきたいという思いがあります。そのためには、あのようなイベントがよろしいのか、牛乳の形でお示しをすることがよろしいのか、もっと良い方法があるのか、今後も酪農家の方の御意見を伺いながら、良い方法というものを探ってまいりたいと考えております。

とうま委員

 最後に要望しますが、酪農で、あの場所でイベントを行ったって、神奈川県民かどうかも分からないし、仮にあそこで牛乳がおいしいから飲もうと思っても県内の酪農家が生産した牛乳ではないのです。ときには、栃木県、茨城県、北海道から来た牛乳を結果的に県民が飲むことになっては、神奈川県の酪農家自体の応援にならなくなってしまうのです。そこのところを十分に踏まえていただき、私はあのイベントに200万円近いお金をかけて、よく分からない数字を出してきて、何の意味もないと思いますから、是非、再考していただいて、今、お話にあったように酪農家の真のニーズに近いところに向いて、同じ道を歩んでいっていただくようお願い申し上げて、私の質問を終わります。



6 次回開催日(10月28日)の通告



7 閉  会