議事ロックス -地方議会議事録検索-


神奈川県 神奈川県

平成28年  厚生常任委員会 06月17日−01号




平成28年  厚生常任委員会 − 06月17日−01号







平成28年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第2回定-20160617-000003-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(原・岸部の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  4件申請 4件許可



4 口頭陳情の許否について決定

  陳情第70号についての口頭陳情 許可



5 同上聴取

  陳情第70号



6 日程第1を議題



7 同上質疑(所管事項も併せて)



菅原委員

 今日は、まずは医療、福祉に関わる計画等について、地域医療構想に関わって質問させていただきたいと思います。もろもろ内容に関わる質問が出ていましたので、ビジョン、形式とか手続についてですけれども、医療、福祉に関わる計画というのは結構いろいろあると思うんですね。

 こういったものがたくさんあって、結構、最近は医療も福祉も相互連携していますから、内容が各計画でかぶってきたりするところもあると思うんです。その中で地域医療構想というのを今回、策定するに当たって、ほかの計画との整合性とか所管課との調整をどうやって図っているのかお伺いします。

医療課長

 今回の地域医療構想の策定に当たりまして、整合性を図る部分でございますが、参考資料1の素案の6ページに掲載させていただいておりますが、関連する計画がやはり複数ございます。それぞれの計画の所管課と調整させていただいて、課題とか施策の方向性について整合を図らせていただいております。

菅原委員

 今、整合性を図るということで、ということは、各計画に重複する内容がそれぞれ出てくるということもあるということなんですか。

医療課長

 当然のことながら、地域医療構想は医療の分野、また地域包括ケアシステムを使っていくという介護と福祉、また健康の分野、それぞれ関わることがございますので、重なってくるというか、一緒に合わせて整合性を図る部分は出てくるということです。

菅原委員

 地域医療構想というのは、法律に基づく法定の一部の構想ということでよろしいんでしょうか。

医療課長

 こちらの地域医療構想につきましては、医療法の規定に基づきます医療計画の中の一部ということで定められております。

菅原委員

 ということは、法定でつくらなければならないものだと思うんですけれども、医療とか福祉の計画がたくさん出てきてしまう背景には、これは皆さんがそうしたいというところではなくて、やはり法律で決まって出てくるという側面もあると思うんですね。

 その一方で、後ほどのパブリック・コメントの質問のところに関連するんですけれども、意外と計画がいろいろ多過ぎてしまって、計画を形だけつくってしまうとか、意外と県民の皆さんが知らない中で、物事が進んでいってしまうところもあるのではないかなというふうに思うこともあるんですね。

 結構、いろいろ計画というのはどれぐらいあるのかなと、この厚生に関わる分だけで見ても23ぐらいあるわけですよね。そういった中には、神奈川県の障害者計画と障害福祉計画、もちろんこれは両方とも法定ですからつくられるんですけれども、果たして二つある必要があるのかとか、そういったところに意外と私は思ったりするところがあるんですが、こういった計画というものは整理していくことというのはできないんですか。整理するというのは内容を減らすということではなくて、何かうまい形で内容も整理して数を減らしていく、そういったことはできないんでしょうか。

保健福祉局企画調整担当課長

 今、お話しいただきましたとおり、保健福祉局で現在持っております計画は23ございます。このうち、法定計画が11ということで、法に基づいて策定しなければならない計画がそれぞれございます。

 お尋ねの重複する部分の整理ということでございますけれども、今、申し上げましたそれぞれの策定根拠に基づいて策定しておりますので、計画の統合といった整理はなかなか難しいと考えております。

 なお、複数の計画を一体化して策定している例も、一つですけれどもございます。具体的に申し上げますと、かながわ高齢者保健福祉計画でございますが、これは老人福祉法に基づく老人福祉計画、それから介護保険法に基づく介護保険事業支援計画、それぞれ法定計画でございますが、これを一体化して策定している例です。

菅原委員

 今、一体化してつくっているものもあるということなんですけれども、多分ほかの、例えば障害福祉計画にしても何にしても、できないことも、ないものもあると思うんですね。他の都道府県の事例などを見ていると、そういったものもあったりします。

 あと、先ほど法定、法定とお話があったんですけれども、例えば法定でも任意のものもあったりするわけですね。例えば私、いろいろ勉強してみると、神奈川県の地域福祉支援計画みたいなもの、これは社会福祉法のものでもちろん法定なんですけれども、任意だったりするので、実は47都道府県を調べてみると、6都県かな、つくっていないところもあったりするんです。

 これは参考までなんですけれども、例えば一番身近なところで東京都はそういったものをつくっていないんですけれども、その理由とかは把握されたりしていますか。

地域福祉課長

 今、お話しございました東京都で策定をしていない理由につきまして、東京都によりますと、福祉や医療などを総合的に盛り込んだ、都の施策や市町村の支援を示した福祉・健康都市東京ビジョンというものを策定しているということで、これをもって地域福祉の推進を図っているというふうに聞いております。

菅原委員

 そういうことですよね。つまり、そういった形で総合的な形でくっつけているところもあると思いますので、どういうやり方が良いかというのはいろいろあると思うんですけれども、大切なことというのは、計画が形としてではなく実効的に進んで、そしてそれが県民に分かりやすい形で進んでいくということが大切だと思うので、そこは研究していただきたいんですね。

 なぜそんなことを言うかというと、それは、どうして県民に分かりづらいんだという話になるのかということだと思うんです。私、ずっと気にしていることがあって、これは厚生に係る計画だけではないんですけれども、意外と県の計画というのは、パブリック・コメントとかの手続をとったりもするんですけれども、意外とその数が少ないなという印象を私は持っているんです。

 いろいろ調べてみると、最近もあった計画の中でも、例えば先ほど出ました計画の中で、地域福祉支援計画などは114件で、たしか実際にアンケートを出してくれた人というのはもっともっと少ない。団体が6件で、個人が34件とか、神奈川県高齢者保健福祉計画というのは延べ件数で50件ですよね。あるいは高齢者の居住安定確保計画は63件とか、意外と少ない状況があったりする。

 ただ、一つ突出しているものがあって、手話推進計画の素案は2万4,000件ということで突出しているんです。ということは、これは計画策定のあり方において、パブリック・コメントというのはやりようによって人が集まるんじゃないかと思うんです。

 別に数が多いことが私、全てだとは思わないんですけれども、例えば地域福祉支援計画、地域福祉というのは地域が入っているわけですよね。そういった県民の声が、パブリック・コメントの数だけじゃないと思いますけれども、なかなか少ないように私は感じるんですけれども、そこら辺についてお伺いします。

地域福祉課長

 県民の皆様方の声を伺うという場面であれば、やはり今、パブリック・コメントというのは有効な手段としてございますけれども、それ以外にも様々な場面、例えば県に対してフォームメールで御意見を頂いたり、あるいは身近なところである社会福祉協議会、福祉団体を通じて御意見を伺うというような場面もあります。地域福祉支援計画などはそういった地域の様々な組織等も通じながら、いろいろな形で私どもの方にも伝わってきているということでありますので、今、委員もおっしゃられましたが、パブリック・コメントだけではなく、いろいろなルートを通じて、意見を反映するように努めているというところでございます。

菅原委員

 ということは、だからこの数で良いということでよろしいですか。

地域福祉課長

 結果としてはこの数だったということでございますけれども、パブリック・コメントだけでなくて、ほかのルートもあるということですので、このときはこの数字であったと考えております。

菅原委員

 そうじゃないんですよ。結果をどうしてかと振り返ることが大切なわけじゃないですか。この結果が、そもそもどれだけのパブリック・コメントが必要だったんですかと、そういうものが必要なわけです。多分、ないと思うんですけれども、その上で、パブリック・コメントも一つの県民の意見を反映するツールとして、どれだけの意見を寄せるかというものがなくして、やらないのだったら意味がないではないですか。

 この数が一体、自分たちが想定したものに対してどうだったのかという分析というのはないのですか。

地域福祉課長

 この数、114件という数が多いのか少ないのか、ここでやはり考え方というのもあると思いますが、手話の関係のパブリック・コメントの数と比べれば、数は圧倒的に少ないですし、地域福祉支援計画ということで、それこそ県民の皆様方、お一人お一人に関わってくる部分であるので、そういった意味で言えば、もう少し多くの方の声を反映できれば、それはよかったなと考えておりますし、そのためにパブリック・コメントのやはり有効なやり方、意見の伺い方というのは考えていかなければいけないと考えております。

菅原委員

 それはつまり不十分だったということですよね。パブリック・コメント単体だけ見ればですよ。全体ではなくて、パブリック・コメントの数としてはということです。

地域福祉課長

 この数自体でいえば、通常のほかから頂いている意見と、そういったことも考えますと、数としては少なかったと思っています。

菅原委員

 先ほど、ほかの社協の話を聞いたりだとかいろんなところで聞く、そういう手続もあると思うし、こういった委員会で話すことだって一つの県民の代表の意見だと思うから、私はそれもすごく大切な意見だと思うんです。ただ、パブリック・コメントというのは、そういうところで来ないような意見も拾う役目があるから、多分、パブリック・コメントって使っていると思うんですね。だって、そうではなかったらパブリック・コメントはやらなきゃいいではないですかということだと思うんです。

 だから、そういった意味では、何も責めているわけではない。もっと建設的に、例えば手話言語条例みたいに何万件来るような形もあるわけですね。あれは多分、条例の策定の仕方が、その段階で県民を巻き込んでいたからだと思うんですけれども、そこは考えていく必要があると思うんですね。

 翻って地域医療構想に関してですけれども、今後、これはパブリック・コメントをやられていくわけなんですけれども、やはりこれでまたやってみて、何十件しかなかったという話、あるいはそういうものだったという話では私は良くないと思うんです。

 ある程度、どういった意見を聞きたいのか、どういった層に聞きたいのか、どれぐらいなのかというのがあってしかるべきだと思うんです。そこら辺はどうなんですか。

医療課長

 パブリック・コメントは今後、地域医療構想も予定させていただいております。今までいろいろ会議等を含め、また各種団体から地域医療構想を是非講演してほしいというのは多数伺っておりまして、県内各地に出向いて御説明させていただいているところでございます。

 ただ、それの届かない層、本当に地域で医療の提供を受ける県民の皆さんの声というのは非常に大事だと思いますので、その辺、これからどういう形で普及、啓発、広報して、こういう地域医療構想の策定が今、進んでいるということをまず知っていただいて、多くの声を集めていくという必要があると考えておりますので、そういう広報の仕方というのは少し工夫する必要、検討が必要だと考えています。

菅原委員

 何件、どうこうという目標があるべきだとは思わないですけれども、今の現状が非常に少ないというのは、ほかの計画に関して私はそうだと思います。

 もちろん計画といっても、構想にしても、県民に身近なものとそうでないものがあるから、そこの濃淡というのはあってしかるべきなんですけれども、少なくともこの構想に関しては、かなり今後の中期的なスパンで神奈川県の医療とかを考えていくことですから、これは県民の非常に高い関心事だと思うんですよね。

 だから、こういったものがあるというのであれば、やはり意見があるだろうということが想定されると思いますが、そういった意味では、例えば過去の計画を見ると、意外と広報の仕方も一律ではなくて、ホームページとか窓口はあるんですけれども、例えば県のたよりに載せるものがあったりなかったりするわけですけれども、やはり県のたよりに載せていくべきだと思うし、しかも載せ方も大切だと思うんですよ。情報欄にちょこっと載せてというのは、いかにもやっていますよというだけの感じがするんですね。

 例えば、地域医療構想というものは一体どういう意義で策定されるのか、どういう意見が欲しいのかというものを、全面を使うことはできないけれども、そういった形に、これは別に何箇月に1回とか毎年つくる計画ではないわけですから、そういった意見のとり方に今まで問題があったのではないかというところもちょっと考えてみてほしい。次の委員会は9月にあると思うんですけれども、そのときは多分、結果が出ていると思うんですけれども、正直、十何件とかそういうレベルだったら、私はやり方が問題だったと思いますので、そこら辺は何かプレッシャーをかけるわけではないんですけれども、県民の意見をもうちょっと地域のことですから反映させてほしいんですね。良い構想にしてほしいと思いますので、そういう意味で少し考えて取り組んでいただきたいと思います。

 次は、介護従事者の確保とキャリアアップについて質問させていただきたいと思います。医療介護総合確保促進法に基づく神奈川県計画の41ページ、No.26、介護人材キャリアアップ研修受講促進事業というものがあります。その中の事業内容、イ、介護職員初任者研修受講支援事業と介護職員実務者研修受講のための代替要員確保対策事業を中心に質問させていただきたいと思うんですけれども、特に介護職員初任者研修受講支援事業の目的というのは、どういったところにあるんですか。簡潔にお願いします。

地域福祉課長

 この事業の目的ですが、職員の資質向上を通じて、介護サービスの質の向上につなげる事業所を県が支援するということによりまして、研修に対する事業者側の意識改革を促しまして、勤務環境の整備を図るというところに目的がございます。

菅原委員

 その目的は大変よろしいと思うんですけれども、ここで介護職員とうたっていますけれども、どういった介護職員の方を対象にされているんでしょうか。

地域福祉課長

 介護サービス事業所に勤務する初任段階の職員という者を対象にしております。

菅原委員

 こういった資格取得みたいなことに税金を出すというやり方というのは、一つの手法としてありだと思うんですけれども、ただ、その一方で基本的な資格取得というのは、会社だったら会社、事業所がまずは第一義的に担うべきだと私は思うんです。そこについてお伺いします。

地域福祉課長

 初めて介護の業務に従事する職員、こういった者を対象にして、正に事業の対象となっております初任者研修ですとか、あるいは介護福祉士の資格を取得するために必要な実務研修、こういった基本的な研修につきましては、先ほど申し上げましたとおり、職員の資質の向上を図ることを通じて、事業所のサービスの質の向上につなげていくものということでございます。こういった基本的な、基礎的な研修というものにつきましては、基本的には事業者の方で負担する形が望ましいのかなと考えております。

 そういったことで、今回の事業というのも事業所を対象として、それを支援しようというふうに考えているところでございます。

菅原委員

 今、課長の御答弁にもあったと思うんですけれども、事業者が負担するのがやはり望ましいと思うんですね。ただ、それでも税金を出して、そういったものを取得させていくという部分が、何か税金を割いている意味がなければいけないと思うんです。税金を払っている人たちに対して何らかの還元がなければいけないと思うんです。

 先ほどこの事業の対象ということで、介護職員ということでひとくくりにされているんですけれども、非常に乱暴だなと思うんですね。一昔前だったらそういう議論でよかったんですけれども、そういったのをあげるべき介護職員の優先順位というのを考えていくべきだと思うんです。

 例えば介護職員初任者研修だと、大体上限2万円で3分の1の補助が出ているという話になるわけです。前提として事業者がまず払って、そのものに対して補助をするという前提なんですね。今の制度設計の中だと、自分たちが自前で研修の費用を持てるところが多分、率先して手を挙げていくわけですよね。でも、そういった事業所というのはどうなのでしょうか。多分、こういう補助がなくたって、もともと自分たちで初任者研修を補っていける事業所だと思うんです。

 私、現場に行ってすごく感じたのは、意外とお金がないから実務者研修を受けられないみたいな人たちというのは結構いるんです。そういった介護職の方が所属している事業所というのは、残念ながらそもそも研修費用なんて出せないよと、いろんな理由があるんですけれども、そういったところがあると思うんです。

 以前、働いていた有料老人ホームの懇親会があって、すごく介護に熱心でできる女の子が介護福祉士を取得できる資格もあったんです。では来年受けるのかなと言ったら黙り込んでしまって、受けられないと言うんですね。何でかなと思ったら、受けるための受験料がないとか。今だったら実務者研修に払う費用がない、もちろん会社も出してくれない。だから受けられない。でも、逆にいうと、そういうやる気があるけれども、そういう理由で受けられない人にもししっかりとしたお金がいって、その人が介護福祉士になるのであれば、それは多分、税金を投じる意味もあると思うし、県民だとか国民に対しても意味がある税金の使い方だと思うんですよね。

 そういう意味で、もちろんいろんな選別の仕方というのは難しいと思うんですけれども、今のままだと、多分、税金を入れなくたって資格を取っていく人たちの方向に、むしろ税金が投入されている現状があるんではないですかと思うんですけれども、お伺いします。

地域福祉課長

 今もお話がございましたけれども、補助制度がなくても研修ができる機関のところに助成することに対しての問題提起ということも今、頂いたかと思うんですけれども、例えばそういった補助制度がなくても、研修費用を負担できるような施設、事業所の場合であれば、今度はこういった補助金を活用して、更にサービスの質の向上につながるような、職員の資質向上につながる取組、自分たちでの所内での研修とか様々なことをしていただいて、それがまたサービスの質の向上ということで社会に還元されてくるということで、やはり意義があるものと考えております。

菅原委員

 意義がないとは言わない。だけれども、優先順位だと思うんですよ。より取れる人たちと、もう少し下のボトムを上げていくことのどちらに優先順位があるんですかと考えたときには、どう考えたってこちらではないですか。優先順位ですよ。

 どちらでも受けられるよ、でもそれで更にステップアップでいいねという方と、介護福祉士を受けたくても事業所の関係で受けられない、どうしようという人の方、どちらですかといったら、私はこちらだと思うし、そこに税金を投入する意味がある。もちろん課長の御答弁の意義がないとは言わないんですよ。ただ、政策の優先順位付けだと思うんですよね。

 だから、こういった基金事業というのは、大体お金が来て、お金をメニューで付けてくれたところで、はい、終わりましたなんですけれども、今後はもう少しそういった分野に関しては、丁寧に考えていく必要があると思うんですね。

 それともう1点は、介護職員初任者研修は、受けようと思うと平均で六、七万円ということでおっしゃったんですけれども、六、七万円というのはアンダーの話ですね。一番底辺が六、七万円であって、実際、受けようと思ったら10万円前後するわけですよね。

 だから、そう考えていくと、この補助金の額もなぜ上限が2万円になったのかというふうに私は疑問を持つし、3分の1というところも疑問を持つわけです。もちろん多分、財政の方から厳しい枠組みがあったんだろうとは思いますけれども、今後はここはもう質問しないですけれども、少し考えていただきたいです。

 さらに、建設的な提案ですけれども、事業所に払うというところも一つ問題だと思うんですよね。まあしようがない、事業所は払えないけれども、こういう制度があると知って、自分が個人としてスキルアップしていきたいと思う人に、これが届かないんですよ。

 先ほど言った女の子のように、会社は払えないけれども、自分が申請しようと思ったって届かないわけですよね。そうすると、どうしてもいつまでたっても事業所の姿勢に揺さぶられてしまって、あまりそういった研修に熱心じゃない事業所に所属している介護職員の方に関しては、いつまでたっても手が届かない。でも、むしろそういうところに一番行かせなきゃいけないわけなのにという問題があると思うんですね。

 だから、いろいろ難しいとは思いますけれども、そこら辺を検討して、運用の形をいろいろより良い形で変えていってほしいと思うんですよ。そこについてお伺いします。

地域福祉課長

 今、委員から御提案を頂きました。今の時点での事業の目的というのは、基本的には介護サービスの質の向上につながるような研修というものについては、やはりまずは基本的には事業所が負担するのが望ましいというところで、そういった流れ、そういった意識改革を促そうということにまずはメーンの考え方があるというところで、事業所に支給すると。そのときに、では線引きというのは、ただどこで線を引くのかという客観的な基準の設定というのは非常に難しいというところもございますし、先ほど申し上げたように効果も期待できるということで、今の段階ではこういった形で実施をしています。

 そういったまずは事業所に対する支援を通じてと、こういう流れをつくりたいというところもございますので、職員の方が自己負担で研修されたという場合にも、その個人の方に支給するということは今は考えておりませんが、ただ、いずれにしてもこういった事業の効果があるものにしたいと思っています。

 ただ、その一方でやはり基金に基づいて実施しているというところで、基金に示されたメニューにのっとってやっていかなければいけないというところの中で、最も有効な形で事業を実施していきたいと考えております。

菅原委員

 今のはすごく役所的な発想だと思うんですよ。政策目的として介護の職員の人たちをどうするのかという、そちらの立ち位置から、だったらこの基金のメニューのあり方がおかしいから国に言うとか、運用の仕方をもっと真剣に考えるという発想がないと、この選別が難しいからこういうやり方でやっています、事業所ベースでと、そういうふうにしか私は聞こえないんですよね。そういうやり方だからこそ、介護のボトムアップがなされていかないと思うんです。

 そういった意味では、まずこの段階があることが悪いと言っているわけではないんですよ。ただ、その次の段階として、介護職員でもその中でどういう人にまず優先的に税金を投じていかなければならないんだという部分をどんどん考えていってほしいんです。これで良いのだみたいな形で進まれていくと、私は少し違うと思うんです。

 届くべきところに届いていない人もいるということは、そういった声を届けるのが私の議員としての仕事ですから、それは頭の片隅に入れておいていただいて、今年度で無理だったとしても、来年度運用するときとか、これと全く同じ形ではなくて、もう少しそういった意見を踏まえて、しかるべきところに行くように考えていただきたいなと思います。

 今、介護職の話をしていたんですけれども、もっと広くして介護福祉という部分なんですけれども、フィンランドの資格なんですけれども、ラヒホイタヤという資格は御存じですか。あくまでも確認だけなので。

地域福祉課長

 承知してございません。

菅原委員

 担当局長は御存じですか。

健康・未病担当局長

 概略は。

菅原委員

 概略だけですね、端的でも。

健康・未病担当局長

 高齢福祉、児童福祉、年代を超えて、幅広く福祉的な対人サービスを担うことができる資格ということで承知しています。

菅原委員

 この部門に関わる皆さんに知っていていただきたかったなと思って、これはフィンランドの資格で、大まかに言うと、例えば介護職と保育職とか、そういったものが統一の資格としてあるという話で、ちょうど去年ぐらいですか、厚労省の中でも1回話題に上って検討された経緯もあったりする。

 その背景には、介護だったら介護だけでいくという形が果たして良いのだろうかと、いろいろな意味であったわけですよね。逆に資格を共通化していくことによって、何かいろんなメリットがあるのではないかと。確かにあると思うんです。例えば今、老人の方が多いから介護だけ行くと、将来的には20年後、30年後、余ってしまう可能性もありますけれども、それは複合資格で保育だとか看護みたいな資格もあれば、そういったところにスライドもしていけますし、あるいはそういったものがあることによって、職員の方の待遇改善にも資する部分もありますね。

 あるいは現場ニーズでも介護だけできるという人ではなくて、例えば看護にも関われるだとか、かくたん吸引の質問でも、そういったニーズがやはりあるわけですから、そういった方向性というのは悪くはないと思うんです。

 ただ、これを全部一緒にしてしまうことがどうなのかという結構、反対があって、これは頓挫したんですけれども、こんな議論が最近あるわけですね。

 例えば、保育だとか介護だとか、あるいは社会福祉、看護、こういった部分で勉強してみると、先ほどの計画ではないですけれども、勉強の過程でいろんな重複する部分があるわけです。私自身も、保育あるいは社会福祉、そういった部分の資格の勉強などをしても、あそこで勉強した科目がこちらでもあるなと重複するわけですよね。

 先ほど看護の関係の陳情もありましたけれども、例えばそういった部分も基礎科目が共通化できれば、例えば介護士から看護に行くときには、今みたいな学費ではなくて、そこは少し減るような学費でも行けるようになったりもする可能性もあったりするわけです。こういったものが厚生労働省の中で今、結構、真剣に検討されています。

 それに対して、今、神奈川県というのはどういうお考えを持っているのか、こういう方向性をどう捉えているのかということを最後にお伺いします。

地域福祉課長

 複数の資格に共通の基礎課程を設けるということにつきまして、平成28年5月11日に開催されました第8回経済財政諮問会議でその旨の意見があったということですとか、あるいは5月18日の第8回一億総活躍国民会議、ここでは新たな共通の基礎課程の実施に向けたスケジュールが示されたということは承知しております。

 国では平成33年度を新たな共通の基礎課程の実施時期の指標として、今年度に各資格の履修内容に関する研究を行い、来年度、平成29年度から具体案について検討を行うとしております。

 こうした中で、医療・福祉系の人材の確保とキャリア推進の動きについて、県といたしましては引き続き国の検討状況を注視していく必要があると考えております。

菅原委員

 注視をされるということなんですけれども、私がなぜこういったものを取り上げたかというと、介護職員の待遇改善だとかそういった話をすると、過去、税金を右から左に流して、すごく大味な議論が今までずっとなされてきたと思う。けれども、そろそろ次のステージに入っていかなければならないかなと思いましたし、自分自身もやっぱり現場に入って、そう強く感じたところがあったんですね。

 例えば介護士の方も、実は時間と費用が許せば、看護の方に行きたいなんていう人たちも結構いらっしゃったりもするわけですよね。だから、地域の中高年の方をとにかく介護に入れるとか、研修費を普通に払える企業のところにお金を出すという形もそれは悪いとは言わないんですけれども、ただ、もう少し丁寧に現場を見て、本当に行くべきニーズはどこにあるのかと。お金というのは有限ではない。だから、それをただあげるだけだったら何の考えも要らないし、それは政策ではないと思うんですよ。

 だから、もう少し丁寧に現場を見て、私などの声なども聞いていただいて、どうあるべきかということを建設的に考えていければ良いなと思って、今日は厳しいことを申し上げましたけれども、建設的な意味で今日はいろいろ提案させていただきました。

田村委員

 私からは、地域医療介護総合確保基金に関わる平成27年度の計画の変更について伺っていきます。

 これに関わる変更計画がこの間に報告がありました。団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、効率的かつ質の高い援助体制の構築と地域包括ケアのシステムの構築に向け、施策したものであるとありますが、本県としてもそれをしっかりと見据えた計画をして、確実に実施していくことが求められるわけでありますが、この観点から何点か伺ってまいりたいと思います。

 これは説明がありましたとおり、平成27年度の計画でありながら、今回、計画変更に至った経緯をまず確認のため伺いたいと思います。

高齢福祉課長

 こちらの基金につきましては、国から毎年、消費税を財源とした交付金を受けまして、これに県の一般財源を加えて繰り入れるという、仕組みになっております。それで、交付を受けた年度ごとに国と協議を行いまして、事業の実施計画を策定するということとされております。

 一方、今回、追加交付された交付金につきましては、昨年度、一億総活躍社会の実現のために、介護離職ゼロに向け、実施すべき対策などを内容とします国の補正予算が成立したことに伴いまして、通常の年と異なりまして、消費税以外の税収入を財源としまして交付されたものとなります。

 そういったことで、事業の実施につきましては今年度以降、複数年かけて行っていくものでございますけれども、交付年度であります平成27年度計画にこの事業計画をまとめて位置付けて、3月末に計画変更を行ったということになります。

田村委員

 現在、平成28年度の事業は既に始まっていると思いますが、平成28年度の計画と今回の計画内容との関係について伺いたいと思います。

高齢福祉課長

 平成28年度事業につきましては、委員、御指摘のとおり、既に事業はスタートしておりますが、こちらは県の当初予算に計上して行ってございます。交付金の配付については、本年3月末に国の新年度予算が成立した後に協議が始まったという状況でございます。

 現在、国の都道府県ヒアリングは一通り終わりまして、7月上旬に内示を受ける予定となっておりまして、その後、内示額を踏まえて、平成28年度の計画を策定するということになります。

 今回、報告させていただきました計画変更につきましては、平成27年度に追加交付された財源を活用する事業について、平成27年度の計画を変更して位置付けるということになっておりまして、今後、策定する平成28年度計画とは切り分けて策定するということを求められております。

田村委員

 今回の補正予算案で福祉人材養成確保事業など、基金を活用した事業が幾つか提案されていると思います。それと、今回の計画変更について、計画のかくたん吸引等の研修の実施体制強化事業では、平成28年度の事業が約4,100万円となっていると思います。今回の補正予算案でかくたん吸引等の研修実施体制強化事業費補助として2,000万円で提案されていると思いますが、これは一体なぜ一致していないのか伺いたいと思います。

高齢福祉課長

 こちらの喀痰吸引等実施体制強化事業につきましては、今回、国から新たに示されたメニューの一つであります。国と配分額の協議を行い、計画に位置付けた際には、実際に補助対象となる研修機関等との調整を行うことがスケジュール上できませんでしたので、万一、不足することがないような十分な額をまず国から確保するということで調整を行いました。

 その後、補正予算案の作成に当たりまして、実際に補助対象となります研修機関などの意向を把握いたしまして、今年度分は、補正予算で年度の途中でございますので、それに必要な事業費の規模を再度積算しまして、2,000万円ということといたしました。

田村委員

 それと、追加交付額が108億2,900余万円であるところと、今回、補正予算額では1億5,800余万円に限られているんですが、これについて説明をお願いします。

高齢福祉課長

 今回、追加交付されました108億2,900余万円のうち、97億7,600余万円につきましては介護施設整備に関する事業の分でございます。こちらの介護施設整備に関しましては、県としまして一定規模の追加交付が行われるということを想定しまして、市町村と調整しまして平成28年度の当初予算に編成しまして、そちらに一部、前倒しで計上したものがございます。

 具体的には地域密着型サービス施設などの整備費の補助につきまして、当初の市町村の計画に1億6,100余万円を追加で乗せまして、38億8,700余万円を予算計上しました。

 したがいまして、今回の補正予算と合わせまして、追加交付額のうち3億2,000余万円を予算化したということになりまして、残りが今後予算化していくものとなります。

田村委員

 国の平成27年度の補正予算に関わる計画変更ということだと、できるだけ早期に事業を計画していかなければならないと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。

高齢福祉課長

 こちらの補正予算につきましては、2020年代前半までに介護施設等の整備の加速化、あるいは介護人材の確保等の強化を図る事業に活用するということで積み増しが行われたもので、短期間で執行を求められているものではありませんが、一億総活躍社会の実現に向けて介護離職の防止につなげるといった国の予算編成、予算成立の趣旨を踏まえますと、市町村と関係団体等と調整が整ったものから可能な限り早期に予算化を進めて、計画的に実行してまいりたいと考えております。

田村委員

 これが心配なのは、介護施設等の整備でかなりの額が積み増しされていると思いますが、それに見合った事業計画というものをしっかりと把握できているのかどうか、伺いたいと思います。

高齢福祉課長

 こちらの介護施設整備に関しましては、この基金のメニューの大部分が市町村が整備を進めてまいります地域密着型サービスの整備促進のものとなっております。このため、今回の基金積み増しに当たっては、市町村に対しまして、平成29年度以降の整備見通しをお尋ねしております。

 いずれの市町村におきましても、介護施設整備に関しましては3年ごとに策定してまいります介護保険事業計画に沿って整備を行っているということであります。現在、第6期計画でございますが、平成27年度から平成29年度までの6期計画の途中でございまして、国がこの基金の活用を想定している2020年代前半までとなりますと、第7期、さらには第8期の初期まで入ってまいりますので、7期計画以降の整備見通しというのは、かなり市町村としましても未成熟なもの、あるいは想定がまだできていないところもございます。

 そういったことがございましたので、幅広く県の方ではその辺を取り込みまして、さらに、見通しがまだできていないところの市町村分も考慮に加えまして、十分余裕を持たせた額ということで、国と協議を行って交付決定を受けたということでございます。

田村委員

 そうなりますと、今後、市町村において追加施設の整備のニーズができた場合というのは、対応できるのでしょうか。

高齢福祉課長

 十分対応できる額を確保しておりますので、対応してまいります。

田村委員

 それから次に、今回の計画変更に関連して、補正予算で提案されている具体的事業について伺っていきます。

 まず、優良介護サービス事業所等の奨励金について何点か伺いたいと思います。

 この優良介護サービス事業所等の奨励金を行う目的というのは何か、確認したいと思います。

地域福祉課長

 現在の介護保険制度では、介護にかかる時間と労力といったものを評価するものです。こうしたことから、要介護度が軽減いたしますと、介護報酬が減収になるといったような形で、サービスの質の向上に向けた積極的な取組というものが反映されにくい仕組みになっています。

 そこで、要介護度の維持・改善に対する取組ですとか、職員の資質向上、定着促進、人材育成、処遇改善といったことに成果を上げた事業所に対して、奨励金を交付しようというものでございます。

田村委員

 要介護が改善した場合というのは、事業所の収入に関わる影響というのはどのくらいあるのでしょうか。

地域福祉課長

 介護サービスによって異なりますが、例えば小規模多機能型居宅介護事業所においては、最も減収となるのは要介護度が3から2に改善した場合で、年間、大体80万円程度の差で、一番小さいものでも要介護度が4から3に改善した場合で、年間で27万円程度ということになります。

田村委員

 今のは1人当たりの話でしょうか。

地域福祉課長

 1人当たりの年間での影響額ということでございます。

田村委員

 要介護認定を受けている人のうち、改善が図られている人というのはどのくらいの割合でいるんでしょうか。

地域福祉課長

 国による介護給付費実態調査では、平成26年度に要介護認定を受けた方のうち、要介護度が改善した割合は10.6%になっていると確認しております。

田村委員

 これは今現在、要介護の改善に対して、国の対策は何かあったりするんですか。

地域福祉課長

 現在、国においてはサービスの質を踏まえた介護報酬を目指して、要介護度の改善を反映できないかと、サービスの質の評価のあり方について検討が進められておりますけれども、まだ具体的な方策は示されておりません。

田村委員

 お金の話を聞きますが、なぜ奨励金の金額が100万円なのか伺いたいと思います。

地域福祉課長

 要介護度の維持・改善、人材育成や処遇改善に積極的に取り組んで成果を上げた事業所において、更にサービスの質の向上が図られるように頑張れば報われるというメッセージを込めて、100万円といたしました。

 なお、奨励金はあくまでもインセンティブということで、減収補填を目的とするものではございませんが、先ほど答弁いたしましたとおり、要介護度が改善した場合の影響というものも一つの目安になるのかなと考えております。

田村委員

 いまひとつ算定基準が分からないんですけれども、今一度、御答弁をお願いします。

地域福祉課長

 やはりメーンは頑張れば報われるということに対するメッセージということで、そこでのインパクトのある数字というか、そういったところが中心でございます。

田村委員

 逆にこの100万円がわたることによって、どんな効果が期待できるのかということ、この100万円によっての効果というのは、一体何が期待されるのか伺いたいと思います。

地域福祉課長

 質の高いサービス提供を行って成果を上げた事業所、今申し上げたように、そういったところに奨励金を交付することで、頑張れば報われるという機運が醸成されて、今後の更なるサービスの質の向上につながるといった形での好循環がつながっていくというところに期待をしているところで、このようにサービスの質の向上に対するインセンティブが働く仕組み、こういったものを構築していきたいと考えております。

田村委員

 全く別の話になりますけれども、県立看護の生徒が頑張っても授業料4万円上がっていくのに、ここは頑張っても100万円もらえるとかと、これは全く理解がつかない数字になるんですけれども、ちょっと頑張ったから100万円という補助金というのは、やけにアバウトだなと思うんですけれども、その辺、もうちょっと。

 これは今、私だけではなくて、みんなが困惑しているのかなと思うんですけれども、みんなが納得する御答弁を頂きたいなと。

地域福祉課長

 やはり要介護度の改善ということに対する評価等については、先ほど申し上げたように、実際に国でも具体的に介護保険制度の中で、どのように解決していくのかということで検討は進めていますけれども、なかなか評価の手法というのが難しいというようなことで、時間がかかるというような状況でございます。

 そういった中で、でもやはり頑張って介護の質の向上に努めている事業所、そういったところはどんどん増えていってほしいですし、そういった意味で言えば、それに対するインセンティブということで、介護保険制度以外の形で適切な形で、減収補填というのはやはり意味がちょっと違うなというところもございますので、そういった形ではなくて、何か強いインセンティブを持たせる良い手立てはないのかと考えたところ、今回の奨励金というところに至ったところでございます。

田村委員

 質問を変えます。

 そうしたら、頑張っているというのはどんな基準なんでしょうか。

地域福祉課長

 これにつきましては、具体的に評価の基準というのを設定していきますけれども、要介護度の改善を図るに当たって、どういった取組を実際に各事業所でやっていたのか、あるいは人材育成ですとか職場環境の整備といったことに対して、その事業所独自にどういった取組をしたのか、そういったところはきちんと評価をしていきたいと考えています。

田村委員

 もう1点だけ確認させていただきますが、100万円と決めた審議会みたいなものが何かあったのか、また、もしそういうものがあれば、どういったメンバーでこの100万円というのを算定したのか、そこだけ最後にお聞かせ願いたいと思います。

地域福祉課長

 特段、何か審議会の場で議論したということはございません。

しきだ委員

 100万円というのが唐突に出てきて、すごく違和感があったんですよ。いろんな現場を見ているし、学生時代に特別養護老人ホームの日直のアルバイトもしながら、そういったものを現場でいろんな見聞きをしてきて、それで医療、福祉の分野においても関心を高めてきたという、そういう点もあるものですから、この100万円の出し方について100%否定するわけではないんですが、現場で苦労している方は日報を書くのも大変、そういった中で100万円もらえるから、ではそういう手続に応募しましょうというインセンティブはどこまで働くかということについては、極めて疑問があるんですよ。

 この100万円の積算根拠というのは、頑張っているところにという、それは考え方としては、一見聞くと確かに一理あるなとは思うんだけれども、前回も少し質疑があったかと思うんですけれども、対象事業所の数というのは幾つだったのか、もう一回確認させていただけますか。

地域福祉課長

 基本的には介護保険法に基づく指定事業所ということでございまして、県で指定をしている事業所ということでいいますと9,000あります。そのほかに市町村が指定している事業所もありまして、複数重複して事業、サービスを展開しているということもございますので、そうするとかなり数が大きくなって、4万から5万というような数に及ぶというふうに確認しております。

しきだ委員

 今回、こうして20事業所ということで、2,240万円の予算計上をされているわけです。100万円出しますよというのが、新聞報道でも軒並み報道されて確かにインパクトはあるんだけれども、会見等でも、100万円という数字にインパクトがあると。これは打ち出し方として否定するわけではないけれども、今の数万箇所、数万事業所が対象になっていて、その20箇所に100万円を支給することにどれほどの効果があるかというところは、今、100万円の積算根拠を含めて聞いていると、なかなかしっくり来ないわけですよ。

 今の何万事業所に100万円を順番に交付しているというと、いつまでかかるんですかという話になってくるわけで、だから先ほどの国でも検討している介護度が改善している人へのインセンティブ、こういうものは抜本的に見直しをする必要があるし、かといって県の方で、ではこの辺は何もやらないわけにはいかないから、いろいろな工夫をする必要がある。

 ちょっと1点、確認を含めて聞きたいのは、品川区でも、これはもう何年か前に取組をしているわけです。川崎市でも先行してやっている。これに対して県がインパクトの話が出て何かやろうかということで出てきているような感じがしてならないんですよ。だから哲学、理念がきちんとしているのかどうかというのが非常に疑問があります。三桁に乗せたことによってインパクトが出てきて、それで新聞でも報道されたと。ただ、今言ったように背景は数万事業所に及ぶと。それで20箇所に今年交付をして、それがどれほどのインパクトと成果と効果に結び付くかということの検証が、これで我々もやはり予算を認めてきているところもあるので、しっかりと見なければいけないと。

 ここでちょっと確認ですけれども、品川区の概要、それから川崎市での概要、それのメリット、さらに、今回の100万円を交付する、出すことによって、どういう違いがあるのか、メリット、デメリットも含めて、その辺を整理していただけますか。

地域福祉課長

 川崎市との違いというようなところでございますけれども、川崎市では平成29年度の予算で、川崎市が立ち上げるプロジェクトに参加する200事業所を対象にして、要介護度ですとか日常生活の動作を改善の成果を上げた事業所、こういったものに対して要介護度が改善した利用者1人当たり年額5万円程度の報奨金を交付するということです。この7月からスタートして、来年の6月までの状況を見て、実際には来年度、報奨金を交付するというような形で考えているということで、こちらの方もやはりインセンティブを付与するという目的だと確認しております。川崎市の場合は要介護度の改善に着目をしてということでありますけれども、例えば本県の場合であれば、こういった要介護度の改善だけでなくて、人材育成、処遇改善、職場環境の整備、そういったところでの工夫というものも含めて、しっかりとサービスの質の向上につながったものというものを、もう少し広く総合的に評価をしていくというような形で違いがあると考えております。

 それから、品川区の関係は、資料が今、手元にございません。

しきだ委員

 今の川崎市の方は簡潔明瞭というか、分かりやすいわけですよ、1人当たり改善したらそれに対してということでね。今のお話を聞いていると、県の方は処遇改善とかいろんなところ、多岐にわたっていて、先ほど言ったように、現場はそんなに、資料を整理したりとか、手続ができる人材の確保すら難しいというのが困っているわけですよ。

 だから、そういう手続の簡便性とか簡略性とか、そういった効果、こういったものはやはりしっかりこれから検証していくことが必要だと思うんですよ。始めたばかりの事業なので、これは推移を見守っていくけれども、出してくださいといって、PRが必要だろうけれども、仕事を、本来業務をおろそかにしてまで出してもらうなどというのは、こんなことはあってはならないので、動物保護センターのこともそうだけれども、やはりその辺も節度を持っていく必要があるということと、国にもそういったインセンティブなやり方をしっかりと要望していくということ。それから、100万円ありきでこういう議論が進んでいくような気がしてならなくて、そこについてはインパクトがある数字、川崎は5万円、うちは100万円ですよという、こういう金額で競争するような、こういう当事者不在の議論に陥らないように、そこは注意をしておいていただきたいと。

 最後に確認ですけれども、今言ったように数万事業所ある中で、今年は20事業所、基金を活用していくということだけれども、今後は、川崎市とかそういった設置者に補助みたいな形で、毎年の部分の半分の同額を県が負担をしていくとか、そういう形で手続の簡便化にも努めていく必要があると思っているんだけれども、この事業はいつまで続けるつもりなんですか。予算に関係することだから言えるかどうか分からないけれども。

地域福祉課長

 この事業は基金をベースに設置しておりますので、基金のメニューということにも適合した形で実施しておりますが、そういった意味で言えば、基金は存続しますので、その間は、毎年実施しながら、効果等も検証していきたいと思っています、

 少なくとも国がやはりまた、先ほど申し上げた介護保険制度の中で、こういったことについてきちんと評価できる枠組みができるということであれば、またその時点では対応が変わってくると思いますけれども、少なくともそれまでは実施していきたいと考えています。

しきだ委員

 基金というのは、もう少し具体的に教えてください。

地域福祉課長

 答弁の仕方が不適切な部分がございましたが、地域医療総合確保基金に基づいてやっていますので、この基金自身はきちんと存続するものです。基金に基づいて実施しますので、今申し上げたような、例えば国の制度が見直されるとか、そういったまた大きな状況の変化ということがなければ、その間は続けて、状況も見ながら、いろいろ見直しも必要なところがあれば、そういったことは検証しながら実施をしていきたいというふうに考えています。

保健福祉局企画調整担当課長

 今の御答弁で申し上げましたとおり、この事業は地域医療介護総合確保基金に基づきまして実施しているものでございます。その基金は消費税等の増収分を財源としまして設置されているものでございまして、今の時点でいつまでという時限が切られているわけではございません。

しきだ委員

 100万円という数字だけが、私は一人歩きしてならないという気がしたんだけれども、やはり現場が何を求めているか、どこに課題があるかというのをきちんと掌握をして、それでそういった手続の簡便性だとかというところも含めて、これを提案することによってインセンティブが働く、そういった頑張っているところを応援するという考え方に共感できる部分はある。けれども、それによって日常業務が圧迫されたりとか、労力を使ったりとか、そういった結局、施設の代表者は、部下の人とか職員にこれを出してくれと、こういう話で済むんだけれども、現場はなかなかそういうことではないので、そういったところで配慮も気配りも目配りもきちんとした上で、この事業の活用、運用については対応していただきたいということだけお伝えしておきたいと思います。

田村委員

 最後に1点、これはいつ交付をする予定なのか、そこだけお伺いしたいと思います。

地域福祉課長

 この奨励金の交付につきましては、11月23日に横浜そごうの9階の新都市ホールで介護フェアというものを実施いたします。そこで、かながわ感動介護大賞の表彰式も考えておりますので、そういった場面で併せて交付したいと考えております。

田村委員

 最後に要望ですが、今回、国の補正予算は一億総活躍社会を目指すために設置されたものですので、事業の効果を高めるものに、なるべく早期に、かつ計画的に事業化に取り組んでいただきたいと思います。

岸部委員

 今、お話が出ました地域医療介護総合確保基金について、私からも何点か御質問させていただきます。

 この地域医療介護総合確保基金の計画については、都道府県が創設した基金の活用内容に関する計画であり、計画としては何年かにわたる計画として作成すべきものと考えるんですけれども、なぜ年度ごとに計画を策定するようになっているのか、その点について、もう一度お願いいたします。

高齢福祉課長

 こちらの地域医療介護総合確保基金は、平成26年度からの消費税増税分、5%から8%に上げたときの増税分を財源としまして、国が3分の2を負担するということが法に定められております。このため、毎年の消費税財源から都道府県の基金に必要な額の交付金を交付しまして、都道府県が3分の1を負担したものと合わせて、基金に繰り入れるという仕組みになっておりまして、毎年の交付に対応して各年度の事業計画を策定するとされたものでございます。

岸部委員

 この基金の計画とそのほかの介護保険の計画、市町村の介護保険事業計画であるとか、あるいは県の高齢者の保健福祉計画などとの関係性についてお願いします。

高齢福祉課長

 市町村の介護保険事業計画と県の高齢者保健福祉計画につきましては3年ごとに策定しておりまして、現在、平成29年度までの6期計画の期間中でございます。

 一方、今回の追加交付の分の基金計画は、平成27年度計画への追加ということですけれども、介護保険の計画では第7期に当たります平成31年度までの計画としてございまして、介護保険計画に位置付けられました整備計画はもとより、例えば市町村の判断で7期以降に予定しております地域密着型サービスの前倒し整備なども可能ということにしております。

 今後、第7期の介護保険事業計画を策定していく際には、事業の財源としまして、この基金が活用できるという前提で計画を策定していくということになります。

岸部委員

 逆に金額については単年度でやっていくけれども、計画全体については、その事業の流れ、時間については複数年度で考えられるというようなお答えと受け止めてよろしいでしょうか。

高齢福祉課長

 平成27年度の国補正予算で交付されたものにつきましては、委員お話しのとおり、複数年かけて使っていけるというものとなっております。

岸部委員

 その中で昨年度、一億総活躍社会の実現に向けた対策、新3本の矢の一つとして、子育て支援の充実の並びで、安心につながる社会保障として介護離職者のゼロを目指すということで、大きく新聞報道などでは、特別養護老人ホームなどの介護施設の整備促進ということが打ち出されたように記憶しているんですけれども、この基金はそういった特別養護老人ホームの整備促進にどう活用できるのでしょうか。

高齢福祉課長

 一般的な、広域型と言われます特別養護老人ホームの整備に対します補助に関しましては、都道府県、あるいは市町村が一般財源を用いて行うということとされておりますので、この基金を充てることはできません。

 定員が29人以下の、いわゆる地域密着型特養の整備費補助につきましては充てることができまして、また、広域型の特養も含めまして、施設を開所する6箇月以内の準備期間に要する経費、備品の購入費ですとか人件費、これには充てることはできます。

岸部委員

 もう一度、29人以下であるとか開所前の整備に充てられるということなんですが、特別養護老人ホームの整備費補助に充てられないのか、理由についてもう少しお願いいたします。

高齢福祉課長

 特別養護老人ホームの整備費補助につきましては、かつては国庫補助制度がございました。その後、三位一体の改革が行われまして、税源移譲、国庫補助金負担金の改革がされまして、平成18年度から一般財源化いたしました。これによりまして都道府県、政令市等が負担するということで整備済みであるということで、この基金を充てることはできないと国から説明がございます。

岸部委員

 そうすると、なかなかこの計画のメニューになければしづらいということになってくるかと思うんですけれども、例えば今回、補正予算の中で、認知症の介護支援事業というのが位置付けられています。頂いた参考資料の43ページの認知症のケアの人材育成事業を見ると、今回、補正予算に出された認知症介護支援事業というのは記載されていないので、メニューにないのですが、それでも補正予算に加わってきているのはどういうわけでしょうか。

高齢福祉課長

 こちらの認知症介護支援事業につきましては、事業実施に必要なカリキュラムなど内容は3月末に国が決めまして、4月に県に通知が届きました。その際、財源についてはこの基金を使って実施するようにという連絡がございましたが、継続的にこの計画に記載することはできませんでした。

岸部委員

 ということは、計画には位置付けられていないけれども、補正予算としてはできるということなんですか。

高齢福祉課長

 補正予算としては実施可能でございまして、本県以外の他県でも同様に、おおむね補正予算で対応しているところが多いというふうに伺っております。

岸部委員

 なかなか後からメニューが出てくれば、こういうこともあり得るということで理解してよろしいでしょうか。

高齢福祉課長

 追加のメニューなどがされた場合については、都道府県の予算の編成のタイミング等もございますので、予算編成を速やかに行いまして、あと計画の変更を、その後、国に対して行うという手続になってまいります。

岸部委員

 では、この認知症介護支援事業の概要と研修の募集定員などをお示しください。

高齢福祉課長

 こちらの事業につきましては、高齢化の進展に伴いまして、認知症を専門としない一般の病院におきましても、認知症の患者が増えてくることが見込まれますので、そういった事業提供体制を確保していくということが必要と考えられまして、今年度の診療報酬改定で、病院が認知症患者の入院受入を行った際に、一定の研修を受けた看護師を病棟に配置した場合、新たな加算が受けられるというものが設けられました。

 その加算の条件とします一定の研修としましては、国が定める18時間、3日間のカリキュラムに沿って都道府県が実施するものと、全日本病院協会など全国規模の医療関係団体が行う研修が対象となっております。

 内容としましては、病棟の看護師長あるいは主任ですとかのリーダー層を想定したもので、認知症患者を受け入れた際の看護計画、あるいは病棟内での対応手順などを習得するといったものです。本県での募集定員は1,000人を予定しております。

岸部委員

 今、大変心配される認知症の患者さんがある中で、病棟での受入れのために研修をするため、それに支援するということで良いと思うのですが、その人数について年間1,000人ということでよろしいですか。

高齢福祉課長

 今年度は年間1,000人でございます。

岸部委員

 神奈川県で働く看護師は大変多いと思いますけれども、病院で働く看護師に限ってでも4万人以上いらっしゃると思うんですけれども、今、1,000人という募集定員で今後、増えていく認知症の患者に対応するということで必要数を賄えるのか、今回の、1,000人に設定した考え方についてもう少し御説明ください。

高齢福祉課長

 こちらの研修の受講の対象者は、病棟のリーダー層ということで、スタッフの教育に当たる方々を想定しているということでございまして、加算の要件としましても1病棟当たり、研修を受けた看護師を複数名配置するということでございますけれども、今年度は初年度ということでありまして、お一人の看護師が受講すればよいということになっております。

 そういったこともありまして、研修日程が3日間ということで、病棟の看護師たちへの負担も一定程度ありますので、県の病院協会など関係団体などとも相談しまして、まずは県内の病院の病棟数におおむね見合う定員数で設定しようということで考えたところでございます。

岸部委員

 ちなみに県内の病棟数というのは幾つぐらいあるんでしょうか。

高齢福祉課長

 病棟数そのものの統計数値はございませんで、例えば昨年度、平成27年度の一般病床の数でいくと約4万6,000病床ございまして、それは1病棟が50病床と仮定しますと、約920程度の病棟があるということで、1,000を想定したということでございます。

岸部委員

 看護師たちは大変離職される方も多いですし、それぞれ部署も大変変わられるということで、920ということで、今回は1,000ということで見合う数というふうに計算されたのかもしれないですが、やはり高齢の方が増えている中で非常に必要性のある研修かなと思っています。来年以降も継続していくためということを考えますと、先ほどの御答弁からは、年度ごとということで継続する、しないはメニューによりけりというようなニュアンスがあったんですが、今後の方向性については、現時点でどのように考えているんでしょうか。

高齢福祉課長

 当面、県としても実施してまいりたいと考えておりますが、実施できるのが当初、自治体では都道府県のみということで予定でしたが、政令指定都市が実施可能ということにされました。現在、川崎市をはじめとします政令市が、これの開催について検討をされていると伺っています。

 また、医療系の団体が実施する研修についても加算対象となるということもありますので、そういった動向も見極めながら、来年度以降も実施の規模ですとか、そういったものについては検討してまいりたいと考えております。

岸部委員

 金額もあるということなので難しいとは思うんですが、是非継続していきたいという強いプッシュをしていただきたいところです。そういうことを含めて、この基金について伺います。この基金については2025年に向けて計画的に介護基盤整備、人材確保を進めていくためというふうに御説明がありました。今回の補正予算の中でも、介護離職ゼロに直結する緊急対策として、国の補正予算によって基金の積み増しが行われて、この補正予算が組まれたと理解するんですが、先ほど伺った事業などについても、メニューが途中で追加される、予定になかったメニューが追加されるというのは、現場実態に即して行われるんだろうと思うんですけれども、制度として、やはり長年の計画の中で違うものも出てくるというので、非常に場当たり的な印象も受けるのですが、この基金の運用に当たっては、県としてはどのような課題があると認識していて、どう対応していこうとしているのか、伺います。

高齢福祉課長

 この基金の運用に関しましては大きく二つ課題があると認識しております。

 1点目は、活用できる範囲が限定されているということがあります。例えばメニュー方式の国庫補助金などでは、通常、メニューのほかに自治体の創意工夫を認める余地を残すために、例えばその他大臣が認めた事業といった規定も一般的にあるということでありますけれども、この基金の介護分につきましては、事業対象がメニューによって限定的に示されておりまして、特に施設整備に関しましては、メニューだけでなくて、補助単価も定められているということがあります。それから、特養などの広域型施設への整備補助に充てられないという課題もございます。

 2点目は、基金の積み立て後の区分間の配分変更が認められていないということであります。医療と介護の区分変更だけでなく、介護分の中でも施設整備分と人材確保事業分の区分変更は認められておりません。

 こういったことがありますので、例えば都市部と町村部といった地域的な事情の違いですとか、市町村の創意工夫なども認めるような対応があってもよいというふうに考えてございまして、これからも国に対しては、この基金の運用につきまして改善を申し入れていきたいと考えております。

岸部委員

 意見と要望を申し上げますが、地域医療介護総合確保基金につきましては、2025年に向けて、早期に計画的に介護基盤の整備や人材確保をしっかり行っていかなければならない中で生まれたものだと思います。

 しかし、今、伺ったところでやはり基金の運用に当たっては、もう少し地域の実情に応じた介護施設整備の方策や介護人材の確保対策に活用できるように、もっと柔軟な活用が認められるべきではないかと、私も伺っていて大変感じたところでありますし、県としても国に対して申し入れるということですけれども、この制度の改善等については強く働き掛けていただきたいと要望させていただき、我が会派としても後押ししていきたいことを申し上げて、質問を終わります。



(休憩 午前11時55分  再開 午後4時26分)



8 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可



9 日程第1について質疑(所管事項も併せて)



佐々木(正)委員

 今回の熊本地震に係る熊本県からの支援要請は、全国知事会が定める全国都道府県における災害時等の広域支援に関する協定書に基づき行われたものであり、災害対策基本法第74条に基づく要請はなかったとのことでした。この件については、私は非常に危機感を覚えております。というのは、知事会の協定の第5条と災害対策基本法第74条というのは根本的に違うところがたくさんあります。同じじゃないということを認識していると思うんですが、第74条と知事の要請についての協定の第5条、どう違うか教えてください。

保健福祉局総務室長

 災害対策基本法第74条と申しますのは、いわゆる被災県から他の都道府県への直接の応援要請の規定と承知しております。また、全国知事会が定めます協定書の第5条といいますのは、いずれかの都道府県におきまして、震度6弱以上の地震が観測された場合、又はそれ以上に相当する災害が発生したと考えられる場合に、全国知事会がいわゆる被災県を支援するための災害対策都道府県連絡本部を設置する等の規定を定めているものでございます。

佐々木(正)委員

 大きな違いがありますね。神奈川県もDPAT9チームですか、派遣されていますよね。第74条と知事協定、DPATが行くために、DPAT、DMAT、JMATでもいいんですけれども、その根拠法に基づいてどういう立場であなたは行くんですかと、医師や保健師たちにしっかり通達して行かせるわけです。あなたは第74条なんですか、あるいは公務員法にのっとって行くんですかというのをちゃんと通達させて行っているはずなんですけれども、今回、知事要請の協定で行ったということは第74条が適用になっていないということですよね。

 そうしますと、どういう根拠で民間の場合、公務員も行っていますよね、民間も行っていますよね。そういう人たちがどういう根拠で行ったというのは、説明してから行かせているんですか。

がん・疾病対策課長

 DPATの派遣につきましては、国のDPAT事務局というものがございます。DPATの派遣には2種類ございまして、熊本県、被災県から直接、かながわDPATへの派遣要請が来る場合と、熊本県が国のDPAT事務局へ要請をして、そこからかながわDPATに要請が来る場合がございます。

 今回は熊本県から直接、かながわDPATに要請がありましたので派遣いたしました。それは災害救助法が発動される、されないにかかわらず、派遣の要請があれば行くというような形に整えてあります。

佐々木(正)委員

 要するに根拠法が何かによって派遣チームの対応が違ってくるということは御存じですかね。今回行ったDPAT9チーム、この人たちがもし向こうで事故などがあったりして、そのようなときに第74条が適用になっていれば、これは神奈川県もそうですけれども、もし足りなかったら国庫も出せるんですよ、対応について。知事会の要請だと、そういう何かあった場合の支払根拠というのは神奈川県に発生していないのではないですか。そういうことが分かっているのか分かっていないのか、お聞きしたい。

がん・疾病対策課長

 今回の派遣につきましては、傷害保険を設定して派遣いたしました。さらに、派遣の費用につきましてはDPATの体制を整えております昨年の3月までに、無償で派遣するというようなことの取決めをしておりましたので、その費用については、派遣した医療機関若しくは政令市等の行政が支弁するということになっております。

佐々木(正)委員

 無償で派遣したから、もしけがとか事故とかあった場合も自分で支払う、あるいは派遣したチーム、例えば横浜とか相模原も行きましたけれども、そういうところが自己負担する、自分たちで負担する、そういうことでいいんですか。

がん・疾病対策課長

 災害救助法が適用されたため、今回は熊本県より費用が支弁されると聞いております。災害救助法が適用される以前は、医療機関の負担若しくは政令市、若しくは行政のDPATチームを持っているところが負担するという形になっております。

佐々木(正)委員

 これはちゃんと調整、整理して答えていただければ本当は有り難いんですけれども、災害対策の中で、これは本当に根本ルールというところですよね。熊本県が第74条を申請しなかった、要請しなかったということは、室長から御答弁があったとおりなんですよね。

 そのことによってDPATの根拠というのは、今、課長がおっしゃった二つあると。神奈川県がDPATを要請されて行かせているわけですよね。そのときは無償でやるという取決めをしていたから、その人たちが何か事故とかけがしたと、そういうことも全部自分たちでそれは賄っていくということでよいのですね。

がん・疾病対策課長

 委員がおっしゃるようなことではなく、今回のDPATの派遣についてはかながわDPAT運営要綱というのがございまして、DPATの派遣に要した費用は原則として無償とする。また、当該災害に対して災害救助法が適用された場合は、同法に基づき費用が支弁されるものとするというふうに要綱で定めております。

 また、事故が起こった場合のことを考えて傷害保険に加入しております。公務員の場合は派遣元の扱いにも左右されますが、原則として公務災害の対象とみなします。

佐々木(正)委員

 公務員チームも行っていますよね。

がん・疾病対策課長

 はい、3政令市から派遣されております。

佐々木(正)委員

 今回のDPAT派遣チームは、9チーム、みんな無事に帰ってきたんですか。

がん・疾病対策課長

 無事に帰県しております。

佐々木(正)委員

 事故等は一切なかったということでよろしいでしょうか。

がん・疾病対策課長

 9チーム派遣しました中で、横浜市のチームが現地でレンタカーの運転中に事故を起こしたという報告はございますが、それは車の物損のみで、同乗していた3人は特にけがはございませんでした。また、対向車の車に乗っていた方もけがはなかったと聞いております。

佐々木(正)委員

 2回答弁してやっとそれが出てきたわけです。1回目の答弁で何もなかったと言った。それはどういうふうな根拠ですか。

がん・疾病対策課長

 無事に帰ってきたのかという御質問でしたので、そのように答弁いたしました。

佐々木(正)委員

 事故等がなかったか、けががなかったのか、その旨について質問したはずなんですけれども、どうなっているんでしょうね。揚げ足取りの話じゃないから。

がん・疾病対策課長

 無事に戻ってきたのかということでお答えいたしました。また、派遣されたチーム員の身体的なけがなどがなかったのかということを聞かれたと思いましたので、そのようにお答えいたしました。

てらさき委員長

 課長、聞いている御趣旨は、何かあったときの補償がしっかりできているのかという部分も質問の趣旨に含まれているわけですから、物損なのかどうなのかということではなくて、含めて事故があれば御報告を願うということではないかと思いますが、佐々木委員、いかがでしょうか。

佐々木(正)委員

 そういうことを、委員会でもDPATの話では委員の方々も知っていたし、そういう状況を報告をしていただいてもよかったんじゃないかなと思うんですね。身体的なけががなかったから報告しなくていいのかと、そういうことになりますし、その対応はどうだったかというのもお聞きしてみたいなと思うんです。

 要は、第74条を申請していれば、県が全ていろんなものを負担します、できるわけですね。もし足らなかったら、その分は国庫が出るわけです。国庫から出せるわけです。高知県は、これは南海トラフのことがあるから、よく高知県の福祉系の職員というのは読み込んでいて、熊本のときは第74条を要請していないから派遣できませんと言って派遣していないですよ。というのは、自前でやらなきゃならないから。それはもし何かあったときに補償を出せないから。

 知事会の要請の協定と第74条の要請というのは、全く違うということを神奈川県に認識してほしいということで、このことを取り上げさせていただいたんです。

 危機管理の中でDPAT、DMAT、民間、公務員も行くわけですから、第74条を要請しなかった熊本県については、他県のことだからあまり申し上げられませんけれども、自分たちが予算が出て、どんどん出さなきゃならないということじゃなくて、それは限界がありますから、そうしたら国に要請すればできるわけですから、第74条を申請していたことというのは、熊本県が要請したかどうかというのは、DPAT、DMAT等を派遣するその都道府県としては、よくそれを根拠に、熊本県はどういう対応だったかということを踏まえて派遣しなきゃいけないということですよ。

 この件に関して誰か意見ありますか。どうですか。

保健福祉局副局長

 委員御指摘のとおり、派遣根拠によって対応が違ってくるということは御指摘のとおりというふうに思います。今後、本件といたしましても、今回、DMAT、DPATを派遣した経験を今後のDMAT、DPATの充実に生かしていきたいと考えておりますので、今回の委員の御指摘につきましても、そうした中で更に検討していきたいと考えております。

佐々木(正)委員

 第74条を熊本県が要請していたかどうかも知らないでやっているということを指摘しているわけです。今後は第74条を、派遣していくときにその県がしっかり要請したかどうかをはっきり確認してから、DMAT、DPAT等の派遣をするべきじゃないかと言っているわけですよ。

 それを、検討していきたい、という答えはちょっと納得いかない。それをしっかりと踏まえて今後は派遣しますという答弁にはならないですか。

保健福祉局副局長

 今後につきましては、派遣根拠をしっかりと確認しながら派遣するようにいたしたいと思います。ただ、今回につきましては熊本県の地震という中で、大変な状況があるという中で、県として何ができるかということの中で派遣をさせていただいたということでございますので、今後、更に確認の上、派遣するように心掛けていきます。

佐々木(正)委員

 熊本県の被災者に対する思いというのは、それは絶大なものが皆さんあってよいと思います。私もそうですし、東日本大震災もそうですし、そういうような感情面ではなくて、根拠法として行政というのは動かないといけないわけだから、そういうところを言っているわけです。

 大変だからすぐに行かさなきゃならない。それは当たり前ですよ。だけど、根拠法もよく分からない、それでも第74条の要請が分からないで行かせているということのところに、私は疑問があると言っているわけですよ。その辺はどうですか。回答をお願いします。

保健福祉局副局長

 御指摘のとおり、派遣につきましては行政として行うものでありますので、しっかりと根拠法を確認しながらしていく必要があると思いますので、そういったことで今後、対応していきたいと思います。

佐々木(正)委員

 そういうことを私は、神奈川県は少しその辺がよく理解していなかったんじゃないかなと思わざるを得ないというイメージを持っていますので、その辺はしっかり今後ともよく見極めて、災害地派遣についても全力で神奈川県がやっていただきたいと思いますし、首都直下型地震とか南海トラフ、巨大地震が懸念されているわけですから、その辺もよく読み込んでいただいて、派遣については検討をして、そして派遣をしていただきたいというふうに思っております。

がん・疾病対策課長

 災害救助法の適用について佐々木委員から御指摘がありましたけれども、今回、我々は、4月15日の内閣府の第一報ということで、熊本県が災害救助法の適用を決定したということを知りましたので、災害救助法が発令された場合は、同法に基づき費用が支弁されるという意識でDPATの派遣を続けておりました。

佐々木(正)委員

 いいです。結構です。

 もう1点だけ質問させていただきます。

 未病センターの事業と、未病を治すかながわ宣言協力活動登録事業の違いについて、まずお聞きします。

未病対策担当課長

 まず、未病センターですけれども、未病センターにつきましては、未病を治すかながわ宣言に基づく未病を改善する三つの取組であります食、運動、社会参加を、県民が身近な場所で手軽に楽しく皆で取り組むための環境整備を進めるものでございます。

 具体的な内容といたしましては、自分の健康状態の見える化ができる。例えば健康の測定項目等が記述されていること、それから健康に関する相談やアドバイスが受けられること、それから食、運動などの知識習得、情報提供等が得られる、そういった機能を持ったところでございます。

 未病センターにつきましては、企業ですとか市町村が申請をしていただいて、それに対して県の方で認証をするという形になっております。

 それから、かながわ宣言の協力活動登録制度ですが、これにつきましても気付きの機会を与えるというところは同じ目的でやるものなんですが、こちらは身近な場所で、宣言に基づきまして、手軽に食、運動、社会参加等の情報が入手できるといったようなところが基本になっておりまして、あと任意の活動といたしまして、例えばウォーキング等のイベントの開催ですとか、それから社会参加について地域活動の情報提供をすると、そういったものを各事業所が独自に実施すると、そういったところになります。

佐々木(正)委員

 今のお話を聞いていると、環境を整えていくという大きな国の流れは、方向性は同じであるけれども、間違いなく事業については違うものだという認識でいいですか。

未病対策担当課長

 それぞれが役割を持ったものと認識しております。

佐々木(正)委員

 この件について、政策局の話なので未病に掲げられた数値目標について、そのところについては、私は総合計画審議会の委員として5月25日にこの審議会に出席をして発言をさせていただきましたけれども、政策局の部分の評価報告書についての中身については質問はできませんけれども、評価報告書の中で未病センターと未病を治すかながわ宣言協力活動の登録事業が合計数となっていて、実績値もそれらの合計数字になっているんですよ。これをもらったときは両方合わせちゃって、事業者の方は5,000箇所を目標にしていたから6,722箇所、その当時は。134.4%というのはいいんだけれども、未病センターは自分の認識ではまだまだ5月25日の段階ではゼロに近い数字だった。今は10ぐらいあるということらしいです。それで混ぜて134.4%で出てきたものをおおむね順調に進んでいるというような、そういう表現をしたことについてすごく違和感があったんです。

 そこで、報告内容についてはなかなか質問できにくいと思いますけれども、グランドデザインに掲げた目標値を設定したときの考え方とか、実績数値の受け止めについて、この常任委員会の所管となるので、それについてお伺いしたいと思います。

未病対策担当課長

 今のかながわグランドデザイン実施計画の未病プロジェクトに掲げた数値目標の考え方ですけれども、策定当時、県民が身近な場所で未病の取組の重要性を知り、取組を実践していただくために、企業ですとか団体などの協力によりまして、未病センターですとか登録事業といったいわゆる環境づくりを進めているという状況をお示しするために、双方を合算した指標値としたものでございます。

佐々木(正)委員

 なかなか納得できないんですけれども、違う事業だと先ほどおっしゃっていましたよね。合算して134.4%と。34%も上回って100%以上になっているような達成率で、本当にそういうようなのを混ぜた達成率で良いのか。ファイティングポーズは未病もやっていますというんでしょうけれども、でも、そこで134.4%達成で本当に良いのですか。私はすごく違和感を持った。

 学者の人たちもそのとき審議会で言っていましたけれども、私も質問しましたけれども、そういうことも混ぜて審議会で出していること自体が、私はすごく違和感があったわけです。正直に見てもらえばいいじゃないですか。未病センター、これぐらいやっています。登録事業者も増やしてていきますということでいいわけですから、それを合計して数字を出したこと自体がおかしいなというふうに思うんですけれども、最後にどうですか。

未病対策担当課長

 委員おっしゃるとおり、未病センターと登録事業制度というのは内容は異なるということですので、その達成度を合計数でお示ししたということは分かりづらく、県民の皆様に誤解を生じさせることにもなるかと、そのように思っております。

 そこで、昨年度の取組の評価書におきましては、総合計画審議会委員でもある委員の御指摘も踏まえまして、未病センターの設置数と登録事業者数を分けて記載するということで、県民の皆様に分かりやすくお示しをしていくわけですが、今後も基本的にはまずその方向で対応していきたいと考えています。

 一方で、数値目標につきましては議会でも議決いただいて策定したかながわグランドデザイン基本構想の下、実施計画に記載されているものでございますので、修正には一定の手続が必要になるものと承知しております。

 したがいまして、数値目標そのものにつきましては、今後、総合計画の改定等の際に所管の政策局にも相談し、総合計画審議会をはじめ専門家の方々の御意見も十分頂きながら、しかるべき対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。

佐々木(正)委員

 学者の専門家が審議しているわけですから、正確に評価をしていただいて、それに向けて頑張るということが必要なんじゃないかと思いますが、最後、誰かコメントを頂けますか。

健康・未病担当局長

 担当課長から答弁させていただきましたように、未病につきまして身近なところで県民の皆様に気付きの機会を得ていただくということで、それぞれ役割を持っている事業でございます。

 ただ、未病センターを設置するにつきましては、更に多くのところでそういった機会が得られるように努力をしてまいりたいと考えております。

佐々木(正)委員

 終わります。



(日程第1及び所管事項について質疑を打ち切り)



10 日程第1について意見発表



田村委員

 自民党県議団を代表しまして、当委員会に付託されました補正予算及びその他関係諸議案を合わせまして、当委員会で取り上げてまいりました諸議案について意見を申し上げます。

 初めに、地域医療構想素案についてです。

 地域医療構想の策定に当たっては、県民の皆様が身近な地域で質の高い医療、介護を安心して受けられるよう、市町村や地域の関係とともにしっかり取り組んでいただくことを求めます。併せて、県民の皆様が安心して老後を迎えられるよう、神奈川県の医療提供体制が将来目指す姿を県民の皆様と共有し、共につくり上げていくよう様々な機会を与え、普及啓発していくことを要望いたします。また、地域医療構想で定めた機能別の病床数をどのように確保していくのか、現実可能性を高めるような取組を求めます。

 次に、熊本地震における県の対応についてです。現地において医療資源が不足している中、人的支援として医療従事者を派遣することは人命救助や災害者支援の観点から非常に重要であると考えます。

 また、本県において地震が発生した場合に、関係機関としっかりと連携がとれるよう、日頃から訓練を行うことが必要不可欠ですので、今回の熊本の件を生かして十二分に対応できるよう取り組んでいただくことを求めます。

 次に、県立病院機構についてです。

 県立病院機構は質の高い医療を提供する役割を担っており、県民からも大きな期待がされています。特に重粒子線治療や子ども医療センターのNICUのような、ほかの病院では取り組むことが難しい分野の医療をしっかりと進めていただくよう要望いたします。

 次に、保健福祉局関係施設の運営見直しについてです。

 緊急財政対策、そして行政改革大綱に定めた見直しの方向性では、児童自立支援拠点が整理されること、また、保健福祉大学の地方独立行政法人への移行の具体的な目標時限が表示されたところですが、今後、しっかりと検討していただき、行政大綱に掲げた目標の達成に向けて引き続き努力をしていただくことを強く要望いたします。

 次に、動物愛護の普及啓発及び動物保護センター建設費についてであります。

 11億円という膨大な額の寄付を集める、また集まり具合がいまひとつだからといって無理に強制的な方法になっていくことについては十分な配慮をし、出発点である普及啓発に力点を置いた節度のある対応をすべきだということを改めて指摘しておきます。また、動物保護センター建設基金への周知活動、PR活動についてはバランスを考えて、県行政の果たすべき役割と責任をしっかり煮詰め、対応することを求めます。

 次に、喀痰吸引等研修実施体制強化事業費補助事業についてです。

 医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者は、今後、ますます増加していき、地域ケアを必要とする障害者の方々も多いことから、かくたん吸引などで地域ケアに対応できる介護職員の確保は喫緊の課題であると考えます。また、介護職員の専門性を高めていくことも必要ですので、医療のニーズに対応できるスキルを身に付けた介護職員を着実に養成していく介護のサービスの質の確保に万全を期すよう、県が支援を続けるよう要望をいたします。

 次に、未病に関する表現の変更についてです。

 さきの代表質問において、これまで使っていた未病を治すという表現を、未病を改善するに変えていくことの考え方が唐突に示されました。

 その理由は、昨年の10月に開催した未病サミットにおいて、参加者から未病を治すという表現について様々な意見や指摘があり、より適切な表現にすべきとの観点から、治すを改善するに変更していくとのことでした。未病という概念がそもそも分かりにくく、いまだに県民に広く周知されていない状態について、これまで折に触れ、指摘してきたところであり、さらに、この段階で表現を変更していくことは、率直に違和感があるといわざるを得ません。

 まず、昨年10月のサミットで指摘されたにもかかわらず、なぜ半年以上たったこのタイミングで変更したのか。また、治すという表現が適切でなければ、すぐに全ての印刷物等を修正し、あるいはこのことを県民に周知する必要がある。適正であれば、すなわち不適切でなければ、これまで使ってきた表現をあえて変更する必要はないのではないのかと考えます。

 さらに、今後徐々に変えていくとの答弁がありましたが、これから、治すと改善するという表現が混在することになります。未病という分かりにくい概念に加え、治すと改善するという表現が混在することにより、県民にとっては更に分かりにくさが助長され、混乱に拍車がかかるのではないのかと危惧するところであります。

 未病を治す半島宣言や、未病を治すかながわ宣言協力活動登録制度といった既に進められている多くの事業について、今後、どのように対応していくのか、県の責任は極めて重いと指摘しておきます。引き続き県民をはじめ関係者に対し、丁寧な説明をしていくことを求めます。

 次に、未病センターにおける企業との連携についてです。

 未病センターに関して、県民の皆様に様々な面からアプローチするという仕組みであり、健康に関心を持つ良いきっかけになることは間違いないと思います。今後も県民の未病改善に資するよう、このプログラムを充実させていただくことを求めます。

 また、企業が設置したいものとなる未病センターは小田原以外に例がなく、その原因を探り、どのようにしたらより企業が参画しやすくなるのか検討し、実施することも求めます。

 次に、神奈川県立平?看護専門学校等条例等の見直しについてです。

 今回の授業料改定に当たり、県では他の都道府県との均衡を踏まえ検討し、段階的に実施するなど、学生への影響を考慮することについては理解しますが、これから県立看護専門学校で看護を目指す学生にとって、大きな値上げになることは間違いありません。県立看護専門学校では4年制や少人数学級の導入など、教育の質を向上させるための取組を進めていると思います。今後も県立看護専門学校としての役割をしっかりと担い、今後の授業料改定について誰もが納得できるよう、より質の高い看護師の養成に一層の取組を行っていただくことを要望いたします。

 最後に、地域医療介護総合確保基金に関わる平成27年度の計画の変更についてです。

 優良介護サービス事業所等奨励金について、奨励金100万円という数字だけが一人歩きしているように思えてならないわけですが、やはり現場を求めているのか、どこに課題があるのかというのをきちんと把握して、関連性などを含め、これを提案することによってインセンティブが働くといった考え方も共感できる部分はありますが、これによって日常業務が圧迫されたり、労力を使ったり、施設の代表者は部下の職員に対し、これを出して働かせるというもので済むかもしれませんが、現場はそういうことではないということを配慮し、気配りをきちんとした上で、事業の活用を進めていただくよう要望します。

 今回、国の補正予算は一億総活躍社会を目指すために設置されたものですので、なるべく早期に、かつ計画的に事業化に取り組んでいただくよう要望いたします。

 以上、意見、要望を申し上げ、本委員会に付託された全ての議案に対し、自民党県議団として賛成し、意見発表を終わります。

中村(武)委員

 平成28年第2回神奈川県議会定例会厚生常任委員会に付託された一般会計予算、他の諸議案並びに報告事項について、かながわ民進党県議団として意見、要望を申し上げます。

 まず、神奈川県地域医療構想についてです。

 高齢化現象は神奈川県において必ず起き続ける現象です。大切なことは、高齢になってもできるだけ健康であること、必要な医療体制を提供することであると考えます。

 団塊世代が75歳以上になる2025年に向け、医療提供体制を整備するために、神奈川県の持つ経営資源のより適切な配分を行うとともに、これまで真摯に医療の問題に取り組んでいただいた関係者の意見はもちろんのこと、新しい課題の解決のために、地域の事情に詳しい人や経営の専門家など、あえて関係者以外の意見にも耳を傾けて、神奈川県の医療体制を構築することを要望します。

 次に、介護助手導入検討事業費についてです。

 2025年に予想される介護職の不足に対して、県としても様々な対応をしていると理解しており、当検討費もその一環であると承知しています。現場の負担を改善するために、介護助手と介護士の機能を分けることができるかどうかを分析するということですが、機能の分割だけでなく、介護助手の労働条件がどうなるのか、介護施設の経営にとっても良い点があるかなども分析し、介護助手導入が介護業界全体に資するものになるかどうかも検討することを要望いたします。

 次に、優良介護サービス事業所等奨励金についてです。

 介護人材の不足が見込まれる中で、優良介護サービス事業に対する奨励金が介護現場に光を当てる制度になることを、会派としてもとても期待しているところであります。一方で、この制度が成功するためには多くの事業所がある中で、客観性を保ち評価することが必要になってくると考えます。県としても客観的な評価制度をつくるために尽力をしているということですが、今後も知恵を絞って県民が納得できるような制度にすることを要望いたします。

 次に、県立看護専門学校の授業料の改定についてです。

 授業料の値上げは教育環境や教育サービスの向上等による教育経費の増加もあり、致し方ないと思う反面、県立看護専門学校は、授業料の安さからも多くの学生が目指す学校となってきた面もあると理解しています。大切なことは、今回の授業料の値上げが看護師になることへの道を狭めることのないような対策、及び現場を見守っていくことが必要だと考えます。県として、今後の値上げ分をしっかりと教育に反映させて、これまで以上に現場で活躍できる看護師を育てていただくことを要望いたします。

 次に、地域医療総合確保基金についてです。

 地域医療総合確保基金については、2025年に向けて、計画的に介護基盤整備人材確保を進めていくためのものであり、国の介護離職ゼロに直結する緊急対策として介護職、介護離職者及び特別養護老人ホームの入居待機者の解消を目的に、平成28年3月、国の補正予算により当該基金への積み増しが行われました。基金の運用に当たっては、地域の実情に応じた介護施設設備の方策や、介護人材確保対策に活用できるよう、より柔軟な活用が求められるべきだと考えます。県としても国に対して、制度の改善を強く働き掛けていただくことを要望するとともに、我が会派としても積極的な後押しをしていきたいと思っております。

 以上、意見、要望を述べまして、提案されました諸議案に賛成いたします。

佐々木(正)委員

 本定例会における当常任委員会に付託されました諸議案について、公明党として意見を述べさせていただきます。

 災害派遣精神医療チーム、DPAT及び災害時健康危機管理支援チーム、DHEATについてです。

 我が会派の代表質問に対する知事の答弁で、今後の大規模災害に備え、DPATを倍増していくという答弁がありました。それに伴い、具体的に今回の派遣の実績を踏まえ、課題を整理し、これらの医療機関に、また研修への参加を呼び掛けていくとの答弁もありました。今後、DPAT倍増に向けて積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。

 DHEATについては、東日本大震災や今回の熊本への支援ということで、保健福祉医療関係の職員も多数支援に参っている。実際の経験あるいは最近の情報技術の進歩もあるので、今後は人材育成ということで研修等にも努めていき、そしてそれを一歩進めて組織化して、いわゆるDHEATに近い、そういった体制チームを目指していくというような答弁もありましたとおり、国の整備が今後進むまで、DHEATについても神奈川県はいち早く着手をしていただきたいと要望させていただきます。

 次に、糖尿病対策についてであります。

 糖尿病対策について、地域医療構想の素案にも、具体的に糖尿病対策について盛り込んでいただきたいと思います。今後、神奈川県のホームページなどで糖尿病対策についての専門医を検索するサイト等にもリンクを貼っていただきたいと思いますとともに、地域連携パスであります糖尿病連携手帳だけでなくて、軽度の糖尿病、境界型の糖尿病などの取扱いの基本指針、これを今後作成することを検討していただきたいと思います。

 そして、重症化、合併症の予防などのためにも保健医療体制の構築に向けた指針も作成をしていただきたいと思います。また、かかりつけ医と専門医の連携についても検討をしていただきたいと思っております。糖尿病連携医、こういうものも設置していただくことを要望させていただきます。

 以上で、本定例会の諸議案に対して賛成を表明し、公明党としての意見とさせていただきます。

君嶋委員

 付託されました諸議案とその他の問題につきまして、日本共産党の議員団として意見を述べたいと思います。

 第一に、看護学校の授業料の件です。

 これにつきましては、切実な実態を含めまして質問の中身を述べさせていただきましたが、主には次の二つの理由によって、授業料値上げに伴う改定案については反対したいと思います。

 その理由の一つは、値上げは経済的に困難な学生に不本意な選択を強いるということです。具体的な内容を質問の中で述べさせていただきましたが、せっかく看護師を志し、かつ勉学の意欲を持つ学生が、経済的事情によって通学や進学を断念せざるを得ないということがないように、よろしくお願いしたいと思います。

 理由の二つ目としましては、値上げは県の政策や果たすべき公としての公の役割と相いれないというふうに考えています。看護師不足を克服して、神奈川県の医療体制を整えるという現在の神奈川県の政策を鑑みれば、教育環境及び施設整備の充実、これは大変努力していただいた点で好ましいと考えておりますが、その経費を学生に転嫁させるということがないようによろしくお願いいたします。

 公立としては県内に藤沢市や横須賀市の市立看護学校がありました。この学校につきましても、学費につきましては何とか頑張っているところですから、そういった公立の看護学校と連携して、学びの場、そして職業能力を獲得する場というのを県民に保証していただきたいというふうに思っています。

 続きまして、神奈川リハビリテーションセンターの指定管理料の見直しについてお話しいたします。

 この問題で問われているのも、やはり公のあり方だと思っています。多くの県民の期待に応え、県内、さらには国内のリハビリテーションをけん引している医療水準、これを維持していくのは、県ならではの仕事だというふうに思います。今、県が指定する指定管理料に基づいて賃金低下が引き起こされようとしている。さらに、それが職員の離職などにつながっている。また、あるいはそれに伴う職場の矛盾も増大している。こういったことによって、今まで蓄積されてきた技術や機能の低下が余儀なくされるということになれば、県の財産の喪失ともいえるのではないかと考えております。その点で、今、直面している低すぎる指定管理料を見直していただくことを改めて要望いたします。

 質問を通しても明らかになりましたが、平成27年度だけでも看護師45人が退職しているということです。これは一定数の補充採用があったとしても、ベテラン1人と新しく採用した方1人の対応の範囲というのは著しく違いますので、命に関わる医療職場としては大変な状態になっていると思います。また、あまりにも大きな賃金引き下げにつながるために、賃金改定についても労使の合意が得られない状態だということです。こういった事柄につきましても、指定管理料に起因する問題としてこれを直視し、責任ある具体的な対応を求めたいと思います。

 続きまして、第3番目ですけれども、介護従事者の確保に関わっては、示された事業についての貴重な取組は評価したいと思いますが、更に重点として示してほしいのは、何よりも賃金、労働条件の改善です。この点が一番切実な問題だというふうにアンケートなどにも示されておりましたが、この賃金、労働条件の改善につきまして、そのための国への申入れとともに、県独自の方策を是非考えていただきたいというふうに思っています。こういった努力によって、介護の現場を支えていただきたいと思います。

 ちょっと補足しますけれども、アンケートといいますのは質問の中で示しました介護労働安定センターのアンケートです。要は、いろんな現場では賃金が何より切実な課題だというふうにいっていますので、その点を含んでいただきたいと思います。

 以上によりまして、定県第73号議案、それから定県第74議案については反対したいと思います。

池田委員

 当委員会に付託されている日程第1の諸議案に、賛成の立場から意見発表を行わせていただきます。

 まず、委員会報告事項等について申し上げます。

 経営状況報告にあった県立がんセンターは、建て替えられてから3年もたっていないのに、既にがん患者のニーズに対応できないというのは問題です。そして、先日の委員会質疑では、病院建て替え前の検討で、がん患者に併存疾患が多いという医学会では常識的な事実を考慮しなかったという驚くべき答弁がありました。さらにはがんセンターの最寄り駅からのアクセスについても、十分な検討がされないままに建て替えられたという事情も明らかになっております。

 一旦、建て替えられた後では、総合病院的機能強化のための施設改修には時間と費用が掛かってしまいます。がんセンターと循環器呼吸器病センターの連携強化、最寄り駅からのアクセス改善など、直ちに当面の対策をとることを求めます。

 また、県立がんセンター重粒子線治療施設については、患者の目標数が達成できない可能性があることが分かりました。がん保険の特約のPR促進や対象部位の拡大など、速やかな対応を求めます。

 動物保護センター建て替えのための寄付金募集については、費用対効果やほかの保健福祉局所管事務との均衡にも配慮して進めることを求めます。

 次に、日程第1の平成28年度一般会計補正予算、その他の議案に関して申し上げます。

 今回の補正予算は、消費税収を医療介護総合確保促進法に基づく神奈川県計画に沿って、地域医療構想を達成するために用いるものです。しかし、地域医療構想による必要病床数と在宅医療の必要数は、現状の医療水準のまま2025年を迎えた場合の数字であって、これに見合った医療提供体制をとれば、医療保険は大変厳しい状況になります。他方、神奈川県は平成30年度から国民健康保険の保険者としての医療政策推進を求められます。

 よって、地域医療構想には保険者の観点から、疾病予防、寝たきり予防に資する未病対策を大きく位置付けるべきであり、それを含めて構想達成の予算を執行することが、医療介護総合確保促進法に基づく基金事業の趣旨であると考えますので、地域医療構想素案の再考を求めます。

 最後に、日程第2の陳情に関しては、(福)大磯恒道会における諸問題の改善を求める陳情について、大磯恒道会の利用者と御家族の皆様が不利益をこうむることのないよう、引き続き対応されるようお願いいたします。

 また、住宅地を含む土地における墓地経営許可申請手続に関する陳情も趣旨を重く受け止め、当該宗教法人からの墓地経営許可申請には慎重に対応するようお願いいたします。

 以上、意見発表し、日程第1の諸議案に賛成いたします。

菅原委員

 会派を代表して意見、要望を申し上げます。

 たくさんあるんですが、大きく分けて三つだけ。

 まずは、医療福祉に係る県の計画などについてです。

 医療福祉に係る県の計画などについて、保健福祉局が所管するものだけでも23ありましたけれども、重複する部分も存在いたしますし、他自治体の事例も参考にしながら、県民に分かりやすい計画のあり方を検討していただきたいというふうに思います。特に、計画策定ごとに行われるパブリック・コメントの件数については、ごく一部の計画を除いて非常に少ない現状があります。これは、県民意見の幅広い反映という点では残念な結果であると考えております。

 したがって、神奈川県地域医療構想(仮称)の際には、過去のパブリック・コメントの分析も踏まえ、県のたよりやインターネットメディアを活用すると同時に、活用の仕方を従来とは改めて、より広い県民意見が反映されるように取り組むことを提案させていただきます。

 次に、介護職員のキャリアアップについて。

 医療介護総合確保促進法に基づく、神奈川県計画における介護職員初任者研修受講支援事業や、介護職員実務者研修受講のための代替要員確保対策事業については、本日、質疑させていただきましたように、運用のあり方を県民本意の形に改めていく必要があると考えております。税金を使って、特に事業単位の支給だけではなくて、個人単位で支給できるようにしたり、あるいは助成の上限額や助成率を改めたりするなど、様々な工夫をし、さらに、仮に基金のあり方に不都合があるならば、その改善を国に求めたりするなどして、最も支援を必要とする介護職員に税金が渡るようにしていただきたいというふうに思います。

 また、厚労省でも議論されている看護師、保育士、介護福祉士等の医療福祉人材の養成課程の一部を共通化する取組については、医療福祉職の待遇やキャリアを考える上で非常に重要な取組だというふうに考えておりますので、県としても答弁にありましたように、常に注視をして県として研究を進め、後押しをするようにお願いを申し上げます。

 最後に、優良介護サービス事業所等奨励金についてです。

 職員の待遇改善や利用者の自立支援に熱心に取り組む優良な事業所を評価していくことは、私自身も取り上げてきたことでありますし、その方向性については一定の評価をさせていただきます。しかし、本事業については幾つかの点で問題があると私は感じました。

 まずは、依然として制度の骨格が決まらずに、突貫工事的に事業設計がされている点であります。例えば要介護度の維持改善に成果を上げた事業所を評価するというふうに質疑の中でもありましたが、必ずしも利用者の皆さんが同じ一つの事業所だけを使っているわけではなくて、例えば利用者にとってみれば複数の事業所を使っていたりする場合もあるわけですから、そういった場合は一体どういうふうに評価をするんだろうか、こういった部分も非常に疑問を持ちました。

 また、11月の介護フェアinかながわで、この表彰をされるということをおっしゃっておりましたけれども、募集する期間が7月からであることを考えると、3箇月しかないわけであって、この期間で果たしてこの事業が周知をされて、そしてそれなりの応募があって、しかもしっかりとした評価ができるのかという部分に関しては多くの疑問を持ちました。

 したがって、私が思ったのは、施策実施を急がず、本事業の運用のあり方を再検討して、より求める成果が出るように丁寧に施策展開をするように、ここで申し上げておきます。

 以上、意見を申し上げ、本委員会に付託された議案に賛成をさせていただきます。



11 日程第1について採決



12 日程第2陳情を議題・審査



13 日程第3閉会中における調査事件

  当委員会の付議事件については議会閉会中調査を継続すべきものと決定



14 審査結果報告書等の案文委員長一任



15 意見書案等の協議



16 県内調査及び県外調査の協議・決定

 (1) 意見等

  君嶋委員

   グループ分けという点では、昨年の例でいいますと、共産党1人対十数人ということで各委員会がグループ分けされましたけれども、これは実質的にグループ分けといえるものではなくて、常任委員会の議論の中で必要な調査ということであれば、私ども共産党の委員としましても、実質的にその調査に参加できるような体制を望みたいと思うところです。

   1人というのは受入先でもかなり違和感を感じるでしょうし、それから議会局の随行という点でもなかなか難しい点もあるでしょうから、そういった点で私どもは県内外視察について、やはり委員会としての参加を保障していただきたいという点から、グループ分けには反対いたします。グループ分けということについては、その点の委員長、副委員長の御配慮もお願いして、グループ分けなしの視察ということでお願いしたいと思っています。

 (2) 審査結果

   平成27年7月13日の団長会の決定のとおり、グループ分けで実施することとし、

  調査日程、調査箇所及びその実施方法等については多数をもって正副委員長一任

  と決定。



17 閉  会