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平成28年  厚生常任委員会 03月03日−01号




平成28年  厚生常任委員会 − 03月03日−01号







平成28年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第1回定-20160303-000012-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(田中(信)・佐々木(ゆ)の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  5件申請 5件許可



4 日程第1及び第2を議題



5 当局発言

食品衛生課長

 前回の本委員会における田中信次委員からの質疑に関連して報告します。委員から、かなかなかぞくの動画の第11話、継続犬猫殺処分ゼロについて、事前に知事の発言や要望に基づいて変更した事実があったかどうかについて、御質問がありました。本件については、事前に知事は動画を確認しておらず、知事から編集等について意見、要望等はありませんでした。



6 日程第1及び第2について質疑(所管事項も併せて)



田中(信)委員

 今、報告いただいた件で話をしたいと思うのですが、知事は、動画を事前に確認していないことは理解しました。先日の質疑をした中で、殺処分ゼロやいじめ解消100%といった言葉を使うことによって組織内に重圧がかかるのではないか、先ほどの動画を例にとれば、殺処分ゼロを強調するあまりに過剰な演出があり、その結果、障害者差別解消法に抵触するような疑いがあるものができてしまった。県民のために公平で公正なものを提供するためにも、殺処分ゼロありきでなく、きちんとした議論をしていただきたいと思っております。こういった点を含めて、局長には組織の中をしっかりとチェックしていただけますでしょうか。

保健福祉局長

 殺処分ゼロは、ボランティアの協力があってこそ達成できたものと考えています。猫の殺処分ゼロは、犬の殺処分ゼロを受けて猫を取り扱うボランティアの方々が自分たちも頑張りたいという意向によるものでありますが、ボランティアに無理を強いるようなことはあってはならないことであると考えます。これまでも、県としてボランティアに支援をさせていただいていたところですが、平成28年度はボランティア支援を充実させるために、予算提案をしております。ただ、一番重要なことは、保護される犬や猫が出ない社会をつくっていくことであり、そのためにより効果的な普及啓発等に取り組んでいきます。そうした取組の中で、結果として殺処分ゼロが続いていく神奈川県となれば、一番良いと考えております。言葉ありきで、何が何でも殺処分ゼロというようなことにはならないようにしていきます。

武田委員

 県立がんセンターの患者支援の取組の強化、本日はリハビリテーションセンターの開設について、何点か伺いたいと思います。昨年、私もがんセンターのリハビリ室を視察させていただきました。リハビリテーション科は医師が1名、理学療法士が1名、作業療法士が1名ということで、私が実際に視察させていただいたときは器具がそろっていたけれど誰もいなかったという状況で、少し人員体制に不安があったのです。今回は予算上、人員体制の充実を図るということで1,112万円計上となっていますが、この予算でどれだけ多くが雇用できるか少し分かりませんので、積算根拠はどのようになっているのかを教えてください。

県立病院課長

 まず、来年度の県立がんセンターのリハビリテーションセンターの人員体制ですが、専従の医師が1名、理学療法士が5名、作業療法士が2名、言語聴覚士が2名、事務職員1名という11名体制の形を考えております。委員からお話がありましたとおり、現在は兼務の医師、理学療法士1名、作業療法士1名という3名体制で行っておりますので、8名という大幅な増員を図りまして、この体制の充実を図ってまいりたいと考えております。御指摘の予算の積算ですが、1,112万円ほど病院機構負担金という形で予算を計上させていただいておりますが、これはセンターの費用総額を計上しているというものではありません。県の負担金の仕組みですが、県として病院機構に担っていただきたい事業につきまして、費用が収益を上回る場合に、その差額分を県が負担する制度となっております。この1,112万円については、新しくリハビリテーションセンターを開設する人員体制や、消耗品などを費用として積算して、そこから診療報酬による収益を差し引いた額を負担金として計上している状況です。かかる経費は、人件費の増でなどを費用として適切に積算しております。

武田委員

 大幅な人員の強化ということで、私も大変安心しました。この人員強化を受けて、これまで県立がんセンターで行ってきたリハビリと比較して、どのくらい充実したリハビリテーションセンターになるのでしょうか。

県立病院課長

 まず、平成26年度のリハビリの件数ですが、271件になります。来年度は充実した人員を用いて、1,000件を超えるリハビリ件数を目標として掲げていきたいということで、現在、年度計画を病院機構の方で策定しているところです。人員をフルに活用して、リハビリの件数を増やしていく形で充実を図ってまいりたいと考えております。

武田委員

 答弁を伺うと、かなり充実したリハビリテーションセンターになると思いますが、神奈川県内で他の病院、神奈川県総合リハビリテーションセンターなどは、どういった状況なのでしょうか。

県立病院課長

 今、委員からお話のありました県総合リハビリテーションセンターも県立病院課で担当させていただいておりますが、あちらは脳血管などの疾病が起きた後に回復機能のリハビリを行う病院ということで、リハビリを専門とした病院であるという状況です。県立がんセンターのリハビリは、がん治療に伴い、がんリハビリを行うことが治療において大変有効なものだということが近年分かってまいりましたので、がん治療に特化した形のリハビリをここで行っていきたいと考えております。

武田委員

 今、がん医療に特化したリハビリと答弁いただいたのですが、がん患者に対するリハビリについては、今は手術後にリハビリをされていると思うのです。手術前のリハビリについて、手術後の回復が早まって短期間で退院ができるなどの効果があるという話を聞いております。私自身、術前のリハビリは早急に取り組むべき課題であると考えております。今後、人員体制も増えるということで、手術前のリハビリテーションをするのかどうか、将来的にそういうことを考えているのかどうか、伺います。

県立病院課長

 委員の御質問に結論から申し上げますと、手術前のリハビリについては、来年度、県立がんセンターで早速取り組んでまいりたいと思っております。御指摘のとおり、手術前のリハビリというのは、治療前の体力向上を図るとともに、合併症や後遺症を予防してスムーズな術後の回復が期待できるということで、術前のリハビリは大変重要だと近年言われております。具体的には、痛みがない術前の時期から取り組むことにより、術後の体がつらい時期にも意欲的にリハビリに取り組めることや、手術前からリハビリスタッフとコミュニケーションを取ることにより、リハビリスタッフとの信頼関係や、リハビリの見通しができるなど、さまざまに期待されているところです。今後、体制が厚くなりますので、術前リハビリについても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

武田委員

 術前リハビリを行う予定があるということで伺った。今回、人員体制の拡充によって、年間1,000件くらいリハビリができることになりましたが、手術前のリハビリは大体何件くらいのイメージで、手術後のリハビリは大体何件くらいのイメージという想定イメージは既にできているのでしょうか。

県立病院課長

 先ほど申し上げました1,000件を超える来年度の計画件数というのは、病院機構が毎年度ごとの年度計画を策定しており、リハビリテーションセンターが充実するので、1,000件を超える件数を行っていきたいということで、今、詰めているところであり、検討途上です。そういった中で、患者の症状に合ったリハビリをやりますので、術前を何件、術後を何件といったところまで、精緻に何件と計画で上げるのはなかなか難しいところですが、改めて今、計画を策定中ですので、病院機構にもこういったお話を頂いたということで、今後、確認してまいります。

武田委員

 要望になりますが、まず、アピアランスセンターについてですが、外見について大きなストレスを感じる方にとって勇気を与える重要な取組だと考えております。まずは、しっかりとアピアランスセンターを立ち上げていただいて、できるだけ多くの患者支援、そして男性、女性にかかわらずきめ細やかな支援を要望します。また、リハビリテーションセンターについては、術前リハビリもされるということで、他の病院の好事例として、神奈川県をけん引できるような、お手本となるような更なる充実を図っていただくことを要望して、この質問を終わります。

 次に、障害者差別解消法に関する取組について伺いたいと思います。本年4月に障害者差別解消法が施行されるということで、障害者にとって何が差別なのか、何が差別でないのかといった物差しができ、障害者を差別から守ることができるようになると思います。そこで一番大事なのは、障害者に対する県民理解の促進だと考えます。そこでまず、障害者差別解消に対する広報活動についてお伺いします。先般開催した第11回神奈川県障害者施策審議会と内容がかぶってしまうのですが、平成28年4月の施行に向けて、県が360万円かけて広報活動、啓発、地域協議会の設置に取り組むとの説明受けたのですが、現在、準備中ということで、録音、点字、拡大文字版、動画作成など、障害者に対する広報活動についてどこまで県が対応していくのか伺います。

障害福祉課長

 障害者差別解消法の広報については、様々な方法があります。その中で委員御指摘のとおり、通常の墨字版の作成のほか、点字版、ルビ版などの作成や、施策審議会において委員の先生方から御意見を頂いたのですが、イラストを付記したものの作成などに取り組んでまいります。

武田委員

 今回、職員対応要領の策定について、基本的な考え方は資料に記載しているのですが、もう少し具体的にどのような内容なのか、伺います。

障害福祉課長

 職員対応要領は、県職員が遵守すべき服務規律の一環として作成するものです。記載内容については、本文と留意事項に分かれます。本文の中では、対応要領作成の目的、不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供、管理・監督者の責務、相談体制の整備、職員への研修・啓発などが記載されているほかに、職員が障害者に対し不当な差別的取扱いをした場合、その態様等によっては懲戒処分に付されることを規定しております。また、もう一つの別紙については、対応要領に係る留意事項を作成しており、その中で不当な差別的取扱いや合理的配慮の基本的な考え方や具体例を記載しております。特に合理的配慮の具体例については、具体的な場面や状況によって異なりますので、様々な事例を記載させていただいております。

武田委員

 今、答弁のあった合理的配慮について伺いたいと思います。第4回の神奈川県手話言語普及推進協議会で話題となったが、パブリック・コメントの募集に当たり動画で募集すると、人によって手話が若干異なるため、パブリック・コメントは郵送、ファクシミリ、電子メールでしか受け取らなかったことについて合理的配慮に欠けるのか、若しくはDVDで送られてきた応募について、すぐに文字に起こさなかったことが合理的配慮に欠けるのか、非常に判断が難しいと思うのです。情報提供における合理的配慮について、どのように合理的配慮を決められて、どのような具体例を蓄積して、どのように提供していくのでしょうか。

障害福祉課長

 対応要領に定める合理的配慮の提供は、県の職員による合理的配慮の提供です。障害者から現に社会的障壁を取り除いてほしいと求められた場合、障害者の権利や利益を侵害しないように、合理的な配慮を講じることを要領における合理的な配慮としております。例えば、車椅子の利用者のためにスロープを渡すことや、窓口に聴覚障害者の方が来られた場合に、筆談や手話などによりコミュニケーションを図ることなどが合理的配慮の提供となります。合理的配慮については、その実施に伴う負担が過重でない場合に提供しなければならないとされており、具体的な場面や状況において、配慮を行うことによる負担が過重かどうか個別に判断して対応していくことになります。

武田委員

 過重な負担についてとの答弁がありました。行政機関や事業所で過重な負担に当たると判断した場合は、障害者に対してその旨を説明し、御納得していただくこととなるが、障害者は本当に困っているのに、合理的配慮に当たらないのでできないとは、それで本当によいのかとも思うのです。実際に県職員が合理的配慮を行わない場合、障害者等から相談があった場合、どのように解決していくのでしょうか。

障害福祉課長

 職員対応要領におきましては、職員の対応に問題があった場合、障害者やその家族などからの相談を受けるための相談窓口を障害福祉課に置くこととしています。障害福祉課では、相談を受け付けた場合に、その職員が所属する各局総務室等に伝達して、各総務室等は、職員の不祥事と同様に該当所属とともに対応を取ることとなります。また、職員対応要領では、所属長相当職以上の監督者の責務として、障害者等から不当な差別的取扱い、合意的配慮の不提供に対する相談や苦情があった場合、迅速に状況を確認し、必要に応じて職員に対し指導することなど、対処することとしております。

武田委員

 次に、窓口について伺います。今回、窓口はたくさんあると思うのですが、具体的にどういった窓口で相談を受けていただけるのでしょうか。

障害福祉課長

 先ほど答弁しました相談窓口は障害福祉課に設置し、職員の服務規律に関する相談に対応するものです。民間事業者の対応についての相談があった場合の対処ですが、その事業者を監督する権限を持っている担当部署に相談していただき、担当部署が状況を聞き取り、個別的に判断し、対応することとなります。その際、具体的な対応については、各省庁が作成する対応指針を参考に、それぞれの所管法に基づき対応することとなります。なお、障害者等が、監督権限を有する担当部署が分からない場合は、一旦、障害福祉課が相談を受け付けて、その後、権限を有する担当部署に引き継ぐこととしています。

武田委員

 今、事業者への対応に関して答弁いただきましたが、合理的配慮義務は事業者にも広がります。どんなことが起こるか想定したら、例えば、知的障害の方や弱視の方がレストランを利用する場合に備えて、ルビを振ったり、分かりやすい言葉にするなどのメニューの作成や、視覚、聴覚が不自由な子供が健常者と一緒に遊べる共有玩具の作成などが努力義務になると思うのです。このようなことを行政が事業者に合意的配慮として指導していくことは、非常に難しいと思うのです。事業者に対する合理的配慮の指導について、もう一度、説明をお願いします。

障害福祉課長

 民間事業者については、先ほど少し御説明しましたとおり、省庁ごとに権限に応じた対応指針がまとめられています。例えば、厚生労働省では、福祉事業者に対する対応指針、医療従事者等に対する対応指針、衛生事業者等に対する対応指針が出されており、その中で差別的取扱いの禁止、事業者に対しては合理的配慮に努めることとされております。この対応指針においては、事例等を交え、事業者が対応指針を守るものと位置付けられております。その延長線上で、政令により各省庁の権限は都道府県や市町村に下りており、その監督権限を有する各窓口が、障害者からの相談を受けることとなります。

武田委員

 次に、研修の実施について伺います。障害者差別解消法の施行を受けて、今後、障害者へ適切に対応するために、職員への研修が重要であると考えます。県の職員への研修はもとより、市町村職員への研修も大切だと思います。県は、市町村職員研修への支援をどのように実施していくのでしょうか。

障害福祉課長

 市町村職員の研修への支援については、本会議において知事からも答弁させていただきましたが、本年度中に市町村の研修担当者等を対象とした研修を実施します。県が実施する職員向け研修の内容を説明するなど、市町村の研修に役立てていただきたいと考えております。また、法施行後においても、差別的取扱いに係る事例集を新たに作成したいと考えておりますので、この事例集を活用するなど、継続的に市町村の取組を支援していきたいと考えております。

武田委員

 次に、障害者差別解消支援地域協議会について伺います。現在、県として構成員を検討中だと思うのですが、具体的にどのような方を考えているのか伺いたいと思います。また、障害者差別解消支援地域協議会は市町村ごとに設置するのですか、それとも県域ごとに設置するのでしょうか。

障害福祉課長

 障害者差別解消支援地域協議会は、地方公共団体は設置することができると規定されております。県は、県域全体を取りまとめる立場として協議会を設置します。市町村はそれぞれの地方公共団体としての御判断をいただき、政令市等、市単独で設置するほか、県域でまとまって設置を予定する例もあります。県の地域協議会の構成員についてですが、先般開催した施策審議会でも御意見を頂いており、委員は常に協議会に出席する常任委員と、議事に必要な際に随時出席する非常任委員とに区分けして、構成したいと考えています。具体的には、障害者当事者、家族、福祉の事業者、福祉関係団体、学識経験者を併せて、例えば、これから調整となりますが、病院協会や経営者協会等にもお誘いして常任委員に就任していただくことを考えております。非常任委員については、例えば、鉄道事業やバス事業について話し合う場合、交通関係の事業者を代表する団体に出席いただく必要があります。その他、不動産や旅館、飲食店などの事業者団体に非常任委員として参加をお願いしたいと考えております。協議会における具体的な取組ですが、この協議会は障害者差別に関する紛争を直接解決する権限はありません。協議会は地域における様々な機関により構成されることから、関係機関が実際に対応した事案や取組を情報共有することなどによりネットワークを構築し、地域全体で障害者差別の解消を効果的に推進してまいります。

武田委員

 今の答弁で、障害者差別解消支援地域協議会においては幅広い方々にお話しいただけるようですが、何名くらいの規模を想定しているのでしょうか。

障害福祉課長

 現在、常任委員を20数名、非常勤委員を10名程度想定しています。市町村からも委員に就任してもらうほか、オブザーバーとして政令市にも参加してもらうことを考えております。

武田委員

 障害者差別解消支援地域協議会は、直接、紛争解決を行うのではなく、地域における関係機関の連携によるネットワークの構築を図るとのことですが、それでは、実際に障害者差別に関する様々な問題を解決するため、県として、今後、どのように取り組んでいくのでしょうか。

障害福祉課長

 県としては、障害者等から民間事業者等の対応について相談があった場合、事業者を監督する権限を有する担当部署において、所管官庁が作成済みの対応指針を参考にしながら対応します。その際、事業者が法に違反する行為を繰り返し、あるいは自主的な改善が期待できないような場合、県に権限が下りておりますので、担当部署から事業者に対して報告を聴取し、また、必要に応じて助言・指導や勧告を行うことができます。こうした相談内容については、障害者差別解消支援地域協議会において事例の報告を行うことから、特に解決が困難な事例については、地域協議会の場で障害者当事者も含めた関係機関から意見を頂き、それらの意見を県に持ち帰って、再度、問題の解決に向けた対応を検討することになります。また、事案によっては、地域協議会の意見も聞きながら、県から法務局や各種委員会等、あっせんや調停などの権限を有する機関に話しをつなぎ、問題の解決を図るといった取組も考えられます。このように県が中心になって、地域の広範な関係機関と密接に連携しながら、障害者差別に関する様々な問題の解決に向けて、積極的に取り組んでまいります。

武田委員

 要望を申し上げます。障害者が地域で生活していく上では、まだまだ生活しづらいなどの様々な障壁があります。今回、障害者差別解消法が施行されることにより、県民が障害を理解し、適切に対応できるようになると思いますが、障害者差別解消法が施行されることにより、構え過ぎてしまうかもしれません。県は、しっかりと県民に対する広報活動や啓発に取り組んでいただくことを要望します。今後も障害者が暮らしやすい社会に変えていく必要があり、県としてもこの障害者差別解消法の施行を踏まえ、より一層、障害者に配慮した施策を進めるとともに、民間事業者への指導に積極的に取り組んでいただくことを要望して、この質問を終わります。

 次に、ライフステージに応じた未病を治す取組について、何点か伺います。今までは、その未病を治すイメージですと、特に高齢者を中心にされていたというイメージが強いのですが、今回、子供、女性と随分幅広い範囲で未病ということをされると認識しています。私個人的には、政治家が自分の信念をもって、まだ誰もなし得ていないことを政策に掲げて挑んでいくという姿が非常に好きです。それが、知事の未病に当たると思います。ただ、未病ということで健康寿命を延ばすということをされており、一方では違う局で人生100年の設計図ということをしている。現在、この人生100年の設計図に未病は含まないと思うのですが、今後、どうなるか分かりませんが、クロス・ファンクションもしっかり行っていくのかどうか分からないです。話を戻しますが、ライフステージの取組とその展開についてお聞きします。まず、子供の未病対策についてですが、対象としている年齢は何歳くらいを想定しているのか、伺います。

健康増進課長

 まず、乳幼児期ですとか学齢期、子供の年代というのは、適切な食習慣、運動習慣という生活習慣をしっかり身に付けていただいて、健康な心身の基盤をつくるという重要な時期でして、そうしたところから、今回、ライフステージに応じた取組として、子供の頃から未病対策というようなことを予算計上させていただいております。これまでは、学校において子どもキラキラプロジェクトですとか、そういう形で子供の体力づくりという発信をさせていただいているところですが、また、学校給食ですとか、学校での場面というのはいろいろ取組をされてきたのですが、就学前の児童については、今まで幼稚園ですとか保育園に取組を委ねられている状況でして、今回、より早い段階で親、指導者に対する働き掛けを行っていこうという中で、子どもの未病対策推進事業については、就学前の幼稚園、保育園から小学校までの年代を対象とさせていただいております。

武田委員

 子供に未病といっても理解しづらいと思います。例えば、子供が未病と言われて分からないときに、辞書で調べると思います。辞書に未病という言葉は載っているのでしょうか。

健康増進課長

 広辞苑の第六版から、未病という言葉が掲載されているのを確認しております。

武田委員

 教育や保育の現場の未病に対する受け止め方なのですが、現場の理解を得るために県としてどのような対応をするのか、県として図っていくのでしょうか。

健康増進課長

 今、未病という言葉のお話もありましたが、県内においては県西地域の活性化ですとか、三浦半島でも未病を治す半島宣言を出されております。また、企業の取組も進んでいる中で、ある程度、未病という言葉が浸透してきたと感じているのですが、やはり受け止めとしては、中高年の対策というような形で認識をされる方が多いと思います。そういう中で、この子供の未病対策ですが、正確には子供の頃からしっかりとした生活習慣を身に付けて、将来にわたって未病にならないように未病対策を進めていくということで御説明させていただいているところです。現在、九都県市の首脳会議を受けて、九都県市の連携の取組ですとか、あとは教育委員会と県民局と連携しながら、事業の進め方の調整をさせていただいているところです。それと合わせて、例えば、幼稚園の協議会ですとか、保育士会とかの関係団体とも今、お話をさせていただいているところでして、そういう中では必要性について、子供の体力の低下とか、いろいろ取組をどうやって伝えたらよいのか、非常に苦慮しているというところもある中で、取組について理解をいただいているところです。そういう中で、取組を進めるに当たりましては、そういう団体と連携しながら、学校、保育園、幼稚園の現場の指導者への研修等を実施していく中で、必要性等を働き掛けていきたいと、例えば、知事のメッセージも併せて、強く発信していければと考えているところです。

武田委員

 子供の未病、子供の体について、太ったり、自分の体を気にする年齢があると思います。そういった年頃に焦点を当てて、未病対策をするのは効率的でよいと思います。子供の年齢が小さければ小さいほど、保護者への啓発が重要になってくると思います。保護者へのアプローチは、今後、どうしていくのでしょうか。

健康増進課長

 保護者に対しては、今回、予算計上の中でリーフレットの作成を予定しており、就学前の児童向け、そして小学生向け、これは子供から親に渡してもらうような形で、保護者に対する普及啓発を考えております。

武田委員

 今回、未病対策は結構家庭に入り込むという印象を随分と受けています。やはり、知事の情熱がそういった政策を支えるのかと感じます。

 次に、未病女子対策について伺います。未病女子、特に若い女性をターゲットにしているということですが、若い女性の定義を教えていただけますでしょうか。

健康寿命・未病担当部長

 若い女性ということで想定しておりますのは、主に20代から30代前半の女性を想定しております。

武田委員

 今回、未病女子対策ということで、未病男子対策がないのが気になるのですが、それはどうしてでしょうか。

保健医療部長

 未病男子対策というのは、実は未病男子対策と銘は打っていないのですが、メタボ対策というのは、やはり男子に向けてきちんと行っていかなければいけないということで、未病男子対策とは言っていないのですが、実際には行っているということです。

武田委員

 先ほどの答弁で、若い女性の健康問題をターゲットに絞っているとのことですが、この若い女性をターゲットにして未病対策を展開することによって、どのような効果が期待されているのでしょうか。

健康寿命・未病担当部長

 少し説明させていただきますと、昔の女性に比べて、現代の女性は妊娠の回数が大幅に減少しております。それに伴って、月経の生涯回数が非常に増えており、それによって、月経に関連する疾患が増加しています。また、女性特有のがんについても、妊娠、出産、授乳の回数が減ったことによって、リスクが高まっているということがあります。そういったことで、若い女性には痩せ過ぎといった健康課題に加え、子宮頸がんの増加、あるいは子宮内膜症の増加があります。ただ、若い女性が生理痛がつらいということがあっても、忙しいとか、婦人科に行くのは恥ずかしいということで、市販の薬でごまかしているうちに実は子宮内膜症が重症化し、不妊症になってしまったという例も少なくないと言われています。こういったことから、女性自身への普及啓発が重要であろうと、また、こういった若い女性だと、体調不全について職場ではなかなか口に出しにくいということがありますので、男性も含めた理解も重要であると考えております。そこで、まず、若い女性をターゲットに未病女子対策をスタートさせていただきたいと考えております。対策の効果としては、若い女性の健康度は向上して、より生き生きと活躍できるなどのことを通じて、女性はもちろんですが、社会全体にとっても生産性の向上など、プラス効果が期待できると思います。また、未病の段階で体調の不全を病気のサインとして見逃さないように、乳がんの自己チェック、子宮がんの早期の検診などの普及啓発を行って、女性特有のがんの抑制につなげていきたいと思います。また、痩せ過ぎの女性から生まれた子供が、将来、生活習慣病になる率が高くなることが分かっており、こういったリスクの回避にも結び付けていくことも目指してまいりたいと思います。また、中長期的なことになるのですが、女性が妊娠、出産、授乳を経験しないことに伴う健康リスクについて周知を図ることを通じて、基本出生率が低いわけですが、そういったリスクを踏まえた上で、子供を持つかどうかという選択をしていただくことが重要であると思っており、その希望出生率につながるような副次的な効果も目指したいと考えております。

武田委員

 今の答弁では、昔に比べて女性の月経回数が増えたので、健康リスクが増加するということで、男性からしたら驚くのですが、女性に聞くと何で今更そんなこと言っているのという話を頂いたりするのです。女性が子供を産まないことで、健康リスクが増えていることを女性にどのように教えているのでしょうか。

健康増進課長

 若い女性に対する発信というのは、現在、こうした取組を強化していく中ではまだまだ足りないと感じています。現在、保健福祉事務所で、例えば、大学や高校、企業等に出向いて女性の健康に関する出前講座を行っており、こういう中で女性に発信しています。これは女性だけでなく、男性に対しての啓発としても行っているところです。

武田委員

 未病女子対策には、アプリがあったと思ったのですが、何人くらい使っていただけるのか、目安などはあるのでしょうか。

健康増進課長

 このアプリの開発についても、例えば、今、企業でいろいろ女性向けのアプリをつくっているので、そういう企業と連携してできないかと考えております。対象として、今、何件というよりも、ある企業のアプリでは800万ダウンロードなどありますので、そういうところと連携すると、皆様に使っていただける効果的なものになるのではないかと思っています。

武田委員

 アプリをつくるということで、そのアプリを使うことで女性が美しくなるワンポイントアドバイスなども加えていただけたらと思います。

 次に、かながわ方式保健指導促進事業について、生活習慣病の重症化の抑制とされていますが、生活習慣病の発症後でも未病対策があるのかということで、発症前が未病であると理解するのが一般的だと思うのですが、病気になった後でも未病とすることでよろしいのでしょうか。

健康増進課長

 未病についてですが、現在、神奈川県で未病を治すことを発信するのに、白から赤のグラデーションの図を使って説明させていただいているとおり、健康から病気まで段々と変化していく過程を未病と捉え、早い段階で気付いて生活習慣を改善して健康状態に近づけるという発信をしております。通常の健康づくりや生活習慣病予防、例えば、糖尿病など重症化の予防などを含めた包括的な概念ということで進めておりますが、当然、病気になれば治療が必要で、それと併せて生活習慣改善が必要であるということで生活習慣の改善の気付きの機会をこうした未病という言葉で発信し、重症化を防いでいくという取組を進めているところです。

武田委員

 今の答弁を聞きますと、未病という言葉は幅が広くて、どこまでが未病なのか分からなくなってしまう。続いて、かながわ方式保健指導促進事業は、どのような効果が期待できて、今後、どのような展開を図っていくのでしょうか。

健康増進課長

 この事業は、医療保険者に義務付けられております40歳以上の方に対する特定健診、特定保健指導に着目し、平成25年度から海老名市、寒川町、大磯町をフィールドとして、効果的な生活習慣改善につながる保健指導の実施方法のモデルを構築してきたところです。生活習慣病は、早い段階では余り自覚症状がないため、自分の問題として実感しにくいところがあって、なかなか行動変容に結びつかないという課題があります。これにどういう形で気付きを与えていくかということの保健指導の実施方法を構築してきたところです。3年間のモデル事業の成果を数値的にも検証していった中で、継続的に参加している方の多くが、血圧、血糖、中性脂肪の数値が参加前より改善しており、また、細かい分析をしていく中でも、参加回数や服薬状況の違いなどを見ていく中でも、改善効果が表れているという有効性も実証されてきましたので、これを今、マニュアルとして取りまとめ、平成28年3月末を目どに作成しているところであり、また、現在行っているモデル事業の市町村からの見学などの受入れを行っています。来年度以降は、この保健指導方法を広く市町村で実施拡大を進めていくとともに、実証データのサンプル数の確保も必要であるため、より精緻な効果を検証していこうということで予算措置をさせていただいたところです。今回、こうした形で市町村に広げていくことに合わせて、現在、市町村課の方で自治基盤強化総合補助金の追加のメニューで、地方創生で例えば、健康づくりや未病の取組を新たにやるという場合に補助を出すという制度を確立していますので、そういう補助金を活用していただきながら、市町村においてこの保健指導を広く活用していただく取組を進めていきたいと考えています。

武田委員

 最後に、認知症の未病対策について、何点か伺います。現在、急速に高齢化が進んできて、認知症への取組が求められています。このうち、健常者と認知症の人の中間の段階にある症状に軽度認知障害、MCIというものがあります。このMCI対策を進めることが非常に大事だと思いますが、現在、神奈川県内にMCIの方々がどのくらいいると推計されるのでしょうか。

高齢社会課長

 正常と認知症との中間の状態にあります軽度認知障害、MCIの実数を把握することはかなり困難でして、厚生労働省が公表しておりますMCIの方々が65歳以上の高齢者に占める割合は13%と言われております。これに基づいて、現在、本県における状況を推計してみますと、本県の65歳以上の高齢者の人口が210万人程度であるということから、大体27万人程度の方がMCIに当たるのではないかと推計しております。

武田委員

 今、答弁によりますと、27万人の方々がMCIと推計されているということでしたが、この中には治療可能な認知症の方もいると思うのです。例えば、脳腫瘍、ビタミン不足で認知症になっている方もいると思うのです。こういった方々に対して、未病対策はしているのでしょうか。

高齢社会課長

 認知症を発症された方も、今、おっしゃられたような脳血管性の疾患を基に発症された方、アルツハイマー型ですとか、様々な方がいますが、その中でもその症状に応じて、未病の取組でも進行を抑えるということが可能であったりするものもあります。あるいはコグニサイズで、本当に軽い段階であれば、進行を遅らせることも期待できる部分もありますので、それは認知症発症前であっても、後であっても、未病の取組が大切であると考えております。

武田委員

 際限なく未病が増えていくイメージですが、今、神奈川県ではコグニサイズの全県展開を進めているところだと思いますが、今までの成果と、平成28年度はコグニサイズをどのように展開していくのか、伺います。

高齢社会課長

 県では、昨年度、県西地域2市8町において、高齢者146人の参加を得まして、6箇月間にわたってコグニサイズの考え方を導入した16回のプログラム、コースを実施しました。その際、記憶の向上ですとか、下肢機能やバランス、運動機能の向上が認められたという報告を受けております。そこで今年度は、手軽にできるコグニサイズを全県展開していこうということで、現在、全市町村の御協力を得まして、介護予防教室やイベント等で、高齢者の方に実際に体験していただくなど、普及の取組を進めているところです。この参加者数は、既に1万人を超えております。こういったことで、市町村の御協力の下、一定程度、普及を図ることができているのではないかと考えておりますが、また、これを強力に進めてまいりたいと考えております。こうしたことを踏まえ、来年度は市町村や各種イベントにコグニサイズの指導者を積極的に派遣したり、人型ロボットにコグニサイズをプログラミングして、実際にイベントなどで実演させて、中高年齢層だけではなく、小さな子供などにも興味を持っていただけるような形で、より幅広い年齢層、あらゆる世代に働き掛けていくこと、また、DVDを作成して、地域の少人数のグループの方々でも、指導者がいなくても、いつでも気軽に自主的に実践できるような取組を広げていきたいと考えております。認知症を軽減させる取組は、未病を治す重要なものだと考えており、超高齢社会では欠かせないものです。県内の至るところで多くの方々が取り組んでいただけるよう、普及に向けてしっかりと進めていき、高齢者の方がいつまでも健康で過ごせるよう努めてまいりたいと考えております。

しきだ委員

 関連というわけではないのですが、未病は非常に分かりにくい概念という思いが当初からあり、いまだにある。そういったものを自分の中でも飲み込めないので、議論するのもはばかられるという思いがあり、いまだにそうした思いがある。未病という言葉が、なかなか県民の間にも、皆様がおっしゃっているほど知事が言っているほど定着していないのが、実感です。県西地域の活性化や三浦半島で半島宣言というのがあったという話は承知はしていますが、横浜市にお住まいの方にとっては、地域の話題の中で未病という話が出ていたことが一度もないわけです。そういった点では、認知度、周知度もそんなにないのではないかと思う。今、女性の未病女子対策、子供の未病、認知症の未病対策など、何でも未病と付けば予算化され、施策化されて事業化される風潮について、大変危惧しています。いろいろな事業の見直しの中で、総務局長の依命通知においても聖域なく見直すという通知が出されているにもかかわらず、PDCAサイクルというのを回しながら、そういったものを言っているのに、甚だ疑問があるところです。未病を治すかながわ宣言があるが、これはそれこそ県民一人一人の健康づくりをしっかりと行政がサポートしていきましょうという考え方と何ら変わりはないので、未病という言葉を使わなくても20代、30代の女性の健康づくりができないかということを考えた場合に、未病という言葉を使いながら予算化、事業化し、それをやることによって、健康長寿、健康寿命の延伸という究極の目標を達成できないかというと、私はそうではないと思うのです。そうすると、今、行っていることや言っていることが逆に遠回りになっているのではないかと思えてならないのです。今後は、子供の未病、未病女子、認知症の未病対策が来年度、再来年度には、犬猫の未病対策などといったことも出てくるのではないかと心配しています。私は、この未病について、これまで代表質問でも様々な場面でもしてこなかったというのは、いまだにこの言葉を普及定着することの意味を見い出せないのは問題だと思います。今、言ったように健康寿命の延伸は、すこぶる食、運動、社会参加の三つのキーワードを子供の頃から、また、高齢者も含めて県民一人一人に定着していけば達成できるのではないかと思っています。このタイミングで、こういう場であえて言うのは、県が直面している様々な課題、健康長寿を目指す、健康寿命日本一を目指していく上で、未病を使わなくてはならない理由というのをもう一度確認させてください。

健康寿命・未病担当部長

 未病という言葉を使わなければいけない理由というか、未病を使うメリットという面で捉えてお答えさせていただきたいと思います。御指摘のように取組については、従来から取り組んでいる健康づくり、あるいはいろいろな生活習慣病、認知症の予防と、内容的においてはそういったところで、未病を治すというのが単なる予防ではなく、予防というと悪くなるのを食い止めるということだと思うのですが、それ以上に健康な状態にも近づけていくことができるというメッセージが込められた表現であると理解しているところです。また、これは議論になるところかと思いますが、未病を治すという聞きなれない言葉です。そうしたことで、一体これは何なのだろうと疑問を持っていただくことの効果があります。例えば、先ほどの未病女子という言葉についても、単に女性の健康づくりと言われたときと未病女子と言われたときに、何なのかと思っていただくという違いは多少なりともあるかと思います。目的とするところは一緒であると受け止めておりますので、未病という言葉をうまく活用しながら、県民の皆様の健康づくりにできるだけ力を尽くしていかれればと思っています。

しきだ委員

 今、いろいろ丁寧に説明していただいたのですが、未病って何ですかといった質問を県民からされた場合、そういった説明を聞いている暇も時間もないのです。こういった問題は、すっと聞いて受け入れられるもので、そういった日々の生活習慣につながっていくことが必要で、説明しないと分からないような言葉や考え方にあれだけ費用と時間をかけて、私はいまだに疑問を感じています。この周知度というのは、3年間言い続けて、それで県民の認知度はこの程度かという受け止め方もあるということをしっかり認識しておいてほしいと思います。知事の肝煎りで行っているので、この場でこれ以上言うことは控えたいと思いますが、そういう感想を持っているということ、私以外にもそういう印象を持っている県民がいるということ、未病の概念がすんなり落ちてこないといった印象を持っていることをとどめておいていただきたいと思います。また、再三申し上げておりますが、健康づくりということに未病という言葉を使わないと達成できないのかについては、疑問がある。かえって遠回りになっているのではないか。場合によっては、不必要な予算がここに流れているのではないかというおそれがあるのではないかと危惧している。それは、すこぶる県税の使い途という観点からすると、知事の思いを達成することが目的化している、あるいは未病という言葉を普及していくことが目的化しているのではないかということに危惧を抱いているということを申し上げ、私の質問を終わります。

武田委員

 要望ですが、しきだ委員の質疑を踏まえて、未病を治す取組の体系的な整理を一度行っていただきたいということを要望して、この質問を終わります。

 次に、神奈川県立平塚看護専門学校条例等の見直しについて何点か伺いたいと思います。今回、県立平塚看護専門学校の条例に関して、学校名の変更や授業料の見直しが行われるという報告がありました。授業料の見直しについては、平成26年第3回定例会で我が会派の八木大二郎議員が知事に質問をしました。ある短期大学と比べると県立看護学校の授業料は約6倍違い、また、ある民間の看護専門学校と比べると授業料等のトータルが約4倍違うため、民間の看護専門学校を圧迫する要因になり得るのではないかという質問をしました。それを受けて、今回の授業料を見直すということですが、県立平塚看護専門学校の4年制導入に関わる見直しの他に、今回、県立の看護専門学校3校の授業料の見直しを併せて行うということですが、その理由を伺います。

保健人材課長

 県立の看護専門学校は3校あります。今、委員のお話にありました県立平塚看護専門学校については、平成29年度から4年制を導入するわけですが、県立衛生看護専門学校が平成26年度から、県立よこはま看護専門学校は平成27年度から入学定員を80名から120名に増員しております。それに伴い、より密度の濃い教育を行うために教員を増やし、現行の40人学級から30人学級にするという少人数化を図っております。また、併せて実習室の整備を行い、教育環境、教育サービスの向上を図ったところです。一方、授業料については、平成20年度に改定して以来、7年間ずっと据え置いてきたという状況があります。今、申しましたように教育環境、教育サービスの向上に伴い、教育コストが増大していることなどもありますので、これらのことを勘案して、今回、見直しをするものです。

武田委員

 看護専門学校ですが、授業料の他に入学検定料、入学金があると思います。私もいろいろな入学検定料や入学金の値段を調べた結果、特に一定の決まりはないようですが、この入学検定料や入学金に関して見直しは行わないのでしょうか。

保健人材課長

 入学検定料は入学者選抜に係る経費、入学金は入学に要する諸経費といった性格があり、いわゆる手数料といったものです。こうした入学に係る諸経費については、変動要素がありませんし、入学検定料や入学金は、今回の授業料とは性格が異なりますので、見直しの対象とはしておりません。

武田委員

 県立平塚看護専門学校が4年制になるということで、授業も随分と内容が変わってくるという話も伺ったのですが、教科書代などといったものも上がっていくという認識でよろしいでしょうか。

保健人材課長

 4年制に伴って教科書代が変わるかどうかということですが、教科書代などの実費相当分については、授業料とは別に学年費という形で徴収しております。授業内容が変わりましても、使う教科書はほぼ変わりはないと考えておりますので、教科書代が増えるということは想定しておりません。

武田委員

 授業料見直しの話に戻りたいと思います。学生の負担率を見直すと、以前知事は、一般質問で答弁されていたが、現在、学生の負担率はどの程度なのでしょうか。また、今回、負担率をどのように見直そうとしているのでしょうか。

保健人材課長

 学生負担率と申しますのは、人件費や維持運営費といった1年間にかかる教育コストに対して、一人当たりの学生が授業料でどの程度負担しているかという割合です。平成26年度の実績で申しますと、学生負担率は約14.6%です。また、他の都道府県の学生負担率との均衡ということを考えており、他の都道府県の学生負担率は平均で大体19%程度となっているのが現状です。今回、この学生負担率の見直しに当たりましては、他の都道府県立の養成所の平均的な負担率との均衡を踏まえながら、適正な学生負担率となるように慎重に検討してまいりたいと考えております。

武田委員

 今回、授業料が上がることになったわけですが、神奈川県で育った人材が他の都道府県の方が授業料が安いので、そちらに流れることも考えられますから、非常に学生に与える影響は大きいと思います。影響をなるべく少なくするために、実施方法とか時期を検討する必要があると思いますが、その点はいかがでしょうか。

保健人材課長

 授業料の見直しに当たりましては、委員御指摘のとおり、学生への影響が大きいと思っております。したがいまして、金額はもとより実施方法についても、学生の負担が過重にならないように慎重に検討したいと考えております。その上で、値上げによる学生への影響をできる限り軽減する方法として、過去の例を見ながら、例えば、状況や金額に応じてではありますが、段階的な実施ですとか、いろいろな工夫を検討してまいりたいと考えております。

武田委員

 現時点でどのくらいの授業料となるのか、そういった想定はありますでしょうか。

保健人材課長

 現時点で具体的な金額ということになりますと、まだ検討しているところですが、入学定員の増加、あるいは平成29年度から県立平塚看護専門学校での4年制導入に伴い、県立看護専門学校の総定員数が最大となります平成32年度の教育コストをベースとして、新たな授業料を設定したいと考えております。具体的な金額というわけではありませんが、先ほど申しました他都道府県の学生負担率との均衡、それから民間養成所の授業料格差が広がっている状況がありますので、現時点では、おおよそではありますが、約20万円を超える金額になるのではないかと想定しているところです。

武田委員

 20万円超えるということは結構上がるのだという印象を受けます。私は今、値上げのことについて話をしているのですが、ただ一方で、看護師の資格を取るまでにどのように費用を抑えていくのかという話も必要になってくると思うのです。また、一般質問の八木大二郎議員の話に戻りますと、所得証明などを基に減額措置を講じるといった方向のことも質問しています。私が思うのは、今、神奈川県に県立二俣川看護福祉高等学校があると思うのです。ここで3年間看護科に行っても、普通科の高校を卒業した生徒と一緒に看護大学、看護短期大学とかに入らなくてはいけない状況です。例えば、県立二俣川看護福祉高等学校を5年一貫校としてみて、例えば、5年一貫校とすると授業料は相対的に非常に安くなると思うのです。県の財政の状況を見ると、5年一貫校というのはほぼ無理だと思っているのです。だから、県立二俣川看護福祉高等学校でカリキュラムを変えて、ここで3年間勉強したら、他の県立の看護学校に編入できるといった制度があってよいと思うのです。そうしたら、トータル5年で看護師の国家試験の受験をすることができるといった制度があった方がよいと思うのですが、こういったことをクロス・ファンクションで局を越えて、とりあえず検討というよりも議論を深めていただきたいと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

保健人材課長

 今、委員からお話のありました県立二俣川看護福祉高等学校については、一つは県立高校という枠の中で、いわゆる学習指導要領などの縛りの中での教育内容と捉えております。そして、高校に看護科がありますのは、高校の早い時期から職業意識、仕事に対する意識を持ってもらおうということから、看護科ということになっております。一方、看護師なりの資格を取るためには、最終的には看護師の国家試験を受けなければなりませんが、そのための養成のカリキュラムというものも決めがあります。この決められたカリキュラムの中での看護専門学校の教育内容となっていますので、それぞれ別の教育目的ですとか、教育内容の縛りといったところが異なりますので、なかなか両方合わせていくことは困難と考えております。

武田委員

 困難なのは重々承知しているのですが、まずは議論をしていただきたいと思うのです。できないから、もうできませんではなくて、もう少し入り口をつくっていただければと思います。また、値上げの話に戻るのですが、先ほど申し上げたように低所得者への影響が大きいと思うのです。こういった方々への配慮、例えば、奨学金の増額とか、そういった見直しとかは考えられているのでしょうか。

保健人材課長

 現在、神奈川県には修学資金貸付制度があります。こちらについては、平成25年度に制度の見直しを図ったところですが、貸付額については、1年間の学生生活費をベースに設定しておりますので、今回の授業料の見直しが直接、修学資金の見直しにつながるということは考えておりません。今、御指摘のありました経済的に苦しい世帯への配慮ということで申しますと、修学資金貸付制度、あるいは本県以外の他の奨学金、それから授業料免除制度がありますので、こういった制度を必要とする学生が活用できるように、いろいろな機会を通じて、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。

武田委員

 最後に要望になります。今回の授業料の見直しについてですが、民間の養成所の授業料との格差を勘案すると致し方ないことだとは思います。しかしながら、県立の看護専門学校は授業料の安さから、いろいろな方に看護師の道を開いてきた面もあります。このように相反する、矛盾を勘案しながらも、今回の見直しによって看護師を目指す人がその道を閉ざされることのないよう慎重な検討を要望して、この質問を終わります。

 次に、重粒子線治療について何点か伺いたいと思います。重粒子線治療については、平成28年1月に国が一部の症例を初めて保険適用すると決定して、それ以外の大分部のがんについても引き続き先進医療として継続するという方針が示されました。これは、神奈川県庁、オール神奈川県で知事や土井議長をはじめ、いろいろな方々が要望して、こういった結果が出てきたものだと私は思っております。ただ、一方で治療費350万円が高額なままであることには変わりはないと思います。県は治療費の1割助成のほかに、利子補給制度も提案されていますが、この利子補給制度は、平成28年2月から治療を開始する患者にも適用されるということでよろしいでしょうか。

県立病院課長

 利子補給制度については、平成27年12月の定例会におきましても、今年度から治療が始まる中で、先に治療を受けた方に不利益があってはならないという貴重な御意見を頂いたところです。そこで、平成28年2月から治療を開始する患者も利子補給を受けられるよう制度を整えたところです。御案内のとおり、この利子補給制度は、平成28年度当初予算で御提案させていただいております。現状、県民の皆様には県議会における議決をいただいた後に正式に実施を決定しますという条件を付した形で御案内をしながら、周知を図っている状況です。

武田委員

 今、御答弁いただいた利子補給制度の申請数は分かりますでしょうか。

県立病院課長

 現在、12名の患者が治療を受けておりますが、この12名の方から利子補給制度についての申請は、まだ出ておりません。

武田委員

 実績が今のところないということですが、その理由としては、もちろんお金を借りないで治療ができるからだと思うのです。負担軽減策の相談は、県や県立がんセンターにどのくらい寄せられているのでしょうか。

県立病院課長

 相談件数としては、12名の治療を受けられた方には、減額制度や利子補給制度について、こういった制度がありますという形で、まず、丁寧に御説明させていただいております。このうち8名の患者から、こういった制度を改めて詳しく聞きたいということを病院の方にその後、改めて問い合わせがあったということは伺っております。それから、私ども県立病院課の方にも、電話で5件程度ですが、こういったお問い合わせをいただいております。12名の患者の半数以上の方が民間の先進医療特約保険などに御加入されているという話も承知しておりますので、そういった状況から、今のところ申請が少ないのではないかということと、治療費をお支払いした後も助成制度については、後から申請ができるということとなっておりますので、まずは治療に専念をされるということで、今後、こういったことは出てくるのではないかと考えております。

武田委員

 今回、保険適用になった切除非適応の骨軟部腫瘍についてのお問い合わせの状況はどのような感じでしょうか。

県立病院課長

 集計ができている平成28年12月までの相談件数は、225件くらいの問い合わせを頂いており、骨軟部については4件の問い合わせがあったと伺っております。この保険適用となった部位については、症例が余り多くないというような中で、早速4件の問い合わせがあったということは、やはり保険適用に残ったこともあるのではないかと思います。

武田委員

 続いて、治療部位の拡大について伺います。今定例会で、我が会派の綱嶋議員からの質問にもありましたが、現在、行っている前立腺がんの治療に加えて、順次、治療部位を拡大していくとの答弁が知事からあったと思いますが、治療の開始時期など詳しい説明を確認の意味でお願いします。

県立病院課長

 今、委員お話のありましたとおり、知事が本会議で御答弁させていただきましたとおり、平成28年4月から保険適用となる骨や筋肉の骨軟部がんでありますとか、先進医療が継続されます口や喉などの頭頸部がん、肝臓がん、肺がんといったものに順次、取り組んでいきたいと考えております。保険適用となります骨軟部腫瘍と頭頸部のがんの一部については、今月できるだけ早い段階で患者の募集を開始したいと考えております。次いで肝臓がん、肺がんについて、現在、治療計画ですとか、院内の倫理審査委員会などの手続きを経ているところですので、こういったものを行った後にできるだけ早期に治療を開始したいと考えております。

武田委員

 具体的な治療の開始の目どは立っているのでしょうか。

県立病院課長

 骨軟部と頭頸部については、平成28年3月の早いうちに行いたいと考えておりますので、間もなく募集を開始したいと考えております。

武田委員

 募集ではなく、実際に治療をする時期はいかがでしょうか。

県立病院課長

 今、前立腺を治療しておりますが、治療を受けて、外来を受診して、1週間から2週間の治療計画などを立てて、そこから治療を開始しているという治療スケジュールですので、募集を行い、患者のお問い合わせがあり、適合するというようなところが1週間から3週間の間で行われ、その後、治療に着手できるのではないかというスケジュールで考えております。

武田委員

 議場で、小児がんの重粒子線治療についても質疑が行われました。今回、保険適用で、小児がんに関しては陽子線治療が保険適用となり、この点について私自身は、小児がんに対する重粒子線治療は後退したと感じたのですが、この点の県の見解を教えてください。

県立病院課長

 おっしゃるとおり陽子線は、他の先行している陽子線施設が実績を積んでいるということもあり、保険適用となったところです。一方、重粒子線の方はどうかというと、まだ、群馬大学の方でも9件くらい臨床試験を行っている段階です。それは陽子線と重粒子線、同じ粒子線治療とはいえ、やはり威力が数段違うという中で、重粒子を子供に当てるということについて、これまで慎重に対応してきたという状況もあります。とはいえ、同じ粒子線治療ですので、重粒子の方も県立がんセンターを含めた5施設で取り組んでいき、陽子がそういう形で効果、安全性があるのであれば、重粒子でも十分対応できるのではないかということで、今後、取り組んでまいりたいと考えておりますので、後退とか、やめるとかという考え方は県立がんセンターは持っておりません。

武田委員

 続いて、保険適用の拡大に向けたエビデンスの確立について伺いたいと思います。2年後の診療報酬改定時には、また、今回と同様のことが起こることもあると思います。国も先進医療で行うものについて、様々な条件を付けてきたということも聞いております。このため、2年間でしっかりとエビデンスを取っていかなければいけないと思いますが、県立がんセンターでは重粒子線治療のエビデンスを示すために、具体的にどのように取り組んでいくのか、伺います。

県立病院課長

 エビデンスの確立については、国からも比較研究に加え、様々な条件、具体的には重粒子線治療の全国統一の治療方針の作成でありますとか、治療結果の報告などといったものを報告するよう施設に求めてきております。そこで現在、重粒子線治療の関連学会、放射線腫瘍学会でありますとか、重粒子線を行っている先行施設、県立がんセンターを入れて5施設になりますので、先行施設は4施設になります。こういったものが連携して、国のオーダーにどう答えていくかというような仕組みづくりに、正に取りかかったところでして、これに県立がんセンターも積極的にかかわってまいりたいと考えております。御案内のとおり、県立がんセンターのi-ROCKは、がん専門病院に併設された世界初の重粒子線治療施設ですので、他の治療法との比較研究の面で優位性があるということです。県立がんセンターは年間3,000件以上の手術ですとか、1,000人以上のエックス線治療、放射線治療を行っておりますので、これと重粒子線治療との比較研究を行って、エビデンスの確立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

武田委員

 今、重粒子線治療と手術、年間3,000件と、エックス線、年間1,000人以上の比較研究を行ってエビデンスを確立すると答弁いただいたのですが、エビデンスを確立するためには、このように比較対象がたくさんあった方がよいのか。人数も、たくさんの人数と比較できた方がより良いエビデンスができるという認識でよろしいのでしょうか。

県立病院課長

 医学的、学術的なところでいろいろなケースがあろうかと思います。先進医療会議を私も傍聴している限りでは、例えば今回、陽子線の小児がんが認められた中で、強度変調放射線治療、IMRTというエックス線の一番優れたものと陽子線とで、どういった比較ができるのかといった検証がされておりましたので、件数ももちろん大事なところではあろうかと思いますが、何と何を比較するのか、そういった専門的なところもあろうかと考えており、例えば、県立がんセンターで肺がんの手術を年間100件以上行っておりますので、そういったものと肺がんの重粒子線治療と比較していくとか、そういった比較研究の仕方を国とも相談させていただきながら進めていくのではないかと、考えております。

武田委員

 次回の診療報酬改定が2年後にありますから、2年間でしっかりと成果を出していただければと思います。私は、平成28年2月上旬にi-ROCKを視察させていただきました。そのときに感じたのは、神奈川県のi-ROCKがいかに優れているかということが余り説明では伝わってこなかったのです。例えば、佐賀県のサガハイマットを当常任委員会で視察したときは、重粒子線治療というのはものすごいというイメージを受けたのですが、神奈川県のi-ROCKの説明からは、そういったものは受けませんでした。発信力が重要だと思うのです。また、サガハイマットは建物の中も緑が、自然ということではなく、緑のモチーフがあったのですが、i-ROCKは非常に冷たいというか、無機質な感覚を受けるのですが、これを県としてはどのように考えているのでしょうか。

県立病院課長

 i-ROCKのアメニティは、オープンしたてということもあって、まだ十分でないとの印象もあったのかもしれません。佐賀県の方は緑をモチーフにしている中で、御案内のとおりi-ROCKはブルーをモチーフにしているというところもあったのかもしれません。それから、発信力というか、伝わってこなかったということについては、県立がんセンターは、国内はもとより海外からの見学者でありますとか、学生であるとか、連日多くの視察の方が来ており、担当する医師や事務などが数多く対応しているところですが、県立がんセンターの特徴を強くアピールしていくということは、そういった説明の中で大変大事なことと認識しております。したがいまして、アメニティの向上でありますとか、発信力の強化ということについては、i-ROCKを広く県民、患者に利用いただくためには大事な視点だと思いますので、委員からそういう御指摘をいただいたということについては県立がんセンターに伝え、今後、検討してまいりたいと考えております。

武田委員

 最後に要望を申し上げます。国の診療報酬改定の見直しについては、県議会や知事などが積極的に働き掛けを行い、良い方向で決着したと思いますが、保険適用の拡大や先進医療の継続に向けたエビデンスの確立など、様々な課題が残っていると思います。今後は、保険適用が進むまでの間、患者が経済的な理由で治療をあきらめることがないよう、治療費助成や利子補給などの支援策を広く周知していただくことを要望します。そして、先ほど申し上げたとおり、次回の診療報酬改定が2年後にありますので、この2年間でしっかりと成果を出していただければと思います。以上で私の質問を終わります。



(休憩 午後零時4分  再開 午後零時59分)



7 傍聴の許否について決定

  3件申請 3件許可



8 日程第1及び第2について質疑(所管事項も併せて)



京島委員

 介護人材の確保に向けた取組については、厚生常任委員会や一般質問でも繰り返し質疑させていただきました。その中で今回は、介護への理解、関心を高め、多様な人材の確保の促進を図るため、平成28年11月11日の介護の日の関連イベントとして、新たに介護フェアを開催するとのことですが、その内容などに関して何点か伺います。このイベントにかかる経費として1,025万円が計上されていますが、どのようなことをするのか、事業の概略や主な経費について伺います。

地域福祉課長

 介護フェアの事業内容ですが、介護人材の裾野の拡大、そして参入促進を図るために、平成28年11月11日が介護の日となっておりますが、その関連イベントとして開催し、広く県民に対して介護の仕事の魅力を発信したいと思っています。具体的には、介護職場のイメージアップを図るために、感動介護大賞などの表彰式を開催するとともに、介護経験のある著名人による講演や、学生や若者、保護者を主なターゲットとした、県内で活躍する若手介護職によるトークショーを開催したいと思っております。また、人材確保のための事業を委託しています福祉人材センターや県内の介護福祉士養成校等のブースを設置し、少しでも介護の仕事に興味を持った方には、仕事の実際や資格取得の方法などについて情報提供して就労につなげていきたいと思います。また、一般の人向けにも、ロボットの展示、体験コーナーを設けて、来場者がパロやパルロ等の介護ロボットと触れ合える場を設けたり、また、自宅での家族の介護に役立つ機器を展示し、希望のある方には使用方法のレクチャーを行う企画も検討しております。主な経費ですが、会場使用料、設営費が約400万円、講師謝礼やロボット借用料が約270万円、スタッフ経費が約120万円、全体で1,025万円となっています。

京島委員

 介護の日に、最近ではかながわ感動介護大賞表彰式が行われていると承知しておりますが、まだまだそのことを知らない県民の方が多いということと、関心がないというのが現実ではないかと思っています。実際に、私は介護事業を営んでおります。定期的に、このかながわ感動介護大賞についての冊子が事業所に不特定の数が送られてきます。この冊子も従業員には配付しておりますが、従業員がそれをしっかりと熟読しているかどうかというのは、従業員それぞれが違いがありますが、従業員自体も関心を持っていない、自分たちの職業に対して感動しているということを広く訴えてどうするのだという意見が出ているのもたしかです。こうした中で、平成27年度の実施状況についてお伺いします。

高齢社会課長

 かながわ感動介護大賞では、介護の仕事のすばらしさを多くの方に伝え、関心を持っていただくために、介護サービスを受けた高齢者やその御家族などから、介護にまつわる感動的なエピソードを募集しております。その中から、最優秀賞1作品、優秀賞5作品を選考して、エピソードを応募された方だけではなく、実際にそのエピソードの対象となった介護に従事した職員や事業所、施設なども表彰しているという新しい形の表彰です。平成27年度は横浜市内におきまして、平成27年11月11日の介護の日に表彰式典を開催して、約300名の方々の御出席を頂きました。表彰式典では、参加していただいた方にも役立つような企画ということで、東京大学名誉教授にお越しいただいて、御講演を頂くといったことも行っております。式典終了後に行ったアンケートでは、表彰式について回答いただいた51名の方全員がとても良かった、あるいは良かったとされており、また、講演についても回答いただいた56人のうち54人の方がとても良かった、良かったとされていました。そのほか、エピソードを基にしたドキュメンタリー番組を平成27年12月31日にテレビ神奈川で放映しました。現在、作品集の新しい版を作成しており、介護保険事業所、施設、介護職員の養成校などで御活用いただけるように配付するものです。

京島委員

 表彰式に300名行かれたということですが、そもそもこのかながわ感動介護大賞は、興味がある人、興味がある職員、そして自分が利用してすばらしいという体験をした方にとっては、確かにこういうエピソード、投稿するということは興味があるから投稿するわけです。そういう方たちが受賞すれば、表彰式に当然のように行かれるのは当たり前なのですが、その中で、さらに56人にアンケートを取って54人が良かったという、今、答弁がありましたが、そもそもこのかながわ感動介護大賞に興味を持っていない介護の従事者たちに、多く広めていただきたいと私は思っているのです。広く県民に周知して関心を持ってもらい、参加してもらう工夫というのが必要だと思っています。平成28年度はどのように実施していく予定か、お伺いします。

高齢社会課長

 平成28年度は、介護フェアを開催する予定の会場において、このかながわ感動介護大賞の表彰式も併せて実施することを予定しております。これにより、介護フェアにお見えになられた皆様方が表彰式にも参加していただけるといったことが期待されますので、多くの方に足を向けていただけるように企画していきたいと考えております。この広報については、これまでもエピソードの募集、そして表彰式典についての案内チラシを配付しておりますが、そのほかにも、県のホームページやフェイスブックでの情報提供なども進めてきております。今後、介護フェアと併せて行うことで、より効果的に実施することができるのではないかと考えております。このほか、開催日についても11月11日ということになりますと、いつも平日ということもありますが、より多くの方に御参加いただけるような工夫ということで、どんなことができるか検討してまいりたいと考えております。

京島委員

 いろいろな形でイメージアップも介護には必要だと思っておりますが、そもそも介護職員の資質を向上させる取組もとても大切なことであると考えております。今年度から始まった介護職員に研修を受講させるための代替要員の雇用を支援する補助金という制度がありますが、どのようなケースが対象となるのか、非常に分かりにくいという声があります。実際に介護事業所にとっては、こういった助成金を活用してスタッフの資質の向上を図っていくというのは非常に有り難い取組である反面、非常に分かりにくいという声が圧倒的に多いのもたしかです。社会保険労務士を通してこういった助成金の申請を上げていただくのですが、実際に代替要員の件に関しては、社会保険労務士の方から県の方に問い合わせをした際に、それは該当にならないと回答いただいて、やむなく助成金の申請を断念したというお話もいただいております。例えばのケースで、実際に今、雇用している非常勤職員が介護福祉士試験に臨むため、制度が変わりまして介護職員初任者研修を受講しなければならなくなった。この研修制度を受講するというときなどの場合は、実際はどうなのでしょうか。また、この制度の周知については、どのような方法で行ったのかも併せて伺います。

地域福祉課長

 実務者研修に出た職員の代替要員の確保対策事業費補助については、まず、研修を受講する職員はもちろん、非常勤職員でも対象になります。また、代替要員について、既に雇用している非常勤職員により代替する場合も、賃金など代替にかかる費用が新たに生じた場合には、補助の対象になります。要するに、研修に出る職員も、替わりとなる職員も、いずれも雇用形態が非常勤でも対象になります。対象にならないのは、シフトのやりくりなどでコストが発生しない場合と考えております。周知方法については、昨年、周知依頼文書を市町村や事業者関係団体、指定研修機関に送付しました。また、介護情報サービスかながわのホームページに掲載し、約1万9,000の事業者に対してメールによる通知も行いました。また、事業周知のパンフレットを3千数百部作成して、関係機関に配布しました。確かに制度が複雑な部分もありまして周知が足りない部分もありますので、今後も介護事業者や職員の方々に情報が確実に届くよう丁寧に周知していきたいと思っております。

京島委員

 制度が複雑化しているというお話がありましたが、各事業所にとっては問い合わせをして、県の方に回答いただいたことが全てで動き出します。従業員からの問い合わせだったり、事業所からの問い合わせであったり、様々だと思います。社会保険労務士から助成金の制度の変更については、ついていけていないのが現状だとよく聞いております。問い合わせをしたときに、それは非該当だと回答されれば、申請できないと思われるのが事実ですので、その辺りを改めて徹底していただきたいと思います。介護職員の資質向上を図るため、研修受講を支援する補助金については、来年度に向けて何か工夫、改善したい点があるか伺います。

地域福祉課長

 介護導入研修支援事業費補助、介護職員初任者研修受講料負担への補助については、既に雇用している従業者を対象としていたのですが、訪問介護の事業所より、この人は良い人だから是非、初任者研修を受講させて働いてもらいたいというような方を対象としてほしいとの御要望もたくさん受けましたので、これから雇用を予定している従事予定者も対象にしたいと考えております。手続が煩雑ですとか、書面が煩雑との意見もありましたので、手続面では、交付申請書の段階で受講予定者の氏名まで求めず、予定人数で申請できるよう改めます。また、在職証明書等の添付書類を廃止することで簡略化を図り、より利用しやすいものとしていきたいと考えております。

京島委員

 新規事業である介護事業所キャリアパス整備支援事業に関して、キャリアパスとは何か、また、どのような補助を検討しているのか伺います。

高齢社会課長

 キャリアパスとは、企業等が事業を行う上で人材育成制度の中でどのような職務に、どのような立場で職員が就いていくのか、また、そこに到達するためにどのような経験を積んでいくのか、いわば出世の道筋、組織内で段階を上げていく道筋のことです。介護人材の確保、定着の推進を図るためには、介護職員が将来展望を持って事業所の中で働き続けることができるようにすることが大切ということで、個々の職員が能力や資格、経験に応じた処遇が適切に行われることが重要です。こうしたことから、能力、資格、経験に応じた給与、処遇体系を定めるキャリアパス制度を導入して、従業者に対して体系的な研修を実施しようとする意欲を持った介護事業所に対して補助を実施したいということで、キャリアパス整備支援制度を設けております。具体的な補助内容としては、個々の職員の職責に応じた能力開発をするための職場外研修へ参加させる場合ですとか、また、職員を職場外研修に参加させた結果、欠員を補充するための代替要員確保にかかる費用です。補助額については、1事業所当たり上限50万円、25法人を予定して1,250万円の予算を計上させていただいております。

京島委員

 介護人材が不足するという状況に対しては県として、今後、どのように取り組んでいくのか伺います。

地域福祉課長

 これからの超高齢社会を乗り切るには、県民のニーズに即した質の高い福祉や介護サービスを効果的に提供していくこと、そして、それを支える福祉、介護人材の量と質の両面からの確保が大切だと考えております。そのためにも、引き続き、介護フェアなどのイベントを活用して、多様な人材をターゲットとした裾野の拡大や介護職の質の向上に向けた取組、それから若手の方たちが業界に入職後も生涯にわたって働き続けられるよう、職場環境整備等にバランスよく実施していく必要があると考えております。今後も、医療介護基金等を活用して、多様な人材の確保や質の向上、労働環境等の改善などの事業を実施していきますが、その際にも、事業者や市町村の意見をよく伺いながら、より実効性のある人材確保の対策を効果的に進める必要があると考えています。県としても、今後とも基金の財源を有効に活用し、関係団体と連携しながら介護ニーズの高度化、多様化にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

京島委員

 介護の現場というのは、働いている人たち自身が人材不足を切迫した問題として捉えております。事業所だけでなく、働く現場の人たちも何とかしないとこの先乗り切れない、乗り越えることができないというのが本音の話です。是非、これを知っておいていただきたいことと、新人が入社してきてベテランが一生懸命指導します。質の向上もそうですが、人材育成に努めようと日々努力をするベテランたちが、若手が育成をしている段階で離職してしまう現実が日々起こっている。何とむなしいことでしょうか。ベテランとして頑張ってきた人たちが、若手を育成していこうというモチベーションも下がってきてしまっているのも今の現実です。こうした度重なる離職に、ベテランたちだけが日々奮闘しております。新入社員が入ってこないという現実にも事業所としては、毎日取り組んでいるのです。その反面、介護という職業にやりがいを持って、やる気を持って選んでくれた若者もいます。

 しかしながら、世帯主として介護という職業で、家族を養っていけるだけの報酬を支給できないのが現実です。国にも要望をしっかりと県として挙げていただいて、いろいろな形で進めていただいているのですが、スキルアップを図って、介護という職業を自分の一生の職業としようと思ってくれている方たちも大勢います。ただ、今、子育てをしながら介護という職業を非常勤として入ってきていただいた人たちにとっては、先ほど話がありました初任者研修は、大体10万円前後かかります。3箇月くらいの日にちも要します。お金が入ってこない中で10万円前後の研修費を出すというのは、旦那の扶養の範囲内で働いている人たちにとっては、手の届かない金額になっています。質の向上をしようと思っていても諦める方が多いというのも現実ですので、個人に向けた助成のお手伝いをしていただくとか、また、先ほどお話にありましたいろいろな助成金の活用です。複雑さを整理していただいて、分かりやすく明確にしていただくことで、抱えている従業員がスキルアップして、自分の事業所で長きにわたってできれば出会った以上は、生涯自分の事業所で働いてもらいたいと思うのが事業主の考えです。介護の現場では特にそうです。利用者とのコミュニケーションもあります。つくり上げたその人と利用者との関係の中で長く勤めていただくことが、事業主側の願ってやまないところです。繰り返しになりますが、先ほどお話のありました助成金の活用などをもっと分かりやすく周知していただくことによって、自分の事業所から研修に参加させてみようという事業所も増えると思いますので、人材確保と質の向上に向けた取組をこれからもしっかりと進めていただくよう要望します。

 次に、重粒子線治療についてお伺いします。県では、重粒子線治療にかかる県民の負担を軽減するため、治療費の1割、35万円を助成する事業を開始したところです。これにより、少しでも多くの患者が重粒子線治療を受けられることを期待しております。また、今定例会で治療費を借り入れる場合の利子補給制度が提案されていることは、一定の評価をするところであります。その具体的な内容について、何点かお伺いします。利子補給制度は、専用ローンからの借入れを対象にするということですが、専用ローンのみを対象としている理由は何でしょうか、お伺いします。

県立病院課長

 がん治療中という大変な状況の中で、患者御本人でありますとか、御家族が融資先を自力で探すということについては、大変御負担が大きいのではないかと認識しております。融資先を探す労力を削減するということからも、今回、金融機関がこういった専用ローンを創設いただいたことは、大変有意義なことと考えております。したがいまして、患者の労力を削減する、治療に専念していただくという観点からも、対象を専用ローンに限定した理由となっております。また、仮に専用ローンがないとか、これ以外にも可能とした場合ですが、県としては、今回、金利を6%以内、元本35万円を差し引かせていただいて315万円以内という条件を付けておりますので、これを超えて借りるような方もいて、余計な労力というか、煩雑な事務作業が生じてしまうのではないかということもあり、患者に不利益が生じないように専用ローンに限定させていただいたということです。

京島委員

 病気に侵された人が銀行に行ってお金を借りたくても借りられないのではないかということは、さきの常任委員会で私も質疑させていただきましたので、こういう金融機関による専用ローンの創設は本当に有り難いことだと思っております。しかし、そうは言っても金融機関の審査そのものは、ほかのローンと同様であると認識しております。実際にり患された方にとっては、急病や欠勤などのリスクとか、年齢の問題などもあるかと思います。この専用ローンの具体的なメリットについてお伺いします。

県立病院課長

 今、委員御指摘のありましたとおり、専用ローンといっても、金融機関の方では他のローンと同様に審査があり、それについては、今回、御協力いただく両行についても審査はしっかりやりますという話は我々も承知しておりますし、確認しております。一般的に高齢者の方であるとか、がん患者の方は、就労が難しいということがありますので、ローンの審査が通りにくいとの話を伺っております。そこで、今回の専用ローンを創設するに当たり、様々な金融機関に御配慮いただいたのは、患者御自身だけではなく、親族や同一世帯の方がローンを申し込むことができるでありますとか、比較的高齢の方でも申込みを可能としているでありますとか、商品設定の中で、重粒子線治療を受ける患者が申し込みやすい制度となっているといったところが、メリットだと思っております。

京島委員

 本県の支援策では、先進医療特約など民間保険に加入をしていて、そちらから治療費の全額が支給される場合、治療費助成、利子補給のどちらも利用することができないのは承知しております。確かに先進医療特約に入っていれば、大きな負担というのは患者に生じないのですが、公平性の面から考えてみます。見方を変えていただくと特約保険に入っている人は、お給料の中から毎月支払いをし続けてきているわけです。保険料を払うという自らが努力をして、自己資産を使って将来に向けて準備してきたわけで、私自身も損害保険や生命保険を取り扱う代理店業をしております。こうした中、お客様へは将来への安心、そして、もしもに備えてしっかりと加入された方がよいということで提案させていただいております。しかしながら、そうでない方たちを県が利子補給制度などで面倒を見るということになるかと思うのですが、もちろん将来に向けて加入をしたいのだけど、もう既にいろいろな病気に侵されていて入ることができないということもあることは承知しております。しっかり準備している人からしてみると、不公平感があるのではないかと思いますが、この点について県はどう考えているのか、これは他県で県民であれば全員先進医療特約に加入していても、利子補給の対象とするというところもありますので、それも踏まえた上で回答をお願いします。

県立病院課長

 今の御質問ですが、私どもも利子補給制度の制度設計をするときに、特約保険等入っている方との公平性ということについては、これは一つしっかり考えなければいけないだろうという認識を持って、議論をしながら制度を考えてまいりました。他県で、おっしゃるとおり特約に入っていても全額受けられるという県があるということも承知しております。そういったことも踏まえ、様々議論をしながら制度をつくってまいりました。そうした中、重粒子線治療を広く県民の方が受けていただくようにするには、これまでお話しさせていただいたとおり、保険適用を目指していくことが本県の基本的な考え方です。しかしながら、現在、治療費が高額であることから、保険適用までの間は、民間保険の先進医療特約保険を周知するとともに、限りある財源を投入して、少しでも県民の経済的負担を軽減していこうといった考え方に基づき、35万円の治療費助成でありますとか、今回の利子補給を提案させていただいております。したがいまして、こうした観点から本県としては、他県では別の扱いがあるということは承知しておりますが、民間保険など、ほかから充当いただける方については、そちらで対応いただき、限りある財源を重粒子線治療という治療方法があるにもかかわらず、経済的な問題で治療を受けることができないといった本当にお困りの方に活用していただこうと考えて、このようにした次第です。

京島委員

 今、お話しありましたように、財源が限られているというのも十分理解をしております。お金がなくても、お金がないからこそ、この重粒子治療を受けられない人のためにこういう制度を強化しているのですが、そうはいっても、努力する人が報われないということで、努力しない人をつくり上げていくのではないだろうかという私の思いから質問させていただいております。努力いただいている方は、保険の加入だけではなく、がんの早期発見のため検診を毎年受診するなど、かなりの自己努力をしています。こうしたことでよいのか、再度伺います。

県立病院課長

 民間の特約保険に加入されるとか、がん検診を毎年受診するとか、がんに備えて様々な準備をされている方というのは、正に模範とすべき方だと私どもも認識しており、こういった方を増やしていかなければいけないと考えております。一方で、多くの方がよく言われている、今や2人に1人ががんにり患するでありますとか、亡くなった方の3人に1人ががんであるといったような知識は、知識としては承知していたとしても、御本人はもとより、御家族、御友人など身近な方ががんになって、はじめてがんの大変さでありますとか、そういう対応を実感し、学び、調べ始めるといった方が多いのではないかと感じております。だからこそ、この問題は広くがんについての知識を周知、啓発していくことが大変重要なのではないかと考えており、重粒子線治療においても、民間保険の先進医療特約を活用いただければ、治療の経済的な負担が大幅に軽減されるといった周知を行っていこうと考えている次第です。

京島委員

 今、周知というお話がありましたが、具体的にはどのように取り組んでいるのでしょうか。

県立病院課長

 県立がんセンターを運営しております県立病院機構では、民間の保険会社12社と重粒子線治療の普及啓発等を目的とした協定を締結しており、施設の見学会の開催でありますとか、県立がんセンターの重粒子線治療に関する講演会に多数参加いただくなど、現在、重粒子線治療に関する連携を積極的に進めております。それから、病院機構が締結しております12社のほかにも、県において他の保険会社とがん知識の普及啓発などの協定を結んでいるところです。こういった協定などに基づいて、今後も引き続き連携を図っていきたいと考えており、こうした中で先進医療の特約保険も周知をして、患者の経済的負担を少しでも軽減できれば良いと考えている次第です。

京島委員

 重粒子線治療費の利子補給制度について、まずは創設いただいたことは高く評価しております。県民への負担軽減策については、先ほどお話ししたように民間保険など先進医療特約に加入している方、すなわち将来を見据えて準備していた人からすると、その扱いに不公平感があるのではと、本日あえて質問させていただきました。これに対して、先ほど答弁いただたように、県の考え方は私も理解するところでもあります。その上で質問させていただいたのは、こうした将来を見据えて、がんというものに対して備える方々というのが、是非、増えていってほしい、増やしてほしいという思いから質問させていただきました。重粒子線に関する病院機構の取組については、今後もしっかり進めていただくよう要望させていただきます。

 次に、がん検診について伺います。議案説明資料の24ページに、がんをはじめとする疾病対策の推進のうち、がん医療提供体制の充実として8億2,312万円計上されております。がん対策の推進に当たっては、がんを治療する施設や設備も重要ですが、がんを小さいうちに見つけて早目に治療するため、より多くの人にがん検診を受診していただけるようにすることも重要です。そこで、がん検診について何点かお伺いします。まず、がんは早期発見と早期治療で治癒率が高まるということですが、がんが検診で見つかった場合とそうでない場合では、どの程度生存率に差が出るのか、お伺いします。

がん対策課長

 がん検診でがんが見つかった場合とそうでない場合では、生存率に大きな差があります。本県では、県立がんセンターにおいてがんの5年相対生存率を地域がん登録のデータを基に算出しております。がんの種類により差はありますが、全ての部位で平均しますと、検診で発見された場合は90.0%、そうでない場合は61.0%で29ポイントも差があります。がん検診の受診による早期発見の有効性が明らかになっております。

京島委員

 データの上から見ても、検診の受診が大事なことは理解させていただきました。それでは、本県の現在のがん検診の受診率はどの程度なのか、お伺いします。

がん対策課長

 平成25年に厚生労働省が実施した国民生活基礎調査によりますと、本県のがん検診の受診率は、胃がん39.5%、大腸がん38.5%、肺がん41.8%、乳がん42.9%、子宮頸がん43.0%となっており、おおむね4割前後の受診率となっております。

京島委員

 がん検診とは違い、企業にお勤めの方は健康診断が義務化されております。がん検診については、職場での受診機会がなければ、市町村検診、または人間ドックを受診することになっておりますが、がん検診を受けようと思っても勤め先の理解が得られず、がん検診のための休みが取りづらい職場もあると思います。こうした方たちの受診を進めるには、がん検診に対する企業側の意識を変えるということが必要と思いますが、県としてどのように働き掛けているのか、お伺いします。

がん対策課長

 従業員が検診を受けることは、従業員の健康を守るばかりでなく、早期発見、早期治療により、能力ある人材の継続就労につながります。結果として企業の経営価値の向上につながり、また、良い人材が集まる理由の一つになるのではないかと考えます。県では、こうしたことを企業側にお伝えし、がん検診の必要性を御理解いただくための取組を実施しております。具体的には、生活衛生同業組合や社会保険協会の講習会など、事業主や企業の健康づくり担当者が集まる場に当課の職員が伺い、がんによる死亡数や検診の有効性などを示しながら、がん検診の受診の必要性を啓発しております。また、各保健福祉事務所においても、例えば、介護保険事業所に対して実地指導の場などを利用して普及啓発を行うなど、地域の実情に応じたきめ細かな取組を進めております。今後もこうした取組により、企業の意識向上を図ってまいります。

京島委員

 今、回答の中にありました介護事業所における実地指導では、確かに健康診断の指摘は必ずありますが、がん検診を行ったかというところまでは対象にはなっておりません。その辺りについては、どのように働き掛けをしているのか、お伺いします。

がん対策課長

 がん検診は、企業が行う健康診断と違い、法的な根拠は健康増進法の努力義務になっております。先ほども申し上げましたように、継続就労などの面を考えますと、がん検診を受けていただくことは企業にとって大きなメリットになるということを地道に伝えて、がん検診の受診率向上に向けて啓発していきたいと考えております。

京島委員

 実際にがん検診が重要と考えていたとしても、個人に置き換えてみれば、仕事自体が本当に忙しく、平日の日中では時間が取れないため、検診を受診できない方も多いのではないかと思います。こういった方々には、検診の時間帯や曜日などを工夫することで受診率の向上につながると思いますが、県としてどのように考えるかお伺いします。

がん対策課長

 平成27年度の県民ニーズ調査の結果によりますと、がん検診を受けなかった理由として、忙しいからとの回答が39.7%と最も多くなっております。受診率の向上に当たっては、検診を受けやすくする工夫をすることが必要と考えております。職場でがん検診を受ける機会がない方は、市町村の実施するがん検診を受けることとなります。県では、受診率の向上に向けて、昨年度からがん検診の実施主体である市町村のがん検診実務担当者を対象に研修会を実施し、効果的な受診勧奨の手法などについて情報提供しております。市町村の中には、既に休日や夜間における検診の実施や託児サービス、特定健診との同時実施など、受診者の利便性の向上に取り組んでいるところもありますので、こうした研修会で先進的な取組を紹介するなど、各市町村が多様な検診機会を提供できるよう情報提供して、環境を整えていきたいと考えております。

京島委員

 健康診断そのものは企業に課せられているわけですが、いろいろな健康診断の場面があると思います。市町村で実施しているもの、もしくは特定健診、大がかりな病院に行かなければ受診ができない健康診断、様々な健康診断があります。その中で、市町村によっては日曜や夜間に行っているということですが、やはり女性特有の子宮がんや乳がんを健康診断と一緒に診てもらおうという話があっても、なかなか曜日が合わないのです。また、集団検診車だと人数に限りがあるので、各会社、企業にとっては、その日に行かせられる人数を配分する取り決めをしているのも事実です。県として、企業がどういう検診を行っているのかという実態は、把握されていますでしょうか。

がん対策課長

 国民生活基礎調査で出てくるがん検診の受診率というのは、職域の検診、市町村が実施するがん検診、人間ドックの中で実施するがん検診の3種類が一緒になって結果として出てくるものです。この職域での検診ということについては、実態の把握が非常に難しく、昨年、厚生労働省が調査をかけたところですが、これは都道府県ごとに結果が出てくるものではありません。今後は、県として職域のがん検診の実態を把握するための調査なども実施していきたいと思っております。

京島委員

 最後に、せっかくがん検診を受けても、検診で本当にがんを発見できるのか、見落としはないのかといった不安を持つ方もいると思います。県として、がん検診に従事する方の技量の確保にどのように取り組んでいるのか、お伺いします。

がん対策課長

 がん検診を受診してもらい、早期のがんを発見するには、がん検診に携わるスタッフの技量が確保されていることが大前提となります。このため、県では肺がん、胃がん、乳がんの検診に従事する医師や技師を対象とした講習会を毎年実施しております。平成27年度は、乳がんの専門医を講師に招き、乳腺領域の画像診断に関して具体的な事例を多く紹介しながら講習を行い、乳がん検診に従事する医師や技師に参加いただきました。また、細胞の診断に従事する臨床検査技師や衛生検査技師の知識と技術向上を図るため、神奈川県臨床細胞学会に委託して研修会も実施しているところです。また、平成28年度からは、市町村の胃がん検診として胃内視鏡検査が推奨されることに合わせて、県医師会が実施する胃内視鏡検査にかかる研修への補助事業を新たに予算案に計上しました。今後もこうした取組を通じて、がん検診に携わる医療従事者の技量の更なる向上に取り組んでまいります。

京島委員

 神奈川県がん対策推進計画の目標に掲げている、がんによる死亡者数の減少の実現には、早期発見、早期治療につなげるため、がん検診の受診を促進することが最も重要であると思います。がんを治療する施設、設備の充実もなされたほか、重粒子線治療も始まり、生きる希望につながっています。しかしながら、がんになりたくてがんになった人は誰もいません。がんに侵されたときの闘病生活は本人もさることながら、その家族の生活も想像を絶する世界になります。私も、さきにも申し上げましたとおり、父ががんとなり、たった3箇月間でしたが、山梨県と神奈川県を毎日往復してケアに当たりました。身体的にも金銭的にも、また、最後の方は精神的にも相当苦しい日々を体験しました。体験した人だからこそ分かるのですが、先ほども話があった家族や親戚にがんになった人があって、初めてがんというものを考えていただける、私自身もそうですが、だからこそ早期発見という重要性を感じております。より多くの方が安心して検診を受診できるよう、県としても市町村や企業とも連携、協力しながら、検診の必要性の啓発とともに、受診しやすい環境づくり、検診従事者の資質向上に取り組んでいただくとともに、さきに質問した重粒子線治療を契機として、がんに対する県民の関心を高め、がん検診の受診率の向上、そして民間保険の活用など、がんについての正しい理解の普及、意識の醸成を進めていただくよう要望します。

 次に、民生委員の担い手確保について質問させていただきます。先日、我が会派の石川裕憲議員からも民生委員の担い手確保についての質問をしたところですが、今年の12月に3年に一度の民生委員の一斉改選が控えております。その関連で、何点かお伺いします。民生委員は地域福祉の要として、住民の課題が複雑、多様化する中で、ますます期待が大きくなっています。本来、民生委員が担うべき職務、あるいは役割とは何か、改めて確認させてください。

地域福祉課長

 民生委員の役割ですが、民生委員法の第1条で常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるとされています。具体的な職務は、民生委員法第14条において、地域住民、特に援助を必要とする者の生活状態等を適切に把握すること、援助を必要とする者の相談に応じて、助言やその他の援助を行うこと、援助を必要とする者が適切に福祉サービスを利用できるよう、情報提供や支援を行うことなどが上げられています。また、民生委員法第15条において、その職務を遂行するに当たっては、個人の人格を尊重しなければならないと民生委員の心構えが示されております。

京島委員

 民生委員の活動の困難性や負担感が増しているということですが、民生委員活動をする上で、実際にどのようなことが困難なのか、具体的にお伺いします。

地域福祉課長

 まずは、高齢者、障害者、生活困窮者の方たちなどへの支援の制度が毎年のように新設されたり、改正されたりしていますので、その内容を把握し、理解していただくことの難しさがあると思います。今後、新しく介護予防事業への対応など、さらに業務が拡大していくということで、心配されている民生委員の方もいるようです。また、支援が必要な御家庭を訪問した際に、民生委員の役割が知られてなく、御家族の方から何をしに来たのですかと言われてしまうこともあるようです。また、市町村によっては、個人情報に対するハードルが高くなっていますので、住民の個人情報を出したがらない状況があり、活動しづらい場合があるようです。このようなことから、民生委員活動を円滑に行っていくことを支援するために、助言や相談のノウハウを学んでいただく研修を県で開催するとともに、民生委員の役割や活動を知っていただくための広報を県で行いました。厚生労働省からの民生委員への個人情報の提供に関する事例集の資料などを市町村へ情報提供して、民生委員の方々に必要な個人情報が適切に提供されるように御協力くださるよう、市町村の方にも働き掛けております。

京島委員

 一人暮らしの高齢者の見守りを行っている、老人クラブの友愛訪問チームというものがあると聞きました。地域の元気な高齢者が自ら担い手となって、民生委員の負担を軽減する意味でも、大変良い事業と思いますが、内容について確認します。

高齢社会課長

 友愛訪問チームについては、昭和47年に県の老人クラブ連合会が始めた活動です。現在も各地域で展開されていて、この活動では老人クラブの会員の方や、この趣旨に賛同をされた方々がいます。そういった方々が6人程度でチームを組んで、地域の一人暮らしの高齢者の方の御自宅を定期的に訪問し、話し相手になるほか、買い物などの簡単な生活支援や見守りなどを行っております。相互交流の場づくりとして、お茶飲み会やサロンなどの活動に取り組むチームもあり、地域の中で重要な役割を果たされております。県では、友愛訪問チームの活動に対して、県の老人クラブ連合会を通じて支援をしており、平成26年度の実績で、政令市を除いた30市町村、422チームに助成を行っております。超高齢社会が進展する中で、高齢者の方自らが担い手となるこうした活動は、一人暮らしの方にとって大きな支えとなるとともに、活動される方々にとっても生きがいや健康増進につながる大変有意義な活動であると評価しております。

京島委員

 民生委員の負担感という意味では、民生委員は年間どれくらいの活動量なのか、活動の件数など、現状はどのような状況になっているのか、活動内容も含めてお伺いします。

地域福祉課長

 民生委員の方々の活動件数等は、地区の民生委員児童委員協議会ごとにまとめられ、市町村、県を経由して国へ報告されています。平成26年度は、民生委員1人当たりの活動件数は全国と本県を比較しますと、全国が年間145.2件に対して、本県は175.8件となっています。ちなみに、平成25年度は全国が143.1件、本県が170.4件で、全体としても増えておりますし、全国と比べても本県は多くなっています。それから、活動内容ですが、民生委員が民生委員児童委員協議会や社会福祉協議会、その他の関係機関と協働して行う地域福祉活動が一番大きく、全体の4分の1、26%です。そのほか、民生委員の活動そのもののための研修の企画実施や参加、また、行事や会議への参加や協力、必要な情報の提供や福祉サービスの利用支援の相談などが、活動の主な内容となっています。

京島委員

 民生委員の活動の困難性や負担感から、担い手の確保が厳しい市町村もあるとの答弁がありましたが、充足率について伺います。また、県内の政令市、中核市、近隣都県の充足率はどういった状況か、併せて伺います。

地域福祉課長

 政令市、中核市を除く本県の定数は3,992人で、直近の平成28年2月1日現在の班員数は3,931人ですので、充足率としては98.5%となります。政令市、中核市を除く県内の29市町村中の23市町村では98%超えており、多くの市町村では、1名から2名の欠員となっていますが、中には、例えば、新興住宅地やマンションで自治会が存在しない、管理組合が制度そのものに余り必要性を感じていない、あるいは高齢の単身世帯や生活困窮者世帯が非常に多い地区がある一部の市町村では、数名から十数名の欠員が生じている場合があります。県内の政令市、中核市の状況は、それぞれ若干異なりますが、横浜市は97.1%、川崎市は90.1%、相模原市は98.6%、横須賀市は96.2%となっております。それと近隣都県ですが、厚生労働省が公表した手元の数字では、東京都は93.9%、埼玉県は96.5%、千葉県は96.1%となっております。

京島委員

 本年12月に全国一斉改選が控えているということですが、この一斉改選に当たり、今後、どのように進めていくのかお伺いします。

地域福祉課長

 一斉改選については、既に各市町村において、前任者の方々や自治会の方々と相談しながら、推薦候補者を探す作業が進められております。県でも、先月2月12日に市町村地域福祉主管課長会議を開き、平成28年12月の一斉改選に向けたスケジュールについて説明を始めています。今後、市町村に設置された民生委員推薦会において選考された候補者を平成28年8月中旬に県に推薦していただき、県はその候補者が選定要件を満たしているかどうか確認した後、平成28年9月末までに国へ推薦することになります。こうして、市町村と連携しながら、委嘱に向けて取り組んでまいります。なお、今、把握しているところで、11の市町で増員の意向が示されており、定数を改正する必要が生じるかもしれません。その場合、平成28年12月1日が委嘱日ですので、それに間に合うように平成28年9月の議会で条例改正の議案を提出しますので、御審議をお願いすることとなります。

京島委員

 この一斉改選により、どのくらい変わる見込みなのか。また、平成28年12月1日に委嘱される大勢の民生委員に対して、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

地域福祉課長

 一斉改選は3年ごとに行われております。過去の状況ですが、前々回の平成22年の一斉改選では約1,400人、前回の平成25年では約1,300人ですので、今回の一斉改選では約1,500人の方が変わるのではないかと見込んでいます。県では、一斉改選に向けて各種支援制度の解説や活動に役立つような情報を盛り込んだ民生委員活動の手引きを作成して、平成28年12月1日に委嘱される委員の方々に配付する予定ですが、作成に当たり、市町村や民生委員の方々の御意見も聞きながら、使いやすいように作成したいと考えております。また、新たに民生委員となられる方々のために、基本的な知識などを学ぶ新任研修を予定しており、受講者が大勢となることから、この研修については一人でも多くの方が参加できるように、県内5箇所で開催する予定です。

京島委員

 地域の中の身近な相談者である民生委員の方が、先ほど話に出た個人情報保護法などで本来業務がなかなかできないというところは、市町村にしっかり現状を分かっていただいて、民生委員の方たちが活動できるようにしていただきたいと思います。本会議での答弁の中にもこうした広報を続けていくという答弁もありました。実際には、まだまだそういった部分で困っているところにたどり着きません。こういう民生委員の方たちが援助を必要とする人たちを行政につないでいただくことが地域の福祉向上のためになりますので、その辺りをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。併せて、財政の確保というところで答弁がありました。平均になりますが、1人当たり全国が145件に対して、本県は178人を見ていただいているということですから、充足率で言うと90%以上は上回っているにせよ、一人一人が抱える人数が大変多くなってきます。民生委員が高齢化しているというところも含めて、先ほど話にありました地域で元気な高齢者の方を、是非、起用していただいて、担い手不足の解消に努めていただくよう要望します。

 次に、生活困窮者の自立に向けた相談支援について伺います。昨年9月の第3回定例会において、我が会派から、県の生活困窮者支援の取組についてどのような方向で取り組んでいくのか質問し、知事から今年度中に議論を詰めて、市町村をはじめ様々な関係機関、団体の方と連携し、できることから積極的に施策化していきたいと考えているとの答弁を頂いております。そこで、生活困窮者に対する支援について何点かお伺いします。まず、今年度から全国で生活困窮者の自立促進に関する相談支援について実施をしていますが、生活保護制度と新たな生活困窮者支援制度とでは、何が違うのかという声をよく耳にします。改めて、生活保護と生活困窮者の支援の違いについて、簡潔にお伺いします。

生活援護課長

 生活保護制度ですが、現に最低限度の生活を維持できない方が対象となり、利用し得る資産、能力、そのほか、あらゆるものを活用することを要件として、収入が最低生活費の基準に満たない場合に、必要な金銭の給付等が行われる制度です。昨年4月にスタートした生活困窮者の自立支援制度は、生活保護受給者以外の困窮者が対象となり、現に経済的に困窮し、生活保護に至るおそれのある方に対して、自立に向けた支援をする制度です。一部を除いて、金銭の給付をするものではありません。昨年4月にスタートした生活困窮者への支援制度は、第1のセーフティネットである社会保険や労働保険の社会保険制度と最後のセーフティネットと呼ばれる第3のセーフティネットの生活保護制度の間に、第2のセーフティネットとして新たに構築された制度でして、この制度によって、第1のセーフティネットである社会保険から、こぼれ落ちた人を押し上げるトランポリンの役割を担い、第3のセーフティネットである生活保護に陥らないように、また、あるいは保護から脱却した方が再び生活保護に頼らないよう、生活保護に至る前の早期の支援の強化などを柱とした制度です。

京島委員

 この事業を実施して、県下ではどのような実績が得られたのか、お伺いします。

生活援護課長

 平成27年12月までの神奈川県全体での実績ですが、新規の相談件数が1万1,961件と、月平均約1,000件の新たな相談が寄せられております。平成27年12月時点で家庭訪問やハローワークへの同行などの寄り添い支援を行っている相談者の数は、2,967人となっております。また、平成27年12月までに就労された方は1,160人となっております。

京島委員

 次に、昨年9月の定例会で、できることから施策化していきたいとの答弁がありましたが、今年度に取り組んだ新たな施策があれば、どのような取組を行ってきたのか、お伺いします。

生活援護課長

 平成27年7月に行いました対話の広場で、県民の方々、あるいはNPOなどの現場の支援者の方々から、一番必要としている人にその情報が届いていないといった声が寄せられておりました。早速、県内の各自治体に照会して、相談窓口の情報の一覧を県ホームページに掲載しております。また、市町村の相談窓口一覧を法テラスやハローワークといった関係機関に配付しました。そして、平成28年1月には各自治体の相談窓口の相談支援員の会議を開催し、厚生労働省の担当者による国の今後の動向についての講演や、各自治体からの事例発表などを通じて、お互いの経験や情報を共有化する場を設けるとともに、権利擁護と年金の専門的な研修も開催しました。来年度は、こうした取組を定期的に実施して、さらに充実、強化していきたいと考えております。

京島委員

 平成28年度当初予算案に新規事業として、生活困窮者のワンストップ支援に係る予算が計上されております。この取組についてお伺いします。

生活援護課長

 生活困窮者の方がその地域において自立した生活が行えるよう、相談の入り口の段階から、就労して自立し、困窮から脱却して出口に至るまでの切れ目のないワンストップの支援を行うことで、この事業の目的である生活保護に至る前の早期の支援を強化したいと考えております。具体的には、困窮者の方が身近なところで支援策につながるよう、スーパーやコンビニの協力を得て、チラシの配架やポスターの掲示によって情報提供していく予定です。また、窓口に訪問しなくても必要とする情報が得られるよう、各種の支援や制度の仕組みを県ホームページ等を活用して、情報発信していくことも考えております。また、もっと気軽に相談しやすくするため、駅前や商店街などでの出前相談会の実施も考えております。出口支援としては、一般就労が困難な方に対し、中間的就労の場を開拓し、就労の場を確保していくことも考えております。

京島委員

 今、スーパーやコンビニでというお話がありましたが、生活困窮者の方がスーパーやコンビニに行かれるのか、少し疑問を感じます。その辺りいかがでしょうか。

生活援護課長

 様々な生活困窮者の方がいるかと思います。一番お困りの方というのは、いろいろな支払いが滞って、ライフラインが止まってしまって、自分で自炊もできないという方もいて、そうしたときにはでき合いのお惣菜などを買いに行かれる方もいると思いますので、スーパーやコンビニというのが身近なところなのかと考えておりますが、それ以外も御自身が相談につながるという方もいれば、周りの方が気づいて窓口に声を寄せていただくということもあると思いますので、そういった方に知らせることが重要ではないかと考えております。

京島委員

 これまでの答弁の中で、生活保護に至る前の早期の支援が重要であるということは改めて認識しましたが、やはり経済的な自立には就労支援の取組が重要であると考えますが、今後、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

生活援護課長

 委員お話しのとおり、この制度の趣旨は生活保護に至る前の段階で、生活困窮者の自立を支援することですので、就労支援の取組が大変重要であると認識しております。しかし、生活困窮者で社会とのかかわりが薄れ、長期間ひきこもりの生活を送っていた方が、就職して毎日決まった時間に出勤するようになるためには、ある程度の期間、訓練や慣らしをすることが必要かと思います。このため、まずは一般就労に備えた心身の状態になるまでの日常生活の自立を目指し、民間の事業所で週に1回から3回程度の短時間の就労体験から開始して、社会参加の機会を提供する中間的就労の場が必要であると考えております。こうした求職活動を開始することができない、ハローワークでの支援が難しい方に対して、支援員を配置し、中間的就労の場を開拓して、個々の方の特性に応じた就労訓練の機会を設けて、生活困窮者をマッチングさせる支援に取り組んでまいりたいと考えております。

てらさき委員

 先ほど、実績として相談件数と寄り添い支援をした件数と最終的に就労に至った件数を平成27年度までとしてお伺いしたのですが、平成27年度の数字というものはありますでしょうか。

生活援護課長

 平成27年4月から開始されておりますので、今の数字1万1,961件の新規相談というのは、平成27年12月までの実績です。

てらさき委員

 この1万1,961件という相談件数は、受けた相談全部の件数なのか、その中から生活困窮者に関する相談だと認定した件数なのでしょうか。

生活援護課長

 新規相談件数ですので、受けた件数です。

てらさき委員

 1,160件の就労ができたという人については、具体的にどういうサポートをしたことによって就労に結びついたのでしょうか。また、こういう経済状況の中で、なかなか就労できない人も多いと思いますが、どういう場合に就労できないケースに至っているのか、事例みたいなものがあれば教えてください。

生活援護課長

 例えば、リーマンショックのときから話題になりましたとおり、派遣などで働いている方で社宅等セットで有期雇用で働いている方などは、解雇されると住宅と就労先と両方が失われてしまう場合があり、そういった場合には住居確保給付金という制度がありまして、それをお支払いすることによって、安心して就職活動をしていただくということで就労支援につながっております。あるいは、ハローワークとの連携というのは密接に行っており、そういった紹介をさせていただくことによって、就労に結びついていると考えております。結びつかない方というのは、やはりいろいろな条件がその方はあり、一般的には就労先を探してもなかなか見つからないですとか、あるいは御病気があって、優先度としてその治療がまずは就職活動よりも優先されるべきという方については、そちらの解決に向けた動きをしていただくということになっております。

てらさき委員

 今、言うところの出口のところを聞いたのですが、私はいつも入り口のところについて、先ほどNPOの事例をお話されましたが、いろいろ感じているところがあります。困っている方が窓口にどれだけたどり着けているのかということや、生活困窮者の方がいますが、困窮の度合いが強い人ほど窓口にたどり着かないというような傾向を見聞きしている中で、窓口の周知、窓口の強化とあるのですが、窓口というのは具体的にどこに、どうやって存在しているのでしょうか。改めて確認します。

生活援護課長

 窓口の設置の義務というのは福祉事務所設置自治体となっておりますので、各市は市、県は郡部について設置することになっており、現在、県の方は、県の社会福祉協議会に委託をしております。社会福祉協議会は横浜市にありますが、生活困窮者のブランチとして3箇所、厚木市と小田原市と寒川町にあり、ただ、町村部は広うありますので、県の場合はお電話いただいて、アウトリーチと申しますか、訪問することを主体として活動しております。

てらさき委員

 窓口のワンストップ支援の方ですが、ワンストップ窓口の周知や強化というのは、県が設置をしている窓口ということで捉えてよいのでしょうか。

生活援護課長

 こういった窓口の周知については、ある程度広域で行いたいと考えております。

てらさき委員

 それは重要なことだと考えています。今、京島委員からスーパーやコンビニにというのがありましたが、確かにスーパーは少し分かると思いますが、コンビニには値段が高いのでどうなのかというところはありますし、スーパーは逆に大きいのでポスター1枚ではどうなのかというのがあります。チラシに至っては、たまたまその場で貰わなければならないということだと思います。生活困窮者の中で、比較的長く困窮の中にある方とか、段階的に困窮の度合いを深めていって、自分で生活保護に至る前にと思われる方に加えて、先ほど言われたとおり、普通に社会保険に入っていた方が短期間に困窮に陥ることが非常に多くなってきているというように思われます。そういう方が、その時点でこういう窓口にたどり着くには、よほどそこに行けば相談に乗ってくれるということが、その人だけが知っているという状態ではなく、周辺含めて、あそこに行けば相談に乗ってくれると分かるくらいの周知の在り方でなければいけませんし、今、広域というのは政令市を含めて設置しているところはどんどん行ってもらえるということですので大事だと思いますが、そこで一つ思うのは、結構当たり前のようにある、例えば、市役所、公共の施設というところの方がスーパーやコンビニよりもポスターを張ったときに、来所したけど、どこに行けばよいのか分からないという人がいます。市役所のロビーに張ってあれば、生活困窮の窓口に来たがここに行けばよいのだと分かりますし、そういう場所の工夫というのも必要だと思いますが、いかがでしょうか。

生活援護課長

 先ほど申し上げましたとおり、自立相談支援の窓口というものが福祉事務所設置自治体ということで、各市は各市で工夫しており、例えば、回覧板で回していたりとか、いろいろな周知の仕方をしていると聞いております。ただ、役所については、いろいろな方がいますので、そういったところにポスターなどを置くということは有効だと考えております。スーパー、コンビニというところに限定しているものではなく、どんなところに置くことが有効なのかということを考えながら、実際の事業では実施していきたいと考えております。

てらさき委員

 最初に聞けばよかったのですが、ポスターの枚数というのはどれくらい作成予定なのでしょうか。

生活援護課長

 まだ、予算の積算ですので正解ではありませんが、約1,200枚くらいを積算としては考えております。

てらさき委員

 計画の中身を見ていないので分かりませんが、少し少ないのではないか、桁が一つ違うという印象を、今、数字を聞いて思ったのですが、私の地元で政務活動をしていて、知っている方の紹介ではなく、正にいきなり政務活動事務所に生活困窮者の方から電話がかかってくることがよくあります。お話を承った後に、どうして私の事務所に電話してきたのですかと聞くと、町で私の政務活動事務所の電話番号を見て、福祉と書いてあるからここに電話すれば、そういう窓口だと思ったということです。お困りの方というのは、それが議員の事務所なのか、市役所の窓口なのか、ここに電話すれば何とかしてくれるのだろうという素朴な思いで電話をしてくれる方がいます。そこで、改めていろいろな場所を探すということも良いのですが、常にその位置に掲示してあるというのは印象に残りますし、みんなが見ます。例えば、自治会の掲示板を持っているところがたくさんあるのです。そこは、普通に人が通りがかりで見て、何か情報がないかと通る方が多いものですから、常に設けてある掲示板のところに1,200枚では張り切れないと思いますが、少し物量を増やしながら張っていくという作業が大事かと思います。いかがでしょうか。

生活援護課長

 ワンストップ窓口の周知については広域的に取り組むというお話をしましたが、市によってはかなり一生懸命に行っているところもありますので、その辺りの濃淡を見ながら、県としてまずは、町村部というところが実施の責任というところですので、どのような周知を行えば一番効果的かというところを考えながら実施していきたいと思っております。

てらさき委員

 出張相談会についてですが、開催の予定回数と、もし地域の想定があるのであれば、教えてください。

生活援護課長

 先ほども申しましたとおり町村部ということで、福祉事務所は県下に6箇所あります。そこについては、6箇所1回ずつは行っていきたいと考えております。

てらさき委員

 想定より少なかったのですが、それは事前にそこでやるというのを何らかの形でかなり周知してから、そこでやるということでよろしいでしょうか。

生活援護課長

 そのとおりです。

てらさき委員

 それも事前に、駅や商店街の出張相談だと行きにくいという人もいる反面、こちらから出て行くという作業はすごく大事だと私は思っており、その場で相談しなくても、もらったチラシで後から連絡するという人もたくさんいると思いますので、是非、積極的に行っていただきたいと思います。

京島委員

 最後に要望を申し上げます。今、話のありました生活困窮者へのワンストップ支援の充実というのは、入り口から出口まで切れ目のない支援ということになります。相談窓口の周知の徹底を是非とも図っていただくと同時に、ハローワークや福祉事務所など関係機関との連携だけでなく、地域の企業を含めた民間の既存の地域資源と連携して推進していくことが重要であると考えます。今後とも民間と連携を深めながら、生活困窮者の自立に向けた取組を県としてもしっかり取り組んでいただくよう要望して、私の質問を終わります。

日下委員

 私からは、神奈川県動物保護センターのボランティア支援について伺います。神奈川県動物保護センターに収容された犬と猫の殺処分ゼロということについては、この間も様々な方々から何度も質問がありますが、これについてはボランティアとの連携、協力が大きいということで、ずっと議論してきたところです。この動物愛護ボランティア活動費補助887万円について考えたいと思います。今回、この活動費補助が付いたのですが、まず、県がこれまでどのようなボランティア支援を行ってきたのか、伺います。

食品衛生課長

 ボランティアの活動を皆様に知っていただくことが重要であり、新しい飼い主を募集している犬や猫の写真や、譲渡会の日程等を神奈川県動物保護センターのホームページに掲載することで周知を行ってきました。また、ボランティアに対しては、犬や猫の病気、あるいは譲渡契約の知識などの研修会を開催しております。譲渡会を開催する場所として、県庁本庁舎や保健福祉事務所の会議室等の提供をしております。そのほかにも、年1回、神奈川県動物保護センターにおいて会議を開催し、ボランティアと意見交換や情報共有を行い、連携を深めています。

日下委員

 これまでは、直接的な金銭的補助はあったのでしょうか。

食品衛生課長

 ボランティアに直接、金銭的な支援はしておりませんでした。

日下委員

 今回、887万円を計上していますが、少ないと私も感じております。これまでもボランティアとの連携は、非常に協力が不可欠であるという話から、この金額はどうなのかと思います。補助対象者、補助する金額、積算内訳など、具体的な内容を伺います。

食品衛生課長

 一つ目は、飼い主のいない猫の避妊・去勢手術を行う経費の一部を補助するものです。飼い主のいない猫、一般的に野良猫というようなものですが、子供を産んで神奈川県動物保護センターに子猫が持ち込まれるのが非常に多いということで、こういった不幸な命を少しでも少なくしようということで、活動されているボランティアの方がいます。補助対象者は、いわゆる地域猫活動を行う団体です。補助する金額はおおむね1匹4,000円程度を考えており、実費は数万円かかると聞いておりますので、その一部を補助するものになります。予算の積算内訳は、200匹で80万円としております。

 二つ目は、神奈川県動物保護センターに収容された犬や猫の譲渡を推進するため、シャンプーやトリミングをしていただくための費用の一部を補助するものです。補助対象者は、シャンプーやトリミングをしている登録ボランティアであり、現状は交通費や作業着の洗濯代等も負担してもらっている状態です。補助する金額は、1頭当たり2,000円程度を考えており、一般的にトリミングサロン等に行くと8,000円程度の代金であると聞いております。予算の積算内訳は、2,000円の50頭で10万円です。

 三つ目は、新しい飼い主を探していただいている、いわゆる譲渡ボランティアに対して、負担していただいている餌代やワクチン代などの経費の一部を補助するものです。新しい飼い主が見つかるまでに平均して半年くらいかかると聞いており、補助する金額はその間の経費の一部として、上限で1万円程度と考えております。予算の積算内訳は、1万円掛ける797頭で797万円です。以上、三つの合計で887万円となります。

日下委員

 団体、個人の方もいると思うのですが、どのくらいの数のボランティアがいるのでしょうか。

食品衛生課長

 野良猫の避妊・去勢手術をしている団体は公的には全てを把握しておりませんので、今年度、保健福祉事務所を通じて調査したところ、20数団体が活動をしていることが分かりましたが、実態としてはもう少し多いかもしれません。この方々を対象に募集をしたいと考えております。シャンプー、トリミングのボランティアは、現在、9名の方が神奈川県動物保護センターに登録されています。譲渡ボランティアは、現在、37の個人、団体が登録されています。ただし、全部のボランティアが常時、神奈川県動物保護センターから犬や猫を譲渡しているわけではありませんので、実績に応じて補助したいと考えております。

日下委員

 地域猫の避妊・去勢手術への補助については、県内市町村においても補助を実施していると承知しています。市町村の補助との兼ね合いは、どのように考えているのでしょうか。

食品衛生課長

 飼い主のいない猫の避妊・去勢手術への補助を実施している市町村は、県内に13の自治体があります。助成を実施している市町村で活動を行う場合は、市町村の助成を優先していただく形を考えており、それ以外の猫を対象とします。補助金制度を設けていない市町村においては、県の補助や支援してくれる民間の紹介をしたいと思っております。

日下委員

 ボランティアの活動費補助として、ボランティアとして支援してほしいという声はあったのでしょうか。先日の質問でもワクチン接種の支援について話題になりました。ワクチン代も一応入っているという話もありましたが、何かボランティアからの声というのがあれば、教えてください。

食品衛生課長

 飼い主のいない猫に対する避妊・去勢手術については、ボランティアからは手術代の捻出に非常に苦労されていると聞いています。寄付やバザーで資金を集めていますが、資金が足りないのでもう少し手術をしたいがなかなかできないという声を聞いております。譲渡ボランティアについては、新しい飼い主が見つかる前に病気になって想定していない医療費がかかるということに困っているという声を聞いております。

日下委員

 それでは、殺処分ゼロの継続に向けてマイクロチップの推進など様々な取組が必要ですが、今後、どのように進めていくのでしょうか。

食品衛生課長

 マイクロチップは、神奈川県動物保護センターに収容された、あるいは迷子になった犬猫を飼い主の方に戻すことが可能となる優れた方法であると考えております。また、捨て犬や捨て猫の防止にもつながると考えております。したがいまして、平成27年8月から神奈川県動物保護センターから譲渡する犬猫については、原則としてマイクロチップを装着し、普及啓発を図っています。平成28年度も引き続き実施していきます。また、平成28年度から環境省と連携して、マイクロチップの装着、飼い主の適正飼養等の周知徹底を図るためのリーフレットと動画を作成し、ペットショップや動物病院を通じて普及啓発することを考えております。

日下委員

 マイクロチップに大体幾らくらいかかるのでしょうか。また、今まで何頭くらい装着したのでしょうか。

食品衛生課長

 マイクロチップに要する費用は、一般的な動物病院で実施すると5,000円程度かかると言われています。実際には、マイクロチップそのものには1,600円程度で、マイクロチップの番号を管理している団体への登録料が1,000円かかりますので、実費としては2,600円程度かかります。平成27年8月から12月までのマイクロチップ装着の実績については、神奈川県動物保護センターでは犬77頭、猫31匹にマイクロチップを装着しております。

日下委員

 新しい神奈川県動物保護センターを建設されるに当たって、ボランティアが活動しやすい施設にするため、具体的にどのような計画になっているのか伺います。

食品衛生課長

 神奈川県動物保護センターあり方検討会で正に議論していただいているところですが、室内での譲渡会や動物愛護普及活動が開催できるホール、ボランティア団体がミーティングなどを開催することができる研修室、シャンプー、トリミング室、ボランティアと飼い主希望者が話のできる相談室、ボランティアの方々の着替えができる控室、ボランティアが屋外で犬の運動やしつけができるドッグランなどの設置を考えております。

日下委員

 神奈川県動物保護センターは少し不便な場所にあって、交通の便も悪いというところにあるので、そこにホールがあっても行きにくいと感じています。そこに新しい神奈川県動物保護センターが建つということで仕方がないのですが、殺処分ゼロの継続にはボランティアの支援が必要だということで、今後もこのようなこと、あるいはもう少し支援を拡大する等、今後の取組について伺いたいと思います。

食品衛生課長

 ボランティアの皆様にとってこれが十分であるかどうかは、これからしっかりと御意見を伺いたいと思います。そして、ボランティアのニーズ、行政とボランティアの目的を同じにして、同じ方向に進むためにはどのようなことを行っていったらよいのか、官民の役割分担等をボランティア、あるいは県民の皆様と意見交換をしながら、考えていきたいと思っております。

日下委員

 要望を申し上げます。前回から何度も神奈川県動物保護センターのボランティアについては、質問させていただきました。一番大きいボランティア団体のKDPに視察に行ったときにも、何百頭も犬がいる中で手弁当ではないですが、非常に苦労されていました。そのようなところで、やはりボランティアとの連携を一層深めて、殺処分ゼロの継続に向けて取り組んでいただきたいということを要望しておきます。

 次に、障害者差別解消法についてです。各委員からも質問がありましたが、私からも質問させていただきます。今回、平成28年4月に障害者差別解消法が施行されるということで、全ての国民が障害の有無にかかわらず、分け隔てられることなく共生する社会の実現を目指そうということで、非常にすばらしいと思っています。しかし、最近の新聞報道を見ると、事業者への周知や一般市民の方々でもなかなか理解が進んでいない現状がありますので、是非、県でも障害者差別解消法について理解し、県民に広めていただきたいと思っています。まず、提出議案説明資料の障害者差別解消法関連事業費364万円について、先ほども質問があって大体分かったのですが、いま一度、どのような事業を行っていくのか伺いたいと思います。

障害福祉課長

 先ほど御答弁を差し上げました地域協議会の設置ということで、それを運営する費用、県が障害者差別についての関心や理解を深めるための啓発を行うこととなっておりますので、その啓発にかかる費用、この法の趣旨、あるいは施行について周知するためのポスター等の作成、配布、フォーラムの経費です。その内訳ですが、地域協議会の運営費としては103万円程度、事例集の作成費とその事例収集する調査費として、併せて177万円程度、ポスターの印刷費などの広報費として約39万円、フォーラム開催費として44万円の以上が内訳です。

日下委員

 先ほどの神奈川県動物保護センターではないのですが、364万円という予算は非常に小さいし、今伺った中でも、非常に重要な法律ができて周知やいろいろなパンフレット、事例集などもつくっていかなければいけないのに、非常に少ないと単純に思うわけです。今、103万円とおっしゃった障害者差別解消支援地域協議会について、先ほども聞きましたのであえて聞きませんが、メンバーが20人とプラス10人ということで、大勢の方が地域協議会のメンバーになると聞きました。この地域協議会の目的、あるいは目標は、いまひとつ分からなかったので、どういうことを目指して、何かをつくっていくところなのか、もう一度伺いたいと思います。

障害福祉課長

 先ほど、この設置目的について若干説明しましたが、障害者差別解消を効果的に推進するためには、障害者にとって、身近な地域において主体的な取組がなされることが重要だと考えております。地域において、障害者が相談等を行う場合、どの機関がどのような権限を有しているのか分からない場合があり、また、相談を受ける機関でも相談内容によっては、その機関だけでは対応できない可能性もあります。そこで、これは障害者差別解消法第17条においてもありますが、行政機関は地域における障害者差別に関する相談等について情報を共有し、障害者差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うネットワークとして、障害者差別解消支援地域協議会を組織できることとされております。協議内容ですが、県に寄せられた具体的な相談事例の検討、あるいは他の関係機関や地域協議会を設置していない市町村の相談事例の検討、県民の方への周知方法や市町村の取組への支援、県の職員対応要領等への意見の聴取などを考えております。

日下委員

 先ほどもありました職員対応要領ですが、職員対応要領と合理的配慮などの指針とありますが、要領と指針の違いについて説明していただきたいと思います。

障害福祉課長

 対応要領は、例えば、県ですと県の職員の服務規律の一環として策定されるものです。ですから、県の内規、市町村であれば市町村の内規となります。一方、対応指針は各所管大臣がその事務・事業の権限を有しておりますので、それごとの事業者に対して、不当な取扱いの禁止、合理的配慮の提供に努めることを知らしめるもの、民間事業者等に向けたものです。

日下委員

 要領は内規というもので県内市町村の職員が守るものである、指針は民間事業者は努めるものとされているものである、県の要領が参考資料5としてありますのでこれを見ましたが、厚生労働省などの国の対応要領と全く同じで、それにしたがってつくったということですが、これは余りにも厚生労働省の対応要領をそのまま要領に使っていると思います。何か神奈川県におけるということ、独自性などはなかったのか伺います。

障害福祉課長

 基本的な部分は内閣府の対応要領、これは国全体の国家公務員、県の職員、市町村の職員が守るべき服務規律の一環として定めるべきものですので、基本的な部分は変わることはないと思いますが、県の対応要領について各障害者団体等に意見をお聞きして、細かいところはその意見を取り入れて修正しています。例えば、障害者の定義が内閣府の場合は、身体障害、精神障害、知的障害、その他という書き方ですが、県の方では、そこに難病を取り入れたり、高次脳機能障害を取り入れたりという記載にしています。また、職員対応要領の別紙については、今後、事例が積み重なりますので、いつでも変更できるような記載にしています。

日下委員

 今度は、市町村で同じように市の職員や町の職員に徹底すべく、県としてはどのように働き掛け、周知させているのか伺います。

障害福祉課長

 障害者差別解消法では、この対応要領を地方公共団体の努力義務としていますが、県は策定をします。県としては、県全体で障害者差別解消を進めるためには、市町村においても職員対応要領が策定されることが望ましいと考えております。このため、これまでも市町村の差別解消法に関する取組内容を照会して、その結果に送り返しています。また、市町村の先行事例を紹介することや、県で平成27年8月に行ったアンケートの内容も市町村に提供しています。先月12日に開催しました市町村障害福祉主管課長会議において、県の職員対応要領の案を説明し、改めて職員対応要領の策定についてお願いしたところです。現時点で、市町村に照会をかけており、全ての回答が返ってきておりませんが、職員対応要領を策定した、または策定する予定、策定する方向で検討しているなど、全市町村がそのような状況です。

日下委員

 これは、また後で詳しく聞きたいと思います。先日の神奈川新聞の障害者差別解消法の記事の中で、対応要領について内閣府がつくり、県、市町村も同じようにつくるとしても、藤沢市が職員向けに障害者が来られたときにどう対応するかという藤沢市職員サポートブックを作っており、非常に進んでいるということでした。このように、既につくったところ、あるいは取り組んでいるところとして県内では、平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町が挙げられていたが、私が住んでいる茅ヶ崎市は全くできていないのです。そのように先行して要領を作成したり、サポートブックを作成したり、職員に周知しているところもあります。対応が進んでいる市町村と、また遅れている市町村があるが、障害者差別解消法ができたのだから、県として均一にしなくてはならないと思っています。障害福祉課長がおっしゃったように、フィードバックをするようなことを今後もしていただき、もれなく同じように要領だけでなく、県もサポートブック、もう少し具体的なものを作成したら、是非、各市町村も作成するように働き掛けていただきたいと思うのですが、それについてはどうでしょうか。

障害福祉課長

 私が承知している中では、藤沢市がサポートブックを作成し、また、開成町が対応要領の中に別紙としてサポートブック的なものを添付しています。県としては、職員一人一人が障害を理解し、当たり前のことですが、障害者に対して適切な対応をすることが必要です。そのため、まだ仮称ですが、職員向けのサポートブックを県として作成します。現在、全庁ポータルの中に職員が見ることができるポータルですが、障害者差別解消法に関する取組というページを作っています。その中にも掲載して、県の職員に向けては周知、啓発したいと考えております。この県のサポートブックは、藤沢市が作成したものと全てが同じ内容ではありませんが、障害の種別ごとの主な特徴、コミュニケーションの留意点、また実際に障害者に対応する際の具体的な配慮などを記載しております。市町村に対しては、今月中に市町村の研修担当者の職員に対して研修を行うことを予定しております。

日下委員

 非常に力強い取組の方向性を伺えて良かったと思います。もう一つ、この法律ができたが、条例はどうかということについて、他県、市では条例を策定しているところもあり、進んでいる千葉県では、障害者の方々への差別を行わないという条例ができている。新聞によると、茨城県、千葉県、愛知県など10を超える県、市で障害者差別解消を目指す条例が制定されている。神奈川県でも、是非、そのような条例を目指していただきたいと思うのですが、そのお考えはありますでしょうか。

障害福祉課長

 現在、これまでの答弁の中でもありましたとおり、この障害者差別解消法に基づく準備作業を進めているところです。県としては、まず、障害者差別解消法の規定に基づく取組を積極的に推進することにより、障害の有無による差別のない社会づくりに努めていきたいと考えております。現時点では、障害者差別解消に関する条例を策定することは考えておりません。

日下委員

 是非、今後、目指していっていただきたいと思います。予算は非常に小さいのですが、今おっしゃったことを是非とも進めて、今後は条例を目指していただきたいと思っております。また、別の機会に提案したいと思います。

 最後に、先ほど言われている新聞の記事では、社会で障害者差別解消法の周知が進んでおらず、日本ではなかなか難しいとありました。まだ、十分に知られていないので、もっと啓発していく必要がある。障害者差別解消法や障害者の方への対応など、県民や民間事業者に啓発する必要があると思います。東京オリンピックやパラリンピックもあるので、県民の皆様、民間事業者を含めて、今後の啓発をどのように行うのか伺います。

障害福祉課長

 障害の有無にかかわらず、住み慣れた地域で安心して暮らすことができる社会を実現するためには、やはり、県民一人一人が障害や障害者に対する理解を深めることが重要だと考えております。このため、これまで県では、障害の種類や程度により、一人一人異なる障害者への接し方をホームページに掲載し、また、昨年12月の障害者週間においては、かながわ障害者フェスティバルを新たに開催するなど、県民に向けた普及啓発に努めてまいりました。また、接客対応が多いコンビニエンスストアや交通機関などの企業を対象に、障害者当事者等の講師を派遣する障害者理解出前講座を実施しており、これまでに3,000人以上の社員の方に受講していただいております。これらの事業は、引き続き実施してまいります。今後については、平成28年4月の障害者差別解消法の施行を受けて、364万円の事業の説明をさせていただきましたが、そのような事業を進めていき、県民への普及に努めてまいります。また、新たに設置する地域協議会には、県内の広範な関係機関が参加することから、この地域協議会の場において、県が作成する障害者差別に関する事例集を活用しながら、民間事業者における障害の理解促進に努めていきたいと考えております。

日下委員

 最後に要望を申し上げますが、サポートブック的なものを平成28年3月の年度内に作るということを伺いましたので、この障害者差別解消法については、不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供が非常に大きくうたわれている法律ができたということで、今後もますますこの対応、障害者差別解消に向けて、県も積極的に市町村とも連携して取り組んでいただきたいと思います。以上で私の質問を終わります。

亀井委員

 まず、神奈川県動物保護センター建設基金についてお尋ねします。今年度の目標額と、収支について教えてください。

食品衛生課長

 現在の寄付金額は、総額で3,611万9,559円です。目標額は今年度1億円ですので、現時点では目標額には達しておりません。

亀井委員

 来年度の目標額と支出に関してはどのくらいでしょうか。

食品衛生課長

 建設基金の周知だけでなく、動物愛護の普及啓発も含めた事業として、371万円ほどの支出があります。そのほかに、県のたよりの特集号について1,234万円ほどの支出があります。来年度の目標額は、3億円です。

亀井委員

 前倒しで寄付が集まると想定して、10箇月で換算すると月に3,000万円となり、1日で100万円程度の寄付を集めなければならない。1日という単位で換算するのは少々難があるかもしれないが、そのくらいのボリュームがある寄付ということです。他会派の委員からも確認があったが、法定必置の施設であるのになぜ、寄付で建設するのでしょうか。

食品衛生課長

 新しい神奈川県動物保護センターは、確かに法定必置ではありますが、狂犬病予防法に基づく犬の殺処分だけでなく、動物愛護の取組をより一層進めるため、処分する施設から生かすための施設へ転換するということをコンセプトとしております。こうした動物愛護の輪が、神奈川県から全国に広がっていくということが大切です。こうした取組を広く理解していただき、みんなで力を合わせて神奈川県動物保護センターをつくり上げるという趣旨から、寄付を募ることは望ましいと考えております。

亀井委員

 私もコンセプトは承知しています。先ほどお話したとおり、1日当たり100万円の寄付を集めなければならないのですが、今のコンセプトを踏襲した上で、これからもとりあえず寄付で建設するということでよろしいのでしょうか。

食品衛生課長

 目標額に達するよう、頑張ってまいります。

亀井委員

 頑張るとの決意表明がありましたが、この場は質疑を行うとともに、その裏付けも確認しなければならない場です。今後の取組はどのように行うのでしょうか。

食品衛生課長

 これまでの取組として、県のたよりやホームページ、リーフレットなどの広報媒体、FMヨコハマ、かなフルTVなどの媒体、フェイスブックで周知してまいりました。また、動物愛護のPR動画を作成し、本県の取組や新しい神奈川県動物保護センターのコンセプトについて広くお知らせしております。現在、総額3,604余万円ですが、平均すると1件当たり2万円ほどの寄付を頂いている計算になり、ほとんどが個人の方から頂いたものです。毎週100万円ほどの寄付を頂いている状況ですので、個人の方については、今後も継続されるよう普及啓発を行い、底上げを図っていきたいと考えております。一方、目標額を達成するためには個人の方だけでは難しいという現状、法人や団体の方からの寄付が効果的だと考えられることから、現在、法人や団体の方に対して協力のお願いを行っているところです。

亀井委員

 1週間で100万円ほどの寄付が集まっているとのことで、結構集まっていると思うのですが、先ほど申し上げたとおり、来年度の目標は1日当たり100万円です。1週間で行うところを1日でやらなければならない額です。個人の寄付を継続しながら、大口の企業や団体に足を伸ばしていかなければならないという話になります。そうすると、今の段階からどういう企業や団体を回るのか、資本金が幾らくらいのところをターゲットにしているのか、しかっりリストアップして準備しているのかというところが非常に心配であります。どこどこ株式会社というような個別的なことについてまで伺おうというものではないが、どのくらいの数の企業を念頭に置いて行動を開始しようとされているのでしょうか。

食品衛生課長

 事業所の所在地や本社が、神奈川県、東京都であるところが中心になってくると思います。また、未病産業研究会など、保健福祉局の事業に関連がある企業なども対象になります。また、過去に県等への寄付に御協力を頂いた企業などにも周知を図ってまいります。併せて、ペットに関連するペットフード会社やペット保険会社など、動物に関係の深い企業や、また、庁内の他部局から紹介された企業や団体等にもアプローチを始めています。具体的には、企業規模は様々ですが、大手ですと金融関係や保険関係、製造業などで、神奈川県に関係がある企業に呼び掛けをしたいと考えております。

亀井委員

 過去の実績を踏まえてペットフード関連とか、保健福祉関係とか、いろいろな業種に行くみたいですが、実際に行った実績はあるのでしょうか。

食品衛生課長

 既に県の職員が直接お伺いしている企業もあれば、パンフレット等を見て企業の方から話を聞かせてほしいという連絡もあり、今のところ直接足を運んだ企業が10社ほどあります。これからもっと数を増やして、まめに足を運んでいきたいと考えております。

亀井委員

 業種はいろいろと説明していただきましたが、規模の方が大事だと思います。体力がなければ寄付どころではない。その辺りをしっかり勘案していかなければならないと思うのです。また、他部局と連携するということですが、例えば、インベストで神奈川県に誘致して来た企業に寄付をお願いしますとは言いづらいとは思いますが、そういうところはどうなのでしょうか。他部局と連携ということでインベストが絡んでくれば、産業労働局との連携もあると思いますが、その辺りはどう考えているのでしょうか。

食品衛生課長

 企業の規模については、優先順位としては大企業で県にゆかりのある企業、過去に実績のある企業に、実際、優先的に足を運ばせていただいております。インベストについては、平成16年度に創設され、平成22年度からはインベスト神奈川2ndステップということで新しい産業集積支援事業が始まっていると聞いております。こうした企業にも順次、本県の動物愛護の取組に対して周知を図って、御理解いただきたいと思っております。この制度については、委員御指摘のとおり産業労働局が所管しておりますので、寄付や周知の協力については所管部局と調整を図りながら、依頼していきたいと考えております。

亀井委員

 インベストだけではなく、いろいろな企業に接触するとなるとこれは産業労働局であると思いますが、インベストに関係なく、知事が言うように他部局と連携ということであれば、産業労働局以外にも連携しなければならないところもあると思うのですが、他にアクションを起こしているところはあるのでしょうか。

食品衛生課長

 基本的には全ての部局にお願いをして、直接、企業を紹介していただくケースもありますが、企業の団体や協議会を紹介していただくケースもあり、それを足がかりに企業を回っていきたいと考えております。

亀井委員

 神奈川県の企業だけでなく、全国の企業でCSRに力を入れて企業ブランドを高めている企業が幾つもありますが、CSR予算額がどのくらいか御存じでしょうか。

食品衛生課長

 県内企業でCSRの予算がどのくらいかは承知しておりませんが、日本経済団体連合会が社会貢献活動実績調査を行い毎年分析していると聞いております。この資料によりますと、平成26年度は1,352社を対象として調査を行った結果、社会貢献活動に対する支出合計額は1,661億円であり、1社当たりの平均支出額は、東日本大震災関連支出を除くと4億6,500万円と報告されています。この統計を見て、大企業ではかなり社会貢献にお金を使っていることを改めて認識しました。こうしたCSR活動を積極的に行っている企業に対しても、働き掛けていきたいと考えております。

亀井委員

 CSRに力を入れている企業は、リストアップしているのでしょうか。

食品衛生課長

 ホームページ等でも確認できますし、お話の中でも伺いながら把握しています。

亀井委員

 来年度の3億円は、1日100万円のレベルであり、こういう形で集めるとこのくらい集まるといった金額的なことがないので比較するのは難しいが、少し心配です。本当に寄付で行うのであればスキームをしっかり持たないと、いつまでたっても集まらないのではないかという危惧があるのです。CSRのところもあるし、先日のしきだ委員が言われた方法もあるし、そういうことを参考にしながら寄付で行うのであれば、寄付で集まるのだという感触を県民に抱かせていただきたいと思うのです。それを踏まえた上で、頑張ります、努力しますというなら分かるのですが、そういうことがないのに頑張ります、努力しますでは、ただの決意表明で終わってしまいます。是非、スキームをしっかりして、こういうリストがあって、こう回って、こう話をすればしっかりと寄付が集まるスキームになっているという取組をお願いしたいと思います。食品衛生課長から寄付で行うという力強い発言があったので、それをやり遂げるのであれば、その裏付けが必要です。そこをしっかりして、是非、来年度は3億円を集めていただきたいです。

 次は、神奈川県水道ビジョンについて何点かお聞きします。水道ビジョンに関しては、神奈川県としてこれからどうするかという将来性、将来設計の話と、また、広域化の話も含まれてくると思うので、その点を中心に何点かお聞きしたいと思います。水道の供給を担うと言われている企業庁、土地水資源対策課に知事の肝いりでできた水政室、保健福祉局の環境衛生課の三つの部署が水道の将来性設計というか、広域化に関わる部署と思うのですが、それらはどのように連携してきているのでしょうか。

環境衛生課長

 水道ビジョンの策定に向けては、学識者、水道事業者、公募県民で構成する神奈川県水道ビジョン検討会を設けて、検討を進めてまいりました。企業庁は、県内の12市6町に給水している広域水道事業者であり、また、箱根地区では民間活力を導入した水道事業を実施するなど、事業運営に関する様々なノウハウを有しています。そこで、企業庁には水道ビジョン検討会に構成員として参加してもらい、水道ビジョンの策定に直接的にかかわってもらっています。また、水政室には水道ビジョン検討会にオブザーバーとして参加してもらい、水道事業者の考え方などについて情報共有を図り、特に広域化については密接に意見交換を行ってまいりました。

亀井委員

 オブザーバーに入っているところは、どこでしょうか。

環境衛生課長

 水政室です。企業庁は検討会の構成員になっています。

亀井委員

 水政室ができたのだから、水政室はオブザーバーではなくて構成員にすればよい。その方が意見をしっかりと聴取できるのではないかと思います。

環境衛生課長

 水道ビジョン検討会自体は平成26年度に設置したもので、水政室は平成27年度にできたということもあります。また、同じ知事部局ということで、事務局は環境衛生課が担い、水政室にはオブザーバーとして情報共有は図っておりますが、常に日頃から別途情報交換をしておりますので、水道ビジョン検討会のメンバーとして意見を言うというよりも、同じ知事部局の部署として、通常のやりとりの中で意思の疎通は図ってまいったところです。

亀井委員

 水政室は後からできたので、いきなりそこで構成員になるのは難しいということでしょうか。

環境衛生課長

 当初のメンバーに入っていなかったということもあります。

亀井委員

 今後、三つの部署がしっかりと連携していかないと、将来設計の話も広域化の話もできないと思いますが、今後、どのように連携していくのでしょうか。

環境衛生課長

 企業庁は、先ほど申しましたとおり、様々な水道事業運営に関するノウハウを持っておりますので、水道事業の効率化に向けた取組を進めること、例えば、民間活力の導入による経費の削減ですとか、事業者間連携による共同での施設整備というようなことも既に実施しており、ノウハウも持っております。そういう面で一緒に取組を進めるということですとか、また、水政室では広域化に関する取組として、水道事業者が参画した広域化の実現方策についての検討の場を設けることとしておりますので、そういった広域化の取組と連携して、3者が密接な連携の下で、持続可能な水道の実現を目指してまいりたいと考えております。

亀井委員

 今の答弁を前提にするわけではないのですが、許認可を持っているのはこの三つの部署のうちどこでしょうか。

環境衛生課長

 私たち環境衛生課です。

亀井委員

 国からの補助金等が入ると思うが、この受皿となる窓口はどこでしょうか。

環境衛生課長

 その窓口も環境衛生課です。

亀井委員

 そうすると、環境衛生課が許認可も持って、お金も持っているわけですが、そうなるとこの三つの部署があって、やはり環境衛生課がしっかりしたイニシアチブをとらなければいけないと思うのです。なぜかというと、許認可もあれば、お金もある。そうすると情報も入ってくるでしょうし、いろいろな企業とのやりとりがあって、水政室が広域化に向けて行っているとはいえ、どちらかというと情報は環境衛生課の方が持っているのではないかと思うのです。一般の企業は行政に対しての対応というのは、やはり許認可とかお金を持っている方にどうしても比重は置かれるのではないかと私は思うのです。そうすると、この3者が集まったときに、これからの将来像のこと、また広域化のことを考えると環境衛生課が正にイニシアチブをとらなければならないと思いますが、どのような形で今後は取り組んでいくのでしょうか。

環境衛生課長

 先ほど許認可は環境衛生課と申しましたが、正確に申しますと給水人口が5万人で分かれており、5万人から上が厚生労働省の所管で、5万人から下が県知事の所管となっております。また、補助金につきましても、今年度までについては補助金は県を一応通しますので、県が窓口になってはいますが、お金自体は直接国から水道事業者に行くという形になっており、県費に一旦入って県費として出すという形ではないというのがあります。水道事業者に関し、許認可の中で情報はもちろん入ってきますが、基本的には私どもで把握している情報は、衛生面、水質管理がきちんとできているかどうかというところの情報がほとんどでして、詳しい経営の内容は、なかなか通常の業務の中では把握できないところがあります。それで、新たにできた水政室は、広域化については主に担っていくという設定の下で設置された課ですので、広域化という意味においては水政室が中心になって、我々も連携を当然図りながら進めていきたいと考えております。

亀井委員

 水道事業の経営の中で、単年度赤字になっているような市町村があれば教えていただけますでしょうか。

環境衛生課長

 平成25年度ですが、三浦市、南足柄市、開成町の3市町が単年度赤字です。

亀井委員

 三浦市は人口5万人未満ですから、正に県のイニシアチブの場所です。場所というか、イニシアチブをとれる三浦市水道があると思います。そのようなところから、何か県に依頼がきていますでしょうか。

環境衛生課長

 まず、先ほど人口と申しましたが、正確に申しますと給水計画人口ということで、三浦市はその計画人口という意味では5万人を超えていますので、現時点でも大臣認可の事業者です。三浦市から何かお話があったかということですが、以前、かなり前から三浦市は県営水道への統合を希望しており、企業庁と結構時間をかけてやりとりをしてきております。私どもにもその仲立ちをしてほしいというお話はいただいております。

亀井委員

 計画給水人口というのが分からなかったが、三浦市は単年度赤字です。それに対して県はどのような取組ができるのでしょうか。

環境衛生課長

 経営状況が赤字になった場合でも、そもそも私どもは三浦市に関して認可庁ではないわけですが、赤字になったところであっても、経営改善をしなさいというような指導ということは、基本的にはやる立場にはないと認識しております。独立経営の原則というのが水道事業にはあり、各水道事業者、要するに市町村が自らの責任において経営していくというのが基本でありますので、仮に認可権を持っていても、県が経営改善にこうしなさい、ああしなさいということ言える立場ではないということです。

保健福祉局長

 保健福祉局は、先ほど環境衛生課長から答弁したように、主に安全といった部分での権限が強いのです。公営企業の経営については、市町村課が公営企業の経営指導というところでいて、国から示された要件に見合った経営ができているかとか、人員の問題、行政改革の問題ですとか、そういった観点から公営企業を指導するという観点で、市町村課の方で指導しております。

亀井委員

 直接的に県がどうこうするという話ではないと思うのですが、県の方にも、県営水道の方にとか、いろいろ何とかしてくれないかという話が多分あるのかと思って、少しそれをお聞きしようと思ったのです。それで、パブリック・コメントの意見とかぶるのかもしれないのですが、使用水量が増加するほど単価の上がる逓増型の料金体系は、大口の需要者には負担の大きい料金体系と考えられていて、大きな企業は、そういうところでお金を払うのを嫌がって、地下水か何かを利用するということがあるみたいですが、そのために多くの方々が水道から離れていく。逓増型の料金体系を見直すことによって、水道水の利用が促進されるのではないかという御意見もパブリック・コメントの中にはあったのではないかと思うのですが、料金体系の見直しについてはどのように考えているのでしょうか。

環境衛生課長

 水道事業は、水道施設整備にばく大な費用がかかるという特徴があります。施設整備費用などの固定的な経費を基本料金で回収しようとすると、基本料金が非常に高額となるということがありますので、多くの水道事業者は基本料金は低く抑えて、使用水量に連動させる従量制の料金、従量料金の割合を高くしているというのが現状です。水道ビジョンでは、今後、人口減少が進み、給水収益の減少が見込まれる中では、従量料金の比率が高い現状の料金体系では固定的な経費を回収できなくなるおそれがあり、経営の安定のためには従量料金の比率を低下させることが望ましいという方向性を示しています。今、お話のあった逓増型の料金ですが、従量料金については現状では、使用水量が増加するほど単価が上がるという逓増型の料金体系となっており、お話のとおり大口顧客にとっては、いわば不利な料金体系となっております。こういう料金体系は、かつてのように水需要の増加が急で、それに見合って供給量を増やすことが困難であった時代には、大口需要者の使用水量を抑えるという効果があったと考えられますが、水道ビジョンでは、今後、給水量の減少が見込まれる中では最も基本的なライフラインである水道の料金を低廉なものに抑えるという必要性に加え、水道事業者の経営の安定性ですとか、受益者負担における公平性といった視点も含めて、バランスの取れた料金体系を検討する必要があるという方向性を示しております。

亀井委員

 要するに、逓増型の料金で水道をたくさん使うところが、うわさかもしれないが水道料金が高いということで移転してしまうという話もよく聞くのです。そうすると、我々一般の庶民のユーザーたちの水道料金は置いておいたとして、大口で使う大企業の水道料金をもっと下げる。しかし、下げ過ぎてしまうと今度は県の方が傷んでしまうとか、供給する方が大変になってしまうので、その損益分岐点みたいのを設けているのでしょうか。それとも、これから損益分岐点みたいなものを設けて、少しでも水道料金を減らして、地下水を使っている大企業の方に我々の水を使ってもらうというような形の試みというのは、考えていますでしょうか。

環境衛生課長

 水道ビジョンでは先ほど申しましたような逓増型の料金の見直しという方向性はお示ししてはおりますが、具体的に料金体系をどのように変えるかというのは、各水道事業者の判断ということになります。今、お話のありました大口の顧客にとっての水道料金負担を減らして、地下水から水道に転換を図る、促進するということについては、細かくなって恐縮ですが、工業用水として水道水を供給しているのは、神奈川県内では横浜市と川崎市のみです。企業庁を含めたほかの水道事業者は、飲料水として上水道のみを提供しており、工業用水は提供しておりません。上水道については当然飲めるように細かい51個の検査項目を全部クリアしているということが条件になっておりますが、工業用水についてはそういう基準がありませんので、当然、浄水のレベルにも違いもありますので、費用が全然違います。例えば、横浜市の例で言いますと、これは使用量によっても違うのですが、目安として横浜市の場合は1立方メートル当たり上水道ですと43円なのに対し、工業用水ですと4円という10倍の差がある状況です。したがって、上水道の料金を下げることによって、地下水から上水道への転換を促すというのは、現実にはかなり難しいのではないかと考えられます。

亀井委員

 損益分岐点に近づけることによって、それでも地下水の方が安いのですから、無理だということかもしれないが、そこでアクションを起こせるのではないでしょうか。そこで企業に話す余地ができるわけなので、そうすることによって神奈川県の水道はもっと安定してくるのではないかと思って、提案というか、要望しておきます。ですから、少し考えながらこれから将来にわたって、まだ、神奈川県は全国的にも恵まれた場所、環境にあるのだけれども、これからの将来的なことを考えると、今みたいな考え方も必要ではないかと思って要望しておきます。

 最後に、これからの将来設計に伴う人材育成についてですが、耐震化もしていかなければならない、老朽化対策もしていかなければならない水道がこれから増えてきて、新聞報道によると、給水量の20%くらいが漏水している状況もあるらしく、それを直すには職人の方々が必要です。やはり技術の継承というか、神奈川県は別に他の市町村水道は関係ないというかもしれないが、小さいところは少人数で行っているから、それらを継承していくことが結構難しいのではないかと思うのですが、県として将来的にどのように考えているのでしょうか。

環境衛生課長

 神奈川県には、特に県西部に小さな規模の水道事業者がたくさんあります。10人以下の人数で運営をしているのが大半ですので、人材の確保と技術の継承というのは大きな課題と認識しております。水道ビジョンにおいては、職員数の確保について、職員数や人事サイクルにも配慮した長期的な視点に立った人材の確保、育成を図る必要があるとしております。また、限られた職員数であっても、施設点検ですとか、メーターの検針業務などの各水道事業者に共通する業務について、共同で委託するというような方法もありますので、そういうことをすることによって業務を絞り込んで、職員の守備範囲を限定することによって、技術の水準を維持するということですとか、経営の効率化を図るということが期待できると考えられます。そこで水道ビジョンでは、管理業務の共同委託等の検討を進め、導入可能なところから行うという方向性を示しております。

亀井委員

 これからやはり少子高齢化がどんどん進んでいくと、今、おっしゃっている県西部の方は非常に中小零細な事業者が多かったりするので、その点は人材育成、技術の継承は、それこそ広域化というか、民間活力も利用しなくてはいけないでしょうから、そこのところはしっかり県がイニシアチブをとって、継続的に安全、安心な水が提供できるように要望して質問を終わります。

藤井(克)委員

 最初に、報告事項の県立平塚看護専門学校条例等の見直しの内容について伺いたいと思います。見直しの内容として二つ示されております。県立平塚看護専門学校の4年制導入ですが、ここで改めて4年制導入の目的、狙いは何かということを確認の意味で伺います。

保健人材課長

 県立平塚看護専門学校の4年制導入の狙いですが、現在、医療技術の高度化、あるいは在宅医療の拡充といった時代の変化に対応できる、より実践能力の高い看護師の養成が求められているところです。また、現在の看護師養成校として行わなければならない教育課程が、3年間で行うには非常に過密になっております。また、実践と教育とのギャップから、就職してから離職する看護師も多いこともあります。そういった実践能力が求められるという時代の要請に対応するために、今回、3年制を新たな教育課程の4年制として導入するとしたところです。

藤井(克)委員

 平成24年12月に出された神奈川県における看護教育のあり方最終報告というところに、この年限のことについて書いてあったのです。働きながら看護師資格を取得する手段の確保及び取得支援というタイトルで、その中に、3年間の看護師養成課程ではカリキュラムが過密になっており、働きながら学ぶことは困難である。一方、横浜市医師会保土谷看護専門学校は、働きながら学ぶことができるよう、4年間かけて学ぶカリキュラムとなっている。経済的事情があっても看護師を志望できるよう、3年課程を4年で履修できる働きながら学びやすい課程の設置を検討する必要があると書かれております。今の説明にはなかったのですが、この働きながら学ぶことができるようにと、あるいは経済的な事情があっても看護師を志望できるようにという趣旨も含まれていると私は考えるのですが、いかがでしょうか。

保健人材課長

 今、委員に御紹介いただいた学校は、その学校なりの考え方で4年制としていると思います。今回の県立平塚看護専門学校の4年制というのは、働きながらという点では学ぶのは難しいと思いますが、働きながら学びたいという方には、そういった学校に対する支援、学生に対しての修学資金の貸付けといった面で、県としては支援を行っているところです。

藤井(克)委員

 今、働きながら学ぶのは難しいとおっしゃったのはどういう意味でしょうか。

保健人材課長

 県立平塚看護専門学校は、昼間通う通学制の学校ですので、夜間にアルバイトで働くことも可能なことは可能ですが、学業との両立をしていかなければいけませんので、学ぶのは難しく、基本的に全日制学校という意味で申し上げました。

藤井(克)委員

 少し分からないのですが、県立平塚看護専門学校と横浜医師会保土谷看護専門学校とで、何が違うのでしょうか。

保健人材課長

 御紹介いただいた学校はいわゆる定時制の学校で、県立平塚看護専門学校はあくまでも全日制で3年間学ぶものを4年間にして看護師の資格がとれるようなカリキュラムにするというものです。

藤井(克)委員

 いまひとつ分からないのですが、仮に横浜市医師会保土谷看護専門学校が少し性格の異なる学校だとしても、神奈川県における看護教育のあり方最終報告書の結論として、働きながら学びやすい課程の設置を検討する必要があるということで、これは横浜市医師会保土谷看護専門学校のことを言っているのではなく、そういったことも考えようということを提案しているのですが、そのことについてはどうでしょうか。

保健人材課長

 働きながら学べるようにするというのは、県立平塚看護専門学校での4年制ということではなく、働きながら学べる方への支援を充実していこうという意味で、先ほど申しましたように、働きながら学んでいる方に対する修学資金貸付制度といった支援を行っていくということです。

藤井(克)委員

 その点は、自分自身も深めたいと思います。いずれにしても、働きながらでも学んで看護師を目指せる、あるいは経済的に困難でも目指せるという方への支援というのが大事だと改めて思ったのですが、一方、先ほど午前中にやりとりがありましたが、3校の授業料の見直しということであります。既に質疑されましたので重ならないように伺いたいのは、いろいろな比較で安すぎるのではないかという流れだったのですが、県内の公立、市が行っているような市立の看護専門学校の授業料は、県内でどこにどうあって、幾らかお示しください。

保健人材課長

 県内には二つの市立看護専門学校があります。一つは、藤沢市立看護専門学校の授業料は14万400円です。それから、横須賀市立看護専門学校の授業料は15万円です。いずれも年額となります。

藤井(克)委員

 今の県のものよりも安いという形ですが、先ほどの看護教育のあり方の最終報告書では、課題として本県においては、看護職員数の不足だということですとか、いろいろ検討して県自らも県立看護師養成施設の定員増を図ることにより、看護師養成数の拡大に寄与していくことが必要であるという提言を受けて、県の方でも、先ほど言った各学校での定員増を図っていると思うのです。ただ、全体として看護師を増やそうという政策を打ち出しているのだから、やはりいろいろな条件の中でも志のある人は看護師になっていただくよう支援をしようという大きな意味で、この授業料のこともきちんと県の政策として看護師を増やしていくのだと位置付ければ、県民の皆様も納得していただけるのではないかと私は思うのです。一方、ここでもし県が上げれば、言われた藤沢市や横須賀市も、いよいよ官民格差ということで圧力が加わって、そちらも上げざるを得ないような空気が強くなると私はおそれます。だから、県が政策として看護師を増やすと言って行っているわけですから、授業料についても据え置くという政策判断はあってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

保健人材課長

 委員がおっしゃいました市立の看護専門学校の授業料については、学校を設置しております各市の考え方、それから最終的にはそれぞれの市の議会の御判断によるものと考えております。それから政策という意味で申しますと、今回の授業料の見直しについては、平成20年度に改正してから7年間据え置いてきております。4年制の導入は、これから図りますが、その間、定員増ということで教育環境や教育サービスが向上している状況があります。それに加えて、民間養成所との授業料の格差が開いてきているということもあって、教育環境や教育サービスの向上に伴うそれ相応の負担をいただくという意味で、今回は見直しを進めるものです。一方、県が進める看護師確保対策は、重要なことでして、引き続き、養成、離職防止、再就業支援ということを柱に取り組んでいく必要があるということで、全く政策とは反しないものだと考えております。

藤井(克)委員

 教育環境が向上していると、先ほども少人数学級にするとか、教員の数を増やすとか、それは大変良いことだと思います。それは県として看護師養成に力を入れているからそうなっているのであって、何もそれを、その分学生に負担しなさいなんて、せせこましい考え方をしなくてもよいと私は思います。それは政策ということで授業料は据え置いて、いろいろな困難な方々も看護師になっていただくという立場で頑張っていただきたいということを意見として申し上げます。

 次に、議案第173号の県の国民健康保険財政安定化基金条例の関係について伺います。これは、国民健康保険の都道府県単位化という制度が変わるという中で、県に基金を設置して、市町村で給付増や保険料収納不足で財源不足となったら、ここから貸付けや交付を行っていくという制度とは理解しておりますが、この国民健康保険の都道府県単位化ということについては、これまで市町村が保険料の負担の増大を抑制するために、一般会計からの法定外繰入れを行ってきたことを禁止するということが懸念されてきたわけです。我々もいろいろな委員会でこのやり取りをした中で、神奈川県の当局の見解として法定外繰入れの背景として、低中所得者の保険料負担が重く、負担が限界に来ていることがある。今回の国保制度の改革でも低中所得者の保険料負担は引き続き高水準であり、法定外繰入れを直ちに解消することは困難だと考える。神奈川県としては、一般会計からの法定外繰入れを行えないように市町村を指導することは考えていないという認識を御答弁で示されました。そこで改めて基金条例が提案された機会に、この基金の運用において、基金から貸付けを受けた市町村が返済に当たって一般会計からの繰入れをすることは市町村の判断で可能であると、そして、それを禁止するような国の見解もなく、神奈川県としてもその考えはないということを確認したいので、伺います。

医療保険課長

 今回、設置する基金についてですが、国保財政において市町村で財源不足が生じた場合に貸付け等を行うものです。財源不足が生じた場合の解消方法としては、保険料を引き上げる、収納率を向上させる、義務的経費以外の歳出を圧縮する、国保以外の会計から繰り入れるといった方法が考えられます。委員からお話があった件について、いずれの方法によるかは、市町村の判断となりますので、県として一般会計からの法定外繰入れを行わないよう市町村に指導することは考えておりません。

藤井(克)委員

 次に、神奈川県立汐見台病院の移譲について伺います。前回の当委員会の中で、県立病院として廃止されて、民間に移譲され、指定管理料の7億円がなくなるということについて、人件費の削減や職員の処遇悪化で、県民サービスへの影響を懸念しているという趣旨の発言を行った。その後の状況ついて産婦人科の看護師が、これまでは全員が助産師の資格を持っていたが、移譲後はそうはならないというお話が入ってきたのですが、その辺りの状況と県の見解を伺いたいと思います。

県立病院課長

 現在の県立汐見台病院の産科は、委員のお話にありましたとおり、全員助産師の資格を持った看護師で対応しております。移譲後の平成28年4月以降については、全員が助産師の資格を持っているという体制で運営するわけではありません。しかしながら、分娩を行っていく、産科を継続するということはお約束されておりますし、産科病棟を運営するに当たって、助産師資格が必須というわけではありませんので、助産師が辞められた分、足りない分については、看護師資格を持った職員で対応するということで病棟運営は十分円滑にできるものと考えております。

藤井(克)委員

 産科病棟が全員助産師だと安心感があるということだと思います。移譲先は、基本的に従来どおり全員が助産師の資格を持った看護師体制でいきたいと考えて、そのように動いたけれども、そうはならなかったのか、それとも新しい経営の考え方としては、そういうことは最初からもう追求しないということだったのか、どちらなのでしょうか。

県立病院課長

 県からの移譲条件は、基本的に現行の病院機能を維持するということでした。それを踏まえ、移譲先である(医)康心会は、現に今、お勤めいただいている職員一人一人に面接などして慰留に努めましたので、もし全員残っていただけるのであれば、全員が助産師の体制になったかと思います。お辞めになられて他の病院へ行くという方もいましたので、結果として全員が助産師ではない体制となったということでして、最初から経営判断等でそういう体制としたわけではないということです。

藤井(克)委員

 県立病院でなくなるということとの因果関係はこの場では分かりませんが、ただやはり、何らかのいろいろな変化、影響がマイナスの形で出ることを心配しているということを申し上げて、この質問は終わります。

 次に、生活保護の基礎控除の見直しについて、この間、当委員会で生活保護の収入認定における基礎控除の仕組みの解釈、運用についてやり取りをしてきました。平成27年12月の当委員会で、今後は県としての考え方を整理するという答弁にとどまったのですが、その後どうなったのか伺います。

生活援護課長

 平成27年12月17日の当常任委員会で、各福祉事務所の意見を聞きながら県の考え方を整理したいと述べたところでして、各市に意見照会をしたところ、特に反対する意見はありませんでした。したがいまして、平成28年1月14日付で政令市を除く県内各福祉事務所あてに、離職または休職等をした以降に受領した就労収入について、控除を行う時点の就労状態のいかんにかかわらず、就労に伴う必要経費として基礎控除を認定して差し支えないものと考えるといった県の考え方を通知したところです。

藤井(克)委員

 見直されたということはほっとしたと思っておりますが、そもそも、もう十数年以上になりますか、そういう違った解釈をされてきたのがずっと正されないできたのはなぜなのか。たまたま私ども直面した事例で、これはおかしいではないかと突っ込んでいって、このようになったのですが、県行政の中で十数年、そういう是正がされなかったということをよく検証していただき、今後に生かしていただきたいということをお願いします。とにかく是正されたことは良かったと思います。本日はこの程度で終わります。

池田委員

 神奈川県動物保護センターの寄付のお話がいろいろ出ていますので、私も何点か確認させていただきます。まず、寄付を集めるために担当される方は何人くらいいるのでしょうか。また、平成28年4月から環境衛生課と食品衛生課が統合されて生活衛生課になるのですが、課の統合ですから減員になるのかという気もするのですが、平成28年4月からの体制はどのようになるのでしょうか。

保健福祉局総務室長

 動物保護の関係ですが、先ほど御説明しました組織見直しに伴いまして、食品衛生課と環境衛生課を合わせて生活衛生課として、横断的な課題に迅速に取り組むということで、課の大括り化の中の一つとして御紹介させていただきました。今回、平成28年度の体制ですが、神奈川県動物保護センターの建設に向かって具体的な準備の事務が新たに加わるということもあります。また、そういった中で県の重点的な施策ということで、こちらについても人員の見直しが必要だという考えで、今現在、こちらについては2人ほどの増員を考えております。これについては、課を統合することにより、一緒になることによるメリット、課が統合することによって課長が1人になりますので、もう少し目配りのできる担当課長を置くということも考えておりますので、そういった意味で、動物の担当する所管の課長も考えているところです。

池田委員

 2人増員ということですが、要するに今は何人が2人増員されて、担当課長が1人増えるということなのでしょうか。

保健福祉局総務室長

 神奈川県動物保護センターの整備については、一つのグループで担当しており、専任の体制については業務量に見合った形で置いておりますが、今後、さらに増えるということから、今はグループの中で対応している。こういった中で、今後は全体業務で見直しをしていく中で、動物保護については重点的に取り組むということで、人数を増やしていくことと考えております。

池田委員

 体制の充実を図るということですが、保健福祉局は懸案事項がほかにも一杯あると思うのですが、神奈川県動物保護センターにそんなに頑張ってしまって、ほかは大丈夫なのでしょうか。

保健福祉局総務室長

 保健福祉局の業務は、確かに非常に多岐にわたっております。また、県民の命に関わるような緊急な課題にも対応しなければなりません。そういったことから人員についても、毎年度、常に既存の事務を見直しながら、どこに重点的に配分していけばよいのかといったことを考えており、そういった中で、平成28年度はほかにも重点的に取り組む、あるいは制度改正に伴う必要となる業務といったものがありますので、そういったところへ十分配置できるような形で考えております。とはいっても、無尽蔵に増やすわけには当然いきませんので、そういったものについては効率的な業務を進める中でという範囲で考えております。

池田委員

 くれぐれも保健福祉局全体の事務が滞りなく進められるように、再度、御配慮をお願いします。

 次に、ジカ熱への対応についてです。一昨日の委員会で、田中信次委員の方から非常に的確な御質疑があり、いろいろと法令上の体制もしっかりできているという話もありました。ただ、先日のジカ熱の患者発生という場面で残念なことがあり、田中信次委員もおっしゃっていましたが、一番大事なのは危機管理、パニックの防止ということだと思います。その危機管理、パニック予防の中で、記者会見はとても大事な場面であろうと思うのです。平成28年2月25日の夜の記者会見は、厚生労働省がさきに行って、夜の10時くらいから川崎市が記者会見をしました。厚生労働省の記者会見はテレビで放映されていましたし、川崎市の記者会見もテレビで行っていました。県の対応を伺いましたら、県はホームページを書き換えましたとか、保健医療部長がビデオをつくられたという話も担当課から聞いていますが、ビデオが掲載されたのは平成28年2月26日夕方のことであり、初動で県はなかなか動けなかったのかという感じがしております。今後のことを考えた場合に、ジカ熱だけではなく、一昨年問題になったデング熱というのもあるし、それからエボラ出血熱というのもアフリカではやっていますし、また、新型インフルエンザ、MARS、SARSとか、恐ろしい肺炎というのも我が国の周りにはいろいろあって、人の往来が頻繁に飛行機でされていますので、いつ成田空港と羽田空港を通って神奈川県内に患者がいらっしゃるとも分からない状況で、私の方ではしっかり記者会見に県も同席して、県としてのメッセージ、現場の状況は確かに保健所設置市の川崎市や横浜市が現場の状況のメッセージを発していただければよいのですが、これから安心してくださいとか、マスクをしてくださいとか、そうした保健衛生上の措置というのは、県の方からしっかりとメッセージを発しなければいけないし、そうしなければパニックとか、危機管理という面では物足りないのではないかと思っています。先日の26日の神奈川新聞には、厚生労働省の情報と川崎市の記者会見の中身があるのです。川崎市の記者会見は、あくまで川崎市の方へのメッセージでありますから、そこに神奈川県の県民に向けてのメッセージが載っていないのは、残念と思っています。担当の方に、今後は保健所を設置している自治体の記者会見に一緒にやられたらどうですかという投げ掛けは既にしているのです。担当の方からは、感染症に関してはそういうことは基本的に難しいという回答をもらっています。何で難しいかというと、感染症法上、政令市長は知事と同等の権限を持つから、政令市域内で起きた事案に対して、直接、県として行えることがないということが難しい理由だと書いてあるのです。別に感染症に対して現場のいろいろな措置を県がやるというのではなく、県民に対してメッセージをしっかり、県ができることをしっかり行うという意味で私は記者会見をこれから一緒に行ったらどうですかという投げ掛けを担当の方にさせていただいたのですが、うまくメッセージが伝わらなかったのかもしれません。ですから、保健所設置市も横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市とあるし、これから茅ヶ崎市も保健所を設置されると伺っています。各保健所の設置している自治体で何か起きた場合に、県がしっかりと記者会見に同席して、危機管理としてパニック防止のメッセージを発するという体制を整えていただければと思いますが、いかがでしょうか。大事なことですので、局長の方にお願いします。

保健福祉局長

 そういう危機的な状況が起こったときに県の危機管理というのは、ここにいて、例えば、今回の案件で言えば、厚生労働省、川崎市と緊密に情報交換をしながら、どういう体制をとるべきかということを考えることの方が一番重要だと思います。そういう中で、例えば、今回の案件で言えば、川崎市は健康安全研究所をしっかり持っていて、体制も整っているところですので、しっかりとそういった今回の案件の危険性みたいなものもきちんと対応できるところで、県としては、川崎市からの実態として伝聞情報しか持っておりません。そういう中で一般論として、これが蚊を媒体とした感染症であるとか、現在、神奈川県では蚊がいる時期ではないといったことは言えますが、そこはもう川崎市も十分対応できるところです。ただ、これが川崎市域を越えて広域的な感染に広がるおそれがあるといった場合は、県の役割が非常に重要だと思います。場合によっては政令市、一般市と一緒に会見することもあろうかと思いますが、その場合であっても県はそこの場所に責任者が行くよりも、ここにいて、マスコミ等々の要請があり、あるいは県としても必要性があると考えれば、県庁の中で会見する方がベスト、ケース・バイ・ケースだと思っております。

池田委員

 要するにケース・バイ・ケースで、重要な事案のときには県庁で会見をし、県としてのメッセージを発していただけるということで、よろしくお願い申し上げます。

 次に、神奈川県墓地等の経営の許可等に関する条例というのがあり、本委員会に陳情も出されておりますので、質疑させていただきたいと思います。条例の解釈、適用状況についてということで、二宮町で墓地の経営許可を目指して、とある宗教法人がいろいろと動かれており、住民の皆様が反対されている。そういう中にあって、条例では経営の許可を求める側が説明会を開催し、住民の理解を得るようにというような規定があり、説明会を開催しないと次のステップには進めないという条例の仕組みになっているということです。この説明会の中身について、誰も来なくても説明会と称して行えばよいのか、それとも住民がしっかりと来て、形の上ではなくて中身が説明会という形になっていなければならないのかというのは、条例の記述だけではよく分かりません。そこで私は、平成28年2月12日の14時に二宮町議会議員の方、住民の方を連れて平塚保健福祉事務所で生活衛生部長の方に面会をし、条例の解釈について説明を受けたのです。そうしたら、条例の第5条の説明会は出席者が必要で、出席者がいない、全く来ていない説明会は体をなしていないので、条例上の求める措置として説明会が済んだとは見ていません。説明会を開いていないのに郵便で送ったりしても、条例の要件はクリアできませんという説明があったのです。その後、宗教法人から住民に手紙が届き、住民から私にこれはどういう意味の郵便物ですかと問い合わせがあったので、平塚保健福祉事務所の生活衛生部長に平成28年2月23日に電話で確認しましたら、こんな説明を受けました。私が平塚保健福祉事務所へ行った後、県庁の環境衛生課と協議し、宗教法人の説明会は済んだという解釈にします。墓地経営計画も郵送されたので、条例が求める説明会と周知という部分は終わっているという解釈ですという説明を受けました。要するに、解釈が変わったという話らしいのですが、この事実を確認いただけますでしょうか。

環境衛生課長

 まず、神奈川県墓地等の経営の許可等に関する条例第5条では、経営計画の周知を図るために近隣住民等に対し、墓地等経営計画の概要について説明会を開催すると定められています。また、説明会の詳細については審査基準で規定しており、説明会での説明事項とともに、説明会に参加しなかった近隣住民等に対して、説明会開催の際に説明すべき事項を別途周知することを定めています。今、お話のありました委員が平塚保健福祉事務所を訪問されたときのやり取り、それからその後の電話のやり取りについてですが、平成28年2月12日のやり取りについて、平塚保健福祉事務所の生活衛生部長の説明した内容として、説明会を開催したものの、出席者がいなかった場合、少なかった場合には、説明会に参加されなかった方にどのような説明会が開催されたのか、詳細が分かるものを別途周知する必要がありますが、その周知がなされていないので、説明会が終了したとは考えていませんという説明をしたと報告を受けております。また、電話でのやり取りについてですが、平成28年2月12日以降に県の環境衛生課と協議したというくだりについてですが、平塚保健福祉事務所から条例の解釈について私どもに照会がありました。その内容は、条例第5条の経営計画の周知については、説明会を開催して周知することが原則と考えるが、審査基準では、説明会に参加しなかった近隣住民等へ別途周知することが規定されている。当該申請予定者は、近隣の会場を借りて、住民等が参加できるよう平日の夜及び土曜の昼に分けて複数回実施するなど、十分に説明会の開催を図っており、参加しなかった近隣住民等に対し、審査基準に基づいて別途経営計画の周知がなされた場合、条例第5条の経営計画の周知は図られたと考えますが、いかがかという内容でした。それに対して私ども環境衛生課は、経営計画の周知に当たっては、近隣住民等が無理なく参加することができる場所と日時で説明会を開催することが必要である。その上で、説明会に欠席した近隣住民等に対し、審査基準で定めるとおり別途経営計画の周知がなされた場合、経営計画の周知は図られたと考えると回答しました。

池田委員

 今、おっしゃったように、条例第5条の説明会は平成28年2月12日に私がヒアリングをした際には、説明会は終了していないという説明を受けたということで、よろしいでしょうか。

環境衛生課長

 その点についても保健福祉事務所に確認しております。説明会自体は終了していますが、その補足的な手段である別途周知、説明会に参加しなかった方への別途周知が終わっていないので、条例の求める周知は終わっていないとお話をしたと確認しております。

池田委員

 私どもは3人で行って、3人とも同じことを聞きましたと言っているし、ここにある私のメモにも説明会はまだ済んだとは見ていないという生活衛生部長のコメントがメモしてあるわけですが、どちらが正しいのでしょうか。

環境衛生課長

 表現として、説明会は済んでいないという表現をしたかもしれませんが、審査基準においても、細かくなってしまいますが、条例第5条第2号に規定する説明会は次のとおりとするとしてあって、その説明する内容を記載しているのと併せて、説明会に参加しなかった近隣住民等に対しては第4の4の1に規定する説明事項を別途周知するものであることを併記しております。したがって、審査基準でいう説明会は終わっていない。要するに参加しなかった近隣住民に対する説明事項の別途周知が終わっていないことをもって、説明会は終了していませんという意味でお話ししたと認識しております。

池田委員

 条例の解釈は大変重要な問題なので、保健福祉事務所の方もメモを取っていたので、よく確認してください。今日はこれで終わりにして、また次回にやらせていただきます。

佐々木(ゆ)委員

 障害者差別解消法に対する取組について質問させていただきます。まず最初に、県障害者計画では一人一人を大切にすると理念が記載されていますが、この計画において八つの分野別推進がうたわれており、8分野目が権利擁護と差別の解消という項目になっています。この部分の項目についての成果と計画後、足りなかった部分はなにか、今回、差別解消法が施行されるに当たって、県として何を期待し、どのような地域づくりを目指していくのか、確認させてください。

障害福祉課長

 障害者計画については、委員御承知のとおり障害者基本法に基づき、各都道府県、市町村で作成しています。この中で、雇用、医療、福祉など全分野にまたがって基本的な考え方を示しているものです。成果ですが、障害者計画では障害者サービスの提供体制の確保のため、各市町村に照会をかけて、毎年、取組状況の御報告を頂いておりますが、障害者計画は障害者基本法の理念を雇用、医療など各分野に浸透させる事業ですので、その中には委員のお話にあった権利擁護なども含まれます。障害者差別解消法が施行されますが、この法律は障害者差別の禁止等、障害者基本法の考えを酌んで権利条約を批准するために日本として国内法を整備する一環として、障害者差別解消法を制定したと承知しております。したがいまして、障害者基本法の考えを酌んだ障害者計画と権利条約の批准のために制定した障害者差別解消法は同じ考え方に基づきますので、共に障害者が地域で安心して暮らすことを目指すものです。

佐々木(ゆ)委員

 県として、障害者が地域で安心して暮らすことを目指すとの答弁ですが、このことは条約においても規定されています。県の目指す方向性が確認できたので、質問をさきに進めます。障害者差別をなくすために障害者差別解消法が制定されたが、この法律の第14条では、国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関する相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図るものとすると規定されています。この必要な体制の整備について県としてどのように考えているのか、教えてください。

障害福祉課長

 県の職員においては、服務規律に関して障害福祉課に相談窓口を設置します。民間事業者における障害者への対応について問題があった場合、所管庁ごとに対応指針を策定しており、この指針は事業者ごとに守るべき内容が記載しております。この対応指針による監督権限は、政令により所管庁から県、市町村、国の機関に下りております。権限が下りている各機関は、監督官庁として相談窓口になって、必要に応じて事業者から報告を聴取する、助言、指導、勧告を行います。

佐々木(ゆ)委員

 職員へ内部規律の相談については障害福祉課が対応し、民間の事業者については監督官庁で対応するとのことですが、答弁内容をよく理解したいので教えてください。例えば、車椅子を使用している生徒が公立の学校でスロープがないために行動の自由が奪われている場合、どこに相談すればよいのでしょうか。

障害福祉課長

 県の状況で申しますと、教育委員会でも知事部局と同様に対応要領を作成します。教職員の問題であれば、その職員を所管する課の対応となります。文部科学省において教育機関として守るべき指針が策定されていますので、その指針に違反するかどうかで判断することになるものと思われます。具体的な話について、障害福祉課は判断する立場にありませんが、合理的な配慮の一環として、スロープがない部分の移動について、教職員や他の生徒等の助力を得ることが考えられます。

佐々木(ゆ)委員

 この場合の相談窓口は、文部科学省でしょうか。

障害福祉課長

 一律には公立の学校ですので、通学している学校に御相談いただくことになろうかと思います。その上で、市町村であれば市町村の教育委員会、県であれば県の教育委員会が対応することになろうかと思います。

佐々木(ゆ)委員

 同じ車椅子を使用する生徒が民間のバスを利用して通学する場合において、バスが車椅子対応になっていなくて通学が困難な場合に、どこに相談すればよいのでしょうか。

障害福祉課長

 例えば、まずはバス事業者に相談していただいて、車椅子対応のバスが何時頃に走行しているのか、なぜ通学時に走行していないのかを確認していただくことになると思います。その上で、最終的に国土交通省で監督権限が下りている県の機関に相談いただくことになろうかと思います。

佐々木(ゆ)委員

 障害者計画の理念に一人一人を大切にとある中で、障害を持った方が今回の法律の施行に関して、自分が生きる上でどこに相談すべきか分かりにくいと思います。先ほど、武田委員の質問に対し、監督権限を有する担当部署が分からない場合は、一義的には障害福祉課でと答弁しているが、民間事業者の相談窓口は所管庁でというのは、本当に県としての合理的配慮と言えるのか疑問です。相談窓口を所管庁が行うことについては、障害者差別解消法の第14条に抵触するのではないでしょうか。

障害福祉課長

 県の職員に対する相談については障害福祉課が対応しており、民間事業者に関する相談については、権限があるところが窓口となって対応すると申し上げました。窓口については政令に基づくと思いますが、相談窓口が不明な場合は障害福祉課に相談いただければ、当課で調べて、権限があるところに引き継いで、そこで対応していただくようになります。差別に限らず身近な相談は、障害福祉については市町村の障害福祉部門で相談を受けており、そこで障害者サービスを提供してほしいとの相談をして頂き、相談支援事業者と相談して、障害者サービス支援計画を作成の上、障害者サービスの提供を受けることとなります。

佐々木(ゆ)委員

 今、相談先が分かりにくい場合は一元的には障害福祉課との答弁を頂きました。今回の障害者差別解消法の施行に当たり、障害者からの相談を受けることを広報する場合において、どこに相談するか不明な場合は、障害福祉課で相談を受けることをパンフレットやポスター等に入れなければ、障害者には相談窓口が分からないと思います。パンフレットやポスター等の作成に当たっては、相談窓口として障害福祉課の電話番号を入れていただき、相談しやすい窓口の広報の仕方を要望させていただきます。

 障害福祉課長より、身近な相談は市町村で行っているとの答弁がありました。調べたところ、千葉県では障害者差別解消法が制定される前から条例を制定しており、千葉県障害者地域生活づくり宣言においてということで、県から委託された約600人の地域相談員がいるそうです。また、地域相談員を総括する16人の広域相談員がいるそうです。この広域相談員が参加する広域相談のための調整委員会が設置され、千葉県福祉課には5人の専任の職員が配置されているそうです。先ほど、本県において障害者差別解消支援地域協議会を設置するとの答弁がありました。日下委員からの質問の答弁で、地域協議会の運営費は3万円とのことですが、どうでしょうか。

障害福祉課長

 運営費は、103万円を見込んでおります。

佐々木(ゆ)委員

 金額を聞き間違えてしまいました。それで、600人の地域相談員、5人の専任の職員がいる千葉県に対し、千葉県と神奈川県とで支援体制に対する温度差を感じざるを得ない。本当に障害者一人一人を大切にしていると言い切れるのか疑問ですが、どうでしょうか。

障害福祉課長

 千葉県は障害者差別解消法の対応が済んでいるようですが、障害者差別解消法は今年の4月から施行ですので、本県とは状況が若干異なります。障害福祉政策の中で、今まで県が委嘱しておりました身体障害者相談員、知的障害者相談員の業務は、市町村に移譲しております。また、総合支援法から自立支援法への移行に伴い、相談支援従事者を多く育てることとなりますが、例えば、障害者虐待防止法においては、強度障害児対応の相談支援ができる方を育てていくこととなります。相談支援従事者を育成していくことは、県としての人材育成の役割となっておりますが、これができている、できていないなどの差があると思います。そのほか、先ほど申しましたとおり、法整備における施策の違いがあるのかと感じております。

佐々木(ゆ)委員

 今まで神奈川県が何もしてこなかったと言っているわけではないのですが、先ほど日下委員からの質問に対して、条例の規定は考えていないとの答弁を見ると、果たして本当に、共に生きる社会神奈川なのか疑問に思わざるを得ない部分があることは指摘させていただきます。先ほど、差別に関する合理的配慮について誰が判断するのか答弁いただいたが、例えば、職員の内部規律に関する対応要領について、障害のある方からこれは差別ではないのかという申し出があった場合、県のどの機関が判断するのか、地域支援協議会が判断するのか、それとも障害福祉課が判断するのか、教えてください。

障害福祉課長

 例えば、県の職員の障害者に対する窓口対応の場合、障害福祉課で相談者から状況を伺います。障害福祉課で状況をまとめた後、該当職員の所属する局の総務室に連絡することにより、該当職員の所属に連絡がいくとともに、人事当局にも話をして、場合によっては懲戒処分の対象になるかどうかということになります。

福祉部長

 今、障害福祉課長が答弁したのは、職員の接遇面で応接に問題があった場合ですが、そうではなくて、例えば、障害者が県を利用する場合において、スロープがないなどの施設面の申し出を頂くことがありますが、県が対応する合意的配慮においては過重な負担がない場合には即対応することとされております。過重な負担には二つあり、一つは構造上改修工事に相当手間を要するなどの物理的な部分で対応できない場合、もう一つは予算がないなどの経済的理由で対応ができない場合があり、すぐに対応できない場合があります。ただ、過重な負担があるからといってずっとやらないということではなく、事例として検討の上、その後の対応を県庁内で検討していくものです。地域支援協議会も同様の性格であり、すぐに対応しないからそれはおかしいというものではなく、そういった事例を持ち寄り、例えば、あるバス事業者が対応していることに他のバス事業者が対応していないなどを目線合わせをして、地域福祉協議会の中でボトムアップが図れればよいかと考えております。

佐々木(ゆ)委員

 今、予算がないからとりあえずできないとの答弁でしたが、これはずっと言われ続けることがあるのです。県庁に関することで、差別を受けているのか、受けていないのか、合理的配慮がされているのか、されていないのかの判断を庁内だけで判断することについて、本当に良いのか疑問です。外部の委員会なり、外部の方が判断に入っている組織をつくっている事例は、他県でたくさんあると思います。この法律が施行されたからといって、差別がすぐに解消するとは思いません。しかしながら、多くの人々に障害者差別を考えさせる良いきっかけだと思います。そのために、条例を制定する、若しくは県民の方々にもっと分かっていただけるような具体的な計画を策定するなどの姿勢を県が持たないといけないと思います。差別の判断に外部の意見を取り入れるなどの先行事例を県が検討して、施策に取り組んでいく姿勢が必要だと思います。すぐにとは言わないのですが、そういった取組を行うことが必要ではないかと思うのですが、局長の意見をお伺いします。

保健福祉局長

 障害福祉課長、福祉部長からも答弁しましたが、確かに合理的配慮は難しい部分です。一つ一つの事例を積み重ねる中で、財産、経済状況などによって合理的配慮のレベルは変わるものだと思います。ただ、目指すべき方向性は一つ一つのケースの積み重ねを通じて、法の趣旨にのっとった全体の方向性が形成されることが重要だと考えます。そのための体制として、外部の方が判断するという手法もあるかと思いますし、また、条例を制定するという県の姿勢を打ち出すこともあろうかと思います。いずれにしても、条例の制定が障害者差別解消の取組を進める上で一番良い方法かどうか、私どもは検討しておりませんので、障害者差別解消法の施行を契機にいろいろな幅広い方々から御意見を伺いながら、どういう形で進めていくのが一番ふさわしいのか、検討してまいりたいと思います。

佐々木(ゆ)委員

 とても前向きな御答弁を頂けたと思います。条例が本当にできることが良いのではなく、何が差別なのか明文化すること、法律の施行を契機に障害があっても共に暮らしている隣の仲間であることを一人でも多くの方に分かっていただけるための取組を県が前向きに進めることを要望して、質問を終わります。



9 次回開催日(3月7日)の通告



10 閉  会