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平成28年  厚生常任委員会 03月01日−01号




平成28年  厚生常任委員会 − 03月01日−01号







平成28年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第1回定-20160301-000011-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(武田・京島の両委員)の決定



3 県政記者の写真撮影許可



4 傍聴の許否について決定

  4件申請 4件許可



5 口頭陳情の許否について決定

  陳情第39号、陳情第51号及び陳情第52号についての口頭陳情 許可



6 報告事項

  「平成28年度組織再編について」(保健福祉局総務室長)

  「神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)について」(同上)

  「「神奈川県地域医療構想(仮称)」(骨子案)について」(保健医療部長)

  「神奈川県立汐見台病院の移譲について」(同上)

  「神奈川県立がんセンターの重粒子線治療について」(同上)

  「平成27年度受動喫煙に関する県民意識調査及び施設調査の結果について」(同上)

  「神奈川県立平塚看護専門学校条例等の見直しについて」(同上)

  「「未病を治す」取組みについて」(健康寿命・未病担当部長)

  「「神奈川県手話推進計画」(案)について」(福祉部長)

  「障害者差別解消法に関する取組みについて」(同上)

  「秦野精華園の移譲について」(同上)

  「旅館業法の特例(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)の活用等について」(生活衛生部長)

  「「神奈川県水道ビジョン」(案)について」(同上)

  「動物愛護の普及啓発及び神奈川県動物保護センター建設について」(同上)

  「「かながわ食の安全・安心の確保の推進に関する指針(第3次)」(案)について」(同上)



7 日程第1及び第2を議題



8 提案説明(保健福祉局長)



(休憩 正午  再開 午後零時58分)



9 提案説明(保健福祉局長)



10 日程第1及び第2について質疑(所管事項も併せて)



しきだ委員

 まずはじめに、手話言語の普及推進についてということで、何点かお伺いさせていただきます。これまで本県は、今年度中に手話推進計画を策定するという予定で手話言語普及推進協議会を4回開催してこられました。その間には、当事者団体等から様々な意見が寄せられておりますし、手話言語普及推進協議会以外にも個別に意見聴取の機会を設けていくという形で統一した議論が展開されていることを承知しております。先月の9日にはパブリック・コメントを実施した後に、その結果について報告をされた。手話言語普及推進協議会の審議状況を亀井副委員長と一緒に傍聴させていただきましたが、その中でパブリック・コメントの状況について、計画の概要等についても報告がありましたので、それに関して何点か質問したいと思います。これまでパブリック・コメントの膨大な量、数に及ぶ意見が寄せられた。その条例を策定して具体的な計画を進めていく上で県民の期待の大きさ、関心の高さというものがうかがわれると思います。もちろん当事者団体、関係者においては言うに及ばずですが、そういった印象を率直に申し上げておきます。そして、その取りまとめ作業に当たられた当局関係者の皆様のこれまでの努力にも敬意を表したいということです。これまで年度内に4回の手話言語普及推進協議会を開催するということで、数を増やした方がよいのではないかという議論も大分させていただきましたが、冒頭申し上げたとおり、それ以外の意見の場、意見聴取の場も設けながら独立した手話言語普及推進協議会として展開をしていきたいという説明もありましたので、一定の理解をさせていただいたところであります。そこで、実は4回目の協議会の中では、平成27年度中に計画を策定するということはこれまでの委員会資料の中でも記載がありました。その先般の協議会の中では、今月中に第5回目の手話言語普及推進協議会を開催するということが決定したところであります。これまでは4回ということだったのですが、なぜ5回に協議会の回数を増やしていくことになったのか、その辺りの経緯について改めて確認させていただきます。

地域福祉課長

 手話言語普及推進協議会の開催ですが、平成27年度中の計画の策定を目指して今年度中に4回の協議会を開催し、御意見を頂くこととしておりました。そして、平成27年12月から平成28年1月25日にかけてパブリック・コメントを実施し、平成28年2月9日に4回目の協議会での意見を踏まえ、パブリック・コメントについて御意見を頂くという予定で進めておりました。しかし、お話がありましたとおり、第4回の協議会ではパブリック・コメントの意見のほか、これまでの協議会の意見ですとか、それから手話による意見を録画したDVDで寄せられた意見などについて整理し、それらを反映させた計画の最終案を事務局が作成した上でもう1回協議会を開催して意見を聞くべきとの意見を頂いたことから、当初は予定しておりませんが、第5回目の協議会を開催することとしたものです。

しきだ委員

 先ほど、DVDのお話も地域福祉課長の方からありました。当初、当常任委員会でもパブリック・コメント、手話による意見の情報提供、発信については、是非、動画を使うべきだという意見が出された。ここでもその意見を踏まえて議論させていただきました。逆に意見を受け止める際にはシステムの問題も含めて、なかなかそうした作業の煩雑さ、時間的な制約、公平性、公正さの観点からも課題が多いのではないでしょうか。そうした点も考慮しながら、まずは発信については動画でということでありました。しかしながら、手話言語普及推進協議会に参加をした皆様の意見からは、こうした言語である手話によってDVDを通じて提出した意見についてもしっかりと観点に加える、それに加えて意見をしっかり受け止めてほしいという要請がありました。この取扱いについて改めてどのように対応されたのか、確認します。

地域福祉課長

 パブリック・コメントでは、初めての試みということで、当事者の方々からも手話で直接御意見を伺うという場を2日間設定させていただきました。ただ、手話を録画したDVDにつきましては、受付を見送らせていただいたところです。録画の場合、御本人と確認しながらの手話通訳ということが難しい点ですとか、あるいは翻訳してそれをまた文書に起こすといったようなことで、平成28年3月中の計画策定を目指していたことから、スケジュール的に大丈夫なのかといった懸念があり、今回は見送ったところです。手話言語普及推進協議会では、手話を推進する計画に対する意見を聞くために実施するという協議会であるならば、ろう者の方が手話で意見を録画したものも貴重な、大切な意見であるということで、多数の意見を頂いたところです。そこで、パブリック・コメントの手続は、意見提出方法につきましては当初にお知らせしておりますので、今回、そのパブリック・コメントの中には含めてはいないところですが、DVDで録画していただいた意見につきましても、パブリック・コメントの意見と同様、手話通訳を通して内容を把握させていただき、協議会、その他の意見と同様に計画への反映について検討させていただいたところです。

しきだ委員

 一つ指摘というか、提案も含めてですが、パブリック・コメントの手続は、正規に今回の手話言語条例計画策定についてのみではないわけで、今後、県が同様に実施をするパブリック・コメントについても、そうした手話も言語であるという観点、そして条例を制定し、計画を策定し、具体的な施行に反映していくという点から考えれば、今後は全庁的にこうした手話動画によるパブリック・コメントの実施、動画による受付も含めて、庁内で検討を図っていただきたいということを要請しておきたいと思います。そこで、動画で寄せられた意見と通常のメール、あるいは郵送、ファックス等で寄せられたときに違いがあったとか、特徴的な意見がDVDの中にあったのかどうか、その辺りはどのように把握されているのか、お尋ねします。

地域福祉課長

 DVDの意見も拝見させていただきましたが、基本的には手話言語普及推進協議会、その他で頂きました、あるいは当事者の団体等から頂きました意見と同じような御意見を頂いたと考えております。DVDで頂いた意見は全部で75件の意見を頂いたところですが、主な内容としては、ろう者に対する理解促進を進めてほしいというものが4件、手話教育に関してろうの子供が手話で学ぶ場が必要とか、手話のカリキュラムを充実させるといったものが11件、行政や民間事業者などの窓口に関するものとか、手話通訳者の養成、派遣、それから例えば、交通機関で事故等が生じたときの困り事などといった手話を使いやすい環境整備のことに関した意見が50件ありました。それらを合わせて全部で75件の意見を頂いております。

しきだ委員

 当事者の話を聞くと、動画で意見を言いたいけれども、カメラを向けると緊張してという話もあって、いろいろ意見があるし、なかなか大変な面もあるがお互いそう感じたところです。平成28年2月の手話言語普及推進協議会の中では、パブリック・コメントの結果についての詳しい内容や計画案への反映状況、また県の考え方というものがなかなか示されていないという指摘があったり、委員の中からも、メールを送ったのに返事を受け取ったという連絡もなくて、非常に我々の意見がどのように反映されているのか、伝わったのか、伝わっていないのかも分からないという意見が第4回の協議会の場で指摘があったということについて、私も問題だと思って出ていたところですが、こういった意見、発言が相次いだことについて、なぜこのような形になってしまったのか、意見をどのように認識しているのか、その辺りをお聞かせください。

地域福祉課長

 県としては、手話言語普及推進協議会は意見を伺う場として設定していたことから、平成28年2月9日の第4回協議会でも、パブリック・コメントの意見結果をお示しして、幅広く専門的なお立場から最終案を策定するための意見を頂くといった予定ではおりましたが、パブリック・コメントの結果が2万4,000件を超えるという非常に多数に上ってしまったこともあり、こうした数多くの御意見を頂いたことから、この平成28年2月9日の協議会までに私どもの方で意見をまとめ、きちんと整理して県の考えをお示しするまでに至らなかったということがあります。そうした状況について、県の方としても十分に協議会の委員の皆様に説明が不足していたものと考えております。

しきだ委員

 委員の方からメールをお送りしたという発言をお聞きしたのですが、なぜそういう事態になったのか、再度お聞かせください。

地域福祉課長

 メールの個別の件というのは調べたのですが、なぜそうなったのかというのは解明ができておりません。ただ、Outlookという庁外とのメールを使うということがあり、場合によって例えば、添付ファイルを削除してしまうということもあります。それから、いずれにしても、きちんとしたやり取りをするときにはメールを送るだけではなく、改めてこちらからもお電話をさせていただくとか、できるだけお電話をいただくという形で、確実にメールのやり取りをするよう努めていきたいと考えております。

しきだ委員

 今回だけで終わりということではないので、今後、こういった同様のケースも庁内的にも問題というか、こういう事実があったということは共有しておいてもらいたいと思います。それで、2万4,000件を超す多くの意見が寄せられたということ、私の記憶だと今まで過去にこれほど多くの意見が寄せられたということはないのですが、これまで実施した県のパブリック・コメントはどのくらいのものだったのでしょうか。

保健福祉局副局長

 手元に他のパブリック・コメントの資料はありませんが、1万件を超えるようなものはなかったと認識しております。

しきだ委員

 改めてそうした県民、当事者の方々の関心の高さということをしっかりと受け止めて、今後の計画づくり、具体的な施策の実施に反映していただきたいと思います。そして、前回の手話言語普及推進協議会の中でも今のようなやり取りがある中で、取りまとめに時間がかかった、また県の考え方を示すことができなかった、そうした様々なやり取りの中で拙速に計画を策定していくことについて、慎重にやるべきだという趣旨の意見も出されました。とりわけ年度内に計画を策定するという考え方から、策定時期が場合によっては遅れても構わない、委員の皆様の御理解がいただけるのであれば、議会も承認していくというやり取りの中で当局からも発言がありましたが、今回の委員会報告によれば、こういった意見があったにもかかわらず、当初の予定どおり平成27年度中に策定をするということが記載されておりますが、当初の予定どおりに策定していくという方針を変えないということなのか。この点の協議会での議論、そして今回の資料の記載についての考え方、現状をどのように考えているのか、確認したいと思います。

地域福祉課長

 大変数多くのパブリック・コメントの意見を頂きました。また、DVDに録画された意見も頂きました。そうしたものの意見を整理して、更に多くの意見を頂くということになりますと、スケジュール的な課題もあることから、例えば、策定時期を遅らせれば、意見の整理ですとか、あるいは多くの意見を頂いてそれを反映していくこともできますので、策定時期に関して委員の意見を伺ったものです。これに対して手話言語普及推進協議会から、最終計画案に対する御意見を頂く場としてもう1回、協議会を開催すべきという声もあったものですから日程調整を行い、平成28年3月中に第5回の協議会を開催することができますので、現時点では年度内に計画を策定するという方針については変更しておりません。

しきだ委員

 第4回の手話言語普及推進協議会のときには、私が傍聴した限りでは年度内に策定するということについては見送る可能性が高いという受け止め方をして私も帰ったところでありますが、他の委員の皆様、私と一緒だった関係者についても、こういった改めて今年度に策定をしたいという県の考え方を示した上での理解をいただいているのかどうか、その辺りをどのように説明し、どういう受け止め方、認識をされているのか、確認させてください。

地域福祉課長

 委員会報告資料にありますとおり、平成28年3月22日に計画案をお示しして意見を頂く手話言語普及推進協議会を開かせていただくという形で日程調整させていただく中で、年度内の策定を目指すということで御理解をいただいているものと考えております。

しきだ委員

 それでは、今回のパブリック・コメントに関してですが、手話言語普及推進協議会報告資料で主な意見が示されておりますが、具体的にどのような意見が特徴的だったのか、その辺りについて確認させていただきます。

地域福祉課長

 最も多かった意見ですが、手話を使用する機会の充実で7,195件ありました。具体的には、手話がない行政情報は日本語が苦手なろう者にとっては理解が困難である、県や関係機関の情報等について手話動画での発信を進める必要があるなど、情報アクセシビリティに関する意見が2,135件ありました。また、高齢ろう者や重複障害を持つろう者が手話でコミュニケーションができて必要な支援を受けられる支援の整備、支援サービス体制の整備の必要など、高齢ろう者等に対する意見が2,064件ありました。次に多かったのが手話通訳の充実等で5,632件ですが、具体的には民間の行事や企業内研修等で手話通訳者が必要な場合には派遣が必要であるとか、あるいは県警、県立病院等、必要性の高い県機関での手話通訳者の雇用を進めるなど、手話通訳者の雇用、配置の充実に関する意見が2,112件となっております。その他にも、盲ろう者を含めてろう者への理解促進を進めてほしいですとか、あるいは手話を普及するためには民間イベントの積極的な参加も必要など多くの意見を頂いております。

しきだ委員

 今、盲ろう者のお話も改めてありましたが、ゆりの会の事務局の方も委員として参加されて率直な意見を述べられておられましたが、盲ろう者の立場からどういった意見が出されたのか、確認も含めてお聞かせください。

地域福祉課長

 この条例の範ちゅうで手話を使う人、ろう者の方ということで対象者を位置付けているのですが、ただ、盲ろう者の方の中にも触手話、接近手話というものを使う方もおりますので、そうした方たちも対象に含めてほしいという御意見がありました。また、盲ろう者御本人の家族、あるいは盲ろう通訳者の介助員についても周知してほしいという意見がありましたので、その点につきましては、計画の方に反映させていただきたいと思います。

しきだ委員

 今、計画の中にも反映させていくとありましたが、先ほども具体的に様々多かった意見について具体例を挙げていただきましたが、今回の計画案への反映状況について、内容が重複する部分もあろうかと思いますが、改めて確認させてください。

地域福祉課長

 ただいま申し上げましたとおり、盲ろう通訳者、盲ろう者を巡る状況につきましては、第4節の手話を取り巻く現状の中に説明を追加させていただいております。また、手話の普及に関しては、県民に広く手話そのものを理解してもらう活動が必要ですとか、老若男女問わず関心を高めることが必要などの意見を反映して、施策1の説明文の中にそのためには全ての県民に対してという項目を追加したり、あるいは民間イベントに積極的に参加して手話普及を目指すべきという意見もありましたので、こちらの御意見につきましても、イベント等を活用して手話の普及等を進めますというものを新たに加えております。また、手話を使用する機会の充実につきまして、盲ろう者が抱えますいろいろな困難な場面というものを追加したほか、あるいは聴覚障害者の情報提供施設であります神奈川県聴覚障害者福祉センターについての記載も新たに加えており、以上の意見も計画の中に反映しております。

しきだ委員

 反映できなかった意見というのも現実にあると思いますが、その辺りについてはどのようなものがあり、また、なぜ入れなかったのか、分かる範囲でお聞かせください。

地域福祉課長

 反映できない意見は、1,153件あります。内容は、全市町村の施策が計画に従うことを明記してほしいという意見がありましたが、県としてこの計画で市町村に義務を課すことはできないという意見があります。また、施策の展開を実現するために予算を付けるということを明言してほしいという意見がありましたが、予算につきましては、毎年度の予算として編成されるものですので、この計画案には反映しておりません。この二つの内容で1,134件ということになり、反映できない意見は、ほぼこの二つです。

しきだ委員

 パブリック・コメントの結果が2万4,000件を超す多くの意見が寄せられたということは、もう受け止めていただきたいと思いますが、これ以外に寄せられた意見以外に手話言語普及推進協議会の委員の皆様、あるいは当事者団体等、広く県民の方々からも意見がありましたことをこれからこうした意見は計画の中、あるいは施策を推進していく中で反映していきたいという考え方でよろしいのでしょうか。

地域福祉課長

 パブリック・コメントだけではなく、手話言語普及推進協議会で頂いた意見や、あるいは当事者団体のヒアリングで頂きました意見、それから、DVDの意見など様々あります。そうしたものもパブリック・コメントの意見と同様に内容の確認や分類、整理を行っており、反映できるものは反映してこの計画を作成しております。また、今後も計画を進行管理する中で、意見の反映ということに努めていきたいと考えております。

しきだ委員

 今後の進行管理の中で反映し、考えていきたいという答弁を頂きましたが、引き続き計画を策定した後も関係者からいろいろな意見が、我々のところにもそうですし、県にも寄せられていくと思います。その計画策定後の推進体制についてはどのように考えているのか、確認させてください。

地域福祉課長

 計画案の第3章の推進体制に掲載してありますが、今まで同様に計画の進行管理等を行うに当たって、当事者、有識者の方々から御意見を頂く場として手話言語普及推進協議会をこのまま継続したいと思っています。また、進行管理を行うための庁内組織として手話言語推進会議も継続して設置していきます。手話の普及等には市町村や事業者等との連携・協力が必要ですので、この方面に対しての県の対策を進めてまいります。先ほど答弁しましたように、正にこの会議に当事者の方々からの意見を頂く機会を設けていきたいと考えております。

しきだ委員

 手話言語普及推進協議会の中でも、計画を策定していく中に盛り込まれなかったものは意見が排除されるのではないかといった心配、不安の声もあったという話を聞いております。それで、見直しまでの間も、そこに盛り込まれていなかったものについても積極的にフォローしていただきたいと思いますので、こうした皆様の御意見をパブリック・コメントのみならず、引き続き耳を傾けていただいて皆様に一層喜んでいただける施策の推進に努めていただきたいということを要望していきたいと思いますし、私もこれまで4回傍聴して皆勤賞ですので、もう1回頑張って傍聴させていただきます。一緒に、県民とともに続けられる計画に高めていきたいと思っておりますので、引き続きの御理解と協力を重ねてお願いして、この質問を終わりたいと思います。

 後ほど、ジカ熱の話については田中信次委員が質疑をすることと思いますが、県知事も神奈川県動物保護センターのことについては熱心に呼び掛けをされていますので、私も動物の関係で狂犬病について確認しておきたいと思います。狂犬病については、我が国では過去の病気という認識が定着しつつあるかと感じておりましたが、この間、新聞報道などで日本での発生はこれまでないが、意識が低下したことから犬に予防接種を受けさせない人たちが増えているとのことであります。台湾では半世紀ぶりに発生が確認され、日本も危機感を持つ必要があり、予断を許す状況ではないといった趣旨のマスコミの報道がありましたので、確認を含めて、危機管理の観点から今の県の対応、取組状況等について何点か確認させていただきたいと思います。まず一つは、狂犬病というものは一体どういう病気なのか、その概要についてお伺いします。

健康危機管理課長

 狂犬病は、狂犬病にかかった動物の唾液に含まれるウイルスが体内に侵入して起こす感染症です。犬の場合は潜伏期間が2週間から2箇月程度、性格の変化や異常行動が始まりまして興奮状態、光や音に対する過敏な反応、全身麻ひ、舌を口の外に垂らして唾液を流す、こん睡状態等を過ぎて死亡します。人の場合は1箇月から3箇月程度の潜伏期間の後、発熱、食欲不振、恐水症及び恐風症、恐水症は水とかを見ると首の筋肉がけいれんする、恐風症は冷たい風が当たっても同様にけいれんするという症状、それから精神錯乱というこん睡などを経て死亡する重篤な病気で、感染症法によって動物や飲食物等を介して感染する4類感染症として位置付けられております。

しきだ委員

 先ほども指摘させていただきましたが、こういった日本での発生が昭和31年から認められていないということですが、そういう中で意識が低下して予防接種を受けさせないケースが増えているという指摘がありましたが、県内の犬の登録頭数、狂犬病の予防接種の実施頭数、また実施した予防接種率はどのようになっているのか、伺います。

食品衛生課長

 平成26年度の神奈川県内の犬の登録頭数ですが、47万7,096頭です。そのうち狂犬病の予防注射を接種した頭数は36万738頭で、接種率は75.6%となっております。

しきだ委員

 接種率75.6%ということで、報道等によると70%より下がると危険水域だというWHOの見解もあるようですが、今の75.6%という数字は一定の数字にはなっているのだろうと思いますが、そこで、報道でも指摘されているように未登録犬といったところは数が把握できない上に登録をしている犬のうちの接種頭数、接種率が今の登録の下で75.6%ということですが、未登録犬を加えるとこの割合は更に低下をするということが危惧されているようでありますが、この点について県としてどのように把握されているのか、状況が分かれば教えていただきたいと思います。

食品衛生課長

 まず接種率の問題ですが、犬の登録頭数は平成7年以前は年1回登録をすることになっておりましたが、平成7年の法改正により、犬の生涯で一度だけになりました。したがいまして、既に死亡した犬ですとか、あるいはいなくなってしまった犬も登録として残っている可能性があり、そのため接種率が低下をしているというようなことが推計されます。また、高齢とか病気の犬では、獣医師の判断により注射が猶予されるケースもあります。ただ、未登録犬の問題ですが、実際に登録されていない犬がどれくらいいるのかはなかなか分からない部分がありますが、日本ペットフード協会の調査によりますと、実際にはもう少し犬は多いのではないかという推計があり、例えば、平成26年度ですと大体1,000万頭いるのではないかという推計値もありまして、確かに委員御指摘のとおり、一定の未注射、未登録の犬がいるということは推計されるものです。

しきだ委員

 そういったところも注意喚起していただく必要があるのかなと思っておりますので、よろしくお願いします。そこで、もう一遍少し振り返っての確認ですが、登録犬に限ってということになりますが、狂犬病の予防接種率の推移はどのようになっているのか教えてください。

食品衛生課長

 神奈川県内の接種率ですが、平成26年度は75.6%、平成25年度は76.7%、平成24年度は77.8%ということで、少しずつ接種率が低下している傾向にあります。

しきだ委員

 これは危機管理の点から、昭和31年から発生していないから大丈夫ということではなく、先ほどの報道にもあるように台湾での発生、そして、フィリピンで流行して現地で犬にかまれた人が帰国後に亡くなったといった現状もある。ロシア、海外では犬を食べるといった風習もある。そうしたことを考えれば、人の往来、物の往来がかなり激しくなってきたところにも注意を向ける必要があるのではないかと思っています。そして、年1回ということが義務付けられているにもかかわらず、実質的には十分に徹底されていない。人の命も輝く、ペットの命も輝くということになっていますし、人生100歳ということも言われておりますから、そうした犬のケアについても十分配慮していく必要があるということを指摘しておきたいと思います。そこで、海外から犬の狂犬病が持ち込まれた場合を含めて、それに対する対策というのはどのようになっているのでしょうか。

食品衛生課長

 狂犬病ですが、先ほど御説明したように犬だけに感染する病気ではなくて、猫とかアライグマ、全ての温血動物が感染するということです。これらの動物を日本に輸入する場合には、狂犬病予防法により農林水産省が所管している動物検疫所の方で検疫を受けなければいけないという規定になっております。例えば、犬を輸入する場合は、狂犬病が発生していない国、いわゆる清浄国と呼んでおりますが、こういう国であれば輸出国の政府機関が発行する証明書の発行を受けて、獣医師による検査を受けて輸入することができます。ただ、狂犬病が発生している国から犬を輸入する場合には、輸出国において予防接種をして、狂犬病の抗体価を確認し、検疫所で180日以上の観察を行って、それから日本国内に輸入することができるというかなり厳しい検疫がされております。このような検疫で狂犬病が国内に持ち込まれないような体制をとってきています。

しきだ委員

 正規のルートだけではなく、密輸などのいろいろな方法も心配されるわけですので、万が一に備えて体制の整備であるとか、国の機関などとの連携をとりながら整備に努めていただきたいと思っています。そこで、仮にこういうことがあってはならないと思いますが、県内で犬の狂犬病が発生した場合、どのような対応をとるのでしょうか。

食品衛生課長

 狂犬病発生時の体制については、狂犬病予防法で規定されております。具体的には、まず狂犬病にかかった疑いがあるときに診断した獣医師が保健所長に届出の義務があり、その犬を隔離することになっております。そして、その犬が確かに狂犬病だということで発生が確定した場合には、都道府県知事が発生時期を公表するわけです。また、狂犬病のまん延防止のために犬の移動制限ですとか、あるいは犬の一斉検診等の措置を行うことになっております。こうした対応については、犬の登録事務を所管する市町村、狂犬病予防医を配置しております県保健福祉事務所、実際の検査を担当します衛生研究所が関連して対応する必要がありますので、日頃の連携を実施しているところでして、万が一の際にこれらの関係機関との調整をしっかりふだんから行っているところです。

しきだ委員

 今、話があった狂犬病予防法に基づいて、今度建設される神奈川県動物保護センターの役割というのはどういう位置付けになっているのでしょうか。

食品衛生課長

 実際には、野犬の場合は動物保護センターが収容しなくてはいけませんので、動物保護センターに収容して狂犬病であるかどうかを確認することになります。それから、飼い犬の場合は、一般的には飼い主の御自宅で隔離して検査するということになっておりますが、万が一、何らかの事情でできない場合は、動物保護センターに搬入するケースが想定されます。登録事務については市町村、それから、狂犬病予防医は基本的には地元の保健福祉事務所が行いますので、そういった実際の犬の収容等が動物保護センターの主な役割になると思います。

しきだ委員

 今、いろいろなケースの中で動物保護センターに収容した犬の話がありましたが、狂犬病を発症した犬が動物保護センターに搬入された場合、その後はどのようになるのでしょうか。

食品衛生課長

 実際には、その犬が動物保護センターに収容された場合に確定診断を行うということになりますが、狂犬病特有の症状が見られた場合、直ちに検査をする必要がありますので、その犬を殺処分して確定診断により検査を行います。具体的には脳を取り出して、その組織を衛生研究所の方で検査するということになるかと思います。

しきだ委員

 少し殺処分というのを聞いて、どういうカウント、捉え方をすればよいのかと思うのですが、その辺りはどのように県としては捉えているのでしょうか。

食品衛生課長

 本県では、平成26年5月に犬の殺処分ゼロ継続宣言を行いましたが、これは動物愛護の観点から殺処分をゼロにしていこうということでして、全ての犬について殺処分しないと決定をして宣言したものではありません。平常時におきましても、例えば、人に危害を加えるような犬ですとか、回復の見込みがない病気の苦痛で苦しむ犬については殺処分をするケースがありますし、ただいま委員御指摘のあったような狂犬病にかかったような犬、あるいはその疑いがあるような犬については、当然のことながら殺処分を行って、法令に基づいて対応していくということです。こういうことについては、一応関係者とか、獣医師の先生方、あるいは本県に関係しているボランティアの方々も十分に御理解をいただいているものと考えております。

しきだ委員

 今のような説明を聞けば十分理解はするものですが、殺処分ゼロを達成した、継続しますという言葉が独り歩きしていくと、そうした観点、行政サイドの観点、そうした犬の危機管理という見方、表現が適切かどうか分かりませんが、こういった観点での殺処分も現実問題としてあるということ、その辺りは丁寧な説明がやはり必要になってくるだろうと思っていますので、また後ほど動物保護センターに関連して質問させていただきます。そこで最後になりますが、人が犬にかまれて狂犬病を発症した場合、感染症にどのように対処していくのか、お伺いします。

健康危機管理課長

 狂犬病など動物を介して感染する4類感染症は、その発症数を全て把握するため、人が発症した場合には、診断した医師は直ちに県保健所に届出をすることになっております。なお、保健所から連絡を受けた県は、国や隣接の都県へ連絡するとともにその感染源を特定し、その動物を駆除する等の措置を行うために県獣医師会や環境衛生部門へ連絡して情報を共有してまいります。

しきだ委員

 こういうことがあってはならないと思いますし、それこそ殺処分ゼロの継続も大事ですが、昭和31年以降発生していない、発症していない、これを持続、継続していくために万が一に備えての危機管理体制を整備し、他の機関との連携を強化していくことを要望してこの質問を終わります。

 それでは、私の本日最後の質問になりますが、動物保護センターに関連して確認したいと思います。平成28年1月には、報道によると寄付集めに県苦戦という見出しで、冬のボーナス時期に合わせて知事部局の職員約8,000人に対して寄付を呼び掛けたところ、102人の44万円にとどまったということで、これについては平成27年12月の委員会でも報告がありましたが、開始から5箇月で目標の2%、職員にも浸透せずという報道がありました。また、この記事の中で県庁内からは、職員に浸透しない計画が県民に広がるのかとの声も漏れるということが紹介されています。このことについて、県当局としては率直にどのように受け止めているのか、お聞かせください。

食品衛生課長

 委員御指摘のとおり、県職員に対する呼び掛けに対して102人の方が応じていただいたわけです。マイ健康ポータルの健康ポイントの交換の方もお願いしているところですが、基本的にはこの実績については、対象が7,000人以上いる県職員の中でどれほど掲示板を見ていただいて浸透しているのかというところは確かにありますが、金額、人数については、あくまで県民と同じ県職員の善意による寄付をお願いしたという自然な結果でして、今後も無理のない範囲でお願いしていきたいと思っています。

しきだ委員

 庁内メールというか、それを毎日御覧になっていると思うのですが、その寄付の呼び掛けをどれほどの方が見ているか分からないという話もありましたが、これに限らず、大事な情報が恐らくそういうところには流れているのだと思いますので、きちんと見られた方がよろしいのではないかと思います。毎日のように放送でも流れているわけで、それでも今、職員に浸透しない計画が県民に広がるのかという声も漏れているというこの点についてどのように受け止めているのか、再度確認したいと思います。

食品衛生課長

 動物に興味のある方、ない方、それから飼っている方、そうではない方、動物に対する県民の考え方は非常に幅広く、職員についても同じだと思います。ただ、この取組については、県を挙げて知事を先頭に行っているものですので、私どもとしてはできるだけ周知して皆様に御理解をいただく。これは、職員に限らず県民の方にも同じように努力していきたいと考えております。

しきだ委員

 所管の立場からすると、そういう答えになるかと思います。予算委員会でも質問の機会を頂けるようなので、質疑をしていきたいと思います。改めて直近の金額について、今日の報告にもありました。先ほども健康ポータルの話もありましたが、その辺りの寄付金額の合計、それから健康ポータルを含めた内訳を確認させていただきます。

食品衛生課長

 金額については、直近では御報告したように平成28年2月26日現在で1,815件、3,611万9,559円です。そのうち職員の健康ポータルについては、それ以外の内訳として平成28年2月12日現在の古い数字ですが、全ての総寄付金額は3,430万円ほどです。そのうちクレジットカードによる寄付が820万円ほど、それから納付書での寄付が1,725万円ほど、それから口座振込みが786万円ほど、これが主な三つの寄付の方法です。それ以外にも現金ですとか、募金箱等での寄付があり、総計で3,000万円何がしということになっております。

しきだ委員

 マイ健康ポータルによるポイントの集計をされたと思うのですが、それがどこに書いてあったのか、そのやり方について確認させてください。

食品衛生課長

 マイ健康ポータルの健康ポイント交換メニューですが、四半期ごとの集計になっており、今年度の第3四半期である10月から12月までですが、24万2,000円の寄付を頂いております。

しきだ委員

 その寄付の人数は分かりますでしょうか。

食品衛生課長

 これは1口500円ということになっており、人数については、委託会社の集計ができない仕組みになっております。

しきだ委員

 では、寄付を呼び掛けるのに要した経費について確認させていただきたいと思いますが、新年賀詞交歓会等、いろいろなところで私も5枚ぐらい頂きましたけれども、熱心にリーフレットを作成して配布したと思いますが、このピンク色のリーフレットは何部印刷して、幾らかかったのかお伺いします。

食品衛生課長

 リーフレットですが、委員御指摘のピンク色というお話がありましたけれども、その前に白いパンフレットを作成しており、それと併せて3回印刷しておりまして、印刷部数が合計で11万2,000部作っております。要した経費は53万9,000余円です。その他にA1の大型のポスターを作っており、これにつきましては1,000部印刷して14万円ほどかかっております。

しきだ委員

 それで、平成27年12月の委員会でも動画の作成に当たって151万円、県のたよりの特集号を印刷、折り込みで合計1,234万円、合わせて1,385万円。今の説明では、リーフレットとポスターを合わせて、トータルで1,453万円かかっている計算になります。そして今、3,600万円くらいの寄付が寄せられていて、それを差し引くと約2,150万円が実質の寄付だという話になると思います。また、人件費分というものが当然含まれていないわけで、それにかかった人件費を換算していけば、更に寄付額は目減りしていく点については率直に受け止めて指摘させていただきます。それで、先ほどのリーフレット11万部、私も受け取っており、私も委員の皆様もそうでしょうが、新年賀詞交歓会、各種団体、業界団体に出席をされて配られています。知事はこういったところでリーフレットを配布し、参加者に熱心に呼び掛けておられましたが、それは何箇所で何部くらい配布したのか、把握されていればお願いします。

食品衛生課長

 知事が出席された賀詞交歓会で、リーフレットを配布した回数は42回、配布数は9,940枚です。

しきだ委員

 それは、知事が出席された賀詞交歓会の全ての数なのでしょうか。

食品衛生課長

 配っていない賀詞交歓会もあります。

しきだ委員

 それは、配った、配らないというのはどのように判断しているのでしょうか。何か基準があったのか、その辺りをお聞かせください。

食品衛生課長

 知事が出席予定の賀詞交歓会ですが、事前に食品衛生課あるいはその団体を所管する課が団体に連絡して、リーフレットを配ってよいかどうか、御了解をいただいております。了解いただけない賀詞交歓会については、リーフレットは配らないということです。

しきだ委員

 今、御理解いただけなかったところもあるということですが、すなわち断られたところについてはどういう理由なのでしょうか。その辺りを把握されていますでしょうか。

食品衛生課長

 どうして断られたのかというところまでは詳しくその団体にお伺いしておりませんが、その団体の意向や賀詞交歓会の趣旨、そういうものに照らし合わせて配ってほしくないという御意見があったと思います。

しきだ委員

 余り詳しく聞いてもこれ以上はお答えが出てこないと思いますので、この辺りでやめますが、例えば、企業・団体に寄付を呼び掛けて、私自身もそういう場に居合わせて見てまいりましたが、県から補助金を支給されているような団体等もあると思いますけれども、こうした団体等の寄付については県としてはどのように対応していくのか、確認させていただきたいと思います。

食品衛生課長

 県から補助金を交付している団体については、その寄付の御協力、あるいはその周知をお願いするのが妥当かどうかについては、その団体を所管する課と調整した上で対応しているというのが現状です。

しきだ委員

 仮にその結果、どのような対応をするのかということですが、例えば、補助金が交付されている団体から寄付の申出があった場合、具体的にどのように対応するのでしょうか。

食品衛生課長

 現時点で補助金交付団体からの寄付申請はありませんが、仮にあったとした場合は、所管課と協議をして慎重に判断するということになりますが、その所管課の意見を踏まえた上でその団体が寄付をしていただけるという御意向がある場合は、絶対に断るということではありません。

しきだ委員

 補助金を団体に支給して、そこから寄付を受け入れるという判断をした場合に県の補助金、すなわち県民の税金を団体に支給する、その支給された団体のお金の中からまた寄付を受け取る、それが県に戻ってくるという構図に見て取れる可能性がある。だから、慎重な判断が必要だということが所管課との調整ということだと思うのです。そうすると、うがった見方をすれば、そんな余裕があるのなら補助金減額しますと。財政状況が厳しい、施策事業の聖域なき見直しをする。総務局長の依命通知の中にも毎年出てくるように、そういったぎりぎりの対応を皆様は御苦労されつつ、業界団体とも更なる意見交換を重ねながらこういった対応をされてきている中で、県が県費で建てるべき施設、それは知事も認めている。法律に基づいて設置をするべきものに対して、補助金支給団体からの寄付も場合によっては受け取ることは可能性がゼロではないというところについて、非常に私自身は違和感があると思い、この点を質問させていただいたのですが、再度お答えいただきたいと思います。

食品衛生課長

 実際に県から補助金を交付している団体から寄付の申出があった場合は、委員御指摘のような観点から、庁内でしっかりと調整した上で判断したいと思っております。

しきだ委員

 具体的にそういう善意の寄付が寄せられれば、その段階で考えるのだろうと思いますが、寄付の根本的な手法や、今までの議論を踏まえて総合的に勘案すると、やはりこのような手法で寄付を集めることについて違和感があるといった点は、改めて指摘しておきます。

保健福祉局長

 県が運営費補助金を出している団体の運営費から頂くことは問題だと思いますが、会員の方々が御家族などに勧めていただき、個人として寄付していただく場合もあるでしょうが、会としてまとめて県に事業協力したいということもあろうかと思うので、団体の性格に応じて判断する必要はあると思います。

しきだ委員

 今、保健福祉局長の話のように在り方、中身について精査をする必要がある。補助金が出ている団体からそのままそれが返ってくるといったことが明らかな場合には、それは徹底的に正していただきたい。もちろん今の話については理解していますし、否定するわけではないので、そこは誤解のないようにしておきたいと思います。それで、今年度は間もなく年度末を迎えようとしております。初年度の7月から始めた寄付であるが、予算計上額が約1億円ということでしたが、その達成の見通しについては、どのように考えているのかお伺いします。

食品衛生課長

 現在、今年度目標額である1億円の40%に満たない状況ですが、今年度は初年度ということもあり、寄付だけでなく、動物愛護や殺処分ゼロ達成などについて普及啓発をするスタートラインとなる年と考えておりますので、寄付に関しては、今後もしっかりと普及啓発を行っていきたいと考えております。今までに寄付を頂いた方はほとんどが個人でして、引き続き個人の方への呼び掛けは行いますが、企業や団体への呼び掛けもお願いしていかなければならないと考えております。件数については個人が多いと思いますが、1件当たりの金額は企業の方が大きくなるとも思いますので、いずれも残り1箇月でありますが、努力してまいります。

しきだ委員

 新年賀詞交歓会などでの呼び掛けを踏まえて、今のような御発言をされたのかと思います。先般、てらさき委員からも質問があったが、企業との距離感は慎重であるべきだという御指摘もありました。何も無理する必要はないので、粛々と呼び掛けにとどめておいた方がよろしいかと思います。こういった問題はスタートダッシュというものが非常に大事で、そういう面で新年賀詞交歓会で声を掛けて、これからに期待する、また動物愛護精神も普及していく、かん養していくというのも目的の中に入っているということで、そういう見方もあるとは思いますが、現実的にはなかなか厳しいという中で来年度は3億円を計上されているわけです。当初、この提案があったときに3年でどのような計画でしょうかと質問したところ、初年度1億円、来年度3億円、次が6億円とのことだが、このような形で計画見込みを示されて根拠があるとは思えなかったので、そこは聞かなかったのですが、あと1箇月で予算計上額の1億円というのは、見通しは決して明るくないという中で、企業・団体に期待するという話もありました。こういう中で3億円ということについてはハードルが高い、厳しいのではないかと思います。その前に達成できるか、できないかは別として、この積算根拠について改めてお伺いします。

食品衛生課長

 年度ごとの目標金額については、確実な積算根拠をもって定めさせていただいたわけではありませんが、寄付の集め方については周知には時間がかかり、また、企業にお願いしてもすぐに寄付につながるわけではありません。今後も広く周知、普及啓発をして御協力を仰ぎ、年度ごとに寄付が増えていくようにと考えて金額を設定しました。

しきだ委員

 余り根拠はないということでよろしいでしょうか。

食品衛生課長

 寄付という性質上、具体的にどこから幾ら集めるという積算はできませんので、ある程度の想定の下に計画を立てました。

しきだ委員

 段階的にということでしょうからこれ以上はお聞きしませんが、知事がいろいろなところにお願いしていて、団体寄付も見込まれていると聞く。これから寄付金額が増えるとのお話だが、各所にお願いしたという表現は適切ではないと思います。くれぐれも決して無理なお願いをしないように気を付けていただきたいと我々も再三指摘してきたところで、職員に対する寄付の呼び掛けについても慎重であるべきと主張してきました。これについてどのように受け止めているのか、お伺いします。

食品衛生課長

 知事がお願いしたという発言については、確認できておりません。これから寄付が増えるということについては、知事が動物愛護の普及啓発に連動して、今後、寄付が集まることもあろうというお気持ちの表れであると捉えております。

しきだ委員

 私は、お願いと呼び掛けは違うと思っていますが、見解の相違はあるかも分かりません。いずれにしても決して無理に、過度に企業・団体に対してお願いするようなことはあってはならないので、改めて指摘しておきたいと思います。知事は、これから本格化する予感があるという発言をしておりますが、何を根拠にそのようなことを発言しているのか分かりませんので、所管課で分かればお答えください。

食品衛生課長

 企業・団体に対する呼び掛けに関しては、全庁的に呼び掛けて団体や企業の紹介に協力をいただいております。こういった全体的な取組の一環として、知事にも行動していただいているところです。

しきだ委員

 知事の予感については予算委員会でもお聞きしてみたいと思いますが、お知り合いなどにも依頼し、杉本彩をはじめ動画に出演された方々、応援団の団員の方々から寄付を頂いたのか、お伺いします。

食品衛生課長

 応援団の皆様からは、寄付の申出はありません。

しきだ委員

 11億円の差額分をこういった方々で受け持っていただくのかどうか分かりませんが、今後の御協力に期待したいと思います。そこで、改めて確認させていただきますが、建設費は11億円ということで知事も寄付を呼び掛けているのですが、再確認の意味でこの建設費11億円の積算根拠をお伺いします。

食品衛生課長

 来年度から実施設計を行いますので、詳細な計算をしたものではありませんが、県が所有する同様な施設の建設費を参考に算出しております。

しきだ委員

 来年度に設計されるということですが、それは予算が認められてからの話で具体的な建設のための事業となりますので、その点は御注意いただきたいと思います。同規模のということで、11億円を全額寄付でということに関して、県民に税金を納めていただいている上に寄付を呼び掛けるということに関しては、もっと議論が必要であったと思います。11億円かかるかもしれないし、かからないかもしれないし、それ以上かかる可能性もあるということでしょうか。

食品衛生課長

 委員のおっしゃるとおり、多少の誤差や状況の変化はあり得ます。

しきだ委員

 先月、田中信次委員と京都府の動物愛護センターを視察させていただきました。県も京都府の建設費を参考にされていると思いますが、京都府では、こういった市民の方々、関係者の寄付に加えて国の交付金、あるいは基金も活用して建設費に充てた。国土交通省の関西地方整備局の地方整備に関係する交付金、あるいはソーラーシステムを設置することといった観点からも、クリーンエネルギー交付金といったものを有効活用しながら、関係機関と1年以上にわたり議論を重ねてきたと話を伺って、こういった様子に感銘を受けました。神奈川県では、積算根拠が決して十分とは言えなかったという状況でこの点について考慮されたのか、されていないのか、この点についてお伺いします。

食品衛生課長

 京都府の動物愛護センターについては、最初に寄付を募って建設をした先例であることから、いろいろと参考にさせていただいております。神奈川県では、環境省が所管する動物収容・譲渡施設補助金を受けられるように調整しているところです。

しきだ委員

 一般論で構いませんが、どのくらいの金額が見込めるのでしょうか。

食品衛生課長

 環境省との調整の中で課題は幾つかあります。この補助金事業の予算総額自体が1億円しかなく、他の自治体からの申請もあることから多額は見込めず、単年度の事業に対する補助金のため、建設が複数年になると補助金が受けられない可能性もあります。

しきだ委員

 今、国の交付金の話もさせていただきましたが、法定施設ということもありますし、地方交付税措置の対象にならないのでしょうか。

食品衛生課長

 平成20年度から地方交付税の積算基礎である単位費用に動物愛護管理推進費が盛り込まれましたが、対象経費は犬や猫の餌代やワクチン代としており、動物保護センター等の施設の建設費等に係る経費は、対象とされておりません。

しきだ委員

 何が言いたいかというと、こういった寄付を募っていくという考え方、また動物愛護といった拠点施設の整備となってくると聞こえは良いし、耳障りも良いのですが、本来、税金で建設すべき施設にあえて寄付を募るということについては、地方財政法に抵触するおそれもある。余りこれが過度になっていくと現実にあるわけで、その辺りについては、きちんとした説明が必要だと思っています。ですから、県の財政状況の厳しさや補助金の活用状況などもっと説明が必要と考えるが、京都府の事例を食品衛生課長も調べているなど努力をしていることから、一定の理解と安心をしましたが、引き続き努力していただきたいということを要望しておきます。そして、提案も含めて1点確認させていただきますが、京都府では、施設にドッグランを整備し、フェンスにペットフードメーカーの公告がありました。これは、ネーミングライツで50万円、10年間で500万円という努力をしているわけです。維持管理経費の一部を賄っているという取組について、大変参考になると思って聞いて帰ってきましたが、今後、こういった取組を参考にする必要があると思いますが、検討されたのでしょうか。

食品衛生課長

 ネーミングライツについては検討しておりますが、いわゆるネーミングライツは今ある建物に対しての名前を付けていただくという趣旨のものですので、新しい施設が建設された後には、ネーミングライツの募集は有効な財源として検討したいと考えています。

しきだ委員

 それでは、少し視点を変えて何点か質問してまいりたいと思います。京都府に続いて広島県神石高原町へ視察に行ってまいりました。広島県神石高原町は殺処分ゼロに向けて町ぐるみでNPO支援をしていこうという取組をしている。その一環でふるさとチョイスを活用して全国から3億5,000万円もの寄付が集まっているということです。この視察には武田委員も加わり3人で行ってまいりましたが、その際にNPOの方からワクチン接種についてお話がありました。神奈川県の動物保護センターにおける保護された犬や猫に対するワクチン接種はどのように実施しているのか、現状をお聞かせください。

食品衛生課長

 まず、犬については6種混合ワクチンを32頭に接種しており、直接県民に譲渡する犬や、ある程度長期収容してしつけのデモンストレーション等している犬について接種しております。猫については、3種混合ワクチンを47頭に接種をしており、犬と同様に直接県民に譲渡する猫に実施しています。ボランティアに譲渡する対象の犬、猫については基本的には接種しておりませんが、飼養状況、飼養期間、病気の状態によっては接種する場合もあるというのが現状です。

しきだ委員

 広島県神石高原町のNPOに聞いたところでは、獣医師がそこで接種すれば原価だけで済むが、ボランティア団体の手に渡って開業の獣医師に行ってもらうと7,500円かかる。原価は100円くらいとのことなので、75倍の格差が出ている。神奈川県の動物保護センターが譲渡促進して、余り接種しない犬、猫が譲渡された場合には、その先のボランティア、譲渡先の次の受入先といった方々が負担していく現実があるのです。そこで、神奈川県では動物保護センター内で接種した場合は幾らになるのか、動物保護センター外で獣医師に接種してもらう場合は幾らになるのか、把握していれば教えてください。

食品衛生課長

 犬のワクチン単価は1回分で648円です。動物保護センターで行えば獣医師もいるし、動物診療施設ともなっていますので、この金額となります。動物病院では料金が一定でないので、インターネット等で調べると7,000円くらいかかるようです。

しきだ委員

 かなりの数がボランティアを通じて譲渡されているという実態を考えると、複数引き取られればそこにとどまる犬も増え、そういった経済的な負担、維持管理について、そういった方々が苦労されているということが、多頭飼育崩壊にも結び付いていくといったことも指摘させていただきましたが、先ほど、交付税措置をされて、建設費は算定されていないが、餌代であるとか、いわゆるソフト面については交付税措置をされているという話がありました。県は譲渡する前に、動物保護センターに獣医師が常駐しているのであれば、ワクチンの7,500円も負担させるのではなく、事前にきちんと予防接種した上で譲渡するという考え方の方が適切だと思います。また、県の責務だと思いますが、その辺りについてはいかがでしょうか。

食品衛生課長

 動物保護センターでのワクチン接種の場合、幾つか課題があります。一番大きなものとしては、離乳をしていない猫は月齢が若すぎてワクチンの接種ができないという問題があります。また、病気や老齢の犬も多く、そういう犬に接種することが妥当かどうかは獣医師が判断することになります。こういう課題がありますが、ワクチン接種がボランティアの支援になることは認識しておりますので、ボランティアの要望を聞きながら、予算面も勘案してどのような方法が効果的なのか、検討していきたいと思います。

しきだ委員

 速やかに検討していただきたいと思います。再三申し上げているように、ボランティアの方々に負うところが大きいので、建設については県で建てるべきであり、寄付はボランティアの支援に充てるべきというのが私どもの一貫した主張で、もっと考えていただきたいと思います。これについては予算委員会でも質疑していきたいと思います。広島県で、ピースウィンズ・ジャパンというNPOの方々と意見交換をしたところ、この団体は神奈川県藤沢市で譲渡会を行っている。神奈川県動物保護センターから平成26年度に3頭、平成27年度に2頭の犬を引き取ったという話がありました。年末年始の長期休暇に入るまでに引き取り手のない犬は殺処分される危険性が高いので、集団保護する取組をしている団体のようで、そういった話を広島県へ視察に行き、聞いてまいりました。このような事実は把握されているのか、お伺いします。

食品衛生課長

 委員御指摘のとおりピースウィンズ・ジャパンにつきましては、動物保護センターの登録ボランティアであり、平成26年度に3頭、平成27年度に2頭を譲り受けていただき、新しい飼い主を探していただきました。しかも、余り譲渡が難しい、もらい手が少なさそうな犬を引き取っていただいており、大変感謝しています。

しきだ委員

 私も驚いて頭の下がる思いがしました。県内のNPO、ボランティア団体ではなく、遠く離れた広島県のNPOが行っているということにも衝撃を受けたところです。話を聞けば聞くほど、ボランティア支援の充実を図っていくことが重要だという思いに至った。やはり建設は県費、ボランティアには支援を手厚くしていくというのが県の責任であると痛感しました。この点は改めてお伝えしておきたいと思っております。今回、ボランティア支援として887万円という予算も計上されておりますが、これまでの議論の中でもボランティアへの支援というものが大事だと再三申し上げてきたところで、私どもの会派の意見を反映していただいたものとして前向きに受け止めておりますが、どのような考え方に基づいて予算を計上したのか、また積算根拠も併せてお伺いします。

食品衛生課長

 殺処分ゼロの実現に関してはボランティアの協力は不可欠であり、今後、ボランティアをしっかり支援していくために予算案を提示しました。積算根拠については、支援は三つありますが、まず飼い主がいない猫の避妊、去勢手術にについては、各市町村の補助金制度の金額に合わせて積算しており、200頭分で出しています。それから、シャンプーやトリミングをしていただく方への支援については、一般のトリマーのところの市場価格を参考にその一部、約2,000円程度を補助します。具体的には交通費や作業着の洗濯代等への支援です。最後に譲渡していただくボランティアへの支援として、動物の飼養管理費を計算してその一部、約4分の1程度を考えており、餌代とか医療費の一部として充当していただくという考え方で積算しております。

しきだ委員

 ボランティアへの支援ということで、積算根拠を示してもらいながら予算を提案されたということは率直にまず第一歩として評価したいと思いますが、887万円はリーフレット、ポスター、動画、県のたより特集号等で1,453万円となり、それよりも安いというのはいかがなものかということを感想として申し上げておきたいと思います。昨年6月の第2回定例会で建設基金条例が提案された折に、私はこの問題は財政問題と連動しているのかということを本会議でも確認させていただいたのですが、知事からは財政問題とはリンクしていない旨の表現があったが、それは間違いないかを再度確認します。

食品衛生課長

 知事は、県財政は依然として厳しい状況にあることは間違いありません。しかし、寄付については必ずしも財政とリンクさせた話ではありませんという答弁をしています。現時点でも寄付の趣旨は財政面ではなく、あくまでも動物愛護の輪が神奈川県から全国に広がっていくということが大切であるという趣旨で建て替えをするということに変わりはありません。

しきだ委員

 その哲学に変更はないということで理解しました。また、予算委員会でも質問機会があるようですので、いろいろ議論を深めてまいりたいと思います。以上で私の今日の質問を終わります。

田中(信)委員

 ジカ熱について質問したいと思います。感染症対策の推進も聞いていますが、平成28年2月25日に本県でもジカ熱の患者が発生したということは報道されたところですが、ジカ熱について詳しく分からないものですから、不安に思っている県民も多いのではないかと思いますので、県としてはどういう取組をするのか、何点か伺います。まず、ジカ熱はどういう病気なのかを教えてください。

健康危機管理課長

 ジカ熱は、ジカウイルスを持った蚊が媒介する感染症で、アフリカ、中央・南アメリカ、アジア太平洋地域で発生がありますが、近年は中南米で流行が拡大しています。媒介する蚊はヒトスジシマカとネッタイシマカですが、このうちネッタイシマカは日本には生息していません。症状としては、軽度の発熱、発しん、結膜炎、筋肉痛、関節痛、けん怠感、頭痛などで、これらの症状は軽く、通常2日間から7日間続きます。近年では、南米のブラジルにおいて小頭症の新生児が増えており、ジカウイルスとの関連が指摘されております。

田中(信)委員

 今、説明がありましたが、蚊を媒介するということですが、空気感染の疑いはないのでしょうか。

健康危機管理課長

 空気での感染はありません。

田中(信)委員

 ウイルスというと空気感染のイメージがあって、県民の皆様も報道だけ見ていると、何となく怖いということだけが印象に残っていて、どうやって感染するのかは余り分かっていないと思いますし、今、蚊に刺されてなるということでしたが、1種類は日本にいないということですが、もう1種類は日本にいるということで、今は蚊が余りいないシーズンですが、現状はどうなのか、日本のどの辺りに生息しているのか分かりますでしょうか。

健康危機管理課長

 媒介する蚊はヒトスジシマカとネッタイシマカで、ネッタイシマカは日本に生息していません。ヒトスジシマカは大体岩手県から南の地域に生息していると言われています。

田中(信)委員

 この時期であれば余り蚊はいないので、今のところ大丈夫だと思いますが、油断はしないようにしていかなければいけないということですが、感染しないようにするにはどのように注意すればよいのか、教えてください。

健康危機管理課長

 ジカウイルス感染症は、ジカウイルスを持った蚊が人を吸血することで感染する病気です。現在、日本では蚊の活動期ではないため、国内で感染するリスクは大変低いと思っておりますが、その流行地域に渡航する場合には、長袖、長ズボンの着用、虫よけスプレーを使用するなど、蚊に刺されないよう注意する必要があります。また、まれなケースとして性交渉による感染リスクも指摘されておりますので、流行地域から帰国した男性で妊娠中のパートナーがいる場合には、コンドームの使用などの注意が必要です。

田中(信)委員

 今回のケースの場合は、感染の広がることは少ないかと思うのですが、これに対して神奈川県とか、国としての対策は何か行っているのでしょうか。

健康危機管理課長

 はじめに、国の対策からお答えさせていただきます。ジカウイルス感染症は、本年2月5日に感染症法の4類感染症、検疫法の検疫感染症に追加されて平成28年2月15日に施行されました。これにより、医師による保健所への届出が義務となり、検疫所での診察、検査、汚染場所の消毒等の措置が可能となりました。検疫所等では、流行地域への渡航者に情報提供を行うとともに、入国時に発熱や頭痛などの症状を訴える人がいないか確認して水際での対策を行っています。また、厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会では、蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針に新たにジカウイルス感染症を追加するとともに、指針を基にした自治体向け手引きでジカウイルスを媒介する蚊の駆除や幼虫の発生源対策などを都道府県に求めることとしております。続きまして、県の対応です。県では、医療機関に対して渡航歴や症状からジカウイルス感染症の可能性が考えられる患者を診察した場合、最寄りの保健所に情報提供していただくような体制を整備しています。また、県民が多くの報道に対して必要以上に不安を持たないよう、県民に病気に関する正確な情報を提供するため、県のホームページや動画投稿サイトにジカ熱に関する情報を掲載し、周知、啓発に努めております。また、県では昨年、蚊媒介感染症対策ガイドラインを策定しておりますが、今後、国の動きに応じて同ガイドラインにジカウイルス感染症を追加することや、気温が上昇して蚊の活動期に入る頃に、市町村と連携して施設等の管理者の協力を得て公園等で蚊の生息調査を行うとともに、ボウフラが繁殖しないよう、住民に対して屋外等で水がたまらないよう周知、啓発する予定です。

田中(信)委員

 今、国と県の対応を聞きましたが、広がらないようにという対策はよくできていると思うのですが、先ほど子供の小頭症という話があったので、そういうことを聞くと若い母親とか、妊婦の方はパニック症状になりそうなものですから、情報の発信というものはこれからもしっかり行ってほしいと思います。最後に、感染症というのはなかなか分かりにくいものですから、どこから出てくるのか分からないという想像がつかないものですが、神奈川県として感染症についてどのような体制で臨んでいるのか教えてください。

健康危機管理課長

 健康危機管理課の感染症担当職員には感染症専用の携帯電話を配付し、365日の24時間、検疫所や保健福祉事務所等の関係機関からの緊急連絡が取れるようにしています。連絡を受けた職員は、課長に即座に報告して迅速な対応を行えるようにしています。また、衛生研究所や保健所設置市の感染症担当、厚生労働省や国立感染症研究所とも365日の24時間連絡が取れる体制を整備しています。医療機関の整備としては、第1種感染症指定医療機関を1病院、第2種感染症指定医療機関を8病院指定しています。感染症指定医療機関に対しては、国庫補助金を活用して病院の設置、運営など支援しております。

田中(信)委員

 報道があったことで大変不安に思っている方も多い中で、しっかりと対応しているということをアピールしながら、やはり正確な情報を流して、これからも様々な感染症が出てくるかと思いますので、しっかりとした体制をつくって、これまで以上に情報発信していただきますように要望してこの話は終わります。

 次に、猫の殺処分ゼロ宣言について質問したいと思います。平成26年度に動物保護センターに収容された猫の殺処分ゼロを達成していますが、収容数は約600匹と多く、猫の殺処分ゼロを継続するためには、様々な問題があると思います。そこで、何点かお伺いしていこうと思います。まず、平成25年度から今年度まで過去3年間の猫の収容数、譲渡数、殺処分数、死亡数を伺いたいと思います。

食品衛生課長

 平成25年度から今年度までの3年間の収容数等の推移について、今年度の数は平成27年12月末現在の数字でお答えします。まず、猫の収容数ですが、平成25年度は634匹、26年度は595匹、27年度は574匹です。次に、猫の譲渡数ですが、平成25年度は196匹、26年度は514匹、27年度は500匹です。次に、猫の殺処分数ですが、平成25年度は398匹、26年度と27年度はゼロです。最後に猫の収容中の死亡数ですが、平成25年度は43匹、26年度は69匹、27年度は69匹です。

田中(信)委員

 収容中に亡くなるとは、どういったことでしょうか。

食品衛生課長

 収容される猫の大半は生まれて間もない子猫です。それらの子猫については、まず車で動物保護センターに搬送する途中で、既に衰弱していたり、脱水症状等で死亡するケースがあります。それから、搬送が完了した後も動物保護センター、あるいはボランティアの方々に預かっていただいている中で、ミルクを飲まなかったり、もともと虚弱で死亡するケースがあります。こういった事例が収容中の死亡数として計上されます。

田中(信)委員

 収容中の死亡数がかなり多い印象を受けます。子猫の生態系というのはよく分からないものですから、その辺りを教えてほしいのですが、生まれたばかりの子猫はそんなに弱いものなのでしょうか。

食品衛生課長

 猫は一般的には年に2回出産し、1度に5、6匹の子猫を産みます。これは、そもそも生態系の中である程度たくさん産んで、その中で丈夫な子猫が成長していき、残りは淘汰されて死亡していくことが前提とした野生の猫の生態と思います。飼猫に関してもこういったもともとの生態があり、全てが順調に育つわけではないと思われます。

田中(信)委員

 今、子猫の生まれた後や生態系の話を聞いたのですが、自然的な猫の生態系というのは多産して、その中で強いのが生き残っていくという生態系なのかと感じました。例えば、シャケなどは何千、何万匹と卵を産んで、そのうちの数十匹が成魚になって帰ってくるわけです。それをかわいそうだからといって保護することは、自然体系も壊れてしまう。先ほど、動物保護の話の中で、NPOの皆様に譲渡をしているという話だったので、譲渡したはよいが、数が増えれば増えるほど人間の方としても弱い動物を一生懸命育てる。それを成長させるまで行っていったら、人間の方が参ってしまうのではないかという印象があります。猫がそのまま死んでしまうことは非常に残念でしょうが、本来の自然の摂理と猫を保護したいという考え方の線引きについて、何かガイドラインというものがあるのでしょうか。

食品衛生課長

 先ほどのたくさん産んで少なく育てるというのは、野生動物ではそのような生態があると思いますが、猫の場合は家畜、ペットになってから人間の手で育てられていたので、恐らく死亡率は野生の状態よりは低いものと考えます。ボランティアの皆様にあくまで飼い猫として新しい飼い主を探していただいていますので、飼い猫としてきちんと飼っていただくことが基本です。また、避妊、去勢手術をして、無駄な繁殖を防ぐということも重要であると思います。

田中(信)委員

 猫の場合は多産であることが他のペットと違って大変な面であり、このような部分を理解していただかないと短絡的に殺処分はかわいそうという話になってしまう。殺処分ゼロ宣言をしたからには、動物保護センターに持っていけばすぐに助けてくれると思って、子猫が生まれたら運び込んでくると考えられますが、動物保護センターに猫を持ち込めば必ず引き取ってくれるのか、何か条件があるのでしょうか。

食品衛生課長

 まず、飼い主のいない猫は原則として引き取りませんが、明らかに遺棄された子猫については、動物愛護の観点から例外的に動物保護センターで収容している状況です。飼い主のいる猫については、引き取る前に必ず電話での事前相談をお願いしており、猫が年をとったから、病気になったからなど正当な理由がない場合は、原則として引き取れませんと説明しております。飼い主が病気になったなどやむを得ない事情がある場合は、新たな飼い主を探す努力をお願いした上で、どうしても新たな飼い主が見つからない場合は、殺処分の可能性があることを説明した上で有料で引き取っております。なお、猫については、殺処分ゼロ継続宣言はしておりません。

田中(信)委員

 今、条件について聞いたのですが、かなりケース・バイ・ケースというか、自分の猫だと言って野良猫を持ってきたら引き取ってしまうわけです。結局、うそをつく人だっていると思うので、かなりグレーゾーンというのがある。本来であれば、神奈川県だけではなく、神奈川県全部の市町村も合わせて、保健所を設置しているところはガイドラインがあればと思うので、県全体でガイドラインを作成した方がよいと考えます。動物保護センターから猫の譲渡を受ける場合に講習を行っていると聞いたのですが、なぜ講習を行っているのか、内容はどのようなものなのでしょうか。

食品衛生課長

 動物保護センターから県民の方に直接猫を譲渡するケースがありますが、新しい猫の飼い主には、その猫を最後まで飼っていただくとともに、猫の適正な飼い方の普及啓発とマイクロチップなど所有者明示のモデルとなっていただくよう、事前の講習会の受講をお願いしています。講習会の内容は、猫の習性、適正な飼い方、健康管理、飼育に要する費用、避妊、去勢手術及びマイクロチップ装着についての説明等で所要時間は2時間になっております。

田中(信)委員

 譲渡するときに講習会をするのは当然と思います。県のホームページでは、平成26年度は19匹が譲渡されたと掲載されていましたが、残りの猫はどうなったのでしょうか。

食品衛生課長

 ホームページに掲載されているのは、直接、動物保護センターから県民の方に猫を譲渡した数です。他は、ボランティアを通じて新しい飼い主に譲渡しております。

田中(信)委員

 動物保護センターを建て替えれば殺処分ゼロが継続できると思ったのですが、実際にはボランティアに猫を渡しているわけですから、ボランティアを拡大した方が殺処分ゼロ達成が容易なのではないか。現状を考えても、ボランティアの方々の負担が大きいと思います。先ほど猫の生態系を聞きましたが、24時間体制で張り付いていないと大きくならないわけで、その辺りの負担が大きい中、しきだ委員から話があったように京都府の動物保護センターですが、京都府は猫に関してはお手上げ状態であるとのことです。子猫は、3時間おきにミルクをあげないと死んでしまう。ある程度大きくなっている猫に関しては譲渡できるということで、大々的に発表したり、張り出したりして猫の弱い部分というものを発表した上での苦しい戦いですということをおっしゃっていたのです。大多数はボランティアに渡されるということは、ボランティアの負担が大き過ぎるのではないかという思いがあるので、余り過剰に県は殺処分ゼロを言い過ぎるとボランティアの方々に対してかなり負担が大きくなるのではないかという懸念があります。それでも県は殺処分ゼロを目指していくのでしょうか。

食品衛生課長

 殺処分ゼロは非常に難しいということは、理解しているところです。平成25年度に犬の殺処分ゼロを達成し、新聞報道等によってボランティア活動等が紹介されました。ボランティアがある意味、皆様に理解、認知されたというような現状がありました。こうした状況を見て、猫を取り扱うボランティアの方々が頑張れば猫の殺処分ゼロも達成できるかもしれないと自主的にグループをつくり、動物保護センターの方に申し出があって、子猫については我々が頑張って引き取るので、殺処分しないでくださいということでお話があり、試行的に行ったわけです。それで、ボランティアの皆様のこうした懸命な努力によって、猫の殺処分ゼロが達成できました。そして、ボランティア自らが殺処分ゼロを達成できたと新聞記者に伝えたと経緯を伺っております。県がボランティアに殺処分ゼロのために無理やり猫をお願いしたわけではないと理解しております。ただし、委員御指摘のとおりボランティアの負担が大きいので、県としてもしっかり支援しなくてはいけないと考えております。

田中(信)委員

 大変な苦労ですから、余り無理はしない方がよいという要望を申し上げておきます。それでは、殺処分ゼロという言葉が独り歩きするといろいろな意味で勝手に現実と離れた方に行ってしまうのではないかというおそれがあるので、その辺りも質問したいと思います。かなかなかぞくという大変おもしろい動画があるのですが、11話のテーマは犬猫殺処分ゼロについてでありました。この1分33秒時点のナレーションで、去年の猫の殺処分ゼロは全国初と言っていますが、インターネットで検索したところ、東京都千代田区が2010年3月に全国初の猫の殺処分ゼロをうたっているのです。これは、神奈川県と東京都千代田区のどちらがうそをついているのでしょうか。

食品衛生課長

 東京都千代田区についても、猫の対策が進んでいると聞いております。神奈川県は、都道府県単位では初めてだと認識しております。

田中(信)委員

 そのとおり、神奈川県はあくまで都道府県レベルであります。東京都千代田区は区だから全国初でもよいのですが、神奈川県はあくまで都道府県レベルでの初ということで、ナレーションは全国初と言っているのですが、テロップは都道府県レベルでは全国初と言っています。なぜ、誤解を招くような演出をしたのか、演出担当者は誰なのでしょうか。

食品衛生課長

 食品衛生課でもチェックしておりますので、私どもの責任において制作したものです。

田中(信)委員

 このテロップに書いてナレーションで読まないというパターンは、民間のテレビ会社でよく使うテクニックです。かなかなかぞくの11話は、公表前に知事は御覧になったのでしょうか。

食品衛生課長

 事前に御覧になっているのかどうかの確認はしておりません。

田中(信)委員

 前回の当常任委員会でPR動画については、知事がWe Are The Worldのようにしたいということで、追加の予算執行が発生したのです。したがって、知事には動画の編集に関して権限があると証明しているのですが、この動画について事前に発言や要望に基づいて変更した事実があったのか、調査できるものなのでしょうか。

食品衛生課長

 広報県民課の担当に問い合わせることは可能だと思います。

田中(信)委員

 では、調査して報告依頼をしてほしいのですが、事実があれば報告していただけますでしょうか。

食品衛生課長

 他局にもまたがることですので、お時間の約束はできませんが、調査できるかどうか確認したいと思います。

田中(信)委員

 先ほど、福祉部長からも説明があったと思うのですが、障害者差別解消法というものが平成28年4月に施行されますということで、私もパンフレットを読んでみたのですが、その中でどういうことをやらなくてはいけないのかということで、合理的な配慮をするというものが入っているのです。合理的な配慮とは、つまり障害者が分からない表現をするのはやめなさいという話が入っているのです。聴覚障害の人と視覚障害の人が動画を同時に見たら、神奈川県の猫殺処分ゼロが全国初という話が食い違うことになりかねないと思います。この辺りの演出方法というか、障害者差別解消法の意義というものがこれから問題になってきてしまうところがあると思うので、平成28年4月になったらこの動画はお蔵入りするのではないかという懸念を持っているのですが、この辺りの配慮というのは、つまり殺処分ゼロを余りにもフィーチャーしたいがために過剰な演出に走り、障害者差別に波及してしまったのではないかと思うのですが、この辺りは福祉部長どうでしょうか。

福祉部長

 委員お尋ねの演出については、それが演出だったのか、不一致が生じてしまったのかは私の方では知り得ないものですから、仮にこれが平成28年4月1日以降の施行後であれば、そういった状況の中で障害者の方が誤解をしたということであれば我々の方ではそれぞれのところと調整する立場にありますので、そういったことをなくしていく努力をしていく立場にあると思っております。

田中(信)委員

 平成28年2月10日、神戸市教育委員会の話で神戸新聞だったのですが、いじめ100%解消の公表ということで、神戸市はいじめ100%解消しますという宣言をしたら、うちの息子はいじめられていると保護者から苦情が来て、教員は何と答えたかというと100%解消ということを途切れさせてはいけないと思い、解消しなくても解消したと報告したり、いじめの報告自体をしなくなったりしてしまうといった指摘が出てしまい、結局、神戸市教育委員会の担当課長は、隠蔽のつもりはないが誤解を生む表現をしたので再検討したいということで撤回しているのです。こういった状況があるので、上から余りゼロ、100%ということを言うといじめのケースではこういうことが起きてしまっているが、猫の殺処分ゼロというのは非常に難しいということも分かった上で、組織全体に対して負荷がかかってあらぬ方向にミスを犯すことがないようにしていかなければいけないと御忠告したいと思います。最後に、要望を申し上げますが、猫については生態系の話も含めて、もっと議論をしていかないといけない部分があります。NPOの方が引き取ってくださっているということですが、ミルクの回数など24時間体制の監視が必要になるものですから、誰かがきちんと見てあげて、これは無理だというときには勇気ある決断をするときも必要であり、ボランティアへの補助の姿勢も厚くしてあげるとか、建物ありきで考えるのではなく、包括して猫の殺処分ゼロを無理なく表現できるのであればよいと思いますが、ゼロのために隠蔽やミスが波及しない配慮をしてほしいと要望を申し上げて、猫についての質問を終わりたいと思います。

 次に、地域医療構想について質問していきたいと思います。地域医療構想については、今年10月の策定に向けて地域ごとの将来の医療需要を推計するとともに、地域医療構想調整会議を設置して地域の医療関係者等の意見を聞いていることは承知しておりますが、今回の骨子案の報告があったことに関連して何点か質問していきたいと思います。まず、私が昨年の第2回定例会で関係者との丁寧な意見交換を行い、その中で市町村によって現場の意見を聴取する力が異なることから、強い地域ばかりが優遇されるようなやり方をしないようにしてほしいと要望を申し上げたのですが、これに対してどのような対応を行ってきたか、お伺いします。

医療課長

 地域医療構想調整会議のメンバーは、地域によって若干異なりますが、基本的に地域の医師会、病院団体、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、医療保険者、地域の市町村、県医師会、県病院協会、県内4医科大学という構成になっています。地域医療構想調整会議は県が設置するものですが、地域の偏りが出ないよう考慮して地域内の全ての市町村が会議に参加しております。また、地域の医師会や病院団体についても、同様に地域性を考慮して複数の委員が参加しております。議事の取りまとめ役であります会長ともよく連携し、特定の委員による意見だけで結論が出てしまうことのないよう、全体に配慮しながら議事を進めているところです。

田中(信)委員

 私が要望したことに留意していただきながら意見聴取しているということですので、引き続き、意見の強いところばかりでなく、いろいろな面でしっかり吸収していってほしいと思います。これまでの経過や今後のスケジュールについて報告がありましたが、もう少し詳細な状況があれば、教えてください。

医療課長

 まず、昨年の7月から9月にかけて、県全体及び県内八つの地域で第1回の会議を開催し、地域医療構想の目的や内容、病床機能報告制度の集計結果、将来の必要病床数等の推計結果、策定スケジュールの共有を行いました。続いて、昨年の10月から11月にかけて第2回の会議を開催し、構想区域の設定や都道府県間で流出入している患者について地域の考え方を検討しました。今年に入って、1月から2月にかけて第3回の会議を開催し、県内の構想区域間で流出入している患者について地域の考え方を検討するとともに、データを基に地域の現状を把握し、意見交換を行いました。今後、平成28年2月から3月に開催する第4回の会議で骨子案の検討、平成28年5月から6月頃に開催する第5回の会議で素案の検討、平成28年7月から9月頃に開催する第6回の会議で構想案の検討を行う予定です。平成28年6月の素案、9月の構想案の各段階で、当常任委員会にも御報告させていただきたいと考えております。また、平成28年9月頃までに構想案についてのパブリック・コメントを行い、平成28年10月頃に医療審議会へ諮問を行う予定としております。

田中(信)委員

 全体論の話をお聞きしたいのですが、2025年問題ということで団塊の世代が75歳以上になっていく時代が来るのが分かっているので、今から用意をしていこうというのが基本コンセプトだと理解しているが、県として2025年を受け止めるスケジュール感ができているのでしょうか。

医療課長

 地域医療構想は、現在、医療を受けている患者の受療行動と医療水準を2025年の性年齢階級別の人口割合に当てはめて計算しているものです。この10年間の間に医療の進歩や人口動態の変化があると、現在、考えている必要病床数に合わない可能性もあると考えております。しかし、どこかで変わるかもしれないと言っていると、いつまでたってもできませんので、現在、持ち得る限りのデータをしっかりと検討しつつ、地域医療構想を1回立てるということと、それに向かってどうやって目指していくかということ、地域医療構想調整会議は構想策定後もどうやって進めていくかということを毎年、各地域で議論していただく場となりますので、その中で微調整を図っていくなり、また、保健医療計画も10年間で2回改定しますので、その中で調整を行っていくものと受け止めております。

田中(信)委員

 病床数の話で言うと、神奈川県は9,000床が足りないということで、かなり衝撃的な数字が出ていたと思います。病床の機能区分ごとの将来の病床数の必要量と将来の居宅等における医療の必要量の推計はどんな感じになっているのか、地域ごとの特色が出ているのでしょうか。

医療課長

 本県の医療需要については、国から提供された必要病床数推計ツールにより推計を行ったところ、2025年に必要となる病床数は、医療機関所在地ベースで7万2,238床であり、病床機能報告制度による2014年現在の病床数6万1,339床と比較すると、1万889床不足することが見込まれております。また、在宅医療等の必要な患者数についても推計しており、2025年の患者数は、医療機関所在地ベースで14万3,299人であり、2013年現在の患者数8万3,773人と比較しますと、5万9,525人増加することが見込まれます。二次医療圏ごとの推計結果ですが、特色として横浜市や湘南東部は現在の1.2倍から1.3倍の病床数が必要となり、一方で、県西は現在から1割程度病床数が過剰となるという結果も出ております。また、川崎北部は患者の流出が大きく、相模原市は反対に患者の流入が大きい。また、在宅医療等の患者数は全ての地域で増加しますが、特に横浜市や川崎北部、湘南西部、相模原市で増加率が高いといった地域特性が明らかになっております。

田中(信)委員

 結構特色のある数字が出ていると思いますが、病床数もかなり細かく増やさないといけないし、地域によって流入、流出に偏りがあるのと、私の地元である横浜市ではかなり必要数が増加している。地域差に関してはニーズがかなり違うと思うのですが、二次医療圏の設定が適切なのか、あるいはもう少し広範囲で考えた方がよいのではないかと思いますが、この辺りの考え方を県は持っているのでしょうか。

医療課長

 地域医療構想を策定する単位である構想区域の設定については、二次医療圏を原則としつつ、各地域での議論の中で患者の受療動向、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセス時間等の要素を勘案し、現行の二次医療圏と異なる構想区域の具体的な案がある場合には、見直しを検討するというのが県の基本的な方針です。現在、会議を進めてきて、横浜地域は二次医療圏が三つに分かれておりますが、二次医療圏を越えて患者が市内で移動しており、その傾向が将来も続くと考えられます。また、将来的に二次医療圏と老人福祉圏域の整合を図っていきたいとの希望があります。そういったことから、構想区域は市内で一つにすべきとの意見が横浜市や医師会などを含めた地域の総意であり、これを受けて検討を進めているところです。

田中(信)委員

 全部が画一的に進むわけではないと思います。神奈川県の中でもこれだけ違うということですので、引き続き、意見交換を進めていただきたいと思います。少し脱線しますが、この話は一般県民に伝えるのが非常に難しいわけであり、こういった話を一般県民にこういうものだと伝える方法は考えているのでしょうか。

医療課長

 現在のところは、地域医療構想のポータルサイトというホームページを作っております。そこで基本的な考え方や国の方で示しているガイドライン、各地域のサイト、例えば、横浜市や各保健所のページにリンクを張り、各会議体で出された資料や議論を全て県民に見えるようにしております。ただ、それだけでは勝手に見てくださいという形になりますので、今後は県民に対して発信していくような研修なり、シンポジウムを行っていかなくてはならないと考えております。実際は、来年度にどういう形で行っていくか検討しています。

田中(信)委員

 この間、自民党で千葉県柏市の地域医療の団地を見に行ったのですが、目で見ると地域医療というのはこういうものかと雑ぱくに感じるところがあるのです。結構これからお金を使うところなので、税金をいっぱい使ってやることに対して県民の理解を受けながら進めていかないと、途中で頓挫してもおかしくなってしまうので分かりやすく説明していく、あるいは目に見えて実感が湧くようなものが恐らく希望になると思うのです。ちなみにこの地域医療構想の全体の進捗状況を聞いたのですが、ここだけ特化してやたら動きが早いという地域があったりするのでしょうか。

医療課長

 特にそういうところはありません。毎回、こちらで決めさせていただいているスケジュールのところでじっくり話し合っていただいています。

田中(信)委員

 そういった面では、やる気のあるところはどんどん進んでほしいという意味もあったのですが、一応県としては横並びで一緒に平等に行っていくという姿勢なら、それも県の役割なのかと思います。これまで3回、県全体で所管する会議、保健医療計画推進会議と県内の構想区域ごとの会議、地域医療構想調整会議を行っているということですが、どのようなことを検討しているのか、もう一度教えてください。

医療課長

 これまでは、地域医療構想の策定に向けて基本的なデータを地域の関係者と共有しながら、将来どのような方向性を目指していくかについて共通認識を醸成してまいりました。具体的には、がんや脳血管疾患、心疾患などの主な疾患について、地域内に住んでいる患者をどれだけ地域内で診ているか、つまり自己完結率としておりますが、これを表すデータやレセプトの出現率の全国比較といったデータを見て、構想区域で持っている強みや弱みなどの実情を把握し、今後の医療体制の在り方を検討してきたところです。

田中(信)委員

 会議の中で、何かおもしろい意見等は出てきたことがありますでしょうか。

医療課長

 おもしろいかどうか分かりませんが、県全体の会議と県内八つの地域ごとの会議を通して様々な意見を頂いてきております。共通する意見としては、検討の進め方について会議に出席している各団体の代表者だけではなく、個々の民間医療機関への意見聴取を丁寧に行ってほしいとか、患者の流出入を検討するに当たっては、データによる原因分析が必要という意見を数多く頂いております。また、構想策定した後の取組の方向性についてですが、2025年以降の人口の構造変化を見据えて、1万床もの病床を増やすことが本当に必要なのか、慎重に検討すべきである。地域医療の実現には、医療と介護の連携による地域包括ケアシステムの構築が重要といった意見を数多く頂いています。

田中(信)委員

 いろいろ意見が出ているのだと思いますが、私も実は1万床も必要なのか、今の65歳が75歳になってよぼよぼになってしまうイメージがなく、結構権力志向が強い世代で、今日も雑誌を見ていたら、30代と60代の違いで、30代はこんなに年金が少ないのに60代はこんなにいっぱいもらっていて、生涯の賃金もこんなに違うというのを見て、60代に協力するのが嫌になる気持ちがあります。本当に1万床も必要なのか、先ほど医療課長からも話があったように、技術が進歩してもしかしたらどうなるかは分からないので、その都度、その都度検討していく、急がなければいけないのですが、無理なくピークを過ぎた後も建設的な意見をどんどん述べてほしいと思いますが、会議で出た意見は最前線で地域医療を守っている立場の方々の切実な声ですから、神奈川県としてはどのような対応をしていきたいと考えているのでしょうか。

医療課長

 地域医療構想は策定後いかにしてその実現を図っていくか、現実に合わせていくかということが重要だと考えております。計画自体を机上の理論ではなく実効性のあるものにするためにも、各会議等で頂いた意見を取り入れて検討して進めていきたいと考えております。個々の民間の医療機関への意見聴取、患者の流出入のデータによる原因分析など、検討の進め方の意見についてもなるべくできる限り速やかに対応してまいりました。そして今、委員がおっしゃったように2025年以降の人口構造変化を見据えた病床整備、そして地域包括ケアシステムの構築など、構想策定後の取組の方向についての御意見は、10年も先のことですから難しい課題ではありますが、引き続き、検討を進めて地域医療構想に反映していきたいと考えております。

田中(信)委員

 現場の人と意見交換して出していくというのは、非常に規模の問題もあるが、様々な意見を反映した上で今後の地域医療構想についてどのようにパワーアップしていくのか、考えがあればお聞かせください。

医療課長

 非常にいろいろな方から御意見を頂いており、いろいろな考え方があるものだと私たちも勉強させていただいているのですが、会議の席上だけでは得られる意見が少ないということもあり、いろいろな勉強会などを通して2025年以降の人口構造変化を見据えた病床整備、そして地域包括ケアシステムの構築といったいろいろな難題を山積みにしておりますが、今後、開催する会議を通じて一つ一つ課題に対して地域の関係者や市町村と丁寧な議論を重ねながら対応の方向性を整理していきたいと考えております。

田中(信)委員

 正にそのとおりだと思っているのですが、地域医療ということで皆様の意見の集合体をまとめるのが県の仕事なので、要望を申し上げたいと思います。地域ごとに先ほどの話にあるように、課題が違う部分があり、会議の意見も様々ということがあるので、こういったものをしっかり吸い上げながら、神奈川県としての役割を担っていただきたいと思います。県民が安心して暮らせる地域になるように医療体制をしっかり整えるというのが、神奈川県全体の役割だと思いますので、やはり、これからも意見聴取をしながらより良い医療体制の確立に向けて、しっかりと頑張っていただきたいと要望を申し上げて、この質問を終わります。

 次に、地域医療介護総合確保基金事業の医療分について質問していきたいと思います。平成28年度の当初予算に計上されている地域医療介護総合確保基金事業については、医療介護総合確保促進法に基づく神奈川県の計画事業として平成26年度から実施していることは承知しておりますが、高齢者が安心して生活できる地域づくりという観点から何点か伺います。平成28年度の予算の中で計上されている基金事業の概要をお聞かせください。

医療課長

 基金事業については、来年度当初予算案として78億7,000余万円のうち、医療分として36億2,000余万円を計上させていただいております。その概要は、まず、病床機能の分化・連携のための事業として、今後、不足が見込まれる回復期病床への機能転換や医療機関同士や医療介護関係者が患者の情報を共有するシステムの展開、そして在宅医療の推進のための事業として、在宅医療介護従事者のための研修事業や在宅歯科医療のための機器整備、3番目に医療従事者確保のための事業として、臨床研修医の確保、県内定着を図る取組のほか、新規事業として精神疾患を伴う緊急患者への対応についての研修事業などに取り組んでまいります。

田中(信)委員

 大きく三つの柱があるということですが、医療分の一つ目の柱として病床の機能分化・連携を挙げていますが、特に病床の機能分化について再度御説明いただけますでしょうか。

医療課長

 現在の病床の制度は、一般病床と療養病床の二つに分かれているだけであり、一般病床のくくりの中で急性期で高度医療の必要な患者や、回復期でリハビリテーションが必要な患者が明確な区分がないまま入院している状況になっております。今後、増大する医療ニーズに対して限られた医療資源を有効に活用し、患者の状態に見合った病床で、その状態にふさわしい医療サービスを受けられるようにするためには、必要な医療機能がバランスよく配置されることが重要となります。そのために、医療機関が自らが担う機能を選択し、将来の医療ニーズに合った医療提供体制を構築することを病床の機能分化という言葉で表しております。

田中(信)委員

 病床の機能分化について基本的なことを質問しますが、2分割を4分割にみたいなイメージを持っているが、これから細分化をしていった場合、病床数も増やさなければいけないと思いますが、人材不足が騒がれる中、こういった素人目に見ると4層構造になって病院も増えるといったことになると、人が足りないのではないかと思うのですが、この辺りについて構想の中でうまくいくといった話はあるのでしょうか。

医療課長

 実際的に構想を策定することで必要病床という形で、2025年までに医療ニーズに対応するために必要な数を最終的に決めてもらい、そこに到達するまでには、やはり病床数というのは基準病床数で上限が決められておりますので、急激に一気に増やしていくのではなく、少しずつ段階的に増やしていくものだと思います。病院という箱を建てるのは簡単ですが、大切なのは人材の育成や確保だというように考えております。ただ、全ての場所でたくさん人を集められるかというと難しい部分があり、例えば、ICTを活用したり、いろいろな連携する仕組みをつくることで省力化を図っていくなどを考えていくことが必要だと認識しております。

田中(信)委員

 回復期病床転換施設整備費補助については、今年度の9月補正予算で新規予算化した事業ですが、その進行状況と平成28年度の見通しについて教えていただけますでしょうか。

医療課長

 平成27年度の9月補正予算では、7医療機関で264床の病床転換に向けて補助を行っておりますが、今年度末までに二つの医療機関で91床の病床転換が完了し、残りの五つの医療機関は平成28年度も補助対象として継続して実施する見込みとなっております。平成28年度の当初予算計上分は、26医療機関で1,046床の病床転換に向けて補助を行う予定でありますが、平成28年度末までには26医療機関のうち、18医療機関650床の病床転換が完了する見込みとなっております。

田中(信)委員

 病床転換の話は、これからネックになってくると思うのです。おさらいで回復期病床の機能転換の必要というか意義をもう1回教えてください。

医療課長

 今後、ますますの高齢化の進展に伴い、医療の提供が必要な高齢の患者が増大することで、脳卒中や大たい骨骨折など急性期のあとに在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションなどの回復期における、いわゆる回復期病床で担う医療ニーズが増える見込みとなっております。一方で、2025年の医療需要を病床機能ごと、4区分ごとに推計したところ、神奈川県では、全国的にも言われていることですが、回復期病床の大幅な不足が見込まれるとともに、急性期などの機能の病床が過剰なところが見られています。このため、急性期病床などから回復期病床の方へ転換する医療機関の施設整備に対して補助を行い、病床機能の転換を促進して支援していくということです。

田中(信)委員

 回復期、いわゆるリハビリの方へニーズが寄っていくだろうという予想は、国の方でも分かっている気はしているのですが、そう簡単に65歳が回復期病床に収まるかというのは分からない。この世代は激動の時代を生きているので、粘り強いからそれほど回復期にお世話にならないだろうと私は思っているのです。しかし、皆様はデータに基づいて仕事をされているということですから、しっかりと促進しないといけないと思います。回復期病床の大幅な不足に対して、この事業でどの程度の病床の転換を見込んでいて、今後の整備予定状況など現時点で分かる範囲でお答えいただけますでしょうか。

医療課長

 病床機能報告制度に基づく、平成26年7月時点での県内の回復期病床は約4,000床となっております。平成37年の回復期の必要病床数の推計数は、約2万床と見込まれており、約1万6,000床以上も回復期病床が不足するという推計値になっております。医療機関の中には、地域の状況や医療法人の考え方によって既に機能転換を図る医療機関もある一方で、補助制度を活用してスムーズに転換を図られる医療機関もあります。このため、県が必要な補助を行い、回復期への転換の支援を行い、不足している病床への転換を図っていくものです。当面の目標としては、この補助事業により毎年900床程度転換していく予定ですが、今後、地域医療構想策定の後に転換が加速する傾向があったりなど、状況が変わってくるようであれば、臨機応変に平成29年度、30年度に向けて適切に対応していきたいと考えております。

田中(信)委員

 少し問題発言をしますが、回復期病床は国の指針やデータで転換していかなければいけないのは分かりますが、現場の思いとして回復期に転換するのは嫌だという人や、あるいは私のような30代にとって、余り回復期に転換されても利益がないと個人的には思います。この辺りの意見は出ているのでしょうか。

医療課長

 やはり、地域や病院が以前より進めてこられた方針などで、もっと回復期や地域包括へシフトしていくことが自分たちの地域に求められていることではないかということをずっと考えてこられた医療法人もいらっしゃることはあります。反対に、もっと急性期に特化していくべきだという、要するに機能分化のところで自分たちの持ち味というものをどちらかにとおっしゃる医療法人もあります。急性期や高度急性期病床を無理やり回復期に移すということではなく、例えば、急性期の同じような病院が建っていてもそれぞれに得意分野があったり、こちらは心筋梗塞が得意で、あちらは脳卒中が得意とかということもあります。そうしたデータもお示ししながら、調整会議の中で皆様に御検討いただいている最中です。ですので、現在のところは回復期にどんどん転換しようという雰囲気ではないですが、地域医療構想を策定したり、基金を活用して回復期に転換していきたいと希望されている医療機関は確かにあります。今後、また増えてくるのかと考えております。

田中(信)委員

 やはり、全員が全員そこに向かうには温度差もあるし、世代差もある。60代だけでなく、子供の対策も進めてほしいと思う人もたくさんいると思う。その理解をしっかり深めながら、必要性を説明していかなければいけないと思います。先ほどの地域医療構想とも重なると思うのですが、皆様と丁寧に意見交換をして進めてほしいと思います。

 それで、次の柱の在宅医療の推進の事業についても伺います。在宅医療トレーニングセンター研修事業費補助を計上していますが、今年度の6月補正予算で新規に予算化した事業であることは報告がありましたが、具体的にはどのような研修を行って、参加者からどのような評価を頂いているのか。今後、どういうことを行っていくのかということを教えてください。

医療課長

 在宅医療トレーニングセンターについては、在宅医療で必要な職種、医師や看護師などの医療従事者、それからケアマネジャーやヘルパーなどの介護従事者等の多職種による連携の構築や在宅医療ケアの技術向上を図るため、昨年の10月に県医師会が横浜市旭区二俣川に所在する保健福祉大学実践教育センターの中に設置したものです。これまで実施してきた研修としては、例えば、在宅復帰に向けた福祉用具、医療機器の理解研修会などで、在宅復帰を実現するために必要な支援などについての講義の後に、実際に福祉器具や医療機器を用いた実習を行っておりますが、参加者の方からは非常に好評であったと伺っております。また、ポジショニング研修というものがあり、じょくそうの予防やそのためのボジショニング、患者の身体の位置のボジショニングなどについて、参加者に実際にベッドに寝ていただき、マットレスやクッションを使って模擬体験を実践したりしていただいておりますが、参加者からは今後の参考にしていきたいと声が上がっていると伺っております。来年度の研修内容については、今後、医師会や訪問介護ステーション連絡協議会、介護福祉士会などで構成します在宅医療トレーニングセンター研修事業運営協議会で協議していく予定としておりますが、在宅医療の需要は今後、大幅に増加することが見込まれているので、在宅医療従事者や介護従事者などの多職種の連携の構築が進むよう、より実践的な研修を実施していきたいと考えております。

田中(信)委員

 在宅というのは、イメージとして在宅という言葉は飛び交うのですが、在宅は人の家でやるものですから、我々議員も在宅を見せてくださいというわけにはいかず、聞く話ばかりで実態がよく分からないということがある。もしかすると、医師も在宅とは言うのですが、実際どういうものをやるのか知らない人もいるかもしれないので、トレーニング、研修というものは非常に大事なことになってくると伺っていました。機会があれば我々も在宅医療の現場を見てみたいのですが、人の家に入っての視察も難しいと思う。こういうところでトレーニングを積むことは有効なのかと、今、聞いて思いました。是非、これも将来に向けて必要なことなので、しっかり進めていただきたいと思います。次に、医療従事者の確保のための事業ということで柱の三つ目ですが、臨床研修医確保定着支援事業費を計上しているのですが、この事業の目的と事業内容を教えてください。

医療課長

 この事業は、臨床研修、大学を卒業して初期研修を2年間やりますが、この臨床研修終了後の医師を県内に定着してもらうよう、本県の医師不足に対処するために実施する事業です。主な事業内容としては、まず、臨床研修医を確保するため、全国の医学生を対象とした臨床研修病院合同説明会を開催し、県内の臨床研修病院の魅力や情報を積極的に発信していくものです。後期研修というのは、初期研修2年の後に大体3年くらい行うのですが、後期研修医に対しては後期研修先を決める前の7月頃ですが、この時期に臨床研修交流会を開催し、各医療機関の研修プログラムの情報提供や研修医同士の交流を深め、県内への医師の定着を図っていくものです。このように、各医師が人材育成されていく節目ごとに積極的に関わることで、県内の医師確保を進めていくものです。

田中(信)委員

 研修医は漫画などでしか見たことがないのですが、非常に厳しい状況にあり、大変だということはよく聞きます。定着のための交流会というものは、確かに情報共有することは非常に有効かと思いますが、これは定着のためのものであって、研修医の給料を上げるためのものではないのでしょうか。

医療課長

 給料を上げるためのものではなく、最近の若い人たちは、特に自分はこういう勉強をしたい、実績を積みたいということを考えているので、うちの病院はこういうことができるというのを各病院にアピールしてもらう場としてマッチング、お見合いをしてもらい、この病院なら自分の夢が実現できるとか、そういうチャンスをもっと広げていくことが大切と思いますので、そのためのものです。

田中(信)委員

 医療というのはマンパワーが必要ですので、優秀な若手を確保していかなければいけないので、しっかり魅力ある神奈川県の医療ということで発信していただきと思います。新規事業で、精神疾患対応救急医研修事業費補助の事業概要について伺っておきたいのと、この事業を実施することにより期待される効果はどんなものがあるのでしょうか、併せて伺います。

保健予防課長

 本事業を実施する背景ですが、救急車を呼んでも搬送先の病院がなかなか決まらない搬送困難事例の代表例として、精神疾患と身体症状を合併する患者の搬送というものがあります。このため、地域の病院の救急の医師が救命救急センターの現場で、精神疾患のある救急患者の対応について研修を受けていただくことが、この事業の概要です。具体的には、救命救急センターが設置されている病院の精神科の医師が講師となっていただき、救急隊からの患者の受入れ時の留意点や治療中の患者への対処方法、また、治療終了後の経過観察などについて、実技指導を中心に実施していただくものです。また、この事業を実施します効果ですが、この事業を実施することにより、精神疾患と身体症状を合併する救急患者に対応できる医師や病院が増えることになりますので、円滑な救急搬送が可能となり、結果として、課題であります救急搬送時間の短縮につながるという効果があると考えております。

田中(信)委員

 新規事業ですが、精神疾患の方が救急で搬送される場合に、今までトラブルがあったのではないかと思うのですが、地域からの要望ですので、こういうことで困ったからこういう予算を要望したという具体事例はありますでしょうか。

保健予防課長

 救急患者の搬送の実態調査を行っており、平成25年11月25日から12月2日の1週間、県内全体の救急患者の実態を調査したものがあります。この1週間で県内全体では、7,009件の救急の搬送実績があり、そのうち842件が搬送困難事例となっております。また、842件中52件が精神疾患があり、搬送が困難になったという調査結果があります。精神疾患を持つ患者の搬送が困難となる理由は、精神疾患と身体事由の両方に対応しなければならないことがあります。それぞれの医師が搬送先にいなければならないということで、県内でこういう患者を受け入れる体制を整備しているのですが、そのタイミングで両方の医師がいなく、結果として救急搬送困難になってしまっているという例があります。

保健医療部長

 医師の方で実例をということなので、私自身の体験を含めて紹介しますと、内科の病棟ですと、医者も精神科の患者を余り見たことがないですし、看護師もどのように対処するのか分からない。そうした中に精神の病気を持った患者が、例えば、胃が痛いということで1日入院すると、深夜で2人の看護師しかいないときに精神科の患者が幻覚を見て大声を出されると、病棟の方でも看護師がその患者に付きっきりとなり、みんなも消耗してしまうのです。そういう方が1人でも入ると、これからは入院は無理となる。このように内科からすると精神科の患者のことがよく分からないので、こういうこととなります。精神科の医師が内科のことを勉強するとか、逆に内科の医師が精神科のことを勉強し、両方によってこういう患者をどこでも受け入れてくれるようになるという例です。

田中(信)委員

 確かに精神疾患の方の病状は目では見えないでしょうから、少し接してみたら分かるでしょうが、異なる分野が二つ混在して難しい事例が何件も起きていて困っているから、新規事業を上げたのかと思います。この事業は必要なのだろうと今の説明を聞いて大体分かった。救急車で搬送してきて受け入れるところがなくてそのまま放置されても困りますので、是非、スムーズに運用していただければと思います。

 最後に要望を申し上げます。高齢化社会になると課題が多くあると思うのですが、医療体制を強化するとともに、医療と介護が近くなってきており、連携して高齢者が安心して暮らせる地域づくりが非常に重要になってくると思います。今回、基金ということで国からお金が下りてくるので、十分にその性質を考えた上でしっかり取っていくべきところは取ってくるということで活用を考えて、神奈川県には医療と介護が大切で、全国的にもそう言われているわけなので、遠慮なく国へ要望していくのも当然ですし、医療と介護サービスは県民にとって滞りなく取り組んでほしいと要望して、私からの質問を終わります。

武田委員

 まずはじめに、県立がんセンターの患者支援の取組の強化として、アピアランスセンターについて何点か伺おうと思います。患者が、がん治療で傷跡、脱毛あるいは爪の変色など、病気の治療で仕方ないということは分かっていても、実際に外見が変わってしまうと大きな心のストレスになります。また、病気の治療が終わり、体が元気になったとしても、外見が変わってしまった人というのは心に大きなストレスを負っています。今回、アピアランスセンターが設置されることにより、より積極的に社会や家庭への復帰ができる環境が整ったと思い、大変うれしく思っています。そこで質問ですが、アピアランスという言葉はお年寄りには分かりにくいと思うのですが、このアピアランスという言葉について周知や広報に工夫が要ると思うのですが、県としてはどのように対応していくのでしょうか。

県立病院課長

 アピアランスという意味は、外見、人の容貌ということで、直訳しますと人の容貌センターとなってよく分からないということで、アピアランスサポートセンターというような形で設置しようかと考えています。そのアピアランスという言葉につきましては、この外見の変化の相談ということを全国に先駆けて行った国立がん研究センター中央病院がアピアランス支援センターというものを設置し、今、これを広めているという経過があります。委員御指摘のとおり、まだまだ一般の方にはアピアランスという言葉はなじみが薄いということは私どもも認識しておりますので、周知や広報を行う際には日本語で注釈を付けるなどして、こういった外見の変化についてお困りの方が御相談いただけるところですということを分かりやすく説明していくよう心掛けて、現在、準備を進めているところです。

武田委員

 是非、県民に丁寧な周知を行っていただきたいと思います。アピアランスセンターですが、現時点ではがんで入院されている方、若しくは通院されている方に限ると思うのですが、将来的に県立がんセンター以外の病院にかかっていてもアピアランスセンターを利用することができるのでしょうか。

県立病院課長

 県立がんセンターのアピアランスサポートセンターですが、がんの治療に伴う外見の変化について専門的な支援を行っていくということですので、県立がんセンターの患者はもとより、他の病院、診療所にかかっているがん患者についても御相談があれば受け付けることとしております。がん以外の病気となりますと専門性というところの違いもありますので、現在のところはそこまでの対応は考えておりませんが、県立がんセンターの方に他の疾病を専門としている病院から、県立がんセンターのアピアランスセンターではどのようなことをしているのかと問い合わせがあれば、積極的に御説明していこうと考えている次第です。

武田委員

 アピアランスセンターについて、開設時期や専任スタッフの職種なども含めて、開設に向けた大まかなスケジュールを教えてください。

県立病院課長

 今、予算を御審議いただいているところですが、県立がんセンターの院内組織に位置付け、本年の4月1日から開設をしたいと考えて様々な準備を進めております。専任スタッフ1名を配置する予定としておりますが、こちらは専任、常勤の看護師を予定しており、この看護師によって心理的な支援や病気の治療の経過を踏まえた社会生活上の支援を行っていこうと考えております。その専任の看護師につきましては、患者の悩みに精神的に寄り添うことのできる資質が求められておりますので、こういったがん看護の経験を有する看護師を配置する方向で準備を進めております。

武田委員

 今、専任スタッフとして精神的に寄り添える看護師の方が配置されるということですが、より丁寧で細かな体制を整えるには、医者、ネイリスト、エステティシャンといった方々も参加した方がより患者にとって良いと思うのですが、今後、県としてどのように実施するといった予定はあるのでしょうか。

県立病院課長

 アピアランスサポートセンターでは、委員の方からネイリスト、エステティシャンというお話がありましたが、例えば、使い勝手などを確認してもらうためにかつらなどを展示しますが、基本的に販売などは考えておりません。というのは、やはり精神的にその方の外見が変わったことにより、何に悩んでいるのかということをサポートしていくというのがこの専任看護師というか、このスタッフの役どころですので、それを踏まえて、かつら、エステティシャン、ネイリストが必要であるとなれば、そういったところを御紹介するといった役回りで考えておりますので、現在のところは、御提案がありました職種を配置していくというようなことは考えておりません。

武田委員

 特に女性は年齢層によって同じ悩みでも外見に対する考え方が違うと思いますので、一つ一つ細やかに相談に乗っていかないといけないと思います。次に、事業内容と支援対応についてですが、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。また、これまで行ってきた取組と比べてどのような点で違うのでしょうか。

県立病院課長

 こういった外見の悩みというのは、これまでもがん患者は抱えていたということもあり、県立がんセンターで患者支援相談窓口がありますので、そこでこういった御相談も受けておりましたが、こちらの相談窓口は御案内のとおり、がんの治療に関する様々な相談を受けておりますので、こういった相談の一つという位置付けで外見の悩みについても受け付けていたといった状況があります。そこで、アピアランスサポートセンターを別に立ち上げることにより、外見のこういった悩み相談はできますといった打ち出しができるという点がこれまでと違うというか、充実した一つの大きな特色ではないかと考えております。それから、具体的にどのような支援というお話であったかと思いますが、外見の変化、いわゆる脱毛とか、爪の変色が起こりやすい抗がん剤治療を受けている外来の患者にこういった変化が起こりやすいことがありますので、こういう外来の患者を積極的に支援してまいりたいと考えております。また、窓口では対応が難しい入院の患者に対しても、この専任スタッフが直接病棟に出向いてアプローチしていき、入院患者も相談しやすい環境を整えてまいりたいと考えております。

武田委員

 専任スタッフというのは男性、女性の方というのは決まっているのでしょうか。

県立病院課長

 現在、外からも素晴らしい方を採用しつつありますが、中にも現にそういったことができる方もいるので、まだどの方にするかというのは最終的な決定はしていないのですが、スタッフの中にいる方でそういう資質がある女性ということです。

武田委員

 少しまた質問が戻ってしまうのですが、外見が変わると心にダメージを受けると思うのですが、外見に関するカウンセリングというのは行うのでしょうか。

県立病院課長

 当然、これは精神的な支援をしていくということで、専任スタッフ1人でできるお話ではないので、その患者に関わっているドクターであったり、看護師であったり、今、お話があった心理職、セラピスト、栄養士であったり、様々な職種が関わることによって、一人一人に対してチーム医療のような形で対応していくことになろうかと思います。そういう中でこの心理的なカウンセリングが必要だというケースであれば、心理職と連携しながらカウンセリングなどを行っていくということはあり得ると考えております。

武田委員

 次に、患者のプライバシーに関してですが、例えばアピアランスサポートセンターに行ったことが他の人に知られたくないといった方もいると思うのです。入ることさえも知られたくないという方もいると思うのですが、そういった場合はプライバシーの関係でどのような配慮をされるのでしょうか。

県立病院課長

 正にそういうセンシティブというか、ナイーブというか、なかなか難しい御相談であるということは私どもも認識しております。それで、そういう展示スペースなどをアピールできるというか、気軽に扱える、見られるような場所で皆様の目につくようなところを今、考えて場所などの最終的な詰めを行っておりますが、具体的な相談というのは当然クローズドされた人目につかないことはもとより、他の方に分からないような形で相談をしていくと考えておりますので、その辺りを意識しながら相談をどのように受け付けていくのかということは十分注意しながら行っていかなければいけないと考えております。

武田委員

 支援対象とする症状について、脱毛や爪の変色とかいろいろあると思うのですが、義手や義足、人工乳房などについての相談に応じるかと推測するのです。そこで、島根県に中村ブレイス(株)という有名なメーカーがあると思うのです。世界中から手足や乳房を失った方の注文を多く扱っているのですが、今後、そのような優れた事業所とかもこのアピアランスサポートセンターで紹介などをしていくのでしょうか。

県立病院課長

 例えば、骨や筋肉、骨軟部の腫瘍で治療を受けている方が義手や義足が必要になるということは、現在もあります。こういった中では、義手、義足の専門の業者を御紹介するなどの対応をこれまでもしておりますので、今後は、アピアランスサポートセンターができた暁には、今、お話がありました義手や義足、人工乳房であるとか、そういう爪やかつら以外の部分も様々な御紹介、ニーズに合った対応をしていかなければならないと、相談に応じていくと考えております。それから、今、中村ブレイス(株)という具体的なメーカーのお話もありましたが、いわゆる世界遺産の石見銀山のところにある日本有数の技術を持った会社だということは承知しております。こういった素晴らしい技術を持つ会社を御紹介するなどして、今後、アピアランスケアに関する様々な情報提供を行っていくということは、体の一部を失いまして心身ともに深い傷を負った方がその後の人生を前向きに過ごしていくためには、大変有意義な視点だと我々も認識しておりますので、こういった有名なメーカーや何かを御紹介するといった仕組みづくりについても、今後、県立がんセンターと検討してまいりたいと考えております。

武田委員

 アピアランスサポートセンターで事業所を紹介するということですが、患者が事業所を紹介されて、この事業所のある場所まで直接行ってどのようなものが良いかということを話し合うという認識でよろしいでしょうか。

県立病院課長

 これまでも県立がんセンターの美容室でカットなどをしております。そこではかつらの販売などをしておりますので、そこの商品で適合するというか、気に入ったものがあれば、そういう手近なもので御紹介もさせていただくことにもなりますが、基本的には幅広くここにこういうものがありますということを御紹介させていただいて、あとは患者に選んでもらうということを基本としております。



11 次回開催日(3月3日)の通告



12 閉  会