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平成28年  文教常任委員会 12月12日−01号




平成28年  文教常任委員会 − 12月12日−01号







平成28年  文教常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第3回定-20161212-000008-文教常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(いそもと・たきたの両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  3件申請 3件許可



4 口頭陳情の許否について決定

  請願第57号の2についての口頭陳情 許可

  請願第60号の3についての口頭陳情 許可

  陳情第93号についての口頭陳情 許可



5 報告事項

  「県立高校改革実施計画(?期)における平塚農業高校と平塚商業高校等の再編・統合の延期について」(県立高校改革担当局長)

  「スポーツ推進のための条例及び新たなスポーツ推進計画について」(教育局総務室長)

  「県費負担教職員の給与負担等の指定都市への移譲について」(行政部長)

  「インクルーシブ教育の推進について」(インクルーシブ教育推進部長)

  「いじめ・暴力行為及び不登校への対策について」(支援部長)

  「子どもの学力向上について」(同上)

  「特別支援教育の取組について」(同上)



6 日程第1を議題



7 提案説明(教育局長)



8 日程第1について質疑(所管事項も併せて)



国吉委員

 定県第134号議案として提案されております和解の概要について、事実関係とともに何点かお伺いしたいと思います。

 まず、そもそも、なぜ訴訟という事態になってしまったのか、その点を確認したいと思います。

高校教育課長

 まず、答弁に先立ち、所管課の課長として、おわびを申し上げます。大変申し訳ございませんでした。

 それでは、今回の事案の経緯というご質問でございますが、まず、平成26年9月14日付けで、伊勢原市在住の方から県知事宛てに郵送されました高校生の入院時学習支援を広めること等につきまして、請願書が知事部局から教育委員会に回送され、当時の高校教育課で収受いたしました。しかし、収受した職員が、その存在自体を忘れてしまい、教育委員会会議に付議するといった必要な対応を行いませんでした。その後、平成28年1月22日付けで、この請願書に対します行政文書情報公開請求がございまして、捜索したところ、2月14日に高校教育課の執務室内で発見されたというものでございます。その後、必要な手続を行った上で、この情報公開請求に対応いたしました。その後、請願書を収受してから1年以上処理していないことは、知事の請願法を無視した国家賠償法上の違法行為であることから、損害賠償責任を負うといたしまして、平成28年3月16日付けで、厚木簡易裁判所に訴訟が提起されたという経緯でございます。

国吉委員

 まず、請願書が知事宛てに提出されたということですよね。それが、内容的に教育委員会が所管すべき問題だということで、知事部局から教育委員会に文書が配付されてきたと。当時の高校教育課に配付され、その請願書を収受した際の収受印もあるのだと思うのですが、総務室などの管理部は経由していないのですか。いわゆる指導部に直接行ってしまうのですか。どのような経過になっているのでしょうか。

行政課長

 通常は、教育委員会に郵送等されてきました文書につきましては、行政課から担当する課に配付され、各課の文書担当員が開封して収受印を押すことになっております。収受した各課の文書事務担当員ですが、グループの事務文書担当員に渡します。グループの事務文書担当員は、請願書など、収受記録に残すべき文書について、収受記録簿に記録した上で担当員に渡すというマニュアルとなってございます。また、教育局宛ての請願書を収受したときには、収受した課の担当者が速やかに総務室に連絡して、総務室では請願の管理簿に記録するというのがルールとなってございます。

国吉委員

 手続の内容は分かりました。内容的には指導部の対応になるかと思いますが、やはり行政課ですから総務室ですよね。その辺の文書管理というか、手続というのは、やはり教育委員会全体の流れ中で対応すべき問題だったのではないかと思うのです。その後の対応についても、指導部が所管すべきことではありますが、進行管理について、総務室などの行政課がチェックすべきだったのではないかと思いますが、その辺のところはいかがですか。

行政部長

 今回の文書は知事室に届いているということで、直接行っております。ただ、経緯としては、総務室が公聴をしていまして、それを経由して行っておりますが、確かに、今申し上げられたとおり、いろいろな文書について、管理部門がしっかり情報管理、進行管理をしていなかったと思いますので、今後につきましては、収受簿を確認しながら、教育委員会全体の中で間違いなく文書を処理できるように努めてまいりたいと考えております。

国吉委員

 教育委員会の職員体制は、行政職員と教員出身の方、その他の事務職員といった方の混成部隊という形になっていると思うのです。組織的にもしっかりできているのだろうと思うのです。例えば、高校教育課長、子ども教育支援課長は教員出身、それを補佐するために事務系の部課長と連携関係にある。病院でも同じです。土木事務所でも同じです。技術職と事務職が連携して、お互いにチェックできるような総合的な制度の体制になっていますが、その辺についてどのようにお考えになっているものか、機能しているのか、していないのか、御自身の出身母体のことだけを考えて、自分の仕事ではないと、ここまでが私たち教員に関する部分などと、教員の方が認識され、線引きをしてしまう、関心を持たない、お互いに無責任になってしまうと、結果的に、そういった事態も考えられると思うのですが、その辺の実態はどのようになっているのですか。

高校教育課長

 委員御指摘のように、特に本課は、教員籍、行政籍が混在している中で、副課長は行政籍、課長である私は教員籍でございますが、課員は業務の内容を吟味した上で、必要な相談、あるいは指示を副課長、課長というように順番に上げていく中で、教員籍であっても行政文書の扱いが苦にならないように、部課長、あるいは私から指示を受け業務に当たっているところでございます。

国吉委員

 行政課長はいかがですか。

行政課長

 今、高校教育課長から話がありましたとおり、事務職と教員籍の者が連携してきちんと処理するということは、当たり前のことでございます。ただ、委員からお話があったように、教員籍ということで、事務処理、行政文書の処理について、転入当初は知識や経験が少ない者もございます。今後は、こういった者をしっかり支援し、今回の件につきましても、文書を受け取った者が事務職の者に渡していれば、適正に処理されたのかもしれませんが、たまたま、その者が手元にしまい込んでしまったということですので、今後、転入後の速やかな時期に、行政文書の事務処理など、教育委員会の中での基本的なことを、教員籍の職員につきましても研修できるようにしたいと考えております。

国吉委員

 手続の状況は分かりましたが、当該請願書はどこから見つかったのか、その辺の事実関係を教えてください。

高校教育課長

 先ほど答弁させていただきましたように、全職員で捜したところ、所属職員のわき机の最上段の引き出しの中に置いておりましたトレイの下から、封筒に入って開封された状態で発見されました。

国吉委員

 文書を収受したということは、公文書ですよね。なぜ本来の手続がなされなかったのか、事故原因について、どのように考えているか、改めてお聞きします。

高校教育課長

 まず、当該職員に聞き取りを行った中では、当時の記憶が判然とせず、請願書を受け取ったという認識も明確ではございませんでした。したがいまして、なぜ引き出しに入れたままとなっていたかということにつきましても、判然としていない部分がございます。しかし、今回の原因といたしましては、職員の請願書の対応に関する知識や認識が不足していたということにあると考えております。重要な行政文書として収受記録簿に記録もせず、課長等、上司に提示した上で必要な指示を受けなかったということが、今回の事案につながっていると考えております。

国吉委員

 実態として、地域でもよく伺うのですが、現任の教員が各学校に配置されて、教育指導を行っている、保護者との対話、地域との関係もある、文書の連絡だけではなく様々なものがあるようですが、教育については熱心だが、一般的な人間関係や、人への対応、地域への対応といった点について、信じられないような対応をするという場面があるわけです。学校の中で通用している会話、あるいは人間関係というのは、児童・生徒との関係においては通用するかもしれませんが、少なくとも保護者への対応などは、それでは通用しない場合があります。教育について非常に熱心であることはよく分かっています。私もそのことを非難しているわけではないのですが、そういった一面だけを見てしまっていて、やはり、教育委員会に指導主事として、あるいは指導部門に入ってきたということは、教育行政の所管の責任なのです。教員という枠から、一つの大きな、また身分上の、あるいは職務上の大きな転換をしているわけです。教育委員会の事務局の職員として働いているわけです。そのことについての自覚と認識が、今回は少し足りなかったのではないかと思います。研修ということもあると思いますが、発令されて教育委員会の事務局の部屋に入ってきた時点から、もう既に事務局の職員なのです。新任職員に研修するのと同じように、現任研修を含めて、一定の見識のある先生方が入ってくるわけですから、その程度の知識やノウハウは持っているだろうと思われるかもしれませんが、やはり、行政事務を所管するという認識と自覚を促す具体的なノウハウ、どのような流れになるのか、少なくとも請願書とはどのような重みがあるのかといったことについても、あまり認識していただけないのではないかと思うのです。そのままにしておけば間違いなく、そのままになってしまうのではないかと、私は思うのです。その辺についてはどのように受入れ体制を整えるのか、どのように、新しく、今まで教育事務所にも行ったことがないような教員が、いきなり県の教育委員会の部屋に入ってきたときに対応されているのか、その辺のことについて、流れを伺いたいと思います。

指導部長

 まず、学校現場から指導主事として教育委員会に来る者については、校長の推薦やしかるべき人間を送っております。まず、教員から指導主事になった時に、高校教育課としては、登庁間もなく、全転任者及び新任指導主事を集め、指導主事とはどのようなものか、学校を指導できる、校長先生を指導できる、法上の身分もありますが、そのために、どのような行動を取らなければならないのかといった心構えというものを、しっかりと課長や専任主幹等から、研修といいますか、指導しております。そして、常に、学校を支えていくのは教育委員会であり、広い視野を持って、いろいろと連携しながら、学校又は県民に教育行政がスムーズに進むように行動するように、日々、課長を含め、私も指導しているところです。

国吉委員

 そのような指導をなさっているのですが、このような事態が前例としてあるわけです。やはり、そういった事態を招かないように徹底して、個々の先生の個性と能力、特徴などがあるでしょうし、なかなか一律にお話をするだけでは、理解していただけない場面もあるのかと思うのです。ですから、是非、これらのことをしていただく必要があるのではないかと思っております。

 さて、請願書を出した方の立場から考えてみますと、請願書の取り扱いに、今回の場合、不信感を持っているのは想像できる気がするのです。請願書が見つかった後、相手方に対して謝罪したり、すぐに本人に会ったりといった対応を行ったのかどうか、訴訟にまでなってしまったのですが、その辺のことを時系列で伺いたいと思います。

高校教育課長

 まず、請願書が発見された後、頂いていた情報公開請求に係る必要な事務連絡を、書面で郵送いたしました。その後、文書管理規程に定める事務処理を行っておらず、結果的に1年以上未処理の状態が続いたことを謝罪する書状を別途送付し、その中で、請願につきましては、県知事ではなく、事業を所管している教育委員会高校教育課で対応していきたい旨と、対応を説明させていただくためにお会いしたい旨を記載しましたが、結果的に、この書面とは入れ違いになり、対面の機会を得ることなく訴訟に至ったということでございます。

国吉委員

 文書に対して、相手方が反応しなかったということですが、その辺は、文書での対応だけで十分だとお考えになったのですか、その辺の、相当深いものがあるなと、根っこがあるなといったことを感じたのか、感じなかったのか、その辺のところは、当時はどうでしたか。

高校教育課長

 先ほど答弁させていただきましたとおり、書状で謝罪とお会いしたい旨をお伝えしましたが、残念ながら反応がございませんでした。こうしたところを見て、当時、このことを非常に遺憾に考えており、更に丁寧な対応が必要だと考えておりました。

国吉委員

 各委員とも同じような反応をされているのですが、身の回りの方に対して間違えることや対応が十分ではないということもありますよね。そういった時には、やはり、すぐに伺って、誠意を示さなければ御理解いただけないということも確かにあるわけです。通り一遍とは申し上げませんが、返事がこなかったというだけではなく、訪問したり、あるいは、どうしたら接触できるだろうと考えたり、そのくらいの熱意と誠意があってしかるべきではないかと私は考えます。

 訴訟に至った経緯は理解いたしましたが、県は、どのような考え方で応訴されたのか、考え方を伺います。

高校教育課長

 一義的に、収受した請願を、適切に保管、管理せず、1年以上という長期間にわたり、処理を忘失していたことについては、完全に教育委員会の過失であると考えており、そこは争点とはいたしておりません。しかし、この不作為はあくまでも過失ということで、相手からの申入れを故意に無視するといった、意図的な対応を行ったわけではなく、本件請願の処理の遅延により、この方が直接的に損害を与えられたというものでもないということで、弁護士等とも相談した結果、損害を与えていないということで応訴したものでございます。

国吉委員

 この和解案では、県が謝罪するとなっておりますが、これは裁判所が指示した文言なのか、原告である請願者、また被告である県のいずれかが作成して申し出たものか伺います。

高校教育課長

 訴訟自体は、当初提起されました簡易裁判所から、横浜地方裁判所の小田原支部に移送され、計3回の口頭弁論を行いました。その後、9月15日に今後の訴訟について、裁判官、原告、被告が同席して打合わせを行う弁論準備の場におきまして、裁判官から、和解により解決を図ることが考えられるかとの投げ掛けがあり、原告、被告ともに和解する方向で同意しました。その後、まず、原告から和解条項案が示されましたが、その内容は損害賠償金の支払いではなく、本件の経緯等を知事が公表し、遺憾の意を示すとともに、再発防止の具体策を示すといったものでございました。これを受け、県の考え方を整理する中で、改めて県の方から、10月31日の弁論準備におきまして、1年以上未処理の状態が続いたことについて謝罪するという文言などを入れました和解条項案をお示ししました。その条項案に原告が同意したことから、和解成立に向けた手続きを進めることになったものでございます。

国吉委員

 和解案の中身について伺いたいと思います。

 未処理の状態が続いたことについて謝罪するとともに、再発防止策を示すということでありますが、まず、いつ、どなたが謝罪するのか、その辺について伺いたいと思います。

高校教育課長

 謝罪につきましては、このたび提案させていただきました議案を議決していただくことをもちまして、和解条項である謝罪するという意思表示を県として行うことになります。その和解条項をもって原告と和解が成立することから、これ自体が謝罪でございまして、具体的な行動や行為を伴うものではございません。

国吉委員

 本件を踏まえた再発防止策の具体的な中身について伺います。

行政課長

 再発防止のため、まず、行政文書の適切な取扱いに関する通知を各所属に発出して、本件の事案の経緯を踏まえた注意喚起を行いました。また、今後でございますが、行政文書、特に請願書を収受した際の適正な取扱いに係る手続の徹底を図るために、年内に教育局各室課の担当者を対象に研修を実施し、各室課では担当者から所属の職員に対して研修を実施する予定でございます。また、今後、異動等で教育局に転入してくる職員に対しましても、年度当初に請願書を含む行政文書の適正な取扱いについて研修を実施したいと考えています。

国吉委員

 この請願書ですが、結果的に教育委員会で審議されたのか、また、請願項目は採択されたのかどうか、状況を伺います。

高校教育課長

 まず、請願者に対し、書面で、7月19日に行われます教育委員会7月臨時会で付議したい旨、また、連絡がなければ教育委員会で対応していく旨を請願者に連絡したところ、請願者から、内容について何も私の方から言うことはありませんという返信があったことから、教育委員会にこれを付議し、7月21日付けでその審議結果を請願者に通知いたしました。請願書の宛先を県知事から教育委員会に補正してほしい旨を連絡しておりましたが、このことにつきましては結果的に対応していただけませんでしたので、請願項目3点のうち2点は、県知事が自身で行動を求めるというものでございましたので、教育委員会が採択することはなじまないといたしまして不採択といたしました。しかし、県立高校生などの入院時学習支援を全国に広めるという、この請願の趣旨自体は十分理解できるということで、教育委員会として可能な対応を図るということを明記し、その結果も通知しました。なお、残る一点でございますが、これは、病院で授業を受けて無事卒業した生徒を、県内公・私立大学に積極的に入学させるよう要請するというものでしたが、これにつきましては、他の県立高校卒業生との均衡の関係から不採択とさせていただきました。

国吉委員

 教育委員会として可能な対応、どれだけできるのか、どこまでできるのか、今後も含めて、どのように対応するのか、これまでも、47都道府県の主管課長宛て、文部科学省宛てに、直接指導部長と高校教育課の指導主事が、文部科学省の初等中等教育局に出向いて、全国に広めるということで動いているようですが、その辺について、今後の対応を含めて改めて伺います。

高校教育課長

 委員お話しのように、これまでも、必要な機会を捉えて周知を図らせていただいたところでございます。今後も、指導主事が集まる会議など全国的な会議がございますので、そうした場面も活用しながら、引き続き、入院時学習支援につきまして、全国に周知してまいりたいと考えております。

国吉委員

 請願は、請願法という大変重い法律、法令に基づいて、地方公共団体の機関等に対して、個人あるいは団体の希望や考え方を、適法に述べることを保障する制度であります。請願法第5条によりますと、請願事項を所管する官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならないとされています。こうした重要な文書を収受した以上は、適切にこれを取り扱うことは県教育委員会として当然であり、これを誠実に行わなかったことは、県民の信頼を損なう結果になったと受け止めています。そこで、最後に、県民の信頼を取り戻すためにも、教育委員会の責任者であります教育長の決意を伺いたいと思います。

教育長

 請願書を収受していながら、それを忘失し長期間にわたって処理しなかったことにつきまして、改めて県民の皆様におわび申し上げます。これまで教育委員会では、請願を収受した時には、必ず教育委員会の定例会、臨時会に付議し、かつ請願者が希望すれば、その場で意見の陳述もお願いしてきました。そういった意味では、請願について教育委員が丁寧に意見を聞き、対応してきたと私自身は思っております。また、請願だけでなく、県民からの教育委員会宛ての要望、申し入れもございます。こうした教育委員会宛てのものについても、事務局が処理するのではなく、必ず教育委員に報告し、意見を聞くという手続も取っています。これは、やはり教育行政というのが、住民の意見を参考にして行う、レイマンコントロールという教育委員会制度の成り立ちに関わる部分があろうかと思います。私自身はそのことを強く意識して職務に当たってきましたし、これからも、その部分を十分に認識してもらいたいと思っています。

 こうしたことからも、今回のような事態を二度と起こさないように、研修という方法もございますが、それ以上に、教育委員会の職員、教育行政に携わる者が、教育とは何なのか、誰のために仕事をしていくのかということを意識して、幹部職員だけではなく、教育委員会の全職員に徹底を図ってまいりたいと考えております。

国吉委員

 この事案は、2年前の平成26年6月に当常任委員会で了承している事案にも関わる問題なのです。当時、私も委員を務めておりましたが、和解議案が出てきて初めて、議会が経過や新聞による報道があったことを知ることになりました。それまでの間、議会や当委員会に対して、現状や経過の報告がないという対応について、どのように考えたらよろしいのですか。

教育局長

 委員から御指摘いただきましたように、請願は、県民が教育行政に要望される大変貴重な機会だと改めて感じたところでございます。そうした中で、議会に対して、経過や事案の概要についての報告がなかったではないかという御指摘を頂きました。教育委員会としても、訴訟が進行中であり、事案の確認等があったというところはございますが、事の重大さに鑑みますと、議会に報告し、その後の経過についても御説明させていただくことも必要だったのではないかと、改めて感じているところでございます。

国吉委員

 分かりました。今回、裁判上の和解という形で相手方の理解を得る運びとなったということでありますが、本来あってはならないことであると考えます。二度とこのような事態は許されないと再認識していただいて、再発防止に真剣に、教育委員会挙げて取り組んでいただくことを強く要望して、この件についての質問を終わらせていただきます。



(休憩 午後零時3分  再開 午後1時5分)



9 傍聴の許否について決定

  3件申請 3件許可



国吉委員

 いじめ問題を中心に伺いたいと思います。

 先日来、横浜市の小学校であったいじめ問題が大きくクローズアップされておりますが、今の小学校の状況が大変気になるところであります。そこで、問題行動等への対応について、特に小学校に絞って何点かお尋ねしたいと思います。

 はじめに、問題行動等の調査結果について先ほど報告がありましたが、中でも小学校におけるいじめや暴力行為の件数、不登校児童数について、ここ数年、できれば3箇年の推移をお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 本県の公立小学校における3年間の推移でございます。まず、いじめの認知件数でございますが、平成25年度は3,870件、平成26年度は3,834件とほぼ横ばい、平成27年度は5,030件、前年度と比べて1,196件の増加でございます。

 次に、暴力行為の発生件数でございますが、平成25年度は2,518件、平成26年度は2,179件とやや減少いたしましたが、平成27年度は3,313件と、前年度と比べて1,134件増加いたしました。

 続きまして、不登校児童数の推移ですが、平成25年度は2,179名、平成26年度は2,443人とやや増加し、平成27年度は2,307人と136人減少いたしました。

 なお、不登校を含めた長期欠席児童数全体でございますが、平成25年度は4,508人、平成26年度は4,767人、平成27年度は5,114人と、前年度と比べ347人増加しています。

国吉委員

 ここ数年の小学校のいじめ、暴力行為の推移を見ますと、かなり破格の増え方だと思います。こうした小学生に見られる状況、課題をどのように受け止めておられるか、そして、どのように分析しておられるか、課題意識を含めてお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 まず、今の小学生全体に見られる課題としまして、核家族化や地域社会の変化等により、子供たちが幼少期から多くの大人と関わる体験や、子供同士が触れ合うなどの体験が不足し、社会性を身に付ける機会も少なくなっており、人とコミュニケーションをとる力や、自分の感情、気持ちをコントロールする力が、従来に比べて十分でないといった分析をしております。

 また、児童・子供の中には、子供自身が抱える心の内面の問題や子供を取り巻く家庭環境の問題などが複雑に絡み合って、特に配慮や支援を必要とする児童も多く見られます。

国吉委員

 先ほど報告いただいた中で、教育委員会の主な取組として、退職教員を活用した学級経営支援事業、現場でのいのちの授業などについて説明がありました。その中に、教育相談でのスクールソーシャルワーカーの活用というものがあり、小学校へのモデル的な配置について、本会議の代表質問に対して教育長から、活用について検討していくという答弁をいただきました。スクールソーシャルワーカーの活用を検証するということですが、これまでどのような成果があったのか、また、どのような課題があるのか伺います。

子ども教育支援課長

 スクールソーシャルワーカーを配置し、活用していくことによる成果でございますが、昨年度にスクールソーシャルワーカーが継続して支援したケースは、延べ758件となっております。例えば、不登校児童への支援として、関係機関と連携した結果、家族関係が改善し、同級生との関係が改善して再登校につながった、改善に向かっていると報告があった件数は、約4割の319件と報告されております。

 また、スクールソーシャルワーカーが児童・生徒を支援するため、いろいろな関係機関と連携していくわけですが、昨年度、延べ5,106件のケースでこういった関係機関との連携を行っており、これを通じて学校と関係機関とのつながりや連携が非常に深まったという成果もございます。さらに、スクールソーシャルワーカーを講師としまして、教職員に対する研修や教職員とともにケース会議を持つといったことも頻繁に行われており、こういった中で、学校の教員のスクールソーシャルワークの知見が養われるといった成果もございます。

 課題としましては、今後、県のスクールソーシャルワーカーが更に効果的に支援を行うためには、市町村が独自に配置しているスクールソーシャルワーカーと県のスクールソーシャルワーカーの連携の強化、役割分担の検討といった、各地域の実情に応じた最も効果的な体制を整える必要があると認識しております。

国吉委員

 今回、スクールソーシャルワーカーを小学校に配置するということであります。その狙いや想定される効果をどのようにお考えでしょうか。

子ども教育支援課長

 スクールソーシャルワーカーを小学校に配置する狙いとしましては、問題行動や不登校といった問題を未然に防ぎ、問題をできるだけ早く見つけ、改善することです。子供が中学生になった段階では、家庭環境に加えて思春期など、本人に関わる様々な要因が複雑に絡み合って、問題がなかなか改善できないケースも多く見られています。そのため、子供の問題行動等が顕在化する前の小学校段階から、スクールソーシャルワーカーが関わることが有効な支援につながると考えております。

国吉委員

 モデル的に配置していくということでありますが、どういったことなのか伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 スクールソーシャルワーカーに、小学校で年間を通じて日常的に活動してもらう、配置型のメリットとしまして、その学校の教員に、常にスクールソーシャルワークの視点や手法を実感してもらえるという利点がございます。こういった中で、どのような関わり方が効果的な活用につながるのか、有効な成果に結びつくのか検討し、そこで得られました知見やノウハウを、今後ほかの小学校にも普及していきたいと考え、いくつかの小学校をモデルケースとしてスクールソーシャルワーカーを配置し、また、今後配置していこうと考えております。

国吉委員

 いじめや暴力事案への対応や、問題行動を発見した場合に日常的に対応するのは、基本的には教員だと思います。教員ならば、そういった資質がなければ教員とは言えない、教員としての資質がないと言われても仕方がない部分があると思います。量的にも増え、児童・生徒を取り巻く社会的な環境も変わり、いろいろな状況によって医療関係者、福祉の関係者の力を借りなければ対応できないという、時代的な要請もあろうかと思いますが、私は、基本的には教員の熱、そして理解、こうした取組が不十分だと思うのです。

 問題を発見する数値はかなり上がっているのは分かりますが、そのボーダーラインというか、それ以前の段階の状況に対してどのように向き合っているのかということが、地域でも指摘されているのです。全面的に教員のあり方がおかしいということではないのですが、教育現場でしっかりと児童と向き合っていくといった熱意というか、始めは、教員になるのですから、教員を目指した方はそれなりの熱があっても、慣れてくると、言いたくありませんが、安直に教科書を解説した参考書で学科指導をする、日常の児童への対応の仕方、教科指導、行事、あるいは特別な活動といったことを含めて、認識が薄くなってしまっているという事例も、学校現場ではあるような気もするのです。特定の学校ということではありません。そういったケースもあると思うのです。

 学校などを訪問すると、学校の雰囲気の中で、学校内での連携ができていない、特定の殻に閉じこもってしまっているというか、そういった教員の意識、行動がよく見受けられるような気もするのです。ですから、いじめや暴力行為の前段の、いわゆる周辺的な状況を把握できない、状況を把握しようと思わないといった姿勢に対して、通知を流すだけでは解決しないのではないでしょうか。

 そして、スクールソーシャルワーカーといった専門職を配置するということでありますが、連携するということではなく、委託してしまうという意識になってしまったら本末転倒で、学校の教育活動の形骸化につながってくるのでないかと思うのです。是非、そういった面での取組をお願いしたいと思います。

 次に、横浜市のいじめ問題について伺いたいと思います。これは、政令指定都市としての横浜市教育委員会の問題ですので、把握する内容には限界があるかも知れませんが、概要を御説明いただけたらと思います。

子ども教育支援課長

 今回の横浜市での事案の概要につきまして、申し上げることのできる範囲で答弁させていただきたいと思います。

 横浜市の、現在中学1年の生徒の小学校時代のいじめに対して、横浜市教育委員会が重大事態に認定し、平成28年1月から第三者委員会による調査が開始されました。今年11月に第三者委員会による調査報告書が、横浜市教育委員会を通じて被害生徒及び保護者に手交されました。報告書には、名前に菌をつけて呼ばれるなどのいじめを受けて不登校になった、多額の金額を支払ったなどの状況において、学校や教育委員会が適切に対応して来なかったことについて、指摘がなされております。現在、横浜市教育委員会では、今回の件を検証するとともに、再発の防止に向けて取り組んでいるところでございます。

国吉委員

 横浜市教育委員会が設置した第三者委員会から、再発防止に向けた提言があったということでありますが、提言内容について伺います。

子ども教育支援課長

 第三者委員会による再発防止に向けた提言、提案は、6点ございます。

 まず学校に対して4点、一点目としまして、児童・生徒は可塑性に富み、絶えず変化していることを踏まえ、個々の特性の理解を促進するとともに、個々の児童・生徒に沿った教育支援体制を確立すること、二点目としまして、学校内の児童・生徒支援体制を確立し、情報共有、そして組織的な対応ができるようにすること、三点目としまして、学校教育の要が、保護者との連携・協働にあるということを再認識し、保護者とのコミュニケーションを日常から活性化できるシステムを確立すること、四点目としまして、学校は教育委員会の関係部署及び関係機関との連携・協働を密にして、チームでアプローチができる体制を確立すること、また、横浜市教育委員会に対して2点、一点目としまして、教育委員会は各組織がその役割を理解し、学校における適切な児童・生徒支援体制を確立すること、二点目としまして、教育委員会はいじめの調査方法について適切に判断すること、以上6点が提案として示されております。

国吉委員

 今回の件では、横浜市の林市長もかなり動かれているというニュースも目にするわけでありますが、数年前に滋賀県の大津であった事件を契機に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律をはじめとする関係法令が整備され、首長と教育委員会とが統合されたことで、総合教育会議といった、市長部局と教育委員会が連携できる場面ができたわけであります。数年前に川崎の事例などもありましたが、そうした時に、非常に大きな事件の場合、知事と教育委員会の方が会議の議題として協議をするなどしていたのでしょうか。

教育局企画調整担当課長

 総合教育会議は、知事と教育委員会が協議、調整を行う場で、平成27年度に創設されたものでございます。これまで、かながわ教育大綱の策定や、策定後には大綱に定められております施策の取組状況や就学支援など、重要な施策について協議を行っており、個別の事案に対する直接の協議というものはございませんでした。

教育長

 委員からお話しがありましたように、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、新たに知事と教育委員会が協議、調整する総合教育会議ができました。しかし、そういった形で制度的に担保されましたが、実際に、川崎の事案のような、県内で子供に関わる重大事案が発生した時には、こちらから知事に報告したり、相談したりして、十分調整させていただいていると考えております。

国吉委員

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正される前でも、こうした重要、重大な事案が発生した時には、恐らく知事とも協議する場があったのだろうと思うのです。しかし、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正をされ、総合教育会議という調整の場ができたということです。川崎の事案だけではなく、この種の内容と規模を持った、教育委員会だけでは解決できない問題が発生した場合に、正式に議題にすることができるようになったということです。人の問題、つまり、先生の仕事が果たしてついていっているのか、施設の問題、様々な場面の問題、いろいろなことを含めて、教育の内容については、知事が発言できないわけでありますが、教育の内容以外の周辺的な教育の基盤を整備するという意味では、予算の問題も含めて、知事と教育委員会が連携する場で、公式に協議する場を設けるということも必要ではないか、必要な場面があるのではないかと思いますので、考え方として申し上げておきます。

 それでは、12月5日に臨時の総合教育会議が行われたということでありますが、その内容について伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 横浜市の今回の事案を受け、12月5日に全ての市町村教育委員会の生徒指導担当指導主事を集めて、臨時の会議を開催いたしました。その中で、各市町村教育委員会が早急に行う取組としまして、次の三点を依頼、確認いたしました。

 まず、一点目は、学校いじめ防止基本方針による常設組織が、いじめの対応や平常時のいじめ防止、早期発見の中核となり、いじめを解決する相談窓口として、児童・生徒から認識されているかなど、学校や教育委員会がいじめ問題に取り組む重点項目を再点検し、課題があれば、その改善に向けて具体的に取り組んでいくということです。

 二点目は、長期欠席等の児童・生徒の状況把握として、欠席要因の再確認や、当該保護者との連携、必要があれば教育委員会が積極的に関わって対応していくことなどについて確認いたしました。

 三点目は、今回福島県で被災して避難した児童へのいじめが大きく報道されている中、同様に被災児童・生徒を受け入れている学校において、在席するそういった子供たちに特段の配慮を持って、現在の状況を把握するとともに、気になる状況が見られる場合は、保護者と緊密に連携をとって必要な対応を行うよう、また、これに関しても、教育委員会が積極的に関わるよう依頼しました。

 併せて、現在、各市町村の小・中学校に在席する被災児童・生徒が、いじめを受けていたり、あるいは指導を行っていたりする事案はないか、これは、福島県から来ている児童・生徒に限らず、東日本大震災等に係る被災児童・生徒全てについて、当該校への聞き取りによる状況把握をお願いしたところでございます。

国吉委員

 被災児童・生徒にいじめがあるか、把握するための聞き取り調査を依頼したということでありますが、調査の進捗状況はどのようになっていますか。

子ども教育支援課長

 12月5日に調査を依頼する際、当該児童・生徒の心理状況に十分配慮していただくことを優先することとし、本人から直接聞き取るといった方法をとるかについては、各学校で適切に判断するよう求めました。そのため、結果の集約まで若干時間を要しており、現段階では、横浜市を除いた32の市町村から報告がございまして、現在のところ被災児童・生徒がいじめに遭っている、又は指導中であるという事実は、認められておりません。

 なお、現在、横浜市でも丁寧な調査を実施しているところでございまして、結果がまとまり次第、報告をいただくことになっております。

国吉委員

 小・中学校における問題行動等への対応については、市教育委員会が行うことですから、県は任意的な対応になろうかと思いますが、広域的な立場で対応してもらいたいと思います。

 そして、不登校の要因にいじめが考えられれば、いじめ防止対策推進法に基づいて、どういった対応が必要か、改めて伺います。

子ども教育支援課長

 いじめにより児童・生徒は相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認める場合に、まず、学校として、重大事態の一つの目安である欠席日数30日に至る前からそういった状況であることを教育委員会に報告、相談しながら、児童・生徒への聞き取りと必要な対応を行っていくことが定められております。そのため、学校は、その時点までに実施した定期的な、いわゆる悩みアンケートといったような調査内容の確認、いじめの事実確認をするための関係児童・生徒からの聞取りなどの対応を進めるところでございます。

 学校と教育委員会が早い段階から情報共有を図るとともに、それが重大事態に該当するか否かの判断を学校と教育委員会が協議しながら、また、当該保護者の意向を確認しながら、丁寧に対応することが必要となっております。

国吉委員

 最後に、この件も含めて、いじめ問題に対してどのような考え方で取り組んでいくのか、伺います。

支援部長

 第一認識として、いじめは絶対に許してはいけないということです。そのためには、児童・生徒同士の人間関係づくりを進め、未然防止に努めるとともに、アンテナを高くして、いじめの認知に努め、早期対応を図っていくことが必要であると考えます。

 また、近年、情報機器等の発達でいじめが見えづらくなるということもございます。やはり、当事者である児童・生徒への啓発等が大変重要になってきます。そこで、県内の各学校では、生徒が主体となったいじめ防止に資する取組を進めておりますので、そういった事例を収集しまして、広く県内に発信してまいりたいと考えてございます。

国吉委員

 今回の横浜市の事案につきましては、直接関わった子供の保護者はもちろんですが、全ての県民の教育行政全般への信頼が揺らいでしまうような問題だと考えています。いじめ防止対策推進法が施行されてから3年が経過しておりますが、今回の横浜市の第三者委員会から指摘等がありますのも、既に法律や国の基本方針に掲げられているものばかりなのです。再発の防止に向けて、改めて特効薬はないと思うのです。繰り返し、繰り返し、末端の一人一人の教職員のレベルまで、基本方針が徹底されることが必要だと考えています。今の子供たちが抱える問題の難しさ、学校現場に求められている課題の大きさは理解しておりますが、何としても県民からの信頼の回復に向けて、広域自治体である県と市町村とが一層連携して、この問題の対策に取り組んでいただきたいと思います。

田中(徳)委員

 私からは、学力の向上について伺ってまいります。

 今月6日に、経済協力開発機構、OECDが発表した、義務教育修了段階に当たる15歳を対象に調べた国際的な学習到達度調査、PISAと呼ばれるものの報道がありました。今、日本は、ほかの国々と比べて、数学的リテラシーや科学的リテラシーの数値や順位が上がり、いい傾向にあるのですが、読解力については低下傾向にあるという報道があり、上がる部分、下がる部分、もちろん全て上がった方がいいわけですが、平準化を図り、ばらつきを減らすことが肝要なのではないかと考えています。

 さて、一方、神奈川県内であります。平成28年度の全国学力学習状況調査につきまして、今回本県の分析結果が報告されました。この調査は今回で7年目を迎え、これまでもデータや傾向、対策といったものの積み重ねもあると思うのですが、改めて、本県の、国語や算数、数学に関する調査結果の概要を確認させてください。

子ども教育支援課長

 今回の教科に関する調査結果の概要を、公立小・中学校の平均正答率で申し上げます。まず、小学校の国語A、このA問題というのは、主に知識や技能に関する問題でございますが、小学校の国語Aが70%、国語B、このB問題というのは、主に思考力、判断力、表現力に関わる問題でございますが、国語Bが58%、算数Aが77%、算数Bが47%、次に、中学校の国語Aが75%、国語Bが67%、数学Aが62%、数学Bが44%でございました。

 この平均正答率を、全国の公立学校の平均正答率と比較したところ、小学校の国語A問題でマイナス3ポイント、算数A問題がマイナス1ポイント、中学校の国語Aがマイナス1ポイント、その他の五つにつきましては、全て全国平均正答率との差がゼロポイントでございました。全教科において、全国の平均値との差がプラスマイナス5ポイント以内であり、大きな差は見られなかったと捉えております。

田中(徳)委員

 今、全国の公立学校との平均正答率の誤差が5%以内で、全国的に大きな差は比較して見られなかったという言葉も添えられていました。本当にそうなのかなと思うのです。このあたりから質疑を深めていきたいと思うのですが、まず、今回の平均正答率や、各科目の状況が分かりました。これまでの経年の推移、平均正答率についてどのようになっているのか、どのように捉えているのか、こちらから確認します。

子ども教育支援課長

 この調査が開始されました平成19年度から今年度にかけて、本県の平均正答率と全国の平均正答率との差を経年推移で見ますと、まず、小学校では国語Aで全国平均との差がマイナス2ポイントほど広がっている状況がございます。その他の国語B、算数A、Bは、全国平均との差がプラスマイナス1ポイント程度のところで、ほぼ横ばいとなってございます。

 次に、中学校では、国語A、B、数学A、Bとも全国平均との差がプラスマイナス1ポイント程度のところで、ほぼ横ばいで推移しているという状況でございます。

田中(徳)委員

 今、経年の推移を確認したわけでございます。いろいろな捉え方があると思います。しかし、私は、小学校の平均正答率は、ここ数年は低下傾向にあると捉えているのですが、私がそのように考える中で、それをどのように受け止められているのか、そういった考えをお持ちなのかどうか、このあたりどうですか。

子ども教育支援課長

 本県の小学校の平均正答率を全国の平均正答率との差で見たところ、中でも国語のA、主に知識、技能に関する問題が、特にこの5年間、全国の平均正答率よりも低く、また、その差が開く傾向が見られております。さらに、詳細を見ますと、国語Aの問題の中でも、漢字の読み書きやローマ字の読み書きといった設問で、全国平均を5ポイント以上下回るといった状況が続いております。

 こうした点について、早急な改善が必要と認識しており、その要因や背景について児童・生徒質問紙や学校質問紙調査と併せて分析をする中で、課題として整理したところでございます。

田中(徳)委員

 それでは、今度は中学校でございます。この推移を見ますと、中学は経年の推移というより、今年度、低下に転じてしまっているのではないかと考えられるのですが、こちらについてはどうですか。

子ども教育支援課長

 中学校の平均正答率も、同様に全国との差で見ましたところ、今回は国語Aがマイナス1ポイント、その他、国語B、数学A、Bは、全国との差がゼロポイントでございました。全国の平均正答率との差について、昨年度と今年度をくらべますと、全ての教科の調査項目で、昨年度を下回っておりましたが、今回の低下の幅を、先ほど申し上げた平成19年度からの経年で見たところ、これまでの変化の範囲内であることから、一つの傾向と捉えるかどうか、今後の動向や数値の推移を見守りたいと考えております。

 しかし、小学校と同様に、中学校においても、調査問題Aの中で、例えば漢字の読み書きや、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すといった設問において、全国平均より5ポイント低い問題がいくつか見られております。小学校同様、質問紙調査と併せて分析し、課題として整理したところでございます。

田中(徳)委員

 今、種々確認させていただいたのですが、傾向と対策、それから、私が冒頭でも申し上げましたが、どのくらいの高い水準で平準化を図っていくのか、ばらつきを減らしていくかということなのですが、神奈川県と一口に申し上げても、かなり広いわけです。各基礎自治体である市町村もございます。県内各市町村での平均正答率について、平準的なデータはありますか。かなりばらつきが出ているのではないかと考えるのですが、どうでしょう。

子ども教育支援課長

 委員御指摘のとおり、調査結果の平均正答率を市町村ごとに見ると、各市町村間にばらつきがあると認識しております。

田中(徳)委員

 県内の市町村ごとの平均正答率にばらつきがあると認識されているという御答弁でした。

 それでは、県内の各市町村の学校ごとを見ても、ばらつきがあるのではないかと考えるのですが、これはどのように認識されているのでしょうか。

子ども教育支援課長

 これも、委員御指摘のとおり、調査結果の平均正答率について、それぞれの市町村の中で学校ごとに、平均正答率にばらつきがあるものと認識してございます。

 県教育委員会において、学校間のばらつきについて、詳細は分析しておりませんが、先ほど申し上げた市町村ごとの平均正答率を見た際に、平均正答率の高い市町村においても、あるいは低い市町村においても、同様に学校ごとのばらつきがあると認識してございます。

田中(徳)委員

 今、ばらつきを総括して審議させていただいているのですが、神奈川県は認識をしたとなると、各市町村がどこまで数値をとるか認識しているかということもあるのですが、各学校の話、それぞれがこのばらつきの分布を、まずはしっかり把握する必要があると思うのですが、この点はどのように考えますでしょうか。

子ども教育支援課長

 まず、答弁させていただく前に、先ほど答弁いたしました市町村間の平均正答率の差について、ばらつきがあるという認識はあるわけですが、その差がどういったところに起因するものなのかということについては、この調査のデータだけでは詳細を分析するのは困難でございます。具体的には、市町村間で母数となる児童・生徒数が大幅に異なること、また、調査項目の中には、学校の教育指導取組に係るアンケート調査はございますが、そういった取組以外の、例えば家庭対象の部分などの調査項目は存在しないといったことがあり、そのばらつきの要因を詳細に分析するのは難しい状況がございます。本県の特徴としまして、人の出入りが激しく、一定期間そこに住む方が少ない地域や、外国につながりがあり、日本語指導が必要な児童・生徒が多い地域など、市町村の状況は異なるといったことも、この平均正答率の差を捉える上では必要と考えております。

 そういった中で、各市町村や各学校が、このばらつきの分布をしっかりと把握する必要があるという御指摘でございますが、まず、各市町村教育委員会では、各市町村の平均正答率を全国の平均正答率や全県の平均正答率と比較する中で、自分の市町村が置かれている状況というものを十分認識した上で、取組の検証を行っていると考えております。

 さらに、市町村教育委員会においては、所管する学校間の平均正答率のばらつきを含め、各学校の様々な実情を把握した上で、市町村としてどのような施策が必要か等について検討するとともに、各学校の実情に応じた指導、助言に努めているものと認識しております。

 また、各学校においても同様でございまして、国や県、市町村の平均正答率と自分の学校の結果を照らし合わせながら、取組の成果や課題を検証するとともに、各学校においては、在席する個々の児童・生徒の学習状況やそのほかの実情も把握することができることから、教育的ニーズに応じた指導や支援について工夫を行っている、又は行う必要がある、今後それを更に充実させる必要があると考えております。

田中(徳)委員

 例えば、平均点が50点だった場合、40点だった生徒と60点だった生徒がいて、この二人の平均点は、40点と60点合わせた100点を二人で割りますから、平均点は50点となります。しかし、例えば、20点だった生徒と80点だった生徒がいて、この二人の平均点もやはり50点ですが、その中身は全く異なるわけでございまして、このように、二極化が進んでいる場合、進んでいない場合で、対応がおのずと異なってくるわけであります。そこで、例えば、小学校調査の国語のA問題について、全国平均点を下回っているわけですが、こういった分布の状況などを把握されているのかどうか。この点はどうでしょうか。

子ども教育支援課長

 小学校のA問題における生徒数による分布、何点だった児童が何人いるかという分布は、本県全体の分布で見たところ、また、市町村ごとに見ても、おおむね本県、あるいは各市町村の平均正答数の前後に多くの児童が分布し、全体で一つの山を描くような分布グラフとなっております。つまり、二極化といった状況は見られておりません。委員から御指摘がありましたとおり、平均正答率につきましては、市町村ごとの差、学校ごとの差を分析していく中で、最終的には、平均正答率ではなく、児童・生徒一人一人の正答率の差に行き着くことになります。これは、どの市町村やどの学校、学級においても同様であると考えるところから、究極的に、各学級において、教員一人一人が児童・生徒一人一人の学習状況をしっかり把握して、それを踏まえて授業改善に努めることが、全体の学力向上にとって欠かせないものと認識してございます。

田中(徳)委員

 いろいろと伺ってきたわけですが、子どもの学力向上についての報告資料では、全科目の調査結果について、全国公立学校の平均正答率とプラスマイナス5%以内であり、全国と大きな差は見られなかったと記載があるのですが、私は、これで結論付けて安心しているようではいけないと思うのです。どのような考え方の下に今回の分析を行ったのか、改めて伺います。

子ども教育支援課長

 全県の平均正答率との差がプラスマイナス5ポイント以内で、大きな差が見られなかったという捉え方につきましては、文部科学省及び国立教育政策研究所から出された報告書に基づくものでございます。しかし、それぞれの教科、設問においては、5ポイントを下回るような設問もございます。また、市町村別、学校別、究極は児童・生徒別に改善していかなければならない課題には差があるということは、認識しているところでございます。

 それを踏まえ、今回、調査結果を分析する上で基本的な考え方としたところでございますが、今回調査結果の分析では、単に教科の平均正答率だけに終始することなく、その結果と各学校の取組や児童・生徒の意識、学習習慣等と関連付けて分析することが必要と考えました。

 さらに、児童・生徒の学力向上に向けて、各学校がより主体的に取り組んでいくためには、課題の改善を促すとともに、データに表われた本県の児童・生徒や学校の取組のプラス面を更に伸ばすよう働き掛けることが大切と考え、学校質問紙、児童・生徒質問紙調査結果と併せ、重点的に分析し、強みと課題として示すことといたしました。

田中(徳)委員

 私から申し上げたいのは、市町村ごと、学校ごと、学生ごともあるのですが、このばらつきをなくし、かつ、より高い基準での平準化を図っていくことが必要なはずです。そういった中で、これまでの学力調査の結果には、それなりの傾向、データが蓄積されているはずです。そして、そうであるならば、それを生かしていかなければなりません。こちらと向き合ったときに、検証、改善のサイクルというものは、どれほど確立されているのかと思うわけです。これまで、そういったもので何か育まれ、または、これから改めて今回のデータが上がってきて、これからの課題等をどのように捉えているのか確認いたします。

子ども教育支援課長

 全国学力学習状況調査の結果を踏まえた検証、改善のサイクルでございますが、本県においては、学識経験者を中心に、校長会やPTAの代表等で組織、構成いたしました、かながわ学力向上支援連絡協議会におきまして、この調査結果を踏まえ、教育委員会が取り組んでおります学力向上の施策の検証を行うとともに、そういった中で得られた成果や課題につきまして、県内各地区あるいは全県で開催します、かながわ学びづくりシンポジウムといった事業等により、全県で共有することとしておきます。

 この連絡協議会は、改善、検証を行う一つの中枢組織でございますが、そこを中心にしまして、現在、本県では、学力向上を図るための一つの方策として、各小・中学校において、実戦研究を行うかながわ学びづくり推進地域研究事業を実施してございます。そういった、検証改善サイクル、あるいは学びづくりの事業を通じて、今回の調査結果に見られた、これまでの取組の成果として、これまで学びづくり事業で実践研究を行った地域においては、児童・生徒が、教員の話を一方的に聞くだけの授業ではなく、子供たちが主体的、共同的に、課題を解決していくために話し合い活動を多く取り入れたという授業を行うようになった学校が増えてきてございます。これらについては、今回の調査結果の質問紙のデータの中にも、こういった取組を行う学校が、全国平均に比べて上回っていました。そして、こういった学校の取組が、児童・生徒の自分の、考えたことを話す力を養うといった、本県の強みにつながっていると考えております。

 また、今回の調査結果から見られた課題でございますが、こういった実践研究を行っている地域において、子供たちが自ら学ぶ習慣づくり、特に家庭学習に関する部分について、研究の成果をより広く県内全体に普及していく必要があると捉えております。

田中(徳)委員

 こちらについて、要望を申し上げたいと思います。

 全国学力学習状況調査は、多くの予算をかけ、全国で実施されているものと思うのです。こういった結果やデータ、数値はどこまでいっても正直です。是非これを受け止め、そのままにせず、次にどのようにつなげていくかといったことを考えていただきたいと思います。また、神奈川県としても、平均正答率が良かった学校や生徒、市町村には、何か良い取組事例があるはずですので、それを是非広めていただき、平均正答率が如実に低い市町村や学校があれば、良い取組事例を共有し、改善するよう取り組んでいただくことを求めてこの質問は終わります。

 続いては、主権者教育について伺ってまいります。

 本定例会の代表質問でも、我が会派から、主権者教育について質問させていただいたわけであります。それを受けて、また、前回の当常任委員会でのやりとりも引き継ぎながら、私から伺わせていただきます。確か、記憶によれば、前回の当常任委員会の答弁で、今回、参議院議員選挙に合わせ、模擬投票が行われて、主権者教育に活用されたという話があったかと思うのです。しかし、模擬投票を実施しなかった学校が2校程度あったと記憶しています。その後、この2校はどうなったのでしょうか。

高校教育課長

 この2校につきましては、それぞれ10月、11月に、県選挙管理委員会が、大学生ボランティアを活用しました、神奈川選挙カレッジにより模擬投票を実施したところでございます。

田中(徳)委員

 その中にあって、これは教育の一環で行っていただくことですから、実施するだけではなく、その後、各校からは、事後のアンケートが集約されると思います。そういった事後の報告を踏まえて、事前と事後の指導及び一連の取組について、成果をどのように捉えているのか、この点についてはいかがでしょうか。

高校教育課長

 本会議でも教育長より答弁させていただきましたように、半数以上の生徒が、模擬投票を体験して、政治的関心が高まったと回答しております。また、自由記述欄には、自分はまだ選挙権はないが、模擬投票がきっかけとなって、今回の選挙に関心が持てた、私は今回投票するので、初めて投票に行く前のいい練習になったといったような、肯定的な回答も見られました。一方で、模擬投票を行っても実感が湧かない、あるいは、自分一人の票では世の中は変わらないと思うというような、否定的な回答もございました。さらに、投票時間が短かった、放課後だけでなく、休み時間や朝にも投票できるようにしたり、期日前投票をできるようにしたりするといいのではないかといった、建設的な方法についての意見もございました。

田中(徳)委員

 今、伺った中だと、次に向けてどのようにすればより改善が図れるかという、生の声も上がってきているわけでございます。そして、今回の取組、最初に伺ったのが模擬投票をそもそも実施しなかった、実施できなかった学校が2校ありますという話でした。この取組も、学校によっては全校生徒を対象にやる場合もあれば、学年ごとや、任意でクラスごとに実施するなど、ばらつきがあると思っています。我が会派も、これは教育ですから、より高い水準で平準化を図っていくべきだと考える中で、先日の本会議場の代表質問において、教育長から、県立高校の全生徒の模擬投票参加に向けて取り組んでいきますという、前向きな御答弁を頂きました。それでは、実際に対象生徒を全生徒とするため、主権者教育にどのように取り組んでいくのか伺います。

高校教育課長

 具体的な方策といたしましては、事前学習、事後学習を含めました模擬投票の取組の教育課程上の位置付けを、学年によらない総合的な学習の時間や、特別活動とすることにより、学年単位、あるいは学校単位で実施しやすくなりますので、次回の参議院議員選挙を活用いたしました模擬投票は、原則、そうした位置付けて実施することを前提としたいと考えております。そのためには、今後、同様の位置付けで既に実施している学校の事例を、教育委員会としても研究・分析した上で、モデルケースを作成するなどして、そうしたものを全校に示し、全校がその位置付けでできるようにしてまいりたいと考えています。

田中(徳)委員

 学年によらない、総合学習の一環で取り組んでいるというお話もありました。私がお伺いしたいのが、特別支援学校ではどのようになっているのかということです。今回の常任委員会の報告資料でも、特別支援学校、支援教育における取組を読み上げますと、本県では、共に学び共に育つという理念の下、障害のあるなしにかかわらず、子共たち一人一人の教育的ニーズに適切に対応していく支援教育を進めている。特別支援教育は障害のある幼児、児童、生徒の自立と社会参加に向け、以下は省略しますが、このように記載されています。

 先ほど、学年によらない総合学習として実施していくという話もありました。先日の本会議で、この件について、全生徒を対象にという話もあり、改めて伺います。特別支援学校では、どのように取り組んでいるのでしょうか。

特別支援教育課長

 県立特別支援学校の模擬投票についてですが、高等部を設置いたします特別支援学校全学年で実施できるように準備を進めてまいります。そのためには、まず特別支援学校の教員が、政治参加教育の指導について理解を深めることが必要です。そこで教育委員会では、モデル校の取組を検証して、今年度中にガイドブックを作成し、選挙体験学習と模擬投票の考え方や授業のポイント、授業例などを盛り込み、各県立特別支援学校に配付する予定でございます。各学校におきましては、このガイドブックを活用し、選挙体験学習と模擬投票の意義と内容について理解を進め、障害の特性に応じて、それらを効果的に組み合わせた指導計画を立てるようにしてまいりたいと考えております。

田中(徳)委員

 これまでの取組、これからの取組方を伺ってきました。改めて端的に伺いたいのが、これまで、模擬投票を主権者教育で活用してきたわけですが、各学校から事後案件の報告も上がってきており、今後、投票率を上げる、言い換えると、主権者教育で模擬投票に参加してもらうための水準を上げていく必要があるのです。それにはどのように取り組んでいくのか伺います。

高校教育課長

 まず、模擬投票は学習活動の一環として行っており、投票率についても、生徒に考察させる必要があるため、高めていきたいという考えは持っておりますが、一方では、実際の選挙と同様の自由投票の原則を守ってまいりたいと考えております。そうしたことから、今後は、事前指導におきまして、より深く投票の意義を考えさせるとともに、校内における投票の呼び掛け等を行う、あるいは先ほどの生徒の声にもございましたが、例えば、期日前投票をやっている学校も既にあるので、そうした投票率の高い学校の工夫や、逆に投票率が低い学校の原因なども、教育委員会として分析させていただき、その結果を各学校に示すなどして、各学校が投票行動に当たり、更に工夫できるようにして、投票率向上に努めてまいりたいと考えております。

田中(徳)委員

 いろいろと伺ってきたわけですが、模擬投票だけが主権者教育というわけでもないはずです。あくまで、一つの方法に過ぎないと認識しています。一方で、一番体感、体験しやすい取組であるのかなと感じております。そういったバランスも配慮していただきながら、今後も取り組んでいただくことを求めます。また、私が神奈川県行政、主権者教育の話に関わる中で感じたのは、主権者教育や政治参加教育といった同義語があり、国や政府がどのような言葉を用いるのか分かりませんが、言葉を整理していく必要があるのではないかということです。学生や子供に教育する上で、言葉にもばらつきがない方がいいのではないかと思います。そういったことも求めながら、質問を終わります。

斉藤(た)委員

 まず、和解の内容について伺いたいと思います。

 本定例会の議案として提案され、本常任委員会に付託されております和解の概要について、細かな説明や質疑もありましたが、もう少し聞きたいところがありますので、何点かお伺いしていきたいと思います。

 そもそも、我々議員としましては、請願と言えば、紹介議員を通じて議会に提案されるものの方が、なじみがありますが、このたびの和解の対象となっている請願との違いは何でしょうか。

高校教育課長

 まず、請願そのものは、請願法で個人等が公官署に対し、直接文書で請願できるということを規定しているものでございまして、今回の請願はこれにのっとったものでございます。こうした様々な請願のうち、委員がおっしゃっている議会宛ての請願につきましては、地方自治法に手続が規定されており、議員の紹介により提出することが必要とされているものでございます。

斉藤(た)委員

 では、そのような、知事宛ての請願や教育委員会宛ての請願というのは、どの程度あるものなのでしょうか。

高校教育課長

 まず、知事部局では、知事宛ての請願は、事業を所管する室課に直接送付され、各室課で収受して対応していくことになっており、全体の件数はまとめておりませんが、今年8月に本課が本庁の全所属宛てに照会して得られた回答によりますと、過去5年間の知事に対する適法な請願は、本件を除いて27件あったことが確認されました。

斉藤(た)委員

 過去5年間に27件あったということでございます。

 さて、タイムラインを見てみますと、今回は、1年以上の間、請願者に請願の取扱い結果を知らせていなかったということになるわけでございますが、請願の対応結果は、請願者の方に返しているものなのですか。また、どの程度の期間を要しているものなのか、お聞きしたいと思います。

高校教育課長

 先ほどの照会への回答によりますと、過去5年間に知事部局で収受した請願27件のうち、回答したのは15件とのことでございました。また、回答までの期間でございますが、収受から回答の発送までに最も長い時間を要したものは、37日という状況でございまして、ほかは、おおむね1箇月以内に回答しているという状況でございます。

斉藤(た)委員

 おおむね1箇月以内で、最長でも37日間ということでありますが、委員会資料を見てみますと、職員が収受した後、その存在を忘れてしまった請願を事務室で発見してから、教育委員会で審議するまでに相当な時間がかかっているように思うのですが、その間に訴訟の経緯などがあったことは理解するものの、なぜここまで時間を要してしまったのか、お聞きしたいと思います。

高校教育課長

 このたびの請願書は神奈川県知事宛てでございましたが、内容が教育委員会所管の事業でありましたことから、発見後、まず請願者に連絡し、謝罪の上で宛先を補正していただこうと考えました。そこで、お会いしてきちんと謝罪をして、さらに宛先の補正をお願いするため、そうした旨の謝罪文書を郵送いたしましたが、結果的に送付と入れ違いで訴訟が提出されたものでございます。その後、訴訟が継続する中で、請願者に対して書面で、請願の内容は教育委員会が所管する取組に関することであり、7月に行われる教育委員会に付議したい、あるいは連絡がなければ教育委員会で対応していく旨を、書面にて連絡したところ、内容について何も言うことはありませんという返事が来たことから、ここで教育委員会に付議できたというところでございます。そうしたやりとりのために時間がかかってしまいました。

斉藤(た)委員

 先ほど、他の委員からも指摘がありましたが、法律等で保障されている請願という大事な文書を受け取り、適切な手続をとらなかったということは大変遺憾であると言わざるを得ません。その結果として、今回訴訟となったわけでございますが、訴訟での論点はどのようなものだったのでしょうか。

高校教育課長

 訴状の中で原告は、知事は請願を誠実に処理する義務を負うのにもかかわらず、その義務を怠って1年間も無視し続けた行為は国家賠償法の違法行為であり、請願者に多大な精神的苦痛を与えたとして、損害賠償として5万円を請求したものでございます。教育委員会としては、収受した請願が未処理であったことについては大変申しわけないことではございますが、故意のものではなく過失であったということ、請願内容である入院時学習支援を広げることが請願者の利益に直接に関わるものではなく、請願の処理の遅延は、原告に直接的な損害を与えたものではないといったこと、あるいは被告が原告からの問い合わせを故意に無視するなどをしたことはなく、慰謝料の支払いの義務を負うような精神的損害を違法に与えたものではないということで、応訴したものでございます。

斉藤(た)委員

 前回の定例会で提案された、県立高校入学試験採点誤りについての和解は、同じ和解であっても金銭的な損失が発生していました。一方、今回の件では金銭的な損失はないと思うのですが、労力という意味では損失と言わざるを得ません。また、過失という点では、ヒューマンエラーがあったと思います。そういったことを考えると、職員にもそれなりの処分があるべきだと思うのですが、適切な手続をとらなかった職員等に対して、どのような処分を行ったのか教えていただきたいと思います。

行政課長

 平成28年8月でございますが、この職員に対しましては、教育委員会として文書訓告の人事上の措置を行っております。また、当時の所属の課長につきましては、教育委員会からの厳重注意の人事上の措置を行っております。

斉藤(た)委員

 今、処分の内容を御答弁いただきましたが、こういった処分等にはどのようなものがあって、今回の措置はどの程度のものなのか、教えていただきたいと思います。

行政課長

 処分等でございますが、懲戒処分とそれから人事上の措置がございます。

 懲戒処分につきましては、地方公務員法上の処分でございまして、免職、停職、減給、戒告がございます。人事上の措置につきましては、懲戒処分に至らない行為に対し、教育委員会として、服務監督権に基づき、部下である職員の義務違反行為を指摘して、将来を戒めるという目的でございまして、重い順番に、文書訓告、口頭訓告、教育委員会からの厳重注意がございます。

 今回の措置は、当該職員に対して人事上の措置の中では一番重い、文書訓告としています。文書訓告を行った同様の事案といたしましては、先ほどお話しがありました、入学者選抜の関係で、公費に影響はなかったものの、採点に誤りのあった学校の管理職や、教科書採択の中で、採択に影響はありませんでしたが、検定中の教科書を閲覧して金銭等の収受のあった者について、同様に文書訓告の措置を行っております。

 また、今回の課長につきましては、当該職員が請願書をしまい込んでしまったということで、課長に見せる前にしまってしまったものでございますので、その存在に気付くことはなかなか難しいものがあったわけですが、所属の職員が事故を起こしたということで、服務監督責任を問うため、教育委員会からの厳重注意としたところでございます。

斉藤(た)委員

 本件を反省して、今後に生かしていかなければならないわけですが、今後、県民からの大切な文書について、どのような考えで対応していくのか、最後に伺います。

高校教育課長

 このたびの訴訟に至るまでには、職員の請願に対する知識や認識が不足していたこと、さらに、重要な行政文書として収受記録簿に記録しない、あるいは課長と上司に提示しないといった、行政文書の管理規定を踏まえた対応を行わなかったことがあると考えております。

 今後は、十分に行政文書、特に請願書を収受した際の適正な取扱いに係る手続の徹底を図っていくことはもちろんでございますが、何よりも、本課の職員一同が、常に県民から頂く声を真摯に受け止めて誠実に対応し、公務員としての原点を踏まえた姿勢を持ち続けることを心掛けるよう、職員の指導を徹底したいと考えております。

斉藤(た)委員

 先ほどの答弁にもありましたように、取り急ぎお会いしたい旨の意思を示したということでありますが、早く誠意を示すということも必要だったのではないかと思っております。そういったことをしたから十分だという姿勢ではなく、常に誠意を持って対応する、エクスキューズではなく、誠意をもって対応することを要望するとともに、和解内容に、県として謝罪するということが入っていることを十分に認識していただいて、今後の再発防止に取り組んでいただくよう要望して、次の質問に入ります。

 次に、平成28年度11月補正予算の相原高校の移転についてです。

 相原高校の移転は、リニア中央新幹線や校舎の耐震上の問題で、現在、仮設校舎を利用しているため、早期に移転すべきであると思いますが、今回議案となっております相原高校造成工事の繰越明許費については、平成31年度に新しい相原高校を開校することを考えると、来年度入学する生徒が3年生になるときに、新しい学校に移ることになると思います。そういった将来の環境の変化への対応について、何点か伺ってまいります。

 まず、中学生への説明会などで移転についてお話をしていると思いますが、生徒や保護者から心配する声などはありましたか。

教育施設課長

 来年度に入学する現在の中学3年生が高校3年生になるときに、学校が移転することになりますので、相原高校が行った説明会の中で、移転した場合に通学時間がどのくらい増えるのかといった質問があったと聞いておりますが、移転そのものについては、心配の声はなかったと聞いております。

斉藤(た)委員

 移転地は駅から離れていると思うのですが、徒歩でどのくらいの時間がかかるのか、また、バスでどのくらいかかかるのか、それぞれ聞かせください。

教育施設課長

 相原高校の移転先は、橋本駅から約2キロメートルの距離にありますので、徒歩で30分から40分程度かかります。また、バスの場合の所要時間は約10分と聞いております。

斉藤(た)委員

 距離感は理解いたしました。このバスの通学時間帯の便は、現在どのような状況なのでしょうか。

教育施設課長

 現在、神奈川中央交通(株)が営業している、橋本駅から移転先である職業大前までのバス便は、平日の朝8時台は1時間に4本、午後は3時台に2本、4時台、5時台にそれぞれ3本、6時台は4本が運行されています。

斉藤(た)委員

 率直に、駅からのバスが少ないと思いました。バスの便を増やしていく必要もあるのではないかと思うのですが、バス会社などとそういった交渉はしているのでしょうか。

教育施設課長

 相原高校の移転先の隣には、相模原協同病院の移転を予定してございます。そのため、相原高校の生徒だけでなく、病院利用者のバスの利用も考えられますので、県、病院、市が協力して、バス事業者に対し、バスの運行や増便について働き掛けを行っているところでございます。

斉藤(た)委員

 関係機関と連携して働き掛けを行っているということでありますが、要望させていただきます。相原高校を目指す生徒にとっては、バスのほかにも様々な心配な点も今後出てくると思います。整備する側は二、三年後の課題でも、利用する生徒にとっては現在の問題でありますので、そのような声には丁寧に対応し、魅力ある学校づくりをお願い申し上げて、次の質問に入ります。

 次に、不登校問題への対応について伺います。

 先行会派からも質問のあった横浜市の小学校であったいじめの問題について、私は、不登校の視点から取り上げたいと思います。私が初当選した2011年に、初めて所属した委員会が当委員会で、その際の県内調査は、東日本大震災の直後だったこともあって、平塚で行われた被災地からの転入生の集いに伺い、レクリエーションに参加させていただいたり、悩みを打ち明けていただいたりして、当時の子供教育支援課長と様々な話をしました。委員会をはじめ、決算特別委員会や一般質問、代表質問等でいじめ問題の施策を行っていた者として、今回、このような事件が起きたことは、大変痛ましいく、憂慮しているところであります。

 この事件の当該生徒に対するいじめは、小学校時代からはじまり、中学一年生である現在も、不登校の状況が続いていると思います。今回のケースに限らず、義務教育段階で不登校が発生した場合、どのような理由があろうと、また、学校と子供がどのような関係にあろうと、学校や市町村教育委員会、あるいは保護者には、その子供の学習を保障していく義務があると思います。このような視点で伺ってまいります。

 まず、こういった事案があると、不登校の子供や保護者が学校に対して不信感を抱いてしまうこともあると思うのですが、例えばどのようなケースがあるのか伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 不登校の子供や保護者が学校に対して不信感を抱いてしまうといった例ですが、特に休み始めた段階で、学校と家庭との信頼関係が構築できず、連携がうまくとられなかった場合に、保護者が不信感を持つことがございます。例えば、定期的に学校からの連絡がなく、学校行事の情報等が伝わらず、子供や保護者が見捨てられたと感じたり、あるいは、直接顔を会わせず、電話でのやりとりしかしなかったために、学校の指導方針が家庭に伝わらず、保護者が学校の対応に不信感を持ってしまうケースがございます。

斉藤(た)委員

 今、御答弁にあったように、こういった、実際に不信感を持つケースも生じているということでありますが、早い段階で解決に至らず、欠席が長引く場合、学校が行うべき対応としてどのようなことが考えられるのか、教えてください。

子ども教育支援課長

 欠席が長期にわたる場合、学校は児童・生徒本人だけでなく、保護者の気持ちに寄り添った対応を心掛けるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門職と連携し、指導や支援の方針を定め、それを保護者とも共有し、チームとして取り組むことが重要です。さらに、ケースによっては、市町村が設置する教育支援センターや、民間のフリースクール等を紹介するなど、学校以外での学ぶ場の提供を図ることもございます。そういった際、学校は、教育支援センターやフリースクール等との連携を密にして、児童生徒の状況を把握し、本人や保護者と定期的に連絡をとるなど、粘り強く支援や相談を続けることが大切であると考えております。

斉藤(た)委員

 今、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーというお話も出てきましたが、不登校の児童・生徒の学習を保障していく、具体的な手立てとして、学校や教育委員会にはどのような取組があるでしょうか。

子ども教育支援課長

 学校や教育委員会において、子供の学習を実質的に保障していく仕組みとしましては、まず、先ほど申し上げました、市町村が設置する教育支援センターにおいて、児童・生徒一人一人に応じた個別学習の支援を行うといった取組を行っています。また、学校においても、授業に参加できない児童・生徒に対して、例えば、個別に、放課後に学校に呼んで学習支援を行ったり、状況によっては、家庭訪問をして学習支援を行ったりしています。

斉藤(た)委員

 教育支援センターについて、もう少し聞きたいのですが、施設やスタッフ、活動内容について教えてください。

子ども教育支援課長

 教育支援センターにつきましては、市町村の実情に合わせて、各市町村の教育センターや公民館などに設置されております。スタッフの人数は市町村により様々でございますが、県教育委員会が配置している専任教員のほかに、専門の教育相談員、臨床心理士等がおります。活動の内容につきましては、教科の個別学習やスポーツ実習、キャンプ等の行事に参加するといったことで生活の体験を増やし、積極的に行動ができるよう支援する場合もございます。

 また、教育相談員や臨床心理士等による個別の教育相談、保護者相談等を行っているところもございます。

斉藤(た)委員

 様々なスタッフがいることや、相談内容は理解することができました。それでは、実際に教育支援センターに通っている不登校の児童・生徒が学校生活を再開する場合に、どのような手だてが必要になるのでしょうか。多く見られるケースについて伺います。

子ども教育支援課長

 教育支援センターでは、不登校児童・生徒の学校生活の再開に向けては、主に在席校との連絡、連携を密にし、個に応じた支援を行うことになります。そして、学校生活の再開が果たされそうな場合に、学校では、教育支援センターの職員を交えたケース会議等でスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等による見立て、アセスメント、状況把握を中心に、個別の支援計画を立てて、組織的、計画的に学校復帰に向けた支援ができるよう準備をいたします。

 なお、学校は、そういった児童・生徒が登校してきた際には、温かい雰囲気で迎え入れられるように配慮し、状況に応じて保健室や相談室、図書室といった場所を活用しながら、徐々に学校生活に適応を図っていけるような支援を、各学校で工夫しながら行っております。

斉藤(た)委員

 一人の不登校生徒の学校生活を再開させるということは、多くの関係者の力が必要であるということも分かるのですが、そもそもこの不登校の問題を改善していくためには、何といっても未然防止、そして、子供や保護者の気持ちに寄り添った初期対応が必要だと考えます。不登校の未然防止や早期対応について、県教育委員会の取組をお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 不登校の未然防止につきましては、学校生活のあらゆる場面で、全ての児童・生徒が自分の存在感を得られるように、一人一人に活躍の場や役割を用意し、また、分かる授業を工夫するなど、全ての教職員が、子供にとって魅力ある学校づくりに努められるよう、教育委員会として、市町村とともに、授業づくりの実践研究を行う学びづくり事業などを通して、研究や発信に努めております。また、不登校の未然防止や早期対応において一番大切となるのは、休み始めの段階でございまして、特に連続して3日間欠席した児童・生徒に対する学校の対応として、1日目電話、2日目手紙、3日目家庭訪問ということをスローガンにしまして、子供や保護者と積極的に関わることを記したリーフレットを、毎年度、新採用、初任者を対象に配布するとともに、研修に努めているところでございます。

斉藤(た)委員

 報告資料を見ていきますと、公立小・中学校において、不登校が前年同期でマイナス439人に対して、長期欠席が797人増ということで、不登校を含めた長期欠席という大きなくくりにすると、増えているという現実があるわけでございます。この理由と背景について伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 今回増加いたしました長期欠席の理由別内容を見ると、不登校が減少した代わりに、欠席の理由が二つ以上あり、主たる理由は特定できず、その他に計上された児童・生徒数が大幅に増加しております。この、その他を含めた長期欠席全体の児童・生徒数の増加につきましては、要因が多様化、複雑化し、様々な理由で学校を欠席するケースが増えていることが背景になっていると捉えています。

斉藤(た)委員

 今後の教育委員会としての不登校問題の対応を伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 今後の不登校への対応としましては、まず、長期間にわたって登校できない状態が続いている児童・生徒に対して、教育支援センターやフリースクール等とも連携した取組の充実を図ってまいります。

 併せて、新たな不登校を生まないための未然防止の取組として、休み始めの段階で学校がどういった積極的な対応を行えるかという、早期発見、早期対応の取組、また、背景が複雑多様化している状況に対応するために、スクールカウンセラーへの研修の一層の充実を図るとともに、スクールソーシャルワーカーの拡充を検討してまいります。こうした総合的な取組を通じて、不登校を含めた長期欠席全体の児童・生徒の減少を目指してまいります。

山口(ゆ)委員

 不登校を生み出すもう一つの要因、いわゆる、その他が増えたということですが、公立の高等学校では、同じような物差しで見ると、何か変化があるのでしょうか。

学校支援課長

 その他の中に含まれている、不登校の要因が関わっている長期欠席者でございますが、小・中学校と同様に含まれており、人数は226人となっております。この226人につきまして、高等学校在籍者数全体の0.16%を占めており、小・中学校の不登校を比べると倍以上の変化率となっています。

山口(ゆ)委員

 それならば、同様のデータを公立高校で示していただきたいと思います。確かに、人数的には公立小学校、中学校では、不登校以外の理由がある児童・生徒が419人となっており、高等学校の226人と比較すると、人数的には少なく感じますが、全体の児童数、生徒数と比べると、高校の方が2倍多いわけです。これは、重大なことだと捉えております。そこで、国が、その他の累計をしっかり見るようにとの主旨で、今回、このようになったものと思うのですが、私の率直な感想では、学校だけでは解決できない問題が数多く含まれているのではないかと思っています。先ほどの、今後どのように対応していくのかといった問いの中で、報告書にも今後の方針が書かれておりますが、学校だけでは解決できない課題に関しては、どのように考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

支援部長

 学校だけでは解決できない問題、特に貧困の問題も、プラットホームということで期待されているところがございます。やはり、今はスクールソーシャルワーカーの活用が最優先で、まず、関係機関と連携すること、スクールソーシャルワーカーがいないところでも、学校が積極的に地域の関係者、児童相談所、医療、福祉等と相談しながら、対応していきたいと考えております。

山口(ゆ)委員

 学校だけで解決できない問題は、本当に大きな問題だと思っております。専門職を増やしても解決できないことは、数多くあろうかと思います。関係部署との連絡を密にしていただき、取組を進めていただきたいと思います。

 私からは以上です。

斉藤(た)委員

 この質問に関して要望させていただきます。

 前回、当常任委員会でフリースクールの現状についても確認させていただき、私の一般質問でも、様々な角度からのいじめ防止ということで、ネットいじめ対策について質問させていただきました。先ほどからご説明いただいているように、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの取組も重々理解していますが、私は、教育という分野は、あれをやったからこれが成功するというものではないと思います。我々としては、しっかりと改善する方向に向かう努力をしていく必要があると思います。不登校に関してもそうですが、未然防止や早期発見、早期対応、将来の社会的な自立や学校生活の再開に向けて粘り強い支援、これらの総合的な視点に基づく取組を一層充実させることで、不登校を含めた長期欠席の問題の改善を果たしていただくよう要望いたしまして、次の質問に入ります。

 次に、県立高校における科学技術人材の育成について伺いたいと思います。

 県立高校における科学技術人材の育成については、先日我が会派が代表質問で質問し、県立高校での理数教育の充実を図り、次代を担う科学技術人材の育成に努めていくと、教育長から前向きな答弁をいただいたところであります。また、文部科学省のホームページを見ると、科学技術人材の育成、確保というのは非常に大きなテーマであり、天然資源に乏しく、今後も人口減少が見込まれる我が国において、科学技術イノベーション政策を強力に推進していくためには、これを担う優れた人材を絶え間なく育成、確保していくことが不可欠であると書かれております。そういった意味でも、こういった取組はこれから重要性を増していくと思うのですが、まず、本県の代表的な取組としまして、科学の甲子園神奈川県大会というのを開催していると承知しております。恥ずかしながら、私が知っているのは、筆記があったり、実技があったりといったレベルしか知らないので、その狙いをまず改めて伺います。

高校教育課長

 この大会は公立、私立を問わず、県内高校生の科学に対する興味、関心を高め、理数分野に対する学習意欲の向上を図ることを狙いとして、開催しておるものでございまして、主催は県教育委員会でございます。

 本年で6年目を迎え、5日間にわたって筆記競技と実技競技を実施しております。優勝したチームは、国立研究開発法人科学技術振興機構が主催します科学の甲子園の全国大会に、神奈川県代表チームとして出場することになっております。

斉藤(た)委員

 それでは、科学の甲子園、神奈川県大会の今年度の参加状況、テーマについてお伺いいたします。

高校教育課長

 今年度は11月3日に筆記競技、11月6日に実技競技を横浜国立大学で実施いたしまして、県立高校が14校、横浜市立高校が1校、私立高校が5校の計20校から208人の高校生が参加いたしました。参加校数、参加人数共に増加しており、科学技術人材の裾野を広げる場となっておりますとともに、生徒たちが切磋琢磨し、準備を入念に行ってくるようになり、年々競技のレベルが高くなっております。こうした中、今年の大会では、ものづくり能力を競う実技競技におきまして、各校が工夫を凝らした作品を完成させ、生徒の技術の高さを見ることができました。また、制作上の工夫などをプレゼンテーションする場がございますが、そうしたところでも分かりやすいプレゼンを行っていって、生徒のプレゼンテーション能力も向上しているという報告をいただいております。このように、この大会は、参加生徒の知識だけを問うのではなく、課題解決力や論理的な思考力といったものの育成にも役立ち、最終的には科学技術を担うトップ層の育成にもつながっていると考えております。

斉藤(た)委員

 科学技術人材の育成の取組としては、スーパーサイエンスハイスクールの取組も有効であると聞いておりますが、それらの高校ではどのような取組を行っているのでしょうか。

高校教育課長

 今年度にスーパーサイエンスハイスクールに指定されている県立高校は、厚木高校、西湘高校、横須賀高校の3校でございます。これらの高校では、理数系教育に関する教育課程等に関する研究開発を行うことにより、将来国際的に活躍することのできる科学技術人材の育成に取り組んでおります。具体的には、生徒自らが選んだ課題につきまして1年間にわたり研究に取り組み、その成果を発表する科目を必修科目として位置付けるなど、生徒が自ら課題を発見して解決する能力や表現力といったものを育むために、学習指導要領によらないカリキュラムを編成しているところでございます。また、生徒が成果発表は英語で行うといったルールにすることにより、国際的に活躍できる人材の育成にも取り組んでおります。またこうした取組を通じ、教員に、生徒の科学研究から発表までを高いレベルで指導する必要が生じ、教員の指導力向上にもつながっていると考えております。

斉藤(た)委員

 それでは、この質問の最後に、今後の理科教諭の指導力向上も非常に大きなテーマであると思いますが、これにはどのように取り組んでいるか、お伺いします。

高校教育課長

 今年度から国立研究開発法人科学技術振興機構のプログラムに採択されており、横浜国立大学と共同で、理科教員の研究指導力を向上させる研修を実施しております。今後は、これに加え、今年11月末に構築いたしました、県立高校生学習活動コンソーシアムに参加する他の大学や企業等とも連携し、生徒の科学研究への支援、先進的な知見を活用した教員研修を通して、理科教員の指導力の向上に努めてまいりたいと考えております。

 具体的には、大学等の最先端の実験機器などを活用して、生徒の科学研究を支援していただく中で、教員に最新の科学技術の知識や指導方法を教えてもらう、教授や大学院生に各校に来ていただき、授業や科学研究について教員に指導、助言いただくといったことを通じて、指導力を向上させていただきたいと考えております。

斉藤(た)委員

 是非とも県立高校における科学技術人材の育成に、効果的に御尽力いただきますよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 次に、交通安全教育について伺います。

 先日、我が会派の曽我部議員から、代表質問において、通学路における緊急合同点検について伺ったところ、教育長から、関係機関としっかりと連携して、県内の小学生が安心して登下校できるよう、通学路の安全確保に努めていくという御答弁がありました。最近は、高齢運転者の事故も多いことを課題として、自らの身は自らで守る知識を身に付けることも大事だと思います。そういった観点で伺ってまいります。

 まず、平成24年度に実施した通学路における緊急合同点検の概要と結果を、確認の意味でお伺いいたします。

保健体育課長

 平成24年度の点検についてですが、平成24年に京都府、千葉県及び愛知県において、登校中の児童等の列に車が突っ込み、死傷者が出るという大変痛ましい事故が相次ぎました。このような事態を受け、平成24年5月30日付けの国からの依頼に基づき、通学路における緊急合同点検が実施されました。点検の結果でございますが、対策が必要な箇所は全国で7万4,483箇所、そのうち神奈川県内の対象箇所は4,541箇所でございました。その後、教育委員会、道路管理者、警察等の関係機関が安全対策に取り組んだ結果、平成27年度末時点で対策されていない箇所は71箇所となっております。

斉藤(た)委員

 対策されていない箇所が71箇所あるということですが、どのような対策が必要なのか、その内訳をお伺いいたします。

保健体育課長

 主なものでございますが、例えば、歩道の設置、拡幅を求めるものが13箇所、路側帯のカラー舗装化を求めるものが11箇所、警告標識や路面標示等の設置を求めるものが7箇所、そして信号機の設置を求めるものが6箇所となっております。

斉藤(た)委員

 この質問の最後に、歩道や信号機等の安全施設の整備については理解しましたが、教育委員会では児童に対してどのような交通安全教育を行っているのか、お伺いいたします。

保健体育課長

 教育委員会で行っております交通安全教育でございますが、児童・生徒の発達段階に応じた交通ルールやマナーを身に付けてもらうための、交通安全教育を進めているところでございます。具体的に、小学校段階におきましては、命の大切さと交通事故の恐ろしさを知り、他人を思いやる優しさとマナー、ルールを守って行動できる知識や技術を学んでいるところでございます。具体的な事例を申し上げますと、学校における特別活動などの時間を活用いたしまして、小学校低学年ですと、模擬道路の上を歩き、交差点の横断方法、障害物の避け方などを実技指導しているところであります。中高学年になりますと、自転車のルール、マナー、そして自転車の点検方法といったものを学んでいるところで、同じく模擬道路を利用し、安全な走行方法等について実技指導を受けるなどしております。さらに、高学年になりますと、トラックの視界等につきまして、実験を通して内輪差を学ぶということを行っております。このように、小学校の段階では1年生から6年生まで、幅広い年齢層がございますので、6年間を見通して、中学校との接続を踏まえながら、発達段階に応じた総合的な交通安全教育を進めているところでございます。

斉藤(た)委員

 要望させていただきます。危険な箇所や個々の対応状況については、積極的に情報開示していただきたいと思います。そういった部分もしっかりと視野に入れて、子供たちの安全・安心につながる教育を展開していただきますよう要望して、次の質問に移ります。

 最後に、県費負担教職員の給与負担等の指定都市への移譲について、数点伺います。

 かなり以前の話ですが、私が一般質問でねじれの問題の政治的な側面について、数値的な視点から質問させていただいたのですが、そういった立場からすると、ねじれ状態は解消されたわけではありますが、来年4月から、指定都市が給与を負担するということで、給与を支給してもらうことに関して、現在、課題はあるのでしょうか。

教職員企画課長

 指定都市への移譲に関する一番の課題は、まず、平成29年4月から指定都市の教職員の給与が誤りなく支給されることだと考えております。その上で、移譲後の指定都市の事務が円滑に進むよう、平成25年11月に県教育委員会と県内3指定都市の教育委員会の関係課長等をメンバーとしました、指定都市への県費負担教職員事務の移管に関する協議会を設置いたしました。また、この協議会の下に、具体的な事務引継ぎのためのワーキンググループを設置いたしまして、給与事務等の事務手続、義務教育費国庫負担金の事務手続などについて協議を行い、事務手続きの仕組みやノウハウなどの継承に努めております。現在、各指定都市で、給与システムのデータ移行に向けた準備のためのテストなどの段階に入っており、移譲に向けた作業を順次進めているところでございます。

斉藤(た)委員

 是非とも、しっかり支払っていただきたいと思います。

 最後に聞きたいのですが、給与事務所や、それに従事する人間の数が少なくなると思うのですが、それでも、給与事務所等は3月末で廃止されるのでしょうか。また、給与事務所が廃止された後、教育委員会は、指定都市の給料、旅費等について一切関わりがなくなってしまうのか、伺いたいと思います。

教育局管理担当課長

 指定都市の給与、旅費事務につきましては、平成29年度から各指定都市が行うことから、三つの給与事務所等は廃止となりますが、一方で、平成28年度までの事務につきましては、引き続き県が行うこととなります。したがって、平成29年3月31日付けの定年退職者等の退職手当、また、平成28年度中に発生いたしました非常勤報酬や旅費の事務につきましては、平成29年度以降も県が事務を執行する必要がございますので、給与事務所等廃止の時期や今後の執行体制につきましては、検討を行っているところでございます。

斉藤(た)委員

 要望させていただきます。

 御答弁にありました、来年3月ですぐに関わりがなくなるわけではないということも理解しました。私も、このテーマに関しては非常に思い入れを持って質問させていただき、かなりの文献を読んで研究させていただいた経緯があります。そういった私からすると、是非とも円滑な移譲、滞りない給与の支給を要望しまして、私の質問を終了します。

西村委員

 先日の本会議で、教育長から答弁を頂いた中学校夜間学級について、更に掘り下げて何点か伺わせていただきたいと思います。

 はじめに、教育委員会が今年度設置した中学校夜間学級等連絡協議会における協議の状況について、横浜市、川崎市の中学校夜間学級に他の市町村から生徒を受け入れることは、教育環境の点で課題が多いとの答弁がございましたが、具体的にどういった課題があるのでしょうか

子ども教育支援課長

 現在、横浜市、川崎市それぞれの中学校夜間学級には、約30人の生徒が在籍しております。そういった中、本協議会では、今後新たに横浜市、川崎市の在住・在勤以外の方が加わった場合、教室の数などの施設面、指導者の数等について課題があるといった意見が、両市から出されました。また、両市以外の市町村からは、仮に要件が緩和され、両市に在住・在勤以外の方の受入れが可能になったとしても、両校の所在地からは、他市町村の方が、勤務の後に通学することは難しく、県域にお住いの方のニーズに応えるだけの実効性に乏しいのではないかといった意見が出されました。

西村委員

 横浜市、川崎市だけではなく、他の市町村からもそういった意見が出たということですね。

 次に、本県では中学生夜間学級等における学び直しのニーズは高いとの答弁もございました。この関連として、本年9月に文部科学省から、不登校の中学生の夜間中学への受入れについて、通知がありましたが、この通知文書の概要を伺います。

子ども教育支援課長

 本年9月14日付けの文部科学省初等中等教育局長通知、不登校児童・生徒への支援の在り方についてですが、これは、不登校児童・生徒への支援に関する基本的な考え方や、学校教育委員会の取組の充実について、総体的に述べたものでございます。この中で、中学校夜間学級に関しましては、不登校児童・生徒に対する多様な教育機会の確保として、夜間中学において、本人の希望を尊重した上での受入れも可能であることと示されております。初めて、現役の中学生の不登校の生徒を夜間中学校に受け入れることについて明記した通知文書でございます。

西村委員

 先ほど、平成27年度の本県の不登校生徒数が報告され、先行会派から質問もございましたが、その中で、夜間中学の受入れ対象となるような、ほとんど登校できていない生徒は何人程度いると考えられるのでしょうか。概数でも結構ですので、教えてください。

子ども教育支援課長

 先ほど報告いたしました、平成27年度の本県の公立中学生における、年間30日以上欠席をした不登校生徒で、年間180日以上欠席してほとんど学校に登校できていない生徒の数は、県全体で1,125人おります。不登校生徒に占める割合としては、約17%となっております。

西村委員

 この不登校の中学生の夜間中学への受入れについて、県教育委員会としてどのように考えていますか。

子ども教育支援課長

 不登校の中でも、このように長期間欠席が続いている中で、生活のリズムが乱れ、昼夜が逆転してしまっている生徒の生活改善に向けて一歩を踏み出す上で、中学校夜間学級で指導等を受けることは、有効な方策となり得ると考えております。

 また、不登校の生徒にとって、夜間中学が多様な学びの場の選択肢に加わることは大変重要と考えており、教育支援センターやフリースクール等とともに、それぞれのニーズに合った場で学ぶことが可能になるものというふうに考えております。

西村委員

 また、義務教育相当の学びの場を安定的に継続していくためには、公立の中学校夜間学級が望ましいという御答弁も頂きました。どういった点がそれに当たるのか伺います。

子ども教育支援課長

 全国の様々な学び直しの場の中には、民間団体やNPOが運営しているケースもございます。今回、この協議会で考えていく上では、義務教育相当の学びの場を安定的に継続して運営するためには、法令等に基づいて、正規の教職員を配置したり、中学校の卒業認定等が保障される公立の中学校夜間学級として設置したりすることが望ましいと考えたところでございます。

西村委員

 横浜市、川崎市以外の市町村において、新たに中学校夜間学級を設置することを含め、市町村の意向を踏まえ、県教育委員会として取組を進めていくと教育長から御答弁を頂きました。

 最後に、今後の取組について伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 今後の取組予定でございますが、まず、平成29年2月に、3回目の中学校夜間学級等連絡協議会を行い、今年度行ってきた検討・協議の取りまとめ及び次年度以降の取組の確認を行う予定でございます。その上で、平成29年度には、市町村における新たな中学校夜間学級の設置を検討、準備するための連絡会議等を、新たに発足させたいと考えております。

 なお、今後も必要に応じて適宜、文部科学省との調整を、これらの取組と並行して行ってまいりたいと考えております。

西村委員

 私が質問させていただいた12月6日の翌日に、国会で教育機会確保法が成立いたしました。この法案は、参議院で、共産党と希望の会以外の自民、公明、民進などの与野党の賛成多数で可決、成立いたしました。

 学校外での多様で適切な学習活動の重要性を明記し、また、国や自治体が個々の状況に応じた支援に向けて必要な措置を講ずるという規定も盛り込まれました。不登校の子供に対しては、休養の必要性、これは、我々公明党が言い続けてきたことで、特に、今の質問の中でも出てまいりましたが、いじめなどで苦しい状況になっても登校を強いられ、更に追い込まれていくケースをなくそうということで、これまでの文部科学省の、教育の立場の主張とは真っ向から反する、子供たちを守るという観点で、この教育機会確保法は唱えたので、与野党で通すことができました。

 また、夜間中学については、就学を希望する人への機会の提供、各地での設置の促進などが規定されており、今後もこの仕組みなどが展開されてくるかと思います。どうぞ、しっかりと国との連携も進めていただき、早急に整備していただくとともに、連絡会議も立ち上げていきたいというお話ありましたが、次年度以降、設置を考える際には、県内で夜間中学に深く関わってきた民間団体がありますので、その団体などをメンバーに加えていただき、意見を聞く、あるいはこれまでの経験を生かすなどの場を設けていただくよう要望いたしまして、次の質問をさせていただきます。

 次に、川崎図書館の移転に関する意見交換会について伺いたいと思います。

 11月25日に川崎市幸区の産業振興会館において開催された、県立川崎図書館の移転に向けた意見交換会について、何点か伺わせていただきたいと思います。

 当日は、私も出席させていただきました。その中で、KSPへの移転についての質問が多数出ておりました。そこで、改めてKSPへの移転の経緯や、県の考え方について確認させてください。

生涯学習課長

 川崎市が平成23年3月に策定いたしました、富士見周辺地区整備実施計画の中では、川崎図書館があるエリアについては、市民館、区役所として必要な機能を整備することとされたところでございます。その結果、図書館としては移転を検討せざるを得なかったということが発端となってございます。

 こうしたことから、緊急財政対策の県有施設の見直しにおきまして、県立川崎図書館については、平成25年2月に、県立図書館への集約化の方向性を示したところでございます。しかし、その後、様々な御意見を受け、また、地元川崎市の意向を踏まえ、平成25年6月に、市内での存続を検討することとしたところでございます。

 その結果、移転先につきましては、先端技術産業が集積していることや、県の科学技術拠点である神奈川科学技術アカデミー、KASTとの連携が見込まれることなどから、総合的に見て、KSPが適地と判断したという経緯でございます。

 また、移転の時期でございますが、富士見周辺地区整備実施計画を踏まえ、平成29年度末までに移転することとして検討してまいりました。時期につきましては、川崎市における計画見直しの動きもあったことから、今年に入り、川崎市教育委員会に改めて確認しましたところ、平成29年度末までに移転するという川崎市の意向に変わりはございませんでした。

 こうしたことから、県としましては、平成29年度末までの移転に向けて準備を進めております。

西村委員

 そのほか、意見交換会では、移転後の県立川崎図書館の機能や、移転する蔵書などについても質問が出ておりました。県議会9月定例会では、KSP移転後は、ものづくり技術を支える機能を発揮していくため、現在の3分の2程度の蔵書を移転する方向で検討していく旨の答弁がありましたが、その後の検討状況をお伺いします。

生涯学習課長

 移転する蔵書としまして、専門雑誌や特許、企画情報、社史、川崎公害裁判訴訟記録につきましては、全てを対象とする予定でございます。それ以外の技術、自然科学などの専門図書類につきましては、ものづくり支援に必要な図書を基礎的なものから応用的なものまで、幅広く検討しているところでございます。その中で、現在、県立川崎図書館で配架閲覧に供している専門図書につきましては、研究分野の周辺にある基礎的な資料や、ものづくり技術に必要な新しい専門図書が多くございますので、そういった専門図書を中心に選定を行っております。

 また、移転する冊数は30万冊近くとなります。これらを有効活用できるよう、閲覧や収蔵スペース、また、どういった図書、資料を配架するのかといった点につきまして、今後検討を進めてまいります。

西村委員

 そういった検討についても、ガラス張りというか、県民に分かりやすい検討基準をお示しいただくことも考えて、検討していただきますようお願いします。

 県民の意見を踏まえて、検討を進めることはもちろんですが、地元川崎市と連携していくことも大切だと思います。意見交換会では、終始このような御意見が出ておりました。これまで川崎市とは、どのような情報交換をしてきたのか、また、これからどのように行っていこうと考えているのか伺います。

生涯学習課長

 12月7日の川崎市議会におきまして、市長からは、県立川崎図書館の機能の市内での存続に向け取組を進めるよう、市として県に要望してきたという答弁もございました。県としましては、ものづくり支援を行う図書館として、川崎市高津区にありますKSPに移転する方針でございますが、これは市の要望に合致したものと考えております。

 川崎市とは、随時、情報の提供、意見の交換を行ってきております。これについても、川崎市の意向に沿ったものと認識しております。

 今後は、川崎市の市立図書館との連携などについて、具体的な協議をしていきたいと考えております。

西村委員

 再度確認いたしますが、12月7日の川崎市議会の中で、川崎市長から、富士見にそのまま残るというような具体的な話はなかったのですか。市内での存続という答弁だったのでしょうか。

生涯学習課長

 富士見に残してほしいといった内容はございませんでした。川崎市内において、情報発信機能等を持った図書館として存続してほしいという意見でした。

西村委員

 情報が交錯していて、県立川崎図書館を思う方々の中にも、川崎市と神奈川県の意見が違うと捉えている方がとても多く、今後は、このことを明確にしていった方がいいのではないかと思い、再度確認させていただきました。

 さて、移転後の県立川崎図書館が、ものづくり技術を支援する図書館として機能を発揮するためには、これも意見が出ていたのですが、新しい図書や資料も必要になってくるでしょう。今でも手いっぱいなのに、将来の保管スペースはどうするのかといった意見が出ていました。そのような中で、電子ジャーナルを活用するという意見が市民からありました。デジタル情報を取り入れるという工夫も必要だと思うのですが、見解を伺いたいと思います。

生涯学習課長

 まず、デジタル情報とは、インターネットを介して、新聞の記事などを入手できるデータベースや、国内外の雑誌、論文、技術情報を入手できる電子ジャーナルなどがございます。こういったデジタル情報につきましては、毎年、契約料が発生することから、情報を充実させようとすると、契約数を増やすことになり、コスト面を圧迫することになります。

 また、デジタル情報につきましては、インターネットを介して必要な情報だけを入手することになりますので、図書購入のように形で図書館に残るものではなく、契約を打ち切った段階で、図書館から情報がなくなってしまうという課題もございます。

 現在、県立川崎図書館におきましては、データベースや電子ジャーナルを8点導入してございます。その有用性は認識しているところでございますが、デジタル情報の充実については、コスト面での課題や他の公立図書館の導入状況といったものも踏まえて、今後、検討してまいりたいと考えております。

西村委員

 それでは、要望を申し上げたいと思います。

 意見交換会では、大変多くの意見が出ていました。その中で最も多かったのが、川崎市と神奈川県がしっかりと連携しているのかという声だったと、私は実感させていただきました。担当課長も赴いていますし、連携がとられていることは理解しておりますが、県民や市民に分かりやすい形で、共有した情報が、同じような答えで返ってこないと、疑心暗鬼になってしまうのではないかと実感したところです。

 実現可能かどうかは別として、今後、また意見交換の場を持たれる時には、例えば、川崎市の担当者にも同席していただけると、双方の意見にそごがないことのアピールにもつながるのではないかと思います。

 いずれにしても、明確な方向性を示していただかないと、市民や県民も迷ってしまうので、しっかりと連携をとっていただくことと、デジタル化に際しては、様々な費用がかかり、使用期間などが決められているといった問題もあると思いますが、やはり、ものづくりの拠点ですから、より多くの情報を収集しなければなりませんので、これまでの書籍という概念だけではない、新たな予算立てが必要になってくると思います。前回の定例会の当委員会で、フィルムに関することを申し上げましたが、これからの図書館として、様々な情報を、より良い状況で、県民に開示できるよう、工夫していただくよう要望いたします。

 次の質問をさせてください。

 オリンピック・パラリンピック競技について伺います。

 先日の代表質問において、我が会派の佐々木議員より、学校におけるオリンピック・パラリンピック競技について伺ったところ、教育長から、神奈川らしいオリンピック・パラリンピック競技に取り組んでいくとの答弁を頂きました。そこで、本県のオリンピック・パラリンピック競技について何点か伺います。

 本県では、今年度からオリンピック等に出場したことのあるトップアスリートを学校に派遣する事業を、新たに開始しました。また、併せてかながわパラスポーツについても、今年度から理解促進事業を展開しています。この二つの取組について、簡単に御説明いただけますでしょうか。

保健体育課長

 二つの事業についてでございますが、オリンピックに出場した選手などを学校に派遣する事業につきましては、スポーツの持つ魅力を、直接子供たちに伝え、子供たちが積極的に運動するきっかけをつくることを目的に、今年度から実施したものでございます。この事業につきましては、公立小学校の8校で、サッカー、体操、陸上競技、バレーボールの種目で、アスリートと児童が一緒に体を動かしたり、アスリートの一流のパフォーマンスを見せたりする、スポーツ教室を開催いたしました。開催に当たり、コーチは、神奈川アスリートネットワークに所属する方に御協力いただいております。教室の中で、児童からは、楽しかった、運動が好きになったという感想を頂きました。

 また、かながわパラスポーツ理解促進事業についてですが、こちらにつきましては、パラスポーツのアスリートやパラリンピアンを招いた体験授業を行い、かながわパラスポーツへの理解促進を図ることを目的に、今年度から行っているものでございます。この体験授業につきましては、車椅子バスケット、あるいはブラインドサッカーといった種目で、デモンストレーションをしていただいたり、あるいは、指導者による解説をしていただいたりしました。

 併せて、このスポーツ教室の中では、心のバリアフリーをテーマとして、講師にお話をいただいたり、給食を一緒に食べたりして進めているところでございます。

 実施した学校数でございますが、公立小学校4校、中学校1校、高等学校4校の計9校でございます。

西村委員

 本会議の答弁では、神奈川らしい学習教材を作るという御答弁をいただいたのですが、どういった学習教材を作っていくのでしょうか。

保健体育課長

 教材につきましては、本県における前回大会の様子、本県開催の競技種目の紹介、かながわパラスポーツの理解、未病の改善など、本県独自の内容を含め、体力の向上、ボランティアなどに代表されるスポーツとの関わり方などを学習内容とする予定です。

 さらに、教員向けの指導資料も併せて作りたいと考えております。

西村委員

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで4年を切っております。また、キャンプをされる方もいるということになると、慌てて学習教材を作らなければならないのではないかと思うのですが、いつ頃から利用できるようにする予定なのでしょうか。

保健体育課長

 委員のおっしゃるとおり、期日も迫っているところではございますが、神奈川らしいということで、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、より多くの児童・生徒にオリンピック・パラリンピックについて学んでもらうことが必要だと思っています。そうした中で、有識者の意見も伺いながら、来年度から各学校の授業で活用することを目指して、作成していきたいと思っております。

 さらに、国のオリンピック組織委員会でも学習教材を作成すると聞いておりますので、こうした内容も踏まえながら、学校が活用しやすいように、順次内容を追加していこうと考えております。

西村委員

 順次内容を追加していくということですので、子供たちの高揚感も追加されるような取組にしていただけくようお願いいたします。

 以上で質問を終わります。

大山委員

 はじめに、報告がありました、インクルーシブ教育について伺います。

 制定に向けて、義務教育段階の取組である、みんなの教室モデル事業に、昨年度から茅ヶ崎第一中学校で取り組んでおり、私も見せていただきました。ゆったりとしたスペースで、複数の先生が、障害のある子に寄り添っている姿が見られたのですが、この事業について、昨年度の取組を通じて、どのような成果があったのか、また、どういった課題あるのかお伺いしたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 まず、成果でございますが、校内に管理職、モデル事業の研究担当の教員、教育相談コーディネーター、臨床心理士などで構成されます、組織的な研究体制を構築し、教員個々に取り組ませるのではなく、組織とした取組が可能となる体制ができたことが挙げられます。また、様々な生徒への支援の必要性に対する教員の意識が向上し、その結果として、全ての学級で、全ての生徒が理解しやすい授業づくりといった取組が進んだことが挙げられます。

 一方の課題でございますが、通常の学級で、例えば指導を受けた子供たちが、次の時間ではみんなの教室の方で指導を受ける必要があるような場合に、担当教員の間で、子供たちの状況を引き継いでいかなければならないのですが、そのための十分な時間の確保ができないことが、課題として挙げられています。

大山委員

 私が訪問した時は、そのような緻密な体制がとられたと聞いたのですが、学校を支えるために、県教育委員会として、昨年度にどのような人的支援を行ったのか、また、茅ヶ崎市独自の取組として、どのような人的措置が行われたのかをお伺いしたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 まず、本県教育委員会が行いました人的支援でございますが、主にモデル事業の研究に取り組む教員や、生徒一人一人に応じた支援を担当する教育相談コーディネーターが研究に取り組めるよう、担当している授業を支えられるため、非常勤講師を2人配置いたしました。また、モデル事業は、国の予算を活用して進めておりますが、茅ヶ崎市が子供たちへの合理的配慮を進めるための協力員として、臨床心理士1人、生徒の日常の学習や生活の支援を行うことができる職員4人を雇用できるようにさせていただきました。

 一方、茅ヶ崎市独自の取組ですが、特別な配慮を必要とする生徒を支えるための支援員を2人配置しておりました。

大山委員

 茅ヶ崎第一中学校は、障害児14人を法にのっとって、知的障害を持つ生徒と自閉症又は情緒障害を持つ児童を、7人ずつ、2クラスに分けてクラスを組んでいて、その2クラスとリソースルーム、それとは別の通常のクラスがありました。つまり、そういった生徒にとっては、特別教室以外に、日常的にこれらの三つの教室を利用する可能性がありました。

 さらに、先ほど説明のあった人員配置について、私が伺った時は、通常の教室に勉強に行っている、障害を持つ生徒がいたのですが、そこに先生が一人、サポートとして付いていました。茅ヶ崎第一中学校の成果は、このように、豊かな人員配置と少人数クラスだから生まれた成果だと言えると思います。

 先ほどの先生の配置数を計算しますと、障害児14人に対して実に7人の先生が日常的に関われる一方、県が予定している茅ヶ崎高校など三つのパイロット校では、障害のある生徒を1学年当たり21人ずつ受け入れる40人学級です。通常学級においても40人学級というのは、世界に例を見ない大規模なもので、学級規模は運営が厳しいとされている段階で、通常学級の1年生段階では、実質35人編成の措置がとられているところです。

 そこで、お伺いしたいのですが、パイロット校におけるクラス規模を小さくする検討が必要かと考えますが、御見解を伺います。

インクルーシブ教育推進課長

 パイロット校におきましては、知的障害のある生徒に対して、一人一人のニーズに応えていく必要がある一方、障害のある生徒もない生徒も、たくさんの生徒の間で関わり合いながら、相互理解を深めていくことが大切だと考えています。

 そのため、標準的な規模の学級の中で学校生活を送ることを基本とした上で、必要に応じて個別の支援や、少人数での指導ができるような体制を整備することが必要だと考えております。

大山委員

 私は、県としては、高校段階でインクルーシブ教育という、先駆的な取組をしていますと発信しましたが、お叱りを受けました。先駆的というのは、すばらしい例に対していうことであって、40人の中に障害のある子供を入れていくという、大規模なクラス編成を考えている県教育委員会のインクルーシブ教育を先駆的と言うのかと、言われたのですね。

 私としては、皆さんが真剣に取り組んでいらっしゃいますし、これからまだ検討の余地のある施策だと考えておりますが、全国に先駆けて実施する取組として、実験的に通常学級の中で実施する必要があると御答弁いただきましたが、先ほど、一人一人の状況に応じた教育がいじめを軽減することにもつながるという御答弁も聞いております。やはり、クラス規模を小さくすることは、これからの課題だと考えております。

 また、それでは、質問させていただきます。各パイロット校において、茅ヶ崎第一中学校で行っているような手厚い人的配置が必要と考えますが、この点についてはどのようにお考えか、見解を伺います。

インクルーシブ教育推進課長

 パイロット校における教員の配置でございますが、現在、各校で検討しておりますインクルーシブな学校づくりに向け、生徒たちをしっかりと支えていける、通常学級に複数の教員がいるチーム・ティーチングや、小集団などによる指導の体制などを十分に考慮しながら、検討を進めてまいります。

インクルーシブ教育推進担当部長

 先ほどの大山委員のお話の中で、パイロット校で実験的にという御指摘がございましたが、決して実験的に行うものではなく、障害がある子供たちは一人一人障害の状況が違います。集団に適合するための力が一人一人違いますから、全て障害があれば同じように対応するという見方ではなく、高校の中でみんなと一緒に学ぶ子供もおりますし、そうではなく、特別支援学校で学ぶ子供もいるということであって、決して実験的に実施するもののではないということを御理解いただきたいと思います。

大山委員

 実験的という発言は不適切でした。先進的に取り組まれていくということで、人的配置についても検討段階ということですので、学校の施設として小規模クラスに分けることが難しいという実態があるのであれば、リソースルームの数を増やすなど、飛び出し授業、チーム・ティーチングで対応できるような局面においては、小規模による対応を実現することも視野に入れていただきたいということを御要望申し上げます。

 続きましては、県立高校の定時制の夕食提供事業についてお伺いいたします。

 今年4月から、県の定時制高校の夕食提供事業への補助がなくなったと聞いたのですが、そのことについて質問いたします。

 定時制高校生の食事の実態というのは、どのような形になっているのか教えてください。

保健体育課長

 それぞれの学校によって様々でございますが、各学校から聞き取ったところによりますと、学校に来る前に家で食事を済ませてくる者、通学途中のコンビニエンスストアなどで食事を購入してくる者、帰宅後に家で食べる者など、様々でございます。なお、県が行っております夕食提供事業を利用している生徒もございます。

大山委員

 県が行っている夕食提供事業の中身を教えてください。

保健体育課長

 定時制高校の夜間夕食提供事業でございますが、食堂の場合は、光熱水費と人件費の一部を県が補助しております。弁当の場合は、1食当たり100円を、いずれも委託料としまして、現在も補助事業を行っているところでございます。

大山委員

 それでは、補助事業がなくなったというわけではなく、補助が削減されたということなのでしょうか。その経緯を教えてください。また、その影響額はどのくらいか教えてください。

保健体育課長

 夕食提供事業自体は、現在もございます。先ほど申し上げましたように、委託事業でございまして、定価が410円程度のものを、生徒は310円程度の実費を払って、市価よりも安価で購入できるというのが、夕食提供事業の中身でございます。

 委員がおっしゃっている、夕食提供事業への補助の削減というのは、当初、生活保護受給世帯などの生徒につきまして、申請があった場合に、1食当たり70円の負担軽減措置を図っていた事業に対するものと推察いたします。当事業につきましては、生活保護の生活扶助費に食費相当額が含まれており、生活扶助費と重複しているという課題があったことから、事業を終了し、重複を解消したものです。こうした重複を解消した額につきましては、昨年度の喫食申請のあった生徒の食事数が7,932食でしたので、平成27年度の実績で55万5,240円となります。

大山委員

 県財政としては、55万5,240円の額を、補助事業の重複の軽減ということで、取り払われたということなのですが、今説明のあった生活保護の名目にある生活扶助費というのは、衣食住その他日常生活に必要な費用という捉え方で、食に対する補助が二重になっているという解釈だと思います。

 しかし、義務教育段階の子供がいる家庭の生活保護の費目には、教育扶助というものがあり、教育扶助の中には、教育の観点で、給食費というものがございます。しかし、高校生には給食費という名目はなく、それほど厳密に、二重給付になっているとは言い切れない部分があると思います。

 そこで伺いますが、元来、夕食補助事業の生活保護受給世帯への補助が行われた経緯はどういったものだったのでしょうか。県は、必要を感じたからこの仕組みをつくったと思うのですが、どういった発想でこの補助を設けたのか、その経緯をお伺いします。

保健体育課長

 この事業は、定時制の全生徒を対象とした定時制給食を実施していた時点では、職業を持つ生徒の食材費の負担額の一部を県が負担しておりました。その後、この給食を廃止いたしまして、現在行っております、任意の生徒を対象とした夕食提供事業に移行した際に、新たな負担軽減策として、対象者を生活困窮世帯の生徒に特化いたしました。しかし、生活保護との重複が課題として明確になったことから、これを今年度から解消したものでございます。

 併せて、先ほど義務教育の話がございましたが、生活保護の教育扶助は、義務教育の就学を保障する趣旨で行われているものでございます。定時制高校は、御承知のように義務教育ではなく、また、夕食提供事業が給食とは異なるものでございますので、法に基づく生活保護の体系と、県独自の事業等を、一概に同列で比較することは大変難しいことだと感じております。

大山委員

 法に基づく生活保護の体系と、県独自の事業を単純に比較することはできないのに、法に基づく生活保護と二重になるからといって、県独自の補助を削減したのが、この間の経緯でした。県がつくってきた事業であっても、時代の変化によって、その事業が不要になったり、廃止しなければならなくなったりするという事情は理解できるのですが、今、廃止するべき時期なのかということを、お考えいただきたいと思います。

 県のたよりの8月号でも、6人に1人の子供が相対的貧困で、学校給食だけが食事の楽しみと書かれています。かつて定時制に給食制度があったのは、働く生徒が多く、現在でも定時制では仕事をしていない生徒は3割だと聞いております。やはり、家計を支える主たる担い手として仕事をして、おなかをすかせて学校に来る生徒がいるわけです。子供の貧困は、全庁的に取り組まなければならない課題だと思います。高校生も子供ですよね。小中学校は義務教育だから給食がある。高校は義務教育ではないから給食がない、給食がないからこそ、生活困窮世帯への補助がつくられたはずです。

 高校生になったら、急に食事量が減るわけでもなく、むしろ一層食べるようになるでしょう。急に経済的状態が好転するわけでもありません。生活保護費そのものも、この間、2013年から三度にわたって削減され、最高10%の切り下げが行われています。仮にこのままだと、親子二人で月の生活費が約14万4千円でやりくりすることになっています。国の法制度と単純に比べるものではないとおっしゃいましたが、生活保護費との二重給費を理由に70円を削っている、70円の重みが違うのではないでしょうか。

 私たち議員の議員報酬も、県民の皆さんの税金が原資です。皆さんの給料もそうだと思います。非課税世帯であっても、生活保護費受給世帯であっても、今は物を買えば消費税がかかり、その消費税が地方消費税として県に入ってきます。こういった状況を考えた場合、経済的格差が広がり、子供の貧困が問題になっている中、定時制に通う子供たちが、頑張って仕事をしているにもかかわらず、70円を削るということの意味を考えていただきたいと思います。

 生活保護制度のことを知って、女子学生の手記を読んだことがあるのですが、彼女は、親が病気で倒れて、懸命に自分が働きながら学校に行っていました。力尽きても、最後は社会が助けてくれるという希望があったから頑張れたと述べていました。結局、彼女が生活保護を受給することはなかったのですが、希望が人を助けるのではないでしょうか。

 そこで、質問いたします。削除された補助はわずか70円ですが、問題は70円にとどまりません。県からの補助が減らされたということを知った子供たちは、どのように思ったでしょうか。私は、あまりにも冷たいと考えます。この質問をするに当たって、定時制の学校にもお話を伺いました。先ほど課長がおっしゃったように、コンビニエンスストアで食事を買ってくる子供たちもいる、しかし、70円の補助が削減されたことで喫食率が下がり、今度は夕食提供事業自体が存続できなくなることの方が非常に心配だ、食堂などに営業を続けてほしいという声を聞いています。私は、これは、子育てを支える県行政の姿勢が問われると思います。ですから、取り上げさせていただきました。

 今は、補助を拡充しなければならない時であって、このような時に補助を削るべきではないと考えます。復活を御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

教育局副局長

 大山委員から様々な御指摘を頂きました。

 確かに貧困問題は、県全体として取り組まなければならない課題です。これは、もちろん教育も同じでございます。

 しかし、今回の定時制の食事の提供に関しましては、先ほど課長から御答弁申し上げましたように、生活扶助費との重複の解消という課題がございました。加えて、生活扶助費につきましては、例えば、年金収入などがあった場合には、これは差し引くという仕組みでございますので、仮にこういった補助をしていくことになれば、生活扶助費から差し引かなければならないので、制度全体として整理させていただき、重複を解消させていただいたという次第でございます。

 したがいまして、貧困問題全体の話と、県が行っておりました70円の補助を関連するものとして一緒に考えるのは難しいということですが、そういうことではなく、私たちは、制度的な側面から整理させていただいたところでございます。

大山委員

 それでは、生活保護を所管する基礎自治体の方から、生活保護との二重給付分を差し引きますという声はあったのですか。

教育局長

 具体的に、そういった話を直接聞かれたわけでございませんが、制度の仕組みとして、そういった事態が起こり得るということでございます。

大山委員

 私は、生活援護課にも確認しましたが、生活援護課は、厳密に二重給付とは言いがたいとおっしゃっていました。解釈の幅があることを、生徒に負担をかける方向で解釈して、補助を削ってしまったわけです。県全体で年間55万円ですよ。それは冷たいのではないですか。明確に二重給付だとしても、例えば、生活保護の女子高生がアルバイトをしたアルバイト代まで削減するということで、先頃社会的な問題になったところですが、これは、中学校の教育扶助の中の給食費と、中学校でやっている給食費が重なるという明確なものではなく、解釈によっては二重給付になる可能性があるというものです。

 冷たい解釈をせず、まず生活援護課に確認していただきたいと思います。市町村にも確認した方がいいのではないでしょうか。県の定時制の夕食提供事業の70円が二重給付だから削るべきだと、市町村が言ってきて、県が対応するというのであれば理解できますが、私は、こういった県教育委員会のやり方、考え方を、子供たちに知らせたくないという思いです。

教育局副局長

 定時制高校の夜間夕食提供事業における補助と、生活保護の生活扶助費の重複につきましては、平成26年度に実施されました定期監査の中で、当事業による補助は生活保護と重複しているのではないかとのご意見を頂き、それに基づいて確認させていただきました。

 その結果、当事業による補助は、生活保護制度においては、収入の範囲の中に含まれるものだということを確認してございます。

教育局長

 ただいま大山委員から、様々な御指摘、御意見を頂きました。

 教育委員会としましても、いわゆる貧困対策に対しては、大きな意味で教育局としても真剣に取り組んでいかなければならない課題であるという認識は持ってございます。しかし、この件につきましては、あくまでも制度論の中のお話であり、ご説明させていただいたような整理をしているということで、御理解いただければと思います。

大山委員

 ありがとうございました。以上で質問を終わります。

高橋(延)委員

 いじめなどの重篤な事案が発生した際の対応について、お伺いしたいと思います。

 先行会派も取り上げておられましたが、横浜市の小学校で起きたいじめ重大事態の問題に関連してお伺いいたします。

 平成25年4月に、湯河原町において、いじめを背景として一人の中学生が自らの命を絶つという痛ましい事件が発生した際、県教育委員会が関与して翌日から支援チームを編成し、学校や湯河原町の教育委員会にも様々な策をとるなど、すばらしい対応をしていただいたと、当時、町議会から報告を受けました。

 今回の横浜市の事案は、所管する政令市の横浜市教育委員会が主体的に対応するものであるということ、被害者、加害者の生徒とも、今後も学校生活を続けていくなどの点において、湯河原町の事案と異なっていることは、十分承知しておりますが、今後も、県内の市町村の学校で重篤な事案が発生した際に、多彩な事案に対応している県教育委員会が果たす役割は、非常に大きいと考えます。

 このような観点から、何点かお伺いいたします。

 この3年間、本県の公立学校の児童・生徒が自ら命を絶った件数を把握している範囲でお教えいただけますか。

子ども教育支援課長

 本県の公立学校において、児童・生徒が自ら命を絶った件数につきましては、今回報告いたしました問題行動等調査の結果によりますと、平成25年度が8件、26年度が6件、27年度が9件となってございます。

高橋(延)委員

 その中で、自ら命を絶った要因として、いじめが問題であったと考えられるケースは何件あるのか教えていただけますか。

子ども教育支援課長

 いじめが要因と考えられるケースは、平成25年度の1件でございます。

高橋(延)委員

 いじめ防止対策推進法が施行され、いじめ問題が考えられたケースは何件あるかお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 法律施行後の平成27年度に、県内の公立学校で発生したいじめ問題、中でも、いわゆる法律で定義された、いじめの重大事態の発生件数は、小学校1件、中学校3件の合計4件でございました。

高橋(延)委員

 いじめの重大事態が発生した場合、基本的に学校や教育委員会は、どのように対応するのかお教えいただきます。

子ども教育支援課長

 いじめの重大事態を認知した際、学校は、重大事態の発生を直ちに教育委員会に報告します。また、報告を受けた教育委員会は、学校に対して必要な指示、支援を行うとともに、重大事態の調査を行う組織主体を、学校か教育委員会のいずれにするかを判断します。また、重大事態の発生を、首長に報告いたします。

 設置された調査組織においては、事実関係を明確にするとともに、再発防止を目的とした調査を実施していくこととなります。

高橋(延)委員

 この事案に関して、例えば対応の手順やマニュアルなどは整備されているのでしょうか。

子ども教育支援課長

 いじめ防止対策推進法の施行に伴い、平成25年10月に、文部科学省がいじめの防止等のための基本的な方針を定め、この中に、重大事態への対処として、教育委員会や学校による調査、報告等の手順が示されております。これを受けて県教育委員会では、平成26年4月に策定いたしました、神奈川県いじめ防止基本方針の中で、重大事態発生時の対応手順を示しました。

 各市町村教育委員会や学校では、この指針、あるいは基本方針に基づき、独自に重大事態への手順等を定めたり、指針を活用したりするため、それぞれの形でマニュアルの整備を図っているところでございます。

高橋(延)委員

 市町村立の学校で、いじめや暴力行為など、児童・生徒への指導事案、あるいは自ら命を絶つような重篤な事案が発生した場合、県教育委員会は緊急支援チームを派遣して、市町村を支援する仕組みがあり、湯河原町の事案の際もお越しいただき、生徒や保護者のケアをしていただいたと記憶しています。この支援チームの編成や仕組みについてお教えいただけますか。

子ども教育支援課長

 県の学校緊急支援チームは、県教育委員会の各室課に所属する指導職や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを指導助言する立場でございますスーパーバイザー、県スクールカウンセラー協会に所属する臨床心理士を中心に構成しております。また、事案によっては、各教育事務所に配置しているスクールソーシャルワーカーや、県民局の児童福祉士などを加えることもございますが、人員としては、学校、市町村教育委員会と調整の上、事案に応じて2名から5名程度でチームを構成して、派遣いたします。

 市町村立学校で重篤な事案等が発生した場合、市町村教育委員会からの要請に基づき、当該の学校や市町村教育委員会にチームを派遣するものでございます。

高橋(延)委員

 説明の中で、スーパーバイザーや臨床心理士という言葉が出てまいりました。恐らく、その方たちは、緊急支援チームの一員として派遣されることが多いのではないかと思うのですが、例えば、湯河原の事例のようなことがあった場合の、その方たちの役割を教えていただけますか。

子ども教育支援課長

 緊急支援チームの中で、臨床心理士が果たす役割は、主に児童・生徒の心のケアです。具体的には、例えば、当該学校で児童・生徒の自殺等があった場合、その後の児童・生徒集会などで子供たちを集め、そのことについて説明しなければならないといった状況の中で、心に湧き起こる様々な気持ちや、頭痛や吐き気などのストレス反応について、心理の専門家として分かりやすく説明するとともに、特に反応の激しい子供たちに対して、別室で個別の面談等を行ってまいります。

 さらに、保護者や教職員の中でも、カウンセリングや心のケアが必要な場合は、個別の対応を行っているところでございます。

高橋(延)委員

 湯河原町の事案では、長期間にわたってお越しいただき、大変支援いただいたという記憶があります。今後もチームを生かしていただきながら、そういった事案が発生したときは、今後も支援いただけることを切にお願いしたいと思います。

 当時は、混乱してどうしたらよいのか分からないという時に、県の教育委員会の緊急支援チームに来ていただき、そのおかけで事態が収束していったという記憶がございます。今後も是非御支援を賜ることをお願いいたします。

 続いて、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室について質疑させていただきたいと思います。

 今回の定例会の一般質問におきまして、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室について質問させていただきました。その中で、教育長から、湯河原・真鶴方面分教室の整備については、早期に着手したいという御答弁を頂いたと記憶しております。湯河原・真鶴方面分教室の整備については、長年にわたる地元からの強い要望事項であり、前回の当常任委員会においても、質疑させていただきました。

 ただいま配付させていただいた資料は、12月4日に、共産党の湯河原町議会議員が、保護者を集めた際に配布したものです。私が一般質問で質問を行ったのは12月6日でしたが、保護者に資料が配布された後、質問前の5日には、保護者からお電話で、なぜ分教室で、分校ではないのだという質問を頂いていました。お配りした資料以外にも、当該の湯河原町議会議員と保護者のやり取りに関する資料を持っているので、必要に応じてご提供したいと思いますが、いろいろとお話を伺っていると、これから質問する内容と整合性がとれない部分などがあるので、確認しながら質問させていただきたいと思います。

 まず、湯河原町から無償で借り受ける敷地は約2,000平方メートルとのことですが、旧湯河原中学校の土地のどの位置に整備するのかお教えいただけますか。

特別支援教育課長

 小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室は、現在、湯河原町教育委員会などが事務室として使用しています、旧湯河原中学校の校舎が設置されている場所を中心とした、約2,000平方メートルの土地に整備する予定でございます。

高橋(延)委員

 整備についての具体的な調整はこれからであると承知しておりますが、現時点で想定している内容のみでも結構ですので、お答えいただけますでしょうか。

 まず、新設する校舎について、どのような機能が整備されるのか、また、体育の授業をどのように実施しようと考えているのかお伺いいたします。

特別支援教育課長

 まず、分教室の機能についてですが、分教室には、知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を設置することから、校舎には、こうした児童・生徒が学ぶために必要な機能を整備する予定です。まだ計画段階ですが、児童・生徒が学習する普通教室や多目的教室、保健室、ケアルーム、個別指導室などの設置を考えております。このほか、特別支援学校のセンター的機能を発揮するため、地域の小中学校の職員や保護者が利用可能な、教育相談室などの設置を考えております。

 次に、体育の授業についてですが、現在、町民体育館として使用されています、旧湯河原中学校の体育館を利用することを考えており、湯河原町と調整を行っているところでございます。

高橋(延)委員

 私の持っている資料には、こういった質問があるのです。

 湯河原分教室は、なぜ分校ではなく分教室になってしまったのかという質問に対して、県の担当課長から、30人という規模を想定して、財政上の問題はもちろんありますという回答があったと記載された資料が、参加された保護者に提供されているのですが、担当課長は、このようにお答えになったのでしょうか。

特別支援教育課長

 お話の質疑内容につきましては、前回の当常任委員会における質疑内容に基づいてお答えしており、財政的な面に関してはお答えしていないと記憶しております。

高橋(延)委員

 私自身が湯河原町と調整をしている中で聞いたことがなく、湯河原町議会でも、こういった話を聞いているということを確認できなかったものが、当日お集まりになった保護者に配布されたわけです。これに対しては、先ほどの質疑に続いて、他の県担当課長に電話で聴取した内容が、湯河原分教室に関する諸条件として記載されています。我々も電話での聞取りをしますが、一般の方たちに配布するときは、十分配慮して、あるいは議事録を見たり、担当課と調整したりしながら行うべきものと認識しております。

 こういった資料を配布され、保護者は不安になり、12月5日に、私にお電話を頂いたということだと思います。実は、この配布資料を見て、私は気付いたわけですね。一般質問の前日に、電話で、なぜ分教室で、分校舎ではないのか、平成31年に開校するのかということを質問されました。

 それを聞いたときに、間違えた情報を保護者に出してはいけないのではないかと、私は思ったので、本日、この場で質疑をさせていただいています。

 これからも、もう少し質問させていただきますが、いろいろな間違えやそごが生じておりますので、それを確認させていただきながら、質疑をさせていただきたいと思います。

 湯河原町や真鶴町から通学する児童・生徒数は、最大で30人程度を想定しているということを伺っております。例えば、私の友人の子供が非常に重度の障害を持っていて、小田原に通うには、通学の準備に2時間かかり、車で往復すると、ほぼ半日を要してしまうため、小田原まで通わせることはできない。しかし、湯河原ならば、自分で送迎することができる。喉を切開しており、保健師がついてないとバスには乗せられないという話を聞いてまいりました。しかし、湯河原分教室の予定地の横には、(特非)たんぽぽ作業所という、障害者が雑巾を作るなどの作業をして、食事をすることができるスペースがあり、そちらの送迎バスには乗ることができるとおっしゃっていました。

 通学されることに関して、湯河原は、静岡県との県境でもあります。寄留してくる生徒も想定されるのではないかと思います。その場合、30人という数字を超えることもあるのではないかと思うのですが、その辺の想定はいかがなのでしょうか。

特別支援教育課長

 就学に当たりましては、市町村教育委員会が、一人一人の子供について、保護者と就学相談をする中で、障害の程度や状態によって、特別支援学校で学ぶことが適切かどうかを判断しておりますので、基本的には、町の教育委員会が全体的な障害のある子供の数を把握しているものと承知しております。

 委員からお話がありました、隣接する地域からの通学についてですが、これまで、湯河原町立の小中学校におきましては、湯河原町に隣接し、地域に関わりの深い、熱海市泉地区に在住する児童・生徒が通学していると聞いております。こうした経緯もあり、湯河原町からは、同地区に在住する、特別支援学校で学ぶことが適切な児童・生徒がいた場合、受入れについて情報がありました。そのため、その点については、現在、町と調整しているところでございます。

 こういったことから、現段階では、受入れ人数については、全体で30人程度を想定しているところでございます。委員からの、他にも対象となる子供がいるのではないかという御指摘につきましては、今後も両町等からの情報収集を進めてまいりたいと考えます。

高橋(延)委員

 配布した資料の下段に、障害の種類が想定できず、クラス数も確定できない中で、分校の計画を分教室へ替えたことは問題であると記載されています。私は、こういったことを確認してから、記載するのであれば構わないと思うのですが、今の教育委員会の立場、教育局からの答弁を聞く限り、分教室と分校の違い、どちらが優れているのかというのは、今の状況では大差はないのではないかと感じるのですが、いかがですか。

特別支援教育課長

 まず、分校と分教室の違いについてですが、分教室にした場合、本校である小田原養護学校と一体的な教育活動が行える、あるいは、子供たちにとってより有効な人的な配置などが行える、柔軟な対応ができるものと捉えています。

高橋(延)委員

 小田原養護学校では、給食を実施しておりますが、分教室でも給食を実施されるのでしょうか。

特別支援教育課長

 分教室におきましても、給食は実施する方向ですが、児童・生徒数などの諸条件を踏まえながら、具体的な実施方法については検討してまいります。

高橋(延)委員

 配布した資料によると、栄養教員も置けないなら、給食ができないということですかという質問に対して、県の担当課長は、給食はやりますが、方法は検討中です。例えば、岩戸養護学校では、非正規の栄養職員を配置し、チルドのお弁当を提供していますという御答弁をされたと、記載されているのですが、間違いないでしょうか。

特別支援教育課長

 前半のお答えについては、今、読み上げていただいたとおりです。給食をやる方向ですが、まだ詳細は決まっていないというところです。後半の部分につきましては、私の記憶では、具体的な方法についてのお尋ねがあったと思います。そういった中で、一般論として、いくつかの方法がございますので、その中の一つとして、岩戸養護学校のチルドのお弁当の例を申し上げたと記憶しているところです。

高橋(延)委員

 資料の内容が、ここで終わっていればいいのですが、さらに、お弁当を提供するのですか。横浜の業者弁当は、ライス以外全て外国産を使っているのですよ。しっかりした給食を出してくださいと記載されています。こういったことに関して、デリケートな問題なので、今後はもう少しデリカシーを持って、対応していただきたいなと思います。

 私としては、自分たちがスタンドプレーをしたいために、こういった活動を行われているのではないかと受け止めています。

 地域では、もう10年以上も、県にこの問題についての要望をし、やっと実現しつつあると感じております。先日の一般質問の後、教育長、あるいは教育局長におかれましては、湯河原、箱根の両町議会などとお会いいただき、議会からも、前向きに早急な整備を要望させていただいた経緯がございます。それらを考えたときに、妨げになるという言い方は大変失礼ですが、今後は、間違えた内容の資料を提供されることのないよう、当委員会におられる同じ党の大山委員に申し上げたいと思います。わざわざ湯河原までお越しいただいたことに関しては、非常に恐縮でございますが、誤った内容の資料の配布に関しては、今後、十分お気を付けいただきたいと思います。

北井委員

 多くの他会派も質疑されていた、いじめ問題等への対応について伺います。

 先ほど、いじめは許さないという、明確な御答弁がありましたが、どこでもいじめは起きると、教育行政としては言わざるを得ないというのは、承知しております。大人の世界にでもあることを、子供の世界の中で、しかも、成長の途上にある何百人もの子供たちが、同じ空間の中で一緒に生活をして、まして、コミュニケーション力が未熟なために、子供特有のいじわるが発生するものであれば、当然あると思うのです。ですから、そのレベルによっては、むしろ、教育のチャンスと捉えて、大人がやっていいこと、悪いことをしっかり教えて、思いやりを育んだり、子供同士での解決に導いたりすることで、子供たちが成長するということは、十分あると思います。

 そうであるならば、いじめが起きないに越したことはありませんが、いじめがあったことそのものが悪いということではなく、いじめを可視化することが、最も重要なことなのではないかと考えます。

 今回問題にしたいのは、教育の範ちゅうに収まらないレベルの事例について、報告された平成27年度の調査結果で、いじめの態様を見ますと、悪口や仲間外れといったものと並列して、ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする、金品をたかられる、金品を隠されたり盗まれたり壊されたり捨てられたり、嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたりさせられたりするという行為が、一緒にいじめの中に並んでいるのですが、これは、もう犯罪なのです。

 公立の小中学校で、この4項目合わせて約1,300件が認知されています。もちろん、様々なレベルであっても、こういった行為は、社会に出れば犯罪と変わりませんし、学校の中にいるからできてしまうということでは、学校は非常に閉鎖的で、治外法権的なところということになってしまう。しかも、これらを重大事態といった言葉で教えなくてはならないと思います。

 現在は、いじめという言葉であらゆる行為をまとめて表現していますが、もっと正確な言葉で表現すべきだと思います。そのようにしないと、その行為が持つ重大性を子供たちに認識させられないと思います。

 そこで伺います。いじめと表現されている行為の中には、別の犯罪行為名で表現した方がいいケースもあると思いますが、例えばどういったケースが考えられるのでしょうか。

子ども教育支援課長

 委員御指摘のように、この調査結果の中では、いじめの対応ということで、様々な区分の中で、件数が報告されております。例えば、先ほど、ひどくぶつかれたり、叩かれたり、蹴られたりするといった区分について、小学校では215件、中学校では127件が認知されておりますが、これも委員御指摘のとおり、この件数には、程度の重いもの、軽いものが全て含まれていますので、全てが犯罪行為に当たるわけではありませんが、中には、例えば、子供同士のからかい行為がエスカレートする中で、身体にあざが残るような暴行を受けたということで、警察が指導に入ったというケースもございます。

北井委員

 そういったケースのとき、学校としてはどのような対応をしているのでしょうか。

子ども教育支援課長

 いじめ防止対策推進法の施行前は、文部科学省からの通知文書の中で、いじめ事案の中でも、特に犯罪行為として取り扱われると認められるような事案については、積極的に学校として警察への相談、あるいは通報が求められております。基本的には、被害を受けた児童・生徒本人、保護者の意向により、警察に被害届等を提出するというのが基本になってございますが、そういった部分も含めて、学校としては、警察との連携を強めていくという対応を行っています。

 もちろん、それ以前に、教育機関として、他のいじめの事案と同じように、そういった児童・生徒を直接指導するというのが、基本になると思います。

北井委員

 いじめという大きな枠の中の一つにすることなく、それぞれの重大性、危険性を、子供たちがしっかり分かるようにすべきだと思います。また、重大事態という言葉、いじめの中の用語として使われているものと思うのですが、本県においては、例えば、校内事件や校内犯罪などのように、可視化しないと改善されないと思いますので、その辺を御検討いただきたいと思います。

 学校では、懲戒処分や関係機関との連携以外に、現代社会の歪みの中で生まれてきてしまった、被害者的な要素もある、加害者となった子供たちに対して、どのような手立てで指導を行うことが有効とお考えでしょうか。

子ども教育支援課長

 いじめ問題の中には、教育上の課題というよりも、むしろ犯罪行為として扱うものも含まれており、そういったものについては、き然とした対応をとっていかなくてはなりません。そういった場合に、学校は、問題が起こった後ではなく、あらかじめそういったことを子供や保護者、地域に十分知らせておく必要があると考えます。

 併せて、そういった行動を繰り返してしまわざるを得ないような児童・生徒に対しては、そういったことを厳しく指導するとともに、できるだけその子が抱える背景、要因に思いを巡らせ、場合によっては、学習の支援や、その子供が学校生活の中で活躍したり、人の役に立つような出番や役割を与えたりするといった、教育活動や指導も必要と考えております。

北井委員

 しっかり取り組んでいただくよう、お願いします。学校の先生は、本当に一生懸命やられていると思うのです。そのことに、一生懸命に取り組まれていると思うのですが、子供たちを厳しく叱るという権限すらない中で、教師がどのように指導力を発揮するかということは、非常に大きなテーマだと思います。

 先ほどの、いじめは許さないといったことは、教育行政として言わざるを得ないと思います。いじめ対策協議会を拝見しましたが、その中でも建前論があって、これではなかなか溝が埋まらないのではないかと思いながら聞いていました。ですから、本音と建前の溝をいかに埋めていくか、差をなくしていくのかということを考慮しながら、先に進めていただきたいと思います。

 続きまして、不登校を含めた長期欠席の問題について伺いたいのですが、長期欠席の資料、学校に行けない長期欠席の児童・生徒が、教育支援センターやフリースクールなどに全く関わることのできない状態であり続けることだけは、避けなければならないと強く思います。そこで、夜間学級などを子供たちが学べる場にしていかなくてはならないと思うのですが、平成27年度の調査結果を見ると、関係機関等で相談・指導を受けた不登校の子供の、人数の一覧が示されていましたが、公立の小中学校を合わせた約3,500人が一覧で示され、どの相談機関でも相談・指導を受けていないと計上されています。この中には、ほとんど学校に行けていない子供も含まれていますが、何人程度いるのか分かれば教えてください。

子ども教育支援課長

 公立小中学校における不登校児童・生徒のうち、教育支援センターなどの機関で相談を受けている児童・生徒と、どこにも相談・指導を受けていない公立小中学校の児童・生徒の人数は、平成27年度の統計で、合わせて3,483人でございます。

 この人数は、不登校の定義である、年間30日以上休んだ子供が全て含まれておりますので、中には半分以上学校に来たり、来なかったりを繰り返している子供もございます。そうした子供を除いた、欠席日数が180日以上という児童・生徒数に絞って申し上げますと、458人でございます。

北井委員

 今の数字ですが、大変大きな数字だと思います。よく待機児童の人数を示せという議論があるのですが、そのことも非常に大切な話ですが、義務教育の期間でありながら、教育機関に関われないというのは、物すごく気の毒なこと、不幸なことで、大事な成長期にあってはならないことだと思うのですね。ですから、この点を是非、無理に学校に出席させて、逆に追い詰めるということではなく、いろいろな形で、全員が教育に関われる結果を目指していただきたいと思います。

 もう一点伺いたいのですが、先ほど、病欠のお話がありました。長期欠席、不登校児童の、病気の理由別の内訳で、例えば指定された難病や、先天性の病状によって、学校に来ても、学習できないような病気なのか、それとも、学校生活を苦にした、いわゆる心の病なのか、その内訳をどのように把握されているのでしょうか。

子ども教育支援課長

 この調査における病気の詳細な内訳につきましては、把握しておりません。

北井委員

 学校に通おうと思えば通えるけれども、教室で学習できない子供たちについては、本当に助けてあげたいと思います。全ての子供たちが学習する機会を得るためにも、病気の内訳などをしっかり把握していただけるよう要望します。

 では、この件について要望を申し上げます。いじめは、やはり起こると思うのです。いじめが起きることを悪いこととしてしまうと、見えなくなってしまうこともあると思います。今回発表されている数字がしっかり出てきているというのは、いい傾向だと思うのですが、これをいかにして可視化して、顕在化させて、どういったレベルにあるのかということも分かりやすく、見えるようにして、子供たちを育てると同時に、子供たちを助けていただきたいと思います。不登校の問題では、全く学校に来れず、どこの相談機関や教育機関にも関われないという状況を、一刻も早く改善すべきなのですね。それが、最優先課題ではないかと感じます。ですから、こちらも併せてお願いします。

 全ての対応を、学校の教員に委ねるのは、無理があると思うのです。しかし、子供にとっては教員が心のよりどころになると思いますので、専門職を含めた教員のあり方をしっかり整備してください。

 現在学校に行けていない子供たちをケアするために、実際にあと何人の人員が必要なのかという話に、当然なると思います。財務省と文部科学省で教員の人数を減らそうと取り組んでいることは承知していますが、こういった数字が出ているのが現実だと思うのですね。このような人数で、子供を守れますかと問われたら、私は、守れないと宣言してもいいのではないかと思うのです。何よりも、子供たちを守るということを最大の目的として、取り組んでいただくよう要望して、この質問を終わりたいと思います。

 続きまして、新たな県のスポーツ推進計画素案における、県立学校の夜間におけるグラウンド開放について伺いたいと思います。

 誰でも、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しめる、生涯スポーツ社会の実現を基本目標にしており、その達成に向けた一つの施策として、県立学校の夜間におけるグラウンド開放があると思いますが、そのために必要な夜間照明に関連して何点か伺ってまいります。

 まず、現在、夜間照明設備のある県立学校の数、また、そのうち、グラウンドを開放している学校数はどのくらいでしょうか。

生涯学習課長

 夜間照明設備のある県立学校の数でございますが、50校でございます。このうち、18時以降にグラウンド開放をしている学校数は、6校ございます。

北井委員

 分校も含めると、県立学校は全部で150校程度あるのでしたよね。

教育施設課長

 高等学校、中等教育学校、特別支援学校、分校も含めて173校ございます。

北井委員

 夜間にグラウンドを開放している県立学校が、173分の6というのは、非常に少ないと感じます。照明設備があるにもかかわらず、開放しない学校にはどのような理由があるのか伺います。

生涯学習課長

 主な理由は、三点あると考えております。

 まず、一点目でございますが、定時制の授業や部活動等での利用があります。開放すると、学校の教育活動への影響が懸念されるという点でございます。

 二点目は、学校開放による騒音や、夜間の照明の利用について、近隣住民から理解を得にくい状況がございます。開放するとしましても、近隣住民への配慮が必要になります。

 三点目は、照明の照度が低かったり、照明が少なくグラウンド全体を照らせなかったり、ランニング等の利用は可能であっても、野球やサッカー等の球技に適さないといった設備上の問題もございます。

北井委員

 今言われました、部活の利用や、近隣への配慮というのは当然あると思いますが、照明設備などのハード面での対応を含めて検討を行うことで、開放が進むように思います。

 いわゆる光の害は、LED照明の場合、設定しだいで十分抑えられると思いますが、県民のスポーツ振興を更に進めていくために、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

生涯学習課長

 夜間のグラウンド開放の促進につきましては、県民のスポーツ振興に資するものと考えております。そうした中で、いくつかの学校からは、照明設備を整えることなどにより、夜間開放を検討できるという声が寄せられております。個別にヒアリング等を行い、教育活動との調整や、近隣住民の理解を進めていくなど、総合的な対応方策を検討いたしまして、一つでも多くの県立学校で開放が進むように取り組んでまいりたいと考えております。

北井委員

 是非、進められるところから進めていただければと思います。

 最後に要望を述べさせていただきます。

 私の地元は、政令市である横浜市の戸塚区です。小中学校の場合、照明設備の付いている学校は、35校中2校しかありません。全国の政令市を見てみると、平均して1割から2割程度は、照明設備が付いています。静岡県静岡市と広島県広島市だけは、9割以上付いています。そのことによって、例えば、サッカー王国になったり、スポーツが盛んになったりして、需要もしっかりあります。

 また、静岡市の場合は、そういったスポーツによる利用と併せて、大規模災害による停電時に、校庭に明かりが点くというのは、心のよりどころになるという利点もあります。県民のスポーツ活動を推進しようとしても、スポーツをする場所がなければ、なかなか進まないのではないかと思います。新たにグラウンドを造るよりも、照明を付けた方が、予算面でも費用がかからないと思いますので、積極的に進めていただけますようにお願いして、質問を終わります。



10 次回開催日(12月15日)の通告



11 閉  会



特記事項

 資料配布(高橋(延)委員)