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平成28年  文教常任委員会 10月11日−01号




平成28年  文教常任委員会 − 10月11日−01号







平成28年  文教常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第3回定-20161011-000007-文教常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(杉本・北井の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  8件申請 8件許可



4 口頭陳情の聴取

  請願第50号、請願第51号



5 日程第1を議題



6 同上質疑(所管事項も併せて)



瀬戸委員

 平成30年度再編・統合対象校についてお伺いしたいと思います。

 平成30年度の再編・統合校については、三浦臨海高校と平塚農業初声分校の統合のみですが、その新校がこれから進められる県立高校改革における再編・統合の最初の1校となりますので、その意味でこの両校の再編・統合はしっかりと成功させてほしいと思っています。そこで、今回、報告された設置基本計画案を基に、学校づくりの内容について何点か教えていただきたいのですが、まず、両校の統合内容について説明してください。

県立高校改革担当課長

 現在、三浦臨海高校につきましては、単位制による全日制の普通科高校として、また、平塚農業高校初声分校につきましては、中間定時制の農業に関する学科として、それぞれ教育活動を展開しております。この両校の統合により、新校は単位制による全日制の課程として農業科と普通科、普通科と農業科に関する学科を設置して、平成30年度に開校することとしております。

瀬戸委員

 なぜ三浦臨海高校と平塚農業高校初声分校が再編・統合の対象になったのでしょうか。

県立高校改革担当課長

 平塚農業高校初声分校につきましては、平塚農業高校の分校という位置付けになっておりますが、本校からの距離が遠く、電車、バスを乗り継いで2時間以上かけて行かなければならないという長年にわたる課題がございます。

 また、三浦臨海高校については、三浦市内唯一の普通科高校として、これまでも農業と関連する観光教育にも力を入れております。農業科である平塚農業高校初声分校と統合することにより、地域に根差した学校として両校の特色を生かした教育に取り組むこととしたものでございます。

瀬戸委員

 普通科と農業科を統合するメリットというのは何でしょうか。

高校教育課高校教育企画室長

 まず、統合によって普通科と農業科が併置される学校になることにより、それぞれの学科に設置される科目をお互いに学ぶことができるようになります。

 また、これにより普通科の生徒が農業科の科目を選択できることで、地域の産業である農業に関する興味、関心の幅を広げることができるようになるとともに、農業科の生徒が普通科の教科、科目を選択できるようにすることで、進学をはじめとした幅広い進路希望に応える教育を展開することができる点がメリットと考えております。

瀬戸委員

 両校に在籍する生徒は、開校する平成30年度から新校の生徒になると思うのですが、その際、生徒の学籍や卒業の扱いはどのようになるのでしょうか。

高校教育課高校教育企画室長

 平成29年度までにそれぞれの高校に入学した生徒は、平成30年度の開校と同時に新しい高校の生徒として在籍することになりますので、新しい高校の生徒として卒業することになります。

 ただし、入学時の課程や学科、それに伴う教育課程はきちんと保障する必要がありますので、平成29年度までに平塚農業高校初声分校の定時制に入学した生徒は、新しい学校の定時制の課程として卒業することになります。

瀬戸委員

 普通科と農業に関する学科を併置することによる特色を生かした学習というのは、どのようなことが行われるのでしょうか。

高校教育課高校教育企画室長

 両校は、これまでも学校間連携により、三浦臨海高校の生徒が平塚農業高校初声分校の農業科目を選択して単位認定ができるようにするなど連携を行ってきた経緯がございます。現在、教育課程につきましては、設置基本計画案において大枠を示しておりますが、このような普通科、農業科で相互に学習できる科目を工夫するなど、併置の特色を生かした教育活動の展開については、設置計画にきちんと盛り込めるよう引き続き検討してまいります。

瀬戸委員

 先ほども三浦臨海高校では観光教育に力を入れているというお話でしたが、農業科が併置されることで何か新しい展開というのは考えられるのでしょうか。

高校教育課長

 今後、実施計画を策定する中で、そうした新しい取組につきましても、学校と一緒につくっております準備委員会の方で検討することになっており、現在のところ具体的な内容は検討中です。

瀬戸委員

 地域産業界との連携により、地域教育の中長期間実施できるシステム、デュアルシステムを活用するとなっていますが、これは具体的にはどのような形を想定しているのでしょうか。

高校教育課長

 デュアルシステムは、学校に籍を置きながら、相当期間、企業と連携した実習を行うものでございます。この実習時期やその中身につきましても、今後、学校の方で検討しまして、具体的なものは実施計画に乗せていきたいと考えております。

瀬戸委員

 三浦臨海高校の校舎を活用する場合、統合に当たって農業科の農場が必要だということで、平塚農業高校初声分校の校舎も使用することになり、二つの校舎が存在することになると思いますが、その両方を活用するに当たっては、どのような課題があるのでしょうか。

高校教育課高校教育企画室長

 三浦臨海高校の校舎と平塚農業高校初声分校の校舎につきましては、徒歩で約20分という距離がございますので、各学科の生徒がそれぞれの校舎で行われる授業などに参加する場合には、その移動時間を踏まえた科目配置を考える必要があると思っております。また、農業科における作物の生育につきましては、毎日関わっていく必要がありますので、農業科の生徒は農場にいる時間を一定程度確保する必要があります。そのため平塚農業高校初声分校の校舎への教員の配置の工夫も必要になってまいります。こうした現時点で課題と考えられる事柄につきましては、設置計画策定の中でしっかり検討して対応してまいります。

瀬戸委員

 新しい学校としてスタートするに当たって、県教育委員会としてはどのような支援が必要と考えていますか。

高校教育課高校教育企画室長

 今回の再編・統合に関しましては、二つの校舎を使用することをはじめとして、ほかの学校にはない課題も生じると認識しております。今後設置計画を作成していく中で課題を整理し、生徒の教育活動に支障のないようソフト、ハードの両面から必要な支援を検討してまいりたいと考えております。

瀬戸委員

 新しい学校統合に当たっては課題も多いと感じましたが、横須賀・三浦地区に根付いた学校として両校が協力して、統合するメリットが生きる学校にしていただくよう要望いたします。

 次に、県立体育センターと総合教育センターの再編・整備について伺います。

 県立体育センターと総合教育センターの再編・整備について報告いただきましたが、報告によれば、既存の建物の除却工事やPFIに係る入札公告など具体的な動きが始まっているとお聞きしております。

 そこで、これらに関して教えていただきたいのですが、再編・整備に当たっては、まず建物を除却することが最初の動きになると思いますが、今回の除却工事では、具体的にどこを壊すのでしょうか。

教育施設課長

 除却する主な建物ですが、まず体育センターでは事務室やプールなどがある本館と陸上競技場のメインスタンド、屋外の更衣室、屋外トイレでして、総合教育センターの部分では宿泊棟でございます。

瀬戸委員

 多くの建物を除却するようですが、近隣の住民にいろいろと負担をかけることになるのではないかと思っています。これまで地域に対してどのような説明をなさったのでしょうか。

教育施設課長

 地域住民には、昨年末から機会を捉え、体育センターの再整備の考え方等について丁寧に説明してきましたが、除却工事が本格的に始まるに当たり、去る9月18日に体育センター近隣の4町内会を対象とした住民説明会を改めて開催しました。その中で除却工事のスケジュール、あるいは工事上の安全対策などについて説明したところでございます。

瀬戸委員

 その際、地域の方などから意見があったのでしょうか。もしあったとすれば、どのような意見が出たのでしょうか。

教育施設課長

 参加された住民からは、例えば、工事の騒音、振動についてどのような対策をとるのか、ダンプカーは1日当たりどのくらい出入りするのかといった、工事の内容についての質問をはじめ、地域の生活道路となっている敷地内の通路は工事中も通れるようにしてほしい、あるいは樹木をなるべく残してほしいといった要望をいただきました。

瀬戸委員

 引き続き地域住民に丁寧な説明をしていただいて、理解を得ながら工事を進めていってほしいと思います。次に、PFI事業についてですが、報告では7月に入札公告を行っているとのことですが、今後の事業者を決定するまでの手続について教えてください。

教育施設課長

 PFI事業者を募るための入札公告を7月29日に行った後、8月5日に現地で入札説明会と見学会を実施いたしました。その後、事業者から入札公告に対する質問を受け付け、9月26日にその回答を公表したところでございます。今後は、12月9日に入札を行い、その後、予定価格を下回る入札をした事業者から、施設の整備計画などの提案についてプレゼンテーションをしてもらい、落札者決定基準に基づく提案内容の審査を経て2月を目どに落札者を決定する予定としております。

瀬戸委員

 PFI事業の入札公告に関して、民間業者の反応はどのようなものだったのでしょうか。差し支えのない範囲で伺いたいのですが。

教育施設課長

 8月に実施した現地での入札説明会や見学会への参加状況、その後の入札公告に関する質問の件数から、本事業に対する事業者の関心は高いものと考えております。

瀬戸委員

 落札の決定に当たって、価格面をクリアした業者から提案を出させるということだと思うのですが、どのような基準で評価するのでしょうか。

教育施設課長

 入札公告とともに、落札者を決定するための基準を公表しておりますが、そこでは全体を1,000点満点とした上で、価格に関する評価は700点、施設整備や維持・管理などの性能に関する評価を300点としております。

瀬戸委員

 そのような基準を設定した理由と経過について教えてください。

教育施設課長

 PFI事業については、落札者の決定に当たり価格点と性能点で評価するのが一般的でございます。体育センターの再整備に当たっては、価格点を700点、性能点を300点の合計1,000点を満点として評価する基準を公表しております。この考え方は、外部有識者で構成するPFI事業者選定委員会において議論を重ね、価格点に重点を置くものとなっております。

 その理由でございますが、一点は、第2アリーナプール棟の競技エリアの面積について競技団体と密に調整したこと、もう一点は、教育相談などを行う本館棟について、プライバシー確保の観点からレイアウトを詳細に調整し、これらを踏まえて新しい建物の参考レイアウトを公表していることから、他のPFI事業と比べ事業者の提案の幅が少なくなるので、価格点に重点を置くことが妥当であると判断されたところでございます。

瀬戸委員

 体育センターの再編・整備については、将来にわたる県民スポーツの振興拠点として、我が会派でも期待しております。再編・整備に伴い周辺住民に負担がかかると思うのですが、引き続き丁寧に対応して、地域の理解の下に事業を着実に進めていただきたいと考えています。

 また、PFI事業の事業者の選定に当たっては、一定の基準を公表しているとのことですので、これにのっとって公明正大に優れた提案を見極めるようにしていただくよう要望いたします。

 次に、スポーツ推進条例とスポーツ推進計画の取組についてお尋ねします。

 ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などの開催を契機に、県民のスポーツに対する興味や関心が非常に高まりつつありますが、スポーツの振興を図るための条例や育成のための計画を設定することは大変重要だと私も考えております。

 そこでスポーツ推進条例、スポーツ推進計画における教育委員会に関する取組などについて伺います。

 スポーツ推進条例の骨子案の、教育委員会に関わる部分について教えてください。

教育局企画調整担当課長

 今回報告しております骨子案でございますが、スポーツ推進のための条例の基本的な考え方でございまして、今後、条例制定に向けまして具体的な調整を行っていく中で、教育委員会の関わりがより明確になるものと考えてございますが、現時点におきまして、基本的施策関係の学校におけるスポーツ活動の充実、また、拠点施設の整備につきまして、教育委員会が主に関わるものと認識してございます。

瀬戸委員

 スポーツ条例の制定に向けた今後の予定はどのようになっていますか。

教育局企画調整担当課長

 スポーツの範囲につきましては、関連分野も含めて非常に広いので、県民の誰もが関係してまいります。様々な意見もあると考えられますので、今後、パブリック・コメントのほか、市町村やスポーツ関係団体などの意見を幅広く伺った後に、県のスポーツ審議会の意見を伺って、12月の常任委員会において素案という形でお示しし、その上で平成29年の第1回県議会定例会におきまして条例案を提出できるように準備を進めていくと、スポーツ局から伺っております。

瀬戸委員

 条例制定に向けてスポーツ局とどのように調整していくことになるのでしょうか。

教育局企画調整担当課長

 当常任委員会で頂いた意見なども踏まえ、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、全庁的な組織であります神奈川県ラクビー・オリ・パラスポーツ施策総合推進本部及び、その下の学校体育・スポーツ施策推進部会を通じ、スポーツ局とも調整をしてまいります。

瀬戸委員

 スポーツ推進条例とスポーツ推進計画は、どのような関係になるのでしょうか。

教育局企画調整担当課長

 条例に規定されている推進計画に、新たなスポーツ推進計画を位置付け、併せて、国のスポーツ基本法におけます地方スポーツ推進計画にも位置付けてきたと伺っております。

瀬戸委員

 スポーツ推進計画の素案には、近年、積極的にスポーツをする子供とそうでない子供の二極化が認められており、高校生の女子においてはスポーツをしない割合が3割を超えているとありますが、原因をどのように分析しているのでしょうか。

保健体育課長

 平成27年度の部活動基本調査を見ると、運動部の入部率は中学校の女子の51.8%に対し、高校女子では34.8%となっております。この原因ですが、例えば高等学校では中学校に比べて文化部の数も多く、中学校で運動部に入部していた生徒の一部が文化部の方に入部していくという面があるのではないかと分析しております。こうしたことから、高校の女子生徒の運動部活動への入部率が低いことが、結果として運動やスポーツの実施率の低下につながっていると分析しております。

瀬戸委員

 中学校から高校へかけて、運動部から文化部に女子生徒が流れていくというお話でありますが、高校女子の運動部への入部率というのは、平均的に減少傾向にあるのでしょうか。それとも、34%ぐらいと変わらないのでしょうか。

保健体育課長

 入部率については、ここ数年大差がない状況でございます。

瀬戸委員

 入部率が少ないという問題を解決するためにどのような取組を行っているのでしょうか。

保健体育課長

 部活動を通じて高校生の女子の運動、スポーツをする機会の充実を図るという取組を行っております。具体的には、競技性を求める活動ではなく、仲間と楽しみながら体を動かしたいといった生徒のニーズに応えたヨガやピラティスなど、新しいタイプの部を創設することにより、多くの生徒、特に女子が参加しやすい運動部活動を支援する取組を進めております。

瀬戸委員

 スポーツに親しむ意欲や態度の育成の施策目標の一つであります、小学生の運動習慣の定着を図るということを推進するために、今後どのような方向で施策を展開するのでしょうか。

保健体育課長

 小学生の運動習慣の定着に向けては、昨年度から始めております、学校での児童・生徒の健康体力づくりの取組である子どもキラキラプロジェクトの一環として、様々な取組を進めております。

 例えば、昨年度から始めました、学校の休み時間に外遊びを奨励する子どもキラキラタイムを設置したり、児童が運動を楽しみながら記録、確認できるような、ビンゴの要素を取り入れた運動習慣カードを配布したりしています。

 また、今年度からトップアスリート派遣事業を開始いたしました。これは、県のアスリートネットワークに所属するトップアスリートが直接小学校に出向き、子供たちと一緒に運動したり、運動することの素晴らしさを語っていただいたりすることにより、運動好きな子供を増やし、積極的に運動するといったことを企画したいと思っております。

瀬戸委員

 施策の目標達成に向けてですが、体育や健康教育の充実が必要になってくると思いますが、子供の体力向上や生活習慣改善の推進のためにどのような取組を行うのでしょうか。

保健体育課長

 同じく、子どもキラキラプロジェクトの中で取組を進めております。体力向上の主な取組といたしましては、県教育委員会の体育の指導主事等を体力向上キャラバン隊といたしまして小学校に派遣し、体力テストの実施を通して、児童に運動の行い方やポイントを指導しております。

 また、生活習慣の改善については、学校や家庭向けの健康体力向上に関する情報紙、JOY!JOY!通信を発行しております。このJOY!JOY!通信の中には、食や運動、睡眠の生活リズムの大切さ等の記事とともに、クロスワードパズルを解きながら健康について考えるコーナーを設けるなどの工夫を行い、各学校や家庭の中で子供たちと一緒に生活習慣の改善を図れるような紙面にしているところでございます。

瀬戸委員

 教員の指導力向上に向けては、どのような取組が行われているのでしょうか。

保健体育課長

 教員の指導力向上のため、体育、保健体育の授業につきましては、学習指導要領を踏まえまして、国の動向等も情報提供しながら、研修を実施しております。特に、体育の専科教員のいない小学校は、県の指導主事を体力向上キャラバン隊として派遣いたしまして、自分の学校において指導主事とともに運動の行い方などを児童に指導する中で、より実践的な研修を実施しております。今年度は体力向上キャラバン隊の派遣校に近隣の教諭も集め、学校現場における研修を新たに実施いたしました。参加した教員からは、実際の指導方法についての質問や、自分の学校での指導に参考になったという感想を多数頂いており、今後ともこうした学校現場のニーズに沿った研修、教員研修を充実させていきたいと思っております。

 また、各学校に小中高等学校の体力づくり担当教員がおり、この代表や県及び市町村の指導主事等からなります、県の健康体力づくり推進委員会も開催しております。こうした中で各学校での取組内容の検討、実践方法を共有しながら教員の指導力向上を図ってまいります。

瀬戸委員

 今年4月から、体育センターで、小学校教員の体育指導上の様々な相談や要望に応えるために、教員のための土曜体育塾というのをスタートさせたということですが、相談はかなりあるのでしょうか。

保健体育課長

 土曜日に行うという関係で、参加者は少ないと聞いております。しかし、体力向上キャラバン隊につきましては、体育センターの指導主事が一緒に学校に行って、小学校の教員に研修を行っているという形でございます。

瀬戸委員

 土曜日に体育センターまで来てもらうのは、難しいと思いますが、地域における子供の運動習慣確立のため、ラジオ体操ではどのような取組を行っているのでしょうか。

保健体育課長

 子供たちのラジオ体操の取組でございますが、生活習慣や運動習慣が乱れがちな夏休みに、夏休みみんなで朝ラジ!!プロジェクトを展開しております。これは、スポーツ指導員等の地域の方々や家庭の協力により、県内各地で朝のラジオ体操の実施を呼び掛けるものです。

 具体的には、子供たちのラジオ体操への参加促進を図るため、夏休み前に公立小学校全児童へラジオ体操カードを配布いたしました。また、子供たちのためのラジオ体操の場や期間の拡大を図るため、今年度は夏休み期間の6日間を県内一斉ラジオ体操デーといたしまして、スポーツ推進委員等を通じて、各地域での朝のラジオ体操の実施を依頼したところでございます。さらに、ラジオ体操の正しい実施方法の習得に向け、今年度は中央イベントとして横須賀市でラジオ体操講習会を2回開催し、子供たちや保護者、地域の方、合わせて約2,000人に参加していただいたところでございます。

瀬戸委員

 スポーツ推進のためには、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる、生涯スポーツ社会の実現を目指すことが非常に大切だと考えています。中でも学校体育は生涯にわたるスポーツライフを実現するための基礎となるものですので、学校体育を所管する教育委員会の役割は重要だと思います。体育、健康教育の充実に向けて、一層の取組を要望いたしまして私の質問を終わります。

斉藤(た)委員

 まず、不登校児童・生徒への支援の充実について伺ってまいります。

 小中学校における不登校は、長年にわたり全国的な問題として議論され、対策はとられているものの、不登校の児童・生徒数は依然として高い水準で推移しております。我が会派としても、これまで様々な角度からいじめ・不登校対策について政策を提言してきた経緯があります。

 そういった中で、不登校の児童・生徒が学校以外で学ぶ場としてフリー・スクール等がありますが、本県では全国に先駆けて、学校とフリー・スクール等との連携を推進してきたことは承知しております。そこで、フリー・スクール等における児童・生徒への支援を中心に、不登校対策について何点か伺ってまいります。

 まず、本県の公立小中学校における不登校児童・生徒数の推移について説明を求めます。

子ども教育支援課長

 本県の公立小中学校における不登校児童・生徒数の推移でございますが、文部科学省の調査において年度間に30日以上欠席した児童・生徒の理由の一つとして、不登校という用語が初めて使われた平成10年度、小中学校合わせて8,525人の児童・生徒が不登校として計上されました。その後、年度により増減はあるものの、全体として増加傾向が続き、最も多くなったのが平成19年度の10,102人でございます。以降、平成24年度まで減少した後、再び増加し、直近のデータとしましては平成26年度、本県の公立小中学校の不登校は9,363人となっております。

斉藤(た)委員

 不登校の児童・生徒数の数というのは、依然として高い水準にあるということが、今の答弁で理解することができました。

 そこで、不登校対策の基本的な考え方を教えていただきたいのですが。

子ども教育支援課長

 不登校対策の基本的な考え方は、一つは、新たな不登校を生まないということ、もう一つは、既に不登校となっている児童・生徒を支援することです。

 まず、新たな不登校を生まないために、未然防止の観点として、魅力ある学校づくりが基本になります。全ての児童・生徒にとって安心して、意欲的に生活できるような学級づくりや、日々の授業を充実させることが必要です。また、早期発見、早期対応の観点として、児童・生徒が休み始めた段階、例えば月3日程度欠席する児童・生徒の状況を、学級担任だけではなく学校全体で把握し、不登校の兆候がないか丁寧に見極め、適切に対応することが不可欠です。

 次に、既に不登校となっている児童・生徒への支援です。不登校の要因となる児童・生徒の心理面や家庭環境などを把握し、改善するために、学校は早い段階からスクール・カウンセラーやスクール・ソーシャル・ワーカーといった専門職と連携して取り組むことが重要です。さらに、長い期間にわたって欠席を続ける児童・生徒に対しては、市町村が設置する教育支援センターや民間のフリー・スクール等と連携し、粘り強く支援を続けることが大切であると考えております。

斉藤(た)委員

 スクール・カウンセラーやスクール・ソーシャル・ワーカーというのは、本県としてもしっかりと取り組んでいるところではあるのですが、そういった期間が長くなると、民間のフリー・スクール等にも頼るところだと思います。こういった観点から、児童・生徒への支援の一端をフリー・スクールが担っていることを理解することができました。

 国会の流れなどを見てみますと、2015年2月の安倍首相の所信表明演説の中で、フリー・スクールに通わせる親からの手紙を読み上げた上で、子供たちの誰もが自信を持って学び、成長できる環境をつくる責任がある、フリー・スクール等での多様な学びも国として支援するとしっかり答弁されております。

 こういったことからも、国もフリー・スクール等への前向きな支援がうかがえるわけでありますが、フリー・スクール等を論じるときに一番重要となってくるのが、支援の在り方だと思います。例えば、財政的支援ということは、公金を投入することになるので、行政としての干渉というのが高まってくる可能性があります。そうなると、フリー・スクールとしての良さが削がれてしまうのではないかという声も出ています。

 そういった観点から、例えば、県教育委員会として、具体的にどういった支援や連携が有効なのかと問われれば、非常に難しい要素もあると思うのですが、本県では学校とフリー・スクール等との連携を、これまでどのように推進してきたのか確認させてください。

子ども教育支援課長

 県教育委員会では、本県における不登校の状況の改善を図る上で、不登校児童・生徒のための居場所づくりには、既に進めているフリー・スクール等との相互理解や連携の推進が必要と考え、平成18年2月、神奈川県学校フリー・スクール等連携協議会を設置いたしました。以降、毎年度2回、本連携協議会を開催する中で、不登校児童・生徒の将来の社会的自立や学校生活の再開に向けて、学校や教育委員会とフリー・スクール等でどのような連携ができるか、具体的な取組の方策等について協議を重ねてまいりました。

 そうした中、各地区においては、学校の教員が実際にフリー・スクール等に出向き、不登校の児童・生徒の活動の様子を見学する取組や、フリー・スクール等のスタッフが教員の研修会において不登校児童・生徒に支援を行ってきた経験を交えた話をするなどの取組が行われております。県教育委員会としては、連携協議会の中でこうした取組を進めるなど、学校教育委員会とフリー・スクール等との連携、顔の見える関係づくりを進めてまいりました。

斉藤(た)委員

 県教育委員会としての、これまでのフリー・スクール等との連携の状況を理解することができましたが、連携協議会にいくつのフリー・スクール等が加盟しているのか教えていただきたいと思います。

子ども教育支援課長

 連携協議会は、県内九つの地区連携協議会で構成されておりますが、平成28年6月現在、合計で27の団体が加盟しております。

斉藤(た)委員

 活動内容が気になるところですが、先日、インターネットでフリー・スクールの取組の動画を見たのですけれども、その中では、地域の方が郷土料理を作ったり、農作業をしたりということを通じて、どのような分野で輝くことができるのか、向いているのかを見出すような取組を行っているとも聞いております。

 把握している範囲でいいのですが、本県においては、フリー・スクール等で、児童・生徒はどのような活動を行っているのでしょうか。

子ども教育支援課長

 それぞれのフリー・スクール等では、施設環境やスタッフの経験や専門性、活動方針等に違いがあることから、それぞれの団体の強みを生かした様々な活動が行われております。

 例えば、農作業などの土いじり、自然の中での寄宿や合宿、調理実習、ものづくり、化学実験、ダンス、楽器演奏などの体験学習、国語や数学などの教科学習については、個別の状況に合わせ、基礎的な復習からじっくりと行うなど多様なプログラムから、児童・生徒が主体的に選んで行うことを基本として活動しています。

 また、団体によっては、臨床心理士のスタッフによる専門的な相談活動が行われているところもございます。

斉藤(た)委員

 私がインターネットで見た動画と、方向性というか、取組はそこまで大きくは違わないようです。様々な活動を通じて、将来の方向性を定めていくというのが、大きな方向性だと思います。

 それでは、県内にはフリー・スクールで支援を受けている児童・生徒はどのくらいいるのか、年度や国との比較ではどのような状況か教えていただきたいと思います。

子ども教育支援課長

 平成26年度のデータになりますが、本県の公立小中学校における不登校児童・生徒の中で、フリー・スクール等の民間の団体、施設に相談した児童・生徒は277人でございます。これは全不登校児童・生徒数9,363人のうちの3.0%となっております。また、この割合を経年で見ますと、連携協議会が設置されました平成17年度には2.3%であっものが、平成20年度には2.6%、平成23年度には2.7%、平成26年度には3.0%に上昇している状況でございます。

 さらに、全国の数値等と比較しますと、平成26年度の全国の数値が1.7%となっておりますので、本県では、全国の倍の割合でフリー・スクール等の民間団体、施設に不登校児童・生徒が関わっているという状況が見られます。

斉藤(た)委員

 年々少しずつ増えており、全国の数値と比較してかなり高い割合でフリー・スクール等のケアを受けている児童・生徒がいるということだと思います。

 国会の流れを見ますと、今年5月に、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案が提出され、継続審議となっていると認識しております。

 この法案では、フリー・スクール等による不登校児童・生徒への支援についてどのように述べられているのか。

子ども教育支援課長

 この法案は、不登校児童・生徒に対する教育機会の確保等を目的に掲げるものでございます。この法案では、フリー・スクール等の学校以外の場で活動する不登校児童・生徒に対する国や地方公共団体の責務としまして、第12条において、不登校児童・生徒が学校以外の場において行う学習活動の状況、不登校児童・生徒の心身の状況その他の不登校児童・生徒の状況を継続的に把握するために必要な措置を講ずるものとすると述べられており、さらに、第13条では、不登校児童・生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童・生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童・生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童・生徒及びその保護者に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとすると述べられております。

斉藤(た)委員

 そういったことが述べられている中で、本県としては、不登校児童・生徒への支援にどのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 今回の法案につきましては、現在、国会において継続審議中でございますので、今後もその動向を注視してまいります。県教育委員会といたしましては、今まで築いてきましたフリー・スクール等とのつながりをベースに取組を着実に進めていくことで、不登校児童・生徒、特に長期間にわたって欠席を続ける児童・生徒にとって、より多くの活動の場が提供されるよう努め、将来の社会的自立や学校生活の再開につなげてまいりたいと考えております。

斉藤(た)委員

 質疑の中でも出てまいりました市町村の教育支援センターといった公的機関に加え、フリー・スクールなどの民間施設がより重視され、どうしても学校に通うことができない児童・生徒たちにとって、学校以外の活動場所の選択肢が増えることは、彼らの学校生活の再開や将来的な社会的自立に向けて有効な手段の一つであると考えております。先ほどの法案など、国の動向も見据えつつ、県教育委員会が市町村と連携を図り積極的に推進されるよう要望し、次の質問に移ります。

 次に、スポーツ推進条例、スポーツ推進計画について伺います。

 まず、スポーツ推進条例の特色は何か確認させてください。

教育局企画調整担当課長

 条例の特色でございますが、基本法の趣旨を踏まえつつ、ここに定められていない事項や補足する事項、県の責務の具体化、推進計画策定の義務化のほか、大きな特色といたしまして、神奈川ならではのスポーツに関する基本的施策を盛り込んでおります。具体的には、かながわパラスポーツの普及、未病の改善につながる取組、本県の豊かな自然環境を生かしたスポーツの推進、スポーツにおける暴力行為やスポーツ障害防止などの考え方を盛り込んでおります。

斉藤(た)委員

 パラスポーツについて少し聞きたいのですが、私のイメージでは、パラスポーツというと、これまでのように障害のある人がするスポーツというところから、パラリンピックから学び、一歩進めて、全ての人が楽しみながらスポーツをするというのが、かながわパラスポーツの掲げていた理念ではないかと思うのですが、その辺をもう少し詳しく説明していただきたいと思うのですが。

教育局企画調整担当課長

 かながわパラスポーツ推進宣言では、全ての人が自分の運動機能を生かして同じように楽しみながらスポーツをする、見る、支えることを、かながわパラスポーツとしています。この条例では、その趣旨を踏まえ、障害の有無にかかわらず、県民それぞれの関心、目的、体力、年齢及び運動機能に応じて、楽しみながらスポーツ活動を行うことをかながわパラスポーツとしております。

斉藤(た)委員

 スポーツ推進条例に規定された新たな推進計画においては、かながわパラスポーツをどのように位置付けているのか教えていただきたいと思います。

教育局企画調整担当課長

 スポーツ推進計画の中のスポーツ推進の展望におきまして、全ての人が自分の運動機能や障害の状況に応じて、生涯にわたりスポーツをする、見る、支えることができるよう、かながわパラスポーツを推進しているところであり、今後は、こうしたかながわパラスポーツの考え方を県民一人一人と共有し、誰もが年齢や障害の有無にかかわらず、それぞれの興味、関心、目的、体力や年齢、自らが持つ運動機能等によって、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現を目指していくということを基本目標に位置付けています。

斉藤(た)委員

 かながわパラスポーツの推進が基本目標の中に位置付けられているということでありますが、県民に広く知れ渡っていない現状がある中で、そういった環境づくりが必要であると思うのですけれども、スポーツ推進計画の中ではどのように規定されているのか教えていただきたいです。

教育局企画調整担当課長

 スポーツ推進計画の中では、スポーツ活動を広げる環境づくりの推進の、障害者スポーツの推進の中におきまして、障害者スポーツの理解、促進に関する主な取組として、かながわパラスポーツ普及イベントを実施すると承知しております。

斉藤(た)委員

 それでは、県教育委員会では、かながわパラスポーツの推進に向けてどのような取組を行っているのでしょうか。

保健体育課長

 今年度からの取組として、かながわパラスポーツの理解促進を図るため、小学校4校、中学校1校、高等学校4校の合計9校において、パラスポーツのアスリートやパラリンピアンを招いた体験授業等を実施しております。体験授業を通して、年齢や障害などを超えてスポーツをする喜びや仲間ができる楽しみを実感し、全ての人が自分の運動機能を生かしてスポーツを楽しむことを学んでおります。また、日常的にパラスポーツ種目に触れる機会を設けるために、実施校におきましてはパラスポーツの用具を購入し、休み時間や授業の中で体験できる機会をつくっているところでございます。

斉藤(た)委員

 最後に未病について聞きたいのですが、スポーツ推進条例の特色として、未病の改善に向けた取組を盛り込むこととしたと思うのですが、県教育委員会では、未病の改善に関してどのような取組を行うのか伺います。

保健体育課長

 健康体力づくりの取組である子どもキラキラプロジェクトの中で、体力の向上や運動習慣の確立、生活習慣の改善を推進し、子供の時から未病を改善する基礎づくりに取り組んでいるところでございます。主な取組といたしましては、児童・生徒の体力、運動能力の向上を目指し、教育委員会の体育の指導主事等で構成される体力向上キャラバン隊を小学校に派遣し、体力テストを通して運動の行い方やポイントを当該教員と一緒に指導する取組を行っているところです。

 また、運動習慣の確立を目指し、トップアスリートを小学校に派遣し、児童が一緒に運動したり、運動することの素晴らしさを聞いたりすることで積極的に運動をするきっかけをつくるため、トップアスリートによるスポーツ教室を開催しております。

 さらに、生活習慣の改善を目指しまして、学校における食育の推進の取組をはじめとして、学校と家庭を対象にした健康体力づくりに係る情報紙のJOY!JOY!通信を発行しているところでございます。

 今後も、こうした子どもキラキラプロジェクトを推進する中で、子供のときから未病を改善する基礎づくりに取り組んでまいりたいと思います。

斉藤(た)委員

 今回、スポーツ条例に関する基本的な考え方や新たなスポーツ推進計画の考え方が示されました。いずれもスポーツ局が主体ではありますが、県教育委員会関係を所管する本委員会での意見をしっかりと伝えるとともに、今後、スポーツ局との調整を積極的に行って、条例推進計画がより良いものとなるように取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終了いたします。



(休憩 午前11時36分  再開 午後4時40分)



(日程第1及び所管事項について質疑を打ち切り)



7 日程第1について意見発表



瀬戸委員

 文教常任委員会に付託されました諸議案に対し、自民党県議団として意見、要望を述べさせていただきます。

 はじめに、政治参加教育についてです。

 第24回参議院議員通常選挙において、神奈川県内の10代の投票率が非常に高かったことは大変喜ばしいことと受け止めています。本県においても、この結果を真摯に受け止め、さらなる取組を進めていくことが大切であり、神奈川の政治参加教育の在り方について一層の研さんを重ね、さらなる充実を図られるよう求めます。

 次に、特別支援学校における県と市の連携についてです。

 特別支援学校については、学校教育法上、県が設置義務者であり、設置者が異なる市立の特別支援学校としっかり連携する必要があります。今後、特別支援学校に通学する子供たちのより良い教育環境の整備を推進することを求めます。また、横浜市の再編・整備計画については、横浜市が関係する児童・生徒や保護者を含めた地域住民に説明が十分尽くされるよう、県から横浜市に伝えることを要望します。

 次に、県立高等学校入学者選抜の採点誤りについてです。

 入学者選抜システムを円滑に導入し、その運用に当たっては現場の教員にしっかりと周知を図り、採点、点検時には混乱のないよう十分に準備することを求めます。また、和解金については、結果として県が支出することになりますが、本来合格とすべきところ不合格としてしまったことの重みを学校現場も受け止め、二度とこのようなことを起こさないという強い決意を持ち続け、緊張感を持って入学者選抜の採点、点検業務に当たることを強く要望します。

 次に、県立図書館の再整備についてです。

 県立図書館が知の拠点として県民の社会教育や生涯学習に貢献していくためには、今回報告のあった方向性を踏まえ、再整備に取り組んでいくことが重要です。また、県立川崎図書館については、今定例会において蔵書の3分の2程度は移転するという方向性が示されましたが、KSPへの移転については、今後、県民の意見をしっかりと聞きながら進めていくことが重要です。県立図書館が多くの県民に利用され、その価値が広く評価されるよう再整備等に取り組むことを強く求めます。

 次に、横浜国際高校の新棟整備についてです。

 本県のグローバル教育をこれまで以上に充実させるために、横浜国際高校に設置する国際バカロレア新棟などの教育資源を最大限に活用し、国際バカロレアコースの成果をしっかり上げてもらうことを求めます。また、その成果を横浜国際高校の一般コースに広げ、さらに、全県立高校に広げていくことが大切で、そのことが神奈川県のグローバル化の底上げにつながると考えます。横浜国際高校が神奈川県のグローバル教育の核となるべく、すばらしい学校となるよう取組を進めることを要望します。

 次に、海洋科学高校大型実習船建造工事についてです。

 県内唯一の水産科専門高校である海洋科学高校の水産教育は、本県の今後の水産関連産業の発展のためにも大変重要です。特に、大型実習船による航海実習は船員養成の資格取得要件にもなっており、水産高校には欠かせない実習です。県財政がひっ迫している状況ですが、将来の本県の水産業を支える担い手の育成のためにも、安全かつ最新の設備を搭載した大型実習船を建造し、有効に活用することを要望します。

 次に、県立社会教育施設の老朽化対策等についてです。

 社会教育施設は県民が広く学習する機会を提供する施設であり、常に快適な環境を保つ必要があります。そのためにも、その器となる施設の老朽化対策を計画的に行い、適切に維持・管理するとともに、施設の展示品やその解説など内容面も充実を図り、県民にとってより魅力的な施設とすることを要望します。

 次に、県立博物館条例等の一部を改正する条例についてです。

 県立の博物館や美術館は、県民の知識を深め教養を高めるために生涯学習の機会を提供する重要な施設であり、引き続きより多くの県民が利用しやすい施設となるように工夫を重ねることが必要です。また、今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などを控え、外国人観光客や他県からの観光客の増加が見込まれることから、より多くの方々に本県の博物館、美術館を訪れてもらえるよう、鉄道会社等との連携した取組を着実に進めることを要望します。

 次に、相原高校移転先用地に係る不動産の取得についてです。

 相原高校は90年以上の歴史を持った農業、商業の専門高校です。これまで地域に根差して様々な産業との連携を重視した教育を行ってきました。こうした教育活動をしっかり維持し、新たな場所においてもその伝統を守っていかなければなりません。相原高校の移転は一大事業であり、新しい場所に移転して良かったと言われるように、しっかりと取組を進めることを要望します。

 次に、県立の高校等の設置に関する条例の一部を改正する条例についてです。

 校名は在校生や卒業生にとって母校を表す大切なものです。どの高校においても、生徒、学校関係者や地域の方にも親しまれ、生徒がその学校で学ぶことに喜びと誇りを持てるような校名でなければならないと考えます。今後、再編・統合に伴い新たな校名を検討する際に、各方面から十分に意見を聞くなどして検討されるよう要望します。

 次に、平成28年度全国学力学習状況調査の結果についてです。

 今後、調査結果の詳細版を公表していくということですが、丁寧な分析を求めます。また、県教育委員会としては、全県の平均値で分析を進めることが基本になると思いますが、各地域でそれぞれの特徴もあると考えます。各小中学校を所管する市町村教育委員会でも同様に分析すると思いますが、十分に連携をとりながら取組を進めることを求めます。特に、全国平均と比べて復習を余りしないという本県の課題についてしっかりと対応してもらうことを要望します。

 次に、無形民俗文化財の記録保存についてです。

 民俗芸能を後世に引き継いでいく記録保存調査、学術調査は、県下に存在する無形文化財を継承、発展していく上でなくてはならない礎となるものです。活動団体や地域住民が地域の自然や歴史、文化、さらに、その民俗芸能の価値に気付く手がかりになるものです。昨今、担い手の高齢化、団体の減少など民俗芸能を取り巻く環境は厳しくなっており、かけがえのない貴重な無形民俗文化財を神奈川の未来につなげていくための県の役割は極めて大きいと考えます。民俗芸能の記録保存調査、学術調査に当たっては、市町村や団体などの意見も十分に聞き、一時的な対応ではなく、長期スパンで取り組んでもらえるよう人的、予算的対応を含め、早期にその実施体制の構築に努められるよう強く要望します。

 次に、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会推進神奈川アクションプランについてです。

 リオのオリンピック・パラリンピックでは、多くの日本人選手が活躍しましたが、神奈川育ちの選手が活躍することは県民に大きな力を与えるものと考えます。そういった意味で、神奈川育ちの選手の育成につながる部活動支援が大変重要です。特に、高校の部活動は多様性がありますので、取組をより一層充実させることを求めます。また、中学への外部指導員の配置は市町村教育委員会の判断ですが、文部科学省も部活動指導員の配置を検討しているとのことですので、国に対して積極的に働き掛けることを要望します。

 次に、平成29年度学科改編対象校についてです。

 学科改編等により新しい学校として教育活動をスタートさせる学校については、入学する生徒が希望を持てる学校づくりを求めます。また、新しい学校へと移行していく中で、現在在籍している生徒にとって教育活動に支障が出たりすることのないよう十分配慮し、円滑に新校へ移行させることを要望します。

 次に、平成30年度再編統合対象校についてです。

 三浦臨海高校と平塚農業初声分校の統合は、県立高校改革実施計画で初めての再編・統合校となります。新しい学校づくりに当たって、課題は多いと思いますが、横須賀、三浦の地域に根付いた学校として両校が協力し、統合することのメリットが生きる学校となるよう要望します。

 次に、県立体育センター及び総合教育センターの再整備についてです。

 体育センターの再整備については、将来にわたる県民のスポーツ振興拠点として我が会派としても期待しています。再編・整備の期間中、周辺住民には負担もかかると思いますが、引き続き丁寧に対応し、地域の理解の下、事業を着実に推進することを求めます。また、PFI事業者の選定に当たっては、一定の基準を公表しているとのことですので、これに則って公明正大に優れた提案を見極めるよう要望します。

 次に、スポーツ推進条例、スポーツ推進計画についてです。

 スポーツ推進のためには、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる、生涯スポーツ社会の実現を目指すことは非常に大切です。中でも学校体育は、障害にわたるスポーツライフを実現するための基礎となるもので、学校体育を所管する教育委員会の役割が大変重要です。体育、健康教育の充実に向けて一層取り組むよう強く要望します。

 以上、意見、要望を申し上げ、当委員会に付託されました諸議案に対し自民党県議団として賛成し、意見発表を終わります。

斉藤(た)委員

 本委員会に付託されております諸議案及び所管する事項につきまして、かながわ民進党神奈川県議会議員団といたしまして意見並びに要望を申し述べさせていただきます。

 まず、県立高等学校入学者選抜の採点誤りについてです。

 平成28年度及び平成27年度神奈川県公立高等学校入学者選抜に係る学力検査において採点誤りがあったことは、本県の教育行政に対する県民の信頼を大きく損ねたものと言わざるを得ません。そのような採点、点検でのヒューマン・エラーを防止する目的でマークシート方式を導入するとして、今定例会補正予算案には入学者選抜採点システム整備費が計上されております。これにつきましては、採点誤りをなくすという主目的を果たすことはもちろんのこと、教員の業務効率化を図り、多忙な教員の負担を少しでも軽減することを意識し、本県の教育行政に資する予算として効果的に活用し、県民の信頼回復に努めていただきますよう求めます。

 次に、教員の多忙化解消についてです。

 昨今の新聞報道等で取り上げられておりますように、学校現場の教職員は多忙を極めていると言われております。本委員会での質疑を通じ、これまでの教員の多忙化解消に向けた取組を確認いたしましたが、いわゆる特効薬があるわけではないということも理解いたしました。言うまでもなく、本県における教育の質を高めていくためには、教員が児童・生徒と向き合う時間を十分に確保することが欠かせません。今後も引き続き研修機関や県立学校長との連携を密にすることに加え、外国籍児童・生徒への支援の充実を国に積極的に働き掛けることなどを通じて、様々な角度から教員の多忙化解消に向け尽力していただきますよう求めます。

 次に、横浜国際高校に設置される国際バカロレアコースについてです。

 本県の県立高校改革では、グローバル化に対応した先進的な教育の推進を重点目標の一つに掲げ、横浜国際高校を国際バカロレア認定推進校として取り組みを進めております。国際バカロレアの教育については主体的、対話的で深い学びであるアクティブラーニングが基本であるとのことであります。今後、教育において何を知っているかだけではなく、どのように学ぶかということが重要視される中で、県立高校においては、アクティブラーニングについて今まで以上に研究を重ね、授業内容の改善を進めるとともに、国際バカロレアコースでの成果を全校に広めていっていただきますよう要望いたします。

 次に、県立高校改革実施計画についてです。

 本年4月に県立高校改革実施計画がスタートし、県教育委員会では実施計画に基づき学科改編に向けた取組が行われており、それに伴う校名変更も予定されております。県立高校改革の取組状況や校名は県民の関心の高いところではありますが、これから高校入学を目指す中学生にとっても進路決定に大きな影響を与えることになります。来年4月から学科改編という大きな取組をスタートするに当たり、県教育委員会と各学校が連携し、しっかりと準備を進めるとともに、中学生や保護者、地域の方々に対しても効果的かつ効率的な広報を行っていただきますよう求めます。

 次に、スポーツ推進条例、スポーツ推進計画についてです。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を4年後に控え、県民のスポーツに対する機運や関心が高まっていく中、本県ならではのスポーツ推進を図るための条例や計画を策定することが重要であります。今回、スポーツ条例に関する基本的な考え方や新たなスポーツ推進計画の考え方が示されました。いずれもスポーツ局が主体ではありますが、県教育委員会としても本委員会での意見をしっかりと伝えるとともに、今後、スポーツ局と連携を密にし、条例及び推進計画がより良いものとなるよう取り組んでいただきますよう要望いたします。

 次に、県立の図書館についてです。

 県立川崎図書館については、本定例会において、移転後はものづくりを支援する図書館にするとの今後の方向性の一端が示されたところであります。KSPへの移転後の機能につきましては、県民の関心が高まっているものと考えられますので、県立川崎図書館の移転につきましては、県民や利用者団体の声をしっかりと聞きながら進めていただきますよう求めます。

 また、県立図書館については超高齢社会の到来など、大きな変化を迎える中で、新たな価値創造の場としての新棟整備をはじめとする全体整備構想の方向性を見定め、県民のための新しい図書館の整備に向けた取組を行っていただきますよう、併せて要望いたします。

 次に、県立高校改革における弥栄高校音楽科についてです。

 県立高校改革実施計画に基づき、弥栄高校については、来年度から、これまでの芸術科の音楽専攻から音楽科として学科改編を行うこととしております。同校につきましては、芸術に関する県立高校として、本県の県立高校で唯一の音楽科を持つ高校として、大学進学の結果だけでなく、大学卒業後の進路まで、可能な限り把握することを含め、その公益成果を検証しながら日本や世界の文化をリードしていけるような人材の育成を目指していただきますよう求めます。また、そのために必要な楽器をはじめとする教育環境の整備につきましては、県教育委員会としてしっかり支援していただきますよう、併せて要望いたします。

 次に、教員採用に伴う諸課題についてです。

 過去の教員採用候補者選考試験では、高等学校において募集数を満たしていなかったことから、欠員に対応するため臨時的任用教員を相当数配置しております。将来の生徒数等を視野に入れると、欠員、臨時的任用教員による補充を解消できない状況は理解できますが、一方で子供たちに対する教育の継続性という意味からは、できるだけ多くの正規職員が必要です。団塊の世代の大量退職が続く中、欠員を少なくするために多くの正規教員を採用するわけでございますが、やみくもに採用するわけにはまいりませんので、子供たちのことを一番に考え、今後とも採用試験に工夫、改善を図り、より多くの優秀な人材の確保に努めていただきますよう要望いたします。

 次に、神奈川教育月間の取組についてです。

 県教育委員会では、神奈川教育ビジョンに基づき、今年度から新たに神奈川教育月間を設定いたしました。これにつきましては、多く県民への普及、浸透が図られるよう周知を強化する必要があると考えております。今後は、市町村や企業、NPOなどと連携しながら積極的に周知を行い、神奈川教育月間が県民一人一人の中に定着し、本県の教育の発展につながるよう一層の推進を図っていただきますよう求めます。

 次に、県立高校におけるインクルーシブ教育の推進についてです。

 本県においては、共生社会の実現に向けて、県立高校におけるインクルーシブ教育を確実に進めていく必要があると考えております。そのためには、パイロット校三校が引き続き準備を進め、障害の有無にかかわらず、全ての子供たちが相互理解を通じて成長できるための体制を築くことが極めて重要であります。県教育委員会におかれましては、引き続きパイロット校をしっかりと支え、入学する全ての生徒が安心して学校生活を送り、将来の共生社会の担い手として成長することができるよう、インクルーシブな学校づくりを進めていただきますよう要望いたします。

 最後に、不登校の児童・生徒への支援についてです。

 小中学校における不登校は、長年にわたり全国的な問題として様々な議論がなされ、対策がとられてはいるものの、依然として高い水準で推移しております。市町村の教育支援センターといった公的機関に加え、フリー・スクールなどの民間施設がより周知されることにより、どうしても学校に通うことができない児童・生徒の学校以外の選択肢が増えることは、彼らの学校生活の再開や将来的な社会的自立に向けて有効と考えます。本県においては、国会で審議されております教育機会確保法案の動向も見据えつつ、県教育委員会が市町村と連携を図り、不登校の児童・生徒への支援を充実し、解消に向け尽力していただきますよう求めます。

 以上、意見並びに要望を申し上げ、本委員会に付託されております議案について賛成し、我が会派の意見発表とさせていただきます。

西村委員

 私は、当委員会に付託されている定県第89号議案、平成28年度神奈川県一般会計補正予算ほか諸議案及び所管事項について、公明党神奈川県議会議員団として意見を申し上げます。

 まず、入学者選抜採点システム整備費について申し上げます。

 かねてより我が党からは、マークシート方式の導入に当たって、ヒューマン・エラーの防止を訴えておりましたので、システムの導入は採点誤りを防ごうという意識の表れと捉えております。ぜひこの採点システムを有効に活用されますようお願いします。

 次に、県立図書館に関する報告の中で、再整備の方向性の一つとして現本館を魅せる図書館として改修し、所蔵する記録フィルムの放映を行うという説明があり、大変重要な取組であると考えております。今後は、再整備の中で新館を書蔵庫として改修する際に、フィルム等の資料の保存、復元にも配慮し、県民の貴重な財産を後世に引き継いでいただくよう要望します。

 次に、教員が児童・生徒と向き合う時間を確保する観点から、チーム学校について質問し、県教育委員会としてチーム学校に関連する施策を様々な形で展開されていることを伺いました。確認の意味で、改めて次のことを要望いたします。

 一つ、教員が担うべき業務に専念し、子供と向き合う時間を確保するため、学校や教員が携わってきた従来の業務を不断に見直し、教員の業務の適正化を促進すること。

 一つ、部活動においては教員の負担軽減を図りつつ、部活動の指導を充実するため、地域のスポーツ指導者や引退したトップアスリート、退職職員、退職教員、運動部や文化部所属の大学生等、地域の幅広い協力を得て行えるよう環境整備を進めること。

 一つ、教員が長時間労働するという働き方を見直し、心身ともに健康を維持できる職場づくりを促進するため、実態調査の実施やメンタルヘルス対策の推進を図ること。また、これらのことを推進するため、教職員体制の整備、充実を図るとともに、専門職員や専門スタッフ等が学校運営や教育活動に参画していくチーム学校の実現を図るため、チーム学校推進法を早期に成立させるよう国に働き掛けられますよう要望します。

 また、学校運営に関しては、校長を補佐する体制の整備について伺いました。校長を支える学校経営サポート事業がスタートしましたが、複雑化する課題に取り組む学校長をきめ細やかにサポートできるよう、さらなる取組の充実を希望します。また、副校長、教頭の確保について、年齢要件の緩和などを行い工夫されていると確認しましたが、管理職の成績率の見直し等も検討して人材の確保を図られますよう要望いたします。

 次に、特別支援教育について申し上げます。

 7月26日に県立津久井やまゆり園で、障害者への異常な偏見から起こされた犯行は、決して許されるものではありません。折りしも特殊教育から特別支援教育となって今年で10年。共生社会の実現に向けて特別支援教育の重要性は増しています。この10年で見えてきた課題の一つとして、子供たちの障害の重度化、重複化、多様化に伴った、より高度で専門的な機能が求められています。県では、理学療法士などの専門職を自立支援教諭として配置されているということですが、今後展開されていくインクルーシブ教育の充実のためにも、自立支援教諭の増員を図り、市町村の相談支援に派遣したり、地域の小中学校の教員や保護者の相談に対応したり、特別支援学校のセンター的機能の充実を図られますよう要望します。

 また、国に対し、これら専門職の地位や権限、予算の確保が図られるよう働き掛けをお願いいたします。

 以上、意見、要望を申し上げ、本委員会に付託されております全ての議案に賛成し、意見発表を終わります。

大山委員

 当委員会に付託された諸議案、所管事項について日本共産党神奈川県議団として意見を述べます。

 県立高校改革に伴う二項目のうち、横浜国際高校整備工事設計費の債務負担行為の設定について、国際バカロレア認定校を目指す横浜国際高校の新棟の整備工事設計費として6,000余万円が計上されており、教育活動に必要な新棟設計費として債務負担行為を設定するとされています。横浜国際高校は既に国からスーパー・グローバル・ハイスクールに指定されており、異文化交流の実践が行われています。県立高校改革の中で国際科が設けられ、1学年当たり4クラスを目指していくこととなります。現状の17クラスが国際バカロレア認定後は、1学年4クラスに、バカロレアの1クラスを加え、計15クラスに再編されます。

 視察、検討の結果、現状の施設で十分対応できると判断しました。文部科学省大臣官房国際課の国際バカロレア認定のための手引には、新棟の中に予定されている施設は、明確に認定校の指定条件とされているわけではありません。先行例があるからといって模倣し、今後、更に数億円を超える投資を行うことになります。

 我が会派は、教育条件の向上は歓迎しています。しかし、財政難を理由に他の多くの県立高校の耐震化や老朽化が遅々として進まない一方で、一部の高校だけ過度に予算を投入することは、教育の機会均等の観点から賛成できません。前述の文部科学省手引にも、学校の事情によっては、より簡素で廉価な解決方法をとることも可能であるとの記述があります。巨額な予算をかけなくても工夫は可能です。バカロレアコースは25人学級、国際科は1学年4学級にすることとしていますが、他の県立高校は1学年10クラス規模に詰め込まれるところもあります。多様性の名の下に県立高校を選別し、予算の傾斜配分をし、子供たちに大きな不公平を招く県立高校改革に我が党は反対します。

 以上の趣旨から、補正予算の横浜国際高校整備工事設計費の債務負担行為の設定と県立高校改革で学科改編をすることになる神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例には反対します。

 次に、相原高校移転先用地として職業能力開発大学校旧相模原校の跡地を取得する定県第105号議案について、リニア中央新幹線の県内駅が県立相原高校敷地内に設置されることに伴い、不動産を取得するものですが、我が会派は、リニア中央新幹線計画を撤回するよう、神奈川県として国に要望するべきであると考えています。騒音、日照、電磁波、景観、残土処理など、予定地周辺住民の不安が解消されない不透明な計画に加えて、財政投融資の活用で国民に3兆円もの負担を強いることにもなりかねません。橋本の地に長年息づいた歴史ある農業高校を、演習に不可欠な土壌や演習林の質を保てる保証もないまま、リニア中央新幹線に追い払われるように移転させることには反対です。

 次に、県立図書館2館の再生計画について、本県の一人当たりの県立図書館事業費は全国最低クラスです。今、本県に求められているのは社会教育に資する図書館の充実であって、縮小ではないはずです。県立川崎図書館を産業支援に特化してKSPに移転する整備計画は、その決定経緯が不透明な上に、資料の3分の2ほどだけ移して、その後はどうなるか未定で、将来的に横浜の県立図書館に収蔵するということでは、県立川崎図書館を川崎の地に残してほしいという、川崎市民の切なる願いに背を向けることになります。

 図書館法第3条には、図書館は図書館奉仕のため土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、さらに学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならないと規定されています。川崎の地で豊かに成長した県立川崎図書館は、今や全国に類を見ない科学と産業のライブラリーとなっています。図書館の移転の理由とされている川崎市による富士見周辺地区整備計画は、現在、一部の改定が検討されています。また、この地区ではない、川崎市内の別の候補地を提案する県民の提言もあります。半世紀を超える県民の宝を、一時的な財政縮減のために移転させる方針を見直し、県民の声を参考にしながら川崎市と丁寧に協議することを求めます。

 また、紅葉ケ丘の県立図書館再編・整備計画について、PFI事業の活用は、図書館の整備手法になじまないという意見は、県民へのパブリック・コメントでも多く見られました。図書館法に基づく入館料を取らない図書館運営では、経費を節減すれば提供されるサービスが低下し、職員の削減、労働条件の低下につながります。県立図書館に求められる大きな役割の一つは、豊かな専門知識と経験を備えた人材を育成し、その知見をもって市町村図書館を支援することです。施設と人の配置をともに考慮してこそ、充実した図書館行政につながります。運営の主要部分は県直営とされていましたが、肝心の資料の選定は線引きが不明です。民間に運営を任せた図書館における貴重な資料の喪失や、公金の不正流用が全国で頻出しています。知の財産である県立図書館の運営は、県が責任を持って行うことを要望します。

 次に、インクルーシブ教育の推進について、津久井やまゆり園の事件を受けて、真の共生社会を築いていくために、本県の障害者施策が全国から注目されています。そんな中、今年度からインクルーシブ教育の推進のため、パイロット校を指定して実践に取り組んでいます。障害がある子もない子も共に学ぶ形には、共生社会の実現に大きな期待がかかっています。これまでの県民向けのフォーラムではなかなか実態が見えないという意見が聞かれます。県民からの意見の中には、県立特別支援学校の過大規模化が改善されないばかりか、神奈川の教育を考える調査会の最終まとめでも、増設の答申を出さずにインクルーシブ教育の名でそれを緩和しようとする動きも見られるという趣旨のものが散見されます。

 教育は人です。特別支援教育に携わる教員からは、専門職を手厚く配置することが必要であると述べています。財政縮減が目的ではなく、我が国が批准している障害者権利条約の精神にある、合理的配慮を伴う教育の実践のためであることを県民に理解してもらうためにも、十分な施設と専門性のある職員を配置できる予算を確保するよう要望します。

 次に、主権者教育について、青葉警察署から県立高校に教育内容の問合せが行われた問題は、本県教育委員会の認識とは違い、全国のメディアが取り上げ、教育の自主性が侵されることを懸念する論調も見られました。私は委員会質疑の中で自らが投票に行くことすら、政治的中立性に反すると考えている若手教員の発言が見られることを紹介しました。私が調べたところでは、ドイツでは政治的中立性を担保した上で、生徒も教員も自分の意見を持ち、ほかの意見にも論理があることを認め、それを尊重することが求められていると聞いています。

 我が国では、政治的中立性を守らせるという名の下に、先ほどの教員のように、学校現場で活発な意見の表明が抑え込まれる風潮があります。

 青葉警察署の問合せは、一般人が投票率に関心を持って、その理由を聞いてみたというのとは訳が違います。日頃の警察との連携の範囲を逸脱した国家権力による授業内容への干渉です。教育基本法第16条には、教育は不当な支配に服することなくこの法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、構成かつ適正に行わなければならないとあります。高投票率を生み出した本県の主権者教育が、政治について活発に議論を交わすことができる真の主権者教育であるためにも、教育の現場に萎縮をもたらす諸要素を排除し、教育委員会に求められる現場を守り抜くという本源的な役割を果たすよう期待して、この件についての意見発表を終わります。

 以上、意見、要望を申し上げ、本委員会に付託された定県第89号議案、定県第100号議案、定県第105号議案に反対し、定県第101号議案、103号議案、104号議案、107号議案、108号議案に賛成して、我が会派の意見発表とします。



8 日程第1について採決



9 日程第2請願・陳情を議題・審査

(1) 質疑等

ア 請願第50号関係

国吉委員

無形民俗文化財の記録保存の取組について、本委員会で教育長から前向きな答弁があったが、本請願について、改めてどのように受け止めているのか、今後の対応を含めて、教育長に所見を伺いたい。

教育長

無形民俗文化財の記録保存については、教育委員会の役割の一つという認識を持っている。そうした中で、予算や専門的な知識を持った人材の確保についても、これからどういった調査体制を整えればいいのか検討し、実現に努力していきたいと考えている。

イ 請願第51号関係

大山委員

請願の趣旨の(3)で求められている審議会の設置については、どのような意向を持っているのか伺う。

生涯学習部長

県立図書館及び県立川崎図書館の運営については、専門家のアドバイスを受けるなど工夫を図るとともに、アンケートなどにより利用者の意見を伺っているところである。また、再編に当たって県民の意見を伺っており、今後の検討に生かしていきたいと考えている。

また、県立図書館の再整備に当たり、県民の意見を伺うため、平成28年7月に意見交換会を開催したところであり、今後、考え方をまとめた上で県民から意見を聞く機会を持つと思われることから、審議会等の設置は考えていない。

(2) 審査結果

(本委員会に付議された陳情については、本会期中なお引き続き審査)



10 日程第3閉会中における調査事件

  当委員会の付議事件については議会閉会中調査を継続すべきものと決定



11 審査結果報告書等の案文委員長一任



12 意見書案等の提案確認

提案なし



13 閉  会