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平成28年  文教常任委員会 03月07日−01号




平成28年  文教常任委員会 − 03月07日−01号







平成28年  文教常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第1回定-20160307-000013-文教常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(長田・浦道の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  5件申請 5件許可



4 日程第1及び第2を議題



5 同上質疑(所管事項も併せて)



谷口委員

 それでは、まず最初に夜間中学校についてお伺いしていきたいと思います。

 この夜間中学校については、我が会派の西村議員が今回の一般質問で取り上げました。昨年7月に文部科学省から通知が出て、学び直しの場としての新たな役割が示されたところでありますが、これについて質問させていただいて、教育長からは来年度の平成28年度に県、市町村教育委員会の主管課長をメンバーとして、夜間中学校を含む学び直しの場について検討する会議を設置し、3月にもそのための準備会を開催する予定ですと答弁いただいております。また、この会議では、横浜及び川崎の夜間中学校の入学要件の緩和や、新たな夜間中学校の設置のそれぞれの可能性について検討していきたいと御答弁いただいています。この件に関して何点かお伺いしていきたいと思います。

 まず1点目は、前回の委員会でもお伺いしましたが、改めて7月に国から出た通知を受けて市町村教育委員会にアンケートを行っていますが、この経緯について改めてお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 まず、夜間中学校ですが、戦災等で中学校を卒業していない方に市町村教育委員会が二部授業を実施して、中学校の卒業資格が取得できるよう義務教育の機会を提供するために設置したものです。

 このたび、委員御指摘のとおり昨年7月に国の通知が出されまして、一度中学校を卒業した方でも十分に義務教育を受けられなかった状況が明らかな場合は、夜間中学校に入学を認めることは適当という考え方が示され、夜間中学校の捉え方が広がりました。

 この通知を受けて、県教育委員会では新たな夜間中学校や学び直しの場の設置などについて、夜間中学校の設置者である市町村教育委員会の意向を確認する必要があると考え、アンケートを実施したところです。

谷口委員

 今、御答弁にもありましたように、学び直しの場ということについて聞いているわけでありますが、改めてこの学び直しの場というのはどういうものなのか、確認させてください。

子ども教育支援課長

 学び直しの場ですが、中学校を卒業している方で、たとえば基本的な読み、書き及び計算など、もう一度義務教育段階などの学習内容の学びを希望する方たちが学ぶ場であると捉えています。

谷口委員

 それで、アンケートを行った結果について確認させてもらいたいのですが、まず結果の概要と市町村教育委員会から今後の方向性等について、どういう意見が出ていたのか確認をさせていただきたいと思います。

子ども教育支援課長

 市町村からの回答ですが、まず多くの市町村では夜間中学校についての入学の希望ですとか、設置の要望はないということ、夜間中学校の設置については、既に設置されている横浜市及び川崎市以外の市町村では設置する予定がないということ、夜間中学校以外の学び直しの場については、現在設置している川崎市以外の市町村は設置する予定がないということでした。

 また、市町村からの意見としては、夜間中学校や学び直しの場に関しての今後の方向性などについて、情報交換等を目的とした協議会を設置してほしい、県と市町村で学び直しの場の実現について協議したいという意見を頂いたところです。

谷口委員

 要望はないということが今お答えの中にありましたが、これは前回でも指摘させていただきましたが、まだ夜間中学校というものが皆さんよく分からない、知っていらっしゃる方があまりいないというところが、この要望がないということにつながってくるのだろうと思います。その点は、アンケートの結果としてはそういう要望の声はないということでありますが、そこはしっかりとそういう前提の上で取組を進めていっていただきたいと思います。

 いろいろな意見が出ているようでありますが、これらのことを受けて県としてこれからどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 アンケートの結果から、県と市町村教育委員会が夜間中学校の設置について、また学び直しの場の今後の方向性についてなどを協議する必要があると考えております。そこで、先ほども委員からもお話がありましたが、来年度に夜間中学校を含む学び直しの場について検討する会議を設置してまいります。まずは今月中に、そのための準備会を開催する予定です。

谷口委員

 今月中にもその準備会を設置するということですが、これはどういうメンバーで、どういう内容を協議していくのか、お伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 準備会の構成メンバーですが、市町村教育委員会に行いましたアンケートで、県、市町村が参加する協議会の設置を要望すると回答した市町村が九つあります。その九つの市町村教育委員会の担当者と、教育事務所及び県教育委員会の担当者で情報の共有や協議を行う予定です。

 内容ですが、国の通知を受けての市町村教育委員会の考え方、来年度に設置する協議会での協議内容や進め方についての協議を予定しています。

谷口委員

 ちなみに、その構成メンバーがもし公表できるようでしたら教えていただけますか。

子ども教育支援課長

 九つの市町村ですが、横浜市、川崎市、相模原市、愛川町、清川村、平塚市、秦野市、伊勢原市、真鶴町、以上です。

谷口委員

 政令3市とそれから三つの市と二つの町と一つの村ということですが、これは地域的にも結構離れていたり、ある意味固まっているところもあります。分かる範囲で結構ですので、こうした九つの市町村が協議会に参加を表明した背景を教えていただけますか。

子ども教育支援課長

 様々な背景がありますが、規模の小さいところは単独でも夜間中学校の設置が難しいといったところで、今後どうしていったらいいか方向性を探りたい。もう一つは、市の方からは県の方向性及び設置に対する考え方を明らかにしていただきたいという御意見が出ています。

谷口委員

 この準備会で協議して来年度に予定されているところに準備していくわけですが、来年度に予定されている協議の場というのはどういう構成メンバーになるのか、まずそこを確認させてください。

子ども教育支援課長

 先ほど委員からもお話がありましたが、来年度に予定している協議会のメンバーですが、県、市町村教育委員会の主管課長を予定しています。

谷口委員

 内容としてはどういう内容になっていくのかをお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 この会議では、まずは横浜市や川崎市の夜間中学校の入学要件の緩和、そして新たな夜間中学校の設置、それぞれの可能性について協議したいと考えております。

谷口委員

 入学要件の緩和ですが、これは具体的にどういう方向を考えているのか教えてください。

子ども教育支援課長

 様々ありますが、まずは新たな国の通知を受けて横浜市及び川崎市の方で県内の子供たちを受け入れる余地があるかどうか、また、他県の状況を見ますと、財政の補助等を行い受け入れている例がありますので、その点の可能性についてなど、まだ準備会も開いていませんので、準備会の意見を聞きながら考えていきたいと思っております。

谷口委員

 市町村の意見にも出ていたように、県の考える方向性を示していただきたいとアンケート調査の中でも意見が出ていますが、できるだけ早く結論を出していくべきだと思います。いつ頃を目どに結論を出す予定及び計画なのか、お願いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 結論というのはなかなか難しいと思いますが、方向性を示す時期ですが、おおむね10月頃を目どに一定の方向性を示していきたいなと考えております。ただ現在、国でフリースクールを義務教育の場とする見直しなどの議論が進められておりますので、そうした動向も踏まえながら進めていきたいと考えております。

谷口委員

 今、10月頃を目どに方向性を出していきたいとなったら、国のフリースクールの関連等も含めながらやっていきたいということでありますが、10月でしたら早い時期だと思いますし、是非この10月までに方向性が出せるように取り組んでいただきたいと思います。

 これについては西村議員が一般質問でも取り上げさせていただいて、また今日、この委員会でも質問させていただきましたが、できるだけ早く望んでいる方が夜間中学校で学べるように、また学び直しの場としてそこでしっかりと学んでいけるように取組を進めていただくと同時に、夜間中学校というのがあるということの周知も是非しっかりと図っていただきたいと要望させていただきまして、この質問は終わります。

 続いて、入学者選抜について何点かお伺いしていきたいと思います。特に、インフルエンザで受検ができなかった生徒さんへの対応についてお伺いしていきたいと思いますが、インフルエンザは本当に流行しだすと、受検生だけではなくて多くの方々が影響を受けるわけです。特に受検生の皆さんは、1回しかないチャンスを逃してしまう可能性もあって、他県ではインフルエンザにかかった受検生については追試験を実施しているところもあると聞いていますが、まず最初に、本県の対応についてお伺いしたいと思います。インフルエンザも含めて、試験の当日に体調がすぐれないということで受検ができないという方への対応について、まずお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 本県におきます検査当日に体調がすぐれない受検者については、別室での受検というものを実施しています。別室受検については、体調不良以外についても、たとえば利き腕をけがしてうまく書くのがいつもより遅いとか、あるいは精神的に大勢の中での受検が困難な受検者等々も含めて配慮が必要な受検者がいる場合には、中学校からの申請によりまして対応しているところです。

谷口委員

 たとえば交通事情で遅刻をしてしまったという場合にも適用されますか。

高校教育課長

 遅刻等の扱いについては、特に別室受検という形はとっておりません。

谷口委員

 今、体調がすぐれない受検者に対して配慮していただいているということですが、当日に先ほど申し上げた交通事情で遅刻をしたり、体調がすぐれないことで遅刻をしたりして一部の科目を受検できなかった受検者に対して、何らかの配慮をしているのでしょうか。

高校教育課長

 先ほどの御質問にもありました交通機関などの事故、あるいは志願者の急な病気といったもので遅刻をしたなどで検査の一部を受けられなかった場合については、診断書等やその理由を証明する書類を添付の上、中学校から高校へ事由報告書というものを提出していただいております。高校では、受け取りましたその事由報告書の事由が正当なものに当たらないと判断した場合には、一部受検しなかった受検生は基本的には未受検者ということで選考対象者にはなり得ないのですが、事由報告書が正当な事由に当たると判断された場合には、選考対象として選抜するものです。

谷口委員

 具体的に一部の科目を受検できないということは、合格及び不合格の判断というのは非常に難しいと思いますが、具体的にどのようなやり方で合否を決めているのか。

高校教育課長

 現在の選抜制度では、1回の選抜で一次選考、二次選考という形で2回選考しております。これは定員の90%を一次選考で、残りを二次選考で、2回それぞれの尺度の違う形で選考していますが、先ほどのような一部未受検で、なおかつ事由報告書によって選考の対象者になった者については、ほかの受検生は例えば5教科の点数全部がそろっておりますが、一部を欠いているという形になりますので、資料を欠く者の選抜というものを一次選考と二次選考の間に行っております。もう少し具体的に言いますと、その資料を欠く者が一次選考の合格者と同等とみなせるかどうかを判断して、同等とみなせるということであれば、資料を欠く者の選考で合格者とするという選考をしております。

谷口委員

 同等がどうかの判断というのは、もうちょっと具体的に教えていただけますか。

高校教育課長

 この選抜については、各学校それぞれでやっておるわけでありますが、選考の過程の詳しい状況をなかなか申し上げられませんが、たとえば一次選考の合格者は5教科全部の資料がそろっているわけですが、資料を欠く者で3教科しか点数がないという場合には、その3教科に合わせてこの一次選考の合格者を該当の3教科だけを足し算して平均点なり、あるいはボーダーの点を出していくという形で、その点数と資料の欠く者の点数を比較して合格者に準じているかどうかというところを判断しているものです。今のはたとえの一つでありますが、そういった形で各学校は資料を欠く者を選考しています。

谷口委員

 当日、一部であっても受検ができた生徒さんに対しては、何らかの配慮をしていただいているということはよく分かりました。

 先ほど冒頭で申し上げましたが、インフルエンザとか様々な理由で、ほかの病気等で当日に受けられなかった場合には、たとえば他県においては追試験及び追検査をしている県もあるわけですが、本県の場合はどういう取組をされているのでしょうか。

高校教育課長

 突然の病気や事故などで全く受検できない、いわゆる当日に欠席をしてしまった生徒への対応については、本県においては別日程を設けるなどの検査を実施しておりません。

谷口委員

 何回か申し上げている他県の状況ですが、把握していれば確認させていただけますか。

高校教育課長

 聞き取りの段階ですが、現在9府県が追試験を実施していることを把握しております。ただ、この9府県の中には入学者選抜の改革で全ての受検者に学力検査と面接を課す本県と同じようなやり方に変更することに伴いまして、日程的に厳しいということで追試験を廃止する予定という県も含まれています。

谷口委員

 具体的にその府県を教えていただけますか。

高校教育課長

 北の方から申し上げますと、秋田県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、島根県、徳島県、最後に高知県です。

谷口委員

 それで、先ほど取りやめるところもあるというお話ですが、それは具体的にどこで、どういう理由かをお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 聞き取りの段階ですが、現在、愛知県において、今年度までは推薦とAB日程に分かれていました。これは、従前の本県での入試に似た前期選抜、後期選抜という二つの選抜に分けた形で行っていましたが、来年度より本県と同様にこの日程を一本化することになったことで、日程的な問題から追試験を廃止するということを聞いております。

谷口委員

 そうすると、今後は8府県になっていくと思いますが、もし分かればでいいですが、8府県は具体的にどういう日程、形でやっているのか、教えていただきたいと思います。

高校教育課長

 ほとんどの県が本試験の二、三日後に追試験をやっています。また、その条件としましては、診断書を提出するというところが多くなっております。また、本試験と追試験の間の学力検査の平均点の大きな開きがあった場合等々に予想される補正ということについては、行っていないところが多くなっております。

谷口委員

 本県としては、これまで別日程での追検査はやっていないわけですが、インフルエンザは年によって流行の度合いというのは変わってきます。大きく流行した場合にも備えて、本県としてもこの準備はしっかりとしておくべきではないかと思っておりますが、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。

高校教育課長

 本県については、公平性及び公正性の観点から、本試験と追試験の試験問題を同程度に作成するという作業は非常に難しいとまず考えております。また、本県の入学者選抜の日程は、私立学校やあるいは中学校の卒業式を行っている中で共通選抜、定通分割、それからそれぞれの二次募集といった選抜をやり切っているところでありまして、非常に日程的にも厳しいかなという状況があります。こういうことを踏まえますと、追試を別日程で設けることは非常に困難と考えています。今後、他県の状況などを踏まえて、できる、できないも含めて研究していって、より良い入学者選抜となりますように取り組んでまいりたいと考えております。

谷口委員

 二つの観点で今、お話をされました。一つは、試験の本試験と追試験の内容の公平性について、同じものをつくるというのは、同じ程度にどうやってつくるかということ、もう一つは、日程の問題がありましたが、まず試験の中身については、これはほかの愛知県も含めると9府県でこれまで取り組んできたわけで、追試験の受検者数が少ないので補正をかけるというのがなかなか難しいというのがあるかと思います。他県の状況を参考にしながら、これは作業が膨大になるということはあるでしょうが、これはクリアできるのではないかなと思いますね。

 もう1点は、日程ですが、ほかのところができていて神奈川がなかなか難しいというのは、どういう理由でしょうか。

高校教育課長

 毎年、私学との協調の中で私学の中学の入試や、あるいはその後に高校の入試との日程、合格発表の日程等々、それから本県におきます公立高校の入試日程について毎年協議をしながら決定しています。そうした中で、毎年の協議の中身で考えますと、一日二日本日程をずらすだけでも相当厳しい状況もあります。そうした中で、更にもう1回追試験をやって、その選抜をやって、合格発表を2月中に終わらせたいという本県の考えもありますので、その中でやりくりというのがなかなか厳しい。

 さらに、その合格発表をもし3月にずらしますと、今度はその後に控えます定通選抜、あるいは二次募集といったような選抜が、中学校の卒業式との関係でその前にやりきれない可能性が非常に高くなってくるという状況があります。これは、どこの県も同じかどうか、その状況を伺ってみないと分かりませんが、本県の状況で考えますと非常に厳しいスパンの中でいろいろな入試をやっているという状況でありまして、難しいのではないかと考えています。

谷口委員

 特に神奈川は私学が多いということで、私学との協調の中で非常に日程的に難しいのは御説明で分かりましたが、受検される方にとっては1回のチャンスですので、ここに流行性のインフルエンザ等で受検ができなかったということで大変悲しい思いをされている方もいらっしゃると思います。そういう意味で、難しいのはよく分かりますが、今後、この他県の状況も見ながら是非検討していただくようにお願いしたいと思います。

 次に、障害者差別解消法に関する取組についてお伺いしていきたいと思います。

 これについては、私も12月の本会議の一般質問で取り上げさせていただいて、職員の皆さんの対応要領の策定について、国の方は義務で地方自治体においては努力義務ということになっていましたが、知事に質問させていただいて、今年度中に県もすぐにつくりますという御答弁を頂きました。知事部局も含めて、この要領作成については取り組んでおり、今回その素案というものがこの本委員会にも提出されておるところでありますが、この障害者差別解消法に関する取組について、特に職員の対応要領について何点かお伺いしていきたいと思います。

 今回、教育委員会で策定されるということで素案が出てきておりますが、一方で知事部局でも策定をしているということであります。この知事部局の方との違いについて、まずは確認をさせていただきます。

教育局管理担当課長

 教育委員会の対応要領の素案は第1条から第2条になります。加えて別紙として留意事項も定めています。これは、文部科学省が作成した対応指針や、知事部局で現在作成している対応要領も参考にして作成しています。第7条までは、たとえば第6条の相談窓口の所属名が知事部局と異なるなどの形式的なものがありますが、別紙の留意事項においては文部科学省の対応指針から学校特有の事例、たとえば入試の場面による配慮しなければならない具体例などを記載したもので、知事部局で作成している留意事項に比べて多くの具体例が加わったものとなっております。

 なお、参考にした知事策定の要領は、障害者関係団体のヒアリング結果を踏まえたもので、現在の教育委員会の素案もそれを反映しているものであります。

谷口委員

 知事部局の方は、既に障害者の関係団体の皆様からのヒアリングも終えて、それを反映させてつくっているということですが、具体的に分かる範囲で結構ですので、どういった意見が寄せられているのか、お伺いしたいと思います。

教育局管理担当課長

 知事部局は、既に障害者団体74団体に要領の素案を送付した上で、ヒアリング希望のあった4団体にヒアリングを行っております。ヒアリングにおいては、たとえば県の要領は障害福祉に携わっていない職員も含む服務規程などで、できるだけ平易な言葉を使っていただき、職員に読んでもらえるようにしてもらいたいなどの意見があります。また、ヒアリング以外でも文章等で提出いただいたものの中には、合理的配慮に当たる意思疎通の範囲の具体例のコミュニケーションの手段に、要約筆記を加えるべきなどの意見が寄せられたということです。

谷口委員

 今、幾つか例を挙げていただきましたが、そういった意見がその要領に反映されたものがあればお伺いしたいと思います。

教育局管理担当課長

 今、お答えさせていただきました要約筆記の部分については加えさせていただいております。そのほか、たとえば障害者総合支援法に加えられた難病の概念に相当する文言が明記されていないので、その概念に相当する文言を明記してほしいという意見などもありまして、難病の定義も加えております。

谷口委員

 対応要領の素案を拝見しますと、2ページに懲戒処分等の項目があって、第5条に職員が障害者に対し不当な差別的な扱いをし、又は過重な負担がないにもかかわらず合理的配慮の不提供をした場合、その態様等によっては職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分等に付されることがあると、かなり厳しい懲戒処分の条項がありますが、ここまで載せるということはどういう意味ですか。

教育局管理担当課長

 政府が定めた基本方針によりますと、行政機関等においては不当な差別的取扱いを禁止し、及び合理的配慮の提供が法的義務とされており、国の行政機関の長及び独立行政法人等は、当該機関の職員による取組を確実なものとするとあります。また、同じ基本方針によりますと、対応要領の位置付けとして、対応要領は行政機関等が事務事業を行うに当たり、職員が順守すべき服務規律の一環として定められる必要があるとの記載があります。県教育委員会としても、このような考え方を背景として、県教育委員会の職員が不当な差別的取扱いなどを行った場合には、障害者差別解消法の趣旨に反してしまうため、国や県、知事部局と同様に対応要領に規定するものとしたものです。

谷口委員

 ここに厳しい条文が入っているということは、全員がこれをしっかりと理解し、そして現場で運用していかなければいけないということになると思いますが、素案を見せていただいて、特に留意事項のところはかなり細かく様々に例を引きながら書かれております。これを読んでおいてくださいでは、おそらくなかなか難しいのではないかなと思っております。そういう意味で、教職員の皆さん一人一人へのこの要領、またその留意事項についてどうやって周知していくかが一番大事なところだと思いますが、この点についてはどのように対応されるのでしょうか。

教職員企画課長

 学校現場の教職員に関して、理解しやすい丁寧な説明を行っていくことが非常に重要だと認識しております。そこで、全県立学校の校長先生が集まる会議ですとか、あるいは新任教頭研修、あるいは経験年数に応じて全員が受講する基本研修といった研修がありますので、そうした既存の研修会等を活用するなどして丁寧な周知に努めていきたいと考えております。

谷口委員

 具体的にもう少し分かりやすいような、何か資料をつくる予定はありますか。

教育局管理担当課長

 マニュアルを作成しようかなと考えておりまして、具体的には障害に関する職員向けの障害種別に異なる特性ですとか、障害者に対応する際に配慮すべき点、今回の留意事項の具体例も示した上で、そういったものを作成しようという考えを持っております。

谷口委員

 今、マニュアルのお話もありましたが、そういったものを利用しながら是非しっかりと周知を図っていただきたいと思います。

 ちょっと具体的なことについてお伺いしますが、留意事項の中にたとえば移動に困難のある児童及び生徒等の介助者のための駐車場を確保したり、通常使用する教室をアクセスしやすい場所にすることとありますが、今、現状は県立高校ではこれに対応しているのかどうか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 現在、県立高校で幾つかでも対応している例があります。申し訳ありませんが、介助を必要とする生徒が在籍していることが特定されますので校名は控えさせていただきますが、ある県立高校においては、移動が困難な生徒のホームルームを車の送り迎えの利便性を図って駐車場に近い教室にしていただいたことや、あるいは他の県立高校では介助者が生徒の送迎のため介助者等のために駐車場を確保しているという例はあります。

谷口委員

 既にこの留意事項の中に書かれていることに対応しているということですが、もう1点、たとえば理科の実験などでフィールドワークができない児童及び生徒等や、作業が危険な児童及び生徒等に対し、個別の実験時間や実習課題を設定したり、個別のティーチングアシスタント等を付けたりすることとありますが、これについては具体的に対応している例があれば教えていただきたいと思います。

高校教育課長

 ある県立高校では、障害のある生徒さんが理科の実験を行いやすくするために、特別に低い実験用テーブルを用意して実験をしたり、あるいは障害のある生徒さんが工業科の製図の実習などを行う際に、個別の支援が行えますようにティーチングアシスタントを付けたりしています。

谷口委員

 最後に、この要領の中の第6条に教育委員会にその職員による障害を理由とした差別に関する障害者、またはその家族、その他の関係者からの相談を受けるための相談窓口を行政課に置くとなっていますが、具体的にどういう形で置くのか。また、その役割について最後にお伺いしておきたいと思います。

教育局管理担当課長

 具体的には、不当な差別的取扱い、あるいは合理的配慮に対する相談、苦情の申し出というものは、まずはこの該当する学校などの所属に寄せられると考えております。さらにそこで問題が発生したり、あるいはまた相談する場所が不明なケースなどもあろうかと考えておりまして、そういった相談に適切に対応していくために、教育委員会や行政課が人権教育の推進を所管しておりますので、そういった窓口が適切であると考えておりまして、行政課に窓口を設置すると考えております。

谷口委員

 これは、実際に相談をされる方にとってはどこに電話したらいいのかとか、具体的に相談したいなと思ったときにどこに連絡をすればいいのかという、その辺の周知というのはどうやっていくのですか。

教育局管理担当課長

 この法律が施行される平成28年4月1日以降、先ほどもお答えさせていただいたように、速やかにこの法律の趣旨等を県立学校長等に周知をします。その中で、先ほど私が答えたような学校で相談に応じられないケースだという場合は、行政課に窓口を置きますのでそちらに連絡してくださいと、研修の場及び説明会の場を通して周知したいなと考えております。

谷口委員

 御家族からとか保護者の方からの相談もあるわけで、また生徒さん、当事者、その方々への相談窓口はここにありますよと、何かあったら電話してくださいということについてはどうやってやるのですか。

教育局管理担当課長

 生徒さん、あるいは家族については、学校の教員から学校説明会といった場を通じて窓口等を周知したいなと考えております。

谷口委員

 この辺も何かあったときにここに連絡すればいいよというものは、しっかりと周知をしていただきたいと思います。

 本県では今、インクルーシブ教育をこれから進めていくということですが、インクルーシブ教育を実践する高校以外でもインクルーシブ教育の理念をしっかりと進めていけるように、この障害者差別解消法に関する対応要領についても、また、保護者の皆さん、生徒の皆さんにもしっかりと周知を図っていっていただきたいと思います。

 続いて、逆さま歴史教育についてお伺いしていきたいと思います。

 今回、これは新規ということで予算の計上もされているわけであります。私たちの時代は40年近く前になりますが、歴史はどうしても頭からやっていくので、お尻の方の近現代史が尻切れトンボになって間に合わないという状況がありました。私も、大学で教授からもう一度近現代史をしっかり読めということでアドバイスもいただきました。

 おそらく今は何十年もたって、そうした課題というのは常々あったかと思いますが、まず最初に今の日本史や世界史の状況について、かつてと変わっているのかどうか、そこだけ確認させていただければと思います。

高校教育課長

 現在、日本史及び世界史等については、A科目、B科目というそれぞれの科目が学習指導要領上に設置しております。日本史、世界史Aについては、今、御指摘の近現代史を中心とする学習になっております。B科目については、日本史、世界史とも従前の古代から現代まで全ての時代の歴史等を学習する科目になっております。

谷口委員

 必修とかをどうやって選んだのですか。両方とも必修にしなくてもいいのか。

高校教育課長

 学習指導要領の必修科目については、地理もA、Bというのがありますが、その中から1科目を必ず選ぶという形になっております。本県においては、さらに日本史AかB、若しくは学校設定科目で本県がつくりました指導書に基づいた科目を習い、必ず日本史を習うという形になっております。

谷口委員

 そうすると、大学入試との関係というのはどうなっているのですか。

高校教育課長

 大学入試については、大学入試センター試験の受験科目として、世界史、日本史、地理、それぞれにA、B科目があります。たとえばセンター試験の受験者数でみますと、それぞれB科目の方が多くなっております。A科目の履修者の方が神奈川県内では多くなっていますが、受験に必要な科目として選択ができるようになっておりますので、センター試験などでB科目を受けている生徒は、A科目の上にたとえば選択でBを受けることで受験に対応できるような形になっております。

谷口委員

 全体の状況についてはよく分かりました。

 そういう中で、この逆さま歴史教育を進めていくということですが、まず最初に、この逆さま歴史教育というのは一体どういうものなのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 逆さま歴史教育については、ただこれを言葉だけ聞きますと、現在から順番にさかのぼっていくといった、従前の歴史教育と全く逆の向きにただ習っていくのかというイメージをお持ちかもしれませんが、逆さま歴史教育については、ある地域の文化や歴史的な出来事にテーマを設定しまして、そこについて現代から過去にさかのぼることにより、生徒が身近な現代の事象と歴史的な事象を関連付けて学ぶ方法です。

 この逆さま歴史教育を行うことで、従前から行われておりました時代順に学ぶ方法とあわせまして、歴史的事実の背景や、そういったことを多面的及び多角的な視点を持って調べて考察ができるようなメリットがあります。

谷口委員

 今、課長がおっしゃられたように、この逆さま歴史教育、字面だけを見ると反対に教えているという、どうやって理解するのだろうかという感じがするわけですが、そうではなくて、ある事象というのを深掘りをしていく、過去にさかのぼって理解を進めていくということだろうと思いますが、これを通して生徒はどんな力が身につくのか、若しくは身につけようとさせているのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 時代順に学ぶことと合わせてこの逆さま歴史教育を行うことで、歴史的事実の背景を多面的及び多角的な視点を持って考察する力が身につきますとか、現代と関連付けて学習するためにイメージがしやすく、歴史についての興味及び関心が高まることが期待されています。

谷口委員

 今、御説明を伺いましたが、ちょっとイメージが湧きづらいですが、具体的に例えば県立高校でこれまでこうした授業が行われてきたのか、それと、もしやってきたのであれば具体的にどういう事象をさかのぼって教えたりしたのか、しているのか、その辺のイメージが湧くように御説明をお願いします。

高校教育課長

 現在の県立高校において、多くのところでやっているという現状では正直に言ってありません。一部の学校での個々の教員の取組という形になっております。それぞれの取組については、たとえば現存している地域の文化について、それは生徒が学校に通ったり、そこに住むことでこういうお祭りがあるとか、こういう文化があるということは承知しているところですが、それをどこからさかのぼって発祥、起源してきて、どんな形で変わってきたのかという形で、この逆さま歴史教育をやることで過去の歴史についても興味、関心が高まっていきますし、現在目にしている地域の文化等も興味、関心が高まって文化理解が深まるということでやっている例があります。

谷口委員

 おそらく授業にこれを全部使ってしまうと厳しいなと思いますが、たとえば授業の中である一定時間をこの逆さま歴史教育に使うとか、何かその辺のことというのはどういうお考えなのか。

高校教育課長

 今後、県としましては、逆さま歴史教育の研究を進める中で、そういったことのやり方、ハウツーも研究していきたいと考えております。今現在やられている多くの例で申し上げますと、従前のように古代から順番に習っていく中である時代のトピックを取り出して、そこと今現在とをつなげるというような形で、1時間程度を逆さま歴史教育の手法でやっていくというような例が多くなっています。

谷口委員

 今回、新規ということでスタートさせるわけですが、教育委員会としては今後これをずっと広げていくというお考えなのか。

高校教育課長

 御指摘のとおりです。

 このたびの県立高校改革実施計画においては、逆さま歴史教育をはじめとする歴史伝統文化教育の推進ということで、これをグローバル人材の育成の取組の中に位置付けております。社会のグローバル化が急速に発展する中で、語学力やコミュニケーション能力の向上を図ることはもちろん重要ですが、それとともに我が国の郷土、歴史や文化に対して深く理解していることも大変重要だと考えているわけです。そこで、この歴史、伝統、文化教育を通して、我が国の郷土や伝統、歴史、文化に対する理解を深め、国際社会で活躍できる人材を育成していきたいということで、今後、この逆さま歴史教育の研究を含めて取り組んでまいりたいと考えています。

谷口委員

 今後、アクティブラーニングの考え方と重なるかもしれませんが、逆さま歴史教育も先生が一方的に教えるのではなくて、たとえば生徒さんに事前に準備してもらって公表してもらうとか、そういうことも非常に大事かと思いますが、その点についてはいかがですか。

高校教育課長

 今現在、県立高校で行われている例もそうでありますし、委員御指摘のとおり、今後、研究を行う内容についても生徒が主体的に学習できるような、いわゆるアクティブラーニングの手法をとったやり方でやっていくのが非常に効果的であると考えております。そうした方向でこれからも研究を進めてまいりたいと考えております。

谷口委員

 この逆さま歴史教育も、研究校をまずは指定してそこから進めていくわけでありますが、今の御答弁とちょっと重なる部分があるかもしれないですが、研究校で具体的にどういう研究を行っていくのでしょうか。

高校教育課長

 研究校については、現在五つの地域の中から1校ずつ5校を指定しまして、改革計画に掲載させていただいています。ここでは教材や指導方法、指導案を作成しまして、公開研究授業なども実施してまいりたいと思っております。そうした中で、各地域の指定校においては、たとえばどの時代であるとか、あるいはどの単元でとか、あるいはどんなテーマでというところで逆さま歴史教育を行うのが一番有効なのかというところも検討して教材や指導方法を開発し、またその実践例をほかの県立高校にも広げてまいりたいと考えております。

谷口委員

 理念はとてもすばらしいですし、研究校で様々な事例を研究しながらほかに広げていけるようにということですが、研究成果をどのように広げていくのかということと、いつ頃を目どに研究成果をまとめられるのか、その辺というのが決まっていれば教えていただけますか。

高校教育課長

 まず、広め方については先ほども申し上げたように、5校について科目研究成果を基に指導事例集を作成したいと考えております。これを全校に配布するとともに、また全県立高校の地歴の教員、あるいは公民科の教員が出席します、毎年度開いております教育課程説明会においても、その事例集とともに研究成果を報告したいと考えております。

 また、公開研究授業や生徒の学習成果については、各地域の県立高校の生徒、教員を集めて研究成果発表会などを実施して、研究成果の普及を図ってまいりたいと考えております。

 この研究校については、ほかの指定校と同様に3年間の指定と考えておりまして、まずは1回目の指定を3年間の中できちんとした成果が出せるように取り組ませたいと考えております。

谷口委員

 今、御答弁の中にありましたが、実際に生徒さんのどういう力がこれによってついたのか、その辺をある程度客観的に分析とかをしていくべきだと思いますが、指導事例集とかそういうのをつくっていただくのは当然として、受けた側がどう歴史の力が身についたのかということをしっかりとそこを追いかけていくことが大事だと思いますが、その点については何かお考えですか。

高校教育課長

 生徒の側の能力がどれだけついたかということについても、今後、この研究校で研究していく大きなテーマかなと考えております。たとえば生徒の研究成果発表会が本大会としますと、その予選というのを各クラスあるいは別のクラスごとにやる中で、それぞれの生徒の能力のつき具合というのも計れるのではないかと考えております。あるいは、一通り学習が終わったところで学年末に生徒に対してアンケートを実施する等とのやり方もあろうかと思います。そういったことも含めまして、今後研究していくテーマの一つと考えております。

谷口委員

 この逆さま歴史教育についてはすばらしいと思います。最後は生徒さんがどれだけ力をつけたのかが一番大事なところだと思いますので、その点をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 この質問の最後に、この逆さま歴史教育によって県としてどういうことを目指しているのか、確認させていただきたいと思います。

高校教育課長

 逆さま歴史教育を活用することにより、我が国の郷土の歴史や文化への興味を持たせ、このたびの高校改革実施計画におきます歴史、伝統、文化教育の充実につなげてまいりたいと考えております。

谷口委員

 冒頭の御答弁にもあったグローバル人材の育成、言葉はあくまでも手段でありますので、何をしゃべるか、また自分の国のことをしっかりと理解、認識しているということが大事だと思いますので、この取組については是非しっかりと進めていっていただきたいと思います。

 最後に、特別支援学校のスクールバスについてお伺いしていきたいと思います。

 資料の中にもスクールバスの配車状況について記載されておりましたが、特に我が会派の渡辺議員が平成26年第3回定例会のときに代表質問でさせていただいた内容について、その後の経過も含めてお伺いしていきたいと思います。

 このときの質問としては、知的障害を持たれている高等部の生徒さんは、基本的には社会的に慣れるということも含めてスクールバスの乗車の対象にはなっていませんが、中には非常に親御さんへの負担が重くなっている例もあって、このときの質問では渡辺議員からスクールバスでの高等部の皆さんの乗車についての考え方をお伺いしたいと質問させていただきました。そのときの教育長の御答弁は、まずはその地域の交通事情や保護者の送迎に要する時間、生徒の障害の状況等を総合的に把握し、その上で知的障害教育部門高等部の生徒のスクールバス乗車について、どのような工夫ができるのかを考える面がありますという御答弁を頂いております。

 そこで、何点かお伺いしていきたいと思います。まず確認ですが、現在の児童及び生徒のスクールバスの乗車の考え方についてお伺いしたいと思います。

特別支援教育課長

 スクールバスの乗車については、原則として小学部、中学部の児童及び生徒、視覚障害、肢体不自由教育部門の高等部の生徒を対象としております。また、知的障害教育部門高等部の生徒については、乗車スペースに余裕がある場合についてのみ、乗車を認めているケースがあります。

谷口委員

 先ほど私も述べさせていただきましたが、改めて知的障害教育部門高等部の生徒さんをスクールバス乗車の対象としていないのはどういう考え方によるものか、確認をさせてください。

特別支援教育課長

 知的障害教育部門高等部の生徒については、卒業後の進路先として一般企業あるいは福祉施設など地域にある働く場に就労していくことから、教育の一環として将来の自立と社会参加に向け、公共交通機関を利用した自力通学を原則としております。

谷口委員

 原則的なことは分かりましたが、ただ、冒頭に申し上げたように、代替するNPOの団体さんもいらっしゃらないとか、どうしても本人の自立通学が厳しくて、親御さんが必ず毎日送っていかないといけないという状況もあります。先ほど申し上げました答弁の中で、まずは状況を把握して、今後どのような工夫ができるか、どんなことができるのか考えてまいりますという御答弁でしたが、その後、具体的に把握されたのか、その結果はどうだったのか、お伺いしたいと思います。

特別支援教育課長

 平成26年度中に横浜南養護学校を除く特別支援学校における通学の状況について、まず保護者の付き添い状況、付き添いが必要な理由、付き添いの手段、NPO法人等の利用状況などの調査を行いました。その結果から、スクールバスに乗車対象とする条件として、三つほど挙げさせていただきまして把握を行いました。

 その条件ですが、一つ目は、現在送迎の付き添いをしていること、二つ目として、NPO法人等の移動支援サービスを利用できないこと、三つ目として、自宅から学校までの距離が5キロ以上あることの3条件を満たす生徒をスクールバス乗車の対象として把握しました。その結果、対象となる生徒は31名おりましたが、そのうち11名が卒業を迎えましたので、平成27年度に対象となる生徒は20名という結果となりました。

谷口委員

 20名の方がいらっしゃるということですが、具体的にこの20名の方々について、平成27年度はどういう対応をされているのか、お伺いしたいと思います。

特別支援教育課長

 対象となります20名の保護者に乗車の希望を確認しました。その中では6名という状況でありましたが、さらに乗車に向けて調整したところ1名の乗車という形で、現在、毎日登校便に乗車している状況です。また、そのほかに対象となった生徒19名については、スクールバスの状況としては乗車することが可能でありましたが、保護者の送迎または送迎ボランティア等の活用が継続できるとのことでありましたので、スクールバスの乗車希望はなしということで対応しておりません。

谷口委員

 希望されている方お一人は乗れている、また、ほかの方々は現状でやっていくという御希望だということで、しっかりと対応していただいていることが分かりました。

 今後、高等部の皆さんの生徒の通学についてはどのように考えていくのか、最後にお伺いしたいと思います。

特別支援教育課長

 知的障害教育部門高等部の生徒については、公共交通機関を利用した自力通学を原則としておりますが、安全・安心な通学支援に向けてNPO法人等と連携した通学時の見守り等により、引き続き通学支援の充実を図ってまいります。また、各学校に在籍しております知的障害教育部門の生徒の乗車人数を把握しまして、障害の状態により自力通学が困難であったり、公共交通機関の利用が困難な地域に住んでいる生徒については、そのニーズとスクールバスの利用可能な座席の状況を勘案して、例外的に乗車できるように今後対応してまいりたいと考えます。

谷口委員

 是非柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 今、NPO法人さんの見守りのお話がありましたが、これは具体的にどのような活動をしていただいているのでしょうか。

特別支援教育課長

 県立特別支援学校においては、既に14校ほどこの見守りを利用しております。さらに、この4月に開校しますえびな支援学校も利用の予定でありまして、たとえば学校の最寄り駅から学校までの途中にNPO法人の見守りの方が立っていただいて、生徒の通学の様子を見ていただく、あるいは駅から最寄りのバス停まで路線バスの中に乗車していただいて、乗車中の状況を把握していただくといった形での見守り支援を行っていただいております。主に関わっていただきますのは、その地域にいらっしゃるボランティアの方が中心となっております。

谷口委員

 今、スクールバスは大型のバスを使って回っていますが、通学時間をもっと短くしてあげることとか、様々にやっていかなければならないことがあるかと思います。また、当然大きなバスだけでいいのかどうかということもあるかと思いますが、様々にやっていただいているNPO法人さんの見守り等はこうしたスクールバスだけではない様々な工夫が今後必要だと思いますが、その点について最後にお考えをお伺いしておきたいと思います。

特別支援教育課長

 現在、この4月に開校しますえびな支援学校に配置するバスを含めて107台を配置予定ですが、そのうち大型バスは47台、中型バスは60台という内訳になっております。バスの大きさ等も今後検討材料と考えていますが、まずは高等部の生徒については、自立と社会参加ということが前提ですので、引き続き社会にあります様々な資源を活用するなどして、通学の支援については進めてまいります。さらに今、特別支援学校に在籍しています児童及び生徒の状況、障害の状況も踏まえながら、今後どういう通学支援のあり方が望ましいかということについても、引き続き検討してまいりたいと考えております。

谷口委員

 これは是非柔軟な対応、またこうしたNPO法人さんの見守り等も含めて生徒さんが安心して安全に通えるようにしっかりと取組を進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。



(休憩 午前11時42分  再開 午後1時1分)



6 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可



7 日程第1及び第2について質疑(所管事項も併せて)



相原委員

 最初に、国際バカロレアに対して幾つかお伺いしたいと思います。

 まず、以前に国際バカロレアに対してはこの常任委員会で私の基本的な考えとしてもう織り込みというか、この教育自身の取組については理解するところですし、国全体として推進するのは当然だろうと思っています。神奈川県が県立高校でそれをやるかどうかについては、これは政策判断なのかなということを申し上げましたし、どちらの選択もあり得るのかなと思っておりました。ただ、その際に神奈川県の県立高校として、国際バカロレア教育を教員の力量とか、適当な教員がいないからという理由で、もしその取組を断念するのなら残念なことであると、このような趣旨のことを申し上げた記憶があります。

 この基本的な考えは全く一緒ですが、先般、神奈川県として具体的には横浜国際高校において、国際バカロレア教育を取り入れるということで決定されているところですので、成功するように祈りつつ、幾つかお伺いしたいと思います。

 まず、基本的、初歩的なデータを私自身も把握できておりません。自分で幾つか調べたのですが、なかなか見つからない部分がありますので、教育委員会として承知している範囲で幾つか教えていただければと思います。

 まず、生徒に関するデータですが、どういうデータでもいいのですが、たとえば世界中で教育を受けて認定を受けている人たちが過去にどれぐらいいたとか、それは日本というレベルでも結構ですし、神奈川県というレベルでもいいですし、若しくは神奈川県や東京近郊の国際バカロレア教育をやっている学校に、神奈川県の子供たちが過去にどのくらい行っていたとか、基本的なデータですが、分かるところがあれば是非ここは教えていただけますでしょうか。

高校教育課長

 近県、神奈川県を含めて今現在でもバカロレアのプログラムを導入している学校、あるいは学校教育法第1条に位置付けられていない、例えばインターナショナルスクール等々がありますが、そこの生徒がどれぐらい外国に行って、どれぐらい大学に通っているかとか、神奈川県の高校生がその中にどれぐらい通っているかということについては、公式な発表がありませんので手元にデータがないということです。

相原委員

 念のために確認させていただきますが、先週、高校教育課の方にデータはありますかということをお伺いしたら、ちょっと見つからないというお話であったと思いますが、これは時間をかければどこかで出てくるデータなのか、それともこれはそもそも存在しないと認識すべきデータなのか、その辺についても教えていただけますでしょうか。

高校教育課長

 公式的にホームページや、あるいは本県でいう学校要覧というようなものも探して、そこに載っていないかということも含めて調査しましたが、現時点では分かりません。

 今後は聞き取るという形で、非公式な形で数字をとる形はもしかしたら可能になるかもしれませんが、今現在、公式的なルートではデータが取得できないということです。

相原委員

 次に、教員に関わるデータを教えていただきたいのですが、教員のIBの教員資格を得るためには、一つはIB研究コースのある大学等の研究コースを修了することと、もう一つはこの前の委員会でもしばしば指摘をされましたワークショップで研修をし、その該当する資格を得ることの二つの方法があるわけですが、大学等のIB研究コースは日本というより欧米が多いのですかね。英国のサセックス大学など二十数校の海外の大学、そして日本の大学、そしてワークショップと、国際バカロレアの教員として教育をする教員のデータというのはなかなかないものなのでしょうか。全国でどのくらいいるとか、日本人はどのくらいいるとか、分かれば教えていただければと思います。

教職員人事課長

 県立高校に勤務する教職員については、毎年度本人の資格等を申告してもらう調査票といったものを提出してもらっていますが、平成27年度までに出ている者についてはIB資格といった部分は設けておりませんので、そういった意味ではIB資格を有した教員のみについては検査中で把握できておりません。ただ、今後、IB認定校の取組を進めるに当たっては、内部人材をどう活用していくかという観点も非常に重要だろうと思いますので、そういった有資格者の発掘については努力してまいりたいと考えているところです。

相原委員

 県立高校の現職の教員の方の中にもIB資格を持っていらっしゃる可能性もありますので、その辺も期待しておきたいと思いますが、もう一つ基本的なデータとして、たとえば日本人でこの資格を持っている人ですとか、世界にこの資格を持っている教員のデータ、正直に言って私自身も見つけられたわけではないので、自分が分からないのに聞くのも恐縮ですが、もし把握されていたら先ほどの生徒に対するデータと同じような話になって恐縮ですが、御報告いただければと思います。

高校教育課長

 私どもでもいろんな情報ツールで調査をしましたが、現在のところそういったデータは把握しておりません。

相原委員

 そうしますと、データがないことをどのように評価していくかというのも難しいですが、一つ考えられるのは世の中にそんなにIB資格のある教員が存在していなくて、本県がこの取組をする場合には、今ある資格者をどこからか採用するというよりも自ら育てる必要があるという結論になるのかなと思いますが、その辺はどのように考えられているか、教えていただければと思います。

高校教育課長

 委員御指摘のように、このバカロレアの取組自体も国の取組がまだまだ歴史が浅く、ワークショップをやっているところは、従前は海外の大学やそうした研修所だけでありまして、現在、国でも国内でのワークショップ開催大学等を増やしているという状況です。そうしたことを踏まえますと、現在既に取得している方の人数はそれほど多くはないのかなと考えておりまして、中心となるのは現在の教員をワークショップに参加させて資格を取得していくことで、人材を育成していくということになろうかと考えております。

相原委員

 そうしますと、今の課長の答弁を踏まえて次のお伺いをしますが、実際にワークショップに参加をしている中で、申請の段階との関係でいいますと、最初にアドミニストレーションワークショップという、校長、教頭などの学校管理者のワークショップに、候補校として申請するまでに参加する必要がありますが、この人選並びに人数等、時期はどのようにお考えになっているのでしょうか。

高校教育課長

 現段階の想定として、教員は20名程度が必要と考えておりまして、平成28年度から随時数人ずつをこのワークショップに参加させたいと考えております。

相原委員

 順番からいくと、まず管理職の方のワークショップの参加を多分教育委員会としてどなたかを参加させるのを決めていかなくてはいけないと思いますが、その人数や決め方等について御報告ください。

高校教育課長

 管理職については、まずは1名、この管理職用のワークショップに参加させたいと考えております。

相原委員

 考え方はいろいろあるのでしょうが、一人ということになると多分その方が自動的に新たに設けられた校長なのか分かりませんが、いずれにしろその学校の管理職になるということになるのですが、これでは1分の1で選択肢のない話であります。万が一、病気等の可能性もありますし、職業選択の自由もありますので途中で辞められることもあるので、私としてはこの管理職のワークショップには一人といわずに数人は参加させる必要がまずあろうかと思いますが、いかがでしょうか。

高校教育課長

 現時点ではまずは一人ということで考えておりますが、今後の人事異動等も鑑みますと、どこかの時点で次の後継者になる者をまたその管理職用のワークショップに参加させることになろうかと思います。こうしたことも含めて、平成28年度から組織されますバカロレアの検討組織の中で検討していくべきなのかと考えております。

相原委員

 検討組織の中で検討していくということで、その検討議論を待ちたいとは思いますが、現時点での私の考えを申し上げますと、まず管理職においても複数は必ずワークショップに参加をして資格を持っていただく形をとっていくこと、また、管理職以外の教員についても、スタート時並びに数年間を考えれば、当然資格を持っている人の人数というのは推測できますが、その人数プラス少しの人数というのはいかがなものなのか。ワークショップに2倍、3倍ぐらいの参加をして資格をとっておくということが私は最低限で必要かと思いますが、この点についても併せて今日時点での御所見をお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 委員御指摘のように、今後の教員の人事異動も考慮しながら、今後も20名のワークショップをまずは参加させる中で認定を受けていきたいと思います。その後も一定数の教員を引き続きワークショップに派遣する必要も出てくるかと考えております。こうしたことも今後の検討課題かと考えております。

相原委員

 いずれにしろ、管理職をはじめ教員に対しては、最低限の必要な人数の数倍による資格者を有しておいて、その中から選択をするということが肝要であろうと私は思っております。また、このワークショップのコストはそれほど大きなものではないと私は認識しております。むしろ過日の委員会でも議論がありましたが、ワークショップに参加して、さらにその後いろいろな研修をするために大学等で研修をするその費用が明らかに大きいので、私としてはそこではなくて、ワークショップの参加者の人数を多くするところに力点を置かれるのがよろしいかと思いますので、今日の時点ではこの辺を提言しておきたいと思います。

 次に、このコースにいく生徒の学力レベルについてですが、既に東京都の都立高校で開設に入っているわけですが、入学時の学力についてどのように考えておられますか。

高校教育課長

 バカロレアで行われますディプロマプログラム、DPプログラムについては全て英語でということになりますので、まずは高い英語力を持った生徒ということになります。そのプログラムは非常に高度なものですので、英語の運用能力だけではなくて思考力や粘り強さ等々、あるいはIB資格を得るためには奉仕活動なども義務付けられていますので、人間的にもそれなりの高いレベルが求められております。そうしたことを踏まえて、入学者選抜では選抜していくことになろうかと考えております。

相原委員

 次に、これは文部科学省のホームページに載っていますが、国際バカロレア日本アドバイザー委員会が出している提言ということで資料がありました。その中に、過去の国際バカロレアの試験問題が掲載されておりまして、英語で書かれている問題と日本語の書かれている問題がありました。一応、トライはしましたが、大変レベルが高いというのが率直なところです。英語の方は正直に言って問題文の理解自体が難しい。辞書を使って読み解いたのですが、答えを導くという自信は全くないところでありました。また、日本語で書かれている問題も掲載されておったのですが、この問題も日本語ですが、えらい難易度の高い問題と私は受け止めました。

 今、言った資料の中に出ていた国際バカロレア試験の例ということで、歴史と化学の問題が出ていました。歴史に関しては、2005年の上級標準レベル科目、化学に関しては2004年の問題ということですが、この化学の方は私には正直全く分かりませんでした。歴史の方も2問、設問例ということで掲載されていましたが、2問とも問題そのものの理解が正直よく分からないぐらいでした。

 ここに出ていた設問例、一つ目はアフリカまたはアジアで21世紀に誕生した国家を一つ選び、その主要な国内問題とそれらがどの程度解決されたかを論ぜよという問題、もう一つは経済社会問題の対応について二つの多党制国家の政策を比較対象して論ぜよという問題でしたが、まず一つ目の問題は21世紀に誕生したアフリカまたはアジアの国家というのはどこかと、まずそこから正直に言ってよく分かりませんでした。2005年当時だから、もしかしてその当時なら話題になっていたのかもしれません。

 二つ目の経済社会問題の対応について、マルチポリティカルパーティーシステム、二つの多党制国家ですが、多党制国家もどこを指しているのか分かるようでよく分からない問題です。独裁国家であっても一党独裁ですが、形式上はほかの政党も認めている国は結構ありますので、まず問題文自体がよく理解できないぐらいに難しいので、非常に学力の高い者が求められていることが私なりには理解したところです。

 ここでお伺いしたいのは、求められる学力のレベルがこれだけ高い者のコースに、今の状況で神奈川県の生徒たちでチャレンジする子供たちがいっぱいいるのかなと疑問に思うところです。都内を含めた私立等の有名進学校に該当する生徒が進学しそうな気がしないわけでもありませんが、実際に志願者数等はどのように見込みなりを考えておられるものなのでしょうか。

高校教育課長

 正直申し上げまして、どれぐらいの生徒が集まるのかというのは、今の時点で推測するのはなかなか難しいのですが、既に先行している唯一の公立高校であります都立国際高校については、昨年度、それから今年度ともに約4.4〜4.5倍程度、去年が4.4倍、今年が4.5倍という倍率であったと承知しています。高い内容のプログラムの上に今、委員御指摘の試験を受けて合格すれば資格を得られるということで、まずは基本的な資質があるかというところをそこで見取った上で、やはり2年、3年で行われますこのプログラムにより相当鍛えられるものと考えています。

相原委員

 このプログラム自体は大変意義深いもの、価値あるものでありますし、高度なものであると思いますので、大変すばらしいと受け止めております。そこで教育を受けた子供たちにとっても、すばらしい成果が得られるものがあるとも思っております。

 ただ、問題は神奈川県の県立高校として設置してみたが、受験生が集まらないという状態はなかなか厳しい話になってしまいます。東京都立国際高校では4倍程度の倍率があったというので、これは倍率として都立高校としては高い倍率で、関心が相当高まって集まったというのは理解できるところですが、首都東京都ではなく神奈川県立でやったときに、非常に不安がないわけではありません。これは単にPRというよりも、国際バカロレア教育自体の価値、意義というものを相当浸透させないと受検生が集まらないのではないかと思います。これは、該当する学力と先ほど人間性のお話もされましたが、そういう方が幾つか同じレベルの学校がいっぱい首都圏、東京、神奈川にある中で、あえて横浜国際を選んでいただいて国際バカロレア教育を受けるとなると、相当この教育の意義を教育委員会としてしっかり浸透させていかなくてはならないかと思いますが、いかがでしょうか。

高校教育課長

 私どもも、まだまだ世間的にはこの国際バカロレアということについて、そのものが広く知られているわけではないと考えております。そうしたことから、まだ認定には時間がありますが、平成28年度から広報について力を入れてまいりまして広く周知を図る中で、受検生が受検しやすいような形に持っていきたいと考えております。

相原委員

 いずれにしろ、神奈川県の教育委員会として県立高校にこのコースを設置するわけであります。それなりの受検生が集まるように、御対応いただけますように期待を申し上げて、この問題については終わりにしておきたいと思います。

 次に、県立高校改革についてお伺いしたいと思います。特に新たに学校名を決定する学校が出てくるわけでありますので、その辺について今日はお伺いしたいと思います。

 過日、自民党のおざわ委員から、この件については大変真面目な質問がなされております。今日はそのフレームワークとかよりも、少しざっくばらんに私なりにお伺いさせていただければと思います。

 まず、お伺いしたいのは、平成28年度中に新たな学校名を決める必要のあるところが数校は間違いなくあろうかと思いますが、その点について御答弁をお願いします。

県立高校改革担当課長

 平成29年4月に校名決定の対象となる学校ですが、現時点での想定ですが6校あると考えております。

相原委員

 せっかくですから6校の現在の学校名も教えてください。

県立高校改革担当課長

 まず、具体的には総合学科高校から単位制普通科高校へ改編する高校が3校あります。高校名としましては大師高校、横浜緑園総合高校、3校目が横浜清陵総合高校です。次に、総合学科高校から専門学科高校に改編する高校が1校あります。これが吉田島総合高校になります。次に、専門学科高校に普通科を新たに併置する高校が1校あります。こちらが小田原総合ビジネス高校です。それから、専門学科高校で専門学科の改編を行う高校が1校あります。こちらが横浜国際高校で、以上、6校を想定しています。

相原委員

 それで、新たな学校名を決める方法論ではなくて、実際に新しい学校名をどのようにするのかということについて、現時点で決まっていることというのは何かあるものでしょうか。新たな学校名の原則ですとか、基本的な学校名の付け方とか、今日時点で既に決まっているものがあれば教えてください。ないならないで、もちろん結構です。

県立高校改革担当課長

 今後、設置予定の校名検討懇話会で御検討いただくというところまで決まっております。

相原委員

 そういうことなら、まだほとんど具体的な名前の決め方については決まっていないと、ある意味では白紙の状態だと受け止めましたので、そういう状況だからこそ、あえてざっくばらんに幾つか私の考えなりを申し上げますので、是非ざっくばらんにお答えをいただければと思います。

 6校全部をお聞きしたいのですが、時間もありませんので二つほどピックアップしてお伺いします。まず、吉田島総合高校という高校ですが、以前は吉田島農林という大変歴史のある学校であります。これが現在の単位制による全日制の課程である総合学科から、改編後は単位制による全日制の課程で農業科及び生活科学科に変わるということですので、総合学科ではなくなりますから当然総合高校という名前の総合という部分は消えていくと思います。

 私は、学校名は基本的にはシンプルというか、分かりやすい学校名がいいと思っております。この吉田島総合高校、以前の吉田島農林高校ができたころの当時の基礎自治体は今、開成町といいますが、以前は吉田島村と酒田村の二つの村が統合、合併して開成町になったと思います。この吉田島農林高校ができたときは、吉田島村にあるから吉田島というのをとられたと思いますが、合併して基礎自治体の名前も変わりまして、開成町にある唯一の県立高校ですから若干のてらいはなくはないのですが、神奈川県立開成高校でも全然良いのかなと思っております。開成高校というのは都内に有名な私立の高校がありますし、県内には逗子開成高校もありますが、そういう話ではなくて、基礎自治体で名前をシンプルにとるというのが一番分かりやすいので、そういう名前の検討の仕方も私はあるのではないかと思います。

 まだ学校名が煮詰まった段階になっていないので、今日の時点ではざっくばらんに発言もしやすいのでお伺いしていますが、以前の吉田島村の吉田島ではなくて、現在の開成町の開成を採用した方が自然かとも思いますが、担当の課長さんとして基礎自治体の名前を採用するということについて、御所見をお聞かせいただければと思います。

県立高校改革担当課長

 先ほど委員がおっしゃいましたように、まずは地区町村名を検討の対象とするということがあります。それからまた、私立を含めて既存の高校と混同しないようにと、分かりやすいようにということもありますので、その辺も勘案しなければいけないと考えております。

 それからもう1点は、総合学科高校については前回の高校改革において、総合の文字を付加するということで整理させていただいております。そういう意味からしますと、今回、総合学科高校から専門学科高校ということになりますので、そのあたりも勘案しなければいけないということになろうかと思います。

相原委員

 いずれにせよ、新しい学校名を付けるまでにはそんなに時間があるわけではありませんので、すばらしい学校名をお願いしておきたいと思います。

 次に、何度もこの委員会で申し上げて恐縮ですが、もう1校、小田原総合ビジネス高校ですね。これも現在は全日制の課程である総合ビジネス科があるわけですが、改編されますと全日制の課程で普通科と総合ビジネス科の二つの科の構成になるわけであります。ですから、今までのように総合ビジネス科一つの科でもっての高校でしたから、小田原総合ビジネス高校という名前でも自然でありましたが、今度は普通科と総合ビジネス科になりますので、ほぼ自動的にこの小田原総合ビジネスという名前も変えなくてはいけないと思っております。

 そこで幾つかお伺いしますが、まず片仮名の名前に私はいやになると何度も申し上げてきて大変恐縮ですが、ただ小田原総合ビジネス高校のホームページでは片仮名を使用した校名というのをわざわざ記載されておられます。片仮名を校名の一部に使用する斬新さは、今後の社会・経済の変化に柔軟に対応できる人材育成を目指す学校づくりの“新しさ”ともつながっていると、このような記載があるわけであります。そういう受け止め方も必要なのかなと思いながら、私は片仮名という名前にそれほど斬新さや新しさがあるとはとても感じられないところであります。そこまでいうのなら、英語の単語でもそのまま使って、ビジネスは英語にでもした方がよっぽどいいのかなと思っております。

 それはさておき、今度、総合ビジネス科1科から普通科と総合ビジネス科に変わります。ですから、校名を変えるに当たってどのように考えているのかというのがありますが、あえて今日、小田原総合ビジネス高校を取り上げた理由は、この学校は以前、小田原城東高校、その前は小田原商業高校で、大変歴史のある学校であります。小田原城東という、お城の東というのもなかなか素敵な名前だとも思っておりますが、ざっくばらんに言いますと旧校名を復活させるというのも選択肢としてあるのではないかなと思っております。新しい課程が普通科と総合ビジネス科でありますから、全然違和感のないところであります。学科構成で言いますと、以前の城東高校時代の学科構成にむしろ似通ってくるぐらいですね。ですから、これは以前の学校名、小田原城東高校でも、その前の小田原商業高校でもいいですが、過去の学校名を復活させるというのも一つの選択肢としてあり得るのかと思っておりますが、いかがでしょうか。

県立高校改革担当課長

 先ほど申しましたように、まずは地名、地区町村名ということ、それから、地域の名前ということもあります。これまでに使用されていた校名を使うことも全くないということではないと考えております。

相原委員

 分かりやすい校名であること、そして学校の内容をより分かりやすく表す学校名であるということを目指していただきたいと思います。そのためには、たまたま今日は二つの学校名を取り上げましたが、学校名を決めるに当たって、吉田島総合高校に関しては現在の基礎自治体の名前を使用するということは私の提案ですが、もう一つの小田原総合ビジネス高校においては以前の名前を復活させること、この辺も是非柔軟に御検討していただければと思います。

 たとえば小田原総合ビジネス高校を小田原城東高校とかに変えるのは、私は良いアイデアだと自分なりには自負していますが、何となく最初から過去の校名は使わないという意識があると、議論の最初の段階で排除されてしまうでしょうから、そういうことのないようにこれは是非お願いをしておきたいと思います。

 前回の県立高校の再編によって名前がついた学校というのは、多分教育委員会の方にもいろんな声が寄せられる中に既にあるかと思いますが、非常に分かりにくい学校名があるかと思います。学校名を聞いただけでその学校がどこにある学校なのか、どういう学科構成等の内容なのかがなかなか推測しにくい学校が幾つもあるのが正直なところだと思いますので、今回の、具体的には来年度になるのでしょうが、学校名の決定に当たってはそういう点を是非踏まえて、いい学校名をつくっていただければと思っております。

 前回の県立高校再編のときにはいろいろな声がありましたし、私も議員としていろいろな方から御意見、御要望いただきました。中には県の幹部とか、県の幹部OBもよく御意見をされに来た方がおられました。面識のない県の幹部、名前はもちろんこっちは承知していますが、そういう方が随分御好意があるのは個人としてはすばらしいことでしょうが、県の幹部や県の幹部OBが特定の学校のために行動するというのはいかがなものかと、その方にはお伝えしたのを覚えております。ほかの議員のところにもきっといろいろな関係者の方が来られたんですが、私のところに来た県の最高幹部OBの方には、あなたは幹部OBなのだから、特定の学校ではなく、全ての学校に注意を注いでくださいと、むしろ母校に対しては譲るぐらいの気持ちがないとだめですよと、そんな御意見を申し上げたことを記憶しております。

 県立高校改革実施計画について第?期は既に発表されましたが、今後、第?期以降の発表があるわけですが、人間、自分の母校ですとか、自分の関係する学校についてはいろいろな思い、個人的な感情が働くと思います。母校愛のようなものというのは、個人生活のレベルではすばらしいのですが、それよりもほかの領域まで影響を与えてしまうと、半分これは学閥みたいなものでいい話ではありません。たまたま現在、神奈川県の黒岩知事も教育長も神奈川県内の県立高校OBではないと伺っておりますので、私は県立高校改革を進めるには大変に良い布陣だと思っております。客観的に、合理的に、かつ冷静に粛々と県立高校改革を進めていただければと願っているところです。

 先週に質問した中で一部質問し忘れたところがあるので、そこだけさせていただいて今日の質問を終わりにしたいと思います。

 過日、教科書の採択関係のところで金品の受け取りについていろいろお伺いしましたが、それに関連して県立高校の教員に限ってで、義務教育の方は結構ですので教えていただきたいのですが、県立高校の教員で受け取ってもいい金品の範囲内というのはあるものなのでしょうか。もちろんルールとして届出をしてしっかり処理してというのは当然問題ないのは分かっていますが、それ以外で通常の社会生活を営んでいる中で金品をやりとりするというのは、これはお歳暮だとかお中元だとかよくある話です。ただ、この県立高校の教員は、その点については許容されるものと受け止めてよろしいものなのでしょうか。是非お聞かせいただければと思います。

教職員人事課長

 前回の委員会では、教科書の執筆に限って営利企業従事という視点でお答えしましたが、今の御質問は一般常識からいっても、たとえば年末年始のお歳暮だとか、そういったようなお話なのかということであります。ほかのところにおいても国家公務員の倫理基準がありまして、それに準じた形で地方公務員も見習うとなっておりますので、単に教員に限らず私ども行政の公務員についても、金品の授受というのは好ましくないということでありますし、これは受け取らないということであります。

相原委員

 かといって、一切のものは禁止されていると理解をすべきとも思いにくいのですが、これはやはり一切問題だという認識を持つべきでしょうか。

教職員人事課長

 たとえば、先ほど申し上げた教科書等の営利企業従事においては、いわゆる届出もありますし、場合によっては旅費ですとか、そういった調査に必要となった必要経費等を下回る場合には報告をしなくてもよく、営利企業従事の届出が必要ないことになっております。ただし、教科書に限ってはそれについても報告しなければいけないというところで厳正な運用を図っているところでありまして、それ以外のものについても公務員に一般的に求められる倫理観等から、他の誤解を生むような行為については極力避けるべきという考えであります。

 したがいまして、金品の授受についてはどういった仕事の関係であっても好ましくはないと考えております。

相原委員

 先日、教科書の関係でお伺いしましたが、社会の一部には少ない金品のやりとりというのはそんなに問題ではないという声もあるのが、多分正直なところだと思います。私もそんな声を聞きますが、今、課長さんの御答弁でよく分かったところであります。そういうことなら、そういうことで問題ないと思いますが、議員などをやっていますといろんなお問い合わせというか、情報提供があります。たとえば、部活動関係の運動部の物品購入の仕方に問題があるのではないかという話はしばしば聞きます。もちろん、しばしばといっても数年に1回ぐらいの割合ですが、今回、たまたま教科書の問題が大きく話題になったところですが、学校教育活動、若しくは教員の行動に金品のやりとり、額の大小は別として何か影響があるのではないかという疑念を持たれている県民もいないわけではないので、改めて御留意をいただきますようにお願いして、本日の質問を終わります。

田村委員

 まず最初に、インクルーシブ教育の推進について伺ってまいります。

 インクルーシブ教育の推進に向けた義務教育の段階での具体的な取組の一つとして、今年度から茅ヶ崎市立第一中学校をモデル校に指定して、みんなの教室のモデル事業に取り組みはじめたことや、次年度よりインクルーシブ教育実践推進校の改革校を指定して、高校教育の中で知的障害のある子供を受け止めていくということも承知しています。

 インクルーシブ教育の推進に当たっては障害のあるなしにかかわらず、子供たちがともに学び、ともに育つことで、人格と個性を尊重し合って支えながら共存社会の実現を目指すことが大切であるというところで、その際にまた全ての子供たちがそれぞれの能力を伸ばすことができること、また障害のある子供たちが高校卒業後、就労等を希望する進路を実現できるように推進することを十分にすべきと考えているところであります。

 そこで、インクルーシブ教育について何点か伺ってまいります。

 義務教育の段階において現在、茅ヶ崎市教育委員会とリンクして、みんなの教室モデル事業に取り組んでいると思いますが、このモデル事業のそもそもの狙いとこれまでの成果や課題について、まず伺っていきたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 みんなの教室モデル事業の狙いですが、障害のある子供とない子供が多くの授業を一緒に受けることが可能となることで、相互理解が進み、ともに学び、ともに育つ学校づくりを進めることであります。

 この事業を通じた成果ですが、誰にとっても分かりやすい授業づくりを意識した授業改善ということが進みましたこと、また子供たちが集中して学習に取り組みやすいような環境が整備されたことです。

 一方の課題ですが、支援を必要とする生徒のための指導を充実するために指導計画を作成しますが、その関係の職員が集まって相談しながらやっていくのですが、そのような時間を確保するのがなかなか難しいといったようなことが挙げられております。

田村委員

 このモデル事業を来年度は、茅ヶ崎市を含めて3地域で実施する予定ということですが、具体的にこれはどのように進めていくのか伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 来年度にモデル事業を実施する地域については、湘南地域で茅ヶ崎市と寒川町、県央の地域で厚木市、県西の地域で南足柄市の三つです。それぞれの地域で各市町の教育委員会が小学校や中学校のみんなの教室を実践するモデル校として指定することとなります。そしてその後、各学校ではインクルーシブな学校づくりに向けて校内研修などを行いながら、校内体制の整備を進めていただくこととなっております。

 また、それぞれの地域の小中学校やパイロット校も含めた教員ですとか、教育委員会の関係者などで組織します地域ごとの連絡協議会というものもつくりまして、モデル事業の取組について実践の状況やまた成果、課題といったものについて協議を行いまして、それぞれの取組の一層の推進を図っていくこととしております。

田村委員

 モデル事業で得られたもの、成果や課題、特に課題に関しましては、先ほど答弁でもありました授業計画の時間確保という部分がありましたが、この辺を検証して全県の小中学校に広げていくことが必要だと思います。県教育委員会では今後どのように取り組んでいくのか、特に課題に関しては大変重要なものになってくると思いますので、その辺を伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 成果や課題を検証しながら、全県におけるインクルーシブ教育を進めるために、これを地域ごとの組織を取りまとめて、それぞれの進捗状況やまた課題などを整理しながら検討していく組織を設置する予定です。この組織ですが、幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校といったものの代表者ですとか、福祉の関係の機関ですとか、障害者の就労の関係機関の者なども含めて構成してまいります。ただ、この組織については、既に今年度からインクルーシブ教育推進運営協議会という名前で設置をしておりますが、今年度の取組も踏まえながら一層充実したものとして課題を捉え、より良いものとしていくような協議を行ってまいります。そこで得られた成果については、こちらで実施しておりますインクルーシブ教育推進フォーラムですとか、全県指導主事会議などで発信をしていく予定です。

田村委員

 この段階での取組として、インクルーシブ教育の実践推進校のパイロット校が連携型中高一貫教育により、知的障害のある生徒を受け入れる予定であるということは伺っていますが、そもそもこの連携型中高一貫校教育というのはどのようなものでしょうか。

インクルーシブ教育推進課長

 連携型中高一貫教育ですが、市町村立中学校と都道府県立高等学校など設置者が異なる場合においても、生徒が中学校から高校までの6年間、一貫した教育課程の下で学習することができるという制度です。この一貫した教育課程を編成する際には、中学校の設置者と高校の設置者が協議を行うこととされております。このような制度を通じて、6年間の学校生活で計画的、継続的な教育を行うことで、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的とした制度です。

田村委員

 この実施に向けては、市町村教育委員会と連携することが必ず必要と考えますが、これは具体的にどのように連携の手続が行われていくのか伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 連携のための手続ですが、本県教育委員会では関係する市町の教育委員会とインクルーシブ教育に係る一貫性のある教育を行うことについて協議を行いました。その内容を連携型中高一貫教育実施計画という名前で策定したところです。この実施計画に基づいて、各パイロット校と各地域の中学校が一貫性のある教育を行うことをそれぞれ教育委員会の規則として規定するために、まず本県ではさきの2月10日付けにて、神奈川県立高等学校の管理及び運営に関する規則の改正を行ったところです。そして、各市町の教育委員会においても、所管する学校の管理運営に関する規則の改正が今年度中に行われる予定です。このことにより、茅ケ崎高校は全ての茅ヶ崎市立の中学校及び寒川町立の中学校と、厚木西高校は厚木市立の中学校と、足柄高校は南足柄市立の中学校と合わせて、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町との中学校との間で連携型の一貫教育を行っていくこととなります。

田村委員

 確認ですが、そうしますと各パイロット校というのは、各パイロット校が所在する市町村全ての中学校と連携するということでよろしいのでしょうか。

インクルーシブ教育推進課長

 そのとおりです。

田村委員

 この各パイロット校が、知的障害のある生徒を平成29年度から受け入れるためには、各校における施設整備の面でも整備が必要だと思います。この施設整備の整備については、どのように計画しているのか伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 パイロット校においては、知的障害のある生徒とその他の生徒ができるだけ同じ教室で授業を受けながら、個別や少人数の指導などを必要に応じて行うために使用する、リソースルームという部屋を整備していくこととしております。このリソースルームですが、通常の教室に可動式のパーテーションを設置して分割することで、人数、目的に応じて柔軟に使用することができるようにすることを目的としています。あわせて仕切り板などのある自習用の学習机などを設置しまして、生徒が落ち着いて学習に取り組めるようにしてまいります。

 また、施設の安全性についての配慮としまして、教室の窓に転落防止用の手すりを設置しましたり、窓ガラスに飛散防止フィルムなどを貼ってまいります。また、あわせてトイレの洋式化などにも取り組んでまいります。

田村委員

 確認ですが、これは全体でどのくらいの人数を受け入れるのか。そしてまた、クラスに大体何人ぐらい生徒さんが配置されるのかを教えてください。

インクルーシブ教育推進課長

 各パイロット校では、1学年当たり21名の生徒を受け入れてまいります。既に公表しておりますとおり、各パイロット校のクラス規模は7クラス規模となる予定ですので、各クラスには3名ぐらいずつ生徒が在籍する形となります。

田村委員

 各パイロット校では、知的障害のある生徒を含めた全ての生徒を対象として、一人一人の生徒の能力を伸ばすことが極めて重要だと思います。このような全ての生徒が高校教育として一人一人持てる力を向上させるために、指導体制の整備についても伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 今、御指摘のとおりでありまして、パイロット校では障害のある生徒だけではなくて、全ての生徒にとって分かりやすい授業を行い、その中で一人一人が能力を伸ばしてもらうようなことを計画しております。具体的には、一つの教室に一人の教員という通常の指導の形に加え、二人の教員が一つの教室で指導を行う、いわゆるチームティーチングですとか、生徒の習熟度に応じた少人数による指導、あるいは先ほど申し上げましたリソースルームなどを活用しました個別の指導など、多様な指導の形を併せて使用していく中で、一人一人の状況に応じた指導を行いながら生徒の能力の向上に取り組んでまいります。こうした体制整備に向けて、県教育委員会ではパイロット校への人的支援ですとか、教員の専門性の向上を図るための校内研修などを支援してまいる予定です。

田村委員

 先日もちょっとお話しさせていただきましたが、障害者差別解消法というのが今年の4月1日から施行となるわけですが、この法律の中にあるとおり、知的障害のある方には分かりやすく説明しなければならない。こういったところでたとえば1個ありまして、交通機関を利用しようとしていたとき、どの乗り物に乗っていいのか分からないので駅職員に聞いたが、分かるように説明してもらえなかった。これが要は差別に当たると。そうなってくると、授業が止まったり、遅れたりとかしてくるのではないのかなという部分も考えられますが、この辺はどういうお考えでいるのでしょうか。

インクルーシブ教育推進課長

 障害のある子供への指導については、指導に入る前の段階で一人一人の状況をきちんと見ながら、どのような指導及び配慮が必要かというのを、あらかじめきちんと計画に落としてまいります。そういう中で指導に必要なことが漏れているとか、不十分であるとかといったことがないように取り組んでまいります。

田村委員

 ここはすごくシビアなところになってくると思います。また、教員の指導の徹底も必要になってくると思いますので、ここはきちんとよろしくお願いします。

 障害のある生徒がこのパイロット校での学びを通して、卒業後に就労等を希望する進路が実現できるようにする必要があると思いますが、障害のある生徒の社会への接続に向けて、どのような取組を行っているのか伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 障害のある生徒が卒業後、社会において活躍できるように、たとえば特別支援学校ですとか、その分教室などにおいて行われている指導といったものを参考にしながら、3年間を通した計画的なキャリア教育に取り組むこととしております。具体的には企業ですとか、労働関係の機関とも連携した体制をつくりまして、1年次から企業の見学ですとか、インターンシップを取り入れていくとともに、基本的な生活習慣やコミュニケーション能力を育成するための指導といったものに継続的に取り組んでまいります。就労先についても、高校におけるこれまでの一般企業への就労に加え、その他多様な職業選択が可能となりますように、今後検討を進めてまいります。

田村委員

 次はちょっと幅広く質問させていただきますが、このインクルーシブ教育に通う障害のある生徒だけではなく、特別支援学校の生徒も含めて1問質問させてください。

 東京都は2016年度から8億5,000万円という予算を使って、今回、障害者安定雇用奨励事業というものをスタートさせています。これは何かというと、障害者を正社員として安定雇用した企業に対して奨励金を支給するという制度です。こういったところの取組に対してお隣の東京では始まっていますが、県教育委員会としてはここに関してどういう捉え方をしているのかということでお伺いしたいと思います。

教育長

 今のお話はあくまでも雇用の側、企業サイドが障害者の雇用を進めていく、それに対して自治体が助成をしていく。これは国も、また私どもの神奈川県でも産業労働局サイドで進めている話です。教育という場面からそれを見たときに、やはり私どもとしては特別支援学校、それからこれからのインクルーシブ教育の中で学ぶ子供たちが、最終的にはこの社会の中で役割を終え自立をしていくための経済的基盤は是非ともサポートしていきたい。ですから、そういった意味でいけば、今の東京都のような取組や、神奈川県のような産業施策としての取組は私どもにとっても大事なことであり、そしてまたそことの連携が必要なことと認識はしております。

田村委員

 今みたいに前向きな答弁がありますと、我々もすごく有り難いところでありますが、これをなぜ取り上げたかというと、実はこの障害のある生徒さんが学校を卒業してから生涯を終えるまで、約一人につき2億円の障害年金だったり、社会福祉にかかるお金が必要とされるという数字が出されています。これがたとえば社会に出てから支援を受ける側ではなくて、ちゃんとした雇用があれば逆に言うと今度は支援をする側、つまり納税者側に回るわけですから、今、国においても県においてもそうですが、納税額というのは大分少なくなっていく中で、社会の福祉に充てている方々が今度は働いてくれることによって、またそこで納税額が増えるという観点からもこういった取組はとても必要ではないのかなと。もちろん、先ほど教育長から言われたとおり、ここは産業労働局の方で進めていくことでしょうが、ぎりぎりのその高校から働くという部分のちょうどその接点からいうと、教育委員会もしっかりとここは絡んでいかなければいけないところなのかなと思いましたので、1問質問させていただきました。

 それでは引き続き質問させていただきますが、このパイロット校における取組が成功し、全ての県立高校においてインクルーシブ教育が進展するためには、学校関係者だけではなく、広く県民理解を深めることが不可欠だと思います。今年度、県教育委員会では県民理解の促進のためフォーラムを実施したことは聞いておりますが、この取組の状況について伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 今年度は、県内3箇所でインクルーシブ教育推進フォーラムを開催しまして、合計で727名の方に御参加いただくことができました。内訳ですが、高校生や大学生も含めて県民の方の御参加が昨年度は141名だったのに対して、本年度は242名と増加している状況です。そしてまた、御参加いただいた県民の皆さんからは、様々な立場のパネリストから多様な話を聞くことができて参考になったとか、小さい頃から一緒に育つことで自然にインクルーシブな社会になっていくのではないかと考えますといったような御意見、また、具体的なイメージが膨らむようなお話も併せて聞いていきたいですといったような御指摘も頂いたところです。

田村委員

 今、御答弁にありましたとおり、やっぱり数字が上がっているということは県民の関心度も高いところになってきていると思いますので、こういった取組が必要だと思います。そういった中で、県教育委員会ではこのインクルーシブ教育の推進をテーマとしたリーフレットを作成していると思います。このリーフレットについては、どのように活用したのかお伺いしたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 リーフレットですが、県内の全ての幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、それから特別支援学校に配布しました。また、各学校において、生徒ですとか保護者の皆さんにその内容を広めていただく一助となりますように、リーフレットの活用例、研修用のパワーポイントといったものもこちらの方で作り、併せて送ったところです。

 また、先ほど申し上げましたフォーラムにおいては、毎回このリーフレットを御参加いただいた皆さんにお配りして、こちらの方からインクルーシブ教育の推進についての趣旨の説明などをさせていただく際の資料として使わせていただきました。また、中学校ですとかPTAの方から、こちらの方に研修に来てほしいという御依頼も幾つかいただき、当課の職員を講師として派遣して、その研修会を実施させていただいた際にもリーフレットを活用したところです。

田村委員

 県民の理解を深める取組は、今後も継続的に実施する必要があると考えます。そこで、この来年度に向けて県民を対象とした理解と啓発をどのように進めていくのか伺いたいと思います。

インクルーシブ教育推進課長

 来年度も、引き続き県民の皆様に御理解いただけますように、フォーラムの開催、またはリーフレットを活用した研修会なども引き続き取り組んでいって御理解を深めていただくことと考えております。また、その際には来年度は3地域に拡大して実施する、みんなの教室モデル事業の取組状況ですとか、パイロット校では平成29年度から障害のある生徒を受け入れるための体制づくりに来年度は入ります。そのような状況などもお伝えしながら、本県が進めてまいります全体的なインクルーシブ教育について御理解いただけるように努めてまいります。

田村委員

 次年度から、このみんなの教室モデル事業を3地域で展開することによる全県におけるインクルーシブ教育、インクルーシブな学校づくりに向けた大きな示唆が得られることを期待しております。また、このインクルーシブ教育実践推進校のパイロット校において、障害のある生徒の受入れに向けた取組が始まることに大きな期待を寄せているところですが、この取組を通じ小中学校から高校までインクルーシブな学校づくりが断続的に進むことで、障害のあるなしにかかわらず子供たちの社会性が生まれ、共生社会の担い手となって成長してくれることを期待しております。今後も引き続き、県民の理解を図りながら継続的に取組をしていただきたいと思います。

長田委員

 先ほど来の質問の中で、障害のある生徒の就業支援のところで2億円という話がありましたが、これは決してそうしたことが社会的な負担が大きいということを言っているわけではなく、もちろん社会全体で支え合うためのものでありますから、そこは誤解のないようにということと、また、納税をする側に回るというのもありましたが、もちろんそれは好ましいことでありますが、そうでなければいけないということではないので、そこは誤解のないようにお願いしたいと思います。

 要はどんな人も社会に参画して、そして人の役に立つということがやはり大きな喜びであり、これは障害のあるなしにかかわらずそういうことを目指していきましょうという意味で、このインクルーシブ教育を受ける生徒さんたちの就業というものをしっかり目指しながら教育を進めていくということが大事かと思います。そういう意味だと御理解いただきたいと思います。

 そういう中で、その周辺にいる生徒さんたちにこうした全体で助け合っていくということについての理解を持っていただくこともすごく大事だと思いますが、その部分においてどのようなお考えを持って進めるのか、その点だけ御質問させていただきます。

インクルーシブ教育推進課長

 インクルーシブ教育について一番肝心なのは、障害のある子供たちだけではなくて、全ての子供たちがお互いのことを理解しながら相互理解を進めつつ協力し合い、学習活動に取り組んでいくことで、やがて共生社会の担い手となって全ての子供たち、社会に参加する全ての人たちが、積極的に活躍してくれることだと思っております。そのため、学校においても授業の観点、学級の観点、それから学校の体制の観点、それらをしっかりと充実させることで、お互い一人一人の子供たちがより良く関われるような体制づくりに努めてまいります。

長田委員

 義務教育ではない高校教育の中でありますから、このあたりのことについて様々な思いが出てくるのではないかと思います。障害をお持ちのお子さんでないお子さんたちも、自分たちが社会を構成している一員で、それは決して負担ではなくて、自分も社会の中の一員で生かされているということの気づきにつながるような教育をしていただけますことを御期待申し上げまして、質問を終わります。

田村委員

 それでは、引き続き質問をさせていただきます。

 次は、手話教育の推進について伺ってまいります。

 先日、神奈川県でも手話言語条例が制定されまして、手話は言語という形で話が進められております。そして昨日、国内の1,741地方議会全てで採択が完了したというところでお話が出ている中で、手話の普及について教育及び学習の振興等を図っていく上で、学校現場における手話の普及は大切なものであると考えます。このことについて方向性を伺っていきたいと思います。

 昨年の4月に神奈川県手話言語条例が施行されましたが、その後に県教育委員会としては具体的にどのような取組を行ってきたのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 具体的な取組ですが、従前、日本語を母国語としない生徒、保護者等に行ってまいりました通訳支援事業というものがありますが、これについては手話通訳まで拡大しまして、保護者等で手話通訳が必要なときに対応できるようにしました。また、県立高校では昨年5月に手話の取組状況に関する調査を行いまして、各学校の工夫した実践をとりまとめ、手話の取組事例集を作成及び配布しました。さらに、各学校において重点的に手話に関する取組を進める月間として、今年度はもう過ぎてしまいましたが、12月に手話月間というものを制定しまして、各学校で手話に関する取組を進めていただいたところです。平成28年度からは、毎年5月5日の手話記念日を含めた1箇月間を、学校における手話の取組強化月間としてまいりたいと考えております。

 また、管理職や教職員対象の会議等において、私どもも挨拶を冒頭ですることが多いのですが、そうしたときに自分自身の自己紹介等を手話で行いまして、管理職や教職員にも条例の周知、あるいは手話の普及への認識を広めたところです。

田村委員

 一方、県立高校では手話の普及を図るために具体的にどのような取組が行われているのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 たとえば総合的な学習の時間において、手話を学ぶ部活動の生徒及び先生役となり、3年生が中心ですが、新しく入ってきた1年生全員に手話を交えて校歌を披露したり、その校歌を歌えるように練習をさせたりということをやっている学校もあります。また、手話ボランティア等の活動をしている生徒に講師を依頼しまして、朝の教職員の打合せのときに、教職員を対象に手話を学ぶ講習を行うといった取組もあります。また、学校設定科目として手話に関する科目を設定して、選択している生徒の希望者を対象に校内で手話検定を実施したという学校もあります。

田村委員

 手話を普及させる取組として、子供たちの手話に対する理解がどのくらい深まったのか、そしてその成果をどのように測る予定なのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 今後の話で恐縮ですが、毎年手話の取組強化月間の5月を中心に各学校の取組状況を調査したいと考えております。この調査では、授業や学校行事などの取組内容別に集計するとともに、生徒がろうあ者や手話に対する理解をどのくらい深めたかについても、調査してまいりたいと考えております。また、その集計結果は各学校にもフィードバックさせていただきたいと思います。こうしたことで各学校の実態に応じた工夫をさらに深め、取組を広げたいと考えております。

田村委員

 今後、県内の小中学校及び高校等にどのように普及させていこうとしているのか、また具体的な取組の方向性などについてお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 先ほど申し上げました平成27年度の取組事例集は、各学校へ配布して県のホームページにも掲載しております。今後は、その内容を適宜更新してまいりたいと考えております。現在、今年度12月に実施した手話月間の取組についても、平成28年5月の手話の取組強化月間において参考となる取組内容を紹介するためにまとめています。また、優れた取組をしている高校に依頼しまして、生徒による動画、題名が手話を楽しく学ぼうというものですが、これを教育委員会の方で作成しまして今月中に配信して、授業あるいは総合的な学習の時間等々で学校の中で使えるようにするとともに、個人でもスマホ等でその動画が見られるようにして普及を図ってまいりたいと考えております。

田村委員

 この辺は私が個人的に取り寄せた資料ですが、厚生常任委員会からのパブリック・コメントを取り寄せました。その中で一つ気になったところがありまして、特別支援学校のろう児に学校では手話を学べないことが表記されていますが、この特別支援学校の授業科目に何で手話がないのかなというところをお伺いしたいと思います。

特別支援教育課長

 特別支援学校ですが、県内の県立及び市立を合わせて5校ほど聴覚障害の子供たちが学ぶ学校があります。教育においては、学習指導要領において障害の状態に応じ音声、文字、手話等のコミュニケーション手段を適切に活用して、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすることとあります。これに基づき、様々な個人に応じたコミュニケーション手段がありますので、一人一人に応じた形での授業の中でコミュニケーションがとれるように授業の工夫を行っています。教科として手話というところが現在設けられておりませんので、日課表の中には入っておりませんが、通常、聴覚に障害のある児童及び生徒に対しては手話を使いまして、たとえば平塚ろう学校では授業を行っておりますので、そういった形で進めています。

田村委員

 県教育委員会では、県立高校の生徒がどの程度、手話を使えるようになることを目指しているのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 手話言語条例の制定を踏まえて、現在、神奈川県手話推進計画を策定中でありまして、この3月のうちに策定を目指していると承知しています。その中で手話の普及推進については、県民誰もが手話に関心を持ち、手話で挨拶等の日常生活用の基本的なコミュニケーションができるようになることに取り組みますという一文があります。県立高校についても、まずは全ての県立高校生が手話あるいはろう者に対しての興味や関心を持ち、簡単な挨拶や自己紹介等ができるというところを目指してまいりたいと考えております。

田村委員

 今、答弁にありました関心を持つという部分に関して、関心を持つことによって福祉にも就職しやすい環境であったり、社会福祉に対する気持ちもまた生まれてくるのではないのかなと。こういった観点からも、ある程度の一定レベルを超えるように、また指導も進めていただけたらなと思います。

 今後、子供たちが中心となって地域の方々に手話を広めていくことを期待していますが、そのためにはどのような方法が考えられるか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 既に現在、学校によっては、その学校にある手話に関しての部活動に入っている生徒が非常に熱心に取り組んでおりまして、手話の普及についても、自分たちで一体何ができるかということを常に考えて前向きに活動しております。たとえば、先ほど申し上げました手話を楽しく学ぼうという現在作成中の動画ですが、こちらには横浜南陵高校の生徒が出演して、多くの時間をかけて内容を生徒が検討して練習を重ね、撮影に協力しております。また、手話月間の取組の中で、近隣の小学校において中学校、高校合同で毎月挨拶運動を実施している学校があります。横須賀工業高校が実施しておりますが、ここでは挨拶運動において、手話による挨拶を取り入れたりしています。こうした事例も、その学校に限らず今後の具体的事例をホームページ等や事例集に収めて、他校にも普及を図ってまいりたいと考えております。

長田委員

 神奈川県が全国で2番目にこの手話言語条例を制定して以降、今、全国の自治体で同じような動きがりょう原の火のごとく広がっている状態であります。そうした中で、先ほど特別支援教育課長から平塚のお話が出たわけですが、これまで日本のろう教育は講話教育を中心にしてきた関係で、むしろ手話というものをかなり排除してきたような歴史もあると聞きます。そういう中で、今の平塚ろう学校についても、手話を使える先生がなかなかいない。新しい先生が来ると、大体手話を使えない先生がおみえになって、ようやく少し使えるようになるとまた異動になってしまうという中で、子供たちが先生とのコミュニケーションがなかなかとれない状況にあるという訴えをずっと耳にしてまいりました。

 さらに、簡単な手話でなく、細かなニュアンスまで子供たちと伝え合おうとすると、手話もかなり熟達をしていかないと伝わらない現状がありますが、県教委の体制として、それ専門の先生ばかりがいるわけではないし、どうしても教員の異動という全体の流れからすると、手話が使えない先生も配置していかざるを得ない状況にあるということです。今回、こうした条例が制定されていく中で、やはりそういったことについても少し体制を強化していただく必要があるのではないかなと思いますが、今回のこの条例制定、あるいはその内容の推進に基づいてろう教育の現場における教員の手話力の向上という部分は、何かお考えになられている部分がおありかどうかお伺いしたいと思います。

教職員人事課長

 先ほどのインクルーシブとも関係しますが、高校、県立学校におけるそうした特別支援を要するお子さんたちの教育の質の向上を図るという意味で、私どもは従前に県内の市町村立学校と県立特別支援学校との間で実施しておりました交流人事を、県立学校においても県立高校、特別支援学校との間でも交流していくということを既にスタートしております。これを計画的及び段階的にやっていこうと思っておりまして、そうした中でろう学校等への県立高校の教員の交流人事を通じて、実際にこれまでの異動の中でもろう学校の経験がなく、県立高校から交流人事でいくケースもありました。そうした中で、当初は手話等について習得しなかった教員についても、その中での体験を重ねることにより、コミュニケーションの手段として手話を学んで、また元の県立高校に戻るといった事例もあります。今後はそうしたような観点も踏まえて、人事等にあっても考えてまいりたいと考えております。

長田委員

 特別支援学校側の先生方だからといって手話が使えるとは限らない。もちろん少数ではないのかなという印象です。そうすると、ろう学校でありながら手話を使える先生ばかりでないというか、少ないという状況で、現場では手話の通訳ができる人を配置してくれないかという話になるわけですよね。ですから、そういう中でそれはこれまでの経緯がありますから今年から、来年から急きょ体制が変われるわけではないでしょうが、今後は手話の使える人ということを採用の段階からということも含めてやっていかないと、ある日突然に向上できる話ではないと思いますので、そうした観点からも体制の整備を進めていただきたいと思いますし、先ほど田村委員から手話の授業の時間がないというお話がありましたが、そうしたこともこの条例の制定を機にお考えいただけたらということを要望して終わりたいと思います。

田村委員

 今、長田委員からもありましたとおり、実は私も今、手話教室に通っておりまして、そういったお話を聞いたことがありました。先ほどの答弁にもありましたとおり、どうして手話が授業科目にならないのかというところで、文部科学省の方でも特別支援学校でも全教員が手話を使えるわけでもなく、生徒の障害の程度も様々で必修化は難しいというコメントも出しているのはもちろん存じ上げております。でも、その中でもこうやって神奈川県が手話言語条例を制定した以上、長田委員からもありましたとおり、授業化の方向を考えていくことも必要ではないのかなといった観点から、県立高校で手話を学ぶ授業時間を確保していくことも考えてもよいのではと思いますが、この辺はいかがでしょうか。

高校教育課長

 先ほども答弁させていただきましたが、県立高校の今後目指していくところについては、まずは全ての県立高校生が手話あるいはろう者に対して興味、関心を持ち、そして挨拶や自己紹介等ができるようにしていくというのを目指したいと考えております。こうしたことについては、現在もやられておりますが、総合的な学習の時間やちょっとした朝のホームルームを使ってもできることではないかなと考えておりまして、手話についての普及啓発は非常に大切だということですが、授業でももちろん可能かと思いますが、それ以外のところでも目指すところは達成できるような取組になるのではないかと考えております。

田村委員

 今回、予算にも手話教育推進事業費というところでまた新しく計上されておりますし、手話は言語という観点からいけば、英語と同様な扱いではないのかなと私は思っております。先ほどの厚生常任委員会からのパブリックコメントの中にも、今後、手話を普通学校で英語と同じように手話の科目を設けてほしいという声も実は上がっております。そういったところも含めて、今の答弁ではなかなか科目にしますとはもちろん言えないでしょうから、いつかは科目になるように是非お取り計らいをいただけるように私から要望しておきたいと思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 コンソーシアムの形成について、県立高校では、これまでも地域の企業等におけるインターンシップの体験、大学の授業等による高校での未来授業、また県専門学校各種学校協会による仕事のまなび場等の大学等の教育機関や企業との連携を図り、生徒に様々な学習機会を提供できるよう積極的に取り組んできたのは存じ上げております。今年1月に策定された県立高校改革実施計画には、県立高校生学習活動コンソーシアムの形成が示されています。この新しい取組にはこれまでの取組を更に発展させるものであり、生徒の学習活動の一層の充実が期待できると考えております。

 そこで、コンソーシアムの形成について何点か伺ってまいります。

 県立高校生の学習活動のコンソーシアム授業の趣旨について、改めて確認をさせてください。

高校教育課長

 趣旨ですが、県立高校ではこれまで開かれた学校づくり、高校づくりの取組や、様々な学習ニーズに対応するために各高校で校外連携の取組や企業におけるインターンシップの体験等、学校の壁を越えた様々な学習の機会を工夫してまいりました。こうした中、県立高校改革の取組の中で、生徒の多様性を尊重し幅広い学習ニーズへの対応を一層進めるために、教育委員会として大学等の教育機関や企業、外部機関と連携協定を結び、全ての県立高校が参加できる県立高校生学習活動コンソーシアムという新しい仕組みを構築することにしたものです。

田村委員

 このコンソーシアム事業というのは、具体的にどのような取組を行おうと想定しているのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 具体的な取組ですが、たとえば大学の教授等による出前授業や高校生の大学の授業の聴講、また県専門学校各種学校協会による仕事のまなび場等は、これまでも取り組んできたものですが、これも拡充を図りたい。また、新たな取組としては、たとえば大学等と連携をする中で、高校にはない高度な機器を持った科学的な実習や実験を行うこと、あるいは環境活動に力を入れている企業と連携して、生徒自身が地域の環境問題を解決する方策を考える活動を行うなど、各機関の有する資源やノウハウといったものを生かした取組を想定しています。

 さらに、高校間における連携交流で、たとえば自分の学校以外の学校に授業を受けに行って、そして単位認定をしてもらうといった交流連携も図ってまいりたいと考えております。

田村委員

 今後、この形成に向けてどのように準備を進めていくのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 準備としては、まずは大学等の研究機関、あるいは企業等と県教育委員会からなるこのコンソーシアム形成に向けた協議会を立ち上げ、コンソーシアムの推進体制や具体的な内容について協議してまいりたいと考えております。その後、コンソーシアムに参加する各機関と県教育委員会の間で連携協定を結びまして、具体的な学習プログラムの実施に向けて調整を図ってまいります。

田村委員

 今、答弁にありました協議会というのは、どのようなメンバーを想定しているのでしょうか。

高校教育課長

 たとえば大学ですと、これまでも教育委員会や多くの県立高校と連携の実績があります横浜国立大学や神奈川工科大学等々の大学や、あるいは先ほども仕事のまなび場で既に結びつきがあります神奈川県専修学校各種学校協会、あるいは企業ですと地元企業であります日産自動車や岡田屋等々、あるいは神奈川県経営者協会といったところの方々にメンバーになっていただくことを想定しています。

田村委員

 このコンソーシアム事業構築のための足掛かりとして、今回、コンソーシアムモデル地域2地域を指定するということですが、この地域を指定した理由とこのモデル地域で具体的にどのような取組を行おうとしているのか、併せて伺いたいと思います。

高校教育課長

 まず、この地域を指定した理由ですが、県全体のコンソーシアムとは別に、地域の中でのコンソーシアムの先進的なモデルづくりのためにモデル地域を横浜北東・川崎地域、それから県央・相模原地域の2地域を指定しています。この2地域は京浜工業地帯や内陸工業団地を抱えておりまして、県企業や研究所が多くあります。また、大学等の研究機関、行政機関についてもその数が多く、連携先を確保しやすいという観点からこの地域を指定したものです。

 また、どのような取組を行うことを想定しているかということについては、現在のところ専門高校を拠点とした取組を進めることを想定しております。具体的には高度な知識、技術を有した産業の担い手の育成や大学等の進学に対応するために、モデル地域内の企業や研究所、あるいは大学などとの連携を図りながら取り組んでまいります。企業や研究所と共同して研究を行ったり、生徒が大学の講義を受講して、大学在学中に大学の講義の単位認定を受けたり、大学の研究室の研究活動に生徒が参加するといったことを想定しております。

田村委員

 これによって生徒さんにどのような力を身に付けさせようとしているのか、その狙いを教えていただきたいと思います。

高校教育課長

 生徒はこのコンソーシアムによって提供される学びの機会を活用して、学校の中ではなかなかできない講義や実習、実験、体験的な活動ができます。こうした学習活動を通じて、豊かな教養と発展的及び専門的な知識、技能、技術を身につけることができると考えております。

田村委員

 そのコンソーシアムを構成する関係機関にとっては、コンソーシアム事業によって得られる効果はどのようなものがあるのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 連携先にとりましては、たとえば企業などでは商品開発に高校生を参加させて、高校生の考えや若いアイデアを商品に取り入れたり、高校生を中心とした若い世代の視点に立ったマーケティングなどを検討することができるのではないか。また、大学などの上級学校においては、各学校の理解を生徒に深めてもらう機会にもなります。また、調査研究活動に高校生が参加することで、高校生の考えを研究活動に生かせる、あるいは教員を目指す大学の学生のそうした高校生との交流により、実体験の場となるようなメリットもあるかと考えております。

田村委員

 これまでも県教育委員会は、各県立高校において大学等の連携の取組が行われたと思いますが、今回のこの事業はこれまでの取組とどのように異なるのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 これまでも委員御指摘のとおり、県教育委員会や県立高校では様々な連携先と取組を行ってまいりました。しかしながら、これまでの取組は多くは高校が個別に大学等と連携を締結するという形で、個々の高校による自助努力というものが中心になっております。そこで、コンソーシアム事業においては、県教育委員会が主体となりまして大学や企業、あるいは研究機関と本格的な協定を提携して連携先を更に拡大し、また二つのモデル地域におけます先進的な取組を他の地域にも普及させることにより、県全体で県立高校の連携先が広がることで、県立高校生の幅広い学習ニーズに対応した教育を更に充実していくことができると考えております。

田村委員

 私もこのコンソーシアムという言葉自体はそんなに知らなかったのですが、こういった話を聞きますと、とても重要な部分だなと改めて思います。今後、この大学等の教育機関や企業等との関係者との十分な協議をしてもらいながら、生徒の幅広い学習ニーズに応えることができる県立高校の生涯活動コンソーシアムの仕組みの形成をしっかりと行っていただきたいと思います。

 続きまして、かながわハイスクール人材バンクについて伺ってまいります。

 平成27年度から新たな取組として、かながわハイスクール人材バンク事業が始まっていると思います。平成28年度当初予算では、この事業に2億6,700万円を計上しており、平成27年度予算が約1億6,000万円であったことを踏まえますと、大幅に拡大されています。そこで、今後の取組を活用してどのような学校教育の充実を図っていくのか伺ってまいります。

 かながわハイスクール人材バンク事業の趣旨と具体的な内容を改めて確認させてください。

高校教育課長

 趣旨と具体的な内容ですが、今日の社会変化に伴い、こうしたことに対応できるように生徒一人一人の学習ニーズといったものに応えなくてはいけない。県立高校では、これまでも学識者や企業人、地域の方々などの外部人材を活用して、教育活動の充実を図るよう取り組んでまいったところです。県教育委員会では、こうした取組の一層の充実と支援を図るために、豊富な経験を有する退職教員や、民間企業等で培われた専門的及び実践的な知識を有する地域人材などの多様な教育力を学校に取り入れ、活用を図ることを目的としたかながわハイスクール人材バンク事業を平成27年度から開始しています。

 事業の概要としては、県内あるいは近県に在住在勤の二十歳以上の方を対象に人材バンクへの登録者を募りまして、学校での活動内容に応じて特別講師、学校支援スタッフ、そしてサポートティーチャーの三つの区分で登録いただき、学校からの依頼を受けて登録者の中から適任者を探し、学校に情報提供を行う中で結びつけるという事業です。

田村委員

 今、答弁にありましたが、この人材バンクの登録に特別講師、学校支援スタッフ、サポートティーチャーという3種類があるということですが、それぞれどのような役割を果たすのかを伺っていきたいと思います。

高校教育課長

 委員御指摘のように先ほど答弁しましたが、三つに区分をしています。

 まず、特別講師ですが、これはたとえば学校が主催する単発の講演会や特別授業等の講師ということを想定しています。

 二つ目の学校支援スタッフですが、これは主にボランティアとして、たとえば学習が遅れがちな生徒の補習等の支援、あるいは生徒からの様々な相談への対応というものを行うことを想定しております。この二つの区分は、雇用というものは伴いません。

 三つ目のサポートティーチャーは、非常勤職員として学校で雇用して、学習支援、進路支援、キャリア教育支援、あるいは専門教育支援といった分野から学校が必要とする業務を職務として行うものです。

田村委員

 これからも多くの登録者を募っていくと思いますが、具体的にどのような能力、資質を持った人材の登録を考えているのか、既に現在どのくらいの人が登録されていて、またどのような人が登録されているのか、そして、今年度の活用状況というのはどのようなものなのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 まず、どのような能力かという御質問ですが、この人材バンクに登録いただく上で特に免許や資格の有無は求めておりません。学校においては国語、数学、外国語といった教科指導以外にも、たとえばキャリア教育や環境教育等の多様な取組が求められております。また、クリエイティブスクール、定時制の課程、専門学科等、学校のタイプによって学校のニーズや課題も様々ですので、こうしたことに対して専門的な技術や知識、あるいは御自身の経験や体験などを生かしていただいて、高校生を支援していただける方を求めています。

 また、現在の登録者の数ですが、平成28年2月26日現在で、かながわハイスクール人材バンクの登録者としては151名となっております。サポートティーチャーの配置実績としてはその中から46名、特別講師についてはまだ配置実績はありません。学習支援スタッフの活用実績としては30名となっております。

 それから、活用状況ですが、サポートティーチャーは非常勤講師として学校で雇用して、実際に学習支援や進路支援などの相談を受けています。特別講師はまだ活用実績がなく、学習支援スタッフについては活用実績が3人となっており、学び直しの授業においてそれを補助するような形で、単発で入っていただいているという実績もあると聞いております。

田村委員

 たとえば私が登録したいという場合にはどうしたらいいのですか。

高校教育課長

 これについては様式がありまして、履歴書のような様式ですが、自分がどういったことを協力できるかといったこと、あるいは資格を取得している場合には、そういったものを書く欄がありまして、登録を申し出ていただくということで、こちらで書類を審査した上で登録するという形になっております。

田村委員

 こうしたかながわハイスクール人材バンク事業に外部の人材を活用する取組は、大変によいと私も考えております。今後、こうした外部人材の活用を更に広げていくことについて、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

高校教育課長

 今後の広げ方ですが、県立高校改革の一環として平成28年度からコミュニティスクールの仕組みを導入していくことから、県民の方々がこれまで以上に学校の教育活動に参画しやすくなるよう、このコミュニティスクールの事業との連関も図ってまいりたいと考えております。現在の人材バンクの取組にICT支援員や就労支援員、あるいは学習サポート員等、新たな外部人材の活用を加え、生徒の教育活動の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

田村委員

 今後も地域の方や専門的な分野で活躍された多くの方々に登録していただく上で、その力をお借りしながらかながわハイスクール人材バンク事業を円滑に運営し、県立高校の教育活動が一層充実するように取り組んでいただきたいと思います。

 最後の質問ですが、県立高校の2年生等を対象とした生徒学力調査について伺います。

 これまで生徒の学習の状況を測るために、調査としてどのようなことを行ってきたのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 これまで県教育委員会としては、2年に1回ですが、県独自の取組として県立高校全日制2年生と県立中等教育学校後期課程の5年次生の生徒全員を対象として、学習状況調査を実施しております。教科学習、国語、数学、外国語の3教科の調査に加え、生徒の学習意欲や自宅学習の取組状況等を把握するためのアンケートも同時に実施しています。なお、平成27年度については6月に調査を実施しています。

田村委員

 これまでの調査において、どのような課題が浮き彫りになったのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 これまでの調査の課題としては、調査結果が各校の課題の把握や授業改善のための資料として活用するため、学校ごとのデータのみを提供してきたところですが、そのデータの分析は学校に任されており、客観的な解析等はなされておりませんでした。また、この各個人が受けたデータ分析についても個人の分析結果を配付していませんので、生徒一人一人が学習状況の振り返りに活用できていないという課題がありました。

田村委員

 客観的なデータ分析よりも、生徒一人一人が活用できていないという課題があることは今の答弁で理解できました。今回の生徒学力調査はそのような課題を解消して実施することを想定していると思いますが、生徒の学力調査の狙いは何か伺いたいと思います。

高校教育課長

 本調査の狙いは大きく分けて2点ありまして、1点目は、学校全体の生徒の学力を把握して、客観的な分析をすることで授業改善の推進を更に推進することを狙いとしています。2点目としては、生徒一人一人が学習したことを振り返り、次の学習につなげることなどを通して学力の向上を図ることを狙いとしています。

田村委員

 この学力調査の狙いである全体の学力の把握、学力の向上を実現されるために、どのような工夫を行うのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 この生徒学力調査においては、全県で統一された指標による客観的な分析を全校のそれぞれに対して行い、その分析結果を各学校に配付することや、生徒一人一人の個人単位の分析を行い、この分析結果を各個人に配付するといった工夫を図っていくことを検討しております。

 また、これまで2年に一遍実施していた調査を毎年実施すること、あるいはこれまで全日制のみであった対象を定時制及び通信制に広げるといったことで、全ての生徒自身の学習に役立てるように検討しています。

 さらに、これまで全県同一の調査問題で実施しておりましたが、よりきめ細かく分析を行うために、標準問題に加えて発展問題あるいは基礎問題も作成し、各学校で選択できるようにすることも検討しています。

田村委員

 調査の狙いは分かりました。重要なことは、調査をいかに活用できるかというところになってくると思います。そこで、この生徒の学力調査をどのように活用するのか、伺いたいと思います。

高校教育課長

 活用ですが、各学校の分析結果をそれぞれの学校における授業改善の取組の評価や教育課程の改善に加えまして、各指定校の研究成果の根拠資料などに活用してまいりたいと考えております。また、先ほどから答弁させていただいておりますが、生徒一人一人の分析結果から学習の状況を把握して、生徒一人一人の学習の定着と向上、あるいはそれに基づいた各一人一人の学習状況においたきめ細かい指導といったことに対しても活用してまいりたいと考えています。

田村委員

 生徒の学力調査実施によりどのようなことが期待されるのか、その実施の効果について伺いたいと思います。

高校教育課長

 各学校においては、こちらから配付したデータを更に分析した上で、その結果により課題がより明確になります。こうしたことで効果的に教育課程や教育内容を改善したり、授業改善に取り組んだりすることができると考えております。また、生徒の個人データについても、得意な分野、苦手な分野がより明確になって、生徒一人一人が学習への主体的な取組につながるのではないかと考えております。さらに、個人データに基づいた生徒一人一人の学習状況においては、きめ細かい指導といったことで、更に充実ができると考えております。

 こうした取組を通して、各学校が目標とする学力を生徒に身につけさせることにより、今、国が検討しております高大接続の新たなテストに対しても、学校として円滑に対応できるようになるのではないかと考えております。

田村委員

 生徒の学力調査の実施により、身につけた学力達成の状況をしっかりと生徒が把握した上で、さらに学習に主体的に取り組むように指導するようにしてもらいたいと思います。また、学校教育課程の改善を図り、生徒一人一人の学力の定着と向上につながるよう学力調査を実施してほしいと思います。

 私の質問は以上で終わります。

おざわ委員

 私からは、まず最初に県立図書館について質問させていただきたいと思います。

 今回、県立図書館の再整備に向けた検討状況などについて報告がありました。県立図書館の再整備については、これまでも本会議や常任委員会において私どもの会派から質疑を行ってきたところであります。私としても、今後の整備の方向性に関心があるということで質問させていただきたいと思います。

 まず、確認の意味で予備調査と検討会の位置付けについて伺いたいと思います。

生涯学習課長

 まず予備調査ですが、建築関連法令を踏まえた前提条件の整備、民間資金を活用し整備手法の検討などについて、金融、法務、技術分野に関する専門的知識を有するコンサルタント業者へ委託したものでありまして、再整備に向けた検討に当たっての参考データを収集することを目的としております。

 また、検討会については、図書館の運営に関する専門的知識を有し、普段から利用者と接しております司書などの図書館職員、生涯学習課の職員により、予備調査の結果を踏まえて県立図書館の役割、再整備に向けた課題や方向性等について検討を行うことを目的としたものです。

おざわ委員

 予備調査について、常任委員会報告資料に記載されています予備調査の予見というところを見ると、現収蔵庫を解体して図書館新棟を整備するという構想になっております。財政的にも厳しい時期に何で図書館新棟の整備が必要なのか、お伺いしたいと思います。

生涯学習課長

 現在、本館については建築後61年が経過、新館については建築後43年が経過しており、そういった意味で老朽化が進んでいる状況です。また、本館、新館については、蔵書の増加に伴う度重なる施設内のレイアウト変更があります。こうしたもので利用者の動線が複雑化したり、閲覧スペースが分散するなど、利用者にとって使いやすい施設とはいえなくなっている状況です。さらに、収蔵スペースは既に余裕がなくなってきておりまして、近い将来、既存施設だけでは図書が収蔵し切れない状況となることが見込まれております。

 こうしたことから、新棟を整備して可能な限り閲覧スペースを新棟に集約し、複雑な動線の解消を図るとともに、既存施設の改修等とあわせて図書館全体としての収蔵スペースを確保するものです。

おざわ委員

 収蔵数がたくさんになってきて、また図書館としての質も上げていきたいということだと思いますが、現在、県立図書館に収蔵されている本の数、そしてあと余力がどれくらいなのか、このペースで毎年収蔵して何年後に一杯になるのかの部分についてお答えいただきたいと思います。

生涯学習課長

 まず1点目の県立図書館の図書収蔵数ですが、図書で申し上げますと平成26年末で90万9,440冊です。県立図書館の収蔵庫もありますが、こうしたものをトータルしています。それから条件として、図書のほかに雑誌もありますので、こういったものを勘案して今年度10月末ぐらいで集計した数値ですが、約10年程度と計算しております。

おざわ委員

 90万9,000という収蔵数があって、このままいくとあと10年程度で一杯になってしまうということであります。この報告書の予見のところを見ますと、あともう一つ気になるところがありまして、運営については県直営で行うということを想定しているようですが、今、図書館というのは割と外部委託のところが出ていまして、いろいろと問題になっているところもあります。そういう方向もあるのかなと思っている中で、今後、いろんな意味でコストを削減していくので、もう外部委託の方がいいような気もしますが、あえて県直営で運営したいといったその理由というのを教えてもらえますか。

生涯学習課長

 予見のところにも記載させていただいておりますが、私どもとしましては司書等の現在の現場のレファレンス能力が非常に高いものがあると評価しています。そういった意味合いで、図書館の貸し出しですとか、閲覧業務、レファレンス等を中心とした主要業務については、県で引き続き担っていきたいという考え方です。

おざわ委員

 司書の方々の能力が高いということでそのままという話ですが、今、そういうお話をお聞きして司書の皆さんの能力が高いというのは、どういった基準でこれだけ県立図書館がほかよりも高いとか、そういったところの基準というのがもしあれば、教えていただければと思います。

生涯学習課長

 まず、私が申し上げたのがレファレンス能力です。レファレンス能力については、数値化するのは非常に難しい点があります。ただ、私も図書館にいろいろ巡らせていただきまして、県立図書館のレファレンス能力はどれぐらいかということで、いろんなことを照会しながら他館と確認しておりますが、そういった意味でも非常に丁寧なレファレンスをしてくれるという点、それから様々な図書についての紹介といったことを手厚くやっております。そういった観点から、非常に能力としては高いものであると認識しています。

おざわ委員

 課長が言われるように、能力が非常に高いということですが、県の職員も司書の皆様はそういった能力がある。でも、言い方は悪いかもしれませんが、外部の方にお願いしたらもっと高い能力があるということは考えられないのですか。

生涯学習課長

 これまで県立図書館については、専門図書館ということで専門性を非常に重視してやっています。これまでの蓄積といった観点からしますと、単純に外部委託するというのは非常にできない、奇異な話かなと思っております。

おざわ委員

 専門性が高いということでありますが、そういった意味で県直営ということで、今、ほぼ確定なのかもしれませんが、県直営もすばらしい、能力の高い皆様ということですからいいと思いますが、たとえば少しは外部の方も検討していただければ、比べてもらう程度でも構わないのでやっていただければなと思うところであります。

 続きまして、予備調査結果の概要の実施条件というところですが、これは今回、新棟を建てるに当たっていろいろと検討いただいていて、延べ床面積とか構造、地上4階建ての高さとかを記入されています。これは現行の建築基準法とか、建築の法令に照らし合わせて、これは最大の大きさというもので検討するところの大きさ、高さだということでよろしかったでしょうか。

生涯学習課長

 委員御指摘のとおりです。

おざわ委員

 そして、調査結果の中で機能のところにくつろぎ機能ということで、飲食と閲覧が可能なスペースというところがあります。ちょっと私は興味があって聞きたいのですが、これは図書館の中で本を読みながらコーヒーが飲めるとか、そのようなイメージですか。

生涯学習課長

 現在検討しておりますくつろぎ機能については、図書館内で飲食、特に現在の蓋付きのドリンク等を考えていますが、図書を汚さないような形でドリンク等を飲みながら図書が閲覧できる、あるいは読書できるような形でさせていただければと考えております。

おざわ委員

 今、そういったところが増えているので、新しい形の図書館ということで是非導入していただければなと思います。

 続いて、この予備調査結果での整備手法について、PFI手法を導入する意義は十分にあるとされ、PFI手法が最も有利であると書いてありますが、今後の新棟の整備手法をどのように決定していくのか、お伺いしたいと思います。

生涯学習課長

 PFI手法ですが、施設整備にかかる財政負担の平準化が図れること、設計工事の一括発注等よるスケールメリットによるコスト削減が期待できます。しかしながら、一方で後年度への財政的負担も発生しています。

 今後、整備手法については、この予備調査の結果を踏まえて、県有地の利用に関し、全庁を横断的に検討する会議の場において慎重に検討され、PFI手法を導入するかどうか決定されていくということです。

おざわ委員

 続きまして、再整備に向けた検討会について伺っていきたいと思います。

 検討会は、昨年7月からこれまで5回ほど開催されているということで、検討会の検討内容に県立図書館の役割とありますが、これは一般的に都道府県立の図書館にはどのような役割が求められているのかというのを聞きたいです。

生涯学習課長

 都道府県立図書館の役割ですが、図書館の設置により運営上の望ましい基準、文部科学省の告示がありまして、その基準の中に県内図書館の求めに応じた資料の紹介、提供、そして県内の図書館職員の資質、能力の向上を図るために必要な研修を行うことなどが示されております。

おざわ委員

 そうしますと、県内の図書館の司書の皆様の能力を上げるための様々な事業といったものも当然やられているわけですか。

生涯学習課長

 先ほどの基準の中で追加をさせていただきますと、都道府県立図書館のサービスとして、市町村立図書館同様に貸し出しサービス、地域の課題に応じたサービス、多様な学習プランの提供などのサービスの提供に努めるといった書き方もされています。これまで県立図書館では、専門的図書館として専門性の高い資料の収集提供を行うとともに、広域的図書館としまして市町村立図書館司書の研修ですとか、総合対策サービスの運用などを通じて、その機能を発揮しています。

 再整備後はこうした専門的図書館、広域的図書館としての機能を引き続き発揮していくとともに、配架、展示により蔵書の魅力を引き出す、新たな魅力を備えた見せる図書館としての機能、さらには人と資料、人と人とをつなぐ価値創造を行う場の図書館としての機能を付加していくことで、県立図書館としての役割を更に果たしてまいりたいと考えております。

おざわ委員

 私の方からこの質問をする前にいろいろ調べさせてもらいましたら、横浜の中央図書館が歩いて15分程度のところにあるということです。県立図書館と横浜市の中央図書館との位置付けというかすみ分けとか、そういったものがどうなっているのかなと思いましていろいろと話を聞いていたのですが、これは難しいのかもしれませんが、あえて聞かせていただくと、歩いて10分程度のところに横浜の中央図書館があるということで、意識されて県立図書館を今、運営しているとかという部分はあるのでしょうか。

生涯学習課長

 県立図書館については、先ほど申し上げました専門性の高い図書館、それから広域性といったものを行っていく図書館という位置付けです。県の図書館として存在しているわけでありまして、市立横浜中央図書館についてはまさに10分程度のところにありますが、市立図書館の方は市民向けの一般的な図書を中心とした選択ということになっております。

おざわ委員

 そうしますと、今、県立図書館は横浜、川崎にもあり、2館体制という話ですが、あえて今回、新棟を建てるということについて、たとえば場所を移すといったことは考えていなかったのですか。

生涯学習課長

 現在の紅葉ケ丘地区のところに、従来から文化ゾーンということで存在し建造されてきたものですが、現在のところ紅葉ケ丘地区の文化ゾーンにおいて、既存施設を活用して図書館の整備を進めていきたいと考えております。

おざわ委員

 いろいろと難しい役割分けみたいな形で苦慮されているものもあると思いますが、県民の皆様が使いやすいような図書館を是非目指していただきたいと思います。

 今、子供たちの読書離れというのがいろいろなところで言われているわけですが、これは県立図書館で子供たちを呼び込んで読書会を開くとか、何か読書に親しみがわくような企画とか、そういったことにチャレンジしているようなことはあるのでしょうか。

生涯学習課長

 現状を申し上げますと、やはり専門性が高い図書を中心にということで、一般的な受け入れについてもそういった観点から行っておりますが、児童向けというものは現在のところはやっておりません。ただ、夏休み等を利用した、そういった機会を利用して子供さんに集まっていただいて、読書の楽しさだとかを知っていただくような企画は可能だと考えております。

おざわ委員

 何か割と専門的な図書館のようですが、小学生だけではなくて中学校、高校レベルの皆様もいると思うので、そういった皆様が興味を持ったことを調べたりとか、そういったことが簡単にできるとか、行きやすいような、そんな図書館を是非目指していただければなと思っております。

 この報告書の中で、今後、再整備に当たって県民の方々の意見を聞いていくという方針ですと書かれていますが、この県民の意見を聞くスケジュールとか、やり方というものについて伺いたいと思います。

生涯学習課長

 今後のスケジュールということですが、県立図書館が引き続き県民利用施設として、価値を最大限に発揮していくには、利用者である県民の皆様の意見を伺いまして、再整備に反映させていくことが重要と認識しております。そこで今回、予備調査、それから再整備に向けた検討会の検討内容を踏まえて、まずは教育委員会として再整備に向けた基本的な考え方、素案をとりまとめまして、それを県民の方々にお示しして御意見を頂きたいと考えております。

 具体的に申し上げますと、3月中に検討会としての中間とりまとめを行い、これを踏まえて6月に基本的な考え方、素案を策定します。この素案を基に、県民の方々からの意見を聴取した上で、9月を目途に県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方の案をまとめていく予定です。

おざわ委員

 スケジュールは今お聞きしましたが、案が出てどのような形で県民の皆様から意見を回収するのですか。

生涯学習課長

 県民の意見の聴取の方法ですが、意見交換会とパブリック・コメントを考えております。

長田委員

 先ほど県立図書館の役割という質問の中で、基礎自治体の図書館の司書の皆様の研修の役割を担うという話を、私は初めて聞いて非常にけげんになったわけですが、なるほどそういう役割も果たしているのかと。

 一方、市町村もかなり図書館を整備するようになって、そうした図書館が最近民間に管理を委託するようなケースが増えています。中には少し問題になるようなケースも出てきておるという、いろいろな論争の中で、司書の皆様の役割というのが、まず開架する図書をどのように並べていくか、カテゴリーするか、これは非常に大きなノウハウらしいですね。あるいは、来館された方からこういう資料がほしいと求められたときに、的確にそれを見つけ出す能力であるとか、特別展を開催して多くの方に来ていただく、そういうあたりのところがやはり公営のものでなければ守っていけないというような意見もあるし、いや、民間のノウハウを導入した方がよほど斬新なやり方ができるという感覚もあるようですね。

 ですから、これは公営として直営で守っていくということはそれでいいと思いますが、そういう中で必ずしも民間のノウハウというものを排除せずに取り入れていってほしいなと思います。たとえばこんなことがありました。図書館に毎日やってきて、昼寝だけして帰る方がいらっしゃると。往々にして想像できると思いますが、その方に公営の図書館ですと、ちょっとあなた、何やっているんですかという感覚になる。民間でありますと、片膝をついてお客様、どちらかお具合でも悪いのですかという声のかけ方になります。こういう民間の方の考え方、感覚というのは、やはりこれは取り入れてほしいなと思いますが、基礎自治体の図書館の司書の皆様に対する研修というのは、たとえばどのようにしてノウハウを磨かれているのか、分かったら教えていただけますでしょうか。

生涯学習課長

 今のは、県立図書館の司書の研修という話だったと思います。現在、県立図書館の司書については、国会図書館との交流といいますか、職員の交流を通じた研修等を行っておりますし、それから図書館の中に定例的に勉強会の日を設定させていただいて、図書の資質の向上というのを図書館を挙げて取り組んでいるところであります。そういった意味では、全国的な図書館のすう勢ですとか、そういったものも情報を入手しながら資質の向上に努めておる状況です。

長田委員

 たとえば研修といっても、図書のこと、専門性のことばかりではなくて、民間の接遇のあり方だとか、少し切り口を変えた研修のあり方もあるでしょうし、そうした建て替えということを機に、県民の皆様から建物だけではなくて中身のサービスも変わったなと思っていただけるような、何かそういったソフトの面での改革改善もしていただきたいということを要望して終わります。

おざわ委員

 最後に、二つだけお聞きしたいと思います。

 この図書館新棟の完成までのスケジュール、今年の9月までの基本的な考え方の案をつくっていくことまでは書いてありますが、その先、大体いつ頃を目安に完成するのかということについて伺いたいと思います。

生涯学習課長

 今後の県立図書館の再整備のスケジュールですが、先ほど申し上げておりますが、検討会の中間とりまとめを今年度中に行いまして、平成28年度は中間とりまとめを含めた再整備に向けた基本的な考え方、この素案をまとめます。そして議会、県民の御意見をお伺いして、県民からの意見等を踏まえて議会等の議論を経て、基本的な考え方を策定していく方向です。再整備については、多額な費用がかかることを見込んでいますが、県の財政状況等を踏まえた全庁的な調整を経なければならないということがありますので、県教育委員会としては施設の老朽化などの課題があることから、できるだけ早い時期に整備に着手したいと考えています。

おざわ委員

 具体的にはまだ決まっていないようでありますが、では最後に確認させてください。

 もう一つの川崎図書館については、今回の報告に含まれておりませんが、現在の検討の状況について最後に伺っておきたいと思います。

生涯学習課長

 県立川崎図書館については、川崎市の富士見周辺地区整備実施計画において、平成30年度から新たな建物の建設に着手するということが決められています。こうしたことから、平成29年度末までに企業活動を支援しながら機能を特化して、かながわサイエンスパーク、いわゆるKSPへ移転する方針です。現在、この方針に従いましてKSPに移転する機能や規模などについて、川崎図書館の職員と検討を進めています。

おざわ委員

 それでは、最後に要望させていただきます。

 県立図書館は、県民の方々にとって情報収集や生涯学習の拠点として重要な施設であります。県の社会教育施設として、また知の拠点として将来に向けて県民のニーズに応えられるよう、県民の方々の意見を丁寧に見ながら取り入れるべきところは取り入れ、ハード面、ソフト面をしっかりと整えて再整備をしていただくことを要望させていただきます。

 続きまして、常任委員会資料の18ページの主要施策10のところで、社会教育施設の老朽化対策、そして平成28年度に取り組む改修内容が記載されています。そこの部分について何点か質問させていただきたいと思います。

 まず、歴史博物館の空調設備改修工事ということで載っていますが、この空調設備の改修工事を行うことになった経緯について教えていただければと思います。

生涯学習課長

 今回の改修工事の経緯ですが、今回、改修する空調設備は平成7年の改修工事の際に設置されたもので、約20年が経過しております。近年、老朽化により空調設備の能力が低下しており、また補修部品の製造終了により修理ができない機器もあります。こうしたことから、今後、空調設備が故障した場合、適切な温湿度管理ができなくなり、展示品、収蔵品に深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、歴史博物館については、文化庁から国宝、重要文化財を公開するのにふさわしい公開承認施設として認定されておりまして、適切な温湿度管理のためには10年から15年で空調設備の更新が適切との指導を受けています。こうしたことから、今回工事を行うこととさせていただいたところです。

おざわ委員

 理由については分かったのですが、確認させていただきますが、これは全館の空調設備改修工事ということで全館を閉館し、そして工事をしますということですが、これはたとえば工事区域を分けて半分だけ見せるとか、半分だけ工事するとか、そういったことは検討できないものですか。

生涯学習課長

 全面休館ということではなくて、部分的に開館したらどうかということですが、歴史博物館の空調設備については、現在、屋上に空調設備が設置していますが、その設置の状況が3箇所に分かれています。しかも、その空調設備は屋上から1階ないし地下の収蔵庫まで縦方向に空調を行うという施設になっています。したがいまして、途中で階層を組むようにして工事をするというのが事実上できないという状況です。

おざわ委員

 いろいろと検討していただいた結果、仕方がないと、全館休館だという話だと思います。これは1年11箇月という休館期間になります。約2年ですよね。この期間で博物館が休業して逆に心配ですが、単純な疑問ですが、たとえばここで働いている学芸員の方々とかは2年間何をされているのかと思いますが、そこについてはいかがでしょうか。

生涯学習課長

 休館中の博物館の活動事業ですが、その間、学芸員を中心とした活動を行います。現在、検討している内容ですが、まず県民の生涯学習の機会を提供するということで、移転先の仮事務所において県民の皆様に神奈川の歴史や文化、文化財についての知識や理解を深めていただくために、学芸員による県博講座の回数を大幅に増やして実施させていただきます。また、あわせて県内各地の文化財の見学会の開催ですとか、市町村立博物館との共催による地域巡回講座を開催させていただきます。さらに学習支援として、学芸員が学校に赴いて行う出前講座も実施させていただきたいと考えております。こうした取組のほかに、休館期間ですので、この期間を利用して展示品、収蔵品の修理ですとか、調査研究といったものにまい進してまいりたいと考えております。

おざわ委員

 学校に学芸員の方が来ていただいて、出前講座はどのようなことをやるのかといろいろ聞きたいのですが、時間の関係でこの件については終わりにしたいと思います。

 そして引き続き、これは重要文化財の関係で、私どもの会派から代表質問で近代美術館鎌倉館について質疑を行わせていただきました。県指定の文化財として保存していく方法も視野に入れながら、鶴岡八幡宮と協議していくといった答弁を頂いたところです。このことについて、何点かお聞きさせていただきたいと思います。

 今、率直にお聞きしますが、鎌倉館の保存に向けた耐震方法や、鶴岡八幡宮との費用負担について話し合いがされているということですが、実際に話をされて公開できるところとできないところがあると思いますが、実際にどのような話に今なっているのか、ここで話せる部分があれば教えていただければなと思います。

生涯学習課長

 鶴岡八幡宮との調整状況ですが、今年度は新館の学芸員棟についての設計をさせていただきまして、来年度に工事をするという形で動かせていただいております。今後は本館棟について、県指定の文化財として保存していくという方向を視野にしていくということで、引き続き鶴岡八幡宮との調整協議をしていく予定です。その中で耐震化の方法、あるいは経費の負担等について話し合いを行っていくという予定でありまして、このような調整状況をお伝えさせていただきたいと思います。

おざわ委員

 新聞等でも報道されていますが、具体的に費用負担の割合を話し合うみたいな話もあります。今、県としては話せるところだけで構いませんが、どのような考え方でこの費用の負担についても考えているのでしょうか。

文化遺産課長

 県指定の文化財になった場合に、文化財に対する県の補助制度というところでお答えさせていただきたいと思います。補助金の概要として、補助率については、市町村以外は3分の1以内となりますが、事業者の財政状況や事業費の額により個々に補助額を決定しています。近代美術館鎌倉館の本館棟の場合は、鶴岡八幡宮様が行う工事等の内容や事業費等も勘案した上で、県補助額を決定していくこととなります。

おざわ委員

 ちょっと回答がずれたような気がしていますが、今、鶴岡八幡宮さんと話している、この鎌倉館の保存に向けた耐震補強工事の件とか、そういったことについて八幡宮さんと県との割合を決めてこれからやっていこうという話は進んでいるという話で、費用負担について県はどのように考えているのかをお伺いしたのですが、話せる部分があれば、これはちょっとまずいということであればいいですが、よろしいですか。考え方で構わないので、たとえば折半で今考えているとか、そっちに持っていければいいと思っているとか、そういったことがあれば教えていただければと思います。

教育長

 鶴岡八幡宮の宮司とは、私も直接何回かお会いして話をしております。本館棟のあの建物は鶴岡八幡宮が引き継いでいく。ただし、耐震化という工事があります。これは当時の調査では2億1,000万円程度かかるということですが、それが実際にどの程度になるか、またどういう形で改修していくのか、そこによって当然費用はかわってくるだろうと。ただ現在、話し合っている内容としては、あくまでも地方公共団体が宗教法人に対して補助金を政策的に出すというのは、これは認められておりません。ただ、制度的に宗教法人が行う活動、あるいは文化的な部分に対して御支援ができる、そういう制度はあるということです。その中で、私どもとしては現在、鶴岡八幡宮と話し合いを継続しているということです。

おざわ委員

 いろいろと難しい問題があるようですが、県民の皆様が期待しているところもあると思いますので、できるだけ早くこの話がまとまればなと私も思っております。

 そんな中で、まだまだそんな話はという話なのかもしれませんが、これはスケジュール的にはいつ頃までに鶴岡八幡宮に耐震工事も終えて渡したいなという考えがあるのか。今のところ分かっている範囲内でお答えいただければなと思います。

生涯学習課長

 今後のスケジュールですが、まず、私どもとしまして来年の新館棟、学芸員棟については平成28年度に除却工事で進めてまいりたいと思います。それから本館棟ですが、これについては繰り返しになってしまいますが、やはり新館棟、学芸員棟の除却工事完了後、平成28年度中には鶴岡八幡宮への土地返還をすることとあわせて、引き継いでいくという方向で調整させていただきます。この中で耐震化対策の方法ですとか、経費負担についても調整を進めさせていただきたいと考えております。

おざわ委員

 耐震補強工事が終わった後、引き渡すまでにはまだちょっと分からないということだと思います。

 最後にお聞きしますが、今回の代表質問でも御回答頂いたとおり、県指定の文化財に指定される可能性が高いということですが、今、県文化財の保護審議会で審議があるということで、これは実際に指定されるのは可能なのでしょうか。その見込みについて教えていただきたいと思います。

文化遺産課長

 指定の見込みですが、県教育委員会の気持ちというところでお答えさせていただきたいと思います。

 県の有形文化財の指定の考え方と照らし合わせますと、近代美術館鎌倉館本館棟は日本有数の建築家、坂倉準三氏が設計したこと、また日本初の公立近代美術館であること、それから竣工当時の姿がほぼ良好に維持されていることなどの点で、その基準に合致したものと考えております。こうしたことから、県教育委員会としては近代美術館鎌倉館本館棟の歴史的経緯を踏まえ、建造物の国指定事例がある文化庁に御意見、御指導をいただきながら進めていきたいと考えております。

おざわ委員

 できるだけ早く文化財として指定をしていただいて、そして鶴岡八幡宮にお渡しいただいて、また県民の皆様に有効に利用していただきたいと思います。

 最後に要望させていただきます。重要文化財をはじめとする貴重な展示品や収蔵品を後世に伝えていくことは、博物館の使命だと思います。適切な保管に必要となる施設の改修を計画的に進めていくことを要望するとともに、保管するだけでなく重要文化財や貴重な展示品を広く県民に知らしめるのも博物館の使命なので、出前講座などの事業を充実させてもらいたいと思っております。また、近代美術館鎌倉館の本館棟についてはしっかりと保存してほしいという県民の強い要望に対応できるように、県として積極的に指定に向けて取り組んでいただくとともに、今後引き続き、鶴岡八幡宮との協議を続けていただくよう要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

石川(裕)委員

 まず最初に、先日、バカロレアの答弁を受けましたので、そのことについて一つ要望を申し上げておきたいと思います。

 国際バカロレア認定に向けて費用が、2,000万円から7億円かかるということでありました。これから先生の教育に関して、まだそれ以上かかるかもしれませんが、もし、これだけの費用がかかるというのであれば、逆に私立でそれをやった方がいいのではないかという県民の意見が出てきてもおかしくはないと思います。その中でいけば、なぜ県立高校でこの国際バカロレアをやらなければいけないのかということを、しっかりと説明できるようにしていただきたいということを最初に要望申し上げたいと思います。

 続きまして、前回、ジカウイルスで急きょ質問させていただいたのですが、今日は急きょで大変申し訳ないのですが、うちの子供が教科書の購入票を机の上にぽんと置いてありまして、ちょっとこれであれと思うところがありましたので、質問させていただきたいと思います。

 まず今回、子供が持ってきた購入票を確認すると、教科書の費用が6,645円、副読本が10教科で1万1,240円、教科書より副読本の方が高い。総額が、共通科目の中でいけば1万7,000円、約1万8,000円ですが、プラス選択科目があるので、副読本を入れて大体2万円弱という費用になりますが、学校の教科書というのは高校で先生が選んで、それで教育委員会で認定をするという形だったと思いますが、副読本はどのようになっているのかということをまず教えていただきたいと思います。

高校教育課長

 まず副読本については、教科書と併用して用いる補助教材と捉えております。これは、学校や生徒の実態を踏まえて適切なものを有効に活用するということが大事です。そうしたことから、この副読本の選定については、各学校において生徒の実態等を踏まえて選定して、生徒の学習に適切に有効な教材を選定していると考えております。各学校では、使用の20日前までに教育委員会に届出をするということになっております。

石川(裕)委員

 学校の先生がある程度決めていいのが副読本と理解しましたが、今回、どこの高校とは言いませんが、たまたまこの高校では、教科書1冊に対して副読本が5冊という状況ですが、この副読本というのはたとえば何冊までとかという決まりはありますか。

高校教育課長

 先ほども答弁させていただきましたが、各学校で適宜、適切な判断をしてやっているものですので、特に上限等はこちらでは設けておりません。

石川(裕)委員

 教科書は確かに定価的には安いものですが、副読本を合わせると2万円近くなる。これはたとえばですが、分かればでいいですが、奨学金とかを受けている生徒もいると思います。そういう方たちに対して、これは全部補助という形になっているのでしょうか。

教育局財務課長

 補助ということよりも年収要件はあります。たとえば、おおむね250万円未満の所得の世帯の方であれば高校生等奨学給付金が支給されます。これは、授業料以外の教育費に充てていいという部分がありますので、そういったものを活用していただけるかと思います。

石川(裕)委員

 奨学金をもらっている生徒というのは、やはりこれを買うということ、要は配られるというものではなくて、この金額を払わないといけないということでよろしいですか。

教育局財務課長

 御自分で賄っていただくのが基本的な考え方です。

石川(裕)委員

 そうすると、奨学金は月幾らでしたか。

教育局財務課長

 今、御紹介申し上げました奨学給付金については年額ですが、たとえば公立の非課税世帯で第1種ですと5万9,500円、第2種ですと12万9,700円になります。生活保護世帯ですと、3万2,500円。生活保護世帯の場合は、生活保護費の中で手当がされていますので、金額としては低いものとなっております。

石川(裕)委員

 年額のうちの2万円を、まず4月に払わなければいけない。3分の1ぐらいになると思いますが、この辺はどうお考えなのか。たまたまこの高校は2万円だったかもしれないですが、副読本の範囲がなければ3万円になってしまうかもしれない。そういうことを含めるとどうですか。

高校教育課長

 先ほども御指摘いただいて答弁させていただきましたが、確かに上限はないので、学校ごとに金額はまちまちです。学校によっては、発展的な学習をするために副教材を少し多めに買っているという場合もありますし、そればかりではなくて学び直しのために、より基本的な問題集等も買っている場合もあります。届出の内容をつぶさに見たわけではありませんが、大体の傾向としては、進学者の多い学校については大学進学などの対応のために教材を多く用いる傾向があります。そうしたことで、各学校が適切な判断をしてやっております。この副教材を決める際には、もちろん保護者の経済的な負担についても考慮するということになっておりますので、そうしたことも考慮しながら各学校で判断しています。

石川(裕)委員

 もう一つ疑問に思っていますが、この副教材は平成28年度からいろんな教育課程研究校とか、授業力向上推進校とか、グローバル教育研究推進校など、複数校が様々な取組をされると思いますが、そういうときにこの推進校の中での副読本の選び方というのは、学校ごとに選ぶのか、それとも推進校だから3校なら3校、5校なら5校で一緒にこれをやっていこうという考え方をするのか、この辺をお伺いしたいと思います。

高校教育課長

 指定校については、テーマが同じであってもそれまでの各学校の取組や学校ごとの状況等も踏まえて、各学校のテーマに基づいてそれぞれの学校で取り組むこととなっておりますので、副教材についても各学校で選定するということになっております。

石川(裕)委員

 そういう推進校をしている中で、学校でそのようにばらばらというのが果たしていいのかどうか。それが一緒の方がいいと、それで研究するのも一つ、若しくはばらばらでやっぱりこの副読本の方がいいよねという考え方もあると思うので、これからの新しいそういう取組に関しては、学校ごとのそういう横のつながりといいますか、情報交換というのも是非していただきたいということを要望しておきたいと思います。

 続きまして、いじめ防止対策調査会の答申を受けて質問をさせていただきたいと思います。

 川崎で1年前にいじめによる痛ましい事件がありまして、そういう中でこのいじめのことに関して少し触れておきたいと思います。このいじめ調査会が平成26年7月に始まったということですが、この調査会の役割と委員はどうやって決めたのかということを改めて伺いたいと思います。

学校支援課長

 県いじめ防止対策調査会は、いじめ防止対策推進法第14条の規定に基づいて、平成26年4月に県教育委員会の附属機関として設置されました。調査会の役割は、いじめ防止等のための対策を実効的に行うよう、県教育委員会の諮問に応じて調査、審議し、その結果を報告または建議することです。

 委員の構成ですが、いじめ防止対策推進法第14条の規定により、諮問答申機関であると同時に、同法第28条に定められております調査組織でもあります。学識委員については国の基本方針で具体的な例示もありまして、弁護士、臨床心理士、精神科医、PTAの代表、大学教授の5名としました。また、要請委員については、現場の代表者、県立学校長会議から2名、県市町村教育長連合会から2名参加いただいており、そのように決定しました。

石川(裕)委員

 今、御説明いただいたメンバーの方は、確かにこの答申書の一番後ろに書いてありますが、学識経験者、行政機関の方ということですが、生徒の意見、生徒の要望、生徒の思いというのは、どなたかがこの場で話すような機会というのはあるのでしょうか。

学校支援課長

 この委員会では生徒が話す機会はありませんでしたが、生徒の意見を代表する者として県立高等学校のPTA連合会から代表が入っていただいております。

石川(裕)委員

 PTAの方が生徒の思いを代弁するということで、この調査会の中で生徒のそういう思いというのは、具体的にどのような内容のものがあったのでしょうか。

教育監

 今回、県が諮問させていただいた内容は御覧いただいてお分かりになると思いますが、そういった具体的な子供たちの視点からいじめの問題等についての思いですとかを、PTA協議会の方が保護者の立場として代弁されているという場面ならありました。

石川(裕)委員

 その保護者の立場で結構ですが、具体的にどのような御提案といいますか、御提言があったのでしょうか。

教育監

 御提言というよりは現状ということで、子供たちがどのようなことで悩んでいるとか、学校の今回のいじめ防止基本方針等が制定される中で先生方とのやりとりですとか、やはり子供たち自身が、自分たちが当事者になったときにどのように対応していったらいいかとか、直接的な意見はなかなか難しいですが、それを保護者の立場で代弁されていた状況です。

石川(裕)委員

 そういう中でこの答申に目を通させていただくと、いじめられる側のことは書いてありますが、いじめる側のことについてはほんの少ししか触れていない。実際に加害児童に対して、たとえばですが、大阪では出席停止していじめの個別指導教室みたいなところに指導に行かせるようなことがあると思いますが、この姿勢について大阪市の事例に関しては県としたらどのように思われているでしょうか。

学校支援課長

 もちろんいじめが起こった際には、いじめ被害者の保護が第一優先です。ただ、今回のこの委員会においては、まず答申の前半でいじめの定義が変わってきたことで、たとえばですが、いじめた側とされる者が好意で行った場合でも、いじめられたとする側が苦痛に感じていたとした場合には、これについてはいじめであると認識して対応しなければいけないと、まず前半で述べております。このようなことがありまして、大阪の件というよりも、いじめの問題については加害者側にあまり記述がないということでしたが、そのような認識で記述はされているものと思っております。

石川(裕)委員

 大阪の件についてはどう認識をされていますか。

学校支援課長

 被害者側を優先するという面では同様に認識しています。優先するというか、まず第一に保護すべきということでは、同様と認識しているものと思っております。

茅野委員

 大阪のその個別指導教室というのは、ある意味でその環境を変えてあげる、その言い方が正しいかどうかの確認ではないが、しゅん別をするという方法でその生徒を指導するという形の中で、被害生徒と加害生徒をそこで分けるという認識が個別指導教室にありますが、先ほど言われたことは若干違うと思います。そこで、大阪の形態は神奈川県においてそれを採用するしないはともかく、どのように考えているのか。もう一つは、そういうことも今後の方法としてあり得るのかという意味合いで、私は疑問ですが。

教育監

 本県ではいじめは絶対にあってはならないと、それが基本的な考え方です。いじめが起こった場合には、被害の生徒をまずは守るという姿勢で取り組ませていただいております。そういった観点からすれば、今、茅野委員が御指摘したように、個別に分けるという必要性も出てくると捉えています。ただ、丁寧に子供たちの状況をそれぞれ聞き取りながらの指導の段階で、そういった対応が必要であればとっていくという方法もあろうかと思います。

 ただ、冒頭でもお話しして繰り返しになりますが、まずはいじめられた子供たちの安全を守るという視点と、いじめは絶対にあってはならないというこの2点が基本姿勢になりますので、その基本姿勢に沿って指導が行われていると考えております。

茅野委員

 今、教育監の言っていることは分かりました。

 ある形態によっては、県としてもいろいろな形態をとっていると理解しました。ある意味で個々の事案によって違うから、こういう形での個別指導教室ということは捉えていないが、でも同じような形態のものもあると捉えましたので、そういう意味でこれもそう思いました。

石川(裕)委員

 そういう中で、今回、いじめ情報を故意に隠蔽した教職員を懲戒処分の対象にすると定められています。いじめの兆候に気づいた教職員に積極的な報告を求めるのは、これは当然だと思いますが、これで迅速な対応につなげる狙いが、この対応について県として教職員に懲戒処分の対象になるということを伝えることによって、これが迅速に教育委員会に報告がくるという認識で定められたということでしょうか。

学校支援課長

 今回の法の成立によりまして、県ではいじめ防止の基本方針を作成しております。その基本方針では、いじめが発生した場合には、あるいはいじめの疑いがある場合には、必ず学校から県教育委員会に報告がなされるものと定めております。今回のこの報告書においても、いじめについては法で定めるいじめの定義について変更になりましたことから、いじめが起こること自体を非難するものではありませんが、いじめを隠したり、あるいは対応を怠ったりすることは非難されることであると記述しております。

石川(裕)委員

 いじめ情報を故意に隠蔽した教職員を懲戒処分の対象にするというのは、これは事実あるということでよろしいですか。今の段階ではないのかあるのか。

学校支援課長

 今の段階でいじめを故意に隠蔽した場合に懲戒処分ということは、現時点ではないと認識しております。

石川(裕)委員

 では隠蔽した場合、こういう懲戒処分の対象にはならないということでいいですか。

行政部長

 懲戒処分に当たっては、職員の動機とか、行為の対応、結果への影響等があります。今、委員のお話にあったように、結局、処分を行うかどうかは個々の事案ですが、当然、懲戒処分となり得る場合もあり得るということです。

石川(裕)委員

 それぐらいやっぱり先生も大分変わってきて、隠蔽するという先生もいらっしゃらなくなっているとは思いますが、もしそういう先生がいたならば、教育委員会としても厳しい態勢で臨んでいくということがあっても私はいいと思いますので、その部分は是非お願いしたいと思います。

 最後は要望になりますが、いじめを受けた生徒も大事ですが、いじめを行った生徒に対しても家庭環境があったり、様々ないじめを行う背景もあると思います。前回の常任委員会で話しましたが、それこそ小中一貫校とかそういうところが生きてきて、それで先生も、生徒もある意味で連携をとって、先生は小学校から中学校まで見続けられる、こういう仕組みが大事だと思いますので、是非いじめに対しても毅然と取り組んでいただきたいのと、そういう意味で小中一貫校を生かしていただきたいと思います。

 いじめの問題に続きまして、不登校、いじめ、暴力行為の対応についてスクールソーシャルワーカー、それからスクールカウンセラーについて伺ってまいりたいと思います。

 今回、予算の中でスクールソーシャルワーカーの拡充があげられておりますが、まずスクールソーシャルワーカーがこの3年間でどれぐらい増員されているのかをお伺いしたいと思います。

子ども教育支援課長

 まず、義務教育を担当するスクールソーシャルワーカーのここ3年間の配置人数の推移ですが、平成26年度は12名配置しておりました。平成27年度は12名増員し、24名です。平成28年度は更に6名増員し、30名の配置を予定しています。なお、高等学校においては、平成27年度に0名であったものが新たに10名、来年度は10名増の20名という予定です。

石川(裕)委員

 そのスクールソーシャルワーカーが、スクールカウンセラーも含めて増員ということですが、スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士、精神保健福祉士、そして教員のOBがなられているということも伺っています。神奈川県では、教員OBのスクールソーシャルワーカーというのはどれぐらいの方がいらっしゃるのでしょうか。

子ども教育支援課長

 スクールソーシャルワーカーの教員の占める割合ですが、18名の実人数がありまして、そのうちの3名が、中学校の教員経験2名、私学の非常勤講師1名となっています。

石川(裕)委員

 7,000万円のスクールソーシャルワーカーへの予算がついていますが、この拠点校配置12人から18人というところになりますが、そもそもどこが拠点校になっているのですか。

子ども教育支援課長

 拠点校ですが、学校であったり、または市の教育研究所であったり、拠点を定めて活動していただいています。

石川(裕)委員

 その拠点校の具体名というのは高校なのか、挙げることは可能でしょうか。

学校支援課長

 県立学校においては、県内を10地区に分けて、各地区に1校拠点校を設けて配置しております。具体的には神奈川工業高校、横浜旭陵高校、磯子工業高校、川崎高校、三浦臨海高校、寒川高校、平塚商業高校、大井高校、厚木清南高校、神奈川総合高校です。

子ども教育支援課長

 小、中の部分ですが、たとえば三浦市ですと教育相談指導教室ですとか、また県央管内ですと睦合東中学校ですとか、そのような形で配置しています。

石川(裕)委員

 今、高校名を挙げていただきましたが、具体的になぜその高校が拠点校となったのかというのは教えていただけますでしょうか。

学校支援課長

 県内を10地区に分けておりまして、その地区で1名を配置することをまず基本としました。それから、その地区の中で地域バランスも考えながら、また相談のニーズが多い少ないも想定しながら選んでおります。

石川(裕)委員

 そういう中で、今回、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーも増員という形になると思いますが、それを増員することによって実際にいじめ、若しくは不登校に関して数が当然減っていくというようにその効果を期待するところですが、そういう中でこのスクールカウンセラー配置活用事業費の中に、スーパーバイザーを教育局に配置し、スクールカウンセラーへの専門的な助言や緊急時の対応を図るとともに、スクールカウンセラーのアドバイザーを5人配置し、経験の浅いカウンセラー等へ指導、助言を行うとあります。ここに3億1,500万円の予算がついていますが、ここのスーパーバイザーというのは具体的にはどのようなことをする方ですか。

学校支援課長

 スーパーバイザーは、スクールカウンセラーの中でもより経験の多い者を充てておりまして、スクールカウンセラーに対して指導、助言をする立場のスクールカウンセラーです。

石川(裕)委員

 スーパーバイザーは何人ぐらい配置する予定ですか。

学校支援課長

 スーパーバイザーは教育委員会に1人配置しております。

子ども教育支援課長

 スクールカウンセラーのアドバイザーについては、今後、義務の方に5名配置ということで考えています。

石川(裕)委員

 スーパーバイザーが1人ということですが、その方はスクールカウンセラーへ専門的な助言や緊急時の対応を図るとともにと書いてありますが、その1人の方で緊急時の対応とかということになっていますが、どれぐらい対応できるものでしょうか。1人の方で本当に大丈夫なのか。

学校支援課長

 緊急時の対応については、スーパーバイザーは外部に県スクールカウンセラー協会がありまして、そこにお願いしてスーパーバイズしてもらうことがあります。教育委員会に配置していただいている1人については、日頃から指導主事と一緒に各学校を訪問して、2年未満のスクールカウンセラーに指導、助言を行う役割を果たしております。

石川(裕)委員

 そうすると、その2年未満のスクールカウンセラーという方がどれぐらいいらっしゃって、そのスーパーバイザーお一人で年間にどれぐらいの方とお会いできて、そうやって指導ができるのでしょうか。

学校支援課長

 県立学校においては、1年あるいは2年未満のスクールカウンセラーは、今年度ですと8人、昨年度ですと9人、そして平成25年度ですと6人でした。

石川(裕)委員

 それで、スーパーバイザーの方は年に何回ぐらいアドバイスするのですか。

学校支援課長

 スクールカウンセラーのスーパーバイザーは、教育委員会に配置していただいておりますので、いろいろなアドバイスはしますが、直接行って指導するのは年間に今言いました経験の浅いスクールカウンセラーの指導を入れて、大体で申し訳ありませんが、15回程度かと思われます。

石川(裕)委員

 この教育委員会資料の7ページの一番下に書いてある専門的な助言というのは、電話で行うということですか。

教育監

 先ほど課長が答弁した部分では、スーパーバイザーは学校を訪問してというやり方もあります。それから、スクールカウンセラーの方々が一堂に集まって研修する場面もあります。必ずしも訪問だけではなくて、集合した研修の中でグループワークをしながら、その状況を見てスーパーバイザーがアドバイスをするというケースもあります。ですから、個別の対応と集団の場合ということで、それぞれの人数に合わせて対応しているということが一つあります。

 それから、緊急の事案が起きた場合には、緊急支援チームを派遣する中で県に配置しているスーパーバイザーがそこに行って、具体的に各学校で対応しているスクールカウンセラーに対してそういった場合のノウハウを直接指導するということで、ケース・バイ・ケースに合わせて、そのスクールカウンセラーの力に合わせたアドバイスをしているというのが現状です。

石川(裕)委員

 このスクールカウンセラー配置活用事業費が3億1,500万円ついておりますが、スクールカウンセラーは今、何人ぐらいいらっしゃるのか。

子ども教育支援課長

 スクールカウンセラーですが、義務教育部分でいきますと総数144名です。

学校支援課長

 県立学校においては60校に配置しております。

石川(裕)委員

 60校に配置しているということは、60人いるということでよろしいですか。

学校支援課長

 60校に配置しておりますが、兼務している先生もいらっしゃいますので、数で言いますと54人になります。

石川(裕)委員

 そうすると、スクールカウンセラーの人件費というのは、3億1,500万円の中のどれぐらいでしょうか。

子ども教育支援課長

 義務の部分ですが、報酬として様々入れておよそ2億4,000万円です。

学校支援課長

 県立学校の54人については、報酬、教材費、旅費で約7,100万円です。

石川(裕)委員

 この3億1,500万円は、全てほぼ人件費という理解でよろしいでしょうか。

子ども教育支援課長

 そのとおりです。

石川(裕)委員

 県立高校の方でいきますと、高校が今全部で143校のうち60校という中でいくと、このスクールカウンセラーの方が配置されていない83校の学校はどのようになっているのか。

学校支援課長

 それぞれのスクールカウンセラーが1校から3校を担当します。それで全ての県立高校に対応しております。

石川(裕)委員

 その54人の方が順番に学校を回って、たとえば月水金、火木土みたいな形で回られているというイメージでよろしいですか。

学校支援課長

 基本的には拠点校に配置しておりまして、拠点校に各対象校から連絡が入りまして、そこで日程を調整して巡回するようになっております。

石川(裕)委員

 学校を回るわけではなくて、そこにまず行って、何か連絡があったらA高校からB高校に行くというイメージと理解しましたが、ではそのA高校には毎日いるというイメージでよろしいですか。

学校支援課長

 スクールカウンセラーは週1回の勤務となっております。

石川(裕)委員

 週1回で、なおかつ2、3校担当されているという中でいくと、本当に学校のいじめとか不登校とか、そういうところに入り込んでいけるのかという不安があります。そういう中でいけば、スクールソーシャルワーカーやカウンセラーの予算が増えて、人数が増えることはいいことだと思いますが、その結果、ちゃんといじめとかそういう問題が目に見えて減っていくというか、そういう方向の結果にきちんとつながるような形で是非指導していただきたい、それとともに配置していただきたいと思います。

 続きまして、県立高校のインクルーシブ教育について伺わせていただきたいと思います。他会派から質問がありましたが、私は生徒の方の立場から質問させていただきたいと思います。

 パイロット校として3校指定されておりますが、実際にたとえば厚木の高校でいくと、定員は何人と考えられていらっしゃいますか。

インクルーシブ教育推進課長

 3校とも同様ですが、1学年当たり21名です。

石川(裕)委員

 厚木の中学校というのは何校ありますか。

インクルーシブ教育推進課長

 厚木市立の中学校で13校あります。

石川(裕)委員

 たとえばという話で厚木を挙げさせてもらいますが、中学校が13校ある中で本当にこの定数が21というのは足りるというか、この21という数字はどのように捉えたらいいのでしょうか。

インクルーシブ教育推進課長

 基本的に、県立高校にこれまで受け入れを主としてやっている状態ではない、知的障害のあるお子さんたちを受け入れてまいりますので、その中でより良く、障害のある子もない子も関われるようにということから、この21名、1クラス当たりは3名程度いることが妥当であろうと考えました。

石川(裕)委員

 そういう中で、中学校から21名以上の応募があった場合は、たとえば21名ではなくて25名にするというのか、それとも21名という定員の中でどう選んでいくのでしょうか。

インクルーシブ教育推進課長

 定員はやはり21名と定めておりますので、そこについて生徒の応募の状況で数字の移動があるということは想定しておりません。ただ何分、障害のあるお子さんたちを受け入れていきますので、とにかく御希望ならば受けてくださいという形にして、すぐに志願していただくのではなくて、本当にパイロット校で学んでいただくことがそれぞれのお子さんにとってふさわしいことなのかどうなのか、そこのところを前もって志願に先立つところで、中学校などでの進路相談を充実させながらきちんと選んでいただくような仕組みをつくっていくところです。

 そのため、大事に思っていますのはそのパイロット校のことも含めて、あるいは特別支援学校のことなどもあわせながら、本当により良い形、本当に御自身にふさわしい進路先を決めていただくように、そこを重視しながら取り組んでまいります。

石川(裕)委員

 思いは非常に理解しますが、そうは言っても親として、たとえば厚木の新しいそういうところに入れたいという希望があったとして、障害を持った生徒もそういう思いがあったとしますといったときに、中学校のときからいろいろ相談を受けながら本当に合っているかどうかを聞いていくということですが、それでもやっぱり行きたいという人が人数を超えた場合、どうやって選抜していくことを考えられていらっしゃるのか。

インクルーシブ教育推進課長

 選抜そのものについては、これまでも答弁をさせていただいているとおり、調査書ですとか学力検査にはよらずに面接などによる形で実施してまいります。その時期については、通常の公立高等学校の選抜の日程とあわせて行ってまいりますが、とにかく先ほども申し上げましたが、より大事なのはそこのところで本当に適切に御自身お一人お一人が、その学校で学んでいくのがふさわしいのかどうかを十分に御判断いただいた上で、その状況を迎えていく必要がありますので、その前のより早いところの志願相談の充実を通じて、基本的にはそれぞれのお子さんが適した進路先に進学できるように努めてまいるつもりです。

石川(裕)委員

 たまたま今回は厚木の例を挙げさせてもらいましたが、厚木ではなくてほかの地域でも実際に中学校が13校ある中で、そういう生徒さんも数多くいらっしゃる地域もあるかもしれません。そういう中でいくと、やっぱりきちんと受け入れられる定員というのは決まっているとは思います。選抜という言葉がいいのか分かりませんが、中学のときから情報交換をしっかりとして、なおかつ高校の中には障害のない生徒たちもいらっしゃる中で、きちんと障害のある生徒と障害のない生徒が共有できるといいますか、そういう方向になるようにこのインクルーシブ教育を是非進めていただきたいと思います。

 続きまして、条例の議案について一つ質問をさせていただきたいと思います。

 分限条例というのが今回上がってきており、改正する必要があるとのことですが、その理由についてまず御確認をさせていただきたいと思います。

教職員人事課長

 平成26年5月14日に、地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律が公布され、平成28年4月1日から施行されることになっています。この改正法の中で、これまで同じ給料表で、級も職名も変わるケース、たとえば5級の校長が4級の教頭になる、あるいはもう一つ、同じ給料表の中で職名は変わらずに級だけが変わる、たとえば出先機関の7級の課長が6級の課長になるといったことについて、それぞれ前者を降任、後者を降格という形で厳密に細かく整理し、法律上はそれらをあわせて降任としておりました。分限条例も同様の扱いをしておりましたが、今回の改正で降任の定義が同じ給料表の中で、級も職名も変わる場合のみに明確化されました。それに従いまして、これまで降任の中に含めていました降格についても、降任に含まれないということになりましたので、現行の分限条例についてもそれにあわせて改正をするということです。

石川(裕)委員

 そういう中で今回改正を行うということですが、これまで降任、降格という分限処分の状況というのはどれぐらいあったのかということと、それに対してどのように考えているのかを伺っておきたいと思います。

教職員人事課長

 前にさかのぼりますが、平成5年度以降の状況を見ますと、降格を含む分限処分を受けた教職員については1件該当があります。また、分限処分が少ないことに関しては全国的にも同様の状況ですが、平成16年1月に希望降任制度がつくられまして、それに基づいて自ら降任するケース、あるいは自己都合で職を落としていくケースが、たとえば心身の故障等で職務遂行に過大な支障がある等については傾向として少なからず見られますので、そういった中で分限法の執行を行っています。

石川(裕)委員

 最後に、今回のこの改正によって実際に現場で働いている教職員の方に関しては、どのような影響があるのかお伺いしてよろしいでしょうか。

教職員人事課長

 先ほどの件と重なりますが、今回の法改正に基づいてそれぞれこれまで扱われていた降任、降格が明確に定義されたことによりまして、条例を改正するものです。そのため、もともとの処分の種類が増えた形ではありません。併せて分限処分を行う際の注意及び手続についても、既に定められているものについて、今回、厳密に分けられた中で対応する形での条例改正になっています。したがいまして、教職員の身分に関して、何か新たに今回の改正によって影響が生じるということはないと考えております。

石川(裕)委員

 最後に要望を申し上げますが、教職員の方の中で能力、実績に基づく人事管理が行われるべきであると考えますが、一方で教職員の身分に関わることから客観性のある、透明性の高い運用が行われるということをお願いしまして、私の質問を終わります。

茅野委員

 時間も少しありますので、私から数点、質問させていただきたいと思います。

 先ほど、歴史博物館の休館について質疑がありましたが、私もその点について何点かお伺いしたいと思います。

 先ほどお伺いしていましたら、やはり20年を経過して老朽化があったから今回の空調の改修をするということで、なおかつ屋上に設置しているから全館を一括してできないということですが、これはもともとの機材があって、それを同じように改修するから今回は全館という形になる。その辺で、もし、今の技術からいえば、先ほども機能は変えたらいいのではないですかと、全館ではなくてできるのではないかというお話もありましたが、この検討というのはされたのか、そこをまずお聞きしたいと思います。

生涯学習課長

 分割して使用する、ないしは開館するのはどうかという検討ですが、そちらについては今回、全館の休館ということで結論を出しておりますが、それについて検討した経緯があります。先ほど申し上げましたが、屋上にブロックごとに設置された空調設備というものが、屋上から下の階に向かって冷媒管を通して循環させるという仕組みです。それを各階に行き渡らせるというつくりになっていますので、それを工事するとなるとそのもの自体を取り替えるということで今回の工事が予定されております。

茅野委員

 今、そういう形での変化というか、将来的にもずっとこのような形で、資料を見ると約2年、1年2箇月は機材の搬入・搬出、セットも含めてでしょうが、2年間というかなり長い期間で休館するということで、せっかく訪ねてきた人が今回は休館で見れないのかと。私も一昨年に京都に行ったときに、京都の博物館でちょうど休館していて工事中でした。それは確認しなかったのが悪いのですが、そういうこともありました。

 そういったことで、そうするとこれは報告資料の中でいうと、この2月中に休館の館内掲示をして、3月下旬にチラシを配付する、これは来館者への周知という形で書いてありますが、チラシの配付はどこで、誰にするのか。

生涯学習課長

 そのチラシについては、現在のところ来館者に対して配付するという形です。

茅野委員

 通常、来た人がそんな毎回来るとは限らないので、本来、チラシは公共施設に置くなり何なりした方が効果的だと思います。さらに学校関係者への周知が、2月中旬に休館予定を県立学校や市町村立学校に案内を送付して、なおかつ4月以降、出前講座とお知らせとあわせて休館について周知するとあります。

 しかし、学校行事というのは最初にスタートする4月の時点では年間行事を決めているはずです。この時点で休館では、今までの学校行事の中でこの歴史博物館に小中学生のコースとして大概あるのだろうと思いますが、これについての配慮というのはなかったのでしょうか。

生涯学習課長

 委員御指摘のとおり、かなり早い段階で計画は策定されると認識しています。学校への通知については、2月の早い段階で予算の提案中であり、審議結果によっては工事がないということもありますが、そういう予定でやらせていただくことになっているということで、2月の早い段階で周知をさせていただいております。

茅野委員

 学校行事の年間行事だとかなり前からやるのだろうと思いますが、本来だともうちょっと早い方がいいのかなという気がしますが、その辺は今の段階でもう進んでいますのでね。

 あと、収蔵しているものもそうですが、たとえば今回2年間というのも、先ほども何か出前講座その他もいろいろと回数を増やす、県博講座も増やすと。では、過去にこの県博講座というのは年間どのくらいの回数をしていたのか。さらに閉館したときにはどのくらいしようと思っているのか、その辺について教えてください。

生涯学習課長

 県博講座の開催回数ですが、平成27年度は8回実施するとなっています。平成28年度については96回開催するという計画です。

茅野委員

 96回、約10倍強ということで、そうすると学校その他、いろいろなところにということですね。その辺についてどういうところでやるのか。

生涯学習課長

 県博講座については、今後、事務室とともに会場を借り上げますが、そこを中心に県博講座を開催させていただく予定です。

茅野委員

 その会場というのはどこでしょうか。

生涯学習課長

 現在、場所については調整中です。

茅野委員

 まだ決まっていないということですね。ただ、今はもう3月で、6月には休館をするということは、事務所が決まっていないのは仕方ないですが、そこはもうスピード感を持ってやらないといけないのかなと思います。

 先ほど、職員の学芸員の活動ということで収蔵品修理、その他研究と言っていたが、それも同じようにその事務室を借りたところでということですか。それともまた別に修理なのか。今までは、恐らく博物館の中で収蔵品の修理の業務をやっておられたと思いますが、それが今度はどこで借りるかということも非常に重要になるのではないのかなと思います。収蔵品の修理、その他をもしその場所でやるということも考慮して借りようとしていますか。

生涯学習課長

 収蔵品、展示品の修理については今後、たとえば金沢文庫ですとか、横浜市の博物館ですとか、そういったところに管理をお願いすることになっています。そういったところに出向いて、修理するというところです。借上事務所に関しては、管理的な機能、それから今後に県博講座を開催する会場などを含めて借上げする予定です。

茅野委員

 収蔵品、その他をせっかく外に出すのであれば、本来であればそういう展示品、収蔵品を移動博物館ではないが、そういうもので活用するということもいいのではないかと思いますが、そういう考え方はないのでしょうか。

生涯学習課長

 県立博物館の収蔵品については、貸し出した先で活用していただくような形で依頼しています。その貸し出した先の中で、たとえば美術品もありますし、これまでのいろいろな土器ですとか、そういった収蔵品について各博物館等で活用を検討していただくように、今、依頼中です。

茅野委員

 それは非常にいいことだと思いますので、それはそれで進めておいていただきたいと思います。通常ですと歴史博物館は、社会教育施設として小中学生、そういう子供たちの課外授業等々で恐らく使われていると思いますが、この2年間は先生と児童及び生徒はここを見られないことについて、何か代替処置をしようという考えはあるのでしょうか。

生涯学習課長

 6月以降は児童及び生徒の受入れができなくなりますので、校外授業の代替授業として学習支援をやらせていただきたいと思います。その一つとして、学芸員が直接学校に出てくる出前講座を計画しています。それから、学校からの他の博物館の紹介、依頼、相談といったものが想定されます。それについては、その辺に応じて近隣の博物館や他の施設などを紹介させていただくということを、今後、休館のお知らせと併せて通知をさせていただきまして、丁寧に対応していきたいと考えております。

 さらに県立金沢文庫ですとか、横浜市歴史博物館について保管を依頼しておりますが、県立歴史博物館の展示品、所蔵品について、その施設で展示活用されるようにお願いして、スケジュールが分かり次第、各学校等に周知してまいりたいと考えております。

茅野委員

 こういう修理のための長期休館というのは、今日たまたまこういう感じでみてみましたが、国内、国外では、こういうのは当たり前の状況ですか。分かる範囲内でこれについて教えてください。

生涯学習課長

 国内の事例ということですが、群馬県立歴史博物館、こちらは全面リニューアルという工事ですが、平成26年9月から平成28年7月までの2年7箇月、全面休館という状況です。さらに規模が歴史博物館の半分程度の例ですが、愛知県の岡崎市美術館が空調設備改修工事のため、平成27年4月から平成28年3月までの1年間、全面休館している状況です。

 海外の事例ですが、オランダのマウリッツハイス美術館では、拡張工事のため平成24年4月から平成26年6月までの2年2箇月の間、休館という状況です。また、カナダ科学技術博物館ですが、こちらについては全面リニューアルのため、平成26年9月から平成29年夏頃まで約3年間、休館という状況です。

茅野委員

 事例をみると、2年というのはそれなりの期間と判断をせざるを得ない部分がありますが、やはりできるだけ県民または児童及び生徒に影響が少なくなるように配慮していただきたいことをお願いして、私の質問を終わります。



8 次回開催日(3月17日)の通告



9 閉  会