議事ロックス -地方議会議事録検索-


神奈川県 神奈川県

平成28年  産業労働常任委員会 06月14日−01号




平成28年  産業労働常任委員会 − 06月14日−01号







平成28年  産業労働常任委員会





◎《委員会記録-平成28年第2回定-20160614-000002-産業労働常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(山本・佐々木(ゆ)の両委員)の決定



3 報告事項(産業労働局長)

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」

「「さがみロボット産業特区」の取組について」

「地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所中期目標(骨格)について」

「「セレクト神奈川100」の取組について」

「かながわスマートエネルギー計画の取組について」

「神奈川県中小企業・小規模企業活性化推進計画の実施状況について」

「中小企業制度融資の取組について」

「神奈川県観光振興計画の取組について」

「外国人家事支援人材の活用について」

「労働相談の取組について」

「若年者、中高年齢者、女性及び障害者の就業支援の取組について」

「「ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター」について」

「神奈川県職業能力開発計画の取組について」

「「ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会推進かながわアクションプログラム(仮称)」の素案の概要について」



4 経営状況説明(産業労働局長)

  「(公財)神奈川産業振興センター」



5 所管事項について質疑



川崎委員

 まず、(地独)神奈川県立産業技術総合研究所中期目標骨格について質問させていただきたいと思います。

 神奈川県立産業技術総合研究所については第1回の定例会において定款を議決し、様々な議論をされた中、我が会派から中小企業の発展に資する取組を強く要望させていただき、意見発表を行ったところであります。そういった中、(地独)神奈川県立産業技術総合研究所中期目標骨格が報告されました。この中期目標について、中小企業の支援の視点から何点か質問させていただきたいと思います。

 はじめに、神奈川県産業技術センターとKASTの統合・独法化に向けた背景や経緯を改めて確認させてください。

独立行政法人化担当課長

 神奈川県産業技術センターとKASTの統合・独法化の背景として、経済のグローバル化が進む中で、本県の製造業が、技術力を高めている海外企業との厳しい競争にさらされているという状況があります。こうした中、県内唯一の総合的な工業系技術支援機関である神奈川県産業技術センターの在り方を改めて検討することとし、平成25年に有識者会議を設置し検討をお願いしたところです。そして、この有識者会議における検討結果も踏まえて、基礎研究から事業化までの一貫した支援、技術面を中心とした企業支援ネットワークの中心的機関という機能を担っていくため、神奈川県産業技術センターとKASTを統合、地方独立行政法人化するという方針を定め、準備を進めているところです。この方針は、平成23年の(財)神奈川科学技術アカデミー、KASTの将来方向に係る調査検討会から頂いた提言にも一致しています。

川崎委員

 県内の製造業を取り巻く環境が大変厳しくなっていく中で、研究開発、事業化、商品化まで総合的な支援のサービスの提供が必要になってくると思いますが、神奈川県立産業技術総合研究所における中小企業支援に関する基本的な姿勢や考え方をお尋ねいたします。

独立行政法人化担当課長

 今回の統合・独法化に当たっては、神奈川県産業技術センターとKASTが実施してきた業務を、新たな神奈川県立産業技術総合研究所、産技総研が引き継いで実施していきます。そのため、これまで神奈川県産業技術センターが担ってまいりました中小企業等を中心とする県内企業に対する技術支援は、産技総研においても引き続き取り組んでいくものです。その上で、KASTが有する大学等とのネットワークや研究開発の成果の活用等により、技術支援の機能を強化していくことを進めてまいりたいと考えております。こうした考え方を明確に示すため、設立団体である県が独立行政法人である産技総研に指示する中期目標においても、資料17ページ1番(3)新法人の役割の冒頭で、中小企業を中心とした県内企業への支援を着実に行うということを掲げたところです。

川崎委員

 基本的な姿勢や考え方を確認させていただきましたが、それでは、具体的な中期目標の内容についてお伺いしたいと思います。報告資料17ページ3番、住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項に、産技総研において取り組む事業が掲げられておりますが、この中で基礎研究から事業化までの一貫した支援に関する事業というのはどれに当たるのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 基礎研究から事業化までの一貫した支援については、例えば資料17ページ3番(1)の中の二つ目にお示しした、中小企業等の開発ニーズを短期間で事業化するための研究になります。

川崎委員

 中小企業等の開発ニーズを短期間で事業化するための研究は、具体的に開発ニーズをどのような形で集約あるいは吸い上げ、リサーチされるのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 神奈川県産業技術センターにおいては、これまでも中小企業等から多くの技術相談などを受けており、中小企業等とのつながりは深いものがあります。そうした中で、中小企業のニーズを把握し、こうした中小企業等の製品開発ニーズに対応する大学等の技術を探し出し、例えば中小企業等と共同研究を行っていくことなど、橋渡しの部分の研究を強化していくことを考えております。

川崎委員

 次に、資料18ページに、デジタル技術を活用した試作支援という記載がありますが、評価委員の主な意見の中に、中小企業に対するデジタル化の支援が必要であると指摘されております。この具体的な内容はどういったものなのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 産技総研においては、中小企業等が単独で取り組むことがなかなか難しい、新たなデジタル技術の導入や、また生産機器などをインターネットに接続し自動制御などを行うIoT化の推進について支援することを考えております。最近の動きでは、国の地方創生加速化交付金を活用し今年3月より中小企業IoT化推進事業として、中小企業へのIoT普及のためのフォーラムの開催、あるいはデジタル技術を活用した試作のための開発環境としてのIoTラボの整備などに着手しております。産技総研においては、こうした先行した取組を拡充し、3D技術を活用した試作支援として、設計、デザインから試作、評価など、製品開発のプロセスの各段階をICTあるいは3Dプリンターなどを活用して支援する体制を展開していくことを考えているところです。

川崎委員

 今、IoTという単語が出てきましたが、私も最近IoTという言葉をよく聞くようになりました。身の回りにあるあらゆるものをネットに接続し情報をやり取りするということだと思いますが、具体的にIoTを拡充することで私たちの生活あるいは仕事にどういった変化が生まれてくるのか教えてください。

独立行政法人化担当課長

 IoTの推進ですが、神奈川県産業技術センターでは主に製造業を対象とした支援を行っているところです。例えば生産機器にセンサーあるいは通信機能を組み込み、稼働状況や故障箇所の発見、あるいは部品交換といったことがリアルタイムに把握できるシステムがあります。こうしたことで製造業の生産効率が高まっていき、産業界に貢献し我々の生活にも結び付いていくと考えております。

川崎委員

 IoTを取り入れることによって生産効率が格段に上がっていくということで、拡充していくことは分かりました。一方、神奈川県産業技術センターが取り組んできた中小企業支援については、中期目標に位置付けられているのかどうか教えてください。

独立行政法人化担当課長

 神奈川県産業技術センターでは、これまで中小企業等を中心とする県内企業に対する技術支援を担ってきたところです。具体的には、技術相談あるいは企業からの依頼試験、受託研究、人材育成などの支援に取り組んでまいりました。これらの事業については産技総研においても引き続き担っていくものと考えており、今回の中期目標骨格の中でも産技総研が取り組んでいく事業をお示ししました。例えば、資料18ページ、住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、県内企業が直面する技術的課題を解決する技術支援の中で、中小企業等の技術課題に対して最適な解決方法を提案する技術相談、品質管理やトラブル解決などを支援する試験計測、中小企業等の新技術の開発や技術的課題の解決を支援する受託研究、また、県内企業の技術力の底上げを図る人材育成として、中小企業等の研究開発人材の育成などを位置付け、引き続き取り組んでまいるところです。

川崎委員

 中期目標について、中小企業支援の視点から様々なことを伺ってきましたが、こうした取組が確実に行われるかどうかを検証することが大事になってくると思います。やはり数値目標といった設定が必要であると思いますが、数値目標を掲げるのかどうか教えてください。

独立行政法人化担当課長

 地方独立行政法人の制度では、独立行政法人の自主性、自立性が発揮されることを期待するという考えの下で、地方独立行政法人が策定する中期計画の指針となる中期目標を設立団体の長である知事が示します。これを受けて、地方独立行政法人が中期目標を達成するための具体的な計画である中期計画を定める仕組みになっております。こうした仕組みの中で、数値目標等、具体的な達成目標について、中期計画の中に盛り込んでいくものと考えております。地方独立行政法人設立に際しては、地方独立行政法人がまだ存在していない状態であり、設立団体の方で中期目標と併せて中期計画を検討する手法をとることとなるため、今後、県議会における御議論、また評価委員会における御議論、そして関係団体や企業の方からの御意見も踏まえ、具体的な内容を詰めていきたいと考えております。

川崎委員

 中期計画はいつ頃出されるのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 今回、中期目標の骨格をお示しさせていただきました。今後、素案、案と進めてまいります。中期目標を受けての中期計画になりますので、次回が中期計画の骨格、その次が中期計画の素案そして中期計画ということで、一段遅れるような形で進んでいくことになると思います。

川崎委員

 一段遅れてというのはスケジュール的に大体いつ頃か分かりますでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 次回お示しする際には、中期計画については骨組みという形になると思います。その次の段階の時期には、ある程度、数値目標等をお示しすることになると思います。

川崎委員

 神奈川県立産業技術総合研究所がこれまで以上に中小企業の支援といったものをしっかりと行い、ネットワーク、外部の支援機関などとも連携されて、経営面を含めた企業のあらゆる課題に対応され、今後より一層頼られる機関になっていただきたいと思います。県内製造業にとってのベストパートナーと呼ばれるような存在を目指していただくことを要望します。

 続いて、商店街における未病を治す取組に対する支援についてお尋ねしたいと思います。

 商店街関係の新規事業として御説明していただいた、商店街における未病を治す取組の支援事業ですが、未病と商店街にどういった関連性があるのか、イメージがしづらかったものですので、まずどういった事業なのか、また、なぜ商店街で未病という取組なのか、教えてください。

商業流通課長

 この事業は、商店街において空き店舗を活用し、コミュニティーカフェ等のにぎわいの拠点をつくり、未病を改善する取組を行うのに必要な経費を補助するというものです。具体的には空き店舗の改装費、家賃、あるいは健康状態をチェックするための測定機器等の導入費などの経費について、2分の1以内の補助を行うというものです。なぜ商店街で未病の取組かというところですが、まず商店街の問題として、現在、空き店舗の問題があります。県域の商店街の団体である(公社)商連かながわの調査によると、6割近くの商店街に空き店舗があります。これを何とかしたいという思いがありました。一方で、県内、急速に高齢化が進み、自らの、あるいは家族の健康に対する関心が高まっております。そのため、県全体で未病を改善する取組を推進しております。そこで、商店街の空き店舗を活用し未病の取組を進めれば、空き店舗対策になるとともに多くの人に商店街に足を運んでもらえるのではないか、その結果としてにぎわいづくりに資するのではないかと考えたところです。

川崎委員

 未病という言葉については、まだなかなか浸透していないのかなと私は個人的に思っているわけです。先だって、テレビのCMで未病といった言葉が出て、少し感動しましたが、申し込む人たちもなかなかピンときていないのかなと思っているわけです。とはいえ、私も商店街で育ってきた人間でありますので、当時と今の商店街の現状を比べると、やや寂しい思いが込み上げてきます。そういった商店街の活性化の一手になればという期待を込めているところであります。新年度に入って2箇月がたったわけですが、事業の進捗状況をお伺いいたします。

商業流通課長

 予算を議決していただいた後、4月15日に募集を開始しました。そして、5月13日に応募を締め切ったところです。その後、学識経験者の方からなる選考委員会で審査を行い、委員会の評価を踏まえ、今月下旬には採択する事業を決定したいと考えております。

川崎委員

 5月中旬に応募を締め切ったということですが、どのくらいの応募があったのでしょうか。

商業流通課長

 5月13日に応募を締め切った時点では、7件の応募がありました。ただ、その後、1件の取下げがあり、最終的に6件の応募となっております。なお、予算の説明の際には、4件の採択を想定しているという説明をさせていただいております。

川崎委員

 今、4件を想定していると伺いましたが、補助対象事業を4件に絞り込むというよう理解でよろしいのでしょうか。

商業流通課長

 空き店舗の状態により、改装にどれくらいの費用がかかるかというのは大きく異なると考えており、予算を積算する際にはおおむね1件250万円ぐらいの補助を想定し、250万円掛ける4件で1,000万円という予算を想定したところです。ただ、実際に今回応募していただいた内容を見ますと、やはり改装の規模によって補助希望額が大きく異なっておりましたので、県としては、事業内容が今回の補助要件に合致しているのであれば、4件にこだわることなく予算の範囲内で採択をしていきたいと考えております。

川崎委員

 予算の範囲内でということで、今、6件申請が来ていると伺いました。具体的にどういった事業なのか、教えてください。

商業流通課長

 二つの例を紹介させていただきたいと思います。

 一つ目は、地域で開催される夏祭りなどのイベントと連動して、体組成計等を用いて体の状態をチェックする、そして数箇月後、どのような効果があったのか効果測定を行う、あるいは子供の食育教室やストレス解消法の教室などを商店街の空き店舗を活用して行うというものです。

 二つ目は、高齢者の外出を促すため、高齢者の方が空き店舗を活用した拠点に来れば商店街のポイントを付与する、あるいは乳幼児の母親のコミュニケーションの場として空き店舗を活用し、メンタルケアの講習会を行うといったものです。

 このような事業により商店街への集客を促進し、にぎわいを創出していくことにつなげていく事業です。

川崎委員

 募集要項を拝見させていただいたのですが、対象事業の項目を見ると、未病を治す取組の実践や発信の場として空き店舗を活用したにぎわい拠点づくりのための事業とあります。健康づくり、コミュニティーカフェみたいなものだと思いますが、地域の方々の健康づくり、生活習慣病や介護予防につながるようなものであれば、非常に範囲が広いと思います。例えば、スポーツジムやヨガ教室など、もっと言えば、スポーツ用品店をそういったカフェにしてしまう、そういったことでもよいのでしょうか。

商業流通課長

 コミュニティーカフェはあくまで例示であり、どのような取組を行うかということが事業の採択のポイントになってくると考えております。今例示のありましたスポーツジムであるとかヨガ教室、あるいはスポーツ用品店の片隅で実施するといったものが、どの程度未病に関する取組を行っていただいているのかというところを審査会等において勘案し、具体的にどのような事業を行っていただけるかというところに着目して審査を行っていきたいと考えております。

川崎委員

 外部の審査委員の方が入って厳しく審査すると思いますが、ただでさえ商店街の売上げが伸びず、ばたばたしている状態である中で、未病というテーマで人を引き付けてにぎわいを創出するという試みは困難ではないかなとも思います。税金を投入する以上、1年ももたないということでは話にならないので、是非審査の段階でしっかりと厳しく審査していただいて、あるいはサポート体制といったものを万全にしていただいて、申請されて採択された事業ができることにより、商店街が活性化する仕組みづくりに配慮していただきたいと思います。

 また、もう1点気になったのが、先ほど例示があった未病コミュニティーカフェができ、非常に盛り上がって人がどんどん入り、近くにあった喫茶店が逆に人が入らず潰れてしまうなど、極論にはなりますが、そういった市場調査を行い、できるのであれば、その商店街にないピースをはめ込んであげた方がよいのかなと思っています。そういった調査は行われたりするのですか。

商業流通課長

 実際にそういった調査を我々の方では行っておりませんが、当然、この事業は商店街の方と連携して行う事業です。商店街との連携が一番重要ですので、計画の段階でそういったことも勘案しながら事業計画が練られていると考えております。

川崎委員

 未病については、未病センターや未病サポーターなど、保健福祉局がいろいろと取組をしていますが、採択した事業についてどのように連携していくつもりなのか、教えてください。

商業流通課長

 今回採択された場合には、今後取り組む未病に関する事業を、県の未病を治すかながわ宣言協力活動として登録していただくことを考えております。この登録制度ですが、県民の方が、登録された場所で未病に関する情報が入手できたり、あるいは未病の取組が体験できるようにして、広く県民の健康づくりを支援するといったものです。今回採択された団体がこの制度に登録していただいた場合には、その空き店舗の前に登録団体であることを示すステッカーを貼っていただきます。そして、当該団体が行う未病の取組の中で、健康づくりに関する情報の発信やがん検診等の受診促進への協力をしていただくことを予定しております。

川崎委員

 私も未病サポーターになっているのですが、先ほど、未病を治すかながわ宣言協力活動登録制度に登録してもらうということを伺いました。現在この登録団体はどのぐらいあるのでしょうか。

商業流通課長

 本年4月末の数字になりますが、登録していただいているのは213件の企業と団体で、事業所数にすると6,718件の事業所に登録していただいております。

川崎委員

 その登録者が、健康づくりに関する情報提供などといったことを求められるのは、どの程度あるのでしょうか。

商業流通課長

 県の方から、まず登録していただいた団体に対して情報提供等をして、その団体で様々な県や市町村が行う取組を周知、広報していただくというもので、詳細なニーズは把握しておりませんが、一定のニーズがあるとお聞きしております。

川崎委員

 新規の事業で、商店街の方々にとってなじみのない未病という分野なので、先ほども申し上げたように、申請者の方々も手探りの部分も多いと思います。また、こちら側も初めての取組ということで、手探りみたいなものもあると思います。採択した後もサポートをしていく必要があるかと思いますが、そのようなところはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

商業流通課長

 御指摘のとおり、商店街は商業者の方の集まりですので、未病の取組にはなじみがないのではないかと考えております。実際、この事業を事業化する段階で、商店街の方々といろいろとお話をさせていただきました。未病については余りよく知らないけれども、ただ、健康に関する取組は行っていきたいということで、そういったところを結び付けられるのではないかと思い、事業化したところです。せっかく空き店舗を活用し未病の取組を行うのですから、我々としてもいろいろな活動に取り組んでいただきたいと考えているところです。したがいまして、今回採択した団体に対しては、中小企業診断士や栄養士などの専門家を派遣し、事業の安定的な運営あるいは効果的な未病の取組などについてアドバイスを行うことを予定しております。また、保健福祉局でも様々な事業を実施しておりますので、そうした情報を提供することにより、県の施策と連携した事業展開が図られるよう、継続的に支援してまいりたいと考えております。

川崎委員

 せっかく商店街の空き店舗対策で始めたのにもかかわらず、すぐ空き店舗に戻ってしまっては意味がないと思います。新しい取組でありますので、しっかりと地域に根付くよう、また、ほかの商店街も実施してみようと思わせるようなサポートをお願いしたいと思います。



(休憩 正午  再開 午後1時)



川崎委員

 続いて、外国人観光客誘致に係る効果的なプロモーションについて、何点かお尋ねしたいと思います。

 昨年、約223万人の外国人旅行者が県内を訪問し目標を突破されたと伺いましたが、知事から新たに、神奈川県観光魅力創造協議会を立ち上げて1,000件のツアーを企画・商品化していくということで、我が会派の代表質問において御答弁を頂きました。

 まず、神奈川県観光魅力創造協議会の設置目的や役割、構成員等について確認させてください。

インバウンド観光担当課長

 本協議会の設置目的は、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として国内外からの観光客を県内に誘致することを推進し、地域経済の活性化を図るために、県内の多彩な観光資源の発掘、磨き上げや魅力的な周遊ルートを開発することです。

 協議会の構成員は、県内の市町村関係団体、観光協会、宿泊関係団体、交通事業者団体及び経済団体など47団体から構成されております。また、オブザーバーとして国土交通省関東運輸局にも御参加いただいております。

川崎委員

 そうそうたるメンバーでオブザーバーも含めて47団体以上ということで、その第1回目の総会が正に昨日開催されたと伺っております。その中ではどのようなことが議論され、今後どのような展開をしていくのか、併せてお尋ねします。

インバウンド観光担当課長

 まずは会長、副会長を選任しました。本県の観光の現状や観光施設の概要が報告された後、出席者による意見交換が行われました。意見交換の中では、神奈川県には多数の観光資源があり、非常に観光のポテンシャルは高いといった御意見や、新たに観光施設を造らなくても隠れた観光資源が多くあるため、外国人目線も入れて、磨けば光る地域の観光資源を発掘し、新たな魅力にしていこうという御意見を頂きました。

 今後どのような展開を予定しているかということについては、まず、協議会の各構成員に対し、8月末ぐらいを目どに、各地域の魅力ある観光資源やモデルルートを御提案していただき、それを事務局が旅行会社やランドオペレーター及び外国人目線からのアドバイスを踏まえ、磨き上げてまいります。10月に開催予定の第2回協議会の際に、第1回のモデルルート案を提案、決定させていただき、そのモデルルートについて旅行会社、ランドオペレーターへ商品化を要請してまいります。こうした魅力ある観光資源の発掘、そして磨き上げとモデルルートの決定をその後も繰り返していき、今年度中にはツアー団体用の周遊ルート及び個人旅行者用のモデルルートについて合計で400ルートを御提示できると考えております。

川崎委員

 細かい話になりますが、会長に選任された方を教えてください。

インバウンド観光担当課長

 会長には(一社)神奈川県商工会議所連合会の会頭に御就任いただきました。

川崎委員

 外国人観光客の誘致促進を図るために、この協議会が企画する1,000件のツアーを外国人の方々に向けてどのように発信し認知させていくのかが重要になってくると思いますが、プロモーションの仕方をお伺いいたします。

インバウンド観光担当課長

 協議会で発掘、磨き上げした魅力ある観光資源やモデルルートを発信するため、初年度は英語版でのホームページの開設を予定しております。また、外国人の閲覧が多いと言われている、例えばエクスペディアやトリップアドバイザーといったウェブサイトにリンクを張り、ホームページへ誘導するとともに、フェイスブック等のSNSの活用により、効果的な情報発信を行う予定です。さらには、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式旅行社及び組織委員会のホームページとのリンクについても今後交渉していきたいと考えております。

川崎委員

 外国人観光客は、正にお客様だと思います。いかに本県で消費していただけるかが大事だと思います。多くの外国人が来ても思った以上に消費していただけないのでは大変残念だと思いますし、本県に経済効果をもたらしてもらわなければなりません。こういった中で、お客様である外国人観光客の声というかニーズについて、いかに耳を傾けて吸い上げていくのかが重要な点だと思います。何を考えられているのか、何を求めているのかなどを、どのような形で分析していくのかお伺いいたします。

インバウンド観光担当課長

 一つは、神奈川県内にお住まいの外国籍の方々、例えば大学に留学している外国人留学生や米軍関係者の皆様等の声を幅広く取り入れていきたいと思っております。また、そういった方たちのアドバイスも頂きながら観光の資源の磨き上げをしていきたいと考えております。

川崎委員

 一口に外国人観光客といっても、国が違えば日本に対する考え方ももちろん違いますし、国が同じであっても人種や性別、年齢によっても趣味し好も変わってくると思います。例えば、ショッピングが好きな人もいれば、観光地を巡ることが好きな人もいる、そういった分析、市場を細分化して、どこをターゲットにしていくかというのが今後重要になってくると私は思います。一番の顧客になり得るのはどこなのか、こういったことを今後明確にしていき、細分化してターゲットを絞る洗い出し作業が非常に重要になってくるのかなと思います。こうした緻密な分析を必要とするに当たり、まち・ひと・しごと創生本部が地方自治体の様々な取組を情報面、データ面から支援する地域経済分析システムというものがありますが、こういったものは活用されていますか。

国際観光課長

 我々としては地域経済分析システムについても活用できるなら活用していきたいと思っています。例えば外国人がどこに来たかという情報に関して、どの時間帯にどの場所に来ていたかということについては、地域経済分析システムでは市区町村単位で見ることはできます。ただ、その情報だけですと、例えばある時間帯に横須賀市に5,000人の外国人の方がいらっしゃっているといったところまでは分かりますが、どこにニーズがあるのか分析するということでは、それは米軍基地のはずなので、アメリカ人ではないかということで分析されることになります。そこで昨年度に、それだけではなく、どこの国から来ているのかというところまでも細分化して見えるようなシステムを導入させていただきました。それを緻密に見ていくと、実はアメリカ人だけではなくドイツ人の方やアジアの方も来られているといった状況が分かりました。こういったことを基に、そういう方々が実際にどこに来ているのかといったことを市町村の方々と連携しながら行っていきたいと考えているところです。

川崎委員

 これから国別あるいは人種別といった分析が求められてくると思いますが、日本あるいは本県に来ている観光客の国別のランキングはどのようになっているのでしょうか。

国際観光課長

 あくまで推計の数値ではありますが、日本政府観光局が出している昨年度の訪日外客数1,973万人を基に都道府県別訪問率を掛けると、今一番多いのは、約4割以上を占める中国の方といった状況です。

川崎委員

 恐らく中国、韓国、台湾といったアジア系の方々が多いと思います。こういった来ていただいている方をリピーターにしていく作業はもちろんですが、日本に全く来ていない人々もターゲットにしてもらいたいと思っています。なぜならば、来ていない人は伸びしろがあるので、これから増やしていくに当たっては、そういった方々をターゲットにした商品を提案していっていただきたいと思います。

 続いて、私の外国人の知人から、日本の観光地はごみ箱が非常に少ないということを言われました。恐らくテロなどといった観点から少ないということだと思います。私も最近、コンビニ等を含めてごみ箱は減ったと思っています。ごみを一日中持ったまま観光しなければならないというようなことであれば、ちゅうちょしてしまい、大げさかもしれませんが、経済面でも購買意欲などが減り、マイナスになるのではないかと思います。こういったごみ箱が少ないという声は外国の方から上がっていますか。

国際観光課長

 我々もいろいろなところで外国人の方々にヒアリングをしておりますが、委員おっしゃったように、ごみ箱がないことによって持ち歩き続けなければならない、例えば、鎌倉の小町通りといったところなども、もっと捨てることができれば、次の消費につながるのにという声は伺ったことがあります。

川崎委員

 是非こういった声も協議会へ反映させていただいて、良い議論ができればと思います。

 続いて、プロモーションの面で、昨年の第3回定例会の一般質問において、私から映画等、ロケ地を含めて、メディアを活用した観光PRを更に積極的に進めるべきだといった質問をさせていただきました。知事からは、今後海外のテレビや映画の制作会社を招いて、ロケ地に適したスポットを紹介するというような御答弁を頂きましたが、その後の取組状況についてお伺いいたします。

国際観光課長

 個人旅行客の方が近年増えてきている中で、テレビや映画をはじめとしたメディアでのプロモーションは今後より一層重要な手段となると考えております。昨年度も答弁の後に、東南アジアを中心に8箇国の主要なテレビ番組で神奈川県の観光魅力を紹介していただいたところです。今年度もメディアの招へい事業を予定しておりますので、その中で、例えば海外のテレビの制作会社等も招へいしてまいりたいと考えています。ただ、事業を行ってみて改めて思うことは、事業の効果を最大限にしていくためには、単にメディアの方を招へいするだけでなく、相手が望む情報を伝えていくことが重要と考えております。そのためには、あらかじめ人間関係を構築してコミュニケーションをとっておくことが重要だと考えております。そこで、まずは海外のテレビや映画の制作会社と関係が深い日本のテレビ局や制作会社、広告代理店との関係性を構築し、各国のメディアのニーズや関係者を紹介していただいているところです。今後もそういった各種メディアとの関係性を構築していき、メディアでの発信を強化していきたいと考えているところです。

川崎委員

 是非今後ともメディアや映画会社とのタイアップを強化していただきたいと思います。平成25年に佐賀県がタイの映画のロケ地として誘致を行ったところ、佐賀県を訪れるタイ人の観光客が4倍になり、絶大な効果を上げたことがあるので、こういったことを神奈川県の誘致においても、観光消費の増加に直結するような形で積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、プロモーションを行うツールの一つとしてフェイスブックは必須だと思います。登録数が増えれば、宣伝効果が非常に高いものと思いますが、外国人観光客の誘致に当たり、県はどのようにフェイスブックを活用していくのかお伺いします。

国際観光課長

 フェイスブックは宣伝効果が非常に高く、また世界でのユーザー数が非常に多く、16億5,000万人の方々に使われております。そのため、昨年の11月から、英語、台湾の繁体字、インドネシア語、ベトナム語の4箇国語で神奈川県の魅力を発信しているところです。しかし、どれだけのファンを獲得できるかで宣伝効果にも差が出てまいります。そのため、まずは多くの外国人の方々にファンとなっていただけるよう、県内各地のイベントといったリアリティーのある情報など、外国人の方の興味を引くような内容を充実していきたいと考えております。加えて、京浜急行電鉄(株)といった神奈川県に関係する民間企業が行っているフェイスブックがあります。そうした企業と連携しながら、ファン数拡大に努めてまいり、様々な主体が神奈川県のフェイスブックの中で発信していけるようなプラットホームにしていきたいと考えているところです。

川崎委員

 コンテンツやツールなどを最大限効果的に活用していくためには、国際観光課長がおっしゃったように、外国人の目線などが必要になってくると思いますが、その対応の仕方は今後どのように行っていくのか、お伺いします。

国際観光課長

 インバウンドを推進していく上で、外国人の目線は非常に重要だと認識しております。どういったツールが効果的かについては、例えば、JNTOといった国が外国人の視点で出している情報を基に、ある程度施策を打つこともできるのですが、コンテンツについては、神奈川県が独自に発掘していく必要があります。そこで、県内の大学などにいる留学生、あるいはかながわ国際ファンクラブに登録されている留学生等の意見を集めてまいりたいと思います。また、この6月から(株)エイチ・アイ・エスとの協定により、ベトナム人の方が研修員として観光部に来てくださっていますので、その方の視点も反映していければと考えているところです。

川崎委員

 今後、県ではどのような戦略の下にプロモーションを展開していくのか、お伺いします。

国際観光課長

 外国人観光客を本県へ着実に誘致するためには、まずは外国人の方に本県を知っていただいた上で、興味を持っていただくことが重要だと考えております。そのためには、神奈川ならではの行ってみたいと思えるコンテンツの発掘、磨き上げが重要ですので、先ほど申し上げました神奈川県観光魅力創造協議会を活用し、外国人の視点を用いながらコンテンツの充実を進めてまいります。しかし、委員もおっしゃったように、幾らコンテンツが魅力的であっても、それが相手に伝わらなければならないと考えております。外国人観光客の方々は、国や地域、世代や性別によっても関心が異なりますし、今後、外国人観光客が増えていく中で、そういったニーズに対してきめ細やかに対応していかなければならないと思っております。その際には、実施した施策が効果的だったかどうかが重要と考えておりますので、そうした効果検証をしっかりと行いながら、次のプロモーションにつなげてまいりたいと考えております。

加藤(元)委員

 関連で質問します。海外からの外国人観光客を誘致するに当たって、どこの国からかということで先ほど質問がありました。フェイスブックにしてもホームページにしてもそうですが、基本にはラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が控えているところです。ラグビーファンやスポーツファンの人たちに向けた戦略というものはないのでしょうか。

国際観光課長

 我々のターゲットは、大きく二つあります。一つは、近年急激に数が伸びているアジアといったところです。加えて、2020年のセーリングもそうですが、特に欧米あるいは旧イギリス連邦といったところの方々、この二つをターゲットとして考えております。そのどちらに対しても、ターゲットを明確にした上で、ニーズ調査が必要になってまいります。特に後者の方々に関しては、例えばラグビーの記者に対して、どのようにして神奈川県に来ていただいて神奈川の魅力を発信していくかなど、メディア一つをとっても、どういった方々を呼ぶかについて、我々も検討し今年中に事業を展開してまいりたいと思っております。

加藤(元)委員

 ラグビーファンの方やセーリングを観戦する方が見るホームページなどにリンクを張るということもそうですが、そういった方々に向けた戦略を考えていただくことも大事だと思います。リオデジャネイロのオリンピックを見て、またラグビーのワールドカップも知事は見に行ったということで、ファン層がどういった方なのかを分析し、それを活用して取り組んでいくことも大事かと思いますので、これからもそのように考えていってほしいと思います。

川崎委員

 ラグビーワールドカップ2019、あるいは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるに当たり、観光客が来ることが当たり前というか、自明の理であります。目標設定を高くして取り組んでいくことは今後重要なことではありますが、オリンピックが開催されたから1回来てみたけれども、1回来たら十分だと思われないようにしていくことが大切だと思います。実際、過去にオリンピックを開催された国において、翌年には観光客が激減したというデータも聞いたことがあります。そういった中で、観光大国は総じてリピーターの数が多い、こういう国であると私は思いますので、1回行けば十分だと思われない神奈川県の魅力、底知れない神奈川といったものに取り組んでいっていただきたいと思います。

 要望になります。神奈川県観光魅力創造協議会を是非有効に機能させていただいて、緻密な調査分析を行い、外国人の求めるものを吸い上げて効果的なプロモーションを行っていただき、そして神奈川県の経済の活性化につなげていただければと要望します。

 続いて、刑務所出所者等の就労支援についてお伺いします。

 刑務所出所者等の就労支援については、これまで一般質問や本委員会においても取り上げられたところであります。今年度から新たに実施する刑務所出所者の就労支援事業の目的や事業内容について、まず御説明願います。

雇用対策課長

 今年度新たに実施する本事業は、刑務所出所者等の社会復帰を支援するため、刑務所出所者本人と雇用主に対して、就職後の職場定着を支援する事業です。更生保護は国の所管業務ですが、今までも横浜保護観察所が刑務所出所者等で職に就けず生活困窮に陥っている者を対象として、民間事業者に委託し就職までの就労支援は実施しております。しかし、就職後の職場定着は実施できていないという課題があり、この課題を刑務所出所者の雇用対策と捉え、国は就職までの支援、県は定着支援と役割分担をし、一つの流れとして継続的に支援をすることにしたものです。

川崎委員

 刑務所というのは余り身近でないものですから、出所までの仕組みも含めて、大まかにその仕組みを確認させてください。

雇用対策課長

 刑務所に入所した受刑者には、まず規則正しい勤労生活を送らせることにより、勤労意欲や共同生活における責任感などを養成します。また、円滑な社会復帰ができることを目的として、職業的な知識、技能を身に付けるために刑罰として刑務作業というものが科されます。具体的には木工作業や印刷、金属加工といったものになります。また、刑務作業の中には職業に関する免許や資格を取得させるための職業訓練もあります。平成18年度からは、法務省が厚生労働省と連携した就労支援にも取り組んでおり、刑務所入所中からハローワークの職員による就職活動についての相談説明が行われたり、また出所後にはハローワークに特別な専用窓口をつくり、そこで相談なども実施しております。さらには、先ほど御説明しましたように、横浜保護観察所において、平成26年度から民間事業者に委託し就職が特に困難な刑務所出所者を対象に、就労支援員がハローワークの窓口や企業の採用面接にも付き添うといった就労支援を実施しております。以上が全体の仕組みになります。

川崎委員

 労務作業が行われると思いますが、刑務所に入所してから労務作業を行って出所するまでに、大体服役した方々の所持金はどのくらいになるのか、人によって違うと思いますが、伺います。

雇用対策課長

 平成26年の状況ですが、刑務作業で得られた金額は、1箇月平均にすると、1人当たり4,816円になります。また、出所するときに支給された作業報奨金というものがあります。その金額を見ると、期間によってまちまちで平均は出せていないとのことですが、5万円を超える者が29.4%、1万円以下の者が19%という数値が平成27年の犯罪白書で報告されております。

川崎委員

 半分以上の方が5万円以下ということで、ほとんどお金が貯まらないということが分かりました。そういった方々が出所後どういったところに帰宅するのか、家族がいる人は家族のところに帰宅するのでしょうけれども、恐らく身寄りのない方も多くいらっしゃると思います。そういう帰宅先の割合というか、どういったところに帰るのか、分かれば教えてください。

雇用対策課長

 帰住先の割合になりますと、満期釈放の場合が厳しく、御両親のところに帰るのが17.6%、配偶者の元に帰るのが7.2%、一番多いのがその他で53.1%です。これは、帰住先が不明、暴力団関係者や入国管理局に身柄引き渡しなどされる方ですが、満期出所者についてはこのようになっております。仮釈放の場合は、そもそも身元引受人や住居が決まっていない場合、認められないのですが、34.6%が両親の元に、12.6%が配偶者の元に、また更生保護施設に行く方が3割ということになっております。

川崎委員

 その他が53.1%と伺いましたが、その他というものが一番問題というか、今後取り上げていかなければならない問題なのかなと私は思います。恐らく住むところが一番大事なことであり、住むところがないと仕事を探すこともできません。刑務所を出所したときに住むところが全くない人に対する支援は、どのようになっているのか教えてください。

雇用対策課長

 刑務所出所時に親族等を頼ることができず、住むところがない方に対しては、保護観察所が更生緊急保護として更生保護施設や自立準備ホームといったところに委託して支援が行われております。具体的な支援の内容は、宿泊と食事の提供、またハローワークと連携した就労支援のほか、福祉事務所などとも連携して、本人が生計を立てることができるようにするための様々な支援を実施しています。また、更生保護施設ですが、これは法に基づく施設で、県内に4箇所あり、原則、上限6箇月までいられることになっております。また、自立準備ホームとは、社会福祉法人等により運営される民営の施設であり、刑務所出所者の特性を見ながら保護観察所の職員が個別に受入れの相談や依頼をしているものです。そのほか、状況に応じて、一般の生活保護や福祉サービスの利用を御案内する場合もあると聞いております。

川崎委員

 その他の53.1%の中には、自立準備ホームや更生保護施設に行く方も含まれているのか伺います。

雇用対策課長

 帰住先が分からない不明の方、暴力団関係者、刑終了後引き続き拘留される方、入国管理局へ身柄を引き渡される方などを合わせたものがその他になるため、更生保護施設等に入る方はこの53.1%には入っておりません。

川崎委員

 その他が53.1%というのは、かなり多いと思います。国の取組になるかもしれませんが、その他に該当する方々に対する対策に取り組んでいかなければならないのかなと感じています。また、先ほど暴力団というワードが出ましたが、刑務所に入所している受刑者の中には、そういった反社会勢力、いわゆる暴力団に所属している方々も多くいらっしゃると思います。ドキュメンタリーなどを見て、こういった方々が刑務所の中で反省し、組織から足を洗いたいと考える方ももちろんいると感じています。しかし、なかなか組織に対して、辞めますと素直に言っても辞めさせてもらえないという状況があると思いますし、怖くて言えないなどといったこともあると思います。そこで、離脱届というものがあり、警察にこの離脱届を提出すると、警察の方がその組に、この人は辞めたということを通告し、暴力団を辞めることができるということを私も初めて知りました。ただ、この離脱届を出すためには住所や仕事が必要とされており、これがしっかりしていない場合、離脱届を受け付けられないとのことです。暴力団排除条例などの関係で、部屋も借りられないし仕事もできない、口座も作れない、にっちもさっちもいかない状態になってしまうということを、最近テレビで見ました。そうなると、どうしてもまた暴力団に戻ってしまう、あるいはホームレスになってしまうようなことになるのは当たり前だなと思います。こういった反社会勢力を辞めたい、離脱したいと考える人たちのために手を差し伸べるような取組はあるのでしょうか。

雇用対策課長

 保護観察所に確認したところ、保護観察所において刑務所出所者から暴力団を辞めたいなどの相談を受けた場合、まず県警の暴力団対策の所管課を紹介してつないでいるとのことです。また、先ほど委員からお話があった離脱のための支援については、県警において、本人の暴力団からの離脱の意思が非常に強い場合には、刑務所の入所中から刑事が離脱届について直接支援していると聞いております。

川崎委員

 入所中からという話でありましたが、入所中も偽装離脱の疑いがあるとのことで、暴力団員が仮出所の権利を得るために書面上離脱し、後に組に復帰する行為が行われているらしく、なかなか受け付けていただけない状況もあるということを知っておいていただきたいと思います。福岡県では、暴力団を離脱した組員の社会復帰を促そうと、元組員を雇用した企業に最高70万円を給付する制度を平成28年から始めたということです。こういったことを行っている都道府県もある中で、土地柄などももちろんあると思いますし、そもそもなぜ税金で刑務所出所者の支援をしないといけないのかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まず、こういった現状があるということを知っていただきたいといった意味で質問させていただきました。そこで、福岡県の取組について、どのような感想を持ったか、お聞きします。

雇用対策課長

 それぞれの地域の実情に応じた支援を国と連携して自治体は行っていくべきではないかと感じました。

川崎委員

 今回新たに実施する定着支援の内容ですが、具体的にどういった支援を行うのか教えてください。

雇用対策課長

 今回新たに行う定着支援については、具体的に刑務所出所者御本人に対する支援と、雇用主である企業に対する支援の二つの面から行います。本人に対する支援は、面接や電話連絡などにより、職場でのコミュニケーションのとり方、マナーなど適切な就労態度の支援、また、特に勤労意欲を持ち続けることに課題があると聞いておりますので、そういったモチベーション維持の仕方などについて助言をいたします。また、雇用主に対しては、定期的な職場訪問などによる状況把握を行い、業務上の指導方法に対する助言、またトラブルや、その予兆が認められた場合の改善方法などを支援いたします。

川崎委員

 刑務所出所者ではない一般の方々、例えば若者なども職が定着しないと言われている中で、イメージでは、元受刑者の方への定着支援は大変だと思います。こういった支援に当たる方は、相当の力量がないと難しいのかなと思いますが、それなりの訓練や研修を受けた人なのかどうか、教えてください。

雇用対策課長

 委託先の民間事業者ですが、(特非)神奈川県就労支援事業者機構と契約の準備を進めている段階で、この法人は設立されて約10年ほど経過しており、長年にわたり刑務所出所者の就労支援について携わっているため、ノウハウの蓄積がある事業者です。

川崎委員

 刑務所出所者の就労支援には、雇用に協力してくれる事業主の存在が欠かせないと思いますが、協力事業主に対して現在どのような支援を行っているのか、最後にお尋ねいたします。

雇用対策課長

 刑務所出所者等を実際に雇用した協力事業主に対しては、国の支援制度として刑務所出所者等就労奨励金制度というのが設けられており、最長1年間で最大72万円までの助成が行われております。

川崎委員

 やはり雇う側としても、不安を抱えることが多いと思いますので、きめ細かい支援を是非お願いしたいと思います。再犯率は、無職の場合と仕事を持っている場合とを比較すると、約4倍高いと言われております。犯罪が起きにくい社会、地域社会をつくっていくために、刑務所出所者の職場定着支援にしっかり取り組んでいただきたいと要望いたします。

山本委員

 私からは、セレクト神奈川100について何点かお伺いしてまいりたいと思います。

 今年度4月から、新たに企業誘致施策としてセレクト神奈川100がスタートしたところです。今年の3月までは、インベスト神奈川2ndステップ・プラスということで事業に取り組んでこられておりますが、それらの比較をさせていただきながら、順次、質疑に入らせていただきたいと思います。これまでのインベスト神奈川と今回のセレクト神奈川100の違いは、いろいろ比較すると分かりますが、一番大きな違いは何かと考えたときに、数字が前面に出てきているというところではないかなと思っています。この100という数字がしっかりと前面に出て、それに向けて取り組んでいくという姿勢の表れだと思うところであります。

 まず、このセレクト神奈川100という名称について、どのような思いがあって付けられているのか、お伺いしたいと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 セレクト神奈川100は、委員からもお話がありましたとおり、今年4月からスタートさせた神奈川県企業誘致推進方策の愛称です。まず、セレクト神奈川という点については、神奈川を是非企業の皆様に選択していただきたいという思いを込め、神奈川で事業展開をしていただきたいということで付けた部分になります。さらには、100という数字ですが、かながわグランドデザインにおいて平成27年度から平成30年度までの4年間で県外、国外から立地した事業所数、これを100という目標を掲げておりますので、この目標達成に向けて努力していくという思いを込めて名付けた名称になります。

山本委員

 事業所数100ということですが、これは企業数という考え方でよろしいのでしょうか。

企業誘致・国際ビジネス課長

 セレクト神奈川100ですが、企業という形ではなく、例えば融資を受ける対象が変わったりすると、使える場合があります。例えば、本社を県外から誘致して展開する場合に、融資を1回受けて、全く違う業種で工場を造るような場合については、また改めて審査の対象となるケースもあります。そのため、私どもとしてはこの企業誘致推進方策を御活用していただくという意味合いで、件数という形でカウントさせていただきます。

山本委員

 あくまで企業を誘致する件数という見方であることは理解しました。先ほど、このセレクト神奈川100についての御説明を頂いたところであります。報告資料の中に、取組期間が平成28年度から平成30年度の3年間と書いてありますが、先ほどの話ですと4年間ということで、整合性が理解できないのですが、御説明していただけたらと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 施策の対象期間ですが、まず、かながわグランドデザインという平成27年度に策定した県の総合計画に基づきます県外、国外からの企業誘致について、平成30年度までに100件を目標としておりますが、これは平成27年度からの累計です。セレクト神奈川100は、このかながわグランドデザインで誘致しようとする件数を施策の面から達成していくということを目標に、平成28年度からスタートさせたもので、そういう意味合いでスタート年度が1年ずれておりますが、目標とする最終年度までに100件に向けて努力していくという点は同じです。

山本委員

 スタートの時期が1年ずれての取組になるということだと思います。ちなみに昨年度までに行われてきたインベスト神奈川について、平成27年度は25件の立地が成立しているという報告がありました。各企業からの認定の申請は、何件ぐらいあったのか、お分かりになりますでしょうか。

企業誘致・国際ビジネス課長

 昨年度の申請件数ですが、申請があった場合には審査会を開催いたします。審査会で認定相当ということで意見が付されたものについて、知事が最終的に決定をする形になりますが、審査会で不適切であるというような意見が付されたものはありませんでした。25件の中には、用地の提供など、いろいろな情報を提供して立地したもの、いわゆるワンストップによるものも含まれますが、事業計画として申請されたものは7件で全て認定しております。

山本委員

 申請された7件については、不適切なものがなかったということで、正に私が聞きたかったところであります。対象産業ではない、そもそも対象業者ではないといったものもあるのかなと思います。不適格といいますか、余りふさわしくないといった企業を審査する機関というか、そういったものは実際行われているのかどうか、お伺いさせていただきたいと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 まず、企業立地については私どもの方で事前の相談をさせていただきます。この段階で企業の立地計画が、例えば昨年度まででいうとインベストの要件に合っているか、私どもが誘致しようとする産業、業種に合っているのか、それから投資要件、雇用条件はどうかというのを事前に企業の皆様と相談しながら内容の確認をさせていただきます。恐らく審査会に出しても大丈夫だろうということになりますと、その段階で申請書という形で申請を受け取る形になります。具体に申請を受け取った場合には、その審査会で各種専門の委員の方、昨年度までは5名の委員でしたが、経営状況、進出計画、将来の経営計画も含めて審査をいただいて、事業計画の実現に向けて相当であるという御意見を頂く形になります。

山本委員

 経営状況の審査もしっかり行われてきているといったところかと思いますが、これまで誘致、立地されてきて、例えば、スタートはしたが、実は今現在、既に事業を行っていない企業、あるいは廃業されてしまった企業、または事業内容を変更した企業など、いろいろ考えられると思います。そういったケースはあるのでしょうか。

企業誘致・国際ビジネス課長

 インベスト2ndステップを平成22年からスタートさせて平成27年まで続いておりますが、この制度を活用した企業については、撤退した、倒産したという企業はありません。ただ、平成16年度から平成21年度まで実施したインベスト神奈川の時代については、撤退した企業が1社、倒産した企業が1社ありました。

山本委員

 インベスト神奈川のときには1社倒産、1社撤退されていると伺いました。企業を誘致し神奈川県に来ていただいたら、事業を長く続けていっていただきたいと思いますし、それだけの費用が投資されているわけですから、その企業の経営状況もしっかり見ていただきたいということは是非お願いしたいと思います。

 そこで、インベスト神奈川2ndステップ・プラスと今回のセレクト神奈川100について、経済的インセンティブの観点からどのような点が拡充されたのか、改めて確認させてください。

企業誘致・国際ビジネス課長

 インベスト2ndステップ・プラスは、産業集積促進奨励金という制度があり、さがみロボット産業特区、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区内に企業が立地した場合など、県内再投資の場合も含めて、不動産取得税の2分の1相当額、上限1億円の奨励金を交付するという制度でありました。それに対して、セレクト神奈川100は、企業誘致促進補助金ということで、県外、国外から県内に立地する企業を対象として、土地、建物、設備への投資額の5%、上限5億円ということで補助を行う制度とさせていただき、大幅に内容を拡充しております。さらには、特区制度等を活用する場合については投資額の10%、最大10億円まで補助するということで、投資額への補助の上乗せ制度も設けているところです。

山本委員

 いろいろとインセンティブを検討されて、使い勝手のいい、なるべく幅の広いものにしていくといったところなのかなと思います。また、このセレクト神奈川100について、県民の方の期待はすごく大きいのかなとも思うところであります。ただ、このような企業誘致の取組は、神奈川県だけではなく全国的に行われてきているものだろうと思うところであります。正に神奈川県においては縦貫道路が開通するなど、交通ネットワークも大変利便性が高いものになってきているところでありますが、関東圏内においても同じような状況が言えるのかなと思います。神奈川県以外のほかの都道府県、特に関東圏で、このような取組をされているところがあれば、御紹介していただきたいと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 制度が複雑なものもありますので、補助金というところに着目して御説明させていただきます。関東近県の補助金ですと、例えば埼玉県においては不動産取得税相当額の補助金を交付する制度があり、上限額は1億円です。また、群馬県も同様に不動産取得税相当額の補助金を交付する制度があり、上限額は1億円です。ただし、製造業の一部については本社、研究所を立地する場合、上限2億円という制度になっております。さらには、千葉県では、建物の不動産取得税相当額、機械設備の固定資産税相当額を補助するという制度があり、上限額は10億円となっております。

山本委員

 それぞれの都道府県でも同じような取組がされてきているというところで、やはり企業で言えば営業力というものが重要かなと思っております。企業で言えば価格であったりサービスであったりといったところになると思いますが、そもそもこの企業誘致に関してどれだけの好条件を出しても、たたき合いみたいな状況になってしまうのかなと思います。つまり、企業に関心を持ってもらわないと意味がないのかなと思います。その関心を持ってもらうこともすごく難しいのかなと思いますが、神奈川の魅力などを前面に出していくべきで、ここで仕事をしてみたいなと、事業をやりたいなと思われるような取組が必要なのではないかと思います。セレクト神奈川100の案内書を見ると、いろいろな要件は書いてありますが、神奈川の魅力は何も載っていないなと感じたりするので、そういったものを載せた方がよかったのかなとも感じるところであります。そういった中で、今回の対象事業に宿泊業というのが加えられているところでありますが、ホテルに限るという記載があります。なぜホテルに限るとなっているのか、改めてお伺いします。

企業誘致・国際ビジネス課長

 対象産業をホテルに限った理由ですが、まずはラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。海外から多くのお客様が本県を訪れていただけるだろうという中で、国際観光に見合うホテルがまだまだ神奈川県には足りないという状況があるので、それに間に合わせていただくために、多くのホテルを県内に立地していただければという思いを込めて、対象産業としたところです。

山本委員

 ホテルに限るといった部分では、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される中で、外国人観光客を見据えてというところでの話であったかと思います。ホテルは多くあった方がよいだろうとは思いますが、狭めないで、やはり日本を感じてもらえるような旅館など、外国人の方に日本を触れてもらう機会を考えるとするならば、あえて絞り込みをする必要があったのかなと少し感じるところであります。

 最後に、この事業を進めていくに当たって、市町村との連携が非常に重要になってくるだろうと思うところであります。先般、藤沢市議会の中で、ホテル誘致の方向性が打ち出されていると新聞報道もされ、地域のニーズもあるのかなと思っています。地域のニーズも多く情報収集しながら進めていかれた方がよいと思いますが、そういった部分に関する市町村との連携、取組をお伺いしたいと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 市町村との連携ということに関しては、現在、県と県内市町村23市町と金融機関1団体、合計25団体で神奈川県企業誘致促進協議会を設置し、市町と一体となって企業誘致に取り組んでいるところです。協議会の具体的な活動ですが、複数の企業が集う展示会などに、協議会としてブースを出展し、来場者や出展企業の皆様に県及び市町の支援内容を知っていただく、是非神奈川に興味を持っていただくという取組を進めているところです。また、あわせて県や市町の企業誘致施策や産業用地の情報などに関するパンフレットを神奈川県企業誘致促進協議会として作成し、御相談のある企業に直接ダイレクトメールでお送りするなど、神奈川県内に御興味を持っていただけるよう、いろいろと広報活動に取り組んでいるところです。

山本委員

 最後に要望させていただきます。多くの企業を県外、国外から誘致することは、雇用の増加や税収確保の観点から、県内経済の活性化につながるものであり、大変重要な取組であると認識しております。そうした意味で、本年4月から開始されたセレクト神奈川100は、最大10億円の補助金や税制措置などといった企業にとって魅力的な支援制度となっていることは十分承知しております。今後はこのセレクト神奈川100を県外、国外の企業に十分に周知、PRをしていくとともに、企業誘致に取り組む市町村ともより連携を深めていただきながら進めていっていただきたいと思います。また、企業誘致も確かに重要なことだと思いますが、既存の県内にある企業に対しても、県外に出さないというものをしっかり持っていただきたいと思います。また、先ほど倒産件数等について確認しましたが、そういった廃業、倒産企業を一件でも減らしていけるような取組を是非お願いしたいということで、要望とさせていただきます。

京島委員

 私からは、労働相談の取組についてお尋ねをいたします。

 先ほど、かながわ労働センターと各支所における労働相談の取組について御報告を頂きました。今、正規雇用や非正規雇用、そして女性や高齢者の就労、また外国人労働者など、労働を巡る状況は複雑化しております。また、ブラック企業やブラックバイトといった新たな課題も出てきておりますので、労働相談については極めて重要な役割を果たしていく必要があると考えます。そこで、労働相談について何点かお伺いをいたします。

 まず、平成27年度の労働相談数が若干減少しているようですが、状況をどのように捉えているのかお伺いいたします。

労政福祉課長

 相談件数は確かに若干減っておりますが、依然として高止まりの状況が続いていると認識しております。

京島委員

 あっせん指導の状況の記載が報告資料に記載されていますが、そもそもいわゆる通常の労働相談とあっせん指導とでは、具体的にどのような違いがあるのか、改めて確認させてください。

労政福祉課長

 労使間の紛争は、労使の当事者の間で自主的に解決していただくことが基本となっております。その中で労働相談は、労働紛争を自主的に解決していただけるように、必要な法律的な知識などについて労働センターの職員や弁護士が相談し助言を行うものです。これに対してあっせん指導は、当事者間で解決することが困難な場合に、労働センターの職員が話合いを仲介したり、双方の主張を調整したりし、解決の援助を行うものです。

京島委員

 労働相談からあっせん指導に切り替わるケースというのは、具体的にどこの判断でどなたがされるのか、例えば相談の回数や相談の内容、具体的なものがあると思いますが、どういった状況で切り替わっていくのか、お伺いいたします。

労政福祉課長

 あっせん指導とは、基本的にまず労働相談を受け、その相談者に法律的な知識等をアドバイスした中で、その相談者が例えば雇用主と話し合っても進展がないということで、これ以上向上が望めない場合に、相談者、あるいは場合によっては雇用主の方から労働センターの方で仲介に入ってくださいという御相談なり、一種依頼的なものがあったときに行うものです。労働相談をまず受けた後にあっせん指導に移行していくという一体的な流れの中で、労働センターにおいてあっせん指導をしているところであります。

京島委員

 処理別の欄のところに打切りというものがありますが、これは具体的に何なのか、お伺いいたします。

労政福祉課長

 あっせん指導によっても労使が和解等に至らず、いわば物別れに終わってしまったものを打切りということで表記させていただいております。

京島委員

 打切りに至ったケースは、和解に至らず物別れに終わってしまったものということですが、打切りに至ったケースで長期化したケースもあろうかと思います。その期間は、長いもので、どのくらいの期間があったのか、確認させてください。

労政福祉課長

 あっせん指導の回数としては、大体10回まで至らない、5、6回、7回程度が多いと聞いております。それ以上やってもらちが明かないといいますか、進展がない場合は、そこで打ち切るということになると思います。

京島委員

 それでは、労働センターでのあっせん指導で解決しない場合には、相談後どのような対応が考えられるのか、お伺いいたします。

労政福祉課長

 相談内容によって様々ですが、例えば賃金の不払いといった問題であれば、国の労働基準監督署へ申告するようアドバイスをする、また解雇等の問題であれば、地方裁判所の労働審判委員会で行われる労働審判制度を活用してはどうかといったアドバイスをする、そういった処理になるかと思います。

京島委員

 今お話のありました労働審判は、県が行うあっせん指導とどのように違うのか、確認いたします。

労政福祉課長

 あっせん指導は、先ほども一部答弁いたしましたとおり、労働相談の一環として、基本的には当事者間で解決するために県が支援する制度です。あっせん指導の場合は、県の労働センターの職員が原則2名で行い、何回か話合いをし、それで解決に至るか、場合によっては打切りになるか、そういった流れになります。

 一方、労働審判は、地方裁判所の労働審判委員会で行われるもので、司法制度改革の一環として平成18年度から導入されたものです。具体的には、裁判官1人と労働関係の専門家2人の合計3人から構成される労働審判委員会が、3回以内の期日で調停等を行います。もし調停が確定すると、裁判上の和解と同様の効果があり、場合によっては強制執行を申し立てることもできます。

京島委員

 県民の方からすれば、そもそも問題解決することを期待して労働センターを利用しているかと思います。例えば平成27年度のあっせん指導の状況の中で言いますと、先ほどお話しさせていただいた打切りに関しては約4割もあり、解決に至らないケースが非常に多いのではないかと私は感じます。法的な権限がない中で、県が労働相談やあっせん指導を行う意義をどのように考えられているのか、伺います。

労政福祉課長

 労働相談、それからあっせん指導というものは、そもそも労働や雇用に関する法制度を知らない、どのように解決してよいか分からないといった方にも適切な助言等を行うことや、労働センターの職員が仲介に入ることによって問題解決を図ろうとするもので、いわゆる労働問題の解決の入り口としての意義は大きいものと考えております。労働相談の件数は平成10年度以降、1万件台から1万2,000件台で推移しており、減少傾向は見られないことから、県民の労働相談への期待、ニーズは依然として高いものと考えております。

京島委員

 平成28年度の取組について伺いますが、平成27年度に引き続き、相談機会の充実を図るとされております。昨年から私の地元、相模原においてもこういったことを行っていただいているようですが、正直なところ、今の御答弁でもありました窓口、労働相談については、私自身もこの産業労働常任委員会に所属してからいろいろと勉強をしていく中で、認識したところであり、まだまだ広く県民の方に知られていないのではないかなというところがあります。そういった中で、国と連携した街頭労働相談会が平成26年度には2箇所で2日間、合計4回開催しておりますが、平成27年度は1箇所で2日間のみとなっており、なぜ1箇所になったのか、伺いたいと思います。また、平成28年度の取組に関して、平成27年度に引き続き、それ以上の充実を図ると記載がありますが、その辺をお伺いいたします。

労政福祉課長

 まず、街頭労働相談件数が1件少なくなった理由は、川崎地区での開催ができなかったことによるものです。平成26年度は川崎地下街のアゼリアで行いました。平成27年度も同じ会場のアゼリアで行おうとしたのですが、いろいろと経費的なものが変更になるなど、条件が合わなくなってしまい、使えなくなってしまいました。これ以外の場所を川崎近辺で探したのですが、例えば場所の広さの問題、あるいは通行する方の問題といった事情の中で、平成27年度は川崎地区での開催はできませんでした。

 平成28年度についても、川崎地区での開催を検討はしておりますが、現実問題として、同様に開催する新しい場所がまだ見付けられていない状況です。そういった中で、労働相談のニーズは高まっていると申しましたが、そのニーズに応えられるようにいろいろな工夫をしながら、労働相談の充実を図っていきたいと考えております。

京島委員

 近年、そのほかにも問題となっておりますブラック企業、ブラックバイトは、特に若者たちが被害に遭うケースがほとんどであります。高校生などを含めた若者は、そもそも先ほどもお話がありました、労働法令についての知識が乏しく、労働相談についても知らなかったり抵抗感があったりするのではないかと私は思います。ブラック企業やブラックバイトなどで困っている若者に対して、県としてはどのような工夫をされているのかお尋ねします。

労政福祉課長

 ブラック企業等に対する若者の雇用上の悩みなどに対応するため、平成27年11月を若年者労働相談強化期間として、労働相談等の取組を集中して行いました。労働相談に関するものとしては、弁護士、心理カウンセラー、キャリアカウンセラーによる特別労働相談会として街頭労働相談等を行いました。また、労働センターに若者の使い捨て110番を開設し、電話、来所の相談を受け付けたところです。

京島委員

 お話しいただいたような様々な取組をしていただいているようですが、ブラック企業やブラックバイトなどの問題は、そもそも労働者側の問題として、労働者が労働に関する法律の知識が乏しいことも一つの原因であると聞きます。そういった中で、就労を巡る状況はますます複雑になっています。労働者の正当な立場を守るため、労働相談が担う役割はますます重要になっていくと考えております。私の息子も大学生活の4年間、バイトをしておりました。バイト先から戻ると毎日、資料を山のように持ってきて、深夜から明け方まで資料を作成することが非常に多く、余りにも回数が多いため、私もバイト先でやらなければ、いわゆるサービス残業で無給になる、それがいわゆるブラックバイトという意味だよという話を息子にしました。息子から返ってきた言葉は、とてもではないけれども、バイト中に資料作成する時間はない、この資料を作成しないと明日が困るから、自分はやっていると言われました。また、資料を作成するための時間については、会社からはお金が払えないとリーダーからも言われていると、そもそも、そのリーダーという方も雇われている方で、そのリーダーの方が、バイトの方に対して申し訳ないということで、ポケットマネーから時々夕飯を買ってくれている、自分たちと同じ雇われている方なのに、リーダーがかわいそうだから自分はやると言って、4年間結局やり通しました。やり通すという責任感を持たせてもらったことに関しては、親として感謝をいたしますが、基本的にこういうことが恒常的にバイト生に対して行われているということが、改めて私自身も体験したことです。勤務時間、その他残業時間といった取決めなどがあってないようなものだという認識が、既に就職するときには出来上がってしまっているという現状の中で言いますと、しっかりと働いたら働いただけの報酬がもらえるという知識について、情報発信を更にしていただいてほしいと思います。また、若い方たちが労働相談に出向けるかといえば、そういった勇気もないと思いますので、そういったことも踏まえて、労働者のニーズに合わせた労働相談の充実に努めてもらうよう要望いたします。

 続いて、障害者雇用について何点かお伺いいたします。

 若年者、中高年齢者、女性及び障害者の就業支援の取組について記載がされておりますが、その中で障害者就労相談センターによる支援の部分について何点かお伺いいたします。

 まず、障害者就労相談センターでの支援の状況について確認させてください。就労相談件数の記載がありますが、相談内容の点で具体的にどのような相談があるのでしょうか。

雇用対策課長

 記載されております就労と相談の内容ですが、電話によるものが7割です。具体的な内容については、例えば身近な地域で障害者のための就労支援を受けられる機関を教えてほしい、障害者向けの職業訓練を受けられるところを教えてほしい、また、この県の障害者就労相談センターで行っている就労支援の中身を教えてほしいといった相談です。

京島委員

 障害種別就労・定着支援利用者の状況を見ると、平成27年度の利用者数が減少しているようですが、減少したことについて何か理由があるのか確認いたします。

雇用対策課長

 障害者の就労支援は、基本的に障害者の身近な地域で行われることが望まれます。平成17年度以降、まず、障害者雇用促進法に基づく障害者就業・生活支援センターが保健福祉圏域ごとに設置されました。また、平成18年度以降は、障害者自立支援法、現在の障害者総合支援法になりますが、それに基づいて一般就労への支援を行う就労移行支援事業所、また、地域の個別の就労支援機関が充実してきておりますので、平成27年度に限った話ではなく、近年利用者が減少してきているという傾向があります。

京島委員

 無料職業紹介については、逆に紹介数が増えているようですが、平成27年度の採用者の方たちの障害種別、障害の程度、また採用者の就職先の業種や規模についてお尋ねいたします。

雇用対策課長

 83名の内訳ですが、精神障害の方が59人、身体障害の方が13人、知的障害の方が11人となります。また、障害の程度ですが、精神では1級の方が2人、2級が30人、3級が27人といった状況です。身体では1級、2級の方がそれぞれ1人ずつ、3級の方が3人、4級と5級の方が4人ずつといった状況です。知的は中度に当たるB1の方が1人、軽度に当たるB2の方が10人といった状況になります。就職先のトップ3で見ますと、一番多いところが医療福祉関係で19人、2番目が製造業で12人、3番目が卸売業、小売業で11人といった状況で、規模別に見ると、300人以上の企業が44社、100人以上300人未満の企業が29社、100人未満の企業が9社、その他1社といった状況です。

京島委員

 今お聞きして、就職先については、様々な規模の企業があることが改めて分かりました。私は昨年9月の一般質問において、小規模事業者にはアットホームな雰囲気で、きめ細かく障害者のフォローができるというよさがあるので、法定雇用率の対象とならない従業員50人未満の小規模事業者を含め、障害者雇用の裾野を広げていくための方策が必要と質問させていただきました。その際、小規模事業者を対象としたセミナーや交流会を開催するとの答弁を頂いておりますが、現在の取組状況について確認させてください。

雇用対策課長

 現在の取組状況ですが、今年度から新たに中小企業、小規模企業等を主な対象とした企業の交流会を県内7箇所で開催する準備をしております。この企業交流会では中小企業等が障害者雇用への一歩を踏み出す上で参考となるように、同じレベルの中小企業の中で障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業を先輩企業と位置付けて、先輩企業による体験談の紹介、また先輩企業等と気軽に相談できるような質問会、そういった形で開かれる交流会を企画しております。

京島委員

 今お話がありました企業交流会について、大きい企業には大きい企業のよさがあり、小さい企業にも小さい企業のよさがあるという中でいくと、大手が取り組んでいることを小さい企業や小規模事業所も同じようにできるかといえば、経費的、設備的な面で難しいところがあるということを一般質問の際に申し上げました。そういった中で、事例発表を依頼されているということですが、中小企業、小規模企業の具体例をお伺いできれば、お聞きしたいと思います。

雇用対策課長

 今月にまず第1回目の企業交流会を予定しており、そこで発表していただく2社について御紹介したいと思います。

 1社については、繊維製品や合成樹脂製品の製造など加工、販売を行っている大栄(株)というところになりますが、100名程度の従業員で、現在3名の精神障害の方を雇用されております。この精神障害者の方は主に部品の製造等に携わっているということです。この会社も最初は全くきっかけがなかったのですが、身近に就労移行支援事業所があり、そこで企業実習を行っているということで、実際に障害者の方が作業しているところを見て、これなら障害者を雇用できるということで、取組を始めたという事例として聞いております。

 もう1社については、社会福祉法人になりますが、特別養護老人ホームの運営を行っている職員数100名程度の規模の法人です。現在2名の知的障害のある方を雇用しており、健常者の職員と一緒に介護の業務に携わっているということです。職員同士が助け合いながら介護の作業をするということで、介護の質が上がって良い効果が起きていると聞いております。

京島委員

 障害者雇用のための企業交流会、はじめの一歩というのは、正しく名前のとおりだと思います。今まで障害者の雇用に力を入れたかったが無理だったという方にとっても、このような取組ができるということで、セミナーを開いていただきたいと思います。実際に中小企業や小規模企業の方に参加してもらうためには、広報にも更に工夫が必要だと考えておりますが、これからどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

雇用対策課長

 まず、各地域ごとに、法定雇用率の未達成企業に対して直接御案内いたします。また、その地域のハローワークや障害者就業・生活支援センターは身近な企業とも連携しておりますので、そうしたところを通じて企業への周知をいたします。さらには、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会など、小さな企業を取りまとめている経済団体などへも広報の協力をお願いしているところです。

京島委員

 今、法定雇用率未達成の企業には個別に御案内していただけると伺いましたが、どの企業も年間スケジュールを組んでいて、せっかく良い取組であっても、直近で御案内を頂いた場合にはなかなか参加できないということがあると思います。今月に第1回目が開催され、また相模原でも開催するということですが、こういった御案内については既に出されているという判断でよろしいでしょうか。

雇用対策課長

 年間の開催スケジュールは既に広報を始めております。

京島委員

 最後に、障害者雇用を更に促進するために、県としてどのような課題があると考えているのか、お伺いいたします。

雇用対策課長

 様々な課題がありますが、現在特に感じておりますのは、精神障害者の方のハローワークにおける求職件数が5年前と比べると2倍に急増しております。また、平成30年4月には精神障害者が法定雇用率の算定基礎に加わりますので、精神障害者の方の雇用の場を広げていくことが特に重要だと考えております。また、大企業に比べて特に中小企業、小規模企業の雇用を進めるために、今年の4月に改正障害者雇用促進法も施行され、障害者への差別禁止や合理的配慮の提供義務などの制度もスタートしたので、中小企業等へのきめ細やかな支援を充実していくことが必要だと感じております。

京島委員

 先ほど来より様々な御回答を頂いておりますが、中小企業、小規模事業所を対象とした企業交流会について、私の一般質問後、スタートしていただいたことには本当に感謝をさせていただきます。先ほども伝えたとおり、正しくはじめの一歩ということで、スタートしたばかりという形になるかと思います。周知の仕方について、年間スケジュールとして広報しているという回答を先ほど頂きましたが、正直、そういったものを目にしていても、スルーしてしまっている事業所が多いことが非常にもったいないなと私は感じております。広報、周知の仕方については、改めて再検討していただき、こういった取組を通じて障害者雇用の促進が更に広がり、今後ますます障害者雇用の機運を高めていただきたいと要望します。

早稲田委員

 私からは、雇用情勢と女性の就労支援について伺ってまいります。

 まず、雇用情勢についてですが、報告資料の4ページに記述があり、県内の4月の有効求人倍率が1.03倍で、0.02ポイント上昇したということが分かります。この要因について、景気の回復と言われておりますが、その景気の回復ばかりではなく、生産年齢人口や労働力人口が減少すればおのずと上がるという部分も当然あろうかと思います。そうしたいろいろな要因を県ではどのように捉えていらっしゃるのか、伺います。

雇用対策課長

 内閣府が発表しております地域の経済2015なども参考にして、この要因について考えてみました。神奈川県の求人数については、全般的に企業の採用意欲が高まっていることや、産業別に見ると、医療、福祉、卸売、小売などで求人数が伸びていることから、全体がやはり伸びております。また、求職者の状況としては、失業率の低下に見られるとおり、失業の解消につながっていることなどから、本県の有効求人倍率は改善していると捉えております。ただ、委員御指摘のとおり、やはり内閣府の地域の経済2015においても、有効求人倍率の改善要因には、そうした景気回復等による面だけではなく、生産年齢人口の減少によって求職者数が減少するという構造的な要因もあると指摘されております。過去の2002年に景気が回復したときと今回の景気の回復を比べると、有効求人倍率の改善の要因として人口要因が与える影響が大きくなっている地域として、東北や北関東、四国地方などがあると内閣府は分析されているところです。

早稲田委員

 神奈川においては、労働力人口が下がっているばかりとも言えないという回答だと思います。それでは、業種別で見たときに、これもかなりばらつきがあると思っており、高止まりしている業種に引っ張られて有効求人倍率が上がっていると考えるわけですが、その辺はどのように分析をされていますか。

雇用対策課長

 確かに、非常に人気の高い事務など常用一般の有効求人倍率が約0.18という状況と比較し、介護や建設などは非常に高いということで、大きなミスマッチがあると考えております。やはり一般的に介護職などは、仕事のきつさなどに対して給与が低いことなどが挙げられ、人手不足の原因と指摘されておりますので、こういった人手不足の業種の職業としての魅力が高まって、ミスマッチが解消されていくことが望ましいと考えております。

早稲田委員

 ミスマッチという言葉が出ましたが、正にそのとおりだと思います。介護職や保育士などは給与が上がらない状況が改善されない中で、幾ら全体の有効求人倍率が少しずつ改善してきても、社会の労働環境としてはどうなのかという疑問を抱いてしまいます。今おっしゃいましたミスマッチの部分について、仕事の魅力を高める、労働環境の整備をすることが必要だと思いますが、県が直接できない部分の方が多いかと思います。そういった中で、何か本県として働き掛ける、改善の方向に持っていく施策というものがありましたら教えてください。

雇用対策課長

 介護に関する業務を所管しております保健福祉局に確認しましたところ、介護職場の環境を改善して魅力を高めるための取組の一つとして、経営者の方々の理解と取組を促進するということに取り組んでいくということです。具体的には、特に今年度から介護職員の能力や資格、経験に応じた人事、給与、研修体系などを整備したキャリアパスの導入に取り組む介護サービス事業者を支援するために、新しい補助金を今年度から導入するということを保健福祉局から聞いております。

早稲田委員

 保健福祉局の取組でありますが、給与等の改善に取り組んでいくというところに、インセンティブを与えるという意味では、私はこの事業に大変注目をしております。本県として、そうしたことは第一歩であると思いますので、これをきっかけに、国にもしっかりと働き掛けをしていっていただきたいと思います。

 それから、この有効求人倍率ですが、正規、非正規と分かれて数字が出ているものなのか、もし非正規雇用についてお分かりになれば、教えていただきたいと思います。

雇用対策課長

 有効求人倍率については、正規、非正規という分け方ではなく、正社員の有効求人倍率と全体の有効求人倍率と二つに分けたものが公表されております。本県の正社員の有効求人倍率と全体の有効求人倍率の最近の動向を見ると、最新の平成27年については、正社員の有効求人倍率は0.62倍になります。ここ数年見てみると、どちらも平成22年がいずれも最も低く、正社員の有効求人倍率が0.26倍、全体の有効求人倍率が0.41倍というところから徐々に上がってきていて、報告資料のとおり全体の有効求人倍率については、平成27年は0.93倍、直近の4月は1.03倍といった状況になっております。

早稲田委員

 やはり正規雇用だけで見ると、1倍に満たないということで、非正規雇用の方々がかなり増えているということも分かるのではないかと思います。

 それでは、就業者数という観点から伺います。全国では2014年よりも就業者数が増えているようですが、65歳以上の非正規雇用の方が増えているという数字もこの中には含まれると思います。ここ数年の就業者数、それから正規雇用、非正規雇用について、全国と神奈川ではどのような傾向があるのか、教えていただきたいと思います。

雇用対策課長

 この1月に総務省で公表された労働力調査によると、2015年平均の就業者数は、全国では6,376万人で、前年に比べると25万人増えております。男女別に見ると、男性は1万人の増加、女性は25万人の増加、また年齢階層別に見ると、65歳以上の層が前年に比べて49万人と非常に大きく増えております。それから、正規雇用、非正規雇用の動向をここ数年見ると、2015年は正規雇用が62.6%、非正規雇用が37.4%ということで、非正規雇用の割合は上がり続けておりますが、2014年と同じ比率という状況になっております。このように、女性や65歳以上の就業者が増えている、非正規雇用が増え続けていて、2014年と同じくらいのレベルになっているというのが全国の傾向です。神奈川県もほぼ同じ傾向ですが、全国と比べると女性の就業の伸び率が全国より若干高いといった特色があります。

早稲田委員

 詳細に教えていただきましたが、正規雇用、非正規雇用でいうと全国並みの6対4ということになっております。

 そういった中で、女性の就労について伺いたいのですが、特に女性の方が非正規雇用の割合が高くなっていると思います。このことについて、特に母子世帯の数字をお持ちでしたら、教えていただきたいと思います。

労政福祉課長

 男性に比べて女性は非正規雇用の割合が高くなっております。平成27年度の神奈川県労働力調査では、平成27年の男性の非正規雇用の割合は21.6%で、女性は59.2%となっております。特に、母子世帯の母親は47.4%がパート、アルバイトの非正規雇用であり、その平均年間就労収入は、平成23年度の全国母子世帯調査によれば181万円であり、雇用環境が厳しいことが子供の貧困の大きな要因の一つになっていると考えられます。

早稲田委員

 女性の非正規雇用の6割が割合が高いことについて、不本意な方も多いと思いますし、そうではなく、パートということを選んでいらっしゃる方も男性に比べて多いということも、もちろん分かります。そういった中で、母子世帯の母親は47.4%がパート、アルバイトの非正規雇用であり、200万円以下の平均年間収入の実態についても伺いました。県でも貧困問題解決に取り組んでおり、私も県民企業常任委員会の中でいろいろと議論をさせていただきました。この中でも、ひとり親家庭のアンケートで、世帯収入300万円未満という方が7割いるという数字が出ていて、改めてこの点でも貧困問題が深刻だということがよく分かりました。そういった中で、労働相談等でその部分について相談が多くなっているのかどうか、また県として、こうしたことをどのように具体的に働き掛けしていくのか、最終的には民間企業が賃金を決めるわけですが、具体的な取組があれば教えていただきたいと思います。

労政福祉課長

 女性の労働相談件数は、ここ4年間、女性の労働相談が男性の労働相談を上回る状況が続いております。その理由ですが、一つは男女の労働力人口の問題があろうかと思います。平成24年と平成27年の県内の男女の労働力人口を比較すると、男性は約6万1,000人減少する一方、女性は約12万4,000人増えております。こういった女性の労働力人口の割合が増加したことが、女性の労働相談が多くなった理由の一つかと考えております。

 それから、女性の雇用環境の改善にどのように取り組んでいくかということですが、この6月8日に知事と国の神奈川労働局長が直接、県内の五つの経済団体に出向いて、雇用機会の確保と職場環境の改善に向けての要請を行ったところです。その中で、今回初めて、女性の雇用について雇用機会の確保や働きやすい環境づくりの促進などをお願いしたところです。また、先ほど申し上げた労働相談や横浜駅西口で実施しておりますキャリアカウンセリング等、女性の就業支援に向けた取組を進めております。そういったことに取り組むことによって女性の雇用環境の改善に努めていきたいと考えております。

早稲田委員

 初めて女性の就労という部分についても経済団体に申入れをしていただいたということですが、これに対して、何かリアクションはありましたでしょうか。

労政福祉課長

 6月8日に依頼したところですので、そのこと自体は前向きに受け止めていただいているものと理解しております。

早稲田委員

 るる伺ってきましたが、非正規雇用の高止まりが続いている中、また男女の格差というものもあり、雇用のいろいろな面で格差が出ているのではないかと思っております。このことが経済成長を阻んでいる一つの要因にもなりかねませんので、是非こうした雇用の安定を経済成長の重要な柱とするために、県としても更なる取組を進めていただくよう要望をさせていただきます。

 続いて、ロボット関連作業、それからセレクト神奈川100について伺ってまいります。

 神奈川の企業誘致施策といえば、インベスト神奈川、インベスト神奈川2ndステップ、そしてインベスト神奈川2ndステップ・プラスということで、今度は新しくセレクト神奈川100ということになっているのだと思います。

 まず、ロボット関連産業については、インベスト神奈川2ndステップで支援されていると思いますが、県がどのくらいの支援をなさって、そしてどのような費用対効果があったか、端的に伺います

企業誘致・国際ビジネス課長

 県としての支援については、インベスト神奈川2ndステップにおいて、産業集積促進奨励金として5,968万円、不動産取得税軽減額としてこれと同額、それから産業集積支援融資としての利子補給が1億579万円ということで、支援の合計は2億2,515万円となっております。

 これに対する経済効果についてですが、設備投資それから創業における発注額のうち県内企業への発注状況ということで申し上げますと、約57億円の発注額となります。加えて、雇用に関する実績で申し上げますと、正社員及び正社員以外の社員の雇用ということで608人となっております。

早稲田委員

 まだ年数がそこまでたっていない中でのお答えでしたので、これが現状だと思いますが、2億円の支援をして57億円の県内発注があったということで、数字に目に見えてあるのではないかと思って期待をしております。そういった中で、いろいろ商品化等は進んでいますし、実証実験も目標値を上回る状況でなさっているわけですが、一つだけ企業立地というのが目標値を下回っていらっしゃいますが、この要因についてはどのようにお考えでしょうか。

企業誘致・国際ビジネス課長

 さがみロボット産業特区へのロボット関連企業の立地が目標数値を達成していない要因については、様々あるかと思いますが、一つには事業用地の確保という問題があるかと思っております。例えば、特区内の10市2町の主要幹線道路付近の工業団地ですが、ほとんど空きがないという状況です。また、特区内の市町は比較的人口が多く、工場立地の場合には、市街化区域内の工業地域、工業専用地域、準工業地域への立地になるかと思います。こうした用途地域は、比較的まとまりのある平たんな土地ですと、マンション、商業施設あるいは物流施設の適地ともなっております。工場立地の際には、こういった開発、ほかの土地利用とも競合していかなければならないという部分もあり、結果的に豊富な資金力を持ったほかの土地利用に変わっているのかと考えているところです。

早稲田委員

 要因として、土地の問題があると伺いました。インベスト神奈川の取組が10年を経過し検証を行う中で、我が会派からも、製造業以外への産業誘致の拡大、それから中小企業、小規模企業を育てる観点から投資額要件緩和等を提言させていただきました。今回新しく始められたセレクト神奈川100ではこれが盛り込まれたということで、大変評価をさせていただいておりますし、更なる期待をさせていただいています。そういった中で、ロボット産業特区もエリアとしては10市2町ですが、産業用地が不足しているという話がありました。報告資料の25ページに、経済支援だけではなく、企業立地に向けた環境整備という記載がありますが、その具体的な内容を教えていただきたいと思います。

企業誘致・国際ビジネス課長

 今後、国外あるいは県外から100件の誘致を図っていくためには、委員御指摘のとおり、産業用地の確保ということが大変重要になってまいります。特に、製造業の工場では、まとまった広い面積が必要です。こうしたことから、市街化調整区域、通常は一般的な都市的土地利用を避けているエリアになりますが、市街化調整区域のうちインターチェンジ周辺の幹線道路沿いに限って、工場の立地を特定的に認める規制緩和の取組を進めております。具体に申し上げると、調整区域を開発する場合には都市計画法上、地区計画をかけて開発する場合と、開発許可によって開発する場合の2種類がありますが、地区計画は市町主導の面的な開発ということになります。また、開発許可は民間主導の個別の開発ということになります。このうち地区計画については、本年4月に県の方で持っております市街化調整区域における地区計画制度の活用に関する基本方針等を改定し、一定の条件の下でインターチェンジの出入口から半径5キロ以内の幹線道路、若しくは既存の工場の隣接地などに、地区計画をかけることによって、工場が立地できるような制度の見直しを図ったところです。加えて、開発許可についても、インターチェンジの出入り口から1キロの範囲内の幹線道路沿いを一つの念頭に置いて、工場が立地できるよう、現在、調整、検討を県土整備局とともに進めているところです。

早稲田委員

 県の目玉の取組であるセレクト神奈川100、またロボット産業特区もあります。全て地区計画をかければよいというものではありませんが、やはり誘致をしたいという市町村にはそれなりの地区計画をかけるという方法も非常に有効ではないかと思います。今後、このセレクト神奈川100が、そしてまたロボット産業その他の事業が進むよう、いろいろな場面で工夫し進めていただくよう要望して、私の質問を終わります。

赤井委員

 先ほど早稲田委員の方から産業集積の部分で、さがみロボット産業特区の話が出ました。投資に対してそれなりの効果が出てきているのではないかということで、非常にこれから期待をされるところです。このさがみロボット産業特区の件について何点か伺いたいと思います。

 この特区では生活支援ロボットの実用化がメーンという形になっているようでもあります。介護、医療、それから高齢者の生活支援、こういった観点から生活支援ロボットの開発、実用化に取り組んでいると伺っています。これまでも委員会や本会議等でもいろいろと質疑をさせていただきましたが、特に見守りという点で、この生活支援ロボットの開発、そして実証実験等を行っていると伺っています。既に商品化されているものもあるようでありますが、その辺について伺っていきたいと思います。

 まず、地域協議会ということで、報告資料の7ページに、平成27年度よりさがみロボット産業特区協議会に、人を対象とするロボット研究開発及び実証実験に関する倫理審査会を設け、これまでに4回開催したと記載がありますが、この内容について伺います。

産業振興課長

 この倫理審査会は、特区協議会の中に設け、実証実験を行う際、それが倫理に合っているかどうか、そういったものの計画を確認するものです。なお、既に4回開催しており、企業等が実施する実証の計画が倫理上適切かどうかを確認しております。

赤井委員

 今後の倫理審査会の着地点といいますか、今年度、どの程度開催を予定しているのか、また、テーマや審査する内容を絞ったものがあるのか、お伺いします。

産業振興課長

 この審査会は、実際に実証の計画を出して倫理審査を受けたいという企業等が申し込むもので、大体月に1回程度を予定しております。そのため、そういった申込みがない場合は、開催しないこともありますが、大体月に1回程度のペースで開催していくことになっております。

赤井委員

 ロボットの倫理という点で、私も去年の本会議で質問をさせていただいたのですが、ロボットに命が吹き込まれると、どのような形になるのかということを考えると、非常に大事なポイントだと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 次に、先ほど伺った様々なプロジェクトの中で、高齢者の見守りシステムが、例えばプロジェクトの中にも二つあります。この高齢者の見守りシステムの内容について御説明願います。

産業振興課長

 さがみロボット産業特区で取り組んでおります高齢者の見守りシステムですが、主に高齢者がベッドから転落するのを防ぐといった点で、いろいろと考えております。例えば、ベッドの中で起き上がったり、はみ出したりなど、ベッドの上の体勢を検知する、また室内での転倒などの状況を検知し家族や施設の職員に携帯電話あるいはナースコールなどを使って通報するシステムとなっております。この特区では、被介護者、いわゆる介護される側のプライバシーに配慮し、カメラを用いないで状態を検知するための様々な方式を使ったシステムを開発及び実証しているところです。

赤井委員

 その中でも、マイクロ波を使った高齢者見守りシステムというものがあります。たしか去年、一昨年であったと思いますが、平塚の高齢者の施設で、マイクロ波を使った実証実験があり、私も現地に行かせていただきました。今、産業振興課長がおっしゃっていたように、物事が特定できるのはよいのだけれども、余り特定され過ぎても困るなど、いろいろな問題があると思います。このマイクロ波を使った高齢者の見守りシステムの状況、それから、今言ったように、全ての物事が特定できてしまうことの是非についての今後の方向性をどのように考えられているのか、伺います。

産業振興課長

 まず、システムの状況についてですが、これはマイクロ波で一定程度、距離を測り、そこに人がいるかどうかを把握する、あるいは人が動くと、短くなったり長くなったりする波形により人の動きを感知する、大まかではありますが、こういったものになります。動きを感知するのには、いろいろなやり方がありますが、カメラを直接使ってしまうと、プライバシーという問題がありますので、シルエットで見えるようにしたのが、赤外線レーザーを使ったものになります。本人は特定できなくても、シルエットを見て、転倒してしまいそうだとか転倒する可能性があるなどを見ることになるかと思います。見守りシステムというのは、見守る側からすれば、常に情報が欲しいということもありますが、見守られる側からすれば、プライバシーの問題もあるということで、どのようなツールを使い、どのように見守っていくのか、どのように支えていくのか、どのような機能が必要なのかということについて、いろいろと考えていく必要があるかと思っております。

赤井委員

 データをどのような形で処理をするのか、そして、それによってどのような対応をしていけばよいのかなど、これからも様々な問題があるかと思います。昨年度の実証実験の中で、3D赤外線レーザーセンサー方式を採用した見守りシステムが(医) ジャパンメディカルアライアンス介護老人保健施設アゼリアで今年の1月31日まで行っていたようですが、この内容と先ほどのマイクロ波を使った高齢者見守りシステムとの違いについて伺いたいと思います。

産業振興課長

 マイクロ波を使った見守りシステムは、見守る対象者に対してマイクロ波を照射し、その反射した波から対象者の動きを把握します。マイクロ波ですので、若干指向性が広いため、動きの有無は分かるのですが、詳細な部分まではなかなか分からないというところがあります。

 一方、3D赤外線レーザーセンサー方式というのは、3Dレーザー方式ですので、指向性が高い電波を使っています。何回も照射して、シルエットの形を把握するというものになっております。出力してシルエット画像として対象者を確認し、通常のカメラによる画像とは違った形で対象者のプライバシーに配慮し、対象者の動きを把握しようとするものです。

赤井委員

 対象の動きを捉えるものや心拍数といった生体反応で調べるものなど、いろいろなものが今後、高齢者の見守りのシステムの中に適用されてくるかと思います。そして、それをどこで監視するのか、もし何かがあったときに、それをどのような形で知らせるのかなどについても、いろいろな問題があると思います。そこら辺について、例えばオープンイノベーションのプロジェクトとして高齢者向けの見守りシステムというものがあるかと思いますが、そういった内容等について、これからどのように取り組んでいこうとしているのか、お聞かせください。

産業振興課長

 今、委員の御指摘もありましたように、センサーでキャッチした情報を誰に伝えるのかという点で、主に想定されているのが、家族の方やしかるべき施設の職員の端末に情報を知らせるということになろうかと思います。今、オープンイノベーションでも、圧力の変化で動きを検知するシート状のセンサーなどを用いたものに取り組んでいます。センサー関係の企業に加えて、情報通信関係サービス企業も参加しておりますので、今後は家族への通信等の運用サービスも含めた見守りシステムの構築を見据えて進めていく必要があると考えています。

赤井委員

 今回の様々な実証実験に、いろいろな企業、そして大学等が参加してきているわけですが、神奈川県は幸いにしてさがみロボット産業特区が様々な分野で国の評価を頂いていると伺っています。そういった意味では是非、全国に先駆けて高齢者の見守りのシステムを進めていただきたいと思います。

 それから、次世代に向けたロボットの普及ということで、生活支援ロボットの普及、定着のために、ロボットの能力、そしてロボットとのつながりを一生懸命子供たちにも教えていく必要があるのではないかと思います。資料にも記載されておりますが、ロボットのリテラシー授業というのが今年の1月と3月に開催されたようですが、この内容についてお聞かせください。

産業振興課長

 今、委員がおっしゃられましたように、ロボットをどのように正しく使っていくか、どのようにして誰にも迷惑を掛けずに使いこなしていくかといったものを子供のうちからいろいろと経験していただくことが重要だと考えております。この事業はロボットとの共生社会の実現に向けた取組の一つとして、小学生の子供たちがロボットに親しみ、ロボットが動く仕組みや、あるいは正しい使い方、こういったものを学ぶことでロボットとの上手な付き合い方を考えるきっかけとなってほしいと考えて、伊勢原市立比々多小学校で実施したところです。

赤井委員

 子供たちの反応、それからどのような内容を行ったのか、教えてください。

産業振興課長

 まず、内容についてですが、実際に小さい簡単なロボットキットを組み立ててもらったりして、ロボットについて親しんでもらいました。それ以降は、ロボットを見ながら、ロボットと人間の違いとは何なのかということを考えたり、将来どのようなロボットが欲しいかなどといったことを考えていただく時間をつくりました。グループごとに分けて子供たちに考えさせるようなことをしており、進行役の進め方に基づいて、そういった手法をとりました。

 そして、子供たちの反応についてですが、アニメでロボットを見てはいるけれども、初めてロボットを実際に見たというお子様もいました。また、センサーの反応を見たり触ったりして歓声が上がるなど、楽しく学んでいる様子がうかがえました。さらには、ロボットと人間の違いについてグループで考える時間なども設けてあり、ロボットはロボットを発明できないなど、子供らしい意見がありました。授業終了後に実施したアンケートによると、授業がおもしろかったと回答した児童は約9割以上で、またロボットを使った授業を受けてみたいという子供たちも9割以上という反応でした。

赤井委員

 子供たちが初めてロボットを作ったりしたということで、ロボットも非常に身近になったのかなと思います。また、今平塚でテクノフェアをやっていますが、そこでは自分の出身校がロボット教室を行っていて、地元の小学生五、六十人がロボットを作ることから始めて展示会まで行っています。また、県の方からも知事賞や缶バッジなどを頂いて、非常に子供たちも喜んでいます。また来年もという声もよく聞こえてきているので、是非この辺については進めてもらいたいと思いますが、今年度、このリテラシー授業についての予定はどのようになっているのでしょうか。

産業振興課長

 こういったロボットリテラシーについては、ロボット新戦略などにも位置付けがされているため、ロボットと共生する社会を目指していく上で、この特区の取組として継続させたいと考えております。昨年度いろいろと実施させていただいたので、今後はこういった教育を行うに当たってどのくらいの学年の生徒がよいのか、あるいは学校内での授業としての位置付けは何が適しているかなど、いろいろと検討を重ね、特区内の市町の意向を確認しながら継続的な実施に向けて調整をしていきたいと考えております。

赤井委員

 このリテラシー授業と同様に、ロボットに親しむという点で、去年の湘南ひらつか七夕まつりに、地元の小学6年生約200名がこういったロボットがあったらいいなという特設の短冊を作り、神奈川県として後援していただいて、特設飾りを作りました。その内容的なものについて、それから、実際に作ってくれた子供たちの反応、また周りの反応などはどうだったのか伺います。

産業振興課長

 特設飾りは、今委員おっしゃっていただいたように、短冊に、こういったロボットがあったらいいなということを書いてもらったわけですが、子供たちの反応として、こんなロボットがあったらよいということを考えるきっかけが意外と日常ないので、そういったことを考えて、将来こういったロボット、自分にとって必要なロボットは何だろうということを考える一つのきっかけになったと聞いております。昨年度にはアトムトレインや未来のハカセなどといったイベントも実施してきましたが、将来どのようなロボットがあったらよいか考えるきっかけは、大人でも意外とないものかもしれませんので、おおむね好評だったと受け止めております。

赤井委員

 今、産業振興課長から話があったアトムトレインについては、相模線でアトムの様々なイベントを行い、ロボットを身近に感じてもらうということで、実施したと思っています。また、この七夕まつりの特設飾りは、地元の子供たちも去年非常に喜んでいたと思いますが、今年も7月7日から七夕が始まるので、是非実施してもらいたいと思っています。そこら辺について今、考えていることはありますか。

産業振興課長

 委員からも好評というお話を頂いておりますが、今年度においても平塚市、あるいは湘南ひらつか七夕まつりの実行委員の方の御協力を得ながら、市内の小学生に自分の欲しいロボットのアイデアを短冊に記載していただいて、特区の七夕飾りに掲出できないか、準備を進めているところです。未来を担う子供たちがロボットに興味を持つきっかけになるということで、この七夕祭りの短冊に、どういったロボットが欲しいか書いていただくことを、今回、調整や検討を進めながら特区の周知、広報を兼ねて実施するよう今進めております。

赤井委員

 特に、さがみロボット産業特区のキャラクターとして鉄腕アトムが使われているわけですが、そういった意味では、鉄腕アトムのキャラクターを更に活用することで、子供たちにすごい夢を与えることができるのかなと思います。アトムの活用について、今どのような考えを持っていらっしゃるのでしょうか。

産業振興課長

 さがみロボット産業特区のイメージキャラクターとして鉄腕アトムをいろいろと活用させていただいておりますが、この4月にはホームページに、(株)手塚プロダクションの御協力の下、共生する未来を描いたアニメーションを掲載しております。また、これまでのイベントなどにおいても、鉄腕アトムを使ったものについては、お祭りなどを一つとっても、お子様あるいはお孫様を連れた御両親、祖父母世代の方が実は鉄腕アトムをよく知っているということで、アトムを通じたコミュニケーションを担っているのかなと思っています。さらには、鉄腕アトムは命を守るロボットということで皆様に認識されていると思いますので、今後もこの特区のイメージキャラクターとして鉄腕アトムを使った普及啓発を進めていきたいと考えております。

赤井委員

 鉄腕アトム世代というのは、限られてしまうのかもしれませんが、鉄腕アトムのイメージキャラクターを大きく使えるような形にして、このさがみロボット産業特区をイメージアップできるようなコマーシャルを更に進めていただきたいとお願いして、私の質問を終わります。

藤井(克)委員

 最初に、神奈川県立産業技術総合研究所について伺います。このことについては、神奈川県産業技術センターをKASTと統合することや独立行政法人化することに対して、私たちは反対をしてきました。それは様々な懸念を持っているからです。そういった懸念が現実にならないように願いながら、今回は質問したいと思います。まず、午前中の質疑で産業技術総合研究所の中小企業支援の役割や考え方などについてやり取りがありました。私も同趣旨の質疑を予定していたものですから、関心を持って伺っていたのですが、答弁がいまひとつ言葉として明確でなかったように私は受け取りました。もう一度、私の方からも伺わせていただきますが、神奈川県立産業技術総合研究所が県内中小企業支援についてしっかり取り組んでいく、重要な役割として取り組んでいく、これまでの神奈川県産業技術センターと同等あるいはそれ以上に取り組んでいくという理解でよろしいのかどうか、単純明快にお答えしていただきたいと思います。

独立行政法人化担当課長

 中小企業支援に係るお尋ねでありますが、今回の統合・独法化に当たっては、神奈川県産業技術センターとKASTが実施してきた業務を神奈川県立産業技術総合研究所が引き継いで実施していくものです。このため、これまで神奈川県産業技術センターが担ってまいりました中小企業等を中心とする県内企業に対する技術支援に引き続き取り組んでいくとともに、その機能を強化していく、このように考えております。

藤井(克)委員

 今の答弁はとりあえず受け止めますが、そういったことについて、定款や今回出された中期目標の骨格の文章というか文言においては、いまひとつ明確でないように私は受け止めております。中期目標についてはこれから仕上げていくということでしょうから、是非その点を受け止めていただいて、もう少し明確に先ほどの答弁のようなことが読んで分かるように書いていただけたらと、今回は要望しておきます。

 そして、神奈川県産業技術センターが独立行政法人化されるということによる新たな特徴点について伺いますが、今回示された中期目標骨格の中には、どこにどのように書かれているのか伺いたいと思います。

独立行政法人化担当課長

 まず、中期目標の前文の部分になりますが、新法人の役割ということを記載させていただいております。これについては、神奈川県産業技術センターとKASTの強みを融合したイノベーション創出機関として、基礎研究から事業化まで一貫した支援を行うということ、そして、企業支援ネットワークの中心的機関として外部機関と連携した最適な支援を行うということ、これが基本的な考えとなります。具体的な事業については、報告資料17ページ3番、住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項の中で、中小企業等の開発ニーズを短期間で事業化するための研究といったところで支援を盛り込んでいるところです。

藤井(克)委員

 私はこれまで県直営だったものが独立行政法人になるという、新しい形態の変化がこの中期目標の中にどのように書かれているかということで伺ったつもりだったのですが、少し言葉が足りなかったと思います。言い方を変えますと、私は報告資料18ページ5番の財務内容の改善に関する事項が、それに当たるのではないかと思っているわけです。それで、ここについて具体的に伺いたいのですが、収入の確保という項目の一つ目に、安定的な業務運営に向けた事業収入の確保と記載があります。これはどういったことを指しているのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 地方独立行政法人については、法律上、設立団体は地方独立行政法人に対し、その業務の財源に充てるために必要な金額の全部または一部に相当する金額を交付することができるという規定があります。これは、地方独立行政法人が必ずしも独立採算制を前提としていないためであり、設立団体である県が独立行政法人に運営交付金と呼ばれる交付金を交付する仕組みとなっております。神奈川県産業技術センターについても、県としてこの運営費交付金を措置していくということになります。

藤井(克)委員

 事業収入の確保と言われますと、神奈川県産業技術センターが行ってこられたいろいろな試験、機械的強度や温度、あるいはいろいろなクレームに対応するための技術的なアドバイスなどに対して手数料を取って行われていくわけですよね。それが高いと中小企業にとってやはり負担になるわけで、この事業収入の確保ということが余り前に出ると、中小企業に負担が転嫁されるようなことにならないのだろうかと心配するわけですが、そういうことにはならないということで約束できるのでしょうか。

独立行政法人化担当課長

 独立行政法人の料金については、その上限について議会の御議決を頂いた上で定めることになり、その中で料金等を定めていくことになります。こうしたことから、利用料金についても県のチェック機能が働くものと考えます。

藤井(克)委員

 県と国の違いもあるのですが、国の国立病院が独立行政法人化されて何年かしたらば、差額ベッド代がものすごく増えてしまったということを経験しているものですから、非常に心配しておりまして、この点は継続していろいろと確認していきたいと思っております。

 もう一つ、別の問題になりますが、県直営の施設が独立行政法人になることによって、そこで働く職員の処遇がどうなるのかということは大変大きな問題だと思います。その辺については、県としてどのように考え、今どのように進めているのか、今後どうなっていくのか、伺います。

独立行政法人化担当課長

 処遇という御質問ですが、これを給与、勤務条件等と捉えてお話ししたいと思います。まず、神奈川県立産業技術総合研究所は一般地方独立行政法人として設立するものであり、その職員の給与については法律上、職員の給与はその職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない、そして、給与等の支給水準は、当該地方独立行政法人の業務の実績を考慮し、かつ、社会一般の情勢に適合したものとなるよう定められなければならないと規定されております。神奈川県立産業技術総合研究所においても、このルールを念頭に給与を決定することになります。設立に当たって、現在、設立団体として県が職員団体との話合いを進めておりますが、この中では給与について県に準拠するということで提案し、話合いを行っているところです。

藤井(克)委員

 身分的に、県職員のままでいるという方向と、新たに独立行政法人の職員に変わるという場合とがあると思います。もし私自身がそういう立場になったとすると、やはり県に採用されたという意識で働いていた中で、どちらにするのか問われたならば非常に悩むのではないかと思います。その辺について、どのような状況で、どのような選択肢が示されているのか、伺いたいと思います。

産業労働局管理担当課長

 職員の身分について、法の規定では、今回のような移行型の地方独立行政法人の場合、別に辞令が発せられない限り、成立の日において地方独立行政法人の職員になるとされております。一方、地方独立行政法人の職員ではなく、今後も県職員として働きたいという職員がいることも承知しており、身分の問題は職員の方々も重く受け止め、不安に思っていることも十分承知しております。現在、身分の問題については、総務局を中心に検討しており、職員団体との話合い、それから職員説明会を行っているところです。こうした職員団体や職員の意見なども伺いながら、引き続き丁寧に調整を続けていきたいと考えております。

藤井(克)委員

 神奈川県産業技術センターで働かれている方々は、技術職であったり事務職であったり、あるいは採用の形態、試験の種類も違ったり、いろいろだと聞いておりますが、やはり神奈川県に採用されて働くということで就職されたという点では皆様同じだと思います。その身分がどうなるのかということについては、変に職種や試験の種類で勝手に区切って決めてしまうのではなく、個々の職員の方の御意向などを十分に伺って、きめ細かく丁寧に対応していただくよう要望したいと思います。

 次に、県有観光施設の見直しということで幾つか示されてきた中で、ユーシンロッジについて伺いたいと思います。このユーシンロッジは民間への移譲という方向が出されて、実際にもう事業候補者が募集されて選定したという発表があったかと思いますが、現在の状況や今後の見通しについて伺います。

観光企画課長

 ユーシンロッジですが、民間への移譲について検討という中で、昨年、まず民間の提案募集ということで、7月28日から提案募集の告知をいたしました。その後、幾つかの事業者から問い合わせもあり、昨年の8月に説明会を開催し、8者15名の方に御参加いただいたという状況です。そして、現地を見ていただくということで、8月12日に現地説明会も開催させていただきました。こちらについては、5者15名の方に御参加いただきました。具体的な提案提出については、10月から11月に設定し、いろいろと御相談はありましたが、結果として1者から提案がありました。事業者については、西丹沢安全登山協力会です。提案していただいた内容を審査した結果、地域振興に資する内容であるということ、また、自然公園の配慮がなされているという内容が見られた計画であったことから、事業候補者として今年の1月15日に決定させていただいたところです。現在はその提案していただいた計画の中身について、具体的なスケジュールや事業計画の細かい調整をしているところです。

藤井(克)委員

 候補者となっている方が企業かNPOかを伺おうかと思ったのですが、今のお答えですとNPOかなと受け止めました。この募集に際して、どういったことを条件とされたのか、条件の詳しい中身を伺います。

観光企画課長

 まず、ユーシンロッジの事業候補者である西丹沢安全登山協力会は、現在まだNPO認証が取れておりません。任意団体となっており、現在、法人化を目指しているということです。

 次に、条件についてですが、こちらで募集要項をお示しして、細かい条件等を規定させていただいたところです。主なところを紹介させていただくと、まず建物については、現状のまま無償で譲渡するとしております。現状の耐震性については、耐震補強が必要ということで、必要な耐震補強をしていただく、また、トイレについても修繕が必要ということで、使用する場合はトイレを修繕していただくことを条件としております。また、給水については、現在の給水方法が今後活用できないということで、新たに井戸を掘削していただくということを条件とさせていただきました。また、土地の貸し付けについては、10年間ということで設定させていただきました。その10年で事業を終了する際には、建物の除却をしていただくといったことも条件とさせていただいたところです。

藤井(克)委員

 条件を伺いますと、建物は無償譲渡ですが、耐震補強をやらなければいけないし、トイレも修繕が必要、水もこれから使えなくなるため、新たに井戸を掘るということで、こういったことを、企業ならともかくNPOや任意団体が本当にできるのだろうかと思ってしまいます。その辺はどのような状況なのでしょうか。

観光企画課長

 まだ計画の段階ですが、委員御指摘のとおり、やはり資金的な部分がまだ十分ではないと我々も受け止めております。いろいろな許認可の関係もありますが、今後、御提案頂きました事業内容が実現できるような資金計画、工事計画について、我々も事業者とともに、そういった課題を乗り越えていけるよう、現在、調整を進めているところです。

藤井(克)委員

 資金的に不安があると伺いました。もう少し実態的に見てみたいのですが、建物の耐震補強というのは、どれくらいかかるものでしょうか。また、聞くところによると、収容人数も規模を縮小するという話もあったりするようですが、その辺について伺います。

観光企画課長

 耐震性についてですが、まず規模という点で、もともとユーシンロッジは80名の施設です。今回、提案者の事業内容は、半分に縮小して40名で運営していきたいという内容でした。耐震補強に係る経費については、実際の事業内容により、どの程度必要かというところがありますが、一定の耐震補強をした場合、1,000万円近くかかるであろうという試算は持っております。ただ、今回、事業者が提案していただいた40人規模の事業内容を見ると、それほど施設に負担をかけない形で対応できるのではないかと聞いております。例えば、建物にスリットを入れる技法によって一定程度の耐震性が保たれるという話も聞いておりますので、そういった形で工事を行った場合については、数百万円もかからないで工事ができると認識しております。

藤井(克)委員

 80人あった規模を40人に縮小し、少し費用を安くするということですが、井戸を掘るということについては、どのくらいの深さを掘るのでしょうか。環境への影響も大丈夫なのかという心配もありますし、経費の面でもどれぐらいの範囲になるのかということで、これについても伺っておきたいと思います。

観光企画課長

 井戸の掘削についても条件とさせていただいたところで、事業者からは井戸を掘削する計画を御提案頂いております。井戸を何メートル掘れば水が出るかは実際に掘ってみなければ分からないという中で、大体40メートルぐらい掘れば出るだろうということで事業者の方は想定されております。ただ、一般的に60メートルの深さを掘った場合、約1,000万円程度かかるという見積りもあります。事業者は、40メートルの深さを掘った場合の積算で事業計画を作成しておりますので、これが実際に60メートルになると、1,000万円程度かかる可能性があるという状況です。

藤井(克)委員

 あわせて、排水の浄化槽も新しくしなければならないという話もあるようですが、これについての費用はどれくらいかかるのでしょうか。

観光企画課長

 浄化槽についてですが、規模にもよりますが、通常の工事でやはり数百万円、場合によっては1,000万円を超える規模の工事が必要となります。ただ、山北町には補助制度があり、事業者が想定している規模の浄化槽を設置する場合については、山北町が設置し、それを事業者が分担金を払って、補修料を払っていくということになります。町の資料によると、事業者が想定している30人程度の浄化槽の場合は、約62万円の負担で、あとは毎月の維持管理料を支払えば設置が可能ということです。現在、事業者はこういった制度を活用するかどうかを町と調整している状況です。

藤井(克)委員

 建物、井戸、浄化槽と伺ってきましたが、果たしてこれはNPO若しくは任意団体にやってもらうようなことなのだろうかという疑問が湧きます。また、このユーシンロッジに関わる玄倉林道が、いろいろあり補修が必要だということで、トンネルを補修し、今は人が通れて、認めた車両だけが通るという状況だと伺っています。今後何年かかけて工事をやって車両の通行を完全にするような改修計画なのか、それともそうではないのか、その辺の工事の状況と見通しについて伺います。

観光企画課長

 玄倉林道の管理は環境農政局所管となりますが、聞いている範囲でお答えさせていただきます。現在、林道の安全対策工事を進めている最中ということです。計画期間は平成26年から平成30年の5年間であり、この計画に基づいて安全対策をとっているということですので、今現在、その後の一般車両を通行させるかどうかというところの判断はまだできないという状況です。なお、平成30年でこの工事が終わるわけではなく、その後も工事は続くだろうと聞いておりますので、どこかの時点で一般車両が通れるようになるということは、現時点ではなかなか見通せないのではないかと考えております。

藤井(克)委員

 私がこの工事の担当課から聞いたところによると、あるトンネルの改修が必要だけれども、実はその周辺に非常に珍しい花の植生があるということが分かって、それを保全してほしいという声があり、それを無視できないと、やはり安全第一という観点と環境保全という観点を両立しないでいるということで、工法も検討しているというお話でした。私はそのヒカゲツツジという珍しいお花の植生があるということは大切なことだと思うわけです。人が通るところを確保するということもありますが、そういったことも含めて、多くの人が来て経済的利益を生み出すような場所ではないだろうかと思います。そういったところで、この施設の改修における余りにも重い負担を登山関係のNPOのような団体に求めてよいのだろうかと思うわけです。さらには、このユーシンロッジの手前にある水辺のところが、ユーシンブルーということで今テレビでも取り上げられ、インターネットでも話題になっています。本当に世界遺産並みのエメラルドグリーンの秘境だと、ちょこっと田舎どころではない、世界遺産並みの秘境だと言われているわけです。そういったところを神奈川県として、県民あるいは国民のためにどうしていくのかということこそ、やはり地方公共団体としてしっかり仕事をするべきところなのではないかと思います。ユーシンブルーを見るためだけに往復すると3時間20分、ユーシンロッジまで足を延ばすと往復5時間30分かかってしまう、健脚でないと行けませんが、でも泊まればそうではないわけです。そういう面で、ユーシンロッジの価値は今、上がっていると思います。財政方針で廃止と決めましたが、当時は人も通れず、活用というイメージが全然見えなかったけれども、今、状況が変わってしまっているわけです。やはりここは県として再検討し、民間事業者やNPO団体等への条件提示の在り方を見直す、場合によっては民間移譲ということも見直し、県として責任を持ちながらNPO団体、あるいは山や自然に関心を持ついろいろな人の力を借りてやっていくという新しい方法を是非考えてほしいとお願いして、質問を終わります。

佐々木(ゆ)委員

 若年者、中高年齢者、女性及び障害者の就労支援の取組についてという部分で質問を何点かさせていただきたいと思います。

 報告資料5ページに障害を持つ方の雇用について書かれている中で、1万9,033人の雇用が進んでいるという数字が出ていました。この数字について毎年数が増えているということは、皆様のお力添えがあってのことだということで十分評価はいたしますが、県内で障害者手帳を受給している方は、本当に雑ぱくな数字ではありますが、35万人以上いらっしゃると言われています。全てが就労年齢ではないということも含めて考えても、その35万人の中で就労している方はわずか約2万人です。神奈川県の場合、全国的に見ても、障害を持つ方がハローワークに行って就職が決まる、その決定率というのは約3人に1人という数字もあり、全国的にはとても低い数字だと言われています。そこで、障害を持っている方が就労に結び付くケース、特にやっとの思いで手に入れた就労先、職ということを踏まえて、質問させていただきたいと思います。

 まず、このやっとの思いで手に入れた職についてですが、なかなか定着することができないとも言われています。障害を持つ様々な特性の中で、また、就労先の拡大を一生懸命図られている中で、どこの自治体でも定着支援ということが必要になってきていますが、定着支援についての神奈川県での取組や状況について、まず伺わせてください。

雇用対策課長

 県内での障害者の方の職場への定着支援については、様々な機関が実施しております。県の障害者就労相談センターをはじめ、県内14箇所にあるハローワークのほか、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する神奈川障害者職業センター、社会福祉法人が運営する障害者就業・生活支援センター、また社会福祉法人やNPO法人等が運営する就労援助センター、そのほか、就労移行支援事業所など、地域の様々な就労支援機関において定着支援に取り組んでいるところです。

佐々木(ゆ)委員

 様々なところで定着支援を行っていると伺いましたが、なかなか定着していないというのが現状であると思います。これだけのいろいろな機関が定着支援を行っているにもかかわらず、定着できていないというのは、やはり何らかの理由が必ずどこかにあるのかと思います。支援の仕方が間違っているとは決して思ってはいませんが、定着できなかった方たちへの聞き取りというものをもう少し丁寧にしていただかないと、本当に必要とされている支援が行き届いているかいないのか分かりません。また、制度をつくっても、それが活用されていないなど、いろいろな原因があるのではないかと思います。先ほども申し上げましたが、やっとの思いで手に入れた職ということで、職を探すというところから勇気を奮い出して、自分から動き出して、様々な面接に行って、様々な悩みがあった中で手に入れた職が3箇月もたないというのは、支援をしている側もやるせない気持ちになります。なぜ、これだけの機関があるにもかかわらず、定着できないのかというところに少し目を向けていただきたいと要望させていただきます。

 さらには、2018年から法定雇用率の中に精神障害者の方が含まれることになっています。特に、定着支援については、ほかの障害と異なり、様々な困難、課題があると思います。障害自体が目に見えない、言っていることが日々変わってしまうといった特徴、また体調だけではなく服薬による気分の浮き沈みなど、様々な精神障害特有のものがあります。精神障害を持つ方たちの雇用または定着というものを進めていく中で、そこに特化した定着支援の在り方が必要であると私は考えておりますが、その部分について、どのように御認識されているのか、また対策などがありましたらお聞かせください。

雇用対策課長

 委員御指摘のとおり、精神障害者の方の定着支援は大きな課題であると認識しております。平均勤続年数は、身体障害者の方の10年、知的障害の方の7年9箇月に対し、精神障害者の方は4年3箇月という国の調査もあります。確かに、御指摘ありましたように、非常に外見からは分かりづらく、またコミュニケーションが苦手な方や、疲れやすい、集中力が続かないといった方もいらっしゃいます。現在、県では就労支援機関等を対象に、精神障害者の方のそういった見えづらい心身の状態を見える化するための簡単なセルフケアシートを活用する研修会を昨年度から実施しております。こうしたシートを通じて、働いている精神障害者の方と雇っている職場の方とのコミュニケーションを促すことで、定着支援に資するような取組にしたいと考えております。

佐々木(ゆ)委員

 障害の見える化というのが大きな課題であると思っています。見える化してもなかなか統一されていないというところがあり、やはり日々違うといった特性を分かってもらいながら、定着して、少しでも長い時間働いてもらえる環境を整えていってほしいと思います。私も精神障害を持っている方たちと一緒に働いています。その中で、今年のお正月に、一般就労に近い状態にもかかわらず、3箇月で戻ってきてしまった方がいました。何が原因だったのか、どうしてそこに長くいることができなかったのか、どのような支援があれば、もう少し働くことができたのかということで、意見交換をさせていただきました。そこで出てきた言葉は、自分のこれまでの経歴を知っている人がいない、誰に相談をしてよいか分からないなどといった言葉です。会社側ももちろんそういった相談できる人を用意してくれてはいますが、その人に自分がこれまでの間どういった生活を送ってきたのかを一から話すことは時間的に余裕がないとのことでした。ただ、自分がこれまでこういうところで働いてきた、こういう経験をしてきたということをしっかりと伝えられていれば、もう少し違った形でその仕事場にいることができたのではないかと伺いました。一人一人が一般就労に向かう前に福祉施設などでサービスや訓練を受けても、次の就職先にその声が通っていないといったことも大きな課題なのかなと思いました。いろいろな機関を用意するというよりは、福祉施設と雇用先とがどうやって連携をとれるのかといったモデルをつくっていただいた方がよいのかなと思いました。職場定着支援の奨励金の中で、職場支援員の配置、活用の部分がありましたが、そういったところで、サービスを提供していた福祉施設との連携も入れていただけると、また少し変わってくるのではないかなと思います。また、ほかの自治体などでは、ハローワークの中に社会福祉士や精神保健福祉士などを含めたチーム支援ということで、1人に対してチームで支援し、受け皿をつくっているところもあると聞いています。一人一人の持っている特徴が違うということを考えると、誰か1人がその人にずっと付き添って支援をしていくことは難しいと思いますが、そこをチームで支援していくという形をとっていけば、また大分変わってくるのかなと思います。福祉の世界では、最近、チームでの支援、他機関との連携というものがありますが、そこに雇用先が入ってこないというところが少しあるかと思っていますので、是非そこのところを御検討いただきたいと思っています。また、先ほどもありましたが、小規模な事業所になればなるほど、企業側が困ったときに相談に行く場所がない、どの時点で相談に行ってよいのか分からないなどといったことがあります。これは些細なことだと思っていたのが、後々に大きなことになってしまったりもします。受入側の相談先をもう少し丁寧につくっていただけるとよいのかなと思っていますので、そこも御検討いただければと思います。

 また、先ほども申し上げましたように、精神障害を持つ方たちと話をさせていただく機会が多い中で、40歳を超えたと同時に急に職域が清掃業に偏ってくると伺いました。自分は清掃業には就きたくないのだけれども、ハローワークに行っても清掃業がほとんどということで、職域の偏りが見られるように思います。そこについて何らかの対策などがあれば、教えていただきたいと思います。

雇用対策課長

 精神障害者の方が希望する職域も様々です。対策の前に、まず県の就労相談センターにおいて過去3年間に40歳以上の精神障害者の方がどういったところに就労しているかを見ますと、例えば、一般事務が19人で、次が清掃で8人、そして製造業で5人、簡易作業で4人、あとはソフトウエアを扱うようなもの、店員、販売など様々な状況です。精神障害者の方は、個々に障害の状況が異なりますので、やはり幅広くいろいろな希望に応じて職域に就けるよう、支援していくことが大切と考えております。

佐々木(ゆ)委員

 就労相談センターにおいて、40歳以上の方で就職が決まった方の話を伺ったわけですが、人数的にも少ないですし、そこが大きな課題かなと思っています。なかなか若年の方ですら就職ができない、もちろん健常な方ですら就職がなかなか決まらないといった現状がある中で、障害のある方だけが優先できる社会ではないということはもちろん承知はしております。それでも、自分たちの中で活躍できる場所を一生懸命探している彼らのために、少しでもいろいろな職域が広がり、また定着して少しでも長く働ける環境を整えていくことを、私も現場から是非また提案させていただきたいと思いますし、一緒に御検討いただきたいと思います。また、訓練をしていく中で、障害の等級が変わることがあり、例えば今まで2級の手帳を持っていた人が3級になったりもします。そういったときに障害年金を受け取る金額が減ります。例えば、2級から3級になった場合は、年間約20万円近く減ってしまいます。状態がよくなっているから喜ばしいはずなのですが、2級から3級になったからといって就職が決まりやすくなるわけではありません。自分たちがいろいろなところで一生懸命社会参加をし、いろいろな人とコミュニケーションをとる訓練を受けて、障害の程度が軽くなったにもかかわらず、なかなか就職する先が見えないのです。2級も3級も1級も全て同じ形で扱われてしまっている、もちろん面接をしたときに、少しでも軽い人の方がよいといった御意見など、いろいろなことはあるかもしれませんが、求人票からはそういったものが見えてきません。彼らには、これからどうやって生活していこうといった不安な部分がありますので、ひとくくりでくくられてしまっていることについて、産業労働関係だけではなく、福祉の方とも連携していただきながら、そういった現状があるというところにも耳を傾けていただきたいと思います。

 少し視点を変えます。生活困窮者自立支援法が昨年4月から施行されています。就労支援については、福祉からだけではなく、労働政策からも受け皿を拡大していく仕組みが必要ではないかと考えています。生活困窮者の方たちを受け入れた企業に対して、奨励金やインセンティブが働くような制度があるのかどうかを確認させてください。

雇用対策課長

 国の制度になりますが、シングルマザーの方を雇用した場合の助成金や、65歳以上の高齢者を雇用した場合の助成金といった制度はあります。

佐々木(ゆ)委員

 なかなか就労に結び付かないということで、生活困窮の方たちの相談窓口の数字などを見ると、やはり障害を持っている方も決して少なくないようです。フルタイムの就労だけではなく短時間勤務の環境整備といったものも必要であると考えますが、この短時間労働の場合、多くはパート、アルバイトということで、収入面または福利厚生といった面からは劣ってしまうと思っています。低賃金で働く短時間労働ではなく、働いている意欲にもつながるような、さらには雇用側にもインセンティブが働くような短時間労働の働き方を認める土壌形成がこれから必要になってくるのかなと思いますが、いかがでしょうか。

雇用対策課長

 委員御指摘のとおり、例えば精神障害のある方は非常に疲れやすいという障害特性がありますので、結果的に長時間働くことが困難な方が多いと聞いております。また、少し視点は違うかもしれませんが、生産年齢人口の減少が続く中、働く意欲と能力のある高齢者も増えていますが、やはり労働時間という意味では、高齢者は短時間の仕事を希望する方が多い状況です。こうしたことから、企業において短時間労働の様々な多様な働き方が広く導入され、定着していくことが重要だと考えており、今回、8日に経済団体に対して知事と神奈川労働局長で雇用要請をした際に、そうした新たな短時間労働の職の創出もしてほしいという観点から要請をしたところです。

佐々木(ゆ)委員

 高齢者の方や障害のある方だけではなく、シングルマザーの方や子育て中のお母様ともお話しをさせていただいたときに、やはり生活を支えるために働かなくてはならないのだけれども、子供との時間を大切にしたいといった切実な声がありました。生活スタイルやライフスタイルに合わせて柔軟に働く時間を選べることが、これからは必要になってきますし、また少しの時間でも働ける環境をつくっていくことが必要であると考えています。雇用要請をしていただいたということですが、ただ要請だけをしても難しい部分もあるのかなと思っています。社会保障の部分も含めて、どういった形で短時間労働を支えていくといった議論を、首都圏である神奈川から発信させていかないといけないことではないのかなと思っています。子育て中の方たちも含めて、社会全体で短時間労働を支えていく仕組みについて、現状の制度などがあるようであれば、是非伺わせていただきたいと思います。

雇用対策課長

 例えば、子育て中の方や、労働者一人一人のワーク・ライフ・バランスという観点で、企業の側から優秀な人材を確保できるということで、短時間正社員という仕組みを国で設けており、いわゆるパートやアルバイトの方を短時間の正社員に転換した場合の事業主に対する助成制度なども設けております。まだ社会に定着していくのはこれからだと思いますが、国とも連携しながら、そうした仕組みを活用する企業が増えるように取り組んでまいりたいと思います。

佐々木(ゆ)委員

 是非お願いしたいと思います。短時間正社員の助成金なども見させていただきましたが、それでもまだまだ短時間とは言い難い部分もありますし、自分の能力を出し切れる1日の時間数はあると思います。5時間働ける方もいれば、8時間働ける方もいます。もしかしたら3時間、2時間という方もいらっしゃるかもしれません。様々な形での就労の場について社会全体でしっかりと支えていく視点を、私たちもしっかりと持たなくてはならないと思っていますし、また、その制度については、いろいろな経過を見ながら一緒に考えていきたいと思っています。決して怠け者でもないし、一生懸命働きたいと思っていながら、なかなかその場が見つからない、そして見つからないまま自分が一日一日年を重ねていってしまうことに、すごくおびえてしまっている障害を持っている方たちがたくさんいます。かといえば、働くというイメージすらも湧いていない方もいますので、就労をイメージさせながら、どのように定着させていくのかといったところを福祉の面と一緒にやっていかなくてはいけないと思いますので、是非よろしくお願いしたいということを要望させていただいて、質問を終わります。



6 次回開催日(6月17日)の通告



7 閉  会