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神奈川県 神奈川県

平成23年  厚生常任委員会 12月12日−01号




平成23年  厚生常任委員会 − 12月12日−01号







平成23年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第3回定-20111212-000009-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(原・楠の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  2件申請 2件許可



4 口頭陳情の許否について決定

  陳情第17号についての口頭陳情 許可

  陳情第23号についての口頭陳情 許可

  陳情第28号−1についての口頭陳情 許可



5 報告事項(保健福祉局長)

  「降下物の放射能濃度測定結果の誤りについて」

  「医療のグランドデザイン・中間とりまとめについて」

  「不活化ポリオワクチンの接種について」

  「県立汐見台病院あり方検討委員会の設置について」

  「児童自立支援拠点の整備について」

  「神奈川県子育て支援事業市町村交付金等について」

  「第1次及び第2次一括法等による本県条例の制定等の取組状況について」

  「「介護保険法施行条例」の改正について」

  「「食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例」の改正について」

  「総合計画について」

  「「神奈川県障害福祉計画」改定素案について」

  「「かながわ高齢者保健福祉計画」改定素案について」



6 日程第1を議題



7 提案説明(保健福祉局長)



(休憩 午前11時55分  再開 午後1時2分)



8 日程第1について質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



山口(貴)委員

 自民党の山口です。よろしくお願いいたします。

 まず、最初に医療のグランドデザインについてであります。先般、医療のグランドデザインの中間とりまとめについて黒岩知事の報告がありましたけれども、多岐にわたる項目の中で、これまでなかった新しい取組も位置付けられております。今後の県の医療施策推進上での基本方針となる重要なものと私自身は考えておりますので、具体的な内容を含めてお聞きしたいと思います。

 まず、今回、中間とりまとめを行ったわけでありますけれども、中間とりまとめは医療のグランドデザイン策定までの過程の中でどのように位置付けられているものなのかお聞きをしたいのと、また、今回の中間とりまとめについて、どのような理由でまとめられたのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 医療のグランドデザインは今後、10年程度先を見据えた本県の医療施策推進の基本理念や、現在の課題解決の方向性を示すものでございます。8月17日の第1回会議開催後、年度末までに合計14回の開催を予定しております。第3回から本格的な検討を進めておりまして、12月7日の第9回会議でおおむね検討の折り返し点になるところでございます。

 今回の中間とりまとめは、これまでの各委員の意見を集約し、今後の検討の土台について委員の間での共通理解を得るために行ったものでございます。

 なお、本県といたしましては、中間とりまとめを踏まえ、救急医療の充実やICTを活用した医療情報の共有化、医療機関の自家発電設備の整備など、早急に取り組むべき事項については、事業化の検討を進めてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 前回の当常任委員会のときにも、そのとりまとめの会議において、欠席されている委員が多いというお話を伺ったのですけれども、その後の状況として、委員の皆さんの出席率、そしてまた欠席された場合、意見をどのような形で聴取しているのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 委員の出席状況でございますが、20人の委員の出席状況は12名前後という状況でございます。また、毎回委員に対してはその回ごとに御報告いたします。検討時間が1時間半という短い時間ですので、個別にそれぞれの課題について御意見を頂き、次の会議でその意見を発表していただく形をとっています。同様の形で、検討が十分できなかったことに関しても併せて情報を事前に提出していただいて、会議において検討しているところでございます。

山口(貴)委員

 是非、今後後半の会議においても欠席されている方々の委員の積極的な意見を反映するように引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 この中間とりまとめ案における、医療のグランドデザインの具体的な項目について伺いたいと思いますけれども、医療と介護の連携についてはこれまでもその必要性が指摘されてきているわけでありますけれども、今回どのような考え方で、またどのような取組を位置付けているのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 医療と介護の連携についての御質問でございますが、中間とりまとめでは今後の高齢化の進展に伴う独居高齢者や高齢夫婦の世帯の増加などによりまして、医療的ケアに加えまして介護サービスを必要とする要支援・要介護認定者や認知症患者も増加し、在宅を中心とした医療と介護の連携強化が必要であるとしております。

 そこで、具体的な取組として、在宅医療に携わる医師等の負担を軽減するため、人材の更なる養成・確保や診療所間の連携強化、また現在、脳卒中、糖尿病など疾病ごとに医療機関の間で進められております地域医療連携クリティカルパスの介護分野への導入、認知症医療連携パスによる医療と介護の連携ネットワークの構築、重症心身障害児等への訪問看護ステーション等の整備と介護に当たる患者の負担軽減などを位置付けております。

 さらに、超高齢社会における最終末期の医療を自己が決定、選択することが可能となるような医療・介護の連携体制の在り方についての検討の必要性を指摘してございます。

山口(貴)委員

 次に、医師の養成・確保の中で、医師の養成について、医学部の定員増や後期研修医の確保などの方法がいろいろとあるとは思うのですけれども、明確な方向性を打ち出すには至っていないという印象をどうしても受けてしまうのですが、プロジェクトチームではどのような議論がされているのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 今回のプロジェクトチームでは、医学部入学定員の増員あるいは医学部新設など養成数を増やす取組、後期研修医確保の取組、環境整備など、本県に医師を集める取組を議論していただいております。

 医学部定員増員については新たな施設の建築を必要とせず、更に医師が過剰になった場合にも容易に対応できるというメリットがありますが、教育施設や指導教員の確保などの必要があるため、これ以上の定員の増員が難しい状況となっております。

 一方で、医学部新設については新たな施設の建築や多数の教員の確保等、多額の費用と時間が必要となることや、地域の優秀な医師を教員として確保するということによる地域の医師不足を助長する危惧があるなどのデメリットも指摘されております。また、県ができることと国が検討すべきことの区別をつけ、医学部の新設による医師養成数の増員は国として検討すべき課題であり、文部科学省の今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会が設置され議論されていることから、国の議論を注視すべきという意見や、本県では医師不足の現状があり、医療のグランドデザインを描く中に、医学部新設についても触れるべきという意見がございます。

 以上のように意見が集約できず、両論併記という状況になっております。

山口(貴)委員

 医師の養成・確保でありますけれども、神奈川は人口10万人当たりの医師数が少ないということで、全国的にも39位となっているわけでありますけれども、この医師不足の要因はどのように考えておりますでしょうか。

医療課長

 医師につきましては、絶対数として、確かに委員御指摘のように少ないですけれども、病院数が全国一少ない、病床は1病院当たり最も多いということで、集約化されているという現状もございます。必ずしも、医療がそのために滞っている状況ではないのではないかと考えています。ただし、診療科ごとの偏在がございますので、そういう意味での不足はあるということでございます。

山口(貴)委員

 本会議において知事は、医師の養成・確保という部分の中で、今後医学部新設が必要だという答弁をされておりましたけれども、今後プロジェクトチームではそういった医学部新設はどのように検討されているのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 委員御指摘のとおり、知事は先日の本会議や記者会見で、医学部の新設は必要であるとの考えを話されており、そのことについて、知事の思いもあるとは思いますが、プロジェクトチームでは委員の先生方がそれぞれの専門の立場を踏まえて、将来の神奈川県の医療について議論をしていただいております。そういった形で、医師養成数について検討を進めることになると考えております。

 本県の現状に関しましては、先ほどの委員の質問の中にもございましたように、10万人当たりの医師数が全国39位、あるいは地域の診療科による医師の偏在があることは共通の認識となっておりますが、平成20年から平成23年の間に医学部の入学定員は全国で1,298名、本県でも68名の定員増が図られております。この定員増の状況も踏まえ、今後の高齢化の進展や人口の減少など、社会情勢の変化やそれに対応する医療提供体制の整備などの視点も加えまして、10年後の姿を考えたときにどの程度の医師の養成数が必要になるのか議論をしていただくことになるのではないかと考えております。その中で、医学部新設が必要なのか、医学部定員増で対応すべきなのか、一定の方向性が出てくればよいと考えております。

山口(貴)委員

 次に、病気にならない取組の推進でありますけれども、医食農同源といった新しい考え方が取り入れられているようでありますけれども、プロジェクトチームからは研究会の設置について提案も出されているわけでありますが、県として今後どのように検討を進めていくのかお聞きします。

健康増進課長

 病気にならない取組の検討につきまして、健康づくりの観点からお答えいたします。

 医療の課題を考える上で、健康の視点は欠かせないものでございまして、医療のグランドデザインにおきましても、病気にならない取組の推進が柱の一つに位置付けられているところでございます。

 とりわけ食についてでございますが、例えばがんの原因といたしまして、食生活の与える影響が大きいこと、あるいはかながわ健康プラン21の最終協議会におきましても、例えば野菜の摂取量でございますとか、脂肪のエネルギー比率等、食を中心とした取組になお課題があるとされてございまして、食の取組について、健康づくりを進める上で大変重要な課題でございます。

 こうしたことから、健康づくりの面から食の果たす役割に着目した取組について、プロジェクトチームの中で検討をいただいているところでございます。

 こうした中で食の果たす役割でございますが、これまで医食同源という言葉がございます。すなわち病気を治療するのも、日常の食事をするのも共に健康を保つために欠くことができないもの、源は同じだろう、こういう考え方、すなわち食の果たす役割の重要性を端的に表現した言葉でございますけれども、あわせまして、食につきましては、例えば地産地消でございますとか、食材を育てるといった農との連携が大変重要でございます。そういったことから、医療のグランドデザインの中で医食農同源という視点で御検討いただいているところでございます。

 今回の中間とりまとめの中では、高齢になっても元気で健康に暮らしていけるようにするためには、この医食農が連携した取組が重要であるという御意見を頂いてございます。この御意見を踏まえまして、今後、医食農同源の取組を進めてまいりたいと考えてございます。

 こうした取組は、いろいろと他県等を見ましても、行政の施策として実践例はなかなか見受けられないところでございますので、まずは研究を進めるべきだという御意見を頂いてございます。研究会の設置ということで関連する医療とか歯科医療、薬事あるいは栄養、さらに農業、こういった各分野の有識者の方々から研究会を設置するよう御意見を頂いております。今後は研究会の設置を含めて検討してまいりたいと考えているところでございます。

山口(貴)委員

 研究会を設置していくというお話ですが、いつ頃から研究会を設置して、その取りまとめをいつ頃に予定しているのでしょうか。

健康増進課長

 研究につきましては、御意見を頂いてございますので、これから具体的に詰めさせていただきたいと思います。

 ただ、研究会の設置に伴いましては様々な準備が必要となってございますので、今後準備ができた段階で速やかに研究会を立ち上げまして、その中でできるだけ早い段階で御意見を頂くように進めてまいりたいと思っています。

山口(貴)委員

 この医療のグランドデザインについての最後の質問にさせていただきますけれども、今構成されているプロジェクトチームにおいて、年度末の最終報告に向けて、今後いろいろな意見が出てくると思いますけれども、今後どのような形で進めていくのか、最後にお聞きしたいと思います。

医療課長

 会議の予定はトータルで14回でございまして、あと5回ということになります。中間とりまとめでは、医師の養成策など委員の意見が一致せず両論併記となったテーマや、高齢者に対する救急医療の在り方など更に検討を進めるべきとの意見があったテーマがございます。最終報告に向けては、こういったテーマについて検討を深めてまいりたいと考えております。

 また、テーマごとに施策の方向性や取組を示していただきましたが、県として事業化を進めていくためには今後早急に着手すべき取組と、中長期的な取組とに整理していただく必要があると考えております。

 さらに、幅広く県民の皆さんの意見を聞くために、中間とりまとめに対する意見募集を本日から1月6日まで実施していきたいと考えております。前回の当常任委員会では2月にパブリック・コメントを実施するとしておりましたが、それを早めて本日から来月6日まで実施することにいたしました。

 また、最終報告に向けて、救急医療、ICTを活用した医療情報共有、東洋医学に対する県民の意識調査も別途1月に実施し、医療のグランドデザインが目指す県民の納得できる医療の実現に生かしてまいりたいと考えております。

 これらの検討を踏まえまして、2月24日に予定されている第14回の会議で最終報告案を審議していただきたいと考えております。

山口(貴)委員

 今後、すぐに着手する問題と、また中長期的に計画していく問題をどうするのかお話合いをされていくようであります。また、今日からパブリック・コメントも開始されるということです。県民の意見を十二分に集約できるような環境整備を改めて今後しっかりと取り組んでいただいて、医療のグランドデザインを構築していただきたいと要望をさせていただきます。

 続いて、地域医療再生計画についてでありますけれども、6月に120億円規模の計画案を国に提出した結果、10月に国から約41億円の内示があり、これに基づいて計画を再提出したというところでありますけれども、本会議の代表質問において、我が会派の梅沢議員から減額された事業の対応について質問させていただきましたが、計画の内容について具体的にお伺いしていきたいと思います。最初に、今回の地域医療再生計画は大きく五つの柱で構成されているようでありますが、まず一般救急医療分野における基金の配分額と、主な事業について伺いたいと思います。

医療課長

 地域医療再生計画の中の一般救急医療分野についての御質問でございます。

 今回策定した地域医療再生計画は三次医療圏である県内全域を対象地域としておりまして、保健医療計画で示した施策を充実するため、一般救急医療、地域医療連携、精神科医療、周産期・小児医療、医療人材の養成に係る五つの課題を柱として、それぞれの解決を図り、医療提供体制の強化に取り組むことを内容としているものでございます。

 一般救急医療体制の分野については8億4,000余万円を配分しており、配分割合としては全体の約20%でございます。主な事業としましては、横浜市立みなと赤十字病院を対象に救急医療センターの機能強化を図るための設備整備、横須賀市立うわまち病院、平塚市民病院を対象に救急医療センターの設置促進を図るため、救急医療センターを目指した二次救急病院における設備の整備、二次救急医療の負担軽減化、身近な地域で安心して急病時の医療を受けられる体制確保、休日急患診療所の機能強化のための設備整備などの取組がございます。

山口(貴)委員

 これらの事業を実施して、どのような効果があると考えられていますでしょうか。

医療課長

 救急医療におきましては、三次救急医療機関から初期救急医療機関まで切れ目のない医療提供体制の構築が重要であると考えております。本県の救急車により搬送人員のうち入院加療の必要がない軽傷患者は平成21年で約54%を占めておりまして、高い割合となっております。こうしたことから、休日急患診療所の設備整備を行い、初期救急機能の強化を図ることで、より多くの軽症患者を休日急患診療所で受け入れることが可能となると考えております。

 このような取組によりまして、二次救急医療機関や三次救急医療機関への軽症患者の流入による負担軽減が図られ、三次、二次、初期の各段階における適切な役割分担が促進されることによりまして、効率的な医療提供体制の構築につながるものと考えております。

山口(貴)委員

 地域医療連携分野における基金の配分額と主な事業というのはどのようなものなのでしょうか、お伺いしたいと思います。

医療課長

 地域医療連携の分野につきましては、18億9,005万円を配分しておりまして、配分割合は全体の46%でございます。主な事業としましては、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の3疾病の地域連携クリティカルパスの普及を図るため、ICTネットワークの構築、あるいは在宅高齢者、障害者に対する歯科診療体制の強化として、全身麻酔等を使用した治療を行う高次歯科機能の強化のための医療機器整備や、現在西部地域医療再生計画で取り組んでいる口腔保健センター等における訪問用の医療機器整備事業について東部地域への拡大実施などの取組がございます。

山口(貴)委員

 今、お話の中に、地域連携クリティカルパスのICT化という言葉が出てきましたけれども、地域連携の促進に有効だと思うわけでありますけれども、様々な課題も想定されるのでありますが、これをどのような形で進めていくのかお聞きします。

医療課長

 ICT化を進めるためには、個人情報保護の観点からの安全性の確保や、幅広い普及促進の観点から、システムの汎用性、利便性の確保あるいはコストの低減化など、様々な課題があると考えております。脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の3疾病の中では、脳卒中の地域連携パスが診療報酬の加算等があり、最も普及が進んでいる状況にあります。糖尿病や急性心筋梗塞については、独自に医療機関で取り組んでいると聞いているところでございます。

 こうした状況を勘案しながら、一度に全県的に実施することは不可能と考えておりますので、他に地域連携パスの普及が進んでいる地域、あるいは積極的にパスを活用している中核的な病院を中心として、ある程度限られた範囲でモデル的に取り組んでいくことが現実的な拡大の方向ではないかと考えているところです。今後、関係医療機関や医師会等の関係団体の皆様と十分に調整していただきながら、地域連携パスのICT化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 次に、周産期、小児医療分野における基金の配分額と主な事業について詳しくお聞きしたいと思います。

医療課長

 周産期、小児医療の分野におきましては3億6,000余万円を配分しており、配分割合は全体の約9%でございます。主な事業としましては、平塚市民病院、相模原協同病院、横須賀共済病院、大和市立病院を対象に、NICUや後方支援病床のGCU等の設備の整備、あるいは重篤な小児患者への対応強化にためのPICUの施設整備などの取組がございます。

山口(貴)委員

 安心して子供を産み育てることができる環境を確保するためにも、周産期、小児医療の充実は大変重要だと思うわけでありますが、NICUなどの整備について、今の計画額を更に上乗せすることは考えられないのかお聞きします。

医療課長

 今回の国からの内示に基づきまして、周産期、小児医療に関わる事業は具体的な対象施策が確定しなかった部分の基金について減額の調整を行い、具体化している分の基金を計画に盛り込んだところでございます。しかし、委員御指摘のようにNICUや周産期救急、小児救急に関する設備整備につきましては、平成21年度に策定した東部、西部地域医療再生計画の趣旨にも合致すると考えることから、前回の基金の活用というものも可能と考えております。そのためには、国と協議する必要がございますが、こうした対応を図ることにより、NICUなどの整備拡充が可能と考えておりますので、必要な対応を図りながら周産期、小児医療の設備整備の充実を図ってまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 是非、知事も子を産むなら神奈川とおっしゃっておりますので、子供を産み育てる環境をしっかりと確保するためにもこのNICUの整備は、やはり大変重要な部分でございます。計画額を上乗せして、設備整備の充実をしっかり図っていただきたいと思います。

 続いて、平成21年度に策定した地域医療再生計画でありますけれども、昨年度の執行状況が計画よりかなり下回っているように思うわけでありますが、今回の計画について今後どのようにこれを推進していくのかお聞きします。

医療課長

 委員御指摘のように、前回策定しました地域医療再生計画の平成22年度の実施状況は、計画策定時の計画額が10億9,000余万円でしたけれども、決算額は4億6,000余万円であり、執行率は約42%でございました。今年度は計画の4年間の折り返し点にもなることから、事業の見直しを行っているところでございます。今回の地域医療再生計画におきましては、事業主体である医療機関等と調整を事前に行い、実現性、具体性の観点について十分考慮して策定いたしました。今後、円滑に事業を推進できるよう取り組んでまいりたいと考えております。また、現在、医療のグランドデザインの検討が進められておりますので、その考え方に沿って早期に取り組むべき事業につきましては、基金を有効に活用してまいりたいと考えております。

 今後も引き続き救急医療の充実や医療人材の確保など喫緊の課題解決に向け、地域医療再生計画を着実に推進していくことにより、医療提供体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 最後に、要望でありますけれども、前回の計画に加えて、今回策定した計画を推進することにより、県内の医療提供体制について、一層の強化が図られると考えておりますので、地域医療再生基金を十二分に活用していただき、着実な事業の推進に努めていただくよう要望させていただきます。

 次に、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備で、毎回で申し訳ございませんけれども、質問をさせていただきたいと思います。

 神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備について、前回、私も9月の当常任委員会において質問をさせていただいておりますけれども、脳血管疾患を担う七沢病院の機能統合に当たっては、地元市町村や利用者の声をしっかりと聞き、神奈川県総合リハビリテーションセンターが、県民の心のよりどころになるような再整備の取組を進めていただきたいという要望をさせていただいたわけでありますけれども、今回、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備に当たっては脳血管センターの大幅な病床数削減はしないでほしいという請願が出されたわけでありますが、これらを踏まえて再度、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備について何点かお聞きをしたいと思います。

 最初に、神奈川リハビリテーション病院と七沢病院の2病院の機能統合、特に脳血管疾患への対応について、現状ではどのように整備をしてきているのか、その基本的な考え方をお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備に当たりましては、民間病院では対応が困難な高度専門的なリハビリテーションを重度の患者に提供するということを基本に見直しを進めてまいりました。現在、七沢病院は脳卒中などの脳血管疾患を発症した患者さんに対しまして急性期の治療を終えた後の回復期のリハビリテーション医療を提供してございますけれども、この七沢病院が担っていた脳血管疾患につきましては、地域の大学病院あるいは救急病院におきまして、発症直後からリハビリテーションを始める脳卒中ケアユニットの整備、あるいは発症直後に投与することによって後遺症を抑えることができるt−PAといった薬といった超急性期の治療の進歩、こういったものがございまして、急性期に続く回復期のリハビリテーションにつきましては、民間病院の整備状況あるいは地域連携パスの整備の状況を鑑みますと、地域の中で対応可能な体制が整ってくるのではないかと考えてございます。

 こうしたことから、七沢病院の機能につきましては重度重複障害、また就労復職支援が必要な患者に重点化して、機能強化を図るということとしたものでございます。

山口(貴)委員

 次に、再整備に当たって、前回の当常任委員会でも、地元の市町村やまた医師会、そして利用者の方々の声をしっかりと聞いて、再整備に反映していただきたいというお話をさせていただいたわけでありますけれども、こうした関係者の方々にその後いろいろと説明をし、そしてまた様々な意見を聞いたと聞いておりますけれども、どういった意見、そしてまた声が届いているのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 県央医療圏の市町村、5市1町1村に対しましては本年9月に個別に赴きまして、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備内容について、2病院を機能統合して新たに280床の病院とするということ、新病院の建設エリアは神奈川リハビリテーション病院のエリアであるということ、現在の七沢病院の施設については段階的に病床数を削減しまして、平成28年3月までに閉鎖するということを説明させていただきました。

 また、神奈川県医師会及び厚木市、愛川町、清川村の医師で構成します地元の厚木医師会に対しましても、本年10月に個別に赴き説明を行ったところでございます。私どもの説明に対しまして市町村から、七沢病院の単純廃止と誤解をしていたけれども、2病院の機能統合であると理解したということ、地元住民も患者として多く受け入れてもらっているので、再整備によって病院を新しくしていただけることは有り難いといった御意見を頂きました。また、医師会からは、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備計画を見据えながら、早速新たな地域連携構築のための検討を開始したいといった御意見を頂いたところでございます。

山口(貴)委員

 地元の市町村長や医師会の方々というのは、多分再整備において七沢病院と神奈川リハビリテーション病院が統合、再整備されることについては十二分に理解されていると認識しておりますし、私も統合、再整備については十二分に理解しているのですけれども、この病床数の削減について各市町村の首長、又医師会の方々はその辺に対してどのようなお考えだったのかお聞きします。

病院事業課長

 今回の病床数の削減につきましては、具体的な個別の議論はございませんでした。医師会においては既に今地域連携パスの取組の中で、各病院と連携しているという認識がございます。七沢病院の院長も厚木市の医師会の理事会のメンバーに入っておられますので、地域連携をこれからきちんと取り組んでいかなければいけないという御意見がございました。

山口(貴)委員

 今回、再整備に当たって大きく問題になっているのは、今請願も出されておりますけれども、脳血管センターの大幅な病床削減をしないでほしい、正にこの言葉に尽きると思うのです。今回、請願において1,000人を超える方々の意見が提出されており、非常に重いものであると考えるわけでありますが、このことについてどのように受け止めていますでしょうか。

病院事業課長

 今回の請願につきましては、神奈川県総合リハビリテーションセンターの昭和48年開設以来、七沢病院が果たしてきた役割でありますとか、患者さんに提供させていただいてきた医療に対する評価と期待の大きさの表れだと考えております。また、今回の再整備によりまして病床数が見直されることに伴って、これまで同様に県の拠点施設としての医療機能が確保されるのかといった声であると受け止めてございます。

山口(貴)委員

 この病床数の件でありますけれども、統合、再整備においては、今お話があったように、ほぼ全ての方々が廃止の問題、建物の再建築の問題について理解はしているわけでありますけれども、病床数の削減は大きな問題でございますので、どれだけ地元の方々が理解されているのか、大きな疑問が残るところであります。

 今後、機能統合する中で、七沢病院の病床数を40床とした考え方を、前回からずっと県からもお示しいただいているわけでありますけれども、やはりせめて現状維持若しくは100床を、今の40床から更に増やしていただきたい。その気持ちを持っているわけであります。今、病床数40床という県の考え方について、その後、方向性としてどのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 40床とした県の考え方につきましては、前回も御答弁申し上げましたけれども、現在の七沢病院の入院患者1日当たり140人から150人程度というのが現在の状況でございますが、このうち重度重複あるいは就労復職支援が必要な若年層の実態を見ますと、40人から50人程度ということになりますけれども、こうした現状に対しましては、民間が整備されてきているとはいっても、民間病院では受入れが困難であるということを考え、この部分は県立の役割としてしっかり担っていこうということで、新病院の1病棟当たりの病床数を勘案し40床としたものでございます。

山口(貴)委員

 今お話しの中に、現在1日当たり140人から150人の患者さんが入院されているというお話であります。こういった中で、今後七沢病院が閉鎖に向かってこれから進んでいくわけでありますけれども、実際に七沢病院に入院している患者さんの受皿となる病院はどのように考えているのでしょうか。

病院事業課長

 現在の民間の回復リハビリテーションの病床でございますけれども、本年9月現在で県内全体で2,928床となってございます。これを、神奈川県総合リハビリテーションセンターあり方検討協議会を開始いたしました5年前の平成18年度の状況を申し上げますと、22病院、1,258床であったものが、今現在、平成23年9月には47病院、2,928床ということで、既に当時の倍以上、1年当たり300床程度のペースで増加しているのが民間の実態でございます。

 委員のお尋ねの患者さんの受皿ということでございますけれども、病院の現在の病床利用率の実態を申し上げますと、一般的には80%を前後して75%から85%程度というのが一般的な病院の病床率でございますけれども、これを踏まえ、仮に85%ベッドが埋まっていると仮定いたしますと、残りの15%が利用可能な状況ということになります。

 先ほど申し上げました2,928床の15%ということになりますと439床という数が出てまいりますけれども、七沢病院の現在は140人から150人のうちの40床程度整備されますと、100人程度の受入れが可能かということになりますけれども、今申し上げましたとおり400人から450人程度の患者さんの受入れが、現在も可能となっている状況にございます。これは今現在においても既にこうした状況でございまして、今後の国の回復リハビリテーション病床に向けた政策誘導の傾向を踏まえますと、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備が完成する5年後におきましては、七沢病院に入院している患者さんの受入れは十分に可能ではないかと考えているところでございます。

山口(貴)委員

 神奈川県総合リハビリテーションセンターでありますけれども、かつては東洋一と言われ、名実ともに、先端的、先駆け的な役割を果たし、神奈川としても誇りであり、厚木の地元でも本当に誇りとなっている、そのような神奈川県総合リハビリテーションセンターであるわけでありますけれども、私もこの件に関しいろいろとお話を聞くに当たって、近年では民間病院の整備が進んでいるという部分のお話を聞きながら、また、神奈川県総合リハビリテーションセンターの施設が老朽化しているところと相まって、その位置付けが相当変わってきている。昔は東洋一と言われたものが、今そこまでの充実した機能、そして設備が整っていないというお話に対して、私も大変がく然とした思いがあるわけであります。やはり県立病院として先導的な、また先駆け的な役割を果たす必要がある中で、再び東洋一と言われるように、この神奈川県総合リハビリテーションセンターを再整備していく必要があるわけでありますけれども、今後どのような部分で機能強化を図っていこうと思っているのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 神奈川県総合リハビリテーションセンターは、昭和48年開設以来40年にわたりまして、その先端医術、ノウハウ、こういったものを活用して、医師をはじめとする他職種の専門スタッフのチームアプローチによりまして患者さんに高度なリハビリテーション医療を提供してまいりましたが、再整備によりまして県立病院としてふさわしい内容の機能強化、重点化を図ろうとするものでございます。

 具体的には、これまで神奈川リハビリテーション病院では脊髄損傷や高次脳機能障害などの運動系のリハビリテーション医療を中心に、七沢病院では脳卒中などの脳血管疾患に対するリハビリテーション医療を専門に提供してまいりましたが、この2病院の機能を統合することによりまして、運動系と脳血管疾患系の双方が連携して様々な症例への対応が可能となると考えております。

 こうしたことによりまして、病院に勤めます専門スタッフも個々の更なるスキルアップ、ノウハウの蓄積が可能となり、ひいてはリハビリテーションに対する県の基幹病院としての役割をしっかり果たしていただけるのではないかと考えているところでございます。

山口(貴)委員

 今回の請願にもあるように、リハビリテーションセンターに対する地元市民の期待は大変大きいわけでありますし、この期待に応えるには、県は今後も丁寧な説明、また地元の意見もしっかり聞く必要があると思うのですが、この件について改めて県はどのように考えて、そしてまたどう対応していくのかお聞きします。

病院事業課長

 先ほど答弁させていただきましたけれども、今回の請願は地元市民の皆さんのリハビリテーションセンターに対する期待の大きさ、高さであると受け止めてございます。今後も地元市民や県民の皆様からの御意見をしっかりと聞き、また御理解いただけるよう丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。新病院が完成した暁には、良い病院になったと皆さんに言っていただけるよう、今後も努力を続けてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 是非、地元の意見、そしてまた要望というのをしっかりと真摯に受け止めていただいて、統合、再整備においては素晴らしい神奈川県総合リハビリテーションセンターになることを要望します。ただ、やはり病床数に対してはまだまだ私も懸念があり、全てが納得して、分かりましたと、言いづらい部分が大変あるわけであります。是非、今後の検討課題として引き続き地元の要望を大きく受け止めていただきたいと思います。

 そして最後に、この七沢病院の跡地の問題でありますけれども、建物は耐震上全く問題ないというお話をお聞きしておりますけれども、それを含めた中で、地元の市町村等に、その辺についてお話をされているのか、また県の考え方というのがある程度まとまっているのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 まず、先に県の考え方についてお答えいたしますと、この部分の跡地利用につきましては県としては現在も全く白紙の状態ということでございます。

 それから、地元の皆様方に対する御説明ということでありますけれども、現在、整備計画が具体的に動き出しているという状況でございません。それについて直接の御説明は申し上げておりませんけれども、これにつきましては整備計画が進む節目の段階できちんと丁寧に御説明していきたいと考えております。

山口(貴)委員

 跡地計画においても、やはり地元の方々というのは大変興味を持っておられますし、利用についてもどうしていくかということについて、今後地元の方々とよく相談をしていただいて、意見を取り込んでいただくように要望させていただき、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 続いて、不活化ポリオワクチンについてでありますけれども、いよいよ15日から小田原と茅ヶ崎の保健福祉事務所を皮切りに、4箇所で不活化ポリオワクチンの接種を実施するということでありますけれども、このワクチンは海外では広く使用されているとはいっても、現時点で国内においては未承認薬であり、接種に際してはしっかりと丁寧な説明が必要だと思います。

 そうした観点から何点か質問をいたしますけれども、今回、県と病院等が共同で接種する不活化ポリオワクチンは何回接種することが必要なのか。また、その接種間隔というのは大体どれぐらいなのかお聞きします。

健康危機管理課長

 不活化ポリオワクチン接種は合計で4回必要になると言われております。その接種間隔は、1回目の終了後、2回目は2箇月後、3回目は2回目の接種から2箇月から1年後、最後の接種は4歳から6歳までの間ということになっています。

山口(貴)委員

 小田原と茅ヶ崎、そして他2箇所、合計で4箇所において行っていくわけでありますけれども、前の当常任委員会の席でも、政令市においてはどのような対応をしていくのか。また、政令市から接種の実施について、強力な要請もあるというお話でありますけれども、15日においては政令市は含まれておりませんけれども、政令市での接種はどのような状況かお聞きします。

健康危機管理課長

 県内どこからでも御応募いただけるということで、人口の多い政令市の方からの御希望も多いです。ただ、今回は予防接種法に基づく定期予防接種をやっている市町村とは別に、任意の予防接種としまして、生ポリオワクチンを受けるのは不安があって受けたくないという方たちに県が機会を提供するということが主眼でございます。県の保健福祉事務所で、まずはやっていきたいと思っています。市町村で生ポリオワクチンをやっている、同じ会場で不活化ポリオワクチンを打っていくということは難しいと聞いております。いろいろ様子を見ながら考えさせていただければと思っております。

山口(貴)委員

 今政令市のお話を頂きましたけれども、政令市からの相談数が多いということです。政令市の方々から大体どれぐらいの数の連絡を頂いているのでしょうか。

健康危機管理課長

 12月8日までの数値ですけれども、横浜市から合計で373件、川崎市からは92件、相模原市からは85件です。実は藤沢市が90件で、もう少し多いのですけれども、やはり横浜市、川崎市、特に横浜市から多くの御希望、要求等がございます。

山口(貴)委員

 今、横浜市、川崎市、相模原市、そして藤沢市の数を伺いましたけれども、総体的な相談数は幾つになるのでしょうか。

健康危機管理課長

 この時点で1,180件ということです。

山口(貴)委員

 1,180件ということでありますけれども、今後、全てに対応できるのかお聞きしたいと思います。

健康危機管理課長

 今回の開始の時期は、冬でありまして、風邪とかインフルエンザ等に赤ちゃんもり患していることもございます。慎重に問診と診察を行う必要があることから、まずは25人から慎重に始めたいと思っています。実施状況等を見ながら、少しずつ人数についても検討させていただきまして、なるべく御希望の方に早く打てるようにしたいとは思っています。ただ、今、先ほども合計4回の中で、2回目の方の予約も入れさせていただいていますが、例えば2月に予定を入れた方は、4月以降が2回目の接種となるわけですが、4月以降の予定はまだお知らせしていません。4月以降で御希望日が満杯であると接種が後になってしまいますので、早急に予定を立てまして、こちらから4月以降の予定について、お宅のお子さんの2回目の接種が大体この辺りでできそうなのですけれどもいかがですかという御案内もさせていただきたいと思います。そういう対応で、御希望の方にはなるべく早く、接種間隔を一定の間隔の中で対応できるように努力したいと思っております。

山口(貴)委員

 そういった中で、やはり次の予約をとるという部分で、なかなかとれたりとれなかったりすることが出てくる可能性があるわけでありますけれども、そういったことで接種間隔が長くなると問題が生じないのでしょうか。

健康危機管理課長

 実は3月にヒブと肺炎球菌のワクチンが一時期止まったことがございます。そのときの国の回答の中でも、一定期間であれば多少間隔が延びても問題がないというお話がありました。これは違うワクチンでございますけれども、一定の期間であれば問題ないと考えております。

山口(貴)委員

 その一定期間であれば安全だということについても、しっかりと電話等で御説明を今後もしていただきたい。やはり1回目に、民間の医療機関で打つ子供たちもいるのですけれども、民間医療機関で打った場合、その後、2回目以降、不活化ポリオワクチンの接種を、県でも打てるのかどうかお聞きします。

健康危機管理課長

 一番良いのは、赤ちゃんの体を一番御存じのかかりつけの先生が不活化ポリオワクチンを打ってくださっているのであれば、是非、その先生にそれ以降も打っていただくのが好ましいと思っています。ですので、かかりつけの先生と御相談してみてくださいと御案内をしております。諸般の事情があるという御希望がある場合には接種はお受けしております。

山口(貴)委員

 定期予防接種のワクチンである生ポリオワクチンと、この不活化ポリオワクチンの違いを相談のときに、どのように説明しているのか。また、生ポリオワクチンはどういったものであるか、やはり接種を受ける側からすれば、大変心配する部分があると思うのですけれども、そういった部分はどのように説明されているのかお聞きします。

健康危機管理課長

 10月の当常任委員会でも、両方のワクチンについて正確な情報提供を御示唆いただいておりますので、いずれも本県は国等から頂いた情報ですけれども、両方のワクチンの回数ですとか費用ですとか副作用について、正確な情報をホームページに載せさせていただくとともに、電話でこちらから連絡するときにもそこら辺の御説明は申し上げております。両方とも皆さんが気にしておられる生ポリオワクチンの副作用と、それから今回の不活化ポリオワクチンであっても副作用が生じ得るというお話はさせていただいております。

山口(貴)委員

 これを含めて、やはり重篤な副作用が起きてはならないと前の当常任委員会でもお話をさせていただいたわけでありますけれども、重篤な副作用を起こさないため、どのような対応をとっているのか。

健康危機管理課長

 実は、通常のかかりつけの先生は、前のときに多少熱が出たとか、赤ちゃんの体をよく御存じですので、他のワクチンを打ったときには大丈夫だった、例えば今回の発熱は必ずしもワクチンからではないということも含めて先生は御判断されます。それは赤ちゃんの体をよく御存じで、今までいろいろな接種をされているから御判断できるものでございまして、今回は必ずしもそういう状況の中で打つわけではございません。基礎疾患ですとか、他の予防接種による発熱、じんましんなど副作用が起きたお子様につきましては、かかりつけの先生に診断書、意見書、任意の承認書など、この赤ちゃんはこういうことがあったけれども、今回のワクチン接種については問題ないと自分は考えている、接種は大丈夫、そういうものを持ってきていただければ、当日の体調の診察をした上で、接種を行うようにしております。要は、冬場でいろいろな、風邪も含めて御病気になったりしますし、もともとの御病気から不測の副作用を避けるために、かかりつけの先生の御協力を頂きながら、慎重に対応していきたいと思います。

山口(貴)委員

 2回目以降の接種に当たって、一定期間打つことができない期間があるというお話がありました。12月11日付けの新聞で知事が、不活化ポリオワクチンをもっと輸入して、皆さんに接種してもらいたいという発言があったのですけれども、基本的にどんどん輸入したからといって、全て対応できるのでしょうか。現場からすれば、1日で何人までという限度もあると思います。知事の発言の中で、そういった現場との認識の差があるのではないかと私は受け止めているのですけれども、実際に大量に輸入して、全ての方に打つということなのか、それとも輸入したからといって全ての方に接種するということではないのか、県はどのようにお考えでしょうか。

健康危機管理課長

 希望者の方に基本的に対応していくということは、もともと知事の方針でございます。ただ、始めたばかりということもございます。我々も予防接種事業は初めての経験でございますので、少しずつ慣れていくことによって、より多くの方に対応したいと思っています。4月以降、希望者が多いのであれば、体制整備も図りたい、知事がおっしゃっていることは、県民の皆さんの御希望に沿ってやっていきたいということです。ワクチンの輸入に関しては、希望すれば一定数はそれなりに入ってきますので、そんなに心配はしていません。希望に沿って打っていきたいというところでございます。

山口(貴)委員

 今回の不活化ポリオワクチン接種でありますけれども、全国的に注目される部分が多いと思います。国の不活化ポリオワクチンの導入を早めるための重要な取組だと私も認識しております。応募者の方々には正確な情報を提供していただきたいし、また重篤な副作用の発生を防止する最善の努力も是非していただきたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。

 続いて、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンについてでありますけれども、先般、我が会派の横山議員が12月7日の一般質問において、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの公費継続について質問させていただきました。小宮山厚生労働大臣が、方法はともかく継続を約束したいとの答弁に期待しているという知事の答弁がありましたけれども、そのことについて何点か質問させていただきたいと思います。最初に、WHOの推奨標準にはどのようなワクチンが含まれているのかお聞きしたいと思います。

健康危機管理課長

 全ての国に向けて勧告しているのは8種類のワクチンがございます。それは結核のBCG、それから3価のワクチンでDPTといいますけれども、ジフテリア、破傷風、百日ぜきが入っています。それからヒブワクチン、B型肝炎、子宮けいがん予防ワクチンであるHPV、それから肺炎球菌、ポリオ、はしかなど麻しん、8種類でございます。

山口(貴)委員

 今8種類のワクチンのお話があったわけですが、我が国の定期予防接種への指定の状況はどのようなものかお聞きします。

健康危機管理課長

 そのうちの半分でございます。4種類だけで、BCG、DPT、ポリオ、麻しんの四つでございます。

山口(貴)委員

 そういった状況の中で、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンはどのように扱われているのか確認をさせてください。

健康危機管理課長

 実は、この二つのワクチンにつきましては、まだ定期予防接種には位置付けられてございません。ただ、平成22年10月の国の予防接種部会からの意見書の中で、定期予防接種に位置付ける方向で急いで検討すべきというお話でした。それに基づきまして、国が県に交付金を出して、県の基金をつくりまして、半額補助が平成22年度と平成23年度に行われています。本県でもこの交付金を活用して市町村への助成を開始しております。

山口(貴)委員

 このヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンについて、今まで助成があったわけでありますけれども、県民の方々はこの公的助成の継続を強く要望していると思うのですけれども、その辺の最新の動きを今どのような形で把握されているかお聞きします。

健康危機管理課長

 知事もおっしゃっていましたけれども、大臣自身が定期接種化又は基金のどちらかの方法をとおっしゃっています。支援の継続を表明されているのは御承知のとおりだと思います。つい最近では、11月29日に予防接種制度の見直しを進めている厚生科学審議会の予防接種部会の議論を踏まえて、早期に決定するとした答弁書を政府が閣議決定して、質問者に対してお渡ししたということです。どちらかの方向で早期に決定するという言い方になっております。

山口(貴)委員

 今後、知事が、予防接種とは健康の安全保障であり、国が負担すべきであるという答弁をされているわけでありますけれども、そのために県としてはどのような取組をしていくのかお聞きしたいと思います。

健康危機管理課長

 WHOの推奨標準にありながら、国が定期予防接種としていないワクチンとしまして他にも、B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、子宮けいがんワクチンもありますが、これらにつきましても、年度を区切った形ではなくて本来、定期予防接種として、なおかつ財源も国の負担においてすべきで、それが健康の安全保障という意味かと考えております。そのためにも県としても、国が財源確保した上で早急に定期予防接種としていくように強く要望していきたいと思っております。

山口(貴)委員

 先ほどのポリオ、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチン接種について、やはり多くの方々に接種していただくのに、公費で行うわけであります。先ほどのポリオワクチンも接種率を上げることを目的にしている。ヒブや小児用肺炎球菌などのワクチン接種も行うわけですけれども、実際、接種率は上がっているのでしょうか。

健康危機管理課長

 実は、数字的にまだ概算で、本当に全然確かなものではないのですけれども、子宮けいがんワクチンにつきましては大体11月までに6割ぐらいの方がお済ませになっていますし、他の二つのワクチンについては3割近くというところで、いろいろな、例えばワクチンも品薄の状況があったり、ワクチンができない時期があったり、いろいろあったとは思うのですけれども、従来から比較すると、公費が付いたことによってかなり多くの人が受けられるようになっていると思います。今後また、接種率について、まだ12月から3月までございますので、かなりの方がこれからまた受けることになるのだろうと思っております。

山口(貴)委員

 是非、周知を積極的に行って、少しでもこの接種率が上がっていくようにお願いしたいと思います。また単に定期接種化を図るだけではなく、実施主体である市町村の負担が増加する部分もありますので、財源も含めた見直しが不可欠だと考えております。

 こうしたことを含めて、是非、県としても国に提案していくことを要望とさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。

 続いて、神奈川県障害福祉計画の改定素案についてでありますけれども、このことについて報告がありましたが、障害福祉計画では福祉施設に入所している障害者について、地域で生活している方はなるべく地域へ移行できるように、地域生活移行に関する数値目標を設定しておりますけれども、これまでの実績はどうだったのかお聞きします。また、今回の改定素案における数値目標と、その考え方をお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 福祉施設の入所者の地域生活の移行につきましては、国の指針によりまして平成17年10月時点の施設入所者数が数値目標の基準となっております。本県における平成17年10月時点の施設入所者数は5,094人でございます。現行の障害福祉計画では、平成23年末までにそのうちの約14%に当たる704名の方が施設を退所して地域生活へ移行できることを目指して取り組んでまいったところでございます。

 これまでの実績でございますが、平成23年10月1日までの6年間で地域生活へ移行した人は747名ということになっております。約14.7%となっており、既に現行計画の目標を達成しているところです。

 今回の改定素案では、平成26年末までに、年度末までに現行計画の目標を350人余り上積みいたしまして、地域生活移行者数を1,060人、平成17年10月時点の入所者数の約2割を目指す方向で検討しているところでございます。これまでの取組で、比較的地域生活へ移行しやすい方から移行が当然ながら進んでまいりましたので、ここ一、二年、年間の移行実績は100名を下回っております。グループホームなど地域の受皿を増やすとともに、新たに創設されました地域移行支援であるとか地域定着支援の事業も活用いたしまして、地域で暮らすことを希望する障害者の地域生活移行を支援してまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 この計画では、福祉施設を利用している障害者が一般企業に就職する、いわゆる一般就労への移行についても数値目標を設定しておりますけれども、それについてもこれまでの実績はどうだったのか、また今回の改定素案における数値目標、そしてまたその考え方についてお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 福祉施設の利用者の一般就労への移行でございます。これも国の指針によりまして、平成17年度の移行者数が数値目標の基準となっております。本年においては、本県におきましては、平成17年度に福祉施設の利用から一般就労へ移行した障害者は125人でございました。現在の県の障害福祉計画では、平成23年度にその4倍に当たる499名の方の一般就労への移行を目指すことといたしました。

 これまでの実績でございますが、1期計画の初年度である平成18年度は1.8倍、平成19年度は1.9倍と増加してきたところですが、リーマンショックの影響か、平成20年度は1.8倍、平成21年度は1.6倍と横ばいの状態が続いておりまして、平成22年度は2.5倍の319名と増加しております。

 今回の改定素案では、平成26年度の一般就労への移行者数を、現行計画同様、平成17年度の約4倍を目指す方向で検討しております。ややハードルの高い目標ではございますが、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正により、平成22年7月から障害者雇用の基金制度の対象事業主が301名以上から201名以上に拡大されるなど、障害者雇用対策が強化されている状況がございます。

 私どもといたしましては、市町村はもとより労働関係部局、あるいはハローワークなどともこの計画の目標を共有いたしまして、就労移行支援事業の活用や、障害者就業・生活支援センターなどによる就労支援を通じまして、目標達成に向けて努力してまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 地域生活移行などの数値目標を達成するために、障害者の生活に欠かせない各種の障害福祉サービスが必要だと思いますが、障害福祉サービスの利用実績はこれまでどの程度伸びてきたのかお聞きします。

障害福祉課長

 主なサービスの利用実績についてお答えいたします。

 まず、訪問ケアサービスのホームヘルプサービスでございますが、障害福祉計画では1箇月間の延べ利用時間で利用実績を把握しております。1期計画スタートの年、平成18年度の実績が19万3,064時間であったのに対しまして、平成22年度の実績は25万1,592時間となっておりまして、障害者自立支援法が施行された平成18年度に対し、約30.3%の伸びとなっております。

 次に、居住系サービスのグループホームであるとかケアホームでございますが、平成18年度の実績が3,528名であったのに対して、平成22年度の実績は5,136名となっており、約45.6%の伸びとなっております。

 次に、デイサービスや就労訓練などを提供する、いわゆる日中活動系のサービスについて申し上げますと、障害者自立支援法では平成23年度末までの経過措置によりまして、旧法の厚生施設や授産施設と新体系のサービスが併存している状況にあります。新旧を合わせた日中活動デイサービスの全体利用実績を1箇月当たりの延べ利用日数で見ますと、参考資料1の計画素案の39ページ記載のとおりなのですが、平成18年度の実績が30万7,170日だったのに対しまして、平成22年度の実績は37万3,275日となっており、約21.5%の伸びとなっております。

山口(貴)委員

 計画の改定素案では、平成26年度に向けて、更にサービスの利用を増やす方向性でありますが、ホームヘルプサービスやグループホーム、あるいは日中のデイサービスを提供する生活介護事業所などについて、計画どおり必要なサービスを確保していけるのか、また、それぞれのサービスを確保していく上での課題、そして確保のための方策はどのように考えているのかお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 ホームヘルプサービスにつきましては、通常の身体介護など多くの事業所で対応することができますが、障害特性から支援の難しさが指摘されております精神障害者のホームヘルプサービス、あるいはたんの吸引などの医療的ケアについては対応が難しく、やはり課題になっております。本県では、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に基づきまして、こうした専門分野に対応できる人材養成事業に独自に取り組んでまいりましたので、今後も専門人材の養成と支援技術の向上を図ってまいりたいと考えております。

 グループホーム、ケアホームは、地域生活移行を進めるための地域における重要な住まいの場と考えております。ですが、国の報酬基準が低く、本県の実情に合っていないということや、新規の事業者が事業を手掛けようとしても運営のノウハウを持ち合わせていないなどの課題がございます。更なるグループホーム、ケアホームの設置促進を図るために、市町村とともに独自の運営費補助を行うとともに、グループホーム等、サポートセンターの事業を通じまして、設置促進のための助言や職員研修を行ってまいりたいと考えております。

 また、日中活動の場につきましては、既存の施設、事業所だけでは増加する特別支援学校の卒業生や地域生活移行のニーズに対応できないという課題もございますので、県では生活介護事業所の施設整備に対する補助を行うなど、日中活動の場を確保するための支援に努めてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 最後に、サービスの充実を裏付ける財政負担についてお聞きしたいと思いますけれども、障害者の地域生活を支えるためのサービスはまだ十分とは言えず、更に充実が求められていると思いますが、サービスの利用が増えればそれに伴う県の財政負担も相当な規模に上ると考えます。障害福祉サービスの提供に伴い、県が負担する経費はどのぐらいの額になるのか。また、現行計画の3年間の状況や、今後更に増大する経費について、保健福祉局としてはどのように考えているのか、併せてお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 現行の障害福祉計画の期間である平成21年度から平成23年度までの障害福祉サービスの提供に係る県の負担ということでございますが、障害者自立支援法に基づき、全体の給付額の4分の1の相当分を負担することと提案されております。障害者介護給付費負担金と障害者訓練等給付費負担金を合わせた額は、平成21年度が実績額で約139億2,000万円、平成22年度が実績額で158億6,000万円、平成23年度は現時点におけるおおよその見込額ということになりますが、約173億2,000万円程度になるものと見ております。サービスの利用は着実に拡大していることなどから、2年間で約34億円程度の伸びになるものと見込まれております。

 なお、来年度は更に伸びるということも想定されております。200億円近くになると見込んでおります。必要な人にサービスが行き届くということは、障害者が地域で安心して生活して豊かに暮らしていくために是非とも必要なことだと考えております。障害福祉計画で定めたサービス見込量を達成するためにも、必要な経費についてはしっかりと確保していきたいと考えております。

山口(貴)委員

 最後に要望でありますけれども、この改定素案において障害者が安心して暮らしていくためには、身近な地域に必要なときに必要なサービスが利用できるようにしていかなくてはならないと考えております。障害福祉サービスの利用について、実績は着実に伸びていますが、地域生活移行の推進や特別支援学校の卒業生などのニーズに対応していくためには更に拡充していくことが必要でありますので、今後3年間を見通して適切な数値目標を設定するとともに、その実現に向けた取組をしっかりと定め、障害者や家族の期待に応えられる計画をつくっていただきたいと要望させていただきます。

 次に、補装具の対象の拡大について質問をさせていただきますが、今回の代表質問で我が会派の加藤議員が補装具の対象拡大について代表質問をさせていただきました。知事から国に要望していくという答弁を頂いたところでありますが、これらについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、乳がんの治療により切除手術をした方が利用する人工乳房は現在、法的助成の対象となってはおりませんけれども、まず補装具に対する公的助成としてはどういったものがあるのかお伺いをしたいと思います。

障害福祉課長

 お尋ねの主な補装具の公的助成といたしましては、各種医療保険における療養費としての給付、障害者自立支援法による補装具の支給がございます。その他といたしまして労災保険による支給、生活保護による医療扶助、戦傷病者特別援護法による補装具の交付などがございます。

山口(貴)委員

 人工乳房が医療保険制度による療養費の給付の対象となっていないのは、どういう理由でなっていないのかお聞きしたいと思います。

医療保険課長

 公的医療保険におきます療養費の支給対象となります補装具についてまず申し上げますと、国からのこれまでの各種通知によりまして治療のための使用ということが前提とされております。具体的には、医師が治療上必要であると認め業者に作らせ、患者に装着させたものが支給の対象となります。

 一方、日常生活を送る上で必要とされるもの、あるいは美容を目的としたものなどは支給の対象とはされておりません。このことから、委員御質問の人工乳房につきましては、いわゆる乳がんの手術による切除手術等一連の治療が終了した後に、日常生活上使用することが想定されますので、対象となっていないと考えております。

山口(貴)委員

 障害者自立支援法による補装具の対象にもなっていないというところでありますが、それについてどういう理由から対象にはなっていないのかお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 障害者自立支援法による補装具につきましては、身体障害者及び障害児に支給されることとされておりまして、その目的は身体機能を補完し、又は代替することとされております。身体障害については、身体障害者福祉法及び政令に、手足、視力、聴力など限定列挙されているところですが、乳がんで切除した方については規定されておりません。身体障害に該当しないということから補装具の支給対象になっていないということでございます。

 なお、同じように失った体の一部で耳とか鼻なども身体障害に該当しないことから、人工の耳や鼻なども補装具費の支給対象とはされておりません。

山口(貴)委員

 医療保険や障害者の補装具など既存の制度に人工乳房を加えるということは課題が大きいという部分であると思うのですけれども、具体的に国に対してどういう要望を県として働き掛けていくのかお聞きしたいと思います。

障害福祉課長

 要望につきましては、知事が代表質問で答弁いたしましたとおり、人工乳房に限らず人工の耳なども含めまして、体の一部を失った方が利用することで、その後の人生を前向きに過ごしていくことができるという点から、大変有意義なものと考えております。

 障害者の補装具として支給の対象となっているものについて、例えば義手だとか義眼だとか人工の指なども容姿を整えるためのものでもありますが、これらは支給対象になっているということから、これらと同様に一定の公的助成が必要であるということを国に求めてまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 今お話があったように、知事もこの代表質問の答弁において、体の一部を失い、心身ともに深い傷を負った方が、その後の人生を前向きに過ごしていくために大変有意義なものだと認識をされているようであります。また、高額なために利用ができないという声があることを知事も承知しているということです。私も視察で中村ブレイスにお伺いさせていただきました。社長の考えは、人生を前向きに捉えられるように支援をしたいということでした。社長、また従業員の方々が本当にその思いを大切にしながら、仕事に取り組んでいるところに私も大変感銘を受けました。しかしこれは高額な費用がかかってしまう。であるならば、公費負担による助成ということでで、今後、県からも国に働き掛けをしていただきたいと思います。是非、医療保険や障害者自立支援法に基づく補装費の対象に人工乳房をはじめとする様々なそういった補装具について、公的支援の対象範囲の拡大をすべきだと考えます。我が会派としてはこれらに関して、国への意見書の提出を含めて強く要望していくべきだと考えております。是非、県から国への働き掛けをお願いをしたいと思います。以上で終わります。

山下委員

 まず医療のグランドデザイン・中間とりまとめについて伺います。資料7ページにございますとおり、去る12月8日に医療のグランドデザイン策定プロジェクトチームが中間とりまとめを知事に提出しました。このグランドデザインは、現在、本県における医療が抱える課題を踏まえて、今後10年程度先を見据えて、本県の医療の現状を県民、患者の立場から見直して、本県の医療のあるべき姿や課題解決の方向性を示すことを目指しているとうたわれております。

 そこで、この中間とりまとめを作成したプロジェクトチームが中間とりまとめで指摘している課題等について何点か伺いたいと思います。

 この中で1点、気になりましたのが、目指すべき姿の実現に向けて推進する取組の中で、救急医療の充実ということで、救命率向上のための取組としてドクターヘリの運航時間の延長について触れておりますが、この現状が、どのようになっているのかを伺いたいと思います。

医療課長

 本県のドクターヘリの事業につきましては、日没時間を考慮して3月から9月の期間は8時半から17時半に運航し、10月と2月は8時半から16時半まで、日没が早い11月から1月の間は8時半から16時までの時間帯で運航しております。

 現在、更なる救命率の向上を図るために、平成23年度の地域医療再生計画の事業として、早朝及び薄暮のときのドクターヘリの運航の試行としまして時間延長の可能性について検証しているところでございます。具体的には、3月から9月のうちの1箇月間、また11月から1月のうちの1箇月間で早朝と薄暮時にそれぞれ30分ずつの時間延長を行うこととしております。既に本年9月に時間延長の試行を実施しておりまして、今後は来年1月にも時間延長を実施して、その効果を検証する予定にしております。9月の延長時間帯における搬送件数は3件でありまして、同月の搬送件数が全体で19件であることから、運航時間の延長により搬送件数は約16%増加しているという状況でございます。

山下委員

 今の報告を受けまして、着実な成果があると認識いたしましたので、是非、前向きにまた確実に遂行していただきたいと思います。

 続きまして、医療資源の適正配置・地域偏在是正ということでございますが、私も何度か取り上げております県央二次保健医療圏にはがん診療連携拠点病院がないという記載の中で、本県におけるがん診療連携拠点病院の設置状況を改めて確認するとともに、県央二次保健医療圏における設置に向けた県の取組についてお伺いします。

健康増進課長

 まず、がん診療連携拠点病院の設置状況でございますが、現在、県内には都道府県がん診療連携拠点病院1箇所、地域がん診療連携拠点病院が12箇所、合計13の拠点病院が国の指定を受けてございます。二次保健医療圏で見ますと、11医療圏がございますけれども、県央二次保健医療圏のみ拠点病院がない医療圏となってございます。この保健医療圏に関しましては、隣接する相模原医療圏が既に複数の拠点病院の指定を受けてございますので、こちらで県央二次保健医療圏も補っていただいている状況がございます。しかしながら、県民の皆様が身近な地域で質の高いがん医療を受けられることのできる体制を確保することは重要でございますので、空白圏域の解消に向けまして、引き続き県央医療保健圏外の医療機関と御相談しながら、拠点病院の指定を受けていただけるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

山下委員

 今お話がありましたとおり、身近で高度ながん医療を受けられる状況を是非、早急に整えていただきまして、また、設置に向けて県にも力添えいただければと思います。

 また、緩和ケア病棟を持つ医療機関がない二次保健医療圏が複数存在するという記載がありますが、県では具体的な状況、取組の方向についてどのように考えているのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 緩和ケア病棟の整備についての御質問でございますけれども、県の保健医療計画において、身近な地域でターミナルケアが受けられるよう、二次保健医療圏に1施設以上の整備ができるように医療機関を支援することとしております。今年度、県北医療圏において、相模原協同病院の整備が完了するため、平成23年10月末現在で県内の11の二次保健医療圏のうちで八つの二次保健医療圏が整備されております。施設数は12施設、病床数としては223病床でございます。

 今後の見通しでございますけれども、川崎北部、それから湘南西部、県央の3保健医療圏が未整備となっている状況がございます。そのうち湘南西部につきましては、地域医療再生計画の補助対象となっている伊勢原協同病院で実施する予定となっております。同様に、地域医療再生計画の補助対象となっている県央地域の実施病院を選定することが今後の課題と考えております。また、予定がない川崎北部地域における事業実施が今後の課題と考えております。

山下委員

 是非、前向きに実施していただきたい、早急な整備を強く要望させていただきたいと思います。

 また、実際この医療のグランドデザイン・中間とりまとめ等が進んでいく中で、東洋医学的なアプローチの考え方が具体的に出てきております。県民が身近に感じるものに漢方薬がありまして、利用している県民も多く関心も高いと思います。そこで、現状において、漢方薬の原材料について、安全性のチェック体制がどのようにとられているのかを確認させてください。

薬務課長

 漢方薬の原材料の安全性のチェック体制についてのお尋ねでございますけれども、医薬品につきましては薬事法に基づきましてその有効性、そして安全性の観点から原料や製品の規格が設定され、医薬品製造販売承認を取得して製造販売されているところでございます。

 医薬品の原材料につきましては、製造販売承認で定められた規格につきまして製造所が原料の受入時に検査を実施しております。いわゆる漢方薬につきましても他の医薬品と同様でございまして、品目ごとに規格が定められ、さらに薬用植物などが原料であることを考慮しまして、形状や形態についても規格が定められています。これらの規格につきましては、製造所が受入時に検査を実施し、安全性を担保しているところでございます。

 また、県では定期的に製造所に立入検査を実施いたしまして、その製造所での製造管理、また品質管理状況をチェックしまして、安全確認を実施しているところでございます。

山下委員

 聞くところによりますと、漢方薬というのは8割が輸入で、国産が2割ということでありますので、今後もしっかりとチェック体制をとっていっていただきたいと思います。

 次に漢方薬の店舗についての規制、取り扱う場合の資格についてはどうなっているのかを確認したいと思います。

薬務課長

 いわゆる漢方薬は医薬品でございます。他の医薬品と同様に、販売する場合などにおきましては、薬事法に基づく薬局又は医薬品販売業の許可を得る必要がございます。漢方薬には医療用の医薬品、それからいわゆる大衆薬と呼ばれます一般用の医薬品の二つに分類されます。

 医療用の薬品は、医師の処方箋により薬局において、取扱資格者の薬剤師が調剤して患者さんに提供するものでございます。

 また、一般用の漢方薬についてですけれども、薬局や医薬品販売業の許可を得た店舗におきまして、薬剤師や、都道府県知事の試験を合格した登録販売者という専門家が対応して販売することとなっております。

山下委員

 私もこの前、友人から、ナイシトールという漢方薬を勧められました。正式名称は忘れてしまいましたけれども、いいよと言って渡されたのですが、それをインターネットで見てみると副作用もあるのです。漢方薬にも副作用があるという告知についても、十二分に御留意いただきたいと要望させていただきます。

 さらに今後、医療に関する県民意識調査を行うと聞きました。その実施方法や調査内容、結果の反映についてはどのように考えているのかお伺いします。

医療課長

 医療のグランドデザイン策定に当たっては、本県の医療の現状、県民、患者の立場から見直し、あるべき姿を描くことを目指しておりますので、県民の皆様からの医療の現状に対する意識を把握することが是非とも必要だと考えております。9月の補正予算の中でグランドデザイン策定のための調査費200万円を議決していただきましたので、中間とりまとめを行い、デザインの骨組みがおおむね出来上がったこのタイミングで県民意識調査を実施することとしたものでございます。

 具体的には結果とりまとめまでの期間を考慮して、インターネット調査会社を活用したモニター調査とし、本県在住者20歳以上で2,000名から3,000名程度を対象とし、本県の人口構成に合わせ、モニターをサンプリングの上、調査したいと考えております。設問は救急医療、ICTを活用した医療情報の共有、東洋医学などの項目について、質問は最大30問程度、5者択一の方法等を用いて実施したいと考えております。今月中に業者を選定の上、1月初旬に調査を実施し、1月20日頃には調査会社から結果報告を頂き、1月27日に予定しております第12回の会議で結果を検討の上、最終報告案に反映させていきたいと考えております。

山下委員

 2,000名以上ということでございましたが、これは無作為等ではなく、委託先によって選ばれた方々という認識でよろしいでしょうか。

医療課長

 そのとおりでございます。

山下委員

 対象者が2,000名以上ということですので、かなり大規模な調査だと思うのですが、結果をしっかりとグランドデザインに反映させて、県民の声をつなげていただきたいと思います。

 医療のグランドデザインに関しては以上で質疑を終わります。

 続きまして、不活化ポリオワクチンについて、12月15日から小田原と茅ヶ崎の県の保健福祉事務所での接種を最初としまして、合計4箇所で不活化ポリオワクチン接種を実施すると聞いております。このことについて何件か質問させていただきます。

 応募状況について、横浜市からの希望者が多いように感じます。接種会場はいずれも横浜市から遠い地域になりますが、横浜市内での接種会場の確保は難しいのかどうかお伺いします。

健康危機管理課長

 市町村は定期予防接種の実施主体として、法令に基づき、生ポリオワクチン接種を実施するというお立場にございます。厚生労働省も、法令に基づく接種事業の円滑な実施について、妨げるようなことは好ましくないというお立場がございます。先ほども申し上げましたけれども、同じ会場でやるという話になってくると、厚生労働省も予防接種法の兼ね合いがございます。なかなか同じ会場での接種の実施は難しいという話があります。

 市町村と協力して、全体として市町村は生ポリオワクチン、県では不活化ワクチンの機会を提供することで、ポリオワクチンの接種率を上げることを目的に始めた事業でございます。政令市の会場を使って、実施するのは難しいと思っております。

山下委員

 今、大体難しい御事情は分かったのですけれども、今回の趣旨というのがそもそも受けない方が増えているということですので、会場が遠いから諦めてしまう方もいる気がいたします。是非、前向きに検討していただきたいと思っております。

 また、今回の県の取組に地域の医師会の協力は得られているのか伺いたいと思います。

健康危機管理課長

 他の予防接種もたくさんございまして、予防接種のスケジュールをきちんと立てないと、例えば生ポリオワクチンであっても不活化ポリオワクチンであってもいつの時期に接種を行えばいいのか難しいところがございます。そういったことの御相談に乗れるのはかかりつけの先生だけでございますので、地域の医師会、県の医師会、それから小児科医会にお話をしまして、接種スケジュールの組立てであるとか、また副作用か副作用でないか微妙な判断もあると思います。接種後も子供さんが熱を出したり、いろいろなことがあると思います。そういったときに診ていただくといったことにつきましては、是非、お子さんの健康を守るという立場から、かかりつけ医の御協力をお願いできないかお話をさせていただいて、一応の御理解をいただいているところでございます。

山下委員

 分かりました。また、国に不活化ポリオワクチンの早期導入の要望を行っているわけですが、その見込みはどうか伺いたいと思います。

健康危機管理課長

 実は余り報道されていないのですけれども、12月8日の参議院厚生労働委員会で小宮山厚生労働大臣が、何とか来年秋には間に合わせるようにしたいという意向を示されたという情報がございます。

 従来、今月末から順次承認申請を行って、国内導入は早くても平成24年度の終わり頃とされていたお話が、この小宮山厚生労働大臣の発言からすると約半年早まるという状況が見えてきております。もしこれが本当であれば、かなり早い時期にそういう話が出てくる。従来から国産の良いワクチンを開発するのにはもちろん時間をかけていただいて構わないのだけれども、その間は特別承認をして緊急輸入を来年から認めてほしいというお話を要望してきたところでございます。今回は特別承認のことではなくて、国内産のワクチン開発の審査を早めて、早く承認するというお立場かと思います。

 そういう意味では、県から要望させていただいている2点のうちの1点の部分ではある程度の成果があったかもしれませんが、後段のことについてはまだタイムラグがありますので、是非もう一歩踏み込んでいただいて、特別承認を認めていただかなければ、どこででも接種できるようにならない、その部分では変わっていない状況がございます。

山下委員

 分かりました。今回の県の試みを全国が注目していまして、県民の賛同も大きく、期待されていると思いますし、黒岩知事の思い切った積極的な取組は評価したいと思います。

健康危機管理課長

 先ほど、政令市内でのお話ですけれども、政令市内では診療所としての届出などの手続の問題もございまして、当面県の保健福祉事務所で行うということにさせていただきました。政令市内で行うことは今後の課題と考えておりますので、よろしくお願いいたします。

山下委員

 続きまして、県立汐見台病院のあり方検討委員会設置についてです。また、この汐見台病院におきましては、今年の第1回定例会におきまして、我が民主党の当常任委員会の茅野委員が周産期医療の充実や施設の老朽化等に伴う再整備の必要性について質問させていただいたところでございます。知事からは、汐見台病院の今後のあるべき医療について有識者の方々に御意見を伺い検討していきたいという答弁を頂いたものであります。今回、これが具現化されたものであると承知しております。

 そこで、この県立汐見台病院のあり方検討委員会について何点か伺います。

 はじめに、資料を拝見いたしますと、傍聴できるということですけれども、一般の方も傍聴は可能なのか。そして、傍聴についてはどのように告知をされているのか。一般の方が可能だとしたらどういった形で一般の方にお知らせしたのか。また、当日の参加状況がもし分かれば教えていただきたい。

病院事業課長

 この検討委員会は公開の検討委員会として設置をさせていただいておりますので、傍聴は可能でございます。告知につきましては、委員会の開催について県のホームページに掲載させていただいておりまして、どなたでも御覧いただける形になっています。1回目の状況ですが、実際に傍聴された方はいらっしゃいませんでした。

山下委員

 続きまして、汐見台病院は指定管理により、神奈川県医師会が運営する総合病院であることは承知しております。県立病院として、県が行っている政策的医療の内容について、資料にありますが、改めて確認させていただきたいと思います。

病院事業課長

 県の公立病院における政策的医療については、大きく三つの役割がございます。

 1点目が高度専門医療、特殊医療、不採算医療。2点目が、広域対応が必要となります救急医療、災害時医療。そして3点目が地域の事情等から民間医療機関だけでは医療が提供できない事情がある場合について、県がそこを補完する。大きく三つございます。

 現在、汐見台病院で実施しております政策的医療でございますけれども、今申し上げました中の救急医療について、二次救急の輪番病院に参加いただいて、対応していただいてございます。それから、開放型病院ということで、地域の医師に施設、ベッド等を開放して、共同診療とか医療機器の活用等をやっていただいていることがございます。それから、特徴的な医療としまして人工透析、腎疾患専門医療、そして今課題になっております産科医療を提供していただいてございます。あと1点、医療人材の育成という観点から、看護学生、看護実習生の受入れでありますとか、あるいは臨床研修医の受入れも行っているところでございます。

山下委員

 大事な政策的医療をたくさんやっていらっしゃるということです。また、現在、汐見台病院におきましてはどのようなことが課題になっているのか、それを取り巻く状況等を含めてお伺いいたします。

病院事業課長

 まず、施設面で病院施設の老朽化といった面がございます。20年から30年経過の建物でございますけれども、空調や給水、排水の設備、屋上防水等の設備について、非常に老朽化が激しくなっておりまして、毎年数千万円の補修費用を要している。こういった状況でございまして、これらを踏まえ、再整備を踏まえ検討を行う時期となっていると考えてございます。

 機能の面で申し上げますと、県立病院は先ほど申し上げました政策的医療を提供しているところでございますけれども、汐見台病院が提供しております医療は、先ほど答弁いたしました政策的医療部門を除きますと、病院全体としては一般病院ということになってございまして、政令市であります横浜市内にある県立病院として今後どのような役割を担っていくか検討していく必要があると考えてございます。

 一方、このような中にありましても、横浜南部医療圏は年間8,000件の分べんがありますが、そのうちの1割の800件を汐見台が扱っているという状況がございまして、この産科医療の継続的な実施を求める声もございます。こういった背景があるという認識がございます。

山下委員

 このような、今挙げていただいた課題に対応するため、今回、県立汐見台病院のあり方検討委員会を立ち上げて検討を開始したということだと認識しておりますが、現在、汐見台病院が実施している政策的医療につきましては、今後継続の必要性も含めた検討を行っていくのか伺いたいと思います。

病院事業課長

 今回の県立汐見台病院のあり方検討委員会におきましては、この汐見台病院を取り巻く状況、課題を踏まえまして、正に汐見台病院が県の政策的医療の継続の必要性も含めたあり方の検討を行っていくというのが、この検討委員会の設置の趣旨でございます。現在実施しておりますそれぞれの医療につきまして、今後も引き続き、県が公立病院として担っていくべき医療なのか、あるいは現在より更に充実強化していかなければならない医療なのか、逆に民間との役割分担の中で民間に任せていく部分はないのか、こういったことについて様々な角度から検証、検討してまいります。また、現在実施していない医療でありましても、将来に向けて県が新たに実施すべき医療があるのか、こういったことについても医療の専門的知識を有する委員の皆様から御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。

山下委員

 県立汐見台病院のあり方検討委員会ですけれども、現状を継続するという選択肢もあると思うのです。再整備を前提とした検討委員会なのか、また再整備の際は本館と新館ですが、どちらか片側だけという話も考え得るのか。さらに、県立汐見台病院のあり方検討委員会の中に、院長の名前が入っていない。どのように関わっていらっしゃるのかを伺いたいと思います。

病院事業課長

 今、再整備を前提とした委員会なのかというお尋ねがございました。先ほど申し上げましたとおり、施設面での大きな課題として、いずれ病院施設の見直しの時期になっている。大規模改修の必要があるという認識がございます。この県立汐見台病院のあり方検討委員会は、こうした状況を踏まえまして、数年後には実施するであろう大規模改修、再整備を視野に置きまして、将来、今後の汐見台病院が求められている医療をどのように提供していくのか、どういう整備が必要になるのか、こういったことを総合的に検討していただこうということでございます。

 それから、2点目の本館、新館も対象になるのかということでございますけれども、県立汐見台病院のあり方検討委員会のこれからの意見を踏まえまして、今後の汐見台病院の具体的な医療の中身でありますとか、あるいは病院機能等々が整理されていく中で検討していきたいと考えてございます。

 3点目、汐見台病院の院長がどのように関わっているかということでございますけれども、検討委員会の委員としては名を連ねていらっしゃいませんけれども、事務局側として委員会に提出する資料の作成、データ提供について、保健福祉局と一緒になってこの委員会に関わっていただいております。第1回委員会の中でも、委員から現状でありますとか病院運営実態に係る細部の質問が多々出されましたが、それに対してしっかりと御対応いただきました。

 今後も院長とは密に情報連携しながら、今後の検討委員会に対応していきたいと考えてございます。

茅野委員

 今の関連で、今の答弁の中で、院長は当局サイドとしての提案に参加しているということだと思うのですが、そうすると検討委員会の中で議論をされときに、それについて現場の認識と違うというときに、現場の本当の現状は、今こういうことが必要だ、こういうことが問題だという現場の声を反映できない場面もあるのではないかと思いますが、その辺の配慮はどのように考えていますか。

病院事業課長

 検討委員会の場面における委員と事務局とのやりとりの場面では、委員の質問に対してお答えいただいている立場になりますけれども、現場の意見という意味では、検討委員会を開設する前段でいろいろな情報について、お知恵も頂きながらやっている状況でございます。全く汐見台病院の意見がそこに一切反映しないということはないと考えてございます。

茅野委員

 要するに、議論が伯仲してきたときに、その中に地域や現場の考え方として、現場にはこういうことがあるのだけれども、どうだろうという問い掛けはあるだろうけれども、実際のところの議論に加わっていなければ、本来的な現場の今の問題点とか将来的な課題が直接には伝わらない場面があるのではないかという危惧があるのです。そういう意味では、地域的な問題、現場のサイドの問題、県全体の問題としてもあり得るのだけれども、そういう部分をどう拾っていくかということも、今後の課題としては残ると思います。そういう部分を強く、よく考えて見ていくという必要もあるのではないかと思います。その部分について伺います。

病院事業課長

 汐見台病院側の意見という観点で申しますと、汐見台病院の指定管理を受けております県医師会の方も委員として入っていただいております。指定管理者の受けている側の立場ということで委員として御参加いただいているところでございます。院長は、正にその病院の現場の病院運営の細かい部分について、今回、我々をいろいろ助けていただいております。そういう意味では神奈川県医師会の方に、委員として検討委員会に入っていただいて、そこから意見を頂いているという状況でございます。

茅野委員

 いろいろな配慮は必要だということを念頭に置きながら、この県立汐見台病院のあり方検討委員会を運営することも必要だと思います。配慮をしっかりと考えていただきたい。

山下委員

 11月24日に第1回県立汐見台病院のあり方検討委員会を開催したという御報告がありましたが、委員からは主にどのような意見が出されたのか、最後にお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 先般、第1回の県立汐見台病院のあり方検討委員会を開催させていただきました。主には現状把握、状況の確認でございました。後半、若干お時間を頂きまして、幾つか御意見を頂きました。御紹介させていただきますと、主なものとしましては、やはり県立病院という性格を考えると、特色を持った医療、あるいは県民にとって有益な医療を提供する必要があるというお話、また現在の産科医療において、お産施設が少ないので、やはり産科医療については行うことが必要ではないか、それから医療の別の観点でありますけれども、実習生を受け入れているという現状がございまして、実習先がないという看護学校の事情の中で、その実習生の受入れは非常に重要ではないかということ、地元の磯子区の自治会からは、磯子区内には総合病院が少ないので、磯子区内に総合病院の機能が引き続き必要ではないかという御意見を頂きました。

 そういった中で、主には現状把握が中心でございまして、第2回目以降から本格的なあり方の検討に入っていくと考えてございます。

茅野委員

 今の中で、二次救急について、今汐見台病院は二次救急の病院としてやっているという認識があるのですが、その辺については救急病院としての役割の意見は出てこなかったですか。

病院事業課長

 先ほど申し上げました二次救急の輪番病院として磯子区内のブロックの中で唯一の病院になっているということで、今汐見台病院が救急に果たしている役割は非常に大事だという話題が、その検討委員会の中でございました。

山下委員

 要望ですが、県立汐見台病院は施設面で老朽化が激しく、再整備が求められております。しかしながら、県立の総合的病院として年間約800件の分べんを行うなど、分べんを取り扱う医療機関が増えない中で大変重要な役割を果たしているところであります。また、分べん以外にも、その地域唯一の二次救急の輪番病院という話を聞きました。今後も引き続き、県立汐見台病院のあり方検討委員会の中で、各有識者の皆さんの意見と地域の皆様の声を十分に聞いて、県立病院としての役割を明確にし、県民から求められるより良い医療等を提供できるよう十分に議論すべきことを要望いたします。

 続きまして、食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の改正について伺います。

 委員会報告資料31ページの条例改正について何点か伺いたいと思います。

 生食用食肉の規格基準が新たに施行されたことは、営業者への影響が大変大きいと思います。その周知や指導の状況について伺います。

食品衛生課長

 10月1日に規格基準が施行されましたが、その規格基準の施行に先立ちまして、神奈川県食品衛生協会を通じまして営業者へ周知するとともに、県のホームページや県のたより等の広報媒体を活用して周知したところでございます。

 また、保健福祉事務所におきまして、営業施設への監視指導の際にチラシを用いまして周知徹底いたしましたが、特に食肉販売業など生食用食肉を取り扱う可能性のある営業者には個別通知をいたしました。さらに、生食用食肉の規格基準の詳細につきまして説明会を12回開催いたしまして周知いたしました。こうした中で食肉の生食のリスクについて理解していただきまして、提供を中止した営業者もございましたし、規格基準をクリアすることが困難であると判断した営業者もあったということから、現在、生食用食肉として牛肉を取り扱っております施設は1件もない状況でございます。

山下委員

 今お話を聞く限り、できる限りのいろいろな手段を使って御説明に当たられているのだと思いました。また、御説明してはいるのですが、食肉の規格基準に違反した場合の営業者への措置について伺いたいと思います。

食品衛生課長

 現状で営業者は1件もないということでございますけれども、食品衛生法に基づく規格基準に定められた食品につきましては、規格基準に適合しない場合の措置が法の中で規定されているところでございます。この食品衛生法第11条第2項違反といたしまして、第54条の規定に基づきまして、販売の禁止、回収等の食品衛生上の危害を除去するために必要な措置を命じます。また、必要に応じまして、第55条の規定に基づきまして営業の禁止、停止を行うことがございます。

山下委員

 また、これだけ厳しい基準となりますと、消費者にとっては全飲食店が適合しているのかどうかという目安を知りたいということがあると思うのですが、生食用の食肉の営業上の許可をどのように私たちは確認できるのかを伺いたいと思います。

食品衛生課長

 食品衛生法に基づく営業の施設基準に関する条例の改正後には、営業許可証に生食用食肉の取扱施設である旨を記載するようにいたします。この営業許可証は施設内に掲示することが義務付けられておりますので、お店の利用者は確認できるようになるということでございます。さらに、生食用食肉を提供する場合は、消費者庁の表示基準によりまして、一般に食肉の生食は食中毒のリスクがあるということ、また子供や高齢者など食中毒に対する抵抗力の弱い者は食肉の生食を控えるべき旨を、店頭やメニューなど店舗の見やすい場所に表示することが義務付けられているところでございます。消費者の方には生食用食肉を食べる場合には、こうした営業許可証や表示を確認した上で利用していただくよう周知に努めてまいる所存でございます。

山下委員

 また、条例に追加する施設基準の骨子に示されている設備や器具とありますが、具体的には一体どんなものが考えられるのか教えてください。

食品衛生課長

 例示ではございますが、次のようなものが専用の設備、器具として必要になります。まず、器具や手指の洗浄、消毒に必要な設備といたしましては、流し台や給湯設備、あと洗浄剤と消毒剤が備え付けられました流水式手洗い設備などがございます。また、生食用食肉又は原材料が接触する設備、器具といたしましては、作業台の他、包丁、まな板、トレーやバットなどの容器もございます。原料肉の加熱殺菌に必要な設備、器具といたしましては、加熱殺菌するために必要なお湯の温度を一定に維持できる高温槽、またガス台、温度計などがございます。加熱殺菌を行った原料肉は速やかに4度以下に冷却しなければいけないとなっておりますので、十分な能力を有する冷蔵庫や冷凍庫が必要とされます。

山下委員

 今、たくさんの機器や機材の話がありましたけれども、これが生食肉用専用でいろいろ確保しなければいけないとなると、随分とハードルが高いと思います。県といたしましては、今後食肉の生食等による食中毒の予防対策についてどのような姿勢で臨むのかを伺いたいと思います。

食品衛生課長

 食品の安全・安心の確保は、第一義的責任を有している営業者の自主管理が特に重要でございます。条例の施行に当たりましては、引き続き講習会等を通じまして、今回の規格基準や施設基準の内容をしっかりと周知するとともに、監視指導を徹底いたしまして、営業者の自主管理と食品衛生意識の一層の向上を図ってまいります。

 また、営業者をはじめ消費者の皆様にも、生食用食肉は規格基準に適合した場合であっても100%安全が確保されるものではなくて、食肉の生食にはリスクがあるということを正しく理解していただきまして、子供や高齢者、食中毒に対する抵抗力の弱い方は食肉の生食を控えていただきますよう、様々な機会を捉えて周知に努めてまいります。

 このような生食用食肉の衛生対策も含めまして、食中毒予防対策に全力で取り組んでいく所存でございます。

山下委員

 私自身焼肉は好きで、ユッケもあれば食べますけれども、今お話を聞くとリスクが高い。ここまでやっても100%ではないことも分かったので、その周知も是非徹底していっていただきたいと思います。

 続きまして、神奈川県障害福祉計画改定素案について何点か伺いたいと思います。

 まず、この中の障害者IT産業推進事業について伺いたいと思います。

 情報通信技術の急速な進展により、ITは私たちの生活に必要不可欠な存在になっています。また、この度こちらにおります茅野委員と松本委員と、先日大阪府ITステーションを視察してまいりました。この大阪府ITステーションは、障害者のためのIT利用総合支援拠点として、進展する高度情報通信化社会にも障害者の方々が立ち遅れることなく対応できるように、情報格差の解消、就業支援などを目的に非常に先進的な取組をされておりまして、深く感銘を受けて帰ってまいりました。

 そこで、神奈川県において取り組まれております障害者IT総合推進事業について何点かお伺いいたします。

 こちらの計画改定素案の障害者IT総合推進事業でございますが、この大阪府ITステーションで行われている事業と類似している点が多いと思いますが、その概要について少し教えていただきたいと思います。

障害福祉課長

 参考資料1の55ページにございます障害者IT総合推進事業でございます。

 この事業は、障害者等ITサロンの運営とパソコンボランティアの養成、派遣を神奈川県社会福祉協議会に委託して行っているところでございます。障害者等ITサロンは、横浜駅西口のかながわ県民センターの13階にございます。展示、学習、交流スペースがございまして、肢体不自由の方や視覚障害者、知的障害者の方たちなど障害当事者の方が日常生活でパソコンを利用しやすくするための補助機器などを展示するとともに、ノートパソコンであるとかパソコン関連教材を用意し、自由に学習できるようにしているものでございます。

山下委員

 また、このサロンには、障害者の方のための操作補助機器が展示されております。私もつい先日現地に行って見てまいりました。確かに大阪府ITステーションと同じ形で展示がされていました。具体的にどのようなものが展示されているのか、お聞きします。

障害福祉課長

 例えば、手が不自由で通常のマウスが使いづらい方のために指先のごく軽い力で操作できる大型のトラックボールであるとか、ボタン式やレバー式のマウスであるとか、足で操作できるマウスなどがございます。また、肢体不自由の方のためにはスイッチやボタン一つでパソコンの主要操作ができるソフトウエアも開発されておりまして、息を吹き掛けたりまばたきだけで操作ができるスイッチなどもございます。さらに、視覚障害者のための支援機器としましては、画面を拡大するとか、音声で画面情報を読み上げて操作を補助するであるとか、話した言葉を文字に変換するなどの、様々なソフトウエアを展示してございます。

山下委員

 また、この障害者等ITサロンを利用できるのは障害当事者の方に限られているのかどうかを伺います。

障害福祉課長

 ITサロンは、障害者の御家族や施設の職員、いわゆる支援者の方々にも御利用いただいております。個々の障害に適した支援機器やソフトウエアを利用体験する機会を提供しているものでございます。さらには、障害者のIT支援の輪を広げる交流の場にもなっております。

山下委員

 最後に、パソコンボランティアの養成、派遣事業について御説明いただければと思います。

障害福祉課長

 パソコンボランティアの養成、派遣事業でございますが、障害者のパソコン利用を支援するパソコンボランティアを養成いたしまして、障害者や施設の求めに応じましてパソコンボランティアを派遣し、機器の操作方法などについて訪問指導を行う事業でございます。

山下委員

 施設や当事者の方であれば、個人でも大丈夫ですか。

障害福祉課長

 個人も結構ですし、団体の御利用も可能でございます。

山下委員

 もし分かれば、直近の状況で、どのぐらいの件数でこの事業は展開されているのか。

障害福祉課長

 平成22年度の事業実績で申し上げますと、IT利活用の展示会、研修会を5回実施しております。これは、現地に出て行ってということで、横須賀市、海老名市、大井町、愛川町、相模原市へ行っています。あとは、地域における研修会、展示会を通じた普及啓発、相談の実施をしており、県内16箇所で参加人員920名となっております。あとは、先ほど申し上げましたパソコンボランティアの養成研修ということで、参加者は、研修には2日間で延べ30名、そのうち半数の方が終了後にボランティア登録を行っていただいているということがございます。登録されたボランティアのスキルアップ研修なども実施しております。さらにはボランティアの派遣事業としてイベント等への普及支援のボランティアの派遣であるとか個人宅への利用支援ボランティアの派遣も行っております。

山下委員

 要望ですけれども、ITの利用支援は障害を持った方にとって大変重要な役割を担っています。また、昨今ではスマートフォンやipadなど先端機器を使った支援の在り方の研究が進んでいると聞いております。また、大阪府ITステーションに、いろいろなパンフレットが置いてあるコーナーがあるのですけれども、そこに障害のある子供たちのための携帯電話を利用した学習支援マニュアルが置いてありました。拝見いたしますと、コミュニケーションのツールとして、メール、録音機器、音声読み上げ、タイマー、アラーム、タイムエンド、スケジュール、GPSを活用したメモリツールなどの機能があり、多くの可能性を秘めていると思われます。また、介護従事者や専門職員の方々もその機械を見に来庁されると聞いておりまして、是非、その方々も最先端の機器である、スマートフォン、ipadなどをいろいろ確認できるような展示についての積極的な推進を要望したいと思います。また、障害の有無にかかわらず、誰もが支障なくITを活用してより豊かな暮らしを実現するためにも、引き続きこの事業推進に取り組まれるように要望したいと思います。

 ちなみに、大阪府ITステーションでは障害者CGコンテストというものをやっていたのですが、そういった関連の講座のときには手話の方がどうしても必要になるそうなのです。ですから、手話の方が一緒に参加されたり、また、障害のある方に、日々目まぐるしく変わるIT用語のフォローも大変重要だとお話を聞いてまいりました。是非、更なる支援の拡充をお願いしたいと思います。

 続きまして、地域就労援助センターについて伺います。

 こちら県内の総数は17箇所と承知しております。しかしながら、地域によりその格差が生じているようでございます。生産年齢人口と保健福祉事務所の数を比較してみますと、横浜を1とした場合に県央で1.94、合併により広範囲となった相模原では1.58と、やはりそこに地域偏在格差が見られます。この件についてまず県の御認識を伺います。

障害福祉課長

 地域就労援助センターの事業の目的は、一般就労が困難な障害者の職業能力に応じた就労の場の確保と職場定着を支援することにより、障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的としたもので、平成3年4月に事業を開始したところでございます。当時は障害保健福祉圏域ごとに設置するということで事業を開始しております。その後、大都市特例の施行に伴って、政令市が独自に設置を進めているということで、こういう差になっているのだと考えております。

 ただ、県といたしましては、圏域ごとに生産年齢人口が異なってはおりますが、障害保健福祉圏域ごとのネットワークを通じて圏域の地域課題の把握に努めまして、ハローワークだとか就労移行支援事業所であるとか、特別支援学校などと連携しながら、各圏域の実情に応じた支援を行っていただいていると理解しております。

山下委員

 分かりました。昨今、幅広い支援が求められています。障害者の皆様にとって就労の要であります。更なる拡充を希望します。

 関連いたしまして、パーキングパーミット制度について伺います。

 身体障害者用駐車スペースのマナー違反が最近うたわれています。身体障害者用の駐車スペースは、身体障害者の方が利用するのに便利なように、建物の玄関付近に設置されていることが多いために、そこに健常者の方が駐車してしまうケースが見受けられます。身障者が駐車しようとしてもできないことが多発している実態が明らかになっており、そこで地方自治体が主導して身体障害者、高齢者、妊婦の方、けが人の方などに、駐車利用証を発行し、その利用証をルームミラーなどに引っ掛けることによって、正規の利用者であるかどうか判断できるようにしようというものであります。平成23年10月1日現在、全国自治体21県3市が導入を行っています。また、平成22年8月1日には九州の4県が、さらに山口県においては利用証が相互に利用できるなど、ただいまその運動が推進されております。

 しかしながら、メリット、デメリットもこの間でいろいろあるようでございますが、本県で検討などがあったのか状況を伺いたいたいと思います。

地域保健福祉課長

 お尋ねのパーキングパーミット制度は、佐賀県が平成18年度に初めて導入した仕組みと聞いております。

 本県でも平成21年度に、これはあくまで内部的に導入についていろいろ検討してみました。例えば、他県の状況を調べてみるとか、利用者の推計であるとか、あるいは導入に当たる課題等々について内部的にいろいろ検討した結果、課題が多過ぎるということで、平成21年度ではまだ導入は難しいという結論で終わっております。特に課題として一番大きなのが、大都市圏を含みます本県の場合、恐らく妊婦者とか高齢者の方々などを入れると、利用者の推計は10万人を超えるという中で、これらの方々に利用証を発行した際、悪用されては困りますので、こういった管理上の問題、それからさらに他の県を聞きますと、スーパーマーケットとかそういった施設事業者の協力がなければ、運営できません。事業者の協力が得られないという声が多くございまして、特に本県の場合は大都市を抱えていまして、駐車スペース自体が少ない中で、なかなか確保が難しいということもございまして、先ほど申し上げましたように平成21年度の内部の検討では、残念ながらまだ難しいということでございます。

 ただ、京都市を抱える京都府はこの9月からこういった制度を導入するという状況もございます。これは広域的な対応も大事ですので、近都県である、東京都とかあるいは埼玉県は、まだ導入しておりませんけれども、そういったところと情報交換しながら、検討については引き続き取り組ませていただきたいと思っております。

山下委員

 大都市では難しいというお話がありました。平成18年1月に、東名高速道路の海老名サービスエリアで、障害者等用駐車スペースの調査をしたところ、11分に1台が不適正と思われる駐車をしていた実態がありますし、また国土交通省が3月に発表しました障害者等用駐車スペースの適正利用等の促進に関する調査研究の報告書では、メリットもかなり多く記載されております。是非、今後も検討していただきまして、導入へ向けてメリットが多ければ是非、導入に踏み込んでいただきたいと要望いたします。以上で終わります。

楠委員

 みんなの党の楠です。よろしくお願いいたします。

 では、まず地域包括ケアの推進についてお伺いさせていただきます。

 今後、高齢者の急速な増加に伴い、本県においてはこれまでに経験したことのない超高齢社会が到来することが見込まれておりますが、そのような中、かながわ高齢者保健福祉計画改定素案において、高齢者が安心して元気に暮らせる社会づくりとして地域包括ケアの推進が掲げられております。そこで、地域包括ケアについて何点かお伺いいたします。

 まず、地域包括ケアとはどのような概念なのか、確認の意味でお伺いします。

高齢福祉課長

 地域包括ケアの概念につきましては、今回の計画改定に当たりまして、国から示されました基本指針案の中で、高齢者が地域で自立した生活を営めるよう医療、介護、予防、住まい、生活支援などのサービスが切れ目なく提供される体制とされてございます。

 なお、この地域包括ケアを実現していくためには、具体的には医療と介護の連携強化、さらに介護サービスの充実強化、また介護予防の推進、見守り、配食、買物など多様な生活支援サービスの確保や権利擁護、また高齢期になっても住み続けることができる高齢者向け住まいの整備、こういった五つの視点が重点課題として挙げられてございまして、こういったサービスを包括的、継続的に行われることが地域包括ケアとしての要となってございます。

楠委員

 次は、本年6月に、介護サービスの基盤強化のため介護保険法の一部改正が行われましたが、この改正は地域包括ケアの推進とどのような関係があるのかお伺いいたします。

高齢福祉課長

 本年6月の介護保険法の改正では、地域包括ケアの推進に関わる体制が盛り込まれてございました。

 まず、1点目としては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型サービス、こういった新たなサービスの創設が盛り込まれてございます。定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましては、重度者をはじめとして要介護高齢者の方々が在宅で生活を継続するために、日中・夜間に必要な訪問介護と訪問看護を密接に連携しながら短時間において定期的に巡回して確認する、また、随時に対応が必要であった場合にはそれも対応する、こういったサービスでございます。

 また、複合型サービスについて、小規模多機能居宅介護では、従前看護師の配置は義務付けられていませんでしたので、そのサービスを利用いたしますと、例えばリハビリテーションであるとか訪問看護は受けられなかったわけでございますが、そうした医療系のサービスなどについても併せて複合で受けられるということになったものでございます。

 2点目としては、介護予防日常生活支援総合事業が新たに創設されました。これは、従前は市町村の地域支援事業の介護予防事業という位置付けで、要支援認定を受ける前の二次予防対象者に対して、市町村が介護予防事業をやっていたわけでございますが、こういった事業を更にバージョンアップいたしまして、これまでは要支援者と要支援を受けていない方とは別々に行っていたのですが、これらの方を市町村の判断によって、一緒に介護予防をできるようにしました。従前は、第二次予防対象者については3箇月間集中してやって、その後は途切れてしまっていたのですが、これからは継続しても介護予防ができるということでございます。さらに必要があれば利用者の状態に応じて介護予防、配食、見守りといった生活支援を組み合わせた総合的なマネジメントができる仕組みがございます。それらが市町村の判断によって事業として実施できるようになったということでございます。

 この二つが盛り込まれた内容でございます。

楠委員

 なかなか難しいかと思うのですが、地域包括ケアを実現していくために当県で課題と思われることについて、どのようなことがあるのかお伺いをさせていただきます。

高齢福祉課長

 地域包括ケアを実現するための課題でございますが、神奈川県の場合でも地域包括ケアの中核機関は地域包括支援センターとなってございますが、このセンターの機能が現在十分に発揮されていないということが挙げられてございます。その要因といたしましては、地域包括支援センターの機能であります総合相談業務、あるいは包括的、継続的ケアマネジメント業務について、本来はこういった業務を通じて高齢者の自立支援を目的とした地域における切れ目のないサービス提供をコーディネートするものが地域包括支援センターの役目となってございますが、現状は介護予防関係のマネジメントで忙殺されてございまして、十分に行われていないという実態がございます。

 そうした中で、設置主体である市町村におきましては、人口規模や地域における高齢者の状況などを見まして、将来的には中学校区に1箇所を設置することを目指しつつも、地域の実情に応じた地域包括支援センターの設置がなかなか進んでいない状況がございます。

 ちなみに、平成23年4月現在では中学校区というのは県内に412ございますが、センターの設置数は303箇所となってございまして、比率にしますと約7割の状況となってございます。センターの設置にはこれらセンターには保健師、社会福祉士、また主任ケアマネジャーといった専門職種を配置しなければならず、そういった確保が困難であるといった課題もございます。

 さらに、神奈川県の場合には都市化が進んでございまして、その都市化が進む中でコミュニティ機能が弱まっている地域が多く存在してございまして、なかなか地域ぐるみで見守りや高齢者自ら参加できるような、支え合うという仕組みづくりが難しいといったことも課題としてあると思います。

楠委員

 地域包括支援センターは、地域包括ケアの中核拠点として機能するとのことでありますが、今回の改定素案において地域包括支援センターの目指す姿についてお伺いさせていただきます。

高齢福祉課長

 先ほども御答弁申し上げましたが、地域包括支援センターは高齢者が住み慣れた地域において自立した生活が営めるようにするということでございます。介護が必要になって、支援を必要とする方々に対して包括的、継続的な支援を行うことが重要な役割です。このため、この地域包括支援センターの機能を強化し、地域包括支援センターを中心として保健、医療、福祉の関係者又は団体、こういった方々と協働することも必要であると思っております。

 そうしたことから、次期計画ではそうした関係者の連携ネットワークの構築を図ることがまず大事ではないかと思っております。そうした取組によりまして、高齢者に対する総合的な相談、支援あるいは権利擁護、またケアマネジャーへの支援といった、地域包括支援センターの期待される本来の役割について、一層の効果的な実施を図られるよう支援していきたいと考えてございます。

楠委員

 この地域包括支援センターの設置、運営などに関しては、地域包括ケアを推進する市町村に対して、今後、県として市町村をどのように支援していくのかについてお伺いいたします。

高齢福祉課長

 県ではこれまでも、市町村が設置する地域包括支援センターが円滑に運営できるように、新任職員研修であるとか、あるいは現任者の研修の実施を通じて、人材育成や度重なる制度改正の内容を周知するなどの支援を行ってまいりました。今後の地域包括ケアの推進につきましては、新たに生活支援や住まいといった機能も加わることから、民間が行っております福祉サービスや高齢者向けの住まいに関する情報提供、あるいは現任者研修の内容を充実するなどして、支援を強化してまいりたいと考えてございます。

 また、地域包括支援センターを強化する取組としまして、地域内の高齢化が進む住宅団地の周辺に高齢者の見守りをするような拠点であるとか、またはセンターのブランチ機能、相談機能を出張所とか支所に移す、こういった取組を促進するもの、あるいは県及び地域、地域包括センターの枠を越えた、例えば保健福祉事務所の所管地域のレベルで、今後の地域包括ケアをどう進めていくのかといったことを課題にする会議の開催を検討するなどして、引き続き市町村を支援していくことを検討してまいりたいと考えています。

楠委員

 要望させていただきます。

 高齢者の誰もが安心して暮らしていける地域包括ケアを実現していくには、地域包括支援センターの機能強化をはじめ、医療と介護の連携や地域での見守り活動の強化など、まだまだ課題が多いと思われます。私が暮らす横浜市の栄区は、今、横浜市の中で高齢化率が一番高いと言われているのですが、住み慣れた土地で高齢者になってもずっと暮らしていきたいという方の御要望をとても多く頂きますので、こうした県の地域包括ケアの取組というのは非常にこれから必要になってくると思います。県として県全体の状況や市町村の取組状況をこれからも十分把握していただきまして、人材育成や情報提供など、これまで以上に市町村を支援することで、県内全域で地域包括ケアが推進されるよう取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 続きまして、子ども手当についてお伺いをさせていただきます。

 子ども手当については、今年度、つなぎ法、特別措置法と半年ごとに制度が変わり、県民も困惑していると思われます。平成24年度以降の取扱いについては、現在国において制度や財源、金額について議論されており、議論の結果が気になるところであります。そこで、子ども手当の動向について何点かお伺いします。

 まず、確認のためお伺いします。

 今年度の子ども手当制度は、支給額など、どのように変わってきたのか、また、平成24年度以降の制度はどのように変わる見通しなのかお伺いをいたします。

子ども家庭課長

 子ども手当制度を巡りますこれまでの経過と今後の見通しについてお答えさせていただきたいと思います。

 平成22年4月から中学終了前までの児童を対象にいたしまして、所得制限は設けずに一律1万3,000円を支給する子ども手当制度が創設されました。この子ども手当は平成22年度のみの時限のある制度でございましたので、政府は改めて支給額を3歳未満の児童1人月額2万円に増額するという子ども手当法案を国会に提出したところでございますけれども、震災などの影響下、3月末に取り下げられ、代わりに平成23年9月までの6箇月間、平成22年度の子ども手当を延長するという、いわゆるつなぎ法が成立施行されまして、引き続き子ども手当が支給されることになってきたところでございます。その後、与野党間で協議が行われまして、この8月に政府は平成23年10月から平成24年3月まで支給額を3歳未満と小学校終了前までの第3子以降の子供については月額1万5,000円とし、それ以外の中学卒業までの子供については月額1万円とする内容の、平成23年度における子ども手当等に関する特別措置法、いわゆる特別措置法案を国会に提出いたしまして、法律が成立し、10月1日から施行されているところでございます。

 次に、平成24年度以降の制度についてでございますけれども、特別措置法が平成23年度末までの法律であることから、子供に対する恒久的な現金給付に関する制度として、現行の児童手当法を改正することで、与野党間合意がなされているところでございます。また、所得制限も設けられるということになっておりまして、今後与野党間の協議が進められて、合意の後に、来年の通常国会に法案が提出される運びになるだろうと考えております。

楠委員

 平成23年度の子ども手当については、今回65億円の補正予算を計上しておりますが、これはどういった趣旨のものなのか、また、結果として県負担額はどのくらいになるのかお伺いいたします。

子ども家庭課長

 今回の補正額につきましては、先ほどお話ししました特別措置法によりまして、平成23年度下半期の子ども手当が支給されることになったことを受けて、平成24年2月に支給いたします、この10月から1月までの4箇月分に対応する県の負担額でございます。結果といたしまして、平成23年度の年間の県負担額は約195億円の見込みでございます。

楠委員

 では、平成24年度の子供に対する手当の財源として、国は地方に負担の倍増を求めていくこととしておりますが、これはどういった理由によるものなのかお伺いいたします。

子ども家庭課長

 この平成23年10月29日に、子供に対する手当についての国と地方の協議の場が開催されたところでございます。そこでの国の説明では、年少扶養控除の見直しは控除から手当へという考え方で、子供への手当の充実と併せて実施したものであり、年少扶養控除見直しに伴う地方の増税分は、最終的には子供に対する手当制度の財源として活用することが国民に負担増をお願いする趣旨に合致するものとの考えで、地方増収分として約5,050億円を子ども手当に充当することが適当であるとの考えと聞いてございます。

 なお、これまで地方は子ども手当の一部といたしまして、児童手当法に基づく費用負担をしてございまして、その部分の国と地方の負担の割合は1対2でございました。今回、厚生労働省が示した案では、児童手当から増額となった部分や中学生分など児童手当法の対象を超えた分を含めた制度全体を通じた中で、その割合を1対1とするもので、結果といたしまして、現行の子ども手当と比較してほぼ倍となる地方負担を要請する内容となってございます。

楠委員

 仮に、この国の案どおりとなった場合、県の負担額がどのぐらいになるのかお伺いいたします。

子ども家庭課長

 平成23年度の県の負担は約195億円でございますが、国が示した費用負担の見直しの考え方では、地方の所要額が倍になることが想定されております。ただ、国の考え方が提示されたばかりでございますので、具体的な金額につきましては現時点では試算していないところでございます。

楠委員

 国における最近の議論の状況はどのようになっているのかお伺いさせていただきます。

子ども家庭課長

 最近におきましては、11月25日に子供に対する手当について国と地方の協議の場が開催されたところでございます。そこで小宮山厚生労働大臣が、現行の2倍近くとなります9,800億円の地方負担を求める厚生労働省案を示したのに対しまして、知事会など地方側は地方の裁量の余地のないものは困る、全額国庫負担をすべきであることを主張いたしまして、議論は平行線に終わったと聞いております。また、一部新聞報道では、子供に対する手当について与野党3党協議が開催されたとの報道もございまして、今後、平成24年度の予算案に向けて、具体的な検討が進められるものと考えてございます。

楠委員

 国が示した費用負担案に対する県の考え方や対応についてどのようになっているのかお伺いをいたします。

子ども家庭課長

 本県では、これまで一貫して地域性を考慮しない全国一律の現金給付は国が行い、地方は地域の実情に応じたサービス給付を行うべきと主張してまいりました。

 過日行われました九都県市首脳会議や神奈川県地方分権改革推進会議においても、まず全額国費を財源として実施すること、それから、制度設計に当たっては地方と十分協議を行い、地方の意見を踏まえて検討することの2点の緊急要望を決議したところでございます。現在、国と地方の協議の場などにおきまして協議が進められているところでございますので、全国知事会などを通じて本県の意見反映に努めてまいりたいと考えております。

楠委員

 要望させていただきます。

 先ほど御答弁の中で、平成23年度におきましては195億円の県負担があったということですが、子育て世代の県民は、まだまだ不足している待機児童を減らすための保育所の整備や、放課後児童クラブの整備等を望む声が多いと聞いております。平成24年度に向けて、国と地方の財源の部分をしっかり行っていただきたいことを要望させていただきまして、次の質問に移ります。

 では、続きまして、助産師の活用についてお伺いさせていただきます。

 産科医師の不足から、お産難民という言葉が生まれて久しいですが、医師を養成するためには少なからず時間を要します。この現状を打破する方策として、他職種の活用が注目を集めているところでありますが、特にお産の専門家である助産師を生かすことが今後は必要であると考えます。そこで何点かお伺いさせていただきます。

 県はこれまで、助産師をお産の場に活用する取組としてどのようなことを行ってきたのかお伺いいたします。

医療課長

 御質問の助産師の活用についてですけれども、県の保健医療計画において周産期医療の充実のために診療連携や医療資源の集約化などのほか、助産師の活用を掲げております。また、地域医療再生計画においては具体的な事業として助産師外来、院内助産所の開設の支援を実施しているところでございます。

 助産師外来、院内助産所とは、分べんを取り扱う病院においてこれまで医師が担当していた妊婦健診、分べん介助から産後のケアまで助産師が主体となって実施する体制のことを指しております。

 助産師外来、院内助産所の効果は、産科医師の負担軽減が図られることにより、産科医師が高リスクの医療に集中できるようになるほか、助産師の専門性を生かして妊婦に対して手厚い産前、産後ケアを実施できるようになるなど、安全・安心なお産の場を提供できるという効果が期待できるところでございます。

 開設の支援の内容でございますけれども、助産師外来、院内助産所の開設を検討している病院に勤務する助産師を対象とした研修の実施と、実際に開設する場合の施設整備を実施しているところでございます。

楠委員

 助産師外来、院内助産所の開設に対する補助を実施しているということですが、今県内に助産師外来や院内助産所を開設している病院は幾つあるかお伺いいたします。また、今までに県が開設を支援したものは幾つあるのかお伺いさせていただきます。

医療課長

 平成23年4月1日現在で県内の分べん取扱病院65病院を対象とした調査によりますと、助産師外来を開設している病院が23病院、院内助産所を開設している病院が5病院であり、近年では増加傾向にあると認識しております。

 また、県が助産師外来、院内助産所の開設に対して補助を実施した病院数でございますけれども、平成22年度は横須賀共済病院の1病院、今年度が昭和大学北部病院、横浜市東部病院、湘南厚木病院の3病院となっております。県としましては、今後も引き続き開設への支援を継続してまいりたいと考えております。

楠委員

 助産師外来や院内助産所の開設を検討している病院に勤務する助産師を対象とした研修を実施しているということですが、どのような内容の研修なのかお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 お尋ねのありました研修につきましては、基礎研修と実地研修の2段階の構成となっておりまして、まず平成22年度には講義と演習を中心といたしました基礎的な研修を行い、この研修を受けた受講者について、平成23年度から平成25年度の3箇年で順次実際に院内助産所又は助産師外来を開設している病院や助産所での実地研修を行うこととしております。

 具体的な研修内容といたしましては、基礎研修では分べん介助の技術、あるいは産前、産後のケア、そして胎児の異常の早期発見の技術、異常が発見された際の医師との連携のポイントについての講義あるいは演習を行っているほか、助産師外来や院内助産所の開設準備の進め方や病院の体制づくりについての講義あるいはグループワーク、さらに助産師外来、院内助産所を開設している病院、具体的には県立足柄上病院での施設見学をいたしました。そんな内容になっています。

 また、実地研修につきましては、助産師外来、あるいは院内助産所を開設している病院及び助産所におきまして、受講施設の検討あるいは準備の状況に応じて、研修内容をコーディネートいたしまして助産所外来や院内助産所等の開設までの具体的な準備、そして運営の実際について、また助産所におきましてフリースタイル分べんなどについて学ぶこととしてございます。

 こうした研修を通じまして、助産師外来や院内助産所を開設した際に、助産師としての専門性を発揮して、助産に携わることができる助産師を育成するとともに、助産師外来や院内助産所の開設を支援することを目的としてございます。

楠委員

 この研修の実績について、また今後の展開はどのように考えているのかお伺いします。

 また、この研修を受けられた助産師さんの研修を受けた感想とかそういったものがありましたらお願いします。

保健福祉人材課長

 平成22年度に実施いたしました基礎研修につきましては、県内28病院から57名の方が受講されてございます。この28病院ですけれども、助産師外来については11病院で既に開設されてございまして、8病院で開設の準備中という状況であります。また、院内助産所については5病院で開設の準備中といった状況でございます。その他、9病院については、助産師外来、院内助産所とも今後検討するといった段階でありまして、参加した各病院におきまして検討準備状況は様々という状況でございました。

 平成23年度の実地研修につきましては、基礎研修に参加した28病院のうち6病院から17名が受講を希望し、院内助産等の実施病院3箇所、それと助産所2箇所の協力を得まして実地研修を行っているという状況であります。今後は、実地研修の最終日に予定されております報告会におきましていろいろな意見交換をする予定ですけれども、そこでの意見を参考にいたしまして、来年度以降の研修内容の更なる充実を図っていくとともに、平成22年度に基礎研修を受講した病院が、平成25年度までの間に順次、実地研修に参加できるよう働き掛けまして、助産師外来又は院内助産所の開設に向けて、助産師としての専門性を発揮できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。

 平成23年度の研修につきましては現在、実施中ですので、平成22年度の研修についての感想、意見のお尋ねですけれども、これから実地研修に向かうに当たって、現在どんな準備状況で、どんな課題認識をしているのか、どんな研修を受けたいのかという意見聴取を行いまして、その中で様々な課題として出てきているのは、助産師としてのスキルアップ、それから安全な分べん管理の体制、あるいは看護体制といった整備をしっかりやっていくにはどうしたらいいのか、ハイリスクな妊婦の保健指導、あるいはローリスクの妊婦健診外来との調整をどのように行っていったらいいのか、医師と助産師の役割分担をどのようなところで考えていったらいいのか、そういったところを、実際に現地での実地研修を通して学んでいきたいというお話を頂きました。そんなところを研修の中で反映していきたいと思います。

楠委員

 要望させていただきます。

 幾つか、今回の助産師の活用について質問させていただきましたが、産科医不足への方策として、また妊婦が安心できる環境づくりの方策として、助産師を活用することの意義を改めて確認させていただきました。特に昨今問題となっております乳幼児虐待の防止のためには、産前産後の母親に寄り添うことができる助産師の役割は非常に大きいと考えます。助産師外来、院内助産所の数を増加させて、助産師が活躍する場を増やすことについてはもちろんでございますが、その質も同時に向上させてもらいたいと思います。助産師が学べる機会を増やすなど、人材育成の取組を是非、推進していただきたいことを要望させていただきまして、次の質問をさせていただきます。

 続きまして、ハートプラスマークの周知についてお伺いさせていただきます。

 身体障害者の中には、外見からは障害が分からない内部障害や内臓疾患のある方がおられます。見た目は健常者と変わらないため周囲の理解が得られず、苦い思いをすることがあると伺っております。そのため、内部障害者、内臓疾患者が快適に暮らせる社会づくりを行うことを目的に、身体内部に障害を持つ人を表すハートプラスマークが特定非営利活動法人で作成され、普及推進がされていると聞いております。

 そこで、ハートプラスマークの周知について何点かお伺いをいたします。

 まず、内部障害とはどのような障害なのかお伺いをいたします。

障害福祉課長

 内部障害とは、現行の身体障害認定基準で身体障害者手帳の交付を受けられる心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、ぼうこう又は直腸の機能障害、小腸の機能障害、免疫機能障害、肝機能障害等をいいます。生まれつきの方であるとか、後天的に障害を持った方がいらっしゃいますけれども、委員がおっしゃるように体内部の障害ということで、外から見るだけでは非常に分かりにくい障害でございます。

楠委員

 外から見て非常に分かりづらいということなのですけれども、内部障害のある方が日常生活において、今現状どのような悩みを抱えていらっしゃるのかお伺いいたします。

障害福祉課長

 例えば肝臓病等で体力的に問題があるために電車やバスの優先席に座っている場合であるとか、先ほども出ましたが、駐車場で車椅子のマークの駐車スペースに駐車するとけげんな顔をされるとか、様々な誤解を受けると聞いております。

 日曜日の読売新聞に、埼玉県内の35歳の女性からの投書があったのですが、腫瘍性大腸炎で大腸全摘手術を受け人工こう門を作った、1日数回装具を交換する必要があり、外では多目的トイレを利用する、10分で出たところ、待っていた人から嫌な顔をされた。理不尽だが何も言えなかった、こういうような人には言いにくい特有の悩みがあるとお聞きしております。

楠委員

 外見では分からない内部障害者の存在を視覚的に示し、妊婦さんを示すようなマタニティマークと同様に、周囲の理解を得るために作成されたものがハートプラスマークであると伺っておりますが、その概要について教えてください。

障害福祉課長

 2004年に、内部障害者や手帳の交付を受けられない、その他多くの内臓疾患の難病等を抱える方々が、NPO法人ハート・プラスの会を立ち上げまして、身体内部に障害を持つ人を表現したハートプラスマークを考案したと聞いております。

 このマークは、身体内部を意味するハートマークに思いやりをプラスしたという意味だと聞いておりますが、身体の内部に障害を持つ人がいるということを知ってもらって、内部障害のある方の悩みを少しでも軽減するために、障害者自身が作成したマークだと認識しております。マタニティマークと同様に、外出時にかばんや服に装着することによって、病気や障害のことをいちいち説明することなく、電車やバスで優先席の利用が配慮してもらえたり、ペースメーカーを入れている心臓機能障害の方にとっては、携帯電話の使用を控えてもらうという効果が期待できるマークでございます。

楠委員

 現在、県においてハートプラスマークの周知について何らかの取組をされているのかお伺いをさせていただきます。

障害福祉課長

 このマークは公的機関が定めたものではございません。したがって、法的拘束力がないということで、患者本人が自発的に必要性に応じて理解を求めようとして作成したものであります。この手のマークには、譲り合い感謝マークだとか、見えない障害バッジなど様々なものがございます。自然発生的に広がって世間一般で認知されて理解が深まっていくという願い、それらに応えて、手帳を持たない人も含めて見えない障害がある方は1,000万人とも言われています。県は障害に対する県民の理解を深めるためのパンフレットを作成しているのですが、この中でハートプラスマークについても掲載して、普及啓発に努めているところでございます。

楠委員

 今後どのようにハートプラスマークの普及促進に取り組まれるのか。何かありましたらお願いいたします。

障害福祉課長

 現在、県のホームページにおいて、障害者の方と接する場合のエチケットについて御案内しているところでございます。あわせまして、内部障害についても御紹介しておりますので、このページにハートプラスマークも掲載して、広く県民に周知を図りたいと考えております。

楠委員

 要望させていただきます。

 ハートプラスマークの周知については今後も広報活動が重要になるかと思われます。今回、この質問を取り上げた背景には、我が会派の議員に、心臓ペースメーカーを付けている方がおりますが、その方から電車で優先席に座っていたにもかかわらず、隣に座った方が携帯電話を使用し、誤作動を起こしてしまったため、このハートプラスマークを周知させてもらいたいという要望があり、取り上げさせていただきました。県としても、御答弁にありましたとおりホームページ等で広報していただく旨の答弁を頂きました。普及活動に取り組んでいただきたいことを要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。

 続きまして、脳脊髄液減少症についてお伺いさせていただきます。

 脳脊髄液減少症については、平成23年9月の他会派からの一般質問に対して、今後も引き続き国に対し要望するとともに、国の研究、検討状況を把握し、患者や家族に情報提供を行ってまいりますとの答弁を頂いております。その後の状況について何点かお伺いをいたします。

 まず、脳脊髄液減少症については、平成22年4月に検査が保険適用となったと聞いておりますが、その後、今年度に入ってこの病気に関連して何か進展があったのかお伺いをいたします。

医療課長

 脳脊髄液減少症については、これまで医師の間でも認知度が低く、発症の原因や診断を含めて治療法なども確立されておりませんでしたが、厚生労働省の研究班が統一した診断あるいは治療の指針づくりに着手し、本年10月に統一した診断基準を発表されました。この診断基準の発表を受けまして、研究班は高度な医療技術を用いた医療として、先進医療としてその治療法について厚生労働省に申請準備を開始したところであると聞いております。

 また、厚生労働省では、2年に一度行われている次期診療報酬改定について、平成24年度の保険適用に向けた検討が行われているということを承知しております。保険適用が認められない状況であった場合でも、先進医療が認められますと、混合診療という形で患者さんの負担も多少は軽減されるのではないかと期待されているところです。

楠委員

 厚生労働省の研究班から診断基準が示されたということですが、県として国に対してどのような働き掛けを行っているのかお伺いいたします。

医療課長

 県といたしましては、平成21年度から毎年国に対して診断基準や治療法を早期に確立し、速やかな病態の解明と保険適用ができるよう要望を行ってまいりました。本年も8月に要望を行ったところでございます。今回、診断基準が策定されましたことから、今後は病態の解明、治療に関する保険適用について引き続き、要望を行っていくことになります。

楠委員

 国に対して平成21年度から毎年要望を行っているということですが、県としてはどのような支援策を考えているのかお伺いいたします。

医療課長

 この脳脊髄液減少症につきましては、難病として医療費助成の対象となる疾患には指定されておりません。他にも様々な疾患がある中で、この病気に対して県が独自に経済的な支援を行うというのは困難な状況です。県としましては、引き続き、毎年病院に対する調査を行いまして、脳脊髄液減少症の診療が可能な医療機関名を、ホームページ上で公表し、患者さんに情報提供等をしてまいりたいと考えております。

楠委員

 要望させていただきます。

 脳脊髄液減少症は、激しい頭痛の他、吐き気やめまいなど様々な症状がありますが、治療法が確立されておらず、先ほどの御答弁でありましたが、難病指定がまだされておりません。一日も早く疾患研究が進み、保険適用の実現が図られ、少しでも負担が軽減されるよう引き続き、取組をお願いいたします。

 続きまして、放課後児童クラブについてお伺いさせていただきます。

 共働き家庭の小学生の放課後の居場所として、放課後児童クラブ、通称学童保育は重要な役割を担っております。ただ、学童保育に対しては保育所に比べると公的な補助が薄く、設置形態も様々である中で課題も多いところと承知しております。そこで、学童保育の充実に向けた県の取組状況をお伺いいたします。

 まず、県内の学童保育のクラブ数や利用している児童数はどのくらいなのか、また、近年のクラブ数や児童数の増減の状況についてお伺いいたします。

次世代育成課長

 県内の放課後児童クラブの数でございますが、本年5月1日時点に市町村から厚生労働省に報告をいたしております数を申し上げますと、県内全体でクラブ数が897クラブ、登録されているお子さんの数が3万6,953人となっております。

 近年の増減の状況についてでございますが、まず昨年の同時期と比べますと、クラブ数につきましては17クラブ、登録児童数は3,977人の増加となっております。ちなみに、3年前に当たります平成20年度と比べますと136クラブの増加、お子さんの数では5,544人の増加となっております。お子さんの増加に比べまして、3年前と比べてクラブ数が大分増えているような数字になってございますが、これはこの間に国で70人以上の大規模なクラブをできるだけ分割して、適正規模にするように指導があった影響でございます。

楠委員

 ちなみに、現在、放課後児童クラブに入りたいのだけれども、待機をしているお子さんはいらっしゃるのか把握しておりましたらお願いいたします。

次世代育成課長

 放課後児童クラブに入れず待機している数でございますが、放課後児童クラブにつきましては保育所のような待機児童の正確な定義がございませんが、市町村から登録できなかった児童数を、同じく毎年5月1日の時点で厚生労働省に報告することになってございます。今年度5月1日の時点の登録できなかった児童数は県内で289名という数字になってございます。

楠委員

 共働き家庭も増加している中で、学童保育の重要性が増していると思いますが、県は学童保育についてどのような取組を行っているのかお伺いいたします。

次世代育成課長

 放課後児童クラブにつきましては、児童福祉法に放課後児童健全育成事業として位置付けられているところでございます。法律上は都道府県の役割についての定めはございませんが、国の放課後児童健全育成事業の実施要綱に、市町村と並びまして都道府県の役割といたしまして、放課後児童指導員の計画的な研修を実施することが示されてございます。このような中で、まず県の取組といたしましては、放課後児童クラブの現場でお子さんに接する指導員の方たちの研修を、年間計画の下に実施をしてございます。さらに、放課後児童健全育成事業につきましては国庫補助制度がございますので、県では政令中核市を除く県所管区域の市町村に対する補助を行っております。ちなみに、平成23年度の当初予算額は5億7,600余万円となってございます。

 さらに、平成21年度からは安心こども基金に放課後児童クラブへの支援メニューが設けられましたので、そういったメニューを活用いたしまして、例えば小学校の余裕教室等でクラブを実施する場合には改修費の補助ですとか、あるいは賃借物件によってクラブを新設するための賃借料の補助を行っているところでございます。

楠委員

 介護士や看護師などの保健医療福祉人材と同様に、県は広域自治体として専門的な人材の育成、確保について、この放課後児童クラブの指導員の方に対しても役割発揮が期待されるところでありますけれども、学童保育の指導者の研修についてはどのような研修をどのくらいの頻度で行っているのかお伺いいたします。

次世代育成課長

 放課後児童クラブの指導員の研修についてでございますが、まず、どのクラブでも共通に指導員の方に求められる活動上の安全管理ですとか、子供の人権の尊重あるいは気になるお子さんへの対応、保護者との関係づくりなどの基礎的な研修を10回、それから、現場の指導員の皆さんが相互にグループ討議などを行って、具体的に学ぶことができる特別研修といったものを8回実施させていただいております。さらに、今年度は安心こども基金を活用いたしまして、昨年度取りまとめました神奈川県放課後児童クラブ・活動実践ガイドラインの活用方法の普及を図るとともに、ガイドラインの中でも震災後、現場の御関心が非常に防災の関係で高いということで、そういった実践的な講義を交えた研修を県内で4回、合計しますと、年間で22回実施をしているところでございます。

楠委員

 それでは、研修の参加状況や、研修参加者の効果や意見についてお伺いいたします。

 また、県として研修実施に当たって重視していることや工夫していることがあれば、併せてお伺いをいたします。

次世代育成課長

 今年度の研修はまだ実施途中でございますが、先ほど申し上げました22回の研修のうち早い時期に実施いたしました12回分で660名ほどの御参加をいただいてございます。

 参加者の意見といたしましては、研修につきましては、例えば現場で発達障害のあるお子さんへの対応ですとか、保護者との関係づくり、あるいは虐待が疑われる場合の対応など課題となっていることについて具体的に盛り込んだ研修を望む声が多くございます。こういった声にできるだけ積極的に対応しておりまして、そういったことについて役に立った、参考になったという評価を頂いているところでございます。

 県として工夫している部分ですが、今申し上げた現場のニーズにできるだけ応えられるようなテーマの設定、それに加えまして放課後児童クラブの現場は人手が比較的手薄でございますので、研修に御参加いただきやすいように、午前中に研修を設定いたしまして、12時半ぐらいには終了いたしまして、それから現場へ戻っていただいてお子さんの対応をしていただけるようにするとか、あるいは同じ内容の研修を県の東部と西部で会場を変えまして複数回設定いたしまして、できるだけ御参加いただきやすいようにする、そういった工夫をさせていただいているところです。

楠委員

 最後に、先ほど発達障害のお子様のお話もありましたけれども、学童保育における障害児の受入状況と、障害児の受入れを支援するために、県はどのような取組を行っているのかお伺いいたします。

次世代育成課長

 先ほど申し上げました5月1日時点の国への報告によりますと、障害児の受入状況といたしましては、県全体で476クラブが受入れを行っていらっしゃいまして、登録児童数では1,183人という数字になってございます。

 このような障害児の受入れを支援するために、県では平成20年度から国庫補助制度の障害児受入推進事業を活用いたしまして、障害児加算の補助を行っております。また、先ほど来御紹介させていただいておりますように、指導員研修においても障害児の対応について内容に踏み込んだ研修をできるだけ多く実施するようにということで、実は指導員の研修については市町村でも実施するという国の要綱で示されている部分があるのですが、なかなか市町村ではそういった専門的な研修は難しいという声も頂いております。県の研修では積極的に取り上げるように心掛けているところでございます。

楠委員

 最後に要望させていただきます。

 私の地元の方が指導員をされている逗子市において、今、公設民営で運営をしている学童保育について、運営の委託先の決定のためにプロポーザル方式が採られ、学習塾を経営している民間企業が決定した例もあるということを伺いました。このようにクラブ運営に関わる主体が変更となったりする中では、県が研修をしっかり行い、現場で子供に直接接する指導員の資質や専門性の向上を図ることが極めて重要であると考えます。引き続き、放課後児童クラブの指導員研修の充実を図られるよう要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

西村委員

 公明党の西村でございます。よろしくお願いします。

 まず、児童自立支援拠点の整備について伺ってまいります。

 児童虐待の急増などにより、より専門的な支援が必要な子供が増えており、こうした子供に対応するため、県として早急に対応すべきと考えまして、私ども会派からは?橋議員が代表質問で取り上げさせていただきました。知事もこの問題を大変重要視していらっしゃるということです。先ほど保健福祉局長からも御説明を頂戴しました。重複しないように伺っていきたいと思いますが、確認の意味で伺わせていただきます。

 まず、はじめに、この児童自立支援拠点が目指している目的や、対象とする子供、従来の施設より強化される機能などについて確認をさせてください。

子ども家庭課長

 児童自立支援拠点は、平成21年3月の外部有識者委員会の検討報告書を基本に検討してまいりました。この拠点は、虐待を受けた子供、それから知的障害や発達障害を有する子供など、これまでの児童養護施設や知的障害児施設では、対応が困難な子供を対象といたしまして、一人一人が抱える課題に応じた専門的なケアにより、子供の自立を支援することを目的とした施設でございます。

 子供の抱える課題は、年齢や発達段階、障害の程度、家庭環境により様々でございますので、それぞれの事例に応じてきめ細かく支援を行うこととしてございます。

 こうした支援を行う拠点の機能についてでございますけれども、従来の児童福祉施設の入所による養育機能に加えまして、子供と親の関係の再構築や社会に適応できる力を育むことを支援するための自立支援機能、それからこれらに付随いたします子供の心や体を治療する医療機能、そして支援技術の確立や普及のための研究、研修機能を備えているところでございますが、これまでの児童福祉施設との大きな違いがこういったところにございます。

西村委員

 正確な数の把握は難しい問題だと思うのです。例えば虐待を受けていらっしゃる子供さん自体の全体的な把握というのが難しいわけですが、しかし入所に該当するであろう、あるいは入ってこられた人数で増加傾向にあるのではないかと思うのですが、そういった人数の把握をしていますでしょうか。

子ども家庭課長

 まず、近年児童虐待の相談件数が増加傾向にあるという中にありまして、虐待の影響による情緒、行動上の問題から、施設生活の不適応を起こすお子さんが少なくないということなど、従来の施設では十分な対応をとるのに困難な状況があります。そういった中で、お子さんの数ということでございますけれども、県所管の児童相談所におきます児童虐待受付件数は10年間で約3倍増加をしている状況です。そういった県所管の児童養護施設における被虐待児の割合でございますが、現在、全国平均で見ますと5割ということでございますが、神奈川県の場合に、県所管でございますけれども7割となってございます。そういったお子さんたちが新たな拠点の対象になると思っています。

 また、県所管の知的障害児についての把握数でございますけれども、10年間の経過を見ますと約2倍となってございまして、発達障害支援センターで受ける発達障害に係るお子さんの相談件数につきましても、センター開設時の平成17年から比べまして約2倍となっている状況がございます。数でいいますと、知的障害児の把握数としましては平成12年度が2,816件だったものが、平成21年度で見ますと4,899件、それから発達障害の相談件数で見ますと、平成17年度が289件だったものが、平成21年度は606件となっており、増加しております

 拠点施設において、こういったお子さんたちを対象として、対応していきたいと考えてございます。

西村委員

 今の御答弁を伺っていると、児童相談所等の専門機関との連携が重要な課題の一つとなってくる気がするのですけれども、こういった相談支援機能の強化を目指す新たな体制づくりとか構想というのはあるのでしょうか。

子ども家庭課長

 今お話しいたしましたように、新たな拠点の対象となるようなお子さんたちが増えているという傾向がある中で、こういったお子さんたちの抱える課題が複雑、複合的なものになっているということがございますので、専門機関をしっかりつくっていくということはもちろん必要です。ただし、そういったお子さんたちにつきましては入所施設である拠点でずっとケアをするというよりは、いずれ問題を解決した後には地域に戻っていただくということがございますので、地域の専門機関との連携が重要であると考えております。

 本県におきましては、お子さんに関する専門機関としてはまず児童相談所がございます。児童相談所は、例えば小田原、厚木、藤沢などにございますし、これから先、平成26年4月には平塚市内に設置する方向で今整備をしております。さらには、中井町には、これは重度の知的障害者の入所施設の中井やまゆり園というところでございますが、そこに発達障害支援センターが併設されているとか、あとは藤沢市には障害のあるお子さんの早期療育を担っています総合療育相談センター、それから教育相談機関であります総合教育センターなどがございます。こういった県の専門機関と、この拠点とがうまく連携していくことによりまして、地域で暮らす、あるいは地域ではなかなか暮らせないというお子さんたちの支援について、県域全体として取り組んでいきたいということを考えております。そういったことから、今回はこの拠点整備の見直しを一部行ったところでございます。

西村委員

 今の答弁でまた次の課題が見えた気になったのですが、今度は、いつか家庭に戻られるということです。今度は、この家庭が戻れる状況にあるかどうかというところまで見ていかなければいけないわけです。このことについて何か構想というか、新たな計画はありますか。

子ども家庭課長

 これは従来型の施設でも同様でございますけれども、特に虐待を受けたお子さんにつきましては、単に親御さんの元から離して保護するというようなことではなくて、いずれやはり親元で暮らせるような関係調整ができるのが一番望ましいということがあります。従来も取り組んできたところですが、新たな拠点では、先ほど機能を説明させていただいた中の自立支援機能というような中で、特に親子関係を調整するスタッフなども配置する中で、関係の調整を児童相談所などとの連携もしながら進めていきたいと考えているところでございます。

西村委員

 よろしければ、このスタッフ体制の御説明をいただけますでしょうか。

子ども家庭課長

 当常任委員会の報告資料の中でも紹介させていただいていますけれども、拠点の中で今想定していますのは、基本的には四つの機能がございます。そういった中で、養育機能としては児童指導員、保育士、看護師など身の回りの対応を主としてするスタッフを配置することとしております。それから、自立支援機能といたしましては、ソーシャルワーカーですとか保健師、それから心理士あるいは教育部分を担う教育担当の職員などを考えております。さらには医師等のスタッフも配置する方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。

西村委員

 総合的に考えるとやはり一つコーディネーターの役割をする方が必要になってくると思います。この施設の中でのコーディネート、それから今度家庭に戻られたときまでも含めた統合的なコーディネートができる役割の方が必要だと感じたのですけれども、そういった対策は何かやられておりますか。

子ども家庭課長

 委員のおっしゃるような働きをするスタッフは、この拠点の中に必須だと考えております。ただ、どういった体制をつくっていくかの詳細については、今後の検討ということですので、現時点で具体的にこういうスタッフを、このように配置するということまでは御答弁できません。申し訳ございませんが、御了承いただければと思います。

西村委員

 では、もともとの施設に話を戻しまして、県所管域に拠点を整備するということなのですが、具体的にどの方面で整備候補地を探していらっしゃるかなど教えていただけますでしょうか。

子ども家庭課長

 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、県内の専門機関として児童相談所が各地に配置されております。それから、中井町にございます発達障害支援センター、それから藤沢市にございます総合療育相談センターですとか総合教育センター、こういった場所に設置されております県の専門機関との連携が密に行えるような地域に整備するということで、現在、整備候補地を選定してまいりたいと検討しているところでございます。

西村委員

 現在、この施設に入所している子供たちは、将来的には家庭に帰るということなのですけれども、新たな拠点が開設した後というのはどうなるのか、あるいはそのまま残っていらっしゃったりとか、ちょうどその過渡期になる子供の扱いはどのようになっていくのでしょうか。

子ども家庭課長

 拠点開設に当たりましては、現在、中里学園とひばりが丘学園に入所していらっしゃるお子さんたちがいらっしゃいます。こういったお子さんたちにつきましては、子供の状況ですとか御家族の御意向などにも配慮しながら、柔軟かつきめ細かく対応していく必要があると考えているところでございます。原則といたしまして、拠点の対象となるような被虐待児により専門的な支援が必要なお子さんですとか、発達障害をはじめ様々な障害を持つお子さんについては、そのまま拠点施設に移行していただき、継続して養育ですとか自立支援が行えるようにしていくことを想定してございます。また、拠点開設までの間におきましても、個々の子供の状況を踏まえて、家庭復帰ですとか、民間の児童養護施設等の施設へ移っていただく、あるいは一定の年齢になった方については成人施設に移っていただく、それぞれの子供に合った自立に向けた支援を、児童相談所など関係機関と連携をして、行ってまいりたいと考えております。

西村委員

 特別な背景を持ってお越しになる子供さん方でございますので、発達障害であったりあるいは情緒が不安定でいらっしゃったり、そこは個々人お一人一人しっかりと見極めて対応していただけますよう要望させていただきます。

 さて、このひばりが丘学園と中里学園には政令市の子供がいらっしゃるわけです。新しい拠点は政令市の子供はどのように受け入れられることになっているのでしょうか。

子ども家庭課長

 政令市のお子さんへの対応についてお答えさせていただきたいと思います。

 ひばりが丘学園と中里学園では、現在、横浜市32名、川崎市36名の定員枠がございます。この二つの施設を再編いたしまして、県所管域の子供を対象にした新たな拠点を整備することとしておりますので、拠点では政令市の定員枠を解消していくことと考えております。これまでもこの定員の扱いにつきましては、両政令市にお話をさせていただいてきたところでございますけれども、今後、整備地を含めた県の整備方針をお伝えしまして、改めて調整を図ってまいりたいと考えております。

 なお、現在入所しているお子さんにつきましては、政令市の児童相談所と調整をしながら、本人や家族の状況等を含め、継続して適切な支援が受けられるよう対応してまいりたいと考えてございます。

西村委員

 県の所管域、それから政令市を分けるという考え方はあると思いますけれども、子供にとってはやはり居場所がなくなってしまうと大変な問題になります。横浜市、川崎市ともしっかり連携をとって子供の居場所をつくっていただけますよう要望させていただきます。

 最後に、今後のスケジュールについて、分かっている範囲で結構ですから教えていただけますでしょうか。

子ども家庭課長

 今後のスケジュールということでございますけれども、まず、整備候補地を保健福祉局の中で検討いたしまして、その後、総務局が所管いたします県有地・県有施設利用調整会議に諮りまして、県としての方針を決めていただくことになります。その方針が決まった段階で、その地元市町村ですとか関係部局と調整いたしまして、整備候補地を今年度中に選定したいと考えているところでございます。その後、具体的な調査に着手をいたしまして、設計、建築工事ということで、できるだけ早期に開設できるよう努めてまいりたいと考えてございます。

西村委員

 最後に要望させていただきます。

 発達障害への周知不足から、保護者も精神的に追い込まれて虐待に及ぶケースもあると伺っております。また、ネグレクトなどの経験が重い情緒障害を引き起こす。これからこういった複合的課題を持つ虐待児は、残念ながら増加の傾向にあると言わざるを得ません。大事な成長期です。子供たちに起こる問題ですから、一刻も早く対応しなければならない緊急性の高い課題だと捉えております。ただいまのお話ですと、対象の市町はどこになるか分かりませんが、近隣の理解、また政令市との折衝など問題が多くあることは承知しておりますけれども、可及的速やかに候補地を決定し、拠点整備に取り掛かっていただきますよう要望させていただきますとともに、もう一つコーディネーターということで、発達障害支援について、子供が将来的に社会で活躍できるように、コーディネーターを置いていらっしゃる県あるいは市町村が全国に多いようでございます。こういった体制も一つこの拠点の配備の中で、まだ検討段階とおっしゃっていましたけれども、実現していただけますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。



9 次回開催日(12月15日)の通告



10 閉  会