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神奈川県 神奈川県

平成23年  厚生常任委員会 09月30日−01号




平成23年  厚生常任委員会 − 09月30日−01号







平成23年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第3回定-20110930-000004-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(山下・西村の両委員)の決定



3 報告事項(保健福祉局長)

  「医療のグランドデザイン策定について」

  「放射能検査調査体制の強化(平成23年度9月補正予算関連)について」

  「高濃度の放射性セシウムが検出された牛肉の流通への対応について」

  「高齢者等安心生活支援について」

  「神奈川県子育て支援事業市町村交付金と「子ども手当」への対応について」

  「「神奈川県感染症・結核予防計画」改定素案について」

  「「神奈川県障害福祉計画」の改定について」

  「「かながわ高齢者保健福祉計画」の改定について」

  「地方独立行政法人神奈川県立病院機構の平成22年度の業務実績に関する評価結果について」



4 日程第1を議題



5 提案説明(保健福祉局長)



6 経営状況説明(保健福祉局長)

  「地方独立行政法人神奈川県立病院機構」

  「社会福祉法人神奈川県総合リハビリテーション事業団」



7 日程第1について質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



山口(貴)委員

 自民党の山口です。よろしくお願いいたします。

 最初に、医療のグランドデザイン策定について御質疑させていただきたいと思います。

 医療のグランドデザインを策定するに当たり、この8月にプロジェクトチームが設置されたわけでありますけれども、いのち輝くマグネット神奈川を具体化するために医療体制を見直し、長生きしてよかったと思える神奈川にするために何が必要なのかを目的として、グランドデザインを描いているわけであります。そこで医療のグランドデザイン策定について何点か伺いたいと思います。

 最初に、このタイミングで医療のグランドデザイン策定を行う理由をお聞きしたいと思います。

医療課長

 なぜ今かということでございますけれども、先ほどの保健福祉局長からも御説明をしましたけれども、近年救急医療や周産期医療などの部門で受入医療機関が減少したり、医療を支える人材が不足する、あるいは勤務環境の悪化などによりまして、地域医療に支障が生じているという現状がございます。また、本県において、特に少子化あるいは高齢化が急速に進展するということが予測されておりまして、特に高齢化率は平成22年度では20.2%でありますが、平成32年度には25.4%と推定されておりまして、高齢者等の医療の需要が高まり、今後医療人材の不足が非常に危惧されているところでございます。

 こうした背景の中で、知事の宣言であります、いのち輝くマグネット神奈川を実現するために、本県の医療の現状を見直し、医療施策の根本理念、それから課題解決の方向性を示すグランドデザインを描いていこうということでございます。

山口(貴)委員

 今、説明いただいた医療のグランドデザインについては、我が会派の代表質問でも大枠を聞いて、また答弁をいただいたわけでありますけれども、もう少し詳しくお話しいただきたいと思います。

医療課長

 この医療のグランドデザインでございますけれども、医療の面でどのようなことを見ていくかという視点でございますけれども、地域に根ざした医療、開かれた医療と透明性の確保、病気にならない取組の推進の三つの視点から、18項目のテーマで検討することにしております。

 まず、地域に根ざした医療の視点においては、医療資源の機能分化ということで、集約が特に必要な分野はどのようなところか、今後、公立病院が担うべき機能、役割などを論点に、また医療と介護の連携については、今後10年で本県に求められる連携の視点や方向性などの論点、また医師養成確保では、医師確保のための方策や負担軽減の方策などの論点について議論していただいています。

 次に、開かれた医療と透明性の確保の視点については、セルフケアの推進、ICTを活用した医療情報の共有、医療情報の共有化のあるべき姿や、県として取り組むべき医療情報の共有化の範囲について、あるいは西洋医学と東洋医学の融合について、医療関係者に対する東洋医学教育の在り方などを論点として議論していただいております。

 最後に、病気にならない取組の推進の視点においては、病気を予防する取組や食生活習慣の改善に向けた、自発的行動に結び付く具体的かつ効果的な取組方法、また、未病、治す取組については、未病の考え方や医・食・農の連携した取組などの具体策についてを論点にして議論をしていただいているところでございます。

山口(貴)委員

 今お話しいただいたように、検討項目が多く、多岐にわたっているわけであります。今後いろいろな部分の中で会議が開催されていくわけでありますけれども、グランドデザインの出来上がりというものはどういったものになっていくのか。また、保健医療計画との関係も含めてお聞きしたいと思います。

医療課長

 今回の医療のグランドデザインは、今後10年程度の先を見据えながら、本県の医療体制のあるべき姿、あるいは現在の医療課題の解決方法の方向性を描いていただくことを考えております。また、今回のグランドデザイン策定を踏まえまして、短期、中期、長期目標に分類して、個々の具体的施策を行っていくことにあります。具体的には、短期、中期目標については、平成25年度に改定予定の次期保健医療計画の中で、5年間で実現すべき主な施策として位置付けていくことになろうかと思います。

山口(貴)委員

 今まで3回会議が開催されているわけでありますけれども、どれだけ具体的な話が、各委員の皆さんからお話しされているのでしょうか。具体化はなかなか難しい部分があるかもしれませんけれども、どのような議論がされているのか、御報告いただけませんか。

医療課長

 これまでに3回、8月17日、9月5日、9月22日に会議を開催したところであります。

 第1回目の会議におきましては、今回の医療のグランドデザイン策定の趣旨あるいは本県の医療の現状について事務局から説明後、各委員から御意見を頂きました。主な意見としては、いのちを踏まえて考えるのであれば、高齢化の対策だけではなく、周産期、子供の視点も重要である。あるいは医療、介護グランドデザインとして適切に書き込む必要がある。あるいは、高齢化も進展する中で、最後をどこでみ取られるかという課題についても検討すべきであるという御意見を頂いております。

 第2回目の会議では、グランドデザインの理念、検討の視点、目的、目標、検討すべき事項について、各委員から順番に御意見を頂きました。主な意見としては、救急医療は従来から不採算であり、現在特に高齢者の救急医療が増加している。診療報酬上は、在院日数も長くなってしまい、高齢者が入ってくると収入減になってしまうという御意見がありました。あるいは、医療では患者が弱い立場にあって、患者の視点で考えていただく必要があるという御意見、あるいは、神奈川県で若い人をどのように集めることができるかが政策的に重要であるという御意見も頂いております。

 3回目からの会議においては、テーマごとの検討に入りまして、18項目の検討項目のうち、医療資源の機能分化、医師養成の確保、西洋医学と東洋医学の融合、病気を予防する取組、未病、治す取組などについて議論をいただきました。主な意見といたしましては、医療資源の機能分化については、県内の地域性を踏まえた議論、あるいは高齢者救急が必要であるという御意見、また、医師養成確保については、神奈川県においてですが、中長期に医師がどれだけ足りないのかを把握した上で方策を検討すべきである。あるいは西洋医学と東洋医学の融合については、県としてしっかりした覚悟があるのであれば、東洋医学の向上あるいは東洋医学の良さを解析する研究所の設置などの必要性があるのではないかという御意見を頂いております。

山口(貴)委員

 いろいろな議論が各委員の方々からされているわけでありますけれども、100の項目があって、またそれを各委員の方々が一つ一つ意見を述べられているわけですけれども、ある程度期限を設けなければいけない部分があるわけでありますが、今後、このような検討においてのスケジュール、また手順というのはどのように進めていくのか。いつぐらいまでにしっかりとこのグランドデザインを策定していくのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 8月17日に第1回のプロジェクト会議を開催して検討いたしたところでありまして、今後、月に2回程度のペースで会議を開催して、こういった議論をしていただくことを考えております。今後につきましては、11月中旬に中間取りまとめ、来年3月に最終取りまとめを行う予定としておりまして、それぞれ保健医療計画推進会議あるいは保健対策協議会、医療審議会へ報告し、審議していただき、幅広く県民の意見も取り入れながら、県としての医療のグラントデザインを策定してまいりたいと考えております。

 こうして、県民一人一人が神奈川県に住んでよかった、長生きしてよかったという神奈川モデルを目指していきたいと思っております。

山口(貴)委員

 今、県民の意見を取り込んでいくというお話でありますけれども、どういった形で県民の意見を取り込んでいくのかお聞きしたいと思います。

医療課長

 委員の中に県民の方にもちろん参加いただいております。他にパブリック・コメントも実施していきたいと考えております。

山口(貴)委員

 パブリック・コメントは大体どれぐらいの期間で考えられているのでしょうか。

医療課長

 パブリック・コメントの時期についてですが、取りまとめの時期等あるいは進行状況によりまして、実施時期は今まだ確定しているわけではございません。しかし、最後の取りまとめの期間を考えますと、2月ぐらいの時期には始めないといけないと思っております。

山口(貴)委員

 パブリック・コメントに関して、県民の方々の意見は集めにくいということが考えられますし、市でも県でも過去の事例の中で、あっても数件ということがあると思います。十二分に告知していただきながら、十二分に期間を設けていただくことを要望させていだきたいと思います。また、お話を以前に聞いたときに、この検討委員会は大体開催時間は2時間半ぐらいで、多くの検討委員の方々がいられるので、一言で終わってしまうことが大変懸念されます。できれば書類等々をまた持ち帰っていただいて、その御意見の受入れができる態勢づくりをしていただいて、医療のグランドデザイン策定に取り組んでいただきたいと思います。

 短期間の中で、多くの検討すべき項目があるわけであります。今年度中に医療のグランドデザインを策定するのは大変なのは重々承知しておりますけれども、やはり県民のいのちそして健康を守るためにもしっかりと、いのち輝くマグネット神奈川を実現するために、検討、策定をしていただきたいと要望させていただきます。

 続いて、先ほど医師が足りないという中での取組を、医療のグランドデザイン策定の報告においてお話しされておりましたけれども、神奈川県において医師バンクがあるわけですけれども、その点において幾つかお伺いさせていただきたいと思います。

 これまでの医師確保対策においては、特に喫緊の課題である産科医師獲得対策として、平成20年3月に医師バンク事業を開始したと承知しておりますけれども、平成22年からは医師バンク事業は対象とする診療科を増やすなど改善を行い、地域医療再生計画に位置付け、再教育・再就業支援センター事業となったことから医師のあっせん数が増えることが期待されていたわけでありますけれども、余り成果が上がっていないのが現実です。そこで医師再教育・再就業支援センターの現状についてお聞きさせていただきたいと思います。

医療課長

 医師再教育・再就業支援センター事業でございますけれども、当初は、医師バンクとして県委託事業として県医師会で、平成20年3月から事業を開始しております。目的としましては、産科医師の確保が喫緊の課題であったことから、当初は産科医師を対象に、女性医師などの再就業を支援するために、本人の希望を確認し、条件に合った医療機関の情報提供、就業先をあっせんして、臨床現場への適応支援をしてまいりました。

 その後、平成22年2月の地域医療再生計画の策定に伴いまして、平成22年4月からは医師再教育・再就業支援センター事業に変更し、対象科目を産科に加えまして小児科、麻酔科、外科、内科及び救急科へ広げたほか、医師会の事業として実施していただくようにいたしました。また、離退職した医師が安心して復帰できるように、大学病院などと連携し、復帰のための臨床研修もあっせんし、円滑な職場復帰につなげていくことを考えて事業化して実施しているところでございます。

山口(貴)委員

 これまでの実績というのはどういったことが挙げられておりますでしょうか。

医療課長

 これまでの実績でございますけれども、求人登録をいただいた件数は、累計で24施設から44件。就職を希望している方の登録は8件で、昨年度は2名の医師を再就職させておりますけれども、その後再就業の実績はございません。また、就職希望者の登録もほとんどないことから、再就業のための復帰研修についても希望者がおらず、実績がない状況となっており、課題があると認識しているところでございます。

山口(貴)委員

 今2名というお話でありますけれども、これを策定する当時、県としては大体どれぐらいの目標数を掲げていたのですか。

医療課長

 もちろん多ければ多いほどと考えました。

山口(貴)委員

 多ければ多いほどいいわけでありますけれども、実質2名ということで実績が上がっていないのが現実なのですけれども、その理由というのはどういったところにあるとお考えでしょうか。

医療課長

 実績が上がらない理由の一つは、依然として産科をはじめとした医師が不足しているということ、その支援センターを利用するまでもなく、就業先を見付けられている可能性があるのではないかといったこと、また、今回登録をいただいている5名の方については、勤務先、報酬面あるいは勤務日などの折り合いがつかないなどということを伺っています。その他、最近では民間の事業者も医師の就業あっせんを行っているところですので、その影響もあると思っております。

 さらに、研修につきましても、医療機関自らが研修事業を実施している事例などもございまして、就業登録者が少ない中、県内の大学等にも希望者を募るなどして、履修の希望者を募ったところなのですが、そういう方もいらっしゃらなくて、研修も実施できないというところでございます。

山口(貴)委員

 現状のままでは、医師再教育・再就業支援センターが成果を上げるというのは大変難しく、今後改めてこの医師バンクにおいて見直しが必要になってくるかと思います。やはり産婦人科でも他の自治体病院でも、報酬面で、産科の先生を報酬面で引き付けるという施策をとっているところが多いわけであります。そういったことを含めて、今後、医師会が医師をしっかりと確保していくために、県はどのように考えているのでしょうか。

医療課長

 今後の県の考え方ということでございますけれども、この医師再教育・再就業支援センターについては、本県だけではなく他の都道府県でも実施しているところでございますけれども、この実績については、差異はございますけれども、余り実績が伴っていないという状況がございます。先ほどお答えしましたように、この医師再教育・再就業支援センターの利用がなくても就業が可能になっているのではないかという実態があり、これまで以上に実績を上げることは、今後そう簡単ではなさそうだという認識をしております。

 したがいまして、この事業については地域医療再生計画で位置付けているところでございます。地域医療再生計画については、来年度から後半に入るということもございます。各事業について進捗状況を確認して、必要な見直しを行っている最中でございまして、基金の有効利用という観点から、この医師再教育・再就業支援センター事業につきまして、県医師会と相談しながら検討してまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 県医師会等は、この医師バンクについてどのような見解を持っているのですか。

医療課長

 当初はこちらから依頼した事業でありますし、現在は医師会の事業ということになっております。医師会ではもちろん神奈川県の医師が足りないという状況で、支援事業について、継続できるものならしていきたい。ただし、実績が上がっていないことも認識しているという御意見は頂いております。

山口(貴)委員

 県としても見直しの必要性があることは認識されていると思いますし、また県医師会とも今後しっかりと連携をとっていただきたいと思います。医師バンクを続けていくに当たって、やはり地域医療再生基金を使っての事業であります。有効に活用していただくために、計画期間中にしっかりと見直ししていただいて、1人でも多く県が思っている以上の医師の人数を集めていただくことを要望させていただきたいと思います。

 続いて、タンデムマス法による新生児マススクリーニング検査の導入についてお伺いしたいと思います。

 この検査については、第2回定例会において我が会派のしきだ議員の代表質問に対し、知事から今年度後半の事業開始を目指すという答弁があった中で、10月1日、明日から全県下でタンデムマス法による新生児マススクリーニング検査を導入することでもあるわけでありますけれども、そこで何点かお伺いしたいと思います。

 最初に、新生児の先天性代謝異常等検査の目的と内容について確認させていただきたいと思います。

健康増進課長

 新生児先天性代謝異常等検査でございますけれども、これは新生児のアミノ酸などの代謝などに異常があるかどうかを検査いたしまして、異常が疑われる場合には早期診断、早期治療につなげていくということによりまして、重篤な障害の発生を未然に防ぐといった目的で行っているものでございます。母子保健対策の一環として大変重要な事業でございます。

 その内容でございますけれども、現在県内では、全ての赤ちゃんが同じ検査を受けることができるように、県の他に横浜市、川崎市、相模原市の3政令指定都市と協調いたしまして、現在治療法が確立しております六つの疾患につきまして、生まれてから5日から8日ぐらいの間に、赤ちゃんのかかとから血液を採血いたしまして、ろ紙に付けます。それを検査機関に送りまして検査を実施する。そういう形で検査を行ってきているところでございます。

 この検査でございますけれども、神奈川県予防医学協会に委託して実施しておりまして、県をはじめ政令指定都市の行政は、検査に要する費用を負担しているという形になってございます。平成22年度を見てみますと、県では県所管分といたしまして、検査の件数といたしまして、2万5,203件、費用といたしましては約5,595万円となってございます。

 政令3市を含めまして、県内全体では約7万1,000人の赤ちゃんに検査をお受けいただきまして、そのうち17人の赤ちゃんで疾患の疑いがあったと伺っているところでございます。

山口(貴)委員

 今回導入するタンデムマス法の目的というのはお聞きしたのですけれども、このタンデムマス法というのはどういったものなのかお聞きしたいと思います。

健康増進課長

 タンデムマス法でございますけれども、分析方法の一つでございます。具体的にはタンデムマス型質量分析計という検査機器を用いた検査法のことでございます。この検査をいたしますと、今までと同じ血液の量で血中のアミノ酸などの分析ができまして、特徴といたしましては、現在使っている検査に用いている血液ろ紙を使用して検査ができる。あるいはこれまでの検査法では発見できなかった多くの疾患を一度に発見できる、こうした特徴のあるものでございます。

山口(貴)委員

 この検査法を導入したきっかけ、理由というのはどういったものでしょうか。

健康増進課長

 この一度に多くの疾患を検査できますタンデムマス法はアメリカで開発されたと伺っております。欧米ではこの方法によるマススクリーニング検査が普及していると聞いてございます。こうしたことを受けまして、県内でもその有効性を検証するために、平成16年から厚生労働省におきまして研究事業が進められてきたところでございます。

 この事業に関連いたしまして、県内では平成20年度から県医師会が中心となりまして、横浜市立大学あるいは検査機関の情報を頂きながら、パイロットスタディにより、一部の赤ちゃんを対象として、従来の検査に加えまして、このタンデムマス法による検査を実施してまいりました。これまでお二人の疾患を見付けられたと伺ってございまして、このタンデムマス法による検査は一定の効果が表れたものと受け止めているところでございます。

 こうしたことから、本年の当初予算におきまして、先天性代謝異常パイロット事業費といたしまして、年度の後半からタンデムマス法による先天性代謝異常検査を実施するための予算を計上させていただいたところでございます。

 さらに、国の動きでございますけれども、今年の3月31日付けで、厚生労働省の母子保健課長の通知といたしまして、先天性代謝異常の新しい検査法タンデムマスという通知が出されております。この通知の中では、さきの研究の成果を踏まえまして、各都道府県におきまして、タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニング検査の導入を積極的に検討しなさいという通知がございまして、これは本県の導入に向けた取組を後押ししていただいたと受け止めているところでございます。

山口(貴)委員

 これまでに導入に向けた検討状況というのはどういったことがあるのでしょうか。

健康増進課長

 新たにこのタンデムマス法を導入するに当たりまして、課題といたしまして、例えば検査対象疾患をどうするのか。あるいは、疾患の発見後の診断治療体制の検討でございますとか、さらに医療機関をはじめ、関係者あるいは勤務医の方への周知といった課題があると受け止めてございました。

 こうした課題を整理して、県の医師会や大学病院、産科小児科の関係団体、あるいは検査機関の関係者で構成されます先天性代謝異常等検査タンデムマス導入検討会を本年の6月24日に設置したところでございます。事務局を県の医師会にお願いいたしまして検討を進めてまいりました。しかし、年度後半に向けて、時間が限られた中での検討ということでございましたので、迅速に検討を進めていただくために、二つの部会を設けて更に検討を進めていただきました。

 一つには、対象の疾患あるいは医療体制を検討していただく体制準備検討ワーキング、もう一つは、周知あるいは研修について検討していただく広報伝達ワーキング、この二つのワーキング部会を設けまして検討を進めていただいたところでございます。

 こうした検討を経まして、9月20日に検討結果といたしまして、タンデムマス法以外の方法で検査する3疾患と併せまして、19の疾患、現在6から19の疾患につきまして、明日10月1日以降、採血する赤ちゃんに対しまして、タンデムマス法による検査を実施することなどを内容とする御報告を頂きました。こうしたことから、行政といたしまして導入することとしたところでございます。

山口(貴)委員

 このタンデムマス法において、今どのような実施方法をとるのか。そして現段階での導入した準備の状況は、今日現在でどのようになっていますか。

健康増進課長

 まず、実施法でございますけれども、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、タンデムマス法による検査は、従来の検査と同様でございまして、赤ちゃんから極少量の血液を採血する。これにつきましては、採血の量も同じでございますので、赤ちゃんへの新たな負担はないと考えてございます。また、検査に当たりましては、市町村で母子保健手帳の配付の際に、あらかじめ申込書をお配りして御同意いただいているところでございますけれども、こうした保護者の方からの同意につきましても、従来の申込書をそのまま使うという形で考えてございます。こうしたことから、タンデムマス法の導入で保護者や赤ちゃんに新たな御負担がかかることはないと考えてございます。

 さらに、検査結果につきましても、従来は紙でお渡ししているところでございますけれども、今後もそういう形でお渡しする。ただ、異常のある場合には、医師から直接お伝えいただいておりましたけれども、今後も同様に医師からきちんと説明し、しっかりお伝えしてまいりたいと考えてございます。

 さらに、準備の状況でございますけれども、医療機関に対する研修あるいは市町村への周知、こういったことが重要でございます。既に医師会が中心となりまして、9月15日に医療機関、医療の関係者の方を対象として、研修会を実施したところでございます。さらに、市町村との協力が必要でございますので、市町村に対しまして、今回の実施内容を通知し、9月16日に説明会と研修会を行いまして、周知の徹底を図ったところでございます。

 さらに、保護者や県民の方への周知は大変重要でございます。チラシあるいはポスターを作成いたしまして、分べん施設、行政機関、こういった窓口に掲示をする。あるいは市町村で母子健康手帳をお配りする際に、タンデムマス法による検査導入のお知らせをお渡しするという形で周知を図りました。さらに、9月22日には県でも記者発表させていただきましたし、県のたより10月号でもこの旨を周知しているところでございます。

 こうした形で、明日からの導入に向けまして準備を重ねているところでございます。

山口(貴)委員

 このタンデムマス法による検査ですけれども、県で明日から実施されるに当たって、他の自治体では財源の措置がなかなか難しいという記事を読みました。500円程度の自己負担を任意検査としてやっていってはどうだという検討をしている自治体があるという話を聞きました。神奈川県においては、今後に、恒久的にそういったことはないと考えてよろしいでしょうか。

健康増進課長

 今回、明日からタンデムマス法を導入して、更に充実させていこうということで考えてございますが、これまでも本県でこのマススクリーニング検査の検査費について、公費負担という形で保護者の方に御負担がない形で実施しているところでございます。したがいまして、タンデムマス法の導入に当たりましても同様の考え方で、保護者の方に御負担を与えない形で実施し、検査費は行政費用として考えております。

 これにつきましても、冒頭に申しましたとおり、大変重要な母子保健事業に関わることでございますので、引き続きこういう形で実施したいと思っております。今後とも財政事情の許す限り、こういう形で公費負担で取り組んでまいりたいと思っております。

佐藤(光)委員

 いよいよ明日からタンデムマス法による検査を全県で導入するということなのですけれども、しきだ議員の代表質問での発言のとおり、早期発見、早期治療、そして長期支援という三つの柱が大事です。タンデムマス法を導入すると早期発見ができて、そして医療機関に速やかに伝達することによって、早期治療が確立できるということを期待しております。三つ目の長期支援は、厚生労働省から積極的な実施を促す通知が来たわけであります。長期支援というところで県としてどのように考えていらっしゃるのか。あるいは厚生労働省に対して、これからどのような支援策をお願いするのか。この辺について、もし具体的にありましたらお示しいただきたいと思います。

健康増進課長

 タンデムマス法の導入に当たりましては、県で予算をお認めいただいた後に、国から通知を頂いたということです。全国的に見ますと県の取組が先行しているという形になってございます。そうした意味で、明日からの導入に当たっての実績を重ねる中で、様々な課題ですとか問題点が出てくることも考えられます。そうした点を国にもお伝えしながら、全国的な観点から患者さんに対する支援の充実を考えていただきたいと考えております。

 県といたしましても、具体的に治療の段階では専門の医療機関にお願いする形になります。そうした治療を継続的に受けられる形で、医療体制を確保していく。今後ともそうした中で必要に応じて患者さんの声をお聞きしながら、具体的な取組を考えてまいりたいと考えているところでございます。

佐藤(光)委員

 要望しますけれども、小児慢性特定疾患に指定されても支援は20歳までです。これを過ぎると患者さんの負担が急激に増える。こういったことが現実にあるわけでございます。神奈川県が先進的にやったということは大変評価するところですけれども、厚生労働省もこうやって通知を出している以上は、しっかりこの辺の見直しを図るように、県から積極的に促していただくことを要望させていただきます。

山口(貴)委員

 私からも要望します。是非安心で子供を生み、育てていくことができる環境づくり、産むなら神奈川と言っていただけるように、大きく寄与していただきたいと思います。我が会派においても、このタンデムマス法による新生児マススクリーニング検査の導入について国へ要望するなど、積極的に取り組んできた経緯がございます。是非明日からの本格的実施に当たり、円滑な導入を目指し、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、この件についての質疑は終了させていただきます。



(休憩 午後零時6分  再開 午後1時11分)



山口(貴)委員

 それでは、午前に引き続き質疑をさせていただきたいと思います。神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備についてお伺いいたしたいと思います。

 神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備については、再整備の骨子の現状について7月の当常任委員会で報告を受け、我が会派からも何点か質疑をさせていただいたわけでありますけれども、今回の再整備に当たっては、脳血管の機能を担う七沢病院の機能の一部を神奈川リハビリテーション病院に統合するということであります。これにより患者に対して高度なリハビリテーション医療の提供が可能となり、また医療資源の集約化にもつながるといった、機能統合についてはお聞きしております。しかしその一方で機能統合後の病床数は40床であり、現在の七沢病院の病床数から205床減少することから、地元をはじめとする県民の関心は大変大きい。縮小に対し驚き、また再整備後の対応について大変心配をされております。

 また、現況では我が国は少子高齢化が速いテンポで進捗しており、高齢者の三大病の一つは高脂血症に伴う脳梗塞、脳いっ血等が、戦後の食生活によるものか分かりませんけれども患者が非常に多いわけであります。入院し、しっかりリハビリテーション等の治療を受けるのに、今や脳血管病院は、大変狭き門となっていると私自身は思うわけであります。その中で県民が最も信頼を寄せているのが七沢病院であると考えます。こうしたことから、先日の代表質問においても、我が会派の小川議員が質問をいたしまして要望したところでありますが、改めて神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備についてお伺いさせていただきたいと思います。

 まず、最初に、平成22年3月に策定した再整備の骨子では、再整備に当たり神奈川リハビリテーション病院及び七沢病院について、どのように整備していくのか確認させていただきたいと思います。

病院事業課長

 平成22年3月策定の骨子、すなわち平成22年2月の当常任委員会で報告させていただいた改正前の骨子の内容でございますけれども、まず神奈川リハビリテーション病院につきましては、民間の病院では対応が困難な重度重複障害を持つ患者さんに対して、高度で専門的なリハビリテーション医療を提供して、脊髄障害、高次脳機能障害などに対応して患者さんの早期社会復帰を支援するということでございました。

 一方、七沢病院でございますけれども、回復期リハビリテーションについては、当面は現状の病床規模により対応を図っていくこととしまして、再整備後につきましては、県立病院の果たすべき役割等を踏まえ、病床規模を見直す。また、その際には、重度重複障害を持つ脳血管疾患のリハビリテーション医療に重点化して、神奈川リハビリテーション病院の病床運用の中で検討するということとしてございました。

 この趣旨とするところは、七沢病院については病床数を見直し、重度重複障害に重点化した上で、神奈川リハビリテーション病院に機能統合して、再整備後の新しい神奈川リハビリテーション病院の病床運用の中で対応を検討するということでございました。

山口(貴)委員

 脳血管の関連で、平成22年度中の検討というのはどういったことが行われたのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 脳血管疾患を担う七沢病院の機能のうち、重度重複障害あるいは若年層の患者につきましては、手術や高次脳機能障害に対する高度なリハビリテーション医療の提供が可能である神奈川リハビリテーション病院に移行いたしまして機能強化を図ることといたしましたが、これに対応する病床数につきましては40床、これは病院の単位で申しますと1病棟分になります。1病棟分40床を明確に位置付けて、新たに付け加えることといたしまして、それに伴って新築する病院の面積につきましても、延べ床の面積を当初の1万3,600平米程度から、1万7,500平米程度に変更することといたしました。

 さらに、その機能が新病院に統合されることとなります七沢病院の現在の施設につきましては段階的に病床数を縮小しまして、平成28年3月までに閉鎖することとしたということでございます。

山口(貴)委員

 平成22年度の検討結果を踏まえて、脳血管疾患を担う七沢病院の機能のうち、重度重複障害の患者などへの対応は、神奈川リハビリテーション病院への機能を統合することであるわけでありますけれども、再整備に当たり神奈川リハビリテーション病院では、新たにどのような機能を発揮しようとしているのか。また患者の療養環境をどのように改善、また充実していくのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 再整備に当たりましては、神奈川リハビリテーション病院がこれまで培ってきました専門技術、ノウハウ、こういったものを活用いたしまして、また医師をはじめとする多職種の専門職がおりますので、こういったチームアプローチの中で高度専門的なリハビリテーション医療を提供するということとしてございます。

 新たな機能といたしましては、合併症への対応強化ということで、新しく透析室を整備するということです。透析が必要な患者さんへの対応が可能な医療体制を整備していきたいということがございます。また、大学病院等、再生医療を実施する医療機関がございます。これと連携等いたしまして、脊髄損傷等に対する再生医療に伴うリハビリテーションが可能な環境の整備を行い、新たな機能として発揮させていきたいと考えてございます。

 また、療養環境の面でございますけれども、1病棟の単位の病床数を50床から40床にするということで、ゆったりとした環境と手厚い看護を提供したいということ、現在、6床室がメインになっておりますけれども、これを全て解消いたしまして4床室とするということ、また、個室も増やしたい、このようなことで、患者さんにとってより安心して療養していただける環境を整備したいと考えてございます。

山口(貴)委員

 次に、脳血管疾患に対する医療について伺いたいと思います。リハビリテーションセンターの設置から約40年が経過しており、設置当初と比較すると、医療技術の進歩などに伴い脳血管疾患に対する医療も変化していると思うわけですけれども、脳血管疾患に対する医療の動向はどのようになっていますか。

病院事業課長

 かつては、リハビリテーションセンターができた平成の前半ぐらいですけれども、脳血管疾患を発症しますと脳血管疾患の専門病院に搬送されて、そこで手術それから急性期医療から回復期リハビリテーションまで一貫してその病院で長期の対応をするという治療方法が主流でございました。また、全国的に見た場合でも、脳血管疾患の専門病院が多くはなく、七沢病院を含めて僅かな病院で対応していたというのが当時の状況でございます。

 今から10年ほど前になりますけれども、その後、国におきまして、脳卒中対策に対する検討会が立ち上げられまして、脳血管疾患に対する医療の在り方の本格議論が開始された動きの中で、その中でまずは搬送先の救急病院で救命治療から早期のリハビリテーションまで一貫して集中的に行うことが有効だということが、脳血管疾患に対する治療として有効であるということが実証されてございます。

 その後は、病院間の役割分担の中で、急性期はそこで終えて、回復期リハビリテーション、維持期リハビリテーションを別の病院で行う、こういう流れがモデルとして考えられてございます。それに伴いまして、政策誘導的な意味合いで診療報酬制度の中でも脳卒中ケアユニットあるいは超急性期脳卒中治療に対する診療報酬が続々と新設されてきてございます。

 そこで、県内の主な大学病院でありますとかあるいは主な民間病院が、治療から早期リハビリテーションまで含めた集中治療を現在行うようになってきてございます。こうしたことによりまして、現在では急性期の病院と回復期の病院の役割分担が明確化されてございまして、急性期の病院では脳卒中のケアユニットによる治療と、それから早期のリハビリテーションを行いまして、その後は回復期の病院でリハビリテーションを提供するという体制が各地域の中で整ってきていると認識してございます。

山口(貴)委員

 今のお話の中で、七沢病院の医療機器は、大変古くなっているというお話も聞いているのですけれども、今後の再整備においてこの医療機器の充実は、どのように位置付けられていますでしょうか。

病院事業課長

 現在では、主にこれから建物等の設計の検討に入ってまいりますが、当然それに伴いまして、そこに設置する医療機器についても検討していきたいと考えております。

山口(貴)委員

 今、七沢病院の医療機器が古いということを、私もいろいろなところから聞いているのですけれども、その神奈川リハビリテーションの理念の部分で、先進的、先駆的な取組を実践し、常に専門性を高めるための教育研究に努めます。また、自立的な経営に向けて、より健全な経営基盤の確立を図るということを掲げている中で、より専門性を高めるということなのに、医療機器が古いということは、やはりこういった病院理念に反している部分があると思うのです。今までの県としての取組はこの理念に沿って行ってきていたのかどうか、大きな問題があると思うのですけれども、その辺のお考えというのはどうでしょうか。

病院事業課長

 医療機器の整備につきましては、医療機器の性格上かなり高額なものからそうでないものもございますけれども、基本的にはかなりの費用がかかります。当然、医療を提供するに当たりましては、人だけでは医療を提供できませんので、医療機器というのは重要な要素になってございます。そういった中で、限られた財源の中ではありますけれども、優先順位を付けながら医療機器の整備に努めてきたところでございます。

山口(貴)委員

 次に、他の病院での脳疾患患者の受入れについてお伺いしたいと思います。回復期リハビリテーション病棟について、民間の病院でも整備が進んでいるというお話がございましたけれども、県内はどういう状況になっているのか。また、今後についてどのように予測しているのか伺いたいと思います。

病院事業課長

 本県の回復期リハビリテーション病棟の整備状況を5年前の平成18年度と比較いたしますと、平成18年4月現在で22病院1,258床であったものが、平成23年4月現在で申し上げますと、46病院2,775床ということで、病院の数それから病床の数も2倍以上に増加しているということで、前回、当常任委員会で御答弁させていただきました。これはペースで申し上げますと、1年当たりおおむね300床のペースで増加しているということでございます。

 直近の平成23年9月の状況を最新のデータで申し上げますと、この半年間、6箇月間で、さらに1病院153床の回復期リハビリテーションの民間病院の病床が増えてございます。おおむね1年間当たり300床ペースで増えているのではないかと見ているところでございます。

山口(貴)委員

 今、回復期の病床数が民間病院において増えているということですけれども、各医療圏があるわけですけれども、どういった分布の中で増えているのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 それぞれ圏域ごとの増え方がございますけれども、やはり一番多いところでは横浜地域の部分の数の増え方が多くなってございます。それ以外のところでも、それぞれの圏域によって出っ張り、引っ込みはございますけれども、おおむね上昇傾向、増加傾向にあるという傾向が見てとれると思います。

山口(貴)委員

 例えば、今横浜圏域で増えているという部分がありますけれども、他の医療圏に関して細かい数字というのは今出るのでしょうか。また、例えば七沢病院で病床数が減った場合、県央医療圏の中で、この病床数というのはどれぐらいなのか。減ってしまう部分があるのでしょうか。

病院事業課長

 各医療圏ごとに、最初に平成18年4月の数字、次に平成23年4月の数字という形で、病院が幾つから幾つになった、病床が幾つから幾つになったという形で、お答えさせていただきます。

 横浜北部、病院数3病院145床から8病院528床。横浜西部、2病院118床から6病院331床。横浜南部、3病院131床から7病院372床。川崎北部、2病院175床から2病院175床、こちらは変更ございません。川崎南部、ここも変化はゼロでしたが3病院119床。横須賀三浦、1病院39床から4病院223床。湘南東部、5病院205床から5病院180床。湘南西部、1病院152床から2病院256床。県央、1病院150床から4病院376床。相模原、3病院101床から3病院145床。県西、1病院42床から2病院70床。圏域別の増加の状況でございます。

山口(貴)委員

 全体的に増えているところもあれば、先ほどお話があったように、代わりにまた減っているところもあるわけでありますけれども、これに伴って、神奈川リハビリテーション病院及び七沢病院は全県を対象としている、リハビリテーションにおける県の拠点施設であることを十二分に理解しています。病床数の減少の影響を一番受けるのは、やはり地元の市町村であるわけでありますけれども、リハビリテーションセンターのように大規模な施設を再整備するに当たって、地元の理解は大変大切だと考えていますけれども、リハビリテーションセンターの再整備において市町村や地元医師会に対する説明はどのように行ったのか。また、意見等はお聞きになったのかお聞きしたいと思います。

病院事業課長

 地元市町村等への説明でございますけれども、県央地区の市町村5市1町1村に対しましては、9月2日の厚木市を皮切りにいたしまして、各市町村に個別に赴きまして、リハビリテーションセンターの再整備の内容を御説明いたしました。主には3点、現在の神奈川リハビリテーション病院、七沢病院の2病院を機能統合して、280床の新たな病院として建て直すということ、それから、建て直す新病院の建設は神奈川リハビリテーション病院のエリアになるということ、そして、現在の七沢病院の施設につきましては、段階的に病床数を削減して、平成28年3月までに閉鎖するといったことについて御説明をさせていただきました。

 今回のこの機能統合のお話につきましては、各市町村から御理解いただいたものと受け止めております。

山口(貴)委員

 各市町村の理解を得たということですけれども、どういった反応があったのか詳しくお聞きしたいと思うのです。

病院事業課長

 主には、今回やはり七沢病院が単純に廃止されると聞いていたというところがありましたけれども、それにつきましては単純廃止ではなくて機能統合でありますというお話をさせていただきました。市町村からも、機能統合という部分で、ある程度、理解はいただきました。病床数の部分につきましても、県の考えについて、お話は聞いていただいたという状況でございます。

山口(貴)委員

 統合して再整備という部分に関しては、十二分に理解するのですけれども、病床数が減少してしまうということの理解は得られていないと思います。また、先ほど質疑の中でお聞きしたのですけれども、地元医師会に関して、御説明はされたのでしょうか。

病院事業課長

 地元の医師会に対しては、個別に動いて説明等は行ってございません。

山口(貴)委員

 医師会等にもそういった説明が必要ではないかと考えます。また、七沢病院においての利用者とか患者等の意見を聞いた経緯はあるのでしょうか。

病院事業課長

 現在入っておられる患者さん、あるいは施設の利用者の意見ということでございますけれども、直接そういった場でお一人お一人から御意見を聞いたということはございません。施設を運営しております神奈川リハビリテーション事業団のところにはいろいろな利用者の方、あるいは民間の方の声が日々届けられております。今回の再整備に当たりましては、神奈川リハビリテーション事業団と綿密な打合せ、意見交換をしながらこれまでも進めてまいりましたし、これからもそのようにしていきたいと考えております。そういった中できちんと御意見等を聞いていきたいと考えております。

山口(貴)委員

 地元の利用者また患者等々の意見は聞いてはいないというお話でありますけれども、今後聞く気というのはあるのでしょうか。

病院事業課長

 やはり、誰のための施設かと申しますと、入院患者さんあるいは施設を使われる利用者の皆さんということでございますので、そういった方の意見をどういった形で吸い上げて、この再整備のための意見として、きちんと受け止めていくか検討したいと思っております。

山口(貴)委員

 是非、利用されている方々、また地元の方々の声を改めて十二分に聞いていただくことを強く要望させていただきたいと思います。

 また、七沢病院が設立されたときは、地元の理解と応援があって初めてあそこの七沢病院ができたと思うのです。病院の廃止また病床数も減少となるという部分において、今まで説明がすごく後手に回っている状況が、今の状況を表していると思うのです。今後地元また利用している患者の方々にしっかりと説明していただいて、意見を聞いていただくことを改めてお願いします。今までの話の中で、現在の七沢病院の病床数245床に対して205床削減されるということは、余りにも衝撃的な削減規模という印象があるわけです。改めてなぜ機能統合する病床数が40床なのか、きちんと説明する必要があると思うのですけれども、その考えをもう一度お聞きしたいと思います。

病院事業課長

 40床の病床数でございますけれども、七沢病院の現在の入院患者さんの実態に基づいて考えさせていただきました。具体的に申し上げますと、七沢病院の今後の主に想定している対象患者は、重症者と若年層ということで考えておりますけれども、重症者の患者で申しますと、これから考えますと必要病床数としては27床程度。若年層の対応に必要な病床数としては22床程度ということで、これを合計しますと49床ということになります。今脳血管疾患に対する医療の状況の変化について、先ほど申し上げましたけれども、今後さらにそういったものを踏まえて、平均在院日数の短縮が見込まれるのではないかということが1点、それから、先ほど療養環境の部分で申し上げましたけれども、ゆったりとした看護、医療環境の整備という中で、1病棟の単位を40床ということで考えてございます。そういったことを勘案しまして、再整備の骨子の変更で40床ということを記載させていただいたということでございます。

山口(貴)委員

 七沢病院に入院されている患者の方々がいられるわけでありますけれども、重度重複障害や就労支援が必要である患者の現在の運用実態を基に考えた場合、実際現場の声としては、約80から100床程度は必要ではないかということを聞いているのですけれども、これに対して機能統合する病床数40床というのは、大変数字的に懸け離れているのですけれども、実際現場の声またそちらの方で考えている40床の違いはどういったことなのでしょうか。

病院事業課長

 当初、この再整備の基本構想を詰めている初期の段階では、やはり現場の希望としてはなるべく病床数が多くあった方がよいということでした。特に七沢病院の現場からはこういうお話があったという話も私も聞いてございます。その後いろいろとこの再整備計画の調整について検討し、詰めていく中で、現在は40床規模1病棟ということで御理解をいただいて、今一緒になってこの再整備をどうしていこうかというところで、今計画の検討を進めているところでございます。

山口(貴)委員

 脳血管疾患患者が40名を超えた場合には、病床の運用の中で今後柔軟に対応するという部分もあるのかもしれませんけれども、七沢病院を再整備した後の神奈川リハビリテーション病院に、入院を希望される方々は多いと思うのです。これからしっかりと高度な医療機器を取りそろえていくというお話があり、入院を希望する方々が相当増えてくると思われる中で、応えることは、この40床ではなかなか難しいのではないかと思います。今回の機能統合案が最善策であるのか大変疑問があるのですけれども、今後見直しを行い、病床数を増床するということはあるのでしょうか。

病院事業課長

 2病院を統合しまして新しく建てる新病院は、全体病床数を280床ということで計画しております。この280床全体の病床の運用は一定程度、柔軟な対応が可能であると考えてございます。また、先ほどの1病棟当たりの単位あるいは平均在院日数の短縮といった計画の中で40床としたところでございます。

 私ども先ほど申し上げましたとおり、実際の患者さんの入院実態、現実の実態から割り出した数として49床、約50床ということを申し上げましたけれども、これらを踏まえまして、この病床数につきましては引き続き検討してまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 地元の議員としても是非前向きな検討をお願いさせていただきたいと思います。

 再整備の計画における統合について、また病床数の件に関して、今ある程度質疑させていただいたのですけれども、実は地元の七沢の方々が、統合再整備された中で、七沢病院が平成27年度末に廃止される。その七沢病院の跡地というのはどういうことになるのかという地元の大変懸念した声が上がっているのですけれども、もし廃止になった後、その跡地はどのようになるのでしょうか。

病院事業課長

 七沢病院の跡地につきましては、今の段階は全く白紙という状況でございます。

山口(貴)委員

 今白紙というお話がありましたけれども、やはり地元の方々は現状の部分が今後どうなっていくのか、もしそのまま再整備により統合されて、七沢病院の建物がそのままになるのか、それともそれを取り壊してどういう状況になるのでしょうか。あの土地がそのままになってしまって、荒廃してしまうということを大変心配しています。あの地域では里山づくりとか、また鳥獣被害について、とても積極的な取組をしているわけです。病院跡地について、結局また自分たちが管理をせざるを得ないのかという懸念をしております。県の役割ではないのかもしれませんけれども、やはり地元の声としてそういった、大変強い声が上がっております。平成27年度末廃止になった後の管理を県側でしっかりと取り組んでいただきたい。使用されない部分があれば、市町村等にしっかり投げ掛けしていただきたいと思います。

 最後に、要望でありますけれども、先ほどもお話ししましたけれども、再整備に当たり、七沢病院の機能を新病院に統合して機能強化するという部分は理解はいたします。ただし、機能統合する病床数が減少してしまうという部分に関しては、いまだに自分は疑問に思っているところでございます。納得しないという部分を十二分に理解していただいて、今後病床数に関して前向きな検討をお願いしたいと思います。

保健福祉局企画調整部長

 跡地の場合どうするのかというお話を伺いました。

 あそこは市街化調整区域でございますので、何かに活用しようということになると、地元の市とよく調整しなければいけない状況がございます。そういう意味で、病院事業課長は白紙というお話をさせていただいたところでございまして、何かある場合には当然地元の市とよく調整して、利用するにしても市街化調整区域でございますので、よく相談させていただきたい。

 先ほどの答弁の中で、重度重複障害の患者さんとそれから若年層の復帰に必要な病床数から割り出した数として49床、約50床ということでお話をさせていただきました。そこから、1病棟当たりの単位あるいは平均在院日数の短縮といったことが考えられるので、計画の中で40床としたところですが、入院ニーズがある場合には、280床の中でなるべく柔軟に考えたいという御答弁をさせていただいてございます。今後、そうした中で分かりやすく御説明できるように調整させていただきたいと思っております。

山口(貴)委員

 今、そういうお話がありました。是非改めてもう一回地元市町村そしてそこを利用している患者、利用者、地元の声をしっかりと聞いていただたい。神奈川県総合リハビリテーションセンターは、県民の心のよりどころになり、また頼りになる。僕自身自治体病院というのは民間の病院より更に一歩、二歩、医療面で先進的にするべき病院ではないか、またその役割もあるのではないかと考えております。自治体病院で縮小また後退することがないように、心から要望したいと思います。

 続いて、次の質疑でありますけれども、地域支え合い体制づくり事業、高齢者等安心生活支援について質疑させていただきたいと思います。

 補正予算の中で地域支え合い体制づくり事業として6億4,000万円が計上され、一方で先ほど高齢者等安心生活支援の取組について御報告もいただきましたけれども、どちらも高齢者への支援や地域での支え合いに通じるものであるところですから、それらに関連して質疑させていただきたいと思います。

 まず、最初に地域支え合い体制づくり事業で、介護基盤緊急整備等臨時特例基金を活用しての実施ということでありますけれども、この概要はどのようになっていますでしょうか。改めてお聞きしたいと思います。

地域保健福祉課長

 介護基盤緊急整備等臨時特例基金につきましては公的な介護施設等の基盤整備等を目的に、国の交付金をベースに平成21年6月に基金として急きょ設置したものでございます。一方、地域支え合い体制づくり事業は国が平成22年度の補正予算でこの基金に積み増しした部分を使って地域支え合い体制づくり事業をやってくださいということで対応したものでございます。この基金の一部という形の扱いになっています。

 地域支え合い体制づくり事業の概要ですけれども、大きく三つの事業で構成されます。一つは、自治会とか自治体あるいはNPO等々の、いわゆる地域の支え合いを新たに取り組もうという初動の立ち上げ費用に対する事業、それから、地域の見守りなどで必要な拠点となる施設整備を行う初動のための経費、最後には、地域等の人材の養成、こういう大きく三つの視点から事業を行うことができるようになっております。

 なお、これは基金事業でございまして、国の交付金は今年度限りということでございますので、平成23年度単年度の事業という前提となります。

山口(貴)委員

 地域支え合い活動の立ち上げ支援、拠点整備、人材育成の大きな区分で取り組んでいくというお話でありますけれども、この主な事業はどのようなものなのでしょうか。

地域保健福祉課長

 まず、地域支え合い活動の立ち上げ支援が一番大きいです。12の事業で構成して、金額的には2億8,000余万円の計上を今お願いしているところでございます。主な中身としては、県営住宅等の自治会に委託して地域支え合い活動のモデル事業を行うという事業であるとか、あるいは元気な高齢者の方がいらっしゃいますので、こういった方々の推進する介護ボランティアポイント制度に関する研究事業、あるいは、高齢者や障害者の歯科診療体制の充実等々で構成しております。

 拠点の整備につきましては、現状で3本予定しておりまして、その一つとしては高次脳機能障害の方々が地域の中で活動する拠点を整備するための費用ということです。こういったものを設定している。

 最後に、人材育成については2本の事業を予定しておりまして、一つは認知症の方やあるいはその家族の方々をサポートする人の研修等の費用を計上しております。

山口(貴)委員

 今報告があった形の中で、高齢者等安心生活支援の県の取組において、この地域支え合い体制づくり事業を活用して実施する事業は、どういったものがあるのでしょうか。

地域保健福祉課長

 当常任委員会に報告させていただきました高齢者等安心生活支援の取組として、この地域支え合い体制づくり事業を活用して行う事業は7事業を今予定しております。例えば、高齢者等安心生活支援の中で、一番多いのは地域コミュニティづくりという観点からの取組が重要だということから、県営住宅等の支援拠点づくりのモデル事業、あるいは市町村による地域支え合い拠点づくりへの支援を地域コミュニティづくりの観点からの取組として記載してございます。

 あと、商品提供手段の確保という観点から、特に店舗を造るという取組がございましたが、そこでは県営浦賀かもめ団地での青空市の開催であるとか、閉鎖店舗を活用した商店の再開といった事業は、この地域支え合い体制づくり事業を活用して事業を行おうと今考えております。

山口(貴)委員

 今説明の中で、県営住宅等での支援拠点づくりモデル事業があったのですけれども、これはどういう内容なのか、もう少し詳細な説明をお願いしたいと思います。

高齢福祉課長

 県営住宅等で実施するモデル事業でございますが、独り暮らしなどの高齢者が急速に増加する中で、昨年来、生死を含めた高齢者の所在不明問題、あるいは孤立死又は孤独死といった社会問題が現在顕在化してございます。

 そうした中で、県営団地3団地でございますが、そこを対象として昨年度、孤独死防止対策等調査事業を県として行わせていただきました。高齢者や自治会、民生委員の方々などのニーズや意識調査を実施したものでございます。この調査結果の中で、地域で高齢者を孤立化させないためには、住民、自治会、行政等がお互いに協力し、さらに見守りや買物支援といった仕組みを整備すべきといった意見が寄せられました。

 そこで、今回のモデル事業では、地域における高齢者の見守りや買い物弱者への対応など、地域の支え合い活動を推進するため、県からの事前の働き掛けに基づきまして、事前に提案をいただいた県営の5団地に対する事業、今後公募するその他の自治会による事業について、県として見守り活動の立ち上げや拠点づくりについて調査研究事業として、委託事業ということで実施するものでございます。この後、さらにこうした調査研究事業の成果につきましては、市町村や他の自治会に広めて普及していきたいと考えてございます。

山口(貴)委員

 県営住宅以外の自治会についても活動モデルとして委託を行うということでありますけれども、委託する自治会の選定方法や委託数などはどのように考えているのでしょうか。また、これからのスケジュールというのはどのように進めていく予定ですか。

地域保健福祉課長

 県営住宅以外の普通の自治会などに対して、県として今回委託という形でモデル事業を行うことにしております。具体的には、県内の自治会、町内会あるいは住民組織、さらには例えばURとかそういった大きな団地の居住者を対象として考えております。具体的に選定方法は、公募という形を今回はとらせていただこうと考えております。

 広報については、記者発表とか、あるいは県のホームページを使いまして公募を受けまして、その中からふさわしい事業をこちらで選定して委託するという形を現在考えています。委託の数でございますけれども、1自治会当たりそんな大きな事業はできないという前提で50万円を限度として、約40自治会を想定して、今考えているところでございます。

 また、スケジュールですけれども、公募につきましては急ぐ必要がございますので、補正予算額の議決がなされたということを条件として明記した上で、10月早々にも公募に入らせていただきたいと考えております。約1箇月間公募期間を設けまして、11月上旬ぐらいには選考を終えて事業の実施をしたいと現在のところは考えております。

山口(貴)委員

 この公募に当たって、各自治体や各自治会等にも御協力いただいているという話ですけれども、やはり市町村等との協力も必要だと思いますし、市町村なくして各地域の高齢者支援は、なかなか難しいと思うのです。このことについての市町村の反応はどのような感じでしょうか。

地域保健福祉課長

 この地域支え合い体制づくり事業については、県事業以外にも市町村の事業を助成するという事業もございまして、幾つかの市町村から手が挙がっております。ただ、そういった市町村の中のこういった自治会に対する取組の例というのは、残念ながらそれほど多くございませんでした。ですから、県がこういう形でモデル的に実施することについて、市町村としては特にどうするといった意見は来ておりませんし、公募の段階で、市町村を通じて広く周知することについて、協力していただけるものと理解しております。

山口(貴)委員

 支援体制の中で、買物支援というお話も出ていたわけですけれども、厚木市においては買物支援を青空市でやってはいるのですけれども、またそれとは違って地域においては生活支援事業という形で、買物支援だけではなく、地域内の高齢者また障害者、子育て家庭を対象に、地域のボランティアの方によって、多少有償とはなるのですけれども、料理、買物、掃除、洗濯等のサービスに取り組んだりしています。有償という部分で、高齢者で低所得者の方々には十二分に配慮しなければいけないと思うのですけれども、先ほどこの高齢者等安心生活支援の取組で、こういったものも一つの取組のモデルとして考えられるのではないかと思うのですけれども、この辺に関しての取組の見解はどうでしょうか。

地域保健福祉課長

 基本的には、自治会という一つの固まりを今回のモデル事業の対象として考えておりますが、厳密な制限は考えていません。ですから、NPO、地域、自治会等に限らず、ある一定地域で取り組もうということで手を挙げていただければ、そういった活動についても当然我々の事業の対象とさせていただくつもりでおります。

山口(貴)委員

 先ほど、団地でのモデル事業という部分のお話がありましたけれども、これについて具体的な内容をもう少しお聞きしたいと思います。

高齢福祉課長

 今回5団地で実施させていただくわけでございますが、それぞれ細かく申し上げますと、最初の鶴ヶ峰アパートでは災害時の高齢者の安否確認等について、やはり情報が自治会では不足しているということがございます。そうした個人情報の情報入手を今回やろうと考えております。それによって、災害時の安否確認等に役立てたいということが一つでございます。

 阿久和団地の第一自治会でございますが、こちらはやはり独り暮らしとか障害者世帯、こういった方々が団地内にどのようにいらっしゃるのか、実態が分かっていないということがあります。まず実態を確認させていただく。また、さらに、今この団地では自治会の方が障害者や高齢者が何か急用で頼み事をしたいという場合には、窓にハンカチを差し掛けて、SOSを出すという取組をしてございます。そうした取組をもう少し幅広くやっていきたいという内容がございます。

 次に、いちょう上飯田団地でございますが、こちらには高齢者が無縁社会となっている状況を解消するために、サロン的なものを団地内につくりまして、お茶会とかそういったもので地域の交流を広げていきたいという取組がございます。

 浦賀かもめ団地でございますが、こちらは事業の中身が多くてございまして、一つには昨年の実態調査をさせていただいたときにも、この団地では団地内にあったスーパーが撤退いたしまして、遠くのスーパーマーケットまで買物に行かなければならない状況でした。こういったことから団地の自治会の役員の間でも、やはりそこを何とかしなければいけない。そういったことから、まず青空市ということで、付近の商店街の人に協力を仰いで青空市というのをやる。また、空き店舗について何とか事業を再開したいということで買物の場づくりをしていきたいという取組が一つございます。

 もう一つは、この地域を担当する地域包括支援センターがございますが、そこからは見守りのために出向いてくるわけでございますけれども、団地内に支所をつくりまして、そこを拠点にして高齢者の見守り活動を実施している。こういう取組が浦賀かもめ団地の内容でございます。

山口(貴)委員

 浦賀かもめ団地でスーパーが撤退して、買物支援という形の中で青空市を行っていくという話でありますけれども、高齢者等々が買物するに当たって大変心配するのは、独り暮らし等々の方々が買物するに当たって、青空市の中でどういったものがあるのか。食品でも栄養が偏ってしまうということも大変懸念される部分があります。その品ぞろえによって青空市の必要性とか価値が変わってくると思いますけれども、そういったところは何か把握はされているのでしょうか。

高齢福祉課長

 5団地につきましては、議会の御議決をいただいた後、事業の実施ということになります。その段階でそれぞれの団地に赴きまして、ニーズ把握、青空市に出す商品はどういったものがよいのか、それぞれ住民の皆様のニーズがあると思いますので、そういったことを調整し、商店街の人と話合いの場に、私も立ち会わせていただいて、事業を実施したいと考えています。

山口(貴)委員

 青空市ということであれば、そこに行くことが必要となりますし、また高齢者の精神衛生、健康を考えると、外にもっと出向いてスーパーでたくさんいろいろな物がある中で買いたいという気持ちがあることを聞いたりもしているのです。そこで、いろいろなものを買うことによって、栄養の偏りもなくなるし、精神的な部分で良い影響もありますし、他の自治体でも送迎という部分で自治体で援助していくところもございます。そういったところもモデル事業として今後取り組んでいただきたいと思います。

 また、青空市でも、地域の商店街や民間のお店、企業等の協力をいただくわけでありますけれども、高齢者支援であっても、多少なりともメリットがないとなかなか長いスパンでの店舗の継続は難しいと思うのですけれども、その辺の支援体制はどのようになっていますでしょうか。

高齢福祉課長

 これからの社会を考えていきますと、今までは郊外型に大きな商店街とか商業モールがあって、そこに車で行けば何でも手に入るという時代だったわけですけれども、これからは高齢者がどんどん増えてまいりますので、やはり身近な商店街で買物ができていけるのがよいと思いますし、また民間でもスーパーマーケット等では無料で宅配をしてくれる業者もございます。

 ただ、体を動かさなくなると介護が必要となる状況になりますので、委員のおっしゃるように、やはり出ていって買物をする、物を選択するとか、そういった行為がやはり介護予防につながります。これからの社会の有り様というものを考えながら、市町村とそういったことを話し合う必要があると思います。実は介護保険制度の地域支援事業の中に任意事業としていろいろな弱者に対する支援、例えば食事の宅配サービスであるとか、牛乳とか新聞の宅配業者が安否確認をするとか、そういったものを任意事業として組める仕組みになってございます。そうした取組も今回モデル事業でやらせていただいたり、昨年来各市町村の取組などの事例を収集してございます。事例を各市町村に配付するときに、こういった取組もあるのではないかということを、一緒になって話し合っていきたいと思っております。

山口(貴)委員

 店舗等に対し長いスパンでの支援をするためのメリットは何か考えていますか。

高齢福祉課長

 社会の成り立ちが変われば、そこにやはり集客力ということが出て、店舗も潤うのではないかと考えています。行政として今何かということは現時点で考えていないわけでございますが、来るべき超高齢社会の中で、商店街の在り方ということで変わっていけば、商店街自身も潤うのではないか。また地域の活性化にもつながると思っています。そうした方向で取り組んでまいりたいと思っております。

佐藤(光)委員

 この問題はかねてから自民党も質疑させていただいています。当時この質疑をしたときは、大手スーパーがホームページでデリバリーもやっていますという御答弁がありました。果たして何人の高齢者がホームページを見て注文するのだろうという議論もさせていただいた。そのときと比較してかなり県も進歩的になったと思います。当時は1枚だった説明資料が、今回説明資料も分厚くなりました。この1年間でどうしてそうなったのかという思いがあるのです。そういった中でこの資料の11ページに、調査結果の中で把握できないと回答した市町村が三つあるということですが、それはどこですか。

地域保健福祉課長

 この買物不便地域調査で調査した結果、3市の団体から把握できないという回答を頂きました。横浜市と川崎市と横須賀市でございます。御存じのとおり横浜市も川崎市も大都市でございます。横須賀市もそれなりの規模ということで、これは決してそういう調査をやっていないという悪い意味ではなくて、やりたくても今やれないという事情があるのではないかということです。横浜市は御存じのとおり買物支援とか、高齢者安心生活支援の対策を既に実施しておりますので、そういった問題意識は持っているのですが、実際にそういった不便地域があの広大な横浜市の中にどれだけあるのかというところまでは、残念ながら今回の県の調査では把握できなかったという内容でございます。決して後ろ向きのイメージではないと思います。

佐藤(光)委員

 横浜市、川崎市、横須賀市を入れると神奈川県の人口の半分以上になります。そうすると、以後買物が不便な地域における65歳以上の人口というのは、この3市を抜いた人口から見ると4万4,000人いるわけですか。

地域保健福祉課長

 ここでは、先ほど申し上げましたとおり3市を除いた人口でございます。仮に横浜市、川崎市、横須賀市が今回答している市町村と同じ割合で仮にあったとすれば、試しの計算をしましたところ約9万人ぐらいの数字にはなるのですけれども、特にこの数字が買い物弱者だとはなかなか我々としても認識できないところでございます。

佐藤(光)委員

 横浜市が把握できないと言いつつも、横浜市内の上飯田団地でモデル事業をやって、横須賀市もそうでしょう。何か矛盾していないですか。

地域保健福祉課長

 ですから、各自治体としては問題意識は持っているということです。ただ、今言ったように市域を調べたときに、どの地域でどれぐらいの地域に、今回の調査の4条件に当てはまる地域があるのかということを一つずつ調べていくには余りに時間がかかって、今回残念ながら県の調査の中では、お答えができないということでございます。

佐藤(光)委員

 単年度の事業ですよね。これを把握できないのに事業を実施しても、この三つの市は今後把握できないで終わってしまうわけですか。それとも例えば基金とか交付金を使って調べたりとか、そういうことはできないのですか。

地域保健福祉課長

 この調査自体は、特に交付金とか基金を利用した事業ではございません。県単でやっているものでございます。これは今後の検討の状況の中では、更に詳しくという調査は当然考えられます。

佐藤(光)委員

 実際のパイが分かっていないのに、本当にきちんとした事業ができるのかということが心配なのです。去年からこうやって大変先進的に考えてくれるのは有り難いのだけれども、把握できていないわけではないですか。横浜市、川崎市、横須賀市の部分で、それで本当にきちんとした県の事業ができるのか心配があるのだけれども、大丈夫ですか。

地域保健福祉課長

 実態をまだ我々が完全につかめない中で、どういう取組をするのだと言われればそのとおりかもしれませんが、確かに実態は全部分からないのですが、地域コミュニティづくりは非常に大事なことです。数の大小が分からなくても当然ある程度の方向性を持って取り組んでいけると考えます。

佐藤(光)委員

 モデル事業なので、対象となるところはしっかりと頑張っていただきたいと思います。

 それと高齢者等安心生活支援庁内連絡会議とあるのだけれども、例えばNPOと一緒にやっていくのであれば県民局が関係する。そういった意味では、商工労働局も関係する。高齢者の災害対策となると安全防災局も関係してくると思うのですけれども、その辺の連携というのはきちんとできているのですか。

地域保健福祉課長

 現在の構成員は県民局、県土整備局、商工労働局と保健福祉局でございます。その中で関係するところについて関係課をお呼びして議論しておりますので、仮に高齢者の防災関係の連携という話であれば、安全防災局をお呼びして議論するということを今後やっていきたいと思います。

佐藤(光)委員

 最後になりますけれども、先ほど我が会派の山口委員からも話がありましたけれども、これは市町村などの各自治体と自治会が綿密にやるべき事業だと思っています。自治会も市町村も今までは実はこういった個人情報をなかなか出さなかったのです。プライバシーの問題があってどこに独居老人が住んでいるといったことです。その地域の自治会にも個人情報を出さなかった。3・11以来やはり小さな単位である自治会で地域を守っていく必要があることを市町村がだんだん理解してきて、市町村から自治会にそういった情報を開示するようになりました。

 そういった意味で、防災機能の観点も入れて、今後この高齢者等安心生活支援庁内連絡会議で活発に議論していただいて、早くしっかり対応をして頑張っていっていただきたいと思います。

山口(貴)委員

 最後に、単年度で終わってしまうということで、県がモデル事業として取り組むわけですけれども、これが終わった後、県はどのように取り組んでいく予定がありますでしょうか。

地域保健福祉課長

 この事業は単年度事業です。地域支え合い体制づくり事業は、単年度だという前提で事業構成を考えました。したがいまして、助成とかそういうことではなくて、あくまでモデル的に調査研究をやっていくということです。その成果をまとめて関係する市町村なり、自治会に広めていくということを、まず一つ考えてございます。それから、今回の地域支え合い体制づくりは、拠点整備という形をとっております。要するに拠点を整備するための1回だけの初動の経費だけを助成すればある程度済むということで、今回はお願いしております。

 ですから、この後の運営とかそういったことを余り考えずに、今回は後年度負担ができるだけない事業構成にする形で、県の事業として考えさせていただきました。ですから、この事業をやった後の成果は、まとめてそれを関係市町村あるいは関係自治体等々にお配りして、それを参考にしてもらいながら今後に生かしてもらおうと考えてございます。

山口(貴)委員

 最後に要望を申し上げます。3月11日に発生した東日本大震災において、被災地の復興に向けた活動の中で、やはり住民同士の支え合いということが大変大切なことであります。市民の皆さんも痛感していると思うのですけれども、是非この事業を通して、単年度制ではありますけれども、しっかりと実施した事業の成果を、次年度以降の施策に効果的に反映していただいて、また市町村にもしっかりと伝達していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 続いて、高齢者の口くうケアについて質疑をさせていただきたいと思います。

 高齢化が進む中で、外来への歯科診療が困難な高齢者等への口くうケアを推進するためには、歯科診療用バスの整備が必要と考えておりますけれども、さきの代表質問においても我が会派の小川議員が取り上げたところであり、今回の補正予算案に高齢者等口腔ケア推進事業費補助として約1億3,000万円が計上されておりますけれども、これらについて質疑をさせていただきたいと思います。まず高齢者にとって口くうケアは、どういったものが大変重要なのか確認させていただきたいのと、また今後口くうケアを推進する上で課題となっているものは何なのかお聞きしたいと思います。

高齢福祉課長

 高齢者の口くうケアの課題でございますが、高齢者は食べ物をかみ砕いたり、そしゃく、飲み込む、えん下といった口くう機能が、年齢が上がるとともに低下すると言われてございます。口の中の衛生状態の維持、又は歯石の除去、義歯や入れ歯の手入れ、こういった口くうケアをすることよりまして、口くう機能の維持向上を図っていくわけでございますが、特に高齢者の方々にとっては、歯周病や誤えん性肺炎を予防するといった健康的な生活を送る上で必要な効果があると思ってございます。

 しかしながら、実際に高齢者施設に入所されている高齢者の方々は、歯科診療所などの受診が困難な方もいらっしゃる。または自宅にいらっしゃる方であっても、市町村が行う介護予防教室の中にも口くうケアの教室もございますけれども、そういったところへも参加されない方もいらっしゃる。こういったように、口くうケアを受ける機会が余りないのではないかという課題があると思っています。

 また、口くうケアがやはり重要だと言われてから、平成21年度の介護報酬改定の中でも、介護施設において歯科医師や歯科衛生士が月に1回入所者の口くうケアの指導をする。こういった報酬加算ができるようになりました。

 そうしたことを受けて、口くうケアが進むものと期待していたところでございますが、現実には施設の方でそうした加算届を出していただいているのが、特別養護老人ホームの施設でいえば大体入所者の37%程度でありますので、残り63%はまだそういった取組が進んでいないといった課題がございます。

山口(貴)委員

 今お話しいただいたように、高齢者の口くうケア推進のために、今回の補正予算案に歯科診療用バスの助成経費が計上されておりますけれども、この助成においての内容を詳しく教えていただきたいと思います。

高齢福祉課長

 今回は、訪問によって高齢者等の口くうケアを行おうとする歯科医療関係団体に対して、訪問歯科診療用の自動車と、訪問歯科診療用の医療機器の整備に必要な経費について全額助成する内容となってございます。具体的には、政令市域に3台、また県所管区域に3台の合計6台の歯科診療用の自動車を整備するとともに、携帯型のデジタルレントゲンを含む、訪問診療に必要な医療機器6セットを併せて整備するものでございます。

山口(貴)委員

 この歯科診療用バス、また訪問用歯科診療機器の整備台数をそれぞれ6台とした理由はどういったものがあるのでしょうか。

高齢福祉課長

 現在全県域で医療圏と言われるのが全体で11の二次医療圏がございます。そういったことを考えまして、地域のバランスもいろいろ考えまして、二つの医療圏に1台程度あればよいということで、全体的に6台という数字を出させていただきました。また、訪問歯科診療用の医療機器につきましても、車に搭載するものと別セットで用意をさせていただきたいと考えてございます。

山口(貴)委員

 これらにおいて歯科医療関係団体に助成するというお話でありますけれども、どの団体に助成されるのか。またどのような形で運営してもらうことを、県は想定しているのかお聞きしたいと思います。

高齢福祉課長

 助成する団体につきましては、先ほども歯科医療の関係団体と申し上げたわけでございますが、県内全域で口くうケアを実施いただける団体としては、県の歯科医師会又は大規模な大学病院が想定されると考えてございます。

 また、運営方法といたしましては、先ほども申し上げましたように、施設に入所する場合に口くうケアがなかなか進んでいないということもございますので、特別養護老人ホームなどの介護保険事業所の他、老人クラブの集会あるいは市町村が主催する介護予防教室へ歯科医師や歯科衛生士がチームを組んで巡回訪問を行っていただくことを考えてございます。

山口(貴)委員

 代表質問でも確認したことでありますけれども、整備後の活動により、どのように介護報酬から収入が得られ、また継続的な運営が可能となるのか、より具体的にお聞きしたいと思います。

高齢福祉課長

 整備後の運営でございますが、まず施設訪問の場合には入所者の口くうケアを行った場合に、介護報酬として請求できる口くう機能維持管理加算というのがございます。こういったものの収入であるとか、または健診をした結果、どうしても治療が必要になるといった場合には、診療報酬による収入が想定されます。この他、市町村の介護予防事業などで行った場合には委託料ということが想定されますので、そうしたものによって継続的な運営が図れるよう配慮し、団体に対しては積極的に訪問活動を実施していただきたいと考えてございます。

 県としましても、こうした訪問活動による診療報酬や介護報酬等の対象となり得るわけでございますが、関係機関といろいろな面で、まだ調整をする余地が残ってございますので、事業が円滑にスタートできるように支援してまいりたいと考えてございます。

 さらに、訪問先の介護施設や介護予防教室を運営する市町村にこういった歯科の自動車を整備するということをいち早くお伝えして、来年度以降きちんとした取組ができるよう情報提供に努めてまいりたいと考えてございます。

山口(貴)委員

 今後、高齢者の口くうケアの推進に向けて、この事業で相当な効果が見込まれることを期待しているのですけれども、どういった効果を見込まれているかお聞きしたいと思います。

高齢福祉課長

 今回の事業を実施する中で、やはり通院が困難な高齢者に対する口くうケアを実施するわけでございますが、当然のことながらお口の中の衛生状態や歯の残存本数、または治療が必要な高齢者がどのぐらいいるのか。そういう高齢者の歯科の実態についても、今回の訪問活動を通じて把握できるのではないかと考えてございます。そうした実態の把握をして、今後の介護予防や疾病予防などの対策に取り組めると思っております。

 また、こうした口くうケアがやはり健康の維持に大事だということが、施設を管理運営されている方々に理解していただければ、高齢者の方々の介護予防、健康づくりが更に進むのではないかと思っております。施設の管理者に対する周知、啓発もきちんとやっていきたいと思っております。

原委員

 先ほど関係団体に積極的に訪問活動をしていただくという御答弁もありました。その上で、歯科医療関係団体へ助成するとのことで、先ほど歯科医師会、大学病院と例が挙げられておりましたが、歯科医療関係を歯科医師ありきでお話が進んでいるように見えるのですが、その関係団体の中に、例えば歯科衛生士会、歯科技工士会との連携はとれているのでしょうか。これは歯科診療用バスの事業実施について関係団体との連携はとれていますでしょうか。

高齢福祉課長

 この事業の内容につきましては、今の二つの団体にはまだお話をしてございませんが、当然チームを組んでということになります。そのチームの中には歯科衛生士又は歯科技工士といった方々が想定されてございますので、遅ればせでございますが事業を実施する段階で、そういったチーム編成について御理解いただくように、これから調整を行うべく、周知してまいりたいと思います。

山口(貴)委員

 最後に要望でありますけれども、今回の予算措置において、車両や機器の整備を十二分に生かすためには、高齢者施設や市町村の介護予防教室等への訪問による口くうケアが十分な収入を得て、継続的に行えることが必要だと思います。県としても関係団体や市町村と十二分に連携していただいて、特に今お話がありました歯科衛生士、また歯科技工士の方々と連携していただいて、整備後の事業の安定的な運用を図り、口くうケアの推進について、しっかり支援していただきたいと要望させていただきたいと思います。

 続いて、がん対策推進費について質疑させていただきたいと思います。

 県では、平成17年3月にはがん克服のために総合対策としてがんへの挑戦・10か年戦略を策定し、県議会においても平成20年3月には議会提案により、神奈川県がん克服条例を成立させるなど、がん対策は県として重点的に取り組むべき課題であると私も認識しています。そのような中で、今定例会において補正予算としてがん対策推進費が提案されているので、幾つかお聞きしたいと思います。今回の補正予算案として提案されている内容について、今一度補正予算案の内容を確認したいと思います。

健康増進課長

 今回の補正予算でお願いしておりますがん対策関連予算でございますけれども、このがん対策推進費といたしまして509万円をお願いしているところでございます。その内容ですが、大きく二つに分かれております。一つでございますが、がん検診に関するものでございまして、がん検診につきまして企業の健康福利担当者への研修でございますとか、あるいは企業連携による普及啓発によりまして、がん検診の受診を促進していこうという、がん検診受診促進事業費でございまして、423万5,000円をお願いしてございます。

 もう一つでございますけれども、がん患者支援の取組でございまして、がん患者とその御家族が地域で療養生活を送るために必要となる療養情報の情報提供を行うがん患者療養情報提供支援事業費でございまして、こちらが85万5,000円をお願いしているところでございます。

山口(貴)委員

 大きく二つの事業内容があるというお話でありますけれども、まず最初にがん検診受診促進事業費でありますけれども、本県のがん検診の受診率というのは現状どのようになっているのかお聞きしたいと思います。

健康増進課長

 がん検診受診率につきましては、国が3年に1回実施してございます国民生活基礎調査によって把握しているところでございます。最も新しいデータでございますけれども、国立がん研究センターから公表されております平成22年の調査結果がございまして、それで見ますと本県の主ながんの部位別の受診率で申し上げますと、まず胃がんにつきましては30%、大腸がんは23.9%、肺がんが21.9%、女性のがんでございますけれども、乳がんが26%、子宮がんが26.2%になってございます。これを全国と比べて見てまいりますと、胃がんの全国平均が30.1%でございまして、本県が都道府県ごとの順位で見ますと28位。大腸がん全国平均が24.8%で全国の順位では32位。肺がんにつきましては全国が23%でございまして、全国順位で見ますと34位でございます。女性の特有のがんでございますが、乳がんにつきましては全国平均は24.3%で、全国順位で見ますと本県は12位。また、子宮がんにつきましては、全国平均が24.3%でございまして、本県の順位が13位。こういう形になってございます。

 全国的に見ましても、こういった形で20%から30%の中で、本県も同様の状況という形になってございます。

山口(貴)委員

 ちなみに、受診率が高い都道府県は、どちらでしょうか。

健康増進課長

 全国的に若干ばらつきはございますけれども、特に高い県といたしましては、東北の山形県と宮城県となってございます。山形県で見てまいりますと、乳がんが全国2位の他は全て1位ということで40%台。宮城県も同様で30%から40%になってございます。

山口(貴)委員

 今、神奈川県においての受診率状況というのをお話しいただきましたけれども、神奈川県においての受診率が大体20%、30%という話の中で、課題認識をどのように考え、またそれに対してどう取り組んでいくのかお聞きしたい。あと山形県がトップで40%ということで、山形県が高い受診率を保っている理由というのは何なのかお聞きしたいと思います。

健康増進課長

 まず、本県の課題と取組の方向でございますけれども、本県の受診率はただいま御答弁したとおり、今2割から3割という状況でございますけれども、一方ではまず住民の意識という点を見てみますと、内閣府が実施いたしましたがんに対する世論調査というのがございます。こちらを見てみますと、がん検診はがんの早期発見・早期治療につながる重要な検診だと思いますかという問い掛けに対しまして、97.4%の方がそうだと思うという回答をしております。ほとんどの方ががん検診の重要性自体は御認識いただいているという状況です。ただ、先ほどの検診受診率でありますとおり、実際の受診行動に結び付いていない。そこが課題と受け止めてございます。

 もう1点、職域の方の関係で見てみますと、県で平成21年に職域のがん検診実施状況調査を行いまして、その中で職域の状況を見てございますけれども、企業でがん検診を実施いたしましても、従業員の方は半数ぐらいしか受診していない結果が出ているところでございます。受診機会の有無にかかわらず主体的な受診行動に結び付いていない。こういった具体的に受診に結び付いていないというところが課題と受け止めてございます。

 そうしたことから、これまで県といたしましても、がんの正しい知識の普及啓発という中で、リーフレットの配布などを通しまして、がん検診の普及啓発を行ってまいりましたけれども、これに加えまして、一つには企業などと連携いたしまして、職域を通じたがん検診の具体的な受診をしていただくように働き掛け、そうしたことで多くの方に受診していただける取組を進めていく方向で考えていきたいと思っております。

 そういった中で、山形県が非常に高いとなってございますけれども、山形県に伺いますと、がん検診は市町村が主体となって行っている中で、地域の関わりの中で効果的な働き掛けを行っているということです。がん検診の受診について、農村でございますので、まとまって受診する機会を設けるとか、地域の保健婦とかそういった方が受診の働き掛けをして、なるべく多くの方に受けていただく。そういった市町村のそれぞれの取組がしっかりしているということから、受診率が高いのではないかと伺っているところでございます。

山口(貴)委員

 チラシ等々で啓発活動をやっているということで、多分県民の意識というのは97%余りの方が有用であると考えているということでお話しいただきましたので、意識はそういった部分で高いのかと思いますけれども、受診率になってくると、受ける気持ちはあったにせよ、きっかけがないとなかなか受けづらいという部分が正直なところあると思います。

 そういった中で、今回提案されているがん検診受診促進事業費でありますけれども、内容はどのようになっているのでしょうか。

健康増進課長

 今回の事業は大きく二つの取組を予定してございまして、一つでございますけれども、企業と連携した取組の中で職域における取組でございます。これにつきましては、先ほど委員からもきっかけという話がございましたけれども、企業の従業員の方でございますとか、あるいはその御家族の方に受診していただくためには、まず企業でがん検診の受診の必要性を広く認識していただいて、働き掛けをしていただくことが重要と考えてございます。

 そこで、企業内でまず従業員の方に健康づくりを担当する方がいらっしゃいますので、そうした方々にがん検診の重要性あるいは正しい知識の研修等を通じまして知っていただく。そうした方を通じまして、企業の従業員の方、あるいはその御家族の方に周知することで、具体的にがん検診を受けるように働き掛けていただく。そんな形でがん検診の受診のきっかけとなるよう、取り組むことでやっていただきたいと思ってございます。

 もう1点でございますけれども、効果的な普及啓発はやはり必要だと考えてございます。不特定多数の県民の方が、より具体的に受診行動につながるように普及啓発を行っていくために、企業と連携した取組を考えてございまして、例えばショッピングセンターなどの県民が集中する商業施設などでございますとか、こういったところですと必ずしもがん検診に関心のある方ばかりが集まるわけではございませんので、そういうところで集中的に呼び掛けを開始するとか、あるいは企業が広告チラシ等を各家庭にお配りされていますけれども、そうしたチラシの中にがん検診の呼び掛けをしていただく。そういった協力をしていただくことで受診行動につなげる働き掛けをしていく。そんな形での取組を考えてございます。

山口(貴)委員

 先ほどお話がありましたけれども、連携先の企業や施設は、具体的にどこなのかお聞きしたいと思います。

健康増進課長

 まず、企業の職域の御担当者への働き掛けでございますけれども、これは個別の企業ごとにやってまいりますとかなり数がありますので、個々にということではございません。やはりきめ細かく対応するためには、企業を構成員といたします団体の方に協力いただきまして働き掛けをしてまいりたいと考えております。具体的には、例えば中小企業が入ってございます全国健康保険協会、これはいわゆる協会健保の関係でございますけれども、そうした協会健保の支部の取組でございますとか、産業保健の関係でお集まりになっている神奈川産業保健推進センターという団体がございますので、そうした団体における会合等を活用いたしまして、これらの中の研修の場を活用するなどして働き掛けをしてまいりたいと考えているところでございます。

 あわせまして、効果的な普及啓発でございますけれども、これまで県では企業の社会貢献という中で、がん検診あるいはがんの予防に関する包括協定ということで、保険会社でございますアフラックあるいは東京海上日動火災保険と協定を結びまして、例えば先日行いましたピンクリボンかながわの取組を共同で行ったところでございます。これにつきましては、例えばただいま調整中でございますけれども、イオンという会社がございまして、県内各地で店舗を持ってございますけれども、そちらの企業に各家庭に配布する広告のチラシの中に、がん検診の受診促進のメッセージを入れていただける方向で調整を進めております。今後ともそういった形の調整を進めながら、企業のお力をお借りしてより多くの機会を得て、検診の働き掛けができる普及啓発を図ってまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 今いろいろと質疑させていただいている中で、このがん検診受診促進事業費をしっかりと有効に使っていくに当たって、今回この取組でどういった効果を、県は期待しているのか伺います。

健康増進課長

 がん検診の受診率の向上について、これまでもいろいろと市町村を含めて取組をしてもなかなか難しいところがございますけれども、今回の取組の中で、企業、職域への働き掛けにつきましては、これまでの手法に加えまして、委員からお話しのあったきっかけという意味では、勤務先から働き掛けをしていただく新たな取組でございます。そうした形で企業内での受診の促進を図れれば、受診率の向上につながることが期待できると考えます。あるいは、商業施設につきましても、そういった形で集客力とかリピート性の高い啓発効果が見込まれることから、県も必ずしも十分取組を行っていない部分で取組を進めますので、受診率の向上につながることを期待しているところでございます。

 ただ、こうした方向につきましても、本県のがんの取組について、がんの患者さんでございますとか関係者の方で構成しておりますがんへの挑戦・10か年戦略進行管理部会という部会がございまして、そちらの中での御意見でも、県の取組として、一つには企業等の連携を進めていく必要があるという御意見を頂いておりますので、今後ともこうした方向で取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。

山口(貴)委員

 このがん対策推進費のうち、もう一つ大きな事業でがん患者療養情報提供支援事業の狙い、そしてまた情報提供の現状、がん患者や家族の方への情報提供の現状と課題とは何なのかお伺いしたいと思います。

健康増進課長

 本県では、がんへの挑戦・10か年戦略の中で、地域におけるがん患者支援の仕組みを掲げてございまして、またこのがんへの挑戦・10か年戦略につきましては、平成21年に中間評価を行いましたが、その中の御指摘で、健康な人だけではなく闘病されている方ですとか、がんを克服した方など、様々な視点から情報提供していくべきという御指摘を頂いているところでございます。

 こうした中で、今回の事業でございますけれども、がん患者さんやその御家族の方が治療面や生活面でお困りになっていること、あるいは不安に感じていること、そうしたことが生じた際の相談窓口などを具体的に医療情報として冊子の形でお配りすることで、患者さんやその御家族が住み慣れた地域で生活を送ることができるようにするということを狙いとして、冊子の作成を行っているところでございます。

 現在の情報提供の現状等でございますけれども、県では県内の拠点病院の中に相談支援センターを設けておりまして、具体的にがんの治療や今後の療養生活についての相談、心配事を、がんに詳しい看護師の方ですとかソーシャルワーカーの方が相談等を受けたり、あるいは情報提供を行っているという状況がございますし、また、県のホームページでもそうした情報提供はさせていただいております。さらに、一部の拠点病院では、がんの体験者によるピアサポートの相談の取組も始めているところでございます。

 その一方で、課題という面では、こうした相談でございますけれども、やはり病院での相談はなかなか気軽に行うことができない方もいらっしゃると伺ってございますし、また例えば県のホームページで情報提供と申しましても、やはりパソコンを気軽に利用するということもできないという方もいらっしゃいますので、そうしたことから、患者さんが得られる情報に差が生じない工夫ということが必要と感じているところでございます。

 そうした中、国でもがん患者さんの困った際に必要なところにたどり着くガイドマップといたしまして、患者さんが必ず携帯する冊子づくりの取組をしておりまして、この3月にまとめました。ただ、これは全国的な取組でございますので、地域の具体的な情報が入ってございませんので、県ではそうした地域固有の情報提供をしていく必要がございます。今後そうした患者さんが得られる情報に差が生じない工夫と併せまして、地域の情報提供をしていくところが課題でございます。

山口(貴)委員

 今回、がん患者やその家庭へ提供する情報の内容や、また今後の情報提供の進め方について伺いたいと思います。

健康増進課長

 今回、県から提供する情報でございますけれども、がん患者さんやその御家族の方が活用できる、例えば診断されたときにどのように受け止めるかでございますとか、あるいは部位ごとの療養生活のポイントなどということを併せまして、具体的な情報が必要だと考えてございます。

 そこで、県内で療養生活を送る際に必要不可欠な具体的なポイント、情報に絞りまして、例えば御高齢の方でも持っていただくのが可能なコンパクトな冊子を作成してもらいたいと考えてございます。具体的には、例えばがん相談支援センターの相談窓口に関する情報でございますとか、拠点病院や地域連携クリティカルパスあるいはセカンドオピニオンなど、がんの医療情報に関する情報、さらには各高額療養費あるいは税控除の手続など医療費に関する情報、また介護保険制度や福祉用具など介護サービスに関する情報、こうした医療面に加えまして生活面での相談窓口を掲載していきたいと考えてございます。

 こうした情報を冊子にまとめて、がん患者さんやその御家族に活用していただく形で考えてございますけれども、やはりその方々に確実に行き渡って活用していただくことが必要と考えてございますので、まずは拠点病院の相談支援センターなどを通じまして、例えば病院を退院する際でございますとか、検査で来院された際にお渡ししてまいりたいと考えてございます。また、行政の窓口といたしまして、保健福祉局の部署でございますとか市町村などにもよく御相談にいらっしゃいますので、そうした方々で相談された際に対応できるように努めたいと考えてございます。また、こうした情報は当然のことながら、県のホームページにも掲載いたしまして、患者様の情報収集の選択肢を増やす取組をしてまいりたいと考えてございます。

 こうした情報提供につきましては、がん患者さんのニーズに即した情報を提供できるように、具体的にきめ細かい情報提供を図ってまいりたいと考えてございます。

山口(貴)委員

 最後に、がん患者をはじめ関係者の意見を踏まえて実施する必要があると思うのですけれども、最後にこれらの事業の今後の取組の進め方というのはどういったものなのか、具体的なお話を伺いたいと思います。

健康増進課長

 ホームページの取組と情報提供の取組、今回二つの取組を御提案させていただいてございます。いずれも行政の視点だけではございませんで、がん患者さんの視点はもとより、がん対策に関わる様々な方の考え方を伺って進めていく施策となってございます。

 そうしたことから、先ほども御答弁いたしましたけれども、がんへの挑戦・10か年戦略進行管理部会の会議の場において御意見を伺うと同時に、関係する企業の方でございますとか、関係者の方、そうした様々な方の御意見を頂きながら、しっかり参考にしたいと考えてございます。

山口(貴)委員

 最後に要望でありますけれども、がん対策は、早期発見がキーだと思います。検診により早期発見、早期治療につなげることが何より重要だと考えております。受診率を上げるために、やはりきっかけが必要だと思います。企業との連携により受診促進を図ることは有効であると思いますし、また、がんになっても地域で質の高い療養生活を送るための情報が提供されることは、患者と家族にとって大切なことと思います。がんにならない、また負けない神奈川づくりを是非目指して、この事業の取組を進めていただきたいと思います。

 続いて、看護職員の定着・確保対策についてでありますけれども、先ほど医療のグランドデザイン策定の報告でも出ておりましたけれども、医師確保と同じでこの看護職員の確保・定着も必要な項目だと思っております。

 本県で就業する看護職員の数が人口10万人当たり736人で、全国平均の1,089人に比べて大幅に少なく、全国最下位と聞いておりますけれども、看護職員の定着・確保を図ることが喫緊の課題と思います。9月補正予算案に看護職への復職支援、働きやすい職場環境整備の支援のための事業が計上されております。そこでこれらの事業について伺いたいと思います。

 実際、これにおいて看護職員の不足状況を改善するためには、潜在看護職員というのを十二分に活用することが必要だと思うのですけれども、県内に潜在する看護師は大体どれぐらいいるのかお聞きしたいと思います。

保健福祉人材課長

 看護職員につきましては、2年ごとに就業場所、雇用形態、従事期間などにつきまして県知事に届出をするということが義務付けられているのですけれども、対象が就業している方に限られているということでございまして、未就業の状態であるいわゆる潜在看護職員については、残念ながら実数を把握することができない状況でございます。

 ただ、厚生労働省におきまして推計される免許保持者数から、就業者数を控除することによりまして、潜在看護職員の数を推計しております。これが、平成14年末の時点で、全国でおよそ55万人いると推計がなされております。この数を基礎といたしまして、人口比率によりまして、本県の潜在看護職員数を推計いたしますと、およそ3万6,000人程度の潜在看護師がいると見てございます。

山口(貴)委員

 潜在看護職員というのを把握するのはなかなか難しいというお話でございますけれども、また今実数というのも挙げておりますけれども、例えばこの潜在看護師の研修事業の受講生をどのように確保していくのかお聞きしたいと思います。

保健福祉人材課長

 今回実施しようとしています研修事業の受講生の確保ということでございますが、基本的には研修案内用のチラシの配布、あるいは病院のホームページでの広報に加えまして、県のナースセンターのホームページでも研修の実施につきまして周知していくということを考えております。そうしたことに加えまして、この研修事業について公募いたしまして、委託をしていく形を想定しておりますが、その委託先と決まった病院において、過去に結婚やあるいは出産などを理由として退職された方々に対して、直接病院から研修の御案内をしていただくなどの方法もとりながら受講生の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

山口(貴)委員

 次に、看護職員の職場環境整備の支援の事業でありますけれども、これらの概要はどういったものなのかお聞きしたいと思います。

保健福祉人材課長

 この事業でございますが、結婚、出産、子育て、介護など様々なライフステージにおいても仕事との両立が可能となるよう、働きやすい職場環境を病院が整備することを支援することによりまして、看護職員の離職の防止と再就業を支援することを目的とする事業でございます。

 子育てなどとの両立を可能とするためには、これまで進めてまいりました院内保育施設の整備などに加えまして、保育園の送り迎えが可能となる短時間の勤務など、多様な勤務形態の導入が有効と考えてございます。しかし、多様な勤務形態の導入に当たりましては、様々な課題も見込まれることから、導入に向けた相談窓口を新たに開設するとともに、病院へのアドバイザーの派遣など、個々の実情に応じたきめ細かい対応を行うことを通じまして、子育て中であっても働き続けることができる。また、一旦離職した方が復職がしやすい、そういった勤務環境の整備促進に取り組んでまいりたいと思っています。

山口(貴)委員

 復職に当たって、復職しやすい仕事の環境の場づくりという部分で今お話しいただいたのですけれども、やはりいろいろな勤務形態の導入を支援していかなければ、看護職員というのは増えていかないわけでありますけれども、具体的にどのようなことが想定されるのかお聞きいたします。

保健福祉人材課長

 看護の現場におきましては、これまではフルタイムで勤務をして、月に8回程度の夜勤をこなすといったことが基本とされてまいりましたけれども、人材を確保するためには、結婚、出産、育児、介護などライフステージに応じた多様な勤務形態を導入し、離職せずにずっと働き続けることができる勤務環境を整備することが求められていると思います。

 具体的に想定される勤務形態といたしましては、基本的には1日の労働時間が短くなる短時間勤務、あるいは夜勤の免除、あるいは夜勤の回数の制限、そして逆に場合によっては夜勤専従といったこともあるかもしれません。また、時差出勤や時差就業が選択できる複数の勤務時間帯の設定、あるいはフレックスタイム制の導入、さらに2交代勤務あるいは3交代勤務の選択が1病棟の中でもできる、そんな交代制勤務などが想定されます。個人個人のワークライフバランスに応じた働き方が選択できる、様々な勤務形態が想定できるのではないかと思っています。

山口(貴)委員

 今この看護職員の定着・確保対策でありますけれども、基本的に離職の看護職員を防いだとか、また復職を担う取組であると思うのですけれども、国でも復職また離職だけではなく、新規に看護職員を確保していくという施策に取り組んでいられるとは思うのですけれども、今後少子化により、看護師養成学校の新規の卒業者というのは減少が見込まれる部分もございますし、またその反面で高齢化の進展により、看護師の需要が大変増えていく部分があるのですけれども、今後確保していくに当たっては、奨学金制度というか貸付制度というのも一つの制度として必要だと思うのですけれども、その辺の見解というのは県としてはお持ちでしょうか。

保健福祉人材課長

 現在、各病院におきまして人材確保をする上で、今御指摘のありました奨学金制度を設けて、人材の確保をしているというところはかなりの数あると承知しております。県におきましても、県の奨学金制度というのもありますけれども、そういった民間での取組も併せて、それぞれの病院で実施していただくということによって、人材の確保につながっていけばと期待しています。

山口(貴)委員

 最後に、看護師といえば、どちらかといえばやはり女性の職場であると思うのですけれども、この間、看護学校にお伺いしたときも、男性の看護師を目指す方々もいられる中で、男性へもアプローチというのも今後必要かと思うのですけれども、実際男性というのは全体的に何%ぐらいいられるのかお聞きしたいと思います。

保健福祉人材課長

 粗い数字で申し訳ないのですが、おおむね全体で4%程度だと承知しています。だんだんと男性の職員も増えてきている状況にありまして、いろいろな病棟がある中で、やはり男性の方がふさわしい職場もあると思います。今後男性の職員が増えていくことも併せて期待しています。

山口(貴)委員

 是非男性の看護師のアプローチもお願いしたいと思います。やはり男性といえば家庭の柱として、家計も支えていかなければいけない部分もあると思うのですけれども、先ほど前にお話しいただいたときにもある程度こういった看護職員でも生計をしっかりと立てられる報酬は見込まれますというお話があったので、是非そういったところもクリアしながら、男性職員の確保に向けても取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、要望でありますけれども、看護職員の定着・確保のためには、離職を防止しながら、また潜在看護職員の再就業を促進することが重要でありますし、また今お話ししたように、男性の看護職員も確保していただきながら、9月補正で予算に提案された各事業を着実に推進していただいて、確保に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

山下委員

 それでは、まず報告事項についてお伺いします。

 牛の全戸検査の報告が上がってきておりますけれども、これの流れについて幾つかお伺いしたい。全戸検査の実施手順について確認させてください。

食品衛生課長

 全戸検査の実施手順でございますが、まず県内・県外を問わず神奈川食肉センターに出荷されました牛について、生産農家ごとに1頭ずつ検査を実施いたします。なお、県外産の牛につきましては、高濃度の放射性セシウムが検出された稲わらを餌として与えた疑いがある農家が判明しました17道県から出荷された牛を検査の対象としております。

 神奈川食肉センターで、と畜した牛から肉の一部を採取いたしまして、民間調査機関に送りまして、簡易な検査でありますスクリーニング検査を実施いたします。スクリーニング検査により暫定規制値、これは1キログラム当たり500ベクレルでございますが、これの2分の1、250ベクレル以上の放射性セシウムが検出された場合につきましては、ゲルマニウム半導体検出器を用いました核種分析法によりまして精密な検査を実施いたします。

 なお、現在まで県外産につきましては13頭、県内産につきましては17頭検査いたしましたが、全て不検出でございました。

山下委員

 それでは、今のお話の中で検査は民間検査機関を利用しているということですけれども、今後県独自で検査を実施する予定はないのかお伺いいたします。

食品衛生課長

 食肉衛生検査所で検査を実施する予定はございます。そのため、現在検査機器を1台設置する準備を進めているところでございますが、検査機器につきましては需要が高まっているという状況がございますため、12月中旬頃に設置される予定でございます。

山下委員

 県独自の調査を始められるということで、良いことだと思うのですけれども、それに使用する器材の詳細について教えてください。

食品衛生課長

 この検査機器につきましては、LD200ベクレルモニターというNAIシンチレーション検出器の付いた器械を購入する予定でございます。この器械につきましては検出限界が20ベクレルでございまして、牛肉のスクリーニング検査に対応可能な機器でございます。1検体につきまして15分程度で測定が終了いたします。また、価格につきましては衛生研究所に設置されておりますゲルマニウム半導体検出器の約20分の1の価格でございます。設置費用につきましては、消費者庁の交付金によります地方消費者行政活性化基金を活用いたします。また、設置後につきましては、食肉衛生検査所のと畜検査員が検査を実施いたしますので、検査費用の削減等、検査結果が判明するまでの時間の短縮が期待できるものと思っております。

山下委員

 もしこの全戸検査の実施において暫定規制値を超えた値が発見された場合には、どのように対応されていくのか伺います。

食品衛生課長

 もし放射性セシウムが暫定規制値を超えている牛肉が発見された場合でございますが、まずその牛肉の流通を停止いたします。この牛肉につきましては、処分方法が決まるまでの間、適切に保管するよう指示いたします。

 また、検査結果につきましては早めに報告するとともに、その牛の生産県に情報提供いたしまして、生産県において原因究明のため、その生産農家等の飼育管理状況につきまして調査を実施することとなります。本県では、原因究明のための調査結果を踏まえまして、検査体制を検討してまいります。

山下委員

 それでは、今大体チェックの流れを確認させていただきましたが、今後の全戸検査はどれぐらいの期間を想定しているのか伺います。

食品衛生課長

 食品の安全・安心の確保のためには、生産から消費までの食品供給工程の各段階で適切な措置がとられる必要がございます。神奈川食肉センターに搬入される牛の生産農家の検査が一通り終了して、検査結果によりまして牛の適切な飼養管理等が確認される状況になるまで検査を継続したいと考えております。

 全国の情報を注視しながら、牛肉の安全・安心が確保をされるよう、検査に努めてまいりたいと思います。

山下委員

 消費者の皆さんは、こういった放射性セシウム等がすごく気になっているところだと思いますので、安全確認をしっかりと継続していただきたいと思います。

茅野委員

 全戸検査ですよね、全頭検査ではないですよね。この全戸検査の抽出は農家の方が1頭出すのか、何頭か出ているうちの無差別で検査機関が出すのか。この辺はどうなっているのですか。

食品衛生課長

 これは農家ではなくて、同時に搬入されました牛の中から1頭無差別に抽出するか、または最初に来た1頭を対象とさせていただいております。

茅野委員

 それで、今は全戸検査ですよね。1軒について1頭だよね。でも数頭出している場合もありますね。その場合、なぜ全部をできないのか。この辺についてはどういうことなのですか。

食品衛生課長

 県内産の牛につきましては、本県の環境農政局の方で県内の牛生産農家における稲わらの管理状況調査を実施いたしました。そのところ、不適切な管理が行われた稲わらの利用は確認されませんでしたので、県内産の牛においては暫定規制値を超える可能性はほとんどないものと聞いております。

 また、さきに申し上げました17道県におきましても同様な調査を実施いたしまして、適切な飼養管理が確認された生産農家のみから牛を出荷するよう指導している状況にございます。それで、生産農家で飼育されている牛につきましては同じ餌を与えられているということで、そのうちの1頭を検査することにより、その農家全体の牛の肉の安全性を確認できるものと考えております。そのようなことから、本県では全戸検査で対応するということとしているところでございます。

茅野委員

 言っていることは分かるのですが、BSEであれば全部やりますよね。全頭検査は結構大変なのかもしれない。でも、これからの消費者のことを考えて、他の県でもし全頭検査をやり出したら、神奈川県もそれに追従することはあり得るのですか。

食品衛生課長

 その辺につきましては、他県での検査の結果や本県での検査の結果を踏まえまして、検査結果において高い値が出る状況、または多くの県で結果そのような状況があるという全国的な状況を見まして判断することになろうかと思っております。

茅野委員

 恐らく機器の問題で全頭検査というのは物理的な問題があって全戸検査となっているのだという認識を持っています。でも、本来消費者が安心するのは全部を調べて大丈夫だ。それが店頭に並ぶのが一番良いはず。物理的に今の段階では全頭検査は無理なのですか。

食品衛生課長

 現在、衛生研究所には2台の機器が入っておりまして、これは大気や粉じん等を測ることで多くの時間を割かれておりまして、その中で食品の検査、野菜などの検査も含めまして対応している状況でございまして、牛肉の検査の多くの数をやることが困難ということを踏まえまして、民間に委託しているところでございます。

 そして、先ほど申し上げましたように、12月以降、簡易検査機器が食肉衛生検査所に配置されれば、時間の短縮や合理的な検査ということも検討させていただきたいと思います。そこの中で、検査の可能性と必要性の面を判断いたしまして、対応を検討させていただきたいと思います。

山下委員

 次に、神奈川県感染症・結核予防計画改定素案について伺います。

 先日、手足口病が本年夏に流行したと聞いていますが、その状況を教えてください。

健康危機管理課長

 手足口病というのは、手のひらだとか口の中にぶつぶつができて、そんなに重くなる病気ではないのですけれども、毎年夏に夏風邪という感じで、はやります。今年は7月の中旬ぐらいに、県内212ある小児科に定点の報告をお願いしていまして、そこの医療機関から1週間当たり5人以上の患者さんが出てくると警報を発令することになっています。今年は7月中旬に7.12人という数字が出まして、それで全国的に28週目の7月11日から17日が最もピークになったようでございます。

 県ではそれからもうちょっと上がりまして、7月の末の週に10人を超える形になって、それからは収束いたしました。8月末には5人ということで警報レベルが下がりまして、最近まだ暑かったこともあって、また4人ぐらいというところをうろうろしていまして、ここで急に寒くなりました。これでかなり収束に向かうという状況でございます。

山下委員

 手足口病は神奈川県感染症・結核予防計画の対象となるのか伺います。

健康危機管理課長

 この病気も感染症法において5類というところに位置付けられておりまして、感染症法の規定する他の感染症と同様、本計画の対象となります。

山下委員

 それでは、計画に基づいてどんな対応をすることになったのかを伺います。

健康危機管理課長

 この病気は、県が指定した、先ほど申し上げた212の小児科の定点で、臨床診断に基づきまして、もしその病気だという判断がなされますと県に届出を行います。ここでサーベイランスをしながら、1週間ごとにどのぐらいの患者さんが出ているかということを監視しながら、正確な情報は県民の皆さんや医療機関に提供して、一定水準を超えれば警報を出させていただいて、注意してくださいと呼び掛けます。そういう形で正確な情報を提供して、まん延防止に努めていくという形になります。

山下委員

 私の周りでも子供たちが結構つらい目に遭っている。毎年なのでしょうけれども今年はひどかったという話です。予防でいうと、どういったものが最も効果的なのか教えていただけますか。

健康危機管理課長

 ウイルスが原因でございまして、予防には皆様御存じのインフルエンザと一緒で、うがいと手洗いの徹底というところが基本になります。移るのがやはり人から人へ、飛まつ感染と申して唾が飛ぶのを通じて、要は子供たちがぺたぺたしながら飛ばし合いますよね。それはそれで仕方がないのですけれども、ただ、そういうところから帰ってきたら、おうちに帰ったらきちんとうがいをして、手もきちんときれいに長く手を洗う。これが一番基本でございます。こういったウイルスの感染予防というのはみんな基本が大事でございますので、よろしくお願いします。

山下委員

 よく分かりました。

 続いて結核も対象となっているということですけれども、本県の状況を教えてください。

健康危機管理課長

 本県の結核発生状況につきましてはだんだん低くなっております。平成22年度の患者発生は1,577人。しかし4桁の数字の患者が発生しております。人口10万人当たりの新規登録の患者さんの数は17.4人ということで、全国は18.2人でございますので、全国水準よりは低くなっております。

山下委員

 今のお話の中で、本県は特に若年層の割合が全国と比べても高い。頂いた資料の中にも入っておりますが、特に相模原市41.7%、川崎市が36.5%と高い値を示しています。原因は何と捉えているのか。また、さらに対策への取組を伺いたいと思います。

健康危機管理課長

 御指摘のあった相模原市や川崎市というのは、実は今でも若い人たちがどんどん人口の増えている地域なので、若い人たちの比率がもともと高いのですけれども、それ以外に結核でどうして若い人たちが多いかということになるかと思うのです。特に多いのが20歳代から40歳代の方なのです。やはり働いている方が多いです。せきなどの症状が出てもすぐには病院に行かれないという傾向があります。発病から病院を受診するまでの初診に2箇月以上かかる割合というのが、全国と同様、神奈川県内で20%というところがございまして、そこでは全国との水準は余り変わりはないのですけれども、若い方はなかなか忙しい中で病院に行かない。それで悪くしてしまうという傾向があるようでございます。

 対策としましては、皆さんもお耳にしたことがあると思いますけれども、1週間以上せきが続いたりしたときにはお医者様にかかってみてくださいというところで、早めに医療機関にかかっていただく、分かりやすい情報の提供ですとか、正しい知識の普及に努めることが重要だと思っています。啓発ポスターやリーフレットなどの配布、掲示に努めさせていただいております。

山下委員

 また、その結核の中でも、近年多剤耐性菌が問題となっていると聞いております。耐性菌はどのようにして発生するのか教えてください。

健康危機管理課長

 耐性菌というのは結核の特効薬と言われているメインの薬があったりするわけですけれども、そういった薬の何種類かが効かないというものです。どのようにして生じるかというと、お薬を飲んだり飲まなかったりといった不規則な飲み方だとか、それから不適切な薬の組合せで治療をたまたま受けてしまったとか、また耐性菌を持った方から移るという場合とか、そういったことによって起こります。

 ただ、多いのが、お薬を途中でやめてしまったりというのが一番の原因ではないかと言われております。

山下委員

 この厄介な耐性を獲得した菌を保有する患者さんのケアが大事だと思うのですけれども、計画ではどのように取り組む予定なのか伺います。

健康危機管理課長

 まずはそういった耐性菌にかかる患者さんを少しでも少なくするためには、お薬を適切に飲んでいただく、お薬を途中でやめないということが一番の予防策になると思います。ですので、地域の医療機関と福祉事務所等との連携の強化によって、服薬支援と言いますけれども、お薬をきちんと飲むことをフォローしていくということを一番予防の重点に置きたいと思っています。

 どうしても耐性菌で患者さんが出てきますので、県内の4病院をあらかじめそちらの方で受け入れるということで、体制のあらかじめの強化というか、そういうことを計画でうたわせていただいております。

山下委員

 お話の中でも出てくるのですけれども、治療失敗脱落者という言葉がありまして、これの主な事例を教えていただきたいと思います。

健康危機管理課長

 結核を完全に治すためには、初めてお医者さんに診ていただいてから6箇月間は、普通は毎日お薬を飲まないとなかなか治らないのです。これが、熱がなくなったりせきだとか症状がなくなりますと、薬を飲むのも自己流で変えてしまったりやめてしまったりする方がいらっしゃいます。結核菌は完全に影がないという形にならないといけません。影がないという状態の前に薬をやめてしまうと、さっきの耐性菌の原因にもなります。治療失敗脱落は、最も顕著な例がそういった途中でやめてしまう、薬を飲み続けられなかった方たちということになります。

山下委員

 治療失敗脱落者割合なのですけれども、全国的には平成18年から22年のデータを見ますと、着実に少しずつ減少しておりますが、本県においては本年のデータで約1.1%上昇しています。それだけでも少し気になるのですが、同時に外国籍の方の割合、治療失敗脱落者の方の割合が1%上昇しています。この背景について、データ上だけ見ますと何らかの因果関係があるのではないかと、うかがえてくるわけでありまして、例えば言語の壁などもあるのではないかと予測するのですけれども、これらを踏まえまして、この上昇値をどう捉えているのか伺いたいと思います。

健康危機管理課長

 実は治療失敗脱落者の割合というのは、全国は、最近は着実に減っているように見えるのですけれども、全国でも実はそれなりに波があるのです。神奈川県の場合も、実は平成22年は5.84%で平成21年は4.75%ですから、ここだけ見ると1%増えているように見えるのですけれども、平成19年は7.56%だったり、波があります。外国人の方の割合というのは確かに、このところ増えておりまして、外国人の方の割合と治療失敗の方というのは、必ずしも分母も違いますので、そのままリンクしないとは思っているのですが、外国人の患者さんが増えているというのは一つの神奈川県内の結核対策の対象として、やはり対策をきちんとやらなければいけないことの一つの理由だと思っています。計画にも位置付けておりますけれども、基本的には委員も御指摘のように、通訳のことは、結核について病院とかお薬のフォローのときにも、多言語の通訳を派遣したりすることもやっておりますし、それからつい最近も外国籍の方をターゲットにして大和市で検診、それから相談会も開いておりまして、外国籍の方が言葉が壁になってこういったところにアクセスできなくて結核を悪くしたりしないように配慮させていただいております。

山下委員

 通訳の派遣と大和市の検診の実施など、そういった外国籍に対する取組は、素晴らしい取組だと思います。広い県域の中に外国籍の方がたくさんいらっしゃるわけですから、そういう機会を是非拡充していただきたいと思います。

 続きまして、つい先日新規エイズ患者について、新規で過去最多という報道がありました。これも本県についての状況を伺います。

健康危機管理課長

 委員のおっしゃる新規の患者は四半期ベースで過去最多というのが出たのですけれども、2011年の第2四半期、2011年の3月の末から6月の末までのデータだと思いますが、全国規模で患者の報告数が四半期ベースで過去最多という新聞記事のことをおっしゃっていると思います。

 実は、神奈川県ではこの四半期のデータだけ見てもいつもとそんなに変わりがなくて、年間ベースで見ましても、実は患者の数でいいますと平成19年をピークに減少傾向になっています。患者さんの数は、全県域で平成19年は37人が新規です。平成20年は26人、平成21年は24人、平成22年は22人という形で徐々に減る傾向です。今年もまだ、実は四半期だけで見ますと、神奈川県の中だけで見るとそれほどいません。やはり通年で見ませんと傾向が分かりません。オールジャパンであれば、四半期の数字というのは意味があるのかもしれませんけれども、そういった状況でございます。

山下委員

 徐々に減少しているということは、取組の成果だと思います。しかしながら、またこれも同一の調査でHIV抗体検査件数の減少が報告されています。これに関しても、本県の状況と啓発活動など、本県の取組を伺いたいと思います。

健康危機管理課長

 おっしゃるとおり、HIVの抗体検査も各保健所でやっておりますし、例えばそれから県では厚木市のYMCAでも土日の無料即日検査を出張でやらせていただいているのですけれども、この検査の数字は平成20年が今までで一番多くて、平成21年以降徐々に減っています。平成21年は、実は新型インフルエンザ騒ぎがありましたので、皆さんそこまで来てくれなかったかと思っていたのですけれども、平成22年は、上半期は増えましたけれども、平成22年はやはり減る傾向がありました。これも世間で言われているところですけれども、実はエイズというのは昔は死んでしまうというイメージがあったのですが、今は良いお薬が出ましたから本当に寿命を全うできる病気にだんだん変わってきているのですけれども、そういう良いところも含めてちょっと注目度が落ちているところがあるのですが、より多くの県民の皆様に抗体検査を受けていただきたいと思いますし、この病気の正確なことを知ってほしいと思っております。ホームページによる広報はもとより、県内の高校、中学でも、エイズだけでなく性感染症のことも含めて正確な知識を知ってほしいと思います。中学生に対しては基本的にそういうことも含めて広報させていただいております。

山下委員

 ここは、HIV抗体検査件数の減少はなるべく回避したいと思います。一番大事なところだと思いますので、意識の向上と正しい知識の啓発を是非強く要望してまいります。

 こちらのカテゴリーで、最後に本県における部分で院内感染の動向を伺いたいのです。

健康危機管理課長

 院内感染につきましては、最近本当に有名になってきましたのは多剤耐性の薬剤で定点とか全数報告の数字がありまして、バンコマイシン耐性腸球菌感染症とか、今年の1月から新たに報告対象になった薬剤耐性アシネトバクター感染症など6種類あります。

 県の傾向ですけれども、平年に比べるどうかというところでは、平年に比べて全然動きはありません。もともとなかったものが0件で来ていますし、それからいつもより多いとかというところも一切なくて、少し出ている。出ているものは出ているという状況で、集団発生についての報告もとりあえず今のところはございません。

 こういった形で、サーベイランスで異常を常に監視しながら、集団感染の疑いがあると、同じ地域から複数出てくるときには早めに手を打って、これはどうなの、同じ病院なのということも含めて、関係機関と連携して拡大防止もかなり早めに手を打つ態勢でやらせていただいております。

山下委員

 現況は出ていますし、先手の取組をされているということで安心いたしました。

 続きまして、先ほど山口委員も御質疑されていました地域支え合い体制づくり事業について、少し重複するかもしれませんが、違う観点から質疑していきたいと思います。

 地域支え合い体制づくり事業における補助事業で、実施する市町村は全部で何市町村あるのか。また、事業を実施する市町村への補助の規模はどのようになっているのかを伺います。

地域保健福祉課長

 地域支え合い体制づくり事業で補助を受けて行う市町村の数でございますが、9市2町の11団体でございます。事業数では26事業を実施することになっております。

 補助金の規模でございますが、この地域支え合い体制づくり事業の総額6億4,000万円、今回補正でお願いしておりますけれども、その約半分の3億2,600万円を補助事業として計上してございます。市町村ごとを申し上げますと、一番多いのは横浜市でございます。横浜市が全体の4割、約1億3,000万円の予算でこの地域支え合い体制づくり事業を実施するということで、7事業を予定しております。次に、小田原市は1事業で、金額的には多くて4,300万円。あと川崎市が8事業で3,100万円等々の状況になっております。

山下委員

 事業を実施する市町村数の数が県内市町村数の約3分の1ということで、少ないように思えるのですけれども、市町村に対して補助事業の参加をどのように働き掛けたのかを伺います。

地域保健福祉課長

 まず市町村に対する照会でございますが、県としては数回にわたり行いました。まず、1回目は文書によってこういった事業をやるので、手を挙げる市町村はないかという文書を4月に送りました。その後、なかなか少なかったものですので、市町村の関係、担当の課長等を集めた市町村会議でもう一度、こういう事業について積極的に行ってくださいというお願いを5月にいたしました。

 現在9月補正という状況になってきたのですが、その直前にもやはり市町村に対してあるいは関係各課から、直接電話等で照会させていただいたという状況でございます。都合、大きく3回に分けて市町村に対して照会させていただきました。

山下委員

 今お話しいただきましたとおり、数回にわたって県が働き掛けを行ったにもかかわらず、県内市町村の多くが事業を実施しようしなかった理由があると思うのですけれども、それをどのように把握されているのか伺います。

地域保健福祉課長

 まず、この事業について、市町村にとってみれば4月、5月という新しい事業がある程度軌道に乗っている状況の中での新たな取組ということでございますので、そういったことをこれから考える検討の体制が整っていないということと、もう一つはこれは単年度事業ということで、市町村にとってみれば、単年度事業で今年度限りで、継続して実施できる見通しがつかないということで、今回なかなか手を挙げられなかったと理解しております。

山下委員

 今回、補助を行う市町村事業の特徴がありましたら教えていただきたいと思います。

地域保健福祉課長

 地域支え合い体制づくり事業の主な特徴といたしましては、まず支え合い活動の立ち上げ計画を支援するというものと、あと地域支え合い活動の拠点となる整備をするということ、それから人材育成の3項目がございますというのは、先ほど御説明申し上げましたが、市町村事業でも同じ傾向でございまして、この三つの事業で上がってきております。

 まず、地域支え合いの新たな取組とか立ち上げ経費に対する、地域支え合い活動の立ち上げ経費の支援でございますが、これはやはり市町村の中で一番多い状況でございます。総事業本数、それから総額の金額とも一番多くて、事業費で1億9,400余万円、13事業が上がってきております。次に拠点整備、見守り等の拠点整備と人材の育成、この二つがほぼ同規模という状況で、拠点整備にかかる事業については7事業、2,600余万円、それから人材育成は6事業で2,400余万円という状況でございます。

山下委員

 今のお話の中で、市町村が地域支え合い体制づくり事業を実施しない地域に対して、県としてはどのように取り組もうとしているのか伺います。

地域保健福祉課長

 この地域支え合い体制づくり事業は基礎的な自治体である市町村が行うべきだと県としては考えておりますが、今回、取り組むところと、諸般の事情でなかなかできないところがあり、ばらつきがあることは事実でございました。したがいまして、県としましては、やはり今の高齢者の孤独死の問題とか買物支援、買い物弱者、こういったことを考えますと、これは県内共通の課題である、やるところとやらないところと関係なく共通の課題であるという認識の下で、県としてやれる事業を検討しようということで、今回地域支え合い体制づくり事業で、県実施の事業としてある程度取り組むことにいたしました。

 一つは県営住宅等での支援拠点づくりのモデル事業ということでございますし、もう一つはいわゆる県営住宅団地以外の自治会等々の地域支え合い活動を行うという、モデル事業として県が委託していますけれども、こういった事業をやっていこうということにしたわけでございます。当然、この事業の効果としては、やっているところとやらないところにすべからく情報を当然普及してまいりますので、何らかの支援になるという考えで、今回県として立ち上げたものでございます。

山下委員

 今のお話のとおり、市町村によっては取組にばらつきがある中で、どのように県のモデル事業の成果を普及させていくのかを伺います。

地域保健福祉課長

 今回県が行うモデル事業については、あくまでモデルでございますので、その成果を広めるというのが最終目標としてございます。ですから、今回県営住宅のモデル事業もそうですし、他の県営住宅以外の自治会等の行うモデル事業についても、年度末にある程度成果をまとめて、これを取り組む市町村、取り組まない市町村に関係なく、市町村を通じて自治会等にも普及しますし、市町村そのものにもお伝えしたいと考えてございます。

 当然、これは単に文書で送るだけではなくて、市町村の担当者、課長等を集めた会議の中で、お見せしながら事例等について、また普及させていくということも考えておりますし、先ほど県のモデル事業以外の市町村が補助事業で行う事業も一緒に他の市町村に対して普及させていこうと考えています。

山下委員

 今、県のモデル事業のみならず、市町村の結果も適宜普及させていただくということなので、紙だけではなく会議の場を通じてというお話もありました。是非そのように行っていっていただきたいと思います。

 地域支え合いに関する市町村への補助が今年度で終了するわけですけれども、他に県として市町村への支援についてどのように考えているのかを伺います。

地域保健福祉課長

 この地域支え合い体制づくり事業は、確かに今年度、単年度事業で終わるということでございますけれども、これは単年度事業というのは我々もある程度承知の上での今回の事業を構築したということでございます。次年度以降に新たな財政的な負担が生じないように、市町村もまた同じように事業に取り組んでいる。市町村でも、負担がない事業をある程度選びながら取り組んでいると理解しております。県は、今年度限りのこの事業について、この制度を広めるということを第一の主眼として考えております。それを普及するという形で、市町村に何らかの形の支援になればよいと考えているところでございます。

山下委員

 さっきの回答で、市町村事業の特徴で、立ち上げに対する支援が一番多いということです。13事業ということで1億4,900万円ということは、裏を返すと、それがもし大きな成果が上がったときに、助成を続けてほしいという声が上がってくると思うのです。それはそのときに柔軟な対応をしていただきたいと思います。

 次に、安心こども交付金事業費について伺います。

 安心こども交付金事業費について、こちらの補助率の確認と補助の対象について伺います。

次世代育成課長

 安心こども交付金事業といたしまして、今回子育てを応援するまちづくり推進事業費補助金の増額補正をお願いしているところでございます。この補助金の補助率は10分の10でございます。上限が1施設当たり500万円となっておりまして、補助対象は、県内に所在する利用者を限定していない民間施設において、子供連れの方の御不便を解消するための整備が対象となります。これは、具体的に申し上げますと、ショッピングセンターなどの商業施設ですとか、ファミリーレストランなどの飲食店あるいは病院、診療所などの医療施設などの、おむつ替えシートですとか授乳コーナー、子供用のトイレ、こういったものの整備が補助対象となっております。

山下委員

 こちらの事業なのですけれども、申込期間が5月16日から12月20日までとなり、そろそろ受付期間に終わりが近づいております。10分の10の補助事業ということで、また対象もすごく広くてとても良い事業だと思うのですが、申込状況はどうなっているのか伺いたいと思います。

次世代育成課長

 当初予算で5億5,000万円を計上いたしまして、5月中旬から申請の受付を開始いたしました。現在までのところ、1箇月当たりにいたしますと、大体1億5,000万円前後の御申請を頂いておりまして、交付決定を4億5,000万円とさせていただいております。

山下委員

 この交付金を活用する上で何か課題がありましたら、伺いたいと思います。

次世代育成課長

 先ほど申し上げましたように、基本的には10分の10補助ということで、活用をいただきやすい制度であろうかと受け止めております。課題ということであえて申し上げますと、例えば子供用トイレを整備していただくといった場合なのですけれども、これは安心こども基金の地域子育て創生事業というメニューを活用した事業でございまして、いわゆる施設整備は対象外となっております。ですから、例えば廊下とかロビーだったところに新しく子供用のトイレを設置するために、床とか壁とか天井など、いわゆる仕切りの変更を伴うとか、あるいは上下水道の配管工事が必要な場合は、施設整備ということで対象外になってしまいます。

 そういったことで、子供用のトイレを設置していただく場合には、トイレの中の既にある個室を活用していただくとか、一部掃除用具置場などを活用していただくとか、そういったことになるのですが、そういった場合、既存の電気などの撤去処分費用は対象外ということになりまして、昨今廃棄物の適正な処理ということで、こういった処分費用がかさむというケースもございまして、あえて申し上げると、その辺りが課題かと受け止めております。

山下委員

 それでは、この項目の中におむつ替えシート等という、等が付いているのですけれども、幼児用便座の整備も含まれているのか確認したいと思います。

次世代育成課長

 今お尋ねの幼児用便座というのは、洋式のトイレで、大人用の便座ではお小さいお子さんが落ちてしまうために一回り小さい便座を用意するものだということだと思うのですが、これも当然対象とさせていただいております。新たに幼児用便座だけをセットするという場合も対象ですし、既存の便座を外して、大人用の便座と子供用の便座がセットになったものに付け替えていただくといった場合も対象とさせていただいております。

山下委員

 それでは、その幼児用便座の整備状況を伺いたいと思います。

次世代育成課長

 既存の県内の一般の方の利用に供しているトイレの数までは把握しておりません。日常的な生活感覚からいたしますと、比較的新しくできたショッピングセンターとか、そういったところでは整備がされているところが多くなってきていると受け止めております。

山下委員

 申請状況についてはどうでしょうか。

次世代育成課長

 概略で申し上げますと、先ほど大体整備の申請の件数が450件ほど上がってきているのですけれども、この中でお子さんのトイレ関係の申請というのは意外に少なくて、6施設ほどになってございます。この6施設の中には、新たに子供用のトイレを整備していただく場合と補助便座のみの整備をしていただく、両方の場合とありますが、その個室の数の中にはJRのターミナル駅の駅ビルとかも含まれていますので、数までは把握できていません。

山下委員

 詳細にお答えいただき、ありがとうございます。

 私のところに、幼児用トイレについて整備数が少ないのではというお声がありまして、せっかくトイレトレーニングをされている親御さんが、幼児用トイレがないために、結局おむつの中にさせてしまっては意味がないという声が届いていまして、現状の把握は今難しいと言われましたけれども、今後の整備拡充を要望したいと思います。

 生活保護補助費について関連して、生活保護費について伺います。

 つい先日のニュースで、奈良県において生活保護費を不正受給した警備員を詐欺容疑で逮捕という記事がありました。警備会社に勤務して収入があったことを隠して生活保護費を計110万円ほどだまし取ったということだそうですが、本県において気になるところでございまして、不正受給の状況を伺いたいと思います。

生活援護課長

 生活保護の不正受給につきましては、不実の申請その他、不正な手段によって保護を受けることを言います。本県が所管します6保健福祉事務所の所管は、13町1村にございますけれども、過去3年間のデータで申し上げますと、平成20年度は13件、約580万円。平成21年度、11件、900万円。平成22年度、8件、480万円ございました。不正の主な理由は、いずれの年も最も多いのが稼働収入を申告しなかったというものでございました。

山下委員

 これはやはり警察との連携が大事になってくると思うのですけれども、警察との連携について、何か取り組んでいることを教えてください。

生活援護課長

 不正受給があった場合に、直ちに警察ということではなくて、ほとんどは本人に返還を求めるという方法をとります。しかし、不正受給期間が長かったり、不正受給に対して極めて悪質な方法を講じている場合は、状況を総合的に勘案して警察と相談して、告訴あるいは告発をする場合があります。

 警察とは、県の保健福祉事務所においては地区の他の福祉事務所とともに連絡会議を開くところもありますし、定期的に毎年警察と研修などを行うところもありますし、様々でございますけれども、特に暴力団員の生活保護については原則として対応しないこととしておりますので、疑いのある人について警察に日常的に照会するなど、日頃から連絡、連携を図っているところでございます。

山下委員

 分かりました。日頃から連携を図ってくださっているということで、是非お願いしたいと思いますが、今3年間の推移を教わったのですけれども、これですと不正受給の発覚した件ということですが、今のお話の中で、本当にひどいときしか告訴とかに至らないというお話がありましたが、この中で実際にそこまで至ったケースというのはあるのでしょうか。

生活援護課長

 そこまでのものはございませんでした。

山下委員

 私も議員をしておりますと、生活保護に関する話題というものが、今この不況の中すごく多くて、不正受給というものがやはり大きく悪いイメージにつながりかねないというところもありますので、本当に厳しく発見していっていただきたいと思います。

茅野委員

 今のお話の中で、告訴はしないということです。そうすると、今3年間で結構ばらつきがあったのだけれども、不正受給のお金というのはきちんと回収されているのですか。そこのところを確認したい。

生活援護課長

 回収の方法ですが、一括であったり分割であったりしながら、全て返還手続をとっておりますが、この3年間の手元にあるデータですと、合計1,960万円でしたけれども、これに対して今年の3月末で330万円戻ってきている。まだ分割をしておりますので、収入がなく生活保護費の中でやりくりをして5,000円とか1万円とか、そういう金額で返しておりますので、かなり先になりますけれども、今のところこの3年間の不正受給については、330万円返ってきているという状況でございます。

茅野委員

 1,900万円で300万円ですから、6分の1ぐらいかな。それは、Aさんが例えば100万円を不正受給して、それを最短で何年ぐらいで返済できるのですか。最長で何年なのか。その辺のことはきちんと分かっているのですか。

生活援護課長

 一概に100万円を何年間でということはございません。もし100万円ということでしたら、月々の生活の動きと、就労をしていれば、月ごとのそれなりの分割金額を決めて払っていくということを相談しながら返還を促していくということです。最初に計画を決めて返還を促していく。大概はもう消費してしまっていましたり、お年寄りだったりしまして、就労の手立てがない方が多いので、どうしても生活保護費の中から少しずつ返していくという方法をとっている状況でございます。

茅野委員

 生活保護を受けていて不正に受給したということは、それ以上のものを受けて、それを消費してしまったか、蓄財されるかよく分かりませんが、生活保護費から返済させるわけですか。生活保護費というのは最低限の文化的生活をするために、国家がある意味国民に提供しているわけですね。ということは、論理的には返済できるんだから、それ以上のものを提供しているということですよね。ということは、60歳代、70歳代の方が毎月1万円で10万円で100万円だったら10年かかるわけですね。もしかしたら返せないかもしれないですよね。それを見越しながら、やはりどこかで歯止めをかけなければいけないですね。今までなぜ不正受給が分からなかったのかという重要な課題になってきますよね。だって、今聞いただけでも返済がほとんどできていないのが現状だという認識の中で、それで返済も余り請求をされていないということです。生活保護を受けていて、なおかつそこの中から1万円を返済してくださいということです。論理的に一般の方々に理解ができるのかと、若干私は疑問に思う。不正受給そのものが悪だという認識をきちんとさせてもらいたい。それでなおかついい生活をしながら最後は適当に受給を受けていればいいということでは、何か誤解されてしまう気もします。

 もう一度聞きますけれども、毎月最高幾らまで返済させられるのですか。

地域保健福祉部長

 約1,900万円余りの、これまで県所管域での不正受給があったわけでございます。私のところにもそういう返還を求める保健福祉事務所から文書が回ってくるのですけれども、いろいろなケースがございます。生活保護をもらいながらちょっとしたアルバイトをした。こういうのは、そのアルバイトが続いている間は、その中から幾ばくか1万円とか2万円返していく。それからもう御高齢だけれども、何かの保険金をもらってしまったとか、いろいろなケースがあります。あるいは、同居している高校生が、親が扶養義務者になっているけれども生活保護を受けている。その扶養について、生活保護の対象になっているわけですけれども、高校生がアルバイトをして、それを言わないでいた。これも世帯として収入を見ますから、返還の対象になる。いろいろなケースがありますので、一概には言えませんけれども、就労が継続している方の場合はそれに見合った金額で、ある程度最低限度の生活が営める水準で、月に多い方ですと3万円とか、返還額を決めます。もう生活保護の制度だけが収入で御高齢で就労も難しい。たまたまそういう方で不正受給が見付かったという人は、月に2,000円とか3,000円を返済するという方もいらっしゃいます。ですから、かなり長いスパンをかけて、でも基本的に返していただくというスタンスで臨んでいるところでございます。

 ですから、個々のケースで事情が異なりますので、そこを御理解いただければと思います。

茅野委員

 個々のケースはあるのでしょうけれども、稼ぎがあっても生活保護のお金はもらえるということですか。プラスアルファの収入を、もし今返済する必要がなかったら、プラスアルファの収入で余裕ができるということですよね。例えば、生活保護として10万円の収入がある。3万円稼いで、13万円となる。その中から1万円、2万円を返すということですよね。

地域保健福祉部長

 アルバイトが続いていれば、その収入で返していただければいいわけですけれども、もしそういう収入がない場合は、必要生活費から返す部分の生活レベルは落とさざるを得ない。そういう取扱いをしております。

生活援護課長

 生活保護は、アルバイトをした場合に、その方の最低生活費に満たない部分を補てんする制度ですので、例えばその方の生活費が13万円かかる。4万円しか収入がないといった場合、残りの9万円が生活保護費として出るものです。アルバイトをしている方は、生活保護をずっと継続されていない方もいますし、就業して生活保護を廃止された方については、就業による収入から3万円とか4万円、あるいはもっと多額な金額を毎月返していただくという設計をいたしますし、もう高齢で何もできない、年金もないという方については、生活保護費から3,000円や4,000円を返済していただく場合もあります。

茅野委員

 細かいケースについては難しい部分があると思いますが、免除をする場合もあり得るのですか。いわゆる生活保護における不納欠損額は把握されているのですか。

 不正受給の不能欠損について、年間でどのぐらいが不納額になっているか、把握はされているのですか。

生活援護課長

 不納欠損額になりますけれども、この3年間の不正受給に関しましては、まだ不納欠損は生じていないと把握しています。

茅野委員

 関連ですので、この辺で結構です。

山下委員

 お話を聞いていますと、個々のケースで本当に現場の方が御努力されていると思うのですけれども、1人のケースワーカーが担当される人数は、80人を超えるという話もありますし、負担がすごく大きいと思います。ですが、是非不正受給に関してはしっかりと目を光らせていただきたいと思います。

 先日、厚生労働省が10万人当たりに占める自殺者数を示す自殺率において、生活保護の受給者の自殺率は平均の倍だったという調査結果を公表しました。その主たる要因は、やはり生活保護者の方に精神疾患を抱える方の割合が高いためだろうと厚生労働省は言っています。福祉施設へ相談に応じる専門家の配置を増やす支援策を検討するということを言っております。具体的な施策はこれからだと思うのですけれども、国の動向を捉えつつ、この点においての調査研究を是非していただきたいと要望いたします。

 次はがん対策推進費です。先ほど山口委員が、私の質疑したいことを全て言ってくださいましたので、1点だけ要望させてください。

 企業へのアプローチということなのですけれども、是非同時に取り組んでいただきたいのは、がん患者に対する職場の理解の推進です。大規模なアンケート調査を実施した事例があります。就労しているがん患者の方の4人に3人が今の仕事をそのまま続けたいと希望しているにもかかわらず、そのうちの3人に1人は診断後に解雇や依願退職など転職を迫られています。全体の約4割が収入減となっています。さらに就労者の6割が雇用の継続に不安を抱えており、3人に2人は上司や同僚の理解が必要と考えています。未就労者の8割が就労を希望している実態があります。雇用となりますと、担当の部局が変わってくるということは重々承知しているのですけれども、企業へのアプローチの中に、そういった点を是非考慮して取り組んでいただきたいと強く要望いたします。

 次に、放射能測定調査体制の強化について伺います。

 本県にモニタリングポストが5基配分されるということです。資料を頂いておりますが、国の配分の考え方について、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。

環境衛生課長

 文部科学省は7月末に成立いたしました第二次補正予算の中で、これまで実施しております委託事業の強化策として、全国にモニタリングポストを250基増設することを決定しました。国の配分の考え方の概要につきましては、資料に記載しているとおりでありますが、本県へ配分数を5基とした国の考え方には大きく三つポイントがあります。

 まず一つ目のポイントですが、各都道府県に対して一律3基を配置するという考え方です。

 二つ目のポイントは、原子力施設の数に応じて立地道府県に対し1基から3基を追加するという考え方です。本県の場合は、原子力関連施設は川崎市に1箇所と横須賀市に1箇所、計2箇所ございます。これら2箇所が近接した施設として併せて1箇所として扱われまして、モニタリングポストを別に1基追加するという国の考え方でございます。

 三つ目のポイントでございます。放射性物質について一定量の拡散が実測されました東日本エリアの15都県に本県が含まれるとして、1基を追加するという考え方でございます。

 これら三つの観点から、計5基が本県に配分されることになりました。

山下委員

 それでは本県の隣接都県のモニタリングポストの配分数はどのようになっているのか伺います。

環境衛生課長

 本県に隣接する都県でございますけれども、具体的には東京都、山梨県、静岡県及び千葉県でございます。1都3県が該当いたします。こうした隣接都県に対しましてモニタリングポストの配分数でございますけれども、報告資料に記載しております国の配分の考え方に基づきまして、東京都と山梨県には4基ずつ、静岡県には7基、千葉県には6基を配分したと文部科学省から聞いております。原子力施設がない東京都や山梨県は本県よりも少ない配分となっておりまして、原子力発電所立地県又は原子力発電所隣接県で、さらに可住地面積を考慮するということです。これは行政面積から林野の面積と湖沼の面積を除いた面積を可住地面積と称していますが、可住地面積が広い静岡県や千葉県は本県よりも多く配分されていると聞いております。

山下委員

 モニタリングポストの配置について、何らかの連携をとっているのか伺いたいと思います。

環境衛生課長

 今回のモニタリングポストの増設は、文部科学省の委託事業といたしまして実施するものです。本県の増設分5基を含めました全国250基のモニタリングポストによる測定データは国が一元管理していくものであると聞いております。

 なお、国は全国に配置するモニタリングポストによる空間放射線量の測定データを常時監視、公表するシステムを構築する方向で検討を進めていると承知しております。

山下委員

 常時監視と、国の一元管理ということです。よく分かりました。

 それでは、先ほどの資料に、本県に配分されるモニタリングポスト5基の配置場所を掲げておりましたが、これはどのような過程を経て決定するのか伺います。

環境衛生課長

 本県に配分されますモニタリングポスト5基の県全体での配置の考え方については、資料に記載しているとおりでございますけれども、実際の配置に当たりましては、できるだけ周囲の建物や樹木等の障害物の影響を受けない平たんな場所で、特異な気象条件によるデータの偏りが生じない場所を選定するよう文部科学省から周知されております。したがいまして、県の北東部、南東部、中央部、北西部及び南西部の五つの地域におきまして、モニタリングポストを設置する施設の候補を複数選定した上で、半径2メートル以上が平たんで樹木に覆われていない場所であり、なおかつモニタリングポストの検出部と周囲の建物との距離が5メートル程度離れているなどの点から現地調査を行いまして、国が示しました配置条件に合致するかどうか具体的に検討しながら決定してまいります。

 これまで、建物の屋上に設置するなど、周りに障害物のない場所が確保できておりましたけれども、今回は地上1メートルの空間を計測するということになったため、今お話しした条件をクリアする場所の選定に大変苦労いたしました。5箇所を決めるために15箇所の現地調査を実施したものです。私も含め全部の候補地を回りまして、衛生研究所の研究員も同行して現地を選定してまいりました。

山下委員

 よく分かりました。それでは、現在県の衛生研究所に設置されているモニタリングポストと今後増設されるモニタリングポストとの計測データの取扱いはどうなるのか伺います。

環境衛生課長

 衛生研究所に設置しておりますモニタリングポストによる空間放射線量の測定は、24時間連続して行っております。測定データの公表に関しましては、現在は職員の手作業によりまして1日3回、県ホームページを更新している状況でございます。

 今回増設するモニタリングポストの5基の設置に伴いまして、既存のポスト1基を合わせました6基の測定データにつきましては、データ収集サーバーを設けましてオンライン化し、国に送信することになります。こうしたオンライン化に伴いまして、県内6箇所の測定データを迅速に公表できるものと考えております。

山下委員

 今までは職員の方が1日3回手作業ということで、大変だったと思いますが、今後オンライン化するということで、速やかなるデータ収集が可能になるということです。大切なことだと思います。

 それでは、もう1点伺います。モニタリングポストの維持管理費については、果たしてどんなものがあって、またそれらについても全額補助の対象なのかを伺いたいと思います。

環境衛生課長

 現在、衛生研究所に設置しておりますモニタリングポスト1基の維持管理費には、保守点検費の他、電気代や消耗品代があります。今回、新たに5基増設することによりまして、測定データのオンライン化に伴う通信回線費などの増額が見込まれると考えております。

 先ほど説明したとおり、モニタリングポストの空間放射線量の調査事業につきましては、文部科学省の委託事業といたしまして実施するものです。今回増設される5基と既存の1基も含めまして、今回増設する機器の整備費や今後の維持管理費等については、全て国の委託費により賄われることになります。

山下委員

 1点だけ気になったのですが、今のお答えで、オンライン化されるということなのですけれども、有事の際に気になるモニタリングポストの数値が電気に頼っています。オンライン化されるとなると、計測の継続性に少し問題がある気がしたのですが、この点について何かあれば伺います。

環境衛生課長

 委員のおっしゃるとおり、確かに有事の際には計測ができなくなることが想定されます。今、福島県とか茨城県などで、モニタリングポストが全て計測できなくなっていると承知しております。

 今回のこの環境放射能水準調査ということに関していいますと、平時のときの今の放射線レベルはどのぐらいであるか調査するのが本来の目的でございまして、有事の際は有事の際の対応がございます。確かに電源は喪失してしまうので計測できなくなることになりますが、今回の事業目的は、現状を把握するというレベルということになります。

山下委員

 続きまして、衛生費について伺いたいと思います。

 医療のグランドデザイン策定についてなのですが、こちらも先ほど山口委員が質疑されましたが、私と観点が異なっているため、質疑させていただきたいと思います。

 現在、医療のグランドデザイン策定に向けて、プロジェクトチームにおいて検討が行われていると承知しております。私自身、東洋医学の融合・統合、特に漢方について効果が実証され、病に苦しむ方々の助けになるなら、活用に向けて推進すべきと思っておりますが、現状では課題も多いと思います。そこで数点伺います。

 まず、医療のグランドデザイン策定プロジェクトチームの中で、西洋医学と東洋医学の融合については、現在どのような検討がされているのかを伺います。

医療課長

 医療のグランドデザイン策定の中での東洋医学と西洋医学の融合についての質疑でございますけれども、その点に関しましては開かれた医療、あるいは透明性の確保という視点の中で現在検討しているところでございます。具体的には、患者の治療の選択肢の多様化を進める上で、東洋医学を取り入れることは必要ではないかという考え方から、医療関係者に対する東洋医学の教育の在り方とか、県民への東洋医学に対する理解の促進などを検討していきたいと考えております。

 プロジェクトチームでは、これまで3回検討会を開催しておりますけれども、東洋医学と西洋医学の融合については、第3回で初めて検討させていただきました。会議では、まず東洋医学の認知度を上げることが重要である。あるいは東洋医学と西洋医学、両者の認識が大きくかい離していて全くかみ合わないが、未病を考えると東西の医療の融合が必要であるとか、医食の同源あるいは未病の診断が確立すれば東洋医学と西洋医学の融合が進むのではないかと考える。あるいは、県から独自に大学で東洋医学の教育を提案されても、大学教育の中では、文部科学省のガイドラインに沿って項目として規定されているので、対応に苦慮するなどの御意見を頂いているところでございます。あるいは、先ほども言いましたように、研究所をつくったらどうかという意見も頂いているところです。

山下委員

 今回3回目で、とりあえず初めての検討ということで、漢方は既に治療に取り入れられているということは承知しているのですけれども、今後より広く取り入れていくためには、やはりエビデンスを確立する必要性が課題となってくると思います。プロジェクトチームで漢方のエビデンス確立について、議論がされていれば伺いたいと思います。医療課長

 漢方に対するエビデンスというところの御質疑ですけれども、第3回のプロジェクト会議の中で、漢方については余り認識されていないのだけれども、漢方だからといって副作用がないわけではない。県として取り組む覚悟があるなら、科学的根拠を確立するために、東洋医学の研究所を設置して、東洋医学の良いところを解析していく必要があるとの御意見を頂いたところです。

 委員御指摘のように、今後漢方をより幅広く治療に取り入れていくためには、漢方のエビデンスの確立が課題であるということは認識しております。現在、国の支援の下で、大学など研究機関において、漢方のエビデンス確立のための研究が行われておりますので、この動向も踏まえながら、県として漢方の普及についてどのような取組ができるか、今後プロジェクトチームでの検討を進めてまいりたいと考えております。

山下委員

 聞いた話によると、このプロジェクト策定委員の中に東洋医学に精通された先生がいらっしゃるのですけれども、まだ3回目の会議にも来ていないという話を聞いていますが、その点の事実確認をしたいと思います。

医療課長

 御指摘のとおり、北里大学の漢方の研究所の所長であった方ですが、なかなかお忙しくて、これまでの3回の会議に御出席いただけておりません。ただ、第5回には出席されるということですので、そのときに西洋医学と東洋医学の融合の話を議論させていただきたいと思っております。また、出席はいただけませんが、毎回資料等をお送りしておりまして、意見等があれば頂きたいということで確認をとっております。

山下委員

 それでは、医療のグランドデザイン策定まで、このプロジェクトチームの会議をあと何回開催する予定なのかを伺います。

医療課長

 一応トータル14回ということを予定しております。

山下委員

 先ほどの答弁の中で10年を目どに策定するという中で、大事な検討事項になっている東西医学の融合について、その一番中核となる方が5回目から参加ということで、残りの期間で、本当に煮詰められるのかという疑問があったのです。14回というお話を聞きました。今後議論が活性化すると思いますので、期待していきたいと思うのです。要望といたしまして、漢方については、今多くの書籍やインターネット上で様々な情報があふれています。知事の本になるのですけれども、末期がんなのにステーキを食べ、苦しまずに逝った父ということで、所信表明のときにも強くおっしゃっていたので、この本を読ませていただいて、中に書いてあることが本当でしたら本当に漢方の力はすごいと思ったのです。

 これを、多くの方に広めていくには、やはり税金も使うわけですから、医学的根拠に基づかなければいけないと思っております。知事はこの本の中でも、東洋医学はエビデンスが取りづらいとしきりに言っているのですけれども、絶対に取れないというわけではないと思います。東西医学の融合の推進に当たっては裏付けをしっかり取っていただきたいと思います。インターネットで、がん、漢方と検索すると、ものすごい数の怪しげな薬がたくさん出てくるわけでございます。がん患者の方等はわらをもすがる思いでおります。そういった面においても早急に動いていただきたいと要望させていただきたいと思います。

 続きまして、救急医療体制策定費について伺います。

 AEDをパトカーに20台配備という情報がありました。これは本県で初めての全国的取組なのか、若しくは他県で先行しているのかを、確認のため伺いたいと思います。

医療課長

 他県の配備状況ですけれども、鳥取県、熊本県、京都府、奈良県の4県にこれまで配備されていると県警本部から聞いております。

山下委員

 すごく先進的な取組で、本県で初めてなのかと思ったのですが、4県が先行しているということです。その状況も見て、いろいろ推進を図っていただきたいと思います。

 続きまして、臓器移植について伺いたいのですけれども、我が会派の飯田議員が先日の一般質問において、臓器移植に関する取組について質問をしました。当常任委員会においても確認を含め、もう少し詳細な質疑をさせていただきたいと思います。

 平成9年に制定されました臓器の移植に関する法律ですが、これにより臓器移植の基本理念や必要な事項が規定されましたが、平成21年7月に臓器の移植に関する法律の改正により、その手続等制度が見直されました。この採択に伴い、臓器移植制度はどのように変わったのかを伺います。

保健予防課長

 我が国の臓器移植の歴史でございますけれども、昭和33年に角膜移植に関する法律が成立しました。また、昭和54年に角膜及び腎臓の移植に関する法律が施行されまして、これまでは角膜と腎臓この二つのみが法的には移植できたということです。心臓や肝臓など重篤な疾病を持っている方は、どうしてもという場合には海外に行かざるを得なかった状況でございます。

 平成9年に臓器の移植に関する法律が施行されまして、従前の腎臓や角膜に加えまして新たに脳死後の心臓、肝臓、肺、腎臓、すい臓、小腸、こういった臓器移植についても、本人及び家族の同意があった場合にのみ移植ができるということになっております。ただ、このときの法律につきましては、本人の書面による生前の意思表示、それから家族承諾が必要というかなり厳格な規定がございましたので、特に意思表示につきましては、15歳未満の方からの意思表示は基本的に認めないということでしたので、お子様の移植はできなかった状況がありました。こういったものを踏まえまして、平成21年7月の改正におきましては、臓器摘出に係る脳死判定について、新たに本人の意思が分からない場合においても、家族の同意があれば脳死の時点での提供が可能ということになりました。

 この結果、今までお子様について、脳死での移植ができなかったことが可能になったということ、また、当人の意思が不明な場合でも家族が承諾することによって、脳死時での臓器提供ができるようになったこと、また、さらに第3点目としましては、臓器を提供する意思に合わせて、親族に対して優先的に臓器を提供したいという親族優先提供の意思表示も可能になったことが新たな制度改正になっているところでございます。

山下委員

 制度の主な改正点は理解しました。

 次に、移植実績について伺います。全国及び本県におけるこれまでの臓器提供、移植の件数の推移についてどのような状況になっているのか伺います。また、県内の移植可能医療機関の数は幾つあるのか伺います。

保健予防課長

 全国の臓器提供の推移でございますけれども、心臓停止後の提供と脳死状態からの提供がございますが、まず心臓停止後の臓器提供の推移で申し上げますと、全国の場合、毎年約90件前後が心臓停止後の臓器提供数でありましたけれども、昨年7月の改正臓器移植法の施行後、脳死状態からの提供が増えた分、逆に心臓停止後の臓器提供件数は減少している状況でございます。また、逆に脳死状態からの臓器提供につきましては、平成21年までは毎年10件前後であったものが、昨年の7月の改正臓器移植法施行以降、急増しておりまして、平成22年は32件、うち法改正後の7月17日以降は29件発生しています。また、本年も8月末時点で既に29件となっております。

 次に、移植件数の推移でございますけれども、これは脳死あるいは心停止に関係なく臓器提供をしているので、そちらの件数を合計しますと、平成21年は213件、平成22年は293件、今年は8月末時点で既に226件ということで、脳死による提供が増えた分、移植の数も増えているという状況にあります。また、本県の臓器提供の推移でございますが、脳死の提供につきましては、平成9年の法施行後から今年の8月までで10件という数でございますけれども、うち4件は改正臓器移植法の施行後ということです。本人同意が得られていなくても家族の同意によってできるということから、今までずっと長い間かかって6件だったものが、ここ1年半で4件が加わったという状況になっております。

 また、心停止後の臓器提供の推移でございますけれども、こちらもやはり全国同様の傾向で、脳死状態からの提供が増える中、心停止後の臓器提供の推移というのは減っているという状況でございます。

 最後に、県内の移植医療機関の数ですが、移植可能な医療機関というのは、臓器ごとに決められておりまして、実は神奈川県内で移植ができるのは腎臓だけでございます。なおかつ、神奈川県でできるのは6病院ということになってございます。

茅野委員

 今、6病院というのですけれども、神奈川県の具体的な病院名は出せるのですか。

保健予防課長

 具体名を申し上げますと、県内の4医大病院で横浜市立大学附属病院、東海大学医学部付属病院、北里大学病院、聖マリアンナ医科大学病院に加えまして、川崎にございます虎の門病院の分院、横浜市浦舟町にございます横浜市立大学附属市民総合医療センター、計6病院でございます。

山下委員

 臓器の移植に関する法律改正により15歳未満の者からの脳死状態での臓器提供も可能となりましたが、脳死状態からの移植と心停止後の移植の違いについて伺います。

保健予防課長

 いわゆる人の死と言われているのは、通常我が国の場合には心臓停止です。これは、呼吸の停止、心臓の停止、瞳孔の散大、いわゆる瞳孔が開いたままになってしまう。この三つで判断するわけですが、医療技術の進歩によりまして、脳機能がなくなっても心肺機能は人工呼吸器等で維持されている、こういう脳死状態が生じてきたということもございまして、そういった意味で、心臓停止とそれから脳死状態の停止ということが非常に問題になってきている状態でございます。我が国の場合には、基本的には人の死というのは心臓が停止した状態と規定しておりまして、いわゆる脳死状態で臓器提供ができるのは、あくまでも臓器提供を前提とした場合に限って脳死を人の死ということで認めて、臓器提供を許可するということでございます。

 大きな違いというのは、そういった脳死状態の場合には脳死判定をまずしなければいけない。これは厳格な基準で、2回以上繰り返して同じ結果が出ないと認められないということ、それからあと、脳死とそれから心臓停止の場合では、移植できる臓器が異なってくるということがございます。心臓停止の場合には腎臓とすい臓、眼球ですけれども、脳死の場合には、さらに心臓ですとか肝臓、肺、小腸、こういった主立った臓器まで提供することができるということが大きな違いだと思います。

山下委員

 臓器を提供する、しないという意思の表示は大変重要であり、より多くの方々に意思を表示していただきたいと考えますけれども、現在の臓器提供について意思表示の方法はどのような方法があるのかお伺いいたします。

保健予防課長

 現行の臓器の移植に関する法律に基づきますと、第2条におきまして、臓器提供に関する意思は尊重されなければならないという理念をうたっております。あわせて第6条では、医師が臓器を摘出するケースとして、臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき、または遺族がいないときを規定してございます。そのため、存命中に臓器提供に関する意思表示をされるということは非常に大切なことだということで、県としての普及啓発の中で、意思表示をなるべく多くの方にしていただきたいという働き掛けをしております。現在あるのは臓器提供の意思表示カードやシール、これに臓器提供をしてもいい臓器に丸をしていただいて、自筆署名をしていただく。これが一つ。それから、希望しない場合には丸を当然しなくていいですが、運転免許証あるいは医療保険被保険者証裏面に、臓器提供の意思表示欄の記載ができましたので、そちらにやはり丸をしていただくことができるようになったということです。また、(社)日本臓器移植ネットワークが運営しますインターネットから臓器提供の意思表示ができるようになっております。ただ、これは最終的に書面でしか効力が得られませんので、ネットで登録して、そこから御自宅にカードが送られてきますので、それに署名することで臓器提供の意思表示が表せるといったことがございます。

 一応、その四つが主な方法だと思います。

山下委員

 四つの手段があるということです。私もインターネットでアクセスしてみました。少し複雑な手順みたいなのですが、オンラインでもできるということは素晴らしいことだと思います。

 次に、臓器の移植に関する法律では国及び地方公共団体の責務が規定されていますが、臓器移植に関わる本県の役割とその取組状況について伺います。

保健予防課長

 本県の臓器移植での役割というのは二つあると認識してございます。まず第一は臓器の移植に関する法律の第3条の義務規定で、国及び地方公共団体に対しまして、移植医療について国民、県民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと規定してございます。そのために、先ほど来申し上げています臓器移植について正しく理解していただくということ。さらに、臓器を提供するしない、この意思表示をしていただきたいということについての普及啓発に、今努めているというのが1点ございます。

 また第2として、平成9年の臓器の移植に関する法律の成立に基づきまして、新たに臓器あっせん業務が発生しております。この中で、日本臓器移植ネットワークには、コーディネーターがいて、臓器あっせんのコーディネートをしていただくわけですけれども、まだまだ数が足りないということで、国の要請に基づきまして今現在都道府県で、臓器移植コーディネーターを設置しまして、通常は県民への普及啓発活動を行い、もしそういった臓器提供のお話があった場合には、そちらに行ってあっせん業務に携わる活動をしてもらうようにしてもらうことが県の役割だと認識しています。

山下委員

 続きまして、臓器移植に際して、臓器あっせん業務や関係機関との連絡調整などを行う臓器移植コーディネーターのお話がありました。非常に役割は重要だと思います。県が設置する臓器移植コーディネーターの人数の推移、また、全国の臓器移植コーディネーターの配置状況について伺います。

保健予防課長

 本県の臓器移植コーディネーターの配置状況の推移でございますが、平成9年の法施行後、平成10年ぐらいから、平成17年度までは北里大学病院で1名の方にコーディネーターとして活動していただいてきた。ただ、やはり非常にハードな仕事で、日夜、深夜時間帯を問わず発生すると飛んでいかなければいけない。また、臓器の提供という非常に重いテーマですので、非常に心労がある。1人では大変だということで、平成18年から2名体制にしました。県内に4大学病院に輪番制でお願いしてきたという状態でございます。そういった意味で、平成18年から20年までは2名を配置しています。平成21年から22年度までは、3名体制ということにしておりますが、今年度からは4名体制ということになっております。かながわ健康財団から2名、それから4大学病院の中から2名という体制になってございます。

 次に、全国の都道府県の臓器移植コーディネーターの配置状況につきましては、9月13日時点で各都道府県に直接お伺いしたところ、4名置いているというのは神奈川県のみとなっております。43都道府県においては1名の配置です。茨城県、静岡県、香川県、この3県については2名設置しているといった状況でございました。

山下委員

 4名は本県だけということですね。素晴らしい状況だと思います。

 県の役割として、臓器移植コーディネーターの設置の他、普及啓発の実施も求められておりますが、現在県がどのような取組を行っているのか伺います。

保健予防課長

 普及啓発につきましては、毎年様々なメディアを使って行っております。県のたより、ラジオ、こういったところで臓器提供の意思表示の大切さを訴えて、皆さん是非協力してくださいというお願いをしています。あとは日本臓器移植ネットワークやかながわ健康財団と連携しています。例えば今年は10月が臓器提供普及推進月間になりますので、車内広告で登録を呼び掛ける案内、街頭キャンペーン、イベントなどに出向いていって、そういったところで意思表示カードを配布するといった活動をしております。

 また、特に10月は臓器提供普及推進月間でございますので、県内の各市町村保健所、医療機関あるいは高等学校等に、臓器移植に関するポスターの掲示、あるいはリーフレット等を配布していただく。こういったことで、特に若い方においても是非積極的に取り組んでいただきたいという活動をしております。また、県内で臓器提供あるいは移植を考える活動に取り組んでいらっしゃる医療従事者等の団体の方もいらっしゃいますので、そういった方々と連携したシンポジウムもまた10月には実施していきたいと考えております。

山下委員

 それでは、臓器移植に関して本県が捉えている課題を伺っておきたいと思います。

保健予防課長

 臓器移植については、まだまだ国民の皆様にどれだけ意思表示していただけているのかというのがつかめていません。そういった中で、さらに普及啓発に努めていかなければいけないということが大きな課題だとは認識しております。その他、国のレベルでまず考えていただきたいのが、先ほど申し上げました都道府県臓器移植コーディネーターの設置につきましては、厚生労働大臣の許可で日本臓器移植ネットワークが認可されて、唯一あっせん業務を行っています。そういった中で、国が都道府県に設置の協力を依頼しており、一般財源化された予算で県が措置して、臓器移植コーディネーターを配置している状態でございます。国レベルでしっかりと臓器移植ネットワーク、臓器移植コーディネーターを充実させてほしいというお願いをしております。

 また、今後の改正された臓器の移植に関する法律の下、家族の同意のみで臓器移植ができますと、今後さらに脳死における移植が増える可能性が大きいと考えてございます。そういった場合、特に提供医療機関においては、その間手術室を使って摘出しなければいけない。あるいは摘出のために人手を要する。こういったことで、かなり通常の医療サービスの提供に当たって負荷がかかるという状態になっています。ますますこういったケースが増えるにつれて、診療報酬が見合った形になっていなければならないと思います。そういった部分について、やはり国もよく見ていただきたい。せっかくこういった環境が整ってきましたので、医療機関側が積極的に実施してもいいという条件を整えてあげないと、そういった機運に水を差すことにもなります。診療報酬等の評価の実態をしっかり把握して、国に考えていただきたいと認識しております。

山下委員

 今後県では臓器移植に対しどのように取り組んでいこうと考えているのかを最後に伺いたいと思います。

保健予防課長

 基本的に、臓器を提供する、しないは、個人の考えによるものです。強制するわけには当然いきません。まず我々としては普及啓発で、臓器移植はこういうものだということをしっかり理解していただくことが大事だと考えております。一人でも多くの県民の方に、意思表示をするのか、しないのか、考えていただきたいという活動を推進するというのが我々が課せられた役目だと考えております。引き続き県内の関係機関とも連携しながら、普及啓発に努めていきたいと考えております。



8 次回開催日(10月4日)の通告



9 閉  会