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神奈川県 神奈川県

平成23年  厚生常任委員会 07月04日−01号




平成23年  厚生常任委員会 − 07月04日−01号







平成23年  厚生常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第2回定-20110704-000002-厚生常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(原・楠の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  1件申請 1件許可



4 報告事項(保健福祉局長)

  「県内海水浴場の放射能の測定について」

  「神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子の変更(案)について」

  「平成22年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構の決算概要について」



5 日程第1を議題



6 提案説明(保健福祉局長)



7 経営状況説明(保健福祉局長)

  「地方独立行政法人神奈川県立病院機構」



8 日程第1について質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



原委員

 自民党の原聡祐でございます。このたび当常任委員会で初めての質疑となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずはじめに、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子の変更(案)についてお聞かせいただきたいと思います。

 神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備については、基本設計費が予算の議案として提出され、また神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子の変更(案)について報告されたことを受け、何点か質疑をさせていただきたいと思っております。

 まず、神奈川県総合リハビリテーションセンターの2病院、神奈川リハビリテーション病院と七沢リハビリテーション病院の機能について改めて確認させてください。

病院事業課長

 まず、神奈川リハビリテーション病院についてでございますが、この病院は、脊髄障害、脳外傷を伴う高次脳機能障害、あるいは変形股関節等の股関節障害、また脳性麻ひ等の神経疾患等の患者に対しまして、医師や看護師、理学療法士、作業療法士といった多職種の専門家チームによるリハビリテーション訓練を提供しまして、患者の早期社会復帰を支援しているところでございます。

 次に、七沢リハビリテーション病院につきましてですが、この病院は、脳卒中などの脳血管疾患患者に対しまして、発病後の早期からリハビリテーション医療を提供いたしまして、患者の早期社会復帰を支援しているところでございます。

 このように、二つの病院が機能を分担しながら神奈川県総合リハビリテーションセンターとして総合かつ一貫したリハビリテーションの提供を行っているところでございます。

原委員

 次に、6月の補正予算において、神奈川リハビリテーション病院の基本設計費を計上しておりますが、平成22年3月に策定した神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子では、神奈川リハビリテーション病院の再整備についてどのように位置付けされていたのかお伺いさせていただきたい。

病院事業課長

 平成22年3月策定の神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子の中では、まず再整備に当たりましては、神奈川リハビリテーション病院がこれまで培ってきた専門技術あるいはノウハウを、診療科を越えた連携あるいは医師をはじめとする多職種の専門家によるチームアプローチにより積極的に活用する、また民間の病院では対応が困難な重度重複障害を持つ患者さんに対して、高度で専門的なリハビリテーション医療を提供し、脊髄障害、高次脳機能障害、股関節障害、障害者医療、小児神経疾患等に対応し、より多くの患者さんの早期社会復帰を支援すると位置付けてきたところでございます。

原委員

 同様に、脳血管疾患を担う七沢リハビリテーション病院について、神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子ではどのように位置付けられたのか、こちらもお伺いさせていただきたい。

病院事業課長

 七沢リハビリテーション病院につきましては、当面は現在の病床数の245床で運営することとし、その後につきましては、神奈川リハビリテーション病院が再整備された後には、県立病院の果たすべき役割等を踏まえて、病床規模を見直す。また、その際には、重度重複障害に関する脳血管疾患のリハビリテーション医療の機能に重点化するという位置付けをしたところでございます。

原委員

 今回の神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子の変更(案)では、神奈川リハビリテーション病院及び七沢リハビリテーション病院の位置付けや整備の内容についてどのように見直しがされたのか、お伺いさせてください。

病院事業課長

 神奈川リハビリテーション病院につきましては、脳血管疾患に対応するために、新築する病院の病床数を当初計画の160床から40床を増やしまして200床とし、既存の脊損病床の80床と合わせて280床で運用する。また、延べ床面積につきましては、当初1万3,600平米程度を計画しておりましたが、これを拡大いたしまして1万7,500平米程度に変更することにいたしました。

 また、脊髄損傷や高次脳機能障害、障害者医療等の機能を発揮するためには240床が必要でありまして、脳血管疾患に対応する分の病床の40床は、新築する神奈川リハビリテーション病院に新たに加えまして、その上で機能を移行する必要があると判断したものでございます。

 さらに、神奈川リハビリテーション病院に移行する重度重複障害あるいは民間での対応が困難な機能以外につきましては、民間の回復期リハビリテーション病棟の整備状況等を踏まえまして、今後、七沢リハビリテーション病院の病床数を段階的に見直して、原則、次期指定管理開始前の平成27年度末に開始することとしたものでございます。

原委員

 団塊世代の高齢化が進む中で、脳血管疾患については、急性期の治療後の回復期リハビリテーションが必要な患者は今後も急激に増加すると考えておりますが、脳血管疾患の回復リハビリテーションに対する県の役割についてどのように認識されているのか、お聞かせいただきたいと思います。

病院事業課長

 一般的な脳血管疾患につきましては、県内の各地域で地域連携クリティカルパスが整備されておりまして、回復期リハビリテーション病棟の増加と併せまして、脳血管疾患の発症から急性期、回復期リハビリテーションまでの流れにつきましては、民間病院を中心に各医療圏の中で完結する体制が整ってきているという状況にございます。

 一方、重度重複障害の患者や、あるいは就労復職支援が必要な若年層の患者につきましては、リハビリテーション医療のノウハウ、あるいは専門スタッフの不足等の事情から民間の病院では対応が困難なことから、こうした患者に対しましては、高度で専門的なリハビリテーションを提供し、早期社会復帰を支援することが県立病院である神奈川県総合リハビリテーションセンターの役割であると認識しているところでございます。

原委員

 脳血管疾患の回復期リハビリテーション医療については、診療報酬上、民間の病院でも採算をとることが可能となりましたが、近年ではそれを担う病院が相当増えてきたと聞いておりますが、具体的にはどのような状況になっているのか、詳しく説明していただきたいと思います。

病院事業課長

 回復期リハビリテーション病棟の整備状況を5年前の平成18年と比較いたしますと、県内全体では平成18年4月の病院の数では22病院、病床数1,258床でございました。それが、平成23年、今年4月で見ますと、46病院、2,775床ということで、わずか5年間の間に、病院数、病床数とも2倍以上に大幅に増加しているという状況でございます。

原委員

 脳血管疾患の回復期リハビリテーション医療を含め、再整備後の神奈川リハビリテーション病院ではどのような機能を必要としているのかお聞かせください。

病院事業課長

 神奈川リハビリテーション病院が、開設以来、約40年にわたって培ってきました専門技術、ノウハウ、こういったものを活用いたしまして、県立病院の役割として求められる専門性、広域性、先駆性を発揮していくということです。具体的に申しますと、脊髄障害ですとか高次脳機能障害、脳血管疾患、小児神経疾患等の様々な疾患につきまして、重度の障害を負った患者さん、あるいは合併症など重複障害を持つ患者さん、こういった民間の病院では対応が困難な患者さんに対しまして、高度で専門的なリハビリテーション医療を提供して、より多くの患者さんの社会復帰を支援していきたいと考えているところでございます。

原委員

 要望の方に移らせていただきますが、ただいまの御説明で、民間の参入が増えているとはいえ、脳血管疾患の回復期リハビリテーションの中でもまだまだ民間の病院では対応できない重度重複障害等の患者さんに対する県の役割は、今後ますます重要になってくると考えております。

 多くの障害者の早期社会復帰に向け、リハビリテーションセンターによる高度なリハビリテーション医療の提供に努めるように、今後とも努力されていかれますように要望させていただいて、この質疑に関しては終わらせていただきます。

 続きまして、地方独立行政法人神奈川県立病院機構の経営状況についてお伺いさせていただきます。

 県立6病院では、昨年4月から地方独立行政法人に移行し、本年で2年目を迎えたわけでございますが、独立行政法人への移行に当たりましては、これまで県議会でも様々な議論がなされ、賛否両論あった中で今日に至っていると存じておりますが、そのような中で、今回の当常任委員会に、概要ではありますが、地方独立行政法人として初めての決算が報告されたところであります。それらを踏まえまして、何点かお伺いさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、県立6病院が独立行政法人に移行した理由を改めて確認させていただきたいと思います。

病院事業課長

 県立6病院は、平成17年4月に地方公営企業法の全部適用して以来、病院事業庁としてそれぞれの県立病院の職責に応じた医療機能の充実を図る取組を進めてまいりました。しかし、国も、医療費適正化を進める医療制度改革のうねり、あるいは診療報酬の4期連続マイナス改定、こういった県立病院を取り巻く環境が大きく変化している時期でございまして、厳しさを増している時期でございました。

 これらの厳しい医療環境に対応するためには、地方公営企業法が全部適用されているとはいえ、地方公共団体の組織の一部であることから起きる様々な制度的な制約があり、医療機能の充実を図る取組には限界がございました。

 そこで、独立した法人として、より柔軟な病院経営を行うために、地方独立行政法人へ移行することとしたものでございます。

原委員

 先ほど大幅な増収、増益となった主要な要因の説明がありましたが、この要因について改めて確認させてください。

病院事業課長

 診療報酬のプラス改定は、遡りますと平成12年度が最後のプラスの改定でございまして、以後は4期連続のマイナス改定でございました。今回は10年ぶりのプラス改定となりましたが、改定率としましては全体で0.19%の改定でございました。新たな施設基準を取得いたしましたが、これにつきましては、診療報酬が手厚くなる施設の加算基準を取得したことによるものでございます。

 その他、手術件数としましても、機構全体でも伸びておりますが、特に個別の病院の例で申し上げますと、優秀な外科医を確保した病院等では、件数の伸びが顕著でございます。その他費用面での努力も相まって今回の増益を達成できたものと考えております。

原委員

 独立行政法人に移行して、病院経営を具体的にどのように見直したのか、お伺いさせてください。

病院事業課長

 まず、病院運営体制といたしまして、各病院の長に予算の流用権限あるいは委託契約等の契約締結権、それから人事面では病院独自の採用試験の実施など、予算、人事の権限を移譲いたしまして、各病院が自立的、機動的に病院運営を行える体制を整備いたしました。

 また、全理事、各病院の長、それから経営企画を担う職員等で構成いたします経営会議を設置いたしまして、各病院の診療財務データなどの経営情報の共有化を図ること、あるいは業務の効率化、経営改善に向けた取組を推進してまいりました。この経営機能の強化のために組織を改編し、各病院に経営企画部門を設置しまして、職員体制の充実等も図ったところでございます。

原委員

 ただいま御説明がありました要因や様々な見直しの結果として、今回の決算を拝見させていただきましたが、一方で、医療の質につきましてはしっかり確保されているのか、お伺いさせていただきたいです。

病院事業課長

 年度計画で掲げました目標を達成するため、四つの柱からの取組を行っております。一つ目が質の高い医療の提供、二つ目が安全で安心な医療の提供、三つ目が患者の視点に立った病院運営、四つ目が医療人材の確保・育成、この四つの柱でございます。

 そのうち質の高い医療の提供につきましては、足柄上病院では総合診療科の充実強化、あるいはこども医療センターにつきましては周産期医療機関の基幹病院としての取組、がんセンターにおきましては都道府県がん診療拠点病院としての取組といった各病院の専門と特徴の中で質の高い医療を提供するための様々な取組を進めてございます。

 中でも、医療人材の確保・育成の部分につきましては、病院運営の要はやはり人材の確保であるという認識を持っておりまして、最も大きな課題であります医師あるいは看護師をはじめとした医療職と病院経営に係る専門性の高い事務職の採用、育成に努めたところでございます。

原委員

 最後に、独立行政法人となりましたこととはいえ、県立病院として担うべき役割があると思っております。法人として病院経営を行いながら、その役割をどのように果たしていこうと思っているのか、お伺いさせていただきたいです。

病院事業課長

 委員お話しのとおり、その運営形態が独立行政法人になったとはいいましても、県立病院の役割は不変であると考えてございます。県立病院は、政策・不採算医療は、民間で受入れが困難、あるいは他の大学病院でも対応が難しいような高度専門医療であったり特殊医療、また広域的な対応が必要な災害時医療、救急医療、こういったものの役割が一つあろうかと考えております。

 もう一つが、地域の中核的医療としての役割、これはその地域の特殊性からその地域だけでは実施が困難な医療を担っていく必要があると考えております。

 純粋な民間病院とは違いまして、県立病院は、採算性の有無に関わらず、これらの医療を県民の皆様に提供していく責務を負っておりますけれども、独立行政法人として1年目の結果を見る限り、良好な病院経営も維持しながら、その役割を一定程度果たすことはできたのではないかと考えているところでございます。

 今後も、各病院の特徴を生かした医療機能の充実はもちろんのこと、医療機器、施設設備といった医療環境整備、そして病院運営にとって最も重要である医療人材の確保に努めながら、県民の皆様に質の高い医療を提供してまいりたいと考えているところでございます。

原委員

 要望に移らせていただきますが、独立行政法人としては、経営の視点はもちろん重要でありますが、県立病院として果たすべき役割があると思っております。今後とも、その役割である高度専門医療の提供や地域医療の支援等を行うことによって、県民医療を確保し、県内の医療水準の向上に今後とも寄与していただきたいと思います。

 この質疑に関しては以上でございます。

 続きまして、災害拠点病院について質疑させていただきます。

 本定例会におきまして、6月24日に我が会派のしきだ副委員長が、代表質問において、大規模災害対策として災害拠点病院の課題について問題を提起し、しっかり検証して今後の対応に生かしていただくよう要望したところでありますが、その点に関連して何点か御質疑させていただきます。

 そもそも災害拠点病院とはどのような病院を指定しているのか。また、災害拠点病院に期待される機能とは何なのか、お聞かせください。

健康危機管理課長

 平成7年1月の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、当時の厚生労働省の方針に基づいて、平成8年から指定に取り組んできております。災害拠点病院と申しますのは、市町村が設置する救護所あるいは一般の病院の後方医療機関として第一線の地域の医療機関を支援する機能を期待しております。

 具体的には、重篤な救急患者の救命医療を行うための高度の診療機能、また重症・傷病者の受入機能、それから広域搬送への対応機能、それから医療救護チームを派遣する機能、こうした機能を期待しております。

原委員

 そもそも災害拠点病院の指定要件とは何なのか、お聞かせください。

健康危機管理課長

 厚生労働省の方針としましては、複数の市町村を一つの単位として設定されており、神奈川県には11ございますけれども、二次医療圏と言われている医療圏に一つずつということが基本になっています。ただ、本県におきましては、この国の方針には必ずしも縛られずに、二次医療圏ごとに2箇所から3箇所程度、人口30万人に1箇所程度を目安として、救命救急センターや公的病院を中心に指定してまいりました。

 具体的な指定の要件としましては、大勢の患者さんが災害時に押し寄せますので、そういった患者さんに対応可能なスペースがあるかどうか、またそういった患者さんに対応するためのいろいろなものを備蓄するスペースを持っているかどうか、またライフラインの維持機能をきちんと持っているか、それからヘリコプターで搬送することがあり得ますので、ヘリコプターを受け入れられる場所が病院内若しくは病院のそばにあるか、それから重篤患者の救命医療を行うための診療の設備関係が充実しているかどうかを要件にして指定させていただいております。

原委員

 今回の東日本大震災に際して、津波で被災した災害拠点病院を近隣の津波被害のなかった災害拠点病院がフォローしたとも聞いておりますが、本県では現在33の災害拠点病院があるということでございますが、本当にその33病院で十分なのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

健康危機管理課長

 従来から災害拠点病院の指定につきましては、新しい病院ができたり、また病院を改修したりする中で、指定要件を満たす施設があれば、神奈川県医療救護計画の方針に基づきまして、人口や地域の状況などを踏まえて指定してまいりました。

 今回の東日本大震災では、委員御指摘のとおり、そういった側面がございますので、津波災害を踏まえた病院間の連携ネットワークは非常に大事だと思っております。そういう意味では、必ずしも33病院で十分だとは言い切れないと思っております。

原委員

 災害拠点病院には、災害時における地域医療の拠点になることが期待されておりますが、日頃から地域の医療機関との協力体制が重要だと考えております。そうした体制を構築するために、本県ではどのような取組をされているのかお聞かせください。

健康危機管理課長

 非常に重要な観点だと思います。災害拠点病院と県内自治体との連携ネットワークを推進するために、現在、災害医療拠点病院連絡協議会を設置しまして、そこで県内市町村等が課題を共有化して地域の防災訓練に積極的に参加させていただいております。また、年に1回、研修会を地域の医療機関も含めて開催しまして、ついこの間、6月30日にも、トリアージを含む、今回の東日本大震災でいかに拠点病院やDMATが取り組んだかということも含めて、地域の医療関係者の皆さんを対象として、研修会を開催いたしました。300名の定員のところ、随分と御希望が多かったので、第2回も同じような内容でやろうと思っております。特に今、この話題は注目を浴びていて、地域の医療機関で、そこら辺の話をきちんとやろうと努めているところであります。

原委員

 今回の東日本大震災のように、想定を超える自然災害の前では、ハード面の準備を万全に整えることは比較的難しいことであると考えております。むしろ災害拠点病院間のネットワークを密接にするという方向性も重要だと考えております。そのような取組に本県では取り組んでおられるのかお聞かせください。

健康危機管理課長

 今、申し上げました災害医療拠点病院連絡協議会では、拠点病院間のネットワークも課題の一つとしておりまして、九都県市合同防災訓練は、広域的な合同訓練ですけれども、そちらも共同で参画させていただいております。今年の予定ですけれども、9月4日に県と松田町で合同防災訓練が行われます。病院間のネットワークの強化を目的としまして、災害拠点病院である足柄上病院が被災者を受け入れ、他の災害拠点病院が神奈川DMATとして患者さんを運んでいくという、ネットワークの実働訓練をしようと考えております。

 また、EMISと略称されていますけれども、県広域災害救急医療情報システムを利用しまして、情報受伝達訓練といいますけれども、単に聞こえますかという訓練ではなくて、システムを動かして受け入れ、それから応援という両方の、要するにギブ・アンド・テイクを、このシステムを使って年に何回か訓練して、実際に受け入れられるか、その機械が使えるかどうかということを常に確認してやらせていただいております。

原委員

 これまでの取組や東日本大震災での経験を踏まえて、万が一、本県が被災地になった場合、どのような対応をしていくのかお聞かせいただきたいと思います。

健康危機管理課長

 今回の東日本大震災におきましては、災害拠点病院のうち神奈川DMAT指定病院から延べ24チームが、被災地での医療救護、また羽田空港等での広域搬送に従事しました。また、災害拠点病院を中心として編成された73チームが医療救護班として被災地での医療救護を5月一杯実施しておりました。

 こうした実際に現場で医療救護活動を行った先生方の御意見を踏まえながら、先ほど申し上げました連絡協議会の場なども活用して、共同体制の強化に向けた検討をしっかりやりたいと考えております。

 方向性といたしましては、もちろんハード面の見直しも大事なのですけれども、災害想定が変化していますので、委員御指摘のように、ソフト面の充実、特に拠点病院間のネットワークですとか、それを支えるために新規に指定がどうなのか、それにふさわしい病院が手を挙げてくださるかということを含めてきちんと検討してまいりたいと思っております。災害拠点病院と地域医療機関の連携もまた重要でございますので、しっかり取り組んで、本県が被災地になった場合の迅速で効果的な対応を図ってまいりたいと考えております。

原委員

 要望の方に移らせていただきますが、質疑でもさせていただきました災害拠点病院は、現在33病院ということでありますが、今後ともこの33病院から増やしていっていただく努力ですとか、地域間や災害拠点病院間で緊密したネットワークを今後つくっていただきまして、災害時の医療体制の強化を十分図っていただきますようにお願い申し上げまして、この質疑は以上にさせていただきます。

 続きまして、災害時の食料や医薬品等の備蓄についてお伺いさせていただきます。

 こちらも、大規模災害対策として、しきだ副委員長が代表質問において問題提起されておりました食料と医薬品の確保に関連して、何点か質疑させていただきます。

 新聞報道によりますと、東日本大震災では大きな被害を受けた岩手、宮城の両県沿岸部で、口の中で繁殖した雑菌を唾液とともに飲み込んだ際に、誤って気管に入ることで起きてしまいます誤えん性肺炎が高齢者におきまして多発的に発生していると指摘されておりますが、この点について何点かお伺いさせていただきます。

 まず、災害時の医薬品につきまして、県としてはどのような対応が行われているのか、お聞かせいただきたいと思います。

薬務課長

 災害時の医薬品についての対応でございますが、地域防災計画の中では、救護活動に必要な医薬品の確保につきましては市町村が行うこととなっております。県といたしましては、市町村から応援要請があった場合、医薬品の調達を支援することとしております。そのため、神奈川県医薬品卸業協会等と医薬品等の供給に関する協定を結び、市町村からの緊急要請に基づき医薬品を優先的に供給してもらい確保することとしております。

 なお、県医薬品卸業協会からの医薬品供給は、県が指定する場所に搬入してもらうこととなっております。

原委員

 口くう内を清潔に保つために歯ブラシや歯磨粉などといった口くうケアに向けた医薬部外品は、本県におきまして災害用に備蓄されているのかお聞かせください。

健康危機管理課長

 委員おっしゃるとおり、医薬部外品ということでございまして、医薬品の協定品目には含まれてございません。ただし、商工労働局が所管しておりますけれども、県と百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどと締結しております生活必需物資の調達に関する協定書の協定品目に含まれております。ですので、市町村から要請があった場合、協定に基づいて県からスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどが保有するそれらの品物を要請市町村の方にお届けする形になると思ってございます。

原委員

 要請市町村に対しまして県から支援される歯ブラシ、また歯磨粉などについては、どのように被災者のお手元に届けられるのか、お聞かせいただきたい。

健康危機管理課長

 具体的には、要請市町村の指定に基づいて、例えば物資の集積所ですとか、また避難所の方にそれぞれ届けられるように県で手配することになっております。

原委員

 歯ブラシや歯磨粉などがありましても、水不足やマンパワーの不足によりまして、早期に口くうケアに手が回らないのが現実だと思っております。2004年度の新潟県中越地震に際しては、新潟県歯科医師会などが歯磨きやうがいの指導を徹底して、効果を上げたと聞いておりますが、この点については、本県では東日本大震災においてどのような協力を行っているのか、お聞かせいただきたいです。

健康増進課長

 本県では、震災後、被災地でございます岩手県、そして福島県から要請がございまして、保健師チームを編成いたしました。そして、本年3月23日から今日までで、看護師1名を含めまして、延べ50名の保健師を派遣いたしまして、主に避難所におけます健康管理や保健指導を行っているところでございます。現地では、ライフラインは十分ではございませんし、飲料水あるいは物資の不足が続いてございます。そうした中、口くうケアはやはり十分できないという状況がございまして、虫歯あるいは歯周病、さらには体力低下によります誤えん性肺炎を引き起こす懸念、こういったところ等の懸念が明らかになってきたところでございます。

 そこで、現地に派遣されております保健師の皆さんが、保健指導の一環といたしまして、例えば少ない水でできますぶくぶくうがいでございますとか、唾液が出るように唾液を刺激する口や舌の体操やマッサージ、こういったところを行うことで、被災地でも手軽にできる口くうケアの保健指導を実施しているところでございます。

原委員

 神奈川県の歯科医師会が今回の東日本大震災の協力をしているということなのですが、その現状については把握されておりますでしょうか。

健康危機管理課長

 確認しましたところ、神奈川県歯科医師会も、日本歯科医師会の被災地支援に協力して、宮城県気仙沼市、石巻市、女川町といったところに歯科医療関係者を派遣いたしまして、巡回の歯科診療ですとか口くうケアを実施していると伺っております。具体的には、5チーム、13名の歯科医師と歯科衛生士を派遣されたと聞いております。

原委員

 本県が被災地となり、避難が長期化するような場合、高齢者の誤えん性肺炎を防止するために、どのような取組をされているのかお聞かせください。

健康危機管理課長

 口くうケアの指導が重要であることは、委員御指摘のとおりだと考えております。厚生労働省も、被災地での健康を守るために、病気の予防として、歯と口の清掃、口くうケアの重要性を認めまして、ホームページなどで注意喚起を図っております。そして、被災地では全国の歯科医療関係者の皆さんや保健師さんたちによって口くうケアが実際に実施されております。

 こうした状況を踏まえまして、万が一、本県が被災地になった場合にも、神奈川県歯科医師会はもちろん、全国の歯科関係者の皆さん、それから保健師さんたちの協力を得て、避難所における高齢者の誤えん性肺炎を防止するために、口くうケアを含む歯科保健指導につきまして調整して対応していきたいと考えております。

原委員

 口くうケアに関しては、私も、昨日、神奈川県歯科技工士会に連絡をとったところでありますが、神奈川県歯科技工士会さんも口くうの洗浄剤ですとか入れ歯の安定剤を送られるような活動をされているようであります。

 また、8月21日に県の歯科技工士会さんも現地に行きまして、入れ歯の研磨ですとか、そういった口くうケアに御協力されるということなので、その点に関しても御承知おきいただきたいと思っております。

 続いて、要望に移らせていただきますが、災害時には、避難が長期化するにつれて、病気予防という観点が必要だと思っております。また、誤えん性肺炎は適切な口くうケアが行われれば避けられる病気であるということも十分承知していただきたいと思っております。

 このことを踏まえまして、関係団体とも調整の上、圧倒的なスピード感を持って、積極的な取組をすることをお願いさせていただきたいと思っております。

 以上で、この質疑を終わらせていただきます。

 続いて、子ども手当についての質疑をさせていただきます。

 平成23年度の子ども手当は、つなぎ法という形で平成23年9月まで延長されました。これに対して、本県ではこれまで地方負担拒否から負担容認へと方針を切り替えました。今回、その財源を補正予算で計上しておりますが、平成23年度10月以降の子ども手当につきましては、現在、国で議論されているということでありますが、こちらに関しましては、まだまだ先行きが不透明な状況が続いていると思います。

 そこで、平成23年度の子ども手当につきまして、何点かお伺いさせていただきたいと思います。

 まず、平成23年度の子ども手当について、つなぎ法により県負担を行うことになった理由は何なのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

子ども家庭課長

 国会におきまして、本県の意見書で指摘いたしました子ども手当の地方負担問題について活発な審議が行われておりました。結果といたしまして、平成23年度子ども手当法案につきましては取り下げられまして、平成22年度の子ども手当法の一部を改正いたしましたつなぎ法が4月から施行されたところでございます。

 平成23年度の子ども手当につきまして県負担を行うこととした理由でございますけれども、まず東日本大震災からの復興に取り組む中におきまして、つなぎ法によって平成22年度と同様の制度が延長されたということ、それから県内の市町村の財政運営の混乱を回避する必要があることから、平成23年度の子ども手当につきましては、つなぎ法に沿って県負担を行うこととしたものでございます。

原委員

 今回、平成23年度の子ども手当として65億円を補正計上しているが、積算の根拠はどのようになっているのか、お聞かせください。

子ども家庭課長

 県は、平成23年度の子ども手当につきましては地方負担を行わないとの方針から、当初では平成22年度分であります2月、3月の子ども手当の県負担分、これが約33億円になりますが、これと国からの地方特例交付金が約26億円でございますが、これを合わせまして、約59億円を計上しておりました。これに、つなぎ法施行によりまして、平成23年4月から9月分を合わせまして、県の所要見込額が、約130億円の予算が必要となったものでございます。この130億円から、当初の予算額59億円と、それから定期の支給であります6月支給に間に合わせるために予算流用した金額6億円を差し引きまして不足額が約65億円となることから、この金額を補正予算計上したということでございます。

原委員

 今回、県負担することとしたことについて、市町村へはどのような御説明をされているのかお聞かせください。

子ども家庭課長

 5月2日のつなぎ法に基づく県負担を行うという方針についての記者発表を行わせていただきましたけれども、それと併せまして各市町村への説明をさせていただいたところです。また、5月16日には町村会会長に対しまして副知事から説明するとともに、5月17日に開催されました市長会の会合におきましても副知事から説明を行いまして、各市町村の御理解を得ているところでございます。

 県では、市町村から国への交付申請について取りまとめさせていただいたところ、法定どおり、市町村分を負担するとしたところが33市町村のうち32市町村でございまして、川崎市のみが、県の負担は受け入れるけれども、市の負担はせずに、その分は国費で申請されたところでございます。

原委員

 ただいまの御説明で、川崎市だけが市の負担分を国庫で請求しているということでありますが、これに対して、国はどのような対応をとったのか、また川崎市民の方には影響がなかったのか御説明ください。

子ども家庭課長

 国への交付申請については、県が取りまとめいたしまして、5月18日に厚生労働省に対して交付申請を行ったところでございます。県内の33市町村のうち、川崎市を除く32市町村は法定どおり申請し決定されましたけれども、川崎市につきましては、法定における市負担分を国庫分として申請したところでございますけれども、国は市負担分を除いて交付決定しております。

 しかしながら、川崎市民に支出する子ども手当の歳出予算につきましては、あらかじめ川崎市は、当初予算で満額計上し、法定どおり、児童1人当たり月額1万3,000円を支給したことから、特に市民に対しての影響はなかったということでございます。

 今後、川崎市は、10月以降の新たな子ども手当の状況を見た上で、今後の対応について検討する考えであると聞いているところでございます。

原委員

 国におきまして、政府の対応がなかなかはっきりしない部分がありまして、つなぎ法が可決したのは平成22年度末ぎりぎりでありました。支給事務を行う市町村に多大な影響を及ぼしたのではないかと考えておりますが、各市町村から問題点として何か聞いておりますでしょうか。

子ども家庭課長

 平成23年度の子ども手当法案は、3歳未満の手当額を児童1人、月額1万3,000円から2万円に引き上げる内容などでございましたけれども、その支給のために市町村では現行システムの改修など事前の準備の手続を行ってきたところでございます。

 本県におきましても、市町村のシステム改修に要する費用につきまして第1回定例会におきまして補正予算を計上いたしまして、交付申請の受付手続を行ったところでございます。

 しかしながら、平成23年度の子ども手当法案は3月30日に撤回されまして、急きょ、これまでどおりの制度を6箇月延長するというつなぎ法が施行されることになったために、市町村の事務手続に混乱が生じることとなりました。例えばシステム改修につきまして、既に実施していた市町村もありまして、それについて元に戻すという作業なども発生したと聞いております。

 なお、市町村からは、平成23年度の子ども手当の新たな制度設計については、実施主体である地方と十分な協議を行い、地方の意見を反映した制度設計にするよう要望もなされているところでございます。

原委員

 先のことではありますが、次に平成23年度10月分以降の子ども手当についてお伺いさせていただきます。

 現在、国において議論されておりますが、児童手当に戻すとか、所得制限を設けるとか、様々な案が出されております。決着するにはまだまだ時間がかかるものだと思っております。現時点で出されている案は一体どういった内容なのかお聞かせください。

子ども家庭課長

 新聞報道の範囲内で承知させていただいているところでございますけれども、新聞報道によりますと、平成23年10月以降の子ども手当については、現在、与野党間で新たな制度についての協議がなされているところでございます。例えば野党から出されている案といたしまして、当初、15歳以下、一律1万円、旧児童手当と同水準の所得制限を導入する案で、検討を進めておりましたけれども、この案では、年少扶養控除が完全廃止されると、3歳未満や第3子以降の子供がいる世帯の一部が実質的に負担増となることや、また与党の中でも所得制限の導入に反対意見があるというようなことなどから、協議がまとまらない状況となっていると承知させていただいております。

 その後、坂口元厚生労働大臣が、1,200万円程度の所得制限を設け、3歳未満と第3子以降は月額1万5,000円に増額し、それ以外は一律1万円に減額するというような試案を示されているところでございますけれども、いまだ話がまとまっていないという状況と承知しております。

 いずれにいたしましても、県といたしましては、引き続き、国の動向を注視していきたいと考えています。

原委員

 平成23年度10月以降の子ども手当について、支給額の変更や所得制限を設けることになれば、支給事務を担っている市町村にとって大きな負担があると思いますが、市町村から具体的な課題として何か聞いておりますでしょうか。

子ども家庭課長

 現行のつなぎ法の期限であります9月までに新たな法律が成立せず、このつなぎ法の再延長もしないという場合には、所得制限がありました従来の児童手当が復活することになります。

 また、与野党協議が整いまして、新たな子ども手当法が制定されることになった場合におきましても、支給額の変更ですとか所得制限が設けられるということになった場合には、市町村では、額の改定ですとか、あるいは対象者に対しまして所得状況等の現況調査を実施することが必要になりまして、そのために、あらかじめ電算システムの再度の改修、あるいは申請書類の発送から受付体制の整備など、特に大きな規模の市町村につきましては、膨大な事務作業が予想されて、かなり混乱が予想されるというお話を聞いているところでございます。

原委員

 つなぎ法は平成23年9月分までの措置でありますから、すぐに期限が到来することになりますので、国において法制化を急ぐことになると思っております。新たな制度における地方負担の考え方については、知事も本会議で答弁しておりましたが、ここで改めてその考えを確認させてください。また、県の意思を国にどのように伝えていくのか、併せてお聞かせください。

子ども家庭課長

 まず、本県における考え方ということでございますけれども、これは、知事もお話しされていますように、全国一律の現金給付については国が負担すべきという考えで、そのことについては変更ございません。そういったところから、まず本県単独での取組ということで申しますと、平成24年度に向けました国の施策・制度・予算に関する提案、これは毎年行っているものでございますが、これにつきまして、本来、国が担うべき負担を地方に転嫁しているとして、子ども手当の財源負担の適正化を関係府省に求めていくとともに、機会を捉えて、国と地方の財政負担の適正化を訴えていきたいということを考えております。

 それから、他の自治体と連携する取組ということにつきましては、全国知事会では、全国一律の現金給付は国が行うべきと再三申入れをしてきておりまして、そのスタンスは変わらないことから、今後も全国知事会として国に対して要請していくよう働き掛けを行うこととしております。

 その他、例えば九都県市の首脳会議ですとか関東地方知事会などを通しまして、他の自治体とも連携をして、繰り返し要請してまいりたいと考えております。

原委員

 最後に、要望でございますが、ただいまお話がありましたとおり、全国一律の現金給付は、国がしていくといったことが基本でありましたので、神奈川県におきましても、引き続き、この点は強く国への訴えを続けていただきますようにお願い申し上げまして、この質疑は以上にさせていただきます。

 引き続きまして、地域医療の現状についてお伺いさせていただきます。

 本県におきましては、地域医療再生計画に基づきまして、救急医療や周産期医療の立て直し等を進めていることは承知しております。いのち輝くマグネット神奈川を標ぼうする知事が誕生し、知事は、所信表明の中で、ジャーナリストとして救急救命士の誕生につながった救命救急キャンペーンの取組にも触れ、命へのこだわりを示されておりました。そこで、県内の救急医療や周産期医療体制の現状や取組などについて、何点かお伺いさせていただきます。

 まず、地域医療再生計画において、本県の救急医療体制について、どのような課題意識を持ち、また取組を進めているのか確認させてください。

医療課長

 平成22年2月に策定しました現行の地域医療再生計画におきましては、東部と西部の2地域に分けて、それぞれの医療課題の解決に向けた施策を平成27年度までの4年間で実施する計画となっておりまして、特に東部地域での再生計画におきましては、周産期医療体制の確保と必要な医療従事者の確保を目標に掲げておりまして、分べん取扱施設の新規開設への支援、NICU制度の支援などを進めることとしております。

 一方、西部の地域医療再生計画におきましては、二次救急医療機関の減少などの現状を踏まえまして、安心できる救急医療体制の整備・充実や、その体制を支える地域医療連携の強化を目標に掲げ、救急医療施設の機能強化への支援や新規の救急輪番参加施設への支援などを進めることとしております。

 さらに、今年6月に作成し、今回の議会でも報告させていただきました追加分の地域医療再生計画(案)におきましては、従来の計画では対応できなかった全県単位での三次医療の救急体制の課題解決を狙いとしておりまして、主に救命救急センターの指定を目指す施設整備への支援や既存の救命救急センターの耐震補強整備への支援などの他に、NICUの整備への支援などを取り組むこととしております。

原委員

 地方圏と異なりまして、大都市圏では、医療機関は非常に増えているものの、救急患者の受入先が容易に決まらない問題が発生していると聞いております。先般も報道でありましたとおり、障害者の方が交通事故に遭い、救急車は10分で来たものの、受入先がなかなか決まらない、2時間も決まらなかったということで、その方は残念ながら命を落とされたわけなのですが、県内における実態についてはどのようになっているかお聞かせいただきたいと思います。

医療課長

 御指摘のように、本県においても救急搬送の受入困難事案が発生しておりまして、本県の救急医療体制における課題の一つと認識しております。

 消防庁による平成21年の全国調査によりますと、重症以上の傷病者のうち医療機関への照会回数が4回以上となったケースの割合は、全国が3.2%に対しまして神奈川県では3.6%、また現場で救急隊の滞在時間が30分以上となったケースの割合は、全国が4.3%に対しまして神奈川県では7.1%ということで、全国の水準に比べて劣っている結果となっております。

 このような状況を受けて、県としては、患者受入れの広域的対応の促進に努めるとともに、円滑な患者の受入体制に向けて消防関係機関と連携した救急搬送受入ルールづくりなどに取り組んでいるところです。

 また、本県では、県の医師会が昭和54年4月に設置しました神奈川県救急医療中央情報センターに業務委託する形で、全県を対象に24時間体制で、患者の受入可能な医療機関の調整案内、情報提供を行っているところであります。

原委員

 救急医療体制の再構築を進めるに当たりまして、医療資源の確保や充実というところも重要であると思っておりますが、県ではどのような対策を実施しているのか、お聞かせいただきたいと思います。

医療課長

 御指摘のように、本県の救急医療体制の再構築に当たっては、救急患者搬送のように既存の医療資源の連携を円滑にしていくという取組の他に、県内の医療資源の確保・充実をいかにしていくかという視点が欠かせないと考えております。

 そこで、医療再生計画に基づきまして、二次医療圏の施設整備への支援や新たに輪番に参加する施設への支援を強化するということにしております。

 また、医療従事者の確保という観点から、県内の医学生の就学資金貸付け、あるいは後期研修医への支援、あるいは医師等への再教育、就学研修に関わる経費の補助など、医師のライフステージに応じた支援体制を進めておりまして、救急体制を担う人材の確保、あるいは医師が働き続けることができる環境の整備などに取り組んでいるところでございます。

原委員

 次に、本県の周産期医療についてお伺いさせていただきます。

 まず、現状として、県内では安心して出産できる体制が確保されているのかお聞かせください。

医療課長

 本県が毎年度実施しております産科医療及び分べんに関する調査で、県内での分べん取扱施設数の推移を見ますと、平成18年ごろまでは減少傾向となっておりましたが、その後はおおむね横ばいとなっております。

 また、周産期医療に携わる医師については、近年、持ち直しの傾向が見られますが、特に新生児医療を担当する医師に着目しますと、平成20年における県内の小児科医師数は1,000人のうち、新生児担当の常勤医師は約4分の1と決して多くない状況になっております。また、助産師についても医療機関が必要とする常勤の助産師は200人近く足りないという状況になっております。

 このような状況を踏まえまして、県の東部の医療再生計画においては、身近な出産の場の確保や安定的な医療従事者の確保に取り組むこととしております。

原委員

 本県では、いざというときに周産期医療システムという仕組みが用意されていると承知しておりますが、このシステムの運用について、何か課題はあるのでしょうか。

医療課長

 委員御指摘のように、本県では昭和60年から県の周産期救急医療システムを運用しておりまして、県内を六つのブロックに分けて、基幹病院、中核病院、協力病院、それぞれ機能別に位置付けた受入病院を中心に、ハイリスクの妊婦から新生児まで高度な医療水準により一貫した対応を24時間体制で確保しているところです。

 現在、この運用においては幾つかの課題があるものと認識しております。その一つとして、基幹病院への救急患者の集中化が進んでいる状況があります。本来の機能に応じた役割分担を改めて明確にして、基幹病院での対応が必要な重症患者の受入れを円滑に行えるようにすることが課題となっております。

 また、新生児の受入れについては、各病院においてNICUが慢性的に満床状態にあり、更なるNICUの整備、効率的にNICUを運用していく体制を整えていくことが大きな課題となっております。

 こうした課題については、基幹病院などで急性期を過ぎた患者を地域の病院へ帰す取組の推進が必要であり、また新生児については、NICUのバックアップを行うGCU等の後方支援病床を充実させて、NICUの受入促進を図ることも必要な取組と考えております。

 この他、健診未受診の妊産婦を救急隊との連携によって適切な施設に受け入れる仕組みの構築、あるいは他診療科での対応が必要な周産期患者への対応などに対する救命救急センターとの連携の確保、それから新生児病床を退院した子の療養・療育環境を整えていくことなども重要な課題と認識しております。

原委員

 周産期救急医療システムに参加する医療機関が地域的に偏在していると思われますが、患者が遠方の病院に搬送されるなど、何か問題はないのでしょうか。

医療課長

 御指摘のように、周産期に関わる医療機関の地域的な偏在ということも大きな課題の一つであります。その受入病院を見てみますと、現在、横浜市内には15の施設がある一方で、川崎市には三つ、三浦半島には横須賀市に二つの施設があるのみとなっておりまして、最も収容能力が高い横浜地区に、多くの患者が搬送されているという実態があります。

 また、本県においては、満床等によって県内で救急患者の受入先が見付からなかった場合には、基幹病院の医師が、直接、県外の医療施設への受入調整、搬送の手続を行っているところで、平成22年では、東京都へ67件、5.5%が搬送されております。その場合には、県外医療機関へ搬送された患者に対するその後のフォローアップの体制が十分とれておりませんので、患者や家族に負担がかかっているという状況もございます。

 そこで、県としましては、引き続き、県内の医療資源の充実に努めるとともに、やむを得ず搬送されるケースについて、現在、特に東京都との間で広域搬送ルールを構築して、円滑に患者の搬送が行われる体制を整える取組を進めております。

 さらに、県内への搬送後、いわゆる急性期を過ぎた患者さんについて県内の病院へ円滑に転院してもらうような体制づくりに向けて、関係機関と調整、協議を進めているところでございます。

原委員

 要望の方に移らせていただきますが、知事は、所信表明の中で、他県が羨むような救急医療体制、出産するなら神奈川と言われるような周産期医療体制を実現すると表明されておりましたが、是非、県民の安心・安全を確保するための基礎とも言える救急医療体制の再構築に向けて、今後とも引き続き御尽力されることをお願いして、この質疑に関しては以上で終わらせていただきます。



(休憩 午後零時2分  再開 午後1時1分)



原委員

 午前中に引き続きまして、よろしくお願いいたします。

 がん患者及び患者を支える家族のメンタルケアについてお聞きしたいと思っております。

 がん患者やがん患者を支える家族は、がんの告知を受けたその日から、精神的な苦痛はもちろん、その他多くの悩みを抱えることと思います。がん撲滅に関しましては、本県においても懸命に取り組んでいることも承知しておりますし、がんセンターの再整備において最新の治療機器の導入にも一定の評価をしているところでありますが、がん患者及びその家族が抱えるメンタル面に向けた取組が遅れているのではないかと危惧しているところでございます。

 そこで、がん患者や患者を支える家族の精神的苦痛の緩和のメンタルケアについて、何点かお伺いさせていただきます。

 がん患者及び家族が抱える精神的な苦痛については、県はどのように認識しているのかお聞かせください。

健康増進課長

 がん患者さんは様々な悩みをお抱えでございます。そうした中で、精神的苦痛でございますけれども、例えばNPO法人である日本医療政策機構の調査でございますが、がん患者さんを対象に行った意識調査によりますと、がんの診断や治療で抱いた悩みといたしまして、身体的な苦痛、副作用、後遺症などの身体的苦痛と回答した方が、回答者の6割、54.5%いらっしゃった。その一方で、精神的なところでございますけれども、落ち込みや不安、恐怖など精神的なことにつきましては、やはり59.3%ということでございまして、身体的苦痛と比べましても精神的な苦痛は決して小さくない、同じような状況になっていると承知してございます。

 また、御家族のお一人ががんになられたときに、御本人はもとより、御家族全体にも問題が生じます。がんの経過を通じまして、御家族の心にも様々な御負担が生じますし、特に強い不安や憂鬱など、家族にも御本人かそれ以上の精神的御負担がかかるということで、御家族はいわば第二の患者とも言われていると聞いてございます。

 本県におきましても、がんに対する患者さんやその家族への不安感をいかにして低減していくかということにつきましては、がん対策を進めていく上で重要な課題の一つであると認識しているところでございます。

原委員

 多くのがん患者や家族が、そのような思いを抱えながら、治療を受けている中で、現在、県ではどのような取組を行っているのかお聞かせください。

健康増進課長

 現在、県では質の高いがん医療を受けることができる体制を確保するために、がん診療連携拠点病院を指定してございまして、現在13病院が指定されてございます。この病院でございますが、がんに関する相談支援を行います相談支援センターを設置してございます。がん診療に関する情報提供の他に、がんの患者さんはもとより、その御家族の方々が抱えます様々な悩みに関する御相談を受け付けているところでございます。

 また、がん診療連携拠点病院では、緩和ケアを提供する緩和ケアチームが設置されてございまして、医師、看護師をはじめといたしまして、ソーシャルワーカー、臨床心理士、様々な職種の方々が、希望に応じまして患者さんやその御家族のサポートを行っているところでございます。

 県は、がん診療連携拠点病院の確保を通じまして、こうした患者さんや御家族に対するサポートに努めているところでございます。

原委員

 患者さんの家族から具体的にどのような相談があるか把握されておりますでしょうか。

健康増進課長

 緩和ケアチームに関する御相談ということで紹介させていただきますと、がん診療連携拠点病院の方から、年に1回、現況報告ということで御報告いただいている内容でございますが、例えばとう痛でございますとか不安、抑鬱、様々な精神的、身体的な苦痛の面でございますとか、その他に緩和ケアに移るに当たっての御不安をおっしゃっている方もいらっしゃいます。さらに、やはり御家族へのサポートという面で御相談があると承知しているところでございます。

原委員

 相談することにより精神的な苦痛を緩和するという点では、診療や治療方針について主治医以外の意見を聞くセカンドオピニオンも、患者の不安を軽減する大きな役割を果たすと思われますが、セカンドオピニオンに関する相談体制というものはございますでしょうか。

健康増進課長

 まず、がん診療連携拠点病院の相談支援センターでございますが、こちらではセカンドオピニオンの提示が可能な医師の御紹介をしているところでございます。また、あわせまして、がん診療連携拠点病院自体でございますけれども、こちらでは、がん治療に関わる専門的な知識でございますとか技能を有する医師が、セカンドオピニオンを提示できるという体制を整えているところでございまして、こうしたがん診療連携拠点病院を軸にした相談体制の中で、がん患者さんが主治医以外の意見を聞く体制を整えているところでございます。

原委員

 そのセカンドオピニオンに対して相談する相談員の方は専門的な方なのでしょうか。

健康増進課長

 セカンドオピニオンを受けるのは主治医以外の医師でございますので、そうした医師の方を御紹介する形で、セカンドオピニオンを提供する形になってございます。

原委員

 がん患者やその家族が抱えます様々な不安をより緩和していくために、県は今後どのような取組を行っていくのかお聞かせください。

健康増進課長

 まず、がん患者さんの支援というところでは、この拠点とありますのは、やはりがん診療連携拠点病院でございますので、これまでも県ではがん診療連携拠点病院の確保に努めてまいったところでございますけれども、更に確保に努めてまいりたいと考えてございます。

 また、こうした中でがん患者さんの悩みでございますとか不安を軽減するには、やはり患者さんにとって最も身近に接しておられます医師でございますとか、あるいは看護師の方々が、患者さんの精神的な苦痛を理解していただいた上で、適切な診療を行っていただくことが重要でございます。そのための取組といたしまして、がん診療連携拠点病院ごとに緩和ケアに関する研修を実施してございます。この研修は、患者さんや御家族の不安を取り除くために、伝える内容の講義を受けるとか、あるいはロールプレイといたしまして、医師自らが家族役となりまして、患者さんの立場に立った取組を研修項目として行っているところでございます。こうした研修を通じまして、がん診療に関わる全ての医師が緩和ケア研修を受講いたしまして、緩和ケアに対する理解、ひいては患者様や家族の精神的苦痛に対する軽減に取り組んでいただくように努めているところでございます。

 またあわせまして、患者さんに寄り添う取組というところでは、同じがん体験を有していらっしゃるがん体験者による患者さんの支援という意味で、ピアサポートという仕組みがございます。現在、県内では相模原協同病院で相談を行っているところでございます。今後ともこうした取組が広がるように努めてまいりたいと考えているところでございます。

原委員

 神奈川県の死亡要因のトップは、がんということであります。今現状で3人に1人の方ががんにかかるといったような中で、これは要望でございますが、より専門的に患者あるいは患者の御家族が積極的に相談できる窓口、例えば医師ですとか、そんな専門的な方々を置いていただくような形をとっていただきたいと思っております。私どもが周りで見ている中でも、大体、若くて急に亡くなってしまう方は、ほとんど、がんが多いと認識しておりますので、急に家族がいなくなる、家族の支えである御主人がいなくなるといったようなことがありますので、そういった方々にも幅広くケアしていただけますような県の取組を今後、期待しております。

 要望に変えさせていただいて、この質疑は終わりにさせていただきます。

 引き続きまして、食中毒の予防対策についてお伺いさせていただきます。

 食に対する安全・安心が全国的に取りざたされる中、富山県等で死亡者4名を含む腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒が発生いたしましたが、本県におきましてはどのような食品衛生管理、指導に取り組まれているのか、また対策を講じているのかについて何点かお伺いさせていただきたいと思います。

 近年における腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒の発生状況についてお伺いさせてください。

食品衛生課長

 近年における腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒でございますが、まず全国の過去5年間の発生状況につきまして御説明いたします。

 平成18年におきましては、23件、患者数166名の発生がございました。平成19年は、25件、928名、平成20年は、17件、患者数115名、平成21年は、26件、患者数181名、平成22年においては、27件、患者数358名が発生しております。

 なお、過去5年間では腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒におきまして死者は発生しておりませんが、遡りますと、平成8年には8名、平成10年には3名、平成12年には1名、平成14年には9名、平成15年には1名の発生がございました。

 また、本県の状況でございますが、過去5年間の発生状況は、平成18年には、2件、患者数20名、平成19年は、1件、患者数15名、平成20年は、2件、患者数18名、平成21年は、4件、患者数9名、平成22年は、6件、患者数18名でございました。

 食中毒全体における腸管出血性大腸菌による食中毒の割合は、過去5年間の平均といたしましては、件数では5.4%、患者数では1.4%と多くはございませんけれども、毎年発生しているという状況にございます。

 なお、本県におきましては、腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒におきまして死者が発生した事例はございません。

原委員

 今の御報告についてなのですが、発生件数に比べて患者数が非常に多いということで、これは集団的な要因があるのでしょうか。

食品衛生課長

 これは年度によりまして様々ではございますけれども、例えば過去5年以前になりますが、平成8年には大阪府堺市で学校給食を原因といたしました食中毒がございまして、約8,000名が発症した事例、また平成2年には埼玉県で井戸水を原因として268名が発症した事例などもございまして、老人施設におきまして集団で感染する事例というものもございます。

原委員

 6月15日の当常任委員会の報告資料で示された中で、腸管出血性大腸菌はO157やO111などがあるようでございますが、その特徴についてお聞かせいただきたいと思います。

食品衛生課長

 まず、大腸菌でございますが、これは家畜や人の腸内に存在する菌でございまして、この大腸菌の表面にはO抗原というものとH抗原というものがございまして、その区分によりまして細かく分類されております。O抗原は、現在、約180に分類されているところでございます。例えばO157といいますのは157番目に発見されたO抗原を持っているということでございまして、O111は111番目に発見されたO抗原を持っているというような状況になっております。

 この大腸菌でございますが、ほとんどのものは無害でございますが、幾つかのものは人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがございまして、そういうものを病原大腸菌と呼んでおります。

 この病原大腸菌の病気の起こし方によりまして、主として五つに分類されているところでございます。その五つの分類のうちの一つであります腸管出血性大腸菌というものにつきましては、これは、人の腸管の中でベロ毒素という毒素を産生する、こういったものが腸管出血性大腸菌に分類されているところです。代表的なものは、腸管出血性大腸菌O157でございますが、その他に、O26、O111、O128、O145といったようなものが知られているところでございます。

 この腸管出血性大腸菌食中毒の原因食品として特定あるいは推定されたものといたしましては、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛の角切りステーキ、牛たたき、ローストビーフなどの食肉や食肉製品といったもの、またサラダ、キャベツ、メロン、白菜漬けなどの未加熱のまま食べる食品などがございます。

 症状についてでございますが、これは非常に少ない量の菌で人に感染するものでございまして、およそ3日から12日の潜伏期間を経まして、頻回の水様便で発症するとなっております。さらに、激しい腹痛を伴いまして、間もなく著しい血便となるということがございます。大体数%の人が数日から2週間以内で溶血性尿毒症症候群、HUSと呼ばれておりますが、こういったものや脳症、けいれんや意識障害など、このような重症合併症を発症すると言われて、死に至ることもあるということでございます。特に、若齢者や高齢者におきましては注意が必要でございます。

原委員

 ただいまの御説明で腸管出血性大腸菌食中毒が重篤な健康被害を起こすことがよく分かりました。このような症状で食中毒が疑われる場合、県としてはどのような調査をするのかお伺いさせていただきます。

食品衛生課長

 食中毒が疑われる情報を探知した場合には、迅速に調査に着手いたします。患者に対しましては、症状の調査、それから発症する直前から2週間前までの行動や飲食した食品についての調査を行います。また、患者が利用した飲食店に対しましては、衛生状態の調査、それから保存してある食品の検査などを行います。その結果を解析することによりまして、どの施設で提供されたどの食品がどのような食中毒菌などに汚染されていて発症したかについて究明に努めます。

 食中毒と判明した場合は、被害の拡大防止を図るために、原因施設に対しまして保健福祉事務所長が営業禁止又は営業停止の行政処分を行います。

 また、再発防止を図るために、器具の洗浄消毒、汚染された食品の廃棄や施設の清掃、消毒など衛生措置状況について確認するとともに、調理従事者の衛生教育を実施いたします。

 なお、先ほど御説明いたしました過去5年間に県内で発生した腸管出血性大腸菌食中毒におきましては、調査の結果、そのほとんどが、食肉の生食や、また加熱不足が発生要因であったと究明されております。

原委員

 食肉の生食や加熱不足によるものが多いようでございますが、特に食肉の生食を原因とする食中毒の予防対策についてどのように取り組んでいるのかお聞かせいただきたいと思います。

食品衛生課長

 営業施設における食中毒の防止につきましては、やはり一義的に営業者の責務として営業者が自主的に施設を管理していただいて、県民に安全な食品を提供するということが基本でございます。

 県では、食肉の生食を原因とする食中毒予防対策といたしまして、平成23年度、食肉の生食を原因とする食中毒の予防対策実施要領を策定いたしまして、本年度の重点監視指導事業といたしまして取り組んでいるところでございます。

 営業者に対しましては、施設の立入検査によって、生食用食肉の衛生基準の適合性の確認や衛生管理状況について監視いたしますとともに、食肉の生食や加熱不足のリスクというものを十分理解していただいて、自主管理を推進していただくために、(社)神奈川県食品衛生協会と連携いたしまして、営業者向けのリーフレットを作成して、衛生講習会などにおいて食中毒に関する正しい知識を提供することにより、更に資質向上に努めてまいりたいと思っております。

 また、県民に対しましても、営業者と同様に、食中毒に関する正しい知識と理解を深めていただきまして、食肉の生食を避けていただきますよう、リーフレットやホームページ、各種の広報紙などにより食中毒予防対策の普及啓発を図ってまいりたいと思っております。

原委員

 これから食中毒の起こりやすい夏を迎えるわけですが、どのようなことに気を付ければよいのか。また、そうした情報を食品の営業者はもとより県民に対して周知することが重要だと思いますが、県では飲食店また県民に対してどのような情報提供を行っているのかお伺いさせていただきたいと思います。

食品衛生課長

 まず、腸管出血性大腸菌などの細菌性食中毒の予防のポイントでございますが、三つございまして、菌を付けない、菌を増やさない、菌をやっつける、この三つでございます。

 まず、菌を付けないということは、食品に食中毒菌を付けないということでございまして、そのためには、手洗いや使用器具の洗浄が大変重要になります。特に少量の菌で発症する腸管出血性大腸菌では、菌を付けないために、焼肉やバーベキューなど自分で肉を焼くときには、専用のトングやはしなどを準備していただきまして、それを使用していただくという配慮が必要になってきます。

 また、菌を増やさないということにつきましては、菌が食品に付いてしまったとしましても、食品を低温で保存することで、食中毒菌の増殖を抑えていただく、こういうことが大事だと思っております。

 また、菌をやっつけるということでございますが、これは、食品の加熱調理や菌を消毒することで、菌を殺菌してしまうということでございます。腸管出血性大腸菌の場合ですと75度で1分以上の加熱で菌は死滅いたしますので、肉は中心部まで十分加熱していただくことが必要だと考えております。

 次に、情報提供についてでございますが、こうした食中毒予防のポイントなどにつきまして、営業者や県民の方を対象としました講習会やリーフレット、ホームページ等で提供しているところでございます。

 また、夏には、食中毒の発生しやすい日を気象条件などから予測式で割り出しまして、食中毒警報というものを発令しております。営業者をはじめ、県民の方に注意喚起を行っているところでございます。

 さらに、毎年8月には、各保健福祉事務所で食中毒予防週間というものを設定しておりまして、(社)神奈川県食品衛生協会と連携いたしまして食中毒予防キャンペーンを実施しているところでございます。この食中毒予防キャンペーンでは、地域の食品衛生協会の会員である食品営業者の方々と保健福祉事務所の職員が一緒になりまして、街頭で食中毒予防のリーフレットを配布したり、横断幕を掲げたりすることによりまして、食中毒予防について身近な働き掛けを行っているところでございます。

 今後も、様々な機会を捉えまして、食中毒予防の最新情報を分かりやすく飲食店などの食品営業者や県民の皆様に提供するように努めてまいりたいと思います。

原委員

 特に生食用のレバーですとかユッケに関してなのですが、これを提供する飲食店さんに関しては、食の文化という部分の主張もあると思っております。その反面、県民の皆さんの食品に対する安全・安心も十分に必要になってくると思われますが、飲食店さんによりましては、指導を受けて、これはお客様に提供しないでやめるのか、はたまたこちらの飲食店では、指導があったけれども、出しているという不公平感も今感じているところでありますが、要望でございますけれども、これらを徹底、一括した管理をしていただいて、そういった不公平感が生まれないように、これから管理、指導をしていっていただければと思います。

 この食中毒に関して私の質疑は以上でございます。

 次に、タンデムマス法による新生児のマススクリーニング検査についてでございますが、こちらに関しましては、昨年9月、我が会派の佐藤光議員、そしてまたしきだ副委員長から今年度の定例会でも質問がありましたが、このタンデムマス法におきましては、新生児から採取した微量の血液を検査する方法で、現在、6疾患を対象に行っている検査に加え、タンデムマス法を使用することにより、現在の6疾患に比べ、20種類以上の疾患について先天性の代謝異常の検査が可能となるものであります。

 本定例会において、しきだ副委員長の代表質問に対し、知事から、県内の全ての新生児がタンデムマス法による検査を受けられるように、今年度後半の事業開始を目指すと前向きな御答弁がありましたが、そこで何点かお伺いさせていただきたいと思っております。

 タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニング検査の導入に関する平成23年3月の国からの通知についてどのように受け止められているのか、改めて確認させていただきたいと思います。

健康増進課長

 本年3月31日付けで厚生労働省母子保健課長から先天性代謝異常の新しい検査法(タンデムマス法)と題する通知が出されまして、各都道府県に対しまして、タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニング検査の導入を積極的に検討するよう依頼があったところでございます。

 その内容でございますけれども、これまで国の研究所におきまして、タンデムマス法を用いた検査によりまして、アミノ酸でございますとか有機酸あるいは脂肪酸の代謝異常の早期発見が可能となること、また特にメチルマロン酸血症など16疾患につきましては、見直し例が極めて少なく、早期治療により心身障害の予防又は軽減が期待できることなどから、国はタンデムマス法を用いた検査を早急に実施することが適当であるとしているところでございます。

 本県では、タンデムマス法による検査につきまして、今年度後半の実施を目指しまして、既に本年度の当初予算に計上しているところでございますが、この国の通知は本年における検査事業の実施を後押しするものと受け止めてございまして、実施に向けた課題を整理いたしまして、計画どおりの事業実施に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

原委員

 今後、タンデムマス法の導入に向けてはどのような課題がありますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

健康増進課長

 課題といたしましては大きく3点ほどあると考えてございます。

 一つは、検査対象とする疾患についてでございますが、タンデムマス法は、先ほど御答弁したとおり、多くの疾患を調べられる。そうした中で、多くの基礎疾患を発見できる医療行為になってございます一方で、発見された疾患の中には治療法が確立されていないものがあるなど、発見後のフォロー体制も考慮しながら、どのような疾患を対象とするのか検討する必要があると考えてございまして、この対象疾患の点が第1点目の課題と受け止めてございます。

 次に、検査機関と医療機関との連携についてでございます。検査の結果、異常が発見された場合につきまして、早期に診断、さらに治療につなげていくことが大変重要でございます。また発見後のフォローにつきましても、しっかりした体制を築いていく必要がございますので、こうした点を課題と受け止めているところでございます。

 最後、3点目でございますけれども、保護者や医療従事者などに対する周知でございます。タンデムマス法による検査の導入に当たりましては、医療機関はもとより、保護者の皆さんにも十分に理解していただく必要がございますので、具体的な措置につきまして、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

佐藤(光)委員

 このタンデムマス法の導入は、長年にわたって自民党として課題として考えており、協力的な活動もして、国も随分動いてきたので、良い方向に今来ていると思っているのです。そういった中でタンデムマス法による検査によって2名の患者が見付かったという報告が出ています。今後の課題の一つとして、発見後の患者へのフォローアップとして、患者と家族関係の支援といった観点から、見付かった2名の患者の具体的なその後の状況についてどのように把握されているのかお聞かせ願いたいと思います。

健康増進課長

 今、委員から御質疑にありましたのは、現在、県医師会でパイロットスタディーとして行っておりますタンデムマス法の検査でございまして、一昨年、2008年度から横浜市立大学でスタートいたしまして、現在、横浜市立大学の2病院で検査しているものでございます。これまでに約3,500の検査を行っておりまして、そのうち二つの陽性反応が出たと承知しているところでございます。

 これらの患者につきましては、横浜市立大学附属病院で受け入れいたしまして、その後、適切に治療を受けていらっしゃると聞いているところでございます。

佐藤(光)委員

 その状況について、もう少し詳しく伺いたいと思います。

健康増進課長

 大変恐縮です。件数は承知しておりますが、それ以上の点については把握してございません。

佐藤(光)委員

 今後、これから全県を挙げて、こういった検査をしていくとなってくると、今まで約3,500の検査から2名の疾患の患者が発見されているけれども、この数が増えていく可能性があると思うのですけれども、どのぐらいで推移すると思っていますか。

健康増進課長

 対象疾患が何疾患になるかというところは、今、検討していただいているところでございます。推測という点で申し上げますと、おおむね大なり小なりで約1万人に1人あるかないかと伺ってございます。県内全体で出生数が年間当たり約8万人ということになりますと、年間当たり8件程度が見込まれるということでございます。これまでの経過を見ましても、どれだけの疾患が出るかどうか明らかではございません。一つの目安になると思っているところでございます。

佐藤(光)委員

 関連なのでこの程度にしておきますけれども、実は東海大学の付属病院で私の友人のお子さんが先月生まれたのです。東海大学がこの4月から先んじてタンデムマス法による検査をやっていただいていると思うのです。実は大学病院の看護師がタンデムマス法のことを知らなかったということがありました。もちろん周知徹底をこれからしていくということだと思いますが、先んじてやっている大学の看護師さんが実は知らなかった。医師が分かっていれば良いということではいけないと思います。その病院で受けて何か疾患があったら、こういう疾患のお子さんが見付かりましたとなっていくと思うのです。そのときに医師だけではなくて看護師さんへの周知徹底は大事になってくると思うのです。東海大学は、今回、先んじてやってもらったので、今回こういうケースがあってもしようがないのかと思いました。年間8名程度ということです。患者数がそんなにいるわけではないので、今後、この事業をしっかりとやっていくに当たっては、お医者さんもそうですけれども、それに関わる医療従事者の方々にもタンデムマス法の意義というのをしっかりとお伝えしていただく必要があります。病院によって変わってしまうかもしれないけれども、できるだけそういうことのないようにしっかりとした体制を組んでいただくことを要望させていただきます。しっかりとした対応をお願いします。

原委員

 先日の知事の答弁におきましては、このタンデムマス法を導入した検査について今年度後半の開始を目指すとのことでしたが、現時点でいつからこの事業を開始できるのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

健康増進課長

 このタンデムマス法を導入した検査につきましては、これまでも早く実施するように当常任委員会でいろいろと御意見を頂いたところでございます。県といたしましても、できるだけ早くのこの検査法を導入いたしまして、一人でも多くのお子さんが障害から救われるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

 この導入に当たりましては、現在、県の医師会にお願いいたしまして、医療関係者でございますとか検査機関等が入ります検討会を立ち上げまして、現在、議論を進めていただいているところでございますけれども、その第1回の会合の中で、是非早期に開始したいと申しておりまして、10月を目途に開始したいと検討会の中で意見の方向が出されたところでございます。

 県といたしましても、その方向で、年度後半ということで考えておりましたけれども、是非関係者の合意を得まして年度後半の早い段階で具体化されるように県としても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

原委員

 要望でございますけれども、これは、次の世代を担う子供たち、正にいのち輝く子供たちのことでありますので、このタンデムマス法による新生児マススクリーニング検査の導入により安心して子供を産み育てることができる環境づくりに大きくこれから寄与できるものだと期待しております。

 もちろん、しきだ副委員長、佐藤委員のように、我が会派も一丸となって取り組んでいることでありますので、このタンデムマス法におきましては、全国のモデル事業になりますように、神奈川県についても積極的に取り組んでいただきまして、また圧倒的なスピードでこの事業開始を目指し、取り組んでいっていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質疑を終了させていただきます。

山下委員

 それでは、先ほど御報告がありました七沢リハビリテーション病院について幾つか伺いたいと思います。

 まず、現状の確認をさせていただきたいのですが、七沢リハビリテーション病院の病床利用率及び入院待機患者の状況について伺います。

病院事業課長

 七沢リハビリテーション病院の病床利用率及び入院待機患者の状況でございますけれども、七沢リハビリテーション病院の病床利用率でございますが、平成22年度の実績で申し上げますと76.3%でございます。そして、入院待機患者の状況でございますが、比較的最近の平成23年、今年1月から5月の入院待機患者数を調べてみますと、それぞれの月で10〜20人程度の数で推移しているところでございます。

山下委員

 続いて、今回、報告されました神奈川県総合リハビリテーションセンターの再整備の骨子(案)の変更は、昨年度、実施した基本設計その1の検討の結果、対応の変更を図るということですが、基本設計の中で明らかになった機能面での課題は何か伺います。

病院事業課長

 基本設計その1で明らかになりました課題でございますけれども、リハビリテーションセンターの機能全体を踏まえまして、再整備に当たりましては、神奈川リハビリテーション病院は本県の拠点施設であるということから、脳血管疾患のうち民間の病院では対応が困難な重度重複障害の患者さん、あるいは就労復職支援が必要な若年層の患者さん、こういった方を支援する機能を発揮する必要があるということ、また新築する病院の中には、こうした患者さんに対応するための病床を新たに当初計画の病床数に追加、上乗せして整備する必要があるということ、こういった課題が明らかとなりました。

 そこで、今回の明らかとなった課題を解決するために、今回、再整備の骨子を検討しようとするものでございます。

山下委員

 ただいまのお話で、民間病院では対応が困難な重度重複障害の患者などに対応する機能を神奈川リハビリテーション病院へ移行し、移行する病床数は40床と先ほどの資料の中にもありますが、現在の七沢リハビリテーション病院は245床であり、数で言えば6分の1まで減少しているように思えるのですが、果たしてこの数で対応可能なのか伺います。

病院事業課長

 七沢リハビリテーション病院の現状もありまして、入院患者のうち神奈川リハビリテーション病院に機能移行いたします重症患者や若年層の患者の割合、そして先ほど御答弁しました病床利用率、こういったものを勘案した上で、神奈川リハビリテーション病院に移行する機能を発揮するに当たって必要となります病床数を積算いたしました。現在の病床利用の実態でありますとか今後の在院日数の短縮化傾向を踏まえますと、機能移行に必要な病床の数と考えてございます。

山下委員

 再整備後は、脳血管疾患への対応を含め、神奈川リハビリテーション病院でしっかりと対応していくということですが、患者にとって大切なのは、療養環境、コミュニティーでございます。再整備に当たり、神奈川リハビリテーション病院ではどのように療養環境を確保していくのかお考えをお聞かせください。

病院事業課長

 再整備後の考え方でございますが、病棟につきましてはきめ細やかな看護が可能となるという視点を大切にしたいと考えてございます。

 1点は、1病棟当たりの病床数、現在50床でございますけれども、これを40床にして、ゆったりとした看護が受けられるような環境を整えるということ。

 もう1点は、現在は6床室が中心でございますけれども、これを解消して4床室にする。4床室にいたしますと、患者さんの片側には必ず窓か壁があるという環境が整うことになります。あるいは、個室の数を増やす、こういったことで再整備後は医療環境の改善を図りたいと考えてございます。

 また、合併症への対応としまして、新たに透析室を整備するほか、小児患者のための小児訓練室、あるいは精神科、デイケア室、あるいは障害特性に応じたリハビリテーションが提供可能な様々な環境整備をすることなどによりまして、患者サービスの向上を図っていきたいと考えております。

山下委員

 今のお話を聞いていますと、療養環境として特に6床から4床へという配慮は、御家族の方がいるときに良いという思いがいたしました。

 リハビリテーション医療を取り巻く環境が様々に変化して、民間の役割が増していると先ほどの御答弁にもありましたけれども、しかしながら県立の施設であるリハビリテーションセンターが果たす役割は今後も重要と思われます。再整備に当たりましては、実際にリハビリテーションセンターを利用される患者の視点から、療養環境をしっかりと確保して、着実に再整備を進めていただきたく要望いたします。

 続きまして、がん対策について伺いたいと思います。

 先ほど原委員からもお話がありましたが、少し具体的に話を聞いていきたいと思うのです。まず最初に、県知事も、今回初めて当選、そして議会へと上がられ、議場における所信表明をされました。そこで、どのようなお話をされるのかと非常に興味深く聞いておりましたところ、その一部に御身内にがんを患われたというお話がありました。そこで、私はとても驚いたのですが、末期肝臓がんの患者の方が、漢方、東洋医学により完治したと述べています。

 がん患者の方々は、病状が良くなることに、完治のほかにも、寛解や完全寛解、治癒といったいろいろな状態とか呼び名があるそうなのですけれども、私も不勉強なため確認しておきたいのですが、知事のお身内のケースの場合は、医学的に完治という表現が間違っていないのか、その点を確認したいと思うのですが、どうでしょうか。

保健医療部長

 医学的に完治というところでございますが、残念ながら、がんに関して完治という定義が、はっきりしたものがないというのが現状でございます。知事が、今回、所信表明の中でお話ししたところが、御身内のケースで特に詳しい情報までは存じ上げていませんけれども、例えばがんが進行すると血液中にかなり高くなる値が、調べたところでは4桁ぐらい、5,000ぐらいまで高くなったのが、これが2桁、5,797が34まで下がっているというところとか、あとステーキが食べられるまで回復したというところがございます。そうしたところから考えますと、完治というのは病気やけがなどが完全に治ることという形で一般的に使われている言葉ですので、そういう一般的な言葉を御使用になったと考えられます。

山下委員

 私も病状が普通に暮らせるように落ち着く状態になるのを寛解というようなお話も聞いたことがあるのですけれども、そこは知事が完治という言葉を使われたということで、がんにはその定義がないということで間違いではないということですけれども、現在、インターネットが急速な普及を見せる中、高齢者の方々のネット接続率も急上昇していまして、それに伴ってがん患者のネット閲覧数も随分急増していると思われます。

 がん患者若しくは家族は、告知を受けてまず情報収集に奔走し、その中でやはりインターネットというツールを使うことが多いのですけれども、しかしながら、紙面の多くが広告ということで、医学的根拠に基づかない、まだしっかり証明されていない免疫療法とか代替医療が多くを占めている中で、知事のそういった発言というのは、不安な患者の皆さんにとって不安材料になりかねない。県民、市民にとって、不利益になるのではないかという思いがします。

 私は、東洋医療や漢方を補助的に組み合わせた手法を否定するわけではないのですが、貴重な税金を預かる身として、十分な医学的根拠に基づいた行動、発言が求められると考えます。ですから、知事として大きな影響力を持つ方ですから、議場での発言には慎重の上に慎重を期していただきたく、一言申し添えてがん対策についての質疑に入ります。

 まず、検診についてです。

 本県のがん検診の受診率を教えてください。

健康増進課長

 がん検診でございますが、市町村が実施するほかに、例えば職場でございますとか、あるいは個人の方が人間ドックで受ける場合などがございますが、これらがん検診の受診率につきましては、現在、国は国民生活基礎調査を基に算出してございまして、一番近いデータで平成19年の受診率がございます。これに基づきまして主な部位について御答弁いたしますと、まず胃がんでございますが、全国平均が28.7%に対しまして本県27.6%、大腸がんでございますが、全国平均が24.9%に対しまして本県24.2%、肺がんでございますが、全国平均が23.3%に対しまして21.8%、乳がんでございますが、全国平均が20.3%に対しまして、本県は19.2%、子宮がんでございますが、全国平均が21.3%に対しまして本県21.2%、こういった状況でございます。本県については、いずれも全国平均を下回る状況になってございます。

山下委員

 全国平均を下回っているということで、受診率が低い要因をどう捉えているのか伺います。

健康増進課長

 がん検診の受診率の低い要因というところでございますが、内閣府が平成21年度にがん対策に関する世論調査というものを実施してございます。この中の設問で、がん検診の重要性についてまず質問したところがございますが、回答者の97.4%の方が重要とお答えになっていらっしゃいます。ただその一方で、現在がん検診の受診状況は先ほど御答弁したとおりでございまして、その設問の続きで、「がん検診を2年以上受けていない」あるいは「今まで受けたことがない」と御回答した方に対して、なぜ受けていないのかと、そうした設問がございまして、そのお答えといたしましては、「たまたま受けていない」あるいは「心配なときにいつでも医療機関を受診できるから」と、さらには「健康状態に自信があり必要性を感じないから」「面倒だから」、こういった回答が続いてございまして、多くの方はがん検診の重要性自体は認識しているようでございますけれども、実際の受診行動に結び付いていない、こうしたことが受診率が低い要因と受け止めているところでございます。

山下委員

 それでは、その現状を踏まえて、受診率の向上に向けて本県の取組について教えてください。

健康増進課長

 受診率の向上に向けてでございますが、これまでがん検診に関する正しい知識をお伝えするという普及啓発をして、受診を促していくということで、普及啓発に力点を置いて行ってまいりましたけれども、これにとどまらず、お一人お一人が具体的に受診行動につながる取組が必要と考えているところでございます。

 そうした中、一つには、地域、職域の連携という点でございますが、職場でがん検診を普及啓発していただくことによりまして、身近な機会に従業員やその家族の方の受診促進が期待されることから、こうした取組を進めているところでございまして、具体的には、まず職場の事業主等の方にがん検診の重要性を周知いたしまして、従業員の皆さんに受診を働き掛けていただく、あるいは従業員やその家族の方の受診促進を図っていただくと考えてございまして、あるいはがん検診を受診していない企業などにおきましては、健康診断のメニューの中にがん検診を加えていただくように働き掛けるなど、こうした取組を県の保健福祉事務所でございますとか市町村と連携して、直接、働き掛けて取組を進めているところでございます。

 またあわせまして、がんの体験でございますけれども、やはり身近ながんを感じるには、がんの体験をお伝えするということが大事でございますけれども、そうした中で、がんを体験された本人から、がん検診を受けることは必要だということは、がんの具体的に検診を受診することにつながると考えてございまして、例えば検診の普及啓発のイベントなどにおきまして、がん体験者に自らのがん体験を紹介していただくなどを通じまして、がん検診の受診につなげるということの働き掛けを進めているところでございます。

山下委員

 それでは、検診の実施主体であります市町村について、県からどのような働き掛けを行っているのか教えてください。

健康増進課長

 がん検診の実施主体の市町村に対する働き掛けでございますが、県内の市町村を見ましても、がん検診の受診率は一様でございませんので、そうした中、受診率が高い市町村がございます。そうした市町村の取組は他の市町村の取組の参考にもなりますので、県では、これまでも市町村主管課長会議の場などで、まず第1点といたしましては、市町村別に受診率を御披露いたしまして、自分の市町村はどれだけ高いか、どれだけ低いかということをまず御認識いただくような形でやらせていただいてございます。あわせまして、受診率が高い市町村の取組について御披露するという形で参考にしていただく取組については、県内にとどまりませんで、昨年度には全国の取組状況についても調査いたしまして、全国の中でも取組が進んでいるところについて情報提供させていただきまして、市町村の参考にしていただくような形で今進めているところでございます。

 またあわせまして、県の保健福祉事務所で実施いたします住民を対象といたしましたがん検診のセミナーなどにおきまして、管内の市町村に配っていただく中で、保健福祉事務所と市町村が連携いたしまして市町村の受診率向上につなげる、例えば市町村の検診受付をそうしたセミナーの場で行うなど、そうした取組をすることで、工夫を重ねながら、市町村の受診率が向上するような働き掛けをさせていただいているところでございます。

山下委員

 やはり市町村が実施主体になりますので、是非県も、後押しというか、連携して受診率向上に努めていただきたいと思うのですが、私は、かねてから日本で浸透しているがん検診は、先ほどお話がありましたとおり、大まかに分けて、肺、大腸、子宮、乳房、胃というのが検診科目の中で定着していると思うのですけれども、医学的根拠に基づく死亡率減少効果に差があることに違和感を感じていました。

 ちょっと古い平成19年の情報ですが、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オランダ、フィンランドなどの諸外国は、肺や胃の検診事業を行わないケースが多く見られます。ですから、逆に早期発見時に治癒率が高い乳がん、子宮けいがん、大腸がんについては、今まで以上に検診率を大幅上昇させるべく、手段を新たに構築する必要があるのではと考えています。

 秋田県では、受診勧奨事業として、コール・リコール事業を行っているそうです。本県でもできないのか。また、私は、更に一歩進んで、がん体験者に、先ほどからの御答弁にもありますとおり、やはりがんを体験された方々の言葉というのに重みがありますし、体験者の方々が未受診者宅へ訪問し受診勧奨を行うことができないのか、実施する前にモデルケース、テストケースでもいいです、どこかで取組をしてみてはと考えますが、未受診者勧奨について県の考えを伺いたいと思います。

健康増進課長

 がん検診を受診していただくには、個人の方に働き掛けをすることは大変重要だと考えてございます。現在、国でも、まず女性特有のがん検診ということで、乳がん、子宮がん検診につきましては、クーポン券事業ということで取組が進んでおりますけれども、今年度はさらに、働き盛り、40歳から60歳代の死亡率が高い大腸がんにつきましても、大腸がん検診につきましてのクーポン券事業を開始するということで、直接、無料のクーポン券をお送りすることで受診率の向上につなげていただく取組を始めているところでございます。こうした取組は全国的にもそれぞれ進んでいるところでございます。

 そうした中、具体的に直接、がんの体験者の方が語り掛けるというコール・リコール事業の取組についてでございますけれども、先ほど申したとおり、私どもの方で他県の実施状況で受診率が高いところについてお伺いしたところ、例えば地域の保健師の方が、直接、受診勧奨ということで連絡するなり働き掛けるなり、そういった取組をしている県があると承知しているところでございます。

 そうした中で、本県でやっている取組という点でございますけれども、そうした取組を本県で進めるに当たりましては、市町村にも相談しているところでございますけれども、やはりマンパワーとしての保健師が不足している状況にあるという点がございます。さらに、がん体験者の方にお願いすると申しましても、やはり正しい知識でがん検診につながるようなお話をしていただくということとなりますと、一般の方にお願いするには工夫が必要であるということで、そういった意味で、保健師あるいはそうした体験者の方を確保するのはなかなか難しい状況にあると思っているところでございます。

 ただ、受診率の向上というのは大きな課題と認識してございますし、それに向けた取組も必要でございますので、今後とも市町村ともどうした工夫ができるのかということを御相談してまいりたいと考えているところでございます。

山下委員

 是非お願いしたいと思います。

 がん体験者が未受診者への受診を促すというのは、保健師がベストなんだと思いますが、県内でもNPOの活動されている方も結構多くいらっしゃると思います、団体もあると思うので、そういった方々の人材も是非お考えいただければと思います。

 次に、重粒子線装置についてなのですけれども、先ほども知事の所信表明に触れましたが、もう一つ気になる部分がありまして、いのち輝くとはどういうことでしょうか。例えば最先端の医療が普及すればいのちは輝くのでしょうか。最新式の医療機器がそろった中で、スーパードクターが腕を振るえば、いのちは輝くのでしょうか。私はそうは思いませんという部分があります。これは何だか、平成23年度当初予算で計上されている重粒子線のことを言っているのか、知事の方針で、この施策に、今後、変更の可能性があるのか一応、確認のためこのまま行くのかどうか伺いたいと思います。

病院事業課長

 重粒子線の治療施設の整備費につきましては、一体として整備しますがんセンターの総合整備費と合わせまして、平成23年度の当初予算として既に御議決いただいたところでございます。現在、東日本大震災等の影響によりまして、スケジュールに変更が出てございますけれども、建屋につきましては実施設計を、装置につきましては入札に向けて現在準備を進めているところでございます。

山下委員

 分かりました。

 本県としても、重粒子線整備において、人材の確保や育成について、並びに高額な費用について課題として捉えていると思いますが、保険診療の対象外のため高額になってしまう自己負担分を軽減するために、国に働き掛けていきますという県の方針を聞いているのですけれども、その後、現状はどうなっているのか伺いたいと思います。

病院事業課長

 委員お話しのとおり、治療費が300万円を超えるという高額な状況が今ございます。国への働き掛けの部分でございますが、例えば平成23年度、国の政策予算に関する要望等の中で、神奈川県としても国への要望をさせていただいているところでございます。

 現在の動きの中では、保険適用に関する中央社会保険医療協議会の議論の中でも、一部のがん種についてはその保険適用についての議論が始まったということも承知しておりますので、そこら辺の議論が今後なされるという状況と認識しております。

山下委員

 分かりました。

 議論が始まったということですが、今後、整備に向けてあと数年というところにおいて、県として他県でも行われている無利子貸与や利子補給などの対応はどう考えているのか確認のため伺いたい。

病院事業課長

 先行する例えば兵庫県ですとか静岡県、群馬県等では、既にそういった制度が行われているということは聞いております。これに対する利子補給あるいは患者負担の軽減方策につきましては、今後も引き続きの検討が必要な部分であろうと考えているところでございます。

山下委員

 この点に関しては、これまでもいろいろ議論があったと思うのですけれども、約300万円と言われる治療費を払える人が、恩恵を受けられるということでは、公平性の観点からやはりいかがなものかと思いますので、是非稼働に向けて改善を要望いたします。

 続きまして、緩和ケアについて伺いたいと思います。

 がんの痛みといっても様々な種類と要因があって、人によって現れ方も千差万別であり、また現在では、身体の痛み、社会的痛み、精神の痛み、哲学的・宗教的痛みなど全人的な傷み、つまりトータルペインをケアしていくことは、患者のQOLを高めることができると分かってきております。

 そこで、ますます重要性が認知されている緩和ケアについて伺いたいと思います。

 緩和ケア研修の本県における受講者状況を教えてください。

健康増進課長

 緩和ケア研修会の実施状況でございますが、まずがん診療に携わる医師を対象にした研修会でございますが、がん診療連携拠点病院を中心に実施されてございまして、国の指針で定められました平成20年度以降、昨年度までに合計で36回の研修が実施されまして、修了者数は591名となってございます。

 また、本県におきましては、独自にがん診療に関わる看護師等、医師以外の医療従事者向けの研修も実施してございまして、こちらにつきましては、昨年度までに28回の研修を行ってございまして、修了者数は537名となってございます。

 しかしながら、研修を修了した医師1人当たりの患者さんの数という視点で見てみますと、本県は、患者数が多いということもございまして、全国的には大変低い水準となっているところでございます。

山下委員

 本県では独自に看護に携わる看護師等に研修を行っているということは評価できると思うのですが、まだまだ足りないということで、受講者数の向上に向けてどのように取り組んでいるのか教えてください。

健康増進課長

 受講者は、研修の働き掛けというところが必要と考えてございます。まず、受講の呼び掛けでございますけれども、それぞれのがん診療連携拠点病院で実施のお知らせをしていたのですけれども、それにとどまらず、県のホームページで各研修会の開催をお知らせいたしまして、がん診療連携拠点病院の中だけではなくて、周囲の病院からも研修会に参加していただけるように周知を図っているところでございます。

 次に、受講のしやすさの工夫という点でございます。この研修のプログラムは2日間のカリキュラムで開催されるところでございますけれども、大変、皆さん、御多忙の中、2日間丸々受講するのは難しいということがございますので、単位制という仕組みをとらせていただいてございます。業務の都合で、途中で研修を退席するようになった場合でも、他の病院で同様の科目を受講した場合に、最終的に修了扱いとすることで受講しやすい仕組みをとらせていただいているところでございます。

 さらに、研修会の回数を増やしていくことが必要でございますので、これは、拠点病院の方で実施されている部分がほとんどでございますので、受講者を増やすために、まず研修会の回数を増やしていくということが必要でございますので、がん診療連携拠点病院に対しまして、年に1回ではなくて、複数回、必ず開催するように働き掛けさせていただいています。こうした取組を通じて、研修修了者を増やしていくように現在努めているところでございます。

山下委員

 それでは次に、緩和ケア病棟の整備状況について伺います。

医療課長

 引き続き、委員の御質疑の緩和ケア病棟の整備状況につきましては、平成23年4月時点で県内に11ある二次保健医療圏において七つの二次保健医療圏で整備されております。施設につきましては11施設、病床数としては211床となっております。

山下委員

 今のお話を伺いますと、緩和ケア病棟が未整備の地域があるようですが、今後はどうするのか伺います。

医療課長

 緩和ケア病棟については、現時点で未整備地区は4箇所でありまして、川崎北部、湘南西部、県央、相模原となっております。緩和ケア病棟の整備につきましては、神奈川県の保健医療計画の主要施策として、それとがんへの挑戦・10か年戦略において重要施策として位置付けられております。県では、平成21年度の地域医療再生交付金として50億円が県に交付されたことを利用しまして、平成22年から平成25年までの4年間に3箇所整備することといたしております。

山下委員

 平成23年度当初予算の中にあります緩和ケア病棟の整備で6,284万円が計上されていますが、具体的にどういう用途なのか教えてください。

医療課長

 具体的には、病棟整備を行う医療機関であります相模原協同病院に対しまして助成いたしていくこととしております。単位当たりの単価、それから病床数等を掛け合わせまして、県の負担に関しては3分の2ということで計算しております。

山下委員

 分かりました。

 厚生労働省委託事業におきますがん対策評価・分析事業の中の「あなたの思いを聞かせてください!」というアンケートがございまして、すごい膨大な量なのですが、拝見すると本当にすばらしい資料だと思います。

 この中にも緩和ケアについての情報が入っていますが、やはり低い値になっていまして、緩和ケアの意味を十分知っていたという方々の割合は22.7%、さらに自分の受けている緩和ケアに満足しているという割合は13.3%、医師と緩和ケアについて話し合ったという割合がまた12.9%とかなり低い値で、課題が浮き彫りになっている現状だと思います。

 また、今後、在宅医療にも大きく関わってくることは間違いないわけでありまして、是非患者の命をつなぐ大変重要な緩和ケアにつきましては、圧倒的なスピードでの整備を強く要望いたします。

 続きまして、がん相談支援センターについて伺います。

 がん診療連携拠点病院に設置されているがん相談支援センターは、その恩恵にあずかれるのはその病院患者だけなのか、その対象を伺いたいと思います。

健康増進課長

 がん相談支援センターでございますけれども、がんの患者さん、その御家族、あるいは地域の方からがん患者に関する相談を受け付ける窓口として拠点病院に設置されているものでございます。

 したがいまして、当該病院の利用者だけではなく、他の病院でがんの治療を受けた患者さんやその御家族からも相談いただけることになっているところでございます。

山下委員

 お聞きすると、家族も大丈夫ですし、地域の方々もオーケー、そして他の病院の患者さんも家族もオーケーということで、対象は広いという印象を受けたのですが、必ずしもその中でも支援センターがあるという存在や、機能が知られていないと思います。周知活動をもっとしても良いと思いますが、この点に関してはどうでしょうか。

健康増進課長

 委員お話しのとおり、この拠点病院、台東区が実施いたしました世論調査の中で、相談支援センターを知っていたというのは回答者の3割にとどまっている、こんな世論調査の結果もあるところでございます。

 そこで、厚生労働省の方では、拠点病院の指定要件の中に、がん診療連携拠点病院の役割として相談支援センター機能を担っている、こうした表示を院内の見やすい場所に掲示するように、この4月から強化したところでございます。

 あわせて、本県といたしましても、これまでも支援センターを紹介するリーフレットも作成いたしまして、がん診療連携拠点病院や保健福祉事務所等様々な機関を通じて配布させていただいたほかに、ホームページの中でも、支援施策に関するページを設けまして、センターがどういった役割を担っているか御紹介することでございますとか、設置場所あるいは連絡先あるいは相談時間等を掲載することで、周知を図らせていただいているところでございます。

山下委員

 センターにおいてがん患者の相談に当たる方は、一体どのような方々が対応されるのか伺います。

健康増進課長

 相談に対応する方でございますけれども、要件といたしまして、国立がん研究センターで研修を行っておりますけれども、その研修を修了した方が、専従として、あるいは専任として携わる方をそれぞれ1名以上ずつ配置するということが要件とされてございまして、具体的には研修に参加される方は、看護師さんでございますとかソーシャルワーカーの方が多いと聞いてございます。

 これはがん診療連携拠点病院の指定要件でございますので、各センターが同様の配置となっているところでございます。

山下委員

 恐らくたくさんのがん患者の方が不安を抱える中で、相談件数等も多いことが想像されるのですけれども、今のお話でも1人以上ということでございますが、その対応がこれで十分なのか、十分な取組がなされているのか伺います。

健康増進課長

 各がん診療連携拠点病院の相談支援センターでの一月当たりの相談件数を見てみますと、平均で約200件ぐらいの相談を受けている状況もございます。そういったところでは、特定の病院で、あるいは時間帯によりますと、やはりセンターの相談員だけでは十分に対応ができないところも懸念されるところでございます。

 ただ、そうした場合には、病院の方に伺いますと、例えば院内に併せて置かれております地域医療連携室と連携して、その方の協力を得ながら、例えば相談時間をずらしていただくとか、その間、そちらの方で聞いていただくとか、そうした関連部署と連携して相談者が困らないように適切に対応していただいていると聞いているところでございます。

山下委員

 がん患者の相談ということにおきまして、先ほどもお話がありました、がん体験者が患者にカウンセリングなどを行うピアサポートを県内で行っている病院があると聞いておりますが、その現状について伺います。

健康増進課長

 がん体験者によりますピアサポートでございますけれども、本県におきましては、昨年7月から相模原協同病院で、県とNPO法人でございますキャンサーネットジャパンとの協働事業という形で取組を進めているところでございます。

山下委員

 今後、ピアサポートを拡充すべきと考えますが、本県ではどのように考えているのか伺います。

健康増進課長

 ピアサポートの取組でございますけれども、がん患者さんですとか、あるいはその御家族が抱えている不安あるいは悩み、それを軽減するための大切な取組であると考えてございます。

 その一方で、御相談の内容は御家族あるいは患者さん御本人のプライベートな部分にまで入り込むというところでございますので、がん体験者であればどなたでもできるものではないと受け止めてございまして、相談者となり得る人材の確保が課題となりますし、またあわせて、相談する場所でございますとか安定的な運営をどれだけ確保するか、そうした課題もございますので、なかなか一気に広げていくことも難しい面もあると感じているところでございます。

 しかしながら、現在、相模原協同病院で行っております取組につきましては、実績も上がってございますし、また、大変好評に受け入れられていると伺ってございます。こうした先行事例の取組を参考にさせていただきまして、またあわせて現在、協働で行わせていただいておりますキャンサーネットジャパンとの連携を図りながら、こうしたピアサポートの更なる拡充に向けて御相談して検討してまいりたいと考えてございます。

山下委員

 相模原協同病院は、私も相模原在住ということで様々な取組を随分先進的に行っているという話は聞いています。このピアカウンセリングも、お話を聞きますと、5分の1がどうやら院外からの相談のようなのです。これはやはり潜在的にがん診療連携拠点病院での相談欲求が点在しているという表れでもあると思います。是非いろいろなところでピアサポートが受けられる形を整えていただきたいと思っていますし、当初は乳がんのみのピアカウンセリングの予定だったのですが、現在では全がんに対応されているというお話も聞いていますし、病院側も、患者のメリットのほかに、医療従事者の負担の軽減も感じているようで、7月から1人増やすというお話も聞いていまして、この費用は病院が持つそうなのです。ですから、これが表しているとおり、大きな効果があると思いますので、是非、本県でも大きな後押しをしてほしいと思います。

 がん患者の中には、相談センターに足を運ぶ自体で誰かに分かってしまうのではないかと嫌がる方もいらっしゃいます。電話相談も必要と思うのですけれども、実施しているのか、未整備ならば今後予定はないのか教えてください。

健康増進課長

 まず、相談支援センターにおける相談でございますけれども、来所していただきまして相談を受けるわけでございますし、電話による御相談も受け付けているところでございますので、県でもそうした意味でも電話番号も周知しているところでございますので、そういう意味で、お伝えいただければと思っております。

 また、先ほど御答弁いたしました相模原協同病院のピアサポートの関係でございますけれども、相模原協同病院ではなくて、横浜市内の方でがん診療連携拠点病院を置いておりますけれども、併せてがん体験者によるサポートセンターで電話相談の受付も行ってございますので、そういう意味で電話相談の窓口も開かせていただいている形になってございます。

山下委員

 電話相談については、しっかり対応されているということで安心いたしました。

 先ほどのアンケートでも、相談センターに関しても利用したことのあるという割合が13.8%と低いので、先ほどからお話も頂いていますが、周知方法の改善も求めていきたいと思います。

 そして、相談センターとピアカウンセリングは上手に連携すると相乗効果で大きな力になるということを現場で頑張っている方から貴重な御意見を頂きました。限られた予算の中で大きな効果を目指すために、これからはこういったチームワークが必要だと思っています。よろしくお願いします。

 続きまして、がん登録について伺いたいと思います。

 がん登録は、がん症例に関する情報を収集し、がんのり患率や生存率をはじめとする基礎資料を作成する情報システムであり、がん対策を推進する上で、重要なデータを構築する大切なシステムですが、この整備が遅れているように感じます。本県におけるがん登録について幾つか伺います。

 まず、がん登録の種類について教えてください。

健康増進課長

 がん登録でございますが、三つの類型があると言われてございます。

 一つには、医療機関、院内の中のがん患者さんの情報を収集、登録する院内がん登録でございます。二つ目には、肺とか胃ですとか臓器別にがん患者さんの情報を、それぞれのがんの学会がございますので、学会の方で収集、登録する臓器別のがん登録でございます。3点目でございますけれども、一定の地域内のがん患者さんの情報を収集、登録する地域がん登録、この三つがございます。

 このがん登録でございますけれども、地域の中におけますがん患者さんのがん対策の取組を検討するための材料でございますので、地域におけるがんのり患や生存、死亡の状況を把握、分析することが重要となりますので、この三つのうち、地域がん登録ががん対策にとって大変重要であると考えてございます。

山下委員

 それでは、地域がん登録の状況はどうなっているのでしょうか。

健康増進課長

 本県では、地域がん登録は、県立がんセンターを事務局といたしまして、昭和45年から始められました。当時は5,253件の登録だったと伺ってございますけれども、その後、登録件数が伸びまして、昨年度は5万7,762件と聞いてございます。

 またあわせまして、このがん登録によりまして、がん患者さんの状況が分かるり患数の把握率でございますけれども、現在のところ、74.9%となってございまして、この登録の制度の水準が、8割が目安と聞いておりますので、まだこの8割まで達してございませんので、更なる登録の充実が必要と感じているところでございます。

山下委員

 それでは、8割に届かないということでございますが、地域がん登録をするに当たっての課題は何か伺います。

健康増進課長

 3点ほどあると考えてございます。

 まず1点目でございますが、地域がん登録は全国統一の仕組みではございません。そのために医療機関に届出の義務というものがございません。そうしたことから、全ての医療機関から協力を得にくいといった状況がございます。

 また、2点目でございますけれども、こうした仕組みがない中で、個人情報保護の観点などから、登録につきまして医療機関だけではなくて一部の自治体からも十分な協力が得られない場合もあるということでございます。

 さらに、3点目でございますけれども、こうした情報を精査、収集いたします事務局を県立がんセンターの方でお願いしているところでございますけれども、このがんセンターの事務負担が大きいという課題があると承知しているところでございます。

山下委員

 それでは、きちんとした制度化に向けた県での対応はいかがでしょうか。

健康増進課長

 地域がん登録の仕組みは、本来であれば全国統一の仕組みで実施することで全国の患者情報が把握されれば、がん対策に大きく貢献されるものでございますけれども、都道府県によってまだ実施されていないというところもございますので、全国的な仕組みとなると、例えば推計によらざるを得ない状況でございます。

 これまでも本県といたしましては、地域がん登録の全国共通の制度化に向けて国に提案という形で行ってまいりましたけれども、今後とも引き続き、こうした働き掛けを行いまして、地域がん登録事業が充実するように取り組んでまいりたいと考えてございます。

山下委員

 英国や欧米諸国では、国民全体をカバーする登録システムがありまして、法的に義務付けている場合もあります。日本でも大部分の都道府県に地域がん登録が存在しますが、先ほどのお話にもありましたように、精度の高い登録が少数にとどまっているとおり、将来、がんを患った方々に少しでもより良い情報が提供できるよう、今からその整備をしっかり対応できるように要望いたします。

 がんに関しては、最後、サイコオンコロジストについて伺いたいと思います。

 がん患者は告知のときから大きな心のストレスを抱えます。それは、患者のみならず、家族も同様です。その心のケアを行う専門家でありますサイコオンコロジスト、精神腫瘍医によって病気や患者の状態に合った精神的なサポートが行われることで、患者や家族の生活の質を大きく上げることができると言われております。

 そこで、本県におけるサイコオンコロジストの現状について教えていただければと思います。

健康増進課長

 サイコオンコロジー、精神腫瘍学でございますけれども、その学会の会員は本県に何人いるかということは、残念ながら、現在のところ承知してございません。

 ただ、先ほど御答弁いたしました緩和ケア研修の中に精神症状に対する緩和ケアという科目がございまして、その講師につきましては、日本緩和医療学会と日本サイコオンコロジー学会とが共催で実施いたします指導者研修会の研修を修了した方が講師となると聞いてございまして、この緩和ケアの指導者の研修を受けることで、サイコオンコロジーの基本的な知識を習得すると理解してございますが、その指導者研修会を修了した数でございますけれども、昨年度までだと思うのですが、本県で28人おいでになりまして、そのうちがん診療連携拠点病院にいらっしゃる方は22名と承知してございますので、そうした状況でがん診療連携拠点病院を中心に、緩和ケア、精神腫瘍の取組が進んでいくと考えているところでございます。

山下委員

 がん患者やその家族が抱える精神的なストレスは、想像以上に大きくて、現在、社会問題となっています鬱病、年間3万人亡くなられる自殺者も、この鬱病が潜在的にあるという中で、がん患者にも多く見られる精神的な不安、鬱病状態をケアするためのサイコオンコロジストの養成が必要だと考えます。しかしながら、この領域を専門とする組織を持つ大学病院が、現在、数えるほどしかないのが現状であります。是非本県の先進的な取組を強く要望いたします。

 続きましては、不育症について伺います。

 不育症につきましては、我が会派の日下議員が代表質問で行ったとおり、妊娠はするけれども、流産、死産や新生児死亡などを繰り返して、結果的に子供を持てない場合、不育症と呼びます。適切な治療を受けることで出産できる方もいらっしゃいますが、治療費が高い、また治療できる医療機関が少ない、あるいは不育症と気付かずに流産を繰り返しているなどの多くの問題があり、不育症に苦しむ方々への支援が求められています。

 そこで、何点か伺います。

 現在、国が研究を行っている厚生労働省研究班で何が分かったのか伺います。

健康増進課長

 不育症でございますけれども、妊娠はするけれども、流産あるいは死産あるいは早期新生児死亡を繰り返している状態を指すものとされております。

 こうした中で、不育症の原因は様々でございまして、詳しく調べても原因が分からないというのが一番多いと言われております。また、不育症につきましては、専門的に相談あるいは治療できる専門家が限られていらっしゃる状況がございまして、厚生労働省では、平成20年度から、委員お話しのとおり、研究班を編成いたしまして、全国の不育症の発生状況でございますとか、検査法、治療法あるいは心のケアなどについて研究を始めたと承知してございます。

 この研究からは、例えば妊娠した女性の4割に流産の経験がある、あるいは不育症は16人に1人の割合で発生する、さらに毎年3万1,000人の患者さんが出現している、こんな報告がなされているところでございます。また、原因が判明いたしまして、治療方法があって、その中で治療を受けた方の多くは出産に結び付いている、そんな状況もございますけれども、ただ、全体の中では7割近くの患者さんは、原因が不明であるということも明らかになっているところでございます。

山下委員

 この研究の結果を受けて、国はどういう見解を示しているのでしょうか。

健康増進課長

 この研究班を受けた国の見解でございますけれども、今年度も更に研究が継続しているところでございます。そうした中、厚生労働省から、いまだ特段の見解の表明でございますとか、都道府県に対する通知というものはまだございません。

山下委員

 まず、不育症の課題の一つに、先ほど申し上げましたけれども、知らない方が多いということが挙げられます。不育症に対する普及啓発の方法として、不育症というものがある。もしこういったケースになった場合は、もしかしたら不育症かもしれませんという情報を母子健康手帳に掲載できないか伺います。

健康増進課長

 母子健康手帳でございますけれども、これは、市町村で妊婦さんにお渡しいたしまして、妊娠から出産、育児に至る健康の状況を一貫して記録するものでございまして、併せて育児に関する指導書的な扱いとなってございます。

 不育症について記載することでございますけれども、いまだ研究段階という点がございますし、母子の健康記録かつ育児の指導書、そういった母子健康手帳の趣旨に照らして、こちらに記載することにはなじまないと考えてございまして、現段階で記載することについては難しいものと考えてございます。

山下委員

 それでは、本県で不育症の治療ができる医療機関の現状と確保への取決めについて伺います。

健康増進課長

 厚生労働省の研究班では、ホームページで不育症に関する情報提供を行ってございます。そのホームページの中で、不育症の研究機関というものを紹介してございまして、この研究機関の中では本県で受入研究機関は1箇所という形になってございます。

 しかし、例えば不妊治療の方の支援でございますけれども、特定不妊治療指定機関と申しまして、不妊治療の治療費の助成の対象となる治療を行う医療機関でございますが、こちら、現在、県内で33の医療機関を指定させていただいてございますけれども、そちらのホームページを拝見いたしますと、七つの医療機関が不育症の治療を行っていると紹介されているところでございます。

 また、こちらもホームページでの掲載情報でございますので、県内の状況につきまして、今後は例えば産科医療の関係者などにも御相談しながら、不育症につきまして、相談、治療ができる医療機関はどちらになるのかということについて情報収集してまいりたいと考えているところでございます。

山下委員

 できましたら、早急に是非把握していただきたいと思います。

 続きまして、県として相談窓口を設置することはできないのか伺います。

健康増進課長

 県では、現在、不妊症の関係の方でございますけれども、不妊症の親の方を対象に、不妊専門相談センターを開設いたしまして、不妊治療を受けようか迷っていらっしゃる方、あるいは治療や検査方法について知りたいといった方に対する御相談を受け付けているところでございまして、このセンターで相談を受ける中で、年に数件ではございますけれども、不育症に関する相談も頂いているところでございます。

 先ほどの御答弁の繰り返しになりますけれども、不育症に対応した医療機関の情報が少ないのです。相談員につきましても必ずしも不育症に関する知識が十分備わっていないという状況でございますので、現段階ではこの不妊専門相談センターを活用いたしまして、積極的に不育症の相談を受け付けることは難しいと考えてございます。

 今後、国の動向も見据えながら、県内における医療機関の情報を収集する中で、相談の在り方につきまして検討してまいりたいと考えているところでございます。

茅野委員

 今の不育症に関して言うと、不妊症については不妊専門相談センターがあるので、そこである程度紹介ができる。今、一番問題なのは、やはり不育症という言葉自体がなかなか県民の中に浸透していないということだと思うのです。ですから、そこのところをどう啓発していくかということと、まだなかなか発展途上でよく分からないという部分がある。きちんと対応をとれば八十数%の方が出産できるというのであれば、県としても啓発できる体制をとるべきだと思うのです。窓口を不妊症の窓口だけのものを設置するとか、例えば不育症という言葉を何らかの形で県の機関の中で広報するとかしないとか、そういうお考えは全く今のところは持っていないのか、そのところだけ教えてください。

健康増進課長

 不育症につきましては、繰り返しの御答弁になりますけれども、まだまだ研究段階と承知してございます。ただ、その一方で、委員お話しのとおり、実際に不育症で悩んでいる方がいらっしゃるという状況は聞き及んでいるところでございます。

 そうした中で、どうした形で情報提供できるかということにつきましても、まず県内でそうした相談に対応できる医療機関がどの程度あるのかとか、そういった実態を調べていく上で、情報提供の在り方についても考えてまいりたいと考えてございます。まずは現状の把握に努めてまいりたい、併せて国の動向もしっかり情報収集していきたい、そういう形で考えているところでございます。

茅野委員

 不妊症については、今、相談窓口を設けて県として努力されている。それと同時並行的に不育症で悩んでいる方についても、圧倒的なスピードで、県として考えていただきたいと思います。

山下委員

 相談窓口ということですけれども、岡山県で不妊症と不育症を合わせた相談室を設けています。それで、相談件数の内訳なのですが、これを見ると、不妊症は420件に対して、不育症は407件ということで、不妊症と同じくらいの相談件数がここに見てとれるということは、潜在的に悩んでいる方々の多さを物語っていると思います。是非早急に進めていただきたいと思います。

 さらに、こういった形で他県や他市町村において保険適用外の不育症の治療費に対して助成を始めているところがあります。本県でも何らかの助成支援ができないのか伺います。

健康増進課長

 不育症の治療に対する経済的支援というお話でございますけれども、全国的に少子化が進む中で、安心して子供を産み育てるための環境整備につきましては、国が、全国どこでも同様の支援を受けられる制度を構築していくことが望ましいと考えてございます。そういった形で全国一律の仕組みの中で考えていただければと現在では考えているところでございます。

山下委員

 分かりました。繰り返し流産を繰り返す方の85%が無事に出産までたどり着きますと厚生労働省研究班もうたっています。どうかこの体制整備を是非お願いしたいと思います。

 続いて、児童相談所について伺います。

 児童相談所及び一時保護所については、不育症同様、我が会派の日下議員が代表質問で触れております。今日的な課題として、メディアでも度々目にするのが幼い児童への虐待です。とても心が痛む話です。

 そこで、県内の児童相談所における現状をお聞かせください。

子ども家庭課長

 県内の児童相談所の状況ということでございますけれども、特に委員からお話がありました児童虐待関連で御説明させていただきたいと思います。

 政令指定都市3市と児童相談所設置市であります横須賀市を除く県所管の児童相談所は五つございますけれども、平成22年度中に受け付けた児童虐待相談受付件数は1,853件でございまして、数としましては過去最多ということでございました。

 平成21年度が1,365件でございましたので、これと比べますと、488件、35.8%の増加となってございます。この増加の主な要因と考えられる点につきまして、2点お話をさせていただきたいと思います。

 まず1点目が、県民や関係機関の児童虐待への認識が高まり、児童虐待の疑いや軽微なものでも通告されるようになってきたことでございます。2点目が、転居等に伴う児童相談所間の情報共有が軽微なものも含めて徹底されたことが挙げられます。これらの背景には、特に昨年度におきましては、御案内のとおり、特にセンセーショナルだった事案としましては、大阪府で起きました幼児が放置されて亡くなられるというような事件がございました。それ以外にも虐待死に関わるような報道が多くされたことが一つ背景にあると思います。そういったことも踏まえまして、通告義務ですとか早期の相談について徹底されたということがあると見ているところでございます。

 虐待の相談の内容別で見ますと、昨年度は特に心理的虐待に関するものが多くございまして、お子さんの年齢で見ますと、これは引き続きということになりますけれども、乳幼児のお子さんに関するものが多かった状況がございます。これらを踏まえまして、県といたしましては、適切な対応がとれるように努めているところでございます。

山下委員

 そういった子供たちの保護は、本来、身近な行政機関が迅速に対応するべきと思いますが、各市町村との連携はどうされているのか伺います。

子ども家庭課長

 児童福祉法の改正によりまして、平成17年度から市町村も児童虐待等の相談窓口として位置付けられたところでございます。県の児童相談所は、役割分担の中では、より専門的で困難な事例の対応ですとか市町村への後方支援という位置付けになってございます。

 市町村におきましては、福祉、保健、医療、それから教育、警察あるいは民生委員、児童委員の方などが構成員となります要保護児童対策地域協議会というものを設置しておりまして、その中でチームを組んで、子供の虐待の防止ですとか早期発見、対応などの活動を行っておりまして、これらによって子供の適切な保護を進めているところでございます。

 ただ、その中で困難な事案ですとか緊急にお子さんの安全を確保しなければいけないというものにつきましては、児童相談所に通告していただきまして、児童相談所も一時保護を速やかに行うなどの対応しながら、連携を図っているところでございます。

山下委員

 分かりました。

 では、その中にあって、政令指定都市との連携はどうなっているのか伺います。

子ども家庭課長

 基本的には、県と政令指定都市が同じ権限を持って、児童相談所を設置、運営しているということになっておりまして、それぞれの自治体が虐待の相談への対応ですとか防止対策を講じているところでございます。

 しかし、本県におきましても、政令市と県所管域が隣接しているということがございます。そういった中で支援を必要とする御家庭が自治体間で転居するというようなことでの移動があるということもございます。また、お互いにそれぞれの取組を共有していくということが、より適切な対応を進めていくことにとっても必要であるだろうということから、様々なレベルでの連絡会議を5県市で開いているところでございます。これも年間複数回にわたっておりますけれども、そういった取組をしながら、情報交換を行っております。

 なお、警察など広域的に関わる関係機関との関係におきましては、5県市とそれらの機関と合同で連絡会を開くということもやっているところでございます。

山下委員

 今の政令指定都市のお話ですけれども、相模原市は、政令指定都市移行に伴い、つい先日、平成22年4月に相模原市児童相談所を設置して、児童相談業務を行っています。そして、県北地域児童相談所の施設を譲り受けるまでの間は、同一の施設を共同利用しているのが現状です。

 しかしながら、近年、先ほどお話もありましたとおり、県全体の相談件数が増加する中、相模原市児童相談所も、虐待相談の件数が年間487件と非常に多く、対応に苦慮していると聞いています。児童相談所の業務は、児童虐待という非常に専門的な業務であり、その業務を行う人材の確保、育成が欠かせません。

 そこで、何点か、相模原市に対する支援について伺います。

 相模原市が政令指定都市に移行し、1年が経過しましたが、県はこれまでどのような支援を行ってきたのか、また具体的な内容について伺います。

子ども家庭課長

 児童相談所の業務につきましては、委員からもお話がございましたように、児童虐待をはじめ、非行、それから障害児への支援など高い専門性が要求される業務となってございます。そういったことで、相模原市が新たに児童相談所を設置するに当たりましては、県の児童相談所が対応してきました個別事例の支援内容について丁寧に引継ぎをするということ、それから業務担当する市の職員の資質向上のための援助技術を伝達するというようなことなど考慮いたしまして、県が従来担ってきた児童相談所の業務を円滑に移譲することができるよう支援を行ってきているところでございます。

 具体的に申しますと、政令市移行前の平成21年度には、研修ということで4月から9月までの間に12名の市の職員を4箇所の児童相談所で受け入れまして、さらに10月以降につきましては、その12名全員の方を当時、県が設置、運営しておりました相模原児童相談所で受け入れさせていただいて、家庭訪問へ一緒に行っていただくとか、援助方針会議に同席していただくとか、そういった中で具体的な対応の仕方あるいは手法などについて伝達して、引継ぎも行ってきたということでございます。

 さらに、政令市移行後におきましても、市からの要請に基づきまして、平成22年度、23年度の2箇年にわたりまして、県の職員を3名、市の児童相談所に派遣しているところでございます。

 この他にも、県の児童相談所が実施している専門研修や、あるいはその他の研修会、会議などにも参加していただくというようなことを通じまして、人材育成に関わる支援を行っているところでございます。

山下委員

 次に、現在は、同一の施設内に二つの相談所があり、それぞれが相談業務を行っていますが、一時保護所の管理、運営はどこが行っているのか伺います。

子ども家庭課長

 一時保護所の管理、運営についてということでございますけれども、現在、県北地域児童相談所と相模原児童相談所が同一建物で利用していただいているわけですが、一時保護所につきましては、県の県北児童相談所が管理、運営をしております。

山下委員

 将来、施設を相模原児童相談所が譲り受けると聞いておりますが、そのタイミングとしては、現在、平塚に建設している児童相談所の開設時期と同一であると承知しておりますが、当面のスケジュールを確認したいと思います。

子ども家庭課長

 それでは、平塚に建設する新たな児童相談所の整備のスケジュールについて簡単に御紹介したいと思います。

 平成26年度の開設を目指しまして、現在、整備を進めているところでございます。昨年度は基本設計を行いまして、今年度は実施設計や既存施設の除却などを行うこととしております。さらに、平成24年、25年の2箇年で新築工事を行うという予定でございます。

山下委員

 分かりました。施設の現状と今後のスケジュールについて理解いたしました。

 そこで、今後は一時保護業務の円滑な移譲も焦点になってくると思います。今後の支援はどのようなものを考えているのか伺います。

子ども家庭課長

 一時保護所業務のスムーズな移譲に向けまして、今年度から相模原市の職員の方々3名を県北地域児童相談所の一時保護所でお受けいたしまして、一時保護所業務についての実務研修を行っております。移譲までの間に実際的な業務遂行の技術などをお伝えすることとしてございます。

 今後、更に相模原市から具体的な要請をお伺いしながら、市の児童相談所が円滑に運営できるよう、県として支援をしてまいりたいと考えております。

山下委員

 今後、土地建物の移譲とともに、一時保護所も相模原市に移譲されることになると思いますけれども、児童相談所業務同様に、虐待を受けた子供たちを保護する一時保護業務も高い専門性が必要とされる業務だと認識しています。今後も、これがスムーズに移譲できるよう、是非相模原市の要請を聞き、県としてできる限りの支援をしていただきたいと要望いたします。

 引き続き、最後に食中毒に関して何点か伺わせていただきます。

 今回の大変大きな被害が出た食中毒事件が発生した要因について伺います。

食品衛生課長

 今回、富山県では、焼肉酒屋えびす砺波店における食中毒につきまして、腸管出血性大腸菌O111及びO157に汚染されていたユッケが原因食品と判断していると聞いております。食肉には腸管出血性大腸菌などの食中毒菌が付着している可能性があることから、食肉を生食用として提供する側には遵守すべき生食用食肉の衛生基準が定められております。この焼肉チェーン店では、生食用食肉の衛生基準に適合する取扱いがなされていなかったことが確認されております。

山下委員

 それでは、生食用食肉の衛生基準について、確認のため詳細を伺いたいと思います。

食品衛生課長

 生食用食肉の衛生基準とは、平成10年9月に当時の厚生労働省が、食品衛生調査会からの答申を受けまして策定いたしまして、都道府県知事に対しまして通知したものでございます。

 この衛生基準では、規格や基準について次の四つの目標が示されております。成分規格目標としまして、ふん便系大腸菌群及びサルモネラ毒菌が、陰性、マイナスでなければならないという成分規格目標でございます。そして、加工調理基準目標といたしまして、菌に汚染された食肉の表面をはぎ取る、いわゆるトリミングや専用のまな板や包丁を使用すること、83度以上のお湯で器具の洗浄消毒を行うなどございます。保存等の基準目標といたしまして、保存や運搬するに当たりまして、清潔で衛生的な合成樹脂製の容器包装を用いて、冷蔵は10度以下、冷凍はマイナス15度以下で保存管理するというものがございます。最後に、表示基準目標といたしましては、容器包装の見やすい場所に生食用である旨や加工された食肉処理場名などを表示する。この四つがございます。

山下委員

 それでは、県で行った緊急監視の結果、生食用食肉の衛生基準に適合しない取扱いを行っていた施設が、25施設あったとの報告を受けておりますが、その後の状況について伺いたいと思います。

食品衛生課長

 5月1日から5月31日の間に1,109施設につきまして緊急監視を行いました。

 その際、基準に適合しない取扱いをしておりました25施設につきまして、6月30日現在で、そのうちの9施設がその後の保健福祉事務所の指導に従いまして生食用食肉の取扱いを中止いたしました。5施設が改善され適合となっていることも確認いたしました。残りの11施設につきましては、衛生基準に適合しない取扱いをしているという状況となっております。

山下委員

 お話を聞いていますと、いまだに衛生基準に適合しない取扱いをしている施設があるようですが、なぜ直ちに中止させないのか伺いたいと思います。

食品衛生課長

 生食用食肉の衛生基準を定めておりますのが厚生労働省からの通知でございまして、その衛生基準につきましても、成分規格や加工基準等全てが目標となっております。このように、行政指導の範ちゅうであることから、その指導に従わないといたしましても、強制的に中止させることはできないということでございます。

 そのため、営業者に対しましては、引き続き、食中毒の発生を防止するため、作成された衛生基準であるということを御理解いただいて、基準に適合しない食肉にあっては生食用としての提供を中止するよう粘り強く指導してまいりたいと思います。

山下委員

 衛生基準に適合しないユッケなどの提供は直ちに中止するよう、強制力のある対応ができないというお話を頂きました。そういう状況であれば、規制が必要と考えますが、県の対応について伺いたいと思います。

食品衛生課長

 国では、生食用食肉の新たな衛生基準につきまして、既に本年10月を目途といたしまして、法による規制に向けて動き始めていると聞いているところでございます。食肉の生食による食中毒を防止するためには、行政指導による対応に限界があることから、県といたしましては、厚生労働省に対しまして、早急に生食用食肉を食品衛生法によって規制するよう、要望を行ってまいりたいと思います。

山下委員

 国も10月を目途にというお話がありました。しかしながら、先日の死者を出した大きな事件からまだ間もないこの時期、既に他県で生肉の提供からなる食中毒が発生しています。また、これから夏を迎えるに当たり、早急にしっかりとした安全確保が必要だということで、我が会派では意見書を提出させていただきました。やはり重篤な患者が出ないように、10月まで県も本当に粘り強く対応していただきたいと思いますし、この意見書を是非提出していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 以上で質疑を終わります。

楠委員

 みんなの党の楠梨恵子です。本日、初めての質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、まずはじめに、介護現場における人材確保について質疑させていただきます。

 私は、自身の選挙区である横浜市栄区が横浜市18区ある中で高齢化率ナンバーワンとなったこともありまして、高齢化対策に特化して考えてまいりました。現状把握のため、特別養護老人ホームで介護スタッフの体験もしてまいりましたが、介護の現場では、昨今の報道でもあるとおり、人材がとにかく不足していると感じました。現場の方のお話では、介護現場は、3Kのイメージが根強く、若い世代の方が敬遠してしまうというところに問題があるとおっしゃられております。また、今後、神奈川県においてもユニット型の特別養護老人ホームの整備を進めていくとなりますと、従来の多床室型の3対1の人数配置基準よりも手厚い人員配置が必要であり、ますます人手が必要になると思います。

 そこでまず、本県における介護人材の現在の需給状況についてお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 介護職員につきましては、介護福祉士などの資格を必ずしも要するということではございませんので、需給状況を見る上では求人、求職数の比率であります有効求人倍率が指標となると考えております。県内の介護職員の有効求人倍率でございますが、平成20年度がピークでございまして、求人数9万3,150人に対しまして求職数が2万9,495人ということで、有効求人倍率は3.16倍でございました。その後、景気後退に伴う他産業からの流入、あるいは介護職員の処遇改善に向けた取組の効果もございまして、平成21年度以降、有効求人倍率は低下傾向にございます。平成22年度につきましては、求人数8万3,955人に対しまして求職者数は5万2,767人で、有効求人倍率は1.59倍になっております。ピーク時に比べると人手不足がかなり緩和されてきている状況にございます。

 なお、直近の本年4月の有効求人倍率でございますが、1.43倍となっておりまして、低下傾向が続いている状況でございます。

楠委員

 現在の介護人材不足の状況は、平成20年と比較すると安定してきているとのことですが、施設を回って、生の声を伺ってみますと、それでも人材を確保するのに苦労しているとお聞きいたします。そのずれは一体どういうところにあるのか、県の認識をお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 先ほど申し上げました1.43倍という数値でございますが、これは常勤職員とパートタイム職員を合わせた数値になってございまして、常勤のみで申し上げますと0.88倍、パートタイムにつきましては2.78倍となってございます。

 常勤につきましては、求人と求職がほぼ見合う水準となっている一方で、パートタイムの職員につきましては求人が求職を大幅に上回っている状況になっております。これがずれの要因の一つかと考えてございます。

 また、雇用する側からは、本県が平成22年度に社会福祉施設に対して行ったアンケート調査によりますと、「新規採用に当たって重視していること」という質問に対しまして、回答いただいた657施設のうち、31.4%が「新卒者を中心に採用する」、30.4%が「経験のある中途採用を確保する」、このように答えてございます。新卒者を中心とした若い人材か、あるいは即戦力として経験者を求める、こういった状況がうかがえると考えてございます。

 これに対し、応募する側からは、新卒者や経験者ではなく、他の業種からの就職希望者が多いということから、雇用する側と就業を希望する側との間にずれが生じていると思われ、施設側が欲しい人材がなかなか採用できないことが、不足感が解消できない理由となっているものと考えてございます。

楠委員

 施設側が求めている若い人たちの介護人材の確保に力を入れるべきと考えますが、県の取組についてお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 県といたしましても、学生をはじめといたします若年層に、介護の仕事の魅力や重要性を伝え、介護の仕事への就業を促進することが重要と考えておりまして、様々な取組を展開してございます。

 具体的に申し上げますと、まず1点目として、福祉、介護の仕事の内容や魅力、あるいは資格を取得するための進路、どういう進路をとったら良いかといったようなこと、こういったものを取りまとめた高校生あるいは中学生向けのリーフレットを県内の高校、中学校に配布している、これが1点目です。

 2点目として、県立保健福祉大学、そして東海大学と連携いたしまして、オープンキャンパスの期間中に介護の現場で活躍する職員による高校生向けのセミナーや相談会を開催しております。

 3点目として、進路指導に携わる先生方にも介護の仕事についての理解を深めていただくために、県立高校の進路担当の先生方を対象といたしました説明会も開催いたしております。

 4点目として、福祉、介護の仕事について気楽に聞ける場という形で、介護施設などで働いている人を招いた懇談会を県内各地で開催させていただいております。

 5点目として、福祉、介護の仕事に関心を持っている人に対しまして、職場を直接体験していただく、こういった機会の提供にも取り組んでおります。

 さらに、介護人材を養成する介護福祉士養成校におきましては、定員割れの状態が続いておりますので、充足率が6割未満の養成校を対象といたしまして、学校に専門員を配置し、その専門員が高校などに出向きまして、福祉、介護の仕事に関するセミナーや進路相談を行うことによりまして、福祉、介護の仕事の魅力を伝え、介護福祉士養成校への進学を促すことによりまして、若い世代の人材確保に努めております。

 今後も、若い世代が介護の仕事をやりがいのある職業として受け止め、将来の進路として考えていただけるよう、高校生を中心といたしまして、様々な機会を捉えて働き掛けることにより、介護人材の確保につなげてまいりたいと思っております。

楠委員

 現場の方からは、せっかく採用できてもなかなか定着しないというお声をお聞きしております。介護職員の離職率はどのような状況でございますか。

保健福祉人材課長

 平成19年度から平成21年度の全国ベースでの離職率の状況を申し上げますと、全産業で見ますと、平成19年度、15.4%、平成20年度、14.6%、平成21年度につきましては16.4%。これに対しまして介護職員でございますが、平成19年度、21.6%、平成20年度、18.7%、平成21年度、17%となっております。

 このデータは、全産業につきましては厚生労働省の雇用動向調査、介護職員につきましては介護労働安定センターの介護労働実態調査によるもので、調査自体が二つのものになっておりますので、一概に比較することはできないとは思いますが、傾向といたしまして介護職員の離職率が他業種に比べて高いと考えております。

楠委員

 他の職種と比較すると離職率が高いということですが、原因はどういったところでしょうか。

保健福祉人材課長

 民間団体が行いました介護職員の意識調査によりますと、仕事の内容ややりがいについての満足度は高い数値が出てまいりますが、仕事内容の割に賃金が十分でない、そして労働時間が長く、かつ不規則である、教育訓練や能力開発の機会が少なく、適切なケアができているかどうか不安に思っている、さらにキャリアアップの機会が不足している、こういったことなどの不満や悩みが表れてございます。

 こうしたことから、介護職員の離職率が高い理由といたしましては、仕事に見合った給与水準でないという処遇の問題と、もう一つ、能力開発やモチベーション維持の仕組みが十分でなく、自らのキャリアパスが描けず、将来に展望が持てない、こういった二つの要因が考えられると思っています。

楠委員

 離職の原因の一つである将来の展望が持てるような能力開発やモチベーション維持の仕組みが十分でないことにつきまして、県としてはどのような支援を行っているのでしょうか。

保健福祉人材課長

 介護職員が、意欲を持ち、やりがいを感じて働き続けるためには、処遇の問題以外に、例えば初任者の段階では、まずは仕事に慣れながら、OJT研修などで知識や技術を習得し、一定の経験を積んだ後には、介護福祉士資格を取得し、さらには現場のリーダーとして活躍するなど、将来展望が描けるような職場をつくることが、仕事のやりがいや魅力にもつながり、定着促進に欠かせないものだと考えております。

 介護の現場では、これまでキャリアアップの機会が少なかった理由として、介護の現場が非常に多忙で、なかなか施設から離れた外部の就労研修に参加することが難しいということ、そして介護施設自体、規模が余り大きくないということもございまして、個々の施設が独自に体系的に人材を育成することが難しいことが考えられると思っております。

 そこで、本県では、働きながら学ぶ仕組みをつくり上げることが重要だと考えまして、平成20年度から、地域で複数の施設が連携、協力して、経験の浅い方から現場のチームリーダーに至るまでの養成について体系的に人材育成を進める県独自の認定研修のモデル事業に取り組んでまいりました。また、この他、介護福祉士養成校の資源を活用したキャリアアップ支援研修、あるいは複数のグループホーム等の小規模事業者がネットワークを形成し、共同で採用や研修を行う取組に対しての支援を行ってございます。

楠委員

 平成20年度から県独自の認定研修事業に取り組んでいるとのことでございますが、この研修の特色等はどのような点でございますか。

保健福祉人材課長

 県独自の認定研修の特徴といたしましては3点ございまして、まず1点目は、働きながら学べるシステムであるということでございます。地域の施設がネットワークを組織し、各施設が会場や講師を提供する地域共同研修方式をとってございます。身近な場所ですので、仕事が終わった後でも参加しやすいことが最大の特徴となってございます。

 2点目といたしまして、一定の経験を積んだ中堅職員を対象とします介護職員基礎研修と介護福祉士資格を既に取得している方で、現場でのチームリーダーを目指すような方を対象とするファーストステップ研修、この二つのレベルの研修で構成してございますので、キャリアパスにつながる体系的な研修となっている、このことが2点目でございます。

 3点目といたしましては、介護職員基礎研修は厚生労働省、そしてファーストステップ研修、こちらは全国社会福祉協議会がそれぞれ創設しているものでありまして、本県ではこれらの研修内容に準拠して行うこととしておりますので、その内容は全国的に通用するものと考えております。

楠委員

 それでは、この研修のこれまでの実績と今年度の予定をお伺いします。また、この研修を受けられた方の実際の満足度、どこまでキャリアアップしたというお話等、御意見等ありましたら、それも併せてお聞かせいただきたいと思います。

保健福祉人材課長

 平成20年度から21年度までモデル事業として実施いたしまして、平成22年度から本格実施という形で実施しておりますが、平成20年から平成22年、昨年までの実績、これを併せて申し上げますと、基礎研修は、4地区で46事業所、58名の参加をいただいております。ファーストステップ研修につきましては、3地区で56事業所、66名の参加がございました。今年度につきましては、基礎研修は、1地区で10事業所、20名、ファーストステップ研修につきましては、3地区で46事業所、63名の参加を予定してございます。

 この研修は、基礎研修は150時間、それからファーストステップ研修は200時間のカリキュラムの内容になっていますが、これを2年かけて実施していくという形になっておりますが、基本的には1日の勤務が終わった後に、夜の時間帯になりますけれども、履修するという形になっております。当初は、本当に仕事との両立が可能なのかといったことも心配しておりましたが、ほとんど脱落する方もなく、受講生側も施設側も大変熱心に取り組んでいただいております。

 多くの受講者からは、研修の成果が日常の業務に生かせるであるとか、他の施設の職員との交流ができて大変良かった、こういったような前向きな意見を頂いております。

 また、施設長さんからは、ベテランの職員が講師を務める仕組みでありますので、講師役を務める方についてはリーダーシップの育成にも生かせたということ、それから受講生の職場での日頃の仕事への取組の姿勢が変わってくるということで、職場への波及効果も期待できる、そういった御意見を頂いてございます。

楠委員

 こちらは、当初はモデル事業として実施したということですが、その中でどのような課題が生じてきたのかもお伺いしてよろしいでしょうか。

保健福祉人材課長

 モデル事業として実施していく中で、一つは、研修の実施に当たりまして、研修ノウハウあるいは内部講師の蓄積といったものが必要になるわけです。また、事務作業もかなり負担量があり、研修の企画運営面での施設、事業所の負担がやはり大きいということが1点です。

 もう一つは、内部講師でございますけれども、講師役を経験することによりまして職員の成長が期待できるなど、メリットも大きいのですけれども、一方で、研修の水準を維持するためには、経験の浅い講師をどうやってサポートして育成していったらいいのかといった点、教育体制を整えることがなかなか難しいという点がございました。

 こういった点が課題としてありまして、事業を円滑に実施し、また拡大していくためには、研修のサポート体制を確立していくことが必要であるということが明らかになってまいりました。

 また、もう一つ、研修の時間ですが、先ほど申し上げましたように、いずれも長時間に及びますので、それぞれ2年間かけて実施するということでございますが、研修生及び施設側からの研修期間が2年というのはちょっと長過ぎるといった声も一方で出てまいりましたので、より受けやすい研修体制を整える必要があると考えております。

楠委員

 そのような課題に対して、どのように今後、対応されるのかお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 研修を実施する側の研修の事務負担が大きいという課題に対しましては、研修のノウハウ、あるいは研修事務のサポートを行うための研修支援センターといったものを、関係の団体と連携いたしまして、平成22年度に設置いたしました。支援の内容といたしましては、1点目は、研修カリキュラムの作成、講師の選定、依頼、調整、それから研修会場の確保、研修当日の運営、2点目としまして、研修の講師を務める施設、事業所の職員に対する教授法の指導、こういったものを支援の内容としております。

 また、研修期間が2年で長過ぎるといった声に対しましては、施設と意見交換を行いながら、短期集中の1年間で研修を終わらせることができないかということで、今年度から1地区におきまして1年間という期間で実施することといたしました。

楠委員

 では、続きまして、介護職員の処遇改善についてお伺いいたします。

 先ほどのお話にもありましたとおり、介護現場では、やりがいを持って仕事に打ち込んでいても、他の仕事に比べて賃金が低いことや、将来的な生活設計の問題から結婚を機に離職するケースもあるとお聞きします。

 そこで、介護職員の処遇面での課題と取組について、何点かお伺いいたします。

 まず、介護職員の給与について、他の職種と比べてどのように異なるのかお伺いいたします。

高齢福祉課長

 厚生労働省が毎年実施しております賃金構造基本統計調査を見てまいりますと、平成22年度の全産業の平均給与月額は、男性で36万円、女性で24万3,000円となってございます。これに対しまして、福祉施設で働く介護職員の平均給与月額といたしましては、男性で23万2,000円と全産業と比較いたしまして約13万円低く、また女性では20万6,000円と約3万7,000円低い状況となってございます。

 しかしながら、この調査では、全産業の男性の平均年齢は42.1歳、勤続年数が13.3年であるのに対しまして、福祉施設の男性介護職員は、平均が34.6歳、勤続年数は5.6年ということでございまして、平均年齢と勤続年数に差がございます。

 先ほど述べましたように、同じ年齢又は同じ勤続年数の下で比較してございませんので、果たして男性職員で12万円の差があるのかといったようなこともございます。そうしたことから、一概に比較することはできませんが、総じて申し上げますと、介護職員は全産業と比べて低い状況にあるものと受け止めてございます。

楠委員

 介護職員の処遇改善に向けた取組が行われたということですが、どのような対応があったのでしょうか。

高齢福祉課長

 国では、平成20年5月に介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律というのを制定いたしました。これによりまして、平成21年4月1日までに、介護従事者等の賃金水準等を勘案して、処遇改善に資する施策の在り方、こうしたものについて検討を加え、必要な措置を講じるということとされてございます。

 そうしたことにつきまして、同年、開かれました社会保障審議会等におきまして論議が進められまして、同年10月30日に、介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策として、平成21年度の介護報酬の改定率をプラス3%とすることが決定されました。

 また、その後、平成21年度の緊急経済対策による時限的な措置といたしまして、平成21年10月から平成23年度末までの介護職員処遇改善交付金事業が創設されまして、介護職員の処遇改善に向けた取組が図られたところでございます。

楠委員

 平成21年度の介護報酬改定と介護職員処遇改善交付金事業により対応が図られているとのことですが、報酬改定だけでは対応ができなかったということでしょうか。

高齢福祉課長

 まず、平成21年度の介護報酬改定でございますが、主に介護従事者の人材確保や処遇改善を図るために行われたものでございまして、具体的には認知症の方への介護業務や夜間業務などの負担の大きな業務に対しまして的確に人材を確保する、そうした場合への評価、あるいは介護従事者の能力に応じた給与を確保するための取組といたしまして、介護従事者の専門性等のキャリアに着目した評価、こういった報酬を加算する仕組みとして導入されたものでございます。

 そうした報酬改定によりまして、介護職員の処遇につきましては、当時、月額2万円程度の改善を図ろうとしたものでございます。しかしながら、国が実施いたしました介護従事者処遇状況等調査は介護報酬改定後に実施したものでございますが、平成21年10月の給与月額と前年の額とを比較いたしますと、月額9,000円程度の増加にとどまるような状況でございました。

楠委員

 介護報酬の改定による処遇改善が結果として十分でなかったのはどのような要因があると認識されていらっしゃいますか。

高齢福祉課長

 介護保険制度は、平成12年度にスタートいたしまして、平成21年度の報酬改定までに、平成15年にマイナス2.3%、平成18年にマイナス2.4%と、それまではマイナス改定が行われてございました。介護保険事業者は、これまで続いてきましたマイナス改定により経営状況が厳しかったということもありまして、今回の介護報酬の引上げ分を赤字の補てんであるとか借金の返済、こういったものに充当したということがございまして、プラス3%の改定分が全ての介護従事者の処遇改善に振り向けることができなかった、こういったことを現場サイドからも伺ってございます。

 また、今回の介護報酬改定の内容が、基本的な報酬部分を底上げしたものではなく、手厚い職員配置をした場合などに加算する方式が中心であったために、直接的な処遇改善に結び付かなかったのではないかということが考えられます。

 このような状況も踏まえまして、介護職員の処遇改善に直接結び付くよう、介護職員処遇改善交付金事業が改めて創設されたということでございます。

楠委員

 それでは、今、御答弁いただきましたその後に創設されました介護職員処遇改善交付金事業の概要について説明をお願いいたします。

高齢福祉課長

 介護職員処遇改善交付金事業でございますが、これは、国の経済危機対策による交付金を財源といたしまして、県が基金を造成し、介護職員の処遇改善に取り組む事業所に対しまして交付金を交付するものでございます。

 交付金の対象となるのは、介護職員が勤務する介護保険適用の事業所でございまして、事業所が職員の賃金改善を行うことをあらかじめ記載した処遇改善計画を作成し、それを職員に周知した上で、県に交付金の申請をするというものでございます。

 また、この交付金の交付に当たりましては、介護職員の職位、職責あるいは職務の内容に応じた任用要件あるいは賃金体系、そうしたキャリアパスといったものを導入することや、研修計画の策定といったキャリアパス等に関する要件というものが平成22年10月から設けられてございまして、この要件を満たしていない事業所には、一定の減額をして交付する内容となってございます。

 実際には、この事業は平成21年10月のサービス提供分から平成24年3月のサービス提供分までの2年半を対象とした事業となってございます。

楠委員

 では、月額で1人当たりの給与が1万5,000円の処遇改善を図るとした目標についてはどのように確認していらっしゃいますか。

高齢福祉課長

 この交付金事業によります処遇改善の状況でございますが、厚生労働省が平成22年12月の社会保障審議会介護給付費分科会に報告した調査結果資料を見てまいりますと、介護職員処遇改善交付金を申請した事業所の介護職員の平均給与月額につきましては、平成21年度1年と平成22年のそれぞれ6月で比較いたしますと、約1万5,000円の増となっているということでございまして、事業の成果が表れているという説明を受けてございます。

楠委員

 この介護職員処遇改善交付金事業は申請に基づく事業でありますが、平成22年度においては、対象事業者のうちどの程度の事業者が申請を行っているのでしょうか。

高齢福祉課長

 平成22年度の申請状況でございますが、平成22年3月、これが申請期限でございますが、この時点で、県内で併設している事業所を含めまして主たる事業所ということでカウントしてまいりますと、県内の対象事業所は4,407事業所ございます。このうち3,683事業所から申請がございました。率にいたしますと84%、また同様な調査をした全国平均の申請率を見ますと82%ということでございますので、2%程度、全国平均よりは上回っているという状況でございます。

楠委員

 申請しない事業者がいるのはどのような要因によるものでしょうか。

高齢福祉課長

 制度発足当初の初年度でございますが、当初は平成21年10月末が申請期限だったのですが、その時点で見ますと、大分、申請率が低かったということもございました。これは制度発足が間もなかったということと、周知が十分でないと国が判断いたしまして、当時の申請期限を2箇月延長する措置がとられました。

 こうしたことから、県としても、この処遇改善交付金は処遇改善を目指すためのアピールにもなるということもございまして、未申請であった事業所、約1,500箇所ございましたが、それに対して、一軒一軒、電話による勧奨となぜ申請しないのかといった理由についても把握させていただきました。

 そうした中で、申請そのものの率が上がったわけでございますが、どうしても申請しないといったところに理由をお伺いしましたところ、主な理由としましては、小規模な介護サービス事業所では、事務手続が煩さである、なかなか申請書類を作れないというお話であるとか、例えば介護保険施設の中でも介護療養型医療施設のように、介護職員ではなくて看護職員の割合が多いようなところは、今回のこの制度は、対象者が介護職員に限られている、いわゆる看護職員は該当しないということもあって、他の職種との公平性の観点から導入することはできない、こういった回答がございました。事務手続につきましては、その後、国も見直しを行いまして、前年度と提出書類が同じであった場合には省略を可能とするなど、申請が容易になるような手法を用いてございます。

 なお、本年度の申請率につきましては、県内の対象事業所は4,751事業所ございますが、そのうち4,173事業所から申請があり、申請率としては88%まで上がってございます。昨年度より若干伸びてございまして、また全国平均の78%の申請率と比べますと10%ほど高い状況になってございます。

楠委員

 国が定めた処遇改善に向けた取組については十分に機能していないと思いますが、県としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

高齢福祉課長

 先ほども答弁申し上げましたが、平成21年度の介護報酬改定は介護従事者の処遇改善を図るために3%のプラス改定が実施されたものでありますが、中身的には基本報酬が一律の引上げに至らなかった、そういったことや、介護職員処遇改善についても対象とされた職種が限定されていること、それによって全ての介護従事者の処遇改善に結び付かないなど、やはり十分な対応ではなかったのではないかと受け止めてございます。

 今後、生産年齢人口や労働人口の減少が見られる一方、介護を担う人材のニーズはますます高まることが見込まれておりますので、介護従事者の確保につきましては、将来に向けた非常に重要な課題であると受け止めてございます。

 そうした中で、介護従事者の処遇改善につきましては、賃金面のみならず、先ほども保健福祉人材課長が答弁したように、やりがいを持てる、あるいは働きやすい職場、こういったものを目指してキャリアアップへの取組や人材育成などにも支援が必要ではないかと考えてございます。

楠委員

 先ほどのお話の中で、介護職員処遇改善交付金事業につきましては、平成23年度末には終了するということでありましたが、その後の対応について県としてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。

高齢福祉課長

 確かにこの事業は平成23年度末に終了いたします。ちょうど平成23年度末、来年、平成24年度の初めには新しい介護報酬改定がございます。そうしたことで、今後の処遇改善につきましては、施策の展開がどうなるのか、これは大変重要な関心事だと認識してございます。

 ただ、平成24年度以降の介護従事者の処遇改善を介護報酬改定で行うのか、または現行の交付金制度を継続するのか、こういったことについてはまだ国が結論を出してございません。現在、社会保障審議会介護保険部会の議論を見てまいりますと、本来的には介護報酬改定により対応する方向で検討していくべきということが報告書で触れられてございます。

 県といたしましても、介護従事者の処遇改善はやはり恒久的な措置として介護報酬改定により実現することが適切であると考えておりますが、一方では、介護報酬改定がプラス改定となった場合には、保険料や利用料の上昇、あるいは地方自治体の負担増にもつながるといった課題がございます。このため、平成24年4月の報酬改定に向けましては、保険料及び利用料の上昇や地方負担増を回避する財源措置が講じられるべきだ、あるいは介護職員処遇改善交付金事業を継続実施していくかについては、今後、国の動向を見定め、この問題に関して現在議論を進めております全国知事会とも連携しながら、働き掛けをしていく必要があるものと考えてございます。

楠委員

 続きまして、介護の魅力を高める取組について、何点かお伺いいたします。

 介護職員の処遇改善だけではなく、介護現場に光を当てて、介護現場の魅力を高める取組がこれからは必要であると思います。

 まず、平成20年に国が11月11日を介護の日と定めたと承知しておりますが、どのような目的で制定したのか説明をお願いいたします。

保健福祉人材課長

 介護の日でございますけれども、高齢化などによりまして介護が必要な人が増えている、こういった中で地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、国民一人一人に介護を身近なものとして捉えてもらい、それぞれの立場で介護を考え、関わってもらうことを目的として定められたものでございます。

 ちなみに、11月11日という日でございますが、この日にち及び名称について意見公募を行いました。この11月11日はいい日、いい日という覚えやすく親しみやすいごろ合わせになっているということで、最も賛意が得られたことからこの日が定められたと伺っております。

楠委員

 次に、これまでの県としての取組や県内の取組事例についてお伺いいたします。

保健福祉人材課長

 介護に対する県民の理解を一層深めるための市町村社会福祉協議会、介護福祉士会などと連携をとりながら、県内全域でフォーラムあるいは記念イベント、講演、講座、そして研修など重点的に普及に取り組んでございます。

 平成22年度の県の取組といたしましては、小田原市や県社会福祉協議会などと連携いたしまして、小田原市内において、介護の日記念イベントを実施いたしました。

 その内容でございますが、親しみやすい内容のセミナーにしようということで、「やっぱりこの仕事、続けてみようかな」といったテーマで講談形式によりますセミナーというものを実施いたしました。また、介護の仕事を知る懇談会、そして介護相談、就職相談、ボランティア活動などについての相談活動といったものを実施いたしました。

 また、介護の日制定前から行っておりましたもので、直接介護の日にちなんだものではありませんけれども、県では毎年秋に、多年にわたり介護業務、社会福祉事業に携わり、特に功労のあった方の功績をたたえるために、神奈川県介護賞の贈呈や社会福祉関係者表彰、こういった表彰事業を行ってございます。こうした取組は、受賞者に続く多くの介護職員などの励みとなり、一人一人のモチベーションの向上につながることを期待してございます。

楠委員

 今の御答弁を受けまして、フォーラムですとかセミナーを開催していただいているということなのですが、やはり一方的にやるだけでは、人は集まらないといいますか、そういったことに関心を持っていただけないのかとも思うのですが、実際にこのフォーラムやセミナーなどを行ってどれぐらいの方がいらっしゃったのか教えていただけますでしょうか。

保健福祉人材課長

 介護の日のイベントは、先ほど小田原市の会場で実施いたしまして、参加者としては116名になっています。懇談会の方の個々の人数については把握してございません。

楠委員

 知事は、今回、いのちプロジェクトの一つとして、楽しくなければ介護じゃないということで、こうしたビジョンを掲げておりますが、これは要するにどういったことかお伺いいたします。

高齢福祉課長

 高齢者施設などの介護現場では、これまできつい、汚い、危険といったいわゆる3K職場としての暗いイメージが語られることが多くございました。知事は、平成3年に看護問題に目を向けた際に、看護の労働条件も介護現場と同じ3Kの職場であり、離職者も多く、このままでは日本の医療が崩壊すると言われた時代があったことから、ナースの世界に光を当てるために、ドキュメンタリー番組をつくり、社会における印象を変える取組を12年間、取り組んできたということを言ってございます。そうした看護に光を当てたときと同様に、介護の仕事はすばらしい仕事であること、社会において評価されるように県民の介護に対する理解や意識を広めることがやはり何よりも重要であると考えられます。

 そうした取組を通じて、介護者のやりがいや高齢者が生きていて良かったと実感できる神奈川づくり、こういったものが実現できることが取組ではないかと考えてございます。

楠委員

 介護現場に光を当てるためには、介護の日、11月11日の活用も含めて更なる取組が必要になるかと思いますが、現時点ではどのようなことを考えていらっしゃいますか。

高齢福祉課長

 先ほどの3K職場といったマイナスイメージ、または不祥事などの記事がマスコミによって取り上げられることで、介護職員の従事者の確保や定着を阻んでいるのではないか、そういったことも言われてございます。そうした声は、昨年度、行政と団体が一体となって、高齢者施設における不祥事等の防止を進めるために設置いたしました協議会の中でも、委員からは、虐待、不祥事といったマイナスイメージの言葉で語るだけではなく、施設でのすばらしい取組に光を当てる、プラスのイメージに変えることも必要ではないか、こういった意見が示されてございます。

 そうした意見も踏まえまして、本県では、介護現場のイメージをプラスに転換する、こういった取組として、介護の日に合わせて、感動介護エピソードや模範的な取組を行っている介護職員、あるいは介護施設等を表彰する制度を検討するなど、こういった取組によって、介護現場のやりがい、働きがいを高めてまいりたいと考えてございます。

 また、在宅で介護を支援している家族の方々にも、介護保険制度の解説や在宅における介護の取組に対する紹介、明るい介護、こういったようなテレビ、ラジオ媒体を通じた広報など通じまして、広く県民にもアピールし、介護に関わる職場を積極的に評価するような取組をしてまいりたいと考えてございます。

楠委員

 では最後に、要望させていただきます。

 高齢化が進む中で、介護のニーズの増加は避けられない状況にあり、ますます介護人材の確保と定着が重要な課題になってくると思われます。県としても、介護人材のキャリアアップや中高生に対し介護の仕事のやりがいをPRするなど、取組を行っておりますが、知事が提唱するいのちプロジェクトとして介護に光を当てることも今後重要であると思います。

 先日、神奈川県立保健福祉大学とよこはま看護専門学校を視察させていただきましたが、その中でしっかりとした人材育成を行っている学校と感じました。

 看護師の確保はもちろんのこと、今後、介護の人材の確保、定着にも向けて引き続き取り組んでいただきたいことを要望させていただき、質疑を終わらせていただきます。

西村委員

 公明党の西村くにこでございます。初めて質疑いたしますが、よろしくお願いいたします。

 まず、本会議の代表質問で、我が党の渡辺ひとし議員が障害者の地域生活支援について質問させていただきました。具体的に、これについて、何点かお伺いしてまいりたいと思います。

 まず、代表質問でも取り上げました障害児の通学支援についてですが、現状では十分な支援が行き届かず、地域のばらつきもあると承知しております。県では、市町村における通学支援の取組を支援するために、障害者地域生活推進事業を創設されましたが、平成22年度の実施状況はどうだったのでしょうか。また、それを踏まえて今年度はどのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

障害福祉課長

 障害児の通学支援につきましては、親の会等から強い要望がある一方で、市町村が通学支援に新たに取り組む場合、初年度は国庫補助の積算の対象とならないということが、事業が進まない原因の一つだという声がございました。

 そうしたことから、平成22年に県といたしまして、その事業の導入に対して、初年度、補助する仕組みをつくりました。平成22年度は、事業の初年度ということもありまして、新規事業ということでなかなか市町村に早い段階から周知できなかったということがあります。結果として、市町村による取組が進まず、本事業の平成22年度の実績はございません。

 しかしながら、昨年度、年間を通じまして、市町村に対しまして主管課長会議の場や担当者によるヒアリングの場、あるいはこちらから市町村に出向いて積極的な活用を働き掛けてまいりましたことによりまして、今年度、通学支援につきましては3市町から新たな申請がございました。

 このように、市町村による取組も、少しずつではありますが、確実に進んでいるものと認識しているところでございます。

西村委員

 出向いて、3市町村からの要請があったということです。出向いていかれることが本当に重要なのではないかと私も考えます。

 次にお伺いしますのは、障害者が地域生活へ移行するための重要な住まいの場であるグループホーム、ケアホームについて、知事答弁で、新設、設置推進を挙げられていらっしゃいました。県では、サポートセンターを設けて、設置促進のための助言や職員の研修を行うということでしたが、具体的な取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。

障害サービス課長

 障害者グループホーム等サポートセンターは、(社)かながわ福祉サービス振興会が運営してございますけれども、グループホーム等の設置、運営に係るコンサルテーションや職員研修を実施してございます。ホームの設置、運営に係るコンサルテーションにおきましては、開設を希望する法人や親を対象に、設置基準・手続等の開設説明会を開催し、昨年度は、年間15回、延べ248名の参加がございました。あわせて、開設に向けた具体的な個別の開設相談も実施いたしまして、相談件数が30件、延べ41回開催してございます。

 また、サービスの質の向上を目的とした職員研修会の開催におきましては、ホームで働く管理者や世話人などを対象に、人権擁護、リスクマネジメント、支援技術などをテーマに年間15回開催してまいりました。昨年度は延べ545名の参加があり、今年度も同様に開催することとしてございます。

西村委員

 さて、そのグループホームについてですが、6月30日付けで知的障害者のグループホーム等を運営するNPO法人である障害者フルライフサポート・ユーリカに対して、県は指定障害福祉サービス事業者の指定を取り消したとの記事が新聞に掲載されておりました。この事業者の指定の取消しの経緯をお伺いするとともに、不安に感じられたであろう利用者の皆様や御家族へのフォローについてお聞かせいただきたいと思います。

障害サービス課長

 ただいまグループホーム、ケアホームに従事する職員に対する研修会を開催し、機能の向上に取り組んでいると申し上げましたが、残念ながら横浜で、グループホーム、ケアホームを経営する事業者におきまして、不適正な事案が発生いたしましたので、指定事業者の取消しを行いました。

 その経過でございますが、平成22年10月に、横浜市より利用者2人の通帳の写しについて情報提供がございました。入居時にあった預金額約3,000万円がほとんど引き出された状況が判明いたしましたので、11月から監査を実施いたしました。その結果、引き出された約3,000万円からホーム利用に係る必要経費を差し引いても約2,000万円の不明金が発生していることや、事業者の運営におきましても、家賃、光熱水費等の滞納や従業員の給与未払などの事実が判明いたしました。

 そのため、障害者自立支援法第50条第1項第2号及び第10号に該当するとしまして、6月30日をもちまして、事業者の指定取消しを行ったところでございます。

 また、グループホームに入所されていました利用者22人の方につきましては、昨年秋ごろから、援護の実施機関である市町村が中心となりまして、併せて県及び政令市の施設団体会長にも協力をお願いいたしながら、他のグループホーム等に順次転居され、最後のお2人につきましては、7月1日に転居されてございます。

 なお、このような預り金に係る不正行為の再発防止の観点から、6月30日付けで社会福祉法人及び社会福祉事業所宛に通知したところでございます。

西村委員

 ただいま利用者の方がまた違う施設に移られるように計らっていただいたということで、ひとまず安心いたしましたが、もう一つ、従業員の方への給与が未払であったと、しかもこの従業員の方々が、自ら食材費を立て替えるなど、いわば熱意を持って仕事に従事していらっしゃった。この方々はどうなっておいでなのでしょうか。

障害サービス課長

 ただいま委員のお話のとおり、従業員の方の中には給料の未払等があるということを監査における聞き取り調査の中で伺ってございます。様々な問題点があったことでは、労働基準監督署に相談するよう伝えております。また当方にも相談できる分につきましては相談する旨伝えてございます。

西村委員

 働く方についてもしっかりとお守りいただきたいと思います。そのグループホーム等とも関係してくると思います。支援サービスの中に障害児のショートステイというのがございます。障害児をお持ちの親御さんにお話を伺いましたところ、施設は市町村を超えてあるということです。そこに子供さんを連れていかなくてはいけない、あるいは緊急時に障害を持つお子さんを預かってもらいたいと思っても予約制で、2箇月、3箇月前に予約しないとこのショートステイを利用できない。

 また一方で、作業所で緊急に障害児、お子さんをお預かりすることがある。こちらは作業所を運営されている方に伺ったのですが、十分な助成、支援が得られないために対応できないケースが間々あるとお話しくださいました。

 さて、代表質問の答弁で知事はレスパイトの充実についても言及されました。在宅の障害者御本人はもとより、御家族のレスパイトのためにも重要なこの短期入所について伺いたいと思います。

 障害の特性に応じた施設の整備とともに、人数に即した施設の整備が必要だと思われます。実際にどのような整備が行われているのかお教えいただけますでしょうか。

障害サービス課長

 障害の特性や程度に応じまして、短期入所のサービス利用促進には、浴室、トイレなどのバリアフリー化、併せて居室の洋室化等の環境整備が大変重要でございます。そのため、平成22年度は、九つの法人におきまして、居室・トイレ等の改修、浴室、居室にリフトの設置、電動ベッド、コールシステムの整備を行い、障害の特性や程度に応じた利用促進に取り組んでまいりました。

 あわせて、施設内の余剰スペースを居室化するなど、短期入所のベッド数を増やす工事も取り組んでございます。

西村委員

 施設の整備の申込みということに関しては、何か変わったことはないのでしょうか。

障害サービス課長

 指定事業者を受けている入所法人がこの事業の対象になってございまして、昨年度は9法人からの申込みがあったということでございまして、今年度も取り組んでまいりたいと思ってございます。

西村委員

 ただいまの質問ともかぶってくるかとは思うのですが、先日、障害児を持つ保護者の方々と懇談させていただきました。保護者の皆様は、子供さんの成長とともに新たな問題に直面されます。それは、福祉サービスの利用方法に限らず、教育であったり学校の問題であったり、子供さんの社会参加など多くの悩みを抱え、その相談内容に応じて様々な相談機関をさまようことになる、こんなふうにおっしゃっていらっしゃいました。皆さんが口々におっしゃったのが、ワンストップの相談窓口があれば助かると訴えていらっしゃいました。

 障害児の相談窓口の現状はどうなっているのでしょうか。また、障害者自立支援法の一部改正により相談支援の充実が図られると伺っておりますが、その内容についてお聞かせください。

障害福祉課長

 相談支援につきましては、障害者自立支援法に基づきまして市町村が設置しております。障害児、障害者やその家族の方からの御相談に応じる相談支援事業所が、県下で政令市、中核市を含めまして、約100箇所を超える事業所が設置されております。

 相談支援事業所では、具体的な御相談を受ける中で、より専門的な相談が必要な場合、専門的な相談機関である児童相談所であるとか発達障害支援センターにつなぎ、また教育の関係であれば総合教育センターの相談機関などにつなぐなどの役割を果たしております。

 相談支援は、障害児、障害者やその家族への助言や様々な情報提供など、障害児、障害者の地域生活にとって不可欠なものであることから、委員おっしゃいましたように、自立支援法の相談支援の一層の充実などを内容とした昨年12月の自立支援法の一部改正に盛り込まれております。改正内容の主なものといたしましては、地域における相談支援の中核的な役割を担う機関として、相談支援に関する業務を総合的に行う基幹相談支援センターを市町村が設置できることとされました。いわゆるこれがワンストップの窓口につながるものと考えております。

 平成24年4月からの施行となっておりまして、詳細につきましては、今後、国から示されるものと考えております。

 いずれにいたしましても、身近なところでの相談支援は非常に重要だと思います。法の改正、施行など市町村とともに着実に取り組んでまいりたいと考えております。

西村委員

 基幹相談支援センターが運営されるようになる、まだ詳細は分からないということなのですが、詳細が分からないところで恐縮ですが、市町村の実施であるという答弁でいらっしゃったかと思うのですが、県としてどのように市町村をフォローアップしていこうかという、そういう計画はおありなのでしょうか。

障害福祉課長

 地域作業所等でもそうなのですが、個別の具体的なお話になりますと、市町村と市町村等会議を丁寧に積み重ねて、御相談を1件ずつ受けていこうかと思っております。相談の環境は非常に重要だと考えておりまして、障害者団体あるいは御家族の方からの要望が非常に多くなっています。期待に応えられるように調整してまいりたい、市町村もバックアップしてまいりたいと考えております。

西村委員

 質疑させていただいたのは、先ほども申し上げましたように、使う施設が市をまたぐ、あるいは進学したいときにそういう子供さんを受け入れてくださる学校にも限りがある、こういった問題を抱えているものですから、しっかりとこの実情を県で把握していただいて、また市町村と連携をとっていただいたらと思うのですが、改めてその辺りはいかがでしょうか。

障害福祉課長

 改めて、連携は密にとっていきたいと考えております。

西村委員

 今、幾つかの主な事業について取組状況を伺いましたが、障害を持つ皆様が安心して地域生活を送っていくための支援として、現状の施策、これで十分だとは思えません。来年度に向けて、どのように取り組もうとしているのかお伺いしたいと思います。

障害福祉課長

 先ほど御答弁申し上げましたグループホーム等サポートセンターのように、県全体を対象といたしました支援拠点の整備であるとか、高次脳機能障害だとか発達障害などいわゆる制度のはざ間と言われる障害への支援、あるいは医療的ケアなどに対応できる専門人材の養成など、広域的、専門的な役割として県が直接実施主体となっている事業については、着実に取り組んでいきたいと考えておりますし、取組が進んでいるものと理解しております。

 一方で、先ほど申し上げました障害児の通学支援のように、市町村が事業主体となる事業につきまして、なかなか事業化が進まないものもあるということも認識しておりまして、現状の施策で十分と言えない面があるということも事実だと考えております。

 この5月には、県から各地域に出向きまして、市町村の障害福祉を所管する課長たちとの意見交換会を地域ごとに開催いたしまして、協力をお願いし、またこちらも協力するということで意見交換をさせていただいたところでございます。

 市町村においても、障害者の地域生活を支援するという趣旨や事業の必要性については基本的に御理解いただいていると認識しております。まず、今年度は、代表質問の答弁にもありましたように、地域生活推進プログラム大綱に基づく事業にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

西村委員

 この質疑に関しまして要望させていただきます。

 今年度は、在宅重度障害者等手当制度の見直しに関わる経過措置の期間が終了するという大変切迫した時期に差しかかっております。こうした中で、障害者の地域生活を巡る切実な状況は解消されておりません。渡辺議員の再質問に対する知事の答弁では、経過措置の延長にも言及していらっしゃいましたし、また6月30日、定例記者会見においてもそのことを御発言していらっしゃいました。

 多くの障害者が、またその御家族が、県の取組に、今、注目しているということを十分に受け止めていただきまして、実際に生の声、現場の声を伺った上で障害者の地域生活支援にしっかり取り組んでいただきますよう要望させていただきます。

 次に、こちらは一般質問で我が党の佐々木議員が、6月28日、伺いました。東日本大震災における神奈川DMATの運用や活動の検証を早期に行い、災害医療の質的向上を図るべきである旨、問題提起させていただきましたが、その点に関連して幾つか質疑させていただきます。

 神奈川DMATは、平成17年、私ども公明党が本会議で設置を要望し、翌平成18年8月に編成されました。DMATの活動は、災害発生から48時間以内の急性期における医療支援活動を想定していますが、想定と異なる今回の活動状況について確認させていただきます。

 まず、今回の東日本大震災に際しまして、神奈川DMATは、誰からの指示、または誰からの要請で、いつ、どのような被災地支援を開始したのでしょうか。

健康危機管理課長

 被災地の要請を、厚生労働省DMAT事務局が取りまとめまして、全国のDMATに派遣をまず要請しました。それは発災の直後であります。

 神奈川県では、県下の要請に基づきまして、あらかじめ発災した場合に医療救護本部に神奈川のDMAT指定病院の中から統括DMATの訓練を受けたドクターとロジスティック担当などの方に入っていただきまして統括していただくという約束になっておりまして、入っていただいた統括DMATの方が、国からの要請に基づきまして、県内の指定病院、今は13指定病院ですけれども、当時は10の指定病院と調整しまして、どこに誰が向かうかというお話をさせていただきました。

 その結果、3月11日に4チームが出発いたしまして、同日夕方から茨城県で2チームが被災地での患者搬送を開始いたしました。翌12日、2名、福島県、早朝、宮城県に各1チームが到着いたしまして、病院での支援活動を開始いたしました。

西村委員

 次に、羽田空港において、神奈川DMATは広域医療搬送に従事したということだったんですが、誰からの指示又は要請で、いつ、どのような活動を開始し、その結果はどうだったのか、羽田空港での様子をお聞かせください。

健康危機管理課長

 第1陣が、被災地、東北に向かったわけなのですけれども、次の国の厚生労働省DMAT事務局からの指示は3月12日の午前中です。被災地にまた行ってくれと言うのかと思っていましたらば、実は羽田空港に被災地からたくさんの重傷患者を運んでくるから、神奈川県は羽田空港に非常に近いですから、羽田空港にできるだけ多くのDMATを出して、被災地からたくさん来る重傷患者をそこでケアして、神奈川県なり都内なり首都圏で受け入れられる病院に受入搬送もお願いしたいという指示がございました。

 そこで、県内のDMATに同じように統括DMATが調整して、同12日から13日にかけて5チームを派遣することになりました。これらのチームは、搬送されてくる重傷患者の応急処置等の医療活動に従事したわけなのですけれども、実は委員も御承知のとおり、今回の津波被害の特徴でございます助かる方は助かった、でもお亡くなりになる方もとても多くて、重傷患者はそれほど多くなくて、実際に羽田に運ばれてきた方というのは9人、1桁の数字にとどまってしまった状況でございます。いずれも都内の病院に収容されたということになりました。

西村委員

 そうこうしている間に48時間がたってしまうわけです。当初、DMATというのはこの48時間で稼働というのが目標に掲げられていたのですが、その後、神奈川DMATはどのような活動に従事されたのでしょうか。

健康危機管理課長

 おっしゃるとおり、3月11日からですから3月13日の3時頃、48時間がたつわけですけれども、その後も被災地から、DMATに更に追加で来てほしいという要請が厚生労働省を通じまして来まして、神奈川DMATは、その後、宮城県に4チーム、岩手県に6チームを3月14日から19日にかけて追加派遣しています。これらのチームは、被災地での医療救護ですとか病院での医療支援、また現地、花巻空港でも広域医療搬送の拠点がつくられたのですけれども、そちらの方で医療活動に従事することになった次第でございます。

西村委員

 御答弁にありました当初予定ではないこれらのいわば被災地の要請に基づいて行った行為、これらについての評価というのはいかがだったのでしょうか。

健康危機管理課長

 まだ国も総括はこれからということですけれども、5月23日に関係会議のところで厚生労働省のDMAT事務局が御報告の中で触れておりまして、急性期の人数というのは、本来で言う48時間以内は少なかった。3日から7日後に病院入院患者を避難させるニーズが増えてきた。それらを含む被災地医療支援活動に、DMATは貢献したという言い方をしております。

 その一方で、課題として、4日目以降の病院支援戦略をどう構築していくか、または急性期の次の段階、亜急性期といいますけれども、そこへの移行戦略の確立を図るべきだというのが課題として挙げられております。

西村委員

 本会議で、知事からは、7月からDMATを含む災害時医療救護活動の検証を開始するという答弁をいただきました。具体的にはどのように進めていかれるのでしょうか。

健康危機管理課長

 三つのレベルで検証を十分にしたいと思っております。

 7月から、7月7日に予定しているのですけれども、まずは神奈川DMATのメンバーで構成された神奈川DMAT連絡協議会で、被災地に実際に行かれた先生たちに集まっていただきまして、DMATの現場活動や被災地外との連携を中心に検証したいと思っております。

 次の段階としまして、DMATに属している災害拠点病院で構成されている神奈川県災害医療拠点病院連絡協議会というのがございますけれども、そちらの方で、拠点病院間の連携体制、もちろんDMATも含みますけれども、その強化を中心に、検証を進めたいと思っております。

 最後に、災害医療に関する諸問題について協議するために、医療関係者、市町村、警察、消防等によって幅広く構成されました県救急医療問題調査会災害時医療救護対策部会というのがございまして、そちらの方で災害時医療救護対策全体として検証したいと思っております。

 この3段階でやりたいと考えております。

西村委員

 検証が重要なことになってくると思いますので、よろしくお願いいたします。

 本県の災害拠点病院の多くは海の近くにございます。本県が、万が一、今回のような震災で被災地になった場合、地震によってだけではなく、津波によって海岸近くの災害拠点病院が大きな被害を受けることが想定されます。そういった場合、神奈川DMATをはじめとする全国のDMATをどのように活用し、迅速な災害時医療を実施していこうとしているのかお伺いしたいと思います。

健康危機管理課長

 先ほども申し上げましたように、本県では、県の要請に基づきまして、まず医療救護本部に統括DMATという形でDMATのドクターとロジスティック担当の人たちに入っていただきまして、その人たちを中心にオペレーションすることになります。

 今回の東日本大震災におきましては、厚生労働省から派遣された連絡係みたいな形でDMATがそれぞれの被災県の医療救護本部に入ります。ですので、そのDMAT同士でつながって、神奈川県で例えば災害拠点病院がちょっときついと、ここの入院患者さんを移さなければいけない、そのためにはDMATが何隊必要だから全国からどれぐらい集めてくれという話をつないで、立川市にあるDMAT事務局からその隊に入ってもらう。神奈川県内のオペレーションというのは、県の統括DMATの方で、こちらに行ってください、あちらに行ってください、何をしてくださいというような指示を出しながらオペレーションすることになると思います。そこをうまく国とつなぎながら、我々ももちろんお手伝いすることになるわけですけれども、統括DMATを中心に機能的にやりたいと思っております。

西村委員

 統括DMATというのは、各拠点病院ごとにいらっしゃるのでしょうか。

健康危機管理課長

 全病院にいるわけではなくて、オールジャパンの統括DMATの研修というのがございます。それはどういう研修かというと、もし災害が起こったときにオペレーションする側に立つ研修です。今回、実は国の統括本部に神奈川県から行ったドクターもいましたし、県の本部に入っていただいたドクターもいるのですけれども、この研修を受けているドクターが神奈川県の中に数名いらっしゃいます。その方たちが交代で統括していただきながら医療救護本部のDMATを運営していただく形になると思います。

西村委員

 本日、報道で山形県が災害拠点病院ごとに災害コーディネーターを置くという報道がありました。私は、災害拠点病院ごとにコーディネーターを置く、県の一つの調整本部だけではなく、そういった中間的な責任者がいることによって、より連携がとれて、より具体的な活動ができるのではないかなと思って伺ったのですが、この災害コーディネーターについて、何か情報がありますでしょうか。

健康危機管理課長

 申し訳ございません、情報は持っておりません。

 統括DMATは、あくまでもDMATの統括ということです。災害拠点病院については、その地域の中のいろいろな医療機関、救護所ですとか、そういったところにどういったニーズがあって、どのぐらいマンパワーをかけなければいけないということが災害拠点病院に期待されている役割なのです。委員のお話は、災害拠点病院ごとにコーディネーターを置くということは、あらかじめ担当の方を決め、その地域の中でうまくやろうとする一つの仕組みだと思います。とても良い仕組みだと思うのです。今回、いろいろな形で評価する中で、同じようなアイデアが出てくるかもしれません。神奈川DMATのドクターと相談させていただきたいと思います。そこで検証させてください。

西村委員

 それでは、この質疑に関して要望させていただきます。

 実際に被災地で奮闘されました神奈川DMATのドクターの御意見をよく踏まえて、本県が被災地となった場合に迅速で十分かつ有効な災害時医療が行えるようしっかりと検証し、対応を検討していただきたいと存じますし、ただいま御提示させていただいた山形県が取り組もうとしている災害コーディネーターなのですが、県のDMAT統括本部と各地域のコーディネーターが連携するということを目指していらっしゃるようです。こういった事例もまた一つ参考に加えていただいて、検証していただければと思います。よろしくお願いいたします。

 もう一つ、御質疑させていただきます。

 こちらも、本会議一般質問において、我が党の佐々木議員が質問いたしました地域連携クリティカルパスについてでございます。

 地域医療連携を促進することは、医療提供体制の充実を図る上で重要な取組だと考えております。そこで、何点かお伺いしてまいります。

 知事の答弁では、脳卒中について取組が進んでいるとのことでございましたが、平成20年3月に策定された神奈川県保健医療計画では、がんをはじめ、脳卒中、急性心筋梗塞とともに糖尿病についても医療連携体制の整備が掲げられております。糖尿病は、合併症により重症化することもあり、長期にわたる治療が必要な生活習慣病であると承知しておりますが、この糖尿病こそまたクリティカルパスの活用を進めるべきだと考えます。

 そこで、糖尿病にはどういった特徴があるのか、クリティカルパスの現状と併せてお聞かせいただきたいと思います。

医療課長

 まず、糖尿病の特徴についてですが、脳卒中や心筋梗塞とは異なる慢性疾患であり、症状が悪化すると様々な不可逆的な合併症を引き起こすことがございます。例えば糖尿病網膜症による失明や糖尿病腎症などによる腎不全、糖尿病神経障害によるえそなどがございます。

 自覚症状はほとんどなく、本人が気付きにくいことで、治療の中断あるいは不十分な治療となり、その結果として重篤な合併症を引き起こす要因となっております。

 合併症の予防には、定期的な検査と治療並びに患者教育が最も重要でございます。治療に当たっては、眼科、腎臓内科、皮膚科等との連携、栄養士、歯科医師、薬剤師等の専門職種の連携による対応が必要でございます。

 また、糖尿病専門医が少ないことから、診断と治療が安定してきた後は、日頃の診療はかかりつけ医で行い、専門医が定期的に診療、検査を行うことで、効果的、効率的な治療を継続することができると考えております。

 こうしたことから、糖尿病の地域医療連携を図るために、現行の保健医療制度においてクリティカルパスの普及を位置付けておりますが、脳卒中とは疾病の性質が全く異なることから、糖尿病に合ったクリティカルパスが別に必要と考えております。

 糖尿病のクリティカルパスの現状でございますが、県におきましては、平成20年度から厚木保健福祉事務所及び足柄保健福祉事務所が研究会等を設置し、モデル的に検討を進め、平成22年度にそれぞれの事務所においてクリティカルパスの様式が完成したところでございます。厚木保健福祉事務所では40の医療機関、足柄保健福祉事務所では18の医療機関に対し、作成したクリティカルパスを配布いたしました。

 また、県内の各医療機関における取組状況でございますけれども、糖尿病に係る地域連携はそれぞれ独自に行っていると思われます。クリティカルパスを活用した連携を行っている医療機関は残念ながら少なく、糖尿病のクリティカルパスは余り普及していないのが現状だと考えております。

西村委員

 糖尿病のクリティカルパスについて、今、幾つか例を挙げていただきました。これは紙ベースのクリティカルパスなのでしょうか。

医療課長

 そのとおりでございます。

西村委員

 糖尿病のクリティカルパスについて、今の御説明を伺っただけでも、眼科であったり腎臓内科であったり、あるいは診療所と病院であったり、連携を密にとっていかなければいけない。こういうことを鑑みますと、ICT化した方が、より一層効果が高いと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

医療課長

 委員おっしゃるとおり、糖尿病クリティカルパスにおいてはICT化が非常に有用ではないかと考えております。他県においてはICT化が進んでおりまして、例えば千葉県では、県立東金病院がわかしお医療ネットワークというICT化された糖尿病クリティカルパスを平成14年度から本格運用し、現在、このネットワークの参加医療機関数は7医療機関と伺っております。また、香川県では、香川大学が中心となってK―MIXという遠隔医療ネットワークに糖尿病のクリティカルパスを組み込むための検討を進めており、平成25年度中の完成を目指していると伺っております。

 糖尿病は、先ほど申し上げましたように、臓器障害を引き起こさないよう、日頃の疾病の管理をしっかり行っていくことが大切と考えております。糖尿病クリティカルパスをICT化することによりまして、検査データを基に重症化のおそれのある患者さんを自動的に抽出して、早期に専門医の診断や治療につなげ、定期的な検査、治療を受けていない患者を抽出したりということで受診を勧奨することなどのメリットが考えられます。

 また、合併症による臓器障害で人工透析などが必要となってしまった場合には、大変高額な医療費がかかるところなのですが、ICT化を図ることで、早期に対応して重症化を予防することで、医療費全体の抑制効果が期待されると考えております。

西村委員

 ICT化が有効であるということが分かりました。

 それでは、このICT化を進める上でどういった課題があるのか、あるいはその課題を超えてどのように進めていこうとお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

医療課長

 まず、ICT化を進める上での問題点として一番大きな点は、個人情報保護の観点から安全性の確保が課題だと考えております。利便性をできるだけ損なうことなく、どのように安全性を確保できるか検討していく必要がございます。

 また、利便性、安全性を追求していきますと、導入経費やランニングコストが高額となることが想定されますので、なるべく既存の設備等を使用しながら、コスト面でもできるだけ抑制していく必要がございます。

 また、人材面においても、ICTに精通し、熱心に取り組んでいただける医師がいるかどうかがやはり導入に当たっての大きなポイントと考えております。

 このように、利便性、安全性、コスト面などを考慮しながら、どのようなシステムを設計していくのか、またそれを進めていくための適切な人材を確保できるかがICT化を進めるに当たっての大きな課題と考えております。

西村委員

 糖尿病について、クリティカルパスの有効性、ICT化が大変有用であるということが確認されました。糖尿病は、幅広い職種の連携であったり、あるいは病院と診療所、あるいは眼科、腎臓内科、こういったものの連携が大変重要であると再認識させていただきました。

 連携を促進するためにも、クリティカルパスの普及、ICT化の取組を進めていだきますよう要望いたしまして、質疑を終わらせていただきます。



9 次回開催日(7月8日)の通告



10 閉  会