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平成23年  商工労働常任委員会 12月12日−01号




平成23年  商工労働常任委員会 − 12月12日−01号







平成23年  商工労働常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第3回定-20111212-000008-商工労働常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(土居・赤井の両委員)の決定



3 報告事項(商工労働局長)

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」

  「中小企業制度融資の取組について」

  「「かながわ中小企業再生ファンド」の設立について」

  「神奈川県中小企業活性化推進計画(改定素案)について」

  「「インベスト神奈川2ndステップ」について」

  「西部方面職業技術校(仮称)の概要について」

  「総合計画について」

  「第1次及び第2次一括法等による本県条例の制定等の取組状況について」



4 日程第1を議題



5 提案説明(商工労働局長)



6 同上質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



藤代委員

 今、御説明をいただきました中のかながわ中小企業再生ファンドについて、何点か質問をさせていただきます。

 このかながわ中小企業再生ファンドについては、9月の委員会でも質問させていただきましたが、本日の報告にもあったように、7日にいよいよ設立をされたということであります。これまで順調に準備を進めてこられたようでありますけれども、改めて何点かお伺いします。

 まずはじめに、報告資料にあるファンドの出資構成の表の中に出資者や出資額が記載されていますが、それぞれ出資額も異なっているようであります。この組合員の出資額というのはどのような考え方で決められたのか、お伺いします。

金融課長

 この再生ファンドにつきましては、中小企業基盤整備機構の出資の仕組みを活用して設立されておりますので、基盤整備機構と地方公共団体等公的部門が2分の1、それ以外の地元部分が2分の1ということでございます。したがいまして、民間部門の12億500万円につきまして申し上げますと、県内に本店のある金融機関につきましては、当初20億円というベースでしたけれども、これを中小企業者向けの貸出金残高の割合を基に分担したところでございます。それから、県外に本店がある金融機関につきましては、県内に本店のある金融機関と同じような中小企業者向けの貸出金残高を基準に、経営理念、営業利益、これを加味して出資を決めさせていただきました。それから、保証協会につきましては、本ファンドの算定出資額1,000万円ということで、これを基本に各保証協会の保証債務残高に応じて出資額を決めております。

 それから、公的部門につきましては、機構の出資額の半分以内ということですが、神奈川産業振興センターが出資しておりまして、ここにつきましては、県域の中小企業施策を担っており、また、中小企業再生支援協議会をここに設置しておりますので、出資を決定しております。

 なお、無限責任組合員、横浜キャピタルにつきましては、出資規定に基づきまして、出資総額の1%以上を出資するということで出資を決めているところでございます。

藤代委員

 横浜キャピタルという会社が無限責任組合員となってファンドを運用するということで、相当重要な役割を担うことになると思いますが、この会社が選定された理由を伺います。

金融課長

 運営会社の選定でございますが、県が7月に開催いたしました中小企業再生ファンド発起会、この時点で示していた設立骨子におきまして、県内に拠点を持つ地元の地銀系運用会社、それと全国展開をしている運用会社、この両案を提示しておりました。その後開催したファンド設立準備会におきまして出資予定者間で無限責任組合員の選定作業を行って、出資者の総意によりまして、地元の地銀系運用会社である横浜キャピタルが選定されたものです。

 主な理由といたしましては、横浜キャピタルは神奈川県を基盤にして事業活動を展開しておりまして、各種ファンドの組成やコンサルティング業務などを中心にして県内中小企業の実情や地域経済に精通していると、こういうことからファンド設立後、直ちに効率的・効果的な活動を行うことが期待できるということです。それからまた、地域金融機関系列の法人でありまして、地域密着型金融、いわゆるリレーションシップ関係の事業にも浸透し、地域の関係機関との連携に取り組みやすい、このようなことから全国展開の運用会社にはないメリットがあるということで選定されております。

藤代委員

 前回の委員会でも質問させていただきましたが、このファンドに対する県の関わり方についてお伺いしたいのですけれども、ファンドによる投資先の再生が不可能になった場合、県が何らかの責任を負うということはあるのでしょうか。

金融課長

 県はファンドに出資をしておりませんので、ファンドに対する監査あるいは質問、そういう権限を有しておりませんし、また組合集会、こういったことでの議決権も有しておりません。また、個々の投資案件の運用方針に関わることができませんし、ファンド運用上の義務などを負っていないことから、ファンドの運用結果に対する責任はございません。したがって、ファンドの成果につきましてはファンド自身が責任を負うものであります。

 また、県はファンド設立の旗振り役としての役割を担ってまいりましたけれども、出資した金融機関等はファンド契約、これは投資事業有限責任組合の組合契約でございますが、これにより自己の責任において締結したということでありますので、ファンドの一部に万が一損失が生じたとしましても、県に責任が及ぶということはございません。

藤代委員

 ファンドに対する出資金は現在約24億円となっていますけれども、将来的にこの出資金が不足するようなことにならないか、そしてまた不足した場合にはどのような対応が想定されるのか、お伺いします。

金融課長

 ファンドの存続期間は8年ということでございます。ファンド運用会社は最初の4年間で投資案件をまず確保します。それから3年、4年をかけまして再生をしていくと、そういう方式でございます。仮に投資案件が多く早期に出資金を全て使い果たすという状況になった場合でございますが、このファンドにつきましては、地域密着型ファンドということで、利益優先でない中小企業の再生を第一に考えて、当初の出資金を厳格に運用していくことを基本としております。そのようなことから、組合員や組合員外による追加出資、また投資先から途中で回収された資金を更に別な案件のために投資する再投資、これは行わないことにしております。したがいまして、早い段階で使い果たした状況になりますと新たな投資ができないということになります。この場合は、全て使い果たした時点で、投資を行うべき再生支援案件が多く存在するということであれば、また新たなファンド、2号ファンドのようなものの設立を検討することが必要になるということでございます。

藤代委員

 7日に設立をされて、いよいよ再生支援業務を開始す              るということですが、今、何らかの支援策をとっているところはあるんでしょうか。

金融課長

 7日で業務開始ということでございますが、まず運営会社の横浜キャピタルにつきましては、以前お話ししましたとおり、事前の需要予測をしたときに、30件、260億円の案件があるということで、これは金融機関から出てきたものでございますので、各金融機関が、現実にそれが対象案件になるのかどうかを詰める作業に入っています。最近、案件、相談等があるかということにつきましては、中小企業再生支援協議会の方は日々案件の御相談を受け付けておりますので、その中からまた発生することもあると思います。

 ちなみに本日、早速朝一番、私のところに、とある企業から再生ファンドについての御相談がありました。ただ、これは私どもで受け付けるわけではないので、中小企業再生支援協議会の方へ御相談くださいとお伝えしたところでございます。

藤代委員

 今朝もお話があったということなんですけれども、幅広い対象産業分野の中で、具体的にどういった分野が想定されているんでしょうか。

金融課長

 地域再生ファンドということで幅広い分野を想定しております。余り一定の業種に偏りますと、その業種が悪くなったときリスクが非常に高くなってしまうということで、ある程度業種を分散してやるというのが基本でございます。しかしながら、既存のファンドの中で結果を見ていきますと、やはり多いのは製造業、これは取り組みやすいということが一つあります。それから宿泊業、飲食業界、これについてもやはり取り組みやすいということで、基本的に過大設備投資をして過剰債務状態に陥っているという業種のところかなというふうに考えております。

藤代委員

 今、製造業というお話がありまして、その中でも、本県産業の中に自動車、電機の中小企業が多いかと思うんですが、自動車業界からも相談があるんですか。

金融課長

 自動車関連産業としましては、一次下請でなく、二次、三次下請のようなところで、新たな設備投資をしたけれども、今回のような景気の悪さの中で、その設備投資が裏目に出てしまって債務超過に陥り、それを解消するのに10年、20年かかる状態であるというようなところが対象になりますので、自動車関連産業といいましても、下請の部品製造分野から幅広い相談を受けております。

藤代委員

 最後に、改めてこのファンドに対する県の関わり方として、対策効果についての考えをお伺いします。

金融課長

 現在の長引く景気低迷と不透明な経済環境の中、停滞する地域経済による連鎖倒産など負のスパイラルを絶ち切るには、中小企業の再生がどうしても必要であると考えています。優れた技術力など強みを持ちながら業績不振に陥ってしまった中小企業については、この再生ファンドで倒産を回避させる。それからその企業の事業価値や技術力を守る。そして雇用を維持する。こういった形で地域経済を下支えし、成長させる効果が期待できると思っております。また、中小企業再生支援協議会が連携して支援に取り組むことで、ファンドに限らず地域全体として中小企業再生の取組が大きく推進されると、このように考えて期待をしております。このような効果が期待できるということでは、ファンドは本県の経済活動の重要な柱であると、そのように考えております。

 そのような考え方から、県は再生ファンド設立までの旗振りの役割を担いまして、多くの金融機関に参加を呼び掛けてまいりましたし、ファンド設立後も、ファンドの効果的かつ適切な運用について、中小企業支援の観点から役割を持ち続ける必要があると思っております。具体的には、中小企業再生支援協議会や産業振興センターと協調してファンド活動全般をチェックしていきたいと考えておりますし、またファンドの投資案件について、中小企業再生支援協議会で積極的に国や県の中小企業支援策を提供することで、ファンドの成果を引き上げていくことも必要と思っております。

藤代委員

 それでは要望をさせていただきます。

 中小企業再生ファンドが設立されたという報告をいただきまして、改めて質問させていただきました。あくまでも県は旗振り役をしているわけでありますけれども、このファンドというのは本当に期待されるものであると思います。黒岩知事も定例会見において、本県の経済対策の柱の一つとおっしゃっていたと伺っております。これから県内の見通しも考えた中で、新たな発想で、従来の枠組みにとらわれない施策に知恵を絞って、県内中小企業のために取り組んでいただきたいと考えて要望させていただきます。



(休憩 午前11時51分  再開 午後1時1分)



藤代委員

 先ほど御説明ありました緊急雇用創出事業臨時特例基金の積み増しについて、何点か質問をさせていただきます。

 国からの交付金を原資とする基金を活用して、これまで県や市町村が様々な事業を実施し、県民の雇用を創出してきたと承知しております。そういった中で、国の補正予算が提出されて、この基金も1,000億円が都道府県に交付されると伺っており、今回の県の補正予算においても積み増しを行い、神奈川県も条例改正を行うと伺っております。その点で何点か質問させていただきたいと思います。

 これはこの間も、前回も質問させていただいたと思うんですが、この基金は使い勝手が悪いと話されておりましたけれども、これまで国に対して、使い勝手の悪さを改善するために、どういった働き掛けを行ってきたのか、そしてまた基金の事業の執行状況はどういう状況になっているのか、お伺いします。

雇用対策課長

 委員のおっしゃるように、この基金は、スタートの当初は要件が厳しくて活用がしにくい状況にございました。具体的には、新規の雇用者の人件費の割合が事業費の8割以上ということですとか、雇用期間は6箇月未満といった、かなりハードルが高くて、当初は事業の執行に苦労いたしました。そのため、これまで全国知事会や毎年度神奈川県として国に対して行っております国の施策・制度・予算に関する提案などの機会を捉えまして、要件緩和を求めてまいりました。

 本年度につきましては、7月にやはり国の施策・制度・予算に関する提案の重点提案項目として、副知事が厚生労働審議官に対し、地方の創意工夫が生かせる施策について直接要望するとともに、私も6月と11月に厚生労働省の幹部に直接お会いいたしまして、要件の緩和や基金の積み増し、こうしたことの要望を行ってまいりました。

 こうした結果もあるかどうか、新規雇用者の人件費割合というものが、事業費の当初の8割以上から5割以上となるなど、一部の要件緩和が行われまして、執行についても促進されてきております。

 基金事業については、依然として、建設や土木、そういった事業には活用ができないといった課題も残っているのですが、スタートから3年目となり、基金の使い勝手についても、庁内ですとか市町村も広く認知されてきておりまして、臨時的な雇用対策として有効に現在活用されているものと理解しております。

 また、執行状況につきましては、少しずつ促進されてきた状況なのですが、当初、21年度からスタートした当初は、全体の基金の16%強の執行状況だったのが、22年度は30%弱の執行状況となっておりまして、今年度につきましては、残り全体の50%程度の大きな額を今執行しているところでございます。事業数もどんどん増えてまいっておりますので、使い勝手が知れ渡ったということで、執行される率も高くなっているという状況でございます。

藤代委員

 使い勝手が良くなって認知もされたということで、市町村はどのような受け止めをされているのかお伺いします。

雇用対策課長

 基金事業の延長については、これまでも県の市長会とか町村会、そういったものを通じまして県に対しまして、雇用創出基金事業の継続、また延長を国に働き掛けるよう要望がまいっております。また、個々の市町村からも機会があるたびごとに基金の延長についてはお話を伺っていたところでございますので、今回の延長につきましては好意的に受け止められているものと考えております。

藤代委員

 今回の補正予算で53億円を更に積み増すということですけれども、執行できる見通しというのはどんな状況なのですか。

雇用対策課長

 国の第3次補正予算に対応するために、庁内と市町村から要望額をヒアリングというか、募ったところ、平成24年度事業としてではございますけれども、概算で今回の補正予算の積み増し額を上回る要望がございました。今後、事業内容や事業規模の精査をしていくことになりますけれども、事業の執行に当たりましては、入札時に執行残額の発生なども見込まれますので、事業計画が整った事業について順次実施するなどの執行の工夫をしながら、少しでも多くの雇用創出につながるよう、基金の効率的な活用に努めてまいりたいと考えております。

藤代委員

 それでは要望をさせていただきます。

 本当に雇用の厳しさが続いている状況であると思っております。今回の条例改正、延長でありますけれども、震災、そして円高もある中で、引き続き雇用対策を推進していくには、基金事業の延長は必要であると思っております。今後も引き続き基金を有効に活用し、できるだけ多くの雇用につながるよう取り組んでいただきたいということを要望させていただいて、この質問については終わらせていただきます。

 次に、神奈川県中小企業活性化推進計画について質問をさせていただきます。

 経済の活性化について、様々な課題がありますけれども、今回の定例会の代表質問では、TPPに対する知事の認識等も伺いました。そういった中でも、県の中小企業、そして経済対策ということは、真剣に取り組んでいかなければいけないと思っております。そうした中で、中小企業活性化推進計画について改定素案が報告されたということでありますので、これに関連して何点か質問をさせていただきます。

 報告資料の中の計画の今後の方向性を見ると、競争率の高い産業の創出・育成、そして中小企業への総合的支援の二つの方向性により、中小企業の活性化を幅広く推進していくと挙げられていますが、どのように取り組んでいくのか具体的にお伺いします。

産業活性課長

 競争力の高い産業の創出・育成と中小企業への総合的支援の二つの方向性でございますが、計画全体を通じまして横断的に推進をしていくこととしてございます。

 具体的には、まず競争力の高い産業の創出・育成に向けましては、例えば技術の高度化による県内企業の競争力の強化や、競争力のある企業の誘致、育成など、様々な政策手法の活用が必要でありますので、そうした取組は、取組の基本方向、中柱の中の、例えばものづくり高度化への支援、あるいはベンチャーなどの創出・育成、企業誘致の促進などの中で推進していくこととなります。

 また、中小企業への総合的支援につきましては、中小企業の経営課題、これは多種多様でございますが、様々な支援策の活用が必要であり、これも取組の基本方向、中柱の中の総合的な中小企業支援体制の整備あるいは経営革新への支援などによりまして、県内中小企業を経営、技術の両面から総合的に支援し、県内産業の底上げを図っていくこととしております。

 このように幅広い取組を通じまして、二つの方向性を推進していくこととしております。

藤代委員

 次に、エネルギー・環境関連産業とライフサイエンス関連産業が成長産業と位置付けられているわけでありますけれども、これらについて、もちろん全国的にもそうであると思いますが、広く成長する産業としては認識されていると思います。そこで、神奈川でこの2分野を成長産業と位置付けたというのは、どういった考え方でされたのでしょうか。

産業活性課長

 御指摘のように、国におきましても、平成22年6月に策定いたしました新成長戦略の中で、エネルギー・環境関連産業及びライフサイエンス関連産業は、新成長戦略では医療・介護・健康関連産業という表現ですが、成長分野として位置付けられております。

 そうしたことも勘案しまして、まずエネルギー・環境関連産業につきましては、地球温暖化対策の機能の向上という世界的なエネルギー・環境関連製品の需要の拡大がございます。また、これは日本の固有の課題ですが、原発事故による電力安定供給のニーズを受けた関連製品の需要の拡大といった要因によりまして、今後の成長が期待されております。また、本県特有の要因としまして、再生可能エネルギーの導入促進を強力に推進しますかながわスマートエネルギー構想というものがございます。こうしたことを踏まえ、また本県の基幹産業でありますIT/エレクトロニクス、自動車関連産業の集積を生かすということも加味しまして、エネルギー・環境関連産業を成長産業というふうに位置付けたものでございます。

 次に、ライフサイエンス関連産業の方でございますが、高齢社会の進行という要因がまずございます。また、これは本県特有の要因であると考えておりますが、武田薬品工業などのバイオ分野の企業の進出が進んでいるという状況を踏まえまして、ライフサイエンス分野につきましても成長産業というふうに位置付けたものでございます。

藤代委員

 エネルギー・環境関連産業、そしてライフサイエンス関連産業を成長産業に位置付け、そうした産業を企業誘致も含めて集積していくということでありましょうけれども、先ほどのかながわグランドデザインの説明の中に、エネルギー関連産業の集積促進ということで、2011年5件、2012年10件とあります。この具体的な数字が挙がっているんですけれども、何かしら県としてアプローチをするような取組というのは、具体的にされているものがあれば教えてください。

産業立地課長

 インベスト神奈川2ndステップの中でも、新エネルギー産業というものを集積対象業種として明確に位置付けておりまして、特にそういった関連の企業に対しては、重点的なプロモーション活動をやらせていただいているところでございます。また一方、インベスト神奈川2ndステップは使い勝手が十分ではないといったような声もございます。全体的に投資意欲が低迷している中で、いかにこの制度を活用していただくかといった視点から、見直しを行ってまいりたいと思います。また、そうした中におきまして、エネルギー関連産業の集積についても力を入れて取り組んでいきたいと、このように考えております。

藤代委員

 次に、アジア市場が成長市場として位置付けられており、これは当然だと思うんですが、それ以外にもアメリカとかも、市場としては高くないのかもしれませんけれども、なぜアジアを具体的に挙げられたのかという点をお伺いしたいと思います。

産業立地課長

 御指摘のように、アメリカあるいはヨーロッパなどの地域も県としては重要な地域と認識をしており、これまでも県内企業の海外展開を支援してきております。そうした中で、アジアを成長市場として位置付けましたのは、まず他の地域に比べまして高い経済成長をしてきているという点。二つ目は、中国やインドをはじめとするアジア地域は巨大な経済規模を有しているということ。三つ目は、日本との輸出入額を見ますと、アジアとの経済的な結び付きが飛躍的に増加をしていることなどの経済的な要因に加えまして、日本は先進国の中でも特にアジアに近いという地理的な優位性を持っているということを踏まえまして、今回、アジアを成長市場という形に位置付けたものでございます。

藤代委員

 世界からアジアが注目されていると思いますので、こういったことを注視していただきたいと思っております。

 次に、企業が成長市場に参画していくためには、どうしても新製品の開発やコストダウン、技術革新というものが重要だと思いますけれども、ものづくり高度化への支援では、中小企業の技術面では、その支援にはどのように取り組んでいこうとお考えなのかお伺いをいたします。

産業技術課長

 技術支援の取組の考え方でございます。委員お話しのとおり、成長市場に参入をしていくためには、長年培ってきました技術を生かしまして、新たな市場で競争力を持ち得るような新製品の開発でございますとか、コストダウンなどの技術開発、これは大変重要なことであると考えております。しかしながら、中小企業の経営資源には制約がございますので、技術上の課題に対しまして、独力ではなかなか解決が困難な企業も多いというふうにも認識をしているところでございます。

 産業技術センターでは、材料や製品につきまして強度や不具合などの調査が必要な企業に対しまして、分析でございますとか測定といったことで試験計測のサービスを提供しております。また、取り組もうとしている技術開発自体につきまして、自ら研究開発を進めることが困難な企業に対しましては、そういった企業からの受託によりまして研究を進めるという支援も行っております。さらに、新製品の開発を目指す企業に対しましては、同じく産業技術センター内の製品開発室の利用や技術指導、設備を活用した製品開発といったものにも取り組むことが可能ということになっております。

 こういった技術分野といたしましては、企業が求める目標を迅速、そして効率的に達成するために、企業の設備、そして技術力、こういったものの実情を的確に見極めた上で、様々な支援を組み合わせることを通じまして、中小企業の独自の製品、技術の開発を促進して、成長市場への参入を後押ししていきたい、このように考えているところでございます。

藤代委員

 こういった時代だからこそ、いろいろな新たな技術、そして知恵も出して新たなものができてくるのではないかと思う中で、ベンチャーについても、成長産業に入るチャンスがあると思うのですが、そういったベンチャーを育成していくために、どのように取り組んでいこうとお考えなのかをお伺いいたします。

産業活性課長

 ベンチャーの創出・育成の関係でございますが、既に今年度から、この成長産業に属するライフサイエンス分野とエネルギー・環境関連分野を中心として、起業、創業を目指すプロジェクトを県内外から公募いたしまして、一定の評価を加えまして、次世代を担うかながわベンチャーという形で認定をして、県内での事業化の支援を現在してございます。また、ベンチャーを立ち上げた後、商品化に向けて様々なハードルがあるわけなんですけれども、そういうベンチャーの事業の拡大の場となります産学公のネットワークの拡充、強化を図るという取組をしておりまして、支援するベンチャーの早期の事業拡大の環境整備も図っております。今後も、かながわスマートエネルギー構想の推進などによりまして、需要の拡大が見込まれます成長産業のベンチャーの創出・育成により一層取り組んでいくと、そういった考えでございます。

藤代委員

 先ほども少し企業誘致で触れさせていただきましたが、大阪は橋下市長が当選されたときに、大阪が経済的によみがえるのは、何といっても国際戦略特区でよみがえることだというようなことを言われておりましたけれども、今回特区を申請されている中で、企業誘致の取組、二つの成長産業をどのように位置付けて取り組んでいるのか、改めて伺います。

産業立地課長

 先ほどの答弁と少し重複いたしますけれども、本県が進めております企業誘致施策、インベスト神奈川2ndステップにおきましては、集積対象業種というのを定めております。一つが本県の基幹産業でありますIT/エレクトロニクス産業、自動車産業、それからバイオ産業、もう一つのカテゴリーといたしまして、地域成長分野という位置付けで新エネルギー産業、それからロボット産業、航空宇宙産業という、この6つの産業分野を位置付けております。

 今回御報告させていただいております中小企業活性化推進計画に位置付けられようとしております成長産業、エネルギー・環境関連産業につきましては、インベスト神奈川2ndステップの対象業種でもございます新エネルギー産業、こちらはもとよりでございまして、これに加えて電気自動車などに関しましては、自動車産業あるいはIT/エレクトロニクス産業が支えている産業分野というふうに認識しております。また、もう一つの成長産業といたしましてライフサイエンス産業、こちらにつきましては、医薬品などの分野でいいますとバイオ産業、あるいは医療・介護・福祉機器などについてはロボット産業、こういったものと関連が非常に深い分野ではないかというふうに考えております。

 このような形で、中小企業活性化推進計画に位置付けようとしております二つの成長産業、それを支える分野というのがインベスト神奈川2ndステップの中でもしっかりと位置付けられていると、その上で企業誘致のターゲットとしているというふうに認識しております。

藤代委員

 続いて、アジアを成長市場と位置付けているわけでありますけれども、アジアに県内企業が進出する際に、どのような支援を行っているのか、お伺いします。

産業立地課長

 地域的にアジア市場への参入支援ということに的を絞ってお答えさせていただきたいと思います。

 県として行っております支援策は大きく分けまして二つございます。まず一つ目は、アジア地域とのビジネス交流の現地窓口の開設ということでございます。具体的には、シンガポールの方に県職員を駐在員として派遣するとともに、中国遼寧省の大連に神奈川産業振興センターが設置しております大連神奈川経済貿易事務所、その運営を支援することによりまして、ASEAN諸国あるいはインド、そして中国における県内中小企業のビジネス展開をサポートしております。具体的なサポートの内容といたしましては、県内中小企業への現地情報の収集、提供ということでございます。もう一つは展示会への出展や商談会への参加のサポート、こういった現地活動の支援をさせていただいております。

 大きく分けます支援策の二つ目といたしましては、国内、県内における取組がございます。アジア地域も視野に入れた県内中小企業の情報発信力の強化を図る、それを支援するということで、国の基金なども活用いたしまして、現在、県内中小企業の活動あるいは製品、技術といったものを中国語、それから英語で紹介する外国語版のホームページの作成の支援といった取組を行っているところでございます。

 また、神奈川産業振興センターにおきましても、県内中小企業の方々を対象といたしまして、タイですとかベトナムなどアジア諸国の市場の状況ですとか取引上の留意点、こういったものを紹介するようなセミナーを開催しております。

 加えまして、海外から企業ミッションなどが来県した際には、県、それから産業振興センターあるいはジェトロ横浜といったところと連携いたしまして、県内中小企業との交流の場を設けさせていただくこともございます。具体的にアジア地域に関しましては、最近で申し上げますと、韓国の京畿道の企業がいらっしゃったとき、あるいはインドの製薬会社、自動車会社がいらっしゃったときに、こうした交流会を開催したという経緯がございます。

 このような取組を通じまして、県内中小企業のアジアへの事業展開をお手伝いさせていただいていると、こういう状況でございます。

藤代委員

 例えば、直接中小企業が県の方に、こういった製品があって中国の遼寧省に持っていきたいんだけれどもというような問い合わせというのは、たまにはあるんですか。

産業立地課長

 そういったお問い合わせ、御相談はございます。ただ、件数的にはそれほど多くございません。やはりこういった御相談に専門的に対応できるのは、ジェトロ横浜あるいは神奈川産業振興センターもそうですし、貿易事業ということですと(社)横浜貿易協会という団体もございます。御相談の内容によって、どこが一番適切に対応できるかということを踏まえまして、関係機関を御紹介させていただいているというのが現状でございます。

藤代委員

 アジア地域は、確かに県内企業にとっても非常に大きな市場であることは間違いないのですが、海外企業の誘致活動の対象地域としても有効ではないかと考えますが、見解をお伺いします。

産業立地課長

 日本国内も、それから神奈川県内もそうなんですけれども、海外から進出しております外資系企業を見てみますと、地域的に多いのは、やはり絶対数ではヨーロッパ地域の企業が一番多いです。それに続くのがアメリカ地域、そしてアジア地域はその後の順番になりますけれども、ただ時系列的に見てみますと、年々そのアジア企業の進出割合が高まっているというのも事実でございます。

 これまでアジア諸国というのは、国際競争力の面で課題とされておりました技術力、これがだんだんだんだん向上しております。また、豊富な留学経験などを背景に国際ビジネスにも精通したような人材が増えてきております。さらには資本ですとか外貨の蓄積も進みつつあります。こういったことの中で、今後、アジア諸国の企業の海外への進出熱というのは高まってくるのではないかというふうに予測されております。

 私ども県といたしましても、県内へのアジア企業の誘致に向けまして積極的に取り組んでいく必要があるというふうに認識しております。

 そうした中で、今年度に入りましては、中国の遼寧省ですとかマレーシアのペナン州の政府高官の方が神奈川にいらっしゃった際に、私の方からも、神奈川の投資環境といったものをPRさせていただきまして、是非県内に企業を誘致したいので、いらっしゃいませんかといったようなお話もさせていただいております。

 また、先月、黒岩知事がマレーシアの方に友好提携の20周年記念事業で伺いまして、マレーシアのクアラルンプールにおきまして神奈川経済セミナーを開催いたしました。現地の自動車関連産業ですとか政府の関係機関の方々を対象といたしまして、神奈川への企業誘致についてのトップセールスを行ったところでございます。

 今後ともこうした機会を捉えまして、プレゼンテーションを積極的に行っていくということと併せまして、先ほども少しお話しいたしましたシンガポールと中国にございます現地の事務所、こういった窓口を通じまして、現地企業とも連絡を密にとりながら、日本の進出の際には是非神奈川を選んでいただきたいといったような取組をしてまいりたいと考えております。

藤代委員

 日本に誘致するのは企業ばかりではなくて、例えば中国をはじめとしたアジア地域から観光客を誘致するということも本当に必要だと思うんですけれども、どのような取組を行っていかれるのかお伺いをいたします。

観光課長

 中国をはじめとしますアジア地域からの観光客につきましては、今後大きな伸びが期待されております。したがいまして、これらを重点的な指標と捉えまして、様々な取組を行っております。具体的には、国や山梨県、静岡県と連携しまして、中国のメディアやブローガーの招へい、さらにはタイの旅行エージェントの招へいを行い、効果的な魅力の発信と旅行商品の創出を促す取組を行ってまいりました。

 また、本年9月には、中国遼寧省の旅遊局長が神奈川県を訪問した際に、本県の観光PRを行ったところでございます。

 さらに、ホームページによる情報発信につきましては、これまでも中国語や韓国語、英語で行っておりますが、今年度、新たに外国人の目線に立った情報発信を行うサイトを開設いたしました。

 今後の取組といたしましては、1月に台湾から高校生、教員、メディアで構成される教育旅行の受入れを予定しており、学校交流のほか、鎌倉や箱根といった観光地に加えまして、ショッピングモールを訪れるなど、神奈川の多彩な魅力に触れていただき、今後、本県への教育旅行誘致につなげていく予定でございます。

 さらには、2月に上海における観光セミナー、商談会を予定しております。中国では公的機関の信用度が重要視されることを捉えまして、県が観光事業者などとともに現地に赴きまして、様々なプロモーション活動を実施することとしております。

藤代委員

 8年前、ビジット・ジャパン事業という国の施策もあって、そして今回の震災で外国人観光客が激減した。具体的な数というのは承知をしていないとは思うんですが、回復というのはどのような状況に今なっているか、分かる範囲で結構です。

観光課長

 震災以降の観光客の動向につきましては、ゴールデンウイーク明けから徐々に回復してきたと認識しております。9月上旬に県で県内の観光事業者の方々にヒアリングしたところ、夏休みの期間中の日本人の旅行者につきましては、地域差はあるものの、ほぼ前年並みに回復したという内容になっております。しかしながら、外国人観光客につきましては前年に比べて3割程度のマイナスということで、外国人観光客の回復が待たれているところでございます。

 国のJNTOの調査によりましても、直近の海外から我が国へ訪れる外国人の数値につきましては、1月から10月までの累計で前年に比べてやはり30%のマイナスということで、外国人の状況については引き続き厳しい状況にあるということでございます。

藤代委員

 次に、このグランドデザインの中の商業の振興について、どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いをいたします。

商業流通課長

 商業振興の考え方でございますけれども、商業全体の中で、商店街は地域のにぎわいの核として重要な役割を果たしております。商店街の活力が低下いたしますと地域の活力も低下いたします。したがいまして、地域の活性化を図るためにも、商店街の活性化によるにぎわいを取り戻すことが重要であると、このように考えております。こうした考えの下、市町村や地域の様々な主体と連携いたしまして、商店街の振興を通じたまちのにぎわいづくりの創出などの取組を進めまして、また、人を引き付ける魅力あるまちづくりを促進してまいりたいと思っております。

 また一方で、商店街の元気を取り戻すためには若手商業者の活躍が有効であると、このように考えております。若手商業人材の育成も重点的に取り組んでまいりたいと、こんなふうに考えております。

 商店街及び商業の振興につきましては、地域と一体となったまちづくり、それと商業人材育成の主体づくりを振興策の2本の柱といたしまして、県内商店街の活性化に取り組んでいくことによりまして、地域の活性化につなげていきたいと、こんなふうに考えております。

いそもと委員

 関連で質問させていただきますけれども、今、商業の話がありましたが、私の方からは医療・介護・福祉分野のものづくり企業への支援ということで、幾つかお伺いしたいと思いますが、さきの代表質問で加藤元弥議員が質問した中で、医療・介護・福祉分野のものづくりを通じて社会に貢献する企業に対する支援、これについてはどのように考えているのかという問いでありましたけれども、これに対して、県としては、医療・介護・福祉分野でチャレンジしているものづくり企業が成長していけるよう、しっかり支援していくという御答弁でございました。

 このことについて幾つか伺いますが、まず県内ですけれども、医療・介護・福祉分野のものづくり企業はどのぐらいありますでしょうか。

産業活性課長

 まず医療関係でございますが、平成21年の経済センサスの基礎調査によりますと、医療用機械器具、医療用品製造業の事業所は県内に128社ございます。また、福祉、介護分野でございますが、同様の統計に該当する産業の分類がございませんので、厚生労働省の所管の公益法人の情報システムに登録してございます福祉用具などを製作・販売している事業所を調べましたところ、県内に34社ございました。単純に、今申し上げた数字を合計しますと、約160社程度の事業所が県内に存在するというふうに認識をしております。

いそもと委員

 この分野ですけれども、今後、役割はますます重要になってくるというふうに考えています。今日御報告のありました中小企業活性化推進計画の改定素案ということでありますけれども、その中ではこの部分についてはどのように位置付けているのか、お聞きしたいと思います。

産業活性課長

 今回の改定素案では、エネルギー・環境関連産業とライフサイエンス関連産業、この二つの分野を成長産業と位置付けてございます。このうちライフサイエンス関連産業でございますが、医薬品などのバイオ産業、これはライフサイエンスの一つでございますが、このバイオ産業だけではなく、高齢化の進行に伴いまして市場が拡大される見込みである医療器具あるいは福祉、介護機器などのものづくりも私ども対象というふうに考えてございます。したがいまして、お尋ねの医療・介護・福祉分野は、この改定素案で成長産業としておりますライフサイエンス関連産業の一つの分野と、そういう位置付けになると考えてございます。

いそもと委員

 また、本会議の答弁では、知事は、医療・介護・福祉分野のものづくり企業に対して、高機能車椅子や電動注射器等の例を挙げて、様々な技術支援を行ってきたというふうにも答えております。具体的にはどのような支援を行ってきたのか、これも教えていただければと思います。

産業技術課長

 ただいまお話のありました二つでございます。はじめに高機能の車椅子でございますけれども、こちらは、開発企業の方から製品化、商品化の支援につきまして、創業期・製品化支援モデル事業という事業がございますが、そこに応募を頂戴しまして、有識者等によります評価委員会の方で採択をされた、その事業の支援でございます。この製品は車椅子でございますので、高い耐久性を確保することが大前提ということではございますが、他社製品との差別化を図るために、軽量で乗り心地がよいというような特徴を実現するということを求められていたものでございます。この事業で、企業の方は、産業技術センター内の製品開発室を利用いたしまして試作開発を進めました。その間、産業技術センターの職員が継続して、乗り心地のよさを実現する構造の点での具体的な助言を行いましたし、構造設計、それから走行、耐久試験などの際には依頼試験や、設備機器使用等についての使用料の免除というような支援を行いまして、製品化に結び付けたものでございます。平成17年に製品化して以降現在まで、約100台販売したというふうに聞いておりますが、こだわりの高級車ということで非常に好評を博しているというふうに聞いております。

 それから、もう一つの電動注射器でございますけれども、医薬品の製造を専門とする開発の企業から、痛みの原因となる薬液の注入の速度を制御する電動の注射器を開発するという相談を受けたものでございます。1年以上にわたりまして支援をいたしましたが、その支援の内容でございますが、医療機器は高度な安全性の確保が求められますので、耐久性、それから電気の絶縁などの製品設計に対する助言、それから依頼試験によります安全性の評価、製造ラインで行います検査方法の具体的な提案、こういったことにつきまして製品化に貢献をしたということでございます。平成13年に販売を開始して以降現在まで、2万台を超える売上げがあったというふうに聞いております。

いそもと委員

 この医療・介護・福祉の分野ですけれども、新規に参入を考えている企業もあるというふうに思いますけれども、この参入に関してどのような課題があるのか、あれば教えてください。

産業技術課長

 医療・介護・福祉の分野への新規参入の場合の課題でございます。県内でのものづくり企業は、非常に技術力のある中小企業が数多くございますけれども、この分野で新製品とか新しい技術といったようなものを開発したといたしましても、これを使う方々が健康でない方あるいは肉体的に不自由な方に直接使われるという特徴がございますので、そういった特徴からくる規制、それから医療や介護の保険制度との関係から、直ちに市場に参入して事業化をするというようなことは必ずしもできるものではないということがございます。

 また、開発しました新製品、新技術が安全面などの規制をクリアできない場合が考えられますほか、保険制度の下で活用されるまでには様々な手続が必要となるということもございます。現場で医療や介護に携わっている人たちの信頼を得まして、新製品や新技術を正当に評価していただくためには長い時間がかかりますし、中小企業が単独でこれらの問題を解決をするということは難しい問題があるということでございます。こうしたことから、新製品や新技術の開発に当たりまして、医療や介護の専門的な知識も必要になりますけれども、ものづくり中小企業につきましては、そういった知見は持ち合わせていないということが課題の一つというふうに考えております。

いそもと委員

 では、知事が本会議で答弁をしました、医療・介護・福祉の分野でチャレンジするものづくり中小企業を産学公が連携してしっかりと支援していくと答えた、このことについて今後どのように県として取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

産業技術課長

 この分野にチャレンジするものづくり中小企業への支援の取組方でございます。産業技術センターにおいても、医療や介護の分野の機器開発に十分なノウハウが必ずしもあるというわけではございません。単独で支援を行って、そういった中小企業の医療や福祉、介護分野での新製品、新技術の開発を成功させて事業化、製品化まで結び付けるということは、単独ではなかなか難しいものというふうに考えております。

 県内の大企業や大学が構成員になっております神奈川R&D推進協議会、こちらの方では、中小企業と大企業、それから中小企業と大学等との技術連携を促進する取組を行っております。その一つといたしまして、医療分野に進出している大企業も参加して、今後の成長が期待されるライフサイエンス分野の研究会を設けておりまして、そこでセミナー等の開催をしているところでございます。こうした研究会の活動を通じまして、この分野に関心のある大企業とものづくりの中小企業との技術連携を図っていきたいというふうに考えております。

 また、ライフサイエンス分野の研究会に、ものづくり技術を医療機器に活用する取組を推進する部会も設置させていただきました。今後、大学が持っております知見を活用するために、大学とものづくり中小企業のコーディネートをしていきたい、そういうふうなことに取り組んでいきたいと考えております。

 また、介護、福祉の分野でも、介護サービスロボットの実証試験を支援しておりますけれども、現場の人たちの意見が反映されるように取り組んでおりますが、企業がそういったアドバイスを受けられるように、福祉関係団体の紹介をするといったようなことの協力もしているところでございます。

 こういったことに加えて、産業技術センターもこの分野の参入を目指しまして、ものづくりの中小企業に対して積極的に技術的な支援、協力をしていきたいと考えております。

いそもと委員

 知事がしっかりと支援ということを明言しましたので、それを実行していただきたいと思います。

 もう1点、再質問の中で、インベスト神奈川2ndステップ、今日も説明がありましたけれども、この中にもこういった分野を対象としてもいいのではないかと、業種の拡大等を検討されてもいいのではないかというお話があったと思いますが、それについてどのようにお考えか、再度お伺いしたいと思います。

産業立地課長

 インベスト神奈川2ndステップの集積対象業種は、今日も報告の中でお話をさせていただきましたけれども、6分野に決めております。委員のお話にありました医療・介護・福祉の分野でいいますと、例えばその中の位置付けのありますバイオ産業、あるいは機器類でいいますとロボット産業、それからIT/エレクトロニクス産業、こういったものがそうした機器類あるいは医薬品の製造などを支えている産業分野ではないかと思っております。したがいまして、そういう産業分野に該当するものであれば、当然インベスト神奈川2ndステップの対象になりますので、今回、ハードルを少し下げたいということで報告させていただいておりますけれども、そうしたことも活用しながら関連企業の活用を促していきたいと、このように今のところ考えております。

いそもと委員

 いろいろな分野があると思いますけれども、社会貢献をしているような企業をしっかり伸ばしていっていただきたいと思いますので、今言った分野は、多少緩和をするような話もあったかというふうに思いますので、少し幅広にそういった貢献をしている企業を応援してもらいたいということも要望として伝えておきたいと思いますし、計画の中で、ライフサイエンス分野の中に含まれるということでありますけれども、重点的取組というものもあったかと思いますし、まだ素案の段階ですので、もう少し色を出すような形で反映させていただけると有り難いなということを要望させていただきまして、私の質問は終わります。

藤代委員

 それでは、私から最後に要望をさせていただきます。

 今回の中小企業活性化推進計画の改定で、成長産業、成長市場を明確に位置付け、重点的に振興を図るということであると思います。成長産業はエネルギー・環境、そしてライフサイエンスもそうであると思いますが、技術革新を図る一方で、まだちょっとローカル的な産業も中小企業としてあるわけでありますので、その両方を守るということが必要な経済政策の一つであると思っております。

 海外へ目を向けながら、国内にとどまっている産業も成長させて、雇用の維持、安定を図っていかなければいけない、これも一つの考えでありますし、もちろん海外進出していく企業の技術的な支援、これも一つの考えであると思いますので、こういった二つの方向性をしっかり両立できるように、内容のある計画を策定していただきたく要望をさせていただいて、私の質問を終わります。

浦道委員

 まず、神奈川県ふるさと雇用再生特別基金条例の一部を改正する条例の概要についてお聞きいたします。ふるさと雇用再生特別基金条例を改正しまして事業実施期間を延長するということですが、その点について何点か質問いたします。

 まず、ふるさと雇用再生特別基金事業の目的と概要を改めて確認をさせてください。

雇用対策課長

 雇用に関する基金事業ですけれども、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業という事業とお尋ねのふるさと雇用再生特別基金事業の2種類がございます。いずれの基金事業も平成21年度から事業を開始いたしまして、リーマンショック以降の厳しい雇用情勢を踏まえまして、国の交付金を原資とした基金を活用しております。緊急雇用創出事業臨時特例基金事業は、雇用された失業者の次の就職先が見付かるまでのつなぎ雇用を目的とした事業でございます。それに対しまして、ふるさと雇用再生特別基金事業ですが、失業者の方を雇用して、地域で継続的に働ける場の創出が見込める事業を実施するというものでございます。

浦道委員

 今お話をいただいた継続的に働ける場の創出が目的ということなんですが、正規雇用につながるように、本県としてどのような取組を行っていますか。

雇用対策課長

 ふるさと雇用再生特別基金事業の継続雇用につなげるための取組でございますけれども、まず事業計画の段階で、継続的な雇用が期待できる事業かどうかというものの確認を行っております。また、当基金で臨時に雇用した方を受託業者が正規雇用とした場合には、1人当たり30万円の一時金を支給するという制度もございます。厳しい経済状況ではございますけれども、受託事業者へのこうした一時金の周知を図りながら、継続雇用を働き掛けているところでございます。

浦道委員

 そのような取組をされている中で、継続雇用について、今後の見通しというのは立てているんでしょうか。

雇用対策課長

 今年度実施している事業を対象に、9月末時点で事業の継続と雇用の継続について、庁内各部局と市町村の所管課を対象に調査をいたしました。その結果、約8割の事業が平成24年度以降も委託事業者が何らかの形で継続実施する予定という回答をいただいております。また、雇用の関係なんですけれども、雇用の継続については、現段階では雇用されている方の2割近くの方が、正規雇用される見込みでございます。正規雇用以外の雇用形態も含めますと、雇用人数全体の約7割近くの方が継続雇用につながるという見通しを立てているところでございます。

 今後とも、企業の所管課とは随時情報交換を行いながら、多くの事業と雇用が継続するように努めてまいりたいと思います。

浦道委員

 今回、事業実施期間というのは、考えると1年間とかというのが多分多いと思うんです。来年まで期間を延ばしますというのが多いと思うんですけれども、ふるさと雇用再生特別基金事業に関しては6箇月という延長をされているようなんですけれども、6箇月の趣旨というのはどういうところなんでしょうか。

雇用対策課長

 国からの通知によりますと、3月11日に発生した東日本大震災の影響によりまして、必ずしも計画どおりに事業を開始、実施することができなかった事業というのも想定されるということから、今年度から全く新しく開始した事業で平成24年度も引き続き実施することを希望する場合には、平成24年9月末まで事業実施を可能としたものでございます。

 6箇月がどういう理由でというのは、国の通知から読み取れないんですが、国からの制度改正ということで、そういうことになっております。

浦道委員

 6箇月延長するということに伴う効果というのは、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

雇用対策課長

 ふるさと雇用再生特別基金事業でございますが、原則として事業実施期間が終了する平成24年度以降については、受託事業者の独自事業として継続実施するということを目指しているものでございます。今回、実際に延長する事業につきましては、受託期間が延びることによりまして、事業継続につながる新たな工夫ですとか、雇用者の資質や能力を適切に見極める時間というか、期間が増えることによりまして、継続雇用の可能性が高まるのではないかというふうに考えております。

 ただし、延長に伴う基金の積み増しというのはないので、これらの事業を実施するためには、今年度の執行残額を活用するということになります。具体的にどの事業を実施するかにつきましては、こうした執行残額を適切に把握しながら、今後、庁内所管課と市町村と調整していきたいというふうに考えております。

浦道委員

 この事業が、本来であれば21年度から始まって3年間で終了する予定というところが延長されたということですので、有効活用していただいて、一人でも多くの方の継続雇用につなげていただけるように要望しまして、次の質問をさせていただきます。

 引き続きまして、神奈川県中小企業活性化推進計画(改定素案)についてお聞きします。

 来年度以降3年間の計画策定を行っていまして、計画の趣旨を拝読したところ、今回の改定に当たっては、東日本大震災、福島第一原子力発電所事故、アジア諸国の急成長、円高の進行など、本県の中小企業を取り巻く環境に変化が生じていることから改定する旨の記載があります。改定素案ということで、そのような側面とともに、本年度までの推進計画の反省を踏まえて反映させる必要性もあるかと思いますので、そういう観点から何点か集中してお聞きをさせていただきます。

 まず、大柱6の裾野の広い観光産業の振興についてお聞きをいたします。

 今年度までの推進計画によりますと、中柱は、神奈川の特色を生かした観光魅力づくり、かながわツーリズムの推進の一つでございます。まず今年度までの3年間の、あくまで自己評価で結構でございますので、成果と反省点を教えていただきたいと思います。

観光課長

 まず、観光に関する目標につきましては、年間の入込観光客数を目標としております。2009年の目標が1億6,900万人でありましたのに対しまして、実績では1億8,300万人、2010年は目標が1億7,000万人でありましたのに対しまして、実績は1億7,400万人ということで、過去2年間につきましては、目標を達成することができております。また、昨年から神奈川県観光振興条例が施行されまして、観光振興に対する地域での認識が高まり、市町村や民間事業者などによるそれぞれの立場で誘客促進に向けた取組が深まってきたというふうに評価をしております。

 反省点といいますか、課題につきましては、観光振興の目的の一つに交流人口の拡大による観光消費の拡大というものがございますが、まだまだ本県の観光の状況を見ますと、首都圏からの日帰り観光客が大きなウエイトを占めているということで、今後とも宿泊滞在に向けた取組が必要だというふうに認識しております。

浦道委員

 その成果、反省点を踏まえて今回の改定素案にどのように反映されているのか、教えていただければと思います。

観光課長

 今回の改定素案の中では、計画の柱につきまして、現行の中小企業活性化推進計画の中では、1本の中柱という内容になっておりますが、次期改定計画の中では、先ほど申しましたような成果と反省を踏まえまして、魅力ある観光地の形成、観光による地域経済の活性化、外国人旅行者の増加の三つの中柱を設定しており、このことは現在検討を進めております次期総合計画との整合性も考慮して設定しているところでございます。

浦道委員

 今回の反省を踏まえて柱を三つにされたとお聞きしました。そこでお聞きいたします。魅力ある観光地の形成の施策の中で、箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏の取組を支援とございますけれども、この観光圏の取組自体が平成22年4月から始まっております。平成22年4月から始まった観光圏整備計画で、これまでの支援内容はどういうものか、それに対する成果と反省点を教えていただければと思います。

観光課長

 観光圏整備事業は、複数の市町村が連携しまして、2泊3日以上の滞在型の魅力ある観光地の形成を図るために、国土交通大臣の認定を受けまして様々な観光振興事業を展開するものです。本県におきましては、自然・歴史・文化等が密接に関係します県西部の2市8町と静岡県熱海市におきまして、箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏推進協議会を平成22年2月に設立しまして、行政と民間が一体となって地域の観光振興事業に取り組んでいるところでございます。

 事業初年度の平成22年度は、国の補助を受け、外国人旅行者が不自由なく観光できるように、バス路線の表示の統一化や記号化や観光圏の周遊マップの作成など、10本の事業を実施いたしました。今年度は、全国の大学生によります地域の観光資源を活用した観光まちづくりプランを競います大学観光まちづくりコンテストの開催やノルディックウオーキングなど、12本の事業を計画実施しております。このような取組の結果、来訪者の回遊性や利便性を高め、地域の魅力向上が図られたと考えております。

 課題といたしましては、民間によります自主的な事業の促進や地域間の連携が更に必要と考えており、今年度から月1回、定例的に行政、観光協会による連絡会議を開催いたしまして、情報の共有や広報事業等の共同実施について協議をしているところでございます。

浦道委員

 今、いろいろと方向性のお話をいただきました。引き続きそういう形で支援をされていかれると思うんですが、新しい改定素案の中で、今後3年間で今のような動きでどのような成果を得る見込みを持っていらっしゃるのか、教えていただければと思います。

観光課長

 今回の計画の改定に当たりまして、県といたしましては、引き続き地域の広域連携をサポートし、国庫補助事業における国との橋渡し役となると同時に、民間主導の事実的運営を実現するための支援を行ってまいります。そういうことによりまして、回遊性を高めた魅力ある地域づくりに努めてまいりたいと考えております。

浦道委員

 最後にお聞きいたします。裾野の広い観光産業の振興について、冒頭お話をさせていただいた震災や原発事故、円高等々での環境の変化に対してどのように反映をされているのか教えていただければと思います。

観光課長

 観光の場合は、社会的な変動だとか経済的な環境の変化を非常に受けやすい産業であります。特に今回は、東日本大震災という観光産業にとっても今までにないような経験をいたしました。観光客の動向につきましては、先ほど申しましたが、ゴールデンウイーク以降徐々には回復してきておりますが、引き続き厳しい状況にあるというふうに考えております。

 今回の計画の中では、先ほど申しました三つの柱、具体的には魅力ある観光地の形成、外国人観光客の誘客促進、観光関連産業の成長促進を柱といたしまして、県への来訪者の増加を図ること、そして観光の振興を通じました地域経済の活性化を図ることを考えております。神奈川県観光振興計画にも同様の考え方でこの柱を立てておりまして、今申しましたような三つの施策を推進することによりまして、観光全体の底上げを図っていきたいというふうに考えております。

浦道委員

 最後に要望させていただきます。観光産業の振興では、震災の影響で、今、課長の方も話をされた外国人観光客が減少していると、この取組は本当に重要であると考えております。答弁の中でもございましたけれども、観光案内所の運営あるいは外国語版のホームページ等々での情報発信は大切なツールだと思います。これまで委員会等々でも議論がされていた発信の仕方等々、是非とも前向きに御検討していただくことを要望して、次の質問をさせていただきます。

 続きまして、就業支援と労働環境の整備についてお聞きいたします。

 少子化が進行し労働力人口が減少していく中で、今後はこれまで以上に中小企業の人材確保が困難を極めるのは明白であると考えております。そこで改定素案の中柱に沿ってお聞きをいたします。今年度までの中小企業活性化推進計画と改定素案では、中柱の項目はほとんど変わっていないなというのを感じましたので、それを念頭に置いてお聞きをしております。

 若年者の就業支援について、今年度までの成果と反省点を教えていただければと思います。

雇用対策課長

 若年者の就業支援についてでございます。県では、やむを得ずフリーター等の状況に置かれている方などに対しまして、かながわ若者就職支援センターを中心に、キャリアカウンセリングをはじめとして、就職活動支援セミナーですとか就職情報、職業訓練情報の提供等を行ってまいりました。

 現行計画では、かながわ若者就職支援センターの延べ利用者数につきまして、2009、2010、2011年度の各年度ともに1万2,000人の目標設定をしております。実績といたしましては、2009年度は1万8,715人、2010年度は3万629人、2011年度は10月末で2万1,217人となっており、多くの若者に対して支援を行ってまいっております。2010年度に利用者が増加いたしましたのは、2010年3月、国のハローワークが新たに併設されまして、キャリアカウンセリングから職業紹介まで一体的なサービスが行えるようになったからでございます。

 反省点というか、課題ですが、リーマンショック後の厳しい雇用情勢が続く中、従来から課題となっていたフリーター等への就業支援に加えまして、2009年以降、内定率が低下している新規学校卒業者への就業支援についても取り組んでいく必要性が生じているというところでございます。

浦道委員

 その反省点を踏まえて、今回、素案の中にはどのように反映されたんでしょうか。

雇用対策課長

 現行計画の課題、反省点といたしまして、内定率が低下している新規学卒者も対応していくと、そういう必要性が生じております。改定素案におきましては、かながわ若者就職支援センターにおけるキャリアカウンセリング等を引き続き実施するとともに、採用意欲のある中小企業と若年者の雇用のミスマッチを解消することを目的としたセミナーの開催ですとか、教育局などと連携しまして、高校生などに対してインターンシップ等を通じた職業教育も推進していくことなど、そういったことを中心に計画に盛り込んでいくということにいたしております。

浦道委員

 同じく中高年齢者の就業支援について、成果と反省点があれば教えてください。

雇用対策課長

 中高年齢者の就業支援でございます。本県では、団塊世代を中心とする中高年齢者の多様な職業ニーズに対応するため、シニア・ジョブスタイル・かながわによる施設を中心に、キャリアカウンセリングや再就職支援セミナー、地域職業相談などを行ってまいりました。

 現行計画におきましては、シニア・ジョブスタイル・かながわの延べ利用者数を目標値として、2009、2010、2011年度ともに6,000人の目標設定をしておりました。実績につきましては、2009年度は1万742人、2010年度は9,401人、2011年度は10月末現在で5,336人となっており、利用者数は、急激な雇用情勢の悪化が原因で、いずれの年度も目標値を上回っております。

 反省点というか、課題なんですが、2008年秋のリーマンショックに端を発しました世界同時不況以降の厳しい雇用情勢が続く中、40代から50代、特に真ん中あたり、55歳ぐらいまでの離職者の利用者が増加しております。働き盛りの世代に対する再就職支援というものに今後少し力を入れていく必要が生じているというところでございます。

浦道委員

 若年者、中高年齢者の就業支援、それぞれ、かながわ若者就職支援センター及びシニア・ジョブスタイル・かながわの中でキャリアカウンセリングを行っておられますし、今後もやっていただくと思うんですけれども、それぞれのカウンセリング内容の大きな違いと、カウンセラーを採用する際の基準というんでしょうか、経験というか、若者向け、中高年向け、もちろん違うと思いますし、若者同士であっても個人によって違うという流れの中で、カウンセラーの方の採用基準とか経験の違いというのは、どういうところで見ていらっしゃるんでしょうか。

雇用対策課長

 若年者と中高年齢者に対するカウンセラーの違いというか、そういったことでございます。前の6月定例会のときに、若年の方のカウンセラーの条件とかをお話ししましたが、今度は中高年齢者が相談者である場合なんですが、若年者と比較して、これまでの人生経験というのが豊富であるため、相談内容も多岐にわたってまいります。

 具体的には、再就職の相談であったとしても、これまでの経験を生かしていくのか、全く新しい業種にチャレンジしていくのか、家族を養っていくことができるのかなどといった相談に応じなければならないケースもございますし、また、これまでの経験を生かして会社を設立したいですとか、地域に恩返ししたいのでNPO活動を始めたいですとか、退職後の生活設計のために年金のことが聞きたいなどといった相談者の長い人生経験や職業経験を踏まえながらのカウンセリングとなります。

 そうした意味で、中高年齢者のカウンセラーはより経験豊富な人材を配置する必要がございます。本県では、カウンセリング業務は民間事業者に委託しておりますので、委託仕様書の中で経験豊富なカウンセラーを配置するよう求めております。

 具体的な条件でございます。中高年齢者対象のカウンセラーは社会人経験が20年以上あることに対しまして、若者対象のカウンセラーは10年以上ということにしております。また、社員教育担当者としての経験として、中高年対象は5年以上、若者対象は3年以上としております。さらに、中高年対象はキャリアカウンセラー又は産業カウンセラーの資格を有すること、それとあわせまして、中高年齢者に対する個別のカウンセリング経験が300人以上という、少し厳しい条件を設定しております。これに対しまして若者対象では、キャリアコンサルタントや産業カウンセラーの担当者として業務経験が3年以上あることとし、さらに、若者に対するカウンセリング経験が1年以上若しくは事前の十分な研修というのを条件としております。

 以上の条件を満たしたカウンセラーにより、若者及び中高年に対する親身なカウンセリングを行っているところでございます。

浦道委員

 特に中高年向けで社会人経験20年以上という経験を持たれた、人生経験がある方をどういう方が面接されていらっしゃるんですか。そういう経験の深い方に対して、もっと経験が深い方がいらっしゃるというイメージなんでしょうか。

雇用対策課長

 この事業を委託するときに仕様書を作ります。それで、この条件に合うということでいろいろな提案をしてもらって、プロポーザルで庁外の関係者での審査をされて、その方と直接面接をして、採用するのは委託業者ということになります。

浦道委員

 続きまして障害者に関してお聞きをします。今年度までの推進計画の中ではなかった項目で、法定雇用率の向上を行うというのを目的とされておりますので、それに関して何点かお聞きをさせていただきます。

 今年度までの計画で、障害者の職場定着を支援する障害者ジョブコーチを2011年度までに90名養成と目標に掲げておられますが、現在まで65名とお聞きしております。そういうジョブコーチの方というのは、定着を支援するということですから、定着を図っていただければ、雇用率は下がることはあっても上がることは厳しいのではないかというふうに思っているんですけれども、まず定着を図る意味でも、ジョブコーチ養成が目標に対し未達成に終わった理由というのは何かあるんでしょうか。

雇用対策課長

 ジョブコーチでございます。ジョブコーチの制度というのは、2009年度に職場定着支援の人材不足の改善を図るという目的で新規事業として立ち上げましたけれども、少ない理由というのは応募者が少なかったということでございます。養成人数が目標に達しなかったことから、現在、中小企業の実態ですとかニーズを把握しながら、引き続き養成していこうということで取り組んでいるところでございます。

浦道委員

 引き続き養成をされていくということは分かりました。その中で、雇用率向上を図っていくためにはどういうことをお考えなのか、教えていただければと思います。

雇用対策課長

 雇用率向上を図るため、基本的にこうしたジョブコーチ制度も必要でございます。それで、県内の企業の障害者の雇用率でございますけれども、法定雇用率1.8%というのが法定義務になっております。年々この法定雇用率は改善をしてきて、平成22年度は1.62%となってまいりましたけれども、これを企業規模別で見てみますと、56人以上100人未満が1.47%、100人以上300人未満では1.33%となっておりまして、中小企業の雇用率というのが低い傾向になっております。

 また、法改正によりまして障害者雇用納付金制度というのがあります。1.8%の法定義務に雇用率が未達成の企業に対するペナルティーのようなものです。1.8%を下回っている、足りない障害者の人数、1人につき月額5万円を納付するという制度があるんですけれども、その対象がこれまで301人以上の企業から、昨年7月から200人を超える中小企業に拡大したということで、中小企業における障害者雇用を巡る環境というのも大きく変化してきているところです。

 こうしたところから、労働団体ですとか経済団体、行政の代表で構成する神奈川県障害者雇用推進連絡会というものを設置いたしまして、企業を個別に訪問しながら企業への働き掛けを実施しております。これまで法定雇用率未達成の県内の大手企業を中心としておりましたが、昨年度から働き掛けの対象を中小企業、より小さな企業へも拡大して、積極的に雇用の促進を働き掛けております。また、中小企業を対象とした障害者雇用対策セミナーですとか障害者雇用企業見学会、そういったものにも力を入れまして、障害者雇用への取組を支援しております。

 このような状況を踏まえまして、改定素案の中では、様々な取組を行う中で、障害者雇用の状況が反映される雇用率向上というのを記載しているところでございます。障害者の求職者に対しても企業側にも双方の支援を行っていくということで、様々な取組をしていきたいと思っております。

浦道委員

 是非ともお願いをしたいと思っております。

 最後の項目で、中柱の4番目、安心して働ける労働環境の整備とワークライフバランスの推進について、お聞きをします。

 こちらの施策の概要の中で、ワークライフバランスを図れるよう、講演会等により県民機運の醸成というふうに記載されております。もちろん必要だなと思っているんですけれども、それに関連すると思うんですが、今年度までの計画の中で、神奈川ワーク・ライフ・バランスシンポジウム参加者数というのをお聞きしたところ、年間で100人程度の参加者数にとどまっているのが見受けられるんですけれども、県民機運を醸成するということで、100人ぐらいで今後どうやって機運を高めていかれるのかなという、その施策があれば教えていただければと思います。

労政福祉課長

 現行計画におきまして、参加人数を目標としておりますシンポジウムでございますけれども、これは、平成19年度から3年間にわたって実施しました九都県市のワークライフバランスに関する共同キャンペーンの後を受けまして、県内企業や県民の方々のワークライフバランスの理解を促進するということを目的としまして、県と政令3市による連絡会議を設けた上で、神奈川労働局とも連携、協力して、働き方に関することをテーマとしたワーク・ライフ・バランスシンポジウムを毎年持ち回りで開催しているところでございます。今年は11月に相模原市で実施いたしまして、企業の方々を中心に139人の参加者がございました。

 このワーク・ライフ・バランスシンポジウムの参加者人数を現行計画に入れた理由でございますけれども、一つは、このシンポジウムというのは、今申しましたように、国と政令3市と県が一体となって、全県域を対象にその機運の醸成を図るために取り組んでまいっているものでございますので、このシンポジウムでの議論を踏まえまして、国と政令3市におきましても独自に普及啓発に取り組んでいくということがございますので、そうした意味で、このシンポジウムを契機として波及効果が大きいというふうに考えた次第でございます。

 二つ目としまして、このシンポジウムは企業の人事労務担当者の方々により多く参加していただいておりますことから、それぞれの事業所において取り組む参考となりますような事例発表、こういったことも行っておりますので、それぞれの事業所内での波及効果も期待できるのではないかというふうに考えているところでございます。このシンポジウム自体の参加者数は限られておりますけれども、このシンポジウムをきっかけとした効果が期待できるものと考えて、この目標値を設定したというところでございます。

 そしてまた、シンポジウム以外にも、私どもの方としましては、これまで様々な形で、チラシとかリーフレットの配布などによって、従前から広報に取り組んできた次第でございますけれども、企業向けの広報というのもかなり重点的に行っているところでございます。まず、県からの依頼に基づきまして、事業所の勤労者福祉を担当されている方を企業内福祉推進者として選任していただいている約2,100の事業所に、定期的にワークライフバランスに関するセミナーでありますとかお知らせ、こうしたものを情報提供しております。そしてまた、希望がある事業所につきましては、約400の事業所がございますが、ここにつきましては毎月、メールマガジンを配信しまして、企業内福祉推進者の方々に役立つタイムリーな情報を提供していくことによって確実に広報、周知できる、こういった取組をしているところでございます。

 またさらに、かながわ労働センターなどにおきましても、職員が年間約400くらいの中小企業の経営者でありますとか管理職の方々に個別に訪問させていただきまして、労務管理に関する情報提供でありますとか助言を行っているところですけれども、こうした機会を捉えてワークライフバランスに関するいろいろな国や県の事業なども御案内して、普及促進を図っているというところでございます。

 またさらに、今後なんですけれども、県のホームページにワークライフバランスに関する専門のポータルサイトを立ち上げることをしたいというふうに思っております。このポータルサイトでは、県の事業の詳細でありますとかイベントなどを掲載して広く情報発信するとともに、企業や県民の方々からの取組の事例の募集でありますとか、悩みあるいは課題相談などを通じて、企業の担当者でありますとか県民の方から御意見あるいは情報を頂くといった双方向性を高めていく、こういったことによって普及促進を図ってまいりたいというふうに考えておりますし、このポータルサイトは、当然携帯電話でも御利用できる形にしてまいりたいというふうに考えております。

 こうしたポータルサイトなどを御利用いただきまして、ワークライフバランスの取組をより身近なものにしていただくことによって、県民の機運の醸成というものに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

浦道委員

 そのポータルサイトは、もうスタートされていらっしゃるんでしょうか。

労政福祉課長

 ポータルサイトにつきましては来月立ち上げる予定でございます。したがいまして、本格的に活用していくというのは、来年度からということになります。

浦道委員

 いろいろな方々が中小企業に行かれたり、あるいはそういう計画をされている中で、ワークライフバランスの機運は盛り上がっているなという実感はお持ちなんでしょうか。

労政福祉課長

 これまで県としてもいろいろ取組をしてきた次第でございますけれども、そうしたものの成果ということでございますけれども、県では働きやすい就労環境の整備などを支援するために、4年ごとに県内の約3,600の事業所を対象に、働く環境に関する事業所調査というものを実施しております。前回の調査の平成21年度とその前の前々回の17年度の結果を比較いたしますと、事業所内で育児休業制度を規定している事業者というのが82.4%から86.7%に上昇しております。そしてまた、女性の育児休業取得率は85.5%から93.1%に上昇しているというようなことがございますので、ワークライフバランスを進めるための社内環境というものは、整ってきたのではないかというふうに考えているところでございます。

浦道委員

 要望させていただきます。今年度、この委員会でも、特に若者、中高年といったところの就業支援の施策の目標が、決して利用者数だとかそういったものにならないように要望いたしまして、私の質問は終了いたします。

齋藤(健)委員

 午前中に御報告をいただきましたかながわ中小企業再生ファンドは、12月7日に設立をされたということで、数点質問させていただきたいと思いますが、改めて、この再生ファンドの設立の趣旨、それからどういうところを投資対象として考えるのかということを含めて教えていただきたいと思います。

金融課長

 まず設立の趣旨でございますが、リーマンショック以降、全国的にもそうですし神奈川県もそうですが、長引く不況、そういう状況に地域経済はございます。そういう中で、地域においては中小企業の資金借上げ、資金を借り過ぎて過剰債務に陥っております。そういう状況の中で、中小企業の環境は、それぞれ、場合によっては連鎖倒産、あるいは倒産することによって技術を失ってしまう、あるいは雇用を失う、そういうことが連鎖して起こってまいる、そういう可能性が非常に高いと、そういうふうに感じています。そのような状況の中で、金融円滑化法というものが平成21年12月に施行されて、金融機関も中小企業を支援してきたということでありますけれども、金融円滑化法につきましては来年3月までと、そういう状況にございます。

 そういう中では、神奈川の地域の重要な産業、波及効果が大きい産業、そういうところをしっかり支えることで、地域の産業がマイナスの方向に進んでいかないように支える必要があるのではないかと、そういうことで再生ファンドを考えたわけです。

 民間の通常の再生の方法というのを考えますと、現在あるのは清算方式がほとんどでございます。再生というよりは清算して処理をしてしまうと、そちらの方が非常に多いわけでございます。そういうことからは、公的なファンドということで、3年から5年しっかり継続的に支援して再生していくというような形のもの、こういうファンドをつくることによって地域のスポンサーとなる組織ということになります。人、物、金それぞれにおいてスポンサーになるということでございます。そういう組織をつくって地域を再生させる。そうしますと、地域のところから経済がまた復活していくのではないかと、そういうことを狙いとして設立いたしました。

 それから、ファンドの対象企業でございます。対象につきましては、今申し上げましたが、大きくはまず神奈川県エリアでございます。それから中小企業であるということ。それから、地域においてある程度経済的に影響のある、波及効果のある企業ということでございます。そういう企業に対して投資をしますけれども、それらの企業については個別には、具体的に細かいことで申し上げますと、一つは、再生の可能性がなければなりませんので、事業価値を持っているかということで、事業価値の面では技術力あるいは営業力、商品力があるかどうか、こういうことも必要になるかなと思います。それから次に金融機関の協力を得られていて当面の資金繰りは確保されていると。それから、経営者自身が窮境の状況を理解して取り組む意欲があるか、こういうところを判断して企業を選択していくと、そういうことでございます。

齋藤(健)委員

 公的な枠組みの中で、こういうファンドを設立するという形ですから、御答弁いただいたように、しかるべき収益力があって再構築によって再生が可能でなければ、逆にいうと投資対象にならないということだと思うんです。

 他の都道府県でどういう状況なのかということを少し伺いたいんですが、現時点で都道府県の中で設立されているところは幾つぐらいございますか。

金融課長

 中小企業基盤整備機構を使った公的な官民一体型の再生ファンドといいますと、機構を使ったファンド自身は全国で22ございます。ただし、その中で全国的な対象エリアにしているファンドもございまして、単県だけを対象にしたファンドということであると17になります。本県は18番目、トータルで23番目ということでございます。

齋藤(健)委員

 それらの他の都道府県の設立例の中で、その自治体が実際に出資をしているというところは幾つありますか。

金融課長

 ファンドの仕組みができた草創期に1県だけ、茨城県のファンド、これが一つだけございます。

齋藤(健)委員

 本県の場合、茨城県以外のところと同じように直接は出資をしていないということだと思うんですが、議論の過程の中で、本県として出資をするかどうかということの議論はなされたのか。結果として本県として出資をしないということについて、どういう判断の中で至ったのかということを教えていただけますか。

金融課長

 本県が出資をしなかった理由ということでございますが、そもそも中小企業再生ファンド自身は、地域の金融機関の日常的な継続的な点検、モニタリングあるいはコンサルティング機能、こういう中で中小企業の案件を発掘していく、金融機関自身が自分の取引先等の中で再生が必要な企業を発掘していくと、そういう仕組みでございます。そうした案件を中心に扱うファンドということでは、まず地域金融機関を中心に結束してファンドの出資をしていただくことが基本であろうと、そういうふうに考えたということがまず一つでございます。

 それから、その他の要因としましては出資手続上の制約がいろいろとございます。中小企業基盤整備機構のファンドに対する予定総額の出資は、ベンチャーファンドと違って、枠を決めるんですが、払込み自身は一括ではなく案件が出たその都度、運用会社がキャピタルコールということで必要額を各出資者に要求すると、そういう形の分割払方式でありますので、県が金額を先に払えないということではなくて、県の予算計上のタイミングなどで制度上非常に難しいと、そういうことも一つございます。

 それから三つ目は、この出資の仕組みは、中小企業基盤整備機構が2分の1を出資するとなっておりまして、公的部門、これは2分の1ということで、地方自治体等が出資した分は、基盤整備機構がその分を減額して出資することになりますので、余り地方自治体が出資することにメリットがないというところが一つございます。

 そういうことから、県としてはできるだけ民間の活力、資金を活用して、県自身は、県内初の公的ファンドの設立を推進するということに注力するということで旗振り役を担ったと、そういうことでございます。

齋藤(健)委員

 出資をしないことによって、県が、午前中の質疑の中の御答弁でもありましたけれども、危険性はないんだけれども、逆にいうと収益もないわけですね。旗振り役の神奈川県として実際に出資をしないということで、私も幾つか話を聞いてみたんですけれども、県が本当に厳しい中小企業再生に対して意欲があるのかどうかということについて、腰が入っていないのではないかと、こういう印象があるというふうに耳にします。当然そういうことも含めて結論を出されていると思うんですけれども、今のお話をあえてさせていただいた中で、どういうふうにお聞きになりますか。

金融課長

 県が出資をしないことで腰が引けていると、そういう御意見に対しましては、他県では既に17あり、全国的にも22あり、関東エリアでも千葉、埼玉、静岡、栃木と、この辺は全部そろっているという中で神奈川では存在していなかったということでございますので、県が今回取りまとめをしたということでは、神奈川エリアに中小企業を根底から再生させていくようなものをつくるという意欲がなかったということではなく、県内金融機関それぞれ思惑がございます。メガバンクから地方銀行、信用金庫、信用組合、それぞれなかなか利害が一致しないところがある。そこを今回初めてまとめさせていただいたということでは、我々の一つの意欲ということだと思っております。

 それから、公的部門のところについては、出資については、県としては神奈川産業振興センターの出資、これは県内の中小企業支援を全面的に実務的に取り扱うところでありますし、また中小企業再生支援協議会を設置する機関でもありますので、そこに出資をしていただいております。

 それから、神奈川県信用保証協会、これは金融機関扱いになっていますけれども、これも公的なものになります。ここについても出資をしていただいて、県内金融機関に再生ファンドの役割を認識しているという意思表示をしていただいております。そういうところで県としても最大限意欲を示しているというふうに考えております。

齋藤(健)委員

 もう一度だけ聞かせていただきたいと思いますが、県としては最大限取りまとめる役割を果たしたという御答弁で、先ほどの私の話は当たらないということだと思うんですけれども、中には、県の公的な役割として踏み込んだ考え方が示されてもよかったのではないかということについては、どういうふうにお考えですか。

金融課長

 我々も努力して設立して、その後それで県は手を引くということではございません。今後も引き続き中小企業支援という観点では、中小企業再生支援協議会、産業振興センターあるいは県の中小企業支援策、こういうところで積極的に引き続き支援に関わっていくというスタンスでございます。

 また、我々も設立当初、このファンドのほかに、県の監視機関というわけではないですが、県が直接ある程度このファンドとの関わりを持つための監視的な意味も持つ委員会を設置することも考えました。しかしながら、このような組織については、当初の平成15年ぐらいのときに再生ファンドが一部設置していましたが、そういうところも含めて今回それも検討いたしました。しかし、金融機関は、特にそれは必要ないということでございました。県が今後も引き続き関わってくれるということで、あえて監視委員会のようなものは設置する必要はないと、そういう結論に至っておりますので、我々は特にそういうものをつくりませんが、引き続きファンドの存続期間に関わっていくと、そういうことで御理解賜りたいと考えております。

商工労働局企画調整部長

 県内の金融機関の皆さんといろいろと調整をしてまいりましたけれども、重複するような形になりますけれども、やはり金融機関の皆さんが、同じ立場でファンド設立について考えると、なかなか一歩を踏み出せないと、それを県の方でいろいろと調整して、御理解をいただきました。そして、県の方のこういう形での働き掛けがなければ、こういうファンドはまず設立しなかっただろうということです。そういうところで私たちは、この目的意識というのをしっかり持って、皆様に御理解をいただいてきたということがございます。

 出資はしておりませんけれども、このファンドが目指すべき目的というものは、県が目指すべき中小企業の支援と同じところに向かっているわけですから、この先は県としても、やれることを目一杯やらせていただいて、協力しながら中小企業の再生をしっかりと果たしていきたい、そのように思っております。

齋藤(健)委員

 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。

 1点だけ補足で伺いたいんですが、こうした経済的な面でのサポートをするという枠組みだと承りますが、一方で中小企業の厳しさというのは、やっぱりお金の面だけではなくて人材面、しかるべき人材がしっかりと中小企業再生に向けて立ち上がれるかどうかということが試されているというふうに思うんですけれども、こうした面で、人材の面についてのサポートというのはどういうように考えていますか。

金融課長

 このファンドについては3年間再生支援ということで、経営については、投資の当初につきましては、再生計画が順調に定着するまでは、ファンドの支援担当者が企業に赴いて収益回復度の進捗状況を確認します。安定した段階になりましたら月1回と、そういうふうになりますし、また、様々な経営ノウハウを持つ方を場合によっては提供していきます。さらに、経営陣に人を入れるということもありますが、現在のところ、そこまで必要かどうかはその都度考えていくと、そういうことになっております。

齋藤(健)委員

 神奈川県が旗振り役という形で、しっかりと中小企業の再生に向けて環境を整えていただけるように頑張っていただきたいと要望して、私からの質問は終わります。

土居委員

 私からは、神奈川県中小企業活性化推進計画の改定素案の20ページに記載されている若年者の就業支援について、何点かお伺いいたします。

 先日、神奈川新聞に、2013年春に卒業する現在の大学3年生の就職活動が12月1日に解禁されたとの記事が記載されておりました。今年は、学生が学業に専念できるようにと、前年より2箇月遅い解禁となるそうですけれども、一方で、面接など入社試験は従来どおり4月から始まるため、学生が4箇月間の短い間での短期決戦ということで焦りを感じているそうです。現在の就職活動の特色では、早々に内定の出る学生と一向に決まらない学生の二極化が進むとともに、大企業に学生の人気が集中し、知名度のない中小企業は人手不足になるという雇用のミスマッチも生じていると聞いております。

 そうした問題意識もあり、先日、私は、若年者と企業のマッチングが実際に行われている神奈川県若年者合同就職面接会の会場を訪問し、求職者、出展企業の双方からいろいろお話を伺いました。本日はその訪問を踏まえ、若年者の就業支援の中で、特に若年者と企業のマッチングについて何点かお尋ねいたします。

 まず確認の意味で、これまで県の実施してきた若年者と企業のマッチングの取組についてお伺いいたします。

雇用対策課長

 若年者と企業のマッチングの場といたしまして、今年度は若年者合同就職面接会を年6回、業界別就職面接会を年5回開催することとしております。これらの面接会の開催前には、面接マナーですとか応募書類の作成方法など、実践的な内容の直前対策セミナーを開催するとともに、就職アドバイザーによる電話相談窓口を開設し、出展企業の採用情報をはじめとした様々な問い合わせに応じることによりまして、面接会でのマッチングにつながっていくよう、若年者へのきめ細かな対応を行っております。また、面接会開催後におきましても、面接会を契機に二次、三次面接に進んだ方々を対象に、内定に向けた相談や面接対策のカウンセリングも行い、マッチングの向上に努めているところです。

 一方、企業側の求人でございますけれども、求人開拓員による求人開拓を行う際には、企業側の求める人物像もヒアリングを行い、マッチングの可能性が高い企業に優先して出展していただくように努めて、工夫も行っているところでございます。

土居委員

 今お話の中で、業界の面接会というのがあるそうですが、若年者合同就職面接会との違いは何か、お聞かせください。

雇用対策課長

 まず若年者合同就職面接会でございますけれども、業界、企業規模、県内本店所在地などバランスを考慮しまして出展企業を決定しております。広く求職者と企業との出会いの場の提供を目的として実施しているものでございます。またもう一方、業界別の就職面接会ですが、業界を製造業、建設・不動産業、情報通信業、卸・小売業及びサービス業の5業界に絞るとともに、出展企業も中小企業に限定いたしまして、業界の動向ですとか見通し、出展した中小企業の魅力を求職者に伝えていくことに重点を置いた面接会になっております。

土居委員

 私が訪問したのは10月5日から6日に開催された若年者の合同就職面接会なんですけれども、これについて何点か詳しくお伺いいたします。

 まず、出展企業数と求人数はどれぐらいだったかお伺いします。

雇用対策課長

 出展企業数ですが、それぞれ55社、合計110社でございます。求人数は478人でございました。

土居委員

 次に、求職者の参加者数はどれぐらいだったのかお伺いいたします。

雇用対策課長

 面接会の参加者数でございますけれども、5日は645名、6日は544名、合計1,189名でございました。

土居委員

 次に、横浜の新都市ホールが会場となっていますけれども、県域からどれぐらいの参加者が来られたか、お教えください。

雇用対策課長

 県域からどのくらいかということです。横浜市内からの参加者がほぼ半分を占めておりまして、その他湘南地域、県央地域から、比率でいきますとそれぞれ約15%、あと横須賀三浦地域、また川崎市からはそれぞれ約10%ということです。

土居委員

 新卒者と既卒者の構成比はどんな感じかお聞かせください。

雇用対策課長

 既卒者の割合が約45%、新卒学生は約55%となっております。新卒学生に含まれております高校生もおりまして、高校生は全体の約10%というふうになっております。

土居委員

 国では卒業後3年以内は新卒というふうにみなされると思うんですけれども、県としてはどのように考えているかお聞かせください。

雇用対策課長

 大学、高校卒業後3年間は新卒扱いだという国の方針に従いまして、今回の企業の面接会ですとかそういったものでも、そういった考え方に基づいて企業には対応するようにお願いして、実際にそういった形で実施をさせていただいているところでございます。

土居委員

 参加者は面接会の開催をどのような形で知るのか、お聞かせください。

雇用対策課長

 面接会の開催の情報の入手先というか、入手方法ですが、大学ですとか高校などの学校経由が約25%と最も多くなっております。次いで県ですとか合同面接会専用のホームページが約20%、あとハローワークが約15%です。あと、かながわ若者就職支援センターが約10%、県のたよりや新聞広告を見た方が約10%というふうになっております。

土居委員

 会場ではアンケートをとったと思うんですけれども、若者が中小企業の会社選びで最も重視するポイントなど、ありましたらお聞かせください。

雇用対策課長

 会社選びで最も重視するポイントの上位といたしまして、その会社の業務内容を重視するといった方が16%、順番でいきますと、業務内容、やりがい、職場の雰囲気というものが上位を占めているということになっております。

土居委員

 次に、若者に人気のある業種と職種では、どんなものに人気がありますか。

雇用対策課長

 希望の業界と職種ですが、まず上位からベスト3をお答えいたします。業界としては卸・小売業が13.3%、製造業が12.4%、情報通信業が8.6%となっております。また、職種についてなんですが、これも上位からいきますと、事務が24.5%、営業が17.6%、あと販売が13.3%の順で、この三職種で半数以上を占めているということになります。

土居委員

 この面接会で最終的な内定者はどれぐらいいたのか、分かればでいいんですけれども、お願いします。

雇用対策課長

 10月末現在での途中の状況でございます。52名の方が採用内定というか、決定をしております。またそれ以外にも、現在採用選考中ということで、二次、三次と進んでいる方が204名おりますので、今後採用が決まる方もいらっしゃるのではないかというふうに期待をしております。

土居委員

 11月下旬にも同じようなことが行われたと思うんですけれども、11月はどのような状況だったかお聞かせください。

雇用対策課長

 11月29、30日で、やはり同じ新都市ホールで若者合同就職面接会を実施いたしました。そのときの参加人数なんですが、2日連続で実施しました。参加企業数は110社と前回と同じです。参加人数は1日目が840人、2日目が852人ということで、1,692人ということになります。10月5、6日の面接会と比較すると500名ぐらい増えております。

 あと、来場者の内訳も、今分かる範囲でなんですが、21歳から25歳ぐらいの方が一番多く、6割を占めております。先ほど500名程度増えたと言いましたが、そのうちこの年代の方は400名ほど増えているという状況になっております。

土居委員

 今まで何度か、年6回開いているということなんですけれども、多くのデータ等、また特色等もいろいろ集まってきて、情報も持っていると思いますので、今後もニーズに応えられる面接会を開いていただきたいと思います。

 次に、出展した企業側について何点かお伺いいたします。

 出展企業への呼び掛けの募集方法をお聞かせください。

雇用対策課長

 出展企業につきましては、この面接会を委託しております業者に企業開拓推進員という方を、雇用いたしまして、そういった方が県域に、それぞれの特徴ある企業、意欲のある企業、そういった企業の開拓をして、ハローワークとは若干違う分野も含めまして企業の参加を募って、積極的に動いていただいております。

土居委員

 1社当たりの面接人数はどれぐらいなのか、お聞かせください。

雇用対策課長

 1社当たりの面接人数は、2日間での来場者数が1,189名でした。面接会後に各企業の面接者数を集計しましたところ、延べで1,593名の方が面接を受けられたということになりますので、1社当たり平均すると14.5人の方が面接を受けたということになりますが、企業側から見ますと、出展企業110社のうち、約45%、49社が10人に満たない面接者数となっておりまして、40人を超える面接を行った企業が約5%、約5社というふうに、ちょっとばらつきが出ております。

土居委員

 今回、面接会に出展した企業から面接会後どのような声を頂いたか、また企業が求める人材と面接できたかなど、出展企業からの要望など、分かる範囲でお聞かせください。

雇用対策課長

 企業からのアンケートの声の主なところなんですが、能力や経験又は有資格者といったスキルのある方と面接ができたとお答えの企業が約6割となっております。また、スキルがなくとも、意欲的ですとかそういった人間性の面で価値を感じたといった、意欲のある方と面接ができたとお答えの企業が約8割というふうになっております。全体の感想としては、また出展をしたいというのが多くございました。

土居委員

 次の質問にいかせていただきますが、いろいろとデータについてお答えいただきましたけれども、出展企業の求人数に比べて内定者数が少ないように思うんですけれども、この点どのように分析しているかお伺いいたします。

雇用対策課長

 考えられる最も大きい理由といたしましては、求職者の希望に偏りがあることが大きいのではないかというふうに考えております。面接会に来場される求職者の多くが事務職、営業職、販売職の職種を希望しているということが、アンケート結果からも読み取れます。若年者合同就職面接会におきましては、出展企業のうち7割の企業でそういった職種を募集はしているんですけれども、それでもなお求職者数の方が多いということで高倍率となっているため、内定を獲得することが難しいという状況になっております。

 その一方で、製造業をはじめとした技術職におきましては、求職者数に比べまして求人数の方が多くなっております。技術職などの求人につきましては、企業側といたしましても、資格は必要ないと、あともう一つ、未経験でもよいというふうにハードルを下げて募集をしても、なかなか応募者が集まらないという状況になっております。

 また、企業別の面接者数を見ますと、知名度のある企業ほど面接者が多くなっている傾向がございまして、余り知名度の高くない中小企業にはなかなか求職者が集まらないという状況もございます。この求職者の偏り、ミスマッチを少しでも解消することができれば、面接会における内定者数も増やしていけるのではないかというふうに分析しているところでございます。

土居委員

 この質問の最後の質問なんですが、そのような分析結果、またアンケートをいろいろとられていると思いますけれども、それを踏まえて今後どのような事業展開をしていこうと考えているかをお伺いいたします。

雇用対策課長

 面接会への参加者アンケートの中にも、希望する会社や業種の出展が少ないとか、希望業界の求人が少ないといった意見を頂戴しております。そうしたことから、若者側に対しては、技術職などのやりがいや魅力の紹介ですとか、高い技術力やシェアを誇る中小企業を知ってもらうことで、自分の可能性を見詰め直していただくような事業展開を図る必要があるというふうに考えております。また、企業側に対しましては、若者を採用する際の選考方法ですとか、採用活動を成功させるノウハウを伝えるセミナーの開催など、企業側の負担を少しでも軽減していくような事業展開を図る必要があるのではないかというふうに考えております。

 こうしたことを踏まえまして、今後は、若者と中小企業との出会いの場を工夫しながら、効果的なマッチングを行いまして、一人でも多くの若者が就職できるように取り組んでまいりたいと考えております。

土居委員

 では要望を述べさせていただきます。

 冒頭に御紹介しました新聞記事の中で、行政には中堅中小企業の業務内容や社風などについて、より詳しく学生に伝える取組を求めたいとの提言がされております。今回、私も面接会場にて何社かの出展企業の方とお話をさせていただきました。また、面接の詳細な状況、アンケート結果を確認してみますと、若者に対して中小企業の魅力をもっと積極的にPRすべきだと再確認いたしました。こうしたPRは企業が積極的に展開していくものだと思うんですけれども、中小企業にマンパワーが不足して、ノウハウなど分からない企業も多いと思います。PRしたくてもできない状況にある企業が本当に多くあると思いますけれども、そうした点を行政がしっかりとバックアップしていけば、中小企業の後継者不足や高齢化の問題が少しでも解消できるのではないかと考えます。

 労働市場は、様々な社会情勢や参加する企業と若者のお互いの意思が複雑に絡み合って成り立っているものなので、即効性のある対策は非常に難しいことだと思いますけれども、非常に多く困難な状況にある求職者と雇用者がいますので、この状況を改善するためには、具体的な行動、そして検証を通じて、次の一手をどんどん打っていって、後手に回らないように、取り返しのつかないことにならないように、やっていっていただきたいと思います。そうした意味で、若者と企業のミスマッチを少しでも解消するため、取組を拡充していっていただくことを要望といたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 次は、西部方面職業技術校について何点かお伺いいたします。

 今回、西部方面職業技術校の概要について報告がありましたけれども、まず西部方面職業技術校に新たにICTエンジニアコースを実施するとのことですけれども、こうした新しい職業訓練コースを実施するのに指導員の育成はどうするか、お伺いいたします。

産業人材課長

 ICTエンジニアコースは、クラウド・コンピューティング、モバイルネットワークサーバー構築などに関する技術を習得する内容としております。技術校の職業訓練指導員には、情報処理系を専門分野とする指導員がおりますので、こうした指導員をコース担当にして配置してまいります。また、配置に当たりましては、クラウド・コンピューティングやモバイルネットワークサーバーなど関連技術の専門研修を実施いたしまして、新技術に対応できるよう知識・技術の向上を来年度図っていく予定でございます。また、特に専門性が高く技術の進展が早い内容については、民間企業等から外部講師を招いて対応していく予定でございます。

土居委員

 次に、在職者訓練等の取組について、オーダー型というのが在職者訓練の充実と強化について挙げられていますけれども、オーダー型は企業からどのような希望とか要望があり、どのような訓練を行っているか、お教えください。

産業人材課長

 オーダー型在職者訓練は、現在、主に東部校で実施しておりますが、専門の在職者訓練コーディネーターがそれぞれの教育担当者や事業主の御希望をお聞きしまして、受講者の技術・技能の習得レベルに配慮してカリキュラムを作成しております。また、受講者の人数、時間、時期などについてもできる限り御希望に応じるなど、柔軟に対応しております。

 企業が希望する訓練内容については、大きく分けると、新人や新入社員を対象とした基礎的な訓練ですとか、資格取得のための訓練、その他、技能向上を目的とした訓練がございますが、新入社員を対象とした訓練では、基礎的な知識・技術を習得させたいというニーズがありまして、例えば工業技術分野では、安全衛生教育や機械図面の読み方、機器類の扱い方など、基本的な訓練を実施しております。資格取得のための訓練については、業務に従事する上で必要不可欠な資格を取得させたいというニーズがありますので、ガス溶接技能講習ですとか産業用ロボット特別教育、電気取扱い業務特別教育などの訓練を実施しております。そして、技能向上を目的とする訓練では、例えば介護分野では、ステップアップのための介護福祉士受験対策講習ですとか、建築分野では製図用のソフトのJw_cadというものがございまして、こういったものの講習、そして情報分野ではアンドロイドの基礎など、ニーズにお応えして実施しております。西部校においても、企業の希望にできる限り柔軟に対応してまいりたいと考えております。

土居委員

 在職者訓練というのは、企業からいろんな情報を仕入れて、それに沿ってやっていっていると思うんですけれども、先ほど私が質問させていただきました若年者の就業支援などにも、横の連携という意味で情報交換できると思うんですけれども、その点について今何か行っているか、お聞かせください。

産業人材課長

 オーダー型在職者訓練を行うに当たり、企業の教育担当者や事業主のニーズ、御要望をお聞きする中で、どのような企業が人材を必要としており、またどのような技術・技能を持った人材を求めているのか、現場のニーズを直接把握することができます。こうして把握した企業ニーズについては、日頃から雇用対策課などと情報交換を図るなどして共有しております。また、このような企業ニーズを把握している職業訓練指導員を若者就職支援センターに定期的に派遣しまして、就職を希望する若者に対して企業の人材ニーズを踏まえながら、企業が求める技術や技能を身に付けるための職業訓練や就職についての相談に応じるなど、実際に事業を進める中でも連携を図っております。

土居委員

 では最後に、要望といいますか、意見を述べさせていただきます。

 西部方面職業技術校で、企業のニーズをしっかりと捉え、大規模、そして総合校としてのメリットを最大限に生かしながら、柔軟かつ効率的に対応して、企業が求める人材を的確に育てていくことができるように取り組んでもらいたいと思います。

 また、把握した企業のニーズなどもしっかりと情報、横の連携をとって、先ほど言いましたけれども、職業能力開発だけでなく雇用対策にも生かしていただき、より総合的な効率的な実施をしていくようお願いいたします。

かとう(正)委員

 まず、全庁的な取組としまして、24年度当初予算について通知が出ていますけれども、ここでも、来年度予算にもおおむね900億円の財源不足が見込まれるとか、危機的な状況であるとか、ペーパーによっては、スクラップ・アンド・ビルドをしなければとか、知事もよくおっしゃるような優先順位や選択と集中、ゼロベースが必要というようなことが書かれておりますので、これが正に全庁的にやらなければならないこととして、今後、我々議員も含めてしっかりと見ていきたいと思っております。商工労働部局としても同様に必要なことですので、これらを踏まえて質問や提言や要望をさせていただきたいと思います。

 本日、いろんなお話が出ていまして、私がお聞きしたい観点など設けた観点が重複してしまった部分もございますので、ちょっと別な観点も含めて質問などをさせていただきたいと思います。

 まずは、緊急雇用創出事業臨時特例基金条例と今回のふるさと雇用再生特別基金条例、どちらも非常に重要で、かつ必要なものであると考えております。これも先ほど来、様々な委員の方から質問など提言も含めて出ていましたけれども、継続雇用、最終的に正規雇用につなげることが非常に重要であると、何人かの委員の方がおっしゃっていた、私も全くそのとおりであると思っております。そこで、企業にふるさと雇用再生特別基金とかを活用していただいて、継続雇用をお願いしたいことがあると思うんですけれども、お願いしたり促したりする方法としては、どんなものがあるのか教えていただけないでしょうか。

雇用対策課長

 まず、ふるさと雇用再生特別基金の事業自体は、計画をつくって、今、実施をしていただいているところなんですけれども、この基金は基本的に民間委託事業ということで実施するわけなんですが、雇用された方を正規雇用した場合には一時金を1人30万円ということで、24年度以降は延長になるかどうかというのは、今、一生懸命働き掛けているところです。

 その点の結果については期待しているんですけれども、先ほど答弁させていただいたとおり、おおむね2割の方が正規雇用の見通しということになっているんですけれども、我々ができる働き掛けといいますのは、そういった趣旨を理解していただき、事業の実施主体にしつこく働き掛けていくことと、あと、こういった景気状況ですので、正規雇用でなくても継続的な事業の執行と継続雇用を続けてほしいという働き掛けを我々雇用対策課のセクションがしていくという形で、基本的に継続ということでやっていただいている事業です。

 あともう一つは、臨時雇用の中でも人材育成というのをやっています。主には介護福祉士ですとかホームヘルパーの資格ですが、今、介護といった人手不足の分野の資格ですとか育成をしている事業については、継続した雇用につなげるということを主眼に置いて、そういった人たちを雇用して、研修、教育をして、事業終了後には、教育している施設に継続して雇用される可能性がありますし、他の施設に就職するときの強力な後ろ盾というか、強力な力になりますので、そういった事業もどんどん進めるというように、我々は働き掛けていきたいというふうに思っております。

かとう(正)委員

 そうですね。もうその方法しかないと思いますので、それはとにかくお願いするしかないと思いますので、必ずやりなさいというわけにもいかないでしょうから、そこは是非お願いしたいと思います。

 これに関連して、今回の二つの基金の中で、健常者だけではなくて障害者の方も、一時雇用も含めてどんどんお使いいただきたいと思っておりますが、その辺はたくさん使うということは可能でしょうか。

雇用対策課長

 今、委員がおっしゃるように、特に基金の事業というのは、健常者だけだとか、そういう雇用対象の制限はございません。契約金額に対する新規雇用失業者の人件費割合が2分の1以上であれば、行政の施策目的のどのような事業にも使える事業でございまして、例えば、これは雇用対策課がやっているんですが、直接に障害者の方の雇用を支援するという意味で、緊急雇用の特例基金の方を活用して、今、障害者と企業の出会いの場ということで、平成22年度から障害者の方を対象とした就職面接会を実施しております。昨年度は横浜と相模原の会場で面接会を実施いたしまして、就職につながった方が33名ほどおりました。今年度は、引き続き横浜、川崎、厚木地域の会場で5回の面接会を予定しておりまして、これまで2回終了しているんですが、9名の方が就職に結び付いております。また、障害者の方を市が直接雇用しまして、文書の裁断ですとか市役所の仕事の一部を就労体験として実施する、そういった事例もやっていることが確認できました。

 参考までに、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用しまして、障害者施設が作った自主的な製品の販売の拡大事業ですとか、また、これは高齢者を対象にしているんですが、買い物弱者という時代ですから、そうした買い物代行サービスというものを行っている事業など、そういったものにも活用されているという事例がございましたので、報告させていただきます。

かとう(正)委員

 その点もどうかよろしくお願いしたいと思います。

 次は、これも先ほど来、度々各委員の方から出ていましたかながわ中小企業再生ファンドについてです。

 こちらは、個人的には重要かつ必要なことであるなと思っております。融資の支援というのは、場合によっては自転車操業が続いてしまうというところもありますから、投資的な側面に公がどうやって絡んでいったらいいのかというところもテーマであったと思います。また、出資総額の半分の12億5,000万円のうち12億円は国からの基金ですし、5,000万円は神奈川産業振興センターからですので、間接的に県も5,000万円出資という意味合いだと私は捉えておりますけれども、こういう割合もよろしいのではないかと私は思っております。

 かつ、県内の金融機関にとっても、いわゆる不良債権になってしまっている、若しくは不良債権に間違いなくなってしまいそうなものに関して、本来の金融機関と一緒に県も歩んでいかなければいけないわけですが、そういった側面でもよろしいのではないかと思いますし、お話が出ていますように、中小企業の雇用や技術というものが継承されるという、いろんな点でも画期的なものであると賛成的に考えております。

 ただ、何点か気になる点だけ確認したいんですけれども、まず投資委員会ですね。横浜キャピタルが中心になって投資委員会で投資決定ということになるのだとは思うんですけれども、投資委員会のメンバーがどのようになるのかをまず教えてください。

金融課長

 投資委員会のメンバーでございますが、4名ほどおります。1人目は運営会社の横浜キャピタルの代表取締役社長、それから経営支援部長、担当の支援委員それから外部からは弁護士の方、これは経歴としては、再生ファンドのいろいろな経験、民事再生手続、こういうところに関与した方で、横浜弁護士会の会長も歴任された方、日本弁護士会でも副会長等を歴任された方。それから、あと1人は公認会計士、この方も、ファンドとか事業再生案件の詳細調査、そういうものに多数関与した方で監査法人の方でございます。

かとう(正)委員

 その中であと少し気になる点としては、いわゆる決め方が、今は出資額が二十数億で、今まで十数件の相談があった中で、どういったところにどのようにやるかということも同時に進んでいるとは思いますけれども、これが恣意的じゃないかというふうに言われないようにしなければいけないでしょうし、不公正さがもちろんあってはいけないですから、そういったことがないようにするための担保する方法とか、あと中小企業基盤整備機構というのは国の関係ですけれども、これは県が窓口になって旗振り役になっているから、12億5,000万円、公の部分の最大半分というのが出資できているのですから、これは中小企業基盤整備機構に代わって、県が神奈川産業振興センターを通じていろいろ意見を申し述べるということができるのではないかと思いますけれども、その辺についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いします。

金融課長

 投資について恣意的でないようにする、公平性、中立性ということでございますが、その点に関しましては、投資決定に当たっては二つの目利きがあるということで、一つ目が、本ファンドについては基本的には中小企業再生支援協議会の案件を中心に扱っていくということでございますので、中小企業再生支援協議会でこのファンドに適切かどうかをまず目利きしていただきます。再生支援協議会自身は、これは正しく公平中立な組織でございます。国の法律によって各都道府県に一つずつ設置されているものでございますので、公平中立な組織、金融機関寄りでもなく企業者寄りでもない、ベストの再生支援をしていく、再生手続をしていくということで、中立な機関でございます。これが一つでございます。

 それから、二つ目の、先ほど申しました投資委員会についても公平中立な組織ということで、これには有限責任組合員というものが内部にありますが、これは独立した組織でございます。これが二番目の目利きということになるんですが、この組織については、投資決定について構成員全員の一致で投資が決まるということになっておりますので、一人でも反対があればできないということでございます。

 それから、無限責任組合員、横浜キャピタルですが、投資委員の誰かを解任するということもできない。これは有限責任組合員の3分の2以上の同意がないとできないということでございますので、自分のいいようには決定できません。

 それから、投資委員会で最大の出資者であります中小企業基盤整備機構もオブザーバーとして出席しておりまして、議決権はありませんけれども意見を述べることはできます。そういうとこで監視をしているということでございます。

 そういうことで公平性、中立性を守られていますし、また投資事業有限責任組合法の中でも、例えば無限責任組合員が関連会社には投資できないという規定、利益相反の規定がありまして、関連会社が失敗した案件を取り扱うとか、そういうことができないような規定になっております。そういうところで恣意的でない公平性、中立性、公正性を守って投資決定していくと、そういうことでございます。

 それから、機構の公的部門の出資のところで、神奈川産業振興センターを通じて何らかのファンドに対するアクションが起こせるのではないかということですが、基本的には産業振興センターは出資してございますが、詳細な個別内容については守秘義務がございますので、ストレートには神奈川県にはオープンにできないことになっています。ただ、概要としてこういう事例があるとか、県の政策上こういう事例があるとかということは、私どももお聞きできますし、また、私どもも、ファンドに対して、運営会社に対して、ある程度県の施策上のところで個別案件の詳細を聞くということで、公平に行われている状況を確認することはできると思っております。

かとう(正)委員

 チェック役としては、県も神奈川産業振興センターも是非お願いしたいと思います。

 この24億1,000万円という金額が、国の補正予算なども関係するでしょうし、あとは横浜銀行はじめ県内金融機関がもっと出してもいいよということになるのが好ましいのかなと私は思っているんです。今のところは相談ベースの個別案件ですが、いわゆる公募が増えて、金額が24億1,000万円から存続期間8年の中で増えていって、企業が自発的に手を挙げられるような公募の仕組みということになっていったらいいなと個人的には思っているんですけれども、そういう可能性があり得るのかどうかを教えてください。

金融課長

 まず、最初の方の約24億円のファンドにつきましては、当初の枠組みとしましては、新たに回収金を投資に回していく、あるいは追加の出資を求めるということを基本的に予定しておりませんので、きちっと約24億円を使い切って8年で回収していくと、そういう仕組みでございますので、不足してしまった場合は2号ファンド等をつくっていくということになります。この事例では、静岡県が3号ファンドまでつくって合計140億円を出資しております。そういうことも可能で、そちらの方は可能性があります。

 それから、その場合、公募方式で案件を集めていくということですが、これにつきましては、ファンドの案件を最初に探し出していく中で、金融機関との連携、支援が必要なものですから、その辺の了解が得られたものでないとなかなか取り組めないということがございます。一般の企業者側だけの広く募集という形になりますと、債務免除や企業再生の可能性が低いものもかなり出てきてしまうと、限られた人員の中でファンドあるいは再生支援協議会を運営しておりますので、効率的に悪くなってしまうということも一つありますし、金融機関との事前調整、あるいは金融機関が了解できるような再生計画、これをある程度詰めておく必要があるということで、そういう意味では現時点では、中小企業再生ファンドの案件確保について公募型というのは難しいのではないかと、そのように考えております。

かとう(正)委員

 今の課長のお話で、それが現時点では現実的なんだなということが分かりました。

 引き続きまして、インベスト神奈川2ndステップについてなんですけれども、こちらも今まで出ていましたが、新エネルギー産業の誘致促進というのもございまして、こちらも、例えば厚木の昭和シェル石油などの事例はお聞きしております。特にグリーンイノベーション特区のことが書かれておりますが、ライフイノベーションに関して、医療や健康分野の企業もなるべく誘致していくということも考えていらっしゃるかもしれませんが、例えば武田薬品工業は、我々も視察に行かせていただきましたけれども、藤沢の方にございますが、ライフイノベーションの中で医療や健康分野での産業活性化というものに関して具体的な狙いがもしあれば、少し詳しく教えていただければと思います。

産業立地課長

 ライフイノベーション特区の方につきましては政策局が担当しておりまして、どちらかといいますと、企業誘致というよりも研究開発機能の集積といったようなものが中心になっていると思います。ただ、委員の御指摘にありましたように、健康、ライフサイエンス関連の産業、インベスト神奈川でいいますとバイオ産業を誘致対象業種にしておりますので、今回のインベスト神奈川2ndステップをより使い勝手のいい制度に見直すことの中で、そういった産業の集積も力を入れていきたいと、このように思っております。

かとう(正)委員

 あとは、グリーンイノベーション特区に関して、知事の方でも当選当初からずっと進めてこられましたけれども、東京電力がどのようになっていくのかとか、電気の全量買取りがどういうものになるのか、その金額がどれぐらいになるのか、継続性がどれぐらいになるのかという、国策にどうしても左右される部分が、かなり多く存在してしまっていると思うんです。県が独自で特区として進められるよりも、何よりも国がいろいろ決めてくれないと、具体的にグリーンイノベーション特区といってもなかなか形になりづらい。要はエネルギー・環境関連産業をどんどん誘致してくるということがかなり難しいのかなと思うんですけれども、それについて、国策に左右されることがどうしても多くなってしまっている現状についてどのように考えていらっしゃるか、教えてください。

産業活性課長

 御指摘の点は、今、申請をしておりますかながわグリーンイノベーション地域活性化総合特区の規制の特例措置等の中に、確かに住宅用太陽光発電への全量買取りの適用及び買取期間の延長というような国の特例措置を求めてございます。御指摘のように、現時点では特にエネルギー政策自体、国の政策が固まっているとは言えませんので、結果として特区の取組、国の動向に大きく影響されてしまうという面があることは否定できないと思います。

 ただ、現在、私どもこの特区の申請を行っている段階でありまして、まずは指定を受けるべく、今は国の動向を見守ってまいりたいと考えております。今後、正式に指定された後には、今申し上げました規制の特例措置等の調整を行う国と地方の協議会が立ち上がることになっておりますので、そうした協議の場において、私どもが求める規制の特例措置を有名無実化しないよう強く国に求めてまいりたいと、そのように考えております。

かとう(正)委員

 あと、西部方面職業技術校について、オーダー型のやり方とかもお聞きしました。企業から、うちはこういう会社だから、特にこういう技術者を育てたいんだというのを御相談で受けてやるというのは、とても良い取組だなと思っております。

 あと、かながわものづくり継承塾や中学生のものづくり体験というのも、とても良い取組だと考えております。先日も優秀技術者の表彰式にも参加させていただきましたけれども、かなり技術を磨こうというモチベーションが皆さん、ああいったものをきっかけに高まっていくのではないかと思いますが、かながわものづくり継承塾について簡単に、ポイントだけ教えていただけないでしょうか。

産業人材課長

 かながわものづくり継承塾は、個々の企業や事業主の努力では難しい熟練技術・技能の継承を支援するために、企業で活躍している高度熟練技能者などが講師として、熟練技術・技能の次世代を担う県内の中堅・若手の技術・技能者に伝承することを目的とした事業で、塾長には神奈川名工会の会長を迎えまして、平成23年度には器具溶接、工場板金、工場電気設備、普通旋盤、フライス盤、機械組立仕上げ、造園の7職種で35名の方が受講いたしました。

かとう(正)委員

 良い取組だと思いますので、これは推進をしていっていただければと思います。

 この点で1点要望なんですけれども、これは前回の当委員会でも、予算委員会でも申し上げていますが、横須賀なども含めて5箇所が一つになって鶴見に東部総合職業技術校ができましたけれども、跡地利用に関しては、どうしても時間がかかってしまっているというところがございます。西部方面職業技術校に関しては、前回の議会で補正予算も決まって、どんどん進んでいますし、10月に設置、平成25年3月には平塚、藤沢、小田原、秦野の4校の閉校というのも決まっているわけですから、こちらの再利用に関しても、まず現時点では商工労働部局にあるものですので、跡地利用に関することは全庁的にスピーディーに是非進めていただきたいと思っております。

 最後の質問として、神奈川県中小企業活性化推進計画の中での産学公の連携なども、今までもうたわれてきました。特に商工労働部局としては、産業技術センターが中心にやっているということですけれども、一方で、神奈川科学技術アカデミー、KASTというものもあります。ここも、ある場所は海老名と武蔵新城とで大分違いますけれども、似ている部分もございますので、どういうふうに役割分担を明確化して、効果を最大限出すかというのがとても重要なことだと思いますが、この点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いいたします。

産業技術課長

 まず、産業技術センターと神奈川科学技術アカデミーでございますけれども、本来の目的に相違がございます。産業技術センターは、県内中小企業に対する技術支援を旨としております。神奈川科学技術アカデミーにつきましては、研究活動などによりまして、県内の科学技術の振興というところがその目的の主たるところということでございます。

 産業技術センターでは、そういった中で中小企業の技術的な支援機関として、中小企業が抱えます様々な技術的な課題の解決に向けての支援、それからその支援を支えるための研究活動をやっているということでございます。具体的には中小企業等からの技術相談や依頼試験、委託研究などを実施しております。

 科学技術アカデミーの方は、主に先端的な科学技術におけます研究、それから産学公連携による共同研究などの活動をしておりまして、具体的には基礎研究から応用、開発、試作までの一貫した研究を行っておりまして、質の高い基盤技術や特許等の知的財産を創出するとともに、研究成果の実用化、技術移転に向けての取組というふうなことの展開をしているところでございます。

 こういったことをそれぞれどれだけ効果的に進めていくかということでございますけれども、それぞれの機関が活動を進めるに当たりまして、一つのプロジェクトに両方が関わってくる、あるいは相互に専門といいましょうか、得意な分野がございますので、それぞれの職員同士が、先ほどプロジェクトと申し上げましたが、そういったことを通じてお互いの人となり、そして持っている技術ということがよく分かっておりますので、日常の業務において、それぞれ連絡を取り合いながら、連携して進めていっているということでございます。こういったことを継続していくことによりまして、実質的に中小企業の支援ということが一層進んでいけばというふうに考えております。そのように進めていきたいと考えております。

かとう(正)委員

 それでは、全般的に中小企業を中心とした経営安定と技術の継承と、障害者の方も含めた雇用の増大と、この3点をより強化していただくことをお願い申し上げて、終了いたしたいと思います。



7 次回開催日(12月15日)の通告



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