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平成23年  商工労働常任委員会 09月30日−01号




平成23年  商工労働常任委員会 − 09月30日−01号







平成23年  商工労働常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第3回定-20110930-000005-商工労働常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(内田・かとう(正)の両委員)の決定



3 県内調査について協議・決定

  調査日程、調査箇所等については正副委員長一任と決定



4 報告事項(商工労働局長)

  「最近の経済動向及び雇用情勢について」

  「中小企業制度融資の取組について」

  「神奈川県中小企業再生ファンド(仮称)の取組について」

  「神奈川県中小企業活性化推進計画の改定について」

  「第9次神奈川県職業能力開発計画(案)の概要について」



5 日程第1を議題



6 提案説明(商工労働局長)



7 経営状況説明(商工労働局長)

  「(公財)神奈川産業振興センター」

  「(財)あしがら勤労者いこいの村」

  「職業訓練法人 神奈川能力開発センター」



 (休憩 午前11時45分  再開 午後1時)



8 日程第1について質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



藤代委員

 先般の一般質問でさせていただきましたものづくり中小企業の支援について、何点かまずお伺いいたします。

 一般質問でも申し上げたように、これまでも我が国経済をリードしてきたのは製造業、ものづくりであります。そういった中、円高をはじめ、県内の中小企業はかなり厳しい状況に置かれております。そこで、経済を立て直し成長していくためには、中小企業のものづくりという観点が必要だと思います。そういった中で、新技術や新製品の開発に積極的に取り組んでいかなければいけないと思います。人や資金など経営資源が限られる中で、新技術や新製品の開発に対する支援について何点かお伺いしたいと思います。

 これまで、産業技術センターが中心となって技術や製品の開発を支援してきたと思いますが、産業技術センターは、ものづくり中小企業に対してどのような支援を行っているのか、はじめにお伺いしておきます。

産業技術課長

 産業技術センターの支援の機能でございます。

 ものづくり中小企業は、新技術あるいは新製品の開発に際しまして、独力で解決するということが困難な場合がございます。そうした場合に、産業技術センターといたしましては、おおむね四つの機能を使いまして、組み合わせまして支援させていただいております。

 一つ目は技術相談でございます。産業技術センターには、電気、機械、化学、そういった様々な分野において専門的な知識を持っています研究員がおります。時代の先端知識をそういった研究員が情報収集するとともに、経常的に企業にお役に立つ研究をしておりまして、そうした研究員が企業の相談を受けまして、技術的なアドバイスを実施させていただいております。

 二つ目でございますが、試験計測の支援でございます。中小企業が技術や製品を開発する際、例えば材料の強度の計測を行うとか、あるいは形状をエックス線の画像で見てみるとか、そういうことの必要性が必ず発生してまいります。ただし、そういった計測機器も高価でございますし、使用頻度も限られているということから、それを持ち続けるということは、これも大きなコストということでございますので、その部分の軽減のために、中小企業の依頼を受けた試験計測、こちらを有料で実施させていただいております。

 次に、研究開発の分野でございますが、三つ目といたしまして、中小企業からの依頼に応じて受託研究を行っております。

 最後の四つ目でございますが、産業技術センターと中小企業が共同研究を行っておりまして、中小企業単独で実施していくことが難しいような技術開発、これに産業技術センターが関わることで、共同研究として実施することができる。この取組によりまして、技術開発のためのノウハウの獲得でございますとか、技術人材の育成にもつながるというふうなことで、技術力の強化につながるというふうに考えております。

藤代委員

 今、四つの支援を行っているということでありましたけれども、その支援の中でどのような課題があるのか、その点をお伺いします。

産業技術課長

 中小企業が技術開発する上での課題と、それから産業技術センターとしてのその部分への対応でございますけれども、企業の技術開発は、大まかに分けますと四つ段階がございまして、まず研究開発、それから試作に移り、製品化し、そしてそれ自体の事業化を図ると、こういうふうな各段階を進んでまいります。

 中小企業が技術開発を行っている間に直面する課題は、その開発の段階ごとで異なってまいりますが、まず研究開発でございます。目標とする技術内容あるいはレベルに対しまして、研究開発の部分がそこに到達しているのかどうか、そういうふうなことについての有効性が課題となってまいります。また、試作の段階では、研究開発の成果を形にして、その性能の評価を行うことになってまいります。次に、製品化におきましては、ユーザーが使用されるわけでございますので、安全性でございますとか信頼性、こういったことの確保が重要でございます。次の段階の事業化におきましては、販路を確保していくというふうな、それぞれの段階での課題がございますが、これらにつきまして、産業技術センターといたしましては、人材と設備、それからこれまで長年にわたって取り組んでまいっておりますので、獲得しておりますノウハウを活用いたしまして支援しているところでございますが、ただ、センター自体としてもオールマイティーというふうなわけではございませんので、業務範囲や技術開発分野で対応できない場合あるいは課題といったものもございます。そうした場合は、センターの持つネットワークを活用させていただいて、中小企業の技術開発を支援している、そういう状況でございます。

藤代委員

 センターを利用していろいろな支援を行っているかと思いますけれども、そして新技術の製品化や事業化に向けて、なかなか表に見えない部分がいろいろとあるかと思うんですけれども、その中で県はどのように対応されているのかお伺いいたします。

産業技術課長

 新技術の製品化あるいは事業化といったようなことに向けた主体的な取組でございますが、まず、創業期製品化支援モデル事業がございます。中小企業が産業技術センター内の一室を製品開発室として利用いたしまして、研究員の助言や指導の下に、安全性、信頼性、デザインの評価といったようなことをしながら、製品化、事業化に向けまして技術のブラッシュアップといいましょうか、磨き上げをしているところでございます。

 それから、優れた技術や製品の事業化を図るという事業計画、これをかながわスタンダードとして認定するという取組もさせていただいております。認定を受けました中小企業に対しまして、経営の面、技術の面、両面から支援を行っておりまして、具体的には、製品化や事業化に向けまして必要な資金の調達ができるように制度融資の利用、あるいは(公財)神奈川産業振興センターの経営のアドバイスなど、経営面から支援させていただきますほかに、プロパーで産業技術センターの依頼試験手数料の減免というふうなことの支援も行っております。

 これらの事業で、今申し上げました2本の事業ですが、開発しました製品の販路を開拓するために、毎年1回やっております工業見本市、テクニカルショウヨコハマというのをやっておりますけれども、これへの出展を支援いたしまして、商談あるいは技術交流というふうなものにつなげております。産業技術センターと産業振興センターが連携いたしまして、技術、経営の双方の観点から製品化、事業化を支援しております。

藤代委員

 次に、先日も県内調査で産業技術センターを訪問させていただきましたときに、何社かの方がセンターで実験というか何かやられておりましたけれども、そういった様々な中小企業がセンターを利用している中で、センターを利用されている方同士がコラボレートすることによって、また新たな技術とか新たな何かが生み出されることも中にはあるのかというふうに思いますけれども、そういったことを含めて、中小企業同士をマッチングさせるようなことをこのセンターがやっているか、取り組んでいるかという点をお伺いいたします。

産業技術課長

 委員お話しのように、中小企業が他の企業とコラボレートするようなことは、特に中小企業は経営資源が必ずしも十分というわけではございませんので、大変有効な手立てだというふうに考えております。

 一方で、企業同士も同じセンターを使っているとはいえ、競争相手というふうな場合もございまして、そういった関係も厳しいという中で、産業技術センターを利用しております中小企業が、利用者間で技術開発のパートナーとなる企業を探すというふうなこともしております。中小企業の技術支援を直接行っております現場の研究員が、技術課題の解決のために他の企業とのマッチングが必要だというふうに考える場合などに、中小企業同士のマッチングというふうなことを取り組むわけでございます。具体的には現場の研究員と、それから専門にコーディネーターとして配置しております職員がおりますが、その両者が協力いたしまして、センターに蓄積されております中小企業の技術データがありますが、そのデータとかあるいは多くの企業とのネットワーク、そういったものを有効に活用いたしましてマッチングを実施しているということでございます。これまで、具体のどの企業というふうなことは申し上げませんけれども、精密な先端加工の技術でございますとか、効率の良い熱交換器の開発といったような点で、委員おっしゃられましたような中小企業同士のコラボレートが成果を上げているということでございます。

藤代委員

 その点で、研究者とコーディネーターの方がマッチングとして、両者に、こういうことがありますよというような連絡をされるわけですか。

産業技術課長

 そうです。なかなか中小企業同士が、この産業技術センターをお互いに利用しているとしても、その場ですぐ自分の持っている課題をこの人が、この企業が解決してくれるのかというのが、お互いに目と目で分かるわけでもございませんので、間に立つ仲人がどうしても必要になってまいります。産業技術センターの職員は、どちらの企業が持っている技術の程度も、分野も、それから課題も相当程度分かっておりますので、お互いの企業同士を結び付けるという中では、それぞれ連絡を取り合いながら進めていく。その際には、実際に支援している研究員と、それからそういったコーディネートを専門にやっている職員が協力して進めていくということでございます。

藤代委員

 今の点でありますが、例えば中小企業が独自に開発した技術を研究しているけれども、なかなか表に出したくないという、そういった企業も中にはあるんですか。

産業技術課長

 先ほど申し上げました例というのは、ある程度はっきり目に見えた部分でございまして、委員御指摘のとおり、一つ一つについてはなかなか皆さん、共同してやったものについても表に出てくるということを積極的にやるところは、そう多いわけではございません。それぞれが企業秘密を抱えながらやっているものですから、実際には、結果のところが我々の手元に届いてくるというようなオープンな形で伝えてくださるところというのは、そう多くないものというふうに考えています。

藤代委員

 仲人役の研究者とコーディネーターの方に、うまくマッチングさせていただくような運営の仕方というか、そこから新たなものが生まれるということにつながるわけでありますから、そこは是非仲人役に、研究者として、コーディネーターとして御活躍いただければ、また新たなそういった技術が生まれてくるかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと考えます。

 次に、産業技術が多様化していく中で技術開発を円滑に進めるには、中小企業と産業技術センターだけでは対応が難しい場面もあるかと思いますけれども、何か工夫されているのかお伺いいたします。

産業技術課長

 産業技術センターでは、多様化あるいは高度化していく企業のニーズというものに応えることができますように、先ほどもちらっと申し上げましたが、職員自身が技術情報の収集に精力的に取り組んでおります。あわせまして、経常的な研究を常に進めておりまして、技術が陳腐化しないようにというふうなことにも取り組んでいるところでございます。しかしながら、こういった職員のレベルアップだけでは対応し切れない課題も多うございますので、また、専門職員の分野にも限りがございますので、新技術あるいは新製品の開発を支援するために、テーマに応じまして大学から研究員を招くといったような、大学を含めた産学公の技術連携にも取り組んでいるところでございます。

 これまでの中小企業と大企業とのコーディネートの取組成果といたしまして、産学公の共同研究開発に発展して、国の補助金を頂き、助成を受けて研究開発を今現在進めているという例もございます。それから、県内に研究拠点を持っております大企業等にお集まりいただいて、22機関で構成しております神奈川R&D推進協議会、こちらの方の協力も頂きまして、大企業の技術を中小企業へ移転する、あるいは中小企業の持っている技術を大企業で活用していただくというふうなところも工夫の一つであるかというふうに考えております。

藤代委員

 今回の9月補正予算で、中小企業参加型共同研究開発促進事業が提案されております。大企業と県内中小企業の技術連携の取組を、具体的にどう進めていかれるのかお伺いいたします。

産業技術課長

 神奈川R&D推進協議会で大企業と中小企業の技術連携を促進するために、今現在、エネルギー・環境でございますとか、健康医療、そういった面で中小企業が参入を希望する成長分野に関連する研究会を設置して、大企業が積極的に活動をやっております。研究会が開催するフォーラムに中小企業も数多く参加して、そういった技術者同士の交流といったようなものも盛んに行われているわけでございますが、委員お話しのありました中小企業参加型共同研究開発促進事業、こちらにつきまして、具体的には先ほど申し上げました研究会の方から提案を頂きまして、その共同研究の提案を基に、産業技術センターが少し詳しい技術課題を、具体的なと申しましょうか、そういうふうな技術課題を設定いたしまして、大企業の方からは実験設備等の協力を頂いて、産業技術センターの中に実験室を設置いたします。そこに大企業との共同研究をやっていきたいと考えている中小企業を公募いたしまして、共同研究の可能性を見極める、そういうものでございます。そこで得たデータは公開するということ、そういう事業でございます。

 産業技術センターでは、設定した課題につきまして、共同研究開発を希望される中小企業とともに、その分野の専門家を大学の方から客員研究員等でお招きして、指導を受けながら共同研究開発の可能性評価を実施することとしておりまして、結果の良かったものについては、大企業等との共同研究開発のコーディネートを産業技術センターが行っていく、そういうふうなことによって具体的な技術連携を促進したいと、こういうふうに考えております。

 また、当然、全てが全て良い結果を招くわけでもないかと思います。可能性の評価が思わしくないような場合もあろうかと思いますが、その場合には、公開されたデータの中から、また新たな中小企業がそれを見て応募されるというふうなことも期待できるかというふうに考えておりまして、こういった公開することによりまして、多数の企業が新たな成長分野に進出を検討することができると、そういうところに役立つのではないかというふうに考えております。

藤代委員

 先ほども申し上げたように、ものづくりは我が国の経済をけん引してきたわけでありますので、技術開発、そして研究、技術開発から製品化まで適切な支援をしていただきたいと思います。

 中小企業の活性化というのは、日本経済の成長では本当に必要な部分であろうかと思いますので、引き続き中小企業の技術力の向上に向けて積極的な取組をしていただきたいと思います。中小企業は、本当に今厳しい状況でありますから、産業技術センターの積極的な取組というのはこれから必要だと思いますので、是非とも強力な支援を中小企業に対してよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、神奈川県中小企業再生ファンドについてお伺いいたします。

 リーマンショック以降、県内の中小零細企業は本当に厳しい状況であります。東日本大震災が発災して、そういったことも含めると、本当に中小企業の再生を図っていかなければ大変な時代であるかと思います。その中で、初の公的な再生ファンドという新たな取組について、かなり大きな期待を感じるところであると思いますけれども、この点について何点かお伺いいたします。

 最初に、中小企業基盤整備機構の出資の仕組みを活用する再生ファンドということでありますけれども、具体的にこの再生ファンドの仕組みを確認したいと思います。そしてまた、同じようなファンドが全国的にどのぐらいあるのか、その点をお伺いしたいと思います。

金融課長

 まず、この中小企業再生ファンドの根拠となる法令でございますけれども、平成15年に産業活力再生特別措置法、これが改正されまして、中小企業の再生を支援する施策の充実ということで、独立行政法人基盤整備機構が出資総額の2分の1を限度に出資が可能と、そういうことになりました。また、あわせて、この改正において中小企業再生支援協議会、再生を支援する組織でございますが、これが全国都道府県に一つずつ設置するような規定がなされました。これをきっかけに、今回、この仕組みを活用したファンドをつくるということでございます。

 設立のプロセスにつきまして、まず、機構の方が2分の1を出資するということなので、地元地域経済を支えております複数の金融機関、こちらの方がファンド組成に向けた合意をする、出資目標の2分の1を可能とするような合意形成がまず第一に必要であるということでございます。それが合意になった後、運用会社の選定等をしまして、機構の方に申請を出す、そういうことで、最終的には投資事業有限責任組合契約、これを結ぶことでファンドが設立されることになります。

 このファンドにつきましては、御存じのように、基本的には金融機関が再生をする中小企業を中小企業再生支援協議会に御相談しまして、その案件をファンドの方に御紹介する。その紹介された案件をファンドが投資決定した後、中長期にわたってハンズオン支援、きめ細かい経営指導をしていく。そういうことで最終的な再生を完了した後、企業価値を高めたところで再度売却するような形で一定の利益を出す。その利益によって、出資いただいた各金融機関等に分配する、そういう仕組みでございます。

 類似ファンドということでございますが、この基盤整備機構の出資の仕組みを使ったものということでは、平成15年から22年度末まで、全国で22本設立されております。

藤代委員

 県の関わり方について、呼び掛け人役ということでありますけれども、どういう経緯で関わるようになったかお伺いいたします。

金融課長

 経緯でございますが、平成20年のリーマンショック以降、非常に厳しい経済情勢が続いていたわけでございます。こういう中、再生支援に取り組んでいた神奈川県の中小企業再生支援協議会、ここにおきましては、再生支援の取組の中で、ツールの一つとして再生ファンド、これが必要ではないか、そういうような認識を強く示されまして、昨年、我々と一緒に勉強会を開催したわけです。そういう背景の後、国においても、国も金融機関に対する監督指針の方で中小企業の再生ファンドの活用、こういうところを地域密着型企業という観点から進めておりまして、関東一都六県の中では、こうした公的ファンドの設置がないのは、実は神奈川県だけだったということもございました。そういうことで、強く組成の期待を持たれたわけです。

 こうした動きに対しまして、県の方では、県内の中小企業再生ファンドに対するニーズ調査、あるいは金融機関とのヒアリングを踏まえまして、一定の機運の高まりが認められたということで、県といたしましても地域経済の活性化、雇用の維持といった観点から、再生ファンドを地域の金融のインフラということで必要であると、そのような判断をいたしまして、中立的な立場から中小企業再生ファンド設立の旗振り役の役割を担うということを始めたわけでございます。

 具体的な取組といたしましては、一つは、地域において出資総額、現在、目標が一応20億ということでございますので、2分の1の10億を地域金融機関等から集める、こういう活動が一つ大きな活動でございます。これにつきましては、今年の1月から鋭意県内地域金融機関に御説明し、参加を呼び掛けてきております。また、その後、県内にない県外の金融機関、本店は県外になるんですが、県内で広く活躍、活動しております金融機関につきましても、積極的に働き掛けしております。

 それから二つ目には、ファンドの組成手続のところで設立準備会等を開催しまして、皆さんの合意をしっかりとっていく、そして出資予定者間の調整を図る、こういう仕事も行っております。

藤代委員

 地域の公的なファンドということでは、県の出資が期待されると思いますけれども、県が直接出資しないというのは、どんな理由があるんでしょうか。

金融課長

 まず、一つ目には、地域の中小企業再生ファンドという、そういう基本的な考え方がございます。そういうことでは、再生する企業につきましては、地域の金融機関が本来再生案件を出してくる、そういうような仕組みがございますので、こういう再生案件を中心に取り扱うというファンドということでは、地域金融機関が結束してファンドへの出資をしていただくことが基本であろうと、そういうことでございます。県としては、リスク負担の面も考慮しまして、出資しないということにしております。

 それから、出資の手続上の制約というのが一つございます。今回のこのファンドの出資に係る出資金の払込み方法、これにつきましては、中小企業基盤整備機構法の規定にもございますが、一括払いでなく分割払方式でございます。この方式は、ファンド設立と同時に出資者が一括で出資金を総額払うわけではなく、投資案件が出るたびに、ファンド運用会社、これが各出資者に対して出資比率に応じて、それぞれの必要な金額を払い込むように要請する、いわゆるキャピタル行為と申しておりますが、そういう要請によって払うものでございますので、この方式ですと、決まった金額の投資案件が出てくることをあらかじめ想定することができず、県の予算制度上、非常に対応しにくい仕組みということが一つまたございます。

 そういうことから、県としては、出資はしないが中立的な立場からファンド設立の旗振り役ということで、そちらの方で組成に貢献していきたい、そういうことでございます。

藤代委員

 現在、ファンドに参加意欲を示している機関としては、どのような構成になっているのかお伺いいたします。

金融課長

 現在、中小企業再生ファンドに参加意欲を示している機関としましては、まず、公的な部門といたしましては、これはこれからの精査になりますけれども、中小企業基盤整備機構、これがまず中心になっております。それから、先ほど申しました(公財)神奈川産業振興センター、ここのところも、我々が要請しておりますので、意欲を示していただいております。それから、県の信用保証を担う横浜、川崎、本県、三つの保証協会、ここについても我々の要請を十分受け止めていただいております。それから、民間部門ということでは、県内に本店を有します地方銀行、信用金庫、信用組合、これを基本として、その他、先ほど申しました、県内に本店はございませんが、大きく活発に営業活動を行っている地方銀行、こういったところも参加の意欲を示していただいているところがございます。

藤代委員

 ファンドですから、今お話しいただいたように、金融機関がファンドとしてということでありますけれども、現段階で、リーマンショック、そして東日本大震災の影響で、具体的に何かそういった金融機関が、この企業は再生する価値があるというような、そういった状況というのはあるんでしょうか。

金融課長

 通常、現在ファンドがない時点で、中小企業再生支援協議会の方に金融機関が案件を御提示なさっておりますので、その場面では当然ございます。ただ、ファンドがない今は、再生支援協議会が、いわゆる再生のツールとしてはリスケジュール、返済猶予を調整している、そういうことが中心になっております。

 それから、ファンドに対する利率ということでは、我々が組成する手続の中で参加意欲を示していらっしゃいます金融機関の方に需要見込みを提出していただいております。組成がなった場合、再生案件としてなり得るようなものがどのぐらいあるか、これは組成計画上も必要な予測になりますので、提出していただいたものでございますが、その件数においては三十数件で260億というような数字が集計されているところでございます。

藤代委員

 再生ファンドを呼び掛けた県として、組成後も一定の関わりを維持していく必要があると考えますが、その後どのように関わっていくのかお伺いいたします。

金融課長

 県は中小企業再生ファンドの方へ出資を行いませんので、投資事業有限責任組合法に規定された有限責任組合員ということではなく、ファンドの運用については金銭上の責任も負いませんし、また、その一方、組合員の議決に参加する議決権、あるいは投資案件の運用方針に関わることができません。しかしながら、委員おっしゃるとおり、これまで県内の公的な再生ファンド設立の旗振り役を担ってきたわけでございますから、ファンド設立後も、ファンドの適切な運用について一定の関わりを持ち続ける必要があると考えております。具体的には、ファンドと連携して中小企業の再生支援に取り組む公的機関であります中小企業再生支援協議会、これや、この再生支援協議会を運営しております(公財)神奈川産業振興センター、ここと協調いたしまして、再生ファンドの活動の状況についてしっかりと見ていきたいと考えております。

 また、このファンドの投資案件につきまして、これは運用会社が再生支援を数年間行うわけですが、その段階では積極的に国や県の中小企業支援施策を提供していくということになっておりますので、こういうところでもしっかり関わりを持っていきたい、そのように考えております。

藤代委員

 県内初の公的中小企業再生ファンドは、県が旗振り役ということでありますから、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 そういった中で、東日本大震災とリーマンショックのダブルの影響で、優れた技術を持ちながらも資金繰りの悪化によって本当に厳しい状況に置かれている中小企業というのは数多くあると思います。融資なんかもそうなんでありますけれども、ニーズがあるにもかかわらず、審査能力というか、実際持っているものが見る目から難しい判断がされて、融資も厳しくなってしまうということも多々あると思いますので、再生ファンドは金融機関と中小企業がセットになって支援協議会に持ち込むということでありますから、当初から再生可能な企業という観点では持ち込みやすい部分があるとは思いますけれども、こういった時代でありますから、中小企業の思いを是非しっかりと受け止めていただきたいと思います。できたから、県が何かをするということではなく、その後もしっかりと県としての立場を持っていただきたく要望させていただきます。

 次に、県内中小企業の海外事業展開の支援について何点かお伺いいたします。

 補正予算で国際化支援事業として掲げられておりますが、委員会提出資料によれば、県内中小企業国際化支援プラットフォームを通じて、中小企業の世界市場への挑戦を支援していくとあります。そこで、この中小企業国際化支援プラットフォームに関して何点か質問をさせていただきます。

 まずはじめに、ざっくりとこの県内中小企業国際化支援プラットフォームというものはどういうものなのかお伺いいたします。

産業立地課長

 今までの委員のお話にもございましたように、東日本大震災あるいはリーマンショックの影響、それから長引くデフレ、そして円高、あるいは最近ですと新興国の台頭といったように、国内の企業、とりわけ中小企業を取り巻く状況は非常に厳しいものがあると私どもも認識しております。

 神奈川県内には、全国的に見ましても大変高度な技術力を持った中小企業、あるいは優れた商品開発力を持った中小企業、こういったものが多く集積しているわけでございますけれども、こういった経済環境の中でなかなか将来に明るい展望を見いだせないといったようなお話も伺うことが多うございます。しかし、一方で、こうしたような苦境といいますか困難を打破するため、海外の方へ販路の拡大あるいは取引の拡大といったようなチャレンジを行って新たなビジネスチャンスにつなげていきたい、そういった声も高まってきております。

 そこで、こうした中小企業の方々のニーズにお応えして、市町村あるいは商工会議所、商工会などの経済関係機関、さらには日本貿易振興機構JETRO、あるいは今日も報告がありました神奈川産業振興センターといった企業の支援機関、こういった各機関とともにオール神奈川で、神奈川全体で県内中小企業が海外へ事業展開していくのをバックアップしていこう、そういった気持ちを込めまして、このプラットフォームを今年度立ち上げさせていただきました。

 プラットフォームといいますのは、土台あるいは基盤という意味合いで使っておりまして、このバックアップ体制を正に基盤といたしまして、それぞれ構成している機関が持てる情報ですとかノウハウあるいはスキル、そういったものを持ち寄りまして、県内中小企業の情報の海外への発信あるいは県内中小企業が海外で事業展開を行う際に役立つような情報を提供できるようなセミナーの開催、そういった幾つかの取組を行ってまいりたい、このように考えております。

藤代委員

 これまでも県内企業の海外への事業展開を支援してきたと思いますけれども、ここに来てプラットフォームという形で支援体制を立ち上げる理由というのは何か、お考えをお聞きします。

産業立地課長

 県といたしましても、これまでも海外から企業のミッションが神奈川に来県した際に、県内の中小企業の皆さんにお声を掛けて、交流会あるいは商談会といったものを開催させていただいたことがございます。また、世界の3箇所、ロンドン、シンガポール、それからアメリカのメリーランドに海外駐在員を派遣しております。こういった海外駐在員を通じまして、現地の市場の動向を県内の中小企業の皆様に御提供したり、あるいは実際に県内の中小企業の方がそういった現地に行ったときに、いろいろアテンドですとか、相手方企業との商談会のアレンジなどをするといったようなお手伝いもしてまいりました。

 また、県内におきましても、神奈川には外資系の企業が幾つか、かなり多く立地しておりますので、そうした県内に立地しております外資系企業の皆さんと県内中小企業の皆さんのネットワークづくりの場、これもセミナーという形ですけれども、そういった場の提供も行ってきたところでございます。こうしたような取組を通じまして、県内企業の海外への事業展開、あるいは海外企業との取引の拡大といったものをお手伝いしてきたところでございます。

 また、公的な企業への支援機関といたしましては、JETROが県内中小企業の皆さんからの貿易相談に応じている、あるいは神奈川産業振興センターの方では、海外取引に関するセミナーの開催ですとか海外の展示会、見本市への県内企業の出展支援といったような取組を実施しております。

 これらの取組にありましても、各関連機関が必要に応じて連携をとって協力して行ってきている部分もございましたが、先ほど申し上げましたように、中小企業を取り巻く状況が一層厳しさを増しているということも踏まえまして、今回、全ての市町村、それから経済関係機関、こういったところにも声を掛けまして、相互の連携を更に広げて強化いたしまして、各機関のネットワークといったものを、今までのような線よりも面に広げていきたい、そうすることによりまして、より効果的効率的に中小企業の方々の海外事業展開をバックアップしていこう、こういった思いから、このプラットフォームを立ち上げたところでございます。

藤代委員

 このプラットフォームは、ここにも出ていますけれども、市町村や商工会議所、経済関係機関も加わっているようでありますけれども、そうした団体とのやりとり、情報の交換というのは行ってきているんですか。

産業立地課長

 プラットフォームの構成機関が相互の情報の交換を行う場といたしまして、中小企業国際化支援連絡会議という会議体を設置させていただいております。今年度に入りまして、2回ほど会議を開催させていただいているところでございます。この会議におきましては、県や市町村、それから公的な支援機関ですとか経済関係機関が、現在取り組んでおります中小企業の海外展開の支援策、あるいは今後取り組む予定である支援策といったものの状況の報告、進捗状況についての説明、協力が必要な場合には協力要請といったような意味合いでの情報交換を行っているところでございます。

 このプラットフォームにつきましては、国の方も神奈川らしい取組ということで注目していただいておりまして、2回目の会議には、関東経済産業局の職員の方も来ていただきまして、国における中小企業の海外展開支援の取組についての御紹介、御説明もいただいたところでございます。

 構成員に入っております市町村の中には、地域の中小企業の海外事業展開への具体的な支援施策といったものは、これからの課題といったように受け止めているところも少なくないのは事実でございますけれども、こうした形でいろいろな情報交換を行うことによりまして、施策化に向けて一種の刺激になる、あるいはヒントとなるといったような声も聞いております。このような効果もございますので、今後とも情報交換をより密にして取り組んでまいりたいと思っております。

藤代委員

 今のところで、市町村、商工会・商工会議所、JETROがあるんですけれども、市町村も、例えば横浜、川崎と比べて、郡部との温度差もあるでしょうし、横商と比べて、例えば私の地元の大和でも、恐らく余り海外に向けている目というのは温度差があるかというふうには思うんですけれども、全体的なバランスとして、投げ掛けても反応が薄い地域というのは、お感じになる部分もあるんでしょうか、正直に。

産業立地課長

 なかなか答えにくい質問なんですけれども、やはり規模の大きい大都市ですと、かなり独自に施策を展開されている。また、海外の特定の地域にパートナーを持っておられるといったところがございます。ただ、一方でやはり町村部になりますと、これからだというところもあると思います。また、地域によっていろいろな事情の違いもございますので、そういったところも考慮しなければいけないと思います。

 ただ、一つ注目されるのは、これは藤沢市の事例なんですけれども、藤沢市は今までフィンランドとの間でいろいろな交流を続けております。今後、近隣の寒川町、茅ヶ崎市にも呼び掛けて、2市1町でいわゆる広域的な取組として、域内の中小企業の方々の海外進出を支援していきたいといったようなことを検討されているというふうに、この会議で伺いました。ですから、こういった広域連携による取組といったものも、これから進んでいくといいというふうに私どもも受け止めております。

藤代委員

 次に、県内市町村における中小企業の海外事業展開支援の取組の具体例を幾つか伺います。

産業立地課長

 今お答えしたことと関連してしまうんですが、やはり大都市の自治体の方の取組というのが目立っております。

 具体的に幾つか御紹介いたしますと、横浜市の場合には、上海とドイツのフランクフルトに駐在事務所を置いておりまして、こちらを拠点として、市内の中小企業の方々の海外進出をお手伝いしているといったような状況がございます。ただ、私どもの開催いたしましたこの会議では、それプラス、今年度からの新たな取組といたしまして、中小企業海外販路開拓事業といったものをスタートさせたといったような御報告がありました。これはかなりユニークな事業ですので、具体的に御紹介いたしますと、まず、横浜市が横浜市の商工会議所と連携いたしまして、海外への事業展開を希望する中小企業をまず公募する。募集があった企業を外部の専門家の方も交えまして審査を行う。その上で、20社程度を支援対象とする企業に選定する。選ばれた支援の対象企業につきましては、各企業1人ずつ専門的なアドバイザーを付ける。このアドバイザーの方が海外の現地事情や取引のノウハウなども教示し、あるいは最終的には海外見本市への出展のサポートまで行う。マンツーマンで、ずっときめ細かくサポートしていくという仕組みだということでございます。

 対象を絞り込んで集中的に支援を行うというのは、行政としても難しいという部分もございますけれども、この話は、他の市町村の方々もかなり興味を持って聞いていたようでございます。

 それ以外で申し上げますと、川崎市あるいは相模原市などは、川崎ですと最近はベトナム、相模原ですと台湾、こういったように特定の国・地域をターゲットにいたしまして、専門的なセミナーを開催したり、あるいは企業のミッション団を送ったりといったような取組を行っております。

藤代委員

 今、相模原はベトナムとか、各市町村がいろいろと取り組んでいると思いますけれども、その地域内に、小さな町でも海外とのやりとりがある企業が存在すれば、そういった企業に影響されて海外に目を向けようかというような思いが出てくるのかというふうには思うんですけれども、広域的な連携というお話がありましたが、そういったところから引っ張り出されるような中小企業が出てくるということは想定されているんでしょうか。域内で連携して、例えばA社が海外進出して、見ていて、自分のところもやってみたい、チャレンジしたいというようなところというのはあるんでしょうか。

産業立地課長

 そういったこともあり得ると思います。よく、いろいろなセミナーで事例報告、実際に海外への事業展開をした企業の方々に報告していただくようなセミナーを開きますと、かなり関心を集めるということがございますので、あそこができるなら自分のところもやってみようといったような形で、海外進出意欲みたいなものが波及していくということは十分あり得ると思います。地域的にも一定のまとまりがあれば、それはそれで、実際に進出する際、あるいは地域の中でいろいろな情報を交換する際にも、当然ながらメリットが働くと思いますので、そういった取組が今後出てくるのではないかと、期待も込めてそう考えているところでございます。

藤代委員

 今後、このプラットフォームをどのように方向付けを図っていくのか、方向付けについてお伺いいたします。

産業立地課長

 今後、どのような形に持っていくのかということでございますけれども、県内の中小企業の海外事業展開につきましては、現在実態調査を行っているところでございます。この調査によりまして、より具体的な企業ニーズですとか、あるいは海外展開に当たっての課題、行政への期待といったものを把握いたしまして、今後のこのプラットフォームの活動に生かしていきたいとまず考えております。しかし一方で、このプラットフォームは、出来上がったばかりでございます。また、県も含めまして、構成機関、市町村あるいは経済関係団体につきましても、取り巻く財政環境というのは余り良好とは言い難いということもございますので、具体的な取組のメニューといったものについては、一定の制約があるのも事実ではないかというふうに率直に考えております。

 しかしながら、自治体や関係機関が相互のネットワークをより強めていくことができるのであれば、既存の取組を実施する場合であっても、恐らくこれまで以上に大きな効果が上げられるのではないか、こういう期待もございます。また、先ほど来申し上げていますように、各機関の様々な取組についての情報を得ることで、それが刺激となって新たな施策に着手するような市町村も出てくるかもしれない、あるいは先ほどの広域連携といったような流れも出てくるかもしれない、こういったような効果も期待しているところでございます。

 いずれにいたしましても、小さく生んで大きく育てるといいますか、そういった気持ちを持ちまして、優れた技術力を持つ神奈川の中小企業の世界市場へのチャレンジといったものを継続的にバックアップしていきたい、このように考えております。

藤代委員

 海外事業展開の支援というと、これを見ればよく理解できるんですけれども、販路拡大は販路開拓を目的としているわけであるんだけれども、生産拠点まで向こうに移してしまおうというような、そういったこともあるのかなというふうには思うんですが、その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

産業立地課長

 確かに生産拠点自体が移ってしまいますと、県内の産業の空洞化といったことにつながりかねないといった懸念はございます。ですが、私どもが考えておりますのは、あくまで販路拡大、取引の拡大を通じてビジネスチャンスを得ていただく、それによって海外の活力といったものを神奈川に呼び込んでいただく、それをまた神奈川の地域経済に還元していただく。もうちょっと露骨な言葉で言いますと、外貨を稼いでいただいて、稼いだ外貨を神奈川県内に投資していただく、それで神奈川県内にお金が回ると、こうなれば一番いいと思っております。

 ただ、正直なところ、海外との取引が活発になれば、そのマーケットに近いところでものを生産するというのは、一つ傾向としてあり得ると思いますので、そういった懸念はございますけれども、こういった国内の経済状況の中では、まず動かずにはいられないのではないかと思います。ですから、今申し上げたような形で、まずは積極的にチャレンジしていただいて、神奈川にその効果を還元していただきたい、このように願っています。

藤代委員

 国際化支援ということでありますけれども、どこの地域をターゲットにするかというのは非常に大きいと思いますが、その点をお聞きしたいと思います。

産業立地課長

 一般的にマーケットといいますと、その規模ということでの魅力で申し上げますと、よく言われていますように中国ですとか東南アジア、あるいはインドといった新興国が主要なターゲットになるというふうに考えます。ただ、一方で、どのような技術あるいは製品といったものを海外に売り出していくか、持っていくかということにもよりまして、相手方の地域も異なるのではないか、このように考えております。

 例えば、高度先端技術、あるいはニッチな分野の技術といったものにつきましては、やはりまだ欧米の方が有力なターゲットになるだろうと思いますし、一方、量産工場で使用するような工作機械のようなものでしたら、アジアの方がニーズが高いのではないか、このように考えております。それから、例えば食品に関して申し上げますと、これまではどちらかといいますと健康ブームということで、欧米で日本食品へのニーズが高かったということがございます。ただ、最近では、アジアの富裕層を中心といたしまして、アジアの方でも日本食品への関心が高まっているということもございます。

 このように、どこをターゲットとするのかというのは、一概には言えない部分があろうかと思いますけれども、先ほどもちょっと触れました、現在実施しております県内中小企業の海外展開の実態調査結果なども踏まえまして、戦略的な取組を行っていきたい、このように考えております。

藤代委員

 今、国内でなかなか販路開拓というか、ものが売れない、海外に出ていくしかない、そして、先ほど質問させていただいた中で、販路拡大をして、生産拠点まで海外に移してしまおうというようなことも、これから本当に多くなってしまうのかというふうに思います。厳しい経営環境にこうした中小企業が生き残りを懸けて海外へ目を向けて、そして海外の販路開拓していくわけでありますから、関係機関が協力して販路開拓についてバックアップしていただくことは重要だと思う一方で、そのまま海外に行ってしまったというのも非常に困る話でありますけれども、その辺はよく見ていかなければいけないと思っております。

 このプラットフォームというのは、そうした意欲ある中小企業に対する貴重なものだと思いますから、是非とも今後充実させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。しつこいようでありますけれども、海外に行けということは絶対に言わないでいただいて、あくまでも販路開拓というところを持っていただかなければ、県内もそして国内も産業が空洞化してしまいますので、その辺はよく注意していただければ。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 次に、商店街の活性化について何点かお伺いいたします。

 リーマンショック、そして東日本大震災の影響で経済が低迷しているわけでありますけれども、県内においてもそうした影響を受けていると思います。そういった中で経済を活性化させる、地域を活性化させるという観点からも、商店街、商業の活性化、なかなか難しい問題であるかもしれませんけれども、商業の活性化ということが重要だと考えます。こうしたことから、県のこれまでの商店街活性化の取組について何点かお伺いいたします。

 まず、1番目は、県内の商業及び商店街は厳しい状況が続いていると思いますが、今、県内の商店街の現状をお伺いしたいと思います。

商業流通課長

 県内の商業の状況でございますけれども、商業統計調査というのがございまして、この調査の平成16年、それと19年の調査を比較いたしますと、小売業、卸売業ともに、販売額については増加しております。商業全体の落ち込みはある意味下げ止まりしています。しかしながら、その一方で店舗数、それと従業者数、これが引き続き減少しております。こういったことから、店舗の大型化、そして小規模店舗のとう汰、こちらの方が更に進んでいるのか、このような推測をしております。

 それと、商店街の状況でございますけれども、こちらは、公益社団法人の商連かながわというところが毎年行っております商店街実態調査、こういうものがございます。この調査によりますと、加盟商店街数なんですけれども、平成18年度の時点で812商店街であったと。これが平成22年度の時点では716ということで、大きく減少しております。県内商店街の衰退状況は止まっていないような状況かと、こんなふうに思われます。

藤代委員

 東日本大震災の商店街に対する影響というのは、どのように把握されているでしょうか。

商業流通課長

 震災後の影響でございますけれども、こちらの商連かながわと県が連携して行ったアンケートがございます。商店街動向調査事業で行ったアンケートでございますけれども、この中で、景況感についてという項目がございます。3月の調査時点で悪くなったという選択肢が39%でございましたけれども、これが4月の調査では32%に減少しており、若干改善している、こんなような状況です。

 しかしながら、震災の影響、こういう項目がございますけれども、これにつきましては、震災から1箇月の客足の変化は、客が減ったまま戻らない、こういった回答が5割を超えておりまして、深刻な状況が確かにあります。また、4月下旬になっても続いておりました深刻な被害でございまして、客足も減ったということで46%の回答がございました。それと、商店街が予定していたイベントを中止したと、こういったところが33%ございまして、かなり影響がありました。

 さらに、直近の8月にも調査いたしましたけれども、この時点では、景況感については悪くなったという選択肢は18%ということでございましたので、震災の影響は若干少なくなったのかと。しかしながら、依然として消費が低迷しておりまして、厳しい状況は続いているのかと、このような認識でございます。

藤代委員

 リーマンショック、そして大震災の影響もある中で、商店街が落ち込んでいるということはもちろんあるんでしょうけれども、依然厳しい状況が続いている中で、これまで県が実施してきた商店街活性化の取組についてお伺いしたいと思います。

商業流通課長

 県が進めてきました商店街振興施策でございますけれども、大きく分けて二つほどございます。

 まず、一つ目でございますけれども、集客力を高める施設整備等への補助金による支援、これが1点目でございます。2点目が、課題解決に向けての専門家やコーディネーターの派遣による支援、こういった二つの支援において施策を進行してまいりました。しかしながら、事業をいろいろ見直す中で、単なる一商店街の振興だけではなくて、まちづくりにつながる商店街振興策が必要ではないかと、こういう課題認識を持つに至りました。

 そこで、平成21年度からなんですけれども、商店街まちづくり推進モデル事業、こういった事業を創設いたしました。この事業でございますけれども、商店街の回遊性を高める取組、あるいはにぎわいを演出するコミュニティ拠点づくりなど、こういったモデル的な事業に対して支援を行ってきたものでございます。さらに今年度、平成23年度からなんでございますけれども、このモデル事業をベースに、従来の商店街振興に係る補助制度を拡充いたしまして、地域商業まちづくり総合支援事業、こういったものを創設いたしました。現在、この総合支援事業によりまして、商店街等が行う地域活性化の取組に対して支援を行っているところでございます。

 また、これとは別にですけれども、県内の商店街におけるまちづくりを担う商業人材育成のために、こちらは平成21年度からなんですけれども、若手商業者連携促進事業を創設して取り組んでいるところでございます。

藤代委員

 商店街の活性化にいろいろ取り組んできているようでありますけれども、商店街を担う方々は、本当に高齢化して、将来を担う人材がなかなか育たないということが商店街の大きな課題の一つであろうかと思います。特に、次の人材というのは、商店街の活性化について永遠の課題というか、大きな問題だと思うんですけれども、取組の中で特に若手商業人材の育成の事業についてお伺いいたします。この事業の目的について確認させていただくよう、よろしくお願いします。

商業流通課長

 今の委員のお話の中にもございましたけれども、まちづくりにつながる商店街振興施策を進めるためには、それを進めるための商業人材、こういった人材が必要でございます。しかしながら、実際には商店街においてまちづくりを担う商業人材が足りないと、こんなような状況がございます。また、商店街を担う方々の高齢化、そしてそれに伴う後継者難、こちらの方も大きな課題として浮かび上がっているところでございます。こういった状況に対応するために、若手商業者連携促進事業、平成21年度から商業人材、特に若手の人材の育成を目的として取り組んできているところでございます。

藤代委員

 事業の内容及び実施状況についてお伺いします。

商業流通課長

 まず、事業内容の方でございますけれども、先ほどから申し上げておりますけれども、一つの商店街では青年部を組織する人材にも不足しているような、こんな状況でございます。

 こうした状況から、若手商業人材を育成するためには、商店街組織を超えたグループ、こういったものが必要なのではないかということで、そういったグループを組織しまして、様々なまちづくりの活動を行うことが有効なのではないか、そしてその場合に組織形成、あるいは組織運営、事業展開等をスムーズに行えることが必要であろうと。こういったことから、この事業では、このような活動を支援するために、県が中小企業診断士等の専門家、これをコーディネーターとして派遣して支援を行うというような事業内容でございます。

 実際の事業の実施状況でございますけれども、平成22年度の事業実績は、10グループに対しまして合計90回の派遣、これを行っております。今年度、平成23年度でございますけれども、10グループに対しまして80回の派遣を予定しているところでございます。9月末現在、今日現在で7グループに対してコーディネーターを派遣している、そんなような状況でございます。

藤代委員

 具体的にどのような成果があるのか、なるべく事例があれば伺いたい。

商業流通課長

 平成22年度の事例の中から幾つか御紹介したいと思います。

 まず1点目なんですけれども、かながわ朝市ネットワークというグループがございます。これは商業者を中心とした朝市の実施者が圏域のネットワークを形成いたしまして、情報交換をするとともに、お互いの朝市を相互訪問する、こんなような動きを持っているネットワークでございまして、年1回朝市サミットというのを開催しております。これが、昨年は平塚市の大門で行いました。今年は小田原市で行う予定です。それと、このグループの中で朝市フェスタというようなことも実施しておりまして、これが今年度4回実施予定でございまして、既に座間市の相武台、あるいは座間市のひばりが丘、こういったところで実施しております。今後、三浦市三崎、平塚市の大門で催される朝市、こんなような予定になっております。

 2点目でございますけれども、便利ネット39丹沢と、こういうようなグループがあります。これは、秦野とか渋沢、松田の商業者の方々がメインになって活動しているグループでございますけれども、買い物弱者が、今、盛んに話題になっておりますけれども、買い物弱者支援のための宅配事業、こんなようなものに取り組んでいるというようなグループでございます。地域のにぎわい拠点の運営、あるいは土曜日に朝市も実施している、こんなようなグループでございます。

 3点目が、これはちょっと変わったグループ名なんですけれども、南輪乃声元気会というのがございます。これは、大和市の南林間駅周辺の若手飲食店主、この方々がメンバーになっておりまして、個々の店の魅力をアップするために共通のメニュー、こういったものを考えてパンフレットを作成していこう、こんなような取組に今取り組んでいるというところでございまして、いずれもこういった若手の商業者の方々が中心になってグループを回しているということで、我々の施策に合った動きをしていただいているのかと、こんなふうに思っております。

藤代委員

 これまでの取組を踏まえて、何か課題になっているということはあるのか伺います。

商業流通課長

 2点ほど課題として浮かび上がった項目がございます。まず1点目は、こういった事業を通じて活動を続けているグループが、一時の活動で終わってしまってはいけないということで、継続していくことが非常に大事だということで、継続していくためには、組織をより強固なものにしなければいけない、これが必要ですということが一つ目の課題でございます。また、二つ目の課題は、単にそのグループ内だけで終わるのではなくて、こういった成果、これが他の地域にどんどん広がっていくことが大事なのかと。広げることが二つ目の課題と。以上、2点が課題として、今浮かび上がっているところでございます。

藤代委員

 先ほどの大和や座間の事例は、もともとそこの商店主さんたちがやっていることで、新たにそこに参加されるという方はいらっしゃるんですか。

商業流通課長

 グループによっていろいろなパターンがございます。最初に申し上げましたけれども、商店街の中に必ずしもとらわれる必要はないというグループですので、かなり広域の商業者が連携して、何か新しいことをやろうと。先ほど申しました宅配の取組というのは、そういうような業種で取り組んでいるものもございますし、南林間の取組は、逆に言うと林間駅の近くの住民の方々が取り組んでいる。ただ、やることは今までやっていなかったことを新たにやってみようかということで、若い方々が集まっている、こんなような事情になります。

藤代委員

 これまでの取組の結果を伺い、そして課題を踏まえ、今後、事業をどのように展開していくのかお伺いいたします。

商業流通課長

 先ほど2点ほど課題を申し上げましたけれども、組織に関しては、コーディネーターの派遣なんですけれども、これは単年度にとどまらずに最長3年間派遣するということで、3年の間に組織を強固にしていく、こんなふうに思っております。その3年の支援をしていくのが1点でございます。また、この事業を通じて活動を続けておりますグループについて、相互に連携、連絡、これを密にしていただくことも重要と考えています。

 さらに、こういったグループの活動成果が、先ほども申しましたけれども、他の地域の取組につながっていくことが必要、そんなふうに思いますので、我々職員も各商店街をいろいろ回る機会もございますので、そういったときに、こういった成果を、この地域ではこういうことをやっていますけれども、おたくではどうですかと、こんなような誘いと言ってはおかしいですけれども、周知していくということです。

 さらに、県と商連かながわ、あるいは商工会議所とか、商工会が構成員となっております神奈川県商店街支援会議、こんなような会議もございますので、こういった場でも成功事例をどんどん紹介していって、新たに取り組んでいただけるような、そういう周知をしていく、事例紹介していく、こんなことも考えております。

 いずれにしましても、このような取組によりまして、今後も商業あるいは商店街振興の人材の育成を進めてまいりまして、県内各地に新たなグループが立ち上がりまして、活発な活動を展開していくように支援を進めてまいりたいと思います。さらに、この活動によりまして、県内各地区のまちづくりにつながるように、先ほども御紹介申し上げましたけれども、平成23年度から始めた総合支援事業、こちらの方も併せて有効に活用して支援していきたい、こんなふうに思っております。

藤代委員

 地域の活性化、商店街、商業の活性化というのは、ここ最近は大きな問題として言われていると思います。商店街の活性化、元気を取り戻すためには、新たに後継者、若手の活躍というのが非常に重要な部分であると思います。今後とも商店街の活性化に結び付くよう、是非とも若手商業人材の育成に取り組んでいただきたいと思います。

 私からの質問は以上でございます。

中谷委員

 まずは海外プロモーション強化推進事業についてお伺いいたします。

 本年は、東日本大震災の影響から外国人観光客数は激減しております。このような状況から、効果的かつ即効性のある具体的な施策を実行していかなければならないと考えており、その中で委員会への報告があった海外プロモーション強化推進事業について何点かお伺いいたします。

 海外からの観光客の更なる増加に向けて、海外でプロモーションを強化することは重要ですが、海外プロモーション強化推進事業において観光展出展や商談会開催を開催されるそうですが、これはどのようなところで行うのか、具体的な内容をお伺いいたします。

観光課長

 海外におきますプロモーション活動は、現地での観光展への出展、商談会及び神奈川の観光セミナーの開催、さらには現地行政機関等への訪問、以上大きく三つの内容で実施いたします。

 一つ目の観光展への出展は、海外で開催されます観光展に、県と県内の市町村、そして観光関係の事業者の共同で参加いたしまして、神奈川県の認知度を高めるため、旅行業界及び一般消費者に対して各種パンフレットの配布等を中心に、神奈川の魅力をPRするものでございます。観光展には一般の消費者の方も多く来場されますので、本県に対します認知度や訪日の際の目的や動機、そういったものを直接聞くことができる非常に貴重な機会でありますので、アンケート等を実施いたしまして、今後の取組の参考にしてまいります。

 二つ目の神奈川観光セミナーは、現地の行政機関、そして旅行会社を対象に、本県の観光資源の紹介を行うとともに、本県の民間事業者と日本への増客が期待できる、現地の主要な旅行事業者による個別商談会を実施するものでございます。中国におきましては、行政のバックアップがあると民間の信頼を得ることにつながりますので、商談を円滑に進めることが期待できるため、県の職員が同行することが肝要となります。また、こうした機会を通じまして、現地での人脈の構築を図るということは、今後のビジネスを拡大する上でも大きなチャンスとなるというふうに考えられます。

 三つ目は、現地の行政機関への訪問ですが、現地の行政機関を訪問しまして、本県への観光PRを行うとともに、中国国内の旅行事業者に対しまして、旅行商品造成に対する協力を依頼するものでございます。

 海外でのプロモーション活動につきましては、以上申しましたような取組を行いまして、直接海外のマーケットへ県の魅力のPRと来訪の働き掛けを行うものでございます。

中谷委員

 今、中国についての具体的な内容を教えていただいたんですけれども、その他に、例えばタイ、シンガポール、北米、欧州ではどういったことをされていらっしゃるんでしょうか。具体的にもうちょっと教えていただけることがあればお願いします。

観光課長

 基本的には、海外におきます観光展は、今申しましたような現地での観光展への出展、そして現地での旅行事業者との商談会の開催、これが普通に行われている内容でございます。中国の場合は、最後に申しましたように、行政と現地の民間事業者の関係から、日本の行政担当者も同行していくということがポイントとなっております。

中谷委員

 ターゲット対象国の中で韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、北米、欧州など、外国人観光客の上位国に対しての取組を行っているにもかかわらず、前年度客数でタイ、シンガポールより上位にあるオーストラリア周辺のオセアニアに対する取組を行っていないのはなぜか、理由があればお伺いいたします。

観光課長

 国では2003年より、訪日外国人旅行者の増大に向けまして、ビジット・ジャパン・キャンペーン事業に取り組んでおります。その中では、訪日外国人旅行者の約9割近くを占めます12の国・地域、具体的に申しますと、韓国、台湾、中国、香港、タイ、シンガポール、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、以上の12の国と地域を重点市場として定めております。そして具体的なプロモーション活動を行っているところです。本県におきましてもこの重点市場をターゲットに、招へい事業やプロモーション活動を実施しているところでございます。

 JNTOの訪日外国人調査によりますと、2006年から2010年の5年間にかけての訪日外国人の伸びは全体で117%となっております。そのうち、タイは12万6,000人から21万5,000人と171%の伸びになっておりますし、シンガポールは11万6,000人から18万1,000人と156%の伸びで、全体の伸び率を大きく上回っている状況であります。一方、オーストラリアとニュージーランドを加えたオセアニアからの訪問者数は、昨年は合計で25万8,000人ということで、全体の順位では6番目の数となっております。ただし、オーストラリアの過去5年間の伸び率は116%ということで、ほぼ全体の伸び率と同程度の伸びということになっております。

 オーストラリアに対しましては、昨年11月に知事が友好提携20周年記念事業を現地で開催しまして、本県の観光PRを行うなどの取組を実施してきております。今後につきましては、取組の優先順位といたしましては、重点市場における成長が著しい、さらに今後も成長が期待できる国や地域を中心に取り組んでまいりたいと思っております。

中谷委員

 メディア等の招へい事業とありますが、どういうメディアを招へいして、その事業を行うことでどういった効果を狙っているのかお伺いいたします。

観光課長

 メディアの招へい事業は、主に発行部数の多い旅行雑誌関係者を対象としまして実施しております。県内の観光資源を取材してもらいまして、帰国後に旅行雑誌等に掲載してもらうことで、一般消費者に対しまして本県の魅力を発信し、旅行意欲を喚起させて、本県の誘客を図るものでございます。

 メディアの招へい事業は、これまでにも数多く取り組んでおりますが、昨年の9月には中国の著名な作家、そして人気女流作家4名を、国のビジット・ジャパン・キャンペーン事業の一環として、山梨県、静岡県と共同しまして招へいいたしました。その後、2011年、本年3月にそれの日本紀行をフォトエッセイとしまして20万部出版し、本県の観光魅力を幅広くアピールしております。また、今週の26日から本日にかけましては、中国国内の一般消費者に発信力と影響力がございますパワーブロガーとそれから有力旅行雑誌のライター、カメラマン4名を招へいいたしまして、これも山梨、静岡、本県3県の観光地をブログや雑誌を通じて発信して、来訪の促進を図る取組を実施しております。

 招へい事業に関しましては、さらにメディア以外にも旅行事業者などの招へいも行っております。観光地を見るばかりでなくて、温泉や食事、ショッピングなどを通じて本県の魅力を体験してもらうことによりまして、旅行商品の造成を行ってもらうよう働き掛けを行っております。今後もメディアや旅行事業者を対象としまして、訴求するターゲットに合わせた効果的な招へい事業を行いまして、観光客の誘客につなげてまいりたいと考えております。

中谷委員

 メディアの招へい事業については理解させていただいたんですが、こうした事業を行った成果、又は費用対効果の検証を県としてどのように把握していく予定なのか、定量的に判断できる指標等を想定していらっしゃれば、それを踏まえてお伺いいたします。

観光課長

 事業の成果だとか費用対効果の検証というのは当然必要なことでございますが、外国人旅行者に関します統計は、JNTOが年間の統計として発表しております外国人旅行者の訪問者数及び訪問率を定量的な指数の判断材料としています。この統計では、都道府県ごとの訪問者数や訪問率は年1回しか結果が発表されない、そういうことがございますので、事業や施策の直接的な効果を即時に把握できない状況にございます。外国人の動向の把握方法といたしましては、国土交通省が行っています宿泊旅行統計調査、これが、四半期ごとの外国人の宿泊数が都道府県別に発表されており、これも参考にしております。

 また、県独自の取組といたしまして、県内の観光客の動向を把握するために、県内の観光事業者を対象としましたアンケート調査を、四半期に1回程度実施しております。このアンケート調査の中では、外国人旅行者の動向に関する項目も設定しており、外国人旅行者の動向の把握に努めているところでございます。今後も、これら国の統計や県のアンケートの内容を踏まえまして、外国人の動向を的確に把握しまして、必要な施策の実施に取り組んでまいりたいと思っています。

 なお、神奈川県観光振興計画におきましては、外国人旅行者の本県への訪問率や訪問数を目標値として設定しておりまして、事業の効果検証の一つとして捉えて、計画の進行管理を行っているところでございます。

中谷委員

 個人旅行客へのプロモーションとして、外国語版の観光ホームページなども行っているとお伺いいたしましたが、モルディブとかタヒチのような観光をメインにしているような国や都市におけるホームページの集客は、想定しやすい、例えば私たちがイタリアのミラノやナポリに行くときに、その都市のホームページを見ていくというよりは、民間で発売されているガイドブックや旅行会社、民間企業で行っている事業のパンフレットを見て渡航することが多いように感じますが、実際のホームページのアクセス数や、それによるコンバージョン率がどのようなものになっているのかお伺いいたします。

観光課長

 旅行者が旅先の情報を入手する手段としましては、例えばガイドブックによるものだとか、ホームページによるものなど様々ございます。県で実施しました平成22年度の外国人観光客実態調査によりますと、入国前の情報手段につきまして、インターネットの利用というのが57.1%と一番多く、次いで旅行会社からの情報が19%、旅行雑誌が16.1%となっておりまして、観光情報収集におきますインターネットの役割は重要なものになっていると考えております。

 神奈川県観光協会が運営します県の外国語版ホームページによる情報提供は、英語、中国語、中国語は繁体字と簡体字の2種類、そして韓国語の4言語で行っておりまして、平成22年度の外国語ホームページの総ページビュー数は、英語が約69万6,000件、中国語の簡体字が20万2,000件、繁体字が45万件、韓国語が24万5,000件、合計159万3,000件となっております。しかしながら、ホームページの目的はあくまでも観光情報の提供ということでございますので、公平、中立性の観点から、直接宿泊施設等への予約ができるようなホームページの作りにはなっておりませんので、御質問がございましたホームページを通じてのコンバージョン率、成約率につきましては、把握はできておりません。

 今後も、本県の魅力を広く海外へ発信し、来訪を促すため、ホームページのコンテンツの充実を図り、更なるアクセス数の向上に向け取り組んでまいります。

中谷委員

 今、お答えいただいたことでお伺いしたいんですが、例えば英語の69万件PVとかというのは、これはすごく多いと感じられているのか、少ないと感じられているのかをお伺いしたいのと、コンバージョン率、成約率というのはすごく大事だと思っていて、中立的な観点からということをおっしゃられたんですが、例えばここにバナー広告を張るようにしたり、誘導してあげることで費用対効果の向上につながっていくのではないかと考えているんですが、その点についてもお伺いいたします。

観光課長

 ホームページのアクセス数で申しますが、先ほど外国語のホームページのアクセス数のお話をしました。日本語のホームページに対するアクセス数は、合計で約658万件となっております。そういったことからしますと、外国語のホームページの合計アクセス数が159万件でございますので、数としては多い数になっているのではないかというふうに感じております。

 それから、バナー広告等の活用については、もちろん有料で掲載するわけですから、検討できる内容だと思いますが、システム全体として予約と連動させていくというようなところまでは考えておりません。

中谷委員

 ちょっと掘り下げて申し訳ないんですが、コンバージョンの話、本当に費用対効果の話にすればすごく大事だと思うんですね。今後の検討課題で結構なんですが、それがマッチングするような補助制度を考えられていくようなことはないのかお伺いしたいんです。

観光課長

 ホームページの目的が、そもそも情報の提供ということを主眼に作っておりますので、まず、ホームページの目的をどういうふうに考えていくんだという基本的なところを考えていかなくてはいけないということと、現行の中でも、宿泊施設の紹介をするときに具体的な施設のURLなどが表示されておれば、直接そちらの施設の方に入っていくことができるわけですから、システムをどういうふうに構築するかという問題にありますが、直接各施設のホームページにアクセスしていくというようなことも検討できると思います。

 ただ、県が運営しているホームページということでありますので、個々の取引の中でトラブル等が起こった場合をどういうふうに解決していくか、そういうことも念頭に置いてシステムの構築は考えていかなくてはいけないのではないかというふうに考えております。

中谷委員

 そういった外国人観光客の集客の全般的な観点を踏まえてなんですが、より観光事業に力を入れていかなければならない本年の予算額が、平成21年度2億1,946万円、平成22年度予算額1億5,555万円に対して1億3,768万円と、補正額を含めても前年よりも少額であることはなぜなのかお伺いいたします。また、より充実した施策を行うためには予算の確保を行うことが必要であると考えますが、その点についての御所見もお伺いします。

観光課長

 観光課に限らず、県の全ての事業予算については、厳しい財政状況の中で、事業の目的や予想されます効果、県が行うことが適切であるかなど、様々な観点から厳しく精査した上で予算化されているものと承知しております。

 近年、観光課の予算は、今御指摘がございましたように減少しておりますが、一方で平成21年度以降は可能な限り国の雇用基金を使いまして、緊急雇用基金、ふるさと基金の活用が期待できる事業につきましては、その事業内容を精査した上で活用を進めているところでございます。また、今年度は東日本大震災の影響によりまして大きく観光客が減少したことを踏まえ、6月の補正予算では、宿泊客の回復に向けたキャンペーンの予算を計上させていただきました。また、今回の9月の補正予算の中では、外国人観光客の回復に向けたプロモーション強化のための予算を提案するなど、状況に柔軟に応じた予算の確保に努めているところでございます。今後とも、必要な予算については確保するよう努めてまいりたいというふうに考えております。

中谷委員

 やはり予算の拡充が必要ではないかと考えているんですが、そういった費用対効果の高い集客広告を実現するために、例えば県内において観光産業を営んでいる民間業者に対して、県として観光客誘致の広告宣伝補助金制度などのシステムをつくることができないかということを考えているんですが、その辺について、それが有意義なものかどうか御所見をお伺いしたいんです。

観光課長

 県が観光振興のために広告宣伝を行うには、効果が大きく、また即効性の高いものが必要であることはもちろんでございます。ただし、一方で、公平性だとか中立性にも配慮していかなければならないというふうに考えております。このため、海外への観光情報の発信に当たりましては、市町村との連携によりまして、英語、中国語、韓国語などの外国語パンフレットの作成を行い、先ほど申しました海外の観光展での配布や旅行業者との商談会で活用しております。一方、外国語のホームページにつきましては、県内の市町村や各地の観光協会、そして県内の観光事業者等との幅広いネットワークがございますし、また、神奈川県全県を活動のエリアとしております唯一の公的な団体でございます神奈川県観光協会の委託によって運営しております。

 県内の観光産業を営む広報戦略にたけた民間事業者で、公平性や中立性も確保され、円滑な情報収集と発信ができる企業は、現状では期待できないのではないかと考えておりまして、引き続き県独自や観光協会を通じまして、効率的、効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。

中谷委員

 それでは、要望させていただきたいと思いますが、海外プロモーション強化推進などの全般的な外国人観光客誘致戦略について要望させていただきます。現在の外国人観光客数の低下は、本県においても重要な課題です。効果的かつ即効性のある具体的な施策を実行していくためにも、費用対効果の高い集客戦略を実行していただくことを要望させていただきます。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 次は、県内企業国際化支援事業についてお伺いいたします。

 人口減少社会を迎え国内市場が縮小傾向に向かう中、我が国の産業経済を維持していくためには、海外での経済活力を国内に積極的に取り組んでいくことが必要であると考えます。9月の補正予算では、県内企業の海外市場への販路拡大を支援するため130万円が計上されており、この取組の背景にもそうした考えがあると思われますが、それについて何点かお伺いいたします。

 まず、この130万円の経費はPR媒体の作成に充てられるようですが、具体的にはどのようなものを作成するのか、また、どういった業種を重点的に支援していくのかお伺いいたします。

産業立地課長

 はじめに、このたびの補正予算を活用いたしまして作成するPR媒体でございますけれども、優れた技術力を持ち、海外での販路開拓や取引の拡大を期待できる県内中小企業の事業内容、あるいは技術、製品、そういったものを紹介する冊子を作成する予定でございます。この冊子に掲載する企業は、40社程度を現在のところ見込んでおります。

 それから、どういった業種をというお尋ねがございました。対象とする業種でございますけれども、今回につきましては、精密医療機器の製造加工、あるいはシステム開発、製薬の開発ですとか健康食品の製造、あるいは土壌改良の技術といったような広い意味でのバイオテクノロジー関連産業、こういったところに的を絞りまして情報発信を行っていきたいと考えております。

中谷委員

 そういった冊子を作った結果、どのような成果があったのかお伺いしたいんです。

産業立地課長

 今回、9月補正予算をお認めいただきましたら、バイオ関連産業の冊子を作る予定でございますけれども、これまでも県の方で2回ほど、こういった県内中小企業の技術ですとか製品を紹介する外国語版の冊子を作った経緯がございます。

 まず、1回目が一昨年度でございますけれども、神奈川の優れた先端技術を持つものづくり企業、こちらを紹介する、かながわエクセレントカンパニーと題する冊子を英語版で作りました。それから昨年度でございますけれども、県内の食品製造加工販売業、そういった食品関連の産業を英語で紹介する冊子も作っております。

 その成果でございますけれども、かながわエクセレントカンパニー、ものづくり企業を紹介する冊子に関しましては、タイですとかドイツ、こちらの方で開催されました見本市の方で配布いたしまして、掲載企業のうち5社に関して、複数の外国企業との商談が実現したといった報告を受けております。それから、食品関連企業を紹介した冊子でございますけれども、今年の1月にアメリカのサンフランシスコで総合的な食品の見本市がございました。こちらの方でこの冊子でPRさせていただいたところ、掲載されている企業のうち高級な日本茶を製造販売する企業がございまして、そちらが現地のレストランとの取引を、これを契機に開始したといった報告がございます。

 さらに今年5月、イギリスのロンドンで神奈川県産の加工食品の試食販売を行う神奈川県フェアといったものを開催いたしました。こちらの場でもPRさせていただきまして、評判は良かったんですが、御案内のとおり、福島第一原子力発電所の事故の影響で、日本食品の輸入規制といったものが続いております。最近、大分緩和されましたけれども、まだやはり日本の中小企業としてみれば、外国への輸出というのはハードルが高いといった状況で、なかなか順調に進んでいないというのが実情です。

中谷委員

 県内中小企業の国際化支援という観点で、PR冊子の作成の他にどのような取組を行っているのかお伺いしたいんですが、また、外国語版のホームページの作成支援を行っていくということですが、どの程度の成果を予測されているのかお伺いいたします。

産業立地課長

 県内企業の国際化に向けたPR冊子の作成以外の取組ということでございますけれども、まず、海外への販路拡大に関して様々な情報提供や事例紹介を行うセミナー等を開催したいと思っております。具体的には、その第一弾といたしまして、来週になりますけれども、10月6日に横浜で中小企業の国際化応援セミナーといったセミナーを開催することとしております。ここでは、先ほども申し上げました、海外に実際に事業展開を行っている県内中小企業の事例報告なども行っていただく予定でございます。また、今後、海外から企業ミッションが来県する機会などを捉えまして、現地の産業の状況ですとか現地の経済事情、そういったものを紹介するセミナー、あるいは県内企業との交流会なども開催していきたいと考えております。

 それから、委員から今お話のありましたホームページの作成でございます。こちらにつきましては、国の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して実施するものでございまして、先ほどお話しした県内企業国際化支援プラットフォーム、こちらを構成する市町村や経済関係機関からの推薦に基づいて、英語あるいは中国語のホームページを作ってみたいといった企業を募集させていただきます。そうした企業に対しまして、その原稿を作成する支援を行う、それから講習会を開いて実際にホームページとしてアップしたり、あるいは情報を更新したりするといった作業の指導を行うといったようなことを予定しております。

 その成果でございますけれども、まだ対象となる企業を募集している段階でございますので、ちょっと見えませんけれども、いろいろとお尋ねいただく中では、かなりニーズは高いのではないかというふうに考えております。

中谷委員

 作成していただいたホームページがより効果的なものになるように、SEO対策、宣揚対策といった、アクセス数のアップやそこからつながるコンバージョン率のアップなどが図れるような、IT行動戦略のサポートができればより効果的だと考えますが、御所見をお伺いします。

産業立地課長

 この事業は、国の基金を活用して実施する事業でございまして、団体に委託して実施するものでございます。先ほど申しましたように、この事業では最後にはホームページにアップし、あるいは情報を更新できるような技術的なものも習得してもらおうということで、講習会も開催することとしております。ただ、現時点では、委員御指摘のようなサポート、付随する機能についてまで指導するということは想定しておりませんけれども、この事業を受託している団体の方ともお話しさせていただいておりますが、もし参加する企業の方からそうしたような御要望があれば、柔軟に対応していくといったようなお話もいただいております。

 確かに、アクセス数の増加に向けた工夫というものも、情報発信という観点から大変重要だと考えております。参加される企業の意見も踏まえまして、そうしたノウハウに関する情報提供あるいは指導などにつきまして、私どもも必要があれば受託団体の方に働き掛けを行っていきたい、そういった検討もしていきたいと思っております。

中谷委員

 それでは、県内企業国際化支援事業について要望させていただきます。

 この超円高で県内企業を取り巻く環境はますます厳しさを増していますが、そうした中にあっても新たな市場への進出に果敢にチャレンジする中小企業が少なくないことは、とても頼もしいことだと考えます。市町村や関係機関ともしっかり連携を図りながら、そうした中小企業をきめ細やかにサポートしていただくことと併せて、その成果や効果に関してもきちんと検証し、より費用対効果の高い事業にしていただくことを要望いたします。

 それでは、次に、成長分野におけるベンチャー企業の創業支援についてお伺いいたします。

 不景気によるマーケット機能の縮小から起きている慢性的な経済不安や深刻な雇用不振を根本的に打破するためにも、ベンチャー企業の育成支援やスタートアップ支援を充実させることが重要であると考えます。そういった観点から、神奈川県中小企業活性化推進計画に掲載された創業の促進と経営革新の取組強化を行うための本県におけるベンチャー企業支援について何点かお伺いいたします。

 中小企業活性化推進計画の構想内で、ベンチャー企業の創出・育成が取組の基本方向として位置付けられておりますが、私も、成長分野におけるベンチャー企業の創出促進は、本県経済の成長にとって重要であると考えます。その中で、本県におけるベンチャー企業支援の基本的な考え方とこれまでの具体的な取組、そしてそれに対する効果や反応がどういったものだったのかをお伺いいたします。

産業活性課長

 大変、中小企業を取り巻く環境が厳しい中で、本県経済の持続的な発展のためには、産業競争力の強化を図る必要があります。特に、企業の海外移転などで産業の空洞化などが危惧されている中、新たなベンチャー企業などが次から次へと生まれるということが大変重要であると考えております。そうしたことから、県としても、政策の大きな柱の一つとしましてベンチャー企業の創出・育成というものを位置付けまして、様々な事業に取り組んできております。

 具体的に今年度の事業を御説明させていただきますと、今年度はライフサイエンス、環境といった成長分野の企業、プロジェクトに対して、資金的に一般的に厳しいと言われております創業期に焦点を当てまして、企業化促進事業といたしまして、新たに事業を立ち上げるプロジェクトを県内外から公募いたします。そして一定の評価をした上で、有望なプロジェクトを認定いたしまして、事業化に向けた具体的な支援に、現在、取り組んでいるところでございます。

 その反応や効果というお尋ねでございますが、今年の4月から5月にかけまして募集を行いました。その結果、県内外から合わせて23件の応募がございまして、認定委員会等による評価を経まして、7月の初旬には9件のプロジェクトを、次世代を担う神奈川ベンチャーという形で認定いたしました。そして7月の下旬には、その認定プロジェクトのビジネスプラン発表会を開催いたしました。この発表会には、大手の化粧品会社や外資系の製薬会社、またベンチャーキャピタル、金融機関、大学などの関係者70名以上が参加していただきまして、中には関西の方からわざわざこのために出張で参加された企業の方もいらっしゃるということで、発表会後の名刺交換会も大変盛況でした。そのほか、報道機関の方も取材に来ていただきまして、認定プロジェクトのうち2者が新聞掲載されるなど、報道機関の反応も実際にございました。

中谷委員

 ベンチャー企業の創出・育成に関わる目標は、ベンチャー事業化プロジェクトの支援件数とのことなんですが、具体的にはどのような理由でベンチャー企業の創出・育成の目標として選定されたのか、また、現在までの実績と目標の達成具合についてはどういった状況になっているのかお伺いいたします。

産業活性課長

 目標の設定のまず基本的な考え方を御説明させていただきます。

 神奈川県の中小企業活性化推進計画の目標設定の考え方でございますが、事業を実施した結果、何をどれぐらい行うのか、行ったのかをそのまま目標とする、いわゆるアウトプット指標ではなく、県が実施する事業の成果としまして、それが県民や中小企業、あるいは県経済に及ぼす変化、影響を、いわゆるアウトカム指標として可能な限り用いるということを基本といたしております。

 その中で、ベンチャー企業の創出・育成の目標でございますが、事業の成果としまして望ましい目標としましては、ベンチャー企業がどういう成長を果たしたのかということになるわけでございますけれども、そのベンチャー企業の成長、例えば会社を興したあるいは試作品を作製した、特許を出願したとか、製品化、商品化、事業化したと、様々な成長段階がございます。そのうち何を成果として捉えるかといった点、また、私どもが過去に支援した企業に、その後、アンケート調査といいますか、今はどういう状況ですかと調査しているんですが、なかなか全ての方が返答していただけないという実態もございます。県が支援したベンチャー企業全ての成長段階を客観的に確実に把握できるかといった難しさもございます。そうしたことから、様々検討した結果、現在、実際に県が支援したプロジェクトの数を目標として設定した次第でございます。

 その目標の達成状況でございますが、現行計画では、毎年10件のベンチャー企業の事業化支援を目標としております。現在の計画スタートの平成21年度から今年度までの3年間で目標30件ということになりますが、実績は21件、70%の達成率という状況でございます。

中谷委員

 今、課長から答弁いただいたことをそのまま返すような形になってしまうんですが、神奈川県の中小企業活性化推進計画の改定における主な意見の概要の一文に、前回の商工労働常任委員会の質疑で浦道健一委員から指摘があった、評価指標が集計しやすい指標となってしまうため、評価項目の内容・意味を適切に表現する構造になっているのか疑問が残る、開催件数や取扱件数などを単純に集計した指標ではなく、具体的な就業や起業に結び付いた件数など、成果を表す指標を採用すべきであるという意見が掲載されておりましたが、ベンチャー企業の創出・育成に関わる目標のベンチャー事業化プロジェクトの支援件数は、県の取組実績をそのまま目標として設定されており、正にこの指摘どおりと思われますが、この目標についてどのように考えているのか、また、改善を行うとすれば、どこをどのように改定するべきだと考えているのかお伺いいたします。

産業活性課長

 ベンチャー企業の創出・育成に係る現在の目標でございますが、先ほど触れましたとおり、現在の事業化プロジェクトの支援件数、これが最善であるとは考えておりません。ただ、現状では、他に適当な目標指標がないということで、この目標を設定しているのが実情でございます。

 改善を行うとした場合ということでございますが、先ほど触れたとおり、ベンチャー企業、幾つかの成長段階がございます。また、ベンチャー企業の成長には一定の期間、時間がかかります。特に新産業分野として本県が支援しております分野、ライフサイエンス関係ですと、その製品化や市場化、商品化までに10年から15年かかるというふうに言われております。したがいまして、ベンチャー企業の創出・育成目標の設定、改善ということでございますけれども、先ほど申し上げたアウトカム、成果指標をどういう形で盛り込むのか、これは来年度の計画の策定に向けて、今後、いろいろな関係者の方からも御意見を伺いながら検討してまいりたい、そのように考えております。

中谷委員

 行政がこういったベンチャーの創業支援を行っていくということは非常に重要なことだと考えるんですが、お隣の韓国ソウル市なんですが、行政が様々な創業支援プログラムを運営しております。その一つとして、若年者創業1,000プロジェクトというプログラムを運営しているんですが、その内容は、2009年より毎年1,000名ずつ若年者企業家予備軍を選抜して、創業スペース、創業活動費、創業協力、マーケティング広報などの創業支援を1年365日24時間体制で行い、効果としては、2011年5月31日現在で事業者登録数1,086社、知的財産権取得数1,427件、創出雇用人員6,060名、そして累計売上高905億ウォン、これは2011年9月25日時点のレートで、1円当たり15ウォンで日本円に換算すると約60億円というすばらしい実績を2年間の間に実現しており、本県としても大変参考になる事例ではないかと考えておりますが、このプログラムに対する所管の御意見をお伺いいたします。

産業活性課長

 韓国の事例でございますけれども、韓国は1990年代の後半、金融危機を契機に、それまでのいわゆる財閥系の大企業中心の経済構造からの転換ということで、ベンチャー企業の育成を大変熱心に、特別措置法という法律もつくりまして取り組んでいるというふうに承知しております。

 今、御紹介のありましたソウル市の取組ということは、承知はしておりませんでしたけれども、韓国のベンチャー企業支援は、国だけではなく、そういった自治体レベルでも大変積極的に取り組んでいるのかと、その典型的な事例と成果の御紹介だったのかと、そのように受け止めさせていただきました。

 また、韓国の2010年の経済成長率というのを見ますと、前年比で6.2%増という高成長というふうに聞いております。ソウル市のような自治体レベルでの強力なベンチャー企業支援が、その高成長を支える要素の一つになっているのかと、そのように感じました。

 また、さらに、一般的に日本は創業志向というのか、ベンチャーマインドが他国に比べて低いというふうに言われております。文化的、風土的な背景、地域の産業の状況など、様々な要因があるかと思います。御紹介いただいた情報は、日本におけるベンチャー企業支援を進めていく上で、考えていく上で、大きな参考となるものかと、そのように実感いたしました。

中谷委員

 それでは、ベンチャー企業支援について要望させていただきます。

 内外需の拡大、雇用創出を図れるような経済活性を行うべく、ベンチャー企業の育成支援やスタートアップ支援の充実、また、多様化した産業形態に対応した支援メニューを県として行っていくことが重要であると考えます。例えば、IT戦略などのマーケティングサポートやICT整備、またBCP作成支援を行える体制を構築することが必要です。そのためにも、どのステージでも対応できるフォローアップシステムを構築し、具体的な成果、結果が見える、費用対効果の高いベンチャー企業支援を行っていただくことを要望いたします。

 次に、神奈川県の中小企業活性化推進計画における、若年者に対する就業支援についてお伺いいたします。

 若年層の就業状況は、前年度と比べ、15歳から24歳の完全失業率は減少傾向にあるものの、大学、県内高等学校卒業者の内定率は過去4年間の間では最低を記録するなど、引き続き厳しい状況が続くことが懸念されています。この現状を改善するためには、地域企業と人材との不一致現象、いわゆるミスマッチを解消することや、産業構造の変化に伴った職業訓練プログラムを運営するなど、具体的かつ費用対効果の高い若年者の就業支援を行い、職業能力開発を充実させるとともに、職業的技術支援を図ることが重要であると考えております。そういった観点を踏まえて、若年者に対する就業支援について何点かお伺いいたします。

 若年者に対する就業支援は、国のハローワークと県との役割分担の中で取組を進めていっていると理解しておりますが、これまで県はどのような取組を進めてきたのかお伺いいたします。また、各事業においてどういった広報を行っているのかお伺いいたします。

雇用対策課長

 まず、役割というお話がありました。雇用対策法という法律があるんですけれども、その法律におきましては、国が雇用に関し、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講ずることによって完全雇用の達成に資するというふうに規定されております。また、その同じ法律の中で、地方自治体については、地方自治体は国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ雇用に関する必要な施策を講ずるように努めるとの努力義務が課されております。

 本県では、こうした役割分担を踏まえまして、地域の実情ですとか、求職者の個別の状況に応じたきめ細かな対応、取組ということをキーワードにいたしまして、これまで若年者の就業支援に取り組んでまいりました。具体的には、若年者の就職支援の拠点といたしまして、横浜駅西口にあります横浜STビルの中に、かながわ若者就職支援センターという機関を設置いたしまして、就職に関する様々な相談に応じるキャリアカウンセリングを行うとともに、就職活動支援セミナーですとか、利用者のニーズに合わせた就業支援を展開してまいっております。また、昨今、厳しい雇用情勢が続いておりますので、そういったことに対応いたしまして、企業と若者との出会いの場、そういった場の拡大を図るために、若年者の合同就職面接会、そういったものを開催してきております。

 また、こういったセンターですとか面接会をどういうふうに広報しているかと申しますと、共通して実施しておりますのは、県のホームページへの掲載、県のたよりへの掲載、市町村やハローワーク、大学等へのパンフレットやチラシの配布は基本的にやっております。また、就職支援センターにつきましては、無料配布の情報誌というのがよく配られていますが、そういったものを活用したり、面接会等については、新聞広告ですとか駅へのポスター掲載、またコンビニ、あと就職サイトがよくございますが、そういったところへの掲載、いろいろなできる限りの広報媒体を活用いたしまして、少しでも若者の目にとまるように取り組んでいるところでございます。

中谷委員

 今、神奈川県若年者合同就職面接会ということを言われたんですけれども、私もそういった事業をやっているんだなということで、就業訓練プログラムをインターネットで調べようとしたんです。いろいろ調べようとしたところ、例えば就職力アップセミナーとか、様々やられていると思うんですけれども、名前を本当にそのまま入れないと全く引っ掛かってこないんです。例えば神奈川就職とか、横浜就職だと全然上がってこなくて、知っている私が探すのにも相当苦労した経緯があったものですから、そういったところの工夫をもうちょっとされていったらいいと思ったんですが、それについてお伺いしたいのと、あと、若者たちが見るものですから、例えばフェイスブックとかツイッターとか、そういったSNS全般的なものを踏まえて活用していくことが有効的かと思っているんですが、それについてはいかがでしょうか。

雇用対策課長

 委員のおっしゃるとおり、今、インターネットが非常に発達していますので、媒体としてはいろいろな形、例えば今のインターネットのキーワードの関係ですとか、そういうのは研究というか、引っ掛かりやすいように、今後ともPRの方法としては検討させていただきたいと思います。あと、フェイスブック等は、私、個人的には余り詳しくないんですが、そういった新しい媒体についても研究させてください。前向きに検討させていただきたいと思います。

中谷委員

 神奈川県の若年者合同就職面接会について更にお伺いしたいんですが、目的と内容について、これまでの実績も踏まえてお伺いしたいんですが、面接会の参加者の評価についてアンケートをとられているということだったんですが、その結果はどういったものになっていらっしゃるのか、また、後の事業実施にどのように反映させていこうと考えられているのかお伺いいたします。

雇用対策課長

 神奈川県若年者合同就職面接会は、新規学卒者を含む30歳代までの若年者を対象といたしまして、企業と若者のマッチング機会を提供することによって、1人でも多くの若者の就職に結び付けていくということを目的としております。内容といたしましては、面接会ですので、1回の面接会に約50社程度の企業が出展いたしまして、若者と面接いたします。また、同時に会場内には、そのとき初めて面接会に来た人たちのために就職相談コーナーを設けましたり、また、技術訓練、そういったものを受けたいというふうに思ったときに相談できるコーナーですとか、面接会場の面接だけでなくいろいろなコーナーを設けまして、来場した若者に対しまして、就業に向けた相談ですとか情報提供も行っておるところです。

 さらに、その面接会の直前なんですが、求職者のコミュニケーション能力の向上ですとか面接対策など、実践的な内容のセミナーを開催しております。また、こうしたことによってマッチング率の向上を目指すということと、面接会を契機に、面接を受けて、二次、三次というふうに面接に進まれる方もいらっしゃいますので、そういった方を対象とした相談窓口というのを設置しまして、面接後の二次、三次のフォローアップも行って、内定率の向上に取り組んでいるという状況でございます。

 実績なんですけれども、昨年度、平成22年度は6回面接会を開催いたしました。出展企業が330社でございます。参加者が4,171人、うち、この面接会で内定に至ったという方が270人ございます。今年度も6回予定しているんですが、6月に第1回を実施いたしました。この6月の面接会には企業が54社出展しまして、参加者が506人になりました。そのうち内定に至ったのが25人という状況になっています。

 御質問の次なんですが、参加者に面接会にいらっしゃったときにアンケートをとるんですが、昨年度のアンケートの結果といたしまして、その面接会に満足・やや満足という方を合わせまして約80%でございます。その一方で、不満・やや不満というふうに回答された方々が20%程度いらっしゃいます。どんな理由なのかと申しますと、昨年度の面接会については、面接する前に参加企業のことをもっと知りたかったという御意見ですとか、あらかじめホームページで参加企業を知らせてほしかった、また、希望している業種の参加企業が少なかったというような御意見がありました。

 昨年度のこういったアンケートを踏まえまして、今年度については、面接会開始前に参加企業のプレゼンテーションの時間を設けております。また、会場内に休憩スペースがあるんですが、そこで出展企業のスライドショーを常時上映する。また、面接会の10日ほど前を目途に、専用ホームページを開設いたしまして、参加企業の紹介をいたしております。また、幅広い業種や職種の企業開拓を行う努力も今年度行っております。そうしたことで、参加者の満足度を向上できるような改善に努めておるところでございます。

中谷委員

 そういった取組が行われていることは、本当にすばらしいことだと思っております。職業訓練プログラムの中の就職力アップセミナーを、私も視察に伺わせていただいたんですが、あれを見ても、内容的には私もすばらしいものだと共感させていただいたんですが、それが就職につながってこない現状があるというのは、やはり検討する必要があると思うんですね。その中で私が一番問題だなと思っているのが、中小企業と若年者におけるいわゆる不一致現象、ミスマッチを解消するべく、中小企業と若者とのマッチングについて、何か取り組んでいることがあればお伺いいたします。

雇用対策課長

 まず、若者と中小企業とのマッチングを図るということ、これは非常に大事だと思います。それを目的にしているんですが、出展企業を中小企業だけに絞った業界別面接会というのを開催してございます。業界別面接会におきましては、中小企業の魅力というのを求職者にアピールできるようにちょっとプログラムを工夫させていただいております。具体的には、この業界の面接会に先立ちまして、中小企業の業界の魅力を知って理解していただくためのセミナーを開催して、出展企業への興味を持っていただくということと、あともう1点が、会場において、出展する企業が自社をプレゼンテーションする時間を設けまして、より多くの求職者にPRできるように取り組んでいるところでございます。

 平成22年度の実績でございますけれども、年5回、5業界に絞っておりますので、1回にそれぞれ違う業界を充てまして5回開催いたしまして、出展企業が60社でございました。参加者は362人、採用の内定は30人という結果になってございます。

 次に、その面接会は面接する若者のための取組ですが、またもう一方、若手人材を採用したいんだけれどもノウハウが不足している、また採用に悩みを抱えているという中小企業もいらっしゃいます。そういった企業を対象にした中小企業採用活動支援セミナーというものも実施しております。このセミナーでは、若年者の就職活動の現状を中小企業の皆様にお伝えするということと、あと、それぞれの企業に合った人材選考方法ですとか、採用活動を成功させるポイントにつきまして、全国の成功事例なども交えましてお伝えしているという、そういったこともやっております。

中谷委員

 そういった成果の進捗管理は、目標値に対する達成率を定量的に表示することで可能となりますが、先ほども御紹介させていただいた神奈川県中小企業活性化推進計画の改定における主な意見の概要の一文に記載されている、浦道健一委員の御指摘である、具体的な就業に結び付いた件数など、成果を表す指標を採用すべきであるという意見が、若年者に対する就業支援の分野において具体的にどう反映させているのか、若しくはどのように反映させていこうとしているのかお伺いいたします。

雇用対策課長

 神奈川県中小企業活性化推進計画に位置付けられていますのは、かながわ若者就職支援センターなどの目標数値の設定でございまして、現在の計画については、前回の常任委員会で、利用者の延べ人数というものを今設定させていただいておりますけれども、単純にこういった集計した件数ではなくて、直接的な成果を表すような指標を設定すべきだと御指摘いただいております。今回の改定に当たりましては、例えばセンターを利用した方、県の事業を利用された方の進路を決定する人数ですとか、率ですとか、こちらの方で把握しているデータや情報の中から、実際の就職や職業訓練、そういったものに結び付くような成果指標を検討してまいりたいと思っております。そういう方向で今検討しております。

中谷委員

 どのような事業も、トータルコストと費用対効果の効率性を検証することが重要であると考えますが、例えば神奈川県主催の就職力 UPセミナーにおいて、年間のトータルコストは、人件費プラス事業費又は委託費で算出することができて、それをイベント参加全員数の25で割ることで、単位当たりの経費を計算することが可能であるが、そもそもこういった事業のトータルコストの算出や単位当たりの経費は計算されているのかお伺いいたします。

 また、言い換えれば、これが一体どういう状態になれば費用対効果の高い事業であると言えるのか、良い成果であると言えると考えているのかお伺いします。

雇用対策課長

 1点目でございます。まず、県といたしまして、事業に関与した職員の人件費まで含めた事業ごとのトータルコストや単位当たりの経費、そういったものの積算というのはしておりませんけれども、事業の展開に当たりましてコスト意識を持つということは非常に大事なことだというふうに思っております。

 あともう1点なんですが、就職力UPセミナーについてでございます。私どもの理想といたしましては、1人でも多くの若い求職者の方に就職していただきたいという思いでこの事業をやっておりますので、セミナーの受講者全員が正社員として企業に就職することができれば、これ以上の成果はないというふうに考えております。しかし、現実の話としては、こうしたセミナーを通じまして自分を見詰め直すということと、あと、自分に合った業種や業界というものに対して自信を持って就職活動ができるような状態になるということが目標とする成果であるというふうに、今の段階では考えているところでございます。

 いずれの事業におきましても、費用対効果ということを念頭に進めていくことが大事だということはもちろん考えておりますので、今後とも引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。

中谷委員

 それでは、要望させていただきます。

 リーマンショック以降、雇用情勢は大変厳しい状況に置かれている中、若年者の完全失業率は非常に高くなっており、早急に対策を講じていかなければならない問題です。雇用情勢が厳しいというと、あたかも企業からの求人がなくなってしまったかのような印象を与えますが、平成23年3月時点における高等学校卒業者の求人倍率は全国で1.24倍、本県では1.55倍と、前年度に比べて低下しているものの、卒業者を上回る求人が寄せられており、企業側から見れば、採用したくても採用できない企業も多数存在することになります。県としては、こうしたミスマッチを解消していくために、指標が明確でより良い成果が出るような就業支援を行い、1人でも多くの方に就職してもらえるよう、積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。また、事業実施に当たっては、トータルコストを算出し、最小限の投資で最大限の効果を得られるような費用対効果の高いものが構築できるように、今以上にいろいろな工夫やアイデアを出し合ってブラッシュアップし、成果、結果が目に見える、他の自治体からお手本にされるような事業の実施方法を実現していただくよう要望いたします。

かとう(正)委員

 前定例会以降に頂いた報告と資料、また委員会視察や9月委員会の提出資料などの内容について、順次質問や意見、要望をさせていただきたいと思います。

 今、円高やユーロ圏の状況や東日本大震災の影響等々で、国内も県内も共に厳しい経済情勢が続いております。大企業以上に、特に中小零細企業や商店への深刻な影響はまだまだ心配です。そこで、まず中小企業支援策全般について幾つかお尋ねいたします。

 まず、中小企業制度融資支援を長年来、これは全国的に各自治体でやっておりますけれども、いただいた資料の中でも、約7割がその中でも緊急融資です。今回ですと、景気対策特別融資や震災復興融資、激甚災害特別融資、緊急的な融資が約7割ございます。どうしても経済情勢が厳しい中ですから、このような厳しさがあるのは致し方ないと思います。そこには、保証料のことや融資の利率の補助も含めて、県費が、かなり金額は長年来出ていますので、良いものにどんどんなっていかなければいけませんけれども、このケースで、緊急融資を受けたけれども再生が難しくなってしまって結果的には倒産してしまったようなケースや、要は融資を実行した後の、その後の実態把握を、今までどのような把握の方法で取り組まれてきたのかということと、今後、そういった企業の融資後、支援後の実態把握についてどのように考えていらっしゃるかを教えてください。

金融課長

 制度融資の効果ということになるかと思うんですが、個別の中小企業者の結果といいましょうか、情報につきましては、私どもの方では把握はしておりませんし、また保有もしていないということでございます。そういう意味では、今回のセーフティ関係の融資、これだけの全体の中で70%という比率を占める融資の結果をどのように把握しているかということであれば、トータルで見ますと、デフォルト率といいましょうか、その中で代位弁済が行われた状況、そういうところで結果を見ているということになります。

 そのようなことでいきますと、実はこれもそのまま制度融資だけで効果があったかどうかというのもなかなか難しいところでございますけれども、例えば、ここ数年間のデフォルト率、代位弁済率というのを申し上げますと、平成19年、これはリーマンショック前ということで、制度融資全体で申し上げさせていただきますと、2.82の代位弁済率、デフォルト率、それが、平成20年が4.33、平成21年が4.25、平成22年、昨年ですが2.84ということになってございます。

 この傾向から見ますと、我々としては、やはりリーマンショックの後、デフォルト率は高くなっている。そういう中で、あらゆる政策的な支援のメニューをつくってきたわけですが、平成22年には若干落ちている。そういう意味では、政策的な効果があったのかという部分も少しあると感じております。制度融資の効果、それと併せて、実は平成22年度につきましては、平成21年12月に中小企業金融円滑化法という、亀井大臣のときに中小企業に返済猶予を積極的に金融機関は行いなさいという法ができましたので、それによって、県内で申し上げれば、その平成21年12月から今年の3月までということであれば、県内の金融機関が実施した実績を申し上げると、1兆を超える額が、実際は返済猶予を1兆7,000億程度が実行されているわけです。これを見ますと、返済猶予によって今救われているという企業もあると思っています。

 いずれにしましても、我々としては、制度融資、個別企業だけでデフォルトしているのか、あるいは別の事由で事業継続できているのか、そういうものはもろもろありますが、トータルとしては代位弁済率、デフォルト率で把握しているということになります。

 それから、個別の状況で把握しているという定性的な意味で申し上げれば、我々は日頃から金融機関あるいは保証協会、それから地域の相談機関である商工会議所、商工会、と意見交換して、定性的な内容では、中小企業の状況を制度融資等の効果との関係では緊密にしているということでございます。

 それと、今後のそういう把握の仕方ということでございますが、これは、我々は中小企業全般の確認ということしかできないところでありますので、ここはデフォルト率をやはりしっかりと見ていく、そういう中でどういう対応をしていったらいいのか、あるいは成果が出ているのか、そこを把握していきたいと思っております。

 それから、個別の把握では、実は金融機関にモニタリング、コンサルティング機能というのが、ここのところより強く求められております。これにつきましては、金融円滑化法が来年3月で切れる、そういうところを踏まえまして強く、金融庁の方の監督指針等にも出ておりますが、この一環としまして、県の制度融資のセーフティネット保証の関係につきましては、各金融機関に、これは保証協会を通じて管理するものですが、金融機関に、1,250万円以上の案件については6箇月に一度、半期に一度、モニタリング結果をペーパーで報告せよと、そういう仕組みが新たに導入されております。そういう案件では、保証協会を通じてではございますが、個別の状況も把握しながら、全体動向を我々としては把握している、そういうやり方で対応していこうというふうに考えているところです。

かとう(正)委員

 課長のおっしゃるように、デフォルト率などで見ていく。状況は簡単には、金融機関の守秘義務の問題もありますから、かなわないと思いますけれども、この点については、引き続き県の制度として取り組んだものですので、見守っていただきたい、フォロー、見守りの方法にまたお知恵を出していただければと思います。

 あと、融資に関して、現時点では幾つか融資制度がありますし、今回も太陽光パネル、ソーラーに関する融資なども出ていますけれども、様々な要因でより景気が悪化した場合には、緊急融資が来年も再来年も必要になると思うんですが、早めに察知していただいて、融資制度の設定なども今まで以上に前倒しに考えていただけるように、是非お願いしたいと思います。

 中小企業者の資金調達に関する緊急調査報告書に、県でこういう金融支援制度があるということの認知状況のアンケート、先ほど局長からも御説明いただきましたけれども、長年来こういう制度融資をやっているんですけれども、まだ3割近くはそういう制度があるということを知らないという方もいらっしゃるんですね。ですから、知らないという方を減らす、ほぼ認知度は目指せ100%というふうになるようなやり方というか、認知度向上の仕方、金融機関を中心に広げていくしかないと思うんですが、何か考えていらっしゃることがあれば教えてください。

金融課長

 今回の緊急調査の結果として、3割程度、まだ制度融資を御存じないという方がいたという結果でございますが、これにつきましては、私どもも周知につきましては、金融機関がやはり一番の認知媒体でございますので、ここにしっかりと力を入れていく、そういうことを今まで実施してきております。迅速な制度融資の説明会を含めまして、最近では、金融機関が取引先の中小企業向けのセミナーを開催したりすることがございます。そういうところへ我々が制度融資の説明に、出前講座のような形で、直接そういう事業者と会って説明していく、そういう場もつくっているところでございます。

 また、2番目に大きい認知媒体としては、商工会、商工会議所ということで出ておりますけれども、ここにつきましても、県の組織との関係も、中小企業支援体制というところの見直しを昨年から行っておりまして、商工会議所、商工会につきましては、県のもろもろの相談の第一線のところで対応していただく、そういう仕組みに変わってきております。もちろん、金融相談についても第一線のところで、第一次相談という形で対応していただいておりますので、今年につきましては、商工会議所と連携する会議、情報交換会を開いたりしておりますので、そういうところで更に周知をお願いしている、そういうことも考えております。

 それから、先ほどの認知率が低いというところが、30%近くある、ここの分析をいたしますと、調査結果のこの組織分析をいたしますと、実は従業員数でいきますと5名以下、ここのところが知らない方の60%近くを占めている。小規模零細と言われる20名以下のところで申しますと、知らない方の86%が小規模零細と言われる方のところに偏っております。そういうことから、小規模零細企業の場合は情報の収集チャンネルが少ないということが考えられるところでありますので、我々としては、従前から取り組んでおりますが、税理士会、会計事務所、そういうところからの周知のお願いを強化していく。神奈川県ですと、東京地方税理士会という、そこの会員に個別に周知していく。あるいは、ここにおいても会員向けの説明会を開催しておるときには、出前講座という形で今年も出ておりますので、そういうものも強化して更に周知を強めていきたいというふうに考えております。

かとう(正)委員

 知っていて積極的にいろいろな方からの勧めがある、これを利用することによって何か光が見えてくるというケースも多々あろうかと思いますので、今、課長がおっしゃっていただいた点、どうかよろしくお願いいたします。

 次に、制度融資というのは、特に緊急融資に関しては、得てして一時の問題解決ですよね。要は緊急赤字補填資金、赤字運転資金という形にならざるを得ませんので、結果的には借金を借金で返すという形、自転車操業にならざるを得ないケースというのはもちろん多々ございます。自転車操業になる形の支援がずっと続いても、中長期的な問題解決にはなりにくいと思うんですけれども、その中で、今日も何回かお話が出ていましたが、私もとても重要な取組だと思っておりますのが、融資の支援ではなくて、投資の方の支援です。中小企業再生ファンド、こちらも強く関心もありましたので、7月26日のキックオフの会議に参加させていただきました。民間では、ベンチャーキャピタルの企業が特に特許を取得したような企業に対して投資して、結果的に上場させて、上場利益で収益を取るというベンチャーキャピタルの手法ですけれども、こちらの場合、この企業は再生できるのではないかというところを見つけ出して、ファンドとして再生させるというものですから、とても重要な取組かと思います。こちらについて、9月26日に中間の報告がおありになるということでしたので、現時点の進捗状況をもう一度教えていただけますでしょうか。

金融課長

 1回目の設立準備会につきましては8月8日、それから2回目につきましては先週の9月26日でございます。現在の進捗状況ということでございますが、先ほどもお答えしたところでありますが、我々の今回のスケジュールの中では、まず地元の合意形成ということでございます。その次に中小企業基盤整備機構の出資を拡大していく、その上での組合契約を結ぶという形になりますが、取組の一つとしては、出資金のところでございます。こちらの進捗状況につきましては、9月26日現在で申しますと、出資金当初目標額が20億以上ということでしたが、現在のところ20億を超えたところで、皆さん一応の、仮ではございますが合意をされていただいているということでございます。

 それから、次に残っているところは組成手続のところでございます。組成手続の方の進捗につきましては、まず組成計画というものをつくらなければなりません。投資方針、あるいは投資収益率とか、運営会社の管理方針をどのように決めるかとか、出向職員をどういうふうに取り扱うか、そういうもろもろの計画書を作る、そういう段階に今入っております。9月26日につきましては、一定の組成計画表を案としてまとめまして、参加意欲のある各金融機関等と御同意できるかどうか、説明も、9月いっぱいということですので今週いっぱいになるんですが、御同意のお返事をお待ちしている。お待ちして御同意があれば、中小企業基盤整備機構との交渉が中心になります。基盤整備機構の方には、提案書という形で神奈川県のこういうファンドをこういう計画書の下に作るということで提出させていただく。おおむね1箇月以上はかかりますが、そこで向こうの審査、あるいは運営会社の現地調査、そういうものをもろもろ受けた後、最終的に中小企業再生ファンドが設立という形になりますので、現時点では、地元の方のところはほぼ固まっているというところで、今後は残りの半分を出資いただく基盤整備機構との手続に入るというところであります。

かとう(正)委員

 先ほどのお話でも、産業振興センターも出資者の一つになるわけですから、県から県費として運営などにつきましては振興センターにも振っていますので、見方を変えれば、間接的に県も応援しているという意味合いもあるのかと思います。それは、私はとても意味があると思っておりますので、先ほどのお話ですと、金融機関へのヒアリング、需要調査で、三十数件で約260億の可能性というのがおありになったようですので、これはまだ拡大していく可能性も十分あるでしょうし、需要としては大きくなる可能性があると思います。

 こちらについて1点お願いなんですけれども、これでどの企業を応援する形に設定するかという、審査の客観性や公平、公正性に関して、こちらが今後の課題としては特に重要かと思いますので、その点を特に御留意いただければと思います。

 次の質問ですが、それ以外の中小企業支援策として、いろいろな種類がございます。特に事業継承や後継者がいないケースでは、経営者が高齢になられてしまって跡継ぎがいない。その場合は、誰が事業を引き継ぐか、若しくは事業を譲渡することが可能かどうか、そうでなければ、会社を畳んでしまうしかないということになってしまいますけれども、それ以外の、今申し上げたような事業継承に関して事業を譲渡する場合にこういった方法がありますよというようなことを教えてあげたりということは、今現在、取組としてございますでしょうか。

産業活性課長

 中小企業の事業承継の関係の支援体制ということでございますが、平成20年に国がいわゆる経営承継円滑化法という法律をつくりまして、以降、全国的な支援体制が整備されてきております。現状でございますが、一般的な御相談ですと、神奈川産業振興センターやあるいは地域の商工会、商工会議所でお受けしまして、適切なアドバイスをいたします。また、専門的なアドバイスが必要な事案ですと、今年度の事業として、国が、関東経済産業局が専門アドバイザーを派遣する事業を実施しておりまして、事案に応じて専門知識、経験のある、例えば税理士とか、銀行のOB、診断士等の専門家を派遣する、そういった取組で中小企業の支援をしております。

 また、この7月から産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法が改正されまして、全国の中小企業の再生支援協議会、本県ですと神奈川産業振興センターがその運営を行っておりますが、再生支援協議会の業務の一つに事業の引継ぎの支援業務が加わりまして、7月から事業引継ぎ相談窓口を設置しております。この窓口では、中小企業の方の例えば事業の引継ぎ、再生、廃業するにはどうしたらいいかとか、事業を譲渡するにはどうしたらいいかといった相談をお受けしましてアドバイスを行います。また、仕組みとしまして、そのうち事業の引継ぎ、これはM&Aといったものも入りまして、専門的な知識・経験が必要ですので、事業の引継ぎにつきましては、東京に設置されることとなっておりますが、事業引継ぎ支援センター、これは関東一円を受け持つセンターですが、ここに経験のある専門家が配置されまして、具体的な事業の手続や引継ぎの手続等について支援する、そういう仕組みになっております。

かとう(正)委員

 それ以外のいろいろな企業のニーズとして、販路拡大をサポートしてほしいというのもございますけれども、そのお話も先ほど伺ってまいりました。事業継承、事業譲渡のこと、あと販路拡大、この辺は特に融資や投資に関するニーズ以外でとても多いところかと思いますけれども、この辺のことを主に中心的に進めているのは、産業振興センターかと思います。企業に訪問されたりしているとお聞きしていますけれども、それ以外の支援策として、今、振興センターの方で企業を訪問されたりして、またヒアリングされているようなことが、もし今お分かりになれば教えていただけますでしょうか。

産業活性課長

 産業振興センターが販路拡大支援を行っておりますが、今、御指摘のあった専門の方が企業を直接訪問して必要なアドバイスを行う事業のほか、受発注商談会、地域の支援機関と連携して受注側と発注側が一堂に会する商談会も開催しております。その他、データベース、受発注情報システムというものを設けておりまして、発注企業のニーズに対応した、受注企業情報を登録しましてインターネット上で提供する、そういうシステムも運用しているところでございます。

かとう(正)委員

 様々なサポートを、公側がサポートしたらいいのではないかということもありますけれども、その中で最近の資料で特に重要だと思っている点で1点要望したいんですけれども、下請取引の適正化に向けた緊急要請がありまして、これは9月26日に文書が送付されていると。特に、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法というものですけれども、この11月に産業技術センターの方で説明会をされるということですので、こちらの法律に関して余りまだ詳しく御存じではないという方が、私が知る限りでも多いので、このときに参加された企業はいいとしても、参加されなかった企業には、直接何かの形でアプローチ、そのときの資料を送って差し上げるというだけでも非常に意味があることかと思いますので、今の情勢で重要な取組として、下請法緊急セミナーに関することを多くの方にお伝えいただきたいと思います。これは要望です。

 あとは、中小企業活性化推進計画についても幾つか申し上げようと思ったんですが、先ほど来いろいろとお話をお聞かせいただきましたので、こちらは割愛いたしますが、来年の春、平成24年度から26年度に向けての次の改定ということになっていることですので、この点ももうお聞きできたので、1点お願いですけれども、状況は、今年、来年もかなり震災の影響もそうなんですが、かなりのスピードで変化する可能性が高いですので、より具体的で現実的な計画立案をお願いしたいと思います。

 次の質問として、産業技術センターでの取組に関して幾つかお聞きしたいと思うんですけれども、産業技術センターを利用されている企業の中で、産業技術センターでどういうサポートをしているかという認知度を高めるということが特に重要かと思います。ニーズとしては、そういう公的な支援があれば受けてみたいというところはまだまだ多いかと思います。こちらの認知度を高めていくということに関して、今取り組まれていることがあれば教えてください。

産業技術課長

 産業技術センターにおける支援活動の認知度をどのように上げるかということで、今現在どのように取り組んでいるかというお尋ねでございました。

 産業技術センターでは、広く中小企業に業務を理解してもらいまして利用してもらえるようにということは、正しく最も優先順位の高いことかと思います。どのようにかと申し上げますと、ホームページを設けているほかに、登録者にメールマガジンを送信いたしまして、事業の周知を図っております。それ以外の取組としては、毎年4月に行っております設備公開、それから秋には神奈川県ものづくり技術交流会といったようなものも開催させていただいておりまして、産業技術センターで行っております支援業務、それから事業、そうしたものを知っていただけるように取り組んでおります。また、そういった取組自体を県のたよりの方に掲載いたしまして、設備公開や技術交流会をお知らせし、御参加いただけるように周知を図っているところでございます。それ以外にも、夏には、小学生を中心としておりますけれども、地域住民の周知というふうなことで、体験型の行事としてかながわサイエンスサマー、夏休みおもしろ科学体験、こういうふうなことも実施させていただいておるところでございます。

 今申し上げましたことは不特定多数の方々への広報ということでございますけれども、それ以外に、個別企業にもアプローチしなければいけないだろうというふうに考えておりまして、商工会をはじめといたします地域の支援機関と連携させていただきまして、技術的な課題を抱えております企業を拾い出しまして、訪問して相談に対応する、出前相談というふうに申しておりますが、これを実施しております。昨年度は238社について実施いたしまして、産業技術センターを利用したことのない企業、それから昔はちょっと利用したんだけれどもというふうなことで、しばらく利用のない企業に対しまして、ここを利用した企業の成功事例集、これを作っておりまして、そういったものを用いながら事業のPRをさせていただいているというところでございます。昨年度、先ほど238社について実施しましたというふうに申し上げましたが、このうち100社が産業技術センターをこれまで利用したことのない企業ということでございました。

 企業の情報を詳細に把握しております地域の金融機関に対しましても訪問させていただきまして、企業が金融機関を利用される折に是非周知してほしい、また、金融機関自身が企業の方に出向くことも多々あろうかと思いますので、そういうときには是非産業技術センターの活用をPRしてほしいというふうなことで、他人のふんどしというふうなこともあろうかとは思いますが、様々なチャンネルを使ってPRしていこうというふうに取り組んでいるところでございます。

かとう(正)委員

 その系列である工芸技術所は、最近、あそこを使っていらっしゃる企業の数としては10社ですね。木工を中心とした会社ですからなかなか数が増えないというのは致し方ないと思いますので、今後、工芸技術所の場所と役割とか、今、産業技術センターと一緒にどのような取組をしたらいいのかということなどなども含めて、また是非御検討いただければと思います。

 続きまして、中小企業参加型共同研究開発促進事業費が今回の補正予算でも出ております。オープンラボと呼ばれているものが、産業技術センターで中小企業と大企業の連携の可能性評価をされるということでした。企業同士は競争相手であるというような要因ですとか、企業がこういったものを今開発中であるというようなことは表に出しにくいというところは、課長の方からも先ほどございましたけれども、今までの産業技術センターのケースとしては、センターと大企業との共同研究によって特許が取得されて、その持分を決めて収益を得るというようなケースもありましたが、大企業と中小企業の中で相互利益、共通利益や相互メリット、例えば、最終的に特許になった場合にその持分をどうするかというようなことに関して、難しい問題も発生する可能性はあるのかと思うんですけれども、その辺に関して、県、産業技術センターとして、オープンラボを進めるに当たってどのように考えていらっしゃるか教えてください。

産業技術課長

 特許の問題は、非常に大切なことであるというふうに考えております。実際に私どもが今回提案させていただいております事業につきましては、大企業と中小企業が共同研究を実施することが、そこにつなげることができるかどうかということの可能性の評価ということを実施する事業でございます。可能性評価で、見込みをここで付けるというふうなことでございますので、研究開発そのものではないということでございまして、特許の発生する可能性は小さいというふうに考えております。ただし、特許の発生が見込まれる場合には、当然のことながら、その関係者で取扱いにつきまして協議し、契約を結ぶこととなってまいりますけれども、知的財産権の専門家のアドバイスを受けながら進めていかなければいけないというふうに考えております。

 ただ、この事業の後に、実際に今度は中小企業と大企業の共同研究の可能性が高くなったということで、共同研究に進もうというふうなことになったとき、産業技術センターは大企業と中小企業をコーディネートするというつもりでおりますので、当然、今、委員御指摘のように、特許が発生する可能性は非常に高くなってまいります。その段階におきましては、当然事前にそういったところの取決めをいたさないといけませんので、そういった契約の取扱いなどにつきまして、知的財産権に係る中小企業の支援機関がございます。例えば一般社団法人の神奈川県発明協会でありますとか、あるいは科学技術アカデミーでありますとかがございますので、そういうところと連携をとりながら、産業技術センターが中小企業の相談に応じて対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

かとう(正)委員

 今、課長がおっしゃっていただいた取組をよろしくお願いいたします。

 あとは、雇用関係も幾つかお聞きしたかったんですけれども、また別な機会にそちらの方はさせていただきたいと思いますが、全般的なことに関して、局長のお考えをお聞きできればと思うところがあります。

 このように皆さんが熱心に、また緻密に検討した様々な計画がございます。これは全部しっかりとできれば本当に良いのにと思うんですけれども、何分知事もお認めになられているように、財政も厳しい、経済も厳しい、税収も厳しい、特に浮き沈みがしてしまう法人二税に関して動きがございますので、商工労働部局もそうですが、全庁的に、知事がおっしゃるように選択と集中、また優先度合いをどのように決めていくかなんていうことを、今後、特にこの秋から年明けにかけて、平成24年度の本予算の策定に入っていくわけですから、その際に、商工労働部局として今すぐやらなければいけないこと、成果が出てからやること、あとは最終的には財政健全化も済んで余裕ができたらばやるようなこと、いわゆる政策の項目仕分けみたいなことをこれからは全庁的に余儀なくされるのではないかと思うんですけれども、その点について、これから平成24年度に向けて、今、作業が既に少しずつ始まっているのかと思いますが、局長としてのお考えを教えてください。

商工労働局長

 財政環境につきましては、私どもはもちろんですが、どなたも非常に厳しい。今後、良くなるということもなかなか難しい、厳しい環境が続くだろうというふうに思っております。

 ただ、私ども商工労働行政の中小企業支援、産業振興、労働者支援、こういう重要なミッション、これはしっかりやっていかなければいけない、こういう二つ、なかなか成り難いものを成り立たせなければいけないという中で、私は、選択と集中、あるいはより効率的、効果的な事業執行というのが必要になってくるだろうと思います。

 当然のことながら、一つの事業のこの意味は何か、効率性あるいは実効性というのを一つ一つやるのはもちろんでございますが、私は、3点ばかり少し考えておりますが、一つは、今の答弁の中でもいろいろ出てきましたが、まず、行政対象の中小企業、労働者の方が一体今現在どういう状況にあるのかを正確に把握して、それを反映する、これを徹底して、いろいろな調査をやりましたというような答弁をさせていただきました。それが現れていたと思いますが、要するにニーズにぴったり合ったものをやる、これが一つ。

 もう一つは、役割分担になりますが、商工労働行政、中小企業支援、労働者支援、様々国・県・市・関係機関がやっております。そういった中で、役割分担をしっかり互いに持っていくというのが必要かと思っております。県は何をやるべきなのか、市町村は何をやるべきなのか、民間企業は何をやるべきなのか、そういったものをしっかり持つということが必要だと思いますので、そういうものを県として考え方をしっかりと持つ、それを事業に反映させていくというのが一つ。

 そう言いつつ、ちゃんと独立して役割を持った機関が連携する、これが大事だというふうに思っておりまして、そういうことを通じまして、予算の額もさることながら、効率的、効果的な執行あるいは事業進行を行うことによって、県民の皆さんにより小さい負担でより大きい効果の事業を行う、細かい事業がございますけれども、大きい課題としてはこんな考えで臨んでいこうというふうに思っています。

かとう(正)委員

 最後にお願いを申し上げて終了します。

 皆さんが様々な業務から気付いた点など、アイデアを是非形にしていただきたいこと、局長の方からもございましたが、様々な計画が大規模事業者というものに偏らないように、当事者間だけが動きがあるようなプロジェクトにならないよう、これが結果的に中小零細企業や商店の活性化や、あとは県民雇用の増大というものに直結するようなことに、是非またお知恵をお絞りいただきたいと思います。

 これをお願い申し上げまして、質問は以上といたします。



9 次回開催日(10月4日)の通告



10 閉  会