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平成23年  文教常任委員会 07月04日−01号




平成23年  文教常任委員会 − 07月04日−01号







平成23年  文教常任委員会





◎《委員会記録-平成23年第2回定-20110704-000003-文教常任委員会》



1 開  会



2 記録署名委員(三橋・斉藤(た)の両委員)の決定



3 傍聴の許否について決定

  4件申請 4件許可



4 報告事項(教育局長)

  「教育委員会の点検・評価について」

  「伊勢原射撃場への指定管理者制度の導入について」

  「県立高校改革の取組みについて」



5 日程第1を議題



6 提案説明(教育局長)



7 同上質疑(所管事項及び報告事項も併せて)



柳下委員

 3月11日に起きました大震災から早くも4箇月になろうとしております。死者が1万5,000人を超えて、いまだに行方不明の方が7,000人以上いらっしゃいます。今回の東日本大震災においてお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復興ができますこともお祈りしながら、質問に入りたいと思います。

 私の方からは、震災対策の観点から幾つかお聞きしたいと思っております。

 まず、3月11日に起きました震災時、また震災後、小学校、中学、高校、特別支援学校の子供たち、また文化財、文化施設において、何が起きてどんな状況だったのか、県の教育委員会としての状況把握及び対応はどうだったのかを確認したいと思います。

広報情報課長

 ただいま御質問いただきましたうち、学校における状況につきまして私の方からお答えさせていただきます。

 まず、県立学校における状況を申し上げますと、大震災が起きました3月11日の午後2時46分に学校内におりました児童・生徒数は157校で2万8,972人でございました。県立学校に通う児童・生徒数でございますが、昨年の5月1日時点の学校基本調査によりますと、12万7,571人でございましたので、全児童・生徒数に占める割合は22.7%、これらの子供たちが学校にいたという状況でございました。

 高校における状況でございますが、3月11日ということもございまして、多くの高校では卒業式が終わっており、3年生はいなかったという状況でした。加えて、学年末で午前授業のため、災害が発生した時間は、部活動の生徒だけが学校にいたという状況でございました。

 また、特別支援学校におきましては、児童・生徒が下校済みの学校もかなりありましたことから、約2割の子供だけが学校にいたという状況でございました。

 このように、災害発生時に学校にいた児童・生徒に加えまして、学校を離れて校外学習を行っていた高校生もおりました。ただ、こうした状況につきましては、当日、御承知のように電話がなかなかつながらなかったということ、あるいは停電の地域もございましたことから、全ての児童・生徒の無事が確認できたのは、その日の夜10時近くということでございました。

 そういった状況の中で、駅まで行って、公共交通機関が運行中止になったことを知って学校に戻ってきた高校生がいたり、特別支援学校においては、下校の途中で最寄り駅などにいた児童・生徒を、教職員が学校に連れ戻したりしたという学校もございました。このように帰宅できなくなった児童・生徒に対して、学校で備蓄している食料や水を提供するとともに、暖房機の設置であるとか毛布の配付などの支援業務を行ったところでございます。

 学校におきましては、帰宅できなくなった児童・生徒を保護しておりましたけれども、保護者が迎えに来た生徒は順次帰宅しました結果、翌3月12日土曜日の午前7時時点で、学校で保護していた児童・生徒数は29校で698人という状況でございました。その後、ほぼ全ての交通機関が動き出しましたことから、午前11時には学校で保護する児童・生徒はいなくなりました。

 それから、市町村立学校における状況でございますけれども、私どもでは節目、節目で小中学校の児童・生徒の状況であるとか、市町村立学校の建物の被害状況につきまして、教育事務所を通じて市町村教育委員会から報告を受けておりましたけれども、災害時におきましては、まずは市町村立学校の設置者である市町村教育委員会が正確な情報を把握して、迅速に対応すべきものと考えております。

生涯学習課長

 引き続き、教育委員会が所管します社会教育施設についての状況を御報告いたします。

 おかげさまをもちまして大きな被害はございませんでした。ただ、すぐ近くにございます歴史博物館のはに輪が倒れて壊れてしまったというのが一点ございましたのと、それから天井からつるしてございました展示用の説明のパネルが、天井がちょっと崩れたため、天井の板から落ちてぶらぶらとなってしまったというのがございます。あと県立図書館が紅葉坂と川崎にございますけれども、ここで本棚が倒れて、本がそこから落ちて散らばったというような状況でございました。災害の状況についてはいずれも軽微な被害だったものと把握してございます。

 なお、当日、これらの社会教育施設についていろいろ見学をされている方がございましたが、近代美術館については高校生を含め23人の方が避難されて、美術館の中で一夜泊まられたということでございます。それから歴史博物館についても、高校生を含め13人の方が帰れなくなったので、受入れをしてございます。

 翌12日につきましては、いずれもそのような状況にございましたので、館内を全部見回りをもう一度するということで、いずれも臨時休館させていただきました。

 なお、今お話ししました一部滞留された方々については、12日の朝には皆様お帰りになったというような状況でございます。

文化遺産課長

 文化財の被災状況について御報告いたします。

 県内には建造物や仏像など重要文化財、それから史跡・名勝といった記念物、この他無形文化財、民俗文化財合わせまして、合計で808件の国又は県指定の文化財がございます。これら指定文化財につきましては、宗教法人、市町村が所有し管理しているものでございまして、日頃から当該文化財は、地震とか台風、あるいは火災などで被害があった場合には、直接、あるいは市町村教育委員会を通じまして県の方へ報告していただくようお願いしております。

 そうした中で、さきの東日本大震災では、発災直後から各市町村教育委員会に被害状況の報告をお願いしまして、県で取りまとめた上で国に報告をしております。その際の被害状況を申し上げますと、国指定文化財で10件、県指定文化財の4件で、いずれも建物の一部の壁や柱に亀裂が入ったといった比較的軽微な被害について報告を受けております。具体的な被害の内容でございますけれども、国指定文化財では国の名勝に指定されている横浜市の三渓園の園内にありますあずま屋の柱が破損し、灯ろうなどが倒壊したという事案があり、これらが比較的大きな被害でございます。この他、山手にあります横浜市が所有している外交官の家、旧内田家住宅の一部に亀裂が生じたという事案、川崎市の日本民家園にあり市が所有する旧作田家住宅、これは江戸時代の町屋建設でございますけれども、そこのはり1箇所が約3センチずれたといった事案と、いずれも軽微なものでございます。また、県指定文化財では、厚木市の郷土資料館で展示していた人物はに輪の頭部が転倒により破損したといった被害が報告されております。

スポーツ課長

 教育委員会所管のスポーツ施設の被害状況につきまして御報告申し上げます。

 県立武道館の剣道場におきまして天井板の一部が落下いたしましたので、3月12日からしばらくの間、休場やむなしということになりました。ただ、4月の半ばには修理も終わりましたので、現在のところ通常の業務を行っております。

まなびや計画推進課長

 私の方からは、県立高校と、それから特別支援学校の被害状況を報告させていただきます。

 高校74校で、件数といたしまして169件の被害がございました。特別支援学校ですが、10校につきまして18件の被害がございました。これらの被害の内容でございますけれども、多くがエクスパンションジョイントという建物と建物を結ぶ接続器具といいますか、接続装置なんですが、ここが破損を受けたという状況が多く寄せられております。その他、モルタルの剥離ですとか、壁の亀裂、それから照明器具の落下等、こんな形で被害状況が寄せられました。

 これらにつきましては、震災の翌日から私どもの技術職員が各学校を回りまして、特に心配した、く体への影響も入念に確認いたしましたが、ほとんどがいわゆる非構造部材と言われるく体以外の部分の被害ということで、く体に被害が及んだという事例はございません。

 中でも一番被害が大きかったのが、今回の6月補正予算で御審議をお願いしております神奈川工業高校、神奈川総合産業高校のエクスパンションジョイント、これは高層の10階建ての建物なんですが、1階から10階までそれぞれエクスパンションが破損したということでございまして、補正予算をお願いしているものでございます。

柳下委員

 今一通りお聞きいたしまして、人的被害は無く、物的にも余り大きい被害が無かったということで、これはまず一安心かなと感じております。

 ただ、今後起こり得る震災のことを考えますと、小学校、中学校、幼稚園、そして政令市を含んだ状況把握を、広域行政機関としてどのようにする必要があると考えているのか、質問させていただきたいと思います。

教育財務課長

 委員お話しの小中の状況でございますが、私どもが国の方に災害の申請をした額に基づいてお答えさせていただきます。

 5月31日現在の状況でございますが、小学校につきましては236件、中学校につきましては131件ございまして、いずれもエクスパンションジョイントの軽微な被害でございました。高校、特別支援学校も含めますと約6億円の被害がございました。

柳下委員

 今の回答の中で、建物だけではなく、人的な被害も含まれているのですか。

教育財務課長

 全て建物でございます。

柳下委員

 児童の方は把握できているんでしょうか。

広報情報課長

 先ほども御答弁させていただきましたけれども、市町村教育委員会からは3月11日と12日の状況につきまして、教育事務所などを通じて児童・生徒の動向などについては報告を受けている中で、照会や相談があればいつでも対応できる体制を私どもはとっておりました。ただ、ああいった緊急時におきまして、正確な情報を把握しまして、迅速に対応すべき内容につきましては、繰り返しになりますけれども、まずは設置者である市町村教育委員会なりが対応していただくものと考えています。

小川委員

 関連で伺いますけれども、県の教育委員会で平成18年1月に学校における地震防災活動マニュアルの策定指針というのを県内全ての学校、あと市町村教育委員会にお示ししているはずであって、強制力はないにしても、地震発生後の対応についても事細かく指示が書いてございますよね。

 その中で、私たちが側聞しているところでは、児童・生徒は保護者へ引き渡す、保護者が来校するまでは学校で児童・生徒の安全管理に努める、こういうことが書いてあるにもかかわらず、学校によっては非常に大きな問題となったところもある。例えば、親御さんが、交通機関が止まってしまって自宅に帰っていないのに、子供たちが先に帰ってしまったとか、様々な課題があると伺っている市町村もある。こういう課題は、多分県の教育委員会としても把握されているのではないかなと、そういうことを聞いているわけです、自民党としては。その辺についてのお答えはどうなんでしょうか。

広報情報課長

 ただいま小川委員からも御指摘を頂きましたように、正に学校防災のマニュアルあるいは作成指針というもの、実はこれは私どもが阪神・淡路大震災であるとか、平成16年に起きた新潟県中越地震、こういったものの教訓を踏まえまして、作成指針あるいはマニュアルを作ってまいりました。

 そういった中で、今御質問がございましたように、その中では児童・生徒は保護者へ引き渡すこととし、保護者が来校するまでの間は学校で児童・生徒の安全管理に努める、こういったことの周知を図ってきたところでございますが、正に今御指摘いただきましたように、各学校における認識の差が出てしまったこと、あるいは保護者が帰宅困難となってしまった中で、児童・生徒を帰してしまって、子供たちが不安の中、自宅で過ごしてしまうこととなったと、こういった課題も御指摘のようにございます。

 そういうことで、現在私どもでは、その作成指針あるいはマニュアルを見直しておりまして、他にも今回の大震災におきましては幾つかの課題がありましたので、そういったものも踏まえまして、現在見直し作業を進めているところでございます。

小川委員

 どういった内容で修正をしていくのか、また、今までのマニュアルでもある程度のところは示してあるのに、それが実行に移されなかったという課題もある。そういうところをよく把握されているから、今マニュアル作りをされているんだと思うんです。だから、そこの把握と検証の状況、どう変えようとしているのか、そこをちゃんとまとめて御報告いただきたいと思います。

広報情報課長

 今回の震災におきまして、幾つか学校防災に関して浮かび上がった課題がございます。私どもでは5点ほど課題があると認識しております。

 1点目が、今正に小川委員が言われた児童・生徒の保護者への引き渡しでございます。この点については、改めてしっかりと明示して市町村あるいは各学校にお伝えしたいと思っています。

 2点目が、情報伝達や情報収集に関する課題ということで、震災当日は携帯電話を含めてなかなか電話がつながりにくかったという状況がございました。また、停電となった地域もございました。そういったことで、生徒や教職員の安否確認、学校施設の被害状況の把握にかなり時間がかかったと、こんな課題がございました。

 3点目が津波への対策でございます。今回の震災では、津波により多くの犠牲者が出ましたことから、津波の被害が想定される沿岸部の学校では、日頃から避難する場所の周知を図るとともに、訓練を行うことが重要と考えております。

 4点目が、帰宅困難者への対応でございます。公共交通機関の運行中止によりまして、自宅まで帰ることが難しい帰宅困難者の方々が多数発生することが予想されますので、学校においても市町村や鉄道事業者との連携や調整を行うとともに、備蓄の整備が必要と考えております。

 そして、5点目が、教職員のための備蓄食料の整備ということでございまして、児童・生徒を保護する目的で学校にとどまる教職員のための食料を備蓄する必要があると。

 こういった5点ほど学校防災において課題があると認識しておりまして、そのうちの情報伝達、情報収集、あるいは教職員の備蓄食料の整備、こちらにつきましては今回の6月補正で予算として御審議いただくこととしておりますし、先ほどからお話の出ている児童・生徒の保護者への引き渡しであるとか津波への対策、あるいは帰宅困難者への対応、これらの課題につきましては、今回見直しを進めておりますマニュアルの作成指針、あるいはマニュアルそのものにもきちんと明確にお示しした上で市町村教育委員会、あるいは学校を指導してまいりたいと考えております。

柳下委員

 今、答弁いただきました、学校防災マニュアルを見直したということで、津波対策とかいろいろな項目を挙げていただきましたけれども、では、果たしてこの新しく見直したマニュアルというのは、いつ各校に配付するというか公表する形になっているのか、お伺いさせてください。

広報情報課長

 既に震災の発生から3箇月以上たっておりまして、私どもとしてはできるだけ早く各学校に配りたいと思っておりまして、今、鋭意作業を進めております。遅くても来週中には教育委員会なり学校には配りたいと考えております。

柳下委員

 来週中に配れるということは大体もう準備等々が進んでいると理解をしていいとは思うんですが、今回の大災害がまたいつ起こるか分からない、また、神奈川県としても今後、幾重にも準備をしておかなければいけないという点では、一日も早く周知徹底をしてもらうような方向で進めていただきたいと思っております。

 先ほど答弁の中で出ましたけれども、津波対策についてお伺いさせていただきたい点があるので、続いて質問をさせていただきますが、津波被害が予測される県立高校というのは、今現在どれぐらい神奈川県にはあるのかお伺いしたいんですが。

広報情報課長

 津波被害が起きるかどうかというところはなかなか想定しづらいところではございますけれども、県立高校は全部で143校と1分校ということで144校設置されておりますけれども、海岸、沿岸部に近いというところでいいますと、海岸から1.5キロメートル以内にある学校は、県立高校では19校という状況でございます。

柳下委員

 この1.5キロというのがどういう根拠の1.5キロかは別にして、おおよそ海岸に近いというのが19校ありますと。今後、例えばそれを2キロ、3キロと仮に見直したらまた増える場合もあるんでしょうが、私の方で一番問題に取り上げたいのは、津波を想定した津波防災訓練等々は行う計画があるのかどうかお伺いしたいんです。

広報情報課長

 今回の東日本大震災の後に、県立学校において防災訓練の状況がどうであるかということを緊急調査いたしました。そういった中で、津波防災訓練でございますけれども、既に12校の県立高校で津波を想定した避難訓練を行っております。具体的な内容でございますけれども、地震発生後の津波警報発令を想定しまして、生徒の生命身体の安全確保を図ることを第一に、例えば県立海洋科学高校では校舎の屋上への避難訓練、また七里ガ浜高校では近所の高台への避難訓練、こういったものを実施しております。

 また、今後実施予定という学校でございますけれども、17校におきまして津波を想定した訓練計画がございまして、例えば横須賀工業高校では大津波警報発令を想定した校舎屋上への避難訓練、茅ヶ崎西浜高校では、全校生徒、教職員を対象に高層階への移動などの実地訓練とともに、避難経路の確認や資料に基づく学習会、また大磯高校では、2階以下のクラスの生徒を3階以上に避難させる訓練を予定してございます。

柳下委員

 今のお話の中で、津波対策の避難訓練をやる、その基本的なのは各校の自主的な判断にお任せしているのかというのが1点と、訓練に対して教育委員会として参加するということはないのかという点をお伺いします。

広報情報課長

 まず、1点目でございますけれども、今回の津波災害への対応ということで、先ほどからお話がございます学校防災マニュアルですとか作成指針、その中にも津波の災害への対応として高台、あるいは建物のできるだけ高層階に避難してください、あるいはその避難経路について日頃から児童・生徒に周知してくださいということを明確に書いてございます。

 それから、もう一点、教育委員会としての関与でございますけれども、私どもではそういったマニュアル、あるいはただいま調査しましたような状況を把握するということを通じて、学校に積極的に津波災害の訓練をしていただくということで、教育委員会が参加するということは現状では考えておりません。

柳下委員

 私の個人的な意見としては、是非そういう訓練には自ら参加していただいくといいかなとも思っております。またいろいろそういう課題が見えてきて、県として指導していくという形も望ましいのではないかと思います。

 次に、6月補正の件でお伺いしたいところがございますけれども、地震防災対策の中で、先ほどもお話が出ましたけれども、教職員の備蓄用食料が計上されていると、その辺の内容を確認したいんです。

広報情報課長

 今回、児童・生徒の安全確保のために学校にとどまる教職員のための備蓄ということでございまして、県立高校に勤務する全ての教職員人数分、1万2,366人でございますけれども、それらの1日分として3食を用意する予定でございます。具体的には、1人1日分の食料として、乾パン1食分、アルファ米1食分、それからビスケット1食分に加えて1日分の水として3リットルを用意するものでございます。

柳下委員

 先ほどの3月11日に起きた震災の当日、帰宅困難になって学校に泊まったという生徒がいると。今回のこの予算組みでは教職員の備蓄用ということで予算組みをしましょうということで補正に上がっていますけれども、では果たして帰宅困難になった生徒の食料はどのように考えておられるのかをお伺いします。

広報情報課長

 生徒用の備蓄食料、飲料水についてでございますけれども、教育局で特に基準は設けておりませんけれども、各学校の状況を見てみますと、災害の発生により全ての生徒が数日間学校にとどまるということではなく、交通機関の再開であるとか、あるいは徒歩、自転車などにより帰宅できる子供たちもいるであろうといった考えの下に、生徒1人について食料1食分と飲料水500ミリリットルのペットボトル1本分相当を備蓄していると伺っております。学校におきましては、入学時に生徒から学年費として徴収している学校が多いようです。

 なお、乾パン等の備蓄品でございますけれども、在校の3年間に利用しなければそうした乾パンなどは卒業時に生徒に返還していると、こういう状況でございます。

柳下委員

 今の生徒の1食分がこれで足りるのか足りないかということはあるんですが、今神奈川県も全県学区になっていますので、今後、授業中等々に災害が起きた場合には帰れない、また、夕方で起きた場合にも帰れないというケースは大いに想定できることだと思います。

 それと、私が感じているのは、広域避難場所でなくても、近隣の方が県立高校を避難所として集まってしまうというケースも大いに考えられると思うんです。ですから、その辺のこと、地域連携と言ったらいいと思いますが、普段から地域連携で情報の共有をしていくとか、そういうところの取組をお伺いしたいんです。

広報情報課長

 今回、教職員の備蓄ということで1,010万円の予算を6月補正予算として要求しておりますが、この中には今委員の御指摘があったように、避難所に指定されていないけれども地域の方々が来られて、学校で備蓄している食料を拠出したということもあり、そういったものに対する補填の費用も含んでいます。

 県立学校の中には、市町村の防災計画の中で地域の避難所等に指定されている学校もございます。そういった学校におきましては、市町村の方で備蓄倉庫を用意の上、備蓄の食料であるとか発電機等の備蓄品を用意しているところでございます。

 学校においては、今後も学校が地域の防災拠点として機能することがございますので、市町村との連携は密にとっていただきたいと考えています。

柳下委員

 全く私もそのとおり、県立高校であっても地域との連携が不足していると情報が共有できず、果たしてどう動いたらいいのかという戸惑い等も生まれてしまうと思いますので、その辺は密に取り組んでいただきたいと思っております。

 次に、これも6月の補正で上がっておりますけれども、緊急スクールカウンセラー派遣事業費についてお伺いさせていただきたいと思います。

 被災地から当県内へ転入してきた児童に対して心のケアをするために、緊急スクールカウンセラーの補填が計上されていると。現在、私の方が聞いているのは、東日本大震災以来、当県への転入学児童数は、5月1日現在の765人というデータを聞いているんですが、少しずつ変化していると思いますが、その現状をお伺いします。

学校支援課長

 最新のデータによりますと、6月15日現在でございますが、公立の小中高校、それから公立の特別支援学校、幼稚園も含みまして786名でございます。

柳下委員

 若干の増加ということで、それの対応としてスクールカウンセラーというのが緊急的に必要だということだと思うんですが、それへの対応、新規に採用するスクールカウンセラーなのか現状いる方の回数を増やして行うための計上なのか、その辺を詳しく説明していただきたいんです。

子ども教育支援課長

 このたびの緊急のスクールカウンセラーに関する事業につきましては、計画段階から、現在各中学校、高等学校、特別支援学校含めて派遣しておりますスクールカウンセラーをそのまま活用しての対応と考えております。

 ちなみに、現在勤務しておりますスクールカウンセラーは、小学校は、政令市を除きまして177、中学校54、中等教育学校が2校、そして県立高等学校が拠点校として54、そして特別支援学校には教育局に配置しておりますスーパーバイザーを1名配置してございます。県立学校は拠点校ということで、3校に1人ということでの補充ということになってございます。

小川委員

 今お答えいただいた配置数は事前にもう伺っているところなんですけれども、国庫で10分の10の予算付けであるわけですが、それをどう活用してスクールカウンセラーを実効性のある形にしていくように考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 今回の事業につきましては、回数で積算させていただいております。半日ということを一つの単位といたしまして、小中学校には約500回、そして県立高等学校には積算時には200回、そして特別支援学校には20回、以上計720回を派遣しようと計画を立ててございます。

小川委員

 その回数を決定する上で、今被災地から転入された生徒・児童の状況を把握した上で、ここは重点拠点にしようとか、こういう形で相談に乗ってもらいたいとか、県としての意向もあると思うんです。その辺はどう把握されていらっしゃいますか。被災地からいらした子供たちの現状について。

子ども教育支援課長

 被災地からおいでになっていらっしゃるお子さんたちの状況につきましては、この間、各県立学校の方に状況を聞き取らせていただきながら、子供たちの状況については確認させていただいております。委員の方のお話もございましたように、状況としては一人一人のお子さんによって違いますので、我々が計画したとおりにはなかなかいかないものと思っております。したがいまして、現在それぞれの学校に配置しているスクールカウンセラーを活用するという考え方は、もちろん緊急での対応もございますが、日常の子供たちの状況をきちっと見せていただいた上で、必要に応じて現状の制度もうまく活用しながら、ケース・バイ・ケースで対応したいと、そのように考えてのものでございます。

柳下委員

 今御答弁いただきましたけれども、被災地から当県に来られた方は、本当に来たくて来ているわけではないという事実がございますよね。ですから、本来であれば自分の生まれ育った場所にいたいんだけれども、やむを得ず神奈川県に転入してきたと。ですから、実際このように回数を増やしてスクールカウンセラーに心のケアを十分していただけるように、いろいろ状況を判断してお願いしたいと思います。

 続いて、放射線に関して御質問させていただきたいんですが、6月の我が党の嶋村委員の代表質問のときに、黒岩知事が、空間放射線測定を地上から1メートル、50センチ、5センチと3箇所にて行うと。実際、昨日の新聞に測定をしたという記事が数箇所出ておりましたよね。その点について、放射能対策ということで、今の県の現状及び学校ではどうなっているのかということをお伺いします。

広報情報課長

 まず、今の県の現状でございますが、これは嶋村委員の代表質問に対する知事の答弁にございますように、確かに茶葉からは検出されておりますけれども、その他につきまして空間放射線を含めて、食品、飲料水、土壌、こういったところからは検出されていないということで、県民の健康被害への影響はないというところでございます。

 学校の状況でございますけれども、そういった考え方の下に、県立学校においては現在、こういった空間放射線の測定はしておりません。ただ、御案内のように、市町村におきましては市民の方々の不安の声を受けて、市町村によっては空間放射線の調査をしているという状況でございます。

子ども教育支援課長

 委員のお尋ねにございました小中学校における放射能や放射線に関する学習ということでお答えさせていただきます。

 平成24年度に全面実施されます新しい学習指導要領では、中学校の理科で全ての生徒が共通に学習する内容といたしまして、ウランなどから発生いたします放射線、こういったものの学習内容が示されてございます。放射線の性質を利用して、医療ですとか物質、物体内部の検査に利用されていることですとか、人体ですとか動植物への影響などについて学ぶこととなっております。小中学校の教育内容の改善の中で、とにかくこの分野の充実が上げられておりまして、本年度の中学生から既に先行しているという現状でございます。

柳下委員

 今、答弁いただいた教育という点ではなくて、私が聞いているのは、あくまで空間放射線の測定を学校にて行わないのかという質問だったんです。先ほどもお話ししましたけれども、昨日の新聞に出ておりましたけれども、実際に神奈川県として、県立高校若しくは特別支援学校、それもグラウンドとかプールとかいろいろな問題も多分あるんですね。もう横浜市は既に学校で測定を行っております。県として、そういう取組を是非学校でもやっていただきたいということの意味を込めて質問させていただいたんです。

 その中に、例えば今、私の考えの中でもそうなんですけれども、一般に県の教育委員会に問い合わせ等々が来ていると思うんですが、放射線はどうなっているのかとか、安全なのかという問い合わせ等がありましたら、事例や件数等々について教えていただきたいんです。

広報情報課長

 今委員の御指摘のとおり、私どもの教育委員会には保護者の方からの相談であるとか、問い合わせが届いております。概略を申し上げますと、先月6月28日現在でございますけれども、電話とかメールで、合わせまして204件届いています。内訳でございますけれども、学校給食の食材に関するものが67件、校庭、グラウンド等の調査の要望が115件、それからプールの水質の調査要望が9件、その他といたしまして、野外活動や計画停電等に関するお問い合わせが13件というものでございます。

 少しその御相談の内容について答弁させていただきますと、まず、学校給食の食材に関することにつきましては、横浜市で福島県産の食材を使用しているので心配であるとか、横浜市では調査すると言っているのに、自分が住む市町ではなぜ調査しないんだといった声です。あるいは、校庭、グラウンド等の調査要望に関しましては、子供が野球あるいはサッカーをやっていて、スライディングをしたときに土ぼこりを吸ってしまうのではないかという御心配、あるいは、体の小さい小学校低学年の子供は大人よりも放射能の影響を受けるのが大きいのではないかと、そのことが心配だといった声でございます。さらに、プールの水質の調査の要望に関しましては、プール清掃の際に汚染された水が体に付いてしまったり、あるいはふざけ合って掃除をしているときに誤って口に入ってしまう可能性があるので、子供にプール清掃をさせないでほしいとか、あるいは、例年、特に小学校ですとプールにたまった泥からヤゴを捕ったりするわけなんですけれども、そのヤゴ捕りをさせないでほしいといった意見ですとか要望を頂いております。

柳下委員

 今御答弁いただいた内容で、204件のいろいろな問い合わせ等々が来ていると。

 では、この辺の実態を事細かく分析をされれば、結論的に来るのは、なぜやらないのかと、なぜ測定しないのかということになると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

広報情報課長

 まず、学校給食の食材に関する御心配、お問い合わせ等に対しましては、市場に出回っているものは安全なものであるということが前提ですので、そういった安全なものを学校給食において使用しているということとしております。

 それから、校庭、グラウンドの放射線の測定であるとか、プールについても相談がありますけれども、先ほど申し上げましたように、神奈川県民にとりまして健康への影響は現段階ではないということから、日常生活上の特別な対応をとる必要がないということ。それから、学校のプールにつきましては通常の水道水を使用しておりますことから、水道水についてもモニタリングを行っておりまして、国が示す基準値以下でございますことから、学校プールの授業中止は考えていないと、こういったことをお伝えしているところでございます。

嶋村委員

 私も代表質問で聞かせていただいて、いろいろ御答弁を頂いているんですけれども、この放射能問題については、いろいろな評価があると思うんですが、大体神奈川県でどの程度あるのかということについては、各市町村で一定の場所で計測してもらうことによって、神奈川県全体での状況を把握してほしいというのが代表質問の大きな趣旨でした。

 あと、個別のことに対していえば、やはり一番人体に影響を及ぼして心配だと言われているのは、子供の生活圏内だと思うんです。子供が生活して伸び伸びと生き生きと活動できる場所というのは、やっぱり学校になると思います。あとは、公園であるとか、子供たちが本当に外で遊ぶ場所というのはそういった限られた場所にあるわけですから、そこで保護者が安心して遊ばせることができるのかどうかという観点からも、今回の放射能測定の位置付けというのは非常に大きいと思います。

 今までは余り意識をしていない、例えば人的被害、要するに悪い人がいないかどうかとか、子供に危害を与える人間は周りにいないかどうかという、安全・安心という観点で子供を守っていたと思いますけれども、今回の放射能については、目に見えないものが子供に対する悪影響を及ぼすのではなかろうかということからすれば、放射能の測定をするしか方法がないわけですね、保護者が納得する材料としては。それが日常圏内でどの程度かというのは、神奈川県全土を細かく調べることはできないにしても、その方法というものを県教委が示してあげることによって、各施設の管理者がその基準に基づいたある一定の検査をしないと、これはどこにどう放射能がまん延しているかということすら分からないわけです。放射能がなければないで、県教委も安心して状況を把握することができるのではないかと思います。

 こういった測定が安定してできていないので、個別に保護者の方々がそれぞれの放射能測定器を持って計測をしています。その測定方法に一定の基準がないために、いろいろなところで、これだけ出た、あれだけ出た、ある、ないというような話が出て、何の基準もなくそういった数値だけが表に出てくる。このことは測定をしていない人間からすれば、余計不安材料ばかりが出てくると思えますし、マスコミもそれを面白がって、詳しく表に出すことで、かえって風評被害を助長するのではないかなと思います。このような状況下では、行政機関から各学校に対して、こういった水準でこういった機器でという一定の基準を示すことができれば、私はベストではなかろうかと思います。

 計測機器がないのであれば、それをどうするかということも含めて検討すべきではないかと思いますが、どうお考えでしょうか。

広報情報課長

 正に嶋村委員が代表質問の中で再質問された中で、知事が、今後、各市町村の測定地点等の調整を行った上で、7月中を目途に全市町村で実施してまいりたいと答弁いたしました。その測定方法等の詳細は、今後市町村との協議の中で詰めていきたいと、こういう答弁をさせていただいておりまして、この点につきまして、主管部局であります安全防災局に確認いたしましたところ、今週でございますけれども、7月7日に市町村の担当課長会議を開催する予定であると。ここで県の方針をお伝えするとともに、学校がいいのか、また学校であれば小中学校がいいのか、保育園がいいのか、幼稚園がいいのか、あるいは公園がいいのかと、いろいろ検討課題がございます。そういった測定箇所や測定方法の詳細を詰めていくということでございます。

 なお、各市町村にとっては、これまで放射能関係の業務に携わることがない中で、住民対応の最前線に立っていることから、市町村担当課長会議の中では、東海大学の原子力工学科の主任教授にお願いいたしまして、本県の放射能についての評価などの放射能関係の講演をしていただいて、放射能の影響や本県の現況等の理解促進を図っていく予定ということでございます。

 こういったことも住民の方々に普及していってもらうことで、安心の確保につなげていきたいという予定、計画でございます。

嶋村委員

 安全防災局はどうしても県の全体、900万県民の安全・安心という観点で考えていると思うんです。

 ところが、県教育委員会というのは、各市町村の委員会との連携、そして全ての学校との連携を図って統括しているところなんですから、そこで生活する生徒、学生たちの健康維持というものを考えるのは、やはり県の教育委員会が中心となって発信しなければいけないと思うんです。

 ですから、その協力を求めるのは安全防災局であっても、主たる考えの指針を出すのは、県教育委員会がはっきりとしたことを出さないといけないと私は思います。その中で、各市町村の教育委員会と密に連絡をとっていただいて、例えば横浜市は横浜市で独自にこういった形でやるということであれば、それを容認する。できないところであれば、県教委がその測定に対しての協力をするというような具体的な指針を出して、県内の小中高の生徒や、幼児をお子さんに持たれる世帯なり保護者の方々に対してもちゃんと示すべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。

教育局企画調整部長

 繰り返し課長の方から答弁させていただいておりますけれども、放射能というのは非常に専門的な知見を要するものと思っております。ですから、確かに先ほどから答弁の中にもありますが、いろいろお問い合わせがあり、不安があるということは私も承知しております。この点につきましては、安全防災局の方にそういうお話があるということは十分にお伝えしております。

 ただ、県全体として、先ほどから答弁がありますように、また知事の答弁にもありますように、県全体として、空中の放射線量は基本的に安全が保たれているという中で、私ども教育委員会が単独で、危険性の判断や、測定が必要だという判断をするのは難しいと思っております。県においても他のいろいろな施設がございますので、そういう他局とのバランス、食品の安全とかそういうものの全ての中で、どういうものをどう調査すべきかということを安全防災局にいろいろ御判断いただいて、その中で私どもはやっていくものと考えております。まずは、引き続き安全防災局と連携をとって、まず不安を払拭させる、そのためには正しい情報を提供する、そういう方法で取り組むことが非常に大切だと思っております。そういったことに積極的に取り組んで、不安をなくす方向に努力してまいりたいと考えております。

嶋村委員

 教育長にお伺いしたいのですが、今回のこの放射能の被害ということに関しては、今までにないような状況だと思うんですよ。要するに、それぞれ各教育委員会の全てが、こういったような状況、環境に置かれたということ自体初めてのことではなかろうかと思います。

 ですから、なかなか判断が難しいとは思うんですが、だからこそ、安全・安心を守るための方法は何なんだろうということを、一つ一つ実践していくということが必要ではないかと思うんです。

 ですから、ただ単に考えて、ああだこうだというだけではなくて、とにかくやれることをやろうということから安全・安心が見えてくるのではないかと思うんです。それをやらずに、ただ単に、遠目に見ている、ただ安全防災局がやっているからいいんだということではなく、当事者意識を持って対応するべきではないかと思います。各教育委員会の長の方とのコミュニケーションで、各地域におけるそういった地域感情、住民感情といったものは多少違うのではないかと思うのですが、そういった情報も取り入れていただきながら対処するべきだと思いますが、いかがですか。

教育長

 教育委員会は全然蚊帳の外ということではなくて、我々も今回のような大きな危機管理という中では、県全体としての大きな方針に沿って対処していきたいと考えております。これは国の方、文部科学省の方からお知らせいただいた安全な放射線量についての基準、安全を確保する形の中での空間の放射線量についてですが、そこのところの放射線に関する知見につきましては、専門的な部分がございますから、そういったような知見については、県の一つの大きな方針に沿って、教育委員会としても危機管理という中の県の一員として対応していきたいと。市町村教育委員会に対しては、県の教育委員会が窓口になって率先して連絡調整をやっていくと、こんな立ち位置で、今取組を行っております。

 教育委員会としてこれを傍観しているということではなくて、我々もそういったような情報も把握しながら、大きな一つの知見というものに基づいて対応していくと、こういうことでございます。

嶋村委員

 是非、保護者の立場に立って、子供の安全・安心を考えていただく方策を詰めていただきたいと思います。

柳下委員

 私の方からも今の放射能の問題に関しては、一番大事なことは、いかに正確なデータを公表できるか、県というのは広域行政機関であるから、それによって、いかに県がリードして県民に対して安心を与えることができるか、ということが非常に大切なことだと思っております。

 これは笑い話ですけれども、よく私も、年配の方は、俺なんかは関係ないからいいんだよ、放射能を今頃浴びたって関係ないんだよなんていう話を冗談でしますけれども、これからの時代を担っていく子供たちに関しては、今の保護者の方々を含めて学校という場に預けて子供を育てていくという中で、果たしてそこの場所が安全なのかということには非常に関心が高い、一番の問題だと思いますので、その辺は是非県がリードして取り組んでいただけたらと思っております。



(休憩 午後零時7分  再開 午後1時11分)



三橋委員

 今回の東日本大震災の際には、皆さん、携帯電話が通じづらかった経験をしていると思います。

 今回の補正予算で県立学校災害時緊急連絡システムの整備事業があります。特別支援学校も含めて160施設以上を有している県教委として、このシステムの目的と具体な内容に関して説明をお願いいたします。

広報情報課長

 今回6月補正予算案として出しているこの災害時緊急連絡システムでございますけれども、今回の震災におきまして、固定電話であるとか携帯電話がつながりにくい状況がございました。先ほど午前中にも答弁させていただきましたけれども、全ての県立学校における児童・生徒の安否確認がとれたのが、14時46分の発災直後からその日の夜の大体10時ぐらいまでかかったというような状況がございました。私どもといたしましても、まずは正確な情報の把握に努めるということが非常に重要ですので、今回、生徒や学校施設の被害状況について速やかに報告ができるような形、そしてまた、教育局から学校に対しても指示ができるような通信手段ということで、災害用のメールが受発信できる携帯電話、こういったものを全ての県立学校と市町村教育委員会に合わせて180台配備するというものでございます。

三橋委員

 これは携帯電話として使えるものなのでしょうか。

広報情報課長

 基本的には、災害時における災害用のメールということでございますけれども、もちろん携帯電話ですので、通話も可能でございます。

三橋委員

 それでは、具体の連絡の仕方等について、今後の運用等を説明してください。

広報情報課長

 先ほど安否確認の情報等の収集というお話をいたしましたけれども、様式を定めまして、児童・生徒の被害状況、例えば重傷者何名、軽傷者何名、そういった様式を設けます。また、教職員の状況であるとか、あるいは学校施設の被害の状況、大きな被害があったかどうかについての様式を定めまして、その様式をメールで一斉送信いたします。

 学校では、その様式の中に当該学校の状況について打ち込んで、それを返信する。私どもはそういった情報を集約して取りまとめると、こういうものでございます。

三橋委員

 午前中の質疑にもありましたように、連絡はとても大切なものと考えております。また、昨今ではソーシャルメディアを利用して、実際、東日本大震災のときに連絡を取り合ったという情報もありました。この分野の技術は日進月歩と捉えております。次なる計画も含めて、今後とも報告をよろしくお願いいたします。

 次に、高校入試制度改革について伺います。

 先ほど御報告がありましたように、公立高校の入学者選抜制度については、昨年の7月から外部学識経験者による入学者選抜制度検討協議会において検討、協議が行われました。それを受けて、入学者選抜制度改善方針案が先ほど報告されました。入学者選抜制度は、中学生や保護者を含めた県民にとって、大変関心の高いものです。そこで、この高校入試制度改革について、確認の意味も含め何点か伺います。

 まず、現行の選抜制度の概要と現行制度となった趣旨を伺います。

高校教育企画課長

 現行の入学者選抜制度についてでございますが、平成16年度から現在の入学者選抜制度の実施をしてきてございます。この選抜制度は、生徒一人一人の個性ですとか能力、また適性を多面的に捉え、いわゆる数値のみでなく、生徒一人一人の特性や長所、こういったものにも着目して、生徒自らの進路希望に基づいて学校選択ができるような選抜制度であるという基本理念の下、多元的な評価尺度による複数の選抜機会を設けてございます。具体的には、希望する誰もが受検することができる、学力検査を伴わない個性に応じた選抜の機会といたしまして、前期選抜の機会、そして学力検査を伴う後期選抜という、評価尺度が異なった2回の選抜機会を設定してきております。

 この前期選抜は、全日制、定時制、通信制、全ての課程を同一日程で実施しておりまして、中学校からの調査書と面接による選考を行っているところでございます。また、一方の後期選抜では、全日制と定時制・通信制は別日程で実施してございますが、3教科から5教科の学力検査と調査書などの資料を基にした選考を行っているところでございます。現行の選抜制度の概要、また趣旨については以上でございます。

三橋委員

 今回、選抜制度を改善することとなった背景について説明をお願いいたします。

高校教育企画課長

 このたびの選抜制度改善の背景でございますが、現行の選抜制度につきましては、その趣旨なども含めて中学生や保護者、また学校関係者の方々などから一定の評価は頂いているところでございますが、まず、選抜期間が前期、後期という2回にわたるということで、その選抜の期間が非常に長期化しているということや、また、前期の選抜は先ほど御説明させていただきましたように、希望する誰もが志願できる選抜機会ということでやってございますが、選抜ということを伴いますので、当然前期選抜で不合格になる生徒がいらっしゃいます。そのため、精神的な負担が非常に大きいというようなこともございました。

 また、前期選抜合格者と後期選抜に向けて努力を続ける生徒が一緒の教室で学ぶ期間が生じてしまうという中で、中学校での学習指導に影響を与えているというようなことや、さらには、それぞれの学校が特色に応じた選抜を行うということにしてございますので、選考基準が各校ごとに異なり、複雑化しているといった運営上の課題が指摘されておりました。

 加えまして、高校改革の取組の検証を踏まえて、これからの県立高校の在り方もお示ししているわけでございますが、こういった今後の在り方にふさわしいものであるのかどうか、さらに、平成24年度からは中学校で、また平成25年度からは高等学校で新しい学習指導要領が実施されてまいります中で、求められる学力を的確に把握していくことがこれから一層求められてくるようになることから、選抜制度の改善に向けた検討を進めさせていただいたところでございます。

三橋委員

 昨年度の入学者選抜制度検討協議会ではどのような協議が進められたのか伺います。

高校教育企画課長

 協議の内容でございますが、本県におけるこれまでの入学者選抜制度の理念、また、先ほど申し上げました今後の高校教育の在り方の方向性、さらには、新しい学習指導要領を踏まえた改善、こういったことを視点といたしまして、現行制度への評価も踏まえつつ、先ほど申し上げました課題、選抜期間の長期化ですとか選考基準の複雑化、こういった運営上の課題への対応も図るということで検討を進めていただきました。

 そうした中で、改善の方向性といたしましては、新しい学習指導要領が求めている新たな学力、具体的には基礎的、基本的な知識及び技能、またこれらを活用して課題解決に当たるための思考力、判断力、表現力といった能力、さらには主体的に学習に取り組む意欲、いわゆる学習への意欲、こういった三つの新たな学力要素、これらを育成していくことが必要であるとし、中学校、高校を通じて、一貫した教育の接続という観点から求めていく、そういう方向性をお出しいただきました。

 協議会からは、その中で検査の在り方という部分につきまして、新たな学力の定着状況を的確に把握することが必要であり、そのためには全ての高校に、基盤となる共通の検査を設定することが必要なのではないかという提言がなされました。

 また、入学者選抜の資料といたしましては、中学校の調査書が新たな学力の要素を統合したものであり、さらに平素の学習状況もしっかりと把握できるものであることから、選考に当たりましては、実施する検査の結果と調査書の評定を総合的に用いて選考することが必要であろうということ、また、選抜機会という点につきましては、これまでの前期選抜と後期選抜のそれぞれの良さ、特性を生かしながら一体化すること、それに加えて各校の特色を基にした主体的な選抜の工夫を行うことが必要なのではないか、これらの御提言を頂いてございます。

三橋委員

 今お話があった今回の改革で、2回の受検機会があったのが、今回の改善により、全日制が共通選抜として1回となったのは、特にどのような趣旨なのか説明をお願いいたします。

高校教育企画課長

 検討協議会の改善の報告では、現行制度の前期選抜と後期選抜の複数の選抜機会、これは前期選抜の募集率が上限を50%までとしているということで、その段階で合格が決定する生徒がいる一方で、多くの不合格者も出てしまうという現状がある。そのため、前期選抜で不合格となった生徒の精神的負担が大きくなっているというような御指摘がございました。また、前期選抜で残念ながら不合格になった生徒が後期選抜に志願をする際、前期選抜と同一の学校へ志願する割合が8割近くあるというようなことも指摘がございました。

 そういった意味から、生徒自らの希望に基づいた志願を確かなものとするために、これまでの前期選抜と後期選抜、それぞれの良さを生かしながら一体化し、選抜機会を共通化するという形で整備させていただきました。

三橋委員

 つまり、1回にした方がメリットが大きいという判断だと理解させていただきます。そこで、選抜機会を1回にし、原則全ての受検生が学力検査と面接という共通の検査を受けるという制度によって、これまでの本県の選抜制度の理念が変わることはないかの確認と、共通化することのメリット、デメリットについて再度確認させていただきたいです。

高校教育企画課長

 共通選抜におきましては、今お話がございましたように、原則として全ての受検生が学力検査と面接という共通の検査を受けるという形になってまいります。

 これまで、本県では、平成6年7月に神奈川県公立高等学校入学者選抜制度改正大綱、こういったものを策定させていただきました。ここでは現行の選抜にも生かされておりますが、生徒一人一人の個性ですとか能力、適性、こういったものを多面的に捉えて、調査書の評定、いわゆる5、4、3、2、1という数字あるいは学力検査の数値のみでなく、生徒の特性や長所に着目した選抜制度であることや、生徒一人一人が自らの進路希望に基づいて学校選択できる、そういった選抜制度とすること、特に行ける学校から行きたい学校へといった趣旨で選抜制度の理念を位置付けてまいりました。今回の検討協議会においても、引き続きその理念を生かしていくことは必要であるというお話がなされたところでございます。

 今回、中学校と高校の接続という視点から、新しい学習指導要領が求める三つの学力要素を的確に把握するということで、共通検査として学力検査と面接、この二つを実施することと整理してございますが、面接におきましては調査書の記載事項を踏まえながら、受検生一人一人の特性や長所を含め、総合的な意欲を捉えてまいりたいと考えてございます。今後も受検生の特性や長所に着目した選抜制度というこれまでの理念を変えずに進めていけるものと考えてございます。

 こういった点で、これまでの課題を解決していくというメリットがございますし、その中で共通に必要として求められるような力を的確に量ること、それに加えて、生徒一人一人の特性に応じた形での選考が行えるものと考えてございます。

小川委員

 関連して伺いたいと思いますけれども、県立高校の入試の改善というのは、神奈川県の子供たちにとって非常に大きなことだと思うんです。学習指導要領の内容が変わって、平成25年から新しい学習指導要領で教科書も変わって、新たな学力を求めるという内容での展開に合わせた形での県立高校の入試の改善というのは理解ができます。

 また、私も、今までいろいろなメリット、デメリットというのを地元の方々から伺っておりますが、前期に学力試験がなくて推薦で入れたものが、今度は共通の基本的な試験によって、一次選考みたいな形が出てくるんだろうなと思うんです。県立高校の入試は全員が受けたって全員が入れるわけではないわけでしょう。そうすると、まず共通の試験を受けて、それから1箇月か1箇月半たってから最初の発表があるわけですよね。その間に、先ほどの説明を受けたのを見ると、その間に面接だとか各学校ごとの特徴を生かした検査、これは学力試験だけではないように聞いていますけれども、検査というものもやって、最終的に各学校ごとの合格者が発表されるという手順なんですよね。

 最初の学力検査ではその結果がある程度発表されるわけでしょう。その辺の手順が、さっきの説明だとよく分からないので、もう一回説明してもらえますか。

高校教育企画課長

 今お話がございましたような手順でございますけれども、基本的には、まず学力検査と面接を全ての学校で実施させていただきます。それらについては、学力検査のところで合格者を決定するとか、その残りを面接で決定するというような方式ではございませんで、共通の選抜機会の中で学力検査を一人の生徒が受け、また面接も受けて、そして中学校から頂いた調査書の評定を総合して合格者を決定していくという形になってございます。さらに、それぞれの学校の特色に応じまして特色ある検査を同時に実施することができるということで、例えば美術コースにおける実技なども加えられるようにしてございます。

 当然、そういった検査を加えた場合には、先ほどの学力検査、面接、調査書の成績に加えまして、この特色検査の成績も総合させていただいて合格者を決定していくという流れでございます。

小川委員

 そうすると、志望校替えという点では、どういうふうな判断で志望校替えをするのか。

高校教育企画課長

 今回の共通の選抜については、志願変更の機会というものを設けております。これは今までも設けてきた制度でございますが、自分が希望する学校の倍率が非常に高い場合ですとか、そういった中で公立高校をどうしても受検したいといった生徒につきましては、その段階で次に自分が志願したいなと思っている学校に志願変更ができるという制度でございますので、志願の状況を見て、その段階でその受検生に判断していただける、そういう機会と捉えてございます。

小川委員

 共通の試験というのはどのぐらいのレベルなんでしょうか。基本的なものを検査する試験を想定しているんですか、どうなんでしょうか。

高校教育企画課長

 共通の検査で実施します学力検査でございますが、当然、中学校の学習指導要領に基づいて問題を作成するということでございますので、中学校の学習指導要領の範囲を逸脱するようなことはないと捉えてございます。

 ただ、今回の提言の中で、新たな学力の二つ目の要素である思考力や判断力、あるいは表現力といった能力について、これまで以上に見ることができるような問題としていくことが望ましいというお話を頂いてございます。当然、その生徒一人一人の思考力や判断力、また表現力等を見る場合には、単純に選択肢で答えるというような形だけではなくて、実際に考えて自らの思いを表現するといった内容も加味していかなければならないものと考えてございます。

 そういった意味では、中学校でしっかりと基礎的な知識、技能を身に付けるとともに、考える力も身に付けた生徒、そういった生徒がこの学力検査の中で評価されるという形になろうかと考えております。また一方の面接につきましては、学習への総合的な意欲というようなものをしっかりと把握するとともに、その生徒がこれまで中学校までどのような点を努力してきたか、例えば部活動を一生懸命やってきた、あるいは校外のボランティア活動に積極的に参加してきた、そういった内容についても捉えていけるような面接としていかなければならないと考えてございます。今後、その具体的な学力検査の問題内容ですとか、面接における観点等については、引き続き方針案をお出しして、また御意見を伺いながら整理していきたいと考えてございます。

小川委員

 平成25年から始めるということで、各資料の扱いを見ると、第2学年と第3学年の9教科の評定を用いるとか、中学校においての内申書についてはこういうふうに評定で使いますとか先ほども報告されているわけですけれども、こういうものをどう組み合わせて、それぞれの学校の特色を出していくのかということが、この新しい改革の一つの特徴なのかなとは考えるわけです。その基本的な学力検査であるがゆえに、いわゆる進学校と言われる湘南高校とか多摩高校とか、そういう高校に関しては、やはりそれなりの検査というのを学校独自でやられるのかなという推測もあるわけですけれども、その辺はまだ全然分からない状況ですか。

高校教育企画課長

 今お話がございましたように、今回それぞれの学校の特色を生かすという観点から、まず資料の扱い方について、例えば調査書の評点について重視をしていくのか、その到達度としての学力検査というものを重視していくのか、あるいはその生徒の意欲や人物も含めました面接というものを重視していくのか、こういったことについては、それぞれの学校で比率をお決めいただくということを考えてございます。そういった中で、それぞれの学校が求める生徒像というのが明らかになってくるだろうということが一つございます。

 また、御指摘がございましたように、これまで学力検査において独自問題を実施していた学校もございます。ただ、今回の学力検査の改善では、今までの独自問題の趣旨でございました、より深い思考力ですとか表現力を見るという部分を、共通の学力検査の中に取り込んでいこうという趣旨でございます。そのため、それぞれの学校が、共通の学力検査以外に教科としての検査を行うことはないと考えてございます。

 ただ、特色ある検査ということがございますので、例えば環境をテーマにしながら自らの考えを述べていただくとか、そういったような検査については考えられるのではないかと考えておりますが、この特色検査の具体的な内容につきましても、今お話がございましたように、今後更に整理していきたいと考えてございます。

小川委員

 今の御答弁は重要なことをおっしゃっているなと思って聞いていたんですけれども、深い思考力も確認しながら共通試験をやるという、非常に難しいところを目指しているんだなと思います。昔、神奈川方式でアチーブメントテストというのもありましたよね。そういうものを改革してきて、何回かの改革を経て今回、平成25年からこういう形でやるということです。その時代の子供に合った入試の在り方というのはもちろんあると思いますから、変えることがいけないということはないとは思っておりますが、共通の試験問題を行うということによって、高校の赤本ではないですけれども、大学が全部ランク付けができているように、高校のランク付けができてしまうようだと困るなと。それは勝手に民間の塾の方々がやるかもしれませんけれども、そうではなくて、そういうことがやりやすくなってしまうのが非常に心配だなという思いであるんですね。これは子供たちのためにも非常に心配だなと思います。

 そこら辺の工夫はいろいろな組合せでとおっしゃるわけですけれども、それでちゃんとうまくできるのかなという心配があるので、最後に伺いますけれども、その辺の考慮はどうなんですか。

高校教育企画課長

 先ほどお話をさせていただいた部分とも重なる部分がございますが、やはり本県の選抜制度の理念というのは、一人一人の持っているものを多面的に捉えていこうというところがベースになってございます。そのため、いわゆる数値のみによらないという選抜をこれまでも行ってまいりました。この理念は生かしながら、生徒の特性、長所に着目した選考が行われるような工夫を今後も続けてまいりたいと考えております。

小川委員

 子供たちの気持ちを大事にしながら今回の改革を慎重に進めてもらいたいなという気持ちはあるんですが、3ページのところに、さっきの御答弁とちょっと違うようなことが書いてあって、共通の検査に加えて、特色に応じて実施することができる検査を行うことができる、その場合、学力検査の教科数を3教科まで減ずることができると、こう書いてあるではないですか。だけれども、こういう学力検査は余り想定していないというさっきの御答弁だったので、これはどういう意味なんですか。

高校教育企画課長

 先ほどからお話ししてございますように、全日制の場合、共通選抜の機会では国語、社会、数学、理科、外国語の5教科を原則として実施させていただく、これが原則でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、それぞれの学校の特色に応じて、共通の検査に加えて実施することができる検査、例えば実技検査ですとか自己表現の活動であるとか、こういったものを付け加えることができるという配慮をしてございます。その場合、5教科の学力検査を行い、さらに特色検査を行うということで、受検生の負担が大きくなるような場合には、学力検査の教科数を減ずることも可能ですという意味でここには記載させていただいております。実技検査や自己表現検査をやる場合には3教科にしなければならないという意味ではなく、5教科の学力検査を行った上で、更に例えば美術のデッサンのような実技検査も行いたいという学校につきましては、5教科プラス実技検査というような形も採れるものとして整備してございます。

小川委員

 その説明でよく分かりました。5教科が基本だけれども、学力以外の実技検査等をする場合には、学力検査の教科数を5教科ではなくて3教科にすることもできますよと、そういう意味なんですね。

 よく分からなかったので今確認したわけですけれども、いろいろな部分に配慮されているということがよく分かりました。そこで、そもそも試験をどうして行うのかということ、高校の入学試験についてもそうですし、中間試験とか期末試験とかもそうですけれども、そもそも学校で試験を行う意義というのはどう捉えていらっしゃいますか。

高校教育指導課長

 学校におけるテスト、特にペーパーテストですけれども、あくまでも学習の到達度の把握ということを主眼に置いて実施していると考えております。

 入学者選抜のこの学力検査というものも、受検生の学習の到達度を量るというのが主眼だと考えております。

小川委員

 学習の到達度をどうして量らなくてはいけないんですか。それはどうして量るんだと思っていらっしゃいますか。

高校教育指導課長

 学習指導要領には、各教科、科目の目標というものが示されております。例えば理科なら、理科の学習指導要領に到達目標というものが示されており、これこれを理解する、あるいはこれこれに関して考察する、そういう目標が出ておりますので、それに従って学習している公立中学校あるいは公立高等学校というところは、その到達度を常に把握し、それが生徒の評価活動につながると考えております。

小川委員

 評価活動につながると今おっしゃったんだけれども、それは評価をしなければいけないお立場の発言なんだと思いますよ。私も生徒を教えたことがあって、何のために勉強するんですか、何のために試験を受けなければいけないんですかという基本的なことを子供たちは考えますよね。そういうときに、その生徒の気持ちに応じた正しい答えを出してあげるのが教員の役割であり、親の役割なんだと思っているんですね。そうすると、社会に出て、きちんと社会に貢献でき、また家族を養っていける自立した大人として生活していくためには、いかに基本的な学科の勉強が大事なのかということを教えてあげることが、その子たちの学習意欲を増していくことなんだと私は思うんです。

 そういうお答えが今欲しかったんだけれども、残念ながらそのお答えがなかった。でも、教育委員会のお立場だとそういうお答えしかないのかなと思います。高校入試にしても、中間試験や期末試験においても、子供たちがどういう大人になって社会に出ていくのか、そしてそのために必要な基本的知識を学校では教えているんだという姿勢を先生たちがとっていただければ、子供たちが、何で勉強しなければいけないのという疑問を抱くことも少なくて済むのではないか。学校生活は、勉強以外にもいろいろなことを学ぶ場ではありますけれども、勉強が基本だとすれば、先生方のそういう姿勢が大事なのではないかなと私は考えております。

 高校入試の今日の御説明においても、様々な観点で考慮、配慮がされているなということはよく分かりましたが、改善するための話合いの基礎となったアンケートの内容は、平成21年度の県民ニーズ調査に基づいたものです。その内容をよく見てみましたら、入試制度をどうするかということに関して、生徒も親御さんも具体的な考えがあるわけではないなということが見てよく分かりました。要するに、中学校での進路指導をしっかりやってもらいたいということ、それから高校に入ってからも、その子の将来のためにしっかり指導してもらいたい、自分の能力を生かせる高校に入りたい、そういう指導が必要なんだということに重点を置かれているなと私は読みましたので、そこら辺のところをきちんと把握していただいて、子供たちにとってより良い入試制度にしてもらいたいなと思っておりますが、いかがですか。

高校教育企画課長

 今お話がございましたように、高等学校の入学者選抜というのは、単に高校への入学者を決定するという役割にとどまらず、中学校の学習成果を高校につなぐという、そういう中高の接続という視点、これが大切なものであると考えてございます。

 今回の改善に当たりましては、確かに新しい学習指導要領が求めている基礎的、基本的な知識、技能、思考力、判断力、表現力、さらには学習意欲、こういったものがやはりそれぞれが階層的になっていたり、一つ一つが独立しているものではなくて、相互に関連し合って伸びていくものだろうと私どもも捉えております。

 そういう意味で、今回このような改善を行うことによって、中学校における教育活動、とりわけ学習指導におきまして一層の改善、充実につながっていくことを目指してまいりたいと思っておりますし、さらには、高校の特色というようなものをしっかりと意識して学校を選択するということは、生徒が主体的に将来の自分を考えるというキャリア教育の視点に立った進路指導の充実にもつながるものと考えてございますので、そういった視点を忘れずに取り組んでまいりたいと思っております。

小川委員

 今日初めて伺っているわけですから、我が会派としても内容についてまた検討しながら議論を積み重ねていきたいと思いますが、御努力いただきたいと要望して関連の質疑とします。

三橋委員

 今お話があったように、中学と高校をつなぐという視点で入試改革がなされたものと認識しますが、現行制度では各学校が選考基準を独自に定めていたことから、選考基準の複雑化といった運営上の課題があったことも承知しています。この課題にどのように対応したのか伺います。

高校教育企画課長

 現行の制度では、各学校の選考基準をそれぞれの学校で定めるというような形を採っておりましたことから、今御指摘のような、選考基準の複雑化というような運営上の課題についてのお声がございました。現行の選抜制度では、それぞれの高校の特色をより明確なものにしていこうという趣旨から、各校の主体性に応じて選考基準を弾力化してきました。このことは当然、保護者の方、中学校、高校においても一定の評価は受けているとは捉えておりますが、選考基準の弾力化を図ることによって、それぞれの学校の選考基準が全く違ってくるといった部分については、やはり分かりづらい、複雑であるという御指摘がございました。

 今回の改善でございますけれども、それぞれの学校での扱い方をまず同じように整理しつつ、それぞれの学校で、先ほど申し上げましたような評価の重点化を図ることによって特色も打ち出せるという方式にすることといたしましたので、一定の算式で合計の数値が出されて、それに基づいて選考されるという点では共通化が図られ、また、その共通の数値を算出する際にそれぞれの学校の特色を出していくという形になりますので、選考基準の複雑化への改善ということについても一定の改善が図られると捉えてございます。

三橋委員

 システムがとても複雑になっているかのように見えますが、実際には選抜期間が短くなると思われます。これまでの運営上の課題であった選抜期間の長期化は、どの程度改善されたのか伺います。

高校教育企画課長

 選抜期間の長期化という課題でございますが、現在の選抜制度では1月中旬から前期選抜が始まっておりまして、全日制では2月の末まで、定時制、通信制ですと3月の中旬までと非常に長い期間、選抜の期間が設けられておりました。その中で、中学校のみならず高等学校においても教育活動に様々な影響が生まれてしまっているという御指摘もございました。

 今回の改善では、これまでの前期選抜と後期選抜、これを一体化した共通選抜を設定させていただきますので、具体的には2月に入ってから選抜が始まるような形で設定できるものと現在考えておりまして、1月の中学校、高校における授業の確保を図りながら、こういった長期化の部分についての改善も図られていくものと考えてございます。

三橋委員

 先輩議員から、改善、改革に100点満点はないということを伺っております。そしてまた、今課長からるる説明があったことも、実際にある高校を具体例にして、先日、課長から私に説明していただきました。その際には、今まで複雑になっていたものがかなり整理されて、かつ多様性を残しながら、しっかりとした改革がされていると思います。

 しかしながら、このような議論の場ではどうしても時間の関係があり、ゆっくり議論することができないのですが、この入学者選抜制度改善方針に書いてある数式について、一見複雑なように見えますが、これをゆっくりと当てはめて考えてみると、とても洗練されたものになっているのではないかと私自身は考えております。

 これらの改善により、中学校においてはどのような影響があると考えられるか伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 中学校においてということでございますが、先ほども申し上げましたように、こういった複雑化したものからきちんとした形で共通の基準で整理されますので、中学生、そしてまたその保護者の方々も、ある意味安心して入学者選抜に臨むことができるという状況に変わっていくとも考えております。またそれ以上に、先ほど申し上げましたような、中学校における教育活動、特に学習指導についてしっかりと改善、充実が図られていくものと思っております。

 また、これまで前期選抜の合格発表以後、合格が決定した生徒と後期選抜に向けて努力している生徒が混在しているといった中学校の教室の状況、こういったものも改善され、1月中の中学校の教育活動、またその段階での進路指導の時間などが十分に確保されていくことになるのではないかと考えてございます。

 当然、入学者選抜については、今お話がありましたように、ベストな方法というのはなかなかないと私どもも捉えております。その中で、より良い制度を求めて考えてまいりたいと思っておりますし、その中で、新たな制度を実施した上で、また課題があればそれをしっかりと捉えて改善していくという、そういった視点も持ってまいりたいと考えております。

小川委員

 三橋委員が言ったことももちろんそうなので、そのとおりなんだけれども、受検する立場の子供たちからしたら、2回チャンスがあったということは非常に大きなことなんです。今おっしゃっていた、学校における前期と後期の間の出来事、指導しにくくなるというのは学校側の問題であって、生徒の問題ではないわけですよ、指導がしにくいというのは。だから、そういう自分たちの立場に立った議論というのはしてもらいたくない。生徒が何を望んでいるのか、生徒がどういう高校入試の在り方を望んでいるのか、それをメインにして考えてもらわないといけない。そう考えていれば、今みたいな答弁はないと思うんですよ。指導のしにくさをメインに置いてはいけない。

 ニーズ調査によっても、子供たちは2回もチャンスがあることを非常に評価していて、過半数の子供たちはそれが一番素晴らしいと答えているわけではないですか、親にしても。だから、それを今のように1回にしていく、推薦もなくしていくということに結び付けていくには、子供たちの理解、親の理解というものをどういうふうに得ていくのか。そういう視点がないと、今のような御答弁では学校側に立った答弁だから、子供たちや親は納得できないと思いますよ。もうちょっと親切な形でやってあげないと。

 入試制度を変えるということは、それは悪いことではないし、その子供たちに合ったやり方をしていく、それから高校改革も進んでそれぞれの高校の在り方が変わってきた。そういう全体的なことを踏まえて変えるのはやぶさかではないけれども、まず第一に子供たちのことを考えて改革してもらわなければ困るということを一言申し上げますが、それについてどう思うかというのを伺います。そうでないと関連になりませんから。

高校教育企画課長

 今御指摘がございましたように、2回のチャンスがあるということで様々なチャレンジの機会があったということは、高い評価を頂いているところでございます。今回の改善では、尺度の異なる選抜が持っていたその両方の選抜の良さを生かしていくということを主眼に考えてございますので、先ほど申し上げましたのは、1月の中学校での教育活動の充実ということも生徒のより良い学習指導という部分につながってまいりますので、そういった点も含めて考えていきたいと思っております。

 この改善した選抜制度が、生徒一人一人にとって意義のあるものにしていくような方向で進めてまいりたいと思っております。

三橋委員

 先ほども申し上げましたが、改革に100点満点はないと、その中で新しい入学者選抜制度が公平性、客観性を担保しながら中学校での学習の成果を高校へと多様につなぎ、子供たち一人一人の個性、特性を更に伸ばしていけるように、今後も制度を見直しながら取り組んでいただきたいということを要望させていただきます。

 続いて、教科書採択についてです。

 先日の我が党のしきだ議員の本会議における代表質問で、中学校の教科書採択に関連して、市町村教育委員会が教科書採択を行う際の参考となる資料である教科用図書調査研究の結果について何点か伺わせていただきたいと思っております。

 既に、この報告書は県教育委員会のホームページに掲載されていますが、こちらについて、まず教科用図書調査研究の結果を県教育委員会が作成する理由と、冊子の構成について説明をお願いいたします。

子ども教育支援課長

 まず、はじめに教科用図書調査研究の結果を県教育委員会が作成する理由につきましてお答えいたします。

 県教育委員会の役割といたしましては、市町村教育委員会が行う教科書採択に関する事務につきまして、適切な指導、助言又は援助を行わなければならないとされております。指導、助言、援助の一つとして教科用図書の調査研究を行いまして、その資料を作成することがございますが、この資料が今委員の方で御指摘いただきました教科用図書調査研究の結果という資料でございます。

 次に、冊子の構成のお尋ねでございますが、この調査研究の結果の、最初に観点がございます。これは、どのように教科書の調査研究をするかといった視点を記載してございますが、この観点につきましては、教科、種目に共通のものと、それから教科、種目別の観点、これらを設けております。それ以外に、国語から英語まで各教科の調査研究の結果がずっと続いておりまして、文章で表記してある部分と、主に数値で示してある部分、この二つの資料に分かれてございます。

三橋委員

 調査研究の観点には共通な観点があるという説明でありましたが、教育基本法、学校教育法及び学習指導要領との関連、かながわ教育ビジョンとの関連が観点として設けられた経緯について御説明をお願いいたします。

子ども教育支援課長

 経緯についてのお尋ねでございますが、約60年ぶりに教育基本法が改正されまして、道徳心の育成でございますとか、伝統文化の尊重、これらが教育の目標として新たに加えられるとともに、その改正法に基づいての学習指導要領の改訂がございました。

 そこで、県教育委員会といたしましては、これらの内容が全ての教科書に適切に反映されていることが大切であると考えまして、教育基本法の第2条、教育基本法の第6条の第2項、学校教育法の第46条、そして学習指導要領の教育内容の主な改善事項、これらを調査研究の観点といたしました。

 また、かながわ教育ビジョンでの目指すべき人間像を掲げた内容でございますが、それぞれの地域で最も適した教科書を採択していただくに当たりまして、ビジョンで示しました目指すべき人間像に掲げた内容を、それぞれの教科書でどのように捉えているかという県独自の観点として設けさせていただいております。

三橋委員

 もう少し説明をお願いしたいのですが、それぞれの教科で資料?、資料?とありますが、どのようなものか御説明をお願いいたします。

子ども教育支援課長

 まず、資料?についてでございますが、これは先ほどもお話し申し上げましたように、教科に共通な観点ということで、例えば先ほど申し上げました教育基本法、学校教育法及び学習指導要領との関連、それからかながわ教育ビジョンとの関連と、各教科の学習指導要領等の改善事項を踏まえました内容、そして、構成、分量、装丁という教科書の中で具体的にどれぐらい系統的、発展的に構成されているかですとか、生徒が使いやすいようなものとなっているかどうか、それから、表記、表現といった文章の仮名遣いですとか図版が的確に使われているか、こういうものを共通の観点として資料?でまとめてございます。

 資料?につきましては、その教科の中で内容をより詳しく、教科のそれぞれの目的に応じまして具体的に数値等を活用しながら調べた結果をまとめたものでございます。例えば国語科で申し上げますと、国語科の学習指導要領の目的等にあります、話すこと、聞くこと、書くこと、そして読むこと、こういった教材の内容ですとか、今回の学習指導要領の中心となっております言語活動等が適切に取り上げられているかどうかということを、具体的に数等をカウントする中で、数値として示させていただいているといったようなものでございます。

三橋委員

 調査研究をされた内容を見ると、それぞれの教科書について比較や評価をしていないように見えますが、その点について御説明をお願いします。

子ども教育支援課長

 比較、評価をしていないようであるという御質問でございますが、県教育委員会が行います調査研究は、市町村教育委員会が教科書採択を行う際の参考となる資料を作成することにございます。したがいまして、調査研究の観点に基づきまして、対象となる全ての教科書1冊1冊につきまして正確に、そして適切にその内容が記載されているかどうかということを、一面的な記載になっていないかも含めまして、事実をあくまでも客観的に調査する、それが県教育委員会の果たす役割でございます。

三橋委員

 教科書固有の観点があるということですが、特に歴史分野についてお伺いしたいのですが、ホームページに掲載されているので用意はしていないんですが、歴史-12というところを見ると、源頼朝から始まって尾崎行雄までは各教科書で取り上げられている、それが比べられるような形で載っていると思います。そして、先ほどの話で比較や評価をしていないというところでは、人物を挙げているところで、すぐその隣の13ページに人物が列挙してあると思います。

 この列挙してある形、こういう表の形では、これは比較や評価をしていないと言ってもいいのではなかろうか私は考えるんですけれども、その点、いかがでしょうか。

子ども教育支援課長

 委員の御説明にございました源頼朝から尾崎行雄の部分につきましては、実はこれは、神奈川県にゆかりのある人物という形で整理をさせていただいているものでございます。したがいまして、教科書の中で神奈川に関する人物ということでお示しさせていただいております。なぜ神奈川に関する記載をお示しするかというのは、先ほど申し上げましたかながわ教育ビジョンとの関連で、それぞれの地域の特色を生かした教科書を採択するという観点からのものです。

 それ以外の部分には、教科書に記載されております人物を全て調査し載せてあります。したがいまして、先ほど御説明した趣旨に沿いまして、整理の上、調査研究の資料は作成していると捉えております。

松田委員

 関連で伺いますが、今、選定資料の話が出ていましたけれども、話は違うけれども、郷土史かながわを拝見させていただいたけれども、大変良いですね。といってもまだ今年の皆さんは見ていないでしょう。今度是非配ってください。これが、神奈川県教育委員会が作った郷土資料。これはいいですよ。この中に出ている中で、さっきも人物像が出ていたけれども、二宮金次郎、二宮尊徳が出てきますね。これは大変詳しく書いてあるし、渋沢栄一との関連も書いてある。これは誰が作ったのか。作った感想も含めて、教育指導部長どうですか。

教育指導部長

 作ったのは私でございます。県内の県立高校の教員及び指導主事等が共同して作成したものです。

松田委員

 続いて教育長、二宮尊徳に対してはどう思われますか。

教育長

 県内のいろいろな小学校のグラウンドに立っているというイメージをずっと持っていたわけですけれども、今回いろいろ私も勉強させていただきまして、いろいろなところの中で、経済とかあらゆる部分の中で、節約だとか、美意識的な倹約ですとか、今の世の中にもつながる、当時としてはかなり進んだ二宮尊徳の発想や活動があって、今、彼の思想が全国に広がっております。現代においても我々の大変参考になるものであるという感想を持っております。

松田委員

 大変良くできた郷土資料であるし、この教科用図書の調査研究、これも、教科書によって内容はばらばらですけれども、この調査研究は大変良くできているし、内容も充実していると思いますよ。短期間でありましたけれども、何人ぐらいで、何箇月で作っているのですか。3月31日に検定が終わりましたよね。それから作成はスタートしたのですか、どうなんですか。

子ども教育支援課長

 調査員65名によりまして、大体1箇月の中で4回ほどの調査委員会を開き、その中でこれを作成させていただきました。

松田委員

 神奈川県教育委員会はそれだけの能力があるということで、これは我々も大変評価します。本当に素晴らしいと思います。特にこの中で、教科・種目に共通な観点の中でも、教育の目標、これを明快に上げて、教育基本法、学校教育法及び学習指導要領、当然、学習指導要領が一番現場に近いものですが、その上位の法として学校教育法があり教育基本法があるという、そういう概念でいいんですよね。

 この中で特に、教育基本法第2条を上げて、豊かな情操と道徳心、これは一つ目の観点ですね、目次の次のページです。これは一番大事なところなんでしょう。豊かな情操と道徳心、それから勤労や公共の精神を重んずる、そして伝統文化を尊重し、我が国と郷土を愛する等々の、今回の基本法で大きく変わった点も書いてあります。これは教育基本法の第2条だけれども、第1条は何でしたか。

支援教育部長

 教育の機会均等を理念として掲げた条文だと記憶しております。

松田委員

 教育基本法第1条は、またこれも教育の目的なんですが、国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない、とある。健康な国民を育成するんだという教育目的ですね。これが第1条なんです。この第1条があって、次に第2条が出てくるという、この章立ては、もう明快だと思っているんです。特に、国家という概念、それで国民という概念、これらについては様々な議論があるかもしれませんが、政府の中でも国家という概念は国民と主権と、それから領土というこの三つによって国家が成り立っている、これはもうどこの国も確定している。

 そういう観点で見ていくことにして、教科用図書調査研究の結果の中の、例えば領土の問題を見てみましょう。

 公民の16、大体真ん中より手前、領土問題の記載があります。ここで例えば、尖閣諸島については、去年の9月7日に中国漁船の不法な行為で大変大きな国民的な議論になりました。我が国固有の領土であるということは、これは明確に誰もが認めていることだと思いますが、この中で東京書籍は、尖閣諸島に関しては151ページ「沖縄県先島諸島の北方に位置する尖閣諸島は日本の領土ですが、中国がその領有を主張しています」と、それだけしか書いていない。隣を見ても「中国もその領有を主張しています」とある。帝国書院になりますと地図だけしかない等々、この尖閣諸島は大変記述が少ないのが気になりました。

 先ほどの課長の説明で、事実をそのまま列記しているということでありますから、私はそのまま申し上げています。これを見ただけで、もう歴然と尖閣諸島に対してもこのようなばらつきがある。これが実際のことなんでしょう。

 中国もその領有を主張していますと教科書に記載されていたら、先生方はどういう授業をしていくんだろうと考えてしまいます。教育局の皆さんの中に社会科の公民の先生はいらっしゃるのかな。こういう場合にはどういう指導をされるのか。今、国民的な議論の中では、固有の領土であるという尖閣諸島に対しては、我々は領有権を主張しなければいけない、これは外務省の見解でもあるし国の見解であります。ところが教科書にはあちらも主張しているという記載があるんですけれども、どういう授業をするんだろう。

子ども教育支援課長

 今、領土問題に関してのお尋ねがございましたが、実は前回の教科書よりも今回の教科書の方がこの領土問題に関しましては、かなり言葉が明確になってございます。不法占拠ですとか日本固有の領土といった表現が前回に比べてより明確になっているという部分が一つございます。

 授業の場面では、教科書は主たる教材でございますから、当然その教科書を中心にしながら、公民という教科の特色から、時事的な問題等も含めましては、新聞、ニュース等で報じられているものも資料にしながら、できるだけ公平な立場で子供たちが様々な意見が持てるような、そういう授業展開を実施しているのが現状でございます。

松田委員

 こういう議論をしていると切りがなくなるので、公民はこれで終わります。

 自衛隊問題とかまだ様々な問題があるし、ただ事象的な問題という部分で捕らまえていただければいいんですよ。

 では、歴史の問題に戻りましょう。

 歴史問題で、実は歴史の23ページに拉致を初めて載せています。公民ではなく歴史として拉致問題を取り上げているんですね。この歴史22、23ページに関しても一例を挙げてみましょう。

 東京書籍に関しては「依然として問題は解決しておらず、国交正常化の動きも進んでいません」、「多数の日本人を不法に拉致したことが明らかになった北朝鮮との関係も難しい問題です」との記載がある。確かにそうなんだろうけれども、ちょっと気になったのが、帝国書院の「北朝鮮による日本人の拉致問題が明らかになるなど、近隣諸国との関係には多くの課題もありますが、その重要性はますます高まっています」という部分です。言いたいことは分かりますが、日本人の拉致問題とこの問題がどう関係あるのか私には分からない。特に歴史の認識としてですよ。そして、拉致被害者の写真等があるわけなんですが、この歴史の近現代の中で、こういう実態があったということをやはり認識させるべきだとの思いが私などにはありますので、この拉致問題については、国家主権に関わる問題であると、テロであるということ、それが近現代に起きた事実であるということ、公民と歴史とでは明快に分けなければいけないというものの整理がここの中ではされていない。

 これもまた大変難しい問題ですが、子供たちにどうやって伝えていくか。特に、本県には横田めぐみさんのお父さん、お母さんが在住しております。御承知おきでしょうが、33年前、中学1年生の女の子が11月15日に体育館でクラブ活動をやっていた後に拉致をされるという事実、その問題を中学生が習うということで、これが一体どういうことかということ。この教科書ではこの問題は解けない。この中では、何枚か写真も写っているし、この辺りは世間でも周知されているようなことですが、この問題を、単なる近隣諸国との問題や外交問題と絡めていくのか、私はそれではこの問題は解けないと思っていますが、あえて皆さん方にこれは答弁を求めません。これは答弁しにくいでしょう。

 最後に、一つだけ答弁を求めますが、先ほど三橋委員に触れていただいた歴史の12、13ページの人物像です。特にこの内容等については、北方領土をはじめ様々な問題がありますが、あえて神奈川に関連する人物では、源頼朝、北条政子、北条時宗、新田義貞、二宮尊徳、ペリー、尾崎行雄とあります。この中で、先ほど我が教育長も、二宮尊徳を大変尊敬するし、歴史的なものもあると言われたけれども、二宮尊徳が記載されている教科書は2冊しかない。あと他の歴史教科書7冊のうち5冊は二宮尊徳、新田義貞の記載がないという、そういう実態がこの研究資料に出てきている。

 大変分かりやすいですね。神奈川にとってこういうような実態があるということは。教育長は教育委員でもありますね。そして、今回のこの採択に関しては、教育委員が中学校の教科書を採択するという、そういう使命を持っているし、そういう責任がありますが、あなたは教育委員として採択しなければならない。神奈川の中学校の教科書に関しては、ここに二宮尊徳の記載が入っていない教科書、これを採択できますか。

教育長

 なかなか難しい御質問を頂きまして、個人的な意見というのはいろいろあると思いますけれども、中学校の教科書につきましては、市町村の教育委員会の方の採択となります。県の方は、中高一貫をやっている部分がありますので、そうした学校の部分については県の教育委員会が採択に関わってまいります。その辺につきましては、私含め、教育委員会の委員と協議の上、決めていきたいと考えてございます。

松田委員

 分かっています。採択の権限は各市町村の教育委員会でありますから、今私は中等義務教育の中における教科書採択についての使命についてお尋ねしました。

 冒頭、二宮尊徳をどうしますかと伺ったら、大変尊敬すると言われた。あなたの教育委員としての思いを私は大事にしてほしいと思っています。静ひつな環境の中、教育基本法にのっとった教科書を採択していく、それがこの1箇月間で決まっていくわけなんです。

 教育長が本会議で答弁していましたが、私は大変大事な答弁だったと思っています。教育長はこういうふうにおっしゃっていました。教育の目標として新たに加えられた伝統文化、道徳心の育成、これらについて調査研究の観点に基づき、今後、採択に至る経緯や採択理由の公開を求める外部からの不当な働き掛けを排除し、静ひつな環境を確保した中、公明、適正に採択を進めるようにしてまいりますとおっしゃった。これでいいと思うんです。私はあえて公民の問題を出したけれども、歴史の問題も含めて、どうもいろいろなものがまとわりついてくるような気がしてならないんであります。是非、教育基本法の理念にのっとった採択、それがこの神奈川において進められるようにお願いしておきます。

三橋委員

 今、松田委員からお話があったように、この歴史の12ページに書いてあるように、表になって比較可能であれは一目瞭然でこういうようなことが比較できる。しかしながら、歴史の13ページから19ページのように、これもこれだけの労力を割いているのであれば、列記しているのと表にするのは、それほど大差ないことだと私は考えております。

 できましたら、しっかりと比較可能な形にして、今後この問題が発展的に良い方向に行くことを私は望んでおります。しきだ議員が代表質問をしたように、60年ぶりに教育基本法が改正され、学習指導要領が改訂され、新しい学習指導要領に基づく教科書採択が行われています。限られた時間の中で全ての教科書について調査研究をすることは大変な作業であったと思います。また、市町村教育委員会が行う教科書採択において、今後とも改善を重ね、県教委がしっかりと示し、より分かりやすい資料となるよう取り組んでいただきたいと要望いたします。

 次に、拉致問題について伺います。

 拉致問題に関しても、我が党のしきだ議員の代表質問に対して、風化させることなく継続して取り組むことを、知事並びに教育長が答弁されました。そこで、拉致問題に関する今後の教育委員会の具体的な取組について伺います。また、先般、もう配られていると思いますが、拉致問題に関する教材である、アニメめぐみについて、これまで学校現場でどれくらい活用されているか伺います。

行政課長

 アニメめぐみにつきましては、県立学校が170校ございますけれども、平成21年度が32校、18.8%の活用であったのに対し、22年度は94校、55.3%の活用となっております。あと、小中学校でございますけれども、平成21年度が26%、平成22年度につきましてはまだ調査中でございますけれども、昨年の8月の時点で46%という調査の結果が出ております。

 ただ、おおむね半数の学校で視聴していると把握してございますけれども、学年末に視聴を予定している学校も幾つかあったのですが、東日本大震災の関係で視聴できなかったというお話も伺っていますので、今年度はもう少し伸びるのではないかと考えております。

三橋委員

 7月4日の産経新聞に、生徒に上映したのは3%台というようなアンケート結果が載っております。こちらの方は統計処理上そういうような数字が出ているのだと思います。神奈川県においてはしっかりとした状況把握を願いたいと考えております。

 さて、学校でアニメめぐみや、映画「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」を上映する機会というのはどのような場面なのでしょうか、伺いたいと思います。

行政課長

 アニメめぐみにつきましては上映時間が25分と比較的短いものでございますので、授業の中で、社会科や道徳、あと総合的な学習の時間等の中で視聴していただき、生徒にいろいろ感じたことを話し合わせるということができるものと思っております。

 あと、映画「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」なんですけれども、こちらの方は90分と大分長い映画ということでございますので、なかなか授業の中で取り上げるのは難しいのかなと思いますので、例えば学年の行事ですとか、人権の講演会と、こういうところで活用されるのではないかと思っております。

三橋委員

 教育長が、映画「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」を全県立高校に配付すると答弁されましたが、再度確認したいと思います。また、配付する場合は新たに予算措置をするのでしょうか、伺います。

行政課長

 映画「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」につきましては、御答弁させていただいたとおり、全県立高等学校と中等教育学校、こちらの方に配付したいと思っております。予算につきましては、1本5,000円弱ですが、実際購入するときには4,000円ぐらいと考えておりますので、全体で50万円弱ということで既決予算の中で対応したいと考えております。

三橋委員

 朝日新聞のある記事では、知事が、副教材を使ってきちんと教えているかどうかを検証できないとも指摘しております。そういう意味では、上映した感想を生徒に聞くのも必要かと考えております。また、教育長答弁においては、具体的には今年度、小中学校については拉致問題に関する指導例を作成し、アニメめぐみとともに市町村教育委員会に指導を働き掛け、県立学校につきましては教育課程の研究集録に指導例を掲載、そして「めぐみ−引き裂かれた家族の30年」を全県立高等学校に配付するとのことでした。拉致問題は、人権侵害にとどまらず、被害家族におかれましてはとてつもない喪失感を伴うものです。その解決に至るまでは決して風化させないように教育局の方にも要請するものでございます。以上で、質問を終わります。

飯田(満)委員

 民主党・かながわクラブの飯田満でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、冒頭でありますけれども、3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられました方々に心から哀悼の意を表したいと思います。同時に、被災された多くの皆様方にお見舞い申し上げたいと思います。また、いまだ行方不明となっていらっしゃる方が多くいらっしゃいますけれども、早期発見がされますことを心から祈念を申し上げ、また早期に復旧、復興されますことを期待いたしたいと思います。

 今期の常任委員会に付託されました諸議案並びに教育局関連の所管事項について質問させていただきたいと思いますけれども、その前に、1854年、安政元年になりますけれども、和歌山県を襲った、当時マグニチュード8.4とされておりました東南海地震の発生におきまして、実は、しょうゆ屋を営んでいました濱口儀兵衛さんという方のお話があります。その事実、実話に基づいたものがあるんですけれども、それが実はタイトルが「稲むらの火」というタイトルでありまして、もしかしたら御存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 このしょうゆ屋を営んでいました濱口儀兵衛さんという方は、東南海地震の発生後、津波が発生するということを予見しておりまして、自ら収穫した高台にあるところの稲村に火を付けまして、町人が濱口さんのしょうゆ屋さんが火災が起きていると、稲村で火災が起きているということで、村人全員がその高台の方に火を消しに行くぞと上っていった。そのときに、和歌山県の広川町の方で津波が発生した。高台に避難していた村人がそれで救われたと、こういう実話でありまして、今回の東日本大震災におかれましても、その話を過去に思い出したという方がいらっしゃいます。この話は教科書にも載っていたということもありまして、この神奈川県におきましても、是非学校の中でも、どうかそういったものが生徒たちの頭の片隅に残るような学校教育をしていただければと思いましてお話しいたしました。では、これから質問をさせていただきたいと思います。

 まず、神奈川県高校生修学支援基金条例の一部を改正する条例について質問をさせていただきたいと思います。

 ただ、この条例なんですけれども、被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金を基金の中に入れていきますよという条例なわけですけれども、これまでの積立金額、積立基金について御答弁いただきたいと思います。

学校経理課長

 今回の被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金につきましては、これまで国から交付されておりました授業料減免事業等支援臨時特例交付金に上乗せするものでございまして、こちらの基金につきましては当初26億100余万円の基金からスタートしてございます。こちらの基金に積み増しをするというものでございます。

飯田(満)委員

 この基金なんですけれども、今26億円余が積み立てられているという話なんですけれども、この26億円という基金の中の原資というのは、一般財源が組み入れられているものなんでしょうか。

学校経理課長

 今年度、平成23年度当初予算の数字で御説明させていだたきます。こちらは、平成23年度当初予算では、奨学金の予算で申しますと21億1,200余万円の規模を予定してございまして、そのうち一般財源につきましては7億8,600余万円を予定してございます。交付金からの繰入れにつきましては、従前の基金からの繰入れにつきましては、6億9,600余万円及び2億9,900余万円をそれぞれ繰り入れて財源とする予定でございます。

飯田(満)委員

 7億8,000余万円が一般財源から繰り入れられているということと、あと交付金がこの中に入れられているということでありますので、これらを使って就学金の貸付けが行われているということなんですが、そこで、高等学校育英奨学金貸付金事業について伺ってまいりたいと思います。

 まず、今回のこの高等学校育英奨学金貸付金なんですけれども、予算規模として1,440万円が計上されております。これの対象生徒数について伺わせていただきたいのと、同時に人数と予算額の算出根拠について伺いたいと思います。

学校経理課長

 このたびの6月補正予算でお願いしてございます1,440万円の積算内訳につきましては、国公立の高校生が貸付単価2万円で借りると想定いたしまして、60人の12箇月分という積算根拠でございます。

飯田(満)委員

 2万円を60人分で12箇月と、この2万円というのはどういうところから出てくるんですか。何をもって2万円なんですか。

学校経理課長

 貸付単価につきましては、神奈川県奨学金貸付条例に基づきまして単価を設定してございます。内訳を申しますと、国公立につきましては2万円、そして私立につきましては4万円という金額を基準としてございます。

飯田(満)委員

 今、高等学校におきましては、授業料は無償化になっているのと同時に、私学につきましては、これも補助金が出ているんですけれども、この国公立が2万円、私学が4万円というのはどのように使われていくのか、また、実態として使われているのか、そしてその調査というのはされていらっしゃるのかどうかお伺いしたいと思います。

学校経理課長

 平成22年度から、公立高校につきましては授業料の無償化、私立につきましてはいわゆる就学支援の助成が行われているものでございます。公立高校で申しますと、授業料が減免されることによりまして、家計負担はその分軽減されるわけでございますが、高校生活を送るに当たりまして、その他にも通学費用ですとか学校教科用図書代、あるいは修学旅行の経費等々、授業料以外に必要となってくる経費がございます。そういう部分で活用されていると考えております。

飯田(満)委員

 そもそも論になってくるんですけれども、この奨学金の貸付金においては、使途目的については例えば修学旅行だとか、あとは交通費ももちろん当然入ってくると思うんですけれども、これは授業料だけということではなく、幅広く使っていいということでよろしいんでしょうか。

学校経理課長

 そのように理解してございます。

飯田(満)委員

 今回の補正予算によるこの貸付金につきましては、被災生徒に対する貸付金ということでありますので、それは重々理解したいと思いますけれども、60人分というところなんですけれども、今後増えていくという可能性についてお伺いしたいと思います。また、逆に60人を下回るということも考えられなくはないと思うんですけれども、この60人という根拠について伺いたいと思います。

学校経理課長

 積算いたしました時点で、被災地から県内の公立高校に転入される方を120人と想定させていただきまして、その半分の方、50%の方が申請されても大丈夫なようにということで60人分と積算させていただいております。そのような状況でございますので、今後、転入された方で奨学金を申請される方が増えましても、この60人の中で賄えると考えておりますが、仮にそれを超える場合につきましても、いわゆる一般貸付けの方でまだ若干予算に余裕がございますので、そちらの方で十分対応できると考えております。

教育財務課長

 ちょっと補足させていただきますと、この交付金は、今委員お話しのとおり、これから転入者が減ったり増えたりすることがございますが、9月あるいは1月に国から調査が来まして、その調査結果によって交付金が追加なりされますので、現段階では今の交付金で対応できると考えております。

飯田(満)委員

 この貸付金なんですけれども、6月15日現在で生徒数が117名ということで事前に資料を頂いているんですけれども、震災が発生いたしまして3箇月余がたっておりますけれども、早くこれは希望される生徒に出してあげていただきたいと思います。早急に出すためには、専決処分という形もあったのではないのかなと思いますけれども、神奈川県は御丁寧でありますから、このように議会に補正予算として計上されて、議会の承認を得てから出すということでありますが、議決が通りましたときには、速やかに生徒に貸付けが行えるように履行していただきたいと思います。

 それから、これは確認なんですけれども、これまで大規模災害というのは過去15年の中においても、阪神・淡路大震災、あと新潟県中越地震、福岡県西方沖地震、そして新潟県中越沖地震ですね、過去15年の間でも何回か大規模災害が発生している。その大規模災害のときに、今回のように神奈川県に避難されてきたという生徒はいらっしゃるのかどうか、また、そのときに貸付けという形で、このように奨学金の貸付制度が行われたのかどうか伺いたいと思います。

教育指導部長

 過去の阪神・淡路大震災等を含めまして、まず神奈川県教育委員会の方で、転入の受入れにつきまして弾力的に対応するという通知を各県立高等学校長の方に出しました。実際に転入を御希望される方がいらっしゃった場合には、柔軟に対応して受入れを積極的にやっていくということです。それから、転入後に様々な経済的な事情で困窮する場合もございますので、奨学金等含めてその援助を積極的に行うということは、過去ずっとやってまいりました。

 実際にそれで数多く転入してきたかといいますと、今回のように100名とかいう単位で転入してきた例というのは過去にはございません。

飯田(満)委員

 先ほども申し上げましたけれども、今回こうやって100名という大人数が被災地から避難されてきており、国の制度もあって貸付金制度ができるということでありますので、過去に類のない多い人数でありますけれども、教育局の方からもこういう制度があるんだということを是非被災した生徒に周知していただければなと思います。

 それから、この貸付金なんですけれども、ある一定条件を満たさない限り、制度上、返済することが当然のことながら求められてくるわけであります。今回、これは国の交付金を活用するわけですけれども、先ほども申し上げましたように、今回はこういう被災された生徒に対する貸付金という特例的な部分もあろうかと思いますので、返済に関しては総合的な判断が求められるのではないかと思います。その辺について伺いたいと思います。

 それと、この原資はもちろん交付金なんですけれども、貸付金を返還された、償還された場合、そのお金というのはどのように処理されるのか。国庫に戻すのか、それともまた別の方法があるのか、その2点について伺いたいと思います。

学校経理課長

 奨学金につきましては、災害の有無に限らず、経済的な理由により就学が困難な方に必要な資金を貸し付けるというものでございますので、今回被災された方につきましても返還ということが必要になってまいりますが、返還に当たりましては高校を卒業後6箇月間の据置期間を置きまして、最長で貸付期間の4倍の期間で返還していただくことになります。また、一定の条件の場合、例えばその生徒が進学した場合や進学準備中の場合、あるいは就職活動中の場合等につきましては、返還が猶予されることになってございます。

 また、加えまして、在学期間の全体を通した評定平均値が4.6以上の場合、あるいは部活動等で全国大会に出場した場合、あるいは卒業後、県内の福祉施設等で介護福祉士等として貸付期間に相当する期間、良好な成績で勤務した場合等につきましては、就学金の返還自体が免除されるということになってございます。

 また、被災児童・生徒就学支援等臨時特例交付金により貸付けをしました奨学金の返還があった場合につきましては、国庫に返納することになります。

飯田(満)委員

 貸付けにおきましては、貸付期間の4倍の返済期間、例えば3年間の貸付けが行われていれば、掛ける4倍ですから12年間の中で、さらに、当初半年間の猶予期間があり、そこから7箇月目以降からは、その12年間の間で貸付けられた金額を返済しなければならないということだと思います。

 それと、一定の条件を満たせば貸付金の返還は猶予されるということでありますけれども、これまでそのような事例がどのくらいあるのか伺いたいと思います。

学校経理課長

 返還が猶予されている方につきまして御説明いたします。平成21年度の実績値で申しますと、進学によって返還が猶予された方は861名ございます。その他、進学準備中につきましては105名、あるいは就職活動中につきましては54名という方が返還猶予になってございます。

飯田(満)委員

 今回の貸付けにおいては、被災された生徒ということでありますので、当然のことながら一定の生活基盤がまた戻れば、お国の方に帰られるということもあろうかと思いますし、そのまま神奈川県にいて、卒業されて社会に出て、またどこかに就職して遠方に行かれるという方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう方々に対して、返済を迫る追い掛けではありませんけれども、この返済を促す通知といいましょうか、そういったものはどのようにされていくお考えなのか伺いたいと思います。

学校経理課長

 一般的には、返済に当たりましては貸付期間の最大で4倍の期間に、いわゆる月割りということで返還していただきますが、その場合につきましては口座振替の方法を活用してございまして、返還をする方から口座の申請をしていただきまして、毎月振り替えることで返還していただいております。

 その他、例えば返還していただけない、いわゆる滞納されている方につきましては、納期限を1箇月過ぎました段階で督促状を送付したり、あるいは連帯保証人に連絡し、御本人に連絡していただく等々、御本人への働き掛けをしていただく、そのような取組をしてございます。

飯田(満)委員

 当然性善説に基づいてこういう貸付けというものは行われるべきだろうとは思いますけれども、悪い見方をすると、中には、例えば振替の口座を解約してしまえば、当然のことながら振替ということはできなくなるわけでありますし、また滞納の通知を出されるに当たっても、転居されてしまえば、そこから本人に届くということはなかなか難しいのではないかと思うんですけれども、そういう場合に関してはどうされるんですか。もう一度答弁をお願いします。

学校経理課長

 滞納していらっしゃる方の住居が不明になった場合につきましては、住民票等の公用申請をしまして、転居先を調査させていただき、転居先が明確になりましたら督促状あるいは納付書を送って、返還をお願いしているところでございます。

 また、長期間滞納されている方につきましては、民事訴訟法第383条に基づきまして簡易裁判所から支払督促という法的措置をとらせていただいております。また、御本人にどうしても返還していただけない場合につきましては、連帯保証人の方にお返しいただくようお願いさせていただいております。

飯田(満)委員

 この被災生徒に対して貸付けを行って、その後、追い掛けの督促も含めてやっていけるのかどうかの質問なんですけれども、あまりこういうふうには思いたくはありませんけれども、中にはそういう方もいらっしゃるということも想定はしなければいけないと思っています。だからこそ、こういう質問をさせていただいたんですけれども、さりとて、先ほど言いましたように、今回の原資というのは国の交付金で、先ほどお伺いしましたけれども、貸付金の積立基金の中から出ており、また、県からの一般財源ではなくて、国からの交付金が10分の10で使われているということでありますから、うまく利用していただきたいということと、それと、総合的な判断に基づいた貸付けを是非行っていただきたいということを要望させていただたきたいと思います。

飯田(満)委員

 次に、県立学校における放射線量測定について伺っていきたいと思います。

 先ほど他の委員からも質問がありましたけれども、重複したらおわび申し上げますが、なるべく重複しないような形で質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、先ほど答弁の中で、総合的に話を聞いておりますと、県立学校においては放射線量を測定していないんだというような内容の答弁と聞こえましたが、実際、教育局として、各県民から204件における電話、意見等を頂いている中で、教育局として、これらの意見に答えていないのではないかと先ほどの答弁を聞いていて思えるんですが、放射線量の測定をやれないのか、それともやる必要がないと思っているのか、どちらかお伺いしたいと思います。

広報情報課長

 先ほども御答弁させていただきましたが、さきの自民党の嶋村委員に対する知事答弁にもございましたとおり、空間放射線につきましては従来の3地域に加えまして新たに3地域を加えた県内6地域において測定しております。それから、食品等の検査につきましても順次拡充している状況でございます。茶につきましては、確かに基準を超えるものが出たわけですけれども、その他のもの、飲料水であるとか、野菜、果物、魚介類等々を含めて基準を超えるようなものは出ていないということから、先ほどの繰り返しの答弁になりますが、県民の健康への影響は出ていないというような状況でございます。

 そういったことから、県内の施設、これは県立学校に限らず県立のいろいろな施設があろうかと思いますが、公園とかそういう施設もあろうかと思うんですが、そういう施設全般について、県としては測定しない、こういうことでございます。

飯田(満)委員

 今回、教育局に来た電話も含め、意見といいますのが、当然のことながら公立高校の施設内において放射線量は実際どのくらいなんですかと、こういうことを問いただしているのではないのかと思うんですが、それが学校施設外で調査をしてこれを片付けてしまっていいのかと思うんです。本来であるならば、学校を1校1校調査をするべきだと思います。なかなかそうもいかないとは思ってはいるんですが。

 そこで、各市町村での放射線量測定の実施状況を、県の教育局としては把握されていらっしゃるのかどうか伺いたいと思います。

広報情報課長

 市町村におきましては、実際に空間の放射線量を調査した場合、ホームページ等で結果については公表しています。ですから、ホームページで公表されているという意味では、市町村が測定していることについては承知しております。

飯田(満)委員

 そのホームページ等の情報を把握していて、高等学校の中においてもそれは安全だと、こういうことで言い切れるということでよろしいですか。

広報情報課長

 また先ほどの答弁の繰り返しになってしまいますが、県立の施設についてどうするかということにつきましては、大変申し訳ないんですが、県の安全防災局の方で一括で、調査する、しないの判断をし、その上で県民への健康被害はないということですので、学校も含めて県立の施設はやっていないという状況でございます。

飯田(満)委員

 安全防災局の方で一括して調査するということでありますけれども、本来、教育の現場というのは、知事部局とは別のように思えてならないんですけれども、本来であるならば、学校は学校の教育現場で生徒が何百人といるわけですから、しっかりと、そういったことを調査していくべきだと思うんですね。

 そこで、文科省が今、自治体向けに放射線量の測定器を貸し出しているんですけれども、こういったものを利用するということは考えなかったのかお伺いしたいと思います。

広報情報課長

 私どもが承知しておりますのは、文科省は福島県ないし福島県内の市町村に対して貸し出しているということで聞いております。

飯田(満)委員

 是非正確に調べていただきたいと思うんですけれども、文科省が、放射線量を測定する、はかるくんという測定器の貸出しを各自治体向けに行っているんです。これはホームページ等でも公開されていますから、是非見ていただきたいと思います。2週間という短い期間ですけれども、そういったものをうまく利用するべきだと思うんですが、教育長に答弁をいただきたいんですけれども、そういった部分では、国の持っている制度を活用して、神奈川県の教育局として独自に学校における施設内の放射線量の調査というのは行うべきだと思うんです。

 先ほども言いましたように、200件余の県民の方々から不安だということで意見を頂いているわけでありますので、市町村別でもいいと思いますし、全ての学校とは言いませんから、定点的なものでもいいと思いますけれども、先ほど言った6地域ではなくて、教育局として、各市町村別に調査をやっていくべきだと思うんですけれどもどうでしょうか。

教育長

 今のお話にありましたように、県民、保護者の方の安全・安心、まず今の場合は安心ということになりましょうが、いろいろ照会の電話を頂いております。これまで県としては、県立学校、それから小中学校、それから公園とかグラウンドとか、公立施設以外のものもあるという中で、全体としての危機管理という形で、三つのポイント、それから更に三つ加えて、空間放射線量など様々なものを総合的に判断して、現在のところ問題ないという判断の中で動いております。

 今回は本会議でも、また、先ほどの答弁にもございましたけれども、7月7日に市町村担当課長会議を開催予定であるという中で、それぞれの市町村のどういった場所で、どういった測定の仕方をするのかを今後全庁的に詰めていくという話でございますので、県としての大きな方針の中で、教育委員会としても、県民の皆様に安心していただけるような取組をしていきたいと考えております。

飯田(満)委員

 今言われたように現時点においては問題はないとは思います。しかし今後どうなるかという部分では、まだ不安が拭い去れていないという状況であり、震災発生から3箇月が経過しましたけれども、県民の皆さんや生徒を学校に預けていらっしゃる保護者の皆さん、また生徒の皆さんも、まだ安心で心が落ち着いているという状況ではないと思いますので、先ほど言われたように全庁的な施策展開の中で、できれば学校、高等学校においても調査していただきたいなと思います。

 全校ではなくても結構ですから、特に神奈川県におきましては足柄茶で放射線セシウムが発見されたという問題もあり、地域の方々も大分不安になられています。足柄茶の生産地域である秦野と厚木周辺の学校なんかも、県民の皆さんは不安になっている状況でありますので、そういったところだけでも、多額な費用がかかる問題でもありませんので、国から放射線機器の貸出しを受けることができるのであれば、是非そういったものの活用の検討を今後していっていただきたいなと、これは要望にさせていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきますが、県立高等学校の入学者選抜制度改善方針案についてお伺いさせていただきたいと思います。

 これも先ほど他の会派から質問が出ておりましたけれども、なるべく重複しないような形で質問させていただきたいと思います。

 まず、質問に入る前なんですけれども、事前のお話では、この入学者選抜制度の改善方針においては、この文教常任委員会が終わった後にプレス発表するということで聞いていたんですけれども、これは今日の某新聞でありますけれども、県立高校入試が2013年度から一本化、2月中旬に共通選抜と、こういう詳しい内容の報道がされております。これについて答弁をいただきたいと思います。

高校教育企画課長

 入学者選抜制度改善方針の検討に当たりましては、入学者選抜制度検討協議会から3月に御報告を頂き、その後、私ども高校教育企画課を中心に検討を進めさせていただいてまいりました。当然のことながら、こういった方針案をお示しする場合は、この文教常任委員会に報告させていただいて公表していくというようなスケジュールで進めさせていただいてまいりました。

 ただ、今回は方針案でございますので、この方針案を整理していく段階におきまして、当然のことながら中学校、高等学校、そして高等学校を持っていらっしゃる3市の教育委員会とも調整させていただいております。そういった状況が今般報道されたものというふうに捉えております。

飯田(満)委員

 内容がよく分かっていないんですけれども、協議されている過程で取材が入っているということですか。もう一度、お願いします。

高校教育企画課長

 特段取材は受けておりません。入学者選抜制度の概要をこのように方針としてまとめるに当たって、それぞれの関係機関と調整させていただいてきたという経緯はございます、ということでございます。

飯田(満)委員

 関係機関と調整させていただいてきたということと、今回、この新聞の1面に大きく載っているということとの関係性はどうなんですか。

高校教育企画課長

 当然、本日の新聞でございましたので、新聞社の方に確認したわけではございませんが、どういう経路で協議してきた内容が情報として入ったのかというのは、私どもはつかんでおりません。

飯田(満)委員

 これは議会軽視とか委員会軽視につながる問題にもなると思いますよ。どこからどういうふうにこの情報が漏れているか分かりませんけれども、当然のことながら文教常任委員会で説明した後にプレス発表をするということでありますので、調査してくださいとまでは言いませんけれども、是非今後、お気を付けいただきたいと思いますが、どうですか。

高校教育企画課長

 正式には本日御報告させていただき、本日の午後記者発表させていただいております。こういった形で公表していくに当たり、具体的な資料の取扱い等につきましては、協議する関係者含め、今後、更に注意を促していきたいと考えております。

飯田(満)委員

 是非御注意いただきたいと思います。

 それでは、質問に入っていきたいと思いますが、今回、新学習指導要領が平成25年度から実施ということで、入学選抜も時代の背景に伴って変化をしていくわけでありますけれども、今回1年間かけて協議会の中で十分な議論をされてきたということを側聞いたしております。

 前期選抜、後期選抜というこの現行制度から共通選抜に改善していくに当たって、様々な問題点もあろうかと思います。また、協議会の中でも様々な問題点が浮上しているのではないかと思います。それについて何点か伺ってまいりたいと思いますが、今回の入学者選抜制度の改善に当たって、協議会の場でどのような論点で協議がなされてきたのか伺います。

高校教育企画課長

 協議会における論点ということでございますが、検討の基本的な視点といたしましては、本県がこれまで進めてきた入学者選抜制度の理念を踏まえた改善ということで、生徒の個性、長所に着目する、あるいは自らの希望に基づく学校選択が実現できるような改善を図っていくこと、これが論点の一つ目でございました。また、2点目といたしましては、今後の高校教育の在り方の方向性、特に改革計画後、更に多様で柔軟な教育展開を充実していかなければならないことや、確かな学力の向上を図っていかなければいけないこと、さらには、キャリア教育等を通じて社会生活実践力の育成をより重視していかなければいけない、こういったこれからの高校教育の在り方の実現に向けた取組にふさわしい改善となるようにしていくこと、3点目は、新しい学習指導要領を踏まえた改善ということで、新たな学力の育成を中高の接続という視点から捉えた改善としていくこと、これらが論議の出発点になってございます。

飯田(満)委員

 今回のこの制度改善なんですけれども、前期、後期の選抜から共通選抜にスライドしていくということでありますけれども、先ほどもありましたけれども、生徒の視点に立ってこういう選抜制度というものも改善されていく必要性があるのではないのかなと思います。

 前期、後期の現行の選抜制度においては、これはこれで良い部分ももちろんありますし、また逆にデメリットもあろうかと思いますし、先ほどそのような答弁もありました。生徒にとっては2回の受検機会があるということは、チャンスが多くあるということで、現行の制度を否定するつもりは全くありません。

 また、今回、共通選抜においては、2月に試験が行われるということでありますから、今までの前期選抜が1月に行っていましたけれども、共通選抜においては、年明けの1箇月間は受検にしっかりと充てられる期間の1箇月間だと思っておりますので、そういった部分では今回のこの制度というもののメリットでもあるのかなとは思っておりますし、中学校とか高校側でも、今回の制度は、入学者選抜の準備体制においてゆとりができてくるのではないかと思います。そいうった点を含めて、この共通選抜における、生徒におけるメリットの部分をちょっと強調して答弁いただけませんでしょうか。

高校教育企画課長

 今お話がございましたように、これまでの、前期選抜、後期選抜と分けて行っておりました選抜についても一定の評価を頂いてきたところは確かにございます。しかしながら、新しい学習指導要領に基づく学力観を共通の基盤としていくという点で、中学校のこれからの学習指導の在り方にも影響を与える大きなメリットがあるということをまず考えてございますし、この共通の基盤の上に立って、一人一人の特性を生かすことができるような工夫を行っていくこと、これはこれまで前期選抜、後期選抜のそれぞれで頂いていた評価を、正に一本化していくといった大きなメリットがあると考えてございます。

 また、期間につきましても、子供たちにじっくりと充実した学習活動の時間を与えていくことができることといった点で大きなメリットがあるものと考えてございます。

飯田(満)委員

 今回の選抜方法に当たっては、中学校2年生と中学校3年生の調査書の学習の記録、それと入学試験の結果、得点、それから面接という三つに評点は絞られてくるんですけれども、私が着眼したいのは面接の部分でありまして、現行はポイント制が導入されていることから、総合所見及び諸活動の記録という欄が調査書の中に書き込めるようになっているんですけれども、これが現状では大変有効になっているとも側聞いたしております。

 また、この総合所見及び諸活動の記録というものが、今後選抜方法の中でどのように扱っていけるかというところで、中学校側も面接を行っていく高校の方の側も、大変実は困惑しているとも聞いておりますが、この調査書の記載内容について、考え方についてお伺いしていきたいと思います。

高校教育企画課長

 御指摘のように、今回面接を共通の形で設定していくということには、正に生徒一人一人の特性や長所などをしっかりと高校側としても捉えていこうといった意義があるものと考えてございます。

 調査書の記載の内容につきましては、今後詳細に検討していきたいと考えておりますが、面接の中で、一人一人の受検生の特性や長所を捉えていこうとするものでございますので、それを判断するための参考として、必要な内容について、どのようなものが求められるかということを考えてまいりたいと思っております。

 今回は方針案ということでございますので、この案を方針として、今後決定していくに当たっては、様式等につきましても詳細に検討を進め、整理をしていきたいと考えてございます。

飯田(満)委員

 この制度においては、面接の結果イコール面接の得点という大きなウエイトを占めているということでありますから、中学校側がこの生徒の評価をPRできる調査書の内容にするべきだと私は思います。

 またその反面、面接する側も、あらゆる受検生を正しく評定する必要があるので、判断するための材料としてこの調査書の記載内容をもっと充実させていくべきではないのかと思うんですけれども、再度その考え方について伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 先ほどお話ししましたように、当然、中学校の生徒が自らの良さをアピールする場面として、また、高等学校側としてもそれぞれの生徒の特性をしっかりと捉えていくための機会として、面接が重要になってくると考えてございます。面接につきましては、調査書等を参考にしながら行うという形でございますが、面接の中でそのような生徒一人一人の特性をより良く捉えていくためには、志願の際の入学願書というようなものだけではなくて、面接の際の参考資料として活用することができるものであり、生徒自らが中学校時代で努力してきた点であるとか、自らの総合的な学習への意欲を記載したシートのようなものが必要なのではないかと考えておりまして、今回の方針の中にも、志願に当たり提出するものの一つとして捉えさせていただいております。

 こういったものを総合しながら、今お話がございましたように、面接の中で生徒一人一人の良さを的確に捉えられるような方向に進めてまいりたいと考えております。

飯田(満)委員

 今の答弁を聞いて、半分安心しています。総合所見というこの諸活動の記録というのは、その生徒にとって、中学校3年間においてどのような取組を行ってきたのかということを記載してある非常に重要な資料であり、高等学校側も生徒の特性を判断する材料として使用するわけであって、中学校の先生にとっても、その生徒をいかに評価し、高等学校側にいかにPRするかという部分においては重要な資料だと思います。この部分に関してはうまく利用できるような形で、先ほど総合的な判断とおっしゃいましたけれども、是非更に充実した内容にしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 それから、制度の改善に向けた今後のスケジュールなんですけれども、今月からパブリック・コメントを1箇月間実施されて、今年の10月には入学者選抜制度の方針を決定して、その後に公表していくと。そして同じ今年の10月には、リーフレットの配布を含めて中学校の生徒、保護者、中学校、高校の関係者に周知されていくということなんですけれども、今これらを実施していくに当たっては、中学校2年生の生徒が対象となっているということで、もう既に7月に入っておりますし、生徒からすると、そろそろ受検の準備もしっかりとしていかなければいけないんだろうなと考えている時期ではないかと思います。

 また、塾などに通われている生徒というのは、もう受検対策も始まっているところもあるように聞いておりまして、生徒、保護者、そして中学校側に早く周知するべきだと思うんです。10月に周知するということなんですが、少しでも早く周知を前倒しして実施するなり、教育局として何らかの努力をしていくべきなのではないのかと思うんですが、そういった工夫について伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 今お話がございましたように、改善方針案という形で今回公表させていただいて、パブリック・コメント等を行わせていただいた上で、最終的に決定していくという形で考えてございますが、当然、改善方針案というのは現在教育委員会として考えている方針をお示しするものと考えてございますので、この方針案の段階からパブリック・コメント等で御意見を頂くとともに、この内容の趣旨等についてお話しさせていただきたいと、まず考えてございます。

 また、中学校2年生に早めの周知をとのことでございますが、今回、提言を踏まえさせていただいた上で、調査書の評定の扱い方はこれまでと変更してございません。そういう意味では、これまで進めてきた準備がそのままこの改善選抜制度につながっていくことでございますし、また1年半という期間を持たせていただくことで、その中で緩和手段を講じた上で、円滑な実施に向けて取り組んでいきたいと考えております。

飯田(満)委員

 パブリック・コメント、これはもうしようがないです。1箇月間しっかりやっていかなくてはいけないと思いますので、その他の部分においては、もうちょっと前倒し実施ができるのではないのかと思っておりますので、半月でも1箇月でも早く公表に至っていただければいいなと思っております。どうかその辺につきましてはなるべく努力していただきたいとの要望にさせていただきたいと思います。

 それから、今回共通選抜に当たって、調査書の内容と学力検査、それから面接というこの比率は各高等学校の方で定めていくということなんですけれども、この比率というのは事前に公表はされるものなのかどうか、そこについて伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 現行の選抜制度におきましても、前期選抜においてはその募集率は20%から50%という中で定めさせていただいております。その募集率を何%としていくのかということや、また、この前期選抜においては面接以外に必要に応じて実施できる検査、自己表現検査ですとか実技検査ですとか、こういったものを用意してございまして、こういった内容につきまして、実際にはこの7月の段階で当該中学校3年生に募集案内という形で、それぞれの学校がどのような割合でどのような検査を行うのかということをお示ししてございます。

 また、後期選抜で行っております学力検査においては、学力検査の実施教科を何教科としていくのか、さらには、現在では調査書と学力検査の比率という形になりますが、ここを4対6から6対4の範囲において学校で設定することになってございます。そういったものについても、この学校は5対5である、この学校は4対6であるといったものを一覧として作成いたしまして、同じ募集案内を1月の時期にお示ししてございます。

 そういった意味から、今後の改善された選抜制度を実施するに当たりましても、同様に事前にこういった形で公表させていただいて、中学生にそれぞれの学校の特性を理解していただいた上で志願先を決定していただけるようにしてまいりたいと考えております。

飯田(満)委員

 安心いたしました。その学校の特性というものは、各生徒も保護者の方も中学校の側も、特に気を配って見ているところだと思っていますので、それが公表されていくということでありますから、どういうところに力点を置いて受検対策をしていけばいいのかということの計画も立てられると思います。情報をあらかじめ公開されているということに関しましては、安心をさせていただきましたので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。

 それから、志願時に受検生が長所をまとめた自己PR文を提出するということなんですけれども、これは志願時に先生が内容を事前にちゃんと確認されるものなのか、私はされるべきだと思うんですが、学校公認のPR文ということでよろしいのかどうか伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 現行制度におきましても、前期選抜では、自らの良いところや入学を希望する理由などを書いていただき、面接の参考資料とさせていただいております。これはあくまでも志願者本人が自分の良いところは何か、また入学を希望する理由は何かということを記載していただいているものと捉えておりますが、当然のことながら、中学校の先生方の指導の中で、様々なアドバイス等があるものと思っております。

 今回も、面接においては、総合的な学習の意欲、また一人一人が中学校までで努力してきた点、さらには、高等学校になぜ入学したいのかということを確認していかなければならないと思っております。基本的には志願者本人が自分の良いところを記載いただいており、それはもしかすると中学校の先生方だけでは知り得ないこともあるかもしれないと思っております。例えば、自分は地域の音楽活動に従事していて非常にそこで努力をしてきているとか、地域のボランティア活動を実は3年間やってきたんですというようなことも出てくる可能性があります。そういった意味で、まずは、やはり志願者本人が責任を持って書いていただくということを前提に進めてまいりたいと思っております。

飯田(満)委員

 このアピール文というのは非常に大切だと思っておりまして、学校の先生では、校内にいる生徒は個人的には見られるかもしれませんけれども、地域の中でどのような活動をされているのか、どういうところに力を置いて自分が生活してきたのかも含めて、なかなか中学校の担任の先生だけでは判断できないという部分があるか思います。また、そういった部分ではその生徒が自分の長所的なところをしっかりとPRを行っていくためにも、非常に有効な手段だと思います。

 ただ、このアピール文をどういう場面で評価していくのか。調書の部分で評価されるべきものなのか、それとも面接の時点でこれが評価されるのか、評価される部分についてどのようなお考えか伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 今回お話ししておりますのは、面接の参考として、自己の特性、長所などを自ら記載していただく書類でございますが、これはあくまでも面接の参考資料ということで捉えてまいりたいと考えております。要はここに書いてある内容に基づいて何らかの評価を下すということではなくて、ここに書いてある内容を基にその生徒としっかりと対話を行い、その生徒の意欲であるとか、あるいはその取組に対する考え方であるとか、そういったものをしっかりと把握した上で、面接としての評価で行ってまいりたいと考えております。

飯田(満)委員

 面接の中での評価をされていくということでありますので、面接官の先生が、当然のことながら、事前の調査の中でアピール文を読まれて把握されて、面接に臨まれるのではないかと思います。是非そこについてもしっかりと、一定の評価がされるよう定めていただきたいなと思います。

 それから、公立高校の進学の問題なんですけれども、公立高校に行く進学率というのは高校全体としては非常に高いんですけれども、全日制ではこの進学率が今だんだんと減少をしていっているという状況にあります。中でも、選抜の試験から漏れた生徒が定時制の方に行かれるという形になっている部分もあるかのように聞いているんですけれども、そうなると定時制の倍率が高くなってしまうという課題が出てくると思うんです。全日制の枠を公私間協議の中で話し合われているんですけれども、全日制の枠を将来、拡大していくという方向について、教育局としての所感を伺いたいと思います。

高校教育企画課長

 現在、公立を含めて公私共に高校への進学という部分について神奈川として一緒に考えていこうという形で進めさせてきていただいております。最近の傾向といたしましては、全日制だけではなくて当初から定時制、通信制といった学びの仕方が、自分の生活スタイルや学習スタイルに合っているということで、希望する生徒も若干増えてきているという状況もございます。

 そういった中で、高等学校等への進学率は98.2%という形で非常に高い数字になってございますが、御指摘のように公立中学校の卒業生に対する全日制の高校への進学割合については88.2%というのが昨年度の状況でございました。今年度については、現在集計中でございますので、まだそういった数値は出ておりませんが、全日制を希望する生徒に対して、公私共にできる限り全日制で受け入れていくということは今後も必要な視点であると考えてございます。

 その際に、今、公立高校の枠の拡大というようなお話もございましたが、公立高校の枠だけでなく私立高校への進学も含めて、今後も公私共に全日制の進学率を上げる方向での取組を進めなければならないと考えてございます。

 そういった部分で、確かに、全日制への進学がかなわず定時制に入学されたというお子さんがいるということも我々も承知しておりますので、そういった生徒が全日制への進学希望が実際にかなうような状況をつくり出していくことは、正に教育委員会としても、また公私の協調の立場からしても必要なことであると捉えてございます。

飯田(満)委員

 何も私は私立学校の方を広めないでくださいとかそういうことを言っているわけではなくて、当然のことながら、公立の枠も増やすと同時に私立の枠も増やしていただきたいと思うんです。いわゆる全日制の枠を増やしていくことによって、希望する生徒が全日制の学校に入学できるような形のものができればという思いからの質問でありまして、そこにつきましては御了承いただきたいと思っておりますが、できれば教育局としても、それについてもしっかりと公私間協議の中においても要望をアピールしていただきたいなと思います。

 この問題は以上です。

 それから、次の質問に移らせていただきたいと思いますけれども、地震防災対策推進費について伺ってまいりたいと思います。

 この地震防災対策推進費についてなんですけれども、県立学校災害対策用防災備品等整備費に1,010万1,000円、そして県立学校災害緊急連絡システム整備事業費として297万円余が計上されています。先ほども質問が出ておりましたけれども、若干観点を変えて質問させていただきたいと思います。

 まず、この県立学校の災害対策用の防災備品等整備費なんですが、児童・生徒の保護に必要な職員の備蓄食料を整備するという内容なんですけれども、正直言って驚がくしたというのが私の個人的な感想であります。先ほども休憩前にお話ししましたけれども、過去15年ぐらいの間に大きな災害というものが発生しておりまして、その都度、防災戦略とか防災計画というのは議会の中で様々な角度から議論はされているんです。そして、ハードの部分に関しては整備されていくんですけれども、ソフトの部分というのは先送りにされてしまうケースが結構多く見受けられまして、今回においても先送りされているのではないのかと思うんです。つまり、この事業整備費なんですけれども、先ほど質問があったと思うんですが、もう一回伺いたいんですけれども、必要な職員とあるんですが、何人分を何日分整備する考えなのか。どのような食料を想定されているのか、具体的にもし決まっていたならばお伺いしたいと思います。

広報情報課長

 県立学校に勤務いたします全教職員の人数分、1万2,366人でございますけれども、その方々の3食1日分を用意するものでございます。具体的には、1食分が乾パン、もう1食分がアルファ米、それからもう1食分がビスケットということで、1日3食分、加えまして1日分の水といたしまして1.5リットルのペットボトル2本分、3リットルを用意するものでございます。

飯田(満)委員

 1日の新聞で、文部科学省が学校避難所機能整備をするということで、検討委員会の報告書案をまとめた内容のものが掲載されていました。これは、学校は避難所の拠点でもあるという、発想の転換が必要なんだということであります。この内容について、教育局として、もし知っていたら教えていただきたいと思います。

広報情報課長

 私ども学校の果たす役割といたしまして、大きく2点ございまして、一つは災害時における児童・生徒の安全の確保、それに加えまして、正に委員が今言われたように、地域の防災拠点としての役割を担っていくことが非常に重要であると考えております。

 そういったことから、地域の防災拠点として、市町村におかれては例えば県立学校を地域住民の避難所という形で指定されているところもございます。そういったところにおきましては、備蓄倉庫を備えて、地域住民のための食料であるとか、発電のための機械、あるいは簡易トイレ等いろいろな備品を備えているところでございます。そういった市町村と学校が連携し、文書によりまして、学校のどういった施設をどのように開放していくのか、実際に避難所となったときにはどんな対応をするのかといったことを協定書に定める必要があります。そういったことで、学校と市町村とがきちっと連携して、地域の防災拠点として機能するような形で私どもも指導しているところでございます。

飯田(満)委員

 3月11日に発生した東日本大震災なんですけれども、この地震による母屋の倒壊又は火災、津波などの影響で亡くなられた方が、昨日現在で1万5,527人、行方不明でいらっしゃる方が今なお7,100人という現状です。

 3月11日の当日のことを思い返してみますと、公共交通機関は首都圏においても完全に機能を失ってしまっている状況でしたし、電力ダウンによりまして信号機が消えて、道路交通網においても混乱を来すという状況だったということは、まだ記憶に新しいのではないかと思っています。

 そこで、首都圏がこういう状況になったときに、本県の県立学校においても様々な影響が発生しているわけでありますけれども、生徒の帰宅、滞留状況に伴う、生徒の安全確保における教職員の体制というものは、当時どうだったのか伺いたいと思います。

広報情報課長

 先ほども答弁させていただきましたけれども、発災の時点では157校で2万8,972名の児童・生徒が学校にいる状況でした。その後、夜を迎えるに当たって、今お話がございましたように公共交通機関が止まったため、全県学区の学校等では、遠くから通っている生徒は自宅に帰れないという状況でございました。そういう中で、徒歩や自転車で通っている生徒もございますので、そういったお子さんについては自ら保護者と連絡を取った上で自宅に帰ったという状況がございました。

 そういう中で、公共交通機関が止まっている中で、保護者が夜になって車で直接迎えに来たりして、順次帰宅されたという状況がございました。

 一方、教職員につきましては、そういった子供たちを保護するため、学校で備蓄している食料や水の提供を行うとともに、地域別の下校に教員が付き添って下校したという話も伺ってございます。

飯田(満)委員

 学校に保存してある備蓄の食料で、教職員も含めて、生徒もそれでその場をしのいでいるという状況なんですけれども、これは随時どのくらいの備蓄を備えているものなんでしょうか。

広報情報課長

 まず、教職員の備蓄でございますけれども、これまでも地震などの災害発生時において児童・生徒を保護する目的で学校にとどまる教職員のための乾パン、水などの食料を備蓄しておりました。ただ、その備蓄の量につきましては、必ずしも必要な水準に達していなかったことから、今回の大地震において公共交通機関が止まったことを考慮し、3日分を目標に、まずは初年度としてその3分の1に当たる1日分の備蓄食料を用意しようというものでございます。

 加えまして、生徒用の備蓄の状況ですが、先ほども答弁させていただきましたように、大体どこの学校も児童・生徒1人1食分の乾パン、それから500ミリのペットボトル1本分というものが学校に備蓄されているという状況でございます。

飯田(満)委員

 児童・生徒の保護に必要な教職員の備蓄食料を整備すると、このことについては否定するつもりは全くないんです。逆に県費を使ってでもしっかりと用意するべきだと思うんですが、一方で滞留された児童・生徒に対する備蓄食料が、どのようにしっかりと確保できるかということなんです。今回は、直接本県が被災地となって地域の方々が避難所として学校に集まってきたということではなかったので、生徒の人数分だけで事は足りているんですけれども、今度、もし本県で大規模震災が発生した場合に、生徒に対する食料の確保というのはどのようにされていこうという考えがあるのか伺いたいと思います。

広報情報課長

 これまでの状況は、先ほど申し上げましたように、地震発生により全生徒が数日間学校にとどまるということではなく、交通機関の再開であるとか徒歩、自転車によって帰宅ができるだろうという考え方もあり、生徒の備蓄食料は、通常であれば家で食事するところを災害時には帰宅できないので学校で簡便な食事をとるといった考えで、先ほど申しました1食分と500ミリリットルのペットボトルの水1本分という状況でございます。

 ただ、今回の震災を踏まえまして、生徒の食料の備蓄の水準というのが果たしてこれでいいのかということにつきましては、学校長の意見も聞きながら検証してまいりたいと考えております。

飯田(満)委員

 先ほど言いました、文部科学省が検討会の報告書をまとめたという中においては、学校に食料の備蓄や通信設備など住民の避難所としての機能も整備をしていこうと、こういう報告書の案になっているんです。これは、児童・生徒の食料はもちろんなんですけれども、住民が数日間過ごせる程度の食料や飲料水などの備蓄、また災害優先電話などの通信網、断水でも使えるトイレの整備を充実させるべきだと、こういう内容なわけですね。

 当然のことながら、学校側としても備蓄をやっていかなければいけないんですけれども、こういう国の制度をうまく使っていく中で、生徒のための備蓄品というものを確保できないかお伺いしたいと思います。

広報情報課長

 今、地域住民の方の備蓄というお話がございました。実は県立学校が地域住民の避難所として指定されるというのは、市町村の地域防災計画の中で指定がされている場合があるわけです。そういった場合には、市町村自らが学校の敷地を借りて、備蓄のための防災倉庫を設置し、そこに地域住民のための備蓄食料であるとか発電機、簡易トイレ、懐中電灯といった備品を備えるということになっております。したがいまして、避難所として県立学校が指定されている場合には、一義的には市町村の役割として整備することが基本となっております。

 今、委員からお話しいただいたことについては、もう少し研究してまいりたいと思っております。

飯田(満)委員

 是非研究していただきたいと思います。

 また、県立学校全校が避難所に指定されているというわけではないと思うんですけれども、今後、これだけ大きな災害が発生している中において、県立高校を避難所と指定するべきなのではないかと思うんですが、教育長、答弁をお願いします。

教育長

 地域の避難所という場合、大きく分けて三つの考え方がありまして、まず広域避難場所、単にグラウンドのような広い場所かあればいいというもの、それから避難所として、避難されてきた方が暖をとるとか、飲料水があるとかそういったような場所、それから帰宅困難者がいらっしゃる中で、勤務先から自宅までの間の途中のステーションのような役割、そういった大きな三つの役割があろうかと思います。

 しかし、今回は図らずも3月11日の震災に伴うその後のブラックアウト、電力が不足して関東地区が一瞬にして真っ暗になってしまうといったような大きな課題がありました。

 震災の場合の避難所には、基本的には市町村がつくる防災計画の中で、県立学校も指定されます。

 それから、ブラックアウトのような場合には帰宅困難ということで、駅から近いところの学校を避難所とすべきであり、駅から遠くては機能しないといったこともございます。県立学校に対しても、今回は全校に対して、災害時においては、来る人は受け入れなさいという指示をいたしました。ブラックアウトのときには受け入れなさいと、とりあえず全校に指示を出しました。ただ、その後は、やはりアクセスの良い、交通の要衝にある8校に対して特にそういう対応をするように指示を出しました。県立高校もそういった役割を担っていく必要があろうかと思います。そのときには市町村の計画、それから公共交通機関等との連携、それから県の災害防災計画など、トータルでどういったところを指定していくのかの議論もしていく必要があろうかと考えております。

飯田(満)委員

 教育長がおっしゃっていただいたとおりでありまして、その場所によって、避難所となるべきところ、学校なのかそれとも広域的なところだとか、また帰宅困難者を受け入れるような場所であるなど、学校の立地する場所によって多分違ってくるのではないのかと思うんです。そういった、大きく見て、学校がどういう役割に適しているのかということを整理していただければと思いますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。

 それから、生徒の備蓄に関してなんですけれども、少なからずはあるとおっしゃっているんですけれども、生徒の備蓄の必要数というのは、絶対数がどのくらいなのかという議論もあるかと思います。生徒に行き届くような量の備蓄というものが、なかなかそろえられていないのではないかと先ほどの答弁を聞いていて思ったんですけれども、生徒に対する備蓄というものをどうやっていくのかということに関して、先ほどの答弁を聞いていると、高校に入学したときに最初に私費という形で支払をするということでした。そこで、県のPTA協議会も含め、あとは各学校のPTAも含めて、教育局の方から各学校に対して、生徒に対する備蓄の食料をしっかりと用意してくださいということを要請することはできないものかどうか伺いたいと思います。

広報情報課長

 今回の震災の経験を踏まえまして、生徒の食料の備蓄の水準というのがどの程度が適当かといいますか、どの程度がいいかということにつきまして、学校長の意見も聞きながら検証して、現在以上の備蓄、整備が必要だということになれば、今後、県のPTA協議会等に相談しながら、全ての学校において協力いただけるようなお願い、働き掛けをしてまいりたいと考えてございます。

飯田(満)委員

 正にそこは重要なところでありまして、生徒の備蓄というものを誰が用意するかということについて、今回の震災に当たって、学校が用意するべきものなのか、それとも行政が直接用意するべきものなのか、それとも自主的な防災組織のようなところが用意するものなのか、それともPTAが用意するべきものなのかということが、私はPTAの役員をやっているんですけれども、実は今非常に議論されているところであります。先ほど言われましたように、私費、PTAの会費の中で生徒の食料、また水というものをしっかりと確保していかなければいけないのではないのかという話に落ち着きそうなんですけれども、これは教育局の方から県のPTA協議会でも結構ですし、各校のPTAにしっかりと生徒の安全、生命を守るということも含めて、しっかりと生徒の備蓄食料を整備していただけるよう、協力の要請をお願いしたいと思います。これは要望にさせていただきたいと思います。

 以上、質問を終わらせていただきます。

日浦委員

 みんなの党の日浦和明でございます。

 まずはじめに、3月11日の大震災で被災された方々におきましては、哀悼の意を表したいと思います。本日、初めての質問になります。不慣れな点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 はじめに、人との関わりを重視する教育の推進について質問させていただきます。

 人が生きていく中で直面する課題やトラブルの多くは、人との関わりに関するものであり、これは子供が成長する上で、段階に応じて、解決し越えなければならない大切な課題であると私は考えております。

 しかしながら、今の子供たちの生活を見ると、人と関わりながら学ぶ大切な機会というものが失われているように思います。地域の中で子供同士が触れ合って遊ぶ姿やけんかをする姿は、今はほとんど見ることができません。ハイテク機器、ゲームやインターネットなど社会のデジタル化に伴い、ますますその傾向に拍車がかかっております。

 そこで伺います。今の学校教育において、あえてアナログ的な、人との関わりといったことを重視する取組はあるのか、何点か質問いたします。

 まず、私が考えるような人との関わりといったことは、学校教育において重要な位置付けがされているものなのか教えていただきたいと思います。

子ども教育支援課長

 学校教育における人との関わりの位置付けでございますが、まず新しい学習指導要領では、子供たちの生きる力をより一層育むことを目指しております。この生きる力の中核を占めるものは、自らを律する力ですとか、人と協調する力、人を思いやる心、感動する心、そういった豊かな人間性でございます。このことを育むためには、人と関わる経験が欠かせないものと考えております。

 また、本県の教育委員会が策定いたしましたかながわ教育ビジョンにおきましては、心触れ合うしなやかな人づくり、積極的に人や社会と関わる経験を積み重ねることで、思いやる心とたくましさを持った人への成長を願うものでございます。

 このように、人との関わりを通しまして社会性を身に付けることは、学習意欲を育み、知識や思考力を身に付けることと併せまして、学校教育の根幹であると捉えております。

日浦委員

 友達同士で触れ合う体験が不足している今の子供たちが、学校の中で好ましい人間関係をつくっていくために、教育委員会としてどのような取組を行っているか伺いたいと思います。

子ども教育支援課長

 県教育委員会では、子供の社会性ですとかコミュニケーション能力を高めるためのプログラムを活用した取組を行っております。具体的に申し上げますと、平成16年度に県の教育委員会が作成いたしました豊かな人間関係づくりプログラムですとか、平成21年度に神奈川県のスクールカウンセラー協会が作成いたしました、より良い人間関係づくりのための心理教育的プログラム、こういったものを活用いたしまして、県内各地で児童・生徒を対象といたしました仲間づくり教室、それから、教員対象のきずなづくり研修講座、こういったものを実施しながら小中学校に広めてまいりました。

 これらのプログラムは、子供たちが楽しみながら自分らしさを発揮する中で、人との関わり、そしてお互いの良さを認め合う個性ですとか社会性をバランス良く育成する、こういったことを目指してございます。

日浦委員

 そういったプログラムを活用する中で得られた成果や、今後に向けた課題があればお伺いします。

子ども教育支援課長

 まず、児童・生徒を対象といたしました仲間づくり教室の成果といたしましては、まず、プログラムの演習を通しまして、自分自身を相手の友達がどう見ているかということを知ることができ、相手、要するに友達を意識した行動について考えるようになったとか、又は皆と語り合う中で友達との信頼関係を築いていけると思うとか、話すことが改めて大切だといったことを感じた、そういった声が寄せられております。また、教員対象のきずなづくり研修講座の成果といたしましては、多くのプログラムを知ったことで、その時々の学級の様子に合わせて多様な指導をすることが可能になったといった報告を頂いております。

 今後に向けた課題でございますが、こういったプログラムを実施することだけで終わってしまうことがないよう、学校においては、その成果を子供たちの教育活動に常に結び付けていくことが大変重要なことでございます。そのために、日頃の学校生活の中でできるだけ多くの子供の活躍の場ですとか役割を設定して、子供たち自身が仲間と意見を対立させて自分の考えを自分の言葉で言い合ったり、話し合えるような地道な活動を丁寧に実践していくことが大変大切であると、改めて確認した次第でございます。

日浦委員

 子供たちが、学校の中だけでなく地域の様々な年代の人たちと関わっていくことが大切であると考えますけれども、そのような取組は今の学校にはあるのでしょうか、お聞かせください。

子ども教育支援課長

 子供たちが地域の方々と関わっていく取組というお尋ねでございますが、例えば小学校では、子供たちが自治会ですとか地域の老人クラブの方々と一緒に公園などの清掃を行うといった奉仕的な活動が実際に行われております。また、中学校で実施されております職場体験活動では、生徒たちが地域の企業ですとか商店街などの協力をいただく中で、大人とともに実際に働くことを体験して、接客マナーですとか挨拶ですとか、礼儀、規範意識などの大切さを学んでいるといった状況がございます。

 高校におきましても、自治体と連携して地域の花壇を整備したり、近隣の小学校に出向いて挨拶運動などを行っておりますが、こうした活動で地域の大人たちから、御苦労様だね、よく頑張っているねといった声掛けがあり、それは、子供たちにとって大変励みになっている、大きな力になっていると考えております。

日浦委員

 伺ってきたような取組といいますか、それが、県内の全ての学校で取り組まれるようになるには、どういったことが必要と考えるか伺います。

子ども教育支援課長

 子供たちが人と関わるという経験を積み重ね、学んでいくためには、その重要性を保護者はもちろんのこと、より多くの地域の方々、住民の方々にまずは知っていただいて、関心を持っていただくことがとても重要であると考えております。そして、実際に各学校ですとか地域の取組に参加していただいて、子供たちと大いに関わっていただく中で、学校の応援団になっていただく、こうした流れが県全体に広がっていくことが大変重要であると考えております。

 このためには、現在の子供たちが抱える問題の現状ですとか、学校が取り組むことの意義ですとか重要性、さらには保護者や地域、住民が、学校の取組にどのように関わっていくことができるかなど県内各地で取り組まれている参考になる良い事例を集めまして、そういった情報をリアルタイムで発信することも重要であると考えております。

日浦委員

 子供たちが学んだ知識や常識、ルールやマナーといったものは、人と関わる体験を通じて初めて身に付いていくものだと思います。答弁を伺いながら、改めてそういった自分の思いを強くしました。

 今の時代、地域の状況を考えると、子供たちが人との関わりを通じて社会性を学ぶ場としては、やはり学校に頼らざるを得ないと考えます。だからこそ、保護者や地域、学校のそういった取組の意義を大いに評価して、できる限り参加し、協力していただくことが必要であると思います。教育委員会としては今後も啓発に努めていただきたいと思います。

 次の質問に入らせていただきます。

 神奈川県におけるモンスターペアレントの問題について質問させていただきます。

 社会の急激な変化や価値観の多様化によりまして、学校に対する保護者や地域の方々からの意見や要望も多様化している。その中には、学校にとって有意義な指摘も多いと思いますけれども、場合によっては、学校が十分説明したり、意見や要望に対して改善を図ったとしても、受け入れられないような非常に厳しい要望を突き付けられることもあると聞いております。いわゆるモンスターペアレントと呼ばれる方々ですが、本県の事情を含めて何点か質問いたします。

 まず、確認の意味も含めて伺いますが、モンスターペアレントとはどういうものと認識されているか教えてください。

学校支援課長

 まず、モンスターペアレントの定義でございますが、定義というのは固まった形ではございません。一般的には、学校に対しまして自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者のことを意味する用語でございます。担任へのクレームが中心ですが、中には教育委員会とか校長へのクレームも多くなってきております。

日浦委員

 今の説明では、担任へのクレームが中心であるが、校長や教育委員会への苦情も増えているとのことですけれども、件数を含めて現状を説明していただきたいと思います。

学校支援課長

 実は、平成21年に公立の幼稚園、小中高等学校、それから特別支援学校及び市町村教育委員会を対象にアンケートを実施しております。調査対象期間が平成20年4月から12月まででございますが、この調査の結果、約1,200件の対応事例がございました。具体の事例といたしましては、運動会だとか部活動の練習、プールの循環機の音等がうるさいという騒音に関するもの、あるいは不登校生徒の高校入学に関するもの、それから定期テストの過去問題の提示の要求、あるいは指導方法への不満から担任の交代を望むものなど様々でございました。

日浦委員

 学校等に多くのクレームや苦情が寄せられ、また、その内容も様々なようですけれども、現場ではどのように対応しているのかお聞かせください

学校支援課長

 平成21年の調査によれば、調査結果によりますと、先ほど1,200件の苦情というお話をさせていただきましたが、そのうち約600件ぐらいは解決済みとの報告を頂いております。直接の解決に結び付いているかどうかというのは定かではないんですが、学校等の具体的な対応といたしましては、まず相手の話をじっくり聞くということ、それから管理職を含め、教員一人ではなくて複数で対応するということ、それから言った、言わないということを避けるためにきちんと記録にとるということ、ケースによっては例えば教育委員会や警察など、他の機関とも連携して解決していくということ等であります。解決にこぎ着くことが困難なケースや、解決したとしても対応に苦慮したり日数を費やしているケースというのは多いと聞いております。

日浦委員

 持ち込まれた様々なクレームや苦情に対して、学校現場では苦労しながらも工夫して対応しているようでございますけれども、学校現場をサポートするために、市町村の教育委員会として何か取組をしている例はあるのかお聞かせください。

学校支援課長

 市町村教育委員会の取組の例といたしまして、平成21年度からスタートしているんですが、例えば横須賀市の取組でございますが、教育委員会と弁護士が契約を締結いたしまして、問題の早期解決に弁護士からのアドバイスを頂いているという事例、それから横浜市の事例でございますが、退職校長が市の教育委員会と連携をとりまして学校を支援していくという取組が、一応私どもが把握している2市の事例でございます。この他、例えば市町村単位だとかあるいは地区単位で行われている学校管理職の研修におきまして、学校における危機管理の一環での苦情対応についての研修が行われているという話を聞いております。

日浦委員

 市町村の教育委員会の取組としては、一部を省き、まだまだこれからという印象を受けますけれども、県教育委員会としてモンスターペアレントの問題に対する考え方と対応について、今後の対応も含めて伺います。

学校支援課長

 考え方でございますが、保護者との関係において学校側の初期の対応に対する不満からトラブルに発展するケースがまず多いのではないかと認識しております。このため、初期における適切な対応に向けまして、地区ごとの指導主事、あるいは県立高校や特別支援学校の校長、あるいは県立高校の教職員などを対象といたしまして研修会や講演会を実施していくということ、また、学校が適切に対応したにもかかわらず、無理な要求を突き付けられているケースも少なからずございます。こういった場合につきましては、県の教育委員会としましては、場合によっては市町村教育委員会とも連携をとりながら、県の教育委員会の指導主事を派遣するということ、それから県教育委員会が設置している学校緊急支援チームの介入を図りながら、スクールカウンセラーやスーパーバイザー、あるいはスクールソーシャルワーカー、こういった方々を活用して、対応している教員の心理的な負担を軽くしていこうという取組をしております。

 さらに、なかなか、相手方とのやりとりの中で、不幸にも訴訟に発展しそうなケースというのもあろうかと思います。そういった部分につきましては、昨年から、県の教育委員会の中、現在は学校支援課内に弁護士資格を有する職員を期限付きで採用しておりまして、この職員が教育委員会内や学校現場からの相談を受けております。また、研修の講師としていろいろな学校からの要請に基づきまして対応しているという状況でございます。

 今後につきましては、まず学校向けの研修内容の充実をきちんと図っていくということ、それから先生方一人一人が研修を受けて対応力を高めていただくということ、そして必要に応じたサポートを県の教育委員会においていろいろ講じておりますので、重層的に活用していきながら、保護者等からの様々な要請につきまして、解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。

日浦委員

 モンスターペアレントへの対応については、学校現場は非常に大変だと認識しております。教育委員会として様々な機関と連携をとっていただきまして、しっかりサポートして安心安全で信用される学校づくりに努めていただきたいと思います

 私からは以上です。

斉藤(た)委員

 みんなの党の神奈川県議会議員団の斉藤たかみと申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に移らせていただきたいと思います。まず、議案関係について少し質問させていただきたいと思っております。

 伊勢原射撃場の汚染土壌の処分について質問させていただきたいと思います。

 伊勢原射撃場の鉛による汚染土壌の処理についてでございますけれども、五、六年前にも同じ場所で汚染土壌の処理をしたと認識しております。今回、改めて鉛汚染土壌の処理を行うとのことでありますけれども、前回の処理状況と、そして今回、なぜまた鉛が出たのかというのを確認したいと思います。

 まず、確認の意味で伺いますけれども、五、六年前にも汚染土壌処理を行っていますけれども、処理を行うに至った経緯と、そして射撃場のどの範囲の土壌処理を行ったのかお伺いしたいと思います。

スポーツ課長

 平成12年以降、福岡県、千葉県、埼玉県等で射撃場の鉛弾による水質汚染が明らかとなったことから、本県におきましても伊勢原射撃場周辺の環境への影響を調査するため、平成13年度に水質検査を行いました。その結果は環境基準を満たすものでございましたが、環境汚染を未然に防止するため、平成14年4月から射撃場を休場いたしまして、鉛弾と鉛含有土壌の早期改修に向けて対策工事を実施することといたしました。

 この対策工事では、場内の鉛弾が飛散する範囲を推定いたしまして、どの深さまで鉛があるか調査を行いながら土壌処理を行い、最終的には敷地面積約12万4,000平方メートルの3割強に当たります約4万3,000平方メートルの部分を掘削除去により土壌処理したものでございます。

斉藤(た)委員

 前回の土壌処理において、鉛を処理した業者はどこの業者で、またその業者を選定した理由とは何かお聞きします。

スポーツ課長

 前回の対策工事におきまして土壌処理を行った事業者は、秋田県の花岡鉱業(株)でございます。同社は、平成15年7月に土壌汚染対策法に基づく重金属汚染土壌浄化施設の認定を日本で初めて受けた業者でございまして、当時ほかに処理可能な業者が存在しなかったことから、土壌処理につきまして同社を選定したものでございます。

斉藤(た)委員

 前回処理した土壌の量及び幾ら経費がかかったのかを伺いたいと思います。

スポーツ課長

 処理した鉛弾及び土壌の量でございますが、5万8,599トンでございまして、掘削の上、鉛汚染土壌処理事業者の工場がございます秋田県に搬出して処理いたしました。経費につきましては、総額で約19億6,600万円でございます。

斉藤(た)委員

 この伊勢原射撃場に関しては、既に五、六年前に汚染土壌の処理を実施しているにもかかわらず、なぜまた今回鉛が検出されたのでしょうか。

スポーツ課長

 前回の対策工事では、鉛弾が飛散している箇所について処理を行ったものでございます。今回鉛が検出された場所につきましては、射撃を行う者が銃を撃つ場所、射座といっておりますが、その下でございまして、鉛弾が飛散するようなところではなく、また地表面がコンクリートで覆われていたこともございまして、対策工事の対象とはなっておりませんでした。このたび、射撃場再建に向けた改修工事を行うに当たりまして、騒音防止対策のためこの射座を覆う建築物を造る必要から、神奈川県生活環境の保全等に関する条例に基づきまして土壌調査を実施したところ、この射座の下から基準値を超える鉛が検出されたものでございます。

斉藤(た)委員

 前回の工事において対象外であった場所から鉛が検出されたことは理解するんですけれども、鉛が検出された理由についてはどのようにお考えですか。

スポーツ課長

 今回の鉛が検出された場所でございますけれども、鉛弾の飛散が想定される場所ではなく、また汚染の状況を見ますと、前回の土壌処理時の調査結果と比較いたしまして汚染の最大値が溶出量で約15分の1、含有量で約160分の1と大幅に低いものでございました。また、鉛は自然界にもともと広く存在する物質でございまして、実際に最近の県内の工事事例を見ましても、幾つかの工事現場から基準値を超える鉛が検出されております。しかしながら、今回、射座の下から鉛が検出された原因は、申し訳ございませんが不明でございます。

 原因は不明ではありますが、県教育委員会といたしましては、鉛が検出されたという事実を重く受け止めまして、鉛が検出された箇所を、現在シートで覆いまして、汚染土壌の飛散防止対策を講ずるとともに、場内に設置した地下水の観測用井戸で定期的に水質検査を行っております。その結果、幸いなことに、これまで地下水への影響は一切出ておりません。

斉藤(た)委員

 前回鉛の処理を実施できる業者が秋田県にある花岡鉱業(株)1社のみであったということですけれども、今回の鉛汚染土壌の処理を行うに当たり、鉛の処理業者というのは前回と同じ業者に処理をさせる予定でしょうか。

スポーツ課長

 今回の土壌処理方法につきましては、前回の対策工事と同様、掘削除去といたしまして、汚染土壌につきましては土壌汚染対策法に基づきます汚染土壌処理業の許可を有する施設において処理することとしております。今回は前回と異なりまして、この汚染土壌処理業の許可を有する施設が県内外に約60施設ございますので、1社を指定するということではなく、競争入札することといたしたいと考えております。

斉藤(た)委員

 水質汚染など、直接住民に影響を与える状況には至っておりませんけれども、鉛の汚染というのは公害でありますから、的確な対応を行う必要があると考えております。しっかりとした対応を行った上で、伊勢原射撃場の再開に向けて取組を行うことが大切だと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それで、本日最後の質問とさせていただきたいと思いますが、藤沢で行われた、被災地からの転入学高校生の集いというのに、私の方が参加させていただいたんですけれども、被災地からの転入学生徒への対応について、積極的に教育委員会の方がこのようなイベントを行うというような状況であったんですけれども、今後どのようにこういったイベントを行う予定かをお教えください。

学校支援課長

 5月29日の被災地からの転入学高校生の集いにつきましては、委員も御出席いただいたと認識しております。これは、転入学生徒及び保護者の方も含めまして31名の御出席がございました。参加者からは、この集いのおかげで同じ町から避難している人と偶然出会えたとか、あるいはいろいろ進学の関係で心配だったものがある程度解消してきたとか、かなり積極的な評価を頂いております。

 この集いの参加者の方といろいろお話をする中で、是非ともこのような機会を将来的にも設けていただきたいというお話を頂いておりました。そういった中で、本来4月に開催する予定だったファミリー・コミュニケーション・フェスティバルという取組があるのですが、震災の関係もございまして一旦流れておりましたが、それを10月1日に開催する予定でございます。この中で、被災地からの転入学生徒、あるいは保護者との面談等のコーナーを設けて対応していきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、こういった部分の情報というのは、教育委員会だけで収集して終わるのではなくて、各学校等にフィードバックしていくことが絶対必要だと考えておりますので、もちろん5月に開催した部分についても各学校の方にはフィードバックしますが、10月に予定していますフェスティバルの中で得たものについても、学校の方にはフィードバックしていきたいと考えております。

斉藤(た)委員

 私も実際に生徒にお会いして、非常に元気でいたことが驚きだったわけでございます。実際聞いた話によりますと、表面上は元気にしているけれども、やはり中にはひどい心の痛みを抱えている生徒が多いという話を聞いておりますので、是非ともこういったケアというのも重点を置いてしっかりとやっていただきたいとお願いする次第でございます。

 私からの質問は以上になります。

渡辺委員

 公明党の渡辺でございます。私の方からは、先ほども委員の中から質問がありました高等学校の奨学金について質問していきたいと思っております。

 特にその中でも、先ほど来質問が出ておりますが、1,440万円の補正予算について、この関連を含めて高等学校の奨学金について質問したいと思っていますが、先ほどの質問の中で、聞きたかったことの幾つかは答弁がありましたので、重複は全て除いて質問していきたいと思います。

 最初に、今回の補正予算で、被災された高校等の生徒に対して奨学金を貸与するということで1,440万円ということで、先ほど公立高校の約120人を想定しながら、公立高校として2万円で60人分を予算措置したという御答弁がありました。

 そこで確認したいんですが、今回の資料には高等学校等という表記がされております。それとあと、事前にもらった我が県に対する公立学校への転入学の受付の資料で見ますと、6月1日現在で高等学校に119名であると、これは若干流動的に増えているんでしょうけれども、公立学校への転入学という表現がありました。さらには先ほども、公立学校の被災された高校生に対して2万円というお話がありましたが、一般的な高校奨学金、神奈川県の制度の場合は、高校については公立高校2万円、私学4万円という制度になっていますね。つまり、私学に対してどのようなお考えがあるのか。あるいはまた、考えはあるけれども、今は該当者がいないからそうなっているのか、この辺の説明を最初にお願いします。

学校経理課長

 私立高校に転入された被災者の状況でございますが、6月初頭の調査では、被災された方で私立高校に転入し、奨学金を申請されたという方はいらっしゃらないとは聞いております。

渡辺委員

 御答弁が分からないんですが、要は申請された方ではなくて、実際に私学の方に被災された高校生がこっちにいるかどうか、それが肝心なわけですよね。その上で、まだこういう制度が立ち上がっていないわけですから、制度ができる前に申請するということは当然ないわけですので、まず前提として、被災された高校生の私学への転入があるかないか御答弁願います。

学校経理課長

 申し訳ございませんでした。被災された方で県内私学に転入された方は、6月当初の調査の段階では0人と聞いてございます。

 先ほどの御質問の件なんですが、予算積算上は公立高校2万円相当で60人分ということでございますので、実際、仮に私立高校から応募された方につきましては、この中で対応するものと考えてございます。

渡辺委員

 分かりました。そういう意味では、私学で、この先転入する方もいらっしゃるかもしれないので、しっかり対応してほしいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 次に、今回の補正をされているこの奨学金、受ける場合の要件の確認をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

学校経理課長

 今回の東日本大震災で被災し奨学金を申請される場合、学年の途中から高校に転入された場合でも随時に受け付けるようにしてございます。資格要件につきましては、一般の申請される方と同じということになってございますが、親権者の同意を確認するのに時間がかかるということも想定されますので、そのような場合につきましては、貸付時期が遅れるといったことが生じないよう、今後速やかに親権者の同意を得ていただくことを確認の上、随時速やかに申込みを受け付けていくようにしてございます。

渡辺委員

 今の御答弁のこと、よろしくお願いしたいと思うんです。本当に困っていらっしゃる方がこちらに来られて、奨学金を受けたいということになったときに、どこかの知事が言っていましたけれども、やはりスピード感が大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 その上で、随時途中で受け付けるという御答弁が今あったので、再度聞きたいんですが、神奈川県の高等学校奨学金は、通常の奨学金と緊急経済対策としての奨学金、2枠というか、大きく基金が二つありますよね。その緊急経済対策の奨学金というのは限定的に、要は成績要件を排除して貸与していますね。そういう意味からすると、両方の制度が活用できるということなんでしょうか。それとも、もともとある成績要件が必要な基準になっている奨学金で随時対応するということなのか、そこの確認も含めてお伺いします。

学校経理課長

 成績要件につきましては、緩和されている制度でお受けすることになります。

渡辺委員

 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。

 今の御答弁で確認はできました。緊急経済対策と通常の高校奨学金枠の両方活用した中でやっていくということで、特に成績要件は加味しないということだったのでそれでいいと思うんです。あとは、高等学校奨学金の場合は、通常であれば両親というか、親御さんの年収だと過所得の問題、年収制限が出てきますね。それについて、今回被災者の生徒の場合は、恐らく神奈川県に来た場合は祖父母の家にお世話になっているとか、親類の家にお世話になっているとか、様々なケースがあって御苦労されていると思うんですけれども、そういう場合に貸付けの要件である世帯の所得という考え方は、被災者の高校生についてはどういう考え方に基づいて決めていくものか、基準はどうなのか、御説明願えますか。

学校経理課長

 まず、被災された生徒の生計を実際に保持されている方が誰なのかを確認させていただきまして、その方が県内に居住されている祖父母あるいは親類の方である場合は、そういった方の所得で審査し、また、生計を保持している方が被災地にとどまっている親御さんの場合につきましては、その親の方の所得で収入要件を審査することになります。

渡辺委員

 私の理解が足りないのかもしれませんが、こういう資格要件のときに、同一生計というような表現をよくされますよね。それで、今の御答弁だと、例えば高校生が被災して、祖父母にお世話になっているというようなことだと、祖父母の収入という表現をされましたね。それで、親族の方にお世話になっていて、親御さんが向こうの被災地にいた場合は親の収入になるんですか。もう一回確認の意味で。

学校経理課長

 実際に被災されて県内に転入された生徒の、実際の生計を支えていらっしゃる方が誰であるのかというのを実態に即して調べさせていただきまして、その場合に、被災地にとどまっている親御さんからいわゆる仕送りがあって、実際に生計を支えているという場合につきましては、その親御さんの方の所得で収入要件を審査することになります。

渡辺委員

 先ほどもそう御答弁してくだされば、もうちょっと早く理解できましたよ。

 次に、今回の補正で、先ほど御答弁がありましたが、公立で月に2万円換算ですると、60人分で12箇月分だということが、他の委員の質問に対して御答弁があったところでございますけれども、そのときに、これでほぼ足りるだろうという御答弁があって、もし足りない場合はどうするのかという質問に対しては、一般貸付けで対応しますという御答弁が先ほどありました。

 その確認をさせていただきますが、ちょうどここで一般貸付けの方も申請が終わって、今、貸付けの準備というか最終段階に来ていると思うんですが、今言った補正予算枠を超えた場合に、確認の意味で聞きますが、一般貸付額というのはまだ余裕があるということですか。

学校経理課長

 若干でございますが、まだ余裕がございます。

渡辺委員

 その辺、うまく対応してほしいと思うんです。例えば、一般貸付枠に余裕があるとしても、一般の制度の中には緊急的な申請という制度があるわけですよね。途中で経済的な問題が浮上する場合、今回の申請の絡みで言わせてもらうと、例えば親御さんが震災の影響を直接ではないかもしれないけれども、いろいろな意味で間接的に影響を受けて経済的に厳しくなった場面ですとか、若しくは勤めていた会社の様々な状況が変わって、親御さんの収入が途中で激減する、そういう場面も当然あるわけですよね。そういう方々の申請の必然性も出てくるし、今言った被災された方々の話うんぬんも出てくる。そういう意味では、若干の余裕では非常に不安を感じるんですが、それをしんしゃくしたときに、若干の余裕なのか、それともある程度そういう方々については対応できるということなのか、もう一回御答弁をお願いします。

学校経理課長

 今回の被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金につきましては、今後、事業の進捗状況、申請される方の状況を踏まえまして、9月あるいは12月に第二次、第三次の計画書の申請の提出が可能となってございますので、当面、緊急に申請された方については一般枠の方でも対応しますが、その財源につきましては、今後国の方に計画書を提出してまいりたいと考えております。

渡辺委員

 ありがとうございました。それは非常に大事な対応なので、しっかり対応してもらいたいと思います。あと、今の御答弁に関連してちょっと確認させていただきます。

 今、第二次、第三次の計画を国に出していくということで、そこでしっかり計画を出して交付金を確保していくというか、対応していくという御答弁がありました。その関係ですが、今回は国庫10分の10ですけれども、この制度というのは来年度以降も大丈夫なのかどうか。当然、ここで高校生が被災されて転入をされたのですが、当然、来年度も再来年度もそういう方もいらっしゃるし、普通に考えても、転入して今年度だけ通学するという方は少ないのではないかと思います。そういう意味では、編入をしたわけですから、恐らく入学をされて卒業するまでということになると、1年、2年、3年と長い方は行くんだと思うんです。これについて、来年度以降についてはどのような対応になるのか。今までの答弁の確認も含めてになってしまうかもしれませんが、御答弁願えますか。

学校経理課長

 平成24年度以降につきましても、私どもは、国による現在の緊急経済対策による臨時特例交付金が必要であるという状況には変わりはないと考えてございますので、現在の奨学金の貸付規模を確保すべく、高校生修学支援基金による奨学金事業が継続できるよう、期間の延長とともに臨時特例交付金の追加交付につきまして、国に強く働き掛けてまいりたいと考えております。

渡辺委員

 私が求めていた答弁とちょっと違いますが、次の質問を用意しているので、次に進みたいと思います。今言った対応をしっかり国の方にやっていただきたいと思いますが、そこで、補正予算に組んである高校の奨学金の話から、通常の高等学校奨学金の話に少し話を進めていきたいと思うんです。今の御答弁と関連するわけですけれども、今言った特例交付金、国の緊急経済対策に伴う制度は、平成23年度で終了ということですよね。平成24年度以降については今のところ担保されていない。このことについては、今の御答弁では、頑張って延長を働き掛けていくということですが、それは当然、確約をされていませんね。

 緊急経済対策の特例交付金については、今まで非常に寄与しているわけです。時系列的に見ますと、この特例交付金が始まったのが平成21年ですね。平成21年から、今年度はまだ確定しておりませんけれども、平成20年度ぐらいまでは交付金がなかったけれども、県が頑張ってくれて、ざっくり言うと貸付枠が約4,000人規模でした。これが、平成21年度からは特例交付金、先ほど言った成績要件も緩和したこの制度を活用し、ざっくり1,000人増プラスアルファなので約5,000人規模になっているわけです。これは当然、私学の4万円と公立の2万円と、内容によって若干バランスが違うんですけれども、ざっくり言うと約1,000人から千数百人程度、国の特例交付金を使って奨学金を貸与している。そういう意味では、この制度の果たすところは大きいですよね。

 先ほど課長が頑張るとおっしゃったんですけれども、我々は非常に心配しているのですが、来年度以降、特例交付金がなくなったときに、奨学金はどのような対応をしていこうと考えているのか。答弁できるか、できないかも含めて御答弁ください。

学校経理課長

 繰り返しにもなりますが、現在の状況、引き続き厳しい経済状況が続くだろうと考えておりますので、国に対しては現在まで、臨時特例交付金の追加交付について強く要望してまいりましたが、仮に国の交付金が活用できないといった場合につきましては、現在の奨学金の貸付規模を確保することが非常に困難であると考えてございます。その場合に、限られた予算の奨学金が真に学資の支援を必要とする生徒に着実に届くようにするためには、奨学金の不採用者を出さないということがまず大事であると考えてございます。そのためには、現在、平成21年度からの3箇年の期間限定で緩和させていただいております成績要件を元に戻すことなど、様々な方策を講ずる必要があると考えてございます。そういった対応策を含めて、現在、平成24年度からの制度変更が必要となった場合でも対応できるよう検討を進めております。

渡辺委員

 全く答弁が理解できないんですが、国に対して引き続き緊急経済対策を求めていくと。それはなぜかというと、引き続き厳しい経済状況が続いているからという答弁を今していましたよね。ただ、国が県の要望どおり実施しなければ、緊急経済対策を使って成績要件を緩和した今の制度は維持できないわけですよね。そうすると、成績要件を元に戻すと、戻さざるを得ないという御答弁ですね。これは、ある意味では自己矛盾している御答弁だと思うんです。

 要は、高校生はそういう意味では引き続き困っているんだ、困る状況が続くんだということを是認しておきながら、お金がないからできないと、簡単に言えばそういうことではないですか。お金がなくなるから元の厳しい制度にせざるを得ない、そういう答弁なら自然に理解できますけれども、今の御答弁だとちょっと、何か行政的な御答弁で自己矛盾しているように思うので、私は理解できないなと思ったんです。

 もうちょっと別の言い方をしますと、今、緊急経済対策で成績要件が緩和されて恩恵を被っている、成績が努力不足で2.9以下かな、そういった方々が、ざっくり言うと今現在400人強いると聞いています。この方々が、学年が上に上がると、全体の十四、五パーセントを占めると言っていますけれども、こういう方々は奨学金を受けられなくなると、今の課長の答弁だと聞き取れるんですが、国の制度がなくなったらそうなるということなんでしょうか。

学校経理課長

 私の説明不足で申し訳ございませんでした。私ども、国に対して交付金の追加を強く要望してまいりますとともに、今後、予算要望の際にも、現在のいわゆる人数枠、そして貸付金額を維持できるように最大限努力してまいる覚悟でございます。それを踏まえて、可能な限り、現状の制度をそのままで運用できるように努めてまいりたいと考えております。

渡辺委員

 分かりました。一般財源でも頑張るというように私には聞き取れました。国の予算措置ができなくても、県教委が頑張ると。しかし、教育局が頑張っても財政の部局が認めないと駄目なのかもしれませんけれども、課長としての思いは伝わってまいりました。

 それは大事だと思うんですね。今言ったように、引き続き非常に経済状況が厳しいと。今日は時間の関係で質問しませんでしたが、例えば昨年の4月から高校の授業料無償化がスタートしましたが、去年の6月の時点で私が当局に聞いたときには、公立ではほぼ無償化されるとのことでした。私学についても就学支援金制度があり、さらには県が所得に見合った制度をやるので、これだけの負担減が起これば奨学金を借りる方々も変わってくる可能性があると、様子を見ないと奨学金はどうなるか分からないというのが昨年の6月時点ぐらいのお話だったと思うんですね。

 それが、例えば去年の応募が5,270人でした。これは私学と公立の内訳の違いがあるんですけれども、本年度の平成23年度は、まだ確定しておりませんが、現状の応募数が5,037人と、そんなに変わっていない。こういう状況を見ると、先ほど来質問があったけれども、授業料だけではなくて、修学旅行の積立金だったり、通学費用だったり、若しくはクラブ活動費だったり様々な費用がかかっている。そういう授業料とは別の部分を、お金に色は付いていませんので、少しでも奨学金で対応したいという方が引き続き5,000人規模いるという状況です。これはしっかり理解して、頑張ってほしいなと思います。

 その上で、例えば奨学金制度をこの3,000人規模、4,000人規模にしてからもう何年かたっています。それで、先ほど来御答弁にあるように、大学に進学したり、若しくは専門学校に進学すると、その間は返還猶予がされる。さらにはその後、半年猶予がされるということでしたね。

 しかしながら、以前にも質問させていただきましたが、今経済的に非常に厳しい状況で定職に就けない方もいらっしゃるかもしれなくて、そういう方については、また更なる返還猶予があるという制度になっていますよね。

 そういうこともあるので、すぐには県にお金が戻ってこない、ということはあるけれども、例えば平成18年度にこの高等学校奨学金を4,000人規模にしたときに、一般財源の出動というのは約10億6,000万円でした。それが返還金が毎年少しずつ増えてきて、返す該当者が増えてきたということに対して、例えば今年度は、先ほどの国の分、約1,000人規模が入って5,000人規模になっていますけれども、一般財源の出動は7億8,000万円なんです。10億6,000万円だったのが7億8,000万円で済んでいる。それはなぜかというと、繰上金ですね、奨学金の返還金などが増えてきている。

 そう考えると、県下の多くの方々が望む奨学金において、極力不採用者が出ないような形で県が対応してきたということであり、それは認めるところです。私もそこは評価するところですが、少なくとも今後も更に返還金が増えてくれば、一般財源の支出は減ってくるわけですね。それは鶏が先か、卵が先かということかもしれないけれども、先ほど来、私は質問していますけれども、こういう状況の中で被災者の高校生がおり、また経済状況も非常に厳しい。そんな中で、もし国が特例交付金をくれないのであっても、一般財源との絡みで、今後を中長期的に見た場合、平成三十二、三年になれば返還金と予算出動がイコールになるわけです。それまでの我慢なんですから、しっかり対応していただけるように頑張っていただきたいなということを要望させていただいて、私の質問を今日は終わります。



8 次回開催日(7月8日)の通告



9 閉  会



特記事項

 資料要求

 「中学校、中等教育学校の前期課程用教科用図書調査研究の結果(平成24・25・26・27年度用)」