議事ロックス -地方議会議事録検索-


東京都 葛飾区

平成17年第1回定例会(第2日 2月28日)




平成17年第1回定例会(第2日 2月28日)





         平成17年第1回  葛飾区議会定例会会議録


     平成17年2月28日             於  葛飾区議会議場


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 
 出 席 議 員 (46名)


    1番  むらまつ 勝康         2番  清 水   忠


    3番  会 田 浩 貞         4番  小 用   進


    5番  ふ せ 秀 明         6番  秋 家 聡 明


    7番  大 森 義 明         8番  上 原 ゆみえ


    9番  黒柳 じょうじ        10番  く ぼ 洋 子


   11番  三小田 准 一        12番  渡 辺 キヨ子


   13番  丸 山 銀 一        14番  杉 浦 よう子


   15番  斉 藤 初 夫        16番  秋本こうたろう


   17番  新 村 秀 男        18番  安 西 俊 一


   19番  福 本 亜細亜        20番  加 藤 和 男


   21番  伊 藤 まさき        22番  大 高   拓


   23番  早 川 久美子        24番  鈴木 なおひろ


   25番  鈴 木   烈        26番  谷野せいしろう


   27番  峯 岸   實        28番  舟 坂 ちかお


   29番  梅 沢 五十六        30番  池田 ひさよし


   31番  倉 沢 よう次        32番  出口 よしゆき


   33番  牛 山   正        34番  大 塚   武


   35番  中 村 しんご        36番  野 島 英 夫


   37番  渡 辺 好 枝        38番  高 橋 信 夫


   39番  小笠原 光 雄        40番  遠 藤 勝 男


   41番  反 町 直 志        43番  矢島 やすたか


   44番  ? 橋   侃        45番  中 村 武 夫


   46番  石 井 みさお        47番  石 田 千 秋


 欠 席 議 員  (0名)





 出席説明員


   区長               青 木   勇


   助役               八木原 利 勝


   収入役              井 上   毅


   政策経営部長           青 木 克 徳


   総務部長             高 橋 計次郎


   地域振興部長           高 橋 成 彰


   環境部長             宮 崎 一 男


   福祉部長             都 筑 順 三


   高齢者支援担当部長        西 村 政 次


   保健所長             伊 藤 史 子


   子育て支援部長          筧     勲


   都市整備部長           ? 澤 恒 雄


   街づくり担当部長         上 野 祥 二


   企画課長             濱 中   輝


   総務課長             菱 沼   実


   教育長              山 崎 喜久雄


   教育次長             小 川 幸 男


   教育振興担当部長         柏 崎 裕 紀





 欠席説明員 (0名)





 区議会事務局


   事務局長      鈴 木 昭 仁  次長         太 田   隆


   議事調査担当係長  種 井 秀 樹  議事調査担当係長   白 山 敏 夫


   議事調査担当係長  中 島 幸 一  議事調査担当係長   長 嶋 和 江


   議事調査担当係長  長 妻 正 美  書記         小野塚 正 浩





   速記        坂 田 ゆ り





議 事 日 程





 第 1  代表質問      2番 清 水   忠 議員


               34番 大 塚   武 議員


               38番 高 橋 信 夫 議員


               24番 鈴木 なおひろ 議員


 第 2  一般質問      5番 ふ せ 秀 明 議員


                8番 上 原 ゆみえ 議員





代表質問





 1   2番   清 水   忠 議員


(1)平成17年度予算編成における基本的な考え方について


(2)都区制度改革について(財政調整制度における主要5課題について)


(3)経営改革の進捗について


(4)区政運営のあり方について


(5)危機管理について


(6)まちづくりについて





 2  34番   大 塚   武 議員


(1)区長の所信表明について


(2)特別区税の歳入構造から見える本区の課題と基本計画について


(3)17年度当初予算について


(4)江戸川の浚渫工事と「からめきの瀬」について


(5)葛西城の再評価と本区の観光政策について





 3  38番   高 橋 信 夫 議員


(1)平和事業の推進について


(2)区民負担の軽減について


(3)地域産業の活性化について


(4)防災対策について


(5)30人学級と学校警備について


(6)都区制度問題について





 4  24番   鈴木 なおひろ 議員


(1)三位一体改革に関する本区の対応について


(2)教育行政について


(3)子育て支援事業について


(4)総合行政パトロールの導入について


(5)防災対策について





一般質問





 1   5番   ふ せ 秀 明 議員


(1)経営改革について


(2)保健所及び母子生活支援施設の建替えについて


(3)PFIについて


(4)ITについて


(5)新基本計画について





 2   8番   上 原 ゆみえ 議員


(1)介護保険について


(2)アレルギー性疾患対策の強化について


(3)防災について








午前10時開議


○(谷野せいしろう議長) これより本日の会議を開きます。


──────────────────────────────────────────


○(谷野せいしろう議長) 初めに、会議録署名議員を指名いたします。


 本日の会議録署名議員については、会議規則第121条の規定により、


   4番 小 用   進 議員


   8番 上 原 ゆみえ 議員


  29番 梅 沢 五十六 議員


の3名を指名いたします。


──────────────────────────────────────────


○(谷野せいしろう議長) 次に、事務局長に庶務報告をいたさせます。


○(鈴木昭仁事務局長)(報告)


 庶務報告を申し上げます。


 本区監査委員から、例月出納検査報告書(1月末日現在)が議長あて提出されましたので、既に送付しておきました。


〔資料編参照〕


──────────────────────────────────────────


○(谷野せいしろう議長) これより日程第1、代表質問を行います。


 質問は通告の順に許します。質問者は、要点を簡潔、明瞭にご質問願い、また答弁者は質問の要旨を把握の上、明確にお答えください。


 2番、清水 忠議員。


〔2番 清水 忠議員 登壇〕(拍手)


○2番(清水 忠議員) (「頑張って」との声あり)お許しをいただきまして、私は、さきの通告に従い、自由民主党議員団を代表いたしまして、区長並びに教育長及び関係部長に対しご質問いたします。


 まず初めに、平成17年度予算編成における区長の基本的な考え方についてご質問いたします。


 区長は、平成17年度の予算編成の基本的な考え方について、内閣府の本年1月の月例経済報告基調判断を引用し、国内民間需要の増加が継続しており、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底がたく推移すると見込まれているものの、一部に弱い動きが見られ、回復が緩やかになっており、いまだ高水準にある完全失業率や横ばいの賃金水準基調から、景気回復を生活実感として感じ取るのは難しい状況にあるとの認識を示すとともに、区の財政運営に大きな影響を与える要因であります国の三位一体改革の推進や東京都の財政運営における考え方を示し、依然として本区の財政状況の厳しさを強調する形で予算編成を行った旨、その考え方を示されております。


 確かに、一会計年度の予算編成を行う場合には、さまざまな要因をしんしゃくしながら適切な予算編成を行うことは重要であり、このこと自体は本区のこれまでの堅実な財政運営の大きな要因となったものと評価しているものであります。


 しかしながら、少子・高齢社会がさらなる進展を続け、なかなか歯止めがかからない状況の中で、今後確実に到来するであろう人口減少社会や、3年ないし5年後には団塊の世代が一斉に定年を迎える、いわゆる大定年時代が到来し、この国の形そのものが大転換期を迎えることはご承知のとおりであります。


 そして、その結果は、生産年齢人口の減少、一定の成熟した日本社会における長期的な低成長経済の出現ということが当然のことながら基調として予想され、さらには、中国、韓国、インドやベトナムといった国々とのグローバルな経済競争の激化等々を勘案いたしますと、大規模な景気回復自体は望めない状況にあることはだれの目にも明らかであると考えるのであります。


 そして、そもそも景気回復というものがどういう状態を指しているのか、仮に景気回復がなされ、企業収益等が上向いたとしても、これまでのように雇用や国民所得全体そのものに与える影響、本区で言えば、区民の暮らしぶりが景気の回復によってどれだけよくなる方向で影響するのかはなかなか予測がつかない状況にあるのではないでしょうか。


 団塊の世代が一斉に定年を迎えるということは、年功賃金体系の中で、多くのサラリーマン階層の中における所得の高い層の方々が、少なからずも会社をやめ、厳しい雇用状況の中で再雇用、再就職をしていくわけでありますから、一般的に言っても所得が低下することは避けられないと思うのであります。そして、その後を担うサラリーマン層については、低成長経済の中において、これまで日本を支えてきた企業における終身雇用の見直し促進、リストラの進行、さらには賃金体系の見直し等々により、所得そのものが大きく伸びる要因がなかなか見つからないのが現状であります。それに加えて、大学や高校等の学校卒業者の深刻な就職難も追い打ちをかけているものと思われます。


 景気回復は、一部の所得階層の勝ち組を生み、多くの負け組を生むという二極分化が進むことはあっても、国民全体の所得が上向きになるということは極めて難しい状況にあると言わざるを得ないのであります。(「全体じゃないよ」との声あり)


 すなわち、本区の財政状況に置きかえて言えば、区税収入のトレンドは横ばいないし減少傾向にあり、生活保護費等の扶助費は着実に増えることはもはや避けられないということを前提に財政運営を考えていかなければならないと思うのであります。


 そうであるとするならば、これまで毎年のように本区の財政に対する厳しい財政状況という認識そのものを改め、このような財政状況を基本として考えていく時期に来ているのではないかと思うのであります。


 また、平成15年度から国が進めている三位一体改革については、地方分権を財政の面からも強く推し進めるという理念と方向性については評価し得るものの、私は、改革においては、国庫補助負担金の廃止、縮減、地方交付税の見直し、税源移譲を含む税源配分の見直しの改革を同時並行して、文字どおり一体のものとして相互にバランスを図りながら進めていくことが重要であり、国庫補助負担金の廃止、縮減のみが先行して実施され、税源移譲を含む税源配分の見直しが先送りされるようなことがあっては絶対にならないと思っております。


 税源移譲を初めとする今回の三位一体の改革は、地方分権改革の出発点であり、到達点ではありません。


 そもそも行政サービスの供給については、国や都道府県、市区町村の間で役割分担を明確化するとともに、それぞれがみずからに割り当てられた事務をみずからの財源で実施することが原則であります。これによって責任の所在が明確になるとともに、コスト意識を持ってそれぞれの事務が執行され、行政サービス供給の効率化にも資することができるのであります。


 政府は、国庫補助負担金の改革については、地方の権限と責任を大幅に拡大するとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を図る観点から、自助と自立にふさわしい国と地方の役割分担に応じた事務事業及び国庫補助負担金のあり方の抜本的な見直しを行うとして協議が重ねられてきており、平成17年度、18年度の2年間で総額3兆円程度の補助金を削減するなどの基本方針を昨年11月に定め、義務教育費国庫負担金や生活保護費等の大きな課題は先送りといたしましたが、養護老人ホーム等保護費等の具体的な補助金削減案を決定したところであります。


 さらに、税源移譲を含む税源配分の見直しについては、廃止する国庫補助負担金の対象事業の中で、引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては税源移譲するとし、その際、税源移譲は基幹税の充実を基本に行い、税源移譲に当たっては、個別事業の見直し、精査を行い、補助金の性格等を勘案しつつ8割程度を目安として移譲し、義務的な事業については、徹底的な効率化を図った上でその所要の金額を移譲するとしています。


 この三位一体の改革は、国から地方へとの考えのもと、地方分権型の行政システムの構築を目指すものであり、地方が自主的、自立的に処理するために、国庫補助負担金などを通じた国の関与を一層縮減するとともに、税源移譲等によって財政面での自主性、自立性を向上させることが不可欠であるとしております。


 この考え方のもと、暫定的な措置として、所得譲与税が創設され、税源移譲が暫定的に行われているものではありますが、抜本的には、基幹税である所得税から住民税へという税源移譲が遠からず行われるものと考えております。しかし、自治体の基幹税であり、参加税ともいうべき住民税については、税が持つ本質的な問題があると思うのであります。


 単純に言えば、今までは、国庫補助負担金という特定財源が措置されれば、地方自治体は確実に100%その分を歳入として計算することができたわけであります。仮にその分がすべて住民税という形で税源移譲をされた場合には、地方税収入の歩どまり、すなわち徴収率が100%でない限り地方自治体の収入は確実に落ちるのであります。また、住民税自体は、所得税が現年課税であるのに比べて翌年課税であることから、現在のような景気後退局面に際しては、仮に翌年に所得が減少した場合には、前年の所得で課税されている住民税を納めることが困難になる場合があり、歳入減のリスクの高くなることが予想されるのであります。


 さらに、現在の住民税が、1月1日に居住している自治体に対して住民税を支払うというシステムであるため、年間約2割ないし3割程度の住民異動がある大都市の地方自治体にとっては、既に転出した地方自治体への帰属意識等や課税自治体が現住地でないことなどから、徴収をより困難にするという要因をはらんでいるのであります。


 すなわち、国の進める三位一体改革の方向性については是とするものの、地方自治体にとっては、その受け皿となる住民税自体の問題点を考えなければ、容易にこの改革が真に地方自治体にとって地方分権、地方自治を進める上での改革とはならないのではないでしょうか。その部分を危惧しているのであります。


 このことを踏まえて、平成17年度予算編成における区長の基本的な考え方についてご質問いたします。


 区長は、今後の景気回復と本区の財政状況についての相関関係をどのようにとらえ、認識しているのか、すなわち、仮に景気が回復した場合には、本区の税収を含めた財政環境にどのような影響があると認識しているのか伺います。


 二番目に、もはや現在の財政環境がトレンドであると考えられ、今後は、現在の厳しい財政状況自体を前提として財政運営に当たるべきであると思うが、区長の認識を伺います。


 三番目に、三位一体改革に示されている補助金削減を基幹税である住民税として税源移譲されることに対し、住民税の持つ本質的な問題についてどのように考え、その問題についてどのように対処しようとしているのかを伺います。


 四番目に、今後の財政運営については、従来の特別区交付金、いわゆる財調や特別区税、国庫補助負担金等だけではなく、例えば市場公募型ミニ公募債の発行など多様な財源調達手段について広く検討し、具体的な取り組みを行っていくことが必要であると考えますが、区長の認識を伺います。


 次に、都区制度改革についてお伺いいたします。


 いよいよ平成17年度は都区財政調整制度における主要5課題を最終的に解決する年度となることはご承知のとおりであります。


 昨年来、本区においては、全員協議会でこの問題について審議をし、その後、都区制度改革特別委員会を設置し、本区一丸となって精力的にこの問題の解決に向けて取り組んでまいりました。しかしながら、問題解決に向けた具体化が一向に進んでいないように思われます。


 先般、ようやく東京都から大都市事務の考え方が出されましたが、その内容は、府県事務まで含む内容となっており、地方自治他方改正の趣旨に合致していないばかりではなく、これでは都区間の溝は深まるばかりであると思われます。


 また、特別区が整備した清掃工場の償還費、老朽化した小中学校の改築経費、さらに、特別区が行う都市計画事業の財源となる都市計画交付金等の諸問題についても、特別区側には切実かつ具体的な需要があるにもかかわらず、東京都の対応は前向きな姿勢が全く見られず、これでは、何の進展も予感させないゼロ回答と同じであると言えるのではないでしょうか。


 この主要5課題の問題につきましては、都区制度改革によって、東京都と特別区の役割分担と財源配分が身近な基礎自治体優先に変わったことを現実の姿として示すものであり、長年にわたって取り組んだ都区制度改革の真の実現を果たすものであり、早急に解決を図るべきであります。


 また、この問題は、単に東京都と特別区の財源の取り合いではありません。平成12年度の都区制度改革によって、特別区が基礎自治体としてどのように変わったのか、いまだに疑問を残したものになっていることの解決を果たす意味で、特別区にとって重要な課題なのであります。


 すなわち、この問題の解決を通して、東京都と特別区がどのように生まれ変わり、どのように住民福祉を向上させ、日本の首都東京の行政課題に立ち向かっていくのかを区民の前に示すことが問われているのであります。


 以上の点を踏まえて、ご質問いたします。


 まず、この問題を解決するに当たり、この機会に新しい都区関係を築くべく、広域行政主体としての東京都の役割やあり方を問いただし、基礎自治体としての特別区の基盤を確固たるものにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。


 二番目に、これまでの検討状況では、東京都と特別区の見解が離れ過ぎております。あと1年で解決しなければならないことを考えると、早急に具体化を進め、打開の道を探るべきであると考えますが、この主要5課題に臨む区長の基本的な姿勢と決意を内外に示すべきであると思いますが、いかがでしょうか。


 次に、経営改革の進捗についてお伺いいたします。


 区長は、平成17年度の予算編成においても、昨年度に引き続き新政策システムの考え方に基づき、計画と予算と事務事業の評価を一連のサイクルとしシステム化を図り、これを区長の細かな政策判断につなげ、主要施策を定め、重要事業を選定し、これに優先順位を設定して、優先度の高い事業から予算化したとのことであります。


 そして、この考え方に基づき、平成17年度予算編成に先立ち、経営改革を積極的に行い、小中学校の給食調理業務の退職不補充による順次委託化、単独学童保育クラブの民営化、障害者施設の民営化等々、行政評価や行財政アクションプランに基づき、事務事業や執行体制を見直すことにより105人の職員数の削減や約16億円の事業費の見直しによる削減を図るなど、新たな課題への対応に振り向けたことについては大いに評価するものであります。


 しかし、残された課題もいまだあるのも事実であります。


 一つは、公立保育園の民営化の問題であります。


 本区は、子育て支援の充実を重要課題の一つとして掲げ、これまでもさまざまな取り組みを進めてきたことには一定の評価をしております。しかしながら、子育て支援施策の柱の一つである保育サービスについては、待機児の問題を初め多様な保育需要への対応などいまだ不十分であると指摘せざるを得ません。


 もちろん財政上の制約もあり、すべての需要に応えることは困難であるとは思いますが、保育園の民営化を進めることによってサービスの拡充を目指す取り組みは各地で進んでいると耳にしております。


 本区はもとより、ほかの自治体の例を見ても、私立保育園が公立保育園に比べて劣ることはなく、多様な保育サービスの提供や運営経費的には、むしろ私立保育園の方がすぐれていると思われます。


 また、三位一体改革により、公立保育園運営費等が一般財源化され、本区にも約8億6,000万円減の影響があったことはご承知のとおりであります。


 公立保育園については、平成14年度にそのあり方を根本的に見直し、行政が責任を持って保育サービスを担うべき中核的役割を果たす分野については、基幹型保育園として行政の直営の保育園として今後も行政が運営することとし、その他の駅前型保育園や地域型保育園については、公設民営化や民営化等により私立保育園等の民間事業者にゆだねていくという官民の役割分担を明確にし、まず、中青戸保育園を民営化するとともに、今後の公立保育園の職員については退職不補充とするとの今後のあり方が報告されていることはご承知のとおりであります。


 その際には、職員団体と方向性について合意したにもかかわらず、中青戸保育園の保護者等の合意が得られず、引き続き協議をしてきたことも承知しております。しかし、問題の本質は、中青戸保育園1園の民営が進まないというものではなく、これまでの仕組みや体制のままでは、保育サービスの拡充はおろか将来にわたって安定的な保育サービスを提供し続けていくことは極めて困難であることが明白になっているということであります。そのため、今年度については、民営化をさらに推進するということで、新たに五つの公立保育園の民営化に向け、職員団体との協議を進めていく方針で取り組んでいく旨の報告を聞いておりました。


 確かに、各地で行われている官民の役割分担に基づく保育園の民営化が、横浜市を初めとして保護者等の不安や行政サービスの民営化自体に対する反対の声があることなどで、なかなか進んでいないことも承知しております。しかし、今回の本区の民営化の方針拡大については、職員団体との協議の中でその方針自体を撤回せざるを得なかったことが原因であると聞いております。


 私は、公立保育園の民営化については、あくまでも住民感覚や住民の視線に立ち、今後の区政のあるべき方向性について行政が責任を持って対応しなければならないと思うのであります。


 公立保育園における官民の役割分担に基づく民営化の方針については、誠に今日的な区政運営の方向性を示すものとして大いに評価するものであり、必ず推進していかなければならないものであると考えております。


 もし、このことが職員団体との協議で進まなくなるということであるならば、協議そのものが今日的なものではないということではないでしょうか。もっと、区と職員団体とが真摯な協議を通して、区民サービスの向上を図るためにどのような結論が必要なのかを突き詰めて議論すれば、おのずから結果が出るのではないでしょうか。


 今日、小中学校の給食調理業務については、官民の役割分担の中で民間にゆだねることとし、職員の退職不補充という結果が出る一方で、公立保育園の民営化の協議が調わないということは極めて理解しがたいと思うのであります。


 このことを踏まえて質問いたします。


 公立保育園の民営化について、その目的、効果について改めてお伺いいたします。


 二番目に、平成16年度における職員団体との協議がどのように行われ、どのような結果となったのかについて正確にお伺いしたいと思います。


 三番目に、今後、職員団体との協議のあり方について見直していくつもりはあるのかどうか、あるとしたらどのような形で見直していくのかをお伺いいたします。


 次に、今後の区政運営のあり方についてお伺いいたします。


 現在、平成18年度を初年度とする新基本計画の策定が行われていることと思いますが、新基本計画策定についてお伺いする前提として、まず、現基本計画の達成状況について確認した上で、その状況に対する区長の認識についてお伺いしたいと思っております。


 平成9年度からこれまでの間、現基本計画を中心に区政が進められてきたと思いますが、この間、バブル崩壊後の景気低迷からなかなか立ち直れず、本当に厳しい財政状況の中で区政運営を行ってきたことは承知をしております。


 その中にあって、二次にわたる経営改革宣言を発し、例えば、計画された新規施設の建設を凍結した結果、保健所等の建て替えがなかなか進まなかったなど、必ずしも計画どおりに現基本計画が進んでいないことと思うのが一般的であると考えております。


 私は、現基本計画の達成状況がよいのか悪いのか、進んだのかおくれたのかということを問題にしようとしているのではありません。検証しなければならないことは、まず、現基本計画策定時において、どのように10年間の社会経済状況や区政運営のあり方を想定していたのか、そして現在、想定とどのような乖離を見せているのかを検証すべきであると考えるのであります。そして次に、各種の計画された事務事業の達成状況を確認し、達成されなかった計画事業については、その理由や事情を確認し、検証していくことが必要であると思うのであります。


 そして、最も大切なことは、本区の人事制度や組織等のシステムが計画達成に取り組むべき職員一人一人の達成意欲や責任感を引き出すシステムとなっていたのかどうか、すなわち計画を常に意識し、責任を持ってその達成に向けた取り組みを行う仕組みがあったのかどうかを検証する必要があると思うのであります。


 現在、例えば2年から3年で異動する管理職人事のシステムや組織体制の中で、計画してきた事業の達成についての責任をだれが担保して進めてきたのか、計画を達成するために職員が一丸となって取り組む仕組みがあったのかどうかの検証が絶対に必要なのではないでしょうか。


 計画の最後の年度にそのポストや職場にいるというだけで達成の責任を問われるとしたならば、計画達成に向けて職員が意欲や熱意を持って取り組むことは極めて難しいと言わざるを得ないのではないでしょうか。


 このような検証をしないで新基本計画を策定したとしても、単なる絵にかいた餅となってしまうと思うのであります。


 確かに、新基本計画についてはP・D・C・A、プラン、ドゥ、チェック、アクションというシステムの中で成果指標を据え、さらに、官民の役割分担を明確にした上で、計画自体をローリングさせて成果指標の達成度、すなわち区民の生活がどれだけ向上したのかということを検証していくという、今までにない実効的で斬新なシステムを取り入れて計画を策定すると聞いております。


 しかしながら、先ほど申し上げた現基本計画の検証とそのことに対する区長の認識がどのようなものであり、それを前提として、新基本計画をどのように策定していくのかということを私たちはまず確認しておかなければならないと思うのであります。


 そこで、質問いたします。


 まず、現基本計画策定時において、以後の10年間の社会経済状況や区政運営のあり方をどのように想定していたのか、そして、現在、想定とどのような乖離を見せているのか、そしてその理由や事情についてお伺いいたします。


 二番目に、計画された主な事務事業の達成状況の概要をお示しいただくとともに、達成されなかった主な計画事業については、その理由や事情についてもお伺いいたします。


 三番目に、新基本計画の策定に当たっては、現基本計画の反省の上に立ってどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。


 四番目に、行政計画である新基本計画の策定及び推進に当たっては、職員一人一人の計画策定及び推進への意欲と行動を引き出す仕組みが大切であると思われます。


 そこで、今後、新基本計画策定に対する職員の意識や意欲を引き出すような新たな人事システムや人事異動方針、さらには、例えば事業部制をしくなどの組織改革を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。


 次に、区長の危機管理の認識についてお伺いいたします。


 阪神・淡路大震災は、その教訓として、行政の基本的、本質的な役割とは何であるのかということを、国はもとより、すべての地方自治体に図らずも再認識する機会を与える格好の機会となったものであると認識しております。


 行政が、その最大の使命であり役割である住民の生命、身体、財産をどのように守っていくのか、常に危機意識を持って考え、その仕組みについて責任を持ってどのように構築していくのか、すなわち、行政の存在とは何かということを常に考えて区政運営に当たる必要があると思うのであります。


 まず、区民の自治意識の醸成、すなわち、自分の地域については、まずもって自分たちで守っていかなければならないということの意識、いざとなったら行政はすぐには役に立たないということを勇気を持って区民の意識の中に浸透するように努めることが大切なことであると思うのであります。


 まず最初に、自助、共助という仕組みを再構築していくことが必要であると思うのであります。その上に立って、さまざまな防災の仕組みや備え、ふだんからの訓練等と行政と住民とが協働して取り組み、行政は、密集住宅市街地整備や都市計画道路、細街路の拡幅、区画整理事業等々、都市基盤整備を粛々と進めていくことが必要であると思うのであります。


 昨年は、10月23日に発生した新潟県中越地震や観測史上最多の10個の台風が上陸し、四国や中国地方に大きな被害が生じたこと、さらには、近年の都市における雨の降り方が時間雨量50ミリを超える場合が多く発生するなど、異常気象をどのように考えていくのかが今後の区政運営における危機管理対策にとって重要であると思うのであります。


 私といたしましては、新潟県中越地震や数度の台風の上陸、1時間に50ミリを超す降雨量を伴う近年の雨の降り方自体を異常気象、異常現象としてとらえるという意識だけではなく、もはや、このことを前提とした考え方、認識を持って区政運営に当たるべきであると考えているのであります。


 また、池田小学校事件、いわゆる学校の安全面についても、マニュアルづくりや防犯ベルの配布、地域と一体となった取り組み等々、事件を契機としてさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、今般、またも学校の安全を根底から脅かす痛ましい事件が起こってしまいました。地域に開かれた学校づくりという考え方を真っ向から否定してしまうようなこの種の事件に対する取り組みや対策があるかさえ疑わしく思われる事件であります。


 しかし、だからといって何もしないで手をこまねいているわけにはいきません。行政として、地域として、保護者として、英知を出して考え、対応していかなければならないのであります。


 渋谷区におきましては、警備員の導入をいち早く決定し、また、江東区においては、警察の巡回を要請するなど、さまざまな形での取り組みが伝えられており、本区においても、何らかの対応策が必要かと考えているところであります。


 以上のことを踏まえて、危機管理についての認識や今後の対応についてご質問いたします。


 まず、いざとなったら行政はすぐに役に立たないということを、勇気を持って区民の意識の中に浸透するように努め、自助、共助という仕組みを再構築していくことが必要であると思いますが、(発言する者多数あり)(笑声あり)危機管理や防災における区民と区との役割分担についての区の基本的な考え方についてお伺いいたします。


 二番目に、いつ起こっても不思議ではないとされている東京近辺の大地震や近年頻繁に起こっている集中豪雨等について、平成17年度予算案の中ではどのように考え、どのような具体的な対応を図っているのかをお伺いいたします。


 三番目に、今後の危機管理や防災対策における都市基盤整備等のまちづくりに対する基本的な考え方を伺うとともに、具体的な取り組みについてお伺いいたします。


 四番目に、今回の学校の安全性を脅かす事件について、教育委員会としてどのような認識持っているのか、また、この事件を契機としてどのような対応を図るつもりかお伺いいたします。(「区役所や区議会は役に立たないと誤解を与えるぞ、今のは」「そんなことないでしょう」との声あり)(発言する者多数あり)


 次に、本区の今後のまちづくりの考え方についてお伺いいたします。


 例えば、常磐線以北の金町、水元地区の街づくりについては、ご承知のとおり、現在、都内でも一番大きな工場跡地開発と言われている三菱製紙中川工場跡地の再開発が行われる予定であり、今後、この地域の街づくりに大きな影響を与えようとしております。


 また、都立水元高校につきましては、平成19年3月に統廃合される予定であり、昨年の第3回定例会で、区が東京都に対して、区への譲渡を含む跡地の有効活用を申し入れていることとお聞きしております。


 さらに、この地域には、区民がその水と緑の景観を誇れる、また、観光の名所ともなっている都立水元公園があることはご承知のとおりであります。


 街づくりというのは、駅前の再開発という点だけでとらえるということではなく、幹線道路や鉄道、河川等の分断要素などを考慮しつつも、このようなある一定の地域的・地理的同質性、住民の生活意識等々を踏まえて広域的に取り組んでいく必要があると思うのであります。そして、その際の視点として、都市計画マスタープランにもあるとおり、防災面や都市基盤整備を基本としつつ、それぞれの地域特性、地理的特性等を十分踏まえた上で、地域の活性化、商業の振興等の地域経済の活性化が図れるような形での街づくりに取り組んでいく必要があると思うのであります。


 このことを踏まえるならば、金町・水元地域については、三菱製紙中川工場跡地開発について本区がどのような街づくり方針を持って進めていくのか、都立水元高校跡地についてはどのような構想を持って東京都と話し合いを行っていくのかをそれぞれ別々の形で進めるのではなく、全体として一つの街づくり構想をしっかりと示した上で臨んでいく必要があると思うのであります。(「そうだ」との声あり)


 私といたしましては、この地域については、水元公園を基本的なバックボーンとした水と緑のまちを形成していくという基本的な方針の中で、道路や公園等の都市基盤の充実を図り、さらには交通網の整備を図りつつ、三菱製紙中川工場跡地に本区の長い間の懸案であった大学誘致を図り、都立水元高校跡地には、隣接する水元体育館や温水プール等を生かす形で地域スポーツ公園として整備するような方向性を考え、生涯学習、生涯スポーツのまちとして地域の活性化や地域経済の活性化を図ってはどうかと考えているところであります。(発言する者あり)(「そのとおり」との声あり)つまり、街づくりについては、このような形で多面的な検討を加え、あるべき姿を描いていくことが大切なのではないでしょうか。(「そうだ」との声あり)


 このように、将来の夢を描いて各地域における具体的な街づくりの考え方やビジョンに基づき今後の街づくりを進めていくべきであるという私の考え方を踏まえてご質問いたします。(「おっしゃるとおり」との声あり)


 本区の街づくりについては、点だけでとらえるということではなく、幹線道路や鉄道、河川等の分断要素等を考慮しつつ、一定の地域的・地理的同質性、住民の生活意識などを踏まえて広域的、面的に取り組んでいく必要があると思いますが、いかがでしょうか。


 二番目に、都市計画マスタープランの実現に際しては、防災面や都市基盤整備を基本としつつ、それぞれの地域特性、地理的特性等を十分踏まえた上で、今後、将来の夢を描いた上で、商業振興、観光振興策等の地域経済の活性化、大学誘致や新金線旅客化等、多面的にそれぞれの地域の街づくりを進めていくべきだと思いますが、区の認識を伺うとともに、具体的な取り組み方法についてお伺いいたします。


 三番目に、金町・水元地域については、水元公園を核としつつ、道路や公園等の都市基盤整備を進めて交通アクセスの充実を図り、大学誘致や生涯学習・スポーツの拠点を整備し、緑の街づくりを進めながら地域の活性化や地域経済の活性化を図っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。


 最後に、今後の区政について私の提言を申し上げます。


 今後の区政運営については、少子・高齢化のさらなる進展、生産年齢人口の減少、劇的な景気回復や経済成長が見込める状況にないことなどを踏まえますと、なかなか明るい展望というものが見えてこないのが現実であると思われます。


 現実に対して誠実に向かい合い、最大限の努力をしていくことが大切であり、私はこのような意味においては、これまでの区政を大いに評価するものであります。


 しかし、それだけでは不十分であると思うのであります。


 人づくり、ものづくり、まちづくり等々区政の課題は山積しております。そして、その課題を解決するに当たっては、ただ単に課題に沿った現実的な解決策を考えて対応していくという姿勢だけではなく、区民に対して夢や希望を大いに語り、そして、大胆な発想でさまざまな課題解決に取り組んでいく姿勢が必要なのだと思うのであります。(「そうだ」との声あり)


 例えば、小中学校の耐震補強工事については、いつ起こっても不思議ではないと言われる大地震への対応であることから、年次計画という従来の財政運営の面を強く押し出して取り組んでいくという発想ではなく、可能な限り一気呵成に耐震補強工事を終わらせてしまうというような大胆な発想が必要だと思うのであります。


 産業振興、まちづくりについても、例えば区内を幾つかのブロックに分け、ブロックごとに専門的なまちづくりコーディネーターを配置して公共施設の管理運営を含めたまちづくり運営についての権限を移譲するなど、従来の行政にない新たな発想を持って区政運営を行っていくことが必要であると考えております。


 私は最後に、区政運営について私の意見を述べさせていただきましたけれども、以上で質問を終わらせていただきます。


 ご清聴ありがとうございました。(「よし」との声あり)(拍手)


○(谷野せいしろう議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) 清水議員のご質問にお答えをいたします。


 初めに、平成17年度予算編成における基本的な考え方についてのご質問でございます。


 我が国経済は、長い不況から徐々に回復軌道に乗ってきたとはいえ、今月16日に発表されました昨年の10月から12月期の実質国内総生産(GDP)の速報値は、前期比0.1%減、年率換算して0.5%減で、小幅なマイナス成長となっております。今後の景気につきましては、伸びの鈍い個人消費など不透明感はあるものの、底がたい企業の設備投資に支えられ、堅調に推移しているものと予想されているところでございます。


 景気回復が本区財政に及ぼす影響でありますが、特別区民税につきましては、景気回復がいまだ個人の所得にまで浸透していないため、平成16年度に比べ減額となる一方で、平成17年度財調において、好調な企業収益を反映して、23区への交付金総額が前年度に比べ309億円多い8,032億円と増加をし、本区の配分額も前年度に比べて27億円多い588億円の計上となり、一般会計で実質前年度比1.5%の伸びを確保することができたものでございます。


 しかしながら、今後の景気動向を考えますと、バブル時代のような大幅な税収の拡大は期待できません。一方で、区政は、時代の要請を踏まえ、活力に満ちた元気な葛飾を実現するための施策を、これまでにも増して積極的に展開をしていくことが求められております。


 この要請に応えていくためには、今後も既定の事務事業について聖域を設けることなく見直しを進め、これによって生み出した財源を、時代の要請に合った新たな行政需要に重点的に配分をしていくとともに、働く世代を初めだれもが葛飾に住んでよかったと実感できるまちづくりのための施策を積極的に展開をしていく必要があります。そこで、平成17年度予算におきましても、大学誘致調査の実施や葛飾発文化イベント等企画調査の実施などの諸施策を盛り込み、それぞれの事業の具体化を通じて、明日の元気な葛飾づくりを実現してまいりたいと考えております。


 次に、住民参加型ミニ市場公募債についてであります。


 これについては、最近、豊島区や荒川区、足立区等々の区において2ないし5億円程度発行をされているわけでございますが、自治体が実施する事業へ区民が投資家として参加をしてもらう目的別の公募債であります。行政としては、資金調達の多様化を図ることができるとともに、区民が行政運営やまちづくりに直接参画し、投資することによって行政に対する関心を高める契機となり得ること、区民としても、ペイオフ解禁に伴う金融不安の中で、有効な資金運用先になり得ることなどが住民参加型ミニ市場公募債のメリットとして挙げられます。


 一方で、この住民参加型ミニ市場公募債は、現在の地方債制度の枠内での資金調達の一つの手段であり、公募引き受け会社等への手数料などのいわゆる発行コストが割高であること、区民にとって有利で魅力のあるものとするためには、償還期間を5年程度の短期にする必要があること等々の問題点もございます。したがいまして、住民参加型ミニ市場公募債の本区への導入の可否につきましては、こうしたメリット、デメリットを十分踏まえて検討していきたいと考えております。


 今後とも、国庫補助負担金、特別区交付金や基金の弾力的な運用、さらには、法定外新税の創設の検討等も含めて多様な財源調達手段について、引き続き積極的に取り組みを行ってまいりたいと考えております。


 次に、住民税への税源移譲に関する問題点についてお答えを申し上げます。


 三位一体改革において、国庫補助金や地方交付税が見直され、その財源が地方税へ移譲されれば、自治体が国の規制に縛られずに、地域に合致した独自の施策を創意工夫して展開できる分野が飛躍的に増加をしていくというメリットがございます。三位一体改革が地方の視点に立って税財政の改革として実現し、地方分権の推進が図られることを今後も強く求めていきたいと考えております。


 ご質問にありました住民税の問題点についてでございますが、ご指摘の点、私たちもこうしたことを感じているところでございます。


 所得税の税率を下げ、住民税の税率を上げることによって、税源移譲するという方向性が示されておりますが、住民税の税率を区民税7%、都民税3%の一律10%に引き上げた場合、計算上は約75億円の増収となります。しかしながら、この場合、現在の納税者の90%以上の方の住民税分が増税となります。特に収入の少ない低所得者層の負担が大きくなるわけであります。当然、納税者の区政に対する関心は高まりまして、注がれる目が一層厳しくなりますので、今以上に効率を上げた経営をしていかなければならないと考えます。


 また、税額が増えた分だけ比例的に滞納繰越額も大きくなると思われます。特に滞納者の約70%を占める税額10万円以下の比較的収入の少ない方の額が増税となることによってさらに納めにくくなり、滞納額が膨らむおそれがあります。このような方に対しては、本人の生活状況等を勘案しながら、今以上にきめの細かい納税相談等を行って、滞納が起こらないよう指導していくことが必要であり、また悪質な滞納者に対しては、法律に基づいた厳正な処分を適切に行っていかなければならないと考えられます。


 一方、お話にありましたように、滞納となる大きな原因の一つとして、住民税は、前年の所得に課税するという制度上の問題点があります。前年課税制度では、納税者の収入があった時点から約1年おくれでの課税となるため、この間に退職や転職等により収入が激減して納付困難になることがしばしばあります。また、他自治体へ転出した場合でも、その後1年程度は、前の住所地の自治体への納税義務があり、受益と負担の関係が明確になりにくく、納税意欲が薄れるという問題点もあります。三位一体改革で、税源移譲による地方分権の推進を確実になし遂げるのであれば、滞納になりにくい仕組みも視野に入れた地方税制度の抜本的な改正が必要であり、個人住民税も所得税と同様の現年課税制度にするのが望ましいと考えているところでございます。所得税制度のもとでは納付しやすかった税が、住民税になった途端に納めにくくなるのでは、真の地方の財源確保とは言えず、数字上の税源移譲議論でしかないという問題意識を持っているところでございます。


 そのため、全国の区市町村が一丸となって制度の改正を国に要望すべきであり、全国市長会の国に対する要望として採用されるように、現在、本区が先頭に立って区長会等での意思統一を図っているところでございます。今後も、主体的、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。


 次に、都区財政調整制度に関する主要5課題についてのご質問にお答えをいたします。


 平成12年の特別区制度改革の目的は、特別区が基礎自治体として、第一義的に住民に身近な事務を行い、自主的、自立的に行財政運営を行っていくとともに、東京都と特別区が明確化された役割分担のもとに、相互に対等な立場で連携をして、大都市事務を担っていくことにあります。


 この特別区制度改革において残された課題として、都区財政調整制度に関する主要5課題がございます。すなわち、第一点として、大都市事務の役割分担を踏まえた財源配分のあり方、第二点として、都区財源配分に反映されなかった清掃関連経費の扱い、第三点として、小中学校改築需要急増への対応、第四点として、都市計画交付金のあり方、第五点として、平成17年度までに大きな制度改正等どうしても対応できない事態が発生した場合の配分割合の変更でございまして、これについて清掃事業の特例的な対応期間が終了いたします平成17年度いっぱいまでに協議をすることを確認したものでございます。そこで、平成15年3月に都区検討会を設置し、大都市事務検討会、清掃関連経費検討会、そして小中学校改築等検討会の三つの課題別検討会において協議を進めてまいりました。


 都区検討会の検討状況につきましては、所管委員会にご報告をしておりますとおり、都区双方の主張が平行線をたどり、厳しい状況にございます。今般ようやく東京都が大都市行政についての具体的な考え方を示しましたが、都側の事務として説明をされているものの中には、府県財源で対応すべきものまでも含まれた内容であるため、特別区としては、地方自治法の原則に照らして、府県事務と大都市事務の分担を明確にした上での財源関係の整理が必要であると強く主張し、現在協議を続けているところであります。


 しかしながら、お話にもありましたように、検討期間は余すところ1年と時間がなくなってきております。今後の協議におきましては、都区の見解の相違点を中心に精力的に議論を進め、平成17年度中にまとめたいと考えております。そのため、区長会による都知事への要請行動の実施や都議会議員への働きかけはもちろん、何よりも区議会や区民の皆様のご理解をいただきながら、一体となって東京都へ強力に働きかけ、これからの協議を実効性あるものにしていくことが必要であると考えております。


 いずれにいたしましても、葛飾区を初めとする特別区は、東京都の内部的団体という性格から脱して、清掃事業などの区民にとって身近な事業をこれまで以上に展開して、責任ある行財政運営を推進していかなければなりません。そのためにも、今回の都区協議を成功させることが不可欠であり、それが区民の期待に応えることにつながるものであると考えております。


 次に、公立保育園の民営化及び職員団体との協議状況についてお答えをいたします。


 まず、民営化の目的及び効果でございますが、公立保育園の民営化は、保育行政が抱える課題を解決するための方法の一つであり、具体的には、待機児童の解消を初め、区民が真に必要とする保育サービスを拡充することであると認識をしております。現行の保育サービスは、必ずしも利用者のニーズに応え切れているとは言えず、求められるサービスと提供をするサービスとのいわゆるミスマッチが生じております。民営化の効果は、こうした状況を改善し、認可保育園運営経費の基本である、いわゆる支弁経費の範囲内で、より多様かつきめ細かなサービス提供体制をととのえられることでございます。


 このような考え方のもとで、職員団体に対して、認可保育園の機能分担及び機能分担に基づく運営方法の見直しということで、5園の委託等を提案し、協議に臨んだわけでございますが、経費的な効率性あるいは合理化のみが委託の目的としてとらえられて協議を深めることができない状況になりました。


 そこで、職制として職員に対する説明の責任を果たして協議を促進しようということで、昨年12月の中央交渉において、公立保育園の運営見直しについて改めて協議することを前提としてさきの提案をまず撤回をし、直ちに区立保育園の運営見直しについての再提案を行って協議に入ったところでございます。


 もとより民営化を初め運営見直しを円滑に進めていくためには、利用者の不安を解消することが必要でありまして、そのためにも、日ごろ利用者と日常的に接している保育園職員の理解と協力を得ることが重要であると考えております。


 公立保育園の運営見直しに当たりましては、既に他区に先駆けて3職種のすべてについて退職不補充の対応を行っておるわけでございますが、この措置を継続しながら、既に職員団体と協議に入っておりますが、さきにも申し上げた保育サービスの拡充を目指して精力的に協議を行ってまいりたいと思いますので、ご理解をいただきますようお願いいたします。


 次に、職員団体との交渉のあり方についてお答えをいたします。


 職員団体との交渉に関する基本的なルールは、地方公務員法に定められたところでございます。


 交渉事項は、職員の給与、勤務時間その他勤務条件などが対象となっておりまして、予算編成や企画立案などのいわゆる管理運営事項は対象外でありますが、管理運営事項の処理によっては勤務条件に影響が生じるような場合も出てまいります。その場合には、その範囲内で交渉の対象となり、これについて交渉の申し入れがあった場合には、当局に応諾義務が生じることとなります。


 公務員の労使関係に関しましては、住民の理解と離れたとらえ方は無理でございまして、住民からの信頼を高め、理解を得るという視点が公務員の労使関係の基本理念であると考えております。


 具体的には、労使の意思疎通を促進することにより、行政サービスや効率化の向上への共通認識を深めて、労使のみならず区民の視点に立った問題解決を図り、区民の理解と納得を得てまいりたいと考えております。


 いずれにいたしましても、労使の共通基盤として区民福祉への貢献が重要でございまして、これが行政改革に労使が協力して取り組むことにつながっていくものと考えているわけでございます。


 次に、現基本計画策定当時の社会経済状況の想定とその後の状況との乖離、主な計画事業の達成状況、新基本計画の策定に当たっての取り組みに関するご質問にお答えをいたします。


 現基本計画は、平成8年度に策定をいたしましたが、平成2年のいわゆるバブル経済の崩壊以後、経済成長率は平成5年度のマイナス1%を底にいたしまして、おおむね2%から3%と回復しつつあり、完全失業率もおおむね2%から3%であったという当時の状況を踏まえて、以後の10年間の本区の財政状況も同様に推移するものと想定したところであります。しかしながら、経済のグローバル化や国の経済政策が後手に回ったこと等々に伴いまして、不良債権処理の問題や産業の国債競争力の低下などの問題が顕在化をし、現基本計画がスタートした平成9年度の経済成長率は0.6%に低下し、さらに、平成10年度と13年度はマイナスに転じました。完全失業率も5%前後で推移するなど、経済の低迷が長期化し、本区の財政状況も同様に厳しさを増したことから、平成10年と14年とに二次にわたる経営改革宣言を行い、区政運営のあり方を抜本的に見直してきたところであります。


 現基本計画の主な事務事業の達成状況につきましては、東四つ木工場ビルや観光文化センター、東金町運動場、南綾瀬地区センターなどの建設、またわくわくチャレンジ広場や子ども家庭支援センターの設置など、計画事業の約7割がほぼ予定どおりに進捗をしております。しかしながら、残念ながら現基本計画の策定当時の想定を超える厳しい財政状況が続いたことから、葛飾保健所の建て替えやリサイクルセンターの建設など、計画事業の約3割におくれを生じております。


 なお、現基本計画の進捗状況の詳細につきましては、計画期間の実質的な最終年次となる平成17年度予算を反映した上で、本年4月に総務委員会を通じて区議会へ報告をいたしたいと考えております。


 新基本計画の策定に当たりましては、優先すべき政策や施策、事業を明らかにするとともにね実施主体割合や目標と成果をわかりやすい数値で明らかにし、これらを参考にした行政評価により経営資源の最適化や事務事業の改善をより一層進め、計画を適宜適切にローリングさせることで、社会経済状況の変化にも柔軟に対応してまいりたいと考えております。


 次に、人事制度や組織改革についてのご質問にお答えをいたします。


 職員の意欲を引き出すことは、組織を運営する上で大変重要な課題であり、そのための仕組みを工夫していくことは大変大事なことであると認識をしております。特に新基本計画は今後10年間にわたる本区の方策を定めるものであり、政策部門だけではなくて、現場を含めた職員の英知を結集して策定すべきものであり、実施に当たってもそれぞれの現場の実情を踏まえて、適切に推進していくことが必要であると考えております。


 そのためには、新政策推進システムを初めとするさまざまな計画推進のための仕組みづくりや、ご提案の人事制度、組織などのあり方につきましても、十分に検討してまいりたいと考えております。


 具体的には、職員のやる気を引き出す人事制度として、一昨年に策定をした人材育成基本方針の中で、人事考課制度の導入、公募制人事配置制度、能力、実績を重視した人事・給与制度等々を人材育成とあわせて順次導入をしているところであります。


 また、現場の発想を生かして、迅速な意思決定ができる組織や仕組みの整備につきましては、新政策推進システムにおいて、既にその取り組みを進めているところでございますが、新基本計画を推進するための仕組みづくりなどを検討する中で、さらにその内容を発展させるよう検討をしてまいりたいと考えております。


 次に、危機管理に関するご質問でありますが、まず、大震災の発災時における区民と区の役割分担の基本的な考え方についてご質問にお答えをいたします。


 阪神・淡路大震災の教訓の一つとして、発災直後の警察や消防等の救出や救護活動には限界があります。地域住民が救出・救護活動の中心的な役割を担ったことが挙げられております。


 そのため、区では、ご指摘のように行政の発災直後の対応には限界があるということを前提にして、自分たちのまちは自分たちで守るという自助、共助の必要性と重要性について、区民への周知徹底を図っているところでありますが、平成15年に制定をした葛飾区災害対策条例において、災害対策の基本理念として、自助及び共助の理念を持つ区民と公助の役割を果たす区とが連携を図ることを基本として定めるとともに、区民の責務としては、自己や家族の安全確保に努め、相互に協力して、すべての区民の安全を確保するように努めなければならないことなどを規定したところでございます。今後とも、この基本理念に基づき、災害対策を推進し、その趣旨を徹底してまいりたいと考えております。


 次に、予算案における対応や危機管理、防災対策における都市基盤整備等のまちづくりに対する基本的な考え方と具体的な取り組みについてお答えをいたします。


 防災対策における都市基盤整備の基本的な考え方につきましては、大震災のときでも逃げないで済むまち、安全で安心して住めるまちの実現に向けて、それぞれの地域にふさわしい道路や公園などの都市基盤の整備や耐震化、不燃化などを図っていくことが重要であると考えます。また、広域的な観点からは、都市の骨格防災軸や市街地の延焼遮断帯、避難路や救援活動空間ともなる幹線道路の整備なども推進すべき課題となっております。


 このため、継続事業として、都市計画道路の整備や橋梁の耐震補強による幹線道路網の確保、その沿道建物を不燃化する延焼遮断帯の形成、防災活動拠点の整備、仮称中川河岸緑地公園の整備や細街路の拡幅、さらには、区画整理事業等の面的なまちづくりなどについての経費を平成17年度予算案に計上するとともに、新たに個々の建築物の耐震性向上を目的とした民間建築物の耐震改修助成の経費を計上したところでございます。


 また、ソフト面の対応といたしましては、近年異なる様相を呈してまいりました集中豪雨等による浸水被害の発生に備えて、避難所として指定をしている旧学校4校を含む77校の小中学校に災害救助用ボートを配備するとともに、新潟県中越地震において被災者の一時的な避難所として大変に役立ったという大型エアテントを新たに配備するほか、8地区において地区別防災マップの作成を支援しているところでございます。


 さらに、危機管理の強化という観点から、地域振興部に危機管理担当課長を設置いたしまして、職員訓練の充実や危機管理マニュアルの整備、いざというときに区民を安全な場所に誘導する計画の策定を図るとともに、警察や消防などの関係機関との連携や連絡体制の強化を図り、地震や風水害はもとより、事件や偶発的な事故、テロなどの発生に際して迅速かつ的確に対応できる体制を整備するなど、区の危機管理体制の強化を図ってまいります。


 次に、街づくりについては、点だけでなく一定の地域的・地理的同質性、住民の意識等々を踏まえて、広域的、面的に取り組むべきであるというご質問にお答えをいたします。


 お話のとおり、街づくりは、点だけではなくて地域全体の特性等を踏まえて総合的な観点から進めることが基本であります。そのため本区では、平成13年度に都市計画マスタープランを策定し、街づくりを推進してきたところであります。


 都市計画マスタープランにおきましても、その役割として、区全体や地域レベルの特性を踏まえて、都市のあるべき姿や街づくり方針を検討し、実現すべき都市の将来像を明らかにしていくところであります。今後とも、このような都市計画マスタープランに定めた全体構想や地域別構想に基づきながら、さらに住民への理解を深め、街づくりを推進してまいりたいと考えております。


 次に、都市計画マスタープランの実現に際しては、多面的に街づくりを進めるべきであるというご質問にお答えをいたします。


 都市計画マスタープランの実現に当たりましては、区民、民間事業者、行政がそれぞれの主体性を発揮するとともに、お互いの立場を理解しつつ相互協力に努め、街づくりの目標を共有した、いわゆるパートナーシップ型のまちづくりを推進することが重要であると考えております。


 この中で、区民が将来にわたり夢を描くことができるということは、地域を活性化する上で重要な要素の一つであります。これまで区としても大学誘致について対応してきたところであり、新年度においてはその調査費を計上したところであります。


 今後は、大規模工場跡地の開発などにあわせ、地域特性を生かしながら、新たな事業展開も図ってまいりたいと考えております。


 また、まちの安全性や利便性確保等の観点から、都市基盤整備は極めて重要なものと認識をしております。そのようなことから、こうした整備の具体的な取り組みも必要であり、都市計画道路を中心とする骨格道路網の整備及び駅等の広域拠点や密集市街地整備といった面的整備を中心に防災性の向上を基本として、さらに、課題である南北交通対策の一つとしての新金線を含め鉄道、バス等の公共交通機関網の形成による利便性等の確保にも意を注いでまいります。


 次に、北部地域の街づくりについてご質問にお答えを申し上げます。


 水元公園を中心とした水元地域及び金町、新宿等の区の北部地域の活性化を推進するため、東京都と葛飾区、地元自治会及び地元関係団体の代表からなる水元公園地域活性化協議会を設置して、当該地域における各種の活性化施策の検討を重ねてまいりました。


 昨年末の活性化協議会におきましては、その進むべき方向性がおおむね示され、現在、平成17年度から取り組みを開始するための執行体制を地域の方々とともに構築をしているところであります。また、中長期的に取り組むべき課題につきましても、この活性化協議会の中で十分検討をしてまいりたいと考えております。


 特に、北部地域は都市計画事業や生涯スポーツ拠点整備事業など、今後推進すべき事業が多数ございますので、ご提案の趣旨を十分に踏まえて、地域経済の活性化に寄与すべく各種施策の展開に努めてまいりたいと考えております。


 その他、教育に関するご質問につきまして教育長から答弁をいたさせます。


○(谷野せいしろう議長) 教育長。


〔山崎喜久雄教育長 登壇〕


○(山崎喜久雄教育長) 学校安全に関するご質問にお答えいたします。


 去る2月14日、寝屋川市立中央小学校で起きた教職員殺傷事件は、学校関係者ばかりではなく多くの区民、とりわけ児童・生徒やその保護者の方々に、学校の安全についての不安を引き起こすことになりました。


 本区におきましては、平成13年6月に大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件を契機として、学校の安全確保に関する検討委員会を立ち上げ、教職員の意識啓発はもとより、受付での来訪者管理の強化、安全管理マニュアル作成の徹底、他区に先駆けた防犯カメラの設置、ボタンを押すだけで警視庁に直接つながりパトロールカーが緊急出動する、いわゆる学校110番の設置など、ハード、ソフト両面から取り組みを進めてきました。


 また、校内ばかりではなく、昨年11月に起きた奈良県の女子児童誘拐事件に見られるように、校外の通学路での安全の確保も不可欠であり、こうした広範囲にわたる安全対策につきましては、教育委員会や学校教職員だけでは対応が困難であることから、PTAのご協力によるひまわり110番の設置や、地域による防犯パトロールの実施などのご協力をいただいてきているところであります。


 しかし、このたびの寝屋川市立中央小学校の事件は、同小学校の卒業生が引き起こしたものであり、学校にゆかりのある者も含めた来訪者への対応を適切に行うことの困難性はありますが、学校の安全対策を再度見直す必要があると認識しております。


 そこで、教育委員会といたしましては、現在の安全管理の対策に加えまして、さらに防犯対策の強化をする必要があると考えております。具体的には、各学校にカメラつきインターホンを設置し、来訪者及び要件を確認した上で電子錠によりドアを開錠し、学校の中に入れるような安全対策を実施いたします。また、来訪者の確認や監視カメラに対応するために、教職員、用務主事がこれまでどおり担うことはもちろんですが、新たに受け付け業務などを主に担当する人的配置についても実施いたします。


 その他にも、防犯ブザーを教師全員と新小学1年生全員に配布することや、防犯用具のさすまた、催涙スプレーなどを全小中学校に配布し、備えつけるようにいたします。


 また、不審者を抑止するためには、警察官によるパトロールも大変効果的であると考えますので、本区内を所管する葛飾、亀有の両警察署に対して、小中学校に対するパトロールの実施を過日正式に依頼いたしました。


 今般の事件では、模倣事件が起こるおそれもあることから、教育委員会といたしましては、事件が起きた当日に、直ちに各学校に対して児童・生徒の安全対策に関する注意喚起と指導をファクスにより行いました。さらに、各学校の安全管理の取り組みを強化するため、3月3日に清和小学校において、各学校の教職員の代表と警察等による安全管理に関する意見交換会を開催する予定でございます。今後とも、各学校が作成している安全管理マニュアルに基づき、学校の安全管理に関する総点検や防犯訓練等を実施して、安全対策に万全を期するように取り組んでいきたいと考えております。


 また、こうした教育委員会や学校での取り組みとあわせて、学校の安全管理に対しましては、地域との連携も大変に重要なことであると考えます。そこで、今後はPTA、自治町会、青少年団体等、地域の諸団体にも、学校の置かれた現在の状況や今後の安全対策について理解していただき、地域全体として児童・生徒の安全対策に取り組めるようにしてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 34番、大塚 武議員。


〔34番 大塚 武議員 登壇〕(拍手)


○34番(大塚 武議員) お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会公明党を代表して、あらかじめ通告した事項について、区長並びに関係理事者に質問をするものであります。


 初めに、区長の所信表明について伺います。


 さて、私は、今般の区長の所信表明を大変関心を持って注意深く伺った者の一人であります。今回、区長は、経営改革宣言や行財政見直しの成果の上に、財源不足に陥ることなく予算編成に当たってきたこと、そして、新政策推進システムにより、各部の創意を生かし、区長自身がヒアリングを行い、重要施策及び重点事業を決定して、平成17年度予算編成に当たったことを踏まえて、予算に示された主要な新規拡大施策をいつも以上に懇切に、また率直に説明されていたように受けとめました。そして、一番最後に、明日の元気な葛飾づくりにもきちんと触れているのが大変印象的でした。


 そこでお尋ねしたいのですが、二次にわたる経営改革宣言や行財政改革アクションプランの成果をご自身としてどのように受けとめているのか、感想を伺いたいのであります。


 また、明日の元気な葛飾づくりに寄せる青木区長の思いとは何なのか、忌憚のないお考えをお聞かせいただきたいと思います。


 さて、平成17年度予算について述べる前に、特別区税の歳入構造から見える本区の課題について、区長並びに関係理事者に見解を求めておきたいと思います。


 まず、地方税制度が大幅に変更されなかった平成10年度以降平成16年度までの本区の年齢別納税義務者数及び人口調べという資料から言えますことは、第一に、平成10年以降16年までの7年間、本区納税義務者数の長期低落傾向は依然としてとまらないということであります。すなわち、平成10年度20万7,000人から19万4,000人へと、毎年1%程度の減少が続いております。


 第二に、生産年齢層の人員の数も低落の傾向はとまりません。平成10年に18万8,000人ほどが、平成16年には17万2,000人ほどになり、これも毎年1%程度確実に減少しております。


 第三に、19歳以下の若年齢層の人口も動態調査の上では今後低下が予測され、生産年齢人口が回復する見込みは今のところありません。


 第四に、20歳代において、同年齢人口に対しての納税義務者の出現率は減少の傾向にあります。すなわち、平成10年では20歳から24歳の納税者の対人口比57.3%であったものが、平成16年では48.8%と約10ポイント近く下落しております。これは、20歳代の青年の失業率がいかに高いか、またフリーターなどの就業が多くて、勤労所得が減少していることが読み取れます。こうした傾向が今後なお数年続くわけですから、本区の財政が今後どうなるか、本当に背筋の凍る思いがいたします。


 そして、平成18年度から、例の三位一体の税財政改革によって、特別区税収入の構造も大きく変わることになるでしょうから、先行きの模様は必ずしも今と同じではないとは思いますが、しかし、いずれにいたしましても、三位一体の税財政改革が地方財政自主権を強化する目的であるとはいうものの、一方で、地方財政の規模を縮小しようというのが国の基本方針ですから、本区の歳入が依然として厳しい環境にさらされるということは、いささかも変わりないということであります。


 私は、数年前から本区の人口動態統計から見れば、生産年齢人口のピークは既に過ぎており、納税者数の減少傾向は、今後ますます進むであろうと申し上げ、それに対する対策の実施を提唱してまいりましたが、いよいよそれが税収の上で顕著にあらわれてきたということであります。


 もちろん、こうした社会構造の大きな変化は本区だけの問題ではなく、日本の社会全体が直面する課題であります。そして、税収の減収傾向は、一般的な地方自治体だけではなくて、国の歳入もまた例外ではありません。


 さらに、課税標準額段階別特別区民税調定額調べによりますと、本区の標準課税額120万円から160万円の所得階層以上の階層の方々がおしなべて対前年を下回る所得にあります。つまり、所得の中間層以上の方々の所得が減っているのがわかるのであります。言いかえれば、区民所得の伸び悩みというのは、中間所得以上の所得階層にある方々の所得の減少という形で進んでいるのであります。


 そこでまずお尋ねしたいことは、こうした本区の特別区民税の調定の実情から、本区の置かれた社会経済状況をどのように感じているのか、区長の率直な見解を伺っておきたいのであります。


 区民の所得水準の推移は、全般的な日本経済の動向を反映したものであり、本区の独自の対応で対処できるものではありません。しかし、納税義務者数を増やすということは、区内に働き盛りの方々により多く住んでもらうことであり、区として取り組むべき政策目標として、生産年齢階層人口の増大を基本計画に盛り込んでもよいのではないでしょうか。区長の所見を伺いたいと思います。


 本区としても、基本計画策定に向けて、目下全力で取り組んでいるところであろうと思いますが、基本的にどのような方針でこうした計画の策定に臨んでいるのか、区長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


 私は、この基本計画が、これからの葛飾区の進むべき方向を、抽象的ではなく、わかりやすく、実効性を持って、明瞭に示すものであってほしいと思うのですが、いかがでしょうか。見解をお尋ねいたします。


 さて、次に平成17年度当初予算について伺います。


 こうした歳入構造にあって、本区は厳しい財政運営を強いられてまいりました。ここ数年、財源不足に陥ることなく、毎年の予算編成に当たってこられたのは、経営改革宣言の実施や行財政改革に取り組んできた成果が逐次反映された結果と思いますし、それはまた、青木区政の功績と言えると思います。


 しかし一方で、青木区政は積極さに欠ける。余りに堅実過ぎるとの評価もあったと思います。ただ、その背景には、本区の厳しい財政事情もあったわけであり、やむを得ない面もありました。しかしながら、本17年度予算は、そうした評価を一変させるに足りる大変意欲的な予算であると思います。


 全体で112事業のうち、新規42事業、残りの大半が拡大事業となっておりまして、子どもを産み育てたくなる環境づくり、高齢者のいきいきとした暮らしを支える取り組み、区民とともに創る元気・安全・快適なまちづくりなど、時宜を得た施策をバランスよく、めり張りをつけて予算化していることを高く評価するものであります。


 特に子育て支援の意味から、中学3年生までの子供の入院医療費のうち、保険にかかる分について負担をなくしたということは、23区の中でも先駆的な取り組みであり、区民に大変喜ばれる施策と歓迎されるに違いないと思います。


 もっとも、基幹的な財源である特別区民税が低減傾向にあるにもかかわらず、こうした積極的な予算編成を可能にした財政的な背景は、行財政改革や既存事業の見直しにより、総額15億9,000万円余の節減ができたことや、財調における調整三税、ひいては特別区交付金のかなりな伸びが期待できるという背景があるからであると思いますが、区長はどのように思いますか、お尋ねしたいと思います。


 次年度以降もこうした財政運営が可能になるような財調であってほしいと思いますが、それは今のところ全く不透明であります。固定資産税の減額問題という財調の財源問題があるわけだけではなくて、本区の職員の年齢構成から見て、退職給与支払いのピークがいよいよ二、三年後に近づいております。こうした義務的経費の対応の巧拙が今後問われることになると思います。


 本区としては、今後の財政の動向をどのように判断しておられるのか、率直な見解をお尋ねしたいと思います。


 私は、今後の本区財政運営を考えた場合、次の二つのことが大事だと思います。


 すなわち、一つは、前述しました本区歳入構造の脆弱さは、今後もなお引き続き変わらないと思われますから、こうした基幹的な特別区税収入が横ばいか、もしくは右肩下がりにあったとしても、安定した財政運営ができるような行政執行の仕組みを構築することが大事です。そのためには、新たな第三次の経営改革宣言が必要と考えますが、いかがでしょうか。お尋ねいたします。


 もう一つは、葛飾区を真に活力あるまちにするため、そして人口、殊に生産年齢人口を安定させ、さらに納税義務者数を減少させないために、実効ある施策を明瞭に打ち出すことであると思います。


 前段の基幹的な特別区税収入が横ばいであっても安定した行政執行ができる仕組みについては幾つかの提案があります。まず、歳入構造の上では、歳入の多様化、具体的には起債のあり方、方式も再検討の必要があると思います。


 ただいまも答弁がありましたけれども、隣の足立区では、走れ!あだち債を発行し、大変関心を集めました。総額は2億円ほどで、歳入の改善に大きく寄与するわけではありませんけれども、区債を買われた方々が、区政により関心を持ち、ともに区をよくしようと、こういうふうな意識を持っていただく、その意味が重要だと思います。


 本区は幸い、ここ数年、起債の活用がなかったせいで、公債比率は大変低くなっております。言いかえれば、起債活用の自由度が高くなっているわけでありますから、適切な活用対象事業があれば、今後、区民向けの地域債、かつしか債の発行を検討してみてはいかがでしょうか。区長の見解をお尋ねいたします。


 また、歳出面では、本区としても、既に平成17年度予算でも取り組もうとしておりますが、施設建設に当たって、PFI方式の採用や、また事務事業自体をもダウンサイジング的にさまざまな民間の経営資源を活用して実施する方式も検討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


 こうした経営手法をさまざまに駆使する中で、なお歳入の低減が続けば、やはり行政組織の縮小は必至でしょうから、第三次経営改革宣言の中でも、必要な職員定数の削減は引き続き取り組む必要があると思います。これらについての区長の見解を求めるものであります。


 さて、平成17年度予算で私が最も注目しているのは、明日の元気な葛飾づくり施策であります。中身の個々の施策はともかくとして、こうした施策を打つ必要に至った事情や区長の思いは一体何なのか、私もよくわかるような気がいたします。


 すなわち、前述しましたように、本区の人口構成の高齢化、依然として右肩下がりの税収構造は変わらないという中で、このままでは、本区はじり貧になるのではないかという強い危機感を区長は持っていると思いますが、いかがでしょうか。


 例えば、隣の江戸川区は、人口においてついに65万7,000人を超え、64万5,000人の足立区を上回りました。区民の平均年齢は23区で最も若いとして、その活力を誇っております。2020年には、人口は70万人になるとしております。


 その足立区も、本年8月には、筑波エキスプレスの開業を控えて、区内に新たな新駅が開設されるようであり、また、舎人新線もようやく全線建設のめどが立ち、潜在的な可能性は大変大きいものがあります。北千住には、大学の誘致が予定され、東京の東北の玄関口としての発展が既に約束されております。


 こうした両区の間に挟まれて、我が葛飾区の将来は一体どうなるのか、私は気が気ではありません。こうした懸念に対する青木区政の一つのメッセージが、この明日の元気な葛飾づくりであると思うのですが、どうなのでしょうか。


 予算書だけでは、葛飾づくりの具体的な施策や施策のコンセプトがよくわかりませんが、私が願うのは、こうした施策はだれでもわかりやすい明瞭な方針を示して、長期にわたり粘り強く推進していただく施策であってほしいと思うのであります。


 私は、個人的には、元気な葛飾をつくるということは、端的に言えば、人、金、情報の三つのキーワードでものを考えることであろうと考えております。人が集まれば、お金と情報が集まります。大学誘致は、この場合、端的な人集めです。また、お金があれば、そこに向かって人と情報が寄ってくるのです。魅力あるまちづくりや住宅にお金をかけるということは、そこで使われたお金のおかげで、人と情報が集まるということであります。そして、情報が発信されれば、そこにお金を持った人が集まるのであります。これは、寅さんのふるさと柴又がよい例です。


 これらの3点を一言で言えば、働き盛りのより多くの若い世代の方々に葛飾区に住んでいただきたい、本区を訪れていただきたいということだろうと思います。


 直接的な人集めである大学誘致などは相手があることで、本区の都合だけでどうなるものではありません。交通や都市基盤整備は、最も効果のある元気なまちづくりの手法ですが、財政の問題は本区だけでは解決しません。


 ただ一つ本区が自由にできること、それは情報の発信です。葛飾発の文化イベントもよいアイデアだと思いますが、後段で詳しく申し上げますけれども、本命は観光文化情報やスポーツではないかと思いますが、いかがでしょうか。


 要は、他にまさるすぐれた知恵、アイデアで区政をリードすること、これこそが最大の情報発信だと思います。区長部局としては、こうした発想に立って、明日の元気な葛飾づくり施策を実効性のあるものに育てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区長の見解を求めるものであります。


 次に、江戸川の浚渫工事とからめきの瀬について伺います。


 一昨年来、国土交通省江戸川河川事務所は、江戸川の柴又河川敷に先年建設された船着き場付近の水深が浅いので船舶の航行に支障があるとして、しゅんせつ工事を行いたい旨、関係方面に働きかけてまいりましたが、いよいよ本年2月、同しゅんせつ工事に着手いたしました。工事箇所は、矢切の渡しの下流から北総線鉄橋の先まで、延長約500メートル、しゅんせつ土砂量約1万5,000立方メートルを予定しているようであります。


 そこで、このしゅんせつ工事について、本区としてはどのような姿勢で対処しようとしているのか伺いたいのであります。


 私自身としては、この件について、次のような視点から検討すべきだと考えるのであります。


 その第一点は、防災上の視点であります。


 国土交通省も、本件工事の最大の目的が、河川の航路を整備することにあるとしています。実際、現状としては、同箇所は水深が2メートルほどしかなく、300トンクラスの大型船の航行が不可能なので、これを何とか改善したいという考え方と聞いております。確かに、柴又船着き場の機能を災害時に十分発揮できるようにするためには必要な工事であろうと思われますし、本区としても必要な協力はするべきだろうと思います。


 第二点は、環境保全の視点から、どのような措置が必要か検討することが大事です。


 しゅんせつ工事による環境への影響がどうなるのか、私は大変気にしている者の一人であります。既に先年、当該箇所の下流部分の江戸川区側はしゅんせつ工事をやったところですが、その付近の河岸に崩落箇所が幾つか見受けられます。これは明らかに河川のしゅんせつに伴う水流の変化、波浪の発生などが関係していると思えるのですが、いかがでしょうか。また、この対策として、一部鉄のシートパイルを河岸に打ち込んで護岸をしているようですが、いかにも環境と不調和です。また、しゅんせつ箇所も河川の中央部というよりはかなり東京都側に近い川岸ぎりぎりのところでしゅんせつしていることも問題ありと言わざるを得ません。しゅんせつ箇所を河川の中央部に限定するなど、見直しを求めてはいかがでしょうか。


 また、現状では、川岸のよし原の中に既にブルーシートで囲われた小屋や廃品保管場が幾つかできておりますので、こうした小屋の撤去も国土交通省と検討して進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


 その他、柴又河川敷にある新八水路の生物調査に取り組んでいる環境団体の方々は、こうした自然種の生物の生息環境に影響があるのではないかと心配しております。区としても必要な調査を行い、施工方法や施工位置の調整をしてはいかがでしょうか。それぞれ見解を伺いたいと思います。


 第三には、同しゅんせつ箇所にある歴史的資源としてのからめきの瀬の存在に光を当ててほしいということであります。


 ところで、からめきの瀬とは何かと申しますと、葛飾区史上巻に詳しく書かれていますが、16世紀の戦国時代に、後北条氏と安房の里見氏の間で前後2回にわたり国府台において、世に言う国府台合戦が行われたわけですが、永禄7年(1564年)の第二次合戦の際、北条軍は、江戸川のからめきの瀬と呼ばれる浅瀬を渡河して、里見方の守る国府台に攻め上ったと言われております。


 このからめきの瀬とは、現在の位置では一体どこなのか、この場所については二つの説がありました。一つは、矢切の渡しの下流付近、もう一つは、JR鉄橋上流付近とされています。


 私は、個人的には、諸状況を勘案すると、JR鉄橋上流付近というのはあり得ないことで、矢切の渡し下流付近に違いないと思っておりました。今回、同箇所がまさにしゅんせつ工事の対象箇所にされていることにかんがみ、この際、同箇所の浅瀬が、まさにからめきの瀬その位置であることを私なりに論証して、地域の歴史的資源として、また地域おこしのツールとして活用する方途を示したいと思う次第です。


 葛飾区史によれば、からめきの瀬が記述されている史書としては、関八洲古戦録に次のような記述があります。「国府台は、北西の切岸高く険なれども、東南はなだらかにして、陰より廻りて敵の後ろより不意をおそい相図るを以って大手搦め手より攻め立てなば、勝利疑いあるべからずとて、葛西筋より市川の川上、からめきの瀬を渡して、真間国府台の東西へ押し着けたり」とあります。


 また、同じく国府台合戦物語の小田原勢葛西に着陣の事のくだんに、「已に小田原の評定終えて、正月六日未の刻計りに、先陣ひづめを飛ばせて人馬不休うつままに、先陣は七日の巳の刻斗りに、下総の葛西、芝又、からめきの向こうに付にけり、後陣は大将氏康、武州六郷の川をわたり、品川大森に陣を取り、凡そ其の勢三千余駒とぞ聞ける、先陣の中よりも遠山富永は先をかけんと、利根川辺、芝又より三小岩、篠崎迄陣取り、明くる八日利根川を渡らんことをはかりける。


 已に房州軍勢北条方葛西に着と聞き、かの川を打ち立て、先陣は国府台栗山矢喰にささえたり、正木大善軍者第一の武者ならば栗山立てだしへ廻り立ち並べたるかわら人形のかげより、からめき芝又を見渡せば、諸軍勢残らずみちみちたり」とあります。


 この国府台合戦物語は、合戦のあった永禄7年から150年後の江戸の宝永年間(1700年ごろ)に国府台付近にいた人が、土地の古老の伝承をもとに合戦を物語風に書いたものであります。つまり、直接的な合戦の記録というわけではないので、史実的にはどうか議論のあるところですが、物語が書かれた1700年当時、江戸川にからめきの瀬があったことは事実であろうと思います。


 葛飾区史には、このからめきの瀬について、葛飾史談会会員で郷土史家、磯部鎮雄氏は、金町浄水場の取水塔を経て葛飾橋に至る常磐線を挟んだ一帯の地と見るのが穏当のように思うと述べ、からめきの瀬の葛飾橋付近説を唱えております。


 ところで、私は、国府台には何度も上り、丘の上から見た江戸川や柴又の河川敷の風景は子供のころからよく知っています。また江戸川には、柴又付近に浅瀬があったことは既に聞いておりました。その上で、前述の磯部鎮雄氏の一文に接し、同箇所に土地勘のある者として、この説に明らかな違和感を感じてまいりました。ただ、私は郷土史家でもありませんし、古い史料の研究をしているわけではないので、今回、全く別の、河川工学的見地から、江戸川の現在の測量データをもとに、また地質学的観点から、この浅瀬の存在を見直してみたいと考えた次第です。


 さて、一般的に、からめきの瀬のような浅瀬は、恐らく流れの比較的緩やかな、そして河川の流れが真っすぐなところにできた可能性が高いと考えられます。


 ところで、国府台に上って、眼下に広がる江戸川を見てすぐわかることなんですが、江戸川は国府台の直下では凹凸の凹の方に湾曲して台地に近づき、北に向かって柴又付近で真っすぐに緩やかに流れ、金町浄水場の取水塔からJR鉄橋にかけて、今度は大きく凸状に流れが湾曲するのがわかるはずです。つまり、こうした河川の形状にあっては、浅瀬が形成される可能性がある箇所は、流れが真っすぐな柴又付近しか考えられないのであります。


 さらに言えば、葛飾橋付近は、江戸川が北に向かって大きく湾曲しているため、国府台からははっきり見えません。間近に目にした出来事を物語風に書いたこの合戦記のような物語で、城から見えないところを敵が渡河したということを書くということはできるだろうかと、こう考えますと、葛飾橋付近渡河説の虚実もおのずから明らかです。


 私は今回、江戸川河川事務所に行って、江戸川に関する古い測量図、絵図をいろいろ見せていただき、明治以降の河川しゅんせつの記録について説明を聞きました。また、柴又付近の最新の水深測量図についても、詳細な説明を聞きました。


 江戸川の河川変遷図を見ますと、明治10年、旧陸軍省参謀本部が作成した測量図には、江戸川の柴又付近に中州があったことが示されております。この中州がどうしてこの場所にできたか、いつごろからできていたか大変注目しているところです。しかしながら、その後、大正年間の河川改修事業で、現在はなくなっております。


 また、江戸川河川事務所で、野田市立興風博物館に収蔵されていた1820年代の江戸川領縁領地図を目にいたしました。この絵図の中でも、江戸川柴又付近に小さな中州が既にあったことが書かれており、草が生い茂っていたと記録があります。


 ところで、過去に江戸川にとって一つ歴史的な大きな事件があります。それは、1783年の天明3年、浅間山の大噴火です。このときに、火山の噴出物が大量に利根川水系に流れ込み、河床が急激に浅くなったことが記録にあります。私は、柴又付近の中州は、この天明の浅間山の大噴火の際、その噴出物が堆積して形成されたのではないかと考えております。


 ここまで申し上げますと、それでは、その場所は今一体どうなっているかとだれもが気になると思いますが、実は、当該中州があったその場所が、今回のしゅんせつ箇所なのでありますが、驚くことに、その箇所は、今も全くの浅瀬なのであります。他の場所は水深が約4メートルもあるんですが、この場所だけは水深がわずか2メートルほどしかないのであります。


 江戸川河川事務所は、ふだんは江戸川の篠崎水門を閉鎖して、江戸川の水位を余り低くならないように調整しているのですが、年間数回、特に春の大潮時に江戸川の水を海に流すために篠崎水門をあけるときがあります。このとき、この浅瀬は、江戸川まさに矢切の向こうまで歩いて渡れるほどの状態になります。(発言する者多数あり)


 もっとも江戸川河川事務所に言わせれば、この箇所は、今までしゅんせつ工事が行われなかったから浅いだけだというのですが、私から言わせれば、しゅんせつしなければこんなに浅瀬であること自体が、もともと浅瀬であったことの証左であると考えますが、いかがでしょうか。


 また、先年の北総線の鉄橋工事の際に、柴又の河川敷を掘削したところ、地表からすぐ2メートルほどのところに、下総台地を形成する基盤層が露出しました。地質学的にこれを考えれば、柴田付近はもともと下総台地であって、縄文海進の時代に、台地の上部の関東ローム層が波食で削られてしまい、基盤層だけが残って、その上に江戸川が流れているため、下総台地の基盤層が浅瀬として江戸川の川底に露頭しているということです。


 一方、対岸の市川市が、このからめきの瀬をどう見ているかと申しますと、市川市史の中で、国府台合戦研究の権威である千野原靖方氏も、からめきの瀬は、江戸川柴又矢切付近と断定しておられます。


 以上のことを総合して、葛飾区史に書かれたからめきの瀬の位置については、いずれかの機会に精査して、柴又矢切の渡し付近と書き改めていただくよう申し上げたいと思いますが、区長の見解を求めるものであります。(発言する者多数あり)


 さて、問題は、こうした地域の貴重な歴史スポットを、まちづくりや観光資源としてどのように生かし、また後世に伝えるかということであります。


 私は、かねがね歴史は観光資源であると訴えてまいりました。また同時に、地域を再発見する取り組みは、そのまま地域の活性化につながると確信いたします。


 柴又は、矢切の渡しや寅さんだけではなく、16世紀の戦国時代、北条軍3万余の軍勢は、江戸川柴又のからめきの瀬を渡り、国府台に里見氏と戦い、今、我々が住むこの葛飾、葛西の地の帰趨をかけて争った、まさに治乱興亡の古戦場なのであります。この貴重な歴史資源を生かさない手はありません。


 そこで、当面、当該浅瀬付近に史跡としての由来表示や記念碑を設置していただきたいと思います。さらに、寅さん記念館の中にも特設コーナーを設けていただきたいと思いますが、どうでしょうか。そして、柴又語り隊の方々の案内コースにも、からめきの瀬の箇所を加えていただきたいと思います。


 さらにこの際、柴又再発見の題材としてもう一つ申し上げたいことは、明治以降昭和に至るまで、この地を訪れた多くの文人墨客が、柴又を詩や文学に残しております。おおよそ著名な13人の文化人がそれぞれ作品の中に残しております。そこで私は、そうした作品群をまとめて、柴又周辺の地に、文学碑を建立し、葛飾柴又文学の散歩道を指定してみてはいかがでしょうか。区長の見解を求めるものであります。


 さらに、葛西城の再評価と本区の観光政策について伺います。


 からめきの瀬の問題を調べてみると、国府台合戦と葛西城、なかんずく葛西城の再評価がどうしても必要という思いに強く駆られます。それは葛飾区とは何なのかという葛飾区のアイデンティティ探しの旅と重なります。


 ところで、本区としては、葛飾区としての観光政策立案のために、平成17年度、調査費を計上して、平成18年度で策定を目指しておりますが、その本旨は何なのか、区長にお尋ねしておきたいと思います。


 私もまた、葛飾区としての観光政策に対する考え方をきちんと整理して、施策のメニューを確立すべきと考えます。そこで、基本的な幾つかの部分についてお尋ねいたします。


 まず、観光政策を考える場合、意義とか課題とか目的とかは既に専門家からさまざまに指摘され、提言があります。それらを参考にするとして、私が一番気にするのは、自治体の役割と民間、地域との協働ということであります。観光事業というものは官だけでできるものではなく、また同時に、民間だけで決着がつくものではありません。双方がともに協働して、初めてでき上がるものであります。


 私は、自治体の観光政策における役割とは、第一に、広い意味での地域文化の再評価、歴史的観光資源の再発見と、それらの情報の一般への提供であろうと思います。そして、民間の役割とは、官と協働して地域を再発見し、再評価し、広く人々に伝える草の根の地域活動を担うべきと考えるものでありますが、いかがでしょうか。


 さらに、観光政策の成功のかぎはどこにあるかと申しますと、それは、従来と趣の違った新しい観光資源を当該地域の中に再発見できるか否かであろうと思います。


 さすれば、葛飾区の中にそれがあるのかということでありますが、ちゃんとあると私は思います。私は、それは旧葛西城こそ、我が葛飾区のルーツ、地域再発見の決め手と考えるのでありますが、区長の見解を求めるものであります。


 葛西城は、15世紀の中ごろつくられたと言われておりますが、その目的は、当初は、税の徴収など行政機関の機能を持っておりましたが、16世紀中ごろ、周辺の政治的様相が変わるにつれて、葛西城の存在目的は、軍事的な性格が強くなります。


 葛西城が、歴史的に最も輝かしい光芒を放ったのは、やはり天正7年の第一次国府台合戦から、天文18年、徳川家康方の軍勢に攻められて落城するまでの関東戦国1世紀だと思います。葛西城は、わかっているだけで3回落城を経験しました。まさに戦国武者たちの戦いの舞台であったのであります。


 従来、葛飾区というと、土地柄は緑と水に恵まれた静かな田園地帯というイメージで見られていました。これは、江戸・東京の大都市の都市近郊農村地帯という印象に起因します。しかし、時代を一つさかのぼって、本区の戦国時代の歴史をひもとけば、そこには荒々しい戦国の息吹と戦国関東地方の要路として、中世戦国史の舞台に華々しく登場した光芒まばゆい歴史があるのであります。私は、こうした葛西城のすぐれた歴史を生かして、インターネット上にバーチャル葛飾歴史博物館を設置してはどうかと思うのであります。


 同時に、正倉院の御物である養老年間の葛飾大嶋郷嶋股里の養老戸籍に始まり、中世戦国史にわたるこの都内で最大の史跡、歴史観光資源である宝庫として、葛飾歴史博物館の開設を提案するものであります。


  同時に、第二次のEプランの中でも、デジタルミュージアムの開設が計画されております。


○(谷野せいしろう議長) 発言中ですが、大塚議員、時間でございます。


○34番(大塚 武議員) (「時間気にしないで」との声あり)(笑声あり)ありがとうございます。


 中身として取り上げることをご期待申し上げ、私の質問を終わります。


 ご清聴ありがとうございました。(「よかった」との声あり)(拍手)


○(谷野せいしろう議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) 大塚 武議員さんのご質問にお答えをいたします。


 初めに、所信表明についてのご質問でございます。


 ご質問にあります二次にわたる経営改革宣言や行財政改革アクションプランの成果及び明日の元気な葛飾づくりについてでございますが、ご承知のとおり、バブル経済崩壊後の長期にわたる景気の低迷は、税収の減等行財政環境の急激な悪化として本区を直撃いたしました。


 このような厳しい財政状況の中にあっても、区民が安心とあすへの希望を得ることができるように、二次にわたる経営改革宣言を行って、全庁を挙げて経営改革に取り組んで、690名に上る職員の削減や事務事業の見直しなどを合わせて250億円の財源を生み出しました。この財源を活用して少子・高齢化への対応やまちづくりなど、区民の安全・安心、快適な生活の充実を図る着実な区政運営を進めてまいったつもりでございます。


 平成17年度予算においても、引き続き財源不足を生じさせることなく、自立した基礎自治体として、実施計画に掲げる事業を着実に推進をし、時代の要請に合った行政課題に対するサービスの展開を着実に図っていくために、新政策推進システムにより、平成17年度重要施策及び重点事業に掲げた子どもを産み育てたくなる環境づくり、高齢者のいきいきとした暮らしを支える取り組み、区民とともに創る元気・安全・快適なまちづくりなどの施策を実現するための事業に、限られた財源を優先的に振り向けるめり張りのある予算とすることを基本方針にして予算編成を行ったところでございます。


 さらに、今後、かつて経験したことのない人口減少社会の到来や右肩上がりの経済成長の終えん、低成長社会への移行等々、区政を取り巻く行財政環境は一層変化をしていくことが予想される中に、区民の方々が将来を見据え、未来志向に立って、元気で、生き生きと豊かに暮らせる葛飾をつくり上げていくことが何よりも必要であると考えまして、平成17年度において、さらに明日の元気な葛飾づくりに向けた事業経費を当初予算に計上したところでございます。


 私といたしましては、これまでの区民生活に根差した着実な区政運営を踏まえた上で、区民の方々が葛飾区に住んでよかったと思えるような将来ビジョンを掲げて、明日の元気な葛飾づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。


 次に、本区の置かれた社会経済状況と新基本計画の策定に関するご質問にお答えをいたします。


 本区の特別区民税の調定額は、低経済成長の長期化等の影響によりまして減少傾向が続いております。現年度分の決算数値を見ましても、平成15年度はマイナス4.8%、平成16年度はマイナス3.7%と対前年度を大きく下回っております。景気はここ2年回復基調にありますが、経済のグローバル化や少子・高齢化などの影響を考えますと、今後も本区の特別区民税の大幅な税収の拡大は期待できない状況にあると認識をしております。


 政策目標として、生産年齢階層人口の増大を基本計画に盛り込むことにつきましては、金町駅南口地区や三菱製紙跡地などの再開発、地域産業活性化プランの推進、さらには、就労・キャリアアップ政策、あるいは子育てと仕事の両立支援策などを通じて、積極的に生産年齢階層人口の増大に努めてまいりたいと考えているところでございます。


 次に、新基本計画の策定方針についてでありますが、今回の計画は、区民との協働による区政運営を前提に、策定過程の初期の段階から、区議会へは検討の節目節目に報告をしてご意見をいただいていることを初め、区民参加の策定委員会や区民モニター、世論調査等を通じて区民の意向の反映に努め、どのように区民が策定過程に参画したかを一目でわかるようにすることで、区と区民が協働によってつくり上げ、そして共有をする計画を目指しているところでございます。


 また、優先すべき政策や施策、事業を明らかにするとともに、実施主体割合や目標と成果をわかりやす数値で明らかにした上で、行政評価による経営資源の最適化や事務事業の改善をより一層進めることで、厳しい財政状況にもP・D・C・Aサイクルを円滑に運用して柔軟に対応ができる計画を目指しているところでございます。


 さらには、策定方針から計画事業に至るまで、さまざまなご意見や統計資料等をもとに、にぎわい、安全、安心、快適、協働、経営からなる六つの戦略を掲げて、今後の区政ビジョンを私みずからが明らかにいたします。また、今後の成長が望める分野をリーディングプロジェクトとして、現在、健康産業やコミュニティ・ビジネスの創出、サテライト型の大学の誘致、観光や文化、スポーツによるまちづくり構想などを検討中であります。完成をした計画書は、全国的に見ても先進的で初の試みとなるものでございまして、元気な葛飾区を全国に発信をする手段として活用していく所存でございます。


 次に、平成17年度当初予算についてのご質問にお答えをいたします。


 ご質問にありますとおり、特別区民税は、個人所得の減少等によって引き続き減少傾向にあり、依然として厳しい財政環境にあります。


 こうした厳しい財政環境の中で編成をいたしました平成17年度当初予算案は、住民税減税補てん債借換債の影響を除いた実質的な伸び率は1.5%増となっております。


 これは、歳入面におきましては、大企業を中心とした企業収益の堅調な改善を背景といたしまして、特別区交付金の原資である市町村民税法人が大幅に増額となったことなどから、特別区交付金が前年度に比較して27億円の増となったことに加え、国・都支出金等の特定財源の確保や基金借り入れ、特別区債の適切な活用などによりまして、歳入の確保に努めたことによるものでございます。


 一方、歳出面におきましては、従来に引き続いて、第二次経営改革宣言に基づく行財政改革アクションプランや行政評価制度の活用によって、聖域のない事務事業見直しを行い、歳出の抑制に努めた結果、15億9,000万円の事業費を節減し、新たな課題への取り組みに配分することができた結果と考えております。


 次に、今後の財政状況の見通しについてのご質問にお答えをいたします。


 今後の景気につきましては、伸びの鈍い個人消費など不透明感はあるものの、企業収益の改善に支えられて堅調に推移するものと見込まれております。


 しかしながら、お話のとおり、平成19年度、20年度以降は、退職手当支払いが増加をしてまいります。さらに、三位一体改革の先行きは不透明な状況であり、本区の財政状況は決して楽観視できる状況にはないと考えております。


 そうした厳しい状況を踏まえて、第三次の経営改革宣言が必要ではないかというご質問がございました。


 時代の変化に的確に対応し、区民ニーズに応えられる安定した財政運営ができる仕組みを構築することは、区民の負託を受けて区政を預かる者として常に念頭に置くべき課題でございます。第二次葛飾区経営改革宣言もそのために行ったものでございます。


 今後も歳入の大幅な増加が見込めない状況の中で新たな区政の課題に対応していくためには、引き続き経営改革に取り組んでいく必要があるものと認識をしております。


 ご質問の第三次の経営改革宣言といったそのための具体的な手法につきましては、新基本計画の策定と並行して、現在の行財政改革アクションプランの取り組みの総括を進める中で検討をしてまいりたいと考えております。


 次に、区民向けの地域債についてのご質問にお答えをいたします。


 お話にあります区民向けの地域債、いわゆる住民参加型ミニ市場公募債につきましては、自治体が実施する事業へ区民が投資家として参加をしてもらう目的別の公募債であります。これの本区への導入の可否につきましては、メリット、デメリットを十分に踏まえて検討してまいりたいと考えております。


 今後とも、国庫補助負担金、特別区交付金や基金の弾力的な運用、さらには、法定外新税の創設の検討など、多様な財源調達手段についても、引き続き積極的な取り組みを行ってまいりたいと考えております。


 次に、PFIや職員定数の削減等についてのご質問にお答えをいたします。


 PFIの活用につきましては、第二次葛飾区経営改革宣言におきましても活用の検討を行うこととしており、現在、具体化に向けて検討を進めているところでございます。また、事務事業の見直しにつきましても、行政評価制度などを活用しながら、時代の変化や区民ニーズの変化に的確に対応する形で新設、廃止等を行っておりますが、現在の厳しい財政状況を反映して、結果的には既存の事務事業については廃止または規模を縮小しているものも数多くございます。


 今後も、財政状況と区民ニーズの変化に的確に対応して、めり張りのある区政運営を行ってまいりたいと考えております。


 このような考え方のもとで、第二次経営改革宣言終了後につきましても、引き続き組織の簡素・効率化に努めるとともに、これまで以上に官民の役割分担を明確にし、これまでの業務委託や民営化等の手法に加え、地域再生プランや構造改革特区、指定管理者制度等々の新たな仕組みを積極的に活用して、適正な職員定数の管理に努めてまいりたいと考えております。


 次に、今後の税収構造に対する認識及び明日の元気な葛飾づくり予算における情報発信についてのご質問にお答えをいたします。


 先ほども申し上げましたとおり、バブル経済崩壊後の長期にわたる景気の低迷、それに伴う税収の減等により厳しい財政環境が続いてまいりました。


 現在の景気回復は底堅く推移すると見込まれてはいるもの、いまだ高水準にある完全失業率や基調として横ばいの賃金動向などから、景気の回復感を区民生活から実感として感じ取ることは難しい状況にあると認識をしております。


 さらに、今後は、少子・高齢社会がさらなる進展を続ける中で、確実に到来をする人口減少社会や団塊の世代が一斉に定年を迎えることによって、区の歳入構造そのものが大きく変わる可能性もあると考えております。すなわち、生産年齢人口の減少、成熟社会における低成長経済の出現、グローバルな経済競争の激化等々を勘案いたしますと、今後は大きな景気回復はなかなか望めない状況にあると認識をしております。


 このような中で、平成17年度予算におきまして、区民の方々が将来を見据え、未来志向に立って、元気で、生き生きと豊かに暮らせる葛飾をつくり上げていくことが何よりも必要であると考えて、平成17年度においては、まちづくりや子育て支援等の将来に向けての事業に加えまして、さらに三つの明日の元気な葛飾づくりに向けた事業経費を当初予算に計上したところでございます。


 お話にありましたように、元気な葛飾をつくっていくために、情報の発信は重要な要素であると認識をしております。これまでも広報紙はもとより、全国紙等へのパブリシティを積極的に行ってまいりました。ちなみに、昨年の掲載件数が735本に上っているところでございます。さらに、FMかつしか、葛飾ケーブルテレビ等々を活用して積極的な情報の発信に取り組んでいるところでございます。


 平成17年度予算に計上をした三つの明日の元気な葛飾づくり予算の中でも、地域スポーツ活性化調査につきましては、区民のだれもが健康で生き生きと暮らし、長生きをするための仕組みの一つとして、ライフサイクルに応じて気軽にスポーツに親しむ機会を提供していくシステムを構築して、人づくり、まちづくり、生きがいづくりを推進し、地域活性化を進めていこうとするものであります。


 また、葛飾発イベント等の調査につきましては、お話にありましたように、区民の方々とともに葛飾ブランドの文化イベントをつくり上げて、これを育てて、区内外に葛飾情報を発信する、葛飾区に対する区内外の人々の関心を高めるとともに、観光情報等の発信を行うことなどによって、地域や地域経済の活性化を図っていこうとするものであります。


 さらに、観光情報等を積極的に発信することによって、本区に多くの人に訪れていただきまして、有名な観光スポットのみならず、広く区内で散策や見学、買い物などを楽しんでいただくことによってまちのにぎわいを創出し、産業の活性化にも寄与するものにしたいと考えておりまして、平成17年度から、観光振興プランの作成に着手をすることといたしました。


 今後につきましては、これまでの区民生活に根差した着実な区政運営を踏まえた上で、さらに、区民の方々が葛飾に住んでよかったと思えるような将来ビジョンを掲げ、積極的に情報発信を行いながら、明日の元気な葛飾づくりを行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。


 次に、江戸川のしゅんせつ工事への対処についてのご質問にお答えをいたします。


 航路のしゅんせつ工事を含め、防災対策事業の推進に際しましては、柴又地区等の特性である豊かな自然と歴史ある河川資源に対して、これまでも環境への特段の配慮を河川管理者である国土交通省に対して求めてまいりました。


 今回の江戸川における航路しゅんせつ工事につきましては、地震災害時等における緊急物資などの輸送の円滑化等、江戸川流域の防災機能の強化を図るためと聞いております。


 この地域に平成11年度に整備をされました柴又緊急用船着き場は、葛飾区地域防災計画の中で、水上輸送計画施設に位置づけておりまして、防災避難訓練の会場としても広く区民に活用をされております。


 本区といたしましても、江戸川沿川地域の防災ネットワークの強化や広域避難地の防災機能の向上から、航路しゅんせつ工事は必要なものであると考えておるところでございます。


 次に、しゅんせつ箇所を河川中央に見直すべきこと及び生物の生息環境への影響についてのご質問にお答えをいたします。


 今回、しゅんせつ箇所につきましても、本区を含めた関係者の協議の中で当初の掘削幅を大幅に減少し必要最小限の幅にするとともに、高水敷への影響の少ない場所を選定してきたところでございます。


 また、しゅんせつ工事に伴うシートパイルの設置についてでありますが、国土交通省の説明では、しゅんせつ土砂を仮置き場に上げるため、船の接岸用の仮設の施設であり、今後もしゅんせつ工事に伴う仮置き場の岸壁として利用する計画であるとのことでございます。さらに、川岸の保全につきましては、区といたしましても、施工方法も含めて環境に配慮した川岸の洗掘防止のための護岸整備を求めていきたいと考えております。


 なお、生物の生息環境への調査につきましては、既に国で調査を実施して、特に影響はないものであるとの見解を得ております。区といたしましては、国に対して、環境団体等への情報提供も含めて、環境に配慮した河川事業を引き続き求めていきたいと考えております。


 次に、かつしか観光プラン策定の本旨及び区と民間の役割分担についてのご質問にお答えをいたします。


 葛飾区に多くの人が訪れていただいて、有名な観光スポットのみならず、広く葛飾区内で散策や見学、買い物などを楽しんでいただくことは、まちのにぎわいを創出し、産業の活性化にも大いに寄与するものであると考えております。


 このような趣旨から、平成17年度には基礎的な調査を行いつつ、観光振興の具体的な方策の検討に着手し、仮称かつしか観光プランとして、平成18年度に全体を取りまとめたいと考えております。


 葛飾区の近隣の区に比較して葛飾区は、大変に魅力のある観光資源に恵まれていると考えておりますが、映画やアニメの舞台にたまたま選ばれたという面もあることから、それらの終了によって長期的には観光資源としての魅力が低下することも予測をされます。


 今回の検討に当たりましては、お話にもありましたように、新たな着眼点から埋もれている存在を掘り起こしたり、既存の観光スポットに新たな魅力を加えたり、個々の観光資源のネットワーク化による相乗的な魅力の向上を図ることなどを初めとして、整備が進んでいる都立水元公園の活用や対外的なアピール方法の工夫、関係する団体や機関、有識者などとの連携強化への方策など、多角的な視点から観光を掘り起こすことが検討されるべきであると考えておりますが、その際には区が行うべきものと、地域や地元の方々によって展開されるべきものとの役割分担と、それに基づく連携の確保が大切でありますので、ご提案の趣旨を踏まえた検討を進めていきたいと考えております。


 その他のご質問につきまして、所管の部長から答弁をいたさせます。


○(谷野せいしろう議長) 都市整備部長。


○(?澤恒雄都市整備部長) 江戸川河川敷のよし原内のブルーシートによるテントなどのご質問にお答えいたします。


 議員お話しのとおり、江戸川河川敷のよし原内にはブルーテントが多く設置され、とくに、北総線鉄橋の上下流には約15棟のブルーテントがあります。これらのブルーテントは、区の占用地域を外れる形で、国土交通省の管理区域に設置されております。


 これらのブルーテントに居住または利用している方々の指導につきましては、第一義的には管理者である国土交通省江戸川河川事務所となりますが、これまでも自立支援の観点から同事務所が本区福祉事務所と協働で、当該地を含め合同巡視や個別調査指導を行っているところでございます。


 今後も、ホームレスの自立支援制度の整備が進む中で、区としても協力しながら、さらに適正な管理を国に求めてまいりたいと思います。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 地域振興部長。


○(高橋成彰地域振興部長) からめきの瀬についてお答えをいたします。


 戦国時代の葛飾の大きな出来事として国府台合戦があり、その戦場としてのからめきの瀬の存在があることはお話のとおりです。こうした古戦場としての歴史的資源、また区内各地域にある埋もれた歴史的資源に光を当てていくことは、葛飾の新たな観光資源となり得ると考えますので、今後、関係者等と十分に連携して、活用について研究してまいりたいと考えております。


 なお、葛飾区史に記載されていますからめきの瀬の位置についての記載につきましては、関係部と連携をとりつつ、対応を検討してまいりたいと考えております。


 次に、からめきの瀬の由来表示や寅さん記念館内のコーナー設置についてお答えいたします。


 お話にありましたように、歴史的資源は現代の私たちに残された大切な財産です。こうした財産を広く周知し活用することは、郷土への理解と愛着を深めるという面からも、また観光の視点からも重要であると考えております。由来の表示や記念碑の設置、記念館内のコーナー設置につきましては、今後、関係者、関係機関とともに設置の可能性について検討してまいりたいと考えております。


 また、かつしか語り隊につきましては、シニアボランティアの皆さんが観光客のご要望に応じて自主的に柴又エリアの観光案内を行っているものでございますが、こうした史跡などについてより充実した案内ができるよう資料等の提供を行ってまいります。


 次に、文人墨客の文学碑を建立し、葛飾柴又文学の散歩道を指定すべきとのご提案につきましてお答えいたします。


 ご提案にありました文学碑の建立及び葛飾柴又文学の散歩道の指定につきましては、現在建立されているものの紹介や活用を推進しつつ関係者、関係機関と連携をとりながら研究してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 教育振興担当部長。


○(柏崎裕紀教育振興担当部長) 葛西城は歴史観光資源や地域再評価の原点であるというご質問にお答えいたします。


 中世社会において、本区を含め、江戸川区、墨田区、江東区は葛西と呼ばれておりました。葛西城は従来、小田原北条氏のとりで的なもので、重要なものではないと評価されておりましたが、昭和47年から始まった当区の発掘調査によって葛西城の歴史的な姿が次第に明らかになり、大塚議員さんのお話にありましたとおり、葛西地域の政治、経済、交通の拠点であったことがわかってまいりました。数次にわたる調査結果は報告書にまとめ公表を行うとともに、博物館においても展示をするなど活用を図っており、また城址の一部を公園として整備し保存に努めているところでございます。


 当区にはご指摘のとおり、葛西城以外にも上千葉遺跡など戦国期の遺跡や歴史資源が多く残されており、今後とも、観光資源としての活用も含め、地域再評価の貴重な題材として多くの方々への周知に努めてまいりたいと考えております。


 次に、インターネット上に、バーチャル葛飾歴史博物館を開設してはどうかとのご提案にお答えいたします。


 葛飾区の文化財を初めとするさまざまな区の歴史資源を、インターネットを活用してウエブサイト上の仮想ミュージアムに展開していくことは、日本全国はもちろん、グローバルに世界をつなぎ、区をアピールすることが可能となります。また、立体視技術の活用により、教育、普及にも大変効果的であると考えております。


 現在、区ではホームページ上のサイトにおきまして博物館や文化財情報等の提供を行っておりますが、教育委員会といたしましては、今後とも、ホームページ上の情報の一層の充実に努めてまいりますとともに、バーチャル博物館開設のご提案につきましても、データベースの作成、独自サーバーへの転換、ネットワークの構築、管理といった課題の整理を含め、研究を進めてまいりたいと考えております。


○(谷野せいしろう議長) 暫時休憩いたします。


 午後0時8分休憩


──────────────────────────────────────────


 午後1時11分再開


○(丸山銀一副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。


 代表質問を続けます。


 38番、高橋信夫議員。


〔38番 高橋信夫議員 登壇〕(拍手)


○38番(高橋信夫議員) 私は、日本共産党区議団を代表して質問いたします。


 今年は戦後60年、被爆60年という重大な節目の年です。


 2,000万人を超えるアジアの人々と、300万人を超える日本人の尊い命を奪ったあの侵略戦争、そして人類未曽有の惨状となった広島、長崎での原爆投下。この歴史の痛苦と反省から、日本は新しい憲法をつくり、二度と戦争をしない、世界に先駆けて恒久平和主義の決意を表明し、国際社会に復帰いたしました。


 ところが、この教訓を忘れて、憲法9条を変え、戦争できる国にしようという改憲論議であります。(「そういうことじゃないだろう」との声あり)(発言する者多数あり)


 そして、これに符合するように、憲法が保障した言論、表現の自由に対する警察と検察の不当な逮捕、起訴事件が相次ぎ、NHK番組への政治介入、言論表現を封ずる人権擁護に名をかりた法案の再提出の動きなどです。


 昨年暮れに起きた亀有でのビラ配布事件は、自衛隊官舎ビラ配布事件の東京地裁八王子支部が無罪判決を下した直後の弾圧事件であります。(発言する者多数あり)すなわち、八王子支部の判決は、憲法21条で保障されている政治的表現活動は、民主市議社会の根幹をなすものと無罪を言い渡したのです。(「区長、答えなくていいよ」との声あり)


 ところが、亀有警察と検察は、これに挑戦するかのように、我が党の発行する議会報告を配布していた男性を不当に逮捕し、表現の自由に対する公権乱用であり、議会制民主主義に対する暴挙であります。(発言する者多数あり)これ一党一派の問題ではありません。我が党は、区議会各会派に不当弾圧を許さない共同の取り組みの呼びかけをしましたが、改めてその共同を訴えるものです。


 さて、このような政治情勢の中で、非核平和自治体の取り組みは重要です。


 その最大は、5月に国連本部で開かれたNPT・核不拡散条約再検討会議です。ここでは、これまで確認した核兵器廃絶の明確な約束の実行という大きな課題が議論されるものです。


 昨年末の第59回国連総会での核兵器関連決議の採択、核軍縮誓約の履行を加速するとした新アジェンダ連合決議、そして、非同盟諸国決議採択など、核廃絶を求める国際潮流がかつてなく強まっています。


 しかし、アメリカはみずからも合意した明確な約束を死文化しようとしております。こうした逆流を許さず、「いま、核兵器の廃絶を」の世論と運動を急速に高める取り組みが展開されています。


 このNPT会議中、日本原水爆被爆者団体協議会が、国連で初めて原爆展を開催します。そして、各非核平和自治体の創意ある取り組みも展開されようとしております。


 区長、本区でも5月のNPT再検討会議に向け、核兵器廃絶の要請団を結成して派遣すべきですが、いかがでしょうか。また、非核平和自治体の長として、世界各国首脳に非核平和をアピールすべきですが、そのお考えを伺います。


 また、60周年の記念誌の発行、広島、長崎への区民派遣の復活、原子爆弾の被害の実相を伝えるために、区内施設での展示拡大や、常設展示も実施すべきと思うがどうか。


 さて、3月10日は、60年目の東京大空襲を迎えます。B29による空襲で12万人以上の死傷者、100万人以上の罹災者を出し、東京は焼け野原となりました。


 二度とこのような惨状を繰り返してはならないという願いを込めて、今年、上野にある寛永寺の現龍院墓地の山門に「哀しみの東京大空襲」の碑が、そして、上野公園には「時忘れじの塔」が建立されます。


 東京大空襲60年目の節目に当たり、その実相を語り伝えるために、区としても体験講話や展示会の開催、また、新潟などでの疎開の記録集の発行など、創意ある事業を計画すべきと思いますが、いかがでしょうか。


 さて、今ほど暮らしを守る自治体の役割が求められているときはないと思います。


 ご存じのとおり、地方自治法は、第1条で、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを明記しております。


 今日、区民生活はかつてなく困難に直面しております。


 我が党が昨年暮れから行っている区民アンケートには、既に郵送で700人を超える回答が寄せられています。


 この1年で、暮らしはどう変化したかという設問に、71.7%の方が苦しくなったと答えております。これは、小泉内閣と石原都政がいかに区民に重税をかぶせ、福祉切り捨てなど苛政を強いているかを示すものです。


 企業収益が改善されたと政府は述べていますが、よいのは一部大企業だけの話で、それも下請単価たたき、賃金抑制、正社員を減らしてパート、派遣・請負労働者を増やすなどといった中小企業と労働者を犠牲にしたリストラ効果であって、肝心の家計消費は冷えたままであります。


 このようなときに、これまでの社会保障の切り捨てに加えて、定率減税の縮小、廃止などを行い、そして、07年の消費税大増税計画です。これでは橋本内閣の失政を上回る深刻な景気後退と、国民生活犠牲となることは明らかです。


 都政はどうでしょうか。石原都政の6年で、高齢者、障害者対策を中心に、福祉改革の名で老人福祉手当の廃止、老人医療費助成の削減、シルバーパスの全面有料化など切り捨てられてきました。


 今こそ葛飾区政は、国及び都の悪政と対決するとともに、住民生活を守るための施策を強化しなければなりません。


 しかし、我が区でも、2000年の介護保険導入と福祉の再構築以後、福祉電話の廃止、出張理美容の有料化など、経済的給付の廃止と原則有料化が進められてきました。これは低所得者世帯にとっては大変な負担増となり、施策を受けることを手控えさせる結果となってきました。


 今年は、これまで無料であった非課税世帯、生活保護家庭の自立支援住宅改修費助成や寝具乾燥消毒の負担請求、生きがい対応型デイサービスの利用料徴収、昨年8月からは常時失禁状態にある方を対象にしていたおむつ支給を、要介護4、5の住民税非課税世帯に限定し対象者を減らしました。また、住宅設備改修費補助も介護保険の認定者に限定し1割負担としたため、非課税・生活保護家庭は大変利用しづらくなっています。低所得者は、福祉サービスを受けるなとも言うべきものです。もとに戻すよう求めるものです。


 国は公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止を既に実施しています。その結果、今まで非課税だった多くの方々が課税対象になりました。前年と比べて収入は変わらないのに、おむつ支給が打ち切られたり、シルバーカーの援助が受けられなくなったりしています。区が行っているさまざまな施策の所得制限を緩和させることが必要です。いかがでしょうか。


 今議会では、またも国保の均等割1,900円の値上げが提案されています。そのたびに滞納が増え、現在2万3,675世帯となり、その多くが短期保険証であったり資格証となっています。そのことで極端な受診抑制となり、重病化が懸念され、全国的には落命したりしています。


 国民健康保険法第1条は、社会保障及び国民保険の向上に寄与するとなっています。保険証の取り上げは、この法の目的に反するものです。今回の均等割の値上げは、さらなる滞納者を増やすだけです。撤回を求めます。


 子育て世代にとって教育費、医療費、保育料の負担軽減は、とりわけ重大です。


 例えば今年、中学に入学するお子さんのいる家庭では、制服、ジャージなどの衣類で7万円、修学旅行の積立金あるいは補助教具等々で十二、三万円もかかっています。義務教育費の無償の規定からも、就学援助制度の充実が必要です。


 ところが、来年度予算を見ますと、三位一体改革の一環として就学援助の国庫補助は、昨年の7,250万円から59万円に皆減に近い形で削減されております。


 政府は今国会に法案として、就学援助の補助対象を要保護に限定し、準要保護の分は、所得譲与税で税源移譲したとしていますが、これ自身が削減の理由にはならないわけです。国のこうした攻撃と闘いながら、区としては、就学援助の拡充こそすべきと思いますが、いかがでしょうか。


 渋谷区では、保育料の大幅値下げを予算化しました。年収1,500万円以上の高額所得者の保育料は引き上げし、年収300万円から800万円の世帯の保育料は50%の値下げをするというものです。昨年、渋谷区で実施した子育て支援アンケートで、就学前児童の保護者の31%が、子育てで出費がかさみ経済的負担を感じると答えたことに対して応じたものです。


 我が区が昨年3月に行った子育て支援に関する意向調査では、養育費や教育費の経済的負担の軽減を望む声が67%と渋谷区の倍以上です。これに応える必要があります。


 我が党は今定例会で、第2子以降の保育料の無料化の予算修正を提出していますが、ぜひ満場の賛成をお願いするものであります。


 区長、子育て支援として保育料は値下げすべきではありませんか。また、第2子以降の保育料の無料化も検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。


 子供の医療費については、中学3年生までの入院費を無料にしたことは評価いたします。しかし、港区、台東区では、通院費についても今年4月から小中学生全員の無料化を実現し、品川区も今年1月から小学生を対象にした通院費無料化を実施しております。


  我が党は今定例会で、当面小学1年生までの通院費の無料化の条例改正を提案しましたが、残念ながら、自民、公明、区民連の賛同が得られませんでした。他区のように、通院を含む医療費の無料化の年齢引き上げは焦眉の課題と思いますが、区長の見解を伺います。


 23区助役会が、一昨年来、区長会下命のもとに、ごみ減量のための家庭ごみの有料化は、住民意識を高め、負担の公平性につながるという報告書を出しました。しかし、報告書にもありますように、有料化で減量効果が上がったのは当初だけで、むしろ数年でその効果はもとに戻り、逆に、お金を払うのだからといったモラル低下などが実施した自治体で示されています。


 ごみ減量は、住民意識を高めることにあり、家庭ごみの有料化はすべきではないと思いますが、いかがでしょうか。


 次に、地域産業の活性化について伺います。


 現在、地域産業活性化プランの最終案が所管委員会に示されたところです。前回ビジョンと比べて、まがりなりにも悉皆調査を行い、その上で我が区産業の置かれている状況を分析し、施策の方向を探るといった積極面を見ることができます。しかし、それが予算に反映しているかどうかというと、従来型であり失望するものです。


 前回の産業ビジョンができたときの産業振興予算は、10億円から12億円で推移していました。それに対して今度の予算案は、当時、中小企業融資基金として別項目になっていた預託金を除きますと、やはり12億3,000万円でほとんど変わらないものです。少なくともプラン作成の1年目ですから、頭出し事業を含め、思い切った予算の増額をすべきと思いますが、どうでしょうか。


 その上で、今度の予算を見ますと、まず目につくのが、景況調査の廃止であります。産業は絶えず動くものです。産業プランの二つ目の視点には、地域特性をとらえるとなっています。区内産業の実態を絶えず把握することが大事です。今までの景況調査が問題があるなら、我が党が求めてきた区職員による実態調査を今こそすべきと思いますが、いかがでしょうか。


 今度のプランで産学公の共同を重視していることは賛成です。しかし、緒についたばかりで、新製品新技術開発助成に50万円の上乗せとか、実施企業を呼んでの講演会の範囲にとどまっています。今後、ここから事業の糸口が見えてくることを期待するものです。


 これまでも我が党は、本所工業高校との連携を提起してきました。我が区の主な産業が地域密着型で小規模であるからです。


 工業高校、高専との交流も視野に入れるべきと思います。城東地域中小企業振興センターを活用することは言うまでもありません。いかがでしょうか。


 08年度に葛飾地区総合学科高校が開校します。工業コースもできますが、これまでの本所工業のすぐれた水準を継承したものとするよう都に要請すべきと思うがどうか。


 ものづくりの最も重要な担い手であるメッキ産業は、今、環境への負荷対策という厳しい規制が要求され、一方で、国際競争力に負けないだけの装飾や防食、耐磨耗性を向上させる技術力も求められています。しかし、個々の企業は零細であるために、独自の研究や専門研究員などの助言、指導を受けることができません。


 そこで、本区のメッキ産業の育成支援のために、理科系大学や専門技術者が常時共同で技術の研究や検討、あるいは意見交換などが行えるように、関係業界と協議の上、組織を立ち上げるべきと思うがどうか。


 さて、産学共同を葛飾農業の振興に取り入れることも賛成であります。


 ご承知のように、都の農業試験場江戸川分場及び中央農業改良普及センターは、小松菜の周年栽培や紫外線カットフィルム開発による低農薬栽培など、今日の葛飾農業の発展にとって大きな役割を果たしてきました。千葉大などの産学共同を進めるとともに、農業試験場江戸川分場や中央農業改良普及センターも、この連携に位置づけて取り組むべきと思うがどうか。


 今度の予算では、ふれあい商店街空き店舗活用事業として、2万平方メートル以上の大規模小売店が出店する地域の商店街に限って、空き店舗を活用する事業が提案されています。空き店舗は亀有だけではありません。2万平方メートル以上という面積要件の緩和を行い、全区に広げる必要がありますが、どうでしょうか。


 ところで、亀有の地元小売店舗の面積は2万3,000平方メートルです。これに対して、イトーヨーカドーは駅前再開発ビルと新たなショッピングセンターを合わせますと6万平方メートルとなり、地元亀有の小売店の3倍にもなります。とても商店街との共生と言えるものではなく、異常であります。


 大店法を廃止するとき、大店立地法、中心市街地活性化法、都市計画法の改正、いわゆるまちづくり三法がつくられましたが、全く効果がなく、むしろ大型店ラッシュという異常事態が全国に招来しています。


 現在、日本商工会議所を初め中小企業関係4団体からも、まちづくり三法の見直し要望が政府に出されておりますが、区も同様の要請を行うべきです。また、商業調整特別措置法の適用がなされるよう取り組むべきであります。


 同時に、長野市、金沢市などが、行政と大型店が話し合い、場合によっては計画変更や中止もあり得る商業環境指針、まちづくり条例づくりが始まっています。我が区でも、商業振興を考えてのまちづくり条例をつくる必要があると思いますが、それぞれ答弁を求めます。


 次に、防災対策です。


 23区消防団の分団本部の整備予算が、一挙に5倍に増額されました。私自身、この本会議場でも提案し、本区議会では全会一致で意見書を東京都に提案するなど、声を上げてきた結果であり、歓迎すべきことです。


 この予算を本区の消防団の充実に最大限生かすべきです。


 本区の所有する土地、施設等、例えば青戸慈恵医大横の公園予定地や、柴又の区営住宅の未利用地など、最大限に活用できるように調整に入るべきです。答弁を求めます。


 また、消防団の現状にかんがみ、予算増額を継続して都への働きかけを強めるべきと思うがどうか。


 来年度予算では、木造住宅建築物への耐震補強工事助成が行われます。我が党は、同制度の実施を繰り返し要求してきた立場からも歓迎するものです。


 しかし、一層の充実が必要です。


 一つは、いかにこの制度を多くの区民に利用していただくかです。


 この制度の目的は、何よりも住民の生命を守るために、震災時の建物の倒壊を防ぎ、避難、消防活動の妨げにならないようにすることです。対象となる住宅が3万件ですが、予算化された件数は37件と、1けたも2けたも少な過ぎるのです。積極的に予算を増額すべきです。横浜市のように、必要ならば補正予算を組んででも実施すべきであると思うがどうか。


 第二に、補助金額の拡大と耐震改修の無利子融資についてです。


 先ほど紹介した横浜市の補助額は200万円であります。その上、無利子の融資制度があり、助成制度と併用することができます。限度額も400万円です。そして、この制度の前提となる耐震診断は無料で実施されています。助成額の増額とともに無利子の耐震改修融資を創設すべきと思うがどうか。また、耐震診断は無料で実施できるように改善すべきと思うがどうか。


 次に、30人学級と学校警備についてであります。


 不登校やいじめ、学級崩壊、学力低下の問題など、今日の社会の中で、子供と学校は、これまでにない困難を抱えています。入学してしばらくしても学級が落ち着かない小1プロブレム問題が起こっている中、少人数学級の実施は、緊急で切実な課題になっています。


 既に42の道府県で30人学級などの少人数学級を開始しており、未実施は東京など5都県だけで、このうち石川県と佐賀県、岐阜県の3県は今後実施を表明し、香川県も検討を明らかにしています。唯一拒否をしているのは、東京都の石原都政だけです。


 他の道府県では、党派を超えて少人数学級に賛成しているのに、東京都議会では、日本共産党以外の自民、公明、民主が、知事言いなりで少人数学級に背を向けていることは重大です。(「そうだ」との声あり)


 ご承知のように、少人数学級に踏み出したところでは、学ぶ意欲が向上し、学校生活が楽しくなり、欠席日数が減るなど、生活面でも学習面でも大きな効果が上がっていることが報告されています。


 東京の公立小学校長会も、都教委に対し、小学校1、2年生の学級定数を30人程度にしていただきたいと求めているのであります。30人学級の実施を国に求めるとともに、都独自で行うよう要請すべきだと思うがどうか。また、都がやろうとしない場合、区の裁量で独自に行えるよう、都が協議と同意に応じるよう働きかけるべきと思うがどうか。


 さて、大阪寝屋川市の小学校教師の殺傷事件は、改めて学校の安全と警備のあり方を問いかけています。


 本区でも、01年の池田小学校事件をきっかけに、さまざまなマニュアルを作成し、監視カメラの設置、子供たちへの防犯ベルの貸与などをしてきました。その際にも私指摘したのですが、監視カメラを設置しても、それを見ている者がいなければ何の対応もできない、人的配置が必要で、警備員などの復活を求めたところです。


 しかし、区内学校のマンパワーの状況はどうなっているでしょうか。学童擁護員は廃止になり、シルバー人材センターへの委託で、登下校のみで、日中は空白。学校警備員は全校機械化で廃止。用務主事は、従来、複数体制でしたが、効率化の名のもとに集中作業班体制に組織がえされ削減され、各学校にはわずか1名配置です。その1名も今度は引き揚げることを検討しているというのであります。まさに、学校からマンパワーが奪われるという実態です。


 今度の寝屋川中央小学校の事件は、校長も教頭も教務主任も会議で不在で、職員室にはわずか数人の教師しかいない中で起こりました。葛飾区でも、同じような状況があるのではないでしょうか。


 大阪寝屋川での事件の教訓から、学校警備の強化のために、用務主事や警備主事、学童擁護員の復活などすべきと思うがどうか。


 次に、都区制度問題について伺います。


 ご承知のとおり、2000年4月の地方自治法等の改正により、特別区が基礎的自治体として明確になりました。長年にわたる自治権拡充運動によるものであります。しかし、都区間の役割分担や財源配分は積み残しとなり、05年度までに協議することが確認されました。いわゆる主要5課題問題です。


 ところが、都はここにきて、これまでの大都市事務に対して、大都市行政という新たな概念を持ち込んできました。そのねらいは何でしょうか。都区財調制度をこの際大きく変質させ、配分されるべき財源を都がひとり占めしようという動きであります。このようなルールを全く踏みにじる都のやり方は許すわけにはいきません。


 この背景には、東京構想2000の目指す東京改造、すなわち、財界戦略に沿って多国籍企業が利益となる都市再生のための財源づくりであります。


 今大事なことは、都区制度改革の原理・原則である大都市事務という自治法の規定に沿って議論すべきであります。


 そこで、都区制度問題の解決のために、23区が共同して、議会も挙げて、そして住民も巻き込んで大きな運動にしていく必要があると思いますが、その認識を伺います。


 また、そのためにも区民に広く理解してもらうことが肝要で、区の広報紙での特集記事や区民大会の実施など、広報公聴活動などを積極的に行うこと。区長会や都の意向など、適時適切に区議会に報告すべきです。


 また、昨年、都区共同で実施した小中学校の校舎建て替え需要の調査結果を公表して、議会と区民が共有すべきです。


 また、都市計画交付金については、都市計画公園の交付対象面積を2ヘクタール以下も認めるよう引き続き求めるとともに、まちづくり全般に対象を拡大するよう働きかけるべきですが、それぞれ見解を伺います。


 私は、質問通告に基づき代表質問をしてきましたが、平和の問題でも、暮らしの問題でも、私たちが住むこの日本は、重大な岐路に直面しているというふうに思います。


 国民の6割から7割は、9条を変える必要はないとし、また、大増税路線にも強い批判の声があります。このようなとき、地方自治体は、住民側に立って恒久平和の実現、住民の福祉増進など、自治体本来の立場からの取り組みを強めなければなりません。


 日本共産党は、これからも住民の目線に立って奮闘することを表明いたしまして、私の質問を終わります。


 ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○(丸山銀一副議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) 高橋信夫議員の平和事業推進についてのご質問にお答えをいたします。


 最初に、核不拡散条約再検討会議に関するご質問でございました。


 被爆60周年を迎えた本年2月10日、北朝鮮が核兵器の製造、保有を公式に宣言するという衝撃的なニュースが世界を駆けめぐりました。このように、核兵器をめぐる世界情勢が深刻さを増す中で開催をされる今年の核不拡散条約再検討会議は、核兵器廃絶の実現に向けてかつてない重要な役割を持った会議であり、本区も加入をしている全国市長会では、同様の趣旨から1月に核兵器の廃絶を求める決議を行ったところであります。


 区といたしましては、世界で唯一の被爆国である日本が全国市長会の決議等を受け、再検討会議で重要な役割を果たすことを期待しており、その活動を見守ってまいりたいと存じております。


 したがいまして、本区が単独で要請団を派遣することや各国首脳へアピールすることは現在考えておりません。


 次に、本区における非核平和関係事業の推進に関するご質問にお答えをいたします。


 本区の非核平和関係事業は、非核平和都市宣言区として日ごろから積極的に取り組んでいるところでありますが、平成17年が被爆そして終戦60年の節目となることから、さまざまな方からいただいたご意見等を踏まえて、毎年実施をしている事業に加え、節目の年にふさわしい事業を計画いたしております。


 具体的には、原爆写真ポスター展を区役所や2カ所の地区センターのほか金町駅自由通路において実施をするとともに、東京都平和パネル展も区役所と3カ所の地区センターで実施をし、多くの区民の方に非核平和の大切さと非核平和都市宣言区の周知を図ってまいります。


 ご提案の非核平和記念誌や学童疎開の記録につきましては、同様の内容の小冊子を戦後50周年記念の際に「永遠の誓い」という題名で発行をしておりまして、60周年の機会に改めて発行する考えはありませんが、今後、小中学校で行っている被爆体験講話会の記録を整理する際に、その他の戦争に関する記録についてのまとめも検討をしていきたいと考えております。


 広島、長崎への区民派遣や常設展示等につきましては、費用対効果やスペースなどの点から実施は考えておりません。


 次に、家庭ごみの有料化についてのご質問にお答えをいたします。


 本区において、資源循環型社会の構築に向けてさまざまなごみ減量施策に取り組んでいるところでありますが、最近のごみの排出量はほぼ横ばい傾向にありました。今後は、より一層ごみ減量のための施策を実施していく必要があると考えております。


 このような中、国におきましては、中央環境審議会における「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について」とした意見具申を行いまして、その中で普及啓発や経済的インセンティブ等による発生抑制、再使用の推進のため、家庭ごみの有料化の導入を推進すべきとしているところでございます。平成17年初めに、廃棄物処理法に基づき定められている基本方針の中に、家庭ごみの有料化について盛り込むという方向性が出されていると聞き及んでおります。


 また、23区においては区長会検討課題の一つとしてこの検討を行いました。その結果を1月の区民委員会において報告させていただいたところでございます。その概要としましては、各区においてごみ減量のためのあらゆる施策を十分に比較、検討し、あわせて住民に対して、ごみ問題の現状に対する理解を求めた上で、基本的には、各区がごみ減量等の課題に取り組み、効果的な有料化の施策の実現を目指すことが必要であるとしているところであります。


 家庭ごみの有料化を導入することは、区民一人一人にごみの排出者としての当事者意識を持っていただくことができ、意識改革、行動促進が図れることから、ごみの発生抑制につながるとともに、ごみの排出量に応じた費用負担の公平化が図られるなどのメリットがございます。これまでもごみ減量の効果的な施策として全国の自治体で検討、実施されてきているところであります。


 本区としましても、ごみの発生抑制については、資源循環型社会を構築する上でも重要な課題であると認識をしております。このため、平成18年4月に予定をしております葛飾区一般廃棄物処理基本計画の見直しに伴いまして、さきに設置をした葛飾区リサイクル清掃審議会においても、ごみの発生抑制について諮問をしており、家庭ごみの有料化についても審議事項の一つとして議論をされることとなっております。


 家庭ごみの有料化は、ごみの発生抑制という面では有効な方法の一つと考えており、導入に当たっては審議会の答申も踏まえた上で十分に検討をしていくとともに、次世代に環境負担を残さないためにも、避けては通れない課題であると認識をしております。


 次に、地域産業の活性化についてのご質問にお答えをいたします。


 まず、予算の増額をすべきとのご質問にお答えします。


 平成17年度の産業振興予算の編成に当たっては、区議会所管委員会にもご報告し、ご意見をいただきながらまとめました葛飾区地域産業活性化プランの方向に沿って、新たな事業の実施を含めた積極的な予算を編成しております。昨年度に比較をいたしますと、施設維持管理経費の削減やプラン策定の終了による減などの予算の減要因がございましたが、新たな産業振興策として産学連携事業の推進、創業安定支援利子補給制度の創設、仮称かつしか観光プランの策定、区独自の空き店舗活用事業の上乗せなど、新たな取り組みを数多く盛り込み、0.4%増の計28億6,000万円の予算を計上したところでございます。


 今後も、経済環境の動向を注視しながら、区内産業関係団体と十分な情報交換を行いつつ、その時々の状況に即した適切な産業振興策を積極的に展開してまいりたいと考えております。


 次に、産学公の共同についてのご質問にお答えをします。


 産学公の連携とは、本来、大学等の教育機関及び研究所と共同で新製品や新技術を開発することを指しております。したがいまして、対象としては、城東地域中小企業振興センター、工業高校、高専も視野に入っており、それぞれの持つ機能を最大限に活用してまいりたいと考えております。


 また、葛飾総合学科高校につきましては、本所工業と水元高校のこれまでの教育実績及び地域の状況を踏まえた上で、地域産業と文化の振興等に貢献する学校を目指すというように聞いております。現段階は、今後の具体的内容を注視すべき時期であろうと考えておりますので、特に改めて東京都に要請する必要はないかと考えております。


 次に、産学共同での農業振興事業についてのご質問にお答えをいたします。


 本事業は、千葉大学などとの連携により、時代に即応した技術の研究や地域の需要に応える新しい農産物の研究などを実施し、新たな農業経営や販路を開拓することで将来性のある産業として、都市農業を推進していくことを目的として実施をするものであります。


 ご質問の都立農業試験場江戸川分場との連携でございますが、今後、江戸川分場と本事業への連携が図れるかどうかということを調整してまいりたいと考えております。


 次に、耐震補強工事助成、耐震改修融資及び耐震診断に関するご質問にお答えをいたします。


 建築物の耐震補強等を進めるために、さきの区議会本会議でのご質問においてお話をしましたように、現在、木造建築物の耐震改修助成制度の創設に向けて準備を進めており、平成17年度予算にその経費を計上したところでございます。


 この助成経費は、今まで行ってきた耐震診断を踏まえて、耐震改修を行った実績や本区における年間の木造建築物の建設状況や制度の活用状況を見据えて算出したものでありまして、現段階では妥当なものであると考えております。


 しかしながら、こうした木造建物の耐震補強を促進していくためには、進めやすい環境の形成も大切であり、地元金融機関も含めてより利用しやすい融資制度が図られるように働きかけの検討を行ってまいりたいと思います。


 また、木造住宅の耐震診断につきましては、阪神・淡路大震災を契機といたしまして、木造住宅を所有する方々を対象に、住宅の耐震性能を認識していただくとともに、耐震改修や建て替えの契機としていただくために、耐震診断に関する費用の一部を助成しているものであります。


 今後につきましても、現状の助成比率、助成額をもって制度を運用してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いを申し上げます。


 都区制度問題についてのご質問にお答えをいたします。


 平成12年の特別区制度改革において残された課題として、いわゆる主要5課題があり、これを検討するため、平成15年3月に都区検討会が設置をされ、現在、大都市事務検討会、清掃関連経費検討会そして小中学校改築等検討会に分かれて精力的に協議を進めております。


 都区検討会の検討状況につきましては、昨年設置をされました都区制度調査特別委員会にご報告をするとともに、区民の皆様のご理解を得るために、都区制度改革のPR資料を広報かつしかや区のホームページに載せてお知らせをしてきたところであります。


 今後も、ご質問にありました、東京都が示した大都市行政についての考え方や都区共同で実施をした小中学校の建て替え需要についての調査結果などを、適宜、所管委員会に報告をするとともに、区民の皆様にもお知らせをしてまいりたいと考えております。


 また、都市計画交付金につきましては、都区双方の都市計画事業の実施状況に見合った財源配分の検討とあわせて、都市計画交付金の対象事業等についても協議の中で主張をしてまいりたいと考えております。


 検討期間も残すところ1年と時間がなくなってきております。今後の協議におきましては、都区の見解の相違点を中心に議論を進め、平成17年度中にまとめたいと考えております。そのため、区長会による都知事への要請行動の実施や都議会議員への働きかけはもとより、何よりも区議会や区民の皆様のご理解をいただきながら、一体となって東京都へ強力に働きかけ、これからの協議を実効性あるものにしてまいりたいと考えております。


 いずれにいたしましても、葛飾区を初めとする特別区は、東京都の内部的団体という性格から自立をして、清掃事業などの区民にとって身近な事業をこれまで以上に展開して、責任ある行財政運営を推進していかなければなりません。そのためにも、今回の都区協議の成功が不可欠であり、それが区民の皆様の期待に応えることにつながるものと考えております。


 その他のご質問につきまして、所管の部長より答弁をいたさせます。


○(丸山銀一副議長) 高齢者支援担当部長。


○(西村政次高齢者支援担当部長) 寝たきり・在宅高齢者福祉事業等の自己負担の導入や対象者の見直しのご質問についてお答えいたします。


 自立支援住宅改修費助成や寝具乾燥消毒等、介護保険事業外の一般施策につきましては、平成12年度の介護保険制度導入に伴い、介護保険と同様に1割程度の自己負担が基本的な考え方でございましたが、介護保険導入以前は無料で実施していた事業もあり、激変緩和として低所得者の負担は免除してまいりました。


 しかし、介護保険制度導入後5年目を迎え、介護保険制度も定着したこと、また、サービスに伴い1割を負担している介護保険サービス利用者及び助成を受けることができない区民との負担の公平性から、受益者負担の考え方を導入したものでございます。生きがい型デイサービスの利用料も公平性の観点から徴収するものでございます。


 紙おむつ支給事業につきましては、紙おむつを支給するのは、大量に紙おむつが必要な高齢者を介護する家族の経済的負担の軽減を図るためものでございます。国・都もそうした趣旨に沿って、要介護4・5の方に対する経費を補助の対象としております。


 区におきましても、紙おむつ支給事業の検討に当たっては、高齢者の排せつをめぐる状況や、生活、介護の実態、配送している紙おむつの使用状況などを十分検討し、事業の趣旨に沿って見直したところでございます。したがいまして、もとに戻すことは考えておりません。


 次に、区施策の所得制限を緩和させることが必要だというご質問にお答えいたします。


 紙おむつの支給やシルバーカーの給付は、経済的負担の軽減を目的としております。したがいまして、この施策を実施するに当たり、真に経済的負担の軽減が必要な区民を対象者とする必要がございます。このため、客観的、公平な基準として住民税の非課税という基準を採用しているものでございますので、区施策の所得制限を緩和させることは考えておりません。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 福祉部長。


○(都筑順三福祉部長) 国民健康保険料の均等割額引き上げを撤回すべきとのご質問についてお答えします。


 ご案内のように、特別区における国民健康保険料は、同一所得、同一世帯構成であれば同一保険料にするという考え方で、統一保険料方式による設定をしているところでございます。


 平成17年度の国民健康保険料は、医療費の増大に対応して均等割額を引き上げさせていただく一方、中間所得者層への負担の偏在を改善するため、所得割料率を据え置くことといたしました。また、本区では低所得者層への配慮として、従来から実施している均等割額の7割、5割の軽減に加え、新たに2割の軽減も実施してまいります。


 今後とも、保険料の分納などきめ細かな納付相談を実施するとともに、電話催告の一層の充実等により滞納者の減少に努めてまいる所存であり、均等割額の引き上げを撤回する考えはございません。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 教育次長。


○(小川幸男教育次長) 就学援助のご質問についてお答えいたします。


 ご指摘をいただきました法案は、三位一体改革の一環として出されているもので、補助金として交付する対象を、要保護及び準要保護児童・生徒から、要保護児童・生徒のみとし、準要保護世帯については、税源移譲として所得譲与税の増額という形で地方に移し、全体として税源は確保される枠組みと認識しております。


 今国会に提出されている法案につきましては、地方分権という観点から審議の推移を関心を持って見守っていきたいと考えております。


 なお、就学援助を拡充すべきとのご意見につきましては、平成11年度に見直しを行い、現基準が適正であると考えておりますので、現時点では本区の援助の基準に手を加えることは考えておりません。


 次に、学校安全に関するご質問にお答えいたします。


 大阪寝屋川市での事件については、大変遺憾なことであり、本区としても、安全管理の見直しが必要であると考えております。そのため、カメラつきインターホンの設置や電子錠式の扉を玄関に設置するなどのハード面での新たな対応や教職員等による防犯対策の充実などソフト面での対応を充実、強化したいと考えております。


 ご質問にあります用務主事や学童擁護、学校警備の職についてですが、それぞれの職は、学校の維持管理や児童の交通安全誘導、深夜から明け方にかけての警備のために設置されてきた職であり、現在は、集中作業班の新設やシルバー人材センターによる安全誘導、レーダー感知による機械警備といった業務方法に変更しており、それに伴い職員配置の見直しを行ったものであります。


 したがいまして、学校の安全対策を講じていく必要はありますが、そのために職員数を増やしたり、これらの職を復活させることは考えておりません。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 子育て支援部長。


○(筧  勲子育て支援部長) 保育料の値上げ等に関するご質問にお答えいたします。


 本区の保育料は、国の徴収基準に比べると50%を下回っており、他の自治体に比べても低い水準にあります。


 また、第2子以降の保育料につきましては、所得階層に応じて、保育料を50%から70%までに減額して設定していることから、既に保育料の負担の軽減が図られているものと考えております。(「値上げじゃなくて値下げでしょう」との声あり)


 次に、子供の医療費の無料化についてお答えいたします。


 乳幼児医療費の助成対象の拡大につきましては、経済的な負担の軽減を望む声も多いことから、すべての子育て家庭への支援の一つとして、小学1年生から中学3年生までに年齢拡大をして、特に負担の大きな入院医療費について助成することにいたしております。通院も含めて助成することとなると、多額の財政負担を生じることから、現時点では考えておりません。(「議長、値下げと言ったんだよ」との声あり)


○(丸山銀一副議長) 地域振興部長。


○(高橋成彰地域振興部長) 景況調査についてお答えいたします。


 景況調査につきましては、東京都信用金庫協会に委託して調査を行ってきたところでございますが、東京都でも実施しており、毎月インターネット上で公表が行われており、この調査内容と本区の景況調査の内容を比較したところ、大きな違いはないことから、本区独自の景況調査委託につきましては廃止としたものでございます。


 また、職員による実態調査につきましては、例えば活性化プラン作成に当たって各団体と幹部職員が直接実情を伺う作業を行ったり、工業、商業、農業の各振興会議において実情を聞きご提案をいただくなどを行っているほか、通年にわたりあらゆる機会を通して情報交換を行っているところでございます。


 今後とも、さまざまな機会をとらえて事業者の実態の把握に努めてまいりたいと考えております。


 次に、メッキ産業についてのご質問にお答えします。


 本区における産学公の連携に当たっては、異業種交流会など新製品・新技術開発に実績のある団体を母体として、産学公の連携へ向けたテーマの設定などについて、広く区内産業関係者の意見交換が行える組織づくりや場づくりを行いつつ推進したいと考えており、現段階において特定の産業団体を念頭とする産学公の連携は想定をしておりませんが、今後の各業界の動向に対しては十分な情報収集と意見交換をしてまいりたいと考えております。


 次に、ふれあい商店街空き店舗活用事業における面積要件についてのご質問にお答えします。


 この制度は、従来の出店規模を超えるような大型の計画に対して、地域の商店街が消費者サービスの充実と商店街の魅力向上を目的とした空き店舗活用事業の機運があることから、新・元気を出せ商店街事業の補助に区が独自に上乗せを行うもので、改装費や家賃助成並びに助成期間において拡充を図った新たな商店街支援策であります。


 また、条件が合致すれば区内全域が対象となる制度です。特別な支援策との位置づけにあることから面積要件を設定したもので、緩和するものではないことをご理解いただきたいと思います。


 次に、商業調整特別措置法の適用についてのご質問にお答えします。


 この法律は、大企業が物品販売事業を開始することなどにより、中小小売り商業者との間で生じる紛争解決等のための緊急避難的な措置を規定しているものであり、商業調整を目的としたものではありません。


 したがいまして、大店立地法に基づく手続を行っているイトーヨーカドーショッピングセンターに対し、区として東京都に商業調整特別措置法の適用を求める考えはございません。


 次に、まちづくり三法の見直し要望を区も行うべきとのご質問にお答えします。


 日本商工会議所を初めとする4団体から、昨年7月に、まちづくり三法の見直しについての要望が国に出されていることについては承知しております。国においては、大店立地法の指針の見直し作業が現在進められており、さきの要望にもございます生活環境への配慮としての地域防犯への協力や大型店の地域社会への貢献の概念などを含む改定の概要案が昨年12月に示されたところであります。また、これに対して区も大型店も地域の一員として社会的責任を果たす必要があるとの立場から東京都に対して意見を伝えております。本区としても、現在、審議の経過を見守っているところであります。


 次に、商業振興を考えての町づくり条例をつくるべきとのご質問にお答えをします。


 お話にありました長野市の商業環境形成指針は、車社会の進展等に伴う郊外への大型店の移転、進出が進んでいるため、中心市街地における商業機能の空洞化を防ぎ、バランスのとれた商業施設の適切な誘導、配置を目的としております。また、金沢市の条例は、良好な商業環境の形成など住みよい都市環境づくりについて規定されておりますが、いわゆる商業調整については対象としていないと認識しております。


 いずれにしても、本区においては、従来から、地域や消費者に貢献する商店街づくりの活動などを支援してまいりましたが、新たに策定した葛飾区地域産業活性化プランに沿って、今後も、商店街の主体的な取り組みを積極的に支援する考えであり、商業調整を前提とする条例を制定する考えはございません。


 次に、産学共同での農業振興事業についてのご質問にお答えをします。


 本事業は、千葉大学などとの連携により、時代に即応した技術の研究や地域の需要に応える新しい農産物の研究などを実施し、新たな農業経営や販路を開拓することで将来性のある産業として都市農業を推進していくことを目的として実施するものであります。


 ご質問の都立農業試験場江戸川分場との連携でございますが、今後、江戸川分場と本事業への連携が図れるか調整をしてまいりたいと考えております。


 次に、消防団に関するご質問にお答えをいたします。


 消防団分団本部の整備につきましては、土地の確保を含め、東京消防庁が所管となります。したがいまして、まずは都有地等を活用して整備すべきものと考えております。


 しかしながら、消防団は、地域に密着した防災業務をしていることから、区といたしましては、消防団のご要望を都の関係部局に伝えて、実現を図る努力をこれまで同様行うほか、東京消防庁から具体的な協力要請がありましたら、個別に検討をさせていただきたいと存じます。


 また、分団本部整備費に関しての都への働きかけにつきましては、地元消防署や消防団の意向等を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 教育振興担当部長。


○(柏崎裕紀教育振興担当部長) 30人学級の実施を国や都に要請すべきであるというご質問についてお答えいたします。


 平成16年11月の第4回定例会一般質問でお答えいたしましたように、学級の人数と教育効果につきましてはさまざまな研究がなされており、一概に学級規模として、どの程度の規模が最適であるかについては明確な答えが出ておらず、さまざまな見解があるのが現状でございます。そのような中で、本区としても今後、学級規模による教育的効果について研究を進めてまいりたいと考えております。


 したがいまして、現時点においては、30人学級に関する今後の国や東京都の動向を関心を持って見守ってまいりたいと考えております。


 以上です。


○(丸山銀一副議長) 子育て支援部長。


○(筧  勲子育て支援部長) 先ほど、「保育料の値上げ等に関するご質問」とお答えいたしましたが、「保育料の値下げ等に関するご質問」でございます。大変失礼をいたしました。訂正させていただきます。


○(丸山銀一副議長) 24番、鈴木なおひろ議員。


〔24番 鈴木なおひろ議員 登壇〕(拍手)


○24番(鈴木なおひろ議員) 私は、葛飾・民主・区民連合を代表し、区長の所信表明を受け、通告順に区長並びに教育長に質問をいたします。


 まず初めに、三位一体改革に関する本区の対応について伺います。


 我が国の経済は、上昇機運にあると言われておりますけれども、2月4日、内閣府が発表いたしました昨年12月の景気動向指数は、景気の動向を示す一致指数が33.3%となり、景気が上向いているかどうかの分岐点を示す50%を2カ月ぶりに下回っております。昨年8月から12月までの5カ月のうち4カ月で50%を割り込んでおり、景気の停滞感が鮮明になっております。


 また、厚生労働省が2月1日に発表いたしました平成16年の毎月勤労統計調査によりますと、企業の雇用形態の見直しにより正社員は7年連続で減少、この分パート労働者が増加し、全体を下支えしております。労働者全体の月額給与は0.7%減の33万2,000円となっております。


 このような背景が年金保険料の大幅な減収にも関連し、2月1日の参議院予算委員会において村瀬社会保険庁長官が、平成16年度の国民年金、厚生年金の両年金の収納見通しにつきまして極めて厳しい状況になると答弁をしております。加えて、平成16年度の予算計上額より国民年金が2,600億円、厚生年金が5,000億円ほどの減収との見通しを明らかにいたしました。


 政府の郵政民営化議論も結構でございますけれども、まずは多くの国民が望んでいる景気の回復策や年金などの将来不安感の解消を優先して取り組むべきと考えております。


 このような背景のもと、本区の平成17年度予算案が編成をされました。総額2,333億円、前年比、額において29億円、率にして1.2%の減となっております。一般会計は1,360億円、前年比、額で56億円、率で4%の減となっております。住民税減税補てん債の満期一括償還及び借換に関する経費の影響を除くと実質で20億4,000万円、率で1.5%の増となっております。この背景は、都収入の改善による特別区交付金の増による影響があるものの、行財政改革アクションプランや行政評価制度の活用により聖域のない事務事業の見直しや適正負担の推進による歳出入面で改善を図った結果であります。その努力を高く評価をいたします。今後も、財源確保に向け限りない努力を求めるものであります。


 本年度の事業で特に目立つのが、明日の元気づくり事業であります。


 大学誘致、地域スポーツの活性化、元気なまちづくりを三本柱にしております。予算規模は3,000万円とまだ調査段階でございますけれども、これらの事業が具体化されれば、葛飾区は大きく変貌するものと大いに期待をしております。


 本区のこのような地道な努力も、国が進めている三位一体改革の動向によって大きく変化することが予測をされます。


 本区の17年度予算における影響は、養護老人ホームなどの保護費で1億4,000万円を初め、福祉や子育てに関係しトータルで3億800万円の国庫補助負担金が減少いたしました。反面、所得譲与税の歳入増が7億4,000万円あり、トータルで4億7,000万円の歳入の増となっております。しかし、前年度と合わせたトータルで2億円の財源不足、これも前年度同様、都区財政調整制度の中で算定され、結果として大きな影響はありませんでした。しかし、予算編成上、大変不安定な状況が続いております。


 三位一体の改革は、文字どおり地方分権の理念を踏まえ、歳出面で国の関与の廃止・縮減により地方の自由度を高めるとともに、歳入面では地方税のウエートを高めることを基本とすべきであり、その際、税源移譲、地方交付税の見直し、国庫補助負担金の廃止・縮減などの改革を同時並行して一体のものとして相互にバランスを図りながら進めていくことが重要であると思います。国庫補助負担金の廃止・縮減のみが先行実施され、税源及び権限移譲を含む見直しが先送りされたり、不明確であってはならないと思います。


 しかし、本年2月2日の予算委員会での小泉総理の答弁では具体的内容が示されませんでした。今後、税源移譲が十分でなかった場合は、住民へのサービスの低下や住民の負担増は避けられず、特に福祉、教育及び子育て事業には大きな影響が予想をされます。


 区長はこの件につきまして、平成16年第1回定例会の所信表明の答弁の中で、三位一体の改革が実情に応じた施策を展開することのできる、真に地方分権を実現する改革となるように、そしてまた、国と地方のみならず、都道府県と市区町村との間の役割分担や財源配分について適切なものになるよう区長会や、さまざまな機会を通じて国や都に働きかけをしていくと述べております。


 ここで、まずお伺いをいたします。


 区長はこの1年、国・都及び区長会にどのような働きかけをしたのかお伺いをいたします。また、その成果はどうであったのか、あわせお答えを願います。


 次に、三位一体の改革は国庫補助負担金などを通じた国の関与を縮小し、税源移譲によって地方自治体の自主性を強く求めているものであります。三位一体の改革に対し、国が地方の声をきちんと受けとめてくれるならば、地域住民のニーズの高い施策の選択、展開が容易となり、地域住民の地方公共団体に対する満足度が大きく向上することが期待できると考えます。


 区長は、みずからの目と耳で現状の把握をした上で、財政的自立を促進し、区民の福祉向上を担う責任を明確にし、安易に国や都に頼らずに自助努力を進める制度設計が必要と考えます。


 以下、質問をいたします。


 区長は、この三位一体の改革を受け、1、本区への影響をどのように受けとめるのか、見解を伺います。


 2、行財政改革アクションプラン終了後の行財政改革をどのように取り組むのか、お伺いをいたします。


 3、本区の将来像をどのように描くのか、ご見解をお示しください。


 次に、2項目めの教育行政についてお伺いをいたします。


 初めに、小学校の教室の冷房化に伴う夏季休業日の短縮についてであります。


 小中学校の冷房化を進める条件は、教育振興ビジョンにうたわれているとおり、都市のヒートアイランド現象による高温化で、夏休み前後の学習環境は著しく低下をしています。したがって、学習環境の向上を図る観点から、教室の冷房化を図ることであります。本来ここで打ち切ってもよかったと思いますが、中学校の夏季休業日の短縮を導入いたしました。このたび小学校の教室冷房化にあわせて夏季休業日短縮の考え方が示されております。


 中学校の場合は、標準授業時間の確保や特色ある学校づくり、高校進学、学習環境が乱れ、クラスによっては思うように授業ができない。部活動など夏季休業日短縮に向けての理由づけに説得力がありました。したがって、私どもも賛成をいたしました。しかし、本来学習環境の整備に伴う冷房化と夏季休業日の短縮とは別な時限なものであり、安易に関連づけするのは理論的に無理があると思います。(「そのとおり」との声あり)要するに、学習時間は新学習指導要領に基づくものであって、基本的にはこの内容が改善されない限り抜本的な解決はあり得ないと考えます。


 話は少しそれますが、教育振興ビジョンを策定するに当たり、その参考に資するために、平成15年6月に小中学校の生徒及び保護者に対してアンケートの調査を行っております。この中に、学力を高めるために学校で取り組んでほしいことは何かとの問いに、保護者で一番多い要望は、子供の興味、関心や学習レベルに応じたきめ細かい授業を実施することで、小中学校とも80%を超えております。そして2番目は、放課後や夏休みなどにわかるまでじっくり教える機会をつくること。小学校で63%、中学校で70%であります。そして授業の時間をできるだけ多く確保することは、調査項目9項目中の下から3番目、小学校で31%、中学校で34%であります。


 また、今後、学校の取り組みとして大切だと思うことは何かとの問いに対しまして、一番多いのは、研修の充実などを通じて教職員の資質や能力を高めること、小学校66%、中学校70%でありました。2番目は、学校独自の取り組みを行い、特色ある学校づくりを進めること、小学校54%、中学校58%であります。


 そして、特徴的なことは、小学生の保護者は、放課後、学校でスポーツや遊びなどの活動をできるようにすることが70%と多くの希望が寄せられております。


 ここから見える保護者の学校教育への意向は、個人の能力に見合うきめ細かな指導をしてほしい。そのためには、教員の能力や資質の向上が不可欠だと訴えております。そして、学校経営も地域実態や校風などによる特色ある学校づくりを望んでいるものと考えられます。また、放課後などの自由時間には安全な場所で伸び伸びとスポーツや遊びを楽しめる居場所づくりを強く望んでいるものと判断できます。


 これらの状況から、小学校における夏季休業日の短縮は、関係者からの理解を得ることは大変難しいのではないかと思っております。


 ここで、質問いたします。


 1、夏季休業日の短縮を平成18年度実施で検討していると聞きますが、短縮する理由を具体的に伺います。


 2、学校の冷房化と夏季休業日の短縮を安易に結びつけるものではないと思いますが、見解を伺います。


 3、アンケート調査などの意向にある1、生徒へのきめ細かな指導。2、教職員の資質の向上。3、特色ある学校づくり。4、放課後安心して遊べる居場所づくりなどの課題を夏季休業日短縮検討の前に具体策を実現し、保護者、児童、関係者との信頼関係を築くべきと考えますが、見解を伺います。


 続きまして、別な角度から申し上げれば、日本は諸外国から働き過ぎ、詰め込み教育、受験地獄、学歴社会と指摘され、余り改善されていないのが現状であります。諸外国では夏にもなれば家族で1カ月程度休暇を取り、海や山でバカンスを楽しむ。子供には家族とのふれあいを通じまして生活習慣や善悪の判断など発達過程の人間形成や教育の場として大きな役割を果たしております。


 21世紀に入り、我が国も真にゆとりある生活の実現に向け、絵にかいたもちにならぬように、それぞれが真剣に努力する必要があると思います。少なくとも将来の日本を担う教育現場では、そうした考え方が定着するよう十分配慮すべきと思います。夏季休業日の短縮はあまりにも寂しい議論と言わざるを得ません。


 ここで、質問をいたします。


 諸外国との比較において、夏季休業日の過ごし方をどのようにとらえているのか、関係を伺います。


 最後に、教育委員会がマスコミとの対応で、夏季休業日の短縮によって教員と児童のふれあう時間が増えると、短縮への効果の一端を述べていますが、逆に保護者と児童とのふれあう時間が少なくなるわけであります。このマイナスをどうするのか。あまりにも学校中心の考え方であり、日ごろどのような努力をしているのか、お伺いをいたします。


 次に、学校自由選択制導入後の成果と課題について伺います。


 学校の自由選択制は、既に小中学校において導入されており、徐々にその成果があらわれているものと理解をしております。


 導入に当たってのポイントは、特色ある学校づくりが進められる。教育の内容や質が向上する。子供の個性や能力を伸ばすことができるなどの成果が期待できるとの判断であったと思います。


 まず、ここで質問をいたします。


 導入後、どのような成果を上げているのか、お伺いをいたします。


 一方、導入に当たって心配な点も指摘をされておりました。それは、特定の学校へ希望者が集中する。学校間格差が拡大する。学校の地域での求心力が低下するなどでありました。この心配された点は既に具体的事例が見受けられます。


 本区のある中学校では、20校を超える小学校からの入学希望者がいて定員を超えた。片や60人程度の希望者しかなく、定員を大きく下回った。それぞれ原因があると思いますが、これらの事態は今後も拡大するものと想定されます。


 ここで、質問いたします。


 ここから考えられる問題として、定員を大幅に下回っている学校は、1、安定した学校運営に支障が生じる。2、PTA活動が低調になる。3、教員の配置やゆとり教育に影響を生じる。4、部活動に支障が生じるなどがあります。また、他地区からの入学希望者が多い学校では、地域との連携に苦労しているこれらの問題をどのように解決するのか、見解を伺います。


 次に、教職員の処遇について伺います。


 少子化に伴う学級数の減少などで、部活動の指導に当たる教員が減少し、部活動に影響が生じていることは今までも指摘をされております。あわせて、部活を支援する教員の負担は年々厳しくなっております。クラブによっては朝練、放課後、さらには土曜、日曜と活発に行われております。部活動に余り関与していない教員や指導時間の少ない教員と比較をいたしますと、私的部分の犠牲は大変大きいと思います。また、放課後や夏季休業日の時間を活用し補習的発展授業に当たっている教員もまた同様な苦労をしております。


 教員の立場からすれば当然との見方もあるかもしれませんけれども、企業で働く者であれば、このような場合には当然賃金とか代替の休日が保障されております。教員が無償でよいとは思えません。


 本区においては、教育振興ビジョンの教職員の資質能力の向上の項目で、努力している教職員に対し表彰制度を導入いたしました。励みになることと思われます。


 ここで、質問いたします。


 私的時間の多くを部活動や補習的発展授業に協力している教職員に対して、それに見合った処遇を検討すべきと思いますが、いかがでしょぅか。ご見解を伺います。


 3項目めの子育て支援事業についてお伺いいたします。


 本区の平成16年4月における保育所入所の待機児童は、公私立合わせてここ5年間最高の184人となっております。このことは保育需要率が平成12年の31.4%から年々上昇し、16年には34.9%となっているデータからもうなずけます。本来、出生率が低下すれば保育需要率が減少してもよいわけですが、逆になっていることは、女性の社会進出が年々進んでいることと関連をしております。


 これまでも子育て支援策、特に保育事業の充実は論議が行われておりますけれども、抜本的な解決策を見出すことは難しい状況にあります。


 片や幼稚園児は1978年をピークに大幅に減少し、既存の園でも定員割れが目立ちます。三鷹市では、ある幼稚園を本年3月で閉鎖、給食設備を増設し、来年4月からは保育園に転換、残りの園も平成18年度末にすべて消えることになりました。大田区は、平成20年度までに九つの区立幼稚園を全廃する条例を区議会で可決をいたしました。このように、公設幼稚園の運営と存在が大きな岐路に立たされております。


 もともと幼稚園は戦後のベビーブームなどの人口増加の傾向の中、幼稚園への入園希望者が増加し、公的機関がその受け入れに力を注いできた。しかし、その後、私立幼稚園が充実し、多くの自治体は新規に開園する必要がなくなり、幼稚園への受け入れは完全に公から私へと大きく流れが変わりました。


 ここで、質問いたします。


 区立幼稚園の5園体制及び管理運営の見直しを行うべきと思うが、見解を伺います。


 一方、保育園に入園希望者が増える一方です。


 そこで国が打ち出したのが、幼稚園と保育園を一体化した総合施設づくりであります。4月からモデル園がスタートいたします。各地でこれを先取りした幼保一元園が出現し、東京におきましても千代田、品川、そして隣の足立区も導入をしております。なぜ、幼保を一体化する考え方が示されたのかといいますと、幼稚園が少子化対策の有効資源として注目されてきたことです。本来、昼過ぎに終わるのが原則でありますけれども、実態は7割近くがそれ以降も残る児童がいる、いわゆる保育園化が進行中なのであります。


 しかし、ここでいつも議論になるのが、幼稚園は教育機関だとする考え、いわゆる独自教育に行き着きます。独自教育とは、文科省の要領によりますと、相手を思いやる力や基礎的な生活態度を養うことなどを示しています。同要領は、保育園でも使われており、現場では両園の生活に違いを見出しがたいとの指摘もあります。


 私は2月8日、足立区おおやた幼保園を訪問し、児童の姿や園長さんから状況や課題等を伺ってきました。


 足立区は、あだち幼児教育振興プログラムを15年7月に策定をいたしました。この中に、区立幼保園の設立がありました。目的は、幼稚園と保育園は基本的目的や役割の違いはあるものの、子供を保育するという点では共通であって、保護者のニーズや抱える課題も類似している。そこで、幼保双方の持つ機能、これは教育と保護、そして資源、これは幼稚園の教諭と保育士の人材、施設などを融合させて新しいタイプの幼児施設を設置いたしました。


 保育の実態は、1歳から3歳の入園条件は認可保育園の入園と同じで、保育時間は午前7時30分から午後6時30分、4歳から5歳児は保育時間が午前9時から午後2時のコース、午前9時から午後4時のコース、そして午前7時30分から午後6時30分のコースと三つのコースがあります。午前7時30分から午後6時30分は長時間の保育となり、保育園と同様に保育に欠ける状況を証明する書類の提出が必要となっております。


 訪問したときは、ちょうど発表会のリハーサル中であり、5歳児が太鼓、タンバリン、カスタネットなどで演奏、並びに合唱を披露しておりました。2から4歳児がそれを見学していました。子供たちの姿からは、幼保の垣根は全く感じませんでした。園長さんは、運営に当たり、今のところ大きな支障はない。基本は教諭や保育士の意識改革が第一であり、そして保護者のゆとり度をいかに高めるかにあると言われておりました。保護者からは、幼稚園からの延長の人は、園の行事が少なくなく、園での子供と接する時間が短くなったとの指摘があります。逆に保育園児の保護者からは、行事が多く勤務との調整が大変とのことでありました。まだ開園して1年未満であり課題もあるが、園の特色を十分発揮していきたいと述べておりました。


 本区においても、子育て支援策の充実は重要な課題であって、区立幼稚園はもとより私立幼稚園の経営の安定という立場からも、行政として助言、指導すべきではないかと考えます。


 ここで伺います。


 幼稚園と保育園の一体事業を導入すべきと思いますが、ご見解を伺います。


 4項目めの総合行政パトロールの導入について伺います。


 区民よりの安全、安心そして環境の整ったまちづくりへの要望は大変高いものがあります。最近の動向として、大阪府寝屋川市の教職員殺傷事件を受け、警察官の校内パトロール、保護者や委託によるパトロールの強化、正門のオートロック化など各自治体ともその対策に追われております。本区も何らかの検討がされているものと考えます。


 安全、安心そして環境の整ったまちづくりに関し本区が取り組んでいる事業のうちパトロールによる監視事業や除去作業が伴う事業は、予定されている新規事業も含め、不法投棄防止事業、商店街などのクリーンアップ収集事業、放置自転車対策事業、違反広告物除去事業、地域安全活動事業、カラスの巣撤去事業、PTAによる青少年指導パトロール、葛飾区きれいで清潔なまちづくりに関する事業、今後予定される寝屋川市事件と関連する学校パトロールなど多岐にわたっております。これらの事業は、今、事業単位ごとにパトロールなどの監視事業や除去作業を行っている、または行おうとしているのが現状です。いわゆる一行動、一目的なのであります。一応事業目的は達成しているものの、効果、効率面を考えるともう一工夫が必要と考えます。要するに、一つの行動で多目的を達成する仕組みを検討することであります。そのためには、縦割りの枠を外した上で事業間の連携や相互調整を図り、各種パトロール事業、監視事業、除去事業を統一し、仮称ではございますけれども、総合行政パトロール制を導入すべきと思いますが、ご見解を伺います。


 5項目め、最後の防災対策についてお伺いをいたします。


 阪神・淡路の震災から10年たった今、多方面からの検証が行われております。これまで余り知られていなかった事実などが報告されておりました。


 まず、救助の状況ですが、トータルで3から4万人の方が救出をされ、このうち約5,000人が自衛隊、消防、警察、消防団で、残りの方は地域の協力によって救出をされていました。このように、救出された大多数の方は隣近所の協力、助け合いのもとに救出されております。防災市民組織とか自主防災組織といった横断的な組織や行政指導の組織は発災時においては十分な機能が発揮されていないことが判明をいたしました。


 また、被害に遭った直後、助かった人で救出作業に協力した人は20から30%程度で、残りの人はただ茫然自失、何もせずにただ救助を待っている状況でありました。ただし、だれかリーダーがあらわれて指示を出しますと、ほとんどの方が素直にその指示に従ったとのことであります。


 以上の実態からわかることは、隣近所の協力が第一、いわゆる初期応動体制の充実が大変重要であります。また、リーダーが存在し的確な指示を出すことで救助や復旧作業が急速に進むことです。


 まず、ここで3点質問をいたします。


 1、隣近所の協力体制の組織化を推進すべきと思いますが、見解を伺います。


 2、防災リーダーの育成を強化すべきと思いますがどうか、見解を伺います。


 3、防災体験研修の観点から地域代表の被災地視察を計画すべきと思いますが、見解を伺います。


 次に、地震が起きたときにどこにいたときが一番被害に遭うかをアンケートなどで調べますと、高層ビル、地下鉄、地下街と答える人が大多数であります。その中で自宅と答えた人は1%程度でありました。実際はどうであったか、死亡した方の95%が自宅の損壊により命を落としているわけであります。皆が最も安全と答えた自宅が最も危険な場所でありました。反対に、我々がふだん危険と思われる施設の被害が少なかった、これは設置基準や点検基準が厳しいことで大きな揺れにも対応できたものと考えられます。


 我々は年間、自宅で最も過ごす時間が多い。その中でも、寝室での時間が最も長いわけであります。阪神・淡路の震災は、発生時間が早朝であったため、寝ている人が最大の被害を受けている。これからわかるように、地震災害に出会う場所は自宅で、かつ寝室であることがわかります。したがって、この場所を補強することで多くの命が助かることにつながります。また、寝室に限らず、建物内の1カ所を補強すれば、その場所が避難所となり、命が守れます。建物全体の補強工事と比較すれば費用も少なくて済みます。そういったメリットもあります。特に高齢者世帯には有効策と考えます。これらのことも含め、耐震補強の必要性を強く区民にPRをすれば、本区の融資制度利用者も増えて、中止を防ぐことができたのではないかと残念に思っております。


 話はちょっとそれますけれども、シートベルトの装着率も初めは低かった。しかし、今は70から80%までに向上しております。このことは、単に取り締まりの強化のみでなく、地道なPRにより自己防衛への必要性が認識された結果であると考えます。


 本年度から導入の建物改修、建て替えへの助成制度が利用者が多く予算をオーバーするよう通り一遍のPRでなく、あらゆる面からのPRを行い、成果が上がるように努力をされたい。


 板橋区では、この4月から住宅の耐震補強やバリアフリー改修を支援する新制度を導入します。区内の金融機関と提携、住民が資金を借りる場合にローン金利を0.7%程度優遇してもらうほか、優良リフォーム業者の紹介を手がけるというものです。本区に置きかえれば、今まで本区で行っていた金利の一部負担分を、今後は金融機関に負担をお願いするものです。


 そして、融資紹介では、住民が区と協定を結んだ金融機関のローンを利用して、区に登録した事業者が施工する場合を対象に金利を優遇するもので、区内に支店を構える複数の都市銀行、地方銀行、信用金庫が参加する方向とのことです。この制度による区の財政負担はPR費用程度であり、大きな負担にはなりません。改修促進に向け効果的な制度と期待をされております。


 以下、質問いたします。


 本区におきましても、耐震補強工事を促進する観点から、金融機関と連携し、金利の優遇や建築業界との協力体制を検討すべきと思いますが、ご見解を伺います。


 時間が余りましたけれども、以上で私の質問を終了いたします。(笑声あり)


 ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○(丸山銀一副議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) 鈴木なおひろ議員のご質問にお答えをいたします。


 初めに、三位一体改革に関するご質問についてお答えをいたします。


 三位一体改革は、国庫補助負担金などを通じた国の関与を縮減し、税源移譲によって地方の自主性、自立性を向上させ、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現することを基本として、従来の中央集権的な行財政システムを改め、住民がみずから必要な施策を、みずからの選択と責任において推進できるシステムの構築を目指すもので、重要なことであると考えております。


 この三位一体改革に対する本区の取り組みでありますが、特別区長会を通じた、国に対する平成17年度国の施策及び予算に関する要望の中で、第1点として、三位一体改革の全体像及び年度別の内容、規模などのいわゆる工程表を早急に提示をすること。第2点として、国庫補助負担金については、国の責任で措置するものを明確にして、地方への負担転嫁を行わないこと。第3点として、地方交付税についても、自治体の自主性、自立的財政運営を確保する観点からあり方を見直すこと。第4点として、税源移譲についても、所得税から個人住民税、消費税から地方消費税への本格的な移譲を直ちに実現することなどを強く国に対して要望をしてまいりました。


 それとあわせて、こうした三位一体改革に対する考え方については、全国市長会を通して、昨年の夏、国に提出をされました地方六団体の国庫補助負担金等に関する改革案にも反映をしてきたところでございます。


 また、三位一体改革の本区への影響でございますが、17年度予算編成過程で可能な限りの情報を収集して予算案に盛り込みましたところ、養護老人ホームの経費を初めとする国庫補助負担金の減少が3億円ほどになる一方で、所得譲与税による税源移譲等の歳入が7億7,000万円ほどであるため、17年度に関しましては4億7,000万円ほどの歳入増となります。しかしながら、16年度と合わせたトータルでは、いまだ2億円ほどの財源が不足をしているという状況になります。


 三位一体改革につきましては、残された課題として、国庫補助負担金に関しては、義務教育や生活保護などの取り扱い、税源移譲に関しては、国税の所得税から地方税の個人住民税への移行などがありまして、いずれも地方にとっては影響が大きいものばかりであります。今後とも、国の動向を十分注視するとともに、三位一体改革が地域の実情に応じた施策を展開することができる、真に地方分権を実現する改革となるよう、特別区長会など、あらゆる機会を通じて、引き続き国に働きかけてまいりたいと考えております。


 次に、本区の将来像についてでございます。


 これからの景気動向を考えますと、バブル時代のような大幅な税収の拡大は期待できません。このような中で、活力に満ちた元気な葛飾を実現していくためには、既定の事務事業について聖域を設けることなく見直しを進め、これによって生み出した財源を、時代の要請に合った新たな行政需要に重点的に配分をしていくことが、これまで以上に重要になってまいります。こうした考え方を基本に今後とも施策を展開し、働く世代を初め、だれもが葛飾に住んでよかったと実感できるまちづくりを進めていきたいと考えております。現在策定中の基本計画に、そのための諸施策を盛り込んで、明日の元気な葛飾づくりに向けて全力を傾注してまいりたいと考えております。


 次に、行財政改革アクションプラン終了後の行財政改革についてでありますが、現在の行財政改革アクションプランは、平成17年度までを取り組み期間としており、当面は残された課題の達成と、この間に新たに導入をした行政評価制度等の取り組み、さらには行政評価制度も取り込んだ新政策推進システムの充実強化に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。


 行財政改革そのものは、区政を預かる者として常に念頭に置くべき課題であり、行財政改革アクションプランの期間が過ぎましても、新基本計画の推進を初め高齢者の増加等、経費の自然増に対応した財源確保を図るためにも、今後も取り組んでいく必要があるものと認識をしております。


 そのための具体的な手法等につきましては、新基本計画の策定と並行して、今後、現在の行財政改革アクションプランの取り組みの総括を進める中で検討をしてまいりたいと考えております。


 次に、幼稚園と保育園の一体事業の導入についてのご質問にお答えをいたします。


 現在、都内でも幾つかの区や市において先行的に幼稚園と保育園を一体化した事業が行われております。


 また、国の平成17年度予算案においては、就学前の教育・保育を一体としてとらえた一貫した総合施設について、教育・保育の内容、職員配置、施設整備のあり方等を検討するためのモデル事業を実施することとしておりまして、この試行を踏まえて具体的な制度設計を行って、平成18年度から本格実施をすることとしております。


 区といたしましては、最重要課題である待機児の解消をするため、また、保育園と幼稚園の機能を融合させ、それぞれのよさを生かした新しい施設として国の動向も踏まえ、総合施設の具体化について検討してまいりたいと考えております。


 次に、防災対策について、隣近所の協力体制の組織化を推進すべきであるというご質問にお答えをいたします。


 いざ災害が発生した場合の初期消火活動や高齢者等の避難誘導、あるいは消防や警察などの防災機関の体制が整うまでの救出や救護活動などは、防災市民組織が担うことになります。そうした際に、迅速かつ的確に行動をするためには、防災市民組織の活動を活性化するとともに、きめ細かな役割分担の確立が必要であります。とりわけ、ご提案のような近隣を中心とした協力体制の確立は不可欠と考えます。


 本区におきましては、いざというときに隣近所が助け合って対処していくために、自治町会を母体として防災市民組織を設置いたしまして、初期消火訓練や避難誘導訓練などを実施しておりますが、その活動が一層充実できるよう、これまで以上に防災市民組織の活動を支援してまいりたいと考えております。


 次に、耐震補強の改修工事促進の観点から、金融機関と提携をし金利の優遇や建築業界との協力体制を検討すべきであるというご質問にお答えをいたします。


 大地震時に人命の保護を図り、安全な建物とするために、耐震補強の改修工事を促進することは大変重要であると考えております。そこで、本区におきましては、木造建築物に対する新たな助成制度の創設に向けて準備を進めているところであります。


 区民の方々が、木造建物の耐震補強を進めていくためには、こうした助成制度とあわせて、融資資金の活用も必要と思われます。そこで、地元金融機関等も含め、より利用しやすい融資制度が図られるよう働きかけの検討を行うなど、耐震補強を進めやすい環境の形成に努めてまいりたいと思います。


 また、区民の方々が身近な木造建物の耐震改修を進めていくためには、地域の実情に詳しい地元の建築設計事務所や建設業者の方々の能力と協力が欠かせないと考えております。


 そこで、耐震改修助成制度を進めるに当たりましては、地元建築業界と積極的に情報交換を行うなど連携を図り、耐震補強に係る改修工事の促進を図ってまいりたいと考えております。


 その他、教育問題等のご質問につきまして、教育長及び所管の部長より答弁をいたさせます。


○(丸山銀一副議長) 教育長。


〔山崎喜久雄教育長 登壇〕


○(山崎喜久雄教育長) 夏季休業日の短縮についてのご質問にお答えいたします。


 学校現場におきましては、完全学校週5日制と新学習指導要領の実施により、それまでと比べて大幅に減少した指導時間をどのように確保するかが大きな課題になっております。


 このため、中学校においては、昨年、中学校長会と教育委員会で構成する検討委員会で検討した結果、平成17年度より夏季休業日を1週間短縮して、増えた指導時間を有効に使い、確かな学力の定着や豊かな心の育成に一層取り組んでいくことといたしました。


 小学校におきましても、現在、小学校校長会と教育委員会からなる検討委員会により、小学校の現状や課題、夏季休業日短縮の必要性の有無や日数、実施の年度等について検討し、秋ごろまでには結論を出してまいりたいと考えております。


 また、夏季休業日の短縮と小学校の冷房化の関係につきましては、東京地方における夏季の学習環境を考慮しますと、普通教室の冷房化がなされなければ、夏季休業日の短縮を行うのは難しいと考えております。


 次に、諸外国の夏季休業日の過ごし方をどのようにとらえているかとのご質問にお答えいたします。


 諸外国の夏季休業日の状況ですが、例えばアメリカ合衆国は6月下旬より約2カ月半設けており、フランスや中国は7月から2カ月、イギリスは7月下旬から1カ月半、韓国は7月中旬から1カ月となっており、その国の地域性や歴史などが関係していると考えられます。


 我が国においても、夏季休業日の期間は、寒冷地など地域によって差があります。夏季休業日は家族とレジャーに出かけたり、家庭での仕事を分担するなど家庭生活を考えたり、地域社会での奉仕活動や地域行事への参加を通して、地域の一員としての自覚を深めるなど、さまざまな体験ができる期間であり、子供の成長にとっても重要であると考えております。


 教育委員会といたしましては、夏季休業日の短縮については、こうした夏季休業日の意義を踏まえつつ、さまざまな検討を行った上で中学校において決定したもので、小学校につきましてもプロジェクトチームの検討経過を踏まえ、最終的に判断していきたいと考えております。


 次に、学校選択制導入後の成果と課題についてのご質問にお答えいたします。


 初めに、導入後の成果についてでございます。


 学校選択制につきましては、それぞれに個性を持つ子供たちが、自分の個性を十分伸ばせる学校を選択できるものであり、子供たち一人一人の個性を尊重するという教育本来の目的に合った制度として導入したものであります。


 本区の学校選択制につきましては、中学校においては、平成15年度の新入学生徒から実施し、平成17年度で3回目となりました。また、小学校においては、1年おくれて16年度の新入学児童から実施し、今回で2回目となりました。


 この間、中学校では、15年度は18.4%の生徒が学区域外の学校を希望し、16年度は27.0%、17年度は30.6%と次第に増加しております。


 このように、学校選択制により学区域外の学校を希望する者が年々増えていることは、生徒や保護者の希望に沿った有意義な制度として定着してきているあかしであると認識しております。


 また、保護者等のアンケートでも、クラブ活動が盛んであるとか、教育内容や地域の評判がよい、いじめなどがなく学校が落ち着いているなどを選択理由に挙げており、これらは保護者等の期待に応えることができた一面であり、一定の成果のあらわれと考えております。


 次に、希望者が大幅に減少している学校の問題点及び他地区からの入学希望者が多い学校での地域とのかかわりに関するご質問にお答えいたします。


 学校選択制については、制度に対する賛否を初めとして、導入時から危惧されていた諸課題や新たに起きている問題などさまざまな意見が寄せられております。


 お話にありましたように、中学校では、今回、希望者が大幅に減少した学校がございましたが、このような学校におきましては、安定した学校運営に支障を来すということが懸念されるわけでございます。また、他地区からの入学希望者の多い学校では、地域とのかかわりに関して問題が生じているといった意見も出ております。


 学校選択制度は、今回で中学校が3回、小学校が2回実施いたしましたので、この段階で課題の整理を初め実施内容の検証を行う必要があると考えております。


 教育委員会といたしましては、本年4月に教育振興ビジョン推進委員会の中に学校選択制検討小委員会を新たに立ち上げ、葛飾区の学校選択制の効果や問題点の検証と改善の方策を検討していくことといたしました。年内には検討結果を取りまとめ、平成19年4月の新入生を対象とする18年度の実施に反映できるようにしてまいりたいと、そのように考えております。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 教育振興担当部長。


○(柏崎裕紀教育振興担当部長) 各課題の具体策を夏季休業日短縮検討の前に実現すべきとのご質問にお答えいたします。


 教育にかかわるさまざまな課題に関しましては、教育関係者や保護者の代表者等からなる教育振興ビジョン推進委員会の中で重点事項等を決めて取り組んでおります。中学校の夏季休業日の短縮に関しましては、プロジェクト委員会を設置し、その中で検討を進めてまいりました。小学校の夏季休業日の縮減に関しましても、昨年11月に委員会を立ち上げ、現在検討を進めているところでございます。それとともに、生徒へのきめ細かな指導や教職員の資質の向上等の重要な課題につきましても、教育振興ビジョン推進委員会の作業部会で現在鋭意検討を進めておるところでございます。


 教育委員会といたしましては、今後とも保護者や関係者のご意見を伺いながら、さまざまな課題に対する取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。


 次に、教員と児童のふれあう時間を確保するためにどのような努力をしているのかとのご質問にお答えいたします。


 各学校では、朝の職員打ち合わせを廃止する、会議を減らすなどして、できるだけ子供たちと接するように努めておりますが、それでも教育相談や放課後に子供たちと接する時間が以前より少なくなってきているのが現状でございます。


 教育委員会といたしましては、今まで以上に教員と子供が接する時間を確保し、子供たちに豊かな心と人間性をはぐくむことができるように努めてまいりたいと考えております。


 次に、私的時間の多くを部活動や補習に協力している教職員に対して、見合った処遇を検討すべきという質問についてお答えいたします。


 児童・生徒にとっては、放課後の時間を部活動や補習による基礎基本定着のために活用していくことは、教育振興ビジョンにあります豊かな心の育成、基礎学力の定着のために大変有意義であると考えております。現在、区内のほとんどの小中学校において教職員が指導者となった部活動や補習が行われております。


 教員が勤務時間外において児童・生徒への指導を行った場合、一部部活動における特殊勤務手当の支給がございますが、ほとんどの場合振りかえもできないことから、教員には4%の教職調整額を支給しているところでございます。


 また、熱心に指導する教員に対する処遇につきましては、業績評価で適切に評価しておりますが、今後とも表彰制度などを含めて、業績に見合った処遇がなされるよう、東京都に対しましても働きかけをしてまいりたいと考えております。


 以上です。


○(丸山銀一副議長) 教育次長。


○(小川幸男教育次長) 区立幼稚園の見直しについてお答えいたします。


 区立幼稚園は、昭和40年代に急増する入園希望者に対応するため、私立幼稚園を補完する目的で、私立幼稚園の少ない地域などを重点に設置してきました。


 近年は、各私立幼稚園で送迎バスが普及し、一つの幼稚園に通う園児の地域的な広がりも出ていることから、公立幼稚園設置当初の補完的な役割も次第に少なくなってきております。また、行財政改革において、民間でできることは民間で実施するという観点からも、公立幼稚園を必ず設置しなければならないという理由が乏しくなっております。


 こうしたことから、平成14年度の外部委員による行政評価委員会や平成15年11月の公立幼稚園あり方検討委員会から、区立幼稚園を縮小すべきとの意見や検討報告を受けました。


 これらを踏まえまして、教育委員会では、西小菅幼稚園の廃止、東柴又幼稚園を廃止し北住吉幼稚園に統合するとの方針を決定し、議会に報告し、了承され、経過措置期間を設けた上で20年3月末には統廃合を行うことで保護者等との話し合いを行ってきました。その話し合いにおきましては、一部に異なる意見の方もおりましたが、多くの保護者から理解を示していただいたと認識しております。


 今後は、廃園予定の2園につきまして、保護者から要望のありました18年度の最後の募集で4歳児クラスを2クラス募集し、その園児の卒園を待って、予定どおり統廃合を進めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 政策経営部長。


○(青木克徳政策経営部長) 総合行政パトロールの導入についてのご質問にお答えいたします。


 区では、昨年から、安全な地域社会を築くために、自治町会などが行う犯罪防止の自主活動に対して助成を行う制度を導入し、この制度により、子供の安全確保など、地域の安全を地域で守っていこうとする地域安全パトロールが約40の地域で行われています。また、区有の自動車や自転車に安全パトロール実施のステッカーを貼付するなどにより、区職員による地域安全確保事業を実施しているところでございます。


 また、不法投棄防止パトロール、違法駐車防止や放置自転車の誘導、指導等、さまざまな地域のパトロール的な事業も実施しております。


 加えて、平成17年度からは、区民の環境美化や自主活動に対する意識の高まりを受け、地域の方々による違反広告物の撤去活動を支援していくものとする違反広告物除却協力員制度を導入し、安全な歩行空間やきれいなまちの実現を図っていくことといたしました。


 これらのいわゆる地域のパトロール事業につきましては、その趣旨、実施主体、参加される区民の方々の思いや活動領域、実施時間帯等が一つ一つ異なるものでございます。


 しかしながら、このような地域のパトロール活動という点に着目してみますと多くの共通点があることも事実であり、実際に、さまざまなパトロールに重複して参加されている区民の方々も多数いることを踏まえますと、このようなパトロール事業について総合的な調整や連携を図っていくことが効果的、効率的な事業実施につながる可能性が高いものと考えております。


 今後、それぞれの事業の相違点や区民の方々の活動意識や意欲を踏まえながら、お話にありましたようなパトロール事業の総合調整を図り、効果的に実施する方向で検討してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 地域振興部長。


○(高橋成彰地域振興部長) 防災リーダーの育成を強化すべきとのご質問にお答えいたします。


 防災市民組織の活動を活性化していくためには、そのリーダーの育成が重要でございます。とりわけ、多くの防災市民組織においてリーダーの高齢化が進んでいることから、次の世代のリーダーを育成することが急務であると認識をしております。


 昨年度においては、延べ14回の防災リーダー研修を開催し、自治町会長や防災部長など約700人が参加したほか、都における防災リーダー研修なども活用し、防災リーダーの育成に努めました。


 今後とも、研修内容の充実を図るほか、自治町会の中堅として活躍している人などを対象とした研修を検討するなど、よりきめ細かく防災研修を実施するとともに、防災課職員の専門性の向上を図り、防災市民組織に対する指導や助言体制の充実を図ってまいります。


 次に、地域代表の被災地視察を計画すべきとのご質問にお答えいたします。


 新潟県中越地震では、連日のように被災地の様子が報道されておりましたが、百聞は一見にしかずと言われるように、直接見たり聞いたりすることは大変に重要であると認識しております。そのため、新潟県中越地震に際しては、地震発生後に区の専門職員を派遣し、詳細に調査を実施し、本区の防災対策の向上に役立てております。こうしたことは、自主防災組織の皆さんにも当てはまることでございますので、今後は、例えば地域の代表の方や防災リーダー研修の一部に、被災地の視察等を取り入れることやボランティア派遣などを通じて、災害発生時の防災市民組織の活動のあり方等を体得することなどについて検討してまいります。


 以上でございます。


○(丸山銀一副議長) 以上で、日程第1、代表質問を終わります。


 暫時休憩いたします。


 午後2時59分休憩


──────────────────────────────────────────


 午後3時22分再開


○(谷野せいしろう議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。


 日程第2、一般質問を行います。


 質問は通告の順に許します。質問者は、要点を簡潔明瞭にご質問願い、また答弁者は質問の要旨を把握の上、明確にお答えください。


 5番、ふせ秀明議員。


〔5番 ふせ秀明議員 登壇〕(拍手)


○5番(ふせ秀明議員) (「でかい声でな」との声あり)(発言する者多数あり)(笑声あり)


 お許しをいただきまして、私はさきの通告の順に従い、区政一般について、区長並びに関係部長に質問いたします。


 我が国の景気は、ようやくデフレ経済を脱し、上向きつつあるとはいうものの、景気の回復が実感できる状況にほど遠いのが実情であります。


 本区は、このような状況の中でも、新たな行政需要に的確に対応し、区民生活に密着した行政サービスを安定して提供するため、青木区長のリーダーシップのもと経営改革に取り組んでこられました。


 特に今年度は、長年にわたりまして我々が申し上げてきました給食調理の民間委託と退職不補充が実現されたことは大きな成果であり、このような取り組みによって、平成17年度予算におきましても、財源不足のない、収支均衡のとれた予算編成が継続できたと考えております。この間のご努力に対しましては、深く敬意を表するものであります。


 先日発表された平成17年度予算につきましては、明日の元気な葛飾づくりという従来にない、確実ではないけれども、将来の葛飾区の活性化の手段として、大学誘致調査委託費を盛り込んだり、区民の健康年齢をも視野に入れた地域スポーツ活性化調査委託費、さらには、葛飾ブランドの研究に向けた葛飾発文化イベント等企画調査委託費を計上するなど、大変前向きな予算となっており、その他、子育て、高齢者、まちづくり等々、さまざまな分野にも目配りのきいた予算案となっており、高く評価するものであります。


 区民に夢と希望を与え、元気な葛飾をつくるためには、引き続き経営改革に取り組み、財源を生み出す必要があると考えております。


 このような観点から、今後の改革のあり方について、所信の一端を申し上げ、区のお考えをお伺いするのであります。


 初めに、行政評価表の成果指標についてお伺いいたします。


 第二次葛飾区経営改革宣言においては、第一次経営改革に行った行政のスリム化・削減対策に加えて、公共サービスに民間の経営ノウハウを注入し、同じコストなら、よりよいサービスを、同じサービスなら、より安いコストを選択することや成果主義の導入といった方針が打ち出されています。


 これは、英国のサッチャー改革を源流として、欧米で発展してきましたニュー・パブリック・マネジメント理論にのっとって、区政を大きな政府から小さな政府へと転換させる趣旨の宣言であり、現場部門に権限を与えるかわりに業績、成果に基づく結果責任も負わせるという業績・成果主義の徹底、それに市場メカニズムの活用や競争原理の導入、顧客主義への転換等を意味し大いに評価できるものであります。


 本区が行政評価を導入する以前は、区の施策や事業について、その政策目標に対して手続に誤りはないか、予算の原則に適合しているか、国庫補助金等の財源は確保されているか、事業がいつ、どのように実施されたかについて、決算において確認してきました。これは、サービスを提供する区側の手続や目標の妥当性や効率性を中心とする考え方であります。しかし、一体全体、区民生活にとってどのような成果があったかを検証したり評価したりする仕組みや、税金が本当に区民のために役立つように使われているのかという、サービスを受ける区民側に立った検証は十分行われてきませんでした。


 平成14年度から導入された行政評価制度という仕組みは、サービスを受ける側の区民に重点を置き、税金の対価として実施される行政サービスを、区民にどれだけ貢献できたか、または区民がどれだけ満足したかをわかりやすい数値、成果指標であらわし、よりよい行政サービスの構築を第一に考える新しい行政手法であります。


 この行政評価制度という仕組みを導入することによって、約800にわたる区の事務事業について、それぞれに成果指標を立て、執行、評価、見直しを行い、事業の効果、効率を高めるという、一連のP・D・C・Aサイクルを構築することが可能になったわけであります。


 しかし、その行政評価制度の本質として最も重要と思われる各種の事務事業の有効性、満足度をあらわす成果指標について、私は極めて不十分であると言わざるを得ないと考えております。


 例えば、幾つかの例を挙げて指摘させていただきたいと思うのでありますが、まず、広報かつしか発行についてであります。


  この事務については、区の行政情報を迅速かつ的確、確実にわかりやすく伝えるという意図のもと、その成果指標として、情報入手手段として区民に100%活用されること、情報の入手手段として、100%満足してもらえることとしております。情報媒体がこれほど多様化し、また、区民の価値観等も複雑かつ多様化している中で、このような成果指標が現実的なのでありましょうか。


 また、産業政策課が行っている観光イベント助成事業については、事業実施数を1回、助成イベントの参加者数1万人を成果指標にしております。特にイベント参加者数については、既に平成13年度及び14年度に目標数値を達成してしまっているのであります。


 さらに、環境課が行っている生垣助成事業については、その成果指標が、生垣造成累計面積とされておりますが、これは事業目標であり、区民の生活にどのような効果があったかという成果指標とは、全く関係のないものではないのでしょうか。


 保健所におけるぜん息児水泳教室に至っては、その成果指標としてぜんそくの改善には触れず、参加者のうち、これをきっかけとして水泳を続けようと思った者の割合としておりますが、初心者水泳教室の成果指標と勘違いしているとしか思えません。


 公園、児童遊園の改良における成果指標については、公園、児童遊園の改良箇所数となっており、これも事業目標が成果指標になっているのであります。公園、児童遊園の改良により、どのように利用者に使い勝手がよくなったのか、改良したことにより、どのように利用者数が増えたのかということが改良事業の成果のはずであります。


 教育委員会においても、特色ある学校づくり事業の成果指標を、公開事業数を200とするとしておりますが、成果指標について本当に理解できているか疑わしく、私としてはその意図が全くわからないのであります。


 ことほどさように、本区の行政評価の本丸である成果指標については、ほとんどすべての部が押しなべて成果指標と事業目標の達成度とを混同しており、不十分であると思われるのであります。


 申し上げたとおり、行政評価制度とは、税金の対価として実施される行政サービスの価値を、区民のためにどれだけ貢献できたであろうか、または、区民はどれだけ満足したかを数値でわかりやすく示し、さらなる区民福祉の向上に役立てようとする制度であります。


 残念ながら、現在の区の事務事業評価の成果指標は、事業目標の達成度のチェックが多く、コスト削減中心になってしまっていて、成果や満足度についての検討は不十分で、経営改革は単に削減するだけに終わっていると思われます。そうだといたしますと、本区の行政評価制度は、未完成であると言わざるを得ないのです。


 私は、いま一度、行政評価制度の原点に返るならば、区民や専門家の英知を結集して、有効性、満足度をあらわす成果指標を設定し直す必要があると思うのであります。


 三重県では、この成果指標を決定するため、3億円の経費をかけ、全庁的な合意のもと数値を決め、課ごとにP・D・C・Aサイクルを活用し、事業のサービス改善に成功していると聞いています。


 そこでまず、本区の行政評価制度の根幹をなす成果指標は、だれが、どのように考え設定したのでありましょうか。その設定については、客観性や妥当性が本当にあるのかどうか、区長の認識をお伺いいたします。


 次に、官民コスト比較についてお伺いいたします。


 成果指標が見直されれば、次のテーマはその指標をどう実現するかであります。それは、いかに経済的に、いかに効果的に指標を実現するかなのであります。


 具体的には、その事務事業の性格が、民が行うにふさわしい事務事業か、現時点でその事務事業を担える民があるのか、また、あったとしても現行のサービス水準の向上や維持ができるのか、コストは現行より下がるのかといった点を個々の事務事業ごとに点検、検討していくことであります。


 特に、官民コスト比較については、経済性について、だれにでもわかる数値で結果が出ることから、関係者への説明や理解を得る上でも有効ですし、財源を確保するという目的に直結するものとして、重要な要素ではないかと考えております。また、官民コスト比較を行う場合には、官民でコストに余り開きがない直接的な物件費ではなく、コストに差があると思われる人件費に重点を置いて比較を行うべきであり、中でも、専門性をそれほど要しない業務を優先して進めるべきであります。その上で、計画的、論理的に退職者不補充を進め、より効果の大きな事務事業から順次民間委託ないしは民営化を進めていくべきであります。


 そこでお伺いいたしますが、区は、公共サービスの運営主体の見直しについてどのように考えておられるのでしょうか。また、どのように進めておられるのか、考えをお示しください。


 また、現在の評価票で民間委託ができると表記されている事務事業については、順次官民コスト比較表を評価票に添付すべきと思うがどうか。


 次に、800以上に及ぶ事務事業についてお伺いいたします。


 各部ごとの事務事業数は、政策経営部25、総務部90、地域振興部135、保健所94、子育て支援部28、都市整備部147、教育委員会130、選管6、収入役室3、監査1であります。


 今までの事務事業評価票が、事業計画に沿って羅列的につくられていても、目的がコスト削減中心のため、不都合ではありませんでした。


 今後、満足度や成果指標の視点に立って評価票を作成するとなれば、まず、職員採用事務や文書管理事務のように内部管理的な事務事業と、税金の対価としてのサービス事業、つまりは商品としての事務事業に分け、それぞれ成果指標の設定、官民コスト比較を行うべきであると考えます。


 特に、税の対価として考えられる商品的な事務事業は、購入する区民にわかりやすく、また、区民への効果、満足度もわかりやすくするために整理統合すべきであり、そうすれば、それぞれの事務事業が、施策にどれだけ貢献しているかも検討しやすくなると思います。また、各部各課を公共サービス、商品をつくる工場かつ販売所と位置づけてはどうでしょうか。


 次に、第二次経営改革の総括についてお伺いいたします。


 減らす、削るという行革も、初期の経営改革においては必要であります。また、第二次葛飾区経営改革宣言のもと、約150億円の財源を確保し、新規事業に90億円以上つぎ込めることについても評価するところであります。


 しかしながら、職員定数の削減等の削減目標はクリアしても、そもそもこの経営改革に当たって活用したと思われるニュー・パブリック・マネジメント理論に基づく小さな政府への転換は、どの程度進捗したのでありましょうか。


 もちろん、小さな政府への転換には多くの課題があり、短い期間ですべてを実現するのは困難であり、また、すべての目標が達成できないからといって、この間の取り組みが失敗だったと言うつもりはありません。葛飾区は区の実情に応じて経営改革を進めればいいのであります。そういう意味では、昨年導入した新政策推進システムは、P・D・C・Aサイクルを本区の経営に取り入れることにより、葛飾区のニュー・パブリック・マネジメントを推進しようとするものであり、これまで個別に進めてきた行政評価制度や予算システムの改革等の取り組みを総合化したものであると言えるのであります。


 成果指標の策定や官民コスト比較、また事務事業の決め方など課題はあるものの、このような取り組みは評価でき、今後に期待したいと思うのであります。


 しかし、区の現状を見ますと、まだまだこの新政策推進システムの考え方が全庁的に浸透し、また仕組みとして本当に区に定着したとは言いがたいと思えます。第二次葛飾区経営改革宣言期間の終了に当たって、区はこれまでの到達点を示し課題として残ったところについては、その原因を明らかにするとともに、今後どのように取り組んでいくのかを明らかにする総括を行うことが必要ではないでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。


 次に、事業部制についてお伺いいたします。


 行政組織とは、事務事業を執行するに当たって、人、もの、金や情報等の経営資源を効果的、効率的に統合、活用するという、行政運営の根幹をなすものであると認識しております。行政組織の今後のあり方については、さまざまな課題や区民の要望に迅速かつ適切に応えていくために、常に変化するさまざまな要因をとらえ、経営という観点をも取り入れ、順次変えていく必要があるのです。


 区が現在進めている計画、予算、執行、行政評価という新政策推進システムは、現場サイドの情報、判断を尊重する仕組みとされています。このシステムをさらに発展していくためには、今まで以上に現場サイドに権限を移譲していく必要があります。


 ニュー・パブリック・マネジメントでは、政策部門と執行部門を切り離し、各部長に人、もの、金や情報についての権限を持たせ、責任と権限ある執行体制を確立すること、施策や事務事業の優先度については各部の責任者である部長と区長、助役のトップマネジメントによって決定すること、そのための歳入及び人員配置等を、スタッフ部門がサポートする仕組みなどが想定されています。


 本区で言うならば、財政課は歳入歳出の計数管理課となり、職員課についても各部の必要とする人材を育て、供給していく人材供給部門となっていくのであります。


 そこでお伺いいたしますが、本区においても、行政評価制度を効果的に活用するための一つの手法として事業部制が考えられます。このことについてどのように検討されているのか、この制度の長所、短所を含めお伺いいたします。また、今後、試験的にでも事業部制を本区に導入していく考え方はあるのかお伺いいたします。


 次に、保健所及び母子生活支援施設の建て替えについてお伺いいたします。


 私は、随分と前から将来の問題点になると考えて、公共施設の維持管理の方法や維持管理経費の削減計画についてたびたび指摘してきたつもりであります。


 約500カ所にも及ぶ公共施設については、だれもが建設するときには建設費が高いか安いかについて大きな関心を持って議論しますが、建物の耐用年数はおおむね50年程度であり、その間有効活用していかなければならないことについては余り議論されてきませんでした。


 建設経費よりも莫大な経費がかかる運営費、維持管理費、修繕費等の建物のライフサイクルコストについては、例えば大規模修繕が必要になり、多額の修繕費が予算計上されるような場合以外には、これまでほとんど議論されてこなかったのではないでしょうか。


 本区の場合、施設白書にも示されておりましたが、区民の方々の要望や必要とする施設についてはあらかた建設整備されており、今後の大きな問題は、区民サービスを提供する拠点としての公共施設をいかに良好に、しかも、余り経費をかけずに維持管理していくのか、そして、耐用年数が経過した後に、将来の区民ニーズの変化や社会環境の変化等を適切に予測し、今後の施設の必要性を検証し、効果的、効率的に建て替えをしていくことや、場合によっては、これまでの施設を廃止したり統廃合していかなければならないことなのであります。


 今や、公共施設の適切な維持管理を重要視していかなければならない時代を迎えたと言っても過言ではありません。


 例えば、計画修繕の問題であります。


 修繕経費については、今までの理事者のお話をお聞きしていると、壊れたら直す、壊れそうなところを直すといった対処療法であったと感じています。ただ、これは本区だけではなく、全国どこの自治体でも同様の対応をしていると聞いています。


 確かに、計画的に修繕を重ねていくということは、壊れてもいないものを前倒しして修繕していくということであり、約500施設の予算措置は膨大となり、現実的ではないと思います。


 私が常々言っているのは、計画的にチェックをして、修繕の必要性を行政が把握し、優先順位をつけ、財政状況を見ながら修繕をしていく仕組みをつくったらどうかということであります。そうしておかないと、一度に大量の修繕費がかさんだり、施設の寿命も短くなるなど、財政を圧迫する要因になるのであります。


 このように、公共施設は、単に修繕一つを考えても、事業を進める上でも、財政上の問題から見ても、重要な課題となってくるのであります。


 現在、区では、公共施設の見直しを行っているわけでありますが、その中で昨年の第4回定例会の、我が自由民主党の小用議員が行った、保健所や母子生活支援施設についての一般質問に対して、区長は、前向きに建て替えを進めていくという答弁をされました。平成10年に第一次経営改革宣言を発して以来、久しぶりに新たに公共施設の建設の方向性を示唆したことは、区の前向きな姿勢として評価したいと思います。


 しかし、先ほども申し上げたように、これからの公共施設のあり方については、建て替えや修繕に関してさまざまな課題があり、加えて公共施設適正配置という大問題があり、それらを踏まえて現在検討しているものと認識しています。その検討中に、保健所と母子生活支援施設の建て替えをするのであります。


 幾つか質問させていただきます。


 公共施設見直し検討委員会における現在の検討状況について、その概要をお示しください。


 公共施設見直し検討委員会において、保健所及び母子生活支援施設については、どのような議論がなされたのか。


 保健所及び母子生活支援施設の建て替えの必要性についてはどのように考えていらっしゃるのか。


 今後、公共施設見直し検討委員会において、公適配などについての考え方が示された場合、今回の保健所及び母子生活支援施設の建て替えの考え方と整合性はとれるのかお示しください。


 次に、PFIについて区の考え方をお伺いいたします。


 現在、いろいろな自治体では、公共施設の設計、建設、維持管理、運営等施設のライフサイクル全体を考え、民間企業の資金やノウハウを活用することにより、今までよりもコストを下げ、しかも、今までより良好なサービスを提供することができる手法として、PFIを活用する事例が増えてきていると聞いております。


 ニュー・パブリック・マネジメント手法だからといって民間を活用する場合にPFIだけが唯一の方法、手段だとは思いませんが、今までのように行政が主体となって行うというだけではなく、PFI手法を区として考えていくべきではないでしょうか。


 従来のように、区が国の基準をもとにして仕様をがんじがらめに設計し、価格競争によって業者に発注するという従来のやり方を見直すべきであります。


 施設のコンセプトをどのように考えるのか、施設の内容はどのようなものにしていったら効果的か、区民の満足度はどうか、そして建設費や維持管理費のコストパフォーマンスはどうか、運営をだれが、どのように行っていくことがサービス向上やコスト削減につながるのかといったところこそ民間事業者の競争にさらして、よりよいものをつくっていくという発想が必要なのではないでしょうか。


 そして区は、その民間事業者の提案を責任を持って選択し、事業の進行管理をしていく役割を担うべきであります。


 このことを踏まえて、何点かお伺いいたします。


 区としてPFI事業の必要性をどのように認識しているのか。


 PFI事業の手法を採用することのメリット、デメリットについてどのように認識しているのか。


 区としては、PFIを活用するつもりはあるのか、あるとしたら、今後、どのような基準で、どのような施設を対象に実施していくつもりなのかお伺いいたします。


 次に、経営改革とITについてであります。


 経営改革を強く推し進めていくためには、ITの活用が必要不可欠であるということは申すまでもありません。また、ITの活用を単なる情報化として考えるのではなく、これまでの制度や事務処理方法を抜本的に見直す経営改革の契機としてとらえ、改革を断行していくことが重要であるわけです。特に、現行のホストコンピュータに係る運用保守経費は、毎年5億円を優に超える高コスト構造となっており、これらの経費は本区にとって、まさに重荷となっています。


 現在、国では、平成17年度以降の地域情報化戦略の検討を進めており、その中においても、旧式のいわゆるレガシーシステムを利用した情報システムの改革の必要性が指摘されております。こうした中で、区では、基幹システムの再構築、いわゆるレガシー改革に全国の自治体で初めて取り組んでいると聞いております。レガシー改革を成功裏に導くためには、こうした高コスト構造から脱却し、電子自治体の将来を見据え、これにふさわしい標準的な技術を採用した情報通信基盤を構築する必要があると考えます。


 そこでまず、事務処理改善についてお伺いいたします。


 基幹システムの再構築、いわゆるレガシー改革の取り組み内容と具体的な成果について。


 次に、レガシー改革を初めとするITのこれまでの成果を今後どのように生かしていくのかお伺いいたします。


 次に、改革とITについてでございます。


 行政管理の新しい改革手法であるニュー・パブリック・マネジメント理論は、先ほども申しましたが、公的部門に市場原理や競争原理を導入すること等を特色としております。また、それは公的部門の財務管理システムを、インプットである行政資源の統制からアウトプットである公共財・サービスの統制へ、さらにはアウトカムである成果へと変革するものであるとも言えます。そして、この理論に基づくP・D・C・Aサイクルは、計画事業にどの程度の財源を割り当て、何にどのくらい予算が配分され、それがどのように使われ、成果としてどのような効果が上がったか、成果が上がらなかったとするならば、その原因は何か、どのように改善していけばよいのかを明らかにし、次期の計画策定や予算編成に改善策を反映させていくことが基本であるわけであります。


 これまで国の企画立案のもとで、業務執行に比重を置いてきた地方自治体が、地方分権の時代を迎え、市場や区民への説明責任、説明能力の拡充が求められる中で、みずから制度を設計し、公共サービスを提供し、信用力を創造していくのに、ニュー・パブリック・マネジメント理論はなくてはならないものであります。


 しかしながら、まだまだわかりにくい点があります。


 現状を見ますと、計画と行政評価の事業は基本的に一致し、予算の事業経費と決算の事業経費も一致しているのですが、肝心の予算の事業経費と行政評価事業が一致していないものが多く見受けられます。現状では、それぞれの関係を見比べることは容易ではありません。わかりにくい原因は、ここにあるのではないかと私は考えます。


 もちろん、行政を取り巻く環境の中には不確実な要素もありますし、計画段階では情報が限られているなど、さまざまなリスクが存在し、実施段階において事業そのものの変更を余儀なくされることがあるということは理解できます。また、予算上の科目は地方自治法に規定されており、予算編成上の事業経費は会計、款、項、目、節といった枠組みの中におのずと縛られてしまうことや、過去の経年変化を把握するという点も考えますと、これを統一するというのは容易ではないということも十分に理解できます。


 しかし、新政策推進システムの取り組みの成果を、よりわかりやすい形で区民に提示し、適切に説明責任を果たしていくということは何より重要であり、それを行うためには、計画、予算、行政評価といったそれぞれの事業のとらえ方を統一していく必要があるのではないかと考えます。


 現在、区では、昨年10月から予算編成、今年の4月から予算の執行管理、平成18年度には決算、行政評価それぞれのシステムを順次導入すると聞いております。現状の事務処理の方法で、今申し上げたような課題を解決するとなると、大変な事務処理コストがかかると思います。そうであるならば、財務会計システムの導入がまさにこうした改革を断行する機会となり得るのであります。


 この点について、現在、財務会計システムの導入を進めていると聞きますが、どのような検討がなされているのかお伺いをいたします。


 次に、新基本計画の推進についてお伺いいたします。


 少子・高齢化の進展により、区民の健康への関心は高まっております。また、生産年齢人口が減少することから、人材育成と女性の社会進出が求められています。さらには、団塊の世代の多くは退職の時期を迎えることから、老後の生きがいを模索し始めています。これらの多様な区民ニーズに的確に対応していくためには、既存事業のみでは十分ではなく、新たな事業を次々に実施していく必要があると考えます。しかしながら、区政にとって少子・高齢化は、納税者数の減少と扶助費等の増加というジレンマを抱えております。加えて、中小零細企業の多い本区にとっては、景気の回復はどうしてもおくれがちであり、本区の財政環境は依然として厳しい状況が続き、新規事業を積極的には実行しにくくなっています。


 このような状況を踏まえますと、これまでの基本計画のように何をやりますというだけでは、ただ漠然として進むべき方向性が見えず、計画の進捗状況や成果に対する評価もできず、新規事業の展開どころか、区民サービスの後退を許してしまう危険性があるのであります。


 これからの新規事業を数多く実現するためには、新基本計画を実現可能にするための新たな仕組みづくり、改革が必要なのであります。今まで何回も申し上げましたニュー・パブリック・マネジメント理論にのっとった抜本的な改革が今必要とされているのであります。(「そうだ」との声あり)


 そこでお伺いしたいのでありますが、新基本計画を推進するための具体的な方策について、区長の考えをお示しください。


 最後に、新基本計画の策定についてお伺いいたします。


 青木区長は、平成10年にスタートした経営改革宣言のもと、すべての事務事業の見直しを進め、厳しい財政状況を克服してこられましたが、その一方で、平成3年からの前基本計画では51あった新規事業が、平成9年からの現基本計画においては36と約3割も減っており、区政に元気がなくなっているように思えてなりません。


 私は、新基本計画は、葛飾区の将来像である、水と緑豊かな心ふれあう住みよいまちを実現するとともに、10年先を見越して、葛飾区を全国にアピールできるような新規事業を積極的に提案し、区民に夢や希望を提供する使命を負っていると考えます。


 そこでお伺いしたいのでありますが、新基本計画の策定に当たっては、例えば出生率東京一、転入者数東京一、学力東京一、就職率東京一、元気年齢東京一、東京一清潔なまち、消火器の設置東京一、さらには、東京一花の咲いているまちなど、東京一、日本一を目指して葛飾区民が将来に夢や希望を持てるような新たな事業に果敢に挑戦し、元気な葛飾区を実現すべきと思いますが、区長のお考えをお示しください。


 以上をもちまして一般質問を終了します。


 なお、答弁いかんによっては再質問をさせていただきます。


 ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○(谷野せいしろう議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) ふせ議員のご質問にお答えをいたします。


 まず、行政評価の成果指標や区民にわかりやすい事務事業単位についての質問にお答えをいたします。


 成果指標は、区がどんな活動を行ったかではなく、その活動によって、どんなサービスを現実に区民が受けられるようになったのかを示す指標であり、行政評価制度にとって欠くことのできない重要な概念でございます。


 しかしながら、職員にとりましても、行政評価制度の導入に伴って初めて本区に取り入れられたものでありまして、なじみのない概念でございましたので、成果指標の概念や具体的な設定方法について研修や説明会、また各課との個別相談や指導など、客観性や妥当性のある成果指標の設定や見直しに向けて多様な取り組みを行ってまいったところでございます。


 現在の成果指標の妥当性の水準は、全体的に見ますと、他の区との比較では遜色のない状況に達しているものと考えておりますけれども、ご指摘のとおりまだ十分とは言えない部分もあることから、現在策定中の新基本計画におきまして新たに全施策について成果指標を設定することにあわせて、目標値の設定をも含めて、これまでの成果指標につきましても全面的に見直しを行っていく予定でございます。


 また、P・D・C・AサイクルのうちC、すなわちチェックの段階ではコスト中心になりがちであるが、成果指標の目標値の達成状況のチェックと問題点の把握、解決が重要であるというご意見につきましては、これまでもそのような考え方で行ったつもりでございますけれども、ただいまのご意見を踏まえて、さらにその点に留意をしてまいりたいと考えております。


 次に、区民への提供事業を整理、統合して各部課のサービス内容をわかりやすくすべきであるというご質問でございました。


 行政評価制度には、顧客である区民に、みずから支払った税金がどの事務事業に幾ら使われて、それによって区民サービスの提供という形でどれだけの成果を区民にもたらすことができたのかを明らかにするという目的がございます。したがいまして、事務事業の単位につきましては、区民にわかりやすいという視点を基本に置いてこれまでも作業を進めてまいりましたが、ただいまのご意見を踏まえて、なお一層区民にわかりやすい単位となるように工夫をしてまいりたいと考えております。


 次に、官民コスト比較についてのご質問にお答えをいたします。


 公共サービスの提供主体について見直しを行うに当たりまして、指定管理者制度の導入に見られるような民間参入、規制緩和の動きに的確に対応し、サービスの内容、コスト、継続性などの要素を総合的に判断して、適切な運営主体を選定していくことが求められているものと認識をしております。


 中でも、コストにつきましては数字であらわされ、個人の恣意が入りにくいという点を考慮いたしますと、提供主体の選定に当たっては大きな要素であると考えております。


 今後、施設の管理運営主体の見直しを進めるに当たりましても、このような考え方に基づきまして、官民が同等の条件で比較ができるよう条件を整えた上で、複数の事業者から見積もり等を徴して、現行方式によるコストと民間事業者によるコストとの比較を適切に行ってまいります。


 次に、専門性を有しない業務を優先して官民コスト比較を行うべきであるというご質問についてでありますが、専門性を有しない業務は一般的に民間でも実施することが可能であり、また、専門性を有しない業務に係る人件費につきましては、一般的に民間の方がコストが低廉であると言われていることを考慮いたしますと、ご意見のとおりであると考えておりますので、官民コスト比較を行うに当たっては、十分にその点を踏まえて進めてまいりたいと存じます。


 次に、行政評価の事務事業評価票にある民間委託は可能であるという欄にチェックがつけられた事務事業につきまして、官民コスト比較表をあわせて記載すべきであるというご意見でございます。


 官民コスト比較を行うに当たっては、区として事務事業の性格や職員の退職状況を踏まえ、直近に事務事業の運営主体の見直しを検討すべきであるとの判断をしたものから順次進めてまいりたいと思います。


 また、事務事業の運営主体の見直しに伴い、今回の給食調理と同様に、退職不補充が適当なものにつきましては、同じ措置をとってまいりたいと考えております。


 次に、第二次経営改革の総括についてのご質問にお答えをいたします。


 第二次経営改革について総括を行うことは、第二次葛飾区経営改革宣言を行った当事者として、区民に説明責任を果たす上からも、また今後、経営改革を進めていくためにも必要であると考えております。したがいまして、アクションプランの期限が終了をする平成17年度末までには総括を行い、区議会に報告し、区民にも明らかにしていきたいと考えております。


 総括を行うに当たりましては、ご意見にもございました成果指標や官民コスト比較の点も踏まえて、数値目標については数値で取り組みの結果を示すとともに、数値であらわせない取り組みにつきましては、区民にわかりやすい形で取り組みの結果を明らかにしてまいりたいと思います。その際には、成果とともに残された課題とその原因についても明らかにし、今後の改革につなげてまいりたいと考えております。


 次に、行政評価制度を効果的に活用するための事業部制についてのご質問にお答えをいたします。


 事業部制は、各部門に権限と責任をおろす、すなわち庁内分権の推進ということであります。したがいまして、長所といたしましては、組織管理上から言いますと、各部の権限と責任が一層明確になり、各部長は思う存分腕が振るえるという点があろうかと存じます。各部がそれぞれに経営方針を策定し、管理部門からの細かな指示、統制を離れて現場の発想を生かして、自由に創意工夫を凝らし、迅速な意思決定を行って、みずからの部の経営を行えるわけでございます。


 一方で、短所としては、その長所の裏返しとなりまして、仮に不適切な意思決定があっても、それを事前にチェックすることができない。また、十分な庁内調整がないまま拙速な意思決定が行われる可能性があり、部分的には正しいものであっても、全体的には必ずしも適当とは言えない意思決定となってしまうおそれがございます。結果的に、住民の安心感といったものが損なわれるおそれがあると考えられます。つまり、よくもあしくも振幅が大きいという点に特徴があると言うことができると思います。


 本区は、昨年度から新政策推進システムを導入することによって、行政評価制度を活用したP・D・C・Aサイクルを確立し、区長である私のリーダーシップのもとに、現場の発想を生かして、新しい施策や事務事業を展開しております。


 今後、新基本計画を推進していくために、ただいま申し上げた新政策推進システムをさらに発展させるよう検討していく予定でありますので、ご提案の事業部制につきましても、先ほどの長所短所を十分に踏まえた上で、その中で検討してまいりたいと考えております。


 次に、新基本計画の策定に関するご質問にお答えをいたします。


 新基本計画の策定に当たりましては、ご指摘のとおり、計画と行政評価、予算とを一本化した葛飾区独自のP・D・C・Aサイクルの構築を目指しております。政策と施策に優先度や実施主体割合を明記することを初め、一事業ごとにわかりやすい数値目標を設定した上で、その事業成果を行政評価でチェックすることにより経営資源の最適化や事務事業の改善をより一層進めることで、厳しい財政状況にもP・D・C・Aサイクルを円滑に運用して柔軟に対応できる計画にしてまいりたいと思います。事業部制やPFIの導入、ITの活用などにつきましても、区民と創る元気なかつしか6つの戦略の一つである経営戦略に位置づけまして、本区の実情に最も適した形で導入できますよう、さまざまな角度から十分に検討をしてまいります。


 また、区民が将来に夢や希望を持てるような元気な葛飾区の実現につきましては、今後の成長が望める分野をリーディング・プロジェクトとして、現在、健康産業やコミュニティ・ビジネスの創出、サテライト型の大学の誘致、観光や文化、スポーツによるまちづくりの構想などを検討中であります。完成した計画書には、全国的に見ても先進的で初の試みとなるものとなりまして、元気な葛飾区を全国に発信をする手段として活用をしていきたいと考えているところでございます。


 その他のご質問につきまして、政策経営部長から答弁いたさせます。


○(谷野せいしろう議長) 政策経営部長。


○(青木克徳政策経営部長) 保健所及び母子生活支援施設の建て替えについてのご質問にお答えいたします。


 公共施設見直し検討委員会は、昨年度に取りまとめた施設白書の中で明らかとなった課題を区民の方々や学識経験者などと検討を進めることで、今後の葛飾区における公共施設のあり方を明らかにしていくことを目的に設置したものでございます。


 これまでに8回の委員会を開催し、区民と行政の協働のあり方や同様な施設ごとの方向性、また、コミュニティ施設のあり方などについて検討を進めてきており、3月には中間報告として所管委員会にお示しする予定でございます。


 これまでの委員会における検討は個別の施設について検討しているものではなく、利用内容が似ている施設等を総合的に検討しているところでございます。


 ご質問の葛飾保健所や母子生活支援施設についてですが、それぞれの施設が狭隘化、バリアフリーへの対応、耐震上の安全度の確保等について課題を抱えており、保健所につきましては、子育て支援、高齢者の介護予防、感染症対策などへの積極的な対応を図るため、また、母子生活支援施設については、母子家庭の自立支援、虐待やDV(ドメスティックバイオレンス)対策の充実などが求められている施設として、それぞれが今日的な役割や機能を踏まえると、その必要性や緊急性が高いと考えております。


 さらに、保健所につきましては、現基本計画におきましても建て替えの方向性が示されており、また、区議会からも建て替えについてのご示唆をいただいているところでございます。そのため、平成17年度予算におきまして、それぞれの施設の今後の建て替え方針をお示ししたところでございます。


 今回の建て替えの検討に当たりましては、既に区議会にご報告させていただいております区有財産の活用等に関する基本的指針を踏まえて、その必要性、事業手法としてPFI事業の活用の検討、移転後の跡地の売却等により財源を捻出していくことなどについて検討をしていることから、公共施設見直し検討委員会における検討及び考え方との整合性はとれているものと考えております。


 次に、PFIについてのご質問にお答えいたします。


 PFIは、公共施設の設計、建設、維持管理及び運営等にわたるライフサイクル全体を見据え、民間の資金やノウハウを活用することにより、低廉で良質な公共サービスの提供を行う事業手法でございます。


 PFIの効果といたしましては、民間が創意工夫を発揮することによるサービスの向上、建設から運営まで一体的に実施することによる事業コストの削減、財政支出の平準化、公共と民間の新たな協力関係の形成や、民間事業機会の創出による地域経済の活性化や雇用の確保等が考えられます。


 一方、PFIの留意点といたしましては、公共施設の管理運営等を含めて、長期間、民間事業者にゆだねていくことによるリスク管理や国庫補助金の適用や課税面に不利になる場合があるなどが想定されております。


 このような点を十分に踏まえて、本区におきましては、平成17年度予算におきまして保健所の建て替え、仮称子ども総合センターの整備、立石図書館の建て替えにつきまして、民間のコンサルティング会社等を活用してPFI事業化等調査委託費を計上し、PFIを含めた最適な事業手法や事業収支の検証を十分行い、最も効果的、効率的な事業のあり方を選択してまいりたいと考えております。


 次に、ITについてお答えします。


 基幹システムの再構築、いわゆるレガシー改革への取り組みに関するご質問でございますが、ご指摘にもございましたとおり、平成13年当時、住民記録や税情報などの住民情報系を中心とした事務処理システムは汎用コンピュータを利用しておりましたが、経営改革を掲げる本区にとって、年間約5億円を超える汎用機の運用保守費用は大きな負担となっておりました。また、電子申請などインターネットを活用したサービスとの連携を考慮した場合、汎用機専用の基本ソフトやプログラミング言語で構築されたシステムと連携を図るためには、技術的な面での課題が予想されておりました。


 そこで、こうした課題を解決するため、汎用機を利用する方式から標準的な基本ソフトやプログラミング言語を採用した個別分散処理方式へ刷新を図る、抜本的な改革を実施することとしたわけでございます。


 情報処理部門や関係部門の職員が一丸となって取り組んだ結果、年間約4億4,000万円の運用保守費用の削減ができる見通しとなったほか、事務処理効率の向上、区民の窓口における待ち時間の短縮、(発言するもの多数あり)システム修正費用の削減、さらには電子自治体の情報通信基盤の確立ができたことなど、大きな成果を得ることができたものでございます。


 ご案内のように、この取り組みは全国自治体の中では初めての取り組みとして、総務省において次期の地域情報化施策を検討している有識者会議においても高く評価され、そのモデルケースとして全国の自治体からも注目を集めているところでございます。


 このようなレガシー改革やこれまでのIT推進計画に基づく取り組みの成果を踏まえ、平成17年度から平成19年度までを計画期間とする第二次の葛飾区IT推進計画を策定いたしました。次期の計画では、いつでも、どこからでも、だれでも情報ネットワークを利用して豊かさや利便性を享受できる安全なユビキタスネットワーク社会の実現を目指し、電子申請の対象手続の拡大や犯罪情報等の電子メールによる提供、地上デジタル放送を活用した行政サービスの提供の研究など20を超える計画事業の実施を進めてまいりたいと考えております。


 次に、財務会計システムにおける事業のとらえ方に関するご質問にお答えいたします。


 ご案内のとおり、新政策推進システムは、厳しい行財政環境の中で、区民や時代の要請に的確に応えることのできる行政運営を進めていくため、これまでの行政運営の仕組みの中に、行政評価制度を明確に位置づけた形で見直し、基本構想、基本計画及び実施計画を初め、各種の個別計画を含めた計画と、毎年度編成される予算、そして行政評価を一体的に運用していく中で、トップマネジメントを発揮し、重点領域分野の選択や資源の集中的投入を行う一方、その実現の権限と責任を含めて、極力、現場サイドへ移譲すること等を推し進めていくことを目的として導入したものでございます。


 お話にもありましたように、計画、予算、行政評価における事業のとらえ方は、これまでの経緯や制度的な誓約から、必ずしも一致していない部分がございます。しかしながら、新政策推進システムに基づく取り組みの成果を区議会や区民の皆様によりわかりやすい形で公表し、説明責任を果たしていくことは大変重要でございます。


 そこで、財務会計システムの導入を契機といたしまして、ご指摘にございましたような計画事業、予算上の事業経費の内訳である細事項、行政評価事業を可能な限りに統一し、制度上の制約等の理由からやむを得ず統一できないものは、行政評価事業と事業経費の細事項の関連づけを行って、よりわかりやすい形でお示しできるように工夫をしてまいりたいと考えております。


 実施の時期でございますが、激変緩和を図る観点から、2段階に分けて取り組みたいと考えております。第一段階として、行政評価事業と予算上の事業経費の内訳である細事項のすり合わせを、今回提案させていただいております平成17年度予算編成において行っております。そして、本格実施につきましては、新基本計画及び新実施計画に基づく新たな計画事業がスタートする平成18年度予算編成から実施してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 8番、上原ゆみえ議員。


〔8番 上原ゆみえ議員 登壇〕(拍手)


○8番(上原ゆみえ議員) お許しをいただきまして、私はさきの通告に従い、区政一般について区長並びに関係部長に対して質問いたします。


 初めに、介護保険について質問いたします。


 5年をめどに見直す介護保険制度の改革関連法案が開会中の通常国会に提出されました。今回の改革法案の方向性は、高齢者の自立支援を目的とした介護予防重視への転換です。


 今の介護保険制度は、制度本来の目的、すなわち利用者の自立を支援するという機能を十分果たしているとは言えません。昨年の7月30日付で出された介護保険制度の見直しに関する意見という報告書にも記されているように、心身の状態を維持、改善できずに悪化される高齢者もいます。


 制度改革では、軽度の高齢者を対象に筋力トレーニングや栄養改善など新たな予防施策を講じております。筋力トレーニングによる改善効果は葛飾区内でも確認されております。ただし、心疾患などのリスクを抱えた方には配慮が必要です。個々人に即したきめ細かな対応が保険者としての区に求められるのではないでしょうか。


 身体機能が低下する要因として、自立して行きようとする意欲が乏しいことも見受けられます。身体機能だけではなく、心の回復に向けた支援も欠かせません。今回、葛飾区がとられた介護予防推進事業の充実は、高齢者を地域で支え合い、安心して暮らせるまちを目指す葛飾区にとって、とても喜ばしい事業だと思っております。


 そこで、お尋ねいたします。


 区長は、介護予防についてどのように考え、取り組むのでしょうか。お教えください。


 厚生労働省は、次期介護保険制度改革で創設する新予防給付に、新たに予防訪問介護を導入することを決めました。新予防給付は、介護の度合いが軽い人を対象に筋力トレーニングなどの予防事業を実施する一方、炊事などの家事援助を打ち切るものでした。私自身、このことについてとても心配しておりました。


 本年の1月20日、厚生労働省は、激変緩和措置として同給付の中に訪問型予防介護を新設し、ヘルパーが調理などを手助けする形で家事援助サービスを残すことにしたと伺い、ほっとしております。


 また今回の改革の中には、市町村ごとに地域の事情にあわせたサービス提供を可能にする仕組みが導入され、市町村が事業者の指定権限を持ち、必要に応じてサービス量を決定できる地域密着型サービスを創設することができると聞いております。認知症高齢者のグループホーム、定員30人未満の小規模多機能型施設、夜間対応型訪問介護などが含まれているそうです。


 昨年の11月、私は三重県桑名市にある宅幼老所くわなの宿を視察しました。ここは入居高齢者四、五人、通所高齢者5人から10人、学童5人、幼児4人、スタッフ5人の本当に小規模な介護型グループホームと通所施設、それに学童保育が併設されたものでした。場所は旧東海道沿いの市の中心部で、くぎを使わない昔の家をそのまま利用したものです。通所者のショートステイも顔なじみのスタッフなので、認知症の高齢者も安心できるのか、とてもホットな雰囲気でした。認知症の方でも漢字はよく覚えているようで、学童の子が持ってくる国語の宿題を教えたり、よくできました。賢いねと言って褒めておりました。スタッフのお話では、お年寄りには子育ての自信がよみがえり、子供には思いやりが芽生え、ケアの効果を上げておりますと語ってくれました。私は、まるで昔の大家族みたい。これが小規模多機能型施設なのねと改めて認識いたしました。


 葛飾区において、在宅介護を受けている方がショートステイをする場合、通所施設とは別の特別養護老人ホームや老人保健施設を利用するので、施設のスタッフと初対面であったり、スタッフが短期入所した個々人の対応にふなれなため、誤解が生じ、二度とショートステイはしたくないと言って介護をする家族を困惑させるケースも多々あります。小規模多機能型施設では、スタッフとも入居者とも顔なじみなので、時によっては在宅介護を受けているときよりも、心穏やかに過ごせるように見受けられます。


 葛飾区では来年度、第三期介護保険事業計画を立てる予定と聞いております。我が区でもこのような地域密着型サービスとしての小規模多機能型施設が区内に普及していくような仕組みを考えていくべきと思いますが、区の見解を教えてください。


 私ごとで恐縮ですが、昨年、同居している私の母はインフルエンザから心不全を起こし、退院した2日後、家で肩を脱臼し、再び入院、手術。そのころから認知症的な症状が発生し、トイレが間に合わなくなり、私のことを母の姉と間違えるようになりました。私はそのとき、このまま姉のふりをするべきか、母が混乱したとしても娘だと告げるべきかを悩みました。私も家族も初めての経験です。こんなとき、同じような経験をした気軽に相談のできる仲間がいるといいなと思いました。退院後、幸い母は私の息子の、おばあちゃんのみそ汁がもう一度飲みたいという孫の声に応えたくて料理をつくるようになり、今では家事をすることができるまでになりました。


 昨年11月、大阪府の寝屋川市老人介護者家族の会を訪ねました。この会は昭和61年、市内の高齢者の介護をしている家族20人ほど市役所に来てもらい、困っていることを何でも話してくださいというところから始まったそうです。うちでは7年介護を続けている。うちは15年よ。買い物に行けない。冠婚葬祭のとき困る等々。それを聞いて、うちはまだまだいい方だ、頑張ろうとか、みんな頑張っているんだ、我が家も頑張ろうという気持ちになり、22人で昭和61年、寝屋川市老人介護者家族の会を発足したそうです。その後、介護中の方を正会員、介護は終わったけれども、この経験を生かしていきたいという方を準会員、民生委員など趣旨に賛同してくれる方を賛助会員とし、2004年度では391人の会員を抱えております。活動としては、地区懇談会、相談活動、会員同士が助け合い活動で介護者の介護を応援する介護パートナー活動、介護経験を生かした手づくりの介護用品を製作、販売する介護ソーイング活動、懇談会で把握した介護課題を各関係機関に提起したり、介護者だよりの発行、地域ミニデイサービスなど多岐にわたっておりました。


 我が区の場合、特養施設には家族会がありますが、在宅の場合、介護をする側の悩み、苦しみを話せるのは、ヘルパーさんやケアマネジャーさんしかいません。介護の辛さや喜びをともに分かち合えるような高齢者を介護する家族の仕組みづくりを進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。


 介護保険が導入され、サービスを選べる時代になったとはいえ、区内にある特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設に入所する場合、利用者の目線で比較検討できる資料はありません。例えば、夜間の職員数は何人か、送迎は家族立ち会いが必要か、体位の交換は何時間ごとか、人工肛門をつけているが入浴はできるのか、認知症だが受け入れてくれるのかというような内容は、現段階では各施設に問い合わせるしかありません。利用者が客観的にサービスの内容によって施設を選ぶことができるようなガイドブックをつくるべきと思いますが、いかがでしょうか。


 高齢者と同居している家族にとって、介護認定で自立と判断されても、私用で高齢者を一人家に置いておくことは勇気のいることです。火の始末、体調の急変等、家をあけている間も気が気ではありません。現在、敬老館の見直しが進められておりますが、その中で宅老所的な考え方を取り入れた敬老館も必要と思いますが、いかがでしょうか。


 次に、アレルギー性疾患対策についてお尋ねいたします。


 今年の春は、今までにない量の花粉が飛ぶと予測され、場所によっては例年の2倍、去年の30倍以上に上ると言われています。花粉症は必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるわけではなく、かかっていない人でも、毎年花粉にさらされていると次第に過敏になって、花粉症を発症させるとも言われております。今年の2月は雨が多く、例年より寒かったため、花粉の飛ぶ時期が多少おくれておりますが、飛ぶ量が減るわけではありません。一気に昨年の30倍の花粉が飛ぶと考えられます。そうなりますと、例年よりもアレルギー性疾患で悩む区民の皆様が増加することが予測されます。


 アレルギー性疾患というと、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性鼻炎、さらにアレルギー性結膜炎、食物アレルギー、じんましん、アナフィラキシーショック等があります。これらの疾患に悩む患者は増加の一途をたどっております。


 昨年6月、厚生労働省が出した平成15年度保険福祉動向調査によれば、皮膚や目、鼻のかゆみ、ぜんそくなどのアレルギー症状を訴える人は全体の35.9%、国民の3分の1を超えております。同じく文部科学省の学校保健統計では、ぜんそくの児童・生徒の数は、小学校で2.9%、中学校で2.3%、10年前のほぼ2倍に当たります。


 増え続けるアレルギー性疾患に対し、公明党は2000年4月、全国で1,464万人余りの署名活動を実施し、国は2000年10月、臨床研究の治療の拠点となる臨床研究センターを国立相模原病院に開設しました。2004年4月には、基礎研究の中核となる理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターもオープンし、病態の解明、治療法の研究が進められております。


 アレルギー性疾患は、早期発見・早期治療が大切です。そこで質問いたします。


 アレルギー性疾患対策の強化として、保健所を初め企画、広報、営繕、地域振興、環境、福祉、子育て、まちづくり、住環境、学校教育など幅広く対応しなければならない課題であり、各分野できめ細かな対策が求められていると思います。区はどのような課題があると考えているのでしょうか。また、区はそれらについてどのように取り組んでいくのでしょうか。


 アレルギー性疾患は、また他のアレルギー性疾患を併発している場合が非常に多く、対処が難しいとのことです。単なる湿疹なのか、アトピー性皮膚炎なのか見きわめが困難と聞いております。アレルギー性疾患対策にかかわる人材、すなわちアレルギー性疾患についての知識の豊富な保健師の育成が急務であり、区も積極的に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。


 アレルギー性疾患は自分自身が持っていることを気づかない場合があります。ぜんそくや目のかゆみ、鼻づまりなどに影響を及ぼすアレルギーは子供に多い病気ですが、近年では大人になってから発症する人も多いようです。突然倒れ、救急車で運ばれ、一命を取りとめたケースもあるようです。


 先ほどの保健動向調査を見ても、アレルギー性疾患対策への要望として、行政機関に専門の相談窓口を設けてほしい、アレルギーに関する情報を積極的に提供してほしいという声がありました。何かおかしいと思ったとき、まず気軽に聞ける相談室が必要ではないでしょうか。アレルギー性疾患に関するより積極的な情報提供、すなわち講習会、広報紙など単発的な情報提供にとどまらず、国・都、他区市、民間専門機関などとの連携により、例えばアトピー性皮膚炎ならこの医療機関で検査を受けることができるとか、食物アレルギーなら必ずここで診てもらえるというような医療機関に紹介するなど、総合的、積極的な情報提供に区が打って出るべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、学校におけるアレルギー性疾患対策の拡充強化についてお尋ねいたします。


 この問題は、3年前、我が会派の杉浦議員が、食物アレルギーを持つ児童・生徒の対応としてアレルゲン除去食による学校給食の改善、学校及び敷地内のシックスクール対策、アレルギー性疾患に関する教職員の共通理解や、アレルギー性疾患を患っている児童・生徒、保護者を含めた教育、指導などについて質問をいたしました。その後の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。教えてください。


 昨今、食物アレルギーが疾患として社会的に認められるようになりました。そのため、給食を無理やり食べさせられるようなことはなくなったと認識しております。アレルギーへの対応は、除去食、代替食、お弁当持参などの発症を避ける日常の対応と、アナフィラキシーショックのような緊急時の対応と二つに分けて取り組む必要があると考えます。アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応の一種であり、生命にかかわることもある急性の症状で、北海道で起きたそばアレルギーでの死亡例が有名です。今後も食物アレルギーは確実に増え続けると予測されます。今取り組むべきことは、そのような事例の蓄積が必要であると考えます。


 神奈川県では、昨年の8月から9月に県立保健福祉大学において、養護教諭、学校栄養職員を対象に食物アレルギーについての正しい知識と対応を理解してもらうために食物アレルギー研修を行ったと伺っております。仙台市でも昨年から新人教職員の研修に、食物アレルギーをメニューに加えたと聞いております。我が区でも養護教諭、学校栄養職員対象の食物アレルギー研修等を行ってはいかがでしょうか。


 昨年6月、栃木県宇都宮市で行われた日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会での小学校養護教諭の発表が、参加者の関心を集めたという話を伺いました。それは、神奈川県茅ヶ崎市の小学校で、体育で汗まみれになり症状を悪化させるアトピー性皮膚炎の児童を見かねた養護教諭の粘り強い働きかけが実り、保健室にシャワーが設置されたという内容でした。


 葛飾区における小学生のアレルギー性疾患の患者数は、平成10年度からの推移を見ると、アトピー性皮膚炎は小学校において確実に増加しております。アレルギー性疾患対策として、保健室にシャワーを設置するような改善を図るべきと思いますが、いかがでしょうか。


 次に、防災についてお尋ねいたします。


 2004年10月23日、新潟県中越地方を襲った震度7の地震は、地方部における直下型地震としてはまれに見る被害をもたらし、大都市とは言わず日本中のほとんどどこでも大災害に見舞われる危険があることを改めて示しました。加えて、2004年には10個の台風が日本を襲い、災害列島を強く印象づけました。今回の経験は、災害列島に住む私たちに重大な警告を与えているものと深く受けとめていかなくてはならないと考えます。


 思い起こせば10年前、1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災は、マグニチュード7.3、最大震度7の直下型地震で、特に神戸市を中心とした阪神地域と淡路島北部で大きな被害をもたらしました。


 一方、東京における直下地震の被害想定に関する調査においては、区部ではマグニチュード7.2規模の直下型地震が起きた場合、震度は最大6強になると想定され、阪神・淡路大震災の被害と比較して、東京都の被害想定では、特に火災による被害が阪神大震災では、焼失面積、焼失建物が65ヘクタール、7,456棟に対し、東京都の被害想定では9,600ヘクタール、37万8,401棟と約100倍以上の被害です。


 神戸市では2003年度末に、復興の総括・検証の報告書をまとめております。その中に、震災の教訓と復興過程における教訓に分けて論じております。震災の教訓は一言で言えば、防災に減災の思想を盛り込むことです。すなわち、震災でハードの施設は100%安全でないことがわかった。これからは災害が起こることを前提として、被害をできるだけ少なくする減災の思想を防災対策に取り入れることが重要と報告されております。そして教訓として、1、自然の厳しさを改めて知った。自然災害はいつか必ず起こる。2、地域のコミュニティが命を守る。3、日ごろからのまちづくり活動を進めるべきという3点です。復興過程の教訓は自律と連帯であると述べられております。すなわち、復興過程において一人一人の能力には限界もあり、それが人と人との連帯を生む。個性ある者が集まって、そのつながりが新しい個性を生むなど、人と人との連帯の中から自律が生まれてくる。自律した市民が連帯する市民社会の構築こそが、復興過程の教訓と述べられております。


 これに関連して、1、時間の経過の中で復興が意味するものは変わる。2、復興は分野を関連させながら柔軟に取り組まなくてはならない。3、自律した個々の取り組みが、まちをつくる。4、日ごろの参画と協働がまちづくりを進化させる。5、復興とは新しいシステムに挑戦していくことである。これらの指摘は、日ごろのまちづくりがいかに重要であるかということを報告書は結論づけているように思われます。


 本区ではこのたび、木造住宅の耐震改修や建て替えを促進するために耐震改修に対する助成を行うと聞き、大変喜ばしいことと思います。災害への対応には三つの局面があります。災害に対する予防、災害時の緊急対応、そして復興です。今回の区の対応は、災害に対する予防を一歩進めたと実感いたしますが、復興に対する取り組みについても、今後強化、充実させていくべきと考えます。


 昨年の8月、東京都が23区に呼びかけ、震災復興のまちづくりをするため、新小岩地区を初めとする都内5カ所で、地域協働復興模擬訓練を行いました。訓練方法としては、ステップ1で地域の課題を考える。ステップ2で避難所からの復興を考える。ステップ3で仮設生活を考える。ステップ4として地域の復興計画を考えるとなっております。新小岩地区ではステップ3まで終了したと伺っておりますが、この訓練でどのような問題点が浮かび上がってきたのでしょうか。また、どのような成果が得られたのでしょうか。区としての見解を教えてください。また、このような訓練を他の地域でも開催するべきと思いますが、いかがでしょうか。震災復興のまちづくりは区民の皆様に広く知っていただきたい問題です。シンポジウムを開催するなど、区民にアピールする必要があると思いますが、いかがでしょうか。


 次に、葛飾区と葛飾農業協同組合との間において、締結してある災害時における応急対策に関する協定書についてお尋ねいたします。


 中越地震の折、避難所としてビニールハウスが使われたことは記憶に新しいことです。先日、葛飾で農業を営まれる方とお話をしたとき、中越地震の話題が出ました。その際、ビニールハウスは、地震のときには避難スペースになるんだよ。余り知られていないんだよね。生産緑地の看板の横に、わかりやすい絵かマークをつけるといいよねと言って、こんな絵がいいかなと言って書いてくれました。私は早速、災害時における応急対策に関する協定書を取り寄せ読んでみたところ、確かに第1条の目的の欄に、葛飾区内で災害が発生した場合において、被災住民のための避難スペース等となる生産緑地等の確保を図ることにより、被災住民の生活の安定に寄与することを目的とするとありました。災害はいつ起こるかわかりません。生産緑地の看板の横に、わかりやすい絵及びマークをつけて避難スペースとなることを示してはいかがでしょうか。区の見解をお示しください。


 次に、学校の校庭に夜間照明を設置することを検討していただきたいと思います。


 皆様もご存じのとおり、中越地震の折には、校庭は至る所車に避難されている方々でいっぱいでした。その上余震が続いたため、かえって建物の中に避難しているよりも恐怖感が少ないということでした。地域スポーツや地域活動拠点として、校庭に夜間照明がついていれば、災害が発生したときには、夜間の暗い恐怖からは少しは解消されるのではないでしょうか。財政状況が厳しいことは重々わかっておりますが、ご検討をお願いします。


 次に、防災活動拠点についてお尋ねいたします。


 区では、実施計画の中で防災活動拠点として30カ所を目標に整備を進めております。実施計画では平成17年度までに19カ所を目標にしておりますが、今回の予算を見ますと、上千葉公園といいづか公園の2カ所ですから、18カ所ということになります。ほぼ目標どおりではありますが、区民の皆様は一刻でも早く活動拠点をつくってほしいと願っております。区内には防災活動拠点を探しても探してもなかなか確保できない地区もあります。そのような地区においては、順次計画的に既存公園を防災機能を付記した公園に変えてみてはいかがでしょうか。例えば広めな児童遊園も対象として検討していくべきと思います。


 また、江戸川区では、災害時に、避難所となる小中学校のそばにある下水道のマンホールを利用して、仮設トイレにすると伺っております。葛飾区内もいろいろな公共スペースを活用して、防災活動拠点的な要素を組み込んだものにするべきと考えますが、いかがでしょうか。


 以上で、私の区政一般質問を終了いたします。


 ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○(谷野せいしろう議長) 区長。


〔青木 勇区長 登壇〕


○(青木 勇区長) 上原議員のご質問にお答えをいたします。


 まず、介護予防の区の考え方と取り組みのご質問についてであります。


 本区の介護保険認定者のうち、要支援、要介護1のいわゆる軽度の認定者は、平成12年度末の2,330人から平成17年1月には4,703人と増加をしております。また、これらの軽度者が全認定者数に占める割合は33.7%から43.4%と顕著な増加を示しているところでございます。


 これまでもパワーリハビリテーションや認知症予防教室、転倒予防教室を実施するなど、これらの軽度者の介護状態の改善や悪化の防止に努め、介護が必要になっても、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう介護予防事業を推進してまいりました。


 国でも、現在進めている介護保険制度の見直しにおいて、要支援、要介護1のいわゆる軽度の認定者に対し、統一的な体系のもとで、総合的な新介護予防システムを確立するとしております。


 今後、本区といたしましては、国の見直しの動向を踏まえて、介護予防事業の一層の推進に努めてまいりたいと存じます。


 次に、小規模多機能型施設についてのご質問にお答えをいたします。


 ご指摘の小規模多機能型施設は、現在国会に提出をされております介護保険法改正案の中で、要介護者の在宅での生活継続を支援する地域密着型サービスの一つとして創設が予定されているものでありまして、通いを中心に要介護者の状態や希望に応じて、随時訪問や泊まりのサービスを組み合わせて提供をする施設であります。


 小規模多機能型施設を初めとした地域密着型サービスにつきましては、国は、社会福祉施設の整備に係る補助金にかわって新たに創設をする交付金によって整備を促進する考えでありますが、いまだこれらの施設の具体的な整備基準や運営の基準、介護報酬等が明らかになってはおりません。


 このため、本区におきましては、こうした情報を積極的に収集するとともに、区民の利用意向や事業者の参入意向を十分踏まえながら、来年度第3期介護保険事業計画を策定する中で、小規模多機能型施設の整備促進策を検討して、施設整備の計画化を図ってまいりたいと考えております。


 次に、防災対策のうち、防災活動拠点に関する質問にお答えをいたします。


 防災活動拠点の整備は、実施計画に基づいて、毎年二、三カ所の整備を行っており、平成16年度末で16カ所が完成をする予定であります。


 防災活動拠点の整備は、公園の新設や既存公園の改修計画にあわせて整備を行っているところでございますけれども、防災倉庫などの施設を設置するには、一定の広さが必要となっており、また、震災直後には生活の支援の場として、そして平常時には、放水訓練や救護訓練などの自主防災活動の場として活用するためには、公園内にある程度のオープンスペースを設ける必要があることから、現在ではおおむね1,000平方メートル以上の公園を対象に整備をしているところでございます。


 しかしながら、そのような公園がなく、また、公園の新設計画もない地区においては、1,000平方メートルに満たない公園や使い勝手のよい児童遊園などを活用することも検討しなければならないと考えているところでございます。


 その他、教育関係あるいは具体的、詳細的なご質問につきまして、教育長及び所管部長より答弁をいたさせます。


○(谷野せいしろう議長) 教育長。


〔山崎喜久雄教育長 登壇〕


○(山崎喜久雄教育長) 学校の校庭に夜間照明を設置することについてのご質問にお答えいたします。


 校庭の夜間照明につきましては、今般の新潟県中越地震に見られるように、地震直後の停電の中で、校庭に照明があることにより不安な夜を被災者が安心して過ごすことができるなど、災害時においても役に立つと考えております。


 また、平常時においては、当然のことながら部活動や地域スポーツ・レクリエーション活動の活性化にも大きな効果が期待できるものと認識しております。


 校庭に夜間照明を設置するためには、既に実施している区の事例を見ますと、工事や維持管理に多大な経費を要すること、周辺住民に対する光の影響などの問題もございます。(「そんなことないよ」との声あり)


 本区といたしましては、他区の実施状況を調査しながら、財政負担や近隣への影響、(「自己負担すればいいじゃない、受益者負担で」との声あり)維持管理の問題や夜間照明による効果などについて検討するとともに、条件の整った学校での実施について検討してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 高齢者支援担当部長。


○(西村政次高齢者支援担当部長) 介護保険について、介護者が共通する悩み、苦しみを共有できるような仕組みを考えていくべきというご質問にお答えいたします。


 高齢者を介護する家族などの負担を軽減し、介護を必要とする高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるように、平成12年度に介護保険制度が導入され、介護の充実が図られております。


 しかし、平成15年に区が実施しました特別養護老人ホーム入所希望者実態調査によりますと、介護者の半数以上が家族の精神的負担を挙げております。


 区におきましては、現在、介護保険や福祉、保健に関する相談窓口を介護保険課に設置し、さまざまな相談に応じたり、在宅介護支援センターが認知症高齢者の介護者のグループ化を支援しているところでございますが、今後とも、介護者が一層安心して介護を行えるよう、お話のあった、介護者同士が連携し、介護情報の交換や、介護者が共通する悩み、苦しみを共有できるような仕組みづくりについても検討してまいりたいと考えております。


 次に、宅老所的な考え方を取り入れた敬老館も必要だとのご質問にお答えいたします。


 先ほどの実態調査の中で、介護者の半数以上の方が、外出ができないことや、自分の時間がとれないことを困りごととして挙げております。


 このような介護者の日常的な負担を軽減するためには、身近な地域で介護者が安心して高齢者を預けられるサービスが必要になりますが、今後、指定管理者の導入など、敬老館のあり方を見直す中で、ご指摘の宅老所的な機能についても区民ニーズを踏まえ検討してまいりたいと考えております。


 次に、利用者がサービスによって施設を選ぶことができるガイドブックについてのご質問にお答えいたします。


 区民の方が、介護老人福祉施設や介護老人保健施設、介護療養型医療施設を選ぶ際に参考となる情報を提供することは、必要であり、かつ重要であると考えております。


 従来も福祉サービスの利用者が自分に合ったサービスを安心して主体的に選べるよう、インターネット上で福祉情報をとうきょう福祉ナビゲーションとして提供しております。


 また、事業者においても利用者に対するサービスの選択を実効あるものとする観点から、その施設やサービスの内容について公開するよう義務づけることが、現在、介護保険法の見直しの中で検討されております。


 本区においても施設における職員の配置状況、居室の費用やトイレ、洗面所の有無、食事の提供時間や内容等について、区民の方が必要とする情報を事業者において提供できるよう、事業者を指導してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 保健所長。


○(伊藤史子保健所長) 初めに、アレルギー性疾患対策における各分野でのきめ細かな対策についてのご質問にお答えいたします。


 区では、平成14年5月に保健所内にアレルギー性疾患対策検討会を設置し、予防対策、相談体制、地域における関係機関との連携強化及び患者支援という4点について積極的に取り組むことといたしました。


 現在、保健所内関係各課で組織するワーキンググループにおいて連携を図り、施策の推進に努めているところでございます。


 今後は、区民の生涯を通じたアレルギー性疾患対策を推進するため、住環境等の対策を含めた総合的な取り組みが重要であると考えております。


 そのため、保健所内にとどまらず、関係部署と継続的に連携を図るとともに、地域において患者や家族を支援するためのネットワークづくりに取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、アレルギー性疾患対策にかかわる人材育成についてのご質問にお答えいたします。


 アレルギー性疾患の発症因子は多岐にわたり、また、乳幼児から高齢者まてのライフステージごとに、疾患の様態や患者のニーズも異なるため、相談に当たっては専門的な知識を要すると考えております。


 区では、アレルギー性疾患対策にかかわる人材育成として、東京都が主催するアレルギー専門研修へ、保健師を中心とした職員の派遣によりアレルギー事業推進員を養成するとともに、国や東京都における研究結果などの情報収集に努め、また、専門図書やアレルギー性疾患ガイドブックを活用した専門知識の向上を図っているところでございます。今後とも人材育成について努めてまいりたいと考えております。


 次に、アレルギー相談や積極的な情報提供についてのご質問にお答えいたします。


 アレルギー性疾患の情報提供に関しては、現在、手づくりパンフレットを季刊で作成し、保健所、保健センター及び児童館で配布するとともに、平成16年度には、年2回のアレルギー講演会の実施やFMかつしかでの情報提供を行っております。


 また、相談体制としては、乳幼児健診などの母子保健事業において個別相談に応じるとともに、平成15年度には、保健所、保健センターにアレルギー相談窓口を設置し、アレルギー性疾患に関する一元的な相談体制の整備を図ったところでございます。


 平成15年度の相談窓口における相談件数は164件であり、そのうち診断、治療や医療機関に関する相談が24件ありました。


 今後は、相談日を設けたり、相談後の支援体制として、現在、東京都において整備が進められている都立病院を中心としたアレルギー専門外来や重点病院と、区内医療機関との連携推進を図る等、ニーズに応じた医療が提供されるシステムを構築していきたいと考えております。また、ホームページ等により国や東京都の情報が広く手軽に活用できるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 教育次長。


○(小川幸男教育次長) 学校におけるアレルギー性疾患対策のご質問にお答えいたします。


 児童・生徒のアレルギー性疾患の対応については、多様な対策が必要であるため、就学時健診や保護者面談等において積極的に実態把握に努め、個別的な対応をとっているところであります。


 ご質問にありますように、学校給食における食物アレルギーを持つ児童・生徒への対応につきましては、各学校において、保護者に配布する献立表等に使用食品を表示するとともに、学校長を初め担任教諭、養護教諭、栄養士等と、保護者とで十分に協議をし、可能な限り除去食による対応を実施しております。さらに、一部の学校においては、献立等により代替食を小鍋で料理したり、それでもやむを得ない場合はお弁当を持参していただくなど、保護者と連絡を取り合いながら個別の対応をしております。


 また、シックハウス対策といたしましては、大規模な学校改修工事や耐震補強工事の際ははもちろん、簡易な改修等におきましてもホルムアルデヒドなどの空気中の化学物質に関する検査を実施しております。あわせて、平成15年度より3年計画で、区立小中学校全校の普通教室、図工室、音楽室、パソコンルームで検査をしております。その結果、国の基準値を超過している教室については換気扇を設置するなど、学校環境の整備に努めております。


 さらに、アレルギー性疾患に関する教育、指導につきましては、児童・生徒の個別の状況の把握や予防、発作時の対応について教職員で共通理解を図るとともに、アレルギー性疾患の児童・生徒を含めた子供たちに対して、アレルギー性疾患への予防や配慮などについて正しい理解をさせるための指導に努めているところであります。


 次に、食物アレルギー研修等についてお答えいたします。


 食物アレルギー疾患の児童・生徒の有症者は、ご指摘のとおり年々増加をしており、今後、養護教諭や学校栄養職員の役割はますます重要なものとなっていくものと認識しております。そうした状況の中で、これら教職員を対象とした食物アレルギー研修等は、食育や健康教育の向上に大いに期待できるものであります。


 この増加傾向にある食物アレルギー性疾患の児童・生徒への対応の重要性から、これまでの国や都が主催した研修等への参加だけでなく、養護教諭を初め栄養士や、今後、栄養士未配置校に配置される非常勤栄養士を対象とした区主催の研修や研究会の実施を検討してまいりたいと考えております。


○(谷野せいしろう議長) 発言中ですが、この際お諮りいたします。


 会議時間を延長することに異議ありませんか。


〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


 異議なしと認め、会議時間を延長することに決定いたしました。


 教育次長、続けてどうぞ。


○(小川幸男教育次長) では、続けさせていただきます。


 次に、児童のアトピー性皮膚炎対策としてのシャワーの設置についてのご質問にお答えいたします。


 児童のアトピー性皮膚炎対策としてのシャワーの設置につきましては、プールや体育の授業後にシャワーを使用することで皮膚を清潔に保つことにより、症状の軽減を図る効果が期待できると言われております。(発言する者多数あり)


 このような中で、現在、小学校の心障学級や体育館の一部に温水シャワーが設置されておりますので、これらの利用状況につきましても今後調査してまいりたいと考えております。


 また、既にシャワーを設置している自治体の実施状況について情報を収集し、シャワーの効用などについてさらに調査研究してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(谷野せいしろう議長) 地域振興部長。


○(高橋成彰地域振興部長) 新小岩地区での震災復興模擬訓練についてのご質問にお答えします。


 新小岩地区での訓練につきましては、実施途中でありますので、訓練終了後に問題点や課題、成果などを整理し、訓練報告書として取りまとめられることになります。


 これまでの訓練において、参加者の多くの方が、速やかに震災復興をなし遂げるためには、平常時から震災復興についての話し合いを行い、あらかじめ復興計画を策定し、合意形成を得ておく必要があると指摘をしております。こうしたことは、新小岩地区に限らず、他区での訓練においても指摘をされておりまして、いわば震災復興に共通の課題が確認をされたということができます。


 また、これまでの成果としましては、災害復興まちづくり支援機構に属する弁護士や中小企業診断士などの専門家の参加を得て、震災復興時の法律的な問題などを含めた大変中身の濃い議論を行うことができました。災害復興支援機構とは今後も連携を密にすることにより、災害対策の向上を図ってまいりたいと考えております。


 次に、震災復興模擬訓練を他地域でも開催してみてはどうかとのご質問にお答えいたします。


 都区共同でこの訓練を実施するのは、原則として1区1回となっておりますので、訓練実施後は、各区の主体的な取り組みにより、この地域協働復興に対する区民の理解を深め、地域住民による活動を促進していくことが原則となりますが、他地区においても同様な訓練をすることは大変意義のあることと考えておりますので、都立大学や東京都に対しまして、次年度以降における訓練の実施について働きかけてまいりたいと存じます。また、新小岩地区での訓練で培った区職員の経験やノウハウを活用し、例えば防災課が各地区で行っている防災研修などにおいて、ミニ訓練などを実施することも検討してまいりたいと考えております。


 次に、区民へのアピールについてのご質問にお答えします。


 平常時から震災復興について考えることの必要性について、区民の皆さんの理解を深めていくためには、お話にありましたように、新小岩地区での訓練の成果発表会やシンポジウムの開催などに取り組む必要があります。今回の訓練に参加しました地元の関係団体や災害復興まちづくり支援機構などの協力を得ながら、実施を検討してまいりたいと考えております。


 次に、ビニールハウス等に関するご質問にお答えいたします。


 葛飾区と地元農業協同組合との間で、災害時における野菜等の物資の優先供給や避難スペースなどに利用する生産緑地やビニールハウスの提供について防災協定を締結しております。このうち、生産緑地やビニールハウスの提供については、すべての生産緑地やビニールハウスを対象としているわけではなく、あらかじめ協力者が決められております。


 したがいまして、協力者について、看板等により表示することにより、地域の皆さんにも、どのビニールハウス、生産緑地が災害時の避難スペースとして活用できるかわかることになりますので、表示について協定先の農業協同組合とも協議したいと考えております。


 次に、いろいろな公共スペースを活用して防災活動拠点的な要素を組み込んだものにすべきとのご質問にお答えいたします。


 防災活動拠点になっている公園につきましては、平常時はベンチとして利用し、災害時はトイレやかまどとして活用するなど、さまざまな防災機能を持たせております。しかし、大きな災害が発生しますと、大変多くの区民の方が自宅での生活が困難になると想定されておりますので、防災活動拠点に限らず、他の施設や設備につきましても、災害時にも有効に活用できる、あるいは別の目的に転用できることなどの工夫をして整備することが重要と考えます。


 具体的にご提案がありました下水道のマンホールをトイレとして活用することにつきましては、衛生上の問題や利用者の安全確保といった点で検討すべき問題もありますが、災害時の活用について、所管しております下水道局と調整をしてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


──────────────────────────────────────────


○(谷野せいしろう議長) 以上をもちまして、本日の議事日程を全部終了いたしました。


 あすの本会議は午前10時から開きますので、出席願います。


──────────────────────────────────────────


○(谷野せいしろう議長) 本日は、これをもって散会いたします。


 午後5時4分散会