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東京都 豊島区

平成17年第1回定例会(第2号 2月22日)




平成17年第1回定例会(第2号 2月22日)





 平成十七年豊島区議会会議録第二号(第一回定例会)





 
平成十七年二月二十二日(火曜日)


議員定数 三十八名


出席議員 三十七名


      一 番   中 島 義 春


      二 番   島 村 高 彦


      三 番   五十嵐 みのる


      四 番   水 谷   泉


      五 番   日 野 克 彰


      六 番   中 田 兵 衛


      七 番   永 野 裕 子


      八 番   竹 下 ひろみ


      九 番   高 橋 佳代子


      十一番   堀   宏 道


      十二番   村 上 宇 一


      十三番   本 橋 弘 隆


      十四番   里 中 郁 男


      十五番   藤 本 きんじ


      十六番   小 林 俊 史


      十七番   泉 谷 つよし


      十八番   山 口 菊 子


      十九番   木 下   広


      二十番   此 島 澄 子


     二十一番   池 田 尚 弘


     二十二番   吉 村 辰 明


     二十三番   戸 塚 由 雄


     二十四番   小 峰   博


     二十五番   福 原 保 子


     二十六番   大 谷 洋 子


     二十七番   小 林 ひろみ


     二十八番   森   とおる


     二十九番   池 内 晋三郎


     三十 番   小 倉 秀 雄


     三十一番   遠 竹 よしこ


     三十二番   吉 田 明 三


     三十三番   篠   敞 一


     三十四番   副 島   健


     三十五番   原 田 太 吉


     三十六番   吉 田   敬


     三十七番   垣 内 信 行


     三十八番   河 野 たえ子


欠席議員 一名


      十 番   水 間 和 子


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職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名


     事務局長     大 門 一 幸


     次    長   町 田   剛


     議事担当係長   熊 谷 雅 夫


     議事担当係長   外 川 淳 一


     議事担当係長   近 藤 泰 富


     調査係長     小 林 弘 和


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説明のため出席した者の職氏名


     区    長   高 野 之 夫


     助    役   水 島 正 彦


     収入役      今 村 勝 行


     政策経営部長   大 沼 映 雄


     総務部長     山 木   仁


     区民部長(文化担当部長)


              小 野 温 代


     商工部長     齋 藤 賢 司


     清掃環境部長   河 原 勝 広


     保健福祉部長   川 向 良 和


     子ども家庭部長  郡 司 信 興


     都市整備部長   上 村 彰 雄


     土木部長     増 田 良 勝


     ―――――――――――――――――――――


     教育長      日 高 芳 一


     次長       松 ? 充 彦


     ―――――――――――――――――――――


     選挙管理委員会事務局長


              森   茂 雄


     ―――――――――――――――――――――


     監査委員事務局長 島 本   清


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   議 事 日 程


一、会議録署名議員の指名


一、一般質問


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   会議に付した事件


一、会議録署名議員の指名


一、一般質問


   吉村辰明議員「温かく家庭と地域社会を守り、それを誇りと思う教育を」


   大谷洋子議員「区民と協働の明るい未来の豊島区に」


   木下 広議員「区政の再編で持続可能な?としま?づくりを」


   小林ひろみ議員「憲法をいかし、福祉とくらし優先の区政にあらためよ」


一、会議時間の延長


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    午後一時三分開議


○議長(戸塚由雄) これより本日の会議を開きます。


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○議長(戸塚由雄) 会議録署名議員を議長からご指名申し上げます。三十六番吉田敬さん、三十七番垣内信行さん、一番中島義春さん、以上のお三方にお願いいたします。


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○議長(戸塚由雄) これより一般質問に入ります。


 発言通告に基づき、順次これを許可します。


 まず、二十二番議員より「温かく家庭と地域社会を守り、それを誇りと思う教育を」の発言がございます。


      〔吉村辰明議員登壇〕(拍手)


○二十二番(吉村辰明) 私、吉村辰明は、自由民主党豊島区議団を代表いたしまして、これより一般質問をさせていただきます。毎年、第一回定例会でさせていただいておりまして、大変名誉なことと感じております。また、いつも一般質問の内容を象徴する形でタイトルを付けております。今回は「温かく家庭と地域社会を守り、それを誇りと思う教育を」と題しております。


 さて、年が明け、今年も各所で新年会が開かれ、それぞれのあいさつの中でも、戦後六十年、人に例えれば還暦という言葉が聞かれますし、小泉首相の第百六十二通常国会での施政方針演説においても、六十年を節目として、日本の改革をさらに進めていく強い決意が読み取れます。今年は、日本という国にとっても大きな節目と感じております。


 さて、豊島区政に目を転じますと、スマトラ沖大地震のような大激震に見舞われていると言っても過言ではありません。区政は常に社会状況の変化を読み、それに応じて区政を運営するものでありますが、特に今年は、豊島区の将来を考えますと重要であり、あらゆる意味において国以上の大転換期であると考えております。こうしたことを基本として質問をいたします。


 まず最初に、平成十七年度予算と行財政改革プラン二〇〇四についてであります。


 先程も触れました新年会や春の集いに、私も含めた議員、そして区長さんも出席されておりますが、改めて私が申し上げるまでもなく、区政に対して厳しいお声がそれぞれの場面で伝えられております。なぜ豊島区はこんなにお金がないのか、こんなになるまで議会は何をしていた等、時には本当に辛辣な言葉をかけられるときもあります。区民の方々から見ると、私は、素直な受止めであり、実感であると感じています。私自身も、今日の状況を招いたことに対し、その一人として強く反省の念に立っております。


 そこで、先日の予算内示会で説明されました行財政改革プラン二〇〇四と昨年九月に示された素案との違いについてでございます。


 最初に、区民生活に直接関わります第五章「施策の再構築」ですが、今般の行革では、各事業の廃止・休止を含めた見直しがされ、特に福祉について大幅な見直しが行われております。素案から最終プランに至る過程で部分的に修正がなされたものの、全体としてはほとんど修正がなく事業の見直し等が行われたことについて、どのように受け止めておりますか。見ようによれば、それだけできる状況であった、また心を鬼にした強い意志の表れなのかであります。福祉を例にしますと、これまで豊島区は「福祉の豊島」を強く打ち出しておりましたが、この度の行革について、区長の言う「身の丈を超えたサービス」を行ってきたところは、普通のサービス水準に戻したとのことで、大幅な縮減・削減となっています。私も、普通のサービス水準については、現在の状況を考えますとそのとおりとは思いますが、街の方々からは、福祉水準も含め、何がそんなに他の自治体よりサービスが多かったのか、今ひとつ理解できないとの声が聞かれます。それこそ、素直な声であると思います。


 後程具体的に質問しますが、今後さらに行政全体をスリム化しなければ、十八年度は約四十八億、十九年度は約五十一億、二十年度は約四十七億という膨大な財源不足を見込んでおり、特別な財源手当て等がなければ、さらなる事業規模の縮減等を図る必要があると思われます。このことは、区民から見ると、年々サービスの低下を強いられることになると受け止めることになると思います。一方、役所は金がなくなったことをサービス水準のことに置き換えて、区民の責任にしているとの声も聞かれます。私は、今後、行革プランを進める上で、現在の財政状況を踏まえると、どの程度の水準が適切なサービス事業費なのか、目標を示す必要があると思うのであります。目標が示されなければ、どこまで減らすのか、区民の不安は大きくなるばかりであります。義務的経費や投資的経費は別として、一般の区民サービスに関する事業費の水準が他区と比べてどうなのか、例えば人口規模が同じ目黒区や、豊島区と並び財政状況が厳しいといわれてきた中野区などと比較した上で、一定の目標を明確にする必要があると思いますが、いかがでしょうか。


 そして、行革プランの進め方であります。昨年の決算特別委員会で、私は、すべての部長さんに枠配のご苦労について感想を求めました。各部長さん、それぞれの立場でご答弁をいただきましたが、行政マンであり、決算委員会という場では、なかなか本音を聞くことができませんでした。しかし、相当荒っぽい枠配のやり方だという声も聞こえております。もちろん、改革を進める上では、血を流す思い切ったことも必要であり、すべてに納得等を求めたら何もできませんので、仕方がないことも理解しておりますが、同様な手法が区民に対しても見られることを危惧しております。


 私は、豊島区の財政危機を乗り越えていく上では、行革を推進しなければならないし、これまでの膿を出していくことも必要だと思います。しかし、これ程の財政難や区民ひろばを含めた事務事業の休止・廃止等について、突然方針が出て、あれよという間に区民に降りかかり、いつの間にか実施されている。状況を知らない区民から見ると、これまで事前に行ってきた会話等がなく、上意下達のような受止めもされてしまいます。また、素直に申し上げますと、論理構成や政策・方針について、必ずしも十分に議論、施策としてこなれていない状況や、思いついたら即ということも各説明会等で時々見受けられます。そのため、行政に対し、街が一層不安感や不信感を抱く要因になっていると思っております。


 今回の所信表明の中で、区長は、「街全体をキャンバスに」とした将来図を描き、地域の力との協働を基本とした区政の展開について、改めて強調なさいました。将来展望を区民と共有し、地域の力との協働を進めることで、初めて豊島区の未来を切り開くことができるとのお考えであり、私も深く共感を覚えるところであります。しかし、そうであればこそ、区民の意見や声を積極的に汲み上げる取組みがより一層重要となってくるのではないでしょうか。区が方針を決めてから意見を聞くのではなく、区民の意向を踏まえて検討を進める必要があります。生活環境の中で、区民が今何を課題と感じているのかを捉え、それを具体的な行政施策に連動させていく、民間企業でいうところのマーケティングに相当するような仕組みづくりが必要であると考えます。世論調査等を基に、区民とのコミュニケーションを重ねながら、施策の選択と集中や政策形成を図る仕組みを行財政改革に組み入れることが必要であると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。


 次に、予算についてお聞きします。


 十七年度予算は、一般会計で対前年度比マイナス一・六%、五会計で対前年度比〇・三%の減となっております。私は、さきに申し上げました行革プランと予算について、十七年度予算は単年度での収支ではありますが、改革プランのスタートと一体となったものであると考えております。豊島区予算(案)の概要にも、同様に、「平成十七年度予算は、財政構造改革に向けて新たな第一歩を踏み出した予算です。」と記載されています。


 そこでお聞きしますが、十七日の議員協議会で説明のあった今後の財政収支見通しでは、十八年度以降行革などをしなければ、今後四年間で百六十六億円の財源不足が想定されるとありました。これは、現時点での推計ですから、この数字が固定化されるわけではなく、今後の経済状況や事業の実施状況等により変化することは理解しますが、それでも今後四年で三桁の億単位の財源不足には変わりないのではないでしょうか。私の予算の見方が間違っているのかもしれませんが、歳入では、都区財政調整交付金はプラスとなっていますが、歳入の二大財源のもう一つ、特別区税は、特別区民税が一億二千万円の増となっていますが、たばこ税が一億九千万円の減となっており、今後も減少傾向が続くものと思っております。今定例会に提出されています補正予算では、区民税が三億四千万円、たばこ税が一億一千万円、それぞれ減額されています。これらのことを総合的に見ますと、特別区税の伸びはあまり期待できず、今後も暗い見通しにならざるを得ないのではないでしょうか。また、歳出では人件費や事業費は十七年度大きくマイナスとなっておりますが、行革プランの質問でも申し上げましたとおり、果たして事業はこれ以上縮減できるのか等、歳出抑制の見通しについても不安が残ります。一方、投資的経費は大幅な増となっており、概要の中でも、施策の厳選と経費の見直し等を行う必要性が書かれています。こうした状況を見ると、十七年度予算が十八年度以降の財源不足に対して、具体的に対処できる第一歩となっているのでしょうか。そして、十八年度以降を展望したとき、十七年度予算の位置付けをどのようにお考えなのかお聞かせください。


 さらに、十七年度予算というよりも、区の財政にとって大変大きな課題となっております都区制度改革のその後について質問いたします。


 都区制度改革につきましては、今さら言うまでもありませんが、平成十二年度の改革時に、いわゆる主要五課題が積残しとなり、平成十八年度までに都区間で協議をして整理することになっているわけであります。いわば「未完の都区制度改革」状態なのであります。この間の都区協議の状況については、節目ごとに報告をいただいておりますが、遅々として進展していない状況であります。我が自民党も、都区間のこのような協議状況を見て、このまま放置するわけにはいきませんので、都議会自民党内に都区制度改革議員連盟を発足させ、都区双方からヒアリングをし、また区長会・議長会とも率直な意見交換をするなど、鋭意調査・研究をしているところであります。戸塚議長は議長会会長として、また高野区長は区長会副会長として、お二人とも大活躍されているとお聞きしています。本当にご苦労さまです。


 さて、ここにきてようやく東京都側から、主要五課題の中で最大のポイントとなっております大都市事務の内容が一月十八日の都区検討会に出され、一月三十一日の検討会では早速区側が反論したと聞いております。この内容については二月三日の行財政改革調査特別委員会に報告があり、私も同僚議員からその内容を聞きました。実はこの都から示された内容も、区側に示す前に都議会自民党議連で都側にヒアリングを行い、内容について厳しく追及し、当初の案を変更させたのであります。それでも私は、区側から見れば大変不満な内容であると思っております。平成十二年度の制度改革は何だったのか、大都市東京における都の役割は何なのか、この五年間は何だったのか、これまでの東京都の姿勢を見ると、憤りさえ感じます。


 さて、この間の都区の協議状況や今回都から示された内容については、私なりの意見もあり、問題点も把握していますが、区長はこれまでの都の姿勢をどのように評価しているのでしょうか。また、主要五課題についてはいろいろな課題・問題点がありますが、特に今回の都の提示内容についてはどのように評価しているのでしょうか。今回の問題点は何でしょうか。区長のご認識を詳しくご披露いただきたいと思います。残された時間はありません。今後、どのように進めていかれますか、お聞かせください。


 次に、職員の給与について質問いたします。


 ありとあらゆる分野にわたり事業を削減した中で、豊島区として職員給料の削減をしたことは、区長の苦渋の決断であるとお気持ちをお察しいたします。今般の給料削減の決着は、当初の「すべての職員に対して五%」を下回り、一般職員は三%、しかも一年限りということであります。一方、行革は、今後複数年にわたり、さらに進めていくことになります。職員給料の削減が一年で終了ということについて、どのようにお考えなのかお聞かせください。


 また、今回のような一律の給料のカットという形もありますが、民間企業や一部の公務員等には、能力や実績に沿った給料の支給が導入されています。職員の努力や成果を反映するような特別昇給のあり方や、現在、病気休暇等の特別な事情がない場合、機械的に行われている定期昇給等のあり方についても、見直しが必要な時期にきていると思いますが、いかがでしょうか。


 行政評価制度に関わる外部評価についてお伺いします。


 区では、高野区政になった翌年の平成十二年度に新生としま改革プランが策定されました。時を同じくして、事務事業評価の試行が行われたと記憶しています。そして、翌十三年からは本格実施がなされて、今日に至っているわけであります。最近では、九月の決算議会に事務事業評価表という大きなファイルをいただいております。各部署と事務局のご努力に改めてご苦労さまですと申し上げるものでありますが、余りにも多くの情報であるわけです。もう少し少ない分量のものにしないと、区民の皆様にはとても見えにくいのではないかと、素朴な疑問があるのも事実であります。そもそも行政評価が求められる背景と、その目的はどのようなものであったのでしょうか。高野区長は、行政運営の透明性の確保を掲げて当選されてきたわけでありますが、多くの職員を動員して、行政の内部から評価を行うことで、何をどのように変えていかれようとしているのか。行政のあり方、そして評価のあり方に対する区長の基本的なお考えをお聞かせください。


 次に、区長が行政評価制度の充実を目指して導入を検討されている外部評価制度についてお尋ねします。


 行政内部の評価として、事務事業評価をこれまで五年にわたり実施されているわけであります。しかし、昨年より改革プランなどで、事務事業の見直し作業が急ピッチで進められてきました。このような見直しに、行政評価の結果はどのように反映されているのでしょうか。もしされているとすれば、なぜこれまでにもっと早く見直しの効果を上げることができなかったのでしょうか。他の自治体でも、外部の方々による評価を行い、基本計画を初め、今後実施する事業に対する見直しに反映しようと努力しています。それにより行政内部の改善・改革を加速させることができるとすれば、外部評価は大変有意義と考えますが、外部評価に関わる目的と効果など、区長の考えをお聞かせください。


 次に、外部評価の結果の取扱いについてお尋ねします。


 区の行政評価は、これまですべて事後の評価になっています。それゆえ、決算認定の際の参考資料となるようつくられている面もあるわけです。その間にあって、第三の評価ともいうべきこの外部評価は、どのような位置を占めるのでしょうか。と申し上げるのも、この外部評価を含めた行政評価の仕組みが環境の変化に対応して迅速に舵取りする上で不可欠なものであるとするならば、その位置付けを明確にし、条例で制度化を図った上で実施すべきではないかとも考えられます。区長のお考えをお聞かせください。


 次に、区長の主要政策である文化・都市再生・健康について、順次お伺いいたします。


 まず、文化政策についてであります。


 学生的になりますが、ご承知のとおり、江戸時代の三大改革、即ち享保・寛政・天保の改革は、幕府の財政危機をどう立て直すかから出たものです。また、地方の改革として有名な上杉鷹山の改革は、米沢藩の財政改革であります。このうち、八代将軍吉宗の行った享保の改革は、戦国時代が終わった元禄という時代の中で、ありとあらゆるものが狂乱した時代が財政危機を招いたことから、倹約令や身分相応の生活、受益者負担等の見直しを中心とした改革を行いました。バブル崩壊に対応した現在の国の構造改革にも置き換えられると思います。また、米沢藩の改革は、各自治体の財政再建と、時代こそ違いますが、同様のものと考えています。その中で、享保の改革では、花開いた元禄文化を閉じ、質素倹約を目指しましたが、高野区長は、文化をキーワードとして、豊島区の財政再建を図るものであります。ある意味では歴史への挑戦であります。私は、ぜひ成功させていただきたく思っております。


 文化について私どもは、区長の生の言葉を直接聞く機会が多々ありますので、区長の文化への思い、また豊島区の文化発展の必要性は受け止めております。しかし、多くの区民は、そうした機会がなく、文化は余りにも抽象的・概念的なもので、今日のような財政状況の中での文化推進に懐疑的な向きもあります。文化と豊島区の将来設計を区長自ら具体的にわかりやすく説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか。文化政策は始まったばかりではありますが、見ていますと、文化に対する区としてのコンセンサスや区民に対する具体的な浸透度は十分とは言えないと感じております。また、十七年度の事業を見ても、どうしても部分的なものと見られてしまいます。私なりに区長の目指す文化を解しますと、例えば豊島区の伝統や地域の行事の継承、芸術や創造の発展、人材の育成等を含めたコミュニティの形成、さらには立て看板や放置自転車、そしてごみの不法投棄のない街づくり等も含んだ、広い意味での文化施策と理解しておりますが、この点を含めた区長のお考えをお聞かせください。


 次に、都市再生についてでございます。


 都市再生は、一般的に、低迷する経済を立て直し、民間活力を活用し、都市の活性化を図るものであるといわれています。その柱は、国際的に競争力のある都市の形成、安心して暮らせる都市の形成、自然を共有した都市の形成であり、豊島区では「国際的」という言葉を「他の副都心」に置き換えることになります。都市の抱える問題、即ち豊島区の問題として、例えば商店街の衰退や産業振興、学校教育、ごみや地域環境等の地域コミュニティ、防犯・災害等安全確保、行政と地域の協働、都市機能の充実等、様々な都市の課題に対応するため、区長の考える都市再生が必要であると考えております。一方、都市再生というと、どうしても道路の整備等のハードの部分が前面に出てきます。もちろん、インフラという意味では重要ですが、都市の再生はもっと幅の広いものと考えていますが、区長の都市再生についてのお考えをお聞かせください。


 次に、健康政策についてお伺いいたします。


 世界に例を見ない程のスピードで進む我が国の高齢化。今でさえ年間八十兆円を大きく上回る社会保障費用は、現行の仕組みのままでは、今後さらに急増していきます。それを支える勤労者が減少していく中で、膨大な社会保障費用を負担していくのは非常に難しいといわれています。豊島区にあっても、行財政改革プラン二〇〇四の第九章の「としま未来への経営戦略」として「四 健康政策の推進」が謳われ、とりわけ生活習慣病の予防と介護予防を挙げていらっしゃいます。このことは、超高齢社会に向かう豊島区にあって、時宜を得た施策として大いに評価させていただきたいと思います。しかし、そもそも高齢者の方々に、可能な限り地域において、病気にならずに、呆けずに、寝たきりにならずに、生き生きと暮らし続けていただくということは、地域住民の健康や福祉の向上を使命とする自治体の基本的な責務と私は考えております。そして、高齢者の健康が維持されることの副次的な効果として、医療費や介護給付費の増嵩を防止し、保険料の値上げを防ぎ、保険制度の安定的な持続に寄与し、ひいては豊島区の財政の硬直化の防止にも寄与することになるものと考えております。したがいまして、初めに歳出削減ありきの健康政策ではなく、区民のQOL、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質の向上を第一に考えた健康政策であってほしいと考えておりますが、区長のお考えをお示しいただきたいと思います。


 次に、清掃事業についてお聞きいたします。


 先日、新豊島清掃事務所の落成式が行われ、私も出席しました。区長の短いあいさつの中に、建設に至る経過や決断、そして新たな清掃事務所を基盤としたさらなる区民サービスの向上等、万感の思いが込められておりました。私も、名実ともに清掃事業が区の事業になったように感じました。


 さて、昨年の秋から、清掃職員の人事・給与問題をめぐり、ストライキも予定される等、不安定な状況が続いておりました。その間、区長会副会長という立場での高野区長の努力も相当のものと感じており、決着は年を越すと思っておりました。昨年の暮れに決着したとのことですが、都政新報では、十八年に向けて、さらに詰めていく課題が山積していると書かれています。私は、人事・給与問題が決着したことで、今回の定例会に清掃職員の人事・給与に関する条例が提案されると思っておりましたが、今回それはありませんでした。何か理由はあるのでしょうか。決着問題と合わせてお聞かせください。また、十八年度問題の状況等についてもお聞かせください。


 私は、清掃事業移管直後、ごみの収集時間が違うのに一律朝八時までにごみを出させることに対して、時間収集を提案し、合わせて排出時間を朝八時より少し遅らせることも提案しました。現在、この提案はきちんと実現されておりますが、先日、新聞で杉並区ではカラス対策のために七時三十分からごみの収集を始めると掲載されておりました。また、先般、粗大ごみの収集について、足立区では本区と同様に日曜日収集を開始するとの掲載がありました。足立区の手法としては、区の職員により実施するとのことであります。それぞれの区によって手法に違いがあっても、本区が進めてきた資源回収等のシステムは、問題もなく、隣の北区の方から羨ましがられている、こうしたことにどのような受止めをしておりますか、お聞かせください。


 また、さきの新清掃事務所をごみ、リサイクル、環境の発信基地とするとのことでしたが、ぜひ私もそうすることが必要であると思います。今後の具体的な取組みをお聞かせください。


 次に、さきの都市再生とも結び付くものですが、活力ある商店街づくりへ向けての対応についてお伺いいたします。


 昨年は、経済面では一部の大企業などにおける景気回復傾向は見られますが、区内中小企業においてはまだまだ厳しい経済環境が続いており、楽観視できない状況にあります。区の将来像である「未来へ ひびきあう 人 まち・としま」を実現するとともに、区長が提唱する「このまちに住みたくなる、価値あるまち」の創造を図るためには、区民の生活利便性の強化とともに、区外の人たちからも住んでみたいと思われる魅力ある街づくりの推進が求められます。


 そのような中で、区民の日常生活に最も身近な存在の一つである商店街の活力づくりは、急務の課題の一つであります。平成十六年度に巣鴨・大塚地区を対象に中心市街地活性化への取組みを開始したことについては評価されるものと考えます。しかし、巣鴨・大塚地区中心市街地の中でも、特に大塚北口地区においては、癌研病院の移転に伴い、商店街の歩行者通行量が片側で二千人、両方向で一日四千人の減少が予想され、既に空き店舗の発生などが顕著になっております。住宅ができるとそれなりの人の定住は見込まれますが、自然災害による被害とは違う、癌研移転という社会環境の変化により、商店街の存続を憂いでおります。もちろん、地元としても多大な努力が求められますが、商店街の自助努力のみでの対応では解決困難であります。また、移転後、開発整備されるまでは全くの空白時間が生じ、その間に店を閉めることになる場合も想定されます。そのような商店街を取り巻く環境変化の現状・動向についての認識と、区として、今後それらに対応するための商店街振興・支援の具体的取組み施策についてお伺いいたします。


 次に、定番の教育について質問いたします。


 まず、二ノ宮教育長に代わり、日高芳一氏が教育長に就任されました。新教育長には、新たな視点で豊島区の教育行政を推進していただけるよう、大いに期待しております。


 去る二月六日の読売新聞の朝刊の一面に、独自に行った教育に関する全国調査の結果が掲載されていました。この調査がすべてではありませんが、一定の世論の考えを捉えることができると思っています。私はこれまで、ゆとり教育による学力の低下や競争の必要性、道徳教育の重視等、一貫して問いかけをしてまいりました。調査結果を見ますと、学力低下については八一%が感じており、学校改革で必要なものについて、道徳教育は教師の質に次いで二番目になっております。また、競争については、競争を取り入れて個々の才能や学力に応じた教育を受けさせる方がよいが六二%となっております。誠に、私がこれまで指摘したことと同様な結果となっております。さらに、学力低下、道徳教育、競争等は、決して独立したものではなく、教育という中ですべてが連動しているのではないかと思います。学力が低下すれば、物や社会に対する関心や人としての倫理や道徳に対する感性が乏しくなる、また必要な競争なくして学力の向上は望めないのではないかと思います。学力の低下等とともに、子供の多様性や柔軟性の欠如がありますし、学校経営という点では、学校選択制度、いじめ、不登校、引きこもり、非行凶悪、家庭と学校、地域と学校のあり方が挙げられます。教育長はそれらの問題をどのように捉え、そして対処していこうとしているのか、お聞かせください。


 前二ノ宮教育長は、一貫して行政ウーマンとしての経歴を経て教育長に就任され、ある意味では行政の視点で教育を進めてきたように思います。日高教育長は、教育現場の中で多くの経験を経て、この度就任されました。教育は、行政と互いに連携していくとともに、時には対立することもあると思います。この点について、教育長のお考えをお聞かせください。


 最後に、現代社会では、人は生まれ育った土地で生涯を送ることはほとんどないと思います。小中学校は同一の場所で過ごしても、高校、大学、まして就職等に当たっては全く違った土地、場合によっては外国というケースも増えていくことになると思います。その意味で、豊島の教育、公立小中学校のあり方を従来のようなもので捉えるのは難しいと思います。社会が流動化している中、豊島区の教育も大きな視点で捉え、新たな教育豊島を創出することが必要であります。公立学校の使命は、日本国という広い視野で考えることと、豊島区という地域の視点で捉えることも必要であると思います。「教師たちよ、燃え上がれ!」。豊島で学び、育まれ、大きく成長した不死鳥は、世界へ飛び立ち、そして次の世代人たちを連れ、故郷の地へ飛来してくる。日高新教育長の教育豊島の姿についてお聞かせください。


 以上で私の一般質問を終わります。長時間でありましたが、ご清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)


      〔高野之夫区長登壇〕


○区長(高野之夫) ただいまの吉村辰明議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。


 まず、行財政改革プラン二〇〇四についてのご質問のうち、素案からほとんど修正することなく事業の見直しを決定したことについて、どのように受け止めているのかとのご質問にお答え申し上げます。


 今回の改革プランの第五章「施策の再構築」では、素案段階で百五十一項目の事業の見直し内容をお示しいたしました。パブリックコメント等による区民の皆様からのご意見や区議会からのご指摘も踏まえ、昨年第四回区議会定例会において、一部修正を行いましたが、その数は十八項目であり、素案からほとんど変更をせずに改革プランを決定したのであります。このことは、平成十三年度からの財政健全化計画の目標を達成できなかったことへの深い反省に立ち、直面する財政危機の克服に向け、区長としての政治生命を賭け、不退転の決意で臨んだ結果であります。そして、最後の切り札として職員の給与削減に踏み込んだことも、今回の改革に賭ける強い覚悟があればこそであります。改革による変化と痛みは、決して小さなものではないと思っております。しかし、今、過去を清算しなければ、新たな展望を開くことはできないのであります。今後も、改革プランの実施に当たりましては、誠心誠意、改革の必要性をご説明し、区民の皆様のご理解・ご協力をいただいていくよう努力してまいりたいと思っております。


 次に、行財政改革における区民サービスに関わる事業費の目標を明確化すべきとのご質問にお答えいたします。


 豊島区の平成十五年度決算における歳出総額八百三十五億円のうち、義務的経費や投資的経費を除いて、さらに特別会計への繰出金及び積立金等を除いた一般的な行政サービス経費に当たる部分は、約百八十億円であります。この経費は、平成三年度から十一年度まで、平均二百十五億円前後で推移していましたが、その後の財政健全化の取組みによりまして、現在の水準まで引き下げてきたものであります。


 ご質問の中で目黒区、中野区の例を出されましたので、比較をさせていただきます。これを人口規模が同程度の目黒区と比較いたしますと、平成十五年度では豊島区の、先程申し上げました百八十億円に対しまして、目黒区は百八十九億円であり、ほぼ同水準となっております。しかし、平成三年度から平成十一年度までの推移を比較いたしますと、毎年度五十億から四十億円程度、目黒区を上回る状況が続いておりまして、この間における本区のサービス水準がいかに高いかと見て取れるのであります。また、中野区におけるこの部分の経費は百八十二億円であり、人口が豊島区に比べ六万人多いにもかかわらず、本区の百八十億円と同水準となっているわけでございます。人口が同水準の目黒区と比較すれば、現在の水準は妥当なものであるとも判断はできますが、一方、中野区と比較いたしますと、本区の水準は、依然として高いというようなことであります。しかし、歳入構造や地域特性の違いを考慮すれば、中野区との比較を重視すべきであり、一例としてこうした見方をした場合には、豊島区の水準は依然として身の丈を超えていると判断できるのであります。なお、こうしたサービス経費をどこまで抑制すべきかという具体的な目標数値につきましては、現時点で確定的な数字をお示しすることは大変困難であり、三位一体の改革など、国レベルでの制度改革の動向を踏まえまして、さらに分析を行う必要があると考えております。


 次に、区民の意向を踏まえた選択と集中の仕組みを行財政改革に組み入れるべきとのご質問にお答えいたします。


 議員ご指摘のとおり、区民との協働を基本とした区政を進める上で、区民の意見や声を積極的かつ体系的に把握し政策に生かすことは、大変重要であると考えております。広く区民の意向を把握する世論調査や意向調査につきましては、計画の策定等に対応して実施し、活用してまいりましたが、政策の評価や形成との連動を図った継続的な仕組みを構築するには至っていないのが現状でございます。こうしたことから、私は、来年度を目途に、区民意見を体系的かつ継続的に把握した上で、その結果を効果的な選択と集中や政策形成に結び付ける仕組みづくりを進めたいと考えております。その仕組みづくりに向け、まず今年度、三月初旬には、区民三千人と約三百の地域活動団体等を対象といたしまして、協働の街づくりに関する区民意識調査を実施いたします。今回の調査は、高齢者や障害者の社会参加のしやすさや犯罪の不安のない地域環境など、区民の生活実感に裏打ちされた生活環境の望ましい姿について、六十項目程度の目標を設定いたしまして、各項目について、過去からの変化、現在の状況、そして今後の重要度の認識等を調査するものでございます。そして、調査結果を基に、基本構想の体系との整合を図りつつ、アウトカムとしての成果目標を体系的に整備いたしまして、行財政改革や基本計画の推進を支援するシステムとして位置付けたいと考えております。また、改革プランにおける四つの目標の一つである「多様な主体の支え合いによる新たな公共の構築」を進めるためには、行政と区民がこうした体系的な目標を共有いたしまして、相互に連携を深めていく必要があります。こうした仕組みを確立することで、区民意向を踏まえた効果的な行政施策の選択と集中を実現すると同時に、地域の多様な主体による参加・協働を促進してまいりたいと考えております。


 次に、平成十七年度予算についてのご質問にお答えいたします。


 まず、十七年度予算が十八年度以降の財源不足に対して具体的に対処できる第一歩となっているのかとのご質問でございます。


 平成十七年度一般会計予算は、ご指摘のとおり、対前年度比一・六%のマイナス予算で、借換債を控除いたしますと、実質二・四%のマイナスとなる緊縮予算でございます。私が区長に就任してから七年連続のマイナス予算となっております。残念ながら、一度もプラスの予算を組むことができませんでした。十七年度予算は、六十六億五千三百万円の財源不足から予算編成がスタートいたしました。この巨額な財源不足に対処するため、考え得るあらゆる方策を駆使し、組み上げたものであります。行財政改革プラン二〇〇四の策定は、その中核となるものでございます。十七年度予算は、この改革プランを確実に実行する内容となっております。不退転の決意で策定したこの改革プランは、これまで大きな課題となっておりました質的な改革の取組みに着手したわけでございます。公共施設の民営化や指定管理者制度の活用、外郭団体の見直し、定型的・専門的業務の委託化など、行政のスリム化に大きく踏み出すことができたと思っております。この財政効果は、当該年度のみならず、次年度以降にも確実に大きな効果を発揮いたします。また、事務事業の休廃止も同様でございます。さらに、十七年度及び十八年度の新規職員の採用停止や今後五年間で四百人の人員削減なども非常に大きな財政効果があり、かつてない規模の行財政の改革プランとなっております。したがいまして、十七年度予算は、いわゆる量的な改革のみならず、質的な改革にも着手しましたので、十八年度以降の財源不足に着実に対処する第一歩になっていると考えております。


 次に、十七年度予算の位置付けでございますが、ただいま申し上げました内容を取り込んでおります十七年度予算は、これまでの財政健全化計画に続く、いわば第二次の財政健全化への取組みの初年度の予算であると考えております。今後の非常に厳しい財政状況を着実に克服し、安定的な行財政運営を確立しなければならないわけであります。そのため、各種財政指標の改善に計画的に取り組むほか、今後の財政需要に的確に、計画的に対応していくため、財政調整基金や減債基金を初め、各種特定目的基金も計画的な目標を立て、適切な運用をしてまいりたいと思っております。これらの取組みにより、持続可能な財政構造を構築してまいります。こうした目的を達成するための予算でもあります平成十七年度予算は、財政構造改革予算と位置付けていただきたいと思います。


 次に、都区制度改革についてのご質問にお答えいたします。吉村議員ご指摘のとおり、平成十二年度の都区制度改革は、いわゆる主要五課題が積み残しとなっております。この間、この課題を解決するため、都区双方の実務者レベルで構成しております都区検討会で議論をしてまいりましたが、ご指摘のとおり、遅々として進展しておりません。


 ご質問の、まず、これまでの都の姿勢についての評価でございますが、主要五課題に対する都の主張、取組みの姿勢は、課題解決に向けた積極さが見られず、言葉は適切ではありませんが、現行の配分割合を死守するための時間切れ戦略としか言い様がありません。都の姿勢は、誠に残念であります。


 次に、今回の都の提示内容の評価と問題点でございますが、まず都の提示内容の前提となっております政令指定都市を想定した架空の議論や大都市事務の拡大解釈は、改正自治法の趣旨を逸脱した議論であるとともに、これまでの都区間の協議経緯の信義則にも反すると言わざるを得ません。他に例のない巨大都市地域であるがゆえに、政令指定都市制度ではなくて、都区制度が設けられているのでございます。生活保護費の都の負担金や在宅介護支援センター事業補助、さらには児童相談所の運営・整備など、都が提示してきたこれら百一に上る政令指定都市の事務は、法令で区が政令指定都市として指定されない限り、府県事務ではないかと思っております。また、区の実施事業に対する都の補助金や負担金、区市町村が特例的に府県事務を処理しその財源を都道府県が措置する制度の事務処理特例交付金までも大都市事務としておりまして、これらは、議論するまでもなく、当然、府県財源を充当すべき府県事務であります。このほか、都内市町村区域では府県事務としている動物園やシルバーパスの交付、重度手当の支給などを特別区の区域では市の事務と位置付けるなど、考え方の整合性も取れておりません。さらに、都は、都の大都市事務を強調する余り、高い行財政能力を有する府県としての都の役割が不明確になるなど、自己矛盾も露呈しているわけであります。このように、今回の提示内容は、多くの問題点を含んでおりまして、到底納得できるものではありません。本来ならば差戻しに値するものと考えておりますが、残された時間が大変限られておりますので、検討の素材として受け止めざるを得ないと考えております。


 次に、今後の進め方でございますが、ただいま申し上げましたとおり、残された検討期間はあと一年にすぎません。ご質問の中にもございましたが、都議会自民党議連の強力な後押しがあって、ようやく都も重い腰を上げました。区長会も、闘う区長会として、議長会と連携しつつ積極的に行動してまいりました。今後は特別区内選出の都議会議員の力強い応援もぜひいただきながら、二十三特別区の総力を挙げて精力的に協議を進めてまいりたいと考えております。大都市東京、首都東京を抱える都と区の役割分担を明確に整理し、新しい東京の自治の姿をどのようにつくっていくのか、今まさに分岐点に立っております。正念場ではないかと思っております。将来に禍根を残すことにならないよう、強い決意を持って頑張っていきたいと思っております。区議会におかれましても、引き続きご指導・ご協力をよろしくお願い申し上げます。


 次に、職員の給与についてのご質問にお答え申し上げます。


 まず、職員給与の削減期間についてでございます。この度の職員給与の削減につきましては、まさに苦渋の決断でありました。一月六日の職員団体への提案以降、二月三日の妥結の日まで、約一カ月間、非常に苦しい日々を重ねてまいりました。誠に、言葉には言い尽くせない大きな責任を感じております。この間、私自身も職員の話に真摯に耳を傾け、また真剣に理解を求めてまいりました。このような中で、私は、削減を一年度限りとすることを決断いたしました。ご指摘のとおり、十八年度以降も厳しい行財政改革を進めていく必要がありますが、財源不足を補う手段としては、今回の体験から、職員の給与そのものには手をつけないという決断をした次第でございます。職員の給与削減を行うには、特別区全体の中で確立している人事委員会や統一交渉のルールを破らざるを得ないということであります。今回の削減は、財源不足をどのような形で補っていくのか、まさに経営者としての決断を迫られたわけでございます。職員団体との交渉の過程で、私は、これまで培ってきたルールを守ることが職員との信頼関係を回復することにつながり、またその信頼関係をより一層強めることによりまして、本当の意味の改革につながり、ひいては財政再建にもつながると確信をいたしました。改革の推進には、志気の高い職員の大胆な発想と果敢な行動力が欠かせません。この困難な状況を乗り越えるには、労使が一体となって心を一つにすることが絶対的に必要であると確信した次第でございます。以上のようなことを総合的に判断し、一年度限りということを決断したのでございますが、ぜひご理解を賜りたいと存じます。なお、今後も、職員の人件費総体の削減には最大限の努力をしていかなければいけないと思っております。


 次に、特別昇給・定期昇給等のあり方の見直しについてのご質問にお答えいたします。ご指摘のとおり、今まさに区政全体が成果主義に転換しつつある中、職員の人事・給与制度についても、能力や実績が的確に反映するように改革していく時期にあると考えております。昨年八月の人事院勧告でも、来年の勧告に向けた検討項目として、普通昇給、即ち定期昇給と特別昇給を廃止し、毎年の職員の勤務実績の評価に基づいて昇給額を決定する査定昇給を導入するという提示がなされ、大きく報道されたところでございます。本区におきましても、能力や実績を反映した人事・給与制度の帰結として、同様の制度を導入することを検討してまいりたいと考えております。人事・給与制度につきましては、ほとんどが特別区共通基準となっておりまして、本区のみの考えでは改革が非常に困難な状況でございますけど、区の自主性や独自性を最大限発揮できるようにすべきと考えている区とも連携して、特別区全体に働きかけをしていきたいと考えております。また、能力・実績を反映した人事・給与制度の前提となる業績評価につきましては、各区の独自性が発揮できますので、現在本区において係長級以上に導入している目標による組織運営制度を十七年度には全職員に実施するよう努めてまいります。


 次に、行政評価制度に関わる外部評価についてお答えいたします。


 まず、行政評価が求められている背景についてお答えいたします。区民の皆様から頂いた貴重な税の使い道について、区にはコスト感覚、経営感覚が不足しているのではないかという素朴な疑問がありました。地方分権が進み、限られた資源の中で行政経営を行っていくためには、行政経営システムの改革が必要であります。そこで、新生としま改革プランと合わせ、平成十二年から行政評価を実施してまいりました。


 次に、行政評価の目的についてお答えいたします。本区では、第一に、行政活動を透明にし、第二に、事務のあり方の見直しに役立て、第三に、区の政策の方向・目的を常に確認するためのものであると考えております。その意味で、行政評価の目的は、まさに行財政改革を実現していくためのツール、道具に他なりません。


 次に、内部評価に対する基本的な考え方についてお答えいたします。改革プラン二〇〇四では、全事業について見直しを図ってまいりました。これを可能にしたのは、これまで五年間の行政評価制度の実績に加え、枠配分方式による財政健全化という命題に区が一体となって取り組んだからであります。しかしながら、内部評価だけで全事業について優先順位付けを行うことは困難でございます。内部評価における職員一人一人のコスト意識を育成する効果に着目しつつ、政策目的との関連や行政が担うべき役割についての評価基準を確立することが必要であります。その上で、全庁的な取組みによる事業の見直しを行う仕組みをつくり上げてまいります。


 次に、行政活動のあり方についてお答えいたします。民営化や民間開放の流れの中で、行政の活動のあり方が問われております。補助行政や規制行政は引き続き求められておりますが、民間の活動と同種のものや民業との競合関係に立つものについては、今後見直しが必要であります。この点、行政評価は、民間との協働の可否や公が担う必要性からも評価をしております。これらの評価を積み上げながら、行政が担うべき範囲、行政のあり方について、方向を打ち出していきたいと考えております。


 次に、今後の評価のあり方についてお答えいたします。今後は、まず評価そのものがわかりやすいこと、使いやすいことに留意いたしまして、行政評価を行政経営システムの基盤と位置付けてまいります。将来的には、予算や決算、その他の財務情報と連携した評価システムへと改正し、政策体系の見直しや組織の再編成にも役立てることで、引き続きアカウンタビリティ、説明責任を果たしていく考えであります。


 また、外部評価制度についてお答えいたします。


 まず、外部評価の目的・効果についてお答えいたします。アカウンタビリティを踏まえ、絶えざる改善・改革を志向していくには、専門性、第三者性を導入することが不可欠であります。評価の客観性を高め、さらに評価システム全体の充実を図ることが外部評価制度の目的であると考えております。また、この外部評価の導入によりまして、政策情報の精度を高め、より多くの選択肢が提案されるなど、政策開発の活発化につながるものと期待しております。


 次に、外部評価の結果の取扱いと条例化についてお答えいたします。外部評価制度の実施案については、その詳細を現在検討しているところでございます。区の行政評価は、政策・施策・事務事業といった政策体系に基づいて、施策と事務事業のレベルで行っております。現在は、内部による八十五施策、八百事業を対象としております。平成十七年度には、全事務事業の評価を実施し、対象を十施策程度に限定の上で外部評価を実施する予定であります。外部評価は、内部の評価を第一次といたしますと、第二次の評価となりますが、一次と二次で優劣はなく、それぞれが独立的に評価を行い得るような位置付けとしていきたいと考えております。外部評価の取扱いについて、あくまでも区長である私への意見具申とみるのか、それとも自治体行政の管理ツールとして議会の皆様にご議論をいただくことを前提とするかにより、条例化の検討も課題となってまいるわけであります。過去五年の経過を踏まえながら、行政評価の充実を図り、評価の基準や取組方法を明確に規定していくことが必要であると考えております。そのため、評価条例が必要になってくるものと考えておりますが、議会との関係、区民参加の手法など、今後、問題点の検討を進めてまいりたいと思っております。


 なお、その他の質問につきましては関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては教育長から答弁申し上げますが、教育長は初めての答弁でありますので、よろしくお願いいたします。また、私に対しての直接の質問もございますけど、それぞれの担当部長が責任を持って答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。


      〔小野温代文化担当部長登壇〕


○文化担当部長(小野温代) 次に、文化・都市再生・健康についてのご質問にお答えいたします。


 初めに、文化政策についてのご質問にお答えいたします。


 まず、区民に対する説明についてのご質問でございます。人々の精神や活動に活力をもたらす文化芸術の力を重視し、将来を見据えた都市再生の構想と結び付けながら、新たな魅力と価値を生む街づくりにつなげていくことは大変重要であります。文化とは特別なものではなく、区民の皆様が主体となって取り組まれている様々な地域活動や区民福祉の向上を目的とした行政施策の一つ一つがこの豊島区の文化を形づくるものと考えます。区民の皆様による文化の力を結集し、文化都市宣言につなげていくためにも、トップの考えを十分に説明していく必要があることはご指摘のとおりです。そのため、現在実施しているとしま文化フォーラムはもとより、今後は、さらに文化シンポジウムやワークショップ、懇談会などを開催し、文化について広く区民の皆様との意見交換の場をつくってまいりたいと考えております。また、現在進めている文化政策推進プランや文化都市宣言に盛り込む基本的考えなどを、広報やホームページはもちろん、レター形式の資料でお示しするなど、多様な手法により文化への意識を高めていただくよう努めてまいります。


 次に、文化施策の考え方についてのご質問にお答えいたします。議員が述べておられますとおり、安全・安心な街づくりはもちろん、清潔で美しい環境づくりなど、文化は、地域とそこに暮らす人々の総合力であり、私たちの生活に密接した、暮らしに欠かせないものであると考えます。また、行財政改革プラン二〇〇四の中で目標としてお示しした「多様な主体の支え合いによる新たな公共の構築」に向けた取組みなども重要な文化の視点であり、そのための人材の育成も大きな課題であります。


 ご質問の中で言及された上杉鷹山による米沢藩の改革は、扶助、自助、互助の、いわゆる三助を根本方針とし、付加価値の高い殖産興業を積極的に進めたほか、広く領内から募金を募って学校建設を行い、身分にかかわらず人材の育成を進めました。これによって改革の精神は脈々と受け継がれ、後には、美しさと安楽さに満ちた地域と評されるまでになったのであります。これはまさに、文化政策が見事に結実した好例といえます。


 豊島区におきましても、多くの力を結集し、魅力と活力に満ちた街にするために、平成十七年度は、地域の文化リーダー、文化ボランティアとなる人材を年間二百人を目標に養成する予定です。そうした方々を初め、各種団体、NPO、大学等々、多様な文化の担い手のネットワークをつくりながら、地域に根付いた活動を展開することにより、文化の種を花開かせていきたいと考えております。また、様々な分野との有機的連携の強化とともに、一つ一つの事業や施策を文化の視点で活性化させ、あらゆる人々が快適に暮らし続けることのできる新しい街づくりにつなげながら、文化都市としま、文化特区の実現を図ってまいりたいと考えております。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔上村彰雄都市整備部長登壇〕


○都市整備部長(上村彰雄) 次に、都市再生に対する考え方についてのご質問にお答えいたします。


 都市再生とは、沈滞化、老朽化した都市を、活力みなぎる、魅力溢れる、価値を生み出す都市にし、誰もが、住み続けたい、住みたい、訪れたい街にすることであると考えております。具体的には、池袋、巣鴨、大塚、駒込、目白といった主要駅周辺の商業・業務地域では多くの来街者が訪れ活気に溢れる一方、私鉄駅周辺や地域の商店街では周辺住民で賑わうことにより、そこを地盤とする商業施設がさらに充実することであります。また、駅周辺や幹線道路沿道の利便性が高い地区では都心居住が推進される一方、それらを取り巻く一般住宅地においては良好な住環境が維持されることにより、若い世代から高齢世代までが、また単身者からファミリー世帯までがバランスよく居住する街をつくることであります。さらに、これらの実現に欠かせないのが風水害や地震に負けない堅固な街づくりと、日常的な安全・安心であります。こうした都市再生を実現するためには、都市計画道路や鉄道施設などの都市の骨格となる基盤を整備し、また火災や地震等に対して脆弱な木造密集住宅や狭小な雑居ビル等の共同化を図って、災害に強い街をつくる、いわゆるハード面の整備が必要であります。


 しかし、これらのハード面の整備だけでは、都市再生は実現できません。ご指摘のとおり、ハード、ソフト、両面にわたる施策の総合的、戦略的な展開が必要であります。このため、魅力ある商業環境や商店街の整備による地域経済の活性化、来街者を引き付ける観光事業の活性化、狭小住戸集合住宅税等による世帯バランスの改善、日常生活の安全・安心を確保するための防犯対策や防災対策など、多分野にわたるソフト面の施策も積極的に展開していく必要があります。文化や都市再生は都市を活性化するために永遠に繰り返す終わりのない事業でありますが、現在の豊島区にとって、これらの施策に重点的に取り組む特に重要な時期であると考えております。こうした取組みにより、区民の元気を取り戻し、街の競争力を回復し、豊島区全体の体力を向上させていきたいと考えております。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔川向良和保健福祉部長登壇〕


○保健福祉部長(川向良和) 次に、健康政策についてのご質問にお答えいたします。


 区民のQOL、生活の質の向上を第一に考えた健康政策であるべきとのご質問についてでございます。ご案内のように、行財政改革プラン二〇〇四におきまして、「としま未来への経営戦略」として、健康政策の推進を挙げました。特に、高齢化の進む本区のように、医療費や介護保険給付費が増加の一途を辿る状況にあっては、直面する財政危機を克服しつつ、少子高齢・低成長の時代に対応しながら、区民の様々な健康課題の解決に取り組んでいく必要がございます。区民や高齢者の方が可能な限り生活習慣病や認知症にならずに暮らし続けていただくことは、財政状況にかかわらず、住民の健康や福祉の向上を使命とする自治体の責務であると考え、重点施策の中に織り込んだところでございます。具体的には、十七年度から動き出します、乳幼児期から高齢期までの区民を対象とし、地域ぐるみの健康づくりを展開していく豊島区健康推進プラン21でございます。特に、高齢期の介護予防対策については、七十五歳からの介護予防大作戦キャンペーンを展開していく予定でございます。今後、このような健康政策を展開していくことは、区民の健康の維持増進やQOL、生活の質の向上、さらに大きな副次的な効果として医療費や介護給付費等の歳出削減が期待でき、区の財政再建に寄与できるものと考えております。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔山木 仁総務部長登壇〕


○総務部長(山木 仁) 次に、清掃事業についてのご質問にお答え申し上げます。


 まず、清掃職員の人事・給与問題についてでございます。


 ご指摘のとおり、区長会、特別区職員労働組合連合会及び東京清掃労働組合の三者による非常に厳しい交渉の末、昨年十二月、特別区の技能系職員全体に適用される新たな人事・給与制度が妥結となり、一応この問題が決着いたしました。新たな制度では、清掃職員とその他の技能系職員の任用や給与の制度が一本化されることになりました。これまで一層のみであった学校用務や保育園調理などの技能系職員の職級構成を、東京都の制度にならい、四層制といたしまして、一級職、技能主任職、技能長職及び統括技能長職を設置いたします。また、給料表につきましては、これまで懸案でありましたいわゆる行一横引きの見直し、即ち事務などの行政系職員の給料表をそのまま対応させて技能系職員の給料表を作成していたことを大きく改めることとなりました。さらに、これも懸案でありました都派遣の清掃職員が支給を受けていた調整額も、平成十八年度から廃止することとなりました。


 ご質問の人事・給与に関する条例の提案についてでございますが、これら調整額廃止に伴う本給の格付や経過措置などの詳細につきまして、いまだ労使協議が整っておりませんので、これから予定される身分切替え交渉の中で決着した後、これらの措置等を定めた条例案を十七年度中には提案する予定でございます。なお、さきに述べましたいわゆる行一横引きの見直しを図る技能系職員全体に適用される給料表につきましては、都派遣の清掃職員にも十八年度以降適用されることとなりますが、これにつきましては本定例会に条例案を提出しているところでございます。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔河原勝広清掃環境部長登壇〕


○清掃環境部長(河原勝広) 次に、十八年度問題の状況についてのご質問にお答えいたします。


 清掃事業は、平成十二年度の移管時に、十八年度までに整理すべき課題として、財調、人事、事業の見直しなど、大きく二十四項目に取りまとめ、区長会はもとより、助役会、部長会等において鋭意検討を進めているところでございます。このうち、最終処分場の延命及び確保など、八項目につきましては一定の整理がなされまして、本区の清掃・環境対策調査特別委員会で順次ご報告をしているところでございます。今後整理を行う項目では、十八年度以降の財調算定のあり方などの財政問題や、工場のある区、ない区の負担の公平など、都区間、区々間の利害が大きく対立する大変重要な事項も残されております。また、課題整理に伴いまして、東京都の規定により措置されておりました清掃派遣職員の特殊勤務手当の取扱いや、清掃協議会が管理執行を行っておりました廃棄物処理業の許可事務など、十八年度から各区で行うことが決定されており、その事務執行に向けまして、各区とも早急に準備すべき業務もかなりございます。いずれにいたしましても、平成十八年までの検討期間は限られており、残された項目につきましてはいずれも重要かつ喫緊の課題でありますので、課題整理に向けまして引き続き精力的な検討を行ってまいりたいと考えております。なお、先程申し上げました課題検討項目につきましては、一定の整理がなされた時点で、改めまして全議員の皆様方にご報告の機会を設けてまいりたいと考えているところでございます。


 次に、各区のごみの収集等の手法の受止めについてのご質問にお答えいたします。


 清掃事業が移管され五年目を迎え、各区はそれぞれ工夫をした特色ある事業の展開を行っております。ご質問にあります杉並区や足立区の新たな試みもその表れでありますが、早朝からのごみ出しに対する住民の合意形成や清掃工場の受入時間の問題、粗大ごみ直営方式のあり方の是非など、課題もあるのではないかとの受止めもございます。本区では、平成十三年第一回定例会での吉村辰明議員からの時間帯別ごみ収集についてのご提案を踏まえまして、様々な課題を検討いたしまして、今年度より、ごみ排出時間を従来の八時から八時三十分とするなど、排出時間帯によるごみ収集を導入いたしましたが、円滑に実施されており、区民の方からもご理解が得られているものと考えております。また、新パイロットプランや来年度に実施いたします粗大ごみの民間委託につきましても、先進的な取組みであり、他区からの問合せや視察も多く、一定の目標になっているように感じております。こうしたことから、これまで本区が実施してまいりました施策は、清掃事業が区に移管された効果として、着実に成果が得られているものと考えております。したがいまして、本区といたしましては、今後とも、豊島区という地域実態に即しまして、区民サービスの向上はもとより、より効率的・効果的なリサイクル、清掃事業を推進してまいりたいと考えております。


 次に、新清掃事務所をごみ・リサイクル・環境の発信基地とするための具体的な取組みについてでございます。


 新清掃事務所は、建設に当たりまして、清掃事務所の機能とともに、清掃、リサイクル・環境活動の情報発信等の拠点として位置付けておりまして、環境団体等への活動場所の提供はもとより、一階、二階のフロアにはごみや環境等の各種啓発展示コーナーを設けております。また、本施設は、ソーラーシステムや省エネ機器等を備え、昨年区で作成いたしました省エネビジョンに基づく、環境に配慮したモデル的な施設でもございます。こうした施設の特色を生かす形で、本施設で、今後毎月、環境、リサイクル等の講座を開催する計画となっております。二階フロアでは家具等の展示・販売を開催いたしまして、生活用品等の再利用と合わせまして、リサイクル意識の向上を図ってまいりたいと考えております。また、小学校四年生の環境やごみの授業の中で、豊島清掃工場等の見学が行われておりますが、今後は新清掃事務所もその見学に取り入れまして、ごみや環境問題等の学習に役立てていきたいと考えております。いずれにいたしましても、今後とも、新清掃事務所がその機能を十分発揮できるよう、さらに取組みを強化してまいりたいと考えております。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔齋藤賢司商工部長登壇〕


○商工部長(齋藤賢司) 次に、活力ある商店街づくりへ向けての対応についてのご質問にお答え申し上げます。


 まず、商店街を取り巻く環境変化の現状、動向についてお答えいたします。


 大規模小売店舗や大型安売り店の進出、消費動向の変化、品川や六本木といった新たな商業拠点の出現によります来街者の減少など外部的な要因のほか、後継者不足、特に零細小売業を中心とした売上げの大幅減少など個店レベルの現況も含め、商店街を取り巻く社会環境は大きく変化してきておりまして、商店街にも様々な影響をもたらしているものと認識いたしております。商店街は、地域の魅力・活力、さらにはコミュニティの源泉でございまして、地域の将来を見据えたとき、このような環境の変化に対応できる根の強い商店街の形成が必要であると考えております。ご指摘の大塚駅北口地区におけます癌研病院移転による影響でございますけれども、昨年九月に実施いたしました交通量調査では、十二時間で一万三千人を超す歩行者でありましたので、仮に往復四千人ということでございましたら、約三分の一の減少となるわけでございまして、空き店舗のさらなる増加など、商店街活力の低下が危惧されるところでございます。


 次に、それらに対応するための商店街振興・支援の具体的な取組みについてお答えいたします。


 区といたしましては、次の三点を基本的視点として取り組んでいるところでございます。一点目は、ハード、ソフト両面から総合的に支援をすることでございます。イベントや施設整備事業など、支援制度を重層的・効果的に組み合わせて実施するということでございます。二点目は、財源の確保でございます。国や東京都の補助金を可能な限り積極的に活用してまいります。中心市街地活性化事業はまさにこのための事業でもございます。三点目は、多様な主体との連携でございます。個々の商店街の力が低下する中、複数の商店街が連携して進める事業、大学やNPOなどとの協働による事業実施につきましても積極的に支援してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、まず商店街自身が活性化に向けた取組みを自ら行っていくことが基本でございますので、区といたしましては、商店街と危機感を共有し、共に知恵を出し合い、活性化につなげてまいります。


 大塚駅北口地区について申し上げますと、地元の商店街からは、駅から商店街入り口に来街者を誘導するため、ウェルカムゾーン整備構想の提案を頂いております。これにソフト的な事業も組み合わせ、北口地区活性化のカンフル剤として取り組んでいただければと存じます。そのため、区も補助率の拡充など、支援の重点化を検討してまいります。また、南口を含めた大塚全体の商店街が協働した広域的なイベントなども検討されているようでございますので、合わせて積極的な支援を考えてまいりたいと存じます。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔日高芳一教育長登壇〕


○教育長(日高芳一) 引き続きまして、教育委員会の所管に属する事項に関する質問に対しましてお答え申し上げますが、その前に、初めての議会答弁でございますので、この場をお借りしまして、私の教育についての基本的な考え方を申し述べさせていただきます。


 私は、教育理念を、子供がいるから学校があり、そこに指導者がいる、そして国や都及び区の文教施策の円滑な連携を図り、各学校の格差をなくすために教育委員会が存在するのであって、その流れが逆転することは絶対にあり得ないと認識しております。また、子供たちを直接指導するのは教職員ですから、指導力が高く人間性豊かな教職員を育成していくことも、教育委員会の極めて重要な務めであると考えております。さらに、学校教育は生涯学習社会の基盤となる学習活動を行う場であり、家庭教育、社会教育、そして職能教育との連携を欠かすことはできないとの認識に立ち、関係機関との連携及びその啓発に努めてまいります。もちろん、教育は、小学校、中学校から始まるものではありません。人間形成の第一歩ともいえる幼稚園や保育園等での幼児教育も極めて重要なことであり、このことも視野に入れて柔軟に対応してまいりたいと考えております。


 それでは、ご質問の教育問題への対処についてお答え申し上げます。


 ゆとり教育による学力低下や競争の必要性並びに道徳教育の重視等についてでございますが、議員ご指摘のとおり、この世論調査の結果にもあるように、多くの方々が今日の教育に対して求めていることと受け止めております。豊島区の子供が将来生きていくのに必要な学力の定着を図ることが重要であると考えます。学力の向上に向けては、東京都教育委員会の調査に加えて、区独自の調査を行い、個々の子供の指導に生かすことはもとより、学校の以後の指導における改善計画を提出させて指導しているところであります。また、道徳教育に関しましては、知性と感性を磨き、互いに高め合う視点が重要とする議員のお考えは、まさにそのとおりであります。子供は、学校という集団の中で、様々な人との関わりを通して、思いやり、善悪の判断、並びによりよく生きるための術を学んでおります。もちろん、その年齢や発達に合わせて指導するという適時性も大切でありますが、最も重要なことは、人間が人間として人間らしく生きるための態度を身に付けさせ、生命の大切さを学ばせることが何よりと考えます。


 いじめ、不登校、引きこもり等につきましては、いかなる学校においても発生する可能性があるとの認識を常に持って、早期発見、早期解決に向けた対応が必要であります。本区では、独自の引きこもり対策として、マイスクールネットを開設し、参加者の半数が引きこもりの状態から脱することができたという大きな成果を上げておりますので、一層の充実を図っていきたいと考えます。


 学校選択制につきましては、各校が特色を出し、魅力ある学校づくりを進めることにより、子供や保護者の教育ニーズに応えるものであります。ただ、学校の教育力向上のためには地域との連携を欠かすことができないことから、現在実施の隣接校選択制を推進してまいりたいと考えます。また、学校と家庭、地域のあり方につきましては、学校教育を豊かなものにし、子供の健やかな成長を支えるために、三者の連携が何より重要であるとの認識をしておりますので、関係諸機関とも連携しながら尽力してまいりたいと考えております。


 次に、行政との連携についてお答えいたします。


 私は、教員、校長として長く学校教育に携わるとともに、指導主事、指導室長等として教育行政にも携わってまいりました。学校教育と行政の両面がその専門的な機能を子供たちのために生かしていくことが重要でありますので、これまでの経験を生かして、時に緊張感を持ちつつ、学校教育と行政を円滑に繋いでまいることが私の重要な使命であると考えております。


 次に、新たな教育豊島の姿についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、激動する社会の中にあって、豊島区の教育も、時代にマッチした教育を推進する必要があると考えております。私は、高野区長が申し上げております「文化芸術創造都市の形成」は、文化芸術に親しめる環境づくりを通して、地域コミュニティを再生し、魅力ある豊島区づくりを目指そうとするものと理解しております。中でも、各大学やにしすがも創造舎との関わりをも視野に入れた学校教育との連携は、まさに教育豊島の特色として位置付けることが可能になると考えます。私は、かねてから新しい時代の豊島区づくりの基盤となるのは人であると考えております。子供は社会の宝、国の宝であり、学校・家庭・地域・行政など、社会全体で新しい社会を切り開く心豊かで逞しい人材を育て、守っていくのが私たちの役割であると考えます。そのためには、学校現場が勇気と自信を持って子供の教育に取り組めるよう、支援に努めてまいります。さらに、豊島区立幼稚園・小学校・中学校の子供や学校の素晴らしさを広くPRしてまいります。いずれにいたしましても、現状維持は退歩であります。トップリーダーである校長と、保護者、地域の皆様方のご理解とご支援をいただきながら、教育長として全力を尽くす考えであります。


 以上をもちまして、吉村辰明議員のご質問に対する答弁を終わります。


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○議長(戸塚由雄) 次に、二十六番議員より「区民と協働の明るい未来の豊島区に」の発言がございます。


      〔大谷洋子議員登壇〕(拍手)


○二十六番(大谷洋子) 私は、民主区民豊島区議団を代表いたしまして、「区民と協働の明るい未来の豊島区に」を表題として、次の三点について一般質問を行います。一点目、十七年度予算編成に関する問題。二点目、子供の健全育成支援と活動支援に関して。三点目、中高生の居場所づくりについて。


 まず、質問に入る前に、予算編成に当たりましては高野区長を先頭に、職員の皆様はどんなにかご苦労があったこととお察し申し上げます。そのご労苦に敬意を表させていただきます。冬来たりなば春遠からじという諺がございます。この諺は、寒い冬が続く中でも、もうすぐ春がやってきますよという春の足音が感じられる雰囲気が酌み取れますし、冬の次には必ず春はやってまいります。冬の時代が長く続いていると思われる今の豊島区ですが、文化・都市再生を政策の基本に、健康な活気ある豊島区の春に一日も早くなりますことを念じながら、厳しい財政環境の中ですので、焦点を絞って何点か質問いたします。先程の吉村議員の質問の答弁で触れられた部分もあるかと思いますが、私なりの視点として取り上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。


 まず、財政に関してです。


 平成十二年策定の財政健全化計画では、十六年度に実質黒字財政に転換させるという計画でしたが、区の努力にもかかわらず、目標を達成することができませんでした。それどころか、昨年の夏には、今後五年間で三百七十億円の財源不足が生ずると聞き、本当に驚かされ、豊島区は一体どうなるのかと心底心配をいたしました。その財源不足に対応するため、聖域なく身の丈に合った財政規模に見直していくという行財政改革プラン二〇〇四素案を策定され、様々な改革の取組みを提案されました。その中には、としま未来への経営戦力として、財政難の中でも、文化・都市再生・健康政策に重点を置いた政策の方向が示されていました。しかしながら、身の丈に合った規模に急激に行財政規模を縮小するということは、至難の業ではないでしょうか。行政は民間企業のように不採算部門を切り捨てるなどということはできませんし、身の丈に合った規模に圧縮される対象事業はすべて無駄だったのだということはできないと思います。行財政改革プラン二〇〇四による様々な行革関連の予算案について、この議会で質疑されるわけですが、なぜ見直しが必要なのか、どういう基準で見直し事業の優先順位を付けてきたのかなど、区民の皆さんにも納得のいただける説明が必要ですし、その努力が大切と思われます。行財政改革プラン二〇〇四に基づいた十七年度予算ですが、一般会計予算の規模は、三年連続九百億円を下回り、八百六十四億七千六百万円、対前年度比十四億一千八百万円の減、一・六%のマイナスとなり、七年連続のマイナス予算となっています。十七年度は六十七億円の財源不足があるといわれた中、血の滲むような改革の取組みにより、臨時・特例的な給与削減を行っているとはいえ、均衡のとれた予算を編成されたのですから、七年連続マイナスは致し方ないと思いますし、大変な努力の成果とも思います。


 さて、私が今大変憂慮しておりますのは、行財政改革プラン二〇〇四を実施したとしても、今後五年間にまだ百六十六億円もの財源不足があるということです。所信表明でもお話しされていらっしゃいましたが、やはり大変な課題と考えますので、さらに残る財源不足に対して、改めてお考えをお聞かせください。まず、十八・十九・二十年度の三カ年の五十億円規模の財源不足にどのように対応されるのでしょうか、財調制度など様々な未確定の要素はありますが、お聞かせいただきたいと思います。また、十八年度の財源不足に対応できた際には、十九年度以降の財源不足はどの程度に圧縮されるのでしょうか。その三カ年の歳出を見ますと、投資的経費がかなりの額になっていますが、主な要因は何でしょうか。そして、投資的経費のさらなる縮減は可能なのでしょうか。お伺いいたします。


 不況になると、公務員の批判が始まり、その上に職場の環境も大きく見直されることになって、民間委託、指定管理者制度の導入、施設の統合等によって制度が改正される状況が伴ってきて、目まぐるしい変化になります。地方自治体で働く職員にとっては、まさに試練の時代といわれています。全庁挙げての平成大改革と銘打った血の滲むような改革の取組みには、変化と痛みに対する区民の皆様のご理解、ご協力が何よりも不可欠となりますが、あらゆる手段を尽くしても、平成十七年度予算に向けて、収支均衡を図る見通しが立たない状況から、臨時・特例的措置として、一般職員も含め、職員給与の削減が最後の切り札としてせざるを得なくなりました。高野区長が所信表明の中で、財政再建という至上命題があるとはいえ、行政組織の長として最後の切り札を切らざるを得なかったことは、断腸の思いであり、言葉では言い尽くせない大きな責任を感じていらっしゃると、切ないお気持ちを述べていらっしゃいました。ご案内のように、公務員の給与決定の仕組みとしては、第三機関である人事委員会の勧告・報告に基づき、労使協議により決められてきている地方公務員給与の制度ですが、ルールを越え、労使交渉を何回も重ねた末の苦渋の選択であったことと思います。


 給与の削減に当たっては一年間の臨時措置とされていますが、職員の中には個々に様々な事情がある人も多いかと思われます。労使の信頼関係、職員と区長さん、特別職、管理職との信頼関係が損なわれることもなく、区民サービスの低下につながらないことを切望するところでございます。豊島区の財政危機克服には、行政・議会・区民の三者が一体となり、一層全力で取り組むことが大事ではないかと考えます。区自ら身を切る思いの内部努力の必要性は、現場の職員の一人一人の理解、協力が何より大切であると思います。その点、どのような努力をなさり、すべての職員の理解は得られているのでしょうか。改めてお伺いをいたします。


 続きまして、三位一体改革との関連についてお伺いいたします。


 国から地方への税源移譲の措置は、国庫補助の削減となって、大きな課題となります。平成十二年、地方分権一括法が施行されましたが、真の地方分権型社会の到来というには残された課題が多く、地方分権時代に相応しい地方財政基盤の確立の点では、三位一体改革の推進過程においては国と地方が対等の立場で協議を重ねるようになったことは評価もされていますが、内容は、多くの課題が先送りとなっていて、地方自治に対する国の関与、規制の見直しの不徹底など、地方分権の理念に沿った三位一体改革には到底なっておりません。


 そこで、不十分ながらも、三兆円の税源移譲の内容につきましてお伺いいたします。十七年度はどのような方法で措置されようとしているのでしょうか。本区での十七年度当初予算ではどのような計上となっているのか、規模と本区への影響につきまして、改めてお伺いをさせていただきます。


 より自立した行財政運営を行い、個性豊かで活力に満ちた街づくりが展開できる施策には、地方税財政基盤の確立が重要となることは申すまでもありませんが、私たち議会も、住民の信頼に応える議会制度の確立と機能強化が重要となってきます。地方が元気になるためには、住民自治が最後の砦になると思います。現在のように新しい事業や施策の提言が難しい財政状況の中では、地域での区民との協働による区政を実現させる時代となってきております。パートナーシップによる、すべての区民が平等に参画でき、自己の力が発揮できる仕組みとともに、財政健全化計画の下に、区民と協働で区政を進めていく施策として、小学校区を単位とした新しい取組みの区民ひろば構想が、いろいろな課題はありますが、区民協働体制として整っていけば素晴らしい施策になるのではと考えます。円滑な運営体制に向けて、最大限の支援させていただくつもりでおります。


 次に、本区では、各地域にボランティア活動の、子供の健全育成にご協力をいただいている団体がいらっしゃいますが、地域での健全育成を推進するための団体等への活動支援について質問いたします。子供たちの人間形成の過程において、地域における活動や人との関わりによって育つものは大変大きいと考えます。地域の育成団体や子育てグループの育成支援など、区民の自主的な活動を支援していくことは大変重要です。地域区民ひろばの基盤にもなっていくと考えます。区民の自主的活動に対する支援の現状と、今後の活動支援のあり方についてお尋ねいたします。


 次に、中学生、高校生の居場所の確保について質問いたしますが、この問題の場合、学校以外の問題になっておりますが、その前に中学、高校の放課後教育指導はどうなっているのか大変気掛かりになっております。中高生の居場所づくりには、学校との連携が欠かせないと考えております。昨今のマスコミから判断される問題として、驚くべき事実が私たちの目の前に現れております。例えば、青少年の刺傷事件、あるいは経済を背景とした暴力や詐欺事件が多く報道されております。今、日本の教育の中で、教育の見直し、教育のあり方について、再考慮しなければいけない時期にもきております。特に中学、高校並びに未成年の事件が多く発生していることは、皆様ご存じのとおりでございます。このことについて、各部門の専門家がそれぞれ取り組んでいることではありますが、私たち地方自治体においても憂慮すべき問題と考えます。


 本区におきましても、中高生の居場所の確保について考えられておりますが、計画では、中高生対応館の十代倶楽部を区内二カ所設置と聞いております。西部地区では大明小学校跡に計画されているようですが、開設についての進捗状況をお聞かせいただきたいと思います。また、運営等につきましては、区民はもとより、子供の参加・参画の下に進めていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。さらに、東部地区の設置予定はどうなっていますでしょうか。お尋ねいたします。十代倶楽部の設置が早く望まれる中ではございますが、実現されるまでの間、何か対策案をお考えいただけるのか、その点についてもお伺いいたします。さきにも述べましたように、非行の低年齢化が問題となっている昨今です。中学生、高校生の自主的な活動の場は、子供の健全育成上からも重要です。中高生の居場所づくりについて、提言を含め、お伺いいたします。


 区民との協働による区民自治の発展を図ることによって明るい未来の豊島区を切り開くことを確信いたしまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


      〔高野之夫区長登壇〕


○区長(高野之夫) ただいまの大谷洋子議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。


 今後の財源不足についてのご質問のうち、まず平成十八年度から二十年度の三カ年の、毎年五十億円規模の財源不足への対応についてお答えいたします。


 ご指摘のとおり、平成十七年度の予算を組み上げた現時点での財政収支見通しは、今後四年間で百六十六億円の財源不足が見込まれ、とりわけ十八年度から二十年度の三年間の収支状況が、昨年の八月時点よりは相当改善しているとはいうものの、毎年四十七億円から五十一億円の財源不足が見込まれております。この見通しは、歳出においては、行財政改革プラン二〇〇四を十七年度以降着実に実施することとしており、この度計画化いたしました財政調整基金や減債基金など、各種基金への積立ての計画も算定しているわけであります。歳入においては、今後の経済見通しや三位一体改革の動向、さらには十八年度以降の都区制度改革に伴う主要五課題の行方など、不透明な部分については現時点での見通しが前提となっております。したがいまして、今年の八月に十八年度の予算編成に向けての収支見通しを改めて立て、それをベースに予算編成作業に入りますが、いずれにいたしましても、今後も非常に厳しい財政状況には変わりはございません。その対応策につきましては、かつてない規模と大胆かつ聖域なき取組みを内容とした行財政改革プラン二〇〇四をベースに、行財政改革プラン二〇〇五の策定に着手し、区有資産のなお一層の有効な活用なども含め、あらゆる方策を検討してまいりたいと思っております。


 次に、十八年度の財源対策を終えた後の十九年度以降の財源不足がどの程度圧縮されるのかとのご質問にお答えいたします。


 大変難しいご質問でございますけど、十八年度の財源対策の内容いかんによって、その後の財源不足が大きく変化すると考えております。十八年度以降の歳入が現在の見通しと変わらないという仮定で申し上げますと、歳出削減の内容が単年度のみの効果なのか、後年度にも引き続き効果を発揮するものかによって、大きく変わっていくわけでございます。具体的には、基金の取崩しや用地売却などは当該年度のみの効果でありますけど、施設の民営化や人員の削減、事務事業の廃止などは、後年度以降、継続して効果を発揮いたします。したがいまして、それぞれの効果の特徴を有効に活用いたしてまいりますけれども、十九年度以降どの程度財源不足が圧縮できるのか、現時点では明言できないことをご理解いただきたいと思います。


 次に、十八年度からの三年間の投資的経費が事業費ベースで増加している主な要因でございますけど、東池袋四丁目の第一地区及び第二地区の市街地再開発事業経費が六十三億四千四百万円と大きく伸びておりますが、この事業につきましては、いわゆる一般財源の持出しはございません。その他では、新中央図書館の建設経費が二十年度に三十一億円予定されておりますが、一般財源は九億二千万円でございます。いずれにいたしましても、投資的経費につきましては、行財政改革プランに基づき、施策の厳選と経費の見直し等を行い、引き続き抑制を基調としていかなければならないと強く思っております。


 次に、内部努力に対する職員の協力を得る努力と全職員の理解についてのご質問にお答え申し上げます。


 行財政改革プラン二〇〇四の策定に当たりましては、素案の段階から、労使交渉等対象項目として、三十一項目を職員団体に提案または情報提供いたしまして、内部努力への協力を要請し、労使交渉を重ねてまいりました。この中には、十七・十八年度採用ゼロを含む五年間で四百人の職員定数の削減や、十七年度に向けて百五人の再雇用職員の任用停止など、かつてない厳しい項目が含まれております。ご指摘のとおり、内部努力のみならず、行財政改革の成否は、職員の理解と協力にかかっていると言っても過言ではございません。私は、労使交渉の場だけではなく、行財政改革プランへの職員の理解と協力を得るために、昨年十一月に、区長とのオフサイトミーティング二〇〇四を開催し、直接職員に語りかけ、また直接職員から建設的なたくさんの提案を頂きました。


 このような状況の中で、一月六日、三十二項目目として、職員給与の削減を提案したわけでございます。私にとりましてもまさに苦渋の選択ではございましたが、職員にとりましても、大変な衝撃でございました。組合からは、新年早々から大変なお年玉を貰ったと言われました。最終的には、職員団体の理解が得られ、二月三日に妥結することになりましたが、この間の一カ月は、まさに区長として、非常に辛い、苦しい日々でございました。恐らく、この六年間で一番心を傷めたことではないかと思っております。厳しい交渉の過程で、私自身も、区の窮状を率直に語り、真剣に理解と協力を求めてまいりましたが、改めて職員の豊島区や区民を思う心を感じるとともに、職員との信頼関係が、改革はもとより、区政運営の根本であると、改めて確信したわけでございます。私は、この危機を克服するには、全職員が心を一つにして、一人一人がこれまで以上に力を発揮していくことが不可欠であると、すべての職員が理解していると信じておりますが、さらに今まで以上に、信頼の絆である情報の共有に努め、職員の英知を結集させてまいりたいと思っております。今後も最大の努力をしてまいります。


 なお、その他の質問につきましては、関係部長から答弁申し上げます。


      〔大沼映雄政策経営部長登壇〕


○政策経営部長(大沼映雄) まず、三位一体改革に伴う税源移譲についてのご質問にお答えいたします。


 ご指摘のとおり、平成十七年度及び十八年度に向けた国庫補助負担金改革の内容は、地方提案と政府案とでは税源移譲対象補助金及びその金額が大きく相違しておりました。しかし、最終的には、政府案で決着をみたところでございます。その内容ですが、一般財源化対象補助負担金の改革額は二兆八千三百九十億円で、これに連動した税源移譲額は二兆四千百六十億円となっております。このうち、平成十七年度分の改革額は一兆七千六百八十一億円で、これに対する税源移譲額は一兆一千百六十億円となります。この中には義務教育費国庫負担金の暫定的減額の四千二百五十億円が含まれておりまして、同額が都道府県に直接交付されますので、実質移譲額はこれを差し引いた六千九百十億円となります。これに平成十六年度分の措置額四千二百四十九億円を加算した一兆一千百五十九億円が移譲額となり、これを都道府県と区市町村で六対四の割合で、かつ区市町村間では国勢調査の人口割合で配分される仕組みとなっております。


 次に、十七年度予算への計上額と、いわゆる影響額についてでございますが、ただいま申し上げました計算方法で試算いたしました結果、本区への所得譲与税交付金は八億七千五百六十九万二千円となり、同額を歳入予算に計上しております。一方、国庫補助負担金改革の影響額ですが、十一億三千五十一万六千円と試算しておりますので、差引き二億五千四百八十二万四千円のマイナスと見込んでおります。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔郡司信興子ども家庭部長登壇〕


○子ども家庭部長(郡司信興) 次に、地域区民ひろばでの子ども施策についてのご質問にお答えいたします。


 初めに、区民の自主的活動への支援の状況と今後のあり方についてのご質問にお答えいたします。


 自主的活動への支援についてでございますが、各小学校のPTA活動に教育委員会が補助を行っております。ここでは家庭教育に関する講座を企画し、子供に関する問題を保護者、地域が考える場となっております。また、東西の子ども家庭支援センターにおきましては、それぞれ六つの関係グループが団体登録をし、様々な活動を展開しております。これらの団体に対し、センターでは、活動場所として多目的室の提供、活動を行う場合の保育ボランティアの紹介、職員の講師としての協力などの支援を行っております。児童館におきましては、午前中の時間帯に親子体操・リトミック等の自主グループが三十五グループございます。区の親子体操事業等がきっかけとなり、事業終了後に自主グループとして継続するケースが多く、自費で講師を雇い、区は場の提供が主な支援となっています。


 今後のあり方でございますが、地域区民ひろばの子育てひろばでは、子ども家庭支援センターの親子遊び広場に準ずる事業を展開し、保護者からの子育て相談に応じたり、的確な情報提供を行い、子育て家庭への支援を行っていく予定でございます。また、必要に応じて、子ども家庭支援センターや保育園等と連携を保つ中で支援をしていきたいと考えております。地域では、近隣で交流したり助け合って生活していくなどして、連帯感を深め、コミュニティの創生を図っていく必要があります。区では、地域の育成団体や子育てグループの育成支援等、区民の自主的な活動を積極的に支援していきます。


 次に、中高生の居場所についてのご質問にお答えいたします。


 区内に二カ所、中高生の居場所となる仮称「十代倶楽部」を整備する予定でございます。スポーツ活動やバンド活動等の音楽活動ができる場所や、友達との語らいやグループ交流ができる環境を整備したいと考えております。


 次に、西部地区開設の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。


 ご案内のとおり、西部地区の中高生の居場所として、平成十七年三月に閉校になります大明小学校跡施設を活用して整備することになっております。主に三階部分を使用する予定で、現在、児童館職員を主なメンバーとします十代倶楽部検討会で、具体的な利用のあり方について、基本方針の案づくりを行っております。現在、児童館で中高生対応を行っておりますので、各児童館の中高生の利用実態を出し合い、問題点等を検証しながら、今後のあり方を検討いたしております。


 次に、運営への子供の参加・参画についてのご質問にお答えいたします。


 十代倶楽部の整備には、子供の参加・参画は、子どもの権利条約にもありますように、最も大事なことだと認識いたしております。秋頃より子ども会議を立ち上げ、子供の意見表明の場として十分な時間を取りたいと考えています。子供たちの主体的な参加ができるように、区内の中学校、高校との連携を強めるとともに、会議の持ち方等についても工夫をしてまいりたいと考えております。


 次に、東部地区の開設予定についてのご質問にお答えいたします。


 自転車等での移動が可能な中高生に対し、東部地区にも一カ所、十代倶楽部を設置したいと考えていますが、現在のところ見通しが立っておりません。場所の選定等、今後の課題とさせていただきます。


 次に、設置されるまでの対応についてのご質問にお答えいたします。


 現在、中高生対応の児童館として、スタジオ設備のある千早児童館と東池袋児童館がございます。他の児童館と比べ、中高生の利用が多く、一日平均、千早児童館が十名、東池袋児童館が二十名程度となっています。十代倶楽部が二カ所設置されるまでの中高生の居場所として、この二つの児童館を継続していくことも視野に入れて考えていきたいと思います。


 以上をもちまして、大谷洋子議員のご質問に対する答弁を終わります。


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○議長(戸塚由雄) この際申し上げます。


 議事の都合により暫時休憩いたします。


    午後三時十五分休憩


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    午後三時五十四分再開


○副議長(泉谷つよし) 休憩前に引き続き会議を開きます。


 議長の都合により副議長の私が議長職を務めますので、よろしくお願いいたします。


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○副議長(泉谷つよし) この際申し上げます。


 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。


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○副議長(泉谷つよし) 一般質問を続けます。


 十九番議員より「区政の再編で持続可能な?としま?づくりを」の発言がございます。


      〔木下 広議員登壇〕(拍手)


○十九番(木下 広) 緊張の糸がちょっと切れそうだったのですが、思い返してしっかりやりたいと思います。日高教育長さんの熱弁を聞きたかったのですが、あいにく質問は用意していませんので、後日にまたお願いしたいと思います。


 それでは、私は、公明党豊島区議団を代表して、「区政の再編で持続可能な?としま?づくりを」と題し、一、平成十七年度予算編成について、二、今後の行財政改革について、三、今後の区防災対策について、四、LANの有効活用について、その他、地元の街づくりについて質問いたします。できるだけ簡潔に質問しますので、前向きな答弁を期待して質問に入らせていただきます。


 まず、平成十七年度予算編成、方式について伺います。


 平成十七年度の予算編成は、従来の査定方式から各部局への一部枠配分方式に変更したと聞いていますが、二月八日の予算内示会での区長コメントにも、これまでの査定方式から一部枠配分方式に大転換し、限りある財源を有効に活用し、効果的かつ効率的予算となるよう、予算編成の権限の一部を各部局長に委譲いたしましたとありました。この枠配分方式を実現するため、昨年の五月頃、当時、今後五年間で三百八億円の財源不足が見込まれており、そのうち平成十七年度は七十一億円の財源不足であったと記憶しております。その財源不足を仮に枠配分方式で解消しようとすると、当時、各主管部局で想定していた事業費の一般財源を単純に七十一億円削減することになり、率に換算すると、何と六二%の削減をしなければならないという、衝撃的な取組みが始まったと考えざるを得ませんが、その後、改めて昨年八月に、予算編成に当たって、今後五年間で約三百七十億円、十七年度では六十六億五千三百万円の財源不足となり、本格的な編成作業に入ったと認識しております。


 そこで、今回の予算案作成までいろいろ大変な作業があったと思われますが、まず第一に、一部枠配分方式とはどういう内容なのか、各部局に一定枠を配分するには様々な考え方があると思いますが、どのような考え方で枠配分額を決定したのか、その結果、各部局の取組状況はどうだったのか、またその枠配分の予算額は対前年度比ではどのようになったのか伺います。さらに、予算編成を終えて、この方式を導入する趣旨、狙いは達成されたのかどうか伺いたいと思います。また、この枠配分方式のメリット、デメリットは何で、今後の予算編成もこの方式でいくのか、区民への説明はどのように考えているのか伺いたいと思います。


 続いて、今後の財政改善に向けた行財政改革のあり方について伺います。


 我が豊島区は、高度成長の時代、さらにバブルの時代において、社会資本整備のため投資を続け、その結果として公債費償還などに苦しんでいる現状があります。誰もが右肩上がりの経済に慣れ、不況がきてもまた再び税収入等の伸びがあるであろうと期待して、大幅な歳出削減に本格的に取り組んでこなかったことへの反省を、大きく踏まえなくてはならないと思います。本区の単年度の実質収支が赤字となった平成六年度以降、区は自らのスリム化、身の丈に合った行政の再編をするとともに、プライマリーバランス、即ち単年度の収支均衡を図ることを最優先の課題として取り組むべきところを、大きくなり過ぎた区の職員給与に関わる経費や、高度経済成長期に建設してきた学校や福祉施設などの建替更新、あるいは高齢者介護対策などの需要の増大から、厳しい言い方をすれば、結果として思い切った抜本的な再編を行えず、今日の財政危機に陥ったと認識しております。


 そこで、ここ数年来実施してこられた行政評価の取組み、あるいは財務諸表の作成など、行財政の各種分析について、財政規律の確保という観点から伺わせていただきます。行財政改革プラン二〇〇四で説明責任と透明性の向上を訴えている以上、これらの成果を今こそ改革に役立てていくべきではないかと強く考えるからであります。まず、区長は、新生としま改革プランを策定し、人事白書、施設白書、行政サービスとコストなどの白書を作成し、透明性の確保を図られてきたわけですが、これらの分析はどのように生かされたのか伺います。特に、バランスシートや行政コスト計算書といった民間経営の手法ともいうべき財務分析は、本区をどのように客観的に位置付けているのでしょうか。二十三区の他区と比べて、区の資産の状況、負債の状況について、どのような認識に立たれているのか、区長のご見解をお聞かせください。また、その認識を基に、今後どのような行財政運営をされるのか、区長のお考えを伺います。


 次に、バランスシートと連結バランスシートについてお尋ねします。


 現在、区が作成しているバランスシートについては、総務省方式によって行っております。これによれば、昭和四十三年以前の有形固定資産については、資産に計上されておりません。しかし、豊島区には、この本庁舎を初め、昭和四十三年以前に取得された資産も多く、資産計上を行わないことは資産の把握に正確性を欠くものと考えられます。これにつきましては、多くの識者から、資産台帳等を活用する方がより正確な資産の状況を表せられると言われており、本区もこのようにする方がいいと考えますが、区長の見解をお聞かせください。


 次に、連結バランスシートですが、区には国保会計等の四つの特別会計、八つの外郭団体などがあり、様々な形で運営されております。こうした特別会計や外郭団体を含んだ連結バランスシートにはどのような効果があるのか、お聞かせいただきたいと思います。また、この四月に外郭団体の統合が行われ、私どもが主張してまいりました外郭団体に対する合理化がようやく目に見える形となってまいりました。バランスシートから、外郭団体に関わる区の財政支援の状況をどのように認識されておられるのか、この点も合わせてお答えください。


 次に、行政評価についてお尋ねいたします。先程の質問にもありましたので、若干重複しますが、進めさせていただきます。


 私は、行政評価と外部評価を導入している杉並区の関係者と以前から情報交換を行っております。杉並区の行政評価システムは、二十一世紀ビジョン並びにその基本計画に基づいた政策・施策・事務事業評価の三階層からなっております。例えば、基本計画のまちづくりの分野の中には、政策の一つとして良好な住環境と都市機能が調和したまちをつくるがあり、それに基づいてまちづくり施策の総合的推進という施策があり、その下に都市計画審議会運営と建設工事統計調査という事務事業があります。評価においては、それぞれの階層に適した評価の手法を用い、総合的で体系化されたシステムの構築を目指しております。行政評価の目的が成果重視の行政への転換、効率的で質の高い行政の実現、説明責任の徹底であり、その手段としての行政評価システムである以上、政策の効果を上げるためには施策や事務事業の構成が重要となり、携わる職員も事業の効率化、効果のアップに真剣に取り組んでいるとのことであります。


 何よりも、杉並区では、担当部課と総括組織による庁内の評価体制以外に、外部評価制度が明確に位置付けられております。行政評価の客観性を担保し、庁内の内部評価の結果について、新たに専門家五人の委員により設置した、外部評価委員会により、外部評価を実施しております。内部評価対象数は二十三の政策、七十八施策、八百八十九事業、八団体と膨大ですが、外部評価委員会では、限られた時間と労力の範囲で行うため、五つの政策、十九施策、三団体に絞って外部評価を行い、その中身は、評価意見、データ等に関する意見、今後のあり方の視点から、政策、施策、事務事業の方向性に関する評価となっております。内部評価では拡充が七〇%、現状維持が五%、効率化が二五%という評価結果でしたが、外部評価では拡充が五〇%、現状維持が一六%、効率化が二九%となっており、内と外から見た目の違いが明らかになっております。こうして杉並区外部評価委員会報告書としてとりまとめられ、広く区民に公開されているのであります。


 行政の活動を評価することにより、区の施策や事業を見直すことで改善につなげていくことは、ますます重要になってくると考えます。本区では、平成十七年度より、これまで実施してこられた行政内部の評価に加えて、外部評価を導入されるとのことですが、その目的、意義について、区長のお考えをお聞かせください。外部評価が区長の政策判断に対する参考資料となる場合には、その内容について議会でご報告いただけるのかどうか、またこれら外部評価を含めた行政評価の取組みを本区の財政の基本を成す政策形成にどのように反映させていくおつもりなのか、区長のお考えを伺います。


 続いて、行財政改革プラン二〇〇四に取り組むに当たりまして、行財政改革を進めていく強力な推進体制と協働を目指す上で今後さらに重要になってくる区民の声を的確に捉える手法の二点に絞って質問をさせていただきます。


 まず、推進体制について伺います。行財政改革プラン二〇〇四では、身の丈を超えた行政サービスの提供を反省し、「選択と集中」「民との協働」をテーマに、行政のスリム化を図ろうとしております。この取組みを実現するためには、これまで行ってきた施策との違いを明確にし、事業の選択基準、スケジュール化の方針、目標値の設定とフォローアップ体制、設定した目標値に対する進行状況把握等、様々なチェック機能が必要になってくると思われます。現在、中央省庁では、経済産業省が中心となって、EA、エンタープライズ・アーキテクチャというものを推進しております。EAとは、組織全体の観点で、問題点、非効率、高コストな事務を見極め、現状と将来像の対比による業務改善を行う手法として注目を集めております。組織の情報化が密接に絡んでおり、IT技術の活用が成功の要であるともいわれております。政府が導入を進めているEAの採用に関しまして、政策と情報システムを一体化させた手段として非常に有効であると考えられますが、区長におかれましては、その採用と必要性につきまして、どのようにお考えか伺います。


 次に、行財政改革を進めていく上で、区民の声を的確に捉える手法について伺います。民間企業では、顧客ニーズを的確に捉える手法として、ここ数年CRM、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントという手法が注目を集めております。これは、ホームページやEメールを有効活用し、集められた情報をコンピュータで分析することで、人の力では把握困難なニーズを短期間かつ低コストで分析するための手法でございます。新生としま改革プランにおきましても、区民を広い意味での顧客として捉えるという方針が出されておりましたが、具体的施策については決定打となるものが登場していないように見受けられます。既に、三鷹市、藤沢市などの先進的な自治体では、市のホームページに住民の意見を投票したり、自治体の職員の方とディスカッションを行う仕組みが提供されております。本区でもパブリックコメントをEメールで受け取る仕組みは用意されておりますが、その情報を有効活用するための取組みは十分であるとは言えません。このような戦略的なITの活用により区民のニーズを的確に理解することは、行政と区民のギャップを少なくし、より満足度の高い地域に育てていくための足掛かりになると考えますが、ITを活用した顧客ニーズを捉える手法についてのお考えをお聞きし、行財政改革関連の質問を終わります。


 次に、本区の防災対策について伺います。私は、昨年十月二十三日の新潟県中越地震に際し、第三回定例会が終了した翌日、十月二十八日に中島議員、島村議員とともに、新潟県堀之内町に救援のお手伝いに行ってまいりました。今回の地震では、被災地の関係者からの情報として、防災対策についての様々な観点が新聞、テレビでも報じられておりますが、私は、情報連絡網の確保という点と災害弱者への対応の二点について伺わせていただきます。


 まず、情報通信手段についてですが、堀之内町の関係者によりますと、地震発生直後は、電線が切れ電源が供給できなくなり、携帯電話もアンテナが被害を受け使用できなくなり、もちろん有線電話は電話線が切れ使用不能となりました。町内の被害状況を確認するための手段は、職員と駆けつけた消防団員が自転車やバイク、あるいは徒歩で現場に行って、被災状況を確認されたということでございます。情報伝達手段は、あらゆる可能性を考える必要があると思われます。先日、お隣の文京区では、区内のアマチュア無線・ハムの愛好家と災害時の情報伝達に関する協定を結んだそうでございます。そこで、本区でもアマチュア無線・ハム愛好家との協定を結び、非常時の情報伝達手段の一つとすべきと考えますが、区長のご見解を伺います。また、現在本区が導入しております防災無線については、数年後には法律の改正により周波数帯域の変更を余儀なくされており、防災無線計画の抜本変更が必要となっておりますが、現実の厳しい財政状況の下、この周波数変更についてどのように対応されるお考えなのか伺います。私は、どうせ変更するのであれば、他自治体で導入されているGISを使った、災害情報システム等のデジタル時代に合った取組み、検討が必要になると考えますが、区長のご見解を伺います。


 二番目に、大災害時の災害弱者に対する救援体制については、災害が発生する度に様々なところで議論をされてまいりました。もとより、地域住民のご理解とご協力がなくては話にならないことではあります。高齢者や障害者のプライバシー保護という観点も絡むところから、非常に難しい面があることも十分承知していますが、新潟県中越地震でも多くの関係者が災害弱者の救援体制の確立の重要性を語っておられるところから、本区の検討状況と今後の取組みについて伺います。行財政改革プラン二〇〇四では、今後の地域社会発展のポイントを区民との協働と捉えているところから、豊島区の実情に合った、区民と協働した災害弱者対策に取り組むことは、区政と区民の信頼感の確立という意味でも非常に重要と考えます。積極的な取組みを期待いたします。


 次に、LANの有効活用と行政コストの削減について伺います。


 本区の情報化も、私が初当選した平成七年当時に比べると、比較にならない程の進展が見られております。その典型的な例が、数年前から活用されているLANによる業務のIT化であると思います。しかしながら、ある調査によると、この大容量のネットワークも、活用できている割合がネットワークの持つ実力の数十%でしかないとの調査結果が出ております。せっかく巨額な費用をかけて導入した設備も、有効に活用できなければ税金の無駄遣いと言われても仕方ありません。そこで、私は、LANを有効活用し、かつ行政コストの大幅な削減を可能にする、IP電話導入を提案するものであります。今までの電話機能は、PBXと呼ばれる交換機から電話回線で繋がれて通話を行っております。PBXは一台数百万円で、高いものは数千万円のものもあります。それに繋がる電話機もPBXメーカーと同じものを使用し、メンテナンスもやはり同じメーカーの関連業者に任せざるを得ない現状でございます。また、それら電話機能の定期的な契約更新は、PBXごとに契約時期が複雑に絡み合っております。また、毎年春の人事異動や部署の変更により部屋替えがある度に、回線の設置等、移動工事費がかかります。IP電話を導入すると、既に張りめぐらされているLANと一台のパソコンにインストールされたSIPというプロトコルソフトを使うことにより、この数百台のPBXそのものと定期的に行われるメンテナンス、回線などの契約更新が今後一切不要になるというもので、大幅な経費削減につながります。また、本区の場合、約百カ所の区関連施設があり、庁舎と出先機関との回線使用料はほとんど無料となり、その経費削減は年を経るごとに膨大になると思います。


 私は、昨年八月、IP電話の導入を開始した千葉県我孫子市の方々と情報交換をしてまいりました。人口約十三万人の我孫子市では、昨年八月、市役所と出張所、図書館、保育園といった関連施設三十七カ所のIP電話を稼働いたしたところであります。導入前には毎月二百万円にも上っていた電話料金が約百十万円になる見通しということでございます。まず、市庁舎と関連施設間での通話料金がゼロになりました。外部との通話料金も、SIPソフトにより最も安い回線を自動選択でき、二〇%から三〇%の削減が実現しました。回線の集約によりまして、基本料金が従来の四分の一に削減できたというものでございます。今後も、PBXの契約更新ごとにIP電話への切替えを行い、経費削減に努めていくとのことです。詳細な財政効果については、平成十七年度の正式な決算を待つこととし、十六年度内の半年で絶大な経費削減が実現できたということであります。また、ある雑誌のインタビューで、我孫子市の福嶋浩彦市長は「職員の通話明細を集計したところ、市内通話の八〇%が市役所と市内関連施設同士の通話であることがわかり、まずその経費がゼロになることに着目しました。同時に、PBXの更新コストも削減されるとともに、ソフトでIVR音声応答システムによって、受付業務を一元化することにより、時間外の市民からの問合せにも親切に対応でき、業務の効率化を図るだけでなく、市民サービスの向上にもつながり、効果は抜群である」と言われております。IP電話が実現できたのも、光ファイバーに代表される大容量、高速回線上でのデータのやりとりの方式、プロトコルがSIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)に、世界標準に統一されつつあるからで、SIPによりどんなメーカーの機器でもデータの送受信が可能になったためです。数十万円のPCサーバーと数百万円のソフトウェアの組合せで、総額数千万円はするPBX数百台分の仕事を優にやってのける時代に突入しました。新聞報道によりまして、板橋区でも既に導入の決定をみたことは、区長もご案内のとおりだと思います。未曾有の財政危機に陥っている本区では、行政コストの削減は何をおいても取り組まなければなりません。IP電話導入について、ぜひ積極的な検討を進められたいと考えますが、区長のご所見を伺います。


 最後に、地元、椎名町駅周辺の街づくりについて伺います。


 中央環状新宿線の工事も着実に進行しており、環状六号線の拡幅事業とともに、地元住民としては早い完成を心待ちにしているところでございます。現在、西武池袋線を南北に跨ぐ椎名橋の架替えも、少しずつその姿を見せ始めております。そこで、何度も一般質問、決算委員会等で触れているところですが、新しい椎名橋完成後の橋脚下の広場整備について、十数年前から地元住民のご要望によりまして、コミュニティ広場の整備を訴えてまいりました。完成を数年後に控えた現在、この広場整備について、どのようなお考えをお持ちなのか伺います。また、整備に当たっては、地元住民の方のご要望を十分に反映していただき、新しい区西側地域の名所としていただきたいと考えますが、そのことについてもご答弁願います。さらに、椎名橋は何十年にわたって頑張ってきた盛り土の橋を新しい橋に架け替えるわけですが、地元地域の新しいシンボルとして、橋の一部に椎名橋の由来を刻んだりするメモリアル名盤をつくるなど、地域住民の記念になるものとし、地元地域に愛される橋、地元地域の誇れるシンボル、名所としていけば、街の活性化にもつながると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。


 以上で私の発言全部を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)


      〔高野之夫区長登壇〕


○区長(高野之夫) ただいまの木下広議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。


 平成十七年度の予算編成方式についてのご質問のうち、まず一部枠配分方式の内容についてお答えいたします。


 予算の枠配分方式は、人件費や投資的経費も含めた総予算枠を各部局に配分しまして、各部局ではその枠内でトップの政策実現のための事業戦略を立て、予算化をすることであります。しかしながら、本区においては、導入初年度でもあること、また人事権の委譲を伴う人件費の枠配分には検討すべき課題が多々あることなどから、人件費や一定の政策判断を必要とする投資的経費、各部局の裁量が極めて少ない義務的な経費、首長の政策的経費などを枠内経費から外した枠外経費として、それ以外の経費を当該年度の予算枠として配分する方法といたしました。これを便宜上、一部枠配分方式と表現したものでございます。なお、枠配分の対象外とした投資的経費など、枠外経費につきましては、従来どおりの査定方式で予算額を決定しております。


 次に、枠配分額の決定の仕方でございますけど、前々年度の決算額をベースに、当該年度の増減要素、さらにはこの度の行財政改革プラン二〇〇四を確実に実行することを前提に、各部局の必要想定額を財政当局で推計いたしまして、配分額を決定いたしました。この配分する予算枠は一般財源でございまして、各部局の枠内の予算額は、これに国や都の支出金など特定財源を合算した額となるわけでございます。今回の枠配分方式における取組状況でございますけど、各部局とも全職員が一丸となりまして、配分された枠内での予算案作成に総力を挙げて取り組み、様々な創意工夫と知恵を駆使いたしまして、全部局が枠内での予算案作成を成し遂げたのでございます。このことは、全職員の財政に対する危機意識の現れであると考えております。また、枠配分方式により策定した予算額の対前年度比でございますけど、これに該当する十六年度の一般財源の予算が九十二億八千六百万円余で、十七年度予算が七十九億七千四百万円余でありますので、十三億一千二百万円、一四・一%のマイナスとなりました。


 次に、この一部枠配分方式を導入する趣旨、狙いの達成状況とこの方式のメリット、デメリットでございますが、まず枠配分方式のメリットは、第一に、スクラップ・アンド・ビルドを徹底した予算編成になること、第二に、コスト意識に立脚した全職員参加による予算の編成になること、第三に、財政状況などの透明性が確保され、区民の皆様への説明も容易な予算編成になること、第四に、総額での予算コントロールによる財政支出の抑制が図られることと考えております。制度導入の趣旨、狙いは、このメリットの具現化と、現下の厳しい財政状況の中で、直接サービスを担っている各部局が新たな視点と発想で実効ある歳出構造の改革を行い、限られた財源の中で区民要望に即した政策目標をより効果的・効率的に実現することにありまして、さらにその上に、足腰の強い組織・体質づくりにあるわけであります。これらの視点から、各部局の十七年度予算の編成状況や予算内容から判断いたしますと、職員の理解も得られ、枠内での予算もできましたので、この制度を導入した趣旨、狙いは、ある程度は達成したと考えております。なお、デメリットでございますけど、各部局ごとの予算編成であるため、類似の事業が予算化される可能性がありまして、その調整が課題となりますけれども、そうした問題は今回はございませんでした。また、この枠配分方式は、予算編成作業を早くスタートしなければならず、歳入見込みが大変に難しいことにあるわけであります。


 次に、今後の予算編成方式と区民の皆さんへの説明についてでございますけれども、十八年度以降も、この枠配分方式を継続してまいりたいと思います。そして、さらに実効ある予算編成とするため、庁内分権を一層推進し、予算枠の配分の対象範囲を極力拡大し、各部局の自己検証、自己責任の下に予算編成をする仕組みを充実させてまいります。また、そのことにも連動いたしますが、いわゆる事業部制制度についても、今後、検討したいと考えております。


 次に、今後の行財政改革のあり方についてお答えいたします。


 まず、各白書等で区の財政構造の何がわかり、それを基にどのように財政規律を確保するのかという趣旨のご質問でございます。区が財政困難に直面した平成五年度以降、従来の行財政運営のあり方に対する改革の必要性が叫ばれてまいりました。行政運営の状況を明らかにして行財政改革に取り組むため、区民の皆様へ財政白書、人事白書、施設白書、行政サービスとコスト、バランスシートなどの白書を発表してきたものでございます。これらの白書は、いずれも右肩上がりの経済を背景とした箱物行政と、コスト意識、あるいは経営の視点の希薄さをデータと図解で示したものとなっております。


 そこで、これらの白書による分析がどのように生かされてきたかについてでございますが、これらの分析結果は、いずれも新生としま改革プラン、さらには今回の行財政改革プラン二〇〇四に反映されております。具体的に申し上げますと、財政白書では、投資的経費急増の状況の指摘から、その後の投資抑制に結び付けてまいりました。また、人事白書は定員適正化計画へ、施設白書は公共施設の再構築・区有財産の活用案へと、それぞれの計画の基礎として活用いたしております。これらの白書及び民間の財務諸表による分析につきましては、公務部門に経営感覚を導入するツール、道具であると位置付けておりまして、引き続きこれらを活用してまいりたいと考えております。


 次に、バランスシート等の民間における財務分析の手法についてお答え申し上げます。バランスシートでは、正味資産と有形固定資産の関係を二十三区で比較することが可能となっております。例えば、世代間の負担率で分析をいたしますと、二十三区平均が八八%であるところ、豊島区は六七%と、残念ながら最下位という状況にございます。これまでの区の資産の形成が借金に大きく依存してきたという証ではあるかと思います。したがいまして、今後の行財政運営につきましては、事後のコストの測定を含めた費用対効果の分析を徹底いたしまして、将来への確かな情報力と分析力を培うことで、財政規律の確保に努め、区財政の健全化に向け努力してまいる所存であります。


 次にバランスシート及び連結バランスシートについてお答えいたします。


 第一に、バランスシートに関わる総務省方式について申し上げます。この方式は、ご指摘のように、昭和四十三年以前の資産、例えばこの本庁舎でありますとか公会堂、その他多くの小中学校などは資産計上されておりません。その点で、資産の把握に正確性を欠くとのご指摘は、まさにそのとおりであります。しかしながら、ご指摘のような対応をするといたしますと、これらの財産の台帳を新たに起こし、資産として計上し直すことが必要となります。それに要する経費や時間等を考慮に入れますと、現時点では、その効果を改革に生かしきれないのではないかと危惧をいたします。また、総務省方式に基づいて実施することによりまして、他団体との比較がしやすいことや、経年でのストック情報が比較できるメリットもございますので、当面、この方式によるバランスシートの作成とさせていただきたいと存じます。


 第二に、連結バランスシートの効果についてお答えいたします。連結バランスシートでは、区が投資・出資金として計上する部分と外郭団体が基本財産として計上する部分を相殺するなど、連結バランスシート自体の見えにくさという点もございます。しかしながら、区や外郭団体の抱える資産や負債の全体の流れを把握することが可能となり、透明性の向上に大きく寄与できるというメリットがございます。


 また、外郭団体の財政支援の状況についてでございますが、コミュニティ振興公社を例に申し上げますと、その総収入の九割が区から支出されておりまして、保有する資産につきましても、区が出損しているという現状が見てとれるのでございます。これまで外郭団体は行政の補完機能を担ってまいりましたが、民営化の流れの中では、改めてその機能自体の意義が問われております。したがいまして、今後は、外郭団体の経営能力と支援の関係を再検証いたしまして、再構築していく必要があると考えております。


 次に、外部評価についてお答え申し上げます。


 まず、外部評価の目的等について申し上げます。行政評価では区民サービスを目標達成度、効率性、必要性などの面から評価してまいりましたが、これは、行政の透明度を高め、区民満足度の向上を志向した成果重視の区政を実現するためであります。しかしながら、内部の評価だけでは、区民の皆様へのわかりやすさや事務改善の効果といった点で、自らへの甘さが出ることも否めません。第三者性の採用という観点から、外部の専門家や区民のご参加をいただき、制度の充実を期する必要がありますので、十七年度から外部評価を実施することとした次第でございます。この外部評価の結果につきましては、内部評価と並列して取りまとめ、当然、議会にもご報告させていただきます。


 次に、行政評価と政策形成についてお答えいたします。政策課題の改善には、事後の評価を計画に反映させていくマネジメントの確立が不可欠でございます。評価を含めた経営情報の構築を進めますとともに、公会計制度の充実を図ることが、行政と区民との建設的な政策論争につながるものと考えております。区民の皆様との情報の共有が政策形成・政策経営の基本であると考えておりますので、引き続き行政経営の確立に努めていきたいと思っております。


 次に、エンタープライズ・アーキテクチャの採用と必要性に関するご質問にお答え申し上げます。


 中央省庁では、平成十五年七月に電子政府構築計画を策定いたしまして、電子政府の総合窓口を活用したワンストップサービスの拡大や業務・システムの最適化など、エンタープライズ・アーキテクチャに基づく取組みが進められております。こうしたEA、エンタープライズ・アーキテクチャの考え方の導入は、行政の縦割りを改めるとともに、区民の立場に立った各種行政サービスの質と利便性を向上させまして、行政コスト自体の削減を図る上で、大変重要かつ有効であるといわれております。したがいまして、まず国の取組みについて調査するとともに、導入による効果や必要となるコストなどについて研究を進めてまいりたいと考えております。


 なお、その他の質問につきましては、私に対しての直接の質問もございますけど、それぞれ担当する部長からご答弁を申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。


      〔大沼映雄政策経営部長登壇〕


○政策経営部長(大沼映雄) 次に、ITを活用した顧客ニーズを捉える手法に関するご質問にお答え申し上げます。


 豊島区では、区のホームページを試行的に稼働させた平成十一年十一月より、Eメールによる区民の声の募集を行っております。平成十一年度には九件、平成十二年度には九十二件の区民の声がEメールで寄せられました。その件数は年を追うごとに急激に増えておりまして、平成十五年度には四百九十九件となっております。その一方で、広聴はがきで寄せられた区民の声は、十二年度の四百十四件から十五年度の二百七十五件へと減少しております。区民の声の内容は、所管部署はもちろん、全職員が庁内LANを通じて見ることが可能になっておりまして、代表的な意見と区の回答は、ホームページでも公開するほか、区施設の掲示板にも表示しております。また、平成十五年度からパブリックコメント制度を実施しておりますが、これまでに処理を終えた十三の案件のうち、十二の案件でEメールによる意見の提出がございました。そして、八つの案件で意見を踏まえた案の修正を行っております。このように、ITを有効に活用した区政への意見表示が区民の間に急速に広がっていることに対応し、区もITを活用した区民ニーズの的確な把握に努めております。


 一方、民間で開発され活用されているCRMの手法は、行政の分野におきましても、住民ニーズを的確に分析、評価し、効果的にサービスの改善につなげられる方策として有効であるといわれています。しかし、今年度、IT時代に相応しい区民ニーズを把握する手法の一つとして、試行的にインターネット・アンケート調査を二つのテーマで実施いたしましたが、回答を寄せてくださった方は、それぞれ八十名程度にとどまりました。CRMを実施するとしても、どのような手段が効果的であるかは十分に検討を重ねていく必要があると考えております。今後は、電子掲示板や電子会議室、コールセンターシステムなど、先進的な自治体が行っている手法なども参考にしながら、区民ニーズを的確に捉える手法について検討を続けてまいりたいと存じます。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔山木 仁総務部長登壇〕


○総務部長(山木 仁) 防災対策についてのご質問にお答えいたします。


 まず、第一点目、情報連絡網の確保についてお答えいたします。情報通信の手段につきましては、あらゆる状況に対応できるように、防災無線はもとより、携帯電話やインターネットの活用など、様々な方策を講じる必要がございます。ご提案のアマチュア無線・ハム愛好家との協定につきましては、災害時における情報連絡網の手段の一つと考えますが、アマチュア無線は個人単位でありますので、現在の普及状況や防災を前提とした組織づくり、基地局となる区の体制などの課題もあり、今後、調査・研究してまいります。


 また、電波法の改正により、周波数帯が変更されデジタル化される地域防災無線は、区の災害時における情報連絡網の根幹を成すものでございまして、非常に重要な課題として、今後積極的に取り組んでまいります。現在、更新する予定で検討しております災害情報システムは、デジタル無線との連携を前提として、GIS(地図情報)や携帯端末による被災現場の映像送信など、最新の技術を盛り込んでございます。なお、現在、本区が誘致を進めております新東京タワーの構想には、デジタル放送とEWSと呼ばれる緊急警報放送システムとの連動により、新東京タワーから携帯電話や家庭のテレビ、車両のカーナビなどに一斉に災害情報を伝達する機能も含まれてございます。区といたしましては、常にこれらの技術革新を視野に入れながら、より高度な情報通信システムを構築させていきたいと考えてございます。


 次に、第二点目、大災害時の災害弱者に対する救援体制についてのご質問にお答えいたします。発災直後における区の重要な責務は、災害情報の収集・伝達と被災者の受入体制の確立であり、救出・救助活動は主として東京消防庁、警視庁が実施することになります。しかしながら、大災害時における救援活動につきましては、行政の力だけで行うことは限界がございますので、区民との協働が必要とのご指摘はまさにそのとおりと存じます。特に、災害要援護者に限らず、倒壊した建物の下敷きになった方々の救出活動は、緊急を要し、近隣住民の助け合いがなければできないものでございます。平常時における区民との協働事業につきましては、高齢者福祉課による見守りと支えあいネットワーク事業などを展開しておりますが、大災害時における救援体制につきましては、現行の取組みが決して十分なものとは認識してございません。そのため、既に防災課と保健福祉部において、区民との協働のあり方や区の支援策等について協議を進めてございますが、今後、さらに関係各課によるプロジェクトチームを発足させるなど、積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。


 次に、LANの有効活用と行政コストの削減を可能とするIP電話の導入についてお答え申し上げます。


 ご指摘のとおり、情報通信技術の進歩はまさに日進月歩でございまして、区といたしましても、業務のIT化による区民サービスの向上とコスト削減に向け、日々研究に努めなければならないと考えてございます。今回ご紹介いただきました我孫子市の事例につきましては、早速市役所に問合せをさせていただきました。また、板橋区でも平成十八年四月からの運用に向けて導入を進めているとのことですので、合わせて調査をいたしました。その結果、板橋区では年間七百万円の経費節減効果を見込んでいるなど、相当の効果が期待できることを確認できました。


 一方、本区の庁内LANは光無線を使用しているため、通信速度が遅く、通話が中断してしまう可能性がありますことから、有線への変更が必要となります。また、既存の受話器では対応できないため、機種を一斉に交換する必要があるなど、導入に際していくつかの課題がございます。さらに、万一の障害に備えまして、機器構成を二重化する必要もございますので、現状では初期投資として八千万円から九千万円程度が必要と見込まれてございます。こうした点を考慮いたしましても、IP電話が将来的に極めて魅力的な選択肢であることは間違いございません。我孫子市や板橋区では、交換機のリース契約の更新時期に合わせまして、順次IP電話の導入を進めているとのことでございますので、本区におきましても、現在使用している交換機の更新時期に当たります平成二十一年四月に向けまして、機会を逸することのないよう、積極的に検討してまいりたいと考えてございます。


 私からの答弁は以上でございます。


      〔増田良勝土木部長登壇〕


○土木部長(増田良勝) まず、椎名橋桁下の広場整備についてのご質問にお答えいたします。


 工事中の椎名橋は桁下空間を有効利用できる構造となっており、約四千三百平方メートルが広場として活用できます。これまでの地元要望を受け、駅前広場や自転車駐車場のほか、地元商店街との連続性の確保など、開放感があり地域性豊かな桁下空間として整備をいたします。スケジュールといたしましては、椎名橋が完成した後に広場工事に入りますので、平成十九年度となります。これまでの地元のご要望につきましては、具体的な施設内容をこれから決定いたしますので、引き続き地元町会・商店街の方々と精力的に意見交換を行ってまいります。また、平成十六年第二回定例会で採択されております地下自由通路早期実現の請願につきましても、広場整備と同様に、街づくりの重要課題と捉ええておりますので、建設年度は確定しておりませんが、早期実現に向け、西武鉄道初め、関係機関と積極的に調整してまいります。


 次に、椎名橋の名所・シンボルについてのご質問にお答えいたします。


 山手通りの拡幅により、新しくなる椎名橋は、長さ百五十六メートル、幅員四十メートルと規模が大きい割に、スチール桁を採用しているため、橋の厚さが薄い構造となります。また、橋の中腹部に首都高速道路の出入りランプと料金所が設置されますので、景観的にも現状とは大きく様変わりいたします。したがいまして、歴史を重ねてきた椎名橋が今後も末永く地域の方々に親しまれる橋とするために、橋の高覧、親柱、歩道照明など、椎名橋を強く印象づける施設を計画的に配置していくことが大切であると考えます。


 現在、首都高速道路公団は、地元町会が参加した山手通り地域意見交換会を運営しており、この中で、歩道の植栽や舗装の色など、歩道のデザインを検討いたしております。椎名橋を地域のシンボルにしていくことは、街づくりを進めていく上で重要なテーマと考えますので、この意見交換会の中で、景観計画と合わせ、由来板の設置など、地域の誇れる名所となる具体策が示されるよう調整してまいります。


 以上をもちまして、木下広議員のご質問に対する答弁を終わります。


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○副議長(泉谷つよし) 最後に、二十七番議員より「憲法をいかし、福祉とくらし優先の区政にあらためよ」の発言がございます。


      〔小林ひろみ議員登壇〕(拍手)


○二十七番(小林ひろみ) 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、「憲法をいかし、福祉とくらし優先の区政にあらためよ」と題して、次の三点について質問します。一、憲法を区政の根本に据えることについて、二、二〇〇五年度予算について、三、障害者施策についてであります。


 第一に、平和憲法を区政の根本に据えることについて質問します。


 今年は、戦後六十年、被爆六十年の節目の年、二度と戦争をしない決意を新たにすべき年であります。戦後つくられた日本国憲法には、主権在民、戦争の放棄、国民の基本的人権、国権の最高機関としての国会の地位、地方自治が規定されました。特に、戦争放棄、軍隊の放棄を規定した第九条は、あの侵略戦争でのアジア諸国民二千万人、日本国民三百十万人もの犠牲の上に築いた、二度と戦争をしないという国際公約であります。最近でも、憲法九条改悪の動きに、韓国の超党派の国会議員が抗議をしていますが、アジアの諸国民が九条を国際公約と認識しているがためです。また、当時日本が率先して行った戦争放棄と軍備禁止は、現在、戦争のない世界を目指す中で、世界でも普遍的な意義を持つ条項として注目されています。一九九九年にオランダで開かれた世界市民会議は、あらゆる議会は、日本国憲法九条のような、政府が戦争を行うことを禁止する決議を採択すべきと呼びかけ、二〇〇〇年の国連のミレニアムフォーラム報告書も、各国は日本の憲法九条のような戦争放棄条項を憲法に盛り込むべきと述べています。


 また、世論調査でも、国民の六割が九条を改正する必要はないと考えています。先日、NHKスペシャル「徹底討論 どうする憲法九条」が放送されました。そこでの事前の調査では、改正する必要はないとあるが同じ三九%でした。スタジオの意見では、九条は絶対に守ってほしい、戦争は残酷で惨め、絶対に戦争してほしくないという強い発言がありました。また、改正すべきといっても、憲法の記述が曖昧で政府の都合のいいように解釈されてしまうと、改正することで歯止めをかけると言う人がいました。しかし、今の改正論議は、憲法に則った政治があった上での改正ではなく、政府が憲法の原理原則をでたらめに解釈して骨抜きにして、もう解釈ではうまくいかないとなったから変えようという本末転倒の話ですから、改正することで歯止めなどかかりません。


 今、自民党は、憲法改悪、特に九条改悪にやっきになっています。国会の憲法調査会では、そもそもそういう機関ではないのに、我が党や社民党の反対を押し切り、改憲の最終報告書を出そうとしたり、小泉首相が国会答弁で堂々と、集団的自衛権が行使できるように憲法を変えることが望ましい、自衛隊は軍隊だと述べているのです。集団的自衛権というのは、日本が攻撃されなくても、例えば同盟国アメリカが攻撃されれば日本も武力行使ができるということですから、日本をまさに戦争のできる国、戦争をする国にするものであります。戦争は、憲法の平和原則を破るだけではなく、生存権や思想・信条の自由、新たな権利といわれるプライバシー権、環境権など、国民の基本的人権も損なうものです。憲法を守ること、九条を守ることは、国民の命と暮らしを守るための大前提です。そして、地方自治は、住民の福祉を増進するためにあるのです。ところが、石原都知事は、都議会内外で憲法否定発言を繰り返し、昨年十二月、我が党都議団の憲法を遵守すべきとの質問に対し、私は命がけで憲法を破ると答弁しました。憲法九十九条では公務員の憲法遵守義務を規定しているのに、それも否定するとは許せないことです。


 そこで質問します。区長は、自治体の長として、憲法の平和原則を踏まえ、基本的人権を守り、生きる権利を保障する立場を区政のすべての分野に貫徹すべきですが、いかがでしょうか。まずお答えください。また、豊島区は、二〇〇一年度から憲法のつどいを休止し、期間限定の平和・人権パネルの展示に縮小しました。今年は被爆六十年の節目の年、金がないとして非核平和のつどいまで休止するというのは、まさに憲法と豊島区非核都市宣言を軽視していると言わざるを得ません。直ちに、憲法のつどいを再開し、非核平和のつどいを拡充すべきでありますが、いかがか、答弁ください。


 第二に、二〇〇五年度予算について順次質問します。


 区長は、来年度予算案の発表に当たって、国の景気動向は全体としては堅調に回復しているとはいうものの今なお予断を許さない状況でありますと述べていますが、区民にとっては回復などどこの話かという感じですし、国の来年度予算案や様々な政策方針を見ても、国民いじめの方向がはっきりしています。二〇〇五年度の国の予算案について、マスコミでも、本格増税路線、老いも若きも負担増と報道しています。二〇〇五年度、二〇〇六年度の二年間だけ見ても、年金課税の強化、年金保険料の引上げ、介護施設入所者へのホテルコストの導入、そして定率減税縮小・廃止など、七兆円の負担増が予定されています。例えば、共働き子供一人の年収四百八十万円という世帯で、二〇〇五年度、二〇〇六年度に実施・決定されようとしている負担増は六万四千九百円。その他、所得税額、住民税額が増えることで、保育料が上がる可能性があります。後でも述べますが、豊島区ではそれとは別に、国民健康保険料、保育料の大幅値上げが予定されています。これまで税金がかからなかった収入の低いお年寄りの中で、新たに住民税が課税される人がいます。東京だけで二十万人にも上ります。連動して、収入も増えないのに、国民健康保険料と介護保険料も自動的に引き上げられるのです。定率減税の廃止については、経済人や自民党の中の一部からも、景気に悪影響を与えるとの声が出ています。九七年の橋本内閣時代、消費税増税など九兆円の国民負担増が景気に冷や水を浴びせかけ、橋本不況と言われました。あの当時は、家計の収入は全体で毎年五兆円から六兆円も増えていたのですが、現在はここ三年間で家計収入が十二兆円も下がっているのですから、この国民負担増は橋本失政を上回る打撃を日本経済に与えることになります。さらに、二〇〇七年度を目途に、消費税増税が目論まれているのです。大企業や高額所得者には大減税を続け、関西国際空港や整備新幹線、八ツ場ダムなど、公共事業という名の無駄遣いは温存されたままです。


 東京都では、法人住民税の増収などで、今年度及び来年度で六千億円の増収を見込んでいます。ところが、石原都知事は、都財政がたとえ増収となっても、これを好機と捉えて、都財政の体力回復に努めるとともに、財政構造改革に取り組むことが不可欠と明言。老人医療費助成の削減や特別養護老人ホームへの運営費補助削減、特養ホームや老人保健施設整備予算の大幅削減、私立幼稚園への教育振興事業費補助の補助率切下げなどを行おうとしています。一方で、高速道路や都市開発など、大型開発にはさらに多額の税金を湯水のように注ぎ込もうとしています。


 さて、二〇〇五年度予算について、区長は、福祉と教育を基本に、文化政策と都市再生並びに健康を重点的に対応したと述べています。これまで区民に、金がない、我慢してくれといって、区民に必要な施策を切り捨て、さらに四年間で黒字にするといって、財政健全化計画を押し付け、福祉を切り捨ててきました。当初目標とした黒字になるどころか、三十九億円の財源不足となり、区民の貴重な財産である時習小学校跡地を売却したのです。その上、今後五年間で三百七十億円足りないとして、昨年九月に行財政改革プラン二〇〇四素案を発表しました。区民からは、一体いつまで我慢すればいいのかと痛切な声が上がりました。一番削減額が大きいのは保健福祉部に関連したものです。こんなものまで削らないでほしいと区民の反対が強く出され変更したものもありますが、基本的には区民のための重要な施策が容赦なく切り捨てられようとしています。障害者のタクシー券、生活保護受給者への風呂券、私立幼稚園教育環境整備費補助などの削減、また少人数指導モデル事業の廃止、保育料の値上げ、区立幼稚園の入園料や保育料の値上げ、秩父移動教室の存続と引換えに行われる移動教室全部についての保護者負担増、その上、職員給与の削減であります。区民と職員に犠牲を押し付け、福祉、教育の施策水準を切り下げていく内容となっています。長引く不況に追討ちをかける国や都による負担増、福祉切捨て政治で、区民の生活実態は大変深刻な状況になっています。今こそ、区民の要望に応える予算にしなければなりません。


 やるべきことの第一は、子育て支援の充実です。


 区長も重点施策の一つに、子ども・子育てを挙げています。子育て支援というなら、今多くの自治体で広がっている子供医療費無料制度の拡充こそ必要です。我が党は、昨年第三回定例会の一般質問で、子供の医療費無料制度の小学生への拡充を求めましたが、区長は全くやる気がありませんでした。当時は、港区、北区、台東区、品川区が二〇〇四年度または二〇〇五年度からの小学生や中学生への拡充に踏み出していました。乳幼児医療費無料制度で先駆的な役割を果たしてきた豊島区としては早く拡充すべきだとして、我が党は第四回定例会で、小学校三年生まで拡充する議案提案を行ったのですが、与党は否決したのであります。


 そこで質問します。今年になって、子供の医療費無料制度拡充はますます広がっています。世田谷区で小学校三年生まで、葛飾区で中学生の入院医療費を無料に、中野区では小学生の入院医療費を無料に、大田区では、通院医療費は小学校三年生まで、入院医療費は中学生まで拡大することを発表しました。板橋などでも拡大が検討されていると聞いています。今、競ってどこでも、子育て支援としての医療費無料制度に力を入れています。子供が健康に育つために、保護者が医療費の心配をしなくてもよいように、また子育て世代の経済的負担を少しでも軽くするために、最優先の課題です。区長、豊島区の子供の医療費無料制度について、直ちに拡充に踏み切るべきではありませんか。明快な答弁を求めます。


 子育て支援のもう一つの柱は保育園の拡充です。待機児解消についてです。


 これまで、我が党は何度も何度も保育園の待機児解消を求めてきました。しかし、解消されていません。今年二月現在で待機児は百七人、特にゼロ歳児は多く七十六人、一歳・二歳児もそれぞれ十五名ずつとなっています。区は認証保育所を待機児解消策と言ってきましたが、認証保育所は保育料や諸費用が高い、認可保育園に入りたい、プールがないなどの声が出ています。これは区民の求める保育ではなく、結局、待機児解消にもならなかったということです。保育園は、働く親、保育に欠ける子供になくてはならないものです。ですから、本来、一人の待機児もいない、必要な子供はいつでも保育園に入れるというのが当然なのです。区立保育園四園廃園が間違っていたことは、廃園した保育園の周りで待機児が多いことを見ても明らかです。


 また、行革プラン二〇〇四で、区立保育園の民営化を推進しようとしています。区民からは不安の声が上がっています。既に他区で民営化された保育園では、保育士がくるくる変わって子供が落ち着かない、お散歩に行った公園で子供を置き去りにしたなどと報道されています。安上がりの保育で人件費を削ることが保育の質を下げることになって、安心できる保育、子育て支援の保育ではなく、預かりになっているのです。南池袋三丁目福祉基盤等整備事業で社会福祉法人を誘致してつくる保育園では、事業者が二転三転して、議会にも保護者にも何度も説明が行われ、また結局、区が費用も持ち出し、開設時期も一年延期ということになりました。何度も指摘してきましたが、民間誘致・民営化というのは、相手があることであり、思うようにはいかない、大変難しいことなのです。ところが、その初めての民営化もまだ実際には開設されてもいないのに、今後僅か五年で、あと六カ所も民営化する計画になっています。余りにも無責任です。かけがえのない我が子を預けている保護者が不安になるのは当然のことであります。


 そこで質問します。区立保育園の民営化計画をスケジュールどおりに強行すべきではありません。今やるべきは、いつでも保育園に入れるよう、区が責任を持って認可保育園を増やすことです。いかがですか。また、区は責任を持って待機児を解消しなければなりません。待機児を解消する具体策について、区長の答弁を求めます。


 次に、高齢者施策について質問します。


 まず、区民の要望が大変強い特別養護老人ホームについてです。現在、特別養護老人ホームの待機者は九百八十七人、緊急性が高いとされるAランクは二百五十五人です。四月に南池袋三丁目福祉基盤等整備事業の九十二床ができても、緊急度が高いAランクでさえ百五十人以上が入れないのです。区はこれまで、私たち日本共産党豊島区議団が区民需要に合った特別養護老人ホームの増設を求めると、民間を誘致すると言い、待機者のランク付けをして需要を小さく見せるけれども、増設の必要性は認めてきました。昨年第四回定例会で、我が党垣内議員が一般質問で、特別養護老人ホームの増設を追及したことに対し、区長は、癌研跡地に特別養護老人ホームを誘致する計画を断念したと発表、合わせて再質問に答えて、西巣鴨体育場への計画を検討すると答弁しました。ところが、今年一月十四日の副都心調査特別委員会では、西巣鴨体育場等を含めて検討すると、後退してしまったのです。公共施設の再構築案では、西巣鴨体育場の施設を旧朝日中にスポーツ施設をつくって移した後に、福祉基盤整備をすることになっています。ところが、旧朝日中は、文化芸術創造都市の形成、地域再生計画が認定され、今後五年間程度は他の用途に使えないのです。今後五年間は西巣鴨体育場への建設の目処が立たなくなったのです。ということは、現在、豊島区には特養建設計画はないのであります。無責任ではありませんか。挙句の果てに、理事者は、現在でも年間百人の方が退所する、介護保険の見直しで要介護度の低い人の施設入所が制限されれば対象者が減るなどとしています。今いる人を追い出すか、死ぬのを待つということでしょうか。とんでもない話です。区長が民間を誘致するといってやってきたことが、このような事態を招いているのです。民間任せの態度を改めなければ、特別養護老人ホームはできません。介護基盤整備は区長の責任です。


 そこで質問します。特別養護老人ホームは、計画を立ててもすぐには建ちません。二、三年はかかります。待機者の実態からいえば、検討などと言っていないで、すぐに次の候補地を決めるべきです。公共施設の再構築案では、多くの区民の財産を売却、貸付けすることになっています。対象となる候補地はいくらでもあるではありませんか。直ちに候補地を決めて実行に移すべきです。区長の見解を伺います。


 次に、ホームヘルプサービスについて質問します。介護保険ではこれまで述べたように施設の問題も大変ですが、在宅福祉も、さらに大変な事態となっています。国会に介護保険制度改革関連法案が提出されました。この法案では、家事援助のヘルパーが安易に利用され高齢者の生活機能を低下させていると決め付け、介護予防の名の下に、軽度の高齢者への家事援助サービスを制限しようとしています。さらに、今年三月で、国が五年間の特例措置として行ってきた低所得者へのホームヘルプサービスの利用料減額制度が廃止されることになっています。これまで、豊島区ではホームヘルプサービス利用者負担軽減事業を実施し、現在、国の特例措置で利用料負担が六%になっている高齢者が四百四十五人、国の基準に豊島区が独自に上乗せして六%負担になっている高齢者が七十人、合わせて五百十五人が利用しています。国がこの特例措置を今年三月で中止するのに合わせて、豊島区も高齢者への負担軽減事業を中止するとしています。ホームヘルプサービス利用者にとって、大きな負担増となります。


 そこで質問します。ホームヘルプサービス利用料が一〇%になれば、負担が約二倍になるということです。さきに述べたように、高齢者への増税や、介護保険料・国民健康保険料など、負担増が進められています。その上、介護利用料が増え、払えなければサービスを減らすことになります。こんなひどい話はありません。高齢者のホームヘルプサービス利用者負担軽減事業については、引き続き継続すべきです。また、改めて区独自に利用料減免制度を創設すべきですが、いかがですか。


 来年度予算に関する最後の質問は、住宅対策の拡充についてです。


 私たちに寄せられる相談には、住宅さえ何とかなれば解決するものが多いのです。「男女の子供がいる。思春期になりそれぞれ別の部屋が欲しいが、母子家庭では家賃が高くて」「足に障害があるが、二階に住んでいる。家賃のことも考えると転居は難しい」などなど、本当に深刻です。ある夫婦は、病気療養中の長男を抱え、アパートからの立退きを迫られた結果、豊島区では住まいが見つからないと、故郷の秋田に行ってしまいました。ファミリー世帯の流出の大きな原因は、子供が成長するとともに、少しでも広くて安い住宅を求めて、近隣区や埼玉県に転出してしまうからです。また、高齢者の介護の問題でも、区は施設より在宅でと言っていますが、豊島区の住宅事情は悪く、介護を受けられるような住宅ではないので、施設入所を選ばざるを得ないのです。


 先日、南池袋三丁目福祉基盤整等備事業のオリナスふくろうの杜の施設内覧会があり、私も見てまいりました。不燃公社の賃貸住宅部分は、二LDK、二十一万四千円の家賃に、プラス共益費が必要です。一緒に見学した自民党の区議も、もう一部屋欲しい、これでは家賃が高くて払えないと言っていました。年間報酬一千万円を超える区議会議員でも二の足を踏む家賃の高さです。ほぼ同じ広さの区民住宅部分は、四人世帯、年収五百万円で、家賃が十一万円といいます。これでは、先程の母子家庭の方には全く手が届きません。また、応募は二倍の倍率だったが、中には所得が低く資格要件で失格になる人もいて、現在一つ空いているそうです。つまり、この区民住宅は区民の望むものになっていないということです。高齢者向け住宅も、家賃は補助が付いて七万円、さらに共益費がかかるのです。どれも、所得の低い区民にとっては、とても入れるものではありません。


 今、区民が望んでいるのは、安くて最低居住水準を満たす住宅、安心して入居できる公共住宅の建設です。ところが、区が税金を注ぎ込んで進めているのは、東池袋四丁目再開発に象徴されるような、大企業を応援するような施策が中心です。東池袋四丁目再開発第一地区には五百五十八戸の分譲マンションができる予定で、販売広告が毎週のように新聞に折り込まれています。広告には、住友商事、伊藤忠都市開発、東京建物、三井不動産販売など、日本を代表する大企業が名を連ねています。どう見ても区の援助などなくてもやっていけるような大企業の事業を応援するために、二百億円以上も注ぎ込む必要がどこにあるのでしょうか。これだけのお金を注ぎ込めば、区民が望む安くて良質な公共住宅がどれ程できるでしょうか。


 そこで質問します。区は、高級マンション、億ションなどの誘致ではなく、区民の求める安くて良質な公共住宅の供給に力を入れるべきです。住宅マスタープランを見ても、公営住宅で増えるのは、もともとあった都営住宅を区に移管するものばかりです。休止している福祉住宅の新規建設など、区立住宅を増やすことについて答弁を求めます。また、区民住宅は、今回からフラット型家賃になり、当初家賃が大変高くなっているのです。ファミリー世帯が住み続けるための区民住宅ですから、家賃をもっと下げるべきです。また、合わせて、収入の低い人でも入れるよう所得基準を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、安心住まい提供事業について質問します。この制度は、立退きや老朽化で住宅に困っている高齢者、障害者、一人親世帯のための住宅を提供する豊島区独自の制度です。現在の待機者は、世帯用が六軒、単身用が十五軒で、特に世帯用は空くことが少なく、なかなか入れません。世帯用の待機者の中には、立退きの期限が過ぎているのに、物件がなくて入れない人もいる状態です。これでは、制度があってもないのと同じ、役に立たないということです。現実に入れなければ、最悪の場合、ホームレスになってしまうではありませんか。


 そこで質問します。本当に困った区民の生活を守るのが自治体の仕事です。すぐに安心住まい提供事業の住宅を新規確保すべきです。答弁ください。


 大きな第三の質問、障害者施策について伺います。


 昨年十月、厚生労働省は、「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」を出しました。全体の基調は財政抑制政策が貫かれ、多くの問題を持つものとなっています。これを受けて今国会に提案された障害者自立支援給付法案には、障害者が福祉サービスを利用する際の一割負担とか、公費負担の医療費の見直しで、精神障害者の通院医療や障害者の更正医療、育成医療への定率負担導入が盛り込まれています。例えば、ホームヘルプサービスに関しては、現在、住民税非課税の人まで無料で、九五%の人が負担はありませんが、二〇〇六年一月から一割負担となります。厚生労働省の資料でも、現行利用者負担の平均が月千円のものが約四千円に跳ね上がります。通所施設でも、九五%の人が無料でしたが、食費の負担が加わる上に一割負担となります。障害者の更正医療、育成医療は、現在・住民税非課税の人は無料ですが、この改悪で、月二千五百円から五千円の医療費負担となり、食費負担も求められます。現行平均月千円のものが一万九千円にもなります。経過措置をしたり、所得に応じて負担の上限を設けるなどとしていますが、大幅な負担増になることは間違いありません。これには障害者から、収入の少ない障害者も多く過大な負担になる、生活できない、死活問題だと批判の声が出されています。二〇〇〇年の社会福祉法改正で、政府は、自分でサービスを選択できる、利用者本位の社会保障制度を確立する、利用者の所得に応じて利用料を取るので大幅な負担増にはならないとして、所得水準に応じた応能負担という考え方で障害者支援費制度を導入しました。二〇〇三年度は百億円以上、二〇〇四年度は二百五十億円以上の予算不足を来しました。足りない分は予算計上すべきなのに、応能から応益にする障害者自立支援給付法案をつくって、障害者が利用すれば自己負担が増え、その痛みで給付を減らす、こういう政府の考え方に大きな問題があるのです。


 そこで質問します。政府は、二〇〇〇年に、利用者の所得に応じて利用料を取るので大幅な負担増にはならないと支援費制度を始めたのに、僅か五年で約束を破ったのです。応益負担に変えるということは、障害が重い人ほど負担が増えるのです。区長として、障害者の生活を守る立場から、障害者の自己負担増にきっぱり反対を表明し、国に要望書を提出すべきですが、いかがでしょうか。答弁ください。


 障害者施策の第二に、精神障害者施策について伺います。行革プラン二〇〇四では、精神障害者共同作業所への助成を削減します。具体的には、施設借上費の支給割合を段階的に削減し、五年間で二五%、四分の一も削減するということで、作業所の方は、施設の運営ができず、縮小しなければならなくなると言っていました。私も作業所を見てきました。ビルやアパートの一室を借りて、十人から十五人程の人が作業を行っており、もっと広いところに移りたいが家賃が高くて移れないと言っていました。豊島区には、区立の精神障害者通所授産施設はありません。区内に公立の施設がない下で、家族や関係者が精神障害者の社会復帰、授産施設として共同作業所をつくり上げ、先駆的な活動をしてきたのです。


 そこで質問します。豊島区において、このような民間共同作業所が果たしてきた役割、これからの重要性について、どのように認識していますか、これからも必要な施設と認めているのかどうか、お尋ねいたします。また、精神障害を持つ人が社会復帰をし地域で暮らしていくためには、共同作業所の補助金を削るのではなく、増額・充実すべきです。明快な答弁を求めます。


 三つ目に、保健所、健康相談所について質問します。二〇〇五年度は、組織改正に伴って、長崎健康相談所の結核や検診業務が池袋保健所に統合され、検査技師が削減されます。さらに、長崎健康相談所、池袋保健所とも、今後は精神障害者のデイケア専門の保健師は置かない体制になるとのことです。保健所の保健師は、母子保健、高齢者保健、栄養指導や精神障害者施策で大変重要です。ところが、行財政改革プラン二〇〇四では、職員を減らす、人件費を減らすとして、二年間、新規職員採用を停止することになっていて、長崎健康相談所では、現在、退職した保健師の補充をせず欠員となっています。これまで、精神障害者の対応については、デイケア専門の保健師が二名、心理職一名の体制と、それにそれぞれ地区担当の保健師で行ってきたのを、今後は地区活動に力を入れるとして、地区担当の保健師が分担する一つの事業としてデイケアを進めていくとしています。


 長崎こころまつりは、心に障害を持つ人の社会参加を進め、地域交流の場とするため、当時の長崎保健所のデイケアが中心になって、共同作業所や地域の人と実行委員会をつくって実施されてきました。二〇〇三年度まで九回行われてきましたが、二〇〇四年度はできなくなりそうです。長崎健康相談所の職員が減って、企画運営の事務局機能を果たせなくなったのです。現在、長崎健康相談所の所長は、池袋保健所の健康推進課長が兼務しています。長崎保健所だったときには、所長もいる、健康推進課長もいるという状況でした。そういう人たちがいなくなった上に、保健師など専門家も減らされ、事業を縮小せざるを得なくなっているのです。


 最近、精神障害が大変増えています。特にバブル崩壊以降、企業や自治体のコスト削減、リストラが深刻化し、長時間過密労働を強いられていることがうつ病増加の大きな要因といわれています。本当に生きにくい世の中になったものです。私もよく統合失調症やうつ病の患者の家族から相談を受けますが、日常生活や就職の心配、周囲の偏見、差別など、家族の悩みはとても深く、本当に力になれる体制が必要です。通院はしていても、共同作業所や医療機関のデイケアに行っていない人も多く、こういう人が地域で住み暮らしていくためには、保健所が専門機関としてデイケアや地区活動の両方で支えることがとても大切です。また、二〇〇四年九月に、国は、「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を発表し、精神障害を持つ人が地域で暮らしやすい状況をつくること、十年後には社会的入院を解消するとともに、国民が精神障害を受容できる状況を目指して数値目標も決めました。この目標実現にはさらなる地域との連携が不可欠です。保健所や健康相談所が、民間作業所、授産施設などと連携して、退院する障害者をバックアップしていくことが求められているのです。


 そこで質問します。長崎健康相談所について、保健師などの人減らしで、さらに機能を縮小することは許されません。職員、特に専門職である保健師を採用し、保健所デイケアも地区活動も機能を拡充すること、長崎こころまつりも健康相談所が中心となって開催すべきと考えますが、答弁願います。


 四つ目は、目白、駒込の心身障害者施設に関する問題です。指定管理者制度を、駒込福祉作業所・生活実習所には二〇〇六年度から、心身障害者福祉センターと目白福祉作業所・生活実習所には二〇〇七年度から導入するとしています。利用者の中から指定管理者になることについて心配する声が出ています。一番大きいのが、導入時に職員が入れ替わること。これまでどおり、障害者一人一人の状況を把握し、適切に対応してもらえるのかということです。同時に、長期間にわたって継続して事業ができる法人がいるのか不安です。また、公平に利用できるのか、利用料など自己負担は増えないのか、行事の水準が下がらないのか、苦情や相談はどうするのかも心配です。第一種社会福祉事業は、自治体か社会福祉法人しか行えないことになっていますが、それを守るのかどうか、区はどの程度財政支援をしていくのか、そういうことがサービスの質に関わってきます。


 今、区直営でやっているものをわざわざ指定管理者にするのは、財政効果を上げることが一番の目的であることは明らかです。豊島区は、この間、指定管理者制度導入について、これまでと変わらない、民間のノウハウを使い、サービスがよくなる、財政効果もあると言います。我が党は、民間に任せ経費を安くすることは、結局、人件費を削り、利用者へのしわ寄せになると指摘してきました。指定管理者制度には基本的に反対で、ましてや福祉施設は儲からない施設ですからなおさらです。また、施設利用者には、財政難を理由に、福祉作業所・生活実習所で現在一泊二日で行われている宿泊訓練を二〇〇六年度からなくすと説明されたそうです。宿泊訓練は、利用者や家族から、大変有意義な事業なので、ぜひ二泊三日にしてほしいと、拡充する要求が出ていたはずです。これでは、指定管理者にすると同時に、よくなるどころか悪くなるのではありませんか。さらに、行財政改革プラン二〇〇四では、民間心身障害者通所施設について、補助金を削減することになっています。区立にしても民間にしても、どちらも切り下げることになります。これでは、利用者にしわ寄せがいき、弱い者が犠牲になります。こんなひどい話はありません。


 そこで質問します。現在、区立福祉作業所・生活実習所で行っている宿泊訓練の存続と拡充を強く求めます。また、障害者施設への指定管理者制度導入は撤回すべきです。合わせて、民間心身障害者通所施設運営補助を削減することも撤回してください。明快な答弁を求めます。


 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


      〔高野之夫区長登壇〕


○区長(高野之夫) ただいまの小林ひろみ議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。


 まず、憲法を区政の根本に据えることについてお答え申し上げます。


 一点目の憲法の平和原則と基本的人権を守り生きる権利を保障する立場とを区政の全分野に貫徹すべきとのご質問についてでございますが、改めて申し上げるまでもなく、区政運営の基本原則は憲法であります。私は今後も、憲法の平和原則と基本的人権の遵守を基本として、職員と共に全力で職責を果たしてまいりたいと思っております。


 次に、第二点目の憲法のつどいを再開し、非核平和のつどいを拡充すべきとのご質問にお答えいたします。


 今回の非核平和のつどいの休止は、単に財政上の理由によるものではなく、不特定多数の方々に対する講演会という従来型の実施形態の実効性について検討した結果でございます。著名人に高額な講師謝礼を支払って一方通行になりがちな講演会形式の事業を行うよりも、地域やボランティアの方々のご参加をいただきまして、小中学生などを対象に実施する手づくりの企画の方が有意義ではないかとの考え方に基づくものでございます。現在、教育委員会と区長部局の間で協議を進めておりますが、三月には、そのモデルケースとして、日本映画俳優協会のご協力による平和教育に関連する読み聞かせを区立小学校で実施する予定であります。今後も、多くの方々が主体的に参画する、より地域に根差した事業内容となるよう、憲法並びに平和関連事業を進めてまいりたいと存じます。


 次に、十七年度予算についてのご質問にお答えいたします。


 まず、子育て支援の充実についてのご質問にお答えいたします。


 子供の医療費無料制度の拡充につきましては、子育ての経済的な負担の軽減を図る有効な施策であることは十分に認識しております。乳幼児医療費助成に関わる施策の拡大につきましては、十六及び十七年度予算で取り組む区が既に三分の一を超える状況となっております。十八年度以降も、さらに制度拡充を図る区が増えると予想されます。しかしながら、本区におきましては、財政健全化に確かな見通しが立つまでは、実施は困難であると考えております。


 次に、保育園の充実についてのご質問にお答えいたします。


 まず、区立保育所の民営化計画は、限られた財源を効果的に配分して、公私協働による保育施策を推進することで、本区の保育施策全体を充実させていくという観点から進めていきます。現在の区の財政状況や保育需要の多様化、在宅の子育て家庭に対する支援の充実等、子育て支援施策の充実が強く要望されていることから、民営化計画も着実に推進していく必要があるものと考えております。また、南池袋保育園につきましても、事業者の辞退等の混乱はございましたが、施設も完成し、事業者も決まり、平成十八年四月には計画どおり民間保育所に移行できる態勢が整ったところでございます。


 また、区立保育所の民営化・委託化に関する区民の皆様への説明につきましては、広報やホームページでの周知や意見聴取のほかに、一般区民の方には昨年末に三回、また対象保育園の保護者には一月に、順次ご説明してご理解を得るように努力してまいりました。説明会における全体的な印象でございますけど、感情的な反対意見は少なく、概ね計画の趣旨にはご理解をいただいた上で、引継ぎの方法や民営化後の保育内容、また民営化により節減した経費の使い道等に関心が集中し、充実した意見交換の機会を得ることができたと考えております。今後は、より具体化した計画で、きめ細かく説明会を実施いたしまして、計画を円滑に進めていきたいと考えております。


 次に、認可保育園の増設についてのご質問にお答えいたします。本区の待機児の状況は、ここ数年低い水準で推移しておりまして、平成十六年四月の段階では十五人、二十三区の中では二番目に低い水準になっております。また、乳幼児人口の推移を見ましても、平成六年頃からほぼ横這いに推移しておりまして、この水準はしばらく続くものと考えております。さらに、保育所は地域的な利用が中心になることから、認可保育所を特定の地域に整備しても待機児解消を効果的に行うことは難しく、現時点では、認可保育所を増設していく状況にはないものと認識しております。


 次に、待機児を解消する具体策についてのご質問にお答えいたします。本区における待機児の状況は、さきにも述べましたとおり、二十三区の中では比較的低い水準で推移しておりますが、年度後半には二百人弱に拡大していくことから、保育施策の中心課題であることは認識しております。したがいまして、これまで実施してまいりました定員調整や受託児童の制限、入所予約制度などを継続していくとともに、中長期的には、施設の改修時には定員拡大が可能な余裕スペースを整備していく計画でございます。特に、民営化計画の施設改修と連携して、施設面積の拡大を図っていきたいと考えておりますが、当面、施設を新設する南池袋保育園、雑司が谷保育園の民営化に当たっては、面積を拡大して、定員の拡大できる条件を整備していく計画であります。また、ここ数年の待機児数の動向等を見ますと、待機児の解消策は、必ずしも保育所の定員拡大だけではなく、子育て支援のための多様なサービス展開が効果的であることも窺われますことから、子育てひろばの開設に連動して、一時保育事業の充実等も検討していく計画にしております。


 次に、高齢者施策についてのご質問にお答えいたします。


 特別養護老人ホームの建設候補地を決め実行すべきについてお答えいたします。現在の待機者の状況を勘案し、また第二期東京都介護保険事業支援計画の整備目標値を達成するためにも、私としては、百床程度の特養ホームをさらに一カ所誘致しなければならないと考えております。しかしながら、介護保険制度の大幅な改正の中、今後の国や都の補助金の見通しについては非常に不透明であります。こうした状況の下で、一旦計画を実行に移しますと、国や都の補助金が削減された分を区が補填することにもなりかねません。現下の財政状況では、これに対応し切れず、計画が頓挫することも懸念されるわけであります。また、介護保険制度の改正により、居住費用や食費が保険給付対象外になることによって、利用者の入所志向にも当然変化が生じるものと考えております。したがいまして、こうした状況を十分に見極める必要がありますので、すぐに次の候補地を決め実行すべきとのご提案でございますが、今は慎重に検討すべき時期ではないかと考えております。なお、建設対象となる候補地はいくらでもあるとのご意見ですが、そのような用地はございません。また、癌研跡地の代替地として西巣鴨体育場を候補地としてございますが、他に適地がないかについても検討してまいりたいと思います。


 次に、障害者施策についてお答えをいたします。


 まず、障害者の自己負担増に反対表明し、国に要望書を提出すべきとのご質問にお答えいたします。


 昨年十月、厚生労働省は、試案である「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」を出しました。これを受けて障害者自立支援法案をまとめ、現在、国会で審議中でございますが、一割負担の導入については、法案に明文の規定があります。しかし、政令に委任している部分も多々ございまして、今後の国の動向を踏まえ対処してまいりたいと考えておりますが、現時点では、要望書を提出する考えはありません。


 なお、その他の質問につきましては、助役から答弁申し上げます。


      〔水島正彦助役登壇〕


○助役(水島正彦) まず、ホームヘルプサービスについてのご質問にお答えいたします。


 利用者負担軽減事業の継続についてのご質問にお答えいたします。現行の高齢者対象のホームヘルプサービスの利用者負担軽減事業は、国の特別対策を踏まえ、平成十二年度以前から既にサービスを利用されていた低所得の方々に限って、制度創設に伴う利用者負担の激変緩和措置として、五年間の経過措置期間に実施してきた事業であります。そのため、当初の利用者負担割合を三%から段階的に上げ、五年後の十七年度には本来負担すべき一〇%とすることは、導入時から予定していた措置でございます。このことは、国の特別対策に上乗せして実施してきた区独自部分についても同様の考え方であります。したがいまして、高齢者の利用者負担軽減事業の継続につきましては、国の特別対策が五年間の経過措置期間の終了により本年度で終了することや、制度施行後に原則どおり一〇%の負担をしているホームヘルプサービス利用者との公平性の課題があること、及び新たに生じる財政負担から、困難であります。しかしながら、平成十七年度については、この事業の利用者のうち特に生計が困難な状況にある方々に対しまして、東京都制度に基づく利用者負担額軽減措置事業による軽減措置が受けられるよう、十分周知してまいりたいと存じます。


 次に、区独自の利用料減免制度の創設についてのご質問につきましては、新たな財政負担や事務処理システムの構築などの理由から、区独自の制度の創設は困難であります。ご理解いただきたいと思います。


 次に、住宅対策についてのご質問にお答えいたします。


 まず、福祉住宅などの区立住宅の増設についてお答えいたします。区の高齢者世帯一千世帯当たりの福祉住宅の管理戸数は、平成十四年度末で十戸を超え、二十三区の平均を三ポイント程上回っております。また、これに安心住まい提供事業の管理戸数を加えますと、二十三区においてもかなりの高水準にあるものと考えております。住宅マスタープランでお示ししておりますように、今後の福祉住宅などの供給につきましては、現在の事業規模の維持を基本に、ミックストコミュニティの観点から、区営池袋本町二丁目住宅など、老朽住宅の建替えに合わせて進めてまいりたいと存じております。


 次に、区民住宅の家賃の値下げと所得基準の見直しについてのご質問にお答えいたします。区内には、二十平米程度で八万円というワンルーム物件も多くございます。十万円から高くても十五万円程度で六十平米を超える住宅を供給している現在の区民住宅の賃料は、市場に比べ十分に廉価であり、妥当であると考えております。また、所得基準を見直すことについてでありますが、この制度は、中堅所得者層を対象にしており、その所得基準は国が定めております。したがいまして、所得基準を見直すことは、制度そのものの根幹を揺るがし、国の補助制度の適用外となって、運営に要する経費の全額を区が負担することになるため、現実的には難しいものと考えております。


 次に、安心住まい提供事業についてお答えいたします。ご指摘のとおり、この制度は、豊島区独自のもので、全額一般財源で運営しております。現在の区の財政状況では、現状維持が精一杯でございまして、今後は限られた予算の中で、老朽物件の解約を進めながら、需要の多い一階や世帯用の物件の確保を図りまして、利用者の要望に応えられるよう努力してまいります。


 次に、精神障害者施策についてのご質問にお答えいたします。


 精神に障害のある方々のための社会復帰施設には、精神保健福祉法に基づく通所授産施設等のほか、法外施設である共同作業所がございます。今回、行財政改革プラン二〇〇四で削減させていただくのは、共同作業所に対する補助金のうち、東京都の定める補助金に豊島区が上乗せしております、いわゆる区単独補助金の一部を対象としております。具体的には、施設借上費を五年間の激変緩和措置を取り入れつつ、最終的には二五%削減させていただくものでございます。ご質問にございます精神障害者の社会復帰施策における共同作業所の果たしてきた役割の重要性は十分認識しておりますとともに、今後ともその役割は変わらないものと考えております。また、現下の財政状況では直ちに区単独補助金を増額させることは困難であると考えておりますが、昨年度、一カ所の共同作業所が法内施設であります小規模授産施設に移行しまして、経営の基盤を強化した例もございますので、今後とも法人化や法内施設化への支援等を行ってまいりたいと考えております。


 次に、長崎健康相談所の保健師の採用についてのご質問にお答えいたします。


 区は、平成十四年四月の組織改正によりまして、池袋保健所と長崎保健所を統合し、保健所を池袋保健所一カ所にするとともに、長崎健康相談所を設置いたしました。この度、新たな感染症の出現等による健康危機管理対策の推進や結核予防法の一部改正に伴いまして、保健所の役割を明確にしていく必要があり、平成十七年四月に、長崎健康相談所から健康推進課に保健所機能を集中化して強化するものでございます。そのために、結核・感染症に対する様々な業務を健康推進課へ移管し、それに伴い保健師を含めた職員数の見直しを行ったものでございまして、新たな保健師の採用は考えておりません。


 次に、保健所デイケアと地区活動の拡充についてお答えいたします。


 現在、精神保健医療福祉施策は、入院医療中心から地域生活中心へと転換しております。このため、本区は、保健所デイケアを初めとして、精神障害者の地域生活を継続するための総合的な体制づくりを進めております。保健所デイケアが開設された当初に比べまして、精神障害者社会復帰施設が増加し、ホームヘルプサービス事業も開始され、施策は充実してきたものと考えております。しかし、まだ保健所デイケアや社会復帰施設に通所することに至っていない精神障害者も多数いらっしゃいます。このような観点から、次年度に向けまして保健所デイケアの役割の見直しを行いまして、それに伴いまして保健師による家庭訪問等の地区活動の拡充を行ったものでございます。今後とも限られた人的資源を有効に活用しまして、保健師としての役割が十分発揮できる体制づくりに努めてまいります。


 次に、長崎こころまつりにつきましては、ながさき・ゆめの木プランの一環の事業でございます。今年度、高齢者を対象にした「星に願いを」など、他の事業は実施されましたけれども、長崎こころまつりは、担当職員の病気休暇等のため、残念ながら実施を断念いたしました。現在、次年度に向けましてながさき・ゆめの木プランの実行委員会を既に立ち上げておりますので、来年度は実施される予定でございます。


 次に、目白、駒込の心身障害者施設に関する問題についてお答え申し上げます。


 まず、宿泊訓練の存続と拡充についてお答えいたします。宿泊訓練につきましては、厳しい財政状況から、宿泊場所を近場に変更するなどの見直しを行いましたけれども、来年度も一泊二日で存続いたします。また、二泊三日に拡充してほしいとの要望は承知しておりますが、車椅子の方、あるいは自閉症の方など、利用者個々の状況が異なることを十分考慮いたしますと、利用者に過度の負担をかけないように実施することも必要でございます。したがいまして、慎重に対処すべきものと考えております。


 次に、障害者施設への指定管理者制度導入は撤回すべきとのご質問にお答えいたします。十八年度からの指定管理者制度導入に当たり、障害者団体や施設利用の皆様と既に意見交換をしてまいりました。そうした中で、導入時に職員が入れ替わることの不安や、利用者の状況を適切に把握し十分な対応を行うことができるかどうかなどの課題が出されております。しかし、指定管理者制度を導入することによりまして、従前から問題になっておりました同性介護の解消の問題ですとか、あるいは利用時間の延長などを実施することも可能となりまして、むしろ改善される面も多々あると考えてございます。加えまして、利用者や家族の不安に対してどう対応してまいるのか検討を進めていますので、現時点では、撤回する考えはございません。


 次に、民間心身障害者通所施設運営補助削減も撤回すべきとのご質問についてでございます。現在、区では、四つの施設に助成をしております。四施設の運営主体は、社会福祉法人の運営が三カ所、障害者団体が一カ所となっております。このうち社会福祉法人については、この施設以外にも様々な施設を運営しており、財政的にも比較的安定しているのではないかと思われます。しかし、障害者団体については、財政面では極めて苦しい状況にございます。したがいまして、今回の削減は、運営費の一部である会場借上料で一・一%の削減を行ったところでございますが、当該団体に説明し、ご理解をいただいたところでございます。なお、財政的に厳しい団体については、削減をしないということで、一定の配慮はしてございます。


 以上をもちまして、小林ひろみ議員のご質問に対する答弁を終わります。


○副議長(泉谷つよし) 本日の一般質問を終わります。


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○副議長(泉谷つよし) 以上で本日の日程全部を終了いたしました。


 本日はこれをもって散会といたします。


    午後五時五十分散会